『読みました』報告・海外編Part.2

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1名無しのオプ
海外ミステリーの読了報告、感想などお寄せ下さい。
基本的にsage進行で。
なお国内作品は、国内編のスレッドにお願いします。

【前スレ】
『読みました』報告・海外編
http://book.2ch.net/test/read.cgi/mystery/984541588/l50
2名無しのオプ:03/12/24 23:37
乙カレー
といっても海外物はあまり読まない漏れ
3名無しのオプ:03/12/25 03:05
アイリッシュ「幻の女」
世界10傑に入ると江戸川乱歩が評したらしいので読んだ。
凄い。おもしろい。
教訓。古典をあなどってはいけない。
4名無しのブックオフ100:03/12/25 12:35
>>1
埋め立てた方が良かったかな? 
旧スレは何か他の海外モノの話題で埋め立ててもらうとして

「ジャックは絞首台に!」 レオ・ブルース 現代教養文庫

歴史教師のキャロラス・ディーンは病気療養のためパディントンへやって来た。
校長先生のたっての薦めもあって平和そうな場所を選んだのだが、
ディーンの行く所事件有りなのか?果たして二人の女性が殺された。
離れた場所で殺された二人には共にマドンナ・リリーが置かれていた。
変質者の仕業か? 

世界ミステリ作家辞典で森●俊氏も指摘しているように、
これはクリスティーの作品によく似ている。
しかしここを森氏は否定的に捉えているが、むしろ逆だと思う。
作者は明らかにクリスティーのパロディ、パスティーシュを狙っている。
そうでなければ1960年にもなってこれほど古臭い作品は珍しい。
よって結末も動機も古き良き時代のような感じ。
そのスタンスで読まないと、なんだこれ?を感じると思う。
ワトソン役を生徒にして、二人が仲良く喋る所は面白いが、
肝心の手掛りから推理する所が穴がありすぎる。
トリックも海外物の古典を読んだ人ならすぐに分かる。
懐かしさを楽しむ分には中々面白い作品です。
5名無しのオプ:03/12/25 19:03
>>1
乙。

ポール・ギャリコ『マチルダ〜ボクシング・カンガルーの冒険』(創元推理文庫)

一山あてたいと思っている、冴えない芸能エージェントのビミー。
「ボクシングをするカンガルー」マチルダと契約するが
非公式にミドル級チャンプをのしてしまい、全米の話題に。
かくてマチルダは難敵を次々にぶちのめし、遂にタイトルマッチへ進出するが・・・。
ボクシング・カンガルー騒動の意外な結末とは?

素の動物を書かせたら天下一品の作者による、ユーモアミステリ。
マチルダの愛らしさとどんでん返しが楽しい。
主人公の一人であるビミーが「小人物だが憎めない奴」とされているが
良さが伝わってこず、本人の不真面目さに嫌悪感すら覚える。
『愛のサーカス』でもそうだったが、
ギャリコの書く若い男の主人公は、力不足の傾向があると思う。
6名無しのオプ:03/12/25 19:51
>>5
えびボクサーみたいな話だなw
(あれはあれでいい話ですが)
7名無しのオプ:03/12/26 23:10
今月の新潮文庫、ラストバンパイア読んだ人いない?面白けりゃ買おうとおもって。
8名無しのオプ:03/12/27 21:44
デミルの「アップ・カントリー」を発売日から読み始めて、まだ下巻の
200頁くらいなんだが、いつまでこの序章が続くんだ?
それともこれはデミルの旅行記なのか?「プラムアイランド」より
読むのがつらいぞ。
98:03/12/27 21:47
皆様、大文字でsageた私ですが馬鹿にしないでください。
10名無しのオプ:03/12/27 21:54
なんで大文字でsageたの?
私は今「将軍の娘」読んでいるとところ。
11名無しのオプ:03/12/27 21:57
              ____
      ∧_∧   /__ o、 |、
     ( ´・ω・)  .|・ \ノ
     日  o)   .| ・  |
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      フカフカ    ____
      ∧_∧   /__ o、 |、
     ( ´・ω・)ノ  | ・ \ノ
     ( o    旦| ・  |
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
              ____
      ∧_∧   /__ o、 |、   
     (´・ω・ )  .| ・ \ノ
     ( o旦o   | ・  |
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    下がるまでお茶でも・・・
12名無しのオプ:03/12/27 22:01
海外モノ好きオフ会で、「裁くのは誰か?」が話題になったらしい。
読んでる人って、結構いるのね。
13名無しのオプ:03/12/27 22:03
>>8 >>9
大文字ではなくて、全角ではないのでしょうか?
sage(全角)
SAGE(大文字)
148:03/12/27 22:11
>>13
どうぞ笑ってやってくれ。
15名無しのオプ:03/12/27 23:11
>>12
元々は東京オフの久我幹事がKさんにバカミスとして紹介したところ、
大ウケしたKさんが周囲に薦めてまわっているとかいうことだ。
16名無しのオプ:03/12/30 18:21
いまさらポーラ・ゴズリングにハマり中です。
ロマンスがちょい甘めだけどおもしろい。
なんで今までスルーしてたのか!?
17名無しのオプ:03/12/30 20:53
>>16
ゴズリングの中では「逃げるアヒル」がいいですな。
確かにロマンス色は強いけど、スリルがあっておもしろかった。
でも映画化されたほうはクソミソ。
18名無しのオプ:03/12/30 21:17
あれ全然別物だよな。
19名無しのオプ:04/01/01 04:22
みなさん今年も本格だけを読みまくりましょうねV(^-^)V
20名無しのオプ:04/01/01 10:53
コリン・デクスター『オックスフォード運河の殺人』
驚異のトリック・鮮やかな解決。
おなかいっぱいでした。
21名無しのオプ:04/01/01 10:54
アガサ・クリスティー『アクロイド殺し』
このトリックは現代ではありふれているね。
多分そうかな?と思ったら、やっぱりそうだった。
ちょっと残念。
22名無しのオプ:04/01/03 14:30
ニーリィ「心引き裂かれて」

傑作・・・なんでしょうか? 予想外の結末には違いないけれど
「やられた!」という感じが無いし、あのオンナが物語に大きく
絡んでくると思ったら、それっきりだったから中途半端な気分です。
23名無しのオプ:04/01/04 08:05
マーガレット・ミラー『ミランダ殺し』(創元推理文庫)

一癖も二癖もある連中ばかりが集まっているビーチ・クラブでの話。
「サスペンス」となっているが、実際には事件はかなり後半まで起こらず
戯画的なユーモア小説(毒アリ)の部分が大半を占めている。
作者ミラーにしても相当の変化球で
「まあこういうのもたまにはいいかな」という感じ。
24名無しのオプ:04/01/08 21:13
ジューン・トムスン『時のかたみ』(創元推理文庫)

ホームズ贋作シリーズでおなじみ、
トムスン女史のシリーズ唯一の訳出作。
主人公ジャック・フィンチ首席警部の恋の行方と
失踪した元芸人、旧名家で起きた二つの自然死に関する謎が絡む。
はっきりいって謎が相当地味で、前半は退屈。
しかし解決は構成力にすぐれた見事なもので
結果としてなかなかの佳作になっている。

ただ、とりあえず一品だけ訳すなら間違いなくこれじゃないだろー。
シリーズ過渡期でこのレベルならもっと読み応えのある作品書いてるぞ。
ああもったいない。
25名無しのオプ:04/01/08 22:58
ジャイルズ・ブラント『凍りつく眼』(扶桑社ミステリー)

暴力シーンを主に描く売れない画家ニコラス・フッド。
失意のどん底にあった彼だが、ある醜い小男との出会いが運命を変えた。
「君の絵が評価されないのは、本当の死を知らないからだ」
謎の男ベリルの予言に従って、彼はつぎつぎと死を目撃し、傑作をものにしていく。
しかし成功の先には落とし穴が・・・。

超常現象を含むサイコ・サスペンス。
基本的にはあらすじ通りで、オチも平易、あまり意外性がない話だが
文章と演出が達者で引き込まれた。
ブックオフで100円で購入、
ネット上にもほとんど書評を見ない本にしては大当たりだ。
「ベタだけど面白い本」好きの人におすすめ。
26名無しのオプ:04/01/09 09:28
今年最初の一冊
「SFミステリ傑作選」 風見潤編 講談社文庫

●「ミラー・イメージ」 アイザック・アシモフ
 「鋼鉄都市」「裸の太陽」のコンビ。
 二人の数学者とそれぞれの召使いロボット、嘘をついてるの誰?
 まさに数学の問題のような作品。
●「消えたダ・ヴィンチ」 J・G・バラード
 キリスト磔刑図が盗まれた。調べる内に明らかになっていく絵に隠された謎。
 時代をまたがり現れるなぞの人物。
●「明日より永遠に」 キース・ローマー
 記憶を無くした男。俺は誰なのか?過去を探ろうとするうちに・・・
 この本の中では一番ミステリ(ハードボイルドタッチ)らしい作品。
 しかし他の作品に比べて少し長いので冗長に感じる。
●「ピンクの芋虫」 アンソニー・バウチャー
 少しホラータッチのミステリ。カーナッキとか、そういう感じ。
 SF部分はほんの少しだけ。
●「ウルフラム・ハンター」 エドワード・D・ホック
 この本の中では一番ミステリとしてもSFとしても希薄な作品。
 ホックにしては物足りない。
●「重力の問題」 ランドル・ギャレット
 高い塔の上の一室の窓から転落した男。部屋の外には衛兵。
 塔の下にも衛兵がいた。鍵のかかった部屋で何が起きたのか?
 おなじみダーシー卿シリーズ。
 好きなシリーズなのでどうしても贔屓目になってしまうが、
 これが一番楽しめた。
27名無しのオプ:04/01/09 18:35
ジョン・ボール『白尾ウサギは死んだ』(ハヤカワ文庫)

黒人刑事ヴァージル・ティッブス第二弾。
ヌーディスト・ビーチのプールに捨てられた身元不明の死体。
日焼けしているが、尻が白いのでヌーディストではないと一目瞭然。
(これを通称「白尾ウサギ」という)
周囲の森に埋めたりせず、犯人はなぜそんな死体遺棄をしたのか、というのがメインの謎。
完成度は前作に劣るが悪い出来ではない。
巻末には、作者の早川書房に対する感謝文が寄せられている。
72年の話だけれど
アメリカ、欧州でもすごく有名、というのは本当かなあ。
28名無しのオプ:04/01/11 01:48
嘘にキマトル
2924:04/01/11 18:09
シリーズ唯一の訳出、というのは誤りでした。
『追憶のローズマリー』がありましたね、申し訳ない。
30名無しのオプ:04/01/13 00:12
デアンドリアのHOG殺人事件読んだ
犯人が"(メル欄)"を演出するトリックが巧いと思た
31読後感:04/01/15 22:03
「脅迫状つきサマースクール」ギリアン・ロバーツ(早川書房)
 フィラデルフィアも暑い夏へと突入。でもアマンダはサマーバカンスを楽しむ余裕はありません。
 経済的な理由からサマースクールで教えることにしたからです。
 ウンザリの毎日での救いと言えば、療養中のC・Kが家事をしてくれることと、一人の熱心な女生徒の存在だけ。
 ところが、ある日学校の近くで少年が射殺され、その翌日、例の女生徒も姿を消した。
 2人は同じベトナム系。これには何かつながりがあるのか? 
 かくして毎度おなじみアマンダの捜査が始まるのでした――。

 シリーズ最新作。前回C・Kとの距離が微妙に縮まったアマンダは、リハビリ中の彼と今まで以上に時間を
 共有していましたが、仕事が出来ない反動で彼はちょっといらつき気味。
 オマケに、アマンダの同僚の二枚目教師に嫉妬の炎を燃やしたりして・・・。こういうC・Kは貴重かもw
 
 そして巻き起こる殺人事件、失踪事件。背後には何か大掛かりな組織の影がちらついている様子。
 しかもアマンダの同僚の黒人教師も嫌がらせを受けるし、アマンダは母親のお節介からダサ男に
 付きまとわれるし、うるさ型で差別思想を持った同僚はいるし・・・。
 こんだけゴタゴタが起きるのは初めてかも。何度も危険な目に遭うし。
 
 毎回何らかの文学作品がモチーフに使われていますが、今回は「ロミオとジュリエット」です。
 詩に仕立てた暗号なんかも出てきてミステリーっぽいなぁと思いきや、犯人は普通でチョトガカーリ。
 まぁでも何だかんだで2人がやっとこさ同棲までこぎつけたってコトで良しとしましょうw
 この恋愛決して一筋縄ではいかないんだけど、ドロドロでは決してないから安心して読めるんですよね。

 追伸:これっきり6年も新刊が出てない・・・。ひょっとしてもう訳さないのかな、ハヤカワ・・・。
    むぅ〜コージーの供給源を失っちゃうのは寂しい。次の宿木を探さなきゃ。
    イヴァノヴィッチかアボットかピカードか・・・。
    MIRA文庫あたりで続き訳してくれないかなw
32読後感:04/01/15 22:03
「砂塵の舞う土地」ダンカン・カイル(東京創元社)
 弁護士である「私」の次の仕事は途方もない土地と資産を突如相続することになった若い女性軍人
 に必要な手続きを取ってやることだった。
 当初は左程困難ではないと高をくくっていた私だったが、土地を巡る陰謀に巻き込まれ・・・。

 “冴えない青年弁護士とタフな女陸軍大尉が展開する決死の探索行”なんて書かれたてた日にゃあ
 読むしか無いじゃん! ね、そうでしょ?(w
 でも期待外れだったよ。オレはまたてっきり2人の男女が砂漠で遭難してその内愛が芽生える、
 みたいなアクションラブストーリーを期待してたんだけど・・・。
 砂漠を遭難するのはちょっとだけだし(まあリアルっちゃリアルなんだけど)、愛も芽生えんし。
 まあ将来に・・・っていう予感を持たせるに止めてる。そこはいいよ、くっつけても(w
33読後感:04/01/15 22:04
「黒い蘭の追憶」カーリーン・トンプスン(早川書房)
 19年前、忌まわしい事件で最愛の娘を亡くした女は、再婚して
 新たな2人の子に恵まれた今でもまだその事を引きずっていた。そんなある日、
 女は亡くした娘の声を聞く。そして、ハロウィンの夜、訪ねてきた子どもの中に娘そっくりの
 女の子が・・・。
 自分の周りで遠い昔に死んだはずの娘の気配がする!?
 戸惑いと不安を露にする女だったが、悲劇はまだ幕を開けたばかりだった・・・。

 「100冊の徹夜本」からのセレクト。
 冒頭から前半にかけてのつかみはOKだね。何といわれようと不可解状況・怪奇趣味はいい。
 ぐいぐいと引き込まれるよ。
 オレは最初まさかヒロインが二重人格だったなんてんじゃないだろうな・・・と疑ってたんだけど、
 見事に外れて一安心。そして次はあの女がまさか・・・いやいや、ひょっとしてこの早(ry・・・
 なんて想像の迷路を転々としてたんだけど、真相を読んで、あ、そうだったのか、と納得。
 そうだよねー。そもそも何でそれを疑わなかったんだろう?ミステリー好きとして情けない・・・。
 てなわけで、まあ、読んでみてくらはい。サラッと書いている箇所に注意。触れてないと言うことはつまり・・・。
34読後感:04/01/15 22:05
「インキュバス」レイ・ラッセル(早川書房)
 田舎町を突如襲ったおぞましい事件。美人が次々と犯され、惨たらしく殺されていく。
 久しぶりに町にやってきた人類学者は町の医師や保安官と協力して犯人を捕らえようとするのだが、
 犠牲者は日に日に増えていくばかり。業を煮やした人類学者は窮余の一策を提案するのだったが・・・。
 果たしてこの連続強姦殺人鬼の正体は、人か!魔か!

 「100冊の徹夜本」からのセレクト。
 これはまたすごい話です。何しろ犠牲者はみなレイプされた後で殺されるのじゃなく、
 レイプされることで殺されるんだから。
 どういうことかって? それは読んでのお楽しみ(楽しくはないか)。

 ・・・。別にこれといって言うこともないので、気軽に読んじゃってください。

 あ、そうそう。「徹夜本」で犯人がわかったときの衝撃は「アクロイド殺し」以上だとか書かれてましたけど、
 ウソウソ。んなこたぁない。
35読後感:04/01/15 22:05
「夜に消える」ハワード・ブラウン(早川書房)
 避暑地から帰る途中、男は疲れ果てて喋る気力も無かった。。後ろに乗っている妻と娘も同じらしかった。
 家に着くと妻は先に降り、男は車を止めてから娘を抱いて家に入った。
 娘を寝かしつけてそのままシャワーを浴びた男は寝室に入ったが、そこに妻の姿はなかった。
 居間に降りた男はそこに置き捨てられた妻のハンドバッグを目にする。
 果たして、妻は一体どこへ消えてしまったのか?

 「100冊の徹夜本」からのセレクト。
 人間消失テーマを扱った作品ですね。一緒に帰宅して先に家に入ったはずの妻が忽然と消えうせるという。
 あらすじを読むだけで何だかワクワクしてきますね!
 妻は何故消えたのか? 誘拐か? 家出か? はたまた駆け落ちか?
 主人公は必死になる余り駆けつけた警官ともイザコザを起こしてしまい、終いには殺人犯だと疑われてしまいます。
 独自に捜索を始める決意をした主人公は社会的地位と人脈を総動員して行動を起こすのですが、
 ここらへんかなり嘘臭いです(w ま、気にしないで下さいや。そう長い話でもないからさ(何

 で、肝心の謎ですが、ちゃんと伏線も張ってあって本格好きにも向いていると思います。
 でも「徹夜本」にあるように「誰にでも起こり得ること」ではないです。
 あの本ちょっと誇張が過ぎるようでw
36読後感:04/01/15 22:07
「殺意の団欒」ジェームズ・アンダースン(文藝春秋)
 完璧で非の打ち所のないかにみえる夫婦。だが、実はお互いを嫌いぬいていた。
 そしてある出来事が引き金となり、夫は妻を、妻は夫を、それぞれ殺そうと決意する。
 しかしどちらも目的を達成することができない。業を煮やした夫はとっておきの計画を練り出すのだが・・・。

 「100冊の徹夜本」からのセレクト。あと3〜4冊セレクトしてます。
 うん、面白い。ちょっと笑えるしw この作家はなかなかいいね。ちょっち気に入ったかも。
 2人とも相手に対して純粋な嫌悪感を持っているんですね。愛人がいるわけでもなく。
 そして徹底的なエゴイズムのもと、犯行に及ぶ。しかし、いつも思わぬ誤算が生じ、失敗する。
 あるときなんか殺しに向った2人がすれ違いになっちゃったりしてw
 しかし、とうとう決定的な場面に直面するんですが・・・っていう。
 まあ、この終わり方がベストでしょうね。めでたしめでたしw
37名無しのオプ:04/01/20 01:17
リチャード・スターク『悪党パーカー・人狩り』(ハヤカワ文庫)

妻と仲間のマルに裏切られ、地獄の淵から生還した男。
復讐の怒りに燃えながら、冷静で現実的な思考。性格は非情。
パーカーは正真正銘の悪党なのに不思議に魅力的だ。
単に「マルに復讐する」というだけのストーリーじゃないのは
結局はチンピラに過ぎないマルとの器の違いを示している。
なるほどこのキャラなら読者に一冊で終わらせて貰えなかったのも頷ける。
メル・ギブソンの映画『ペイバック』の原作、パーカーシリーズ第一作。
38名無しのオプ:04/01/20 19:36
デズモンド・バグリイ『砂漠の略奪者』(ハヤカワ文庫)

麻薬中毒で娘を失った映画王のバックアップで
医師ウォレンを中心とする私設軍隊が
シンジケートを撲滅するため、中東へ飛ぶ。
いい作品だけに、敵ボスの力不足や
メンバー6人の活躍の消化不良が少し目立つ。
(ウォレンは主役なのに、医者だからアクションでは見せ場がない・・・)
惜しい。
39名無しのオプ:04/01/21 00:05
今更、「ハンニバル(上)」(新潮文庫)読みました。
で、わからないとこがあります。
P102の5行目に「破裂音のf」となってますが、【f】って摩擦音ですよね?
あと、P66の後ろから3行目に、
「(クラリス・スターリングの名に)破裂音は含まれていない」となってますが、
【k】も【t】も【g】も破裂音ですよね?
だれか、教えてください。。。
40名無しのオプ:04/01/21 13:16
>>39
実際の発音で、両唇をつけた後離すのが破裂音だと思ってた。
クラリス・スターリングって発音するとどう?
P102の5行目ってどんな単語かわからないけど..
誰か英語に強い人いませんかぁ。
41名無しのオプ:04/01/21 13:29
f は摩擦音です。
破裂音は無声の p, t, k と
有声の b, d, g。

中学生で習いますよね。
ハンニバル読んだけどどうだったかなあ。
42名無しのオプ:04/01/21 13:41
あらら、中学生以下のアフォなオレ。すっかり忘れちゃってるよ。
43名無しのオプ:04/01/21 19:08
ディーン・クーンツ『マンハッタン魔の北壁』(角川ホラー文庫)

世界的な登山家だったグレアムは、転落事故で透視能力を身につけた。
ニューヨークを騒がせる切り裂き魔を透視してしまったがために
恋人のコニーと共に、犯人から追われる羽目になる。
「主人公が葛藤を乗り越えて成長する」「ハッピーエンド」など
ハリウッド映画の原則が踏襲されている。
ビデオを観るような気分で読めるが意外性はない。
クーンツはやはりアイデアより演出で魅せるタイプの作家だ。
ブライアン・コフィ名義、77年の作品。
44名無しのオプ:04/01/21 20:48
原著の“HANNIBAL”(ペーパーバック)で調べてみました。
P120の5行目の「破裂音のf」は“the fricative f”になってます。
だから、誤訳でしょうね。
P66の後ろから3行目は“The name has no plosive sounds”
となっているので、誤訳ではないみたいです。
う〜ん。。。わかんない。。。
45名無しのオプ:04/01/25 21:31
アレックス・ガーランド最高。
46名無しのオプ:04/01/28 12:43
スクールガール殺人事件 コリン・ウィルソン 新潮文庫

暴行された制服姿の少女の絞殺死体が発見された。
ベテラン刑事ソールトフリートの捜査も被害者の若さに曇りがちだった・・・

前半は面白いですよ。
少女の身元が明らかになっていく所とか、
少女の死体発見場所の目の前にある留守の家からもう一体死体が発見される所、
捜査過程も丹念に描かれていて(むしろ捜査過程が遅いくらい)、
登場人物もステレオタイプだけど面白い。
で、コリン・ウィルソンらしく黒魔術とか、儀式とかが出てくるし。
でも事件はこの時の一件だけ。これだけで380ページ持たせるには
捜査を遅くするしかないよね。この辺、じれったい。
後半、容疑者だと決め付けるともうそれ以上発展しない。
結局尻すぼみで終わり。中々魅力的な謎が提示されてただけに残念。

次は 「十二夜殺人事件」マイケル・ギルバート いきます。
47名無しのオプ:04/01/28 19:02
藤原編集室の日誌に出てくる、A・H・Z・カーの短編集って、どこから出るの?
48名無しのオプ:04/01/29 08:46
49名無しのオプ:04/01/29 18:43
>>48
サンクス。出るのは4月頃かな。楽しみ。
50名無しのオプ:04/01/29 20:43
タイミングよくA・H・Z・カー「妖術師の島」読了。

俺的にはトワネットとモービーの仲が怪しいとみて関係をほのめかす箇所を探しまくったが、
かろうじて2カ所苦しいのが見つかったぐらいだった。
残念w
51名無しのオプ:04/01/29 22:46
ベルトラン・ピュアール『夜の音楽』(集英社文庫)

2001年コニャック推理小説大賞受賞作。
ロンドンで起きる婦女連続殺人。
眼窩に豆電球、頭の代わりに置かれた地球儀など、死体には謎の「演出」が・・・犯人は?
タイトルにある「音楽」は抽象的な意味でなく、文字通り音楽が深く関わっている。
それがロック(しかも、かなり限定されてる)なのが痛い。
音楽ファンだという奴と話してみたら、筋金入りのブリティッシュロック・マニアで、それ以外は音楽として認めないという態度で薀蓄を傾けてくる、そういう類の痛さに溢れている。
冒頭の殺人で、ザ・ヴァーヴの曲(97年のヒットシングル)がラジオから流れているのも痛い。
「ミスター・チルドレンの『君が好き』が流れ出した。桜井和寿の声が、一人ぼっちの私を優しく包む。」
日本でいうとこんな感じの痛さ。
歌詞が挿入されている箇所まであるから始末に負えない。
映画もヒュー・グラントのが出てきたりで、いちいち引用が安いのが致命的。
『ロック連続殺人』とかなら、身の丈にあったタイトルでよかったかもしれない。
絶対読まないだろうけど。
52名無しのオプ:04/02/06 18:45
F.W.クロフツ『マギル卿最後の旅』(創元推理文庫)

『樽』と並ぶクロフツの代表作。タイトルがすごくいいと思う。
紡績業で成功したマギル卿が旅行中に失踪、
彼の息子の土地で変死体となって発見される。
ロンドンや北アイルランドを往復し、容疑者のアリバイを崩すフレンチ警部。
アリバイものはまず犯人が特定されているものだけれど
細かい疑惑が沸くたびに、容疑の対象が変わるのが面白い。
(それだけに最後の解決はちと反則くさいが・・・)

捜査と旅情以外には何も見所はなく、地味。自分の好みではない。
しかしこの作品を評価する人の気持ちはわかる気がする。
53英知恵:04/02/06 18:48
「シャドー81」ルシアン・ネイハム

どんな結末になるのかと期待していたので拍子抜け気味。
どうも、すんなり進みすぎてサスペンスの盛り上がりに欠ける気がしました。
54読後感:04/02/12 18:31
「女虎」カーター・ブラウン(早川書房)
 腕っ節は強いが美女には弱いアル・ウィーラー警部登場!
 
 これはなんか墓場で死体がどーとかいう話。 
 去年読んだんでもうよく覚えとらん。
 とりあえず気の強い金髪でセクシーな南部美人アナベルタソ萌え。
 果たして警部はモノにできるんでしょうかね。
「夢の10セント銀貨」ジャック・フィニイ(早川書房)
 自分の人生に満足できない主人公はある時なぜかパラレルワールドへ迷い込む。
 そこでは元カノが嫁さんになっており、こりゃいいやと喜んだのですが・・・。

 100冊の徹夜本からのセレクト。
 フィニィは以前短編「死者のポケットの中には」を呼んだ記憶アリ。
 別にフーンてな感じだったけど。
 で、これ。薄くってお手ごろなのは好印象。
 ただその中でアイデアを活かしきれてない。恋愛面に終始し過ぎ。
 最終的にそうなるのは仕方ないにしてももうちょっと色々な問題を絡ませてほしかった。
55読後感:04/02/12 18:31
「スカイジャック」トニー・ケンリック(角川書店)
 ジャンボジェット機が乗客まるごと消えうせた!? そんな馬鹿な!!
 弁護士の主人公は秘書である別れた妻とともに事件を解明しようとするが・・・。

 まあまあ面白かった。ケンリックは結構好き。まだ2冊だけどさ。
 このトリックは多分にバカ入ってるけど、前提が無茶なんだからしょうがないね。 
 ロマンチックコメディの要素をきっちり加えているのもいいね。ちょいクドイけどw
「曲った蝶番」ジョン・ディクスン・カー(東京創元社)
 長い別離の果てにめぐり合ったかつての恋人たち。結婚してメデタシメデタシと思いきや、
 「自分こそが本物だ!」と称する男が町にやってくる。嘘つきはどっち?
 しかしそれが判明する前に片方の男が命を落とす――。
 そして目撃者はいう。そこには誰もいなかった、と。

 カーは多連峰だね。ナンバーワンと言われる作品がたくさんある。本書もそのひとつ。
 カナーリ期待してみた。このとっかかりもミステリぽくて良い。そして殺人。謎解き。
 よかった・・・小道具がいいね、色々オカルト趣味で。
 最後のオチには目が点になった・・・
 でも・・・
 決着のつけ方は気に入らなかった・・・
 ロマンスがおざなりなのも気に入らなかった・・・
56読後感:04/02/12 18:32
「死の接吻」アイラ・レヴィン(早川書房)
 ドロシイは彼を信じきっていた。もうすぐ結婚してくれる。生まれてくる子供の父親になってくれる。
 彼が瞳の奥に危険な野望を燃え上がらせているのも死らずに・・・。

 今年一発目。あけましておめでとうございます(遅。
 どっかのスレで誰かが何度読んでも面白いというとったし、私もハンドブックであらすじ読んで面白そう
 と思ったんです。だから↑の人のせいにはできませんw 
 いや、読みやすいよ確かに。これを若干23歳でものするのはすごいと思う、単純に。
 でモナー・・・中盤のフーダニットはよかったんだけど、その後が・・・。
 やっぱ何かこうどんでん返し方があるんじゃないかなぁ「恐怖の誕生パーティ」みたく。
 彼の最期もようわからんかったし。何で?
 筋立ては昔話によくあるパターンを「化け物」側から描いたみたいで興味深かったです。
57読後感:04/02/12 18:32
「白昼の悪魔」アガサ・クリスティ(早川書房)
 お供なしで避暑地に来ていたポアロ。そこにはある女優をめぐって様様な愛憎が渦巻いていた。
 当然のごとく巡ってくる殺人の予感。かくして悲劇は幕を開けた・・・。

 なーんちゃって。別に悲劇でもないけどね。死んだって構わんような奴だったしw
 ポアロが惚れた女が登場したのは興味深かった。まあ多分にリスペクトに近い感じだけど。
 しかしああいう結婚てありえるのかなぁ。○○○て言葉は知ってるけどね。
 オレは最初犯人が(メール欄)と思ってたけど、作者が一枚上手でしたね。でもあれだと、
 危険が大きいと思うなぁ・・・確実に把握はできんわけだし。
 
 あと「異なった三角形」というのもクリスティお得意の手やね。
「わが体内の殺人者」ルネ・ベレット(早川書房) 
 他人と入れ替わることができる!?
 他人と人格を交換することができる機械を発明した主人公。
 しかし殺人犯に利用されてしまい・・・

 100冊の徹夜本からのセレクト。
 カウンセリングをしていた囚人にうっかり心を許してしまった精神科医がハメられちゃう話。
 かくして殺人犯が立派な医者として帰宅し、美人の妻とよろしくやっちゃう。
 一方本物の医者は囚人として檻の中。やりきれんねこりゃ。いくらご無沙汰だったといえ。
 
 妻の親友と浮気してる主人公、主人公一筋の妻、それに横恋慕してる隣のおっさん。その妻。
 いかにもフランスって感じのドロドロした人間関係。まあ一つも発覚はしてないけど。
 ラストもまた独特というか・・・英米の作品ではあんまりない終わり方とだけ言っておこうw

 ホテルにいた思わせぶりな男はなんだったんだろう・・・。あとモノホンの殺人犯も・・・。
58読後感:04/02/12 18:33
「復讐のミッドナイト」ロバート・コルビー(早川書房)
 最愛の恋人を陵辱され、殺されてしまった主人公。
 復讐の炎に身をたぎらせる彼だったが、その対象はなんと・・・。

 100冊の徹夜本からのセレクト。
 恋人を強姦殺人された主人公がブチキレて犯人ではなく傍観者を殺そうとする話。
 うん。そんだけ。はいばい。
59名無しのオプ:04/02/14 17:21
レスは5行まででおながいします>読後感
60名無しのオプ:04/02/14 20:15
>58なんかはそんなに長くもないじゃん。
お前が5行だけ読めばいい話。
61名無しのオプ:04/02/14 21:48
ほかは長いじゃん。
62名無しのオプ:04/02/15 13:33
ナイオ・マーシュ『死の序曲』(ポケミス)

作者はクリスティーらと同時期に活躍した英国の女流作家(出身は豪州)。
教会チャリティーのために催された素人芝居で、ピアノ奏者の女性が射殺された。
奏者は直前に交代しており、どちらの女性を狙ったものかわからない。
ピアノの中から射殺する機械トリックは早めに明かされ、
いつ仕掛けられたのか、という謎がメインとなる。
個人的には、真相よりも、最後に明らかになるある手がかりの持つ意味や
素人芝居の役者たちの様子(「いるいる、そんなやつ!」)が面白かった。
ポケミス復刊希望アンケート第4位。
63名無しのオプ:04/02/16 16:24
>>59
長文レスを楽しみにしてる者もいるんだよ。
64名無しのオプ:04/02/16 16:52
「面白かった」「つまんなかった」よりよっぽど参考になるよな
65名無しのオプ:04/02/17 00:45
634 :名無しのオプ :04/01/25 17:06
>>633
うざいと思うならIDであぼーんすりゃいいだろ


635 :名無しのオプ :04/01/25 17:33
「読後感とかいう人うざいね」とかいう人うざいね
多分自分の好きな作品が貶された人なんだね


自演かよ……w
66英知恵:04/02/17 23:19
ディック・フランシス『混戦』

ディック・フランシスのヒーロー物。
今回の主人公は空のタクシーのパイロット。
人気ジョッキーを乗せて競馬場に運ぶ以外は別に競馬と関係ない。
たいして大きな事件や謎はありませんが、
渋くて真面目なディック・フランシスのヒーローが大好きな私には
あっというまに読み終わってしまう、ある意味残念(?)な作品でした。
真保裕一が好きな人にはお薦めです。
67名無しのオプ:04/02/18 18:03
マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー『蒸発した男』(角川文庫)

警察小説の金字塔、マルティン・ベックシリーズの2冊目。
消息を絶ったジャーナリストを追ってベックがブダペストへ飛ぶ。
ハンガリー動乱後の古都がうまく書けている・・・のかは微妙。
(スウェーデン人がハンガリーに行く、といわれても馴染みが薄すぎるので)
謎やストーリーは地味で、たいしたことないが
全体を覆っているたそがれた雰囲気は嫌いではない。
3冊目も読んでみよう。
68名無しのオプ:04/02/20 21:52
ビル・プロンジーニ編『エドガー賞全集(上)』(ハヤカワ文庫)

エドガー賞の短編部門受賞作を年度順に収めたアンソロジー。
上巻には47年から62年までの16作品が並ぶ。
47〜53年は、作家の業績や、短編集が対象だったので
該当作家の作品から編者がセレクトしているようだ。
(クイーン『気ちがいティー・パーティ』等)
50年代はエリンやダール、フィリップ・マクドナルドらが複数回受賞、
のりにのっていたことがわかる。
個人的なベストを敢えて挙げるなら
パトリック・クエンティン『不運な男』(62年特別賞)。
日本でいうと佐野洋の作風に近い気がする。
69読後感:04/02/22 17:14
「バイクガールと野郎ども」ダニエル・チャヴァリア(早川書房)
 舞台はキューバ。胸はムチムチお尻はプリプリ。
 ぶりぶりのナイスバディのヒロインはなんと娼婦。
 いつものごとく自転車で町へ出、事故を装いカモを捕まえた彼女でしたが、思わぬ事態が起こって・・・。

 「ぶりぶりのナイスバディ」だぜ?そりゃ読まなきゃ男がすたるってもんだろーよと。
 でもつまらんかった・・・それに勃たんかった・・・。
 こういう正統派なエロは好みじゃないのかもw

「火よ燃えろ!」ジョン・ディクスン・カー(早川書房)
 ロンドン警視庁の警部チェビアトはタクシーで戻る途中、なぜかタイムスリップしてしまう。
 気が付けばそこは19世紀半ばのロンドン。とまどいながらも警部として働き出すチェビアト。
 ある時愛人とともに出席した舞踏会で殺人事件が起きる。チェビアトの目の前で女が射殺されたのだ。
 しかしその弾はどこから飛んできたのか皆目わからない。犯人が用いたトリックとは?

 カーの歴史モノ。「ビロードの悪魔」と同じ強引なタイムスリップですw
 私「ビロード〜」はイマイチだったのでこれはどうかな・・・と思っていたのですが、
 やはりイマイチ・・・でした。何がというと、ロマンス、これです。
 ヒロインが弱々し過ぎなんだよね。すぐ拗ねるのはいいんだけど(笑)、折れるのもすぐだから物足りない。
 この頃の男女関係なんてそんなもんなのかも知れんが、そこはリアリティ追求せんでよい。
 やっぱ歴史モノと来れば、「復讐」これでしょう。ただ剣戟入れりゃいいってもんじゃない。
 だから主人公には挫折とか失恋とかもっと苦難を乗り越えさせてやって欲しい。本作や「ビロード〜」にはそれがない。
70読後感:04/02/22 17:14
「通り魔」フレドリック・ブラウン(東京創元社)
 若い女性ばかりを狙った連続通り魔事件。主人公の酔いどれ新聞記者は、たまたま凶行直後の現場を通りかかり、
 傷を負った被害者を見て一目ぼれする。彼女とお近づきになるために通り魔事件を追う彼だったが・・・。

 笠井が傑作つーとったから読もうと思ったんよ。
 この動機がまたいいね、いかにも軽ハードボイルドってな感じ(?)で。そりゃ素っ裸見りゃのぼせるよな。
 主人公はかなりはちゃめちゃでその日暮らしの生活送っててホームレスと公園で騒いでそのまま野宿したりする。
 その後起きたときの「口の中のねばねばを飲み込んで・・・」っつー文章が生々しかった。
 
 本格ではないけど、意外な犯人あり(ちょっと世界が狭い気もするが)でなかなかのだった。
 
 あと、ダリオ・アルジェントの「歓びの毒牙」という映画は本作が下敷きらしい。

「死の長い鎖」サラ・ウルフ(早川書房)
 物語は主人公の妻が勢いよく爆死するところから幕を開ける。殺害容疑をかけられた主人公は独力で犯人を
 捕まえるべく行動を開始するが、その途上で意外な事実が明らかになる。
 この何十年かの間、自分の父とその戦友の一族が大勢事故死しているのだ。これは単なる偶然か?
 はたまた何者かの意志によるものなのか――。

 100冊の徹夜本からのセレクト。駄作。読む価値なし。
 肝心の謎を完全に丸投げしている。最悪。時間と(買ってないけど)金返せ。ばか。
71読後感:04/02/22 17:15
「死者にかかってきた電話」ジョン・ル・カレ(早川書房)
 英国情報局に務めていたジョージ・スマイリーはスパイ容疑のかかっていた人物を尋問して、シロと断定した。
 しかし、その人物はその直後に自宅で謎の死を遂げる。「自分は疑われている」と書き残して。
 この事件をそして調べていたスマイリーは事件が発覚した日の朝、死者あてにモーニングコールがかかってきたことを知る。
 どうやらただの自殺ではなさそうだが・・・。

 ル・カレ初挑戦。薄かったので安心して読み始めた。
 文章がわかりにくいとの批判がかなりあったので気にしていたが、そんなことはない。むしろ平易だと思う。
 ただ、内容を把握しづらいw 何が起こっているのか何をしようとしているのか がようわからん。わざとか?
 真相もふーん・・・程度。やっぱ習作レベルって評は正しかったと思った。
 
 ところでスマイリーって名前忘れたけど「別れを告げにきた男」の主人公とそっくりだね。
 外見だけじゃなく女運の悪さもまったく同じ。フリーマントルは意識してたんだろうね。

「高貴なる殺人」ジョン・ル・カレ(早川書房)
 スマイリーの今度の仕事は名門の進学校で起こった殺人事件の捜査。
 ル・カレ唯一の本格ミステリー。

 ・・・らしいんで楽しみに読んだ。このために一作目を読もうと思ったんだからね。
 でも・・・でした。トリックもないし、何かアンフェアな推理展開だし。だめぽ。
72読後感:04/02/22 17:16
「恐怖の誕生パーティ」ウィリアム・カッツ(新潮社)
 夫の誕生日にびっくりパーティを催すことにした妻。
 早速夫の母校に電話して恩師に話を聞こうとするが、「そんな人は卒業生にはいない」との返事。
 これは一体どういうことなのか?
 
 100冊の徹夜本からのセレクト。
 自分の愛する夫が実は殺人者かも・・・と脅える妻の話。
 みえみえの話を長々と続けているが、それだけで終わらないのは流石。「死の接吻」とは違うね。
 ラストには二段構えのどんでん返しが待っています。読んでみ。

「終わりなき負債」C・S・フォレスター(小学館)
 借金で首が回らなくなった主人公。家族を抱えてさあどうするべえかと悩んでいたところに
 外国から金持ちの甥がやってくる。これ幸いと毒殺して大金をかっさらった主人公は、さらに
 外国為替取引きで莫大な金を得ることに成功する。人生は一転、バラ色に思えたのだが・・・。

 作者はホーンブロワーの人だよね。冒険小説家が書いた本格(らしい)ってことだったので楽しみに
 していたんです(ル・カレで懲りてない奴)。そしたら――。
 まず本格じゃねえ。心理サスペンスって奴? なんかねーアイルズ風味ですた。
 驚くほど「メル欄」に激似。結末まで一緒。多分こっちが先なんだろうけど、メル欄のが面白い。
 露見するかもしれない恐怖におののき続けるってのはちょっと芸がない感じがする。
73読後感:04/02/22 17:17
「仕事くれ。」ダグラス・ケネディ(新潮社)
 買収がらみのゴタゴタに巻き込まれ解雇されてしまった主人公。
 その時衝動的に起こしてしまった暴行事件と高すぎるプライドが邪魔してなかなか再就職出来ない。
 おまけに妻にも引け目を感じてついよそよそしくしてしまい、信用を失ってしまう。
 さらにはかつての同僚が自殺し、悲しみの余り自棄酒し勢いで浮気してしまい、露見して家を追い出されてしまう。
 ふんだりけったりの主人公だったが、転がり込んだ先の知り合いが信じられないほど割のいい仕事を世話してくれるという。
 果たして主人公は失ったものを取り戻せるのか!?

 以前「ビッグ・ピクチャー」を流し読みして「うわー」と思い、この人は合わないなと思っていたが、本作は書評を見る限り
 明るく希望が持てる話ということで読むことにした。
 確かにそうだった。でもやっぱり合わないと思った。作者は文章もストーリーテリングもうまいと思うけど、
 構成を考えてない印象を受ける。起承転結とか重視してない感じ。書き始めの段階で全体のプロットを立案していたかも怪しい。
 それがいい、何が起こるかわからないから面白い、てな人も多いんだろうけど、自分はダメ。
 結局、主人公の状況は物語が始まったときよりもよくなってるどころか悪くなってるし。回復してさえいないのよ?
 雰囲気は明るめなのに物質的な内容がこれじゃなんかちぐはぐで違和感を覚えてしまう。
74読後感:04/02/22 17:21
「見えないグリーン」ジョン・スラデック(早川書房)
 かつて探偵小説愛好会を結成していたメンバーが30年のときを経てまた集まることになった。
 しかしその矢先、メンバーの一人が自宅で死んでいるのが発見される。警察は自殺と断定したが、
 被害者が常々“グリーン”なる人物に命を狙われている、とメンバーの一人に漏らしていたことから、
 彼女は素人探偵を雇って調査を依頼するが、またもやメンバーの一人が殺されてしまう。
 一体彼らにはどのような因縁が?

 100冊の徹夜本からのセレクト。
 普通に面白い。お薦め。解説の鮎川哲也も本当に読んでるっぽいw
 密室トリックだの××トリックだのが出てきて往年の本格好きには嬉しい。絶版らしいけど、大きい本屋にはあると思う。
 ほんと何で早川はこんな良作を重版しないのかね。クリスティ文庫なんて立ち上げる暇と資金があるんなら(ry

「悪夢がしのびよる」マージョリー・ドーナー(早川書房)
 我が子が誘拐された!? 知らせを聞いたヒロインは心配でどうにかなりそう。
 しかし娘は無事脱出して家に戻る。犯人は娘の友達の父親。
 娘の帰還を喜ぶと共に犯人に対する怒りも湧き上がるヒロインは重罰を望むが、犯人は裁判でうまく立ちまわり
 なんと保釈されてしまう! そして大胆不敵にも、再びさらってやると脅迫の電話までかけてくる。
 追い詰められたヒロインは、独力で娘を守り抜くことを決意する。

 「100冊の徹夜本」からのセレクト。駄作。読む価値なし。
 心理サスペンスは苦手だが、本作はそれにすらなり切れてない。ひたすら冗長。時間と(買ってないけど)金返せ。
 決着の付け方も最悪。この手の感情が自己中心的で腹が立つ。
75読後感:04/02/22 17:22
「死との約束」アガサ・クリスティ(早川書房)
 旅行先で知り合った奇妙な家族に興味を持ったポアロ。どうやら母が絶対的な権力を振るい、子供たちは成人に達していても
 逆らうことが出来ず鬱々としている。そんなとき、母親がキャンプ地の自分のテントで死んでいるのが発見される。
 ポアロはどうしても療養することが出来ない運命にあるようだ。

 クリスティの作品におけるワンパターンな展開その1:被害者は登場人物のほとんどにとって邪魔者である。

 犯人じゃない人たちにとっては天の恵みだね。
 暴君の母親に逆らうことの出来ない子供たちは無論良好な人間関係も築けるはずもなく、
 長男は嫁に逃げられそうになるし、次男は好きな女医さんにうまく想いを告げられない。
 でも重石が取れてめでたしめでたしと。

 この作品はクリスティの倫理観が鮮明でよい。ロマンス面にも表れてる。
 163ページのポアロのセリフなんかもすごく良かった(実際はその前に痛いとこ突かれてるんだけどw)。

 トリックはまあまあ。あと女流作家はロマンス面から犯人が絞れることが多いように思う。
76読後感:04/02/22 17:22
「霧の壁」フレドリック・ブラウン(東京創元社)
 物語は主人公が記憶喪失になるところから始まる。
 どうやら祖母が死んでいるのを発見した直後に記憶を失ったらしいのだが・・・。
 記憶を取り戻すため、親戚や、知己に話を聞いてまわる主人公。その中には三日前に別れたばかりだという
 妻も含まれていた。彼女のことを覚えていないにもかかわらず彼は未練な想いを抑えられない。
 もしや離婚の原因も記憶喪失に関係があるのでは・・・? 主人公の捜査は続く。

 「100冊の徹夜本」からのセレクト。
 記憶喪失モノはアイリッシュの「黒いカーテン」やジャプリゾの「シンデレラの罠」なんかが有名ですが、
 この作品は前者に近いのかな。主人公は記憶喪失の原因、そして祖母殺しの犯人、更には別れた妻に対する
 未練、これらのことを全て解決しなければならない。読み進むにつれてその3つにはつながりがあるらしいこと
 がわかってきます。
 真相はなかなか面白かったです。クリスティ作品で似たような展開がありましたけど。
 過去スレでどなかかが言っておられたように原題の意味も興味深かったです。
 ブラウンには正統派パズラーを書いて欲しかったなぁ。ないですよね?
77名無しのオプ:04/02/22 17:34
絨毯爆撃があったみたいで。
読後感をNGワードにしてるのであぼーんだらけ。
78名無しのオプ:04/02/22 19:00
ヘイク・タルボット『魔の淵』(ポケミス)

雪に埋もれた山荘で行われた交霊会。
霊媒のアイリーンは死んだ前夫を呼び出すのだが
幽霊に激しくののしられて気絶してしまう。
その夜、密室で彼女の死体が・・・
専門家が選ぶ密室長編第二位に輝いた作品。
トリックは小技の積み重ねで、盲点指摘による一発びっくり系ではないが
横溢する怪奇趣味、不可能趣味は面白い。
カー好きが気に入るかどうかはともかく、カー嫌いには薦めない。
79名無しのオプ:04/02/26 00:43
一部クソスレ上げ。
80名無しのオプ:04/02/26 03:49
ドロシー・セイヤーズ 『ナイン・テイラーズ』 創元推理文庫

傑作だと聞いていたので読んだ。
正直、こういう大時代的なのは個人的には全然ダメ。
好きな人は好きなんだろうけど。
81名無しのオプ:04/02/26 03:52
アイラ・レヴィン 『死の接吻』 ハヤカワミステリ

 これもかなり期待して読んだが。。。
 書かれた当時は斬新だったのかもしれないが、
 今見たら安っぽいといわざるを得ないヒッチコックの特撮を見ているような感覚だった。


ウィリアム・カッツ 『恐怖の誕生パーティー』 新潮文庫

 これは面白かった。背筋がゾクゾクした。
82名無しのオプ:04/02/26 09:38
R・D・ウィングフィールド「クリスマスのフロスト」
フロストさん、キャラがいい。
シリーズで読みます。

>81
「恐怖の誕生パーティー」は(・∀・)イイ!よね。
ラストは「そうくるかー!!!」とゾクゾクしますた。
83名無しのオプ:04/02/26 19:33
ウィリアム・カッツは、「コパーヘッド」(創元推理文庫)も読んだ
けど、あんまりな結末だったのですっかり嫌になりました。
いや、ほんとに、違う意味でびっくりしました。
84名無しのオプ:04/02/26 22:03
なんでもいいがヒッチコックの「特撮」って・・・
85名無しのオプ:04/02/26 22:23
逢坂剛も死の接吻を誉めとったが(捕虜収容所の死と対比して)
文章・構成がうまくても驚きがなきゃだめなわけで。
それらはあくまでも二次的なものだとおもふ。
86名無しのオプ:04/02/26 23:08
「コパーヘッド」は確かに驚愕の結末だよね。驚くのは確か。驚くのは・・・。
87名無しのオプ:04/02/26 23:59
「死の接吻」、面白かったけどなー。
でも大昔だったから、という気もしないでもない。
88名無しのオプ:04/02/27 00:24
ヒッチコックは安いって思ってていいんですよ。
巨匠扱いされてるから高級なものだとありがたがってちゃ本末転倒。
本人は娯楽作品を低予算でとってるんだから。

おんなじことは江戸川乱歩にも言えると思う。
幻想小説の大家的扱いをした二次創作はたいてい・・・
89名無しのオプ:04/03/01 03:23
バリンジャー 『歯と爪』 (創元推理) 
 ものすごく期待して読んだのだが、やはり古典という感はぬぐえない。
 書かれた当初は斬新だったのかもしれないが。

カサック 『殺人交叉点』 (創元推理)
 これには騙された。でも、日本人で似たようなネタは結構あるので驚愕というほどでもなかった。
90名無しのオプ:04/03/02 15:30
カー 『皇帝のかぎ煙草入れ』 (創元推理)
 こういうトリックはどう分類されるのだろうか。文章がスラスラ入ってくるともっと面白いのだが。
 現在の国内物で、似たようなトリックはいくらでも使われていそうな気がした。
 
91名無しのオプ:04/03/02 16:02
古典を読んで「現在の国内に似たようなのがいくらでもある」とは・・・
92名無しのオプ:04/03/02 17:05
笑止
93名無しのオプ:04/03/03 17:11
>>91
今読んだら新鮮味がないということでは?
94名無しのオプ:04/03/04 19:21
ギ・デ・カール『破戒法廷』(創元推理文庫)

大西洋横断汽船内で起こった殺人。
容疑者は目が見えず、耳も聞こえず、口も聞けない三重障害者。
血まみれの両手と指紋に加え、本人も犯行を認めている!
誰もが有罪を信じて疑わない裁判に、老弁護士はどう立ち向かうのか。

珍しいフランス法廷ミステリ。これは傑作。
三重苦の男と周囲の人々に容赦なく切り込み
彼らの真実を生々しく描き出すことに成功している。
似たタイトルの高木彬光『破戒法廷』が持っている
居心地の悪い大仰さ(←初読時の私感)は感じなかった。
ブックオフで何気なく買ったが思わぬ拾い物だった。
95読後感:04/03/05 18:35
「ゴルディオスの結び目」ゲルンスト・シュリンク(小学館)
 翻訳業に勤しんでカツカツの毎日を送る主人公。
 過去に失恋の経験があり、世捨て人同然の寂しい生活。
 だが、ある時仕事が舞い込み、美女との出会いもあり俄然バラ色に思えてきたのだが・・・

 初めてのドイツミステリかな?短編「奇妙な足跡」を除けば。
 なんかねー、女性キャラがあまりたってないなという印象。敢えてそうしてるのかも知らんが・・・。
 受身っつーか運命論者っつーか・・・。事件も平凡で捻りがない。読むに値せず。
96読後感:04/03/05 18:36
「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」ジョン・ル・カレ(早川書房)
 かつて英国情報局で活躍したスマイリーも今は派閥争いに敗れ隠遁を余儀なくされている。
 そこに、かつての同僚から思わぬ知らせが入り、スマイリーは再び表舞台に出ることとなるが・・・。

 いよいよスマイリー三部作に入ってきました。相変わらず内容の把握が難しいのですがw
 とりあえず2重スパイの話らしいっす。
 今も栄光の只中にいるかつての同僚たちの中にいる裏切り者を捜すスマイリー。
 読んでしまえば「犯人」は左程意外でもなかったです。
 それよか気になったのはスマイリーの私生活のほう。こいつまだアンと切れてないでやんの。
 何考えてるんだ?もう情けないとかいうレベルじゃないぞ。真性Mだね。精神的な。
 家出、不倫の繰り返しで、最初の駆け落ちで謝ったからより戻したのに全く反省がないアン。
 何でそんなんにしがみついてるんだ? もっとましな奴いるだろ。元同僚とか。 
 ルックスに相応な理想を持て!

「摩天楼の身代金」リチャード・ジェサップ(文芸春秋)
 天才的な頭脳を持つ青年が仕掛けた大犯罪計画!!
 驚愕の身代金受け渡し方法とは!? 

 「100冊の徹夜本」からのセレクト。傑作です。まじおもろ。読め。俺が嫌いな奴でもこれは読め。
 ただ、最後の章は蛇足。せっかく思いついたアイデアだから消費してしまいたかったんだろうが、
 そのためにストーリーに無理が生じると巧くないですね。
97読後感:04/03/05 18:36
「一度しか死ねない」リンダ・ハワード(二見書房)
 引退した判事の家で住み込みの執事兼ボディガードのヒロインは、ひょんなことからテレビに出てしまい、
 そのせいでストーカーに狙われるようになる。判事が殺され、ヒロインは警察の保護を受けるが・・・。

 久々にリンダを読む。凡作。つまらなくはないが、読まなくてもよかった。タイトルも意味不明。
 そんな大事なフレーズじゃないだろ。

「心閉ざされて」リンダ・ハワード(二見書房)
 幼心に恋していた従兄弟の青年は、殺人の容疑をかけられ、町から去っていった。
 数年後、彼の帰還を切望する祖母の頼みで、ヒロインは彼を連れ戻すのだが・・・。

 ロマンス物を連読するとやや胃にもたれるね。ハーレクインばっか半年も読める人はスゴイと思う。
 でもこれは読んでよかったと思う。こんなのも書けるのか、とリンダをちょっと見直したくらい。
 ただこれだけは言っておきたい。ルシンダ逝ってよし!
98読後感:04/03/05 18:37
「あたしにしかできない職業」ジャネット・イヴァノヴィッチ(扶桑社)
 脱サラバウンティ・ハンター ステファニーの今回の依頼はガソリンスタンドの従業員を撃った男の捜索。
 さらに葬儀会館のオーナーからは大量の棺桶の捜索まで依頼される。一体誰が棺桶なんかを?

