『読みました』報告・国内編Part.5

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1名無しのオプ
【前スレ】
『読みました』報告・国内編Part.4
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1169870022/l50
『読みました』報告・国内編Part.3
http://book4.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1138283365/l50
『読みました』報告・国内編Part.2
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1097703488/
『読みました』報告・国内篇
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/984575251/

なお海外作品は、海外編のスレッドにお願いします。
『読みました』報告・海外編Part.3
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1141910665/l50

なお、『読みました』報告の形式は自由です。
2名無しのオプ:2008/02/12(火) 01:21:20 ID:n1SkpoxD
ははは。「このミス」の>>1位は、東野圭吾さんの、『容疑者Xの献身』でしたか(笑)。
>>3はどうしてそんなことお申しになりますの?
>>4は、何と凄まじい告発であっただろう!
我々に与えたその衝撃は、まさに>>5が鳴動し、>>6がひっくり返る
ほどの大変動であった。白日の下にさらけ出された>>7は、実に凄惨、
酸鼻を極めた事柄であったことか! これは、>>8の言うとおり、
二重にも三重にも考え抜かれた、まさに地獄さながらの大犯罪だったのだ!
>>9 よくぞ私の正体を見破ったな、二階堂蘭子!
ほう。『本格ミステリ・ベスト>>10』も、『容疑者Xの献身』が1位でしたか。
ますます戦いがいがある。闘志が湧いてきた(笑)。
フフフ、ワタシハマジュツオウ >>11-1000 ゲドババァ!
3名無しのオプ:2008/02/12(火) 02:30:07 ID:fwKJUky1
荒らし(主に書斎魔神)の相手は厳禁!
前スレは半分近くが荒らしに対するレスで浪費されています。
荒らしの文言如何に気に障ろうとも、相手をした時点で同類同罪です。
くれぐれもスルーするよう心がけて下さい。
「これは例外」等はありません。とにかくスルー。スルーして下さい。
4名無しのオプ:2008/02/12(火) 05:56:51 ID:gnZFIuVv
NGワード・あぼーんのススメ 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
■書斎魔神 ◆qGkOQLdVas とは? 
かつて発狂コテにも認定された、横溝スレに住みつく 
NGワードの指定対象人物。 
ネタバレを含めた持論を主張し続け、また、 
議論においても他者の意見を受け入れようとしない傲慢な態度から、 
他の住人からは忌み嫌われることに。 
前スレでのアホアホ発言を一部抜粋。 
『 乱歩賞受賞作「暗黒予知」を読み返していた。 』(そんな作品はない) 


誹謗中傷当たり前、間違いを認めない、自作自演当たり前と、 
三拍子揃った厄介物。 
彼の発言に反応してしまうとスレが荒れる一方だが、 
反応さえしなければ独り言を言い続けるだけなので、 
余程のことがなければ、NGワードに指定してのスルーが推奨される。 

どうしても我慢できない・反論したい場合は、下記スレにて 
↓ 
書斎魔神・アホアホ語録格納庫 その22
http://tmp7.2ch.net/test/read.cgi/tubo/1202568999/l50

■NGワード・あぼーんについて 
2ちゃんねる専用ブラウザのオプションのひとつ。 
設定することで、任意のレスを消すことができる。 

2ちゃんねる専用ブラウザに関するサイトはこちら。 
↓ 
http://www.monazilla.org/ 
5名無しのオプ:2008/02/12(火) 05:57:23 ID:gnZFIuVv
 || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 
 || ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。 
 || ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。 
 ||  ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。 
 || ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを 
 ||  与えないで下さい。                  ΛΛ 
 || ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて   \ (゚ー゚*) キホン。 
 ||  ゴミが溜まったら削除が一番です。       ⊂⊂ | 
 ||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_      | ̄ ̄ ̄ ̄| 
      (  ∧ ∧__ (   ∧ ∧__(   ∧ ∧     ̄ ̄ ̄ 
    〜(_(  ∧ ∧_ (  ∧ ∧_ (  ∧ ∧  は〜い、先生。 
      〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)〜(_(   ,,) 
        〜(___ノ  〜(___ノ   〜(___ノ 
6名無しのオプ:2008/02/12(火) 06:25:22 ID:9ucMIjzH
>>前スレ980の書斎
> 有栖川有栖『ロシア紅茶の謎』を読んだ。
新本格がどうの有栖川有栖がどうのと某スレで散々ほざいていたくせに初読とはお笑い種だ。
丁度読んだばかりなので「大好評なおなじみ全話講評批判いってみよう!」w

> ・「動物園の暗号」
> ダイイングメッセージの解読も強引過ぎ。
ダイイングメッセージの設定を理解していないことを自白w

> ・「屋根裏の散歩者」
> ・「赤い稲妻」
内容無さ過ぎだから無視。

> ・「ルーンの導き」
> ネタが特殊過ぎて十分に楽しめない作ではある。
自分の知らないことが取り上げられるとすぐこういうことを言い出す、木を見て森を見ないアホ。
しかもこの話を読んで最近某スレで話題に上げられた作家の某作品が思い浮かばないとは情けなさ過ぎるw

> ・「ロシア紅茶の謎」
> ウィンナ・カフェならぬロシア紅茶(ジャム入り、火村に言わせると「あれはうまい」そうだ)という
> ドリンクを初めて知った。
だから自分の無知を晒すなよ親方w
> 締めはもっとあっさりで良いかと思う。(犯人指摘でエンドとか)
それだとある問題が説明されないだろ。
某スレでは判りやすく説明を加えるべきであるとぬかしておいて、
ここでは真逆なことを言い出す行き当たりばったりっぷりには呆れたよw

> ・「八角形の罠」

> それはともかくとして、暗闇での工作の見せ方が困難ゆえ映像化は困難な作であろう。
・・・普段台本を「ホン」と表記して通ぶっているくせに。
この程度の場面の「映像化」なんかテレビドラマ等で何度もされているだろw
7名無しのオプ:2008/02/12(火) 11:29:37 ID:fwKJUky1
>>6
頼むから大人になってくれ……
頼むから……
8名無しのオプ:2008/02/12(火) 11:49:32 ID:BJU93UAh
9 ◆XjFtIkbasQ :2008/02/13(水) 00:34:09 ID:kAzyDO+u
高野和明『幽霊人命救助隊』(2004→2007、文春文庫)【8点】

大学受験の失敗に悲観して首吊り自殺をした裕一。ある山頂で過去に自殺した
3人の男女と出会う。「神」のミッションにより地上に降り立った4人は、
49日の間に100人の自殺志願者を救うよう命じられるが・・・

ヤクザの老親分・弱気な中年サラリーマン・厭世気味な若い女、+浪人生の
4人組が、さまざまな手段で自殺者を救っていくが、彼らは物理的に人間に
力を及ぼせないので工夫して人命救助をすることになる。その過程で自分の
人生についても振り返り、苦悩し、ある結論を出していくが、その過程がいい。

中盤でやや中だるみするものの、ラストはちょっと泣ける。
ドラマ化したら実に絵になりそう。
10名無しのオプ:2008/02/14(木) 00:52:34 ID:XwPqNDQH
「制服捜査」佐々木譲 新潮社 単行本 07年度このミス二位

北海道警察が不祥事対策として、同一職場での長期勤務者を異動させることにしたため、
札幌で長年刑事を務めていた主人公は、農村地帯の駐在所に異動になってしまう。
農村のたった一人の駐在として、防犯協会の役員ら町の有力者と関わりながら、
町で起きるさまざまな事件の真相を暴くという連作短編集。
署の地域課の指示を受けるだけの駐在には事件捜査の権限はなく、
越権捜査、秘密捜査になるため、事件が解決に至らない場合もある。
少し唐突気味に犯人が判明する場合もあり、ミステリとしての切れ味は今一つの感。
それだけリアリティーを重視しているといえるかもしれない。
中国人研修制度の問題を突いたり、町の有力者らによる警察抜きの事件処理を暴いたりと、
社会派小説としての側面もあり、地味で渋い、好短編集といえるだろう。
だが、好みで言えば、やや退屈であり、このミス二位は評価が高過ぎるという印象。
この年は、不作だったためか?

小説の読み方をいろいろ楽しむという観点から、私の感想に異論がありましたら、
どうぞご自由に! 他の人の読み方も参考にしたいと思っています。
「孤独の歌声」天童荒太、「シャドウ」道尾秀介、「一応の推定」広川純、の三冊を、
図書館で借りてきました。今週中になんとか読み終えるつもりですので、よろしく!
11名無しのオプ:2008/02/14(木) 10:21:07 ID:4YTPdyN5
まあ、地味な作品ではあるよね。
ただ、田舎町の寒々とした閉鎖的な側面はよく書けていたと思う。
さすがに北海道在住。
12名無しのオプ:2008/02/14(木) 11:09:51 ID:ERUrVQTF
好みじゃないから退屈→評価高すぎ
???
13名無しのオプ:2008/02/15(金) 00:09:09 ID:9w2UEzBA
>>11
地味な内容の方が好きという人も多いみたいですね。
ちなみに、このミスで一位に投票した人の中には、
「情熱や愛情を全面に振りかざす熱血バカより共感できる」という評価もありました。
私は、熱血バカの方が好きですね(笑)男のプライドを描いた横山秀夫風の作品の方が、
共感しやすいということです。
14名無しのオプ:2008/02/15(金) 00:15:33 ID:9w2UEzBA
>>12
このミスは読書ガイドとして重宝していますが、そのランキングを素直に受け入れる人は
少ないんじゃないでしょうか。むしろ書評家の批評は批判的に読むようにしています。
ちなみに、「隠蔽捜査」を読んでいる途中、去年のこのミスの「果断」の書評を読んだら、
「隠蔽捜査」の結末を書いていたので、嫌な気分になりました。
トリック物ではないから、ネタバレとはいえないのかもしれませんが、
もう少し配慮して欲しいところですね。
15名無しのオプ:2008/02/15(金) 00:17:36 ID:9w2UEzBA
●「孤独の歌声」天童荒太 新潮社 単行本 日本推理サスペンス大賞優秀作(1994年刊)
 
ミュージシャン志望でコンビニでバイトする少年、美人刑事、
女性連続誘拐殺人犯(?)の三者の視点で描くサイコサスペンス。
全体で34章構成だが、章ごとに視点が変わるため、混乱はないが、少し落ち着きがないという印象。
三者三様のトラウマが描かれているが、10年以上前の作品とはいえ、新味は少し乏しいと感じる。
文章はかなりこなれていて素人離れしている。といっても作者はすでにデビュー済みだったようだ。
巻末の選評が興味深かった。本作は候補作の中でもっと高い評価を受けていたが、
犯人の異常心理、狂気の描写が物足りないという理由で優秀作にとどまっている。
未読だが、本書の文庫版や「家族狩り」「永遠の仔」という文学賞受賞の作者の代表作では、
異常心理がかなり濃密に描かれているようだ。
個人の好みだが、狂気の描写は本作で十分であり、これ以上描いたら作品が重くなりすぎて、
エンタメとして楽しみにくくなりそうだと感じた。
いずれは「家族狩り」「永遠の仔」も読むつもりだが、しばらく後でいいやと気持ちになった。
16名無しのオプ:2008/02/15(金) 17:46:40 ID:HtBP8Xh9
伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」

「伊坂がエンターテイメントに徹した作品」と銘打たれてるが
この程度なのか?
ただ一方的な逃走劇が展開されるのみで、事件の裏に隠された陰謀などは藪の中のまま。
あまりの投げっぱなしぶりに開いた口がふさがらない。
金と時間返してほしい
17読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/02/15(金) 20:38:41 ID:iDWvyQAc
「図書館戦争」有川浩(メディアワークス)
希代の悪法・メディア良化法の制定により人々が本を自由に
読めなくなった時代。図書館は自己防衛のため軍隊を常備するに至る。
かつて図書隊員に助けられた過去を持つ郁は図書隊に入り、
女性では珍しい防衛部員となるのだが……。

これ世界観がどうしてもねぇ……嵌れない。
法的なこととかゴシャゴシャ必死こいて書いてんだけど、
書けば書くほど嘘臭くなる。もう開き直りゃいいんですよこんなもん。
−をもう一つ先に書いとくと、後半出てきたプロ消防に対する
主人公の態度ね。具体的に言うと218ページ以降しばらく。
『痒い』だの『わあ子供』だの
お 前 が 言 う な 。
こいつらにマン毛が生えた程度の意識しか持ってない癖に何この
偉そうな態度。ガキの頃読書を冷やかされた嫌な思い出から何も
学ばず加害者に回ってるじゃねえかと。主人公はてっきり直情的な
正義漢だと思ってたらただ未成熟なだけで正論を青臭いと冷笑する
成虫への過渡期に過ぎなかったんじゃん。学刈。

以降主人公を少し嫌いになりましたし、この他にもメガネ熟女が
消防に正論不要を説いたりしてて、竜崎さんがいたらなぁと
思うことしきり。
そういう所を除けばまあまあだったかな? ハードカバーは無いけど。
18読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/02/15(金) 21:22:55 ID:iDWvyQAc
「蝶々夫人に赤い靴(エナメル)」森雅裕(中央公論社)

尋深から「長崎で結婚するから式に履く靴を届けてくれ」と言われ
おっとり刀で向かった音彦は新幹線の中で一人の老婆に出会う。
追われているという彼女と道連れになり共に長崎までやって来た二人。
やがて彼女は音彦に事情を話し始める。戦時中に長崎で上演された
オペラと坂本龍馬の佩刀に纏わる因縁とは――。

のっけから“今日のムカつく人”コーナーが延々と続く。
1作目が懐かしいよ。あのノスタル爺と哀愁が漂う学舎の日々――。
世界観の屋根が取っ払われるとこいつらの分不相応(特に音彦)な
選民意識が鼻についてもうね……。

それはさておき。本作は人が死なないミステリーなんですけど、
そんなことは別にどうでもいい(のにも関わらず後書きでgdgdと……)。
ただ作風は本格ぽい1作目から微妙に変わっていき本作は話が進むにつれ
謎が解かれていくという私立探偵小説のノリになっている。
キャラクターを楽しめるし(皮肉を除けば)良い小説ではある。

今度は時代小説を読んでみようかな。隆慶ぽい気がして不安だけど。
19名無しのオプ:2008/02/15(金) 21:28:30 ID:db/mehEA
読後感は糞だが恵まれてるな。
完膚なきまでに糞な書斎のおかげで、同じく糞でも「あいつよりはマシ」で終わってる。
20名無しのオプ:2008/02/15(金) 21:29:17 ID:EgDtEI8A
確かにw
21名無しのオプ:2008/02/15(金) 22:21:36 ID:Pc4PXK8D
読後感は名無しで自画自賛したり
最悪板から自分を叩くレスをコピペしてきたり
自分が偉ぶるために他人を誹謗中傷したりまではしないからな。

ローカルアボーンするだけですむからまだマシなのよ。
22名無しのオプ:2008/02/16(土) 17:25:27 ID:8ksQ0OE8
>>16
陰謀は投げっぱなしにしてるんじゃなくて権力に民衆が抗えないという根本の中で
どのように振舞うか、という伊坂の基本姿勢に対する答えなんじゃないのか。
さすがに読みが甘いとしか。
エンタメ性が足りないとかなら分かるが。
23名無しのオプ:2008/02/16(土) 19:55:52 ID:0tLSv1zi
伊坂は好き嫌いがはっきり分かれる作家
駄目な人にはとことん受けつけられない
だから>>16はこっちのスレに感想書いたんだろ
わざわざ伊坂スレから出張してまで擁護すんな、ウザ
24名無しのオプ:2008/02/16(土) 20:04:25 ID:nEiyndE8
少なくともその上のやり取りよりは遥かにましなレスだと思うが
25名無しのオプ:2008/02/16(土) 20:12:25 ID:oSQLoez0
そういう問題じゃないだろ
26書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/02/16(土) 21:01:11 ID:AzBP7VXu
杉本苑子『孤愁の岸』を読んだ。
当時は閨秀作家には難しいと言われていた骨太な時代小説だが、
この定説を覆し、作者を女性時代小説の第一人者へと押し上げた作(直木賞受賞作)である。
薩摩藩といえば、まず幕末を想起するせいか雄藩の印象が強いが、
本作は、時を遡った宝暦治水工事の顛末を描いたスケールが大きい土木時代小説とでも称すべき作である。
外様の名門薩摩藩の財政的疲弊→弱体化を意図する幕府は(親藩尾張の自藩治水工事
完了の意図も絡む)御手伝普請として、木曾三河改修工事を命じる。
天井川等の難工事の連続、幕府役人、地元役人、農民らとの確執等、
薩摩隼人たちの想像を絶する苦難がここに始まった・・・
なるほど本作を読むと、幕末の薩摩藩のブレークぶりが理解出来る、
長年堪えに堪えて来たものが遂に噴出したということか。
ある程度のボリュームがある作ゆえ、難工事をメーンとした冒険小説的読みが出来る群像ドラマ
でもあるが、メーンな主人公はあくまで工事の最高責任者である家老平田靱負であるため、
権謀術数を尽くして金策に当たる経済小説的興趣にも富むのが奥行き深いものがある。
薩摩藩の家老といえば、幕末の小松帯刀が思い浮かぶが、
守護大名時代から続く名門だけあって、時代、時代により重役に人材を輩出したのが、
後に時代を超えてブレーク出来た因のひとつかと思う。
しかし、脇の人物のエピももっと書き込めば面白いと思われるもの多数。
大河ドラマ『篤姫』に見入り、全てを歴史的事実と思い込み、「漏れだけのあおいキター!」とか
絶叫している安手の新書ミステリ読み浸りのアホなミスオタにこそ、突きつけて読ませたい書で
あると言い得る。
27書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/02/16(土) 21:01:59 ID:AzBP7VXu
有吉佐和子『華岡青洲の妻』を読んだ。
言わずと知れた、吉村昭『ふぉん・しいほるとの娘』、渡辺淳一『花埋み』と並ぶ
時代医学小説(ちゅーか、医道小説という名称の方が適切やもしれぬ)の傑作中の傑作である。
ボリューム的に他の2作、特に大作『ふぉん・しいほると・・・』には遠く及ばないものの、
内容的には決して見劣りすることがない作である。
筆者は、もち、ベストセラーになった時に読んだし、
映画化作品も見ているが(雷蔵扮する青洲が原作と比較してカッコ良過ぎるのは許容範囲としても、
テーマにも関連するラストシーンをなぜ変えてしまったのかは大いに疑問だ)、
今回の再読で妻加恵と母於継の凄まじいまでの確執の末、遂に2人で競い合い麻酔の
人体実験にまで及ぶ展開(これを実行する青洲も凄い)は、まさにサイコ・ホラーとして読め、
先の展開が読めない点は良質なミステリと同様である事に気付いた次第である。
特に地味キャラながら小陸(青洲の妹)の2人の静かなる確執の傍観者としての役割が非常に
作品全体において貴重なものだと確認出来た。
彼女の目を通した華岡家の嫁姑関係こそ、まさに「ホラー」そのものだったと言い得るのでは
なかろうか。
28名無しのオプ:2008/02/16(土) 21:04:22 ID:O3fvdyPi
>>19
まあ読んでもいないのに外部サイトの感想パクっている奴よりはマシだよなw
29名無しのオプ:2008/02/16(土) 21:04:54 ID:O3fvdyPi
リロードしたら当の本人が沸いてたw
30名無しのオプ:2008/02/16(土) 21:16:10 ID:O3fvdyPi
連投スマソ

>>28のレス先は>>24でした。
ギコナビは時々レス番号ずれて表示させるらしい。
31名無しのオプ:2008/02/16(土) 21:35:03 ID:iX4i4mxz
>>26-27
北村薫なんかもよくミステリ以外の本を取り上げて「本格ミステリとして読める」ということを言っているけど、
氏の場合はミステリの基準、とりわけ本格ミステリの基準をはっきり示しているし
取り上げる本がどういうふうに基準を満たしているのかをきっちり説明してくれている。

それに比べて書斎ときたらw
本格どころかミステリの基準がいい加減なうえに
大半が「サスペンスがあるからミステリとして読める」という幼稚さw
しかも「サスペンスはミステリ特有のものではないというのは当然だw」
なんてことまで言ってるのだから頭が悪いとしか言いようが無い。
今回も
 >難工事をメーンとした冒険小説的読みが出来る群像ドラマ
 >人体実験にまで及ぶ展開(これを実行する青洲も凄い)は、まさにサイコ・ホラーとして読め、
こういうアホ丸出しのこじ付けしかできないという読解力のなさを曝け出しているしw
32名無しのオプ:2008/02/16(土) 21:35:31 ID:iX4i4mxz
まさに○○として読んだ、ってのが先にありき。
あらすじ書いて「冒険小説だ」「ホラーだ」とはしゃいでるだけ。
で、板住人罵倒をそれに付け足すと。
中身なさすぎだろ。
「論考」どころかただの感想すら書かれていないんだぜ

まあいつもながらの「突きつけたい」ということばだけは元気があってよかったけどw
33名無しのオプ:2008/02/16(土) 22:09:56 ID:EwnvvjSc
>>23はなんでそんなに必至なん?
34名無しのオプ:2008/02/16(土) 22:24:25 ID:Mcvf67u8
31及び32についてはこちら↓

http://tmp7.2ch.net/test/read.cgi/mog2/1196316382/135
35名無しのオプ:2008/02/16(土) 23:24:03 ID:HDRMfgQc

    ./  ̄ ̄ ̄ ̄\        
   |::::::        丶.  
   |::::.____    __) 
  (∂: ̄ ̄| ◎ |==| ◎ |   
   (  (   ̄ )・・( ̄ i   
    \   .._. )3( .._丿   む昔は、よかったんだな・・・
     ヽ _二__ノ\      黙っていれば、ママンが三食持ってきたんだな
     /        /    みんなアンチのせいなんだな・・・(涙)
    /   | |   ヽ |
    /   l |    ) |
__/    | ⊥_   _)| _________
⊂ ̄|  `ーヽl_l_l.} ヽl_l_l.}  ̄⊃         
⊂ (、`ーー、ィ   } ̄`   ノ   ⊃         
⊂_  `ー、、___/`"''−‐" _⊃          
  ⊂_______⊃  

ママンが死んだあと兄妹から見捨てられ、家を追い出され
乞食になり、餓死しかかっている書斎w
36名無しのオプ:2008/02/16(土) 23:25:26 ID:HDRMfgQc
                       _
                   , -‐‐ク´   ̄` ヽ、 
                __/::::::::::{{   ,   。`丶、,、_
     _ __  _,. -‐―/´   :::::::!l  ,'   ィ:.  ` m◎ __ /⌒l
rーr--‐' "   ̄     {:::::::   ::::ヽ   :'゛  ミ ヽ   ◎  _ _ノ
ヽ/__,、- ┴ ‐-- -‐ '⌒丶L::::::::::::::::::::::::::ヽ、:    j(   ヽ、,=(`ー´、
                ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ~  ̄ ̄`` ‐- 、   _::ノ
ママンが死んだあと兄妹から見捨てられ、家を追い出され
乞食になり、餓死した書斎w
37名無しのオプ:2008/02/17(日) 08:28:43 ID:/qOOXjkl
誰かの感想にいちいちレスつけんなよ
そういう主旨のスレじゃないだろうが
38名無しのオプ:2008/02/17(日) 09:38:41 ID:id3Nh1sS
そんなもの書き込む勝手だと思うが。
39名無しのオプ:2008/02/17(日) 13:41:14 ID:aDl2PVjo
●「シャドウ」道尾秀介 東京創元社 単行本 本格ミステリ大賞受賞作

本格を読むのは久しぶり。ラストの意外な展開を楽しむことができたので、満足。
ただ、設定の不自然さやご都合主義などの、細かい粗も少し気になる。
中盤まで読んでも、本作のメインの謎が何なのかがよくわからないし、
作者のこれまでの作品の評判も念頭にしてしまうので、本格なのか、ホラーなのか、
とんでもミステリなのか、○○トリックなのか、という不安を抱えながら、読み進めることになる。
伏線を張りめぐらしているのはわかっても、ミスリードのため(?)というべき伏線もあり、
結末を予想するのは不可能に近い。探偵役の推理部分もストーリー全体の中でさほど重要ではない。
本作は、本格ミステリーの範疇に属するが、厳密にいえば、(メール欄)といえるだろう。

違和感を覚えたのは、作者の弁。
「僕の中では、本格ミステリほど人間を描ける、感情を描けるジャンルはほかにないんじゃないか
という思いがずっとありました。『シャドウ』は、そういう思いをかたちにするつもりで書いた作品です」
http://honkaku.com/award/award.html
「シャドウ」のどういう部分を指して言っているのか理解できなかった。
「人間を描く」という作者の言葉の意味に、法月氏も疑問を感じているように読める。

また、作者は、「シャドウ」は物語が陰惨だという前作に対する批判への回答であるとしている。
http://www.tsogen.co.jp/web_m/michio0610.html
残念ながら、トリックや動機作りのために陰惨な話を持ち込んだとしか、読めなかった。
つまり、本格ミステリとしてはこれでいいが、人間を描くという観点からは底が浅いと感じる。
でも、目指すところは一応理解できるので、今後の飛躍を期待したい。
40名無しのオプ:2008/02/17(日) 19:22:15 ID:KcI/Hcyr
積読が少しあって、そろそろ読もうかと思ってるんだが、面白のから読みたいからどれが面白いか教えてくれないか。
・殺戮に至る病
・殺しの双曲線
・なつこ、孤島に囚われ
・月の扉
・オリエント急行殺人事件
・葉桜の季節に君を想うということ
・乱れからくり
と、手元に有るのだが。とりあえず海外物を読む気分じゃないが。
41名無しのオプ:2008/02/17(日) 19:24:50 ID:CIBlIj7r
>>40
アマゾン行ってこい
42名無しのオプ:2008/02/17(日) 19:32:27 ID:18MjpT0d
>>40
うるさい
つべこべ言わずオリエント読め
このばかやろう
43名無しのオプ:2008/02/17(日) 19:42:08 ID:fkxktOfv
いや、ここはあえて「乱れからくり」を
44名無しのオプ:2008/02/17(日) 19:45:31 ID:O/grz8Kt
あえて、なつこから読んでみるのはどうだろう。
45名無しのオプ:2008/02/17(日) 20:47:31 ID:I2FWvW8W
なつこ以外、順不同でかまわない。
なつこは読まなくても可w

月の扉は知らんけど。
46書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/02/17(日) 22:27:02 ID:TgZzi2zp
鮎川哲也「翳ある墓標」を読んだ。
鬼貫も星影も登場しないノンキャラ作品ということもあるのか、
出版状況から見れば、鮎長編中でも1、2を争う不人気作ではあるが、
そこは単なるパズラーにとどまらない力量がある作家の手によるものだけあって、
凄惨で残酷な事件を描きながら、適度にユーモアをまぶし、
的確な情景描写も臨場感(昭和30年代のレトロな雰囲気が興をそそる)を盛り上げ、
それなりに面白く読ませるものはある。
ただし、ダイイングメッセージ(言葉ネタ)は御愛敬としても、本格ミステリとして読んだ場合には
マエストロ鮎にしては、終盤のカードに関するトリック等メーンの謎解きが全体的に小粒に
過ぎるのが難。
思うに、集団捜査に主眼を置いた警察小説あるいは事件記者シリーズのような形で書けば
鮎作品中でも異色な面白さを有する作になったと思われるのが惜しまれる。
一旦、舞台が名古屋に移動した時点で、いよいよ警察小説的展開かと期待したのだが、
すぐに主人公杉田(トップ屋)の単独行に戻ってしまうのが、なんとも残念であった。
47読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/02/18(月) 00:07:31 ID:e3pZJOlu
「はじまりの島」柳広司(朝日新聞社)

19世紀のイギリス。進化論を唱えるダーウィンを異端視する教会は
彼の思想の原点が若い頃の航海にあると睨み、当時の同行者であった
老画家アールに事情聴取を行う。彼がポツリポツリと話し始めたのは
一行がガラパゴスで遭遇した奇妙な事件であった……。

面白かった。こんな作家がいたのかぁ。ナンバー1スレ様々だなこりゃ。

監視下の人間がいつの間にか扼殺されてたり、離れた場所で同時に
人が襲われたりとの不可能犯罪をダーウィンが解くのだけれど、
その推理法というのが所謂「困難を分割せよ」というものではなく、
事件を一繋ぎに捉え、それが彼の至上命題たる“世界の成り立ち”や
“生命の在り方”と常に直結しているというもので、そのせいで
“収縮の物語”であるはずの本格ミステリがまるで収縮している様には
感じられないまま進んでいくという珍しい印象を受ける。

そしてダーウィンのエキセントリックな思考展開が
エキセントリックな真相を導く――と言うより無理矢理引き寄せたと
思える程――のだが、正直齟齬もちらほら見受けられる。犯人の描写の
解釈が微妙に変化している様に感じられたり、証人の人間性を
無視していたり。ただその歪さも計算の内かも知れないのだが……。

最後に一つ不満として船長という絶対権力者の存在をもっと活かした
作りにして欲しかったかなと思った。
ともかく忘れ難い一冊であつた。
48名無しのオプ:2008/02/18(月) 01:16:36 ID:ZjDpa/sa
              ー−−−−−−−−
             |     │    ◎│
              |      │      │
              | ◎    │     │
             │,.‐''"´ ̄ ̄``'‐.、   ,i
             ノ   ,-、   ,.‐, \/
    i´`、      /   ││   ," |   ヽ      , 、
    |  i,      │   ││   |  |   │    ノ )
     i、 L、_    /   ノ ,i   `-´    │   ノ  ノ、
   ,i´ i,-  )  Λ   (_ ノ        Λ  / つ/  )
  (  /´ヽ /   / |\           Λ ヽ (   ``)
   ``、   `、 │ |│`'‐.、 ____,.,‐''´| | │  >  i''
     `:、  ヽ │ | |  |_ノ、ノ  i_ ノ-;´ノ │ /  /
      ヽ  ヽ │ | ゙i ̄ /  ̄\  / / / /  /
       ゙i   ゙i \`、゙i/     `v´ / ノ /  /
        ゙i   ゙i   ゙ヽ ゙i、       / /"´ ノ  /
         ゙i   ゙i  ヽ \__/| /  /  /
          ゙i     `、   ヽ.ノ ノ    /
           `     ``'--‐''"    ‐''"
     ボッボッボクチン♪ 書斎魔神! プ〜
49名無しのオプ:2008/02/18(月) 05:35:33 ID:ceDZhN0o
チーム・バチスタの栄光 海堂尊
パーフェクト・プラン 柳原慧
崩れそうな積ん読の中から気分で選んで読み始めてみると
どちらも一気に読めた でもパーフェクトの方が面白かった
残るのはチームバチスタの方
シリーズもう一つ読んでから制覇するか決める
桜庭とどっちにしようか・・・
50名無しのオプ:2008/02/18(月) 09:05:45 ID:uWuYPxKR
>>49
自分も読みました。パーフェクトプラン面白かったです。ミステリー色は薄いかもしれないけどサスペンス・エンターテイメントとしてはかなり楽しめた。
柳原さんの「コーリング闇からの声」もなかなかいいよ。
51読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/02/20(水) 18:53:19 ID:RqhZuPgV
「サクリファイス」近藤史恵(新潮社)

陸上選手として将来を嘱望されていた誓は突如陸上を止め、
自転車レースの世界へ飛び込んだ。そこは他のスポーツとは違う独特の
精神が息づいており、その中に誓は自分の居場所を見い出そうとする。
そんな時、耳に入った尋常ならぬ噂。チームのエース石尾がかつての
チームメイトを故意に負傷させていたという。信じようとしない
誓だったが……。

サクリサクリ読めた。読みながら「これミステリーかぁ〜?」と
思っていたが読み終えるとまあミステリーだったなと。
この動機はメルヘンだと思うがまあ、ありっちゃありっちゃありかな。
短くて初心者にも解りやすく書ける力量は大したもんだと思う。

それにしても主人公のトラウマの原因はひでえ話だなぁ。
こんなこと心配しなきゃならんなら大変だわ。
52読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/02/20(水) 18:54:14 ID:RqhZuPgV
「図書館内乱」有川浩(メディアワークス)

郁が怖れていた事態がとうとうやって来た。即ち、両親の訪問。
防衛部に所属していることは決して知られてはならない!
カモフラージュの為必死で事務をこなそうとする郁。一方、手塚
には
袂別したはずの過去が忍び寄って来る。

確保したもんは償却しなきゃならんので。
しかしやっぱ違和感あるわぁ。正論という言葉をを都合良く濫用する
主人公だけじゃなく全体的に。
セックスに見せかけたオナニーみたいな。「外国に飛行機が墜ちました。
ニュースキャスターは嬉しそうに乗客に『日本人はいませんでした』」と
同じ臭い。無理から敵を仕立てている印象。派閥のバランスに対する
配慮も毒舌批評も単体じゃ叩き難いもんだから他の要素をくっつけて
叩いてる。それだけならまだしも障害者問題での工房叩きは引いた。
展開に無理ありすぎだろう。もっとなりふり構えよ。

ただこのラストは気になるなぁ。悔しいけど……。
53名無しのオプ:2008/02/21(木) 20:33:10 ID:SrGO6p6z
●「一応の推定」広川純 文藝春秋 単行本 松本清張賞受賞作

 また、地味なのを掴んでしまったw
 前評判から地味なのはわかっていたが、評価が高かったので、つい借りて読んでしまった。
 年の功というべきか、新人離れした安定した文章力を感じたし、評価が高いのは一応理解できる。
 選評については、右記参照。http://www.bunshun.co.jp/yonda/hokenkin/hokenkin.htm
 しかし、この作品には大きな疑問を覚え、楽しむことができなかった。
 それはまたしても、相続の問題である。ネタバレになるおそれがあるので、詳述は避けるが、
「借金を背負った者が亡くなった場合、相続人である保険金の受取人は、保険金で借金を返す必要があるか」という問題である。
 保険金の受取人の指定の問題や、連帯保証の有無などにも影響されるが、基本的には相続債務と保険金は別物である。
 したがって、相続人が相続を放棄した場合、保険金をまるまる取得できるのである。
 この点については、「相続放棄」「保険金」で検索すれば、法律相談事例がいろいろ出てくるはずである。
 ところが、本作は相続放棄さえ触れていない。法律上の問題を一切無視し、ご都合主義的にストーリーを展開しているのである。
 「火車」を書いた宮部みゆきがOKを出したのだから、これで良しと考えるべきなのか?
 「半落ち」の直木賞受賞騒動で、林真理子が「ミステリ業界は……」と憤慨していたことを思い出してしまった。
54 ◆XjFtIkbasQ :2008/02/22(金) 02:16:02 ID:tIQng9Xb
加藤元浩『Q.E.D 証明終了(29)』(講談社コミックス、2008)【6.5点】

「エレファント」「動機とアリバイ」の2篇収録。

ポアンカレ予想を絡めた前者だが、数学的お話を除くと
「金庫を一人でどうやって運び出したか」のシンプルなお話になる。
が、まあまあ楽しめた。ペンギンって羽毛あるのかな?

後者は著名画家の家に招かれた3人の弟子の誰が犯人かというフーダニット。
するどいロジックや意外なトリックが展開されるわけではなく、ちょっと残念。
55 ◆XjFtIkbasQ :2008/02/22(金) 14:47:24 ID:tIQng9Xb
文藝春秋編『逆転の瞬間』(文春文庫、1998)【7.5点】

「オール読物推理小説新人賞」受賞作をあつめた短篇集V。
荒馬間「新・執行猶予考」、浅川純「世紀末をよろしく」  
宮部みゆき「我らが隣人の犯罪」、長尾由多加「庭の薔薇の紅い花びらの下」  
中野良浩「小田原の織社」、佐竹一彦「わが羊に草を与えよ」を収録。

宮部がミステリー「小説」として抜きん出ているのは流石として、
一番の印象作は中野。関ヶ原前夜の背景を取り込んだ歴史ミステリの
本格モノ。シンプルだが、犯人の目的なども絡めて上手く作っている。
謎の解明シーンがちょっと淡々としていて残念だったが・・・
あとは、偽造紙幣を扱った荒間が妙な熱気があって楽しめた。
56 ◆XjFtIkbasQ :2008/02/24(日) 02:47:09 ID:8ozc/vrj
高橋克彦『京伝怪異帖』(上下、2000→2003、講談社文庫)【8点】

絵師・戯作作家の伝蔵(山東京伝)が遭遇した怪奇事件の連作中篇集。
冒頭作「天狗髑髏」は、平賀源内の獄死、幽霊屋敷、謎の生物の頭蓋骨などの
道具立ての謎解き物語。人間の仕掛けたトリックなのか超常現象なのか、
あるいはカツヒコお得意のトンデモなのか、各篇予断を許さない。

「天狗髑髏」の正体についてある人物が講釈する場面はカツヒコの悪い癖が
出たかと危ぶんだが、後はまっとうな謎解きモノ(平凡だが)として読める。
舞台も江戸だけでなく、白河や秋田藩にも広がり、『写楽殺人事件』を読んでいると
より楽しめる。ここ10年間のカツヒコの仕事では、上位であろう。

脇がにぎやかなせいもあって、伝蔵のキャラがいまいち薄いのが残念だが、
その分、某先生や陰間の蘭陽のキャラがなかなか楽しい。
やっぱカツヒコ好きですわ。多少甘めの【8点】。
57名無しのオプ:2008/02/25(月) 21:15:51 ID:VjOGCEaA
読後感もウザイがトリップ付き名無しも大概ウザイな。
58名無しのオプ:2008/02/25(月) 21:19:38 ID:zIO+mYCo
age
59名無しのオプ:2008/02/25(月) 21:20:25 ID:zIO+mYCo
ageでいちゃもん付けるだけの名無しが一番うざい
60読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/02/26(火) 17:41:25 ID:g7G/BmtD
「密室殺人ゲーム王手飛車取り」歌野晶午(講談社)

ネット上のとあるコミュニティに集まった5人の参加者たち。
顔も本名も隠した彼らは今夜もゲームに熱中する。交代に現実で
殺人を犯し残りのメンバーがそれを解くという殺人謎解きゲームに。

『葉桜〜』は大枚900円もはたいて買ったのにネタバレ観ちゃって
売っぱらったからこれが初歌野。
ミッシングリンク、密室、アリバイ崩し等が連作短編形式で進んで行く。
これが完全な短編集となってしまうと個々のネタの物足りなさが
浮き上がってしまいそうだが、一繋ぎであることによってそれが
避けられ合わせ技的な好印象になっている。
ちなみに一番好きな謎は生首。

最終章はもっと捻って欲しかった。それすらも絡め取る――みたいな。
61読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/03/04(火) 15:44:16 ID:JwSxS+dP
「浮気妻は名探偵」梶龍雄(桃園書房)

若妻エリ子とその不倫相手黒沢警部補のコンビが活躍する短編集。

でも2作目だったのねーん。話的には困らないけどさあ。
収められた短編はどれもライトな本格で続けて読むと良い感じ。
ただエロがイマイチだなぁ。エリ子自身のピンチが無きゃねえ。
そもそも美少女とみまごう外見という設定がダメ。色気タップリの
熟女にすべきでしょう。カバー絵もそんな感じぽいし。
62名無しのオプ:2008/03/05(水) 21:05:22 ID:Nh8pkZ0s

      /⌒ヽ
    ( )^ω^( )これおもしろいだお
    (つ    と) ニコニコでDVD売れまくっているお
      U  U   
http://www.nicovideo.jp/watch/sm46224
http://www.nicovideo.jp/watch/sm46652
http://www.nicovideo.jp/watch/sm50083

↑これこそ超一流のミステリー
63名無しのオプ:2008/03/09(日) 17:25:56 ID:qF0qM3E+
「博士邸の怪事件」浜尾四郎(春陽文庫・探偵CLUB版)

死亡推定時刻以後に生きている姿を目撃したという証言が複数の人間からなされる、
という展開は、その後証人が嘘をついていることがわかったり、
ある人物が事件の関係者と親密な関係があることがわかったりと展開そのものは面白い。
しかし。
あの結末はちょっと勘弁してほしい。
書かれた時代の日本のミステリーの水準からいえば仕方ないのかもしれんけど。

ただ併録されている「不幸な人達」は絶品。
「博士邸」のすぐ後にこの短篇を読み始めたときは「またこれかよ?」と思ったが
今回の場合は作品の傷にはならず問題なし。
広次の心理描写がいい。
64書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/03/09(日) 23:42:38 ID:VU5JJwGT
有栖川有栖「山伏地蔵坊の放浪」を読んだ。
学生アリスシリーズ以外の有栖作品は、結構好きなんだが、なぜかノーマークだった1冊。
山伏が探偵役ということもあって、オカルトねたの事件が多いかと思ったのだが、
エル好きのアリス作品ゆえか、この手のものは皆無。結構、論理重視のもの多し。
山伏が探偵談を語るという安楽椅子探偵もの(戸川安宣氏が筆を執った本書解説にこのスタイル
に関する詳論が述べられており、一読に値する。本作はこのスタイル中でも特色があるものとの
ことだ。たいした出来栄えではないジョルジュの「13の秘密」にも言及しているのが、
版元創元らしい御愛敬か)いかにも気軽に読める新書スタイル向きな題材なのだが、
なんと創元クライム・クラブの1冊としてハードカバーで刊行され、
後に文庫化はされたものの新書版は存在しない。
探偵キャラ、ストーリーの着想等、まずまず面白いシリーズなのだが、
さほどの人気とならず、現時点でこの1冊にとどまっているのは、諸般の事情があるとはいえ、
発刊の形態に問題があったとも思える。
それでは、ネタばれ禁止無用、大好評な全話講評いってみよう!!
第一話「ローカル線とシンデレラ」
単線のローカル線を舞台にした結構凝った創りの作。
本作が商業誌デビュー作とは、それなりにアリスの力量を感じさせるものがあると言い得る。
第二話「仮装パーティーの館」
今読むと、ダースベーダーやバットマンという物語上の小道具に時代性を感じさせる作だが、
偶然性が関連するとはいえ、謎解きミステリ的には面白い展開の作である。
第三話「崖の教祖」
大のエル好きで有名なアリスだが、本作のトリックはむしろジョン風と言い得る大技(荒業?)。
論理志向のエルや鮎を理想像としているらしいアリスではあるが、
本作や協会賞受賞作の長編「マレー鉄道の謎」等でもわかるとおり、
トリックは大胆なジョン風のものが多いやに思う。
65書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/03/09(日) 23:43:19 ID:VU5JJwGT
第四話「毒の晩餐会」
本作は解決が見えてしまう今ひとつの出来栄え。
第五話「死ぬ時はひとり」
ロスマクかよ(w、という感じのタイトルだが、一応、不可能犯罪もの。
ただし、出来は前作同様今ひとつである。
第六話「割れたガラス」
犯行に不可欠な小道具が最後に呈示される点がひっかかる(伏線があってもよい)が、
じっくりと論理で詰めてゆく展開にアリス作品らしさが発揮されており、
それなりに謎解きを堪能出来る作に仕上がってはいる。
第七話「天馬博士の昇天」
現時点でシリーズ最終話。前作と同様な不満があるのだが、
より解決への展開(謎の足跡の解明等)が唐突というか、アンフェアと言ってもよいくらいの作。
シリーズの締め(山伏の退場)を意図しただけの作なのであろうか。
66馬は死ぬか太るしかできない:2008/03/11(火) 20:43:52 ID:MDhRSPs4
「人獣」戸川反哺(とがわはんぽ)
67馬は死ぬか太るしかできない:2008/03/11(火) 20:45:41 ID:MDhRSPs4
誤爆御免ね
68読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/03/15(土) 20:57:23 ID:BPOyJRUP
「三毛猫ホームズの推理」赤川次郎(角川書店)

女子大生が友人宅で惨殺される事件が発生し、青年刑事片山は捜査に
狩り出されることに。調べてゆく内に組織売春の存在が
浮かび上がって来るが、今度は文学部長が密室で殺される。
片山は学部長の飼い猫だったホームズと共に事件の謎に挑む。

期待して読んだ。しかし、ある不自然なことを十分に解明しないため
犯人は早い段階で見当がついた。密室トリックも恐らく内外に
先例があるはずで後は見せ方の問題なのだがこれは矢張り
無理が目立つ。作中で言い訳はしていたが納得し難かった。
もう一つ唐突に明らかになる事実の蓋然性も薄く、総じて強引な印象。
69書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/03/15(土) 22:41:32 ID:3xuceUyL
長岡哲生「極秘資金」を読んだ。
ビジネス街では平積みになっている書店が多く、売れ行き良好、
非常に面白い経済ミステリ(版元である講談社はこの惹句で売ろうとしているし、
実際、謎解きもオトナの読み物らしい現実的解決もある)、
この板のミスオタはこういう作をスルーしてしまうから駄目駄目なのだと言い得る。
一定条件を充足する大企業とその代表者のみに供与されるという「基幹産業特別資金」、
大企業から新興のマーケティング会社へと転職したばかりの主人公宮本は、
次第にこの資金を巡る謎の連続の渦中へと巻き込まれてゆく・・・
本作のサイドストーリーである未公開株詐欺のエピに関して、2ちゃんねるが実名で登場、
あるスレでのやり取りが、主人公の調査の発端を成すこともあり、結果的にはそれなりに
役立ってはいるのだが、パナソニックがモデルと思われな大手家電メーカーの元部長職に
あった主人公の2ちゃんねるに対するコメントは、
「読み始めると愚にもつかない落書きだらけでうんざりした」
これは一流経済誌(週刊「ダイヤモンド」の元エグゼクティブである著者(本書が処女作)の
見解でもあろうかと思う。
70書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/03/15(土) 22:42:20 ID:3xuceUyL
結局、社会のメーンストリームでは2ちゃん=糞の公式が確立してしまっているのである。
プロローグにおける、文字通り「傷身」の主人公の姿は70年代のネオハードボイルドを想起
させる「泣き」のひとり語り、著者はハードボイルド・ミステリとか結構好きなんじゃなかろうか。
この点は、後半、ボディーガードと共にアクションに出てしまったり、ラスボス(と思われる人物)と
サシで対決する主人公の姿からも伺える。やり過ぎ、創り過ぎ感も残るが、あっさりと筆が進められているためか、嫌味が無いファンタジー(?)になっている。
また、50代で小学生の子有り、男やもめの主人公でありながら、
外資系勤務の30後半の恋人がおり、部下の若手女子社員や帰国子女のJD(慶応SFCの学生)にも慕われるモテモテぶり、この辺も著者なりの軽いファンタジーででもあろうか(w
しかし、色事の方面はあっさりと流され、この手の経済ものに多い濡れ場は皆無、
読者サービスのテクが及ばないゆえのデビュー作ということもあろうが、
逆に本筋である謎の資金話を巡るミステリに力点が置かれ、すっきりと読み応えがあるものに
仕上がっている。
宮本の転職先の親会社社長の平岡、前の会社の上司(専務)だった菅谷等、
脇キャラも一癖あったり、真面目だが小心だったりと、人間臭く面白いものがある。
71名無しのオプ:2008/03/15(土) 23:38:09 ID:kfKiEFqn
2ちゃんねるで活動してる書斎さんも糞だと言う事ですかw

それにしても、ものすごい悪文ですねw 他人の評論のマルパクリと
2ちゃんねらーの悪口をツギハギしただけ(ああ、いろんなスレで、ボコボコに
されて、くやしかったんですねw)
昨夜、深夜放送でやってた 劇場用デビルマンの構成みたいな、
支離滅裂の文章もどきですなw
72名無しのオプ:2008/03/17(月) 22:27:09 ID:AEFFQoV+
>>68
あの密室トリックって先例あるのか。
73読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/03/17(月) 22:33:07 ID:jnfS2KcE
>>72
確か(メル欄)の作品に似た様なものがあったかと……
74書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/03/20(木) 21:45:07 ID:lGg87NlG
有栖川有栖「ペルシャ猫の謎」を読んだ。
創り過ぎの感を抱く作もあるが、
新書ミステリとしては相変わらず楽しめるもの(シリーズ作品)に仕上がっている。
大好評につき、今日も全話講評逝ってみよう!!
各人、心して読め!
「切り裂きジャックを待ちながら」
小劇団ネタのサイコ・ミステリ風の作。
締めがアリスが好きなエルの一番著名な作を想起させるのも楽しい。
CURTAIND。
「わらう月」
これもサイコ・ミステリ風の出だしと思いきや、鮎風のコテコテの謎解きミステリであった。
ややトリックが複雑であり、読み辛いのが難か。
「暗号を撒く男」
朝のワイドショー等でもおなじみ流行の星占いから想起された作であろうが、
あまりに遊び過ぎで買えない。
「赤い帽子」
アリス国名シリーズではおなじみの森下刑事がメーンの作。
作者のあとがきに記された掲載誌を見れば納得出来る展開なのだが、
いつ火村やアリスが登場するのかと思って読み続けていると・・・
丁寧な情景描写(独身者用マンションのポスティングの様など実にリアルである)による
地に足が着いた警察小説として読み応えあり。
「悲劇的」
SS風の小品ながら、火村というキャラが良く活かされた作ではある。
「ペルシャ猫の謎」
この作があるから国名シリーズの冠を付せたのであろうが、謎解きがあまりと言えばあまり。
あとがきにも「こんな結末を読まされた読者がどんな気分になるのか、私には判らない。
恐ろしいことだ・・」
とある。この作者コメントの方が「おそろしい」かモナー・・・
「猫と雨と助教授と」
作者曰く、「これまたミステリではない」
とくにコメントの要を認めない。
75書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/03/20(木) 21:48:16 ID:lGg87NlG
中村文則「土の中の子供」を読んだ。
この板には純文学には全く無縁、「純文学」という言葉を聞いただけで、
顔面蒼白、ずり落ちかけた褌を抱えて遁走する輩も多いかと思う(w
そんな連中に突き付けて読ませたいのが本書である。
作者に関しては「銃」(2002年)という作に関し、
「大藪春彦の世界(具体的には凶銃ルーガー・シリーズ等)を純文で書くとこんななるんかなあ」
という程度の認識であったが、2005年度芥川賞受賞作品である表題作では、
より感覚が研ぎ澄まされて来た感がある。
ミステリ、否、クライム・ノヴェル(終盤でクライムそのものは発生するものの)とも言い難い作だが、
正にクライム・ノヴェル寸前の作とでも形容したいような作と言い得る。
現代の若者でありながら虚無的な面がある主人公の過去が明らかとなるくだり、つまり「タイトル」
含意が見える部分は異様な迫力に富む。明るめのラストはやや意外であった。
併録された「蜘蛛の声」は、サイコ・ミステリと言うてもよい作、
突然、橋脚下にひきこもった若手リーマン、結構、仕事が出来評価されているという設定は異なる
ものの、その異常性は「2ちゃんねらー」というものを想起させずにはおかないものがある。
各人、心して読め!
76読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/03/21(金) 00:52:39 ID:e2/kXkYE
「図書館危機」有川浩(メディアワークス)

遂に憧れの王子様の正体が判明してしまった郁。一体どう接すれば良いのかパニクる
彼女だったが、事件は待ってくれない。今回は痴漢や人権屋と
闘いま、すぅ。

本作は割と抵抗なく読めた。今更だが力はあるよね。構成も良いと
思うし。ただ、時々オナニーの衝動を抑え切れないのが残念。
どうせなら、というか本来ならセックスにまで高めるべきで
それが出来ないのが若さ故なんでしょうかね。多面的たらんとする
配慮が逆説的に自己満足のイメージを喚起させてしまっている様子。

具体的にはアイドルがアシの子にキレるシーン。自分の無知と
察しの悪さを棚に上げた上口調まで変わってて明らかにDQN
丸出しなのに何故か彼女の落ち度みたいになってるし。それから
母親殴打シーンね。その後の開き直りも凄い。仮にも親だぞ。引くわ。

これらを除けば、読めた。人権屋絡みの話とかは、まあまあ良かった。
次が最後か。読も(はぁと。
77名無しのオプ:2008/03/21(金) 12:30:08 ID:voG8VNU3
純文学と言う言葉を聞いただけで、顔面蒼白、褌をズリ落として遁走する書斎w
                          / ̄ ̄ ̄\
                        ミミミ       丶       _,、
                        ミミ /一◎-◎-)     ///|
                        (9  U (_ _) )     /_ /7
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               ! '''' j ',........ _____,.. -‐゙ー-、:ァ 、 _ |   ,..- '´
              ヽ '    。       ゚    ` 、 / ̄,r '´。
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     _/ `ニ ー――-- 、..-''´ .:.:.:.:.:゙ー‐ァ--―''" ̄`丶、 u  丶、   _,,.. --、
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  `゙ー-'´                                   ヽ、_/
78名無しのオプ:2008/03/21(金) 21:39:13 ID:tdrIpV9z
アアッ、ワテノフンドシガ・・・≡( ;^o^)/ ~~⌒□⌒ヒラヒラ

        褌を追いかける、ウンコ書斎w
79名無しのオプ:2008/03/21(金) 23:04:11 ID:tdrIpV9z
http://members.at.infoseek.co.jp/GrayZone_RI/files/books/1131331488.html#R980
>980 :書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/07(水) 22:17:02
>平井和正は、のれなかった作家だ。
>「エイトマン」の原型と言われる「サイボーグブルース」


ひでえ・・・こんな珍説聞いたの初めてだよw(大爆笑)


80名無しのオプ:2008/03/21(金) 23:30:45 ID:tdrIpV9z
ミステリーにも、SFにも、文学にも無知な書斎w
こいつの頭の中では、ドラえもんがオバQの原型であり、
ドーベルマン刑事が、ダーティー・ハリーの原型なんだろうw
81読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/03/23(日) 14:28:45 ID:eis6gDJ2
「迷犬ルパンの名推理」辻真先(光文社)

ハンサムだが堅物な朝日刑事は下宿先の娘でタレントのランと共に
彼女の事務所のパーティーに参加する途中で事件に遭遇する。
事務所社長が崖から転落し行方不明となったのだ。そして数時間後、
社長の別荘が全焼し中から彼女の死体が発見された。朝日とランは
偶然出会った野良犬と共に謎に挑むのだが……。

久々某スレからのセレクト。
トリックよりもプロットで魅せるタイプ。なので古びないというかな。
こないだのホームズはトリックの印象が強い分どうしてもその瑕疵に
目が行ってしまうからね。そういう意味では処女作では犬に
軍配が上がるかな。
あとキモイ年の差カップルがいないのも好印象。アニメ畑だからか
おっさんに媚を売ったりしないカッコ良さがある。
82読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/03/23(日) 15:12:22 ID:eis6gDJ2
「合本・青春殺人事件」辻真先(東京創元社)

改装工事を控えたスナック蟻巣の飼い猫チェシャが変死した。
落ち込むママを元気付けようと常連客が話し合いその一人推理作家の
牧がスナックの宣伝になる小説を発表することになった。
自身の習作3本に手を加えた形となるミステリー小説を。そのタイトルは

一つずつ書く前に大問題があるのデス。これネタバレの嵐!
黄色い部屋・アクロイド・悪魔の紋章・蜃気楼博士・本陣・刺青・
オリエントと大盤振る舞い漏らしまくってマスノデご用心。
「仮題・中学殺人事件」
連作短編形式。鉄道アリバイと密室。読者が犯人。まあジュブナイルなら
こんなものかな。目次は法月ライブラリーの元ネタ。
「盗作・高校殺人事件」
アリバイ+密室。最初の密室トリックはあっけないのが残念。
意外性もあり中々良いが後付けがちらほら。
「改訂・受験殺人事件」
『長い墜落』ネタと犯人消失と密室。
見え見えな部分もあるが第2の殺人は巧い。意外。
他短編1本+α。前者は密室トリック使い回しの為評価は低い。
後者は良い後味。

出来ればこのままスーパーとポテトの成長を追って行きたかったが……。
83書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/03/23(日) 22:58:42 ID:rwB3enfS
横山光輝「白髪鬼」(原作・江戸川乱歩)を読んだ。
大乱歩の原作(傑作翻案小説)を漫画化したものであるが、
横山御大の絵柄ゆえか、原作にある陰惨さ(これが強い魅力でもあるのだが)は薄まっているうえ、
主人公の壮絶なるリベンジにも御大十八番の忍者漫画を読んでいるかの如きゲーム感覚さえ
憶えるものがある。
また、原作のストーリーの肝心な部分が脚色されていることもあり、
(少年漫画よりも成人向き作品である原作の方が勧善懲悪に対する拘りがあるようなのが
面白い)同じ素材による「別物」という感じに仕上がっている。
しかし、それにしても当時の四大少年漫画雑誌中では一番穏やかなイメージがあった
「少年キング」が、色と欲とリベンジが渦巻くこの原作を、よく掲載したものである。
小栗虫太郎原作「人外魔境シリーズ」の一編「大暗黒」の漫画化作品も併録されているが、
これも小栗作品独自の粘着性は無く、すっきりした秘境談になっているのを物足りないと見るか、
「これはこれ」として評価するかである。
他にはオリジナル作品として、タイムスリップもの「魔界地帯」、
魔神の再生を描いたホラーもの「邪神グローネ」、シニカルなオチとなるSS風の「俺はだれ?」
の3編を収録、この辺は漫画は漫画として、「ぱーっと読んで、ぽーん!」でよろし。
84名無しのオプ:2008/03/24(月) 00:40:09 ID:E5CHPy3p
                    褌をズリ落として遁走する書斎w
                          / ̄ ̄ ̄\
                        ミミミ       丶       _,、
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85読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/03/25(火) 00:56:01 ID:y57YfDB+
「堕天使拷問刑」飛鳥部勝則(早川書房)

事故で両親を亡くし、母方の祖母に引き取られて田舎町にやって来た
少年タクマ。だがそこは都会とは違う異質な世界だった……。
頻出する奇怪な事象に戸惑う彼はある少女に出会う。
やがて過去から続く残虐な殺人に巻き込まれながらも
彼女との逢瀬に安らぎを見出すタクマだったが、事態は破滅に
向かおうとしていた……。

初飛鳥部。長いがストーリーに引き込まれて苦にならなかった。
横溢する怪奇趣味が余りにも場を盛り上げるもんだから
果たして真相に辿り着けるのか不安になったくらいw。
そういう意味では「死の相続」と似てたかな。でもちゃんと
着地して一安心。まさかあんなものが出てくるとは思わなかった。
ただぶっ飛んだ感じはそんなにしない。飽くまで常識人が頑張って
変な風に書いてる印象。

あと地方の迷信やら因習やらが絡むというと三津田を連想するが
本作は三津田作品より大雑把でそれらの背景は語られない。しかし
青春を描くという側面の方が強いと感じるのでそれで良いと思う。

それより何より気になったはリアリティの無さ。中一の会話や知識
じゃ無いし、非科学的な信仰が根強い割に駅だのデパートだの開け過ぎ。
終盤の展開も(作品世界でも)信憑性に欠けると思う。
それから伏線がいくつか放置されてるのや、町なのに市役所があると
いうイージーミスが気になった。あとフーダニットの弱さも
挙げられるがこれは作者も承知の上だろう。

ついでにオススメモダンホラーの項は良かった。必要性は無いけど。

綾織も読むぞ。
86読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/03/26(水) 01:48:59 ID:xZHc0eC4
「完全恋愛」牧薩次(マガジンハウス)

戦時中地方へ疎開した少年究は、そこで一人の少女に出会う。
その少女朋音に魅せられた究はやがて米兵の殺人事件に遭遇する。
そのことが朋音との長い因縁の始まりであった……。

大傑作との評判を見て読んだが、まあ良作と言ったところか。
半分ぐらいまでは読みながらバレバレだなあと呆れていたのだが、
読み終えると、むむぅと唸った。プロットは見当がつく部分があっても
二つのトリックはサッパリ解らなかったし、その解明がプロットに
関わってたりして、結局、バレバレだと思ってたのは
見せパンだったのかもと迷ったりした。

ただ、あるトリックの解明が不十分でそのためやや卑小化してしまった
気がしたのが残念だった。それと文章に隙があるとも思ったが
これはまあ良いか?

お薦めではあるのだから。
87名無しのオプ:2008/03/26(水) 08:24:14 ID:GeDQfXy2
http://members.at.infoseek.co.jp/GrayZone_RI/files/books/1131331488.html#R980
>980 :書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/07(水) 22:17:02
>平井和正は、のれなかった作家だ。
>「エイトマン」の原型と言われる「サイボーグブルース」


ひでえ・・・こんな珍説聞いたの初めてだよw(大爆笑)
88名無しのオプ:2008/03/26(水) 08:25:04 ID:GeDQfXy2
純文学と言う言葉を聞いただけで、顔面蒼白、褌をズリ落として遁走する書斎w
                          / ̄ ̄ ̄\
                        ミミミ       丶       _,、
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89名無しのオプ:2008/03/27(木) 01:40:38 ID:CiqfsH3m
84、87および88についてはこちら↓

http://tmp7.2ch.net/test/read.cgi/mog2/1196316382/226
90書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/03/29(土) 15:10:30 ID:Va6Ojs4K
有栖川有栖「暗い宿」を読んだ。
作家アリス&火村ものの4つの中・短篇を収録した作品集である。
あとがきによれば、国名シリーズならぬ作者の豊富な旅体験を活かした宿シリーズを
意図したそうだが、「ウイローの下に二匹目の泥鰌は・・・」の結果に終わったという感がある。
読み易くそれなりに楽しめはするのだが、事件の舞台設定等の物語そのものの興趣は
ともかくとして、全体的に謎解きミステリとしては国名シリーズ作品の方が出来が良いと言える。
「暗い宿」「異形の客」「201号室の災厄」の3作は、コテコテの怪奇探偵小説仕立てに出来る作
なのだが、非常にクールなタッチで書き上げているのが、謎解きの理知性を重んじ、
エルや鮎を崇拝するこの作者らしいものがある。
(最もエルや鮎作品にも怪奇探偵小説は存するのだが)
「暗い宿」は強過ぎる偶然性(たまたまその夜に泊まりあわせるちゅーのはちょっと・・・)
「ホテル・ラフレシア」(ラフレシアは鬼太郎にも出て来た実在するあの怪花のこと)も
同様な欠点、そして横溝風のアクロバティックなトリックが楽しめはするものの
「異形の客」の御都合主義的展開は問題視されても仕方なかろう。
意外にも最後の収録作品で小品と言うてよい「201号室・・・」は、論理を逆手に取った面白さと
でもいったものがある。
シニカルなアントニイ作品、エルのギリシャ棺とか好きな輩にはお薦めかも。
91名無しのオプ:2008/03/29(土) 22:36:32 ID:I3HcuR/j
ウイロー

[名]

1 《植》ヤナギ(willow tree);[U]柳材

・ a weeping willow
枝垂れヤナギ.

2 ((略式))柳細工, (柳材で作った)クリケットのバット.

3 開繊機, ウイロ(willy).

