★ 三題噺やりませんか? 2 ★

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1露夢之介
新スレでございます。
いままで、読むばかりでしたが、これからは参加したい!
という意気込みで名前もつけて、僭越ながら新スレも立ててしまいました。
よろしく。

名作が読める旧スレはこちら↓↓↓
http://ton.2ch.net/test/read.cgi/rakugo/1003505184/l50
2重要無名文化財:02/04/19 18:56
>>1
ご苦労様。主催者氏が来たら驚くかもね。
とりあえず、第十七回のお題とりの最中みたいだから、
その辺の事も書いたら?規定とか。
3露夢之介:02/04/19 23:19
主催者様の御言葉
>三題噺作家さんはコテハンで書くか、「その1・その2」などで自分の作品だと
>区別できるように(横レスが入っても分かるように)して下さい。
>作品がある程度集まったら、秀逸作品を選んだり批評したりしましょう。
>そして、次のお題集めとしますか。
>作家さんは、自分の演題のタイトルをどこかに書いて下さい。
>(後で募集しても構いません)

>私としては、どこかの落研の人や本職の芸人さんがネタとして使用願いを出す
>ぐらいのレベルの作品が出る事を願っています。
4露夢之介:02/04/19 23:21
主催者様の御言葉2
>私としては、上のほうで述べた通りに、本格的な三題噺が
>参加者で繰り広げられるのが希望なので、ここは形式は
>落語オンリーでいきましょう。お笑い板では自由度が高いみたいなので、
>こちらは形式を整えることで、住み分けたいと思います。

>読んだ感想も、遅レス大歓迎ですから(作者も喜ぶと思うので)お願いします。
5露夢之介:02/04/19 23:25
19日2時ごろの主催者様の書き込み
>それでは、第十七回へと参りましょう。
>お題取りをただいまより行います。
>例によって一レスにつき一単語でお願いします。
>明日の夜半くらいまで募集いたしますので、よろしくお願いします。
6重要無名文化財:02/04/19 23:26
宿替え
7重要無名文化財:02/04/19 23:29
根津神社

があがってました
8重要無名文化財:02/04/19 23:34
再出発
9重要無名文化財:02/04/19 23:45
出世魚
10重要無名文化財:02/04/20 00:37
いちおう、作品を書くときのルールなんですが、

1.お題が使われたところで、わざとらしく「パチパチパチ」と入れる
2.作品の終わりは「ドンドン」と書く(書き込みの混線を防ぐため)

前スレを読めばわかると思いますが念のため。
11主催者:02/04/20 00:42
何と、もう前スレッドは一杯になってしまいましたか。
いささか驚いています、皆様のおかげでございます、ありがとうございます。
しかも、新スレッドまで作っていただいているなんて。
いい読者といい作家に恵まれた事に感謝いたします。
露夢之介さん、本当にありがとうございます。

さて、「主催者様のお言葉」という大仰な事になっていますが
その書き込みをした当時とは若干現状は違っているようにも思いますので、
改めて規定を述べさせていただきます(せっかく書き込んで下さったのにすみません)。

まず、
・お題取り→お題決定→作品募集・感想など→主催者感想→次の回へ
というのが大体の流れです。一週間間隔でサイクルしていますが、あまりに
募集が早かったり、参加者の少ない場合は伸び縮みいたします。
作家の方はコテハンでお願いしていますが、恥ずかしくて匿名で書きたい方も
いらっしゃると思いますので、「なるべくコテハンで」としておきます。
そして、このスレッドの最大目標は、
「どこかの落研の人や本職の芸人さんがネタとして使用願いを出す
ぐらいのレベルの作品が出る事」と勝手に私は思っています。
もちろん初心者の方の作品も大歓迎です。

長くなりそうなので分けますね。
12主催者:02/04/20 00:56
形式の事を書こうと思ったら、>>10の方が書いてくださって
いましたので、引用させていただきます。

1.お題が使われたところで、わざとらしく「パチパチパチ」と入れる
2.作品の終わりは「ドンドン」と書く(書き込みの混線を防ぐため)

これに付け加えて、題名はあってもなくても構いません。
個人的に思い入れのある方はお付けください。それ以外は、私が
感想を書く際に(仮)として付けさせていただきます。
もちろん「この噺は『○○○』という題名がいいのでは』というご意見が
作家の方や読者の方からあれば、協議の上で決定します。
あとは、「落語の形式で」ということをお願いしておきます。
漫才や劇、小説や詩の類の三題噺とは「本格的な落語の三題噺」という
趣旨とは外れてきますので何卒ご理解よろしくお願い致します。
これより後は、皆様の創意工夫の産物ですから、自由に書いてくだされば
結構です。バレ噺(艶噺)も構いませんが、度を越えたものはご勘弁願います。

お題取りですが、一レスに付き一単語でお願いしています。
そうでないと、いい御題があっても明らかに同じ人の書き込みからは選ぼうにも
選びにくいからです。

なお、感想は遅レスでも構いません。いつでも書き込んでください。
作家の方々が喜びます。また、五回ごとに「感想日」を設けています。
総集編ではありませんが、五回分のリストをアップしますので、
普段感想を書かない方も、これを機会に書いてみてくださいね。

最後に、常連の方々、いつもありがとうございます。
これからも末永くよろしくお願いします。

では、お題取りの続きをどうぞ。現在第十七回のお題を
募集しています。
13重要無名文化財:02/04/20 01:09
上方
14重要無名文化財:02/04/20 01:29
テキスト
15重要無名文化財:02/04/20 01:30
六代目
16重要無名文化財:02/04/20 01:32
素人
17重要無名文化財:02/04/20 01:36
すし屋
18主催者:02/04/20 02:02
それでは第十七回お題の発表です。
「再出発」「テキスト」「素人」の三題です。
「根津神社」はごめんなさい、選びたくて選べなかった次点です。
ちょっと広がりがないのも困りますし。
「出世魚」「上方」なども候補でした。

それではたくさんの作品、お待ちしています。
19湖亭半弗:02/04/23 00:55
今回の作品が考え付いてないんですが、一応の報告です。
「三人家斉(改訂版)」を三笑亭夢丸師匠の「新江戸噺募集」に応募した
と書きましたが、ものの見事に落選致しました。
夢丸師匠は、私がTEL番号を記入し忘れていたので、葉書(自筆)で
知らせてくださりました。ありがとうございました。そして、
江戸落語の高い高い壁を改めて思い知りました。うーん、残念。
こんなところで売り込みもないですが、お蔵入りするのは惜しいので
興味を持たれた本職の方はこちらまで(W

はた迷惑な書き込みですみません。三題噺、精進いたします。

20重要無名文化財:02/04/23 22:43
残念でしたね。あなたは伝統芸能板の期待の星ですから
頑張ってください。
21重要無芸文化財:02/04/24 05:59
 しばらく休んでおりましたが、復帰いたします。で、スレッドも新しくなったし、ちょいと新しい
芸風にチャレンジです。

 文化文政の頃でございますが、江戸を荒らし回った迅風の慎吉と申す盗賊一味がございました。
 そのうち、奉行所、火盗改めの詮議も厳しく、あいなりまして、そろそろ潮時かと江戸を売ることに
いたします。しばらくは上方でお勤めと、一味の者たちは旅商人、行者、浪人者とそれぞれに身をやつし、
板橋の宿から中仙道、品川の宿から東海道と、三々五々、道中をかけます。

 中に一組、方向違いの千住の宿に向かう男女連れがございます。千蔵と情婦のお峰と申します。
金町の新宿で佐倉街道と別れ水戸街道に入り、江戸川に沿って、小向の渡しへと向かいます。

お峰:おとっつぁん
千蔵:おい、もう、おとっつぁんはねえだろ。
お峰:そうだね、おまいさん。
千蔵:まあ、俺はこのように若白髪。3日も寝不足だと二十歳は老けて見える。
お峰:今は、十くらいよ。
千蔵:よしねぇ。なのにお前は、もう練馬かってくせに。
お峰:なによ。その練馬って。
千蔵:もう、としまも通り過ぎた。
お峰:ひどいこと、言うんじゃないよ。
千蔵:なのに、おぼこい顔で、娘にしか見えねえ。
お峰:だから、お勤めが出来たんじゃないのさぁ。
千蔵:違ぇねぇ。目を付けた大店に、お前を連れて現れる。
   私は烏山城下で紙間屋を商う、常磐屋甚右衛門と申し、この度は、私どもの品物を、まずは見て
   いただきたいと、こちらに参りました。
   あ。これなるは一人娘のお峰でございます。いずれは、婿を取らせて跡継ぎと考えておりますが、
   この度は商いの勉強にと同道させてございます。
お峰:で、2・3日して、また、その店に現れる。
千蔵:急な用事で国元に一時帰ることにいたしました。その間、娘をどうしたものか。
   一人で宿に置くのも心配で、急ぎ旅に連れて行くのも・・・・
お峰:大店ともなれば、そろそろ暖簾分けをしなくちゃって奉公人もいる。
   あわよくば、婿に入れてしまえば、暖簾分けの金も要らないと。・・・・
千蔵:そこで、じゃあ、手前どもでお預かりいたしますってことになる。
お峰:私は、店の中で、我こそは色男と思ってるようなのを見つけるのさ。
千蔵:やがて、おいらが戻って来て、お前を連れて帰る。
お峰:それで、こっそりと、今日でおいとまでございますが、ひとつ心残りがございます。
   皆まで言わせず、今晩、裏木戸の戸締まりをお忘れ願いとう存じます。
千蔵:ところが、その夜に忍んで来るのぁ、お前じゃなくって、お頭たちって寸法よ。
22重要無芸文化財:02/04/24 06:00
お峰:でもさ、お頭は、なぜ、私たちを、江戸の近くに残すのさ。
千蔵:仲間内には、役人どもの動静をさぐるってぇことだが、実んところ、俺達を一味から抜けさせて
   おくれなすったってことよ
お峰:そうさね、おまいさんは、成り行きで一味に入ったけどさ、この稼業にゃ向いちゃあいない。
千蔵:違ぇねぇ。威し文句のひとつも言えねぇんだから。
お峰:お頭が店の主人を威している横で、店の連中に、てめぇもなーと繰り返すのが精一杯。
千蔵:ついた名前がモナーの千蔵よ。
   待て。何か聞こえねえか。

と、言うより、着物を脱ぎ捨て、江戸川に飛び込みます。

千蔵:てえへんだ。お峰。箱に入った赤ん坊が流されて来た。
お峰:あら。非道い親もあるもんだ。
千蔵:わざと流したもんでもあるまいよ。
お峰:そうだわねぇ。親子は一世、夫婦は二世。親子はこの世だけの縁というけれどねぇ。
   親となり子と産まれるってのも、よほど深い縁。簡単に捨てたりはしないよねぇ。
千蔵:急な増水で流されたに違ぇねぇ。さぞ、親御さんが探していることだろう。
お峰:手がかりはないのかい。
千蔵:着物だけだ。でも、粗末な着物だぁな。
お峰:それに痩せて、いい暮らし向きじゃなかったのよねぇ。
千蔵:手がかりっても何もねぇ。名前も知れん。上流は利根川、板東太郎。やたら広くてどこから
   流されて来たかもわかりはしめぇ。
お峰:ねえ、おまいさん。
千蔵:何だ
お峰:この子、私たちの子にしようよ。
千蔵:え。
お峰:あたいたちが再出発して、新しい暮らしをしよって時に巡り会ったのも何かの縁だよ。「パチパチ」
千蔵:縁かぁ
お峰:お頭は、盗みはすれども非道をせずって言ってもさ、やっぱり、盗人に入られたってことで、
   ひどいことになった人も多いに違いないよ。罪滅ぼしってわけじゃあ、ないけどもさ、一生に
   一度くらい、人のためになってみたいのよ。
23重要無芸文化財:02/04/24 06:01
 と、この子はしぃ吉と名付けられます。3人は、かねての頭の手配どおりに、江戸から半日のところ、
松戸宿の納屋河岸近くに落ち着きます。
 目立たぬようにひっそりと暮らす手筈ではありましたが、しぃ吉のために貰い乳もしないといけない。
それには近所の付き合いもいる。何をして暮らしているのか、その言い訳に店を開きます。
 目立って足がついちゃいけないと、暮らしぶりは堅実。近所付き合いの手前、よく働きます。
盗人稼業上がりですので、よく気がつきます。何より、分け前はたっぷり貰っており、お金はございます
から、あこぎな商売はいたしません。良心的と評判が立ち、おおいに繁盛いたします。

千蔵:今月の稼ぎはどうだ。
お峰:そうね。結構あるわよ。この3年の稼ぎを合わせると、もう分け前よりも多いくらいよ。
   あんたは盗人には適してないけど、商売に適すとは知らなかった。「パチパチ」
千蔵:適すと・・・は苦しいな。適してるとだろう。
お峰:まあ、いいとしようよ。素人商売がうまく回るのも、しぃ坊のおかげだよね。「パチパチ」
24重要無芸文化財:02/04/24 06:02
 そんなある日、一人で店番をしていた千蔵に声をかけた侍がございます。

武家:モナーの千蔵じゃな。
千蔵:え、その名をご存知とは。
武家:火付け盗賊改め、中村播磨である。雨蔵一味は、ことごとく捉えられた。厳しき吟味により、
   お前のことも露見しておる。
千蔵:はぁ、ありがとう存じます。
武家:ありがとうとは、どういう訳じゃ。
千蔵:は、いつ追っ手にと心配で、この三年、ゆっくり寝てもおられません。
武家:天網恢々疎にして漏らさず、ばれぬ筈はない。
千蔵:これで、ゆっくり寝られます。どうぞ、お縄を。
武家:よい心掛けじゃ。で、お峰はどこにおる。
千蔵:え、お峰も。
武家:当たり前じゃ、おくみの働きも存じておる。夫婦は同罪じゃ。
千蔵:分け前はお返し申します。どうぞ、お峰は。
武家:ならぬ
千蔵:私たちは、どうなるので、ございましょう。
武家:まあ、分け前を返せば、死罪にはせぬ。罪一等を減じ遠島じゃ。心掛け次第では帰って来られる。
   こら、いまさら泣いても遅いわ。
千蔵:いえ、泣いているのは、しぃ坊が不憫で。産まれて親にはぐれ、また親と生き別れ。
   死に別れも辛ぅございますが、どうしてもあきらめのつかぬのが生き別れ。それが、幼いうちに
   二度も親と生き別れとは。
武家:しい坊とは、その方らの子じゃな。産まれて親とはぐれとは、どういう訳じゃ。
千蔵:実は拾い子でございます。ひとのため、と思っても、結局は、かえって酷い目にあわせることに
   なりやした。やっぱぁ、悪事の報いですかねぇ。
武家:う〜ん、しかし老けた顔じゃなぁ
千蔵:ゆっくり寝ておりませぬゆえ
武家:調べによれば、一味の手引きをしたのは親子であるそうじゃ
千蔵:実は・・・・。
武家:待て。親子であれば、娘の悪事も、孝行心ゆえとお目こぼしがあるかも知れぬ。
千蔵:はぁ。
武家:しぃ吉が実の子でないなら、夫婦の証はない。おしぃが、父なし子といじめられぬよう、親子で
   ありながら、世間には夫婦と偽ったとも考えられるな。
千蔵:お峰が娘なら、お許しが?
武家:さて、聞くが、お前とお峰は、親子か夫婦か、いずれが真実か。
千蔵:はぁ
武家:さぁ。親子が偽りか、夫婦が偽りか
千蔵:夫婦はニセでございます。

どんどん
25重要無芸文化財:02/04/24 06:06
・・・・書いてる途中で、一味の名前が変わってしまってますね。
ということで、慎吉か雨蔵か、どっちかに揃えて、読んでくださいませ。スンマヘソ。
26重要無芸文化財:02/04/24 06:29
・・・・と思ったら、お峰も、一カ所、違う名前になってますし、しぃ吉君も、
親が「しぃ坊」と言うのはともかく、火盗改めが「おしぃ」と言ったり・・・

開口一番担当の前座のことゆえ、お許しください。

27重要無名文化財:02/04/25 01:19
お見事!決まりましたね。
無芸さんの江戸落語も面白いですねぇ。いいもの見せていただきました。
28重要無名文化財:02/04/25 20:53
人情噺だなぁ。いいなぁ、武家のお情け噺にゃあ弱くてね。
29湖亭半弗:02/04/27 00:47
それでは、思いついたままにやってみたいと思います。
久しぶりに現代ネタになると思います。もう無茶苦茶してみます。
「再出発」「テキスト」「素人」ですね。

 えぇ、昭和になると誰でも小学校までは行てたんですな。古い方でしたら、
尋常小学校ちぃますが、あれが国民学校になって小学校になったんですけども。
まぁ小さい時分は無茶しますわ、そら。ガラスなんか平気で割ったりね。
犬を学校の中へまで連れてきて、授業にならなんだり。そら、そういう工夫には
知恵が回るもんで。
生徒A「おい、お前、何してるねん?」
生徒B「黙ってぇ、今、0点のテストに点足してるねん。」
生徒A「アホ、そら1000点なっとるがな。」
どこか抜けてて、あれがまた愛嬌があるもんですが。今の教育現場でも
受験戦争やとか言うてて、公立中学なんかでもまだまだ幼いちゅうか、
まま、わき目も振らず勉強、とはいかんもんで。
小池先生「はぁーい、座れぇ。チャイム聞こえてないんは誰やぁ?はよ座れぇ。」
田中「先生。小西君が保健室に行ってます。」
小池先生「何や、どないした、小西は。」
田中「さっきの体育の授業で喘息ぶり返したちゅうてました。」
小池先生「あぁ、そぉか。また保健委員、様子見にいったれな。」
里中「先生、今日、宿題ないやんなぁ。」
小池先生「あるわ、アホぉ。テキスト30ページ訳して来いちゅうたやん。」(パチパチパチ)
里中「ウソ!マジで!うわぁ、やってもぉた、先生、今日当てんといて。」
小池先生「さぁ、知らんなぁ。今日はほな、出席順にサ行の子ぉから当てよかな。」
里中「サイヤクや、先生、いじめや。」
小池先生「宿題してけぇへん方がよっぽどいじめや、先生に対して。
当てて授業進めへんのん、これいじめやな。辞書持ってるねんやったら、今のうちに
少しでもやれ。」
里中「いや、先生。辞書、重いから持ってこずや、今日。」
小池先生「ほな、隣でも借りとかんかい。」
藤原「先生、こないだ里中君に貸したら、今日忘れてこられた。」
里中「ほんまや、借りてたなぁ。先生、藤原君のもないわ。」
小池先生「忘れていばってるな、こいつ。その辺、机ひっつけて借りぃ。
はぁい、ほな、授業始めるぞぉ。宿題言うてたなぁ、今日は・・・P(ピー)
30ページぃ。」
30湖亭半弗:02/04/27 00:47
里中「先生、Pって何?」
小池先生「PはページのPや。」
里中「ほな、先生。P30ページておかしいやん。」
小池先生「うん、おかしいな。ほな、おかしいついでに里中、訳すか?」
里中「いや・・・、合ってるからいい。」
小池先生「現金な奴やな。はい、ほな宿題やってきた人、はい、手を上げるぅ。
はいはいはい、恥ずかしがらない。今のうちに発表稼いどこうぜ。
賢いですねぇ、このクラスは。一応みんな調べてきてますね。」
里中「先生、何か長谷川とか村田とか、田中君のノート借りてました。」
長谷川「あ!お前、最悪や、こいつ!チクんなや、お前!」
里中「え?知らんで。俺、借りてたちゅうただけやもん。」
村田「屁理屈ごねんなや、里中!」
小池先生「はい、はい!黙る!里中も立ち歩くな、授業中に。いったん手おろして。
いいですか、宿題は宿に題と書きますねぇ、いいですか?里中君、いいですかぁ?
よし、座って。宿、つまり寝る場所、君らなら家です。そこでやる問題やから
宿題なんですよ。友達のノート借りても頭には残れへんよな。長谷川、ゲームボーイ
アドバンスでゲームやってて、友達の話聞いただけで上手くなるか?」
長谷川「・・・なりません。」
小池先生「分からんところは教え合いっこしてえぇねんで。勉強になるからな。
せやけど、もらいっぱなし、教えられっぱなしは悪いよな。な、村田?
お前、ゲーム貸して返せへん奴、どう思う?」
村田「そら、むかつく。」
小池先生「ほな、丸写しもやめようぜ、なぁ。楽した後は空しいです、いいですか。
宿題は自分の力でやりなさい。それから、里中も・・・自分やってきてへんからって
チクんのやめよな。友達やったら少しはかぼぉたれな。」
里中「へぇい。」
小池先生「返事はへぇいか?」
里中「はい。」
小池先生「よろしい。よし、ほな授業再出発な。(パチパチパチ)えぇと、ほとんど皆
やってきてるみたいなんで。今日は・・・4月27日やから、出席番号27番・・・、
森本さん、ほな訳してみよか。」
森本「え?最初からですか。」
小池先生「そう、最初から。」
森本「あ、はい。
『メアリーとジョンは公園に行きました。
メアリー:今日はいい天気ですね。
ジョン:本当にいい天気だね。
メアリー:明日もいい天気だそうですよ。
ジョン:本当?すごいね。
メアリー:あさっては分かりません。』」
小池先生「はい、いいね。ご苦労様。今の訳でおかしいところはないですか?
合ってますか?・・・そうですね、ほとんど合ってますよね。」
里中「うわっ、先生。クマンバチ入ってきた!」
31湖亭半弗:02/04/27 00:48
長谷川「里中、はよ出せや、それ。こっち来るやんけ、うわっ来た!」
小池先生「はい、静かに静かに。ハチも興奮するからなぁ、ミツバチと違うて
素人が手ぇ出したら刺されるからな(パチパチパチ)里中、それから窓側の奴も手伝うて
窓開けて。長谷川、下敷きで、叩いたらあかんぞ、叩くなよ、そーっとそう、窓側に。
叩くなちゅうとんねん。」
長谷川「だって!やばいもん。」
小池先生「もぉしょうがないな!こぉよ、こぉ。ほら、ほら、な。あー出て行った。
はい、ほな、開けた窓閉めて。はい、座るぅ。あれ、一枝と境は?」
田中「さっきの騒ぎの時に、冷水機の水飲みに行きました。」
小池先生「何をしとんねん、あいつらは。ちょっと誰か連れ戻して来い。」
吉本「先生、堀田さんが鼻血出しました。」
小池先生「あぁ、さっきの騒ぎでカーっとなったんやな。ほな、保健委員。
どっちか保健室連れてってあげて。・・・、おい、こら待て。
何で女の子1人連れて行くのに男がゾロゾロついていくねや。」
里中「だって、杉野さん休みやし、俺、保健委員やもん。」
小池先生「お前はえぇねん、その周りよ。」
村田「あの、里中君が頼りないんで、その、付き添いの付き添い。」
長谷川「俺も。」
藤原「あの、僕、水飲みにいった二人呼んできます。」
小池先生「行かんでよろしい!藤原、お前、一番入り口から遠いのに
わざわざ行かんでえぇ。他も付き添いの付き添いはいらん。里中だけでえぇ。」
一枝「あ、もうハチどっかいってる。」
小池先生「こら!一枝、境!授業中にどこ行ってたんや!」
境「あの、ハチが入ってきたんで、水かけてたら出て・・・いくかなぁと思って。」
小池先生「ほぉ、んで、そのハチにかける水ちゅうのはどれや。」
一枝「口に受けて持ってきてたんですけど、騒ぎ収まってたんで飲んでもた。」
小池先生「えぇかげんにせぇ。」

お馴染み『授業場風景』という馬鹿馬鹿しいお笑いでございます。

ドンドン


32重要無名文化財:02/04/27 03:00
ははは、リアルな授業風景だ。
33重要無名文化財:02/04/27 16:53
実話かと思いました。
34需要無芸文化財:02/04/28 04:54
上方勢のお二方が、いつもと違った話にチャレンジですね。

無芸さんの>>21〜「夫婦は二世」は、江戸落語には歌舞伎に移されたものも多く、
その舞台を参考に作られたようですね。
落語としての完成度はともかくも、意欲は買いましょう。


次の湖亭半弗さんの>>29「授業場風景」は現代の話ということですが、
デティールの饒舌なリアルさで笑わせるあたり、上方落語の伝統が、しっかり生きていると思います。

、しばらくは続けますので、GWに入り、お出かけで忙しい方もいらっしゃるとは思いますが、
江戸勢の常連さん方にも期待しておりますし、スレッドも新しくなったことですので、新人さんにもご登場いただければと思います。
35主催者:02/04/28 13:32
私が忙しい折に、きちんと私の口調を真似て仕切ってくださった
需要無芸さん、ありがとうございます!すみません、いたらなくて。

重要無芸さんの>>21-24「夫婦は二世(仮)」は江戸噺にチャレンジということで、
意欲作ですが内容もきちんとしたもので、中村播磨の情けが涙を誘います。
モナーの千蔵のネーミングには笑いました。サゲも上質のもので、今回は
サゲからおつくりになったのでは?

そして、半弗さんの>>29-31「授業場風景」は、皆さんがおっしゃる通り
妙にリアルな授業ですね。ふんだんに笑い所が盛り込まれていて、喧嘩、
蜂、冷水機、「最初からですか?」と聞き返すところ、そしてテキストの
訳文など馴染みのあるくすぐりが愉快でした。

需要無芸さんが述べられていたとおり、GWでお忙しいでしょうが、
ゆえに時間がとれるとも思いますので、常連・新人の方に期待しています。
また長い休み、軽い気持ちで書いていただいても構いません。
再度書きますが、今回の御題は
「再出発」「テキスト」「素人」です。
たくさんの作品、お待ちしています。
36重要無名文化財:02/04/28 17:52
「P30ページ」よく言う先生がいたよ、うちにも。
37重要無名文化財:02/04/29 13:48
読者age
38重要無名文化財:02/04/30 04:14
露夢之介はどうした?
参加したいからスレたてた、と言っていたが。ご病気か?
39重要無名文化財:02/04/30 23:56
「再出発」「テキスト」「素人」

秘書:社長。従業員のストライキです。
社長:何?この時期に?
秘書:はい、突発的ストです。(パチパチパチ)
社長:何を要求しているのだ?
秘書:社長の給料を公開しろ、と。
社長:なぜそんなものを知ろうとするんだ、奴らは。(パチパチパチ)
秘書:社長がピンはねしてると思ってるんだと思いますが。
社長:普通にもらってるはずだぞ。
秘書:最近、国の歳入、歳出が不明瞭ですから。その影響かと。
社長:うむ、歳入、歳出パツパツだからなぁ、国は。(パチパチパチ)
秘書:パツパツって何ですか?
社長:パツパツのパンツみたいに中が肥え太ってる、つまり影で肥えてるということだ。
秘書:なるほど。
社長:じゃあ、ともかく見せてやろう、給料明細を。
秘書:いえ、それはいけません。今はストの勢いがついて、ジャングルの猛獣の
   ようですから、皆の様子は。
社長:なおさら早くおさえねば。
秘書:いいえ、ジャングルの猛獣に、明細(迷彩)は逆効果です。」
どんどん
40主催者:02/05/03 02:40
GWということもあり、私も明日よりパソコンのない実家に帰ります。
感想はまとめて5月6日・7日に書きたいと思いますので、その日に
次の御題取りと参りたいと思いますので、どうぞそれまでは存分に
「再出発」「テキスト」「素人」の三題で腕を振るっていただきたいと思います。
たくさんの作品、お待ちしております。
41sana亭omi:02/05/04 23:05
以前、短気をおこしてお騒がせしました。
十分に反省していますので、また混ぜて下さい。4回目の投稿です。

「素人」「テキスト」「再出発」で、相変わらずの雑談ものを

熊  おーい、八ぃ。
八  やぁ、熊さんか。
熊  熊さんかじゃないよ。どうしたぃ?青い顔して。
八  いやぁ、風邪を引いちゃって、飯が食えねぇんだ。
熊  なにぃ、そんなに悪いのか?
八  そうじゃねぇんだ。きのう、ちょっとゾクっとしたもんだから、
   玉子酒でも飲んで、あったかい格好して1日ぐっすり寝ようとして、
熊  うん、風邪は引き始めが肝心だ。
八  卵を5個と酒を5合ばかり買ってきて、
熊  玉子酒をとなり近所に配ろうってのか?卵1個に酒1合あれば十分だろ。
八  なにおぅ、俺は江戸っ子だ。
熊  なんだ、いきなり。おまえが江戸っ子なのは分かってら。
八  江戸っ子が卵一個、酒1合なんてしみったれた買い方なんかできるか。
熊  それで卵5個と酒5合か?大して変わらん気がするが、それで5合の玉子酒か?
八  さあそこだ。俺は昔から卵も好きだし酒も好きなんだが、
   玉子酒はどうも薬みたいでいけねぇ。
熊  薬なんだよ。
八  だから、腹の中に入れば一緒だと思って、別々に投薬した。
熊  別々?
八  卵を茹でてね。
熊  卵5個をゆで卵にしたのか?俺もよべよ、そういう時は。
   俺はゆで卵が大好きで、特に半熟の黄身のとろっと、
八  なにおぅ、俺は江戸っ子だ。
熊  江戸っ子は分かったっての。こんどは何だ?
八  江戸っ子が半熟なんて、
   そんな焚き物を惜しんだような、しみったれた物が食えるか。
   江戸っ子は、黄身の表面が真っ黒けの、
   黄身か黒身かって位に威勢よく茹でたものをゆで卵って言うんだ。
熊  それで友達の大好きなゆで卵5個と酒5合を一人食いの一人飲みか?
   大した江戸っ子だ、おまえは。
   だけど、風邪気味で胃腸が弱っている時にそういう芸当ができるのは
   さすがに江戸っ子だ、威勢がいいな。
八  ・・・。
熊  どうした。
42sana亭omi:02/05/04 23:06
八  俺の口は江戸っ子なんだけど、腹は江戸っ子じゃなかった。
   そんで、今日は風邪の上に、腹の具合も悪くなって飯が食えねぇ。
熊  情けねぇな。だからおまえは風邪引きの素人なんだ。(パチパチ)
八  素人ー?
熊  ああ、なんであれ、メシ食っている人がプロだ。
   俺は家を建ててメシを食ってるし、
八  それなら、俺は壁を塗ってメシを食ってる左官のプロだ。
熊  そう、お百姓は米を作ってメシを食ってるし、茶碗屋は茶碗でメシを食っている。
   飯炊きの権助はご飯を炊いてメシを食っている。
   みんな、その道のプロだ。
八  TVの大食い選手権に出ている常連は、メシ食ってメシを食ってるのか?
熊  そうだ。
   おまえは、風邪で飯が食えねぇ。だから風邪引きの素人だってんだ。
八  いや、実は朝、お粥を食ってきた。だから風邪引きのセミプロ、
熊  くだらない事言うために、表歩いてるのか、風邪引きが。
八  きのうの玉子酒が効かなかったから、
熊  なにを?
八  いや、卵と酒が効かなかったから、本当の薬を買ってきた。
熊  ああ、それが買ってきた薬か。ちょっと見せてみろ。
   なになに、食後3錠もち得るべし。
   但し、服用後、あったかい格好して1日ぐっすり寝るべし。
   なんだ、これ?
八  「すとな」っていうんだ。
熊  名前を聞いているんじゃねぇや。なんだってこんな物買ってきた?
八  今流行っているんだよ、都都逸だけど。
   「玉子酒でも、直らぬような、風邪に『すとな』が、適すとな」ってな。(パチパチ)
熊  おまえは流行り物に弱いからな。
   まあ、その辺のおっちょこちょいは正に江戸っ子なんだが、
   こればっかりは古くても確かな方がいいぞ。
八  何かいいのがあるか?
43sana亭omi:02/05/04 23:07
熊  ああ、あるんだ。噂をすればなんとやらだ。
   ちょうど向こうから糊屋のばあさんが来る。
   あのばあさんがいい薬を作ってくれるらしいんだ。呼ぶよ。
   おーい、糊屋のおばあさぁーん。
ば  ああ、熊さん。珍しいところで、
熊  うん、うん・・・。
   ところで、ここにいるのは俺の友達で八っていうんだけど、
八  へへへ、こんちは。
ば  はいはい、こんにちは、八っつぁん。
   でも、熊さんのお友達ってわりには、顔色が悪くて威勢も悪いね。
熊  この野郎、今、風邪引いているんだよ。
   それで、おばあさんにちょっと頼みがあるんだけど、
ば  はいはい、いつものね。熊さんの頼みなら・・・。
   ちょうど今、知り合いの人に頼まれた分を届けた帰りなんだけど、
   少し余っているから、これをあげるよ。風邪に良く効くよ。
八  ありがてぇ、すまねぇな、おばあさん。
   ・・・ところで、あの、・・・これ・・・何でできてるの?
ば  なんだいっ、汚そうに持って。・・・そう、謝るってんなら良いけど。
   だけど、原料なんか聞いたら飲めないよ。
八  ・・・。
ば  それと、噛んだりしたら絶対に飲めないよ、すぐに吐き出す事になるからね。
八  じゃあ、舌でそっと、
ば  舌に触れたら、本当に2,3日ご飯がのどを通らなくなる。
熊  はは、良薬は口に苦しだな。
八  その点は本当に良薬みたいだけど、おばあさん、
   とにかく、口に入れたらすぐ丸飲みすればいいんだね。
ば  それですぐに風邪は治るよ、みんなそうだから。
   あ、そうそう、もう一つ大事な事をいい忘れていたよ。
   薬を丸飲みした後はねえ、
八  うん。
ば  あったかい格好して1日ぐっすり寝るんだよ。

演者 えー、お後がよろしいようで。
 
客席 こらー、終わったらルールを守れ!前回の事、本当に反省しているのか?
   それと、「再出発」が出てきたか?

演者 >「再出発」が出てきたか? 
   私自身が「再出発」というこで、(パチパチ)

   ドンドン
44主催者:02/05/06 22:43
GWも終わりましたが、皆様はいかがお過ごしになられましたでしょうか。
今回、久しぶりに作品をお寄せくださった方も出るなど喜ばしい限りです。
江戸の常連さん方にはいい休養になったかと思います。無理をせずにこれからも
参加してくださいね。

匿名さんの>>39「ストと社長(仮)」は、強引な御代の使い方が愉快でした。
歳出パツパツなどは本当にギリギリのラインで、無理加減が可笑しさになっています。
サゲも短編ながらきれいにまとまっていますね。

そして、お帰りなさいのOMIさんの>>41-43「風邪薬(仮)」は江戸っ子の
片意地さを上手く表現していると思います。オーバーなくすぐりが楽しいのも
そうですが、最後の演者をいじっての御題などは意表を突く手法です。
漫画家のえんどコイチ氏が「ページの都合」など一度使うと他の漫画家が向こう
五年使えなくなる手法と述べていましたが、まさに諸刃の剣(笑)
次回作が早くも期待されます。

それでは、第十八回御題取りと参りましょう。
例によって、一レスにつき一単語でお願いいたします。
たくさんのご参加お待ちしています。
45重要無名文化財:02/05/07 00:34
都都逸
46重要無名文化財:02/05/07 01:29
暗転
47重要無名文化財:02/05/07 13:31
ホームパーティ
48重要無名文化財:02/05/07 16:04
献立
49重要無名文化財:02/05/07 17:12
ゴング
50重要無名文化財:02/05/07 17:30
有事法制
51重要無名文化財:02/05/07 18:12
五月病
52重要無名文化財:02/05/07 19:42
イタリアン
53重要無名文化財:02/05/07 20:45
少なめ
54重要無名文化財:02/05/07 20:46
カーネーション
55sana亭omi:02/05/07 21:12
>主催者さん、
色々、本当に色々ありがとうございます。
演題名は「風邪薬」でお願いします。
56主催者:02/05/07 23:44
たくさんの御題、ありがとうございます。
OMIさん、演題名は「風邪薬」で決定ということで、(仮)を外しておきますね。

それでは、第十八回御題の発表です。
「都都逸」「ゴング」「カーネーション」の三題です。

「五月病」と「カーネーション」は悩みましたが、時期的にもそうですが
華やかな話題になりそうなので。「暗転」「献立」なども候補でした。

それでは、たくさんの作品お待ちしています。
57重要無名文化財:02/05/10 16:32
ああああものすごく面白い!面白いですなこのスレ!今読んでいるのはまだ前スレ300番台ですが、今のところ『ヨンデレラ』が一番笑えました。皆様頑張ってください!
58重要無名文化財:02/05/10 16:51
熱狂的な新ファンですな。
『ヨンデレラ』は爆笑ものの逸品だよ。
59主催者:02/05/13 01:55
お題が難しすぎたのでしょうか、今回はまだ一作も挙がっていないようですね。
母の日ということもあって選んだ「カーネーション」がネックになっている
のでは、と考えていますが。
完璧なものでなくとも、気軽に書いていただければ十分だと思いますので
初めての方も常連の方もふるってご参加くださいね。
60菊亭 艶馬:02/05/13 12:08
どもったオヤジが 表でさわぐ
「ど どいつも(都々逸)こいつも
信心がねえ。欣求浄土(ゴング)と
お念仏、唱えりゃガキが・・・鈴を持ってっちまう
おい、鐘がねえよ!!かね− か−ね−
か−ね− しょんがえな!」 
61鉄棒勇助:02/05/14 02:36
「都都逸」「ゴング」「カーネーション」

マタギ「ごら、せがれ。おめぇちったぁ狩りがうまぐなっだが?」
息子「狩りなんで、おら嫌いだ。」
マタギ「何言うだ、この馬鹿たれが。いつがはおめぇの仕事になるだぞ。」
息子「マタギにはなんね。おら、歌手になるだ。」
マタギ「どごからそんなくだらねぇ考えが出るだ、おめぇは。」
息子「兼庄んとこの四郎作に歌誉められだ。おら、『りずむかん』が
あるんだど。」(パチパチ)
マタギ「兼庄んとこのせがれか。あのバカとは付き合っちゃいげね。不良息子だ。」
息子「おら、歌で食っていくっで決めたんだ。父ちゃんの指図はうげねぇ。」
マタギ「聞いた口ただくでねぇ、このバカ息子が!」
息子「何いわれても、おら、ド、ドイツへりうがくするだ!」(パチパチ)
マタギ「何でドイツだ、音楽なら湯布院だとが。」
息子「そら、ういーんだべ、父ちゃん。ドイツにいい音楽の先生がいるんだと。」
マタギ「おめぇ、留学すんのにどれだけ金かかるか知ってるが?」
息子「しらねぇ。」
マタギ「だから、おめぇは世間知らずだちゅうんだ。札束が、手伸ばしで、
ほれ、ごんぐらいあってもたりねんだど。」(パチパチ)
息子「そんなにするだか?」
マタギ「そんだ。しかも、おめ、おめぇぐれえの歌うまい奴なんざ山ほどいるだ。
おめぇじゃ無理だ、マタギで精一杯だ。」
息子「そんなにいるだか。おら、そんな奴らどシノギを削るだか。」
マタギ「んだ。だから、あきらめろちゅうんだ。」
息子「父ちゃん、おら、金のなる木がほじい。」
マタギ「バカタレ!おめぇ、父ちゃんの話きいてっか。金があっても無理だつうんだ。」
息子「でも、金のなる木に金がなっだら、ライバルらと戦いにドイツへ行げるど。」
マタギ「バカぁ、俺たちゃマタギだ。カネがナったら(鐘が鳴ったら)、獲物相手に
火蓋を切って落とさねばなんね。」

どんどん
62sana亭omi:02/05/14 19:19
>鉄棒勇助さん、
大変面白く読ませていただきました。

>兼庄んとこのせがれか・・・
工夫されましたね。
僕は「ゴンク」を
言語道断と父兄同伴で引っかけて話を作ろうとしましたが
主催者さんの言われるとおり、
「カーネーション」で行き詰まりました。

「湯布院」と「ウィーン」のクスグリも楽しかったです。

>カネがナったら(鐘が鳴ったら)、
この部分は鳶の頭の親子だったらどういう展開になったのかなと
想像して、より面白く感じました。
63里の筍:02/05/14 20:57
別に御題がどうこうというわけじゃあなかったんですがね、ちょいと風邪っ気もあり疲れ気味だった
んでしばらく遠ざかってたんですが、今夜はサッカーが真夜中からあるってんでそれまで起きてなく
ちゃ、ということで時間をつなぐのに一つ作ってみました。

「二人旅」(カーネーション、都都逸、ゴング)

「アメリカの国花がなんだか知ってるかい?」
「わからねぇなぁ。なんだい?」
「カーネーションだよ。」(パチパチパチ)
「へぇー、そうかい。知らなかったなぁ。」
「だって車の国だから。」
なんてぇ小話がありますが、アメリカどころか今じゃ日本でも一家に2台の割りで車があるんだ
そうでして、まったく便利な世の中になったもんですな。
昔は車なんざぁないからどこに行くんでも歩くっきゃなかったんでね。
あの十返舎一九先生の「東海道中膝栗毛」に出てくる弥次さん喜多さんの二人組みでも、呑気な
旅のようですが京都まで12日で行ったんだそうですから、これを今の距離になおすと毎日41Kmも
草鞋をすり減らしながら歩った勘定になるんだから大変なもので...
まぁ、昔の人はみんな足が丈夫だったんでしょうな。
でもなかにはそれほど丈夫でない奴もいたようで...

喜「もうくたびれた。少し休もうよ。」
弥「さっき休んだばかりじゃあねぇか。そんなこっちゃ宿に着くまでに日が暮れちまうぜ。」
喜「さっきはさっき、今は今だ。もう足が擦り切れそうだよ。」
弥「お前は二言目にはそれだ。愚痴をこぼしながら歩くから余計くたびれるんだよ。」
喜「愚痴を言わなくってもくたびれるものはくたびれらぁ。」
弥「こんどから愚痴を言ったら100文取ることにしようじゃあないか。」
喜「わかったよ。そのかわりお前が愚痴を言っても100文だぜ。」
弥「いいとも。」
喜「それにしても足が痛ぇなぁ。」
弥「ほら、100文寄こせ。」
喜「えーっ、もう取られるのかよ。つまらねぇ決めをしたもんだ。」
弥「さぁ、もう100文だ。」
喜「なんだい、これじゃ何にもしゃべれねぇじゃねぇか。」
弥「そんなことはねぇよ。都都逸の回しっこでもしながら歩けば、気も紛れるし、一石二鳥と
いうもんだ。」(パチパチパチ)
喜「へぇー、そんなもんかねぇ。」
弥「そうだとも。」
喜「それじゃあお前から何かやりねぇ。」
弥「おう。そうさなぁ。『お酒飲む人花なら蕾、今日も咲け咲け、明日も咲け』ってぇのはどうだ?」
喜「なんだかどこかで聞いたことがあるような文句だなぁ。それじゃあ俺も一つ行くか。『お酒飲む人
小便が近い、いつも厠と仲が良い』ってのはどうだい?」
弥「なんだか汚ねぇなぁ。もう少し気の利いたのはないかい。『ままになるならあの娘と二人、ゆっくり話がしてみたい』なんてね。」
喜「『ままになるなら樋竹かけて、寝ていて小便がしてみてぇ』」
弥「おい、また小便かよ。」
喜「『寝ていて小便はしてみたけれど、傍で見るほど楽じゃない』」
弥「いい加減に止めなよ。それに大体どれも三亀松のパクリじゃあねぇか。もう都都逸はやめた。俳句にしよう。」
喜「なんだい、俳句ってえのは?」
弥「俳句も知らねぇのか?『柿食えば鐘がなるなり法隆寺』なんて有名な句があるじゃあねぇか。」
喜「なんだかよくわからねぇなぁ。それがどうかしたのかい?」
弥「風流じゃあねぇか。」
喜「ふーん、そんなものが風流なのかねぇ。それじゃ『鐘の音、聞いたとたんに気絶した』てぇのは
どうだい?」
弥「お前こそわけがわからねぇじゃあねぇか。いったいそりゃなんだい?」
喜「エゲレスに手で殴りあいをする相撲があるんだってよ。これが軍配のかわりにゴングという鐘を
使うから、その音を聞いた途端に殴られて気絶するってぇ寸法だ。」(パチパチパチ)
弥「嫌な句だなぁ。いいや、もう俳句はやめだ。お前と一緒に旅なんかするんじゃなかった。
まったく何をやらせてもロクなことにならねぇ。まったくくだびれる。」
喜「しめた。300文よこせ。」(ドンドン)

64重要無名文化財 :02/05/15 02:29
こういうほのぼの系のパロディ噺は、里の筍氏の十八番だな。
安心して読める。
65重要無名文化財:02/05/16 15:02
柳ヤコさんのHNの由来の師匠がお亡くなりになってしまいましたね。
追悼というわけではありませんが、ヤコさんの作品が読みたいです。
66重要無名文化財:02/05/16 15:06
こういうの今見たら泣けてくる・・
67重要無名文化財:02/05/16 15:17
どうせなら笑って送ってあげたいものだ。
俺からも是非、ヤコ師匠の作品を。
68重要無名文化財:02/05/17 03:27
そう無理強いしても仕方がない。ヤコさんにだって都合があるんだし。
過去の作品でも読んで待とう。

五月病の時期とはいえ、やはりどことも忙しいんだなぁ。
69湖亭半弗:02/05/18 01:13
今回のお題は難しい!いつも難しいですがストーリーにつながらないんですよね。
ともかく、成り行きに任せてみます。
「都都逸」「ゴング」「カーネーション」ですね。

 何にでも、この、神さんちゅうのはいてるんやそうですが、例えばへっついさんに
でも神さんがいてる、その家自体にも神さんがいてる、八百万の神とはよぉ言うたもん
ですけんども。あんまり電化製品やとかに神さんがいてるとは思いたないもんで。
パソコンの神さん・・・意味が違うて参りますしね。でも、そう思てると物も大事に
扱おうという気にもなりますさかいに、気の持ちようちゅのはえらいもんですが。
人間にも1人1人神さんがついてるとか言います。背後霊、守護霊やとか、
大久保玲・・・、なかにし礼、一堂零、まま色んなんがいてますわ。
神さんとは違いますけど、守り本尊てなもんもあって、よぉ小さい時分に
「あんたの守り本尊は大日如来やさかいに、よぉ拝んどき」
てなこと言われた、あれなんかも似たような考え方やと思いますが、
今日はそんなんの出てくる御噺で。
ここに、1人の男の子がいてます。今日は母の日やっちゅうので、何か
母親へ買うてやらんなんちゅうので、小遣い握って出かけます。
勝「お母ちゃんに、何あげたら喜ぶやろ。商店街で母の日セールとかやってた
さかい、あちへ行てみよ。・・・わぁ、色んな店で売ってる。ケーキや、シュークリーム、
あかん、僕が食べたなる。最近お母ちゃん太り気味やし、参観日もあるし、
ここはやめとこ。・・・さすがに服やとか買うお金もないし、ちょっと公園で
なんぼあるか数えてみよ。」
公園へ行きますというと、ベンチの上で財布を取り出します。
子供ちゅうのは無邪気なもんで、誰が見てるかわからんとこでも
平気でお金ジャラジャラ見せて数えよりますが、
勝「100円玉3枚に、50円が2枚、10円玉が10、11か、5円もんが
8枚に1円が、2枚に、一ドル紙幣が2枚・・・、こら使えんから置いとくとして、
メダルが4枚も使えんから、また後で遊ぶとして・・・。552円。色々買えそうやけど、
やっぱりカーネーションがえぇかも。まず外れがないし。
よし!買いにいこ!」(パチパチパチ)
財布へジャラ銭を戻して、ポケットへ・・・入れたつもりやったんですが、
ポケットに入らずに、ベンチの下へ。
70湖亭半弗:02/05/18 01:13
気づいてないもんですさかいに、
夢中で花屋の前に行きます。ちょうどカーネーションが特売で、一本をきちんと
包装してあって500円としてある。下さいな、ちゅうてポケットを探しますが、
もう落としてますさかいになんぼ探してもない。
勝「あれ?あれ?公園ではちゃんとあったのに・・・。どこで落としたんやろ?」
必死になって探しますが、公園で落としてますさかいに、道々探しても見つからん。
男の子の方は、公園までは確かにあったという意識がありますさかい、まさかその公園で
なくしてるとは思わん、きっと商店街に落ちてると思て探します。
お昼すぎに家を出たのに見つからんまま、夕方。探し疲れて、公園へ戻って
参ります。
勝「・・・どこへ落としたんやろ。ここではちゃんとあったのに・・・。ここに
あるはずもないし、盗られてもたんかな・・・。」
寂しい公園で、1人で悲しうなって泣いてますのんを見ておりますのが、
守り本尊の仏さん。早いこと助けてやれば良かったんですけども、
そう簡単に手助けは出来んちゅうので見守っておったんですけども、
さすがに可哀想になって、
仏「さすがに可哀想じゃの、母親思いのええこじゃのに・・・。声を掛けて
知らせてやりたいが、このままでは見えんしな・・・、えぇい、そこの
石像へ。」
ちゅうて仏さん、公園の中にある、動物をかたどった石像に乗り移ります。
仏「今までフワフワしてたんが、ゴツゴツするから、何やしらん、
重いわぃ。これ、そこの男の子。」
勝「わっ、サルの石が喋った!」
仏「こんな格好ですまんが、わしゃお前の守り本尊じゃ。」
勝「ま、守り本尊?」
仏「言うてみれば、ま、権化じゃな。」
勝「ゴング?サルさん、プロレスラー?」(パチパチパチ)
仏「ゴングやない、権化・・・分からんかなぁ、うーむ、早い話お前の用心棒じゃ。」
勝「また固い用心棒やね。」
仏「それはともかく、何か困っておるのじゃろ。」
勝「え?うん・・・実は・・・僕の財布がなくなって、母の日やのに
何も買ってあげれん。」
仏「・・・お前は『灯台下暗し』というのを知らんかの?」
勝「?・・・都都逸?」(パチパチパチ)
仏「そんな短い都都逸があるか、余計な事は知っておるな。
つまり、案外近くの物には気がつかぬということじゃ。」
勝「それが・・・何?」
仏「周りを探してみるとよかろう。必ず見つかるはずじゃ。それではわしは行くぞ。」
勝「あ、サルが去る!」
仏「しょうもないことを言わんと早う探さぬか。花屋も閉まってしまうぞ。」
サルの石像が言うとおりに座ってたベンチの辺りを探して見ますと、
財布が出てくる。もう嬉しいの何の、急いで花屋へ行ってカーネーションを買うて
まいります。
勝「お母ちゃん、はい、母の日のプレゼント。」
母「ま・・・、こんな時間まで遊びに行って、どこまで行ったんやろと思ってたら、
この子。まぁ、きれいなカーネーション。ありがとう。そんな遠いところまで
買いに行ってたん?」
勝「うぅうん、買うたんは商店街やねんけど、財布なくして捜しててん。」
母「まぁ、そうかいな。で、見つかって買うてくれたんやね。」
勝「それが不思議やねん。公園でなくしてんけど、サルの石が動き出して
財布の場所教えてくれてん。」
母「ま、面白い子。猿の石像が動くかいな。」
勝「ほんまやて、守り本尊のゴングとか言うてたもん。」
母「あら・・・そやったらほんまかも分からんね。この子の守り本尊が
サルになって助けてくれるやなんて、母の日やからかしら。」
勝「うーん、今日は母の日やけど、きっと『ヒヒの日』なんや。」
ドンドン
71重要無名文化財:02/05/18 13:18
米朝師匠の口調でこれ、聞いてみたいなぁ。
「サルが去る!」とかくだらないのを絶妙の笑いに変えてくれそう。
72重要無名文化財:02/05/18 16:28
そうだね。やはり半弗氏は米朝風が上手い。
73柳ヤコ:02/05/18 23:19
ただいま執筆中。ちょっと待っててくださーい。
74重要無名文化財:02/05/19 00:01
楽しみにしてやすぜ、ヤコ師匠!
75柳ヤコ:02/05/19 00:56
『試し都々逸』  (カーネーション・都々逸・ゴング)

上「おい、清蔵さん。そこ行くのは清蔵さんじゃないかい」
清「あ、上総屋の旦那。こねぇだはご馳走さまでごぜぇやした」
上「いやぁ、あのときは驚いたよ。五升の酒を呑んじまったんだからな。
  どうだい、これからウチに来て、もう一勝負しないかい」
清「あれまぁ。またあの酒、呑ましてくれるかね」
上「いやいや、酒で勝負したら勝てやしないよ。もっと違うものだ。どうだい?」
清「はぁ、ちょっくら待ってくだせぇやし。旦那に聞いてみるだよ」
上「そうかい?じゃぁ近江屋さんまで戻って、聞いてきてくれるか」
清「そォだなことはしなくてもいいだヨ。今は携帯電話っちゅう便利なものが
  あるからねェ、うちの旦那にかけてみるだ」
上「なんだい、お前さん携帯電話持ってるのかい?世の中進んだもんだな」
清「あに言っとるだ。今どきケータイなんて誰でも持ってるだ。落語で携帯電話の
  仕草って、おめェさま知っとるだか?こう手拭いを折ってな、間に扇子を
  はさむだよ。電話ァかけるときは、はさんだ扇子を引っぱり出してな、
  これがアンテナになるだ」
上「そんなのイチイチ説明しなくてもいいよ」
清「あーもしもし、旦那けェ?いま上総屋の旦那が勝負しろ、っちゅうてるんだ
  けんど、行ってきてもええかね?あァ?あーそうかね、んではちょっくら
  行ってくるだ。・・・上総屋の旦那、お許しが出ましたで、はァ行きますべェ」
上「そうかい、よかったよかった。さぁ上がって上がって。こないだは酒のほうも
  驚いたけど、あの時にお前さん、都々逸をいくつか言ってただろう?
  だからね、きょうの勝負は都々逸でいこうと思うんだけどね」(パチパチパチ)
清「はぁ、都々逸かね。そォだな勝負はやったことねぇけどねェ、こねェだ
  ご馳走になっとるからねェ。じゃぁ受けて立ちますだ」
上「そうかい、受けてくれるか」
76柳ヤコ:02/05/19 00:57
清「どんなふうに勝負するかネ」
上「うん、もうすぐサッカーのワールドカップがあるだろ?あれに出る国を
  あたしが一つずつ言うから、それで都々逸を作っておくれ。
  5つ続けて作れたら、お前さんに小遣いをやろう」
清「ははぁ、ワールドカップかね。えかく難しげな勝負だねェ。まァええだ、
  さっそく始めてみますべェか」
上「よし、では始めるよ。カァーン!」
清「だァさま、今の音は何かね?」
上「これはゴングと言ってな、試合開始のときに鳴らすものだ」(パチパチパチ)
清「いろんなものォ持っとるだねェ」
上「じゃぁまず最初は、スウェーデンでいこうか」
清「おやおや、スウェーデンかね。ウーン・・・、じゃぁこういうのはどうかね。
  『スウェーデン娘が誘惑すれば、スウェーデン喰わぬは男の恥』って、どうだ」
上「ほほぅ、こりゃ面白い。据え膳喰わぬは、ときたか。では2つ目だ。
  こんどはドイツだ」
清「あァ、こんなのはすぐ出来るだよ。『ワールドカップで外人がいっぱい、
  どいつがドイツだかわからない』」
上「そりゃ確かにわからないかも知れないなぁ。じゃぁ3つ目は、ロシアだ」
清「『ロシアの娘がこっちを見てる、モスクヮしたらと気が揉める』ってどうだネ」
上「なんだい、なかなか色っぽいのを作るじゃないか。うーむ、お前さんもなかなか
  やるねぇ。それじゃ4つ目は、韓国だ」
清「ははぁ、だんだん難しくなってきただねェ。それじゃァ『辻本清美が韓国行って、
  応援しました「ソウル!ソウル!ソウル!」』ってのはどうだァ」
上「なんだか強引だね。まぁいいだろう。ではいよいよ5つ目だ。中国!」
清「中国ねぇ。『中国選手が骨折すれば、ペキンペキンと音がする』、どうだ!」
上「おやおや、5つ出来ちゃった。あたしの負けだ、約束通り小遣いをあげよう。
  どうだい清蔵さん、もうひと勝負しないかい」
77柳ヤコ:02/05/19 00:58
清「だァさま、勘弁しておくんなせェ。おらァこれから出かけなきゃなんねェだ」
上「そうか。どこに行くんだい」
清「これから小さん師匠のお葬いに行くだよ。いただいた小遣い、これ香典にしても
  ええかネ」
上「あぁそういうことか。あァいいとも、使っとくれ使っとくれ。おや?そういえば
  清蔵さん、花束も持ってきているんだね」
清「あァ、これはカーネーションの花束だよ。お供えするだ」(パチパチパチ)
上「カーネーション?それは『母の日』だろう?」
清「いやァ、小さん師匠にはずいぶんと笑わせてもらっただからねェ。
  きょうは『ハハハハの日』だ」

    ドンドン
78重要無名文化財:02/05/20 00:06
最後に小さん師匠を持ってくるところが心憎い。
ハハハハの日・・・。
79sana亭omi:02/05/20 20:43
>だァさま
・・・うぅ・・・
80重要無名文化財:02/05/20 23:25
>sana亭omiさん
泣かずに笑って読もうよ。
小さん師匠の為になる。
81主催者:02/05/21 03:40
すいません、たくさんの作品ありがとうございます。
明日、まとめて感想と次回御題取りを始めます。お待ちの方、ごめんなさい。
82重要無名文化財:02/05/22 00:45
AGE
83主催者:02/05/22 01:02
それでは感想を書かせていただきます。

菊亭艶馬さんの>>60の作品は落語とはいえないようですが、それでも
噺には起承転結があって、御題も上手に使われていると思います。
もし次回お書きになるならば、(パチパチパチ)やドンドンなどの
ルールをお守りくださいね。

次に、鉄棒勇助さんの>>61「マタギは歌手になれるか(仮)」は、
やはりいい味を出しておられます。「兼庄ん」の使い方はお見事だと
思います。湯布院とウィーンのギャグはあの「男はつらいよ」の中
でも使用されている秀逸なものですね。兼庄の息子のあてにならなそうな
「りずむかん」という誉め言葉がたまらなく面白かったです。

次に筍さんの>>63「二人旅」ですが、弥次北を持ってくるとは思いませんでした。
江戸の旅噺は八・熊が相場ですが、逆に新鮮で「三人旅」の要素を上手くなぞって
独自の笑いを生み出しています。『鐘の音、聞いたとたんに気絶した』で
ゴングを持ってくるくだりが好きです。とぼけた感じを小三治師匠に
やっていただきたいと個人的に思いますね。

半弗さんの>>69-70「猿の守り本尊(仮)」は地噺を基本とした現代の
御話しですが、勝君の純粋な部分がクスッという可笑しさを呼び、
守り本尊の仏様と猿の石像のギャップがまた面白いですね。
「?・・・都都逸?」の使い方が、前もって勝君の性格づけが十分に
してあるので、違和感なく読めます。

そして、ヤコさんの>>75-77「試し都都逸」は、言うまでもなく名作「試し酒」
のパロディですが、江戸情緒と現代の内容が入り混じって不思議な作品に
仕上がったと思います。ワールドカップの参加国での都都逸、据え膳喰わぬは、
などくすぐりがはまっています。突然、小さん師匠のご葬儀になりますが、
ヤコさん風の愛情が伝わってきました。「ハハハハの日」はしんみりしてしまいました。

重ねまして、柳家小さん師匠のご冥福をお祈りいたします。

さて、それでは、第十九回御題取りを開始いたします。
例によって、一レスにつき一単語でお願いします。
それではたくさんのご参加お待ちしております。
84主催者:02/05/22 01:04
省略されてしまいましたので、再度申しますが、

これより、第十九回御題取りを開始いたします。
例によって、一レスにつき一単語でお願いします。
それではたくさんのご参加お待ちしております。
85重要無名文化財:02/05/22 01:44
牛乳
86重要無名文化財:02/05/22 01:53
Aチーム
87重要無名文化財:02/05/22 03:23
かたつむり
88重要無名文化財:02/05/22 03:54
しゃもじ
89重要無名文化財:02/05/22 15:46
脹脛
90重要無名文化財:02/05/22 18:28
現在地
91重要無名文化財:02/05/22 19:03
雨漏り
92重要無名文化財:02/05/22 19:17
トランプ
93主催者:02/05/22 23:50
たくさんの応募ありがとうございます。
それでは、第十九回御題の発表です。
「Aチーム」「しゃもじ」「雨漏り」の三題です。
「かたつむり」「雨漏り」この時期どちらがいいかと思いましたが
雨漏りは滑稽な感じがしたので。
「Aチーム」は幅広い使い方が期待されそうなので決めました。
「A(あ)チーム」かもしれませんし、「A(エース)チーム」かもしれません
し、色々こねてみてください。

それではたくさんの作品お待ちしております。
94重要無名文化財:02/05/23 23:46
待ち遠しいです
どなたかスレすれ
95前スレ亭ごじゅういち:02/05/24 17:25
えー、伝芸亭第19回三題噺の会、ただいまから開演でございまして、
お後お楽しみの上、ますは「ごじゅういち」で軽〜く一席お付き合い申し上げます。
「ごじゅういち」と申しますと、シアトルやアリゾナの方のモノ凄い方々を
思い浮かべておられるお客さんもいてはるんやないかとは思いますが、
私の方は……こんなもんでございまして、誠に申し訳ないようなことで。
この会へ出していただくのは、ほんに久しぶりでございまして、
前回は、ちょうど去年のプロ野球日本シリーズの真っ最中。
某関西の球団の監督のお噂を申し上げたわけでございますが、
まさかこんなことになるとはねぇ、あの時点では予想もできんかったようなことで…

部下「オーナー、やりましたなぁ。今回の監督人事は大成功でっせ」
オーナー「ダァーハッハッハッハ! そうじゃろ? そうじゃろ?
     熱い監督に必死な選手。やっぱり日本のスポーツはこれに限る。うんうん」
部「テレビ中継の視聴率も下がり気味のこのご時世。うちの活躍が野球を救う、とまで
  言うてる人もいてるぐらいで、ホンマにえぇチームになりましたなぁ」(パチパチパチ)
オ「連休の時期も終わったというのにまだ貯金に余裕があるやなんて、見違えるとはまさに
  このことじゃな。しかしなぁ、あの監督。チームを強ぉしてくれるのはええんやが、
  我々としてはちょっと頭の痛いところがあるのじゃ」
部「といいますと?」
オ「前の監督は再生工場とか言うて、安い選手でなんとかやりくりしてくれとったじゃろ。
  それが、今度の監督は…思てた以上にハッキリと余所の高い選手を欲しがるのじゃ。
  シーズンの途中とはいえ、いつ何時また監督に要望を出されるかわからん。
  その時はうまいこと対応できるように、君も準備に余念のないようにしっかり頼むで」

てなことを言いながらこの二人、何とか監督の要望に沿えるようにと必死でございます。
資金面から選手の練習環境に至りますまで、球団をあげてのサポート。
そんなところへチラチラと聞こえてくるのが監督の要望の中身ですな。
フロントに近いコーチの一人なんぞから御注進がございまして、監督、打撃コーチの
大の親友が率いる赤いヘルメットのチームの選手にどうやらターゲットを絞ったらしい。
さぁ、そうとわかれば改めて準備を、と意気込む二人でございます。
96ごじゅういち:02/05/24 17:25
部「オーナー、何ですな? このドデカいしゃもじは?」(パチパチパチ)
オ「どうじゃ、えぇじゃろ? ワシの特注品じゃぞ」
部「特注品て…こんなもん何の役に立ちますんで?」
オ「ワシも何とか監督の要望に応えようと思うてな、ふと思い出したのが、
  夏の甲子園のアルプス席や。あれでピンときたな。で、急いで注文したんやが
  日本のメーカーもまだまだやなぁ、ミズノもゼットもSSKも全然頼りにならん」
部「当たり前ですがな! そんなもん作ってるメーカーがどこにおますかいな」
オ「ところがな、流石はベースボールの国じゃな、アメリカにはあった。
  見てびっくりするなよ。どうじゃ、このロゴマーク!」
部「……『へ』でございますか?」
オ「へ?」
部「ひらがなの『へ』と違いますか? これは」
オ「馬鹿もん! そんなことも知らんのかね、君は。これはナイキと言うて」
部「オーナー…オーナー直々のお心づかいはありがたいのですが。
  向きが逆な上に、手書きの油性インクがしゃもじの木目に滲んで
  これでは毛虫か何かにしか見えまへんで」

選手「ごめん下さいませ」
部「はいはい、どちら様で」
選「私、ある事情で、某球団をクビになった者でして。今度、こちらのチームで
  お世話になれないものかと思い、伺ったんですが」
部「トレード志願者かいな…これもうちのチームが世間から再評価されてる証拠やな。
  で君、名前は?」
選「雨森と申します」(パチパチパチ)
部「雨森くんね、よろしいプロフィールを述べてみなさい」
選「雨森弥助。滋賀県出身。こちらのチームのルーキー浅井さんには、地元の高校の
  野球部時代に後輩としてお世話になりました」
部「ほう、君は浅井の知り合いかね?」
選「はい。浅井家でプレイするときには、なかなか使える武将として重宝するかと」
部「君…その手の話は三国志・戦国板へ逝った方がええのと違うか?」
選「板違いでしたか?」
部「そうかモナー」
オ「お前らは何の話をしとる。そんなことよりも、選手としての実績は?
  それがわからんことには…」
選「はい、二軍のウェスタンリーグで最優秀防御率のタイトルを2回頂きました」
オ「立派なもんやないか。そんなヤツをクビとは何でまた?」
選「はい、我ながら二軍ではそれなりの実績を残したつもりなんですが、
  監督さんやコーチにどれだけ直訴しても一軍に上げてもらうことができず、
  『うちのチームに君は会わないんだよ』と何度言われたかわかりません」
部「かわいそうになぁ。それで、君が前におったチームというのはどこかね?」
選「それはですね…」

思いつめた表情でこの雨森くん、脇に抱えたバッグからボロボロになった帽子を取り出しますと、
そこには昔に比べるとずいぶん地味にはなったもんでございますが、「爆発だ!」でお馴染みの
あの芸術家がデザインしたマークが…

オ「ほぉー、わからんなぁ。あそこは今のうち以上にピッチャーで苦労しとるはずや。
  にもかかわらず、君みたいな前途有望の若者をクビにしてしまうとは…」
部「オーナー、これは道理ですわ」
オ「道理て、この子がクビになって当たり前やと言うのか?」
部「そうですがな、向こうさんは本拠地が大阪ドーム。アマモリは御法度でございます」

ドンドン
97重要無名文化財:02/05/24 17:56
うおっ!!ごじゅういちさんだ!
懐かしい。
98ごじゅういち:02/05/24 18:12
懐かしがってもらえるとは嬉しいやら恐縮するやら>97さん
名無しに戻ってお題出したり感想書いたりする側に戻ってましたが、
このお題見たら出てきてしまいました。

ついでと言いますか、>>95の2行目、
>軽〜く一席お付き合い「をお願い」申し上げます。
に訂正します。改行レイアウトの推敲しそこねでございます。
99重要無名文化財:02/05/24 18:19
前回は月亭八方ベースだと記憶しているが、今回もかな?
今は常連の方々が忙しいみたいだから、期待してまっせ。
100重要無名文化財 :02/05/27 03:02
とりあえずage
101重要無名文化財:02/05/29 03:07
「Aチーム」「しゃもじ」「雨漏り」

A「テニスしようぜ」
B「やろう、やろう。」
A「じゃ、うちのAチームは八人ね。」(パチパチ)
B「テニスでしょ?八人もいらないよ。」
A「テニス八人卓球二十八人って言うじゃない。」
B「そんなの言わないよ。」
A「じゃあ、二人でやろうよ。」
B「そうしようか。」
A「ダブルス組もうよ。」
B「対戦相手は?」
A「壁で。」
B「壁打ちなの?せっかくやるんだからさ、二人で戦おうよ。」
A[じゃあ、はい、しゃもじ。」(パチパチ)
B「ラケットでしょ、持ってるよ。」
A「しゃもじしかないよ。」
B「ホントにしゃもじ持ってきたの?じゃあ貸してあげるよ。」
A「十一でね。」
B「そんな。いいよ、友達同士だし。」
A「僕なら十一にするけどね。」
B「やなこというね。」
A「あ、この屋内コート、雨漏りしてるよ。」(パチパチ)
B「それより、外、雨なのにテニス誘ってたの?」
A「そんなことより雨漏りだよ。」
B「ホントだ。困ったね、屋内なのにぬれちゃうよ。」
A「青春だね。」
B「君、プラス思考だね。」
A「傘さしてやろう。」
B「傘差してテニス出来ないよ。」
A「じゃあテニスをやめよう。」
B「ここにいる必要なくなるよ。」
A「じゃあ傘をお猪口にして、雨漏りを防ごう。」
B「バイト代出るのかな?」
A「出ないよ。」
B「出ないの?」
A「だって、通常業務から、漏れた仕事だから。」

どんどん
102重要無名文化財:02/05/29 21:53
       ,,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,
     /、 |l|l l|l| / ゙ヽ、_
    /  、ヾヾ川川 //  ヽ
   / ミン゙        ヾニ ヽ
   /;;::           :::;;;;  |
  /彡:           :ミニ l
  | 彡,.三ニ=、  ,.=ニ三、 :ミ三 |
  ヽ /シ.-ー .;  :.. ー-,ッ ヾ ,.l
    i   ̄ _{  }__  ̄   Y l
    ヽ  ,.`-、_,-‐'ヽ、  / } 〉
    i`‐'/ ,=ニニ=、 ー  i_/
     i i <‐l‐l‐l‐l‐> ;  |   <座布団一枚やっとくれ>
     ヽヽ `ニニニ' /  /
      ヾ、_`  ´ ノ_,/        

103ごじゅういち:02/05/29 22:42
>>101
シュールですなぁ。

>ここにいる必要なくなるよ。

この雰囲気が何とも言えない。今までになかった作風かな?
新鮮でおもしろかった。

>>99
すんません。レスに気付かなかった。
基本的に八方想定でもいいんだけど、サゲがわかってから
都丸or仁智想定で読んでみるのもまた一興かと。
104sana亭omi:02/05/30 21:47
「Aチーム」「しゃもじ」「あまもれ」で、

