マターリと進みますように。
今だ、2ゲット、ずざー。
これから、ドストエフスキーの「白痴」を買ってきて読み始めようと思ってます。
3 :
大人の名無しさん:02/03/01 19:33 ID:RjgzfqCx
ベートーベンの遺髪
これ、おもしろいぞ
4 :
大人の名無しさん:02/03/01 19:34 ID:Kp2Ex9Bf
兵頭二十八「武侠都市宣言」
1と2の書き込みの間隔が2分もあるのは、
「はくち」で変換できないことにショックを受けていたからです。
6 :
よんく ◆JONK.IX2 :02/03/01 19:46 ID:O00qiR4Y
チョト遅いんですが「エレガントな宇宙」
何冊か並行して読むんで
いつ読み終わることやら・・・
7 :
お仕置き ◆6mC.j3E6 :02/03/01 19:48 ID:tartapav
ソウル・メイト
8 :
大人の名無しさん:02/03/01 20:53 ID:1741qTSX
「指輪物語」の「旅の仲間」の下まで進み、
青野聡の「女からの声」も読み始めてしまった。
「指輪物語」一度挫折してるからなぁ。
9 :
大人の名無しさん:02/03/01 20:58 ID:5jT2p416
同じく今日指輪物語の再読に入った。
映画見たいなーと思ったんだけど、あのものすごい映像を見る前に
もう一度きちんと読んで自分のイメージをなくさないように把握しておこうと
思って。
10 :
大人の名無しさん:02/03/01 21:02 ID:8Zx87Wgk
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11 :
大人の名無しさん:02/03/01 21:03 ID:SDj9BbWG
>>2 私もロシアの小説を読みたい気分です。
「白痴」って長いんでしたっけ?
12 :
大人の名無しさん:02/03/01 21:07 ID:aKytepcl
a
「破滅ー梅川昭美の30年」
丁度今月30になるんですが、昭和54年に起きた三菱銀行北畠支店の
強盗殺人事件について記憶にある方いらっしゃいますか?
皆さんテレビに釘づけになりましたか?
>>11 「白痴」思っていた以上に長いです。
新潮文庫で上下2巻、上巻は本文が5ページから600ページまで、
下巻は本文が5ページから552ページまであります。
もしよかったら、挫折しないように一緒に読みませんか。
今日から朝1時間早く起きて「白痴」を読むことにしました。
夕べ寝る前に少し読み、今朝も読んで、54ページまで行きました。
主人公のムイシュキン公爵は、素直で正直な人です。
「白痴」112ページまで読みました。
ムイシュキン公爵は、ちょっと山下清な人みたいです。
(正確にどうとは書かれていませんが、精神療養所に4年いました。)
26歳で「女を知らない」そうです。
16 :
大人の名無しさん:02/03/03 10:41 ID:zTsi2qGx
二階堂黎人
17 :
大人の名無しさん:02/03/03 12:42 ID:4CI/1Tjr
>>13 覚えてる!男なのに「美」がつく名前だ〜って。
愚士券要綱に似ていた。
20代の後半から、フィクションよりノンフィクションを
読む機会が増えました。また、20代の頃より30代のの方が
読書の時間が減りました。仕事の影響でしょうね。
最近ちょっと疲れているので、読もうと思っているのは、中島らも
のエッセイです。
「白痴」165ページまで。
>>15で、ムイシュキン公爵のことを「ちょっと山下清な人みたい」と
書きましたが、会話の内容からは、周りの人が公爵を
「白痴(ばか)」呼ばわりするわけがよく理解できません。
それはそうと、やはり、いろんな登場人物が複雑に絡み合っています。
「白痴」236ページまで。
女の人が兄貴になぐられそうになったので、公爵が止めました。
よかった、よかった。
でも、代わりにひっぱたかれました。ショボーン。
ちょっと夜のために上げてみます。
22 :
大人の名無しさん:02/03/05 19:42 ID:liSCh+PM
2ちゃんねる宣言〜挑発するメディア
文藝春秋出版
ひろゆきっておもしろいね
「あぼーん」の意味の由来には笑った
だけど「きぼーん」の意味は自分が思ってるのと違ってた…
23 :
大人の名無しさん:02/03/05 19:47 ID:T/vwtVfs
「セイロン亭の謎」 平岩弓枝
24 :
大人の名無しさん:02/03/05 20:23 ID:t+NGzvXi
雑誌じゃだめだよね?銀行で待ってる時に東洋経済見たけど・・・
梅川某って人質とって耳とか切っちゃった人だっけ・・?
25 :
小梅:02/03/05 20:52 ID:FL5xwZw5
人質取って耳切ってっていうと、永山 則夫が浮かんできます。
梅川はわからないや
今日は「幻少女」高橋克彦を読みました
久しぶりに横田順彌を。
ちぇる チャとにいたよね〜暇そうだネ
んにゃ?
おひと違いじゃございませんこと?
ワタシはちゃとで↑このハンドル使ってませんし〜(笑)
それに目がヘタレで、ついさっきつないだばっかですのよん。
まあ、どこかですれ違いましたら、その方にもよろしく〜(ふふふ
「白痴」313ページまで。
ものすごい美人で性格の悪そうなナスターシャがこの物語の
台風の目のようなんですが、いきなり公爵がこの人と
結婚すると言い出しました。
うひゃー、まじっすか?
まだ物語が始まった日の晩です。
>>22 >2ちゃんねる宣言
新聞の書評欄で知って以来ずっと本屋の店頭で見てみたいと
思っているのですが、全然見かけません。
書店で「『2ちゃんねる宣言』はありますか?」と聞くのも
抵抗があるし。(笑
たぶん近々、半村良を読むと思う。
32 :
22:02/03/06 23:10 ID:iHeSlvJC
>>30 私の勤めてるビルの1階に紀伊国屋書店があるのですが、
そこでもなんかみかけないですよ…。(東京の大手町なんだけど)
この2ch内で「2ちゃんねる宣言」の本の存在を知って
ネット注文してクロネコヤマト便で自宅に届けてもらって
読みましたです。(代引きです)
書店ではあんまり扱わないのかな…?
33 :
ボク:02/03/06 23:16 ID:GrdbVjD2
三谷幸喜のエッセイ(タイトル失念)
友達に借りて読みました。面白かった。
犬が興奮してくるくる回るのを
「発情したメリーゴーラウンドのように、、」って表現してたのにワラタ
34 :
大人の名無しさん:02/03/06 23:21 ID:5MULlXzl
筒井康隆「愛のひだりがわ」
一気に読みました。マンガにしたらおもしろそう。
三菱銀行事件の梅川って、人質の人ひとに、別の人質のひとの耳を
切らせたんだよ。自分でやるよりはるかに悪質。
泣いて謝りながら耳切ったって、何かで読んだよ。
女子行員の服脱がせて自分のそばに座らせて警察に襲撃されないように
してたりとか。
最後、銃撃されて担架で運ばれるとき、確か運ぶ人がこけてたのを
テレビのニュースで見た。あれで逝っちゃったんじゃないかと
言われてたような。
と、いうようにすごく覚えてる。
>>13さんの本、読んでみます。
これから「鼻行類」眺めます。
じゃに〜♪
36 :
11:02/03/06 23:32 ID:ZvPwXOsw
>魚好きさん
カキコしておきながら、このスレ見逃していました。すみませーん。
ロシアの小説はドストエフスキーの「罪と罰」、トルストイの「アンナ・
カレーニナ」ぐらいしか読んでないのですが、「白痴」もおもしろそう
ですね。まだ手元にないので、よかったら引き続き感想の書き込み
お願いします。
>>36 了解です。「白痴」については、引き続き報告します。
実は、私の本命は、このあとの「カラマーゾフ」だったりします。
いずれ、このスレに「アルジャーノン」が登場しそうな雰囲気・・・
「白痴」405ページまで
公爵とナスターシャが結婚するのかと思ったら、
酔っ払い連中の親玉がナスターシャを連れて行ってしまいました。
ポカーン。
それから、いきなり6か月も経ってしまって、ナスターシャは
誰かと結婚するつもりなんだかそうじゃないんだかよくわかりません。
ほんとは公爵と結婚したいんだけど自分は公爵と結婚できるような
女じゃないと思ってる、という説が浮上。
なんだか、ドストエフスキーを読み終わった後には、
たいていの小説は、絵本を読むようにスラスラ読めそうな気がします。
「白痴」437ページまで。
この物語は、いずれ公爵が癲癇の発作を起こしてぶっ倒れて
しまうんじゃないかというスリルとサスペンスの中で
進行するのかと思い始めた矢先に、発作を起こして
ぶっ倒れてしまいました。
41 :
はい、お茶です:02/03/08 13:51 ID:uCIhtaHf
昨日買いました漫画の本、高野文子さんの新刊「黄色い本−ジャック・チボーという名の友人」
表題作を含め4話の短編集で、いつもながら彼女の作品は楽しませてくれます。
その表題作「黄色い本」は主人公の就職間近な田舎の女子高校生が図書館で借りた本、
「チボー家の人々」を読み、小説の主人公に自分を重ねながら過ごす日常を描いた作品。
日常生活の描写がリアルです。ただ、私は男性なので共感する訳ではないのが残念です。
漫画ではありますが、読書を題材にした作品でしたので、ご報告。
高野さん、新刊出てたのですかー
ありがとさまです、行ってきまーす〜
「白痴」498ページまで。
いきなり公爵に遺産相続のライバルが・・・
って、これ、もしかして・・・と思って調べてみたら、
「小公子」の出版は1988年、
ドストエフスキーが「白痴」を書き終えたのが1969年でした。
「白痴」550ページまで。
遺産問題は、すぐに解決したようですが、せっかく人がおおぜい
揃っているのに、ナスターシャ・フィリポブナがいないと
なんとなくつまんないです。
「白痴」上巻読了。(600ページまで)
どうも登場人物の発言を文字通りの意味に受け取るわけに
いかないようで、さっきまで怒っていた人が喜んでいたり、
来るなと言ってるのか来るなと言ってるのか
わからなくなったりします。
それでも、とりあえず、一度通して読んでしまうことにします。
私は結構活字中毒なので新刊が出ると
1日でがーっと一気に読んでしまいます。
一冊の本をじっくり読むっていいですね。
そんな私も何だか一気に読むのが寂しくて
ちびちび読んでるのは「リトル・ツリー」。
まだ読んでないけれど最近買った本についても書いてみます。
文学板のドストエフスキーのスレを読んでみたら、
品切れになっているらしい「未成年」の本をブックオフで
100円で見かけたとか、全集版で100円で買ったとか
書いてあるので、今はそういうものなのかなぁと思い、
一番近いブックオフに行ってみました。
なるほど、ハードカバーの文学全集なんかは、どれも
1冊100円くらいで買えるようになっているんですね。
トルストイの「アンナ・カレーニナ」(河出書房の世界文学全集版)が
100円だったので買ってしまいました。
900ページほどで箱入り、帯付きです。
帯には、映画でアンナを演じたヴィヴィアン・リーの写真入り。
これをブックオフのビニール袋に入れて持ち歩くと、
まるで、弁当箱をぶら下げて歩いているようです。
家に帰って開いてみたら、売り飛ばした人は30ページまで読んで
挫折したようで、そこに紐の栞が挟んでありました。
「白痴」下巻82ページまで。
お待ちかねのナスターシャが現れましたが、失礼なことを言った男の
顔をステッキでひっぱたいて、殴られそうになりました。
明日は、ピストルの弾のこめ方を教えてくれたお嬢さんと
公爵が朝っぱらから公園のベンチでデートをする予定です。
「白痴」下巻191ページまで。
デートの前の晩だってのに、公爵は、夜中に急に、その日が
自分の誕生日だということを思い出しました。
12時を過ぎたら、おおぜい集まってシャンパンを飲んで大騒ぎです。
おまけにイポリートがピストル自殺をしようとしましたが
雷管を入れ忘れていたのでした。
公爵は、眠れないんで公園のベンチで居眠りしていたら
デートの相手のアグラーヤが起こしてくれました。
どんどん展開がスピーディかつ無茶なことになっていきます。
50 :
よんく ◆JONK.IX2 :02/03/14 17:04 ID:J4PJ0HaU
「地雷ではなく花をください」
絵本だけど、これを読むと胸がつまります。
以前、子供に読み聞かせのために購入したんだけど
寝る前に読んであげたら
怖がって、一緒に寝るはめになってしまった・・・
PEACE IS NOT ENOUGH
「白痴」下巻242ページまで。
なんだかよくわからないうちに公爵はナスターシャ・フィリポヴナと
1ヶ月くらい同棲していたみたいです。
(「同棲」の内容はよくわかりません。)
400ルーブルの銀貨紛失事件発生。
それにしても、人のことをよく「ばか」とか「気ちがい」とか呼ぶ物語です。
(「気ちがい」も一発変換できませんでした。)
>>50 店頭で読んでしまわずに買うべき本のようですね。
52 :
小梅:02/03/15 20:49 ID:KTEJBFJ0
ロートレック荘事件 筒井康隆
を読みました。ヤパーリ筒井はいいなー。
「あんな・カレーにな」醤油かけるんが好きやねん。
54 :
大人の名無しさん:02/03/15 23:06 ID:0aCMIqjq
「白痴」下巻310ページまで。
公爵がワルワーラと婚約したと書いてありますが、
この物語でそんなことが書いてあっても、全然信用できません。
>>55 人名を間違いました。
ワルワーラとなんか婚約するわけがありません。
アグラーヤと婚約したのです。
57 :
大人の名無しさん:02/03/16 17:34 ID:0k1OjdG6
メトロポリタン
阿刀田高
58 :
小梅:02/03/16 18:50 ID:5Gt+QEfm
殺された案内人 佐藤雅美
白痴って何かおもしろそうだね。
59 :
大人の名無しさん:02/03/16 19:12 ID:yMj9qdq9
今頃になってだけど『アガスティアの葉』を読んだ。
ドストエフスキー、いいだろ?
ついでに安吾の『白痴』も読んでみ。
60 :
大人の名無しさん:02/03/17 00:40 ID:PZT4Mb1Z
「白痴」ってここで経過を見る限りでは
おもしろそうですが、私には理解できなさそう…。
今日、10年ぶりくらいで2度目なのですが、
「風と共に去りぬ」を読み終えました。
改めてスカーレットは凄すぎる。
自分に直接関係ないと一見思えることは
右から左へ流れていってしまうところがイイ!!
スカーレットのように商売上手になりたいな。
次は、人から借りた「宋姉妹」です。
「白痴」下巻364ページまで。
やーっぱり、婚約なんてのはガセネタでした、
それにしても、家族一同の前で公爵に
「あたしと結婚したいのですか?」と尋ねて
「したいです」と答えさせるアグラーヤは、
ちょっと勘弁してほしいです。
ちなみに、ほんとか嘘かわかりませんが、女優のナスターシャ・キンスキーは、
「白痴」の主役のナスターシャ・フィリポブナが名前の由来らしいと
文学板に書いてありました。
62 :
百年の孤独:02/03/17 16:31 ID:dkMEd38R
今日読む本。「青春と読書」
63 :
ブー:02/03/17 22:22 ID:YZSUddEu
「モンスターズインク」、40で泣いた、トホホ
「白痴」下巻409ページまで。
イポリートがあと2週間の命ってのは、ネタだったんでしょうか。
昨日買った文庫
「白痴」坂口安吾
「引き裂かれた空」クリスタ・ヴォルフ
「はつ恋」ツルゲーネフ
「白痴」下巻476ページまで。
「夜会」でおとなしくしているはずの公爵が長広舌をふるった挙句に
ぶっ倒れてしまいました。
それより、その後のナスターシャとワルワーラの直接対決で
公爵の取り合い(?)をした結果、ナスターシャのものになっちゃいそうです。
あー、こりゃ、ハッピーエンドは無理っすねー。
こうなってみると、いずれ映画で観てみたいものです。
黒澤明とアンジェイ・ワイダが映画化しているようです。
66 :
小梅:02/03/19 22:29 ID:heqVnwe/
美神解体 篠田節子
どうなるんだろ?ってだけで読み進んで行ったけど一度読めば充分。
平田は人形フェチでなければ萌え♪
あー、やっぱり。
夕べ、続きを読み始めてから「もしかして・・・」と気付いたのですが、
>>65で、また、アグラーヤと書くつもりで間違ってワルワーラと書いてしまいました。
本を読みながら二人を混同しているわけではないのですが、
なぜか名前を出そうとすると間違ってしまいます。
「白痴」読了(下巻552ページまで)。
公爵とナスターシャの結婚式の当日、ダスティン・ホフマンが現れましたが、
悪いダスティン・ホフマンでした。
いずれにしろ、すごい結末ではあります。
さてと・・・次は、何を読もうかな。
69 :
はい、お茶です:02/03/20 19:25 ID:4teraii1
>>68 @魚好きさん
完読おめでとうございます。
私は読書といっても、短編・中編のみでジャンルも偏っているもんで、
長編純文学小説は読んだ事が...無いですね、みっともない。
でもこうして読書報告をしながら読むのって、なんだか新しい試みで楽しそうです。
私も暇が出来たらですが、以前から読みたかったSF小説の古典なんかに挑戦したいです。
アシモフがハイラインが私を呼んでいる「読んでくれ」って。
70 :
大人の名無しさん:02/03/20 21:03 ID:4mV6WFjZ
「白痴」読了お疲れ様でした。
要点をかいつまんでおもしろおかしく
書いてくださるので楽しかったです。
でも、結局どんな小説なのかってなると
いま最初から読み返してもよくわからないなあ。
でもよんでみたくなりました。
挫折率95%のようなきもしますが。
71 :
小梅:02/03/20 23:19 ID:hLZLGSGt
花冷え 北原亞以子
この人好きなんだけど、これはいまいちだったかな。
魚好きさん、完読おめでとう!
次の本も楽しみにしてますね♪
>>69-71 はい、どうもありがとうございます。
挫折した場合のことを考えて途中では書きませんでしたが、
元々、こんなふうに読んで報告することを宣言して読み始めたら
途中で挫折しにくいのではないかと思ってスレを始めたのでした。
思った以上に読みにくくない内容だったこともあり、
なんとか読み切ることができてよかったです。
「白痴」の内容に関しては、(よくわからないのですが)
「善良な人の存在によって世の中はよくなる」という考え方に対する
作者の懐疑のようなものがあるのかと感じました。
73 :
大人の名無しさん:02/03/21 14:41 ID:8YuAHl1x
ハードカバーの新刊は前説で外されてばかりいるから古本屋オンリー。
んで、読んだのが「太宰治全集」睡眠薬替わり。
クリスタ・ヴォルフの「引き裂かれた空」を読み始めました。
これは、一言で言えば恋愛小説ですが、ドイツ民主共和国の
社会的な制約の中で積極的な人間らしい生き方を追求する
ヒロインの姿がみずみずしく描かれているようです。
75 :
tomo@暇人 ◆TomoMUKE :02/03/22 12:49 ID:J6d61ryu
小松左京の「件の母」が復刻されていましたので、
早速購入して読みました。
76 :
シワダ:02/03/24 08:02 ID:9quzwZWm
「件の母」復刻ですか。本屋行かなくちゃ。
小説ではないですが、柳宗悦の「手仕事の日本」読み終わりました。
たいていの新聞は、日曜日に書評欄を設けていることが多いようですが、
私の家で取っている新聞も、毎週日曜日に見開きで書評を掲載しています。
その中に、小さめの囲み記事でマンガ評があって、
今朝は、いくつかのマンガの中で高野文子さんの「黄色い本」も
取り上げていました。
高野文子さん、KUMIKOという歌手のCDジャケットに
イラストを描いていますね。
>>76 カメレスですが、
『くだんのはは』と言う題名で、ハルキ文庫から出版されております。
久しぶりに小松左京を堪能しました。
79 :
大人の名無しさん:02/03/26 16:00 ID:FJBQrsRF
自動販売機で買ったエロ本を読んだが何か。
80 :
シワダ:02/03/26 22:24 ID:VWooWe9Q
自販機のエロ本は、「読む」でなく「見る」です。
「引き裂かれた空」を少しずつ読んでいます。
内容についての報告は、また改めて。
82 :
小梅:02/03/28 00:14 ID:kfKH+CFy
公主帰還 井上祐美子
宋代の中国が舞台の短編小説です。
(帯にある「読みなチャイナ」に思わず笑ってしまった)
83 :
大人の名無しさん:02/03/28 02:28 ID:Nt0v2eR7
沈まぬ太陽が文庫で出ていたので、全館読み終わったところ
5巻物をハードカバーではとても買えない
本も高いよね
84 :
大人の名無しさん:02/03/28 03:08 ID:LXBkkvuZ
中島義道『うるさい日本の私』新潮文庫 再読。絶望感がこみ上げる。
でもなぜか元気になる。
85 :
小梅:02/03/28 04:35 ID:kfKH+CFy
>>83 本は高いね〜。ある時調子に乗って毎日本買って読んでたら
一ヶ月の本代が二万近くになってビックリしたよ〜!
明日は何を読もうかな♪もう今日か、、
86 :
大人の名無しさん:02/03/30 00:26 ID:bQG+aSEX
友人から借りる、図書館から借りる、ブックオフで買うでまかなってます。
指輪物語、3冊目に突入。
昼間はガルシア・マルケス「エレンディラ」再読。
87 :
大人の名無しさん:02/03/30 00:59 ID:9HECCAlt
日経ネットワークと
日経オープンシステム
この頃こんなんばっかや
仕事のためとはいえ...(鬱
88 :
大人の名無しさん:02/03/30 01:25 ID:kUne3eaw
われ万死に値す-ドキュメント竹下登-(新潮文庫)
を読み始めました。すごくおもしろいです。
竹下さんは明るいイメージですが、つらいことも多く
経験したんだなと今読んだところまでで思いました。
クリスタ・ヴォルフの「引き裂かれた空」を今朝、読み終わりました。
簡単に紹介すると、ベルリンの壁が築かれる前後の東ドイツで
ピュアな精神と鋭い感受性を持ったヒロインが、恋人が西に亡命しても
自分は東に残って堅実に、かつ建設的に生きていこうとする物語です。
作者は東ドイツの当時32歳の作家で、この作品は、
恋愛小説としても、もちろん、かなりおもしろく読めるのですが、
それ以上に大変興味深かったのは、
当時の東ドイツの社会にあった問題点が率直に書かれている
(それも、だから逃げてしまおうというのではなく、
ここで自分はどう行動し、生きていくべきなのかという
建設的な視点から)ということと、西側の社会に対する見方も
決してどこかの教科書から抜き出してきたようなものではない
冷静で素直な見方で書かれているということです。
そのため、この本は東西両ドイツでベストセラーとなり
他の国でも広く読まれたそうです。
(少なくとも今の日本では、非常にマイナーな存在だろうと思いますが。)
これを読んで、今、日本の社会で生きている者として、
例えば、朝鮮民主主義人民共和国の人が率直に自分の生活や
大韓民国や日本、あるいは中華人民共和国の社会をどう見ているのか
ということが書かれた小説などあれば読んでみたいと思いました。
>>59さんお薦めの坂口安吾の「白痴」を読んでみました。
坂口安吾を読んだのは、初めてだと思います。
空虚というか、希望のない、やり切れない話だと感じました。
ですが、それもまた、現実社会のありようを反映したものであり、
小説として書き残しておかれる価値のあるものだと考えます。
これって、手塚眞が映画化しているんですよね。
この原作で、いったいどんな映画にしたのか興味があります。
明朝からドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」を読み始めます。
私が持っている本は、集英社の世界文学全集版で、
20年近く前に3分の1か半分ほど読んで挫折したことがあるのです。
この本は、注が充実しすぎていて、いちいち注を読んでいると
先に進めなくなってしまうので、今回は、注は読まずに、
とにかく最後まで読みとおします。
挫折しにくいように、「白痴」と時と同じく、
毎回ページ数を報告しようと思います。
万が一、それでも、途中で挫折した場合は、
このレスはエイプリルフールということで、よろしく。(笑
92 :
大人の名無しさん:02/04/01 22:51 ID:8r2FueUQ
小野田寛郎さんの「たった一人の30年戦争」 滅茶苦茶おもしろいっす。
93 :
大人の名無しさん:02/04/01 23:38 ID:xw+8eK8g
南朝迷路、高橋克彦著
後醍醐天皇のこともよく知らなかったけれど、
立川流が絡み、そのドクロ話を読み、現実は小説よりも怪奇すぎると・・・。
94 :
大人の名無しさん:02/04/02 00:41 ID:CQawFEMp
田中角栄研究全記録(立花隆 講談社文庫)
立花隆の名前を一躍有名なものにしたルポルタージュ。
ロッキード以前の児玉誉士夫や小佐野賢治を知らない。
児玉氏はりっぱな国士やりっぱな右翼という印象。
小佐野氏はエスタブリッシュメントだったらしい。
「まろ、ん?」。
漫画一冊でナンだが、初めて「源氏物語」は凄い!と想ってしまった。
今までは現代語訳でも読みとおせず「過大評価されている古典」と思い込んでいた。
「カラマーゾフの兄弟」21ページまで。
今朝5時に起きてもっと読むはずだったのですが、
夕べ、テレビの「鉄腕アトム」を見てしまい、夜中の12時過ぎに
BS2の「マンガ夜話」で「メトロポリス」を取り上げることを知って、
12時に起きるつもりで目覚ましをかけて寝たら、目が覚めた時には、
目覚ましをぶっ倒したまま5時半でした。(汗
先が思いやられます。
物語は、現状に到るまでの主要登場人物の経歴を簡単に説明するだけで
かなりの枚数になりそうです。
次男のイワンは、「昔天才少年だった人」でした。
本は、上下2巻で、上巻は本文が7ページから460ページまで、
下巻は本文が5ページから508ページまでです。
98 :
大人の名無しさん:02/04/04 18:32 ID:AXFdsA5j
岩波新書「昭和史」
何気なく読み始めたんだが、今の世の中と満州事変前夜の国内政治と世界的な
動きが、よく似ているように思った。
>>98 >今の世の中と満州事変前夜の国内政治と世界的な動きが、よく似ている
かなり同意です。
その本は、もしかして、ずいぶん以前に出た本でしょうか?
100 :
大人の名無しさん:02/04/04 18:42 ID:AXFdsA5j
98
>>99 はいそうです<ずいぶん以前に出た本
確か昭和30年ごろの初版だったように思います。
>>100 即レスをありがとうございます。
やはりそうでしたか。
うーん・・・読みたいけれど、運よく古本屋で見つけるしかなさそうですね。
そういえば、今週の「週刊現代」のグラビアで
若い頃の辻本清美氏の書棚に「アンナ・カレーニナ」が。
おまけに編集部のキャプションでは「アンナ・カレリーナ」。(マジで
103 :
他スレの195:02/04/05 17:34 ID:18iDwB0Q
亀レススマソ
くだんのはは
あれはね、内田百閧フ作品の本歌取りなんよ
岩波緑帯の冥土・旅順入城式にその元歌が入っております
>>103 やあ、レスをありがとう。
この板は、本を読む人があまり多くないみたいなんで、
このスレの盛り上がりも、いまいちだったんですよ。
急にたくさん書き込みがあると、とまどう人もいると思うけど、
うまく加減して盛り上げてみてくださいよ。
>>102 ギョチュキ
誤字をネタにする時は、自分も細心の注意を払わにゃならんニダ。
×辻本清美→◯辻元清美
>>103 ちなみに、たぶん知らないと思うんで書いておきますが、
私のハンドルは、通常「名無しさん@魚好き」ですが、
4の付く日は、「ななちタン@魚ちゅき」で書き込んでいます。
つまり、同一人物です。
>>105 きゃー! きゃー! きゃー!
ハズカシ!!
でも、さんきゅーです。
キムさんも、読書していそうだけど、盛り上げてくださいよ。
このスレの初カキコが挙げ足取りっつーのも意地悪いニダね(wニダ
んじゃスレの主旨に則ったカキコもしとくニダ。
ウリは最近、中高の時にハマったアガサ・クリスティにまた凝り出して、
再読も含めて片っ端から読み耽っとるニダよ。
前回は50册越えたあたりで挫折したニダが、今度こそ全作品完読目指すニダ。
全部で86册あるニダが、コンプリートまであと5册ニダ。
キムさんにスレを乗っ取られそうな予感・・・・・
なんつって(笑
「カラマーゾフの兄弟」71ページまで。
父親のフョードル・カラマーゾフと長男のドミートリイの間の
財産問題をうまく解決するため、アリョーシャの僧院の
ゾシマ長老(みんなに敬われている人)のところに
父親と三兄弟が勢ぞろいすることにしましたが、
ドミートリイは遅刻して、父親は、いらんことばかり言ってます。
111 :
大人の名無しさん ◆.PLkL6q. :02/04/05 19:16 ID:5tYGKBKT
>>108 キム様
86冊ってハヤカワ・ミステリですか?