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

くだらねぇ・・・それにラフレシアなんて小学生だって知ってるぜw
92 ◆XjFtIkbasQ :2008/03/30(日) 00:04:13 ID:Yg0fCvKV
夏樹静子『夏樹静子のゴールデン12』(1994→1997、文春文庫)【7点】

夏樹静子(および実兄五十嵐均・評論家権田萬治)による自薦短篇集。
25年間の傑作短篇を選んだだけあって、当然ながらどれも水準以上の
出来なのだが、個人的に夏樹静子の文章というか情感が苦手なので、
評価はやや辛目。

「特急夕月」「懸賞」「宅配便の女」「罪深き血」辺りが印象深い。
「宅配便の女」のトリックは作者が実際に試してみたそうだが、その光景を
想像すると笑える。時代的に古びてしまったものもあるが、読物としては
どれも面白い。
93 ◆XjFtIkbasQ :2008/03/30(日) 00:50:37 ID:Yg0fCvKV
二階堂黎人編『新・本格推理08 消えた殺人者』(2008、光文社文庫)【6点】

ベテラン夏樹とは対照的な、素人公募のアンソロジー。
二階堂黎人による「まえがき」「選評」は、相変わらず当人の主観入りまくりの
文章だが、方向性の是非はともかくとして、「熱意」は伝わってくる。

肝腎の収録作だが、二階堂氏の課す「縛り」のせいか彼の好みのせいか、
ここ数年同工異曲の作品が増えてきてやや停滞気味。彼の努力は認めた上で、
編者を代えて選考基準を見直すことがシリーズの延命に繋がると思う。
作品では園田修一郎「シュレーディンガーの雪密室」が楽しめた。

しかし単純な誤字や言葉の誤用法が目立つ作品も多くあり、純粋な読書を妨げる。
もうちょっと手直し・校正に時間をかけてほしかった。商品として失格。
もっとも絶対に文芸雑誌には載らないような破天荒ぶりは、長所であり、楽しい。
94 ◆XjFtIkbasQ :2008/03/31(月) 05:21:57 ID:uIYLrE+8
逢坂剛『十字路に立つ女』(1989→1992、講談社文庫)【8点】

知人の弁護士により、ある会社役員の素行調査を依頼された岡坂神策。
常連の古書店の地上げ問題や、馴染みの刑事の個人依頼により行方不明の女の
捜索をこなしながら、それらの背後に隠されたある事件に肉薄してゆく。

複数の事件が一本の線に結びついてゆくプロットは、やや強引ながらお見事。
作者の投影らしい岡坂のカッコつけた台詞も、「こんな奴いねえ」と思いながらも
なんだか許せてしまう。

スペイン研究者の理絵が出てくる長篇は何本か読んでいたが、こんな過去が
あったのね。先に読んでおくべきだった。良作。
95書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/03/31(月) 22:23:10 ID:Yqxm9bNz
定期的、かつ、アットランダムに各年度の「このミス」ベスト1作品を読み直すことがあるが、
歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」を再読。
ミステリ的にはキャラクター・トリックとでも称すべき作であり、あのモース作品の「違った書き方」
ということなのであるが、「容疑者Xの献身」が直木賞受賞なのであれば、謎解きミステリの中に
高齢者社会の断面を取り込んだ本作も泡沫候補ぐらいにはなっても良かったようにも思う。
時代は数年の差しかないものの、それなりに「時が流れた」ということか。
ただし、ミステリ専業の著者には致し方ないことではあろうが、物語のシビアな展開を中和する
ことを意図したと思われな軽いタッチの書き方が、作品内容そのものまで軽く感じさせる結果に
なっているのが惜しまれる。これが刊行当時ミスオタには評価されながらも、一般には殆ど注目
されずに終わった因かとも思う。
96読後感 ◆NQWAR.YQkg :2008/04/10(木) 21:31:45 ID:Cj+SlIPu
「山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー」角川書店

シリーズ4作目。何かマニアックとの批判があるようだが、
普通に楽しめた。選定眼あるねマーシィは。

トップ賞は「ああ無情」(坂口安吾)――やや言葉足らずながら
2転3転する展開は凄い!――と、思っていたら、逆転イッパツマン。
「ファレサイ島の奇跡」(乾敦)。ブラウン神父のパスティーシュだが、
これ巧すぎ。まんまチェスタトン。セーガクの手慰みとは思えん。

他、列車内の毒殺事件が思わぬ展開を見せる「新納の棺」、
伝説のリドル・ストーリーを見事に解明した「謎のカード事件」、
村民の90%が殺されるというバカミス「イギリス寒村の謎」等々
楽しめるラインナップが目白押し。読んで損のない一冊。
97読後感 ◆NQWAR.YQkg :2008/04/18(金) 11:29:39 ID:pgn35h7J
「小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所」集英社

7人の推理作家によるパスティーシュ短編集なのだが、はっきり
言ってレベルはそう高くない。まず人情噺に
仕立てる人はこち亀の本質を見抜けてないと思う。

ベストは京極の。パスティーシュとしてもミステリーとしても良い。
次点は東野り。まあおもろい。他、今野のもアプローチとしておもろい。
ワーストは最初の大沢。まともに読むのは初めてだが酷かった。
文章はぎこちないし人情噺としても詰らんし短いし。紙と金と時間の無駄。
柴田&逢坂の話は麗子のキャラが駄目。「で〜す」とか言わんから。
本当に読んでんのかと疑いたくなった。

辻真先とかに頼めば良かったのになぁ。
98名無しのオプ:2008/04/18(金) 16:23:42 ID:g15GHC5X
>>97
> まず人情噺に仕立てる人はこち亀の本質を見抜けてないと思う。

とりあえずお前は初期のこち亀を読み返せ。
99 ◆XjFtIkbasQ :2008/04/20(日) 03:26:36 ID:vBZ+veV9
荒山徹『魔風海峡(上下)』(2004、祥伝社文庫)【8点】

太閤秀吉薨去前夜。徳川との対決を予感する石田三成は、軍資金を得るために
かつて欽明天皇が任那復興のために秘匿した財宝の奪取を真田幸村に依頼する。
十勇士を率いて朝鮮に乗り込む幸村を、高麗忍び7人衆、服部半蔵らが追跡する・・

正統派伝奇小説。ストーリー展開は王道だが、登場人物はヘンテコなやつらばかり。
忍術というよりもはや念能力者のような高麗忍びの妖術は意表をつく大技ばかりだし、
味方もアフリカ出身の“黒百合”こと由利鎌之介や、全身の部位が着脱自在の望月六郎、
霊能力を持つ猿飛佐助など奇想満載で楽しい。ある意味、山風よりぶっとんでいる。

「民明書房刊」風の歴史史料の引用も、どこまでが本当で嘘かよくわからない。
地名や人名の朝鮮読みが、いい具合に胡散臭さをかもし出してる。
「むうっ・・・あれはまさしく古代新羅忍法ノッカラノウム!」
「なにィ、知っているのか、雷電―!」みたいな。
100読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/04/29(火) 16:34:57 ID:oFM5qggz
「気分は名探偵」徳間書店

犯人当てアンソロジー。ベストは貫井。古き良きフーダニットって感じ。
推協の例会の余興に出てきそう。ワーストは有栖川。真相ショボいし、
(メル欄)が?。
後は我孫子、麻耶、法月、霧舎の順かな。
101名無しのオプ:2008/05/02(金) 19:00:38 ID:AtNMuyN2
>>100
うろおぼえだけど、貫井のは蝶番のやつだっけ。たしかに「あっ」いう
シンプルかつ意外性のある短篇だった。ほかの順位も同意。

海難事故のが我孫子で、麻耶が大学内の殺人、法月はヒュドラ、
霧舎は新幹線のだな。アリスのは思いだせん・・・
102読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/05/03(土) 11:47:26 ID:ynYltOxB
「殺してしまえば判らない」射逆裕二(角川書店)

ノイローゼだった妻を亡くしたボクは仕事を辞め田舎に引っ込んで
暮らし始めた。妻が死んだ家で。彼女の死に疑問を抱きながらも
無気力な生活を続けるボクはやがて奇妙な人物に巡り合い、
過去に向き合うことになる。

詰まらなくて感想書く気にもならん。他スレで紹介した奴視ね。
何だこの雑で唐突なストーリーは。水田美意子の新作でももっと
マシだろう。横溝賞ってレベル低いのね。とにかくひどい。
読む価値ゼロ。
103 ◆XjFtIkbasQ :2008/05/03(土) 18:11:52 ID:bxKsGB3D
浅田次郎『中原の虹』(全4巻、2006‐2007、講談社)【8点】

『蒼窮の昴』『珍妃の井戸』に続く、清末・中華民国を舞台にした大河劇。
満洲族発祥の東北地方に現れた“白虎張”こと張作霖。天命の具体である
龍玉を手に入れた張は、北京の清王朝政府・革命勢力と対立。権謀術数の渦の果てに
待ち受ける結末は? 吉川英治文学賞受賞作。

本作は前作・前々作の主要人物の後日談&「張作霖一派の顔見せ」的側面が強く、
本作だけ読んでも十分には楽しめないこと請け合い(最低限の説明はあるが)。
シリーズ読者としてはそこそこ満足したけれど、どいつもこいつも高邁で、「いいひと」に書きすぎ。
きれいごと言わずに「オレは皇帝になるんじゃ!」的奸雄がいてもいい。
4巻読み終わったあと、一番印象に残ったのが袁世凱というのは成功なのか失敗なのか。
物語の面白さとしては『蒼穹の昴』に較べてかなり劣るというのが正直な印象。

もっとも、すでに作者本人が述べているようにさらなる続篇があるらしい。
(これを知らずに読むと、「え、これで終わり?」となる)
おそらく続篇は鄭薫風や張学良がメインとなるのであろうし、
また順治帝の兄宮である粛親王子孫の川島芳子あたりも出てくるんだろうなあ。

清王朝開国の英雄たちと張作霖をダブらせ、王朝の開闢と滅亡をやりたかったのはわかるが、
老王ダイシャン視点のパートは正直いらない。
104名無しのオプ:2008/05/03(土) 18:57:01 ID:5AAbiM/A
>>102
じゃあ書くなよ
紹介した奴死ねとか目障りなだけだから
105名無しのオプ:2008/05/04(日) 01:17:45 ID:rqDK6zby
96に煽られて「山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー」買って読みました。
確かに買って損のないアンソロジーだね。
で、96推薦の「ファレサイ島の奇跡」(乾敦)、なかなかのもんだとは思うけど、
山口の「これはとても敵わぬと思い・・・」うんぬんはきっと単なる友達褒めだろう。
とはいえ、江戸川乱歩の例の《蔵》を材に取ったトポロジカルな作品というのがすごーく
気になる。俺、『幻影の蔵』買ってるもので。

106 ◆XjFtIkbasQ :2008/05/05(月) 03:44:55 ID:NGmhkkoT
伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』(祥伝社ノンノベルス、2003)【8点】

人間嘘発見器成瀬・演説名人響野・天才スリ久遠・人間電波時計雪子の4人組。
銀行強盗の計画遂行中、別の犯罪グループに現金を強奪され、さらに殺人事件に遭遇。
騙し騙された4人組は果たして見事相手を出し抜くことが出来るのか?

いまさらだけど、素直に上手いし面白い。事件及び伏線そのものは分かりやすいが、
節ごとに視点人物をスイッチして、テンポよくストーリーを展開させる技量はさすが。
メインキャラ4人の描写はまだまだ本領発揮とはいえないが、イイカゲンで饒舌すぎる
響野(とその夫人)がとくにいい。
107 ◆XjFtIkbasQ :2008/05/06(火) 05:18:27 ID:ONmg2mU0
伊坂幸太郎『陽気なギャングの日常と襲撃』(祥伝社ノンノベルス、2006)【8.5点】

4人組ギャング団の続篇。それぞれを主人公とする4つの短篇から構成される第一章は、
日常の謎的ミステリーとして読める。第二章以降は、誘拐事件に巻き込まれた4人組が
事件をかき回していくが、個人的には第一作以上におもしろい。

本作はとくにコメディ色が強くなっており、メンバーの会話もとぼけた味わいが横溢。
周到な伏線が後々一本に結びついていくという趣向は前作と同じだが、上手さと同時に
若干のくどさを感じないでもない。が、それを差し引いてもテンポよく一気に読ませる
良作。もうちょっと響野の饒舌を愉しみたかった気も・・・
108 ◆XjFtIkbasQ :2008/05/07(水) 04:05:29 ID:zUqZc5WD
高橋克彦『鬼』(1996→2002、講談社文庫)【7点】

弓削是雄・賀茂忠行・阿倍清明らを主人公とした短篇集。
いずれも「鬼」との対決がメインだが、「人は鬼よりもおそろしい」と
言及されるように、むしろ権力者たちの陰謀の曝露もプロットに深く関わってくる。

陰陽師らが、そうした謎解きをする場面は本格ミステリ風展開でもあり、
とくに陸奥を舞台とした「絞鬼」あたりが印象深い。
109 ◆XjFtIkbasQ :2008/05/07(水) 04:16:38 ID:zUqZc5WD
高橋克彦『空中鬼』(2000、祥伝社文庫)【5.5点】

仁和三年(887)、帝崩御直後の京を襲う連続怪死事件。
陰陽師弓削是雄は肉体が内から破裂したとしか思えぬ死体の検分に赴くが、
その死体は昨日是雄の夢に現われた5つの生首のひとりだった・・・

『白妖鬼』『長足鬼』に続くと思われる第三弾。
冒頭の妖夢や、5人の殺害が予感される前半部分は、なかなか引き込まれる。

とくに某お役所の人間が浮上する辺りはもっと深い真相があるのではと期待したが、
後半はつじつまあわせと既存キャラの顔見せにページが割かれてしまい、
肝腎の事件の詳細がいい加減になってしまうのが残念。
400円文庫でページ数も限られているせいか、明らかに駆け足なラストはなあ・・
これに限らずカツヒコの悪癖ではあるが・・・
110名無しのオプ:2008/05/08(木) 23:05:39 ID:RYZwdG71
「バッド・チューニング」飯野文彦
を読んだ。
粗筋から想像した通りの作品だった。

Bワン探偵ってなんのことだ?って思っていたけど、
こういう意味だったとは!

終盤のバトル?みたいなのが他の追随を許さない凄さでした。

一気読みしたし、それなりに面白かったけど、知人には勧めたくないなー。
自分の人格が疑われそうです。

エロ・グロが気にならない人にはお勧めです。
111書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/05/10(土) 16:33:26 ID:S2aiBuHJ
恩田陸「夜のピクニック」を読んだ。
人気の夜ピク、JK大好き・萌えなアホが多い2ちゃんねらーには既読の奴も多いのでは(w
私の場合は、どうせ他愛もないミステリ含みの青春小説だろうとスルーしていたのだが、
「これは違った」。読む価値はある。
著者(早大・教育卒)の母校である名門水戸第一高校の伝統行事である歩行祭を元ネタに
した作。映画化もされたが、原作の人気にもかかわらず予想に反して大コケ。
ストーリーは高校生が夜を徹してハイクするだけ、大きな事件は無く、会話と内面描写を主に物語進行という映像には不向きな内容を見れば、当然の結果だったとも言い得る。
メーンキャラである貴子役の多部未華子は、まったりした面もあるキャラの原作よりもシャープな
美形過ぐる感じ、(むしろ共演者のひとりである貫地谷しほりの方がマッチする)、
親友の美和子役の西原亜希(注 無敵のコーセイを寝技で倒した東原ではない(w )も
美形とはいえ、原作ではもっと知的な感じのキャラである。
原作ファンの動員を当てこんだのであれば、この辺のキャスティングミスも痛かったかもしれぬ。
また、ラストは原作どおり杏奈の弟順弥メーンでやって欲しかった、
「画」としては弱いかもしれぬが・・・
ミステリとして読んだ場合、主人公の貴子と融の関係性、融の親友忍の抱く秘密等々、
伏線を張ったうえ、終盤で「謎解き」した方が効果的だったように思われるのが惜しまれるが、
姿無き(?)杏奈が物語最大のキーマンであるという構成は、さすがにミステリ作家という
感を受けた。
しかし、はしゃいでいるキャラでもどこか最低限の礼節は失わない落ち着いた雰囲気、
これは伝統ある進学校の雰囲気なんだよな。
アニメと女の話題で盛り上がることしか知らない騒がしいDQN高校出身者多数のねらーは
この「世界」をいかに見るか(w
112名無しのオプ:2008/05/10(土) 17:08:20 ID:slnYC0ti
『冷たい校舎の時は止まる』

タイトル買いして積んでたのをようやく読んだが、中の中って感じかな。
期待してた青春成分が足りなかった。

福井ローレライのエピローグが「有り」な俺だが、このエピローグは冗長と思った。
花火とか入れたかっただけだろみたいな。
113読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/05/11(日) 00:27:25 ID:+rt8l/Ny
「狐火の家」貴志祐介(角川書店)

「硝子のハンマー」の続編的短編集。毎回密室がテーマとなるのだが、
うーん……。とても丁寧だしアイデアも中々面白いとは思うんだけど……
なんつーかこう、ドキがムネムネしないんですな。のりりん風に言えば
「論理の煌めき」が無いと言うか……外見は綺麗でも魂が感じられない。
これは前作から思っていたことで表題作にも言えるけど、構成が甘い。
論理がおろそかになっちゃうからちょっとガッカリするんだよね。

あと主役二人の関係に変化が乏しいのも物語として弱いと思う。

ベストは「黒い牙」。アイデアがユニークなのと印象的なラストが良い。
次点は「犬のみぞ知る」。バカミスぽいがスパッとした解決は○。
114読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/05/11(日) 00:41:51 ID:+rt8l/Ny
「三毛猫ホームズのびっくり箱」赤川次郎(角川書店)

短編集。久々某スレからのセレクト。
総じて今一つかな。表題作は人工的な舞台装置が作中で浮いてる印象。
一番は「三毛猫ホームズのパニック」。特殊な状況の上で展開する
ロジックが良かった。
115読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/05/11(日) 01:04:11 ID:+rt8l/Ny
「ウルチモ・トルッコ犯人はあなただ!」深水黎一郎(講談社)

新聞連載を続けている作家の私の元に届いた見知らぬ男からの手紙。
そこには自分のアイディアを買ってくれと書かれていた。何でも
〈読者が犯人〉という前代未聞のトリックらしい。どこか興味を
惹かれた私の元に、やがて第2の手紙が……。

傑作なのに各種ランキングで軒並み無視されたとかいうレスを見て
読んでみたのだが……まあ、それも妥当じゃない?
そんな傑作じゃないし。
〈読者=犯人〉は魅力のあるテーマに思えるかも知れないが
行き止まり。絶対面白くなりっこない。本作然り。作中で
言及されてる作品も然り。そもそも作中で挙げてる当該トリックの
弱点すらカバー出来てないし。なんじゃらほいですよ。

あと(メル欄)なのにそうでないのがおかしい。
116読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/05/11(日) 01:07:56 ID:+rt8l/Ny
追伸 テレパシーのトリックは感心した。あれは見事。
117 ◆XjFtIkbasQ :2008/05/11(日) 03:25:00 ID:5uYFxywj
貴志祐介『新世界より』(上下、講談社、2008)【9点】

近未来らしき世界を舞台にした、SF(なのかな?)。
ある人物が手記の形で、さらに未来の世界へ遺した物語。

誰かが「予備知識なしで読んだほうがいい」と言っていたが、これはすごくおもしろかった。
世界観に矛盾があるとか、ある主要人物2人の結末があっさりとしか語られないとか、
多少気になるところはあったけど、今年のエンターテインメントとしては屈指なんでは。

……と思って貴志スレ読んだら、毀誉褒貶がけっこう激しいですね。
自分は海外SFとかあまり読まないので、瑕とされるあの「真相」は、
個人的には「おおっ」と思ったんだけど。
上下巻、ぐいぐい読まされたので、立ち止まって考えることもしなかったし。
118名無しのオプ:2008/05/11(日) 03:41:05 ID:hJkobMq3
貴志って言えば、最近ホラーが読みたかったので今更『黒い家』(ブクオフ¥100)を読んだが
内容的には完全にサスペンスでズッコケタ。

あれがデビュー作なのかな?
読み手を引き込んで引っ張る力は有るけど、イマイチついていった先に面白い展開が無いんだよなぁ。
重要なキャラクターが死んだりしてるのに、それに対するフォローが異常に少ないのも引っかかる。

『青の炎』でも感じたけど、スキルはそれなりに有るけど妙に感情が籠って無い感じなんで
暇つぶしにはなるけど、ドハマリは出来ない「職業作家さん」ってイメージだな。
119名無しのオプ:2008/05/11(日) 05:56:41 ID:5uYFxywj
事実上のデビュー作は「十三番目のペルソナ」なんじゃない?
120名無しのオプ:2008/05/12(月) 17:46:28 ID:ECpBAeAu
指導なんかやめちまえ!!!!!!!!!!!!!!!!
121名無しのオプ:2008/05/13(火) 21:28:52 ID:Hv3HLLt1
Kawamura Yoshio
122読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/05/14(水) 12:18:52 ID:WEXdrdwJ
「致死海流」森村誠一(青樹社)

銚子沖で見つかった女性の水死体とその数日後、八丈島で
見つかった女性の絞殺死体。二人の死者には奇妙な繋がりがあった。
警察はそこから真相を探り出そうとするが、事件は更なる展開を見せ、
密室の謎と鉄壁のアリバイが捜査陣の前に立ちはだかる……。

某スレからのセレクト。中々面白かった。
密室トリックは勿論先例があるが、解明の手がかりはまあ良かった。
アリバイに基づく謎も、あっちが立てばこっちが立たずの試行錯誤が
たっぷりでフーダニットは弱いが読み応えはある。

ただ疑問点が2つ。
(メル欄)の検証が無いことと、(メル欄2)こと。
123読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/05/15(木) 22:56:23 ID:/aCOPSIk
「聖遺の天使」三雲岳斗(双葉社)

奇跡の香炉があるというミラノ郊外の城砦に滞在していた少女
チェチリアは、嵐の夜に天使を目撃した。更にその直後、彼女は
死体となって城壁に磔られている城の主人をも発見する。
事件に巻き込まれたチェチリアは親密な関係であるミラノの宰相
ルドヴィコに書簡を送り助けを求めた。自らが師と仰ぐ
芸術家の助けを――。

Gackt出陣! Fカップの小悪魔が出てこないぞゴルァ!
閑話休題。中々良くできた時代ミステリー。島荘チックで大掛かりな
トリックが面白くかつまた作品世界にマッチしている。
真相も感慨深くて良い。
ただ主要キャラの性格が被ってる部分もありもう少しメリハリが
欲しかったところ。

あと、20ページと180ページの記述が矛盾してる(事件とは無関係)。

さあやっと「二つの鍵」が読めるぞ。
124 ◆XjFtIkbasQ :2008/05/18(日) 01:08:32 ID:wr4ot5Zt
奥田英朗『空中ブランコ』(2004→2008、文春文庫)【8点】

迷医伊良部&悩める患者たちのケッタイな連作短篇集。
あいかわらず、おもしろい。
個人的には、先端恐怖症のヤクザを主人公とした「ハリネズミ」がよかった。
ちょっと伊良部の奇行が物足りなかったが。
125 ◆XjFtIkbasQ :2008/05/18(日) 01:16:49 ID:wr4ot5Zt
我孫子武丸『弥勒の掌』(2005→2008、文春文庫)【7.5点】

妻を何者かに殺害された刑事蛯原。捜査を進めるうちに、行方不明の妻を捜す
高校教師と知り合う。彼らの妻が巻き込まれた事件は、新興宗教教団と関係が?

帯で露骨にアレ系ミステリーを謳っていたので期待して読んだ。
うーん、テンポもいいし、真相には驚いたものの、破壊力はいまひとつ。
佳作という感じ。
126 ◆XjFtIkbasQ :2008/05/23(金) 00:04:46 ID:pq4yhynN
米澤穂信『春期限定いちごタルト事件』(創元文庫、2004)【5.5点】

互恵関係にある小鳩くんと小山内さんの高校生活1年目。小市民であろうとする
2人が、ついつい巻き込まれてしまう日常の小事件の真相は?

初米澤。ちょっと予想と違う作風だった。こういう文体は苦手だなあ。
平凡な高校1年生が出会う事件(というほどでもないのもある)ということで、
その分、文体が勝負。この文章が合わない人はダメなんだろうな。

それでもロジックがしっかりしてればいいんだけど、推測に推測を重ねすぎる
小鳩君の推理はいただけない。小山内さん「……なの」という口調も個人的にヤダ。
(それにしてもこの2人、妙に淫猥な雰囲気なのは、なぜなんだ)
こういう作風だと心構えはできたので、「夏季限定」は怖いものみたさで読んでみよう。
127読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/05/24(土) 15:07:58 ID:ObkYitAK
「山魔の如き嗤うもの」三津田信三(原書房)

決して入っては行けない山で暮らしていた一家がある朝突然消失した!
目撃者はノイローゼになり、囈を呟き続ける……彼はこの他にも
山で様々な怪異に遭遇したらしい。編集者から
話を聞いた刀城言耶は人助けの気持ちと持ち前の好奇心から
現地に赴くが、その直後から凄惨な連続殺人が発生する!

シリーズ4作目にしてこのクオリティはどうよ! 良く保てるのう。
高止まりだから返って賞を獲りにくいんじゃないか。

早めに明かされるある真相は正直見当付いたけど、そこからの
2転3転はあざといけど読み応えビンビン。
具体的には細かい怪奇現象に次々と示される解明や、第1の殺人に纏わる
あるホワイダニットが特に巧いと思った。

ただ、メル欄とメル欄2が放置プレイなのがカナシス。
一応解いた上で底を抜くなら良いんだけどね。厭魅みたく。
128書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/05/25(日) 00:10:09 ID:63gn4PUy
恩田陸「六番目の小夜子」を読んだ。
テレビドラマ化もされヒットしたが、浮ついた青春小説な気がして、
これも夜ピク同様にスルーしていた作。
当初(加筆前)はファンタジーノベル・シリーズの1冊として刊行されており、
板違い的要素もあるものの、舞台となる地方の進学校のサヨコ伝説に関する一応の
謎解き(津村沙世子への手紙の差出人の正体、沙世子と猛犬の関係性等々、多くの謎は
残されるが)はあり、ミステリ板で論考しても大きく外しているという感はない。
読後感(注 俺と双璧を成すこのスレでおなじみのコテのことではない(w )としては、
落ち着いた筆遣いで高校生活(=日常)が活写された中に、怪談という非日常が絡んで来る
展開が巧く語られており、「まあまあ」といったところか。
思うに、サヨコ伝説は大学受験に対するプレッシャーが生み出した思春期の集団妄想に
近いものではなかったのであろうか。
高校生の喫煙、飲酒が堂々と描かれたり、今なら問題視されそうなシーンもあるが、
時代性と地方の名門進学校という設定ゆえか、セックスねた(ねらー十八番の自家発電も含む)
は皆無。主要登場人物が全てDK、JKという点からは、逆にこの点が少し不自然な感はある。
129書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/05/25(日) 00:10:57 ID:63gn4PUy
楳図かずお「洗礼」を読破した。
ホラーかと思いきや、この作者には珍しいミステリであった。
このネタは活字メディアであれば叙述トリックでゆくところであろうが、
(また、その手しかないかと思う)『漫画』という特性を活かしたうえで伏線を張り、
再読も可能な巧みな仕上がりで楽しめるものとなっている。
ジャンル的にはSFに該当する異次元空間もの「漂流教室」やロボットもの「わたしは慎吾」
のような舞台と物語のスケールの大きさは欠くものの、漫画らしいオーバーアクション気味の
ユーモアをまぶしたうえで、日常性に潜むスリルとサスペンスを描き切って申し分ないものがあり、後半の新キャラ登場あたりからラストまでのなだれ込むような
スピード感はこの作者ならではの優れたストーリーテリングを実感させる。
また、30年以上前の作でありながら、そのテーマ性(謎解きでもある)は病んだ現代社会にも
十分に通用するものなのも、作者の着眼点の鋭さを実証していると言い得る。
最後の先生の映像メディアでいうところのカメラ目線には、「おまいは喪黒福造か!」と
突っ込みを入れたくなるものの(w、まあ、典型的な少女漫画誌にこのような作が掲載されていた
ことには驚きを禁じ得ない。
130名無しのオプ:2008/05/25(日) 08:19:31 ID:WlblcQj0
>>129
やはり、あれを踏みにじる超有名シーンに言及してもらわんと。
131名無しのオプ:2008/05/25(日) 08:23:23 ID:rSPMBu22
>>130
それが出来ないのは読んでいないから。
いいから変質者と目を合わせるな。
132 ◆XjFtIkbasQ :2008/05/25(日) 13:08:48 ID:q2jWfgql
米澤穂信『夏期限定トロピカルパフェ事件』(創元文庫、2006)【7点】

小市民を目指す小鳩くん&小山内さんの互恵的関係物語、高校2年生夏。
ひょんなことで小山内さんのスイーツ夏行脚に同行する破目になった小鳩君。
展開は前作よりも連作風味が強くなっており、後半ではやや「大事件」に遭遇する。

心構えができていたせいか、前作よりは文章を愉しむ余裕があった。
「ある事件」というよりも「ある事象」をめぐっての他愛のない推理ごっこは
これはこれでおもしろい。……と思っていたら、後半部分ではちょっと姿勢を正した。
前作よりも本格ミステリとしての上手さは格段にアップしている。

秋季限定がどのように展開していくのか、たのしみ。
133 ◆XjFtIkbasQ :2008/05/25(日) 13:21:26 ID:q2jWfgql
桜庭一樹『少女には向かない職業』(東京創元社、2006)【7点】

下関にほど近い島で、母・義父と暮らす大西葵13歳。中学2年の夏休み、
彼女は「悪意」と「バトルアックス」によって人を2人殺してしまう、
「殺人者」となった。

……という冒頭の独白で物語に引き込まれた。思春期の少女の日常を描きながら、
徐々に暗い部分にも踏み込んでいくわけだけど、重松清『疾走』ほどには重くなく、
かといってラノベほど淡々とはしていない。2時間で一気読み。

ミステリとしては、最初からメインとしては扱われないと思っていたほうがいい。
東京からの旅行者の死体の扱い如何によってもう少しひねることが出来たようにも思うが、
それは著者の意図からは外れるのだろう。

ところで中2の女子生徒の恋愛ルールがよく分からない。すでに彼女がいる男子生徒と
一緒に食事するのが、イジメの対象になるほどの「仁義破り」なのか。難しいね。
134名無しのオプ:2008/05/26(月) 12:45:38 ID:h4kURONA
米澤の小市民シリーズはどっちかというとラノベよりだからな。
ミステリよりなら、古典部シリーズや「インシテミル」を薦める。
135読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/05/26(月) 16:40:38 ID:7aDr3onX
「ありふれた死因」芦川澄子(東京創元社)

鮎哲のファム・ファタルの全仕事。
如何にも女らしい心理サスペンス的な作風で、それが当時の世相として
本格要素と結びついている印象。ただ犯人当て等もあるがこれらは
ややぎごちない。しかしその本格味が作品群を地味な心理サスペンスに
堕すことから救っているとも言える。

地味な筋立てながら乱歩も欺いた「愛と死を見つめて」や、
不気味な読後感を残す「村一番の女房」、ニマニマミステリー
「目は口ほどに」、奇妙な味の異国譚「道づれ」など。
136 ◆XjFtIkbasQ :2008/05/30(金) 01:59:25 ID:3419ciUO
逢坂剛『遠ざかる祖国』(2001→2005、講談社文庫)【6.5点】

日系ペルー人・北都昭平を主人公とする第二次世界大戦モノ。
今回は真珠湾の日米開戦まで。“イベリア・シリーズ”第二弾。

前作のことはあんまり覚えていないけど、本作であるていどフォローして
あるので安心。ただ前作でも思ったが、史実に大きく制限されているため、
どうしても歴史を時系列的に追う展開で平板になっているのがマイナス。

逢坂お得意のヒネリも封じられており、キャラの立ち具合もイマイチ。
全6部作の2作目ということで本領発揮はこれ以降かもしれないが、
単独で評価した場合は辛くならざるを得ない。続きは気になるけど・・・
137 ◆XjFtIkbasQ :2008/05/30(金) 02:05:45 ID:3419ciUO
>>134 そうなのか、むしろ角川文庫で出てるシリーズがラノベ傾向かと早合点。
   今度読んでみます。
138読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/06/09(月) 16:57:35 ID:7iuWyuBU
「旧宮殿にて」三雲岳斗(光文社)

レオ様を探偵に据えた連作短編集。
長編も良かったが短編はさらに良い感じ。きちんと話が作り込まれていて
海外ミステリを読むかのよう。惜しむらくは前作同様キャラの立ち具合い
というか描き分けが今一つ。

ベストって言うほど差はない。全部読んでちょうだい。
139読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/06/12(木) 16:50:01 ID:SOXcQlpq
「誰のための綾織」飛鳥部勝則(原書房)

学校からの帰路何者かに誘拐され無人島に連れて来られた
教師と女子高生達。犯人はかつてのクラスメートの家族だった。
もう死んでしまったクラスメートの……。やがてこの異常な状況の中で
殺人が起こる。それも現場は密室状態だった。縁側には濡れた足跡が。
それは彼女達が作り出した怪物・蛭女の祟りなのか?

期待して読んだが、一言で言うとアンフェア。密室トリックに関しては、
その手掛りが示されるタイミングが遅いし、しかも記述ミスがあり
致命的。その他のものに関しても、個々の伏線に感心するものもあるが、
全体を見ると無理が目立つ。特に“前後”。ちなみにこれは新しくはなく、
少なくとも直の前例を2つ、発展型とも言える前例を1つ知っている。

後ちょこちょこ出てくる読書のススメは好印象。1つ読もうと思った。

これが回収に至ったのは巷で言われていることよりも、地震に関する
各方面への批判に因るのでは………というのは考え過ぎか。
140書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/06/14(土) 23:08:34 ID:QEzsIFIz
橋本忍「複眼の映像 私と黒澤明」を読んだ。
橋本先生(おそらく日本映画史上最大のシナリオライター、鉄道教習所出身と有名大学出
でないというのは驚きだ)は、映画「張込み」や「砂の器」ライターでもあり、満更、ミステリに
縁が無いわけでもないゆえ、あえてこの板で本書を紹介しておくから、各人、心して読め!
「羅生門」「生きる」「七人の侍」と黒澤作品中でも屈指の代表作のシナリオ製作に参画した
著者がその製作過程をつぶさに綴った作で非常に興味深いものがある。
タイトルの由来はシナリオの共同執筆、つまり複眼による映像作りというわけである。
従って、副題のどおり、著者が黒澤組在籍当時のシナリオ製作過程を中心に書かれており、
その他の作に関するものへの言及はほとんどなされていないのは残念、
単独執筆のものは特筆すべき点はないということかもしれぬが、
本書中でも書く仕事はこれが最後と断言されていることもあって、
ここはシナリオ界の御大にシナリオの技の様を書き残して欲しかったところである。
汚点(?)と評す向きもある監督作品「幻の湖」の詳細を知りたい向きもあるのでは(w
文章表現として「あれ?」という部分も散見されるが、橋本先生の本業はシナリオライターであり、
これをいちいちいち挙げつらうのは、それこそ礼を失するというものであろう。
141書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/06/14(土) 23:09:08 ID:QEzsIFIz
そのまんま東「芸人学生 僕が学びつづける理由」を読んだ。
言わずと知れた現宮崎県知事による書である。
40代後半からの大学受験・入学というものをある種の人生における「冒険」と把握し、
この板でも紹介しておく。
著者は明言していないが、大学受験時代に2流大学(専修大)入学にとどまった著者の
華麗なるリベンジ(早稲田大学二文入学、更にはAO入試とはいえ学内で政経学部への
超ステップアップ入学)とも理解出来る。
ただし、「学問」好きなはずの著者、
政経学部入学後の人生のチョイスに地方自治体首長選挙への立候補→当選→中退というのが
挙げられているのが、腑に落ちないものがある。
142読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/06/19(木) 18:36:03 ID:KwBk8ofe
「死の命題」門前典之(新風舎)

とある大学教授が立てた大邸宅の落成記念に招待された6人の客。
3日目の朝、吹雪で道が閉ざされた中、屋外で無惨に撲殺された
死体が発見される。周囲には被害者の足跡しか残っていなかった。
同時に行方不明者が出て事態は混迷を深めていくが――。

クローズドサークル、というか本格全般においてあまり歓迎されない
手法をとことんまで極めた感じ。一度きりの怪作として評価出来る。
バカミスとして読むのが正しかろう。福ミスなら獲れたかもねむ。
143名無しのオプ:2008/06/22(日) 04:02:06 ID:nWewz0/P
貴志祐介
クリムゾンの迷宮

テーマとしては面白い小説としては可もなく不可もなく。
他の人にお勧めしたいという作品ではありません。
144 ◆XjFtIkbasQ :2008/06/23(月) 08:51:22 ID:V550xnSk
小野不由美『屍鬼』(新潮社、1998)【8点】

卒塔婆や棺桶の生産を生業とする、山村の外場村。宗教行事「虫送り」が行われた
夏のある日、村人たちは不審な引越しトラックを目撃する。山奥での不審な死を
きっかけに、次々と発生する謎の病。“起き上がり”伝説の残る土葬の村で一体何が?

10年来の積読本をようやく読了。一応、小説家やってる寺の若和尚と、
村医者の尾崎が主要人物なんだけれども、多数の村人に次々と視点をスイッチさせて
村人たちを「創り上げていく」手腕はお見事。

その分、展開はゆっくりで、某文学賞で選考委員が「繰り返しに芸がない」と
言っていた理由もやや納得。終盤の「狩るもの」と「狩られるもの」との狂騒は('A`)
おもしろかったけど綺麗ごとだけではない重いテーマ。
145 ◆XjFtIkbasQ :2008/06/23(月) 11:36:32 ID:K87BUfne
加藤元治『Q.E.D 照明終了(30)』(講談社コミックス、2008)【6点】

「人形殺人」「犬の茶碗」の2篇収録。
フーダニットの前者はそこそこの佳作だが、
読物としてはあいかわらずのあっさり風味。とりあえず30巻まで続いたのはすごい。
146書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/06/28(土) 14:30:08 ID:WQYCw0H6
新田次郎「怒る富士」を読んだ。
それなりのボリュームを持った力作ではあるが、新田作品中でもあまり注目されることがない作で
ある。この板で書評する以上は、宝永の富士山噴火を巡る冒険小説的要素も持ち、
現代にも通じるデザスター小説としても読める。
噴火そのものの描写は前半の一部のみ、後は噴火により生じた災害(砂礫による田畑の荒廃)、
二次災害(酒匂川の氾濫)等への取り組みを通じ、
下は被害に遭った農民たちから上は幕府の重臣たちの姿がビビッドに描かれてゆく。
緊急時にこそ、人間の実態が現れるということであろう。
被害を知りながら政争に明け暮れる重臣たちの様は「醜い」としか言い様がなく、
作者の意図でもあろうが、程度の差はあれど、政事に携わる者のこの性癖は現代でも残存
しているやに思う。
ただし、この題材、吉村昭氏に淡々とした乾いたタッチで書いて欲しかった気もする。
被災民救済にあたる主人公の関東郡代伊奈半左衛門があまりにヒロイックに描かれ過ぎ、
フィクショナルなキャラである、おことと文吉、つると佐太郎等の恋愛模様に筆を割き過ぎて
いるのも頂けない。70年代の新聞小説という制約から、大衆受けを狙わざるを得なかったの
であろうか。
そもそも、半左衛門や能勢権兵衛(避難民に米を供出した駿河代官)が切腹したという
記録は無く、駿東郡農民が江戸へ被害対策直訴をしたという事実も無い(解説より)となると、
あまりに「創り過ぎ」という感は否めない。
新田氏の作で言えば、ここは傑作「八甲田山死の彷徨」の如くストイック、かつ、クールなタッチ
で極力事実に即す形で「決めて」欲しかったのだが。
また、フィクショナルなキャラに思い入れが強過ぎる感がある国文学者によるあとがきも非常に
萎え、うざいものがある。
147名無しのオプ:2008/06/28(土) 14:34:12 ID:KgWaBPqr
中学生並みの読書力しかない八流ニートの林、いいかげん
さんざん読んだ読んだと自慢していたフリーマンの倒叙型
推理小説と、コロンボの元になったクィーン作品は読んだのか?

まともな人間はみんなお前を小学六年生並みだと認識してるぞw
148名無しのオプ:2008/06/28(土) 14:42:42 ID:Zg6UdyPO
あらすじと解説の引用・・・

小学生の読書感想文じゃねえか
149名無しのオプ:2008/06/28(土) 16:21:55 ID:68PrfAwt
感想があらすより短いってどうよ。
150名無しのオプ:2008/06/28(土) 16:35:07 ID:idUax4wy
「青の炎」貴志祐介

Amazonで異常に評価の高い小説だが、
文章が幼稚すぎる・・・
引用もウザイ・・・
わざと高校生が書いたような文章にしたってことはないだろうから、
こういう作風なのか。
こんな作家が受けてるのかよ。

後半かなり盛り上がったが、
絶賛するほどじゃないな。

しかし、Amazonであんなに評価が高いのは一体なぜ?
151名無しのオプ:2008/06/29(日) 13:11:06 ID:NTnVSTqk
「しあわせの書」泡坂妻夫 読了
本に仕掛けがあると、どっかのスレで見て、知ってはいたが・・・・・

凄いね!いや凄い。脱帽するわ
これ以上、何を書いてもネタばれになっちゃいそうなんで、控えるけどさ
152読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/07/02(水) 18:17:36 ID:KNxc6Wno
「鼻」曽根圭介(角川書店)

ホラー中編集。どれも水準以上。「暴落」は設定が面白く、
その中であがく主人公のストーリーにものめり込めたが、
オチの付け方にやや不満かも。良いんだけどね。
「受難」はこの中では一番下。大きな謎の存在を匂わせながらも
満足な解答が無いのでキャラクターの不自然さが残ってしまう。
表題作がやはりベストか。カットバックが効いてる。
300弱で読み易いからお薦め。
153書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/07/05(土) 15:32:50 ID:ArZazkVj
新田次郎「富士に死す」を読んだ。
山岳小説のマエストロ新田氏の手になる「富士山もの」のひとつ。
これもまた地味な存在の作だが、テーマのまとまり具合は前記した「怒る富士」より上である。
富士講の歴史・実態に興味がある向きには必読の歴史小説であり、
小品ながら、富士講途中での遭難シーン、入定(仏教の即身仏に該当か)シーン等、
冒険小説的要素にも事欠かないものがある。
(まあ、そもそも人間の「人生」そのものを「冒険」と理解すればスレ違いなど有り得ないわけ
ではあるが)
富士山信仰興隆の祖とでも称すべき伊兵衛こと食行身禄改め乞食身禄、
師である孤高の修行者月行の跡を継ぎ真の富士講の実践へと挑んでゆく・・・
終盤、簡単に触れられている身禄の跡を継ぎ布教に努めた実娘たちの行状、
特に才色兼備の四女お花ちゃんの顛末など詳しく読みたかったものである。
この点で、身禄の死以降は駆け足でその後の富士講の歴史を語るのみに終わっているのは
残念であり、もっと長大な大河小説であっても良い素材と言い得る。
不満点を挙げておくと、この作者のサービス精神というか「創り過ぎ」の感がある描写が目立つ
こと、特に月行を超人的に設定し過ぎた感が強く、
江戸で伊兵衛を危難から救い偶然にも再会を果たすなどといった三文小説的展開は不要
であろう。
154名無しのオプ:2008/07/05(土) 23:41:48 ID:c9ENZ+Pz
「水の迷宮」石持浅海 光文社
水族館の魚が狙われても、器物破損なんだろうな・・・。
どうも、登場人物の女性達が物分り良すぎる感じがする。
まあ、久しぶりに水族館には行きたくなったけどね。
155名無しのオプ:2008/07/06(日) 00:29:50 ID:PZsrGxvf
>>154
坂木司並みにゆるい倫理観だったなぁ
156名無しのオプ:2008/07/07(月) 08:40:28 ID:5SGwKabX
名無しの乾燥文(wに比べると、コテハンの質の高さが際立つ。
乱読して粗製濫造の乾燥(wをダラダラ並べる読後感は論外だが。
157名無しのオプ:2008/07/07(月) 12:30:30 ID:ovyKGYD5
自分の言葉で書いてある人の方に惹かれるけどね。
158名無しのオプ:2008/07/07(月) 14:57:37 ID:bbP1P89u
>>157
それが書斎なんだよね。
159名無しのオプ:2008/07/07(月) 18:47:13 ID:drS+Gw3N
パクリだけやに思うが(w
160名無しのオプ:2008/07/07(月) 19:30:38 ID:AX/YaM8X
>>156
読後感が論外なら、
書斎魔神は番外でキチガイだね。
出没する全ての板で出鱈目なことを書いては恥をかき、
全ての板で荒らし認定されているのに、
パクリやコピペ、自演などの行いを改めない卑怯者だから。
証拠はそこら中に転がっている。
早く板外に去ってほしい。これは住民全ての総意。
161名無しのオプ:2008/07/07(月) 19:30:49 ID:OiptkPzQ
板違い(カテゴリの意味が理解できていない)
意味なく長い(無駄な長文)
つまらない(空疎な内容)
事実誤認が多い(確認をしない)
基礎的な知識がない(何を知らないのかすら分っていない)

自分の言葉で書いてこれなら、ちょっと可哀想な人だね。
162名無しのオプ:2008/07/07(月) 20:01:09 ID:ZrRdbGQj
書斎という名前を考慮しなくてもつまらん感想だと思うよ。
163書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/07/13(日) 17:43:50 ID:H4jshV/z
澤宮優「二十四の瞳からのメッセージ」を読んだ。
木下恵介監督、デコちゃんが主演した名画の撮影話(つまり「謎解き」とも言い得る)を
満載した作。まず、オール・ロケーションかと思っていたこの映画の屋内シーンはほとんど
撮影所セットだったという事実に驚かされた。
あまりにリアルなため、各賞を総なめにしながら美術賞には無縁(審査員もロケだと確信していた)だったが、これこそ美術担当冥利に尽きるというエピが面白い。
子役たち(最終的にプロのタレントになった者は皆無)のその後の人生を追うくだり(これが本書の
メーンを成す部分でもある)は、ドラマの素材足り得るほど読み応えがあるものとなっている。
ただし、著者の姿勢にマイナスポイントが存するのが残念、
「今また世の中が刻々と戦争への道を歩もうとしている。・・・」と最終章を断定口調で
締め括る書き方は頂けないものがある。
結局、「二十四の瞳」という映画を素材に「これ」を書きたかったのかもしれぬが、
直接のテーマでは無いと言いながら、「現代の社会情勢を見て、なぜそのように考えるのか」
という具体的な論証が皆無なため、非常に唐突な感を受ける。
また、著者の年代でシナリオ講座通学後に授業で薦められ初めて「二十四の瞳」を見ることに
なったという経緯に痛いものを感じる。
仮にもライターを志す者がこの名作を未見であったとは・・・
164読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/07/17(木) 18:47:03 ID:LFi+9YKX
「匣の中の失楽」竹本健治(講談社)

探偵小説愛好者の学生グループのメンバーが友人のアパートで死亡した。
発見者によると当時現場は奇妙な密室状態になっており、何者かの
ブーツが並んでいたという。グループの仲間達は真相を突き止めるべく
それぞれが独自に推理を披露することを決めるが、意外な事実が
明らかになる。何と死者はメンバーの一人が執筆していた
ミステリー小説上の死者と一致していたのである。更に2番目の
死者が現れ、状況は昏迷の度を深めていく――。

3大奇書も未だに読めてないのでびくつきながら読んだ。
重層的な造りにはやや圧倒されるが、骨組みは紛れもない
本格のものだと思う。密室あり、アリバイ崩しあり、人間消失――
そして出現――あり、それらの多重推理ありで見所十分。
推理の際に十戒を取り決めるのも面白い。本来無意味、どころか
有害な行為ですらあるのだが……。

作中使用されたトリックでは後半の密室が良かった。最初の密室は
頂けないが。あと多重推理は実質無意味に近いものもあり、それらが
前述の造りと相まってただならぬ雰囲気を醸し出しているのだろうが、
しかし気になるものは気になるのであり――。

それと主にメル欄の謎が放置気味なのが気に入らない。ホランドを
呼び出した手紙(これは違うが)とか、真沼の予知能力とか、杏子の
変心とか。第一最初の事件の解決も不明瞭だし。以前読んだ
「赫い月照」はその辺きちんと処理してたと思う。

ただ若干21歳で本作を書き上げたのは素直に凄いと思うし、
マイルストーンなのも認める。
165 ◆XjFtIkbasQ :2008/07/17(木) 23:02:58 ID:pNuTBen8
貫井徳郎『被害者は誰?』(2003→2006、講談社文庫)【7.5点】

捜査一課刑事の桂島&大学時代の先輩の吉祥院先輩の凸凹連作短篇集。

パット・マガーの諸作に着想を得たもので、残された日記や小説から、
「被害者」「探偵」「目撃者」などを突き止めていく。
コンビの造作にとくに新鮮味はないが、軽目の良パズラーが並ぶ。
とくに「探偵は誰?」はフーダニットとして伏線もなかなか巧み。

166 ◆XjFtIkbasQ :2008/07/17(木) 23:17:13 ID:pNuTBen8
『オール読物』7月号(文藝春秋社)【8点】

警察小説特集号だが、鬼平の特集・推理作家協会賞選評もあって読みどころ多し。
短篇賞の「傍聞き」は上手い(けれどパンチはない)。
逢坂剛と対談してる諸田玲子は以前さんざん考証の甘さを叩かれていたが、
いつのまにかポジション得たみたいですね。以下、連載以外の短篇。

石田衣良「キャッチャー・オン・ザ目白通り」【7点】いつもの
佐々木譲「廃墟に請う」【7.5点】本格派
藤田宜永「愚行の旅」【7点】連作ものだけど
有栖川有栖「雷雨の庭で」【6点】凡作
柴田よしき「ひそやかな場所」【6点】雰囲気はある
赤川次郎「息子と恋人」【5点】いつもの
長岡弘樹「傍聞き」【8.5点】上手い
今野敏「公安の仕事」【8点】淡々としてるのに没頭して読んだ
古処誠二「帰着」【6.5点】ミステリはもう書かないのかな・・
畠中恵「清十郎の問い」【6.5点】書きようによってはもっとミステリっぽくできた
167読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/07/19(土) 15:58:51 ID:S5qfAJku
「軽井沢マジック」二階堂黎人(徳間書店)

旅行会社に勤めている水乃紗杜瑠と部下の美並由加里は出張の帰り
サトルの友人がいる軽井沢に立ち寄るが、そこで有名作家の怪死事件に
遭遇してしまう。警察の事情聴取を受ける内に2人の乗って来た
列車内でも殺人事件が起きていたことが判る。容疑者扱いされながらも
これらの事件を解き明かそうとするサトル。しかしまたもや殺人が……。

蘭子よりましと聞いて久しぶり2冊目。別におどろおどろしい雰囲気は
なく、大掛かりなトリックもなく、作者が言ってるように
ライトなミステリーではある。気になる箇所はあるし、謎解き場面の
大仰な描写はどうかと思うがキオミスとしてはまあ暇つぶしになると思う。
168名無しのオプ:2008/07/21(月) 17:30:38 ID:r0PcAks0
「時効を待つ女」新津きよみ(徳間文庫)
女性をテーマにした短編集
中のポストカプセル郵便を使った話「彼女に流れる静かな時間」の最後の1文がこわい。
新津さんは女の腹黒いところを的確に書く人だね。

「ブラック・エンジェル」松尾由美(創元推理文庫)
CDから現れた黒い天使にマイナーロック研究会のメンバーの一人が殺される。
彼女は何故黒い天使に殺されたのか?
ミステリー+ファンタジーですが「犯人が黒い天使」なのは斬新かも
私から見ると、「黒い天使は」お節介やき見えてしまう。
洋楽・ポップアートが好きな人は別の楽しみ方ありそうです。
「バルーン・タウンの殺人」の作者だとは気がつかなかったよ。
169 ◆XjFtIkbasQ :2008/07/22(火) 15:43:01 ID:kHz3XQ+0
今野敏『リオ 警視庁強行犯係・樋口顕』(1996→2007、新潮文庫)【7点】

マンションの一室で発生した殺人事件。警察は現場からの逃走を目撃された
美少女リオを追うが、警視庁捜査一課の樋口は捜査本部の方針に違和感を抱く。
リオに惹かれる自覚をもちつつ、第二・第三の殺人を捜査する樋口だが・・・

『隠蔽捜査』シリーズより10年前に書かれた本シリーズだが、自分に自身が持てず悩む
樋口警部補の個性的な造形は、『隠蔽』の竜崎に繋がるか。
事件自体はさほど深みも意外性も無く、脇役の氏家のキャラもまだまだという印象。

文章は量産作家がやや書き流した感じの箇所がままみられるが、読みやすく、
展開のテンポアップに一役買っている。終盤の展開が読めるのが残念。
170 ◆XjFtIkbasQ :2008/07/22(火) 15:56:40 ID:kHz3XQ+0
今野敏『朱夏 警視庁強行犯係・樋口顕』(1998→2007、新潮文庫)【8点】

警視庁警備部部長への脅迫事件に携わることになった捜査一課の警部補樋口は、
受験生の娘との喧嘩や、妻との意思疎通不足など家庭内の問題も感じていた。
そんな最中に発生した妻の誘拐事件。あえて個人として捜査に乗り出した樋口だが・・

樋口シリーズ第二弾。樋口の家庭内の問題にも焦点が当てられ、彼の内面が
掘り下げられている。『リオ』の自信なさげな言動からするとやや自己主張が
激しくなっているが、まあ妻の誘拐事件なので多少強引でも仕方ない。

『リオ』に較べると無神経な文章も減って、かつリーダビリティはアップしている。
一気読み。パートナーの氏家も、キャラがより立ってきていい感じ。
欲を言えば推理小説の「意外性」にも拘ってほしかったが、あえて展開を読ませて
その上で読者を引っ張っていくのがこのシリーズのようだ。
171名無しのオプ:2008/07/23(水) 17:36:30 ID:7gT9TO06
聖・おにいさん
172 ◆XjFtIkbasQ :2008/07/23(水) 18:59:14 ID:VBSZoABN
今野敏『ビート 警視庁強行犯係・樋口顕』(2000→2008、新潮文庫)【8点】

銀行員の撲殺事件を捜査する警部樋口は、捜査二課から派遣されてきた島崎の
様子に不審を抱く。折りしも公開された犯人らしき人物のモンタージュ写真は、
島崎の次男に似ていた・・・

シリーズ第三弾。これまでと違い、捜査二課の島崎父子の視点がかなりの部分を占め、
刑事の頑固親父と、不良の息子の対立と和解が話の中心となっている。
そこに殺人事件の顛末が絡んでくるわけだが、オーソドックスな割りに読み応えがある。
あとがきで作者も言っているように、「推理」部分はあまり重視せず、人間ドラマが中心。

10年近く前の作品でダンスの流行とかは多少古びている箇所はあるが、
不良エージの物語としても面白い。その分樋口の活躍は少なく氏家もチョイ役だが、
バランスのいい娯楽小説となっている。

173名無しのオプ:2008/07/24(木) 15:12:33 ID:+uIkY/Er
皆川博子「倒立する塔の殺人」

視点が頻繁に変わり、しかも全員の一人称が「わたし」なので
誰が誰だかよく分からなくなる。
おまけに作中作の手記まで登場するから、混乱に拍車がかかる。
細切れに読んだから余計によくわからなくなった。
一気読みすればまた評価は違ったかもしれない。
174名無しのオプ:2008/08/01(金) 16:39:40 ID:C5jWBy/D
ミステリ
175読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/08/01(金) 18:21:23 ID:sZFS8tjg
「暗鬼」井沢元彦(新潮社)

久々某スレからのセレクト。
戦国時代を舞台にした短編集でどれも程度の差はあれ謎が含まれている。
ベストは「明智光秀の密書」。作中で紹介される複数の暗号が興味深い。
他は特にみるべきものはない。しかも歴史小説としては最低に近いレベル
なので、歴史ファンにはお薦めしない。
176名無しのオプ:2008/08/02(土) 11:53:33 ID:n28MWnmi
>>175
ミステリ小説でもないのに書き込むなクソが。
177 ◆XjFtIkbasQ :2008/08/02(土) 23:01:35 ID:NqSIOMu/
三津田信三『山魔の如き嗤うもの』(原書房、2008)【8点】

刀城言耶の元に届けられた手記には、成人参りの最中に道に迷い、
「入らずの山」に迷い込んだ男の体験が記されていた。姥捨て伝説の残る山。
跳梁する山魔の哄笑。密室状態から消失した謎の一家。そしてその村に赴いた
刀城を待っていたのは、わらべ唄をなぞるような連続殺人事件だった・・・

「ごとき」シリーズ第四弾。さすがに山村の描写や伝承にややマンネリ化が。
しかしこういう雰囲気が大好きなので、さほど気にせず読み進んだ。
完成度では「首無」には及ばないが、サプライズは十分に及第点。

ただ文章は前作よりも拙劣。いかにも素人臭い箇所がかなり目につく。
とくに台詞の下手さ加減は一向に上手くならん。「やまんま」のキャラが薄いのも
このシリーズとしては不満。
178名無しのオプ:2008/08/03(日) 06:53:00 ID:2YddqqRL
>>177
> いかにも素人臭い

「いかにも」って……それじゃあ作者が素人みたいじゃないかw
一応はプロなんだろ?w
179名無しのオプ:2008/08/03(日) 07:28:56 ID:2K32itlR
本格系はそんなもんだろ
180 ◆XjFtIkbasQ :2008/08/04(月) 03:00:11 ID:+rPugE1T
歌野晶午『舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵』
(光文社カッパノベルス、2007)【7.5点】

刑事の舞田歳三が、姪のひとみ(小5)の言動に触発されて事件を
解決していく連作短篇集。

各短篇の事件や登場人物が少しずつリンクして新たな事件に繋がっていく構成だが、
一地方都市で起きる事件ということもあって、内容はかなり地味。
また、ひとみが名探偵となって快刀乱麻を断つような推理をするわけでもない。

それでも叔父と姪の軽妙な会話や、さりげない伏線のばら撒き方は手馴れたもの。
けれんもなく、小粒ではあるが、良作。
181読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/08/06(水) 17:56:37 ID:TeFFNRTk
「虚空の時差」津村秀介(栄光出版社)

新幹線の車内で女性の毒殺体が発見された。被害者の切符から
死亡したのは名古屋付近と推定され、検札時側にいたという男に
容疑がかかる。警察が捜査の過程で目星を付けたそれらしい男数人には
いずれもアリバイがあったが、現場に残っていた指紋はその中の
一人のものと一致した。その人物は犯行推定時刻には遠く離れた
九州にいたというのだが……。

某スレからのセレクト。
中々良かった。アリバイ崩しものは、
時刻表をこねくり回すような地味で面白味のない展開とか、
容疑者ありきで進行するというフーダニットを半ば放棄したような、
そして現実に冤罪の原因になっているような展開とかが
余り好きでは無いのだが、本作の場合、時刻表を弄んだりはせず、
謎と伏線とが明確に打ち出されており、真相も解り易くそれでいて
鮮やかなので、楽しめた。このトリックは巧くやれば実行可能かも。
また、刑事達が、手掛りを得られても鵜呑みにせず、一々疑問を持つ点も
読んでいて説得力があった。

ただ、作中の熊本弁は怪しい。助詞を全て“ば”に変換してるような……。
182 ◆XjFtIkbasQ :2008/08/07(木) 15:06:01 ID:0mHlLvzr
桐生祐狩『夏の滴』(2001→2003、角川ホラー文庫)【8点】

小四の真介は、ある日夜逃げ同然に姿を消した友人の行方を捜すため、
級友の徳田と河合と一緒に上京を決意。折りしも町は不況のどん底にあり、
またクラス内では、虐められっ子八重垣の持ち込んだ植物占いが流行っていた・・

ホラー大賞長篇賞受賞作。「国語好き」とはいえ、こんな思考の小四いない・・
と、序盤はやや冷めた目で読み進めたが、ホラーとしてはいい意味で「イヤな小説」。
担任教師までもが加担する淡々とした虐めの描写と、仲良し三人組の描写とのギャップが
ぞくりとする。とくに中盤以降は一気読み。終盤のカタルシスも十分ある。

ただ江戸時代の物語を唐突な手記にすべてを語らせた点は、構成上しかたのないことかもしれないが、
もうちょっと工夫できたんでは。あそこで冷静かつ克明に語ってしまったために、
ホラーとしての「怖さ」が逆に減じてしまったように思う。
183 ◆XjFtIkbasQ :2008/08/08(金) 23:37:32 ID:jZN2FeDt
浮穴みみ「寿限無」(『小説推理』8月号、双葉社、2008)【6.5点】

江戸で子供らの手跡指南をなりわいとする兄妹、吉井数馬・奈緒。
第30回小説推理新人賞受賞作。

選評(綾辻・有栖川・光原)でも言われているように、シリーズ化を意識したような
内容らしく、「改暦」といった話題がほとんど事件の真相と絡んでこない。
また、短篇の焦点が近所の幽霊話にあるのか、少年の見た「異界」にあるのか、
跡継ぎ話にあるのか、はっきりせず、謎が「解かれていく」といったカタルシスに欠ける。

ただ、「ラノベ的」と評される文章は読みやすく、ほのぼのとした味わいがある。
少年が母親の幽霊を見た際に耳にした「寿限無」の謎の解明〜ラストの兄妹の会話は
ちょっといい感じ。
184書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/08/09(土) 10:46:28 ID:Ou6IH+ss
所属するブッククラブの要請もあって、今夏は松本零士「ザ・コクピット」シリーズを一気読み
したところである。
「戦争冒険もの」としての色合いが濃い作が多いゆえ、あえてこの板で取り上げておく、
座して読め!
私は雑誌等で既読の作も多かったが、
所属メンバー(知識人ばかり16名)の客観的、かつ、的確な議論と投票による
ベスト・セレクション10作(順不同)は下記のとおりである。

 1 成層圏になくセミ
   わりと短い作だが、リリカルに悲劇を描いて間断するところがないと好評価。
 2 パイロットハンター
   孤独なスナイパーの姿が「とにかくかっちょいい」という声多し。
 3 独立重機関銃隊
   映画「独立愚連隊」に触発されたタイトルかと。スリリングな展開だが、
   女性キャラ投入で最後が甘く流れたのが難か。
 4 音速雷撃隊
   人間ロケット桜花ねた。アニメ化もされたスリリングな傑作。原作には桜花護衛の任にあった
   零戦の特攻シーンは無い。
 5 衝撃降下90度
「死を賭けたパイロット美学の極致」、ある識者のこの評が本作の本質を端的に示している
   と言い得る。
185書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/08/09(土) 10:56:59 ID:glYgzVFk
6 亡霊戦士
   シビアな展開が印象的な作。
   「パイロットハンター」と同趣旨の作ではあるが、あのような爽快感を期待すると良い意味で
   裏切られる。
 7 四次元戦線
   作者の十八番のSFと思いきや、緊迫感溢れるかなりマジな戦争(戦闘)漫画。
 8 死神の羽音
   私が第一に推す作。ホラータッチの異色作でオチが非常に効いている。
 9 砂とスコッチ
   これは超異色作。オチは面白くも強烈で悲惨という評がモロ該当する。
10 雷撃艇13号
   終始シニカルな作、このシリーズは初期の正攻法な戦争漫画からじょじょにこういった傾向
   のものへと移行していった感がある。

他にベストセレクション選定評議上に挙がった作としては、
・「スタンレーの魔女」「わが青春のアルカディア」
いずれもキャプテン・ハーロック好き(いわゆるキャプテンオタ)が推すものの、
前者はアイデアは良いものの作品全体が今ひとつ力不足の感があり、
後者は叙情に流れ過ぎているという指摘が多かった。
・「復讐を埋めた山」
一癖ありそうな魅力的な女性キャラを配置しながら、全く活躍しないまま終わっている点に
「物語」としての不満が大きいとして、早々、セレクト外となった。
186書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/08/09(土) 10:58:02 ID:glYgzVFk
・「成層圏気流」
強く推す声もあったが、アニメ化作品に及ばないという評もあった。
特に最後の主人公の独白、
「私はエアハルト・フォン・ラインダース、悪魔に魂を売らなかった男だ」
この最大の決め台詞が原作には無いのである。
・「夜の蜻蛉」
後の映画「プライベート・ライアン」を想起させる面白さがあるという推しがあったが、
それだけの作という定評に納まった。
・「レッドスカル」「富嶽のいたころ」「断層回路」
これらの作は、一応、コクピット・シリーズ中の作ではあるが、戦争漫画(そのもの)とは言い難く
別物扱いすべしという意見が多数を占めた。
・「天使の微甲弾」
未来戦を描いたSFであり、通常の戦争漫画と同列に置いて評価すべきではないとの意見多し。
・「空白圏飛行」「サンタイザべラの首飾り」
やや共通した設定もある2作。
前者はへミングウェイ、後者にはJ・G・バラードないしはマルケスを想起させるテーストの作であり、
それぞれ面白いが、戦争漫画ぽくないというのが大きなオミット要因か。
・プテラノドンの時代
アイデアは非常に面白い。ただし、ストレートからは外れる作という評多し。
187名無しのオプ:2008/08/09(土) 12:07:19 ID:dnnZ+rSe
きちがい・・・
188名無しのオプ:2008/08/09(土) 13:27:34 ID:uQ69fGA5
捻りの効いたミス板の住人らしい読みを披露してくれているね。
こういう書評こそ読後感は100ぺん読んで出直してほしいものだ。
189名無しのオプ:2008/08/09(土) 14:23:52 ID:kdhgBIeK
海外編容量オーバーしてる
190名無しのオプ:2008/08/10(日) 12:52:18 ID:ibLksln0
>>189
潰したのはいつも愚にもつかない感想文を垂れ流している読後感か。
もっと厳選してよく読みきちんと書けば今のように荒らし使いされることもなかろうに。
191名無しのオプ:2008/08/10(日) 13:24:48 ID:xZ4tbNNw
じゃあまず書斎が手本を示して消えてくれ
192名無しのオプ:2008/08/10(日) 14:26:50 ID:yZKAm+YE
両方消えてほしい。
馬は論外でNGであぼーんできるけど
読後感は感想スレ意外は名無しで書き込むのがウザい。
193名無しのオプ:2008/08/10(日) 14:47:11 ID:ibLksln0
読後感批判もようやく出てきたね。
これまではアンチ書斎の暗躍のせいでタブー視されてきたが、正当だと思われる。
194名無しのオプ:2008/08/10(日) 15:11:58 ID:X1Rj2p9R
>読後感批判もようやく出てきたね。
え?
195読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/08/10(日) 16:23:39 ID:xZ4tbNNw
「ピーター・パンの殺人」辻真先(大和書房)

しなびた温泉街で起きた2つの事件。若い仲居がサウナで刺殺され、
老いた俳優が映画館で若き日の自分と見まごう男に襲われた。
共通して凶器に使われたペーパーナイフを巡り、ある有名推理作家と
俳優との過去の因縁が再燃することに……。

期待して読んだ。後半までwktkが止まらなかった。しかし……
終盤萎んだかなぁ。何かね、畳み方があっけなさ過ぎるというか。
このメイントリックは86年当時でも少々古い気がする。
ラストの展開もそれまでのノリと合ってないし。
戦時中の体験談が語られてる辺りは少し面白かったけども。

「TVアニメ殺人事件」はどうなのだらう。
196名無しのオプ:2008/08/10(日) 16:29:37 ID:SlP6F6GH
>>195
恥ずかしげもなくよく書き込めるなあ。
鈍感極まりない香具師なんだろう。
197名無しのオプ:2008/08/10(日) 16:34:24 ID:5Sus6jbC
黙って感想だけ書いてればいいのに。
198名無しのオプ:2008/08/10(日) 17:25:13 ID:WX1iAdnF
黙ってNGにしとけばいいのに。ここは何スレよ?
199名無しのオプ:2008/08/10(日) 18:45:44 ID:HguKsBx8
>>198
読後感が遠慮というものを覚えれば良スレになるよ。
200読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/08/13(水) 16:47:34 ID:Dt7NZKvb
「歌麿殺贋事件」高橋克彦(講談社)

若き浮世絵研究家塔馬双太郎の活躍する連作短編集。
あの手この手で悪事を働く詐欺師達をギャフンと言わせるという。
本格というよりトリビアルな驚きがあるコンゲームものの佳作。
和製「悪党どものお楽しみ」か。ただ、浮世絵、それも
歌麿の絡む事件ばかりというテーマの狭さに飽きる可能性はあるかも。
でもお薦め。
201名無しのオプ:2008/08/13(水) 23:32:43 ID:xnqyhnm5
>>200
このころは密度濃いよね。
それに比べいまのカツヒコは・・・・
202 ◆XjFtIkbasQ :2008/08/14(木) 19:53:36 ID:MOROYC5b
天樹征丸/さとうふみや (講談社コミックス、2008)
1『金田一少年の事件簿 黒魔術殺人事件』【7点】
2『金田一少年の事件簿 血溜之間殺人事件/不動高校学園祭殺人事件』【6.5点】

1は、黒魔術の館で発生した連続殺人事件物。
2は、囲碁クラブの合宿で発生した生首事件/学園祭のメイド喫茶で起きた事件

1は海外パズルブックのネタ的雑学を、殺人事件に結び付けようとしているが、
今回はかなり苦しい出来。トリックのためのトリック、という面がいつも以上に
濃い感じ。また、一冊におさめたせいか、計画の矛盾や強引な筋運びが目立つ。

2は中篇2つを収録するが、囲碁の話は犯行が綱渡りすぎるし人間関係も不自然すぎる。
もう一方の学園祭の話は、犯人もトリックもわかりやすい。
ただ、2冊とも、気楽に読めて一定の満足感が得られるのはさすが。
203書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/08/16(土) 13:28:40 ID:eQaivRAI
海外篇スレが容量オーバーで使用不能なためこちらに書く。
(そもそも読書報告スレは国内と海外の2本立てにする必要があるのか?)