熊 「おーい、八、・・・八公ー、・・・こら、八の字っ」
八 「なんだこの野郎!」
熊 「おっ、怒っているな。どうした?」
八 「俺は機嫌よく歩いていたんだよ。それをおまえが、八ィ?八公ゥ?
   まあ、そこまでは良いとしてだ、
   俺は八五郎って親がつけてくれた名前があるんだ。
   八の字ってのは何なんだ?『の字』ってのは何なんだ?」
熊 「そんなことで怒っているのか?
   よくやるじゃねぇか、友達どうしで名前の始めに『の字』を付けて呼ぶのは。」
八 「そうかぁ、ちっとも知らなかった。」
   それじゃあ、おまえは大工の熊だから、大の字っていうのか?
   そういや、そんな格好でよく寝ているところを見るな。」
熊 「ああ、俺は男っぽいから、寝る時はいつも大の字だ。」
八 「よせやい、おまえが大の字で寝ているのは
いつも酔払っているときの道の真ん中だ。
   普段は家でも仕事場でもひざを抱えて隅っこにいるじゃないか?」
熊 「よせよ。」
八 「しかも、おまえが大の字で寝るほど酔うときは大抵は人のおごり酒だ。」
熊 「やめろって。
   俺が大の字なら、おまえは左官の八五郎でしゃの字ってことになるな。」
八 「なに?」
熊 「しゃのじ・・・(パチパチ)
   ところで、いまからどこかへ行くのか?」
八 「白壁町で、左官の第三組合の寄り合いがあるんだ。」
熊 「第三?そんなに数が多いのか?」
八 「いや、数はそんなに多くないけど、
   腕のレベルが違うから話題が合わないんだよ。」
熊 「そういや、俺達も大工から大八、大七ってランクがあるからな。
   一番腕の立つのはやっぱり第一組合の連中か?」
八 「そう、通称Sチームだ。」
熊 「S?すごいな!スペシャルかなんかか?」
八 「違う。『職人並み』ってことだ。」
熊 「一番腕が立ってやっと『職人並み』か?じゃ、第二組合はなんだ?」
八 「通称、Aチームで、アマチュアクラスなんだ。」(パチパチ)
熊 「おまえ、さっき第三組合って言わなかったか?
   なんか聞くのが恐くなっちゃうな。おまえ、アマチュアチームにも入れないのか?」
八 「・・・だから、『アマもれ』チームなんだ。」(パチパチ)
熊 「さっき、おまえの事をしゃのじって言ったけど、
   スマン、俺が間違っていた。
   しゃもじなんて、とんでもない!
   おまえには未だ、飯はついてまわらない。」

ドンドン
105主催者:02/05/31 03:21
感想がいつも飛び飛びになって申し訳ありません。
最近謝ってばかりですが、明日にまとめて感想を書かせていただきます。
しばらくはこの御題で続けたいと思いますので、常連・新人の皆様の
知恵を振り絞った作品、お待ちしています。
今日はこの辺で失礼を致します。
106主催者:02/06/01 02:34
それでは感想を書かせていただきます。

まず、前座を務めていただきました、お久しぶりです、
ごじゅういちさんの>>95-96「雨森弥助(仮)」(タイトルが内容を
裏切るというのもアリかと思いまして。「干物箱」みたいに。
ですが、関西球団のオーナーと部下が久しぶりにいい味を見せていますね。
「ダァーハッハッハッハ!」「立派なもんやないか」という口ぶりが
八方師匠を彷彿とさせますが、おっしゃるとおり都丸師匠や仁智師匠でも
面白おかしく演じてくれそうな野球噺ですね。しゃもじの使い方が
野球とのからませ方が強引で面白いです。

>>101の匿名さんの「屋内テニス(仮」はまるで新鋭の漫才でも見るような
シュールな作品です。ツッコミの人もきつくつっこむのでなく、さらりと
流したり、やんわりうけたりと面白いですし、AのボケもBを置いてきぼり
していて、不思議なおかしさがありますね。「青春だね」の返しの
「君、プラス思考だね。」がはまりました。

sana亭omiさんの>>104「左官第三組合(仮)」は職人の組合という
着眼点が面白いと思いました。「の字」をサゲに生かしたのも
良かったと思います。「しゃの字」「アマもれ」と強引に持って
いったのもいい方に転がって、この作品のスパイスになったと思います。
この理屈でいく「幇間衆」なら「ほの字」なんでしょうか(笑

しばらくこの御題を続けますので、たくさんの作品を
お待ちしています。また読者の方のご感想も随時お待ちしております。
107sana亭omi:02/06/01 19:27
>主催者さん、

毎度ながら、しゃれた命名ありがとうございます。
「左官第三組合」でお願いします。
おんの字です。

>「幇間衆」なら「ほの字」なんでしょうか
さすがですね。

客や芸者衆にほの字にならずに、ビジネスライクに仕事を進めるのが
第一幇間組合で、通称「大太鼓チーム」
すぐに関係者にほの字になるのが
第二幇間組合で、通称「小太鼓チーム」というのは常識ですが、
大太鼓チームの方が、
人間関係における罪が大きいので
「バチ」に当たる率が多いみたいです。

因みにですが、誤解なきように申し上げますが、
「おんの字」とは、乳母さんの事ではありません。
108sana亭omi:02/06/01 20:07
さらに、
雇い主の「息子」を気にかけるのが第一乳母組合で、
雇い主の「ムスコ」の事情が気になってしょうがないのが
第二乳母組合です。
109里の筍:02/06/02 02:15
昨今は温泉ブームとかいいまして、若い女性なんぞも「もう海外旅行もあきたし、お湯につかって心を
癒そうかしら。」なんてあちらこちらにお出かけになるそうで、そんな結構なものならばあたしもご一緒
したいもんですが、一向にこお声がかかりませんな。なかなか世の中はままならないもんでございます。
あと秘湯探検っていうんですかね、人の行かない山の奥まで行ってシャベルで穴を掘って、出てきた泥水
につかって悦にいってる方もおられるようですが、これはどうもご一緒したくございません。
まあ日本人が風呂が好きなのは今に始まったことではないようで、中には熱い湯に入るのを自慢すると
いう変な見栄をはるかたもあるようでして。

八「おめぇ、湯は好きかい?」
熊「誰に向かって口を聞いてんだい。俺りゃ湯が好きで好きでしょうがねぇ。湯が入ってるっていえば、
そこいらの地びたに穴があいててもすぐに飛び込むくらいだ。」
八「へぇー、おめぇがそんなに湯が好きだとは知らなかった。ところで俺の知ってる湯があるんだが、
これがちょいと熱いんだが一緒にどうだい?」
熊「なにー、湯が熱い。何を抜かしゃぁがる。湯なんてものはな、昔から熱いと決まってるんだ。
石川五右衛門は油で釜茹でになったそうだが、俺もいちどそんな思いをしてみてぇと思ってるくらい
だ。」
八「ほう、たいそう威勢がいいなぁ。でも普通の素人じゃあとっても我慢できないくらいとっても熱いん
だぜ。それに湯の主がいて、水なんかでうめようもんならどやしつけられるからな。」
熊「ふざけたことを言うんじゃあねぇ。そんな野郎はこちらからどやしつけてやる。」
八「そうかい。それじゃあどうだい、賭けをしねぇか?」
熊「なにをどうするんだ?」
八「おめぇが湯につかって十まで数えられたら一分出そうじゃあねぇか。」
熊「そりゃありがてぇ。」
八「そのかわり十までもたなかったら、おめぇが俺に一分寄こすんだ。」
熊「いいとも、それじゃもう勝ったようなもんだ。さあ一分出せ。」
八「まあ、待ちねぇ。勝負は時の運だ。どっちが勝つかはまだわからねぇぜ。」
熊「俺の勝ちに決まってらぁな。さぁ、早く行こうぜ。」
八「それじゃあ連れてってやるけど、びっくりして湯の中に小便なんぞ漏らすんじゃないよ。」

熊「これがそうかい?ずいぶん古くて汚い湯屋だねぇ。雨漏りがしそうじゃあねぇか。」(パチパチパチ)
八「なんせ東照大権現様が江戸にお移りになった時にできたものだそうだから、時代がついてらぁな。」
熊「まあ、そんな能書きはどうでもいいや。さっそく入るぜ。」
八「ちょっと待ちねぇ。この湯は水で薄めるのはご法度だけど、そっちにしゃもじの化け物のような奴が
あるだろ。それでかき混ぜるといくらかは入りやすくなるから。」(パチパチパチ)
熊「何を言ってやがる。そんなものの世話になるようなお兄いさんとお兄いさんが違う。ほれ、下帯を
くるくるっと取ってドボンと飛び込みゃぁ...」
八「おい、いきなり飛び込んで大丈夫かい?」
熊「いち、にー。あちー、むー、わー!」(パチパチパチ)
八「なんだい、口ほどにもない。入った途端に飛び出しぁやがって。さぁ一分寄こせ。」
熊「わかった、金は後で払うよ。それにしてもおめぇ、これじゃ火の中に飛び込むようなもんだ。体中
火傷しちまわぁ。」
八「だから言っただろ。この湯は素人じゃちょいと荷が重いって。」
熊「俺もたいげぇの湯は大丈夫なんだがなぁ。それにしてもあっちの爺さんはさっきからじっと入った
きりで動かねぇな。まさか、めぇってるんじゃねえだろうな。」
八「馬鹿なことを言うんじゃないよ。あの人が藤佐衛門さんといってこの湯の主だ。」
熊「なに、土左衛門?どうりで漬かったきりだ。」(ドンドン)
110重要無名文化財:02/06/05 06:23
>109
誰か里の筍さんに
座布団一枚やっとくれ
111湖亭半弗 :02/06/06 02:48
秀作揃いとはこのことですね。すごいなぁ。
では、私も負けずに、
「Aチーム」「しゃもじ」「雨漏り」ですね。

 今はどこへ行てもコンビニやとか100円ショップやとかで何でも安ぅに
手に入りますが、昔は昔でよろず屋てなもんがあって、それはもぅ当時の
こってすけんども、何でも売ってた。「一力」と書いて「万(よろず)」と
読ますような店もあって、あれ、万をこう上下に分解すると一力になる、
昔の人は洒落てましたな、言葉一つにしてもえらいもんですが、そういうのも
あった。まぁ、中には金ダワシから骨董品まで色々あって、ちょっと主人が
変わりもんで。あんまり真面目な人はこういう何でも屋はよぉやらん、ちょっとすっとぼけたような
変わった人がやってまして。
男「おい、お前んとこで八厘で買うた七輪、もうつぶれたで。」
主人「ほな、今度は七厘で八輪買うとくれ。」
男「けったいやなぁ。八輪って何や?」
主人「ミニカー二台や。」
まま、色んな商売があるもんで。

男「ごめん。」
主人「謝るねんやったら、すんません言え。」
男「違うがな、邪魔するでちゅうてるねやがな。」
主人「邪魔するねんやったら帰っとくれ。」
男「分からんかなぁ、客やがな。」
主人「何や、客かいな。いらっしゃい。」
男「今更いらっしゃいやあるかいな。あんたん店、『一力屋』ちゅうねやな。」
主人「そうやな、一力、よろず何でもありますちゅうやっちゃ。」
男「いや、冷やかしに来た訳やないねやがな、何ぞ掘り出しもんでも
あれば買うて帰ろかと思て。」
主人「ほな、この芋買うとくれ。まけとくわ。」
男「ほんまに掘り出しもんやな。芋はえぇわ。」
主人「ごぼうに大根てなもんも置いてるけどな。」
男「いや、もう野菜はえぇわ、何ぞ変わったもんはないかぃ?」
主人「ほな、それ、みてみぃ。」
112湖亭半弗 :02/06/06 02:48
男「客を指で動かしよるな、あんた。え?お、これはまたえぇスチームアイロン
やがな。」(パチパチパチ)
主人「えぇやろ、なんぼで買う?」
男「そう焦りないな、見せてもらわななぁ。よ!ふん!お!おやっさん、あんた
これ持ち上がらんがな。」
主人「中に水銀入れてあるさかいな、勝手に持っていかれんように。」
男「そら重いはずや。これ、中身水銀抜いて水入れたら使えるかなぁ?」
主人「さぁ、運試しに買うてみんかいな。」
男「アホらし、高い銭出して誰が使えるかわからん水銀入り買うかいな。
他は・・・、この銛(モリ)はえらい軽そうなモリやな。
もっとモリちゅうのは海の男が持っててごついのんと違うかぃ?」
主人「そら海女さん用や。」
男「海女銛かぃな、これ。(パチパチパチ)道理で軽いはずや。・・・今度
皆で海へ行くさかい、これならわしでも使えそうやな。これなんぼや。」
主人「それと、この金ダライがついて、千円や。」
男「こんな大きな金ダライ、抱き合わせでいらんで。」
主人「アマモリには受け皿がいるやろ。」
男「うまいこというてるな。まぁ、ちょっと考えとくわ。他には・・・、
大きなしゃもじやなぁ。こんなん掬える釜あるんかいな?」(パチパチパチ)
主人「風呂釜で飯たきゃすくえるじゃろ。」
男「そんなアホな言誰がするかいな。そんなようけ食えんがな。」
主人「せやけど、物はえぇねやで。しゃもじで有名な宮島のもんや。
それ相撲取りが一組、こないだ買うて帰ったで。」
男「へぇー。やっぱり関取は食べる量が違うねやな。」
主人「ところが、三日ほどして、返しに来たな。」
男「物が悪かったんかぃ?」
主人「いや、宮島もんやで、飽き(安芸)が来たらしい。」
男「そんなしょーーもないこと言うてんと、もうちょっと変わったもんは
ないかぃ。」
主人「品もんだけやないで。色々修繕やら、頼みごとやとか何でも
やるでな。そこの口上から先が出来るもんや。」
113湖亭半弗 :02/06/06 02:49
男「こうもり傘の張替え、鼻緒直し、色々出来るねやな。」
主人「手先は器用じゃでな、たいていは出来る。」
男「この七番目の『Aチーム』ちゅうのは何や?」
主人「野球の助っ人や。わしが出たら絶対勝つ。」
男「そんなんまでやるんかぃ、あんた。達者やなぁ。」
主人「打率七割やぞ。」
男「へぇー、そらすごい。後の三割は。」
主人「全部見逃しや。」
男「ふぅん、みな見逃し三振か?」
主人「ちゃうわぃ、相手ピッチャーが打たれ疲れて可哀想になるさかい、
見逃したるんや。」
男「余裕やなぁ。ほんで・・・、この『しゃもじ承ります』ちゅうのは?」
主人「老人ホームで食事の介護やな。」
男「あんたが入るような年やろがな。そんなんまでやるか?」
主人「お年寄りはご飯よそうのも大変なもんや。多すぎたら見ただけで
食べる気なくすし少なかったらひもじい時代を思い出すし。」
男「戦後生き抜いてきた世代やからなぁ。ほんで、その次が『雨漏り』。
あぁ、これは修繕やな。」
主人「何を言うねや、穴空けにいくねや。」
男「穴空けにいく?そんな酔狂な家あるんかいな?」
主人「あるある、雨の日に嫌な客が来た時とか真上に空けてくれちゅうて。」
男「ほぉー、なるほどな。」
主人「欠陥家屋やちゅう事にしたいからっちゅう注文もあるしな。」
男「いや、いくらなんでもそら詐欺(鷺)やろがな。」
主人「なぁに、わし(鷲)がやるねや、抜かりはないわい。」

ドンドン



114重要無名文化財:02/06/06 19:01
駄洒落とそのまま単語と二度おいしい話だ。
115sana亭omi:02/06/07 19:18
楽しませてもらいました。

>飽き(安芸)が来たらしい

返品した時期は、
海水浴のシーズンが終わる「秋」ごろですかね?
116重要無名文化財:02/06/07 23:50
>主人「お年寄りはご飯よそうのも大変なもんや。多すぎたら見ただけで
>食べる気なくすし少なかったらひもじい時代を思い出すし。」

うちの爺さんが正にこれ。リアルで笑った。

117重要無名文化財:02/06/08 00:52
sana亭omiさんが作家ながら、きちんと感想を書いてらして好感が持てます。
118重要無名文化財:02/06/08 07:18
>117
同感です
わたしも好感がもてます
119重要無名文化財:02/06/08 17:51
よく投稿HPで、感想も作品も作家の常連達が書いてて馴れ合いのところが
あるけど、ここは作家さんが感想を書いても普通に感じるようなスレで
あってほしい。

里の筍さんの強情灸をモチーフにした作品と、sana亭omiさんの自分自身のネタに
対する解釈の深さに感心。
120sana亭omi:02/06/08 20:00
117〜119、ありがとう。
以前、短気をおこしてみっともない事をしたので
その言葉は本当に嬉しいです。

少しお調子にのって、115の一部を訂正します。

>>飽き(安芸)が来たらしい
>返品した時期は、海水浴のシーズンが終わる「秋」ごろですかね?

しゃもじを返品した時期は
食欲のシーズンが終わる秋場所後と解釈した方が
自然ですかね。

それと、常連の人たちの安定した力には
正直言って、脱帽です。
121重要無名文化財:02/06/08 20:03
>>119
そうなるには我々匿名連も感想を書かねばな・・・。
でないと、作家の感想だらけになる。
書こうとは思うんだけどなぁ。

>>120
謙虚ですなぁ。これからもいい作品を。
122主催者:02/06/10 01:47
今回もまた読み応えある作品が出揃いました。

筍さんの>>109「熱湯の主(仮)」は、「強情灸」のマクラをモチーフに
した流れが面白いですね。昔の銭湯には必ず熱湯を好む主がいたそうですが、
大衆が入ってくる銭湯を舞台に江戸っ子が活躍する姿は似合っているというか
粋な感じが楽しめます。「あちー、むー」で「Aチーム」を使っているところも
上手いですよね。

半弗さんの>>111-113「一力屋(仮)」は、テンポいい掛け合いが面白いです。
最初の小咄の「七厘で八輪」もよく出来た噺だと思います。
人をくったような万屋のキャラが生き生きとしていますね。
くだらない駄洒落を生かす工夫もなされていて、一気に読めました。


作家の方も感想をお書きになってくださっているようでおそれいります。
どなたかもおっしゃっていましたが、作家ばかりが感想を書いても
内輪で盛り上がっているようですし、かといって匿名の方ばかりというのも
味気ないですし、その中間くらいの水準が望まれますね。
omiさんのこまめな書き込みは見ていて微笑ましいですよ。

それでは、第二十回御題取りを行います。
例によって、一レスにつき一単語でお願いします。
今回は区切りの回ですので、また新企画などがあれば重ねてお願いいたします。

123重要無名文化財:02/06/10 03:39
クリーニング
124重要無名文化財:02/06/10 18:30
放送室
125重要無名文化財:02/06/10 18:57
レーザー脱毛
126重要無名文化財:02/06/10 20:12
取り違え
127重要無名文化財:02/06/10 23:37
予備校
128重要無名文化財:02/06/10 23:38
アジサイ
129重要無名文化財:02/06/11 00:42
門構え
130重要無名文化財:02/06/11 01:26
寺子屋
131主催者:02/06/12 01:18
たくさんの御題、ありがとうございます。
それでは第二十回御題の発表です。
「クリーニング」「取り違え」「アジサイ」
の三題です。
「放送室」「予備校」「寺子屋」と学校関連が多かったのですが、
これはこれで別企画としてやりたい気がするので外しました。
たくさんの作品をお待ちしています。
132重要無名文化財:02/06/13 01:28
「クリーニング」「取り違え」「アジサイ」

あ「クリーニングしていいですか?」(パチパチ)
い「え?何を?」
あ「心を。」
い「上手いこというね。どうやってやるの?」
あ「片っ端から殴るの。」
い「汚れてるよ。」
あ「きれいな心になりたいから殴るの。」
い「あー、悪を退治ってこと?」
あ「国家権力を。」
い「きれいになる前に国にはむかっちゃあまずいよ。」
あ「アジサイのようにきれいな心を取り戻したいんだよ。」(パチパチ)
い「取り戻したいてことは元々持ち主だったんだ。」
あ「きれいな心で有名でした。」
い「どこの地方でか知らないけど、心で有名ってすごいね。」
あ「きれいな心部門第一位で、汚い心部門で八位だったよ。」
い「賛否両論あったんだね。」
あ「それでファン同士がもみあいの喧嘩。」
い「汚い心部門にもファンがいたことになるけど。」
あ「多勢に無勢だったよ。」
い「どっちが勝ったか分からないよ、それじゃあ。」
あ「アジサイをはさんで記念写真。」
い「和解したんだ。」
あ「きれいだろうが汚かろうが、こいつはこいつだ、とね。」
い「当たり前な結論にたどり着いたね。」
あ「で、仲直りの喧嘩。」
い「喧嘩好きなファンだね。フーリガンかな。」
あ「フーリガンって?あのバレーの?」
い「サッカーでしょ、普通は。」
あ「あ、サッカーとバスケを取り違えてた。」(パチパチ)
い「そんな奴いないし、君はバレーとサッカーを間違えてたよ。」
あ「バスケが三十人VS三十人でやるゲームだよね。」
い「そんなスポーツ自体知らないよ。」
あ「で、サッカーがアジサイを奪い合うゲームでしょ。」
い「何かしらアジサイがからんでくるね。」
あ「違うの?」
い「素だったの?サッカーはボールを蹴るの。」
あ「泣かないの?」
い「誰が?」
あ「蹴ってボールが。」
い「で、ゴールにシュートするんだよ。」
あ「無視しないでくれる?蹴ったらボールが泣かないの?ってきいてるの。」
い「露骨なボケは不愉快だよ。」
あ「だったら、梅雨の方がもっと不愉快だよ。」
い「梅雨と「露骨」の露とかけてるの?」
あ「悪い?」
い「逆切れだね。悪くないけど梅雨には骨がないじゃない。」
あ「あー、骨がなければ、傘で雨がしのげない。」


133重要無名文化財:02/06/13 01:28
どんどん
134前スレ亭ごじゅういち:02/06/13 18:51
「クリーニング」「取り違え」「アジサイ」

えー、いっぱいのお運びで、ありがたく御礼申し上げます。
世間ではもう今、サッカー一色でございますな。がんばれニッポンだけにとどまらず、
あの国が勝ったやの、あそこが予選で敗退したやの、もう大騒ぎでございますが、
そんな中こうしてこの会に来て下さるお客さん方がいてはる。誠にありがたいことやと
思てるわけですが。ぶっちゃけた話ね、サッカーのほうも見に行きたかった
という方もおられると思うんです。そんなみなさんのために、ここは一つ、みなさん方を
サッカー場へお連れしよやないかというわけでございまして…。

ここにございましたのが、大阪の馬のおうた喜六に清八の二人連れ。時候もようなった……
この時期ははっきり言うて時候はあんまりようないんですが、退屈やというんでここは一つ
サッカーでも見に行こやないかと、ずぼらなヤツもあったもんで、もったいないお話ですが
でも付きのワールドカップ観戦。……あの、これねぇ。私も設定に無理があると思うんですよ。
けども、あれだけチケットが余ったと言われるとね。そういうこともあるんやないかと…。
慣れん手つきでインターネットにアクセスしまして、思いもかけず手に入ったチケットを握りしめ、
どこで間に合わせましたか、ブルーのユニフォームに身を包み、フェイスペインティングの
一つも施しまして、やって参りましたのは大阪は長居陸上競技場でございます。
最寄りの駅を降りますというと、競技場のゲートまでは人また人。様々な国籍が入り乱れる上に
試合前の熱気がそれに輪をかけて、今か今かと開場を待つ人々の行列。その道中の陽気なことー。

(ハメモノ…やっぱり三味線でワールドカップのテーマでしょうな)

清八「さぁ、喜ィ公、出といで。どうや、これがワールドカップや。ぎょうさんの人やないかいな」
喜六「ほんに、ぎょうさんの人やな。この人らはやっぱり皆、サッカー見に行く人らか?」
清八「当たり前やないかい。この格好見てみぃな。道を行く誰を見ても青い服着てるやろ。
   これが日本代表のシンボルカラーや」
喜六「揃いの衣装か?」
清八「サッカーの応援に揃いの衣装はおかしいけどな、ま、そんなもんやな」
喜六「ふーん。あ、清やん、あそこに一人、仲間はずれがいてるで」
清八「指をさしなて。ん? どのお人やな」
喜六「あそこでちょんまげのカツラかぶって殿様みたいな格好してる…。
   あれはやっぱり、ミニモニの友達か?」
清八「あいーん、て言うてる場合かいな。ははぁん、あんな人がおっても不思議はないな」
喜六「というと?」
清八「ワールドカップというたら世界中の人が見てるやろ。せやからああやって
   どこの国の人が見ても、あ、サムライや、日本人や、とわかるような格好をするのも
   一種の趣向になってんねやな」
喜六「清やん、なんでそれを早よ言うてくれへんねん。しもたー」
清八「何を悔しがってんねん」
喜六「去年のハワイ旅行のときに持って行ったメガネとカメラ。そうと知ってたらあの格好で」
清八「嫌な日本人やな、お前は」
135ごじゅういち:02/06/13 18:51
喜六「清やん、あれは何や? あそこに固まってる、口髭生やしてやたら濃い〜顔の連中。
   あれはやっぱり、どこの国の人が見ても「濃い顔国」の人やなぁ」
清八「笑われるで、そんなこと言うてたら。どこぞの世界に「濃い顔国」てな国があるか?
   あれはお前、これから日本代表が対戦するチュニジア代表のサポーターや」
喜六「清やん、わいらサッカー見に来たはずやなぁ?」
清八「そうや」
喜六「サッカーにもやっぱりドラゴンズがあるんか?」
清八「そら中日や」
喜六「あ、お彼岸か」
清八「それも中日や。違うがな、チュニジア。アフリカの北のほうにある国やがな
   憶えてへんかなぁ、学校の世界史の授業で出てきたはずやけど、ローマ帝国の頃に
   カルタゴという都市国家があった…」
喜六「清やん、わい、選択科目、倫理社会やってん」
清八「倫社かいな。まぁええわ。あの人らはそのチュニジアの応援に来てはんのや
   どうでもええけどな、あんまりそうやって人を指さしたりせんほうがええぞ。
   サッカーの応援しに来てる人の中には、怖ぁいフーリガンもいてるんやさかいな」
喜六「フーリガンちゅうと?」
清八「何にも知らへんのやなぁ。フーリガンというのは、サッカーの試合があるというと
   それだけで体中の血が熱ぅなって、見境なしに周りの人をドツキ回したりする連中のこっちゃ。
   お前もあんまりボーっとしてたら、やられてまうで」
喜六「脅かさんといてぇな。怖いヤツがいてんねんな。しかし、そしたら何か清やん。
   お前もフーリガンやってんなぁ」
清八「オレが?」
喜六「そうやがな、酒呑むとなるとそれだけで体中の血が熱ぅなって、見境なしに周りの人を…」
清八「ウダウダ言いないな」

喜六「しかし清やん、ムチャクチャ蒸し暑いなぁ、今日は」
清八「ほんまやなぁ、このぶんやと大阪近辺ももうじき梅雨入りやろな」
喜六「ここへ来る途中の道の脇でもアジサイがきれいに咲いてたもんな」(パチパチパチ)
清八「なんや喜ィ公、顔に似合わん風流なこと言うやないか」
喜六「へへ、おだてないな。福井でごじゃいますぅ。あしたのお天気は…」
清八「懐かしい物真似はえぇねん。それにしても喜ィ公、おだてるついでというわけやないが
   この天気によう気がついたな。なかなかえぇ目のつけ所や」
喜六「ほ、こりゃいよいよ…ばいうじぇんしぇんが、北上しておりますぅ」
清八「いちびってんねやないで。しかしこの天気のおかげで、今日の試合は日本がかなり有利やな」
喜六「なんでそんなことがわかるねん?」
清八「さっきも言うたように、相手のチュニジアは北アフリカの国やろ。あの辺りは
   普段の天気がカラカラに乾いてるさかいな、こういうジメジメの天気には不慣れで
   試合が進むとすぐに選手らがバテてしまうかも知れん、という訳やな」
喜六「清やん、何でもよう知ってんねんなぁ」
清八「憶えてへんかなぁ、学校の地理の授業で出てきたはずやけど、地中海性気候というて…」
喜六「清やん…」
清八「すまん。倫社やったな」

(ハメモノ終わり)
136ごじゅういち:02/06/13 18:52
わあわあ言いながらも行列はぞろぞろと進み、この二人もゲートをくぐって競技場の中へと入ります。
超満員に埋まった客席であたりを見渡しますと、朝のラジオでお馴染みのあの人や
我々噺家仲間のあの人の顔があったりなんかいたしまして、なんやここは相撲の春場所かいな
てなことを思たりもしながら、両チームの選手がピッチに登場し、両国国歌の演奏が終わりますと、
いよいよ試合開始のホイッスルが鳴り響くわけでございます。

清八「さぁ、喜ィ公、いよいよ試合が始まったで、しっかり応援せなあかんで」
喜六「うわぁー、始まった始まった。あー走った!蹴った!走った!蹴った!」
清八「やかましいな、お前は。走って蹴るのは当たり前やがな」
喜六「せやけど、わい、目の前で見たもんは口に出さんとおられん…」
清八「難儀な性分やな」
喜六「わぁー、チャンスやチャンスや、あれ、審判に止められた」
清八「惜しかったなぁ、オフサイドや」
喜六「あぁ、薬包んでなめると溶ける」
清八「そらオブラートやがな。もぉー、お前なんか連れてこなんだらよかった」

試合のほうは一進一退でございます。0−0のまま前半を終えまして後半に突入。

喜六「清やん、あの赤いニワトリみたいな頭した日本の選手。あいつ見てると
   なんか冷や冷やするなぁ」
清八「喜ィ公もだいぶ見方がわかってきたみたいやな。あの戸田なぁ、動きはええけど
   ラフプレーも多てな。イエローカードもらう前に交代させたほうがええかも知れんな。
   てなこと言うてたら、流石はトルシエ監督や。ほれ、あそこで用意してる選手。
   あれは服部やな」
喜六「なんや、黒いパネル持ったおっさんが出てきよったで」
清八「あれで背番号を表示してな、交代する選手を知らせるんや。あれ? なんで5番やねん
   あかんがな、それでは戸田やなしに稲本が下がってしまうやないか」
喜六「トルシエ監督、慌ててるで」
清八「慌ていでかい。交代する選手間違えたらえらいこっちゃ」
喜六「ニワトリをハットリに代えるさかい、トリ違えたんやな」(パチパチパチ)
清八「落ちついてる場合かい!」

さぁ、予定外のトラブルにも動じることなく、そこは我らが日本代表、
見事チュニジアを撃破いたしまして、予選H組1位で堂々の決勝トーナメント進出が決定いたします。

喜六「やったーーー! 勝った!清やん!勝った!」
清八「やりよったなぁ! 喜ィ公、見に来てよかったな」
喜六「清やん、あれ何や。試合終わったら選手らがみんな服を交換してるで」
清八「あぁ、こういう光景は見てて清々しいな。あれはな、試合が終わってお疲れさん、
   お互いようやったというてユニフォームを交換して健闘を称えおうてるんや」
喜六「うわぁ、そうかいな。なんかそういうのえぇなぁ。スポーツマンやなぁ。
   けど清やん、あのユニフォーム、もう汗だくやで。よう考えたら臭いやろな」
清八「そんな身も蓋もないこと言うもんやないがな。まぁ、けどそやな。
   あれだけ汗やら泥やらついてるんやさかいな。匂うたら臭いやろな」
喜六「やっぱりすぐにクリーニングに出すんやろか?」(パチパチパチ)
清八「なんでそないに言うことが現実的なんや、お前は。まぁ、でもそうやわな。
   なんぼなんでもあのまま置いとくっちゅうわけにはいかんわな。
   そこはやっぱりクリーニングに出すことになる……ん! 喜ィ公、あかん!」
喜六「何や清やん。どないしたんや、急に」
清八「せっかくの決勝トーナメント、日本が不利になるかも知れへん」
喜六「なんでや?」
清八「なんでてお前、この湿度が有利やと言われてきたのに……あかんやろ、ドライクリーニングは」


ドンドン
137ごじゅういち:02/06/13 18:58
本当は、やはり明日に投稿したかったものの
明日は用がありまして…前夜祭みたいなもんです。
今回の口調は吉朝想定に挑戦してみましたが、難しいです。
どこまでできてるかどうか…。
138sana亭omi:02/06/14 00:16
>重要無名さん、
意表をつく出だしと、今風のボケとツッコミに
僭越ながら、お笑いのセンスを感じました。

>ごじゅういちさん、
上方落語特有の、あのかまぼこの板みたいな奴を
パチッパチッてやっている音が聞こえるような
リズム感のよさを特に枕の部分から感じました。
僕がやっても板につきません。

噺も面白いです。
今の日本サポーターにとってはまさに
神様仏様稲本様ですね。
139ごじゅういち:02/06/15 17:24
やれやれ、勝ってよかったです>日本代表
こんな作品書いて負けてしまったらどうしよう、なんて思ってたんで…。
そうか、稲本は代えて正解なのか、まだまだだなぁ>オレ

>>138
今回のは「相撲場風景」を念頭に、まず骨格を作って
肉付け、入れ事をしてたら「遊山船」or「天王寺詣り」あたりに路線変更。
最後にマクラ&導入で、どうしても「東の旅発端」を入れたくなった。
というのが、作ったプロセスです。でも、読み返してみると
ちょっと入れ事に凝り過ぎたかも。お江戸の方には馴染みにくい?
omiさんの作品も楽しみにしてます。

>>132=101の人でいいんですよね?
またしてもフレーズの妙ですね。テンポもすごい。
ただ、どうしても落語イメージで読めなくて…。
トップ・ライトとかWけんじみたいなイメージが離れない。
正直、この2組も詳しいわけじゃないんですけどね。
今で言ったら…くりぃむしちゅー?
140重要無名文化財:02/06/15 23:44
いいですね、このスレ。やっと全部読めた。

里の筍さん「熱湯の主」の威勢の良い熊さんが好きです。
あれだけ無茶を言っていても嫌味に感じません。
スカッとしてて江戸っ子らしい!

ごじゅういちさんのスポーツネタも好きです。
選択科目ネタも無理なく納得。
「去年のハワイ旅行のときに持って行ったメガネとカメラ。そうと知ってたらあの格好で」
に笑いました。ツボです。

前スレではかみさんの「猿金合戦」が一番好きでした。

個人的にはさくさく読めるカッ飛びブッ飛び噺が好きではありますが、
ぐっとお腹にたまる感じの古典も、またもっと出てきて欲しいです。
色んなのが読みたい!
141sana亭omi:02/06/15 23:54
「あじさい」「すり替え」「クリーニング」で、

熊「ぞっぞー」
八「もぐもぐぐちゃぐちゃ」
熊「ぞっぞー」
八「もぐもぐぐちゃぐちゃ」
熊「・・・おまえとだけは・・・ぞっぞー・・・一緒に蕎麦を喰うもんじゃないな。」
八「もぐ・・・ん?・・・ぐちゃ・・・なんで?」
熊「蕎麦は喉越しを楽しむもんだ。・・・ぞっぞー・・・
おまえみたいにぐちゃぐちゃ噛んだら台無しだ。」
八「そうかぁ?旨いぞ・・・もぐもぐ」
熊「だから噛むなって言ってんだ。だいたいおまえはつゆをつけすぎなんだ。
  つゆの中に蕎麦を沈めて箸でぐるぐる回して、
しかもそれを口一杯に頬張るからそんな野暮な喰い方になるんだ。」
八「つゆをつけると野暮になるのか?そんなこととはつゆ知らず
・・・ぐるぐる・・・だけど・・・もぐもぐ・・・
蕎麦は『やぼ蕎麦』ってのが有名だろ?」
熊「しょうもないこと言っていないで早く喰え。
俺はとっくに喰い終わっているんだ。
  おまえ、まだ半分以上残っているじゃないか。
  おいおい、やめろよ、つゆだけのおかわりは・・・
まだ食い終わらないか・・・じれったいな・・・まだかよ・・・
ああ、ねえさん、こっち2人分お勘定して」
八「ぞっぞーぞっぞー・・・ああ、旨かった。さあ、兄い出よう。」
熊「・・・」
142sana亭omi:02/06/15 23:59
熊「しかしおまえはつゆが好きだな」
八「なにおぅ、俺は江戸っ子だ、職人だ」
熊「笑わせやがる。おまえが江戸っ子なのは
  人が勘定を済ませたあとの蕎麦の喰い方だけだ。」
八「面目ない。だけど、それもこれも梅雨(つゆ)のせいだ。
  こう雨降りが多くちゃ職人は仕事にならない。梅雨は大っきらいだ。」
熊「おまえ、この前、春先は風が強くて仕事にならんて言ってなかったか?」
八「ああ、夏は暑いし、秋は台風が来るし、冬は寒いし、
  全く世の中ままならん。」
熊「おまえには季節季節の風情を楽しむゆとりがないな。
  ほら、見ろ。あの道端のあじさい。
  梅雨なればこそ、きれいなもんだ。」(パチパチ)
八「あれなら俺の家にも鉢植えがあるぞ。」
熊「おまえの家に?」
八「うん、こないだ棒手振りが売りに来た。
  あまりきれいなんで買ってしまった。出来心だ、すまない。」
熊「出来心って奴があるか。もう、じきにおまえの家だ。
  俺にも見せてくれ。」
143sana亭omi:02/06/16 00:02
八「さあ、俺に家に着いた。兄い、持ってくるからちょっと待っててくれ。
  冷蔵庫の中にしまってあるんだ。」
熊「冷蔵庫?」
八「うん、あまり見事だったから大事にしてあるんだ・・・あーっあーっ」
熊「おいどうした。無くなっているのか?」
八「いや、あるにはあるけど、誰かにすり替えられた。」(パチパチ)
熊「そんなもん、誰がすり替える」
八「でも、俺が買ったのはこんな萎れた物じゃなかった。
  くそぉ、あの棒手振り野郎、
  まがい物を売りつけやがって。返品してやる。」
熊「そんなことができるのか?」
八「ああ、昨日買ったばかりだ。
  訪問販売で一週間以内だからクリーニングオフができる。」(パチパチ)
熊「冷蔵庫なんかに入れたおまえが悪い。
  まあ、萎れる前のきれいな物を見て心が洗われたから
  それでよしとしとけよ。」
八「おっ、雨が降ってきた。
  心の洗濯どころじゃない。兄い、外へ出よう。」
熊「雨が降ってきて何故外に出るんだ?
  それになんだ?石鹸なんか持ち出してきて。」
八「こういう強い雨の時は、銭湯代を節約するために
  外に出て体の洗濯をするんだよ。」
熊「つくづく情けない奴だな。」
八「兄いも早く来ねえ。」
熊「止めなって。そんなみっともない真似、
  俺が許しても世間(石鹸)が許さん。」

ドンドン
144重要無名文化財:02/06/17 02:28
お、擬古典だ、「クリーニング」をどうやって使うんだろう
とか思いながら読んでたら、違和感を感じさせませんでしたね。
なんか、この八公、いい意味で必要以上にかわいい。

>>140
感想、どうも。そろそろ脱スポーツがオレのテーマだと感じつつ…。
ところで、前スレから一気に読むと、どれぐらいの時間がかかるもんなんでしょ?
145ごじゅういち@144:02/06/17 02:34
書かなくてもわかるでしょうが…。
146重要無名文化財:02/06/19 23:55
sana亭omiさん、お疲れさまです。
最初の蕎麦を食べるシーンの仕種、実際にはどう演じられるのか
想像してしまいました。何となく「長短」のような雰囲気ですねえ。

>>ごじゅういちさん
実際読んでみると、3日間程かかりました。
モニターのままで読むと、だんだん目が辛くなってきます。
紙に印刷して読むのだともっと早いかも。
147主催者:02/06/20 00:26
いつもたくさんの作品、ありがとうございます。
感想が頻繁に書かれるようになっているみたいで、嬉しい限りです。
過去の作品を読まれた方も、その感想を書いていただけたら幸いです。

まず、匿名さん>>132-133「梅雨骨(仮)」はまたシュールな話芸です。
微妙にかみあわない二人の会話が絶妙ですね。
きれいな心部門と汚い心部門への同時ランクインも、芸能人の人気投票で
よくある風景で面白かったです。

ごじゅういちさんの>>134-136「W杯見物〜南の旅〜(仮)」ですが、
題名の「南の旅」は長居陸上競技場が東住吉で大阪環状線より南に位置していますので
そう付けました(「池田の猪買い」が「北の旅」に分類されてますので)
W杯を見物する二人のやり取りは現代版の弥次北を彷彿とさせます。
まさにタイムリーな内容で、フーリガンや梅雨など興味深いくすぐりが
たくさん含まれていて、さながら観戦している気分が味わえました。

OMIさんの>>141-143「野暮雨(仮)」は、蕎麦の食べ方、アジサイを
冷蔵庫にしまう、雨天に体の洗濯、と野暮な江戸っ子がいきいきとした
生活を送っている様子が面白みがあります。ところどころに江戸落語の
テイストが盛り込まれていて、自然な流れで読ませていただきました。
難を一つだけ。本来のお題「取り違え」を「すり替え」でやっておられるようなので
微妙に意味合いや語呂の使い方も変わってしまいますし、原題通りで
書いていただけますか?「とりちがえ」を「ここやと立地がえぇなぁ(ここや『とりっちがえ』ぇなぁ)」
という強引な使い方はもちろんOKですよ。

まだまだジメジメとした梅雨の時期が続きますが、もう少しこの御題で
続けたいと思います。たくさんの作品、お待ちしています。
148sana亭omi:02/06/20 21:01
>ごじゅういちさん、
>No.146さん、
ありがとうございます。感想が何より嬉しいです。

>主催者さん、
「野暮雨」でお願いします。
>難を一つだけ。本来のお題「取り違え」を「すり替え」でやっておられるようなので
ありゃりゃ、何で間違えたんだろ?
読み直したらスタートから間違っている。
意識的にすり替えたのではなくて、
どうも僕が勝手に取り違えていたようです。
今回は僕だけ2.25題噺ということで許して下さい。
149重要無名文化財:02/06/23 22:58
う〜ん、徳さんシリーズはもう無いのだろうか…。
150ごじゅういち:02/06/24 00:31
>主催者氏
「W杯見物」もしくは「W杯風景」だろうなぁ、と思ってましたが
「南の旅」は思いつきませんでした。
毎度、小粋な命名をありがとうございます。

>>146
お疲れ様でした(w
151里の筍:02/06/27 13:06
もうだいぶ前になりますが、一時ご家庭の奥様方の間で「くれない族」ということばがはやったことが
ありましたな。旦那が「あれしてくれない」「これをしてくれない」といって文句ばかり言って
たんだそうで、今ではさすがにそんな言葉は聞かなくなりましたが、なぁに中身はちっともかわっちゃ
いないんで、「くれない」から「三ない」に変わっただけなんだそうですな。
これは「掃除をしない」「洗濯をしない」「飯を作らない」ってんだそうで、一切家事をしない。
「掃除はどうしたい?」
「ほこりで死んだ人なんかいないんだから、いいのよぅ。」
「飯は食わなけりゃ死んじゃうだろ?」
「引き出しにカップメンが入ってるからお湯沸かして勝手に食べたら。」
「そんなんばかりじゃ飽きるよ。」
「それじゃコンビニ行って弁当買って来なさいよ。」
「洗濯はどうするんだい?」
「垢で死んだ人はいないのよ。」
「またそれかい。でも汚い格好で会社に行ったら首になっちまうぜ。」
「それじゃクリーニングにでも出したら。」(パチパチパチ)
「おい、おい、何でもクリーニングに出してたらお金がかかってしょうがないじゃあないか。」
「うるさいわねぇ、それじゃああそこの角にコインランドリーがあるから自分で洗ってきたら。」
まあこんな横着な奥様ばかりじゃあないとは思いますが、世の中どちらかというとそっちの方に
流れが傾いているおうな気がいたしますな。
そんな奥様方でも自分の大切な着物はさすがにコインランドリーなんぞで丸洗いはしませんね。
こればっかしは昔ながらの洗い張り屋さんにお願いすることになる。
この洗い張りというのは、着物の縫い目を全部ほどいて、ばらばらになった布を一枚一枚丁寧に洗って、
木の板に貼り付けて乾かす、それからまた縫い直すといった具合で大変に手がかかったもんだそうです。
152里の筍:02/06/27 13:07
熊「おっかあ、今帰ぇったとこだ。腹ぁ減ったからすぐに飯にしてくんねぇ。」
女房「飯どころじゃあないよ。あたしぁ悔しくて悔しくて何にも手につきゃあしない。」
熊「えれぇ剣幕だなぁ。いったいどうしたい?」
女「横丁の洗い張り屋の竹さんだよ。」
熊「それがどうしたい?」
女「いえね、正月に熊さんに買ってもらった着物なんだけど、虫干しにしようと思ったら裾のあたりが
汚れていたんで竹さんの所に持ってったんだよ。」
熊「ほーう、それで?」
女「そしたら竹さんがね『こりゃあ妖刀村正だなぁ。こんな着物じゃあ洗い張りをしても元の形にゃ
ならねぇ。そのへんの井戸水でもぶっかけて、塀にでもぶら下げておいたらどうだい。』なんてことを
言いやがる。あたしゃ悔しいからよっぽど野郎の鼻にでも食いついてやろうかと思ったけど、このあいだ
梅干の種をかじって歯が抜けたから、どうにもなりゃしない。」
熊「へぇー、ところで妖刀村正てぇのはなんだい?」
女「触っただけで切れるってんだってさ。」
熊「なるほど、野郎うめぇこと言いやがるなぁ。もっともあの着物じゃぁ、まぁ無理もねぇが...」
女「お前さんが感心してどうするのさ。それに無理もないってぇのは一体どういうことなんだい?」
熊「何でもありゃしねぇよ。なるほど竹の野郎、とんでもねぇ野郎だ。」
女「どうにかならないもんかねぇ?」
熊「わかった。俺が掛け合ってきてやる。さっきの着物をこっちにかしな。」

熊「おい、竹」
竹「おや、熊さんかい?」
熊「熊さんかじゃあねぇや。てめぇ俺の女房の着物をよくも村正の妖刀なんぞと抜かしゃあがったな。」
竹「だって熊さんの前だが、ありゃあひどいぜ。いっぺん縫い目をほどいたらもう縫い合わせること
なんかできゃしねぇ。」
熊「そうかい?そうだろうなぁ。ありゃ去年の暮れに、正月に着るもんがないからとねだられたんだが
懐が生憎だ。道具屋の前にぶらさがってた奴を、雑巾にでもするからといって二束三文でひったくる
ようにして持って来たんだが、こんなこたぁ女房に口がさけても言ぇやしねぇやな。」
竹「へぇー、そうだったのかい。」
熊「ところで物ぁ相談なんだが、こいつにどうにか格好をつけちゃあもらえねぇだろうかなぁ?
井戸水でもぶっかけて、塀にでもぶら下げとくとか...」
竹「他ならぬ熊さんの頼みだ。まさか井戸塀というわけには行かないが、そっと丸洗いしてみるが
それでどうだい?」
熊「ありがてぇ。」

熊「どうだい、どうにかなったかい?」
竹「熊さん、申しわけねぇ。やっぱりあれはダメだった。丸洗いしてるとビリビリに裂けちまって
どうにもならねぇ。」
熊「おい、それじゃあ俺が困るじゃあねぇか。どうにかならないのかい?」
竹「ちょっと他所で余ってる着物があるんだが、こっちの方が物がいいんだがどうだい?」
熊「そりゃあ物がいいんだったらそれでもいいけど... おい、こりゃあアジサイの柄だな。」
(パチパチパチ)
竹「アジサイじゃあ具合が悪いかい?」
熊「だって前の着物と柄が違うじゃあねぇか。女房に何て言やぁいいんだぃ? まあいいや、とりあえず
こいつをもらってくぜ。」

熊「おい、おっかあ、竹に謝らせてちゃんと着物はいいようにしてきたぜ。」
女「さすが熊さんだねぇ。あたしゃ甲斐性のある亭主をもって嬉しい... おや、でもこれはアジサイ
の柄だよ。うちのはアヤメの柄だから違うみたいだけど。」
熊「こっちが悪いんじゃあねぇ。竹の野郎が間違えたんだからいいじゃあねぇか。それにそっちの方が
物もよさそうだし。」
女「それはいいけど、また後になって竹さんに何か言われるのは嫌だからねぇ。」
熊「なぁに、そいつぁ大丈夫だ。ものがアジサイとアヤメのとり違いだ。竹の野郎も赤くなったり
青くなったりしてあやめっていやがったから。」(パチパチ、ドンドン)

153重要無名文化財:02/06/28 18:41
ストーリーが面白いな、筍さんは。流れがスムーズで読みやすい。
154sana亭omi:02/06/28 23:32
僕の服は名刀正宗、触れる前から切れてます。
155重要無名文化財:02/06/28 23:46
里の筍さんだぁ。
「あやめって」(あやまって)なんですね。

「ほこりで死んだ人なんかいないんだから、いいのよぅ。」
志ん生師匠のくちぶりを想像して、一人で笑ってしまいました。
156湖亭半弗:02/06/29 03:34
うーん、また出て遅れてしまいました。
皆さん、擬古典から新作調まで幅広いですね。感心します。
それではいつもながらよく分からないお噺を書かせていただきます。
そして少しタッチを変えてみます。どなたの口調かすぐ分かると思いますが。
「クリーニング」「取り違え」「アジサイ」ですね。


 えぇー、ようこそのー、お運びでございます。落語でございまして、
大いにこの、笑っていただきたい訳であるのでございます。
笑えば笑うほどー、この、体にはちょうどえぇ按配になってくるのでございますね。
温泉につかってても体はちょうどえぇようにはなってきますけんども、
それではアハ、アハという快感は得られないのでございます。落語で一席
お付き合い願うわけでございますけれども。
泥棒ちゅうのが、ま、落語の方には大勢出てくるんでございます。
泥棒が昔は大勢おった!というわけではございませんで、今と同じぐらいの
人の数やったと思うんですけれども、それはもう落語になるくらいですから
アロットオブだった存在であるといえるので、ございます。
何故このような話になったと申しますと、今日はそのような盗人のお話だから
でございまして、決して客席の皆様のご先祖連中が泥棒やったとこう申し上げている
訳ではないのでございます。そこをふまえてぇ、聞いていただきたいと。
ここにおりました泥棒、泥棒ちゅうても今日が始めてでございまして、
それまでは何をしておったかといえば、ヤクザでございまして、
後の商売も先の商売もあんまり変わらん崩れっぷりでございますが。
ヤクザの親分のダイヤを昼寝しているうちにくすねた、とただそれだけなんで
ございます。
157湖亭半弗:02/06/29 03:35
津野「でやぁー、こぉれだけ逃げたら追いつかれんじゃろ。ひやー、疲れた。
うまいことくすねれたもんやなぁ、えぇ。わしがふっと部屋に入ったら、親分
昼寝して寝とんねん、それでジーっと見てたらダイヤが外してあって、おっ、これ幸いに
いっぺんはめたろ、あー似合う似合う、わしのつややかな指がよぉにおとるがな、
もろてまぉ・・・、これだけで大泥棒や、えらいもんやなー。
・・・、お、あれ、追っ手や!・・・大きな声出したらいかん、ばれてまう。
お、雨や。こら激しいに降るで、これ。この雨に紛れて・・・、いかんな、傘が
ないと何故こうも濡れるかな、これ。いきなりドウワアァと降ってきて
わし何か悪いことしたかしら・・・。
こらぁ、どっか店屋に入って通り過ぎるの待つかな。カランコロンカラン」
マスター「いらっしゃいませ。」
津野「いやー、えぇ天気やなぁ、マスター。」
マスター「あんた・・・、雨でずぶぬれで入ってきて無茶苦茶言いないな。
この手ぬぐいつこぉとくなはれ。」
津野「あー、おおきに、はばかりさん。へぇー。ジャズ喫茶ちゅうやつやな、ここは。
わしもよぉ来るねや、なぁおやっさん。」
マスター「あんたがどこの店入るか分かりますかいな、あんた初めてだっしゃろ、ここ。」
津野「初めてやて分かるか、わしのことよぉ知ってるな。」
マスター「なぶりなはんな、ほんまに。ほな、何しましょう?」
津野「えーと、ほなな・・・ぜる蕎麦くれるか、ぜる蕎麦。」
マスター「ぜる蕎麦って何でんねん。」
津野「ぜる蕎麦知らないの?こうスノコのちいさいのんに蕎麦をデヤー
っとのせて、刻んだねぎやらノリやらをこうまぶしてやね、こう
湯飲みに入ったダシにつけて、ゾーちゅうやつ。」
マスター「ざる蕎麦でんな。喫茶店来てざる蕎麦注文するお人もめずらしおまっせ。
いやいや、作らせてもらいます。ちょうど『ざるそば始めました』ちゅう季節でっさかいに。」
津野「ここは何やな、『エスカルゴ』ちゅうねやな。エスカルゴ、おもろい名前や。
なんぞ由来ちゅうか、あんのんかぃ。」
マスター「あぁ、これカタツムリのこってんねん。」
津野「カタツムリちゅうたら・・・あぁーナメクジカラアリ!」
マスター「けったいな名前勝手につけなはんな。アジサイやら何やらによう這うて
ますやろ、あれですわ。あれの食用でんな。」(パチパチパチ)
津野「へぇー、あれ、食べるのん?そういう人種がいてるわけやなー。ふーん、
で、エスカルゴて何や。」
マスター「えぇ加減にしなはれ、あんた。ほれ、これですわ。」
158湖亭半弗:02/06/29 03:35
津野「わっ、何じゃいな・・・、これ、カタツムリのぬいぐるみやないか。」
マスター「店の名前だけにそんなんもおますわ、うちには。」
津野「ひぇー、こんなん売ってる店屋もあるねやなぁ、ここだけの特注でも
ないねやろしなぁ。あんた、これ、どこで買うたやな?」
マスター「どこでって、そこのーほら、四つ角の、栗井人形店ですがな。」
津野「クリーニングはどないでもえぇねん、どこの店やちゅうてるねん。」(パチパチパチ)
マスター「ぬいぐるみクリーニングなんかせぇしまへんがな、これ。」
津野「せやけど、あぁた今、クリーニング用の店やちゅうたがな。」
マスター「よぉ聞きなはれ、栗井さんとこの人形店で、栗井人形店やがな。」
津野「あぁ、わしゃくりいにんぐょうてんかとばっかり思うて。」
マスター「はぁ、まぁ、ややこしい名前でっけどな。」
津野「ふぅーん、おっ、これはデティルに凝ってるね。」
マスター「なんちゅう喋り方しなはんねん。何だんねん。」
津野「せやかてそうやないかい、これ、殻が外れるがな。」
マスター「あぁ、それよろしいやろ。そこに色々ティッシュやとかが入りますんです。」
津野「・・・、これ、もろてえぇかしら。」
マスター「何です?」
津野「このカタツムリ、ちょっと隠し場所に貸してほしいんやがな。」
マスター「何です?」
津野「皆まで言わすない、実はわしは今盗人して追われてるねや。」
マスター「何です?」
津野「もうえぇちゅうねん。実はかくかくしかじかで、このダイヤを持ってるんでな、
外へは出られんねや。ここにこぉ、隠させてもろたらいかんやろか。」
159湖亭半弗:02/06/29 03:37
マスター「へー、そうですかいな。・・・あんた、カタツムリみたいなお人やな。」
津野「何です?」
マスター「それはよろしいねや、あんた、カタツムリのようなお人じゃちゅうてますねや。」
津野「何でや。わし、家せたろうてへんし、塩かけてとけへん。」
マスター「カタツムリちゅうのはな、雌雄一体でんねん。言うたら我と我が身を
愛するちゅうやつですわ。」
津野「ほぇー、楽でえぇわな。」
マスター「あんたも自分がかわいいてしゃあおまへんやろ。せやさかいに行き掛かりで
ダイヤ盗んで、行き掛かりでダイヤ隠そうと思うて。あんた、いくらヤクザの親分
やかて盗まれたもんの気持ち考えてまへんやろ、わたいがこれ隠すためにカタツムリの
ぬいぐるみあげて、わたいが追っ手に怪我でも負わされたらちゅうこと少しでも考え
なはったか?我と我が身を愛するあまりに回りが見えてへん、あんたはカタツムリみたいな
お人やちぃましたんや。・・・初めて来てくらはったお客さんにえらい物言い
言うてすんまへなんだ、これ、あんたのいうぜる蕎麦、サービスしときます。」
津野「・・・マスター、ほんまやな・・・。わし、甘えてたわ。」
マスター「はよ、それかやしてくるなり、自首するなりしたらどないです?」
津野「返しにいたら、指詰めるだけでは済まんさかいなぁ、これも元は盗品やし、
警察に持っていくのが筋やろと思うわ。」
マスター「雨がやんだらいきなはれ。蕎麦、のびまっせ。」
津野「こら、おおきに・・・、うわぇ!ダイヤが欠けてる!」
マスター「そんな、ダイヤがかけますかいな・・・ダイヤが欠けてる!」
津野「こら、イミテーションちゅうやつか、どうやらわしゃ、親分から
取り違えたみたいやなぁ。」(パチパチパチ)
マスター「ともかく、イミテーションでも何かの証拠になりますやろ、
警察へは行きなはれ、私もついてったげるさかい。
今、店閉めましたんでな、ついていきますわ。」
そう言うて、このー支度しておりますところへ、表が何やら騒がしぃになって
参ります。
追っ手「こら!あほんだら、津野!ここへ逃げ込んだんわかっとんやぞ!ゴルァ!」
追っ手「はよ出てきてダイヤ返せや、こら津野!いてまうど、こら!」
マスター「津野ちゅうのはお客さんですかいな?まぁーえらいガラ悪いのんに
付け回されてましたんやなぁ。」
津野「そらもぅヤクザ連中やからな。あいつらわしがガラス玉つかまされたん知りよら
んさかいなぁ。どないしたろうかしら。」
マスター「今は出ん方がよろしいわ、津野出て来い!やれ出て来い!、ちゅうだけで、
堅気の店に踏み込むようなことはしよらしまへんやろ。やりすごしなはれ。」
津野「そうやなぁ。そないしょうかしら。・・・ちょっと戸ぉの隙間からみてもえぇやろか、何人くらい
いてるんか見てみたいやないか。」
マスター「あきまへんで、あんた!今、覗くやなんて、そんなん向こうが待ってる事
やおまへんかいな。」
津野「何であいつらが覗くの待ってるねん?」
マスター「ここはカタツムリの店でっせ。津野出せやれ出せ、『目玉出せ』ですがな。」

ドンドン






160重要無名文化財:02/06/29 21:59
おお、長篇ネタ!
落ちがきまってますなあ!
季節にもあってるし(w
161重要無名文化財:02/06/30 22:00
半弗さんの最近の作品では、よく練られた作品だ(W
口調は枝雀かな?
162重要無名文化財:02/07/01 03:19
>アロットオブだった存在であるといえるので、ございます
こういう英語の言い回し、枝雀師匠がしそうだよね。
あと「ぜる蕎麦」には笑ったよ。
163重要無名文化財:02/07/01 13:52
軽く読める短編もうれしいが、こういう長いのも読み甲斐があってよい。
いいスレッドだな。
164重要無名文化財:02/07/01 20:31
お題の使い方がちょっぴり無理矢理になりがちに感じる半弗さんですが、
今度のは違和感ないです。
ただ、「クリーニング」だけちょっと使い方が苦しいように感じました。

栗井人形店でなく、例えば、津野が調子に乗ってエスカルゴ料理を食べて
ソースを服にこぼし、チンピラ根性まる出しでマスターにクリーニング代を
たかる、という展開もあるんじゃないかな〜、と思います。
で、困ったマスター、クリーニング代のかわりに津野ご希望の蕎麦でごまかす、とか。

津野のへなへなしたキャラは好きなので凄みを出させちゃうのはNGかも、
とは思ったんですけど…話の山場にもなるかもしれないと思ったので。
偉そうな感じでごめんなさい。
165sana亭omi:02/07/01 22:14
さすがに長編を苦にさせない力を感じます。

僕的には、「ぜる蕎麦」の説明の部分、

>津野「ぜる蕎麦知らないの?・・・ゾーちゅうやつ。」

の中の、「ゾー」が
ひょっとして僕の「野暮雨(やぼさめ)」の「ぞっぞー」から
きているものだったら
こんな嬉しい事はないと思いました。
166重要無名文化財:02/07/02 01:19
>>164
このクリーニングとかの無理やりな使い方についてだけど、
俺はちょうど逆の見方をしてる。
というのも、「らくごのご」世代なもんでこういう無理やりな使い方が
いくつか入ってくれてた方が親近感が沸くっていうか。
ハンドルさんはさすがは常連だけあって、使える部分がありながら、そういう
無理やりな部分を、わざと入れてくれてる気がする(前の『一力屋』も無理やりなのと、
御題そのもので使ってたし)。クリーニングはもうそのまま使うしかないと
思って読んでたけど、あえて挑戦してくれて俺は嬉しかったな。
もちろん、すごませてクリーニングという使い方も、やくざの設定もあることだし面白いと思う。
167重要無名文化財:02/07/02 03:22
クリーニングなら、びしょぬれになって喫茶店に入ってきたときに
マスターに「クリーニングしましょうか」で済むなぁ。
168重要無名文化財:02/07/02 06:20
>>167
それじゃ面白くない
169重要無名文化財:02/07/02 07:33
クンニリングスなら、びしょぬれになって喫茶店に入ってきたときに
マスターに「クンニリングスしましょうか」で済むなぁ。
170主催者:02/07/03 00:35
雨が続きますが、蒸し暑さを吹き飛ばすような好作品があがっていますね。

まずは筍さんの、>>151-152「洗い張り屋(仮)」は、洗い張りという
職業と江戸っ子の見栄っ張りぶりが調和された作品だと思います。
大事な着物なのに、と怒るかみさんに、実は雑巾扱いで譲り受けた熊さん、
何とか言いくるめようとする姿が滑稽です。アヤメとアジサイが
好対照になっていて、雰囲気がグンと品のいいものになっています。
「三ない」の小咄も、邪険な嫁がいい味を出していますね。
本筋の笑いではないのかもしれませんが、
「またそれかい。でも汚い格好で会社に行ったら首になっちまうぜ。」
という江戸っ子サラリーマンがツボでした。



半弗さんの>>156-159「カタツムリ(仮)」は、久しぶりの大作ですね。
今回は枝雀師匠テイストで仕上げてらっしゃるようですが、
前半のくだけぶりと後半のサゲまでのテンポが素晴らしいと思います。
栗井人形店も意表を突いていると思います。
「いきなりドウワアァと降ってきて
わし何か悪いことしたかしら・・・。」
ここの間で、枝雀師匠が上を眺めている姿が浮かんできて
妙にはまっていると思いました。サゲもカタツムリにちなんであって面白いです。

さて、この後は番外編のお知らせです。
171主催者:02/07/03 00:36
さて、第二十回が終了いたしました。そこで私からの企画提案なのですが、
番外編と致しまして、
「慣用句三題噺」を提案いたします。
慣用句とは、ご存知の通り、二語以上がくっついて、
それが一つの意味を表すようになっているものです。例えば、
「かっぱの川流れ」「へそが茶を沸かす」「一姫二太郎」などを指します。
皆さんには御題として、慣用句をあげていただきます。
後は、普段の三題噺同様に、三題を選んで上手く織り込んでもらうという流れに
なります。
例によって、御題は一レスにつき一慣用句とさせていただきます。

それでは、皆様の御題候補、お待ちしております。
172主催者:02/07/03 01:56
飼い犬にかまれる
173主催者:02/07/03 01:57
腹をくくる
174主催者:02/07/03 02:01
怪我の功名

こんな感じの慣用句を書いて下さったら結構です。
ちょっと自分で提案しておきながら、「慣用句」の基準が難しいと
思いましたので、試し書きしておきます。
言ってみれば、ことわざに近いのですが、動詞でもOKという
ことで、幅広さを出して見ました。
以上3つと、告知文の3つは再度選んでいただいて結構です。
175ごじゅういち:02/07/03 22:55
変なタイミングで感想レスすんません。

>里の筍さん
実にお江戸らしくておもしろかったです。
自分でもなぜかよくわからないものの、志ん輔師想定で読んでました。

>半弗さん
みなさんご指摘のサゲもお見事ですが、
7行に及ぶマスターの説教にツボでした。
これのために枝雀師風にチャレンジしたのでは?
というのは考え過ぎですかね。

今回はお題集めもひと工夫するわけですね。
さて、挙がってくるのは一体、どんなんかなぁ〜。
この時間帯にageとくのもよいかと、というわけで、お邪魔しました。
176重要無名文化財:02/07/03 23:11
腹をくくる
177重要無名文化財:02/07/03 23:14
長いものには巻かれろ
178重要無名文化財:02/07/03 23:59
犬が西向きゃ尾は東
179重要無名文化財 :02/07/04 00:04
手を焼く
180重要無名文化財:02/07/04 01:55
小田原評定
181重要無名文化財:02/07/04 03:03
油を売る
182重要無名文化財:02/07/04 03:10
安物買いの銭失い
183重要無名文化財:02/07/04 10:35
江戸の敵を長崎で討つ
184重要無名文化財:02/07/04 20:26
赤子の手をひねる
185重要無名文化財:02/07/04 23:00
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い
186重要無名文化財:02/07/04 23:37
二の句が継げない
187重要無名文化財:02/07/05 01:08
二階から目薬
188重要無名文化財:02/07/05 01:33
かっぱの川流れ
189重要無名文化財:02/07/05 16:44
とかげの尻尾切り
190重要無名文化財:02/07/05 23:45
腕が鳴る
191主催者:02/07/06 00:47
たくさん集まりましたね、こう見ると落語で出てきた慣用句も
多くあがっていますね。
それでは発表です。
「長いものには巻かれろ」「油を売る」「二の句が継げない」
の三題です。
慣用句ということで、「小田原評定」「とかげの尻尾切り」なども
有力候補でしたが、動詞は今まで御題として扱わなかったので、いっそ
三題とも動詞型を選んでみました。

今回は番外編として、もう一つルールを追加します。
それは、
「単語として使用しない」
です。例えば、
「昔から言うだろ、『長いものにはまかれろ』ってさ。」
などという使い方はご法度です。これでは一単語と変わりませんから(笑)
せっかくですから動詞として使ってあげてください。
そのかわり、多少語調変化はOKとします。例えば、
「はぁー、こいつはえらい長いもんにまかれたねぇ、どうも」とか、
「二の句が継げんてな事を言うたらいかんで。」とか。
二の句は継げない、なんて動詞は絶対俳句の話になりそうですが、
そこをあえて設定の妙で上手く使えるかも楽しみにしています。
難しいかもしれませんが、実力派の常連の皆さん、そして才能の芽がふきだそう
としている新人の方々の作品をお待ちしています。




192重要無名文化財:02/07/06 20:56
>166
「らくごのご」ですか。
番組名は知っていたのですが、どんな内容かは知りませんでした。
そういう見方もあるんですね。勉強になります。
193重要無名文化財:02/07/06 21:33
「らくごのご」懐かしいな。
覚えているのは、鶴瓶が「単身赴任」を「三枝夫人」、「人間ポンプ」を
「インゲン、ポン!プ!(料理している)」なんかで無理に使っていた時かな。
三題噺って、きちんと使うもんだと思っていたけど、そういうのも楽しい。
194重要無名文化財:02/07/11 04:00
「長いものには巻かれろ」「油を売る」「二の句が継げない」

い「油はいりませんか?」
ろ「いつも、君は唐突に商売をしているね。」
い「油はいりませんか?」
ろ「何、君は油を売ってるの?」(パチパチパチ)
い「じゃあ、何を売ってるようにみえるのさ?ホルマリンはいらんかね?」
ろ「さすがにホルマリン売ってるようには見えないね。」
い「じゃあ、やっぱり油を売ってると思ってくれ。」
ろ「実は違いますよみたいな言い方だね。」
い「何トンいりますか?」
ろ「別に分家してくれっていうんじゃないよ。生活でいるぶんだけ下さい。」
い「生活に油なんていりますか?」
ろ「売る側の持つ疑問じゃないね。」
い「うーん、たとえば、蛇が家にいるとする。」
ろ「限りなく限られた状況だね。」
い「嬉しそうに蛇が君にまきついてきた。」
ろ「勘弁して欲しいね、そんな長いものに巻かれたくないよ。」(パチパチパチ)
い「そこで、油が役に立つ。」
ろ「あ、こう体に塗るんだ。」
い「がまの油に蛇は喜ぶ、大好物だから。」
ろ「がまは好きだけど、油は嫌いだろ。」
い「もう見境がないから。」
ろ「液体と固体で見境も何もないでしょ。」
い「アブラコブラというオチでどうだろう。」
ろ「聞かなかったことにするね。」
い「聞かない賃で油買ってください。」
ろ「聞かない賃っていうネーミングに拍手するよ。」
い「この油はよく燃えますよ。」
ろ「そんなに燃えるの?」
い「べらぼうに燃えますよ。」
ろ「すごそうだけど、どのくらいかが分かりにくいな。」
い「俺の家が燃えたくらいだね。」
ろ「駄目じゃない、それ。」
い「燃えすぎて二の句が継げなかったもの。」(パチパチパチ)
ろ「言葉もなくなるね、商売道具で家財道具燃やしたら。」
い「何故か歌を口ずさんでいたね。」
ろ「精神も燃えたんだね。何の歌?」
い「もーえろよ、もえろーよ、ほのおよもーえーろー。」
ろ「消防車関連の歌もついでに歌いたいところだね。」
い「家が燃えてるのに消防車の歌はないだろ。」
ろ「キャンプファイヤーの定番歌った人に言われたくないよ。」
い「とにかく、善意で油を買ってください。」
ろ「いや、それは駄目だね。だって、善意っていうのは心に自然と
  湧き出るものなんだ。いくら被害者でも善意って言葉を自ら使ったら
  それは善意ではなくなるんだよ。言わなければ買ってあげたのに。」
い「油だけについすべったんだよ。」