『スリーピング・マーダー』が85冊目ですが、
その後何が出たのですか?
自伝とか共作の分を指してらっしゃるんでしょうか?
教えてくださいまし。
112 :
シワダ:02/04/05 19:56 ID:qERa2oy2
亀レスですが
満州事変前夜といえば、角田房子(確か新潮文庫)『甘粕大尉』が
ノンフィクションで時代背景を知るにも、流れを楽しむにも良かったです。
角田房子以外では、澤地久枝も昭和初期を知るにはいいですね。
この二人は史実を丹念に調査している感じで、好感を持っています。
113 :
よんく ◆JONK.IX2 :02/04/05 20:11 ID:Yym1AtrW
今日、古本屋さんで「沈まぬ太陽」があったので
早速購入。1冊150円(ハードカバー
でも3、4、5のみ。1と2がない。
バイクをとばして別の古本屋さんへ行くと
1冊680円。高い・・・。文庫版買いました・・・。
「エレガントな宇宙」
意欲的なときでないと頭に入らないんで読むのお休み中
114 :
大人の名無しさん:02/04/05 20:46 ID:jXdo8/Ro
>>112 沈黙のファイル―「瀬島龍三」とは何だったのか
(新潮文庫)
共同通信社社会部 (編集)
もおもしろいですよ
115 :
大人の名無しさん:02/04/05 22:40 ID:J7Jz574J
岩波新書「短歌をよむ」俵万智。
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
の歌のサラダって嘘らしいです。本当は○○○を作ったらしいですよ。はい。
「ゴルゴン」 タニス・りー
短編集。
表題作の「ゴルゴン」は秀逸。
りーらしい幻想的でエロティックな物語の中に、皮肉と絶望が隠されている。
元来ファンタジーは苦手だったのですが、彼女の紡ぐ残酷な夢物語には
惹かれます。
>>111さん
ハヤカワミステリ文庫で、自伝・共作を省いた分ニダよ。
86册目は『ブラック・コーヒー〈小説版〉』を勘定に入れたニダ。
こりは正確には他の人の手で小説化されたもんニダが、
ストーリーは戯曲版とほぼおんなじニダ。
さらに最近、『マン島の黄金』も文庫化されたニダね。
今まで単行本に収録されず、
近年になって発掘された作品を集めた幻の作品集ニダ。
こりはウリはハードカバー版ですでに持っとるニダから
勘定に入れんかったニダが、正確には87册になるニダね。
118 :
111 ◆hC2wMa.M :02/04/06 12:56 ID:ChUK9VlG
「カラマーゾフの兄弟」97ページまで。
イワンが教会と国家の関係などの話をし出しましたが、
はっきり言ってここらへんが難解なのです。
遅れてドミートリイが登場しましたが、途端に
親父と険悪なところを見せつけてくれます。(伏線なのであろう。)
このスレの書き込みが増えてきましたね。
120 :
ヌケル画像最新版:02/04/06 19:23 ID:jBCkmPpt
「カラマーゾフの兄弟」129ページまで。
いったん帰りかけた親父さんがわざわざ戻ってきて
さらに失礼なことを言って、残って食事しようとしていた場を
ぶち壊していきました。この親父さんは、白痴で純真な乞食女を
妊娠させたこともあるくらいの好色家なのでした。
(生まれたのが腹違いの四男)
122 :
大人の名無しさん:02/04/07 17:05 ID:IlVaxWdI
男なんですが、安息日なので、三浦綾子さんの随筆をめくってみました。
123 :
195 ◆ApGKf56Q :02/04/07 22:13 ID:NY2mw7wr
池波正太郎『剣客商売』第三巻まで読了。
何度も途中で挫折する夢野久作『ドグラマグラ』来週から新たに挑む。
『大菩薩峠』後半部分の面白さを今村仁司に教えられる。
大本教・天理教との兼ね合いで読み直す(読了予定5月)
「カラマーゾフの兄弟」156ページまで。
ドミートリーは、すごい美人のお嬢さんのいる家がすぐ金がないと
大変に困ったことになると知って、「お嬢さんを私に差し出せば
金を用立てます」なんて言って、いざ、お嬢さんが自分のところに来ると、
「そんな大金あるわけないじゃん」と言ったらどうなるかな、
なんて考えてるトンデモ野郎(死語か?)です。
(でも、ちゃんと金を渡してやったのであった。)
125 :
大人の名無しさん:02/04/08 18:39 ID:rhroU0jy
井上ひさし 「ニホン語日記 U」
「射精産業のキャッチコピー」だったかな、とにかく母国語に
興味を持つと、あらゆる言葉が研究材料になるものだと笑いながら
感心した。
「カラマーゾフの兄弟」204ページまで。
(第4部まであるうちの第1部を読了。)
>>121で「四男」と書いたのは勘違いで、乞食女の息子は、
次男と同じくらいの年齢でした。
それにしても、今回は、前回と比べると不思議なくらい
おもしろく読めています。
この報告を読んで「カラマーゾフの兄弟」の粗筋を知ろうと
思っている人もまさかいないだろうし、読んだことのない人でも
ちょっとした解説を読んだことのある人なら、おおよその筋くらいは
知っているだろうと思いますが、要するに、これは、
父親殺しの真相をめぐる推理小説的な面もある物語なのです。
(あっさりネタバレしている解説も珍しくありません。)
とりあえず、金持ちの囲い者になっている美女をめぐる
父親(フョードル)と長男(ドミートリイ)の確執と他の人物の
関わり方が描かれて、お膳立ては揃いつつあるというところでしょうか。
127 :
195 ◆ApGKf56Q :02/04/10 18:27 ID:G/qWITey
剣客商売5冊目まで読了。
池波は白血病で他界。
マルメラードフという登場人物がいますね。
語源的にはマーマレードだそうで。
手塚がこいつは甘っちょろいからマルメラードフなんだ、という名言を残しておりました
「カラマーゾフの兄弟」247ページまで。
(今日は、すでに飲んでいるので、コメントは省略。)
>>127 >マルメラードフという登場人物がいますね。
「罪と罰」のでしょうか。
私は、中学生の頃、講談社の全集で出たばかりの手塚の「罪と罰」を読んで、
「こんなすごい小説を書いた人がいたのか!」と驚いて、
あわてて原作を読みました。
今の私が言うのも変だが(いや、変じゃないんだけど)、当時は、
「なんでこんなソーニャごときに屈服してしまうんだよぉ!?」
と思っていました。
129 :
195 ◆ApGKf56Q :02/04/10 21:57 ID:oz9fGwiC
>>128そそ、手塚のそれ!
換骨奪胎してあれだけの作品。
ましてや原作は一流
いい仕事をするものははずさないな、というのを実感した作品です。
131 :
シワダ:02/04/11 16:00 ID:Qeo6bpJH
>>114 遅くなりましたが、オススメの「沈黙のファイル」是非探します。
ありがとうございます。
>お紺様
タニスリー何度か挑戦しているのですが
いつも挫折。
皮肉と絶望を含んだ、冷たいエロス。まさに同感ですが
いつのまにか冷え切って挫折してます。
「カラマーゾフの兄弟」270ページまで。
これで、第4編まで読了。
この後が、いよいよ、やっかいな「ProとContra」です。
133 :
195 ◆ApGKf56Q :02/04/11 20:35 ID:YcAIKGJl
カムイ伝1〜5
白土三平は民俗学の素養のある立派な漫画家なので
剣客商売第六
山田花子自殺直前日記
135 :
はい、お茶です:02/04/12 18:54 ID:bEGdPkTc
>>134 なるほど、ウハー...何かに使えそう。
先日、注文していた「新・トンデモ超常現象56の真相」が届きまして。
読んでは居眠りの繰り返し、本の内容が面白くないのでは無く、
これが私の癖のゴロ寝読書法。
小説など読んでると、時々夢の中で筋が展開します。
訳が判らなくなって、これが大変宜しい。もう、妄想・倒錯の世界。
(とても危険なので、小さいお子様はマネしない様にネ)
本の内容はスレ違いなので、某ヨタ話スレで。
すごいよ、2ちゃんねる。
某板の某スレで「罪と罰」のソーニャのAAを発見。
76 :ソーニャたん :02/04/02 22:34
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「カラマーゾフの兄弟」329ページまで。
イワンの話が続いています。
有名な「大審問官」という章なのです。
この部分は、なにを言っているのかかいつまんで
紹介するというのがきわめて困難です。
「カラマーゾフの兄弟」360ページまで。
さてさて、今晩は、フョードルの家では、フョードル以外全員
寝込むか外出してるかしてしまって、殺人事件が起こるには
ちょうどいい晩になるようです。
しかし、まだ100ページくらいは別のことが書かれてるに違いありません。
139 :
小桜:02/04/14 22:06 ID:lcG4AGwI
動物のお医者さん
かわいい動物漫画だよ
「カラマーゾフの兄弟」386ページまで。
案の定、長老のありがたいお話が延々と続いております。
愛を告白しようかと思った女性に婚約者がいた、って、
そりゃ、すごくありがちな展開ですね。
(本質的な問題ではありません。)
>>140 大きく育ちすぎて手におえなくなったシベリアンハスキーと
獣医志望の女の子を全国的に増やした名作マンガですね。
142 :
195 ◆ApGKf56Q :02/04/15 21:24 ID:gGD0yv1q
剣客商売10巻まで読了
明後日からは仕事の本を読まねばならない
ソーニャたんのAAがあったのが凄くおもしろい
さすが○○から○○までを網羅する2ちゃんねる
本日の購入書籍
レイテ戦記
近藤勇白書(池波)
アイシンジュエラの日記(満州)
143 :
大人の名無しさん:02/04/15 21:31 ID:AC34owTc
J.J.ルソー「エミール」1巻途中。
ルソーって孤児院育ち、生涯5人の子供を授かり、全て
孤児院に入れたそうです。相手は3人。
書いてる事は、当時としてはぶっ飛んでる。でもね...?
亀レスですみません。
>131=シワダ様
タニス・リーは文章が表現も独特で、回りくどく感じられる事もしばしばあって、
長編を読むと途中で疲れてしまうかもしれませんね。
私が読んだような短編はどうでしょう。りーの魅力は、短編でも活かされていると
思います。興味がおありでしたら、是非1度お読みになってください。
「カラマーゾフの兄弟」403ページまで。
朝から山菜を採りに行っていたので、あまり読めませんでした。
長老は、昔、決闘をして、相手に1発撃たせてあげた後で、
決闘を放棄したのであった。
146 :
よんく ◆JONK.IX2 :02/04/16 18:58 ID:WZ/D+WR8
「沈まぬ太陽」毎日読んでますが
労働組合活動のところを読むと
昔の自分を思い出して、イタクてなかなか進めません・・・
読むの辛いですぅ。
>魚好きさん
山菜はたくさん採れました?
148 :
小桜:02/04/16 21:33 ID:DN5jUflo
歌舞伎町アンダーワールド 日名子暁・夏原武・山岡俊介他
149 :
大人の名無しさん:02/04/16 21:50 ID:zn1s4awl
証拠 ブラインドマン
wav
atrac1
atrac2
320
192
128
150 :
大人の名無しさん:02/04/16 21:54 ID:Q6piN+UN
田中角栄研究(下)の「児玉誉士夫とは何か」の章
右翼の大物児玉(故人)は人を惹きつけてやまない性格をし、度量の
大きな人だった。そのために大勢の政官財の人たちに影響を与えたのだった。
ロッキード事件で躓いたがこの人は大きな足跡を残したのではないだろうか
昨日の分です。
「カラマーゾフの兄弟」440ページまで。
殺人事件はまだですが、俄然おもしろくなってきました。
偉い長老様が亡くなった後、あまりに早く死臭が漂いだしたと言って
みんな大騒ぎです。
今日読んだ分はさらに面白いのですが、それは、またあとで。
152 :
シワダ:02/04/18 13:10 ID:kkXkNzal
>お紺様
タニス・りーは短編もなにかもっていたような気がするので
読んでみます。
気に入ると終わってしまうのが悲しいので、ついつい長編に手を出してしまいます。
現在「指輪物語」最終段階に入ったところ。
といてっても旧文庫版で5冊目です。
>>147 天ぷらにしたらおいしそうだね〜
どう料理したのかな?
今日は学校いって読む暇がなかったんでsage
「カラマーゾフの兄弟」460ページまで。(上巻読了です。)
長老が亡くなってガックリのアリョーシャが悪い人に誘われて
グルーシェンカ(親父と兄貴を手玉にとってる悪女っぽい美女)の
ところに行ったら、いきなり腰掛けた膝の上に座られちゃいました。
ドキドキ。
でも、彼女は、1本のネギを他人にめぐんだことがあったのです。
そうすると、地獄に落ちても、ネギで引っ張り上げてもらえるんだそうです。
(なんか、蜘蛛の糸でそういうのあったよね。)
というわけで、すべての登場人物に関して、単純に
「いい人」「悪い人」というのはなくて、非常に複雑な面を
持ち合わせている人間というものを丁寧に書いているので
面白くて手間がかかるのでありました。
>>153 とりあえず、一番簡単な食べ方として、ゆでたものを
かつぶし&しょうゆで、それからマヨネーズでも食べてみました。
それから、自分で思いついて、ごま油で豚肉と一緒に炒めて
味噌味でいただきました。(これは、かなりいけます。)
てんぷらもよさそうなんで、おかずに段取りによっては
作ってみようと思います。
「カラマーゾフの兄弟」下巻44ページまで。
「事件」が起こらないまま上巻が終わってしまったので
どうなることかと思いましたが、下巻に入った途端に
「事件」当日のドミートリイの行動は、スピード感のある
急展開が続きます。
156 :
195 ◆ApGKf56Q :02/04/19 20:50 ID:azraWe+G
剣客商売『二十番勝負』読了
本日の購入
『カレワラ』(岩波文庫上下)
「カラマーゾフの兄弟」下巻75ページまで。
ポーランド人が登場しましたが、話す言葉はポーランドなまりの
ロシア語です。で、当然、ロシア語で書いてあったものの日本語訳で
読んでいるわけですが、ポーランドなまりのロシア語の日本語訳というのは、
昔のステロタイプな「中国人の日本語」のようですね。
ソーニャたんの吹き出しのずれを直してみました。
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158 :
大人の名無しさん:02/04/20 18:57 ID:mbG0Lqu6
高村薫の「マークスの山」5分の1位。
名作だわ…
159 :
195 ◆ApGKf56Q :02/04/20 18:59 ID:A2o4+nVL
なおってるねぇ〜
オーチンスパシーバ!
明日も休みなので今日もきっと夜更かし。
本日の購入書籍
『内なる外国』(ダグラス・ラミス)
本日より池波正太郎
『黒白』開始
ザーフトラ ウートラもユクーリおきる予定
160 :
大人の名無しさん:02/04/20 19:04 ID:O2TMN3a/
鈴木宗男研究 加藤昭
1章裏切り
2章ロシアコネクション
3章日韓利権コネクション(の途中)
戦後の裏社会(CIAの系列)は現在どのように受け継がれているのか
その一端をかいま見せてくれる本かもしれないと思って読んでます
161 :
大人の名無しさん:02/04/20 23:52 ID:Ofva0hhj
山咲千里
「だから私は太らない」
最近ダイエットに遠ざかっているので
自分にカツを入れようと思ったのですが。
なーーーんか、文章が
「私ってとっても素敵な女なのよ」ってのが
ぷんぷん感じられる割にはなんかイマイチ知性が
感じられないので、読了と同時にブックオフかなあ。
あんまり本屋になかったからわざわざネットで取り寄せたのに。
でも、女優はきれいでいるためにこんなに努力してるんだなあと
とても感心しました。
夢を与える商売だもんなあ。
「鮎のうた」のころは大好きでした。
162 :
ジジ:02/04/21 18:54 ID:xmkwpaOP
>161 私も太りたくない。
今日から「アンナ・カレニーナ」完読めざします!
163 :
大人の名無しさん:02/04/21 19:25 ID:KrHYqF5c
鈴木宗男研究
全部読んじゃった。この新潮社の連載名誉毀損で訴えられているんだっけ
別に大したことは書いていない。疑惑を書いているだけ。つっこみが足りない
(立花隆の田中角栄研究のようにもう少しつっこんで欲しかった)
各章の終わりに鈴木宗男に否定的な言葉をかいているが、ああいうのは
意味がない。事実に真実を語らせるべきなんだ。章の終わりにこいつは
悪いヤツだなどと主観的なことを書いているのが目障りに感じた
書かれてある事実にたいして、別の主観からみると全然悪くないじゃないか
とおもえた
CIAとかKGBとかのからみが鈴木宗男にはないことが、疑惑をもたれている政治家
として鈴木宗男を巨悪ではなくしている。これまでの巨悪だといわれてきた
政治家とはぜんぜん違ってスケールが大きくない。今回の疑惑はくだらない
「カラマーゾフの兄弟」下巻104ページまで。
血まみれの手で札束を握り締めていたドミートリイが
グルーシェンカたちとどんちゃん騒ぎを始めました。
グルーシェンカが告ってくれたりして、有頂天ですが
そんな状況が続くわけがないのでありました。
>>162 おお! 報告に期待してます。
165 :
大人の名無しさん:02/04/21 20:13 ID:3C/3kKQQ
最近、活字を読むのが苦痛で苦痛で、、、、、、、
字が目には入るんだが、昔のように頭には入ってこない、、
だから、なんかこのスレ羨ましいです。ちなみに30代後半の男。
ドストエフスキーは、昔読んだので、つい書き込みしました。
個人的には、「死の家の記録」とか好きだった。
166 :
ジジ:02/04/21 23:04 ID:xmkwpaOP
>162
「アンナ・カレーニナ」でした。
>165
そういう時期ありますよね。なんとなくわかります。
>164
「アンナ…」は以前読んだことがあるのですが、読み返すと
また新たな発見があるかと思って…
このスレだったかな、映画「アンナ…」のヒロイン役がビビアン・
リーだときいたのですが、「風とともに去りぬ」のイメージが
強くてピンときませんね。
「カラマーゾフの兄弟」下巻148ページまで。
父親殺しの疑いで尋問を受けるドミートリイですが、
しゃべればしゃべるほど泥沼にはまっていくようです。
直情型の性格で、言わなくていいようなことを言ったり、
言えばわかってもらえることを言わなかったりしています。
169 :
シワダ:02/04/23 11:37 ID:EcsrfL/N
>165
お気の毒です。30代後半の頃は、違う世界に瞬時にトリップできることが
仕事の気分転換には欠かせなかった記憶が・・
本の快楽に戻れる日が来ると良いですね。
ラジオで児童書の日の特集をやってました。
これってサン・ジョルディの日にちなんだんでしょうね。
河合隼雄の「ゲド戦記」に関するコメントを聞いていたら
読みたくなりました。
児童書だけど、子供の頃はまだ翻訳が出てなくて読んでません。
>>108で書いたよーにあとほんの数冊で、
アガサ・クリスティの全作品読破のはずだったニダが、
また“幻の戯曲”っつーて『アクナーテン』って新刊が出とったニダよ。
いったいこの人の幻の作品はあと何冊出るニダか?
171 :
wayowayo:02/04/23 20:20 ID:wpGulIBC
遠藤周作の「わたしの愛した小説」を読んでいます。
彼が影響を受けた作家モーリヤックの「テレーズ・デスケルー」を
題材に無意識、罪、悪を解説しているのですが、末巻の遠藤周作訳
「テレーズ・デスケルー」がよくわかりません。面白くないです。
二度目なんですけど、キリスト教を知らないとダメなのかなぁ。
解説自体は面白いんですけどね。
「カラマーゾフの兄弟」下巻184ページまで。
あらゆる証人がドミートリイに不利な証言をする中で
グルーシェンカだけは彼のことを信じていると言ってくれます。
ひどい状況ですが、あらゆる証人が自分に有利な証言をしてくれる中で
最愛の人だけが自分を信じてくれないなんていう状況に比べたら
100万倍はいい状況のように思えます。
サン・ジョルディの日というのは、1995年にユネスコが承認した
世界本の日でもあるんですね。
>>171 「テレーズ・デスケイルゥ」10代の頃に読みました。
でも思春期を脱するかどうか、という時期だったから、
今とは、読み方が違うでしょうが・・
心理小説として読んでました。
あの主人公が自らの潔癖さと、繊細で過敏な神経の領域を、
俗物とは共有できるはずもなく、焦燥感と孤独感を募らせていく。
絶望的だけれど・・ああ、私と同じ、と奇妙に共感してました。
全く、イタイ思春期でございましたワ。
解説が先に入ってしまっていると、ストレートに対峙できない
というか、楽しめなくないですか?
今度読み返してみようかな。
174 :
wayowayo:02/04/23 23:11 ID:wpGulIBC
>>173 そうかもしれません。喰わず嫌いイカンのですが、外国文学は苦手で…。
そもそも名前が覚えられないでし。
S・キングの「ミザリー」は最後まで面白かったです。
逆に遠藤周作の「わたしの愛した小説」(新潮文庫)を読んでみたら面白い
かも。遠藤周作はこのように訳してこういう視点で「デスケルー」を
再読するのかと。
今のところ分厚い本で何度も再読しているのは、阿川弘之の「井上成美」、
「米内光政」、「山本五十六」ですね。あ、「東海道中膝栗毛」も。
175 :
大人の名無しさん:02/04/23 23:23 ID:J3T/Fawq
阿川の「雲の墓標」は嫌いですか?「暗い波濤」も面白かったですよ。
外国文学は苦手なそうで。ドストエフスキーの「白痴」はとてもおも
しろいしトーマスマンの「魔の山」はすごくおもしろい。
魔の山→堀辰雄の「風立ちぬ」&「菜穂子」でも読んでみては?
もう読んでる?あ、そう。失礼しました。
>>175が上げた本全然読んでません…。
上底徳利で…生まれてスミマセン…。
買いに逝ってきます。
「カラマーゾフの兄弟」下巻205ページまで。
最後の第4部に突入です。
いきなり舞台が変わって、未婚の女中が赤ちゃんを産むというので
幼い子どもたちは、どうして赤ちゃんができるのか大論争です。
結論として、「あの女中は、お嫁に行きたいと思い過ぎて
旦那さんじゃなくて赤ちゃんができてしまった」ということに
なったので、中学生から「君たちは危険人物だなあ」と言われちゃいました。
この中学生の会話は、2ちゃんの気の利いたレスの応酬を
彷彿とさせて思わず笑ってしまいます。
(いいのか、そんな読み方でいいのかと小一時間問い詰めないでください。)
178 :
大人の名無しさん:02/04/25 04:47 ID:m4LjarR8
井上ひさし「餓鬼大将の論理」
短編エッセー集。氏らしい軽い語り口で、作品の背景や雑感、生い立ち
等々について、わかりやすく書き連ねてあった。
「カラマーゾフの兄弟」下巻243ページまで。
早熟で小生意気な秀才の中学生が病床の友人のために
犬を連れて行くところがすごく(・∀・)イイ!!
「カラマーゾフの兄弟」下巻267ページまで。
このあたりまで読んでみて、つくづく思うのですが、
この小説は、それひとつだけでも十分ひとつの小説になるような
濃いエピソードがてんこもりですごいのです。
学生の頃読んだ時には、「大審問官」のあたりで挫折したわけですが、
今にして思えば、あのあたりが理解できないのはしかたないですね。
たぶん、全体を一通り読んでから、改めて、あのあたりや
ゾシマ長老のありがたい言葉などを読み返して、ようやく
理解の糸口がつかめるような、そんな気がします。
「カラマーゾフの兄弟」下巻297ページまで。
イワン登場。
話がややこしくなるに違いありません。
しかし、ここらへんからが佳境でもあるのでしょう。
182 :
大人の名無しさん:02/04/27 18:58 ID:yub3yTKz
「ET地球大作戦」TENBOOKS.
世間ではいわゆるデンパな本といわれるもの。
軽いのりの本ですが、数年ぶりで斜め読みしても
「すべての道はローマからでてゆく」は、これから
の世界を端的に揶揄っている?言葉に想えてなりません。(w
183 :
大人の名無しさん:02/04/27 20:15 ID:DVE0glIe
アンヌ・モレリ「戦争プロパガンダの10の原則」
やっばーーーー!!
「カラマーゾフの兄弟」下巻335ページまで。
裁判の前日、殺人事件の真相が読者の前に明らかに!
アリバイ作りのトリックも、恐らく当時としては見事なもので
あったろうと思いますが、それ以上に、殺人にいたる伏線、
というより背景となる思想的なトリックとでも言えそうなものが
後から、「ああ、そういうことだったのか!」と思い知らされます。
これは、やっぱり、2回読まないといけない本ですね。
185 :
大人の名無しさん:02/04/28 20:01 ID:mYzAD9GM
活字離れとよく言われていますが,みなさん色々読んでらっしゃるんですね。
私も無性に本が読みたくなってきました。ブックオフで安く買った「シェークスピア・ミステリー」を
今から読み始めます!
186 :
小桜:02/04/28 22:07 ID:CuKfbp++
北朝鮮に消えた友と私の物語 萩原遼
赤旗平壌特派員だった筆者が地上の楽園で見たものは・・
最近家族や友人がどんどん本を貸してくれるので自分で
選んだ本が読めない・・白痴が読みたい
「カラマーゾフの兄弟」下巻362ページまで。
. §
,§、
,ー./ハ,§
〈:://二§_
/ヽ ヽ ヽ 直接手を下した下手人は
|:: |::.. | | いきなりこういうことになって
. |:: |:::. | |
〈:: 〉:: | / | 真相を知っているただ一人の人は
. |:: |:: l | アヒャヒャヒャ(AAなし)に
. |:: |____∧_,| なってしまいました。
(((〈::: _ / /)
|:::: |:: |
|:::: |:: |
. |:: =|::: =|
|:::: |:: |
. |::: ||:::: |
|__,||__|
/::__) /::__)
/ / /ノ,/ ))
~^~ ~^~
____
188 :
大人の名無しさん:02/04/29 21:49 ID:/zNvXn3P
「死よ驕るなかれ」ジョン・ガンサー(泣
「カラマーゾフの兄弟」下巻396ページまで。
裁判が始まりました。
今では、こういうのも珍しくないのでしょうが、
証人の発言によって形勢が大きく変化する様子が面白いです。
っていうか、伏線張りまくり。
190 :
大人の名無しさん:02/04/30 19:43 ID:semka5LW
マイクルクライトンの「エアフレーム」を読み終えた。
まあまあ楽しめた。
191 :
よんく ◆JONK.IX2 :02/04/30 21:28 ID:/UTifIKX
「沈まぬ太陽」1と2終わり。
続けて読めばいいんだけど
ちょっと違うのが読みたいので
「嵐が丘」
荒涼たるヨークシャーの自然を背景に
激しい愛憎のドラマが展開する・・・らしいです。
192 :
大人の名無しさん:02/04/30 21:44 ID:MkPaAOqW
週刊文春 山崎拓の変態ぶりにおどろかされた。
193 :
大人の名無しさん:02/05/01 00:26 ID:a51Fu2y+
佐藤愛子「血脈」やっと全3巻読み終え。
うーんすごい血筋。「死んでほっとされる」人たちばかり出てくる。
194 :
大人の名無しさん:02/05/01 00:38 ID:zA/GK9OD
ここの住人さんたちはみなさんすごい読書家ですね(感心・・・
わたしなんか工房の頃読んだ司馬遼太郎センセの「竜馬がゆく」の全8巻がいいとこ。
吉川英治センセの「三国志」は1巻の半分で挫折した(恥
一時期は横溝正史モノに凝っていたけど、今は吉村達也あたりの軽いのを
通勤途中で読むくらいだったんですが、最近あるHPを観て、読みたくなったのが
「南総里見八犬伝」。
日本文学史上、おそらく最長と言われる(源氏物語より長い、と聞いた)この伝奇
物語りを今かなり本気で読みたいと思ってます。
・・・が、本屋にないのよね(藁
しょうがないから岩波に注文するか・・・
あとから気になってきたんですが、
>>187のAAは、
絞首刑になったわけではなくて、裁判前日に自分で首を吊ったのです。
197 :
194:02/05/02 00:25 ID:dDv3FDJj
>195
御親切に、ありがとうございます。
結構「在庫切れ」になってるんですね。
・・・というより、最初から出版部数が少ないのか・・・(藁
>>14に書いたとおり、先月から1時間早起きして、ほぼ毎朝
読書しているのですが、今日は、天気がよかったので
夜明けから1時間ほど釣りをしに海に行ってしまったので、
今日の読書報告はお休みです。
「カラマーゾフの兄弟」下巻は本文508ページまでなので
あと80ページ余りで読み終わります。
「カラマーゾフの兄弟」下巻460ページまで。
今度は弁護士が発言を続けています。
サマセット・モームの「読書案内」では、「『カラマーゾフの兄弟』の
最後の弁護士の発言のところは冗長で読むに耐えない」みたいな
書かれ方をしていたと思いますが、特にそうとも思いません。
やむを得ず的外れな指摘をしているところもありますが、
そういうことも含めて全体の総括としておもしろいです。
201 :
よんく ◆JONK.IX2 :02/05/04 09:13 ID:Mt3IvFcI
「嵐が丘」240ページまで
はじめに出てきたロックウッド氏がなかなかのキャラなので
期待して読んでたら、彼は物語には余り関係ない人物でした。
残念。
「カラマーゾフの兄弟」下巻482ページまで。
裁判終了です。あとはエピローグのみ。
おそらく大方の読者の期待を裏切る判決と言えるでしょう。
裁判途中で議場を追い出されたグルーシェンカ(被告ドミートリイの恋人)が
こっそり議場に戻って片隅で判決を聞いているというのがいいですね。
この小説も映画化されているのですが、映画の方も見てみたくなる展開です。
「カラマーゾフの兄弟」下巻508ページまで。
エピローグのアリョーシャと子供たちの場面は大変に美しい文章です。
その後のことが非常に気になってしまうラストですね。
というわけで、そうです。上下巻合計で約1000ページを
ようやく読み終えることができました。
前半はともかくとして、後半は、大変におもしろく読むことができました。
元々作者は、アリョーシャを主人公とする2本の長編小説を構想していて
これは、その1本目にあたるものなのですが、なるほど、
この後のロシア社会での主人公の活躍を読んでみたい気にさせられます。
それと同時に、この小説だけでも、「人間というものにこれほどの
小説を書くことができるのか!」と感嘆させられる、そんな小説です。
絶対読んだ方がいい、とは言いませんが、文学という分野で人類が成し遂げた
これほどの成果を知らずに人生を終えてしまうのはもったいないことですよ。
204 :
大人の名無しさん:02/05/06 17:20 ID:QWv75OgZ
井上ひさし
「汚点」
筆者の自伝的小説。いつもは大笑いするような小説を書く筆者だが、この本は
正反対。生い立ちの苦しさと生きることの辛さをしみじみ感じた。
205 :
195 ◆ApGKf56Q :02/05/08 00:04 ID:6JoqXauc
>>203 それほどいいものなのでしたら、早速。
般教で講読のため買わされましたが、とうとうその講義は出ずに本も読まずじまい。
岩波版でよろしいですか?