へイク・タルボット「絞首人の手伝い」を読んだ。
密室ものの古典という噂が流布していた「魔の淵」が初訳された時の期待と
読後の失望感はいまだに記憶に新しいものがある。
「棒高飛びやめれ!」と言いたくなるようなアホなトリックには思わず萎えるものがあったし、
その通俗性(アクション、お色気、ラブロマンス等)の強調にはうんざりさせられたものである。
同じ作者ゆえ、「魔の淵」に先行する本作にも同様な感を抱かせるものがあった。
特に主人公キンケイド(本格ミステリでヤクザなギャンブラーが名探偵役という設定は異色で、
ちょい面白いのだが)を襲った怪物クラーケン(本来は伝説上の巨大なイカの怪物の意
なのでは?)の正体はジョンでも書かないような「アホ」なものであると言い得る。
もうバカはいい加減にしておけと思うたところ、この作者の長編は「魔の淵」と本作のふたつしか
ないとのことであり、妙に納得がいった。
204書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/08/16(土) 13:29:24 ID:eQaivRAI
ギルバート・アデア「ロジャー・マーガトロイドのしわざ」を読んだ。
タイトル(原題の直訳)もある意味でネタばれか?
いわく有り気な登場人物たち、クローズド・サークルの設定、謎の密室殺人の発生とコテコテな
本格ストレートで入りながら、大乱歩風のトンデモトリック、アンフェアそのもの(この作者は承知の上かも)の犯人の登場で終わる作。
正攻法な謎解きミステリの面白さを求めると外されるが、ジョン、アガサ、アーネスト等の
ミステリ作家に関するくすぐりを入れながらの展開を余裕を持って楽しめるか否かで評価が
分れる変化球な作ではあろう。
(ただし、ダシール作品の主舞台をLAと読めるような記述は気にかかった。まさかレイモンドと
勘違いしているのでは?)
レズの含意があるらしい「リスボンの姫君」とは?
これは俺にとって本作の残された謎ではある。
205名無しのオプ:2008/08/16(土) 15:34:51 ID:oHgPRoE9
海外篇を潰したのは読後感が荒らしたせいなのに、何の反省もなく書き込むか。
よほど鈍感なのか、確信犯的に荒らしているかどちらかだな。
206名無しのオプ:2008/08/16(土) 16:06:22 ID:D9FJ0Y80
読後感?
書斎暇人の間違いだな。
207名無しのオプ:2008/08/16(土) 20:13:01 ID:1w6M3Zhz
内容の良し悪し以前に
ルール違反はダメだよなあ。
208書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/08/17(日) 15:42:26 ID:7+PvZnX/
久々、リチャード・レイモン「殺戮の野獣館」を再読してみた。
再読のせいもあるが、刺激的な作が増加した今日では刊行時のインパクトは既に無く、
むしろ、おぞましい行為の描写を寸止めする展開はシニカルな論者なら「奥床しい」と評する
やもしれぬ。
ジョン・ソールの「暗い森の少女」のような凄味もなく、やはりレイモンはマイナーな作家であった
と思わざるを得ない。
リアルな野獣とでも称すべきヒロインの前夫ロイというキャラの処理にも失望を禁じ得ない
キワモノな作らしく、モノホンな野獣とのガチンコ勝負を期待していたのだが・・・
209書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/08/17(日) 15:45:58 ID:7+PvZnX/
レイ・ゴールデン「5枚のカード」を読んだ。
ポケミス名画座シリーズの1冊として刊行された作だが、
裏表紙の解説に「サスペンスフルに展開する異色のウェスタン小説」とあるとおり、
実態は完全に西部小説、プロファイルを見ても、作者はテキサス州フォートワース生まれの
典型的西部小説家であり、フランク・グルーバーのようなミステリも書く人ではないようである。
牛泥棒をリンチにかけた関係者の連続殺人というフーダニットとして書くことも十分に
可能な設定なのだが、犯人は早々と登場、以後はグローリー・ガルシュという西部の町を舞台に
丁寧な情景描写を積み重ねたウェスタンの世界が展開されてゆく。
短く読み易いのが取り柄であり、それなりに楽しめはするのだが、リクエストがあったとはいえ、
なぜ本作がポケミスで刊行されたのか、これこそ「ミステリ」ではある。
解説中にある「laid eyes」ネタではないが、「ふたりは込み上げる欲望に身を任せた」(71頁)、
「はじめて欲望の奔流に身を任せた・・・」(139頁)、訳者の「好み」のような
ポルノグラフィーまがいのこの「原文」も気にかかるところだ。
210名無しのオプ:2008/08/17(日) 17:53:28 ID:BUs2psEg
>>207
よくわからんが馬がまたネタバレでもしたのかな?
俺はアボーンしてるからわかんないや。
211名無しのオプ:2008/08/17(日) 21:18:07 ID:oe4/DfUy
>>210
完全に“スレ違い”なことを書いているんだよ。
しかも、書いている本人が“スレ違い”であることを自覚している。
212名無しのオプ:2008/08/18(月) 10:18:18 ID:y6fZR2C+
なぜスレ違いになったのか検証することが大事だろうね。
読後感というクソコテ一人の独占的使用により海外篇が潰れたという事実を改めて確認する必要がある。
213名無しのオプ:2008/08/18(月) 13:08:29 ID:KhTqYpol
読後感のようなクソなんかとちがって書斎さんの論考はためになるよなあ。
書斎さんは神なんだからそれに従わなければいけない。
214名無しのオプ:2008/08/18(月) 13:30:02 ID:MVIFRl0/
二人のコテハンをスレ名にした単独スレを、隔離用にたてて欲しい。
で、もう他スレには現れないでくれと。
215名無しのオプ:2008/08/18(月) 15:05:24 ID:y6fZR2C+
>>214
書斎は問題ない。
悪いのは読後感だよ。
216名無しのオプ:2008/08/18(月) 16:38:45 ID:201ai/QZ
コテハン嫌いな人はNG指定すればいいだけ。
ここは本を読んだ感想を書き込むスレであって
感想の感想を書き込むことの方がスレ違い。
どっかの板でヲチスレでも立てて他所でやってくれ。
217名無しのオプ:2008/08/18(月) 16:42:34 ID:y6fZR2C+
>>216
その感想が問題になっていることに気づかないとは‥。
長々と愚にもつかぬ感想を毎日のように書き込む態度が問題視されているのに。
218名無しのオプ:2008/08/18(月) 18:03:27 ID:0pPQ23OD
だからそれをNG指定すりゃいいだろが
感想スレに感想を書くこと自体はおかしくないんだから
こういうやり取りこそが本来邪魔なんだよ

つか、書斎をかばってる時点で相手にしちゃ駄目だったか
219名無しのオプ:2008/08/19(火) 03:18:24 ID:mk7QNqZF
書斎アンチがわざと擁護してるんようにしか見えない
ある意味書斎よりタチ悪い
220名無しのオプ:2008/08/19(火) 11:31:54 ID:EJqhsNZi
>>219
激しく同意。
いつもスレを荒らすのは書斎アンチなんだよなあ。
書斎はスレタイに沿って書き込んでいるだけなんだから。
221名無しのオプ:2008/08/19(火) 21:08:10 ID:DGI1BNRH
>>217
騒いでるのはごく一部。
コテハンをNGにしてる俺にしてみれば、
君のほうがよほど迷惑だ。
222名無しのオプ:2008/08/19(火) 21:22:33 ID:JZeCg/+f
 || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
 || ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
 || ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
 ||  ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
 || ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
 ||  与えないで下さい。                  ΛΛ
 || ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて   \ (゚ー゚*) キホン。
 ||  ゴミが溜まったら削除が一番です。       ⊂⊂ |
 ||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_      | ̄ ̄ ̄ ̄|
      (  ∧ ∧__ (   ∧ ∧__(   ∧ ∧     ̄ ̄ ̄
    〜(_(  ∧ ∧_ (  ∧ ∧_ (  ∧ ∧  は〜い、先生。
      〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)
        〜(___ノ  〜(___ノ   〜(___ノ

223 ◆XjFtIkbasQ :2008/08/22(金) 13:34:53 ID:4t1t7LHJ
逢坂剛『燃える蜃気楼』(上下、2003→2006、講談社文庫)【6点】

イベリア・シリーズ第三弾。日米開戦後のスペイン・ドイツが舞台。
「宝石商」北都とイギリス情報部ヴァジニアとの恋愛模様に、
謎の日系アメリカ人ナオミが絡んでくる。

第二弾同様、どうもメリハリがないまま上下巻を読了。
謀略物なのに緊迫感があまりないのは、敵味方がペラペラ情報交換しすぎのせい?
終盤の某人物の登場は、ようやくシリーズ物の利点が生かされたという感じ。
224 ◆XjFtIkbasQ :2008/08/22(金) 13:46:54 ID:4t1t7LHJ
多島斗志之『二島縁起』(1995→2006、創元推理文庫)【8点】

瀬戸内海で海上タクシーを営む寺田は、同業の船長からある依頼を受け、
謎めいた客たちを輸送することになるが、なぜか地元有力者の妨害を受ける。
封建的な「潮見島」「風見島」の対立は、ある失踪事件にからむ殺人事件に発展・・

「アウラ衆」という謎の言葉を含むある人物のモノローグから序盤の「謎の依頼」まで、
すぐに読書に引き込まれる。空間的な閉鎖状況でこそないが、因習残る瀬戸内海という舞台が
実にうまく機能している。女性キャラも魅力的。伏線の張り方などもフェア。
225名無しのオプ:2008/08/23(土) 01:03:09 ID:8wBpKpwc
鶴ヶ峰 1−79 の犯罪者
226名無しのオプ:2008/08/23(土) 06:19:56 ID:c6drUY4w
やめろ!!!!!!!!!!!!!!!!
227名無しのオプ:2008/08/23(土) 15:35:21 ID:2uFrNE6s
ほ〜も ほもほも ふけつのコ つるがみねぇ〜から やぁってきた〜♪
228名無しのオプ:2008/08/23(土) 19:53:28 ID:c6drUY4w
苛めはやめろ!!!!!!!!!!!!
229名無しのオプ:2008/08/23(土) 20:04:10 ID:2uFrNE6s
鶴ヶ峰1−79 の 林さん

「苛め早めろ!」 

そうですか、早めたほうがいいんですねw
230名無しのオプ:2008/08/23(土) 20:14:34 ID:2uFrNE6s
ジョ〜♪ ジョジョジョジョジョ サージェント おなじ おうちにすんでいる〜♪
231名無しのオプ:2008/08/23(土) 20:15:38 ID:2uFrNE6s
ほ〜も ほもほも ふけつのコ つるがみねぇ〜から やぁってきた〜♪
232書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/08/23(土) 20:35:14 ID:hRsSF7tl
佐伯一麦「ピロティ」を読んだ。
同じ著者の「鉄塔家族」に関する俺の論考を熟読した者は多いだろうが、
平成の小津安二郎(小説版)と見せて、終盤でヘビーなトラウマが明らかになる展開は
あからさまな刺激ばかり追及する作が大半なミステリ以上のインパクトがあり、
正に純文学の「凄み」を感じさせるものがあった。
マンション管理人の引継ぎの1日をひとり語りで描いた本作は、ボリューム的に、また内容的にも
「鉄塔家族」よりも気軽に手に出来る作であり、「純文学」と聞くと尻尾を巻いて逃げ出す輩が多い
ミスオタにも推せるものがある。
ただし、ミステリ的要素を見つけるには困難な作ではあり、
マンションの水槽から惨殺死体「ハケーン!」とか期待するアホなミスオタは「逝ってよし!」だな。
とにかく、しみじみとした心情が漂うラストの語りが印象深い作ではある。
233書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/08/23(土) 20:36:20 ID:hRsSF7tl
サックス・ローマー「怪人フー・マンチュー」を読んだ。
中国人の天才的犯罪者フー・マンチュー、彼に立ち向かう英国人外交官と親友の医師、
謎の東洋系(?)美女、ザイヤット・キスによる連続殺人・・・
なにしろ前世紀初頭(1913年)の作ゆえ、古臭さを通り越した超レトロな雰囲気を楽しむしか
ないような作。
差別に無頓着な時代に書かれた作ゆえ、翻訳にあたりかなり気を使ったと推察されるが、
黄禍論という言葉が平然と飛び交い、東洋人を怪人扱いするストーリーは、今、読むと漫画の領域
でありむしろ笑ってしまう。
人気アニメ「花のピュンピュン丸」の敵役である風魔忍者の首領の名がフーマンだったり等、
名のみ広く知られ、書籍として本邦初訳というのは驚き。
早逝した才人ピーター・セラーズのパロディ作品「天才悪魔フー・マンチュー」公開時(80年)
に角川文庫あたりで出ていても良かったようにも思えるが、
当時にして、既に売れ行きに不安を感じさせるような漫画だったのかも。
234名無しのオプ:2008/08/24(日) 01:21:59 ID:xz/FEmVv
ほ〜も ほもほも ふけつのコ つるがみねぇ〜から やぁってきた〜♪
235 ◆XjFtIkbasQ :2008/08/24(日) 15:10:21 ID:idIvEBmW
石持浅海『ガーディアン』(2008、光文社カッパノベルス)【6点】

勅使河原冴の会社のプロジェクトに参加したメンバーの一人が、不審な死を遂げる。
冴を護る亡父の霊“ガーディアン”が発動したのか? 中篇超常現象ミステリ2篇。

西澤保彦ほどではないが、とりあえず設定は面白い。とくに第一話。
なぜガーディアンが発動し、誰が冴を殺そうとしたのかの謎解きは、本格推理。
ただ、もっと切り詰めて短篇にすべき内容だったと思う。

さらに問題は、後日談風銀行強盗サスペンスの第二話。まず水増ししたとしか思えない
緩んだ文章に、書き飛ばした風の工夫のない比喩に表現の重複。落ちも弱い。
この作者は「動きのある」小説が不得手なのかな? と思った。 
236名無しのオプ:2008/08/24(日) 20:02:46 ID:CcwCc9mp
ウェブ
ピュンピュン丸 フー・マンチュ− に一致する情報は見つかりませんでした。

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237名無しのオプ:2008/08/24(日) 22:43:41 ID:fsHJuVhd
チーム・バチスタの栄光/海堂 尊

読みました。
238書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/08/24(日) 23:22:12 ID:ZzaNPUW+
有栖川有栖「モロッコ水晶の謎」を読んだ。
新書刊行時に読み逃していたの国名シリーズゆえ、今回文庫で一読。
表題作をはじめとして、シリーズ中では芳しくない出来栄えの作品集かと思う。
では、久々に大好評な収録作品全話講評逝ってみよう!!
「助教授の身代金」
展開を見ていてすぐに念頭に浮かぶのは黒澤明監督の「天国と地獄」、あるいはその原作である
87分署シリーズ「キングの身代金」であろう。
火村とアリスを通じて作者の誘拐ネタに関するミステリの薀蓄をたっぷり拝聴出来、
この点は楽しめるし、本筋であるミステリも現代の風潮を斬る感があってまずまずの出来か。
「ABCキラー」
完全なる懲悪(勧善懲悪というよりも、本作に関してはこの表現が妥当か)を排した結末は良いの
だが、いかに創り物のミステリとはいえ、ここまで偶然性を重ねた展開は頂けないものがある。
「推理合戦」
騒ぎ立てる程のこともない軽いコント風な作。それだけや。
「モロッコ水晶の謎」
ジョンの「五つの箱の死」を想起させる設定で、トリック無きトリックとでも称すべき作だが、
さすがに「これは無いぜアリス・・・」と言わざるを得ない。
また、ジュース一気飲みの説明のくだりが矛盾する点に作者は気付いているだろうか?
239名無しのオプ:2008/08/25(月) 01:39:24 ID:5EloXDC6
ウェブ
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240名無しのオプ:2008/08/27(水) 13:23:27 ID:Phi/1scx
完全恋愛 牧 薩次

んー、新人作家かな?とか思ったんであとがき読んでびっくりした、なんかスイマセン
このタイトルは、主人公ではなく、ある女性の行動の事だよなとラストで思った。
いい話だったよ
241あぼーん:あぼーん
あぼーん
242名無しのオプ:2008/08/28(木) 12:35:21 ID:LDgKUFOz
これは脅迫では……
243名無しのオプ:2008/08/28(木) 13:58:44 ID:26vdLVWa
ついに逮捕者が
244名無しのオプ:2008/08/28(木) 14:49:50 ID:nl8JNgOi
あちこちあるけど、何なの?
245名無しのオプ:2008/08/28(木) 16:11:32 ID:kIx8qfV+
>>244
とりあえず自治スレにまとめておきましたので、そちらをご覧ください。
246名無しのオプ:2008/08/28(木) 18:24:54 ID:w+mpO1K5
書斎魔神さん・ミステリ板住人さんに対する、腹立ちの気持ちから
上記のような適当な推測による、いいかげんな住所や事実無根のデマを
書き込んでしまいましたが、皆様からの警告を受け、深く反省しております、
書斎魔神さん・ミステリ板住人さんや皆様に不快な思いをさせ、
ご迷惑をおかけした事を深くお詫び申し上げます、申し訳ありませんでした、
もう2ちゃんねるへの書き込みは、いたしません、ご迷惑をかけたことを
お詫びさせていただきます。
247書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/08/30(土) 09:52:32 ID:GpICbBhn
今週はミステリ映画を紹介しておこうかと思う。
ノヴェラも存しないため、ミスオタにとりノーチェックとなるには惜しい気がする作である。
各人、心して聞け!!

ピーター・スネル監督「ウィッカーマン」を見た。
凝りに凝った傑作ミステリ映画「探偵 スルース」のライター、アンソニー・シェーファーの手に
なるものだけあって、地味だが緊迫感溢れる作に仕上がっている。
性の異教が蔓延するスコットランドの孤島で少女失踪事件を追う警部、一癖ある者が多い
閉鎖的な住民たちは何かを隠しているようだが・・・
演出によっては、下品で安っぽい雰囲気となってしまうようなあざといストーリーなのだが、
丁寧で凝ったキャメラワーク(特に光の使い方が秀逸、絵画を見るかのような美しいシーンがある)
もあって、落ち着いて上品な感さえある。
ラスボスである島の領主役にはミスター・ドラキュラことクリストファー・リーが扮し、
凄みを効かせるかと思いきや、長髪のズラを被って飄々と登場、自慢(?)の喉まで聞かせ、
ボンドガールにもなったスウェーデンの美人女優ブリット・エクランド(年甲斐もなく村娘役)
オールヌードで同じく歌いまくる・・・
とにかくミュージカルまがいに歌いまくるシーンが多く、終いには主人公の警部まで最期の喉を
聞かせる展開、まさに怪作・トンデモとしか言い様がない。
ただし、ミステリとしてのオチもしっかりついているのでこの点は安心あれ。
248書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/08/30(土) 09:53:34 ID:GpICbBhn
ブライアン・デ・パルマ監督「悪魔のシスター」を見た。
公開当時はオカルトブームのため、刺激的な殺人シーンが強調されホラー的にセールス
されたものの、実態はヒッチ大好きなブライアンによるミステリ映画である。
制作年代的にはサイコ・ミステリの走りであり、
ブライアンが広く世に出る端緒となった作でもあるが、
ただし、ミステリ通が見れば真相は見え、見え、特筆すべき点はない。
249名無しのオプ:2008/08/30(土) 11:51:00 ID:bHlt5DhT
さすが書斎。知見が幅広いね。しかも板定義に抵触しない範囲で書いているあたりさすが。
ミス板には必要欠くべからざる存在だ。
250書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/08/31(日) 10:59:50 ID:JStIuS1j
ロバート・ルイス・スティーヴンスン&ロイド・オズボーン「難破船」を読んだ。
晩年の作、しかも共著ということもあってかあの「宝島」の興奮、もう1度とはいかないものの、
凡百なミステリ作家など足元にも及ばない人物造型の確かさは「さすが」としか言い様がないもの
がある。ただし、ポケミスとして刊行されながら直接い冒険・ミステリに関連する挿話は三分の一
程度に過ぎず、登場キャラの来歴を語り過ぎて冗長になっている面があるのは難と言い得る。
最終章に述べられた作者のミステリ批判を見れば、単なる謎解きのみに終始した作に
したくないゆえの試みとも理解は出来るが、
終盤の畳み掛けるような真相シーンは巻を置かせぬ迫力に富むだけに、もっと絞り込んで書けば
傑作海洋冒険ミステリ足り得た可能性があるのが惜しまれる。
結構。残酷な面があるにもかかわらず、この時代にしてあっさりと勧善懲悪を排した展開にも
驚かされる。
主人公の生涯の相棒ピンカートンのネーミングは、やはりあの探偵社から取ったのであろうか。
251名無しのオプ:2008/08/31(日) 11:55:59 ID:K3EDIEZH
良作なら内外を問わずに紹介してくれる書斎は貴重だな。
海外スレが読後感の荒らし攻撃で潰された今となっては尚更。
252名無しのオプ:2008/08/31(日) 16:49:17 ID:90HUXyoE
読後感が荒らしをしてたというのは本当なのか?
むしろ読後感でも書斎でもない外野が荒らしてた印象があったんだが
253名無しのオプ:2008/08/31(日) 18:02:16 ID:GI0dxskq
>>252
荒らしの自演と荒らしの相手をする奴のレスが多くて「荒れた」。
254名無しのオプ:2008/08/31(日) 18:20:45 ID:KkNwwIHZ
 || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
 || ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
 || ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
 ||  ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
 || ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
 ||  与えないで下さい。                  ΛΛ
 || ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて   \ (゚ー゚*) キホン。
 ||  ゴミが溜まったら削除が一番です。       ⊂⊂ |
 ||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_      | ̄ ̄ ̄ ̄|
      (  ∧ ∧__ (   ∧ ∧__(   ∧ ∧     ̄ ̄ ̄
    〜(_(  ∧ ∧_ (  ∧ ∧_ (  ∧ ∧  は〜い、先生。
      〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)
        〜(___ノ  〜(___ノ   〜(___ノ
255読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/09/02(火) 17:31:33 ID:cF5z+Vwp
「斜光」泡坂妻夫(角川書店)

写真館を営む夕城は叔母の薦めで呉服商の娘弥宵と見合い結婚をする。
40に近いが初婚だという弥宵の写真を初めて見た時、夕城はそこに
男の影をみて、彼女に惹かれたのだった。新婚生活は順調と思われたが、
やがて弥宵の行動に不審なものが表れ始め……。

ずっと以前に薦められていて期待して読んだのだが、
あまり面白くなかった。少なくともミステリーとしてはダメダメの部類。
あの泡坂がこんな……。真相は解り易いし、用いられているカットバックも
あまり意味を持っているとは思えない。まあエロいのが見所か?
大人しく「乱れからくり」とか読めば良かった。
256名無しのオプ:2008/09/02(火) 18:00:57 ID:IjUm5yFH
「斜光」は傑作だと思うがなあ。

「湖底のまつり」と同じく不可能現象を技巧的な構成で描いた
作品なのに、あっさりし過ぎてて凄さが分りにくいのかな。

各章が写真屋の話と刑事の話の二部構成になってるんだけど、
章のタイトルがその両方の内容と一致すると気付いたときは
シビレたわ。
257名無しのオプ:2008/09/03(水) 23:21:26 ID:C0auxvOX
読後感は「Yの悲劇」もロクに理解できないような人だから
258読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/09/04(木) 19:51:24 ID:LwrpcmzT
「長い腕」川崎草志(角川書店)

ゲーム制作会社に勤める汐路は、転職しようとしていた矢先、
同僚二人の無理心中事件に遭遇する。それは彼女に忌まわしい過去を
想起させるものだった。しばらく実家で骨休めしようと姉に
電話をした汐路は小さな田舎町である故郷で殺人事件が
多発していることを知り、インターネットを使って調べ始める……。

作品スレに煽られて読んだがこれもイマイチ。
一言で言うとプロットの肉付けが甘い。いくつもの事象を主人公が
結びつける理由が薄弱。こんなんじゃ人は動かんよ。終盤真相が
暴かれる件も展開の仕方が下手に感じられた。

ゲーム制作の裏側が語られる前半部は物珍しい一方聊か飽きが来る。
後半に入り田舎に舞台が移ると読み進め易くなるものの
前述の理由で結局良作とは言い難い。

それから巻末の綾辻評にもあるようにインターネットで検索する辺りの
記述がゲーム作りのそれと比べて拙いのが気になった。

ま、横溝賞もこんなもんか、と。
259書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/09/06(土) 15:51:27 ID:+3NVhqnt
オーギュスト・ル・ブルトン「男の争い」を読んだ。
大藪春彦、馳星周、花村萬月等が好きな向き、あるいは笹沢左保の股旅ものが好きな向き
にもお薦めのフランス・ノワールである。
(サン=ティティンヌの男ことムショ帰り、肺病病みの主人公トニー、
相棒で所帯持ちのスウェーデンのジョー・・・通り名も持ったフランス極道の世界は、
まさに本邦の股旅ものの世界を彷彿とさせるものがある)
巨額なダイヤを巡るギャング同士の抗争がメーンストーリーではあるが、
作者もその筋の人だけあって、
最大の読ませどころはフランス暗黒街事情(執筆当時)とそこに棲むギャングたちの生き様、
そして死に様(ラストで端的に示される)そのものと言い得る。
裏切った娼婦はフルボッコにし、イカサマ師や裏切った仲間は問答無用であの世へ送る
正に文字どおり非情の世界、ある意味でダークなマン・オブ・ザ・ワールドであり、
妄想と中傷が渦巻く2ちゃんねるに入り浸っている連中の精神性がいかに幼稚、かつ、
女性的であるかをあらためて痛感させるものがある。
裏表紙の本作紹介文にある「これが本物のノワールだ」というキャッチフレーズに偽り無し、
各人、心して読め!
260書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/09/06(土) 15:52:33 ID:+3NVhqnt
シャーウッド・キング「上海から来た女」を読んだ。
不具者の弁護士の運転手を勤める主人公ローレンス(船員上がり)に持ち込まれた美味い話、
それは偽装殺人だった。
ストーリーからはハードボイルドタッチを予想していたのだが、
作者が女性のせいか作品中に美文調の詩が挿入されたりするハーレクイン風であり、
ちょっとミスマッチな感あり、邦題がオ−ソン・ウェルズ監督による映画化作品からの流用で
ミステリ読みとしての勘が普通にあればネタばれ気味、
映画公開時(47年製作だが、日本では77年公開)にあわせた翻訳であるならばともかく、
原題の「IF I DIE BEFORE I WAKE」を活かした邦題にすべきであった。
後半の法廷小説的展開が少し面白い程度であり、読む価値は少ない作と言い得る。
261名無しのオプ:2008/09/06(土) 17:12:42 ID:CmB1Us1u
正当な読後感批判もでてきたね。
荒らしはこの際去るべきではないか。
262名無しのオプ:2008/09/06(土) 18:07:42 ID:MSRf86QL
スレ立てすればいいのにw
263ジョー・サージェント:2008/09/06(土) 18:53:20 ID:iaoj00TT
魔神、ここでは弾けてるな!
ウィッカーマン、地雷臭い感じがしてたが今度借りてこようと思わせるレスだ。
264名無しのオプ:2008/09/07(日) 00:14:13 ID:UJ4ZaDiH
他では叩かれっぱなしw
265ジョー・サージェント:2008/09/07(日) 01:13:33 ID:9JscUX+G
黙れ小僧!悔しかったら俺を唸らせるレスをしてみろ!
266名無しのオプ:2008/09/07(日) 04:58:31 ID:/BFnAlQr
まあまあ、そう熱くなるなwwwwwwwwwwwwww
267名無しのオプ:2008/09/07(日) 06:11:05 ID:TIXa1u8z
 || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
 || ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
 || ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
 ||  ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
 || ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
 ||  与えないで下さい。                  ΛΛ
 || ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて   \ (゚ー゚*) キホン。
 ||  ゴミが溜まったら削除が一番です。       ⊂⊂ |
 ||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_      | ̄ ̄ ̄ ̄|
      (  ∧ ∧__ (   ∧ ∧__(   ∧ ∧     ̄ ̄ ̄
    〜(_(  ∧ ∧_ (  ∧ ∧_ (  ∧ ∧  は〜い、先生。
      〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)
        〜(___ノ  〜(___ノ   〜(___ノ
268書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/09/07(日) 11:57:34 ID:sSWAr3IP
エセル・リナ・ホワイト「バルカン超特急」を読んだ。
この作者の邦訳は2作のみ、もうひとつの「らせん階段」の論考も記したことがあるが、
時代背景の古さは感じるものの、サスペンス・ミステリとして水準に達しており、
お約束に走らないキャラの人間臭い魅力を描くことに長けている
(この点では類型しか書かないアガサより上)のは、文学愛好家である私などにも
十分に惹き付けるものがあると言える。
「らせん階段」のヒロインは小柄で可愛らしい(器量は十人並み)が、ややこの点を意識した行動
が目立つ人物、本作のヒロインは裕福なイギリス美人だが、気まま、わがままな面があり、
冒頭ではリゾートホテル近辺の山で遭難(?)しかける間抜けなところもあるという実にビビッドで
面白いキャラなのである。
そんな彼女が保養地からの帰国のため乗車した列車で巻き込まれる怪事件とは・・・
他の登場キャラもマイペースな独身老姉妹、子煩悩で親切だがうざい感がある牧師夫妻
等々、脇に至るまでキャラが活写されているのがグッド、
ちょい役では、ヒロインを列車に乗車させるため体を張るポーター(惚れてるわけではなく金のためであり、ダイブして自分は下車)なども印象に残るところだ。
そして、本作の真の主役とも言えるミス・フロイ、ヒロインのアイリス以上の存在感で最後まで場を
さらう。
コンパクトに纏めた章を巧く繋ぎ、邦訳300頁程度にまとまっており、
トラベル・ミステリ好き、クローズド・サークル好き(謎解きミステリとしては弱いが)には
お薦めの作である。
269書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/09/07(日) 11:58:23 ID:sSWAr3IP
ポール・アルテ「七番目の仮説」を読んだ。
アルテ最新作。正直言うて、謎解きミステリとしては本邦初登場作「第四の扉」が最高にして最良、
後は無理が目立つ展開の作が多いという感がある。
本作もその例外ではなく、犯行トリックは無理有り過ぎ、クレイトン張りの単純なマジックねた
(ごみバケツのトリック)も、タネを明かされると萎えるものがあるし、
レギュラー名探偵ツイスト博士の心情を書いた21章「死者は語る」における
「まだ答えの出ない多くの疑問が残っているが、犯人を駆りたてた真の動機が、脳裏にくっきりと
浮かびあがっていた。博士は初めからこの事件に、何か忌まわしい病的なものを
感じ取り、最悪の事態も覚悟していた・・・しかし、今わかったのだ。事実はそれに輪をかけて
恐ろしいものだったと」、このくだりを読んで、犯行の細部は別として、
俺には真相(自動的に犯人も)が見えてしまった。
(この真相は「月明かりの闇」等で時代性ゆえジョンが書けなかったネタでもある)
ただし、深夜のロンドンにおける人間消失ネタというコテコテの不可能犯罪の発生、
傑作ミステリ映画「探偵 スルース」を想起させるような駆引き等々、
物語として読者を惹き付ける語りの巧さ、フランス人作家らしいムーディな作風の魅力は
いまだ捨て難いものはあることはある。
270名無しのオプ:2008/09/07(日) 12:03:48 ID:MdVL1uji
魔神、ここではスレ違いだな!
スレ立てろよ。
271名無しのオプ:2008/09/07(日) 12:24:51 ID:JrBOsX/h
>>270
海外スレを潰した張本人である読後感が謝罪とともに立てるべき。
272名無しのオプ:2008/09/07(日) 12:39:00 ID:BVvMXsoj
スレ違いを承知で書き込む書斎w
支持者を装う弱虫w
273名無しのオプ:2008/09/07(日) 13:28:49 ID:mXdVn9tW
>>270
いや書斎はこれらの本が国内作品だと思っているんだよ。
だって日本語で書かれているからw
274名無しのオプ:2008/09/07(日) 18:55:52 ID:u3hPgE4/
>>273
なんてグローバルな思考。
275ジョー・サージェント:2008/09/07(日) 20:26:50 ID:qk0nXjfO
魔神の守備範囲の広さに驚く。
まさに鬼才。
276名無しのオプ:2008/09/07(日) 20:29:02 ID:WPl2QNCX
英語には疎いけどなwwwwwwwwwwwwww
277名無しのオプ:2008/09/07(日) 20:33:40 ID:mXdVn9tW
それじゃまるで日本語には疎くないみたいじゃないかwwww
278名無しのオプ:2008/09/07(日) 20:57:29 ID:WPl2QNCX
>>277
すまん、肝心な点を忘れてたwwwwwwwwww
279ジョー・サージェント:2008/09/07(日) 23:33:51 ID:qk0nXjfO
アホらし。
280名無しのオプ:2008/09/08(月) 20:24:05 ID:ROl6n3Uu
「崖の館」 佐々木丸美
殺人方法がぶっ飛んでいて笑える
特に二年前の殺人(メ欄)
動機はあえて問わない優しさが俺にはあるw
281書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/09/08(月) 20:56:45 ID:4cDCGG7K
ジョーよ、
先に紹介したDVD「ウィッカーマン」だが、2回目を見てしまった。
「地雷」という君の表現が、まさにジャストフィットするような作だが、
文句無しで楽しめる怪作と言い得る。
あえて「地雷」を踏んで思いっ切りぶっ飛んでみるのも一興かと思う。
アマゾンやツタヤの通販で手頃な値段で入手可能だお。
282ジョー・サージェント:2008/09/09(火) 12:41:32 ID:g6XplY9t
ほほう短期間に二回も楽しんだのかこれは手頃な値段だし次購入してみるか。
失敗しても別に痛くないな。
地雷と言えばこのスレ的に全く関係ないがゴッドファーザー3を買って
涙した記憶が思い出される・・・。
283名無しのオプ:2008/09/09(火) 13:28:00 ID:4LgNxZE1
アホらし。
284名無しのオプ:2008/09/09(火) 14:37:48 ID:w+Qkmwjh

 ―┼‐         ノ     /   |  --ヒ_/     /   \ヽヽ    ー―''7
   `」   ┼,   二Z二   レ   /  /´レ' \ ―7 ̄}  |  ー-、   /
 (__  (|フ)   (__ノ  _ノ  ∨`  ノ  /  /     _ノ    \_

    ─┼-        /   |   ‐┼-   |     ー|―
    ─┼─ |   \ レ  /   ̄Tー  /      ノ -─
   (二フヽ  \/    _ノ   (二フ\  ヽ_ノ   / 、__

     i';i
    /__Y
     ||真||                   /⌒彡
  _ ||露||         /⌒\     /冫、 ) ・・・・・・。
  \ ||  || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ `./⌒ i `  /ゝ    _,,..,,,,_
  ||\`~~´  (NEET)       \( >     ('\\  ./ ,' 3 `ヽーっ ・・・・・・。
  ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄\`つ    ⌒ _) l   ⊃ ⌒_つ
     .|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||                `'ー---‐
( 'A) ・・・。 〃∩ ∧_∧        <⌒/ヽ___
/(ヘ)ヘ    ⊂⌒(  ・ω・) ・・・。  <_/____/ zzzz・・・
         `ヽ_っ⌒/⌒c


285ジョー・サージェント:2008/09/09(火) 19:58:22 ID:g6XplY9t
ジム・キャリー主演 ケーブル・ガイもひどかった。
286書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/09/09(火) 20:53:44 ID:SvATBytQ
ジョーよ、
君が買ったのはDVD「ゴッドファーザーPart3」?
二匹目どころか三匹目の泥鰌だし、
(しかも「2」からの時間経過も長い)期待していなかったのだが、
予想外の迫力溢れるドラマに魅せられた。
ところで、ジョーよ、
君が涙したのはドラマの出来に失望したから(こんなものに銭をはたいてしまった)、
あるいは、コルレオーネ家の新たな悲劇に対してか?
287ジョー・サージョント:2008/09/09(火) 21:35:53 ID:f8a25HKt
ミス住の守備範囲の広さに驚く。
まさに鬼才。
288ジョー・サージェント:2008/09/09(火) 23:15:24 ID:g6XplY9t
そこは魔神とは意見の分かれるところであるが俺はゴッドファーザーの
続編としては正直ガッカリしたんだ。それ程前二作が神だった・・・。
ドラマの出来やコルレオーネ家の新たな悲劇に涙したのでもない。
押し寄せる時代の波にどうする事もできない糖尿持ちのパチーノの役柄に
ガッカリしたんだ。
哀愁と言われれば哀愁とも言えるだろうが・・・。
がしかしあくまでゴッドファーザーのブランドがあるからガッカリしたんで
あって単体として割り切れば重厚なドラマと言える(残念ながら俺は認められないが)。
289ジョー・サージェント:2008/09/09(火) 23:34:20 ID:g6XplY9t
最近観たサスペンスでは大いなる陰謀が意外に良かった(レビューでは散々だが)。
グッドシェパード、クローバーフィールド、ノーカントリーはイマイチ。
最近のアカデミーってタイタニック以降辺りからつまらんのばっかだよな・・・。
ブロークバックマウンテンが落とされたりディパーテッドが獲ったり意味わからん(これはこれで好きだけど)。
290ジョー・サージェント:2008/09/09(火) 23:35:50 ID:g6XplY9t
スレチだったな。ちとヒートしすぎた。
291名無しのオプ:2008/09/10(水) 10:07:10 ID:JZ92csdt
いやいいんだよ。どうせ過疎スレ、ギチギチにルールに縛られねばならない理由はどこにもない。
スレの活性化の方がよほど大事だよ。
292名無しのオプ:2008/09/10(水) 12:23:25 ID:r68PdS5I
匿名希望の書斎w
293ジョー・サージェント:2008/09/10(水) 13:21:26 ID:VB9DF5r2
>>291
言われてみれば確かに・・・スレの活性化が第一ですな。
294名無しのオプ:2008/09/10(水) 13:41:35 ID:r68PdS5I
言われないとわからないバカwwwwwwwwww
295名無しのオプ:2008/09/10(水) 14:15:03 ID:iwSvKzHr
コテハン占有・馴れ合いスレか
もうちょい泳がせてからバッサリだな
296名無しのオプ:2008/09/10(水) 15:49:58 ID:yQHAB7CW
ジョーさんよ、その調子その調子。
おそらく最悪板から来ただろう荒らしの妨害工作がひどいだろうが、盛り上げていこう。
297ジョー・サージェント:2008/09/10(水) 17:15:57 ID:VB9DF5r2
うむ、下劣な荒らしに負けるわけにはいかないな。
298名無しのオプ:2008/09/10(水) 22:36:45 ID:Hoj/N1ab
もうこのスレも次スレいらないな。
299名無しのオプ:2008/09/10(水) 22:51:02 ID:4/rQrFlW
>>289
そう?
今年のアカデミー本命バトルだった
『ノーカントリー』対『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
は久々のゴールデンカードだと思ったけど。

実際、海外では両作品ともそれぞれの監督の最高傑作として
評価が尋常でなく高いし。
300ジョー・サージェント:2008/09/10(水) 23:19:49 ID:VB9DF5r2
>>299
まあそこは欧米との感性の違いかな。
そりゃ評価が高いのは重々承知してる。
ゼア・ウィル・ビー・ブラッドは観てないからなんとも
言えないがコーエンはやっぱファーゴが最高傑作じゃないか?
ノーカントリーは自分が期待しすぎてた感はあるが・・・。
301名無しのオプ:2008/09/11(木) 02:28:55 ID:AvzNjRdp
>>300
日本だとコーエン最高傑作がファーゴ派とノーカントリー派に割れるよな。
海外だとノーカントリーが一貫して批評家・一般人の両方から評価高いよな。
302名無しのオプ:2008/09/11(木) 05:54:25 ID:D/rBpuzG
ワザとらしい自演が続いてるなw
303ジョー・サージェント:2008/09/11(木) 13:53:14 ID:iq7iIoul
>>301
何故だろう二度観るとまた違う良さが見えてくる感じかも。
まあ殺し屋のキャラがたってたのはわかるけどなぁ う〜ん。
304ジョー・サージョント:2008/09/11(木) 14:04:32 ID:fnjf2Rk9
それで?
305書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/09/13(土) 17:03:02 ID:gh8EyMPJ
レーモン・クノー「地下鉄のザジ」を読んだ。
「文体練習」で著名なレーモンの最も有名な創作と言い得る。
邦訳とはいえ、本作にも十八番な文体実験を数々見て取ることが出来る。
パリの叔父の家に預けられた少々柄は悪いが元気少女ザジの2日間の冒険談
(あるいは非常に凝縮されたビルドゥンクス・ロマンか)とも読めるが、
夜警でありながらなぜかダンサーの叔父ガブリエル、
その妻で男装ならぬ女装の麗人(?)マルスリーヌ、
嫁募集に賭けるタクシー運転手シャルル、
そしてザジにくっついて登場する謎の男等々、
とにかくキャラ全員が、けつ喰らえな面白さだ(w
ところで地下鉄は??
306ジョー・サージョント:2008/09/13(土) 17:27:11 ID:zp06VPfW
それで?

307名無しのオプ:2008/09/13(土) 20:06:02 ID:2B2mr9o5
>>304>>306
騙りはやめろや。
308名無しのオプ:2008/09/13(土) 20:34:57 ID:ii6fJ0ZZ
弱虫の書斎くん
309ジョー・サージェント:2008/09/13(土) 20:55:11 ID:ouy3mtrr
俺ほどのカリスマがあればニセモノが出てくるのも自然の摂理であろう。
310名無しのオプ:2008/09/13(土) 21:03:10 ID:hMbcmHnI
バカは真似しやすいんだよwwwwwwww
311ジョー・サージェント:2008/09/14(日) 19:14:18 ID:7/ZYRQMF
いや違うよ 絶対カリスマのせい。
俺にはわかる。
312 ◆XjFtIkbasQ :2008/09/16(火) 23:41:27 ID:8ooh8IfT
梶龍雄『幻狼殺人事件』(1984→1987、徳間文庫)【6.5点】

群馬の黒檜村で発見されたニホンオオカミの死体。
平家の隠里。未調査の鍾乳洞。戦中に起きた猟奇殺人事件。
密室状態の村から持ち出された村の寺宝。

とりあえず、出てくる小道具にはワクワク。伝奇+本格+意外性を狙ったと思うが、
近年の大長篇の本格物を読みなれているので、どの要素もいまひとつ物足りない。
とくに伝奇要素は、荒唐無稽でいいからもうちょっと大風呂敷広げて欲しかった。
313 ◆XjFtIkbasQ :2008/09/16(火) 23:49:42 ID:8ooh8IfT
黒川博行『切断』(1989→1994、新潮文庫)【7点】

入院中に惨殺された男の遺体の耳は切断され、口には別の男の指が差し込まれていた。
そして次の犠牲者の遺体には耳が押し込まれ、代わりに舌が切断されていた・・・

メイントリックは解かり易い。書かれた時代もあってか、サイコな犯人像もやや定型。
だが、短い分量ながら読み応えはある。もうちょっと刑事の個性を際立たせてもよかったかも。
314 ◆XjFtIkbasQ :2008/09/20(土) 00:34:36 ID:Sl2uSve7
皆川博子『相馬野馬追い殺人事件』(1984→1990)【6点】

相馬で行われたイベントの最中に発見されたスナック店主の死体。
現場で起こった投石事件で落馬し負傷した喬雄は、犯人探しに奔走するが、
偶然居合わせた戦中の「模擬内閣」の老人たちが次々と不審な死を遂げ・・・

いかにもご当地モノ的なタイトルだが、戦時中の事件を絡ませた物語は
なかなかに読ませる。ただ、ある重要な事件の真相が拍子抜けなのと、
人物関係にご都合主義的なところがあるのが残念。
過去の因縁話や、被害者の身元を手繰っていく過程がおもしろかったので、
もう少しそこを膨らませてもよかったかなあ。
315書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/09/20(土) 11:03:27 ID:fQ8XQAH5
笹本稜平「越境捜査」を読んだ。
昨夏、ちょっと評判になった国産警察小説(俺が好きなモジュラー・タイプではない)では
あるが、オフ落ちまで手に取らないで正解だったという感がある。
漫画、アニメ、Vシネとか好きな連中のウケを狙ったかのようなキャラ立ち過ぎるメーンキャラたち、
物語のポイントとなる部分で連続する極端な偶然性の連続には、読んでいて萎えることおびただしいものがあるし、終盤のラスボスの登場などそのまま「漫画」である。
なんで御大みずから出て来る必然性があるのかと・・・
警察組織の裏金問題という着眼点は面白く、リアルで面白い作品に仕上げることが期待出来る
ネタであるにもかかわらず、大衆小説にカタルシスのみを求めるアホな読者に迎合した結果が
コレである。かなわぬ思いではあるが、本邦悪徳警官ものの傑作「夜の終わり」等数々の警察小説
(ちゅーか、刑事小説)をモノにした結城昌治氏が存命であればという感を強く持った。
316名無しのオプ:2008/09/20(土) 11:48:25 ID:JY+77xKG
相変わらず酷い文章だな。
下書きにもなってないw
317名無しのオプ:2008/09/20(土) 21:30:29 ID:BF1CjPEL
>>316
教養が欠落しているからそんな見当外れが言えるんだろうな。
318名無しのオプ:2008/09/20(土) 21:40:19 ID:B9YUKpsB
>>317
そうだよな。書斎にほんの少しでも教養というものがあったら
あんな見当外れの下書き未満なんか投稿する気にはならんよな。
319名無しのオプ:2008/09/21(日) 01:45:28 ID:tjk+mtR9
 || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
 || ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
 || ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
 ||  ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
 || ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
 ||  与えないで下さい。                  ΛΛ
 || ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて   \ (゚ー゚*) キホン。
 ||  ゴミが溜まったら削除が一番です。       ⊂⊂ |
 ||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_      | ̄ ̄ ̄ ̄|
      (  ∧ ∧__ (   ∧ ∧__(   ∧ ∧     ̄ ̄ ̄
    〜(_(  ∧ ∧_ (  ∧ ∧_ (  ∧ ∧  は〜い、先生。
      〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)
        〜(___ノ  〜(___ノ   〜(___ノ
320名無しのオプ:2008/09/21(日) 11:28:57 ID:p5ub7AGB
>>315
先日ドラマ版をTVで見たので参考になった。
321名無しのオプ:2008/09/21(日) 12:38:27 ID:eXsWPD7U
なんだドラマを見て感想をデッチ上げたのかw
322名無しのオプ:2008/09/21(日) 19:21:35 ID:osaDsfjb
なんでそういうコテハンを貶める発言をするかなあ。
323名無しのオプ:2008/09/21(日) 20:25:55 ID:ID8XyfHj
なんで匿名で書き込むかなあw
堂々と名乗れよ。
324名無しのオプ:2008/09/21(日) 21:00:36 ID:QR230Vzk
森博嗣『今はもうない』(講談社文庫)

森作品は『すべてがFになる』しか読んでなかった。
読後いろいろ調べていたら、
御手洗シリーズしか読まずに『竜臥亭事件』を読んでしまったような損をしたらしい。
でもメインの仕掛けは途中で気がついたので、それほどの損でもないと思う。

むしろすべFの作者がこういう文章を書けるんだ、ということの方に驚き。
ここまで女のセリフを、自然にさらっと書けるのに感服した。
個人的に、西之園嬢は加藤あいのイメージなんだがどうだろう。
325ジョー・サージェント:2008/09/22(月) 01:57:59 ID:fwyd1E3H
宮沢賢治いいよな〜。
天才だよ彼は。
涙なくして読めない作品の多いこと多いこと。
貴様等鬼畜にはこの感覚はわかるまい・・・。
そんなお前達に同情を禁じ得ない。
326ジョー・サージェント:2008/09/22(月) 01:59:26 ID:fwyd1E3H
村上春樹の最高傑作はハードボイルド。
異論は認めない。ノルウェーは凡作。
327名無しのオプ:2008/09/22(月) 08:10:12 ID:sjrQNGOh
>>324
もったいないことをしたなあ。
328 ◆XjFtIkbasQ :2008/09/22(月) 15:42:19 ID:2mH4QaS1
誉田哲也『アクセス』(2004→2007、新潮文庫)【7点】

次の登録者を紹介すると、携帯もネットも無料になるという「2mb.net」。
そのサイトを教えてくれた親友が自殺を遂げたことにショックを受ける可奈子だが、
やがて携帯に「お前が殺した」という謎の声が聞こえ始め・・・
第四回ホラー・サスペンス大賞「特別賞」受賞作。

よくある携帯系ホラーめいた導入から、物語はどんどんキテレツになっていく。
これを「先読みできない」とするか「荒唐無稽」とするかは読者によるかも。
文章がたまにマンガチックな点は気になったが、個人的には楽しく読めました。

例の「世界」での修行やバトルがあっさりしていたのはページ数の関係かもしれないが、
選考委員も褒めてたように、ラストの物語的「着地」は上手く決まった感じ。
329名無しのオプ:2008/09/22(月) 21:44:54 ID:T5VAVn69
荒らしの読後感が消えたと思ったら、今度は変なトリップ付き名無しが居ついた。
つくづく恵まれないスレだなあ。
330名無しのオプ:2008/09/22(月) 21:53:12 ID:T/nFPL2X
同意。
あと、書斎の落書きもな。
331名無しのオプ:2008/09/23(火) 09:12:16 ID:hUHw26fT
書斎の論評は評価できると思うが。
332名無しのオプ:2008/09/23(火) 09:25:49 ID:142/Qt4V
朝から自演。
333名無しのオプ:2008/09/23(火) 12:13:37 ID:kUNaKjeU
確かに書斎の論評まがいは評価できるね。
こんな低レベルな文章を書くべきではないという悪い見本としてね。
334ジョー・サージェント:2008/09/23(火) 22:25:00 ID:Smsbw/vd
黙れ小僧!悔しかったら魔神ほどの知識を得ろ!
335名無しのオプ:2008/09/23(火) 22:30:49 ID:kUNaKjeU
読んだと称する本の主人公の性別を間違える程度の知識なぞ無意味w
336ジョー・サージェント:2008/09/25(木) 01:40:39 ID:vyEAsuko
黙れ黙れ!俺が黙れと言ったらただひたすら黙れ!
337名無しのオプ:2008/09/25(木) 17:47:00 ID:Kzl6WqWr
>>329
感想書くスレにずっと粘着して、感想書いてるだけの人を叩くお前は意味不明。
正直書斎よりウザイ。自演じゃないとすれば。
338ジョー・サージェント:2008/09/25(木) 21:01:14 ID:os95Kj1l
みんな何故仲良くできないんだい!?
先生悲しい・・・相手の立場にたってモノを考えるんだ!
簡単な事じゃないか!みんなブラザーだよ!
339名無しのオプ:2008/09/25(木) 22:43:55 ID:gKbdiz/3
「葉桜の季節に君を想うということ」

うーむ・・・・
良くできましたパチパチって感じだな。

素晴らしくはない。
340名無しのオプ:2008/09/27(土) 14:41:09 ID:fgG+66iE
女ともだち・孤虫症(真梨幸子)よみました

途中まではスラスラ読めたけど、ラストまでに盛り上がりなしで読後、何も残らなかった

「メタボラ」・・・・登場人物やエピソードがありそう、こんな人いそう!って感じで面白く読めた
「ダーク」・・・読まなきゃよかったと思った。OUTから主人公の中年のおばさんがどれも同じ人間に見える
「柔らかな頬」・・・ミステリーは、金払って読んでくれた読者に敬意を表す意味もこめて、謎解きは必ず示すべき これはルール違反もいいとこ
(以上、桐野夏生)
341読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/09/30(火) 17:09:19 ID:XC1YfhlM
「運命交響曲殺人事件」由良三郎(文藝春秋)

高明な指揮者を招いてのアマチュアコンサートの最中に突如指揮台が
爆発し、指揮者他数名が死傷するという事件が発生。現場に居合わせた
地元県警の白河警視は部下達と共に真相究明に尽力するのだが……。

綾辻の良き理解者として知られる医者上がりの遅咲き作家のデビュー作。
まあ、イマイチですわ。単純なアリバイ崩しじゃなくて、爆破のトリック
とか持ち運びのトリックとか動機とかフーダニットとかにポイントを
置いていることは良いとしても、爆破トリックはユニークではあるが
面白味に欠け、持ち運びトリックはユニークでも意外でもない。
動機も引っ張った割に捻りが無いし、犯人も描写のせいで驚きが薄い。

総じて地味であり、これが大賞を獲ったというのは首を傾げる。
342読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/09/30(火) 17:12:38 ID:XC1YfhlM
「綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー 1」(講談社)

DJならぬMJと称し、曲ならぬ短編を挿入しそれを交えて
ミステリ観を語るというアイディアは大変面白かった。
収録された短編の中では「開いた窓」「残されていた文字」の
ショートショート2編の切れ味と、「ヨギ ガンジーの予言」の
トリック、「ガラスの丸天井付き時計の冒険」のロジックに
感心した。南條範夫の意外な作品も読めたのも良かった。
MJの対談はちょっと取り止めが無さすぎる気もするが、続編も楽しみ。
343読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/10/01(水) 17:22:39 ID:2x5upQ2L
「しらみつぶしの時計」法月綸太郎(祥伝社)

ノンシリーズ短編集。単行本でのりりん読むのは生首以来なり。
玉石混淆と言ったところか。この人の良いところは
からくりが理解しやすいところだね。一見複雑に見えても
解決が提示されれば成程と腑に落ちるもん。「ダブル・プレイ」や
「盗まれた手紙」はその好例。パスティーシュの「幽霊をやとった女」も
良い。あからさまなのはどうかとも思うけど。表題作の論理に
こだわったプロットも好きなんだけど、ラストが惜しい。
後奇妙な味は向いてないと思う。
344 ◆XjFtIkbasQ :2008/10/02(木) 03:36:20 ID:cHqjY38s
岩井志麻子『ぼっけえ、きょうてえ』(1999→2002、角川ホラー文庫)【7点】

第6回日本ホラー大賞の表題作以下、「密告函」「あまぞわい」「依って件の如し」
合計4篇を収録する短篇集。

初シマコ。意外とあっさりした描写にやや拍子抜け。
どれも特異な道具立てを用いるわけではないけれど、そこそこ楽しめた。
村内に流行るコレラを扱った「密告函」がいちばんおもしろい。
345名無しのオプ:2008/10/02(木) 18:20:11 ID:EH1c9wa+
ニュース
346名無しのオプ:2008/10/02(木) 19:57:53 ID:CxqgDtKn
>>342-344
いい加減にしろ。海外スレを潰した張本人がよくもいけしゃあしゃあと。
スレ住人にとっては荒らしそのものなんだよクソが。
347名無しのオプ:2008/10/02(木) 20:07:13 ID:L/Sa51tb
島田荘司『最後の一球』

うまい漫画家が鉛筆orミリペンで描いた漫画。その小説版という感じがする。
従来の御手洗シリーズに見られたような、挑戦的な姿勢はかけらも見えない。
ミステリとしては微妙なレベル。
しかしこの一見無駄が多い感じに、作者の積み重ねてきた芸が見えて感慨深い。
一人称で犯人に独白させたら相変わらず上手いねこの人は。
348名無しのオプ:2008/10/03(金) 00:42:09 ID:WLQM2fil
>>346
お前こそいい加減にしろ。
感想スレに感想書くのは当たり前だろ。
国内スレで魔神が延々海外ものの感想書いてた時も雑談してた時も
しれっとスルーしてたして、感想書いてるだけの読後感だの
トリップの人だのには意味不明に噛みついてくるお前こそが
最低の荒らしだ。
349名無しのオプ:2008/10/03(金) 00:56:09 ID:E1JbAZvg
>>348
気持ちは分かるが、スレではスルーして、削除依頼を出すべき。
350名無しのオプ:2008/10/03(金) 01:03:32 ID:WLQM2fil
了解
351名無しのオプ:2008/10/03(金) 02:03:20 ID:6RItiJa/
書斎魔神の書き込みの間違いを指摘したレスに対してまでも
「コテハン叩きだ」「ルール違反だ」と噛み付いてくる奴が
いるが、同じIDが他のスレではコテハンを叩きまくっている
という事実w

失礼ながら読後感氏は平凡な感想しか書いていないし、特に
称賛されているコテという訳ではないと思うが、その人物に
とっては「嫌われていないコテ」というだけで、死ぬほどの
憎しみの対象なのであろう。

自分がなりたくて堪らないのに、絶対になれない存在だから。
352名無しのオプ:2008/10/03(金) 21:57:01 ID:8JJNZEoa
黙れ・・・
353名無しのオプ:2008/10/04(土) 00:13:17 ID:vvoUe9Ge
>>351
スルーしろアホ
354名無しのオプ:2008/10/04(土) 05:17:58 ID:gyxLWFEc
おそらく書斎魔神は、最初に書き込んだときには
「ミステリに詳しいオレ様が書き込めば、みんな驚いてひれ伏すに違いない」
「何でも読んでると書いておけば、2ちゃんねらーどもは恐れいるだろう」
ぐらいの気持ちで、ここ(2ちゃん)なら認められる、一目置かれる、
チヤホヤされると期待していたんだろうな。

井の中の蛙なんとやらで、書斎魔神程度の読書量ではお話にならないことが
まったく分っていなかった。総スカンを食って初めて気付いたが後の祭り。

「さすが書斎さん」だの、「書斎の論考でスレが引き締まったね」だの、
「トップコテハンだけのことはある」といった名無しでの自己讃美レスは
「こういう反応をしてもらえると思った」のにしてもらえなかったから
仕方なく自分で書いているわけだ。

書斎のレスを見てそんな反応をする人がいる訳がないから、自作自演で
あることはバレバレだけど、なりふりかまってはいられないんだなw
355書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/10/04(土) 14:52:34 ID:gluaOjs8
秦郁彦「現代史の虚実」を読んだ。
これもまた、日夜、密室や意外な犯人ネタに読み耽っているアホなミスオタ連中に突き付けて
読ませたい1冊である。
1次資料を重んじる実証主義の歴史家が沖縄集団自決(大江裁判)、南京大虐殺、
従軍慰安婦問題、靖国参拝等、近年の現代史トピックに関して自在に斬りまくる。
資料無し(例えば、日本軍の慰安婦強制連行の史実を証するものは存しない)に流布される
俗説を資料をもとに論理的に否定してゆく展開は、良く出来た本格ミステリに通じる興趣に溢れた
ものがある。
島民が生活の糧となる援護年金を得られるように生き残った軍人の協力を得て自決命令が
あったかのように装ったという「沖縄集団自決」問題の真相には、浅はかなミステリには
ない謎解きの「重さ」を感じさせるものがある。
また、元宮内庁長官のメモ(富田メモ)に描かれた巷間に伝わる昭和天皇のイメージとは異なる
アクティブな姿勢には、あらためて驚かされるものがある。
小ネタでは「暗号解読と陰謀史観の盲点」の章にある「情報マンとしての杉原千畝」で触れられて
いる関東軍樋口季一郎少将をリーダーとするユダヤ人保護の全貌が、いまだに不明というのは
意外そのものであった。(手塚治虫「アドルフに告ぐ」もこのエピに触れられている)
5部構成の本書だが、第4部は産経新聞のコラム(「正論」)を纏めたもの、第5部は軽いエッセイ風
の読み物を集めたものであり、非常に読み易いので、難しい話が苦手なミスオタ諸兄はこの辺から
読んでみれ。
今時のインテリにしては凄まじい愛煙家であったり(第5部で禁煙問題だけで3本のエッセイが
収録されている)、朝ドラ「純情きらり」の時代考証にケチをつけてみたり、
「義経の周囲」という書を推した部分で、
「NHK大河ドラマで、石原さとみが舞った静御前のあで姿も忘れられない」と書いてみたり、
この著者はなかなか面白い爺ではなかろうか?
しかし、本書で取り上げられたネタは、昨年、一昨年のトピックとも言い得るものにもかかわらず、
米のサブプライム問題に端を発した米大手金融機関の破綻等による経済問題のクローズアップ
により、既に随分と昔の話に感じられるのは時代が持つ「早さ」ゆえであろうか。
356書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/10/04(土) 14:53:21 ID:gluaOjs8
原宏一「床下仙人」を読んだ。
90年代後半に書かれた作品を纏めたものであり、現時点で見れば一時代前の作品集なのだが、
ハッピーエンディングで統一された読後感が良さ(この点が私のような文学愛好家には
物足りない面でもあるのだが)は、今でも楽しめるものがあり、文庫化もされ版を重ねているのは
それなりに納得がゆくものがある。
それでは大好評な全話講評いってみよう!!
「床下仙人」
マイホームの床下に誰か住んでる・・・屋根裏の散歩者ならぬ床下の居住者ネタである。
タイトルにある床下の仙人の正体、そして多忙な商社マンである主人公の顛末は
トンデモちゅーか、ファンタジック。
「てんぷら社員」
てんぷら学生というワードを知っているのは50年代生まれの筆者ならでは。
ハイテク社会を背景にした収録作品中ミステリ色が最も色濃い作、
ありそうで無さそうな奇談の魅力が光る。
「戦争管理組合」
筒井堂がこのネタで書いていればもっとシニカルなオチになっていたのではないかと思わせる作。
管理組合規約に関する知識が妙に正確だったり、作者はマンション居住者か。

「派遣社長」
派遣社員の急増する現時点でも、十分にエスプリが効いた作。
超近未来SFタッチとでも称すべきテーストが魅力。
「シューシャインギャング」
これは身近なメルヘン的作。
今ではリストラ50男と家出JK(高1)のSEX抜きの疑似家族コンビという設定が嘘臭く成り過ぎて
しまうであろう。
357名無しのオプ:2008/10/04(土) 15:13:22 ID:HZmCaMr2
相変わらず酷い文章だな。
下書きにもなってないw
358名無しのオプ:2008/10/04(土) 15:39:49 ID:FjHyjYjz
資料 歴史家