ドンドン
195重要無名文化財:02/07/11 14:22
うはははは、これまたシュールだねぇ!
196重要無名文化財:02/07/11 19:43
前半の会話の無意味さがすごくいい。
サゲも上出来。この人すごい。
197重要無名文化財:02/07/11 23:44
なんか落語というより、不条理コントを見てるようだ。
好きだけどネ
198重要無名文化財:02/07/11 23:55
その割に「がまの油」など、渋いところがある。
199前スレ亭ごじゅういち:02/07/12 04:03
ようこそのお運びでございます。バブルが弾けた、てなことは、もう言い出してからだいぶに
なりますな。あれを聞きますと、現代の経済というのはややこしいもんやなぁ、と思いますが、
あれは昔にもあったことなんやそうでございます。わかりやすい例が元禄時代ですな。
近年の歴史学者の書いたもんを読んでみると、「元禄バブル」てな言い方もあるようですがな。
不景気なんていう言葉も、考えてみるとその時分からあったんでしょうな。いずれにしましても、
景気がえぇ状態から段々に悪ぅなっていく時代というのは、いつの時代でもそれ相応の苦労という
ものがあるもんでして、それが証拠に我々の先人も、どだい酷い目に合うてますな。
景気がえぇ時代に町人も贅沢して、落語でも聞こかという文化が生まれましても、景気が悪なると
あんなヤツらはけしからん、とくる。いっぺんに取り締まりの対象ですな。
昔の時代にも不景気なころがあったんなら、そのころの噺の中には、今の状況にも役に立つような
事柄もあってもえぇんやないか、とか思て調べてみましても、これがなかなかおまへんな。
どこを探しても「毎度バカバカしい、毎度バカバカしい」ばっかりでございまして…。
今日はそんな中でも、もう誰もやりまへんねやが、珍しい噺を一つ聞いて頂こうというわけでして

番頭「えー、旦さん、えらい遅なりまして。ただいま帰りましてございます」
旦那「おぉ、番頭どんか。こんな時分までご苦労さんじゃったな」
番「こんなに遅なるとは思わなんだんでございますが、誠に申し訳のないことでございます」
旦「いやいや、謝るようなことやない。おまはんのことじゃ。どれだけ帰りが遅いというても
  安心して待たせてもろうてます。世間様では、ちょっと番頭の帰りが遅いことがあると、
  どこぞで油を売ってんのやなかろうか、(パチパチパチ)
  主に内緒で散財の一つや二つもしてんのやなかろうか、とつまらんことで心を痛めてなさる
  お店もあるというのに、うちに限ってはそんな心配はない。これもみな番頭どん、
  あんたが忠義なお方じゃからこそ、ありがたいことやと思てますのじゃ」
番「もったいないようなお言葉でございます」
旦「そこではちょっと話がしにくいんでな、こっちぃ入って、お座布もあてなはれ。
  遠慮せんでもえぇ。まだ、そのお座布がぬくいじゃろ。実はな、つい今しがたまで
  奈良屋の旦さんがここへおみえになってたのじゃ」
番「奈良屋の旦さんと申しますと、あの奈良茂さんがこちらに?」
旦「びっくりしなはったか。いやいや無理もない。わしもびっくりしましたのじゃ。
  奈良屋茂佐衛門というたら、日本でも指折りの材木商じゃ、その奈良屋の主ともあろう人が
  うちのような店に直々に足をお運びになるとは、一体どんなご用事かと思うじゃろ?」
番「へぇ、なんや、もの凄い覚悟をして聞かんならんような気がして参りました」
旦「わかるか? 流石は番頭どんじゃ。もったいぶってもしょうがない。単刀直入に言いましょ。
  実はな、奈良屋の旦さんからお誘いがありましたのじゃ。
  『来年からうちの暖簾の下に入りなさらんか』とな」
番「旦さん。今、なんとおっしゃいました?」
旦「つまりな、この不景気なご時世に細々と材木商を続けるぐらいなら、
  奈良屋の傘下に入って安心して商売を続けてみてはどうか、と、こういうわけじゃな」
番「やっぱりそうでおましたか。もしかしたら聞きまちがいかと思たんでございますが…。
  で、旦さん、返事はなんとお答えに?」
旦「ん?…うぅん…」
番「そのお誘い、キッパリとお断りになったんでございましょうな?」
200ごじゅういち:02/07/12 04:04
旦「番頭どんはやっぱり反対なさるか。いや、おそらくそうじゃろうと思うてな、まだ、返事は
  しておりませんのじゃ。心配せんでもえぇ。次に会うときには後で揉めることもないように
  体裁よう断るつもりじゃ。しかしな、こんな話はいっぺん断ったら次はもうない。
  今も店の帳面を見せてもろうてたが、正直なところ、縋りたなる気持ちもほんまもんやな」
番「旦さん!旦さん! どうか、どうかお気をしっかりお持ち下さりませ。
  そりゃ、今のこのご時世、うちのような小さい材木屋までがみんな潤うような
  えぇ儲け話はなかなかございません。けど、せやからというて、奈良屋のような
  大きなお店に簡単に乗っ取られてしまうというのは、あまりにも悔しゅうございます。
  こちらには十三の時分からご奉公させて頂いておりますが、あの頃は…あの頃はまだ
  亡くなられた先代の親旦さんもご存命でございました。親旦さんがもしこのお話を知ったら
  どれだけ寂しがられることか…それを思うと……」
旦「よう、言うて下さった。番頭どん、今のあんたの言葉。わしゃ生涯忘れませんぞ。
  さっきも言うたように、まだ返事はしてませんのじゃ。というのも番頭どん、
  あんたのことが気にかかっててな。来年というたら、あんたに暖簾分けをさせるという
  約束がしてあった年。じゃが、もし奈良屋さんのお誘いを受けてしもたら、そのことは
  一切帳消しにさせてもらわんならん。それでは来年の暖簾分けを目指して尽くしてくれた
  おまはんがあんまりにも不憫やないか」
番「こんなときにまで番頭のわたいの暖簾分けのことを気にかけて下さるやなんて…。
  仕事が減ったのは一番番頭であるわたいの働きが足りん証拠。明日から先、奈良屋に負けんよう
  気張って仕事を取って参ります」
旦「いやいや、今回ばかりはな、そうも簡単にはいきそうにないのじゃ。
  あんたは、まだ知りなさらんと思うが、この程、江戸の幕府のほうでお役人に交代があってな。
  なんでも、今度新たに老中になられた田中様というお方が、今までにないようなお勤めの
  厳しいお役人なんじゃそうな」
番「そのことでしたら、噂には聞いてございます。いずれ近いうちに旦さんのお耳に入れようと
  思てたとこでございます」
旦「なんじゃ、知ってなさったか。なら話は早い。その田中様のお触れというのが、
  恐ろしいやないかいな、これまで我々がおこぼれに預かってきたような幕府の仕事を、
  今後一切やめにするとおっしゃるのじゃ。なんでも、今までのやり方ではムダが多すぎて
  幕府の財政にさわる、というのが持論でな。信州では早速、信濃川の堤の計画が取り止めに
  なり、それをきっかけに阿波の吉野川、美濃の長良川でも同様の有様。このままでは大坂でも
  うちのような小さい材木屋まで儲かるような仕事はなくなってしまうのも時間の問題じゃ」
番「旦さんがそこまでご存知なら、こちらも話が早うおます」
旦「何か妙案でもあるような様子じゃな」
番「さっきも申しました通り、少し前にその噂を耳にしてからというもの、そのことについて
  どうしたもんかと思案を重ねておったんでございます。ない知恵を絞って考えておりました」
旦「ほぉ、聞かせてもらいましょかな」
番「まず、その田中なんたらという老中のお触れの件でございますが、幕府の中でも賛否両論、
  はっきり申しましてあんまり評判はようないんやそうでございます。というのもその老中、
  なんでも若い時分には、お武家の生まれにもかかわらず『黄表紙』というような
  妙な本ばっかり書いてて、最近になって急にお勤めのほうに熱心になったんやそうで。
  そんなんやさかいに、幕府の中でも今回の老中の人事に不満を持ってる連中も多いとのこと」
旦「いや、前々からうちの番頭はようでけた男じゃと思てたが、ここまでとは知らなんだ。
  恥ずかしい話じゃが、それはわしも初耳じゃな」
201ごじゅういち:02/07/12 04:05
番「おまけにこの田中はん、幕府の仕事を減らしたいと言うのは百歩譲ってえぇとしても、
  それでは困る人間もいてる、その後はどうするのかと訊ねられるといっぺんに口篭って
  二の句が継げんようになってしまうんやそうでございます(パチパチパチ)
  つまり、それだけ掛け声は勇ましいことを言うてても、ほんまにそれでうまいこといくかどうか
  疑うてる役人も幕府の中にはいてるわけでございますな」
旦「おまはん、えらい幕府の内情に詳しいな」
番「この話を得るためには……多くの犠牲が出て…」
旦「えらいことやがな、まさかうちの店のもんじゃありゃせんじゃろうな」
番「旦さん、冗談でございますがな。それにしても、今度のお触れの一件では、店の中でも
  心配するもんは少のうおまへん。わしらの釜の蓋が危ない、言うてですな。それだけやない。
  このままでは商売人そのものの元気がなくなって、いつのまにか国全体の元気がなくなる。
  『なんとなく、国廃る』というのが合言葉で」
旦「なんじゃそれは?」
番「これを言うと事の大きさががわかってなかった連中もとりあえず次第がわかるんでございます」
旦「そんなもんかいな。それにしても、店のもんも皆知ってなさるとは…知らぬは旦那ばかりとは
  このことやな。で、あんたの妙案とやらは」
番「そしたらまず、最前までおこしになってたという奈良屋の旦さんのことからお話いたします」
旦「奈良屋さんが関係しますのか?」
番「今でこそ奈良茂といえば日本一の材木商としてその名を馳せておりますが、
  そもそもあそこは、日光の東照宮大権現の再建の仕事を引き受けて大きゅうなったお店。
  それ以来、幕府に絡む仕事を受けるためというては、どれだけえげつないことをしてるか
  旦さんはご存知でございますか?」
旦「そら天下の奈良茂、なかなかのやり手やという噂は聞こえてくるわいな」
番「やり手てな生易しいもんやおまへんで。仕事を取ってくるためには手段は選ばず、という
  ヤツですな。袖の下なんかは申すに及ばず、勘定方の役人を吉原に連れていくために
  専用の番頭を江戸に三人も置いてるというのがもっぱらの噂でございますがな」
旦「そんな真似は、わしにはでけんで」
番「それは心得ております。そこまでして頂くには及びまへん。でも、袖の下ぐらいなら
  なんとかならんもんでございましょうか?」
旦「うーん、ようでけた番頭を持つというのも、時によっては考えもんじゃな。まさか
  奉公人に袖の下の用意を催促されるとは思いもよらなんだ。用意できんとは言わんが、
  なんせこのご時世じゃ、ぎょうさんはないで、うーん、これで精一杯じゃな」
番「結構でございます。うちの店ではこれだけでも、これから大坂中の材木商に呼びかけまして
  それぞれのご主人に掛け合うて幾らかのお金を用意してもらうことができましたら、
  そのときは、江戸の役人の一人や二人、屁でもない」
旦「いよいよ恐ろしいことを言う。しかし、一人や二人を袖の下で手なずけたとて、
  幕府のお触れというような大きなものは動かすことはできんじゃろ」
番「そこも、ご心配に及びません。幕府の田中はんを疑うてる中で一番のお役人を狙います。
  この人を動かせたら、残りの連中は長いもんに巻かれるに違いございません。(パチパチパチ)
  なんせ、今まで長い間、奈良茂の袖の下やら色仕掛けやらで散々おいしい目に合うてきた
  連中ですからなぁ」
旦「番頭どん、わしゃ、なんや頭が痛うなってきたな。おまはんのようなお人を番頭というて
  常々そばへ置いてたかと思うとゾッとするわい。ところで、番頭どん。この話はみんな
  おまはんが一人で考えなさったのか?」
番「実は旦さん、そうではございません。今日、帰りが遅なりましたのもこの一件が原因なので
  ございます」
旦「はて? それはまたどういう訳じゃな?」
202ごじゅういち:02/07/12 04:07
番「この度の幕府のお触れの一件のことが知れたのも、全ては寄合のおかげなんでございます」
旦「寄合とな?」
番「はい。大坂中の材木商の番頭仲間で寄合を持って、このお触れにどういう風に応じていけば
  我々の飯の種を守ることができるか、毎日のように相談を続けておったのでございます。
  それで、まとまったのが先程申し上げました一計でございまして。今ごろは仲間の銘々が
  それぞれのお店で袖の下の用意をお願いしておることやろうと思います。旦さん、
  ご安心下さいませ。大坂の材木商の間には、このように頭の切れる番頭が集まっております。
  これからも材木屋の将来は安泰でございます」
旦「……番頭どん。よう聞かせてくれました。いや、そなたのことは前から頭の切れるお人やと
  思うてたが、それでも、今の話は一人で考え付くようなもんではない。確かに、ようでけた
  妙案やと感心もした。そなたは一番番頭じゃ。せやからこそわしも頼りにさせてもろうてます。
  じゃがな、番頭どん。ちょっと増長が過ぎやせんかな? 一番番頭とはいえ、そこは奉公人。
  幕府のお役人に袖の下を渡すことを奉公人仲間が集まって決められるようなことがそのまま
  許されると思うてたら大間違いじゃ。おまはんらは知らんじゃろうがな、この前の材木商の
  寄合があってな、そこで、ここ最近どこのお店でも一番番頭の言動が怪しいという話が出ました。
  今ごろはそれぞれのお店で、番頭さんが盛大絞られとるに違いないな」
番「……」(驚きと怒りに震えながらもハッと我に帰る)
旦「えぇかな。商ん人がこの世間で生き残っていくためには、袖の下てなもんを使わんならんことも
  時にはあるかもわからん。けどな、この度のお触れの一件はどうじゃ? わしはな、番頭どん。
  材木の商ん人を必要としてなさる方がどれだけおるのかを考え直すえぇ機会じゃと思うたな。
  幕府の仕事にくっついて堤を作れば喜ぶお方ももちろんおられるじゃろう。けどな、
  ここ何年か、わしらはそのことばっかりに力を注ぎ過ぎた。その代表が奈良屋さんじゃな。
  そのせいで材木の値段は上がり、火事で焼けた長屋を建て直そうという方々なんかは
  どれだけ苦心をなさってるかわからん。わしはな、番頭どん。そんな方々に喜んでもらう
  ために材木の商いをするのも商ん人の立派な天命やと思いますのじゃ」
番「結構なお話を聞かせて頂きました。おかげで目が覚めたような気がいたします。
  けど旦さん、やっぱりこれだけのことが旦さんに知れました以上、やっぱりわたいは
  足が上がるんでございましょうな?」
旦「こればっかりは仕方がないな。わしはおまはんを失うのは惜しいんじゃが、それでは
  店のもんや世間様に申し訳が立たん」
番「よろしゅうございます。心を改めて一から出直します」
旦「そうしなされ、人間、心の持ちようで失うた物は取り戻せるはずじゃ。それにしても、
  えらい素直にわしの話を聞き入れてくれたな。さっきの顔を見た時は、開き直ってやけでも
  起こさにゃえぇが、と心配しましたぞ」
番「はい。さっきまでは、主である旦さんに刃向うて思わず手を上げそうにさえなっておりました。
  そんなことに及んでたら、いよいよ身の破滅になってしまうところやったかと思うと…。
  主である旦さんに手を上げることと比べたら、足が上がるぐらいどうとも思いません」


反体制的な噺である、ということを理由に、できて間もなくに封印をされておりました。
今でこそ芝居がかりで罪のない噺になってますが、これこそが元祖の「足上がり」でございます。
長々ご退屈さまでした。


ドンドン
203重要無名文化財:02/07/12 04:26
米朝の百年目風の噺ですね。
田中知事のスパイスも混ぜ込んであって面白いです。
見たところ、この間の半弗さんの噺の説教部分に刺激されたと推測しますが。
204重要無名文化財:02/07/12 16:31
演題は「足上がり」で決まりだな。
205ごじゅういち:02/07/13 03:13
>>203
即レスに近いような感想、ありがとうございます。
確かに半弗さんの影響もあったのかも…。
でも、今回の作風の原因は別のところにあるんですよ。
この前、アメリカのメチャ社会派の映画を見たんですよ。
で、映画の現代社会への影響力について考えさせられるところがあって、
落語でもそういうのはできんもんかなぁ、みたいなことを考えながら作ってました。

>>204
そ、それはちょっと…。実在する噺の演題のまんまはマズいでしょ。
一応、考えてる演題の候補はあるんですけど、主催者氏のネーミングセンスも
毎回楽しみなので、今のところ保留にさせて下さいな。

ちなみに、今回の噺で名前だけ登場した「奈良屋茂左衛門」ですが、
実在する人物です。この人に関して折り込んだ逸話も史実に近いようにしてます。
興味が湧いた人は講談社現代新書の1257「将軍と側用人の政治」大石慎三郎著
をオススメしておきます。
206主催者:02/07/17 02:44
難しいと思われましたが、好作品があがっています。

匿名さんの >>194「油売り(仮)」は、いつもながらシュールな作品です。
仲間が油を売るというだけなのに、数々の違和感というか不思議な空気が
たまらなく広がっています。「限りなく限られた状況だね。」
「言葉もなくなるね、商売道具で家財道具燃やしたら。」などツッコミが
一筋縄じゃないですね。アブラコブラのくだりは爆笑問題を
彷彿とさせるボケツッコミです。
ハイレベルな噺ですね。

ごじゅういちさんの>>199-202「材木屋騒動(足上がり)(仮)」という
大作ですが、お見事の一言です。
タイトルは本当は大坂じゅうの材木問屋で画策がばれて騒動になっている
はずですから「材木商の乱(仮)」というのも考えましたが、
先日「大丸屋騒動」を聞いて印象に残っていたので、上記のネーミングになりました。
実在の噺の演題も「風の神送り」「いもりの黒焼き」「初音の鼓」など
同じ演題で内容が違うものも多いですから、「昔は『足上がり』と呼んでいました
が今は『材木屋騒動』と呼ぶことが多い」みたいなニュアンスで書いておきました。

内容ですが、『なんとなく、国廃る』などの田中県政の盛り込み方も
さることながらストーリーが濃厚で、よく練られた印象を受けます。
奈良茂の傘下騒動から、田中知事のパロ、番頭寄り合いの画策、
大旦那の泣いて馬謖を斬るくだりまで、一本につながって無理がないのが
凄いと思います。重厚なお店噺が聞けるとは思っていませんでした。
ありがとうございます。

もうしばらく、この御題を続けます。
ご参加よろしくお願い致します。
207ごじゅういち:02/07/19 01:10
>主催者氏
演題、ありがとうございます。
一応考えてた候補というのを発表すると、
この後旦那も番頭も心を入れ替えて親切な人間になる、というのとかけて
「新説・足上がり」でした。お粗末さまでございます。
「材木屋騒動」のほうがしっくりいきます。
208sana亭omi:02/07/20 18:04
・・・ダイモク騒動・・・
209重要無名文化財:02/07/22 21:06
このスレ、面白いですね。
ここのかたがたに新作作ってもらいたい。
210湖亭半弗:02/07/25 00:24
新企画ですね、こういうのは面白いと思います。
ごじゅういちさんの「材木屋騒動」があまりに大作なので、
今回はちょっとラフな噺でご機嫌をうかがいます。
「長いものには巻かれろ」「油を売る」「二の句が継げない」ですね。

世の中には、この、お金持ちとまぁそうでない人とがあるんやそうですが、
金持ちちゅうのは何でもそれで解決したがるんですなぁ。
揉め事があっても、「これだけ払やぁえぇやろ」てなもんで、いくらか
置いていく。また貰う方も貰う方なんでっしゃろけど、あんまりえぇもんや
おまへんわなぁ。昔、一万円札が聖徳太子さんの肖像画やったときが
あって、そんな時分の小咄で、
金持ち「なんや、どないしても引かんちゅうのか、相手は。」
お付き「そうです。」
金持ち「ほな、万札をな、これ、これで五万円や。これで許してもろぉてこい。」
お付き「いやぁ、こらあきまへんで、相手『物部さん』ちぃまんねん。」
聖徳太子は蘇我馬子側やったさかいね、こんな小咄も説明せんともう通じんように
なってしもたんですが。

清八「ははぁ、今日は皆ようけ集まったな。」
喜六「せ、清やん、今日は何ぞえぇ話か?」
清八「えぇ話といえば、まぁえぇ話かも分からんな。いや、町内の連中も
集まってもろてすまんが、皆、食いもんに好き嫌いはないな?」
A「何をいうねや、清やん。呼びつけて好き嫌いて。わしらにかて
食えんもんぐらいあるで。」
清八「へー、そら知らなんだ。皆、悪食で通ってるさかい、何でも食える
と思てた。」
A「バカにしいなぃ、わしかて荷車は食えん。」
清八「よぉそういうしょうもないこと言うてるな。えぇ。誰が荷車食う話
しとるねや。普通に皆が食べてるもんの中で、好き嫌いはないか、
ちゅうてるねや。」
A「はは、ほなないわ。」
清八「せやろ、ほなええやないか。その隣は?」
B「酒さえあれば何でも食えるな。」
清八「おまはん、酒好きやさかいな、その隣は?」









211湖亭半弗:02/07/25 00:25
C「いやぁ、こないだから腹痛でなぁ、刺激物やとか何とか、そういうのは
あかんねやて。」
清八「いやいや、そないなもんやないねん。体にえぇもんで好き嫌いはないか?」
C「それやったらいけるわ。」
清八「そうか、そら結構やな。その隣は?」
D「ふん、何でも食えるがその手は食わん。」
清八「何じゃい、その手て?」
D「この中には、お前、仕事休んできてる奴もおりゃあ仕事の最中に
油売ってるついでに寄った奴もいてるわいな。(パチパチパチ)
そういう連中に酒を飲ませてやで、酔いつぶれたところで、
告げ口をしに行って小銭を稼ごうと、お前の魂胆はなんちゅうあさましい。」
清八「えらい濡れ衣やな、えぇ。そんな事せぇへんわいな。」
D「ほな、何をするねや、1人1人好き嫌い聞きまわって。」
清八「いや、実はな、ここにぎょうさんのとろろ芋があるねや。」
D「とろろ芋?」
清八「そうやねんや。かいつまんで話すとな、わしゃ知っての通りに
とろろ芋が好物や。せやさかいに近所でもどこでもとろろ芋とろろ芋やちゅうて
歩いてるわ。」
喜六「せやせや、今度清やん、とろろ芋屋を身請けするちゅうて評判や。」
清八「おかしな評判広めてるなぁ、えぇ。まぁ、そないしつこないに言うてたら
田舎からとろろ芋を送ってきてな。とろろ芋が百本や。」
D「そらえらいもんやな!」
清八「そうやろ、えらいもんや。」
D「あー、皆まで言うな!よぉ分かった。」
清八「分かってくれたか。」
D「分からいでか、えぇ。つまり、今からおまえが百本分食うさかいに
わしらに見届けてほしいちゅうねやろ。とろろの一気食いはしんどいぞぉ、
ヌルヌルするしな、口のまわりはまけてくるし、かゆぅてたまらん。
それを周りが「一気、一気・・・」ちゅうて見てると、なんちゅうあさましい喰い方。」
清八「誰がそんなんするちゅうた。せぇへんわいな、そんなん。
いや、確かに好物やし、食えるもんなら皆食てしまいたいけどな。
せやけど、お前ら「芋粥」ちゅう話をしらんかい?」
E「あぁあ、龍ちゃんの。」
清八「連れみたいに言いないな、芥川龍之介の小説や。」
喜六「そ、その、生玉はんが曲がるの助さんがどないしたんや。」
清八「あんじょう聞かんかいな、芥川龍之介や。この話はな、芋粥を食べたい
食べたいいつか腹いっぱいの芋粥をといつも願うてた人がいててやな、いざ
食べれることになって食べたんやが、いざ夢を果たすと何とのぅ寂しい気持ちに
なってしもうた、ちゅう話や。」
喜六「えらい、それ、贅沢な悩みやな。」
清八「人間誰しもそうやがな、このとろろ芋かて、一遍腹いっぱい食べてみたい
とは思うもんのやで。いざ食べたらその、反発ちゅうんかな、好きなとろろが
嫌いになるやも分からん。」
A「あー、それ留やんもそれやで。博打狂いやったんが、いっぺん大勝ちして
『今度やれば必ず大負けするに違いない』ちゅうて、やめてもたわ。」
清八「せやろ、せやさかいに1人で食うのはやめにして、皆でとろろ芋を
食おうやないかちゅうてるねや。せやから、嫌いなもんはないか、好き嫌いは
ないかちゅうてるねや。」
D「はー、そういう事かいな。わしの睨んだ通りや。」
清八「嘘をつけ、お前。一番疑うてたやないか。ま、ま、そういうことで
米の飯はようけたいてあるねや。せやさかい、皆でとろろを擂ってもらって
ワーっちゅうてやろうとこういう訳や。」
A「そら結構な話やな。」
B「あぁ、そらえぇわ。休んできた甲斐あったわ。」
C「おありがとうござります。」
清八「おかしな物言いしなさんな。さぁ、とろろ芋だけはようけあるさかい、
ジャンジャン擂って食べておくれ。」
212湖亭半弗:02/07/25 00:25
金屋満次郎「邪魔するで。」
清八「(わぁ、嫌な奴が来た・・・、金満が来たで、おい)。」
喜六「(な、何が嫌や?)」
清八「(あいつ、金持ちやさかいに、金に物言わせて何かと偉そうに
しくさるから好かんねん。)。
おぉ、金満の。どないしたんや。」
金満「いや、何や皆が寄ってるちゅうて聞いてな。何や、皆大勢で?」
清八「あぁ・・・、あー、お前も食べていってくれるか、とろろ。」
金満「とろろ!?わしゃ、そんな下衆なもん、よぉ食わん。」
清八「ぬかしたな、ほなら食うてらんわい、これから皆でワーちゅうて食べよう
ちゅうとこや、帰ってくれ。」
金満「そうかそうか・・・、おい、皆の衆。とろろ芋食うたかてたいした贅沢には
ならんわぃ。わしについてきてみぃ、新地の芸妓呼んで、上手い刺身でも食おうや
ないか。金?わしが誘うておいてとるかいな、皆わしが出したるさかい、ついとおいで。」
D「芸妓に刺身・・・、ほな、清やん。少し擂ったさかい、これで食べて・・・。」
清八「お、おい、ちょっと待ちんかいな、これ。あ!あんたも行くんかいな?
えぇー、おまはんは・・・、あんたもか。おいおい、皆ぞろぞろと、おい、
そらとめへんけんども・・・、おぉい!」
213重要無名文化財:02/07/25 00:26
喜六「はぁー、えらいもんやなぁ、清やん。皆ついていてしまいよった。」
清八「二の句が継げんなぁ、えぇ、ほんまに。(パチパチパチ)薄情な奴らやで。
せやさかい、わし、あいつ嫌いやねん!」
喜六「わ、わたいに怒ってもしゃあないがな。わしかてほんまは行きたい。」
清八「何ぬかす。あら皆、金満に借金があるさかい、ついていてるだけやがな。
皆、長いもんに巻かれやがって・・・。(パチパチパチ)おっと、こら、
お前だけは逃さんぞ、さぁ、とろろ芋食べるぞ、擂ってくれ。」
喜六「擂ってくれ、て清やんは?」
清八「わしゃ食わす側やで。それぐらいしてくれてもえぇやろ。」
喜六「なんじゃ、わしだけ貧乏くじやな、ゴリゴリゴリ、そら清やんには
義理があるけども、ゴリゴリゴリ、わしかて新地に、ゴリゴリゴリ、刺身や
何やうまいもん、ゴロゴロゴロ、ただで食えるねやったら、ゴロゴロゴロ、
とろろ芋では満腹になるけど、ゴロゴロゴロ、何とはなしに・・・」
清八「何をぐちゅぐちゅ言うとるねや、お前は。はよ擂ってくれ。」
喜六「はぁ、だいぶに擂ったで、わし1人でよぉこれだけ擂ったで。」
清八「ははは、上等や上等。労働の後のとろろ芋は旨いはずやで、さぁ、
喜ぃ公、食わんかいな・・・、お前、どこへ行くねや?」
喜六「いや、別に。」
清八「別にやあるかい!ははぁん、そうか・・・、お前も薄情に、皆の後
つけて旨いもん食おうちゅうねやな!喜ぃ公、お前まで、長いもんに巻かれたか!」
喜六「いぃや、わしゃ、長芋で(手が)まけたんや。」

ドンドン
214湖亭半弗:02/07/25 00:27
最後が匿名になってしまったようですが、サゲも私です。
215重要無名文化財:02/07/25 13:37
金満みたいな奴、いる!
オーソドックスな展開にちょこちょこリアリティがあって面白い。
216ごじゅういち:02/07/27 03:54
>半弗さん
「饅こわ」や「寄合酒」系統の噺ですね。一度は挑戦してみたいスタイルです。
特に「寄合酒」の雰囲気を強く感じますね。ウロコ取りの「バリボリベリバリ」が
「ゴリゴリゴロゴロ」に変わったような。
上方勢の師匠格とあがめる半弗さんから「大作」という言葉をいただくとは、
妙に恐縮してしまったりしますが、とりあえず、脱スポーツと擬古典という
課題はクリアできたのかな? あと、>>175へのお返事がもらえたりすると
更に嬉しかったりするわけなんですが、いかがなもんでございましょう?
217sana亭omi:02/07/27 23:55
「油を売る」「長いものに巻かれる」「二の句が継げない」で、


ああ、俺の人生はどこで狂ったんだろう?

て言うか、今思えば、物心のついた初めからおかしかった。
俺の家は美濃の名門で土岐源氏の流れをくむ、
名家とまでは言わないが結構巾を利かしていたんだよ。
そう、祖父さんの代まではね。噂でしか知らないけれど。

親父の代になったら、・・・くそー・・・
何処の馬の骨とも分からない、上方からの流れ者の、
坊主くずれの油売り野郎め、(パチパチ)
殿さんにうまいこと取り付いて、とんとん拍子の出世だ。
飛ぶ鳥を落とすという勢いってやつか、
とうとう、親父は・・・結局、長いものに巻かれたんだろうな。(パチパチ)
・・・奴の家来になってしまった。

俺はそんな親父の姿を見るのが耐えられなくて家出した。
見送ってくれたのは桔梗の旗だけだったがね。
涙を堪えるのに苦労した、良い思い出だ。
俺は桔梗の旗を祖父さんの時代のような元気なものにしたかっただけなんだ。

家出したあとの苦労話はとても人に言えたもんじゃないし、
思い出したくもない。まったくひどいもんだった。
例えば、美濃にいた頃は、
俺を誰だと思っているんだ。俺の名前を知らないかっ
と啖呵を切れば、喧嘩相手も「あっ」てな事を言って、
かたち上は敬意を表したような表情を見せてくれたもんだが、
こっちの奴等ときたら本当に俺の事を知らないもんだから
余計にバカにされちまったよ。
218sana亭omi:02/07/27 23:57
そんなこんな、色々あったが
俺にも運が回ってきた。天下のタイショウに気に入られちゃったんだ。
さあ、これで桔梗の復活だ。
と思う間もなく、俺もホントついていないね。
すごい勢いで次の天下のタイショウ候補が伸してきて、
お前にとってはどっちが天下のタイショウなんだ、
どっちにつくか俺に決めろと言うんだ。
俺は心の中で悩みながらも表面的には即断で決めた振りをして
実は悩まずに即断で決めたとおりに
次の天下のタイショウ候補についていく事にした。
この辺の演技を間違えると大変な事になる気難しい奴なんだ。新タイショウは。

やっぱり俺は親父の子だった。結局、長いものに巻かれたんだ。
でも、親父は美濃のタイショウを長いものとして巻かれたが
俺は天下のタイショウを長いものとして巻かれた。
俺の方がスケールが大きいという事だけは誰にも譲れない。

新タイショウの下でも俺はよく働いたよ。
ただ、ここでも俺に不幸があり、俺が生きているのと同時代に
猿顔の同僚も生きていたということなんだ。
奴に負けないように俺もがんばったけれど、・・・。
色んな事があって、今は結局、
猿顔との戦争に負けて逃げている最中だもんな。

何があったって?
俺が新タイショウを殺したのさ。その復讐戦で猿顔に負けたんだ。
殺した理由は、せっかく俺の働きで桔梗の旗を昔以上に立派なものにしたのに
奴がそれをないがしろにしやがったからさ。
桔梗の旗は俺が俺である原点みたいなものだからな。
でも、ホントは殺すまでのつもりはなかったんだ。いや、ホント。
219sana亭omi:02/07/27 23:58
つい、口が滑ったんだ。あそびの連歌の会でね。
俺が発句で、「時は今、雨がしたしる五月かな」と詠んだんだ。
ところが、烏帽子を被ったボンクラがいて、
ボンクラのくせに変に深読みしやがって
「土岐は今、天が下治る五月かな」という意味にとったみたいなんだ。
もっとも俺もその意味を裏に置いて詠んだのだけれど
単なるシャレだったんだよ。
烏帽子野郎は目を白黒させて、文字どおりで悪いけど
なかなか二の句が継げなかったよ。(パチパチ)

こんな事でも新タイショウの耳に入ったら俺の身は破滅だ。
俺がいなくなったら桔梗の旗も消滅してしまう。
そこで、やむを得ず殺られる前に殺れってことになったんだけれど
やっぱり、自業自得だ。
今は猿顔の軍勢に追われて逃げている。
こうなったら捕まってたまるか、何処までも逃げ切って・・・
いってー、
誰だ、いきなり横から俺を刺すのは、

この、キキョウ者ー!(ドンドン)

これにて一巻のお終い。まあ、番外編と言うことで、
220重要無名文化財:02/07/31 13:11
「俺」っていうから誰かと思ったら(w
「二の句が継げない」、連歌で出ましたね。
221重要無名文化財:02/07/31 23:15
落語というよりも何だろう、独白?
sana亭さんの日向守落語も見たかったが、今回は番外編だし
次回も期待するよ。
222ごじゅういち:02/08/01 01:03
>omiさん
こういうのも新鮮ですね。
もしや「利家とまつ」に影響されましたか?
勝手に演者を想定すると、彦いち、昇太、喬太郎の順に
思い浮かんだんですが、当てはまるのはありますか?
223sana亭omi:02/08/01 19:07
220〜222、どうもありがとう。

>221さん、
明智光秀と彼の失敗をなじる家来との会話調の噺にしようか、
それとも番外編と言うことで、講談調にしようかとも
思いましたが、結局、独白調の噺になりました。

>ごじゅういちさん、
「利家とまつ」は見ていますが、特に意識はしませんでした。
独白調の噺にしようと決めた時、
脳裏にあった噺家は円丈ですが、
内容は特に意識したものではありません。

>こういうのも新鮮ですね。
僕が、あなたたちに互して作品を発表しようとする場合
こういうことも考えないとね。
だから、この言葉は嬉しかったです。

224主催者:02/08/03 13:14
夏真っ盛りというのに忙しくて、なかなかゆっくり拝見できませんが
珠玉の作品がまたあがってきています。

半弗さんの>>210-213「とろろ芋(仮)」は、素朴な感じの作品です。
寄合酒の雰囲気から、金満の出現で噺が大きく動くところも、
人間心理がよくあらわれていて面白いと思いました。
喜八が板ばさみでかわいそうですね(笑)

OMIさんの>>217-219「光秀走馬灯(仮)」は落語というより
地噺小説ですね(笑)でも、なかなか番外編らしく楽しめました。
「・・・事にした。」という言い回しが、私は円丈師匠っぽく感じました。
「時は今、雨がしたしる五月かな」って単なる洒落だったんですね(笑)


番外編も終わって、第十六回から番外編までの感想週間を設けたいのですが、
前回同様のリスト化がここのところちょっと忙しくて出来ません。
どなたか以前の形式でやっていただけたらありがたいです。
(前回スレッドをまたいでいるので、難しいのですが)
主催者らしいことが出来ずにすみません。

また、作家さん各々の「ピックアップ感想」も前回好評だったので
お願いしたいのですが。よろしくお願いいたします。
225重要無名文化財 :02/08/04 03:36
それでは、主催者さんに代わり第十六回から第二十回
及び番外編までの作品をご紹介します。十六回のぶん、失敗してたらスマソ。

<第十六回>
「田楽」「USJ」「ピンはね」
匿名さん 「小咄・ピンはね疑惑」 http://ton.2ch.net/test/read.cgi/rakugo/1003505184/661
鉄棒勇助さん 「マタギの説得」 http://ton.2ch.net/test/read.cgi/rakugo/1003505184/664
里の筍さん 「化けもの屋敷」 http://ton.2ch.net/test/read.cgi/rakugo/1003505184/669-670
柳ヤコさん 「疑惑の笑点」 http://ton.2ch.net/test/read.cgi/rakugo/1003505184/672-674
湖亭半弗さん 「桶狭間」 http://ton.2ch.net/test/read.cgi/rakugo/1003505184/678-685

<第十七回>
「再出発」「テキスト」「素人」
重要無芸文化財さん「夫婦は二世」 >>21-24
湖亭半弗さん 「授業場風景」 >>29-31
匿名さん 「ストと社長」 >>39
sana亭omiさん 「風邪薬」>>41-43

<第十八回>
「都都逸」「ゴング」「カーネーション」
菊亭艶馬さん (準作品) >>60
鉄棒勇助さん 「マタギは歌手になれるか」 >>61
里の筍さん 「二人旅」 >>63
湖亭半弗さん 「猿の守り本尊」 >>69-70
柳ヤコさん 「試し都都逸」 >>75-77
226重要無名文化財:02/08/04 03:39
<第十九回>
「Aチーム」「しゃもじ」「雨漏り」
前スレ亭ごじゅういちさん 「雨森弥助」 >>95-96
匿名さん 「屋内テニス」 >>101
sana亭omiさん 「左官第三組合」 >>104
里の筍さん 「熱湯の主(仮)」 >>109
湖亭半弗さん 「一力屋」 >>111-113

<第二十回>
「クリーニング」「取り違え」「アジサイ」
匿名さん 「梅雨骨」 >>132-133
前スレ亭ごじゅういちさん 「W杯見物〜南の旅〜」 >>134-136
sana亭omiさん 「野暮雨」 >>141-143
里の筍さん 「洗い張り屋」 >>151-152
湖亭半弗さん 「カタツムリ」 >>156-159

<番外編『慣用句三題噺』>
「長いものには巻かれろ」「油を売る」「二の句が継げない」
匿名さん 「油売り」 >>194
前スレ亭ごじゅういちさん 「材木屋騒動(足上がり)」 >>199-202
湖亭半弗さん 「とろろ芋」 >>210-213
sana亭omiさん 「光秀走馬灯」 >>217-219

以上です。お気に入りの作品に感想をお書きください。
227sana亭omi:02/08/04 18:34
重要無名文化財さん、お疲れさまです。

228重要無名文化財:02/08/05 23:39
おつかれあげ
229重要無名文化財:02/08/07 17:54
十六回の分、読み返してみました。
今の季節に見ると、里の筍さんの「化けもの屋敷」がまた笑えます。
お化けじゃなくてもお化け屋敷のスタッフとか、本気でああやって
ぼやいてるかもしれないなあ。
230ごじゅういち:02/08/07 19:13
感想ということで思いつくままに…。

「疑惑の笑点」は絵が浮かびやすくて、すんなり楽しめるのがいいですね。
「夫婦は二世」では、東西両刀使いに恐れ入りました。無芸さんの復帰は?
匿名さんの「掛け合い」モノは、とにかくフレーズがいい。真似したくても
できない芸風なんで羨ましさも込めつつ。
「洗い張り屋」「カタツムリ」は、今回の中で一二を争うお気に入りの噺。
お二人は毎回読み応えがあるけど、作者の側に回って競う立場になると
「なるほどそうきましたか」みたいな部分もあって楽しめました。
「桶狭間」と「光秀走馬灯」は、こうやってまとめて読み比べると
好対照で、このスレのバラエティに富んだ感じが出てていいですね。

それにしても、USJ絡みは今読むと別の意味でも笑える…。
231重要無名文化財:02/08/07 22:55
>USJ絡みは今読むと別の意味でも
ですね。やっぱり(w
もうこうなってきたらしばらく太秦映画村の方に出張したほうがいいかも。

十七回は重要無芸文化財さんの「夫婦は二世」が安定した面白さ。
やっぱり題名にもなったオチ(サゲ?)の言い回しが古典の雰囲気を
作っている、落語らしい噺で安心して読めました。
232sana亭omi:02/08/08 23:41
改めて読み直しました。

常連の人たちの枕の部分から作られている作品は
全体の構成というか骨組みがしっかりしていますね。

この辺は僕の課題でもあると思いましたが、

せっかくのこういう場ですから
感想を中心に書込みしている人たちも
例えば三題の内の1つからでも適当なギャグが浮かんだら
あとの2つは何とかくっつけて
気軽に作品を発表したらいかがですかね。
落ちに困ったら、
個人的にはいきなりドンドンでも良いと思います。

ごじゅういちさんが言われているような、
よりバラエティに富んだスレになるんじゃないですかね。

それと、
主催者さんのネーミングセンスはすごいですね。
僕は今回の作品の中では
「南の旅」が作品の内容と共に演題名も
良かったと思います。
233snobinette:02/08/12 15:09
「長いものには巻かれろ」「油を売る」「二の句が継げない」
感想週間に入ってしまいました。
おくれて出す夏休みの宿題みたいですが、よろしいでしょうか。


むかしむかし、遠い山奥の村に、与平と言う男が住んでおりました。
与平は、助けた鶴を女房にしてふたりで暮らしておりました。
与平「おつる、帰ったべ」
おつる「お帰り、あんた。寒かったでしょう」
与平「なに、このくらいの寒さ、なんでもないさ。今日もたくさん油を売ってきた(パチパチ)。
 おまえが作ってくれる油は、本当に高く売れるでな、
 おれはお前のような女房がいてうれしいよ」
おつる「あんた…そんなにお金が大事?わたしはあんたと二人でつましく暮らせればそれでいいの」
与平「だども、都はええぞ。お前に、絹の着物の一枚でも買ってやりたい」
おつる「あらあんた、その白いのはなに?首にぐるぐると、
 長いものに巻かれちゃって…」(パチパチ)
与平「これか、ええじゃろう、都で買ったマフラーと言うものじゃ。
 ふわふわで、まるで鳥の羽でも織り込んであるようじゃ。どうしただ、おつる、泣いているのか?」
おつる「いや何でもないわ。ちょっと、友達のことを思い出して。機織りが得意だったわ」
与平「また、油をたくさん作ってくれ、そしたら、かんざしでも紅でも買ってやる」
おつる「でも、あれをつくるのは大変なの。わたしげっそり痩せてしまうわ」
与平「そこをなんとか頼むよ、おつる。
 さもないと、俺たちはいつまでたってもここで貧乏暮らしだ。俺はそんなのイヤだ」
234snobinette:02/08/12 15:10
与平も、以前はこんなに欲張りではばかったのですが、一度おつるの油でもうけて以来
だんだんと人が変わってしまいました。おつるはそれを悲しく思っていましたが、
夫の懇願を退けることもできず、仕方なく油を作るのでした。
でも、最初に油を作って差し出したのはおつるのほう、そんなことさえしなければ
与平が金に目がくらむこともなかったのに、やっぱりそれは人でない身のあさはかさか
はたまた、馬鹿な男に尽くし続ける哀れな女の愚かしさか。

そこへやって来たのが、吾作と伊作。金の話ばかりして与平をそそのかす、悪い奴らです。
伊作「お、与平、都さいってきたべか。たんまりもうかったじゃろ?」
吾作「なにしろ、与平の油は都で大評判!」
伊作「あんどんによし、髪につけてよし、なめてよし」
吾作「料理に使えば、てんぷらはカラッと揚がる、ちんげん菜をいためれば香ばしい、
 ドレッシングを作れば風味がいい。」
伊作「リノール酸たっぷり、健康によし」
与平「なんじゃおまえら、また来たのか。うるさいな。帰れよ」
吾作「そんなに邪魔にせんでもいいやろ。もうけてきたくせに」
伊作「あの油を都へ持っていって売れ、ってすすめたのは、わしらやからな。
 わしらにも、ちっとは見返りがあってもいいじゃないか」
吾作「どうじゃった、またあの評判の女郎屋行ってきたのじゃろ?」
与平「しー、おつるに聞こえる」
伊作「おつるは?」
与平「奥のへやで油を作っている。こら、戸を開けるんじゃない! 
 絶対開けるなと言われているんじゃから」
吾作「ちょっとくらいかまわんじゃろ」
伊作「わしらにもあの油の作り方教えてくれろ。そしたらもっともうかるぞ」
与平「だめじゃ。おつると約束したんだから。
 それに、となり村の浦島太郎は、開けるなと言われた玉手箱をあけて
 どえらい目にあっとるじゃろうが」
吾作「なに、あいつが助けたのは亀じゃ。お前が助けたのは鶴じゃ。大丈夫だよ」
与平「大丈夫なものか! こら、ダメだってば!」
とうとう、吾作と伊作は、戸をがらがらと開けてしまいました。
すると…
235snobinette:02/08/12 15:11
なんとおつるは、着物の前をはだけて、太くもない体の腹や太ももをつまんで
必死で油を絞り出しているではありませんか!
おつる「みぃ〜たぁ〜なぁ〜!あれほど見るなと言ったのに!」
骨と皮ばかりになったおつるが、髪を振り乱し、目をギラギラさせ、キバをむき出して着物をひるがえしますと、
へやにおいてあったたくさんのカメが一斉にひっくり返り
どっと、油が流れ出しました。
伊作「うわー! 一面油の海だ!」
吾作「助けてくれ! 油ですべって歩けない!」
伊作「くわばらくわばら!」
吾作「くわばらくわばらじゃないだろう! 呪文だったら、なんかもうちょっと気の利いたことをいえ!」
伊作「じゅげむじゅげむ、なむあみだぶつ、なむみょうほうれんげっきょう、はんにゃーはらみったー」
吾作「ええい、ひらがなばかりで読みにくい、無学なやつめ!」
伊作「oh,my god !  アブラカダブラ、アブラハム…」
吾作「アブラハムといえば、イサク、おまえの親戚だろ、このアブラなんとかしろ!」
伊作「そんなむちゃくちゃな! 二の句がつげないよ」(パチパチ)
与平「あのさ、油ハムってまずそうだな」
伊作「そうだよな、脂肪ばっかしで」
と、3人が油にまみれておりますと、そこへ通りかかった二人の男。
一人はどこぞの大店の若だんならしく、もう一人は番頭ふう。
若だんな「これはこれは、油ハムにお困りですな」
番頭「わたしたちがちょいと始末してあげましょう」
与平「油ハムじゃなくて油なんだけど」
若だんな「大丈夫、大丈夫」
番頭「油だろうが、油ハムだろうが」
若だんな「燃やしてしまえばみな同じ」
与平「勝手に燃やすなよ、お奉行さまに捕まるぞ」
若だんな「見つからなけりゃ、平気です」
番頭「燃やせ燃やせ、何でも燃やせ」
若だんな「油だろうが、ハムだろうが。舶来だろうが、国産だろうが」
与平「あんたたち、だれ?」
若だんな&番頭「ニッポンハムと申します」

どんどん
236snobinette:02/08/12 15:17
いつも楽しく読んでおりました。
sana亭omi さまが、>>232 で、「お気軽にどうぞ」とおっしゃったのに甘えて
身の程もわきまえず、投稿してしまいました。
常連の皆様の力作の前に、ただのお目汚しにしかなりませんが。
237sana亭omi:02/08/12 22:22
面白かったと思います。
あちこちにギャグが盛り込まれているし、
時事ネタもあるし。

個人的には
>「ええい、ひらがなばかりで読みにくい、無学なやつめ!」
と言うギャグの部分が笑えました。

気になるのは
始めに出てきた与平とおつる夫婦の行末です。
どうなるんでしょうか?

snobinetteさん、
主催者さんがどういう演題名を付けてくれるか
楽しみですね。
238ごじゅういち:02/08/13 01:28
>snobinetteさん

こりゃまた随分と謙遜家の方がご登場ですね。かなり笑わせて頂きました。
233の時点では「五百噺」系統というかほのぼのした作品と思いきや、
アブラハムあたりからのギアチェンジはお見事。
239snobinette:02/08/14 10:31
sana亭omiさま、ごじゅういちさま、早々にご感想ありがとうございました。
うれしかったです。

omiさま「気になるのは、始めに出てきた与平とおつる夫婦の行末です。
    どうなるんでしょうか?」
うーん、そうですね、「夕鶴」では、与ひょうは、つうの残した布を大切にだきしめ
呆然と夕焼けを見つめて立ち尽くす、ということですから
与平も、おつるの残した油を大切になめながら(?)立ち尽くす…かな?

omiさまの、最近の作品では、「左官第三組合」 >>104 と、「風邪薬」>>41-43 が、わたくしは好きです。
それから、こまめに感想を書いて下さるのがいいですね。
ごじゅういちさまは、「W杯見物〜南の旅〜」 >>134-136、大笑いしました。
240snobinette:02/08/14 11:24
あとは、今まで全部読んでの感想ということになりますけど、
湖亭半弗さまや、里の筍さまといった常連の型の作品は、いつもほんとうに面白いし
マタギの親子や徳さんはがでてくると、「今度は何かしら」とワクワクします。
わたくしは芝居が好きなので、重要無芸文化財さまのお話は
いつも楽しませていただいてます。
第15回の「初夜芝居」、第13回の「勧進帳狸」、時々読み直しては笑っています。
ジャンケンで「覇王別姫」が出てくるところなんか、もう…
いつもシュールな匿名さま、わたくしの好きな別役実の不条理劇みたいで、
「梅雨骨」 >>132-133、「油売り」 >>194 いずれも大好き。
ごじゅういちさんの「材木屋騒動(足上がり)」 >>199-202 の中の「なんとなく、国廃る」
まわりに言いふらして、みなさんに受けてます。
(老中田中様は結構好きですが)

そしてやっぱり…柳ヤコさまの「ヨンデレラ」ですか。
何度読んでも、いつもおかしい。
241コギャルとHな出会い:02/08/14 11:24
http://kado7.ug.to/net/


朝までから騒ぎ!!
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242重要無名文化財:02/08/16 17:50
ヨンデレラ、あの大傑作(w
思い出すだけで笑える…。

古典パロディものもまた読みたいな〜。
最近見なくて淋しい。
243ごじゅういち:02/08/17 01:56
>snobinetteさん
>まわりに言いふらして、みなさんに受けてます。

書き手冥利と喜びつつも、妙な冷や汗も感じる…。
何にしても、気に入って頂けたようでありがたい限りでございます。

ところで、上方勢の一員として気になってる点を一つ質問。
上方弁まんまの表記とか送り仮名なんかは、非上方の人にとって
読むときに苦になったりしてます? 私としては乱発し過ぎかな、と思うとき、
もっと使いたい、と思うときなど、いろいろありまして…。
まぁ「苦になる」と言われても、やめられるものでもないんですけどね。
244重要無芸文化財:02/08/18 06:53
 どーもご無沙汰ですが、ここんとこ時間がなくて。
 おまけに、これまでに作ったのを読むと、何か中途半端なとこでアップしてる気が
して、もすこし時間に余裕のある時に作んなきゃなぁ、と思ってます。
 「勧進帳狸」は、歌舞伎の勧進帳の台本はあるので、それ見ながら書くべきところ
なんですが、無精して、ネットでダウンできる文楽の勧進帳を使ってます。ですんで
お馴染みの勧進帳とはちょっと違うんです。
 「初夜芝居」も「ばりばりか」という台詞があるように、状況設定を「かいなくい」
から借りてます。この噺は若旦那のリアリティがポイントで、何度も出戻った娘さん
を喜んで嫁に貰う、けれども喜ぃやんではなくて、それなりにしっかりした人です。
そういう若旦那が事情があり、そういう娘を喜んで嫁にするという、その必然性を作
らないといけないのに借り物ですましてます。
 「夫婦は二世」は「縁」というのがテーマになっていて、その「縁」を肉付けして
いくようなエピソードを盛り込んでいかないと、情緒が出ない。盗人夫婦のなれそめ
や互いの情、さらに子供を拾ってからの生活の一端とか、そういうのを描かないと、
噺としての世界が出来てこない。なのに、ストーリーが出来た時点で、名前とかさえ
チェックせずに書き込んでしまってる。
 そんなんで、古典風の噺を作るならば、もっと時間をかけなくちゃいけないなぁと、
 主催者さんの言う「誰かが使用願いを出すレベル」というのは、とてもとてもとは、
思っても、作ってるうちに欲というもんが出てくるもんです。
 かと言って、ちょっとした掌編を作るのも落語に馴染んでない身では難しい。
 そんなんで、軽く作るにしても、じっくり作るにしても、皆さんの作品を読んで、
勉強しているところです。
 次回には、小咄あたりで、復活したいなぁと思っておりますが、長い噺以上に題を
盛り込むのが難しいんで、どうなることやら。

 なお、白状しますと、34は、酔っぱらってハンドルをタイプミスした私です。
245重要無芸文化財:02/08/18 07:07
snobinetteさんのは、古典を下敷きにしているので、すぐに世界が思い浮かぶ。
その上で、飛び方が予想外でオモシロイですね。
タイトルは、前半から思いついたのは「油づる」。後半からは「女で暮らす油地獄」・・・・やっぱり、主催者さんのセンスにゃかないません。
246snobinette:02/08/19 18:59
重要無芸文化財さま ご感想ありがとうございました。
きっちりとお作りになっている、その姿勢に頭が下がります。
次回作、楽しみにしています。

信楽焼の狸が金剛杖を片手に見得を切っているところを想像しては、にやにや笑っています。
247湖亭半弗 :02/08/26 00:44
十六回から特別回まで全ての回に感想を書いた長文を
接続ミスで全て消してしまって放心状態です。
とてもじゃないですが書き直す心の余裕がないので
全編からピックアップをして感想を書きます。全く申し訳ないです。

とっつきやすさで、まずは「疑惑の笑点」柳ヤコさんを挙げます。
笑点メンバーという親しみやすさに加え、特徴を良く捉えていて
楽しめる作品です。

完成度でいうと、重要無芸文化財さん「夫婦は二世」 と
前スレ亭ごじゅういちさん 「材木屋騒動(足上がり)」 がやはり
よく練られていると思います。下地がしっかりとした御両人の才能が
垣間見れました。

斬新な切り口という点で、sana亭omiさん 「光秀走馬灯」を挙げます。
この方は規定スレスレの斬新さで、実に大胆に切り込んでくる語り口なので、
主催者さん泣かせでしょうが、私はこの挑戦の仕方が大好きです(藁
それでいて落語の基本には忠実なところがすがすがしいです。

オーソドックスな語り口で常にハイレベルな作品を出しておられる
里の筍さんの逸品は「二人旅」「洗い張り屋」でしょう。
弥次喜多の都都逸・俳句の銭のやり取り、洗い張り屋との画策など
江戸っ子の粋が感じられる作品です。

そして、センスの面では今回は匿名さんのシュールな短編が実に
評価が高いです。新鋭漫才を髣髴とさせる語り口の凄さは圧巻です。
突っ込みにボケの要素を加えた相乗効果で、独特の世界観を味わえます。
「油売り」ではますますツッコミの突っ込み方がひねりひねってあって
実にシュールです。残念ながら、この手の作品を見事に表現する落語家を
私は今のところ知りません。「落語らしくない」という評価はまさに
「我々が語り口を想像出来る落語家がいない」ということだと思います。

総評としては、第二十回の作品がどれも秀逸でお薦めです。
でも、私の作品で自分自身のお気に入りは「授業場風景」だったりします。
とにかく、民さんのレベルが上がってきていてついていうのがやっとな
今日この頃です。

248湖亭半弗 :02/08/26 00:51
あと、ごじゅういちさんの>>175の質問にもお答えします。

この回は、いつも米朝風で通していたので
「(どんな御題が来ても)枝雀風にやる!」と決めてました。
某「落語なんてつまらない、価値がないスレ」で実に見事な
枝雀師匠風レスを見た影響です。
で、頭の中で構想を練るうちに長い説教をあてはめねば噺がゴチャゴチャに
なってしまう方向へ持っていってしまいました。そこで、「枝雀師匠なら
長説教もこなしはるやろ」という安易な発想であてはめたわけです。
ですから、あの部分だけ米朝師匠の語り口で聞いたとしてもおそらく
雰囲気は壊れないと思います。もちろん、枝雀師匠の語り口を想像して
お読みになっても違和感はないはずです。
ちなみに、私はネタに詰まると根問物や寄合酒風の大勢でワチャワチャ
やる噺で「逃げます」(藁。三題噺で寄合酒はある意味卑怯ですから
真似なさらないでください。
249重要無名文化財:02/08/27 04:26
いまだに前スレがあがってくるとは、このスレも根強い人気だな。
250重要無名文化財:02/08/27 23:34
>>248
逃げの寄り合い酒でこれだけ書けるなんてうらやましいです。
251ごじゅういち:02/08/28 19:02
>半弗さん

レス、ありがとうございます。お待ちしておりました(w
なるほど、まず枝雀風ありきでしたか。あんまりよくハマってたんで
思わず書いてしまったのが>>175でして。
根問物や寄合酒風の件はよくわかります。でも、「逃げ」と言うには
もったいない作品ばっかりですがな。

私も、枝雀風に挑戦してみようか、という意欲が出てきました。
お題とうまく合えば近々…。
252主催者:02/08/28 21:50
八月ももうすぐ終わりにさしかかるというのに
なかなか顔出し出来なくて申し訳ありません。
パソコンのない実家に長期間戻っていたのも災いしました。
活発な意見交換がなされていて、本当に安心しました。
頼りない主催者ですが、何卒今後ともご贔屓にお願いを致します。

新たにあがっているsnobinetteさん(何とお読みするのでしょう?)
の「油ぅ鶴(仮)」の感想を書かせていただきます。
前半と後半で雰囲気がガラッと変わる噺ですが、両方が互いの良さを
ひきだしているように思います。話の筋とくすぐりと一粒で二度おいしい
噺といえるでしょう。リノール酸などの前半のくすぐりも噺を崩さずに効いていて
今後の作品も期待されます。

第二十一回の開始は、夏休み最後の土日直前の8月30日といたしましょう。
それまでは、夏休みの宿題ということで、読書感想文といいますか
それとも落語鑑賞日記とでもいいますか、皆様の三題噺企画・アイデアなど
でも盛り上がっていただきたいと思います。


253重要無名文化財:02/08/29 02:30
254主催者:02/08/30 00:09
それでは、これより第二十一回御題取りを行います。
例によって、一レス一単語でお願いします。
たくさんの御題、お待ちしております。
255重要無名文化財:02/08/30 00:28
言葉狩り
256重要無名文化財:02/08/30 00:32
ナポレオン
257重要無名文化財:02/08/30 00:35
せんたくばさみ
258重要無名文化財:02/08/30 00:45
千手観音
259重要無名文化財:02/08/30 01:06
発売延期
260重要無名文化財:02/08/30 01:32
アザラシ
261重要無名文化財:02/08/30 01:35
そうめん
262重要無名文化財:02/08/30 04:15
出逢い系
263重要無名文化財:02/08/30 06:07
シャチハタ
264重要無名文化財:02/08/30 13:57
大仏
265重要無名文化財:02/08/30 14:10
インスタントラーメン
266重要無名文化財:02/08/30 17:00
宿題
267重要無名文化財:02/08/30 18:17
人妻
268重要無名文化財:02/08/30 18:26
なぁに?
269重要無名文化財:02/08/30 20:19
古時計
270重要無名文化財:02/08/30 22:35
お祖父さん
271主催者:02/08/30 23:30
たくさんの御題、ありがとうございます。
それでは第二十一回お題の発表です。

「言葉狩り」「アザラシ」「宿題」
の三題です!