休暇中に購入した書物
宮本常一『忘れられた日本人』
柳田国男『妖怪談義』
紀田順一郎『文庫の整理学』
206 :
大人の名無しさん:02/05/08 10:07 ID:nKdlG/3Q
>205「忘れられた日本人」10年くらい前に読んだ時は、どうってことないで
終わってしまいましたが、昨年読み返して、感銘を受けました。
10年前の自分が恥かしくなりました。
あと40数ページで「指輪物語」終了。終わりたくなくて、
「裏ヴァージョン」松浦理江子を読み返したりウロウロしてます。
>@魚好きさん「カラマーゾフの兄弟」挑戦したくなりました。ありがとう。
町田康 夫婦茶碗
209 :
195 ◆ApGKf56Q :02/05/08 22:37 ID:3+WGDhDu
たくサンお亡くなりになりましたよ。
集英社版ですか。有難う御座いました。
本日の読書。
岩波古語辞典
これは前段と後段が大野晋の古代中世言語学概論になってましてすこぶるいい辞書です。
辞書部分ももちろんつかえますが。
ただ、大野晋の日本語起源探求はトンデモ本になってしまいましたので、それが惜しい限りです。
「脱戦争論」(上杉聰編著)を読み始めました。
まあ、いまさらという気がしなくもないのですが、以前書評を読んで
同じ著者の「脱ゴーマニズム宣言」とともに読んでみたく思っていたところ、
先月、たまたま書店で「脱戦争論」の方を見つけて買っておいたのです。
たいていの方は御存知のことと思いますが、「脱ゴーマニズム宣言」は
小林よしのり(よしりん)の「ゴーマニズム宣言」を批判した本です。
「脱ゴー宣言」でのマンガの引用をめぐってよしりんは
著作権侵害裁判を起こしていますが、東京地裁での原告敗訴判決を受けて
よしりんの「戦争論」(いやになるほど売れたらしい)の誤りと
トリックを明らかにしたのが「脱戦争論」です。
この書き込みをするにあたって、「上杉聰 脱戦争論」で検索してみたら
「脱ゴー宣」裁判を楽しむ会という会のHPにヒットして
私が本を買って読まずにいた間に、著作権裁判については
「引用は適法」という判決が最高裁で確定しちゃったそうです。
前置きが長くなったので、読んでみての報告は、また今度です。
211 :
195 ◆ApGKf56Q :02/05/10 15:22 ID:NCQWbY/F
昨日
山川菊栄『武家の女性』(岩波文庫)
更級日記(講談社学術文庫)
本日の購入書籍
ツァラトゥストラは電気ウナギの夢を見るか(ニーチェ:岩波文庫上下)
高い城の男(P・ディック)
旧指輪・王の帰還(上下:瀬田単独訳)
蜻蛉日記(角川版)
旧指輪はこれで都合3セットコンプリート
『武家の女性』は幕末水戸あたりの様子が手に取るようにわかる名著。
当時、衣服がどれだけ貴重なものだったかが理解できる。
現在の形見分けの和服の価値とは全く別物だったことがわかる。
また女性の識字率もかなり高かった事。私塾の様子等の記述あり。
永井荷風の戦時中の意識と、ベクトルは違えど似たものを感じた読後感。
>>211 「更級日記」は(・∀・)イイ!ですね。
「源氏物語」を読みたくて読みたくてたまらない少女が
念願の「源氏物語」を手に入れて読みふけったことなどの
記憶を書き綴った日記。
私も大好きです。
実は、このスレでもっと早くに「更級日記」のことで
気が向いたら書こうと思っていたことがあったのですが、
今日は、突発的にこれからチンジャオロースーを作ることに
なってしまったので、また今度ちゃんと書きます。スマソ。
213 :
大人の名無しさん:02/05/10 20:14 ID:+j0OZjcB
最近、新潮文庫から出ている「沈まぬ太陽」(全5巻)を読んでいます。
手にした山崎豊子の本は「白い巨塔」「大地の子」に次いで3作目ですが、これも思った通りはまります。
「国民航空」社員の労働条件の改善に真面目に取り組んだばかりに海外支店を10年間たらい回しにされ、ようやく日本に帰ることができたものの、
窓際におかれ、御巣鷹山での墜落事故のときは遺族係として辛酸をなめ、ようやく新しい会長の下で組合分裂の克服に取り組み始めるというところまで来ました。
まだあと1巻半残っていますが、飽きることはないでしょう。
214 :
195 ◆ApGKf56Q :02/05/11 10:32 ID:FNKe3mkf
神仏に『源氏五の巻、とくみせたまへ』なんて願かけしたりしてとてもカワイイ。
そもそも日記は予定調和ではないから、後半部分の悲遇さもリアリズム。
更級と讃岐典侍日記、蜻蛉日記は優れた文章だと思います。
読書のペースより購入ペースの方がはやいのはいかがなものか。
これから書店巡りをしてきます。
>>214は「更級日記」のことですね。
私は、高校の教科書で初めて読んで気に入り、なるべく
読みやすそうな現代文が書かれている参考書を見つけて、
教科書に載っていた部分以外のところも読んでみたことがあります。
その参考書の解説で、筆者が「源氏物語」を夢中になって
読みふける部分に書かれていたことで、印象に残っていることがあります。
(以下記憶による要旨)
>現代では古今東西のありあまるほどの本を手に入れることが可能になっているが、
>当時の彼女のような情熱を持って本を読む者がどれほどいるだろう。
過去ログに書いたように、100円でたなざらしになっている
「アンナ・カレーニナ」などの文学書を見ると、
あの参考書の解説を思い出してしまいますね。
なんてことを書いているわりに、「源氏物語」は、100ページくらい
読んで挫折したままの私ではあるのですが。(苦笑
217 :
大人の名無しさん:02/05/11 13:01 ID:1W6R+ZEL
タイムマシンが発明されたなら余った文庫本を平安時代の人たちに
送ってやりたいですね
購入書籍
河出の澁澤を数冊。古語辞典2冊、土屋の古文3冊、中野のガッツ漢文2冊、政経倫社辞典
泉鏡花(岩波)他、岩波多数。
珍しくローソン短編集(岩波)を見つける。在庫切れで入手困難だった物。
『爆弾犬』だけ、途中の喫茶店で読む。
やはり面白い。
>>216 そう。孝標女の時代から見れば、書籍のなんと一般化したことでしょう。
高校時代、彼女が源氏とともにもらったであろう「せりかは」「しらら」「あさうづ」等
冷泉家の蔵から出てくればいいのに、と本気で考えておりました。
源氏は全部なんて読んだことない。円地、谷崎、与謝野訳もそろえましたが読んでない
橋本訳がいい線いってるのですか?話にしか聞いた事がない。
>>217 古典文学大系全部孝標女にプレゼントする。
子供が本をもらって喜んでいる姿はとてもいいものです
219 :
小桜:02/05/11 20:25 ID:a/3OdsPz
新釈・遠野物語 井上ひさし
何年か振りに読み返してみたけど面白かった。
岩穴の中に1人で住んで正午にトランペットを吹く老人の元に
通って話を聞くという設定。
モデルになった老人がいるらしいけど会って話を聞いてみたいもんだ。
>>214 蜻蛉日記は中学の図書館で貸し出し禁止の本だったもんで、毎日昼休み
と放課後に通って読んだよ。
私もお気に入りの一冊です
http://yasai.2ch.net/test/read.cgi/middle/1013269620/877-888 あえて他スレで書き込んでいたんですが、↑こんなふうな経過で
その直後に田辺聖子の「文車日記」を買ってきて、自分で読んだ
ことのある古典に関する部分だけ拾い読みしてみました。
あぁ、これ、いいですね。
実は、私は、この本の中の「更級日記」についてのエッセイ
「少女と物語」の中で最初に引用されている「なにをかたてまつらむ、
まめまめしきものはまさなかりなむ、ゆかしくしたまふなるものを
たてまつらむ」という部分(おばさんが筆者に源氏物語を
プレゼントする時の言葉)を自分でも理由がよくわからないまま
印象深く暗記していたのですが、その理由がこのエッセイをよんで
ようやくわかりました。
195さん、ありがとう。
>>220 早速購入なされたんですね。どうも有難う御座いました。
見た目と才能に凄い齟齬のある方第一位が田辺聖子
第二位がナットキングコール
本日はこのまま読書しないで寝ちゃいます。
>>219 道綱母に対しては嫉妬深いだの束縛し過ぎだの、様々な論調で批判される方も多いんですが。
私は道綱母にひかれます。
道綱が子供ながらに母親の出家の申し出に対して、飼ってる大好きな鷹を野に放してまで
『僕はおかあさんと一緒に出家する。鷹なんて要らない!』
なんて部分で、凄く共感したりします
222 :
小桜:02/05/12 18:39 ID:UsxvRd/V
イタリア民話集(下) カルヴィーノ 河島英昭編訳
処分しようかと思って読み返してみたけど(何故か下巻から)
面白いので本棚に戻します。
>>221 当時の日記は読まれる事を想定して書いたものが多いんでしたっけ?
それにも関わらず道綱母の生の感情というか、女性としての感情が
リアルで思わず引き込まれますね。
病気見舞いに兼平の家まで行く行動力といい、私も彼女には惹かれるものが
あります。
223 :
小桜:02/05/12 18:42 ID:UsxvRd/V
兼平って誰だ・・兼家でした。すみません。
224 :
大人の名無しさん:02/05/13 19:48 ID:OoACW51E
村上龍の「悪魔のパス、天使のゴール」と読み始めた。
サッカーのことよくわからない私がどこまで理解できるだろうか?
今60ページほど。まだ試合の場面が少ないのでなんとか大丈夫。。。
「脱戦争論」後半(裁判編)の最初の章まで。
前半で述べられている「戦争論」の内容に対する批判、というより
でたらめさについての指摘は、他にもいろんな人が指摘している
ようですが、実は、あまり期待していなかった、裁判をめぐる
後半が意外におもしろいです。
漫画の引用をめぐって小林よしのりが起こした著作権侵害裁判を
めぐって、その引用が不当なものではないということを示すため、
漫画というものが文章と絵が一体となって読み手に一定の
印象なりイメージなりを与えているということが述べられています。
(こうして文章にしてしまうと、あたりまえのことのようだけど。)
具体的に例を挙げると、(以下、記憶だけで趣旨を書きます)
「東アジアの日本以外の国はすべて植民地化されて、独立国は
日本だけだった」という文章に対して、同じコマで描かれている絵は
東南アジアとインドまでの南アジアを含むアジアの地図で、
当時独立国のタイについては意図的にノーコメントになっており、
(文章とは異なって)まるで「東南アジアと南アジアを含むアジア諸国で
独立国は日本だけだった」という印象を読み手に与える描き方に
なっているといったことです。
小林個人だけなら問題はさほど大きくないかもしれませんが、
こういう「論理のすり替え」というのは、マスコミなどでも
そう珍しいことではありませんよね。
手前味噌になってしまいますが、↓このスレの897−898とか。
http://yasai.2ch.net/middle/kako/1000/10007/1000744783.html
226 :
195 ◆ApGKf56Q :02/05/14 14:57 ID:Dgt5zaXU
PCぶっ壊れたのでしばらくかきこみできなーい
ただいまベスト電器の「デモPC」からかきこんでまーす。
これでしばらく30板はしずかになるかな?
PCなおるまでしばらく読書三昧の生活に戻ります
227 :
大人の名無しさん:02/05/14 14:58 ID:Dgt5zaXU
キャッシュのこるのやだから名無しで書いてしゅーりょー
>195
マジ!?
なんだかなぁ・・・・・
マンガ喫茶からでもできると思うけど、ま、お元気で。
229 :
大人の名無しさん:02/05/14 16:54 ID:0MIoYybt
井上ひさし 「吉里吉里人(上巻)」
一見、分厚いんだが、読んでみると井上氏独特の軽妙さで、一気に読めてしまう。
しかも、軽そうでいて、後で考えると濃い内容。日本語の成り立ちやら、三十年
前の、文壇で活躍していた作家諸氏への皮肉や、日本の著名な小説の有名な部分の
パロディ化、コメ問題等々。地方分権が叫ばれている今、とても参考になりました。
上巻は、2時間もあれば読み終わります。
230 :
大人の名無しさん:02/05/14 22:11 ID:soM0V1rB
>>229 吉里吉里がある町の出身だよ!
当時観光客が来たが何も無い所なので怒って帰って行ったYO!
「蜻蛉日記」
書店で角川ソフィア文庫のビギナーズ・クラシックスを見つけ
買ってきて読み始めました。
藤原兼家の性格は豪放磊落、気さくで、とんでもない冗談を
とばしては悦に入る・・・ははは、おもしろそうですね。
さしあたり、現代語訳を中心に読み進めて内容を把握しようと思います。
もう一冊、一緒に買った本。
「手塚治虫完全解体新書」(集英社、池田啓晶)
ところどころ拾い読みした程度ですが、上っ面だけでない
かなり突っ込んだ手塚論のようで、期待できます。
232 :
大人の名無しさん:02/05/16 07:14 ID:Pt8UmM4X
松本清張『水の肌』(新潮文庫)
この中の留守宅の事情という短編を読みました。
「蜻蛉日記」兼家が発病するあたりまで。
>>233 すごいタイミングでレスしてくれるもんですね。
編集の影響もあるかもしれませんが、私は、「怖いよ、この女」
と思ってしまいました。
と同時に、「蜻蛉日記」の作者の姪にあたる「更級日記」の
菅原孝標女が相対的に子供であるということも認めざるをえません。
しかしな〜、他意はないけど、
「蜻蛉日記」の道綱母がもし2ちゃんねらーだったら、
「どうしてあの人にはレスしたのに私にはしてくれないんですか」とか
「あの人へのレスが5行もあるのに、私へのレスが3行なんて
許せません」とか言っちゃうタイプと見ました。
235 :
大人の名無しさん:02/05/17 20:33 ID:ORT5GhPP
>>233 おばさん口調を多用していた195さんはどこかに逝かれたんですか?
他スレでこのスレのことがちらっと話題になっていました。
http://yasai.2ch.net/test/read.cgi/middle/1021201318/367 >私には羨望のスレで書き込む実力もないんだが非常に面白い
>@魚好きの読書スレなんて、誰も書き込まないもんね(w
「誰も書き込まない」というのは事実と異なりますが、
せっかくですから、このスレを私が立てた意図を少し語ってみます。
みなさんお気づきのことと思いますが、このスレは、形式的には
「今日食べたものを報告するスレッド」の変形です。
このスレを立てる前の私は、正直言って、毎日読書するという
わけではなかったのですが、「まるで食事でもするように
毎日のあたりまえのこととして本を読んで報告するスレッド
なんてのも、ちょっとおもしろいかもしれない」と思い、
そのままスレ立てを実行したのです。
ちょうど195さんも「面白い辞書」のひとつ(代表?)として挙げている
新明解国語辞典には、「読書」の語義として、次のように書かれています。
>〔研究調査や受験勉強の時などと違って〕一時(イットキ)現実
>の世界を離れ、精神を未知の世界に遊ばせたり人生観を確固不動
>のものたらしめたりするために、(時間の束縛を受けること無く)
>本を読むこと。〔寝ころがって漫画本を見たり電車の中で週刊誌
>を読んだりすることは、勝義の読書には含まれない〕
この解釈は、非常に厳密かつ正確なものだと思いますが、
私は、もっと単純に「おもしろいから読む!」という程度の
感覚でもいいと思うんですよね。ちょうど、あの「更級日記」の
孝標女が「源氏物語」を夢中で読みふけったように。
私自身、「どうせなら、せっかくスレがあるんだから、
『読まずに死ねるか』っていうのから読んでやろう」と思い、
いきなりドストエフスキーなんかを選んで、スレのかなりの部分を
その報告に費やしてしまっていますが、別に、もっと軽いものや
読みやすい本の報告があってもかまわないと思います。
むしろ、そういうものも歓迎します。
なにしろ、読書を楽しむ人が少しでも増えるというのは、
私にとっても大きな喜びなのですから。
「蜻蛉日記」上中下巻とあるうち上巻部分読了
前回の報告は、一番きつい性格の表れている部分のものですが、
その後は、わりといい感じの夫婦生活なども記されています。
>>236に補足ですが、
このスレへの書き込みは、「今日食べたものを報告するスレッド」と
同様に、単に読んだものを書き込むだけでもいいと思っています。
私がいちいち感想など書くのは、その方がこのスレの「視聴率」が
上がるかもしれないと思っているからでしかありません。
とはいっても、カラマーゾフを読んで思いましたが、
このスレに書き込むネタを探しながら(考えながら)読むのも
なかなか楽しいものです。
239 :
195 ◆ApGKf56Q :02/05/18 23:50 ID:KstgoMMM
カラマゾフはね、魚好きの評価が無かったら一生読むことが無かった本です。
白夜くらいならなんとか読みましたがね。
そうそう、柄谷がドストエフスキー評論を講談社学術文庫でやってました。
栗本曰く、『柄谷はわざと文章を難解に書く』
ええ、判り難い文章ですが、柄谷は中学生のときにドストエフスキを読破したそうだ。
そこだけで、たいしたもんだ、と思った。
本日は水族館にお出かけしたので、何も読んでない。
昨日の読書。
ジェフニコルズ『真実の愛』(ブックオフ100均)
以前、松田聖子のお手つきになった、外人青年の暴露本。
何故こんな物を買ったのか。
表紙裏に松田聖子がジェフに宛てたラブ手紙がそのまま載っている。
『PLANE』を『PLAIN』等々、間違いつづりが沢山。
結構面白い。これをみるためだけに購入する。
絵まで入って、まるで中学生の英語恋文だ。
良くも悪くも1980年代に中高をすごしたという事がすぐわかる手紙であった。
(この情報を知ったのは大月隆寛の書評で)
>>239 195さん
あげあしを取るようだけど、
松田聖子の中高は70年代後半です。
文章の〆に関わることなので一応指摘しとくね。
そりゃ失敬した。確か1980年前後だと思ったが、『あの時代』ってことが伝わればいいと思ってな。
で
>>240、読んだ本ぐらい書いていけ!魚も淋しがるではないか。
本日の購入書籍
源氏(玉上訳)第十巻。
芭蕉への入門
読んだ本
紫式部日記、平家物語
私の読書に古典が多いのはそれなりに理由がある。
「蜻蛉日記」読了。
といっても、全体の3分の1くらいのダイジェスト版の現代語訳を
中心に解説と合わせて読んだだけですが。
上、中、下巻と進むにつれて、
自分の感情を中心とした記述から、だんだん客観的と思える描写、
さらに、第三者のことや自然の描写にも比重が移って行く様子が
大変興味深かったです。
これを読むまで、私は、当時の文学作品の成立の前後関係などを
ほとんど知らないままでいて、せいぜい、「源氏物語」と「枕草子」が
同じ頃で、「更級日記」はその後という程度の知識しか持たずに
いたのですが、「蜻蛉日記」というのは、かな日記としては、
「土佐日記」(女もすなる・・・で始まる例のあれ)に次ぐもので、
この「蜻蛉日記」の中の物語的な要素が「源氏物語」に影響を
与えたりして、平安女流文学の嚆矢(こうし=はじまり)に
あたるものなのですね。(解説などによる半可通の知識)
「更級日記」の作者が生まれて時には、「蜻蛉日記」の作者は
もう亡くなっていたようですが、その日記を読んでいたものと
考えられているそうで、そのことを考えると、大変不安定では
あったものの一面で華やかな「蜻蛉」の結婚生活を、「源氏物語」に
憧れながらも現実には33歳まで独身であった(当時としては
異例の晩婚)孝標女がどんな気持ちで読み、それをどのように
「更級」に反映させたのだろうかなどと思ってしまいました。
さて、明日からどうしようか・・・・・
243 :
195 ◆ApGKf56Q :02/05/21 11:16 ID:OsWC2Pmy
『古典学入門』 池田亀鑑(岩波文庫)
平安文学の文献学及び書誌学の大御所、カメカガミ先生はラテン語にも堪能なのに感動する。明治大正昭和前期のインテリの懐の深さ。『古典』という言葉自体の考証から始まる。
原語ではクラシックが第一級市民、プロレタリアルテが第四級市民なのだそうだ、はは。
>>242訂正『おとこもすなる(伝聞ナリ)日記といふものをおむなもしてみんとするなり(断定ナリ)』
堀辰雄(この方の作品には松田聖子臭さがあって、私は拒否反応を示すのだが)『姥捨記』のなかでも、愛読書は『更級日記』だ、なんて書いてある。
男が書いた日記もなかなかのものなのです。
藤原頼長の日記抜粋(現代意訳195 ◆ApGKf56Q )
「以前から気になっていた男を屋敷に呼び出し、強姦してしまった。男は『やめてくれやめてくれ』と哀願したが無視した。』
10歳前後で中国典籍と日本典籍のおおよそを暗記し、その上、氏の長者。保元の乱で死にますが(w
男色はインテリの必須条件なのか。ミシェル・フーコーもエイズで死に、南方熊楠も書生の風呂を覗いたり、淀川センセも、三島も・・・。
ノンケの私は非常に悔しくてしょうがない。
>>243 >『おとこもすなる(伝聞ナリ)日記といふものをおむなもしてみんとするなり(断定ナリ)』
おっと失礼、いきなり馬脚を現してしまいましたね。
(馬脚の用法、これでいいのか?・・・笑)
>堀辰雄(この方の作品には松田聖子臭さがあって
私は、堀辰雄は読んだことがありませんが、松田聖子、というより
松本隆の世界は大好きです。(太田裕美スレを参照)
>ノンケの私は非常に悔しくてしょうがない。
ノンケの私だが別に悔しくはない。(笑
今朝は、本を読まずに新聞を読んでしまったのでsage。
堀辰雄『風立ちぬ』
この作家に拒否反応を示すような精神的傷痕を私に植え付けた松田聖子が嫌い
袈裟まで憎いのでSAYAKAも嫌い。
ジャン・ジャック・ルソー「エミール」(下)
(上)(中)は、男子エミールに対する教育方針。
(下)の前半は、理想の娘「ソフィー」(智恵)に対する教育論。
ヒドい!(時代の限界)田島先生が聞いたら怒髪天を突く!!