読んでないこと確定
359名無しのオプ:2008/10/04(土) 17:08:10 ID:QpBh9SZf
ここは書評書評スレかw
360名無しのオプ:2008/10/04(土) 20:02:16 ID:rOhe6gyo
読後感やトリップ付き名無しを批判するとものすごい勢いで反論が返ってくるが(w、
>>357>>358には何も言わないのな(w
361名無しのオプ:2008/10/04(土) 20:18:26 ID:n7hzpZqD
嫌われてるってのは悲しいな、書斎クン。
362名無しのオプ:2008/10/04(土) 20:33:54 ID:WusqnSa2
>>360
どこかのアホ馬は名無しで自画自賛しているけれど
我々にとっちゃわざわざ同意と一言だけのレスをつけることになんか意味ないからね。
363名無しのオプ:2008/10/04(土) 20:58:47 ID:RQmWOxAw
>>360
>読後感やトリップ付き名無しを批判すると

>>346 はオマエか。
自白乙。
364名無しのオプ:2008/10/05(日) 01:11:02 ID:ozT9n3zN
 || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
 || ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
 || ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
 ||  ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
 || ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
 ||  与えないで下さい。                  ΛΛ
 || ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて   \ (゚ー゚*) キホン。
 ||  ゴミが溜まったら削除が一番です。       ⊂⊂ |
 ||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_      | ̄ ̄ ̄ ̄|
      (  ∧ ∧__ (   ∧ ∧__(   ∧ ∧     ̄ ̄ ̄
    〜(_(  ∧ ∧_ (  ∧ ∧_ (  ∧ ∧  は〜い、先生。
      〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)
        〜(___ノ  〜(___ノ   〜(___ノ
365sage:2008/10/05(日) 02:43:53 ID:GrFQDkj6
永瀬隼介「無人地帯」読んだ方おりませんか
366名無しのオプ:2008/10/05(日) 10:35:41 ID:UN9aNyNc
夏樹静子
天使が消えていく
三度目久しぶりに読み返した
ときどき無性に読みたくなる本
367名無しのオプ:2008/10/05(日) 12:50:07 ID:AmLpdw5k
>>360
だって事実だもん
368名無しのオプ:2008/10/05(日) 17:54:21 ID:fooYU8uR
>>365
今、手元にある。
8日から読む予定。
ちなみに今日は、大倉崇裕「生還」読んでる。
369 ◆XjFtIkbasQ :2008/10/06(月) 01:19:35 ID:3o7rlglq
井上ひさし『十二人の手紙』(1978→1980、中公文庫)【7点】

書簡形式でつづった12人の物語+1。
ミステリー仕立ての物語もあるが、たいていは皮肉なオチでおわる。
短篇集自体の仕掛けについては某スレで言われていたので期待したけど、
ちょっと思っていたのとは違ったかな。
個々の物語はそれぞれ工夫があって楽しめた。
370 ◆XjFtIkbasQ :2008/10/11(土) 12:47:47 ID:AMAkZNeW
小杉健治『原島弁護士の愛と悲しみ』(1986→1989、文春文庫)【6点】

表題作ほか「紅い記憶」「冬の死」「愛の軌跡」「牧原博士、最後の鑑定書」収録。

世評高い短篇集だけど、調書を多用した説明文の羅列にちょっと困った。
小説として面白くないし、個々の短篇のツイスト自体もひとひねり足りない。
この作者の小説はいくつか読んだけど、やはり長篇向きなのかな。
371書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/10/11(土) 22:04:43 ID:qWLOv/Yd
ローラン・トポール「幻の下宿人」を読んだ。
嘗ては、早川書房ブラックユーモア選集に収録されていた異色作。
この選集、読書人の間では論議が多いものであったが、
果たして現代において本作を「ブラックユーモア」と言うか否かは疑問な点もある。
(この事は同選集に収録された他作にも該当することであるが)
この点はともかくとして、サイコ・ミステリあるいはサイコ・ホラーとして読み、
(ラストをいかに読み解くかにより、この辺は変わって来るやに思う)
あるいは三人称で書かれた狂人の物語として見るとそれなりに面白いものはある。
何しろ主人公(トレルコフスキー)は、部屋探しだけのために会社に3日も年休を申請するDQN、
(どんな国、どんな時代でもNGな香具師かと思う)
文字どおり、おかしな奴がおかしな世界へじょじょに突入してゆく様が淡々と綴られてゆくのが、
恐く、この点で、より主人公の内面にアプローチ可能な一人称という形式をとらず、
あえて三人称という客観的視点を用いたことが成功しているやに思えるのだ。
そう、トレルコフスキーは、正にネット社会無き60年代の2ちゃんねらー(DQN&キティ)なの
やもしれぬ。
372名無しのオプ:2008/10/11(土) 22:44:37 ID:8HfmjZPF
ローラン・トポール「幻の下宿人」が国内作品とは知らなかったな。
いったい何を読んでいるんだかw
373名無しのオプ:2008/10/11(土) 23:02:23 ID:g5DvVurg
海外スレが読後感という荒らしコテによって潰されたからしょうがないんだよ。
374名無しのオプ:2008/10/11(土) 23:06:32 ID:8HfmjZPF
海外スレは既に立っているし、コテハン叩きは禁止なんだろ?
頭の悪いこと言ってないで謝罪のひとつもしたらどうだ?
375読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/10/12(日) 12:14:58 ID:Ca78Zf4q
「瞬間移動死体」西澤保彦(講談社)

生来の怠け者である中島は、売れっ子作家の妻に養って貰う生活に
満足していた。妻が禁断の言葉を口にするその時までは。全てを
投げ売って妻を殺す決意を固めた中島には、
完璧なアリバイの元に殺人を遂行する自信があった。何故なら――。

初西澤。瞬間移動という禁じ手を用いて書かれたSFミステリ。
以前「生ける屍の死」を読んだ時は今一ピンと来なかったが、これは
素直に楽しめた。あくまでも部分的な要素だからだろうかね。
移動出来るのは本人のみ、しかも裸で、代わりに目的地から出発地に
何かが運ばれてくるという独自の設定を使ってよく盲点を衝いている。

でも実は本作を読むに至った理由はミステリーとは別にあって、
それに関しちゃ不満が残った。
1、奥さんの描写がイマイチ
2、行為の描写が無い
3、過程が飛ばされている
他にもこういう要素があるのかな?
376書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/10/12(日) 16:37:25 ID:4l5PB7ll
講談社文芸文庫の梅崎春生「ボロ家の春秋」を読んだ。
50歳での早逝が惜しまれる才あった私小説作家であるが、
アンソロジイに収録されるミステリの著作もあり、純文学の作品集である本作にもその傾向は
覗われる。
大好評な全話講評逝ってみよう!!
「蜆」
(鳴く)蜆ネタでもっとホラー風に書ける話なのが惜しいと思うてしまうのは、
エンタメに毒された身ゆえだろうか・・・
「庭の眺め」
これはミステリ色が無い短めで典型的な私小説風作品。
隣家の古畑夫妻(大八郎&ネギ 注 任三郎ではない(w )の言い知れぬ存在感に
見られる人物描写の巧さ、
「・・まるで庭中が馬になったような感じ」等、この作者特有の表現力の面白さがコンパクトに表出
された佳作かと思う。
「黄色い日々」
これもサイコホラー風に書ける話とか思うてしまう。
「Sの背中」
これはフランス・サスペンス・ミステリ風に書ける作かも。
Sの背中の秘密は遂に明らかにされぬまま終わるのだが・・・
「ボロ家の春秋」
直木賞受賞作品にして作者の短編代表作。
通常は私小説風の評価しかされないが、借地・借家関係、不動産売買に関連する詐欺等の
法律ネタが絡むメーンストーリーであり、リーガル・サスペンスとしての観点から読み解くのも
面白いやもしれぬ。
「記憶」
人間の記憶をネタにしたサイコミステリ風とも読める一編。
タクシー運転手とのいざこざのエピをはじめ妙なスリルがある作である。
「凡人凡語」
妙な狂人も登場するし、クライムがあってもおかしくないワールドを描きながらも、
世間から隔絶した飄々とした主人公のキャラが「それを許さない」感があるのが、
いかにもこの作者らしいものがある。
377名無しのオプ:2008/10/12(日) 18:17:35 ID:IYyiOyI+
アホの下書き
378名無しのオプ:2008/10/12(日) 18:26:00 ID:RZN+RLU+
誰でも興味を持って、すぐ手に取るような本ではいろいろとマズいのだろう。
379名無しのオプ:2008/10/12(日) 19:33:40 ID:TwOa4kea
長いな
パッポンしようと思ったが
パーッと読む気もしない
380名無しのオプ:2008/10/13(月) 02:55:13 ID:W05Rq9+e
広い読書。
さすがは魔神さんだ。
381名無しのオプ:2008/10/13(月) 08:49:56 ID:CPHKSWIQ
ジョーカーゲーム 柳広司
あまり期待してなかったけど、面白くて一気に読んだ
結城魔王カッコよすぎ
382名無しのオプ:2008/10/13(月) 08:51:43 ID:odHvWMdH
>>377>>378
読後感だね。
激しく同意。
383名無しのオプ:2008/10/13(月) 09:44:40 ID:TU8AzXa7
コテハン叩きはやめろやクズ。
384名無しのオプ:2008/10/13(月) 10:47:56 ID:u9GEwaJZ
>>382
書斎さん、痛いところ突かれたねw
385名無しのオプ:2008/10/13(月) 10:55:42 ID:ES7Vy5QW
380のように尊敬されたいと思っていたんだろうけど、
ミス板で他ジャンルの本を読んだと自慢するのはあまりにも痛々しい行為だな。
普通の人は例えば純文学ならば文学板で語るしSFならばSF板で語る。
ミス板で他ジャンルの本についての感想書くのはあまりに自慢が見え透いて
軽蔑されるばかりだぜオッサンw
386名無しのオプ:2008/10/13(月) 10:57:50 ID:rooBU94H
SF板では最近漫画を読んだ話ばかり(しかも漫画でさえ中身には触れない)してるんだよね
387名無しのオプ:2008/10/13(月) 13:05:27 ID:c1dapg7g
>>385-386
パッポンでいいよあんなの。レスがもったいないからw
388名無しのオプ:2008/10/13(月) 13:14:11 ID:dAmEu5pF
>>385
俺今日図書館で「百年の孤独」借りてきた
読んだら感想書こうと思うがもちろんここではなく文学板に書く
当たり前の話だよね
ここへ書き込んで「お前らも純文学読め」なんてアホ丸出しの恥さらしなことはしませんw
389名無しのオプ:2008/10/13(月) 13:37:02 ID:odHvWMdH
書斎がやろうとしていることを理解してないアホばかりだな。
書斎はミステリとはいえないものをあえてミステリとして読むという試みなんだよ。
だからここでやる必然性がある。

>>388が凡庸な読書しかできないようなら、その感想をここに書き込む資格はないね。
390名無しのオプ:2008/10/13(月) 13:40:32 ID:MfxOtLYt
>>389
> ミステリとはいえないものをあえてミステリとして読む

別スレでも立ててやってくれ。
391名無しのオプ:2008/10/13(月) 13:41:34 ID:6jKGetN7
荒らしは言い訳もめちゃくちゃだなしかし
392名無しのオプ:2008/10/13(月) 13:46:34 ID:NhQqvTKY
ルールを守る気なんかサラサラないようだしね。

自分の書き込みは称賛されるだろう、と期待していた2ちゃんねるで
逆にボロクソに拙さを指摘されて、逆恨みに凝り固まっている男w
393名無しのオプ:2008/10/13(月) 13:50:23 ID:6jKGetN7
ミステリでないものミステリとして読む試みで書いた文章が

「ホラー風」「ミステリ色が強い」「サスペンス・・・」

があるっていってるだけの文章w
結局あれじゃんかミステリとして読む試みっていうのの正体はミステリとして読める部分を探してみた
っていうだけのことで、「ミステリとして読めます」って結論しかないじゃん。

そんなもんなあ感想スレに書く必然なんかどこにもないわ
394名無しのオプ:2008/10/13(月) 13:50:51 ID:NhQqvTKY
一応、マジレスしておくと、誰が書いているのか分らない2ちゃんでは
「書かれている内容」によってすべてが判断される。

称賛されるべき内容の書き込みならば、自分で名無しで誉めなくても
他の住人から自然と誉められるわけ。

嫌われ、馬鹿にされ、間違いだと嘲われるだけのレスには、それだけの
価値しかないということ。これは絶対の真理なんだよ。
395名無しのオプ:2008/10/13(月) 13:54:49 ID:FFlW5Vjf
スレチなレスして叩かれた。ふざけんな
って事か。おこちゃま丸出しですね。


禁断のパンダ 拓末司
白と黒 横溝正史

前者はこのミス大賞だとかで買った。料理好きだから夢中になって読めた。面白いね。ごちそうさま
白と黒は登場人物多くて読むのに時間かかった。ドロドロした昼ドラみたいな感じがたまらん
396名無しのオプ:2008/10/13(月) 14:22:19 ID:mdgc1dra
>>393
しかもそのことを最悪板だかで
「サスペンスなんて小説全般にあるからミステリーの専売じゃないだろ」
なんて突っ込まれたときわざわざそれをコピペしてきて
「そんなこと当たり前だ」
なんて言い返していたっけ。
だったらそれこそなんで「サスペンスがあるからミステリーとして読める」
なんて理由でここに書き込むんだかw

そのうえ名無しで
「凡庸な読書しかできないようなら、その感想をここに書き込む資格はない」
なんてバカなこと言ってるけど自分自身平板な読み方しかしていないことを理解していないしw
397名無しのオプ:2008/10/13(月) 16:58:20 ID:VaCgIOcK
いい加減スルーしろ
398 ◆XjFtIkbasQ :2008/10/14(火) 00:14:08 ID:LvZZ/zuC
岩井志麻子『邪悪な花鳥風月』(2001→2004、集英社文庫)【7.5点】

女流作家が、マンションの隣に立つアパートの住人たちを題材にして書いた
連作短篇小説、といった体裁をとる「作中作」もの。

いずれも女の妄想を中心に描くが、岡山ものよりこわくてリアル。
第三章の「いずれ檸檬が月になり」はグロテスクで詩的な怖さ。

構成が折原一風だし解説が千街晶之なので、そっち系の真相かなと期待した。
399名無しのオプ:2008/10/18(土) 14:23:38 ID:2aXHIXwE
>>398
おまいもうやめろよ。
園児の感想にすら劣るぞ。
400書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/10/18(土) 14:46:04 ID:Py3REw0n
田村隆一「インド酔夢行」を読んだ。講談社から久々の新装刊行。
日本で何度かあったインドブームのうち70年代から80年代にかけてよく読まれた1冊である。
アガサ作品の翻訳でミスオタにもおなじみの詩人(このことを念頭に置いて読むと、
列車で乗り合わせたフォーサイス読者よりもアガサ読者に肩入れする様が微笑ましく、
「ネパール酔夢行」の終盤で著者がアガサ作品的シチュエーションを夢想する様も面白く読める)
による70年代後半の2度のインド行、ネパール行を収録した、当時としては十分に冒険の名に
値する読み物であると言い得る。
日本のタゴール(?)を称することにし、「インド匂い」の世界へと入ってゆく著者。
文中、20年代後半の米軍大佐の著書が引用され、50年近く経ても(70年代)も不変なインド
への驚嘆が記されているが、近年経済発展が著しく「BRICS」の一角を締め、インド数学等の
教育面も注目されているとはいえ、インドの一般社会(特に庶民レベル)はひょっとして現代でも
そうは変わらないのではないか?
少なくとも、90年代に遠藤周作氏の「深い河」に描かれたインドと本作で詩人が描くインドには
大きな差や変化は感じないのである。
401名無しのオプ:2008/10/18(土) 14:56:14 ID:jOlMEXSH
言われてもわからないバカw
402名無しのオプ:2008/10/18(土) 14:57:46 ID:cFRyBEkK
>>399>>401
書斎だね。
激しく同意。
403読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/10/18(土) 17:05:18 ID:g15bmCsw
「浮遊封館」門前典之(原書房)

ハイジャックされ墜落した飛行機から消えた130人の乗客。
施設から半分ずつ消えてゆく新興宗教の信者たち。
行方不明になる身元不明死体。

日本各地で起きたこれら不可解な事象の数々の一端を知らされた私立探偵蜘蛛手は、嬉々として捜査に乗り出すのだが、真相は
彼をも震撼させるものだった――。

「死の命題」はちょっと造り過ぎて蛇足な部分もあったが、今回は
そういったことは感じずに読めた。本作の見所は大量の人間消失という
途方も無い謎をどう処理するのかという点だと思っていたが、
これに関しては2つ不満があった。

1つ目は、中盤で真相に気付いてしまう点。流石に“あれ”を書いたら
まずいでしょう……と思っていたら本スレで序盤にもっとあからさまな
記述があると知らされ呆然。恥ずかしながら完全に流し読みしていた。
伏線としてはあまりに大胆不適(気付かなかったわけだけどw)。
ただ、最初に指摘したものとは微妙に異なる観点のものなので、
指摘自体は有効かと考える(それでもわざと気付かせてる可能性は
あるけど)。

2つ目は、真相自体が今一つかなと思われる点。これがサイコサスペンス
とかなら全然ありだと思うが、こと本格としてみた場合、舞台装置に
寄りかかっているのではないかと感じた。

結局、読後一番の見所だと思ったのは中盤の雪密室トリックであった。
これは寡聞にして類例が思い浮かばない。見事だと思う。
404名無しのオプ:2008/10/18(土) 23:45:25 ID:2aXHIXwE
読後感は無駄に長い感想文をいい加減やめろ。
スレ容量を潰すな。
405名無しのオプ:2008/10/19(日) 00:12:12 ID:nekGhewd
馬のほうがダラダラ長いし
しかもミステリー以外のものを
サスペンスがあるからとかいう噴飯ものの理由で
ここに書き込んでいる
むしろ馬が出て行くべき
406名無しのオプ:2008/10/19(日) 00:29:46 ID:MmYT2q4o
>>405 同意 書斎は、なぜ自分がつまはじきなのか考えろ。
407名無しのオプ:2008/10/19(日) 00:35:58 ID:MmYT2q4o
読後感=普通のコテハン

書斎馬=荒らし・汚物

                    以 上               
408名無しのオプ:2008/10/19(日) 08:25:08 ID:T11A3Hlp
書斎が凄まじいクソなだけで読後感もクソレベル
409名無しのオプ:2008/10/19(日) 09:10:10 ID:7dlPXyzs
読後感は普通に感想書いてるだけだろ
ウザイけど
書斎は板違いにデタラメにパクリに自演
どうしようもないクソ
410名無しのオプ:2008/10/19(日) 10:54:53 ID:yT5jLMsf
読後感はコテ外せばスレに溶け込んで分からなくなる。
馬のアレはコテ外しても悪臭が漂うからかぐに分かる。
411名無しのオプ:2008/10/19(日) 15:29:57 ID:RtXu5P63
ようするに毒にも薬にもならない読後感の感想なぞ書き込まれる意味すらないということか。
比べて書斎は個性際立ち匿名掲示板での感想発表には大きな意味があるな。
412名無しのオプ:2008/10/19(日) 15:33:34 ID:n39wctc7
火車読みましたよ
まぁ面白いですが絶賛されるほどじゃないですね。
宮部みゆきの代表作みたいですが他の作品を読みたくなる感じはしませんでした。
413名無しのオプ:2008/10/19(日) 15:42:04 ID:MfJ1WqVD
宮部みゆきは人によって「一番好きな作品」が異なるみたいね。
人気高いのは「火車」だけど、自分は「龍は眠る」が一番好きだな。
414名無しのオプ:2008/10/19(日) 18:48:42 ID:bDntTmIN
>>411
悪臭を個性と言い切るお前は
粉ミルクの中のメラニンを特別な添加物と言い出すんだろうなw
415名無しのオプ:2008/10/20(月) 22:06:58 ID:AYvcPbZb
 プルプル  ____   ブリブリブリィッ!     プーーン        .\
      /不能変態\  ビチビチィッ     ∞〜〜〜      ままー
  //  / ⌒ ⌒  ミミヽ ヽヽ              また あの糞ジジイ
 //  /‐―◎-◎―一ミミミγ ⌒  ⌒ ヽヽ           .はだかで
((   (●⌒)(_ _)(⌒●  6)"⌒γ"⌒`ヽヽヽ            うんこ
// /^(.^<ロロロロロロフ^(∴  )⌒ヽミ彡',', 巛 ヘ M//  〜〜  .してるよ
( (','ミ(u ヘnmmノu u J/ ξミ',')    ミ彡 。)ニヽ Σ          /
\. \(ゞ_`u^U`-J___ノ',',',', /ミ)','  ',',','  ノ 人;ヘ
 〔 〔  ШШ⌒゙/^ШШ彡 /ミγ 彡,',','巛 ノ ノ ;;;;;;;;)         . \
  ゝゝ ゞ、____人__ノミ● 〉ミ',', 彡/// ;;;;;;;;;;;;)    相手しちゃ
  ( ( ((⌒)','\__','ミ巛彡',',',_(',',(⌒)',',) ) ) ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)    だめよ!
   ヽヽ ヽ',ミ巛',) .ゞ、_巛',_',_',ヘ',彡巛ミ) ) ) ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)       /
    ノノ γ',ミミ',',) ) ) ニ ニ ノ ノ  ノ',',彡',') ) ) ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)
   (( (ccc0O_)ノ ノ   ( ( (O0ooo',') ) ) ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)
416 ◆XjFtIkbasQ :2008/10/21(火) 01:38:47 ID:fAj+WydZ
梓崎優「砂漠を走る船の道」(短篇、2008)【8.5点】

第5回ミステリーズ!新人賞受賞作。
サハラ砂漠の「塩の道」を行き来するキャラバンでの殺人事件。
小説としての「語彙」・書き込みがやや足りない気はするが、
舞台と結びついた殺人の動機や真相(例の+αを含む)には思わず膝を打った。

市井豊「聴き屋の芸術学部祭」(短篇、2008)【7.5点】

同佳作受賞。芸術系大学の学祭での殺人事件。
探偵役が聞き込むんじゃなくて勝手に情報が集まってくる設定は新鮮。
背後霊キャラの先輩女性は、某AA(なんであたしここにいるんですか?)を
髣髴させる。ロジックもやや強引だが、舞台やキャラの雰囲気とマッチしている。
417書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/10/26(日) 11:08:31 ID:4K6cZVho
井上章一「日本に古代はあったのか」を読んだ。
結論から言えば、日本に古代という時代区分(通常は平安時代までを指す)は存在しなかった
というアピールを書いた学会は勿論、一般社会の常識でも一見トンデモ・ミステリ風でありながら
真面目な歴史読物である。
関東が中心を成す鎌倉時代や江戸時代を肯定的に捉え、関西(=京都中心)の公家の時代等
を否定的に見るスタンスを関東史観(関西出身の国民作家による司馬史観、駐日大使であり
歴史家でもあったライシャワー氏の説もこれにとらわれていたとする)
に過ぎないとして批判の目を向ける姿勢は面白く、宮崎市定、内藤湖南等の京都の歴史学から
ユーラシア大陸全般に及ぶ時代区分論紹介もスケール大でそれなりに読物としては楽しいもの
はあるのだが、結局、読みながら、そして読み終えて門外漢の念頭に去来するのは
「そこまで国ごとの時代区分に拘ってどうするねん」という感だったりする。
極論から言えば、国の数だけそのヒストリーに対応した時代区分があっても差し支えないのでは
ないだろうか?
なぜに、封建制(土地を恩給とした主従関係の成立と定義される)等のスケールを当て込み、
統一化を図る必然性があるのであろうか。
418名無し:2008/10/27(月) 20:57:24 ID:Suiv2wSs
「川田亜子真相究明まとめサイト」は…?

ZARDの坂井泉水の一周忌に自殺してるよな。亜子はZARDのファンって
ことないか?(26日慶応病院の一階スロープから落下。27日15時10分?死亡)

病院の一階スロープから自殺なんて考えられないし、そもそも病院は弱っている
人を相手にしてるんだからスロープから落ちる確率は限りなく0だろ。これ
だって相当怪しい。松岡農林水産大臣も27日か28日に自殺してるし。
意味ない同時攻撃である個人に圧力かけるなんてこと考えられないか?
以前ハロプロの安倍なつみが交通事故起こしたほぼ同時刻?にライダーの
阿部ノリックが事故死したし、その数ヶ月前に吉沢の弟が謎の事故死が
あった。後藤まきの弟も捕まったり(盗みをする環境を作り、最後は本人
にやらせる。もちろん逮捕、報道されることを前提として?)したり、
他にも名前を売るためかもしれないが、数多くのスキャンダル。
悪魔になったってフレーズがあるが、仕事をもらう変わりに、闇組織から
何かやらされたってことはないか?

テレビと闇組織って、つながりがあるからな。吉沢の弟が死んだ後、吉沢に
意味を持たせてテレビ出演を多くする。墓みたいな死や事故を連想させる
クイズなんかがまた<偶然>出題されるとか。そう言えば、事故後吉沢が
新幹線物語(2時間3部構成?)みたいなのに出てたが、彼女が出てないドラマ
に彼女の弟の名前、こうた?って名前のキャラクターが出てきた。これなんて
テレビ局は分かってるんだから名前くらい変更できるだろ。
公共の電波って威力あるからな。ひとつの出来事で多くの人に圧力をかける
ことができる。もちろん<偶然>って逃げれるレベルで。
それは素人の考え。殺人事件だと警察が本腰を入れてくる。つまりリスクが
高まるわけだ。自殺にしとけば、警察は対して人数を避けてこない。証拠が
なければ、そんなもんだ。偶然とかあいまいにするのがプロの世界。
419名無し:2008/10/27(月) 20:58:20 ID:Suiv2wSs
「川田亜子真相究明まとめサイト」は…?

東京都済生会中央病院で2007年5月28日死亡した、看護師高橋愛依さんの
過労死が17日、認定された。

モーニング娘。の高橋愛と漢字違いの同じ名前か?
2007年5月28日と言えば、松岡農林水産大臣が議員宿舎で自殺し、慶応大学
病院に運ばれ死亡した日だな。前日にZARDの坂井泉水も同じ病院で
死んでいる。何か関連があるかもね。まあ<たかはし あい>って日本に
一番いそうな名前だが・・・・

高橋愛の所属しているハロプロは、吉澤の弟の交通事故、後藤の弟の逮捕、
恋愛スキャンダル等が連発している。それだけに、もしかして関連がと思っ
ちゃうんだよな。

真実+韓国の自殺がまだあったな。うっかりしてた。

崔真実(チェ・ジンシル) 10月2日(名前が真実)
チャン・チェウォン    10月3日(真実ゲーム+オカマ)
キム・ジフ        10月6日(真実ゲーム+オカマ)

これに加勢大周と巨人と覚せい剤が絡んでくるから複雑だな。

加勢大周
昼ドラの主役の名前が真実、加勢の役も真二も発音が真実っぽい。覚せい剤
で逮捕。

巨人  
チェ・ジンシルの元夫が巨人で活躍した趙 成a。
巨人軍イ・スンヨプ選手の 代理人を務めていたキム・キ ジュ被告が 覚せい
剤取締法違反の疑いで逮捕。
420書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/11/03(月) 20:41:57 ID:wVzVHrrT
法月綸太郎「しらみつぶしの時計」を読んだ。
では、大好評につき収録作品全話講評逝ってみよう!
「使用中」
作中でも話題に挙がっているエリン(ETVの日本語講座の可愛い子ちゃんではない(w )の
「決断の時」をノリリン流に書くと「こうなる」というリドル・ストーリー。
平日の日中は人気が少ない駅ビルショッピングプラザの公衆トイレという事件現場設定は
目の付け所に面白いものがあるのだが、文字どおり雪隠詰め(このワードは冒頭に注あり)に
至る経緯が無理有り過ぎ、
ウェートレスの作家殺害がリアリティとまで言わぬまでも、あまりに説得力を欠くのである。
「ダブルプレイ」
交換殺人ネタだが、御都合主義による創り過ぎが目立ち過ぎで途中から嫌になる面がある。
ファムファタールな主人公の妻にも陥穽があったというオチにした方が、やはり面白いであろう。
「素人芸」
腹話術人形という小道具、屋根裏に死体を隠すという乱歩風展開等、スリリングな設定なのだが、
実は警官のひとりが腹話術の心得があったというオチは今ひとつ乗れないものがあった。
「盗まれた手紙」
意外やエドガーの著名な短篇に通じる要素は無く、南京錠と状箱を巡る論理的なトリックが
読ませ所となっている。エルの初期国名シリーズ等が好きな向きには推せる作かモナー。
「イン・メモリアル」
コメントの要もないかもしれぬS・S。
もう少しボリュームがあれば不気味で奇妙なムードが盛り上がったのではないかと惜しまれる作。
「猫の巡礼」
都筑道夫好きな作者だけあって、ミッチーが多く書いた現代怪談を彷彿とさせる作。
ただし、作者の猫好きはビビッドに伝わって来るものの、オチ無しは頂けないものがある。
果たしてミッチーならどんなオチをつけたであろうか?
421書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/11/03(月) 20:42:34 ID:wVzVHrrT
「四色問題」
これは「退職刑事」のパスティーシュ。
ただし出来栄えは原典の初期には遠く及ばず。
凝り過ぎたダイイング・メッセージねた(心電図検査絡み)展開のため御都合主義に走り、
さすがに無理が来ているという感が強い。
最後の詰めも容疑者をマークしていればOKってのは、謎解きミステリとしては弱過ぎ。
「幽霊をやとった女」
これはカート・キャノンならぬクォート・ギャロン・シリーズのパスティーシュ。
面白いし、良く出来ており、タイトルもトリック・真相含みでいかしている。
やはり、この作家の特質はハードボイルドにあるのではないか。
「しらみつぶしの時計」
表題作にして、まさにLogic(これもネタばれ気味かモナー(w )を楽しむべき作だが、
あまりに凝り過ぎてエンタメとしては問題大有り。
「トゥ・オブ・アス」
あとがきによれば、デビュー前習作でありボーナストラックとして収録されたものゆえ、
仕方ない面もあろうが、最後のドンデン返しが見え見えの展開(弟が兄の死を看取るシーン)
が萎える。今は悠々と探偵法月談を綴るノリリンもこんな程度の「もの」を書いていた時代も
あったのかと思うと、逆に感慨深いものはある。
422名無しのオプ:2008/11/04(火) 01:11:05 ID:Ddt+TDbe
本物の本読みなら、余計な前置きはしないものさ。
423書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/11/08(土) 12:48:05 ID:AhGwAmk4
大藪春彦「殺し屋たちの烙印」を読んだ。
嘗て初期短篇集シリーズの1冊として刊行されていた再刊。
8編を収録したものだが、初期作ということもあって、極めて妙な表現ではあるが
この板で紹介してもおかしくないようなミステリ色が濃い作(「牝にむらがる」)、
J・H・チェイス風のファム・ファタールもの、警察小説風の作(「黄金の謀略」)等
大藪作品としては異色なものが多い。
好評につき、例によって収録作品全話講評逝ってみよう!!
・「殺し屋誕生」
Gsの住み込みで働くバイクキティな三流大学(夜間部)生が、偶然に犯罪の現場を目撃、
銃を手にし、悪と殺しの世界へと入ってゆくという、これは典型的な大藪ワールド。
後の大藪アクション小説の冒頭のみ読まされた感があり、欲求不満気味となるのが難か。
・「黄金の謀略」
大藪氏が好んで自作の舞台にした横浜港を舞台にした作で、
主人公が気骨がある若き警察キャリアというのが珍しい。
痛快アクションを期待していると、政府絡みの謀略の前に全て真実は抹消されるビターな
結末、短い作ながら読み応えはあり。
・「歯には歯を」
暗い情念を秘めた平凡なリーマンがトラブルに巻き込まれた末、銃を手にしたことから破滅へ
向かい突っ走る。
後の「蘇える金狼」や「凶銃ルーガー08」等の代表作を想起させるテーストにして、
大藪ワールドではおなじみ新宿戦争小説にして大藪流男の生き様・死に様を
描き切った佳作である。
424書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/11/08(土) 12:48:57 ID:AhGwAmk4
・「苦い罠」
後の「探偵事務所23」を想起させる作で軽快に読み飛ばせる通俗ハードボイルド小説の魅力
に富む。
主人公はみずから敵を蜂の巣にはせず「用心棒」あるいは「荒野の用心棒」風に仕掛けて
同様な結果に導く。所長のピンハネ(手付け50万を5万しか渡さず)は酷すぎ(w

・「迷い犬」
20万円の謝礼を出すという迷い犬を広告に隠された謎とは・・・
犬好きには厳しいトリック(犬の腹を切開してダイヤを埋め込む)だが、
畳み掛けるようなテンポで読ませる私立探偵小説、「苦い罠」よりはヘビーなタッチである。
・「乳房に拳銃」
金持ちの女房に養われている駄目男(元銃砲店経営者)が主人公という大藪作品には珍しい
設定。異色作として面白いのだが、なんかヤリマンで高慢な面があるとはいえ、
逆襲され惨殺されてしまう嫁の方にも理がある感がしてしまい。
ラストには爽快感ではなくして残酷さを感じてまう。
・「女猫」
J・H・チェイス風の悪女もの。
後の長篇作品では間違いなく殺されてしまうタイプのヒロインだが、
主人公はフルボッコにされ、
「女」という存在の不可思議さを示唆した文学的とも言い得る締めが大藪的でなく、
かえって強烈な印象を残す。
・「牝にむらがる」
大企業ワンマン社長の若妻にむらがる男たちの物語という、見も蓋もないタイトルそのままな
ストーリーなのだが、本作もJ・H・チェイス風の悪女もののテースト、社長謀殺のトリック、
そしてラストに至る意外な展開等、読ませ所満載で推せる作に仕上がっている。
425名無しのオプ:2008/11/10(月) 03:00:48 ID:yCggGgRh
宮部みゆき『理由』

ずっと読まず嫌いだった宮部みゆきを初めて読んだ。
最初読みにくかったけどあれだね、進行がバキなんだね。
それがわかってからは、すっと読めるようになった。
426読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/11/11(火) 18:22:19 ID:asgMQrfl
「葉隠三百年の陰謀」井沢元彦(徳間書店)

時は江戸時代末期。佐賀藩主鍋島斉正の寝所に巨大な猫が現れ、
宿直の侍を噛み殺し、呪いの言葉を吐いて消えたという。
斉正は藩内きっての俊英大隈八太郎を呼び事態の究明を命じた。
八太郎は同志達の力を借りて怪異に立ち向かうが、その過程で
次第に明らかになっていく佐賀藩の成り立ちが八太郎の信念を
揺さぶることになる――。

「暗鬼」を読んだ時にも思ったけど、正直キャラクターや文章は
あんまり大したことない。トリックも見当が付く。ただ、本作の凄い所は
「戦国」「化け猫」「幕末」と佐賀にスポットライトが当たる時期や
伝承を自然な形で結び付けてストーリーを作っている所だろう。
それが探偵役の積極的な介入理由に繋がっていくのも巧い。

尚、史実の誤りが数箇所あると思われるので以下に指摘しておく。
・沖田畷合戦で龍造寺隆信の首級を挙げたのは川上忠智ではなく
 息子の忠堅
・佐賀藩の藩校は明倫館ではなく弘道館
・方広寺銘鐘に記されているのは「右僕射徳川家康」ではなく
 「右僕射源朝臣」
427読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/11/11(火) 20:15:53 ID:asgMQrfl
「偽証」小杉健治(中央公論社)

短編集。久々某スレからのセレクト。
初ケンジ・コスギだったが……うーん。7〜80点ぐらいのが
並んでる感じ。二転三転するプロットは良いのだが、後出しが
あったりしてミステリーとして詰めが甘い。もっと丁寧に書いて
欲しかった。発表されたのは80年代半ばで、新本格作品群に混じると
やはり見劣りする。

ベストは最後の「絵の証言」。前述した欠点をストーリーが割と
誤魔化していたので。次点は「騙し絵」。これなんか本当惜しいねえ。

ま、弁護士作家それも国内の人は詰まらないだろうという
偏見を壊してくれたのは確か。
428名無しのオプ:2008/11/11(火) 22:36:25 ID:loBP/SQa
>>426
井沢元彦の歴史ミステリーって、結構間違いがあるよね。
何の作品かは忘れたけど、太平洋戦争前の設定なのに
内田百閧ノ対して「あの『阿房列車』の」と言うシーンがあった。
『阿房列車』は戦後の作品だっての。
429読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/11/12(水) 20:21:34 ID:wn9d3o/G
「肺魚楼の夜」谺健二(光文社)

大震災を耐え抜いた古い洋館・冬景楼から意識不明の女性が救出された。
通報者によると、タイムスリップから帰ってきたら物音がしたので
階下に向かうと、巨大な肺魚が被害者にのしかかり胸ビレで
首を絞めていたという。到底受け入れられない証言に警察は自殺未遂との
判断を下すが、通報者は館に住む老婦人の世話をしていた
NPOの事務所に居座ってしまう。これに困った責任者は私立探偵有季に
調査を依頼する。

ある大学のセンセが「阪神大震災が貴志祐介を生んだ」と言ってたけど、
この人はモロやね。それしか舞台に選んでない。そういや未だに
「赫い月照」のラストの謎が解けないんですが……。
まあともかく、今回は壁の中に棲む人喰い怪魚と証拠写真付き
タイムスリップの謎がメインか。いやー 単純ながら中々巧い手だと
思ったね。手掛りのばら撒き方も、ある場面が全く違ったものになるという展開も、
終盤アンフェアだとかちぐはぐだとか思えた部分がしっかり嵌るのも
良かった。衝撃度は「赫」に劣るかも知れないが完成度は上だろう。

疑問点をいくつか。
・(メル欄)はアンフェア
・手紙で菜津の紹介をスルーしたのは?
・46ページの嘘
・いつも帰ってる地元に近づくのが緊張するわけない
・訪ねて行ったなら名刺を渡したはずでは?

後、失神した女子高生とタクシーに乗ったら通報の危険がw。
でも歩いてたら尚怪しいし……悩ましい問題だ。
430読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/11/13(木) 18:35:58 ID:srPso2+Y
「告白」湊かなえ(双葉社)

ある中学校で起きた事件を巡って展開していく連作短編集。
ミス板でやたらめったら評判の良いかなえちゃんですが、デビュー作で
この盛り上がりは「天使のナイフ」以来じゃないですか?

冒頭いきなり青木さやかのネタが始まったんでどうしようかと
思いましたが、1編読み終えるとああ、こんな感じか……と。
で、読み進めていったのですが、うーん、これを良く使い切ったとみるか、
芸域が狭いとみるかは意見の別れる所ではないでしょうか。自分としては、
××××××の精一杯の所なのかなと感じました。
後、(メル欄)について理由が示されていない点が気になりました。
本格では無いのでフェアかどうかは評価の指針にはなりませんけど、
すっ飛ばして良いわけではありませんから。

1400+税金払って買う程では無いというのが結論です。
431書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/11/15(土) 13:02:29 ID:YhP+TS35
蔵前仁一「シベリア鉄道9300キロ」を読んだ。
写真満載の鉄道紀行だが、現代における冒険談としても読める。
著者は実績(実体験・著作数共に)がある旅行家だが、インテリ(慶応・法政治学科卒)だけ
あって、念願のシベリア鉄道に乗っても舞い上がり美化することなく、
クールな観察者の視点を失わない何でも見て野郎なのが、
文章も信頼感ある読み応えあるものにしている。
シベリア鉄道(この正確な定義は判然としない旨があとがきに記されているが)内が紀行の
大部分であるせいもあるが、ヨメと同行の旅というせいもあってか、美形のロシア娘に触れた記述
はあってもポートグラフィは無し、「旅」のお楽しみである目の保養の面は皆無なのが残念だが、
ユーモアを散りばめた巧みな描写で倍のボリュームがあっても楽しめそうな書ではある。
著者がセレクトしたシベリア鉄道車窓ベスト10の上位4位までが東シベリアと中央シベリアなのが、
この鉄道旅行の肝を端的に象徴しているようで面白い。
432名無しのオプ:2008/11/15(土) 16:57:27 ID:2t0VUUii
>>431
簡にして要を得た素晴らしい論考だね。
スレ全体を引き締めているよ。
433名無しのオプ:2008/11/15(土) 19:06:45 ID:fW5a8SNc
>>431正直ミステリと関係のない本の書評なら別のとこでやってもらいたい
434名無しのオプ:2008/11/15(土) 20:36:52 ID:pVIxYTMr
>>431
朝鮮通信使、金仁謙の著書『日東壮遊歌』

●1764年1月22日 大阪
100万軒はあると思われる家の全ては「瓦の屋根」だ。凄い。
大阪の富豪の家は「朝鮮の最大の豪邸」の10倍以上の広さで、
銅の屋根で、黄金の内装である。 この贅沢さは異常だ。
都市の大きさは約40kmもあり、その全てが繁栄している。信じられない。
中国の伝説に出てくる楽園とは、本当は大阪の事だった。
世界に、このように素晴らしい都市が他にあるとは思えない。
ソウルの繁華街の10000倍の発展だ。
北京を見た通訳が通信使にいるが、「北京の繁栄も大阪には負ける」
と言っている。
穢れた愚かな血を持つ、獣のような人間が中国の周の時代に、この土地にやってきた。
そして2000年の間、平和に繁栄し、一つの姓(つまり天皇家)を存続させている。
嘆かわしく、恨めしい。

●1764年1月28日 京都
街の繁栄では大阪には及ばない。
しかし倭王(天皇)が住む都であり、とても贅沢な都市だ。
山の姿は勇壮、川は平野を巡って流れ、肥沃な農地が無限に広がっている。
この豊かな楽園を倭人が所有しているのだ。
悔しい。 「帝」や「天皇」を自称し、子や孫にまで伝えられるのだ。
悔しい。 この犬のような倭人を全て掃討したい。
この土地を朝鮮の領土にして、朝鮮王の徳で礼節の国にしたい。

435名無しのオプ:2008/11/15(土) 20:37:44 ID:pVIxYTMr
●1764年2月3日 名古屋
街の繁栄、美しさは大阪と同じだ。 凄い。
自然の美しさ、人口の多さ、土地の豊かさ、家屋の贅沢さ…この旅で最高だ。
中原(中国の中心地)にも無い風景だ。
朝鮮の都も立派だが、名古屋と比べると、とても寂しい。
人々の美しさも最高だ。
特に女性が美しい。 美しすぎる。 あれが人間だろうか?
「楊貴妃が最高の美人だ」と言われているが、名古屋の女性と比べれば、
美しさを失うだろう。
(帰路にて)
名古屋の美人が道を歩く我々を見ている。
我々の一員は、名古屋の美人を一人も見逃さないように、
頭を左右に必死に動かしている。

●1764年2月16日 江戸(東京)
左側には家が連なり、右側には海が広がっている。
山は全く見えず、肥沃な土地が無限に広がっている。
楼閣や屋敷の贅沢さ、、人々の賑わい、男女の華やかさ、城壁の美しさ、橋や船…。
全てが大阪や京都より三倍は優っている。
この素晴らしさを文章で表現する事は、私の才能では不可能だ。
女性の美しさと華やかさは名古屋と同じだ。
436名無しのオプ:2008/11/15(土) 21:43:50 ID:yOV7euKj
>>431
これはひどい
こんな下書き、言葉の暴力だ
437書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/11/16(日) 16:12:02 ID:sYNgHhlQ
柴田錬三郎選集第15巻初期短篇集を紐解く。
直木賞受賞作「イエスの裔」と芥川賞候補作「デスマスク」を読むがためである。
眠狂四郎シリーズ等を読んでいる向きにはこの著者のミステリ仕立ての巧みな物語作りは
よく知られたところかと思うが、上記2作もミステリタッチ、しかしながらどこか斜に構えた筆使い、
緩いテンポ等、後年の稀代のストーリーテラーの作とは思えない読み難さがある。
前者は、義理の娘(実妹の子の孫)を殺害した老人の動機解明を軸にした謎解きを
犯人である老人の幼友達、古い知己である作家、ガイシャである娘の情夫の3人の独白から
試みるスタイル、ただし、真の主人公である老人自身の語りが無いため、謎解きは不十分に
終わる感は否めない。
タイトルに即し、イエス裔ゆえ老人は殺人を犯したのだとバイブルの基本知識を欠く者
が多数なミスオタに読解出来るかどうか・・・
後者は、作品スタイルは類似したものがあり、自殺したデガダンな評論家の死者の視点をまじえ、
DVの被害者であった彼の妻、愛人の若い娘、友人の編集者の独白を通じ、人間の真情を探らんとした作、
アホなミスオタにこの作の奥底に流れるある時代のデガダンスを読み取れるか否か。
438読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/11/21(金) 17:07:49 ID:lwNHaTXb
「崖の館」佐々木丸美(講談社)

資産家の伯母が住む館を訪ねた6人の従兄妹達。それは毎年の恒例行事
であり、ほとんどが成人の彼等もこの時ばかりは伯母の子供の様にして
生活をするのだった。しかし、初日の夜、廊下に飾られていた絵画の
一つが消え、更に翌朝、従兄妹の一人が施錠された自室から消え失せた。
皆の捜索の末彼女が見つかったのは、2年前謎の死を遂げた伯母の
養女が使っていた開かずの部屋だった……。従兄妹の一人が
彼女の死は殺人だったと言い始める。遺された日記帳に書かれている
真実とは――?

「雪の断章」がミステリーじゃなかったんで止めた過去があり
今度はこちらを。
最初は文章がぎこちなく、展開も唐突に感じて読み通すのは骨だと
思っていたが、段々気にならなくなった。プロパー外の作家ではあるが、
真っ当な本格CCに仕上がっており、密室間の移動等を含む
複数のトリックや、犯人当ての手掛りは中々巧くて納得の行くものだった。

新本格以前(1977)にこういう吹雪の館が舞台という海外古典的な
本格ミステリが書かれていたんだねぇ。
439読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/11/21(金) 17:27:52 ID:lwNHaTXb
「龍神池の小さな死体」梶龍雄(講談社)

関東大学工学部教授の仲城は先日没した母親が言い残した言葉が
気にかかり調査を始める。その言葉とは「弟は殺された」
というものだった。弟の秀二は戦時中疎開先の村で溺死した
と伝えられていた。休暇を取った仲城は当時の秀二の友達から話を聞き、
現地の村へ赴くのだが、そこには思いもしない落とし穴が
口を開けていた……。

クリスティを連想する様な過去の事件に纏わる本格ミステリですが、
やがてそれに現在の事件が加わり更に読み進めていく内に
色々な事実がガラリと違った色彩を帯びてくる様子は素晴らしい
……と言いたいのですが、どうも有り得ない偶然があったりして
当てはめが巧くないです。
伏線の妙もあり、まとめ方も良いだけに残念でした。
後、229ページのセリフは言った端から矛盾してます。

この作家にしては中レベルでしょうか。特にお薦めはしません。
440書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/11/22(土) 21:04:13 ID:KWmyPArg
大藪春彦「最後の銃声」を読んだ。
全7作を収録。引き続き全話講評逝ってみよう!!
・「最後の銃声」
主人公の逆襲、リベンジ終了まで一気に読ませる大藪アクション小説の典型。
・「流れ者」
目的のためなら素直な若い女の子を欺くことも躊躇しない非情の流れ者のアクション談。
エスカーレートしてゆくアクションが堪能出来る一編。
・「今日もこの街で」
主人公の粋な一言で締める、これも壮絶なアクション小説である。
・「屍を越えて」
堅気の大学生が主人公、しかも大藪的悪霊化(破壊者たる)しないという意味では異色な作。
往年の日活アクション映画が如きハッピー・エンディングが、大藪作品としては意外感大。
・「廃銃」
覆面捜査官もの。それなりに楽しめるが、主人公設定のため破壊度が抑え目なのが不満点か。
・「暗い春」
「屍を・・」と同様に大学生が主人公だが、こちらは早大生時代の作者を想起させるような銃の魔力
と暗い情念に取りつかれたような主人公で大藪青春小説の代表作と言うてよい出来栄え、
本書中の一押し作品。
・「怒りの航跡」
「野獣死すべし」を想起させる冒頭、非情のサクセスストーリーで読ませるものがある。
441名無しのオプ:2008/11/22(土) 22:42:41 ID:GkdxJnOC
読後感うぜー。
書斎はいつもながらご苦労様です。
442名無しのオプ:2008/11/22(土) 23:15:01 ID:qTOcNJQe
確かに馬公は相変わらず内容のないゴミ長文を垂れ流して・・・
ご苦労さんだよなw
443名無しのオプ:2008/11/22(土) 23:36:19 ID:kp3phcfz
読後感のレスは、適度に空行が入っているので読みやすく、
気がつくと最後まで読んでしまっていることが多いな。

書斎魔神のレスは、空行が無くてグチャグチャって書かれているので、
目に入った瞬間に読む気が失せる。
444名無しのオプ:2008/11/23(日) 00:41:20 ID:q5AI8LmQ
>>443

> 読後感のレスは、適度に空行が入っているので読みやすく、
> 気がつくと最後まで読んでしまっていることが多いな。

> 書斎魔神のレスは、空行が無くてグチャグチャって書かれているので、
> 目に入った瞬間に読む気が失せる。
どう考えも同一人物だろ
445読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/11/25(火) 02:07:22 ID:lbx6RJ1u
「三百年のベール」南條範夫(批評社)

時は明治半ば。静岡県庁に勤める平岡素一郎は知り合いから借りた
徳川家康に関する歴史書の記述の中に矛盾する箇所を発見する。
その時抱いた疑問がある会食の席で聞かされた話と相まって
平岡は途方も無い仮説を立てるに至る――。

歴史ミステリーです。
徳川家康の生涯にスポットを当てた時点でハードルはかなり高いのですが、
流石は有名歴史作家、歴史書や言い伝え等から抽出した一つ一つは
けして大きくとも言える矛盾点を汲み上げて超有名人の生涯に大胆な
奇想を展開させています。ある種の思想性は感じるものの、無理に
そっちに引っ張っているという印象は受けませんし、割とお薦めです。

隠蔽工作が甘いのは御愛敬です。
446名無しのオプ:2008/12/03(水) 17:15:12 ID:RdXmtONL
てかうだうだ文句言ってるやつよりもコテつけて書評書いてるやつの方がはるかに意義があるよ。
嫌なやつはわざわざコテにしてくれてるんだからNGにすればいいのに。
447名無しのオプ:2008/12/03(水) 22:07:59 ID:t7yzD9Nc
448読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/12/06(土) 21:56:40 ID:sXVqK7iK
「十三回忌」小島正樹(原書房)

静岡の片田舎に君臨する大資産家宇津城家に取り憑いた恐ろしい呪い。
当主の2人の妻は同月同日、次々に変死を遂げ、後に死んだ妻の
一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌に合わせて人が死んでいく。
しかもそれぞれの死体は不可解で残酷な様相を呈していた……。

島荘の腰ギンがコネで出しやがってとやっかんでいたところ、
フィニッシング・ストロークものとして優れているという評判を受けて
読んでみた次第。
いや、面白かったよ。うん、いいじゃんこれ。

被害者の数が多く、しかもそれぞれの事件に様々な謎が散りばめられて
いるというこのサービス精神が泣かせるじゃありませんか。
具体的に挙げると、引っ繰り返った大型バス、真夏の雪で脱線したという
ディーゼル車、光る鉄仮面、壁から聞こえる死人の声等々……。
加えて殺人状況そのものも不可能性に溢れており、ワクワクしながら
読み進められた。

もちろん大事なのは解明に至るプロセスなわけだが、伏線はきちんと
回収され、驚きもあると思う。ただ自力で数々のトリックを暴いて
真相にたどり着くのは至難の業だろう。

中盤に「え!マジ?」と思わせる場面があり、後半には
449読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/12/06(土) 21:57:47 ID:sXVqK7iK
「何これ誤植?」という様な箇所もあるが、それがラストにはかちっと
嵌る。お薦め。

最後に、13ページと18ページの鎌田のセリフは不自然。
450名無しのオプ:2008/12/07(日) 23:12:24 ID:2o6IQPV6
「レッド・マスカラの秋」永井するみ

「カカオ80%の夏」の続編。
前作がことのほか良い出来だったので期待したが、はっきり言っていまいち。
強引な展開、わかりやすすぎる悪役、ガッカリな真犯人の動機と、
欠陥部分ばかりが目につく。
第三弾が出るのなら挽回してほしい
451 ◆XjFtIkbasQ :2008/12/08(月) 08:39:08 ID:MgwCxmbx
東野圭吾『流星の絆』(2008、講談社)【8点】

両親を何者かに殺害された洋食屋の三兄妹の物語。
うまいしおもしろいし、事件の真相も一応意外性はあったけど、
東野圭吾にしては人物像などがちょっと物足りない。期待値が高すぎたかな。

ただ、空腹時に読んだんで、無性にハヤシライスが食べたくなりました。
452名無しのオプ:2008/12/08(月) 23:26:53 ID:+r2iBEZc
現在、「2chが選ぶこのミステリーがすごい!2009」の投票を行っています。
こちらに投票お願いします。

2chが選ぶこのミステリーがすごい!
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1166286465/266-

【以下のルールを守ってください】
・投票スレの>>1-3は無視してください。
・対象は奥付表記で2007年11月〜2008年10月の期間内に発行された広義のミステリー作品。
・6作品以内で順位をつけて投票すること。
・必ずしも6作挙げる必要はなく、1作でも投票可とするが、上記のように順位はつけること。
・1位=10点、2位=9点〜6位=5点で集計。
・国内作品と海外作品は別々に投票する。
・各作品に一行以上の総評必須(ネタバレ禁止)
・宝島社の作品は対象内
・投票期間は12月8日〜1月20日まで

今年のこのミス、本ミスなどのランキングです。参考にしてください
国内編 http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1166286465/267-270
海外編 http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1166286465/271-278
453都筑道夫PART6:2008/12/10(水) 21:56:01 ID:Ra8HHq0+
都筑道夫さんと、その作品について語るスレッドです。
前スレ
都筑道夫PART5
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1179586138/

過去スレ
都筑道夫PART4
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1133035199/
過去スレ
都筑道夫PART3
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1116924169/
都筑道夫PART2
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1071729734/
都筑道夫(初代)
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/968363224/

当スレにはネタバレ及び間違いだらけの「論考」、
及びスレ住人を見下し嘲笑行為を繰り返す自称コテハンが居ついています。
ネタバレの危険が高い彼のレスを目にしたくないという方には
>>2に目を通されることをお奨めします。
454名無しのオプ:2008/12/11(木) 19:35:09 ID:UmZKlFcD
「チームバチスタの栄光」

あっさりと終わった・・何もかもが薄い。
しまった、ドラマちゃんと見ればよかった!
455読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/12/11(木) 19:44:35 ID:PiXeBFUg
「酒井嘉七探偵小説選」(論創社)

この叢書、映画で言えばアルバトロスみたいなもんで9割ゴミだと
思ってるんですが、極たまに鶴が出る様でそれが以前読んだ
「大庭武年探偵小説選T」だったわけですが、本作者はその大庭と
肩を並べる程と聞いたので読んだ次第です。

中々面白かったです。発想力やサービス精神が他の同叢書内の
凡百どもより格段にあります。記述形式がワンパターンだったり、
フェアプレイには然程留意していなかったりといった点はマイナスですが、
この叢書内では大庭に次ぐ原石であると思います。

ベストは「撮影所殺人事件」です。ショート・ショートながら、
その奇妙な味に絡め取られ気が付いたらスカタンと投げられていました。
次点は「京鹿子娘道成寺」でしょうか。歌舞伎役者が舞台上で
張りぼての鐘に入ったまま撲殺されるという衆人監視の密室もの。
フーダニットとして楽しめるかも知れません。
他、周到故に陥穽に嵌る「ながうた勧進帳」、一見アリバイ崩しの
「探偵法第十三号」、地道な分析方法で犯人の特定を試みる「亜米利加発第一信」、
飛行機を墜落させる「呪われた航空路」
などが印象に残りました。
456読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/12/11(木) 19:47:20 ID:PiXeBFUg
創作以外では「海外犯罪ニュース」シリーズが興味深く、中でも
幸運の手紙の変化形である十セント銀貨の手紙の話が良かったです。

作者は暗号ものに情熱を傾けていたようですが、そちらは余り
ピンと来ませんでした。

以下は気になった点です。
・「ある自殺事件の顛末」がラストで駄目になっている点
・解題で「S堀の流れ」はトリックが明かされていないと書かれていたが、
ちゃんと書いてある点
・昔の書評の方が辛口な点

大庭のUはTより劣るらしいですが本当かな?
大阪圭吉も数編しか読んでないから読まねばなりません。
それにしても戦前は本格の良い流れが確かにあったはずなのに、
戦後の量産型ザク共の跳梁が流れを断ってしまったんですね……。
457 ◆XjFtIkbasQ :2008/12/22(月) 00:13:43 ID:H4LQkLyv
東野圭吾『聖女の救済』(文藝春秋社、2008)【7.5点】

湯川准教授のガリレオシリーズ。
どうやって毒殺された被害者に毒を飲ませたか、というシンプルな謎で
長篇一本仕上げた腕前はさすが。真相もなるほどと膝を打つ。

前半はややテンポがのろかったことと、
何か湯川がかっこよくなったり、作中に福山雅治の音楽が出てくる点は
正直イラナイと思った。
458名無しのオプ:2008/12/23(火) 18:45:02 ID:MKVF7efP
推敲中
459名無しのオプ:2008/12/23(火) 18:57:09 ID:FnE4pmxn
聖女の救済

アンフェアの一言
20点
460名無しのオプ :2008/12/23(火) 19:20:29 ID:S0cFerM0
田中啓文の
「落下する緑」を読んで驚いた。
しかも、これが処女作らしい。
意外なまでにコージーな佳作ミステリー。
どこで何を間違ったんだろう。
461読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/12/25(木) 17:34:55 ID:AJiraedj
「人間動物園」連城三紀彦(双葉社)

ある日の午後、浦和署に誘拐事件発生の通報が入る。駆け付けた
発田と朝井の両刑事に対し通報者の女性は被害者は隣家の幼女だと告げる。
被害者の家は盗聴されているため窓から手紙で助けを求めてきた
というのだ。刑事達は隣家を拠点にして誘拐犯を特定しようとするが……。

長編は初めて。期待以上ではなかった。
まず文章が読みにくくて面食らった。見出しみたいに最初に
事実を持ってきてそこに至る経緯を書く、名付けてメメント文体w。

それからネタの後出しが多い。伏線がいくつも張ってあってwktkしたけど、
いざ回収されると全部明かされなきゃ解り様がないものばかりで
ガックリきた。

事件の真相については、驚く程のもんじゃないと思った。ああ、
そうだねってレベル。安いどんでん返し。銅婚式よりマシな程度。

他細かい疑問は、21世紀に4歳児がファミコンするとは思えないことと、
(メル欄)必要ないこと。

しかし、連城と聞くとKKKみたいなイメージが拭えない。
げに金田一少年の罪は大きい。
462読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2008/12/25(木) 17:38:17 ID:AJiraedj
「造花の蜜」連城三紀彦(角川春樹事務所)

息子が蜂に刺されたとの電話を受け、幼稚園に駆け付けた母親。
しかし、そこで意外なことを聞かされる。息子はついさっき母親自身が
迎えにきて連れて行ったというのだ。やがて通報を受けてやってきた
警視庁の腕利き橋場警部の指揮の下、誘拐事件の捜査が始まるのだが、
被害者の母親は何かを隠している様子。おまけに電話をかけてきた犯人は
「誘拐などしていない」と言い放つ。果たしてこの前代未聞の
誘拐事件の行く末は――!?