 2冊目。前回読んだのが去年の5月3日だから結構間空いてるね。まああのころはガチガチの本格原理主義者だった
 から続きを読もうとは思わなかったのかも。読みにくいってコメントしてるのにも驚いた。変わるもんだ。
 でも、スレの伸び具合に納得できるほどハマってもいない、ぶっちゃけ。エロいのは結構だし、隙があるのも良い。
 下半身裸のまま置いてきぼりくわすのもなんかそそるw ただ なぁ・・・。
 いいよ、くっつけちゃって。ダラダラ延命させてもつまらん。中だるみは防げても全だるみになっちゃ本末転倒だしょ?
 コメディ風味が過ぎると着地点を見失ったようで僕みたいな甘ちゃんは心配になるのれす。
 追伸 オナニーの暗示にはびっくりしちゃいました。

99読後感:04/03/05 18:37
「モーおじさんの失踪」ジャネット・イヴァノヴィッチ(扶桑社)
 次なる仕事は失踪した駄菓子屋店主の捜索。ところがこの人ったら近所の皆さんから狂的なまでに支持されていて、
 ステフは行く先々で悪者扱い。しかもモレリは最近冷たいし・・・。公私共に苦難を強いられるステフの運命や如何に。

 また連読。やっぱりキツイ。ジャンルを問わずロマコメ的側面があるものは一度に読むべきではないと実感。
 前回の批判は今回にも当てはまるが、それとは別に本作にはちょっと感心した。
 ネタバレになるから詳述はできないが、何か今のアメリカ社会(イギリスだっけ?)の一面を鋭く抉ってる感じがする。
 〜の逆転というか。デビュー作から本作まで連続でCWA賞獲ってるらしいけど本作は納得かも。
 社会派エロティックコメディサスペンス小説です。
 ここまで書いてフト思った。ステフとモレリの関係って、ハニー・ウェストとマーク・ストーム警部のそれと似てる!
 ただ一つ違うのは、ハニーがマークに対してどう思っているのかは作中で明かされてないのに比べ、
 ステフはモレリにメロメロなんだよなw だからやっぱり不自然との批判が成り立つわけで。
 あと過度のコメディについても。作者はステフに度々道義的な発言をさせることでバランス取ってるつもりだろうが、
 取れてません。つかそのステフからして若気の至りとはいえ処女奪った男に追突かましておるわけで。説得力ゼロ。
100名無しのオプ:04/03/05 21:06
ストリブリング 『カリブ諸島の手がかり』 (国書刊行会)

 短編集。HP上や書評で絶賛されていた「ベナレスへの道」だけ読む。
 これはミステリーというよりもブラックユーモアか。
101英知恵:04/03/06 15:01
ウィリアム・カッツ『恐怖の誕生パーティー』

自分の夫を良く知らない妻が疑惑を抱くという
けっこう短編ではよくある物語。
オフで薦められたため読んでみましたが、
警察は無能、妻の心理・態度は無理ということで
感情移入できず、サスペンスは盛り上がらず、
別に謎があるわけでもなく。
これはつまらなかった。
102英知恵:04/03/06 18:18
マイケル・ギルバート『捕虜収容所の死』

第二次大戦中、イタリアの捕虜収容所で脱走用トンネルの中で発見される死体!
収容所側は知るはずのない脱走用トンネル、入り口は4人で持ち上げる必要があり、未開通のため出口はない。
衆人環視(囚人看視)下の密室殺人?!という魅惑的な謎なのですが、
小説としてはスパイスリラー・脱走劇・密室殺人を中途半端に混ぜた感じ。
「X」の正体が明らかになる謎解きの瞬間に脱走劇に転じ、脱走中に「X」の正体が明らかになって終わる。
その終了のタイミング(脱走途中だが謎の解けた時点)から「これは推理小説だったのか……」とわかります。
アメリカ人だったら救出されるまで書いたに違いない。
もう少し緊迫感を加えるか(訳が悪い?)、謎を前面に押し出しても良かったのでは。

評価:読みやすいし(←私的に最重要)、まぁ面白いです。
103名無しのオプ:04/03/12 03:23
書き込み少なすぎ。
短くていいからどんどん報告しれ。
情報収集できん。
104名無しのオプ:04/03/12 08:10
韓国・台湾・香港産の推理小説というのを余り聞かないのだが、何かある?
短編で鮎川氏が何篇か紹介したような気もしたけど・・・
105名無しのオプ:04/03/13 00:25
本屋で韓国のミステリ選集を見たが
タイトルも出版社も覚えていない。
106名無しのオプ:04/03/13 01:05
ピーター・ワトスン『まやかしの風景画』(ハヤカワミステリアス・プレス)

画商マイケルのもとに一枚の絵を持ち込んだ牧場主のイザベル。
どうやら絵には中世の財宝のありかが示されているらしい。
二人は協力して宝探しに出るが、謎の競争者の影がちらついて・・・。

口絵の部分に問題の絵が載っており
読者はマイケルの図像学的解釈があるたびこれを確認することができる。
(ただしイギリス史に絡んでくるから推理合戦は事実上不可能)
文庫だから絵が小さいのが難点で
「5段の階段を下りる賢者」を見つけられない人もいるのではないか。
調査先の風景描写が冴えており、紀行小説の趣もあるが
基本的には文献調査と考察が中心なので
『宝島』や『ソロモン王の洞窟』のような冒険色は薄い。
それでもクライマックスはなかなか魅せてくれる。
図像学、絵画、西洋史、キリスト教史に興味のある人向き。
107名無しのオプ:04/03/13 02:32
「半身」  S.ウォータース

なんか、がっかり。アレで1位だったからもっと面白いかと思ってたのに。
主人公の素地の部分、描写が甘い感じ。
同性愛の馬鹿女が一人でキリキリ舞いする話、ってだけ。
108名無しのオプ:04/03/13 10:27
アイザック・アシモフ『黒後家蜘蛛の会1〜5』

「黒後家蜘蛛の会」という夕食会に参加する5人+給仕一人
が、ゲストの抱えている謎を解決する短編集。
英語の暗号や言葉遊びによって解決されることが多く、日本
人向けとは言えない。
但し、『明白な要素』はいい作品だと思う。
109英知恵:04/03/13 14:09
>>108
謎や解決なんて飾りですよ。
実際、ひどく不満足な解答で終わることも多いですよね。
魅力は雑談の方です(w
110名無しのオプ:04/03/14 15:19
「半身」サラ.ウォーターズ
こっちも先ほど読了。1位というからどきどきしてたので読んでる最中はちょっとがっかり。
でも最後はわおっと思ったのでそれでいいや。
ただ問題は値段高すぎ。文庫の分際で1000円超えってどうなのよ?
111名無しのオプ:04/03/14 15:42
調子に乗ってますな
112名無しのオプ:04/03/14 15:56
「あれで1位」といっても「1位なし」はありえないので
ほかはもっとだめだめって解するしかないわね
113名無しのオプ:04/03/14 18:03
ランキングを鵜呑みにしてるからそういう目に合うんだよ。
114名無しのオプ:04/03/15 01:09
ローレンス・ブロック『八百万の死にざま』(ハヤカワ文庫)

コールガールのキムが、アル中探偵マット・スカダーを頼ってきた。
この世界から足を洗うために、ヒモのチャンスと会ってくれという。
話は穏便に済んだのに、彼女は惨殺死体で発見される。
容疑者であるチャンスに雇われたスカダーなのだが・・・。

作者ばかりでなく、現代ミステリを代表するほど有名な作品。
ニューヨークのやりきれない現状を受け止めるスカダー。
そのために酒で苦しみながら
八百万人の死にざまから目を逸らさないスカダー。
このシリーズはサラリーマンを中心に絶大な人気を誇るらしい。
さもありなん。
ただ訳者の田口俊樹が解説で結末に言及しており、感動が薄れてしまった。
確かに事件の真相とは関係ないのだが、いい場面なので考えてほしいものだ。
115名無しのオプ:04/03/15 04:27
そもそも解説から読むというのが間違いだろう。
116名無しのオプ:04/03/15 18:03
デレック・スミス『悪魔を呼び起こせ』(国書刊行会)

幽霊が出ると噂のある「通路の間」に宿泊するクウェリン家当主ロジャー。
ロジャーの弟ピーターと探偵アルジー・ローレンスが警護するなか
彼は刺殺死体となって発見される。凶行はいかにして行われたのか。

魅力の薄い探偵。陳腐なプロット。安手のロマンス。
同じシークエンスで視点を転換させている箇所もある。
こうした欠点にも関わらず、二つの密室殺人は
いずれも深く考え抜かれた完成度の高いものだ。
随所に仕掛けられたダブルミーニングの台詞も巧い。
小説としてはどうかと思うが、密室ものとしては完璧に近いだろう。
トリックは緻密な小技の積み重ねで、一発仰天タイプではない。
参考までに。
117パーカー信者:04/03/15 18:16
>106
絵解きものがけっこう好きなので、
その本も買ったけど絵解き自体は
途中でヲイヲイ! と思ったような気もする…

文系なのに、次々災難に遭いつつも頑張る
主役は好き
118パーカー信者:04/03/15 18:22
連投スマソ

絵解きで思い出したけど、キット・ウィリアムズの
「仮面舞踏会」ってな絵本が昔ありましたなー

超豪華な首飾りがイギリスのどっかに埋まっていて、
ヒントとなる絵本を買って絵解きを成功させれば
埋まっている場所がわかり、首飾りをゲットできる!
って企画の絵本。

買ってもらったけど絵を眺めるだけで終わってしまった…
119名無しのオプ:04/03/17 18:58
アン・ペリー『見知らぬ顔』(創元推理文庫)

記憶を失った男が病院で目覚めた。
名はウィリアム・モンク。警部。馬車の事故にあったらしい。
彼は上司から命じられて貴族殺人事件の捜査を開始するが・・・。

19世紀ロンドンが舞台の時代ミステリ(歴史推理ではない)。
珍しく、主人公は記憶喪失に陥ったことを誰にも明かさない。
過去のことが明らかになるにつれて
自分が「腕利きながら情に冷たい野心家」であることがわかってくる。
タイトルはこの自分探しを表現したものだろう。
19世紀ロンドンの暗部、クリミア戦争の闇、貴族の虚栄、
これらの要素がうまくまとまった、一級のエンターテイメント。

>>118
『魔術師タンタロンの12の難題』という本もありましたが。
(ミステリじゃないけど)
120名無しのオプ:04/03/18 01:12
レオ・ブルース『ロープとリングの事件』(国書刊行会)

名門パブリック・スクールにて、
ボクシング選手の青年が首吊り死体となって発見された。
元巡査部長のビーフは殺人だと断定、学校へ潜入して調査を始める。

レオ・ブルースを読むのは初めてだが、
バークリーを引き合いに出される理由がよくわかった。
大物のつもりだが軽視される記述者、探偵との印税のやりとり、
勝手に殺人事件と断じて捜査を始める探偵など
探偵小説の定型を意識したパロディとなっている。
事件の構築が弱く、大傑作とはいかないが、犯人の趣向は面白い。
「緻密なロジックより、わかりやすい意外さが欲しい」人に向いてると思う。
121名無しのオプ:04/03/18 10:20
>120
「三人の名探偵のための事件」もオススメよ。
事件が起きたと知ってどこからともなく駆け付けてくる名探偵たちが推理合戦する話。
122パーカー信者:04/03/18 18:06
>>119
「魔術師タンタロンの12の難題」、
検索してみたら、面白そうな本っすね!
絶版中なのが惜しい…

スティーブ=ジャクソンと言えば自分にとっては
社会思想社(だったか?)のゲームブック
「火吹き山の魔法使い」ですな
真剣にマップ描いた…
123名無しのオプ:04/03/18 18:26
ジェーン・デンティンガー『誰も批評家を愛せない』(創元推理文庫)

有名な劇批評家のジェイスンが
主人公ジョシュの友人、アイリーンの演技を酷評した。
アイリーンは彼の頭に料理をぶちまけて復讐する。
二人は仲直りするのだが、その後ジェイスンが毒殺されてしまう。

ハンサムな部長刑事フィル・ジェラルドを恋人に持つ
舞台女優ジョシュ・オルークのシリーズ第二作。
ミステリとしてはまあ普通。
「コージー」と言い切ってしまいたいが
この単語は人によって意味が違うから。

>>121
ありがとう。
読む予定リストにはもう入っています。
124名無しのオプ:04/03/20 12:29
時を盗む者・トニイ・ヒラーマン

ナヴァホナヴァホとうるさすぎ。
125名無しのオプ:04/03/20 12:41
ジェイムズ・リー・バーク『ブラック・チェリー・ブルース』(角川文庫)

元警部補のロビショーのもとに、旧友のブルースシンガー
ディキシーが訪ねてきた。
犯罪に巻き込まれたディキシーは、「事故」で大怪我を負ってしまう。
ロビショーの周辺にも、娘をつけねらう影が・・・。

文学性の高い文章。南部の自然描写。
しかしこれは名作なのだろうか。
物語を引っ張っていく核というものが見当たらない。
インディアン問題、主人公の父の死もさわりだけで終わる。
主人公も行動的であったりそうでなかったり。
面白かったのは殺し屋が襲撃してきたところくらいだった。

>>122
スティーヴ・ジャクソンのソーサリーシリーズ
創土社から復刊中です。
126名無しのオプ:04/03/20 13:35
>>104
『コリアン・ミステリ―韓国推理小説傑作選』(バベル・プレス)
書評を見つけました。
http://www.worldtimes.co.jp/syohyou/bk020729-1.html

>>122
『火吹山の魔法使い』は、タイトーから
iアプリのソフトとして復活しています。
127名無しのオプ:04/03/20 13:37
直リンしちゃった・・・スマソ

ttp://www.worldtimes.co.jp/syohyou/bk020729-1.html
128名無しのオプ:04/03/20 14:21
>>127
直リンにならねーっつーの
いつの時代の人間だよ
129名無しのオプ:04/03/20 20:53
これを直リンとはいわないのか
初めてしった
130名無しのオプ:04/03/20 20:59
自分では何もしないくせに文句だけ言う奴は厨
131名無しのオプ:04/03/21 16:06
クリスチアナ・ブランド『ジェゼベルの死』を読んだ。
何だか妙に読みにくい。
訳文が悪いのか原文が複雑なのか?現場の絵もかなり適当だし。
全員が自白を始めるのはやりすぎだと思うが、トリックはかなりびっくりした。
先に某女子の某作品を読んでいなければ、あるいはもっと・・・。
132名無しのオプ:04/03/21 21:59
>>231
ホントあきれるくらい適当だよな。
トリックは意外だが中盤試行錯誤する場面で正解が出てるのが萎え
133名無しのオプ:04/03/21 23:02
レイモンド・チャンドラー『大いなる眠り』(創元推理文庫)

私立探偵フィリップ・マーロウは、大富豪スターンウッド将軍に招かれ
ゆすりの処理を依頼される。
猥本屋を営むガイガー宅で、彼は死体を発見し・・・
チャンドラーの長編デビュー作。フィリップ・マーロウシリーズ第一作。

何だかよくわからない、というのが正直な感想。
事件そのものは難しくないが、何が進行しているのか把握しづらい。
スタイリッシュな文体もあまり目立たない(単にこっちが慣れてるだけか)。
清水俊二訳の他作品ならまた違うのかもしれない。『長いお別れ』とか。
134名無しのオプ:04/03/23 20:13
マーガレット・ミラー『見知らぬ者の墓』(創元推理文庫)

デイジーは妙に現実感のある夢を見る。
自分の名が刻まれた墓――没年月日は4年前。
デイジーは探偵ピニャータとともに、真相を探り始めるのだが。

サプライズド・エンディングで有名な作者の代表作だけど、今ひとつ。
読後、あの夢は何だったのかと振り返ったとき、
どうも物語がきれいに閉じていないような気がした。
ミラーは直接の心理描写をあまり好まず、極力会話でほのめかそうとするため
登場人物には基本的に他人行儀で、距離をおいているように見える。
従って、周囲の猛反対にあいながら、デイジーがなぜ夢にこだわるのか、
いまひとつ感情移入しにくかった。
135名無しのオプ:04/03/24 23:14
ロス・トーマス『女刑事の死』(ハヤカワミステリアス・プレス)

刑事だった妹が何者かに爆殺され、主人公ディルが犯人を追う。
ディルが「上院調査監査分科委員会顧問」であることからもわかるように
政治色が濃く、うしろ暗いかけひきが展開される。
人物描写や文章は華美ではないが、抑制されていて上手い。
女刑事の死そのものは物語の中心にはなく
ハラハラドキドキという意味でのサスペンス性は希薄。
ラストが感傷的で好印象なものの、全体的には退屈か。
85年エドガー賞受賞作。
136名無しのオプ:04/03/25 18:32
ジョン・ハーヴェイ『ロンリー・ハート』(現代教養文庫)

イギリスの地方都市ノッティンガムが舞台の警察小説。
チャーリー・レズニック警部を主人公とするシリーズ第一作。
恥ずかしいタイトル(ロンリーハートは新聞の個人広告欄名)から
「どうだろう?」と思って読んだが、結構面白い。
連続殺人鬼ものであるにも関わらず、必要以上に残虐な描写がない。
同僚や部下たちも個性的であり、いいTVドラマの一編を見るよう。

レズニックが猫3匹を飼っており
それぞれがちゃんと書きわけられているのも、猫好きには好印象。
137名無しのオプ:04/03/26 21:47
フィリップ・マクドナルド『迷路』(ポケミス)

休暇中のゲスリン大佐のもとに、ある殺人事件の裁判記録が送られてくる。
大佐はその書簡だけから、事件の真相を導き出す。
全編が書簡と裁判記録だけで構成されており
読者に与えられる情報は探偵と全く同じ。
読者への挑戦の一変形に過ぎないのだが、やはりこの手の趣向は楽しいし
フェアプレイを徹底しようという作者の熱意には頭が下がる。
真相はこじつけのような気がしないでもないが
安楽探偵ものなのだから、これくらいの飛躍はあっていいと思う。
138名無しのオプ:04/03/27 21:01
スタンリイ・エリン『鏡よ、鏡』(早川書房)

鍵がかかったアパートの浴室で、見覚えのない女が
胸を私の銃で撃たれて息絶えている・・・。
ここの鍵を持っているのは、私と最愛の息子ニコラスだけなのだが。

ラストの大どんでん返しで有名な作品だが、読み始めてしばらくすると
狭い浴室に5人も人間が集まっていたり、擬似裁判が始まったりで
幻想小説としての枠組みに支配されていることがわかる。
そういう意味では一種のメタミステリと言えるのではないか。
肝心の真相は、最初よくわからず、解説を読んでから反芻し
「ああ、そういうことか」と納得した。
(読んだのはノヴェルズ版で、文庫版にあるのかどうかは知らない)
驚愕とはいかなかったが、真相は確かに意外。
性描写満載で後味は悪い。そういうのが嫌いな人は避けた方がいいかと。
139名無しのオプ:04/03/29 17:59
レックス・スタウト『料理長が多すぎる』(ハヤカワミステリ文庫)

世界各地から選出された名シェフたちのパーティで起こった殺人を
主賓のネロ・ウルフが推理する。
「めんどくさいから」かたくなに捜査を拒否するウルフだが
その助手アーチー(ワトスン役)まで同じ調子なのが笑える。
ミステリの出来は普通。
登場人物がやたら多いので把握するのが大変だった。
140名無しのオプ:04/03/31 14:50
ジョセフィン・テイ『魔性の馬』(小学館)

行方不明の長男、パトリックになりすまして
アシュビー家に乗り込んだ孤児ブラット・ファラー。
彼はパトリックの「死」の真相に迫っていくが・・・。
主人公は馬好きの善人に書かれているし
アシュビー家の女性たちも魅力的で好感が持てる。
激賞されるほど面白い小説とは思わないが、後味は良い。
141ジブ:04/04/01 03:39
「エリナーの肖像」読了。

噂に違わぬ出来だと思いました。
正に「絵」解き。
142名無しのオプ:04/04/02 13:54
リリアン・J・ブラウン『猫は手がかりを読む』(ハヤカワ文庫)

シャム猫ココシリーズの本来の第一作(「殺しをかぎつける」は4作目)。
等身大の猫から逸脱しないところが三毛猫ホームズに共通する。
情報の出し方、伏線のはり方などにメリハリがついておらず
全体的に生硬で、書きなれていない印象。
一方で、66年の作とは思えないほど都会的で洒落た雰囲気を持つ。
ミステリアスなラストは非常に良いが
「殺しを〜」の方がずっと面白かったように思う。
143パーカー信者:04/04/02 22:37
>141
すごい話ですよね、自分は謎ギャラで読んだけど
あの本の中で一番よかった。
ヒロインが本当にカッコイイ。
144読後感:04/04/08 18:56
「嘲笑う闇夜」ビル・プロンジーニ&バリー・N・マルツバーグ(文芸春秋)
 のどかな田舎町を襲う恐怖の殺人鬼。
 しかも専門家によれば犯人は犯行時の記憶がないらしい。
 反則ギリギリ極限のフーダニット!!

 「インキュバス」とそっくり同じ設定ですね。しかし書いたのが「裁くのは誰か」コンビ
 とあって、一体どんな離れ技を使ってくるのかと期待半分不安半分で読みました。
 が、思ったより普通でしたね。意外ではないです。折原一があんだけ誉めるのは不可解。

「テニスコートの謎」ディクスン・カー(東京創元社)
 テニスコートのど真ん中にうつ伏した死体。雨でぬかるんだ周囲の地面には足跡がひとつも
 見当たらない。さて、どうやった?

 「吸血の家」を読む下準備として読みました。
 カー作品を読むときはロマンスの評価もするんですけど、これはダメな部類でした。
 古い世代の人間なのでw
 で、トリック。うーん、、、これはバカだなぁ。見られる危険も大きいし。
 実用性はかなり低いですね。
145読後感:04/04/08 20:04
「サリーは謎解き名人」ジャネット・イヴァノビッチ(扶桑社)
 ・・・内容忘れました。

 四作目ですかね? はい。ステファニーがとうとう・・・しか覚えてませんw
 クロスワードの暗号とか出てくるけどこっちには詳細知らされないし。
 登場人物たちの非常識な発言や行動なども結構鼻についてウザかったりする。
 ステフが必死に防波堤の役目を負ってますけど、それでモナー
 あと関係の発展を引き伸ばすのにも閉口。もう破綻しかかってるじゃねーか。

 ジョイスの参戦も無理やりすぎだろ。あ、それを言うのは野暮?
146読後感:04/04/08 20:40
「溺死人」イーデン・フィルポッツ(東京創元社)
 海辺の洞窟で溺死体が発見される。
 服装から見る限り、死体は行方不明の青年のものと思われた。しかし・・・
 疑問をもった主人公は独自に調査に乗り出す。

 「ああ、フィルポッツよ! その名のもとにどれだけの時間が潰されたことか」
 もうボク馬鹿ですわ。毎回失望させられてるくせに性懲りもなくまた読んじまう。
 ああ、ボクってホントにいけない子。でも、それもこれもみな乱歩がいけないのよ!
 あんなにべた褒めするからっ! 
 
 あとフィルポッツももちろん悪い! 畑違いの作家がミステリーに手を染めるんなら
 プロパー以上にコードを意識するべきだろ! 福永武彦みたいに。
 それをそのまんまで書きやがって。
 うざったい倫理哲学はどうでもいいからちゃんとした本格を読ませろ!
 乱歩やなんかがフィルポッツの作品を誉めるのって純文学に対するコンプレックスが
 作用してるんじゃないかと勘繰るのは邪推でしょうか?

 来月のミスマガに短編が載るらしい。短編はちょっと期待できるのではないかなと
 思っているのだけれど(「三死人」とかあるし)。どうでしょうかねえ。
147読後感:04/04/08 21:00
「死者のノック」ジョン・ディクスン・カー(早川書房)
 浮気の噂を流された大学教授は、そのせいでとうとうある夜嫁さんに逃げられてしまう。
 しかも、その後嫁さんの身に何かが起こったという匿名の電話を受ける。
 慌てて電話で告げられた場所(噂の女性の家)に駆けつけた教授は、寝室で死んでいる
 女主人を発見する。そこは鍵がかけられた密室。しかもその状況は彼が研究している
 ウィルキー・コリンズの未完の作品の中に出てくるものと全く一緒だった・・・。

 あらすじ見て即借りしちゃった。何しろ悪女好きなもんでw
 いやぁ、カーもこういう後ろ向きなロマンスが書けるんだなぁと変なところに感心しました。
 つってもカーのことですからだいぶん甘味ですけどね。だがそれがいい。
 
 トリックもなかなかイケます。もっと評判になってもいいと思うんですけども。

 カーはしばしば超法規的な解決に走りがちで、その点は確かに受け入れがたい
 んですけども、一方で、お約束なロマンスに安心して浸れるので、全作品読んで
 もいいかなと思わせる稀有な存在でもありますね。
148名無しのオプ:04/04/08 22:13
ジェレマイア・ヒーリイ『消された眠り』(ポケミス)

私立探偵ジョン・カディシリーズ第三作。
優秀な成績でスラムから脱出した黒人青年は
心理治療中に「恋人を射殺した」と自白、拳銃を取り出す。
彼に何があったのか?
こんなストーリーを淡々と読ませてしまうのが作者の持ち味らしい。
『つながれた山羊』同様、劇的で苦味の残る終わり方も好きだ。
(真相はもうちょっと何とかならんのか、と思うが…)
こうなったら、1作目もちゃんと読まないと。
149名無しのオプ:04/04/11 00:57
ジェレマイア・ヒーリイ『少年の荒野』(ポケミス)

失踪した名家の一人息子(14歳の天才少年)を探すジョン・カディ。
少年の母は4年前に事故死しており
父である判事は、カディの捜査を妨害しさえする…。
どことなく『プライオリ・スクール』を連想させるシリーズ第一作。
2、3作目より落ちるかと思いきや、結構意外なラストで面白かった。
150名無しのオプ:04/04/12 17:41
アート・バーゴー『誘惑者ピーター』(ポケミス)

手錠をかけられて犯され、チェーンで絞殺された少女たち。
「ピーター」と名乗る謎の男を、警察は連続殺人鬼として追うのだが…。
その隠された秘密とは?

これは傑作。現時点ではベストかも。
物語は過去に傷を持つ女性二人の視点から語られ
二人が思いを寄せる実業家と三角関係に発展していく。
意外なことに、ピーターが誰なのかは中盤でばらされてしまう。
(これはもう少し遅らせた方が良いのでは、と個人的に思う)
クライマックスがそれで盛り下がることはないが
唐突に物語が終わってしまうのは不満。
サイコスリラー好きの人には超おすすめ。
151名無しのオプ:04/04/13 23:47
ジェレマイア・ヒーリイ『死の跳躍』『ニュースが死んだ街』(ポケミス)

ジョン・カディシリーズ。
殺人の容疑者にされる第4作。警察の汚職事件を追う第5作。
相変わらずの好打率。
亡妻ベスと墓前でトークしたり、そっくりな女性が出てきたり
ちょっと引っ張りすぎ。
さすがに疲れたのでシリーズを離れます。古典読みたい。
152名無しのオプ:04/04/14 16:13
マイケル・ナーヴァ『Rag and Bone』。
LAに住むラテン系ゲイの弁護士ヘンリー・リオス物の最終巻。
リオスの姉に実は娘がいたことが発覚。
産んでからすぐ別れて以来、言葉もかわしたことのなかった母のところに
暴力を振るう夫から逃れるべく突然現れる娘ヴィッキー。
結局夫のもとに戻ったヴィッキーが今度はモーテルで
銃と夫の死体と共にいたところを警察に踏み込まれ、
リオスは姪の弁護を引き受けることになる。

ヘンリー・リオスシリーズ最後の巻ということで、感慨深く読んだ。
フーダニットというか法廷物としても今回特に弱い感じがするのだけれど、
まぁ、このシリーズはミステリーという体裁をとりつつも、
社会的マイノリティ(この場合メキシカン・アメリカンと
ゲイ・コミュニティ)を描くことに主眼が置かれていた気がするので、
多少弱いのはしょうがないか、という気にはなる。
小説としては充分に読み応えのある物になっているのでお薦め。

153名無しのオプ:04/04/15 22:43
ジェシー・ダグラス・ケルーシュ『不死の怪物』(文春文庫)

ハモンド家に代々取り付いているという「不死の怪物」が出現、
村娘ケイトを惨殺し、若い当主オリヴァーを襲った。
美貌の心霊探偵が明かした怪物の正体とは?
22年発表。「ホラー・ミステリの壮麗な金字塔」(紹介文より)。

つまるところこれはホラーであり、超常現象も出てくるのだが
怪物の謎を論理的に突き詰めていくスタンスや
謎解明のカタルシスに、本格ミステリの様式を強く見ることが出来る。
黒死館でも出てきた「栄光の手」やルーン文字など
黒魔術的なガジェットが目白押しなので
こういうオカルト装飾を楽しめるかどうかで評価が変わりそう。
怪談やホラーは好きなので、興味深くはあったが
荒俣宏が褒めてるほど面白いとは思わなかった。
(この人の解説にネタばれがあるので注意)
154読後感:04/04/16 13:38
「ロージー・ドーンの誘拐」エリック・ライト(早川書房)
 大学で非常勤講師を勤める傍ら私立探偵もしている主人公は、メイドに
 頼まれてある女性の行方を追うことになる。
 ところがその矢先に、恋人が豹変してあーんなコトやこーんなコトを・・・。
 一体どうなってるの?

 邪な期待を抱いてミステリーを読んだ私に神様が罰をくれました。
 作者が70の高齢で頑張っていることはすごいと思いますけど、
 こちとら慈善で読んでるわけじゃないので。
 なんか文体に躍動感というか、若々しさがない。のぺ〜っとしてる感じ。
 
155読後感:04/04/16 13:50
「殺人交叉点」フレッド・カサック(東京創元社)
 彼を殺したのは私です。
 冒頭の衝撃的な告白から始まる調書形式のミステリー。
 このトリックを貴方は見破れるか?

 ごめんなさい、見事に引っかかりました。驚きました。
 不自然な文章があるから、何かあるなーとは思ったんですが。
 こういう作品に会えるのは素直にうれしいですね。
 アルテ以外のフランス・ミステリーも満更糞ばっかりじゃないんだなって
 気づかせてくれた作品でした。
156読後感:04/04/16 14:49
「ハイチムニー荘の醜聞」ジョン・ディクスン・カー(早川書房)
 友人から彼の妹の縁談をまとめるように頼まれた主人公。
 理由は家に何か恐ろしいことが起こるからだという。
 半信半疑のまま友人宅へ行った主人公はそこで彼の父親から驚くべき告白を受ける。
 どうやら二人の娘のうちの一人が殺人犯の子供らしいのだ。
 そして彼がその名前を口にしようとした刹那、銃弾がその胸を貫いた・・・。

 カースレで名前が挙がってたもので、フト読みたくなりまして、わざわざ本のある
 7駅向こうの図書館までチャリ飛ばして借りてきました。 
 でも、読了して納得。こりゃ復刊に値するような作品ではありません。
 トリックも小粒だし、すぐ気づく。
 ただ、ストーリーテリングはこなれていてやはりカーだと思いました。
 でもロマンスが安っぽいというか・・・まあ確信犯なんでしょうけどもね。
 安心して読めるのはいい点ですが一方で物足りなく感じるのも確かなわけで・・・。
 うーむ。
157読後感:04/04/16 15:20
「顔のない告発者」ブリス・ペルマン(東京創元社)
 女を殺したのは誰か?
 夫か?夫の愛人か?メイドか?妻の男友達か?
 断言しよう、貴方は絶対に犯人がわからない。真相が語られるまで・・・。

 「100冊の徹夜本」からのセレクト。
 この絶対にわからない発言で読もうと思ったんだけど・・・ゴルァ!
 わからねえに決まってるじゃねーか、ボケ!
 しかもこのネタかなり使いまわされてるし。本作が何番目かは知らんけど。
 今読むに値する本ではない。
158読後感:04/04/16 15:46
「U路線の定期乗客」クロード・アヴリーヌ(東京創元社)
 白昼のパリで起こった銃撃事件。
 被害者が乗っていた路線バス内には<<U路線の定期乗客>>と名乗る怪人からの
 挑戦状が発見された。
 そして起こる第2第3の事件――。果たして<<U路線の定期乗客>>とは何者か?
 パリ警視庁の腕利きフレデリック・ブロの活躍。

 創元文庫の目録の一番初めに乗ってるんですよね、これ。タイトルも思わせぶりだし。
 珍しいフランス本格だということもあって気になってたんです。
 気にしなければよかった。
 なんか各章の冒頭に要約文が載ってたりして(「七十五羽の烏」みたく)、
 こりゃガチガチのパズラーかなとむしろ気後れしてたくらいだったんですが・・・
 これは本格じゃなかんべ。警察小説じゃん。メグレの影響か何か知らんけどさ。
 ちっとも論理もトリックもない。
 所々事件に首突っ込んできて警察をおちょくる女も非常にウザい。やられちまえよって感じ。
 ラストで「意外な真相」(固有名詞)も用意されているものの、今となっては
 かなり使いまわされたネタであり、読む必要はないと思う。
159名無しのオプ:04/04/17 03:33
リチャード・バウカー『約束の土地』(創元推理文庫)

近未来。限定核戦争後の米国で、青年ウォルターが私立探偵の看板を掲げる。
初めての依頼人は、自分が高名な生物学者のクローンではないかと打ち明けた。
ウォルターは戦火をまぬがれた「約束の土地」イギリスへと発つのだが…。

設定的にはSFともいえようか、なかなか面白い青春ハードボイルド。
主人公の設定がいい。古きよき文字の私立探偵を愛する青年。
彼はその職業を選び、彼自身のヒーローになろうとするのだ。
その悲しさ。おかしみ。ほろ苦さ。
残念なのは近未来という設定が謎解きにほとんど関係してこないこと。
普通の現代ものでもこの味は出せただろうに。
シリーズというわけでもないみたいだし…。
160名無しのオプ:04/04/18 20:42
ジョゼフ・ハンセン『死はつぐないを求める』(ポケミス)

ゲイ・ハードボイルド。主人公ブランドステッターは生命保険会社の調査員。
事故死した古書店店主は麻薬中毒者で、受取人の息子が失踪していた…。
出来はいたって普通。
161名無しのオプ:04/04/21 02:09
ドナルド・ハミルトン『裏切り者の顔』(創元推理文庫)

科学者のエメットは、若く美しいアンの車に同乗した。
彼女は大戦中、ゲシュタポにレジスタンスの同志を売ったらしいのだが
記憶を失っており、自分が信用できないと打ち明ける。

真相を知る人物がデンヴァーにいるという設定で
同地を目指すうちに、恋に落ちる二人(ありがち)。
登場人物の思惑が錯綜しすぎていて、何だかよくわかりません。
男女間の恋愛トークもフランスミステリのようで取っ付きにくかった。
162名無しのオプ:04/04/21 19:14
AGE35、人恋しくて
163名無しのオプ:04/04/24 21:08
ロバート・ハリス『ファーザーランド』(文春文庫)

ゲシュタポがらみの小説をもう一編。
第二次大戦でナチスドイツが勝利した世界。
64年のベルリンで、ヒトラー生誕75周年祝賀祭が迫るなか
老人の水死事件を調査していた刑事マルヒは
歴史に隠れた恐ろしい秘密に辿り着く。
SF的な飛躍は薄く、ヒトラーの計画書などに基づいて「未来」がリアルに設定されている。
前半退屈だったが、第6章からの展開が冒険小説として面白い。
惹かれあう男女のロマンスも『裏切り者の顔』より良かった。
164名無しのオプ:04/04/25 21:41
>>163
ルトガー・ハウアー主演のTV映画版はクソだったが、原作は確かに
傑作。
165名無しのオプ:04/04/25 22:36
>>163氏はどういう基準で本を選んでいるのですか?
166名無しのオプ:04/04/29 01:50
新刊(復刊)から一冊。
アレックス・アトキンスン『チャーリー退場』(創元推理文庫)

ロンドンの劇場で、スリラー劇の主演俳優が上演中に毒殺される。
主任警部は次回の公演までに犯人を挙げられるのか?
推理の比重がかなり大きく「幻の本格」の看板に偽りなし。
新しい証拠の登場により、それまでの仮説が
がらがらと崩れ去ってしまうところも(デクスターみたいで)上手い。
大傑作と呼ぶではないがなかなかの佳作。

>>164
『生きていたヒトラー』という副題が何ともはや・・・
>>165
ガイドブックおよび書評サイトです。
167名無しのオプ:04/04/30 01:25
スタニスワフ・レム『捜査』(ハヤカワSF文庫)

ロンドンで死体が移動したり、消失したりという事件が相次ぐ。
グレゴリイ警部補をあざ笑うかのように捜査は難航、
彼は悪夢にも似た迷宮へ落ち込んでいく。
レムは『ソラリスの陽のもとに』等で知られるSFの巨匠。
彼は謎を作るのが本当にうまい。
SFであり、メタミステリであり、幻想小説でもある本作は
ミステリの枠の外から「事件とは何か?」と強烈に問いかける傑作。
168名無しのオプ:04/04/30 01:46
パトリシア・モイーズ『死の会議録』(ポケミス)

ヘンリ・ティベットはジュネーブで開かれた国際麻薬対策会議に
イギリス代表として出席する。
どうやら誰かが会議の内容を漏らしているらしい・・・と判明した直後
通訳の一人が刺殺死体で発見された。モイーズ初期の本格傑作。

まずは「国際麻薬対策会議」という舞台が面白い。
ジャーナリックな視点・描写には乏しいので
国際会議といってもあまりリアルではないが
そのぶん敷居が低くて楽しめる本格ミステリになっている。
主人公が第一容疑者としてどんどん追い詰められていく展開、
クライマックスのアクションなど見所多し。
推理のプロセスも申し分ない。
作者が「第二のクリスティー」と呼ばれるのもむべなるかな。
169名無しのオプ:04/05/02 11:45
スティーヴン・マルティニ『重要証人』『裁かれる判事』(集英社文庫)

同時期にパタースンの『罪の段階』読んでたけど、マルティニの上下4冊を
先に読了。とりあえずマルティニはテンポがいい。ラストも意外性ある。
170名無しのオプ:04/05/07 01:01
ジャン・ヴォートラン『パパはビリー・ズ・キックを捕まえられない』(草思社)

パリで新婚の花嫁が射殺される事件が起きる。
現場にかけつけたシャポー刑事は愕然とした。
「ネエちゃん、命はもらったぜ!」署名はビリー・ズ・キック。
それは彼が娘のために作った<おはなし>の主人公だったのだ。

おそらく英米のミステリでこのあらすじなら
シャポーの視点からのハウダニットで物語が進んでいくだろう。
ところがこの作品はひねくれている。
視点は登場人物の間をとびまくる。出てくる人物はみんな性的倒錯者。
一応のどんでん返しは含まれているものの、結局本作は
毒のあるユーモアでコーティングした群像劇であり
全員を巻き込みながら皮肉な結末に向かって流れ込んでいく。
「ネオ・ノワール」という新しいミステリー運動の作品らしいが
個人的にはたまに読むくらいで良い。
171名無しのオプ:04/05/08 07:56
エラリイ・クイーン『災厄の町』(ハヤカワ文庫)

田舎町ライツヴィルに降り立ったエラリイは、小説執筆用の貸家を捜し求める。
見つかったのは、結婚するはずだった夫婦が破局した家。
謎の失踪を遂げた夫ジムは、町へ戻ってきて妻ノーラと結ばれるが
どうやら妻に殺意を抱いているらしい・・・。ライツヴィルシリーズ第一作。

話は非常に地味であるし、冷静に考えると謎もかなり単純。
(何しろ自分に真相の肝がわかってしまうほど)
しかしながら論理性やサスペンス、ドラマのバランスがよいので
あまりそういう点が気にならない。
名探偵像の模索というテーマをかかえながらこれはお見事。
謎解きのカタルシスもおざなりにされていない。高評価も納得の傑作。
172名無しのオプ:04/05/08 10:31
ポール・リンゼイ『覇者』(講談社文庫 上下)

ナチスの隠し財産“総統のたくわえ”である有名絵画をめぐっての
ネオナチ・FBI・ユダヤ財団の争い。さくさく話は進むが、人物が
どうも薄い。主人公や敵役のトラウマみたいなのも「ふーん」で終わりそう。
最後の展開も簡単に予想がついたのでもうひひねりほしかった。
173名無しのオプ:04/05/08 14:59
ジェイムズ・エルロイ『ブラック・ダリア』(文春文庫)

実際に起きた猟奇殺人「ブラック・ダリア事件」を背景に展開される
エルロイLA四部作の第一作。
いたるところで高い評価を得ているが、私的にはそれほどでもなかった。
作者はブラック・ダリアを登場させず、吸引力を史実に譲っている。
これは彼女のミステリアスさを活かす一つの方法だが
登場人物がなぜそこまで彼女に惹かれるかを
ぼやけさせてしまうことにもなっている。
それにしても、なぜブライチャートとブランチャードという
紛らわしい名前がわざわざつけられているのだろうか?
174名無しのオプ:04/05/09 01:53
プロンジーニ&マルツバーグ『裁くのは誰か?』(創元推理文庫)

ニコラス・オーガスティン大統領の支持率が急落していた。
大統領は妻のクレアを連れて、執務から逃げるように別荘へ向かうのだが
道中で次々に裏切り者たちが粛清されていく。裁くのは誰か?

巷で噂になっているように、呆れ返ることうけあいのバカミス。
さすがにここまでとんでもないとは自分も思わなかった。
結論を知りつつ最初からしばらく読み返してみても
伏線よりつじつまの合わない箇所の方が多いではないか!
「小説家という人種は、ここまで読者をコケにする権利があるのだろうか」
(佐藤圭『100冊の徹夜本』より)
 ↑
 ただしこの人は褒めてる(笑)
175読後感:04/05/10 17:35
「復讐 ヴェンデッタ」マリー・コレリ(東京創元社)
 美しい女性と可愛い娘、そして信頼の置ける友に囲まれ、幸せの絶頂であった男。
 しかし、破局は突然訪れた。コレラにかかり倒れた男はそのまま埋葬され、墓所に
 安置されてしまったのだ。
 夜中に息を吹き返し、墓所から這い出した男は喜び勇んで我が家に帰ろうとするが、
 そこで見たのは、二人仲良く連れ添っている妻と親友の姿だった・・・。

 江戸川乱歩「白髪鬼」の翻案元。
 「白髪鬼」が主人公のキ○ガイ地味た執念を前面に押し出しているのに対し、
 本作はメロドラマ調になっている(娘の死には涙)。
 復讐の仕方もスマートで、暗いイメージ
 を感じさせない。
 解説によると抄訳だそうで、おそらく馴れ初め〜新婚生活あたりが抜け落ち
 ているのではないかと想像するが、これがあればもっとのめり込めたのに残
 念である。
176読後感:04/05/10 18:04
「兄の殺人者」D・M・ディヴァイン(社会思想社)
 真夜中、主人公の許にかかってきた電話。共同で弁護士事務所を経営している兄
 からで今すぐ事務所に来いという。
 不審に思いながらも事務所へきた主人公はそこで兄の変わり果てた姿を発見する。
 主人公は気心の知れた仲間と共に犯人を突き止めようとするが・・・。
 クリスティ推奨の一冊。

 いやぁ激しく面白かった。堪能した。本格読んだなって感じ。
 誰もが怪しく誰もがアリバイがある。調べては外し、調べては外し、果たして真実
 は奈辺にあるのか? そして驚愕の真相――「メル欄」以来の衝撃。
 復縁ロマンスと絡めているのも好印象。クリスティには「皇帝〜」で痛い目見たけど
 これは納得。必読。残りの邦訳作品も期待できそうだ。

 疑問・不満:ファーガスンはなぜ「あの場」で問い詰めたのか?
       「わたくし」は不自然
       227ページのセリフはアンフェアでは?   
177読後感:04/05/10 18:20
「貴婦人として死す」カーター・ディクスン(早川書房)
 不倫関係にあった男女が失踪。崖下まで続く足跡から心中と見られ、数日後二人の
 者と思われる遺体も発見される。
 一件落着かと思いきや・・・諸々の事情から他殺説が浮上してくる。
 語り手である老医師を通して語られる「足跡なき殺人事件」。

 カーの傑作(といわれている作品)の一つ。長谷部氏がお気に入りだそうで。
 しかし個人的にはイマイチかな。
 
 まずトリックの完成度の問題。あれはすぐバレちゃうから一時凌ぎにしかならない
 はずなんですがねぇw(ドイルの「メル欄」も同じ欠点があると思う)
 それにあのトリックを使用した場合、差異点が浮き彫りになるはずだとも思うし。
  
 次にロマンスが極めて薄い点。まあこれはしようがないのかも?(ある意味手がかりか)
 
 そして最後に、あのトンデモ解決ね。
 あのオッサン逮捕しろよ。なんなんだ。あんなのにヤードの顧問だの情報部の長だの
 やらせてたのか? 誠に呆れ果てたる次第かな。

 ただ、本スレには、「あれはアクロイド殺しの弱点を克服した作品だ」というカキコ
 があり、自分は特に意識していなかったのだが、言われてみるとそうかもとちょっと
 感心した。
178読後感:04/05/10 18:33
「ウィチャリー家の女」ロス・マクドナルド(早川書房)
 例によって行方不明の少女を捜すアーチャー。どうやら家族の不和に原因があると
 睨んだ彼は、依頼人である父親から止められているにもかかわらず、離婚している
 母親に会いに行く。方々駆けずり回って漸く捕まえた母親はまともな状態ではなく、
 娘について聞いても要領を得ない答えばかり。そうこうするうちにお約束の後頭部
 殴打で伸びるアーチャー。さらに娘と思われる死体が水揚げされて・・・。

 「本格ミステリを語ろう」で二階堂やなんかが「さむけ」よりも押してたから、
 それなりに期待を込めて読んだんだけど、期待はずれもよかところでした。
 このトリックね、無理だし、ショボイし、焼き直し臭いし、全くもって評価できません。
 どうしようもない。読む価値なし。久々にそう思った。まあ文章は洒落てるが。
 ほかにも気になってる作品はいくらかあるが、もう当分読むのは控えます。ロスマク。
179名無しのオプ:04/05/10 20:57
マックス・アフォード『魔法人形』(国書刊行会)

悪魔学研究家の屋敷で起こる連続殺人に、名探偵ブラックバーンが挑む。
全編に施された怪奇趣味から「オーストラリアのカー」と紹介されているが
彼ほどハッタリが効いていないので、カーファンは物足りないのではないか。
むしろ、遺言書の隠し場所から導き出される動機など
ロジックとプロットに見所があるので、クイーン好きの人にお勧め。
けれん味が薄いということは、それだけ馬鹿馬鹿しくないということであり
個人的にはこれくらいのオカルト的味付けがよいと思う。
「黄金時代古典」に要求される要素を高確率で含有している。
大傑作ではないが非常に面白かった。
180名無しのオプ:04/05/13 01:55 ID:a1LK9U0y
イアン・ランキン『滝』(ポケミス)

行方不明になった銀行家の娘。
リーバス警部らは、クイズマスターと名乗る人物が
彼女と接触していたことを突き止める。
彼が送ってくる謎の数々。娘の実家近くで発見される小さな棺。
はたして娘は生きているのか?

クイズと棺の結びつきが弱く、ちょっと乗っていくのが難しい。
クイズマスターに振り回されているのもシボーン一人の感あり。
ちょっとプロット的に成功しているとは言い難い。
三人の女刑事のドラマがしっかりしており、読み応えはあるが
それでもポケミスで500P超は長すぎると思う。
181名無しのオプ:04/05/13 21:44 ID:a1LK9U0y
ヘレン・マクロイ『割れたひづめ』(国書刊行会)

山中で大雪にあったウィリング夫妻は、「翔鴉館」に一夜の宿を求める。
そこには「寝泊りする者が必ず死ぬ」という開かずの間があり
伝説通りに死人が出てしまう・・・。

カーとクイーンのアレとアレを足したようなあらすじである。
(クイーンは山火事だったが・・・)
いたずら少年少女が登場し、にせの手がかりを仕掛ける趣向
(=探偵より読者の方が真相に近い)は面白い。
しかしそれが十分に生かされてないし
謎の魅力やトリック、犯人の意外性にも乏しい。

偶然ですが今日、某競争馬が裂蹄で安田記念をリタイアしました。
182名無しのオプ:04/05/15 21:41 ID:IPK4+52x
シェリィ・スミス『午後の死』(ポケミス)

インドへ向かう途中、イランの砂漠に不時着した英国人教師。
身を寄せた宿にはイギリス人の老女がおり
待ち時間でも潰せればと、彼女自分の生い立ちを話し始めた・・・。

本格ミステリと銘打たれているが実際はサスペンス。
幸せな中流家庭に不穏分子が入り込んできて、悲劇へと転落していくさまを
実に丁寧に描いており、引き込まれる。
斬新なスタイルというわけではないが、一読忘れがたい秀作。
(なお解説が微妙にネタバレしているので注意)
183名無しのオプ:04/05/16 23:58 ID:lwEzxFSX
キャサリン・エアード『そして死の鐘が鳴る』(ハヤカワ文庫)

経営者が突如失踪、教会の塔の中で死体となって発見される。
彼は落下した石像の下で押しつぶされており
飛び散った破片が邪魔をして、扉が開かなくなっていた。
犯人はどうやってその部屋から立ち去ったのか?

豪快な密室トリックと全編に漂うユーモアが楽しいが
登場人物の絡みによるドラマ性が乏しく、読み物としては物足りない。
ちなみにトリックで驚くには「ある知識」が前提として必要である。
現場の状況がかなり特殊であるから、簡単な見取り図くらいは欲しいところ。
184名無しのオプ:04/05/18 16:25 ID:l5NBjqJr
『半身』サラ・ウォーターズ

かなーり肩透かしくらった。
ストーリーはダラダラと退屈だし主人公はジメジメしてて魅力ないし。
最後はある意味衝撃だけど、「ハァ〜?」って思った。
あ、投げ捨てスレの方がよかったかも。
185名無しのオプ:04/05/18 21:26 ID:3bz1qYRC
E.C.ベントリー『トレント最後の事件』(創元推理文庫)

探偵小説に禁断の恋愛を持ち込んだ記念碑的な作品。
しょせんマイルストーンと思いながら読んでたら、けっこう面白かった。
なめ過ぎてました。スマンカッタ。

解決シーンで傍点のある文章(強調ポイント)には、やはりわくわくさせられる。
ひとつの表現に過ぎないのだが、本格ミステリの重要なスパイスなのではないか。
186名無しのオプ:04/05/19 09:27 ID:qPjHcrG1
>>174
思いっきり壁に投げつける人もいれば、これはすごい!と関心する人も
いるだろうね。そういう意味では「赤い右手」に似ているかも。
日本のこの手のミステリよりは、許せるという感じかな。
187名無しのオプ:04/05/19 10:13 ID:H1QPHV3J
マイクル・コナリー『夜よりも深い闇』上下・講談社文庫

初コナリー。多分シリーズのおなじみの面々が出ているのだろうし、
前作までを読んでいればもっとおもしろかったのかもしれないが、
捜査パートと裁判パートともに頁を割いたおかげでどちらも中途半端な
印象。だが遡ってボッシュ・シリーズを読んで見ようと思う程度には
おもしろかった。
188読後感:04/05/20 15:45 ID:6hv1/pnL
「一角獣殺人事件」カーター・ディクスン(国書刊行会)
 場所はフランス。元英国情報部員のケンは、かつての同僚で意中の女性イヴリンと
 行動をともにしたいがために彼女に自分が今回の仕事のパートナーだと偽ってしまう。
 要人のボディガードをして無事に英国へ送り届けるというのが仕事のその内容なの
 だが、そこに思わぬ不確定要素が入り込み、事態は複雑怪奇な様相を呈していく。
 フランスの湖上の古城を舞台に、おデブな名探偵と尊大な名警部、そして謎の怪盗
 が三つ巴の知恵比べを繰り広げる!!

 あらすじだけ読んだらめちゃくそ面白そうだったんだよね。カースレで誰かが、
 カーの主要な要素がすべて詰まってるとか言ってたし。
 期待は否が応でも高まるってわけ。mais・・・
 確かに色々詰まってるとは思うけど・・・薄い。
 もうちょっと複雑なプロットにしていいと思うんだよね。これだったら。

 殺人犯が・・・ってのは素直すぎるよ、チョット。首なし騎士がホントに幽霊だった
 のかって感じに似てる。
 それとロマンスね。これも問題。甘々なのはもうしょうがないとあきらめてますけど、
 それだけじゃなくてヒロインの心理描写が不明瞭なのよ。
 だから何か手ごたえがないの。一人称であってもやりようはあるはず。言葉にしてもいいし。
 
 「パンチとジュディ」も積読だけど、読むのがチョト不安・・・。

 疑問点:オーエンはなぜ言わなかったのか?
189名無しのオプ:04/05/20 15:50 ID:XP6eYF7U
>首なし騎士がホントに幽霊だったのかって感じに似てる。

それはスリーピーホロウについて言ってるのか?
スリーピーホロウか・゜・(/Д`)・゜・。うわぁぁぁぁん
190名無しのオプ:04/05/22 10:56 ID:bCC5zIKU
デイヴィッド・ハンドラー『真夜中のミュージシャン』(講談社文庫)

元売れっ子作家のホーギーは、ゴーストライターの仕事を引き受ける。
伝記の対象はトリス・スカー。伝説のロックバンドUsのボーカル。
しかし彼らの過去をさぐるうち、ホーギーは何者かに狙撃されて・・・。

ホーギーの視点によるソフトボイルドで、テンポよく読める良作。
Usはストーンズやザ・フークラスの大物という設定で、実在のミュージシャンもチョイ役で登場する。
ワイルドだが計算高いスカーは、ミック・ジャガーやジョン・ライドンの系譜に連なる。
したがって独創性は薄いが、借り物のキャラにはなっていない。
このへんは作者の筆力だろう。

5月29日の海外オフには何とか出たいと思います。
191海外(翻訳)物オフ ◆u2YjtUz8MU :04/05/24 00:59 ID:XWu3DjSd
オフスレからお邪魔します。
海外(翻訳)物オフin東京の告知です。

場所は原宿か北千住、日時は5/29か6/5の午後5時。

翻訳物を中心としたオフで、
ブックオフ散策を挟んで前後に歓談予定。
(一部のみの参加も可です)

詳しくはオフスレかメールにて。
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1076041704/

スレ汚し失礼しました。
192名無しのオプ:04/05/26 19:17 ID:bQtp6616
バリー・コーク『謎めく孤島の警部』(ハヤカワ文庫)

歴史作家兼アマチュアゴルファーのストローン警部が主人公。
競売場で万引きされる砲弾の球。
列車から突き落とされるストローン。
友人が所有する古城の地下牢で発見される死体。
事件につぐ事件。謎また謎。
クリスピンのようなドタバタユーモアかと思いきや意外にそうでもない。
なかなかスケールの大きな話を250Pでしっかり締めてくれる。
あまり残らないタイプの面白さだと思うので、気楽に読むのがいいかも。
193名無しのオプ:04/05/27 01:00 ID:SKq2Hzwm
ビル・プロンジーニ編『エドガー賞全集(下)』(ハヤカワ文庫)

>>68の下巻で、64年から80年までの作品を収録。
63年の作品が欠落しているのは、掲載紙がどうしても入手できなかったためらしい。
解説の小鷹信光によると、元本はさらに9本落ちてて、足りない分はハヤカワ社員が頑張って探したそうだ。
・・・プロンジーニの名前はずしていいのでは?

集中の白眉は、ラストの一文で小粋に落とすシャーリイ・ジャクソン『悪の可能性』。
モームにゴッホの贋作を売りつけるウォ−ナー・ロウ『世界を騙った男』。
文学系の作品も2、3あるが端的に言って面白くない。
構成、特にオチのうまい作品が印象に残りやすいようだ。
194読後感:04/05/31 16:06 ID:0sF2hc2q
「メリー・ウィドウの航海」ニコラス・ブレイク(早川書房)
 恋人とともに豪華客船で行くギリシャ旅行に参加したナイジェル。
 しかし、同乗者はけして愉快な連中ではなかった。
 そしてある港に立ち寄った夜、惨劇が幕を開ける――。
 わずかな間をおいて聞こえた二つの悲鳴、そして水に落ちる音。
 作者渾身の船上ミステリー。

 最初、登場人物欄見てあれ?と思いました。
 探偵役ナイジェル・ストレンジウェイズの恋人がクレアとなってたんです。
 確かナイジェルにはデビュー作で出会って後結婚したサル顔の冒険家女ジョージアがいたはず・・・。
 彼女はどこへ?――あ、死んだか。合掌。

 閑話休題。面白かったです。クリスティぽい感じでした。人間ドラマはあまりなかったけど。
 ただ、どれか一作と言われた場合は「野獣死すべし」や「死の殻」を推すかな、やっぱ。
 オリジナリティがありますからね、何と言っても。
 あと個人的に気に入ったのは83ページのナイジェルのセリフ! この人ちょいちょいイイコト言います。
 どこぞのおっさんに聞かせてやりたいw
 
 疑問に思ったのは、
 1、なぜ泳ぎが好きでないとは言わなかったのか? 表現に気をつけた意味
 2、なぜへイル夫人ははっきり見てないのに戻ってきて部屋にいると言ったのか?
195読後感:04/05/31 17:16 ID:0sF2hc2q
「ベルリン・ゲーム」「メキシコ・セット」「ロンドン・マッチ」「スパイ・フック」
「スパイ・ライン」「スパイ・シンカー」「最後のスパイ 信義」「最後のスパイ 希望」
「最後のスパイ 慈愛」レン・デイトン(光文社)

 SIS所属のスパイ・エージェント、バーナード・サムソン。
 何事にも自己流を通そうとする傾向の彼は能力に相応な待遇を受けられずにいるが、
 才色兼備の美しい妻を持ち、可愛い子供たちもいる。
 そんな彼を突如襲った悲劇。
 しかしそれはこれから始まる長く苦しい闘いの幕開けに過ぎなかった――。
 スパイ小説の巨匠畢生の9部作!!

 あれは、何の変哲もない金曜の夜。何気なくブックオフに立ち寄った私は105円
 コーナーでたまたまある本を手に取った。登場人物欄の二列目を見て、解説を読んだ。
 そして読もうと決心した。全部が無理なら、せめて「それ」に関する個所だけでも、と。

 と、いうわけで三日かかって読みました、レン・デイトンのスパイ9部作。
 主人公の恋愛関係の部分だけ拾い読みで。こんなことやるの自分ぐらいだろうなぁ(苦笑
 でも、本筋と深くかかわってるから、後半はほとんど読んでしまったような。
 いやぁ、面白かったです。気長に105円でコンプリートするかなぁと思ってます。
196195の続き:04/05/31 17:18 ID:0sF2hc2q
(以下ネタバレ感想) 


 主人公の愛と葛藤の物語。お互い相手に対してコンプレックスや疑惑を持ちながらも、
 深い愛で結ばれていた夫婦が、ある大きな過ちによって破綻の危機に追い込まれて
 しまうんですね。それがラストの手紙でめでたしめでたしぽくなるんですが、
 私は主人公の気持ちよくわかる。つか一人称だから感情移入するのは自然ですけど。
 奥さんが亡命しちゃって子供と一緒に置き去りにされちゃうんですものね。
 後で二重スパイのための偽装亡命だってわかるんですけども。んで戻ってきた奥さん
 は、その間旦那が愛人と同棲していたことを責める。でもそれは自業自得でしょう。
 家庭より愛国心を優先した結果なんだから。子供に憎まれるのもしょうがない。
 しかも、自分も浮気してしてたんだもの。亡命する前から。KGBの奴と。
 どう考えても奥さんのが分が悪い。旦那が子供連れて愛人と駆け落ちしようとする
 のもわかるよ。つか、やりゃよかったと思う。愛人若いのにメチャいい人だし。
 自分勝手で嫉妬心丸出しで情緒不安定な奥さんなんかよりよっぽど人間が出来てる。
 もし4部書くんならその方向でお願いしますw
197196の続き:04/05/31 17:19 ID:0sF2hc2q
あとねー、個人的に納得いかんのがディッキー。こいつ何で死なねーんだ?
 テッサと不倫しまくり、主人公に無理押し付けまくりやがって。 
 中盤で主人公が鼻面ぶん殴った時にゃー快哉を叫んだよ。
  
 そしてテッサ。お前も相当なバカ女だ。旦那を愛しているのに浮気しまくり、
 義兄の主人公にまで散々迷惑かけやがって。だから中盤で死んだときにゃー快哉を
 叫んだよ。その後生存説が出て、マジか!? と思ったけど結局デマが一安心。
 作者は結構因果応報にしてるのかな?

 そしてデヴィッドな。主人公の舅。こいつも非常にうざい。奥さん亡命して片親
 になったからって子供を奪おうとしやがって!
 奥さん帰国後も、情緒不安定を理由に子供を放さない。どころか養育権奪うぞと
 脅迫。ポーランドで撃たれてりゃよかったんだ。

 そして可哀想なのがグロリアたん。辛いよねェ・・・。
 ほとんど何も告げられずに主人公と同棲解消させられて子供も奪われて・・・。
 それでも健気に振舞うその寛容な物腰に読者みんなイチコロさ。
 ラスト近くの主人公とのダンスシーンがたまらなかった。

 他の作品も読んでみようかな・・・出来ればきちんと。無理ならとばしでw
198読後感:04/05/31 18:04 ID:0sF2hc2q
「キス・ミー・ワンス」トマス・マクスウェル(二見書房)
 プロフットボーラーだった主人公は、試合中の怪我が元で引退を余儀なくされた。
 ドイツ人の妻は戦争のせいで帰ってこれなくなっており、孤独な主人公。
 その後、目をかけてくれていたチームのオーナーの下で働き始める彼だったが、
 妖しく美しい歌手に惚れてしまう。しかし彼女はボスの情婦だった・・・。

 第二次大戦中のアメリカを舞台にしたハードボイルド小説。池上冬樹がいたくお気に入り。
 女は悪女なのか? 真実はどこに? みたいな感じ。
 この作者はその辺ぼかして書いてる。それが余韻を生んでいい効果出してるかな。
 それと暴力やセックスの描写が実に生々しかった。
 
 ハリウッドが舞台なので当時の俳優とかがちょいちょい出てくるのも楽しい・・・かも。

 しかし、この終わり方で続編を邦訳出版しなかった出版社は何を考えているのかと
 小一時間問い詰めたい。
199名無しのオプ:04/05/31 18:24 ID:8ijtuJYK
>>198
ハヤカワのミステリアスプレスででてますよ
200読後感:04/05/31 18:54 ID:0sF2hc2q
「口づけをもう一度」トマス・マクスウェル(早川書房)
 空襲で死んだと思っていた妻が帰ってきた!
 もはや自暴自棄になっている主人公にもたらされた吉報。しかし・・・。
 彼女は「結婚」していた・・・。

 「キス・ミー・ワンス」の続編。>>199さん、お早いご教示有難うございます。
 解説によると三部作らしいということですが、邦訳はここでストップしてます。
 長い間離れていた妻は空襲による怪我から記憶喪失にかかり、そのまま他の男
 と結婚していた。しかもその相手はナチの党員であり、私立探偵をしている
 主人公は彼を捕まえなければならない。複雑な心境で任務を遂行していく。
 
 彼女が混乱するからと、自分が夫だと言えない主人公。切ないですねぇ。
 しかし、今回も作者はぼかしております。彼女は果たして――。
 ただ、今回はきっちり白黒つけてほしかった。あんな終わり方は納得行かない。
 三作目が出りゃハッキリするんだが(あの子の年齢とかで)。
201読後感:04/05/31 20:07 ID:0sF2hc2q
「エイプリル・ダンサー1/アンクルから来た女」マイクル・アヴァロン(早川書房) 
 悪の組織スラッシュが捕えられた幹部の引渡しを命じてきた!
 アンクルのスパイマーク・スレートと交換だという。
 アンクル上層部はこの要求にある秘策でもって対処しようとしていた。
 しかし、双方ともに誤算が生じることとなる。それは――彼女の存在。
 アンクル第二課所属の美人スパイ、エイプリル・ダンサー初登場!

 「0011/ナポレオン・ソロ」のスピンオフシリーズです。
 ハニー・ウェスト、メイヴィス・セドリッツに続く第三のセクシーヒロイン登場
 かと色めきたったんですが・・・。
 あんま色気はなかったなぁ。がっかり。話の筋もベタな感じだし。
 やっぱこういうのは映像で見ないとね。
 というわけでドラマもビデオ化キボン!!「ハニーにおまかせ」とダブルでゼヒ!
202名無しのオプ:04/06/01 19:58 ID:zmrJSQRJ
リチャード・ハーレイ『流刑地サートからの脱出』(新潮文庫)

強姦殺人の容疑をかけられたラウトリッジは、流刑島サートへと送られる。
そこでは「ファーザー」と呼ばれる男が規律ある組織「ヴィレッジ」を築いており、
無頼漢の灯台派や、オールドタウンの連中と勢力争いをしていた。
看守対囚人の構図が避けられることで、『ロビンソン・クルーソー』の孤島サバイバルに
『ポストマン』のような世紀末アクションの面白さが加わった。
後半からの展開がお約束通りでもう一工夫欲しいが、ツボはきっちり押さえてある。
海洋冒険小説の秀作。
203名無しのオプ:04/06/03 22:55 ID:YbcDNK4W
J.M.スコット『人魚とビスケット』(創元推理文庫)

イギリスの大新聞に連続して掲載される謎の三行広告。
“人魚へ。とうとう帰り着いた。連絡を待つ。ビスケットより”
「ビスケット」「人魚」「ブルドッグ」「ナンバー4」とは誰か。
彼らが体験した14週間にわたる事件とは。

実際の三行広告をもとに作者が考え出した物語。
本書の面白さは、人間の利己心がもたらすサスペンスと、極限状態のサバイバル劇に集約される。
オチがわかりにくいので、ミステリ趣向の成否は微妙なところだが
「幻の傑作」と冠するにふさわしい、稀有な作品といえるだろう。
204名無しのオプ:04/06/06 17:33 ID:jZWPbal8
ジョン・ボール『拳銃を持つジョニー』(ポケミス)

友人にラジオを壊された9歳の少年が、拳銃を持ち出して復讐をはかる。
それを阻止しようとする黒人刑事ヴァージル・ティッブス。
別にヴァージルじゃなくてもよいのにと思いきや
謎解きと黒人差別問題が絡んできて、彼がきれいにまとめてしまう。
中心部分のサスペンスだけで充分に面白い。
しかし馬鹿ガキの暴走にムカつく読者も少なくなかろう。
205名無しのオプ:04/06/06 17:44 ID:jZWPbal8
メアリ・ロバーツ・ラインハート『ドアは語る』(ポケミス)

あれほど狡猾に組み立てられた犯罪計画が、一枚のドアのために露見するとは!
ベル家に忍び込んだ賊――殺された看護婦。犯人は誰か?
作者は「アメリカのクリスティー」と呼ばれた人気作家。
残念ながら、ドアそのものに真相の種が隠されているわけではなく
『エジプト十字架』のようなものを期待していると、やや肩透かしをくらう。
それでも全編に漂う不穏な空気は面白いし
ラストから2行目で犯人が明かされる趣向も楽しい。
206英知恵:04/06/07 01:21 ID:OpEqDnDR
『第二の接触』M.レズリック(ハヤカワ文庫)
先日の海外翻訳物オフでmjさんからいただいたもの。
SFミステリーです。

主人公ベッカーは宇宙軍属の弁護士。
被告である宇宙戦の艦長は大勢の目撃者の前で二人の部下を射殺。
主人公が精神障害を申し立てようと薦めたところ、
被告は彼らが異星人だったと主張し、法廷で真実を明らかにしたいと拒否する。
どうしても手を引くことができず、しぶしぶ調査を進める主人公の前に、
少しずつ張り巡らされた大規模な謀略が姿を表していく……。

スパイ・謀略物の好きな私には非常に面白い読み物でした。
しかし、これは宇宙軍なんて出さず現代物にすれば良かったんじゃないだろうか?
宇宙軍なんて全然関係ないんですよ。出てくるコンピュータなども若干古めだし。
宇宙人とかトンデモな陰謀もないので宇宙軍なんて単語さえ出てこなければ普通の現代サスペンス。
それと結末は少々難あり。この物語の存在価値を全否定するような動機の弱さ(戦略の甘さ)。
とはいえ、物語の作りが上手なので楽しく読めること間違いなし。
207読後感:04/06/07 18:12 ID:RMuHIZ9E
「ジレンマ」チェット・ウィリアムソン(集英社)
 私立探偵をしている主人公は、とある富豪から人探しの依頼を受ける。
 どうやら彼の「おホモだち」らしい。その男の居場所を突き止めた主人公
 だったが、彼は何者かに殺されていた・・・。
 そんな折、急に体調を崩し病院に行った主人公はなんと白血病の宣告を受けてしまう!
 変わり果てていく自分の身体に絶望した主人公は心を閉ざし、家庭にも亀裂が入る。
 そしてついに妻が・・・。

 主人公主人公連続してすいません。名前覚えてないもので。
 この作者はホラー畑の人で、近頃良いハードボイルドがないのを嘆いて本作を書いた
 らしいんですが、そういうのって結構スカ率が高いw
 本作もその例に漏れず、ハードボイルドとして成功しているとはいい難い(と思います)。
 むしろ、心体共に病魔に犯されていく主人公とその家族の葛藤の物語という色合いが濃いです。
 私、こと不倫に関しては問答無用で怒りが一点集中するんですが、今回に限ってはそうでなかった。
 これは書き方の問題ですね。ズルイなぁw
208読後感:04/06/07 18:13 ID:RMuHIZ9E
「パンチとジュディ」カーター・ディクスン(早川書房)
 イヴリンとの結婚を明日に控えたケンの許に、仕事の電話が舞い込む。
 ウンザリしながらも引き受けるケン。
 それはスパイあがりのある人物を監視することだった。
 すぐに片付けて舞い戻るつもりが事件はどんどんこんがらがってきて――。
 
 「一角獣殺人事件」の続編。
 カーの中ではドタバタの代名詞ともいうべき作品らしいですが、総じて地味。
 もっと面白く出来る要素はいくつもあるはずなのに5分咲きで潰してる。
 細かく言えば(「一角獣」と同じように)イヴリンに魅力がない。キャラが立ってない。
 美人を見ればとりあえず睨むとことか、汽車内での一幕とか、「お」と思う場面は
 あれども、続かない。残念!
 
 そしてまーたやってくれちゃったよこのジジイ。
 お前は一体何人(ry
 動機や状況を斟酌するならまだしも、完全に個人的な感情を優先させるんだから
 どうにも始末に終えない。こんな役人いませんよ。 
 こいつのせいで国益を損なっていることも多々あるんだろうなぁ。
209読後感:04/06/07 18:13 ID:RMuHIZ9E
「冷たい眼が見ている」デイドラ・S・ライケン(早川書房)
 平和な田舎町で起きた惨たらしい殺人事件。
 少女は身体を切り裂かれ、墓地に置き捨てられていた。 
 そんな中、事件担当する警部補の恋人エリザベスは町にやって来た
 謎の男に心惹かれて行く。
  
 エリザベスって名のついたキャラは不貞なのが多いね。そんな気がする。
 結末は2秒でわかれども、そこに至るまでの主要キャラの心の動きが読みどころ
 でしょうね。ただ、終わり方が何とも呆気ない。
 それまでを考えればもっとじっくり書いてほしかったなぁ。
 ま、ミステリーなんだから仕方ないけど。男女の描写が逆なのが印象的。

 個人的には(メル欄)だったら面白かったのにと思う。
210読後感:04/06/07 18:14 ID:RMuHIZ9E
「囁く影」ジョン・ディクスン・カー(早川書房)
 とあるフランスの片田舎で起こった怪死事件。
 塔のてっぺんで斬られて死んでいた老人。しかし、他には誰も入らなかったはずなのに・・・。
 それから数年後、今度はイギリスで不可思議な事件が起き、被害者の女性は「囁く・・・」
 とうわ言のようにつぶやく。
 二つの事件を結ぶのは、謎の美女。彼女は吸血鬼なのか?