>195さんは「指輪物語」は読まれたんでしょうか。>211
「指輪」読み終わってボーっとしていました。
長編ファンタジーが読みたくて「ゲド戦記」を考えていたんですが、
2巻と4巻が人からもらってあるのに、1と3が無くてまあ、児童書でもあるし
中古を探してタイミングがあわずウロウロしてました。
図書館にリクエストしていた「月」アマールアブダルハミード著が入荷、
シリア人です。
中近東のものは「アラビアンナイト」以来はじめて。楽しみです。
>>247 私が読んだのは瀬田訳の旧版のほうでして。
最後の方に近付けば近付くほど、読み終えるのがとても勿体無くなったのを覚えております。
学部生のときに読みました。映画公開につき、あらためて読み直しております。
他の長編は読んだ事が御座いません。グインサーガも途中で投げ出しました。
ファンタジーかどうかは判りませんが(w
『大菩薩峠』は面白いかもしれません。
本日の読書
徒然草(詳細は後ほど。お出かけしちゃうのです。)
報告する気になるほどの読書をしていなかったので、
レスしないままでいてしまいました。
『脱戦争論』後半(著作権侵害問題関係の部)
若桑みどりの章と松沢呉一の章を読みました。
小林よしのりの詐術についての解説以外で興味深かったのは、
若桑みどり氏が「小林よしのりが若者に受け入れられる理由」に
ついて検討していた部分で、特に、その二つ目の「日本では
『個』を育てる教育がされていない」というところです。
帰国子女が日本の教師に嫌われる事情なども書いてありましたが、
これを読んで思い出したのは、ごく最近なにかで読んだ記事です。
(この1週間ほどの間に新聞で読んだもののように思うのですが、
元の記事を見つけられずにいます。)
以下、うろおぼえの記憶によるその記事の要旨です。
>(どこかの学校で日本人(性格には日本社会で育った人たち)の
>生徒たちが外国人の教師の授業を受けている)
>先生は、ある生徒を指名して立たせ、問題に対する解答を
>求めますが、その生徒は答えられません。
>答えられず立ったままでしばらく時間が過ぎ、やがて、
>その先生は、怒り出します。
>ただし、答えられない生徒に対してではなく、その生徒以外の
>同級生全員に対してです。
>「仲間が答えられずにいるのに、どうして、誰一人として
>答を教えてあげようとしないのか」と怒ったのです。
>>249 引用部分の1行目「性格には」ではなく「正確には」です。
今日から本のタイトルは『二重かぎ』で括ることにしました。
今日買った本。
毛利子来著『新エミール』と『いま、子を育てること』(いずれもちくま文庫)。
私は、結婚したことがない上に当面する予定もありませんが、
子育ては社会的なことであって、子を持つ親だけが考える問題では
ないと考えており、また、将来、万が一(笑)自分で子育てを
することになってから探しても見つけられるかどうかあやしい本なので
買っておくことにしました。
>>246の報告を読んで弟の書棚にあった『エミール』(上)や
岩波新書の『ルソー』をパラパラとめくってみたりしたという
こともありますが、著者については、以前から、ユニークで
型にはまらない、それでいて科学的な(著者は小児科医)
子育て論を展開している人として聞いたことがあり、たまたま
書店で見つけたので買ってみました。
ところどころ拾い読みしてみましたが、かなりおもしろそうです。
その一部を引用します。
> ことばによる「しつけ」がいちばんもろい。「しなさい」とか
>「してはいけません」という命令は、行為の当否についての判断
>力を失わせる。なぜそうしなければならぬかは命ずる側の判断に
>かかっていて、子どもはそれに従うだけだ。そうなると、なにを
>するのにも、おとなの指示をあおがなければならぬ。衣服の着脱、
>寝たり起きたり、遊んだり、あげくは食べることでさえも、いち
>いち「・・・していいの」と聞かねばできない子どもが育つ。こ
>れでは、その指示を与える人間がいないところでは、ほとんどな
>にごともなしえぬだろう。
他にも、引出しをむやみにいじると針や刃物で痛い目にあうということは
自分でおぼえるものだし、頭の形がいびつだとか気にすることはない、
外で遊ばせなさい、とかどこを開いてもおもしろそうなことが
書いてあります。(一部は、今では普通のことになってしまって、
「ユニーク」ではないかもしれませんね。)
他に買った本。
『日本語の作文技術』本多勝一(朝日文庫)
『トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇』中村白葉訳(岩波文庫)
どれもこれも、みんな100円でした。
『トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇』の中の
表題作『人はなんで生きるか』を読みました。
「人のうちにあるものはなにか」「人が与えられていないものはなにか」
「人はなんで生きるか」をテーマとした靴屋の物語ですが、
現代人には、ちょっと説教くさいかも。
解説によると、2番目に収録されている民話は、
「悪に報いるに悪をもってすることの誤り」を書いているようなので、
こちらの方に期待することにしましょう。
そう!『195 ◆ApGKf56Qを粗末にすると−−−−消せなくなる』のだ。
では私も中村訳を読むことにする
魚好きは第二話目を読む前にこのスレを読まないように
>>254-255驚かれましたか?実は私もしばらく前に100均で上記書籍を購入していたのであります。
PC横に積んである本だったので参照が簡単でした。
読後感・・・解説ではトルストイの文章能力を褒めちゃってるけどどうかな?と思った。
ディケンズの方がもっと立派に換骨奪胎してるような気がするし、映画『三人のゴースト』はもっと面白かった。
簡単に表現すれば『日本霊異記』の基督教版じゃねーかな(w
興味深かったこと
帝制ロシアの民俗学として読むなら少しだけ興味がある
・死人を棺桶に入れる際にはスリッパをはかせていた
・ウオトカの飲み方
・穀類の扱われ方(小麦・カラスムギ等々)
小説はこのように読む方が面白い部分もある。
っていうか、カラマゾフー読了した魚好きには釈迦に説法である事に今気がついて宦官の至り
切り取られたブツは皇帝が保管すること。
『トルストイ民話集 人はなんで生きるか』のうち
2話目『火を粗末にすると・・・・・消せなくなる』および
3話目『愛のあるところに神あり』を読みました。
(
>>256を読む前に)
『火を・・・』の中の重要なエピソード「相手に対する憎しみの
あまり、自宅に放たれた火を消すことよりも、相手をとっ捕まえる
ことを優先してしまい、すぐ消し止められたはずの火事で自宅はおろか
村を半分焼いてしまう」というのは、現代でも、まったく笑えない話です。
『愛のある・・・』
他人に対する無償の愛というのは、なかなか実行できるものでは
ありませんが、そういうことを常に心がけていれば、生きていくのは
少しは安らかなことになるはずです。
(いわゆる宗教的な盲信は、また別のこととして。)
>>257 カラマーゾフを一度読んだくらいでそんなに偉くはなれませんよ。
確かに、死人にスリッパを履かせる習慣は興味深いことでした。
あと、川で洗濯をする仕方も。
259 :
195 ◆ApGKf56Q :02/05/27 10:38 ID:K8/JxzNG
昨日は変な時間に寝てしまったので就寝が大変遅れました。
まだ少し眠いので御座います。
ゴールディング
『蝿の王』の途中まで。
眠くなるまで読んでました。
260 :
まさか!:02/05/27 10:42 ID:44GVrt8H
>>259 蝿の王ってベールゼブブの本ですか? 知らないんで教えて下さい。
261 :
195 ◆ApGKf56Q :02/05/27 10:50 ID:K8/JxzNG
『ベルゼブブ』の神話的物語じゃないのですよ。
言ってみれば『ドラゴンヘッド』の海外版みたい奴
かなり凄い小説なのです。途中までだけど(w
262 :
195 ◆ApGKf56Q :02/05/27 10:53 ID:K8/JxzNG
263 :
まさか!:02/05/27 10:59 ID:44GVrt8H
>>262 なんか哲学っすね。ありがとうございました。m(_ _)m
264 :
大人の名無しさん:02/05/27 17:43 ID:Q5doDiiS
>>256 >第二話目
別スレでがいしゅつだが、「第」と「目」を重複して用いてはいけない。
「第二話」もしくは、「二話目」が正しい。
『トルストイ民話集 人はなんで生きるか』のうち
4話目『ろうそく』と5話目『ニ老人』を読みました。
「悪いことをする奴には相応の報いを与えてよい」というのは、
きわめて自然な感覚ですが、「与えてやらなければならない」という
ものではなく、「与えないで済むなら、ますますよいことだ」と
私も思います。
>195
『蝿の王』
10年くらい前に映画になりましたよね。
その頃、映画評で粗筋を読んだことがありました。
思い過ごしかもしれませんが、
>>249-251あたりを受けての
選択でしょうか。
模倣犯
半分だけ読んだ・・・長い長い。
267 :
195 ◆ApGKf56Q :02/05/27 18:36 ID:ViTk5I8J
『蝿の王』は書棚にいつの頃からかあった本で読む機会がなかった。
きっと購入したのは私だと思う。きっかけはきっと・・・、女神転生のキャラにでてきたベルゼブブが大活躍する冒険活劇だと思って買ったのであろう。
意に反して全く違う内容であったが、これは凄い!と思いながら読んでいるのであーる。
どんな映画でもそうなのだが、必ず太っちょは馬鹿にされる。
『蝿の王』にでてくる太っちょもそうだ。
寝言で「もうたべられないよ〜」とは言わないのに・・・。
>>266 宮部みゆきですか?読んだ事がないのです。内容の方、宜しくお願いいたします。
268 :
大人の名無しさん:02/05/27 18:40 ID:+eky0QKU
ロンリー・プラネット「Sydney」
ガイドブックです。
269 :
195 ◆ApGKf56Q :02/05/27 23:51 ID:M1BZUnFe
『蝿の王』は一休み
先ほどまで呉智英&宮崎哲弥『放談の王道』途中まで読了。
呉著作はすべて読んでいるので期待したが駄目ェ〜。
宮崎哲弥の力のなさを痛感させる一冊であーる。呉の著作集にこれが入るのすら罪深く感じるのである。
宮崎の容姿がキャベツ畑人形に似てるから、という先入観からの評価ではない。
ま、読めば判ります。
この本は呉の発言部分だけ読むこと。
宮崎発言はホントにつまらん。
中での宮台真司に関しての論考
「宮台真司がね、『オヤジは、若い子が援助交際するのはいけないとか
言いながら、その若い子とやってる。それは欺瞞じゃないか』って言ってたのを聞い
て、俺は宮台真司のすべてが分かったような気がしたんだよね(笑)。そんなのは、
昔からちょっと才気走った若い奴が使ってた論理を言い換えただけじゃないかって。
他人の娘はいくら食っても自分の娘は食わせないっていうのは、人間のエゴイズムか
らすれば当然のことじゃないかって思うんだよね。それを欺瞞だとか何だとかってい
うのは、青臭い反抗の論理として昔からあったことで、結局、宮台が言ってるのは、
そのバリアントに過ぎない」
270 :
195 ◆ApGKf56Q :02/05/28 00:21 ID:U/WoI+Wg
大月隆寛かもしれない書き込み(不明)
730 名前: 大月隆寛 投稿日: 2001/07/28(土) 22:42
はい、2chではトンと人気のない大月でございます(笑)
呉さんについては、昔からの読者でもあるし、いろいろ思うところはある。
最近じゃ宮崎哲弥@根本仏教徒(苦笑)あたりが「弟子でござい」てなツラして、
やたらコラボレ組みたがったりしてるけど、呉さんの固定読者を掠めとって
やろうっていう、こすっからい了見がミエミエ。みっともねえったら
ありゃしない。宮崎みたいな手合いをあたしは「コスプレ封建主義」って
呼んでるんだけど、さんざっぱら「近代」の果実を食い散らかしておきながら、
口先じゃ「人権を疑え」だのエラソーにのたまい、あまつさえ若い衆を平然と
抑圧し出す。そういう物件を生み出しかねない危険性が、呉さんの著作には
結構あって、それは2chでよくある「ウヨサヨ」の問題なんかにもゆるやかに
つながっているものだと、あたしはにらんでいます。
271 :
195 ◆ApGKf56Q :02/05/28 00:22 ID:U/WoI+Wg
同上
710 名前: 無名草子さん 投稿日: 2001/07/28(土) 01:34
>>709 あんた、いい人だな(笑・煽りじゃないよ)
あたしなんかは、人権や民主主義を疑いつつ、日々の生計を立てていかなきゃ
ならん身として、そういうシステムの中で、足を踏ん張って暮らしてます。
システムを疑うことと、システムの中で生きることは、必ずしも矛盾しない。
大切なのは、いざシステムを変革しなきゃ、にっちもさっちもいかなくなったとき、
足腰が充分に鍛えられているかどうか。読書ってのは、そのための筋トレだと思ってます。
そして、そのような変革を可能にする心身は、そのほかの活動にも「使える」ものだ、
という程度には、あたしもまだ、「知」なんて難儀なシロモノに、信心があるつもりです。
次に読む本を決めかねて
『啄木歌集』(久保田正文編、角川文庫)
『新エミール』(既出)
『幸福な王子』(オスカー・ワイルド、新潮文庫)
などの冒頭部分その他を拾い読みしました。
これまで知らなかったのですが、石川啄木の短歌は、かなりいいようです。
273 :
大人の名無しさん:02/05/28 20:17 ID:k9PDFRKe
マイクルクライトンのキャンペーン中。
「ジュラシックパーク」を読み終えた。
レックスとかいう小娘にかなりムカついた。
ティラノの口に放り込んでやりたくなった。
274 :
大人の名無しさん:02/05/29 10:46 ID:nmYT0puA
「月」アマールアブダルハミード著
表現したいことが分るようなイマイチ隔靴掻痒。
松浦理江子の「ポケットフィテッュ」を読み直し口直して
再度挑戦しようか、投げようか・・・
275 :
大人の名無しさん:02/05/29 10:52 ID:mABh0q9I
276 :
大人の名無しさん:02/05/29 11:08 ID:28et4ZoN
何度か挙がってますね。
山崎豊子著 『沈まぬ太陽』(新潮文庫)
ニ冊目アフリカ編までを読了です。
いよいよお次は御巣鷹山編となるわけですが、
主人公や家族の苦難はまだまだ続きそう。
この本を読んでいると、飛行機嫌いがますますひどくなりそうですが、
読むのをやめられそうにありません。
277 :
海八:02/05/29 11:55 ID:YolEk5z9
>>276 御巣鷹山編は読んでいてかなりきついものがありました。
リアルな表現には涙が止まらなかった。
バスタオルを用意しましょう。
一昔前なら、恩地の役は”児玉清”とか”宇津井謙”って
感じですかね。
278 :
大人の名無しさん:02/05/29 18:13 ID:uRPI4PuZ
私も混ぜてくださいな。
岩井志麻子『魔羅節』新潮社、2002
このひとの、『ぼっけぇきょうてぇ』もそうだったけど、終わりがぶっつりと切れて
いるだけのような気がして、怖いというより、気持ちが悪い。その後味の悪さが
はまると、いい感じ。私は『ぼっけぇ』よりこっちのほうがはまる話が多かったかな。
今読み直したらまた違うのかもしれないが。
279 :
大人の名無しさん:02/05/29 19:18 ID:K6TVft6y
山際淳司「スローカーブ」をもう一球」
280 :
大人の名無しさん:02/05/30 04:42 ID:Xw9H+TlO
中山可穂『感情教育』講談社文庫
『啄木歌集』のうち『一握の砂』の分全部。
早起きして布団の中で歌集を読むというのは、
あまり適した読み方ではないかもしれません。
どこかの公園の木陰ででも読めばよかったかも。
282 :
大人の名無しさん:02/05/30 23:28 ID:xtI/wNmK
石田衣良『池袋ウェストゲートパーク』
同『少年計数機―池袋ウェストゲートパークII』ともに文春文庫
『啄木歌集』のうち『悲しき玩具』の分全部。
かなり痛切な歌が多いです。
【本日の啄木】
人がみな
同じ方角を向いて行く。
それを横より見てゐる心。
284 :
大人の名無しさん:02/05/31 17:39 ID:TjROv7Ai
【傷心時の啄木】
非凡なる人のごとくにふるまえる
後のさびしさは
何にかたぐへむ
一生青くありたいものですが。
285 :
大人の名無しさん:02/05/31 17:42 ID:TjROv7Ai
あ、今日の読書
「魔太郎がくる!」(藤子不二雄・秋田書店)5〜8巻
286 :
195 ◆ApGKf56Q :02/05/31 19:02 ID:70k4mPnw
『蝿の王』読了。
限定された空間での暴力。
バトルロワイヤルだのという陳腐な映画を見るよりはこちらの方がいい。
サブカル馬鹿は易きに流れる。
骨太の小説はこんなに疲れるものか、との読後感であった。
『啄木歌集』巻末の解説部分。
久保田正文(編者)、中野重治、杉浦明平による啄木論です。
【本日の啄木】
何(なに)となく
案外に多き氣もせらる、
自分と同じこと思ふ人。
新聞の書評を読んで、香山リカの『「好き。」の精神分析』を
書店で見てみておもしろそうなら読んでみようと
思っていたのですが、書店に行っている時間がなかったので、
『新エミール』を読み進めることにしました。
一応(というより、れっきとした)育児書なので、冒頭部分は、
乳児への授乳の仕方について書かれているのですが、
単なる育児の仕方ではなく、私達がこの人間社会とどう関わって
いくべきなのかということと結び付いて書かれており、
子育てをする予定のない人や子育ての済んだ人にとっても
大変おもしろいのです。
例えば、母親は授乳機械ではないのだから、生物学的見地からのみ見て
絶対母乳で育てなければならないとするのは誤りだとか、
授乳のためにしたい仕事をやめてしまうのはよくない、
充実した生活をしている母親に育てられてこそ子供もすこやかに
育つことができる、といった調子です。
新エミールってルソーのですか?(何も知らない)
ルソーって子育て論を書いてるけど子供を沢山捨てているのがワカラン。
横レス失礼しました。
このスレ面白そうなのでROMって出来たら参加したいワ。
また来ます♪
>>289 このスレでは
>>251で初めて紹介した『新エミール』という本は、
著者で小児科医の毛利子来さんがルソーの『エミール』にちなんで
タイトルを付けた現代の育児書です。
しかも、育児に限定されない、人がこの社会とどう関わって
いくべきかについても間接的に論じられている本だと私は思っています。
毛利さんの子供は、もう成人して、世界中を飛び回っているらしいです。
291 :
大人の名無しさん:02/06/02 22:06 ID:4ug4ou8l
花村萬月『鬱』双葉文庫
本を読むって、恥ずかしいことだったの?
292 :
大人の名無しさん:02/06/02 22:21 ID:0Om2JQCk
ここは魚好きのおなにースレなんで勝手に発言しないように
293 :
195 ◆ApGKf56Q :02/06/03 09:53 ID:KdpKuT1U
泰流社『ラヴェル』(出版社が倒産してしまったので入手きわめて困難。他にバルトーク等あり。)
同時代の錚々たる作曲家との交流もまた興味深い。
音楽院での指導教授がフォーレであったことを初めて知る。
ドビュッシーやストラビンスキーと一緒に写った写真等多数。
曲ごとに譜面が載っており付随する解説も一流である。
ただし、譜面が読めなきゃつまんないかもしれない。
巻末に作曲及び初演リスト。
『新エミール』のうち「夜泣き」と「離乳」の章。
いつ離乳させるかは、一般の育児書に書かれているように
何ヶ月からとか、最初は一日一さじずつとか気にしなくていいのです。
そもそも離乳の必要性が言われるようになったのは、戦前の
2歳くらいになってもまだ授乳を続けているのが珍しくなかった時代に
栄養失調になる子供が多かったことから、栄養のあるものを
与えなければいけないということになり、離乳食がさまざまに
発案されたのだけれど、実際のところは、当時の一般庶民の
貧困な食生活な中から栄養失調になる者が出てきたわけで、
満足な食生活を送れている現代では、離乳について神経質に
なる必要はない、といったあたり、歴史的背景から考えるという
ものの見方が(・∀・)イイ! と思います。
離乳食そのものも、神経質にならずに子供に与えて、喜んで
食べるものを与えればいいとか、食事を楽しむことが大切だから
食事道具の使い方を過度に気にすることはない、といったあたり、
乳幼児に限らない、大人にも言える普遍的なことのように思います。
>>292 >ここは魚好きのおなにースレ
そうならないよう、あなたにも読んだ本を報告してもらえるといいと思います。
295 :
大人の名無しさん:02/06/03 18:19 ID:hvNQeT68
>>292 僻まないように。興味が無ければ、書き込みしない自由だってあるんだし、
それは、君の自由意志だよ。
296 :
大人の名無しさん:02/06/03 18:51 ID:6OEPkY41
わざわざスレ立てて読書量自慢してる魚好きかなすぃ・・ 私文学板の住人だけどバカにされてるよ魚好き
297 :
195 ◆ApGKf56Q :02/06/03 19:17 ID:2rCmq07T
>>296 文学板住人の方で?こりゃ珍しい(w
あそこに名スレなんてありましたかいな?
一般書籍板に頭脳が流出してますよ。
文学板はファッション板と同じレベルだと思うのですが?(w
本日の仕事中の読書
『日本近代文学の起源』(旧講談社文庫版)
武田泰淳の項
史記を武田経由柄谷まわりで読むのは、板橋から新宿に行くのに埼京線を使わず、赤羽経由武蔵野線で越谷乗り替えして上野から山手線に乗っていくような感じであーる。
298 :
大人の名無しさん:02/06/03 19:18 ID:hvNQeT68
>>296 荒らして何が面白い?厨房っぷりをひけらかして、かまってもらうことが
そんなに楽しいの?ずいぶんと自虐的だね。君は書くだけで、活字は読めない
んだろ?負け犬の遠吠えはやめろよ。
ちなみに、私は、昨日、今日と、日本型ワークシェアリングという本を読みました。
299 :
キャロライン洋子:02/06/04 12:11 ID:JL36G2/E
泉鏡花『外科室・海城発電』(岩波文庫)
最初に『義血侠血』収録さる。新派『滝の白糸』原作なり。前半の小気味良い馬車与人力車の競走描写で引き付けらるるも後半の裁判過程所謂荒唐無稽なり。
江戸戯作の域を越えざる一品なり。尾崎紅葉の斧鉞も宜なるかな。
ということで、泉鏡花、『高野聖』くらいしか面白いものを書いてないんだなぁ、と実感したのであった。
301 :
タク:02/06/04 13:52 ID:BxrGEsSR
「月」どうにかこうにか読み終わりました。
80年代のフェミニズムを通過した日本とムスリムで抑圧されたシリアの差が
いかに大きいかを実感しました。
個が向き合うということをベースにしても骨を削りあうような日本のもの
例えば平行して読んでいた松浦理江子と個としてまず向き合ってみようという
「月」はまるで違う。
性を抑圧すればするほど、社会的弱者が犠牲になるということは想像がつくが
宗教の規制があると、これほどまでにも個として向き合えないのだろうかと
考え込んでしまった。
『新エミール』のうち「排泄」「いたずら」「病気と予防」その他の章。
予防接種が任意ではなく義務とされているのは、任意だと接種した
医者に責任がかかってくるので、責任逃れのために国が義務化している
といったあたり、無責任体制が蔓延している日本社会の現れ方の
ひとつのようで興味深いです。
(そのような指摘もあって、義務ではなくなった予防接種もあるという
ことのようです。)
玩具やテレビの映像が所詮は自然の実物のイミテーションに過ぎず、
できる限り本物に触れさせる方が大切だという指摘など、
かなり同意できます。
この本を読んでいると、今の自分自身の人格が形成されるにあたって、
乳幼児期に親からどのように育てられて、それがどう影響しているかと
いうことを幼稚園児だった頃の自分の記憶なども思い出して、
いろいろと考えさせられます。
303 :
クリスチャン:02/06/04 20:26 ID:A7ZNJfRn
聖書
ヨハネによる福音書
304 :
195 ◆ApGKf56Q :02/06/04 20:27 ID:wCf6yJBg
『伝』が『福音書』にかわったのはいつからですか?
いつのまにか新約は『福音書』に変っておりました。
『伝』の方がちゃーんとそれぞれを表していたのにね。
天にまします云々もいつのまにか口語になっていた。
様式美に拘泥る私は文語の方が好きだった。
306 :
海八:02/06/05 13:08 ID:sTLJoQ+T
>195さん
僕が中学校の時読んでた聖書は”福音書”だったです。
岩波新書「ナポレオン」
怜悧すぎる頭脳と、極めて残忍な性格。
彼の異常者ぶりを一節より。
トウーロン攻撃のとき、かれの指揮下に新婚早々の将校がいた。
わかい妻は夫の任務を免除するように目に涙をうかべて懇請した。
しかしナポレオンは耳をかさず、攻撃のときはかれを自分のかたわらにおいた。
市街の砲火が激烈になったとき、この将校は砲弾のためにまっぷたつになった。
ナポレオンはとびちった肢体をひろいあげて哄笑したのである。
中山美穂の旦那の本って、面白かったの、ある?
309 :
クリスチャン:02/06/06 00:52 ID:dVbSzdTZ
>>195 私が所有している聖書は、日本製書協会発行の新共同訳です。(キング・ジェームズ・バージョンもありますが・・・)
これには「〜伝」という書名表記はないようです。版によって違うのでしょうか?
今日は「ローマの信徒への手紙」
310 :
大人の名無しさん:02/06/06 02:48 ID:4zUlFBFS
「ザ・ベストマガジン別冊」kkベストセラーズ
いい年して雑誌ごときを読了できず、途中の"美人レースクイーン場外生告白!”で抜いてしまいますた。
1週間ごぐらいにもう一度挑戦する。最後まで我慢できるかな。
311 :
タク:02/06/06 14:07 ID:xw4P+TW0
スティーブンキングのザ・スタンド下
キングは厚いので持つのが難儀だけれど、テレビドラマを見るように
スルスル読めてしまう。気がつくと空が明るくなり始める。
ネム〜〜。
『新エミール』の「乳児」の節を読み終え「幼児」の節に。
と言っても、筆者は、乳児と幼児の間に明確な区切りはなく
連続した状態だということをあえて書いています。
「×歳×ヶ月で一人歩きを始め、×歳×ヶ月でしゃべり始める」
とかいう育児書に書いてある平均値とのずれに恐れおののく母親が
多いってことがあるわけです。
生産と消費が乖離してしまっている企業社会では、自分の子供には
絶対食べさせられないような食品を平気で会社で作るような人間に
なってしまいがちだから、父親も子育てをすべし、
それも「協力」ではなく子供の友人になるべきとの指摘あり。
313 :
195 ◆ApGKf56Q :02/06/06 22:25 ID:ErcrXUZ+
>>309 私が『伝』の方がいいって言ったのはこういう理由なので御座います。
マタイ伝マルコ伝ルカ伝等々・・・。
つまり、マタイによるイエス注釈、マルコによるイエス注釈、この方がそれぞれの特異性がはっきり現れていていい、と思ったのである。
>魚好きさん
『新・エミール』(・∀・)イイ!!
あたしは子供を生む予定は今のとこないけど
ぜひぜひ読んでみたいナ〜と思ったワ。
おいおい続きをうぷしてね♪
315 :
195 ◆ApGKf56Q :02/06/07 10:48 ID:72YT/hY9
『誰がために鐘がなる』100円
冒頭の詩が読みたかっただけ。
なんびとも一島嶼にてはあらず、なんびともみずからにして全きはなし、
人はみな大陸(くが)の一塊(ひとくれ)、本土のひとひら
そのひとひらの土塊(つちくれ)を、波のきたりて洗いゆけば、
洗われしだけ欧州の土の失せるは、さながらに岬の失せるなり、
汝が友どちや汝(なれ)みずからの荘園(その)の失せるなり、
なんびとのみまかりゆくもこれに似て、みずからを殺(そ)ぐにひとし、
そはわれもまた人類の一部なれば、ゆえに問うなかれ、誰がために鐘は鳴るやと、そは汝がために鳴るなれば
名和訳だと思う。大久保康雄。
弔いの鐘は誰のために鳴らされているのか?
お前自身のために鳴っているのだぞ、と。
ほっほー。自戒自戒。
317 :
タク:02/06/07 16:24 ID:F6HxeXRI
ホント大久保康雄さんにはお世話になってます。
『新エミール』(毛利子来・著 ちくま文庫)のうち
「しつけ」「反抗」「徳性−−悪」の各章
「徳性−−悪」の章から抜粋します。
> 現代のおとな文化は、あまりにも「悪いこと」をつくりすぎて
>いる。子どもにとってごく自然の、おとなにとってもじつは自然
>であるはずの多くの行為が、表面上タブーにされてしまった。
> 幼稚園の入試で園長の質問に「ばぁか」とやった子がいた。
>親はかならず落ちると諦めていたが、幸いに入園させてくれた。
>すばらしい園長だ。考えてみれば、このときの質問はまさに愚問で、
>雰囲気もこっけいな生真面目であり、入試そのものが意味のない
>儀式であった。それを幼い子の目が一挙に見て取ったのだ。
>この「ばぁか」はアンデルセンの裸の王様だ。親はひとつも
>心配することはない。このために入園させない幼稚園があったら、
>そんなところには入らないほうがよいだろう。
わっははは!! 頼もしい子どもですね。
ほんとに、大人の世界には、「悪いこと」や「意味のない儀式」が
多すぎると思います。
次の章のタイトルは「問題児」です。
>>314 いざべるさん
毛利子来さんは、自分のHPを持っているようですよ。
検索すると簡単に見つかります。
ところで、この間まで気がつかなかったんですが、
いざべるさんって、フランス在住でQちゃんの好きな人だったんですね。
>>317 レベッカも彼の手によるものだったことに気がつきました。どもども。
>>319魚好きさん
んだべ♪
ちなみに私は魚座で飼い猫の名前はサカナですよん♪
どっかで書きましたね。
サカナ形のものが好きで結構集まってます。
だから魚好きさんのこと他人とは思えないワ(笑)
『新・エミール』は筑摩文庫なんですね。
探して読んでみようかしら。
うひ。
ひとつ質問です。
「まわりの人がすべて自分より賢く見える夜・・・」といった内容の俳句か歌に
心当たりありませんか。
誰のどんな歌だったか知りたいのです。
昨日はまさにそんな気分がしてこの句がぼんやりと頭に浮かんだのですが思い出せません。
ここの皆さんならご存じだと思って。
324 :
いざべる ◆izA/B0O. :02/06/07 19:22 ID:Ch6Dlgiw
>>323 それそれ!
「友がみな我より偉く見ゆる日よ 花を買いきて妻と親しむ」
これだべー!!
でも、妻のないあたしゃひとりでどないしたらええのん?(泣)
魚を買いきて猫と親しむことぐらいしかでけへん。
『新エミール』のうち「問題児」その他の各章。
「問題児」や「問題行動」というものが問題になるのは、
社会的・歴史的なものであって、普遍的に悪い子や悪いことと
いうのはないのです。
現代の産業社会では、仕事を早くこなせて、一定の規格から
ずれないことが要請されるので、動作の遅い子、落ちつきのない子、
周りの子と同じことができない子が「問題児」とされてしまいがちですが、
社会のあり方だって、歴史的に変わってゆくものなのです。
障害者にしても、障害者を足手まといな存在のように扱ってしまう社会、
そもそも他人を蹴落とす能力を持つ者が優れた者だとするような社会の
あり方がおかしいのです。
(と私は理解しました。)
ところで、私は、昨日までいざべるさんのことを女性かと思っていました。(笑
いちおうオンナでございます。。。
うひ。
>>326 なーんだ、そういう意味ね。
失礼しました。
ところで、育児本を読んだり香山リカを買おうとしたりして
誤解してる人がいると悪いので、念のため、書いておきますが、
私は、れっきとした男ですよ。
魚好きさんが男の方であることを疑ったことないですよ。
つーか育児とか人を好きになることって普遍的なことですもん。
男の人がもっと日々の生活に興味を持つと世の中もっとよくなるのにナってよく
思います。みんな忙しすぎるんですよね〜。
香山リカさんの本も興味あるのでぜひ読んでみてうぷしてくださいナ。
あたしは読みたい本を手に入れるのがなかなか難しい状況にあるもので。
329 :
タク:02/06/09 11:37 ID:LJIudHVZ
大型書店なしブックオフなし、古書店一軒のところに住んでいます。
本を手にとって中を見て購入することを「本の生買い」といって
年に数回飛行機に乗って出かけるのを楽しみにしています。
図書館はあまり頼りにならず、ネットと信頼できる友人の助けで
本を読んでいます。
こんな状況なので、いざベル@クッキーが変さんの
状況に興味があります。どんなねぇ?