こうして文章に携わると欠かせない問題「言葉狩り」
時事ネタとして「アザラシ」
もうすぐ提出時期の「宿題」
で決めさせていただきました。
ナポレオン、シャチハタ、古時計なども候補でした。

それではたくさんの作品、お待ちしております。
初心者の方も気軽にチャレンジしてみてください。
常連の方も楽しい作品を期待しています。
272重要無芸文化財:02/08/31 01:04
それでは、即席の小咄で

とうとう、夏休みも今日が最後の日となりましたが。
生徒1:おーい宿題やったか? (パチパチ)
生徒2:全然、してへん。
生徒1:明日から学校やで、どうすんのや?
生徒2:先生に言うね。毎日、海で遊んでて、
    宿題は、アシカがある、アシカがある、アシカがあるさと思ぅて、全くせいうちに、
    トードー新学期。けれどもノートはアザラシいまま、落第さすなら、さあオットセイ。(パチパチ)
生徒1:そんな駄洒落みたいなことばがり言うても、どうにもならんやろ。(パチパチ)
生徒2:いや。あんまり寒うて、冬休みになる。
(どんどん)
273里の筍:02/09/02 20:36
近頃ではゆとり教育とかもうしまして、「これからは土曜も日曜も休みだよ。あとの五日間も
あまり一杯色んなことを勉強しなくていいからね。」なんてね、こりゃあまた子供さんがたには
まことに結構な世の中になってきたもんですな。
そうかと思うと「そりゃあまずいぜ、それでなくても子供の学力が落ちてるんだ。そんなことを
した日にゃあ、これからの日本心配だぁ。」なんておっしゃる方もおられるようで、まあなかなか
教育というものも一筋縄には行かないようでございます。

これが昔は義務教育もないから今以上に楽だったかというとそうでもなかったんだそうですな。
江戸の昔から全国どこに行っても藩校なんてものを作ってさむらいの子供たちの教育を熱心に
したんだそうでして。
それがまたさむらいの子供だけなのかなと思うと、町人の子供のほうでも寺子屋で読み書き算盤を
習うというのが普通のことだったんだそうですな。
そんな時代でも子供の中にゃあできのいいのもいりゃあ悪いのもいる。中にゃあ、こまっちゃくれて
親のことなんぞは屁とも思わないのがいるというのも今と同じでしてね。

金「おっ母さん、百文おくれ。」
母「またこの子は、口を開けばお足ばかり欲しがって。
  それにそんなたくさんのお足をどうしようってんだい。
  だいたいそんなにお足がうちにあるわきゃないだろ。
  それより金坊、宿題はやったのかい?」(パチパチパチ)
金「宿題って何だい?そんなもの知らないよ。」
母「何を言ってるんだい、この子は。
  おっ母さんが知らないと思ったら大間違いだよ。
  お向かいのよっちゃんをごらん。
  手習いのお師匠さんから、イロハを覚えて来なって言われて、一生懸命勉強してるじゃぁないか。」
金「よっちゃんは出来が悪いからおっしょさんに居残りさせられたんだい。
  それでもできないから家でやんなくちゃぁならないんだよぅ。
  そこへ行くとおいらは親に似ずできがいいからそんなことしなくてもいいんだよ。」
母「本当かい?それならいいけど。」
274里の筍:02/09/02 20:39
熊「おい金坊、またおっ母に銭をねだっていやがったな。」
金「あ、お父っさん、そこにいたのかい?
  じゃあお父っあんでもいいや。百文おくれよ。」
熊「じゃぁお父っあんでもいいやたぁ何て言い草だ。
  そもそもおめぇは人の顔さえ見れば銭をたかってばかりいゃあがる。
  全く強欲な野郎だ。
  それに、親に似ずできがいいたぁ一体どういうことだ。
  まったく親を何だと思っていやがるんだ。」
金「だっておっしょさんもがおいらのことを『鳶が鷹を産んだ』っていつも言ってるよ。」
熊「何だ、その『トンビが卵を産んだ』ってぇのは?」
金「卵じゃねぇや、鷹だよぅ。
  お父っぁんにわかりやすいように咬んで含めるように話しをするとね、
  本当に鳶が鷹を産む道理はないんだけれど、ぱっとしない鳶のような鳥が立派な鷹を産む
  という例えをひいて、平凡な親から利口な子供が産まれるということを言うんだよ。
  さしずめお父っぁん、おっ母さんからおいらが産まれたことを言うんだな。」
熊「なにぉぅー、ふざけやがって。何がさしずめだ。
  おい、おっ母、この野郎の言い草を聞いたかい?」
母「あたしゃ、前からこの子は見所があると思ってたんだよ。」
熊「何だよ。おめぇまでそんな事を言ったんじゃあ、親の示しがつかねぇじゃあねぇか。」
金「できの悪い親を持つと子供は大変だ。
  それでなくてもつらい世間がよりつらくなる。
  ほんにこの世は憂きことばかりだなぁ。」(パチパチパチ)
熊「何を言いゃがる。この野郎、親を馬鹿にしやがって。」
275里の筍:02/09/02 20:40
竹「御免よ。兄貴はいるかぃ?」
熊「おお、竹じゃあねぇか。」
竹「外から大きな声が聞こえたが、あいかわらず親子喧嘩かい?」
熊「喧嘩なんかじゃぁねぇや。
  この野郎があまり生意気な口を利きゃあがるからちょいと説教してやってた所だ。」
竹「へぇー、そうかい?
  俺にはおめぇのほうが説教されてたように聞こえたんだがなぁ。」
熊「てめぇまで何を言いやがる。
  この餓鬼は人の顔さえみりゃあ銭を欲しがって、まったく欲張りでいけねぇ。」
竹「へぇー、金坊はそんなに銭をもらって一体何に使うんだろうねぇ?」
熊「さあなぁ? まだ一度もやったことがねぇからわからねぇ。」
竹「なんだい、まだ一度も小遣いをやったことがねえ?
  それで子供のことを欲張り呼ばわりしてるおめぇのほうもどうかしてるぜ。」

熊「うるせぃやぃ。
  ところでおめぇ今日は一体なにしに来たんだ?」
竹「あっ、忘れるところだった。
  いえね、兄貴に教えてやろうとおもってね。
  大川に海坊主が出るってんだが知ってるかい?」
熊「知らねぇなぁ。
  本当かい?ふーん、海坊主がねぇ。」
竹「何だか真っ黒い頭のつるっ禿の化け物がプカプカ浮いてるんだってさ。
  町内の若い連中は怖いもの見たさで大川端を行ったり来たりで、そりゃあもう大騒ぎだぜ。
  糊屋の婆さんなんぞは、海坊主に襲われたらあたしゃどうしよう、なんて念仏を唱えて
  家にこもったきりだし...」

276里の筍:02/09/02 20:41
金「あたぃ、海坊主の正体知ってるよ。」
熊「野郎、大人の話に口をつっこむんじゃぁねぇ。
  それにおめえが口を出すと話がややこしくなるからちょっと黙ってろ。」
竹「まぁ、ちょっと待ちなよ。
  へぇ、金坊、本当かぃ?知ってるんだったらおじさんに教えてくれねぇか。」
金「他ならぬおじさんのことだから教えてあげてもいいけど、いくらかくれるかい?」
竹「ああ、事としでぇによっては銭はやってもいいが、一体ありゃあ何なんだい?」
金「あれはアザラシってもんなんだってさ。」(パチパチパチ)
熊「なに?シャレコウベか?」
金「それは野ざらしだよ。
  お父っつぁんが口を出すと話がややこしくなるからちょっと黙ってて。」
熊「この野郎、親の揚げ足をとりゃあがって。」
竹「いいから兄貴ちょっと黙っててくれねぇか。
  それで金坊、そのアザラシってぇのは何なんだぃ?」
金「お師匠さんのお話では、本当は蝦夷の方の海に住んでる生き物なんだけど、
  何かの間違いで大川に流れ着いたんだろうって。」
竹「ふーん、おめぇ、偉れぇことをしってるなぁ。
  それでそいつぁ何か悪さをしやぁしねぇかい?」
金「ごく大人しいから何もしないってさ。
  そのうちにどこかに行ってしまうから何も騒ぐことはないんだって。」

竹「そうかぃ。負うた子に教えられて浅瀬を渡るてぇのはこのことだ。
  なあ兄貴、立派な子供をもって幸せだなぁ。先行きが楽しみだ。」
熊「何を言ゃぁがる。人の子だと思って勝手なことを言うんじゃあねぇやぃ。
  毎度毎度やり込められる親の気持ちにもなってみやがれ。」
竹「まあそういいなさんな。子供は世の中の宝だぜ。」
熊「なにー?宝だと。冗談じゃぁねぇや。
  宝どころか野郎にはいつもたかられてばかりいる。」(ドンドン)
277前スレ亭ごじゅういち:02/09/03 21:50
「言葉狩り」「アザラシ」「宿題」
えー、いっぱいのお運びで、ありがたく御礼申し上げます。どうぞ、お後お楽しみの上、
私のほうはホンの>>277-851ほどお付き合いを…いや、ホンマにクリックしなはんなて。
そんなにできますかいな。久しぶりと言いますか、ちょっとやっておりませんでしたので、
今日はまた、野球のお噂を聞いて頂きますが…

部下「オーナー、うちのチームもとうとう春からの貯金を使い果たしてしまいました」
オーナー「あぁ、もう言うな。聞きとうない。わしはな、今年は“いつもの位置”と違うだけで
     満足なんじゃ。8月になってもまだ貯金があった。それだけで今年は十分じゃ」
部「そりゃ、言われてみればその通りなんですが、悔しいやおまへんかいな。
  ここまで来たらやっぱり、最終的には勝率5割を超えてAクラスを狙いたい」
オ「そらな、できるもんならそうあってもらいたい。けどなぁ、これだけ怪我人が続出してるのに
  そこまで望むのは、強欲というもんやで」
部「確かに。こんなに怪我人が出るのはこちらとしても予想外でしたなぁ」
オ「またいつものように、シーズンオフになって監督にフロント批判されるようなことは
  今年こそは避けてもらいたいわな。今度の監督は流石にわしも怖い。
  まぁ、トレーニングのやり方がどうとかいうのは、わしゃド素人やさかいわからんが、
  来年への宿題やと思うて、君にはがんばってもらうで」(パチパチパチ)
278ごじゅういち:02/09/03 21:51
部「わかりました。それはそうとオーナー、困ったことが一つ持ち上がっておりまして」
オ「というと?」
部「うちの球場のベンチ裏に猫が一匹棲みつきまして。何べん追い払うても
  戻って来るんでございます」
オ「誰かがエサをやりよったんじゃな」
部「どないしたらよろしいでっしゃろ?」
オ「どないしたらも何も、そんなもん放っといたらええやないか」
部「オーナーはそう簡単におっしゃいますが、このままでは、試合中のグラウンドに
  いつ飛び出してくるかわからんと言うて、グラウンドキーパーらは毎日ビクビクでございます。
  そんなことになったら、秋の珍プレー特集では笑い物になるのも目に見えておりますが」
オ「君も商売気のない男じゃな。そんなもんは利用せんかい。えぇか、次の試合、
  風船飛ばしが終わったらその猫、君がわざと放せ」
部「そんなことしてもよろしいんで?」
オ「どんどんやったらえぇ。『行方不明のタマちゃん、甲子園に現る!!』
  翌日のデイリースポーツの一面は決まりやがな」
部「なるほど、多摩川のアザラシ騒動に乗っかるわけですな、さすがはオーナー」(パチパチパチ)
オ「多摩川という言葉は、うちの球団では禁句になっておる!」
部「は!しもた。えらいすんませんでした」
オ「多摩川グラウンドで流した汗と涙がどうのこうの言いながら、公共の電波で恥ずかし気もなく
  涙を流すようなアナウンサーの顔なんぞ、わしゃ見とうないわい」
部「そういや“徳さん”、このごろ出てきまへんな」
オ「どうしたんじゃろな」
部「オーナーもほんまは気になってはるのでは?」
オ「やかましわ。それより、猫の一件、あんじょう頼んだで」
279ごじゅういち:02/09/03 21:53
しょうもない相談というのは早いことまとまるもんでございまして、次の日から早速
「タマちゃん作戦」が開始されます。思いがけん所へかわいらしい猫の登場でオーナーの目論み通り
テレビでも取り上げられたり致しまして、なかなかの名物になったんでございますが、
肝心のチームの成績の方は、なかなか上向きになる気配がない。というのも、
主砲としてクリーンナップを期待されて余所のチームから連れてきた外国人選手が
前半戦と比べると至って元気がございません。ここらでもう一丁、気合いをいれてやらねば、と
試合後にオーナー直々に呼び出しよった…。

外国人選手「シツレイシマース」
オ「あぁ、やっと来たか。まぁ、こっちぃ入り」
外「オジャマイタシマース」
オ「相変わらず君は真面目じゃな。日本語もうまなったやないかいな。それはそれで結構なことやが、
  君なぁ、前半戦はあれだけ打ってくれてたのに、どないしてしもたんじゃ」
外「コウイウトキモ、アリアス」
オ「洒落まで憶えたんかいな。一体どうやって日本語を習てるのじゃ?」
外「コノアイダ、ニホンゴノベンキョウノタメニ、ラクゴノテープヲモライマシタ」
オ「落語? 誰じゃいな、妙な知恵を付けてんのは…」
外「モウ、ミッツホド、デキルヨウニナリマシタ」
オ「3つも! おもろいな、ここでやってみてくれるか?」
外「オヤスイゴヨウデース。エー、ココニゴザイマシタノハ、ワレワレドウヨウトイウ
  イタッテノンキナオトコデ。ヨソカラ、サバヲモライマシテ、ソレヲ、ニマイニオロシテ…」
オ「待った待った待った! それ、もしかして『地獄』と違うか?」
外「ソウデース」
280ごじゅういち:02/09/03 21:54
オ「ソウデースやないがな。そのまま最後までやったら、一体いくつレスを使う気ぃじゃ?」
外「ソウデスネー、>>277-851ホド…」
オ「付き合うてられるかいな。しかし、今の所、青いままか紫になってるか気になるような…」
外「ダレト、シャベッテイルノデスカ?」
オ「こっちの話じゃ。それにしてもなぁ、そこまでして日本語を勉強したり、性格が真面目なのは
  誠に結構なこっちゃが、今の成績ではちょっと困るなぁ」
外「ハイ、キョウモ、ノーヒットデシタ。エライスンマセン」
オ「昨日は?」
外「ノーヒットデシタ」
オ「おとといは?」
外「ノーヒットデシタ。ヘレン・ケラー、キセキノヒト。ラッツ&スター、メグミノヒト。
  クマザワ・アカネ、ウツツノヒト」
オ「なんじゃそら?」
外「ノーヒットヅクシ」
オ「……今日はもう帰りなさい」

部「どうでした? オーナー直々の檄は効きましたか?」
オ「あかん。ノーヒットが続いてるのを苦に病んでるらしいんやが、『奇跡の人、め組の人
  うつつの人』でノーヒットづくしじゃと。誰じゃ、あいつに日本語を教えたのは…」
部「ほたら早いとこクビにして帰国させましょか? 本人がたちまち『機上の人』」
オ「やっぱり君か、妙なこと教えたのは…。しかし困ったな。あれだけノーヒットにこだわって
  考え込んでるようでは、調子も上がらん。どうしたもんか…」
部「こういうのはどうでしょう。あいつが例えノーヒットで終わった日でも、周りの者も誰も
  ノーヒットと言うたらあかんことにするんでございます」
オ「そんなことで解決するかな?」
部「誰もノーヒットに触れんかったら、苦に病むこともないんと違いますかねぇ。
  何でしたら、言うたヤツから罰金を取ってもええかと」
オ「それではただの言葉狩りやがな」(パチパチパチ)
281ごじゅういち:02/09/03 21:56
しょうもない相談というのは早いことまとまるもんでございまして、次の日から早速
「ノーヒットNGワード作戦」が開始されますが、こんなもんが成功するはずもございません。
相変わらずヒットが出んところへ、ベンチに変なプレッシャーも加わっていよいよチームは下降線。
話題になるのは7回名物のタマちゃんだけという有様で…。

部「私のせいでこんなことになってしもて、ホンマにすまなんだ」
外「ソウイウコトモ、アリアス」
部「わかってんのかいな…。今からオーナーの所へ謝りに行くさかい、すまんが一緒に来てくれんか。
  オーナー、失礼致します。入らせて頂きます」
オ「あぁ、君か。この前はとんでもない提案をしてくれたな。おかげで…」
部「申し訳ございません!」
外「ダンサン、カンニンシトクナハレ。バントウノ、フシマツハ、デッチノワタイニメンジテ」
部「そら何をいうのじゃ!」
オ「……もうえぇ。静かにしてくれ。わしゃ疲れた。わしの心を癒してくれるのはこいつだけじゃ。
  おぉ、よしよしよし」
部「あ、タマちゃん」
オ「君らがやかましいんで怯えとるやないか。頼むから静かにしてくれ。あ、それからな、
  しょうもない言葉狩りはもうやめるぞ。明日からは今まで通り好きなようにやってくれ」
部「承知致しました」
外「アリガトウゴザイマース。アシタカラ、ガンバリマース」
オ「頼むで、ホンマに。しかしなぁ、いくらノーヒットが続いてるというても、もうそろそろ
  ヒットが出てもえぇのと違うか? 明日は期待してるで」
外「ハイ、ガンバリマース。ナンカ、ウテルキガシマース」
オ「よっしゃ、その意気やがな。そしたら手始めに明日は何本打とかな?」
外「ソレハ…」
部「改めてそうやって聞かれましても、まだ自信が持てんのでは?」
オ「いや、そんなことでは頼りない。さ、答えてもらおかな。明日は一体ヒットを何本打つ?」

猫が横から
「2安打」

ドンドン
282sana亭omi:02/09/03 23:29
犬が「ワン」とか、ねずみが「チュー」ならありふれているけれど
まさか、猫が「2安打」とはね。すごい。
すすむ君だったら、「五安打五安打」ですかね?
登場人物は「無能の人」???
283重要無名文化財:02/09/03 23:55
アリアスのキャラがすごくいいですね。笑った!
サゲは「猫忠」ですな。
284sana亭omi:02/09/04 00:33
我が鷹は、子宝なれど、たかられる、
それにつけてもお宝ほしさよ。
285ごじゅういち:02/09/04 22:08
早速の感想レス、どうも。

>omiさん
>「五安打五安打」

やられた。そんな返しは予想外でした。
くわえてたタバコを太ももに落としてしまった…。あぁ、熱かった。

>>283
作り手からしても、再登場させたいキャラになりましたね。
また機会があれば。

>里の筍さん
うまいなぁ。もし実際に寄席で掛けられても「初めて聞く噺だなぁ」と
古典の一つだと思ってしまう人、絶対いると思いますよ。
「野ざらし」、先を越されたのは悔しかったんですけど(w

ところで、1レスの字数制限が厳しくなった気がしました(筍さん、気になりませんでした?)。
お後の師匠連、一応ご注意あそばせ。
286重要無名文化財:02/09/06 17:12
重要無芸文化財さん、アザラシ(?)づくしお見事。
287重要無名文化財:02/09/06 22:29
「言葉狩り」「アザラシ」「宿題」

1「最近暑いね。」
2「やけに普通の出だしだね。」
1「この暑さは君のせい?」
2「僕のせいだとしても謝らないけどね。」
1「暑さで宿題も解けないかな?」(パチパチ)
2「解けないし、溶けないね。」
1「君のせいだね。」
2「今日はやけに僕のせいにしたがるね。」
1「暑さで君のせいにしたくなるんだよ。」
2「そんな病例、まだ報告されてないよ。」
1「アザラシにそういう例があるよ。」(パチパチ)
2「むやみに嘘をつくのは良くないな。」
1「じゃあ君はシューベルトの何を知ってるんだ!」
2「そのアザラシはシューベルトっていうの?」
1「それはうちのセイウチの名前。」
2「訳分からない以前の問題として、都内でセイウチを飼う人も珍しいね。」
1「米国で初めてだからね、僕が。」
2「今、都内って言ったばかりだけど。」
1「アザラシも暑くなると人のせいにしたくなるんだよ。」
288重要無名文化財:02/09/06 22:30
2「別にアザラシ研究してるわけじゃないから良く知らないけど、そうなの?」
1「だと思う。」
2「又聞きを自分の意見のように話すのは良くないよ。」
1「君のせいだよ。」
2「また始まったね。そう度々発症するの?」
1「アザラシの場合は二年に一度だったよ。」
2「君の病気とは違うみたいだね。」
1「それは医者に『風邪でしょうか』というようなもんだぞ。」
2「君が獣医ならその屁理屈も納得するけどね。」
1「君のせいだよ。」
2「何もしてないよ。」
1「僕が獣医じゃないのは君のせいだよ。」
2「資格試験の試験官に食って掛かりなよ。もう『君のせい』はいいよ。」
1「そうやってすぐ言葉狩るだろう、君は。」
2「動詞を勝手に作るのも病状のひとつ?言葉狩りでしょ?」(パチパチ)
1「そう、その言葉がる。」
2「名詞として使ってたんだね。」
1「そういう風に言葉狩るのはよくないよ。」
2「全て僕のせいにする方がよくないよ。」
1「まぁ、州法では裁けないけど。」
2「日本の刑法でも無理だよ。」
1「狩られる方の立場になってみろってんだ。」
2「いいこと言ってるようだけど、狩られる立場にはどうやったらなれるのさ?」
1「放送禁止用語を連発するね。」
2「汚れてまで狩られる方に回りたくないよ。」
1「それじゃいつまで経っても、立派な言葉狩られにはなれないぞ。」
2「基本的になりたくないんだけど。」
1「まったくあーいやこー言う。とにかく言葉狩り撲滅に協力せよ。」
2「まったく疲れるな、ほんとに。君のせいで汗かいたよ。」
1「おい君、その『君のせい』って言うな。」

ドンドン
289重要無名文化財:02/09/07 23:18
いつもながらに見事、匿名さん。
290 すのびねっと:02/09/11 16:56
重要無芸文化財さま 早い、短い、うまい!

ごじゅういちさま  おもしろい! ところで阪神ファンの方は、
  ほんとに「いつもの位置」と違うだけで満足なんですか?

里の筍さま すごくいい感じ、すばらしいなあ。読んでいるうちに、もしかして
   ほんとに「たから」と「たかる」は、同じ語源かと思っちゃいました
  (あまりいい加減なことをいうと大野晋扱いされてしまうのでやめときます)

主催者さま 「油ぅ鶴」すばらしいタイトルありがとうございました
   「もうお前なんぞ来んでもよろし」と言われたらどうしようかと思っておりました。
291重要無名文化財:02/09/11 19:18
ごじゅういちさん、自分は阪神ファンじゃなく星野監督ファンなんですが、
ちょっぴり嬉しい感じでした(w
292湖亭半弗:02/09/11 22:04
重要無芸文化財さんの短編、ごじゅういちさんの野球噺、
里の筍さんの小僧噺、そして匿名さんのシュール噺と力作そろいですので
緊張しながら書き進めていきます。
「言葉狩り」「アザラシ」「宿題」ですね。

 昔から、この、東の旅とかいうのは、ずっと前座の時分にさろぉて
しもうて、かけてたんですな。今では落語会でもトリでやったりします
さかいね。会のあさぁい時分に前座があがりまして、見台をこう
ガチャガチャやって景気付けて、あれもその音に負けんような声を
出さないかんちゅので、それが声の鍛錬になったりしたもんですが。
よぅよぅあがりました私が初席一番叟でございます、二番叟には
三番叟、四番叟には五番叟、御番僧に御住持に、旗に天蓋、銅鑼に鐃鉢、
影灯篭に白張り、てなことを申しますと葬礼の話で。何やあがるなり
葬礼の話でゲンの悪いやっちゃとお叱りがあるや分かりまへんが、
決してせやない。いたってゲンのえぇことを申しております。およそ
人間には三大礼と申しまして・・・てなことをベラベラ喋りながら
進めていくわけでございますが。
ここにおりました喜六清八という大坂の二人連れ、気候もよぅなったちゅうので
どやひとつ御伊勢参りでもしよやないかちゅう「でも」つきの伊勢参り。
伊勢神宮への参詣もすませまして、お社の西に流れます五十鈴川、
参道へ通ります宇治橋まで出てまいります。
293湖亭半弗:02/09/11 22:05
喜六「清やん、御伊勢さんちゅうのはやっぱりえらいもんやなぁ。」
清八「せやな、みてみぃこの人出を、えぇ。これ皆、御伊勢参りの
人らやで。」
喜六「皆、これが参りに来たんか。かわってるな。」
清八「何を言うねや、これ。わしらも伊勢参りしたんやがな。」
喜六「あぁ、そうか。いや、わいな、もう済んでもぉたさかいに
忘れてたわ。」
清八「あんじょうせないかんで。これから大坂への帰り道中や、
用事は済ませてあるねやさかいに、ゆっくりしぃもっていこやないか。」
喜六「そら結構な話やな。清やん、橋の周りに人がよぉけ集まったあるで。
何ぞ土左衛門でもあがったんとちゃうか?」
清八「参って早々ゲンの悪いこと言いないな、えぇ。しかし、ほんに
よぅさん集まって・・・、ちょっと聞いてみたろ、ちょっと待ってえ。
もぉし、あの、何ぞおましたか?」
旅人「あぁ、何でもこの五十鈴橋に海坊主が出たちゅうんでなぁ。」
清八「海坊主ちぃますと、化けもんか何かで?」
旅人「いや、そないに恐ろしいもんでもないみたいやな。かわいらしい
もんやちゅうのでな、近所の子供らや巡礼の娘やらが川岸で姿見ようちゅうて
待ってるらしいわぃ。」
清八「はぁ、左様で、おおきにはばかりさん。おおぃ、いてきたで。」
294湖亭半弗:02/09/11 22:05
喜六「何やちゅうてた?」
清八「海坊主が出たちゅうてたわ。」
喜六「はぁーん、そら、行でもしてなはるねやな。」
清八「そんな行があるかい、あら化けもんやで。」
喜六「化けもん!清やん、はよ帰ろ。」
清八「しょうのないやっちゃな。そない怖いもんやありゃせんちゅう話や。
かわいらしいんやそうなな。」
喜六「かわいいちゅうても化けもんやろ、羊の皮かぶったちゅう事も
あるがな。第一、川やのに『海坊主』とは、これ一つの不思議。」
清八「何の不思議な事があるかいな、そら言葉狩りちゅうもんやで。
ほな谷川にヤマメとはどないやねん。」(パチパチパチ)
喜六「それなら清やん、山にカワウソてなもんやな。」
清八「しょうもない問答しててもあかへんがな。まぁ、今日はこの辺りで
宿をとって海坊主見物でもしょうやないか。ひょっとしたら御伊勢さんで
出くわしたちゅうことは神の使いかも分からんで。」
宇治橋を渡りまして、大鳥居をくぐりますと伊勢内宮の参道でございます。
この辺りにいったん宿をとりまして、宇治橋から噂の海坊主を待っておりますが
この日は姿を見せずじまい。二人は宿へ立ち返りまして、
295湖亭半弗:02/09/11 22:05
喜六「何や、清やん。今に出てくる今に出てくるちゅうて結局
何もおらなんだやないかい。」
清八「まぁそう言いないな、わしらだけやない、皆待ちぼうけしてたんやがな、
しゃあないわい。また明日にでも出直そうやないか。」
喜六「わい、明日はここで寝てるわ。出たら起こして。」
清八「なんちゅう不精な奴や、こいつは、ほんまに・・・。ん?・・・おい、
おまえ、ここの宿代は足りるかぃ?」
喜六「足りるかぃちゅうて、何でそんなん聞くねん?」
清八「胴巻をどうやら落としたらしいねや。」
喜六「不細工な、えぇ。そらわいの役回りやで。しかし、そらえらい
こっちゃ、はよ拾といで。」
清八「あっさり言うな、お前。あないようけの人出の中で落としたもんが
今頃行って見つかるかいな。ちょっとここの宿代払うてくれるか?」
喜六「えぇ?そらいかんで。わいかて、清やんの懐、あてにしてたんやで。
見てみぃな、参道でうまそうなもん見繕うてつまんでるうちに、逆さに
振っても鼻血も出んちゅうやつや。」
清八「えぇ?こら、弱ったな・・・。もうこれだけ飲み食いしてやで、
明日、宿のもんにどない言うたらえぇねん。無一文で宿に泊まったと
あったらただでは済まんぞ。」
喜六「ほしたら、どないすんねん。」
清八「うーん・・・、そうやな・・・。よし、こうなりゃままよ、わしら
二人は『海坊主の使い』ちゅう事にしよう。」
喜六「えげつない事考えるな、ど、どないすんねん?」
清八「まぁまかしてみぃ。おい、下へいてな、筆と硯と、それから
何ぞ書く紙をもろぉておいで。」
296湖亭半弗:02/09/11 22:06
早速、店のもんから借りてまいりまして、
清八「えぇか、お前。今からわしが言う事をつづっていくねや。」
喜六「わし、字ぃ苦手やのん知ってて、ずるいわ、清やん。」
清八「ごちゃごちゃ言うな、ほな言うぞ。『右の二名、海坊主の使いにて』。」
喜六「うわぁ、恐れ多い。」
清八「『伊勢神宮に代参せしむるものなり』。」
喜六「清やん。だいさんちゅうのはあの瀬戸物屋の大さんかぃ?」
清八「何でそんなところで大さんが出てくるねや、代わりに参るのを
代参ちゅうねや。」
喜六「ほな宮崎に参るのは「徳さん」ちゅうのかな?」
清八「いらんこと言うてんと、はよ書いてしまうぞ。『よって、
おんしゅくだい免除の事、よってくだんのごとし 海坊主』。」(パチパチパチ)
喜六「御宿代免除とは大きく出たな、海坊主。」
清八「何も大きに出てないがな。貧相な書付やけどな、しのげるかどうかは
それこそ神のみぞ知るちゅう奴や。」
喜六「清やん、『右の二名』は喜六・清八でえぇんかな?」
清八「そんな事したら、万一気づかれた時にガンがつくやないかい。
こういうのは偽名ちゅうのを書いとけばえぇねや。そうやな・・・、
わしは玉造に叔父さんがいてるさかいに、『玉』としておいてくれ。
何やら玉ちゅうのは神々しいかんじがするさかいな。」
297湖亭半弗:02/09/11 22:06
喜六「はぁはぁ、そんなもんかいな・・・。ほな、タマ・・・と。」
清八「おい!そら『多摩』ちゅう字やがな。わしが言うのは
『玉』やで。」
喜六「どうせニセの名前ねやさかいえぇがな、清やん。ほな、わしは
鶴見に叔父さんがいてるさかいに『鶴見』としょうかしら。」
清八「どないでもせぇ、とりあえず今からわしらは海坊主の使いや
さかいな。清やんてな事言うたらいかんで。」
喜六「分かったわ、清やん。」
清八「言うた先から言うてるやないか、あんじょうしいや。」
何やかやで夜が明けます。いつもより早起きをいたしまして
旅支度を整えます。
手代「これはお客様、お早いお支度で。」
清八「いや、先を急ぐもんでな、はよぅ出立することにした。」
手代「あ、左様でございますか。左様でございましたら、ご出立の
時と心得ておりましたが、この場でお宿代を頂戴したいと存じますが
よろしゅうございますか?」
喜六「そぉら来た。」
清八「いらんこと言うな。それでは、これを・・・主なり番頭なりに
見せてきてくれんか。」
手代「あの・・・これは?」
清八「おぬしも海坊主様の事は存知おるな?」
手代「へぇ、もうえらい騒ぎでございますので。」
清八「わしら二人はその海坊主様の使いの者じゃ。伊勢内宮へ海坊主様に
なりかわり参詣いたす、そう申し伝えてその書付を見せるが良いぞ。」
手代「は、ははぁ!少々お待ちを!」
信じやすい手代と見えまして、書付を持って階段を急いで駆け下りて
まいります。
298湖亭半弗:02/09/11 22:07
喜六「え、えらいもんやな、清やん。いや、多摩やん。」
清八「こうあっさりいくとは思わなんだな。こら、宿代払わんでえぇどころか
土産がつくやも分からんぞ。」
喜六「うわ、土産!?こらぁ、何やな、海坊主様々やなぁ。」
主「失礼を致します。」
清八「これはこれは、ご亭主か。」
主「はい、当宿の亭主にございます。海坊主様のお使いの方で、
多摩様と鶴見様でございますか。」
清八「いかにも。いや、ご亭主。昨夜の逗留の際に申しておけば
よいものを手数をかけさせたな。」
主「勿体無い事にございます。これから御参詣との事、使用人の
者達も是非お見送りしたいと申しまして、まかりこしましてございます。」
喜六「見送りやなんて、そない大層な。」
清八「黙ってぇ。あ、それには及び申さぬ。元より忍ぶ代参にて
派手な振る舞いは好まぬのでな。」
主「左様でございますか。それでは、せめて海坊主様のお使いの方で
ございますれば、屋敷の階段、廊下のお歩きもご苦労でございましょう。
何分急なお話でございますので、このようなゴザしかございませぬが、
四隅をこう、使用人に持たせまして、玄関までお送りさせていただきます。」
299湖亭半弗:02/09/11 22:07
清八「それはそれはかたじけない、きっと海坊主様のご利益がありますぞ。」
二人がそれぞれゴザの上に座らされまして、
清八「それでは頼むといたしましょうか。」
と言うが早いか、
主「それいけー!」
と主が叫んだかと思うと、宿の者がそれぞれ縄を手にとって
あっちゅうまにゴザごとグルグル簀巻きにしてしまいよった。
清八「こ、これ、何をする!」
主「何をする?そらこっちの台詞やわい。よぅも海坊主様の使いやと
御恐れ多い事を騙ったな。本来なら、宿代の踏み倒しは番所に突き出す
ところやが、海坊主様のお使いやちゅうねや、五十鈴川へお帰り願おう!
それ、担ぎあげぃ!」
簀巻きにされた喜六清八、えっほえっほと宿の者に担がれて、宇治橋まで運ばれて
参ります。
300湖亭半弗:02/09/11 22:07
喜六「みてみぃ、清やん!せやからわしはやめとこちゅうたんや!」
清八「今更嘆いても遅いわい!ご、ご亭主、堪忍しておくれ!」
主「えぇい、朝からゲンの悪い、勘弁ならんわぃ!さぁ、橋の下へ落として
しまえ!」
清八「そ、そればかりは堪忍!」
海坊主を見に来た参詣客と簀巻きの二人を見守りに来た者とが
合わさって、宇治橋は大勢の人だかり。皆、口々に、
群衆A「無銭で泊まろうちゅう不届きな奴らや、はよう落としてしまえ!」
群衆B「海坊主様の使いを語るやなんて、はよ投げ入れぇ!」
もう「落とせ落とせ」の大盛り上がりを致しておりますと、
急に川から顔を出した、当の海坊主。
海坊主「お前ら黙って聞いてたら調子にのりやがって!
オットセイとちゃうわい、わしゃアザラシや!」(パチパチパチ)

ドンドン



301湖亭半弗:02/09/11 22:10
ずいぶんな長文になってしまいました。
板を汚してしまってどうも相すいません。
302sana亭omi:02/09/11 23:01
面白く感じながら、長文いっきに読みました。
相変わらずの実力の発揮ぶりですね。

>谷川にヤマメとはどないやねん

敵を憎む習性を利用しても
アユノトモヅリと言うが如し。
303重要無名文化財:02/09/12 18:07
よく出来た噺ですな。
東の旅の珍道中ぶりが実にアザラシ見物とマッチしていて
面白い。本領発揮といったところですかな。
304重要無名文化財:02/09/12 23:17
今日、タマちゃんが横浜で見つかったそうですね。
何とタイムリーな(藁)楽しませてもらいました。
305重要無名文化財:02/09/14 03:02
湖亭半弗さんの作品はいつも思うのですが、
ストーリーがしっかりしている点でずば抜けていると感じます。
今回の作品も、東の旅シリーズを舞台に借りて、アザラシの
時事ネタを交えながら、
伊勢神宮に着く→海坊主騒動→なかなか姿を現さない→神がかっているのでは?
→宿賃がない→海坊主をダシに使おう→書付作成→亭主相手の猿芝居
→バレて簀巻き→海坊主が怒る→サゲ
複線が至るところに張られていて、三題噺以上のエンターティナー性を
含んでいると思われます。また、お題の使い方も
・言葉狩り→クスグリで
・アザラシ→サゲで
・宿題→駄洒落で
とバリエーションに富んでいますね。この作品はクオリティが高く、感服です。
306主催者:02/09/17 01:56
長い間コメントせずに申し訳ありません。
今回も力作をお寄せいただいて、皆様ありがとうございます。

まず無芸さんの>>272「小咄・鰭脚類で言い訳(仮)」は即興とのことですが
どうしてどうして、見事なまとまりと余韻を残しています。
サゲの「あんまり寒くて」というのが自虐的な感じが、子供ながらに
宿題ができてなくてまずい、という感情を表しているように思えました。

筍さんの>>273-276「宝小僧(仮)」は小僧噺らしい雰囲気が
抜群に表現されています。薀蓄をたれては生意気に小遣いをせびる金坊
は実に愛らしいですし、両親・竹などの脇キャラも役柄をまっとうしています。
時事ネタのアザラシ騒動も交えてのほのぼのした話です。

307主催者:02/09/17 01:56
ごじゅういちさんの>>277-281「二安打(仮)」(←あえて「たがや」のようにサゲを
題名にしてみました)は、「しょうもない相談というのは早いことまとまるもんで
ございまして」と二度おいしい相談がまとまるコミカルな噺です。アリアスの
落語好きという設定、猫のタマちゃんを名物にする在阪球団のたくましさ、
実に楽しませてもらいました。ごじゅういちさんの伝家の宝刀野球ネタ、十分
堪能いたしました。

匿名さんの>>287-288「君のせい(仮)」は相変わらずの脱力ぶりが
群を抜いていますね。なぜか米国にこだわっている(州法とか)1氏と
頭の中で計算され尽くした流し方の2氏のやりとりがシュールです。
今回は「君のせい」というキーワードを効果的に使っていますよね。
私は最後の「とにかく言葉狩り撲滅に協力せよ。」と何気に命令調のせりふ
がツボでした。

そして、半弗さんの大作>>292-300「多摩と鶴見〜東の旅〜(仮)」は
時事ネタを東の旅に放り込むという荒業ながら違和感を感じさせないのは
さすがです。喜六清八の宿賃踏み倒しの策略は、膝栗毛を彷彿とさせますし
踏み倒し方のいきあたりばったり感がより滑稽に感じます。
>>305の方が詳しく解説なさっていて、さらに解釈が深まりました。

308主催者:02/09/17 01:56
それから、すのびねっとさん。仮タイトルを気に入っていただいたようで
こちらこそありがとうございます。仮決定権を私が持っている手前、下手な
題名をつけてしまっては皆様に申し訳がないので、いつも汲々して考えています。
「油ぅ鶴」は実に楽しい作品でしたので、またご参加していただけたら、と
思います。

それでは、第二十二回御題取りに移りたいと思います。
例のごとく、一レス一単語でお願いいたします。
たくさんの御題候補、お待ちしております。
309重要無名文化財:02/09/17 15:59
弁慶
310重要無名文化財:02/09/17 16:07
さいころ
311重要無名文化財:02/09/17 16:35
拉致
312重要無名文化財:02/09/17 17:52
遺憾
313重要無名文化財:02/09/17 18:11
街路樹
314重要無名文化財:02/09/17 22:05
果物
315重要無名文化財:02/09/17 22:16
りんごジュース
316重要無名文化財:02/09/17 23:53
北国
317重要無名文化財:02/09/18 00:33
ルクセンブルク
318重要無名文化財:02/09/18 18:46
スケール
319重要無名文化財:02/09/18 18:47
牛乳瓶
320重要無名文化財:02/09/18 18:49
パンクロック
321重要無名文化財:02/09/18 20:57
温野菜
322主催者:02/09/19 01:25
それでは、第二十二回御題の発表です。

「さいころ」「北国」「温野菜」の三題です。

北国と温野菜はつながりとして少しかぶるところですが、
それをそのまま使うのでなくどこまで発想を飛躍できるかがポイントです。
「スケール」「パンクロック」なども候補でした。
次回はカタカナ三題というのも楽しそうですが、今回はこれです。

それでは、たくさんの作品、お待ちしております。
新人常連に限らず、ご応募お待ちしています。
323重要無名文化財:02/09/19 18:53
age
324里の筍:02/09/20 21:18
よく昔から『親がなくとも子は育つ』なんてことを申しますが、「そりゃあ考え違いだぜ。あれは『親が
あっても子は育つ』ってえのが本当だ。」なんておっしゃるお方もございますね。
なるほど言われてみたら、そりゃあそうかもしれませんな。

「坊や、あっちへ行っちゃあいけませんよ。川に落っこちたら大変だから。
そっちに行っちゃあ駄目ですよ。松ぼっくりが落ちてきて頭に怪我をしますよ。
おや、そんな硬いものを食べてお口を怪我したらどうします。
お母さんが噛んで柔らかくしてあげますからね。ほら...」なんてね。
なまじっか親が何でも先回りして手助けをしたばっかりに、北の国の日陰のモヤシのように
ひょろっと育ってどうにも頼りないなんてぇのは世間にはいくらもある話でして...(パチパチパチ)

そんな話があるかと思うと、またまるで反対のお話もありまして...
ある立派な大店の大旦那様に、昔話をうかがったことがありましたが、
「若いころに親に死に別れて随分苦労をしたもんだが、その苦労のお蔭で今ではこんな暮らしが
できるようになりました。まことにありがたい事です。よくぞ早く死に別れてくれた。」
そんなこたぁ言やぁしませんが...
でも親がなくとも子供は立派に育つといういい見本かもしれませんな。

『子は親の背中を見て育つ』とも申しますが、これは何もそのまんま親の真似をするということじゃあ
ない、子供の方じゃあ「ああ、あんな風じゃいけないな。こんな風にだけはなりたくないな。」
なんて腹の底じゃあ思ってることもあるんでね。
そんなわけで、できの悪い親父の子供が実に親孝行だというのも昔からよくあるようでして...
325里の筍:02/09/20 21:20
長兵衛「おい、今帰ぇったぜ。
  なんでぃ、しけた面しゃあがって。
  腹が減ってるんだ。
  何か食うものはねぇのか?」
女房「食べるものなんぞ、何にもありゃあしないよ。
  そこのザルに胡瓜なら一本あるけど。」
長「西日がカンカン当たってるじゃあねぇか。
  そんな温たまった野菜なんぞ食えるけぇ。」(パチパチパチ)
女「そんな事言ったって何もないものはしょうがないじゃあないか。」
長「飯を炊きゃあいいじゃあねぇか。」
女「お米がないんだよ。」
長「なけりゃあ買って来いよ。」
女「そんなお足がどこにあるんだぃ?」
長「このあいだ銭をやったじゃあねぇか。」
女「そりゃ一体いつの話だい?」
長「そいつぁー、そうさなぁ、三日前、いや一月前、それとももうちょっと前だったか...?」
女「何言ってるんだい。三カ月も前の話じゃあないかね。
  お前さん、仕事にも行かずに博打ばかりやってるから、頭も呆けちゃったんだろ。
  三日前だなんてあきれかえって、二の句が継げないよ。」

長「うるせぃやい。
  何も取られようと思って博打をやってるんじゃあねぇやぃ。
  種銭さえありゃあ目が出るんでぇ。
  えー、あの、何はどしたい?
  ほらあの大家の所で借りた紋付はよぅ。」
女「お前さん、何を言ってんだい。
  あれはどうしても義理のある旦那の葬式に行かなくちゃあならないって大家さんをだまして、
  拝み倒して借りてきたその日のうちに質に入れてしまったじゃあないか。
  そのお足もすぐに博打ですっちまいゃがって。」
長「そうだったかなぁ?
  まあいいや、他に何か質に持ってくようなものぁねえかぃ?」
女「何にもありゃあしないよ。」
326里の筍:02/09/20 21:23
花「お父っつぁん、お足がいるの?
  それならこれを使って。」
長「何だい、お花、おめぇそこにいたのか?
  うん? 何だよ、この竹筒は。
  おやっ、これは銭じゃあねぇか。
  それもこんなにたくさん。
  どうもおっ母が銭がねぇと言ってると思ったらてめぇに小遣いをやってたんだな。」
花「そうじゃぁないよ。
  あたい、おっ母さんからお小遣いなんて貰ってなんかいないよ。」
長「それじゃあ、何か?
  まさか人様のものに手をつけて...
  お父っあんがいつもそう言ってるだろ。
  いくら貧乏をしたってそれだけはやっちゃあならねぇって。」
花「ちがうの、お父っあん。
  このお足はあたいが稼いで貯めたの。」
長「何を言いやがる。
  てめぇなんかにこんなに銭が稼げるはずがねぇじゃあねぇか。
  親に嘘をつくと承知しねぇぞ。」
327里の筍:02/09/20 21:23
花「これはね、あたいが寺子屋の束脩にしようと思って今まで貯めてきたお足なの。」
長「なに?寺子屋の束脩だぁ?」
花「お向うのみーちゃんはね、寺子屋でイロハやら算盤やらを習ってるんだって。
  それでね、『はーちゃんも寺子屋に行けるようお父っつあんに頼んでごらんよ。』って。」
長「ふーん?」
花「それでね、寺子屋で習うには、お師匠さんに束脩というものをあげなくっちゃあならないんだって。
  そんなお足は家にないのはわかってるし、とっても無理だって思ったんだけどね、
  色々考えてね、裏の川で泥鰌をすくってザルに集めて向こう横丁の泥鰌屋に持ってゆくとね、
  おじさんがお駄賃に三文のお足をくれるの。
  まだとっても束脩には足りないけれども、いつかは寺子屋で読み書きを習いたいと思って、
  こうやって少しづつ竹筒に貯めてきたの。」
長「そうだったのかぃ。
  こりゃ疑ったおっ父っあんが悪かった。」
花「そんなことはいいのよ、お父っあん。
  でも種銭がいるんだったらこれを使ってね。」
長「冗談じゃあねぇや。
  そんな銭に手をつけられるかい。
  そんな事をしたら罰が当たってお天道様の下を歩けなくなるじゃあねぇか。」
花「本当にいいの、これはあたいが稼いだお足なんだから。
  それにお父っあん、博打はきっと勝つんでしょ?
  もし負けたって、またあたいが稼げばいいんだから。」
328里の筍:02/09/20 21:24
長「す、すまねぇ。
おめぇにそんなに苦労させてたたぁ、気づかなかった俺が悪かった。
  博打で勝つたぁ言ったが、そりゃあ大嘘だ。
  サイコロの目なんてものは丁と張れば半と出る、半と張れば丁に出る。(パチパチパチ)
  よしんば一時勝ったところでいつかは負けてしまうもんだ。
  おめぇに束脩を出してやるどころか、その銭を巻き上げて博打に使うようじゃあ、
  俺りゃあ人間じゃあねぇ。
  子は親の背中を見て育つというが、そりゃあ反対だ。
親の俺がおめぇを見習わなくちゃぁならねぇ。
  お父っあんはこれから心を入れ替えて明日から真面目に働くから勘弁しておくれ。
  すぐには稼げないかもしれないが、なーに、すぐにそのうち束脩の分くらいどうにでもならぁ。
  もう少しだけ待っててくんな。
  お花、本当にすまなかったなぁ。このとおりだ。」
花「お父っあん、手を上げてちょうだい。
  親が子供にあやまるなんておかしいわ。
  おっ母さんも涙なんてこぼして変よ。」
女「だってお前、こんな嬉しいことはないよ。
  やっとお父っあんが真面目に働く気になってくれたんだ。
  これもお花のおかげだよ。
  おまえが泥鰌をすくってお足を貯めたのを見習って、お父っあんも博打から足を洗う気に
  なってくれたんだよ。」
花「えっ、あたいを見習ってお父っあんが足を洗う気になった?
  そういえば泥鰌をすくった後、あたいいつも井戸で足を洗ってた。」
329里の筍:02/09/20 21:26
(ドンドン)
330重要無名文化財:02/09/20 21:53
心温まるお話ですね。ドジョウをとるお花坊が実にけなげです。
331sana亭omi:02/09/20 22:17
花坊の今までの境遇にドゥジョウします。

ひょっとして彼女は
親からの災難、オヤサイを被り
ホッコク行きになるかと心配しましたが、
長兵衛さんの立ち直りにより
今、人生サイコロの瞬間を迎えましたね。
332重要無名文化財:02/09/20 22:58
>>331
うまい!sana亭omiさん、その調子で作品の方もがんばって。
333重要無名文化財:02/09/21 00:27
「北国」が噺に使われてないぞ・・・
334重要無名文化財:02/09/21 00:37
マクラにあるよ。>北の国の日陰のモヤシのように

それよりも「北国」を「北の国」、「温野菜」を「温たまった野菜」の
方が違和感がある。意味がほとんど一緒だからいいけど・・・。
話のレベルが高い分気になるのかな・・・。
335重要無名文化財:02/09/21 00:41
なんだ、マクラか・・・やっぱり噺には使われてないじゃん・・・
336重要無名文化財:02/09/21 00:47
マクラも噺の一部じゃないかなぁ、付けマクラとか。
里の筍さんの場合、マクラにも噺同様味わいがあるから
硬い事言わなくていいと思う・・・。

主催者さんに任せますわ。
337重要無名文化財:02/09/21 22:49
AGE
338前スレ亭ごじゅういち:02/09/23 05:29
「さいころ」「北国」「温野菜」

えー、ようこそのお越しでございまして。さっきも楽屋のテレビで見ておったんでございますが、
惜しかったですなぁ、貴乃花。まだあないに強いとは思いませんでしたな。千秋楽で横綱同士の
相星決戦やて。思えば表彰に来た総理大臣に「痛みに耐えてよく頑張った。感動した!」と言わせた
のがもう一年以上前でございますからな。それ以来の千秋楽結びの決戦。もうこら今ごろは、
勧進元である相撲協会は大喜びですな。相撲と申しますと今でこそ日本相撲協会というところに
日本中の力士が集まってございますが…、まぁ、昨今では日本中はおろか世界中から集まってると
言えんこともないようでございますが、昔はと申しますと一つではなかったんで。もちろん江戸の
相撲が一番盛んやったそうですが、京、大坂にもそれに負けんぐらいの相撲があったんでございます。
それに負けんどころか、元々は大坂の相撲の方が人気でも実力でも上やったんでございますが、
お大名が集まる江戸に今でいうスポンサーが段々集中してしもたんですな。江戸時代も後期になりますと
借金に困った親方が部屋の権利を博打打ちに渡してしもたり、というようなことが少のうなかった。
こうなりますと、実力のある力士は江戸へ江戸へと移って行ってしまいまして、形だけは何とか大正時代
まで続いてた大坂相撲も、今は親方の名前がいくつか残ってるだけというようなことでございまして。

今日申し上げますこのお噺は、頃は幕末。大坂に七ツ海又三郎という力士がございました。怪力無双の
豪傑で、放っといても大関間違いなしと言われたこの七ツ海も、小結まで昇進したところで
例に漏れず大坂相撲に愛想をつかしまして、江戸に鞍替え。ここでもやはり放っといても大関間違い
なしと言われますが、江戸の相撲に打ち解ける様子がない。江戸に来てからというもの誰が相手でも
心を許して話をすることがございません。何を考えてるのかわからんもんですから、最初は大勢あった
ご贔屓の衆も次第に離れてしまいまして、その後すぐに姿を消してしまいます。七ツ海が江戸から
姿を消したのが先か、江戸の相撲好きが七ツ海の名前を忘れたのが先か、それさえも誰も憶えてない
というのがもっぱらの評判で。て、こんな話、どうやったら評判になるんか皆目わからんのですが…。
339ごじゅういち:02/09/23 05:30
さて、前置きが長なりましたがここからが本題で。この七ツ海が江戸から姿を消しましてから
三年の歳月が流れたある日のことでございます。大坂相撲に蛸壺部屋という小さい部屋がございまして、
ここの親方もまたおんなじように借金にあえいでおりました。

蛸壺親方「困ったわい。どないしたもんじゃろな。このままではわしの部屋は立ち行かん。
     かと言うて、ほかの所と同じように博打打ちのような輩に部屋を渡すのは耐えがたい。
     ホンマにどうしたもんか…」
力士A「親方ぁ、腹が減りましたぁ」
蛸「そういうことはわしに言うてもどうにもならんといつも言うてるじゃろ。ちゃんこ番はどうした?」
A「はい。ちゃんこの中身をどうするか算段してくる、と言うて出てってから今日で二日目で」
蛸「そうか…。すまなんだ。お前らには苦労ばかりかけてホンマにすまん」
A「お、親方…。何もそんなつもりで言うたわけでは」
力士B「ただいま」
A「兄弟子ぃ。心配しましたで」
B「いやぁ、すまんすまん。なかなか材料が揃わんもんやさかいな。心配させたな」
蛸「それはえぇが、これがちゃんこの中身か?」
B「そうですが、何か?」
蛸「どうでもえぇけどその口調やめてくれんか。どうも煽られてるような気がして仕方がない。
B「そんなことが気になるのは親方だけという罠」
蛸「しまいにどつくぞ」
B「親方、必死ですな」
蛸「やめいと言うのに! ホンマに張り手かますで。それにしてもこれ、菜っ葉の屑ばっかしやないか」
B「親方、そのうちにはどこの部屋もうちの真似をし始めるに違いありません。これからは
  『意外とあっさり』が決め手の温野菜ちゃんこが流行ります。(パチパチパチ)
蛸「流行るかそんなもん!」
B「冗談でございます。親方、心配は無用。後は我々が田舎から持ち寄ったもんが貯めてあります。
  それにこの、菜っ葉の屑を足せば、どうにかちゃんこに見えるもんができるやろうと」
蛸「そうか、そんな心配までお前らがしてくれとったんか。重ね重ねすまん…」
340ごじゅういち:02/09/23 05:32
此花親方「親方ぁ、蛸壺親方はおるかのう」
蛸「これはこれは此花親方でございますかいな。ご無沙汰を致しております」
此「いやいや、無沙汰は互いじゃ。それよりな親方、弟子を一人預かってもらえんじゃろかな?」
蛸「弟子を? 親方の部屋からわしの部屋に? ははぁ、そのご様子ではなんぞ、訳ありですな」
此「わかるか。なら、話をせな仕方ないな。実はな、わしの一門の中の弟子がやっとる部屋が
  また一つ…コレでな」(顔に傷の仕草)
蛸「コレと言いますと?」
此「皆まで言わしないな、コレにコレじゃがな」(顔に傷の仕草、押し潰す仕草)
蛸「はぁ、どこも同じでございますなぁ。しかし、お恥ずかしい話ながら、うちの部屋も
  似たようなもんで。もう時間の問題ですわ」
此「うん、噂には聞いてる」
蛸「で、何でございますな。そのコレにコレの部屋の力士をうちでお預かりしたらよろしいんで?」
此「いや、それはうちの一門で何とかなるのじゃ。実はな、今度のコレの旦那の持ってる賭場でな、
  どうにもこうにも首が回らんようになったのが一人おってな。何を思たかそのコレの旦那、
  面白がってその男を相撲取りにさせようと考えよったんじゃ」
蛸「なるほど、ようありそうな話…ではございませんな、これは」
此「あぁ、わしもこんな話は今までかつて聞いたことがないわい。しかしな、まんざら悪い話でも
  ないようにわしは思うとるぞ」
蛸「と言いますと?」
此「その男というのが、ただ者やないのじゃ」
蛸「化け物で?」
此「違うがな。賭場で首が回らんようになったというてもこの男、根っからの博打打ちやありゃせん。
  元は船場のそこそこの家の若旦那でな。極道が過ぎて家を放り出されよったのじゃ。となると、
  いくら放り出した倅とは言え、この話が二親のもとへ聞こえていってみぃ。相撲なぞ務まるはずも
  なかろうにさぞ苦しんでるやろう、と心配の一つもするじゃろう。そうなったら今度は親方、
  あんたの腕次第じゃ。息子さんを一人前の相撲取りにして見せましょうとか言うて贔屓の一人に
  してしもても、倅は返すさかいなんぼかよこせと揺すっても、どないにしてもわしゃ何も言わん」
341ごじゅういち:02/09/23 05:33
蛸「なるほど。そういうお話ですかいな。しかしそれでは後が怖いやおまへんか。コレでっしゃろ?」
此「さ、そこじゃ。せやさかいわしもこの計略を思いついてはみたものの、一門の中でやるわけには
  いかなんだのじゃ。しがらみが多すぎるさかいな。しかしな蛸壺、考えてみ。相手は任侠じゃ。
  『此花の所とうちとでは一門が違います。それでは筋が通りません』とか何とか言うといたら
  どないかなるような気もするがな」
蛸「そんな簡単な話やおまへんやろ」
此「近いうちにコレの旦那の所から連れてくる話になってるさかいな。確かな、火事場の又兵衛
  とかいう、えろぅ図体の大きなお兄ぃさんが仲介じゃそうな。あ、そうじゃこれを
  言うとかにゃならん。その若旦那にはな、相撲部屋へ放り込むという話は知らせてないんでな。
  はじめは相撲部屋やということを気付かれんようにしとくようにな。ほな後は頼んだで」
蛸「あ、ちょっと親方…。行ってしもた。何じゃこりゃ。言いたいことを好き勝手にしゃべって
  いきよったな。えぇ? 相撲部屋と気付かれんように? 無茶言うたらどんならんで。
  表に看板が掛かってるがな。中へ入ったら土俵があるんやがな。これで相撲と気が付かんだら
  アホやがな。ええい、もうなるようになりやがれ」

こんな無茶な話もありませんな、ですがそもそもこの蛸壺、借金で明日は我が身も危ないという立場で
ほとんどヤケクソになったと見えまして、腹を括ってその男が来るのを待つことに致しました。
所は変わりまして、とある賭場の表口。今日も今日とて有り金を全部巻き上げられてしまいました
件の若旦那。帰る場所があるわけでもなし、かと言うて中でもう一回ひと勝負するにも一文なし。
ただあてもないまま何の気なしに玄関から賭場の中のほうをぼんやりと眺めておりますところへ…
342ごじゅういち:02/09/23 05:34
又兵衛「もし、作ぼん、作ぼんやおまへんか」
作治郎「おぉ、又はんかいな」
又「こんな所で何したはりまんのや。ははぁん、作ぼん、また負けなはったな。えぇ加減にしとかな
  あきまへんで、あんたは博打には向いてない。悪いことは言わん。ここらで足洗いなはれ」
作「それがな、もう遅いねん。うちをな、追い出されたんや」
又「ほう、そらまたどういうような?」
作「さっきな、またコソッとおかんに泣き付いて、なんぼか金をせびったろと思てうちへ帰ってみたら
  拍子の悪いことにオヤジが出てきてな『極道息子のわがままに耐えて頑張ってきたが、もう我慢が
  ならん!勘当した!』やて」
又「そらあきまへんで、作ぼん。もうあんたとわしの仲も今日限りでんな」
作「そんなこと言わんといてぇな」
又「あんたなぁ、この賭場であんたのような人がなんで仲間に入れてもらえてるかわかってるか?
  あのお家があってのことでっせ。わしらがなんぼ金巻き上げても、わしら相手にどれだけ借金
  こしらえても、いずれはお家から出してもらえるじゃろうという、いわば信用みたいなもんが
  あるさかいに置いてもろてるわけだ。その後ろ盾がのうなったらもう、あんたは用無しや」
作「そんなこと言うてもなぁ、又はん。わいはこの勝負の世界が好きでしょうがないなんや」
又「ろくに勝ったこともないのに、なんでそないに」
作「さいころの目一つで勝った負けだが決まる。(パチパチパチ)『勝負!』という声が聞こえてくる。
  こんな男らしい世界はないやおまへんか。こればっかりは、もうやめとうてもやめられんなぁ」
343ごじゅういち:02/09/23 05:35
又「OK! わしに任せときなはれ」
作「桶? 桶がどないぞ…」
又「いかんいかん。また異人の口癖が出てしもうたわい」
作「何でんねん、その異人の…」
又「シャラップ! 七つの海を知らんようなもんにはわからんで当然のこっちゃ」
作「海ならぎょうさん知ってるがな。須磨に白浜に和歌ノ浦…」
又「……あぁ、えらいえらい。作ぼんは物知りじゃ物知りじゃ。しかし、そんなに勝負事が好きだっか。
  ほたら、えぇ話があるんやがなぁ…」
作「何でんねん、そのえぇ話て」
又「さいころ一つというわけやないが、勝った負けたが全ての世界で、男らしいことこの上ない
  そんな商売がありまんのや。作ぼん、あんたがその気ぃなら、世話せんこともないが」
作「どんな商売で?」
又「それをここで教えて、連れてく前から尻ごみされても困るんでな、詳しい話はまだやめとこ」
作「尻ごみ…。そんな危ない商売なんか?」
又「そら穏やかでのんびりした商売とは言えんが、男にしかでけん、勝つか負けるかの世界。
  そのことだけはこのわしが請け合う。今はそこまでしか言えまへんな」
作「又はん、わい、やる。うちからも賭場からも追い出された以上、わい、やる」
又「よっしゃ。そんなら明日の朝わしの所に来なはれ。その後のことは一切任せてもらいまっさかいな」

さぁ、何にも知らんこの作治郎。どこで何をさせられるかもわからんまま、火事場の又兵衛の口車に
まんまと乗せられまして、連れてこられましたのが蛸壺部屋で。ところが、相撲部屋とは気付かれん
ようにというのが申し合わせやったにもかかわらず、部屋では朝稽古終わりの時分どき。ちゃんこ鍋の
ダシの匂いがプンプンしておりまして、それを取り囲むのはいかに弱小部屋の連中とはいえ大坂相撲の
相撲取り。もう誰が見ても相撲部屋であることは明らかでございます。
344ごじゅういち:02/09/23 05:36
蛸「いやいや、今日もこうしてお前らのおってくれたおかげでちゃんこを食べることができる。
  ことにこの頃、中身の具はともかくダシだけはえぇのが出てるやないか。これは誰のおかげかな?
  ん? あぁ、お前らか。ありがとう、ありがとう」
B「親方、こいつら兄弟の田舎で取れる昆布は上物でっせ」
蛸「そうじゃなぁ。弟子入りしてきた時には田舎も遠いさかい、入門を許したもんかどうか悩んだが、
  今日ほど北国育ちの弟子を取っといてよかったと思たことはないぞ」(パチパチパチ)
B「ほれ、親方も喜んでるがな、何とか言わんかいな」
力士C「よかったわ次郎作ちゃん。親方も喜んでくれてるわ次郎作ちゃん」
力士D「わかったでそうパシパシ叩くな。わしは相撲取りには珍しい体の弱いことで評判なんじゃ。
    あ、親方。ここで笑わんともう笑うとこないから」
蛸「どうでもえぇが、お前らの大坂ことばには、どうも未だに違和感をおぼえるな」

又「邪魔するで」
蛸「おや?どなたかおいでたな。どうぞ。お入りなされ」
又「わしはのう、火事場の又兵衛というもんじゃが、蛸壺はどこじゃ?」
蛸「火事場の又…はいはい。お越しになるとは聞いてたが、えらい急なこって」
又「聞いてたが? そんならこのザマは何じゃ。相撲部屋であることは隠しとくようにという話も
  知らんとは言わさんぞ」
蛸「いつおいでになるやわからんのに、そんな無茶言われても」
又「えぇわい。どの道いつかは知れるこっちゃ。おい、作ぼん、入っといで」
作「お邪魔致します」
又「蛸壺、話は聞いてるな。これが預かってもらいたいという男じゃ。どうや、作ぼん。
  これでわかったな。あんたが今日からする商売が。見てみぃ、そこで今日からみっちりと
  しごいてもらえ」
作「わぁ、大きな土間やな」
又「土間? アホも休み休みぬかせ。まだわからんか。えぇからこっちへ来い。そこへしゃがめ。
  ここでお前がそうやってしゃがんで、わしがこっちでこうやってしゃがんで、それからこうやって
  お互い両手を地ベタに付いて…」
345ごじゅういち:02/09/23 05:38
蛸「ちょっと待った! その仕切りの時の姿はもしや…。客人、あんた又兵衛はんとおっしゃったが、
  もう一ぺん、よう顔を見せとくなはれ」
又「おう、蛸壺のう。こんな顔、穴が開いても構やせん。よう見てくれ。さぁ」
蛸「………はっ、な、七ツ海関! お懐かしゅうございます!」
             (鳴り物)
又「気がついたか、蛸壺のう。いかにもわしはその七ツ海じゃ。十五でこの世界に飛び込んで、
  末は大関と持てはやされたが、見るに見かねる勧進元の有様。それなら江戸でと身を転じ、
  精進するも水に合わず、伝え聞いたる横浜の、異人の船に身を潜め、旅に出たのが三年前。
  万国巡り遊山して、帰ってみても大坂の、相撲のことが気に掛かり、戻ってみても相変わらず、
  昔とたがわぬ有様で、さてこれからはこのわしが、蛸壺乗っ取り(チョーン)
  大坂相撲復興に一旗揚げて見せよう」
蛸「七ツ海関が大坂相撲に戻ってきてくれた。皆がこの日をどれだけ待ってたことか。
  お前らもよう聞いてくれ。わしはこの部屋をそっくり七ツ海関に譲るさかいな。これからは
  お前らの師匠はこの七ツ海関じゃ。よう鍛えてもらうように」
力士衆「ごっつぁんです!」
A「親方ぁ、なんやごっつぅ気合いが入りまんなぁ。そしたら余計に、腹が減りましたぁ」

さてこれから、大坂相撲復興のための七ツ海の奮闘が始まるわけでございますが、
後半は次の席ということで、今晩はこの辺で。

ドンドン
346ごじゅういち:02/09/23 05:47
ついに一話完結できない所まで逝ってしまいましたw
相撲噺は前から一度時期を合わせてやろうとは思ってました。
ネタ探しに「大坂相撲」で検索をしてたら、予想外におもしろくてハマってしまい
結果がこの通り。こうなった以上次回がどんなお題でもまとめてみせましょう。
(とでも見栄を切っておかないと…というのが本音だったりする)
さぁ、寝よう寝よう。
347重要無名文化財:02/09/24 04:24
やんややんや。
次回の七つ海のの活躍が楽しみ。
でも、相撲取りがなりを潜めてもぐりこめる異人船って(藁
348湖亭半弗:02/09/25 19:58
それではひとつ書かせていただきます。
里の筍さんの実に温かい噺、ごじゅういちさんの軽快な
相撲噺の大作に続きまして、軽い新作で失礼をいたします。
「さいころ」「北国」「温野菜」ですね。

 えぇ、実に馬鹿馬鹿しいお噺を聞いていただきますが、
関西のもんちゅうのは二人よるだけで、面白いもんで、
A「醤油ちゅうのは、何の油かいなぁ。」
B「何にも知らんねやなぁ、お前も醤油の炒めモンぐらい食うたことあるやろ。
醤油ちゅうのは料理油や。」
教えるほうもわかってないんではさっぱりワヤですが。とかく
この相談事やらをやらせてみても、悪いほうに転がるもんで、
北川国松「南島の、またせたな。」
南山島梅「おぅ、北国の。いや、わしも今来たとこや。」(パチパチパチ)
北国「せやけど、お前、こんなレストランなんかに呼び出して何やねん。」
南島「いや、いきつけの店やとガイが悪いモンでな。」
ウェイター「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりでしょうか。」
北国「お前、もう決まったんかぃ。メニュー貸してくれ。」
南島「ほな、わし、さいころステーキで。」(パチパチパチ)
北国「ちょっと待てよ・・・、ほなわし、温野菜とパスタの
サラダとコーヒーで。」(パチパチパチ)
南島「何や、お前。ダイエットでもしてるのんかぃ?」
北国「いや、実は、昼飯が遅なってな、腹一杯やねや。」
南島「そうか、ほなそれで。」
ウェイター「ご注文繰り返します。さいころステーキがおひとつ、温野菜とパスタの
サラダがおひとつ、コーヒーがおひとつでよろしかったですか?」
北国「あぁ、それで。」
ウェイター「一気に片付けましたね。」
南島「余計なこと言うてんと、早よせぃ。」
ウェイター「失礼いたしました。」
349湖亭半弗:02/09/25 19:59
北国「・・・で、何やねん。そのガイ悪い話っちゅうのは。」
南島「それがやな、実はもうすぐあれがあるやろ、週間東西の
小説大賞の発表が。」
北国「あぁ、そうやな。お前もわしも最終選考まで残ったちゅう話や・・・。
そら、ガイ悪いなぁ、だんだんそんな気がしてきた。」
南島「そうやがな、それがな、その、わしの書いた私小説にモデルが
出てくるねやが、これ大賞として発表されると、ちとまずいねや。」
北国「ほぉ、今は何や危ないからな、肖像権やとか何やとかで。」
南島「それが、これ、うちの嫁のな、話やねん。」
北国「お前の?・・・まずいなぁ、一番まずいやないか、それは。
書きようによってはアザではすまんで。何でそんなもん出したんや、お前。」
南島「いや、ほんまは違うのん出すつもりやったんや。というのはな、
わし、腹いせに一杯書いてたんや、嫁の小説を。で、週間東西の大賞用のを
編集が出せちゅうので、それ用の別のを渡したつもりが、間違うて、その秘密の
嫁小説を出してもうたんや。」
北国「ぶさいくなやっちゃなぁ。・・・せやけど、お前のが大賞になるや
ならんかは分からんやろ。わしのがなるやも分からんしな。」

350湖亭半弗:02/09/25 19:59
南島「さぁ、そこや。実は、大賞候補辞退の電話を編集部に入れたんや。
ところが、まずいことにお前のとわしのとで票が割れてるちゅうねや。」
北国「あぁ、そこまで行ってしもてるねやったら、おいそれと辞退できん
わなぁ。ちゅうか、待てよ。お前、辞退したらわしのが大賞か?」
南島「そうねやがな、おまえが大賞や。まぁ、わしのはどうでもえぇねや。
世間に出てしもたらそれこそ台風を家の中入れてるようなもんや。
せやから、わし、無理からでも辞退してお前に賞とらせたるさかいに、
それ許してくれるか?」
北国「冗談やないで、お前。ほんなら、わしゃ、お前に賞を譲ってもろぅた
形になるがな。あれ確か、出版社の恩夜祭でも受賞経過が審査員から
発表されるねやで。『両者甲乙つけがたかったのですが、南山氏の辞退が
ありまして、北川氏の作品が大賞に・・・。」てなこといわれたら、わしゃ
恥やがな。」
南島「実にサイコロジカルな悩みやな、これも。まぁ、せやさかいに
こうして呼び出して頼んでるねやないかぃ。」
北川「いやいや、聞いてもた以上はほっこく、いやほっとく訳にはいかんわぃ。
わしかて辞退してくる、このままではえぇ恥さらしや。」
南島「まぁ、待ちちゅうねん。ほなら、このサイコロで決めよやないか。
1から3が出たら、わしの勝ちや。んで、4から6が出たらお前の勝ちや。
わしゃ辞退せん。これでどや?」
北国「ははぁん、そう来たか。」
南島「何がやねん。」
北国「お前、肉嫌いなくせに、さいころステーキ注文したんは、ずっと
そのサイコロに執着してたからやな。はじめからこうする手はずか。」
南島「ははは、ばれたらしゃぁない。どや?やらんか?」
351湖亭半弗:02/09/25 19:59
北国「まぁ、えぇわい。ほな、それで振りぃな。」
南島「ほな、行くぞ。えぇな。待ったはなしやぞ。やっとこらさの
どっこいしょ!・・・や!見てみぃ。ピンや!一や!」
北国「お前の思い通りに流れてるなぁ・・・。まぁ、しゃあない。男の
約束や、辞退するなり何なりせぇや。後のことは何とかなるやろ。」
南島「すまんなぁ、そうしてくれるか。」
北国「その代わり、後でどんな作品かわしには読ませてくれ。」
南島「ま、お前ならえぇやろ、実はそれ、今、持ってきてるねや。
このカバン・・・、あれ?中身あれへんがな。」
南島の妻「あんた!これいったい何やの!」
南島「あ!お前!いつから後ろに陣取ってたんや!?」
妻「北川さんが来はる前からいてたわ!あんた、こんなもん書いてたんか!!
えぇ、それも大賞になるやならんややなんて!はよ辞退しといで!その後
みっちり色んな事させてもらうさかいな!!覚悟しとき!」
南島「・・・は、はぁ・・・、何やったんや、わしは。賽振ったら
妻が出るとは思わんがな。今のピン出た喜びがさっぱりワヤやがな。」
北国「せやな、今のお前はまさに愚(グ)やな。」

ドンドン
352湖亭半弗:02/09/25 20:00
どこが軽い新作やねん、とお叱りをいただくほど長くなってしまいました。
最近書き込み制限が短くなりましたね・・・。すいません。
353重要無名文化財:02/09/25 23:14
思い切った話だなぁ。御題の放り込み方が、そのままと駄洒落と
2パターンあるんだね。サイコロジカルって・・・よく見つけたと思う。
354新参亭トーシロウ:02/09/26 02:08
さいころといえばあの噺ということで。ああまだ拍手は
しなくて結構です。

 残暑も厳しいとある夏の夜、長兵衛という貧乏人が腹を空かせながら
寝つけずにあっちぃゴロゴロ、こっちぃゴロゴロと部屋中寝返りうって
いますと、戸を叩く音がします。

トントン、トントン、

「こんな夜中にいってぇ誰だろうな、おおぃ、開いてるよッ。入ぇりな。」
「ちょいと開けていただけますか」
「何だ、バカに高ぇ子供みてぇな声だな、開いてるから入ぇりなって。」
「手が届きませんので開けていただきたいのです」
「届かねえって、…まぁいいや、開けてやらあ。(ガラッ)はい開けた。
 あれッ、誰もいねえ」
「ここでございます」

足元を見るといいますと小さな狸がちょこんと座っております。

「いま戸ぉ叩いたのはお前ぇさんか?」
「そうでございます」
「こりゃたまげたね、喋る狸なんてな話にゃ聞くけど見ンのは初めてだ、
 へぇーっ」
「長兵衛さんに受けたご恩を返しに参りました。あたしの事を覚えて
 いらっしゃいませんか」
「いや、狸に知り合いはいねえ」
355新参亭トーシロウ:02/09/26 02:09
「三月ほど前に長兵衛さんが罠にかかったあたしを逃がしてください
 ました」
「アァ、アァ、あん時の!越後の爺様がかけた罠をおいらが間違えて
 外しちゃった、あん時の狸かい。また越後とは遠くから来たねえ」
「あれ間違えただけだったんですか」
「そうそうあの日は狸鍋がパァになったって怒られてな」
「はぁ」
「そうだ、お前ぇのせいで爺様に鍬持って追っかけられたんだ、今から
 でも狸鍋にしてやるか」
「待ってください、恩返しに来ていきなり食われたんじゃあ他の狸に
 示しがつきません」
「恩返しか。お前ぇさん何が出来るんだい」
「そりゃあ狸ですから化けられます」
「わかった、狸鍋に化けろ」
「北国生まれなんで熱いのは勘弁しておくれでやす」(パチパチ)
「じゃあとりあえず切り身でいいや、煮るのはこっちでやるから」
「できれば食べられる以外の恩返しが…」
「贅沢だね」
「それほどでも」
「うーん、そんならとりあえず人間に化けて飯でも作ってくれるか」
「あいすみません、そんな大きいモノには化けられないんで」
「人間に化けられねぇ?なにも、ライオンやサイに化けろってわけ
 じゃねえんだ、大きすぎるってこたぁねえだろう」(パチパチ)
「自分より大きいものにはなれないんですよ」
「意外と不便だね狸ってのも。あっ、じゃあアレだ、お前ぇさん『狸賽』
 って落語知ってるか、さいころに化けてくれ」(パチパチ)
「へぇ、その話なら知っております。教科書に載ってました」
「教科書なんかあんのかい」
「ちゃんと勉強して立派に恩返しが出来るようにと」
356新参亭トーシロウ:02/09/26 02:10
「偉いもんだね、狸をバカにしちゃいけねえな。これから狸鍋を食う
 ときはハハァーって頭下げて食うことにするよ」
「食べないでいただけると嬉しいんですが…」
「おう、落語を知ってるなら話が早ええや、お前さんは壷の中でオレが
 口で言ったとおりの目をだしゃいいんだ」
「心得ております」
「落語だと最後に観音様の格好しちまうけどあれはやんなくていいん
 だぞ」
「もちろんです」

長兵衛、狸が化けたさいころを握って賭場に出かけていきまして

「おうっ、八公、元気か!」
「なんだ長兵衛やけに威勢がいいな」
「へっへっ、今日のオレぁいつもとは違うんだ。おうおうおうっ、
 お前ぇら集まりゃあがれ!オレが胴さしてもらうぞ。さいころは
 持ってきてんだ」
「わかった、壷はオレが持ってきたのがあるから使いねえ」
「お、八の字気が利くじゃねえかそんじゃあ振るぞ!さぁ張った」
357新参亭トーシロウ:02/09/26 02:10
とまあ、いつもの面子で博打を始めたんですが全く勝てません。
長兵衛が「五」といえば一が、「三」といえば四が出る有様で
最初のうちは狸が怪しまれないようにわざと違えてるのかとも
思ったんですがあんまり勝てないもんですから

「ちょっ、ちょっと厠に行ってくらあ」

とさいころを持って出ていきました。

「おいっ、おいっ、狸!お前ぇ約束が違うじゃねえか、言った
 とおりの目をださねえか」
「大変申し訳ありません、無理です」
「あの壷、狐が化けてます」
(ドンドン)
358重要無名文化財:02/09/26 02:28
新参亭さん、うまいねぇ。なかなかのもんだよ。
狸賽ベースできれいにしあがったね。サゲがいいね。本家狸賽でも
このサゲでよさそう。
359新参亭トーシロウ:02/09/26 13:00
2ちゃんねるに書き込むの初めてなんですが1つ目を書き込んだ直後に
スレッド一覧まで飛ばされてたいへん慌てました。2ちゃんねるブラウザは
必須ですね。
360新参亭トーシロウ:02/09/26 17:16
サゲ前の長兵衛のセリフが抜けてた…

「大変申し訳ありません、無理です」
「ん?」
「あの壷、狐が化けてます」
(ドンドン)
361重要無名文化財:02/09/29 04:48
age
362主催者:02/10/03 01:42
ごぶさたしております、主催者です。たくさんの投稿ありがとうございます。
実は今、携帯から書いています。全てに感想をお書きしたいのですが、その環境にはありません。ので、この後に題名と一言感想にとどめたいと思います。読者の方が感想を書いて下さるのを期待しつつ、不甲斐無さをお詫びいたします。
363応援団:02/10/03 01:45
いつもROMってます。主催者さん乙カレさんです。
これからも頑張ってください!
364主催者:02/10/03 02:04
筍さんの「どじょう孝行(仮)」は、花坊のけなげさが子供心に実に温かくて江戸噺の情を描いています。
51さん(携帯なのではしょります)の「七ツ海力士伝(前)」は次回に持ち越しとの事で豪快な七つ海の活躍が楽しみです。
半弗さんの「一に踊る作家(仮)」はお題の使い方が拍手もので、今回おそらくモチーフだろう柳さんの作品を題名にあてはめて見ましたがいかがでしょう?
トーシローさんの「狸の再コロ(仮)」はタヌサイを本歌取りに、とてもユニークかつ忠実に展開していくさまが楽しいです。
365主催者:02/10/03 02:14
トーシローさんは初投稿ありがとうございます。これからも楽しみにしています。
応援団さんもあたたかいお言葉ありがとうございます。親指つっても書き込みます(笑)