「人間動物園」から6年後の作品。同じく誘拐ものだが、文章は
別人かと思うほど読みやすくなっている。ミキティ精進したな……
やり取りを無意味に後回しにする癖が直ればもっと良いけど。
内容もこちらの方が濃いと思う。ただ、自分の絶対評価としては
然程ではなかった。

冒頭の先生の証言から、母親の秘密、紛失した携帯からの声、
冬のスズメバチ、フィギュアの嘘、事件を認めない犯人、変わらない写真、
無意味の様な身代金、交差点の害虫などいくつもの謎がどしどし出てきて
興味津々読み進んでいった。そして中盤辺りから徐々に事件の背景が
明らかになってくるのだが、どうも盛り上がらない。
「ここだな」という箇所は判るのだが、期待が大き過ぎたせいか、
抑制が効いてるせいか、単にショボいのか、心躍らないのである。

帯でくるみちゃんが言う「どんでん返し」の度合いがイマイチなのかな。
「腰を抜かす」という終盤の展開も「おいおい」としか思わなかった。
ポプラ社なら良いけどさ。つか、(メル欄)は要らなかった。陳腐になる。

最後に気になったのは、上に挙げた謎のいくつかと、(メル欄2)が
解明されていない点。
463名無しのオプ:2008/12/25(木) 23:44:31 ID:+RC13jk+
こいつに連城が精進したな…なんて語られるとイラッとくるなw
464名無しのオプ:2008/12/26(金) 23:35:14 ID:JLwCwPh+
>>450
「カカオ80パーセント」は期待していい?
未読、というか、見つからない・・・
465書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/01/02(金) 00:03:42 ID:Muk40sWC
大藪春彦「汚れたパトカー」を読んだ。
本格ハードボイルドのキャッチフレーズあり、新古書店100円コーナーにてゲット。
大好評な全話講評逝ってみよう!!
・「汚れたパトカー」
表題作は、昔、文庫で読んだ記憶がある。
署ぐるみで犯罪組織化しているというトンデモ設定、だが、今読むと妙に現実感もあるのが
恐いものがある。
長篇で書いていれば凄い警察小説になったと思われ。
・「揉め事は俺に任せろ」
私立探偵が主人公の大藪流「マルタの鷹」。
だが、ラストで元ネタのブリジッドに相当する女にも金を要求するのがいかにも大藪作品の主人公
らしい。
私立探偵という制約のせいか、大藪作品の魅力である主人公による激しい破壊行動が
ないのは残念。(殴打、死体遺棄程度、程度なのか?)
・「邪魔者」
これは特にコメントの要もないアクション小説か。
大藪作品には珍しく、主人公が萎えてリベンジがための皆殺しをしないのがミソか。
・「誤算」
タイトルの由来であるお間抜けなオチが何か笑えるものがある小粒な青春アクション小説である。
・「折れた牙」
殺し屋日下アホでへタレ過ぎ(w、この一言に尽きる作。
・「ブローニング0・25」
保税倉庫管理会社社員が主人公という異色作だが、
凶銃ルーガー08シリーズにありそうなエピ。
短いが大藪テーストとでも称すべきものが良く出た作である。
・「苦い札束」
ドンデン返しが読ませどころとなっている作。
・「醜聞」
ダシールの「血の収穫」を想起させる壮絶なアクション小説。
最後をクールに締める主人公がいかしている。
466書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/01/02(金) 22:38:46 ID:eX0ttsy3
三津田信三「首無の如き祟るもの」を読んだ。
今年も同じ作者の「山魔の如き嗤うもの」が文春7位、このミス8位、
マイナーではあるが本格ミステリベスト10では1位にランキングされている。
本作は昨年の文春6位、このミス5位(ちなみに本格ミステリベスト10では2位)と
総体的に見て「山魔・・・」以上に高評価された作でもあり、今あらためて読み直し、
三津田信三という作家評価の縁としたく思う。
媛首村の旧家秘守家の当主争いを巡る密室殺人、そして首無し連続殺人と来れば、
諸に横溝御大の世界だが、ミステリとしてはともかく描写力を含めたストーリーテリングが
落ちるせいか、文章が読み辛い面があり、テンポを欠くのが残念、
斧高=よきたか、僉鳥=みなとり、等々凝ったつもりなのか読み難いネーミングもリーダビリティの面からは頂けない。
本格ミステリとしての謎解きそのものは意外にあっけなく、
特に首無トリックの謎解きには単純過ぎてバカにされたような感さえある。
むしろ本作は終盤の相次ぐどんでん返しを主眼に全体を怪奇な伝説(淡媛とお淡)で
デコレートして読ませるサスペンス・ミステリとしてなら十分に楽しめるのではなかろうか。
各人、心して読め!!
467名無しのオプ:2009/01/04(日) 00:45:53 ID:UfYW2yN9
読み方なんて人それぞれだし首無は本格として優れてるとおもうが。
自分の意見無理強いして心して読めとは?
あと大好評の全話講評ってまったく好評だという話は聞こえないんですが?
468名無しのオプ:2009/01/04(日) 01:06:23 ID:3bMQQ0CC
スルーしろ
469名無しのオプ:2009/01/04(日) 22:53:30 ID:YGtCJrYW
芥川賞
鹿島田真希「女の庭」(文芸秋号)
墨谷渉「潰玉(かいぎょく)」(文学界12月号)
田中慎弥「神様のいない日本シリーズ」(同10月号)
津村記久子「ポトスライムの舟」(群像11月号)
山崎ナオコーラ「手」(文学界12月号)
吉原清隆「不正な処理」(すばる12月号)

直木賞は恩田陸「きのうの世界」(講談社)
北重人「汐(しお)のなごり」(徳間書店)
天童荒太「悼む人」(文芸春秋)
葉室麟(りん)「いのちなりけり」(同)
道尾秀介「カラスの親指」(講談社)
山本兼一「利休にたずねよ」(PHP研究所)
470名無しのオプ:2009/01/07(水) 06:37:00 ID:Xw1guL1W
>>467
>>3-5
(現在の「書斎魔神・アホアホ語録格納庫」は その27↓
  http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/tubo/1230611379/l50
471書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/01/10(土) 08:41:19 ID:sZVV8+ui
都筑道夫「東京幻夢図絵」を読んだ。
一編ずつ見ればそれほど面白い、特筆すべき作は無い。
ミステリと言い得る作は一部、しかも十分に謎解きされないものも多く(主眼ではないとも言える)
ホラータッチの作(「白山下薄暮」)も示唆のみにとどまる。
だが、全体を通じて浮かび上がる古き東京の姿(第1話は除く)には魅せられるものはある。
男女の濃い色事が絡んだ話が多く、映画なら石井輝男のドロドロの世界を想起させるものが
あるが、根っからの東京人作家らしいスマートなタッチがいやらしさ、胸苦しさを感じさせないのは
非常に良し。
作者あとがきでは、近松秋江等の「情話」が念頭にあった旨が書かれているが、
「情話」といえば岡本綺堂の影響も外せないのではないか。
また各話の語り手は異なる設定とはいえ、
艶っぽくした「三浦老人昔話」(これは巷談と称すのが妥当だが)という感もある。
ゆえに、後に追加された完全にミステリに徹した「道化の餌食」への違和感は拭い切れない
ものがあり、文体等に拘らず本作と、思い切って東京が舞台ではない「墓場の丁」を外せば、
タイトルそのままにコンパクトなミッチー流東京情話集に仕上がったかと思う。
作家が各作品に込めた思い(「道化の餌食」に関してはこの一篇の行き場所がなくなるのを
恐れたと記されている)は理解出来得ぬでもないが、作品集としてのまとまりという点も念頭に
置いて欲しかったものである。
472名無しのオプ:2009/01/12(月) 20:40:44 ID:rV2ZmiWk
連城捕まえて文章上手くなったとか舐めてんのか?こいつ。
頼むから作家を冒涜するのだけはやめてくれ。
473名無しのオプ:2009/01/12(月) 21:18:18 ID:Br1C/QIe
自己顕示欲丸出しの空気の読めないコテハン二人がうざいな
474名無しのオプ:2009/01/13(火) 01:26:29 ID:i/gen/qz
あんたの個人的な思い入れなんか知ったこっちゃない
連城スレならまだ解るが、他所でまでマンセーがデフォだと思われちゃな

第一上手くなったっつってんのに何で冒涜になるんだかw
それも本人との比較だからね
475名無しのオプ:2009/01/13(火) 07:01:34 ID:bl7xxouf
自演がうまくなったね
476名無しのオプ:2009/01/13(火) 07:25:39 ID:e9v6xKIw
ミキティとかキモイあだ名つけちゃってるし、本当に書斎と変わらんなw
477名無しのオプ:2009/01/13(火) 20:25:24 ID:ljnByuUE
要は
頭のおかしい馬の感想文なんか読むだけ無駄、相手にするだけ無駄
ということですよ。
478名無しのオプ:2009/01/14(水) 07:35:32 ID:ECmdjFbl
書斎が蛇蝎のごとく嫌われてるのは確かだけど
初心者や一見さんには、この板のご意見番だと思われてるんだよな
479名無しのオプ:2009/01/14(水) 19:35:42 ID:yq7U8ZwT
>>478
そうか?
初心者からすら嫌われているぞ?
480名無しのオプ:2009/01/14(水) 20:03:23 ID:iaU6BV9E
からすらくんだけでしょ、嫌ったりなじったりしてるんは
481名無しのオプ:2009/01/14(水) 21:26:12 ID:Y4btAIiv
>>478>>479
初心者にもせいぜい3日もすればバレるw
たいがいしょーもない自演で自爆w
482読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/01/15(木) 03:39:18 ID:zlVize6L
「ゴールデンスランバー」伊坂幸太郎(新潮社)

地元出身の総理大臣の来訪に沸く仙台。しかし、総理夫妻の車に
突如爆弾が放たれる。パニックを起こす群衆。だが陰謀はまだ終わらない。
事件の前から“犯人捜し”は始まっていたのだ。総理暗殺の汚名を
着せられた青年青柳雅春の絶望的な逃亡劇が始まる――。

伊坂の旦那はミステリーじゃない気がして読んだこと無かったけど、
本書は出た当初から評判が良く、しかもこのミス1位になったんで読んだ。

序盤に最初の疑問が浮かぶ。即ち、この構成は必要か?
これは最後まで読んである程度納得した。でも、序盤はもっと
短くて済む気が。
内容にリーダビリティはあるのですいすい読み進める。で、次の疑問。
こういう巻き込まれ型って自分は好きだが、このミス1位になる程
突き抜けたものが本書にあるのか?
情緒的な部分で評価されたのかなあ。ラブホの行とか最終部とかの。
その辺はまあ巧いと思ったけども。

でも主人公は恵まれ過ぎだな。ペルセウス並に次々助っ人が出てくる。
後、花火師との出会いやヒッチハイクの行は不自然だった。

一応アヒ鴨ロッカーくらいは読もうと思うとる。
483名無しのオプ:2009/01/15(木) 22:13:05 ID:BL71ENr8
2008年のベストミステリを投票で決める「2chが選ぶこのミステリーがすごい!」スレ
投票締め切りまであと5日です。まだ未投票の方は、ぜひ参加してください。
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1166286465/

【以下のルールを守ってください】
・投票スレの>>1-3は無視してください。
・対象は奥付表記で2007年11月〜2008年10月の期間内に発行された広義のミステリー作品。
・6作品以内で順位をつけて投票すること。
・必ずしも6作挙げる必要はなく、1作でも投票可とするが、上記のように順位はつけること。
・1位=10点、2位=9点〜6位=5点で集計。
・国内作品と海外作品は別々に投票する。
・一行以上の総評必須(ネタバレ禁止)
・投票期間は12月8日〜1月20日まで

今年のこのミス、本ミスなどのランキングです。参考にしてください
国内編 http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1166286465/267-270
海外編 http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1166286465/271-278
484読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/01/17(土) 01:57:37 ID:czDzh1fA
「相棒」五十嵐貴久(PHP研究所)

時は幕末。窮地の幕府を救うため大政奉還を実行すべく薩摩の実力者
西郷吉之助との会談に向かった将軍慶喜。しかし、その途路
慶喜の乗った籠が何者かによって狙撃される。大政奉還に反対する
勢力の仕業とみた老中達は犯人を突き止めるため佐幕、倒幕それぞれに
顔が利く2人の人物に捜査を命じるのだが……。

幕末タイムリミット・ミステリー。年末いくつかの書評で目にしたのだが、
土方歳三と坂本龍馬のコンビが探偵役という奇抜な設定のみに
焦点が当てられているようで、肝心のミステリー部分がどうなのか
良く判らず、確かめたくなって読んだ。

結論から言えば大したミステリーじゃ無かった。歴史小説としても
描写が細かい訳じゃなくイマイチ。ただ大雑把に物語としてみれば
結構面白かったかな。終盤の展開も割とわくわくしたし。

そういや、森雅裕にも同じコンビの作品があったよねえ?
いつか読み比べてみよう。
485読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/01/17(土) 02:55:57 ID:czDzh1fA
「黒百合」多島斗志之(東京創元社)

夏休みに関西の父の友人浅木を訪ねた中学生進。浅木家の息子一彦と
池で遊んでいた時、彼らは一人の少女と出会う。その後3人は
毎日の様に一緒の時間を過ごし、友情を育んでいく。やがて訪れる
別れを意識せぬまま――。

本作は読む際に最新の注意が必要なんですの。何せ、一読したくらいじゃ
内容が理解出来ないというシロモノで、下手すると総スカンを食うとか。
ゴドクでコドクになることだけは避けたいもんざます。あ、オデは
とっくに孤立してるか! ってやかましいわwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

閑話休題。230ページと短いし、文章も読みやすく綺麗な印象。
ただ、ミステリーとしては程々にやられた感じで絶賛とまでいかないなぁ。
終盤に重大な事実が明かされるというアンフェアや(メル欄)が
スマートに思え無かったことを除いても、レッドヘリングがあからさま
だったので驚きの度合いはそこまで強く無かった。
その後あちこち観て補完したもののインパクトは変わらず。
ただ佳作には間違いなく分量も手頃だから文庫落ちしてから
キオスクで売れば良いと思うよ。

他気になった点は、(メル欄2)かな。

ツンデルデビュー作も早く読まないとなぁ。
486書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/01/17(土) 20:20:00 ID:uPmSuzBz
桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」を読んだ。
昨年の文春4位、このミス2位、読みたいSFでも10位にランクインした作、
そんなこと以上に直木賞候補作(これで受賞して欲しかった)だが、
なんとなくここまで積読してしもうた作。
正直言うて、第1部の主人公万葉が赤朽葉家へ輿入れするまではスローテンポでやや退屈感
あり、失敗したかな、と思い始めた頃に「物語」は急激に動き出し、頁をめくる手ももどかしいぐらい
に作者の語りに惹き込まれてゆく感がある。
なんの取り柄もない女と自称する語り手赤朽葉瞳子だが、千里眼奥様こと祖母の万葉、
レディース上がりの天才漫画家の母毛毬に対する終始クールな視点を失わないのが落ち着いた
読み応えある大河小説足り得た因かと思う。
(映像化は無理かもしれぬが、毛毬役は全盛期の土屋アンナで決まり、
ちなみに成人後の孤独(瞳子の叔父)役は語呂合わせでなく劇団ひとりで決まりでしょ)
どうやら作者の分身はタレント的には毛毬だろうが、心情的には瞳子にあるやに思われる。
版元(東京創元社)の関係もあってか、第3部には被害者を探せ的なミステリ
(そう言えばテレビ番組でこの作者の自宅が紹介された時に書棚にパット・マガーがあったけ)の趣向もあり、第1部で万葉が「視た」飛ぶ男に関する謎解きがされる。
全体を通して描写力の確かさと作者の読書量の豊かさを想起させるが、
「百年の孤独」は勿論、「楡家の人びと」、この元ネタである「ブッデンブローク家の人びと」あたり
まで目を通しているのではなかろうか。
不満点としては、最後の最後の締め、「・・・・ほんとうにそうだとおもしろいんだけどな。」という
万葉の孫瞳子の独白で余韻を持たしてエンドして欲しかったこと、
蛇足と言わぬまでも、果たして以後のくだりは作者はどうしても書きたい部分だったのか?
487書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/01/18(日) 11:47:58 ID:MwBlXvUS
西村寿行「帰らざる復讐者」を読んだ。
既にブームも遠く過ぎ去ったものの、今でも暇つぶしに一気読みさせる面白さは備えている。
ただし、この手の作には付きものな極端な御都合主義(主人公の持論も含む)を許容出来得ると
しての話ではある。
父と妹を惨殺された帝大出青年医師がリベンジャーと化し、父の戦時中の過去が絡んで
いたと思われる事件の真相を追う・・・
ハードボイルドアクションと思いきや、前半謎解き小説風、しかも足で追う松本清張風な面白さ
あり、ただし、活躍時期がコンテンポラリーだった破天荒な大藪春彦作品を読み慣れた目には
主人公が凡過ぎて、物足らない感はあろう。
読書人なら、後に森村誠一作品で話題となったネタに、先行する作ではこれも話題となった
遠藤周作作品のテーストを加味した作だとわかるはずだ。

新藤兼人「シナリオの構成」を読んだ。
「エデンの東」を素材にした最終章「シナリオの構成技術」は原作小説からシナリオが生まれる
過程をミステリの謎解きが如く解明したものであり、読み応え十分。
この章のみでこの板で紹介する価値があろうかと思う。
ただしスキル論としてはこれでOKなのだが、シナリオ化により登場人物のキャラやストーリーそのものが変質してしまっている点に一切触れられていないのは疑問。
例えば、スタインベックの原作のキャルは映画版ナイーヴな印象も強いジェームス・ディーン
演じるキャルよりも、不良性を伴う悪のキャラに造型されているし(マーロン・ブランドの方が
イメージが近い)、稀代の悪女キャラとして設定されたアロン&キャル兄弟の母であるケイトが
キャルに金を貸したりして母の愛情を想起させるようなシーンがあっては極めて拙いのである。
488読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/01/23(金) 00:03:18 ID:B8bQUGza
「裁判員法廷」芦辺拓(文藝春秋)

裁判員制度をテーマにした本格中編集。“あなた”という二人称で
進行していく。芦辺の作品を読むのは3冊目だが、良い仕事してんなぁ
というのが素直な感想。自身も自負してるみたいだが、本格にこだわり
ながら社会性にも重きを置いた姿勢でいるのは好印象。
そこは元ブン屋ってことか。

収録作はどれもアリバイや現場の状況から犯人と目された被告人を
弁護士森江春策が助けだそうとするという筋。
ベストは最後の「自白」かな。鮮やかだった。でも順に読んでね。

一度は裁判員に選ばれてみたい。
489書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/01/24(土) 23:34:56 ID:GKLIPdqN
角田光代「森に眠る魚」を読んだ。
早大一文卒な直木賞をはじめとしたタイトルホルダーだが、
ミステリは書かないためミスオタには無縁な実力派作家の新刊である。
本作は都心の住宅地に住む様々なキャラの5人の主婦をメーンに置き、
子供たちのお受験を絡めた物語。
巧みな描写力により、日常を描きながらもサスペンスフルな作に仕上がっており、
一読巻を置かせぬものがある。
ラストはもう少し暗めの方がベターな感はあれど、前半の笑い含みの展開からサイコな展開さえ
期待させる後半の展開へのシフトチェンジは、なんとも見事としか言い様がない。
お受験ねたということもあって、文京区の凄惨な事件を想起する向きもあろうが、
作者はこの事件への高い関心は認めながらも、決してモデル小説としていない点には留意
しておきたい。(従ってこの方向性を期待すると外される)
490あぼーん:あぼーん
あぼーん
491あぼーん:あぼーん
あぼーん
492読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/01/30(金) 23:41:06 ID:1Iw7HSMA
「もう誘拐なんてしない」東川篤哉(文藝春秋)

下関に住む貧乏大学生翔太郎は先輩に半ば押し付けられた
たこ焼き屋のバイトで門司に遠征した時、何者かに追われていた
美少女を助ける。その少女・絵里花はヤクザの娘であり、父親の
監視から逃れたいのだと語る。事情を聞いた翔太郎は彼女の望みを
叶えてやるためにある犯罪を実行しようとするのだが……。

久しぶり2冊目。珍しく地方が舞台のミステリー。作者の持ち味である
コメディタッチな筆致には、時に余りのベタさに反応に困りながらも、
楽しめる。しかし、ミステリーとしては大したことない。がっかりした。
今更こんなネタ(だけ)で長編書いていいのか?

文庫書き下ろしでキオスクで売れば良いかも知れない。或いは
2時間ドラマにするとか。ついでにかしいかえんは遊園地でしょう。
493読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/01/30(金) 23:45:56 ID:1Iw7HSMA
「ジョーカー・ゲーム」柳広司(角川書店)

戦前の日本に創られたスパイ養成学校通称D機関。そこでは
選抜されたスパイ候補生達が魔王と仇名される怪人結城中佐に
厳しい訓練を受けていた。彼らはやがて密命を帯び世界各地で暗躍する。
連作スパイ短編集。

「はじまりの島」に刮目したものの、以降手を出しかねていたところ、
本作を読んだのはこのミス2位だったからともう一つ理由がある。
去年某テレビ番組を観ていたら本作が紹介されていたのだが、
そこでゲストの一人が「こういうものを読んでいると人間アホになる」
と言ってのけたのである! 何たる悪口! 何たる雑言!
晴天の霹靂とは正にこの事で、まさかまさか、白昼堂々公共の電波で
この様な無知と差別と偏見にまみれた汚らしい暴言が吐き散らかされよう
とは思いもしなかった小生は余りの衝撃に開いた口が塞がらず
畳が涎でベトベトになり年末を待たずに替えなければならなくなった
かも知れなかったくらいであった。
494読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/01/30(金) 23:47:30 ID:1Iw7HSMA
(続き)
観れば如何にも××××が原因で××出来ず、××を使って
何とか×××という×××を得ていると言った様な風体の輩である。
恐らく×××が××ない不満を勝手に××××のせいにして八当たり
したものと思われるが、誠にもって度し難い大馬鹿垂れの鎌足である。
こういう奴の存在は百害あって一利なしだと思う。
二度とテレビに出て欲しくない。

閑話休題。スパイものの方法論的に言って短編というスタイルは
難しいのでは思っていたが、中々頑張っている印象。ただ、
結城中佐のスパイ哲学は穿ち過ぎて破綻している様に思われる。
国家への忠誠心は必須でしょう。

ベストは「幽霊」。二重三重に組まれた真相が魅せる。盲点を衝いた
表題作も良い。「ロビンソン」は終盤の展開が都合良過ぎるし、
「××」は折角の不可能興味を(メル欄)が減じている様に感じた。

市川雷蔵の「陸軍中野学校」を観て本作と比較してみようかしら。
495書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/01/31(土) 18:57:11 ID:KSWvmhJz
山本博文監修「こんなに変わった歴史教科書」を読んだ。
教科書出版会社でもある東京書籍から刊行された、
1972年と2006年を中心に教科書を読み比べ、その差異のトピックを抽出した
歴史ミステリねた満載の本であり、それなり楽しめる。
新書・文庫でミステリばかり読み耽っている奴はこの程度の歴史常識はしっかりと押えて
おけという感がある。
この点で各項目の頁下段に記された「この時代(時代概観である)」「歴史年表」
「同時代の世界の動き」は学習に資するものがあろう。
歴史もミステリも愛好する俺には、有名な頼朝や信玄、尊氏の画像が全くの別人と判明したこと
(この過程の記述が正にミステリの謎解き)が特に面白いものがあった。
各人、心して読め!
496書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/02/01(日) 15:36:50 ID:bSWw6SC3
角田光代「空中庭園」を読んだ。
縁無き作家と思うていたが、前記した「森に眠る魚」の凄まじいまでのサスペンスに魅せられた。
直木賞受賞作ではあるが、非サスペンスの「対岸の彼女」は今ひとつという感があったが、
本作は首都郊外の大団地に住む一見平凡な一家の深層を抉って読ませるものがある。
連作形式だが、妻の視点で語られる表題作が一頭地を抜く面白さ、
母娘の思惑を描いて間断するところがない。
あとがきを石田衣良が書いているが、「パトリシア・ハイスミスのサスペンスのようだ」という指摘は
ツボを突いたものがあるかと思う。ただし、ラストの親子水入らず貸切状態の路線バスのシーン
を見ると、本作の評に「乾いた絶望」という表現を用いるのはいかがなものか。
それなりに家族相互の受容を描いたものとは理解出来ぬだろうか。
本作に描かれた京橋家はそんなに仲が悪い家族ではなく(むしろ良好な方かも)、
それぞれの駄目さ加減を認めたうえでの「明るい絶望」とでも評したいものがあるやに思う。
497名無しのオプ:2009/02/01(日) 19:31:46 ID:ebEgqMGM
うるせー!書斎よ、ここはお前のメモ帳じゃねえんだ、妄想は鶴ヶ峰公園の便所のカベでやれや、
いいかげんにしろよ、もう俺たちそろそろガマンの限界だぞ!
498名無しのオプ:2009/02/01(日) 22:06:47 ID:uc5h7gRN
どうしてボクチンが行くと、店員が迷惑そうな顔をするのか?

書斎馬人 著
499読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/02/05(木) 23:11:42 ID:jMLXDiVT
「狂犬は眠らない」ジェイムズ・グレイディ(早川書房)

CIA専用の精神病院通称<キャッスル>で精神科医が殺された。
死体を発見した5人の患者達はこのままでは自分達が容疑者にされる
と考え、独自に犯人を捕らえるべく病院から脱走する。しかし、
彼らはそれぞれ心に傷を負った病人であり、薬を服用しなければ
やがてはどうなるか判らない。果たして
間に合うのか?

バカミスアワード受賞作だっけ?
やたら分厚いから一瞬SFかと思った。設定が秀逸やね。究極の
デッドライン・サスペンス。しかもそれぞれが特異な弱点を
持っているという。

但しプロット自体は割と単純。本作の魅力は偏にキャラクターにある。
それでこの分量を見事に読ませるんだから凄い。久々のキャラ萌え小説の
収穫だ。

最後に、訳者のご冥福をお祈りします。
訳書では「脅える暗殺者」「逃げるが勝ち」等を読んだ覚えがあります。
頑張れば会えたかも知れなかったのになぁ。ちょっと後悔。
500読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/02/05(木) 23:12:48 ID:jMLXDiVT
すいません。スレ間違いました。
501書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/02/07(土) 23:10:36 ID:zvaZ1Ztm
広瀬正「T型フォード殺人事件」を読んだ。
表題作はSFオタには神的存在の作者によるレトロムード満載(野村萬斎ではない(w )のミステリ。
ただし、T型フォード車内を密室に見立てた謎解きは小技で全く面白くない。
SF作品にも見られるこの作者の悪い性向なのだが、序盤のクラシックカーねたも長過ぎて
うざったい。
他2編の収録作品に関しても簡単に講評しておこう。
「殺そうとした」
火サス・昼ドラレベルな作。サイドブレーキねただが、
このレベルのミステリでは今ではどうしょうもないという感あり。
「立体交差」
タイムトラベルねたを十八番とする作者らしい作で、まずまず楽しめる小品。
ただし、ミステリ風の逆転が存する作とはいえ、これはSFである。
ドームの存在、形は異なるがアジアシリーズ等、プロ野球好き・東京生まれジャイアンツ好きらしい
作者の予想のヒットはなかなかのものがある。
ただし長嶋の三冠王ってのが・・・
502名無しのオプ:2009/02/08(日) 08:24:59 ID:biuaTwOG
クロック城殺人事件

なんだよコレ…orz
久々に読むのが苦痛に感じた逸品
503名無しのオプ:2009/02/08(日) 23:54:34 ID:epl9+Z7x
アリスミラー城をオススメする
504読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/02/10(火) 01:18:40 ID:fC+zhX5j
「聖女の救済」東野圭吾(文藝春秋)

IT社長が自宅で毒殺された。しかし毒物は発見されず、
有力な容疑者であるはずの妻には鉄壁のアリバイがあった。
捜査に当たった草薙警部は容疑者に一目惚れしてしまい、
それを危惧した内海刑事は独断で湯川に助力を求める……。

何か「こんなトリックで長編を書き切るとは!?」的な前評判を
見かけたのですが、読んで納得。これは確かに短編のネタです。
それを長編に上手く溶け込ませているかと言えば……
まあまあ成功してますかね。タイトルの意味にも掛っていますし。
でも(メル欄)でしょう。

あと、某雑誌インタビューでの「複雑な筋よりも単純な筋を好んで書く」
という主旨の談話はどんなもんですかねえ。それしか書けないんじゃ
ないですかあクスクス。
505読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/02/10(火) 01:34:27 ID:fC+zhX5j
「図書館革命」有川浩(メディアワークス)

原発でテロ事件が起こり、類似した題材を扱ったことのある作家が
メディア良化委員会に狙われる。作家の身柄を保護した関東図書隊は、
この事態を利用して敵に打撃を与えようと目論む。

一応はシリーズ最終作(別冊は続いてるけど)。
結局、扱うテーマ(のいくつか)には共感しながらも、
ストーリーとキャラクターには共感出来ないという状況は最後まで
変わらなかった。あとがきで敢えて良化委員会側は描写しなかったとか
言い訳がましく書いてるのも頂けない。しかも理由は述べませんってw

でも、手塚兄と柴咲の掛け合いの場面は本書のハイライトであり
楽しめた。
乞食とか盲とか必要性があれば構わず使っていこうよの会でも
立ち上げたら支持するよ。
506書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/02/21(土) 14:52:33 ID:FFG2dIM/
清張スレのレス執筆用に東野圭吾「容疑者Xの献身」を再読。
時間を置いて読んでみると、ケイゴ作品中でも面白い謎解きミステリ
(刊行当時、本格ミステリか否かの議論があったが、この点は手がかりの呈示という面から
懐疑的にならざるを得ない)
かと思うが、登場人物が探偵と犯人を筆頭にして物語を進行させるための操り人形に
過ぎないというミステリの典型的な構成であり、やはり直木賞はどんなもんだったかというのが
正直な感想である。
例えば、元お水系バツ2・子蟻のヒロインのピュアさは不可思議、清張先生ならもっとリアルに
この手のウーマンのずるさ・賢さを書き上げたと思われ。
507書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/02/22(日) 13:09:02 ID:km1aGDHC
朱川湊人「花まんま」を読んだ。
ミステリちゅーか、ホラー作品集である。
表題作は直木賞受賞作。
リーインカーネーションを描いたコテコテなホラーなんだが、あっさりと受賞。
高橋克彦作品にしてもそうだが、ミステリやホラーに甘くSFには非常に厳しい直木賞、
果たしてこれで良いのか?
大好評につき(励ましのメールを多くありがとう。この糞BBSの場を借りてだがお礼を申し上げて
おく)、収録作品全話講評逝ってみよう!
・「トカビの夜」
病弱な朝鮮人の子が死んだ後に妖怪トカビ(正確な発音ではない旨が述べられている)と
なって登場するというファンタジックなストーリー、腐女子やファンタジーオタが読むにはOK
だが、大のオトナがこの世界観を許容して読むにはきついものもある。
・「妖精生物」
前収録作とは異なってファンタジックなタイトルに反してエロチックでグロな展開、
そして鬱エンドを迎える。
ヒロインの女の子が妖精生物から感じ取ったのはエクスタシーとしか考えられない。
一応、オトナの鑑賞にも堪え得る作かと思う。
・「摩訶不思議」
艶福家の叔父の死、その葬儀の怪現象を甥っ子の少年の眼を通して描いたユーモアたっぷり
の作。ただし、三人の愛人が仲良くなるという締めはやや安易で定番か。
・「花まんま」
リーインカネーションという実例としての報告も多い怪奇現象をそれなりにリアルに描いた作、
映画化もされたケイゴのヒット長編や高橋克彦作品を想起させるような作だが、
大阪弁が印象をぐっとソフトにしている。
加藤家と繁田家の交流が始まるなんていう安手なテレビドラマのような甘い締めにしなかった
のはグッドではある。
508書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/02/22(日) 13:09:41 ID:km1aGDHC
・「送りん婆」
タイトルは都市伝説的なエピを想起したのだが、ポスト送りん婆的立場にあった女性みさ子の
回想記、締めが凄み過ぎな感もあり、さほど面白い話とは思えず。
・「凍蝶」
大阪市街地という舞台から、謎の女性ミワの正体は物語途中で読めた。
丁寧に読むと、南国に棲息するはずの蝶の出現も当時からの温暖化の影響と見れば、
その消失以外(蝶の化身とされたミワの弟が死んだという明記はない)は怪奇現象が
これといって見当たらない作。
主人公の少年ミッちゃんことミチオは言うまでもなく被差別部落出身、
作者が巧くかわしながら書いているのがわかる。
509名無しのオプ:2009/02/22(日) 15:56:19 ID:uHUOrB7c
>>507
励ましのメール送りたいんで、メルアド教えてください。
510書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/02/28(土) 23:00:03 ID:ZezdYEkY
先日、久々に「容疑者Xの献身」を再読し、同年刊行で本格ミステリ大賞を巡り
接戦を演じた島田荘司「摩天楼の怪人」がふと気になり、本作も再読してみた。
会話態も多いとはいえ、NYの建築・歴史に関するシマソーの薀蓄が満載(本筋に直接には
関係しないもの、詳し過ぎるもの多)された600頁弱の大部なものだが、
ミステリ以外の部分(特にフェアな本格としてはNG作品と言い得るが)に力を注いでいる分、
逆に雑学的に楽しめるものがあった。
「暗闇坂の人喰いの木」あたりから発揮されて来た情景描写の巧みさも、
60年代のNY風景を描き出して申し分ないものがあるし、
本格の旗手シマソーには珍しいNYPDの刑事を主としたハードボイルドタッチの警察小説風の
趣向もそれなりに面白い。
ただし、初読時には薀蓄部分がうざく感じられ、終盤、次々と繰り出される読者置いてけぼり
状態なトンデモトリック開陳には唖然とさせられたものではある
(特にアクトレス2人のジョンまがいの射殺トリックは面白過ぎる、ガイシャの手の硝煙反応に
関するトリックは巧く書かれており、本来はこういう小技にこそ謎解きミステリの魅力はあるのでは
なかろうか。
(奇しくも本作中にも引用されているフレーズである「神は細部に宿る」ってやつである)
また、窓に映る怪人の姿(「怪人」と書いていないのがミソ)の無理やりトリックには思わず笑ってしまったが、まあ、シマソーはマジに書いているんだろうな。
511書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/02/28(土) 23:00:55 ID:ZezdYEkY
横溝御大、マエストロ鮎の後継と思うていたシマソーだが、本作は大乱歩的ユートピア願望が
前面に出た現代幻想小説という感が強く、この観点からなら楽しめるかと思う。
思うに、2005年はコテコテな謎解き長編ミステリ「容疑者Xの献身」が直木賞を受賞するという
日本ミステリ史上に特筆すべき年であったが、同時にミステリ界内部のトピックに過ぎないとはいえ、
90年代前半までは無冠とはいえ、その存在感で圭吾を圧倒していたシマソーが、
大作「摩天楼の怪人」を持ってしても、このミスではベスト10ランク外、文春では10位と
圭吾の「容疑者Xの献身」(共に1位を獲得)の前に大きく後塵を拝し、
ミスオタワールドたる本格ミステリ大賞でも僅差で敗れるという名実共に男性ミステリ作家の
第一人者が世代交代したエポックメーキングたる年だったと言い得る。
512書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/03/07(土) 16:37:57 ID:+esov19L
石持浅海「扉は閉ざされたまま」を読んだ。
ケーゴの「容疑者Xの献身」がヒットした同年に、
新書刊行ながらこのミス2位、文春5位と高い評価を受けた作である。
今読むと、最近はマスコミの話題に挙がらなくなって来たドナーカード等
臓器移植ネタが懐かしい感さえあり。
(問題点もあれど、制度的には定着して来たということか?)
作品としては、特異なものゆえ動機面を詳細に説明したいという意図があったのであろうが、
文庫化のさえ加筆された(解説より)最終章「前夜」が正に蛇足そのものと言い得るのが難か。
謎解きミステリは、装飾としての社会性は有りだとしても、
謎の解明ですぱっと終わるのがカタルシスなのだが、このジャンルの持ち味・魅力を消し去って
しまっている感があるのが何とも残念や。
犯人が名探偵のバージン(?)を破る覚悟(??)を決めるエンディングの方が良。
ケーゴ作品好きにも受けそうなリーダビリティと社会性もある作だが
大衆狙いな新書ミステリという刊行形態ゆえか、明らかに萌え目的なアホなミスオタ対象の
20代の美人JD(理科系院生)探偵というキャラは頂けない。
これならトーゴの湯川の方がまだ説得力があるわな。
513書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/03/15(日) 17:33:00 ID:BulXZE/M
久々に宮部みゆき「模倣犯」を再読してみた。
俺がミステリ板に堂々のデビューをした年に刊行されたベストセラー、映画化もされ、
ミステリ板でも話題にはなったのだが、「僕は実はモーホー犯なのれす」といったアホ
(当時からミステリ板にこの手のアホは多かったような)論外としても、辛口のレスが多かった
ものである。
劇場犯罪、猟奇犯罪等はソフトな現代版人情噺を得意とするみゆき向きの素材ではなかった
ということか。
語り口は定評があるみゆきだけに、初読時からボリュームのわりにサクサクと読めた感があったが、冷静に評価すればヘビーなテーマのわりに軽い印象という評にもなろうか。
ミステリ的には、ピース登場、つまらない「ひっかけ」による真相暴露という展開の後に、
もう一捻り欲しかった感もある。
単行本としては新世紀に入ってからの刊行だが、それ以前の雑誌連載を加筆して纏めたもの
だけに、ブロードバンド前時代、既に古さを感じさせるのが難か。
今ならPCや携帯を駆使したストーリー展開になるのであろう。
犯行のネットによる中継、極悪2ちゃんねらーの荷担あたりが考えられようか。
514 ◆XjFtIkbasQ :2009/03/16(月) 03:51:49 ID:dEsOXQ/e
有栖川有栖『火村英生に捧げる犯罪』(2008、文藝春秋社)【6.5点】
佐藤雅美『物書同心居眠り紋蔵 白い息』(2005→2008、講談社文庫)【6点】
北村薫『街の灯』(2003→2006、文春文庫)【7点】
連城美紀彦『白光』(2002→2008、光文社文庫)【7.5点】
北村薫『冬のオペラ』(1996→2000、中公文庫)【7点】
西澤保彦『リドル・ロマンス 迷宮浪漫』(2003→2006、双葉文庫)【6点】
北村薫『盤上の敵』(1999→2002、講談社文庫)【8点】
若竹七海『ヴィラ・マグノリアの殺人』(1999→2002、光文社文庫)【7点】
恩田陸『ネバーランド』(2000→2003、集英社文庫)【7点】
似鳥鶏『理由あって冬に出る』(2007、創元文庫)【6.5点】
奥田英朗『邪魔』(上下、2001→2004、講談社文庫)【8.5点】
東川篤哉『密室の鍵貸します』(2002→2006、光文社文庫)【6.5点】
515書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/03/21(土) 11:28:31 ID:wV935yWd
「刑事事実認定―裁判例の総合的研究―」を読んだ。
開始が迫った裁判員制度においては、マスコミ等はもっぱらわかり易い量刑面の問題のみに
報道が偏向しているきらいがあるが、前段階となる事実認定の問題に関して書かれた著作で
ある。従前は、司法修習生のアンチョコ、実務家の参考書等として利用されていた本書だが、
最早、一般ピープルにも縁無き書とは言い得ないし、判例の検証を重ねて事実認定に
アプローチする様は、正に良質なミステリの謎解きを読むかの如き興趣に溢れていると言い得る。
しかし、全編を通じて思うのは、裁判による厳格(過ぎるような感も強い)な事実認定と
いわゆる一般ピープルの常識による判断の差が強く感じられることである。
例えば、「犯人の特定」の章における「板橋強制わいせつ事件」最高裁判決、
「強姦の成否」の章における被害者の反抗を著しく困難ならしめる程度の暴行脅迫にあたらない
(もしくは証明がない)として強姦の成立が否定された3事例等に、事実関係を読む程に判決に
疑問を感じざるを得ないのは、ひとり私のみであろうか?
また、ミステリも読む者としては、刑事事件における「アリバイに関する認定」のくだりも興味深い
ものがあった。
一読後思うのは、くだらないミステリを読み耽っている輩に対し「軽々しく『アリバイ』というワード」
を口にすな!心しておけ!」
ということだな。
516 ◆XjFtIkbasQ :2009/03/22(日) 19:10:14 ID:+r2K6aSu
奥田英朗『最悪』(1999→講談社文庫、2002)【8.5点】

プーの若者・町工場長の親父・銀行職員の女の3人が、
どんどんどん底に落ちていく有様が圧巻。
細かいエピソードの積み重ねがおもしろかった!
個人的には『邪魔』よりも好き。

517読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/03/25(水) 17:10:57 ID:ODGoMlWC
「クラリネット症候群」乾くるみ(徳間書店)

中編集。「マリオネット症候群」は突如何者かに身体を乗っ取られた
少女の話だが、設定倒れの観あり。終盤ややツイストを訊かせるも
インパクトは弱い。

表題作は主人公が被る特異な障害に暗号を組み合わせたもの。
梗概の「……巨乳で童顔」まで読んで即手に取ったがそっち方面の
愉しみは無し。くそ。暗号ミステリーとしちゃ中々の物だと思った。
中盤のエロネタは、まあダジャレと見れば……。
518読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/03/28(土) 15:26:16 ID:MC4+fb9j
「退出ゲーム」初野晴(角川書店)

高校で吹奏楽部に所属する男女が主役の連作。面白かった。
良くできた青春ミステリーだと思う。
白眉は「クロスキューブ」かな。“ロジックで解けないパズル”
という謎の設定が魅力的で、その答えが舞台と見事に溶けている。
青春ミステリーの教科書のような作品。
表題作は変わった芝居対決の趣向が興味を引くくけれども、
ルールが曖昧で公平性を担保できているかは怪しいところ。
終盤のサプライズは評価するがベストではない。
最後の「エレファンツ・ブレス」は、序盤の珍妙な発明品から
後半は一転シリアスな社会派ドラマになっていき読み応えがあった。
色々とトリビアが増えたぽいのも○。

ただ最初の「結晶泥棒」は特殊な知識に寄りかかっていてイマイチだった。

「1/2の騎士」も読みたい。
519書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/04/04(土) 18:53:45 ID:39+BeUel
「橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇」を読んだ。
この作者の十八番とも言い得るテーマ作品集。
大好評な全話講評逝ってみよう!!
・「令嬢エミーラの日記」
エログロ濃厚な秘境もの。
解説でも触れられているが、実質的な主人公である凶暴なゴリラ以上に、
美貌のヒロイン(エミーラ)を含めた人間たちの醜さ・狂気が書き込まれた作。
尻切れトンボな感もあれど、今でも読むに値するのはこの辺にあろう。
・「怪人シプリアノ」
前半は実質主人公のシプリアノの人間離れした様が読ませどころ、
後半の官憲によるあっさりした残酷な解決法は今読むと凄いものがある。
(「天才バカボン」の乾いたギャグに通じるショッキングさあり)
・「陰獣トリステサ」
本書収録作品中最大のボリュームであり、「売りもの」な作なのだろうが、
ビッコの主人公の内面の苦悩等を書き込んだ分、小説として厚みは出たものの、
エンタメとしてはやや冗長に流れたきらいがあるのが残念。
もっとトリステサの怪奇性に焦点を絞り込んで書き込んでゆけばシャープな小品に
仕上がったかと思う。
結局、トリステサ=張り形の効能もありなんか?
520書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/04/04(土) 18:54:29 ID:39+BeUel
・「マトモッソ渓谷」
文字どおりの人獣そのものが登場する短めの秘境もの。軽く読み飛ばす程度でOKかと。
この作に関しては、前作とは逆にこのテーマでもっと書き込んで欲しかったものである。
ハガード風な読み応えある秘境冒険ものになったやもしれぬ。
・「女豹の博士」
このセレクションには異色の医療マッドサイエンティスト(?)もの、
医学知識が正確であれば、林博士の作品であってもおかしくはないテーストの作。
医療ものゆえグロはあれど、エロも期待すると完全に外される。
テーマは現代医学にも残る課題である「医学進歩のための犠牲」である。

このシリーズの編者は古本関係の著作でも知られた山下武氏だが、
ネタばれフリーで徹底して語った「解題」には非常な感興を覚えた。
(ネタどころか、ストーリーのアウトラインまで詳述してしまっている。
「陰獣トリステサ」に関する部分がボリュームに比較して短めなのが、
前記した私の評を裏付けるかのようでいて納得、納得。)
521書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/04/05(日) 16:24:37 ID:QF6ARKHT
岩本素白随筆集「東海道品川宿」を読んだ。
木山しょう平作品も再読中な俺だが、こちらの方はミステリという無粋な代物を好む
この板の連中には無縁な世界かと思う(w
素白翁の著書の方には、表題作の第9章相当部分が、紅楼としても知られた品川宿に
伝わる怪談の謎解きが書かれており、その上品にして素な文体を一読されたし。
永井荷風と比較した評が多く見受けられる素白作品だが、むしろ岡本綺堂好きに推したく思う。
両者の淡々としたストイックな語りは、かなり相通じるものあり。
しかし、この手のものを読むにつき、最近のミステリなどを読み狂っている人間が薄汚く見えて
さえ来るから不思議である。
522名無しのオプ:2009/04/05(日) 16:37:18 ID:627vZq6d
有川浩『図書館戦争』を読んだ。

近未来(異世界?)の日本での検閲官と図書館員の武力闘争を背景にした青春恋愛もの。

ダメだった。こういうのが好きな人もいるのだろうが俺はダメだ。
突飛な設定はともかくあまりにも描きっぷりが安っぽいし
本好きにとってはこんな題材の話をこんなふうに描かれてしまうと悲しくなる。
523書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/04/05(日) 18:16:28 ID:+G/IysJO
>>522
俺も「空の中」「海の底」とかその作者の作を読んでいるが、
明らかに板違いでは?
ミステリとしてつまらないのは当然かと思う。
524書斎魔神は頭が悪いということの証明:2009/04/05(日) 19:16:35 ID:b31pbqFs
521 名前:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/04/05(日) 16:24:37 ID:QF6ARKHT
岩本素白随筆集「東海道品川宿」を読んだ。
木山しょう平作品も再読中な俺だが、こちらの方はミステリという無粋な代物を好む
この板の連中には無縁な世界かと思う(w

     ↑

523 名前:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/04/05(日) 18:16:28 ID:+G/IysJO
明らかに板違いでは?

523 名前:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/04/05(日) 18:16:28 ID:+G/IysJO
明らかに板違いでは?

523 名前:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/04/05(日) 18:16:28 ID:+G/IysJO
明らかに板違いでは?

523 名前:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/04/05(日) 18:16:28 ID:+G/IysJO
明らかに板違いでは?
525名無しのオプ:2009/04/05(日) 20:34:30 ID:h46/Egse
本読みなら嫌いでなければいけないという圧力を感じる
526名無しのオプ:2009/04/05(日) 20:56:03 ID:YBYB91Cm
本読み
ほんよみ
ほにょみ
ポニョ
527名無しのオプ:2009/04/06(月) 10:03:32 ID:A92W8ix6
書斎に同意。
やはりミステリを徹底的に語るならネタばれは致し方ないね。
ローカルルールの理不尽さが改めて浮かび上がった格好だ。
528名無しのオプ:2009/04/06(月) 10:07:25 ID:DqlLaYKU
ルールに文句があるなら議論スレにいけ。
そしてきちんとコテつけて議論することだな。
529名無しのオプ:2009/04/06(月) 16:08:38 ID:A92W8ix6
ルールに関する議論はどんどん続けていくべき。
議論スレなどタコ壺なんだしね。
530名無しのオプ:2009/04/06(月) 18:22:10 ID:JqCBgci5
まあ削除依頼出すだけだけどね
書斎いい加減にしろ
531名無しのオプ:2009/04/06(月) 19:08:44 ID:BHpHoHYW
書斎にはまともな議論をする気がないことがわかったね。
横溝スレでスレ違い・板違いの話はやめろと言っているくせに
自分じゃそれを守れないような馬鹿の相手はムダだね。
532名無しのオプ:2009/04/06(月) 19:21:57 ID:eGLo7Ezr
レポお待ちしてます。
533名無しのオプ:2009/04/06(月) 19:27:47 ID:BHpHoHYW
というわけでネタバレルールについて議論したいのなら下記のスレで鳥付コテですること。
スレ違いのこのスレで何を言おうが一切無効。


ミステリー自治 その8
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1207382826/l50
534名無しのオプ:2009/04/07(火) 10:09:46 ID:7HBCZuco
そんなルールはどこにも書いてないし、守る必要は全くないな。
535名無しのオプ:2009/04/07(火) 13:46:07 ID:VHnrv+Dx
■メール欄以外でのネタバレは禁止です。

というルールは板トップに明確に書いてあるから守る必要があるな。

既に決まっているルールに反対ならば、問題提起および議論という
手続きを経てルールの改正を行なうのが筋。

ローカルルールは守りたくないから守らない、では無法状態に
なってしまうからね。
536名無しのオプ:2009/04/07(火) 16:18:20 ID:7HBCZuco
ローカルルールより上のコテハン叩き禁止ルールには何も言わないなら説得力は皆無だわな。
537名無しのオプ:2009/04/07(火) 16:26:12 ID:VHnrv+Dx
ルールに上も下もない。ローカルルールもガイドラインも
どちらも守るべきなのは当り前。アホですか?

ローカルルールにもガイドラインにも違反していないコテを
叩いているスレがあるとしたら問題なので削除依頼すべき。

具体的にどのスレのことを指して「説得力は皆無」などと
いってるんだ? お前の妄想か?
538名無しのオプ:2009/04/07(火) 18:16:46 ID:Lgg4gZuw
まだその頭のおかしい理屈くりかえしてるだけなのな
ほんといい加減あきらめろって

自治で議題にする価値もないだろ
539名無しのオプ:2009/04/07(火) 18:29:40 ID:7HBCZuco
ダブルスタンダードが問題なんだよ。
540名無しのオプ:2009/04/07(火) 18:46:36 ID:clTZxGkv
さあ、レポをw
541名無しのオプ:2009/04/07(火) 19:13:25 ID:U22FBW0r
つか、そもそも書斎魔神は全然ハンドルを固定していないんだから
「コテハン叩き禁止ルール」なんてまるで関係ねーじゃん。

ハンドルを入れている時だけはコテハンだ、などと弁解していたけど
入れている時と入れてない時があるって時点でコテハンじゃねーし。
542名無しのオプ:2009/04/07(火) 21:11:09 ID:tS8yZsAv
そそ。書斎(=ミステリ板住人)が都合でハンドルをつけたり消したりする卑劣漢ってのは
数年に及ぶ数々のID自爆で明らかなんだし、この期に及んでまーだ「コテハン叩きは禁止」とか言ってるのか。

自分では「IDは2ちゃんなら偶然かぶる」とか弁解するけど、「書斎暇人の弁護をしてスレ住人を罵倒し、
書斎暇人にとって都合の良いルールばかりこねくりまわす匿名」ばかりが、その書斎当人とIDがかぶるのは
偶然とはいえないだろう。何度も重なるのは“偶然”じゃなくて”必然”(同一人物)なのだ。

ミステリ読みなら分かる簡単な理屈。現場にいつも同じ人物の同じ痕跡が残るのを「偶然ですよ」で通せるわけなかろうて。
どこから見たって真っ黒じゃねーのwww
543名無しのオプ:2009/04/07(火) 22:48:31 ID:VqalrWNV
削除依頼スレ見ればわかるように
ネタバレレスもコテ叩きレスも削除依頼が出されているぞ。
ただ不思議なことにそのコテ叩き削除の依頼を出した人は
「コテ叩きはルール違反」と言っている人間とは明らかに別人なんだよな。

コテ叩きがどうの、だからネタバレOKだのとアホなこと言う前にまずすることをしたらどうだ?
544名無しのオプ:2009/04/07(火) 23:06:22 ID:qcD4HjNl
そろそろスレ違いでスレを伸ばすのはやめようね。
545名無しのオプ:2009/04/08(水) 07:47:34 ID:wU6dlSVH
ネタばれは重要議論項目ということ。
546名無しのオプ:2009/04/08(水) 11:38:01 ID:2zRUhZVa
ネタバレで語ることの95%までは、ネタバレしなくても語れる。
要点を隠して読んだ人にだけ判るような書き方をすればいい話。

まあ、5%ぐらいはどうしても要点を隠さずに語れないことも
あるかもしれないが、そんな時はメール欄を使えば済む。

いまのミステリー板のルールは、とても良く出来てると思うよ。

それで上手く語れないというのは、要点をぼかした書き方をする
能力も、メール欄を活用する能力もないおそろしく知能の低い人
ぐらいで、もちろんミステリー読みにそういう人は少ないから、
現行ルールを変えろなどという声は、ほとんど起こっていない。

つまりネタバレは「重要議論項目」でもなんでもない。要するに
(メール欄)こそが結論ということですよ。
547名無しのオプ:2009/04/08(水) 22:28:56 ID:xzVR1tlp
この野郎!!!!!!!!!!!!!
548名無しのオプ:2009/04/09(木) 00:02:02 ID:i9kcGJ6C
>>546
その(546のメール欄)ですが、
そいつのネタバレレス自身メール欄を活用すればすむ程度のものなんですよね。
現行ルール内じゃ収まりきれないがためにネタバレになったというものじゃないのが痛いw
549名無しのオプ:2009/04/09(木) 00:07:08 ID:lfqorOcy
横断歩道も歩道橋も設置されているのに

「向こうに渡れない!!!!!!」
「車の通行を遮断すべき!!!!」

と泣き喚いているガキみたいなもんだなw
550書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/04/11(土) 21:28:42 ID:PnQiqVhW
木山しょう平「長春五馬路(ウーマロ)」
先日、木山作品はミスオタには無縁と書いたが、庶民の様を描き間断するところがない氏の作に
触れず、読み捨てなミステリに耽溺しているのは、極めてむなしい行為とは思わぬだろうか?
2作しかない長編のうち、日本軍、国民党、ロシア軍、中国共産党と支配者が変遷し、
大混乱状態にあった敗戦時の満州を必死で生き抜く主人公(当然、作者が投影されている)の姿
を飄々、かつ、リアルに描いた本作を冒険小説的要素を持った作として紹介しておく。
各人、心して読め!!
しかし、この主人公、戦争未亡人や娼婦たちに「おじさん」と慕われ、
露天商仲間の中国娘(未亡人)と親しくなり、旧知の中国婦人とアバンチュールを試み、
旅先で出会ったロシア娘のおマンコを鑑賞する機会に恵まれ、
終いには16歳の中国人メイドとニャンニャンの仲になるという、
この「方面」での恵まれぶりを見ると、ウーマロでの食うや食わず明日をも知れない露天商暮らしも
どこか牧歌的にさえ見えるから不思議である。
だが、これも主人公=作者(?)の人柄ゆえか、歪んだ精神性持った輩が多いねらーならば、
このような状況下にあっては、石持て追われるのみであろうに。
551書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/04/18(土) 11:41:38 ID:hQk3Tc1h
「橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇」を読んだ。
単独スレを立てて語りたいぐらいの独自の魅力がある作家なのだが、
純然たるミステリを書いていないため、このスレ住人には馴染みが薄いのが残念。
本作品集には女性探偵が活躍する作が収録されているため、ここに紹介しておく。
各人、心して読め!
・「ウニデス潮流の彼方」
行間がぎっしりな文章、先が見える展開にもかかわらず150頁以上を一気に読ませてしまう
語りの巧さ、筆力はこの作者ならではか。
ただし、いくら伝奇小説とはいえ、ローマ帝国の末裔が未発見の大陸に存在し、
大渦巻きにのまれたドイツ駆逐艦が漂着するというトンデモ設定を許せるかどうかでしょ。
少しくどいきらいはあれど、古代ローマに関する薀蓄はまずまず興味深いものあり。
・「グリュックスブルグ王室異聞」
王室が絡んだ宝石盗難事件を巡り美貌の女性探偵が大活躍する作だが、
謎解きミステリとしての興趣は薄く、探偵活劇という趣が濃い作なのが、
この板のトップコテである俺としては残念な感あり。
まあ、女探偵と盗賊一味の列車内の駆引き等、活劇ものとしてはそれなりに楽しめはする。
・「ナリン殿下への回想」
直木賞受賞作品だが、この巻に収録されたのが不可解な感さえある普通小説である。
作者を想起させる貿易商兼作家と某国の王子(美男)との交流を描いた作だが、
今読む限り、たいして面白い作ではない。
552名無しのオプ:2009/04/18(土) 13:06:06 ID:cMf0pGI4
まあ、なんだかんだ言っても書斎がこの板の看板コテでありトップコテであることを自負するのも当然かな。
これだけ幅広く読書し、かつ批評できる香具師は皆無なんだからね。
553ファン:2009/04/18(土) 13:38:32 ID:NNJXHEqL
毎週、書斎の感想を読むのが楽しみだよ。
554書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/04/19(日) 19:03:01 ID:crNdID6F
「橘外男ワンダーランド ユーモア小説篇」を読んだ。
これは思わぬ当たりであった。
怪奇・幻想・伝奇小説のイメージが強い作者だが、編者である山下武氏が解題で指摘する、
この作者の本領はユーモア小説にあるというのも頷けるような、
現代では希少となった大人の鑑賞に堪え得る面白いユーモア小説が収録されている。
例によって大好評な全話講評逝ってみようか!
・「男色物語」
男色ものは耽美、ダークとなりがちなものが多い中、本作は抱腹絶倒な明るいユーモア小説に
仕上がっているのがいい。
どこまで事実かわからぬものの、作者を想起させる主人公の旧制中学時代の愉快・痛快な
男色性春生活が描かれる。
・「桃色機密室闖入記」
本作が、一応、スパイ小説として把握出来るため、この板でこの作品集を取り上げることが
出来たことは幸いであった。
ただし、ただし謀略の細かい顛末等、全て謎に終わるのではあるが。
ユーモア小説としての出来は中程度といった可も無く、不可も無くといったところか。
555書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/04/19(日) 19:03:46 ID:crNdID6F
・「葛根湯」
風邪薬の葛根湯をネタにした軽いコント、あるいは、落語風の作であるが、たいして面白い作では
ない。
・「雷嫌い」
雷から逃げ回る主人公の姿が笑える一篇。やや饒舌過ぎる文体が難か。
・「或る千万長者と文士の物語」
収録作品中最大のボリュームで読み応え満点のユーモア小説の傑作である。
この手の作では遠藤周作「おバカさん」、井上ひさし「モッキンポット師の後始末」等の
著名な作にも劣らない面白さというてよい。
主人公の雇い主である三田谷商店のぼーっとした若旦那、スウさんこと雄さんの実態が見えて
来る終盤にはミステリ的興趣が無いでもない。
主人公の元部下の混血美人(アイリス)と雄さんとの絡みのくだりを期待したが、
こちらの展開が無いのがちと残念(元ネタ(実話)も無いゆえか?)
556名無しのオプ:2009/04/20(月) 05:07:43 ID:gzCVG7un
書斎かわいいよ書斎
557名無しのオプ:2009/04/20(月) 15:57:01 ID:GIew6Jwp
最早書斎の独壇場だね。
読後感など足元にも及ばないよ。
558名無しのオプ:2009/04/20(月) 17:48:32 ID:EQ2qUGgA
くだらないねぇ。中学生でも書けるような文章で何言ってるんだかw
60歳近い初老の男が便所の落書き2ちゃんねるで名を上げたいっての?
その一方ではいい年した老人がアニメ・ゆうこりん・ガッキーと気持ち悪いw
いっそのこと「書斎☆自演乙☆魔神」とでも改名したらどうだい爺さんw
559名無しのオプ:2009/04/20(月) 19:01:09 ID:V6/s3OTA
読後感 ◆VkkhTVc0Ugってまだ論評書いてるのかw

「Y」のメインの謎すらきちんと読解できていなかったお方が
いくら語ってくれても、参考にする気も起きんわ。
560名無しのオプ:2009/04/20(月) 22:52:49 ID:EDPfxf8o
あんたも相当な粘着だなw
561名無しのオプ:2009/04/20(月) 23:09:57 ID:REXet/Up
馬は小心者だから自分以外のコテハンの存在が許せないんだろ
562名無しのオプ:2009/04/20(月) 23:14:39 ID:dukHZoYP
読後感は最近、作品の粗探しばっかりしてる印象
563名無しのオプ:2009/04/21(火) 00:15:18 ID:FSmekOjW
>>559 >>562
本人がそれで幸せなら、それでいいだろ
564名無しのオプ:2009/04/21(火) 20:18:25 ID:akWCeSUE
書斎のイメージが悪いのは書斎本人の言動よりも>>552のような
自演を疑われるようなタイミングで歯の浮くような追従書いてる金魚の糞のせいだな。
故意にそれを狙っているのか計らずも結果的にそうなってしまうのかは知らないが。
565名無しのオプ:2009/04/22(水) 07:37:45 ID:ij27V+fw
ってか読後感がイタかったのは、誤読そのものじゃなくて、
自分の方が誤読してるのに相手を未読呼ばわりして
馬鹿にしてたことだからな
566名無しのオプ:2009/04/22(水) 11:25:53 ID:fXL/3fBr
>>564
その他にもミステリーじゃない本をミステリーだと強弁するうえに
「お前らミスヲタはこういう本を読んでないだろw」
といわんぱかりの罵声を飛ばしてくる痛い行為も笑われているよ。
でもそういう奴に限って実際はミステリー以外の本を殆ど読んでいないんだよねw

>>565
それ、書斎じゃんw
主人公の性別を間違えていたり書名そのものを間違えていたりと
あり得ないような誤読ばっかり。
567名無しのオプ:2009/04/22(水) 19:34:48 ID:yM+GxXWR
>>565
だね。
自業自得。
568名無しのオプ:2009/04/22(水) 20:19:22 ID:ra4r/mQM
読後感のデタラメぶりが俎上に上がってきたね。
本人のためにもいいことだよ。
569名無しのオプ:2009/04/22(水) 20:44:32 ID:vb9zQ/O/
気が済んだら巣に帰ってね
570名無しのオプ:2009/04/22(水) 21:17:17 ID:fipYneBF
名前欄は表示されない設定だから籠手
いることに全然気付かなかった
571名無しのオプ:2009/04/22(水) 23:55:08 ID:ij27V+fw
>>566
書斎って奴はよく知らないが、まあいずれにしろ
他人を馬鹿にしようとして実は自分の方が馬鹿だった…
ってパターンは救いようがないな

まともな人間なら、別に少々間違いを犯したって
そんなに嫌われはしないからな
本人の人格の問題だ
572名無しのオプ:2009/04/23(木) 03:51:15 ID:qAHkG3hE
よく知らないとかw
散々ここに書き込んでるのに嫌でも目に入るだろw

読後感のことでそこまで粘着するほど誤読や他人を馬鹿にする行為を
憎むのなら、書斎に対してはその何倍も憤ってなきゃおかしいのに
まる無視の上よく知らないとかわざとらしいにも程がある
573名無しのオプ:2009/04/23(木) 06:59:31 ID:b7oiMz4h
>散々ここに書き込んでるのに

出た、決めつけ厨w
574名無しのオプ:2009/04/23(木) 08:47:19 ID:qAHkG3hE
え? 書斎が散々ここに書き込んでるのは俺の決めつけですか?w
575名無しのオプ:2009/04/23(木) 09:48:48 ID:87qFYdjD
>>574
そのなんとか魔神とかいうコテのレスなんか見たことないよ。
専ブラってとても便利。
576名無しのオプ:2009/04/23(木) 11:13:39 ID:uwV8Jiqi
よく知らない書斎は専ブラではじくけど
文句をつけまくっている読後感は専ブラではじいていないとは不思議だな。
577名無しのオプ:2009/04/23(木) 21:36:19 ID:b7oiMz4h
>>574
主語くらいきちんと書けよ阿呆w

ま、仮に「散々ここに書き込んでる」の主語が書斎とするなら、
逆にお前は>>571が普段ここに来ていると
決めつけてることになるんだがな

いずれにしろ、想像だけで勝手に物事を決めつけるなよ園児w
578名無しのオプ:2009/04/23(木) 21:51:25 ID:4qTjBv0S
強引に書斎との比較論を持ち出して、無理から読後感を弁護しようとしてるやつは、何が目的なんだろうね。 (・∀・)ニヤニヤ
何をどう言い繕っても、読後感が他人を馬鹿にしようとして自分が恥をかいたという事実は消せないのに。
579名無しのオプ:2009/04/23(木) 21:56:27 ID:pNJ/2Iod
強引に読後感との比較論を持ち出して、無理から書斎を弁護しようとしてるやつは、何が目的なんだろうね。 (・∀・)ニヤニヤ
何をどう言い繕っても、書斎が他人を馬鹿にしようとして自分が恥をかいたという事実は消せないのに。

入れ替えても全く無理なく文章が成り立つなw
580名無しのオプ:2009/04/23(木) 23:50:46 ID:jDyhAaj6
>>579
頭悪いな、お前w
>>571は書斎に対してはニュートラルな立場だけど、
>>572は読後感を弁護してるだろ。
入れ替えたら、全然成立しないぞ。

なんでそう事実をねじ曲げてまで
無理に読後感を弁護したいのかな?
581名無しのオプ:2009/04/23(木) 23:54:46 ID:eCtCGGaF
>>580
必死になって読後感氏を叩きたいのはわかったが
まず落ち着いて>>578-579をよく読んでから投稿しなさい。
582名無しのオプ:2009/04/24(金) 01:13:27 ID:eAR5DhbB
>>581
もうわかったから、早く巣にお帰りください。
583名無しのオプ:2009/04/24(金) 02:29:14 ID:LPw4FId0
>>577
お前はどんだけ阿呆なんだ?
普段来ていようがいまいが普通気付くだろうが
何せここ最近書き込んでいなかった読後感をわざわざ持ち出して
叩く位だから読後感の最後の書き込み(>>518)は確認してるわけだよな?
ならそれ以降何度も書き込んでいる書斎に気付かないはずはない

そして書斎はお前が読後感をしつこく叩いていることと同種の行いを
何度もしている
お前が何ヶ月も前のことをしつこく持ち出して読後感を叩けば叩くほど、
今現在同じことを繰り返している書斎をスルーしている不自然さが
際立つだけ

それを皆に皮肉られてんのに全く解ってないようだね
つか、>>580で「名前だけで叩いてます」って白状しちゃってるしなw
584名無しのオプ:2009/04/24(金) 08:22:25 ID:U+okjMm5
ま、読後感も書斎も、両方誉められたもんじゃないけどねw

こうしていちいち書斎も一緒に批判しておかないと、
>>583みたいな勘違いクンがしゃしゃり出てきて
書斎擁護だととんちんかんに騒ぎ出すから、
始末に負えないやねw
585名無しのオプ:2009/04/24(金) 09:23:37 ID:XZ8+d1YB
>>582
筋違いの叩き方を指摘されて逆ギレですか?

しかし読後感の叩き方があまりにも不自然だということを指摘されると途端に馬脚を現すねw
586名無しのオプ:2009/04/24(金) 12:30:49 ID:5jsMavSb
581は具体的には何も指摘してないからね
そりゃ実のあるレスは誰も返せないでしょ
587名無しのオプ:2009/04/24(金) 16:31:53 ID:on6q/olT
そうか具体的に言われないと理解できないのか。
ゆとりなんてレベルの話じゃないなw
588名無しのオプ:2009/04/24(金) 17:01:28 ID:5jsMavSb
出た、馬鹿理論w
589名無しのオプ:2009/04/24(金) 17:05:13 ID:on6q/olT
よしよし、悔しかったんだね。
他人の感想にケチつける前にまず自分が読解力を身につけようねw
590名無しのオプ:2009/04/24(金) 18:46:57 ID:LPw4FId0
最初は書斎なんてよく知らない(その癖専ブラで弾いているw)と言い、
次にニュートラルな立場と言い、その後誉められたもんじゃないと言う

言い分もIDもコロコロ変わる奴を誰が支持する
591書斎☆自演乙☆魔神:2009/04/24(金) 20:46:20 ID:XF7bf/kQ
>>552
ちょっと誉め過ぎだぞw
顔から火を吹きそうだ(#^.^#)
>>553
期待して待ってろよ(^_-)-☆
>>556
馬鹿者!
独立独歩のニッポン男子に向かって可愛いとは何だ(−_−#)
>>557
うむ。
今日はジャン・ポール・サルトルの「嘔吐」を読んだ。
今から自分自身の存在を確かめるため、
左手にナイフを突き立ててみようかと思うのだが・・・
痛いの嫌だし血も見たくなし(>_<)
無かったことにして「アルトナの幽閉者」を読もうφ(.. )
592名無しのオプ:2009/04/24(金) 23:07:08 ID:JQG3rP6m
このスレで書斎以外のやつを批判するレスは
全部書斎から矛先を逸らすための工作だと

   マジで

信じてる電波がいて、軽いカルチャーショックだわ。
593誰でしょう?:2009/04/24(金) 23:21:00 ID:Gfm4MUh9
つまり…

書斎魔神も読後感も、「対象を貶める事を書けば、良く読み考えた立派な論文だと思ってもらえる」と勘違いしてる要注意コテハンであり、
そんな痛い方々が二人もやって来ているこのスレは、とてつもなく恐ろしいスレだ。

という事ですか…!
594名無しのオプ:2009/04/24(金) 23:27:25 ID:eAR5DhbB
>>585
もう貴方の勝ちでいいですよ。
確かに私は、書斎を弁護するために無理に読後感を叩いていました。
貴方の言うことは、全部無条件で正しいです。

だから、早く巣にお帰りください。
595名無しのオプ:2009/04/24(金) 23:43:58 ID:LPw4FId0
>>592
行為を批判するなら書斎をスルーするのはどう考えてもおかしいからね
質でも量でも書斎のが酷いから
その証拠に読後感を批判してる奴は昔のことを何度も持ち出して
そればかりを思い出した様に言い立ててるし
596名無しのオプ:2009/04/24(金) 23:49:49 ID:hhmIAp8q
>行為を批判するなら書斎をスルーするのはどう考えてもおかしいからね

駐禁切符切られた大阪のオバハンが
「なんでアタシばっかり取り締まるの! 他にもやってる人いるやん!」
とわけのわからない理屈で逆ギレする姿を思いうかべたw
597名無しのオプ:2009/04/24(金) 23:58:25 ID:Gx5Mpsgo
こいつ何かおもしろいなw > ID:LPw4FId0
言い分もIDも違ったら、普通は別人だと判断するもんだけどw

そこに同一人物だという前提を勝手に持ち出して
「発言がコロコロ変わる」とか言い出すに至っては、
ID:LPw4FId0は頭がおかしいとしか思えないなw

自分の言ってることが支離滅裂だという自覚すら無いっぽい
598名無しのオプ:2009/04/24(金) 23:59:21 ID:5jsMavSb
確かに発言もIDも違えば、そりゃ別人だよなw
599名無しのオプ:2009/04/25(土) 00:01:32 ID:Gx5Mpsgo
>>598
まあ、好きなように暴れさせとけばいいかもね
600名無しのオプ:2009/04/25(土) 00:13:02 ID:cLyZfRUU
>>596
だからずっと昔の読後感のことを何度も叩いてる癖に
直近の書斎をスルーするのは何でだよ?