『新エミール』の第3編「保育、教育、医療」。
囲い込んで外界と遮断した施設でスケジュール通り行われるのは、
保育ではなく馴致もしくは調教であり、老人や男性、さまざまな
職業の労働者との交流があるべきとの指摘あり。
給食は、できあがった物を運び込むのではなく、調理の場に子供も
参加し、できれば手伝いまでした方がよい、とも。
1年前の池田小の事件後、外部の者が侵入しないようにという
対処が出されたのに対して、そうではなく、地域全体が学校と交流し、
地域社会が学校の児童を見守るような状況を実現する方が
現実的に安全を守る方法だという論があったことを思い出しました。
>>329 いざべるさんのところは、たぶん書店はあるんだろうと思いますが、
みーんな、フランス語で書いてあるのかも。
331 :
文責:名無しさん:02/06/09 17:31 ID:UnC11Xve
「日米安保を考え直す」(我部政明)
有事法制を論議している時だけに、タイムリーな本。まだ70ページ
くらいまでしか読んでいないが、沖縄の視点から、書かれていてとても
わかりやすい。
332 :
タク:02/06/10 11:22 ID:UmvUvetx
>330 なるほど了解。牡蠣と焼き栗は食べ放題ということですね。
>331 未読ですが、図書館には確かありました。県内の出版物は他のものと
バランスを欠いていると思われるくらい充実してます。
『新エミール』の最終編「ある小児科医の告白」
および「あとがき」と中島梓の解説「男の中の男」。
ま、長い人生の中では、何かをするのが10年くらい早くても、遅くても、
しても、しなくても、それもまた、その人なりの特質ですね。
>>333を書き込んだのに、なぜかスレが上がってないようなので、
カラ上げしてみます。
335 :
大人の名無しさん:02/06/10 21:12 ID:PnwR9xnd
いい歳してなんなんだけど「ダレンシャン5」読んだ。
336 :
小桜:02/06/10 21:14 ID:E2UG0DbB
お久し振りです!今(というか大分前から)読んでる本が
なかなか読み終わらなくて書き込めなかったんですけど
やっと調子が出て来ました。
あと数日で報告出来そうです!
>タクさん、魚好きさん
そーなんすよ。クレープも立ち食いできる街に住んでます。
日本語の本屋は2軒あるんですが、定価の3倍弱するので滅多に買いません。
売れ線の本しかないですし。古本屋もあることはあるのですがロクな本ないです。
こちらにいて一番のストレスが活字中毒気味なことですね。
仏語の本も読みますがやっぱりあんまり心の安らぎにはならない。
帰国して最初にすることが本屋に飛び込むことです。
飛行機が着いてすぐ空港の本屋に逝っちゃう。
こちらには私設の日本文化センターがあってそこに本を借りに行ってます。
結構古い本があって面白いです。
でもネットするようになって読書時間が減っってマズいな〜って思ってます。
最近まじで脳軟化症気味だワ。とほほ。
338 :
195 ◆ApGKf56Q :02/06/11 12:02 ID:CQwM36/z
ニセ学生マニュアル逆襲版(浅羽通明著)
1990年初版
このときはサルマンラシュディ『悪魔の詩』の翻訳者五十嵐一は存命であった。
一年後、筑波大学内で何者かに惨殺される。
日本では『悪魔の詩』がマスコミ的にはもてはやされたが、イスラム知識がないとただのつまんない本。
こんな『つまんない本』を翻訳したが為にイスラム教徒に殺されてしまう『知』は非常に勿体無い。
学会のオフではスケベな話が好きなただの気さくなオヤジだった。
339 :
タク:02/06/11 14:16 ID:6GBU6EES
>337
>クレープも立ち食いできる街に住んでます。
思わず明治通りのブックオフを思い浮かべてしまいました。
冬三週間だけ滞在したことがありますが、安いホテルでテイクアウトの
やけにおいしいサラダを食べながら、何故か自伝「ジョージア・オキーフ」
を読んでいたのを思い出しました。
今日は、書店に行って買い物をしてきました。
主要な目的は、
>>331で紹介されていた講談社現代新書の
『日米安保を考え直す』(我部政明・著)を見つけることだったのですが、
それ以外にも、いろいろ買ってしまいました。
まず、岩波新書の『在日米軍』(梅林宏道・著)、
それから、その隣にあった同じく岩波新書の『若者の法則』(香山リカ・著)、
(まったく、『「好き。」の精神分析』も全然読まないうちに
新しいのを買ってしまって、どうするのか・・・・・)
で、今日読んだ本は、それとは別に買った非常におもしろそうな本です。
それは、ちくま書房の『ウンコに学べ!』(有田正光、石村多門・共著)。
『ウンコに学べ!』
カバー折り返しの文章より
>本書では、誰もが正面から見据えようとしないウンコを通して、
>現代科学から倫理までを語る。ヒステリックなエコロジーの書で
>はなく、抱腹絶倒なのに役に立つ、おもしろ科学読本。
目次より(抜粋)
>水田−−土と水とウンコのバラード
>ペリーが驚いた世界一清潔な国
>生きるとはウンコを食べることである
>ウンコをしない自立とする連帯
>平安レディーはウンコをしないか
>学校でウンコができない子どもたち
>大和撫子の立小便と連れウンコ
>もったいないから食べちゃった
拾い読みして見つけた文章
>アメリカ人は、大便と小便を一度にすることができなかったので
>ある。しかし、人類の巨匠レンブラントの「野ぐそをする百姓女」
>という名画には、二便ともに豪快に排泄している姿が描かれている。
342 :
タク:02/06/13 11:07 ID:2L2gOLeB
確かに赤ん坊を一人育てると
ウンコについての概念が変わりますね。ウンコが健康状態のバロメーター
しばらく続いた下痢便が通常のウンコに変わるとバンザイ。
固めが続くと野菜や水分補給に気をつける。
「ウンコに学べ」読んでみようかな。
『ウンコに学べ!』第3章の途中まで。
おもしろく読めるように書かれているのと、あまりに専門的過ぎる
記述は理解できなくてもかまわないと思えるので、割合に早く読めます。
感心したのは、日本のような水田が屎尿(しにょう)処理と浄水の
両面で非常にすぐれた役割を果たしている(いた)ということです。
江戸時代、世界最大の100万人都市であった江戸で、屎尿の処理が
大問題にならずに済んだのは近隣の農民が下肥(しもごえ)として
買いとってくれたからだとか。
(対照的にフランスなどではそこらに屎尿を放置しておくのが普通で
だから香水が発達したというのは聞いたことがありましたが、
ハイヒールというのも元々はウンコを踏まないために考案された
という説があるそうです。)
畑作は、毎年同じ作物を栽培し続けるわけにいきませんが、
水田での稲作というのは、それが可能なのです。
稲作をする意思と能力のある人がいてそれができる水田があるのに
政府の政策として減反をするなどというのは、まったくばかげていると
改めて思いました。
344 :
大人の名無しさん:02/06/13 22:58 ID:vKuUdwi6
ローマ人の物語 上下 文庫版 塩野七生
やーーーっと待ちにまった文庫版がでたーーーーって
喜んだのですが、薄いので上下あわせて1つにして
600円くらいで売れよと思ったのは私だけではないはず。
悪どい商売するよなあとぶつぶつ思いながらページを開くと
なんでこんなに薄い文庫にしたのかという作者からの読者への
長い手紙(ぜったいていのいいこじつけだと思う)があったので
不承不承認めることにした私。
でも、ぜったいに1巻にまとめてほしかったかも。
でも、作者の文庫に対するこだわりはすごいなあと思った。
いいくるめられてるのだろうか…。
内容は、おもしろいです。
またローマに行きたい。
あとは、瀬戸内寂聴の源氏物語の文庫化をまってます〜。
345 :
195 ◆ApGKf56Q :02/06/13 23:01 ID:mMRO7qDC
>>344 女人源氏物語(瀬戸内寂聴)でしたら集英社文庫で全五巻で出ております
それじゃないんで?
講談社版でしたか、失礼しました。
『ウンコに学べ!』第5章の途中まで。
日本の女性は、平安時代以降、大正時代まで立ちションをしていたそうです。
で、そのことには、合理的な理由がちゃんとあります。
屎尿は、下肥にする大切な資源で、しかも、大と小の配合は
適切な割合にしなければならないので、大と小は別々に出していたのです。
それで、女性も無駄にしゃがみ込んだりしないで街角の専用の壷に
お手軽に出したりしていたようです。
あまり大きな声では言いにくいのですが、
(いや、ここでは、どう書いても同じ大きさの字ですが)
この本を読んで、ウンコを忌み嫌うのは、全く不合理なことだと思いました。
348 :
小桜:02/06/14 21:49 ID:Zn3IysF+
十三妹 武田泰淳
中学の頃は蜻蛉日記に夢中になっておりましたが、高校の頃に
夢中になっていたのが中国古典文学体系シリーズです。
なかでも「児女英雄伝」が一番好きでした。
児女英雄伝の主人公・十三妹(何玉鳳)を主人公にした小説
という事で楽しみに読んだのですが不満の残る一冊でした。
十三妹を神秘的に書きすぎて主人公としての魅力に欠けてしまった
のがこの作品の人気が出なかった原因ではないかと思います。
児女英雄伝を読んでいない人にはわかりずらい部分もあり、作者が
ひいきの人物とそうでない人物の描写に歴然と差をつけている為に、
主人公が能天気な家族を助けて一人で苦労しているような印象を受け
てしまうのも残念です。
児女英雄伝は相変わらず文庫化されていないようなので、今度全集で
”恋人”に再会したいと思います。
釣キチ三平 湖沼釣りselection 釣キチ同名編
一平じいさんが死んじまっただ
350 :
いざべる:02/06/15 07:38 ID:+hisHMuH
ウソコは江戸時代は金肥と呼ばれて尊ばれていたそうです。
エコロジーの面から言うても実に優れたリサイクルのシステムですね。
ちなみにパリでは19世紀頃まで汚物の処理に困ってみんな窓から捨てていたそうです。
だから道の真ん中を歩く習慣があった。
端を歩いているといつ空から汚物が降ってくるかわからないから。。。
ルイ14世がベルサイユに移ったのもそんな汚いパリにうんざりしたからだそうです。
351 :
大人の名無しさん:02/06/15 08:13 ID:qpv/VdLh
>>350 江戸時代、運子は、大切な肥料源で、都会の運子と田舎の野菜とを交換していたらしいですね。
また、外国では指摘されているように、窓から汚物を捨てていたので、ハイヒールができた
という話を聞いたことがあります。
『ウンコに学べ!』読了。
興味深かったのは、「学校でウンコをできない子供が多いのはなぜか」という考察。
それは、つまり、「学校でウンコをするといじめられるから」ということであり、
なぜいじめられるかと言えば、いじめる側としては、
「ウンコをする人間」=「糞ったれ」と言われないように
出したい物も出さずに我慢しているというのに、それを平気で
出せる人に対して、嫉妬しているから、ということだそうです。
余談ですが、私も、小学生の頃は、学校でウンコはなるべくしないようにしていました。
それは、どちらかというと、いじめられるからというより、
はやされるのがうっとうしかったからです。
一度、したくなって、個室に入ったものの、結局出なかったので
小さい方だけして出てきたことがあります。
そうしたら、なんだか、その様子を個室の外で聞いていた同学年の
男子たちがいたようで、「やーい、女、女」とはやしたてられました。
(つまり、個室で小だけする奴=女ということだったのでしょう。)
私は、別に、当時から煽りに動じない性格だったわけではありませんが、
そのはやしたてについては、心底「くだらねえなあ」と思って、
完璧に無視して、廊下をずんずん歩いていったものです。
>>350-351 そのあたりのことも『ウンコに学べ!』の中で触れられています。
この本は、そういった関係の膨大な参考文献にあたった上で書かれているのです。
353 :
大人の名無しさん:02/06/15 19:26 ID:lp0DYQmy
『パタリロ西遊記』1〜4巻
おもしろいんだな、これが!
354 :
大人の名無しさん:02/06/15 20:14 ID:hkDsC/4/
「教育としての遊び」ヴァルタ−・ベンミヤン
第2次大戦前の本だが、目からうろこ、の
記述がたくさん。
昨今巷にあふれてる教育評論家とやらの著書とは
くらべものにならない。
355 :
大人の名無しさん:02/06/15 20:22 ID:e89LegeA
「子供はみな前世を語る」キャロル・ボーマン
著者の子供がある日突然前世の思い出を語り始めた所から始まる。
色々な事例が紹介してあるが、トーマスという子は日本の特攻隊員で
船に突っ込んで死んだ前世を憶えているんだって。でも大抵大人になる
過程で前世の記憶は忘れてしまうそうだ。
とりあえず俺は記憶無いなあw。
今度甥っ子に聞いてみようかな。でも「うん、憶えてるよ」とか言われたら
((((; ゚Д゚)))ガクガクブルブル
356 :
いざべる:02/06/15 20:37 ID:EaQeNCoO
>>355さんの本を読んでみたいな。
前世のことに興味あります。
レイモンド・ムーディ博士の本にも催眠術で前世の記憶を呼び戻すことに
ついて考察したのがありますね。
博士はそれが本当の前世の記憶がどうかは証明しようがないので結論は
出していませんが。
357 :
355:02/06/15 20:50 ID:e89LegeA
みんながみんな憶えているわけではなくて、不遇の死や、衝撃的な死を遂げると
記憶がトラウマになって持ち越されてしまうみたいなんだって。戦死とか事故死とか。
で、南北戦争で戦死した前世を記憶する子供は花火大会の花火の音を異常に怖がったり
トラックに轢かれて死んだ子はトラックを怖がったりするんだと。
でも、催眠誘導みたいな状態で、その記憶を思い出させて「もう終わったことです」
って言い聞かせると、そのトラウマがきれいに解消されるらしい。
不思議だ。でもなぜか日本ではそういう話聞かないよね。
前世の記憶と、史実や前世に住んでた場所、関係した人が、子供の証言とぴったり一致する事例も
あるらしいが、それで生まれ変わりを証明したことになるかというと、そうもいかないみたい。
盛口満 著
『僕らが死体を拾うわけ』
どうぶつ社(本体価格1456円) 1994
・
著者は中・高等学校の生物の教師だ。教師である著者だけでなく,生徒達も動物の死体拾いに熱中する,そんな様子が著者のスケッチとともに描かれている本だ。
オホーツク沿岸まででかけ,イルカやらトドの頭骨などを集める猛者もいる。
骨格標本づくりも当然レパートリーに入っている。
死体に,骨取りに,なぜ夢中になるのか。
それは著者によれば,死体や骨から見えてくるものがあるからだという
(本書を読めばそれが何かがわかるだろう)。
はじめのうち,死体は著者ら教員だけで“処理”していた。
それがあるときの学習発表会を契機に,次々にもちこまれる死体を生徒たちだけの手で処理し出し,
さまざまなデータを残していくようになった。メンバーもそのときどきで入れ替わる。
授業でもクラブでもない不思議な集団「解剖団」が結成されたのだ。
教育に対する著者の“想い”も伝わってくる。読むと,なんとも爽快な気分にさせられる,すばらしい教育書だ。
まだ入手できてない本なのでsage
359 :
小桜:02/06/16 11:58 ID:iAlQxoe/
>>353 それは私も読んでるよ。
今友達に貸してる。面白いよね♪
360 :
大人の名無しさん:02/06/17 01:00 ID:HSu0MrZx
フランチェスカ・リア・ブロック『ウィーツィ・バット』
361 :
大人の名無しさん:02/06/17 14:16 ID:ZqOW5Non
みんな、レベルの高そうな本読んでるねー。
俺はもっぱら軽めの小説(しかも文庫本)だな。
362 :
大人の名無しさん:02/06/17 15:14 ID:VEhZxRfN
「春にして君を離れ」アガサクリスティー
昨日よる眠れなくて読み返してみたら、余計眠れなくなってシマタ
ミステリーじゃないよ
『「好き。」の精神分析』(香山リカ・著)
第8章まであるうちの第3章まで。
新聞に載っていた書評を読んでわかっていた通り、これは、
恋愛に悩む女性のための本なのですが、なんとなく、鋭い心理分析を
期待して読み始めてみて、やはり、ちょっと無理があったようです。
元々女性のために書かれているということを差し引いて考えてみても、
どちらかというと恋愛に積極的な女性=これまで私の周りにいなかった
ような人たちのことを中心に書かれているので、分析そのものは
おもしろくても、話題としては今ひとつピンと来ませんでした。
同じ著者の『若者の法則』(岩波新書)の方は、もっと普遍的な
対象について書かれているようなので、こちらを先に読んで
慣れてからの方がよかったかもしれません。
>>354 >「教育としての遊び」ヴァルタ−・ベンミヤン
ベンヤミンという名前だけは聞いたことがありましたが、
著作は、まだ全然読んだことがありませんでした。
いずれ読んでみようと思います。
364 :
タク:02/06/18 10:23 ID:P9Lvjgmm
>>361 軽めの本でもいいじゃないですか。
暑くなるこれからは、クーラーのない襤褸家に住んでいるので
重さも内容も軽くないと2.3行で意識がなくなります。
365 :
いざべる:02/06/18 18:29 ID:lLWrzNCa
>>364 襤褸家→読み方がわかりませーん!!(無教養)
私も軽い本しか読みません。
でも楽しいからいいのよ。
>>362 『春にして君を離れ』は大学生の時に読みました。
読んで主人公がウチの母にソクリだと愕然とした。。。
忘れられない作品です。
366 :
361:02/06/18 20:51 ID:Ynhjzy8h
んー、じゃあ軽めの本。
「西の魔女が死んだ」梨木香歩
読了後の余韻が心地よかったヨ。電車ン中で、ぼーっ、としちまいました(アブナゲ
なんつーか、忘れかけていた幼い頃の思い出が浮かびあがってくる感じ。
内容紹介は……軽めなので略(笑
367 :
大人の名無しさん:02/06/18 23:29 ID:I4E9bBnn
川上弘美さんの『パレード』を読みました。
10分で読み終わってしまった。
368 :
大人の名無しさん:02/06/18 23:42 ID:Hoq3Gvhe
愛国対論
小林VS渡辺
ちょっと真面目に。
369 :
タク:02/06/19 09:50 ID:nkGmkYXJ
>イザベルさん
もちろん私も書けません
ボロ→変換→襤褸(かしこい機械です)
鈴木俊平著「風船爆弾」
プロジェクトXの第二次世界大戦版です。
370 :
いざべる:02/06/19 16:43 ID:kVCfq3Xs
>タクさん
ありがとうございます。
一つ賢くなりましたワ。
相変わらず書けないけど。
風船爆弾って日本軍が貿易風(?)にのせアメリカに
向けてとばした風船付き爆弾のことですか?
これで実際亡くなった人って何人ぐらいいるんだろうか。。。
371 :
タク:02/06/20 11:17 ID:KEH6SV1u
>いざべるさん
当時はアメリカも情報統制があって、風船爆弾の被害や情報を公開しなかったようですが
なくなった人は、キャンプに来ていた牧師の奥さんと同行の子供たちの5人。
牧師は助かって、木にぶら下がっていた不発弾にふれた子供たちと奥さんが犠牲者だ
そうです。あとは山火事が数件のみ。
風船爆弾の材料は和紙と蒟蒻糊、超アナログです。
『日米安保を考え直す』(我部政明・著)を読み始めました。
373 :
大人の名無しさん:02/06/20 12:00 ID:fcaxgg6f
LOST:Lost and Found Pet Posters From Around the World
「ペット捜しています」のポスターを集めた本。
読む、というより見るって感じですけど楽しい洋書です。
374 :
大人の名無しさん:02/06/20 20:20 ID:TcZbrvUu
岩波新書「日本の思想」丸山真男。現在、75刷。
あらゆる国の日本研究者が必ず最初に読む書籍。
戦後最大の知的巨人。筑紫哲也も彼の門下と自称。
ファンサイトから(
http://www2s.biglobe.ne.jp/~MARUYAMA/)
>『超国家主義の論理と心理』を読んで目から鱗が落ちたと言う老年新聞記者
> の数は多いが、「日本の思想」を読んで目から鱗が落ちたと言ってくれる壮
> 年新聞記者がほとんどいないのは非常に残念なことである。国際化の今日
> なお、外国の研究者が日本研究の門をたたくということは、この新書を読むこ
> とと同義であり続けている。次々と書店の棚から消えてゆく岩波新書青版の
> 最後の一冊が残るとすれば、恐らくはこの書物であり、また諸外国における
> 日本研究書の最後の一冊が残るときも、この『日本の思想』であるだろう。岩
> 波『図書 1995.7』に寄せられたヴォルフガング・シャモニ氏の文章も是非ご
> 参照いただきたい。
375 :
いざべえ:02/06/20 20:28 ID:iMcpFPJm
>>374 この本確か昔買ったが読まずに本箱の奥に埋もれてるハズ。
読んでみよう♪。
>>374さんありがとう。
>タクさん
そうですか。あのようなお粗末な装置でもやはり亡くなった方がいたのですね。
ピクニックに来た牧師一家を何のために〜って感じですね。
米軍の空襲だってそうですけど。
全然関係ない人を殺す戦争ってほんとに愚かだと思う。
戦争をおっぱじめる当事者達はぬくぬくと安全な場所にいて
悲惨な状態になるのは一般民衆ばかり。
はぁ〜。
376 :
大人の名無しさん:02/06/20 20:38 ID:TcZbrvUu
377 :
大人の名無しさん:02/06/20 20:43 ID:MDuryHuB
>>340 亀レス須磨祖。全文を読んだわけではないのですが、孫読みで
「全日記小津安二郎」の中でも、昭和36年4月8日の記録に、
晴 文部省の芸術選奨授賞式に出る 外務省にて脱糞・・・・・
春がすむ霞ヶ関の外務省にふと立ちよりてうんこなどする/ いみじくも
外務省とは名づけたり務めて外に脱糞はする
などとあった、というのを思い出しました。日記というと、歴史的に重大史料となる
重厚なものというイメージがあるのですが、結構私日記らしいものもあるのですね。有名な
ところでは、小林一茶などは、性交の回数まで日記に記していたというのを読んで、笑って
しまいました。
>>374 「日本の思想」は、高校の現代国語の教科書に、亀井勝一郎や、小林秀雄、伊藤整などとならんで、
重厚な説明文として、引用されていた記憶があります。全文ではなかったので、その後読んでみたいと
思い、岩波の青版を購入したのですが、いまだに積読になっていました。
378 :
大人の名無しさん:02/06/21 00:04 ID:S3IE7a7a
高野悦子「二十歳の原点」
確か六月二十四日が命日でしたね。
379 :
大人の名無しさん:02/06/24 21:09 ID:yRduqP76
パール・バック「大地」
これをこの年に成る迄、読まなかったのは一生の不覚!(クソ
凄すぎる!娯楽としての完成度も信じられないくらいの高み!
この一作でパール・バックは、ピューリッツア賞とノーベル賞を獲得!!
さもありなん!!凄すぎる!!
>全然関係ない人を殺す戦争ってほんとに愚かだと思う。
>戦争をおっぱじめる当事者達はぬくぬくと安全な場所にいて
>悲惨な状態になるのは一般民衆ばかり。
その一般民衆の総意が戦争をおっぱじめる当事者達を選んでいる、ということを理解しましょう。
無垢で犠牲になってばかりの一般民衆なんて存在するものか!(w
この考察無しに戦争なんてぇ物騒なものをとどめられるなんて夢想はしない方がいい。
逆に無垢の民衆という美名に隠れた大衆の残虐さに思いを致す事が急務だろうに・・・。
という事で昨日久しぶりの読書。
『バースト』(タトゥー&ボディピアス専門雑誌)
『奸漢裁判史』(みすず書房)
『日米安保を考え直す』は、途中まで読んだのですが、
どうも気候が不順なせいか疲れっぽくて読みにくく、
何日か読まずにいてしまったので、後回しにすることにしました。
で、改めて、『在日米軍』(梅林宏道・著、岩波新書)を読み始めました。
まだ序章を読んでいるところですが、「一般民衆の総意」といったものが
マスメディアによって意図的に形成されることの具体例が示されていて
非常に興味深いです。
きわめて簡単にまとめてしまうと以下のとおり。
1)1998年8月のいわゆるテポドン事件で、日本のマスメディアは、
米軍当局の発表に基づいて「北朝鮮によるミサイル発射」と報じた。
2)その後、米軍は、人工衛星の打ち上げ実験だったと公式発表している。
3)2)について日本のマスメディアは無視している。
382 :
大人の名無しさん:02/06/25 16:55 ID:49jqY+7w
婦人口論よみました
383 :
いざ :02/06/25 16:57 ID:hbvPCW0Y
>>380 私は一般民衆のことを「無垢で犠牲になってばかり」だなんてどこにも言ってないしそう思ってない。
自分の思い込みでレスしないで。
ようやく『骨の学校』購入、読了。
こんな理科教師がいる中学高校ならいい環境だと思う。
最終章に豚足から作る骨格標本工程、タミヤのプラモ設計図よりわかりやすい。
>>383 変な箇所にからんでくるんだな(w
『無垢で犠牲になってばかりの一般民衆なんて存在するものか!』は私の見解。
貴方のは
>戦争をおっぱじめる当事者達はぬくぬくと安全な場所にいて
>悲惨な状態になるのは一般民衆ばかり。
戦争をはじめる悪い為政者と可哀想な庶民、っていう図式はいかがなものか(w
>>380を読めばすぐ何が論点かわかるだろうに(w
385 :
タク:02/06/26 11:35 ID:XRsETh/D
夕べテビチ食べた。豚足から作る骨格標本工程には笑った。
柔らかくなり過ぎないように煮ないとね。
大衆(民衆と置き換えてもいい)と個人の関係を195はどのように
とらえてますか?