では、次回第23回お題とりにまいりましょう。一レス一単語でお願いします。
366重要無名文化財:02/10/03 02:16
衣替え!
367重要無名文化財:02/10/03 03:13
胴上げ
368重要無名文化財:02/10/03 11:12
運動会
369重要無名文化財:02/10/03 16:24
プレーオフ
370重要無名文化財:02/10/03 17:43
悔し涙
371重要無名文化財:02/10/03 19:14
黄金虫
372重要無名文化財:02/10/03 19:50
株価
373重要無名文化財:02/10/04 00:48
ダンディ
374重要無名文化財:02/10/05 00:01
ヤクザ
375主催者:02/10/05 03:23
たくさんの応募ありがとうございます。それでは第二十三回お題発表です。

「衣替え」「プレーオフ」「株価」
です。
今回は落語と馴染みがなさそうなのを選んでみました。不甲斐無い割にシビアな主催者ですみません(苦笑)そこは皆さんの類まれな才能で越えていっていただきたいと思います。

みなさんの力作を心よりお待ちしております。
376新参亭トーシロウ:02/10/08 01:44
「衣替え」「プレーオフ」「株価」

不況の嵐も吹き荒れるとある町中でのこと。一人の老人が、とは
いってもまだまだ元気で歩く足取りもしっかりとしておりますが、
横断歩道の上から飛び降りようとしている男を見つけました。

「…もうダメだ、死ぬしかない、飛び込むぞ飛び込むぞ」
「これ、お前さん」
「…恐い、でも…うう、いち、にの、さん!」
「これ」
「…で飛び込むぞ、今度こそは、せーのっ」
「お・前・さん、と呼んでおる!」(ポン、と肩を叩く)
「うわぁっ!、、びっくりした、死ぬかと思った」
「なにを筋の通らんことを」
「あ、そうか。…止めないでください。私はもう死ぬと決めたン
 です!」
「お前さんがどうしても死にたいというなら止めはせんが、ここで
 はやめておきなさい」
「どうして!」
「道路に車が走ってない。」
377新参亭トーシロウ:02/10/08 01:44

男をなだめすかしながらとりあえず歩道橋から降ろしまして。

「まあ落ち着きなさい。どうかな。このジジイにお前さんが死にたい
 理由を話してみてはくれんかね」
「はぁ…。実は私は服飾メーカーの重役をやっておりましたが、先日
 手違いから重要な取引をご破算にしてしまい会社を首になった上
 女房には逃げられ、ローンの返済のめどは立たず、もう生きていく
 希望もないので死ぬしかないと」
「かぁーっ情けない、そんな小さなことで死んでいたら世の中死人
 だらけになってしまう」
「あんたに私の気持ちなど分かるものか」
「いいかね、たったいちどの失敗で首にする会社も会社だが、それを
 取り返そうとしないお前さんも悪い。人間死んだ気になれば何でも
 できるものだ。重役にまでなるからには成功したこともあるのだろう」
「はぁ、ライバル会社との競争でわたしの企画が当たって大きな差を
 つけた功績を認められたことが一度あります」
「ならば一勝一敗ではないか、まだ引き分けに過ぎない」
「なんだかだまされてるみたいだなあ」
「ちょうどわしの持っている会社も服飾メーカーだ、よし、お前さんの
 借金はわしが払ってやる。その代わり拾った命、わしに預けてみんかね」
「社長さんなんですか」
「もう引退して会長だがね、社員を一人ねじ込むぐらいの権力はある」
「わかりました。どうせ死のうと思ってたんです、なんだってやります」
378新参亭トーシロウ:02/10/08 01:45

そんなこんなで無理矢理のように入らされた会社というのは以前その男が
出世するきっかけになったライバル会社だったンですが、男にとっちゃ
そんなことは関係ない。引き分けで終わるはずだった人生に降って湧いた
プレーオフ(パチパチ)とばかりにバリバリ働きました。

また、どうやら会長のお気に入りらしいというんで普通なら通らない
ようなところも何故かスムーズに通ってしまうような按配で、もともと
優秀な男ですから瞬く間に会社の中で地位を築き上げ、出す企画出す企画
がことごとくうまくいって会社の株価もうなぎのぼりです。(パチパチ)

面白くないのは男のもといた会社の方で。首にした人間がライバル
会社に入って活躍している。これは自分の処の秘密をいろいろ盗んで
行ったんじゃないかと勘ぐりたくもなります。男と知り合いだった人間を
接触させて探りを入れてきました。

「ずいぶんと活躍してるらしいじゃないですか」
「死ぬ気でやってるからね」
「はは、ご冗談を。会社を辞める前の落ち込みようが嘘のようですね」
「そうかな」
「あの時から今の会社に入ろうと思ってたんですか」
「いや。」
「ウチのお偉いサン連中には、あなたがウチの情報をライバル会社に
 売ったんじゃないかって思ってる人もいるみたいですよ」
「まさか。そんなことはしちゃァいないよ」
「ええ、僕はあなたに会ってみてそんなスパイみたいな真似はしてないって
 納得しました。以前はもっと気弱そうだったけれど、衣替えしたみたいに
 落ち着いた雰囲気ですもんね。一体何があったんですか」(パチパチ)
「うん…ふくの神に拾われたんだ」
ドンドン

379新参亭トーシロウ:02/10/08 01:46
笑いがなくてゴメン
380重要無名文化財:02/10/08 02:51
うまいんじゃないですか、サゲもいいし。
時勢に合ってる感じがする。
381重要無名文化財:02/10/08 08:57
age
382前スレ亭ごじゅういち:02/10/08 22:04
「衣替え」「プレーオフ」「株価」

えー、今日は、前回の続きでございまして、何のこっちゃという方はどうぞこちらを。便利でんなぁ。
http://ton.2ch.net/test/read.cgi/rakugo/1019209481/338-345
さて、大坂相撲復興という大見得を切りました七ツ海、人気低迷と内輪揉めが絶えん毎日に
頭を抱えておりました勧進元に、破格の待遇でこれを迎えます。今で言う一代年寄…大坂では
年寄とは申しませんで頭取というてたようでございますが、七ツ海親方として蛸壺部屋の表の看板も
七ツ海部屋と改めまして、ドッカと主におさまります。明日がいよいよ新生七ツ海部屋として
部屋開きやという晩のことでございます。ひょんなことから生え抜きの弟子第一号となりました
作治郎を呼び出しまして。

七ツ海「さぁ、お前もこれからは今までと同じような気持ちでおってもろては困る。
    わしの弟子になったからには一から鍛えなおすさかい、心してもらいたい。
    今日でこの通り、部屋の衣替えも済んだわい(パチパチパチ)。明日からが肝心じゃ。
    今までは又はんと気軽に呼んでくれてたが、これからはわしが師匠でお前が弟子じゃ。
    呼ぶときには親方と呼ぶようにな」
作治郎「はい、親方」
七「うん、それでえぇ。あぁそうじゃ。相撲取りになったからには、いつまでも作ぼん作ぼんと
  呼んでるわけにもいかんわい。なんかえぇ四股名をつけにゃならんな」
383ごじゅういち:02/10/08 22:05
作「親方、その心配はいりまへんで」
七「ん? もう考えてあるのか?」
作「これからはわいが二代目七ツ海としてがんばらせてもらう…」
七「アホぬかせ。そう易々とわしの名前がやれるか。そうじゃなぁ…。何がえぇじゃろ」
作「相撲取りの名前というと『山』とか『海』とかが付きまんねやなぁ?」
七「あぁ、そうじゃ。名前の頭に『若』とか『大』てな字を付けるヤツもおるな」
作「『若旦那』というのはどうですやろ」
七「そのまんまやないかい」
作「あきまへんか。ほな『大旦那』…」
七「なおいかんわい。そうじゃな。お前、座右の銘とかそういうもんはないのか?」
作「そうでんなぁ、『人間万事塞翁が馬』でっか?」
七「塞翁が馬…か。よし、ほたらそれにお前の今までの生き様をかけて『賽翁』とはどうじゃ?」
作「『賽翁』かぁ。親方、これはえぇ名前だっか?」
七「なかなか相撲らしいえぇ名前じゃと思うがな」
作「ほたらそれに決めますわ。相撲らしいえぇ名前でんなぁ。えーっと…何ちゅう名前でした?」
七「憶えられんか。仕方ない。紙に書いたるよってちょっと待っとれ。そのかわり先に言うとくが
  道で友達に会うたりしても、これを読ませたりせんようにな。話がややこしなるさかい」
384ごじゅういち:02/10/08 22:06
じぇろむ「ごめん」
賽翁「わ、異人さんや」
七「おぉ、来てくれたか。待ってたんや。賽翁、皆に紹介するさかい呼んできてくれ」
力士A「親方お呼びですか。わ、異人さんや」
力士B「親方、なんぞ御用で。わ、異人さんや」
七「ったく、どいつもこいつも…。ビックリするときまでみな同じじゃ」
じぇ「約束通り来たぞ」
七「うん、おおきに。メルシー。お前ら、こいつは今日から新弟子じゃ。ふらんす国の男で
  『じぇろむ』という。よう面倒見たってくれ」
A「新弟子って親方、異人さんでっせ。こいつ、相撲取れるんでっか?」
じぇ「大口を叩くヤツは潰す!」
賽「わ、えらい勢いで怒ったはるがな」
七「じぇろむ、そのぐらいにしとけ。お前らもな、気ぃつけないかんで。こいつの左の張り手
  食ろたら立ってられんぞ。それどころか今のお前らなら命も危ない」
A「そ、そんなに強いんでっか?」
七「せやさかい連れてきたんやないか。ここで試しに一番、てなこともわしゃ無責任には
  よう言わんで。ま、そういうこっちゃ。仲良うするんじゃな」
A「わ、わかりました」
七「ほたらじぇろむ、お前にも名前を付けよかの。お前らも考えたってくれ」
賽「『異人山(いじんさん)』はどないです?」
七「そのまんまやないかい、ほかは?」
A「名前なぁ…。さっきのえらい勢いで怒ったときの顔。あれから考えたら…」
七「うん、それじゃな。えらい勢いで怒ったと書いて『勢怒川』」
じぇ「『せいぬがわ』! う〜ん、トレビア〜ン」

こんな調子で七ツ海、自分が異国巡りをしてたときの人脈で次から次へと外国人を入門させまして…
こんなことを申しますと、鎖国の時代にそんなことができたんかいな、とお思いの方もございましょうが
なんせそこは幕末でございまして、できたんでございますな、これが。そんなこんなで迎えましたのが
秋の本場所。あの七ツ海が大坂相撲に帰ってきたというだけでも評判なのに加えまして、なんやわけの
わからん異人の相撲取りが前相撲でぎょうさん出てきて、しかもそいつらが滅法強いという噂が
流れますと、大坂中がそのことで持ち切りでございます。
385ごじゅういち:02/10/08 22:07
男1「聞いたか?」
男2「聞いた。えらい評判やな」
男1「えらい評判や。昨日よねやんが見に行って、帰ってきてから話聞いたが、すごいな」
男2「前相撲がすごいらしい。変わった名前の異人さんの力士がやたら強いんやて」
男1「ふらんす国で用心棒やってたのが『勢怒川』で、えじぷと国のが『砂原国(さはらくに)』、
   おろしあ国で船曳きやってたのが『掘賀川(ぼるががわ)』、ちべっと国から来たのが
   『暇羅山(ひまらやま)』やて」
男2「異人さんの相撲てどんなんやろな?」
男1「行てみよか?」
男2「行てみよ行てみよ」

噂が噂を呼びまして場所は大賑わいですな。何しろまず前相撲から見なあかんというんで、
朝早うから行列ができまして木戸番がびっくりしよった。前相撲からこんな盛り上がりになると
取り進んで番付が上がってきても土俵の周りには一種独特の異様な雰囲気が立ち込めまして
普段は支度部屋でさいころに興じてるほうが熱心なような関取連中にも、この雰囲気は伝わります。
おのずと取り組みに熱を帯びて参りまして大盛況のもとに夏の場所を終えまして。
386ごじゅういち:02/10/08 22:08
七「いや、ご苦労さんご苦労さん。立て直したばっかりのドタバタした中での最初の場所。
  そんな中で皆ようやってくれた。グッジョブじゃ。掘賀川、お前は8番取って8戦全勝か。
  うんうん、来場所の番付が楽しみじゃのう。暇羅山、お前も7番取って7戦全勝か。ん?
  空気が濃いさかい、負ける気がせん? おい聞いたか。今度は場所前に皆で暇羅山の故郷へ
  稽古しに行こか、ホンマに。えぇ次は勢怒川、お前は7番取って6勝1敗か。誰に負けたんじゃ。
  千秋楽で孝乃富士の喉輪に? あぁ、そうかいな…て、こんなネタ、皆さんついてこれてるんか?」
賽「親方、わいもやりましたで」
七「おぉ、賽翁。お前はまた特にようがんばったな。正直、ここまでやれるとはわしも思てなかった。
  結局、何番勝ったな?」
賽「はい。9番取らしてもろて6勝3敗で」
七「63のはやかぶか。(パチパチパチ)幸先えぇな。その調子じゃ。それに比べて兄弟子衆よ。
  お前ら、もうちょっとがんばらないかんな。ウカウカしてたらお前ら、すぐにこいつらの褌担いで
  歩かんならん」
A「親方、わかってます。わしらも悔しい。悔しいけど今はこいつらにあやからせてもらおと思います。
  わしらもこれを契機に四股名を変えたいと思います」
七「なるほどな。それもよかろう。しかしなぁ、お前らはわしが来る前からの力士やさかいなぁ。
  いわば鎖国する日本の象徴……よし、お前は今日から『鎖国』じゃな」
A「『くさりくに』? なんやゲンの悪い名前やなぁ」
387ごじゅういち:02/10/08 22:10
B「親方、お客さんがおいででございますが」
七「うん、お通しせい」
大男「おはんが七ツ海親方かの?」
七「いかにも」
大男「おいは薩摩藩からの使いのもんでごわして、この度の場所でのおはんの部屋の力士の活躍、
   惚れ惚れ致しましてごわす。そこで一つ、これからは、おはんの部屋の力士を皆揃うて
   薩摩藩のお抱え力士ということにさせてもらいたいがどうじゃ?」
七「そ、それは誠のお話か? ありがたい!」
大男「喜んでもらえるなら、そういう話で」
七「信じられんようなお話じゃが、重ね重ね礼を申す。それにしても客人、あんた、なかなか
  立派な体格じゃ。どうじゃ? ここは一つあんたも力士になってはみんかな?」
大男「ワッハッハッハ。おいも相撲は大好きでごわすが、それは遠慮したい。おいにはこれから
   せねばならん大きな仕事が待っとる」
七「惜しいなぁ、いやいや、ならば結構。おい聞いたか、賽翁。すぐに勧進元に連絡をせんか。
  大坂相撲に夜明けが来たぞ!」

このことがどれだけすごいことかと申しますと、前回も申しました通り、それぞれの藩にとっては
武家屋敷があります江戸で力士を召抱えれば、江戸と地元を往復させればその藩の勢いを世に示す
ことができたわけでございます。つまり、わざわざ大坂相撲までお抱えを作る必要なんぞないわけ
ですな。そんな中で大坂の一つの部屋丸ごとお抱えとなると、よっぽどの茶人やなけりゃ考えつかん
ような話でございます。ただでさえ尋常でない強者を集めた所へ大スポンサーがついたわけでして
まさに鬼に金棒で。次の場所からは七ツ海、嬉しい悲鳴でございます。
388ごじゅういち:02/10/08 22:10
七「いや、ご苦労さんご苦労さん。今日もようやってくれたのう。今場所も残りは明日の千秋楽を
  残すのみ。明日取り組みがあるヤツは早うに休め、おぉ鎖国。お前も早うに休め」
鎖「親方、わしと砂原国は今日まで勝ちっぱなし。明日はことによっては優勝決定戦で」
七「何、決定戦? あぁ、プレーオフじゃな。(パチパチパチ)まだまだ番付は下のほうとはいえ
  この部屋から優勝が出るのは早いに越したことはない」
鎖「はい。でも、そんなことになったら、わし、あがってしもてどないしたらえぇか…。親方、
  お願いじゃ。あともうちょっと稽古をつけてもらいたい」
七「よしよし、わかった。ちょっと待ってい。仕度をするさかいに」
B「親方ぁ、大変じゃあ!」
七「何じゃ、騒々しい」
B「幕府が、幕府が大政を奉還しました!」
七「何じゃと!」
B「そのことで京は大騒ぎやそうで…親方、これから一体どないなります?」
七「さぁ、どうなるかのう。ただ、少なくとも相撲どころでないのは確かじゃ。騒動になるぞ。
  世の中はこれでガラリと変わる」
此花親方「親方ぁ、七ツ海親方はおるかのう」
七「おぉ、此花か。えらいことじゃな」
此「えらいことどころの騒ぎやありゃせん。さっき京相撲の頭取から飛脚が飛んできてな。
  京では薩摩長州の軍勢と幕府の軍勢が今にも戦を始めん有様じゃそうな。親方、あんたのせいで
  幕府の連中、大坂相撲は薩摩ベッタリじゃと思い込んでしもたわ。どうしてくれる?」
七「どうしてくれる? 知れたこと。おい鎖国のう。わしは今から京に馳せ参じる。えぇかよう聞け。
  幕府は終わったんじゃ。江戸の時代はもう終わりじゃ。相撲もこれからは大坂の時代じゃぞ。
  明日の優勝はお預けになるかも知れんが、そんなのは小さいこと。よう精進せぇよ」
389ごじゅういち:02/10/08 22:12
これが、大坂の相撲界に七ツ海が残しました最後の言葉でございます。ご存知のように、この日を境に
本当に世の中はガラリと変わってしまいまして、世に言う明治維新でございますな。京を舞台に
繰り広げられた戦が済んで、さぁ、いよいよ七ツ海のもとで大坂相撲の復興を、と高まる期待にも
かかわらず、七ツ海の姿は再び大坂相撲から消えてしもた。仕方がないというんで一度は隠居をして
おりました蛸壺が親方に復帰を致します。明治も始まった頃には、七ツ海の言葉通り、江戸の力士にも
江戸はもう終わりやと腹を括って大坂へ移るのが何人か出まして、一度は活気を見せました大坂相撲で
ございますが、新政府が東京に本格的にできますとそれも立ち消えてしまいます。こうなりますともう、
嵐が過ぎてしもうたようなもんでございますな。七ツ海が現れる前に逆戻りでございます。
また、風体のようない面々があっちの部屋こっちの部屋に出入りするようなことが増え出したりしながら
十年という月日が流れました。
390ごじゅういち:02/10/08 22:13
此「親方ぁ、蛸壺親方はおるかのう」
蛸「これはこれは此花親方でございますかいな。ご無沙汰を致しております」
此「いやいや、無沙汰は互いじゃ。それよりな、あんたの所の賽翁な、入幕が決まったぞ」
蛸「そうですかいな。いやぁ、それは嬉しい知らせじゃ」
此「わしがあの男のことであんたに相談に来たのが十年前じゃ。時間はかかったが、えらいもんじゃな」
蛸「ほんまですなぁ。世間を騒がせた異人力士も、七ツ海関を追うようにしておらんようになり、
  この部屋に残ったのはあいつと鎖国の二人だけ。それでもへこたれんとやったおかげですな」
此「いや、改めておめでとう。ホンマにあいつはようやった。ところで、こんなめでたい話の後で
  言いにくいんじゃがな」
蛸「と言いますと、またようない話ですな」
此「誠に恥ずかしい話じゃが蛸壺のう、わしの部屋、もうあかんわい」
蛸「はぁ…」
此「此花の看板を誰が継ぐか、それを巡って弟子三人にそれぞれな、コレ(顔に傷の仕草)がついとる」
蛸「親方、これから先、大坂相撲はどうなっていくんでしょうな」
此「どうじゃな蛸壺のう。ここは一つ大坂相撲の先行きを賭けて一勝負やらんか」
蛸「ご冗談を。これ以上相撲部屋と賭場を一緒くたにされては…」
此「なぁ蛸壺、あの七ツ海関、外国から帰ってきたときに『火事場の又兵衛』と名乗っとったじゃろ。
  あれはなんでか知ってるか? 西洋ではな、賭場のことをカジノと言うんじゃそうな。わしが
  察するに、口ではあないに立派なことを言うてたが、あの人も性根はすきな口じゃ。おそらくその
  カジノとやらに出入りしとったんと違うやろかのう」
蛸「はぁ…」
此「さぁ蛸壺、一丁張ろやないか。なに、道具はわしが持ってる。どうじゃ。花札かそれとも丁半で…
  あぁしもた、さいころはあっても壷がないわい」
蛸「親方、ここをどこやと思うておいでで。あの床の間の」
此「蛸壺かいな。まぁえぇわい。ほたらいこか。大坂相撲の行く先を握るは、この花札か」
蛸「壺の中の賽か」

ちょうどこの年には九州で西南の役が起こります。勇猛果敢に戦う薩摩隼人の中には、一際目を引く
『異人隊』を率いた男の姿があったとかなかったとか。幕末大坂力士伝より『七ツ海』、
これまででございます。

ドンドン
391ごじゅういち:02/10/08 22:37
やれやれ、です。長文失礼。前に答えそびれたレスもあるので
遅レスご容赦で感想なども…。

>>290のすのびねっとさん
ファンによって色々でしょう。前半の勢いを信じてた人もいるでしょうし。
「祝 定位置脱出」なんていうカードも甲子園では見られましたがw

>半弗さんの「一に踊る作家(仮)」
>ウェイター「一気に片付けましたね。」
こういうの大好きです。「船弁慶」の物売りとか、新しいところでは
古畑任三郎の花田を連想しますね。

>新参亭トーシロウさん
お初です。「裏狸賽」に「表死神」って感じで鮮やかです。

>の主催者さん
>(携帯なのではしょります)
これを書く手間で…という気がしないでもないw
なんか「お人柄」って感じで笑いました。
タイトルは 幕末大坂力士伝より『七ツ海』 でお願いします。
あと、あんな長文を携帯で…お疲れさまでございました。
392重要無名文化財:02/10/10 00:45
「衣替え」「プレーオフ」「株価」

1「鏡よ鏡よ鏡さん、金偏に意見の「意」の字を書いて鏡と読みますか?」
2「読みませんね、微妙ですけど。」
1「鏡さん、私はシンデレラです。」
2「いえ、あなたは邪悪な女王です、だまされません。」
1「気持ちはシンデレラです。」
2「用件をおっしゃい。」
1「この世で一番速い球を投げるのは伊良部?」
2「世界をなめたような発言は許しません。」
1「株価の下がり具合は何月まで続きますか?」(パチパチパチ)
2「塩川にお聞きなさい、そんなものは。」
1「鏡よ鏡よ加賀見さん。」
2「私、日本人じゃないですよ。」
393重要無名文化財:02/10/10 00:46
1「メジャーのプレーオフのチケットを2円で
手に入れる方法を教えてください。」(パチパチパチ)
2「金券ショップならその駒沢通りをまっすぐ行ってください。」
1「2円で買えるんですね?」
2「犯罪暦がつきますが。」
1「それじゃあ意味がないじゃない。」
2「そんな質問するからですよ。」
1「鏡よ鏡よ南さん。」
2「語呂だけですね。」
1「世界で一番衣替えが似合うのは誰?」(パチパチパチ)
2「それはシンデレラです。」
1「え?よく聞こえないわ。花瓶が割れるような大きな声で。」
2「私が割れますよ。」
1「シンデレラが衣替えが似合うですって。これでも無印を私、愛用してるのよ!」
2「微妙な衣替えですね。でもシンデレラはきれいな洋服に着替えると
 それはもう見違えるようになりました。衣を替えるならやはりシンデレラです。」
1「きぃー、悔しいわ。今日の衣替えできっと私が一番だと思ったのに!冬のコーディネートは
 こんなにすごいのよ!こんな鏡、インチキだって焼き芋屋のマイクで
 広めてまわっちゃうわ!」
2「あー!ひどい!今日は醜聞(秋分)の日だ。」

ドンドン
394新参亭トーシロウ:02/10/10 01:05
>>392-393
スゴイ、この理不尽さ。楽しいですね!
笑いながらなんとなく反省…
395重要無名文化財:02/10/10 01:59
新参亭トーシロウさんの正統新作、ごじゅういちさんの連作大作、
そして重要無名文化財さんの理不尽噺と、贅沢な回ですね。
396重要無名文化財:02/10/10 05:20
>>392-393
ぐはは、おもろいな、これ。
オチもいいし、何より読んでる側のおいてきぼり感がたまらん。
南さん最高。
397snobinette:02/10/10 08:51
トーシローさま こんにちは。2作ともとっても面白く読みました。
   「狸の再コロ」ワクワクしました。
ごじゅういちさま すばらしい歴史大作! お疲れさまです。
    楽しみながら、すっと読める。あちこちで笑いつつ。
シュールの匿名さま いつもながら、無駄なところがまったくない。
    不条理がどんどん進んでいくところに、拍手!
  
398ごじゅういち:02/10/11 02:58
感想レスありがとうございます。メイキングみたいなこと書かせて頂きます。
はっきり言って今回は閉め方がサゲと言えるかどうか自信なかったです。
お題に関しては横文字を入れることができる下地にしてあったので割と楽でした。
むしろ、前回に布石的な要素が多すぎたので、その帳尻合わせがたいへんでした。
ていうか、対応し切れてないですね…。
七ツ海という力士は、昭和に入ってから一人実在するみたいです。

「シュールの匿名さま」っていう呼び方、なんかいいですね。
落語かどうかという形式的なゴジャゴジャすらどうでもいいように
毎回感じさせてもらえるわけだからすごいと思います。

>金券ショップならその駒沢通りをまっすぐ行ってください。

この辺から、生粋の東京の方なのかなぁ、なんて想像してるんですが。
399重要無名文化財:02/10/11 03:23
へぇー、七つ海っていたんですね。ちょっと驚き。
いい四股名ですよね。
ごじゅういちさんは湖亭半弗さん以来の前後編で大変だったと
思います。よほど自信がないと出来ない芸当ですよね。
400重要無名文化財:02/10/11 03:25
この匿名さんが常連作家の仮の姿だったとしたら
ある意味凄いけどそんなことないか・・・。
401ごじゅういち:02/10/11 03:31
402重要無名文化財:02/10/11 03:33
操さんなんですね>七つ海
403重要無芸文化財:02/10/11 03:45
おなじみ清八、喜六が旅に出ますと、お伊勢参り。さらに足を延ばして善光寺にお参りしよやないかと、信州へとやってまいります。

喜六:うー。さぶぅー。
清八:さすがに信州ともなると、もう涼しいどころか、寒いなぁ。
   衣替えしたとこやと言うのに、もうコートがいるで。<パチパチ>
喜六:そんなオーバーな。
清八:しょうもないこと言わんでええ。そやけど。これぐらいで、寒い言うてたらあかん。
   冬になったら、もっとすごいで。
喜六:おはようが凍るというやつか。
清八:あほ。そら、落語の話や。
喜六:そやけど、池とか田圃とか凍るんやろな。
清八:そや。凍って雪が積もって、あたり真っ白になるな。
喜六:で、鎌で鴨を捕って、残ったカブから、芽が出る。
清八:落語の話や言うてるやろ。
喜六:そやけど、カブがあったで。
清八:カブって、そらカブラやない。有名な野沢菜やな。
   元々は天王寺カブラやけどな。このあたりでは葉っぱを漬物にして食べるんや。
   で、切った後のが置いてあるんや。
   こら、勝手に持ってきたらあかんで。
喜六:そやけど、ほってあった。あ。大きい池があるけど、あこも凍るか。
404重要無芸文化財:02/10/11 03:46
清八:池て。あれは有名な諏訪湖や。あの湖も凍る。それには有名な話があるな。
喜六:清やんも落語の話か。
清八:落語やのうて、芝居や。本朝廿四孝言うてな。
喜六:へぇ。どんな話やね。
清八:その昔、戦国の世の話や。越後の上杉謙信と武田信玄が、この信州で戦ぅたんや。
喜六:どっちが勝ったん。
清八:何度、戦っても決着がつかん。
喜六:ついにはプレーオフで決着を着けた。<パチパチ>
清八:そんなことするかいな。
   上杉、武田両家の和解のために、上杉の娘、八重垣姫と武田勝頼の縁組みが決まるんやな。
喜六:ほな、仲直りしたんかいな。
清八:ところが、そうはいかんな。
喜六:で、諏訪湖が凍るんは、どういう関わりやね。
405重要無芸文化財:02/10/11 03:47
清八:話を聞かんか。
   まあ、この話の中で、上杉が勝頼を討とうとするんやけど、そのことを八重垣姫が知るんやな。
   それで、許嫁に知らせようとするんやけど諏訪湖を渡ると近道やね。
   「追手の者より先へ廻り、勝頼様にこのことを、お知らせ申すが近道の、諏訪の湖舟人に、
   渡り頼まん急がん」
喜六:どないしたんや。
清八:その場面やってんのや。
   「イヤイヤイヤ。今湖に氷張りつめ、船の往来も叶わぬよし。歩路を往ては女の足、なんと追手に、
   追ひつかりょう。知らすにも知らされず、みすみす夫を見殺しに、するはいかなる身の因果。」
喜六:凍ってるのやったら、スケートで、助っ人に行ったら。
清八:黙ってい。「アア翼がほしい。羽根がほしい。」
喜六:金がほしい。
清八:聞いとれ。「飛んで行きたい、知らせたい。逢ひたい見たい」
   「千年百年泣きあかし、涙に命絶ゆればとて夫のためにはよもなるまじ。この上頼むは神仏」
   で、そのカブ、貸せ。
喜六:どないしたんや。
清八:床の間に、諏訪明神から賜ったという諏訪宝性の兜というのがあんね。それを、こういただいて、
   「この御兜は諏訪明神より武田家へ、授け給はる御宝なれば、とりも直さず諏訪の御神。
   勝頼様の今の御難俵。助け給へ。救ひ給へ」
   で、誰かに見とがめられてはと、庭に降りて、池の水を見て驚くね。
406重要無芸文化財:02/10/11 03:48
喜六:どないしたんや。
清八:うつる月影怪しき姿。はつ、と驚き飛退きしが
   「今のはたしかに狐の姿。この泉水に映りしは、ハテめんような」
喜六:清やんの方が、よっぽど面妖な。
清八:「まことや当国諏訪明神は、狐をもつて使はしめと聞きつるが、明神の神体にひとしき兜なれば、
   八百八狐つき添ひて、守護する奇瑞に疑ひなし。オヽそれよ思ひ出したり。
   湖に氷張り詰むれば、渡り初めする神の狐。その足跡を知るべにて、心易う行き交ふ人馬、
   狐渡らぬその先に、渡れば水に溺るるとは、人も知つたる諏訪の湖。
   たとへ狐は渡らずとも、夫を思ふ念力に、神の力の加はる兜。
   勝頼様に返せとある、諏訪明神の御教え。ハアア、忝なやありがたや」
喜六:どないしたんや。
清八:諏訪明神のご神体に等しいほどの諏訪宝性の兜や。それに祈ったんで、姫は狐に姿を変えたんや。
   それで、湖を渡ったというのや。
喜六:諏訪宝性のカブて、その葉っぱも漬け物にすんのか。
清八:カブやない。兜や。今は代わりに使ぅたけど、どこぞの世界にカブに祈るあほがおんね。
喜六:カブで祈ったらあかんか。
清八:そら氷が割れんように渡るのにカブはあかん。近頃の株価はすぐ割れる。<パチパチ>
<どんどん>
407新参亭トーシロウ:02/10/11 08:53
>400
ていうか毎回その作風だけで「常連の匿名さん」と思われてるけど
実は毎回違う人だったら…

思ったんですがコテハンも匿名の一種ですよね
408新参亭:02/10/11 12:26
>>403-406
ああ感想を書くの忘れてた。読み耽って満足してました(笑)
こういう、芝居の台詞とか和歌とかを講座で滔々とやるのって「お見事っ」とか
拍手したくなっちゃうんで好きなんですが、いざ書こうと思うと自分の中に全く
ネタがないことに気づくんですよ。無芸さんの作品は「本物感」が漂いますね。
409新参亭:02/10/11 12:30
講座→高座
410重要無名文化財:02/10/11 14:02
是非本職の落語家さんの感想も聞いてみたいですな。
411snobinette:02/10/11 15:57
重要無芸文化財さま  
オチがとってもタイムリー、株価は下がりっぱなしだし。
喜六でなくても、金が欲しい。そういえば、11月の歌舞伎座は、「本朝廿四孝」です。
ぜひ、喜六さんに見にきてもらって下さい。
   
412重要無名文化財:02/10/11 17:45
落語家の間でも、けっこうROMってる人が多いみたいだよ、この三題噺。
413新参亭トーシロウ:02/10/11 18:50
>>412
書き込みにくくなるじゃないですか(笑)
414重要無名文化財:02/10/11 18:52
こりゃ失礼(W
初心者も気軽に、それでいて質高くがモットーだったね。
415柳ヤコ:02/10/12 17:06
久しぶりに作ってみました。最近忙しくてねぇ・・・。

 『仲買い弥市繁盛記』(衣替え・プレーオフ・株価)

佐吉「あー、きょう集まってもらったのは他でもない、この江戸時代から続く
   骨董道具屋の加賀屋。今年で5年連続の赤字だぞ、株価も下がって額面
   割れのピンチだ(パチパチパチ)。このままでは倒産してしまう。
   なにか売り上げを伸ばす良いアイデアはないか」
番頭「ではいかがでしょう、お客さんにカラオケを唄ってもらうというのは」
佐吉「どこかで聞いたことのある話だな。そんなのはダメだ、だいたい道具屋で
   カラオケ唄ってどうする。他になにかないか」
手代「今のように娯楽の多い時代、古道具ばかりではあきまへん。もっと色んな
   ことォやらなあかん。船に乗って備前に行こうとしたら兵庫に着いた、
   ミステリーツアーなんてどないでっか」
佐吉「出たな関西弁のお前。この忙しい時代に船旅が流行るか?まぁでも、
   色々なことをやらなければいけないのは確かだな」
弥市「社長、私に考えがあります」
佐吉「おぉ、仲買いの弥市じゃないか。何かあるのか」
弥市「海外に行きましょう。メジャーリーグに日本人選手が大勢行っています
   から、わが加賀屋のノウハウを活かして、トレーディングカードなどの
   グッズを扱うというのはどうでしょう」
佐吉「なるほど、それはいいかもしれん。よし弥市、さっそく行って来い」

さぁこれから弥市がアメリカに飛びます。ドジャースの本拠地ロサンゼルスに
店を構え、トレーディングカード、サインボールにサインバットなど、色々と
品物を集めてまいります。春先はけっこう売れ行きも良かったんですが、夏から
秋にかけて段々と売れなくなってまいりまして。
416柳ヤコ:02/10/12 17:07
手代「支店長、思ったより儲かりまへんな」
弥市「どうしようか」
手代「カラオケ・・・」
弥市「よせよ! うーむ、いまいち品揃えに華がないんだよなぁ・・・なんか
   売れる品物はないかなぁ」
手代「あ、東京の社長からメールが来てまっせ。株価が下がってるぞって」
弥市「困ったなぁ・・・とりあえずドジャースの球団事務所に行ってみるか」

弥市「うんちわぁ。弥市ですけど・・・」
野茂「あっ、弥市さん。元気?」
弥市「あ、野茂さん。それがねぇ、売上げがいまいちなんですよ」
野茂「それは大変だねぇ。あ、そうだ。このユニフォーム、もういらないから
   あげるよ」
弥市「えっ!?野茂さん、ドジャースを辞めちゃうんですか?」
野茂「違う違う。オーナーの意向でね、9月からユニフォームが変わるんだ。
   早い話が、衣替えだな(パチパチパチ)」
弥市「じゃぁ古いユニフォームを・・・」
野茂「あぁ、僕と石井でみんなのを集めてあげるヨ」
弥市「ありがとうございます!」

一週間後、野茂と石井が古いユニフォームを集めて、弥市の店に運び込みます。
手代「さぁ、さっそく店にならべましょう!」
弥市「待て待て、あせっちゃダメだ。ここはしばらく辛抱して、値が上がるのを
   待とう。もうすぐペナントレースも大詰めだ、ドジャースがプレーオフに
   進出すれば、高く売れるようになる(パチパチパチ)」
417柳ヤコ:02/10/12 17:08
いよいよ今季ドジャース最終戦、加賀屋ロサンゼルス支店のテレビの前では
弥市と手代、それに従業員が必死の応援です。
手代「これに勝てばプレーオフですな」
弥市「そうだ、なんとしても勝ってほしいな」
手代「勝てば品物も高く買ってくれる・・・ドキドキしてきた。熱いですな。
   あれ? 支店長、下駄なんかはいてるんですか」
弥市「むかしから言うだろ、『試合負けても下駄さえはけば、カッタカッタと
   音がする』ってな」
手代「・・・寒いですな」

ドジャース先発石井が7回まで無失点の好投、そのあとなんと野茂に交替という
日本人リレーです。野茂も期待に応えて3回をパーフェクトに抑え、二人で
完封してプレーオフ進出を決めました。

弥市「やった、勝った、勝ったぞ!」
手代「プレーオフでっせ!さっそく社長に報告しまひょ!」
弥市「その前に、インターネットで株価を見てくれ!どうなった?」
手代「上がった上がったぃ、加〜賀屋ァ〜〜〜」

  ドンドン
418柳ヤコ:02/10/12 17:12
久しぶりに書いたら、書き込みできる行数が減っててビックリ。
読みづらくてスイマセン。
下の「最新50」っていうのをクリックすると読みやすくなるようです。
419重要無名文化財:02/10/12 19:43
何はともあれヤコ師匠復活に乾杯。
しかも野球ネタとはありがたい。楽しめました。
420重要無名文化財:02/10/13 10:49
あっ柳ヤコさん復活!
「金明竹」に「たがや」ときたか。相変わらずパロディ全開ですにゃ(笑
421重要無名文化財:02/10/13 14:27
遅レスになるけど、こないだの「一に踊る作家」って題名、
柳美里の「石に泳ぐ魚」の語呂なんだね。気づいてビックリ。
422sana亭omi:02/10/13 21:50
>新参亭トーシローさん、

ふくの神にケツヌグイしてもらって、
彼の心配事はフクショクされたみたいですね。
しかし、
僕は以前初心者も気軽に投稿したらどうですかとは言いましたが、
あなたといい、snobinetteさんといい、
僕より上手い人の投稿を想定していたんじゃないんだよ。
困ったもんだ。

>ごじゅういちさん、

大作、お見事でした。
七つ海と掛けて赤い靴はいていた女の子と解く
その心は、
偉人さんと一緒に行っちゃた。

423重要無名文化財:02/10/13 21:52
sana亭omiさんは上手ですよ
424sana亭omi:02/10/13 22:22
>シュールの匿名さん、

何か不思議な世界ですね。

>重要無芸文化財さん、

いつもながら楽しく読ませてもらいました。
当時に電話があったらなぁとも思いましたが
電話はコールからだめですね。

>柳ヤコさん、

番頭さんのアイディアのとおりカラオケをしていたら、
多分、会社のタガが緩んでいたでしょうね。

>423さん、

どうもありがとう。

425柳ヤコ:02/10/15 23:25
>>424
うまいね、どうも
426:02/10/16 08:26
新参亭トーシロウさんの「ふくの神」って上手だねぇ〜
427新参亭トーシロウ:02/10/16 17:21
「衣替え」「プレーオフ」「株価」その2

街は今日もおおかた平和でございます。通りに面した大店の脇にある
小径をつっと入った、「越前屋」と小さな表札のかかった引き戸は
知る人ぞ知る高級料亭でして、その奥座敷で店の主人と恰幅の良い
男が差し向かいで料理に舌鼓を打っております。

「いかがですか、大臣」
「むう、この白身魚の天ぷらは旨いな」
「勿体ないお言葉。天ぷらは当店の自慢の品でございます。
 とくにこの、さくさくとした」
「うん、衣がえもいわれぬ歯ごたえだ」(パチパチ)
「そちらの円いものはいかがでございますか」
「固いな。人参か?」
「いえ、違います。色が白いでしょう」
「芋か?」
「いえ、芋ではありませんが根菜でございます」
「大根か?」
「近うございますが、違います。」
「すると、あれか」
「ええ、どうぞ皆さま待っておいでです」

「ところで近頃店の株価はどうかね」(パチパチ)
「あなたさまも無茶をしますね」
「何の話だ」
「いえ」
「うむ」
428新参亭トーシロウ:02/10/16 17:21

「上場に当たっては並々ならぬお世話を頂きましたので、おかげさまで
 順調でございます」
「そうか、それは私にとっても嬉しいことだよ」
「ええ、表向きには当店と全く関係ない人間を通して億単位の株を買って
 いただいておりますからねえ」
「しっ、うかつにそのようなことを口にするな。」
「おっと今のは無しです」
「この間も君の処の若い店員が私に道ばたで会ったときに『株主様』などと
 口走ったぞ。少々教育がなっていないのではないかね」
「これはとんだご無礼を。不届き者には厳重に処罰をいたします」(パチ)
「なんだ今の拍手は?」
「さあ?『無礼を。不』のあたりで鳴ったようですが(パチパチ)それはそうと
 大臣、今回少々あざとすぎるような気がいたしますが。」
「うむ、毎回あまりに笑いがないと反省したはいいがまっとうな手を思いつか
 なかったと見える。しかし裏技まで手を出した挙げ句この程度というのが
 センスの無さを露呈しているな。そもそもセンスとは」
「大臣、大臣、帰ってきてください」
「お、すまない。つい。…二度目はないと思え」
はい。
429新参亭トーシロウ:02/10/16 17:22

「天ぷら屋。店の株価だが、2週間ほどしたら動くかも知れん」
「え、それはつまり」
「うむ、ライバル店に仕入れ関係と税金関係のスキャンダルがあるという噂だ」
「大臣お得意の情報操作ですね」
「ん?人聞きの悪いことを言っては困る。私はただ小耳に挟んだ噂を世間話と
 して提供しただけだよ」
「なるほど、それでは私めも当店に有利な情報を巷の噂にお聞きしましたので、
 大臣とは全く関係のない人間にまた株を買っていただくことにいたします」
「ふっふっふ、お主も悪よのう」
「いえいえお大臣こそ」
『ぬっふっふっはっはっは』

「まあ、仕込みはすでに終わっている。あとは揚がるのを待つだけ」
430新参亭:02/10/16 21:54
ひええ、やっちまった…
ともあれ本人も大変反省しておりますのでなにとぞ寛大な心でお読み下さい。

付記:なんかおかしーと思ったら「並々ならぬお世話」って変ですね。
「ひとかたならぬお世話」です。ちゃんと読み返せってば。
431新参亭:02/10/16 21:56
あ、忘れてました。(ドンドン)
432湖亭半弗:02/10/17 00:51
新参亭さんの新作は政治家ワイロ噺ということで
視点が斬新だと思いました。私も一度そういう黒い政治噺も
書いてみたいです。『無礼を。不』の無理やり感もいいですね。

今回は「衣替え」「プレーオフ」「株価」ですか。
下準備も何もなくつらつらと書いてみます。

 えぇようこそのお運びで、相変わりません馬鹿馬鹿しい噺を聞いていただきますが。
昔からこの、悲劇の主人公と言われておる人が何人もおられます。
豊臣秀頼であるとか、天草四郎、西郷隆盛やとか、坂本竜馬、R-1の陣内であるとか
ま、いろいろおりますが、やはり中でも一番は源義経でっしゃろなぁ。
ずば抜けております。あれは最後には兄貴の命で殺されてしまうん
でっさかいね。男前やちゅうのもふまえて人気があるんですな。
あれは最後は奥州に逃れた。奥州藤原氏を頼ったんですな。
秀衡「これは遠路はるばる、よくぞ頼ってこられた。さぞお疲れでしょう。」
義経「えぇ、それはもう苦労(九郎)しました。」
てなしょうもない小咄もありますが、







433湖亭半弗:02/10/17 00:51
喜六「こんにちは。」
甚兵衛「お、こっち入り、まぁあがんなはれ。」
喜六「派手にあがろか陽気にあがろか、あわれぇにあがろか陰気にあがろか。」
甚兵衛「・・・ほなおまはん、いっぺん陰気にあがってみなはれ。」
喜六「えぇ、うらめしや。」
甚兵衛「うらめしやさえゆうたら陰気やと思うてなるな。
今日はいったいどないしたんや。」
喜六「さぁ、それでんねん。あんた、エガワの戦いちゅうのを知ってなはるか。」
甚兵衛「江川ちゅうたら何かぃ、巨人にいてた。」
喜六「せやおまへんがな、あの義経が死んだちゅうあれでんがな。」
甚兵衛「それを言うならおまはん、衣川やろがな。」
喜六「せやけど、あれ、衣紋掛けの「え」でっしゃろがな。」
甚兵衛「そらま、確かに衣が『え』と読むのは理屈やが、あれは「ころもがわ」
と読むねや。」(パチパチパチ)
喜六「ほぉーん、衣川の戦いでっか、あれ。ほな、中の海老川ちゅうのも
おますな。」
甚兵衛「天麩羅あげてるのと訳が違うがな、そんなもんがあるかいな。
で、衣川の戦いがどないしたんや。」
434湖亭半弗:02/10/17 00:52
喜六「そこで義経が死んだときに、大きな男がいてましたやろ、ほら
盗人みたいに頭に手ぬぐいまいて、そう、勧進帳で判官ガンガンぶちのめすやつ。」
甚兵衛「盗人とはどうじゃいな。あらぁ弁慶さんじゃろ。」
喜六「そうそう、その武者修行弁慶。」
甚兵衛「なんちゅうか、ニュアンスちゅうのか、それは間違うてない
ねやがな、武蔵坊弁慶。」
喜六「そうそう、その弁慶。あいつは何でんな、立ったまま死んだ
ちぃまっしゃろ。それを聞こうと思ってきたんでんねん、おせぇとくなは
らんかいな、この気の汚い。」
甚兵衛「まだ何も言うてないがな。何じゃ、弁慶はんの立ち往生について
聞きたいのんかいな。そうか、ま、教えてやらんでもないが。」
喜六「それやったら話が早い、いや、人間立って死ぬてな事が
ほんまにあるんかいなと思うて、あらほんまの話でやすか?」
甚兵衛「あらどうやらほんまの事らしい。死後硬直ちゅうのは
おまはん聞いた事がないかいな。」
喜六「あほらしい、あんた、わたいかて九九ぐらい知ってまんがな。」
甚兵衛「何でここで九九が出てくるねん。」
喜六「せやかて、四四十六ちぃましたやろ。」
甚兵衛「おまはんの頭は底抜けやな、死後硬直ちゅうのは人間
死んだときに固まる、硬うなるちゅうのをいうねや。弁慶はんは
一生懸命に戦うて討ち死にをした、な、それで急に死んださかいに
立ったまま固まったちゅう話や。」
435湖亭半弗:02/10/17 00:52
喜六「ほぉーん、さよか。せやけど大きな男でしたんやろ?」
甚兵衛「そらぁ話には大きな男やちゅうな。大きな薙刀に大きな鎧、
おまはんが身に着けようとしても、ブカブカで着れんぐらいの
甲冑やろう。それを身にまとって戦いなはったんじゃ。」(パチパチパチ)
喜六「ほぉーん、で、弁慶は誰と戦うたんでんねん?」
甚兵衛「そら、藤原泰衡の軍勢やな。」
喜六「え?そら、あんたおかしい、そうでっしゃろがな、藤原ちゅうたら
義経をかくもぅた。」
甚兵衛「そや、親父さんの秀衡はかくもぅたんやが、息子の代になって
頼朝から義経追討のお達しが来た。奥州藤原氏というたらそらもう
奥州の覇者や。それで秀衡の時は頼朝もおおそれと手を出せなんだ。
ところが、泰衡の代になって頼朝に恐れをなしたんやろうな、何で
こうも頼朝に目をつけられなならんねん、それもこれも義経が悪い
ちゅうので、かくまうはずの泰衡に攻められてしもたんや。」
436湖亭半弗:02/10/17 00:53
喜六「ほぉーん、何やな、ほなら義経は裏切られたんでんな。」
甚兵衛「まぁ、そうやな。代替わりが運の付きや。」
喜六「えらい義経はかわいそうな身の上でんなぁ。
ほんでともかくはめでたしめでたしでやすか。」
甚兵衛「ところが、今度は頼朝が奥州に攻めてきて征伐されて
しもたんやな、藤原氏は。」
喜六「えぇ?せやけど、片や奥州の覇者でっしゃろ。日本の覇者と
奥州の覇者、こらぁどう考えても日の本の優勝決定戦、プレーオフやがな。
やっぱり試合は長引いたんやろなぁ。」(パチパチパチ)
甚兵衛「試合てな生易しいもんやない、戦やでな。この頃には
覇者ちゅうても藤原氏は名ばかりでな、頼朝は朝日が昇る勢いや、
あっちゅう間にやられてしもた。」
喜六「何や、情けない話やなぁ。なるほど、しかし、なかなか
おもろい話を聞かせてもろうた、おおきにありがとう。」
甚兵衛「これ、お茶も飲まんとどこへ行くねや?」
437湖亭半弗:02/10/17 00:53
喜六「この義経と弁慶の話、誰ぞに聞かせてやろうかと思うてな、
おおきにさいなら・・・、ほぉーん、なかなか弁慶の立ち往生の
話はおもろいな・・・、おう、松っちゃんやないかぃ、どないしたんや?」
松「おぉ、喜ぃやんか。聞いてくれ、わしは腹の虫がおさまらんねん。」
喜六「何や、どないした?」
松「聞いてくれ、寄り合い連中の友達仲間の間でわしの悪口が回ってるねやて。
わしが安月給の平社員でちゅうて馬鹿にしてくさるらしいねや。しかも、その
噂の出所が鉄っちゃんや、わしのかかの兄貴や。あいつが広めてるねや。
親戚付き合いしときながらそれはないやろ、せやから怒鳴りこもうと思う
てるねやが、鉄の家の前に大きなトラックが泊まって入られへんねや。
往生して困ってるとこやがな。」
喜六「そうか・・・、どこのトラックや、これは?何、武蔵運輸か、
こらおもろい。」
松「何がおもろいねん!」
喜六「せやかて、衣川の戦いの役者が揃うてるがな。寄り合い友達、
『よりとも』や。これにせっつかれて、安月給の平社員『やすひら』
となるがな。やすひらが攻めにいこうとしたけど、武蔵運輸『武蔵坊
弁慶』が止まってて立ち往生や。惜しいなぁ、あとは義経さえ
おれば皆揃うのに。」
松「あぁあ、それやったら安心せぇ、相手はわしの義兄(義経)じゃ。」

ドンドン
438新参亭トーシロウ:02/10/17 21:24
おお、無駄なところがない。素敵ですね。
439:02/10/18 00:46
面白い。ここ来るの癖になりそうです。
それにしても勿体無いなぁ、ここで公にして流してしまうのは〜
440重要無名文化財:02/10/18 15:41
>>439
公に流す、とは?
441重要無名文化財:02/10/18 18:33
>>440
流す=ブロードキャスト、ぐらいのニュアンスに取りました

本職にこそっと渡すとかすればそのまま高座にかけられるのに〜ってことですよね。>>439
442重要無名文化財:02/10/19 01:42
本職の方も勝手に使えばいいのにね。だって落語家から利用願いが出される程を目指したすれっどなんだから、きっと無償提供間違いないし。今さら2ちゃん使うと嫌がられないだろうし、逆にファン増えるよ。ネタ取り込みにどん欲な落語家ってだけで宣伝になるよ。
443重要無名文化財:02/10/19 11:11
でもこれ「三題噺」だからねぇ。「題をどう使うか」ということに重点が置かれて
いて、読むほうもそれが楽しいワケでしょ。
本職が高座で使うのに「え〜、じつはこれは三題噺でして・・・」なんて言うのかね。
今まで出てきた噺の中で、「三題噺」であることを知らずに読んで面白い作品って
どれくらいあるだろう・・・?
444重要無名文化財:02/10/19 14:24
シュールの匿名さんなんかは題関係なく面白いな。常連作家さんはたいていストーリーも練ってあって、題の使い方だけが評価点ではないと思う。あの「母恋くらげ」も三題噺だというし、これらに肉付けして使える噺にするのは噺家の技量じゃないかな。
445重要無名文化財:02/10/21 00:23
正直、本職さんからの感想が聞きたい。匿名でいいから何か言ってほしいなあ。
446新参亭トーシロウ:02/10/21 09:40
以前セミプロの手品師みたいなことをしていたことがありまして、その経験から言うと、
素人が「良い」と思えるレベルと本職が「良い」と認めるレベルには天と地ほどの
差があると思うのです。

そして素人に見せられて「この手品どうよ?スゴイでしょ、巧いでしょ」って言われても
アラばかりが見えてしまって答えられなかった経験もあるだけに、本職の噺家さんや
作家さんに感想をお願いする気にはなれないのですよね。(ネガティブな評価って
されるほうよりもする方が疲れるんで申し訳なくて)

きっと本当に面白いと認められるものが出てくればお願いしなくても出ていらっしゃる
のではないでしょうか。

三題噺の名作と言えば芝浜ですかね。実は三題噺じゃなかったなんて説もありますが…
447重要無名文化財:02/10/21 10:03
いや、新参亭氏の言うのが正しいが、わたしゃ落語家さんが2CHだからという理由で敬遠してるんじゃないか、と思ってさ。
素人目にうまいと思うものなら落語なんて素人がみるものだから、それをプロの芸にするのもありだろうね。新作落語はプロットが命というし、この三題噺で生まれた無理やりなストーリーが発想飛躍な噺の元になるのでは。
448新参亭トーシロウ:02/10/21 11:15
ネタを書きますです。

>>415-417 あらすじ
骨董加賀屋が株価のために
出すはメジャーのレアグッズ
弥市渡米し出会ったモノは
野茂と石井の衣替え

チーム皆のユニフォーム抱え
息詰め見守る最終戦で
プレーオフへの出場決めて
ドジャース上がった加賀屋も上がった

新参亭@野球ネタ大好き
449重要無名文化財:02/10/21 16:59
いつもここを見て「いつかは俺も」って思ってるんですが、プロットを
考えるだけで次のお題になってしまいます(w
皆さんすごいなぁと感心するばかりです。どうしてあんなに上手く構成
できるのか。無理なお願いですがもしコツがあったら宜しければ教えて
下さい。
私はお題が決まってプロットを考え、オチは最後に考えてしまうのです。
そうすると強引なオチになって納得できない事もあり投稿できずに終わり
ます。
450重要無名文化財:02/10/21 17:33
>>449そう深く考えなくていいと思うよ。
強引なオチでも何でも書いてみることに意義があるんじゃないかしら。
場慣れっていうか、やはり書かないと感じがつかめないと思うのよ。
常連さんもその人のキャラで書いてる部分も多いと思うしね。
もう少しリラックスして、ともかく一作品書いてみて指示を
仰いでみたらいかが?
451新参亭トーシロウ:02/10/21 19:02
>>449
僕も教えて欲しいです。お願い>皆さん

新参亭の場合:三題のうち一つを凝視してサゲから考えはじめる
452柳ヤコ:02/10/21 23:48
>>449
とりあえず、お題に関連する言葉をたくさん挙げます。連想ゲームみたいに。
今回の思考回路は、「株価」→「あがる」→「あがったあがった、た〜がや〜」→
→「加賀屋」→「金明竹」→「道具屋」→「トレーディングカード」→・・・
という感じでした。
453ごじゅういち:02/10/22 01:41
>>49
>プロットを考えるだけで次のお題になってしまいます

前スレで一度作ってから長いこと私もこの状態でした。
私の場合、お題が決まったらまずテーマを決めてます。
W杯、田中知事、大坂相撲てな具合で。サゲも早めに決めて、それへ向けて
ストーリーをもってくほうが作りやすいかと。どんなしょうもないサゲでも
とりあえず先に作っておくと、文字通り「落とし所」というか、目標が
できる、みたいな感じですね。作ってる間にもっといいサゲが浮かべば
変えるもよし(W杯のときがそうでした)。
一度だけサゲも未定でやってみたら…前後篇になってしまいましたw
454ごじゅういち:02/10/22 01:49
本職の方の感想云々は、気にならないと言ったら嘘になりますね。

>>442
>きっと無償提供間違いないし。

著作権放棄…とまでは言いませんけど、フリーソフトみたいな感覚?
マジでやってもらえるなんてことになったら逆に恐縮もんですよ。
あ、でも、同録は欲しいかもw

>>447
>落語家さんが2CHだからという理由で敬遠してるんじゃないか、と思ってさ。

ここに直接書かれると、やっぱり真偽で揉めるかも…。
自分のサイトをお持ちの方が「ネット内の某所の三題噺は…」みたいな
書き方をしてもらえたら理想的ですよね。
455ごじゅういち:02/10/22 01:58
今、気がつきましたが前スレと合わせて1周年おめでとうございます。
連続レス失礼。
456重要無名文化財:02/10/22 02:11
1周年か・・・。また新たな歴史が作られていくんだなぁ。
457sana亭omi:02/10/22 23:26
本当に、一周年、すごいと思う。

ところで僕の場合、
以前は題目のダジャレで噺を作ろうとしていたけれど、
少し考えを改めて、
題目の単語の意味を素直にそのまま使って
噺をまとめようと思い始めて以来、
まったく作品ができなくなってしまいました。

マナーが悪いことは承知していますが、
ROMだけではつまらないので、

>湖亭半弗 さん、

僕は自分でベンケィしていますが、
さすがにあなたの噺の中にはいろんな要素が
ホウガンされていますね。
458重要無名文化財:02/10/22 23:31
色々と御教授有難うございます。皆様の作り方を参考に試行錯誤
して披露できたらと想います。
クロウもすると思いますが、アタカかく見守って下さい。
459重要無名文化財:02/10/22 23:32
すいません。>>458>>449でした。
460重要無名文化財:02/10/28 06:38
掛け言葉が大流行だな。猫の忠信現象だ。
461主催者:02/10/29 01:05
感想が遅れてご迷惑をお掛けしております。月末までに何とか一言感想を書こうと思ったんですが、今回は常連の方も多数参加者してくださって携帯ではちょっと感想が書きにくい状態です。
嬉しい悲鳴とはまさにこの事です。しかも本職の方まで注目なさっているとの情報もあり、頑張ってまとめをせねばと考えています。もう少し時間を下さい。本当に申し訳ありません。ご理解をよろしく
お願いいたします。
462柳ヤコ:02/10/29 01:58
いや別に迷惑ってほどのことは無いと思いますよ。
のんびりいきましょうや。
463新参亭トーシロウ:02/10/29 06:55
PCがまだ復活しないんですね。お大事に。
464主催者:02/11/01 01:27
それではレスします。まず、51さんの(また略します(笑))幕末大阪力士伝より「七ツ海(後編)」は異人相撲の面白さ、
そして不思議な空気の七ツ海が幕末の大坂相撲を舞台に活躍して楽しめました。勢怒川の命名がナイスです。
前後編お疲れです。次の匿名さんの「南さん(仮)」はまたまたイリュージョンですね。オチも綺麗ですし独特のテンポが
はまっています。塩川にお聞きなさいがツボでした。次に無芸さんの「諏訪宝性のカブ(仮)」は芝居噺と旅噺の一粒二度おいしい
噺に仕上がって重厚な読み応えを得ました。さすがに芝居に長けてらっしゃるので八重垣姫のくだりは
圧巻です。
465主催者:02/11/01 01:44
ヤコさん「仲買い弥市繁盛記」はドジャースのプレーオフを背景に加賀屋の株上げを画策する一本筋が通った噺で
久しぶりの作品ながらパロディは健在で、サゲも落語好きならではだと感じました。そして、順序が逆になりまして申し訳ありません、トーシローさんの
「ふくの神(仮)」現代版人情咄とでもいうか、現代世相を反映したいいお噺だと思います。サラリーマンのリストラ、奮起、
何か元気が出てくる作品です。そして二作目「天麩羅屋密談(仮)」は軽い感じでお書きになっていて
お題に沿うように噺が進んでいくのが良くわかりました。プレーオフの使い道がラフすぎて笑えました。半弗さんの「衣川の戦い(仮)」はどなたかも書いて
おられましたが、猫の忠信風のサゲと義経・弁慶の衣川の戦いの逸話で趣向が凝らしてあるなぁと感じました。
466主催者:02/11/01 01:53
落語家さんが読んでくださっているという話題が出ていたようですが、とても嬉しい限りです。このスレッドを去年立てたときからの目標でしたので
喜びもひとしおです。ここに書かれている作品で著作権があるものは確か半弗さんが「三人家斉」を改定して公募したとの
事でしたので、それ以外はお使いになって差し支えないと思います。作家の方は「これは勝手にやらないで」という作品があれば(今後どこかに応募するとか)申し出てください。それ以外は著作権フリーとさせていただきます。
お使いになる噺家さんは51さんがおっしゃっていたと思いますが、ご自分のサイトで発表なさった方が誤解を招かないと思います。ここに書かれてもおそらく信じられないですし。
いつかここの作品が高座で上演されるのを楽しみにしております。
一周年になりました。本当に皆様ありがとうございます。作者・読者の皆様のおかげです。御礼申し上げます。
これからもよろしくお願いいたします。
467主催者:02/11/01 01:57
パソコンに触れないのがこれほどつらいとは思いませんでした。皆さんの作品は全て目を通しております。今回は多くの皆さんに作品を書いていただいたので
メモに整理しながら携帯で打っております。見づらいかもしれません、すいません。

弟24回御題取りです。例により一レス一単語でお願いします。たくさんの御題待っています。
468重要無名文化財:02/11/01 07:10
雪見だいふく
469新参亭トーシロウ:02/11/01 13:10
うわーっこれ携帯で打ったんですか!!
お疲れ様です…
あんまり無理されませぬよう。つらいときは誰かに代行指名するとかでも。
470重要無名文化財:02/11/01 13:23
作業服
471重要無名文化財:02/11/01 13:24
ゴジラ
472重要無名文化財:02/11/01 20:27
香辛料
473重要無名文化財:02/11/01 20:47
活躍
474重要無名文化財:02/11/01 20:53
ヨーグルト
475重要無名文化財:02/11/01 22:45
みのもんた
476重要無名文化財:02/11/01 22:49
お稲荷さん
477重要無名文化財:02/11/01 23:48
座布団
478重要無名文化財:02/11/02 01:39
二年目
479重要無名文化財:02/11/02 02:15
インディゴ染め
480重要無名文化財:02/11/02 10:33
がまの油
481重要無名文化財:02/11/03 01:08
ぬいぐるみ
482主催者:02/11/04 02:36
それでは第24回御題の発表です。
「ゴジラ」「香辛料」「二年目」の三題です。
二年目に突入という事で、「二年目」も入れておきました。ゴジラはさすがに野球ネタで来るのでしょうか(W また違った角度で来るのか楽しみです。
たくさんの作品お待ちしております。
483重要無名文化財:02/11/05 23:20
こりゃまたむつかしい
484重要無名文化財:02/11/06 00:07
「ゴジラ」「香辛料」「二年目」

いー「はいはいはい、どうしました?」
ある「あ、これは名探偵ゴジラさん。うちの豆腐が盗まれました。」(パチパチ)
いー「これで55回目ですな。」
ある「うまく合わせましたね。」
いー「しかし良く盗まれますな。豆腐屋を開業なさったらどうですか?」
ある「盗まれたといってるんです。」
いー「死亡推定時刻は?」
ある「盗まれたといってるんです。」
いー「何、死亡推定時刻まで盗んでいきましたか。」
ある「すいません、戻ってきてください。」
いー「おや、この香辛料は何だ?」(パチパチ)
ある「犯人が残していったものですね。」
いー「香辛料なのですか?」
ある「舐めてたじゃないですか。」
いー「あー違ってました。香辛料だと思っていましたがこれは米です。」
ある「何をして香辛料だと思ったんですか?」
485重要無名文化財:02/11/06 00:07
いー「写真をとったんです、犯人は。昔の写真は焼き付ける際に米を炊いたんです。」
ある「マグネシウムでしょ、それは。」
いー「同じようなもんでしょう。」
ある「名前からして違いますが。」
いー「マグネシウム丼とか食べた事あるでしょう?」
ある「あなたのおっしゃることを鵜呑みにすると、マグネシウム丼は
ただの白米ですよ。」
いー「学食にありましたよ。」
ある「白米炊いたのはどこでもあるでしょう、そりゃ。」
いー「今年で二年目ですよ」(パチパチ)
ある「うどんか蕎麦がメインの学食なんですね。」
いー「うちの学食、麺はないんですよ。」
ある「推理はどうなりました?」
いー「おいてきぼりですか?」
ある「推理はどうなりましたか?」
いー「とげましたよ。」
ある「米に気が入ってますね」
いー「豆腐が盗まれた時点であなたの自作自演ですよ。」
ある「何でまた?」
いー「豆腐狂言。」

どんどん
486新参亭トーシロウ:02/11/06 20:28
あー一番乗りとられたー今回のお題、早いもん勝ちになるおそれが…
名探偵ゴジラさんの反則スレスレ加減にウケてしまったんですが!