 カーよく読んでますけど、別に好きなわけじゃありません。ただ、読みやすいのと、黄金時代の
 雰囲気が好きだから読んでるんです。念のため。
 しかし、本作は期待して読みました。何しろロマンスに関して「違ったアプローチ」をしている
 と聞いたので。でも――

 違う。違うんだよ、カーさん。こんな話は書かなくていいから。
 こんな大人の悲哀なんざ求めてないよ〜。
 ノワールはいいから、スクリューボールを書きなさい。
 「連続殺人事件」みたいなものとか「連続殺人事件」みたいなものとか「連続殺人事件」みたいなものとか。
 「死者のノック」みたいなものでもいいよ。 スキルあるんだから。頑張って(死んでるけど)。

 ま、トリックはいいですけどね。特に前段。
 しかし、謎解きに関してはちょっとご都合主義的な部分が目立った。
 まずね、関係者がはっきり喋らない(怒
 いや、事情があって隠すとかならいいんですけど、どう考えても不自然な話し方するんですよ。
 具体的に言うと、しょっぱなのリゴーの話。「読者に対しての配慮」以外に言及を避ける理由
 を作らないと(呆
 それと、フェル博士はフェイが・・・だとどうやってわかったのか?
 憶測でしかないと思うんですけど。いやに堂々としゃべってるのが「?」
211名無しのオプ:04/06/08 23:23 ID:x0aXjxIZ
ブルース・ハミルトン『首つり判事』(ポケミス)

容赦なく容疑者に死刑の判決を下す「首つり判事」ブリテン卿。
英国の田舎で起きた流れ者の男の殺害事件と、彼はどう関わるのか。
政治的配慮が施された裁判の行方は?
展開は大体読めるが、さらに捻ってあって、後味の悪さは抜群。
ブラックユーモアが大好きならどうぞ。

ちなみに作者の弟は『二つの脳を持つ男』のパトリック・ハミルトン。
漢字で『首吊り判事』と書くと和久峻三。
212名無しのオプ:04/06/17 22:49 ID:Pz/Fj/ic
バーバラ・ヴァイン(レンデル)「死との抱擁」
角川文庫 

読了しました。

長かった・・・
とにかく出来事はたくさんありますが、事件らしいものは最後まで起きません
ただ、心理描写の巧みさや淡々とした物語の裏側にあった
愛情の裏側の憎しみなどが最後で恐ろしいほど伝わってきます。
他サイトに書かれていたのですが文学的なミステリ好きにおすすめです
(途中まで読み方を間違えていた初心者_| ̄|○ )
213名無しのオプ:04/06/19 01:11 ID:ct3kvxj/
ジェームズ・アンダースン『血のついたエッグ・コージイ』(文春文庫)

75年に書かれたにも関わらず、30年代を舞台としたパズラーである。
バーフォード伯爵邸に集まった13の男女。
大公特使は英国外相と密談し、伯爵と石油王は銃のコレクションを自慢しあう。
謎の怪盗「生霊」は石油王夫人の宝石を狙う。そこに殺人が・・・
馬鹿トリックとチェスタトン的解決を含み、なかなか面白い。
(どことなくユーモアが漂っているのは作者の持ち味か)
ただし殺人が起こるまでに200Pは使いすぎだと思う。

エッグ・コージイとは「ゆで卵の保温用の布」の意味。
血で汚れているこれが証拠の一つとなる。
214読後感:04/06/21 16:34 ID:cD3EzyoT
「女性情報部員ダビナ」イーヴリン・アンソニー(新潮社)
 英国秘密情報部員である優秀なキャリアウーマンダビナ。
 しかし辛い過去の傷を背負っている彼女にはいつも暗い影が差していた。
 上司からソ連からの亡命者の世話役を仰せつかった彼女は、妻子ある身の彼に次第
 に惹かれていく。そして彼のためにソ連に潜入し妻子を連れてこようとするのだが、
 そんな彼女に迫る二重スパイの存在が・・・。

 女性の作者&主人公のエスピオーナージュっていうのは珍しいですね。
 ヒロインは特に美人というわけでもない、仕事一筋の女性。余り人付き合いも上手
 くなく、家族との関係もギクシャクしている。それは美貌の妹に婚約者を奪われた
 辛い過去に根ざしているという次第。父親の愛情も妹に向いている。
 家族に仕事内容も明かせず、孤独な毎日を送るハイミスが亡命軍人にクラっとくる
 のも当然か。そして彼のためになれない「実戦」に出る。愛のために愛を失おうと
 するんですね。ああ、無情・・・。

 チャーリー逝ってよし!!
 こいつもテッサみたく中盤あたりで(ry
215読後感:04/06/21 16:45 ID:cD3EzyoT
「私が見たと蝿は言う」エリザベス・フェラーズ(早川書房)
 アパートの一室でピストルが見つかり、さらにそれが殺人に使われた凶器だと判明する。
 そして被害者はかつてその部屋に住んでいた女性。
 住人たちはわいわい言うて犯人探しをし出す。

 フェラーズの最高傑作とか他スレで言うとったので勇んで読んだんじゃがじゃが〜
 そうでもなし。二つ見所があるが前者はアンフェア臭いし、驚けない。
 後者はまあ驚いた。「密室が好きな人」は驚くと思うw
 
 ただラストにヒロインが取った行動が不可解。
 何で窓開けたんだ?
 さらにその後の犯人の行動はもっと不可解。
 何で××××だ? あそこまでやっときながら。
216名無しのオプ:04/06/23 15:36 ID:UY7oRFK3
>>194
懐かしいなー。
15年前、うちの近所の図書館で借りて読みました。
217名無しのオプ:04/06/24 20:45 ID:JYuzMFti
「不変の神の事件」ルーファス・キング(創元推理文庫)

ある女性が恐喝を受け続けた末に自殺した。
残された彼女の家族や婚約者は卑劣な恐喝者を探し出して復讐を遂げるのだが、
あっけなく事件は警察の知るところとなり、彼らは逃避行を始めることに・・・。

B級サスペンス映画のような展開で、サクサク読める作品。
終盤の展開は意外で、けっこう楽しめる佳作だと思う。
一家の行動に妙なところが多く、やや共感しにくいことが難点か?
218名無しのオプ:04/06/25 00:34 ID:qIB6FaZs
「恐怖の誕生パーティ」ウィリアム・カッツ(新潮社)

いかにもアメリカのモダンホラーといった趣のサスペンス。
巷で言われているラスト1ページのドンデン返しには、さして驚かなかったが、
終盤における夫の不可解な行動に対してしっかりと伏線が張られていたことには
感心する。
219読後感:04/06/25 14:59 ID:WoLRkcM3
「チャーリー退場」アレックス・アトキンスン(東京創元社)
 舞台がはねた後で主演俳優が楽屋で死んでいるのが発見された。
 警察はうずまく人間関係に翻弄されながら犯人を探すのだが・・・。

 おおっと、審判チャーリーにレッドカード!
 クライムクラブに入ってたものの改訳新版というわけ。
 「幻」の名に違わぬ微妙さw
 中盤で新事実が明らかになりそれまでの推理がご破算になる場面が見所なのかも
 知れないが、論理の不備に気づくとかいうのではなく、それまで知らされてない
 情報だったのでやや興ざめ。
 買わんでもよろしおま。

 ・なぜ男だと言ったのか?
 ・ネイオミがセリフとちったわけは?
 
220読後感:04/06/25 15:38 ID:WoLRkcM3
「奇術師」クリストファー・プリースト(早川書房)
 宿命のライバルだった二人の奇術師の子孫の奇妙な邂逅。
 二人の日記が紐解かれ、隠された秘密が今明らかに――
 超絶マジック「瞬間移動」の驚くべきトリックとは!?

 俺って幻想小説読みじゃないんだなぁ〜とつくづく実感。
 ツマンネかった。
 瞬間移動のネタが・・・ソノマンマカヨ
 叙述はまあ、うまかったかも知らんがそれがわかったところで驚きよりも失望が
 強い。

 ・登場人物表作れ
 ・契約って誰と?
 ・何で地下室にあんないっぱいあったの? 一回だけでしょ?
221名無しのオプ:04/06/26 00:42 ID:9eHjfo83
「狙った獣」マーガレット・ミラー(創元推理文庫)
ある夜、ヘレンは古い友人と名乗る女性から奇妙な電話を受けた。
彼女はヘレンの神経を逆なでするような言葉を吐き、さらには死を宣告する。
恐ろしくなったヘレンは、亡父の管財人に犯人を捜すよう求めたのだが・・・。

当時で言うところのニューロティック・サスペンス。
さすがに今となってはプロットの新鮮味は薄れているが、1955年の作品である
ことを考えれば驚異的な内容と言えるだろう。
鮮烈なビジュアルを与えてくれるラストの一文には、上手いの一言。
222名無しのオプ:04/06/26 11:22 ID:q5FGvHvv
>>220

>・何で地下室にあんないっぱいあったの? 一回だけでしょ?

そこが判っていないいてことは、テスラの装置の原理が理解できなかったてことだよ。
それじゃあ、ラストのインパクトが伝わらないはずだ。
テスラの実験場での金属の棒のくだりを思い出すべし。
223名無しのオプ:04/06/27 00:11 ID:/Z9M6JnE
「自宅にて急逝」クリスチアナ・ブランド(ハヤカワポケミス)
白鳥の湖邸と呼ばれる豪邸の離れで大富豪が亡くなった。
状況から見て他殺には違いないのだが、現場周辺に敷き詰められていた
細かい砂に、発見者以外の足跡は存在していなかった・・・。

大富豪の遺産相続を巡る殺人という、極めて古典的な設定の物語。
容疑者たちが勝手に推理合戦を行って混沌としていく展開、細かい伏線が次々と
回収されていく終盤などは、いかにもブランド作品といったところか。
第二次大戦中の英国の様子が描かれていて、この部分もなかなかに楽しい。
224読後感:04/06/27 23:31 ID:l0xViQqf
>>222
生憎と今手元に無いので・・・
よろしければ簡単に教えていただけませんか?
225名無しのオプ:04/06/29 02:28 ID:csUfXKmu
「サム・ホーソーンの事件簿I」エドワード・D・ホック(創元推理文庫)

数あるホック作品の中でも、不可能犯罪に特化したホーソーン物の短編集。
魅力的な謎、細かい伏線、見事なトリックと三拍子揃った傑作・佳作揃いで、
平均して高いクオリティを保っていることは驚異的ですらある。
また、オマケで収録された「長い墜落」も絶品。
226読後感:04/06/29 18:37 ID:NIZT9gV+
「シカゴの事件記者」ジョナサン・ラティマー(東京創元社)
 目が覚めると、そこは見知らぬ部屋。ふと隣を見るとそこには魅力的な美人が。
 しかし彼女は息をしていなかった・・・。

 ヒッチコックばりの巻き込まれ型サスペンス。警察から逃げながら真犯人を探さなきゃ
 ならんというやつ。
 案外細かい謎が散りばめてあるようだったんで、「お、これは最後にドカンと来るかな?」
 と思いきや、別にそうでもなかった。
 犯人も普通にやらせりゃ意外だったのに中盤で脈絡もなく主人公を襲わせちゃうから台無し。
227名無しのオプ:04/07/01 01:53 ID:UY72wQk5
「革服の男」エドワード・D・ホック(光文社文庫)

短編作家として知られるホックの日本オリジナル短編集。
残念ながら安直なトリックの作品が多く、玉石混交といった印象を受ける。
とはいえ、アイデアの光る「熱気球殺人事件」、怪盗ニック対レオポルド警部の
「レオポルド警部のバッジを盗め」、そしてホーソーン物の表題作などは切れ味
鋭い逸品で、著者の確かな手腕を再認識させられる。
228読後感:04/07/01 16:39 ID:lX4JfmUI
「死ぬほど会いたい」B・M・ギル(早川書房)
 手の震えでピアニストの道を断たれ無気力な主人公。何度目かの仕事も辞め、
 マンネリ気味の妻とも離れて田舎の小屋に住み始める。
 何故ならそこにあった古い写真の女性に心惹かれたからだ。
 ある日、彼のもとに隣の牧場の少女がやってくる。
 一目見た瞬間、彼は目を疑った。そこに立っているのは写真の女性だった・・・。

 あらすじ読んだときは「ある日どこかで」っぽいなぁ、と思っていたけど、そんな
 綺麗な話じゃなかった。乱れた若者に翻弄されるオサーンの話って感じ。
 写真とのつながりを期待してしまうのは本格好きのうらみか。
 そうでもないよねぇ?w
229名無しのオプ:04/07/02 23:36 ID:CAVZPOA3
ロバート・R・マキャモン『少年時代』(文藝春秋)

60年代。舞台はアメリカ南部の町ゼファー。
コーリー少年は父とともに、死体の乗った車が、池に沈むのを目撃する。
犯人は一体?魔法に満ちていた少年時代の物語。

この小説における殺人事件は、物語の縦糸ではあるが、必ずしも重要なファクターではない。
裸の金持ち、鼻くそ悪魔少女、豪腕の泣き虫、インディアンの血をひく友人。
ギャングとの撃ち合い。沼にすむ謎のワニ。不思議な黒人シャーマン「ザ・レディ」など
本筋と関係ない数々のエピソードが面白くてたまらない。
実にアメリカらしい現代ファンタジー小説といえる。
『スタンド・バイ・ミー』あたりが好きな人におすすめ。
230読後感:04/07/05 17:04 ID:SquDTPPN
「ウザギ料理は殺しの味」ピエール・シニアック(中央公論社)
 とある田舎町に立ち寄った私立探偵はそこで起きている連続殺人事件に首を突っ込む。
 調べていくうち妙なことが判明する。
 殺人は決まって町のあるレストランがウサギ料理を出した翌日に起こっていたのだ。
 そしてレストランの主人の下にはウサギ料理を出すなという手紙が何通も送りつけられていた。
 何がどうなっているのか? 調査を続ける探偵はついに驚くべき真相を突き止める・・・。

 「裁くのは誰か」に並ぶバカミスとして知られているらしい作品。
 確かにこのネタにはびっくりした。だがそれも一瞬のこと。
 これだけのために長編読まされるのはやはり腹立たしく思える。
 しかし短編では「下地」が不十分だろうし・・・。コマッタモンダ
 あと小説味が薄いのも減点。
231読後感:04/07/05 17:17 ID:SquDTPPN
「感傷の向う側」ジョゼフ・マクナマラ(早川書房)
 幼児誘拐事件の捜査に当たった主人公の刑事はそこに何か深い事情があると睨む。
 何者かに度々狙われながらも、事件を通じて知り合った女性に励まされ
 必死に捜査を続行する主人公。そして事件は一応の解決を見たと思われたが・・・。

 もう大分前なんでよう覚えとらん。作者がスゴイ人ってのはハッキリ覚えてるけど。
 史上最年少で警察の州本部長になって、有名校で博士号もとってるという。
 ムカツクね、こういう何物も与えられてる人見るとw
 話は寂しい感じかなと思えば割とそうでもなく、ボロボロに傷ついた主人公が
 訪ねてきたヒロインにシャワーで体を洗われでいる最中にドサクサに紛れて 
 オッパイに噛み付きボディブローをかまされるシーンには思わずニヤリとした。
 こういったベタさって必要だと思う。
 
 そして結末は、自分がハッピーエンド以外で認めている唯一のモノでした。
 しかし、刑事モノ読んだり観たりする度に割に合わない仕事なんだなって思うよ。
232名無しのオプ:04/07/06 01:52 ID:aFYYUpaK
「家蝿とカナリア」ヘレン・マクロイ(創元推理文庫)
舞台劇「フェドーラ」の公開初日、死体役を演じていた男性が第一幕の
終了後に本当に死体として発見された。舞台は常に観客の目に晒されて
いるため、容疑者は男性に近づくことのできた四名に絞られた。
ところが容疑者の誰もが犯人足りうる可能性があるため、捜査は混迷の
度合いを深めていくことに・・・。

容疑者わずかに四人という本格フーダニット。
序盤の何気ない描写が後々の伏線になっていることは見事だが、冒頭で
散々煽っていた家蝿とカナリアが思ったよりも不発だったことが残念。
家蝿はともかく、カナリアの説明は苦しすぎるような気も。
二次大戦下におけるニューヨークと演劇界が生き生きと描かれていて、
むしろこちらの方が興味を引く。
233名無しのオプ:04/07/11 00:25 ID:XkPsY9ZA
「自殺の殺人」エリザベス・フェラーズ(創元推理文庫)
ある大雨の夜、植物館の館長プリースは投身自殺と図ろうとしていたが、
近くを通りかかった部下たちによって試みは失敗する。
これで事件は解決したかに見えた。ところが翌日、彼は植物館の自室で
銃殺体となっていた。昨夜失敗した自殺を成し遂げたのだと思われたが、
部屋からは他殺を仄めかす証拠が見つかり・・・。

英国の田舎を舞台の自殺に見せかけた他殺という古典的フーダニットと
思いきや、メタミステリ的なヒネくれた作品だったことがエピローグを
読み終えた後に判明する。
登場人物がどれもこれも必要以上に好戦的な、尋常ではない性格をして
いるため、あまりに感情移入しづらいことが難点か。
234読後感:04/07/12 18:16 ID:D6CbruUj
「恐怖は同じ」カーター・ディクスン(早川書房)
 ジェニファとフィリップはお互い会った途端に惹かれあうものを感じる。
 それもそのはず、二人は未来の世界で恋人同士だったのだ!
 そこでは二人は謂れのない罪で追われる身で、ジェニファが咄嗟に口走った言葉が
 引き金となって二人は過去へとタイムスリップしてしまったのであった。
 そこではフィリップは妻帯者、ジェニファは婚約者がいる身であり、さらに彼らは
 再び同じ濡れ衣を着せられてしまう!!

 カーの歴史ものは3作目ですが、これが一番良いかも!?
 真相はクリスティの真似をしているといった印象を受けました。
 ただ、女性がやるから納得してしまうっていうのはあると思うんですよね。
 だから私は終盤の犯人に対するジェニファの見解は彼女の希望的観測ではないか
 等と勘繰ってみたりしました。現世での刑事の証言もあるしね。

 それにしても初っ端のヒーローの扱いはヒドイ。雨の中奥さんは愛人と馬車の中で、
 旦那には濡れて行けっていうんだからね。こうなると歴史ものお約束の出鱈目に強い
 ヒーローも許せる気がするよ。
235読後感:04/07/12 18:23 ID:D6CbruUj
「パンプルムース氏のおすすめ料理」マイケル・ボンド(東京創元社)
 シブイ色男の元刑事パンプルムース氏はグルメ本のライター。
 今日も愛犬ポムフリットと共にレストランへと足を運びます。
 しかし、運ばれてきた料理のフタを開けるとそこにはなんと――首が!

 何か笑えてエッチだと聞いたから読んだけど、期待外れ。
 奥さんがもっと前に出てきたら面白かったかも。いい性格しとるようだしw
236名無しのオプ:04/07/14 20:00 ID:y4gBpNoi
ケネス・ハーヴェイ『自白の迷宮』(扶桑社ミステリー)
読まれた方はいますか?
自分はさっき何度もカサンドラ(;´Д`)ハァハァしながら読みました。
結局何が起きたのかという事務的な情報が分からないから
ちょっと話に入り辛いけれど、夢(?)の記述は面白い。
個人的にはこれからも注目していきたい作家になった。
237読後感:04/07/15 00:33 ID:xc9T1xLK
>>236
ハァハァ(´Д`;)ですと!?
早速読殺封神傍に加えておきます。
238あぼーん:あぼーん
あぼーん
239名無しのオプ:04/07/17 12:46 ID:n4PIaK9u
238 :名無しのオプ :04/07/16 23:47 ID:0f+aTyd7
レイモンド・チャンドラー「長いお別れ」(ハヤカワ文庫)
妻を殺したと手紙を残して自殺したテリー・レノックス。探偵フィリップ・
マーロウは彼の無実を信じていた。レノックスの事件は終わってしまうかに
見えたが、マーロウにきた別の依頼が再度彼を事件へとひきずりこむ。

二つの事件がリンクしていくさま、そしてマーロウのシブさはすばらし
かった。
(以下削除)
240英知恵:04/07/21 00:27 ID:VhRyMfkO
『スパイ・ゲーム』M.F.ベックナー

映画のノベライズ。
中国で作戦中に囚われたビショップの昔話を徐々に語る連作短編のような小説。
「緊迫の頭脳合戦」とあるが、ちっともそういうことはない。
はっきりいって期待はずれでした……。
241英知恵:04/07/21 00:35 ID:VhRyMfkO
『老女の深情け』R.ヴィカーズ

推理小説とか倒叙とか、そういうことではないんですね。
どうも犯罪に至る異常心理なんかを書きたいらしいです。
とにかく犯人が普通じゃないです。
そういう意味では面白いんですけど倒叙の意外性を求めると期待はずれかも。
242読後感:04/07/29 03:13 ID:P5StUrdz
「まやかしの風景画」ピーター・ワトスン(早川書房)
 ある画商の元に絵を持参して訪れた女性。どうやら何がしかの秘密があるらしい。
 二人は組んで調査を開始するのだが絵を狙う謎の男の影が散らついて・・・。
 絵画に隠された謎また謎! 誰も死なないミステリベスト3級の名作!

 最後のは西尾忠久が言ってたことね。「シャドー81」「100万ドルをとり返せ」
 と並んでってさ。俺はどっちも未読だから何とも言えんが。
 でもこれはまあまあ楽しめたよ。同行するうちに下心を募らせていく男の心情とかw
 無論、絵解きも楽しかった。見開きに絵がカラーで載ってるから読者も参加できるという訳。
 でもカバーイラストほどのほほんとはしてませんw
 後半ヘロヘロとかするしww さらにはスッポンポンwww
 古本屋とかで見かけたら気軽に声かけてやって。
 
243読後感:04/07/29 03:20 ID:P5StUrdz
「すげ替えられた首」ウィリアム・ベイヤー(サンケイ出版)
 一晩で起こった二つの殺人事件。その被害者たちはなんと首の交換をしていた。
 主人公の刑事はその謎を追いつつ、先輩刑事の死に関する調査も併行させていく。
 その二つにつながりはあるのか?

 肩透かし。首換え殺人なんてやられちゃ本格好きとしちゃあ読みたく成るじゃん。
 畜生。悔しい。貴方を憎んでしまった。
 とりあえず記憶に残ってるのは早期に結ばれたカップルが最後まで上手く行ってた
 ってコトぐらいかな。待てよ、それだけでも読む価値あったかw
244読後感:04/07/29 03:36 ID:P5StUrdz
「左ききの名画」ロジャー・オームロッド(社会思想社)
 主人公はしがないおっさん。弁護士の妻には頭が上がらず、図体のでかい息子には
 舐められている。
 ある時、所蔵していた絵画を鑑定してもらったところ、それが値打ちものだと判明する。
 目の色を変えて喜ぶ妻。売る気でいると見抜いた主人公は家を飛び出し、美人鑑定家と
 ともに逃避行。その絵を描いた画家は主人公の祖母の恋人であり、彼女も描いていたという。
 ありゃ、じゃひょっとするとこれは――。

 こういうダメ男話好きなのよねー。あたいってダメ男に弱いの。
 で、内容なんだけど、絵が果たして真か贋かってことで最後まで引っ張るのね。
 オマケに最後はコンゲームの様相も呈してくるってワケ。軽〜く面白いんでお薦めよ。
 あたいは奥さんにも萌えちゃったわん♪
 
 蛇足ながらこの作者密室やアリバイ崩しも書いてるらしいのよ。オーソド過ぎるから
 スルーされたんだろうけど、そっち方面も読みたいわねぇ。
245名無しのオプ:04/07/29 19:46 ID:fAtdyukE
「歯と爪」 ビル・S・バリンジャー 創元推理文庫
エークセレント。とても面白かった。局アナのマッキーも
246名無しのオプ:04/07/30 16:01 ID:wv1qCbsK
トマス・フラナガン「アデスタを吹く冷たい風」 早川ポケミス
これ昨年末に復刊してたんだね。知らなかった。
内容は素晴らしいの一言。切れ味鋭い短編は実にいい。
247英知恵:04/07/31 00:35 ID:Jr++x5Rg
>>246
ポケミスですか!
表題作は『黄金の13』で読んで、他の作品も読みたいと願ってました。
248パーカー信者:04/08/05 19:10 ID:E+VTmR0A
>>242
絵解きのオチが案外しょーもないのが腰砕けだったけど
けっこう好き >まやかしの風景画

絵解きメインなら「エリナーの肖像」が好き(短編だけど
249名無しのオプ:04/08/08 17:36 ID:F84qdHDb
「ヒンデンブルク炎上」ヘニング・ボエティウス(新潮文庫)

結局ナニを書きたかったのか・・・

献辞の

     「私の父にささげる。」

          それだけの作品じゃなかったか?
250ドクゴカン:04/08/11 13:21 ID:PuwRSx49
クリスティ「おしどり探偵」ドクサツ

ナンかカルいハナシばっかだなぁというインショウ.
ただ,チェスタトンのヒョウセツはカイセツどおりよかったとオモ.
しかしあっさりジッカイヤブってたのがワラた.
251名無しのオプ:04/08/12 03:22 ID:98aBfUTU
「マジック」ウィリアム・ゴールドマン 早川書房

30年くらい前の作品。
現代の目で読むと人物描写は淡白だし、物語も
いささか単純すぎるかもしれない。
しかし、理詰めで展開するので楽しめた。
読んでいると、こちらのアタマが
ちょっとおかしくなりそうな気分になる、
良質のサイコ小説。映画版もぜひ観たいものだ。
252ドクゴカン:04/08/12 13:46 ID:zabYzn8X
カー「誰でもない男の裁判」

アンのジョウ「黒い子猫」のよさはわからなかったが,まあまあといったカンじ.
「ナントカ・カントカの選択」はワリとスき.あとラストのタンペンのイチニンショウはキノツラユキばりにスゴいとオモ.
253ドクゴカン:04/08/13 17:18 ID:52xnILi0
ビッスン「ふたりジャネット」ドクサツ

「熊が火を発見する」のヨさはアンのジョウわからなかった.つーかしたり(ry

「アンを押してください」かな,一番マシなのは.

アト,キャンディタソにはツツシんでハァハァさせてイタダいた.
254名無しのオプ:04/08/15 01:53 ID:JrtdjQoE
アントニー・バークリー「第二の銃声」読了。
なんというか、 ( ゚д゚)ポカーン
…工エエェェ(´д`)ェェエエ工
としか言えない。
なお、解説は読了後にどうぞ。
255名無しのオプ:04/08/18 22:11 ID:HjqI3Mng
シリル・ヘアー「自殺じゃない!」
こういう作品をアレンジして二時間ドラマで使ってほしいんですが…
ユーモラスでなおかつ捻られた良作。
256名無しのオプ:04/08/26 15:29 ID:rzrFBU2r
ガストン・ルルー「黄色い部屋の秘密」
読んで損した。それとも期待しすぎたか。
メール欄が一番納得いかない。しかも誰なんだあれは。

エドガー・アラン・ポー「黒猫」
同名同人二次作をやったついでに原作も。
各地で名前を聞くがそんなに面白いとは思わなかった。
やはり時代の違いか。
257名無しのオプ:04/08/26 19:26 ID:SgCWeeKg
トマス・H・クック『心の砕ける音』(文春文庫)

同じ女性を愛してしまった兄弟の話。
時空列に従って進むのではなく、作者お得意のカットバックを用いて
過去と現在を自由に行き来する。
大オチより手前に明かされる真相が意外でよい。
「クック新境地」との評を見たが、記憶シリーズから飛び飛びで読んでいる自分には
そんな実感は沸かなかった。
258名無しのオプ:04/09/04 06:22 ID:mMk3iH+k
「源にふれろ」ケム・ナン(ハヤカワ文庫)

サーフィン青春小説と銘打たれているけど、思ってたよりサーフィン分少なめ。
迷路模様の刺青って何か意味があるの?
259名無しのオプ:04/09/06 13:59 ID:COEIVcOC
>258
確か、迷路には魔よけの意味があったような
260読後感:04/09/19 12:08:27 ID:btup5Uvy
「ガストン・ルルーの恐怖夜話」

一番怖いのは「胸像たちの晩餐」
でもお気に入りは「ノトランプ」
261名無しのオプ:04/09/23 19:46:51 ID:FqCaFqtk
「新車の中の女」セバスティアン・ ジャプリゾ(創元推理文庫)
家族ぐるみで海外へ出かける社長を空港まで送り届けた秘書のダニー。
彼らが帰国するまでに返せばいいと、ふと出来心から彼女は社長の新車
サンダーバードを無断で借り、週末を過ごすべく南仏へと旅立った。
その道すがら、出会った何人もの人間がダニーを見知っていた。彼女は
一度も南仏へ行ったことが無いはずなのに…。

ジャプリゾらしい不可思議な味わいのサスペンス。
妙に文章が読みにくいのは、元からそうなのか翻訳のせいなのか。
カットバックを多用した凝った構成が見事で、半分ギャグになってる結末も
愉快。が、カバー折り返しにある登場人物表の紹介が思いっきりネタバレ
になっとるぞ、( ゚Д゚)ゴルァ!
262名無しのオプ:04/09/26 18:16:43 ID:OImms0Cp
「カリブ諸島の手がかり」T・S・ストリブリング(国書刊行会)

カリブ諸島を舞台としたポジオリ教授の活躍談(?)。
古典本格派の短編集と思ってたが、実はメタミステリ的な作品だった。
最後に収録されている「ベナレスへの道」は噂どおりの超論理とオチ。
たしかに最後の4行で底が抜ける。
263名無しのオプ:04/09/27 00:34:55 ID:n7CLjL+N
「夜鳥」モーリス・ルヴェル(創元推理文庫)

仏蘭西のポオと呼ばれていたらしいのだが・・・
ポオに比べると多少なりとも見劣りするような気がする。

訳がいいのか読みやすい。
が、ポオが合わない人は駄目かも。

おすすめは「誰?」「乞食」「父」
264英知恵:04/10/02 01:43:33 ID:NQ5raHLQ
『まやかしの風景画』P.ワトソン
安っぽいサスペンス、薄っぺらな悪役、あまり意味のない謎、お約束のロマンス。

安楽椅子探偵のキレイな謎解きかなぁと期待したんですが。全然違いました。
265名無しのオプ:04/10/02 01:50:32 ID:MJ9CACiT
知恵ちゃんの言葉責めってホント興奮するよね。
266名無しのオプ:04/10/02 01:55:41 ID:UOs/LB3i
>>261
登場人物表、下から二人目でしょ?
あれ見ちゃったら全体の構図が一発でわかっちゃうよね。
俺的には「寝台車」>「シンデレラ」>「新車」だなー。
267英知恵:04/10/02 01:58:16 ID:NQ5raHLQ
『毒薬の小壜』シャーロット・アームストロング

メインは非常に単純で、主人公がバスに置き忘れた毒薬を探すんですが、
バスの運転手から数珠繋ぎに「あの人が乗っていた!」と思い出しては聞きに行く。
そのたびに仲間が一人づつ増えていくんですが。
推理小説でもなければ、サスペンスというにも弱いかと。
しかし、古き良き時代の喜劇のような雰囲気がありまして。
主人公はめちゃくちゃお人よしだし。なかなか楽しかったです。
ただ、一人だけ可愛そうな扱いな人がいたのが残念。
268名無しのオプ:04/10/02 02:22:59 ID:x6yWFO4y
『逃切』ディーン・R・クーンツ
競馬場。多額の現金が集まる掛け金独占レースをめぐり、
現金強奪をたくらむ元調教師、集められた強盗のプロたち、
競馬場の支配人、放火狂の馬丁、元FBIの警備員・・
それぞれの動きを追っていく。

アル中の支配人に酒を飲ませまくる、悪魔のような恋人(美女)が魅力的。
みんな金金言ってるわりには、金以外の動機がいろいろあって、
納得できる動きになっている。最後はやや急ぎぎみ?悪くはないが。
269名無しのオプ:04/10/03 18:48:10 ID:6kimm1NJ
「猿来たりなば」 エリザベス・フェラーズ (創元推理文庫)
誘拐事件を解決してほしいと請われてイギリスの片田舎イースト・リート
にやってきた、犯罪ジャーナリストのトビーと相棒のジョージ。
ところが、彼らを待ち受けていたのは2匹のチンパンジーの誘拐事件
であり、しかも、そのうち一匹はナイフで刺殺されていたのであった・・・。

殺人ならぬ殺”猿”事件で幕を開ける珍奇なミステリ。
全体的に人を食ったような雰囲気が漂っているが、その実、かっちりと
組まれたフーダニットになっていて、猿殺しの理由付けには感心する。
まさか、あの冒頭の部分までが伏線になっていたとは・・・。
270名無しのオプ:04/10/13 20:39:08 ID:ikLv+92o
「緑は危険」クリスチアナ・ブランド(ハヤカワ文庫)
二次大戦下の英国、ヘロンズ・パーク陸軍病院。
新聞配達夫ヒギンズは空襲で大怪我を負ってそこに運び込まれたのだが、
手術時に麻酔を吸い込んだ途端に苦しみだし、突然の死を遂げた。
最初は事故死と思われたが、やがて他殺の線が浮かび上がり・・・。

ブランド・ブランド((c)山口雅也)らしい硬派なフーダニット。
犯行トリック自体はさしたるものではないが、レッドヘリングが上手く、
後になって伏線の該当部分を再読するとナルホドと唸る。
あまり派手な部分はないので、そういうのを求める人には不向きかも。
271名無しのオプ:04/10/14 21:52:45 ID:IOF3R74P
ルース・レンデル「緑の檻」読了
短いからと思って甘く見てました_| ̄|○|||
駄目男の心情描写が長々続くうちにラストで…ああ鬱。
その後の話は一応救いだと思いたい
272名無しのオプ:04/10/15 18:45:13 ID:zcb9FL4C
S・マルティニ『依頼なき弁護』。
亡き妻の妹にかけられた、元夫の現妻殺し(ややこしい)の嫌疑。
主人公は、ポール・マドリアニ。安定したおもしろさ。【7.5点】

D・W・バッファ『弁護』。
雨後の筍状態のリーガル畑の数少ない注目作・・・といううわさに
ひかれて読む。前半はやや平凡だが、後半はグイグイ引き込まれた。
ラストのかるいヒネリも、予想はつくがまあよし。【7点】
273名無しのオプ:04/10/15 19:32:49 ID:bm74Sjz8
「はなれわざ」クリスチアナ・ブランド(ハヤカワ文庫)
旅行で地中海のリゾート地サン・ホアン・エル・ピラータ島へやって来た
コックリル。他の旅行客と海水浴を楽しんでいたところ、その中の1人が
ホテルで刺殺体となって発見された。
事の成り行き上、捜査に乗り出すコックリルだったが、専制的な独立国家
である同島では自由に行動がとれず、捜査は暗礁に乗り上げることに・・・。

終盤の海岸シーンが印象的だったり、相変わらず最後のどんでん返しには
驚かされるものの、ちょっと鈍重すぎて個人的には苦しかったコックリル物。
冷静に考えれば、あのトリックはいくらなんでも無理があるような・・・。
274名無しのオプ:04/10/16 13:57:43 ID:u4sesfEm
クレイグ・ライス スイートホーム殺人事件

ミステリ部分に関してはさほど秀でたものは感じないが、
ストーリーテラーとしての腕前がすばらしい。
コージー好きの自分にとっては、魅力ある登場人物のやり取りが嬉しい。
翻訳が多少古い感じもするが、それほど気にならない。
275名無しのオプ:04/10/16 18:56:56 ID:k5GgD5+e
「重力が衰えるとき」ジョージ・アレック・エフィンジャー(ハヤカワ文庫)
未来アラブの暗黒街ブーダイーンで、しがない探偵業を営むマリード。
そんな彼に捜索依頼が持ち込まれるものの、依頼人はマリードの目の前で
射殺され、なじみの性転換娼婦のニッキーも謎の失踪を遂げる。暗黒街の
ボスに命じられてマリードは調査を始めるが、事件は思わぬ方向へ・・・。

サイバーパンク+ハードボイルドなSFミステリ。
記憶チップを取り替えることでネロ・ウルフに変身する主人公など、細かい
お遊びが散りばめられているのが楽しい。とはいえ、サイバーパンク特有の
猥雑な部分を楽しめるかどうかで評価は変わると思うが。
276英知恵:04/10/18 23:47:03 ID:eH2+dW78
『うまい犯罪、しゃれた殺人』ヘンリー・スレッサー

「TV《ヒッチコック劇場》で使われた作品の中から、
 ヒッチコック自身が厳選した傑作集」
とありましたが、期待するほどの内容ではない。
でも、軽くて読みやすい短編集です。
ブックオフで450円でした。
277英知恵:04/10/18 23:53:49 ID:eH2+dW78
『最低の犯罪』レジナルド・ヒル

うまい犯罪の次は最低の犯罪。
こっちの方が上記よりもひねりがきいてます。
やっぱり軽め。近所の古本屋で250円くらい。
278英知恵:04/10/18 23:57:28 ID:eH2+dW78
『幽霊に怯えた男』パトリック・A・ケリー

「奇術師ハリーの活躍を描く軽快なシリーズ第一段」
だそうですが、泡坂ファンからするとものたりない作品。
トリッキーなところは何一つなく、奇術師である意味もなく。
まぁ、「奇術師」に期待が大きすぎたんでしょうが……。
ブックオフで100円。
シリーズの続きは買いません。
279英知恵:04/10/19 00:04:34 ID:G7+Gtztf
『オックスフォード運河の殺人』コリン・デクスター

解説は法月で、その名も「デクスターを擁護する」。
『時の娘』を彷彿とさせる設定、
というのは主人公が入院中に本を読んで
(歴史的な過去の事件を)推理をするからです。
のりりんはブラウン神父を引き合いに出して、
デクスターの作品は「解決篇だけで構成されたパズル・ストーリー」
を目指しているのではないかと指摘しています。
個人的にはこの作品を『時の娘』やブラウン神父と並べるのはやめてくれ、といったところ。
未読の方には『時の娘』をお薦めします。
近所の古本屋で280円でした。
280英知恵:04/10/19 00:13:38 ID:G7+Gtztf
『標的』ディック・フランシス

サバイバル技術に長けた主人公は作家を目指して貧困生活を送っていた。
そこへ有名な調教師の伝記を書くという仕事が舞いこむ。
彼の屋敷に住みこんで取材や執筆をするという依頼内容だ。
諸事情からこの仕事を引き受けた主人公の周りで、
過去に失踪した女性厩務員の死体が見つかり、
殺人犯の影が見え隠れしはじめる。

さて、私の大好きなディック・フランシスですが、
この作品を読んで、再確認しました。
波長がピッタリ!
事件が起きる前の冗長な部分を読んでて楽しくて仕方ない。
例によって競馬関係者が登場しますが、
競馬シリーズというのはやめてください。
競馬は関係ないじゃないですか……。
気になる方は『興奮』あたりからどうぞ。
281名無しのオプ:04/10/21 11:28:05 ID:Os/b6nmZ
ルース・レンデル「死のカルテット(角川文庫)」読了
強盗が銀行員を拉致する話とその隙を狙って横領を行った上司。
これまでレンデルものは心情描写がメインかと思ってきたけれど
この作品に関しては出来事の展開の仕方が早い。
もちろん後味の悪さと皮肉なオチは健在ながらも
それぞれの登場人物の絡ませ方がとにかく上手い

真面目すぎる人間でなければ、あの人もそこまですることはなかったのに…
人間の美点もレンデルにかかれば短所に変わる。
282名無しのオプ:04/10/23 18:32:20 ID:YCBLtKJy
「苦い林檎酒」ピーター・ラヴセイ(ハヤカワ文庫)
しがない大学講師セオの元にアリスというヤンキー娘がやって来た。
今から20年前の大戦中、彼女の父は殺人事件の被告として死刑に処された
のだが、彼女は父の無実を信じ、真相を探ろうとセオに接触したのである。
その裁判で、彼は決定的な証言をしていた・・・。

20年の時を挟んで過去と現在が交錯するミステリ。
導入部がやや強引ながらも、語り口の上手さと終盤のツイストは見事。
アリスのキャラクターが一風変わっていて、英国人の目からだと米国娘は
こう見えるのか、などと思ってしまう。しかし犯人怖い・・・。
283名無しのオプ:04/10/23 18:36:51 ID:YCBLtKJy
あ、ラヴゼイだった・・・_| ̄|○
284名無しのオプ:04/10/26 20:18:55 ID:E5gNbAlv
「つなわたり」ピーター・ラヴゼイ(ハヤカワ文庫)

タイトル通り、全編つなわたり状態のサスペンス劇。
交換殺人というのは定番ネタではあるが、個人的には「苦い林檎酒」や
「偽のデュー警部」よりこっちの方が好き。主人公が独善的で打算的で、
これでもかとばかりに嫌らしい女に描かれているのも素晴らしい。
285読後感:04/10/27 04:51:14 ID:u+Xwbz0E
「巨匠を笑え」ジョン・L・ブリーン(早川書房)
 クイーン、カー、クリスティを始めとする数々の探偵、ジャンルのパロディ短編集。
 マイクル・アヴァロンやドナルド・ハミルトンまであったのには吃驚。
 1人でこんだけやれるのはすごいね。寡聞ながら成功してると思うし。付記されてる
 原作者のコメントもイイ! 
 ロスマクのが出色の出来なのは多くが認めるところだろうけど、自分はヴァン・ダイン
 も気に入った。あと87分署も。ディック・フランシスは読んだこと無いのに笑えた。
 
286名無しのオプ:04/11/07 15:11:26 ID:v1iTy9OR
「アデスタを吹く冷たい風」トマス・フラナガン(ハヤカワポケミス)

噂に違わぬ名短編集。
タイプとしてはアイロニーの強くなったブラウン神父といったところか。
「獅子のたてがみ」はテナント少佐4作品でピカイチと思える内容。
ところで諸所で散々言われていることだが、やはり「玉を懐いて罪あり」は
「北イタリア物語」版の方がベター。ラスト一語で驚きたいのであれば。
287英知恵:04/11/07 19:01:07 ID:bqK3gTL8
>>286
ずっと探してるのに見つかりません!ヽ(`Д´)ノ
288読後感:04/11/07 21:40:22 ID:EEhY7RMf
>>287
復刊アンケート2連続1位だから結構出回ってるはずだけど…

ま、図書館に行けば即読めます。
289名無しのオプ:04/11/08 19:45:50 ID:7SOTj6vp
>>287
ブクオフで105円だったので買ってきた。

「細工は流々」エリザベス・フェラーズ(創元推理文庫)
ある夜、トビー宅を訪れた少女ルーは何かトラブルに巻き込まれているように
見えた。果たしてその翌日、彼女は訪問先の屋敷で毒を吸引して亡くなった。
現場が密室であるため自殺と思われたが、他殺らしき面も見つかり・・・。

トビー&ジョージ譚の第2作目。先行邦訳2作品に比べるとややパンチに
欠けるが、ミスディレクションを駆使した端正なパズラーに仕上がっている。
邸内に密室殺人の実験跡があった、などという突拍子も無い変化球的設定を
ヌケヌケと持ち出してくるあたりは、いかにもと言うべきか。
290名無しのオプ:04/11/11 18:42:55 ID:E8Z6mGLU
つかロムってないで書け!
おまいだおまい。
291名無しのオプ:04/11/11 18:55:10 ID:8Ic70PMc
お、おれですか?

じゃあ、「深夜プラス1」を今頃読みました。悪くないけど、傑作といわれるほどの読後感は
得られなかった。たぶん、時間が経ちすぎてるんでしょうね。次は「女王陛下のユリシーズ
号」を読むぞ
292名無しのオプ:04/11/11 19:27:49 ID:b4xxd7xq
「深夜プラス1」は全く同感。面白いけど・・って感じの感想。
昨日読んだのはフレデリック・デービスの「閉ざされた墓場」
いかにも黄金時代って感じの作品ですが、トリックやプロットの先がバレバレ。
けど、登場人物が面白いんで、充分読めました。
293名無しのオプ:04/11/11 20:14:15 ID:xegRhqqg
「マーチ博士の四人の息子」ブリジット・オベール(早川文庫)
ある日、マーチ博士の家で働くメイドのジニーは恐るべき日記帳を発見した。
マーチ博士の息子の手によるその日記には、彼の快楽殺人を続けてきた日々が
綴られていた。博士には四人の息子がいるのだが・・・。

最後に伏線を回収するパズラーかと思っていたら、ごにょごにょ・・・。
フランス女流作家なので、とは思うけど・・・。
とはいえ、文章は平易で読ませる内容だと思う。切羽詰っているのに、なぜ
ジニーは家を出て行かないのか?という疑問が無きにしも非ずではあるが。
294名無しのオプ:04/11/11 22:42:23 ID:Lw1bCd3w
「グリーン家殺人事件」ヴァン・ダイン(創元推理文庫)
ニューヨークのはずれに建つグリーン屋敷。そこで二人の娘が射たれたのを皮切りに、
相次いで一家の者が殺されるという恐るべき惨劇が持ち上がった。
憎悪と嫉妬が渦巻く中で、一家の皆殺しを企てる姿無き殺人者の犯行が続けられていく・・・

永い間、積読にしていた本。
古典ものなので多少古臭さは感じます。
途中で犯人がわかってしまったものの最後まで飽きずに楽しむことができました。
それと緻密な伏線がきっちりと回収されるところには感心しました。

個人的にはあかずの書斎に置いてあった本を読んでみたい・・・
295名無しのオプ:04/11/11 23:19:32 ID:Lw1bCd3w
「僧正殺人事件」ヴァン・ダイン(創元推理文庫)
コック・ロビンを殺したのはたあれ?「わたし」って雀がいった。
マザーグースの童謡につれて、その歌詞通りに連続殺人事件が発生する。

最後の終わり方が今一。
「グリーン家」が面白かったので期待し過ぎてしまったのか・・・残念。
296名無しのオプ:04/11/13 01:08:18 ID:5wuXbr5L
欺く炎を読みました。面白いんだけど、魔術師の後に読んだからライムがいたら…とかって考えて自己嫌悪
297名無しのオプ:04/11/13 13:28:10 ID:J+WBivLN
「編集室の床に落ちた顔」キャメロン・マケイブ(国書刊行会)
撮影所の編集主任マケイブは、新作映画から新人女優エステラの映像のみを
全面カット=「編集室の床に落ちた顔」にするようプロデューサーに命令された。
その翌朝、撮影所内にエステラが死体となって発見された。
事件は先の新作映画に関する一件と関係があるように思われ・・・。

最初はかったるい作品だと思っていたが、残り30ページくらいになってから
急激に面白くなる。たしかに凄い内容。ただ「二度と繰り返すことのできない
トリックの宝庫」という惹句から受ける印象とは大きく異なるけど。
結局、この結末はメル欄ということなのかな?(そう思わせること自体が作者の
策略なのかもしれないが)
298名無しのロム:04/11/13 18:00:38 ID:IBng+pm/
>>290
リクエストとあらば仕方ない。
稚拙ながら書きましょう。

「囮」ジェラルド・シーモア(講談社文庫)
 英国の若き女教師シャーリーはDEA・米麻薬取締局の要請を受け、
 マフィアの本拠地シチリア最大のルッジェリオファミリーに
 単身ベビーシッターとして潜入する。
 姿を見せないドン・マリオをおびき出すために。

作者の性格なのか、状況描写がかなり細かくなされてる。
人物の台詞も説明台詞が多いし、人物の名前もイタリア人なので覚えにくい。
場面もコロコロ変わるので、面倒くさがりには向かないと思う。
それでも、主人公のDEA捜査官アクセルと女教師シャーリーの愛憎劇、
正義を貫こうとして孤立する判事等々、登場人物がよく書かれている。
そしてラストの切なさ。
どんでん返しも派手なアクションも無いけど、読み応えはある作品。
299読後感:04/11/13 21:20:49 ID:H6i00nQp
「クウェート大作戦」ピーター・オドンネル(講談社)
 淑女スパイモデスティ・ブレイズの活躍するシリーズ第2作。
 悪の組織に潜入捜査を命じられたヒロインとその相棒。
 しかし、正体を見破られ、ヒロインは囚われの身に・・・。

 「深夜の散歩」で福永武彦が言及してたんだっけかな?
 何故2作目から読んだかというと、1作目の「唇からナイフ」は映像化されてるからなんです。
 それならビデオで見ようと思って。しかし、商品化されていなかった・・・ショボーン
 内容は劇画的で、「アンクルから来た女」と同じく映像で観た方が面白いであろう作品でした。

 しかし淑女という触れ込みとは裏腹に結構な汚れ具合でビックリした。プチ寿行って感じ。
300読後感:04/11/13 21:22:24 ID:H6i00nQp
「塩沢地の霧」ヘンリー・ウェイド(国書刊行会)
 都会を離れ、田舎でひっそりと暮らす若夫婦。
 貧しい暮らしの中でもそれなりに幸せではあったが、妻は言い知れぬ焦りを感じていた。
 やがて彼女は夫の思いもよそに都会からやって来た作家と親密になっていく。
 それが取り返しのつかない悲劇の幕開けとなるのも知らずに・・・。

 ま、確かにミステリー的な期待から読んだわけじゃないけど・・・ヒドイ。
 こんなんハードカバーで買っちまったら悲惨だな。
 しかもこれ以前観た(メル欄)ていうフランス映画とほとんど内容が一緒。
 脚本家は読んだことあるのかも。

 以下下衆の勘ぐり。
 ヒラリー(悪女の名は忘れない)は絶対間男と一発やってるな。理由は次の通り。
 1、ヒラリーが夫に語った間男の行動についての推測が信憑性無さ過ぎなこと
 2、彼女は別々に部屋を取ったと言っていたが後に刑事がホテルに聞き込みした際
   そんな事実は一切出てこなかったこと
 3、彼女の話を信じるとすると、彼女が間男に幻滅した時期にズレが生じること
(地の文が嘘をつく筈が無いので、彼女の方が嘘をついているいうことになる)
 4、ホテルでの事があった後、間男を夕食に誘うことにも特に難色を示さず、
   酔った彼を泊めてもいいと思っていたこと(地の文による)
 以上の4点によりヒラリーは間男と一線を超えていたと思われる。証明強制終了。
 
 でも彼女のこれからの人生を考えると・・・笑いが止まらねーぜ!!ヒャーハハハハハ!!!!!!!!
301板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/13 21:27:26 ID:NloFMo5Z
「妻を殺したかった男」ハイスミス読了
ラストの後味の悪さが予定調和的。
でも好き
302板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/13 22:49:25 ID:8vpQrEAo
ロバート・B・パーカー「BAD BUSINESS」
相変わらずのスペンサー、敵はこれまでで一番巨大だけど、一番弱っちかった。
暴力シーンが最後の1箇所しか出てこない。奴も年かw
303板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/14 16:30:40 ID:kLOMy88l
「歌うダイアモンド」ヘレン・マクロイ(晶文社)
本格・サスペンス・SFなどの短編集。

本格のほうは期待ハズレというか、何と言うか・・・
苦手だと思っていたSFのほうが期待以上に面白かったです。
全体的には可も無なく不可もなくといったところ。

お薦めは「風のない場所」。
304ロム者:04/11/14 23:08:04 ID:6yxYRV1d
「暗殺者-キラー-」グレッグ・ルッカ(講談社文庫)
凄腕ボディーガード「アティカス・コディアック」シリーズの第三弾。
煙草訴訟の重要証人を守れ!
今度の敵は世界の殺し屋エリート集団「テン」の一人だ!!

第三弾ということは前の二冊を読まなければ相関関係がわかりづらい。
それを踏まえての感想は、まさにハリウッド映画。
派手なアクション、無敵な主人公、嫌な敵役、
次から次へ押し寄せる危機また危機。
サクサク読めるし、時間つぶしにスカッとしたければお勧めの作品。
305板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/15 23:31:52 ID:LxyrMzkW
ちょっと、すいません。
21日のお昼に大井町でブックオフに行くオフ会をする予定です。
興味のある方はオフスレを覗いてみて下さいませ。告知失礼しました。
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1094046761/l50
306読後感:04/11/16 16:46:33 ID:DdaOxaBb
「怪奇小説傑作集 1」(東京創元社)
 幻想と怪奇のアンソロジー。だが平井呈一の訳が古いし無駄に長い作品が多い。
 ミステリーと違ってこういうのは長くなりすぎたらダメなんだよ。
 国内だが都筑道夫なんかはその辺よく分かってると思う。
 2巻以降は訳者も変わるのでちょっと期待。
307板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/20 22:14:17 ID:QmAg+q7A
【海外】スレタテするまでも無い海外作家たち【総合】
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1100956341/l50

新スレ立てました。よろしくです。
308ロム者:04/11/23 00:33:38 ID:7zYnwtI3
「殺しのリスト」ローレンス・ブロック(二見文庫)
切手収集が趣味の殺し屋ジョン・ケラーが主人公のシリーズ第二弾。
普段通り殺しの依頼を淡々とこなしていくケラー。
しかし何かがおかしい。何かが気に入らない。それは・・・

短編が集まった第一弾と違い、今回は長編。
前作のスッキリ、サッパリ感が好きな人はあまり面白くないかも。
かくいう私もその一人。
長い物語であるが故か、(私的には)必要ないシーンがありすぎる。
だもんで、第一弾の面白さを期待してたら途中で飽きるかも。
309板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/23 16:38:38 ID:GYbI6n5g
「黄色い部屋の謎」ガストン・ルルー(創元推理文庫)
スタンガースン博士邸の「黄色い部屋」で奇々怪々な事件が突発した。
内部から完全に密閉された部屋の中から令嬢の悲鳴が聞こえ、救援に
駆けつけた一同が飛び込んだ時、血の海の中には令嬢が倒れているだけ・・・

訳が合わないのか読み難く、感情移入の出来ない登場人物に途中で挫折しそう
になりました。
(これは自分が悪いのですが)
後半、以前にネタバレを見ていたのを思い出し面白味が欠けてしまいました。

結論、古典ものは早目に読んでおけってことですね。
310名無しのオプ:04/11/23 18:03:48 ID:LLcWB+Ef
「見えないグリーン」ジョン・スラデック(早川文庫)
35年ぶりに再会を果たそうとしていた素人探偵七人会。だが、メンバーの
ストークス老人がグリーンと名乗る謎の人物によって命の危機に晒されて
いると電話で知らせてきた。
ただの被害妄想だろうと思われていたのだが、老人は本当に自宅のトイレで
亡くなっていた。心臓麻痺による自然死と判断されるが・・・。

素人探偵サッカレイ・フィンのシリーズ第3作目。
相変わらずふざけた雰囲気を漂わせながら、その実、直球勝負の本格物。
我孫子武丸の某作品的な殺害方法にも驚いたが、それ以上に密室殺人の
強烈なトリック&伏線にビビる。個人的には傑作だと思う。
311板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/23 22:41:04 ID:7VkFnPFG
>>310
「見えないグリーン」はトリックだけは強烈に印象に残るんだけど、
何かそれだけって感じもあるんだよね。性格描写とかが薄っぺらなので、
人間関係が分り難く、登場人物の印象が殆ど残らない。
312板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/24 18:29:40 ID:MoS+UcVG
「死の鉄路」(F・W・クロフツ、創元推理文庫)読了。
鉄道工事等の克明な説明、薀蓄が良かった。
が何よりも、反則スレスレの「意外な真犯人」に驚く。
クロフツ侮り難し。
313名無しのオプ:04/11/24 18:59:50 ID:J5q5K1g6
>>311
性格描写とか、作者はそういうのを意図してないと思うから、
別にいいんじゃない?パズルとして面白ければ。
314板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/24 19:16:02 ID:3JUF/HgO
C・デイリー・キング
ちょっと前に「海のオベリスト」が翻訳され、このところ少し時間が空いたので
積ん読だった後2冊を含めオベリスト3部作いっき読みしました。

「海のオベリスト」
豪華客船の中での殺人をめぐって4人の心理学者がそれぞれ推理をめぐらす
というのがウリのひとつらしいが、これがかなり当てずっぽうのもので、
バークリーの「毒チョコ」なんかをイメージするとはぐらかされる。(乱歩の
「心理試験」そっくりのものまで出てきてなかなか楽しいが。)
物語は展開が早く読みやすいがパズラーとしての落ち着きはなく
通俗スリラーといった趣か。犯人の指摘も探偵が論理的に追い詰めるのではなく
犯人自身が馬脚をあらわすものでやや不満。(なお、この小説にはひとつの趣向があるが、
そのネタは次の「鉄路」の冒頭でバラされるのでこちらを先に読んだ方がよい。)
315314 :04/11/24 19:18:18 ID:3JUF/HgO
続き
「鉄路のオベリスト」
(現在入手困難なようだが、実家の物置をひっくり返してたらひょこっとでてきたというのはラッキーだったのか?)
大陸横断鉄道を走るプールつき(!)豪華列車の中での名士の死。
前作と同様4人の心理学者(面子で共通するのは一人のみ)がそれぞれの推論を
披露するが、今回は事実に即したものなので前作よりも説得力はある。
探偵役が試行錯誤しながら最後には「名探偵、みなを集めてさてと言い」という
大団円に持ち込むのでカタルシスはある。巻末の「手がかり一覧(これも3作共通)」も
わりと妥当。まずは手堅く作られた黄金時代のクラシック・パズラーの佳作というべきか。
ただ、こういう小味なミステリって今の新本格に接している読者にはどう写るのだろうか。

「空のオベリスト」
今度は飛行機の中での死。心理学者に代わって哲学者や劇作家などが素人考えを言い合うのは
同様の趣向。探偵がアリバイ一覧表を作ったりして古典的パズラーの体裁をふまえているが、
ひっくり返してまたひっくり返すという力業を使ったり(3作を通じて探偵役がどうもXXXなのもこの伏線だったのか?)、
フェアプレイを指向してるような巻末手がかり一覧もこの場合は?なものだったり、この作品は
クイーンのようなフェアプレイ型パズラーというよりはそのパロディでないかと思ってしまう。
斬新さを感じるか怒り出すかは読者次第。
316板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/24 23:23:29 ID:8VVxGdNl
「わらの女」カトリーヌ・アルレー(創元推理文庫)
千万長者の求妻広告に応募したヒルデガルデは、その広告主からカンヌへ招待されることになる。
しかし彼女を待ち受けていたのは、時計の歯車のように正確に動く完全犯罪計画だった。

悪女になりきれない女。打算的な男。
後半の男の態度、女の行動にイライラしてしまいました。読後感があまりよくなかったです。
勧善懲悪ものではないので苦手な人にはお薦めできません。(私は駄目でした)
317板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/25 00:09:08 ID:fu6YDZSd
>>315
「鉄路のオベリスト」は、ノヴェルズ版とEQ誌版とが有るけど、
どちらで読まれたんですか?
ノヴェルズ版は一部抄訳と聞いているんですけど。
318板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/25 10:13:08 ID:4FsT4OxH
>316
「わらの女」って、おれも一気に読んだけど、ものすごく読後感が悪いね。
でも傑作なんだろうな、これ
319315:04/11/25 16:15:42 ID:jpIHygJC
>>317
ノヴェルズ版です。「海のオベリスト」のあとがきによると、心理学に関する詳しい註釈
がすべて削られているそうです。黄金時代のペダントリー的装飾には欠けるけるかもしれないが、
あってもそんなとこ多分読まんし感想に大差はないかと。

>>316>>318
確かに読ませる力から言えば文句なしに傑作なのだけど、昔議論になったのは
この筋はフランスでもどこでも法律上成り立たないということでした。それがなければ
ベスト10級の作品なのだが・・・
結末に関しては、これがまだドイツに蹂躙された記憶も生々しい時期にフランスで
書かれたことを考えれば、広い意味での勧善懲悪なのだそうです。

320板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/25 18:30:19 ID:KtgZ+0Y1
>>319
>結末に関しては、これがまだドイツに蹂躙された記憶も生々しい時期にフランスで
>書かれたことを考えれば、広い意味での勧善懲悪なのだそうです。

おもしろい見解だね。
バックグラウンドを理解していないと曲解してしまうという、
海外物を読むときには避けられない出来事のキャピタルな一例ですね。
321板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/25 19:39:17 ID:FiqtooS7
影道81(ネイハム、新潮文庫)読了。
話が動き出す前の第一部が退屈で箸休めに解説読んだら、
軽くネタバレ喰って第三部が楽しめなかった…
第二部は最高だったけどね。
322板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/25 23:20:35 ID:dpwwk38u
殺人交叉点 フレッド・カサック
油断して読んでたらまんまと騙されました

フランスミステリーは嫌いだけどこれは面白かった
323板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/26 12:42:06 ID:a9iRVuBV
>>322
うらやましい・・・
「殺人交差点」で読んでしまったのでまったく驚かなかった・・・
324板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/26 13:37:50 ID:Wwly3JTf
>>321
>>323
可哀想としか言いようが無い ( ´∀`)ゞ
325板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/26 16:02:15 ID:lIvhflN+
「ペンション殺人事件」(J・エディゲイ、ポケミス)

・・・ポーランド作家の本格ミステリ、ということで期待して読んだの
ですが・・・。
「まさか、余りにも有名な、あのトリックじゃないよな?」と危惧して
いたとおりの結末に。しかも反則気味。

「サウサンプトンの殺人」(クロフツ、創元推理文庫)
これは佳作。単なる倒叙物かと思ったら、第2の殺人からフーダニット
の展開に。
トリックは機械的に過ぎ、余り面白くないけど楽しめました。
直ちに復刊すべし。
326板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/26 17:38:16 ID:ZxZmVu3Z
「グリーン家殺人事件」S・S・ヴァン・ダイン(創元推理文庫)
雪の降り積もる夜、ニューヨークに古風な豪邸を構えるグリーン家で
発砲事件が起こり、長女は死亡、末娘は怪我を負った。だが、これは
グリーン家を襲う更なる惨劇の序章にすぎなかったのだ…。

今さら有名古典を読んでみる。
ファイロ・ヴァンスのシリーズ3作目。ミスディレクションが貧弱で、
序盤から犯人がバレバレだったりする。ただ、クイーンのあれや横溝
正史のあれなど同種の作品が、この作品に強く影響されていたのだと
分かって、その点では面白かった。
327板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/26 18:49:04 ID:a9iRVuBV
>>326
クイーンのあれが「グリーン家」の影響を受けているというのは故・都筑道夫氏の
推測でしたが、クイーン自身(片割れ)は来日時のインタビューで
確か否定していたはず。でもやっぱり似てますよね。
328326:04/11/27 14:23:25 ID:5Hk2zKe+
>>327
それは知りませんでした。相似点が多いので、クイーンの手による
オマージュだと思っていたんですが、違っていたんですね。
329板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/27 14:31:22 ID:AJFQ2aw4
>>328
いやクイーンが認めたくないだけだろ。
ビジュアル系って言われて帰ったラルクと同じ。
330板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/29 19:18:58 ID:sL5oIQSn
「連続殺人事件」ジョン・ディクスン・カー(創元推理文庫)
スコットランドの片田舎に屹立するシャイラ城。ある夜、その城に
住んでいるキャンベル家の当主が墜死した。
一見して自殺に見えるが、細部で腑に落ちない点が見つかり…。

今さら有名古典を読んでみる。
説明は科学的に間違っているけど、実現可能らしい密室殺人。
二人の若者を中心とするドタバタ喜劇が非常に愉快で、事件よりも
はるかに印象に残る。あのウイスキーを飲んでみたい。
331板ルール変更議論中@自治スレ:04/12/01 16:41:05 ID:qiglcEcY
「螺旋階段の闇」エリザベス・ルマーチャンド(講談社文庫)
ある図書館での深夜の謎の墜落死。当夜に怪しい行動を取った容疑者が
次々に浮かんではシロになっていく。そして、あの中西智明「消失」を髣髴とさせる
驚愕の(脱力の)結末が!