スレ違いの質問で申し訳ないが、一度聞いてみたかったので・・
387 :
タク:02/06/27 11:27 ID:KTm5mpJz
>386
あ〜、食べたテビチはこの骨格標本を4等分くらいしてる。
足先はさらにゲル状に煮込んであるから組み立て不可能だな。
昨日から柳宋悦の「日本の手仕事」を読み始める。
昭和15年当時、戦争で破壊される直前の日本各地の生活のために作られた
様々な用具を調査して書かれている。
大量生産ではなく、自分と自分の周囲の人たちのために丹念に作られた物の
実直な美しさが楽しい。
388 :
大人の名無しさん:02/06/27 18:17 ID:3yBeDZVu
‘絶対音感’(最相葉月・著)を図書館で借りますた。
読んでみたら、意外につまらないっす。
期待しすぎてたのかな〜。。。
絶対音感に関するいろんなデータとかが知りたかったんだけどな。
390 :
タク:02/06/28 10:12 ID:iK6VD1/s
しまった。続きを読もうとして本を手にとり書名が「手仕事の日本」であったことに
気付く。申し訳ない。
柳宋悦著、小学館です。
>>390 岩波文庫からも出ていますね。以前購入しましたがまだ読んでませんでしたわ。
面白そうなので読んでみます。
392 :
大人の名無しさん:02/06/29 10:44 ID:WEJDuvYW
岩波新書編集部編「戦後を語る」
敗戦から50年目の、1995年に出版された本です。
改めて読み返してみて、
もうひとつ、この五○年、私の頭を離れないのは「戦争に弱いジャーナリズム」
のことである。ジャーナリストには国籍があり、「国益」に弱い。平和より戦争は
ニュース価値が高い。愛国ナショナリズムはジャーナリストにとって商売になりやすい。
「いまは世論も新聞・放送も平和を求めている、日本に再び昔のような戦争や人権無視
の時代は来ない」という声も聞かれる。だが、私の不安は消えていない。戦争もファシズム
も前と同じ顔では現れない。ジャーナリズムは新しいその顔も正体もつかみ切ってはいない。
国益や多数派に弱いメディア企業の構造も変わっていない。
という、元共同通信社社長の原寿雄氏の発言は、昨年から今年にかけてのマスコミの報道姿勢
を思うとき、まさに正鵠を得ていると思った
。
393 :
タク:02/06/30 15:28 ID:sGf4WKnl
>「戦争に弱いジャーナリズム」これは、まさに9.11後のアメリカのマスコミが
そうでしたね。
「手仕事の日本」の付録で推薦していた谷崎潤一郎著「陰翳礼賛」。
電灯がともる前の行燈の火影にゆれる日本家屋の中の美しさと暗さ、
派手な金箔を施した漆塗りは薄暗い屋内で鑑賞するためのもの、
お歯黒に眉をおとした日本女性の肌の白さも、闇の中の幽鬼じみた美の表現
ということが、独特の文章で語られている。
『在日米軍』(梅林宏道・著、岩波新書)第2章の途中まで。
序章で、「平和ボケ」について、小樽港に寄港した米軍の空母を
見物するために、のべ35万人が来たということを引き合いに出しています。
なおかつ、そういった現象とは対照的に、「平和ボケ」という言葉は、
軍事力による安全保障に批判的な人びとに対して使われることが多いとも。
思うに、今、現に存在する在日米軍というものが歴史的に
どのような経過があって、どのような目的をもって存在しているのかと
いうことに無知であれば、今あるものをそのまま当然のものとして
受け入れるようにもなってしまうのでしょうが、
それこそ、平和ボケという名にふさわしいことです。
みんな、重そうな本読んでるねー。
疲れない? いや、煽りじゃなくてマジな質問。
396 :
タク:02/07/02 22:56 ID:g1jYljZP
>395 ミステリーやSFも好きで読んでますよ。
高村薫の新作「晴子情歌」図書館でリクエスト中だけど、まだ来ない。
あ、これは重量は重いかもです。今回はミステリーでないということで
楽しみにしてます。
地下鉄の駅の古本販売で見つけた
『一夢庵風流記』 隆 慶一郎 (著)の単行本を読んでます。
知る人ぞ知る、あの漫画のネタ本ですね。
>397
単行本 ×
文庫本 ○
篠田節子『死神』文春文庫
山本文緒『恋愛中毒』角川文庫
『在日米軍』第3章の途中まで。
第3章では、在日米軍の編成について実に詳しく書かれています。
で、全部頭に入れようとするとえらくしんどいのですが、私は、
ポイントは次の点にあると読みました。
すなわち、在日米軍の中の陸軍部隊が極度に限られたものであること。
これは、何を意味するかというと、日米安保に基づいて駐留しているはずの
在日米軍が日本国内での戦闘を想定していないということであり、
つまり、世界最大の戦争のプロであるアメリカが「日本が他国から
侵略される可能性はほとんどない」と判断しているということです。
結局、在日米軍は、アジア〜中東に米軍が展開するための拠点なんですよね。
>>395 やっぱり、こういうのは気合を入れないと読み進めるのが大変です。
次は、なにか読み物にしようと思ってます。
>>400の訂正
「第3章では」と書いてしまいましたが、正しくは「第2章」です。
アガサ・クリスティの『アクナーテン』読了ニダ。
ミステリーではないニダが、古代エジプトを舞台にした戯曲で、
歴史も好きなウリとしてはけっこー楽しめたニダよ〜。
高校の世界史の教科書では、多神教から一神教への転換を図った宗教改革の時代
(テル・エル・アマルナ時代)としてほんの2〜3行で片付けられとったニダが、
ツタンカーメンやネフェルティティも登場する興味深い時代が背景になっとるニダ。
愛と平和による統治を目指し、武力行使を否定した理想主義者の王様が、
結局は王国により多くの流血と混乱を招いてしまうっつーストーリーで、
現代のイデオロギー論争にも通じるよーなお話ニダねー。
こりでハヤカワミステリのクリスティ作品(自伝を除く)88册、
3年がかりですべて読破したニダ〜。
中高生の時は50册超えたあたりで挫折したニダが、
そりも全部読み直してよーやく達成ニダ。
今度は捨てずに取っといて、また20年後くらいに楽しむニダ。
>>400 ギョズキ
そーゆースレでもないんでチミの書評に
口挟むのもどーかと思うニダが…。
現代戦、とくに日本のよーな島国守るのに
海軍・空軍が主力になるのは当然ニダよ。
陸軍の出番はそりこそのっぴきならん状況に陥った時ニダ。
ただ、>アジア〜中東に米軍が展開するための拠点
っつー面は確かにあるニダね。
>>403 1951年7月30日の米国の提案には、在日米軍の目的を
さらに拡大する条項が登場する。これがいわゆる極東条項である。
極東条項とは、米軍は日本を除く極東における平和と安定の
ために、日本の基地を使うことがきるとする条項である。条約の
目的は、第一に「極東における国際の平和と安定の維持とされ」、
第二に日本国内の大規模な内乱鎮圧のための援助、そして最後に
「日本の安全に寄与する」と変更された。
405 :
大人の名無しさん:02/07/04 04:27 ID:W67VxK5o
この米修正案を日本が承認して最終案となった。「日本防衛」に代わって、第一に
「極東の平和と安全」という目的が登場し、日本防衛に際しても在日米軍を「使用する
ことができる」とされた。これは、日本防衛に際しても米軍を使用してもよい、あるいは
使用しなくてもよいという米国の裁量権を認めることである。これによって、旧日米安保
条約の位置づけにおける日米の非対称性は、いっそう際立つようになった。
(中略)
旧安保条約について合意に達した後、具体的文言が米側から提示された。それが8月24日、
「国際連合のこうどうに対する強力に関する交換公文」となり、9月8日の旧安保条約の調印
と同時に署名された。これは吉田・アチソン交換公文と呼ばれている。現行の安保条約調印に
際しても、同公文は引き続き有効であるという交換公文が、日米間で交わされている。
吉田・アチソン交換公文は、現在でも、朝鮮半島有事の際に米軍が在日基地から直接に
出撃できるということの根拠になっている。そのため、後述する事前協議制における日本防衛
以外の目的、つまり朝鮮半島有事の際に在日米軍基地から直接出撃することを保障する
秘密合意が生み出されることになる。
(我部政明著「日米安保を考え直す」P21〜22より)
406 :
タク:02/07/04 10:51 ID:8IXDLWLb
侵略を広義にとらえるなら、沖縄は米軍の侵略下にある。
沖縄でいつも問題をおこすのは札付きの陸軍部隊の一部。
『日米安全保障』?日本の安全を米軍は保障していない。アメリカの戦争を
日本が援助している。この際「米軍支援保障」に名前も変えて欲しい。
というのは、乱暴?
『在日米軍』第5章の途中まで。
歴史上の事実というものが風化しやすいものであることを痛感。
というのは、「タイコンデロガ」のなんたるかを、この本を読むまで
私自身が忘れていたからです。
別スレのレスで
http://natto.2ch.net/test/read.cgi/middle/1021073267/517 >核を搭載した艦船が
>実際に寄港しているとの関係者の証言があるとも報道されています
と書いていましたが、タイコンデロガ事件という決定的な事件が
あったことは当時知っていたものの、その後全くと言っていいほど
話題にのぼらなくなっていたために、すぐにそのことに気が付くことが
できなくなっていました。
タイコンデロガ事件とは、「第3章 在日米軍の活動を見る」の中で
触れられていますが、1965年12月5日、空母タイコンデロガが
ベトナムでの空爆任務を終えて横須賀に一時寄港する途中、
水素爆弾一個を攻撃機もろとも水中に落下・紛失し、このことが
1989年5月に公になって問題化したものです。
>>403 >現代戦、とくに日本のよーな島国守るのに
>海軍・空軍が主力になるのは当然ニダよ。
>陸軍の出番はそりこそのっぴきならん状況に陥った時ニダ。
私も、
>>400のレスを書く前に原文に当たって正確に記述すれば
よかったのですが、かなり端折った書き方になってしまいました。
正確を期して、実際に本に書かれていることをそのまま引用しますね。
『在日米軍』(梅林宏道・著、岩波新書)
第2章 在日米軍の全体像
(4)陸軍−−支援部隊とグリーンベレー
(その104ページから始まる冒頭部分より)
> 在日米陸軍司令部となる部隊は、在日米陸軍/第9戦陸軍地域
>軍(第9ターコム(TAACOM))と呼ばれ、キャンプ座間
>(神奈川県相模原市、座間市)にいる。1994年12月9日、
>それまで日本防衛に当たる戦闘部隊として核となる部隊を残し、
>在日米陸軍司令部を担っていた第9軍団が廃止された。その代わ
>りに、補給支援部隊である第9ターコムが設立され、そこに在日
>米陸軍司令部を置いたのである。
> この組織変更は、米軍の考え方を象徴する重要なできごとであ
>った。つまり、陸軍の戦闘を必要とする日本防衛戦の可能性はほ
>とんど消滅したと判断し、アジア太平洋「戦域」全体の後方支援
>こそ在日米軍の役割だとする米軍の考えが、ここに現れているの
>である。とはいえ、日米安保条約によって駐留している建前があ
>るので、米軍は、第1軍団連絡分遣隊をキャンプ座間に設置した。
>ワシントン州にいる太平洋陸軍第1軍団が、日本有事のときの陸
>軍部隊であるという位置づけをし、その連絡員を置いたのである。
> その結果、日本にいる陸軍の戦闘部隊は、沖縄のトリイ・ステ
>ーション(トリイ通信施設)の第1特殊部隊第1大隊(空挺部隊、
>いわゆるグリーンベレー)だけになった。それとても後述するよ
>うに在日米軍の作戦統制下にある部隊ではない。それ以外の陸軍
>部隊は、基本的に非戦闘部隊である。
(このレスつづく)
>>408のつづき
で、陸軍部隊を削減した分、他の海軍や空軍、海兵隊などが
日本を防衛するための任務に就いているということであれば、
キムさんの指摘の通りということで一応つじつまは合うように
なるのですが、実際には、どうかというと、
(第2章の最後のまとめの部分より、110〜111ページ)
> 海兵隊は、在日米軍最大の戦闘部隊として沖縄を中心に前進配
>備されている。なかでも、第3(原文はローマ数字のIII)海兵
>遠征軍は、米海兵隊に三つしかない海兵遠征軍の一つである。
>そのことだけからしても、在日米軍は米軍の世界展開に欠くこと
>のできない戦力供給源であると言える。
> 海軍に関しては、日本は第7艦隊有数の戦闘部隊の母港となっ
>ている。世界で唯一の空母戦闘団と水陸両用即船団の海外母港が
>日本にある。米本土から見て地球の裏側となるインド洋、アラビ
>ア海地域への舞台展開は、第7艦隊なしには極めて困難であろう。
> 空軍の役割は、戦略的空輸のハブ基地として機能するとともに、
>世界に展開する訓練のゆきとどいた戦闘機部隊を供給することで
>ある。同時に、沖縄には世界最大の空軍弾薬補給基地がある。
> 陸軍は、太平洋全域にサービスする補給部隊としての役割を担っている。
> この他に、在日米軍基地は、少人数ながら陸、海、空、海兵す
>べてにわたって世界中に派遣できる特殊作戦部隊を擁していると
>もに、世界有数のスパイ基地や情報部隊の活動拠点となっている。
と書かれているとおり、全体として在日米軍は、アジア太平洋地域
(中東を含む)を中心として世界中に米軍が展開するための
拠点であると筆者は述べています。
(決して「拠点という『面がある』」のではない。)
>>408-409について、これ以上このスレで続けるのであれば、実際に
『在日米軍』を読んで報告してもらうか、なにかそうではないことを
論証している本を読んで報告してもらうといいと思います。
411 :
195 ◆ApGKf56Q :02/07/05 00:22 ID:K3nmqRBJ
『僕らが死体を拾うわけ』(どうぶつ社)購入
『骨の学校』の著者の別の本。
こちらは実際的知識、というより、標本作成日記みたいなもの。
なかで中学生高校生女子が狸の腸を伸ばして記念撮影している挿絵あり。
標本製作はこうでなければならない。
すべて、交通事故で死んだ動物、というのも○。
標本製作で菩提を弔う学生達、その中には骨に魅せられてドイツ語を習得し、
ドイツの標本作成専門学校に留学する猛者もいる。
真摯な学生は大好きである。
今日は暑いんで
「新耳袋-第一夜」
少しだけ涼しくなりました
金融恐慌による休業銀行は37をかぞえた。この恐慌以降、中小銀行の預金は、大口は一流銀
行、小口は郵便貯金にうつった。三井、三菱、住友、安田、第一の五大銀行はさらに
救済資金8億円余の大半をも吸収して、金融界の支配権をにぎった。主要産業における資本の
集中も急速にすすんだ。鈴木商店のもつ商品の一手販売権は、ほとんど三井・三菱の両財閥で
分割され、その子会社の多くは大財閥の支配下にはいった。三井も三菱も第一次大戦前にはその傘下
に、12、3社をもつにすぎなかったが、金融恐慌による整理の一段落した29年には、三井は97社、
三菱は65社をその支配下におさめていた。
独占の進展に反比例して、中小企業の経営は困難となった。また中小銀行の倒産は、これと密接
にむすんでいた地方財閥や関係事業の没落をまねいた。中小銀行と取引をしていた地方の中小企業は、
銀行の倒産で打撃をうけ、モラトリアムのために休業や操業短縮をよぎなくされた。そのうえ、
恐慌ののちには、銀行の貸出のひきしめが行われ、また大銀行から融資をうけることが
困難となったために、没落をはやめていった。この時期から以降、中小企業の困窮は大きな社会問題
となった
岩波新書「昭和史」
今の経済状態と、良く似ていますね。
414 :
大人の名無しさん:02/07/05 22:32 ID:BpXY+n2f
塩野七生 「ローマ人の物語」2册、読了です。
長くかかってしまった。
7月にはまた続きで2册でるらしい。
買わなくちゃん。
読まなくちゃん。
ほんとにローマは一日にして成らずだなあと
思ひました。
『在日米軍』読了(全5章)。
以下の引用は、「第4章 脅かされる市民生活」の「1 米軍優先の法体系」の
最後の部分(の一部)で、在日米軍による犯罪とその処理に関する
アメリカ優位の地位協定がある背景について述べた部分です。
(前略)
>兵士が「殺せ」という国家の命令に服し、命令によって「死ぬ」
>ことを厭わないようにするために、国家は絶えず兵士の精神と技
>術の訓練を継続しなければならない。そのような軍隊を、利害が
>完全に一致するわけでもない外国の領土に常駐させるという状況
>は、極めて特異な状況である。
(中略)
>兵士の士気を維持するために、兵士に使命感と同時に特権意識を
>植つけなければならない。特権は、彼らが特別に国家の恩恵と庇
>護の下に置かれていることを示すことによって裏づけられるであ
>ろう。ここに、米軍が「地位協定における優位」にあくまでも固
>執する理由がある。日本政府もそれを知っているから、協定の改
>訂に拒否反応を示し続ける。
これを読んで、ここに書かれていることは、必ずしも外国に駐留する
軍隊に限ったことではなく、自国にいる兵士に関しても言えることなのでは
ないかと考えました。
すなわち、軍隊というものが本質的に自国の国民の生命を守るための
ものではないということにも結び付いてゆくわけです。
416 :
タク:02/07/10 11:15 ID:9GeJOViW
>415
全くその通りです。民間人に無言であっても圧力をかけ、
自国民を自決に追い込んだ歴史が日本軍にはあります。
『ぼくのマンガ人生』(手塚治虫・著、岩波新書)
全7章のうち4章まで。
各章の表題は以下のとおり。
1 マンガを描きはじめた頃
2 すばらしい先生たちとの出会い
3 ぼくの戦争体験
4 「生命の尊厳」がぼくのテーマ
3と4では、1945年8月15日の「ああ、生きていてよかった」という
感慨から一貫して「生命の尊厳」をテーマとしてマンガを
描き続けてきたことが書かれています。
私は、他スレにも書いた通り、文字を読めるようになる前から
手塚マンガを読み始めて、今では、普通に入手可能な単行本の
ほぼ全てを持っているほどの手塚ファンなのですが、
この本の存在は、最近まで気付かずにいてしまいました。
手塚の自伝としては、『ぼくはマンガ家』という本が有名ですが、
この『ぼくのマンガ人生』では、『ぼくはマンガ家』でカバーされて
いない部分も書かれていて、興味深いです。
例えば、1や2で書かれている、マンガ家としての才能を伸ばすことが
できたことに与えたユニークな母や教師たちの存在など。
418 :
いざべる:02/07/10 21:20 ID:pHhylK/M
>軍隊というものが本質的に自国の国民の生命を守るための
ものではないということにも結び付いてゆくわけです。
禿同です。
軍隊というものは「殺す為」に訓練を受けた人々の集まりだから。
日常的にもパリではテロ防止の為に地下鉄の駅などを
機関銃をもった兵士が見回っています。
でも彼らを見ていて守られているという安心感はない。
いつ発砲してもおかしくないという彼らの雰囲気にむしろ恐怖を感じる。
『ぼくのマンガ人生』読了。
第5章以降の表題は以下のとおり。
5 アニメーションをつくる
6 子供は真剣なメッセージを待っている
7 人間性こそ大切
本人の文章ではないのですが、虫プロ商事倒産の頃のトラブルが
これまで考えていた以上に大きなものであったことを知りました。
また、手塚氏は、現代の若者や子供の状況をかなり憂えていたのです。
>>416、
>>418 レスをありがとう。
次は、『戦争プロパガンダ 10の法則』なんて本があって
おもしろそうなので、探してみて、あれば読むかもしれません。
ネットで検索すると何件かヒットする本です。
「現代政治の思想と行動」丸山真男 154刷 3500円
第一部 現代日本政治の精神状況
1、超国家主義の論理と心理(超有名な学説)
2、はつまらない
3、軍国主義者の精神形態(すっげー!!
ずーーーーーーっと、飛んで
第三部「政治的なるもの」とその限界
7、現代における態度決定!!
(凄すぎ!まぁ、読んでみなはれ,ブットびますぜ!旦那。
>422
知ってます。今「旗本退屈男」を読んでいます。(W
424 :
195 ◆ApGKf56Q :02/07/12 11:10 ID:FlwiPJL9
はぁ?丸山が社会学?195君よ、君には入門書から教える必要が有りそうだな?
まず、これを読んでらっしゃい。
1、日本の思想
(1)無構造の「伝統」−思想想起の仕方
(2)近代日本の機軸としての「国体」の創出
(3)明治憲法下における最終的判定権の問題
2、近代日本の思想と文学
(1)文学者に焼付けられたマルクス主義のイメージ
(2)方法的トータリズムの典型
3、思想のあり方について
(1)近代日本の学問の受け入かた
(2)多元的なイメージを合成する思考法の必要
4、「である」ことと「する」こと
(1)理想状態の神聖化
(2)価値倒錯を再転倒するために
やっぱり、そういう批判が来ると思ったのだ(w
出かけて古書店の書棚眺めながら、
「あ、あの書き込みは『大塚久雄』だったか?『丸山真男』だったか?」
「やべ、書き込み間違ったっ!」
と思っていたのであります。
そのとおり、丸山政治学で大塚社会学。
橋爪・小室の名前を書きながら、なぜか違和感があったのはそこでしょう。
伏して訂正いたします。
昨日までに新たに読んだ本になりますが、
このスレで何度か報告のあった岩波新書の『昭和史』、
書店でたまたま見つけて、関心のある部分を拾い読みして購入、
冒頭から読み始めました。
戦争がどのようにして引き起こされたのか、それを押しとどめることが
できなかったのはなぜなのか、という観点が軸になっているようです。
それと、これ、これ。
大西巨人の『神聖喜劇』が光文社文庫で出ました。
第1巻が発売されていて、毎月1冊ずつ第5巻で完結の予定です。
「戦後日本文学の金字塔」と称(賞)せられることもある作品の割に
「なに、それ?」という人も多いかもしれませんが、
これは、とにかくお薦めできる本です。
ドストエフスキーの時に既に使った言い方なので、陳腐に感じられて
しまうかもしれませんが、これもまた「読まずに死ねるか」(反語)と
思える本です。
私自身は、6年ほど前に思い立って全巻をちくま文庫版で買い揃え、
分量(各巻500ページ以上×全5巻)の割には、早く読み終えることができました。
「ものごとを突き詰めて考える」ということをユーモアも交えた
緻密な文章表現で構築した小説なのです。
テレビの安易な日本語表現に慣れ切ってしまっていると、これを読んでも
回りくどく感じてしまうかもしれませんが、ひとたび、その魅力にとりつかれると、
自分でもそういう文章を書きたいと思うようになりますよ。
とりあえず、光文社文庫版の第1巻を発売日に購入して、巻末の
元版発刊当時の評を読んでみました。
>>429 ああ、いいページを見つけてきてくれますね。
私なんかが余計なことを書き込む必要がなくなってしまうじゃないですか。
(なんて言いつつ、書き込んでしまうわけだけれど。)
>そのあまりにも古今東西多岐に渡る大胆な引用
>百科全書的膨大な書物の引用−それこそレーニンから室生犀星まで
この部分だけでも、195を捕らえて離さないんじゃないかと思いますよ。
私だったら、「室生犀星まで」ではなく「寺山修司まで」としたいところですが。
(新版に入ってるかどうかわからないけれど。)
>人間の本質を射抜くことから決して目を反らさないその厳格主義。
>驚愕して、しかも泣けて、さらに笑える作品なのだ。
まさに、↑ここらへんがこの小説の魅力の中心なのだと思います。
>>429 >誠に面白そうなのですが、絶版だったのですな?
最初に光文社からハードカバー箱入りで出版され、その後、
文春文庫、ちくま文庫などが出ましたが、いずれも
(残念ながら、売上げが芳しくなかったせいか・・・)
絶版ないし品切れが続いていたのです。
ネットの復刊なんとかかんとかというので支持する人が多かったことも
今回の復刊に寄与したのかもしれません。
432 :
大人の名無しさん:02/07/13 11:17 ID:qPGef0D+
ファーストランゲージC++
実は、私は、まだ『神聖喜劇』を実際に読んだことがなかった頃、
古本屋で最初のハードカバー箱入り本(全5巻)のうち、
1巻から4巻までを見つけて買い、その時、古本屋の店員に
「この最終巻は手に入らないだろうか」と相談したことがあるのです。
相手は、「たぶんそこまで読めないでしょう」なんて言ってましたが、
最初の数ページを読んで、私は、「あの店員は、この本を全然
読んだことがなかったのだろうな」と確信しました。
>>431の
>(残念ながら、売上げが芳しくなかったせいか・・・)
というのは、私の勝手な思い込みでした。
手元にあった(が、あまりよく読んでなかった)
『「神聖喜劇」の読み方』(大高知児・編著、晩声聲社)によると
一番最初に出た「カッパノベルス」版(全4巻、ただし、全8部のうち
4部まで)が29万5000部、
同じく光文社の四六判全5巻(ハードカバー)が12万5000部、
文春文庫版全5巻が29万部と、かなり出ているようです。
435 :
いざべる:02/07/13 21:52 ID:aQUGxbKT
読みたい読みたい。
『神聖喜劇』
どこ逝ったら手に入るかナ。
でも読み出したら何も出来なくなりそうで不安。。。
436 :
195 ◆ApGKf56Q :02/07/13 22:15 ID:mugAFfww
本日ほど魚好きの読書のお誘いを受けて感激した日はない。
スガ秀実が書評で取り上げていた事すら知らなかったのだから。
っていうか、スガ秀実はジャー専講師だからほとんど読まなかった(w
柄谷と大西の対談もあったんですな、『白鯨』とリンクさせて。
紀田順一郎も呉智英も奨めてくれないので書名すら知らなかった。
で、読んでたら昼間しこたま飲んだ焼酎のせいと、車でグルグルまわった疲れからか、
数十ページで寝てしまったのである。で、その数十ページの感想。
(つづく)
中身を書くと未読の方々に失礼に当たる。でも書きたい。でも自粛して・・・。
登場人物に『大前田文七』というのがいる。
最初にその名前を見たときに、私は、
『江戸末期の博徒みてーな名前だな。文七っちゃあ文楽か?』
なんて思ってまして。
『清水次郎長伝・秋葉の火祭り(後半部)』に大前田英五郎ってのがいますんで。
著者のなんと丁寧な事か、主人公がそのまま私の感想と同じ感想を述べてらっしゃる。
そこだけでもう、あっしは面白くてしょうがない。
文章自体がもっともっと面白くて、書きたくてしょうがないのだが・・・。
光文社文庫の最新版で買った方がいいや、こりゃ。
なんて位の最初の読後感で御座いました。
438 :
タク:02/07/13 22:56 ID:GqJClOoP
「読んだら貸してね」喉まで出かかる。>神聖喜劇
本屋で生買いしたい。しょうがない、ネットで買おう。
とりあえず
>>434の訂正をひとつ。
『「神聖喜劇」の読み方』の発行元は、正しくは「晩聲社」です。
今日は、昼間はちょっと忙しくなるかもしれません。
441 :
いざべる:02/07/14 12:43 ID:DZtQJYOl
ぬあんと『神聖喜劇』を図書館で見つけたべー。
文春文庫版です。最初の3巻を借りて来た。
さっそく読みちう。
442 :
195 ◆ApGKf56Q :02/07/14 16:29 ID:oa5s+40G
文学板に大西スレッドがあります。ちょいとコワイ(w のであります。
青年が太宰治に自分自身を投影しているかのような、また、奥野健男になったかのような、
そういうスレですので参考までに。
本題に戻ってココの部分
「私は右手を下ろし、必要にして十分な、あるいは必要以上にして十二分な解答を繰り広げて見せた。
(中略)
そして班長殿の官性名は、大前田文『ナナ』殿であります、と締め括りたいという強烈な誘惑を辛くも捩じ伏せて
・・・」
名文だな、と思う(w
レスしやすいところからレス。
今朝までに、
>>442引用エピソードを含む部分の最後まで読む。
そこまでで最高に傑作なのは当該
>>442引用部分だろうと考え、
間違いなく、昨日のうちに195が指摘しているものと思ったが、
昨日はそこまで読まなかったようで、
今朝はやや残念、今はちょっとうれしいです。
私は、実は、光文社文庫版発刊の事実を文学板のスレで知ったのでした。
2ちゃんの書き込みで、これほどまでに人から感謝されたり
幾人もの人が本を読み始めてくれたりということは、
私にとって、かなりまれなことのように思えるので、
今の状況は、私としても、かなりうれしい・喜ばしいことです。
>>437のような受け取り方ができるなんて、実にうらやましいです。
私の場合は、落語に「文七元結」とかいうのがあったなという程度の
知識しか持っておらず、もちろん、「大前田文七」という姓名から
そのことは連想したものの、「大前田」については、なにとなしに
大時代がかったイメージのある名字だと漠然と感じた程度でした。
ところで、『神聖喜劇』文春文庫版の奥書は、自らの作物(さくぶつ)を
公表する者の心構えとして、実に見事というか、私などは、
感動すらしてしまいます。
その文章そのものがネットのどこかにないかと探してみましたが
見つからなかったので、明日にでも打ち込んでこのスレに
貼り付けようと思います。
この「奥書」はちくま文庫版の奥書にも加えられており、
光文社文庫版でもそうなるものと期待しています。
訂正が多くて恐縮ですが、
>>433の訂正。
以前に引越しをした時の荷物の段ボール箱を何年かぶりで開けて
ハードカバーの『神聖喜劇』を取り出してみてわかりましたが、
私が実際に買ったのは、1〜3巻であり、私は、店員に
「第4巻(=最終巻)は手に入らないだろうか」と相談したのでした。
どこに食い違いがあるのかというと、現に私が持っているハードカバー版の
第1巻の帯には「全4巻」とはっきり書かれているにもかかわらず、
実際には第5巻でようやく完結したということなのです。
今回、はっきり確認できましたが、現在発売中の光文社文庫版の
第1巻の最後に掲載されている「よせられた評」は、すべて
ハードカバー版の第2巻および第3巻に挟み込まれていた冊子から
再録されたものです。
【「文春文庫」版奥書き】は、以下のとおりです。
> さしあたり私は、もし私の著書が三百部ほど売れたならば、言い換え
>れば、もし私の著書が有志具眼の読者約三百人に出会うことができたな
>らば、それは望外のよろこびであろう(さらにもし同様の意味合いにお
>いて三千部ほど売れたならば、「以て瞑すべし」であろう)、と考える。
> しかし、また、−−「上木」、「上梓」ないし「出版」という言葉の
>反意語は、「筐底に秘す」であろうか、−−私は、私の作物を「筐底に
>秘」しておくことなく上梓した以上、それが三億部か三十億部か売れる
>ことをも願望せざるを得ない。光文社刊四六判五巻本は、さいわいにし
>てかなり刷をかさねた。この文庫版の売れ高が先行き三億部なり三十億
>部なりに達することを、私は、期待する。
448 :
195 ◆ApGKf56Q :02/07/15 12:19 ID:NuNRSyxG
『神聖喜劇』丁度真ん中まで。
筒井康隆『短編小説講義』(岩波新書)にて、ローソン『爆弾犬』に対しての解説がある。
上記は筒井の得意とするスラップスティックコメディーでそこに使われている手法は、
『文学部唯野教授』の、あのキチガイ講師が学内でメス持って大暴れする段に使われてるんだが、
その『爆弾犬』(岩波文庫・絶版)での解説はそのまま『神聖喜劇』の中段までに該当する。
読者を挽き付ける文学手法に『遅延効果』というものがあり、なんと効果的に使われていることか。
ローソンの爆弾を背負った犬が、尋常小学校終了しましたとですよ、と、とんでもない流れで言い出す。
私は『この馬鹿、ホントに馬鹿か?』と思ったりする。
このやりとりの中で『遅延』として出てくる東堂の様々な記憶もそうだが、引用される万葉集等々もさておき、
この時代の方々には『浪曲』『歌舞伎』はスタンダードな教養だったのだな、と、気付かされる。
私も浪曲を聞いていてよかった。富樫VS山伏の弁慶・義経の勧進帳、
もし弁慶が博覧強記の東堂ほどであったら、あんなに苦労はしなかったのに、などと思う(w
うぇ、もう半分以上過ぎちまった、どうしてくれる。
『神聖喜劇』第1部読了の2歩手前(第1巻の4割ほど)まで。
「遅延効果」なのかどうかはさておき、その東堂の回想部分は、
全編を貫いている「徹底的に論理的に考える」という東堂の態度が
厳格かつユーモアを伴って書かれており、これはこれとして、
すなわち、主要な展開とは別のひとつの部分としても、
実に楽しみうるものであると私は考えるのです。
ところで、すっかり『神聖喜劇』の話題(ばかり)で盛り上がって
しまっているようですが、他の本を読んだ方も、遠慮なく報告をお願いします。
私も、書店に注文した『戦争プロパガンダ 10の法則』が入りしだい、
そちらも読み始める予定です。
とはいうものの、もちろん、他の方の『神聖喜劇』報告も大歓迎です。
452 :
神聖悲劇:02/07/15 22:16 ID:HZSoxvfb
そういえば、私は鴎外記念図書館にて、大西巨人「神聖悲劇」を読んだものでした
あの長大なる小説を、ただただあの図書館に坐って読みました。ちょうど2年かかり
ました。私は本を読むのは速いほうだと思っていますが、この大西巨人さんだけには
通じません。1ページ読むのに時間のかかること、かかること。思えば、戦争のことを
書いた小説では、五味川純平「戦争と人間」も長大なる物語ですが、これは私はあっ
という間に読んだ思いがあります。分量としては「戦争と人間」のほうがはるかに「神
聖喜劇」よりも長いはずなのですが。
吉本さんの対談の中で、大西巨人さんとの2回にわたる話が私は好きです。私は二
人が対談していることを想像するだけで嬉しい。
.1968 越塚信行 神聖悲劇か断片か--ファウスト断簡論争-- 〔日本ゲーテ協会「ゲーテ年鑑」第10巻 1968 S.201〜219〕
倉益 敬 鳥取 神聖悲劇
コンクリート・ジャングルと言う映画ありてどうしてもラストしか思い出せない
二巻まで読めどそのさき記憶なし大西巨人の神聖喜劇
あとはもうボーダーラインを越えるだけ遊んで暮らせるゲンナマを手に
神聖の領域にある 完熟のトマトが腐る一歩手前に
国境ちかくのバーに見つける思い出のあの曲を入れたジュークボックス
アマチュアのサッカリン的匿名の若に塗(まみ)れて悲劇は見えず
リクエスト曲の最後を見はかりて待ってましたのシェリフが出口に
青みゆく空に懸かれる観覧車愛しき円に過去をうしなう
願いましては夢も希望も金も女もこれっきり数分間と引きかえにして
453 :
タク:02/07/16 10:45 ID:0Uqvh58F
県立図書館の検索で神聖喜劇発見。
リクエストしようとしたけど、やはり購入するべきか迷ってます。
相互貸借がどうので、延長してくれないのですよ。
『現身の虐殺者』まで読了
はるか昔に祖父から聞いた記憶がよみがえる。
『古年次兵は、自分より軍隊経験が浅い上官が、如何に階級が上であろうとも引かなかったぞ』
ほほぉ、面白い。祖父を思い出しながら読みふける。
残り少ないぞ、どうしてくれる。
455 :
大人の名無しさん:02/07/16 22:58 ID:2e+0GIX8
「マノン・レスコー」 by Francois Prevost
新潮文庫の背表紙@50刷
自分を死ぬほど愛している純粋な貴公子デ・グリューニに、賭博、詐欺
などの破廉恥な罪を重ねさせながら、自らは不貞と浪費のかぎりを尽し、
しかもなお、汚れを知らぬ少女のように可憐な娼婦マノン。
プレヴォーはその美しく多情な姿を創造して、永遠の女性像に新しい
タイプを加えた。
JGバラードの沈んだ世界を通勤中に読んでます。
457 :
大人の名無しさん:02/07/16 23:18 ID:q57eCIPQ
親日派の弁明」キム・ワンソプ著 を読んでます。
韓国人が書いた日韓の歴史なんだけど、
「韓国で有害指定図書に認定」「初めて公正に書かれた歴史」
この宣伝に引かれて買っちゃった。
有害指定図書ってのがワクワク
事実と違うなら指摘すればいいのに
それをしないという事は真実なんだよね。
真実なんて隠し通せないのにね。
まだ読みはじめだけど凄い新鮮で衝撃的内容です。
昨日から今朝までに
『神聖喜劇』第2部混沌の章のうちの第3「現身の虐殺者」の途中まで。
第2部の第2「責任阻却の論理」は、おそらく、この小説全体の中でも
特に重要な部分のひとつなのではないかと考えます。
「累累たる無責任の体系、厖大な責任不存在の機構」という言葉は、
小説の上では、「わが国の軍隊」に対して用いられていますが、
これは、(おそらく現在でも)日本社会全体にあてはまってはいないか、
今後それが強まりはしないかと疑い、警戒すべきように思えます。
また、「一寸の虫にも五分の魂」を体現したかのような橋本の
がんばりによって、基本的に「そんなことをして何の意味があるのか」と
考える東堂が動かされるところなど、私は大好きなのです。
例えば「学歴なんか関係ない」と言うことは簡単ですが、それを
現実の言動の中にどう反映させてゆくかといったことも考えさせられます。
459 :
195 ◆ApGKf56Q :02/07/17 11:09 ID:pBjO4QPY
第一巻読了。探すのが大変です。もう古書で入手は難しいかも。
もっと書きたいことは山ほどあるが、別の機会に譲る。
第一部で『リュウジョウ』の体勢の美しさを東堂をして感動せしめた大前田は、
第一巻最後まで『大前田』なんだな。という感想で御座います。
460 :
タク:02/07/17 11:13 ID:HjvtHhUA
JGバラードの何をお読みですか。
少し気になる作家ですので・・
461 :
195 ◆ApGKf56Q :02/07/18 11:50 ID:7iuASvkd
>>459補遺
札幌の古書店を探すが、ない。古書店主のレベルがわかる探書であった。
信頼のおける古書店は北大前『弘南道書店』。店主は二代目、凄く立派。
以前にも「『黒田寛一』の著作ありますか?」と聞いたところ、
『クロカンは今はないねぇ〜』なんて答えてくれた。
今回も
『彼の著作で、在庫あるとすれば神聖喜劇だろうけど、数年前に入って以降は見ないね』
『ウチにはいるといすればハードカバーだが、難しいねぇ」
と即答していただいた。
他の北大前古書店は軒並み存在すら知らないようであった。
462 :
大人の名無しさん:02/07/18 12:55 ID:GzzI+1tZ
463 :
タク:02/07/18 14:07 ID:RtRvUEmy
>461 北海道の方ということを最近しりました。
今年の正月明けのことなので、現在はあるかどうかわかりませんが、
神田古書センターの3階、「中野書店」もしくは「中野書房」で黒田寛一を数冊見ましたよ
背表紙を見ただけなので、たしか宇野経済学を批判したヤツとあとは覚えていません。
うろ覚えで申し訳ないですが、あの辺りでは、まだ入手できるようです。
464 :
195 ◆ApGKf56Q :02/07/18 18:08 ID:ABUR58tV
>>463 高校時、それも札幌時代でしたのでクロカンは入手がそこそこ難しかったのであります。
早稲田近辺の『こぶし書房』にはクロカンは在庫山ほど、だって革マルの事務所だもんね。
最近もまた新刊出したようです。盲目なのに、その部分は驚嘆に値します。
『言語にとって美とはなにか』の解説部分に黒田寛一に関しての引用が数行ありました。
当時のアレ系の方々にはかなり支持されていたんでしょうな。
朗報
札幌・某書店。『神聖喜劇』ハードカバー3冊あり(第一巻〜第三巻)
私は買ってこなかったので、ご入用の方、希望ありましたら、
http://jbbs.shitaraba.com/music/1143/ までお知らせください。
『神聖喜劇』第1巻(第2部の最後まで)読了。
466 :
タク:02/07/20 08:12 ID:N9OA9gPz
>464 高校の図書館でも吉本隆明など揃っていたものですが、今はどうなんでしょうね。
といっても30年くらいも昔になってしまいました。
ラフかディオ・ハーンの「クレオール料理読本」を読んでいたら
タルタルソースの作り方で『第一の方法、若いタタール人を捕まえる・・・
皮をはぎ内臓をとる。臀部と太ももなど柔らかい部分を切り落とす。』となっていた。
ムムム・・
『第二の方法は、固ゆで卵の黄身・・・』
なんだ冗談だったのね。
暑さが本格的になってきたので「神聖喜劇」は秋からにしようかと
ダレています。
えっ!30年前に高校生?!(w
今日、読んだ本。T.ウイリアムス「欲望という名の列車」。
萎え〜〜。ムチャクチャくだらん。1947年作品。
一応、ピューリッツアー賞受賞だって。プッ!笑わすな!