(告白)豆腐狂言を知らなかったため検索に頼ってしまいました。
487sana亭omi:02/11/06 21:40
>新参亭トーシロウさん、
>豆腐狂言を知らなかったため検索に頼ってしまいました。

そのマメさがダイズだと思います。
488重要無名文化財:02/11/06 22:35
sana亭omiさん、洒落はいいから書いてくださいよ(w
けっこうあなたの作品、好きなんですから。「左官第三組合」とか。
489新参亭トーシロウ:02/11/07 19:17
sana亭omiさんつっこまれてニガリきってます。
490sana亭omi:02/11/07 22:08
・・・age


>488さん、ありがとう、がんばります。
491前スレ亭ごじゅういち:02/11/08 22:09
「ゴジラ」「香辛料」「二年目」
えー、いっぱいのお運びで、ありがたく御礼申し上げます。お席亭からのプレッシャーも微妙に
感じつつですな、相変わりません、野球のお噂でお付き合い願います。しかしまぁ、日本シリーズが
こないにあっさり終わってしまうとは、ビックリしましたなぁ。4タテやて。あれでもパリーグでは
90勝してきたチームでっせ。それがあんなに実力差を見せつけられたら、負けた当のチームも
もちろんのこと、パリーグのほかのチームも複雑でっしゃろな。わしらのペナントレースは一体
何やったんやろ、と。そんなわけでございまして、今日のお噺はいつものあのチームやのうて、
パリーグのとあるチームのシーズンオフについてのお噂でございます。
492ごじゅういち:02/11/08 22:11
部下「オーナー、失礼致します」
元オーナー「あぁ、君か。入りたまえ。いきなりで悪いがな、わしはもうオーナーはやめたんじゃ」
部下「は、そうでした。とは言いましても、我々にとっては今でもオーナーはオーナーやと
   思っております」
元オ「いや、それは嬉しいセリフなんやが…」
部下「なんでしたらこれから先、『終身名誉オーナー』と呼ばせて頂いてもよろしいでしょうか?」
元オ「やめてくれ! そういう人事の話でも我が社は世間から叩かれたのを忘れたんか」
部下「そ、そうでしたな、えらいすんません」
元オ「まったく、懲りてないな、我が社の連中は…で、今日は一体どういう用件じゃな?」
部下「はい。我がチームの来シーズンに向けての強化策につきまして、もうオーナーでもなんでもない
   人なんか放っといてもえぇか、とも思いましたが、一応ご相談にあがりました」
元オ「君なぁ、さっきと言うとることが全然違うやないか」
部下「申し訳ございません。では、せめて私だけでも今まで通りオーナーと呼ばせていただきます」
元オ「もうえぇわかった。で、チームのほうじゃが、どうなっとる?」
部下「はい。とりあえず本場メジャーリーグから監督を招聘することに成功しました」
元オ「それやがな。彼には期待してるで。なんせ本場メジャーやからな。来年は早速…」
部下「いや、オーナー。正直なところ今のうちの戦力では一年ではなかなか変われません。2004年、
   チームの札幌移転の年には監督も就任二年目でやっと軌道に乗るぐらいかと」(パチパチパチ)
493ごじゅういち:02/11/08 22:12
元オ「まぁ、そんなもんかも知れんな。そのためにはやっぱりその戦力じゃな。今のパリーグで
   野球をする限り、やっぱり打たんと勝てやせんぞ」
部下「そうですなぁ。このところ2年続けて、外国人選手がホームランを55本打ったチームが
   優勝してますからなぁ」
元オ「それじゃ! まずはやっぱり優良助っ人を探すことじゃ」
部下「そのことでしたら、それこそ監督に任せといたら大丈夫でしょう」
元オ「ほんまじゃな。これは好都合じゃ。えぇ外国人いっぱい欲しいなぁ。ぶっちゃけた話、
   1番から9番まで全部外国人にしたいぐらいやで。あぁ、外国人枠さえなかったらなぁ…」
部下「どうでしょう。ここは、外国産の選手を国産選手と偽装して試合に出させるというのは」
元オ「……君なぁ、もうその話はやめようや」
部下「あきまへんか、背番号も上から貼り直して…」
元オ「くどい! 君は懲りるということを知らんのか」
部下「す、すんません。とにかく、助っ人のことは監督に任せときましょ」
元オ「それでもなぁ、まだまだ打力が足りんな。『ビッグバン打線』てなことを言われて
   もてはやされたのは何年前じゃ? あの頃に比べたらだいぶ戦力は落ちたじゃろ」
部下「そうですなぁ。そのためにはまずドラフト会議が大事ですな」
元オ「とはいえ、有力選手はみんな逆指名で強いチームへ行くシステムができてしもてるからなぁ」
部下「そこはオーナー、高卒ルーキーのスカウトにがんばらせます。来年メジャーへ行くあのゴジラも
   高卒でした」(パチパチパチ)
494ごじゅういち:02/11/08 22:13
元オ「おぉ、その意気じゃ。大学や社会人出身ばかりが人材とは限らんからな。第二のゴジラを
   我がチームから出そうやないか」
部下「ところでオーナー、さっきもおっしゃった『ビッグバン打線』ですが、そろそろ呼び方を
   新しいのに変えたほうがよろしいかと」
元オ「そうやなぁ。マシンガンがピストル程度になった、とか言われてたのも他人事やないさかい、
   なんとかしたほうがえぇかも知れんな。何かふさわしい名前はあるのか?」
部下「『怪獣打線』というのはどうでしょう?」
元オ「今さらゴジラを獲る金はないぞ、うちには」
部下「わかってます。さっきも言いましたようにスカウトにがんばらせて有望な新人を獲得したら、
   そいつらに怪獣のニックネームを付けるんでございます。やっぱり怪獣というやつは
   今でも世間への影響力があるんやないかと思うんですが」
元オ「なるほどなぁ。ラドンやらビオランテやらが並ぶと楽しいかも知れんな」
部下「モスラなんてのが登場したら、あの歌もまた使えますしな」
元オ「けどなぁ、ヘドラあたりになると選手の方が嫌がらんか? はたして9人用意できるかな」
部下「そんなら、ガメラも使いましょか」
元オ「ん? 映画会社の壁を飛び越えよったな。それでもまだ足りるかな」
部下「ええい、この際プルガサリも入れて」
元オ「そ、それは…今のご時世やめといたほうがえぇぞ」
部下「あきまへんか? ホームラン打ったら『マンセー!』と」
元オ「…君、まじめに考える気ぃないやろ」
495ごじゅういち:02/11/08 22:14
本社の社員「失礼します。我が社の新製品が完成しました。ご試食をお願いします」
元オ「おぉ、食べさせてもらいましょ。えぇ所へ来てくれたな。こいつと話をしてると
   だんだんムカついてきてたとこじゃ。で、どんなのができたな?」
社員「9種類の香辛料をブレンドした『スパイシーチキンバー』でございます」(パチパチパチ)
元オ「なるほどな…それで今回はうちのチームというわけか。フン、苦肉の策じゃな」
社員「いえ、これは鶏肉でございます」
元オ「こんなとこまでいちいち返事をせんでもよろしい! うん、なかなか結構な味じゃわい。
   何種類ブレンドしたとな?」
社員「9種類でございます」
元オ「それじゃ! 新しい打線の名前は決まった。『スパイシー打線』や!」
部下「『スパイシー打線』でございますか?」
元オ「そうじゃ、1番から9番まで大技小技を駆使する選手が揃うて、それが繋がったときには
   絶妙の味を醸し出す。どうじゃ、我がチームにぴったりじゃろ」
部下「さすがオーナー、妙案ですなぁ。この新製品ともタイアップして早速売り出しましょう」

とまぁ、どこが妙案なんかようわからんのでございますが、話のほうはまとまったものの
いざ売り出すというてもまだ秋季キャンプしかやってないこの時期でございますからな、
世間ではなかなか話題にもなりません。かろうじてスポーツ新聞の隅のほうに記事が載ったぐらいで。
ところがこの元オーナー、大張り切りで、部下をお供に直々にキャンプの視察にまで訪れようという
力の入れようで…。
496ごじゅういち:02/11/08 22:15
元オ「どうかね、『スパイシー打線』はその後調子ようやっとるかね」
部下「それが、どうも…」
元オ「どうしたんじゃ?」
部下「まぁ、見て頂くほうが早いかと。バッティング練習はこちらでございます」
元オ「うん。おぉ、皆がんばっとるのう」
部下「オーナー、よくご覧下さい。何やらおかしいとは思われませんか?」
元オ「君、これはバッティング練習じゃったな? 誰一人として打つ練習どころかバットさえ
   振ってないようじゃが」
部下「そうなんでございます。今年は冷え込むのが例年より早いせいでしょうか、寒ぅて凍えて
   固まってしもて、バットを振る元気も出ん、てな始末でございまして」
元オ「そんな情けないことでどうするのじゃ。早いとこ元気出してもらわんと困るがな」
部下「私もそう思いまして、今日は本社のほうから差し入れを持ってきたんでございます。
   もうおわかりですな。『スパイシーチキンバー』でございます」
元オ「おぉよしよし、君もなかなか気がまわるやないか。どんどん食べてもろたらえぇ。
   なんせ『スパイシー打線』やさかいな」
部下「あ、コーチの方。どうぞ、これを皆さんで…」
元オ「ちょっと待った! それが新製品の『スパイシーチキンバー』か?」
部下「そうでございますが?」
元オ「しもた、先に実物見てたらこんなことにはならなんだのになぁ。これでは選手が凍えて
   固まるのも無理ないわい。冷凍食品や」

ドンドン
497sana亭omi:02/11/08 22:44
>ごじゅういちさん、
おはこのスポーツネタ、お見事でした。
期待を裏切りませんね。
カネゴンなら400勝できるかもしれません。

ところで、
ゴジラにはメジャーにいっても
コショウにだけは気をつけて活躍してほしいものです。
そうすれば、二年目には
契約更新料も含めて年棒倍額もあるかもしれません。
498重要無芸文化財:02/11/09 09:35
神様:汝ら
役者:ん・・・・ん、何やて。
神様:汝ら
役者:何時らって、まだ5時ら。夜も明けてへんのに何やいな。<パチパチ>
神様:時間を聞いておるのではない。
役者:そやかて、何時らて
神様:汝らと言うのは、神がお前たちへの呼びかけに使う言い回しじゃ。
役者:さいでっか。
神様:わかったか。
役者:へえ。・・・・・え、ほな、あんさん、神さんでっか?
神様:いかにもそうじゃ。
役者:そら、知らんこととは言え、失礼を。そやけど、神様や言うことは、私の願いが。
神様:いかにも、聞いてとらすぞ。
役者:へー、そら嬉しいな。
   いや、こうして役者やってますんで、楽屋のお稲荷さんはじめ、
   芸事の神様、いろんな神様には、ちゃんとお参りさせてもうとります。
神様:うむ。汝の常より信心が篤き故にじゃ、こうして芝居の神が姿を現したのじゃ。
役者:ははぁ。芝居の神様でっか。そら、有り難いこって。
499重要無芸文化財:02/11/09 09:36
神様:ただ、ワシは芝居の神様でも下っ端の方でな、駄劇の神様じゃ。
役者:ダゲキて?
神様:駄洒落とか駄菓子とか言うじゃろ。あの「駄」でな。
   あんまり上等でない芝居が専門じゃ。
役者:大丈夫でっかいな。
神様:芝居は当たってなんぼじゃ、当てることは得意じゃ。
役者:はあ。
神様:安心せい。どんな早い芝居も止まって見える。
   さて、星君。
役者:星君・・・・て、わたいはそんな名前やおまへんのですけど。
神様:役者でも芸人でも人気者は西洋では星と言われるのじゃ。今日から星君じゃ。
役者:左様でっか。神様が言わはんのやったら、星でも月でもよろしおまっけど。
神様:で、汝の願いとは。
役者:はぁ。神様やったら、ご存知だっしゃろけど、私も、上方ではちょっとは知られた役者で。
   それで江戸でも大当たりを取ったとなると、看板がもひとつ大きゅうなる。
   それで、まあ江戸にやって来たわけです。
神様:確か、江戸に来て1年になるのぅ。
役者:まあ、1年目はこっちの様子も流行りもわからんので、しよーもおまへん。
   けど、2年目になったことですんで、ここらでひとつ評判を取らなと思うもんの、<パチパチ>
   なかなか、ええ役がつきまへん。
500重要無芸文化財:02/11/09 09:37
神様:汝くらいのものじゃのう。
役者:へ、何がですか?
神様:皆、ヤクを落としてくれと神に願うのに、ヤクを願うとは。
役者:そのヤクとちゃいまんがな。まあ、しょうもない役でも、工夫のしようはおます。
   それで役の値打ちが上がったならば、役者冥利。
   けど、ここんとこ、その余地もないような役ばっかりでおまして。
神様:今月は、どんな芝居に出るのじゃ。
役者:へえ千本桜の鮨屋で、鮨屋の客をします。
神様:ほお。鮨屋か。いい芝居じゃ。だが、客なんて出ておったかな。
役者:それが、私のために、鮨屋の初っぱなに1場面を付け加えて貰いまして。
神様:汝のために一場、加えるとは、良い待遇ではないか。
役者:それが、幕が開くと、店先で、私が娘のお里から、鮨を買うてるんです。
   「代はいかほどじゃ」「はい300万両」で、私がこける・・・
神様:それで。
役者:そんだけです。で私がよろけながら引き込むと、お里が桶を片づけて芝居が始まる。
501重要無芸文化財:02/11/09 09:38
神様:星君。
役者:へぇ。
神様:ワキを閉めて、内からえぐりこむようにコケルべし。
役者:はあ。
神様:こけるべし。こけるべし。
役者:ちょっと違うような・・・・
神様:神様の言うことに逆らうでない。
役者:逆らいはしまへんけど、やっぱり、私の芝居が、江戸の客には合わんのでっしゃろか。
神様:座元は、どのように申しておるか。
役者:まったりしていい味が出せるけど、もひとつ、ぴりっとしたとこがないと。
神様:料理で言うなら、香辛料不足というとこじゃな。<パチパチ>
役者:左様です。
神様:高麗屋の芝居を参考にしたらどうじゃな。
役者:何で。
神様:松本香辛料と言うでな。
役者:あんさん。ホンマに神様でっか?
神様:疑うでない。
役者:へえ。信じますよってに、何とか、当たるようにしておくんなはれ。
神様:そうしてやりたいのじゃが、多勢に無勢じゃなぁ。
役者:多勢て、こっちに神様がついてても、どんなりまへんか。
神様:相手が悪い。お客様は神様です。

<どんどん>
502sana亭omi:02/11/09 21:40
>星君
>ワキを閉めて、内からえぐりこむようにコケルべし。
>こけるべし。こけるべし。

とても楽しく感じました。
だから、イッキに読み終えました。

役者は表情が大切、
それならば、顔の筋肉を鍛えるための
大俳優養成ギプスとはどんな物なんでしょうか?
503重要無名文化財:02/11/12 12:57
皆さん、おもしろいですねー。それぞれ味があって。
また読ませてもらいまーす。
504ごじゅういち:02/11/14 01:26
感想レスありがとうございます。
今回はお題が難しくて出来としては実は不満足な部類でした。

>無芸さん
無芸さんというと、元ネタがしっかりした噺というイメージがあるんですが、
こんな軽いのもすごくいいですね。
駄劇の神様ってのはやっぱり「舞台が止まって見えた」とか言うんでしょうか?

>>497のomiさん
才能を感想のほうに費やしてません?w
カネゴン…作ってるときに思いついたら絶対入れてたなぁ。なんか悔しい。
ただ、一つ気がかりなのは、後半で書いてるようなのって、
お題の使い方の一つなわけで、今後、その使い方を封じてしまう作用も
あるでしょ。それならいっそ、例え小噺でも作品という形にしたほうが
いいんじゃないでしょうか?
505sana亭omi:02/11/14 16:44
>ごじゅういちさん、
>・・・なんか悔しい

僕も、拙いながら作品の投稿経験者ですから
ゼロから作られた作品と僕の寄生虫的なクスグリ(?)書き込みとは
才能・労力、その他の点で雲泥の差があり、
とうてい比較できないことは十分承知しています。
だから、
やっかみ半分で本当に悔しいのは僕の方なのですが、
ついつい
「ホシ君もいつかはハナガタ役者になるでしょう」と
足掻いてしまいます。こういう存在も許していただけませんか?

>・・・後半で書いているようなのって、・・・

全く言われる通りです。以後慎みます。
506新参亭トーシロウ:02/11/16 18:36
「二年目」「ゴジラ」「香辛料」

ゴ「やあやあこんちは。誰かいるかね」
ガ「あ!こりゃ東宝の、お久しぶりでんなあ」
ゴ「これは大映の。元気にしておったかね」
ガ「おかげさんで元気にやっております。ゴジラはんほど出番は多いこと
 ないんですが」(パチパチ)
ゴ「ガメラさんは毎回ずいぶん痛そうな戦い方だからなあ、出番が多いと
 大変だろう」
ガ「ほんまですわ。まったくこないだもギャオスのアホが手加減せんと
 なんや手ぇ飛ばされたり散々で。まあしゃあないんですけど」
ゴ「我々の宿命だからな」
ガ「ホンマですな。それにしてもゴジラはんは体型戻られましたなあ。
 一時期エラい痩せてはったですやろ」
ゴ「儂はお前さんとは違って空を飛べんのでな、アメリカまでいくと
 いうので泳いでいったら痩せてしまった」
ガ「誰かぁ思いましたわホンマ」
ゴ「どうやら儂には日本の食べ物の方が合っているようだよ」
ガ「そら誰かて生まれ育った処が一番エエですわ。しかしあてらいろんな
 怪獣と戦ってきましたけど『ゴジラ対ガメラ』ゆうのはやってまへんなあ」
ゴ「『ゴジラ対メガロ』というのはあったかな」
ガ「名前だけやったら『ガメラ対ジグラ』ゆうのもありますけどな」
507新参亭トーシロウ:02/11/16 18:36
ゴ「そこはやはりお家の事情が邪魔をするのだな」
ガ「ああ、ゴジラ様、ゴジラ様、なぜゴジラ様でいらっしゃいますの、
 あなたは。あなたのお父様をお父様でないといい、あなたの製作所名を
 お捨てになって。それとも、それがおいやなら、せめて私と戦うと、
 誓言していただきたいの〜ちゅうよなもんですな」
ゴ「それなら私は宣言します、見渡す限り、東京タワーを白銀色に染めている
 あの美しいモスラにかけて、というのはどうだ」
ガ「ええですな。ほな、ああ、いけませんわ。モスラにかけて誓ったり
 なんぞ。二年目に出てきたレインボーモスラのように、色さえはっきり
 しない、あの不実な怪獣、あんな風に、あなたの愛まで変わっては大事だわ。
 としてみましょ」(パチパチ)
ゴ「うまいねどうも」
ガ「しかしシェークスピアを諳んじてる怪獣ちゅうのはどないなもんですねん」
ゴ「今日び怪獣だって知性は大事だよ」
ガ「ほー、さいですか。さすがアメリカ帰りですな」
ゴ「茶化すもんじゃない。」
ガ「へえへえ。ああそういえば息子さんどないしはったんですか」
ゴ「いや、それがどこでどうしているのやら儂にもさっぱりでな。当時は
 忙しくてあいつに構ってやる暇がなかったのも悪いんだが」
ガ「そうでっか、まあ便りがないのは良い便りともいいますからな」
ゴ「そう言ってくれるか」
ガ「しかしあれですな、いろいろ相続せんならん資産もありますやろ」
ゴ「資産など多くても仕方ないのだけどな」
ガ「持ってるだけでも更新料やらバカになりませんしなあ…どうでっしゃろ、
 息子さんに多すぎる資産を自由に使ってエエでと持ちかけて呼び戻す
 いうんは」(パチパチ)
ゴ「そんなもので戻ってくるとは思えないな」
ガ「そうでっか?」
ゴ「懐柔策は通じないだろう」(ドンドン)
508新参亭トーシロウ:02/11/16 18:38
ガメラって喋ったら関西弁だと思うんですよね。
509湖亭半弗:02/11/18 23:56
二年目突入という事で、ちょっと遊んでみたいと思います。
派手に陽気ににぎやかにやります。
「二年目」「ゴジラ」「香辛料」ですね。

 えー、落語というもんは数がございますが、訳の分かったような
分からん奴が出てくるもんでございまして、
喜六「清やん、いてるか。」
清八「おぅ、お前かぃな。何じゃいな、はようから。」
喜六「何や清やんとこに、うまいもんが仰山あるちゅうことをな、
そこのみかん屋に聞いたんや。」
清八「何じゃ、お前もかい。」
喜六「へぇ、お前もかいちゅうとこ見ると、他にも来たか?」
清八「そうやがな、誰が噂流してるや知らんけどな、ぎょうさん来るねや。
わしゃ道具屋に聞いたとか、雨乞い源兵衛に聞いたとか、算段の平兵衛に
聞いたとか、そこの口入屋に聞いたとか、鉄砲勇助に聞いたとか、
もうわやになってるねん。」
喜六「ふぅーん、ほな、そら嘘かぃな。」
清八「・・・実は言うとな、あながち嘘でもないねん。」
喜六「ほ、ほたら何かぃな、うまいもんがあるのんかぃな。」






510湖亭半弗:02/11/18 23:56
清八「うまいもんかは分からんが、こないだ横丁で江戸荒物屋の
宿替えがあったやろ。そのときに、あのおやっさん、集めてた珍味やら
珍品やら皆わしにくれよってん。いっぺんふぐ鍋ご馳走した事
あるさかいに、その礼やぁもっていき、ちゅうてな。はてなの茶碗てなけったいな
もんもあるし、牛の丸薬やとか、馬の尾、これは釣りで使えるな。黄金の大黒・・・、これは偽もんやけどな。」
喜六「ほ、ほな、何ぞくわしてぇな。」
清八「ほな、これ食え。」
喜六「何やこれ、この草?香辛料か?」(パチパチパチ)
清八「蛇含草ちゅうねや。蛇が人飲んだときに飲むといっぺんに溶けて
しまう草やな。」
喜六「えぇわぁ、そんなん。もっと腹にたまるもんがえぇわ。」
清八「そない言うてもなぁ、いもりの黒焼きとか酒の粕やとか焼き塩、鍋墨大根・・・、
おぉ、これは珍しいらくだの肉てなもんがあるで。あぁ、お前田楽食いや
さかいな、これ食い。馬の田楽。」
喜六「もぉえぇ、もぉえぇ。そんな気色の悪いもんが食えるかぃな。
またおじさんとこへでも行てよばれるわ。」
清八「おまえのおじさんとこ、京都やろ。」
511湖亭半弗:02/11/18 23:57
喜六「せや。京の茶漬けはうまいでぇ。」
清八「嘘言え、お前。あれは出てけぇへんもんや。しかし、あのおじさんも
達者やなぁ。あれ、いつやったかな、小さい時分やで。初天神の時に
おじさんにお前、わし一文笛買うてもろぉてな。」
喜六「へぇ、そんな事もあったんやな。いや、こないだも行てきたらな、
昼間から一人酒盛や。どないしたんやちゅうたら、娘の婿の貰い手が
いまだ見つからんちゅうてな。」
清八「ゴジラみたいな顔してるからな、あれは。」(パチパチパチ)
喜六「あれ、何ちゅうのん、持参金ちゅうのんか、あれをつけても
貰い手がないねやて。」
清八「ほな、もうおじさんの跡継ぐ弟子に嫁がすしかないわな。おじさん
植木屋やろ。」
喜六「せや。あそこの植木屋娘、弟子に嫁入りさせたらえぇねん。せやけど
嫁がすちゅうたら「やめます」とこない言うらしい。」
512湖亭半弗:02/11/18 23:57
清八「難儀やな、それは。今のご時世、ろくろ首でも延陽伯でも嫁げるねやで。
どうにかならんもんかなぁ、世話になってるだけに。」
喜六「いっそふたなりやったらえぇのに。」
清八「めったなこと言うもんやないぞ、こら。とにかくおじさんとこ行て
みようやないか。」
ポイッと表へ出ます。
喜六「清やん、俥で行かんのかぃ?」
清八「あかんあかん。ここら、いらち俥やとかな、お稲荷乗せた稲荷俥やとか、
けったいなん多いさかいな。ぼちぼち行たらえぇねん。」
喜六「せやけど、わしら行ってもあのお玉の顔は変わらんで。」
清八「皆寄って考えたら、なんぞえぇ知恵も浮かぶやろ。」
513湖亭半弗:02/11/18 23:58
犬「わん!」
清八「あぁ、びっくりした!鴻池の犬やがな、でかい図体してくさる。びっくりさすな、
目ぇくりぬいてまうど。」
喜六「犬の目より、鼻ほしい。」
清八「アホな事言うてるな。さぁ、えぇかげんやめにせんと、わざとらしぃ
なるさかいな。」
喜六「何がや?」
清八「えぇねん、気にせぇでも。ここやな、ごめん!おじさん!おじさん
いてないのんかな。」
喜六「せやけど留守番のお玉はんが・・・、まだ寝床にいてるで。」
清八「ほんまや、寝てるがな。・・・ごっついなぁ!このカラ(体)みてみぃ。
まるで牛やな。」
客「お玉牛!」
清八「あんたが言いなはんな(笑)こら、お玉はん、起きんかいな!」
お玉「あぁあ!!」
清八「わ、びっくりした、大きな声や。肝つぶしの声やな。ほんに
ゴジラや。お玉はん、あんたずぅっと寝てばっかりで、食うちゃ寝して、
嫁の貰い手がますます来んようになるで。もっと、嫁に行きたいと
いう一念でかからな。」
お玉「そらわたしかて、一念(一年)なんて思ってみても早二年目。(パチパチパチ)
残念(三年)ながらこの体では、相手に死ね(四年)と言われる有様。
ごねんなさい(五年)と言うしかなくて、無念(六年)な日々を過ごししに、
長年(七年)こんな思いをば、するならいっそもうやめん(八年)して
苦年を重年(九年・十年)するのはやめて、楽年(百年)過ごすに専念(千年)したい。」
清八「はぁ、それで今日もまた、万年床か。」

どんどん
514湖亭半弗:02/11/18 23:59
たまにはこんなんで堪忍してください。
さて、いくつの演題があるか、お暇な方は数えてみてください(w
515重要無名文化財:02/11/19 02:39
ある意味異色作。
ハンドルさん、やっぱすげぇわ。
516重要無名文化財:02/11/19 20:22
>喜六「犬の目より、鼻ほしい。」
もちろん「鼻ほしい」も計算ずくなんでしょうね。すごい。
517sana亭omi:02/11/19 23:20
ほんとにすごい。
特に最後のくだりは、リズム感もあるし
百年・千年を経過して
万年までいくとは思いませんでした。

お玉さんばかりは責められません。
結局、娘は父親にニマンネン。
子どもは親の真似をシマンネン。
なんで親の意をクマンネン、だからお前は縁がトオマンネン
・・・
半弗さんみたいに上手くまとまらないから
もう、やめてオクネン。
518重要無名文化財:02/11/19 23:40
みかん屋/道具屋/雨乞い源兵衛/算段の平兵衛/口入屋
鉄砲勇助/江戸荒物/宿替え/ふぐ鍋/はてなの茶碗/牛の丸薬/馬の尾
黄金の大黒/蛇含草/らくだ/田楽食い/馬の田楽/京の茶漬/初天神
一文笛/一人酒盛/持参金/植木屋娘/ろくろ首/延陽伯/ふたなり
いらち俥/稲荷俥/鴻池の犬/犬の目/鼻ほしい/寝床/お玉牛/肝つぶし

ざっと確認できたのは、34演題。
519重要無名文化財:02/11/21 21:26
半弗さんはずっと常連で、ハイレベルを維持していてすごいですね。
遊び心満載です。
520重要無名文化財:02/11/29 11:33
締めとして、柳ヤコ師の作品が見たい。
521新参亭トーシロウ:02/11/30 23:04
柳ヤコさんは最後のお茶ですか!?(笑)
522主催者:02/12/06 22:08
お待たせしました、主催者です。
年の瀬も押し迫って参りました。パソコンの方は何とかなりましたが
忙しさは何ともなりません。友人宅にて借りて打っています。
皆様にはご迷惑をお掛けします。来年こそスムーズに三題噺が書けるように
していきたいと思います。

まず>>484-485、匿名さんの「名探偵ゴジラ(仮)」は型破りな
展開で飽きさせません。片方が置いてきぼりを食ったときの繰り返す台詞の
面白さに気がつきました。マグネシウム丼という言葉の音に笑いました。

次に、ごじゅういちさんの>>491-496「スパイシー打線(仮)」は
私の狙い通り野球ネタで来てくださいまして、パリーグの某球団の
切実な球団事情を踏まえて、スパイシー打線という新体制の悲喜劇を
描いてあります。まさにモデルの球団にぴったりのネーミングで
楽しめました。

523主催者:02/12/06 22:18
>>498-501、無芸さんの「多勢は無勢(仮)」は芝居噺の名手、無芸さん
らしらが見え隠れする、芝居の神様と役者の掛け合い噺ですね。
鮨屋の一場面は新喜劇的でくすぐりとしても上質ですし、この駄劇の
神様は「打撃=ゴジラ松井=巨人の星」つながりでいいんですよね。
よく練られた作品です。

トーシローさんの>>506-507、「ゴジガメ(仮)」(すいません、この
タイトルしか思いつきませんでした。「こち亀」的な音にしたつもりです)
は、怪獣同士の世間話という異色の噺で楽しめました。シェークスピアの
くだりや、特撮好きにはたまらないであろう怪獣映画のネタ等楽しみどころが
満載の噺です。

半弗さんの>>509-513「万年床〜落語国演題遊戯〜」(これもタイソウな
タイトルですね)は、上方落語の演題を中心に構成されるという新たな
趣向で恐れ入ります。サゲも「掛取り」「一目上がり」を髣髴とさせる
見立て落ちで秀逸です。落語国の住人がつながっている設定は三題噺
ならではです。

年内には第二十五回を終えて、感想回、総集編といきたいですね。
それでは第二十五回御題取りを行います。
例によって一レス一単語でお願いいたします。
たくさんのご参加お待ちしています。
524重要無名文化財:02/12/06 23:47
牛タンゲーム
525重要無名文化財:02/12/07 02:22
年賀状
526重要無名文化財:02/12/07 03:31
道路公団
527重要無名文化財:02/12/07 04:03
サンタ
528重要無名文化財:02/12/07 04:05
紅白
529重要無名文化財:02/12/07 08:47
パーティ
530重要無名文化財:02/12/07 13:07
アセロラ
531重要無名文化財:02/12/07 23:09
封筒
532重要無名文化財:02/12/08 15:11
半鐘
533重要無名文化財:02/12/08 19:26
冬眠
534主催者:02/12/09 23:12
たくさんの参加、ありがとうございます。
それでは、第二十五回御題発表です。

「道路公団」「サンタ」「半鐘」

の三題です。

時事もの・季節もの・古典ものから選びました。
どのような展開の作品が出るか楽しみです。
それでは常連の方、新人の方問わず、作品をお待ちしています。
押し迫った年の瀬ですので、気楽に作品をおつくり下さいね。
535重要無名文化財:02/12/12 23:39
「道路公団」「サンタ」「半鐘」

あん「ピンポーン!」
どぅ「はーい。」
あん「どうもー、道路公団ですがー。」(パチパチパチ)
どぅ「悪質業者は帰ってください。」
あん「本物ですよ。」
どぅ「嘘でしょ。」
あん「かの有名な道路公団を知らないなんてモグリですよ。」
どぅ「あんたを知らないんですよ。」
あん「とにかく二束三文であがらせてもらいますよ。」
どぅ「たとえの意味が分からないんですが。」
あん「というわけで、あなたのうちには高速道路が通ります。」
どぅ「またまたぁ、作らない方向でいってるはずなのに。」
あん「あれは表向きです。」
どぅ「えらいこと言っちゃったよ、この人。」
あん「ともかく出てけ。」
どぅ「ともかくの部分を説明してくれなきゃ出て行きませんよ。」




536重要無名文化財:02/12/12 23:48
あん「年末には急ピッチで仕事をしなければならない規則なんですよ。」
どぅ「予算の都合でしょうが。」
あん「サンタがプレゼント届けるためですよ。」(パチパチパチ)
どぅ「ちょっといい話みたいなようですけど、夢壊すようなこと
言わないでください。だいたい、トナカイの高速料金が分からない。」
あん「トナカイだけに。そりは秘密です。」
どぅ「出てってください。」
あん「都知事が決めたことですから。」
どぅ「石原さんの名前出せばいいってもんじゃないですよ。」
537重要無名文化財:02/12/12 23:48
あん「あ、実はここには歴史的遺物が眠ってるんですよ。だから
出てけ。」
どぅ「そう来ましたか。歴史的遺物って何ですか。」
あん「古いものですよ。」
どぅ「新しい遺物なんてないですから。」
あん「あー、そうね、そう、半鐘。」(パチパチパチ)
どぅ「適当に言ってませんか。」
あん「そんなことないですよ、ここは元はめ組がありました。」
どぅ「ここ、八王子なんですけど。」
あん「八王子のめ組ですね。」
どぅ「でまかせもたいがいにしてください。」
あん「本当ですよ、針金のハウジングで調べました。」
どぅ「総合住宅を針金で提供したのは確かにすごいですけどね。」
あん「ともかく半鐘があんだよ。」
どぅ「時々ガラが悪くなりますね。あ、でも、半鐘なら好都合ですよ。
高速道路の計画もオジャンになりますね。」
あん「いいえ、その前にあなたのうちが火事になります。」
どぅ「えらい事言いますね。国家の一機関が脅していいんですか。
国が市民の屋敷に火をつけるんですか。」
あん「だって、国の予算も火の車ですから。」

どんどん
538重要無名文化財:02/12/14 19:53
シュールな匿名さんはこのところ前座をかってくれてますな
539新参亭トーシロウ:02/12/15 00:00
なんでこんな速く書けますか?

今回は理不尽テイストを抑えめに、くすぐりの面白さで来ましたねー。
「そり」で笑ってしまったんですが修行が足りませんか?<何のだ

あ、あと、
「おじゃんになる」を正面からもってくる思いっきりの良さに敬服。
もう他の人使えませんよ(笑)
540親切な人:02/12/15 00:06

ヤフーオークションで、凄い人気商品、発見!!!

プランテック製の「 RX-2000V 」を改造済み
にした、アイティーエス製の「 RX-2000V 」↓
http://user.auctions.yahoo.co.jp/jp/user/neo_uuronntya

ヤフーオークション内では、現在、このオークション
の話題で、持ちきりです。

ヤフー ID の無い方は、下記のホームページから、
購入出来る様です↓
http://www.h5.dion.ne.jp/~gekitoku/#.2ch.net/
541前スレ亭ごじゅういち:02/12/15 22:28
「道路公団」「サンタ」「半鐘」

えー、お寒い中にもかかわらず、いっぱいのお運びで、ありがたく御礼申し上げます。
この季節になりますと、朝起きるのが辛いようなことがあったりしますな。そんな中でも
寒かろうが暑かろうが朝早うから起きてはる御商売がございます。てなことを申しますと我々の
ほうでは、奈良の豆腐屋さんの噺に入ったり、この季節ですと酒飲みの魚屋さんの大ネタに入ったり
するわけでございますが、私のところは現代のお噺でございまして、とある商店街の牛乳屋さん。
今日も今日とて朝から早起きして配達、晩ご飯を食べ終えた頃には一日の疲れが出たとみえまして
リビングルームでウトウトと居眠りをしてたところでございます。
542前スレ亭ごじゅういち:02/12/15 22:30
嫁「ちょっとあんた、起きとくなはれ。あんた、ちょっとあんた!」
牛乳屋「ん、うーん…。人が気持ちよう寝てんのに、何や?」
嫁「何ややあれへんしホンマに。早う行く用意せんと間に合わんやおまへんか」
牛「行く用意? どこへ何しに行くねんな」
嫁「もう忘れましたんかいな。町内の子供会のクリスマス会。昼間に自治会長さんがおいでて、
  言うてましたやろ。『今年のサンタの役は牛乳屋さんあんたの番でっさかい(パチパチパチ)
  忘れんようにあんじょう頼んますで』て」
牛「サンタ…あぁ、忘れてたわ。サンタなぁ。面倒くさいこっちゃなぁ…行かなあかんか?」
嫁「何を言うてますのん。クリスマス会にサンタが来やんようなことでどないしますの。
  町内の子供さんらがみんな楽しみにしてんのやし」
牛「わかったわかった、行く。行くがな。そないせかさんでも。で、サンタの衣装は?」
嫁「そこに出てますやろ」
牛「出てますやろ、て……この前聴いた落語でもこんな場面があったような…」
嫁「何をわけのわからんことを言うてますの? それ着て早よ行といなはれ」
牛「これをオレが着ないかんの? かなわんなぁ。ほいほい、これでえぇのかな。
  で、子供らに渡すプレゼントは?」
嫁「それもちゃんとそこに出てます。商店街で一品ずつ出し合うた詰め合わせ。この袋に人数分全部
  入ってますよってに、あんたはそれをかついでったらそれでえぇの」
牛「これかいな。大きな袋やな。なるほど、確かにサンタクロースというたらこんな大きな袋を
  かついでるわ。よっこらしょっと。待て待て、えらい重たいやないかいな。何が入ってんねんな」
543前スレ亭ごじゅういち:02/12/15 22:31
嫁「まぁあんた、なかなか似合うやないの」
牛「今ごろになっておだてないな。あ、それはそうとそのクリスマス会て、ウチの達郎も
  行ってんのか?」
嫁「行きたがってましてんけどなぁ、まだあの子四つですやろ。クリスマス会が終わるのは8時半。
  まだちょっと心配ですがな。来年、幼稚園に上がってから行かすことにしましたん」
牛「そうかいな。ほたら達郎は?」
嫁「サンタさんに何が欲しいかお願いする言うて部屋にいてますの」
牛「かわいらしいとこあるやないか。あいつ、何が欲しいんやろな?」
嫁「そのことですねんけど…」
牛「どないしたんや。何か、高いもんなんか?」
嫁「いや……あんたが帰ってきてからにしときましょ。遅れたらあかんさかいもう行って」
牛「何やいな、もったいぶって。教えてぇな。この荷物メチャメチャ重たいんやさかい、
  じらさんと早う」
嫁「あんたな、なんでその荷物をかついでからこんな込み入った話を始めますの?
  帰ってきたら話はしますさかい、とりあえず行といなはれ」
牛「わかった、行くがな。どっこいしょのしょ、と」
544前スレ亭ごじゅういち:02/12/15 22:33
牛「うわぁ、外へ出たら寒いがな…と言いたいところやが、そうでもないな。ははぁん、
  このサンタの衣装のおかげやな。これはありがたい、サンタの衣装がこない温かいとはなぁ、
  これやったら毎朝仕事のときにも着たいぐらいやで。しかしまぁ、この衣装で子供らが集まってる
  ところへ入ってったら、さぞかし喜んでくれるんやろな。そのことを思たらまんざら悪い役でも
  ないわい。ほう、クリスマスソングが流れてるがな。うちの商店街でもこんなことしよるねんな。
  何やて?『クリスマスなんて大嫌い!!なんちゃって』てどないやねんな。これが今年流行りの
  クリスマスソングかいな。最近の曲はわけわからんなホンマに。
  てなこと言うてるうちに公民館に着いたはえぇが、真っ暗やがな。どないなってんねんな。
  誰もいてへんがな。クリスマス会と違うんかいな。あ、ポスターが貼ってある。どれどれ。
  『町内子供会のクリスマス会は12月20日開催です』
  うちの嫁はなんでこうなんやろな。一日間違えよったんや。明日やがな。アホかいな。
  またそれを疑いもなしに信じて出てくるオレもオレやな。あぁ、けったくそ悪い。嫁のヤツ
  帰ったらどんな目にあわそか、と言いたいとこやが、そんなんは一昔前のこっちゃ。
  今は携帯電話があるさかいな。ここらが古典と違うとこやで。ピポパポピ、と。あ、お前か」
嫁「あんたか、ごめんなぁ。私が悪いの。クリスマス会ホンマは明日やってん。誰もいてへんだやろ。
  せやわなぁ。ホンマにごめん。せやけど、せっかくあんたが出かけたんやないの。ついでに
  まだ貰てない先月の集金、回ってきてくれると助かるんよぉ。お願いできる? 頼むわぁ。
  えーと、公団アパートの今井さんと猪瀬さん。この2軒だけ。今井さんとこ、最近留守が多い
  みたいやさかい今日もいてはらへんかも知れへんけど、一応寄ってみて。帰ってきたら何か
  暖かいもん用意しとくさかい、ほなお願いね。あんた、愛してる」プツッ、ツーツーツー
545前スレ亭ごじゅういち:02/12/15 22:33
牛「何じゃそら。言いたい放題言うてるやないか。あわてんぼうのサンタクロースにされたあげく、
  集金の残りのパシリかいな。むかつくなぁ。だいたい、よう考えたらオレは携帯を持ってん
  ねんで。うちを出てから一日間違たことに気が付いてんねやったら、その時点で電話をして
  くれたらえぇんと違うか。古典と違うのはオレだけかと思てたら嫁の応対も違うがな。

ぶつくさ言いながらも根はえぇ人間とみえまして、牛乳屋のおやっさん、嫁はんに言われたままに
牛乳代の集金に向かいます。さっきの公民館から少し離れた所にございます公団アパートへと
やってまいりました。まずは今井さんのお宅に行ってみましたものの、さっき嫁はんが電話で
言うてた通り留守でございます。また悪態の二つ三つもつきながら次は猪瀬さんのお宅。
階段で5階までやっとのことで上がってまいりまして…

牛「どっこらしょ、と。何が悲してオレはサンタの格好したままこんなことしてんねやろ。
  さっぱりわやや。さてと、猪瀬さんのうちは…ここか。ピンポーン、牛乳屋でございます」

猪瀬「そらまたおいでたで。今度は誰やな」
猪瀬の妻「今度は…牛乳屋さんやわ」
猪「牛乳屋さんか、あの人は最近何に凝ってる?」
妻「うーん、そういえばこないだから、落語を聴くのが面白なったとか」
猪「落語か、そうか。そしたら、お花半七でいこか」

牛「猪瀬さーん。開けてもらえますやろか。お留守ですかぁ? ドンドン 牛乳屋でございます」
猪「誰だ、半坊か? 夜中にドンドン戸を叩くんじゃねぇ、待ってろ。どうせまた将棋か碁で
  しくじってきやがったんだろ、バカ。今おじさんは腰が痛ぇからばぁさん起こすからな。
  おい、ばぁさん起きな。小網町の半坊が来たぜ、開けてやってくれ。おい、ばぁさん!」
妻「はいはいおじいさん、そういうときはご先祖様が…」
猪「おいおいばぁさん、何やってんだ」
妻「何っておじいさん、小網町で半鐘が鳴ってるって」(苦笑まじりのパチパチ)
546前スレ亭ごじゅういち:02/12/15 22:35
牛「猪瀬さん…あんた、何やってはりまんのや」
猪「何ってお前さん、わからねぇかい? 『宮戸川』だよ」
牛「だよ、ってなぁ、無理して江戸弁使いなはんな」
猪「あかんか。ハハハ。いや、あんたが最近落語に凝ってるらしいと、こいつが言うさかいに
  落語で応対をしてみましたんや。『掛け取り』、ご存知でっしゃろ?」
牛「アホなことしなはんな。だいたい、こんなんアリでっか? さっきは渋々拍手が起こってた
  みたいやったけど」
猪「そこは流しておくなはれ。しかしわしの応対も変やいうたら、牛乳屋さん、あんたの格好も
  何でんねん」
牛「こ、これは…この期間のサービスでんがな。そんなことより先月から牛乳代を頂いてまへんねや。
  それを頂きに来たんですけど、さっきのご様子では払えん言い訳でっしゃろなぁ」
猪「何やて、うちが牛乳代を滞納してますんか。それはいかん。まずは何よりも債務の返済が
  最優先。これ、早う牛乳屋さんに債務を返済しなさい」
牛「払てもらえまんのか。そんなら最初からそうしとくなはれ。さっきの騒動は何やったんや。
  奥さんももう位牌はお仏壇に片づけなはれ。それはそうと、2階の今井さん。最近お留守が
  多いようですけど、何かご存知やおまへんやろか?」
猪「あぁ、2階の今井さんなら引っ越しはりましたよ」
牛「引っ越した? そらまたどういうわけで?」
547前スレ亭ごじゅういち:02/12/15 22:36
猪「急なこってしてなぁ。牛乳屋さんはご存知ないかも知れまへんけど、前からこのアパートの
  真裏に高速道路を作る計画がありましてな。私ら住民としては反対してきとったんです。
  その運動の取りまとめをしてくれてたんが今井さんやったんですが、最近になって急に
  『高速道路ができるのもしゃあないんやないか』みたいなことを言い出しはってね。
  私らそんなん絶対納得できん。今は道路公団そのものが問題になってるご時世やのに(パチパチ)
  今になってそんな弱気なことでどないしますねん、と今井さんに詰め寄ったんですわ。
  そしたらこないだ急にこのアパート出ていかはって」
牛「ほたら、たまったうちの牛乳代はどないなりまんのや?」
猪「さぁ、それは…。私らも、高速道路問題をどないするかを区長さんから任されてただけですよって
  ここから先の話は区長さん次第ですわ」
牛「何で区長が出てきますねん? どんどん話が大きなるがな。えらいこっちゃ」

てなわけでございまして、結局牛乳代の集金も1軒しか回収できず、またぞろ重たい荷物をかつぎ
まして、ようようのことで我が家へと帰ってまいります。家に着く頃にはもう夜の10時をまわって
おりまして、一体オレは何をしにこんな格好で出歩いてたんやろうと思いますと、嫁はんの電話の
応対なんぞが思い起こされてまいりまして、また悪態の百ぺらぺんもつきながらの帰宅でございます。
548前スレ亭ごじゅういち:02/12/15 22:37
牛「ホンマに重たいな、この荷物は。何が入ってんねんな。子供のプレゼントやさかい開けたら
  いかんのやろけど、考えてみたらうちからは何を入れたんかすら知らんがな。えぇわい。
  ちょっと見たろ。ん? コーヒー牛乳とフルーツ牛乳。重たいはずやがな。アホらしもない、
  原因はうちかいな。しかしうちの嫁も気のきかん、クリスマス会のプレゼントにこれはないやろ。
  風呂屋やないで。あぁ、またむかついてきた。嫁のヤツ、帰ったらどんな目にあわそか。もう
  こうなったら古典もクソもないでホンマに。  今戻った!」
嫁「まぁあんた、おつかれさんやったなぁ。待ってたんやで。お・か・え・り」
牛「わ、どないしたんや」
嫁「あんたが寒い中歩き回ってるやろと思いながら、待ってましたん。そうそう、あんたがさっき
  知りたがってた達郎の欲しがってるプレゼントの話やけど…」
牛「待て待て。頼むさかいにこの重たい荷物をどこぞへ置かしてくれ」
嫁「はいはい。そんなもんはそこらへ置いといて」
牛「はぁ、やれやれ。で、何やねんな? その達郎が欲しがってるというのは」
嫁「………かわいい弟が欲しいんやて。どないする? あ・ん・た」
牛「え? ……そ、そうかいな。……達郎は?」
嫁「もう……寝かせた」
牛「そ、そうかいな」
嫁「あんた、好きや。チュッ」

達郎「ママー、ママー、おしっこ……あ、サンタさんや。ママがサンタにキスをした」

ドンドン
549重要無名文化財:02/12/20 23:51
よく出来ている噺だなぁ。宮戸川サービスで(W
550ごじゅういち:02/12/24 01:43
>>549
感想、ありがとうございます。そう言ってもらえると嬉しいんですが、
「半鐘」の使い方は卑怯すぎたかな、とw
サゲまでの持っていき方もベタベタな展開ですが、
時期柄こういうハートウォーミング(なのか?)な雰囲気も
たまにはいいかな、てな感じで作った次第です。

皆さんお忙しいんでしょうかね。でも、できればクリスマスまでに
読んでおいて欲しいのでageとかせてもらいます。
551イブ家ひとり:02/12/24 23:03
三題噺寄席、今日だけの出演です。

「道路公団」「サンタ」「半鐘」

「おや、あんたサンタはんでんなぁ」(パチパチ)
「さいです」
「何してはりまんの。みな待ってまっせ」
「そこの家入ったら不法侵入や言われまして。」
「最近の家庭はなってないでんな。冷めてまんねん、その家。うっとこに来なはれ。
ごっそしたげるさかい」
「ほな行かせてもらいまひょ」

552イブ家ひとり:02/12/24 23:03
「かか、サンタさんやで」
「まぁまたサンタさん拾うてきたん?」
「またサンタさんて・・・、私のほかにもまだサンタいてまんの?」
「いいぇぇな、見てみなはれ、うちとこの居間」
「わぁ、皆赤い服」
「サンタの博です」
「サンタの山口です」
「サンタのカルロスです」
「サンタの鈴木です」
「三田牛の焼肉富山です」
「いろいろいまんなぁ、趣味でっか、こうやって連れてくるのん」
553イブ家ひとり:02/12/24 23:04
「寒そうでっしゃろ。せやさかい皆来てもらったんでんねん」
「わしゃトナカイに逃げられて」
「煙突がないさかい途方にくれて」
「道路凍っだんですべっだんでんねん」(パチパチ)
「えらい鼻声でんな」
「わたいなんか偽者あつかいで皆にどつかれて」
「えらい怪我でんな」
「もう半死半生とはこのことです」(パチパチ)
554イブ家ひとり:02/12/24 23:04
「まぁまぁ嫌な事は忘れて、皆で乾杯しましょいな」
「賛成」
「どやろ、皆でサンタ会ちゅうのやりまひょ」
「結構でんな、もう他の奴らにプレゼントなんかやらいでよろし。
わしらだけで楽しみまひょ。このプレゼントのワインもあけまひょ」
「七面鳥おまっせ」
「ツリーもおます」
555イブ家ひとり:02/12/24 23:05
「わー、うちとこに呼んだ甲斐ありましたわ。今までで一番派手なクリスマスや」
「では、僭越ながら乾杯の音頭を」
「て、あんた、三田牛の専門店のお人やないか。あんた、サンタちゃうし
そうでしゃばりなはんな」
「いいえぇ、ちゃんと牛耳らせてもらいます」
どんどん

556sana亭omi:02/12/24 23:32
>ごじゅういちさん、

クリスマスまでに読ませていただきました。
いろんな要素が入っていて楽しめる噺ですね。

何故か、前半のくすぐりの中で、
グデングデンに酔っ払って帰宅しても
一張羅の服だけはシワができないように
きれいに折りたたんで、それから安心して
ぶっ倒れるように眠る奴を思い出しました。

それと
コーヒー牛乳・フルーツ牛乳と風呂屋の関係も
クスグリとして面白く感じましたが
実感として分かる人は少ないかもしれませんね。
ハイソサエティを気取った奴は
りんごジュースを飲んでいたものでしたが。

今井さんのがんこいっ鉄か、猪瀬さんの作家くかは知りませんが
どちらも
自分の現在の存在基盤に高速されずにしてほしいもんですね。
557新参亭トーシロウ:02/12/25 13:38
>イブ家ひとりさん
今日だけといわず是非次回からも…


道路凍っだんで!!
やられました。

あう、まだ書けません…
558重要無芸文化財:02/12/26 14:39
喜六 :こんにちわ
甚兵衛:おお喜ぃさん。待ってたんや。
喜六 :へぇ。甚兵衛さんがお呼びや聞いて。なんぞ貰えるんでっか。
甚兵衛:そやない。けど、ちょっとした銭儲けさしたろ思てな。
喜六 :へえ。ホンマでっかいな。そら有り難い。で、何しまんにゃ。
甚兵衛:いや、正月用のお飾りを売る人を探してはる人があってな。
    喜ぃさん。あんたを紹介したんや。
喜六 :へえ。どこの店でっか。
甚兵衛:店やない。あこに袋に入って持って来たぁるから、道々、売って歩くのや。
喜六 :なんやいな。この寒いのに、道で物売りでっかいな。
甚兵衛:楽すること考えたらいかん。どんな仕事でも、はじめは道でするもんや。
喜六 :どんな仕事でもでっか。
甚兵衛:物売りだけやないで、昔は、落語かて道で演ってたんや、辻噺言うてな。
喜六 :へぇ、芸人さんもでっか。
甚兵衛:そや、講釈も道で演ってたんや。道路講談て聞いたことないか。<パチパチ>
喜六 :ホンマでっかいな。
甚兵衛:そや、需要予測や投資効果とか、見てきたような嘘、言うてるやろ。
喜六 :難しいことわかりまへんわ。
甚兵衛:とにかく、早ぅ、行かな、日ぃ暮れるで。行っといで。
喜六 :へぇ。
559重要無芸文化財:02/12/26 14:40
喜六 :うーさぶぅ。何やあんまり売れん間に、もう、すっかり夜や。
    お、向こうからも大きい荷物、担げた奴がおるでぇ。
    もし。大きい荷物、かたげて、あんさんも、お飾り売ってはる?
サンタ:おら、サンタだ。<パチパチ>
喜六 :サンタはんでっかいな。何、売ってはりまんの?
サンタ:おら、物売りでね。わらすこに配るものがあって、北の国から来たんだ。
喜六 :はぁ。北の国のお方でっかいな。
サンタ:んだ。
喜六 :それが、何で、こんなとこで、ぼーっとしてはりまんのや。
サンタ:ちと、困ったことがあって、思案してるだ。
喜六 :困ったことて?
サンタ:これから、配りさ行かねばなんねだが、夜さりにゃ門々が締まっちまうだ。
喜六 :そうでっかいな。見たとこお歳のようでっけど、夜中にお仕事とは。
サンタ:夜中でも、ルドルフの鼻が役に立つだども、門は困っちまうだ。どうすべ。
喜六 :そや。ええ知恵がおまっせ。
サンタ:ええ知恵?
喜六 :あんさん、高いとこは平気でっか。
サンタ:おら、大得意だべ。
喜六 :いや、芝居で見たんやけど、あこに火の見櫓がおまっしゃろ。
サンタ:んだ。
喜六 :あこの半鐘を叩いたら、火消しや逃げる人のため、門が開きまっせ。<パチパチ>
サンタ:ほー、ほー、ほー、ほー。
喜六 :そやけど、芝居では、鐘を叩いたお七は、捕らえられて死罪になったんや。
    この手はあかんなぁ。
560重要無芸文化財:02/12/26 14:41
サンタ:「オオさうじや、アノ火の見の半鐘を打てば、出火と心得町々の門々開くは定。
    思ひのまゝにプレゼントを届け、わらしの願い聞かいで置かうか。」

喜六:ああ。行ってもうた。

サンタ:「鐘を打つたるこの身の科、町々小路を引廻され、焼き殺されてもわらしゆえ、
    少しも厭はぬ大事ない。わらしの願いを聞かずしては所詮生きてはいぬ体、
    炭にもなれ灰ともなれ」と、
    サンタの心一筋に、ベルト引締めて裾引上げ、表に駆け出で、
    四辻にとがむる人も嵐に凍て、雪は凍りて踏み滑る。
    サンタは難なく火の見の上、撞木追取り打立つる、音より間もなくここかしこ、
    一度に打出す警鐘の、響きに連れて開く門々。

喜六 :おーい。サンタはん、あんた死罪になってええんか。
サンタ:いや、七が死罪でも、サンタなら半殺しにもならね。
<どんどん>
561新参亭トーシロウ:02/12/27 14:23
おお、無芸さん、待ってたんや。

サンタの心一筋!まさかサンタが芝居をやるとは(笑)
562主催者:02/12/30 23:43
年末の忙しい中、作品投稿恐れ入ります。
この第二十五回は、正月にゆっくり書いてもらうという事で
越年企画と致しましょう(その割に「サンタ」などの時事が入っていますが)。
一度投稿なさった方も、同じ三題ではありますが趣向を変えた別の話を、
また年の瀬で忙しかった常連の方々の投稿、新人さんの腕試しなど
楽しみにしております。
正月休みを利用してたくさんの作品が集まることを
期待しつつ、私の本年書き収めと致します。
本年も三題噺スレにご参加ありがとうございました。
563重要無名文化財:03/01/08 04:27
新年、ageまして、おめでとう
564山崎渉:03/01/08 20:03
(^^)
565ごじゅういち:03/01/12 02:11
新年最初は感想と雑談で失礼を…。

>イブ家ひとりさん
「二番煎じ」みたいで楽しかったです。
登場人物が多いんでセリフの前に名前も書いてもらえるとありがたかったかも。
と、アドバイスっぽいことを書いてしまったんで再登場も期待したりw

>無芸さん
「道路講談」は私もすぐに浮かびました。ていうか、サンタと併せて
新・山陽先生のネタが頭に引っ掛かって、作ってるときにしばらく困りました。
芝居掛かりは流石ですね。読んでて気持ちいい。

ここから雑談なんですが、現役の噺家さんが三題噺の企画の会などで作った噺で
その場限りにならずに残った噺ってどれぐらいあるもんなんでしょうか?
喬太郎師の「夜の慣用句」がそうだという話を別のスレで見たりして
思ってたんですが…。あの噺は実は三題噺で作られたもので、みたいなのを
知ってる方、ここで教えてもらえんもんでしょうか?
566重要無名文化財:03/01/14 00:49
喬太郎師はかなり多いですね。
「ハワイの雪」「喜劇駅前結社」「母恋くらげ」「純情日記中山編」「中華屋開店」……
567山崎渉:03/01/18 12:00
(^^)
568湖亭半弗:03/01/18 23:46
正月気分も何もあったもんじゃありませんが、あけましておめでとうございます。
本年もよろしく御願いいたします。
使おうとしていたアイディアを悉く皆さんに持っていかれてしまって
難儀しております(笑)次からはなるべく早めに書きます。
こうなればもう開き直りです。
「道路公団」「サンタ」「半鐘」ですね。

 もう相変わりません古いお噺を聞いていただきます。昔は町内に一軒くらいは
寄席や講釈場があった時代がございましたが、近頃ではこちらから探さんと落語会
をやってないんですな。まるで秘密結社のように落語や講釈が行われております。
講釈、講談の先生ちゅうのはその当時は、好きな人が寄った町内があれば
講釈場が出来たりやとか、東京からわざわざ呼んでもろぅたり、まぁ結構な
盛況やったそうですが、
569湖亭半弗:03/01/18 23:52
喜六「清やん、何を思案してるねん?」
清八「おぅ、喜ぃ公か。いやぁ、どないしたろかと思て。」
喜六「な、何の話や。わいも寄せてぇな。」
清八「中身を知らんとって寄せてちゅうやつがあるかいな。いや、実は、
ここの町内に講釈場があるやろ。」
喜六「あはぁ、わしかてよぅ行くねや、講釈場。あれがどないかしたか?」
清八「あすこに今、泥田坊葉丸ちゅうのが出てるやろ。」
喜六「あぁ、知ってるがな。わたいらとおんなしような年の割に
天才やとか言われてる、あの泥田坊先生がどないした。」
清八「そうよ、あれ、昔からの幼馴染なんやが、ちょっと天狗になってる
ねやな。」
喜六「ほぉーん、鞍馬山でか。」
清八「何であいつが鞍馬山行くねん。調子にのってるのんを
天狗になるちゅうねや。」
喜六「ははぁ、調子に乗ってて天狗やったら、駕籠へ乗ったら酒手をはずむ
酒呑童子。」
清八「しょうもないこと言うてたらいかんで。どうも明らかに手ぇ抜いてる
時もあるねや。お前には分からんやろけどな、ずっと知ってるわしが
聞けば、近頃の講釈場ではそらもぅさんさんたるもんやで。」
喜六「さんさんたるもんか・・・、おんた、めんたは聞いた事あるけど、
『さんた』てなもんは知らんで。あぁ、中とって、コレの事か。」(パチパチパチ)
清八「誰がオカマやちゅうた。ひどいもんやちゅうてるねやがな。
あいつは元々出来る奴なんや。あいつの『釈迦御一代記』、絶品なんや。
とにかくあのままではあいつがダメになる。せやさかいにどないしたろ
思うてな。」
570湖亭半弗:03/01/18 23:52
喜六「そら、清やん。その、泥田坊先生がギャフンちゅうたらえぇねやろ。」
清八「ただギャフンちゅうだけやったらいかんで。こう一生懸命精進するような
事がないといかんねや。」
喜六「ほたら、こんなんどうやろ、泥田坊葉丸だけに、泥の田んぼに
突き飛ばすちゅうのは。」
清八「突き飛ばしてどうなる。」
喜六「わぁこんな泥の田んぼに突き飛ばされるくらいやったらもっと真面目に
講釈やりますとなるやろ。」
清八「そんなもん思うかぃ。せぃぜぃ泥の田んぼの近くは歩かんとこと思う
ぐらいのもんや。・・・しかし、泥の田んぼちゅうのはえぇとこに気がついたな。
よし、ちょっと耳かせ。」
何事か相談がまとまりまして、町内の講談好きへ知らせが回ります。
隠居「ほぉほぉ、そうかいな・・・。あぁ、わしも最近あいつの講釈たるんでる
と思うてたんじゃ。よしよし、てったわせてもらぉ。」
男「へぇー、おもろそうやないか。仕事早ぅ済ませて講釈場行かせてもらうわ。」
町内皆乗り気で講釈場へ詰め掛けます。
もぎりのおっさんもびっくりしよった、急な人出で満員でございます。
さぁ、超満員のところへ、半分寝ぼけたような講釈師先生、泥田坊葉丸が
出てまいります。もうどこぞで一杯ひっかっけてきたんか顔が赤い。
わしの語るんは天下一やと木で鼻くくるような偉そうな顔つきで、
白湯を押し頂いて飲む。口をパクパクと致しまして、
泥田坊「えー、おはやばやからのお越しで痛み入りまするぅ」
とやりだした。
571湖亭半弗:03/01/18 23:53
喜六「ほんに清やん、ちょっとこれ、この先生、下手糞やな。」
清八「そうじゃ、こんな舞台で上がること自体恥ずかしがるような奴やったが
、あいつの目を覚まさせんといかん。いくぞ、ほれ!皆の衆!」
清八の合図で、皆がワーちぃながら泥田坊先生目掛けて、泥団子を
ポンポンポンポン!
泥田坊「わ、わ、こ、これ、これこれ、何をなさる!」
男「何をなさる!?そんな気の抜けた下手糞な講談聞かせといて
何をなさるとはどうじゃい。ちょっと天才やとか言うて誉めちぎられて
えぇ気になるなぃ!これでもくらえ!」
もう、釈台も舞台も先生も泥だらけでございます。
ほうぼうの体で楽屋へ引篭ります。
おかしな日もあるもんや、明日になったらまた違う客も来るじゃろう、
とタカをくくっておりますと、次の日も相変わらず泥団子の嵐。
その次の日、出し物を替えて出てもまた泥団子の嵐。
こうなりますと、ふだん講釈聞きに来んもんも「泥田坊葉丸の泥講談」(パチパチパチ)
ちゅうてはやし立てに来る。講釈場は盛況ですが、肝心の葉丸先生、とうとう
寝込んでしまいよった。
清八「よぉ、葉丸先生、寝込んでるそうやな。」
泥田坊「清やん。」
清八「弱弱しい声出しやがって、声出す商売がそんなこってはいかんで。」
泥田坊「清やん、わしもうあかん。講釈師辞める。」
清八「話は聞いてる。お前が語るたんびに泥団子が飛んでくるそうやな。」
泥田坊「何ぬかす。言わんとこ思うたけど、わし知ってるんやぞ。初めて
泥団子飛んできた日、お前の合図で皆が放りはじめたん。そういう奴か、
お前は。幼馴染の商売の足引っ張って何が楽しいねん!」
清八「楽しい事あるかぃ!何も楽しい事あるか。」
572湖亭半弗:03/01/18 23:53
泥田坊「せやかて、お前の差金やろ。みてみぃ、わし近所の子供らにまで
泥講談の先生やとか言われて・・・。こないだかて、町内の半鐘がジャンジャーン
ちゅうて鳴ってたら『おい、泥講談師。お前の講談火事場へ聞かせにいったれ。
名人が語れば水打ったように場が静かになるちゅうやろ。あぁあ、お前やったら
おおかた泥水でもかけにいくんか』こうまで言われて、わしゃよう講釈場へは行けん。
落ち着いたら東京でも行くつもりや。」(パチパチパチ)
清八「情けない男やな、お前は。お前、何で泥団子ぶつけられるように
なったかまだ分からんのかぃ。お前が天才や、天下一の講談師やちゅうことぐらい
町内皆知ってるわぃ。それがお前は何や、酒飲んで講釈語るわ、手は抜くわ、
それが今のお前や。お前、そんな講釈聴かせるために講釈師なったんかぃ!
東京へ行く?行けばえぇがな、勝手に。せやけど、お前は泥団子ぶつけられる
腕のまま、東京へ行くつもりか。そんなもんに東京行かれてみぃ。幼馴染として
東京の人に面目ないわぃ!出て行くねやったら、せめてここの客、見返すような
芸見せていけ!」
泥田坊「・・・皆、聞いてくれるやろか・・・。」
清八「聞かせるんはお前の喉次第や。いっぺん性根出して講釈語ってみぃ。
浴びせられるんは泥か拍手か、お前が決めるんじゃ。」
次の日、久しぶりに泥田坊先生が講釈場で講釈を語るちゅうので、
泥団子用意して皆が席の奪い合いしとぉる。
573湖亭半弗:03/01/18 23:54
男「わし、初めて来るねやが、何せ下手やと思うたら、この泥ぶつけりゃ
えぇねやろ?」
隠居「そうじゃ、やる気があるかないかぐらい出ただけで分かるがの。」
男「いやぁ、わし講釈はどうでもえぇさかい、泥団子ぶつけたい。」
隠居「あぁ、何でもえぇので、気に入らんかったら放ったらえぇのじゃ。」
時刻になります。
いつもは赤ら顔で出てくる泥田坊先生、今日はいつもといでたちも
どことのぅ違います。偉そうな顔というよりはりりしい顔つきで、ゆっくりと
進み出でます。襟を正して進むその雰囲気に飲み込まれて、皆、シーンと
静まり返ります。
泥田坊「えぇー。」
この第一声で、泥団子持ってるもんも皆、どれを脇へ置いて身構えます。
今日は違う、ちゅうのが伝わったんでっしゃろな。
泥田坊「本日は『釈迦御一代記』でご機嫌を伺いたく存じます。」
ちゅうて静かに響くように語り始めた。
清八「出してきよったな・・・。」
えぇ出しもんちゅうのは時間のたつのが早いんでんな、あれ。
泥団子置いたか思たらもう終わったような感覚で。
泥田坊「『釈迦御一代記』の一席でございます。」
ちゅうと、今度は割れんばかりの拍手喝さいでございます。
それ見ると泥田坊の目から涙がポロポロこぼれて参ります。
清八「これであいつも大丈夫やろ。喜ぃ公、見たか。これが泥田坊
葉丸の『釈迦御一代記』じゃ。」
喜六「いやぁ、えらいもんやなぁ。わし、こんな立派な講釈初めてや。いやぁ、
せやけど清やん、講釈語ってる泥田坊先生見てたら、えらいもんやな、
何かこぅ先生に後光が射したような気がしたんやがなぁ。」
清八「そら射さいでかぃ、あいつ今日、ようやく泥田に蓮の花咲かせよった。」

どんどん
574重要無名文化財:03/01/19 17:42
お見事!
5752ち家んねらー:03/01/21 19:22
「サンタ」「半鐘」「道路公団」
( ´,_ゝ`):久しぶり。
(・∀・):誰でつか。
(´,_ゝ`):いやだな、私ですよ。今日はタダで半鐘あげます。(パチパチパチ)
(・∀・):(゚д゚)ウマー。マジでつか。
(´,_ゝ`):その代わりこちらにサインを。
(・∀・):なになに、次の選挙にはサンタに投票するニダ・・・、(゚Д゚)ハァ?(パチパチパチ)
(´,_ゝ`):私の知り合いのね、サンタが選挙に出るらしいんですよ。
(・∀・):買収でつか?
(´,_ゝ`):どうでしょう?
(・∀・):普通は金だろうがヽ(*`Д´)ノゴルァ
(´,_ゝ`):だから、鐘持ってきたでしょう?
(・∀・):カンカンカン、犯罪行為ハケーン!
(´,_ゝ`):わぁー、助けてー。
(=゚ω゚)ノ:犯罪行為はどこですか?
(・∀・):通報しますた言う前に誰か来た。この人に買収されかけますた。
(=゚ω゚)ノ:なんですって?ああ、この人はいいんですよ。
(・∀・):何故?警察おながいします。
(=゚ω゚)ノ:サンタさんは道路族で民間参入反対だからいいんです。
(・∀・):あんた誰?
(=゚ω゚)ノ:道路公団です。(パチパチパチ)
DONDON
576主催者:03/01/24 01:33
すいません、年賀のご挨拶もせずに今日まで申し訳ありません。
年末年始にかけて多くの作品ありがとうございます。

>>535-537匿名さんの「地上げ公団(仮)」はいつもながらシュールで
詭弁詭弁で逃げて答えに窮すると逆切れする道路公団?の人のキャラが
ものすごく理不尽で生きていますね。いつもながら感服します。

>>541-548ごじゅういちさんの「牛乳屋サンタ奮戦記(仮)」は
嫁さんに振り回されながらも行く先々で活躍するサンタの牛乳屋さんの
ちょっと尻にしかれぶりが、見る者に共感を誘います。
嫁さんも憎めないキャラで、サゲもご本人が仰るとおり、実にハートフルです。
達郎はあのクリスマスの名曲で知られる彼がモデルですね。

>>551-555イブ家ひとりさんの「サンタ会(仮)」は現代の世相を
さらっと取り入れながら、どこからか拾ってきたサンタの愚痴が
楽しい作品です。三田牛の人がこんなスパイスになろうとは思いませんでした。
クリスマスイブにご苦労様です。ハンドルも涙を誘いますね。
次回からも参加していただけたら幸いです。

>>558-560無芸さんの「サンタお七(仮)」は、八百屋お七をモチーフに
北国生まれのサンタが芝居仕立てで半鐘を鳴らす、これまた無芸さんらしい
作品に仕上がっています。田舎弁から突然芝居口調になるサンタは味がありますね。


577主催者:03/01/24 01:34
年明けまして、
>>568-573半弗さんの「泥講談(仮)」は、駄洒落と思いきや
それをベースに講談師の再燃噺とはやられました。「くっしゃみ講釈」の
ようなおかしみと、清八の荒療治のバランスが立っています。

>>5752ち家んねらーさんの「選挙違反もサンタであれば(仮)」は
これまた今までない2CHらしい芸風の作品です。「(・∀・)」の
顔の人の2CH用語が新鮮です。ゴルァとかウマーとか高座で見たい
気もします。次回からもよろしければご参加ください。


578主催者:03/01/24 01:44
第25回も終わって節目ですので、特別企画と致しまして、
「御題リレー三題噺」を行いましょう。
ルールは簡単です。
今から御題取りを致しまして、まず一番目の御題を決定します。
そして、どなたかがその御題で作品を作ります。
すると、今度はその人が『独自に三題を出します』。
すると、その御題で出来る人が名乗りを挙げて書きます。
そして、またその人が次の人へ三題出します。
きりのよさそうなところで中断を私が入れます。
かぶった時は早いもの順に書きます。
ですから、今回に限りコテハンをお付けください。

何かご不明な点があれば、まず御題取りを行いますので
そのときにお尋ねください。
それでは、特別企画のスタート御題の御題取りを行います。
例によって、一レス一単語で御願いいたします。
579主催者:03/01/24 01:49
流れをまとめました。

<流れ>
スタート御題取り(いつもと同じです)

三題決定

その三題でやる方は名乗りを挙げる(早い者勝ち)

作品を書く。そして、その最後に御題を三題示す
(作者の好みで結構ですが、出来るだけ作りやすく御願いします。
でないと、あなたの趣味で流れが止まります(笑))

その御題でやりたい人が名乗りを挙げる(早い者勝ち)

責任を持って書く。そしてお題を三題示す

繰り返し

切りのいいときを見計らって、主催者が止める

以上です。

580重要無名文化財:03/01/24 06:47
値段表
581重要無名文化財:03/01/24 08:43
イタめし
582重要無名文化財:03/01/24 15:33
在来線
583重要無名文化財:03/01/24 17:08
ごはん
584重要無名文化財:03/01/24 18:10
中の人
585重要無名文化財:03/01/24 19:43
チョコレート
586重要無名文化財:03/01/24 19:54
息抜き
587重要無名文化財:03/01/24 21:08
神隠し
588重要無名文化財:03/01/24 21:11
>>587
単細胞だね。
589重要無名文化財:03/01/24 21:23
お湯屋さん
590重要無名文化財:03/01/24 21:31
桜咲く  
591重要無名文化財:03/01/24 21:35
離れ離れ
592重要無名文化財:03/01/24 21:58
名残雪
593重要無名文化財:03/01/24 22:04
砂金
594重要無名文化財:03/01/24 23:16
メニュー
595重要無名文化財:03/01/25 02:42
596重要無名文化財:03/01/25 04:12
追試験
597主催者:03/01/25 21:38
たくさんの御題ありがとうございます。
それでは、この中からスタート御題を三題選びます。

「在来線」「息抜き」「砂金」
の三題です。
これがスタート御題です。
まず、どなたがやるかコテハンで名乗りを挙げてください。
一番早かった方がこのお題で作ります。そして、作品の最後に
三題ご自分で挙げてください(お題取りで挙がったものを使われても
結構です)。
初心者の方も、御題が次々と変わりますので、「これならやれるかな?」
という御題が出れば、そのときに名乗りを挙げて挑戦してみてください。
それでは、一番手の方、挙手を御願いします。
598山崎渉:03/01/26 08:38
(^^)
599俗にシュールの匿名と言われている者:03/01/27 20:54
「在来線」「息抜き」「砂金」

一「在来線にお越しの方のお呼び出しを致します。山田太郎様。
内科窓口までお越しくださいませ。」(パチパチパチ)
二「駅か病院かどっちなんだ?」
一「駅ですよ。」
二「駅に内科なんてないし、もしどこか知らない国にあったとしても
この国にはないよ」
一「二番船でお待ちのお客様。ここは港ではございません。」
二「船をどけてくれ。」
一「ただいま台風による強風のため、列車が一気に参りました。」
二「吹けば飛ぶような話だな。そんな軽い列車に乗りたくないよ。」
一「口説き下手なんですけどね。」
二「軽くないんだ。」
一「でも、材質がテスト用紙ですから。」
二「エコロジーだな。でも、何か間違ってるよ。」
一「ただいま全線、息抜き走行を行っております。」(パチパチパチ)
二「GWだからね。」
一「許されるんですね。」
二「時間的に間に合うならね。」
一「残念、全線砂時計での運行から、どの列車も3分の間で誤差出まくりです。」
二「時計、寄付します。」