ここに書き込むつもりはなかったのですが、あまりにアレなんでつい・・・
犯人の名前を含めてこれが英国風オフビートなユーモアってやつですか・・・
332板ルール変更議論中@自治スレ:04/12/01 17:44:04 ID:E7uq/Vho
なあ、一つ提案なんだが、書評・感想をブログでまとめていかないか。
通販板なんかでは買った人のレビューがブログでまとめてあって便利なんだが。

国内と海外の新刊紹介スレッドと『読みました』報告の4つのスレをまとめたらと思う。
333板ルール変更議論中@自治スレ:04/12/01 19:56:33 ID:WNN4ntOh
>>332
では、よろしくお願いします。
334板ルール変更議論中@自治スレ:04/12/01 19:58:05 ID:kE5oOqGc
>>332
ガンガレ
335板ルール変更議論中@自治スレ:04/12/01 22:55:56 ID:vVeN5Q0H
「赤い拇指紋」オースチン・フリーマン(創元推理文庫)
古典のわりには読みやすいけど、話自体が退屈。
世界の総人口160億人って出てくるけど、当時はそう思われてたのかな?
336板ルール変更議論中@自治スレ:04/12/01 23:46:14 ID:JifSfDOF
>>335
元々が物語の面白さを狙った話じゃないからなあ。
そういう偽造も可能ではないかという発想を小説化しただけみたいな。
337板ルール変更議論中@自治スレ:04/12/01 23:55:53 ID:kr74VR0a
A・A・ミルン「四日間の不思議」
期待しすぎた。
サスペンス無し、謎解き無し。マターリ感のみ。
338板ルール変更議論中@自治スレ:04/12/02 09:50:30 ID:MZOP/evJ
>>331
ぶはははは!読んじゃったのかあ!
ご愁傷様。
未読の方々は、この地雷踏まない様に注意してください。
339332 ◆ph2mdwd4e6 :04/12/02 10:12:15 ID:iaPNysm8
ほんとにまとめ作っていい?
他のスレでも聞いていいっていうなら作ってみる。
340板ルール変更議論中@自治スレ:04/12/02 14:22:51 ID:7KfyDJg9
>>332
是非、お願いします。
色んな板みて参考にしているけど、まとまってたらなぁ〜と思うので。
341板ルール変更議論中@自治スレ:04/12/02 19:21:54 ID:fCZkxLya
「かくてアドニスは殺された」サラ・コードウェル(ハヤカワポケミス)
人が良すぎてトラブルを巻き起こさずに入られない弁護士のジュリアが
ヴェネチアへ旅行することになった。弁護士仲間が気を揉む中、送られて
きた手紙は順調な旅行を伝えていた。
ところがなんと、現地のジュリアは殺人事件の容疑者として逮捕されて
いたであった…。

ユーモアというよりはギャグコメディの英国ミステリ。
パズラーとしての骨格がしっかりしているのはもちろんだが、言動が
頓珍漢すぎる弁護士のジュリアや、性別不明(んなアホな)の探偵役
テイマー教授など、アクの強いキャラクターも魅力的。
テイマーが謎解きを披露するラストは、前代未聞の展開で唖然とする。
342板ルール変更議論中@自治スレ:04/12/02 21:05:02 ID:B95pfa+h
>>341
テイマー教授の性別、年齢不詳というのがこのシリーズの売りのひとつなのだそうですが、
訳者が気づかなかったためにこれを読む限りではいわゆる日本の大学教授のイメージ
(50代以上の男性)しか浮かばないのは残念。結局その正体不明のまま作者は故人になってしまった・・・
343板ルール変更議論中@自治スレ:04/12/02 23:36:51 ID:LbAbYhw/
蜂工場 イアン・バンクス 読みました
これ結構すごいね
ゾクゾクする所が何箇所あった
単なるホラーではないと思いました
344板ルール変更議論中@自治スレ:04/12/03 07:07:58 ID:qB6rMaVH
>>341
有栖川もあの謎解きの部分は前代未聞と書いてたね。
345板ルール変更投票は4〜11日@自治スレ:04/12/03 21:49:10 ID:xGlOV23G
>>341
探しても見つかりません
346板ルール変更投票は4〜11日@自治スレ:04/12/03 23:27:51 ID:bv59wsrx
>>345
ポケミスの中では、そんなに探すの難しい方では無いとは思うが。
探してる古本屋にポケミスがあまり無いとかだったら話は別だが。
347板ルール変更議論中@自治スレ:04/12/05 16:49:30 ID:1XNOW0+v
「トレント最後の事件」E・C・ベントリー(創元推理文庫)
アメリカ財界の大物、マンダースン氏が別宅で殺された。
未亡人のメイベルが容疑者と目されたが、彼女の無実を信じるモロイ卿の
要請によって新聞記者トレントが事件解決に乗り出すことになった…。

今さら有名古典を読んでみる。
序盤からしばらくは展開がトロくて、やっぱり古すぎる古典はダメかなと
思っていたら、中盤で大きく物語が動き出すあたりから急激に面白くなる。
特に結末は、この当時にこのオチを考え付いていたのかと驚かされる。
1913年の作品だとナメてすいませんでした。
348板ルール変更投票は4〜11日@自治スレ:04/12/07 00:09:27 ID:zxtTLzw+
「紀元零年の遺物」ジェフ・ロング、
あとがきの中で訳者の山本光伸氏が
エンディングには“深み”がある、
って言ってるんだけど
どうも理解できない。
349板ルール変更投票は4〜11日@自治スレ:04/12/09 17:59:37 ID:SaTctvct
「帽子から飛び出した死」クレイトン・ロースン(ハヤカワ文庫)
神秘哲学者のサバット博士がアパートの自室で変死を遂げた。
床に描かれた五芒星の中に遺体が置かれていたという異常な状況も
さることながら、現場は施錠された完全な密室であったのだ。
この不可解な犯罪をグレイト・マーリニはいかに解くのか…。

今さら有名古典を読んでみる。
奇術師グレート・マーリニーのデビュー作品。
密室トリック自体はさしたるものでもなかったが、使い方が面白い。
こういうメル欄のような使い方もあるのかと、改めて感心。
ただ、検死医まで奇術をやるのはどうかと思うが…。
350板ルール変更投票は4〜11日@自治スレ:04/12/14 19:13:39 ID:KxMSavZQ
「衣装戸棚の女」ピーター・アントニイ(創元推理文庫)
田舎町アムネスティにあるホテルの二階で男性が殺されていた。
その部屋は内側から扉も窓も締め切られた密室であったが、衣装戸棚の
中にホテルのウェイトレスが手足を縛られて閉じ込められていた。
彼女は誰かに襲われて閉じ込められたと言うのだが…。

こんなのありか?という一発ネタの密室トリック。
人によって好き嫌いが分かれる内容だとは思うが、あまりにもバカバカし
すぎて個人的には好き。
351名無しのオプ:04/12/16 11:03:18 ID:ZFnyPcHg
「ベナレスへの道」T・S・ストリブリング(クイーン編の短編集「クイーンの定員」所収)

80年くらい前の作品なんだけど、古典にありがちなカビくささがないので、古典ミステリが苦手な自分でも楽しく読めた。舞台がカリブ海の小さな島なのでトロピカルな雰囲気w
短編なのですぐ読める。絶対おすすめ!
352名無しのオプ:04/12/16 21:32:31 ID:nAoKI167
「六死人」S.A.ステーマン(創元推理文庫)
一攫千金を夢見て世界に散った六人の若者たち。五年後の再会の際には財産の山分けを
約していたが、再会を前に次から次へと殺害されていく・・・

新刊で出た時に読んで全く内容を忘れていたので再読。
惹句でクリスティの「そして誰も・・・」を引用するのはクローズド・サークルでもないし
ちょっと違うのではと思うが、ミステリ初心者には結構驚きで迎えられるのではないか。
(すれからしにはちょっとアレだが。)
ステーマンは鳴り物入りで紹介された「マネキン人形殺害事件」でミソをつけてしまったが
(これはひどかった)英米圏以外の作家としてやはり無視できないのではないかと思った。
次に「殺人者は21番地に住む」も読み直してみるか。
353名無しのオプ:04/12/17 02:45:46 ID:IvNU1FWo
>>352
直樹さん?
354352:04/12/17 13:04:39 ID:+2GscwJm
>>353
355名無しのオプ:04/12/17 14:45:17 ID:p699vbtX
>>352
仏ミステリーとして同時期にS・A・ステーマンと並び称されていたピエール・ヴェリイの
「サンタクロース殺人事件」を読んでみてはいかがだろうか。普通に書店で入手可能と思う。
356352:04/12/17 16:01:15 ID:+2GscwJm
>>355
サンクス。内容紹介をちらと読んだ限りではクリスマスストーリーっぽくて
よい感じですね。
357名無しのオプ:04/12/17 20:28:04 ID:JYpDetBI
ヴェリイの場合、ステーマンほどトリッキーな感じは無いが、
ステーマン作品には欠けているファンタスティックな味がある。
358名無しのオプ:04/12/18 18:48:54 ID:Qm+/NNqz
各種ランキングで割と好評だった、ミネット・ウォルターズの「蛇の形」読みました。
読了して、こういう感じのミステリーは合わないなと実感。
後半は正義正義いってるミセス・ラニラをキモく感じたほど。
ウォルターズ初めてだったんで読む本間違えたかな…
359名無しのオプ:04/12/19 11:40:29 ID:U1WIp3bo
このスレで昔紹介されていた (>>2
ウイリアム・アイリッシュ「幻の女」
を読んだのだが、実に良かった。久々に名作を読んだ気がする。
360名無しのオプ:04/12/19 11:41:49 ID:U1WIp3bo
>>359は(>>3)の間違いだった。
361名無しのオプ:04/12/19 15:58:00 ID:V+YMjG67
>358
M・ウォルターズ、ファンなのですが、自分も「蛇の形」は好きになれない。
待望の新作だったのに、主人公のうさんくさい正義感と動物虐待に辟易。
清廉潔白な人物を望んでいるわけじゃないけど、違うダロ・・・と思った。
前々作の「囁く谺」もちょっと抵抗感があったけど、他の作品は面白く
すんなり読めたので、どうでしょうか?
362名無しのオプ:04/12/19 22:56:25 ID:dvEvpOMZ
蛇の形、私はいいと思ったよ。
たしかに傍から見ればミセス・ラニラは必要以上に“正義”を振りかざす
ウザイ女だけど(そのせいで家族や隣人から叩かれもしてるけど)、
思い込みで理由もなく固執してるんじゃなく、彼女なりに自問しつつ
それでも止められないというのが読んでてよく伝わってきた。
なぜこだわるのか?という疑問への回答はラストに出てくるけど、
アレだけで済ませず、そこに到るまでに彼女の心理描写を丁寧に
描いていたから、けして薄っぺらな正義感とは思わなかった。
よく描けてたと思うけどなあ。

動物虐待描写はたしかにきつかったね。あれは読む人選ぶと思う。
ただ、そういうところも含めて、ウォルターズらしい作品だと思った。
363名無しのオプ:04/12/19 23:58:30 ID:U1WIp3bo
では反対にウォルターズの好きな作品はなんですか?
364名無しのオプ:04/12/21 01:33:02 ID:UQa6yHYs
カーター・ディクスン「白い僧院の殺人」読了。
(ノ∀`)アチャーこれは本スレでも言われていたけれど後半の方で読むべきだったな・・・
確かに本当の最初に読んでたら確実に本を壁(ryしていたと思う。
某小説のように、説明シーンで伏線のあるページを書いていたのは役立ちました
「えっ?」と初めから確認してみてやっと納得できるくらい
365読後感:04/12/22 00:22:13 ID:mlPSe7jl
「青銅ランプの呪」カーター・ディクスン(東京創元社)
 エジプト帰りの若い女性が謎の失踪を遂げた。
 屋敷に入った瞬間に消失したのである。残っていたのは不気味なランプだけ。
 彼女はその数日前、カイロで妖しい預言者に不吉な呪いをかけられていた・・・。

 倉知淳が好きらしい。どこがいいんだろ?動機かな?
 まあまあだけど誉めるほどじゃないしなー。
 トリックでは絶対ないだろうし。これ酷過ぎるよ。「功績」でやってくれとw
 しかし、最後の一ページ!おお、バッカスよ!私はそこに真実の愛を見たのだ!!
 きっと倉知氏はここが気に入ったんでしょう。俺読んだ瞬間ちょっとカーに惚れたからね。
 あの口髭によろめきそうになった。
366読後感:04/12/22 00:22:55 ID:mlPSe7jl
「悪魔を呼び起こせ」デレック・スミス(国書刊行会)
 探偵アルジー・ローレンスは、言い伝えの真偽を確かめようとする
 依頼人の兄ロジャーを守るため、クウィリン家へ赴く。
 そこには「通路の間」と呼ばれる「人喰い部屋」があったのだ。
 そこで一夜を明かすロジャー。その夜言い伝えは真実になる・・・。
 
 上質な密室モノらしいですが、私は気に入らない。
 まず、探偵役が嫌い。コイツ言うに事欠いて「事件捜査はガールハントだ!」
 とかぬかしやがるわけですよ。何たる破廉恥!不謹慎ったらありゃしない。
 しかもこの家についた途端、当主のフィアンセにコナかけ出すし。
 部屋にきたところを捕まえてチューしたりもする。不潔よ!!
 ま、成就しなかったからいいけど(ニヤニヤ
 これがカー先生なら普通にくっつけて終いだろうな。

 あと、肝心の密室トリックですが、これが何と言うか「美しくない」
 あれこれ手順が多いのはどうもね。その場その場で凌ぐのなんて成功率
 も低そうだし。
 
 他にも視点が短期だけ唐突に入れ替わったり、P313で妄言があったりと
 総じて低評価。
367読後感:04/12/22 00:23:31 ID:mlPSe7jl
「螺旋上の殺意」リドリー・ピアスン(角川文庫)
 主人公の刑事が苦い思い出がある昔のヤマとよく似た事件を追うって話。

 ピアスンはロマンスもきっちり書くね。主人公が元カノといるところと
 相棒の女刑事といるところのタッチに違いがあって面白い。
 やり過ごすためにセックスするフリするなんて今日日ロマンス小説でも
 そうはないと思うw
  
 主人公が疑っている元上司の態度が不可解だな〜と思ったが、最後まで読むと
 何となく納得できた気になった。
368読後感:04/12/22 00:24:10 ID:mlPSe7jl
「処刑六日前」ジョナサン・ラティマー(東京創元社)
 殺人容疑で逮捕拘留されている主人公(?)の無実を彼のフィアンセや友人達が
 協力して証明しようとするタイムリミット・サスペンス。

 ↑と聞くとまず連想するであろう「幻の女」よりも6年かそこら先行している作品です。
 他にも「証拠が問題」「解決はベッドの中で」とかが思い出されます。
 本作はそこにさらに密室殺人がプラスされています。こういうのも発表時期のミステリシーン
 を思い浮かばせますね。↑のトリックはあっさりしてたけど。

 ただやはり今読むと標石的価値しか見出せないかも・・・。「幻の女」を読んでちゃね。
 ラティマーはもう一つ「第5の墓」というのも気になってはいる・・・。
369読後感:04/12/22 00:24:42 ID:mlPSe7jl
「四日間の不思議」A・A・ミルン(原書房)
 資産家の叔母に会いに行ったジェニーは死んでいる叔母を見て動揺しまくり、
 凶器に触り、ハンカチを落とし、足跡を残して逃走してしまう。
 ぼけぼけヒロインの四日間の軌跡。 
 
 この作品の不幸はこんなハードカバーでどどーんと出ちゃったことでしょうね。
 こういうのは旅のお供にキヨスクででも買って車中で読むべきであって、
 家にひっこもって読む類のものではないんですよ。残念!
 
 内容はユーモア作家としてのミルンの面目躍如たるものがあります。
 ヒロインとホームレスとの会話とか、とことん天然入っててマターリできるし。
 あと映画女優と夫の件とかも良い。 
370読後感:04/12/22 00:25:42 ID:mlPSe7jl
「爬虫類館の殺人」カーター・ディクスン(東京創元社)
 互いに敵対する家系に生まれた若い男女の奇術師が動物園で顔を合わせ、
 恋に落ちる。二人は園長宅に招かれるのだが、そこでは奇妙なことが続けざまに起き、
 終いには園長が、内側から目張りした密室で大蛇とともに死んでしまう。
 二人は時に反目しながらもH・Mを助けて事件を解決しようとするが・・・。

 題名に偽りありですね。爬虫類館では誰も死んでない。
 あと久々にカーの作品でムカつくヒロインに出会った。DQNだこの女。
 ハァハァしたいんだったら黙っとかんかいボケ! 
 でもあれだね、扉ぶち破ってなし崩し復縁というのは「ビロードの悪魔」
 でもやってたね。如何にも野郎の手って感じだけどリンダ・ハワードも
 良くやるんだよなw
 
 トリックは割かしスマートで好き。少なくとも「この世の外から」よりは
 優れているでしょう。

 僕はとにかくP76のH・Mのセリフに拍手を送りたい(でも実践篇はないんだよな)。
371読後感:04/12/22 00:26:28 ID:mlPSe7jl
「一角獣・多角獣」シオドア・スタージョン(早川書房)
 異色作家短編集で改訂時に落とされた6冊のうちの1冊。モー娘。みたいなんもんか(謎
 
 「ふわふわちゃん」が一番お気にかな。「熊人形」も不気味でよい。
 「一角獣の泉」は一角獣の使われ方が予定調和的な気が。
 「死ね、名演奏家、死ね」は最初面白かったけど終盤が駄目。(メル欄)だったらよかった。
 「反対側のセックス」は「めぐりあい」(「シシジイじゃない」)の秀逸なアイデアを変に
  物質化してしまっていて萎えた。
 「考え方」はオチがようわからんかったので保留。
 「ビアンカの手」「めぐりあい」は別短編集で既読。ちなみに好き。
372読後感:04/12/22 00:27:18 ID:mlPSe7jl
「破局」ダフネ・デュ・モーリア(早川書房)
 同じく改訂落ち。スタージョンよりかは「奇妙な味」っぽい。
 
 一番好きなのは「荒れ野」かな。ラストはもっと予定調和的でもよかった。
 次点は「青いレンズ」アウターゾーンで似た話があった。
 「アリバイ」も趣があって良い。
373読後感:04/12/22 00:38:38 ID:mlPSe7jl
「嘲笑う男」レイ・ラッセル(早川書房)
 同じくモー娘。 この作者は以前フーダニット・ホラー「インキュバス」を読んだ。
 夜にだけバケモノに変わって女性を襲うという人間を探す話で、変身時の記憶がない
 という設定がプロンジーニ&マルツバーグの「嘲笑う闇夜」と同じ。でも好きなのは
 「インキュバス」だな。

 ト、肝心の本書はというと・・・「破局」からまたSF・怪奇色の濃い感じに戻ります。
 このシリーズは「奇妙な味」と言ってはいかんのかも。あ、それで落とされたのか?
 正直一頭抜きん出た作品はないですが、エンタメ性は高いかと。
 「深呼吸」「貸間」などからは与える側の恐ろしさがひしひしと・・・社会派ぽい作風なのかも。
 それから「バラのつぼみ」 これ一読驚嘆したんですが、読み直すと誤読してたみたい(汗
 セイヤーズの「メル欄」的なオチなんだとばかり思ってたけど、違ったようで。
374読後感:04/12/22 00:51:14 ID:mlPSe7jl
「蝿」ジョルジュ・ランジュラン(早川書房)
 改訂落ち四連弾の最後。他2冊も(とりわけブラウンは)いずれ読みたい。
 表題作は映画「ザ・フライ」の原作。

 読む前はこの4冊の中で一番キワモノっぽいなぁと思っていたのだが、意外や意外、
 一番良かったかも。これは即座に復刊すべきですよ(未読王は永遠に黙れ)。
 どれもレベルが高いし、バラエティに富んでる。
 フランス人てルヴェルもそうだけど、怪奇タン・不思議タンの才能はあるのね
 (ミステリはクソだけど)。
 皮肉の効いた「奇跡」やクリスティとネタが被る「忘却への墜落」
 読み終わっても何が起こったのかよく分からない「他人の手」
 どんでん返しが光る「安楽椅子探偵」 昔話的な感動がある「最終飛行」
 (これはドラマ「世にも不思議なアメージングストーリー」の「最後のミッション」
  をちょっと連想した)
 人は過ちを繰り返すという教訓話でもある「悪魔の巡回」等々
 
 是非ご一読を。
375名無しのオプ:04/12/22 02:07:39 ID:zKC+nxyx
アガサクリスティーのアクロイド殺し
元々、この手のトリックでの代表作だって事は最初から知ってて読んだら・・・
あからさますぎ。_| ̄|○<モウチョットカクシテヨ
まぁ、あれで当時アンフェアだとか騒がれてたらしいし、しょうがないのか。

アイリッシュの幻の女も同じ時期に読んだ。
トリックというか話のキモは、アクロイドに似てるよーな似てないような。
でもこっちの方がわからなかったし、驚いたし、面白かったと思う。
そういえば久本雅美主演で、二時間ドラマでこの話やってた気がする。
幻の女が重要人物で、でも行方不明でって所まで一緒で、
途中でひょっとして・・・とか思ってたら、オチっつか犯人まで一緒だったという・・・
どなたか知りませんか?
376名無しのオプ:04/12/22 02:13:08 ID:UIrznO/S
>>357
ttp://www.fujitv.co.jp/jp/golden/pub/02-024.html
これですね。トリックの蒔田さんが脚本担当でした
それにしても、このタイトルちょっとアンフェアすぎるような・・・
377名無しのオプ:04/12/22 02:26:56 ID:zKC+nxyx
>>376
あぁそうですそうです。確かにお笑いコンビの話でした。サンクス。
見てた当時、母親は驚いてたけど、自分は幻の女読んでたから、「まんまかよっ」って突っ込んだ覚えあります。
タイトル覚えてませんでしたが、これは・・・(汗 
シリーズ物にはなりえないのに(1)はないですねぇ。これはわからないわ。
378376:04/12/22 02:33:23 ID:UIrznO/S
むしろその固定概念<(1)がつく=連続シリーズもの>を覆したものかなと今脳内変換してみたけど・・・やっぱり苦しい。
379名無しのオプ:04/12/22 02:52:16 ID:zKC+nxyx
(1)がなければねぇ。トリックの人が脚本って、トリックの方がいいなぁ・・・なんて。
連続殺人の動機といい、最後の犯人のおびき出す方法といい、まんま幻の女だったわけで。
これって結構有名な古典なんですよねぇ。
なんでまんまパクるんだ・・・(汗 やる気なかったのか。
ともかくサンクスでした。
380名無しのオプ:04/12/22 20:46:15 ID:d2K4yOwt
>>358>>361>>362
「蛇の形」ってさ、結局アニーの敵はミセス・ラニラの敵でもあったわけでしょ?
ラニラは建前上は人種差別イクナイヨとか言ってたけど、
本音はそいつらの罪を容赦なく暴いていくことにあったわけ。
だから正義を盾にして、グレアムロードの人間関係に波風立てることを平気でやった。
ラスト2ページはそのえげつなさを際立たせるためにあったわけで、
帯に書かれてある「人間の内に潜む邪悪なもの」っていうのは探偵役のラニラ自身も持っているものだとおもた。
漏れの読み方間違ってる?
381名無しのオプ:04/12/22 22:17:49 ID:82oAvm4V
361です。

>380
間違ってナイと思う。362の言い分もよくわかる。
で、それぞれの意見を全部ふまえた上での「キッツイなぁ」という感想。
自分自身の胡散臭さや自己正義観なんかを突きつけられたようで
精神的に苦しい本ですなぁ・・・、と。
(お前にラニラ的なところはないのか!?みたいな)
すごい本だけど、追い込まれた感じが強くて好きになれないんだよぉ〜っ。

ウォルターズでナニがオススメかというと・・・
どんな感じの本が好きなのかを書いてくれると嬉しいです。
382名無しのオプ:04/12/22 23:19:05 ID:0HhLPwHV
362です。

私も380の読み方は間違ってないと思うよ。
これは蛇の形だけじゃなく、ウォルターズ作品にある程度共通して
いえることだと思うな。<「人間の内に潜む邪悪なもの」
一見平凡に見えたり、善人に見えたりするものも一皮剥くと中身は・・・
というのを描かせたらウォルターズはほんと巧いと思うんだよね。

>381
精神的に苦しい、というのに激しく同意。
読了するまでにはすごくエネルギーを要する本だと思う。
私は読んでて息が詰まってくるような感じがした。
でも、こういう本、私はすごく好きなんだよね・・・。
(何冊も続けては読めないけど・・・体力ないから)
383名無しのオプ:04/12/23 00:26:28 ID:y56i82Q2
ウォルターズは良くも悪くも女性くさい所が鼻につく場合がある。
384名無しのオプ:04/12/23 14:26:01 ID:ffJDJ2vp
アガサクリスティのシタフォードの秘密読みますた。これ名作なんですか?可も不可もなく、普通の本だと思いますた。
385名無しのオプ:04/12/23 14:33:32 ID:yjYHFIju
クリスティの中では普通本ですが何か?
386名無しのオプ:04/12/23 14:45:11 ID:ffJDJ2vp
やっぱ普通なんだ はぁいまいちですた
387名無しのオプ:04/12/23 15:36:13 ID:AY0Vrif5
ミステリって訳じゃないんだが、パトリシア・コーンウェルの新作ってどうですか?
388名無しのオプ:04/12/23 19:12:14 ID:nsK+onJ1
良くも悪くもスカーペッタだよ。
「新刊紹介スレッド(海外編)」で紹介されているので
読んでみてはいかがでしょうか?
面白くないわけじゃないんだけど、ちんまりしてるというか・・・
こちらが真面目に向かっていく本じゃないなぁ。
自分はキャラクターに愛着があったりするので「仕方がないけど付き合うか」
てな感じで読みました。
389名無しのオプ:04/12/24 11:46:18 ID:3XwVjq68
ポール・リンゼイの「覇者」上下巻講談社文庫 読了しました。
リンゼイ読むのは初めてだったけど、これでもかこれでもかとどんでん返しがくる
サスペンスフルな展開は良かったです。
キャラクター造形についてはありきたり杉かも。
390書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :04/12/25 11:11:57 ID:Cq5tbcW3
A・H・Z・カー「誰でもない男の裁判」を読む。
このミス6位、文春5位にランクインした作品集だが、
全体を通しての感想は「甘ったれるな!」、この一言に尽きるかと思う。
作者は同じカーでも、カレッジ中退の米国版司法崩れ、売文業以外にはまともな職歴が無い
J・Dとは大違いのシカゴ大学学士号、コロンビア大学修士号を有し、
大統領経済学顧問まで務めた経済界では大成功したビジネスマンである。
しかし、この程度のものを書いているようではミステリという分野では駄目ぽ。
昨年の「歌うダイアモンド」「ヨットクラブ」にしても、一昨年の「壜の中の手記」
にしても、宝島社も文春も晶文社の海外作家の短編集に評価が甘過ぎる。
これでは、業界内のごっつあん相撲とか思われてしまうぞ。
では、全話講評行ってみよう!
391あぼーん:あぼーん
あぼーん
392名無しのオプ:04/12/25 11:16:49 ID:hC2FsF7R
全然関係ないんですが、下の方のスレが「人大杉」で開けません。
他の板は普通に開けるのに。
ミステリ板でこんなこと初めてなんですが、たまにあるのでしょうか。
過疎板だとばかり思っていたんですが…。
393名無しのオプ:04/12/25 14:04:42 ID:L28HHkFU
>>392
ホントダ。
懲罰サバになったのかな?
専用ビューワ入れれば?
394名無しのオプ:04/12/25 14:38:52 ID:Aap8epc2
>>392
初めてではないよ。
今年の5月下旬に鯖マシンを運営している会社が変わることになって
新会社の鯖マシンに移行した後、多くの板が「人大杉」状態になった。

あの時は、少ないマシンに板を沢山詰め込んだので、マシンの負荷を下げる為に
「人大杉」状態にしていた。
だから、後に鯖マシンが徐々に増やされて板が分散されていくとともに、
「人大杉」状態は次々に解除されていった。

今回の理由は知らないけれど、banana229.maido3.com(鯖の本名)にある他の鯖
・aa4.2ch.net
・bubble2.2ch.net
・off2.2ch.net
・that3.2ch.net
・travel2.2ch.net
の影響を受けているのかもしれない。
(ちなみに、ミステリ板がある鯖は book3.2ch.net。
これらが全て banana229.maido3.com の中にある。)
395名無しのオプ:04/12/25 22:46:25 ID:vfcp/Gif
やっと入れた・・・のか・・・
396名無しのオプ:04/12/27 17:15:09 ID:z1nnwsIY
「スカイジャック」トニー・ケンリック(角川文庫)
360人の乗客を乗せたジャンボジェット747便が忽然と姿を消した。
直後、身代金として2500万ドルのダイヤモンドを要求する手紙が
航空会社に舞い込んだ。
この難事件に開店休業中の弁護士とその秘書が挑むことに…。

ジム・キャリーあたりを主演にしたハリウッドコメディ映画を
思い起こさせるスリラー。ご都合過ぎるし、ミステリとしては
弱い部分もあるが、このカラッとした明るさが楽しい。
ドアは音を立てずに閉めましょう。
397あぼーん:あぼーん
あぼーん
398あぼーん:あぼーん
あぼーん
399書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :04/12/27 22:06:47 ID:Ndez8yKc
「キャシーに似た女」
解説にもあるとおり、怪盗ニック・シリーズのファンにはお薦めな一編。
テーストはもっとシリアスでシビアではある。
「人生とは」
これも意外に2ちゃんねらー好み(特に自動車好きな)の作かと思う。
「初犯」
クライム絡みの青春小説。洋の東西を問わず田舎暮らしの青年たちには身に詰まらされる
ものがあるのでは。
「谷間の鷹」
どこかサム・シリーズ「革服の男」を想起させるが、牧歌的な部分は無く、
間断するところがないシリアスなサイコ・スリラーが展開される。
「陰のチャンピオン」
ボクシングネタの異色作。まあ、読んでみれ。
「われらが母校」
高校の同窓会を舞台に妙にリアルに人間の暗黒面を描き切った作。
佳作だが後味悪し。
400書斎魔神の手口に注意!:04/12/28 11:10:47 ID:hw9Ktlcf
広域荒らし人 書斎魔神 の書き込みは無視しましょう。

今やこの輩は、あちこちの板で無視され続けるがあまり、
自演レスを多用し会話を偽装成立させている多重人格異常者です。

書斎魔神宛ての名無しのレスも、その内容が批判的なものであれ、
書斎魔神自身が書いているのです。
これらをひっくるめて全て無視して行きましょう。
401書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :04/12/28 20:19:58 ID:4limPdgB
A・H・Z・カー「誰でもない男の裁判」の論考修整稿を上げておきましょう。

「黒い小猫」
シビアなテーマの読み応えある作だが、どう読んでもミステリではない。
アマゾンの書評にマンディアグル「仔羊の血」を想起させる旨を書いているものを
見かけたが、このマンディアグルの作の方がはるかにミステリ色が濃く、オチも効いている。
一点を除いて共通点が見当たらない両作であり比較論考するのはどうかとも思うが。
「虎よ!虎よ!」
アルフレッド・E・ベスターかよ、と思わせるタイトルだが、SFの古典と同じ詩が
このタイトルの由来である。
ウールリッチばりのレストランを舞台にした犯罪談だが、コーネルならもっと息詰まるような緊迫感をもって書いたであろうと思われる題材。まあ、標準程度の出来栄えといったところか。
「誰でもない男の裁判」
ベタな直訳がわかりにくい。「名無しの権兵衛殺人事件」とでもすれば良かったかも。
実質的に無宗教者が多い日本人には、わかりにくく全然面白くない一編である。
「猫探し」
軽いタッチの短編だが、切れ味は名手スレッサー等には遠く及ばない。
「市庁舎の殺人」
出来が悪いクイーン作品といった趣の謎解きミステリ。どうってことはない。
東西を問わず、世の中に禁煙が浸透して来ると、わかりづらくなる設定の作かと思う。
「ジンメルマンのソース」
ダールの失敗作風。オチも見え見えであり、およそ語るに値しない作である。
「ティモシー・マークルの選択」
本作もミステリとして読むと、たいしたことはない。
殺人も絡む普通小説ということで、別な観点から鑑賞の対象とすべきものであろう。
「姓名判断殺人事件」
古典的なネタの作品だが、物語展開に無理有り過ぎである。
重要な手がかりも日本人にはわかりにくい点も難。
402名無しのオプ:04/12/28 20:58:52 ID:ROl9QUAp
>>400
いや、わざわざ言わんでもわかってるから。
403名無しのオプ:04/12/28 23:10:50 ID:QE8fS9F6
>書斎さん

実に勉強になります。修行方法などご伝授いただけませんでしょうか?
私もネット評論家を目指しております。
404名無しのオプ:04/12/29 13:16:04 ID:63hP4vBq
アイラ・レヴィン・高橋泰邦訳「ローズマリーの赤ちゃん」

内容のことについて書こうと思ったのに、あまりにも訳が糞過ぎて
そちらの印象のほうが強烈に残ってしまった。
”たて笛”という意味のrecorderを”録音機”と訳したり、
「テレビ番組のパイロットフィルムに出演する」という意味のところを
「テレビでパイロットの役をやる」と訳したりしてワケわからんことに
なってるわ、”make love”をそのまんま「ラブをする」と珍訳したり、
「訳が古いから仕方がない」と言って許容できるレベルを遥か超えている。
翻訳で駄目にされた名作、の典型だな。
405名無しのオプ:04/12/30 11:17:18 ID:3ApYs8GA
>>404
うぉ、すげーな。
406名無しのオプ:04/12/31 02:21:55 ID:xMkth4Va
「ローズマリーの赤ちゃん」に対して意見を申し出ている人を初めて見た。
どれも納得のいくことばかりで頭が下がります。
いかに自分が、いい加減に読んでたか良き勉強になりました。
…英語はからっきし苦手だから、次を読んだ時も見逃すとは思いますけどねw
407名無しのオプ:05/01/10 18:26:28 ID:ULsKXioi
たて笛はrecoderね>recorder
408名無しのオプ:05/01/10 22:11:53 ID:z3Qy92BI
年をまたいで10日ぶりに訂正カキコかよ。
感想をかけ感想を。
読んでる癖にタイプ無精はいかんぞ。
409書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :05/01/12 20:00:05 ID:fCgBGa4J
アーサー・ヘイリー追悼の意味合いもあって「殺人課刑事」を読む。
70年代までは米国を代表するエンタメ作家であったが、
この板には縁無き作家かと思っていた。
しかし、遺作となった本作は、読み応え十分なミステリ(警察小説)である。
警察の捜査がこれでもかというくらい緻密に書き込まれている。
この辺はいかにも業界ネタ得意のヘイリーらしいものがある。
87分署シリーズ、マルティン・ベック・シリーズ等が好きな向きにはお薦めの作。
(テーストはどちらかと言えば後者の方に近いものがある)
元神父の部長刑事という主人公のキャラも面白いが、多彩で個性的な女性キャラたち
が印象的だ。元気印の黒人刑事、奇人風の検死官、引退したベテラン記者、
腕利きの地方検事等々、彼女たちがストーリーのキーマンとして随所に絡んで来る。
しかし、ハードカバー活字2段組450頁超、
文庫上・下巻でトータル800頁超のボリュームであり、
軽い新書ノヴェルスを読み狂っているミスヲタには読破困難かと思われ、
強く推すには躊躇するものがある(w
410名無しのオプ:05/01/12 22:56:19 ID:LwVKG2Sr
「夜歩く」ディクスン・カー(創元推理文庫)
その日、結婚式を挙げたばかりのサリニー公爵がパリのクラブ
「フェネリの店」で首を切断されて死んだ。だが、その部屋は
衆人環視の中にある密室だったのである…。

カーのデビュー作。
なんというか…雀百までという言葉を思い起こさせるような内容。
密室トリックは、けっこうトホホな代物でした。
411名無しのオプ:05/01/13 01:35:48 ID:WpEmmytr
>>387-388でガイシュツですが、
パトリシア・コーンウェルの「痕跡」上・下を読みました。
はっきり言ってマリーノの行く末だけが心配で読んでるようなシリーズなのですが、
今作では久々にいい意味でも悪い意味でもマリーノの活躍を見ることが出来て
嬉しかったです。ああ良かった。
相変わらず敵は悪以外の何者でもないって感じですが。

検屍官シリーズ以外のものを書くようになって以来、少しずつ下世話?な感じの
エピソードが増えてきたような気がしないでもないです・・・。
412名無しのオプ:05/01/27 00:09:09 ID:+jp/gpqW
「グリーン家殺人事件」ヴァン・ダイン

ベンスン、カナリヤはちと微妙だったけどこれは良かった!
最後のあたりを電車の中で読んでたら、あと20ページてところで電車から降りちゃったんで
やきもきしながら急いで帰った。
久々に胃がキリキリするような本を読めて幸せだよ。
次は「僧正」読んで来ます。
413名無しのオプ:05/01/27 12:19:10 ID:p/LHFlEu
「レイトン・コートの謎」アントニイ・バークリイ読了。
シェリンガム初登場。
ユーモアのあるドタバタミステリで、分かりやすいトリックも(・∀・)イイ!!
ただ、初読が初心者スレで薦められた第二の銃声だっただけに
それ以上の衝撃を期待してしまった愚か者_| ̄|○
こういったオチもちょっと苦手な自分の苦手な分類…

ある作品の以前・以後で作風の変わった人なのでしょうか?
例えば毒チョコ以前・以後、第二の銃声以前・以後といったように。
414名無しのオプ:05/01/30 01:17:44 ID:iTCwwNXt
>412
グリーン家はあの陰鬱な家の空気がいいよね。
415名無しのオプ:05/01/30 16:50:09 ID:Z6GLhR3Q
「黒い霊気」ジョン・スラデック(ハヤカワポケミス)
霊気マンダラ協会なる心霊団体において、会員の一人が密室状態の
トイレから消失し、別の一人は空中浮遊の最中に墜落死するという
事件が発生した。両者には呪いのスカラベが関係していたらしいが…。

素人探偵サッカレイ・フィンのシリーズ第2作目。
マニア向けのお遊びが散見される、直球勝負の本格パズラー。
破壊力と完成度は次作「見えないグリーン」に一歩譲るが、これは
これで相当にレベルの高い作品。タンゴを踊っていた二人組の霊の
正体なんて…凄い発想。
「僧正殺人事件」ヴァン・ダイン

オチに開いた口が塞がらない。ヴァンス…!
最後まで犯人判らず、ミスディレクションにまんまとやられた。
手口と動機のギャップが怖い。
雰囲気はグリーン家が上かなあと思う。
「僧正殺人事件」ヴァン・ダイン 創元推理文庫

416に同意。
すっかりミスディレクションにひっかかった。
なぜ「僧正」なのかという理由の解決もよかった。

評判が良さそうなので次はグリーン家にしよ。
418ネタバレスレ議論&投票中@ローカルルールスレ:05/02/03 19:26:08 ID:f1F/AgyK
いい人たちだ
「鉄の薔薇」ブリジット・オベール ハヤカワ・ミステリ文庫

表向きはコンサルタント、裏向きは銀行強盗という二重生活を送る主人公。
自宅から離れた地で銀行強盗に勤しむ最中、偶然妻に似た人物を目撃し動揺する。
真偽を確認するため、仲間に裏切られ命を狙われながらも、妻の素行調査を開始する。
いくつもの謎が同時展開され緊迫感のあるストーリー進行ではあるものの、
オチに繋がる肝心のトリックが在り来たりで残念。人によっては読後にがっかりするだろう。

次は「鉄の枷」を読もうかな
420ネタバレスレ議論&投票中@ローカルルールスレ:05/02/04 18:58:24 ID:3sOVXvFu
↑結構面白そうですが。
421ネタバレスレ議論&投票中@ローカルルールスレ:05/02/05 15:00:31 ID:lLHPitPc
「ダークレディ」 パターソン
 この作家の作品を読むのは初めてだった。
 出世を目指す女検事のまえに2件の、何の脈絡もない殺人事件が
起こる。
 被害者は女検事の昔の恋人と建設会社の重役。
 ところが、二つの事件の捜査を進めていくと・・・。
 まあ、ミステリーだから当然の展開かな。不景気な都市の再開発。
人種問題、米国社会にはびこる麻薬問題等が絡み合って話は進みます。
 全体的にトーンは暗いね。
422ネタバレスレ議論&投票中@ローカルルールスレ:05/02/05 16:38:26 ID:lLHPitPc
読みました報告「国内編」見つからないよー。
>>422
あるじゃん。何のキーワードで検索した?
『読みました』報告・国内編Part.2
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1097703488/
424ネタバレスレ議論&投票中@ローカルルールスレ:05/02/06 10:04:57 ID:fLLr2pY3
>>423

ありがとう。
425読後感:05/02/07 00:16:31 ID:WfV+hqkE
「私とそっくりの顔をした男」サミュエル・W・テイラー(新樹社)
 仕事帰りの主人公。家には美人でやさしい妻が待っている・・・はずだった。
 しかし、我が家にたどり着いた彼が見たものは、家族に囲まれたもう一人の
 自分の姿だった・・・。

 そっくりさんに何もかも乗っ取られるという話。
 ハードカバーなのが難点だが楽しめた。古典的な巻き込まれ型サスペンスですね。
 ヒッチコックが好きそう。
 あと敵の末路が印象的。カーに食わせたい。

「デコイの男」リチャード・ホイト(早川書房)
 私立探偵ジョンの許に訪れた依頼人は飛び切りの美人。
 自身も探偵の彼女が言うには、殺人犯がジョンの田舎に潜伏中なので
 手を貸してほしいとのこと。
 色香に迷ったジョンは依頼人と夫婦のふりをして帰郷するが・・・。

 これぞ軽ハードボイルドって感じで面白い。
 役得で抱きついたりキスしたり添い寝したりでウハウハな主人公に萌え。
 エッチを賭けて宝探し競争もしたりして。こういうの好きですねー。
 シリーズものだそうで楽しみだが案の定3作で打ち止め。早川メ。
426読後感:05/02/07 00:17:07 ID:WfV+hqkE
「復讐のタイタン」フレッド・M・スチュアート(文芸春秋)
 一代で兵器王にのし上がった巨人の波乱万丈の人生を描く大河ロマン。

 北上次郎も誉めてたが本当にエンターテインメント大作って感じ。
 上下巻ながらスイスイ読めてお薦め。
 アメリカ・ドイツ・トルコと恋に冒険に飛び回る主人公。
 女たちとの出会いと別れと出会い。
 魅力的個性的な人物も多くて、特に主人公よりも過酷な試練続きの
 ある女性キャラが漸く幸せを掴む所なんかついえぇいぃやぁ貰い泣き。
 
 それにしてもケマル・パシャがこんなにガイキチとは知らんかったw
 あと下巻の登場人物表はネタバレではないかと。

「ひそやかな微笑み」ヘザー・グレアム(二見書房)
 ヒッチコック映画に見立てて起こる連続女優殺人事件。
 若きTV女優であるヒロインにも危機が・・・。
 心配な母は映画スターの義兄をボディガードに呼び戻すが、
 ヒロインは彼に対し複雑な思いを抱いていた・・・。

 ま、ロマンスものですわ。お約束な水に浸りたい人は読むよろし。
 私は定期的に浸からないと死んでしまう身体なのです。
427読後感:05/02/07 00:21:09 ID:WfV+hqkE
「裏切りのゲーム」デイヴィッド・ワイズ(新潮社)
 「モグラ探し」に狩り立てられた元CIAの主人公。
 捜査を進めるうちに娘までもが事件に巻き込まれてしまう。
 親密になった女スパイとともに奔走する主人公だが・・・。

 よくあるエスピオナージュのワンオブゼム。
 ラストのオチなんかは私の知人なら「これがアメリカだ」という
 だろうが、私はそれが好きなのだ。

「裏切りのキス」ジム・シーニ(早川書房)
 バーテンやってる主人公はお人よしで美人だが腹黒の妻に頭が上がらない。
 ある時店の経営者が射殺され、裏帳簿を巡って様々な思惑が渦巻く中、
 彼は事件に巻き込まれていく。

 ダメ男小説。こういうのも結構好き。
 でもこの主人公は最後までヘタレのまんまw
 続編が邦訳されてたんで登場人物表見たら主人公以外総とっかえみたいで読む気失せた。
428読後感:05/02/07 00:21:44 ID:WfV+hqkE
「ブリキの自動車」ネヴィル・スティード(早川書房)
 玩具屋ピーターは買い付けに行った高価な玩具をすり返られてしまい、窮地に陥る。
 熱心なコレクターに的を絞って非合法な宝捜しに着手するピーターだが、魅力的な美女が
 現れて・・・。

 ギリアン・ロバーツを喪った悲しみを少しでも癒そうと代用品を探してた時に目をつけたもの。
 邦訳3冊あるのはブツ切り早川にしちゃ上出来の部類か。
 ヒロインの造形も興味深くこの先悪女(私的解釈)な展開があるらしくて痛痒い思い。

「ファイナルオペレーション」ジョン・R・マキシム(新潮社)
 引退したスパイが多数住む街で、彼らを束ねているポールは新聞記者スーザンと恋に落ちる。
 しかし、彼の父親が麻薬組織との関わりを疑われていたことから思わぬ波紋が広がっていく。
 
 まず抜け忍の隠れ里っていうアイデアが面白い。 
 それと警官やってるヒロインの父親がまたぶっ飛んだ奴でイイ!
 猛牛というか。これに何で姐御が惚れるのかようわからんですがw
 大森望も好きらしい。
429読後感:05/02/07 00:22:30 ID:WfV+hqkE
「殺しの接吻」ウイリアム・ゴールドマン(早川書房)
 マンハッタンで一人暮らしの女性たちを襲う殺人鬼。
 被害者の額に描かれたキスマーク。
 事件を追う刑事の許にかかってくる犯人からの電話。
 そして魔の手は恋人へ。

raindrops keep fallin' on my head〜♪
 二度のオスカーを獲得した脚本家ゴールドマンによる同名映画の原作です。
 池上冬樹始め諸氏に評判よろしいようで。
 そんなに厚くないしサクサク読めて暇つぶしにはピッタリです。
 ゴールドマンらしい意地の悪さもタップリあります。
 「マラソンマン」「ブラザーズ」も良かったし、
 「マジック」も読んでみようかな。それとも映画のほうがいいかな?
 
 ふと思ったけどこの人奇妙な味の短編とか書かせたら巧そう。
 やってくんないかな。

「トレンチコートに赤い髪」スパークル・ヘイター(新潮社)
 ヒロインロビンは35歳。リタ・ヘイワース似のボディを持つTVキャスターだが
 私生活は散々。仕事の失敗が重なった上、愛する夫を若い商売敵に寝取られてしまう。
 そして極めつけがある日かかってきた電話。電話の主は彼女のことを何でも知っていたが、
 呼び出された彼女が来たときは死体になっていたのだった。

 カバーイラストが不二子ちゃんみたいでイイ。
 「負け犬」的なヒロインが親近感あって良いです。
 緊急避難で人間を食べた人に味を聞いたり、大統領の前でゲップしたりw
 捨てられた旦那にもパーティで頭上に水引っ掛けるほど未練タラタラ。
 作者はコメディアンだそうで、よく持ち味を出せてると思う。
 これで周りにも変なのがいっぱいいたらイヴァノヴィッチになるのかな。
430読後感:05/02/07 00:23:01 ID:WfV+hqkE
「死を招く配当」ロバート・アプトン(文芸春秋)
 ストーリー忘れた。

 ま、あれだ。悪い奴がいてー、そいつんとこにヒロインが身を挺して侵入してー
 主人公の周りの人がバタバタやられてー、国って怖いねっていう話。
 まとめると別に読まなくてもいいよってこと。

「犯罪の帝王」トニイ・ダンバー(早川書房)
 オサーン弁護士タビーは銀行強盗の凶弾の前に親友を喪ってしまう。
 自分をかばった結果であり、タビーは犯人を突き止めることを誓う。
 黒幕はカナーリ手ごわそうだが・・・。

 カバーイラストが頗るいい。これで買いたくなるぐらい(買わないけど)。
 不二子ちゃんなキャラも出てきていい感じで読める。
 続編も刊行されてるからいつか読もう。
431読後感:05/02/07 00:25:14 ID:WfV+hqkE
「三人のこびと」フレドリック・ブラウン(東京創元社) 
 青年エド・ハンターは伯父に付き従ってサーカスで働いている。
 ある時、謎のこびとがサーカス内で殺され、さらにチンパンジーが溺死し、
 ダンスの少年までもが殺された。
 死んでいたはずのチンパンジーが窓から覗いていたなどという怪証言もあり、
 エドは恋に揺れながらも、伯父を促して事件を解明しようとする。

 私立探偵エド・ハンターシリーズ2作目となっていますが、彼はただの青年で私立探偵じゃない。
 ブラウンの作品は概して線が細く、プロットに厚みがない印象を受けますが、本書も然り。
 ただそれが読みたいとき・いいという人もあるでしょう。
 私もストーリー的にはけして嫌いじゃないですけどね。
 
「金時計の秘密」ジョン・D・マクドナルド(扶桑社)
 大富豪であった叔父が死に、主人公は相続したものはなんと時計だけ。
 しかし、受け取った時から彼の周りには様々な人物が接近してくる。
 果たしてこの時計には何が隠されているのか?
 ファンタジックで明るい青春ハードボイルド。
 
 ミステリ界の3マクと言えば、フィリップ、ロス、そしてジョン・Dである
 ということは皆さんご存知だと思いますが(嘘)、
 私はかつて短編「懐郷病のビュイック」を読んで感心した記憶があります。
 「ケープ・フィアー」もこの人なんですね、映画しか観てないけど。
 ジェシカ・ラングが良かった・・・ハァハァ。
 
 閑話休題。大変面白く読むことができました。映画向きだと思います。
 色んなタイプの美女がわんさか出てきて主人公はもうウハウハ。
 個人的には最初に出てくる姐さんがいいなぁ。女優でいうならラクエル・ウェルチとか?
 シビル・ダニングでもいいかな。
 数多いる中で「彼女」とくっつくのも好印象。
432読後感:05/02/07 00:27:07 ID:WfV+hqkE
「ブルショット」ガブリエル・クラフト(早川書房)
 おチビな弁護士ザルマンはある時義兄に泣きつかれ、詐欺師から金を取り戻すことになる。
 しかし捜していた人物は冷蔵庫の中で冷たくなっており、彼はさらなる事件に巻き込まれていく。
 
 出来た恋人もおチビなのが可愛い。しかも天敵の警官の娘とゆー。
 短いし、暇つぶしには(ry

「青い影の女」ドメニック・スタンズベリー(早川書房)
 弟の突然の死に葬儀に駆けつけた主人公。
 彼を待っていたのは音弟の元妻であり、主人公の昔の恋人であった。
 彼女に溺れていく一方で、弟の死の真相を調べる主人公だったが・・・。

 よくあるノワールのワンオブゼム。
 不可解だったのは、裏表紙にある「別れ際おれとの愛を取り戻すと誓った女」という記述。
 本編を読む限りそんな素振りはないんですが。どっちかつーと男の方が寄っていくし。
>>425-432
いろいろな感想を書いてくれるのはありがたいが、できればもう少し小出しにして欲しい。
連続して読むのもしんどいので・・・
>>425-432
の人じゃないけど、
しんどい思いしてまで読む必要はないだろw
本の紹介欄にありそうなあらすじをそのまま書いて「よくある××」「これぞ××」って
言うだけなら、そんなに頑張って大量に書く必要はないのではなどと・・・
>>434
いや、それぞれについてはなかなか興味深いのでちょっともったいないかなと・・・
437読後感:05/02/08 20:54:17 ID:SsRPJXhH
「編集室の床に落ちた顔」キャメロン・マケイブ(国書刊行会)
 あらすじは本の紹介欄を参照してください。>>297氏も書いておられるので。

 何かスゴイらしいと聞いて読んでみたが・・・きつかった。
 文章がどことなく端折ってるというかちぐはぐな印象を受けた。
 セリフも暗喩的なものが多くやや戸惑う。作者が映画人だから?
 後半主人公の反撃がちょっといいかもと思いきや、
 退屈なエピローグを100ページも読まされることになる。
 挙句ラストのオチときたら、もう失笑以外の何物でもない。

 こういうメタ・ミステリ(でいいのかな?)って自分には
 「暗黙の了解に対する無粋な突っ込み」としか思えないんですよね。
 「王様は裸だ」と子供がいうから話として成立するわけで、大の大人が口にしたら
 単なる馬鹿じゃないですか。上手くいえないけどそんな感じ。
 「赤い右手」ともども私には理解できない部類でありました。 
438読後感:05/02/08 20:58:56 ID:SsRPJXhH
>>433-436
レス有難うございます。
ご期待に添えるよう頑張ります。
>>437
「編集室〜」と「赤い右手」とは、全然タイプ違うような。
「編集室〜」がメタっぽいのは確かだが、
「赤い右手」は作者が狙ってんだか偶然なんだかは分らないが、
いわゆるメタ的な要素というものはほとんど無いと思う。
>>439
そうかな?
俺はメタっぽく感じたが。
ぶっ飛んだミスディレクションとか。
まとめの話はどうなったんだろうか?
442ネタバレスレ議論&投票中@ローカルルールスレ:05/02/09 16:07:27 ID:AiafN+zy
ポール・リンゼイ4作イッキ読み終了。
あー、なんか面白い本ないかすぃら。
443ネタバレスレ議論&投票中@ローカルルールスレ:05/02/10 20:41:51 ID:ff8u9D5w
「罪の段階」リチャード・ノース・パタースン

なんだこれ、すごすぎ
こんなすごい小説今まで見逃してたなんて
文句なしに一級品です
>>440
念の為に言うと、どちらが良いかを比較してる話じゃない事。自分でも、
どちらが好きかと言えば、「編集室〜」より「赤い右手」が好きだ。
ただ、『ぶっ飛んだミスディレクション』=メタじゃないと思うんだよね。
メタの定義はよく分からんけど、やはり舞台裏・楽屋落ち的要素を持つんじゃない?
そういう意味からすると、たしかに「赤い右手」がぶっとんでるのは認めるけど、
それは虚構世界の内部だけであって、パロディ的に物語を客観的に扱うような
楽屋落ちな部分は無いと思うな。だからメタとは観点が違うんじゃないかと。
「編集室〜」にはたしかにそれがある。
「ビッグ・ボウの殺人」イズレイル・ザングヴィル(ハヤカワ文庫)
早朝、下宿屋を営むドラブダンプ夫人は下宿人のコンスタント氏を起こしに
行ったのだが、何度ノックしても返事が無い。異変を感じて隣人の元警察官
グロドマンに頼んでドアを押し破ると…。
果たして、コンスタント氏を密室状態で殺した犯人は誰なのか?

所詮は19世紀のミステリだろうとたかをくくっていたので仰天した。
まさか既にこの時代に、こんなトリックを考案していたとは。恐るべし。
あと、当時の風俗を伝えてくれる(チョイ役でグラッドストンが出演)部分も
面白かった。
446書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :05/02/12 17:20:30 ID:5LqrG0OV
アトゥール・ガワンデ著「コード・ブルー」を読んだ。
著者はハーバード大学医学部・同大公衆衛生大学院卒。現在は外科研修医。
あの「ニューヨーカー」誌のスタッフライターでもある。
2ちゃんねらー風情から見れば、雲の上のそのまた上の人と言えよう(w
ミスヲタ必読の章は、本書の第三部「不確定」第一章「乳児の死の謎」だ。
乳幼児突然死症候群(SIDS)とされた乳児10人の謎の連続死、
30年の歳月を経て母親が起訴されたが…
今流行の医学ミステリとなり得るネタが満載だ。
座して読め!
>>446
うわぁ!めちゃめちゃ興味湧いてきます。有難うございます。
書斎魔神さんのポケットにはまだまだ隠し玉が潜んでいそうでつね。
今ではほとんど手に入らない女流作家の稀稿本。こんなの取り上げるとたたかれそうだけど
ヤフオクとかでえらい値がついてて悔しいので暇にあかせて読むだけは読んでみた。
買う機会があったら値決めの参考にでも・・・ならないか。

H.マクロイ「殺す者と殺される者」(創元推理文庫)
思いがけずも伯父の遺産が手に入り大学をやめ故郷に隠棲することにした心理学者。
しかしその直後から不審な人物にまとわりつかれるようになり・・・

ノン・シリーズのサスペンス物。
先の読めない展開に途中までは引きずり込まれるが、結局ネタが途中で割れてしまって
それに依存する結末になるくだりは今となっては陳腐であるとしかいえない。
刊行当時はまだ新しかったのだろうが・・・

H.マクロイ「幽霊の2/3」(創元推理文庫)
内輪の出版関係者の集うパーティで、座の中心のベストセラー作家が毒殺される。
現場に居合わせたベイジル・ウィリング博士(本文中は「バジル」)が捜査にあたるが
作家の正体がまったく不明であることが分かって・・・

毒殺トリック自体は陳腐だし、結末も予想の範囲なので、本格ヲタや騙されることに快感を感ずる人には
向かないと思う。しかし、絶妙のストーリー・テリングによって語られる物語や出版業界の内幕話などは
とても楽しいので楽に一気読みできた。(作中の殺された作家の作品はスペンサー・トレイシーとリタ・ヘイワース主演で
映画化されたことになっていて、しかもヘイワースの役どころは日本のゲイシャだと。観たい!)
その他に自虐ネタもあるし飽きない。こんなに待たされなければさりげなく面白い作品だよと素直に言えるのだが・・・

M.アリンガム「手をやく捜査網」(六興推理小説選書、抄訳のようだ)
友人の婚約者の伯父が失踪した事件に乗り出すアルバート・キャンピオン。
やがてその伯父の射殺体が発見され、その一家にはその後毒殺事件が連続する・・・

端正なフーダニット。こういうのを好む向きもあるかもしれないが、抄訳のせいもあるのか
やや淡白。登場人物は結構癖のありそうな面子なので書きようによっては
面白くなりそうなのだが・・・
ドルリー・レーン四部作読みました。

展開より推理をする場面が長くて苛々しつつも
最後まで読んで鳥肌が(((( ;゚Д゚)))
じわじわと予感させておいて突き落とされた感じ_| ̄|○|||

ラストの文章も悲劇的なのに綺麗で良かった…
450ルール変更議論中@ローカルルールスレ:05/02/19 09:43:05 ID:7C6Kn7RC
悪党パーカー「エンジェル」
おもろい。
451書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :05/02/19 13:17:33 ID:uDJtkOlz
HM文庫刊行を記念して、フリーマン「樽」を再読。
しかし、このようなエポックメーキングな作が、早くからポケミスに収録されながらも、
HM文庫化されていなかったのには、正直驚きを禁じ得ないものがある。
今読むと、謎解きそのものはたいしたことは無い。
結局、犯人のトリックが巧みというよりは、当初真相に到らなかったのは、
捜査側の調査不足に帰する面が大きいからである。
本邦における鮎の黒トラが、本作に触発されて書かれた事をあらためて実感したが、
プロットの巧みさ、謎解きの妙味等で黒トラが上という感を受けた。
謎解きミステリとして読んだ場合には、
偶然が絡んで事件解決となるのは、両作品に共通してがっかりさせられた点ではある。
むしろ、現代的な視点で読み直してみると、第一部、第二部のスコットランドヤードと
パリ警視庁の合同捜査が警察小説としての面白さに富む。
登場する刑事の数をもっと増やし、ガイシャの遺留品に関する婦人警官たちの捜査も
具体的に書き込む等(結果しか書かれていないのが残念)すれば、
リアルで読み応えがある警察小説足り得たであろう。
いかんせん、パリ警視庁の警視総監、バーンリー、ルファルジュのほぼ三人だけの捜査
というのは、はなはだリアリティを欠くものがある。
第三部の主役が、やり手ではあるが、アメリカのハードボイルド・ミステリ
に登場するタフでカッコいい私立探偵とは大きく異なる冴えない風貌の探偵なのは
極めてリアルでよろしい。
捜査中に出会った美人タイピストへの聞き込みも、カッコいい探偵ならば、すぐに
仲良くなってしまうパターンだが、怪しがられ嫌がられ、なんか苦労が偲ばれ微笑ましく
さえあるのだ。
ちょっとまって今糞神がどうでも良いこと言った(AA
アガサ・クリスティー『牧師館の殺人』(集英社文庫)

ミス・マープル初登場の長編。
ワトスン役の牧師からも「抜け目ない婆さん」と見られているマープル。
こういう構図では『火曜クラブ』のように
「ひっそりと目立たないが真実を探り当てる」役回りじゃなくなってしまう。
考えてみれば「抜け目なく、人のゴシップは大好きな婆さん」というのは
あんまりいい印象じゃない。
そういうわけで、マープルってけっこういやらしいキャラかもと思った。
マープルものをあまり読んでないせいかもだけど。
事件と推理の中身は普通。
ギャビン・ライアル『深夜プラス1』ハヤカワ文庫HM

ハヤカワ文庫の『ミステリハンドブック』で二位になっていたから読んでみたのだが…ムムム
いや、「ムムム」と唸るほど悪い出来なわけではない。

プロットもしっかりしてるしストーリーも結構魅せる。
むしろフランス国境を抜けてからの盛り上がりは中々のもので、
冒険ミステリとしては充分に面白い部類に入ると思う。
特にフェイ将軍が絡んでくるあたりが抜群で、
俺はもうただいいわいいわとヨロコンでおりました。

ただ、これがオールタイムベスト二位の出来とはちょっと思えないのが残念。
ミステリハンドブックは発行も91年だから、『深夜プラス1』が文庫に落ちてから15・6年経ってるわけで。
発表当時は何か衝撃的な作品だったのかなぁ。
俺がミステリずれしてるせいか、黒幕にしても「こいつしかいねぇよなぁ」って感じで、
漠然とではあるけれど正体も見破れてたし、うーむ。
>>454
ライアルという作家は、登場人物の善悪が最初からハッキリしていて、
その枠組みの中でどうなるこうなるっていう話を書くと大変上手い。
そういう書き方をした場合のスリルとサスペンスは他の追従を許さない。
その反面、黒幕の正体とか、錯綜した政治背景がどうのこうのとか、
そういう『謎』の部分を描くのは数ある冒険小説作家の中でも不得手な方。
「深夜プラス1」は普通の冒険物と思うけどなあ。
これが早川のランキングで二位ってのは、かなりおかしな結果だ。
本格がブームとなってる今の時代にランキングとったら、絶対に
ランク外だろ。けど「幻の女」の一位は変わらないかも。今の時代なら、
「喪服のランデヴー」が一位かな。俺はアルテの「第四の扉」が最近の
中じゃあ一番サプライズした。
「七人のおば」パット・マガー(創元推理文庫)
結婚して英国へ渡ったサリーに旧友から手紙が届いた。
文面には、おばが夫を毒殺して自殺した、とあるのだが肝心の名前が抜けていた。
サリーには七人のおばがいるのだが…。

一種の安楽椅子探偵だけど、あまりミステリを読んでいる気にならなかった作品。
おば達はどれも個性的で各々の行動を見るだけでも楽しめるので、最後にポンと
オチを出されて、あれが伏線だったのかと変に感心させられる。
ただ、おば達はエキセントリックすぎるので、それが合うかどうかが問題かも。
458書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :05/02/22 21:18:36 ID:E3/PylPL
トルーマン・カポーティの短編集「ミリアム」(新潮文庫)を読む。
カポーティ作品を「ミステリ」という文脈で語った例はあまり見かけないが、
クライム・ノヴェルの傑作「冷血」の著者なのは良く知られたところである。
表題作「ミリアム」は、伏線が十分に張られた短編サイコ・ミステリとしても
楽しめる作。しかし、そのテーマは奥深いものがある。
ミステリ板には、純文学と聞くと、「純文学キター!」とか絶叫して逃げ出す輩が
多いようだが、このような者たちにも突き付けて読ませたい作である。
そして、早くミステリのみが本ではないことを自覚して欲しいものである。
「ティファニーで朝食を」はヘプバーン主演の映画で観た。
ドロステ=ヒュルスホフ「ユダヤ人のブナの木」を読みました。
この本、岩波文庫解説総目録には「推理小説としても無類である」と紹介されているのですが…

荒削りだけれども迫力のある文章が嬉しく、本読みとしては面白く読めましたが、
ミステリーとは言えない作品だと感じました。
確かに殺人事件は起こり、トリックらしきものもあるにはあるのですが、
それは坂口安吾も言っていたように、ミステリーの専売特許というわけではありません。
「犯罪が起こる」とか「サスペンスがある」などという理由で、

何でもかんでもミステリー(推理小説)にしないでくれ!