今でも一緒だけど、USAは昔から、DQNですなーーー!(核爆笑
468 :
タク:02/07/24 14:59 ID:SrHqIr4k
こら!笑うな>467 正確には28年前。吉本隆明や梅本克巳を真剣に読んでた頃です。
466に書き込んでから気がついたんだけど、それ以降あまりこのあたりを読んでいない。
28年前に吉本隆明著作集なんかは出版されていたし、その後の思索に触れていなかったこと
思い至った今日この頃です。
すでに、書いた頃の隆明の年齢を超えているはずなのに・・
ただのませたガキだったと、笑われてもしょうがないか ショボン。
469 :
195 ◆ApGKf56Q :02/07/25 10:32 ID:lDD1mWtt
>>468 まだ、三一書房・社会思想社が頑張っていた時代ですなぁ。
つぶれちゃったね。『社会観の探求』なんて絶版だぁな、もう入手できないかもしれない。
読んだ本
『十二支考(上)』(岩波文庫)
すんげえ本。引用に山ほどの英・ラテン文献。天才。
『淵函類鑑』からの引用も多数。『淵函類鑑』、線装本で持ってる。いいだろ。
470 :
タク:02/07/25 11:12 ID:hnO14EeW
>469 ウニタもなくなっちゃったしね。あのての本屋は店主が良き左翼(!?)でも
本屋としての使命が疎かになりがちなのかね。もう少し頑張れば、資料探しとしても
重宝な書店になれるのにと残念です。
こぶし書房はまあ、置いといて。
店名を見たことも無いままなんだけど、
新宿伊勢丹と世界堂をすぎて御苑のそば、の木のドアの書店(これじゃぁわからないけど行けばわかる)
が昔から機関紙をはじめかなりこのての本の品揃えでは優秀です。
まだ、やっているのでついでの際にはお立ち寄りください。
新刊本屋だけど、絶版ものなどもあるはず。
読んでいる本は
高村薫の「晴子情歌」下と「妓生(もの言う花)の文化史」。
本日の購入書籍
戊辰物語、日本的霊性(岩波文庫)
マホメット(講談社学術)
柳田全集巻31(ちくま文庫)
まだ『十二支考』は虎の項の途中。
>>470 地方小出版流通センターはそんな感じの品揃えでしたわ。
神保町だと必ず行くのは日本書房、原書房、山本、海風、中山(この3つは中国関係)
新左翼系はもう読むこともないと思う。
民俗学は大事であります。かなりの良質な部分が新国学及び人類学に、低質な部分が実戦面へ。
今の学生運動の現状でありましょう、と、勝手に思っております。
新潮文庫『走れメロス』(太宰治)より表題作。
この数年は、だいたい年に一度くらいは読んでいます。
冒頭部分だけ読んでみるつもりで読み始めると、
そのまま最後まで読んでしまったりするんですよね。
>>472 新潮文庫『オリンポスの果実』(田中英光)が、
30代になってからのぼくの場合、それにあたります。
最後の一行(最後のページ?)がどうにも読みたい気分になるときがあって。
474 :
大人の名無しさん:02/07/28 19:13 ID:V18HtIvx
朝日の「天声人語」で紹介されていた、「エリック・フォッファーの自伝」を読んでみたいです。
また、ドストエフスキーの「罪と罰」を読み返したい。岩波新書の「戦後を語る」という本の中で、
哲学者の木田という先生が、ご自身の読書遍歴とあわせて紹介していました。
475 :
:02/07/28 19:18 ID:4aoxuGgl
>>474 >「エリック・フォッファーの自伝」
どうせ他の作品同様、絶版になっちゃうに決まってるから
早いうちに買っておうと思ってるんだが、高いねー。
私は、『朝日新聞』を読んでいないので、ネットで天声人語を探してみました。
読んでみたい気にさせられますね。
http://www.asahi.com/paper/column.html >■《天声人語》 07月28日
> 「希望は失われ、すべてが失われた。生まれて来ない方がよか
>った」。ゲーテの言葉だといって、行きずりの運転手から教えら
>れた。しかし、どうもゲーテらしくない。そう思って調べると、
>やはり間違っていた。「希望」ではなく「勇気」だった。
> 『エリック・ホッファー自伝』(作品社)に出てくる話だ。ど
>ちらも同じようなものだ、と言われてホッファーは猛反撃した。
>希望を抱いて困難にとりかかるのはたやすいが、やり遂げるには
>勇気がいる、と。
> ホッファーというアメリカ人には昔から大いに関心があった。
>彼は若いころ季節労働者として西海岸の果樹園や農場を渡り歩い
>た。40歳から25年間はサンフランシスコで港湾労働者として
>過ごした。余暇はほとんどを読書にあて、83年に81歳で亡く
>なるまでに10冊ほどの本を書いた。
> 考える。調べる。彼はこれを徹底した。たとえばある町へ行っ
>て、その町をおおう芝生の美しさに驚く。なぜか。市役所にも新
>聞社にも図書館にも手がかりはない。墓地に行った。最も古い墓
>は英国南東部から来た人たちの墓だった。たぶん彼らが故郷をま
>ねて町づくりをしたのだろう、と納得する。
> 放浪生活の間、社会に適応できない人たちとともに暮らしてき
>た。その間の観察と長年の読書とねばり強い思索で独特の人間論、
>社会論をつづった。「波止場の哲人」と称された。昨年9月11
>日のテロ事件以降、彼の言葉が欧米の新聞で引用される機会がふ
>えている。その人間観察が古びていないためだろう。
> この25日がホッファー生誕100年だった。
岩波親書『昭和史』(遠山茂樹、今井清一、藤原彰・共著)のうち、
第1節 第一次大戦後の日本
第2節 政党政治の危機
『戦争プロパガンダ 10の法則』も入手したのですが、
外で待ち時間に読むには、やはり、文庫や新書です。
478 :
タク:02/08/05 10:09 ID:jj0uTVCM
リクエストに1ヶ月以上かかる図書館環境なのに、『神聖喜劇』一巻と二巻が来てしまった。
相互貸借なので、2週間で読むようにとのこと・・
今年は暑さに迫力がないのを幸いに、他の読みかけを放り出してこれに集中する。
480 :
タク:02/08/06 13:58 ID:XWizl71k
>479 どういうわけか、全巻発売されたと思い込んでいました。
で、検索しても売ってない(笑
はじめはいったいどこが喜劇なのだろうと不思議に読み進み、大前田の
中国人一家惨殺の噂の部分では、かなり嫌悪感を感じましたが、
読み進むうちに、戦争という状況の中での自分の知性等を喜劇ととらえているのだろうか
と思いました。(まだ前半部分です)
かなり引き込まれて読むことが出来ます。
70年前後から80年にかけ、出版された日本の小説を殆ど読んでいなかったので、
勧めていただいて感謝しております。
481 :
195 ◆ApGKf56Q :02/08/06 20:44 ID:thYUvL2n
>>479 その書き込みを見て、小銭を握り締めて紀伊国屋へ走った195である。
北の地には一日遅れで到着である事を初めて知った。
無駄に丸井今井の駐車料金を払ったものだ。
明日も払わなければならない。
相方が京極夏彦「姑獲鳥の夏」と「魍魎の匣」を買ってきた
文庫版だが...をいをい無線綴じの限界ぢゃんこれ?!
姑獲鳥を読み終わったそうなので借りて読み始める
チェーホフ「櫻の園」←安全なのである。
チェルヌイシェフスキー「Uto Sheta」← ↑と同時代人なのである。
但し、カナーリ、やばいのである。
『神聖喜劇』(光文社文庫)第2巻を読み始めました。
夏場は、冬と比べて、仕事の時間が長いこともあって、
本を読む時間を十分にとるのが難しいです。
『昭和史』(岩波新書)、『戦争プロパガンダ 10の法則』なども、
読みかけのままで、早く読みたいところです。
>>483 チェルヌイシェフスキーの「Uto Sheta」って、もしかして、
『なにをなすべきか』のことでしょうか?
485 :
大人の名無しさん:02/08/09 19:32 ID:JrlTXYcs
NHK人間講座 野坂昭如「終戦日記」を読む。
太平洋戦争終戦50周年以降、民放では戦争特番がなくなったけれども、
NHKはきちんと検証している。その一環。
『神聖喜劇』第2巻 第三 運命の章 一 神神の罠 まで。
ほんの少しずつしか読んでいないのです。
487 :
タク:02/08/15 22:11 ID:uKV0g4xj
>486 ほとんど同じあたり、二巻第三部 第三「匹夫モ志ヲ奪ウベカラズ」
今週から気温が30度台に戻り、少し読むと眠気に襲われ集中できない。
返却期限は20日、三巻と四巻ももうじき届いてしまう・・
『神聖喜劇』第2巻 第三 運命の章 二
セクースの後に剃毛を提案するあたりまで。
いや、ほんとに、そういう話なんです。
確かに、「剃毛」は一発変換できない単語ですね。(笑
489 :
コギャルとHな出会い:02/08/16 15:51 ID:dcpwTUuf
http://kado7.ug.to/net/ 朝までから騒ぎ!!
小中高生
コギャル〜熟女まで
メル友
i/j/PC/対応
女性の子もたくさん来てね
小中高生大歓迎です
全国デ−トスポット情報も有ります。
全国エステ&ネイル情報あります。
激安携帯情報あります。
490 :
タク:02/08/16 21:07 ID:W0B62rBc
集中できないと泣きをいれつつPCを落とし、読みはじめた「匹夫モ志ヲ奪ウベカラズ」
の後半。いやぁ傑作です。無学ゆえとは云え戦争目的の認識におけるラディカルさ。
鉢田と橋本の大ファンになってしまいました。
『神聖喜劇』題名の由来に納得。
>>488のつづきを読んでいます。
「セクースの後」というのは、誤りです。
具体的な描写をしないで終わった後の入浴時の描写に飛んだのかと
思ったら、剃毛後にちゃんとしたことが書いてありました。
失礼しました。
厳密には本ではなく雑誌を読んでのことですが、
今、発売中の『文藝春秋』に『神聖喜劇』の大西巨人氏が文章を載せています。
1ページだけの短い文章ですが、ネット上で現在発表中の長編小説の
意図など書かれており、立ち読みででも読む価値はありそうです。
鷲田小弥太あとがきより。
『すべての書かれた文章を読みたいと思う人物がいる。谷沢永一と大西巨人である』
谷沢は読む必要もないクズ評論しか書かない。こんな人物と大西を比べるとは失礼である。
大西の二巻はまだ買ってないのである。
この前ヤフオクで1500円で旧ハードカバー全五巻が出品されていた。
誰が落札したのか知りたい。今でも全五巻7500円で出品されている。
読んだ本
・『続日本紀(上)』(講談社学術文庫)文武天皇の条
四つ子、三つ子等々の記述が頻繁にある。天皇は必ず、その産んだ女性に贈り物をする。
単純に珍しさから送ったものか、畏怖への祓い清めとして送ったものか。
戦前までは双子等々は『畜生腹』といって蔑まれていたそうだ。
ともあれ、こんなに面白い本だとは思わなかった。今まだは必要個所のみ参照していた。
六国史、通読してもなかなかいいものかもしれない。
494 :
195 ◆ApGKf56Q :02/08/20 10:16 ID:YkkWTAUi
495 :
195 ◆ApGKf56Q :02/08/23 19:23 ID:fU+66/RH
本日、やっと第二巻購入してまいりました。
以前出された名前、あれはあとがき書いてた人物だったのですな?
やっぱり、全く知らない。
496 :
大人の名無しさん:02/08/23 20:16 ID:n3uPMXwz
あたしの彼はハムスター を読んでしまった。
もーすぐ34やろ自分!と自分つっこみつつも、
なんでこんな本が俺の本棚に?謎だ。
アブラコ・アブラメのところまで読んだ。
498 :
タク:02/08/28 10:10 ID:bmiFKJ3O
「神聖喜劇」3巻終了。本日から4巻目。
暑くて夜中に目が覚めるので、進んでます。
岩波親書『昭和史』
第3節 満州事変 の 3 国防国家への道 まで。
過去ログでも指摘されている通り、当時の状況と今の状況には
かなりの類似点があります。
例えば、資本主義経済の行き詰まりに伴って利益をあげられなくなた企業が
利益を確保しようとして贈収賄事件が多発したことなど。
食品会社による偽装工作など利益優先で人間の安全を考慮しない態度も
そのようなことの現代的な現れ方のように思えます。
また、滝川事件における京都帝大の滝川教授の元々の主張も、
まさに現在の状況と一致しているようです。
滝川教授の元々の主張とは、(以下、私の記憶による私の言葉)
刑罰というものが犯罪者に対する復讐的なものとなってしまう前に、
まず必要なのは、犯罪の社会的背景を追究することだということです。
今、マスメディアなどで、犯罪者に対して報いを与えてやるのは当然だ
という論調が強まっていることも、犯罪の背景から目を逸らす結果に
なっているように思えます。
『神聖喜劇』の第2巻の 第三 運命の章 のどこかに書かれていたと思いますが、
太平洋戦争前夜の日本で、若者による確たる動機のない殺人事件などが
起こったことなども、戦争前夜の社会的閉塞感とでも言ったことを
背景としている点で、現在の日本社会の状況と類似している点が
あるようにも思えます。
このあたりは、大西巨人氏の『精神の氷点』(みすず書房)の
テーマなのかもしれません。
(違うかも・・・)
501 :
タク:02/09/03 12:22 ID:qYZ1tmkd
「神聖喜劇」5巻。もうすぐ終わってしまう・・
502 :
大人の名無しさん:02/09/04 14:14 ID:MjlqyEVs
「ジュニアチャンピョンコース」って本知ってる方います?
当方36歳ですが消防の頃好きでこのシリーズ良く読んでたけど、
ネットで検索かけても何もでてきません。
もう一度読みたいけど、ダメなら憶えてる人いるかだけども話したいっす。
この板の方なら知ってるかなって思いました。
スレ違いすみません。
ワンピース 25巻
>>502 「学研 ジュニアチャンピオンコース」で検索してみてはどうでしょう。
とりあえず、「ジュニアチャンピョンコース」でも何件かヒットはするようですが。
ちなみに、私の家の物置には、「もしもの世界」「超科学ミステリー」
「名探偵登場」「あの事件を追え」「あの犯人を追え」
「世界ショッキング事件」などがあったと思います。
一年くらい前にこの板にジュニアチャンピオンコースのスレが
あったはずなので、過去ログ倉庫を探すと出てくるかもしれません。
505 :
502:02/09/05 10:36 ID:9iitfrtN
>>504 まだ物置にあるとはうらやますぃ限りです。
情報ありがとうございます。
過去ログ探してみます。
『神聖喜劇』第2巻 第三 運命の章 第二 十一月の夜の媾
曳
ここまで、ようやく読了。
こちらは、朝早く起きて読む本にしていたのですが、
暑さによる睡眠不足や体長不良のため、ほとんど進んでいません。
九月に入り、若干涼しくなってきたので、気合を入れ直そうと思っています。
変なところに改行が。
「媾曳」(あいびき)で一つの言葉です。
>>505 他に「世界びっくり情報」もありました。
旧スレから時間が経っているし、今、新しいスレを立てると、
また盛り上がるんじゃないでしょうか。
『神聖喜劇』第2巻 第三 運命の章 第三
12ページくらい。
記述が記憶から現実展開に移ったので読みやすくなりそうですが、
起きられませんでした。
「名無しさん@魚好き撲殺マニュアル 第2巻」
参考になるよね。
『神聖喜劇』第2巻 第三 運命の章
第三 「匹夫モ志ヲ奪フ可カラズ」
213ページまで。
「美少年」 団鬼六
昨日の
>>510は、213ページまでではなくて、273ページでした。
で、今日は、291ページまで読んで
第三 「匹夫モ志ヲ奪フ可カラズ」 を読了です。
ちょうど、
>>490のタクさんが読んだあたりです。
宮部みゆきの「模倣犯」やっと読み終わりました。
3.5センチの上下。
やっと終わって「うつを生きる」と言う本を読んでおります。
『神聖喜劇』第2巻 第四 伝承の章
第一 暗影 および 第二 道
昨日は320ページまで、今日は349ページまで。
この小説のおもしろいところのひとつとして、ニヒリストで
「この世界は生きるに値しない」と考える主人公が軍隊生活の中で
その考えを改めてゆくことがあるのですが、そのプロセスとして、
主人公が正義かあるいは合理性かを追究して理不尽を排除しようとする中で
周りの者がその影響を受けて、受動的だった者が能動的になり、
それによってまた主人公も影響されて積極的に行動するようになる
ということがあります。
そういったことが現れてくるあたりです。
>>513 宮部みゆきは『火車』を読んで、ストーリーが面白いということの他に
社会的背景を追及している点と弱者に対して暖かい見方をしていることに
かなり好感を持ちました。
他の作品は読んでいないのですが、『模倣犯』は、そういった点は
どうだったでしょうか?