次の人への御題
「富士」「鷹」「茄子」

600俗にシュールの匿名と言われている者:03/01/27 20:54
一「全線、正しく運行を開始します。」
二「俺、すげえ功労者だね。すげえ馬鹿な電鉄。」
一「では、感謝状と砂金です。」(パチパチパチ)
二「え、砂金?砂時計つながり?」
一「いいえ、私ども愚かなりに川で取ってまいりました。」
二「あぁ、なるほど、頭がザルだから。」
ドンドン
601重要無名文化財:03/01/30 13:44
age
602重要無名文化財:03/01/31 17:07
シュール氏、何か分割する時、御題が変なとこになってるよ。
貼っとくよ。

次の人への御題
「富士」「鷹」「茄子」(参照:>>599の最後)
603重要無名文化財:03/01/31 17:11

北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮
北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮
北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮
北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮
北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮
北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮北朝鮮
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604重要無名文化財:03/01/31 17:12
 
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605重要無名文化財:03/02/01 16:43
次の人への御題
「富士」「鷹」「茄子」
606前スレ亭ごじゅういち:03/02/04 23:47
「富士」「鷹」「茄子」

えー、前スレ亭ごじゅういちというもんでして、決して悪気があって出てきたわけではございません。
どうぞお後お楽しみの上、こっちの方も聞いていただきます。本日は現代のお噺を一席
聞いていただきますが…。このお噺はとある銭湯のお噺でして…。

嫁「もー、あんたどないすんねんな。五ヶ月続けての赤字やないの」
夫「しゃあないやないかい。町内のもう一つの風呂屋の丸正湯があんだけ流行ってんねん。
  うちが儲からんようになるのも当たり前っちゅうもんや」
嫁「それやがな。悔しいやないの。ちょっと模様替えしただけであんなに流行るやなんて」
夫「そない言うても、あいつ、よう考えよったで。いくら自分の店の名前が丸正湯やったからというて
  『南仏プロバンスの香り、マルセイ湯』とは、今までの風呂屋の経営手法では思いつかん」
嫁「あんた、うちも模様替えしような〜。いつまでも壁に富士山の絵が描いてあって昔ながらの
  お風呂屋でございます、ではこの先立ち行かへんし」(パチパチパチ)
夫「そない言うてもなぁ。うちは名前もありきたりな『松の湯』やし、どないしたらえぇかのう。
  模様替えしよと思たらそれなりにお金もいる。これというアイデアがあらへん限り、
  やるにも決断がいるぞ、何ぞえぇアイデアがあんのか?」
嫁「こんなんどうやろ。宝塚もびっくりするぐらいにゴテゴテに飾って、
  『ブルボン王朝の香り、ベルサイ湯』」
夫「あほか、そんな豪華に改装する金がどこにあるんじゃ」
嫁「あかんかなぁ。ほたら、『バスチー湯』は?」
夫「風呂屋で懲役15年…て、誰が喜ぶねん。それでは出てこれへんやないかい。
  だいたい、フランス語の駄ジャレでいく発想をしてる時点で丸正湯の真似してんのが
  ばれてしまうやないか。そっから離れい」
607ごじゅういち:03/02/04 23:48
嫁「あ、そうか。せやけどホンマによう考えたなぁ。プロバンスなんて宣伝文句を入れたら
  OL層なんかいっぺんに飛びつきそうやないの。若い人をターゲットにするのに成功してる
  やなんて、ホンマに悔しいわ〜」
夫「お前はそないに向こうを褒めるけどな、あんなもん、そう長続きはせんで」
嫁「なんでやの?」
夫「せやないかい。若い人をターゲットにするのはバクチや。若い人というのは飽きるのも
  早いねんぞ。いくら名前を変えても、店のつくりは風呂屋のまま、銭湯のまんまやないかい。
  そこが今までと一緒やということに気が付いたら、元の木阿弥、1年もせんうちにまた
  閑古鳥やろな」
嫁「ほたらうちはどうしたらええの?」
夫「さぁそこじゃ。どうせ模様替えするんやったら、浴槽も何種類か用意してやな、
  総合レジャー施設になりました、ぐらいのことをやらんと、今時風呂屋は続けて行けんやろな。
  それにターゲットにする層も肝心じゃ。やっぱり風呂屋はそこそこ上の年齢層をターゲットに
  してくのが道理や」
嫁「そやかて、お年寄りが相手では今までと変わらへんのやない?」
夫「さ、そこや。わしが思うに、これからのターゲットは『団塊の世代』や」
嫁「もうかりまっか、ぼちぼちでんな、アホ・ボケ・カス・ラッパ…」
夫「それは『関西の世界』や」
嫁「佐々木、吉永、湯上谷、藤本…あのころは鷹のホープや言われてたなぁ」(パチパチパチ)
夫「それは『南海の若手』や。アホか。無理がある。違うがな。『団塊の世代』。戦後まもなくに
  産まれた人口の多い層やがな。この団塊の世代がこれから爺さん婆さんと呼ばれるような
  年になってくる。これからの風呂屋はな、この世代を呼び込まなあかん。そやろ?」
嫁「ははぁん、なるほど、それやったら、客も増えますわな。で、なんかえぇアイデアはおますの?」
夫「団塊の世代というたら、若い頃にはビートルズで熱狂した経験があるはずじゃ。わしはな、
  前から『ビートルズの湯』というのを考えとったんじゃ」
嫁「ビートルズの湯? どんなんだす?」
608ごじゅういち:03/02/04 23:49
夫「この前久しぶりにな、ビートルズのレコード聞いとったんや」
嫁「まぁあんた、うちにまだそんなもんあったん?」
  いらんことを言うな。そしたらな、『P.S. I LOVE YOU』という曲があってな。
  ポール・マッカートニーがあの声で「湯〜湯〜湯〜」っちゅうて歌とるやないかい。
  わしゃこれや!と思たがな。それで調べてみるとな、YOUで終わるタイトルの曲が結構あるんや。
  その数だけ風呂を作ってやな、『P.S. I LOVE 湯』とかいろんな名前を付けてみるのは
  どうやろ?」
嫁「おもしろそうやないの。他にどんなんがあるのん?」
夫「そうやな、えーっと…FROM ME TO 湯」
嫁「えぇやないの」
夫「ほかには、TILL THERE WAS 湯」
嫁「なんか浸かり過ぎでのぼせそうな」
夫「BABY, IT'S 湯」
嫁「うんうん、赤ちゃんも入ってもらいたい」
夫「WITHIN 湯 WITHOUT 湯」
嫁「浸かったりあがったり忙しそうやないの」
夫「…どうでもえぇけどな、めちゃめちゃフィーリングで感想言うてないか? 安直過ぎる」
嫁「それでも楽しそうやないの。今のだけでも5つもお風呂ができるやなんて。ここは一つ
  思い切ってやってみましょうな」
夫「そうか? これでいけそうか? よっしゃ。ほたら早速準備に取りかからな…」
609ごじゅういち:03/02/04 23:50
ハメモノ『SHE LOVES YOU』

嫁「あんた、建設会社の人が来てくれてます」
夫「おぉ、あいつらもえらいきばって仕事してくれとる。うん、仕事がないような
  ご時世やさかいな、喜んどるんやろ」
作業員「大将、えらいもんでんな。風呂屋の改装もわしら、何べんかやらしてもろてるけど、
    こんなん初めてでっせ」
夫「そうじゃろそうじゃろ」
作「ところで大将、店の看板のことでんねんけど、『松の湯』のままでよろしいんでっか?」
夫「あ、しもた。言うのん忘れてたがな。店の名前はな、『SHE LOVES 湯』や」
作「変わった名前でんなぁ。ん? 何? あれが届いた? あぁ、それはそこへ据え付けとけ。
  大将、一番大きい浴槽に黄色い潜水艦入れるやなんて、こんなん、どないしまんねん?」
夫「いやいや、できるまでは何も言わん。お楽しみじゃな」

ハメモノ終わり

嫁「ちょっとあんた、この新聞記事読んだ?」
夫「何じゃ? どうしたんじゃ?」
嫁「ビートルズの元プロデューサー、殺人容疑で逮捕やて」
夫「何ぃ? けっ、ゲンの悪いそんなもん、こっちへ持ってこい」(新聞をまるめる仕草)
嫁「ちょっと、そんなもん持ってってどないする気?」
夫「どないも何も、風呂の炊きつけに使うんやないかい」
嫁「炊きつけ? ほたらこのお風呂、みんな五右衛門風呂か?」
夫「当ったり前じゃ。こんだけぎょうさんの浴槽をガスや電気でまかなえるほどの金を
  うちで用意できるわけがないやろ。だいたい改装だけでなんぼかかってると思う?
  ウダウダ言うてんと明日はいよいよ開店じゃ。もう一回、店中周ってこい」
610ごじゅういち:03/02/04 23:51
とまぁ、ゲンの悪いニュースにも屈することなく『SHE LOVES 湯』、開店を迎えまして、
最初のうちは珍しがる人、懐かしがる人、面白がる人やらがつめかけて、大盛況。
ところが、いくら趣向をこらしてもお風呂はお風呂。しかも五右衛門風呂てなことでは
やっぱり長続きはせんようで…。

嫁「もー、あんたどないすんねんな。改装したときの借金だけが残ってしもたやないの。
  あんたが変なアイデア出すもんやさかいに…」
夫「やいやい言うな。お前もあの時は賛成したやないか。おかしいなぁ。絶対うまいこと
  いくと思たんやけどな」
嫁「やることなすこと、みんな失敗してるやないの」(パチパチパチ)
夫「ホンマじゃ、さっぱりワヤや」
嫁「で、これから一体どうするつもり? また模様替えしてやり直すの?」
夫「いや、もう、今度ばかりは長いこと続けてきた風呂屋稼業をやめることも、覚悟せな
  いかんかもわからんな。ちょうどえぇ機会やろ。『とらばー湯』や」

ドンドン
611ごじゅういち:03/02/04 23:56
サゲは読めたかもしれませんな…。

さて、次のお題ですが、「末っ子」「天井裏」「椎茸」でお願いします。
頑張って下さい。
612sana亭omi:03/02/06 21:59
>サゲは読めたかもしれませんな…。

このお風呂屋さんが経営を断念したときは「トラバー湯」かなと
思っていたのにサゲに使われていたとは残念です。

ビートルズ湯の売り物は、
やっぱりりんごジュースかなぁ?
くっそー、コーヒー牛乳のほうが美味いのにね。

浴槽の中を潜るとは・・・
まあ、混浴ではないから、湯エロサブマリンではないけど・・・

それにしても
「ごじゅういち」さんは毎回ながらお見事ですねぇ。

贅沢を言いますと
湯ーコ・オノも出してほしかったと思いました。
613重要無名文化財:03/02/07 22:12
sana亭omiさんの書き込みは、次回、「末っ子」「天井裏」「椎茸」の
取り掛かり意思表明ですか?違ったらごめんなさい。
614重要無名文化財:03/02/08 02:19
age
615sana亭omi:03/02/08 06:13
まぎらわしくてすみません。

感想だけです。
616重要無名文化財:03/02/14 01:06
定期age

次の御題は「末っ子」「天井裏」「椎茸」
617鉄棒勇助:03/02/16 00:44
「末っ子」「天井裏」「椎茸」

マタギ:せがれ!せがれ!
息子:あんだぁ、とうぢゃん?狩りへいくだか?
マタギ:そうじゃあねぇ、椎茸取りにいがねが?(パチパチ)
息子:椎茸どうすんだ?
マタギしれだごと、食べるがよ。
息子:かわいぞうに。
マタギ:生きとし生げるもの、皆食らわれるだよ。きのごの何がかわいそだ?
息子:きのこのこの子元気の子だ。
マタギ:ありゃあ、エリンギ舞茸ブナシメジだ、ばがだれ。さぁ、ぐうずぐず
    いわねぇで、早ぐ天井裏あがれ。(パチパチ)
息子:天井裏に椎茸あるだが?
618鉄棒勇助:03/02/16 00:46
マタギ:おめぇは何にも知らねがらいげね。椎茸は暗い場所で育てるだ。
息子:ふうん、写真屋みでぇだな。
マタギ:さぁあがるだ・・・、さぁ、随分と長雨続きで湿気がたまって
    よぉ育ってるだぞ。
息子:ほんどだ、すげぇな、父ぢゃん。片っ端からひこぬくべ。
マタギ:ばがだれ、おめぇはどこまでバカなんだ。そんなちいぜぇキノコまで
    とってどうするだ。
息子:ちいせぇキノコは味噌汁に入れるだ。
マタギ:なめこじゃねぇ。そんなキノコの末っ子は抜ぐな。大きいのとれ。(パチパチ)
息子:キノコも兄弟があるだか?
マタギ:あだりまえだ、人に兄弟があるように、椎茸にも兄弟があるだ。
息子:んじゃ、兄貴はどれだ。
マタギ:・・・これだ。
息子:とうぢゃん、今、適当に指差しただな。
619鉄棒勇助:03/02/16 00:46
マタギ:いや、これが兄貴だ、まぢげぇねぇ。
息子:じゃあ何男だ?
マタギ:・・・ち、長男だ。
息子:じゃあ、ごれは?
マタギ:それは・・・四男だ。
息子:ふうん・・・じゃあごれは?
マタギ:それは六男だ。
息子:父ちゃん、さっき、これ、長男っていっだだぞ。
マタギ:あ?あぁ、あぁ、それな。それは長男だ。顔そっくりだでまちげえだ。
息子:あ、とうぢゃん、ここ、誰かに荒らされだ跡があるだぞ。
マタギ:どぉれ・・・、おぉん、ごりゃいげね。賊が椎茸一束盗んでいぎやがっだ!
息子:えれぇこっだ、とうぢゃん、いったい椎茸の何男が盗まれただ?
マタギ:なんなんだぁ!?そら、盗難だ。
どんどん
620鉄棒勇助:03/02/16 00:48
次回お題は、
「写メール」「小泉総理」「オリコン」
の三題で。
ちょっと新しい方の作品も見たかったもので。
若い人にはこういうお題が作りやすいのでは。
621ごじゅういち:03/02/22 03:00
感想レスですので誤解のなきよう…。

>鉄棒勇助さん
おぉ、マタギシリーズだ! お久しぶりっすね。
「末っ子」の使い方で、ずいぶんかわいい作品になってますね。

>omiさん
毎度感想ありがとうございます。
サゲを読まれるというのは、本来作り手としてはマイナスなんでしょうが、
omiさんにそうやって悔しがられるとちょっと嬉しかったりw

>>613-615のやり取りから察するに、ひょっとして今回は
感想が書きにくくなってるのかな、とも思えましたが、
そんなこともないと思うので書いてみて下さいね。
まだご登場のない常連の方々の作品も楽しみにしてますんで。
(なんか妙に主催者氏チックになってしまったな〜w)
622主催者:03/03/07 22:23
随分ご無沙汰をしてしまいましたが、「御題リレー三題噺」
お疲れ様でした。

>>599-600のシュール匿名さんの「与太郎駅(仮)」
(お題「在来線」「息抜き」「砂金」)は、見事なシュールさが
炸裂していますね。出だしからイリュージョンというか、「在来線」の
使い方が絶妙です。「船をどけてくれ」がツボでした。
気を抜けばどこに噺が行くか分からないっとことがまたすごいですね。

>>606-610のごじゅいいちさんの「SHE LOVES 湯(仮)」
(お題「富士」「鷹」「茄子」)は、銭湯の商売戦略を舞台に
最後までウィットの利いた噺に仕上がっていますね。
ビートルズをここで持ってくる発想と、「WITHIN 湯 WITHOUT 湯」
など小気味いいくすぐりが用意されていて楽しめました。
銭湯で見るイエローサブマリン、面白いですね。
623主催者:03/03/07 22:23
>>617-619の勇助さんの「マタギの椎茸狩り(仮)」
(お題「末っ子」「天井裏」「椎茸」)は、久しぶりの登場で
しかもブランクを感じさせず、ご自分のスタイルを通しておられて感服です。
ごじゅういちさんも書いておられましたがキノコの兄弟という話題が
ほほえましく、また間延びした親子の雰囲気を上手く引き出している
と思いました。後半の兄弟当ては、こち亀の両さんがおそ松君を描く
回を想起させられましたよ。


「写メール」「小泉総理」「オリコン」が残ってしまいましたが
何かの機会で使えればと思います。
リレーという形は、その御題の不安定さで参加しにくかったのか、
参加者は少なかったようですが、実験的な企画がありましたら
皆さんもお教えください。
また、なかなかパソコンの前にゆっくり座れる日がなくて
参加者の方にはご迷惑をおかけしております。

本来ならば、ここで感想日を入れるのですが、次の回をお待ちかねの方も
多いと思いますので、すぐに第二十六回御題取りと行かせていただいて
よろしいでしょうか?

よろしいですね(オイ)それでは、御題取りを致します。
例によって、一レス一単語で御願いいたします。
明日の今頃まで募集いたしますので、たくさんの御題をお待ちしています
624重要無名文化財:03/03/08 10:43
写メール
625重要無名文化財:03/03/08 17:23
KONISHIKIの脂肪
626重要無名文化財:03/03/08 17:54
花粉症
627重要無名文化財:03/03/09 02:43
天かす
628主催者:03/03/10 00:32
二日待ってみましたがお題が現在のところ四つですね。
私の主催の至らぬばかりに参加者の方にご迷惑をおか
けしております。

第二十六回お題は
「写メール」「花粉症」「天かす」
の三題です。
お時間がおありの皆様は是非作品を御寄せ下さい。
たくさんの作品をお待ちしております。
629山崎渉:03/03/13 13:45
(^^)
630携帯天皇:03/03/13 23:19
太郎「親父、天かす丼くれ」パチパチ
店主「あー、お客さん通だね」
太郎「そう、人生ツースリー」
店主「追い込むのが好きなんだねー。へい、おまち」
太郎「これ、雑誌に載ってたんだよな。食べたかったんだ。」
店主「また無断掲載だよ、やんなるねー。」
太郎「花粉症に効くんだって?」パチパチ
店主「嘘書くとはひどいねー。きかないよ、スギエキスまぶしてあるし」
太郎「ある意味すげえな、写メールしていい?」パチパチ
店主「駄目だ、有名になるから。絶対するな。こりゃ命令だ」
太郎「分かった。YOU命は守ります」
ドンドン
631前スレ亭ごじゅういち:03/03/14 22:12
えー、ようこそのお運びで、ありがたく御礼申し上げます。やっと、春らしい天気になって
まいりましたな。この時期になりますと、日本各地でオープン戦の花ざかりでございまして。
私も某球団のオーナーと部下のお噂を何本か作らせてもろてるだけに、
『オーナー肺がん手術成功』という見出しを見たときにはヒヤっといたしました。
えー、…もうマクラはよろしいな。いつものやつでございまして…。

部下「オーナー、手術後の経過は順調やそうで。なによりでございます」
オーナー「おぉ、君かいな。いやいや、ありがとう」
部「オーナーを励ますためにも、と選手も大張り切りでして、オープン戦の成績も
  快調でございます。この調子なら今年こそは…」
オ「いや、君もまだまだじゃな。うちのチームがオープン戦で調子がよかったことは
  今年に限った話やありゃせん。ま、勝負はあくまでもペナントレースじゃ」
部「は、そうでございました。それにしても、今年は新戦力が山ほど入りましたなぁ」
オ「どうじゃ、わしの特注、ナイキの『しゃもじ』も役に立ったじゃろ?」
部「そんなこともおましたなぁ」
オ「彼がうちに来てくれたおかげでオープン戦7連勝。どや? わしの目に狂いはない」
部「そ、その…彼はキャンプ中に軽い怪我をしまして、まだオープン戦にはあんまり
  出場してないんでございますが…」
オ「ん? そうじゃったかな?」
部「オーナー、あんまり詳しいことはご存知ないようですな」
オ「バレたか。いやな、入院してからも会社の若いもんが写メールで(パチパチパチ)
  最前線の報告をあげてくれる予定やったものの、病院というところは不便じゃわい。
  携帯の電源を切らされてしもうてな」
632ごじゅういち:03/03/14 22:13
部「そうしますとオーナー、あの一件もまだお耳には入ってませんので?」
オ「あの一件というと?」
部「やっぱり…。実は、うちの球場でちょっとしたゴタゴタが起こってまして」
オ「あぁ、あれか。話だけは聞いてる。タマちゃんを捕まえにきたヤツがおったそうじゃな」
部「その話とも違うんでございます。実はうちのチームのピッチャー陣でここ数日、
  体調不良を訴える選手が続出しとるんでございます」
オ「ピッチャーが? やっぱりなぁ。わしの心配してた通りじゃ。ドラフトで杉山てな
  選手を取ったもんやさかいに…」
部「何のお話で?」
オ「この時期に体調不良というたら、花粉症じゃろ?」(パチパチパチ)
部「違いますがな。確かに花粉症の選手もいてますやろけど、そんなんやございません。
  胃が痛いとか胸焼けがするとか言うとるんで」
オ「そりゃ言うたれん。開幕前のプレッシャーや」
部「私も最初はそうやと思てたんですが、それだけやなかったんで。うちの球場で売ってる
  うどんがありますやろ。この前のオープン戦が終わってから、ピッチャー陣がみんなで
  あれを食べたんやそうで。その時に天かすを大盛りにした選手だけが(パチパチパチ)
  体調不良を訴えておりまして」
オ「ははぁん、油が悪かったんじゃな」
部「そういうことやろと思います」
オ「取引先を考え直したほうがえぇかも知れんな。わかった、よう知らせてくれた。
  また詳しいことがわかったら報告してくれ」
633ごじゅういち:03/03/14 22:14
部「オーナー、失礼いたします」
オ「あぁ、来てくれたか。ん、今日は誰ぞ一緒に来てるのか?」
外国人選手「ダンサンガ、ゴビョウキト、キキマシテ、オミマイノ、シュコウガ、アリアス」
オ「ハハハ、お前さんか。これは楽しいやつが来てくれたな。去年のオフにお前さんを
  首にするのを思いとどまったかいがあったというもんじゃ」
外「キョウハ、コバナシヲ、イッセキ、ヤラセテイタダキマス」
オ「ほう、小噺かいな。どれ、やってみ」
外「グラウンドノ、トリヒキサキノ、アブラヤサンガ、キヨミズノチャミセデ、ネコノタマチャンノ、
  エサヲイレル、チャワンヲ、カイマシタ。タマチャンガ、3リョウデ、ウレマンネン」
オ「???」
外「ハテナノチャワン、タマチャワン、デース」
オ「何じゃそら」
部「申し訳ございません。どうしてもやりたいと言うもんですから…。しかしオーナー、
  天かすの一件、えらいことになってきました」
オ「おぉ、そのことじゃ。気になってたんやがな。どうなった?」
部「仕入れ先が布施にあることまではわかりまして」
オ「布施? 近鉄沿線のあの布施か?」
部「そうです。それを知ったらピッチャーのベテラン連中が怒りまして。
  藪なんかは、どんな油を使てるのかを査察するために怒鳴り込みかけそうな勢いで…」
外「ダレガ、テンカス、クウェートイウタ。ナイトゲームハ、ヨルダン」
オ「わかったわかった、もうそれぐらいにしとけ。いとこい先生に怒られる。
  しかし困ったことになったなぁ…。球場に抗議デモなんかが来たらどないしょう」
部「抗議デモ? そらまたどういう…」
オ「わからんか? 『NO WAR for OIL』や」


ドンドン
634ごじゅういち:03/03/14 22:18
今回の作品は、このスレ内にある過去の私の作品を
読み直してもらうと、より一層楽しんでもらえるという、
なんとも手前味噌なことになっております。
セコい了見ですんません…。
635初挑戦:03/03/18 23:31
ガラガラ
店主「ヘイ、いらっしゃい」
客「♪たりらりら〜んのコニャニャチハ♪」
主「お客さんだいぶ酔ってますねぇ」
客「ここはいったいどこや?」
主「へい、ラーメン屋です。」
客「せっかくやから一杯食て帰ろか。おい、あの『たぬきラーメン』て何や?」
主「揚げ玉を上にのせたラーメンです」
客「揚げ玉て、天かすの事か?」(パチパチ)
主「その通りで」
客「うわ、えげつないな。こんな夜中にラーメン食べただけでも太るかどうか気にするのに、
  その上に天かすなんかのったらぶよぶよに太るで。そらもう小錦の脂肪みたいに・・・」
主「何です?」
客「何でもない。とにかくそんなん食えるかっちゅう話や」
主「それじゃあ、ご注文は何にします?」
客「その『たぬきラーメン』もらおか」
主「それなら最初から注文してくださいな。今から作りますから」
636初挑戦:03/03/18 23:32
客「ひっく、せっかくやから記念に一枚と。」
主「お客さん困ります。あの張り紙見てください。
 『店内携帯禁止、写真撮影禁止』って書いてあるでしょう。
  そんな写メールなんてされちゃあ」(パチパチ)
客「お前どこに目ぇつけとんねん」
主「はあ、こことここに二つ」
客「誰が場所を聞いてんねん。これを見てみい」
主「どこです?」
客「この指の先や」
主「爪が伸びてますね」
客「爪の先や」
主「垢がたまってますね」
客「携帯見てみいっちゅうねん!ドコモて書いてあるやろ!
  写メールっちゅうたらJ−PHONEや!わしのはドコモやからiショットや!」
主「あう。どっちでもいいですから携帯片付けてくださいな。ラーメン出来ました」
客「えっと胡椒、胡椒っと。へ、へ、へ、へっくしょん!へっくしょん!
  こら!お前の店では胡椒の代わりにスギ花粉でもいれとんのか!わしは花粉症で・・・
  へ、へ、へっくしょん!」(パチパチ)
主「お客さん、山盛りになるほど入れてるじゃないですか。
  そんなに入れたら、故障がございます」

ドンドン
637重要無名文化財:03/03/20 16:38
初挑戦さん、いいね。楽しめたよ。
638ネットdeDVD:03/03/20 16:58
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639sana亭omi:03/03/21 21:30
天かすをのせたラーメンが たぬきラーメンならば

ご飯の上にのせれば、てんかすばっか丼。

これでいーのだ。
640ごじゅういち:03/03/23 02:48
>初挑戦さん
写メールかiショットか、の啖呵の次にもってくるセリフが「あう」。
こういうセンス大好きです。
641丹野賢一:03/03/23 04:38
72 :何故小浜明人が嫌われるか :02/11/16 03:36
@下手だから。これが一番大きいわな。
A人を平気で罵るから。あの断定口調が。何様のつもりか。
B田舎臭さが抜けきらないから。そのくせカッコつけるからよけい始末が悪い。
C学もないのに知ったかぶりするから。思想、芸術、歴史についての知識が寡少。
D体臭が強いから。風呂に入れ。
E食事の作法がなっていないから。育ちの悪さが滲み出ているわ。
F笑い方が下品だから。
G思いこみが激しいから。そのおかげで周りの人間に八つ当たりするから。
H「成り上がりたい」一心でなりふり構わず、節操なく、何でもするから。
I自分で手を汚さずに、他の人間に泥をかぶらせて…。卑怯。
J友人の自慢話が多いから。本人が対したことないから仕方ないかな。
K学歴差別するから。てめーだってたかが同*社だろ。
 でも奴の頭で同志社に入れたのは奇跡。
L不細工な女としか付き合っていないのに、よそ様の彼女のことを「ブス」と言うから。
M相手によって態度をころころ変えるから。裏表があるんだね。ブッキング担当の…。
N客をバカにした態度をとるから。
O「大衆はしょせん…」という言葉を頻発しているから。彼は何様のつもりか。
P厚かましいから。遠慮がないから。図々しいんだね。
Q今は東京在住。でも地方出身者、なのに千葉県民を「百姓」と呼ぶから。
Rブランドものを身につけているのはいいが、あまりにギンギラし過ぎてダサイから。
Sそして、彼が音楽を愛していないから。それでいて音楽家として活動しているから。


642重要無名文化財:03/03/29 00:59
やはり何だかんだ言って面白いですね、皆さんの作品は。
初挑戦さんもごじゅういちさんも、すごく落語が好きだというのが
伝わってきます。
643重要無名文化財:03/04/04 00:06
それにしても、今まで何人の人が三題噺スレで作品書いてきたのだろう。
644重要無名文化財:03/04/05 00:41
そりゃもうたくさんの人ですよ。重要無芸文化財さんが上手かったね。
あとは名作「ヨンデレラ」かな。
645主催者:03/04/13 22:10
参加者の皆様には申し訳ございません。
ここのところ、帰宅後すぐ寝るという生活が続いていまして
パソコンにすら触れない毎日です。見れば、新参加の方も
多数いらっしゃり、またスレッドの回転率も遅いと指摘が
あって何ともお詫びのしようもありません。
今週中にも時間を見つけて、感想と第二十七回に向けての
進行を致しますので、今しばらくお待ちください・・・。
646重要無名文化財:03/04/15 18:30
気にするこたぁないよ、主催者さん。
確かに全部にレスするのは大変だしね。
作品で参加してる訳じゃないけど応援してるから。頑張って仕事と主催、両立させとくれ。

偉そうに言えないけど、作家の方々も同じお題で
別作品作ったり批評したりして主催者さんが
なかなか来れなくても盛り上げていけばいいんじゃないかな。
大喜利スレも(あちらはザブさん常駐だったが)両方協力で成り立っていたんだから。
647山崎渉:03/04/17 08:52
(^^)
648主催者:03/04/17 21:40
感想を書きます。

まず、>>630の携帯天皇さん「取材お断り(仮)」は短編ながら
凝縮されている印象を受けました。小技が効いていて「人生ツースリー」
のくだりなどセンスを感じます。山椒の代わりに杉エキスなのも
笑いを誘います。初参加ありがとうございます。更新は遅いですが
是非参加してください。

次に、ごじゅういちさんの>>631-633「オーナー困らし油地獄(仮)」は
いつもの球団のはちゃめちゃな内容が安心感とともに自信を感じさせます。
油にあたって体調不良になるという事で、こんな題名をつけてみましたが、
どこぞの新作落語みたいな題名になってしまいました。ネーミングセンス
落ちたといわれたらいいわけのしようがありません(笑)
変な外国人(アリ●ス?)のいとこい先生ネタもツボです。
タマチャワンは力押しですね(笑)

次に初挑戦さんの>>635-636「改・取材お断り(仮)」ですが、
携帯天皇さんの焼き直しとお見受けしましたが、ご本人さんでしょうか?
肉付けが非常にスマートで、オチもより秀逸なものに変えてありますが
もし別人の方ならば、一言「改作しました」と添えた方がよろしいかと。
内容はたぬきラーメンや爪の垢のくだりなど落語らしい流れで
鑑賞力を感じさせます。是非、次回もご参加くださいね。

それでは、これより第二十七回御題取りと参ります。
例によって一レス一単語で御願い致します。
なるべくサイクルを早くしていこうと努力いたしますので
何卒ご理解を御願い致します。
それではたくさんのご参加お待ちしております。
649重要無名文化財:03/04/17 22:37
エンスト
650重要無名文化財:03/04/18 01:38
兄弟
651佐々木健介:03/04/18 01:41
     ______
    /_      |
    /. \ ̄ ̄ ̄ ̄|
  /  /  ― ― |
  |  /    -  - |
  ||| (5      > |
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652重要無名文化財:03/04/18 03:03
五月病
653重要無名文化財:03/04/18 19:26
ふくらはぎ
654重要無名文化財:03/04/18 19:27
魚の目
655重要無名文化財:03/04/18 21:12
たこいぼ
656重要無名文化財:03/04/18 21:12
ぬるぽ
657ごじゅういち:03/04/19 02:14
お題取りの最中お邪魔します。

>>648の主催者氏
おほめの言葉感謝です。自信があるというのは大げさですが、
このスタイルが私にとって一番楽みたいで。オーナー=旦那、部下=番頭で
お店噺なんですよね。
ネーミングセンス云々をどうこう言うつもりはサラサラないんですが、
「どこぞの新作落語」との元ネタがわからなくてピンと来ませんでした。そこで、
「我がチームのイラク戦争」、厚かましくなければこんなのはどうでしょう?
あくまで、いとこい先生リスペクトで。

>>646
>作家の方々も同じお題で別作品作ったり批評したりして主催者さんが
>なかなか来れなくても盛り上げていけばいいんじゃないかな。

ギクッ。痛いところを…。
しかしまぁ、サイクルについても、そうお気になさらずに>主催者氏
宣伝やコピぺや山崎渉に負けないペースで作品と感想が並べば
問題ないと私は思ってますが…。
658重要無名文化財:03/04/19 02:56
賽の目
659重要無名文化財:03/04/19 18:32
>ごじゅういち氏
おそらく主催者氏のつけた題名は「女殺油地獄」から
きているとおもわれる。
660重要無名文化財:03/04/19 19:48
蛇腹
661主催者:03/04/20 00:32
たくさんの御題、ありがとうございました。

御題決定の前に・・・、ごじゅういちさんの「我がチームのイラク戦争」
正式名とさせていただきます。>>659さんの推測どおりの命名だったのですが
やはりそちらの方がいとこい先生意識があって分かりやすいと思いますので。
どこぞの新作落語、というのは特定の落語を指したのではないです。
新作落語では本歌取りのネーミングや長いタイトルが多い印象がありまして(笑)

それでは、第二十七回御題の発表です。
「エンスト」「五月病」「賽の目」
の三題です。
魚の目、たこいぼ、ときたのでイボコロリが来ると思いましたが
三段オチならずといったところでしょうか。

それでは新人さんも常連さんも気軽に三題噺をお楽しみ下さい。
たくさんの作品お待ちしています。
662重要無名文化財:03/04/21 00:47
前スレ読んでみたら、面白くてはまってしまった……
663重要無名文化財:03/04/21 21:23
確かに前スレは神がかったようなメンバーが噺書いていたからね。
ひょっとしたら本職が紛れ込んでいたのかとも思う。
664重要無名文化財:03/04/22 15:57
前スレか…あの頃は一日でお題集まって書いてたような。
今のペースも悪くないけどね。
本格派の登場に期待。
665444:03/04/22 19:43
おじゃまします。
666444:03/04/22 19:44
666(σ゚д゚)σゲッツ!!
667重要無名文化財:03/04/24 21:03
「エンスト」「五月病」「賽の目」

いち「えー、五月病屋でござい。五月病屋でござい。」(パチパチ)
に「五月病屋!」
いち「へい、毎年ありがとうござい。」
に「おめぇが来ると体がおかしくなるんだ、とっとと出ていけ。」
いち「いやぁ旦那、何と言われましてもこれがあっしの趣味なんです。」
に「趣味で気分悪くされちゃあかなわねぇや。必ず黄金週間狙ってきやがる。
おめぇのおかげでせっかくの休みなのに、この休みあけたら仕事だと思って
おいらやんなっちゃう。」
いち「今年は何にします?」
に「どうでも買えってぇのか。」
いち「今年はまた特にしなびた五月病をお分けできますよ。」
に「いらねぇよ。今から、これよ、これ。転がしに行くんだよ。」
いち「あぁ、土地を。」
に「土地転がしにイってどうしようてんだよ。そうじゃねぇよ、分からないかい?
賭博、サイコロだよ。」
いち「あぁ、それなら都合いいですよ。どんなばくち打ちでも賽の目が出ない
五月病、あぁおら博打はもう嫌だカタギになりてぇっていうのが
あります。」(パチパチ)
に「ネーミングセンスねぇな、おめえ。」
668重要無名文化財:03/04/24 21:03
いち「仕入先に言って下さいな。そしたらね、とっておきのしなびたのを
割高でお譲りしますよ。」
に「いらねーつの。しなびたのが割高かよ。」
いち「しなびたのが本場ものなんですよ。」
に「五月病の本場ってどこなんだよ。」
いち「新入社員寮です。」
に「うめぇこといわねぇで、とりあえず出せ。」
いち「これです、通勤途中でエンストしちゃった、このまま仕事で怒られるなんて
憂鬱だから帰ろうっと、というものです。仕事とともに車ともおさらば。
飲めばたちまち鬱になります。」(パチパチ)
に「飲み物なのか?五月病ってのは。」
いち「えー飲み物ですよ。何せ四月の歓迎会あたりで、皆飲まされてますから。」
どんどん
669重要無名文化財:03/04/26 15:22
今回はシュールと江戸落語の融合で書いてきたね。(・∀・)イイ!!
670重要無名文化財:03/04/28 02:25
671二度挑戦:03/04/29 16:03
御題「五月病」「賽の目」「エンスト」

若旦那「おこんつわ」
熊「おや、竹藤屋の若旦那じゃござんせんか。どうしました?」
若旦那「どうもしないけどさ、あたしのさ、友達に吉五っていうのがいるだろ、
あの顔の悪い。」
熊「ひでぇ言い方だ。あぁ、桶屋の。あの吉五がどうしました?」
若旦那「それがね、いつもは中に繰り出すような時分になっても、ボーっとね、
月を眺めてるんだよ。頭まで悪くなったのかしらと思ってね。」
熊「吉五が?あぁ、そりゃあね、病ですよ。月の病です。月病。」
若旦那「月病?聞いたことないね。」
熊「えぇ、月病ですよ。吉五、月病。吉五月病。」(パチパチパチ)
若旦那「何だぃ、吉五が病名みたいじゃないかさ。何だぃ、どういう病
なんだよ。」
熊「どうやら香港の方角から流れてきたらしいんですがね。夜になると月を
眺めたくなるんだそうですよ。だからね、皆マスクをするんです。」
若旦那「マスクの意味がよく分からないね。うつるのかい?」
熊「月に群雲ってぇでしょ、集団感染だといけないから皆マスクしてんですよ。
この際だから若旦那、吉五とは縁をお切りなさい。あなたもうつります。
縁ストップ。ね、そうなさい。エンストップ。エンストップ竹藤。」
若旦那「うまいこというね。エンショップだろうに。けど、あたしゃ嫌だよ。小さい時分からの幼馴染だ。
そうやすやすと見逃せないよ。何とかならないかね。」





672二度挑戦:03/04/29 16:03
熊「クスリがあることはあるんだそうですがねぇ。」
若旦那「だったら話が早いじゃないか。早速飲ませるよ。なんてクスリだぃ?」
熊「えぇ、何でもね、月のかけらを飲ませると治るんだそうですけど、月にゃ
そう簡単にはいけやせんしね。」
若旦那「何だぃ、それじゃあ何にもならないよ。けどさ、誰か飲んだやつが
いるからクスリになるって分かったんだろ?じゃあ、どこかにあるんですよ、そりゃ。」
竹「よぉ、熊・あ、若旦那、どうもこんなとこで。」
熊「おぅ、竹、どうした?」
竹「いやあ、こないださ、甥っ子が野球で甲子園に出たんだけどさ、甲子園の土の
中に妙な石が混じっててさ。それが専門家の話だと何と月のかけらなんだそうだよ。
珍しいから自慢しにきたんだ。」
熊「おめぇ、グッドタイミングだよ。若旦那、これですよ。」
若旦那「これがねぇ、そうかぃ、熊さん、ちょっとためしに飲んでご覧。」
熊「勘弁してください、のめませんよ。」
若旦那「だって、誰かが飲まないと飲めるかどうか分からないだろ。」
熊「嫌ですよ・勘弁してくださいのめません。」(パチパチパチ)
若旦那「じゃあしょうがないね、このまま吉五のとこに持っていくよ。」
吉五「あぁ、若旦那。何だぃ?」
若旦那「さぁ、お飲み。」
吉五「何だぃ、この石は。何?月病?冗談じゃねぇや。俺は病気じゃないよ。
若旦那、やめてくれよ。」
若旦那「だって、吉五。月を眺めるだろ?」
吉五「当たり前だぃ、俺、今、月眺めにこってんの。月が好きなの。」
若旦那「やっぱり変だ。とにかく飲みな。でないと、今までのたてかえた銭、返せ。」
吉五「分かったよ、飲みますよ。のみゃいんだろ。」
若旦那「おい、吉五。お前さん、無理でも歯でガッと食わなきゃいけないよ。」
吉五「えぇ、飲むんだろ?わざわざ噛むの?」
若旦那「いやあ、歯で食う無理も月好きさ。」
どんどん
673sana亭omi:03/04/30 19:07
>歯で食う無理も月好き

面白い。やっぱり落ちが大切だと改め思いました。

「月が好き」とか「歯で食う」とか、なんでかな?
枝雀師風に言うと、だっでですかぁ?と思っていたらそうきましたか。
元々は、
田舎の少数派の蛙の自己主張的独り言なんだけれどね。
まあ、
竹藤さんに縁のある人は、月に円が付き物だ。

ところで、
「月病」は「つきびょう」と発音するんですよね?
これを「がつびょう」と発音させるように何か工夫するか、
あるいは
吉五じゃなくて吉三にして「さつき病」と読ませるか?
もっとも、それでは、
せっかく「桶屋」にした意味がなくなるし、・・・難しいですね。
二回目の投稿ですか?
初回の作品のレス番号を教えてください?

674前スレ亭ごじゅういち:03/05/04 03:21
「エンスト」「五月病」「賽の目」

ありがとうございます。一生懸命のおしゃべりでございます。
先日、ひょっとテレビで見たのでございますが「月に行ったロケットの話はウソや」ということを
言い続けてる人がおられるのやそうでございます。わかるような気がいたしますなぁ、これ。
地球と月とロケットですからな。動いてるもんから動いてるもんへ、動いてるもんに乗って
行こうというわけでございますからな。これはもう大変でございますよ。
さて今日のお話は、いつものようなお古いお噂とはちょっと趣が違うのでございます。
近未来のお話、a tale of the near futureなのでございます。日本で初の有人宇宙探査船という
壮大なプロジェクトが立ち上げられまして、その船長を任されました田中と、乗組員の小林が
何やら相談をしておるのでございます。

小林「ほたら何ですかいな船長、操縦士の平井さん、今日も休んではりまんのか?」
田中「そうやがな。打ち上げまでもう一週間もないというのに、病欠が三日も続いてますのじゃ」
小林「病欠が三日? そらあきまへんなぁ。どないしなはったんで?」
田中「さぁそこじゃ。三日前に『体調が思わしくないので休みます』という連絡があってから、宇宙
   開発事業団専属の医者を見舞いにやっても皆目見立てがつかん。そのお医者はんが仰るには、
   特別どこが悪いということもないものの、本人のやる気が全く見られんのやそうな」
小林「ははぁん、あれでんな。この季節になると妙にやる気が出んようになるちゅうヤツ…」
田中「平井くんぐらいになると、もうキャリアも長い。昨日今日入った新入りやないさかい、
   いまさらこの時期に五月病てな歳でもないわいな」(パチパチパチ)
小林「それもそうでんなぁ。ほたら…」
田中「まぁ、黙って聞きぃな。ついさっき平井くんから電話があって、小林くん、あんたになら
   休んでる理由をしゃべれると、こう言うてますのじゃ」
小林「そしたら、わたいが平井さんの様子を見て来たらよろしいんで?」
田中「そういうことになるな」
小林「わかりました。行てまいります」
675ごじゅういち:03/05/04 03:23
小林「平井さん、いてはりまっか?」
平井「あぁ、小林くんか。えらい心配かけてるようですまん」
小林「すまんやおまへんで。みんな心配してまっせぇ。平井さんがおらなんだら
   この計画はどないなるんや言うてね」
平井「いや、もう私なんかはおらんようになっても…」
小林「そんな元気のないことでどないしまんねんな。けど平井さん、わたいにだけは
   休んでる理由をしゃべるやなんて、喜んでまんねんで。あ、そうや。当ててみまひょ。
   その理由を。そうでんなぁ…、うーん、この時期にみかんが食べとうなった」
平井「みかんぐらい、食べたなったら買うてくるがな。今日び、どこでも買えるやろ」
小林「違いまんのか。あ、ほたら、夢で見たおなごに恋煩いでんな。暦の揃うた人間の生き胆が…」
平井「何を言うてんねん。違うがな。いや、そんなら話をするけど…。この歳になって
   恥ずかしい話なんやが、私は車の免許というもんを持ってない。で、先月から自動車免許の
   教習所という所に通いはじめたんや」
小林「あそこの教習所でっか。よろしいなぁ。あそこは教官に若い美人が多いので有名でっせ。
   平井さん、どの子を口説きなはった?」
平井「そんなことするかいな。けど、おまはんの言う通りや。確かに教官にはきれいな人が多い。
   あれは通いはじめて二週間目ぐらいやったかなぁ。坂道発進の教習の日や。
   それはそれはかわいらしい教官が横に乗ってきてな。はてどこのお嬢さんやろうと
   見とれながらおったら、車をエンストさせてしもうたんや」(パチパチパチ)
小林「ぷっ! どんくさいこってんなぁ。それでその教官がどこのお人やわかりまへんのやろ。
   『瀬をはやみ、岩にせかるる瀧川の』」
平井「違うがな。小林くん、あんた落語の聞きすぎとちゃうか?」
小林「わっかりますか?」
平井「わからいでか。えぇかいな。ウソでも私は宇宙船の操縦士やで。ロケットエンジンで
   宇宙まで出て行こかというのが職業や。その私があんなガソリンエンジンの自動車を
   ほんの何メートルかの坂道を登らせることもできんやなんて…。そう思たらもうあかん。
   頭が上がらん…」
676ごじゅういち:03/05/04 03:23
小林「しょうもない。そんなことで寝込んでまんのか? ロケットと自動車では比較に
   なりますかいな。第一そのエンストかて、近くに若うてかわいらしい女の子がおったさかい
   起こしたんでっしゃろ。心配いりまへんがな。うちのメンバーで女ちゅうたら、通信士の
   前田さんしかおりまへんがな」
平井「これこれこれ。ともかく、自動車もまともに動かせやんようなことでは、ロケットの操縦なぞ
   とてもできる自信が持てん。帰ったら船長にそう言うて謝っといてもらえんやろか」

小林「行てまいりました」
田中「どやったな? 自信をなくしてる原因はわかりましたかな?」
小林「しょうもないことだっせ。平井さん、車の免許が取りたいというて、教習所通いを
   はじめなはった。これがあきまへんがな。あそこの教官は若い美人が多い」
田中「ふんふん、そしたら、平井くんはそこの教官を口説いたんか?」
小林「わたいもはじめはそう思いましたんや。ところが違いまんねん。坂道発進で車をエンスト
   させたんやそうで。自動車も動かせやんようなことでロケットの操縦なんかできん。
   頭が上がらん、調子も上がらん、物価も上がらん、スレッドも上がらん」
田中「何を言うてんねんな。わかりました。よう聞き出してくれました。何はともあれ、
   平井くんには自信を取り戻さしてやらにゃいかんな。小林くん、あんたにも手伝うて
   もらいましょかな」
小林「構いまへんけど、何をしまんねん?」
田中「とりあえず、シミュレーションの訓練からやり直しやろなぁ。今晩あいてるかいな?」
   ん? あいてる。ほな、夕方の6時にもう一回集合ということで」
小林「6時にここのシミュレーションルームへ行ったらよろしんでっか?」
田中「いや、ここではいかん。ロケット広場や」
小林「ロケット広場! シミュレーション訓練ちゅうのはそれですかいな。ほたらこの後6時で
   待ち合わせは…そらやっぱりロケット広場ですわなぁ…」
田中「あんたに何をしてもらうかはその時に言うさかいに、頼みましたで」
677ごじゅういち:03/05/04 03:25
のんびりした船長さんでございます。ところで、ロケット広場をご存知ない方もおられるやろうと
思うのでございますが、先ほども申しましたように大阪の待ち合わせ場所の定番でございます。
難波の地下街にロケットがデーンと置いてございまして、これをば、遊びに行く約束をした若者から
一日の仕事を終えたサラリーマンやOLに至るまで、ぎょうさんの人が待ち合わせに利用している
のでございます。東京でいうところのハチ公みたいなもんで…

小林「アホらしなってきたな、ほんまに。それにしてもうちの船長はほんまに変わってるな。
   ロケット広場で何の訓練ができる? しかしなぁ、普段はあんな人でも世間では
   日本のカーク船長やとかピカード艦長やとか言われてんねん。本人はピカードという
   音が気に入らんらしいけど…。遅いなぁ。何をしてんねんな。また平井さんがゴネてる
   のと違うやろか。あ、来たがな。平井さんも連れて。船長! ここでっせぇ!」
田中「おぉ、遅なってすまなんだ。心斎橋から歩いて来たらやっぱり間に合わなんだな」
小林「心斎橋から? またなんでだんねん?」
田中「大丸デパートからロケット広場。ダイマル・ロケット言うてな」
小林「ア、ア、ア、アホなことを………船長、それを言うためだけにわざわざ心斎橋から?」
田中「さ、そしたら早速ロケットに乗ろかいな」
小林「え、えーーっ? このロケット、乗れまんの?」
田中「何を言うてますのじゃ。このロケットは、日本で最初の静止衛星を打ち上げたロケットと
   同じ型式、同じ仕様、同じメーカーで作られてて、なかなか由緒がありますのじゃ。
   あんた、宇宙開発事業団に長いことおってそんなことも知らなんだんか?」
小林「そんないわれがおましたんか」
田中「ほれ、平井くん準備はえぇかな?」
平井「準備て船長、何のです?」
田中「今から小林くんに打ち上げの時の秒読みをやってもらいます。それで早いとこ
   ロケットの操縦の勘を取り戻してくれんかな」
平井「そんなアホな。これのモデルは無人ロケットですがな。操縦もヘッタクレもありませんで」
678ごじゅういち:03/05/04 03:26
無茶な話もあったもんでございます。さて、この広場にあるロケット、姿形は確かに本物そっくりの
ロケットでございますから、本人は…ロケットに「本人」はおかしゅうございますがな、
最初は飛ぶ気満々やったんでございます。ところが、本人の意思に反し難波てな所に置かれてしもて
失意のもとに長い眠りに入っておりましたところ、思いもかけませず本物の宇宙飛行士になろうか
という人間が腹の中に入ってきたもんですからボチボチ目ぇ覚ましだしよった。久しぶりに起きた
このロケット、周りを見てみますというと、相変わらず待ち合わせの人でいっぱいでございます。
ちょうどひとかたまりのサラリーマンの会話が耳に入ってまいりまして…

通行人「みなさんおつかれさんでございます。今日は慰労を兼ねた打ち上げですさかい、
    パーッといきたいと思います」
ロケット「何やて? 打ち上げ? わしを? 待ってたんやがな、やっとかいな。嬉しいなぁ。
     おぉ、見物の人もぎょうさん集まってるがな。よっしゃ、がんばるでぇ〜」

そんなことには気付くはずもございません、中の三人…

田中「小林くん、はじめてくれ。ほれ、秒読み。カウントダウンや」
小林「ほんまにやりまんのか? ほな、いきまっせ。20、19、18、17…」

ロケット(寄り目になって口をとんがらせて)「行くでぇ〜、行くでぇ〜」

平井「船長! や、やっぱり私、怖い」
田中「集中せんか平井くん。もう一回打ち上げの時の操縦の手順をようイメージするんや」
平井「えーと、燃料系統を確認してから、えーと、バックミラーとサイドブレーキが…」
田中「ロケットにサイドブレーキはない!」
小林「いよいよアホらしなってきたがな。こんなんまじめにやってられんで。えぇい。
   6、2、5、3、4、また4、次はピン」
田中「そんな賽の目みたいな秒読みがあるかいな」(パチパチパチ)

ロケット「ケッ、しょうもないことやってけつかる。ちゃんとせぇ、ちゃんと!」
679ごじゅういち:03/05/04 03:30
田中「小林くん、もう一回30から頼む」
小林「まだやりまんの? へぇへぇ。30、29、28…」
田中「さぁ平井くん、イメージするんや。国産ロケット初の有人宇宙飛行や!」
平井「はい船長、思い出してきました! これなら行けそうです!」
小林「4、3、2、1、0!」

ロケット(より一層寄り目になって)「ゴォォォォーーッ!」(立ち上がる)

この環境でこの芸風はどうかと思うんでございますが…。
激しい思い込みというのは恐ろしいもんでございまして、このロケット、エンジンも燃料も
何にもないのに、勝手に宇宙へと飛び出していったのでございます。
680ごじゅういち:03/05/04 03:31
小林「船長! ほ、ほんまに、ほんまに飛んでます!」
平井「わぁぁ! 私のせいとちゃいまっせぇ!」
ロケット「気が付いたんかい」
小林「ロ、ロケットがもの言いよった」
ロケット「お前らのおかげでわしもやっと飛ぶことができた。おおきに」
小林「おおきにやないがな! 船長! どないしょう」
田中「静かにせぇ。ははぁん、ロケットにはロケットの魂が宿る、か。えらいもんじゃな。
   平井くんのためとはいえ、ちょっと悪ふざけが過ぎたかとは思うたが。まさかこんなことに
   なるとはな…。おいロケット」
ロケット「何じゃい?」
田中「返事するだけにおもろいな。お前、飛びたかったんやなぁ。長い間、飛びたかったんやなぁ」
ロケット「当ったり前じゃい。わしゃロケットやで」
田中「わかってるがな、で、飛べたんはえぇけど、帰りはどないする?」
ロケット「そんなもん知るかい。エンジンも何にもないんやさかい」
田中「それでは困るがな。もう飛んだんやさかい満足じゃろ。おいロケット、ロケット!」
小林「…もの言わんようになりましたで」
田中「あかん。わしら、もう助からん」
小林「そんなアホな…」
平井「船長、一つ気になることがありますねんけど」
田中「何じゃな?」
平井「ロケットがないようになってしもたら、ロケット広場は何と呼んだらよろしいやろ?」
田中「気楽なことを言うてる場合かいな!」
小林「船長、わたいら、もう助かりまへんのやなぁ、死ぬんでんなぁ?」
田中「こうなったらどうしようもないな、もう」
小林「そうと決まったら、わたい、一つだけ嬉しいことがありまんねん」
田中「そらまたどういうこっちゃな?」
小林「また生で枝雀の落語が聞けまんねん」


ドンドン
681sana亭omi:03/05/04 12:51
>ごじゅういちさん

何か僕がリクエストしたみたいで、気を使わせて
しゅびばせぅでぅ。

>ありがとうございます。一生懸命のおしゃべりでございます

書き出しの部分で、おや?と思い
その後、引きずられるように一気に楽しみました。

僕も四級小型船舶操縦士の運転免許を取得した時、
これで
原子力空母エンタープライズの操縦も可能だと思ったものでした。

作品中のくすぐり
>頭が上がらん、調子も上がらん、物価も上がらん、スレッドも上がらん

僕の実感から言ったら物価よりも給料(日当?)の方が切実です。(笑)
それと
>スレッドも上がらん
これを見て爆笑した人が何人くらいいるんでしょうね?
まあ、ゆっくりやりましょう。
・・・って全然作品を投稿しない僕が言うのもなんですが。

ところで、
作品中の英文をひらがなで表記することは
ごじゅういちさんの感性にそぐいませんか?
682重要無名文化財:03/05/05 02:47

> 二回目の投稿ですか?
> 初回の作品のレス番号を教えてください?

たぶん >>635-636 の「初挑戦」さんだと思います。ですよね?
683新参亭トーシロウ:03/05/05 05:00
お久しぶりの登場です。見てはいたんですがかけなくて…


エンスト 五月病 賽の目

「どうも先生、おじゃまします」
「やあこんにちは。久しぶりだね」
「ほんと久しぶりですよ。ここんとこ先生、集まりに顔を出さないもんだから
 みんな心配してんですよ」
「そりゃあすまないね。あんまり気乗りがしなくてね…ふぅ」
「こないだもね、あたしが聞いてるとね、『最近先生来ないねえ』って話を
 六さんがし始めて、『あの小うるせえ爺様もとうとう逝っちゃったか』なんて
 いうから」
「ひどい言われようだな」
「そうですよ、あたしは先生と仲がいいですからね、『そんなわけがあるか』と
 猛然とね」
「おお、言ってくれたか」
「ええもう。『死んでたら貸した金を取り立てに枕元に出るはずじゃねえか』ってね」
「なんてことを」
「そしたら奴さん『いや死んだら金に執着が無くなるんだから取り立てに来ねえ
 のが死んでる証拠だ』なんて言いやがるんで言ってやりました」
「どっちもどっちだが…なんて言い返してくれたんだい」
「『そうだなあ』って。」
「…はぁ。…もういいよ、期待した私が馬鹿だった」
684新参亭トーシロウ:03/05/05 05:00

「そいでね先生、」
「…んあ。」
「んあ。じゃないですよ、ちょっとほんとに死んじゃイヤですよ。どうしたん
 ですか一体」
「別にどうもしやしないんだけどね」
「ちょっと教えて欲しいんですよ」
「何かな」
「先生、俳句がご趣味じゃないですか。俳句をね」
「ほう、お前さんが俳句?…似合わないねえ」
「あたしもそう思いますけどね、やんなきゃしょうがないんですよ。かみさんの
 関係で吟行ってやつに行く羽目になっちゃいまして」
「吟行、いいじゃないか。新緑の美しい季節だ」
「まあそんなわけで、俳句をひょいっとひねり出すコツみたいなもんをパパッと
 教えて欲しいってね」
「そんなものあったら誰も苦労しないよ」
「まあまあそう言わずに」
「うーむ…そう簡単にひねり出せる方法なんてありはしないが、まあ考え方の
 筋道のようなものはあるね」
「それそれ、それを教えてくださいよ」
「あわてなさんな、そうだな、まず詠みたい物を決める」
「はぁ」
685新参亭トーシロウ:03/05/05 05:00

「感動の中心だな。吟行に行くならその中で心に響く風景をじっくりと見て、
 味わう」
「心に響く、ねえ。なんも思わなかったら?」
「別に自然の風景でなくてもいいんだ。お前さんの興味のあるものを見つけて
 それを自分だけの言葉で表すわけだ」
「はぁ。…自分だけの言葉、ねえ。なんか難しそうですね」
「風景や物事を見るのでも人によって見方、見え方が違うだろう。ちょっと
 ひねった見方をすると面白い句ができたりするね」
「ふぅん。面白いのがいいんですか」
「言葉の選び方や音の面白さだよ。それから韻を踏むというのもある。俳句では
 あまりやらないんだが、韻を踏むことによって面白い効果が出ている句もあるね。
 『柿食へば 鐘が鳴るなり 法隆寺』なんてのは上五と中七の『か』が韻を踏んでる」
「なるほどね、頭の一つだけ合わせるんですねえ」
「そうそう。二つ合わせたっていいんだが、俳句は十七音しかないからね。
 二つ合わせるとなるとたいへんだ」
「ははあ、そうですねえ。自分の興味のあるもので?ひねった見方で?韻を
 踏む?うーん」
「いやいや別に全部やらなくったっていいんだ、こういうやりかたもあるよって…」
「あ。できた」
「早いね」
686新参亭トーシロウ:03/05/05 05:01

「あたしの興味のあるところでちょっと気になってることがありまして」
「いいじゃないか、どんなのだい」
「『賽の目に』」  (パチパチ)
「ナニ?…そういやお前さん賭け事好きだったね。まあいい、聞こう。『賽の目に』」
「『賽の目に 賽の河原に お賽銭』」
「なんだそりゃ」
「『同じ漢字で 意味がいっぱい』」
「下の句までつけてら。無茶苦茶じゃないか。」
「でも不思議じゃないですか。なんで同じ漢字なんでしょうねえ」
「もともと「賽」という字は「塞の神」、つまり土地の神様への奉り物の意味しか
 なかったんだ。それが神仙占いに使う道具であるサイコロの名前になったらしい。」
「へー、じゃあ賽の河原は」
「賽の河原に子供を救いに来るのは地蔵菩薩だが、この地蔵が道祖神、塞の神様
 とごっちゃになって、地蔵が救いに来る河原が賽の河原と呼ばれるようになった
 のじゃないかな。」
「ははあ、さすが先生、物知りだ」
「なにちょいと検索すればね」
「は?」
687新参亭トーシロウ:03/05/05 05:01

「いやなんでもない。それよりね、さっきの俳句はダメだよ。季語がないや」
「あ。季節の言葉を入れるんでしたっけ」
「そうそう」
「韻を踏むよりそっちのがよっぽど大変ですよ」
「大変って…そもそも俳句ってな季節を詠む物なんだから。季節の移ろいを感じ取り、
 洗練に洗練を重ねてたったの3文字や5文字に込めるのが醍醐味なんだよ」
「なるほどね。あ、先生なんだか元気が出てきましたか」
「はは、好きな俳句のことになると夢中になるらしい」
「そうだ、元気になったついでにこれから集まりに行きませんか」
「これからかい」
「善は急げってね。今日は車で来てんですよ、送ってきますから」
「ええそうかい?うーん、まあ家で鬱々していても仕方ないか、ではお願いしようか」
「『鬱々と してる爺ぃを 引っ張り出し』」
「さらっとひどい句を詠むんじゃないって。また季語がないし」
「『季語がない ああ季語がない 季語がない』」

ってな具合で、支度して出発しようというんで車に乗り込みまして。

「また随分と古い車だね」
「人から安く譲って貰ったもんで年代物なんですよ、あ、先生喋んない方がいいですよ、
 舌噛みますから」
「どんだけ揺れるんだい、恐ろしいなあ」
「そんじゃ行きます、…あれ、エンジンがかからない。(キーを何度も回す)…あれ」
「大丈夫なのかい」
「来るときは機嫌良かったんですけどねえ」
ガクガクガク、プスン。
「あー、止まった…」
「『エンストや 人も車も 五月病』」  (パチパチ)(パチパチ)

ドンドン
688sana亭omi:03/05/05 08:53
>No.682さん、

ありがとうです。
少し上へスクロールすれば分かりましたね。
挑戦シリーズさん、失礼。僕がおそ松でした。

>新参亭トーシロウさん

お久しぶりです。
幽霊が催促する時は、おあしをくれ〜
ですかね?
689ごじゅういち:03/05/05 23:20
>>681omiさん
毎度丁寧な感想をどうも。リクエストに応じた、と言えればいいんですが…
お題取りの日にちが日にちだったので元々これをやるつもりでした。むしろ、
>>673の感想とネタが「つく」のに驚いたり困惑したりw

>作品中の英文をひらがなで表記すること
ちょっとよくわかんないです。「ろけっと」とか?

>トーシロウさん
ぜひ扇橋さんの口調で聞いてみたい作品ですね。渋いなぁ。
690新参亭トーシロウ:03/05/06 01:47
>>688
> 幽霊が催促する時は、おあしをくれ〜
> ですかね?

幽霊のおあしは六文もあれば十分なんでそっちのが良かったりして。

>>690
>> 作品中の英文をひらがなで表記すること
> ちょっとよくわかんないです。「ろけっと」とか?
たぶん「a tale of the near future」のとこですよね。
「あ てぇる おぶ ざ にあ〜ひゅーちゃあ」って枝雀さんぽくっていう
意図じゃないでしょうか。
691新参亭トーシロウ:03/05/06 01:48
まちがえた。>>689 でした。
692通りすがり:03/05/06 07:35
エンスト 五月病 賽の目

通りすがりに落とし噺を一席・・・

母「ひろ君、早く支度しないと遅刻しちゃうわよ、ねえ、ひろ君! 」
子「・・・おはよう・・・」
母「あら、ひろ君、元気ないね。どうしたの?
  お腹痛い?熱があるのかしら・・?」
子「・・具合は悪くないけど・・お母さん、僕学校休んじゃ駄目かな・・」
母「どうしたの、ひろ君、学校で何かあったの?」
子「・・・・・・」
父「ひろし、どうしたんだ?学校行きたくないのか?わけを話してごらん」
子「・・怒らないでね・・・
  ・・・四年生になってクラス替えがあったでしょ?それで、仲良かった子と
  違うクラスになって・・なんか、クラスになじめないっていうのかな・・
  やる気がおきないっていうか・・」
父「そうか・・ひろしも悩んでいるんだな。五月病か・・。(パチパチ)
  よし、今日は学校休んでいいぞ!」
子「ほんと!?」
父「本当だ。お父さんも会社を休む、お母さんは家事をお休み。
  みんなで今日は社会勉強だ。お母さん、支度して!」
母「あら、私も家事は休みなんでしょ?みんなで分担して支度しましょ。」
子「うん!」
父「そうだな、ごめん。家族で楽しく過ごしてひろしの五月病を追い払おう。」
693通りすがり:03/05/06 07:38
子「お父さん、僕キャッチボールがしてみたいな」
父「そうか!そういえばひろしとキャッチボールしたことなかったな
  こうみえてお父さん、高校球児だったんだぞ。
  あまり上手じゃなかったから補欠だったけど、野球が大好きでな・・
  毎日グラウンドを走りまわってたな・・」
母「そうだったわね・・あのころのお父さん、坊主頭で真っ黒に日焼けして、
  レギュラーにはなれなくても一生懸命だった。すごく素敵だったわ・・・
  ソフトボール部の練習中も、お父さんのことが気になって
  よくエラーしてたなあ、私・・・」
子「子供の前で遠くを見つめてのろけないでよ、我が両親」

父「ほら、ボールをよく見て。うまいぞ!」
子「僕、野球の素質あるかな?」
母「お父さんが高校生だったころよりうまいんじゃない?」
父「そんなことがあるか!おい、ひろし、お父さんのボールが打てるか?
  バット持ってみろ。お母さんはキャッチャーだ!」

熱くなったお父さん、振りかぶります、第一球、投げました!
カキーン!大きい大きい!ホームラン!

母「ひろ君すごーい!ホームランよ!才能あるよ、絶対!」
父「・・今のは軽く投げたんだ、いきなり速い球を投げるわけにいかないじゃ
  ないか、ひろし相手に・・・次は本気でいくぞ!」

694通りすがり:03/05/06 07:39
ますます熱くなったお父さん、第二球、投げました!
カキーン!大きい!大きい!場外ホームラン!

子「お父さん、もっと速くていいよ」
父「・・・意外とやるじゃないか・・さすが俺の息子・・
  しかし親子といっても勝負は勝負・・・今までのは練習だ、
  お父さんの消えるフォーク、受けてみろ!!!!!」

ますますますます熱くなったお父さん、三球目、投げました!
カキーン、特大ホームラン!