などと考えてしまいましたね。


まあ岩波書店はこの分野には疎いでしょうから、ある意味仕方がないのかも知れませんが。
ウィル・ハリス「殺人詩篇」

事件は教職を辞したクリフの親友である、図書館の司書主任リンク・スコフィールドが殺害されたことに始る。
リンクの娘パールに事件解決を頼み込まれるクリフ。事件現場には時価30万ドルはくだらない稀覯本『ベイ版詩篇』が手付かずで残されていた。
クリフは調査を進めるうちに、リンクが『ベイ版詩篇』を贋物と疑っていた事を突き止める。詩篇を図書館に寄贈したのはウィンスロップという政治屋で現在知事に立候補している。
クリフは詩篇を鑑定した二名の教授が、二人とも校正していなかったことを知り、校正にかけては腕利きの院生に依頼するが。

ミステリーよりはサスペンス色が強く、ややお決まりのストーリーといった感が残った。
台詞には引用が多く、そういった趣向を好む人にはお勧めかもしれない。
ただ、時々良い意味でいうと会話が軽快になるが、悪い意味で書くと淡白で手抜きと思える箇所がいくつか。
翻訳ものの中ではリーダビリティに優れていると思われ、名前を覚えるのが苦手という人も、
登場人物が出るたび丁寧な人物描写なされているため安心して読めるだろう。
ガチガチの本格ものをなぜか期待してしまった俺には物足りなかった。
ローレンス・ブロック「緑のハートを持つ女」

ベテランの初期作品。コンゲームもの。
すでに職人的手腕を発揮していて、スケールの小さな話なりに楽しめた。
クライマックスのツイストの後にもう一ひねりあるかと思ったのに
何もなくて最後はベタなプロ同士の絆で締めた辺りは肩透かしだったけど、
後味は悪くないのでこれも良かった。
ヴァンダイン
グリーン家殺人事件
名作と言われてるだけあって面白かったと思う
海外作家は苦手だけど2日で読んだ
次は僧正を読みたいな
464変更投票開始@ローカルルールスレ:05/03/05 17:07:54 ID:bzKMUYS/
死を呼ぶペルシュロン バーディン

 精神科の医師が主人公の記憶喪失ミステリ。
 記憶喪失をストーリーに持ち込むのはいまいち、好きになれない。
465変更投票開始@ローカルルールスレ:05/03/07 19:01:11 ID:isMxEwWn
ロバート・トレイヴァー『裁判』(上・下)(創元推理文庫)

妻をレイプした男を射殺した軍曹。
弁護側は「一時的錯乱」を主張し、検察側の計画殺人に対抗するが……。
58年当時全米ベストセラー38週1位を独走したらしいが
勝訴に向けての戦略がメインであって、事件の意外性はない。
リーガルサスペンスにこういう視点を持ち込んだ先駆的な作品なのだろうか。
つまらないわけではないが、今読むと少しつらい。
井上勇だし。長いし。
466変更投票開始@ローカルルールスレ:05/03/10 16:37:13 ID:HM5Y7kOG
ポール・リンゼイを読みきって、なんかないかと探してたところ
「十割打者」フィリップ・マーゴリンを勧められて最新作「女神の天秤」読んだ。
最後の最後でメル欄二人の関係(or役割)がよくわからなかったものの
みっちり楽しめますた。
というわけで他の邦訳にも取りかかります。
これで当分読むものを探さなくてもいい。嬉しい。
467変更投票開始@ローカルルールスレ:05/03/10 17:24:50 ID:Ph5U5UbG
今さらながら、そして誰もいなくなったを読んだ。
後追い作品を読んでた分、期待してた以上には楽しめなかった。
もっと、早く読んどけばよかったorz
468名無しのオプ:05/03/11 12:10:00 ID:+7H10Qlz
>>466
『女神の天秤』は、マーゴリンの中では凡作です。
(それでも十分おもしろいけど)

『黒い薔薇』『炎の裁き』がオススメ。
『封印された悪夢』『氷の男』もいい。
『葬儀屋の未亡人』ふつう。
『野生の正義』未読。文庫落ちまだかな〜
469名無しのオプ:05/03/11 14:27:12 ID:FG0/GJLP
まさしく今、オススメ「黒い薔薇」読んでるー。
これ読んだら「葬儀屋の未亡人」いくか。
470名無しのオプ:05/03/11 14:45:52 ID:zYyJsut7
ジャン・ヴォートラン「グルーム」文春文庫 読みました
何これ、すげー
詩的で哲学的でおまけに引きこもり的だ
471名無しのオプ:05/03/11 19:00:05 ID:pkzAHxbt
トマス・H・クックの「夜の記憶」と「死の記憶」読了(文春文庫)
これは凄いわ・・・・
小説を読んでここまで疲弊したのは始めて
それで調べてみたんだけどこの作家って日本では「記憶シリーズ」なる物
が有名(常にミステリーランキングにランクイン 私的にはミステリーと言うより文学っぽい内容だが)
でジェフリーダーマーを題材にしたりなどいくつかのノンフィクションを書いてるらしい
とにかくお勧めできる作家かと(初期の作品は未熟な為か評価は低め)
472名無しのオプ:05/03/12 01:38:43 ID:00M7T0mr
「蜘蛛の微笑」

なんでフランスミステリーって変態なんだろう・・・
変態ミステリ好きは絶対読むべき
473名無しのオプ:05/03/12 09:50:45 ID:4CmfLKdj
アクロイド、やっと読んだ。
なるほどあのトリックの元祖的作品だったわけか。
国内作品いろいろ読んじゃってると、やっぱり途中でわかっちゃうね。
474名無しのオプ:05/03/12 13:05:03 ID:5WfboEay
>>466
こちらはマーゴリンを大体読んで、リンゼイは1冊しか
読んでいませんが、何かオススメはありますか?

ちなみに読んだのは、講談社文庫から2年位前に出た
上下巻のナチスの遺産モノです。テンポよく読めたので、
ちょっとマーゴリンに通じるところがあるのかも。
475名無しのオプ:05/03/18 11:51:35 ID:yJ3AdZ8Y
>>474
それはリンゼイの第4作「覇者」だと思われ。
それ以前の3作は同じ主人公を使ったシリーズ物なので発行順に読むことをオススメする。
第一作はちょっと展開がまだるっこしいかも。中盤あたりからガンガン加速する。
二、三作めはストーリーテリングに磨きがかかってる。イケる。
476名無しのオプ:05/03/18 11:53:58 ID:yJ3AdZ8Y
えーとアゲておこう。

マーゴリンは「女神の天秤」「黒い薔薇」ときて
現在「炎の裁き」読んでる。
中身はサイコーなんだけど、日本語タイトルのセンス悪すぎ。
477名無しのオプ:05/03/18 13:13:17 ID:Kmav1/mN
マーゴリン、売ってない・・
478名無しのオプ:05/03/18 18:50:54 ID:+xgWYA+7
個人的には「封印された悪夢」がベスト
479名無しのオプ:05/03/18 19:42:18 ID:m2F4z+8W
>>475
情報ありがとうございます。
フトコロ乏しく、古本屋中心主義なんで、見かけたら買ってみますわ。
(だからマーゴリン『野生の正義』が早く文庫落ちしてほしい!)

>>477
たぶん、478サンの『封印・・・』や『氷の男』なんかは絶版?
480名無しのオプ:05/03/19 05:40:36 ID:I8eVNVSy
「8」エイト キャサリン・ネヴィル
最初面白そーに思ったんだけど
なんか少女漫画みたい
481書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :05/03/19 12:29:02 ID:G1vpUfmF
フレデリック・フォーサイス「戦争の犬たち」を再読。
EUの誕生、IT化等、政治・経済情勢の変化により、今ならかなり違った展開になるで
あろうが、アフリカ某国クーデタ決行までの入念な準備(船・武器等の調達、
資金用口座の開設等)は何度読んでも面白く、シニカルな結末も印象的だ。
ただし、初読の時にも思ったが、黒幕の娘、主人公シャノンを逆恨みして暗殺
しようとする傭兵は、いらぬ登場人物である。
シャノンがクーデタ計画の真意に気付くプロセスは別な展開で十分に書き得たと
思えるのである。(探偵社を使うとかして)
クーデタ計画という本筋のみで押し切って欲しかったものだ。
あとがきにもあるとおり、フォーサイスが本書の内容と同様な実行計画を進めていた
としたら、驚きを禁じ得ないものがある。
そして最近ではマーク・サッチャーの拘束事件を想起した者も多いのではないか。
現実は厳しく、フォーサイスもマークも準備段階で計画が露呈し失敗している。
本書に詳述された準備段階の艱難辛苦さを読むと、かえって納得がゆくものがある。
482あぼーん:あぼーん
あぼーん
483あぼーん:あぼーん
あぼーん
484書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :05/03/20 21:45:49 ID:Pgni9rRu
ニコラス・ビレッジの「グッドフェローズ」だが、
削除依頼出した奴(コテハン叩き目的と解する)も削除人も未読だな。
本書は冒頭に主人公が政府の保護下に入ったことが述べられ、そこに到るまでの
経緯を描いたノワール(ゆえに広義のミステリの範疇ではある)である。
従って、最終章等の台詞について記してもネタバレということはあり得ない。
いずれにしろ、ゴッドファーザーが甘めの大河ドラマに見えるほどの、
リアルかつスリリングな作であるのは間違い無い。
485名無しのオプ:05/03/20 21:58:38 ID:TLQXeuZ5
     /⌒\
 ⊂二(^ω^  )二二二⊃   . きっとソラも飛べるはず
     ヽ−   |
       \/  )          * .
  +     \ <\  ミ   
         \|\|  
     ・        ミ       ・
             .        _ ,.... -‐‐
   .             ,...- ' ゙゙
              , '´ヽ ヽ    _/
 ・         /   j´  `'ー、_ j
       .   /  /`´      !ノ
        /  '!.j
 .      ,!'  

486書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/03/21(月) 14:28:04 ID:BG+Erah0
ジョルジュ・ランジュランの作品集「蝿」を読む。
たいした作品ではないが「安楽椅子探偵」という犯人探しのミステリも収録されている。
表題作は、映画「ザ・フライ」の元ネタ(忠実な映像化ではない)。
70頁強程度の短編だが、比較的忠実に映像化された
英国ハマー・プロ作品のエッセンスの全てが原作にあったのだと良くわかる。
短いながら伏線も十分が効いたスリリングなSFミステリの趣がある原作が、
文学性の面から見てもはるかに上である。
作者ランジュランは既に忘れられた作家ではあるが、ロンドン育ちのフランス人
だけあって、英国の渋さと仏国のメランコリーが巧みに融合された独自のムード
がある作風は忘れ難いものがある。
ただし、「蝿」以外の本書収録作品は、見え見えな展開が多い糞ばかりなのが残念だ。
まさに2ちゃんねらーレベルと言い得る。
487吾輩は名無しである:2005/04/03(日) 02:26:16 ID:SqOq3Qj7
u8
488名無しのオプ:2005/04/04(月) 15:34:25 ID:5Ib8hC+q
この板って国産品愛好者が多いって言うか、
海外作品読む奴は少ないのかな?
国内編のスレに比べて伸びが悪過ぎ。
489名無しのオプ:2005/04/04(月) 15:46:14 ID:uKLwY/fQ
490名無しのオプ:2005/04/04(月) 17:32:52 ID:HJ4VFIPe
「プレーグ・コートの殺人」 カーター・ディクスン(ハヤカワ文庫)

あの有名トリックの元ネタはこれだったのか!と妙な感動を抱いてしまった
怪奇ミステリ。作品の設定そのものがミスディレクションのようなもので、
その雰囲気作りが非常に上手いと思う。
ただ、訳文の問題なのか何なのか、導入部が読みづらいのには閉口。
491読後感:2005/04/04(月) 18:10:07 ID:8EEscopQ
>>488
120ぐらい溜まってるんでいつか書きます。
492名無しのオプ:2005/04/05(火) 20:06:57 ID:zAa4qpug
「剣の八」ディクスン・カー(ハヤカワポケミス)

形としては、ごくごく普通のパズラーといったところ。
肝心の「剣の八」に関する理由づけが脱力物だったり、ポルターガイスト騒動の
真相がアレだったりで、いささかまとまりに欠けるような印象が残る。
端々に諧謔趣味が見えるのは面白いと思うのだけど…。
493名無しのオプ:2005/04/06(水) 16:41:59 ID:9xkxdRwN
クリスティ「そして誰もいなくなった」ハヤカワ

いままで海外古典は疎遠していたけれど、思いのほか読みやすくて驚いた。
おそらく自分が読む最初で最後のクリスティになるだろうと思う。
494名無しのオプ:2005/04/06(水) 17:00:14 ID:Rv7yOyf6
もっと読めよw
495名無しのオプ:2005/04/07(木) 01:20:43 ID:UwTbyHe3
>>493
それ読んだ後は、若島正の
http://www.inscript.co.jp/wakashima/Mystery/w2%20Christie.htm
読んでおくといいよ。
496466です:2005/04/08(金) 14:33:13 ID:Y/uGOe6l
「女神の天秤」でマーゴリンにハマり、バリバリ読破中。
>>468さん、あなたは正しかった。
未読は「葬儀屋の未亡人」「野生の正義」だけ。
これを読み終わったら、あと何を読めばいいんだ・・・。
497名無しのオプ:2005/04/08(金) 17:45:03 ID:sXDiKG4y
>>495
リンク先をちょっと読んだら速攻でアクロイドのネタバレ喰らった。
ますますクリスティを読む意欲をそがれたよ。
古典は危険だね。
498名無しのオプ:2005/04/08(金) 18:41:40 ID:mlQB+PWr
>>497
( ´∀`)っABC殺人事件
499名無しのオプ:2005/04/08(金) 23:43:25 ID:e2I5utLj
フィリップ・クローデル「灰色の魂」読了。
人間と人生の重層的な交錯。悲哀。愚かさ。いとおしさ。言葉にならない思いが
凝縮されていた。読書というものを堪能し味わった。
どっしりと重くて暗いが、トマス・H・クックに共通する文章、
プロットの妙がある。ミステリー好きはもちろん、すべての読書好きにおすすめしたい。
500名無しのオプ:2005/04/09(土) 07:47:52 ID:07gks02V
最高の名作といわれている、Yの悲劇を何時になったら面白くなるんだろうと思いながら、
半分くらいまできました。
今のところ我慢して読んでるが、いつになったら面白くなるんだろ?
501名無しのオプ:2005/04/09(土) 17:53:38 ID:3pNddglT
>>500
もう少し我慢して読めば、真相に来たとき納得できる。
ネタバレされてから読んだ側から言えば、伏線は提示されているので
後半の推理を展開していくところまでガンガレ
502名無しのオプ:2005/04/09(土) 20:05:19 ID:yw75XSJx
age
503名無しのオプ:2005/04/09(土) 20:11:46 ID:yw75XSJx
「悠久の窓」ロバート・コダード 講談社文庫。

コダードは面白いね。ストーリーが目まぐるしく回転していって、
最後まで読ませる。ハリウッドの出来のいいB級サスペンスみたいな
ストーリーの仕上がりだ。
これに加えてダ・ヴィンチ・コードの便乗みたいな(W
キリスト教史の史実をからませて、物語に重厚さを持たせてる。
ほとんどイギリスの田舎が舞台なんだが、昔行ったイギリスを
思い出させてくれて、いい感じの小説だった。
504名無しのオプ:2005/04/09(土) 20:24:25 ID:SkOSEpda
>>500-501
てゆうか半分読んでもまだ面白くならないって事は肌に合わない可能性大…
これあくまでも自分の場合だが、最終的に面白かったと思える作品は
最初辛くても3分の1を過ぎたあたりでノってくる
といいつつ500氏には我慢して最後まで読んでもらいたいがな>Yの悲劇
500氏は普段例えばどーゆうの好んで読んでるんだろう?余計なお世話かw
505名無しのオプ:2005/04/09(土) 20:34:35 ID:6zhmw848
たしかに3分の1くらいは一つの目安かも。
「匣の中の失楽」の時は失望しっぱなしで読んでて
ラスト数十頁でこういうのもいいかなと思い直したりしたけど。
506名無しのオプ:2005/04/09(土) 21:33:13 ID:TQ+Zfj7g
>>500
私は最後まで読んでもちっともおもしろくなかった。「へぇ〜…」みたいな。
これがそこまで評価されてる意味がよく分からない。
クイーンなら「エジプト十字架」が一番好き。
507名無しのオプ:2005/04/09(土) 23:48:12 ID:3pNddglT
犯人を知らされた時点で「はぁ?」ってなった人もいるのかも
前半でレーンが××の存在を一応尋ねてはいるものの、
あっさり流されているし

逆に「Yの悲劇」の真相があれだとしても、明かそうかどうか迷っている割には
引き伸ばしすぎだと思った
508名無しのオプ:2005/04/10(日) 00:05:47 ID:mSfs4SFB
>>496
マーゴリンのファンが増えてくれてうれしい・・・
リーガルサスペンスが嫌いじゃなかったら、
個人的にはスティーヴン・マルティニなんかがお勧めです。
(集英社文庫から出ているのがいいです)
509名無しのオプ:2005/04/10(日) 05:28:36 ID:HVnIgQvh
>>507さん、「××」をメール欄で教えてもらえませんか…
510名無しのオプ:2005/04/10(日) 09:45:08 ID:YvcQvpPp
500です。
我慢して最後まで読みたいと思います。

でも解説には、Yの悲劇って欧米ではそれ程評価されてないと書いてありますね。
511名無しのオプ:2005/04/10(日) 10:03:16 ID:fFPceCnz
こんなスレを探していた。2chにもこんなまともな場所があったのね。
僕がいまはまってるのは、グレッグ・アイルズの「神の狩人」。上巻を
読み終わったところだけど、凄くおもしろい。インターネット時代の
サイコ・キラー物だけど、こんな小説を読むと小説家はここまで出来る
ものなのか、と感嘆してしまう。これに比べると日本のミステリは児戯
に等しいのではないだろうか。もちろん、虚無への供物など、いくつか
の例外はあるにせよ・・・。

512名無しのオプ:2005/04/10(日) 10:08:56 ID:Qw+6kqLh
マルティニは確かに面白い。
「重要証人」なんか、ラストで口あんぐりだった。


自分も、クイーンなら「エジプト十字架」が一番好きだなあ。
513書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/04/10(日) 12:08:35 ID:jBpZNgYd
ニコラス・ピレッジ「カジノ」を読む。
前に紹介した「グッドフェローズ」(原題「WISEGUY」)と同じ著者の手になるもの
である。
東部のアトランティックシティーと並んで、ザ・カジノの呼称にふさわしい60年代から80年代前半までのラスヴェガスを舞台にしたノワールである。
主人公は、通称レフティ(左利きのため)ことハンデイキャッパー(賭け率設定係)
フランク・ローゼンタールである。
これにシカゴから来た生来のギャングスターとでも言うべきトニー・スピロトロ、
フランクの妻でカジノのダンサー兼雇われギャンブラーだったジェリ・マギーが
絡む。全て実話とのことだが、三角関係等もあって、映像化すれば安っぽい
メロドラマ的展開に陥りがちだが、他にもカジノに関連した多彩な人物が登場、
カジノにおけるスキミング(今話題の「ワード」だが、広義の概念のようだ)の
カラクリ等もスリリングに記述されており、乾いた語り口で最後まで読ませるものがある。
殺し等には無縁な主人公フランクだが、一人称で語られる時のフランク像と第三者の目
を通して(形式上ではフランクの上司となるカジノ経営者のアレン・グリック)見たフランク像のギャップが面白い。
例えばグリック自身も海千山千の不動産業者なのだが、やはり一応(?)堅気世界の住人
である彼の目から見たフランクはギャングそのものなのである。
行った者はわかると思うが、現在のヴェガスはディズニーランド賭博版というか、
健全化、明朗化された町へと変貌している。
こういった意味では、本書に記された内容は既に昔話となった面もあるのだが、
お台場にカジノが開設されることなどあれば、果たして本書の日本版のような作が
成立し得るだろうか。
514書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/04/10(日) 14:00:04 ID:0/r+C0S5
>>511
そのアイルズの作品は、安手の活劇に走り頂けないものがあった。
チャットでのやり取りもさほど目新しいものじゃない。
「虚無への供物」の方も遊び過ぎの乱歩賞落選作だし、
ミステリ板初心者?
515名無しのオプ:2005/04/10(日) 14:16:14 ID:iycBS60B
人が楽しく読んでるものにケチつけるなんて、心がせまいね。
馬をスルーできない自分も初心者だな。
516ケーブルテレビ ◆XW5Lw080MY :2005/04/10(日) 14:18:24 ID:MQTp+7dK
>>511
ここはある程度はまともです。
が、只1人、他人のレスをとことんけなして喜ぶ悪質なコテハンも在住しています。
特に初心者の(ように見える)レスにはそれが顕著ですのでお気をつけ下さい。

ちなみにあなたのレスの一行目は、どことなく噛みつかれそうな雰囲気がありますが、
もし噛まれても相手にせず、無視したほうがいいですよ。
517名無しのオプ:2005/04/10(日) 19:30:08 ID:HVnIgQvh
倉庫で見つけました。
>>195以降でYの悲劇が話題になっています。※ネタバレ注意※

どんでん返しのすごいミステリ
http://mentai.peko.2ch.net/mystery/kako/969/969472151.html
518名無しのオプ:2005/04/10(日) 19:51:24 ID:xqKUgRTz
「Yの悲劇」。自分の中ではアクロイド、黄色い部屋と並んで、
ネタバレくらって読む気なくした古典3部作。
だから代わりといっては何だけど「Xの悲劇」を読んだものの
それほど楽しめなくて、自分にはクイーンは合わないんだと悟った。
論理ずくであり得ない仮定を消去していくくだりに快感を感じられるか否かの
違いなのかもしれない。
同じ本格でも、視覚的インパクトのある殺人現場と怪奇ムードが楽しめるカーの
方が自分には合ってるんだと思う。
519511:2005/04/11(月) 18:53:49 ID:Ryi/g0pc
511です。まさにミステリ板初心者であることは確か。今まで哲学板
中心に見ていて、心底2chなんか・・・と思いかけていたところだった
ので、このスレは非常にまともに見えました(藁。「神の狩人」もまだ
読了していないので(どこの本屋でも下巻が見当たらない)514さんに
反論もしにくいですね。ただ、虚無が頂けない理由が「乱歩賞落選作だから」
という言い方には、笑ってしまいました。乱歩賞に当選すれば、それだけで
傑作? ありえないでしょう? アイルズの上巻は、私は好きですけどねぇ。
あきらかに、紋切り型の踏襲といえるし、映画化などをあらかじめ視野に
入れた作品とも言えるでしょうが、細部の書き込みなど素晴らしいものがある
と思いましたけどねぇ。
520名無しのオプ:2005/04/11(月) 19:07:29 ID:JWmClX9+
514はとにかく人に噛み付いて回る広域荒らしだからNGワード登録をお勧めします。

読んでもいない本をさも読んでいるかのように貶すのが得意だけど、実際は検索してかき集めた知識を
つなぎ合わせて断定的に書き込んでいるだけですよ。

尊大な口調の割りに、翻訳本、新刊本は驚くほど読んでいないので、「神の狩人」なんてまず間違いなく
読んでないでしょうな。読んでる人なら絶対に覚えているはずの質問――例えば「表紙の女性が持ってる
丸いものは何?」とか訊いても、絶対に即答できませんから。
521名無しのオプ:2005/04/11(月) 19:42:58 ID:MQaU9iln
アイルズか。
「24時間」はハリウッド的な大味なクライマックスも含めて楽しめたけど、
「ブラッククロス」はそのハリウッド的アクションと、ナチスの収容所での
ユダヤ人たちの悲惨な描写が噛み合ってなく、冗長でつまらないと思った。
それでアイルズはもういいかな、と思ったから「神の狩人」は未読。
インターネット&シリアルキラー、というとジェフリー・ディーバーの
「青い虚空」は読んでるんだけど、比べてみるとどうなのかな?
522511:2005/04/11(月) 19:46:50 ID:Ryi/g0pc
>>521
そう!まさに、あなたのおっしゃる理由で昨日「青い虚空」を
買いました!
523511:2005/04/11(月) 19:55:01 ID:Ryi/g0pc
>>513
映像化すればって・・・とっくに映画化されて何年も前に日本でも封切られた
じゃないの。
524名無しのオプ:2005/04/11(月) 21:42:45 ID:vh+ajw4v
>>523,511
>520
ミス板の常識です。
525書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/04/11(月) 22:05:48 ID:4H5YMejt
>>519
>「虚無への供物」の方も遊び過ぎの乱歩賞落選作
と記したとおり、
「虚無への供物」は乱歩賞を落選したから駄目なのではなく、
作者の遊び過ぎでミステリとしてのプロットが弱くなり、
落ちるべくして落ちたから駄目だと言うことである。
他板からの新人である以上、先達のレスはしっかりと熟読したまえ。
「虚無への…」が好きなら、竹本健治「匣の中の失楽」も読むといいよ。

ちなみに、「神の狩人」は絶版でしょ。上巻は店舗内の在庫だったのでは?
上巻を読んで面白いというのはわかるが、下巻(特に後半部分の展開)には
がっかりすると思うぞ。

君は見所がありそうな新人なので、以後「はいでっか」とか「ソクラテスマン」等の
ふざけた固定ハンドルを使用して当板で活動することをお勧めしておく。
526名無しのオプ:2005/04/11(月) 22:18:10 ID:mLZ6B0Ro
>>511さん
ま、こんな調子のコテハンなんですよ。読む者の心をささくれさせる混ぜっ返しが特徴です。
「見所がある」というのは「釣れやすそう」と同義です。ご注意を。
詳しくは下記HPを参照ください。
ttp://majin_kenkyu.at.infoseek.co.jp/index.html
527名無しのオプ:2005/04/11(月) 23:42:50 ID:wruy2ukW
>>518
( ´∀`)っギリシア棺の謎
528名無しのオプ:2005/04/12(火) 03:30:05 ID:Keir7m01
クイーンを苦手な人は、短編から入ってみるといいのかも
…まだ短編読んでないので誰かお薦めをorz
>>509
ttp://images.google.co.jp/images?hl=ja&lr=lang_ja&ie=SJIS&oe=SJIS&num=100&q=%8E%E8%91%DC
です。この時点でレーンは犯人がもう分かっていたのではないかと
529名無しのオプ:2005/04/12(火) 20:48:20 ID:puRqrJO0
今、ローマ防止の謎を半分くらいまで読んだところなんだけど、
代名詞が誰を指してるのかわかりづらい。
警官の名前も覚えられない…挫折しそうorz
530書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/04/12(火) 21:11:47 ID:m5cGQGaa
>>528
創元推理文庫の「エラリー・クイーンの冒険」と「エラリー・クイーンの新冒険」を
読んでおけ。
絶対に手を出してはいけないのは、
同文庫収録のエラリー・クイーンの事件簿1、2とHM文庫の「クイーン検察局」。
>>529
頭悪過ぎ(w
531名無しのオプ:2005/04/12(火) 23:01:56 ID:NtLIjhAh
いままで書斎魔神って現物を見たことがなかったが、
実際目の当たりにするとショックだな。
532ケーブルテレビ ◆XW5Lw080MY :2005/04/12(火) 23:12:05 ID:I9VqwEC8
>>520
お気にめさるな。
例えば某Sという人物みたいに、漢字やひらがなさえ平気で間違えるほどのアホもいますからw
533名無しのオプ:2005/04/13(水) 06:39:07 ID:0g/ByhzA
『ペンギンの憂鬱』アンドレイ・クルコフ(新潮社)読了。

あまりにおもしろかったのでどっかにオススメ書いとこうと思って、
このスレを初めて訪れてみた(w
ペンギンを飼ってる小説家が主人公なのだが、
新聞の死亡記事を書く仕事を引き受けてから、良く分からない事件に
巻き込まれ始め、しだいになにやらでかい陰謀めいた出来事の
重要なこまを担わされてることに気づき始める・・・という感じの話。
村上春樹に似てるとか近いとかって書評が多いみたいなんだけど、
この作者の描きたいことは村上春樹よりずっとわかりやすくて、
どうしてペンギン(かわいい!)なのかもよーくわかるような気がする。
ミステリ的に読むと(最後に)主人公の置かれてる状況が判明するだけで、
事件全体の詳細が説明されるわけではないんだけど、

まぁ気にするな。
534511:2005/04/13(水) 08:34:57 ID:DJXibwwe
「神の狩人」の下巻は当分、入手できなさそう・・。魔人さんの話だと下巻は
期待ほどではない・・・という事ですね。それもありがちな話なのでおっしゃる
とおりかも知れません。下巻は何ヶ月か後で読むことにして、アイルズの別の
小説でも読んでることにします。(まあ、どこかの古本屋で見つけるまでという
事ですが・・・)それにしても、520氏の指摘されたあの丸いものは・・・?
実際に本を持っているぼくも、あれが何だか見当もつきません。言われた瞬間は
「トロフィーに違いない・・・」と思ったのですが、そうではない。
まさか三半規管じゃないよね・・・。なにか、謎めいた装丁ですね。

535名無しのオプ:2005/04/13(水) 12:47:43 ID:nq/ZK53c
『迷宮の暗殺者』デビッド・アンブローズ(VB)読了。
どこかでバカミスと評されてたので読んでみました。
アドレナリン全開で面白かったです。「バカミス」という評価は一種の
ワクチンみたいなものだったんだと思いました。
超人的な能力を持ったスーパーエージェントと夫の事故死の謎を追う女
性、裏で暗躍する謎の組織。そんな感じのお話。
アクション満載でストーリーに仕掛けがあったりしますがドンデン返し
やきれいなオチを期待する人には奨められないかも。
スパイ物の変り種として読んだ方がいいです。
正直チャーリー・モンクでシリーズ化して欲しいです。
536名無しのオプ:2005/04/13(水) 15:30:59 ID:TEcyJt2t
>>534
アンモナイトでしょう。でも、あなたはちゃんと本を所持して、読んでいることが判ります。
受け売りだけの誰かとは違ってね。
537名無しのオプ:2005/04/13(水) 17:33:41 ID:fmRN1kPC
リチャード・スターク「悪党パーカー/電子の要塞」

シリーズ邦訳最新作。
冒頭一行目から人を殺してる最中のパーカー、相変わらずだ。
今回は過去作「怒りの追跡」の後日談にもなっているそうだが、
未読でもちゃんとついて行けるので問題なし。
その引き続き登場する3人の人間関係は面白いが、
その他の脇役(犯罪組織のヤクザもの、ターゲットの大富豪と
その周辺人物、警官たちなど)は、多彩な割にはそれぞれの
人物描写の掘り下げと出番が少なくてちょっと物足りない。
その簡潔さがスタークの持ち味でもあるのだけれど。
個人的には、パーカー一味の新顔、ラリー・ロイドの人物像が面白かった。
この小説は、根っからのプロの犯罪者パーカーと、プロになろうとする
アマチュア犯罪者ラリーの対比が一番の読みどころかもしれない。
538名無しのオプ:2005/04/13(水) 20:18:47 ID:A3rNV6vV
>>534
読まないでいい加減なことをいう奴の言うことなんか信じないほうがいいよ。
539名無しのオプ:2005/04/14(木) 06:51:41 ID:9NsJFOIm
500です。Yの悲劇、読了!
真ん中あたりまでは確かに退屈だったんだけど、後半から徐々に盛り上がり、
最後は大満足。
プロットの巧みさに脱帽です。
自分の中では「そして誰も・・・」以来でしょうか。
540ロム者:2005/04/14(木) 20:10:04 ID:rVjDz+iQ
「反撃」リー・チャイルド著・講談社文庫
○元・米国軍人ジャック・リーチャーは、シカゴで片足の不自由な女性ホーリーに手を貸した。
 その刹那、銃を持った男たちに急激され、二人は車に押し込まれる。
 男たちの目的は?、誘拐犯の狙いホーリーは何者なのか???

今流行の「24」的物語。
始めにいろいろ小さな事件があって、徐々に全体が明らかになってくる。
裏切、失敗、ご都合主義、いろいろあって最後は国家の一大事・・・・
「24」に乗れなかった自分としてはこの作品も余り乗れず。
541名無しのオプ:2005/04/14(木) 20:19:55 ID:+QCLweyM
「死人はスキーをしない」 パトリシア・モイーズ(ハヤカワ文庫)

下りのリフトに乗って姿を現すという遺体登場シーンが印象的な正統派パズラー。
舞台となるスイスまでの旅程やスキー場の描写が生き生きとしていて、場面が目に浮ぶよう。
終盤でのチェイスシーンも非常に映像的で、派手さはないけど秀作だと思います。
主人公であるヘンリーとエミー夫妻のほのぼのとした会話が面白いけど、奥さんのエミーが
四十代という年齢とは思えない性格をしています。ちょっと理想化しすぎじゃないかしら。
542ロム者:2005/04/14(木) 20:23:27 ID:rVjDz+iQ
もう一つ。
「天使の悪戯」アンドリュー・テイラー著・講談社文庫

○晩秋のロンドンで四歳の少女ルーシーが何者かにさらわれた。  
 誘拐犯から接触が無いまま、翌日、切断された手が発見される。
 果たして犯人の狙いは??

まず、設定が抜群。
誘拐された子供の父親が刑事、母親が神父。
時間が経つにつれ、叔父の神父に頼り始める父親、
時間が経つにつれ、神への信仰をなくしていく母親。
主人公が犯人を追い詰めて対決、勝利で万歳って作品じゃないので
好き嫌いがはっきり出る作品だと思う。
しかも三部作の一遍なので謎がいろいろ残る。
543ロム者:2005/04/14(木) 20:33:42 ID:rVjDz+iQ
失礼。
上記作品は「天使の悪戯」ではなく「天使の遊戯」でござんした。
544名無しのオプ:2005/04/14(木) 20:45:22 ID:u6z8Pwl+
>>542
>母親が神父
女性で神父になれるんだっけか?
545ロム者:2005/04/14(木) 23:59:00 ID:H4o12/IW
>>544
またも失礼。
主な登場人物には「セント・ジョージ教会の副牧師」とかいてありやした。

カトリックの教会では牧師にあたる職を神父とよび、
プロテスタントでは牧師というそうで、
また神父には女性はなれないし結婚も出来ないけど
牧師には結婚できるし女性でもなれるそうな。
546名無しのオプ:2005/04/15(金) 00:42:00 ID:aUUlgAHY
>>545
よかった、俺の記憶が正しくてw
でもその解説はいただけないな。
神父は神学校を卒業していないとなれないが、牧師は違う。
カトリックとプロテスタント以上に職の意味が異なるのだ。
547511:2005/04/15(金) 10:50:51 ID:cKFa25+O
なぜ、アンモナイトが・・・?
548名無しのオプ:2005/04/15(金) 19:45:31 ID:IAE5hp0K
「盲目の理髪師」 ディクスン・カー(創元推理文庫)

船上を舞台にした宝石盗難事件が中心的な謎となっている物語。
主人公を除いて登場人物が基本的に阿呆ばかりで、突拍子もない出来事が連発するドタバタ劇に
なっている。アメリカのくどいコメディ映画のようなノリなので、それを許せるかどうかで評価は変わる
と思う。個人的にはオーケーだったけど。
色々と伏線が張ってあるものの、話がこんがらがりすぎのような気も。
549読後感:2005/04/17(日) 02:30:07 ID:C77aW0eG
「幻想と怪奇-ポオ蒐集家-」早川書房

ホラーアンソロジー。
面白く読んだが内容が偏っている印象。
一番は…「夢売ります」かなぁ。
十四番は…「アムンゼンの天幕」かなぁ。
550書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/04/17(日) 16:30:41 ID:Wh32hwu6
「神の狩人」は入手難なようなので、結末を書いてしまってもOKか?
典型的な流行りものの読み捨てミステリであり、再刊される可能性は低いゆえである。

「猿の惑星」新訳を読む。
あまり「ミステリ」という観点からは語られることがない作だが、
SFミステリとして楽しめるものがあった。
しかし、作品全体のトーンは、派手な印象がある映画化作品とは異なり、
SF不毛地帯とも言い得るフランス人作家らしい思索的な寓話である。
アンテル教授が陥った状態がコルネリウスの説明だけでは、腑に落ちないものがあるのと、
何よりも、伏線が十分に効いた二重のドンデン返しも、映画のショッキングな結末
(有名な自由の女神のシーン、猿の惑星は地球の行く末だった)には及ばない感はある。
551名無しのオプ:2005/04/17(日) 17:51:34 ID:1jJQFzFt
>>550はルール違反ではないことを確認しておく。
ネタがミステリではないからというのがその理由。
552名無しのオプ:2005/04/17(日) 17:59:08 ID:kAih3Wtu
ネタばらし予告だろ
553名無しのオプ:2005/04/17(日) 18:02:14 ID:hOEtaVK/
ミステリじゃないんなら板違いで削除だな。
554名無しのオプ:2005/04/17(日) 18:33:38 ID:1jJQFzFt
>>553
そうともいえないな。ミステリじゃないがミステリ的に読む趣旨だからな。
ただしあくまでもミステリではないのでルールには抵触しないという寸法だ。
555名無しのオプ:2005/04/17(日) 19:19:46 ID:pLvBungq
本人がきっちり「ミステリ」と言い切っている以上、
ルール違反を承知でネタバレするつもりなのは明白だな。
556名無しのオプ:2005/04/17(日) 19:34:52 ID:1jJQFzFt
本人の意図にかかわらずミステリでないものはミステリでないのだ。
ミステリでないものをミステリとして読むというのは大いにありうるがな。
557名無しのオプ:2005/04/17(日) 19:42:44 ID:pLvBungq
キチガイが何を言おうが、ネタバレは禁止なんだよな、ミステリーじゃなくてもw

>メール欄以外でのネタバレは禁止です。
>目に付くところにネタバレを書き込むのは止めましょう。
>ネタバレを予告する書き込みも止めましょう。
>メール欄以外でのネタバレを目的としたスレッドを立てることは禁止です。
558名無しのオプ:2005/04/17(日) 20:01:21 ID:1jJQFzFt
未読者の可読性を損なうものがネタバレであり、そうでないものは断じてネタバレではない。
よって>>557の見解は拡大解釈なんだな。それがありなら何も書き込めなくなるぞ。
559名無しのオプ:2005/04/17(日) 20:24:01 ID:pLvBungq
俺様ルールを持ち出すなやw
書き込めなきゃ書き込むな。
メール欄も使えないほどの馬鹿なら来なくてもいいだろw
文句があるならローカルルールスレで提案するこったなw
560名無しのオプ:2005/04/17(日) 22:16:57 ID:VuQnWo46
みんなもうほっとこうよ・・・(´・ω・`)
561名無しのオプ:2005/04/18(月) 16:36:00 ID:9mdl2OW5
>>550
>「神の狩人」は入手難なようなので、結末を書いてしまってもOKか?
>典型的な流行りものの読み捨てミステリであり、再刊される可能性は低いゆえである。


アマゾンのユーズド本で簡単に手に入る。
そんなに入手困難本じゃないと思う。

著者のグレッグ・アイルズはまだ1〜2年間隔で新刊が出されてるし、
最新の2004年に出た「戦慄の眠り」のカバーの折り返しの、
グレッグ・アイルズの作品リストには「神の狩人」のタイトルも入ってる。
再刊の可能性も低いとは必ずしも言い切れないと思う。
562名無しのオプ:2005/04/18(月) 16:38:19 ID:oOSxQN21
図書館で借りる奴だっているし
563名無しのオプ:2005/04/18(月) 17:26:41 ID:Rqn6zGzj
漏れが読むまで待って。>ネタバレ
564名無しのオプ:2005/04/18(月) 20:59:43 ID:zjEcJUTS
古書店で買う奴もいるだろうし、積ん読を崩す奴だっている。
焚書されたわけじゃないんだから、誰かしら読む可能性があるわな。
565名無しのオプ:2005/04/18(月) 21:14:56 ID:P6cC4bVJ
まあ2ちゃんねる認定発狂コテのネタバレ恫喝などはスルーということだ。
削除依頼も出てるみたいだし。
566名無しのオプ:2005/04/18(月) 22:06:47 ID:zjEcJUTS
>>565
削除依頼が通らないときは、依頼人のホストを晒して荒らしまくるらしいね。
もっともある板でそれを続けたら、その荒らしレスが簡単に削除されたらしいけど。
567511:2005/04/20(水) 11:32:26 ID:SGqH0eAA
魔人氏は、なぜ結末を書きたいのだろう? なにか論じたいことでも
特にあるのかな。 どこが駄目だとか。しかし、安手の活劇風とすでに
最初に言ってるではないですか。「戦慄の眠り」も十分おもしろかった。
たしかに下巻で、活劇風の展開になって来るが、事件になんらかの決着
をつける必要がある以上、具体的なアクションが必要になってくるだろう
し、ある程度活劇調になるのは、当たり前と思う。漏れは、1か月以内に
図書館で読むつもりなので、ネタバレは少々困りますな。
アイルズの小説は好きだが、魔人さんは気にいらないと言う。それなら、
魔人さんが特に、「これだ!」という作家を3人ほど挙げてみてもらえない
だろうか。必ず、読む。
568名無しのオプ:2005/04/20(水) 18:30:07 ID:BFiBkg04
魔神さんじゃないですが、横レス。>「これだ!」という作家

ネルソン・デミル!
出来れば「プラムアイランド」→「王者のゲーム 」の順で読んでみて。
アイルズよりデミルの方が面白いと自分では思ってる。
569名無しのオプ:2005/04/20(水) 18:35:03 ID:Mj+TtUYW
>>567
だからアイルズなんか読んでないっつーの。検索して適当に調べた付け焼刃の知識で
さも読んでるふりして他人のレスに噛み付くのが生きがいの荒らしなんだよ。

そうやって荒らしの相手をする君も、他の住人にとっては荒らしだということに気付け。
570名無しのオプ:2005/04/20(水) 20:44:48 ID:iHxsVU0x
>>568
デミルは「誓約」から、と言いたいところだが、ちょっと重いかもしれないので、
トマス・ブロックとの共著(最初はブロック単独名義だった)の「超音速漂流」が
入りやすいかも。
571書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/04/20(水) 21:24:54 ID:Mu+39RxL
>>567
了解した。「神の狩人」(下巻)などより遥かに面白い3作を紹介しておこう。
作家ということだと、どんな練達な者であっても、面白い作とつまらない作が
あるので、作品ということで紹介しておく。
ありがちな古典の類は外し、スレの趣旨に合わせて海外作品のみに絞った。

1 シンプルプラン    スコット・B・スミス     扶桑社ミステリー
2 斧        ドナルド・E・ウェストレイク   文春文庫
3 殺人課刑事 上・下  アーサー・ヘイリー      新潮文庫

検索すれば、各作品に関する俺の論考が見つかるはずだが、ノーコメントの状態で
まず読んで欲しい3作だ。
うまくすれば、古本屋や図書館で全作ゲット出来る。
いずれも大人の鑑賞に耐え得る読み応えがある作品ばかりだ。
1は、サム・ライミ監督で映画化されており、これも面白いが、
原作の犯罪エスカレートぶりは映画の比ではない。凄い凄過ぎるぞ。
2は、通には高い支持を受けたベテラン作家によるクライムノベルの大傑作だ。
3は、ヘイリー追悼の意も込めて、晩年の作だがリアルな警察活動を描いて間断する
ところがない大作。
以上、心して読め!
572名無しのオプ:2005/04/20(水) 21:36:52 ID:Pohe46RH
>>569
>>567はまともにレスしてるから別に目障りじゃないけどな。
一頃のカースレみたく延々罵倒レス返すようじゃ困るが。
あ、別に魔人を肯定しているわけではないので。念のため。
573名無しのオプ:2005/04/20(水) 21:40:19 ID:gxN+iPBo
「死の会議録」 パトリシア・モイーズ(ハヤカワポケミス)
国際的な麻薬対策会議が行われているビルで通訳が殺された。
現場の状況から最重要容疑者にされてしまったティペット警部は、自らの無実を証明するために
奮闘するのだが、なかなか捜査がはかどらない。逮捕までのリミットは刻一刻と迫るのだった…。

…という展開なので時間制限のサスペンスになるのかと思っていたら、なぜかのんびりとした
観光案内付きのパズラーになっていた。相変わらずの柔らかい雰囲気は悪くないのだけれども、
今回は中途半端に甘ったるいロマンスが鼻について、そこが受け入れづらかったです。
トリック自体はありきたりで伏線の描写も露骨。パズラーとしてはもう一つでした。
574511:2005/04/22(金) 09:07:46 ID:GAhbg8Pc
>>571
・・・そうですか。その3作をとにかく読んでみます。でも、映画の
「シンプル・プラン」は確か観て、そんなに乗れなかったような薄い記憶が
あるので心配ですが。最近のミステリっぽい映画と言えば「ドックヴィル」が
強烈な印象がありましたので、未見ならぜひ観てみてください。
568さんや570さんが薦めてくれたネルソン・デミルも勿論読んでみます。
紹介してくれて嬉しいです。
魔人さんは、嫌っている人たちがいるみたいだけど何故なのかな? 私はここに
来たばっかりなので、いろいろ言われてもまだ、ピンと来ないのでねぇ。。。

575511:2005/04/22(金) 09:34:54 ID:GAhbg8Pc
あと、映画ではあのセバスチャン・ジャプリソが原作という「ロング・エンゲージメント」
もお勧めですねぇ。まあミステリというより戦争映画の大傑作なんですが。
同じ監督による「アメリ」をあらかじめ観ているとより楽しめるかも・・・
576511:2005/04/22(金) 10:30:07 ID:GAhbg8Pc
・・・魔人氏、まじで嫌われてるね。哲板にもびかぁ〜という名物男がいるけど
そのミステリ版なのか? それにしても、ちゃんとした文章を綴る人物ではないか。
とても真似できないと漏れなんかは感心しちゃうけどな・・。
577名無しのオプ:2005/04/22(金) 11:27:38 ID:/Jxr9O2z
>511 一度だけレスするけど。。。
書斎魔神 ミステリ板住人
で、ぐぐってみて。
やつが今まで行ってきた、プロバイダからリアル・ゴルァされたほどの荒らし行為の数々がわかるから。
あと、あまり魔人魔人と書いていると、奴の自演キャラと勘違いされちゃうから御用心。
578名無しのオプ:2005/04/22(金) 13:29:21 ID:9yF445h9
「シンプル・プラン」の原作は面白かったなあ。
真ん中辺りと終盤は心臓バクバクさせながら読んでた。
579名無しのオプ:2005/04/22(金) 14:24:00 ID:s7iL60+H
>>569を無視して書き込んでいるんだから、511は馬の自演キャラに決まっている。

仮に本物の初心者だったとしても、馬と同列の荒らし。以後はスルーで。
580名無しのオプ:2005/04/22(金) 16:14:45 ID:fH8fEyFk
>>579
自分の罵倒レスが尊重されなかったから怒ってるの?

511はまともなやり取りをしているだけだろ。
虚心になれよ。他人の受け売りじゃなく。
581名無しのオプ:2005/04/22(金) 16:18:01 ID:s7iL60+H
発狂乙
582名無しのオプ:2005/04/22(金) 21:23:07 ID:+iu210/2
誰にも相手にされない孤独な中年が鏡相手にブツブツ話しているようなもんだ。
みじめな自演君はほっといてやろうぜ。
自分同士で会話するだけで充分だろうしさ。
583書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/04/22(金) 23:35:29 ID:CQQjZHz/
セバスチアン・ジャプリゾ好きなら、初期邦訳3作は必ず読んで欲しい。
「シンデレラの罠」「寝台車の殺人者」「新車の中の女」(全て創元推理文庫)
英国産パズル小説や米国産ハードボイルドとは全く異なる
これぞフランス・サスペンス・ミステリというムーディな魅力を満喫できる。
584書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/04/22(金) 23:36:41 ID:CQQjZHz/
ポール・ブリックヒル「大脱走」を読む。
ホラーはSF板の担当になったようだが、冒険小説はミステリ板担当ということなので、
この板で紹介したい。
言わずと知れたジョン・スタージェス監督作品の原作であるが、
戦争スポーツアクションである映画とは異なり、戦時下におけるリアルな
冒険ドキュメントとして読み応えがある作であった。
原作の読ませどころのひとつとなっているのは、映画では完全にカットされて
しまった終章、元スコットランドヤード刑事の英空軍特別調査付、バウズ中佐の
捕虜虐殺に関連した戦犯追及のくだりである。
わずか20頁弱のボリュームだが、書き込めばこの部分だけでも独立した長編足り得る
ほどの内容を伴うものであり、フォーサイスの「オデッサファイル」、
清張の戦後ドキュメント等のテーストに近いものを堪能出来る。
シビアでビターな展開は、映画の脳天気なラストがぶっ飛ぶ感がある。
大脱走に到るまでの、パスポートや制服の偽造、トンネルの偽装工作等は、
映画でも描かれていたが、この辺は倒叙ミステリと共通する細かいプロセスの面白さが
ある。
585書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/04/22(金) 23:37:40 ID:CQQjZHz/
登場するキャラクターは大きく脚色されているが、
トンネル掘削により出た土の処分方法等細部に原作の面白さが生かされてはいる。
ただし、本筋の脱走ネタで残念なのは、脱走に成功する3人のうちの1人、
ボブ・ヴァン・デア・ストックのエピだ。(映画ではジェームズ・コバーンの役柄)
18番目の脱出者である彼の逃避行は、まさに波瀾万丈そのもの。
これも一編の冒険小説足り得るものがある。
映画では、レジスタンスと出会うシーンまでしか描かれなかったのが残念だ。
なお、残りの2人はコンビ(映画では1人はチャールズ・ブロンソンが演じた)、
映画に描かれたとおり、比較的順調に船での脱出に成功している。

思うに、名作・傑作と言われる映画でさえ、原作と比較するとその創りの粗さが目立って
しまう感が強い。
「大脱走」の例を見ても、マックイーンのバイクによる逃亡シーン以外は、映画が原作に
優っている部分は皆無と言い得る。
映画は個性が強い魅力的なキャスティングだが、原作の登場人物たちはより多彩で個性に
富んでいる。
戦闘シーンをスペクタクルに出来るため、映画の強みが発揮できそうな冒険・戦争もの
でも、「史上最大の作戦」「遥かなる橋」「バルジ大作戦」「パリは燃えているか」等は、
原作の人間模様等を巡る濃い書き込みに比較すれば、退屈で凡庸な大作に過ぎないという
感がある。
「ナバロンの要塞」も、映画は原作にある男だけの実行部隊が醸し出す重量感
溢れるスリルには及ばない。
「戦場にかける橋」にも、原作のコンパクトにまとまったエスプリは生かされていない。
他のジャンルを見ても、ふと思いつく限りでも、「戦争と平和」「風と共に去りぬ」
「老人と海」「ゴッドファーザー」「ポセイドンアドベンチャー」等々、
全て原作の方が面白かったというのが正直な感想である。
586名無しのオプ:2005/04/23(土) 00:21:02 ID:Mcs6Fm6j
自分が存在する前にあったことを他人の言や周りの雰囲気だけで
鵜呑みにして何の疑問も持たずに対象を攻撃してはばからず、
少しでも気に食わない発言があると同罪とばかり痛罵する。

なにやら近頃のニュースを思い起こさせますなぁ。
587名無しのオプ:2005/04/23(土) 00:26:37 ID:HB+sNouM
近頃のニュースといえば一人八役をネット上で演じて嫌がらせを繰り返したやつとかもいたな
588読後感:2005/04/24(日) 04:02:36 ID:m38HBrR9
「最後の一ビン」スタンリイ・エリン

書評では前作「九時から五時までの男」より劣るという声を
ちらほら聞いたが、それはオーソドックスなプロットが多いからか。
好きなのは胸の空く復讐タンでラストの皮肉も効いてる「画商の女」と
最後の一撃が光る表題作。
さらに「内輪」を加えてベスト3としたいが、
程度の差はあれ誰でもこの作品の
主人公のような経験があるに違いない。
589名無しのオプ:2005/04/25(月) 02:21:00 ID:jU1N2FyK
久しぶりに海外オフやるらしいよ
590名無しのオプ:2005/04/25(月) 17:30:50 ID:G++05F1u
ぜひ魔神さんをSGとして迎えたいですね
591読後感:2005/04/27(水) 09:59:34 ID:SIgGyN7W
「終われないふたり」メアリー・リン・バクスター(ハーレクイン)
 謎の電話に悩まされるジュリアーナ。
 トークショーの司会を務める彼女には敵がいるのか・・・。
 脅える彼女の許にやってきたのはかつて不幸な事故が原因で離婚した夫だった。
 
 ロマンティック・サスペンス。 
 犯人も事故の真相も見当がつくが、一番気になるのはラストのバカっぽさ。
 この流れでそれはないのでは・・・。不自然だし。
 ラストで愛>キャリアを強調させてるのがよい。
「スーザンが復讐するとき」ジョゼフ・エイミエル(新潮社)
 弁護士ダンは恋仲になった女性の弁護を担当することを決意する。
 彼女の容疑は夫の殺害。無実を信じるダンだったが、
 彼の行く手には巧妙な罠が待ち受けていた――。

 同作者の「仮想結婚の終わりに」っていうロマンス小説をべた褒めしましてね、僕。
 これも期待して読んだんですわ。
 流石特定レーベル(上記)じゃないだけあって法廷シーンも
 おざなりじゃなく描けている(と思う)。どんでん返しもあるし。
 上下巻とか気にならんね。
592読後感:2005/04/27(水) 10:00:29 ID:SIgGyN7W
「裏切りの朝」ジョー・ゴアズ(角川書店)
 8年の刑期を終えて出所したラニアン。しかし娑婆の空気を楽しむ間もなく、
 得体の知れない美女や、保険調査員、殺し屋に付きまとわれる羽目になる。
 連中の魂胆はわかっている――ラニアンが隠したダイヤが目当てなのだ。
 ラニアンは追っ手を上手くあしらいながらダイヤを手にしようとするが・・・。

 ゴアズは「脅える暗殺者」以来2作目。
 ハードボイルド作家にしちゃロマンチストやなぁという印象。
 しかし王道を楽しむというのも立派な読書作法ですぞ。
「あんな上司は死ねばいい」ジェイソン・スター(ソニーマガジンズ)
 上司の嫉妬から職を追われバイトに汲々とするビル。
 ある時痴漢に間違われて絡まれてしまったことから彼の人生は真っ逆さまに転げ落ちていく。

 リストラ・ミステリーだって。ダグラス・ケネディと同系列か。
 しかし、あっちはまだちょい光明がなくもないが、これはかなり悲惨だと思う。
 この手のは大雑把な流れははなからわかってるから後はどう嫌がらせられるかだね。
 うん、イヤだったw
593読後感:2005/04/27(水) 10:02:19 ID:SIgGyN7W
「殺人四重奏」ミッシェル・ルブラン(東京創元社)
 1人の被害者に4人の容疑者。皆自分がやったと言って譲らない。
 嘘つきは1人もいない。では真実はどこにある?

 有名なフランス・ミステリーの古典ですね。
 原理は見当つくけど、まあ、早い者勝ちなネタですな。
 今読む必要はないかと。
「女テロリストを殺せ」ギイ・テセール(文芸春秋)
 夫婦生活が破綻して失意のボーマンは上司に言われ、ある囮捜査に着手する。
 それは敵の女スパイと関係を持ち、彼女を暗殺するというものだった。
 
 作者はル・カレに憧れて本書を書いたらしいが、本当にうわべっつらをなぞった感じ。
 「絶妙のどんでん返し」という惹句も見当外れでサブい。返ってませんからー残念!

 しかし、不貞妻というシークエンス(使い方あってる?)についてはル・カレも
 上辺だけかな?
594読後感:2005/04/27(水) 10:03:40 ID:SIgGyN7W
「フライアーズ・パードン館の謎」フィリップ・マクドナルド(原書房)
 当主が次々と怪死するという曰くつきの館を買い取った売れっ子女流作家が
 密室内で死亡した。死因はなんと溺死。
 しかも死体が発見される数分前に電話口に出たという・・・。
 管財人として館を訪れていたチャールズはこの奇々怪々な状況を打破すべく動き始める。

 ミステリ界の3マクと(ry
 Pマクキターと喜んだのも束の間。あのベタで通俗的なロマンスを久方ぶりに読めるという
 期待はアッサリ裏切られました。プンプン。
 驚くほどそっけなかったです、はい。
 
 で、謎ですがあまりに突飛なためか分割されると途端にボロボロとなってしまう印象。
 物が移動したり、音がしたり、手首が徘徊したりと小謎も微笑ましくはあるのですが・・・。
 ハードカバーで買うほどじゃないですね。
 あ、それから登場人物表がない!これ致命的ね。
 つーかとっととmurder gone madを出せと小一時間(ry
595名無しのオプ:2005/04/28(木) 02:59:55 ID:pDyXbNKU
S・キング「ザ・スタンド」
核爆発って・・・なんじゃそりゃ。
メル欄が生きてたのは許せるけど、ロイドとかジュリーとかも最後見せ場欲しかった。
ラリーとかの死も結構スルーされてるっぽいし。

でも、なんだかんだで超面白かったw
596名無しのオプ:2005/04/29(金) 09:00:37 ID:Sac1AL5J
保守アゲ
597511:2005/04/29(金) 11:54:05 ID:pfgzpRNx
「シンプルプラン」読んだよ。確かに面白いね。特にこの題名が効いてるな。
ジリアン・ホフマンの「報復」読んだ。・・・なんだ、これ?
面白かったけど、ちゃんと終わっていないような・・。おかしいな。
続編がありそうな終わり方だが?
松岡圭祐「千里眼の死角」読了。今回も良かった。松岡のこのシリーズは
007の日本的な翻案と思われるが、成功しているのではないだろうか?
007を日本の風土に持ち込むとこういう風に変貌するというのが、
面白いね。松岡は、日本の作家のなかでは評価できるほうだな。
598名無しのオプ:2005/04/29(金) 13:46:40 ID:L906hNdf
コーネル・ウールリッチの「黒い天使」読了。
これってメール欄ってこと?
599書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/04/29(金) 16:19:12 ID:4n6yUDaB
アーサー・ヘイリー「最後の診断」を読む。
59年発表の作品だが、時を越えた面白さを持つエンタメである。
一時期はヘイリー専属の翻訳家という感さえあった永井淳(近年ではキング作品の訳で
有名。永井氏にとってキング作品を第2の鉱脈とすれば、第1の鉱脈だったのがヘイリー作品であると言い得る)の平易でこなれた訳文が、
わかり易さ、読み易さをモットーとしたヘイリー作品には、まさにどんぴしゃであった。
一応の主役はスリー・カウンティズ病院外科部長・病院医師会議議長のオドーネルだが、
物語の要所で場をさらうキーマンは病理部長の老医師ピアスンである。
専門家が読めば、医学に関する記述には陳腐化している部分もあるのだろうが、
多彩な人物(しかし、いわゆるエンタメに付き物のステレオタイプの悪人は登場せず、
一様に真面目な人物である点が好感を持てる)が織り成す人間ドラマは、
それを補って余りあるものがあるのではないか。
人間を書けないと批判されることが多いヘイリーだが、この作品は脇役まで目配りが
効いた丁寧な描写がなされており、
保育室担当の名無しの若いナース(実は非常に腕利き)なども非常に印象に残るキャラと
なっている。
メーンなキャラだけ見ても、オトール、ピアスンの他にも、
新任だが病理の斬れ者コールマン医師、美人女医(だが30後半女)のグレンジャー医師等、十分にキャラが立っている人物は枚挙に暇が無い感がある。
全ヘイリー作品の中でも屈指の面白い作品だが、まともに映像化されなかったのは、
クライマックスが検便シーンゆえ致し方あるまい。
600名無しのオプ:2005/04/29(金) 20:00:21 ID:cDqXfqgF
ade
601書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/05/01(日) 16:06:17 ID:fEwgJsJF
マーティン・クルーズ・スミス「ゴーリキー・パーク」を読む。
私のように年季が入った読み手であっても、未読の著名作品というのは
あるものだが、そのうちのひとつが本作であった。
ハードカヴァー刊行時に評判になった作品だが、その後のソ連邦崩壊等
により古びた印象があり、未読のまま今日に至っていた。
モスコーを舞台にした猟奇犯罪という謎の設定は興趣に富むものがあるのだが、
結局、全編通じて面白い点はこれだけであった。
えらく早い段階での犯人露呈、それなりの説得力はあるが地味な動機、
この手の大衆エンタメ小説にはお約束の謎めいた美女の登場、
安手のハリウッド映画まがいのNYから来た刑事との確執と友情等々、
先が読め過ぎる展開は、到底、まともな読書人の鑑賞に耐え得るものではない。
何よりも悪いのはアメリカ人作家の手になるものゆえ、
文中からロシアの空気といったものが全く伝わって来ないことである。
602名無しのオプ:2005/05/04(水) 06:06:53 ID:n+GKYxW3
「神の狩人」の前半は面白かったよ。
解決部になるとグリシャムのようになっちゃう。
でも上の部類ね。
603名無しのオプ:2005/05/04(水) 06:37:05 ID:PmoxBBlM
「猟鬼」のロシアの空気はどうですか?
604名無しのオプ:2005/05/05(木) 19:39:21 ID:pxICa35Y
「霧の中の虎」 マージェリー・アリンガム(ハヤカワ・ポケミス)
読了。
英国三大女流ミステリ作家らしいのでパズラーを期待して読んだらスリラーだった_| ̄|○
名探偵アルバート・キャンピオンのシリーズなのにキャンピオンが全然活躍してなかった。
というより、その他大勢の一人というレベルの扱いでした・・・。
605名無しのオプ:2005/05/07(土) 14:22:39 ID:62em3S02
アガサ・クリスティ『ひらいたトランプ』読みました
海外ミステリはちょっと苦手なのですが、訳も上手く、
ストーリーにも引き込まれ、一気読みしてしまいました。
ポワロはやっぱり(・∀・)イイ!!
どんでん返しがいっぱいあったのが、個人的に評価高いです
606読後感:2005/05/08(日) 15:31:57 ID:8R+3laGB
「ママは何でも知っている」ジェイムズ・ヤッフェ

評判通り粒揃いの傑作集。
質で拮抗しているなら量で判断ということで
「ママは憶えている」に一票。
607名無しのオプ:2005/05/10(火) 16:29:27 ID:YEyw9Mbz
N・ブレイク「証拠の問題」(ハヤカワポケミス)を読了しました。
以前に読んだ「章の終わり」「雪だるまの殺人」は余りに退屈、
「血塗られた報酬」は単なるサスペンスだったので、期待せずに
読んだのですが、これは良かったです。

英国の私立学校の雰囲気も捉えられていたし、犯人の造形もなかなか、
「凶器の隠し方」トリックも満足できるものでした。
608名無しのオプ:2005/05/12(木) 21:55:42 ID:/M+czMaO
グレッグ・アイルズ「戦慄の眠り」読みました。
「神の狩人」系統を再び期待していたので
かなり満足させられる出来でしたが
真犯人が××というのにはガクッとしてしまいました。
捜査チームがあらかじめ予想していた犯人像の中に
××というのがなければ、もう少し衝撃を味わえたと思うのですが。
609読後感:2005/05/13(金) 22:32:14 ID:PsQmPGTv
「クリスマスのフロスト」R・D・ウィングフィールド(東京創元社)
 美しい娼婦の愛娘が学校からの帰路、誘拐された。
 ワーカーホリックで下品なフロスト警部は新任の巡査と共に
 捜査にあたるが・・・。

 言われてるほどではないと思う。
 読みやすいし、わらけるし、予てから警察小説というものに抱いていた
 偏見がやや緩んだのは認めるけど。
 続けて2、3と読もうとは思わんなぁ。
 一人一人の堀下げが甘い。婦警とか。でも12歳のナイスバディには萌え。

「第五の墓」ジョナサン・ラティマー(早川書房)
 失踪した娘を探しに来た私立探偵のカールだったが、着いた早々相棒の死を知らされる。
 娘がいるのは怪しげな宗教団体の施設で、ギャングと組んで町を牛耳っている様子。
 カールはボスの女に下心込みの義侠心を出し、彼女を使って対立するギャング同士の
 抗争を煽るが・・・。

 イマイチ。本当にかる〜い感じ。ラストの真相もろくな伏線もなくいきなりだし。
 代表作とは言えないのでは。「モルグの女」が面白いことを望む。  
610読後感:2005/05/13(金) 22:33:41 ID:PsQmPGTv
「法の悲劇」シリル・ヘアー(早川書房)
 バーバー判事の許に届けられた脅迫状。そして起こった交通事故。
 最初意に介さなかった判事も次第に追い詰められ、自殺を図るようになる。
 そんな夫を献身的に支える妻のヒルダにも、魔手が伸び、彼女は自分の手で
 夫を守り抜くと誓うのだが・・・。

 傑作と呼び声高い古典。
 ぶっちゃけストーリーは大して面白いものではないが、プロットには脱帽。
 ここまでやられたら見破れないに決まっている。自分も(メル欄)でははん、
 と思ったがその後どんどんグラついてラストにはウホッってな感じですた。
 しかし小説としては(ry
 キャラの相関関係も詳述されないし、誰が主役かもわからんし。
 でも何で(メル欄2)したんだろう。噛み合わないね。

「水平線の男」ヘレン・ユースティス(東京創元社)
 プレイボーイの大学教授が撲殺死体で発見された。
 痴情のもつれと見た警察は、軽率は記者の書いた記事に触発されて、
 彼に恋焦がれていた女学生を拘束してしまう。
 これに憤慨した女学生ケートは、件の記者を誘き出し共同で真相究明
 にあたることを承知させる。

 そして恋が芽生える、と。一見インテリで不器量なコがおっとびっくり大変身!
 てな感じのロマンスものです。嘘です。それだけじゃありません。
 ある有名なトリックの嚆矢らしく、後半過ぎてああこれかと気づきました。
 某有名映画とネタが被るが、こっちが先ですよね?
 絶版ミステリの最たるもののようですが、今更復刊しにくいよなぁ。

611読後感:2005/05/13(金) 22:34:06 ID:PsQmPGTv
「ボンデージ!」スパークル・ヘイター(新潮社)
 美人キャスターロビン・ドナルドは、診察を受ける予定だった医師が殺害された事件に
 巻き込まれ、特ダネを掴もうと現場に残されたマッチを手がかりにSMクラブを取材する。
 すると第二の殺人が起き、死体には彼女の名刺が――。
 嫌な上司・隣人・親戚に悩まされながらも取材を続けるロビンは何者かに拉致され、
 恥ずかしい姿で監禁されてしまう!