お前がやってることは一年前の駐禁を思い出す度に切符取ってるようなもん
今正に駐禁してる奴をスルーしてな

IDも言い分も違うのに、レスを付けてくるのは何故だろうな?
知らないはずの書斎を専ブラで弾いて嫌いな読後感のレスを
しっかり読んでいる理由も合わせて教えてくれ
601名無しのオプ:2009/04/25(土) 00:18:03 ID:Jlz86eI5
うわ、また来たw
602名無しのオプ:2009/04/25(土) 00:30:09 ID:E1CvY6/A
>IDも言い分も違うのに、レスを付けてくるのは何故だろうな?

こいつはきっと掲示板に来るのは初めてなんだろうな。
誰かと一対一で話したきゃ、どっか他に行けばいいのに。
603名無しのオプ:2009/04/25(土) 04:35:25 ID:MqhbIlR+
必死でID切り替えたり複数回線使う前に
叩きやりたきゃ最悪板に行け。
604名無しのオプ:2009/04/25(土) 06:25:21 ID:JwB3rxgJ
>>583
・読後感を叩くやつは、必ず読後感の最後の書き込みを読んでいる
・あるスレである書き込みを読んだやつは、必ずそのスレのそれ以降の書き込みを全て読んでいる

自分でおかしいことを書いているという自覚がないなら、お前はリアル池沼。
他人が自分の想定した行動原理通りに動かないと叩くって、どんだけ頭悪いんだよお前。
605名無しのオプ:2009/04/25(土) 10:25:13 ID:cLyZfRUU
>>604
>・読後感を叩くやつは、必ず読後感の最後の書き込みを読んでいる

>>559で「読後感 ◆VkkhTVc0Ugってまだ論評書いてるのかw」と
書き込みの頻度について言及している以上、
読後感の最後の書き込みをチェックしているのは当然
さもなければデタラメを書いてることになる

>・あるスレである書き込みを読んだやつは、必ずそのスレの
それ以降の書き込みを全て読んでいる

>>559で読後感の書き込みの頻度を問題にしている以上、
最新のレスまでチェックしていなきゃいけないはずだし、
それなら>>518から>>559の間に8回も書き込んでいる書斎に
全く気付かないはずがない
606名無しのオプ:2009/04/25(土) 10:47:43 ID:Jlz86eI5
また来たこいつキモイ
607名無しのオプ:2009/04/25(土) 13:02:07 ID:UhggdDQn
>>592 >>597
でも電波なんてみんなそんな感じでしょ
あまり叩かずに、次は何言い出すかROMりながらヲチするが吉
608書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/04/25(土) 15:39:59 ID:Xs5uY0u0
三津田信三「山魔の如き嗤うもの」を読んだ。
最新の文春ミステリーベスト10の第7位、このミス第8位にランクインした作。
本作と同様に怪奇幻想作家の刀城言耶が探偵役を勤める前年の「首無の如き祟るもの」は
それぞれ6位と5位であったから、
年度による差異を考慮しても、やや評価ダウン気味ながら、むしろ謎解きミステリとしては
山魔>首無という感あり。
シリーズ作品の特色である鼻に付く感があるオーバー過ぎるオカルティズムの強調と
相次ぐ怪奇現象の謎解きがあっけ無さ過ぎるのは両作共通ながら、
「首無・・」が強引なまでの物理的トリック(タイトルの首無しトリックが典型)で白けさせる面が
多いのに対して、時代性(昭和20年代)と山間僻地というローカリティを巧く活かした
心理的なトンデモ成り済ましトリックが冴えており、この部分だけでもミステリとして楽しめるもの
となっておる。
ただし、最後の頁までドンデン返しを繰り返す前作と比較すれば、終盤は肝心の締めの部分で
怪奇に逃げたのは頂けないものあり。
(そっくり従兄弟ネタでもう一捻り期待していたのだが)
極端な偶然性に頼った展開があるとはいえ、登場人物の言動を整理しながら丁寧に読んでゆくと
疑問点が生じ、読者なりの推理を展開してゆける楽しみも備えた作ではある。
(真相にたどりつけるかは別問題ではあるが)
だが、「首無し・・」の講評でも述べたとおり、読者無視な狙ってやっている読み難い登場人物名
と地名はなんとかならないものか、怪奇な雰囲気作りというだけではメリットは少ないかと思う。
609名無しのオプ:2009/04/25(土) 16:26:19 ID:JwB3rxgJ
>>605
お前の言う「当然」「はず」は、全然当然でもはずでもないぞ。
ものごとを筋道立てて考えることすらできないなら、もう無理に喋るな。
610名無しのオプ:2009/04/25(土) 17:06:41 ID:cLyZfRUU
>>609
なら、どういう根拠で
「読後感 ◆VkkhTVc0Ugってまだ論評書いてるのかw」
と判断したのか示してくれ
611名無しのオプ:2009/04/25(土) 17:15:03 ID:wywZ6sax
>>602
>こいつはきっと掲示板に来るのは初めてなんだろうな。

>>605を読むと、専ブラや検索すら知らない情弱みたいだしね
612名無しのオプ:2009/04/25(土) 17:39:32 ID:cLyZfRUU
専ブラや検索を使ったのなら行為そのものではなく「読後感」という
コテハンを叩きたかっただけということになるけど
自分から言ってくれるとはね
613名無しのオプ:2009/04/25(土) 18:08:59 ID:uqyoODct
>>16
>ただ一方的な逃走劇が展開されるのみで、事件の裏に隠された陰謀などは藪の中のまま。
>あまりの投げっぱなしぶりに開いた口がふさがらない。
今更だけどあれってあまりに巨大な見えない敵との戦いなんだからほとんど問題ない
読解力なさすぎだろ
614書斎☆自演乙☆魔神:2009/04/25(土) 18:26:32 ID:e/yeKo9s
>>608
ストーリィの大まかな流れを明かしちまったら、
これからその本を読もうとする者の興味を増すどころか逆に半減してしまうだろう。
どんでん返しの有無まで言及して半分ネタバレだよ。
ネタバレ前提の感想文としても全く面白くないね。
ただ粗筋をなぞってるだけで何の感動も伝わって来ない。
60手前の大の男にしてはあまりにもお粗末、下手くそな感想文だ。
615名無しのオプ:2009/04/25(土) 18:30:08 ID:by9zfIxm
>>614
迷惑だからスルーしろ
もうウザいよ
616名無しのオプ:2009/04/25(土) 18:49:55 ID:e/yeKo9s
>>608
このミスで何位にランクインしたかなど検索すれば誰でもわかること。
いちいち紹介することじゃない。そんな駄文で「講評」とは笑えるな。
Amazonでレビュー書いてる人たちの方がよっぽどマシだわ。
便所の落書き2ちゃんねるでコテハンやってる自意識過剰の気違いなんて
所詮こんなもんかと呆れ果てたよ。
自己顕示欲ばかり馬鹿でかいくせに文才がからっきしとは何たる愚劣。笑止!
617名無しのオプ:2009/04/25(土) 18:54:55 ID:e/yeKo9s
>>615
すまなかった。
言いたいこと言ったんで、もう消えますよ。
618名無しのオプ:2009/04/25(土) 18:55:55 ID:uqyoODct
>ID:e/yeKo9s
>>614
>>616
619名無しのオプ:2009/04/25(土) 19:04:39 ID:fRskGoxq
ID:LPw4FId0=ID:cLyZfRUUはずっと
誰に何を言いたいの?
620名無しのオプ:2009/04/25(土) 19:27:08 ID:Jlz86eI5
>>619
わかんないw
自分に話し掛ける人は全部同一人物だと思い込んでるみたいだから、
誰とも会話が成立してないんだよねw
621名無しのオプ:2009/04/25(土) 19:41:00 ID:cLyZfRUU
>>609が根拠を示してくれるのを待ってるんだけど?
言いっ放しで逃げてばかりじゃ会話が成立するはずがないわな
622名無しのオプ:2009/04/25(土) 20:03:58 ID:0Iu5EqiJ
「読後感」でレス抽出すると一発でわかるけど、ご本人の最後の
書き込みは>>518

で、名無しの書斎魔神による>>557の読後感叩きのレスがあって
>>559という流れ

>>559>>518以前まで遡って読後感が書き込んでいるのを確認
しているわけでは全然なくて、>>517で名前が出てるのを受けて
「まだいたの」とレスしたに過ぎない。

こう考えて何か不自然な点があるかね?
623名無しのオプ:2009/04/25(土) 21:03:00 ID:JwB3rxgJ
>>622
>こう考えて何か不自然な点があるかね?

全然ないよなw
それは俺も>>604で指摘してるんだけどね。意味のある反論が返ってこなかったよw

なぜか>>605は、レスってのは必ずある起点から順を追ってあるいは遡って
くまなく目を通していかなければならないルールがあると思い込んでるんだよねw
さらに、誰かの批判を書くときは、あらかじめそうやってくまなく調べた情報を元に
より悪質性の高い人間がいないかをチェックして、もしいたらまずそっちを
叩かなきゃならないってルールもあるらしい。
で、皆がきっちりそのルールを守らないと気にくわないらしく、意味不明のことを口走って
ケンカを売ってくる。

もう何をどう説明してやっても、どうせ理解できるだけの知能もないみたいだから、
酒飲みながらこいつの暴れっぷりを楽しんで見てますw ヽ(´ー`)ノ
624名無しのオプ:2009/04/25(土) 21:17:31 ID:cLyZfRUU
>>623
行為を問題にするならそれが当然

とにかく読後感というコテハンのみを叩きたいのなら、
>>557を鵜呑みにして確認もせずに昔のことを蒸し返したり
するんだろうけど

で、書斎を専ブラで弾いて読後感はそうしてない理由はまだ?
625名無しのオプ:2009/04/25(土) 21:21:10 ID:Ac0r2ivQ
出た、「当然」w!

こいつたまんねーよww
626名無しのオプ:2009/04/25(土) 21:34:17 ID:0Iu5EqiJ
読後感のみを叩いた人 >>559
書斎は知らないといった人 >>571
専ブラで魔神をNGにしている人 >>575

これがすべて同一人物という前提で話をしているようなんだが
何を根拠にそう判断しているんだ????

IDも違うし普通に別の人だと思うんだが。
627名無しのオプ:2009/04/25(土) 21:52:38 ID:cLyZfRUU
少なくとも下の2つは同一人物だと思うが(会話が成立してるし)、
百歩譲って別人だったとしてもそれぞれについての不審点は
依然としてあるわけで、それにきちんと答えて貰わないと
628名無しのオプ:2009/04/25(土) 21:57:19 ID:6ph1I+BF
>>605
おまえさー
読後感はべつに頻度が高いことを叩かれてるわけじゃないぞ?

あとおまえ、そもそも「頻度」の意味わかってる?
「まだ評論書いてる」という表現は、頻度については一切触れてないぞ?

なあ、その読解力でミステリ読むのはキツくないか?
629名無しのオプ:2009/04/25(土) 21:58:52 ID:0Iu5EqiJ
同一人物だという前提が間違っているなら、そもそも「不審点」など
存在しないのでは?

それぞれの人がそれぞれの意見を言っているだけじゃん。
630名無しのオプ:2009/04/25(土) 22:06:16 ID:cLyZfRUU
書斎という存在を無視した上でね
631名無しのオプ:2009/04/25(土) 22:21:20 ID:0Iu5EqiJ
しつこい人だね。

別の人の発言をくっつけて読んでるから
書斎は知らないといいながらNGワードに入れ、なおかつ読後感を叩く
というおかしな人物像が勝手に出来上がってるだけだろうが。

>>575は書斎をNGにしている
>>571は書斎は知らないといっているが発言内容はまともだ
>>559は書斎に触れずに読後感を叩いているが、読後感を叩く人は
同時に書斎も叩かなくてはならないなどというルールはない

例によって、書斎が自演で他のコテを叩いているのかもしれないが、
書斎がクズのような荒らしなのは当然だから触れなかっただけかも
しれない。つか、>>559のあとに書斎の尻馬レス>>568があるから
おそらく後者でしょ。

ひとつひとつの発言に「不審点」など、どこにもないだろが。
632名無しのオプ:2009/04/25(土) 22:23:30 ID:Wm/kt1IS
>>630
ねー、頻度の意味はわかってるの? 教えてよ! o(^ー^)oワクワク
633名無しのオプ:2009/04/25(土) 22:25:06 ID:JwB3rxgJ
>>626
彼の脳内では、>>600で言及してる

>IDも言い分も違うのに、レスを付けてくるのは何故だろうな?

が根拠なんだそうだ。なぜ根拠になるのか、我々には理解できないけどw
>>602も指摘してるけど、掲示板ではべつに誰が誰にレスをつけてもいいし、
またそれがごく普通に行われてるということを、彼の知能じゃ理解できなかったみたい。

俺にも

>で、書斎を専ブラで弾いて読後感はそうしてない理由はまだ?

なんていう意味不明のことを聞いてきてるんだけど、俺に聞かれてもねえ…って感じです。
634名無しのオプ:2009/04/25(土) 22:31:17 ID:QYNVyp8/
一人だか複数だか知らんが要するに

書斎はおろか読書の感想なんかどうでもいい
読後感を叩きたい

という荒らしが粘着しているということはよく分かった。

読後感叩きもそいつを構っている奴も最悪板にスレ立ててそこに篭ってろ。
635名無しのオプ:2009/04/25(土) 23:38:45 ID:5E1SHe12
誰が荒らしか、言ってること見りゃすぐわかるだろ
あと、IDの色

誰彼構わず噛みついるネンチャク馬鹿をどうにかしろ
636名無しのオプ:2009/04/25(土) 23:49:25 ID:0Iu5EqiJ
名無しの書斎以外に「とにかく読後感を叩きたい」なんて奴は
いないだろ。

俺の印象では
読後感は「ややうざい空気コテ」
書斎魔神は「死ぬほどうざい荒らしコテ」

>>19>>21が大方の住人の実感なんじゃないの。

書斎は称賛されないまでも積極的には排斥されていない読後感が
妬ましくてたまらないようで、名無しで叩きまくっているけれど
そんなの見ればすぐわかるしな。
637名無しのオプ:2009/04/25(土) 23:50:10 ID:cLyZfRUU
ネンチャク馬鹿っていうのはずっと昔の他スレの過ちをいつまでも
蒸し返して叩く奴のことです
638名無しのオプ:2009/04/25(土) 23:55:56 ID:cLyZfRUU
>>631
>>559のあとに書斎の尻馬レス>>568があるから」後者とは
言えないでしょ
前者っぽいとも言えるしそれだけで確定出来ない
639名無しのオプ:2009/04/26(日) 00:06:13 ID:ZRbmCqHF
読後感叩きの中身が書斎だろうが違おうが関係ない
ただのクズ荒らしであることには間違いないよ
640名無しのオプ:2009/04/26(日) 00:15:21 ID:UyW3gU6v
「ずっと昔の他スレの過ち」って、読後感は読みましたスレでしか
見たことないんだが? 「Yの悲劇」を誤読したのはむろん海外編
だろうが、ここが国内だからって「他スレ」は無理があるだろ。

読後感は概ねごく平凡な感想、たまにおかしな読み方して筋違いの
いちゃもん、という感じだから、>>559のように言われても、まあ
仕方ないんじゃねーの。

わざわざコテつけてチョンボしたなら覚えられてて当り前だ。

仮に>>559が書斎の自演の叩きレスだったとしても(奴さんは過去
ログを保存するスキルも記憶する能力もないから可能性は限りなく
低いと思うが)、「だから何?」って話だし。
641名無しのオプ:2009/04/26(日) 00:22:32 ID:yGQy3P6n
書斎叩きも読後感叩きもスレ違いだよ
ここは国内のミステリーを読んで、その感想を書くところだ
642名無しのオプ:2009/04/26(日) 00:25:15 ID:j02IN7hY
>>634
このままじゃ勝手に脳内完結で「俺は偉いこいつら負け犬」で終わってしまう
もっとじっくりとレスして敗者であることを分からせよう
643名無しのオプ:2009/04/26(日) 00:26:17 ID:UyW3gU6v
なんでこんな意味のない煽り合いになってるのかよく判らんが
単なる叩きはともかくとしても、書かれた感想についての意見
を言うのも別にええやろ。
644名無しのオプ:2009/04/26(日) 00:34:29 ID:dMaTLrhZ
もうウザイから、よそでやってくれ。
端から見てても、>>592と同じ感想しか浮かばん。
何を無駄にムキになってんだか。
645名無しのオプ:2009/04/26(日) 00:40:42 ID:xZ4Wixlm
「読後感がYの悲劇で云々」ていうのは他所でも1、2度
見たことあるけどスルーされてたから、今回も相手にしなきゃ
良かったんじゃないか

書斎かどうかは知らんが異常なアンチなんだろうな
646名無しのオプ:2009/04/26(日) 00:54:10 ID:tg2RKtYQ
>言い分もIDもコロコロ変わる奴を誰が支持する
>言い分もIDもコロコロ変わる奴を誰が支持する
>言い分もIDもコロコロ変わる奴を誰が支持する
>言い分もIDもコロコロ変わる奴を誰が支持する

今年一番ワロタ
647名無しのオプ:2009/04/26(日) 04:36:35 ID:Pdi9bQUh
要するにあれだろ?
書斎叩きなら誰でも同じ意見だからスルーされるけど
書斎を無視して読後感だけ叩けば

(釣れる)

と踏んだだけの荒らしなんだろ?
ゴミは巣に帰れ。
648名無しのオプ:2009/04/26(日) 07:39:50 ID:Zkx4rs5+
↑また馬鹿が変なこと口走って、話を混ぜっ返してるな
釣りとか工作とか陰謀とか、想像だけで人を叩くのはもういいかげんにしろクズ
649名無しのオプ:2009/04/26(日) 12:39:13 ID:47hDuKRz
スレが伸びてると思ったら何この流れ?
とりあえず読後感乙って言っとけばいいのか?
650名無しのオプ:2009/04/26(日) 12:48:46 ID:xZ4Wixlm
書斎乙じゃない
651名無しのオプ:2009/04/26(日) 13:03:46 ID:vZFMgOV4
>>649
その発想はなかったけど…たしかに有り得るなw
でないと、ああまで必死に書斎叩きに
持っていこうとしてたのが、説明つかない

あと、読解力も読後感並みだったしw
652名無しのオプ:2009/04/26(日) 21:47:55 ID:rGPfEyl2
えーと、このスレって「『読みました』報告・国内編」ということでいいんだよね。
『ディスコ探偵水曜日』読みました。
このタイトルって『文学探偵サーズディ』のパロかなあ。
ところどころ大笑いできたので、よかったといえばよかったのですが、内容はよくわかりませんでした。
激賞している人もいるので、面白い人にはたまらないのかも知れないけど(豊崎とか)。
舞城は今まで読んできたので、出たらまた読むと思います。すぐには読まないけど。
653名無しのオプ:2009/04/26(日) 22:39:21 ID:g03W/yKp
>>647
その可能性もないとはいわんけど、中身が書斎の可能性も相当高いぞ。
書斎を無視して読後感氏のみを叩きたがることで得するのは奴だけだし
必死で回線切り替えて一人で会話しているのも奴の手口そのものだw
654名無しのオプ:2009/04/26(日) 23:07:33 ID:dMaTLrhZ
>>653
お前もいいかげんしつこいな。失せろ。
お前も書斎も読後感もこのスレには邪魔。
655名無しのオプ:2009/04/27(月) 02:21:56 ID:SG0EHpef
>>653
ただ困ったことに、そのミエミエの工作もある程度続けていると
ID:UyW3gU6vみたいに騙されてしまう人が出て来ちゃうんだよね
粗筋荒らしの時みたく
だからスルーが一番なんだけど
656名無しのオプ:2009/04/27(月) 10:57:19 ID:l6zsQHYX
ID:cLyZfRUUご苦労様です。
657名無しのオプ:2009/04/27(月) 11:11:56 ID:iOxRdTUG
俺は>>647に賛成。
ただし書斎本人も便乗しているのは確実だな。

まあ何にせよ書斎叩きですらスレ違いなんだから読後感叩きもこのスレですべきじゃない。
なのに延々と叩きを続けるうえになぜか同調する単発IDがわらわらとわいているというのは
誰が見ても複数回線&回線切り替え乱用の自演だよね。
ちなみに本人は「別の意見だ」と言ってるけどあんなのは大同小異、
というか別人を装っていると見るのがこれまた自然。

これ以上読後感叩きを続けたいなら最悪板にスレでも立ててそこでやってろというのが俺の意見。
658名無しのオプ:2009/04/27(月) 12:27:35 ID:MI87UVXu
>>653 → >>655 → >>657
たしかにミエミエの手口だなw
659名無しのオプ:2009/04/27(月) 16:30:48 ID:+pzrAI9r
読後感叩いてる奴が今なに言ってるかみりゃこいつの目的が荒らしだってわかるだろ
いいからバカは放置しろよ
660名無しのオプ:2009/04/27(月) 20:18:43 ID:+rE9zxol
>>592でFAだな
それにしても読後感氏って言ってる人初めて見たw>>653
661名無しのオプ:2009/04/27(月) 20:22:47 ID:+rE9zxol
おっと間違えた
592じゃなくて644だった
662名無しのオプ:2009/04/27(月) 21:19:31 ID:SG0EHpef
このスレだけでも3度言われてますけど
663名無しのオプ:2009/04/27(月) 22:10:52 ID:UT6v7ePo
これで読後感さんがちゃんとしたレビュアーであることが理解できたようだな
前スレで駄作赤朽葉家の素晴らしいレビューをボロクソに叩いたバカどもは反省しろ
664名無しのオプ:2009/04/27(月) 22:45:27 ID:l6zsQHYX
>>658
本人は、自分で自分の手口の解説しちゃってることに
全然気づいてないみたいだから、そっとしておいてあげるべきかもね。
665名無しのオプ:2009/04/28(火) 00:08:42 ID:C3ann2PE
「警官の血」佐々木譲
すっごい面白い!というわけではないのに、読むのが止められなかった。
親子三代に渡る警察官の年代記。こういうのって途中(2代目)が弛むんだけど、この小説はその部分が一番緊張感があったかも。
べたな例えだけど、ウッズ「警察署長」が面白く読めた人にはお勧め。マルケス「百年の孤独」が楽しめた人にもお勧め。
666名無しのオプ:2009/04/28(火) 11:02:07 ID:sNUTV51f
>>657
それが最終結論だね。
以後読後感叩きの荒らしは放置ということで。
667名無しのオプ:2009/04/28(火) 11:21:18 ID:sMC14zbH
じゃ気分なおしに読後感のレビューで良レビューだったのを挙げようか
668名無しのオプ:2009/04/28(火) 14:36:24 ID:l1ZjEsWY
いやだよ
読後感も馬も目糞鼻糞じゃねえかw
669名無しのオプ:2009/04/28(火) 18:14:58 ID:sMC14zbH
また来たか
670読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/04/28(火) 18:49:12 ID:pdJ/ErUi
「月光ゲーム」有栖川有栖(東京創元社)

夏の合宿でキャンプ場にやってきた東都大学推理研のメンバーだが、
突如山が噴火したため他の2グループと共にキャンプ場に
閉じ込められてしまう。救助が来るまで協力して生き延びようとする
彼らに殺人鬼の魔の手が伸びる――。

かなり昔に「双頭の悪魔」を読んで以来これに及ばないのが確かならと
読まずにいたが、そうでもないと聞いて読んでみるもそうでもあった。

論理にこだわる姿勢や推理ゲーム等の趣向も良いけれど、
やはり小粒感は否めない。新本格には論理だけでなく、
論理のアクロバットを見せて欲しいと思ったのであった。

追伸 「白い恐怖」がCCとは知らなかった。いつか観よう。
671読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/04/28(火) 19:02:15 ID:pdJ/ErUi
「疑心 隠蔽捜査3」今野敏(新潮社)

アメリカ大統領来日に際し方面警備本部長に異例の任命を受けた竜崎。
その裏にある思惑を勘繰りながらも任務を全うしようと努める
竜崎だったが、秘書として付けられた女性キャリアにえも言われぬ
胸の高鳴りを覚える。
果たしてこのときめきの正体は?
そして竜崎はテロリストの脅威から大統領を守れるのか?

キャラ萌え警察小説シリーズ3作目。
でも今回はイマイチ萌えられなかった。粗筋からも判る通り本作の目玉は
朴念仁竜崎の恋にあるのだが、それを可愛いと萌えられるか、
イラネと思うかは読み手次第であるところ、自分は残念ながら後者だった。

竜崎にはもっとこう社会のDQNとの対決を望みたい。2巻の
対PTAみたく。今回も監視カメラ問題で人権派とやり合う場面が
あるものの、どうも盛り上がりに欠けた。テロに対する
日米の危機感の違いを出来る限り近付けようと竜崎の奮闘は良かったけど。

敏さんあまり急がずじっくり仕上げて欲しい。
672名無しのオプ:2009/04/28(火) 19:56:52 ID:f6r83eD2
おれには読後感スレでもないのに
「じゃ気分なおしに読後感のレビューで良レビューだったのを挙げようか」
とか言ってるID:sMC14zbHの方が頭がおかしいようにしか見えない
673名無しのオプ:2009/04/29(水) 02:57:01 ID:C/jdRk3y
粘着がバカなだけで読後感が駄目なのはみんなが認めるとこだからな
674名無しのオプ:2009/04/29(水) 12:25:55 ID:e2Q8XJMC
読後感も恐ろしいまでの鉄面皮だな。
これだけ叩かれて平気で長文書き込んでくるとはね。
675名無しのオプ:2009/04/29(水) 12:39:07 ID:LAJMfLWf
アホ書斎ほどではない
676名無しのオプ:2009/04/29(水) 13:06:25 ID:3zGfyRop
>>674
妥当性が無いのを良く解ってるからでしょ
いちゃもんを一貫してスルーする姿勢は良いと思うよ
677名無しのオプ:2009/04/29(水) 13:46:10 ID:ypDWxsPN
読後感の感想文を読んで首をひねることはあっても、感心したことは
ほとんどないが、発狂荒らしの当て擦りレスに対してハンドル入れた
書き込みで完全スルーしている態度は高く評価している。
678書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/04/29(水) 15:28:54 ID:aGW92/tb
橘外男傑作集「青白き裸女群像・他」をやっとこさ読むことが出来た。
清張先生の「砂の器」でも知られる業病に関する極端な差別的描写
(と受け取られても仕方ないか)のため絶版状態になっている長編である。
本書には表題作の他に「陰獣トリステサ」「妖花イレーネ」の2作を収録。
トリステサに関しては、先に橘外男ワンダーランド・シリーズ「人獣妖婚譚篇」にも収録されて
おり、そこで論じているゆえ、該当レスの論考を参照されたい。
・「青白き裸女群像」
天刑病者(作中で使用されるワード)の集団に拉致・監禁・暴行される美女談という凄惨な前半、
中盤以降は捜査担当のパリ警視庁メイニャール警視が偶然にもアルカッツョン市警察を訪れ、
そこで怪盗フーケの供述調書を目にしたところか、俄然、アクティブな集団警察捜査小説と化す
のは意外であった。この意味では本作は橘作品には珍しいミステリである。
あっけ無い結末、前半の展開からは考えられないような明るめのエンディング等には、
かえって意外性を感じてまう。
天刑病に侵されて20数年経て帰還した娘に対する父親をはじめとする家族の姿勢
(虐待やネグレクトするわけではないが)絶望のヒロイン(?)には酷いものの、
実にさもありなんというリアルさを感じさせるのが、
満州もの等でも見せたこの作者のシビアな人間観をかいま見せて印象的でもある。
澁澤先生の解説でも触れられている本作を日本を舞台に改作した「地底の美肉」も
是非読んでみたく思うが、アマゾン見たらバカ高い・・・
・「妖花イレーネ」
テーマは怪奇色が濃い人造人間もので、SFミステリと言うてもよい内容なのだが、
物語構成は、「青白き・・・」と同様にブエノスアイレス警視庁第二捜査課長が主人公の警察小説、
となっている。終盤では壮絶なアクションシーンまであり、意外にもハッピーエンディングと言うて
よい結末を迎える。

上記2作共に言い知れぬ絶望感が漂うトリステサとの落差が大きい。
まあ、あの話はどう処理しても明るくは締められないものがあるが。
679書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/05/02(土) 18:35:13 ID:t9atgm7y
中空麻奈「早わかりサブプライム不況 『100年に一度の金融危機の構造と実相』」を読んだ。
アホなミスオタが最も苦手とする経済書だが、グローバルな視点に立てば、
今、喫緊に解かれるべき最大の「ミステリ」とは何かと思えば、
それは今回の大不況のトリガーとなったサブプライム問題を始めとする金融問題に他ならないと
言い得よう。
さすれば、本書をこの板で論じることは必ずしも板違いとは言い得ないのではないか?
本書は、世に多く出回っている、いずれも字数・頁数を費やした教条主義が匂う不況ネタ本や
単なる現状ルポの類とは一線を画した外資系金融機関若手管理職(慶応経済卒)の手になる
サブプライムの仕組みから金融大不況の構造を簡略、かつ、平易に論じた読書人にとっての
必読書と言い得るかと思う。
本来であれば、専門の問題もあろうが、中谷巌先生、竹中平蔵先生あたりがこの手の書を
記すべきなのであろうが、優秀な実務家である著者だからこそ、ここまでわかり易く纏めて本書の
内容を呈示出来たとも思える。
勝間和代嬢の著書が話題の昨今だが、同じく経済の第一線にいる女性実務家の書であれば、
まず本書を手に取るべきではなかろうか。
図表を多く、的確に掲載し、予備校本を思わすような平易な文体がたまらん。
ポイントのひとつとしては、サブプライムがあればプライムも存するということ、今回のグローバルな
大不況は、信用的には無問題なはずのプライム部分にまで値崩れが生じた点にあるのがわかる。
(著者が言うところの「価格の機能不全」、この辺は今流行りの行動経済学の観点からも専門家に
分析して欲しいところではある)
サブプライムとは別なトピックではあるが、リーマンやAIG破綻の因となった
信用リスクの売り手=プロテクションの買い手、逆もまた真なりなCDSの仕組みも
平易に解説されていて興味深い。
読後に痛感するのは、これほどのカレントなネタがありながら、
面白い経済ミステリをモノに出来ないミステリ作家の不甲斐なさである。
680書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/05/03(日) 11:40:33 ID:TDlFTCpy
塩澤実信「ベストセラー作家の運命を決めた一冊」を読んだ。
10人の作家が取り上げられているが、阿佐田哲也、シバリョウ、梶原一騎以外の7人は
全てミステリ作家(頁順だと、圭吾、清張先生、森村誠一、大藪春彦、山風、大乱歩、みゆき)
なので、この板で紹介しておく。
阿佐田氏以外の9人は漫画原作者の梶原氏も含めて自分にはおなじみの作家連であり、
著者が各作家の運命を決めたとしている1冊も勿論全て読んでいる。
このためか、全体的には既知な話題ばかりという感あり、
「野獣死すべし」が純文学雑誌(「文学界」)に掲載される直前までいったという話は
記憶に無かったが。
また、引用部分が多過ぎる(「火車」を論じた部分など完全ネタばれ気味)のも非常に
気にかかるものがある。
681名無しのオプ:2009/05/03(日) 22:42:39 ID:CE3BHnuN
おすすめの警察小説はありますか
682名無しのオプ:2009/05/03(日) 23:43:33 ID:iM2aU76W
>>681

> おすすめの警察小説はありますか
警察署長
クリスマスのフロスト
683名無しのオプ:2009/05/05(火) 07:43:30 ID:azi6JGOO
>>681
スレチ
684名無しのオプ:2009/05/05(火) 11:41:47 ID:jV6t8w4m
>>676
妥当性がないのは、読後感自身の煽りの方だろ。

自分の方が誤読してるのに、他人を貶そうとして
「未読王乙」
とか、馬鹿すぎるw まともに読めてないのはお前だろ、と。

言い訳の余地もないほど明白に自分の方が悪いから、
しかたなくスルーしてるだけ。
685名無しのオプ:2009/05/05(火) 11:59:35 ID:8J44Eyj8
>>684
粘着はいい加減迷惑なんだよ。

ミステリ板の読後感を叩くスレ
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/tubo/1241492276/l50
       ↑
立ててやったからこっちでやれ。
686名無しのオプ:2009/05/05(火) 12:08:07 ID:8J44Eyj8
>>681
その手の質問はこっちでするほうがいいよ。
もう997まで行ってるからすぐ次スレが立つだろうけど。

好みにあいそうなミステリを紹介しあうスレ 7
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1221616245/l50
687名無しのオプ:2009/05/05(火) 16:55:37 ID:VoyO3uhs
本当に立ててやんのw
キモ
688書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/05/05(火) 17:39:09 ID:SgKqNGf9
大倉崇裕「福家警部補の挨拶」を読んだ。
フーダニットにしても、謎解き主眼の倒叙ミステリ(本作品集はこれ)にしても偶然性に
頼った要素が強い程つまらないものになるが、その典型例とも言い得る。
偶然や後出しの手がかりが多過ぎで、いかにプロ作家の手になるものとはいえ、
東京創元社のようなミステリの老舗から出すべき本だったのか大きな疑問を抱かざるを得ない
ものがあった。
久々に大好評な収録作品全話講評逝ってみよう!!
・「最後の一冊」
本への血痕の付着具合への着眼という面白い細部は存するものの、
犯行当日がたまたま蒸し暑い雨の日ゆえだったゆえ解決という展開そのものに萎えるし、
更にこれに偶然性がいくつか積み重ねる(たまたまその日に入手、たまたまな故障等)のだから
これはかなわない。
そもそもガイシャの侵入経路をどうするかにつき念頭に無いのもどんなものか?
・「オッカムの剃刀」
収録作品中では最大のボリュームの作で、最近NHKのドラマ化もあり。
(残念ながら、事件解決のキーマンとなる美しきナッキー演じるJDは原作には登場しない)
解決部分は刑事コロンボの「逆転の構図」ねた。
だが、煙草の箱とライターの関係性は事前に読者に見せておくべきものであり、
決め手である以上、アンフェアの批判は免れ得ないものがある。
本家(コロンボ)の良作は、何気なく手がかりを見せるのが非常に巧いのだ。
(例えば「ビデオテープの証言」における招待状)
689書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/05/05(火) 17:39:56 ID:SgKqNGf9
・「愛情のシナリオ」
これも偶然性に頼り過ぎた解決が頂けない。(たまたまこぼした、たまたま切らしていた等)
まあ、携帯の件はしっかりと書けている方だが、
・「月の雫」
コロンボ「別れのワイン」ネタに「祝砲の晩歌」ネタも少々。
すなわち、本作もたまたまの陽気、たまたま忘れた、たまたま見た等
タイトルに冠された作中に登場する酒の名称でもある月の雫、実際の月の雫=月光が決まり手
になるのはロマンティックな感はあり。

思うに、コロンボオタの同人誌に掲載され、オタ同士が元ネタどうこうと盛り上があっているので
あればどうこう言うべきものではないと思うが、一般ミステリファン対象となると上記したような
出来ではしょうもない感あり。
「コロンボ的設定を換骨奪胎した本格ミステリ」とか安易に書いている解説も感心せず、
本格ミステリとは通常フーダニットを指すものであり、
「倒叙スタイルを取りながら謎解きの興趣を主眼とした」あたりの表現が妥当である。
690名無しのオプ:2009/05/05(火) 22:18:24 ID:dtqBwU6y
>>685
バカが釣られたか
691名無しのオプ:2009/05/05(火) 22:55:35 ID:WTqqkQ4X
読後感叩きは荒らし目的であったことを自白。
692名無しのオプ:2009/05/06(水) 12:29:33 ID:+bckJHpL
いやこれまでの経緯を見るに読後感に対する批判はまっとうかつ正当だわな。
693名無しのオプ:2009/05/06(水) 12:33:39 ID:Rm9hNez0
>>692
名無しで書いても無視はされたくないかわいそうな書斎w
694読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/05/06(水) 12:34:21 ID:ARGJSOXK
「バイオ探偵の事件簿」藤本大三郎(講談社)

バイオケミストリーを研究している冴えない大学教授がお節介な妻
と共に数々の事件に挑む連作短編集。
てっきりクレイグ・ケネディー的科学探偵ものかと思いきや……。
10数年後の「探偵ガリレオ」の短編の持つ弱点を最初から
回避している点に注目。一つ一つの話は伏線が無かったりして、
決して大したものじゃないが、科学者作家が作風についてこういう
冷静な分析をしているのは面白い。

ベストは「ワンマン教授殺人事件」が伏線をサボらずに書かれていれば
出来たであろうもの。
695読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/05/06(水) 12:43:54 ID:ARGJSOXK
「灰色の季節―ギョライ先生探偵ノート―」梶龍雄(光風社出版)

戦時下の東京下町を舞台に、ギョライというあだ名を持つ科学教師と
彼を慕う優等生正彦が生徒達に振りかかる怪事件に挑む連作短編集。
正直ミステリーとしては、そこまで凄いものは無い。この時代の雰囲気と
相まり具合を見るべきか。
ベストは「おふくろは霊媒」が伏線をサボらずに書かれていれば
出来たであろうもの。
696書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/05/06(水) 22:26:43 ID:InidBpy7
小鷹信光「私のペイパーバック ポケットの中の25セントの宇宙」を読んだ。
ハードボイルド翻訳の名手として知られた著者が、ペイパーバック収集のマニアであることも
知ってはいたが、ここまで病膏盲に入る状態にあったとは・・・
次々に繰り出されるペイパーバック収集談は、著者と同じ嗜好性があるか、
最低でも原書を読む習慣(それもペイパーバックは読み捨てとか思うていない者に限る)が無いと、
やや読むにキツイものは無いでもない。
しかし、さすがにこの業界の長老のひとりだけあって、余談として語られる大藪春彦盗作問題
の例ひとつ見ても面白いエピ、薀蓄は多い。
盗作されたと言われるフランク・ケイン作品を掲載した「マンハント」の当時の
編集長や翻訳者への取材のうえ、「大藪春彦の英語力はスゴい。二年後に出た翻訳とそっくりな
日本語で小説を書いたことが実証されたということは、山下訳に負けない翻訳能力の持ち主
だったということである」と逆に持ち上げている面白さ。
翻訳者(山下氏)に大乱歩が「穏便にしてやってくれ」と言うていた証言も紹介されており、
思えば、大乱歩、大藪氏、小鷹氏・・・全て早稲田(w
勿論、本筋のペイパーバックねたの話題でも
表裏で一枚絵の表紙をラップアラウンドということ、エロが目を惹くペイパーバックの表紙だが
SEXシーン、乳首はNGなこと(そう言えばそうだ)等々、本好きであれば興味深い話題は満載だ。
だが、123頁右上掲載の表紙(カーター・ブラウン作品)は、
仮想モデルはオードリー・ヘップバーンには見えないのだが?
137頁口絵解説には 、未訳作品ながら、これゆえ扱いを大きくした旨記されているが・・・
とにかく、人によって「読む」にはきつい部分があっても、「見る」には楽しさ溢れる本でもあり、
改めて現在のペイパーバック表紙の味気無さを実感させるものがある。
697名無しのオプ:2009/05/07(木) 13:11:49 ID:jnusunYO
原寮の「そして夜は蘇る」読了
…チャンドラーリスペクトは置いといても、なんぼなんでも沢崎の台詞はいちいちキザすぎてイラッとくる
まぁ恐らくは他人をイラッとさせるのが彼というキャラクターなのだろうが……
にしてもちょいとなぁ……
地の文は非常に好みなだけに残念


物語は中の中で特に感想もなく……
多分一週間もすれば完全に内容は忘れてるだろう
698名無しのオプ:2009/05/16(土) 12:39:29 ID:ry6OZ6kl
山下卓の「ノーサイドじゃ終わらない」読了
乙一のブログで紹介されてるのを見かけて買っただけだが、久々のヒットだった。
最近珍しいど真ん中の青春群像。十五年ぶりに再会する高校時代のラグビー部のチームメイトとのほろ苦い軋轢があり、昔のオンナとの苦い
記憶があり、新しい若いオンナとの恋があり。
でも、ミステリーとしてのどんでん返しも二重三重にある。
高校の旧友達との会話にはいろいろ考えさせられるものがあった。
体育会の男たちが昔の青春に決別し、オトナの青春に切り出す、
雰囲気が自分の年齢をシンクロしてぐっと来た。
ラグビーというスポーツのモチーフもうまく生かされている。
もしかして、著者はラグビーほんとにやってた人かな。
699書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/05/16(土) 20:18:50 ID:2Rg0eHR2
「滝口康彦士道小説傑作選集2 拝領妻始末」を読んだ。
80年代まで相当数の作品が文庫化されていた滝口作品だが、絶版・品切れが多いのが無念や。
口当たりが良いハッピーエンド症候群が目立つ最近の時代小説とは一線を画した重厚
(だが文章は非常に読み易い)な作品集である。
従って、妖怪や怪人が跋扈する伝奇小説(アホなミスオタ好み)や正義の剣士が悪を叩き斬ると
いった単純明快な剣豪小説(単なるアホの好み)を好む向きにはおよそ無縁な作品集とも
言い得る。
収録作品14編全てが悲劇と言うてよく、(「上意討ち心得」のみはハッピーエンディングに持って
ゆける展開なのだが、作者は単純にそうはしない徹底さ)、中期・後期の藤沢周平作品の如き
爽快感・情感は存しないし、作者の九州の作家仲間であった白石一郎作品よりもダーク感は
殊更に強い。
表題作は映画化もされたが、拝領妻ねたという基本設定のみ使用したものであり、
後半のバトルは映画オリジナルであり、これを期待すると完全に外される。
他の収録作品では「切腹」も映画化されているが、こちらはわりと忠実な映像化であり、
滝口作品のムードを伝えるにはこの作品の方が適切である。
700名無しのオプ:2009/05/16(土) 21:24:28 ID:nzfeGm8k
http://jbbs.livedoor.jp/movie/8993/

したらばは荒らしに厳しいそうですね

アホ呼ばわりされたり自演で叩かれたりが今後も続くようならば
避難も選択肢に入れた方がいいかもしれません
701名無しのオプ:2009/05/17(日) 00:48:49 ID:pxdmiZqs
>>699
だからよ、

〉アホなミスオタ好み

とか、

〉単なるアホの好み

とか、他人を貶める言葉を入れないと「論考」はできないのか?って聞いてんのよ。
それだから、あちこちのスレで住人が脱出したり「アンチ」になったりするんだろうが。
702名無しのオプ:2009/05/17(日) 01:31:25 ID:fdYBAvFE
>>674
まあ、鳥つけずにさんざん書き込んでるからね
誰かが読後感を批判すると、書斎叩きに持ち込もうとする名無しがすぐに現れるw
703名無しのオプ:2009/05/17(日) 10:52:03 ID:IbqM3Bz2
以上
わざと各スレで書斎を構って荒らしている小学生の自演でしたw
704書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/05/17(日) 16:52:49 ID:CN2gKz6E
金森重樹「借金の底なし沼で知ったお金の味」を読んだ。
書店によってはビジネス書あるいはノンフィクションのコーナーで売れ行き好調な本である。
サブタイトルには「25歳フリーター、借金1億2千万円、利息24%からの生還記」とあるが、
これを「現代(的)冒険」と言わずして何であろうか。
ゆえにあえてこの板で紹介する次第である。
ただし、著者(東大、しかも法学部卒にこんなタイプがいることは驚き以外の何物でもないが)
が巨額な借金を負うくだりに至るまでは、やや自己語り(自身の人生哲学)が多いのは残念、
読んでいて退屈である。
後半は、俄然、、著者の目を通じた世の中における金を巡るカラクリと攻防が語られ、
切実、かつ、スリリングですらある。
商品取引相場で著者を食い物にしたH氏やその背後にいて著者を借金漬けにしたと思われる
H氏への恨みつらみが全く感じられないのは、最終的に著者が「勝者」足り得たからであろう。
一点気にかかった記述は、
「時効は、債務者が自分の債務を認める「承認」をした場合には、中断されて、
またそこから進んでゆくのですが、・・・」というくだり。
これは時効制度では例外的な「停止」でしょ。
この場合(「中断」)は、起算点に戻ってカウントし直すことになる。
(つまり当初から数え直し、この分、時効の完成を遅らせる効果がある)
705名無しのオプ:2009/05/20(水) 22:01:11 ID:vs1W5+mk
>>703
読後感を批判するレスが出てきたとき、「ここは人を批判するスレじゃない」と言うならまだしも、
「読後感を叩くなら書斎を叩け」なんて言う奴、本人じゃなければ完全に頭おかしいだろw
706名無しのオプ:2009/05/20(水) 22:54:07 ID:EgDUjcvT
以上
「書斎を叩け」とは誰も言っていないのに言ったと主張する幼稚園児の自演でしたw
707読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/05/20(水) 23:41:13 ID:9RodS466
「ふり向けば霧」笹沢左保(祥伝社)

かつて裏切った愛人とその恋人の密会を襲って逃亡していた芙美子は、
13年ぶりに東京に戻る途中の機内で思わぬ人物に遭遇する。それは、
自分が襲った女の夫だった待彦であった。動揺する芙美子に
待彦は意外にも救いのを手をさしのべる。共に暮らし時効の成立を待つ内
芙美子は彼を愛する様になるが、やがて殺人が起き待彦に容疑がかかる。
果たして二人の運命は……。

久々某スレからのセレクト。
本格というよりサスペンスですね。読んでいてずっとバレバレやのう
と思っていたのですが、ラストでびっくり!
しかしこりゃ解るわけないですって!
見事なバカミスと言って良いでしょう。こんなことまず有り得ない。
ただそこに目を瞑れば(w)、カチッと嵌る感覚を楽しめます。

それから大元帥閣下は本作について「地の文の虚偽」がある
と仰っておられますが、個人的には前後のニュアンスから判断して
ギリギリセーフかなと思います。
708読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/05/20(水) 23:55:10 ID:9RodS466
「花の旅夜の旅」皆川博子(講談社)

新人賞を獲ったきり鳴かず飛ばずの作家鏡に突如雑誌連載依頼が舞い込む。
“花の旅”という企画に連動して花に関する短編をということだった。
鏡は取材旅行に同行しつつ短編を書いていくが、メンバーの一人が
謎の死を遂げる。その死に関して鏡が書いた短編と奇妙な類似点
が浮かび上がる――。

昭和54年にぃ、フラッシュ、バーーーック!
……すいません。もう二度とやりません。
閑話休題。皆川ミステリーは2作目かな。
作中作と作家の日記が交互に挿入されて進んでいく。ただ展開を追って
楽しめば良いのかなと思っていたところ、ラストでびっくり!(またか)
なるほど、そういうことか! と膝を打った(大作家は腰だがw)。
中々の着想なり。ちょっと文章が先走るきらいがあるけど、
変格作家として時々読みたい。

ちなみに本作にはほぼ同時期の某作品の影響が見られると思う。
709名無しのオプ:2009/05/23(土) 07:20:01 ID:VsYKRA2I
ID:cLyZfRUUがいちいち反応してくるのが笑えるw
ずっとこのスレチェックしてるんだろうね。
710書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/05/23(土) 09:07:12 ID:ZeyVFhVh
蒼井雄「船富家の惨劇」を久々に再読。
言うまでもないが、「フラガール」のヒロインを演じた蒼井優ちゃんではなく(w、
いわんや、篤姫こと宮崎あおいちゃんが書いたミステリではない(w
すなわち、このように思うた奴は間違いなくアホと言い得る。
今回は鉄道トリックの部分を丁寧に見てみた。
なるほど戦後にこの手のミステリのマエストロと化す鮎が入れ揚げたのがわかる出来であるが、
戦前には煩雑過ぎて一般受けしなかったのも納得。
(エアプレーンねたにはワロタが、思えば戦後に鮎や森村誠一も使っているわな)
古い作ゆえ、なかなかに格調ある文体でこの作者の特色である風景描写(南紀)も存分に発揮
されており、この点での読み応えは十分。
しかし、謎解きミステリの悲しさ、宿命ゆえか、ドロドロした人間模様がドラマとして書き込まれて
おらず「小説」としてテーストが薄いのは否めず、
なにしろ文学であればヒロインのポジションに来る船富由貴子などは直接登場するシーンは皆無
なのである。
また、犯人キャラをクローズアップすれば、ピカレスクロマンとも成り得る素材だけに残念でもある。
ただし、Aの引き立て役とはいえ颯爽と登場するわりに犯人がわからない探偵Nはしょーもなさ
過ぎて、かえって不自然ではある。
711名無しのオプ:2009/05/23(土) 12:24:29 ID:EUgKCZh2
>>709
わざと書斎を避けて読後感を叩いたり
わざと書斎にレスつけたりして書斎の自演扱いされ
それをネタにねちねちとインネンつけ続けている小学生という設定の回線だね?
712書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/05/23(土) 21:49:46 ID:7UI63nFE
日影丈吉「狐の鶏」を読んだ。
深川は木場生まれの江戸っ子にして仏語に堪能(アテネ・フランセ出身、留学経験有り)な
翻訳家としても知られる作者の異色ミステリ短篇集である。
大好評に応えて今日も収録作品全話講評逝ってみようか!!
・「狐の鶏」
協会賞受賞の表題作だが、一見、作者のイメージに反する戦後の農村を舞台にした土俗的作
だが、悪夢と現実が交錯するフランス・ミステリ的隠し味が魅力か。
従って、本格やハードボイルドのような色合いが鮮明なミステリを好む者には不向き、
人によって好き嫌いがはっきりと出そうな作ではある。
・「ねずみ」
戦時中の台湾を舞台にした作のひとつ。
台湾劇というネタは興を惹くものの、まず、タイトル有りきの如く、
オチにねずみ絡めるのは強引な感あり。
・「犬の生活」
犬優、猫優って今でも存在するのだろうか?
ちょっと奇妙な味の作だ。
・「王とのつきあい」
読めばわかるが、タイトルも洒落た感がある短編アメリカン・ミステリの如き味わいがある面白い作、
前半のシリアスなタッチから後半のシュールな展開への切り換えが見事だ。
・「東天紅」
赤ん坊の死体ならOKってのが、いかにも「時代」を感じさせる。
雰囲気で読ませる小品だが、それ以上ではないという感はある。
713名無しのオプ:2009/05/23(土) 22:18:40 ID:+J8RLl0y
隔離スレ見て来たら、ほとんど立てた本人ばっか書き込んでてワロタ
自分が隔離されてやんの
714名無しのオプ:2009/05/23(土) 23:13:37 ID:Zb11k9ca
ここで粘着しないと相手して貰えないからねw
715名無しのオプ:2009/05/23(土) 23:20:18 ID:U2S2r8LC
ここも避難スレ立てるかねぇ?
716名無しのオプ:2009/05/24(日) 00:22:20 ID:xH4BBJjH
短くまとめられないのか?沢山の人に見て貰いたいなら……

折原一 「 鬼面村の殺人」
山奥で屋敷と死体が消える?!摩訶不思議。
へっぽこ刑事と若い女流作家のトボケタコンビが事件解決の果てに最後の最後にどんでん返しが2回。奇想天外の最後!
717書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/05/24(日) 20:31:27 ID:r0O5itKa
蒼井雄「瀬戸内海の惨劇」を読んだ。
繰り返し確認しておくが、蒼井優ちゃんでなく、また、宮崎あおいちゃんのペンネームでもない(w
戦前では唯一本格ミステリ長編の書き手と言うてよい作者の「船富家の惨劇」以外では
唯一の完成長編である。
内容は鮎作品と横溝作品を併せたような雰囲気の作とでも称すべきであろう、
トリックは鮎風、ストーリー(特に動機面)は横溝風、この意味では両者のファンに一応推せる。
風光明媚な瀬戸内海を舞台にした凄惨な殺人、風景描写に長けた著者の筆使いにより
このコントラストが鮮やかであり、印象に残る。
トリックの方は、後の黒トラ(本作にインスパイアされているとのこと)を想起させる行李の移動による
錯綜する謎は、かなり腰を据えて読まないとわかり難いものがあり、怪奇探偵小説が主流だった
戦前の作には異例であり、その分、一般受けしない面があるものの、パズラー好きには思わぬ
収穫かと思う。
(第15章における弓削警部の時系列整理、探偵南波の疑問点整理は丁寧に読んでおくべし)
なるほど、マエストロ鮎が本作の加筆を薦め、非常に気にかけていたというのがわかる作ではある。
しかし、解説(紀田順一郎)でも指摘されているとおり、極端な偶然性に頼った展開の多用(特に
偶然の目撃、冒頭からこれが繰り返される)は頂けないものがあるが、これを創りものの本格作品
ゆえの許容範囲と見るかどうかでしょうな。
併録されている「黒潮殺人事件」は、「距離÷時間=速さ」ネタとでも称すべき作、
ワンアイデアメーンだが、「船富家の惨劇」と同様に南紀の描写が見事だ。
718名無しのオプ:2009/05/25(月) 08:30:30 ID:L8RP0YbO
>>717

〜の方は、〜を想起させる〜による〜〜は、かなり〜ものがあり、〜が〜だった〜の〜には〜であり、その分、
〜があるものの、〜には〜と思う。
しかし、〜でも〜いるとおり、〜の〜、〜ものがあるが、これを〜の〜の〜と〜しょうな。


【先生からの採点】
読点でダラダラ長く繋いだだけで読み辛い、悪文の見本ですね。
「ものがある」と「〜の」も無駄な反復が多く、読者をゲンナリさせて読む気を無くさせます。
「推せる」というのは推薦できるという意味で書かれたのでしょうか?
こういう場合は普通に「薦められる」あるいは「お薦めできる」と書くのが好ましく、
「推せる」という表現は使われません。もう少し文法の勉強を頑張りましょうね。
719名無しのオプ:2009/05/25(月) 22:34:28 ID:r+lq3GEa
原りょう「私が殺した少女」読了
ミステリー的な謎はある程度途中でわかってしまうものの、
描写が精緻で読みやすく、空気感や匂いや雰囲気が楽しめた。
構成的にはチャンドラーのロンググッドバイに近い気がした。
二作目で直木賞まで受賞してるのは驚いた。
時代性もあるのかな。
720名無しのオプ:2009/05/26(火) 01:45:41 ID:4+tmpLY6
漱石と倫敦ミイラ殺人事件
トリックはたいして目新しいものではないけど、所々笑える所があって面白かった
昔の島田荘司は面白かったなぁ…
721書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/05/30(土) 15:03:14 ID:jIxb69ZE
角田喜久雄「奇蹟のボレロ」を読んだ。
人気楽団員を巡る不可能殺人を描いた名探偵加賀美敬介登場作品。
伝奇小説のマエストロである作者だが、ミステリの方は怪奇性を一切排した都会的なものである。
現在読むと、動機面の解説が弱い(というか現代医学的にはトンデモでは?)のと、
細部にやや無理が感じられる謎解きも存するとはいえ、細かい論理を積み重ねて真相に至る
展開は、横溝御大を「日本のジョン」とすれば、この人は「日本のエル」足り得たかもしれぬものを
感じさせる。前記した戦前の蒼井氏(「日本のクロフツ」か)同様、
この手の作が人気の中心に来なかったのは、やはり怪奇を好み、情緒的面が強い日本人には
ストレートな本格ミステリは不向きってことなのであろうか?
722名無しのオプ:2009/06/01(月) 13:52:13 ID:kzMKCncr
誰も来ないネットの辺境で書斎を叩いているアホが数人いるようですが、影響力もほとんどないんだし、ほっときましょうw
723名無しのオプ:2009/06/01(月) 17:38:39 ID:ixjpit21
したらばにレスできないし
コピペするわけにもいかないからって
負け犬の遠吠えはみっともないぞ書斎w
724読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/06/01(月) 19:31:21 ID:vu22WBBP
「イヴが死んだ夜」西村京太郎(集英社)

浅草寺境内の池で若い女の全裸死体が浮かんでいた。捜査に当たった
十津川は被害者の身元を突き止めたと思ったのだが、
何故か確認を拒否される。そんな中、十津川の婚約者妙子が
事件について何かを知っているとおぼしき置き手紙を残して失踪する。
過去の裏切りで彼女に対してわだかまりのある十津川だったが、
公私共に事件に巻き込まれていくことになる……。

「本格ミステリフラッシュバック」で選外タンが、ホワイダニットが
読みどころとか書いてたけど、本作のメインの謎は事件の動機
そのものな訳で、それをホワイダニットとは言わんだろー。ただの直訳やん。
推理出来ないし。ホワイダニットってのは例えば、何故犯人は
現場にとどまっていたのかとか、何故死体が下半身裸なのかとか、
そういうのでなきゃー。例外は「法の悲劇」とか。あれなら
事件の動機=ホワイダニットと言っても良いと思うけど。

それから事件と関わってくる妙子との愛憎も全ておざなりで印象が薄い。
折角十津川の私生活を絡ませるならがっつりやらんと中途半端じゃ
やらんがマシやわ。

自分の中で「フラッシュバック」の評価がやや下がったな。
725名無しのオプ:2009/06/04(木) 14:37:57 ID:lLeZciVw
江戸川乱歩「悪霊」
冒頭から「いっったい何が起こるんだろう」という不吉な予感が充満し、異様な死体、奇妙な印、降霊会など
本格ミステリらしい仕掛けが次々と顔を出す。
大変面白かった。未完だけど。
726名無しのオプ:2009/06/05(金) 19:26:21 ID:2LZTFCbX
最近、海野十三の帆村ものや久尾十蘭、山田風太郎の短編など、レトロな
探偵小説の独特の胡散臭さにハマり、とうとう「ドグラ・マグラ」に
行き着きました。

表紙の研ナオコみたいな人がエロい。読み始めると、最初はオヤと思うほど
普通な感じ。のっけからグイグイ引き込まれるサスペンス展開。
記憶を失った主人公、謎の美少女、怪しい医学者、次々と明かされては
さらに深まっていく謎…
しかし、なるほど流石は三大奇書の一角を占める怪作と呼ばれるだけ有り、
上巻の真ん中らへんから徐々に雲行きが……。延々と続くチャカポコ地獄に
次から次へと繰り出される正木ワールド。浅学無教養の文系人間、思わず
本を置いたこと数知れず。
しかし、下巻になるとまた急激に面白くなってくる。錯綜する物語は
ともすれば読む者を置いてガンガン走りだし、何が真実で何が嘘なのか、
気付けば余りにもあっけない読了と同時に読者は主人公と同じ、何もかも
与り知らぬ闇、胎児の夢へと放り出されるのである。チャカポコチャカポコ。
面白いとか、そういう次元で話して良いのかも解らない大迷作。こいつはすげえや。
チャカポコチャカポコ。

ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。
         /⌒ヽ
  ⊂二二二( ^ω^)二⊃
        |    /
         ( ヽノ
         ノ>ノ 
     三  レレ
727書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/06/06(土) 10:09:40 ID:u9aMou9H
藤本義一「鬼の詩」を読んだ。
義一ちゃん、フジモンの呼称で関西人(俺は嫌いだが)にはおなじみの作者の出世作。
食わず嫌いもあろうがミスオタには文学を苦手とする輩多過ぎ。
ゆえに「ナゾナゾまがいなミステリなど読書にあらず」とか断言されてまうのである。
そんなミスオタにも強く推せる迫力、面白さ、読み易い短編というボリューム、
しかも直木賞受賞作品という定評も備えたのが表題作である。各人、心して読め!!
では、約束どおり、全話講評逝ってみようか!
・「鬼の詩」
読書人である俺が近年読んだ短編小説(ミステリは除く)では屈指の出来栄え、
さすがに直木賞受賞作品である。
明治末の噺家桂馬喬の芸に賭けた壮絶な生き様そして死に様・・・
お笑い芸人を目指してミステリ板に入り浸っているようなアホなねらーに突き付けて読ませたい作、
しかし、自己の天然痘で変貌した肉体まで「ねた」にした芸、凄過ぎる・・・
・「泣尼」
三味線一代女の屈折した母恋記とでも称すべき作。
「鬼の詩」ほどの異様な迫力は無いものの、巧みなストーリーテリングで一気読みさせる。
728書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/06/06(土) 10:10:23 ID:u9aMou9H
・「浪花怨芸譚」
名人円蝶の妾腹に生まれた立花家円太の短くも壮絶な生涯を、彼を慈母の如く支えた
彼の妻(元ナース)の視点で描いた作。
「鬼の詩」が面白かった人は本作にも惹き込まれよう。
・「生きいそぎの記」
「幕末太陽伝」で有名な川島雄三監督と作者(当時はシナリオライター)の交流・思い出を
描いた作で、ある種のアルチザン魂を描くという点では共通項は認められるものの、
古典芸能ねたの前3作とはやや異なるテーストの作である。
当時の映画界の状況等も含めて長編で書いて欲しかったテーマであり、面白いものの、
読み足りない不満が残る。
・「上方苦界草紙」
伊勢路の大道芸人お文を描いたこれも壮絶なイメージの作で読み応えあり。
雰囲気はもろに江戸時代以前だが
サーベル差した巡査も登場する初期ながら維新後というのが、ちと驚きか。

以上、大衆芸能(映画もこれに含まれよう)の世界を描いた収録作品5作を紹介してみたが、
加熱するネプチューンの結婚報道等を見るにつけ、時代の隔たりを感じざるを得ないものがある。
関西ということもあってか、中田ダイマル師匠、前田五郎師匠絡みの脅迫事件は本書収録作品
に近い濃いムードを感じぬでもないが。
729名無しのオプ:2009/06/06(土) 18:48:40 ID:EmnH3HMz
見事な書評論考。ずば抜けているねえ。
730名無しのオプ:2009/06/06(土) 19:35:32 ID:cAam3dOF
全くだ。賞賛の言葉しか出ないよ。ため息が漏れるね。
731名無しのオプ:2009/06/07(日) 07:39:03 ID:IXhnDr8+
もうここは書斎だけの連載でいいんじゃなかいな。
名無しの感想文はチラシの裏にでも書いてろみたいのばっかりだしね。
732名無しのオプ:2009/06/07(日) 07:44:33 ID:fg/NYnBJ
名無しで自演するしかない、ひとりぼっちの書斎。
733名無しのオプ:2009/06/07(日) 07:47:24 ID:dAjiR52Q
連載wwwww
734読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/06/07(日) 11:25:42 ID:iWlMiKIp
「傍聞き」長岡弘樹(双葉社)

粋狂賞受賞短編含む集。
一つの謎やキーワードで話を形作るという方法論は真っ当なものだが、
本格好きにはちょっと物足りない感じ。それと具体的には、
「迷い箱」の真相は無理があると思う。ああいう発想にはなるまい。
「迷走」は謎で引っ張る力はある。表題作は中々のボリュームだが、
あの子は大人び過ぎかな。「899」これがベストかな。
火災現場からの赤ん坊消失を扱っているが、ストーリーとも融合していて
巧いと思う。

ま、この後読むかは微妙。
735名無しのオプ:2009/06/07(日) 11:30:54 ID:IXhnDr8+
読後感は自分でブログでもやれや。
目障りだから2ちゃんから出て行け。
736読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/06/07(日) 11:41:31 ID:iWlMiKIp
「首断ち六地蔵」霞流一(光文社)

とある寺から持ち去られた六つの地蔵の首に纏わる殺人事件の数々に、
寺社捜査局の魚間と寺の住職風峰が立ち向かう連作短編集。

初霞 骨は良けれど 肉がダメ
本当プロットは良いと思うんだけど、小説として雑なのよ。
いくつも仮説を立てては潰しを繰り返すのは良いし
ラストのどんでん返しもGood! ただ、その表現の仕方活かし方に
力量不足を感じる。

後、文章が寒い。狙ってるのは洒落たユーモアか単なるギャグか、
どっちにしろ滑ってる。ぷいぷいレベル。

8年で200も納得。これが最高なら当分読まずに生きよう。
737読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/06/07(日) 11:45:43 ID:iWlMiKIp
「北の旅 殺意の雫石」津村秀介(祥伝社)

岩手で女性の遺体が発見された。警察は現場に残された
ダイイングメッセージ等の遺留品から殺人とみて捜査を開始する。
やがて元愛人が容疑者として浮かび上がるが、彼は犯行日の前後に
女連れで旅行をしていたらしいことが判明する。
しかも、同日に東北と四国へそれぞれ別の女性と旅立ったという!
被害者の妹とルポライターの浦上は独自に事件を追うが、そこに再び
驚愕の知らせが飛び込んで来る。何と被害者が別の殺人容疑で
逮捕されてしまったのだ。しかも犯行日は同日で現場は四国。
奇妙なしかし鉄壁のアリバイの登場に果たして浦上たちは
どう立ち向かうのか!?