子「お父さん、消えるフォークじゃなく消えんストレートだったよ」(パチパチ)
父「俺を打ち負かすとは・・ひろし、お前は野球の天才だ!」
母「ひろ君の目、朝はすごく憂鬱そうで暗い目をしていたのに
  今の目は自信に満ち溢れた、きらきらした目だわ!」
父「本当だ!天才の目だ!」(パチパチ)
子「うん、なんだか僕自信がついたよ!やる気が出てきた!
  明日学校に行って野球クラブの入部手続きしてくるね、いいよね」
母「もちろんよ!」
父「がんばれよ!ひろし!」
695通りすがり:03/05/06 07:41
野球少年となったひろし君は、毎日嬉々として練習に励んでおります。
母「ひろ君、またこんなに泥だらけになって」
子「ただいま!おかあさん、今日は監督に褒められたよ!筋がいいって」
父「よかったな、ひろし。甲子園をめざすか?
  しかし、こんなに楽しんで学校にかよってるんだもんな、
  ひろしが五月病だったなんてずいぶん昔のことみたいに感じるよ」
子「昔なんかじゃないよ、さっき(さつき)の病(やまい)だ」

どんどん
696重要無名文化財:03/05/06 23:37
うまい!
697sana亭omi:03/05/07 19:17
父は、
ひろしに自信をつけさせるためにわざと打たれたのか、
それとも真剣勝負だったのか、
それは読む人が決めるんでしょうね。
なんか
ジョーのラストシーンみたいですけれど。

>通りすがりさん、
時々通りすがっていただきたいと思います。
698ごじゅういち:03/05/08 00:48
>>690のトーシロウさんの解釈に沿って答えるなら
それだとちょっと読みにくくなりすぎかな、と思うところもあって
アルファベット使いました。まぁ、外国人選手に全部カタカナでしゃべらせといて
今さらそれはないだろう、という説もあるでしょうが…w

>通りすがりさん
さわやかっすねぇ。私には書けん路線の野球噺かな。
将来は妙なオーナーのチームへぜひどうぞ>ひろ君
>>692-695
Σ ( ̄ロ ̄lll) 初めて来てみたざぶが、すごいざぶ!!
展開の仕方といい、後味の良い切り口といい、お見事ざぶ。
かっこいいスレざぶ。また見に来るざぶ。
700通りすがり(帰り道):03/05/08 16:54
拙い初投稿作を読んでくださった方々、感想を下さった方々、ありがとうございました。
>sana亭omiさん
また通りすがりますので、よろしくお願いいたします。
>ごじゅういちさん
上方落語は不勉強なのですが、ごじゅういちさんの作品で
上方の雰囲気を楽しませていただいております。
>座布団業者さま
出張レスありがとうございます。
大喜利スレの復活も楽しみにしております。
701重要無名文化財:03/05/15 13:35
最近古典チックな噺が減って寂しいなあ。
702新参亭トーシロウ:03/05/18 23:30
>>701

実は同感です。

「エンスト」をどうしようかかなり考えたんですけどねえ。力が足りませんでした…
703ごじゅういち:03/05/20 21:57
>>701
今後の参考に心の隅にとめさせていただきます。
あんまり期待されても困りますが…。

擬古典が得意な常連の方々が揃ってご無沙汰気味なのは
ちょっと寂しいっすねぇ。
704湖亭半弗:03/05/21 21:51
ご無沙汰しております。擬古典でいきます。
「エンスト」「五月病」「賽の目」ですね。

 あいかわらずごく古い噺を聞いていただきますが。昨今ではこの、
リサイクルブームやとかで質屋さんやとか古着屋さんなんかが町々でも
増えまして、あの服わしが売った服ちゃうかしらなどというような、
まぁなかなか面白い見方も出来るようになりましたが、昔も質屋というものは
ずいぶんと近い存在やったんやそうですな。
質屋「これ、あんた、言うたら何ですけど、こんな汚い瓢箪、十銭より
ならしまへんで。」
客「そら、お前、中を見てないからやがな。」
質屋「中、て何もおまへんがな。」
客「駒が出てくるで。」
無茶言う客もあったようですが、

武家「あぁ、許せよ。」
質屋「お越しやす、あぁこれはお武家様。ま、ま、座布団をおあて。」
武家「や、かたじけない。うん、実はな、これを買い取ってもらいたい。」

705湖亭半弗:03/05/21 21:52
質屋「はぁ、大きなもんかたげてこられましたな。ものは何でございます?」
武家「これはな、当家に伝わる事一代のしろものじゃ。」
質屋「へぇ、一代・・・、あ、なるほど、お武家様がお買い求めになられた。」
武家「さよう。いや、わしはな、今でこそ京より遠陬(えんすう)となりし国許勤めで
あるが、元は京住まいであってな、コウノイケよりこれを譲りうけたものじゃ。」
(パチパチパチ)
質屋「鴻池ちゅうたら、あの鴻池はんでやすか!はぁ!それはえらいもんでやすな。」
武家「いや、あの鴻池ではない。わしの屋敷の『向こうの池』の奥に住まいし
道具屋じゃった。さっぱり売れんで『むなしいむなしい』と言うておった。
よって、向こうの池のむ無しの道具屋、コウノイケじゃ。」
質屋「よぉそんな事言いなはるな。で、これは・・・ほぉ、屏風でやすな。
ほぉほぉ、新緑の中に牡丹の花・・・、旅人が雨に降られて・・・、五月雨で
やすな。」
武家「さよう、道具屋は『五月屏風(ごがつびょうぶ)』と申しておった。」(パチパチパチ)
706湖亭半弗:03/05/21 21:52
質屋「なるほど、五月の風景で五月屏風・・・、これは・・・、広重?!
何でやす、これは、あの、歌川広重の!?」
武家「よぉ見ぃ、縦書きで広いに大工の工に里、『広工里』、ちょっと見ると
広重に見えるが、このものが誰かすら分からぬ。」
質屋「はぁ、ヒロコウリとでも読むんでっしゃろか、私どもでもちょっと
どなたか分かりまへんなぁ・・・。これは、もし預かるとなりましても、
えぇ値はつきまへんで。いやいや、その格好からして、お武家様も遠くから
お越しになったんも分かります。わざわざ手前どもの店を頼ってきてくださった、
これはありがたいことでございますので、そうですなぁ、どうでっしゃろ、
片方の指五本、五百でどうでおます。」
武家「引き取ってくれるか、これはありがたい。あぁ、その品はな、必ず近日中に
引き取りに参るゆえ、流さぬように願う。」
質屋「へぇ、確かに。」
お武家は喜んで帰っていきます。二、三日いたしまして、
武家「あぁ、許せよ。」
質屋「お越しや、あ、この間のお武家様、お待ちいたしておりました。きちんと
あの屏風は流さずにおいてございます。」
武家「うむ・・・それじゃがな。流してくれてかまわん。」
質屋「へ?」
武家「質草ゆえ流してもかまわんと申したのじゃ。」
質屋「は、はぁ・・・、何事かございましたか。」
707湖亭半弗:03/05/21 21:53
武家「その方より貰い受けた五百文を少しでも増やして国許へ帰ろうと
慣れぬ賭場へ参ったのが運のつき。元手はおろか、刀までカタにとられた。
家内に何と言い訳をすべきか・・・。これより恥を忍んで足取り重き
竹光道中じゃ。」
質屋「はぁ、賭場で。なるほど、そうでしたらな、これ、少のう
ございますが、路銀の足しにでもしとくなはれ。いえいえ、慈悲やとか
そういうやらしい気持ちやないんで、こちらの気持ちより包んでは
おりませんので、どうぞ。」
武家「・・・かたじけない。」
質屋「こんな事、私が言うべきやございまへんが、慣れん博打は
手ぇ出さんのが吉でっせ。あ、奥方様にもよろしゅうに。」
武家「うぅむ、わしは今、賽の目(妻の目)が怖い。」(パチパチパチ)

どんどん
708山崎渉:03/05/21 23:06
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
709重要無名文化財:03/05/22 07:28
山崎がちょうどお中入りになった感じ。
半弗さんが久しぶりに登場だな。うまい!
710sana亭omi:03/05/22 20:02
半弗さん、お久しぶりです。
「擬古典」というリクエストにさっと応え、
しかも、
落ちもさすが、決めてきましたね。

さっぱり売れんで『むなしいむなしい』と言うておる道具屋、

使えんやっちゃなぁ、
ムコウノイケというより、ムコウヘイケと言いたいですね。
711ごじゅういち:03/05/22 23:32
半弗師の召還に成功w
なんて…、既に用意してる段階でしたかね。
枕の雰囲気からして、相変わらずの安定感ですね。
健在が確認できて嬉しい限りです。

なんか、主催者氏の書くことを奪ってるような…。
712重要無名文化財:03/05/23 00:00
ヒロコウリの語感が「広小路」っぽい。
鶴光あたりが上野でやればウケるな。
713通りすがり:03/05/23 20:13
五月病 エンスト 賽の目
通りすがりに落とし噺を一席・・

  ドンドンドン
兄「おい、与太郎。与太郎!おい、与太!」
与「ん・・、ああ、兄ぃか・・」
兄「居るんならさっさと出やがれ!馬鹿ぁこじらせて耳にきちまったのか?」
与「なんだか調子がでねえんだぁ」
兄「らしくねえな、どうした、腹減ったのか?飯は食ったか?」
与「食う気がしねえ、朝も丼にたったの5杯っきりだ」
兄「食いすぎじゃねえか、そりゃ。しかしいつもと様子が違うな、医者に診てもらえ」
医者の元へと向かった二人、
兄「先生、ちょいとこいつ診てやってくれませんか」
医「どれどれ、いかがしましたか」
与「いかがはしてねえ」
医「何処がお悪いのか訊いているのですよ」
与「てめえで分かるんなら医者ぁいらねえ。先生おまんまの食いあげだあ」
医「おっほん・・頭やお腹はどうですか」
与「ここにあるじゃねえか、先生目が悪りぃな、医者に診てもらえ」
医「口の悪いのは医者には治せませんな、お帰り下さい」
兄「先生、申し訳ねえ、日頃こいつは馬鹿に丈夫なやつなんですが、丈夫が取れたら
 馬鹿だけ残って救いようがねえんで。何とか診てやってくれ、このとおり」
714通りすがり:03/05/23 20:16
医「はいはい、あなた、与太郎さん、もうしゃべらなくてよろしい。
 目を開けて、次は口を大きく、のどを診ますからな。胸を開けて、背中向けて・・
 どうやら体のほうはこれと言って問題ないようですな。たぶん五月病でございましょう」(パチパチ)
兄「そいつはどうしたら治るんで」
医「そうでございますな、気晴らしにお遊びなさい。とはいってもあちらこちらと
 遊び歩くのはよろしくない。
 『外瑶池(えうち)に遊び、碧台(へきたい)に宴す』というのは
 己のためになりませんからな」(パチパチ)
与「なんだぁ、そのえっちらおっちらってえのは」
医「太平記をご存知ないかな。馬にひかせてあちらこちらと遊び歩いたため
王家は滅びの道を歩んだのです」
兄「心配しなくてもそんなに豪気な遊びができるわけじゃあねえんですから、
 じゃあ先生、失礼します」
与「まーたーなー、藪医者」
さあこの二人、医者のお墨付きで遊べるもんですから大喜び。
先立つものをと方々からおあしを借りて、長屋に着くころにはもう真っ暗。
大門は閉まっておりますから遊びといえば飲むか打つかでございます。
いっそのこといっぺんにやっちまおうってことで長屋の連中に声をかけ・・
与「賽の目はピンだ!おいらの勝ちだぁ」(パチパチ)
長「また与太郎の勝ちかい、五月病にかかるってぇと勘がきくようになるのかねえ」
与「これからも月に一度は五月病になりてえなぁ」
兄「与太郎も飲みねぇ、おめえの五月病の薬だ」
与「多めに煎じてくれぇ」
兄「それにしても、ヒック、五月病なんてぇのははじめて聞いたが、いい病だなぁ」
与「一生懸命信心すりゃあ、兄ぃも五月病になれるかもしんねぇぞ」
兄「今から三七、二十一日通ったら満願の日にはもう六月になっちまわあ」
一晩中遊んでおりますうちに、行灯の油が切れそうになります。

715通りすがり:03/05/23 20:20
兄「おおい、行灯の油が切れちまう、注しといてくれ」
与「かぶらが切れたから串に刺せ?」
兄「油を注すんだ!」
与「コブラの刺身だ?」
兄「行灯の油だよっ!」
与「あいよー」
酔っ払った与太郎、油をこぼしたのも知らず、また酒を飲み始める、
同じく酔っ払った連中の煙管の火種がポーンと油に飛ぶ・・
兄「おい!火が出てるぞ!消せ、おい!火事だあぁぁぁー・・」
火事と喧嘩は江戸の華とは申しましても、当人にとっちゃあ大変なこと、
貧乏長屋はあっというまに焼け落ち、二人の酔いもすっかり醒めてしまいまして・・
兄「ひでえことになっちまった」
与「面白かったねえ、兄ぃ」
兄「何のんきなこと言ってやがんだ、この馬鹿っ!」
与「でも五月病は治ったみてえだ。あの医者、藪じゃあなかったな」
兄「ちくしょう、そもそもあの医者がおかしなこというからじゃねえか、
 『外瑶池に遊び、碧台(へきたい)に宴す』なんて、してねぇのに・・」
与「いやあ兄ぃ、『液体(えきたい)に炎(えん)』して、家が滅びた」

どんどん
716新参亭トーシロウ:03/05/25 00:54
イイ!半弗さんも通りすがりさんも流石!
ニヤニヤしっぱなしでした。周りに人がいなくて良かった。

717sana亭omi:03/05/25 08:17
久しぶりの大立者、与太郎さんのご出演ですね。
面白く読みました。
与太のアぶらぶら病が治って良かったですね。
718主催者:03/05/27 22:47
今回は特にたくさんのご参加があったようで嬉しく思います。
今週中には全てに目を通して感想、そして次回御題取りといきたいと
思いますので、今しばらくお待ちください。
719山崎渉:03/05/28 14:06
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉
720重要無名文化財:03/05/28 20:42
age
721_:03/05/28 20:54
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
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723ごじゅういち:03/06/01 02:11
>>713からの通りすがりさん

本当に>>692の通りすがりさん?と確かめたくなるぐらい
見事な新旧両刀ですねぇ。2作目ってだけでも尊敬の眼差し…。
サゲも鮮やかな「合わせ」でお見事(枝雀式分類)。

そういえば、感想week(?)あたりで、過去の作品のサゲの分類とか
やってみるとおもしろいかも。今までそういう読み方したことなかったんで
ふと思いました。
724_ん:03/06/01 02:19
725重要無名文化財:03/06/01 17:06
私の投稿の直後に「古典チックな噺が減って・・」との書き込みがあったので、
「古典にしておけばよかった!(喬太郎)」と思い挑戦してみた次第です。
読んでくださった方々の辛抱に感謝。
>半弗さん
パソに向かって拍手してしまいました。さすがだなあ。
>トーシロウさん
私はいつも寄席の客席でニヤニヤしておりますw
>sana亭omiさん
多少の暇つぶしにしていただけたならこれ幸いでございます。
「大工調べ」の二人をイメージして書きはじめたものの、出来上がりは別物・・。
>ごじゅういちさん
擬古典というより古典風味といった感じで。
ぼーっと落語聴いているもので、分類などはよくわかりません。
これから勉強しますね。
726主催者:03/06/01 21:15
お待たせいたしました。感想を書かせていただきます。

まずは開口一番、匿名さんの>>667-668「五月病屋(仮)」は
五月病を売るという奇抜な発想が、さも当たり前のように進行する
噺のテンポにひきつけられます。「毎年ありがとうござい」「五月病の本場」
など秀逸なキーワードが楽しいです。

続いて二度挑戦さんの>>671-672「吉五の月病(仮)」は竹藤屋の
若旦那の無茶さ加減が一本きれててたまりませんね。
強引な御題の使い方と、時事の入れ方、エンストップ竹藤などのくすぐりは
センスを感じます。サゲもまた「蓼食う虫も好き好き」の掛詞で綺麗に
サゲてありますし、次回もまた楽しみです。

>>674-680はごじゅういちさんの大作「ロケット枝雀さん(仮)」
ですが、仮タイトルの通り、全編を通じて遊び心あふれるハチャメチャ噺で
読んでいてスカッとする内容です。ロケット広場のロケットが枝雀師匠の
ノリで飛んでいく、この何ともいえない滑稽さは三題噺の醍醐味といえるのでは
ないでしょうか。
「スレッドもあがらん」のセリフには、私も頭があがりません。
「千両みかん」「崇徳院」「肝つぶし」などおなじみの噺の本歌取りも
楽しめました。
727主催者:03/06/01 21:16
トーシローさんの>>683-687「エンストや(仮)」は、古典落語の
持つ、「庶民への教科書」的な要素も含めての噺で、かなり興味を持って
読ませていただきました。俳句にまつわるエトセトラが、噺を深いものへと
していると感じます。検索なさった部分があるとはいえ、「感動の中心」の部分や
賽の目の俳句などは完成度は高いと思います。今回の題は、同じく
落語を聴く者が教養や社会勉強にもなる噺として挙げられる「高砂や」を
意識したのですがどうでしょうか。

さらに、通りすがりさんの「ホームラン!(仮)」は、感動巨編です。
五月病のひろし君を励ます家族のあたたかさや、野球に目覚めたひろし君の
すがすがしさ、読後感はバツグンです。パカパカ打たれる父親の滑稽さが
息子への愛情を逆に感じさせますね。
何とも幸せな家族だと思います。
消えんストレート、天才の目、ともに違和感を感じさせない洒落た御題の
使い方だと思います。

そして、久方ぶりの半弗さんの>>704-707「五月屏風(仮)」は、擬古典が望まれるや
いなや、バリバリの擬古典で挑戦してくださって、その腕に驚かされます。
質屋に持ち込まれた、由緒があるのだかないのだか分からない五月屏風に
御武家の哀愁が漂います。博打で全て失ってしまうくだりはコミカルに
書かれてはいますが、その裏には、国許から屏風をかついで旅をして
何とか高値で売れるように苦心をした侍が、賭博で身を滅ぼすという
流れがあって、いやなかなか奥が深いものだと感じました。
728主催者:03/06/01 21:16
そしてそして、通りすがりさんの二作目、「コブラの刺身(仮)」は
江戸落語の立役者与太郎の味が十二分に出た作品です。タイトルは
この噺の名文句になる部分からいただきました。このタイトルからでは
内容が想像できませんが、「干物箱」同様の付け方をしたくなりまして(笑)
医者ののらりくらりとした雰囲気もいいですし、与太郎の悪態は文句の
つけようがありません。「まーたーなー、藪医者」には読者が一発
頭をはたきたくなる力を持たせていますし、さすがです。

正直、この第二十七回は私が不甲斐ないにも関わらず、まれに見る好作品が
揃いました。重ねて御礼申し上げます。
729主催者:03/06/01 21:17
それでは第二十八回御題取りに移ります。
例のごとく、一レス一単語で御願い致します。
時事の言葉、季節の言葉、思い入れのある言葉、たくさんの
応募お待ちいたしております。
730主催者:03/06/01 21:21
通りすがりさんの「ホームラン!(仮)」は>>692-695
「コブラの刺身(仮)」は>>713-715です。
記入漏れがありましたので訂正しておきます。
通りすがりさん、本当にごめんなさい!
731通りすがり:03/06/02 06:56
御題取り中に失礼致します。
>>725 は私の書き込みです。名前入れ忘れました。ごめんなさい。
732重要無名文化財:03/06/02 13:54
733重要無名文化財:03/06/02 20:11
コネ
734重要無名文化財:03/06/03 21:25
青カビ
735重要無名文化財:03/06/03 21:26
ド根性
736重要無名文化財:03/06/03 21:28
ブルボン王朝
737重要無名文化財:03/06/03 21:45
居丈高
738重要無名文化財:03/06/03 22:42
羽織
739重要無名文化財:03/06/04 01:10
かわら版
740重要無名文化財:03/06/04 20:17
強風波浪
741重要無名文化財:03/06/05 20:32
あじさい
742重要無名文化財:03/06/05 21:04
修道院
743主催者:03/06/05 22:58
たくさんの御題ありがとうございます。
それでは、第二十八回御題の発表です。

「コネ」「かわら版」「あじさい」の三題です。

時期ネタをなるべく入れるようにお題をとっているのですが
この時期、去年は「かたつむり」、今年は「あじさい」と上手い具合に
あげてくださるところは、伝統芸能板だなぁと感じております。

大勢の作家さんで賑わってまいりました。相変わらずの放置状態で
申し訳ありませんが、必ずシメの感想はさせていただきますので
何卒ご愛顧御願い致します。
たくさんのご参加お待ちしております。
744ごじゅういち:03/06/05 23:34
確認のため伺います。「あじさい」は2度目ですが>>131
このままいきますか?
745主催者:03/06/06 08:19
気になって覗いてみたら、やはり二度目でしたか…。確認不足でした、申し訳ありません。
「かたつむり」はお題ではなかったんですね。
今回は「あじさい」が二度目になりますが、この三題のままお作り下さい。
ご迷惑をおかけしました。
746新参亭トーシロウ:03/06/09 01:52
毎日雨ばかり降って梅雨の時期でございます。「五月雨を あつめて早し 最上川」
なんて俳句もありますがこの時期というのは昔の旅人にとってはそれは大変な
ものだったようです。

江戸の下町に若い絵描きの男が住んでおりまして、名を新兵衛ともうします。
幼い頃より互いに好き合っているお滝という娘と将来を固く約束しているの
ですが、絵の腕前はともかく商売が下手で、かわら版に二束三文で絵を描いて
糊口をしのいでいるような有様、とても祝言を挙げるような金もありません。
(パチパチ)

お滝の方はというと父親が借金を残して亡くなり、病気の母親をなんとか
世話をしなければならぬと言うので遊郭に身を売ろうかというところ、
親戚のコネで遠く大坂の商人の店に奉公することになったのでございます。
(パチパチ)

「お滝、すまねえ。俺に甲斐性がないばっかりにお前に辛い思いを
 させてしまう。一生懸命働いて必ず迎えに行くから待ってておくれ」
「お前さま、待っております」
747新参亭トーシロウ:03/06/09 01:52

とまあ、若い二人は泣く泣く離れて暮らすことになったのですが五月雨の
始まるとある夜。新兵衛がお滝を想いながらうつらうつらとしていると
家の中に人の気配がします。

「…ん?誰だい、こんな夜中に」
「お前さま」
「あッ、お滝じゃないか!どうしたんだい戻ってきたのか!」
「それが、そうではないのです」
「なにを言ってる、こっちに来ねい」
「いえ、私は江戸に戻ったわけではないのです。お前さまに逢いたい逢いたい
 と想っているうちに気づいたらここに立っておりました」
「なんと、足が無いじゃあねえか、…ひぇッ、も、もしかして幽霊かい!?
 …ってこたァ、お滝、おめえまさか死んじまったのか!」
「いいえ、私はまだ生きております。でも逢いたくて…」
「するってぇと生き霊ってヤツかい。驚いたなぁ、それにしてもお滝お前
 綺麗な着物を着ているなあ。薄緑色のいい生地だ…あ、そうだ。せっかく
 生き霊でもここに来てくれたんだ。お前の絵を描かせてくれねえか」
「ふふ、嬉しい」
748新参亭トーシロウ:03/06/09 01:53

新兵衛は一晩中お滝と話しながら久しぶりに見る美しい姿を絵に描きまして、
何枚か売りにかけたところこれが良い値段になって思わぬ金が入ってきました。

さてこうなると新兵衛もお滝に逢いたくて逢いたくてたまらず、大坂まで
会いに行く決心をしたのです。

なにせ昔のことですから普通でも歩いて二十日はいるところ、梅雨の時期
ですからさらに時間がかかります。旅に出た日の最初の宿、保土ヶ谷に着く
頃には夜も更けて若い新兵衛もさすがに疲れておりますと、宿にお滝が
現れました。

「お前さま」
「あぁ、お滝か。行き違いにならなくて良かった。よく場所が判ったなあ」
「ここはどこですか」
「なんだい、どこだか判らずに出てんのかい。」
「お前さまの居るところに出られるようです」
「へぇ、便利なもんだ。ここはな、保土ヶ谷だ。お前に逢いに旅に出てんだ」
「まあ、嬉しい。」
「すぐ着くからまっててくれよ」
「ええ、お前さんが着くまで待っております」
749新参亭トーシロウ:03/06/09 01:53

東海道を下っていきまして箱根の難所を越え、三島を通って沼津に着きます。
お滝は毎晩ちゃんと新兵衛の泊まる宿に現れますが、旅の邪魔になっては
いけないと言って早めの時間に消えてしまいます。新兵衛はその優しさに
感じて旅の脚にも力が入ります。

「お前さま、ここはどこですか」
「浜松だよ。しかし、こう雨が続くとどうにも道中ままならねえ。なんだか
 路銀も怪しくなって来やがった。急がねえと」
「お前さま、また私の絵をお描きになっては」
「そういやぁ最近の白い着物も綺麗だなあ。お前の店の主人はよっぽど商いが
 いいんだね」
「いえ、これは普段着ているものではありませんので」
「あぁ、そういうもんかい」
「毎日少しずつ色を変えて参ります」
「はは、俺はお前の顔が見られればいいんだ。気を遣うない」
750新参亭トーシロウ:03/06/09 01:53

時々宿でお滝の絵を描いては街に出たところで金に換え、新兵衛の旅は
順調に続いていたのですが、尾張の国は宮の宿に着いたところで大嵐に
なりまして、まあ今で言う台風ですな、数日足止めをくらうことになった
のです。

夜、お滝が目にも鮮やかな赤紫色の着物で現れまして
「お前さま、ここはどこですか」
「すまねえ、今日も尾張から動けねえんだ」
「そうですか、お前さま、早く逢いとうございます」
「俺もだよ、しかしこの嵐じゃあどうにもならねえ。すまねえがもう少し
 待っててくれ」
「急いでくださいね」
「どうしたんだい、急かすなんてらしくねえじゃねえか」
「いえ、すみません」

次の日からは梅雨の晴れ間という奴で上天気になりまして、遅れを取り戻す
ために新兵衛の足も速まります。桑名、四日市を越え関を越えるといよいよ
東海道も終わりに近づきまして。
751新参亭トーシロウ:03/06/09 01:54

「お前さま、ここはどこですか」
「もう水口だ、あと少しで大坂…どうした、お前ぇ元気がねえじゃねえか」
「ええ、ちょっと先だっての嵐が堪えまして」
「今日の着物は枯草色か…」
「お前さま、逢いたい」
「そうだったのか、すまねえ。もうちょっとだけ我慢してくんな」

そして次の日から新兵衛の旅足は速まり、京を越えたあたりからはほとんど
小走りになって人が二日かけるところを夜通し進んで大坂にたどりついた
のでした。

「あいすみません、道をお尋ねしてえんですが」
「旅の方でっか。えらい慌ててどこへ行かはるんです」
「ゆうべ出なかったんで!」
「はぁ?」
「いや、知り合いが奉公してる大店がこのあたりにあると聞いたんですが」
「このあたりで大店言うたら何軒かあるけども、なんちゅう店ですやろ」
「店の名前は知らねえんですが…あじさいが咲くところかと」(パチパチ)
「あぁ、ほなら大黒屋や。すぐそこですわ。」
「ありがとうございます」
752新参亭トーシロウ:03/06/09 01:54

「御免なせえ!」
「はい、いらっしゃいませ」
「お滝はおりますか」
「ああ、ひょっとしてあんたが新兵衛はんでっか」
「そうです、お滝は!」
「お滝はんはなぁ、梅雨の口あたりからふせっとって、ゆうべな…。最期に
 新兵衛はんに「待っておれずに申し訳ありません」と伝えてくれ云うて
 逝かはりました」
「やっぱり…間に合わなかった…すまねぇっ!」
「ご愁傷様でございます」
「…せめて、庭の七変化にお礼をさせて下さい」

ドンドン
753新参亭トーシロウ:03/06/09 01:56
く、暗い…サゲ方がわからない…
でも一番乗り♪
754sana亭omi:03/06/09 21:08
いやー、不思議な感覚の噺ですね。
奥の深い噺で、どんどん引きずられました。

>「…せめて、庭の七変化にお礼をさせて下さい」

こんな最高のサゲはありませんよ。
遠く離れた若い二人に
心変わりがなく純粋に愛し合っている感じが
読み手に伝わってきます。

>大坂
芸が細かいですね。

演題名は
「恋の滝のぼり」なんてのはどうでしょう?
755重要無名文化財:03/06/09 21:29
「コネ」「かわら版」「あじさい」

X「数学の宿題をしてきました。」
Y「ここは禅寺です。学校に提出してください。」
X「でも先生が、禅寺に提出するようにときつく言いました。」
Y「そんなこと言う先生はいません。」
X「コネがあるので受け取ってください。」(パチパチ)
Y「ここは禅寺ですからコネも金も受け付けません。」
X「金は受け付けるでしょ。」
Y「死んでも口には出さない命題ですね。」
756重要無名文化財:03/06/09 21:30
X「新宿のかわら版ですか。」(パチパチ)
Y「新宿のかわら版ですか?」
X「その心は、号外号外。」
Y「意味ありげに意味ないこと言わないでくださら。」
X「くださらってなんですか。」
Y「死んでも口には出さない命題ですね。」
X「いつになったら僕をここから帰してくれるんですか?」
Y「だからここは数学の宿題を提出する場ではないんです。」
X「でも、先生が・・・。」
757重要無名文化財:03/06/09 21:30
Y「その教師を連れてきなさい、こんこんと意見をします。」
X「教師じゃないです、歯医者です。」
Y「歯医者が何故数学の宿題を出すんですか?」
X「治療のついでに。」
Y「いい迷惑ですな。」
X「禅寺の住職なら数学の宿題ぐらい見ろよ。」
Y「あなたの中では禅寺の住職は何でも出来ると思ってるみたいですけど
 実際何も出来ないんですよ。」
X「スキューバダイビングくらいやるだろがよ、てめぇ。」
Y「何でちょっと逆ギレしてなさる。」
758重要無名文化財:03/06/09 21:31
X「まぁ、何です、この季節になるとクサクサしちゃって。」
Y「いやはや、悩める人だったのですね。でしたら、当寺のアジサイを
眺めてみてはいかがかな?気持ちが洗われますぞ。」(パチパチ)
X「あぁ、そう紫陽花(しようか)」

どんどん
759新参亭トーシロウ:03/06/10 02:12
>sana亭omiさん
感想ありがとうございます。以前から「幽霊話が書きたい」と思えど書けず、
悩み続けてはや幾とせ(嘘)、ようやく思いついた話は「生き霊話」でした…
#そしてこんなことを書くと鮮やかな幽霊話がこの後出てきたりするんですよね(釣)

しかも最初は「ああちょうど七変化の花が散った」とサゲる(死に目に間に合う)はず
だったのになんかいつの間にかより救いのない方へ変わってるし。

>恋の滝のぼり
実は「お滝」という名前はあじさいの学名「タキクサ」の元になった、かのシーボルトの
お気に入りだったという遊女からそのまま頂いた物でして、あんまりスジの良くない
由来なので題名に使うのはちょっと…なのです。申し訳ない。
かといって代案は思いつかないのですが。
760新参亭トーシロウ:03/06/10 02:15
>>755-758 無名さん
実は後に無名さんが控えているから暗い話を書けたのでした(笑)
スジ違いですがありがとうございます。号外号外。
761新参亭トーシロウ:03/06/10 02:26
禅問答で問いに対して問いで答えるのは凄いハイテクニックだったりするのかも。

そう考えていくと、ただの「かみ合わない面白さ」以外のナニカが含まれている
ような気がしてなりません。
762前スレ亭ごじゅういち:03/06/15 18:10
「コネ」「かわら版」「あじさい」

ようこそのお運びでございます。日本の歴史の中でどの時代に一番興味があるか、という話を
したときに必ずあがるのが、戦国時代と幕末なんやそうですな。戦国時代なんかも詳しい方が
大勢おられますからな。学者の先生なんかと知識の量で勝負をしても、学者のほうが舌を巻くような
こともあるような具合でして。歴史小説やとか、大河ドラマの影響力というのがやっぱりあるん
でしょうな。ところが、戦国時代が終わって江戸は泰平の世の中になると、大名の子孫はその後
どうなったかては話は、これは知ってる人の数は格段に少ない。
大阪に狭山という所がございます。「河内の狭山のじえもんさん」というのが落語にも出て
まいりますが、この狭山藩のお殿さんが北条氏やというのをご存知の人は、地元のお方かよっぽど
歴史に詳しい方やないとおられんのやないかと思います。有名な小田原攻めで秀吉に負けたあの
北条氏ですな。戦国大名の元祖ともいわれる北条早雲の一族で。名前を北条とはいうものの、
この早雲という人は、鎌倉時代の執権であった北条氏とは繋がりはなかったというのが学者の間での
有力な説なんやそうでして、当事のことですからな、成り上がりで大名になってから何とかして
家柄に格をつけたかったとみえますな。三つ鱗の家紋もそのままに関東で栄えた一門も戦で負けた
後はといいますと、子孫は秀吉に赦免をされまして、小田原を追い出され石高もうんと減らされた
上で、狭山の殿さんとして徳川の時代になってもずっと残ったんですな。

さて、泰平の世の中の真っ最中、この狭山藩のご城下の街道沿いに一軒の煮売屋がございました。
ここの主人がまだ二十歳そこそこの若者で名前を平吉。二親が早々に先立っておりまして、
それでも何とか一人身で店を守っておったんでございますが、健闘もむなしくとうとう店じまい。
失意の元に今でいうところのノイローゼちゅうような状態で寝込んでしまいました。
763ごじゅういち:03/06/15 18:12
隠居「平さん、平さん、いてるかいな?」
平吉「これは、瀬戸物屋の御隠居。何ぞご用で?」
隠居「何ぞご用で、やないで。町内の皆で心配してんねんで。この城下町で三代続いた煮売屋の
   あんたとこが、店閉めたままになってだいぶになる。今日明日食べる米にも困り出した、てな
   話聞いたら放っとけんがな。平さんあんた、ちゃんと食べるもんは食べてなさるのか?」
平吉「へぇ、誠に面目ない。お恥ずかしい話、米の飯も一月半ほど見てしまへんわ」
隠居「そんなことやないかと思たんじゃ。あんた、前に会うたときよりもだいぶ痩せたんと違うか?
   顔の色も何じゃ青みがかって…。平さん、遠慮せんと言いや。こんな時は助け合うてこその
   近所付き合いやがな。米におかずの一つ二つなら何とかするで」
平吉「おおきに。ほんまにおおきに。重ね重ね面目ない…けどな御隠居、わたいは煮売屋でっせ。
   例え今日明日の米の飯に困っても、腕には多少のおぼえがおますわ。そこらに生えてる草、
   這うてる虫、柱から顔だしてる茸。腕さえあったら、人間、食うもんには困りまへんなぁ」
隠居「いかんで、変なもん食うてたら。そんなもんばっか食うてて精がつくかいな」
平吉「どうしようものうなったら、己の垢コネてこしらえたうどん食て寝ますわ」(パチパチパチ)
隠居「汚いがな。しかしなぁ、腕におぼえと言うが、問題はそこじゃわなぁ…」
平吉「御隠居、言うてえぇ事と悪い事がおまっせ。あんた、わたいに喧嘩売りに来たんか?」
隠居「いやそういうわけやないけど…。平さん、あんたなぁ、この店から客が減ってしもたんは
   どういう訳やと思てなさる? ここらの町内のもんは皆、あんたの爺さんや親父さんの代の
   味付けに慣れ親しんだ連中じゃ。それに比べたら…こんなこと言うたら怒るやろけど、
   味が濃すぎるのじゃな。あんた、何であないに塩でも砂糖でも醤油でもガバガバと放り込み
   なさる? 失礼を承知で聞くんやが、親父さんが作ったもんの味、忘れてしもたんと違うか?」
764ごじゅういち:03/06/15 18:13
平吉「やっぱりそうでっか。わかってまんねん。近所のもんがわしの作ったもんを食うてどない
   言うてるか…。ところがどういうわけかそれでは気に入らん。薄ぅてどうにも物足りんように
   なってしまいましてん」
隠居「はて、あんた、江戸へ修行に行ってたようなこともなかったと思うが、違てましたかな?」
平吉「自分でも訳がわかりまへん。気が付いたら塩なんかもう、手ぇ一杯握って放り込んでて…。
   親父から習うたんはこんな味と違う。自分でも情けのうなって…。けど御隠居、えぇことも
   おまっせ。この時期になると出よるなめくじ見たら、途端に持ってた塩をパッとこう…」
隠居「あほなこと言うてんのやないで。煮売屋が台所に出るなめくじを自慢するようになっては
   しまいじゃがな」
平吉「放っといとくなはれ! もうえぇんだ! あんたもなめくじと一緒で塩撒こか!」
隠居「何を言うねんな。平さん、あんただいぶ気ぃも短うなってしもてるな。このままではいかんで。
   今日はうちから何か持って来さすさかいな。それ食べてとりあえず精付けなはれ。みんな
   心配してんのやさかいな」

ご近所のありがたみというやつですな。この瀬戸物屋の隠居が中心になりまして町内のみんなが
おかずの余ったんや何かを平吉のところへ届けてくれるようになった。ところがこの平吉の具合が
一向にようなる気配がない。それどころかますます顔色も悪なって、話し掛けてもちょいちょい
返事がおかしいようなことになる始末。いよいよ心配になった隠居が平吉を訪ねてまいりまして…
765ごじゅういち:03/06/15 18:14
隠居「平さん、これ、平さん!」
平吉「うーん、うーん…」
隠居「こりゃいかん! 白目むいて苦しんでるがな、これ! 平さん! しっかりしなはれ!」
平吉「はっ、ご、御隠居はん…」
隠居「気がついたか。あぁよかった」
平吉「わたい、どないぞしてましたかいな?」
隠居「どないもこないもあるかいな。あんたが相変わらず具合が悪いと言うんで心配で来てみたら
   白目むいて悶え苦しんでなさる。そらもうただ事やなかったで。一体何をしてたんじゃ?
   また妙なものを食べなさったんか?」
平吉「……わかりまへん。何にもおぼえてまへん。あ、あれや。御隠居、あれのせいでんねん」
隠居「あれて、あそこのあじさいかいな。おぉ、こらまた鮮やかに咲きよったな」(パチパチパチ)
平吉「あれ、うちに昔からあるあじさいでんねんけど、親父もあれがことに好きでしたんや。
   ここからやと、ほんに綺麗に見えてまっしゃろ。何の気なしに見とれてると、その…
   吸い寄せられるような心地がしてきて、そっから先はもうわけがわからんようになって…」
隠居「平さん、わかった。何も言わんでえぇ。わしゃもうあんたを一人にはようしとられん。
   うちに来たらえぇ。あんたが元気になるまでわしが面倒みるさかい。いやいや、遠慮は無用。
   そんなこと言うてる場合やありゃせんわい」
平吉「御隠居…ほたら、面目ない話でっけど、お世話にならせてもらいますわ。おおきに。
   簡単に身仕度整えまして、晩にでもうかがいまっさかい。よろしゅうお願い致します」

あぁそうしたらえぇ、これでひとまず安心じゃと、一旦我が家へ帰った隠居はんでございます。
ところがその晩、平吉が現れません。しもた、自分で来るというのに任せたのが間違いやった。
また白目むいてひっくり返ってたらどないしょう、引きずってでも連れて来てたらよかった。
色んな思いを馳せながら平吉の家まで駆けつけますと、もぬけの殻。さぁそれからは町内総出で
探し回ります。あの様子ではそないに遠くまでは行けるはずもなかろう、と、街道沿いをずーっと
丸三日かけて聞いて回りますが、妙なことを口走りながら歩いてた男があったという目撃談はあっても
所在がわかりません。こらもうお上に届けを出すしかしょうがないやろかという相談をしてる所へ…
766ごじゅういち:03/06/15 18:16
下駄屋「隠居はん、えらいこっちゃ! これを、これを読んどくなはれ!」
隠居「どないしたんじゃ、平吉が見つかりましたか? ん? これは瓦版じゃな。(パチパチパチ)
   どれ。『世間を騒がす狂言騒動 色青ざめし男現れ曰く 我こそは北条一門の嫡流なり』
   何じゃこれは。この色青ざめし男というのが平吉のことやとしても、その後は…」
下駄屋「平さん、かわいそうにとうとう気がふれてしもたんでっせ。しかし言うにことかいて
    北条一門やなんて、お城の役人がこれ見てしもたら、もう助かりまへんで」
隠居「ほんまじゃ。下駄屋さん、これはえらいことになりましたぞ。で、平吉は今どこに?」
下駄屋「それがわかりまへんのや。これには何も書いておまへんやろ」
隠居「そしたら、まだお上に捕まったわけじゃありゃせんのか?」
役人「許せよ。煮売屋平吉なる男が住んでおるのはこの町内であるかの」
下駄屋「わっちゃ〜。もうあかん…」
隠居「これ、ここはあんたは黙ってなされ。へい、平吉はこの町内のもんでございます」
役人「さようか。してそのほうは何じゃ?」
隠居「へ、そこの瀬戸物屋から隠居を致しまして、身寄りのない平吉の父親がわりのようなことを
   しておる年寄りでございます」
役人「あいわかった。いや、平吉なる男の身柄は、城のほうで預かりおる。ならばそのほう、
   身共とともに城までご同行願おう」
767ごじゅういち:03/06/15 18:18
下駄屋「あ、隠居はん、お帰りやす。どないでした? 平さんには会えましたんか?」
隠居「会わせてもらえなんだ」
下駄屋「やっぱり…平さん、もう助かりまへんねんなぁ。殿の身内を騙る不埒なやつ、とかいうて」
隠居「いやそれがな、普通やったらそうなるわな。ところがわしにもようわからん話になっててな。
   殿さんは大層お喜びなんじゃそうな」
下駄屋「どういうこってんねん」
隠居「訳言わなわからんな、というより、訳を言うてもわからんかも知れん、不思議な話じゃ。
   何でもな、平吉が喋った話というのは、お殿さんのことやのうて、昔の鎌倉の世の頃の
   ことばっかりなんじゃと。何と400年も昔の鎌倉のことをひたすら喋り続けてるんやそうな」
下駄屋「400年も昔! はぁ、まだ気がふれたままでんねんなぁ…」
隠居「お寺を作れ、てなことも言うてるらしい。その周りにあじさいをぎょうさん植えて、
   立派なお寺を作れ、とな」
下駄屋「あじさい? 隠居はん、あじさいなら確か、平さんのうちにもおましたで」
隠居「それやがな。わしがこないだ平吉に会うたときにも、あじさいに見とれておかしなって
   しもてたんやがな」
下駄屋「あのあじさいがあきまへんのか。そうとわかったら今からでも引っこ抜いたろ。
    そうでもしたら平さん、ひょっと正気に戻るかも知れん」
隠居「これこれ早まりなさんな。今まで知らなんだが、あのあじさいは大変な木じゃぞ。お役人の
   話では、平吉がひたすら喋ってるあじさいをぎょうさん植えたお寺というのは、驚いたことに
   ほんまに鎌倉にあるんじゃと。それも、お殿さんとは深ぁい関わりのあるお寺なんやそうな。
   しかも、平吉のうちにあるあじさいは、そこから移植してきたもんなんじゃそうな」
下駄屋「ほたら何ですかいな。平さんの言うてることというのは、気がふれたんやのうて
    ほんまのことなんでっか?」
隠居「さぁ、それはほんまかどうか…わしにはわからん。とにかく、そのことでお殿さんは
   ことのほかお喜びで、平吉もお咎めなしで帰してもらえることに…」
768ごじゅういち:03/06/15 18:19
下駄屋「ほんまでっかいな! よかった!」
隠居「ただし、ただしじゃ。それは平吉が正気に戻ったらという条件がついてますのじゃ。
   下駄屋さん、さて、どないしたらえぇじゃろな」

これを先ほどから横で聞いておりましたのが、名前をお政と申します、今年17になる下駄屋の娘で
ございます。

お政「お父っあん、その話、うちにやらせて…」
下駄屋「おまさ、聞いてたんか。しかしこの話、お前に何ができるねん?」
お政「うち、あのお店が平さんのお店になる前の、亡くなったおじさんの頃の味が好きやったから
   ようおぼえてますの。その味をうちが作って平さんに食べさせてあげたらどうやろと思うの」
隠居「なるほど。これはえぇとこに気が付いたかも知れんな。お政ちゃん、それやってみよ。
   わしも味見ぐらいしかでけんが手伝わせてもらいましょ」
下駄屋「よし、やってみ、お政。それに味見ぐらいなら誰でもできるがな。隠居はんの
    古ぅなった舌だけでは頼んない。この町内みんなでもう一回あの味を思い出してみよ」

さぁ、また町内の連中が集まりまして、お政の作る惣菜を味見しては、ああでもないこうでもないと
話し合います。お政のほうもそれに応えて大いに張り切りまして、何とか三品ほど満足のいく
惣菜ができあがりました。これを早速瀬戸物屋の隠居がお城へ持ってあがりまして、平吉に食べさせ
ます。すると、忘れてた味を思い出しましたか、平吉を思うお政の気持ちが通じましたか、あるいは
ご近所の人々の心も通じたのかもわかりませんな。いずれに致しましても平吉、お政の炊きました
おからを口にしたところで正気を取り戻しよった。この話がお殿さんの耳に入りますと、近年まれに
見る美談である、とますますの大喜びで。平吉が店を建て直す仕度金のご配慮は申すに及ばず、
もしお政と平吉が縁付くようなことあらばその祝言はぜひとも余が…と大はしゃぎでございますな。
当の二人のほうも、まるで元々約束があったかのように自然に結ばれます。なめくじの出る店で
ひっくり返ってた男が、おからで正気に戻ってできた夫婦、その後の歩みはかたつむりのように
着実やったんやそうで、お政平吉あじさいの縁談、これまででございます。


ドンドン
769ごじゅういち:03/06/15 18:30
トーシロウさんとネタがつく上に釣られきれてもなく、
マクラや地がやたら長かったりと問題点が多いんですが、
ジューンブライドに免じてご容赦を…。
770重要無名文化財:03/06/19 17:44
てすと
771こんちわ。:03/06/19 18:11
「コネ」「かわら版」「あじさい」

拓也:「と、と、徳さん・・・。(小声で)」
徳さん:「な、何だよ。変なとこで呼ぶなよ、こっちは忙しいんだからよ。」
拓也:「何だか、変だと思いませんか?」
徳さん:「だから、何がだよ・・・。」
拓也:「徳さん。徳さんがどっかに行って、いないうちに・・・。これ、見てくださいよ。」

徳さん:「!」
徳さん:「ん・・・?!」
徳さん:「お、おい、拓也!いつの間にか、2年目に突入して、次スレになってるじゃねーか・・・どーすんだよ。
お前が来ねぇ〜から、すっかり忘れられちまっったじゃねーか。」(パチパチパチ)
拓也:「そうですよ・・・。前スレ>>602-603から、全然登場してないじゃないですか!もう。」
徳さん:「おっ!誰か『紫』になってます・・・? 俺は嬉しいぞ。(号泣)」
拓也:「何、泣いてるんですか・・・。それと、何パクってるんですか。人さまのネタを。しかもかなり前のネタじゃないですか・・・。」
徳さん:「誰が、ウルルンしてるって?」
拓也:「誰も言ってません、そんなコト。」
徳さん:「あれは、オレが泣くから、ウルルン紀行なんだよ、よく覚えておけ。」
拓也:「はい・・・。」
徳さん:「ちなみに、『あじさい』って「紫陽花」って書くんだぞ。「紫」が入ってるんだぞ。」
拓也:「もう・・・こんなんで、(パチパチ)しないでくださいよ。ったく・・・。」

徳さん:「しっかし、みんなうまくなってるよなぁ・・・。いいなぁ・・・。
しばらく見てないんだが、楽しくなっちまう。
俺なんて何も変わってない、ただの飲んだくれだもんな。
でも、あれだな。このスレ(落語)を見ながら、飲む酒ってのは、ほんとにうまいってもんだ。」

772こんちわ。:03/06/19 18:12
拓也:「徳さん。今までどこに行ってたんですか?僕も探しましたよ、茅ヶ崎の徳さん家に行っても、いつも留守だもの。」
徳さん:「ちょっと珠緒と出かけてたんだ。旅行にな。」
拓也:「え?さとう珠緒ちゃんですか。いいなぁ・・・。って、やっぱり競馬じゃないですか。」
徳さん:「バカ。あいつはなぁ、局アナに仕事を取られちゃったんだよ。せっかく競馬が好きになってったってのによ・・・。
だから、一緒に遊びに行ってやったんだ。こないだ飲んだ時に井崎も言ってた。『珠緒ちゃんの方がよかった』ってよ。」
拓也:「ふ〜ん。でも、どうせ競馬三昧だったんでしょ?円漠さんが『徳さんは新潟へ逃げた』ってわめいてましたよ。
まったく、いっつも競馬の事ばかりしか頭にないんですから・・・。」

徳さん:「いや。今年は野球もつまらんし。有馬終わったら、『年忘れにっぽんのうた』の司会だ。。。今年こそ、打倒紅白!」

拓也:「ああ、去年は一緒に家で紅白見てましたもんね・・・。『Re:シャンパン』歌いましたね。」
徳さん:「ま、あいつらの映画はコケタらしいがな。明日はないよな。日テレぶらんぶらん、って感じだよな・・・。」
拓也:「いちお、徳さんはテレビ関係者なんでしょ?怒られますって・・・。仕事してくださいよ、ちゃんと。」

徳さん:「そうそう。最近、テレビを見ていたら、ずっと腑に落ちないことがあって。
あの『福富』の野郎が、ズブの素人のクセに自分の番組で、犬と『競馬予想』なんてやっててよ・・・。
悔しいから、俺も競馬の番組をテレビ神○川で持たしてもらったんだよ。その取材で珠緒と行ってたんだ。
ずっと居なかったのは、そのせいでもあるんだな、これが。」
拓也:「いいですね、趣味と仕事と同時に出来る人は・・・。」
徳さん:「でもな、ギャラが違うんだよ、全然。福富の野郎、犬と『競馬予想』なんてやってるくせに
こないだ、司会の契約延長の「更新料」をもらったらしいんだ。直々にTVSの社長からよ。」(パチパチパチ)
拓也:「う〜ん、犬予想で視聴率好調。。。まさにワンダフルですね。。。」
徳さん:「くだらねぇぞ、お前。古いぞ。」
拓也:「すんません。」
773こんちわ。:03/06/19 18:14
徳さん:「俺のことはいいんだよ。早くお前も仕事をしろよ、まだ就職してないのか、このインチキ大学生が。」
拓也:「僕の事はいいです・・・。ほっといてください。ところで、徳さんて、福富さんのこと、嫌いなんですか?」
徳さん:「ああ、TVに映ってないところで、いきなりAD殴ったりしてるらしいからなぁ、あいつ。しかも笑いながら。」
拓也:「そんなこと言っちゃっていいんですか?怒られますよ、きっと。」
徳さん:「そのAD、俺の麻雀仲間なんだよ。殴られていつも青アザらしいんだ・・・。」
拓也:「あらら・・・。アザらしい・・・。どっかのお題で使おうとしてたような・・・。」
徳さん:「笑えるのが、そいつ福富のことをよ、
激怒した時の顔が『ゴジラ』に似ているから、『ゴジラ』って福富のことを呼んでいるんだよ。
ま、確かにタバコを吸ってる奴の態度は、ゴジラが口から火を吹いているみたいだからな・・・。」

拓也:「ふぅ〜ん、そーなんですか。
でも、何か徳さん、ブランクがあるせいで、イマイチです。
(小声で)『ゴジラ』って大分昔のお題じゃないですか・・・、そりゃ。」

徳さん:「ん・・・?お前、誰と話してんだ?急に。」
拓也:「いや、何でもないです。で、その人、どんな人なんですか?」
徳さん:「ほぉ〜。そーいや、こんな話があるぞ。こないだ麻雀してたんだけどよ。面白いんだ。誰かが『チー』って言うだろ?」
拓也:「まぁ、言いますよね。」
徳さん:「その『チー』が、福富の口グセの『チッ、この小僧ADども。』の『チッ』だと思ってよ、
すぐ麻雀台の下に隠れてしまって、麻雀にならねぇんだ。トラウマだな・・・。」

拓也:「あ、実際は、かわいそうだけど、なんか笑えますねぇ・・・。
でも徳さん、福富さんとガチンコなんてしないでくださいよ。TVSだけに。」(パチパチパチ)
徳さん:「・・・・・。」
拓也:「何ですか?いつもこんな風にお題を消化してったじゃないですか。忘れました?」
徳さん:「知らねーよ。」
徳さん:「やんねーよ、バカ野郎。ちなみにガチンコな、あの番組はやらせじゃねーか。
ヤツとガチンコなんてしたら、やらせどころか、洒落にもならんわ。」

拓也:「すんません。」
774こんちわ。:03/06/19 18:15
徳さん:「さぁ〜て、今日はもう疲れた。俺は少し休むぞ。カミさんも恐いからそろそろ家に帰らないとな。」
拓也:「僕もじゃあ帰ります。レポートの宿題あるんで・・・。
帰りにA4のレポート用紙かわら半紙を買っていかないとならないんです。」(パチパチパチ)
徳さん:「おう。また、明日から船橋だぞ、拓也。」
拓也:「はいはい。それじゃ・・・。」

拓也、家を出ようとするが・・・。

拓也:「徳さん・・・。」
徳さん:「ん?なんだ。もう寝かせてくれよ。」
拓也:「最後に1つ聞きたいことが・・・。競馬の取材はさておき、本当に昨日まで「新潟」とかにいたのですか?」
徳さん:「何でそんなことで嘘つかなきゃいけねぇんだよ、拓也。」
拓也:「せっかくの野球ネタもあったし、「24時間テレビ」。去年は、嬉しいジャイアンツ日本一。
絶対色々、徳さんとしては、いっぱいネタがあったはずなのに・・・。何をしてたんですか?こんな時に。」

徳さん:「本当に取材だ・・・。
ま、途中でコージー冨田に任せて、山形や石川へ取材を兼ねて、競馬しに行ったけどな。カミさんには内緒だぞ。」
拓也:「・・・・・。」
徳さん:「あとな、24時間テレビのネタは、次回(夏)まで楽しみに待っとけよ。
その頃には、我がジャイアンツも大逆転で2年連続で日本一だしな。
ミスターも全日本の監督になったし、楽しみが増えるな。(泣)」
拓也:「泣いてますねぇ・・・。相変わらず。」
徳さん:「ミ、ミスター、よかったよ。本当に。(泣)」

775こんちわ。:03/06/19 18:18
拓也:「そうそう。僕、ずっと思ってたんですけど・・・。
どーせ本当は、毎回このスレの『3つのお題』とか『他の方々の作品』は、ちゃんと見ててたんでしょう?」
徳さん:「・・・。(泣)」
拓也:「で、本当は、自分も毎回毎回ネタを書きたかったんでしょ?」
徳さん:「・・・。(泣)」
拓也:「わかりますよ・・・。こんだけ、徳さんと長く付き合っていれば・・・。」
徳さん:「・・・・・・。」
拓也:「もう・・・黙っちゃって。実は、図星でしょ?」
徳さん:「はっはっは・・・。いや、まいったな。さすが拓也だ。そうだよ、ずっとこのスレッド見てたよ、影ながらな・・・。」
拓也:「やっぱり。で、書いてても、なかなか思いつかなかったんでしょ?オチが。」
徳さん:「・・・オチが?」
拓也:「そうです。だから、見てるだけで・・・。」

徳さん:「いや、違うぞ。」

徳さん:「『オチ(落合)』は、参観王だからよ・・・。見てるだけでいいんだ。」

(どんどん)

※ごめんなさい。
>>772の(パチパチパチ)は間違いです。
すいませんです。
776ごじゅういち:03/06/23 00:58
>771からの こんちわ。 さん

見なくなったなぁ、と思ってたら、ちゃんといたんですな。
てことは>>278なんかも読んでもらえてます?
しっかし、久々な分だけずいぶん色々と入れ事しましたね。
作者による「自虐落ち」(?)ってのは驚きですなぁ。
それにしても、泣きすぎでっせw>徳さん

いつものヤツでもう一作品と思いつつも、好調すぎると極めて作りにくい
ということが発覚してきたり。若き4番をいじり倒すネタを考えてたら
怪我でいなくなっちゃったし…。
代わりと言っては何ですが、前回のロケット広場の説明でも貼っときます。
www.nambacity.com/rocket/rocket_m.html
777ごじゅういち:03/07/12 02:20
これだけ感想レスがないと、作り手としては正直、かなり寂しいわけですが…。
もう限界ですかね?
778山崎 渉:03/07/12 12:38

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
779湖亭半弗:03/07/12 21:10
ごじゅういちさん、感想レスがなくとも、作り手が気合を入れて作っていれば
人は集まってきますよ。主催者氏が多忙な分、何とか作品の質で
盛り上げていけたらなあと私は考えています。
「コネ」「かわら版」「あじさい」ですね。

 もう一席聞いていただきますが。今はネットやとか何とか、すぐにこの、
情報やとか事件やとかが知れるようになりました。昔やと「とんとんとんからり」
てなこと言うて回覧板やとか人づてやとか、そういうもんで情報が回ったり。
せやけど、あの、新聞ちゅうのは面白いもんで、今でも号外号外ちゅうて、梅田の駅前
で配ってたりしてますわな。号外という言葉も面白い。以前に号外が配られた時に
警察庁か、どこやの偉いさんが強盗を捕まえた、それがちょっと名の知れた盗人やった
ちゅうので号外が出た。そのときの見出しがこれ、「長官勇敢」と書いたあったんでんな。
朝刊夕刊やったら号外やないわい、てな事言うたもんですが。
780湖亭半弗:03/07/12 21:10
A「今日の新聞、みてみ。桃太郎やで。」
B「桃太郎ちゅうのはどういうわけや。」
A「まず、地方欄。20CMの大きな桃の話や。まずこれで桃太郎やな。
ほんで、次はこれや。犬の人命救助。これで犬。来年のプロ野球の順位予想
ちゅうのももう出てる。鬼が笑うちゅうさかい、鬼や。巨人の外人が帰国で、
去る(猿)やし、コラムで吉備真備ちゅう遣唐使で有名な、知ってるやろ、
日本史でやった、あの人とりあげられてる。これでキビ団子や。どや、桃太郎やろ?」
B「ほんに、確かに桃太郎や。しかし、何が足らんのか、あぁ、犬猿雉のキジが
ないのか。」
A「あほ、記事だらけじゃ。」
まぁいろいろな話があるもんですが、
781湖亭半弗:03/07/12 21:11
喜六「こんにちわ。」
甚兵衛「お、こっち入り。まぁあがりなはれ。」
喜六「へぇ、派手にあがろか陽気にあがろかそれとも豪気にあがろか景気よぉあがろか。」
甚兵衛「えらい今日は元気のえぇ事やな。どれであがってもやかましい、何ぞえぇ
ことでもあったんかぃな。」
喜六「へぇそうでんねん。甚兵衛はん、あんたこないだのかわら版見なはったかいな。」
(パチパチパチ)
甚兵衛「こないだの?さぁ、読んだとは思うが・・・、何ぞあったんかぃ?」
喜六「へぇ、それがでんねん。今度わたい、へへ、どうやら褒美がもらえるらしいん
でんねん。」
甚兵衛「へぇ、それは気づかなんだな、見落としたかもしれん。褒美がもらえる、
結構なこっちゃ。何をえぇことして誉められるねや?」
喜六「いや、わたい何もしてまへんねん。」
甚兵衛「そんなことがあるかいな。何かがあって誉められる、褒美がもらえるんやろがな。」
喜六「それが何もしてないのにもらえるさかい、喜んでまんねん。」
甚兵衛「喜んでたらあけへんがな、よぉ分からんのに褒美やなんて・・・、ちょっと待ちなはれ、
たしかかわら版はとってあるさかいに・・・、ちょっと前の話やな、どれ・・・、
おまはん、見てみ、これのことやないか?」
782湖亭半弗:03/07/12 21:12
喜六「どれぇ・・・、そう!これでんねん。やっぱり褒美がもらえる。」
甚兵衛「この褒美もらえる人の名前、よぉ見てみ。横町の喜六やのうて『喜大』。
よしひろさんやがな、奥の豆腐屋の。」
喜六「・・・わたいやおまへんのかいな。二銭でももらえん?」
甚兵衛「喜大さんやないさかいな、一銭もあたらん。」
喜六「・・・せやさかい、わたいかわら版ちゅうの嫌いでんねん!」
甚兵衛「うってかわってとはおまはんの事やな。だいたい何もしてないのに
褒美がもらえるというのが、まずおかしいと思わんかぃ?かわら版ちゅうのは
あったことそのまま書くもんや。何もしてないのに褒美があたる、そんなもんは
記事にもならんちゅうのや。よぉ読まんといかんで。」
喜六「そらもっともな話で。・・・ほな、これ褒美をもらってかわら版に名前が
載るにはこれ、どないしたらよろしいやろ?」
甚兵衛「ふぅん、それはまぁ、まず褒美がもらえるような行いを始めるのが
先やな。」
喜六「ほう、行いちゅうとえらい賢そうな。」
783湖亭半弗:03/07/12 21:12
甚兵衛「そない難しいことばかりやないで。例えば町中の植木や草花に誰にも
気づかれんように水をやる。こういうのもまた誉められたり記事になったり
するもんや。」
喜六「へぇ、そうでっか。・・・わたいそういう事してまっせ。」
甚兵衛「へぇ、見かけによらんもんやな、そういう隠れた善行は誰かにきっと
伝わるもんや。どんなことしてなはる。」
喜六「いや、筋向かいに大きな紫陽花がおますやろ、あの大きな家の。あれだけ大きいに
なったん、わたいのせいでもおまんねん。」(パチパチパチ)
甚兵衛「へぇー、あの紫陽花は見事なもんや。ずっと水やってたんかいな。」
喜六「風呂の帰りしにそこで毎日小便して帰る。」
甚兵衛「そんなもんが記事になるかいな。逆に人様のうちに小便していくちゅうて
罪になるで。悪い方で載ってしまうがな。」
喜六「あきまへんかな。・・・これ、甚兵衛はん、あんたのコネで何とかなりまへんかな。」
甚兵衛「コネちゅうと?」(パチパチパチ)
784湖亭半弗:03/07/12 21:13
喜六「あんた、町役さんや何や知り合いいてまっしゃろがな。わたいがこれ見よがしに
町で草抜きなとなんなとしてますさかいに、甚兵衛はんが町役さんらに見せますやろ。
それで褒美、かわら版ちゅうのはどうでおます。」
甚兵衛「そういうのを捏造記事というのや。そういうヤラセの記事を作らすような
事をしてはいかん。そういうので褒美をもろうたところであぶく銭や。ましてや
ウソがばれてみぃ、袋叩きではすまされん。番所へ入ってなんかもわからんで。」
喜六「ぶるる、そらえらいこっちゃ。」
甚兵衛「欲を出す前に仕事をきっちりやるとか、毎日をきちんとしてたら
見てくれてる人もあるわいな。そういうとこから始めてたらえぇねや。」
喜六「へぇ、そうしてみます。」
この男、アホはアホなりに考えまして、仕事の合間を見つけては、殺風景な
土塀やとか白壁に、近江八景の風景を描いていくちゅうことをやり始めた。
785湖亭半弗:03/07/12 21:13
もともと絵が好きやったのも手伝って、「瀬田の夕照」「石山の秋月」「粟津の晴嵐」
「三井の晩鐘」「唐崎の夜雨」と順々に書き上げていきます。さぁ、そうなると
人づてで話が伝わる、その界隈は近江小路と呼ばれ始める始末。一念ちゅうのは
えらいもんですが、何かしら才能ちゅうのはあるもんでございまして、書いて
もろおた壁の持ち主も喜んでおります。
「比良の暮雪」「堅田の落雁」まで書き終えたところで、奉行所から褒美の
話が飛び込んでまいります。
役人「近江八景を書いておる喜六はその方か?」
喜六「さいです。」
役人「その方が近江八景すべて書き終えた折、奉行所より褒美をとらせる事と
あいなった。今は七景、もうすぐ仕上がるのぅ。これからも町民の心和む絵を書くことを願うぞ。」
喜六「あの、お役人さま、これ、かわら版に載りますやろか。」
役人「さぁ、おそらくは載るじゃろうが、いかがいたした。」
喜六「あの、近江八景すべては書けまへんので。」
役人「何、あと一景で仕上がると申すに、何ゆえじゃ。」
喜六「へぇ、矢橋(やらせ)の記事は番所へ入れられます。」

ドンドン
786:03/07/12 21:13
B
無修正画像用の板 ロリもあって、管理人は神(ネ申)

http://www.hl-homes.com/
787重要無名文化財:03/07/13 15:04
やはり作家さんが気合出してくれると読み手も楽しいな。
ずっと書き続けてる人はやっぱすごいと思うよ。俺もROMってるだけだけどしっかり読んでるから。
788sana亭omi:03/07/13 19:13
>ごじゅういちさん、

感想レスは少なくても、ROMっている人たちの中に
あなたのファンは多いはずです。
楽しみにしていますので、これからもよい作品をお願いします。

ところで、
お政と平吉の息子は、先祖発祥の地を求めて
関東方面に家出したそうです。
その何代目かの子孫が水戸泉です。
相変わらず、塩を思い切り掴む癖だけは抜けていないようです。

>湖亭半弗さん、

枕も、小噺も、本題もさすがです。
維持し続けるのは大変と思いますが、質の高い作品、
今後ともお願いします。

温泉紹介の記事は、命の「洗濯」で、
スポーツ欄のゴルフは、「山へ芝刈り」ですね。
そして、
褒美を貰うことを目的で始めた喜六ですが、
近江八景ですかぁ・・・
喜六の懐におぜぜは入りましたか?
789ごじゅういち:03/07/14 23:09
>>777を書いたのは、私もちょいと多忙で久々に見に来たら
6/23でストップしてたんで、誰もいなくなっちゃったのかなぁ、と
心配になったんですよね。でも、「限界」は言い過ぎでした…。

さて、
>半弗さん
本編ももちろんながら、枕の小噺の鮮やかさがすごいですね。
「近江八景」を盛り込んだのは、原点回帰の意味もありますかな?

>omiさん
>>769でもボヤきましたが、今回は多忙になる前に駆け込んでしまえ、
みたいな作り方だったんでかなり雑です。塩のくだりも東西の味の違いとかと
絡めてやろうという「仕込み」で入れておきながら放ったらかし気味でして…。
激励と毎度の小粋な感想、感謝です。
790重要無名文化財:03/07/14 23:40
ハンドルさんと51さんという二枚看板がこのスレッドを
支えている、そんな感じがするな。
新人さんはやはり飛び込みにくいんだろうか。
新人さんにはハードルが高い?
791重要無名文化財:03/07/14 23:43
シュール匿名氏の三枚看板だよ
792山崎 渉:03/07/15 12:47

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
793重要無名文化財:03/07/15 21:03
すげえよ
794新参亭トーシロウ:03/07/19 21:41
いつも高いハードルを蹴倒してます新参者です。感想を書くのが
遅れましてすみません。

>ごじゅういちさん
釣られてくださってありがとうございます。下町の人情噺は大好きです。
ところで批評なんていうとおこがましいんですが平吉がなんだか取り憑かれてる
らしいことをもっと最初の方で判らせるってのはどうでしょう?


>こんちわ。さん
あーっ!徳さんだ!(新入生が有名な先輩を見たような気分)
「三題噺」スレのダイジェスト版!?芸が細かいですねー。


>湖亭半弗さん
粋な題材でシンプルかつ面白く、ハードルの高さを引き上げてるのは
半弗さんだ!蹴倒そうにも足が届かない…くぐって通るのでもっと書いてください。
795ごじゅういち:03/07/22 22:17
>>794トーシロウさん
おこがましいなんて全然思わないんでどんどん書いてやってくださいな。
自分のを読み返すたびに思うのは、お政を登場させるタイミングを
もっと早くすべきだったかな、と。さらに言えば、前後篇に分けるぐらいの
余裕があればよかったんでしょうけど…「七ツ海」のときで懲りてるんで…。
796重要無名文化財:03/07/23 18:17
毎月更新くらいがいいなあ。
内容も充実するだろうし。
過去ログだと一日おきで御題交替してたね。
797重要無名文化財:03/07/31 15:46
三題噺、おもしろいですね!しかも皆さんうまい!
古典風に作られる方やプロの新作落語のようなものまであって楽しみました。
やはり落語の下地ガないと、作るのって無理ですか?
798_:03/07/31 15:48
799_:03/07/31 15:50
     ∧_∧  ∧_∧
ピュ.ー (  ・3・) (  ^^ ) <これからも僕たちを応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄ ̄∪ ̄ ̄〕
  = ◎――――――◎                      山崎渉&ぼるじょあ
801ごじゅういち:03/08/02 18:36
>>797さん
下地というか、落語を聞いたことがあり(当たり前ですな)、
真似をしてみたいなぁ、と少しでも思ったことがあれば適性ありだと思いますよ。
私なんぞは、落研・天狗連までは踏み込む勇気がないヤツなので、このスレは
ちょうどいい感じなわけでw

ところで、主催者氏のご登場がないので、思い切ってひとつ提案。

次のお題取りが始まるまでの間は、敢えて「三題」にこだわらず、
フリーで「落語らしきもの」を作ってみよう、というのはいかがでしょう?
このところ、ハードルという言葉がちょいちょい出てきてるので、
主催者氏の復活までの限定ってことでやってみませんか。

完全フリーにするか、「三題」以外の条件をひとつぐらい設けるか、
そこらへんが10レス前後でまとまれば、言い出しっぺとして「開始!」の合図を
出したいと思ってますので、ご意見募集でございます。
802重要無名文化財:03/08/02 19:06
自主練習ということで、自分で三題挙げて作ってみました、というのも
おもしろいかもしれない。そういうところから新たな落語が生まれるかもしれない。
803重要無名文化財:03/08/02 19:15
あの有名女優の無修正が!
セーラー服姿の美少女の無修正も!
http://www.ncdonald.com/
804新参亭トーシロウ:03/08/02 23:26
面白そうですね。なにか縛りがあると考えやすいってのもあるので、
たとえば「サゲに数字を入れる」とか「食べ物が出てくる噺」とか
一つ広がりそうなお題を設定するのはどうでしょう?
805sana亭omi:03/08/02 23:56
ごじゅういちさん、面白い提案だと思います。

僕も、拙いながらのシロート投稿経験者として・・・。
何らかの制約がないと噺は作りづらい。
落語の形態ならば「二題」と言いたいけれど

「『一題』噺やりませんか?」

にした方が噺を作りやすいと思います。

「題」をフリーにする場合は
作品の形態を小噺かなんかに限定するか

何らかの制約がないと難しい。

ごめん、ちょっと(だいぶ)酔っています。

806重要無名文化財:03/08/03 00:11
制約をもうけた上で「つかない」ようにする、なんてのは厳しいでしょうか?
ひとつの番組をみんなでつくるような・・。
ネタ帳が埋まっていくと、後からでる方は大変かな。
トリは大ネタでぜひ!
807重要無名文化財:03/08/03 00:54
主催者さんが来れない中、やはり主催者さんに負担ばかりさせては
申し訳ないのはそうだと思うし。
「夢の三題噺寄席」企画は面白いかもしれないね。
演者募集して、出番決めて、寄席形式に発表。
中トリは中トリらしく、またモタレはモタレなりに短くいかねば
ならないとか。これは責任が重大かな。代演とかもありにして。
808ごじゅういち@にわか仕切り人:03/08/03 22:01
ご意見感謝でございまして。

>なにか縛りがあると考えやすいってのもあるので
>何らかの制約がないと噺は作りづらい

固定の方々からのこの反応はある意味予想通りだったりw
かくいう私もこれについては同意見でして…。縛りとか制約とか
マイナスニュアンスで語られがちながら、実は手引き、ヒントなんですな。
ところで、今、気がつきました。お題を「挙げる楽しみ」を奪っては
いけませんでしたね。そこで、いつものお題取りの代わりとして
>>804のトーシロウさんのをサンプルに「今回の縛り(手引き)」を
ひとつずつ挙げてもらって、私がその中から選ぶ、てなところで、
いきたいと思います。

>>806-807さん
夢のある提案なんですが、ハードルをさらに高くする恐れもあるような。
おまけに、「にわか仕切り人」の私にはちょいと重荷っすw
願わくは、毎度速攻で投稿されてる「シュールの匿名」さんのような
漫才風の作品がトリ前ぐらいのタイミングで出てきて下されば、その次の人が
微妙にプレッシャーを感じつつもトリを取ってもらって、その頃には
主催者氏カムバック、みたいな展開だと大団円かも…。

それでは、特別な異議申立てが出ない限り、このまま「お題取り」とまいりましょう。
「縛り」に当たるものを挙げて下さい。いつもは一レス一単語ですが、
一レス一行ぐらいで行きましょう。何とぞよろしくお願いするのでございます。
809重要無名文化財:03/08/03 22:25
サゲは駄洒落を使わない。
禁止例)めくら平兵衛に怖じず・たーがやー・夜の瘤は見逃しならんわい
成功例)あ、忘れてきた・抱えてる俺はいったい誰だろう・二百両ー、あ、夢か。
810重要無名文化財 :03/08/04 18:31
パロディ限定
811重要無名文化財:03/08/05 20:17
サゲに必ず花言葉を使う
812ごじゅういち@にわか仕切り人:03/08/07 01:02
あと1日ぐらいで決めます。
出し忘れのございませんように。
813重要無名文化財:03/08/07 23:06
必ず川柳を入れる。
814重要無名文化財:03/08/08 00:39
どこかに動物を登場させる
815ごじゅういち@にわか仕切り人
お題を挙げてくれた方々、どうもありがとうございます。
なかなか甲乙つけがたくて、いざ「一題」となると悩むもんですね。
それでは、不肖ごじゅういちプロデュースの番外編のお題は、

「必ず川柳を入れる」

に決定させていただきます。上方の新作派の某噺家さんの作品に
川柳連発の快作があるんですが、川柳というのは「ベタ路線」から「捻りあり」まで
幅広く使えるんじゃないでしょうか?

それでは、夏の自由研究感覚で気軽にご参加をお待ちしております。
私もどこかで登場したいと思います。