 二作目。なんか乗り切れない。もっと面白く読めていいはずなのに、と
 アウトラインからは感じるのだが・・・。
 ヒロインと彼女を巡る登場人物たちとの絡みが、描写不足なんだよなー。
 37歳バツイチってことでイヴァノヴィッチと比較してしまうからなのかも
 知れんが・・・(でも体はリタ・ヘイワースというのは違うw)。 
 9年越しの続刊というのもイマイチぶりを物語っているのでは。
612名無しのオプ:2005/05/18(水) 16:12:02 ID:RI67hn44
「幽霊の死」 マージェリー・アリンガム(ハヤカワポケミス)
今は亡き画家・ラフカディオ氏の未発表作品が一般公開される展覧会が催された。
ところが作品の公開されている部屋で停電が発生し、その闇の中で一人の画家が刺殺された。
状況から考えると部屋にいた誰かが犯人と思われるのだが…。

読了。
いかにも黄金期らしい設定の事件が発生して、期待してページを繰っていったら…とほほ…。
パズラーとしては完全に崩壊してます。探偵役のキャンピオンは信じがたい理由で犯人を指摘するし、
物語の終盤では目を覆いたくなるくらいの失態を演じることに。
実質的に犯人を追い詰めていたのが警部だったことを考えると、超人探偵が活躍する推理小説への
アンチテーゼとして書かれた作品だったのかも…?
613名無しのオプ:2005/05/20(金) 19:16:41 ID:lg7AWJdW
「噛みついた女」リンジー(新潮文庫)
原題から察するに、著者は犯人の内面を描きたかったんだろうけど…いまいち。
614名無しのオプ:2005/05/20(金) 21:34:08 ID:Auj83OCe
「ハマースミスの蛆虫」(創元クライムクラブ)
恐喝者を追い詰めていくサスペンスものだけど結構ご都合主義の展開だね。
これも「幻の名(迷)作」的な範疇かな。(故・瀬戸川猛資氏なんか評価してるけど
(最後の三行とか)どうなんだろ。)
615読後感:2005/05/20(金) 21:41:30 ID:n4iq0bxX
「あなたならどうしますか?」シャーロット・アームストロング(東京創元社)
 本邦オリジナル短編集。
 しょっぱな長〜い「あほうどり」にゲンナリし掛けるも、読み進むにつれ夢中に。
 ネタが被る某有名短編のことなんか吹っ飛ばす勢いの筆力は正しく魔女の手並み。
 定員に入った「敵」を含む3篇の所謂アンファン・テリブルものも、
 ハイスミスやクェンティンの様な類型的なものではなく、
 深い考察(或いは独創)に裏打ちされていて、読み応えがある。
 他にもプロットが巧みな「オール・ザ・ウェイ・ホーム」など良作が多いが、
 一番のお気に入りはストーリー・トリック共に印象的な「生垣を隔てて」。

「プリーストリー氏の問題」A・B・コックス(晶文社)
 冴えないプリーストリー氏は今日も友達から馬鹿にされている。
 それでもじっと耐えるプリーストリー氏。
 しかし、ある時悪巧みが好きな連中の罠に嵌り、女性と手錠で繋がれたまま
 逃げ回るという残酷な実験の被験者にされてしまう!
 ユーモアたっぷりに描くバークリー式三十九夜。

 ヒッチはこっからパクったんでしょうかね?
 初バークリー。スレ立てしたくせに短編しか読んでなかったとゆー。
 とても楽しみだったんですが、今読むとムム・・・。
 まあ、当時流行ったスクリューボールコメディ映画のノリなんでしょうけど。
 ちょこちょこ笑える場面はあったけど、ラストは強引やなぁw
616読後感:2005/05/20(金) 21:42:12 ID:n4iq0bxX
「緑は危険」クリスチアナ・ブランド(早川書房)
 病院で人が死ぬんです。
 容疑者は医者や看護婦なんです。
 ややドロドロしてるんです。

 喰らえ!クリスチアナブランド!!!
 ジェゼベルほどではなし。しかしラストのスリルの持たせ方は流石。
 あとコックリサン警部が強引に監禁するのはワラタ。無茶だろw
 
 そして、また出て参りましたブランド名物尻軽女。
 何しろ右ページで恋人へ貞節を誓っといて左ページで間男に進んでチューすんだから。
 しかも無表情。ある面でブランドの理想の投影なのかも知れないが、こちとらそんな
 思惑にうかと乗るほどあほうではない。何しろ私はウッディー萌えだから!
 だって40過ぎてんのに美脚なんだぜ?どうよ?

「読者よ欺むかるるなかれ」カーター・ディクスン(早川書房)
 読心術師ペニイクを囲んでの夕べに齎された不吉な予言。
 そしてそれが現実のものとなったとき、ペニイクは再び死の予言をする。
 果たして殺人は本当に念力によるものなのか?

 勿論違いますが。
 冒頭の件が抜群にいいね。カーはこういう導入部や外郭を考え出すのは上手いと思う。
 痕跡なき殺人というのはラジオドラマでもやってたけど、あっちのが良かったかな。
 あと、タイトルの意味がようわからん。(メル欄)てことか?
617読後感:2005/05/20(金) 21:42:45 ID:n4iq0bxX
「ユダの窓」カーター・ディクスン(早川書房)
 ジェイムズは恋人との結婚を認めてもらおうと、彼女の家を訪ねる。
 父親と話している途中、不意に眠気に襲われたジェイムズはそのまま、
 意識を失ってしまう。しばらくして目を覚ました彼が見たものは、
 矢に貫かれて死んでいる父親の姿だった・・・。

 犯人は桔梗だなっ!なんちゃって、テヘッ☆
 カーの代表作ですね。トリックがすごいと。おまけに法廷劇ときてる。
 意気込んで読みましたが、矢張りトリックは良かったですねー。
 でも、カーに似合わないようなエロティックな場面もあり、
 ちょっと面食らいました。まだ初期の頃だからかな。

「鏡よ、鏡」スタンリイ・エリン(早川書房)
 冒頭、洗面所で死んでいる謎の女。凶器と思われるピストルの在り処は
 息子しか知らない。そして残された意味不明のメモ。
 一体何が起こっているのか?

 つまらない。僕はこの手の作品にはっきりそう言える日本人です。
 はちゃめちゃなプロットで見え見えの真相を隠そうとしてるだけ。
 とりあえず元妻のオッパイがメロン並ということはわかった。
 「空白との契約」はまともな出来だといいな。
618読後感:2005/05/20(金) 21:43:09 ID:n4iq0bxX
「オランダ靴の秘密」エラリイ・クイーン(早川書房)
 まあ何つーか、アレだ。病院だ。そこでババアが殺されるわけだ。
 んで、エラリイがしゃしゃって来ると。そういうこと。

 横溝が好きだと言ってましたね(一番は「リーヴェンワース事件」らしいですが)。
 ギリシャほど重厚でなく、読みやすい方だと言えます。
 第一の殺人における極めて簡単な小手先トリックはお気に入り。タイミングという
 不確定要素を度外視すれば理想的なものの一つです(「密室の妻」みたく)。
 しかし、第二の殺人はいただけない。余りにも手がかりがあからさまで・・・。
619名無しのオプ:2005/05/22(日) 15:45:35 ID:nbEBsWTT
「死時計」 ディクスン・カー(創元推理文庫)
読了。
なんというか、カーの悪いところばっかり出たような大駄作。
捨てトリックで使うならまだしも、これが真相となると納得していいのやら。
カー作品はたいてい位置関係がつかみづらいのだから、せめて現場の地図を入れておいて
欲しかった。
620名無しのオプ:2005/05/23(月) 19:26:26 ID:pnwo/Lv9
「殺人ア・ラ・モード」 パトリシア・モイーズ(ハヤカワポケミス)
ファッション誌”スタイル”の副編集長ヘレン・パンクハーストは締め切りを翌日に控え、
最後の原稿を仕上げようと編集部に一人残っていた。
ところが明朝、印刷屋の人間が編集部を訪れてみると彼女は青酸カリを飲んで死んでいた。
彼女の魔法瓶に毒をもる機会がある人間は…。

ファッション界を描いている部分は面白いけど、ミステリとしてはいまいち。
登場人物にそれぞれ裏の関係があって、そのゴシップがメインになっているような気がします。
「死人はスキーをしない」の時に比べてティペットが尊大になっているように見えるのは、事件の
現場がホームグラウンドのロンドンだからかも?
621名無しのオプ:2005/05/25(水) 19:50:24 ID:rIk24kHP
「一角獣殺人事件」 カーター・ディクスン(国書刊行会)
唯一の入り口である橋が落とされ、孤立無援となった古城。
その二階の廊下を歩いていた男性が、突如として額を押さえながら階段を転げ落ちた。
階下で倒れている遺体を調べてみると、その額には角上の物体で刺し貫かれた跡が。
目撃者の証言によると、被害者に近付いた人間は誰もいないというのだが…?

クローズドサークルでこのオチというのは、ある意味凄い。ほとんど反則技。
あと、一角獣の仕業と思われた凶器が「なんじゃそりゃ?」と言いたくなる代物だったけど、
メインのトリックは面白いし、なんだかんだで伏線の回収具合も見事なものでした。
ただ、全体的にもう一押しが欲しかったような。
622名無しのオプ:2005/05/25(水) 20:43:24 ID:uyD8EPrY
アガサ・クリスティ『ホロー荘の殺人』
翻訳の拙さにヒイヒイ言いながら、何とか読了。
「濃くて強いコーヒー」・・・?強い・・・strongのことかー!
ストーリーの面白さに助けられた。
犯人を考える気力も無くすぐらい翻弄されてしまった。脱力。
623読後感:2005/05/27(金) 21:14:47 ID:otgzqUHX
「半身」サラ・ウォーターズ(東京創元社)
 ロンドンの監獄を慰問に訪れた「私」はそこである女囚に出会う。
 彼女は霊媒で、過去にある事件を起こしていた。
 昔語りを聞くうちに彼女に惹かれていく「私」。
 果たして彼女の能力は本物なのか?

 このミス1位には2年連続で裏切られてきましたが、どうやら記録は更新されるようです。
 何でこれが1位よ?フランス辺りで推理小説大賞でも獲っとけって感じ。
 カットバックと知ったときからやな予感したんだぁ。
 皆さん、読んじゃだめよ(って遅いかw)。

「マーチ博士の四人の息子」ブリジット・オベール(早川書房)
 マーチ博士の家で働いているメイドのジニーは偶然ある日記を発見する。
 その日記には何者かの異常な殺人の記録が綴られていた。
 そして何者かは告白していた。自分は博士の息子の1人であると。
 ジニーは何とかして日記の主を特定しようとするが・・・。
 
 これもうちょっと短かったらよかったな。
 流石に引っ張りすぎではないかと。切れ味が鈍るよ。
 真相も想定の範囲内だったし。フランス人にゃこれが限度ってことでしょうか。
624読後感:2005/05/27(金) 21:15:13 ID:otgzqUHX
「魔性の馬」ジョセフィン・テイ(小学館)
 ロンドンに住む孤児のファラーは、ある時出会った男から奇妙な話を持ちかけられる。
 彼が目下行方不明中の資産家の相続人に瓜二つであることから、その人物に成りすまして、
 家内に入り込めというのだ。
 気の進まないファラーだったが、とうとう引き受けてしまう。
 果たして彼を待ち受けるものとは――。

 「時の娘」や「美の秘密」なんかとはまた違って青春小説の趣がある作品。
 このプロットでハッピーエンドに落とすのはちと無理があるかもだが、
 それは作者の優しさと好意的に解釈する。
 ちなみにこのミスでのりりんが「今年の好感度NO1」とか言ってたけど、
 アンタもそういうこと気にするんだねw

「けちんぼフレッドをさがせ!」ジャネット・イヴァノヴィッチ(扶桑社)
 
 永年懸念していた事態の兆候がついに表れる。
 愁眉の念を深めつつ、今後の推移を静観することに。
 
 「そうよ、あたしには乳首があるのよ!文句ある?」はツボった。
625読後感:2005/05/27(金) 21:15:35 ID:otgzqUHX
「髑髏島の惨劇」マイケル・スレイド(文芸春秋)
 呪われた島に集められた15人の男女。
 彼らはおのおの探偵に扮して推理ゲームに参加するはずだったが、
 ゲームは現実の殺人へと変わり、次々と意表をつくやり方で参加者が消されていく。
 犯人は誰か?

 「ねーパパぁ、髑髏島まだぁ〜」
 「っかしーなー、地図ではもう見えてるはずなんだが・・・」
 という行楽にありがちな親子の会話が連想されるほど髑髏島が出てこない。
 前半は何か刑事ドラマみたいな感じで検屍医との鞘当とか読まされる
 (いや別にそれが悪いとは言わんが・・・ブツブツ)。 

 半分過ぎた辺りで漸く上陸。と思ったらページの都合でサクサク収穫されていく。
 違うじゃんか!ヤバい状況に陥った面々が本性剥き出しにしていがみ合うのが
 クローズド・サークルものの見せ場でしょ。それがないんだもん。
 作中でも予告されてたあいつとあいつの殴り合いとか楽しみにしてたのにー。 

 でも、種々のトリックは結構凝っていて面白かった。その点は評価。
 しかしこの作家(達)キャラに愛着ないよね・・・。
626名無しのオプ:2005/05/29(日) 20:42:07 ID:1Yv6Pzo1
「黄泉の国へまっしぐら」 サラ・コードウェル(ハヤカワポケミス)
おっちょこちょいの女性弁護士・ジュリアが、二ヶ月前の事件を急に蒸し返しはじめた。
その事件は富豪の孫娘がフラットの屋上から転落死死したというものだったが、それが実は
事故死ではなく他殺だったのではないかというのだ。
実際に現場を調べてみると、たしかに事故死しそうにないことが判明し…。

ヒラリー・テイマー教授の活躍するミステリ第2弾。
前作のようなかっちりとしたパズラーを期待していたら、かなり肩透かしな内容に脱力。
ミスディレクションが上手く機能していなくて犯人はバレバレ、転落死事件に関する真相も
底抜けなオチでした。
ただし、この犯人の動機は凄い。諧謔趣味に溢れていて、あまりのとんでもなさに笑えます。
ところで、あとがきを読む限り、訳者は完全にテイマー教授を男性と勘違いしてました…。
627ロム者:2005/05/31(火) 00:06:00 ID:4QwJc4fv
「戦慄の眠り」 グレッグ・アイルズ著(講談社文庫)

○誘拐した女性の瀕死の姿を描く謎の殺人画家。
 過去に双子の妹を連続殺人犯に奪われた女性カメラマン、ジョーダン・グラス。
 ある日ジョーダンは意外な場所で妹の姿を目撃する・・・・

上のほうで話題になってる「神の狩人」と同じ世界で展開する物語。
といっても、レンズ博士とD・バクスターのFBI凸凹コンビが登場するだけで続編ではない。
(多少の後日談のようなものはある)
「神の狩人」は面白かった派の自分としては全体的に物足りない作品です。
ある証拠から容疑者を絞り込むんだけど、そんなんでいいの??と思うような証拠だし、
犯人(というか真の犯人)も、うーーんってな感じ。

とりあえずマイルズ・ターナーを呼べ。
628読後感:2005/06/03(金) 19:45:32 ID:TwAOXPM7
「ホンキー・トンク・ガール」リック・リオーダン(小学館)
 探偵見習いのトレス・ナヴァーは尾行中の女性を目の前で射殺され衝撃を受ける。
 その女性はある新進若手歌手のバンドメンバーであり、エージェントはどこも
 彼女の獲得に躍起になっていたことから、ナヴァーは独自の調査を開始する。
 
 「ビッグ・レッド・テキーラ」の続編。このシリーズは好き。
 今回の話も楽しませてもらった。かなり安定した実力を持った作家だと思う。
 ただ前作の登場人物がほとんど出てこないのには面食らったけど。
  
 カバーは凄いことになってるが、それは気にせず是非ご一読の程。
 いやはや、女って怖いねぇ。

「日時計」クリストファー・ランドン(東京創元社)
 夫婦で私立探偵を営んでいる主人公の元にもたらされたのは、
 ある誘拐犯の居場所を突き止め、子供を救出することだった。
 彼らは信頼できる友人とともに、写真だけを手がかりにして居場所を割り出し、
 遠く辛い救出行に赴く。

 今までに読んだことのないプロットだったので目新しさも手伝って読めた。
 妻が嫌っている夫の親友。しかし主人公がしばらく別行動をとった後、
 二人は仲良くなっていたとゆー。何かムズムズしますw
 でも心配しなくてもダイジョーブ。別に用意してあるから(謎
 サービスシーンなんかもあるんでお薦め?
629読後感:2005/06/03(金) 19:46:21 ID:TwAOXPM7
「カメンスキーの<小さな死>」チャールズ・マッキャリー(扶桑社)
 「機関」の一員ポール・クリストファーは工作員からソビエトの作家カメンスキーの
 原稿を受け取った。しかしその直後工作員は轢死してしまう。
 出版を快く思わない人物による殺人か?ポール達の暗闘は続く。

 ミスマガで直井明が連呼してる作家。アメリカの大物スパイ作家らしい。
 しかしこれはラブ・ストーリィである。
 工作員という夫の職業に理解が持てない妻。嫉妬などという感情とは無縁の夫。
 そしてついに妻は夫がいない間は別の生活を営むと宣言する。
 夫の見送りを済ませる妻の手首から外される腕輪。
 その奇妙な夫婦生活はそれでも一定のバランスを保っているように思えたが、
 やはりそれは一瞬の凪でしかなかった・・・。

 ラストが泣かせる。
 「私たちはとても愛し合っていたわ。これほど人を愛することはもうないでしょうね」
 キャシーの目は乾いていた。クリストファーは泣いていた。
 「それはドルでいくらになるんだい?」(うろ覚え引用)

 ヒロインは登場するのがこれ一冊きりでなければエスピオナージュの3悪女に加えたいぐらいである
 (ちなみに3悪女とは一般にスマイリー三部作のアン、プリンス・マルコシリーズのアレクサンドラ、
  そしてスパイ9部作のフィオーナの3人を指す。覚えておくように)。
630読後感:2005/06/03(金) 19:48:23 ID:TwAOXPM7
「魔女が笑う夜」カーター・ディクスン(早川書房)
 はずれに不気味な「後家」の石像が立っている村では、中傷の手紙が飛び交っている。
 送り主は「後家」。そしてある夜、「後家」から訪問を予告された娘が寝室で悲鳴を上げた。
 大勢が見張っていたにも関わらず、「後家」が目の前にいたというのだ。
 そしてその直後、殺人事件が――。

 カーのバカミスの代表作。俺は好きだなぁ。ってか、これバカミスか?
案外やれるんじゃね?寝起きっての考慮すれば十分実用に耐えうると思うがなぁ。
 北村薫が「カーだから許されるトリック」とか言ったらしいけどそんなことないよ。
 島荘の奇想トリックは島荘だろうと誰だろうと許せんけど、
これはカーじゃなくても許せる。

 あとロマンス面でもまたやられた。でもあの画家だかは浮気してたと思うなw

「怪盗ニック登場」エドワード・D・ホック
 価値のないものしか盗まない泥棒ニック・ヴェルヴェットの活躍を描く第一短編集。

 大体この前提からして無理があるような・・・。
 そのもの自体に価値がないばかりでは駄目で、金や宝石とのつながりもない
というのが条件らしい。そんなんじゃお前食っていけないだろw
 それを確認するためにはあれこれ詮索しなきゃならないわけだし、
結果宝石が絡んでたら頂いちゃう
 こともある。信用堕ちるわ、矛盾してるわでずんどこべろんちょ。
 ただ、話自体は慣れると結構読める。軽い調子で。
好きなのは陪審員を盗む話かな。
 
 これ同棲相手との間に何やら起こるらしいので続編も読もうと思う。いつか。
631読後感:2005/06/03(金) 19:49:35 ID:TwAOXPM7
「アフロディーテの誘惑」エリーズ・タイトル(扶桑社)
 精神分析医のヒロインが猟奇殺人に巻き込まれ・・・。

 別に語ることないなぁ・・・。 
 ブクオフに売ったら15円だったw
632名無しのオプ:2005/06/03(金) 20:42:42 ID:5YSFAXKA
>>630
なにやら起こる部分は未訳だと思われ。
「怪盗ニック対女女怪盗サンドラ」は終わった部分になってるし、それ以前はうまく行ってる話
633読後感:2005/06/03(金) 22:05:30 ID:hq/pan8C
そうだったのか…
どうやら長いお別れになりそうだぜw
634名無しのオプ:2005/06/04(土) 12:30:22 ID:47kPi2L+
>>633
プレイバックなしか。

話は変わるがホックはサム・ホーソーンものはどんどん出てるね。
635書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/06/04(土) 13:00:31 ID:Q0NSQJQr
エドマンド・クリスピン「大聖堂は大騒ぎ」(国書刊行会)を読んだ。
トリックはバカミス1歩手前という感じのもの。
クリスピンは、どちらかと言うと雰囲気で読ませる作家であり
(これは代表作「消えた玩具屋」に顕著である)、謎解きミステリとして
文句無しに推せるのは「お楽しみの埋葬」くらいである。
「白鳥の歌」「愛は血を流して横たわる」あたりも決して面白い作品ではない。
他作と比較して、本作におけるフェン教授はまるでHMまがいに言動が粗っぽい感じだが、
これは翻訳のせいであろうか。
「愛は…」で、清楚な女子高生にまでからかわれてしまう万年青年的なイメージ
からは、やや違和感がある。
少し余談めくが、本作には、オカルティズム色も濃厚だが、オクスフォード大出身で
上品な作風で知られているクリスピンと比較しても、カーがかなりストイックな作風
だったのだと再認識させられるものがある。
なお、対談形式による2ちゃんねるのカキコまがいのあとがきにはうんざりさせられる。
636名無しのオプ:2005/06/04(土) 16:51:10 ID:NwLv51gz
「図書館の死体」ジェフ・アボット(ハヤカワ)
最悪だった。タイトルに惹かれて読んではみたものの主人公のゲスぶりに気分が悪くなった。
常識を持ったまっとうな人間を装ってるくせに中身はくず男。そのくせなぜかモテる。
文章もくだらない比喩やユーモア(のつもり)ばかりで読んでて苦痛だった。
637名無しのオプ:2005/06/07(火) 15:05:24 ID:t9Wt5KL3
『殺人交叉点』フレッド・カサック
登場人物の会話でばればれ?でした。
それよりなにより、
ルユール夫人が気持ち悪くて壁に投げつけたくなりました。


『星を継ぐもの』 ホーガン

(´Д⊂ヽタイトルもストーリーもすべてが美しい。
感動。

638名無しのオプ:2005/06/07(火) 17:06:48 ID:YSrTIezN
>>637
文庫旧版「殺人交差点」の方で読んだんじゃないか?
639名無しのオプ:2005/06/07(火) 17:52:35 ID:t9Wt5KL3
637です。
旧と新があるのですね。
こちらのは、平岡 敦訳となっております。
640名無しのオプ:2005/06/07(火) 18:07:32 ID:YSrTIezN
>>639
あれっ、それは最新版だなー。気をつけて訳してあるって聞いたけど。

1 殺人交叉点 クライム・クラブ版
2 殺人交差点 創元推理文庫旧版
3 殺人交叉点 創元推理文庫新版

翻訳が3種類あって、俺の読んだ1は会話を慎重に訳してトリックに気づかせない、いい翻訳でした。
んで、2はトリックを理解していないとしか思えない超悪訳で有名。弁護士の台詞が(メール欄)w
これの評判が悪かったので(当たり前だ)改訳したのが3。かなり気を遣っているはずなんだが…。

君のカンが良すぎたのかも知れん。
641名無しのオプ:2005/06/07(火) 18:42:40 ID:t9Wt5KL3
>>640

637です。
絶対!クライム・クラブ版 探してきます。
それから怖いものみたさですが(;゚Д゚)創元推理文庫旧版も
読んでみようと思います。
ご紹介ありがとうございました。感謝です。

642名無しのオプ:2005/06/09(木) 23:58:58 ID:7U5FpI4z
まあ嘘だろうけどな
643名無しのオプ:2005/06/10(金) 01:24:11 ID:agtEV1F5
>>641
トリックを知った後じゃ無意味なんじゃない?
644名無しのオプ:2005/06/10(金) 09:38:49 ID:RFNCDjrQ
>>641
こちらに旧版との違いが出ています
ttp://www5a.biglobe.ne.jp/~sakatam/book/nocturne.html
「連鎖反応」のネタバレもされているのでもしそちらを読んでいなければ
読後にドゾー(連鎖〜は殺人〜改訳についてとは関係ありません)
645名無しのオプ:2005/06/11(土) 01:53:22 ID:FOu6PbCt
殺人交叉点よりも
連鎖反応のほうが面白いかも…
646名無しのオプ:2005/06/12(日) 20:10:59 ID:KNtm42dR
>>636
同感。あんなクソつまらん本が有名な賞を獲ってるらしいのは納得できん。
あれほど退屈な本には滅多に出合わん。
647名無しのオプ:2005/06/12(日) 22:45:38 ID:fFUs6qji
『毒入りチョコレート事件』 アントニイ バークリイ 創元推理文庫

事件の発端2割、犯罪推理研究会の綿々の推理による解決編8割という構成だったので
様々な事象が整理され片付けられていく様子をいくつも拝めてたいへん満足。
探偵役(たち)の推理によっていく通りもの現実が作られていくのはおもしろいね。

「読んでいて面白い」という点でみれば素晴らしい作品だと思う。
648ロム者:2005/06/13(月) 00:34:11 ID:o5I3R2pE
「容疑者」ヘザー・グレアム著 (MIRA文庫)

○ある日、愛する夫が突然凶弾に倒れた大富豪のスペンサー。
 かつて強烈に愛し合った元恋人・私立探偵デイヴィットと共に犯人を探し始める。

全く知らない出版社だったが古本屋で100円だったので購入。
かなり読みやすくて、物語もなかなか面白い。
ただ、物語の大半が犯人探しより二人のラブストーリーに費やされているので
ミステリーとしては物足りない。
悪役もすぐ捕まったり、せこかったりと小物ぞろい。
649名無しのオプ:2005/06/13(月) 20:46:36 ID:zaixn3st
このように実際読めば読めるんだよな。
それをロマンスだのハーレクインだの銘打ってあるのが目に入ると、
下らん偏見が邪魔をするわけですよ。
コージーとかは好んで読んでるくせに。
650名無しのオプ:2005/06/21(火) 23:22:35 ID:aRUJZIbp
アガサ・クリスティ『愛国殺人』読みました。
翻訳はアレだけど、このタイトルの付け方には拍手を送りたい。
マザーグースの調べに乗って・・・と紹介されていたので
てっきり見立て殺人かと思ったのに違ってちょいガッカリ・・・でも良作。
アガサは何気に人物描写が上手いと思います
651名無しのオプ:2005/06/26(日) 05:53:12 ID:tcYH5lu7
エルモア・レナード「ラム・パンチ」
タランティーノの「ジャッキー・ブラウン」の原作といったほうが早い。
筋はほとんど映画と同じだが、主人公が黒人ではなく白人女性なのが一番の違い。
ロミー・シュナイダーあたりがぴったりのイメージのように思う。
その他は映画のイメージそのマンまでドンぴしゃり。
会話もストーリーも歯切れがよく、悪党たちの描写も面白い。
652名無しのオプ:2005/06/30(木) 00:50:27 ID:I3yjXZRy
とっとと書けや。
もっと俺を楽しませろ!
653名無しのオプ:2005/06/30(木) 23:04:20 ID:AI3NImb/
「カインの檻」ハーブ・チャップマン
「モンスター」ケラーマン
読んだ人いる?感想お願いします。

「カイン」は新刊紹介スレで評判よろしいので、どうかなと。
ケラーマンは質が落ちていく一方なので、久しく読んでないのですが
これは初期のサイコ系らしいんでちょっと期待。
654名無しのオプ:2005/06/30(木) 23:45:36 ID:I3yjXZRy
お前が読んで報告するスレなんだよ
655名無しのオプ:2005/07/01(金) 00:35:48 ID:M/SRWw0n
聞きたいんですが!ピンカートン探偵社で実際に調査員をしてたハードボイルド作家の名前を教えてもらえませんか?よろしくお願いします
656名無しのオプ:2005/07/01(金) 00:46:28 ID:HqQgieZH
ディーン・R・クーンツ『雷鳴の館』(扶桑社ミステリー文庫)

スーザンは見知らぬ病院のベッドで目覚めた。
医師からは、交通事故を起こして、長い昏睡状態にあったのだと説明される。
しかし、いろいろと解せないことがあった。
自分の仕事のことは何ひとつ思い出せない。
それに、19歳のときに経験した悪夢が、なぜかかたちを伴って、彼女を襲い始めた。
彼らは死んだはずなのに……狂気か、幻覚か、それとも?

リー・ニコルズ名義で発表された初期作品。
一応合理的なオチはつくのだが、真相に過剰な期待をしない方がよい。
ページをめくらせる力はあるので、何も考えずに読むのが正解だろう。
それにしても振り返ってみれば、
結局タイトル(19歳の悪夢の場所)にはほとんど収束していかないんだなぁ。
これって微妙にネタばれになるかしら。
657名無しのオプ:2005/07/01(金) 00:47:43 ID:irUBPxeK
>>655
ハメット
658名無しのオプ:2005/07/01(金) 00:49:33 ID:M/SRWw0n
657ありがとうございます!m(_ _)m
659名無しのオプ:2005/07/01(金) 00:55:46 ID:HqQgieZH
660名無しのオプ:2005/07/01(金) 14:04:19 ID:uMOX3lzj
「カインの檻」
「モンスター」
「百番目の男」
「死刑劇場」

読んだ。カインは昨日読み終わった、鬼畜の犯人に振り回される話。鬼畜は悔い改めない、という事がワカリマ。
あとの3つなんだが、、、
微妙に話がこんがらがってよく思い出せません。
キチガイ兄が「百番目」で当たってる?
モンスターってアレでしょ、被害者の目を切りつけるヤツでしょ?
あれ?
661名無しのオプ:2005/07/02(土) 20:38:39 ID:PO3Y2x6x
『カーラのゲーム』読了。【8点】

ボスニアをめぐるパワーゲームに翻弄される男女の生き方と
友情・家族愛の冒険小説。
めまぐるしい視点の転換に最初はとまどったが、
慣れると小気味よい。正直ボスニアの情況には疎いんだが、
十分おもしろかった。後半のハイジャックよりも空襲・闇市での
カーラの生き延びる描写のほうがよかったけど。
662読後感:2005/07/04(月) 14:57:49 ID:NVV+ZMvQ
「幻想と怪奇 宇宙怪獣現わる」(早川書房)

長い話が多かったのがちょっとマイナスかな。
つまらなくはないけど。
気に入ったのは「その名は悪魔」と「トランク詰めの女」。
あと「かたつむり」は作者の意外な一面を見た気がした。
「ハリー」は既読なので飛ばしたが良作だとは思う。
663名無しのオプ:2005/07/04(月) 15:36:48 ID:PAWZsqtR
>>648
> ただ、物語の大半が犯人探しより二人のラブストーリーに費やされているので
> ミステリーとしては物足りない。
> 悪役もすぐ捕まったり、せこかったりと小物ぞろい。

だってMIRA文庫じゃないですか。ハーレクインの作家さんが書いてるんだから(w
664書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/07/09(土) 12:03:37 ID:xCcMwRw9
J・G・バラード「コカインナイト」を読む。
60年代ニュー・ウエーブSFの旗手だった作者だが、
本書は、スペインの架空の町(エストレージャ・デ・マル)を舞台にした
ミステリ風の作である。
ハードボイルド・ミステリ好き(ただし、70年代以降の退廃的・病的なムードの
作品群も許容範囲という者に限る。名無しのオップ、マッド・スカダー等々)
には見逃せないものがある。
ただし、翻訳者(慶應義塾大学文学部独文科中退)がSF畑のためか、
文体面では、ハードボイルドスタイルは抑え気味の感があるが、事件の解決そのものは
いかにも70年代ハードボイルドミステリ的である(従って、救いが無いとも言える。
まあ、バラード作品らしいとも言えるのだが)
この辺は、ジャンルが異なるとは言え、70年代アメリカSF批判の急先鋒であった
バラードが、アメリカのお家芸である西部小説の後継と言われる
ハードボイルド・ミステリ的作を書き上げたというのは、非常に面白いものを感じる。
665名無しのオプ:2005/07/11(月) 19:07:37 ID:2Dua/VE5
H・マクロイ「暗い鏡の中に」(ハヤカワ文庫)

米国の女子高で、女教師の分身、ドッペルゲンガー騒ぎが起こる。本人には全く身に
覚えのないことだったのだが、やがて悲劇が起こる。同僚の女教師が、その分身に
階段から突き落とされて不慮の死を遂げたというのだ。しかし容疑者となる教師は
遥か離れたニューヨークにいた。やはりこの世のものならぬ生霊の仕業なのか・・・。

・・・何やら結構な値段で取引きされているそうですが、俺は西武池袋線沿線の某古書店
のゴミ溜めのような所から発掘して100円で購入しました。
感想は・・・、うーん、絶版はむべなるかな、という出来。ドッペルゲンガーの真相は、
何だこりゃ!?、というレベル。
但し、結末の付け方は実に上手いもの。実はこうだったのだ、としながら、それでは
終わらず不気味な余韻を残して終わります。やはり、J・D・カーの某作品の影響を
受けているのでしょうか?
666名無しのオプ:2005/07/11(月) 20:10:03 ID:HH38LaXo
>>665
オカルト風味な題材を元にして物語を作るのが得意な人なので…
出来れば一番評価の高い「殺す者と殺される者」が見付かれば購入すべきかと
667名無しのオプ:2005/07/11(月) 20:16:53 ID:ksNC/RwO
見つからないだろ、それw
668名無しのオプ:2005/07/11(月) 20:44:27 ID:F4adoMLN
669名無しのオプ:2005/07/11(月) 23:45:36 ID:fFoPxwO1
「暗い鏡の中に」も
「殺す者と殺される者」も
「幽霊の2/3」も

図書館でリクエストしてもNGだったわ (ノД`)
670名無しのオプ:2005/07/12(火) 00:13:11 ID:Bge3e3iC
「羊たちの沈黙」読みました。
評判どおりおもしろい。が、描写が下手なのか、翻訳がうまくないのか、
ときどき今自分が何を読んでいるのか見失うときがありました。
集中できていなかったのかな?

おもしろかったので映画も借りてまた見てしまった。
映画の出来が素晴らしいことを再確認。
レクター博士の不気味さは映画が勝っているかも。
映画を見た人は読まなくていいんじゃないかとさえ思ってしまった。
671名無しのオプ:2005/07/12(火) 13:43:28 ID:TCoW0SZn
M・D・ポースト「アンクル・アブナーの叡智」(ハヤカワ文庫)

創元の「事件簿」を遥か昔に読んでいましたが、ハヤカワ版には、それと
ダブってない作品があったので購入。
トリックや伏線の敷き方など、現代の目から見ると、もうちょっと何とか
ならないのかな、と思える場合が多いのですが、主人公の造型が全てを
救っています。ダラシない連中を叩きのめし、読者にも気合を入れ直して
くれる主人公です。余りに素朴なタカ派的発言は、時代の制約としたい
ところ。
ベストは「養女」でしょうか。意表を突いたトリックが今も新鮮。
672名無しのオプ:2005/07/12(火) 19:48:47 ID:B3l2qPBj
>>669
そら新刊本じゃねんだから所蔵してないなら無理に決まってる。
都内に越してこい。
673名無しのオプ:2005/07/12(火) 20:15:33 ID:34oDaCJT
ヘレン・マクロイの短編はハズレがないわね。
短編集「歌うダイアモンド」はどれも(・∀・)イイ!!
674名無しのオプ:2005/07/12(火) 20:18:42 ID:B3l2qPBj
俺もそう思うんだが薦めた二人にゃあ不評だった
675名無しのオプ:2005/07/12(火) 21:14:02 ID:1y/UPiwV
javascript:A=(d=document.body).
innerHTML;AA=new Array
("「","<br>   ∩___∩<br>   | ノ      ヽ
<br>  /  ●   ● |   ","。?」","クマー
<br>   |    ( _●_)  ミ<br> 彡、   |∪|  、`\
<br>/ __  ヽノ /´>  )<br>(___)   / (_/
<br> |       /<br> |  /\ \<br>  | /    )  )
<br> ∪    (  \<br>       \_)<br>");i=0;while(i<AA.length)
{r=RegExp(AA[i],"g");A=A.replace(r,AA[i+1]);i+=2;}d.innerHTML=A;focus(0);


(1)上記のものをメモ帳にコピペ。
(2)各行の右端でDeleteかまして改行解除。
(3)そうしたものをブラウザのアドレスんとこに貼って実行。
(4)今見ているページの「」で囲まれた部分が全部クマーの発言になります。
676名無しのオプ:2005/07/12(火) 21:55:02 ID:z6qjSSEU
>>670
「羊たち〜」は翻訳が駄目だということを結構見かけます(2chでですが…)
677読後感:2005/07/14(木) 23:08:55 ID:WJeaNpCt
「輝く断片」シオドア・スタージョン(河出書房新社)

う〜む、何か乗り切れなかった。
日常から非日常に移行していくんじゃなくて
はなから非日常スタートみたいな感じなんでどうも…
解説で言ってるほどミステリ寄りとは思えん。
いっち好きは表題作。次は「ニュースの時間です」かな。
678名無しのオプ:2005/07/16(土) 20:26:38 ID:0yKpp9GC
「鏡よ、鏡」 スタンリイ・エリン(ハヤカワミステリ文庫)

オチが簡単に読めてしまうので、読んでいてワクワクする部分はなかった。
しかし、「おまんこ」などの言葉が伏字もなしで堂々と記載されていることには、さすがに驚いた。
「ミステリの限界にいどむ衝撃の問題作!」という惹句は、あながち間違いでもないと思う。
679名無しのオプ:2005/07/17(日) 00:53:48 ID:XMGpZNY1
>>678
「おま●こ」は「マキシム少佐の指揮」にも出てくる
680読後感:2005/07/17(日) 05:08:08 ID:Ffh8W97/
2001出版の「神は銃弾」にもあった
681名無しのオプ:2005/07/17(日) 12:52:43 ID:qZkDdpNT
ブロックの砕かれた街にもでてくる
682名無しのオプ:2005/07/18(月) 00:28:55 ID:/oRBQs9m
「検屍官」パトリシア・コーンウェル
ページ数にして約半分消化したところ。
この段階で評価すべきではないとはわかっているのですが…


つ ま ん な い
683読後感:2005/07/19(火) 18:14:20 ID:ZFbK398f
「大尉のいのしし狩り」デイヴィッド・イーリイ(晶文社)

うむ。やはりこっちのがしっくり来るな。話も短いし読みやすい。
ビキニは表題作と「忌避すべき場所」「最後の生き残り」かな。
まだ存命なら是非日本の読者へメッセージを!

ただ装丁が最低。折角今まで何と無く統一取れてたのに台無し。
684書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/07/20(水) 21:44:44 ID:yo2l0zom
ボリス・アクーニン「堕ちた天使 アザゼル」を読んだ。
ロシア・ミステリの人気シリーズの第1作ということだが、
本邦で翻訳されているのは本作のみである。
プーシキンを読んでいるかのような落ち着いた語り口、主人公もロシア文学に
登場人物のような人間臭ささであり、この辺にロシアらしい独自の作風が形成されて
いる。
物語中盤からは純粋な謎解きミステリではなく、フォーサイス的なスリラーの
世界になってしまうのが残念だが、ミステリ不毛地帯であるロシア作品にしては、
予想外に面白く読み終えることが出来、特にショッキングなラストはある意味で
意外性に富むものがある。
若く勇敢だが、間抜けなところもあるエラスト・ファンドーリン君のその後の活躍が
気にかかるところではある。
685名無しのオプ:2005/07/27(水) 23:24:19 ID:wg0cbROo
今さらだけど、「隣の家の少女」ジャック・ケッチャム読みました
語り口が面白くてぐんぐん引き込まれた
かなりレベルの高い作品という気がする
でも
ラストもーちょっと工夫出来るんじゃないかな
686名無しのオプ:2005/07/28(木) 03:04:12 ID:8uBo/UNX
「アクロイド殺し」クリスティ
読みました。
あおり文句に期待してどんな斬新なトリックかと思ったら拍子抜け。
あんなん誰でも思いつくっちゅーねん。
ベタすぎて誰もやろうとしなかっただけで。
まったく関心できませんでした。陳腐です。

「エジプト十字架の謎」クイーン
読みました。
クイーンって始めて読んだんですが、確かに人気あるの分かります。
すごくスタンダードな感じがする。安心して読める。
上記アクロイドより遥かにいい。
まあこれもトリック自体はなんか察しがつきました。
687名無しのオプ:2005/07/30(土) 12:32:28 ID:MirBwmLu
はいはいすごいすごい
688名無しのオプ:2005/07/31(日) 01:35:54 ID:qUC7BTjD
コリン・デクスター『ウッドストック行き最終バス』(創元推理文庫)

論理のアクロバットが華麗な謎解きの世界を構築する
モース主任警部シリーズ第一弾。

机上の推理で犯人の条件をあげ連ね、
オックスフォード在住10000人の中から犯人を1人に絞り出す…
・・・自分は背筋が凍り、体中に電流が走り抜けました。
そして、仮説を立てては駄目だしの繰り返しで何がなんだか分からなくなるストーリーが、実にグッドです。
脳みそがうにうに刺激されまくりです。
これでもか!というほどの突っ込みどころ満載の連続推理が
まるで殊能氏の作品に出てくる石動戯作のよう。
論理と思い込みの迷宮につかりたい方におすすめ。
689名無しのオプ:2005/07/31(日) 01:40:59 ID:hv10XGBm
>>688
ハヤカワ文庫HM
690名無しのオプ:2005/07/31(日) 01:43:10 ID:qUC7BTjD
>>689
ミスしました。
>>688はハヤカワ文庫です。
691名無しのオプ:2005/08/01(月) 11:05:52 ID:YDzUFKWm
怪盗ルビィ・マーチンスンは延期ですか
久しぶりに読めると思ったのになぁ
692名無しのオプ:2005/08/20(土) 03:26:47 ID:HETlgDVK
>>688
俺もそれ、おととい読んだ。

衝動的な殺人ほど捜査が難しいというが、
それにさらに偶然が重なって、推論をほぼ不可能にしている。
こういうお膳立てをするだけで勝ったようなもの。
あり得ないシチュエーションで、読者と知恵比べをするために書かれた
ミステリに食傷気味だったから、すごく新鮮だった。

693書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/08/21(日) 20:10:28 ID:3LMRUkEQ
エド・マクベイン追悼の意を込めて、
87分署シリーズ中、未読の作品「血の絆」(第30作)を読んだ。
シリーズ中では中期に属する作品であり、このためか、娯楽性と多彩な人間ドラマを
散りばめたボリューム感を溢れる後期の作とは異なり、初期の美文調とドキュメンタル
な作風の融合という面の方が強く出ている小品である。
また、訳者井上一夫氏のあとがきでも触れられているとおり、マクベインというよりは、「暴力教室」の作者であるエヴァン・ハンター的テーマと世界を描いた作であり、
この点で、87分署シリーズの一編としてコンパクトにまとめるネタとしては疑問が
残らぬでもない。
また、ミステリとしては、筆者レベルのミステリ読みだとすぐに犯人と真相がわかって
しまうものであり、本編はリアルな筆致であるため、かえって、事件解決に到る極端な
偶然性の連続が不自然に目立ってしまい頂けないものがある。
だが、75年の作品とはいえ、若年層の心理と生態に着眼したテーマは、現代にも
十二分に通じるものがあるのは、エドの作家としての着眼点の「確かさ」をあらためて
確認させられるものがあるし、「妹萌え!萌え!」とか
「なんとも綺麗な女の従姉妹キター!キター!…」とか、
意味も無く叫んで喜んでいる新書駄本好きなミスヲタには、突き付けて読ませたい
部分はあるのだ。
694名無しのオプ:2005/08/22(月) 22:35:57 ID:ZoMkJquS
>>682
 まったく同感。真犯人を知った時点で、つまんなさが怒りに変わります。
>>688
 読者に対してフェアプレーかどうかは疑問だが、伏線を結構張っている
ので、再読の度に発見があり、何度も読み返せる。比較的、単純な事件なん
だけど、これを合理的に組み立てるには、まさに論理のアクロバットが
必要だ。他には無い、オリジナルな面白さがあるね。
695書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/08/23(火) 22:38:10 ID:KwXG/S3P
ジョンの如く「トリック」がアクロバティックなのは良しとしても、デクスターの場合、ウッドストック以上に一般的な評価が高いキドリントンも同様だが、
論理にアクロバティックな部分があるということは、論理に無理があるということでは
ないか。
そもそもキドリントンの場合など、完全にミステリとして反則技を犯しているわけである。
英国ミステリの雰囲気を味わうエンタメとして読むのであればともかく、
エル作品のような論理の妙味を期待すると大きく裏切られること必至である。
696名無しのオプ:2005/08/23(火) 22:55:42 ID:ZBjCFPkd
さあ、書斎さんと盛り上げていきまっしょい!!!
697書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/08/23(火) 23:09:47 ID:KwXG/S3P
>>696
他板住人だな(w、逝け。
698名無しのオプ:2005/08/25(木) 14:07:13 ID:02IKi9W+
      / ̄ ̄ ̄\
     ミミミ       丶
     ミミ /一◎-◎-)
     (9  U (_ _) )
      | ∴) ⊂フ  ) <他板住人だな(w、逝け。
      / \_____/
     /  (     / |
カクカク. /   | |   ヽ |
  ((/   l |    ) |
 (( /   \ \_,,-ーー-
   |  `ーヽ \ \     `ヽ__ 人_
  (、`ーー、ィ   }ヽ ξ   / ==== ∵\
    `ー、、___/ノ ̄ヽ  " ミミ∴ ======== )
         |  \_)\ .\ ≧ lヨ=lヨ≦)\  < さあ、書斎さんと盛り上げていきまっしょい!!!
         \ 〜 )   \ .\∴)(_ _) )ヽ_つ    
            ̄       \_つ 3 ゞ)        
699名無しのオプ:2005/08/27(土) 02:18:47 ID:Bj0Mydtc
 >>695
「論理にアクロバティック」が必要でしょ。登場人物が嘘ついてたり、ホラ吹いてたり
してるんだから。それを、神視点ではないモースが試行錯誤して、真実に辿り着く事に
彼の小説の妙味がある。読者にも、モースと知恵比べできるチャンスは与えるが、モース
程、ブッとばないと真実に辿り着けないようにワザと書いてるんだから。
 そんな695には中西智明の「消失!」がおすすめ。
 フェアプレイ、論理的なすばらしい小説なので、決して床に叩きつけたくなることは
ないと思います。695さんには。
700書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/08/27(土) 10:27:44 ID:JDgv/+Vp
コリン(注 コリン星人ではない)のような作品の存在を否定しはしないが、
あれを論理的と言われると違和感大である。
そもそも、はなれ技(飛躍)を使用した論理なるものがあり得るのか、
それは、すなわち論理破綻を意味するのではないか。
>読者にも、モースと知恵比べできるチャンスは与えるが、モース 程、
>ブッとばないと真実に辿り着けないようにワザと書いてるんだから。
この論が読者にとって無理有り過ぎかと思う(w
論理の整合性などではなく、モース(=作者コリン)の俺様ルールに
思う存分翻弄される知的マゾの楽しみ、これこそコリン作品の魅力かと思うのだ。
701名無しのオプ:2005/08/27(土) 11:04:58 ID:P+iu0Mmv
ウッドストック行き最終バスはいったい名作なのか迷作なのか
702名無しのオプ:2005/08/27(土) 20:06:33 ID:VfT36l2K
どっちにしても面白いのは確か
703書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/08/29(月) 23:41:35 ID:9lCbhuva
エド・マクベイン「魔術」を読む。
これもおなじみ87分署シリーズ、88年発表の第40作、シリーズ後期に属する作品
である。本作は、ハロウィンの仮装強盗、魔術師の失踪とバラバラ死体の発見、
娼婦連続殺人犯への囮捜査という3つの事件を核として、
あの愛すべきリチャード・ジェネロの大捕物、同じく愛すべき(?)怪漢アンディ・
パーカーの単独行(?)等が絡むこのシリーズ名物の典型的なモジュラー・タイプの
警察小説である。
しかし、文庫解説者の絶賛にもかかわらず、残念ながら出来は良くない。
メーンの事件のトリックが、ミステリ読みにとってはあまりに見え見えであること、
事件の解決が御都合主義な偶然に頼り過ぎていること、
差別的な表現、露骨な性的会話等が目立ち不快感があること(この点についても、
池上冬樹の解説には疑問が残る点がある)等々、作品としての不満点は数多い。
キャレラ、マイヤー、クリングが活躍出来ず、ホース&ブラウンが肝心の場面を
地味な印象があるウィリス&オブライエンのコンビにさらわれてしまう。
そして、パーカーがおいしい所を取り、ジェネロが警官として男になるという異色の
展開が面白い程度か。
704名無しのオプ:2005/08/30(火) 00:03:52 ID:pAxXJuux
書斎さんはぐんぐん腕を上げてるね。このまま文庫解説を任されてもおかしくないよ!
705名無しのオプ:2005/09/01(木) 01:30:32 ID:y6RecLyu
P.ボアロー『殺人者なき六つの殺人』(講談社文庫)

全体で250Pしかないのだが、冒頭の銀行家夫婦射殺事件を皮切りに、6つの密室殺人が展開される。
探偵は無個性なホームズ型のブニュエル。
不可能性は満点なのに、それを強調することもなく、ばたばたと事件が起こっていって落ち着きがない。
何より容疑者がいないのが致命的(推理小説的に考えて、犯人の予測はすぐについてしまう)。
6つの殺人の因果関係はうまく構成できているだけに、惜しい。
706書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/09/04(日) 15:18:50 ID:kfSZV37/
ポール・アルテ「カーテンの陰の死」を読んだ。
この作者の日本初紹介となった「第四の扉」では、作者自身も崇拝するJ・Dの再来かと
思わせるほどの本格ミステリとしてのシャープな面白さを堪能したものである。
しかし、その後「死を招く」「赤い霧」は、正直言うてプロットもトリックも無理が
目立つ期待外れな出来であった。
その点、本作は久々にスマッシュヒットと言い得る面白さ、「赤い霧」がJ・D張り
の歴史ミステリ(残念ながらJ・Dの凡作程度の出来だが)と例えるのであれば、
本作は、まさにJ・D張りのバカミスモード全開な作で楽しめるものがあり、
状況設定は全く異なるが、どこか「墓場貸します」を想起させるものがある。
作中で説明も伏される黒猫のエドガーは勿論のこと、魅力的な下宿の大家はハドスン夫人、
検視官の名前がロースン、盲目の理髪師ならぬ美容師の登場等々の細かく散りばめられた
お遊びも私のようなミステリ通には嬉しいものがある。
707「ドリームチーム・・」読みました:2005/09/04(日) 15:55:53 ID:ZTbwqQs2
「ドリームチーム弁護団」シェルドン・シーゲル
講談社文庫。

 私(主人公)は、四十台半ばの弁護士。今日、これまで勤めていた
有名一流法律事務所をクビになったところだ。
 今後は、離婚した元妻に泣きついて、独立して弁護士事務所を
はじめるつもりだった。しかしその最初の依頼が、クビになった
法律事務所内で起きた殺人事件、その容疑者として逮捕された元同僚の
弁護とは。しかも、担当検事はその法律事務所の元ボスときてる。
ヤツはこの事件で名前を売り、政界進出を狙っているのだ。
 ・・上等じゃねえかっ! 本物の刑事弁護ってものを見せてやる!
 私は元妻、しけた私立探偵をやってる弟らとともに、自称「ドリーム
チーム弁護団」を結成。弁護に乗り出す。
 やがてはじまる裁判。しかし敵は検察側ばかりではない。呼ばれ
もしないのにしゃしゃり出てくる有名弁護士。何かを隠している
らしい被告人。そして次々と明らかになる意外な事実。
 ・・どうやらこの事件。一筋縄ではいかないようだ。
708「ドリームチーム・・」読みました:2005/09/04(日) 15:58:17 ID:ZTbwqQs2
ジョン・グリシャムを中興の祖とするリーガルサスペンスだが、
それに続いて続々現れた作品の中でも、傑作のひとつと言いたい。
 リーガルサスペンスの醍醐味は丁々発止の法廷劇。だがグリシャムの
作品には意外に法廷シーンが少ない。これはグリシャム自身に
法廷弁護士としての経験が、あまり無いことにもよるのだろう。
 その点、この小説は八百ページ以上のうち、後半の大部分が法廷劇。
「意義あり! 裁判長!」のセリフが飛び交う、迫真の法廷シーンだ。
作者のシーゲル自身は弁護士だそうだが、おそらく刑事弁護の経験が
豊富なのだろう。法廷シーンはディテールに至るまでリアルに描かれている。
 長大な小説だが、主人公のべらんめぇ調の語り口も痛快で、飽きさせない。
そして最後のどんでん返しには、十分意外性がある。
面白いリーガルサスペンスを読みたい諸氏には、オススメ。
709名無しのオプ:2005/09/12(月) 15:22:56 ID:9FjUSO6n
「女執行人」シェリ・P・ゲラー
刑罰を逃れた児童性虐待の男達が謎の執行人に殺されていくって言う。
デビュー作だからなのか、全体的にミステリ色は薄いかな。前半で簡単に殺人が起こって、
後半は疑惑をかけられたヒロインを恋人が助けていくんだけど、もう、誰に感情移入していいのか
まったくわからんwwヒロインは噛み付いてばっかのなよなよだし、ヒーローは恋愛至上主義
だし、周りの人間も毒々しい。謎解き要素は0。そして長い。冗長気味。仕事しろ。
いい人はランダッツォだけかな。誰か読んで!そんであたしと同じ気分を味あわせてあげたい
710名無しのオプ:2005/09/16(金) 03:35:42 ID:C7519st5
ウィリアム・アイリッシュ『幻の女』(ハヤカワ文庫)

夜は若く、彼も若かったが、
夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった・・・

妻と喧嘩別れをした夜、男は奇妙な帽子をかぶった女と出会った。
気晴らしにレストランで食事をしカジノ座へ行き、酒を飲んで分かれた。
そして帰宅した彼を待っていたのは絞殺された妻の死体だった…
刻々と迫る死刑執行の日。
唯一の証人”幻の女”はどこに?

たんたんとした不気味な静けさの漂うサスペンスの傑作。
翻訳も素晴らしく、流れるように物語の世界に入り込めました。
目撃者から目撃者をつなぐ糸をすこしずつたどっていく過程で
幽霊のように浮かび上がっては消えていく、
幻の女の存在感がサスペンスの不滅の名作たる本作を彩ります。
ときおり見せる発想の転換・飛躍と意表をつく話の構成に
読後感は大満足であります!!
711名無しのオプ:2005/09/16(金) 18:13:53 ID:ccMZiUhO
恐怖の誕生日パーティってどんなラストだっけ??誰かメル欄かネタバレスレッドで教えて下さい。
712名無しのオプ:2005/09/16(金) 21:55:10 ID:b3vh6okw
>>710
"The night was young, and so was he. But the night was sweet, and he was sour."
いいよね。
713名無しのオプ:2005/09/17(土) 00:54:24 ID:HeoW4ae4
アラン・ディーン・フォスター『密林・生存の掟』(扶桑社文庫)

パプアニューギニア旅行中のアメリカ人若手実業家・ボハノンは、白人の美女とベッドをともにした夜、財産を持ち逃げされてしまう。
彼はかわりもののガイド・マクラケンを雇い、女を追って密林の奥に入っていく。
しかしそこは想像を絶する世界だった。

秘境冒険もの。つまらないわけではないが欠点も目立つ。
・展開が急ぎすぎで落ち着きに欠ける
・全体を貫く縦糸が弱い
・キャラが弱い
物語は、ボハノンが執拗に女を追いかけることで生まれる。しかしその理由が弱めで、縦糸として充分機能してない。
ガイドのマクラケンも、美女タイ・テニスンも、タイが慕うラグナロク・ステナマーも、さらにいえばボハノンも、相当変わった人物に書かれているが、生き生きしているかという点では今ひとつ。
ただし、ステナマーとボハノンの最後の対話は良い。こういうシーンが他にも欲しかった。
ここで明らかになるボハノンの過去を伏線にしていれば、縦糸の弱さは克服できたかもしれない。
714読後感:2005/09/17(土) 01:03:34 ID:+h8N6QOa
>>711
うろ覚えだが
715名無しのオプ:2005/09/17(土) 11:47:46 ID:BoUNLj4y
>>714
あ〜なるほど〜。思い出したー。dくす

摩天楼の身代金読んだよ。おもろい。ラスト好き。ただ、これメル欄も同じネタ使ってたよね。
716書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/09/19(月) 11:58:10 ID:qJaJEewq
異種各闘技戦も満載な青春冒険小説として見れば、この板の守備範囲内であろう
新潮文庫「姿三四郎」全3巻を都内某店の100円均一台にてゲットした。
おとなしい感じの学生(知的な風もあったので、日大や専修ではなく明治の学生かと思う)
が、第3巻をパラパラと見ていたので、可哀想だが少し睨みを効かせて横取りしました(w
早速、車中で読み始めたが、まあ、第1巻中盤くらいまで読んだ限りではつまらんね。
717名無しのオプ:2005/09/19(月) 14:14:42 ID:w0dhf1zJ
フレッド・カサック「日曜日は埋葬しない」
有色人種青年の姦通と犯罪を描く。
トリックは途中で見当が付くが、主人公のイラつきを中心とした心理描写は結構興味深い。
ラストでどんどん墓穴を掘りまくるのには笑った。或る意味「キャッチ22」状態に置かれた主人公が不憫w

主人公の出身地「グアドループ」がわかんなくて地図引っ張り出しました。勉強になったす。
718読後感:2005/09/19(月) 14:51:02 ID:B8BpmWpW
「完璧な殺人」ジャック・ヒット編
裕福な妻と結婚し、一見幸せな生活を送っているように見えるティムは
ある時妻が自分の親友と浮気していることに気づく。
怒り心頭に発したティムは二人に復讐するため、妻を殺し親友にその罪
を着せてやろうと決心する。しかし巧い方法が思いつかない。
そこで彼は5人の著名な作家たちに手紙を送り、方法を考えてもらうことにした。
手紙を出すと、果たして作家たちから続々と回答が寄せられてくるのだが・・・。

一種の書簡体小説。5者5様の殺人案も興味深いが、見所は何と言っても
後半の罵倒合戦。イギリス人2人はまだしも節度を守った批評であるのに
対し、アメリカ人たちは容赦なく他案をこき下ろしている。
特にローレンス・ブロックの毒舌ぶりは凄まじく、「生意気な雌犬」発言
には腹を抱えて笑った。
719名無しのオプ:2005/09/19(月) 22:03:37 ID:ZyuFIHIk
        / ̄ ̄ ̄\
       ミミミ       丶        rっ
       ミミ /一◎-◎-)      / ^゙''_つ
       (9  U (_ _) )     /  / ̄
     / | ∴)  3   ) -─''"´、  /
   /    r.\_____/    イ_,,r-''"
   (   `ヽ、_,r-っ 、   ・ /´
   ヽ、 __,、_,ニつ `゙ ''''" i   < 可哀想だが少し睨みを効かせて横取りしました(w
       ノ           ヽ
     _ト-───────-イ_
  /´  `ー-、__   __,r- '"   `ヽ
  (  ノ    、_  | ̄´|   _,,  ヽ )
  ヽ、_____  ̄`t-r'´ ̄_____,ノ
          )_/ \_(

720名無しのオプ:2005/09/19(月) 22:12:26 ID:3Bo/X1sB
「ダ・ヴィンチ・コード」
面白かったよ。

721名無しのオプ:2005/09/27(火) 16:54:31 ID:HupT8yhm
「幻想と怪奇―俺の夢の女―」

「墓碑銘」「特殊才能」 「こころ変わり」 が3強かな。
哀愁漂う雰囲気、優れた着想、ゾッとするラスト。
「週末の客」はダール編のアンソロジーで既読のため傑作だが除外。
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」も傑作だが仁賀の馬鹿が
紹介文でネタばらしをしくさっていやがるので台無し。
722名無しのオプ:2005/09/28(水) 18:01:19 ID:7mTYgf2O
「ロウソクのために一シリングを」 ジョセフィン・テイ(ハヤカワポケミス)
イギリス南部の海岸に有名女優の溺死体が打ち上げられた。
最初は事故死と思われていたが、捜査を進めるうちに他殺を匂わせるようになる。
そして女優の遺書には、「ロウソクのために一シリングを」という実兄への謎めいた
遺言が書かれていた・・・。

グラント警部のデビュー作。
登場人物の造形が上手く、読み物としては面白いのですが、ミステリとして見ると
どうしたもんかと言いたくなるような内容。かなり腰砕け。
魅力的なタイトルも、あまり本編に絡んでいなかったし・・・。
723名無しのオプ:2005/09/28(水) 21:20:53 ID:4GObtwNW
>722
グラント警部デビュー作じゃないよ。
その前に未訳のThe Man in the Queueがある。
ちなみにどちらも腰砕けな感じで・・・。
ティが本領発揮し始めるのは『裁かれる花園』あたりからかしらん。
724名無しのオプ:2005/09/29(木) 00:04:50 ID:6uehRQLN
大尉のいのしし狩り

いい人も悪い人もみんな不幸になる意地悪い短編集w
725名無しのオプ:2005/09/29(木) 12:38:51 ID:7Zo8A2es
途中の家(エラリー・クイーン)
エラリー・クイーンにしては小粒で、
国名シリーズの長ったらしさが駄目な人にもお薦め
殺人が少ない作品は一人ずつ容疑者を消していって捜査する話が
多く冗長だというイメージを覆された
(ギリシャは気に入ったのですが、エジプトは全裸宗教に
ページを割きすぎている感じがしました。意図は分かっても)


午後の死(シェリイ・スミス)
バーバラ・ヴァインものを大衆向けに書き改めたようなもの。
話の筋書きが分かり易く、退屈しそうになったところで
展開を作り出すところが(・∀・)イイ!!
分量が短い中で最後まで工夫されてました

これを機会に幾つか文庫で翻訳されれば…
某サイトの未翻訳洋書書評を読んで気になっているものや
海外ミステリ100選に挙げられている作品も読みたいから
726名無しのオプ:2005/09/29(木) 19:16:11 ID:DvUKRypv
「レイトン・コートの謎」 アントニイ・バークリー(国書刊行会)
レイトン・コートの主人であるレインワース氏が亡くなった。
現場のドアや窓には鍵がかけられており、警察はこれを自殺だと判断したのだが、
素人探偵シェリンガムは他殺の匂いを嗅ぎつけるのだった・・・。

ロジャー・シェリンガムもの。
ミステリの定型を逆手にとって茶化しているその一方で、しっかりと序盤から伏線を
張っていてけっこう本格してます。やや冗漫な部分もありますが、ユーモアの味付けが
いい塩梅で個人的には大満足の作品でした。
特に中盤に登場するレース結果にはクソワロタ
727名無しのオプ:2005/10/02(日) 09:46:52 ID:XJj8XNt2
「ウィッチフォード毒殺事件」 アントニイ・バークリー(晶文社)
ウィッチフォードに住む実業家ベントリー氏が亡くなった。
警察の調べによって死因は砒素中毒と判明し、氏の妻が容疑者として浮かび上がった。
これを新聞で読んだシェリンガムは、彼女は犯人ではないのではと勝手な想像を巡らし、
誰にも呼ばれてもいないのに事件解明に乗り出すのであった。

実在した毒殺事件をモデルとしたという作品。
仮説の組み立てと崩壊の連続、ユーモア溢れる物語などはバークリーらしい。
前作の「レイトンコート」に比べてやや弱いという印象を受けましたが、ラストにおける
作品そのものを引っくり返してしまうようなシェリンガムの台詞には驚かされました。
何箇所か人物名に誤りがある(アレンとアレックなど)のは勘弁してほしかったです。
728書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/10/04(火) 00:05:14 ID:azp+fPsR
エーリッヒ・レマルク「西部戦線異状なし」を豊崎由美嬢の言に従い
(戦争)冒険小説として読んでみたが、「うーん」という感じだな。
このスレで前に紹介した「人間の条件」の後半などは十分に冒険小説なのだが、
本作に関しては、青年を主人公にしたドイツ教養小説という色合いの方が濃い感がある。
つまり、青年の成長の舞台が旅やサナトリウムではなく戦場ということである。
翻訳は全体的には読み易く悪くはないが、
(これがベストセラーになった因のひとつとも言い得る)
随所に時代を感じさせる古臭さがあり、特に「おっかさん」という訳は、
あんまりなものがある。
名作が新訳される機会が多くなって来た昨今、少壮のドイツ文学者の手によるそれを
期待したいところである。
729名無しのオプ:2005/10/04(火) 20:03:53 ID:GU4X4e6M
>>728
変化球、すっぽ抜け。
730名無しのオプ:2005/10/04(火) 22:40:58 ID:oPKCHAmi
>>729
最初から暴投だよw
いいから相手すな
731名無しのオプ:2005/10/05(水) 15:46:56 ID:JfAggbmH
「オンリー・チャイルド」 ジャック・ケッチャム

ケッチャムを読んだのは「隣の家の少女」に続き二作目。
児童虐待がテーマなので似たような話かと思っていたが予想とは違っていた。
「隣の〜」が読み手に虐待による身体的苦痛を直接的に訴えるものならば
こちらは精神的苦痛をメインにしたもの。
救いのない展開とグロテスクで痛々しい描写も相変わらず。
読んでいる間何度も気分が悪くなるような場面に出くわしたが
最後まで読ませてしまう力は素晴らしい。
読後感は「隣の〜」に及ばないながらもなかなかに悪い。
ただ決着の付け方が陳腐だったのが残念。
732読後感:2005/10/08(土) 04:45:26 ID:s+0or4Do
「魔術師を探せ」ランドル・ギャレット

剣と魔法の世界が舞台の本格ミステリ短編集
世界観を上手く活かせているやに思う
「その眼は見た」がイチオシ
今んとこはまだシリーズの評価が定まらないので
長編も読んでみるかな
733英知 恵:2005/10/16(日) 20:23:28 ID:Xsnm5SA4
J.カーリィ「百番目の男」

海外オフで薦められた一作。"バカミス"とのことで読んでみました。
連続殺人でなぜ犯人は首を切り落として死体の恥骨付近に意味不明の文章を書き残すのか?
そして被害者たちの肉体における共通点とは?
正直、バカミスというよりくだらなくバカバカしいミステリーというだけのことかと。
映像化するとホラーとかグロとかそっち系には好まれそうです。
私はお薦めしません。

しかし小説としては淡々と読めるのでこの作者の別の作品があれば再挑戦してもいいかな。
734名無しのオプ:2005/10/18(火) 19:45:23 ID:wQS2+kgk
「フランチャイズ事件」 ジョセフィン・テイ(ハヤカワポケミス)
フランチャイズ邸で母と二人暮しをしている女性マリオンが誘拐罪で告訴された。
弁護士ロバートはマリオンの無実を信じて事件を調査していくのだが、それを証明
するような材料は一向に見つからない。
そうするうちに裁判の日は刻一刻と迫るのだった・・・。

実在の事件をモデルとしたらしい作品。
作品を覆う妙な雰囲気や、終盤で新たに判明する人物の造形、それに些細な点から
謎がほぐれていく部分などは感心しました。ただ全体的に鈍重で、せっかくタイム
リミットを設定しているのに緊張感が感じられないのが残念。
レイモンド・チャンドラーが評価したというので期待したのですが、個人的には
いまいち合いませんでした。
735書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/10/22(土) 12:37:09 ID:9Z3AxosZ
最近ハドリー・チェイス作品をまとめて再読している。
現在では全作品が絶版・品切れのようだが、
かなり粗いところもあるが、その優れたストーリー・テリングは
何年か前のノワールが注目された時に、再評価されてもおかしくなかったかと思う。
「ダブル・ショック」「ダイヤを抱いて地獄へ行け」「ある晴れた朝突然に」
(以上は、訳 田中小実昌(東大文学部中退))
「世界をおれのポケットに」(訳 小笠原豊樹(東京外語中退))
プレイボーイ・スパイ・シリーズ(訳 井上一夫(慶應大哲学科卒))
「危険なやつは片づけろ」「とむらいは俺がする」(以上、訳 井上勇(東京外語卒))
一時期は創元推理文庫の売れ筋だっただけあって、翻訳も錚々たるメンツが担当して
いるが、エルやSSのスレでも書いたことがあるが、井上勇の妙な日本語が目立つ感
がある。J・M・ケインの「郵便配達は二度ベルを鳴らす」の訳もある田中コミさんの
悪女もの「ダブル・ショック」、ロスマク風ノワールの感を受ける小笠原豊樹の「世界を…」、
007が十八番でドンピシャな起用と言える井上の「プレイボーイ・スパイ」。
この辺は作品による翻訳者の起用が当たっている。
736名無しのオプ:2005/10/22(土) 15:33:31 ID:OFhc3J/t
書斎の書評はためになるなあ。
737名無しのオプ:2005/10/22(土) 16:16:07 ID:OFhc3J/t
ミス住の読書ペースはすごい。
ただ読み飛ばすのではなく、講評を書けるくらいまで読み込んでいるのがさらにすごい。
738名無しのオプ:2005/10/22(土) 18:58:07 ID:mvAHK/mg
書斎をめぐるあれこれはどうでもいいんだけどさ、
いくらなんでも753は書評・講評になってないじゃん。
自演じゃなくても、どこからそんな感想レスになるの?
739名無しのオプ:2005/10/22(土) 22:19:07 ID:9vcsoou4
>>738
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/965731888/l50

死ねよ、レス乞食w
おまいのやり口はもうお見通しだ。
740名無しのオプ:2005/10/22(土) 22:50:21 ID:80LX8nO7
>いくらなんでも753は書評・講評になってないじゃん。

753を書く人は、書評・講評になっていないレスをよろしくw
741名無しのオプ:2005/10/27(木) 03:07:13 ID:JtFafZyP
いや738は公平足らんとしてる人かも知れないじゃないか
根拠のない決めつけはどうかと思うぞ
742名無しのオプ:2005/10/27(木) 05:22:05 ID:k7aY4SSP
『騙し絵の檻』 ジル・マゴーン

海外ものは全然読まない人間なんだけど
法月の解説目当てに読んでみた
解説の大絶賛に押されて読み始めるものの何か読みづらい
これが言葉の壁なのか?