某スレからのセレクト。
高評価も納得の作品でした。明かされる真相は正にコペルニクス的転回
と呼ぶにふさわしく、見事にやられました。これはまず解らない。
とある手掛りが終盤急に明かされたり、偶然に頼る要素もあったりして
不自然さはあるものの、満足しました。

津村さんはこの着想力を本格の他の分野にも向けて欲しかったなぁ。
ひょっとして書いてるってことはないのかしらん?
738セホノマ帳 るすな:2009/06/07(日) 12:50:03 ID:7JAtxqEH
SFCRPGの超魔法大陸WOZZのレオナたんが白衣で乱れて挿入されている画像キボンヌ
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739名無しのオプ:2009/06/07(日) 13:00:47 ID:IXhnDr8+
嫌がらせとしか言いようがない長文の連発投入。
読後感はスレを潰す気か。
740名無しのオプ:2009/06/07(日) 13:22:31 ID:fg/NYnBJ
書斎よぅ、少し黙ってなw
741名無しのオプ:2009/06/07(日) 13:47:07 ID:hui8Voqy
ちゃんとした内容なら長文大歓迎。書斎なら一行レスもお断り
742名無しのオプ:2009/06/07(日) 18:22:16 ID:2qcwBXCS
>嫌がらせとしか言いようがない長文の連発投入。

>>712 >>717 >>721 >>727-728
743名無しのオプ:2009/06/07(日) 21:42:20 ID:DemWwX72
もっと書斎のヤバさを知ってもらうためにレビューは休止して
もっと書斎を叩こう
744名無しのオプ:2009/06/12(金) 01:18:06 ID:/DwPgjHd
求婚の密室 笹沢左保 光文社文庫

初・笹沢。
笹沢左保コレクションってので読んだ。
いやあ、面白かった。
初出が78年と古いけどそんなに古さも気にならなかった。
密室トリックは単純だが好感触。
だがダイイングメッセージはもう少し何とかならなかったものか。

本ミス系の稚気に満ちた作品も多いみたいだし、いい作家に出会えたぜ。
745書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/06/13(土) 18:14:46 ID:dkfPeSWk
>>744
「求婚の密室」は傑作だと思うが、
どらかと言うと笹沢作品のミステリの傑作は初期に集中している。
「霧に溶ける」は60年刊行と超オールドな作ながら、独自なムーディなタッチの中で
トリックてんこ盛りな面白さ。未読なら本作を読んでみるべし。
同年刊行の「人喰い」(協会賞受賞作品)も面白くはあるが、「霧に溶ける」の方が受賞対象作品
にならなかったのは不思議である。
746名無しのオプ:2009/06/14(日) 17:28:55 ID:gz0uYJBt
「人喰い」もつまらなくはないが、
その他の傑作に比べると、せいぜい「佳作」という気はする。
受賞作ということで「人喰い」だけ読んで、
笹沢を敬遠してる読者には他の本も読んでほしいな。
747名無しのオプ:2009/06/15(月) 02:44:04 ID:y8tZlTFE
霧舎巧傑作短編集 講談社文庫

御手洗潔のパスティーシュだかパロディだかの「動物園の密室」
上手にまとまってる「まだらの紐、再び」の2作が素敵。

最後の一つで無理矢理に連作短編集みたくするのは好きになれなかったです。
この一冊だけでなく、他の本ともリンクしてるのもちょっと苦手。

だけど「動物園の密室」の連作短編集としての消化の仕方は大変に夢があります。
ファンに徹した作家とでも言いましょうか。感動した。
748あぼーん:あぼーん
あぼーん
749名無しのオプ:2009/06/20(土) 17:10:27 ID:ApJcPhCJ
どこの誤爆だよw
750書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/06/20(土) 17:39:16 ID:pIUNfkDw
笹沢左保「真夜中の詩人」を読んだ。
洒落たタイトル、この作家のミステリにしては大部な作だが、出来は今ひとつという感あり。
天藤真の「大誘拐」、高木君(注 例によってブーではない(w )の「誘拐」等と並んで
日本ミステリ史上の誘拐ものの傑作として挙げられることもあるが、やや過大評価気味であろうかと
思う。
松本清張長編を想起させるようなストーリー展開のための偶然性に頼った御都合主義(電車内での偶然の出会いが2回もあるのには萎える)が目立ち、
資本家のエゴイズム、大企業社員(ヒロインの夫)の公私混同気味の行動等が
殊更に書かれるのは掲載紙が「赤旗」ゆえかと勘繰ってしまう。
ヒロインをはじめとした登場人物たちの行動も幼児誘拐事件の渦中にあるわりには、
作中の言葉を借りれば「探偵ごっこ」に興じているようにしか見えない面があり、
人間心理の面で不可解としか表現しようがないものがあるのは、リアリスティックな筆致の作者の
特色が裏目に出たと言い得る。
また、連続児童誘拐という大事件でありながら、犯人から1度連絡があっただけで警察がガイシャの家をノーマークにしたり等、私はこの作者のミステリ作家として優秀さを認めるにやぶさかでは
ないスタンスであるが、本作に関しては誘拐事件の捜査現状やガイシャ家族に関するリサーチを
きちんとしたのかに大いに疑問が残るものがある。
最大の手がかりである京都支店長の正体が最終盤まで隠されているのは、やはりミステリとしては
アンフェア。まあ、これを早目に書いてしまうと、真相が見え見えとなりかねないわけだが。
木枯し紋次郎シリーズの大ヒットにより、時代小説量産を期待されていた時期の現代作品だけに、
作者の思い入れもあったのか長く成り過ぎたこと、文学的で洒落たタイトルも謎解きに関連しない
のも難か。
751あぼーん:あぼーん
あぼーん
752あぼーん:あぼーん
あぼーん
753名無しのオプ:2009/06/20(土) 19:59:11 ID:WlAmzv7Y
書斎って愛されてるよね
754名無しのオプ:2009/06/20(土) 21:03:11 ID:+5BwE6Xe
やめろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
755名無しのオプ:2009/06/20(土) 21:08:05 ID:ji1pReoV
まあ、アリンコに虫メガネで太陽光線を浴びせて、
遊んでるみたいなもんだよ
756名無しのオプ:2009/06/21(日) 00:21:47 ID:U9SaYl+e
アリをあんな怠け者と一緒にするな。
アリは働き者なんだぞ。
757名無しのオプ:2009/06/21(日) 03:27:27 ID:Yf55YHNs
書斎NGワードにしてるから今はxs4ROTi3の方が不快
758名無しのオプ:2009/06/21(日) 12:02:30 ID:PhrbYLGM
草野唯雄「伊勢志摩殺人綺譚」

夢の中に出てくる首のない鎧姿の武者のメッセージとは・・・




759書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/06/21(日) 19:09:43 ID:j8lw0cCY
有栖川有栖「スウェーデン館の殺人」を読んだ。
おなじみ名探偵火村助教授と作家有栖の国名シリーズ唯一の長編(とは言うてもこのコンビの
非国名シリーズ作品には長編があるのでたいした意味はないとも言えるが)
新本格の作家らしくエル&鮎好きで有名なアリスだが、
本作に関しては明らかにジョンの「修道院殺人事件」を意識したと思われる足跡の謎メーンな
雪上の蜜室ネタ、しかも犯行現場の謎解きを読むとやはり「修道院・・・」を想起せずにはいられ
ないものあり。
しかし、タイトルからは曰く因縁付き館を舞台にした怪奇探偵小説を思わせるが、
この手の傾向が好みでないアリスゆえ、登場する舞台は築後数年の大きめのログハウスであり、
ストーリーに池沼での子供の死が絡むものの怪談めいたエピも一切無く、
登場キャラにも格別奇矯なキャラはいない(ピザで女にモテモテな童話作家ってのは、
ちと面白だが)のは、やはり謎解き直球勝負のアリスらしい。
ミステリ部分以外の読ませ所(息抜きでもある)は、オカルティズムの強調や濃い人間ドラマでなくして、(この方向性で書くことも十分に可能ではあるのだが)スウェーデンに関する薀蓄や日本論
と相成る。
正直言うて、犯人は早期にわかった。だが、トリックは案外と楽しめたというところか。
悪名名高き2ちゃんねるでさえ、議論の余地無く完全削除対象なネタばれ(犯人名特定)を
しているみゆきの解説はもう少し配慮して当然だったかと思う。
760読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/06/24(水) 17:41:35 ID:P5wzuJP/
「変人島風物詩」多岐川恭(東京創元社)

タッキーは凄い小説家だよなぁ。
「落ちる」は奇妙な味のパズラーで直木賞獲ってるし、
「追われて中仙道」は現代的なエロさが良いし、
時代ミステリー「異郷の帆」はイマイチだったけど、
オールマイティと言っていいくらい書き分けが出来る非凡な人なのは
間違いない。エンタメ作家でオールマイティって割と使われるけど、
本格が書けるかどうかが分水嶺だと思うね。本当は。ここでガクンと
振り落とされる。都筑道夫やこの人の様でないと使えない表現なのよ。

そんで表題作。
画家、小説家、博徒、身障者等一般社会に背を向けた人々が住む
瀬戸内の孤島で起こる連続殺人事件というガチのCCなわけ。
モノローグの出だしから掴みはOKよ。ちなみにここで
せっかちなミステリー読みが想像することもお見通しである
という入念ぶり。

肝心の事件に関しても密室トリックあり、足跡トリックあり、
更にあからさまな手掛りなんかもあったりして、かなりフェアかつ
挑戦的なパズラーと言っていいと思う。難を言えば動機がおざなりな点と、
地図に狩谷家の場所が見当たらない点。

もう一つの収録作「私が愛した悪党」も良い。
過去の誘拐事件を巡って、アパートの大家の娘とその店子の青年を中心
とする面々が活躍するユーモアミステリーであるが、
プロット自体はある程度見当のつく部分もある。しかしそれも恐らくは
織り込み済みのことで、見当のつくが故に主人公2人の交情が
格別の響きをもって読み手の心に訴えてくる。
ほろ苦くも爽やかな幕切れも素晴らしい。
761名無しのオプ:2009/06/27(土) 07:57:17 ID:lDmyNF9Z
↑なんか鼻につく文体だなこいつ
言ってることはスカスカのくせに
762名無しのオプ:2009/06/27(土) 09:49:48 ID:IoozJrvB
>>761
読後感+出鱈目=書斎魔神
763書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/06/27(土) 10:51:22 ID:L8NCLa8H
笹沢左保「真昼に別れるのはいや」を読んだ。
多作で知られる作者の最初期代表作群のひとつだが、
とにかく路上観察学を想起させるアリバイトリック作成(この表現が妥当か)はおもろい。
だが、メーンに来る動機解明は偶然性満開な超御都合主義展開なのが頂けず、
スイーツなタイトルも謎解きには全く無関係で終盤でいきなり登場。
従って全体評価は低くならざるを得ないのだ。
犯人のあの末路は、車(ベンツ)の駐車位置は記憶違いで逃げ切れても、
自動車を調べられると轢き逃げの痕跡有り(映画「天国と地獄」みたく)ってことなのか。
それともガイシャへの絶たれぬ愛ゆえだろうか・・・
ストロンガーがタックルを仮面ライダー7号に命名しなかった理由級の謎である。
764書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/06/27(土) 10:52:30 ID:L8NCLa8H
笹沢左保「三人の登場人物」を読んだ。
多彩な登場人物が跋扈(横溝御大の代表作に顕著)する面白さを意図したミステリもあるが、
逆にストーリー展開に必要最小限な登場人物(本作では三人)に絞込み、しかも密室劇(読む前にはこれを予想していた)の体裁を取らずに、面白いミステリを書けるか否かにチャレンジした作(らしい)。
メーンキャラは主人公のエリート商社マン松平、その新妻である元歌手のマヤ、
松平の友人のテレビマン大河原の3人のみ。
後は、、固有名詞を持ち直接登場して来るキャラは、
ストーリー進行上の必要性から精神科医のみである。
大河原には妻子がある設定だが、登場は無く、彼の自宅さえ登場しない。
メーンに表面的に事件らしい事件が無いせいもあって、警察等の捜査側のキャラはない。
(背景の名無しの人物は多く描かれる)
妻の変貌に恐怖すら抱く松平という展開は、それなりにサイコ・ミステリ的面白さはあるのだが、
極端な偶然性に頼ったオチはサスペンス・ミステリとしても、成功したとは言い難く、
本社勤務しかしたことがなく、新妻のことが気にかかって仕方がない意外に暇そうな
エリート商社マン(帰宅時間が早く、休日も結構取れる)という設定も時代性の違いを考慮しても、
現実離れし過ぎな感あり。
劇画ちっくとも言い得る最後の争闘もお約束的だし、この著者の作品にして残念だが
逝ってよし!だな。
765名無しのオプ:2009/06/27(土) 12:10:15 ID:5Za+RjNe
ミス住の的確な批評がピシッと決まったね。
766名無しのオプ:2009/06/27(土) 13:31:25 ID:j2onGG6c
              イトーヨーカドー鶴ヶ峰店
==================相模鉄道==================
坂上                            関根 花園整体
相原
      ノ^--ヘ--ヘ
     く((_.:(;:@‐@;)
     く((_.:(;: (00) ;:)
     く(("_((;: ;:3 ;:;:)                         
     ‘`^^^^~“~^^~^    
     /  | |   / |
    /   | |   ヽ |
    /   l |    ) |
__/    | ⊥_  x_)| _________
⊂ ̄|  `ーヽl_l_l.} ヽl_l_l.}  ̄⊃          \
⊂ (、`ーー、ィ   } ̄`   ノ   ⊃          \
⊂_  `ー、、___/`"''−‐" _⊃   I        \
  ⊂_______⊃     D D         \
                              
      板敷                             河副
                                 スクールゾーン 
767名無しのオプ:2009/06/27(土) 20:13:59 ID:U1T93zPn
>>762
いや、読後感と書斎魔神とでは大きな違いがあるゾ。

読後感は、内容にあわせて空行を入れて読みやすくしているが、
書斎魔神のレスは、空行がほとんど無い。
もともと読みにくい文章なのに、空行が無いから余計に読みにくくなっている。

内容がスカスカなのはほとんど同じだけど、読後感のレスの方が分かりやすい。
書斎魔神のレスは、同じようなことを何度も書いたかと思うと、突然話が飛んだりする。
何を言いたいのか分かりにくいという点では書斎魔神以上の人は滅多にいないよ。
768名無しのオプ:2009/06/27(土) 23:52:57 ID:lDmyNF9Z
>>767
>空行を入れて読みやすくしているが

関係ないよそんなのw
そういう次元じゃない
769名無しのオプ:2009/06/28(日) 00:35:52 ID:AI8e6DWb
お前のレスもどうかと思うがなw
770名無しのオプ:2009/06/28(日) 01:50:34 ID:WaNnjmer
どこからともなく現れる読後感擁護w
771767:2009/06/28(日) 07:07:00 ID:S9RhgT35
>>770
もしそれが >767 のことを言っているのなら、それは誤解だよ。

オレは書斎魔神が書いたレスの読みにくさのことを言いたかっただけで、
比較対象として読後感のレスを引き合いに出しただけ。

ただ、もしも誤解を与えたのなら、それはオレの文章力が無かったからだろうから、
それについては謝ります。
誤解を与えるような書き方をしてしまい、ごめんなさい。
772名無しのオプ:2009/06/28(日) 10:49:33 ID:AI8e6DWb
>>771
ヒント:age

釣られちゃいかん
773間違いの指摘:2009/06/28(日) 16:00:29 ID:yABbaYO9
「仮面ライダー7号」はストロンガーの事。
「逝ってよし」は「死んでいいよ」の意味。

「的確な批評」は「デタラメな論考もどき」の間違い。当然、決まってもいない。
774書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/06/28(日) 16:18:12 ID:iTSL2aTz
島田一男「錦絵殺人事件」を読んだ。
軽いタッチの印象がある作者の「古墳殺人事件」と並ぶ本格ミステリ。
語りは軽妙ながら、内容的には相模原台地に佇む館を舞台にしたジョン風トンデモトリック
(紐、水車等)を駆使した怪奇探偵小説にして、歴史等の薀蓄満載なSS風作品でもあり、
濃い多彩なキャラと犯人像(犬神家が近い)は横溝風というミスオタにはお薦めな一作だ。
各人、心して読め!!!
775書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/06/28(日) 16:24:09 ID:iTSL2aTz
笹沢左保「取調室 静かなる決闘」を読んだ。
火サスのヒットドラマシリーズの原作。ミステリから距離を置いていた時期でもあり、
俺自身は長さん(注 ミスターではない(w )主演の映像化作品を見ていない。
本作は第1作であり、この著者らしいドラマチック過ぎるややエモーショナルな表現、展開が
目立つのが難とはいえ、謎解きの面白さはまずまずなものであった。
佐賀県のホテルでのガイシャ死亡時(これがミソ)に唯一とも言える容疑者(ガイシャの父)は
北海道に居たという、鮎作品風のおなじみ(?)鉄壁とも言い得るアリバイトリック崩しが
最大の読ませどころだが、取調室での担当官(主人公の水木警部補は取調の専門家と設定されている)と容疑者の攻防が警察実務に関する薀蓄をまじえて書き込まれており、
通常の捜査小説とは異なる警察小説の面白さにも富む。
解説を現代の国民作家(?)とも言えるみゆきが、またしても担当しているが、
「童顔」「美男ではないが整っている」「切れ長な目」「髭はないが、武者人形(注 ゴリラではない)の容貌を思わせる」・・・と明記されている水木警部補を、「・・既にしていかりやさん以外の人には
見えなくなっていました。先に小説を読んでいたら、どんな俳優さんをイメージしたかしら?
と想像してみることさえできないほど、あまりにもピタリとはまっていました」
と評しているが、
ドラマの出来云々の評価とは別に、長さんがいかにメーキャップした力演だったとしても
これは無いでしょ(w
また、本シリーズに対して、本格ミステリーというワードを使用し評価しているのも不用意に過ぎる。
みゆきよ、解説業はやめて、ミステリでも書いてろや(w
犯人ばれ、犯人捕縛後の物語のため、フーダニットや警察小説的な集団捜査の面白さは
放棄されており、更に物語メーンとなる舞台が取調室という限定された空間のため、
アリバイトリック破りに多いトラベルミステリの面白さも活かせない。
これだけ制約された設定中で、それなりに面白いミステリに仕上げてしまう著者の力量には感服
せざるを得ないものはある。
776名無しのオプ:2009/06/28(日) 16:53:21 ID:eIeNXzQi
さっ、次の話題行ってみよー
777名無しのオプ:2009/06/29(月) 21:39:55 ID:36uEEErp
さて、したらば行って有益な議論をみてこようっと♪
778名無しのオプ:2009/06/29(月) 23:23:49 ID:3bLGI35f
>>770>>769のことを言ってるんだろ。
自分のことを棚に上げて、何がヒントだよw

ってかageだったら釣りだとか、面白い理屈だなこいつw
779名無しのオプ:2009/06/30(火) 00:34:52 ID:ZvD1xBIO
>>769のどこが読後感擁護なんだろうか……
780名無しのオプ:2009/06/30(火) 23:16:28 ID:upuIrHIl
読後感を書いたりスレの流れをチェックしたり、忙しいお方だねw
そんなことしてる暇に、本をきっちり読み込めばいいのに
781名無しのオプ:2009/06/30(火) 23:28:00 ID:UYeDqfyv
それができたらこんなところで他人の意見をコピペしただけの「報告」「論考」
なんていううすらみっともない真似をする人間に堕ちていないよw
782名無しのオプ:2009/06/30(火) 23:51:54 ID:wMQElJ2j
そうやってレスしてる時点で俺に釣られてるんですけどねwwwww
本当に抵抗したかったら無視して感想書き続けろよwwwwwwwwwwww
レスしてる時点でお前らも俺と同類のスレ荒らしなんだよwwwwwwwwwww
783書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/07/04(土) 11:51:59 ID:ltM0hqhl
笹沢左保「招かれざる客」を読んだ。久々の再読ゆえ楽しめた。
長編デビュー作のせいか、前半は後の独自のリリカルな笹沢調の語りはまだなく、
週刊誌のレポート引用とこれを敷衍する形での警察の尋問調書により、
商産省(言うまでもなく通産省がモデルであろう)組合のスパイ事件に端を発する連続殺人事件
の顛末が描かれる。初読時は官僚機構の矛盾・腐敗を告発する清張風社会派ミステリかと
思いきや、この方向へは行かず、後半は事件の再調査に関する
倉田警部補(「霧に溶ける」にも登場)の特別上申書の内容紹介という形で、
郵便ネタの暗号トリック、アルコールネタの時間トリック、ドライアイスネタの
凶器トリック等々が、次々に明らかにされてゆく謎解きミステリ主眼の展開で楽し、
また、後半は若干、悲劇含みな笹沢タッチである。
創り過ぎた暗号トリックは興ざめの感もあれど、時間トリックやドライアイスネタのトリックは今読んでも非常に面白いものがあり、
更には、ヒロイン=犯人の過去が明らかになり、妊娠にもトリックがあると来れば、
正に謎解きは満載だ。(注 野村萬斎ではない(w )
倉田が事件の再調査を決意するきっかけが非常に偶然性に富んだものであること、
妊娠トリックに関するヒロインの判断が、今ひとつ納得がゆかないものがあること、
(子供のためにも養女になる手があったのでは?)
ラストが笹沢作品にしては、あっさりとし過ぎていて余韻か欠くこと等不満点はあり、
全体評価としては、トリック満載でムーディな「霧に溶ける」よりは落ちるものの
読んでおいて損は無い作と言い得る。著者が遭った交通事故の詳細も書かれた
付録のエッセイ「青春飛行」も、紋次郎の作者の人生観・人間観を覗い見れる感があって非常に興味深いものがあった。
事件の細かい経緯よりも、
美人のお酌でご機嫌なキャメラマン(具体的なシーンは無い)、親切な果物屋の少女等の
瑣末なシーンは鮮明に記憶に残っていたのが妙に面白い。
784書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/07/05(日) 10:17:49 ID:qNAH9CPl
横溝正史「迷宮の扉」を読んだ。
いかに御大の作とはいえジュブナイルと偏見を持つなかれ。
当時の厨房に謎解きミステリの面白さを伝えるべく書かれた御大入魂の1作と言い得る。
意外なドンデン返しが可能となるに至る仕掛け等、本格ミステリとしてはどうかと思われる点も
見受けられるものの、理屈っぽくなり過ぎないように、海神館、竜神館、そしてこの2館が
退場後(?)に登場する双玉荘とそこに集う多彩な人々の群像劇の展開と館ものの興趣も満載で
楽しめる作に仕上がっている。もっと書き込めば成人向き作品としても十分に通用したネタでは
なかろうかと思う。
しかし、ジュブナイルであり、登場する2少年たちは常に物語の中心にいるにもかかわらず、
影が薄く、読んでわかるとおりの末路・・・凄過ぎるぞ、御大・・・
また、コバルトの影響で髪の毛が青色に変色ってのは、果たしてトンデモなのか、科学的なのか。
更には、本筋には関係しない点とはいえ、
竜太郎の身長は1メートル90センチ、60近い老婦人の五百子が1メートル80センチ
(「日本の女としてはずいぶん背の高いほうである」と記されているが、現代でさえ「ずいぶん」
どころではないのでは。西洋人モデル並の背高婆でしょ)
これって御大が、10センチ勘違いしてないだろうか?
当時で1メートル80センチの長身のおのこ、1メートル70センチの背高婆なら、わからぬでもない。
他には短編2作を収録。
「片耳の男」は、ルパンものを想起させる暗号ネタで軽く読ませる作だが、
強引過ぎる謎解きで出来栄えは感心しない。
「動かぬ時計」は、「かいやぐら物語」のような作もあるとはいえ、
御大には珍しいスーパーナチュラルを示唆したオチの作、真相の全てを語らないことにより
かえって淡い余韻を残すという本格ミステリ作家らしからぬ巧い語りが活きている小品だ。
785名無しのオプ:2009/07/06(月) 22:46:18 ID:tJjb8yf9
書斎の独壇場だね。読後感のアホが雰囲気を壊さねばいいが。
786名無しのオプ:2009/07/07(火) 00:17:15 ID:PJh/iTQU
>>785
いや、既に君達書斎魔神応援団がぶち壊してるから、これ以上壊れようがないよ。
787名無しのオプ:2009/07/07(火) 00:20:54 ID:2pVzhdOS
ID:cLyZfRUUは相変わらずまめにチェックしに来てるんだな
ミス板の警察乙w
788名無しのオプ:2009/07/07(火) 04:39:30 ID:lKvWit+Y
>>787
同意。書斎アンチが荒らしであることが証明されたね。
789名無しのオプ:2009/07/07(火) 06:38:13 ID:rABIAbRz
ID:cLyZfRUUって誰?
790名無しのオプ:2009/07/07(火) 20:20:31 ID:2DEW1m1c
>>789
誰かが読後感を批判するレスを書くと、どこからともなく現われて
書斎批判に軌道修正(笑)するお方w

見ていても面白いけど、からかうとなお楽しいよ。
791名無しのオプ:2009/07/07(火) 22:28:57 ID:2pVzhdOS
じゃあ定期的に読後感を叩いて、反応を楽しむかw
792名無しのオプ:2009/07/07(火) 22:42:41 ID:86g1peI+
>>790
え?
あれって書斎批判にもっていこうとしてる?

「おまえら書斎はスルーしてるんだろ?だったら読後感もスルーしてくれよぉ。」
って言ってるだけだと思ってたw
793名無しのオプ:2009/07/08(水) 12:08:12 ID:LMbM/S8X
あの騒動は読後感叩きスレがすぐ落ちたことで、正体がはっきりしたじゃん
794名無しのオプ:2009/07/10(金) 12:16:56 ID:VYMjlDEq
というか790と791で荒らすのが目的だと自白してるじゃないか。
795名無しのオプ:2009/07/10(金) 16:32:16 ID:8RxcURK2
書斎アンチが一人しかいないと信じ込んでる時点でおかしいしね
796書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/07/11(土) 11:04:43 ID:7ADplx2C
有栖川有栖「46番目の密室」を読んだ。
おなじみ名探偵火村英生と作家アリスコンビの記念すべき第1作である。
エル大好きなアリスがジョン風の密室殺人を真っ向から取り上げている。
日本のジョンとの異名があるミステリ作家が密室状態の地下室で殺害され、
更に書斎にはもう一人の死体がハケーン!され・・
ひとつは名探偵コナンでおなじみ物理的トリック(小技)であっさりと解明されて
ガクーリながら、もうひとつは暖炉の煙突を利用したジョン風のトリックで結構読ませるものあり。
更には、作家アリスの推理による外れトリックも強引な点はあるがトンデモで面白い
(これには2つの煙突が利用される)。
コンビデビュー作ということもあってか、本筋に無関係な火村の自分語りが少し長く感じられるのは
難だし、執筆されていたという46番目の密室の内容が結局最後まで明らかにされないという
不満は存するものの、「うほっ!」絡みの犯行動機なんかも意外で、適当なボリュームで楽しめる
本格ミステリに仕上がっているとは言える。
797書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/07/11(土) 11:05:34 ID:7ADplx2C
笹沢左保「遥かなりわが愛を」を読んだ。
坊主頭でダンディな伊勢波邦彦警部登場の一編。
この作者の昭和50年代前半を代表するミステリ(アリバイ崩しもの)であるとされるが、
高野長英ネタに関する薀蓄そのものは面白いものの、事件との関連付けが強引に過ぎて非常に
白ける感あり。
そもそもの事件の発端となる伊勢波警部の投書からして、到底、プロの歴史家を納得させられる
ような内容とは思えないアホなねらー級レベルなのだ。
そして、さすがに大学の先生(犯人)でもここまでの奇人(ちゅーか、キティ)はいないでしょ、
そもそもこんなに極端に客観性を欠く姿勢だと学者としてのポジションを築くことが無理かと思う。
主人公の警部自身が犯人のアリバイ証言者になるという設定は謎解きミステリとしては
非常に魅力的なのだが、俺レベルの読み手になると、第一発見者(?)が旅館で飼われていた
大型犬という記述で、ある程度の筋が読めてしまうのが残念、ゆえに当然の如く、「逝ってよし!」作品と言わざるを得ないのだ。
デビュー当時の昭和30年代の作品、傑作「霧に溶ける」等に顕著なムーディで暗い叙情性は
薄くなり、(初期の作者であれば犯人とガイシャの若い頃のカットバックシーン等をまじえて
その悲劇性を殊更に強調したのではないか)
その分、警察の捜査活動に不自然さは感じられるもののゲーム性を強調した
謎解きミステリらしい創り物の面白さを意図している点に作風の変遷を感じさせるものがある。
(これが晩年の「取調室」シリーズ等になると、もっとリアル志向になっているのが面白い)
798名無しのオプ:2009/07/11(土) 11:07:44 ID:hWVyGS9/
なんでこんなウソつくんだろ
799名無しのオプ:2009/07/11(土) 11:37:44 ID:QKKC8w4h
>>795
>書斎アンチが一人しかいないと信じ込んでる

どこをどう読めばそんな結論が出てくるんだよ。
相変わらず強烈な読解力だなw

海外スレでも失笑されてたみたいだけど、もう休んだら?
800書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/07/12(日) 11:03:36 ID:HJGrqH42
有栖川有栖「マジックミラー」を読んだ。
90年代初期に書かれた作だけに、ワープロ、公衆電話等がごく自然に登場するのが、
中途半端に古さを感じさせる。
(清張先生描く昭和30年代、笹沢作品の昭和40年代などは既に「三丁目の夕日」的レトロの範疇
であり、これはこれでOKなのだが)
この作者には珍しいノンキャラ長編であり、主人公のミステリ作家はアリスであってはいけない
理由が最後まで読むとわかる仕掛けになっている。
読ませどころはダイナミックなアリバイトリック2つであり、まずまずの出来ながら、それ以上の本作
の売りはジョンの「密室講義」の向こうを張った「アリバイトリック講義」か。
やや紙数の制約もあったのか、読んでいてわかり辛い面があるのが難か。
また、思わせぶりなタイトルに関する説明も一応作中には記されているものの、
謎解きそのもののポイントにはなっていないのが、やや気にかかる。
801名無しのオプ:2009/07/13(月) 20:29:19 ID:9RQFS6Ej
さ、したらば行こうっと
802書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/07/18(土) 18:19:44 ID:3bp1qKab
有栖川有栖「英国庭園の謎」を読んだ。
例によって、収録作品それぞれに趣向を凝らし、それなりに楽しめる作品集ではあるのだが、
解説を担当した喜国雅彦が絶賛する程の出来には思えず。
特に表題作が、雰囲気は良いのだが地味ネタ過ぎるのがウィークポイントだ。
久々に大好評だった全話講評逝ってみよう!!
・「雨天決行」
足跡ネタと傘ネタで、なかなか読ませる推理が展開され面白い。
・「竜胆紅一の疑惑」
熱狂的な読者心理に着目し、面白く読ませる一編。
犯人の行く末が気にかかるが、火付けは江戸時代からの重罪ゆえ、火村も見逃すわけにはいかないということか・・・
・「三つの日付」
偶然性が強過ぎ、重なり過ぎで出来は今ひとつな作。
海外祭日ネタの薀蓄で落すお遊びは短編ならではではあるが。
・「完璧な遺書」
殺人隠蔽のための遺書偽造ネタ、穴が多い犯行なのは読んでいてもわかるが、
ワープロという小道具に時代を感じる。ただし、トリック及びその陥穽そのものは
Pcのワープロソフトでも同様で古びてはいない。
・「ジャバウオッキー」
アリス好きなアリスによる暗号ネタだが、サイコミステリとして読んだ方が面白く、
短い中に意外にスリリングな展開を味わえよう。
こういう御時世ゆえ、妙に臨場感があるのが恐いものあり。
96年の作ながら、携帯やMO等を早くも作中に小道具として取り入れているのも良し。
・「英国庭園の謎」
前記したとおり、表題作である本作が「売り」のはずなのだが、メーンの暗号ネタが凝り過ぎ、
地味過ぎ。この作者らしく、作品に彩りを添える英国庭園薀蓄等はそれなりに面白く、
英国庭園を模した舞台もミステリとして雰囲気良しなのだが、
いかんせん、ミステリ部分の魅力が弱いのが難。
803書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/07/19(日) 20:18:07 ID:z0lphS7a
新田次郎「富士山頂」を読んだ。
新田作品全体、あるいは新田作品中の富士山ネタに限定しても地味な印象の作だが、
映画化作品が裕次郎特集(27回忌)としてテレ朝でオンエアされたのは記憶に新しいところだ。
これを見る限りでは、富士山レーダー建設に携わった人々(気象庁職員、重電メーカーや
建設会社のエンジニア、ヘリ操縦士、馬方等々)の熱い情熱を描いた文句無しの冒険物語と
思えるが、勿論、この要素はあるにしても原作は気象庁OBの作家らしい官庁間の確執、駆引き、
これに絡んだ業者の暗躍等のドロドロも描いたリアルな作で、この面も読み応えあり。
映画は相当に脚色されているため、原作も読む価値は十分にあると言い得る。
映画だけ見て、「富士山頂オウム鳴く!」とか、つまらないジョークをのたもうているアホにこそ、
突き付けて読ませたい。
目についた異なる点を簡単に列挙しておくと、
・原作の主人公は明らかに作者をモデルにしたと思われる(自身で私小説と言われても
仕方ないと記している)気象庁測器課長葛木であり、彼を中心に物語が展開する。
映画と異なり副業として作家という設定、ラストは専業作家となるための退職だが、
映画の方が左遷というシビアなものである。
映画的には「この道、一本に賭ける」(ゆえに原作の葛木のような最終的な逃げ道というか、
ポジティヴな転身の道は無い)という方が大衆受けすると考えられたのであろう。
なお、原作では上司の村岡部長は仙台へ左遷されてしまう。
・映画の主人公に設定された裕ちゃん演じる梅原技師は原作ではチームリーダーではなく
脇役のひとりに過ぎない。
研究熱心で硬派なキャラ設定ゆえ、映画向き。裕次郎向きと思われ主人公に脚色されたか。
・原作では富士山レーダー建設に携わるのは摂津電機と東成建設だが、映画はタイアップ
の件もあってか、三菱電機と大成建設と諸に実名の会社である。
これは逆の場合が多いことを思うと面白い。
・映画にも浜田光夫扮する富士山測候所職員が過酷な勤務状況を語る短いシークエンス
が存するが、原作では葛木がフルボッコ口撃状態。
804名無しのオプ:2009/07/19(日) 21:14:35 ID:2ZPSFaWG
>>796-797


739 名前:名無しのオプ[] 投稿日:2009/06/07(日) 13:00:47 ID:IXhnDr8+
>嫌がらせとしか言いようがない長文の連発投入。

805名無しのオプ:2009/07/19(日) 21:15:32 ID:2ZPSFaWG
735 名前:名無しのオプ[] 投稿日:2009/06/07(日) 11:30:54 ID:IXhnDr8+
>書斎魔神は自分でブログでもやれや。
>目障りだから2ちゃんから出て行け。
806書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/07/20(月) 20:35:32 ID:etz8Qqwj
新田次郎「孤高の人」を読んだ。
実在した日本山岳史上における異能(単独行オンリー)のアルピニスト加藤文太郎の生涯を
描き切ったボリューム感溢れる作である。
とにかく面白いし、頁をめくる指先は止まらない感があるのだが・・・
大衆小説らしいいかにもな悪役キャラ(影村課長)の設定、
登場人物の心象に入れ込むあまりに創り過ぎた部分、
強調し過ぎなスーパーナチュラル(物語の締めとなる虫の知らせ等)等々に
不満が残らないでもない。
読ませどころである山岳シーンが、戦前の物語であることを忘れさせるぐらいの迫力に満ちたもの
であるだけに、尚更にこの欠陥が眼に付いてしまうということもあるのであろう。
著者の代表作というにとどまらず、山岳冒険小説として一流の作であり、
富士山測候所勤務歴まであるこの著者でなければ書けない作であることは十二分に
理解しているつもりではあるが、主人公が実在の人物であることもあり、
吉村昭風に淡々と事実の記述を優先した筆致であれば、より読後の感銘も大きかったような気
もするのだ。
「これぞ創りもの」と言うた感があるミステリに読み耽っている軟弱なオタ連中にこそ、
突き付けて読ませたい作であり、人生は雪山の如き厳しいもの(つまり遭難も有り得る)という
シビアな現実に眼を見開いて欲しいものである。
807名無しのオプ:2009/07/20(月) 23:08:26 ID:UU8yJ9Fa
「都筑道夫の読ホリデイ」を読んだ。
同じ版元から刊行された「都筑道夫ポケミス全解説」が重版されるほど
売れたため、急遽、刊行された大部のエッセイ集。
読んだ本の感想と身辺雑記が一体となった書評エッセイとでもいうべき
スタイルのもので、豊富な知識に裏打ちされた薀蓄と小説技術に対する
一貫した批評的な視点で、どの回をとっても読ませるのはさすが。
「○○を読んだ」という当スレでもお馴染みのフレーズが頻出するが、
事情で読み終わらなかった場合には、正直にその旨が明記されており、
当然のことながら、読んだふりをして誤魔化したような記述は一箇所も
ないのである。
日がな一日、パソコンに向かって掲示板荒らしを繰り返す精神の病んだ
人物にこそ、つきつけて読ませたい充実の一冊といえるだろう。
808読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/07/29(水) 22:11:57 ID:oArkqoGF
「猿丸幻視行」井沢元彦(講談社)

貧乏学生明はとある製薬会社に誘われて新薬の被験者となる。
その新薬とは過去に遡り、特定の人物の意識下に入り込むという
作用があるものだった。明は明治の国文学者折口信夫の意識に潜り込み、
彼と共に猿丸大夫に纏わる謎を説き明かしていく。

デビュー作です。しかもあの「占星術のマジック」を破っての乱歩賞!
期待に胸を膨らませて読みました。
猿丸大夫、折口信夫という、はっきり言って歴史の中でも
巷で話題になりにくい人にスポットを当て、しかも暗号ミステリー。
こりゃ相当取っ付きにくいんじゃないかと危惧していましたが、
そんなことはなく、するすると入り込めました。資料に基づいて
論理が展開されるので安心して読めます。更に資料に基づいて
反論がなされ、もう無理なんじゃないのと思わせといて、しっかりと
再反論をするという、たまらん構成。特に猿丸と人麻呂に関する
謎の真相は論理のアクロバットと言って良いと思います。
暗号もよく練り込まれており感服しました。
後半横溝風になるのも○。順序逆だけど三津田を連想した。

ただ、現代のパートは要らないんじゃないかと……タイムスリップの
仕組みは某映画と同じ感じですね。

歴史ミステリーとして暗号ミステリーとしても傑作だと思います。
809読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/07/31(金) 20:19:34 ID:S2sOPDz6
「神国崩壊 探偵府と四つの綺譚」獅子宮敏彦(原書房)

中原を制する華王朝の都で、皇帝に次ぐ実力者であった藩王が殺された。
藩王は禁書“コウライレンジャ”の在りかを突き止めたと
宣言したばかりだったという。
留学先の西方から戻ったばかりの貴族の青年利春は、父の後を継ぎ
探偵府の長となるため助手たちと共に事件解決を目指し禁書を繙く――。

入れ子式の連作短編集。
「砂楼に登りし者たち」はあまり感心しなかった記憶があるが、
本作は良かった。

ベストは「輦の誕生」。孤島が舞台のCCであるが見事にやられた。
前例が無い訳では無いと思うが、現に解らなかったのだから挙げる。
次点は表題作。デビュー作だけあってアイディアに唸った。
残りの2つもダイナミックな謎が展開し真相もショボくない。
お薦め。
810読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/08/10(月) 17:28:54 ID:VmigjfCq
「幽霊から愛をこめて」赤川次郎(集英社)

人里離れた山中に佇む山水学園の生徒が、帰寮途中の林の中で殺された。
一緒にいた生徒は幽霊を見たと話す。
折しも、学園に転校してきた令子は、警官である父が止めるのも聞かず
事件の調査にのめり込んでいく。

幽霊、見立て殺人、謎の廃屋、ドッペルゲンガー等々如何にも本格っぽい
道具立てが次々に出てきて期待させられるけど、実際は本格というより
サスペンス。正直意外性はそんなにない。まあ、コバルト文庫としちゃ
良い出来かな。おっさんとフォーリンラブしないしw。
811読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/08/10(月) 21:20:01 ID:VmigjfCq
「リバース」北國浩二(原書房)

美しい恋人をイケメン外科医に寝取られたフリーターのバンドマン省吾。
彼は偶然出会った予知能力のある女性から、元恋人が殺されると聞かされ、
必死に彼女を守ろうと動くが、周囲からはストーカーと非難され、
信頼を失っていく。
それでも諦めず、元恋人と外科医を尾け回す省吾だったが……。

これは美談だ。それをディック・フランシス風に仕立てた感じ。
本格でもありハードボイルドでもある。

最初は、主人公の見切りの早さに違和感を持ったけど、読み進める内に
それが正しいように錯覚してしまう。あいつとか酷いもんな。
告訴しろよと思う。
それに引き替え、あの人たちの心の美しさよ。282ページのセリフとか
泣いたよ。心の中で。一瞬。

ミステリーとしても秀逸で、一つ一つに分けると然程では無くても、
それが重なり合っていくと読み応えがある。

あ〜、でももやもやするなぁ〜。あいつマジ告訴しろよ。本当うぜー。
あいつ絶対イジメとかしてたぜ。間違いない。
812名無しのオプ:2009/08/11(火) 01:36:38 ID:mqYr3pAz
>>810 うわー懐かしいw
813 ◆uZnNxKvE6RBI :2009/08/14(金) 03:00:47 ID:6qnJxTql
二階堂黎人編『新・本格推理』(2009、光文社文庫)【7点】
奥田英朗『町長選挙』(2006→2009、文春文庫)【7.5点】
荻原浩『明日の記憶』(2004→2007、光文社文庫)【8点】
逢坂剛『恩はあだで返せ』(2004→2007、集英社文庫)【6点】
真保裕一『誘拐の果実(上下)』(2002→2005、集英社文庫)【8.5点】
内田康夫『贄門島(上下)』(2003→2006、文春文庫)【7点】
814 ◆uZnNxKvE6RBI :2009/08/16(日) 20:46:52 ID:PJU6yBi2
歌野晶午『密室殺人ゲーム2.0』(講談社ノベルス、2009)【8点】

ゲーマー五人が密室殺人を競い合う前作の続篇。連作短篇集。
「相当な悪魔」を除くと、各短篇の出来は前作よりやや落ちるが、
五人のイカれた掛け合いは楽しい。ただ、前作のネタバレ満載でもあり、
前作は絶対に読んでおいた方がよい。
815名無しのオプ:2009/08/18(火) 05:20:33 ID:R0D8jT0d
少女 湊かなえ

まぁサクサクっと読めたけど、ミステリーではないよね
816書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/08/29(土) 20:39:06 ID:Q7jB/tyP
藤森益弘「ロードショーが待ち遠しい 早川龍雄氏の華麗な映画宣伝術」を読んだ。
意外に知られざる映画宣伝の裏側を綴った(すなわち謎解き)好読物と言い得る。
「パブリシティ」と「アドバタイジング」(訳としては一般的には両方「宣伝」とするしかないが)
の相異等がわかり、非常に興味深いものあり。
ただし、ワーナー映画宣伝マンの聞き語り担当に広告会社出身の作家(京大卒)を起用というのは良いのだが、著者の自分語り(映画の話題に絡めてではあるが)が目に付き過ぎる感があるのは、頂けないものがある。
(あとがきによれば、単行本刊行時の加筆らしいが、「より総合的で重畳的な論考」にするという
趣旨は果たされていないように見える。)
早川氏の江戸っ子で歯切れよい語り(「あとがき」より)を読者へ伝える意味でも、
志ん生師匠の「びんぼう自慢」の如く、筆者には「語り部」に徹して欲しかったものである。
本書中では、早川氏の上司であり名コンビでもあった佐藤正二氏も、
映画好きには気になる存在だ。次は是非にもこの人の自分語りを書いて欲しいものである。
817真・読書仮面:2009/08/29(土) 21:45:40 ID:JuVKYd93
読んでいない、読んでいない…
818書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/09/05(土) 23:11:57 ID:+ZtdAFu/
大野芳「特務艦『宗谷』の昭和史」を読んだ。
ロシア発注(これは不知の意外な事実であった)の貨物船として建造、
時局の変化により結局引き渡されず、
以後は、特務艦「宗谷」として改造→引き揚げ船→灯台補給船→南極観測船→巡視船と
数奇の運命を辿った船舶に関連した時代と人間を描き切った読み応えあるノンフィクションで
ある。小説ではないため宗谷が擬人化されているわけではないが、この宗谷は辿った経路こそ
正に冒険そのものと言い得よう。
小説化すれば、アリステア・マクリーンの傑作海洋冒険小説「女王陛下のユリシーズ号」に
匹敵するものになるかと思ったのだが、これは宗谷がその名を一番馳せた南極観測船時代の
第6章に入ると、むしろ「ケイン号の叛乱」(あれほど逝っているキャラはいないものの)になって
しまう恐れがあるかなと考えが変わったものである。
とにかく、南極観測隊派遣に至る裏事情の金、学閥、人間関係等を巡るドロドロに
萎えるものあり。これこそノンフィクションの面白さゆえなのであろうが。
この辺の生臭いエピも活かして小説化となると、吉村昭&新田次郎の両先生ぐらいしか思い
浮かばず、共に故人、良素材があっても書けそうなタマが見当たらないといったところか。
戦記ものを得意とする著者の手によるものであり、終戦記念日がある8月を念頭に置いて
刊行された関係もあるのか、軍艦時代の第2〜4章で背景となる戦況が詳細に
書き込まれ過ぎている感もあり、いささか(注 イササカ先生ではない(w )読み辛い感も
あるのがやや難か。
時代背景に関する記述は、必要最小限に絞込み全体的なボリュームを300頁強程度に抑えれば
コンパクトでよりベターな作になったと思われだ。
819書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/09/05(土) 23:12:47 ID:+ZtdAFu/
丸谷才一「横しぐれ」を読んだ。
長編でもミステリの「匂い」がある作を書く作家の作品集。
表題作は、国文学者である主人公の亡父(医師)とその友人(高校教師)が旅先で出会ったのは
あの著名な漂白の歌人であったのかを文献と聞き取りをまじえて追及してゆく歴史ミステリ仕立ての作と見せて・・・別な面の意外な過去の事実が浮かび上がって来るが、
実はそれは意外ではなかったのだという展開。
池内紀氏の解説を読めば、伏線を張られていたのがばっちし(この言葉好きである)だったのが
わかるはず。
ミステリの手法で文学を書くことを可能であることを示した良き実例と言い得る。
余談ながら、タイトルに掲げられた横しぐれ(季語?)に関する作者の薀蓄も非常に楽しく、
面白く読ませるあたりに、軽く文学の「凄味」といったものさえ感じさせる。
各人、心して読め!!
820名無しのオプ:2009/09/05(土) 23:26:22 ID:gvADTZq8
読んでない、読んでない……
821名無しのオプ:2009/09/06(日) 00:17:32 ID:ClB4TrhI
>>820
土曜日でさえ、この時間にしか論考できない書斎さんの激務と労苦に
思いを馳せろ!!!!!!!!
822名無しのオプ:2009/09/06(日) 00:22:59 ID:eIsY+Llj
818
冒険小説っぽいから小説にしたら良かった

819
ミステリーっぽかった。解説もそういってる


それだけのことを書くのに何偉そうなこと言ってんの?
823 ◆uZnNxKvE6RBI :2009/09/07(月) 08:02:31 ID:8oPFUiRw
耳目「通信制警察」(『小説推理』8月号、2009)【6点】

第31回小説推理新人賞受賞作。
短篇+あわせ技のショートショート数篇という、変わった構成の新人賞。
まあ、つまらなくはないですが・・・

奇態な筆名、特徴的な容貌(写真)、ふざけた「受賞のことば」、
すべてをあわせてヘンな受賞作。
824読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/09/07(月) 23:17:09 ID:K1v08ioP
「死者の威嚇」小杉健治(講談社)

関東大震災において虐殺された朝鮮人の遺体発掘を目指す市民団体に
所属している葉山亜希子は、東北からやってきた宗田という男と知り合う。
宗田は朝鮮人虐殺事件に違った観点から注目しており、亜希子は
次第に彼と親密になっていく。しかし、ある時を境に宗田は行方不明
となり、やがて死体が発見される。亜希子は独自に事件の解明に
乗り出すのだが……。

本格というより、私立探偵ものという感じかな。
過去と現代の犯罪が無理なく絡み合っていて、中々の佳作。
ただ、犯人の動機付けが若干弱いかなと思う。

これ、本格として、フェアに仕立てられたはずなんだけどなあ。
「偽証」の時も思ったけど、小杉さんはもうちょっと腰を据えて
書いて欲しいな。

ていうか、弁護士作家じゃないんだね。失礼しました。
825書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/09/12(土) 11:30:52 ID:Uko3MSDJ
歌野晶午「長い家の殺人」を読んだ。
作中に比喩で登場するベルリンの壁が存在していた頃に書かれた作であり、
今読むと「時代」を感じさせるものあり、
マリファナ浸りの反社会的・反倫理的な探偵キャラは、いかにも世紀末的である。
人魂に関する薀蓄も紹介されるが、大槻教授のプラズマ説が衆知になる前でもある。
従って、第2の殺人のトリックに使用されるのも、まだカセットテープレコーダー、
レコードも健在だったりする。
さて、本格ミステリとしてはシマソウの賛辞(「ミステリー史上に残ってしかるべき大胆なアイデア、
ミステリーの原点」)が、読者にはかえって仇になったか、彼氏の斜め屋敷級のトンデモ大トリック
を期待すると外される。
かなり強引な壁作りトリック(ペンキ塗りたてで人払いするという小ネタは面白いものの)、
しかも、連続殺人に2回同じトリックが使える状況設定というのには、
やはり無理を感じざるを得ない。
本筋ではないが、学生バンドメンバーによる青春群像劇めいたシーンもわざとらしく鼻につく感
あり、この辺は創りものに徹して高評価だった後年の「葉桜の・・・」あたりと比べると、
若書きの感は拭えないものがある。
シマソウ大好きな作者なのに、次作「白い家の殺人」も同様だが、怪奇性を強調出来る舞台
設定(ガイシャの亡霊目撃を思わせるシーン等もあり)でありながら、この点は軽く流し、
合理的な推理に徹する方向に行くのは「スタイル」とでも称すべきものであろうが、
怪奇探偵小説好きな筆者にはちと残念な感あり。
826名無しのオプ:2009/09/13(日) 09:26:51 ID:yNk4BVDw
書斎は速読術を身につけているんだろうな。
827名無しのオプ:2009/09/13(日) 09:33:52 ID:rU00sRql
読まなくても自称「論考」が書ける、スゴ技の速読術。
828書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/09/13(日) 11:30:15 ID:OP7vN13j
横山秀夫「第三の時効」を読んだ。
「陰の季節」「動機」「顔 FACE」と読んで、自分としては見切った作家である。
テレビドラマ化もされ、評判になった作品集ゆえ今回手に取ってみたが、
やはり、先の判断は正しかったと言わざるを得ないものがある。
国際商科大学卒で地方紙のブンヤ上がりという著者の経歴は非常に気にかかるところだ。
一応、収録作品全話講評逝ってみよう!!
・「沈黙のアリバイ」
パシリが屈強な主犯とその愛人をばらし(肝心の犯行の詳細は記されていない)、
アリバイの件で刑事を脅迫していたというのがあまりに無理な展開である。
やり手の一班係長の過去エピもうざく、テンポを悪くしている感の方が強い。
・「第三の時効」
法律的にはこのタイトルは有り得ないのだが、
それはともかくとして、時効完成(?)した途端の急展開等が御都合主義過ぎる。
主人公の刑事は子蟻ワケ蟻気な女と所帯を持ったうえに、
殺人犯の娘となったJCを引き取るつもりなんだろうか?
あまりに読者のハッピーエンド症候群に配慮し過ぎた無理ある締めと言わざるを得ない。
クール過ぎる公安上がりの二班係長のキャラは警察ものとして異色で面白いだけに残念だ。
・「囚人のジレンマ」
経済学でもおなじみなタームをタイトルに持って来て期待させるものの、
これは深い意味はなく終わっているのは残念だが、
捜査一課長の視点から、捜査一〜三班の活動を描いてそれなりに面白くは読んだ。
829書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/09/13(日) 11:31:51 ID:OP7vN13j
・「密室の抜け穴」
容疑者がマンション内から消えた(?)
後の現実の事件を想起させる展開。
警察ものとしては、捜査一課と暴対課の対立等が面白いが、
犯人に内通する悪徳警官ものとして書いた方が、もっと読ませるものになったかと思う。
・「ペルソナの微笑」
これはかなり創り過ぎたエピで白け、御都合主義と偶然性に満ちた展開で萎えるものあり。
最後もホシは落ちてないのでは?
・「モノクロームの反転」
反射光ネタ(黒が白く見える)は面白い。だが、チューリップは人情噺としてはOKだとしても、
事件に関する証拠能力どころか、証拠力も皆無でしょ。
対照的な班長に率いられる一斑と三班の競合する捜査という設定も興趣は惹くものの、
締めが強引なのが難だ。
830名無しのオプ:2009/09/13(日) 17:15:44 ID:uhLSm92d
落書きは短めにお願いしたい。
831名無しのオプ:2009/09/13(日) 19:02:04 ID:yNk4BVDw
まっとうな論考だろ。
見る目がないねえ。
832名無しのオプ:2009/09/13(日) 19:08:33 ID:rU00sRql
見る目がある方に解説をお願いしたいw
833名無しのオプ:2009/09/13(日) 21:29:49 ID:wXnyV5KX
あれがないこれがないって「作者が意図してない部分」を並べ立ててるだけじゃん
読んでなくてもネットでどんな話かわかれば誰でも言えることやってるだけ

くだらね
834名無しのオプ:2009/09/13(日) 21:31:35 ID:MJfCtRpa
>>825-826>>828-829>>831
自演名無しで「まっとうな論考だろ」と言わなきゃ、そう思わせられないのかい?情けないねぇ。

速読で感想書くなんて無理無理。
速読は「効率的な飛ばし読み」なんだからw
835名無しのオプ:2009/09/19(土) 00:27:23 ID:aumGSnlQ
「fの魔弾」柄刀一(光文社文庫)

柄刀さん得意の密室もの。
新ユダの窓と言うだけあって、現場の状況や、法廷場面が出る所などは、
カーの作品のニューヴァージョンというかんじ。
なるほど、H・M卿が、犯人はユダの窓から出入りしたと言った様に、
まだ在ったのですね、ユダの窓が。
私的には、カーの作品より優れていると思え楽しめました。
只ひとつ、密室以外のあるトリックが、土屋隆夫さんのある作品のメイン
トリックと全く同じなのが気になりました。
柄刀さん、この作品読んでいないのかな?(メール欄)
836書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/09/19(土) 18:44:09 ID:yDu6lO/d
浜尾四郎「殺人鬼」を久々に再読。
資産家秋川一家を巡る連続殺人に名探偵藤原が挑む。
「戦前の日本探偵小説中、随一といってよい本格物の一大収穫」と創元は言うが、
まず「蒼井雄(注 優ではない(w )は?」という感あり。
この点は置くとしても、
大乱歩の認識も本格ミステリの傑作というものなのだが、
探偵しか知らない事実、後出しの事実等が多く、到底、フェアな謎解きミステリとは言い難く、
犯人パターン(「黄色い部屋の謎」のバリエーションと思われ)も見方によっては意外性のみを
意図した反則技と言い得る。
この作者は、上流階級(男爵家)の生まれ、お堅い法曹出身というキャリアにもかかわらず、
短編では異常心理やエログロな要素も多い(殊更に煽情的ではない)が、
本作はこの志向も散りばめ、過去の因縁話も絡めて描く、謎解き仕立てのサスペンス・ミステリ
(館もの)というのが実態かと思う。(この点は春陽での初読時にも同感であった)
相当に古い作でまずまずのボリュームを有しながら、会話文を主体にしたこなれた文章で
一気に読ませるのは、さすがとは言える。
不満を言えば、もう少し情景描写を入れ、作品の雰囲気を盛り上げる配慮があっても良かったようには思う。
837名無しのオプ:2009/09/19(土) 23:11:50 ID:CV38L9JI
京極夏彦の『うぶめの夏』を読みました

有名な魍魎の匳を読む準備として読みましたが、疲れました

ストーリー、世界観等は良いのですが、読みにくいです
嫌がらせかと思う程です

ミステリー好きで年間200冊は読みますが、これほど読みにくいのは初めてです。魍魎は買ってしまいましたが読みません。
838名無しのオプ:2009/09/19(土) 23:42:48 ID:yaGHMpoQ
書斎魔神の「読書感想文」を読んだ

駄作だった
839名無しのオプ:2009/09/19(土) 23:56:36 ID:kuBSAQJ6
>>838
論考と言え!!!!!
840名無しのオプ:2009/09/20(日) 08:57:14 ID:2Q/fPonZ
>>838
あれは「感想文」にさえなっていないでしょ。

小学校高学年の国語の授業で、感想文を書いて提出しなければならない時に
あんなの出したら、名前の横に大きく“×”が付けられて、
その下に「きちんと書いて再提出すること」って赤ペンでかかれちゃいますよw
841名無しのオプ:2009/09/20(日) 09:49:06 ID:kmo1Zh+t
読後感に比べれば一億倍マシ。
842名無しのオプ:2009/09/20(日) 09:54:33 ID:U74B2xkb
他人と比べてどうするw
書斎が沈黙しているのに、名無しの支持者ってお節介なんだなwww
843名無しのオプ:2009/09/20(日) 09:56:07 ID:kmo1Zh+t
書斎ばかり誹謗中傷されるからな。
もっと劣悪なコテハンが居ついているのに誰も指摘しないのは不公平だわな。
844名無しのオプ:2009/09/20(日) 11:46:28 ID:+fEsQnaT
悠々と論考したいのに、支持者がひっかきまわすw
845名無しのオプ:2009/09/20(日) 12:02:38 ID:kmo1Zh+t
アンチは本スレにまで出張って荒らすくらいなら、最悪板でのシカト祭りwとやらをやめたらどうだ。
本当は構って欲しくて仕方がないんだろ。
846名無しのオプ:2009/09/20(日) 12:13:27 ID:i1KEAVCF
↑名無しの書斎が構ってくれと泣き言を言ってます。
847書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/09/20(日) 17:57:45 ID:PLrPQMlS
白川義和「国連安保理と日本」を読んだ。
一橋大卒な中堅記者の手になる200頁足らずの新書だが、
北鮮問題で話題となることが多い国連安全保障理事会の実態と問題点を描いて
読む者の興味を逸らさず一気読みさせる。
国連全般に関して書かれた著作は多いが、意外に安保理に絞ったものは少ないので、
この意味でも貴重である。
ミスオタには、政治(特に国際政治)・経済問題に暗く、
いまだに国連をウルトラマンの如き正義の味方やと思うているようなアホも多い。
また、総会と安保理事会の権限の区別、事務局との関連等に誤った理解をしている者も
多数見受けられる。
本書では著者が見聞・取材にもとづく事例に即して、安保理の機能と実態がすっきりと
理解出来るようになっているので、各人、心して読め。
全体を通じて、国際政治の舞台における安保理常任理事国のメリットを痛感させられるものがあり、
第5章で記される日本の常任入り工作の失敗(2005年)は惜しまれる。
あれ以後、経済状況の悪化もあって、日本の常任入りという話題がすっかり下火になってしまった感あり。
ミャンマーのサイクロン被害(2008年)に関する支援・援助拒否に関して、
ミステリファンとしては、
仏等の安保理事国を悪い警官、国連事務総長を良い警官に喩えた国連研究専門家のエピが
面白く思えた。
848名無しのオプ:2009/09/20(日) 19:53:21 ID:52KY7Dca
常に未読の新刊のストックが2,3冊は無いと落ち着かない。
849名無しのオプ:2009/09/21(月) 06:21:42 ID:fEeJGMUY
さすが書斎、カヴァーするジャンルが違うね。
850名無しのオプ:2009/09/21(月) 10:29:47 ID:EaLg7wmb
削除人さんからのメッセージです。
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/saku/1221902267/171
851名無しのオプ:2009/09/21(月) 19:01:27 ID:IhLHsqIg
>>840
だって浜尾を過去に読んでいると言っているくせに
蒼井を読んだとほざいたときにこのバカ書斎なにを言ったと思う?w
852名無しのオプ:2009/09/21(月) 21:55:55 ID:20KIgCPu
>717 名前:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w [] 投稿日:2009/05/24(日) 20:31:27 ID:r0O5itKa
>蒼井雄「瀬戸内海の惨劇」を読んだ。
>戦前では唯一本格ミステリ長編の書き手と言うてよい作者の「船富家の惨劇」以外では
>唯一の完成長編である。

>戦前では唯一本格ミステリ長編の書き手と言うてよい作者
>戦前では唯一本格ミステリ長編の書き手と言うてよい作者
>戦前では唯一本格ミステリ長編の書き手と言うてよい作者
>戦前では唯一本格ミステリ長編の書き手と言うてよい作者

笑った。
853名無しのオプ:2009/09/22(火) 00:27:25 ID:XfWZvCh4
>>849
同意。板違いの本の感想をでっちあげる書斎は荒らしだね。

>>852
書斎ってやっぱりバカだなw
854850:2009/09/22(火) 08:56:33 ID:KlzRFtbe
追記:
某コテハン(もどき)にどうしても意見したくなったらこちら↓
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/8993/1249984500/l50
855名無しのオプ:2009/09/22(火) 12:02:48 ID:HTbLpqUH
名探偵藤原って誰?浜尾作品にそんな探偵出たっけ?
856名無しのオプ:2009/09/22(火) 12:38:16 ID:zl9DT6fT
「ググっただけ」の「読んだふり」だからしょうがないよw
857名無しのオプ:2009/09/22(火) 13:12:05 ID:QqpfwAo9
実際に読まずしてあれだけの書評は書けないわな。
858名無しのオプ:2009/09/22(火) 16:23:47 ID:h7Bi8mN4
>>856
自分では読まないくせに実際に読んだ人の感想文をパクッて
適当に改竄するのが奴のいつもの手口だからね。
そのときうっかり元の文にあった探偵の名前を消してしまって
慌ててうろ覚えの名前を書いたというのが事実だろうな。

もしあれで本当に読んだと主張するなら
あれは再読までしたw小説の探偵の名前を間違えるような
粗末な記憶力の持ち主だと自分で認めたことになるしね。
859名無しのオプ:2009/09/22(火) 16:31:13 ID:uJOc+Vzh
「読んでない」から「浜尾が戦前に本格長篇を書いてることを知らない」
「シリーズ探偵・藤枝の名前もうろ覚え」というなら、まだ話は分るが
「読んでいる」のに「浜尾の業績も探偵の名前も覚えていない」のでは
「単なる痴呆」ということになるが。

自分で自分を痴呆だと喧伝して何がしたいのか。
痴呆の書いた「論考」が素晴らしいはずもない。
860名無しのオプ:2009/09/22(火) 16:59:47 ID:/YPkprPQ
いざというときはうろ覚えは校正係が訂正するからいいんだよ。
2ちゃんは書き捨て。書斎はその辺は割り切っているよ。
861名無しのオプ:2009/09/22(火) 17:30:46 ID:RU5Bph8t
オツムの足らん人格障害者は無視していきましょう
862名無しのオプ:2009/09/22(火) 19:39:35 ID:Jp/mupzN
>>859
そういう言い方すると頭の悪い馬は
2ちゃんは書き捨てだの下書きだの校正係が校正するだのと
意味不明な言い訳をしてくるだろうけど、
登場人物の名前や性別というレベルの間違いは下書き以前の問題だし
ましてやそんなものを公に晒して平気でいられるのは頭のおかしい証拠になる。
しかも馬は自身

http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1246457378/956
>956 名前:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 投稿日:2009/09/07(月) 19:33:18 ID:MQEkdSDM
>まあ単なる記憶違いか脱字であろうが、
>>生者と死者読んだけどこれすごい傑作じゃん
>>旧創元推理文庫版のタイトルは『生者と死者と』ですから
>>>>894さんは間違いであるとはいえないんですよね。
>どこが間違いではないと強弁するつもりなのか?
>助詞の有無で意味が異なって来てしまう。

といように固有名詞については厳格であるべきだと主張している。
こういう奴に「下書き」「書き捨て」「校正係が」という言い訳は絶対に許されない。
863名無しのオプ:2009/09/22(火) 20:34:46 ID:/YPkprPQ
不勉強な者の間違いと大家のうろ覚えは大違い。
単なる比較でモノを考えるバカの典型。
864名無しのオプ:2009/09/22(火) 20:41:02 ID:VLzt2aOz
書斎のロジックは素晴らしいね。
865名無しのオプ:2009/09/22(火) 20:43:07 ID:krnW5Tcc
うろ覚えの知識しか持ってない大家ww
866名無しのオプ:2009/09/22(火) 20:44:48 ID:Jp/mupzN
>>862に追記。
あとあのバカ馬は自分はプロの書き手だ大家だだから間違いは許されるなどと弁解してくるだろうけど
それなら尚更「下書き」「書き捨て」「校正係が」という言い訳は絶対に許されない。
素人、アマチュアならまだ「仕方がない」ですむけどね。
もし馬が名なしでその手の自己弁護をしてくるようなら
自分自身が最底辺だということを認めることになるだろうな。
867名無しのオプ:2009/09/22(火) 20:49:47 ID:Jp/mupzN
>>865
しかも読み終えたばかりの本でそれだからね。
868名無しのオプ:2009/09/22(火) 21:43:44 ID:/YPkprPQ
屁理屈はもういいよ。
書斎の間違いは訂正を前提にしたもの。実際アンチが訂正するんだから、2ちゃんでも全く問題ない。
869名無しのオプ:2009/09/22(火) 21:48:22 ID:Jp/mupzN
敗北宣言が出たね。
じゃご褒美に今回はかまってあげよう。

所詮馬は間違いだらけの駄目な文しか書けず
我々に間違いを指摘され(つまり指導を受け)る必要がある。
そのためには2ちゃんから離れるわけにはいかず
当然己のサイト、ブログなどというものが立てられない。

そういう結論がでましたw
870名無しのオプ:2009/09/22(火) 21:54:00 ID:lavOK9Bq
♪ファイト!闘う書斎さんの唄を 闘わないアンチが笑うだろう。
871名無しのオプ:2009/09/22(火) 21:55:35 ID:uJOc+Vzh
書斎魔神の「論考」はうろ覚えで書かれていて、アンチに間違いを
指摘されることが前提なのか。

なるほど、シカト祭りをされたら途端に狼狽える訳だな。アンチに
教えてもらわないと、どこが間違いなのかも分らないんだから。
872書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/09/22(火) 21:58:36 ID:SrkScqow
相変わらず馬鹿のひとつ憶えで、引用も論証もせずに他者の論考を剽窃と騒ぎ立てる白痴は
論外としても、
>「戦前の日本探偵小説中、随一といってよい本格物の一大収穫」と創元は言うが、
「殺人鬼」に対するこの創元のキャッチフレーズはスルー状態とは情け無い。
ねらーが権威に弱くてどうする(w
873名無しのオプ:2009/09/22(火) 22:05:39 ID:kSpL8irw
今日はかまってもらえてよかったな。
874名無しのオプ:2009/09/22(火) 22:06:15 ID:Jp/mupzN
それが添削してもらう側のいう言葉かよ?
まずは>>852への弁明と
「藤原」の件について正式な謝罪と訂正、
そしてお前のうろ覚えの妄言の訂正をしてくれている人間に対して
丁寧に礼を述べるのが人間としてするべきことだなアホ馬くん。
名なしで自己弁護する暇があったらするべきことはしろ。
875名無しのオプ:2009/09/22(火) 22:55:28 ID:Jp/mupzN
一応アホに指導してやるか。
ID:/YPkprPQで懇願してきたことだし、今日は特別な。

> >「戦前の日本探偵小説中、随一といってよい本格物の一大収穫」と創元は言うが、
> 「殺人鬼」に対するこの創元のキャッチフレーズはスルー状態とは情け無い。
> ねらーが権威に弱くてどうする(w


ずいいち 【随一】
(1) 同類中での第一番。
(2) さきがけ。最初のもの。

同じ浜尾の『博士邸の怪事件』のほうが『殺人鬼』より先に世に出ているようだし
この場合の「随一」は(1)と取るべきだろう。
つまりその「創元のキャッチフレーズ」wを言い換えれば
「戦前の日本探偵小説中、ナンバー1といってよい本格物の一大収穫」
ということになるがそれが何か?