んで、中身の話
現在に過去を不規則に交えながら進行するんだが
効果的だ、と思う面もあるけど
個人的には過去を一通り語ってから
現在の捜査をして欲しかった
まぁ、そんな不満はありましたが
最後の関係者を集めての芝居がかった謎解きは燃えたし
真相にも驚けた、いい作品でした


目当ての解説は凄いテンションだったよ





743名無しのオプ:2005/10/27(木) 15:45:23 ID:GohVyGxe
>>742
「騙し絵の檻」を読んで海外物が皆読みづらいと誤解しないようにしたい。
これは海外物読み慣れてる人が読んでも読みづらいと思う。
なんか過去を適当に交えて書くやり方が上手くいってない気がするんだよな。
ただゴチャゴチャしてるだけみたいになっちゃって。真相の動機は意外だけど。

744名無しのオプ:2005/10/27(木) 19:41:25 ID:JaaLzCVj
獣たちの庭園
読み進めるのが苦痛。つまらん。470ページ過ぎないと動きださない物語。
でも読後感、さわやか。
カーテンの陰の死
なんて馬鹿なトリック。この程度の動機でこんな大それたことするか?
なんだ?このとってつけたようなエピローグは?
でも、面白い。
745名無しのオプ:2005/10/28(金) 15:48:16 ID:Jd3kNpoq
「死の教訓」ジェフリー・ディーヴァー読了。
ノンストップサスペンスどころか、前半のまだるっこしいこと。
読み終わってみればまあまあイケたかな、と。
従来のディーヴァー読者より、ゴダード好きな人に向いてるかも。
こんなもん一冊で出してくれよ、とも思った。
746名無しのオプ:2005/10/29(土) 17:49:23 ID:plfyuCTK
「骨の島」@アーロン・エルキンズ読了。

五年ぶりの新刊です。いちばん好きな「暗い森」を超えることはなかったけれど、
なかなか面白かったです。ただ、最初の部分で、ああ、これはきっとこうだな・・
っていうのがわかってしまって、そこだけ残念でした。
そしてイタリアに行きたくなりました。チーズ、ハム、コーヒー。
いつもながら、食べ物の描写が多くて楽しめました。
747書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/10/29(土) 19:34:52 ID:JlLR5k9j
アーサー・ヘイリー「ホテル」を読んだ。
この作者の本は前に「最後の診断」「殺人課刑事」を紹介したことがあるが、
本書は処女作ということもあってか、錯綜する人間ドラマを書き分けるだけで、
まだ精一杯という感じであり、後年のヘイリーのような、取材にもとづくネタを
たっぷりと書き込む等の余裕を感じさせるものはなく、
ストーリー展開にも筆を急ぎ過ぎたきらいが見られ、後年の作に比較すれば
結末も落ち着くところに落ち着いた感じで余韻が弱い。
とは言え、犯罪隠蔽、ユニークなホテル泥棒の暗躍、そしてメーンストーリーとなる
ホテル買収に絡んだ攻防とドンデン返し等、世のミステリファンの興趣を惹く要素には
事欠かないものがある。
そして、舞台となるニュー・オーリンズの風景が丁寧に書き込まれており、
テレビで台風による惨状が伝えられたカナル・ストリートやベイズン・ストリート等も
登場、そのありし日の栄華には胸が痛むものがある。
748名無しのオプ:2005/10/29(土) 23:03:01 ID:Qsvadz/s
アーサーヘイリー昔よくよんだな  
ありゃ課長島耕作のぱくりだな
749名無しのオプ:2005/10/29(土) 23:24:28 ID:4bomEHLc
>>748
つーことは成り上がり小説?
興味出てきた
お薦めは?
750名無しのオプ:2005/10/30(日) 04:30:34 ID:3D5eVTka
『百番目の男』ジャック・カーリィ
いやー、笑った。馬鹿だ。

アル中の検死官との恋愛、典型的な嫌な上司との衝突など、そこそこ読ませるし、
サイコ・サスペンスが好きなら、薦められるかな。

6点
751書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/10/30(日) 20:06:04 ID:32kr2F/R
弘兼憲史が組織の中の人間を描こうとしているのに対して、ヘイリーの主眼は、
多彩な人間ドラマを通じて「組織」そのものを描くことにある。
従って、メーンキャラも当初からある程度の権限を持つ巨大組織の第1線に立つ者であり、
この点で弘兼憲史的なキャラとは異なる。
むしろヘイリー的世界観に近いのは石ノ森章太郎の「ホテル」であろう。
ミステリの例で言えば、マクベインの87分署シリーズ。
ヘイリー作品は、マクベイン作品の普通小説版と把握しても間違いではないくらいである。
1作推すのであれば、ミステリ板でもあり「殺人課刑事」。
752名無しのオプ:2005/10/31(月) 10:06:11 ID:tyJC2v1/
ゴダード好きなんだが「聖骸布血盟」イケると思う?
「ダ・ヴィンチ・コード」は楽しめたよ。
753名無しのオプ:2005/10/31(月) 15:03:13 ID:Dnv9ijr4
ディキンスン『毒の神託』

文章が読みづらくて挫折。
『ガラス箱の蟻』は最後まで読めたのに。
754読後感:2005/11/01(火) 23:41:00 ID:L9SJ3Czh
「パズル」アントワーヌ・ベロ(早川書房)

ジグソー・パズルに関連する五人の人物が次々と殺されていく。
被害者は決って四肢のどれかを切断されており、
他人の体の、その切断された部位の写真が添えられていた。
読者に提示される48の手掛り。果たしてその真相とは――。

「百番目の男」と並ぶ本年度のバカミスツートップらしい。
確かに読むのが馬鹿馬鹿しい本だった。まずこれは所謂書簡体小説で、
ほとんど手紙・記事・議事録等で構成されている。それはいいが、
時系列がぐちゃぐちゃで、全く一貫性がない。これほんとムカつく。
こんなチンカスみたいな小細工で複雑に見せようなんざ下の下の仕業。
パズラーを装ってもフランス・ミステリの汚れた血は
隠しようがなかった。真相も大して意外じゃないし、
作中の指摘を待つまでもなく全く成立してないのは明白だし。
文庫でも新書でもなくてポータブルじゃないのもマイナスだ。
読む価値なし。
755名無しのオプ:2005/11/02(水) 00:41:03 ID:pspzvRpq
幻の女

メール欄もよくあるオチだし、どうしてオールタイムベスト級の
評価をされているのかよく分からない。
文体が文学的なのは認めるけど。
756名無しのオプ:2005/11/02(水) 17:02:50 ID:ke/F5PLP
まず幻の女は本格ではなく、サスペンスなのであのオチは主眼ではない
そしてなによりも幻の女を名作たらしめているのは乱歩のあのエピソードと最初の一文
あれにみんな騙されちゃうw
個人的にアイリッシュの最高傑作は晩餐後の物語だと思いますけどね
757読後感:2005/11/02(水) 17:31:47 ID:hELOXgw6
「トフ氏と黒衣の女」ジョン・クリーシー(論創社)

女友達とのディナーを楽しむトフ氏の前に現れた喪服の美女。
それはかつてトフ氏が逮捕させた殺し屋であり、
彼女にとってトフ氏は兄の仇でもあった。
舞い戻ってきた彼女の目的を突き止めるため
トフ氏は貧民街へと足を踏み入れる――。

論創海外ミステリ記念すべき第一巻。
多作家ということで大して期待していなかったが、思った通り
サクリと読みやすいだけが取り柄の貴族探偵もので、
4桁払ってハードカバーで読むほどではなかった。
悪役の造形が不満だし、ラストでトフ氏が取った行動も理解不能。
事件簿のAは果たして出るのやら。
比べるのは酷だと重々承知しているけれども
「薔薇荘にて」で幕を開けた国書に対して
かなり地味なスタートになったようだ。
758名無しのオプ:2005/11/02(水) 19:46:06 ID:XfcIBd6z
>>756
>幻の女を名作たらしめているのは乱歩のあのエピソード・・・
それは言えてるかもw
とはいえ、3年ほど前に西武百貨店で江戸川乱歩展が開催されたとき、
「新しき探偵小説現れたり、世界十傑に値す。直ちに訳すべし。・・・」
の書き込みの現物を見たときはやっぱし感激したなあ。
759名無しのオプ:2005/11/02(水) 23:45:53 ID:pjltmocN
>>758
いいなぁ実物見てみてぇ・・・
760名無しのオプ:2005/11/03(木) 02:55:23 ID:ykC9LPCg
>>756
なるほど。

幻の女が(メール欄)だったら面白かったのに。
761名無しのオプ:2005/11/03(木) 10:35:30 ID:aeADUzBN
ちっとも面白くない
762名無しのオプ:2005/11/04(金) 16:02:44 ID:LKJdG2wc
ヒラリー・ウォー『愚か者の祈り』(創元文庫)【7点】

ある郊外の街で発見された女性の惨殺死体。
身元はやがて判明するが、街を出て行ってからの空白の5年間がなぞ。
ベテラン刑事とその部下2人が、地道な捜査で真相に迫る。

まあ、「佳品」という表現がぴったりの良作。『この町の誰かが』のときも
思ったが、ラストにもう一ひねりほしかったところ。50年代の作品だが
いまでも十分おもしろいです。今年の「このミス」17位くらいを予想。
763名無しのオプ:2005/11/04(金) 19:27:11 ID:IQ6O+qjF
アガサ「オリエンタル急行」 

とりあえず読んだ。
ただ字をひたすら読んで消化していった。
人物名が外国人だと誰が誰だかわからなくなってしまう。
横文字の名前がダメなんだよね。
764名無しのオプ:2005/11/04(金) 19:53:32 ID:RJxEIzE8
落ちはどう思った?
765763:2005/11/04(金) 22:10:46 ID:ZjyEAC/W
落ちはとてもわかりやすかったよ。
だって主人公周辺以外誰が誰だかほとんど区別つかない状態だったから。
766名無しのオプ:2005/11/04(金) 22:16:15 ID:7eSCkJ9E
今日、帰りに海外ミステリを買うつもりで本屋に寄ったが
めぼしい物が見つからなかったので、「津山三十人殺し」買ってきた
それにしても今年も不作じゃね?<翻訳物
767名無しのオプ:2005/11/04(金) 23:46:59 ID:43ARD5+j
短編集は「最後の一壜」だとか「クライム・マシン」とか出てた割に…
同意

シリル・ヘアーの新刊とパトリック・クェンティンの「悪女パズル」
は図書館落ちで読んでみるつもり
768読後感:2005/11/05(土) 14:48:39 ID:HGded1UN
「関税品はありませんか?」F・W・クロフツ(早川書房)

仕事にあぶれた男が知己の誘いに乗って始めたのは
海外旅行を装った密輸であった。商品は巧妙に隠されていたが、
予想外の出来事で他人に知られてしまう。
脅迫状を受け取った彼等は相手を特定し殺害することに成功する。
しかしその直後第二の脅迫状が――。

クロフツの遺作。
密輸方法はそれなりに考えられていて職人上がりの技巧を思わせるが
それ以外は特にどうということもない凡作。
二部構成になっているが、一部の終り方に読者に後半を期さしめる
ものがあるにも関わらず二部でそれをあっけなく
片付けてしまっているのが残念。
769読後感:2005/11/05(土) 18:55:05 ID:HGded1UN
「フレンチ警部と漂う死体」F・W・クロフツ(論創社)

富豪キャリントンがが突如オーストラリアから呼び寄せた甥マント。
彼の登場は一族に微妙な波紋を投げ掛ける。
そして起こった一族6人の毒殺未遂事件。
何とか命を取り留めたキャリントン等に医師は療養のための旅行を
薦める。 地中海を走る客船で一時の安息を得る一行。
しかし、殺意は執拗に彼等に付き纏っていた…

こっちは面白かった。流石華の30年代。
館の毒殺未遂から船上に舞台を移しての撲殺事件と
盛りだくさんの内容で、悩みに悩むフレンチそして最後の
どんでん返しは名作「スターヴェルの悲劇」を思わせる。
犯人の用いた死体隠蔽のトリックにかなり無理があるのが残念だが、
そこは古典。割りきってしまおう。楽しんだもの勝ちだ。
とこれは言い過ぎ。

追伸:そういや本作で初めてフレンチ夫人をみた。
770読後感:2005/11/05(土) 19:00:27 ID:HGded1UN
追伸の2乗:訳者あとがきは論創に似合わず精緻だった。
771名無しのオプ:2005/11/06(日) 14:41:26 ID:Uak/U3VL
フレンチ夫人は最大の事件にも出たはずだし、
多忙な休暇ではフレンチと一緒に捜査も兼ねた旅行に行ってたなぁ
772読後感:2005/11/06(日) 18:53:51 ID:n9X6c7Ux
「死を呼ぶスカーフ」ミニオン・G・エバハート(論創社)

苦い思い出の残る故郷に帰ってきたヒロイン。
彼女は一つの決意を持っていた。しかし、久しぶりに会う従姉妹との
溝は深く、しかもその婚約者にヒロインは心を奪われてしまう。
あたかも昔日の醜聞のように――。

んで殺しが起きるわけです。作者はHIBK派
(この分類は今もってよくわからんのだけど)。
まず前説で横井が評価してることは一周してる現代の価値観に
立った上でのことで当時からしてみればご都合主義の極地ではないかと。
というか今の価値観でも駄目かも。
あと前説ではリンダ・ハワードだのノーラ・ロバーツだのの名を
出してて
表紙絵もロマンス小説を意識してるようだったけど
それらのファンを取り込むには決定的なマイナス要素がある。
それ即ち、ヒロインの不誠実さ。

内容は、まあこんなものかと。HIBK派はよくわからん。
773読後感:2005/11/06(日) 19:23:31 ID:n9X6c7Ux
「ドアをあける女」メイベル・シーリー(論創社)

シルヴィアが帰ってきた。身勝手で浪費家の従姉妹。
そして愛する男性の妻の妹。彼女の帰還に
穏やかではいられないキャシー。しかし彼女はやって来た。
何かを胸に秘めて。そしてキャシーが彼女の訪問を受けた翌日、
キャシーはシルヴィアが自宅で殺されているのを発見する。

よくわからんのにまた読んじゃいましたよ、HIBK派。
性懲りもなくロマ風表紙ですが、
今回はヒロインに後ろめたいこともないし弱者だから別に問題ないです。
ロマンスの決着にも満足。
例えそれが意外性を狙ったプロットの副産物だとしても。
そのプロットは動機の部分がやや弱いと感じました。
774名無しのオプ:2005/11/06(日) 20:05:16 ID:MxfTKLgp
読後感てすげーな。書斎魔人に爪の垢でも飲ませてやりてえ。
775名無しのオプ:2005/11/06(日) 21:17:27 ID:BSnoG1RL
自演乙
776名無しのオプ:2005/11/07(月) 11:35:38 ID:XKwm77E1
と、魔神は言った
777名無しのオプ:2005/11/07(月) 20:48:50 ID:NZUNFYnK
どっちも別に普通。
778名無しのオプ:2005/11/07(月) 22:07:50 ID:eoqgXCds
かなり前から見てるけど読後感氏ははるかにマトモですよ。
(自演ではない、と言っても信用されないかもだが。)
779名無しのオプ:2005/11/08(火) 10:30:01 ID:tCwB3wdQ
「沈黙の扉」S・マルティニ
マルティニはマドリアニシリーズ以外は読むに値しない。
780名無しのオプ:2005/11/08(火) 15:09:26 ID:0WMmJWz9
「ストップ・プレス」マイクル・イネスを読了。再読が肝要だ。
781読後感:2005/11/09(水) 15:19:15 ID:lVFKH7r4
「消えた玩具屋」エドマンド・クリスピン(早川書房)

酔って夜のオックスフォードをぶらつく詩人がとある玩具屋の二階で
死体を発見する。無人の店内を訝かる彼の後頭部を襲う衝撃。
やがて目覚めた彼が警察と共に戻ってくると死体はおろか
玩具屋までもが消え失せていた…。

クリスピン初挑戦。冗談を思い付いたが下品すぎるのでやめとく。
冒頭の奇想、思いもよらない遺産相続の方法、そして容疑者たちを
毎回追い回すはめになるという可笑しみ。
カーっぽいテイストも含んだ作品ということでしょうか。
イマイチだった。伏線範囲が狭い。
782読後感:2005/11/09(水) 15:29:49 ID:lVFKH7r4
「お楽しみの埋葬」エドマンド・クリスピン(早川書房)

骨休めに議員に立候補を決めた大学教授。選挙区に赴いた彼は
そこで友人の捜査官に出会う。彼は毒殺事件の捜査をしているという。
協力することになった教授は夜待ち合わせの場所に向かった。
しかしそこには捜査官の死体があった――。
教授は選挙運動の傍ら事件解決に乗り出す。

こっちは面白かった。大きな伏線が張られてて。
全くの事故としか思えない中に隠された真実とは?って感じで。
お薦めかも。
783名無しのオプ:2005/11/09(水) 19:03:19 ID:CNaa3308
「タラント氏の事件簿」 C・デイリー・キング(新樹社)

素人探偵トレヴィス・タラントが活躍する連作短編集。
最後の一編を除いて全てが不可能犯罪でした。
色々と伏線を張っていてバリバリの本格派なのは嬉しいのですが、現場の状況からいって
そうならざるをえないだろう、という飛躍の小さい解決が多いのは残念。
かといって奇想天外な「第四の拷問」となると、ちょっとオチに無理あるようで…。
784読後感:2005/11/09(水) 22:34:08 ID:lVFKH7r4
「法廷外裁判」ヘンリイ・セシル(早川書房)

決して嘘をつけない男ウォルシ。彼は仕事上のライバルを殺害させた
容疑で逮捕され、裁判で有罪判決を受けてしまう。
被害者の妻による偽装工作と信じて疑わない彼は獄中から
奇想天外な考えを実行に移す。その考えとはある優秀な判事の家を
占拠した上で関係者を監禁し、そこでもう一度審理のやり直しを
するというものだった。果たしてこの珍妙な裁判でウォルシは
無罪を証明することが出来るのか!?

いや〜面白かったですねえ。メルトン先生はてんで
つまんなかったけど。10年でうんこがケーキに化けた。
特異体質の主人公。その娘による人材集め。通報を図る虜たち。
揺らぎ出す証言。逆転の瞬間。そして最後の一撃。
ページを繰るのがもどかしいぐらいだった。伏線ばっちり
「直チニ復刊スベシ」って感じですね。300ページ弱と適量だし、
おまけにツンデレもありw お薦めです。
785名無しのオプ:2005/11/09(水) 23:27:01 ID:Ca2jK0CY
「伯母殺し」リチャード・ハル 乾信一郎訳(ハヤカワミステリ)

あまりにも有名な作品なので紹介文いらね〜か?
一応描いとく
お人好しの青年エドワードは伯母の意地悪に絶えかね、殺害を企てる。しかし、周到に準備を重ねたにもかかわらず、計画は失敗。しかしこれでめげないエドワード。さらなる計画を立てるのだが、なんとその計画もまた失敗。みたび計画を立てるが……
最後に思わぬどんでん返し。

倒叙推理小説(犯人が最初に出てくるヤツ。TVドラマではコロンボが有名だな)の三大傑作のうちの一つなんだそうだが、オレは今回初めて読んだ。文句なしに面白い。物語全般を貫く英国人らしいユーモアもピシリと決まってて、その都度笑える。お勧め。
786書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/11/12(土) 14:05:58 ID:Bhhv6SKX
ランドル・ギャレット「魔術師が多すぎる」を読んだ。
海外における本格ミステリ退潮期(60年代後半)に書かれた作だが、
謎解きミステリとしては糞作品であった。
本書を喜んで読むのは、「なんとも美少女魔術師コネ―!」とか絶叫しながら、
三省堂神田本店を上から下まで走り回っているような重症なミスヲタだけである。
ミッチーの解説文によれば、本作に先行して、同じ探偵(ダーシー卿)が
登場する短編が3作あり、これらに続く作品として書かれたそうだが、
このため、魔術師が社会のメーンとなったヨーロッパ社会という世界観が
非常にわかり難いものになっており、作品世界に馴染みにくいという難がある。
そして、最大の問題点は、最終的な謎解き(密室殺人)をSFミステリゆえの逃げとも
言えるものに走ってしまったことだ。
終盤まで論理で押す展開を取り、犯人の意外性もあるので、非常に残念なこと
ではある。
787名無しのオプ:2005/11/12(土) 17:24:02 ID:o3BQ1C3r
ははは。
ユーモアの効いたレスだなあ。
788名無しのオプ:2005/11/13(日) 07:06:42 ID:Sv/KAKEV
>ミッチーの解説文によれば、本作に先行して、同じ探偵(ダーシー卿)が
>登場する短編が3作あり、これらに続く作品として書かれたそうだが、
>このため、魔術師が社会のメーンとなったヨーロッパ社会という世界観が
>非常にわかり難いものになっており、作品世界に馴染みにくいという難がある。

発表順に読まないお前がバカなだけじゃないか。
何が「このため」なんだよ。

>そして、最大の問題点は、最終的な謎解き(密室殺人)をSFミステリゆえの逃げとも
>言えるものに走ってしまったことだ。

あれを「SF」というオマエの脳みその中身こそがSFだよ。
無知もここまでくると病的だな。
789名無しのオプ:2005/11/13(日) 09:30:31 ID:/xDV/6cb
>>788は他板からのコピペです。
レスしないようにしましょう。
レスつける人はコピペ荒らしと同類です。
790書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/11/13(日) 11:00:48 ID:gFRN2HJ2
スレタイに沿った話題である以上、どこに書かれたものであるか、
誰が書いたものであるかは問題とはなりません。
叩くべきものは叩くとしましょう。

>>788は、あまりにもレベル低過ぎである。
「魔術師が多すぎる」は、ダブルデイ社から
ダブルデイ・サイエンス・フィクション・シリーズの1冊として刊行されたものであり、
解説を担当したミッチーと早川書房の認識は、SFと本格ミステリを組み合せた作という
ことである。つまりSFミステリなのである。内容的にもこれに相異ない。
いまだに、788のような具体的な論証を伴わない甘ったれた言説が垂れ流されるのは
不快としか言いようがないものがある。
791名無しのオプ:2005/11/13(日) 11:43:30 ID:TP35kNF8
>>789
というより反応レスつけるのは、当のコピペ犯だけだろ。
元の板で反論できないという甘ったれた根性の持ち主じゃないと、
コピペに反論なんて恥ずかしくも情けない真似はできないよ。
792名無しのオプ:2005/11/13(日) 12:20:04 ID:1xnN990l
>>791
そうでもないと思う。コピペするのは議論を喚起するためなんだろうし、スレタイに沿った内容であれば議論をするのは責められることではない。
793名無しのオプ:2005/11/13(日) 12:30:49 ID:TP35kNF8
>>792
コピペ厨&反応厨、自演乙w
そんなに議論したけりゃ引用元行ってやってこいや。
コピペで真の発言者の意見を捻じ曲げなけりゃ論破とやらもできないんだろw
甘ったれるな。
794名無しのオプ:2005/11/13(日) 13:03:46 ID:1xnN990l
>>793
スレタイに沿っているというのが重要なんだよ。誰かが間違って違うスレに誤爆したのかもしれないしな。それをしかるべきスレに誘導してやっていると考えることはできないかな。或いは同様の措置が取られたとかね。
スレタイに沿った話しをしている以上誰も責められることはないんだよ。
795名無しのオプ:2005/11/13(日) 13:34:35 ID:/xDV/6cb
>>794
どうやったら全く違う板のスレの書き込みをわざわざコピペしてこっちへ貼るなんて「誤爆」が
出来るんだ?
君もミステリー板住人なら君の推理を聞かせてくれないかね?
796名無しのオプ:2005/11/13(日) 14:00:13 ID:DrzjezE/
>>794
>誰かが間違って違うスレに誤爆したのかもしれないしな。

そう思ったのなら、まずあのレス(>>788)が書かれていたスレで
そのレスのオリジナルを書いた人に、誤爆かどうかを確認するべきでは?

そして、誤爆であることが確認されたら、そのレスのオリジナルを書いた人に、
本来のスレに書いてもらうように言えばそれで良いのでは?

そのオリジナルのレスが誤爆ではなかった場合のことを考慮するべきだろ。

ひょっとしたら、そのレスのオリジナルを書いた人は、こっちのスレには
書きたくなかったのかもしれないではないか?
その場合、書いた人の意思を無視したことになるわけで、
いくらスレタイに沿った話をしているからといっても、
それは責められて当然のことだよ。
797名無しのオプ:2005/11/13(日) 14:05:09 ID:/xDV/6cb
>>796
同意。
それも本人が書き込んだ板と全く違う板で「叩く」なんて卑劣極まりない。
書斎は今までも数々の不快な書き込みで住民から非難されてるのに、まだ分からないのかな。
まともにコミュニケーションをとる能力が完全に欠落しているのか、又は故意に荒らしているとしか思えないな。
798名無しのオプ:2005/11/13(日) 14:23:29 ID:1xnN990l
書いたものの思惑はともかく、あの内容ならばスレタイに沿った書き込みとしてこちらで話題にするのは大いにありだと思うが。逆に別の板でここでやるべき話題をするのがスレ違いだとは考えないのかな。
799名無しのオプ:2005/11/13(日) 14:31:05 ID:VeaQvzh/
誘導
ミステリー板自治スレ その4
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1101199828/l50

荒らしに加担したい人はどうぞこのままお続けください
そうでない方は誘導先で有意義な議論をどうぞ
800名無しのオプ:2005/11/13(日) 14:33:50 ID:/xDV/6cb
>>798

>>795については回答不能ですか?
801名無しのオプ:2005/11/13(日) 14:41:47 ID:1xnN990l
>>800
単なるミスリードなんで。レスをよく読まない人には返事が出来まへん。
802名無しのオプ:2005/11/13(日) 14:42:18 ID:j8iu+hWK
だからここでやるなって
803名無しのオプ:2005/11/13(日) 14:51:21 ID:1xnN990l
>>802
すんなりとスレタイに沿った議論を続ければいいんだけどね。見当違いな難癖なやめてね。具体的には書斎のように淡々と書き込めばいいと思うよ。
804名無しのオプ:2005/11/13(日) 14:54:32 ID:3gndGm0r
mis・lead
━━ vt. 誤って導く; 邪道に引き入れる; 判断を誤らす, 迷わす; 欺いてさせる
805名無しのオプ:2005/11/13(日) 14:56:47 ID:tbUL1NDH
構うとホモが感染する、スルーしろ
806名無しのオプ:2005/11/13(日) 15:00:30 ID:1xnN990l
>>790
>>>788は、あまりにもレベル低過ぎである。
>「魔術師が多すぎる」は、ダブルデイ社から
>ダブルデイ・サイエンス・フィクション・シリーズの1冊として刊行されたものであり、
>解説を担当したミッチーと早川書房の認識は、SFと本格ミステリを組み合せた作という
>ことである。つまりSFミステリなのである。内容的にもこれに相異ない。
ここで都筑道夫本人の解説を引用しよう。
「したがって、このToo Many Magiciasは、ダブルデイ・サイエンス・フィクションの一冊
として出たわけだが、クライム・クラブから出るべきだった、ともいえる。
舞台はサイエンス・フィクションものだけれど、
そこに展開される物語は、完全な推理小説、それも近ごろのアメリカには珍しい、
論理によって謎をとく本格推理小説だからだ」以上引用終わり。
で、どこが
>そして、最大の問題点は、最終的な謎解き(密室殺人)をSFミステリゆえの逃げ
なんだ?
807名無しのオプ:2005/11/13(日) 15:01:09 ID:1xnN990l
>>806の続き

それとダブルデイ社から出版されたのは1967年。
で、現在のこの小説に対する評価は、
「かつて日本ではSFミステリと目されていたが、欧米では
オカルト・ミステリの代表格として認識されている作品」
(ミステリ・マガジン2003年8月号23ページより引用)

まあ、1970年代に書かれた解説をそのまま鵜呑みにするヴァカには
SFに読めるかもしれないな。

ついでに正しい読み方の例も示しといてやろう。
ttp://www5a.biglobe.ne.jp/~sakatam/book/darcy2.html
これで林梅毒(仮名)がカーター・ディクスンの読みも薄味だったのが
はからずも露呈かつ証明されたな。
808名無しのオプ:2005/11/13(日) 15:27:24 ID:uR0zf2V1
>>806,807
文句のつけようない反論だが、レス乞食のSが正当な反論に対して承服したことがあったか?
よけいに暴論を振り回し、結果スレが荒れ、最悪廃墟になった例も少なくない
よってどのスレでも「反論はしてはいけない、したいのなら別なスレで」という注意書きがある
同じ土俵(スレ)で勝負するという行為は、いかなる正当な意見であれ“荒らし”もしくは“荒らしに加担”となる
まず貴方はそれを理解するべきだ
809名無しのオプ:2005/11/13(日) 15:28:36 ID:3gndGm0r
810名無しのオプ:2005/11/13(日) 15:52:29 ID:uR0zf2V1
>>809
住人の皆様、すみませんでした・・・。
811名無しのオプ:2005/11/13(日) 16:09:35 ID:/xDV/6cb
何だID:1xnN990lがコピペ荒らしか。
812名無しのオプ:2005/11/13(日) 16:16:13 ID:1xnN990l
>>811
荒らしている意識は微塵もありませんよ。スレタイに沿ってしかるべき誘導をしたまでのことです。これが批判の対象になるのであればスレタイに沿った書き込みがいけないということになると思いますが如何?
813名無しのオプ:2005/11/13(日) 16:45:25 ID:0j7aNYm4
>812
何で非難されてるのか理解できなきゃ、
スレタイを声に出して百回読んでみな
814名無しのオプ:2005/11/13(日) 16:47:43 ID:/xDV/6cb
>>812は最悪板の荒らしだな。
相手にするにを止めよう。
815書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/11/13(日) 17:00:33 ID:ft4d51sK
「魔術師が多すぎる」のミッチーの解説を、自己の都合が良いように部分的に引用して
いる奴がいるが、そもそも、この解説のタイトルが「SF本格推理小説」であり、
>>806で引用された部分の後には、アシモフやアンダースンの例を挙げて、SFミステリ
の系譜が述べられているのを見ればわかるとおり、本作を「SFミステリ」と把握して
差し支えないと考えていたことが読み取れるものである。
逆に、その内容を見れば、オカルト・ミステリという把握にこそ疑問が呈されてしかる
べきであろう。
816名無しのオプ:2005/11/13(日) 17:04:46 ID:0j7aNYm4
スレタイの読めない荒らしの元凶がきたな
817名無しのオプ:2005/11/13(日) 17:04:58 ID:1xnN990l
>>813
スレタイを読んだのですが特に問題なしと改めて判断した次第です。
818名無しのオプ:2005/11/13(日) 17:07:22 ID:tbUL1NDH
>>816
ホモはほっておきなさい。
時期にコピペも出来なくなって自滅するから
819あぼーん:あぼーん
あぼーん
820名無しのオプ:2005/11/13(日) 20:20:51 ID:1xnN990l
>>819
著作権に関しては2ちゃんねる内でのこのケースでは問題ないでしょう。ためにする議論はやめたらどうですか?
821読後感:2005/11/14(月) 02:17:28 ID:rC2js+HL
「夜の闇のように」ハーバート・ブリーン(早川書房)

写真記者フレイムはとある新聞記事を見て愕然とする。
そこには彼の昔の女友達の叔父が飛び降りたと書かれていたのだ!
フレイムは彼女の力になるべく活動を始めるが、
被害者の旅行には二つの目的があった。そしてそれらに基づく
複雑な人間関係がフレイムを悩ませる。
謎の行動をとる催眠術にかかった女、フレイムを脅すギャング、
そして遂に警察も彼を疑い始める…

前作「ワイルダー一家の失踪」で首尾良く人様の婚約者を奪った
フレイムは一足先に都会に戻り恋人の帰りを待っている。
そこに降って沸いた事件というわけで、恋人は最後の方にならないと
出てこない。前作からしてなまなかな後日談じゃ承知しないぞと
思っていたのに肩透かし。しようがないからミステリ部分について書く。

まず作中では催眠術の効果を認めている。これは疑う余地がない。
その上で展開していくが、ハードボイルド的な素地を
設けつつ本格をで肉付けするというこの時代にありがちなタイプ。
話の引きはなかなかで読んでる内はそれなりにモチベーションを
維持できる。読後の印象はあまり強くないけど。
あと(メル欄)の件は不自然だと思った。
ロマンス面に関して幾莫かの興味はまだあるので続編も読もうか。
822名無しのオプ:2005/11/14(月) 02:40:27 ID:wOX4IaZk
ブリーンは『真実の問題』という長篇が面白いよ。まだ読んでなければ、ぜひ。
823名無しのオプ:2005/11/14(月) 06:20:01 ID:dWKB39IG
削除人も余計なことをしたね。スルーできないDQS削除人には困ったものだ。
824名無しのオプ:2005/11/14(月) 13:32:16 ID:UlQvwz5d
先々まで問題が残るだろうなあ。
825名無しのオプ:2005/11/14(月) 16:16:41 ID:UlQvwz5d
今回はコピペと引用を取り違えたかな。
削除人はもっとしっかりして欲しいよ。
826名無しのオプ:2005/11/14(月) 16:25:49 ID:wOX4IaZk
他人の文章を改竄して貼り付けただけの>>819は、引用かね? コピペかね?
せっかくコピペしたのが削除されて、そんなに悔しいのかね?

いんよう 0 【引用】
古人の言や他人の文章、また他人の説や事例などを自分の文章の中に引いて説明に用いること。
「古典の例を―する」
827名無しのオプ:2005/11/14(月) 16:32:36 ID:Jg04c/U/
>>826
引用なんじゃないかな。スレの流れ全体から見て意味があるレスだからね。
流れを遮断する無意味な文字列ではないものね。
828名無しのオプ:2005/11/14(月) 16:50:51 ID:7eGCnb6U
「原文ママ」であり出典元を証してこその引用。
発表者の原文を一部削ったりて書き直したり、
どこにあった文かをクローズドにするのは引用とは言わない。
小説系の板に常駐する者にとっては、これ常識。
829名無しのオプ:2005/11/14(月) 16:57:56 ID:Jg04c/U/
>>828
言いたいことはわかるけど、ここは2ちゃんねるだからねえ。
830名無しのオプ:2005/11/14(月) 17:04:57 ID:NTvN88JQ
その2ちゃんねるを運営する立場の削除人さんが「コピペ」として
削除した以上、意味ある引用なんかではなく「コピペ」なわけですよ。
たかが一利用者がどうこう言えることではないわけでね。
嫌なら2ちゃんを出て、外で好きなだけ「引用」して反論するか、
削除議論板でも行けばよろしい。
831名無しのオプ:2005/11/14(月) 17:06:51 ID:7eGCnb6U
>>829
「2ちゃんねるだからねえ」でブツ切りにしないで
最後まで書くべし。

「2ちゃんねるだから」なに?
832名無しのオプ:2005/11/14(月) 17:19:24 ID:UlQvwz5d
今回の削除判断には無理があった。それだけのことなんだがなあ。
833名無しのオプ:2005/11/14(月) 17:28:29 ID:NTvN88JQ
>>832
ここで何書いても削除人さんには伝わらないので、異議があるのなら
こちらでどうぞ。

http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sakud/1082884751/l50
834名無しのオプ:2005/11/14(月) 17:31:41 ID:2hqkUXrN
>>832 の ID:UlQvwz5d さん および この人にレスを付けている皆さんへ

・まず、このスレはスレタイやスレの>>1にあるように、
 『海外ミステリーの読了報告、感想など』を書く為のスレです。
 今あなた方が話題にされていることがらは、スレ違いになります。

・よって、最低でも『ミステリー板自治スレ その4』
 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1101199828/
 に移動してください。
 その話題の議論を続けるのは、移動してからにしてください。

・ID:UlQvwz5d さんへ
 削除人が行った削除の判断に問題があるというのでしたら、
 完全に板違いの話題になります。
 削除議論板などの、議論をするのに相応しい板に移動してから
 議論を行ってください。
835名無しのオプ:2005/11/14(月) 18:30:58 ID:UlQvwz5d
何を企もうが書斎のレスは削除されないから。なにしろスレタイに沿った書き込みだからねえ。
836名無しのオプ:2005/11/14(月) 21:26:17 ID:+NDdXKcz
「死者はよみがえる」 ディクスン・カー(創元推理文庫)
ビール会社の御曹司クリストファー・ケントは、ヨハネスブルクからロンドンまで
無銭旅行ができるかどうかという賭けを知人と行った。それから10週間後、苦労の末
ロンドンに辿り着いたクリストファーは、空腹のあまりホテルで無銭飲食を企んだ。
ところが、そのホテルで従兄弟の妻の死体を発見してしまい…。

かなり無茶している不可能犯罪。
この内容ではアンフェアと感じる人が多いのではないかしら。
カーらしいと言えばらしいのだけど、ちょっとやりすぎのような気がします。
それでも、読了直後は壁に投げつけてやろうかと思ったくらいだったのに、時間を
おくにつれて愛すべき作品と思えるようになってきたのは不思議。
837名無しのオプ:2005/11/14(月) 22:27:59 ID:UlQvwz5d
カーか・・。カー研究の第一任者書斎さんのコメントが楽しみだなあ。
838読後感:2005/11/15(火) 00:52:43 ID:G+bvrUgy
「五つの箱の死」カーター・ディクスン(早川書房)

深夜に家路についたサンダース博士は、途中街灯の光の中に佇む
若い女性に出会う。彼女は目の前のビルの一室に
一緒に入って欲しいという。その部屋でサンダースは
座ったままで身動き一つしない4人の男女に出くわす。
どうやら毒を飲まされたらしい。しかもその内の一人は
背中を刺されて絶命していた…。

しょっぱなからカーらしさ全開です。何が起こってるのか
さっぱりわからないw 被害者達の奇妙な所持品の数々、それぞれの名前が書かれた
五つの箱の秘密、神出鬼没の謎の男と道具立てはバッチリ。
瀬戸川猛資にネタバレ食らって心配だったけど、取り越し苦労でした。
というのも自分はクリスティの(メル欄)みたいなものかと
思っていたので。そうじゃなくてちゃんと「いる」んですよね。
しかしラストの意味が良く分からなかったな。
839名無しのオプ:2005/11/15(火) 05:16:45 ID:AMLP29jX
>>838
書斎さんのレスを読み直してみな。自分の書いたことが恥ずかしくなること請け合いだから。
840名無しのオプ:2005/11/15(火) 06:15:13 ID:WLdavdwZ
その意味なら書斎に聞いてみなよ。彼がカーの権威だからさ。
841名無しのオプ:2005/11/15(火) 10:50:09 ID:WLdavdwZ
一部の人間が騒いでいるが、スレタイに沿った雑談がどうして荒らしになるかなあ。理解に苦しむよ。
842名無しのオプ:2005/11/15(火) 11:46:33 ID:WLdavdwZ
よそのスレでいちいち書き込みに難癖をつける方がよほど荒らしだと思うがなあ。
843名無しのオプ:2005/11/15(火) 12:34:06 ID:8Njnlfbt
朝から繰り返し、なんでそんなに必死なのさw
844名無しのオプ:2005/11/15(火) 15:16:02 ID:WLdavdwZ
普通の書き込みを荒らし扱いする連中がいるからね。スレ活性化と平和のためならしょうがない。
845読後感:2005/11/15(火) 17:28:13 ID:G+bvrUgy
「クライム・マシン」ジャック・リッチー(晶文社)

奇妙な味の短編集。晶文社は相変わらずいい仕事してくれる。
ちなみに表題作は既読だが忘れていた。
すごく短い話が多くて実に読みやすかった。まずは「歳はいくつだ」の爽やかさに乾杯。似たような映画が
あったけれども、こちらの方がずっと共感できる。
それからすらりと無駄のない「殺人哲学者」や「旅は道連れ」は
ショートショートのお手本のよう。
「日当22セント」「エミリーがいない」「デヴローの怪物」といった
ひねた味わいのある話も新鮮で良い。というか本来こうなるのが
自然、という気もするが。連作ものではアウターな「縛首の木」と
理想的な本格ミステリ「カーデュラ救助に行く」を挙げておく。
読むべし。
846名無しのオプ:2005/11/15(火) 17:50:51 ID:efmpreQl
自治スレにも書きましたが、自治スレをご覧になっていないかたの為に、
こちらにも一応書いておきます。

最近こちらのスレに、荒らしと思われる人の書き込みが見られます。
その書き込みに対しては、全て無視して一切レスをつけないでください。

もしも、荒らし行為について何か書きたい場合には、自治スレに移動して、
そちらに書くようにして、こちらのスレには書かないようにしてください。

こちらのスレには、スレの趣旨に沿った話題だけを書くようにしましょう。

よろしくお願い申し上げます。
847名無しのオプ:2005/11/15(火) 17:58:14 ID:TQKJw2Mi
「ロジャー・シェリンガムとヴェインの謎」 アントニイ・バークリー(晶文社)
シェリンガムはクーリア紙の編集長からラドマスで発生した墜死事件の調査を頼まれた。
従弟と現地に向かったシェリンガムは、事故死と判断されていた事件に対し他殺の疑いを
持ち始める。
やがて、事件を再調査していたヤードの名警部モーズビーも登場して…。

シェリンガムシリーズの第三弾。
ミスディレクションが上手く機能していなくてミステリとしてはイマイチな作品でしたが、
それよりもシェリンガムのヘッポコ迷走っぷりを楽しむべき作品なのでしょう。
モーズビー警部が口にするラストの一言はミステリ史上に残る名台詞じゃないかと思います。
こんなこと言われたら、どうすればいいのやら。
848名無しのオプ:2005/11/15(火) 20:05:50 ID:AMLP29jX
>>846
荒らしではないという見解が出たんだがね。
スレには流れというものがある以上な。
おまえのような書き込みのほうがこの場合よほどスレの流れを断ち切る荒らしだと思い知るべき。
849名無しのオプ:2005/11/16(水) 15:50:26 ID:suZTev5M
しかし読後感もひまなんだなあ。
2ちゃんと読書に入り浸り。どんな実人生なんだろうねえ。。
850名無しのオプ:2005/11/16(水) 17:02:30 ID:306CcT2+
そんなこと言ったら新刊紹介スレの1なんて…
851名無しのオプ:2005/11/16(水) 19:17:22 ID:TWkUoBwC
>>850
荒らしはほっとけ
852名無しのオプ:2005/11/16(水) 21:27:43 ID:0mulmoa4
「マネキン人形殺害事件」 S・A・ステーマン(角川文庫)
その事件は小さな田舎町で起きた。洋服屋から盗まれた人形が線路に置かれていたのだ。
しかも人形は手足を切られ、原形を留めないほどに顔をメッタ刺しにされていた。
偶然居合わせたマレイズ警部は事件の裏に大きな悪意を見て取り、捜査に乗り出した…。

設定から「人形はなぜ殺される」を想起しましたけど、関連性はなし。
鮎川センセイが絶賛していたというので大いに期待して読んでみました。
…しかし…困った。どこがいいのか、さっぱり分かんない。
具体的な裏づけなしに主人公・マレイズ警部が妄想だけで突き進んでいくので納得しにくい。
これがモース警部のような遊びのある思考なら受け入れられるのですが…。
余談。ウエンセスラス・ヴォロヴェチックの存在が星影龍三とダブってしかたないです。
853名無しのオプ:2005/11/18(金) 12:45:41 ID:S8Ga0Htg
「ギデオン 神の怒り」ラッセル・アンドルース(講談社文庫)
をブックオフで105円でゲット。

主人公カールは作家志望の青年。アメリカ最大手の出版社から、
さる大物の回顧録のゴーストライターの仕事が舞い込む。大物の
名前は「ギデオン」としか教えられていない。だが与えられた
資料には「ギデオン」が自ら犯した殺人の事実が綴られていた。
・・これは回顧録などではない。暴露本なのだ。そして
「ギデオン」とは何者なのか。
やがてカールの周囲で起こる連続殺人事件。カールはその犯人と
して、警察と殺し屋から追われる身となるが・・。
854853:2005/11/18(金) 12:52:20 ID:S8Ga0Htg
よくある「逃亡もの」。主人公が陰謀に巻き込まれ、
必死に逃亡しつつ真実を暴露する、というストーリーだ。
まあ、「神の怒り」っていうほどすごい内容じゃないが、
逃亡ものとしてはよくできている。
ストーリーの中では、黒幕らしい人物も、殺し屋も複数
出てきて、殺し屋同士で殺し合いしたりするので、読者は
なかなか真相がよめない。
そして、アメリカのサスペンス・スリラーにお約束の
どんでん返しだ。・・ううん、この手で来たか、と思わせて
くれる効果的などんでん返しが、最後に用意されている。
105円はトクだったと思わせる小説だよw
855書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/11/19(土) 20:32:42 ID:LOu7MsuZ
ジョン・スタインベック「怒りの葡萄」を冒険小説として再読してみた。
資本家により土地を追われ、新天地カリフォルニアを目指すオーキー、ジョード一家の
流転が、文豪の重厚かつビビッドな筆使いにより綴られてゆく名作中の名作だが、
リアリティ重視の真の「冒険」とは何かを痛感させる作でもある。
生活のため、生きるための真の冒険には、派手なアクションなど皆無、辛く厳しい
日々の行程が続くのみなのである。
ジョード一家の旅立ちまでには、10章(文庫本で200頁以上)が費やされて
いるが、この巨大とも言える「前振り」が後半効いて来るのである。
キャラが立ちまくりなジョード家の爺さん、婆さんが前半部分であぼーんになってしまう
のが非常に残念だが、メーンキャラに限らず、短編の名手でもあるジョンだけあって、
傍にも個性的で印象的なキャラが続出し、これが読みどころでもある。
856書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/11/19(土) 20:34:08 ID:LOu7MsuZ
第2章に登場し、トム・ジョードと絡むトラックドライバーに始まり、
死ぬときまで墓場の老いぼれ幽霊を自称し、ただひとり故郷の農場跡に残る農夫
ミューリー・グレーブス、途中ジョード一家と同行することになる親切なアイビーと
セリーのウィルソン夫妻、そして第16章中盤にほんのチョイ役で登場する
サービス・ステーションの片目の男等々
特に第15章は、国道沿いの軽食堂に集う人々(コック、メイド、客であるトラックドライバーたち)の視点で、移住者の姿を客観的に描いた独立した短編としても鑑賞に
耐える出来栄えの作で、からっとしたアメリカ版人情噺の感がある仕上がりとなっている。
そしてこれらの人間群像から浮き彫りとなって来る30年代の大不況という時代、
今さらながら、見事な筆力と構成力と言わざるを得ないものがあり、
同じジョンでもカーとは大違いである。
モーゼの出エジプト記に喩えられることが多い作品だが、バイブルとの関連を見ると、
神の恩寵を受けたノアに見捨てられた人々の物語(ジョード家の長男ノアは中盤で物語からひとり離脱してしまう)、ジョード家のおっ母と長女ローザシャーン等による聖母物語
(特にラストにこの印象を強く受ける)とも読み得るのではなかろうか。
美少女探偵、黒マントの怪人、奇怪な密室、謎の美女、マルボーロライトを横ぐわえした
タフガイ等々、くだらない絵空事に耽溺しているミスヲタ連中には、
これほど躊躇無く、この言葉を投げかけたい1作はない「心して読め!」と。
857名無しのオプ:2005/11/19(土) 21:29:06 ID:B4qVUMLU
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| ○糞レスする奴は常に誰かの反応を待っている。構って欲しくてしょうがない。
|| ○複数回線で複数IDを使って自演をしているから要注意。
|| ○ウザイと思ったらとにかく放置。完全無視。脳内あぼーん。存在抹消。
|| ○糞レスにレスするやつも荒らし。ノセられてレスしたらその時点でお前も荒らし。
|| ○「糞レスウザイ」と書いた時点で糞レスをしたのと同等とみなす。  
||  糞レスを無視するとは、あたかもそこに糞レスが存在しないかのように振る舞い
||  糞レスに関する一切のレスをしないことを意味する。    
|| ○それでも糞レスに我慢できないという人は        
|| そもそも2ちゃんを使うのに向いていない。逝ってよし。      ∧ ∧
|| ○ここはお前の妄想を書き散らかす場所ではない。.    \(`・ω・´) キホンダゾ!
|| そういうことは広告の裏にでも書いて一人で楽しんでろ。   ⊂ ⊂ |
||___

糞レスは徹底放置でよろ
858暇後感:2005/11/20(日) 17:06:29 ID:zNC2CedV
「密室殺人コレクション」二階堂黎人・森英俊共編(原書房)

海外アンソロジー。
およそ半分を占める「つなわたりの密室」(J・T・ロジャース)は
心配した通りの弩アンフェア。何なんだろうね、
こういうのを評価する風潮って。死ねばいいのに。
他はそれぞれ面白かった。
1、「カスタネット、カナリア、それと殺人」(ジョゼフ・カミングス)
2、「インドダイヤの謎」(アーサー・ポージズ)
3、「ガラスの橋」(ロバート・アーサー)
1はほんと快哉もの。酔ったね魅力に。2は簡単で巧い。
3も頑張ってる。世界初の「足跡のない殺人」もの
「飛んできた死」(S・H・アダムズ)も良質なバカミスで満足。
「四つ辻にて」や「これが密室だ!」も読もう。いつかきっと。
859暇後感:2005/11/21(月) 13:39:45 ID:ha2AZfBN
「アプルビイズ・エンド」マイケル・イネス(論創社)

出張の途中、汽車の中で知り合った男の家に泊まることになった
アプルビイ警部。奇しくも降り立った駅の名はアプルビイズ・エンド。
一風変わったレイヴン家の人々に戸惑うアプルビイはそこで
宿命の女ジュディスに出会う。思わぬことから彼女と二人で
見知らぬ土地をさ迷うことになった彼は、
レイヴン家の召使いの死体を発見するのだった。
頻発する奇妙な出来事の陰に隠されたつながりとは?

典型的な英国ユーモアミステリー。牛が彫刻に変わったり、
少年が蝋人形に変わったり、自分の名前を刻んだ墓石が
送られてきたりとサービス満点。最後の一撃まで用意してある豪華さ。

最初は、警察官探偵が巻き込まれてどうする、と思ったがそこは
きちんと処理してあって安心。

これで残るはアレンアガサだな。ナイジェルやキャンピオンも
気にはなるけど。
860暇後感:2005/11/22(火) 15:04:28 ID:c2xEVhJl
「生きている痕跡」ハーバート・ブリーン(早川書房)

雑誌記者ディーコンはある夜同級生だったアーチーと再会する。
彼はディーコンにある男の話をした。その男が確かに死んだことを
自分は知っている。しかし、最近彼に会ったという人が何人もいる
というのだ。最初は相手にしなかったディーコンだったが、
次第にアーチーの話を信じ始める。そして調査を進めるうち、
事件は解決に向かうかに見えたが――。

「真実の問題」も読む予定だから心配しないでね☆
中盤で一度片を付けてからひっくり返すという二重構造に
なっている。本格だけどアクションもあってそこは60年代への
適応性が見られて良い。ラストの解決も勇み足のようでその実
伏線もありそれをしっかり回収している。
まあ水準作といったところか。
犯人が手紙の文面をどうやって知ったかが気になるけど。
861名無しのオプ:2005/11/22(火) 18:21:33 ID:F0vW5ddZ
ここはコテハンスレじゃないんだから、読後感はいい加減にすべき。
862名無しのオプ:2005/11/22(火) 19:09:40 ID:Jpvjd90H
「思考機械の事件簿I」 ジャック・フットレル(創元推理文庫)

日本で独自に編集された思考機械の短編集。
思考機械ドゥーゼン博士が事あるごとに「論理」と言うわりに論理性は低く、フェアプレイ
クソ食らえという感じ。冒険小説的な立ち回りが見られるのは、書かれた時代が時代だから、
ということなのでしょう。
全体的に科学知識をベースにしたトリックが多いのも特徴。
中にはちょっと無茶じゃないかと思えるトリックがあり、「謎の凶器」とか「水晶占い師」
あたりになるとバカミスと呼ばれかねないような気もします…。
863書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/11/23(水) 12:50:23 ID:Tx5EAlja
フレッド・カサック「殺人交叉点」(新訳)を読んだ。
記述が肝となる作だが、評価に賛否はあれどAほどのインパクトは無い。
本作を読んで喜んでいるのは、月曜7時の「名探偵コナン」をビデオ録りし、
「今晩もなんとも神がかりな推理キター!」とか叫びながら、
夜中に再生して欠かさず見ているようなレベルの連中であろうかと思う。
そもそも、仏語という言語(というか、同様な特性を持つ言語、独語はOKだが英語は
駄目)の特性のひとつを巧みにクリアしたところにこそ、本作のトリックの面白さが
活きて来るのだが、これを日本語訳しては興醒めである。
併録されている「連鎖反応」という作も、フランス人らしいシニカルな仕上がりの作では
あるが、ブラックユーモアをまぶしたコントとして評価するのであればともかく、
ミステリとしては動機の説得力が無く、極端な偶然性に頼った展開も白けることこの上
ないものがあった。
864名無しのオプ:2005/11/23(水) 13:15:07 ID:zP6xsmok
なるほどね。参考になるなあ。いつもさんくすこです。
865名無しのオプ:2005/11/23(水) 16:21:50 ID:qF5yCckM
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| ○糞レスする奴は常に誰かの反応を待っている。構って欲しくてしょうがない。
|| ○複数回線で複数IDを使って自演をしているから要注意。
|| ○ウザイと思ったらとにかく放置。完全無視。脳内あぼーん。存在抹消。
|| ○荒らしコピペにレスするやつも荒らし。ノセられてレスしたらその時点でお前も荒らし。
|| ○「糞レスウザイ」と書いた時点で糞レスをしたのと同等とみなす。  
||  糞レスを無視するとは、あたかもそこに糞レスが存在しないかのように振る舞い
||  糞レスに関する一切のレスをしないことを意味する。    
|| ○それでも糞レスに我慢できないという人は        
|| そもそも2ちゃんを使うのに向いていない。逝ってよし。      ∧ ∧
|| ○ここはお前の妄想を書き散らかす場所ではない。    \(`・ω・´) キホンダゾ!
|| そういうことは広告の裏にでも書いて一人で楽しんでろ。   ⊂ ⊂ |
||___

糞レスは徹底放置でよろ
866名無しのオプ:2005/11/25(金) 22:09:20 ID:OzSNGo6U
>>865
糞コテ=暇後感でオケでつね?
867名無しのオプ:2005/11/25(金) 22:09:28 ID:OzSNGo6U
>>865
糞コテ=暇後感でオケでつね?
868名無しのオプ:2005/11/25(金) 22:48:16 ID:rtCuG24V
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/saku/1108992664/302
>302 :名無しの汚物 :05/11/25 22:45 HOST:61-22-119-2.rev.home.ne.jp<8080><3128><8000><1080>
>削除対象アドレス: http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1072265453/861
>http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1072265453/866-867
> 削除理由・詳細・その他: ・コテハン叩き
>・議論を妨げる煽り、第三者を不快にする暴言
>
>よろしくお願いします。
869読後感:2005/11/30(水) 15:03:41 ID:3UdKssAV
「疑惑の影」ジョン・ディクスン・カー(早川書房)

敏腕弁護士バトラーは毒殺容疑の掛けられた娘を見事無罪にする。
しかしそれとほぼ同時に被害者の義理の甥も毒殺されてしまった。
バトラーは美しい未亡人に翻弄されながらも真相にたどり着こうと
試みるが…。

以前読んだ乱歩のエッセイで「予告殺人」「ダブル・ダブル」
「疑惑の影」とほぼ同時期に出た巨匠達の作品を取り上げて
後ろ二つは凡作と言ってたもんだからあまり期待してなかったけど、
犯人はわかりませんでした!そうきたか!と。
巧い心理&アリバイトリックですね。
特に難解な部分もなく読みやすいのでカーの入門書に
良いのではないでしょうか。
870書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/03(土) 14:25:40 ID:tHjcUff6
久々にフレデリック・フォーサイス「ジャッカルの日」を再読した。
フォーサイスの初期3作はどれも面白く、今読んでも一読巻を置かせないものがあるが、
本作はデビュー作ということもあって、ストーリーテリングの問題として事件の背景に
関する説明がくど過ぎる感があること、殺し屋ジャッカルによるドゴール大統領暗殺
計画失敗という結末は見えているというスリラーとしての構成上の弱さが内包されていること、クライマックスのルベル警視とジャッカルの対決はお約束過ぎて無理に作った感
が否めないこと等々、
(まさにフランス版コロンボの趣があるルベルはこの大立ち回り以前に静かに退場し、
傍観者としてラストに登場するという展開にして欲しかった。これ以前の捜査に関する
記述がリアルで迫真性に富むものだけに落差が残念だ)
不満点・欠点は、いくつも挙げることが出来るが、第2作「オデッサファイル」に
登場するナチス戦犯の逃亡組織オデッサ(実際は、小説に描かれたほど強大・強力な
組織ではないそうな)や第3作「戦争の犬たち」に登場する傭兵という職業が、
衆知のところとなり、ネタとしての斬新さを失った今となっては、
かえって歴史ミステリに分類しても差し支えない時代設定の本作が、
かえってその古さに抵抗を感じさせず、他の2作よりも、より面白く読めるものと
なっている。
本筋には関係しない細かい点だが、自白することを「歌う」と警察の隠語で訳すのは、
この当時からあったのだと、今回気付いた。
871読後感:2005/12/03(土) 17:27:17 ID:uZtBjFyJ
「怪奇礼讃」中野善夫・吉村満美子編訳(東京創元社)

怪奇小説のアンソロジー。短いものばかりで読みやすい。
が、どうもあまり自分には合わなかったようである。
ただ「死は素敵な別れ」(ベアリング=グールド)は非常に
ユーモラスな怪異譚であり気に入った。他に
「オリウァー・カーマイクル氏」(ノースコート)も爽やかな印象。
「跫音」(ベンスン)は八雲の有名な短編に似た落ちが興味深く、
「髪」(アラン)「溺れた婦人」(アリントン)等は
そのはっきりとしたプロットが幼稚な自分の好みに合っていた
ようである。ちなみに後者は笹沢の短編に似たものがあった。
872名無しのオプ:2005/12/03(土) 20:04:36 ID:wQn8Q65j
読後感よ、書斎さんへのライバル意識剥き出しで必死だなww
873名無しのオプ:2005/12/04(日) 00:20:23 ID:d1bfmlAZ
「ストリート・キッズ」ドン・ウィンズロウ

積んでいたのをなんとなく思い立って読んでみたら凄く良かった。
今まで放っておいたのを後悔。
「心臓の鼓動が聞こえる場所」の静かで切ない情景とか、素晴らしい。
874名無しのオプ:2005/12/04(日) 17:47:00 ID:jEtybISs
P.ボアロー『殺人者なき六つの殺人』(講談社文庫)

パリのアパルトマンで銀行家夫婦が狙撃される、という事件を筆頭に、タイトル通り6つの殺人事件が起こる。
真相が暴かれてみると、因果関係が連鎖しているので、6つもある殺人はすべて必然であることがわかる。
ただし、全体で250Pしかないため、次から次へ事件が起こって慌しい。
ひとつの事件を反芻する時間がないので、不可能性の強調も足りていない。
一番いけないのは、形として容疑者が存在しないことだ。
犯人の可能性があるのは一人しかなく、読者にとっては簡単に先が読めてしまう。
殺人の因果関係については、よく練られていると思うだけに惜しい。
小説としての面白みはほとんどないが、古典本格マニアであれば読む価値はあるのではないか。
875書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/05(月) 22:37:42 ID:oQZtutPb
フレデリック・フォーサイス「戦士たちの挽歌」(表題作他2篇を収録)を読んだ。
「シェパード」「帝王」等への収録作品を読めばわかるとおり、長編スリラーのみならず、かっては中・短編の名手でもあったフォーサイスの衰えを如実に感じさせる作品集である。
表題作は、英米の裁判制度に興味がある者や「裁判所法」あたりを履修し興味を持った者には比較法学的に面白く読めるかもしれぬが、英国の裁判制度に関する説明がうるさ
過ぎて本筋への興味を殺ぐ結果になっている作、つまり薀蓄がメーンのネタを邪魔する
結果となっているのである。(本来、作品における薀蓄はメーンのネタを惹き立てるもので
なければならないのだが)
事件や登場人物には工夫が凝らされており、書き方によっては87分署シリーズのような
警察小説的面白さを狙えた作品になったかもしれないのに残念である。
「競売者のゲーム」は、長編でじっくり書き込めば印象も違ったのであろうが。
誰か読んでも「巧く行き過ぎだろ」と思うであろうご都合主義で筆を急ぎ過ぎた感が
ある作。大規模な絵画オークションという、これもまた日本人には馴染みが薄いネタが
ストーリーへの没頭を阻害しているのも難だ。
「奇蹟の値段」は、3篇の中で一番短く、軽い作だが、へンリイ・スレッサーのような
オチは、フォーサイスらしからぬものがあり、今ひとつ評価し難い。
短編でも、初期のような骨太なものを書いて欲しい気が強くしてしまうのである。
876名無しのオプ:2005/12/06(火) 06:42:51 ID:8NfXZCuS
書斎の読書ペースはすごいなあ。読み込みも深いし、読後感なんてお呼びでないよなあ。
877名無しのオプ:2005/12/06(火) 07:18:37 ID:MCqTfRbS
読後感氏の読書ペースはすごいなあ。読み込みも深いし、書斎なんてお呼びでないよなあ。
878名無しのオプ:2005/12/06(火) 09:43:33 ID:PjB/zs4J
どっちもお呼びでない。
879名無しのオプ:2005/12/06(火) 14:59:17 ID:IMleLryt
880読後感:2005/12/06(火) 17:54:47 ID:TEdXregz
「もう生きてはいまい」ハーバート・ブリーン(早川書房)

婚約者と結婚するため彼女の親戚の許を訪れたフレイムは、
故あって曰くのある館に宿泊を余儀なくされ、そこで彼は
神出鬼没のランプや謎の足音に悩まされる。その部屋では
独立戦争時ある将校が死んでいた。さらについ数週間前には
同じ部屋に逗留していた青年が謎の逃亡をしたというのだ。
そして間もなくフレイムはその男とおぼしき死体を発見してしまう。
果たして彼は無事事件を解決して結婚することが出来るのか?

略奪愛の仕上げにかかる我等が新聞記者君ですが、
今回の事件もまた盛りだくさんでその道は容易ではありません。
犯人の目星は着き安いもののメイントリックには驚かされた。
伏線もあるし。
その他足音のトリックも感心した。
881名無しのオプ:2005/12/07(水) 21:12:29 ID:GlKmznHM
書斎さん、もう少しだけ改行してもいいんじゃね?
882名無しのオプ:2005/12/07(水) 21:31:04 ID:1i1sJlyU
改行以前の問題だろ、書斎は。
883名無しのオプ:2005/12/10(土) 00:22:51 ID:c22AFE7O
「千尋の闇」ロバート・コダード 創元推理文庫
ブックオフで160円でゲットォーー!
105円のやつ2分冊で210円のところを、
ポイント使って50円オフ。安いねぇ。これじゃ
新刊売れなくなるのも解るわな。

私(主人公)はクビになった元歴史教師。無為に過ごして
いたところを、友人の招きでリゾート地、マデイラ島に
滞在することに。そこで知り合った富豪に、二十世紀初頭に
失脚したある政治家の未発表回顧録を見せられる。私は富豪に
依頼されその回顧録を読み始めた。回顧録のなかでその政治家は
女性スキャンダルに巻き込まれて失脚したわが身の無念を
綴っていたるのだが・・。私は奇妙なことに気づいた。
その女性スキャンダルの当人は、実は私の妻の祖母なのだ。
これは偶然なのか・・・。
陰謀の影を見ながらも、好奇心にかられた私は自ら渦中に
飛び込んで行くのだが。
884883:2005/12/10(土) 00:29:36 ID:c22AFE7O
なにをいまさらのロバート・コダード。
コダードスレでは最高傑作と評価の高いこの小説は、
彼の処女作でもある。

この前に、最新訳の「悠久の窓」を読んでいるが、
むしろ「悠久の窓」のほうが描写も洗練されていて、
作品の円熟味が増しているような気がする。
でも、コダードスレでは評価低いんだよな。
この小説は処女作というだけあって、設定が1970年代
でもあり、俺としてはいささか違和感があったりで・・。
まあコダード最大の魅力、迷路のようなプロットは
この処女作から全開ではあるが。
885名無しのオプ:2005/12/10(土) 01:00:13 ID:Q4LxU7fc
ゴダードなんじゃないかな。
886書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/10(土) 19:37:53 ID:qpAkvARm
フレデリック・フォーサイス「アヴェンジャー」を読んだ。
ボスニア紛争中にNGOのアメリカ青年を惨殺したゲリラのリーダー拉致を依頼
された元ヴェトナム戦争帰還兵(今はローヤー)は、単身、ターゲットが潜む
南米へと向かった。そして、ちらつくCIAの影…
このように書くと、興を惹くものがあるが、
短編ほどの衰えは感じないものの、初期作品に比較して劇画調で御都合主義に過ぎる
展開は大人の読物、知識人のエンタメとしてはいかがなものかと思う。
主人公の名はキャル・デクスター、若い頃はジェームス・ディーンに似ていると言われた
ことがあるというエピなど、映画「エデンの東」でディーンが演じた主人公の名前が
キャルであることを知っていれば、「ニヤリ」とするところであり、
ヴェトナムの激戦地を称した「ダンテの地獄篇」という兵隊の言葉を、キャルが
「どこか他の部隊の奴のことか」と思う場面等、細かいお遊びは面白くなくはないのだが、
フォーサイスに期待するのは、スリリングで巻を置かせぬ本筋のスリラーなのだが…
887名無しのオプ:2005/12/10(土) 21:50:17 ID:QbXrEgk+
そうか、良かったな
888名無しのオプ:2005/12/11(日) 14:33:50 ID:7iug/d0/
647 名前:悩めるリア厨 投稿日:2005/12/06(火) 17:04:38 ID:iy16e2ra
「ドグラ・マグラ」と異名をとる文豪・夢野先生のファンです。夢野先生の代表作を系統的に読んでみたいので要領のいい読書プランを教えてください。

649 名前:名無しのオプ メェル:sage 投稿日:2005/12/06(火) 18:15:27 ID:Exy2jwOG
ファンなのにどの本を読めばいいのか教えてほしいの?
それってファンとは言わないんじゃないですかぁ

650 名前:名無しのオプ 投稿日:2005/12/06(火) 19:10:01 ID:+7d35+Eo
649は口汚い荒しか。「優雅」を名乗る他板コテハンの自演可能性あり。

651 名前:名無しのオプ 投稿日:2005/12/06(火) 19:30:53 ID:+7d35+Eo
>>>647
右翼の大物杉山茂丸翁の一子として九州地方に誕生したのが我らが異端作家・夢久。
ウヨ嫌いの2ちゃんねらーには「何とも反時代的なウヨ作家キター!キター!コレ」と著書も読まずに焚書せんとする慌て者ブサヨも多かろうが、
その作風は反動ウヨとは無縁の異端にして幻想的なもの。
ペンネームの由来にもなっている「夢のような事ばかりほざくな!」と一喝した厳父への反発が、
後に創作への道を歩ませたのだから当然である。
総称してドグラ・マグラと称される一大叙事詩の趣がある作品群は、どこから読んでも
一貫した世界観を協賛しておりバルザック「人間喜劇」に匹敵する東洋の精華である。
どこから読んでも構わないがまずはデビュー作「あやかしの堤」から入るのが初学者には相応しい。
889名無しのオプ:2005/12/11(日) 14:34:15 ID:7iug/d0/
652 名前:名無しのオプ 投稿日:2005/12/06(火) 19:37:12 ID:+7d35+Eo
書斎さんのレスはためになります。どこかの偽コテハンとは大違い。

653 名前:名無しのオプ メェル:sage 投稿日:2005/12/06(火) 20:10:36 ID:ZFfzn8xu
>>652
どれが「書斎さんのレス」なんだよ?

654 名前:名無しのオプ メェル:sage 投稿日:2005/12/06(火) 21:04:22 ID:JmelPQ8e
ID:+7d35+Eoは病棟からレスしてます
意味不明なのは許してあげて下さい

655 名前:名無しのオプ メェル:sage 投稿日:2005/12/06(火) 21:17:13 ID:X6EDvifI
久作スレにリアル狂人キター!キター!コレ

656 名前:名無しのオプ メェル:sage 投稿日:2005/12/06(火) 23:03:56 ID:MkSvIvPX
>>650-652
おい、ID変えるの失敗しとるぞ

658 名前:名無しのオプ メェル:sage 投稿日:2005/12/07(水) 00:40:24 ID:msIudbK4
これが狂人の解放治療か
890書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/11(日) 20:15:33 ID:TK7N0NYw
ハリイ・ホイッティントン「殺しの代償」を読んだ。
ペーパーバックミステリ(原書)と百円均一台の相性の良さを感じさせる作で、
その共通するチープさに、「内容」と「場」がマッチしたという感がある。
まさに、均一台で売り飛ばし、2時間で読み捨てにするに相応しい作である。
ストーリーは、敏腕弁護士の妻殺しというありふれたものだが、広大な米大陸ならではの
体力勝負の犯罪計画とシニカルな陥穽がスピーディに描かれ、一応、面白く読ませる
(エンタメの場合これが肝要)。
しかし、この犯罪計画、大雑把に見えながらも、犯罪数が激増し捜査もラフにならざる
を得なかった70年代以降であれば、現実だったら十分に迷宮入りになったのでは
ないだろうか。
891名無しのオプ:2005/12/11(日) 21:49:16 ID:23S4Y9h+
久坂部羊「廃用身」読了。
892名無しのオプ:2005/12/11(日) 21:50:26 ID:23S4Y9h+
失礼。
893名無しのオプ:2005/12/12(月) 10:01:42 ID:SCDFrchY
マイケル・スレイド『ヘッド・ハンター』(創元文庫・上下)読了。【7点】

ちまたで評判のスレイド。せっかくなので第一作からチャレンジ。
連続殺人鬼ヘッド・ハンターを追うカナダの騎馬警察のお話。
読みにくいし本筋も脇筋もごちゃまぜのストーリー展開だが、
ラストには仰天した。で、読み返すと確かに伏線らしきものがある。
残された伏線が回収されるという『斬首人の復讐』が楽しみ。
暫定【7点】だがどこまでアップするか。
894名無しのオプ:2005/12/12(月) 14:36:14 ID:buiN1f0P
ほお。
そんなに仰天のどんでん返しが用意されている?
俺、そういうラスト仰天系のやつが好きなので、
読んでみようかな。
895名無しのオプ:2005/12/12(月) 14:57:27 ID:QtERA+iH
>>894
斬首人の復讐を読むとヘッドハンターのオチまで書いてある
896名無しのオプ:2005/12/12(月) 22:44:00 ID:SCDFrchY
>>894
道行が難渋するけど。
正直ウワサになっていなかったら途中で挫折したかと。
いや、上下で1800円だから読んだかな。
897つちのこ :2005/12/14(水) 14:32:00 ID:CMfi/2oE
今年は新刊せいぜい頑張って追いかけてみたけど、
新刊追いって気力と体力とそれに金力もいるんだあー。息切れ。

「屍肉の聖餐」ユベール・コルバン

サイコサスペンスの王道的ストーリー展開で、
570Pの長さでもサクサク読めました。
全仏大ヒットのフレンチミステリなんだそうだけど、
読み終えてしまうと読後感もアメリカンな薄味の感じなのは
舞台がサンフランシスコで
登場人物もサンフランシスコ警察刑事やFBI支局員という
アメリカンなミステリーであるせいだけじゃないと思う・・・・・・。

ところで、このトリック(と言っていいのかなあ?)
使ってる長編ミステリいつか読みたいと前々から願ってました。
だから検死局元局長モウブレイ氏とほぼ同じにピンと来ましたねーっ。
(つうかミステリ読みならたいていの人が、
たぶんピンと来るはずなんじゃないかなぁ。)
898読後感:2005/12/14(水) 15:10:24 ID:zALf7M0m
「死の扉」レオ・ブルース(東京創元社)

夜間パトロールをしていた若い警官が殺された。
どうやら居直り強盗によるものらしいと判断されたが、
事件調査に乗り出した素人探偵ディーンは何か釈然としないものを
感じ始め…

ブルース二冊目。ビーフ巡査部長はどちらかというと天才型に
属するように見えたが、歴史教師であるディーンは足を使って
捜査をするタイプのようだ。肩書きとは逆の感じで面白い。
真相は私のように下衆の勘繰りを好む者には見当がつくはず。
899読後感:2005/12/14(水) 18:09:45 ID:zALf7M0m
「骨と髪」レオ・ブルース(原書房)

今回ディーンが受けた依頼は失踪した女性の行方を
突き止めるというもの。夫によると彼女は突然去っていったという。
しかし依頼人の話では、住んでいた町の人から聞く彼女の描写が
依頼人が知っているそれと一致していないらしい。
調査を進めるディーンは当該夫婦が前の住所でもその前の住所でも
同様の騒ぎを繰り返していたことを知る。しかも聞き込みによる
妻の人となりも全て違っているのだ! 果たして彼女は何者なのか?

鈴木京香脱いでねーじゃねーか!!
本ミス1位になったそうで。真相に至る筋道は割りと早く見えて
くるんですが、実際明かされた内容はさらに上を行きます。
特にいっち番最後の真実。これを受け入れられるかどうかで
古典属性があるかわかるかと。大まかなネタはサプライズ本格の
王道で私の大好物でした。
900名無しのオプ:2005/12/15(木) 21:19:47 ID:kuozbQTm
>>387-388>>411
スカーペッタシリーズ
Traceを原書で2/3のところまで読んだ
相変わらず女好きのルーシー
(あの彼女は前作のあの人なのか?唐突でわかりにくい。子供とじいさんはどうなった)
そして敵がキモ過ぎ
マリーノは相変わらず大きな悪ガキみたい、おいたもしてるし

あと、全編に言えることだが、スカーペッタとベントンの恋愛って不倫だから心情的にまーったく毛ほども応援できないんだが?
だから悩んでるシーンとかもどうでもいいというか…せめて独身のナイスミドル同士なら素直に応援できたのに…。
そのへんはこのシリーズの読者は平気なんだろうか。
自分は平気じゃないぞ。

つねにスカーペッタマンセー的なナル臭もあるし、ハマーのほうが明るくて好きだな…
ベントンもマンセー気味だし、よってベントンの章はあと何ページで終わってくれるかとイライラしながら読むw

>>682 なんかワロタw
901名無しのオプ:2005/12/15(木) 21:23:10 ID:kuozbQTm
おっ900getだった!♥
902読後感:2005/12/16(金) 22:46:02 ID:2Tr1NpFI
「刑事くずれ/ヒッピー殺し」タッカー・コウ(早川書房)

相棒を死なせて馘になった元刑事のミッチの元に従姉妹のロビンが
訪ねてくる。彼女は仲間と開いた喫茶店が刑事の嫌がらせを受けて
困っていた。ミッチは妻の勧めで嫌々話をつけてやることに。
しかし、ロビンの住まいを訪ねたミッチが見たものは
血まみれでナイフを持ったロビンの姿だった――。

ウェストレイクの別名義シリーズ2作目。密室を扱った珍しい
ハードボイルド。ただトリックは至ってシンプルで大雑把。
作者もそれを心得ているようであまり密室に言及してない。
キャラ立ちも今ひとつで記憶に残りにくい作品だった。
903読後感:2005/12/16(金) 23:12:36 ID:2Tr1NpFI
「九つの答」ジョン・ディクスン・カー(早川書房)

弁護士事務所の待合室で先客の話を盗み聞きしたビル。
その内容は遺産相続人に指定されるために伯父の元に行かねばならない
というものだった。しかし伯父に数々の嫌がらせを受けたラリーは
それを渋っていた。その後ラリーとその恋人ジョイと知り合った
ビルは、彼から頼まれて替え玉になることを引き受ける。
かくして苦い思い出の残るイギリスに戻ることになったビルだが
ラリーは知り合った夜に毒を飲まされて倒れ、ビルは凶悪な伯父との
恐るべきゲームに巻き込まれることになる。

分厚いポケミス。しかし凝ったプロットに珍しく良いヒロインの
キャラ立ちと読み応えのあるミステリでした。途中に挟まれる作者に
よる道標も面白く、フェアプレイに徹した本格という印象。
九つの注釈と解明が完全に対応してればもっと凄かったけど
流石にそれは贅沢か。ちょっと気になった箇所も漏れなく
回収されており、初期の頃とは一味違う円熟したカーを
楽しめる一冊だと思います。
904書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/17(土) 17:04:31 ID:8LoV/sfr
「フィッツジェラルド短篇集」を読んだ。
板違いとは思いきや、さにあらず、
冒頭を飾る収録作品「リッツ・ホテルほどもある超特大のダイヤモンド」は、
ミステリあり、冒険ありのこれがフィッツジェラルド?というトンデモな展開
を見せる作品である。
冒頭は、名家出身の青年が大学の友人の帰郷(「西部にある」実家。物語上、
これがクセモノなのだ)に同行する場面でスタート、フィッツらしい地方上流階級
の心情的屈折を描いた作かと思いきや…以後の展開の急転直下は凄い。
ただし、物語の最後の最後に来て、「どんな人間の青春も夢なんだ。化学反応によって
生まれる狂気なんだ」等のいかにもフィッツらしい諦観を表す台詞も登場し、
深い印象を残す。
他にも5篇が収録されているが、ミステリ、冒険色を有するものはない。
ただし、もし、ミスヲタにも人らしい心があるのであれば、名作「バビロン再訪」だけ
でも読み、アル中上がりの父親(フィッツの自画像が反映)の、なんともやるせない
娘萌えの心情に涙して欲しいものである。
905名無しのオプ:2005/12/17(土) 18:42:25 ID:IjAU0RQK
>板違いとは思いきや、さにあらず

いまさら何言ってるの?
906名無しのオプ:2005/12/17(土) 19:25:37 ID:Lgi5Nxm5
>>904

もうにげられない

 
907名無しのオプ:2005/12/17(土) 20:14:47 ID:1L44qYM1
>>904
読んで無いけど、馬鹿じゃねーの?
908名無しのオプ:2005/12/17(土) 20:36:55 ID:K0VgCoRH
読んだうえで言う。


あれをミステリーと思うような奴は最低のミスヲタ。
909名無しのオプ:2005/12/17(土) 20:46:55 ID:1vKBv6Ta
お前らがスルーできないせいで5スレも無駄にしたわけだが
910名無しのオプ:2005/12/17(土) 21:17:07 ID:Lgi5Nxm5
>>909

もうじきいなくなるから。

 
911名無しのオプ:2005/12/18(日) 12:48:13 ID:9gf7D73s
3年ぶりのシリーズ続刊を前にまとめ読み
「氷の天使」「アマンダの影」「死のオブジェ」キャロル・オコンネル



ツンデレ。
912名無しのオプ:2005/12/18(日) 18:52:06 ID:3pXx+f+j
俺も天使の帰郷だけ再読しようかな
913名無しのオプ:2005/12/18(日) 20:27:52 ID:bTGmuPqA
>ただし、もし、ミスヲタにも人らしい心があるのであれば、名作「バビロン再訪」だけ
>でも読み、アル中上がりの父親(フィッツの自画像が反映)の、なんともやるせない
>娘萌えの心情に涙して欲しいものである。


どうでもいいが子に対する親の想いを「娘萌え」とかほざくなといいたい
「萌え」じゃないだろ全然
意味をわかって使ってんのか
こいつには人らしい心とまともな言語感覚がないんだな
914読後感:2005/12/20(火) 13:19:25 ID:TK6woAml
「サムシング・ブルー」シャーロット・アームストロング(東京創元社)

帰郷したジョニーを待っていたのはガールフレンドナンの
突然の婚約だった。ショックを受けるジョニーだが、
悲劇はそれだけではなかった。ナンの叔母によれば婚約者ディックは
ナンの母を殺し父に罪を着せた張本人だと言うのだ! ジョニーは
心の傷も癒えぬままナンのために過去の事件の真相を暴こうと
奔走するが、ナンのディックに対する盲目的な愛情が最大の障害と
なることを彼は知る由もなかった…。

ナンうぜえええええええええええ!!!!!塩沢地の女もそうだが
可哀想な点もある方がなおのことムカつくのはなぜだろう。
閑話休題。これは巧い! 魔女のストーリーテリングにぐいぐい
引き込まれた。特にナンの哀れさ愚かしさが実に良く
書き込まれていて、それが相対的にジョニーの悲しさも表現する
という…そして終盤のドンデン返しから急展開に次ぐ急展開。
完全に魔法にかかって掌でダンス状態。300超とページ数も手頃。

ミラーやハイスミスやレンデル等と違って船長は小説に
ハッピーエンドという制約を課している。その上で見事な
サスペンスを完成させてしまうんだからすごい。嘘だと思うなら
中編「あほうどり」を読んでみればいい(勿論本書も)。
アウターゾーンの作者も言っていたがバッドエンドにする方が
ある意味簡単なのだ。露伴風に言うとバッドエンドを
抒情的でイイ!とかぬかす坊っちゃん達はロリポップグミベア
チョコレートなのだ。
915名無しのオプ:2005/12/20(火) 16:10:13 ID:axORkLgM
「ストップ・プレス」読了
ついてゆけなかったorz
喜劇風味で物語を進めているはずなのに、訳が(正確ゆえに?)堅いせいか
笑うような雰囲気も文章から出てこないしちょっと長すぎ…
「詩人〜」は読み終わっているので
「アプルビイズ・エンド」で再挑戦してみます
916名無しのオプ:2005/12/29(木) 05:54:40 ID:Ps57GuZk
>>904
禿同。フィッツジェラルド、ミステリー
として読めますよ。特定のジャンルに
囚われずに、心を少しだけ大きく広げれば。
917名無しのオプ:2005/12/29(木) 10:13:14 ID:nAlpIHUF
「闇に浮かぶ絵」ロバート・ゴダード 文春文庫
またまたブックオフで160円でゲットォー!!
こんなおもしろい小説が160円で手に入ることを喜ぶべきなのか。
この値段でも作者・訳者には1円も入らないことを、出版界の
ために嘆ずるべきなのか。

時代は19世紀末。資産家のダヴェノール准男爵家に、自殺したと
されていた子息、ジェイムズが突然現れた。思わぬ事態に混乱する
准男爵家の家族たち。とまどう元婚約者。なかでも彼が息子である
ことを頑強に否定する母親には、たんなる「母の感覚」以上の理由
がありそうだ。・・混乱のなか、資産家ダヴェノール家の血の秘密
が、しだいに明らかになっていく。
918917:2005/12/29(木) 10:23:08 ID:nAlpIHUF
ゴダードの3作目。作家として軌道にのりはじめた頃の
作品だけに、構成も手馴れた感じがある。
まず、いいミステリーを書くコツは、早く事件を起こすことだ
と言われるが、この小説では2ページ目から早速事件発生だ。
それから全900ページ。伏線が次々と炸裂し、ストーリー
トラップが読者を意外性の罠にはめまくる。そしてラスト
は・・、これを予想できる読者はほとんどいないだろう。
まさに稀代のストーリーテラー、ゴダード節全開といった
ところだ。

難癖をつけるとすれば、19世紀イギリスが舞台で、しかも
登場人物のほとんどが一族という設定なので、似たような
聞きなれない名前がたくさん出てきて、慣れるまでちと時間
がかかることかな。
919書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/30(金) 16:05:01 ID:g/2YaeMD
フランク・グルーバー「フランス鍵の秘密」を読んだ。
エルの国名シリーズを想起させるかのような邦題だが、
軽ハードボイルドと形容するにふさわしい内容、書籍セールスが本業の
ジョニー・フレッチャー&サム・クラッグのコンビによるシリーズ第1作である。
カーター・ブラウンからお色気の濃さを抜いた感じといったところか。
(訳者である仁賀克雄氏(早稲田大学商学部卒)のあとがきによれば、
ペリイ・メイスン・シリーズを参考に書かれたシリーズとのことだが、
かってはE・S作品もハードボイルド・ミステリの系譜で語られていたものである。
ただし、グルーバー作品のテーストは、同じE・S作品でもラム&クール・シリーズの
方により近い軽妙さがあるように思う)
2人が泊まっているホテルの宿のベッドに男の死体が…、死んだ男の手に握られていた
金貨に隠された秘密は何か…、
コンビの掛け合いを中心に、金(きん)絡みの経済ネタ、古銭に関する薀蓄、
西部小説の著作も多い作者の持味が発揮されたネヴァダ州の金山調査シーン等
種々の要素を手際良くまじえながら、事件の関係者一同に会した謎解きシーン
に到るまで一気に読ませる手練はさすがで、ラストは当代のアニメ風の軽妙さも
感じられる。
このシリーズは、創元推理文庫に「コルト拳銃の謎」「ゴースト・タウンの謎」
というこれも西部小説家でもあるグルーバーらしいネタの2作が収録されており、
筆者も愛読したものである。
ゆえに、今回のシリーズ第1作の初訳は嬉しくも懐かしいという感はあるのだが、
本作は、かってジュブナイル化された作が刊行されていなかったであろうか?
古銭を巡るネタに薄っすらと記憶があるのだが…
920名無しのオプ:2005/12/30(金) 17:46:08 ID:OSjB68ez
ミス板で書いていいのかどうか解らんが、ハヤカワなので一応。
食わず嫌いしていた冒険小説を読もうと思い、古典的名作と聞いた「ナヴァロンの要塞」を読む。
……いや、食わず嫌いしていてご免なさい。反省してます。クソ忙しい年末に一気に読んでしまいました。
危機、危機、また危機という展開が実に手に汗握る。男臭すぎるキャラクター陣も魅力的。
いい読み物でした。

でもさ、これアンドレアさん超人すぎね?
921名無しのオプ:2006/01/02(月) 11:08:35 ID:fVW0IF4F
新年一発目GET!
「魔術師の夜」上下 キャロル・オコンネル 東京創元社

本国では7作まで出版されている、キャシー”氷の天使”マロリーシリーズ 第5作。
主人公は、フリーキッシュなまでの美貌と天才的ハッキング能力を持つが、心は社会的疾病者のNY市警巡査部長。
前作「天使の帰郷」までの4作で、自らの過去の重大事件に決着をつけた彼女は、
大戦中のパリに端を発する、マジシャンたちの世界の連続殺人事件に遭遇する。

このシリーズ、3作目まではミステリとして十分に楽しめるストーリーテリングを備えていたのはもちろんなのだが、
それ以上にキャラクター小説としての、あざとすぎる魅力でひっぱってきた。
4作目「天使の帰郷」になると、もはやミステリの範疇を超え、活劇小説となる。
主人公もスーパーヒロイン化してしまって、今後の方向性が懸念された。
で、迎えた本作で作者がうった手は、主人公以上の能力を持つ敵役を登場させるという、ジャンプ方式だった。
本作でマロリーは戦い、恋し、折れる。
このシリーズや『クリスマスに少女は還る』で散見された、「言葉による暴力」の描写がますますさえわたり、
なまじのバイオレンス小説より、サディズムが横溢している。
あいかわらずの、奇をてらった舞台・キャラクター設定と重いテーマ、というアンバランスさも健在。
永劫回帰ではないシリーズ作品として、今後も期待大。
922書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/01/02(月) 17:18:03 ID:fwdxwalg
コーネル・ウールリッチ傑作短篇集1「砂糖とダイヤモンド」を読む。
創元推理文庫のアイリッシュ短編集を愛読した者には懐かしいものがある。
年代順に編纂されており、第1巻は初期作品が収録されているため、
全般的に、ウールリッチ節とも言われる濃い哀切なムードが薄いか、感じられないのは
やや残念な感がある。
「診察室の罠」
ウールリッチの初のミステリ短篇。
探偵役の犯人へのアプローチの仕方があまりに捨身過ぎないか疑問が残るところだ。
もう少し他の方法があり得るように思うのだが。
まだ、後年の哀愁に富んだウールリッチ節は皆無、その分、明るく軽快なテンポが
楽しめる作ではある。
「死体をはこぶ若者」
終始、御都合主義な展開が目に付き過ぎるが、ここを一気に読ませてしまうのが
ウールリッチならではのストーリーテリングであろうか。
悲劇性が強まる中期以降の作品であれば、果してこの結末だったかどうか…
「踊りつづける死」
若き日のジェーン・フォンダ主演の映画「ひとりぼっちの青春」でも知られる
マラソンダンスネタ。あまりに御都合主義・不自然な展開だが、
ラストに後のウールリッチ作品らしい哀切な悲劇性が姿を見せ始める。
「モントリオールの一夜」
追われる者の焦燥感というウールリッチ十八番の展開だが、初期作ゆえか、
まだまだ明るい冒険談という色合いが強く感じられる。
923書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/01/02(月) 17:19:36 ID:fwdxwalg
「七人目のアリバイ」
ギャングを主人公としたノワール風のウールリッチにしては異色作。
特筆すべき点はない。
「夜はあばく」
訳者あとがきによれば、当時の評価が高かった文芸誌に掲載されたものとの
ことだが、火災をネタにした力が入ったサスペンスフルな作品に仕上がっている。
これも文学の力がなさせる業か。
「高架鉄道の殺人」
小品ながらも、今は無き高架鉄道等、スリルとユーモアをまじえて、
30年代のNY風俗がたっぷりと書き込まれた探偵談。
かって創元の短編集で読んだが、何度読んでも楽しめる職人ウールリッチの
面目躍如な作と言える。
「砂糖とダイヤモンド」
短い作ながら、追われる者の焦燥感が余すところなく描かれたいかにもウールリッチ
らしい作品である。傑作「爪」と共通するような状況設定だが、
初期作だけあって雰囲気は明るい。
「深夜の約束」
現代のジュクやブクロの深夜でもありそうな話だが、ウールリッチ描くところのNYの
夜の冒険談は粋の一言に尽きる。
924名無しのオプ:2006/01/21(土) 02:52:21 ID:Nd8kPN67
ジョイス・ポーター『ドーヴァー4 切断』

夫人と旅行中のドーヴァー警部は、若い警官が岸壁から身を投げるのを目撃してしまう。
前途ある若者――地元署長の甥が、なぜ自殺なんかしたのか?
彼は生前、町の悪党の死体が切断されていた事件を調べていたのだが……

本格好きに評判のいい作品だが、トリックやロジックがすごいというわけではない。
(死体が切断された理由はけっこう弱い)
しかし、強烈な後味が尾を引く。
落語で例えると、ゲラゲラ笑ってしまうのではなく、座布団を一枚あげたくなるような見事さだ。
伏線もひじょうに丁寧でよい。

ただ「その人物がその技術を持っている」という伏線は欲しかったかも。
925書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/01/21(土) 18:11:09 ID:t078UhB1
ヴァン・ダインの後期作品を再読し、その評価を決してみたく思っている。
第7作「ドラゴン殺人事件」は、S・Sには珍しい怪奇探偵小説で、
ミステリとしての欠陥は数々あれど、ファイロの竜に関する薀蓄も楽しく、
まずまず楽しめるものであった。(過去ログに論考あり)
第9作「ガーデン殺人事件」を読んだ。
ガーデン家と殺人の舞台となる屋上庭園を掛詞にしたタイトルである。
ミステリの肝となる2発の銃声のトリックが、あまりにお粗末かつ御都合主義に
過ぎるが、登場人物の証言を丁寧に読み込めば、ストレートに犯人を指摘出来る
構成は一応評価出来るレベルである。
探偵の恋愛という要素が投入されているが、ファイロほど恋愛が似合わないタイプの
名探偵はいないかに思う。全然盛り上がらずにストーリーの不純物にしかなっていない。
犯人をあぶり出すためとはいえ、柄にも無いファイロのアクロバットも「?」感が強い。
さすがに、第9作ともなると、S・Sは新趣向を盛り込んでみたのだろうが、
傑作グリーン家、僧正等の重厚なイメージを抱く読者には、いずれも違和感大なものと
なっている。
926名無しのオプ:2006/01/23(月) 17:43:11 ID:UazsQysP
P・A・ケリー「幽霊に怯えた男」「金庫のなかのピエロ」「超能力者が多すぎる」(創元推理文庫)

パッとしないドサ回りの奇術師コルダーウッドが探偵役となるシリーズ3作。
創元の「帽子おじさん」マークだし、奇術師が探偵だから、ロースンばりの
本格かと思って読んでみましたが・・・。
まあ、謎解きもあるにはありますが、あっさりしたもの。
全体にユーモアに溢れ、1980年代の不況に喘ぐ米国の地方都市の状況が上手く
描写されているのが収穫か。
とにかく読みやすい作品群で、本格に拘らなければ、面白く読めました。
927名無しのオプ:2006/01/24(火) 15:39:48 ID:4inOBI6m
アクロイド殺人事件

気にはなってたが、ようやく読めた。
やっぱクリスティは最初のうちに読んでおくもんだと思いつつ
犯人分かっても十分解決編面白かった。
でも犯人に○○をさせようとする(それとなくするめる)探偵は好きじゃないな…
928名無しのオプ:2006/01/25(水) 02:18:07 ID:nmO3kllE
>>926
「幽霊に怯えた男」だけ読んだ。続き読んでないと言えばどういう
感想持ったか分かるはず。

ところでニーリィの「心ひき裂かれて」は何となくモーツァルトのオペラ
(メール欄)思い出した。
929名無しのオプ:2006/01/25(水) 04:16:43 ID:0yoEARIp
>>927
そうするのはクリスティが女性作家だからじゃないのかな。
登場人物の女性の一人(ネタバレ禁止なのでここまで)に
気を使っているんだと思うけど。
930名無しのオプ:2006/01/25(水) 21:36:37 ID:UoismgjI
クリスティのスタイルズ荘の怪事件

既にポワロとヘイスが顔見知り状態だったのは意外だった…
話自体は、行違いなロマンスや犯人の計算違いの出来事とか
クリスティおなじみの展開ばかりで新鮮味はナシ。
最初に読むべきだったかな
931名無しのオプ:2006/01/26(木) 15:38:31 ID:lrzPAvSs
スタイルズ荘は法律がらみのあれじゃないのでしたか。
クイーンの遺作シノプシスは出たのですか?
読んだ人????
932名無しのオプ:2006/01/27(金) 03:52:03 ID:+vVYzekr
『読みました』報告・国内編Part.3
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1138283365/l50

こっちと掛け持ちしてる人が居るかもしれないので報告。
933書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/01/28(土) 13:25:18 ID:LHNzg9mK
ヴァン・ダイン「誘拐殺人事件」を読んだ。
前作「ガーデン殺人事件」も初期作と比較して異色な面が目立つ作であったが、
ファイロ・ヴァンス・シリーズ第10作となる本作では、よりその面が強まっている。
クライマックスのガンファイトは、いかに新趣向を狙ったものとはいえ、
本格ミステリとしてはやり過ぎという感が強い。
梯子に関するファイロの推理等は、論理的でなかなか面白いのだが、全体を通して見ると、
この事件ならハードボイルド・ミステリに登場する探偵で十分、かつ、その方が適役
という感がある。
原書の責めに帰すべきものではないが、
「ばかのこっちょう」「けろりかんとして」「風馬牛のよう」等々、
奇妙な語が散見されるのは井上勇訳のご愛敬といったところか。
934書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/01/29(日) 19:56:54 ID:d+KPkpDM
ヴァン・ダイン「カシノ殺人事件」を読んだ。
既に論考済みの「ガーデン殺人事件」の前作、ファイロ・ヴァンス・シリーズ第8作だが、
ミステリとしては毒殺事件というメーンストーリーは単純ながら、
先が読めない(読ませない)展開で最後まで読ませるし、
特にファイロ&ヴァンによる工場潜入シーン到るストーリーは、トンデモSFを読むかの
ような楽しさに溢れている。
華やかなカシノの描写ひとつとっても、まだまだ筆の冴えた走りを感じさせるものがある。
しかし、クライマックスには、本作あたりからどうもハードボイルド・ミステリ風の
アクションが顔を出し始めており、この辺は評価が分れるところであろう。
おなじみ検死医ドアマスが外科医を称した「骨木挽き」の訳は面白いが、
「…ひょっくり帰って来ました…」「…あの男は鼻汁もひっかけなかったでしょうな…」
「…思い切った、最後的な手段に出ようとは予期していなかった。それで最初はとまどい
したのだ。…」等々、相変わらずな奇妙な井上節も全編に渡って炸裂している。
935名無しのオプ:2006/01/30(月) 10:38:57 ID:uwxGGmsk
ノーマン・ベロウ「魔王の足跡」(国書刊行会)

この本が出るのを首を長くして待っていました。
欠点を先に言うと、登場人物の描き方が薄っぺら。探偵役にも全く魅力なし。
長所は、第一の殺人に至るまでの盛り上げ方の上手さと、足跡トリックが
面白くて、やや力技ながらも納得がいった点。
真犯人の肝心な部分に、アンフェアな箇所があったような気がするが、何気
ない伏線が効いているので帳消しにしようかと。
J・D・カーのA級作品にも劣らないと思う。
936名無しのオプ:2006/01/31(火) 19:28:04 ID:ai24Hen0
Yの悲劇

メル欄という煽りから、あの人物が犯人かと考えてた。
こっちのことか…。
なんていうか、時代の違いを感じる。
面白かったけど
937書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/02/04(土) 16:02:50 ID:lFJFX1vC
「マルセル・エメ傑作短編集」を読んだ。
俺のようなハイブラウなミステリファンには非常に面白い、
いわゆる「奇妙な味」の類に属する作品集である。
収録作品に関し簡単に紹介しておくこととする。
「こびと」
突然、サーカスのこびとが成長しだした…
人間の「存在」というものを考えさせる幕切れが深い余韻を残す。
謎解きのみに耽溺するアホなミスヲタに突きつけて読ませたい文学的な一編である。
「エヴァンジル通り」
執筆当時のフランスにおけるイスラム系住民の生態を描いて間断するところがない
迫力に富む作だが、ミステリ性は無い。
「クールな男」
ジョゼ・ジョヴァンニを想起させるようなハードボイルドタッチのノワール。
短めの作だが強烈な印象を残す。
「パリ横断」
2次大戦ドイツ占領下のパリ、密売用の豚肉運搬をユーモアもまじえてスリリング
に描いたノワールの佳作として読み得る。
「ぶりかえし」
もし、子供に戻ってしまったら…
ありがちな寓話だが、フランス人作家らしい軽い艶笑も散りばめて面白く読ませる。
「われらが人生の犬たち」
これも短めの作だが、どこかE・D・ホックのサム・ホーソーンものを想起させる
まったりとした語りが良い。
「後退」
収録作品中では一番の小品ながら、シニカルな味わいの逸品。
階級社会化へと進めつつある現代日本で読むと面白いものがあるやに思う。
938名無しのオプ:2006/02/04(土) 16:09:42 ID:KcM8W04n
>>936
今だったら(メ欄)なのが怖いよね。
939名無しのオプ:2006/02/05(日) 01:21:47 ID:u4xNMnWN
>俺のようなハイブラウなミステリファン
額が広いの?禿げはじめたの?
940書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/02/05(日) 21:53:50 ID:uO2FM4Yy
ジム・トンプソン「ゲッタウェイ」を読んだ。
サム・ペキンパー監督、スティーブ・マックイーン主演、
今や古典となったアクション映画の原作である。
主人公のドク・マッコイは、今でも精悍なマックイーンのイメージが
鮮明にあるため、原作の設定「白いものがまじりかけている砂色の髪は、
てっぺんがかなり薄くなっていた」、つまり白髪混じりの脳天禿な四十男には意外な感が
を受けるが、このルックスゆえ若い妻との心理的葛藤も腑に落ちるものがあるのだ。
映画とは大きく異なる最終章(14章)のエル・レイの王国を描いたくだりは、
資本主義社会を諷刺した寓話とも読め、それまでの典型的なノワール、クライムノヴェル
の展開からの一転には驚かされる、ある意味トンデモなストーリーである。
コンパクトにまとまっており、ツイストも効いた作であり、数年前のさざ波のような
ジム・トンプソンを筆頭にしたノワール・ブームの時、あるいはリメーク版映画の公開時に、なぜ再刊されなかったのかが不可思議になる良い出来栄えの作である。
941名無しのオプ:2006/02/06(月) 01:37:26 ID:2eVjZuEY
マイクル・コナリー「シティー・オブ・ボーンズ」読んだ。

タイトルの意味は、骨の街。
20年前に埋められた子供の骨が見つかり、骨には、40箇所以上
の虐待の痕跡が残っていた。怒りに燃えて捜査にとりかかる刑事たち
に降りかかる災難や上司からの妨害。

主役は、ボッシュ刑事で、この人をはじめとして登場人物が、かなり
感情的な人ばかり。すぐに、泣くし、叫ぶし。
ネオ・ハードボイルドにありがちな事だけど、主役の恋愛や組織内
での葛藤を描きすぎ。
事件そのものは、意外に地道に、足で稼ぐ捜査方法で解決する。
う〜ん。少し過激な主人公の警察小説と言ったほうがいいのでは?
クロフツ的な匂いもします。
942名無しのオプ:2006/02/08(水) 15:09:10 ID:YLMY2UbZ
クリフォード・ウィッティング「同窓会にて死す」(論創社)

本国イギリスでは高い評価がなされているのに、我が国では未紹介だった。
伝統のイギリスのミステリならではの香気漂う名作で、
どうして今まで無視されていたのか不思議な気さえした。

最近刊行された中では、ノーマン・ベロウの「魔王の足跡」が、
禿人のようなトリック”だけ”を好む読者に受けそうなのに対して、
このウィッティングの「同窓会にて死す」はより一般的なミステリ・ファン向き。

禿人のHPの日記を見ると、ベロウはすでに読んだみたいだが、
おそらくウィッティングは読む気が無いだろう。
あいつはこういうタイプの話は嫌いだろうから。
同じ論創社のでもスカーレットの「ローリング邸」には熱を入れてたが、
スカーレットにベロウと、いかにも禿人が好きそうなタイプだし。
943名無しのオプ:2006/02/09(木) 22:42:32 ID:QkgtcQj+
「死の蔵書」ジョンダニング
途中だれたが読了。
おもろかったす。
本好きは楽しめるよ。
944名無しのオプ:2006/02/10(金) 01:43:25 ID:svCbUDH9
ABC殺人事件 なんか金田一で見たことあるような気がした
945名無しのオプ:2006/02/10(金) 03:24:48 ID:RnuIyQtS
>>944
金田一少年はほとんどパクリだお
笹沢左保とかもパクってたお
金田一少年ファンはご愁傷さまだお
946名無しのオプ:2006/02/10(金) 22:04:57 ID:PDGrgT7m
トリックをパクるのは著作権違反にならんのかね
947名無しのオプ:2006/02/11(土) 12:49:42 ID:lGH2aYvS
>>946
なるわけねえw
そんなことできたら新刊なんてなくなる
948名無しのオプ:2006/02/11(土) 13:01:58 ID:feqW9ZoP
>>947
それは極論すぎ
949名無しのオプ:2006/02/11(土) 14:19:02 ID:Ldf/44mq
>>946
著作物の定義は、「思想又は感情を創作的に表現したもの(以下略)」(著作権法2条1項1号)であって、
思想そのものではないから、パクってもならないわな。
(トリックを思想と言えるかという論点自体もあるが、まあ分類するとしたら思想だろうということで)
950書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/02/11(土) 16:13:57 ID:XdWdgz+U
ヴァン・ダイン「グレイシー・アレン殺人事件」を読んだ。
ファイロ・ヴァンス・シリーズ最終作(12作)目前の第11作であり、
いかにミステリのネタが尽きたとはいえ、およそ有り得ない偶然性に頼った謎解き
(殺害方法)、ミステリの禁じ手を使用した密室トリック等は頂けないものがある。
そもそも、タイトルに反してグレイシー・アレンは殺されないのである。
事件全体もS・Sの後期作品に共通することだが、
ギャング絡みのハードボイルド・ミステリの方が適した素材であり、
ファイロの事件としては違和感が大きいものがある。
グレイシー・アレンという萌えキャラ投入が、新書ミステリを読み狂っているような
アホなミスヲタにどの程度受けるかが、評価を左右する可能性はあろう。
「ぼくは、まったく、とまどいしてしまって、…」等、井上節は相変わらず。
「名詮自姓」なる読者無視とも思える訳も登場。
951名無しのオプ:2006/02/11(土) 20:49:13 ID:rz5Fby3w
トリックは思想というよりは技術だろ
ということで特許申請
そのトリックを一部利用改変して自著書で使用する場合は原著者に利用料を払う
952名無しのオプ:2006/02/11(土) 21:26:15 ID:Mu63nX7c
特許法
>第2条 この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。
>2 この法律で「特許発明」とは、特許を受けている発明をいう。

無理だな。
953名無しのオプ:2006/02/11(土) 22:29:05 ID:0zdNx4uP
ピーター・ラヴゼイ『暗い迷宮』(ハヤカワ文庫)読了。【7.5点】

ダイヤモンド警視シリーズの1作。
記憶喪失の女性のパートと農夫の死亡事件をめぐる物語。
話としては地味だがあいかわらず構成が上手いなあと感じる。
女ホームレスのエイダのキャラがいい味出してる。
954書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/02/12(日) 21:18:29 ID:HqYl4r2g
ヴァン・ダイン「ウインター殺人事件」を読んだ。
フィギュアスケートが上手な萌えキャラが登場、
最近のアホなミスヲタは「キター!!!…」で大満足なのだろうが(w
俺のようなハードなミステリファンには、構成、トリック共に納得が
いかない短小な凡作と言い得る。
舞台は郊外の大邸宅、登場人物も個性的なメンツなのだが、
なにせ文庫本150頁強の中編のボリュームでは「館もの」の面白さも発揮出来ない
ままに終わっている。
ファイロ・シリーズ最終話なのだが、管轄外のため、おなじみヒース部長刑事も
ドアマス医師も登場せず、盟友マーカム検事も冒頭部分のみの登場と非常に寂しい
幕切れとなってしまった。
955名無しのオプ:2006/02/13(月) 18:23:11 ID:CLBwY4VF
ピーター・ラヴゼイ『地下墓地』(ハヤカワ文庫)読了。【8点】

ダイヤモンド警視シリーズの第6作。
メアリ・シェリーが『フランケンシュタイン』を執筆した
地所から発見された人骨と、シェリーの遺品をめぐって起こる殺人。
最後にぴたりと収まる構成が相変わらず見事。
新作の文庫落ちが待ち遠しい。
956読後感:2006/02/13(月) 21:55:57 ID:PLHxdcqD
「十二の秘密指令」ブライアン・フリーマントル(新潮社)

組織内に裏切り者がいる!
本部長ベルは二重スパイを探り出すため部下に
試験を組み込んだ任務を遂行させ「もぐら」を焙りだそうとするが…。

なぜつまらないのか今から説明します。これ連作短編集なんですね。
そんで目的はもぐら探し。ということはつまり失敗11連発ってことで、
ラストと、ま、せいぜい最初の1話でも読んどきゃ事足りるわけよ。
これで一つ一つの話に独自のオチでもありゃ問題ないんだけど
戦前産まれの悲しさでそんなハイカラな機能はついてない。
読まずに死ねるわ!
957読後感:2006/02/14(火) 22:26:55 ID:1x5usmg0
「火の玉イモジェーヌ」シャルル・エクスブライヤ(早川書房)

英国の情報局のタイピストイモジェーヌは生粋のスコットランド人で
他地方に対する敵慨心が頗る強いオールドミス。
その彼女が久方ぶりの里帰りをしたはいいが、終始付きまとう男の影。
何らかの陰謀と見た彼女は敵の尻尾を掴むべく同僚と連携して
悪事を暴こうと決意する。

このネーミングセンスいいよなぁ。これが
「夜明けのメイジー」に受け継がれているわけだな。
内容はスパイ+ユーモアミステリて感じで、まあ大したことはない。
ま、でもかなりの多作家らしいんで質に波があるのは仕方ない。
他にも読んでみようと思ふ。
958書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/02/18(土) 15:02:55 ID:iT/uMvCX
ジョルジュ・シムノン「雪は汚れていた」を読んだ。
ミステリファンには、メグレ警部もので知られる作者の純文学の代表作、
第2次大戦ドイツ占領下、娼婦の家に生まれた青年の行き場が無い屈折した心理を描いた
作品だが、メーンストーリーには複数の殺人事件が絡むため、クライムノヴェルとして
読むことも可能である。大衆向きの娯楽作であるメグレ警部シリーズでは、
やや簡略化されている感がある心理・情景描写が丁寧になされており、
中盤まではフランス文学らしいムーディなタッチで読ませるものがあるが、
終盤はややだれ気味、冗長な感さえ受けるのが惜しまれる。
この板は純文学嫌いの連中が大半を占めるが、本作あたりを手にしてみたら良い
かと思う。
人生は思いの外短いのである、漫画のような謎解き小説にばかり耽溺していてよい
はずがないのである。こうった点、十二分に心しておけ。
959書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/02/19(日) 21:02:58 ID:CvV1GO21
前述したとおり、俺の個人的な嗜好にマッチする「ドラゴン殺人事件」はともかくと
して、ヴァン・ダインの後期6作を読んでいると、やはりがっかりとさせられる面が
多い。S・Sってこんな程度の作家だったのかと。
そこで、口直しと言うか、名作の誉れ高い「グリーン家殺人事件」を再読。
あらためて後続のエル作品との類似性を感じたが、第三の殺人のトリックゆえ、
アンフェアになっている点が惜しいものがある。
960名無しのオプ:2006/02/20(月) 11:29:19 ID:RSH6kGSr
S・Sはそんな程度の作家です。今はアメリカ本国でも大して評価されていません。
クイーンは別格として、今でもアメリカ国民に好まれるそのその頃の作家と言うと
レックス・スタウトみたいな作風の作家です。
961名無しのオプ:2006/02/21(火) 22:52:54 ID:2+kku84y
「天国の発見」
読んだ奴、誰か俺に解説してくれ・・・・
962読後感:2006/02/21(火) 23:06:18 ID:tPL+C9pe
「帰ってきたイモジェーヌ」シャルル・エクスブライヤ(早川書房)

情報局を退職し故郷に戻ったイモジェーヌ。
しかし厄介事が彼女を放っておくはずもなく、
今度はペンバートン校の教師の殺人事件を調査することになる。
コネを使って教師に成り済ましたイモジェーヌは同僚や生徒と
トラブルを引き起こしながらも犯人を突き止めようとするが…。

チャ〜ンチャラッチャッチャ〜ン(パ〜)
いやあ前作でゼットンに殺された時はどうなるかと思いましたが
無事帰ってこれてよかったですね。
今回は一作目と違って本格風味のユーモアもの。
伏線もあまりないし推理による解決もないので本格とは言えませんが
読みやすくて良い。ツンデレのかほりもするしw
つかこれ3作目なんですよね。何で2作目飛ばすんだ!
主人公の私生活に関するイベントも含まれていた様なのに。
こういうのはほんと迷惑だね。
963読後感:2006/02/23(木) 16:45:27 ID:uALqvs1w
「笑うきつね」フランク・グルーバー(早川書房)

二人組の小悪党ジョニーとサムが流れついた田舎町では
家畜共進会を間近に控えどこもかしこも賑わっていた。
酒場に行った二人はそこで泊まる所がなくて困っている男に出会い
相部屋を提案する。しばらくして部屋に戻ったサムとジョニーは
そこで先程の男が殺されているのを発見する。容疑者扱いを受けた
二人は事件解決に乗り出すが―。

小悪党というと語弊がありそうに感じるがここではあくまでも
ちょこっとした悪事(賭事など)に携わってる輩という意味。

一つの殺人から町に集まっていた養狐業者達の秘密が
明らかになっていき再び殺人が…という風な展開に
ユーモアが交じってずんずん読ませる。
好みのトリックもあって好印象。
解決にロマンスを絡ませているのもマル。
「フランス鍵の秘密」も読みたくなった。
964読後感:2006/02/23(木) 17:28:11 ID:uALqvs1w
「闇のアンティーク」サルヴァトーレ・ウォーカー(扶桑社)

美貌の骨董商スーザンはメイヤーと名乗る客から絵画の手付金を
渡される。ところがその後メイヤーは彼女に会うことはなく、
メイヤーに商品を売った彼女の同業者が殺された。
そして彼女もまた執拗に後を付け狙われることに。
事件を担当したFBIの警部補ダナヴァンは本件と
別口の娼婦の惨殺事件との間につながりを見い出すが…。

作者は有名な骨董商の変名だとか。骨董に関するうんちくや裏事情が
語られており興味深いが、警察に関する記述が劇画調というか
大袈裟なのは門外漢ならでは。
二つの事件から明らかになる真相は
やや不格好だがまあ意外ではあったかな。
ハーレクイン地味たロマンスは評価するw
965書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/02/23(木) 22:35:56 ID:lTOtbvD9
>>963
>「フランス鍵の秘密」も読みたくなった。
まずまず面白いし、都会をメーンな舞台にした本作の方がこのシリーズの持ち味が
良く発揮されているという感もある。
俺が書いた論考等を参考にしながら読んでみろ。
966名無しのオプ:2006/02/24(金) 06:41:54 ID:AbDk2NWi
>>954
ウィンターって膨らませる前に作者死んじゃったんじゃなかったっけ。
まあ完全版があったとして、後期のヴァンダインだから期待はできないが・・・
あほなミスオタ的にはグリーン家の犯人以外はあんま来なかったけどね。




このコテってレス返していいんだっけ?
967名無しのオプ:2006/02/24(金) 07:06:36 ID:CMolorjI
そいつにはスルーでお願いします。
968名無しのオプ:2006/02/24(金) 08:30:14 ID:k5vPX1uo
>966
上の書き込み見ればどーいう種類の人間か分かるだろ
969書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/02/25(土) 17:01:04 ID:u3KsJB+j
ジム・トンプスン「おれの中の殺し屋」を読んだ。
うーん、数年前に話題になった「ポップ1280」を読んだ時と同様なイマイチ感がある。
テキサスの田舎町、逝っちゃてる男ルー・フォード(保安官助手)による悪行の日々、
トンプスンは筆力がある作家ゆえ、最後まで読ませることは読ませるのだが、
なにしろ逝っちゃてる男の犯罪だけあって、良く見りゃ穴だらけ。
いかに謎解き主眼のミステリではないとはいえ、ミステリ的面白さがないがしろに
され過ぎているという感を強く受けた。
巻末のS・キングの解説中には、「モービー・ディック」「ハックルベリー・フィンの冒険」
「日はまた昇る」等に比肩する作とあるが、いくらセールストークとは言え、いい加減に
しろという感が強い。「喪前はおとなしくお化けの本でも書いていろ!」とまで言いたく
なってしまうのであった。
やはり、トンプスン作品で絶賛に値する作は、このスレで前に紹介した「ゲッタウェイ」
であろう。(この作は軽くJ・M・ケイン作品あたりは凌駕する哲学的な示唆をも含む佳作
と言い得る)
970名無しのオプ:2006/02/25(土) 21:35:23 ID:VsbikT3P
「Mr.クイン」ジェイマス・スミス

麻薬王のプレーンとして完璧な犯罪計画を立てる―俺にとって犯罪はビジネスだ。計画を売るだけ
、実行はしない。今度の仕事は大物だった。裕福な不動産業者の一家を事故に見せかけて殺し
全財産を乗っ取るのだ。
全ては順調だった。新聞記者に尻尾をつかまれそうになるまでは・・・・・
究極のアンチ・ヒーロー

悪者目線の一人称
胸糞悪い。人が死にすぎ。ただ、読みやすいし、計画は緻密でよく練りこんである。
気分が落ち込んでる時に読まないほうが吉
971名無しのオプ:2006/02/26(日) 13:38:00 ID:TFvFRZ1i
「弁護」D・W・バッファ 文春文庫

裁判では負け知らず、どんな被告をも無罪にして来た辣腕弁護士が、ひょんな事から引き受けた
継父による少女レイプ事件の裁判。
誰が見ても有罪な父親の弁護をしたことから、事件をめぐる人々を巻き込む巧妙な犯罪計画が
動き出した――
法と正義という重厚なテーマに挑んだ第一級のリーガルサスペンス

法廷物と言うと、スコット・トゥローの推定無罪を思い浮かべながら読んだ。
法廷物の醍醐味と言えば、弁護士と検察などの駆け引きや、裁判中の新たな証拠発見だと
思っていたのに、これは法廷などおざなりに書いてあるだけ。10年間の月日の流れの中で起こる
事件を取り扱ってるんだけど、どの事件も出来事もぼやけてる。
この本の中に正義はない。
972名無しのオプ:2006/02/28(火) 12:43:47 ID:HUSSFvwN
「探偵になりたい」パーネル・ホール

おもろい。弁護士代行調査員が、麻薬取引の殺人に巻き込まれちゃう話。
主人公が普通の人。普通の人なりに頭脳働かせて、本人の活躍は地味のまま事件が解決する
ユーモアミステリ。
これ有名だよね。
973名無しのオプ:2006/02/28(火) 22:40:28 ID:Z3Wk1MyB
「最後の一瓶」スタンリイ・エリン

ビッグネームの割にこのミスでの順位も大したことなかった
(といっても10位だが)のでそれほど期待しないで読んだが、こりゃとんでもない。
これまで読んだ短編集の中でもベスト3にはいる出来。
同じ作家の代表作とも言われる「特別料理」とくらべても遜色無い出来といえるだろう。
今年のこのミスでは、ある意味同じような立ち位置にあったといえる「クライム・マシン」
も確かに良かったが、俺的にはこちらの方が遥かによいと思ったが、どうだろう。
974973:2006/03/01(水) 06:43:02 ID:hnS+kFtO
あ、正しくは「最後の一壜」
でしたね。スマソ
975名無しのオプ:2006/03/02(木) 22:16:31 ID:N/Hbpv6k
ポール・アルテ 『第四の扉』

凄い凄いと言われてるので楽しみにしてて読んでみた。
確かに派手な謎がバンバン出ると面白いんだが
全体的に退屈だな、と読み進めていった。
しかし第三部の場面転換で一気に物語全体に興味が出て
そっからの盛り上がりは素晴らしい。
最終的な結末もいいけど、とにかく第三部がよかった。

これだけのものがたったの200頁ってのも凄いよね。



タイトルはあんまり相応しくないように思った。
976ロム者:2006/03/03(金) 13:35:32 ID:aJjJCCOG
「逸脱者」  グレッグ・ルッカ著/講談社文庫

○世界的に著名な用心を救ったとで注目を集めたアティカス・コディアックは
 再び同じ人物の警護を依頼される。
 狂信的ストーカーが危険人物として浮かび上がるが、実は・・・・

いやぁ、面白い!!
もともとアティカスシリーズは好きで読んでたんだけど、その全てがこの上下巻に集約されてる感じ。
いわゆるハリウッド的な面白さなので、そういうノリが嫌な人は駄目かも
まあ作者が31歳ってのが一番驚いたけど

予断だけど、読書後には必ずダイエットをはじめたくなるはず
977名無しのオプ:2006/03/06(月) 13:07:49 ID:F2K7qeTb
クリスティ「アクロイド殺人事件」(新潮文庫)

・・・子供の頃、乱歩と藤原×太郎にネタバレされ、「記憶から消えたら読もう」
と思って、かれこれ30年が経ちました。
でもこの作品の犯人が誰か、忘れることができないまま、限界に達し、読みました。
・・・・・なるほど、犯人を知った上で読むのも、まあ面白いか。意外と、伏線の
数が多くないのですね。30年前の子供の頃にネタバレを知らずに読んでいたら、
驚天動地の結末だったのに・・・・、乱歩と宰×郎を恨みます。
978名無しのオプ:2006/03/07(火) 09:31:46 ID:fAWgTCAe
>>977
評論「アクロイドを殺したのはだれか」によれば、犯人は別にいるとの
ことなので、そこを念頭に置いて自分も再読してみようと思ってます。
979名無しのオプ:2006/03/07(火) 13:12:53 ID:3qXvgMrt
ジョン・コリア「炎の中の絵」

「死者の悪口を言うな」秀逸
980名無しのオプ:2006/03/08(水) 17:44:29 ID:r40mCOlw
(゚д゚)ウマー
981名無しのオプ
|∀・)