ひょっとしてアホ馬は随一=唯一だと思っていたのかな?
876名無しのオプ:2009/09/23(水) 07:56:22 ID:ZJCFYt5W
やり取りが続いているね。
殺伐としたやり取りこそ2ちゃんには相応しい。
877書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/09/23(水) 08:24:09 ID:5uT+M9gj
>>875は創元が蒼井作品をスルーした理由には全くなっていない見当違いな痛いレスである(w
本来であれば「戦前では蒼井雄の『船富家の惨劇』と並んで・・・」とするのが妥当。
現に創元は「船富家・・」に関して「長編アリバイ物の古典」「トラベル・ミステリの原型とも
いうべき蒼井雄の雄編」と高く評しているわけである。
もし、本格の正道はフーダニットと解するのであれば、横溝は認めるが鮎川は認めないという
暴論に達するものである。
878名無しのオプ:2009/09/23(水) 09:27:19 ID:3y1LemSU
そのとおりだ!!!!!
879名無しのオプ:2009/09/23(水) 09:28:24 ID:rBwbyCgj
やはり随一=唯一だと思い込んでいたしいw
それを指摘されて悔しかったのか朝からまたバカなことを言い出しているよw

そして今度は「並んで」かい?
言うにことかいて「キャッチフレーズ」には高く評価したものをズラズラ並べ立てないといけない、
だとさ。
ならば短編無視して大阪圭吉の名前も加えないとなあw

完全バカだなうろ覚え大家書斎ってw
880名無しのオプ:2009/09/23(水) 09:42:32 ID:rBwbyCgj
修正
短編無視して→短編無視しないで



ところでこれはどうした?

>717 名前:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w [] 投稿日:2009/05/24(日) 20:31:27 ID:r0O5itKa
>蒼井雄「瀬戸内海の惨劇」を読んだ。
>戦前では唯一本格ミステリ長編の書き手と言うてよい作者の「船富家の惨劇」以外では
>唯一の完成長編である。

お前こそ
浜尾四郎を「スルーした理由には全くなっていない見当違いな痛いレス(w」
なんかせずにきちんと弁明しろようろ覚え大家君w
881名無しのオプ:2009/09/23(水) 10:25:44 ID:3IQzykih
30分以上反論(未満の屁理屈)がないってことで、もういいんじゃないですか。
最悪板見てみると、スルー祭りとかに対して
「かまってくれ!かまってくれ!」って「アンチ」にまで泣きついてる無様さだし。
罵倒でも何でもいいからレスもらえればOKみたいなところが見て取れる。
白痴は無視して先行きましょ。
882名無しのオプ:2009/09/23(水) 10:49:56 ID:I5JJbluz
?つきには構わないでいきましょう
883名無しのオプ:2009/09/23(水) 11:20:33 ID:ZJCFYt5W
>>881
書斎が基本一日に一回しか書き込まないことは最早周知のこと。
30分くらい待てないでどうする。常識外れだよ。
884名無しのオプ:2009/09/23(水) 11:32:25 ID:rBwbyCgj
>>881
「唯一」について何の弁明もできなかったというだけじゃなく
877で更に自分の発言がいかに不適切であったことを強調しているくらいですからね。
しかも名無しでそれを肯定しているくらいですから
今回も馬の大敗ということでお終いですね。
885名無しのオプ:2009/09/23(水) 12:13:03 ID:ZJCFYt5W
結論は書斎が反論するまで待てよ。
そのくらいの余裕もないとは、勝ち逃げを急いでいると勘ぐられてもしょうがないぞ。
886名無しのオプ:2009/09/23(水) 12:25:24 ID:rBwbyCgj
887名無しのオプ:2009/09/23(水) 15:40:24 ID:ZJCFYt5W
2ちゃんから出て行った香具師の言うことなど関係ない。
言いたいことがあるなら2ちゃんで言えばいいのに、それをしない卑怯者なんだからな。
888名無しのオプ:2009/09/23(水) 15:59:57 ID:gDjfIjp0
「アンチ」に訂正してもらわないと、読んだばかりの本の探偵の名前も忘れ感想もまともに書けないとは
書斎ってかなり知能が低いんだな
889名無しのオプ:2009/09/23(水) 16:19:10 ID:PnXD3tD7
775:書斎魔神◆AhysOwpt/w :2009/06/28(日) 16:24:09 ID:iTSL2aTz
笹沢左保「取調室 静かなる決闘」を読んだ。


静かなる「決闘」じゃなくて「死闘」だろww
うろ覚えの大家さんよww
890名無しのオプ:2009/09/23(水) 16:23:58 ID:d4fk9k02
>>888
かなりとかそんなレベルじゃないよ。
「無茶苦茶」若しくは「救いようがないぐらい」知能が低い。
891名無しのオプ:2009/09/23(水) 16:24:01 ID:gDjfIjp0
読んだばかりの本のタイトルすら忘れるとは
書斎は相当のアホだということは明白だね
892名無しのオプ:2009/09/23(水) 16:28:04 ID:gDjfIjp0
>>890
そうだね
訂正しよう
書斎は救いがたいほどのアホだ
893名無しのオプ:2009/09/23(水) 16:53:17 ID:PnXD3tD7
ホックスレから

522:書斎魔神◆AhysOwpt/w :2009/01/23(金) 22:01:22 ID:YeIJteRm
2ちゃんにはまだ掲載していなかった「サイモン・アークの事件簿T」の全話講評をお届けしよう。
俺の論考の愛読者の方には掲載が遅れたことにつき深く陳謝しておきたい。
では全話講評逝ってみよう!





・「狼男を撃ったおのこ」


翻訳小説の題名に「おのこ」なんて言葉を使うかよww
正確な題名は「狼男を撃った男」。
うろ覚えでも普通こんな間違えしないぞww
流石に「うろ覚えの大家」は間違え方のスケールが桁外れだなww
894名無しのオプ:2009/09/23(水) 16:58:36 ID:2K8F0sbs
>>891
何しろ浜尾四郎の存在すら覚えていられずに

> 717 名前:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w [] 投稿日:2009/05/24(日) 20:31:27 ID:r0O5itKa
> 蒼井雄「瀬戸内海の惨劇」を読んだ。
> 戦前では唯一本格ミステリ長編の書き手と言うてよい作者の「船富家の惨劇」以外では
> 唯一の完成長編である。

なんて書くくらいだものなあ。
そのくせ他のスレじゃ>>862にあるとおり
ただの一字たりとも間違いを許さないと言っているからなほ笑える。


>>886
同意w
895名無しのオプ:2009/09/23(水) 17:03:07 ID:gDjfIjp0
>>893
ネタとしてもつまんないね
むしろいい年して幼稚でキモイ
896名無しのオプ:2009/09/23(水) 17:16:14 ID:uDU2slD9
次々に間違いを指摘するアンチの厳しい指導によって
書斎さんの論考が完成形に近づきつつあるね。

先は遠いけど頑張って!
897名無しのオプ:2009/09/23(水) 18:58:45 ID:gDjfIjp0
「論考」=「小学生の感想文以下」と言う意味ですか?
898名無しのオプ:2009/09/23(水) 21:04:22 ID:X5EUt72g
誰かの「自称」論考と、他の人の真面目な論考を一緒にしちゃ可哀そうだと思う。
899名無しのオプ:2009/09/23(水) 23:35:41 ID:kj6iSFwl
つまりアンチに指導してもらわないと論考(w)1つ
完成させる事ができないのかよw大した大家さんだw
900名無しのオプ:2009/09/23(水) 23:47:21 ID:LcXCYhu9
で、「唯一」についての言い訳マダー?
901書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/09/24(木) 00:01:13 ID:JiGUEu0X
>>879はアホか(w
>言うにことかいて「キャッチフレーズ」には高く評価したものをズラズラ並べ立てないといけない
ズラズラどころか、「船富家の惨劇」オンリーやろ。
戦前の本格ミステリ(長編)を語る場合に「殺人鬼」のみを持ち上げて、船富家をスルーするような
キャッチフレーズは問題有りと言わざるを得ない。
また、「殺人鬼」の評において、本格とはいえ短編作家である大阪圭吉の並列するなどは、
場を心得ない見当違いも甚だしいものがあると言い得る。

俺の論考中に明記したとおり、「殺人鬼」という作の実態は、世評とは異なり本格ミステリという
よりは、サスペンス・ミステリという内容にふさわしいものがある。
淡々と展開し過ぎている感はあるが、「船富家の惨劇」の方が本格ミステリという形容にふさわしい
ものがあるやに思う。

既に読了報告とそれに対する応答の範囲を逸脱しつつあるゆえ、
以後は、リンク先で
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1252458065/

各人、心して来い!
902名無しのオプ:2009/09/24(木) 00:11:47 ID:v05eKdgt
>戦前の本格ミステリ(長編)を語る場合に「殺人鬼」のみを持ち上げて、船富家をスルーするような
>キャッチフレーズは問題有りと言わざるを得ない。

だから浜尾四郎の存在そのものを無視して

>717 名前:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w [] 投稿日:2009/05/24(日) 20:31:27 ID:r0O5itKa
>蒼井雄「瀬戸内海の惨劇」を読んだ。
>戦前では唯一本格ミステリ長編の書き手と言うてよい作者の「船富家の惨劇」以外では
>唯一の完成長編である。

と言ったわけか。
言い訳にもなっていないなw

>戦前の本格ミステリ(長編)を語る場合に

戦前の本格ミステリーを語る場合に短編をスルーするのはOKだとさ。
お前の勝手で区切るなバーカw

>俺の論考中に明記したとおり、「殺人鬼」という作の実態は、世評とは異なり本格ミステリという
>よりは、サスペンス・ミステリという内容にふさわしいものがある。
          ↑
>365 名前:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 投稿日:2009/01/04(日) 20:07:24 ID:/u0hGB8P
>プロの版元(創元や早川)の判断さえ否定ってことでもある。

さあまたまた矛盾が出てきたよ。
これはどう添削してほしいのかな?
903書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/09/24(木) 00:28:12 ID:7X4j3n0l
>>902
今後は雑談スレでいくらでも相手になってやるが、
お前、添削とか意気がっているが、大坂圭吉どころか、
浜尾四郎も蒼井雄も読んでない荒らしだろ?(w

「殺人鬼」は戦前の本格ミステリ長編(前記したとおり、俺の評価は異なる)とされており、
この作の評において並列する作品としては長編を挙げるのが当然である。

まあ、創元の探偵小説全集と国書あたりの大坂作品集ぐらいは常備して、
雑談スレで正面から勝負して来いや(w
なお、既に誘導済みでもあり、雑談スレに来ないようなら自動的に荒らし目的の他板住人認定しておくね☆
904名無しのオプ:2009/09/24(木) 00:44:05 ID:7gG7/CDT
追い詰められるとすぐに他のスレに逃げようとするのは書斎の悪いクセだな。
ついでに相手を勝手に未読扱いするのも頭の悪い証拠。
よっぽど自分の未読が暴かれていることが悔しいんだな、
他人をそう罵倒すれば同じように悔しがると思っているんだろう。

>>879の言いたいことが分からないからってアホ扱いはだめだめw
浜尾四郎の「キャッチフレーズ」(これもアホな表現w)に
いちいち蒼井雄を引き合いに出さなきゃならんのか
という皮肉として大阪圭吉の名前を挙げられていることなんて明白じゃないかw
それにもともと創元は「随一」という言葉を使うことで蒼井を無視しているわけじゃないことは明白だけど
お前は違うよな、
「唯一」ということで浜尾四郎を完全否定しているんだものな。
お前一匹が浜尾四郎を本格派と認めないならってそれを創元に押し付けるなよw

ま、正面から「唯一」「藤原」等、未読の証拠を突きつけられて言い逃れができないアホウ君、
独りでそのニセ雑談所に逃げたければどうぞ。
誰も止めないし追わないからw
905名無しのオプ:2009/09/24(木) 00:51:18 ID:7gG7/CDT
あああと
> 大坂圭吉どころか、

大「阪」圭吉ね。

>956 名前:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 投稿日:2009/09/07(月) 19:33:18 ID:MQEkdSDM
>まあ単なる記憶違いか脱字であろうが、
>>生者と死者読んだけどこれすごい傑作じゃん
>>旧創元推理文庫版のタイトルは『生者と死者と』ですから
>>>>894さんは間違いであるとはいえないんですよね。
>どこが間違いではないと強弁するつもりなのか?
>助詞の有無で意味が異なって来てしまう。

自分の言ったことくらい責任もって自分で守ろうね
唯一のうろ覚え大家クン。


>まあ、創元の探偵小説全集と国書あたりの大坂作品集ぐらいは常備して

創元推理文庫から2冊刊行されていることを知らなかったんだね。
勉強になったね。
906名無しのオプ:2009/09/24(木) 00:53:44 ID:JiEGpJFZ
>創元の探偵小説全集と国書あたりの大坂作品集ぐらいは常備して

創元からも国書からも「大坂」なんて人の本は出てないんだが?

タイトル「生者と死者と」を「生者と死者」と書いただけの人を
口を極めて罵った奴が、著者名表記を間違えるとはねえ。

まあ、ググって名前を出してるだけで実際には読んでいないから
肝心なところで間違えるのはいつものことか。

以上、「アンチ」からの添削指導でしたw
907名無しのオプ:2009/09/24(木) 00:55:37 ID:JiEGpJFZ
あ、かぶった。

今日はかまってもらえてよかったね。未読馬クンw
908名無しのオプ:2009/09/24(木) 01:56:40 ID:XSsuhMoe
休みから戻ってきたら、アホ書斎が相変わらずデタラメなことを言っているな。

>839 名前: 書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 投稿日: 2008/01/03(木) 22:07:06 ID:5fsUfHqf
>浜尾四郎『博士邸の怪事件他一編』を読んだ。
(中略)
>相続ネタに着眼した点(本作に描かれたような件は、旧民法では戸主制度等が存するため
>現行法よりも複雑なケースであったらしい)は、いかにもこの作者らしいものはあるが、
>戦前の長編本格ミステリの一大収穫とも言い得る『殺人鬼』ぐらい書けていればともかくとして、
>犯行現場であざとい偶然性が連続、トリックもトンデモ科学まがいの展開では、怪奇やファースの
>装飾を施さないこの作者の作風ではエンタメとして苦しいものがある。
(以下略)

この時点で蒼井作品を知らなかったこと自体がアホ。
日本ミステリの歴史をまるで知っていないことがわかる。
1年ちょっとで以前の評価に触れることなく見解を変えることがアホ。
「戦前の長編本格ミステリの一代収穫」が
「本格ミステリというよりは、サスペンス・ミステリという内容にふさわしい」に
見解が変わるなんて、どんな読み方をしているんだよ。
中身を読まずに、粗筋と解説と他人の感想文をつなぎ合わせて「論考」を書くから、こんな惨めなことになる。
909名無しのオプ:2009/09/24(木) 02:16:11 ID:AwhvkLBt
結局話せば話すほどロクに本なんか読んでなくて、
他所からパクってきたのを適当に繋ぎ合わせてるだけてのが
ハッキリするだけなんだよなぁ。まぁ絶望的に頭が悪いから
しょーがないんだろーけど。
910名無しのオプ:2009/09/24(木) 06:24:33 ID:qDvwttJe
ここでごちゃごちゃ書くヤシは荒らし。文句があるなら雑談スレで論陣張ればいい。
911名無しのオプ:2009/09/24(木) 09:02:10 ID:2FC1lQ66
お前らうろ覚え大家に踊らされてるぞ、原点に戻りましょう。

もともとはあのバカ馬が浜尾四郎という大物を知らずに
蒼井雄について「戦前唯一の本格長編を書いた」と発言したことが最初。
それを突っこまれて笑われて、それが悔しかったから馬は

 > >「戦前の日本探偵小説中、随一といってよい本格物の一大収穫」と創元は言うが、
 > 「殺人鬼」に対するこの創元のキャッチフレーズはスルー状態とは情け無い。
 > ねらーが権威に弱くてどうする(w

つまり「俺ばかり責めるが創元だって蒼井のこと忘れてたじゃないか」
と言い出した。
912名無しのオプ:2009/09/24(木) 09:02:35 ID:2FC1lQ66
しかし今度は「お前は唯一と随一の違いが判っていない」と痛恨の一撃を喰らったから
「浜尾と蒼井は同格だ」「『殺人鬼』は本格とは認めない」
などと馬自身の個人的な思い込みを持ち出して話を逸らし始めた。
判りやすく表現すると馬は「俺はこう思い込んでいるのにどうしてお前らは創元に突っ込まないのだ」
と言い換えた。

   なんで我々がうろ覚え馬に同調して東京創元社に突っ込まなけりゃならんのだw

一般の見解は『殺人鬼』>>>『』なんだから東京創元社の一文は間違っていないし
我々も作品を読んだうえでこの一般見解に納得している。

   だから俺たちが突っ込む必要はないんだよw

そして創元は「随一の」という言葉で他の戦前本格長編作品の存在を表現している以上
浜尾作品の「キャッチフレーズw」にそれ以外の作品名なんか挙げる必要はない。

   「キャッチフレーズw」は評論じゃないんだぜ、判ってる?

東京創元社の一文と同じ見解に達するのが「権威主義」という思考方法は
既成の概念に何でも反対するのがカッコイイと思い込む中学生の短絡思考そのもの。

   もっと大人になれよ未読馬w
913名無しのオプ:2009/09/24(木) 09:09:26 ID:2FC1lQ66
>>904
 > 追い詰められるとすぐに他のスレに逃げようとするのは書斎の悪いクセだな。
 > ついでに相手を勝手に未読扱いするのも頭の悪い証拠。

俺たちが馬を未読だと断定できるのは、馬を支持する人間すら「うろ覚え」と言うほどの
既読ならあり得ないような間違いを多発するからなんですよね。
書名人名はおろか登場人物の性別まで間違えるという、信じられないレベルの間違いを。

でも馬が誰かを未読と断定する根拠はといえば、
その相手が単に自分と異なる意見を持つからという、あまりにも薄弱なもの。
異論があるというだけで相手を未読と罵倒して片付けようとするところに
未読大家うろ覚え君のあせりが垣間見られます。

それにここがスレ違いというなら馬は最初から自分で移動すべきでした。
自分が不利だと感じると他スレに移ろうというのは要するに
これまでの自分のまずい発言を切り捨てるつもりであることが明白なんですよ。

うろ覚え大家はこれまでの発言を無かったことにして適当なことを言い
我々にはコピペ等の手間を掛けさせようというただの嫌がらせ行為。
ついでにあの乱立雑談スレを事実上の本スレにしてしまおうという醜い企みもあるんでしょうね。
914名無しのオプ:2009/09/24(木) 09:11:39 ID:JiEGpJFZ
アンチの具体的かつ論理的な指導によって、その場しのぎで矛盾した
レスを書き込む書斎魔神のデタラメぶりが浮き彫りになっているね。
915名無しのオプ:2009/09/24(木) 09:19:44 ID:0BIqabEg
宮部みゆき「火車」を今までぶっ続けで読み終えた俺が通りますよっと
…眠い。本返すのは明日にしよう

感想をあらすじ交えて書くのはここの住民に対して無粋な行為なんだろうけど一応…

親戚(はとこ的な)に頼まれ、失踪した婚約者を休職中の刑事さんが探し回る訳なんだけど
足取りがつかめない&失踪事件解決の鍵を握ってるであろう人物も全く姿を表さない
主人公を取り巻く状況も進みつつ下がるつつ…気付けば残りのページが薄い…
おいこんなんでまとまるのかよ!と心配しつつ読んでいく…
で、ラスト。事件解決な訳なんだが、この終わり方…そりゃ残りページ少ない訳だと納得
その一方でこういう終わり方が一番なんだろうなぁ、と。なぜか「老兵は死なず、ただ黙して消え去るのみ」のフレーズを思い出しました
登場人物達の孤独を背負って歩いてる姿に心が引き込まれ
いつの間にか自分の孤独の重みを感じながら一緒に歩いている。そんな気分にさせる物語でした

読み終えた後、いい年してしばらく動悸が止まらなかった…やましい事でもあるんだろうなぁ…
916名無しのオプ:2009/09/24(木) 09:36:48 ID:0BIqabEg
書き込んだ後に気付いた…
ここってもしかして、スレタイ通りには機能してない?
>>915は何か場違いなレスだよな…
917名無しのオプ:2009/09/24(木) 09:39:01 ID:vEftGQKm
他の連中こそ荒らしだから気にしないでいいよ
918名無しのオプ:2009/09/24(木) 09:46:44 ID:ZHwwTQ3t
書斎も相手してる連中もいい加減うぜえんだよ。

よく目ん玉見開いて、スレタイを理解したらとっとと出ていけ!
919名無しのオプ:2009/09/24(木) 11:22:33 ID:qDvwttJe
アンチが荒らしだということが明らかになったね。
920名無しのオプ:2009/09/24(木) 13:55:55 ID:QtPX4F5F
火車はいまだに良さがあまりわからない。
いや、確かに面白いっちゃ面白いけどなんでそこまで評価が高いのか。
叩かれまくってるけど、直木賞のナベジュンや黒岩とほぼ同意見w
921名無しのオプ:2009/09/24(木) 16:32:34 ID:3Niaw10T
荒らしであることが明らかになったうろ覚え大家こと書斎魔神
彼についての話は以後ここで行うことにしましょう。
もちろんうろ覚え大家自身の珍反論も大歓迎。

http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/8993/1249984500/
922名無しのオプ:2009/09/24(木) 20:08:35 ID:IAtN85ge
「荒らし」の「アンチ」に校正してもらう「うろ覚えの大家」w
923名無しのオプ:2009/09/24(木) 20:21:12 ID:ZYC3W1tP
追い詰められるとすぐに他のスレに逃げようとするのは書斎の悪いクセだな。
ついでに相手を勝手に未読扱いするのも頭の悪い証拠。
よっぽど自分の未読が暴かれていることが悔しいんだな、
他人をそう罵倒すれば同じように悔しがると思っているんだろう。

>>879の言いたいことが分からないからってアホ扱いはだめだめw
浜尾四郎の「キャッチフレーズ」(これもアホな表現w)に
いちいち蒼井雄を引き合いに出さなきゃならんのか
という皮肉として大阪圭吉の名前を挙げられていることなんて明白じゃないかw
それにもともと創元は「随一」という言葉を使うことで蒼井を無視しているわけじゃないことは明白だけど
お前は違うよな、
「唯一」ということで浜尾四郎を完全否定しているんだものな。
お前一匹が浜尾四郎を本格派と認めないならってそれを創元に押し付けるなよw

あああと
> 大坂圭吉どころか、
大「阪」圭吉ね。

>956 名前:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 投稿日:2009/09/07(月) 19:33:18 ID:MQEkdSDM
>まあ単なる記憶違いか脱字であろうが、
>>生者と死者読んだけどこれすごい傑作じゃん
>>旧創元推理文庫版のタイトルは『生者と死者と』ですから
>>>>894さんは間違いであるとはいえないんですよね。
>どこが間違いではないと強弁するつもりなのか?
>助詞の有無で意味が異なって来てしまう。

自分の言ったことくらい責任もって自分で守ろうね
唯一のうろ覚え大家クン。

>まあ、創元の探偵小説全集と国書あたりの大坂作品集ぐらいは常備して
創元推理文庫から2冊刊行されていることを知らなかったんだね。
勉強になったね。
924名無しのオプ:2009/09/24(木) 20:30:44 ID:lOGCD+Bz
>>923
おまえは、本当にスレタイの日本語が読めないのか?
ウザイんだよ、ボケが。
925名無しのオプ:2009/09/25(金) 11:21:21 ID:1bzqBV/o
>>924
雑談所にコピペしようとしてここにコピペしたアホ=書斎の仕業。
926書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/09/26(土) 15:27:26 ID:xtAWMH/x
丸谷才一「輝く日の宮」を読んだ。
作者はミステリにも造詣が深い現代純文学作家である。
かねてから、いずれ本格的なミステリを書いて欲しく思うているのだが、
ヒロイン(19世紀文学の研究者)は、少女時代には父親(日本生活文化史の研究者)から、
推理作家になるかと思われていたようなミステリ好きなキャラという設定、
この作者の長編中では最もミステリしている作(歴史ミステリの要素あり)で、
幻の「輝く日の宮」の章(「桐壺」の次章とする説が多い)を主体にして、
源氏物語の謎解きをメーンにした作であり、源氏オタなどにはたまらない薀蓄が満載の作でもある。
ただし、俺自身の興味対象から言えば、作中に登場するシンポジウムのテーマである
日本の幽霊ネタを御霊伝説等の観点から、より深く掘り下げて欲しかった感あり。
(物語はこのシンポで、源氏物語に死霊・生霊の話が多い点が話題であがったことから、
一気呵成に源氏ネタへと脱線(?)してゆく)
ヒロイン安佐子=紫式部、恋人のアクア会社重役(後に社長)長良=道長の「見立て」
だよね。
927名無しのオプ:2009/09/26(土) 20:27:55 ID:j9k0kIzJ
>>925
>>924はうろ覚え大家に対するレスなんだから
間違ったことは言っていないぞw
928名無しのオプ:2009/09/26(土) 22:02:46 ID:r4yK0Pcs
書斎の読む小説は格調があるね。
929名無しのオプ:2009/09/26(土) 22:24:22 ID:K/4vCj8U
文章には品がないけどな。
930名無しのオプ:2009/09/26(土) 22:33:39 ID:j9k0kIzJ
そもそもうろ覚え大家は本を読まないからなあ。
「格調のある」小説を読んだ人間には格調があるとは言えないし。

それにしても928の言い方って、うろ覚え大家を讃えているようで実は貶しているんだよね。
褒める対象が奴が読んだということにしている小説「だけ」だというところがね。
931名無しのオプ:2009/09/27(日) 01:18:46 ID:Nr71Mcs4
スルーで
932名無しのオプ:2009/09/28(月) 11:26:14 ID:hXO7dFt/
輝く日の宮なんてとっくの昔に読んだが、別に格調高いなんて
もんでもないが?
未読の奴はあれが「格調がある」なんて思えるんだね
933読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/09/29(火) 20:16:52 ID:MvVkB6KX
「数学的帰納の殺人」草上仁(早川書房)

ある宗教団体のメンバーが本拠地であった孤島から一斉に姿を消した。
そして20年後。写真記者梅川勝子は死んだ旧友を参った際、
奇妙なものを手に入れ、過去の事件の真相を究明しようとするが……。

タイトルからガチガチのパズラーかと期待して読んだ(裏表紙や
帯でも本格論理とあったし)が、とんだ羊肉狗肉。巻き込まれ型
サスペンスであった。
論理はストーリーの端々に出てくることはあっても、事件の全容を
解き明かす有効なツールとは成り得ておらず、本格味は
暗号や犯罪のシステムを解明する時に感じられる程度であった。

作者も編集部もこれを本格・パズラーだと捉えているのなら、
不幸なことになると思う。特に後者の罪、軽からず。
934新参:2009/10/07(水) 23:02:26 ID:f/v3wpVt
後読感って言う位なんだから
内容の解説は有難いけど、それこそ後読感を聞いてみたい

…もしかして…スレ違?
935名無しのオプ:2009/10/07(水) 23:05:29 ID:f/v3wpVt
後・読、逆だね…orz
936書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/10/10(土) 15:41:10 ID:U92y71fW
上野昂志「紙上で夢みる現代大衆小説論」を読んだ。
「小説より面白い文芸評論集 大幅増補し復刻なる!」のキャッチフレーズが
「おい、おい言うに事欠いて・・・」という感が強い。
60〜70年代の誰もが知るエンタメ作家に関する論考だが、長いだけの2ちゃんレスポンスレベルという印象である。
横溝御大、大乱歩、大藪ハリー、山フー等、ミステリ作家が多く取り上げられているが、
各作家の論考に関して共通するのは、一部作品語りに多くの紙数を費やし過ぎて、
その作家の全体像に迫り得るものとなっていない不満が大きい。
いずれも長期に渡り活躍した作家ゆえ、60〜70年代あたりに時期を限定するなりして、
論考を試みるべきであった。
本論(作家・作品論)280頁強中、山田風太郎に3章70頁強と全体の4分の1程度を割いている
のも、筆者の個人的な強い思い入れは伝わるものの、
(「稀にみる天才であり、彼に比肩し得るのは戦前の夢野久作ぐらい・・・」と語り、
(風太郎と比較した場合)、シバリョウの文章はリズムの平坦さにうんざりしてしまう、
と正に絶賛状態)
1冊の本としての論考における構成上のバランスは欠いていると言わざるを得ない。
他の作家の章では、横溝御大の戦後の長編は戦前の作品群とは異なり、
怪奇浪漫性は装飾に過ぎない(筆者は個人的には戦前の作が好みらしい)という指摘も
2ちゃんではおなじみな言説だし、筒井康隆のヒット作「家族八景」をファンの贔屓の引き倒しと
評し、「こんな薄手の家族心理といったものを深刻そうに書くなどというのは、
まったくもって筒井康隆らしからぬ振舞いだ。私小説のパロディのつもりかもしれないが、
これではパロディにもならない。・・・」としている部分など、スリリングなSFサスペンス小説として
の面白さという観点が皆無なうえに、私小説云々の指摘は全くの方向違いとしか思えぬ。
937名無しのオプ:2009/10/10(土) 16:08:37 ID:flhbWOUs
>>934
それは無理ってものだ
なぜなら彼は誤読漢だから
938書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/10/11(日) 16:22:43 ID:8M0/e2Kt
浜尾四郎「殺人小説集」を読んだ。
このバージョンはレアものである。
やはりこの手の「もの」は新古書店よりも一般の古書店の方がゲットし易い感あり、
余談ながら、馴染みのショップ(店主がちょい不気味なのが難か・・・)で入手。
最早、恒例(注 高齢ではない(w )となった収録作品全話講評逝ってみよう!!
・「彼が殺したか」
大乱歩風のサドマゾねたで落すのだが、無実の人間の処刑という展開にこそ法律家である
この作者の力点がありそうである。ただし、短編にしてはボリューム感がある作だが。
格別に面白い作とは思えぬ。
・「死者の権利」
犯罪の成立3要件のうち、違法性や責任性をネタにした作は多いが、
構成要件該当性ネタ(「殺し」はあったが殺人罪でなく傷害致死罪に見せかけるトリック、
ゆえに刑罰が大きく異なる)はいかにもこの作者らしい。
ミステリ的にはリベンジのシニカルな結末が読ませどころか。
・「悪魔の弟子」
「うほっ」なムード、タイトルにある「悪魔」こと手記の名宛人である検事が直接には登場
しないという凝った設定が光り、シニカルな結末が読ませる。
・「殺された天一坊」
大岡越前ネタだが、シリアスにしてシビアなタッチな傑作。
法による統治の正当性の問題を抉って間断するところがなく、
著名な大岡裁判の数々をシニカルに解釈してゆくくだり、(このクライマックスが「天一坊事件」と
言える)が、非常に面白いうえに凄味さえ感じさせるものがある。
・「島原絵巻」
創元は浜尾集から本作を落すべきではなかった。
石井輝男作品を想起させるような迫力溢れる残酷犯罪劇だ。
締めの一文「最後にわれわれ人間には、平生は考えられぬ位の残虐性が多分にある、という事
である」、法律家であるこの作者らしい実感であろう。
939書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/10/11(日) 16:24:32 ID:8M0/e2Kt
・「正義」
オチが見え気味(本人でなく弟というのが多少凝っているが)、
偶然性が強過ぎる作であり、出来はいまひとつである。
Let justice be done though heaven fall.
最後のこのフレーズのみ印象に残る。
・「探偵小説作家の死」
シリアスなタッチが多いこの作者の短編にしては、入れ子構造を意図した遊び心に富んだ作。
その分、創りものめいた展開(同居する師弟関係にある2人のミステリ作家がお互いに殺人計画を
執筆しているとか)が目立つものの、思わせぶりなラストまで一気に読ませる面白さはある。
・「黄昏の告白」
臨終時の告白と意外な真相を迫力ある筆致で描き切った作。
これも悲劇的なラストまで一気読みさせる、
・「夢の殺人」
夢遊病による殺人ってのは反則技とも言えるのだが、S・S好きなこの作者ゆえ、
そんな事は百も承知なのか、ラストでどんでん返しありがあり、それなりに楽しめるお。
・「彼は誰を殺したか」
後半に「死者の権利」と似た構成要件ネタ(自動車を使用した殺人を業務上過失致死に
見せかける)もあるが、偶然性が強過ぎる設定(ガイシャと犯人が朝の散歩で毎日会う等)で
出来は今ひとつである。
・「有り得る場合」
事実に対する多重視点の面白さを狙った作。
思うに法律家でありながら、この作者は犯人捕縛という勧善懲悪に拘泥しないのは良し。
これが作風の幅を意外に広くしている因であろう。
940書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/10/12(月) 20:06:38 ID:dv1DqH+z
黒羽英二「十五号車の男」を読んだ。
ミステリのコーナーでなく純文学のコーナーに在庫しているショップもある作品集だが、
読了してみて、この判断にもなるほど感あり。
ゆえに年末の年間ベストミステリ選出で本作品集がどう評価されるか楽しみではある。
早速、大好評収録作品全話講評逝ってみようか!
・「月の光」
偶然、夜行列車内で乗り合わせた男が主人公に語りだした奇妙な思い出話・・・
なるほど、「押絵と旅する男」の作者大乱歩の嗜好に合いそうな作で、
高評価したのもうなずけるものがある。
月光が降り注ぐ深夜の夜光列車内の幻想的なイメージは強烈な魅力に溢れ、
あらためて「ルナティック」というワードを想起させるものあり。
ただし、過去の事件の謎解きが鮮明でないため、ミステリとしては問題有りなのであろう。
・「十五号車の男」
いかにも「ミステリ」といったタイトルの表題作なのだが、通勤電車内での座席確保のトラブルから、
主人公がフルボッコにされるシーンに、やや幻想風味(混雑している車内にもかかわrず、
トラブルの相手と2人きりのような感覚に囚われる)がある点を除き、これといった事件は
何も起こらない話なのである。
屈辱を晴らすために主人公がストーカーと化すシーンから、何らかの事件への発展(復讐殺人、返り討ち殺人等々)を期待するミスオタも多かろうが、
同じ長距離通勤者であるターゲットに共感さえ抱き始めるという展開が非常に面白い。
あえて分類すれば、今も活きる現代的な視点に富んだ純文学であり、
老舗雑誌「三田文学」に掲載されたのもうなずけるものあり。
前半、通勤車中の暇つぶしのため主人公が車窓から見える工場ウォッチングを試みるシーンには
近年の工場萌えブームを大きく先取りした感があったり、
作者の見聞ないしは伝聞が元ネタなのか、車内トラブルを紹介したエピの部分も妙にリアルで
面白い。
941書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/10/12(月) 20:08:39 ID:dv1DqH+z
(「十五号車の男」に関する感想)
本作を読むことが出来たのは非常な収穫であったと言い得る。

・「幽霊軽便鉄道」
タイトルのまんまな廃線跡地巡りネタの怪談。
零落した温泉場の風景描写は読ませるものがあるにしても、21世紀にこの話を書いても仕方
なかろう。
・「カンダンケルボ」
亡父の戦時中の任地シンガポールへ、その縁の場所を巡る(観光旅行もまじえるが)私小説風味
が強く出た作。作者が老成(2006年)してから書かれた作だけに、観光小説の趣もあり、
重く感傷的に成り過ぎず、飄々とした語り口で巧く読ませるものあり。
・「古い電車」
孤独な老人の死という哀しい結末を迎えるファンタジックな風味が強い作だが、
こういう作を読み慣れた者にとっては特筆すべきものは見当たらない。
・「母里」
廃線跡地巡りネタに亡母への慕情を絡めた怪談。
メーンテーマはありがちな感が強く、印象は薄い作だ。
・「子生」
これは廃線跡地巡りに子が無い孤独な定年退職者の姿をまじえて描いた私小説風作。
表立った怪奇現象を描かず、合理的な解釈も可能ならしめた展開で成功している。
・「成田」
これも廃線跡地ネタだが、今流行りの「鉄子」ネタまで取り入れているのが、作家としての
尽きぬ意欲を感じさせ、一人称の語りで巧く読ませる小品に仕上がっている。
942名無しのオプ:2009/10/12(月) 22:35:10 ID:O0ufAskI
943名無しのオプ:2009/10/12(月) 23:29:00 ID:nyafQWp8
>>937
読後感氏が“誤読漢”なら書斎魔神氏は“無読漢”だねw
944名無しのオプ:2009/10/13(火) 06:55:07 ID:6PeH0vSq
未読姦だな
945名無しのオプ:2009/10/13(火) 14:24:00 ID:ZwC5x9um
>>937
うまいこと言うなぁ、と自演してみる
946読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/10/14(水) 21:05:48 ID:GnipvfTQ
「武蔵野殺人√4の密室」水野泰治(講談社)

上司とのラブ・アフェアーを愉しんでいた阿加子のもとに
殺人事件発生の報が入る。武蔵野の旧家土筆庵で女主人が殺されている
というのだ。しかも現場は密室状態だった。阿加子は事件解決に
勢い込むが、土筆庵では更なる密室殺人が――。

屋敷での連続密室殺人を扱ったミステリであるが、濡れ場から始まったり、
密室の構成がショボかったりするのは如何にも量産型ザクミスらしい。
しかし、中盤で思わぬ展開があり、以降は気を取り直して読んだ。
個々のトリックは小粒であるが、質より量で評価出来るところではある。

真相は意外なものなのだが、残念ながら伏線がなくアンフェア。
伏線の伏線はあるから、半フェアか。ともかく爪が甘い。
これも、ザクミスの特徴である。

しかし、メル欄はないわ。クラシックやないねんから。
947書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/10/17(土) 16:02:37 ID:+M5o64yb
ホックスレで話題に出た泡坂妻夫「亜愛一郎の狼狽」を久々に再読。
角川で読んだ時にも思うたのだが、やはり全体的には創り過ぎていて感心はせず。
・「DL2号機事件」
航空ミステリかと思いきや、さにあらず。ジンクスが「異常」にまで高まった末の犯罪を描いた作。
主人公の呼称はまだ「亜」だけ。冒頭で登場する羽田刑事がワトスン役になってゆくかと思うたの
だが・・・
設定そのものが極端過ぎて謎解きミステリとして面白いものとは思えぬ。
・「右腕山上空」
犯人消失ネタだが、気球からのスカイダイビングによる脱出はともかくとして、
ピンポイントの着地ってのは無理有り過ぎでしょ。
UFOネタも蛇足な感あり。
・「曲がった部屋」
相続成り代わりネタだが、これも無理有り過ぎかと。
お化け団地という僻地の舞台設定をもっと活かして怪奇探偵小説仕立て(シデムシの件も含めて)の話にした方が面白くなったかと思う。
・「掌上の黄金仮面」
「背中の目撃者」というタイトルにすればわかり易かったかと。
いかに創りものと言うても、極端に過ぎる設定で今ひとつ乗れないものがあったね。
・「G線上の鼬」
犯人消失ネタちゅーか、犯行現場錯誤ネタとでも称すべき作だが、特別な地形(道路状況)と
天候(降雪)あってのトリックゆえ、特殊過ぎて買えない感じ。
・「掘り出された童話」
消えるドクロの玩具がOriginated by T. Awasakaという小ネタは、マジシャンの一面もある
この作者らしくて笑えるものがあるが、本筋の暗号ネタは遊びが過ぎてわかり難く感心しない。
亜とこのエピのワトスン役を務める挿絵画家の絡みも、おふざけが過ぎて鼻につく。
・「ホロボの神」
大戦中の南の島の密室殺人(?)ネタ。銃器という存在を知らない部族、この点を利用した犯罪
なのだが、解決はあっけなさ過ぎて萎えるものあり。
・「黒い霧」
重厚なサスペンスタッチを想起させるタイトルに反して、スラプスティックコメディな展開を見せる
異色作、読ませどころはこの点にあり、推理は偶然性に頼った飛躍有り過ぎである。
948名無しのオプ:2009/10/17(土) 16:09:57 ID:uLo4jCmN
無理して評論家気取りで書こうとするから、つまらない文章になるのだよ。林くん。
949名無しのオプ:2009/10/18(日) 03:42:05 ID:FmyeeEhr
猛追すなぁ…
ところでふと思ったんだが…ラノベ登校した香具師って、居たり?
950書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/10/18(日) 15:24:16 ID:l3kmMjE7
石川真介「不連続線」を読んだ。
100円均一台を侮るなかれ。
創元ハードカバー新刊で読んで以来、久々に本作をゲット、再読することがでけた。
夫に先立たれ、義母とふたり暮らしな紀子。その義母が名古屋で鞄詰めの死体となって発見、
紀子の探索が開始される・・・
まだ、90年代初期の作品だけあって、公衆電話も全盛、翻訳を生業とするヒロインが使用して
いるのもパソコンでなくワープロである。
移動や旅行に際しても、ネット検索やカーナビなんてものも存在しないので、
地図や道路マップが頻繁に登場するのも時代を感じさせるものあり。
前半は、メインである事件の追及と共に各地の風景描写やグルメ情報を詳細に書き込み、
ポスト鮎川哲也を期待させる快調な進行なのだが、一旦、探偵役が愛知県警の刑事に交代する
あたりから、関係各県の協力による広域捜査体制、
警察小説的興趣は出て来る面もあるとはいえ、ややスローダウン、
しかも、後半では単独の捜査行を続けていた紀子が、
その名探偵ぶりを評価され、警職法による特別捜査官を任命される火サスも仰天な展開で
おおいに萎えるものあり。
東大法出身で一流メーカー勤務の作者ゆえ、民間人の女性の単独捜査というのは、
少しは理屈を付けないと、その非現実性に堪えられなかったのであろうか。
最大の見所(アリバイ崩し)である時計に関する写真トリックも読者にはわからない手がかりであり
フェアでないのも難だ。
黒いトラック、詩のある風景、人それを上司と呼ぶ・・・作中に登場するミステリ小説のタイトル
には思わず笑ったが、この辺はやはりデビュー当時の作者の鮎への思い入れを強く感じさせる
ものあり。
951書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/10/18(日) 15:24:58 ID:l3kmMjE7
また、ヒロイン像が決して、一般受けするピュアなものでなく、夫と義母を失いながらも悠々と
一人暮らしを謳歌する美貌な30女というのは斬新、かつ、リアル、
謎解きのためとはいえ、寺務所勤務のぱっとしない青年(羽様貫一のネーミング)をもて遊び
気味だったりと、ややそのドライな身勝手ぶりには眉をしかめる面もあるにはあるが。
今なら共感を示す読者(特に女性)も多いのではなかろうか。
結局、全ての謎が解決されるわけではなく、犯人(事実上の主犯)も捕えられないまま終わり、
当時の量刑相場だろうが、義母殺しも懲役10年(実際の服役7〜8年)程度になるであろうと
記されている。
不連続線というタイトルの意味も本筋には関係せず、最後になってこじつけのように書かれている
のみだし、本格ミステリの読後感にしては、なんかすっきりとしないのが最大の問題かとも思う。
952書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/11/01(日) 12:05:11 ID:HO0ZbBmX
笠井新也「阿波の狸の話」を読んだ。
狸エピ以外の「阿波伝説物語」も併録されている。
しかし、本書で紹介されたエピを読み進むにつれて、
四国では狸=妖怪(の代名詞)なのかと思うぐらいの幅広い活躍ぶりに
驚かされるものあり。
他地方では狐、カワウソ、河童、天狗等が分担する怪事、
それどころか、小豆あらい、ぬり壁等の妖怪の仕業とされそうなものまで
含めて、阿波をはじめとした四国では全て狸が一手に担当している感あり。
狸憑きという話はあまり他地方では耳にしないし、
水辺の怪事は普通河童やカワウソの仕業とされるのだが。
策謀ありの仁義なき戦い風の狸合戦や狸が神として祭られる話も四国ならではかと思う。
まん昔好きでもある俺には、とても面白い本であった。
出来得れば、狸伝説の流布に関しての詳しい謎解きも読みたかったところか。
953読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/11/02(月) 00:51:37 ID:OOBDQHFO
「ダブル・ジョーカー」柳広司(角川書店)

D機関と呼ばれるスパイ養成学校のスパイたちを巡る短編集第2弾。

柳センセイが拝金主義に屈した瞬間をモクゲキ(GG風)。
賞獲ったから続編書けって要請する版元は読者が同じ作風の物しか
受け入れられないアホだと思ってるんだろうけど、どっこい、
読者はもっとアホだから何だって出しゃ咥えるんだよ。
だからそのまんまの1作毎に変えていく作風で良かったのになぁ。

で中身。相変わらず淡々と進行していく筆致がエスピオらしい。
決して広くない領域できちっとアイディアを産みだし短編を仕立てる
手際は流石。
ベストは「仏印作戦」。暗号ありどんでん返しあり伏線もありで良い。
954書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/11/03(火) 08:12:46 ID:kdgB1ql1
横溝正史「青髪鬼」を読んだ。
正に古書店均一台は本好きにとってパラダイスだと実感。
早速ながら、収録作品全話講評逝ってみようか!!
「青髪鬼」
前に紹介した「迷宮への扉」などとは異なり、
怪人(タイトルに冠された青髪鬼のみならず白蝋仮面と2人も登場)が
跋扈する典型的なジュブナイル冒険探偵小説であり、
大乱歩の少年探偵団シリーズとか好きな奴にはお奨めな一編だ。
暗号解読ネタ、戦前の由利先生シリーズでおなじみの水上の追跡、
金田一ものでおなじみ洞窟の冒険等々、盛り沢山な見せ場の連続であり、
ジュブナイルとはいえ
横溝御大の優れたサービス精神を感じさせる。
「廃屋の少女」
ジャック・ケッチャム風な思わせぶりなタイトル良し。
だが、出来はジュブナイルとしてそこそこといったところか。
黒手組というネーミングは当然大乱歩作品からのインスパイアだろうか?
「バラの呪い」
文体を見ればわかるとおり、(「青髪鬼」のそれと読み比べてみるとよくわかる)
果たして直接御大の手になったものか、大きな疑問が残る少女漫画風な作。
本書の編集構成に山村正夫とあるのが気にかかるものあり。
「真夜中の口笛」
諸に「まだらの紐」ネタで、終盤のストーリー展開まで同じというのは頂けないものあり。
955書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/11/07(土) 11:18:23 ID:IFZQfZz3
高木彬光「刺青殺人事件」をマジ久々に再読。
ノヴェルス以来か・・・
京都帝大の理科系(冶金科)出身、
後に社会派風、歴史ミステリ、法廷ミステリ等のリアル志向な作での活躍を
思えば、本格とはいえ本作のような猟奇性が濃いコテコテな怪奇探偵小説は
あるいは本領ではなかったのかもしれぬという感もある。
物理的な密室殺人はあっさりと名探偵コナン風に解決されるが、
その奥にある心理的な密室(つまり思考の硬直化)という構成は見事ではある。
戦後間もない社会風俗が書き込まれているのは、
小説としては読みどころながら、ミステリとしてはこの時代でないと成立しない要素(刺青が違法行為であり、早川博士のアリバイが不明になる点等)が生じてしまい、この点が普遍性を失わせるものとなっているのは、はなはだ残念な感はある。
犯人もトリックも1度読むと長く記憶に残る強烈さがあるゆえに、
再読までのインターバルは長めにならざるを得ない作とは言い得よう。
956名無しのオプ:2009/11/07(土) 12:04:55 ID:Khy6KaNd
何故
957名無しのオプ:2009/11/07(土) 12:07:56 ID:rrKI6qbv
読んだ本はすべて感想を書き込む書斎。
うーん、実にわかりやすいw
958名無しのオプ:2009/11/07(土) 17:07:18 ID:enWvOkFw
読んだ本のタイトルや登場人物の性別を間違えると思うか?
奴が読んでいるわけないだろw
959書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/11/14(土) 14:59:28 ID:UmaxJ+wo
松本清張「告訴せず」を読む。
国会議員の義弟に用意された選挙資金を持ち逃げした木谷は表に出せない
金ゆえ、告訴を免れ逃亡を続ける。
小豆相場で大儲けし、旅館の女中上がりの愛人と共にモーテル経営に乗り出し、
順風満帆に見えたのだが・・・
事件らしきものはあり、
最後はシニカルなドンデン返し
(「告訴せず」で富んだ男が「告訴できず」で破綻)もあるとはいえ、
非ミステリとは言わぬまでもクライムノベルという感がある作。
複雑な小豆相場の仕組み、モーテル経営の細かいノウハウ等が
相当に書き込まれており、この種の話題に興味がある者には良いだろうが、
読み難さともなっているのは惜しい。
やはり現代にも通じる選挙資金問題の方を、清張先生らしく突っ込んで書いて欲しかったという感を強く抱く。
(主人公の妻子の)古着入手方法が清張長編おなじみのご都合主義、かつ、
時代を感じさせるものあり、今ならユニクロあるし。
960名無しのオプ:2009/11/14(土) 16:05:42 ID:szAxok7S
〉〉958
多読だからこそ生じるミスだと思うがねえ。
961名無しのオプ:2009/11/14(土) 16:33:47 ID:3aEwycNF
多読だと読んだ直後の本の内容を間違えるのかよw
ただのバカじゃないかw
962名無しのオプ:2009/11/14(土) 16:50:47 ID:BDy4uPWx
多読だと登場人物の性別を誤読するらしいw
963書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/11/15(日) 19:59:01 ID:FoPmRlLB
松本清張「事故 別冊黒い画集(1)」を読んだ。
中篇2編を収録。
「事故」
深夜の住宅街でトラックが住宅に突っ込む事故発生。
被害は物損のみ、わりと小さく終わり一件落着したかに見えたのだが・・・
トラックの運ちゃんの死体が山梨県山中で発見され、同じ頃、女性興信所員の絞殺死体が湖畔の竹薮から発見される・・・
果たして冒頭のトラック事故と2つの殺人事件の関連は如何・・・
相変わらずのつかみの巧さは感じさせるものの、
ミステリとしては、後だしの事実(手がかり)が続々、
中篇ということもあるし、これはまあ仕方ないにしても。
登場キャラが偶然に大手でもない同じ興信所に素行調査依頼したり、
いいところの奥さんがあそこまでするか、出来るかという心理面な不可解さ等々、読んでいて疑問が多発するのが難。
特に解決に至る警視庁刑事の出過ぎぶりは不自然の極み、
いくらご近所のよしみとはいえ、余程の暇人なのだろうかと思うてしまう。
崇拝する清張先生の作だが、本作は「逝ってよし!」と書かざるを得ないのが
残念至極だ。
964書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/11/15(日) 20:00:27 ID:FoPmRlLB
「熱い空気」
表題作にがっくりしてから読み始めると、あらためて清張作品の凄みを実感
出来る作。
ただし、ミステリではなく、なんとあのテレビドラマ「家政婦は見た!」の
元ネタである。
人間の醜悪さを抉ったものとしては、短編「老春」と双璧を成す佳作であろう。
病院の共同炊事場における付添婦との言葉のバトルなんかも、
最後に思わず笑ってしまうほどのビビッドな迫力に富む。
醜女ヒロイン(??)信子の稲村家における、コンプレックスから来る
暗躍ぶりが凄い。生意気で出来が悪い子供たちの弁当に唾を吐きかけたりするのは序の口、家庭生活平穏破壊工作に日々精進するのであった・・・
信子の示唆により幼い三男が老いた祖母に大怪我を負わせる結果となるが、
母親から激しく叱責された様子の三男、がなぜ信子のことに触れなかったのか、
読んでいて疑問を抱き、いつもの清張先生のご都合主義かと思いきや・・・
最後の最後でタイトルにも繋がる展開をやってくれるのである。

この2作共通しての感想は、誰もが個人情報の守秘ということに関して
疎い時代ということ。また、そうでないと成立しない「物語」とも言い得る。
965名無しのオプ:2009/11/15(日) 20:01:36 ID:k+GQuL+A
昨日あれだけ2chに粘着しておいて
今日になって「読んだ」と言われて信じると思うかよバカw
966名無しのオプ:2009/11/15(日) 20:46:45 ID:Rqf6Hb9d
こういう嘘つきにそんなことを言っても無駄だよ。

完全に無視するか、あるいは「えらい、えらい」とでも書いておけばいい。
(間違っても「えらいこっちゃ、えらいこっちゃ」と書いてはいけませんw)

読んでいないことはみんな分かっているのだから、
まともにとりあう必要なんかありません。
967名無しのオプ:2009/11/15(日) 21:51:38 ID:STIZzeYu
皮肉が通じない馬鹿だから
「えらい」を本気に取るかもよ。

徹底スルーに越したことはないです。
968書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/11/21(土) 15:24:03 ID:Vfh8hJqC
松本清張「弱気の蟲」を読んだ。
賭けマージャンの借金は、法的には民法上の不当利得であり払わなくてもOK、
(ただし、清算後の返還請求は出来ない)。
ゆえに主人公(中央官庁の課長補佐)が、返済のための借金を重ね、
作中の如く非常に追い詰められた心理に至るのは、やや理解し難い面もある。
主人公が心惹かれるマージャン屋(役所の外郭団体勤務な男が経営)の妻との
情事、これに伴う脅迫等(役所でのステータス保持のため、マージャン関係の借金を完済せざるを得ない)のエピ等を絡めた展開にした方が説得力が出た
ように思う。
後半のミステリにおける偶然性(3人の関係者が現場に大集合)が強い展開は
清張作品ならではのテーストか。
締めの主人公がマージャン仲間の土建屋を訪ねるシーンは泣けるものがある。
969書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/11/22(日) 16:35:11 ID:4w1nu1TB
中西新太郎+高山智樹編「ノンエリート青年の社会空間」を読んだ。
俺はネタ探し、読書人の嗜みとしてミステリ以外の書も多く読むが、
この本もそんな中の1冊、なかなか興味深く読了した。
ねらーを見ていて驚くのは、この高学歴社会化した現代日本において、
意外に高卒が目につき、2流・3流大学出身のアホが多いことである。
(この板でも2流大学出の業界人の狂乱ぶりは記憶に新しいところである(w )
この本で取り上げられたノンエリート青年たちは
ねらーとは対照的におおいに働くコミュニケーション能力に富んだ人物が多いが、同じノンエリートとして共感を強く抱いて読める者が多いのではないだろうか。
本書全体の「まえがき」と「まとめ」的役割を持った「序章」と「終章」は
別としても、
大学とは大きく異なる専門学校文化を紹介した第1章、
自転車メッセンジャーの世界を描いた第2章(これは是非ミステリの題材にも
取り上げて欲しい)、引越業の世界を取り上げた第3章、今何かと話題になる
ことが多い請負業の実態とそこにおける労働者像を書いた第4章、
入試難易度最低位高校を卒業した5人の女性のその後5年間を描く第5章、
といずれも下手な小説を読むのがアホ臭くなるリアルな興趣溢れる論考と
なっておる。
ただし、本書の執筆者たちはいずれも大学講師やドクター過程在籍者という
典型的な学歴エリート世界の住人なのがひっかからぬものがないでもない。
いずれノンエリートによる本書の如き論考が上梓されることも肝要かと
思うが・・・無理ぽ?
970名無しのオプ:2009/11/22(日) 18:14:18 ID:qeiqSZ7p
大卒に対する底知れぬ憎悪を隠せない中卒の論客
書斎魔珍
という人がいますよ。
その人に期待したらどうでしょう?
相手にしてくれる出版社はないようですから自費出版になるようですけど。
971名無しのオプ:2009/11/22(日) 23:48:50 ID:nYr8Ym90
まだ活字文化に権威を見るバカがいるとはね。
現実はネットに侵食されて壊滅寸前なのに。
書斎は早くから執筆活動をネットを舞台にやってきた。早かったね。
972名無しのオプ:2009/11/23(月) 00:05:20 ID:IBU1fF5w
執筆活動×→落書き○
973名無しのオプ:2009/11/23(月) 08:49:07 ID:pX4f/Ak7
>>971
あれ?書斎魔神ってどっかの出版社CEOじゃなかったっけ?
974名無しのオプ:2009/11/23(月) 09:01:38 ID:2iKhXZ2r
たかが掲示板への書き込みを「執筆」だの「連載」だのって、
“作家ごっこ”に酔いしれてる馬鹿。
現実世界で、いかにうだつがあがらないかが窺い知れるな。
975書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2009/11/23(月) 16:31:11 ID:5PzY8lwU
松本清張「内海の輪」を読んだ。
前半は考古学萌え!な新進の大学助教授と地方(松山)老舗洋品店主夫人の
情事話。(2人は元義姉弟)
清張作品らしい風景描写の魅力はあるとしても、渡辺淳一かお感が続くが、
後半に至ってやっと倒叙ミステリ展開へ。
だが、オチが酷過ぎる。いくらなんでも同じタクシー運転手が・・・
こんなことは言いたくないが、本作に関しては
果たして清張先生、真面目に書いていたのだろうか?
976名無しのオプ:2009/11/26(木) 19:24:40 ID:k2RBqFPE
『マークスの山』を読みました。字がギッチリ詰まってて読むのが疲れた。
余分な描写を削って半分くらいにしてくれたらテンポも速くなってもっと面白かったと思います。
977名無しのオプ:2009/11/26(木) 19:27:56 ID:k2RBqFPE
『99%の誘拐』を読みました。
面白かった。描写もドライでよかった。
結末もあっさりしててよかった。
文庫本を買いましたが字も大きめで読みやすかった。
978名無しのオプ:2009/11/26(木) 19:33:12 ID:k2RBqFPE
『破線のマリス』を読みました。面白かった。
特に主人公が取り憑かれたように狂気を帯びていくクライマックスは圧巻。
979名無しのオプ:2009/11/27(金) 06:55:37 ID:XJOAZqzE
「悪夢の観覧車」読んだ。
面白かったんだけど、作者のスレはないのか?!
980読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/11/27(金) 23:44:06 ID:pvPPFlOo
「TVアニメ殺人事件」辻真先(朝日ソノラマ)

スーパーこと可能キリコがバイトしているスナックの常連である
アニメーターが奇怪な死を遂げた。女装をしてバイクに乗り、
看板に突っ込んだのである。警察は自殺と判断したが、彼とデートの
約束をしていたキリコは他殺と睨み、ボーイフレンドのポテトこと
牧薩次を巻き込んで真相解明に乗り出す。

このシリーズは「合本・青春殺人事件」以来2冊目。
このカップルはイマイチ嵌れないのだが、その点は今回も同じ。
キリコがイミフなんだよなあ。ツンデレでもなく暴力娘でもなく。
何かただの便利屋みたい。そして牧は空気。

仕方ないのでプロットを見ていくと、今回は自殺に関するトリックが
2つ盛られている。前者は有り得ない感が漂うものの、
ジュブナイルとしてはアリだろう。後者はスマートでマル。
フーダニットも中々の伏線具合で良い。
981読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2009/12/03(木) 18:40:27 ID:U1r8dYU5
「Killer X」二階堂黎人×黒田研二(光文社)

招待を受けて恩師が住む山荘に集められた高校の同級生たち。
しかし、迎えた恩師は彼らを呼んだ覚えはないと言う。
彼は事故により変わり果てた姿となっていた。
猛吹雪のせいで外に出られなくなった彼らは山荘に足留めされるが、
そこに不可解な出来事が次々に起こり、遂には死者が……。

評判の良い合作シリーズなので読んでみたが、確かに面白かった。
凝った構成で楽しめた。特に終盤の畳み掛けは圧巻。
相性良いんだなこの2人。
トリックに関して言えば、1つは最初に疑ったんだがなぁ。結局騙された。
もう1つも解らなかったがこれはややアンフェア気味。

ストーリーが暗いんで続けて読もうとは思わないがいずれ次も読みたい。
あ、その前に「白銀荘の殺人鬼」かな。

最後に、過去のある事件の犯人を特定した部分で、当該箇所には
そこまで詳しくは書かれてないと思うのだが……。
982名無しのオプ
冬のオペラ 北村薫

読みやすいし、それなりに面白い。
だが、読み終わったあとにはなにも残らない。
そういう意味では本格ものだと言える