516 :
タク:02/09/11 11:16 ID:fTvRb8g3
今朝、「神聖喜劇」5巻終了。
これをここで紹介された、魚好きさんに心より感謝。
あらましは>514で述べられたとおりです。
最初は主人公の身に理不尽が降りかかってきた時だけに、対処していたのが
物語が進むにつれ、自己の虚無主義や弱さを意識しながらも、積極的に
行動するようになります。様々なことから主人公の連想した引用も圧倒的でした。
膨大な文章量の底には、人間の尊厳という問題がしっかりと提議されていたために
量の多さは苦痛無く読めました。
読書の快楽も満喫できて、読んで良かった小説のベストに入ります。
>515
宮部みゆきさんはあまりよく知らなかったのですが
「模倣犯」映画になりましたよね。
それで読んでみようと思ったわけです。
たくさんの登場人物が出てきてそれが特別な人間ではなく。
普通の人なんで生活感があります。
それがどこかで歯車が狂ってしまう。
犯人側も犠牲者側も両方の人物像が良く描かれていると
思いました。
また、人間の弱さや優しさ生き様まで丁寧に書いてあるように
感じました。(映画と原作は内容が違うと言うことです。)
『神聖喜劇』第2巻 第四 伝承の章 のつづき 370ページまで
>>516 喜んでいただけて、私もうれしいです。
『神聖喜劇』を読んでもらえて、
周りに影響を与え、また自らも影響を受けるということを
ささやかながらも私自身実践できたようで、それがうれしいのです。
この本は、単に読んでよかったというだけに留まらず、
読んだ者が現実社会でどう生きるのか(どう行動するのか)を
問い掛ける本でもあると思います。
>>517 どうもありがとう。
そういえば、後から思い出したのですが、NHKの金曜夜の時代劇で
以前放送していて、今も新シリーズを放送しているらしい番組も
宮部みゆきさんの原作によるものでしたね。
以前のシリーズの何本かを見たことがありますが、
やはり、普通の庶民の生活を中心とした物語で、
さらに、弱者に対するやさしい見方があり、また、
根底にあるお金(経済)の問題を見据えている点で
『火車』と共通しているようでした。
ささいなことかもしれませんが、誤解されそうなので、
>>514の「この世界は生きるに値しない」というのは
正確には「この世界は真剣に生きるに値しない」です。
>519
たまたま本を読んだだけですが
「火車」って読んで見たい気がしました。
時間があったら読んでみます。
もともと本は好きでしたがなかなか読む時間がなかったので
ここを覗いてみて良かったです。
522 :
タク:02/09/12 23:15 ID:wHfvIVI2
>518 そう、自分がどう行動するかを曖昧にしておけなくなりました。
やっかいなことですが、どうにもならない。
小説なのに、自分自身を見直さざるを得ない影響力があります。
「火車」は宮部みゆきの作品の中では、私もベストだと思います。
523 :
タク:02/09/12 23:17 ID:wHfvIVI2
ageてしまった。すみません。
『神聖喜劇』第2巻 第四 伝承の章 第三
397ページまで。
書店に行ったついでに、いくつかの出版社から出されている
宮部みゆきの文庫本の著者紹介をチェックしてみたら、
講談社文庫にちゃんと書いてありました。(以下抜粋)
>社会的に弱い立場の人たちに光をあてた暖かい視点の小説で、
>多くのファンを獲得している人気作家である。
こういう小説を書く人が多くの人に支持されている世の中であることが
大変ありがたいことのように思えます。
せっかくなので、その文庫本『ステップファザー・ステップ』を買いました。
>>523 気にするほどのことではないでしょう。
私は、いつもageています。
525 :
大人の名無しさん:02/09/13 20:33 ID:yjteSNQq
火車は秀作に禿同。
そんな私が今日読んだのは「六枚のとんかつ」
…逝ってきます。
『神聖喜劇』第2巻 第四 伝承の章 第三 縮図
420ページまで。
第2巻を読み終わらないうちに『神聖喜劇』第3巻が発売されたようです。
「火車」購入しました。
厚みがあるので時間がかかりそうですが
皆さんのお薦めなので読んでみます。
529 :
タク:02/09/16 10:31 ID:tbzIF1p0
宮部みゆき原作ということなので、金曜時代劇をみてみました。
テーマのベースに「法が悪法なら、掻い潜らなければならない」ということが
語られていました。背景が江戸時代だし、庶民の弱い立場を描いたので
そうなのかとも思いますが、これは現代に置き換えれば議論の余地があるとも思いました。
読んだ本、『ボルネオホテル』景山民雄。
読み始めた本『百年の孤独』ガルシア・マルケス。
『神聖喜劇』第2巻 第四 伝承の章 第四 対馬風流滑稽譚
470ページまで。
>>529 私も、先週の金曜時代劇は見ました。
と言っても、あまり集中して見たわけではないのですが、
あのドラマを作った人は、視聴者を甘く見ているのでは
と感じました。
531 :
タク:02/09/16 19:56 ID:lpW1oYJj
あ、またやってしまった。
景山民雄 誤り
景山民夫 正しい
すみません。
『神聖喜劇』第2巻 第四 伝承の章 第四 対馬風流滑稽譚
531ページまで。
第2巻読了。
明日から第3巻に入ります。
533 :
タク:02/09/18 10:49 ID:iFsgcn/O
まだまだ続く熱帯夜の深夜に目覚めて読む『百年の孤独』は
殆どトランス状態。
荒唐無稽さが楽しいのですが、数ページ読むと本の内容と自分の夢が
クロスして、また眠りに入ってしまう。また目覚めて文字を追うと
さっき読んだと思っていた部分は夢で、内容とはずれていることに気がつく。
かなり気持ちのいい状態。(けっして薬は服用していませんw)
今度は昼間身体を起こして、すっきりした頭で読んでまたいとも思うけど、
昼間はなかなか集中した時間が取れない。
しばらくこのまま楽しむしかない。
行きつ戻りつ読むので、進まないのが難点です。
『神聖喜劇』第3巻 59ページまで
寝苦しいこともなくなり、よく眠れるので、ようやく朝起きて
本を読むのが楽になってきました。
この第3巻の最初の、民家で餡入りの餅をご馳走になるエピソードは
かなり印象的です。
『神聖喜劇』第3巻 第五部 雑草の章
第一 大船越往反(63ページまで)
第二 寒夜狂詩曲
104ページまで
棚ぼたの飲食物にありつく「嗅覚」を持つ者、
そのような者を嗅ぎ分ける「嗅覚」の優れた者、
猫這い(ごますり)を常習とする者等々、
筆者は、実に厳しく人間の本性というものを追究しています。
536 :
タク:02/09/20 20:07 ID:0aaMl5Ha
>535 最後まで読んだ者の起きて破りになりますが、
どんなにイヤなヤツでも、とことん嫌な人間ではないという場面が5巻に登場します。
大西巨人をさらに好きになる場面でした。
甘いという評価もあるかもしれませんが。
537 :
タク:02/09/21 11:04 ID:6Fq4Oz1y
↑起きて じゃ 寝てになってしまう。
「掟」の間違い ごめんなさい。
神聖喜劇』第3巻 第五部 雑草の章
第二 寒夜狂詩曲(124ページまで)
第三 暗影(続)(146ページまで)
第四 階級・階層・序列の座標
155ページまで
「大事件」の輪郭がおぼろげに現れてきます。
この「大事件」をめぐる部分は、ミステリー(推理小説)として展開します。
>>536 根っからの悪人(悪人としての面しか持たない人物、「勧善懲悪」的な
悪の存在)が登場せず、図式的にあてはめてしまえば主人公と対立する
登場人物にさえ、人間的・庶民的な面、否定しがたい面があることを
描いている点、人間という存在の不思議さ、複雑さを描いている点が
この小説の大きな魅力のひとつなのでしょうね。
そして、そのような存在の最たるものが、戦場での自らの虐殺経験を
自慢気に話す一方で、皇国が行っている戦争の本質を見抜き、
誰のための戦争なのかを見抜いている大前田文七軍曹なのではと思います。
539 :
大人の名無しさん:02/09/22 01:00 ID:O5Bzhzle
なぜか今、金子光晴にはまってます。
「みすみすろくな結果にはならないとわかっていても強行しなければ
ならないなりゆきもあり、またなんの足しにもならないことに憂身を
やつすのが生甲斐である人生にもときには遭遇する。」
で始まる自伝3部作は大正末期から昭和初期ののんびりした時代の
ユーモアがいっぱいで、とても憧れます。
疲れている人には是非おすすめします。
仕事なんかどうでもいいや、という気持ちになってしまう副作用もありますが。
『神聖喜劇』第3巻 第五部 雑草の章
第四 階級・階層・序列の座標
187ページまで
『神聖喜劇』第3巻 第五部 雑草の章
第四 階級・階層・序列の座標
235ページまで(第五部読了)
上官に告げ口をしたのが吉原ではないかと主人公らが疑い意見交換する場面で
その場にいる全員がその言動・性格を嫌っている吉原に関して
「それでも、確たる根拠なしに結論を出すことはできない」という
趣旨の非常にもっともな発言をした者に「なぜ吉原をかばうのか」という
言葉が投げかけられます。
この言葉についての主人公の「実に世の中のおびただしい人間に
しばしば見出される非論理的・非理性的論法」という評価に、私は、
大いに賛同します。
この場面は、物語の中で特に重大な部分ではないのでしょうけれど、
こういうところに端的に現れている「ものごとを徹底的に論理的に
考える」という姿勢が私にとってこの本の大きな魅力のひとつなのです。
『神聖喜劇』第3巻 第六部 迷宮の章
第一 法
276ページまで
543 :
目撃:02/09/24 19:24 ID:r/89rVlQ
「つばめが一羽でプランタン」
89ページまで
544 :
大人の名無しさん:02/09/24 20:31 ID:aDtsbaJU
佐々木智の「龍のペルソナ」読み終わりました。
2008年の北京オリンピックの裏側をフィクションしてます。
久々に後を引く面白さでした。
545 :
タク:02/09/26 11:02 ID:vGdlaKyf
「百年の孤独」てこずってます。二週間で読み終わらずに、図書館で継続の
手続をしてきました。まだ真ん中あたり。
寝る前に読んでいるので、祖父や父と同じ名前の息子たちが出て来て
話しの筋が追えなくなる。
夢とウツツの間を行ったり来たりはそれなりに快感です。
『神聖喜劇』第3巻 第六部 迷宮の章
第二 奇妙な間(あい)の狂言
327ページまで(この項読了)
中学生当時の主人公が同じ通学列車の女学生に恋い焦がれていたエピソードは、
徹底的に論理的かつ時として博覧強記さを重箱の隅の隅まで追求する
この物語にあって一服の清涼剤のように感じられます。
さらに今日は、
岩波親書『昭和史』の
第3節 満州事変 を読み終えて
第4節 日中戦争 の 1 準戦時体制 まで読みました。
>>499でも書きましたが、滝川事件の滝川教授の主張
「社会は犯人にたいして復讐的態度でのぞむに先立ち、犯罪を
生み出す社会的原因を十分に検討しなければならぬ」について、
現在の状況に照らして、その必要性をますます痛切に感じる今日この頃です。
『神聖喜劇』第3巻 第六部 迷宮の章
第三 事の輪郭
378ページまで
548 :
大人の名無しさん:02/09/27 17:21 ID:7eQ6Ah/R
>>545 真ん中より後半は、さらに登場人物がわけわからなくなってくるよ。
唯一ウルスラが長生きしてくれたのが救い?
最後は少し感動があるというか、あ〜って感じだけど、やはり
一番最初のお父ちゃんの数々のエピソードが面白い。
ガルシア・マルケスは正直いって短編読んどけば十分だと思います。
549 :
タク:02/09/27 20:46 ID:dgnCTOgc
>548 う〜ム。中断したままで、図書館でみつけた、大西巨人の「五里霧」
を読み始めました。が、これは短編集で、始めから4話まで進みましたが、
どうやらこちらは、長編の方が良いようです。全部読んでからまた書き込みます。
『神聖喜劇』第3巻 第六部 迷宮の章
第三 事の輪郭
第四 嫌疑の構図
第五 偏見の遠近法
430ページまで
>>549 私も、以前『神聖喜劇』を一度通読してから間もない頃に
『五里霧』が新刊として発売されていたこともあり、
すぐに読んでみましたが、『神聖喜劇』によって圧倒的なインパクトを
与えられた後だったせいかどうか、確かに、印象の薄い感じを受けるかもしれません。
それでも、いくつかの話を気に入ったように思うのですが、
具体的にどの話という記憶がありません。
551 :
タク:02/09/29 08:53 ID:HOazsh/I
『五里霧』、今朝は『エイズ』まで読みまし。
前に書き込んだときは『方言考』が『神聖喜劇』にも出てきた方言「ウタチイ」や
「シロシイ」がテーマで、確かに姑息な人について描かれていますが、
『神聖喜劇』に感じられた普遍性より、「姑息な人はイヤなものだ」的なニュアンスが強く
鼻につきました。これは私の読みが浅かったのかもしれません。
『同窓会』も同じように批判や分析というより不快感の表明にすぎないような感じでした。
『五里霧』と『エイズ』は心に残る部分がありました。
『神聖喜劇』第3巻 第六部 迷宮の章
第五 偏見の遠近法
第六 朝の来訪者
488ページまで
前科者であることや素性が怪しいことのみを根拠として
その人に新たな嫌疑をかけることのおかしさが書かれています。
>>551 『五里霧』を引越しの段ボール箱の中から引っ張り出してきて
「方言考」のみ斜め読みし、他にもいくつかの作品のごく一部を
拾い読みしてみました。
私は、私が
>>541で引用したような「実に世の中のおびただしい人間に
しばしば見出される非論理的・非理性的な論法」や
もっと簡単な(安易な)言葉で言えば、あたりまえのように通用しているが
つきつめて考えればあるべきでない言動・習慣などを
(あるいは、その逆のことを)鋭く抉り出しているところに
大西巨人の作品の特色なり魅力なりがあるように思うのですがいかがでしょう。
つまり、「方言考」に登場する「シロシイ奴」のような人物は、
社会集団のさまざまなところで往々にして遭遇するものであると。
(ちょうど『神聖喜劇』に登場する人物の否定的な面というのを
持ち合わせた人が、この現実社会で珍しくはないように。)
そして、そのような人を存在させているこの社会のあり方に
目を向けさせる、そのような小説としては読めないでしょうか。
(穿ち過ぎかもしれませんけれど。)
553 :
タク:02/10/01 10:44 ID:P5DH5fC4
>魚好きさん「引越しのダンボール箱」、最近引越しされたのでしょうか?
本やレコードの詰まったダンボール箱の山は、悪夢です・・
これらを積んだために、家具類がコンテナに入らず難儀をしました。
『五里霧』は『神聖喜劇』を読んでからなので、言わんとすることが
すんなり理解できましたが、あの短編を先に読んでいたら、著者の厳格さが
鼻についただろうと思います。
『方言考』という題名で「シロシイ」など言葉をテーマとしているかと思ったら、シロシイ奴を
糾弾が中心になっていることが、私としては気になりました。細かいことなのですが、
別の題名だったら感じ方は変わったと思います。
『神聖喜劇』第3巻 第六部 迷宮の章
第六 朝の来訪者 530ページまで
この巻読了。
第4巻以降、ちくま文庫版はあるのですが、一旦中断して
光文社文庫版の発売を待って、そちらを読む予定です。
>>553 引っ越した後で箱詰めにしたままの本やマンガがかなりあるのです。
タイトルが「方言考」である理由の(決して本質的ではない)ひとつに
「3文字のタイトルで統一する」ということがあるのだろうとも思いますが、
今回、私は、タクさんの指摘で改めて考えてみて、こういう見方も
できるのではないかと気付いたことがあります。
(もしかすると、見当違いかもしれませんが。)
「方言考」は、現実に存在する「シロシイ奴」に対する批判を
中心としているわけですが、その一方で「シロシイ」という方言に
馴染みのない人に対し、その言葉が人に対して使われる実例を挙げて、
「なるほどそういうニュアンスがある方言なのか」と思わせる
役割も果たしている、そして、その両者(シロシイ奴批判と
方言シロシイの実例提示)を見事に一つにまとめた作品が「方言考」なのである、
と、そんなふうには考えられないでしょうか。
いずれにしろ、私は、あそこに書かれたような「シロシイ奴」の実例は、
誰か(物書きの誰か)によって正しく批判されてしかるべきだと考えます。
555 :
タク:02/10/02 09:48 ID:IL4kJJQP
「3文字のタイトル」全く気づきませんでしたが、確かにそうですね。
会社勤めの経験がありますが、「シロシイ奴」的に振舞うことの楽さがあると
感じたことがあります。そちらには流れたくないと抗いますが、社会現象として分析したら
興味深いものがありますね。
『戦争プロパガンダ 10の法則』アンヌ・モレリ著 草思社
カバー折り返しの紹介文を引用します。
>第一次大戦から冷戦、湾岸戦争、ユーゴ空爆、アフガン空爆まで、
>あらゆる戦争において共通する法則がある。それは、自国の戦闘
>を正当化し、世論を操作するプロパガンダの法則だ。
>「今回の報復はやむをえない」
>「ビンラディンは悪魔のようなやつだ」
>「われわれは自由と平和を守るために戦う」
>……正義はこうして作られる。
>これまでに戦争当事国がメディアと結託して流した「嘘」を分析、
>歴史のなかでくり返されてきた情報操作の手口、正義が捏造され
>る過程を浮き彫りにする。ブリュッセル大学で教鞭をとる気鋭の
>歴史学者が読み解く、戦争プロパガンダの真実。
第3章まで読みました。
ここまでの各章のタイトルは、以下のとおり。
第1章 「われわれは戦争をしたくはない」
第2章 「しかし敵側が一方的に戦争を望んだ」
第3章 「敵の指導者は悪魔のような人間だ」
戦争プロパガンダ 10の法則』アンヌ・モレリ著 草思社
第4章 「われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う」
> 多くの場合、経済効果を伴う、地政学的な征服欲があってこそ、
>戦争が起こる。
> だが、こうした戦争の目的は国民には公表されない。
> ルイ十四世の時代ならともかく、近代においては国民の同意
>がなければ宣戦布告ができない。多くの国では憲法によって、
>開戦に先立ち、国会での決議が必要とされている。その国の独
>立、名誉、自由、国民の生命を護るために戦争が必要であり、
>この戦争は確固たる倫理観にもとづくものだとなれば、国民の
>同意を得ることはそう難しくない。
> そこで、戦争プロパガンダは、戦争の目的を隠蔽し、別の名
>目にすり替えようとする。
第4章の冒頭の文章ですが、まさに、去年も今年も行われていることですね。
なぜか上がらなかったようなので、上げ。
>>557に書いてあることは、戦争だけに限ったことではないと思います。
戦争の場合に特に顕著ではあるのでしょうけれど。
559 :
大人の名無しさん:02/10/04 20:58 ID:cv5/ocWS
わっはっは、今さっき本が届いた。
久々のクロネコ宅急便だ。インターネット注文ではなく
あえてFAX注文した。へへへ。
ずうっとブックオフ本ばかりで拾い読みが多かったけれど、
この本はじっくり読む。
書名は書かない。(w
560 :
195 ◆IyApGKf56Q :02/10/04 21:35 ID:nIFw4DQ8
561 :
大人の名無しさん:02/10/05 09:46 ID:YgAVzMH5
コミックだけど。
「アタゴオル 5巻」ますむらひろし
今プリズンホテル読んでます。夏を読み終わって、秋に入ったところ。
面白い!春まで一気に読めそう!
面白いホラーないかなぁ。角川ホラーは結構読んじゃったし。
誰か知ってたら教えて下さーい。
『戦争プロパガンダ 10の法則』
第5章 「われわれも誤って犠牲を出すことがある。だが敵はわざと残虐行為におよんでいる。」
比較的最近で最も象徴的な湾岸戦争に関する部分の抜粋です。
> クウェート侵攻を制裁するにあたり、アメリカが、国民の支
>持を得るため、広告会社ヒル・アンド・ノールトンの流した情
>報を利用し、紛争介入を肯定する一大キャンペーンをおこなっ
>たのは周知の事実である。このキャンペーンの中心になったの
>は、保育器を盗もうとしたイラク兵が、なかにいた未熟児を放
>り出したというエピソードであり、国会でも国連でも、ブッシ
>ュ大統領(父)の演説でもこの話が繰り返し引用された。この
>作り話はアメリカ世論の転換に大きな影響を与えた。のちに、
>この話は、クウェート人有力者の出資を受け、広告会社がつく
>ったでたらめだということが判明したが、その効果は絶大だった。
宮部みゆきの「火車」326ページまで。
大変面白いです。
少しずつ婚約者の正体が分かって来たところです。
やはり人間を丁寧に書いてありますね。
個々の人間の生活感が溢れています。
565 :
ピノ:02/10/06 02:55 ID:mtA438R1
こんなスレがあったんですね…。
さっきまで、坂口三千代の「クラクラ日記」を読んでいました。
以前に読んだものなのですが、面白かった事を思い出し、再読。
明日から「五輪書」の予定。(←期待大。)
『戦争プロパガンダ 10の法則』
第6章 「敵は卑劣な兵器や戦略を用いている」
第7章 「われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大」
第6章に書かれていることは、『神聖喜劇』の主要な登場人物である
大前田軍曹――「戦争目的は殺して分捕ること」と新兵たちの前で
公言する人物の次の言葉に通じるものがあります。
>毒ガスの使用は国際条約で禁止されとっても、戦争がありよる
>以上、どこの間抜けな国がそげな条約を守るか。各国が作って
>持っとって、ここぞというときにゃばら蒔くちゅうことは、公
>然の秘密ぞ。殺人光線か電気砲か知らんが、相手方の戦闘員も
>非戦闘員も一緒くたにして、いちどきに何万人も何十万人も皆
>殺しにしてしまうごたぁる新兵器でも早う拵えて、早う使うた
>ほうの国が勝とうちゅう戦争に、殺し方のよし悪しを詮議しと
>る必要はない。
第7章は、「大本営発表」によって、日本人にはいやというほど
思い知らされたはずのこと。
567 :
タク:02/10/08 13:16 ID:nUbpXZym
「大本営発表」しか情報が入らなかった時代を考えると
情報量の多さ、入手手段の確保は大切なことと思わずにはいられません。
以前ケニアを旅したときに、イギリスから独立した今でも小学生の必修科目には英語がはいっている
その理由は国境が他国に隣接し周囲の国で紛争が絶えない状態では、一番速い情報は
英語で入ってくるから、ということでした。昔と変わらない生活形態を続けているといわれている
マサイ族も集落から数人は小学校へ通わせているそうです。
短波の入るラジオは必携ということでした。
積極的な情報入手ツールとして考えるとパソコンの普及は画期的なもので
語学力のハンデは少なくなったとも言えますが
情報のアンテナの張り方、取捨選択の方法などはまだまだこれからですね。
『戦争プロパガンダ 10の法則』
第8章 「芸術化や知識人も正義の戦いを支持している」
第9章 「われわれの大儀は神聖なものである」
『戦争プロパガンダ 10の法則』
第10章 「この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である」
(本書を読了)
第一次世界大戦、第二次世界大戦、冷戦、ユーゴ空爆などにおいて、
戦争プロパガンダに疑問を示した者、異論を唱えた者が弾圧の対象に
なったことを挙げて、筆者は、次のように書いています。
> 戦時において、慎重に判断をおこなう者、立場を決める前に
>双方の言い分を聞こうとする者、公式発表の情報を疑う者は、
>即座に「敵のまわし者」にされてしまうのだ。
ブッシュの発言「テロリストに対する戦争に反対する者は
テロリストの仲間だ」も、まさにこの例でしょう。
また、
>>541で紹介した『神聖喜劇』の一節(実に世の中のおびただしい
人間にしばしば見出される非論理的・非理性的論法)も同じ趣旨です。
(
>>569のつづき)
> これまで述べたように、戦争が始まると、もう誰も、公然と
>戦う理由を尋ねたり、本来の意味を「ねじまげる」ことなく
>和平を口にしたりすることはできなくなる。メディアは政治権力と
>密着した関係にあり、いざとなると本当の意味で意見の多様性を
>守ることはできないのである。
さらに、筆者は、あるユーモア作家の言葉を引用しています。
>「現代人は、かつてのように何でもかんでも信じてしまう
>わけではない。彼らは、テレビで見たことしか信じないのだ」
そして、この本で述べられていることは、実例としては戦時における
ことを挙げていますが、必ずしも戦時に限らない、平時と思われている
時にも疑ってみるべきことのようです。
筆者は、序論にあたる部分で次のように書いています。
> はっきり目に見える「武力戦」について、戦争プロパガンダの
>法則があてはまることを証明するのはやさしい。だが、「冷戦」で
>あっても、「あいまいな敵対関係」にあっても、戦争プロパガンダの
>法則は、実用的かつ有効な戦略として活用されているのである。
571 :
タク:02/10/10 18:23 ID:ewcG4g2s
今朝「百年の孤独」終了。
中だるみがあったけど、最後の方でウルスラの
「絶対にさめない恋はない」というセリフが印象的。
奇想天外だけれども不毛な愛の膨大な積み重ねが描かれていた。
「孤独」という概念が日本人と少し違う、でも寂しい物語だった。
次、何にしよううかなぁ。
572 :
大人の名無しさん:02/10/10 19:46 ID:Ehr1k1TD
しこたま買いまくっておいて、まだ一冊も読んでない。
そして、今日もまた2冊。
いつ読むつもりなんだよ、俺は…。
573 :
タク:02/10/11 20:46 ID:1bWpl2Ym
友人から借りてあった『保存食品開発物語』を読み始める。
食品がテーマではあるが、ハチミツ付けとか塩漬けのミイラの作り方、
から始まる。
古代エジプトの人体加工が保存食品のルーツだった模様。
スー・シェパード著 文春文庫
>572 本を読むのが好きと本を買うのが好きとはかならずしも
一致するとは限らないようです。
友人で興味を引かれた本を2冊づつ買うヤツがいましたが、
感想を聞くと1冊貸してくれるか時にはくれるのですが、読んではいないようです。
光文社文庫版『神聖喜劇』第四巻を買いました。
夕べは、飲んで夜更かししてしまったので、今朝読んだのは、
武田信明(島根大学教授)氏による解説だけです。
その最後の部分に大いに同意し、以下に引用します。
>確かに作品は一九四二年の三ヶ月という限定された過去を扱う。
>しかし、それは遠い「過去」の出来事ではないし、何ら「特殊」
>でもないのだ。それゆえ、読者は小説を読み終えた時点で、自
>己の問題として再帰的に思考することを余儀なくされるのであ
>る。
>第二巻の解説者阿部和重は〈迷わず全巻買い揃えるべきだ〉と
>書き付けていた。それに倣って私も言う。この作品は少なくと
>も二度は読まれなければならない。
特に最後の一文に、現実に二度目の挑戦をして一度目の時には
得られなかったような多くのものを得ている私は、意を強くした次第です。
その他一緒に買った本は、いずれも岩波新書で、
『従軍慰安婦』吉見義明・著
『翻訳はいかにすべきか』柳瀬尚紀・著
ところで、今日は日曜日で、新聞にまとまった書評欄がある日です。
今朝の『新潟日報』書評欄で気になる本が紹介されていました。
『ぷちナショナリズム症候群』(香山リカ・著、中公新書ラクレ)です。
書評の冒頭部分より引用
> ワールドカップでの「ニッポンチャチャチャ」の大合唱、時
>ならぬ日本語朗読ブーム、必ず売れる、みのもんた推奨「血液
>さらさら」食品…。「だからどうよ」と何の疑問も抱かない昨
>今の風潮に、「それってかなりヘンじゃない」という問いを投
>げかける本書。
というようなことは、この本についての別の紹介記事でも知っていたし、
実際に店頭でこの本を手に取ってパラパラと見てみたこともあったのですが、
「あえて買って読むほどの本でもないかな」と思っていたのでした。
ところが、今日の書評の最後のところ(以下に引用)を読んで、
とりあえず買ってみる気にさせられました。
> ナンシー関や高村薫がそうしたようにヘンをヘンとしっかり
>言おうよ、本書にこめられた著者の呼びかけが耳に痛い。
ナンシー関や高村薫が何をしたのかについては、あいにく私は無知ですが、
「ヘンをヘンとしっかり言おうよ」ということには賛同します。
(評者は中西新太郎(横浜市立大教授))
576 :
大人の名無しさん:02/10/13 17:10 ID:BAxz7Kzd
宮部の火車読んだ事アル。オモロカタです。
極悪がんぼの2巻読みました。マンガやけど。
577 :
ピノ:02/10/13 21:27 ID:JTv6K+GD
『五輪書』を読み終えました。
視野が広く、一芸ではなく諸芸に優れた人だったのだなぁ、という印象。
こういう師匠に巡り会えた弟子は幸せかも。
「先づ 太刀を取っては(中略)みな敵をきる縁なりと心得べし」など
生々しく迫ってくる感じの文章が多いです。
今朝からは、すごく楽しみにしていたのに
買ったまま読む機会の無かった、D・フランシスの『敵手』。
シリーズものですが、気楽に読めて面白いです。
>>562 遅レスですが、いま手に入るでしょうか
ディスカバートゥエンティワン社発行の「909の恐怖」。
小説ではないのですが、恐怖についてのアンケートの答えを集めたもので、
なかなか怖かったです。
>>572 私も、読んでない本がいっぱい…。
その時いちばん読みたいものを、取って置くクセがあるのですが
どうかすると、そのまま忘れちゃう。(w
同じ本を2度買ってしまう事も多いです。
>>573 その本、買いまつ!
『神聖喜劇』第四巻 第七部 連環の章
第一 喚問
第二 歴世(れきせい)
46ページまで
579 :
タク:02/10/15 10:50 ID:d1U6wP+2
>魚好きさん 『神聖喜劇』の光文社文庫版、解説が気になってました。
読み終えた時点で、次が無い状態が辛いので、図書館で借りて一機に読みましたが
これは、手元に置いて、読み返したい本ですね、読み返しはめったにしないのですが・・
連れ合いが来月、上京するので探してくるように交渉してます。
高村薫の小説は殆ど読んでいますが、雑誌などの評論は目にする機会が少ないので
具体的に何を「ヘンをヘンといっている」かはわかりません。残念
私と同じ世代で、少し上の全共闘世代を熱気に煽られながらも、「何かヘンだぞ」
と思いつつ成長したという意味で、共通項を感じています。
その感覚は作品の随所で出てきます。問題意識を自分のフィルターを通して、
表現しなおしているという部分で信頼しています。
新作の『晴子情歌』は従来のミステリー仕立ではなく、昭和初期頃からの北海道を
背景に描いていて、書評には恋愛ものとして紹介されたりしていますが、
個人の意識の変換として読んでも面白いので、お勧めできます。
連作の第一部ということなので、何を表現したいのかはまだ不明ですが、
なかなか骨太なものを感じます。
>ピノさん
D・フランシスについては私も同じです。古本屋で見つけると買っておいて
「しょうがないなぁ。これしか読むのがない」時に手に取るとつい引き込まれています。
『神聖喜劇』第四巻 第七部 連環の章
第二 歴世
74ページまで
田能村竹田らの漢詩がいくつも引用されていて
全巻を通じてもっとも読み進めるのが容易でないあたりです。
今回、『神聖喜劇』を二度目に読んでみて、途中で気付いて
気になっていたのですが、
>>430で私が
>、「室生犀星まで」ではなく「寺山修司まで」としたい
などと書いています。これは、単に、室生犀星より時代を下った
寺山修司の作品が引用されていたことを憶えていたことによるのですが、
室生の作品は『神聖喜劇』の内容と大きく関わりがあるのに対して
寺山の作品は、そうでもないので、あの私の記述は、
全く私の浅学によるものです。
>>579 私は、高村薫については、興味は持っていたものの
作品はひとつも読んだことがありませんでした。
(概して、流行しているものには距離を置いているため。)
タクさんのお勧めなら、いずれ読んでみたいと思います。
582 :
タク:02/10/16 10:53 ID:GYeYaVs/
>581 静岡新聞ですか。魚好きさんのご紹介が無ければ、目にすることはなかった
と思います。ありがとうございました。
ミーハーで好奇心が強いため、センスが信頼できる人からのお勧めは
必ずといって良いほど、本に限らす試してみてます(W
このため自分の首を絞めてるなぁと感じることも多々あります。
『神聖喜劇』第四巻 第七部 連環の章
第二 歴世
第三 喚問(続)
138ページまで
「悪質転向者」片桐伍長による主人公への喚問。
『ぷちナショナリズム症候群』(香山リカ・著、中公新書ラクレ)
>>575の書評がナンシー関と高村薫に触れていた理由がわかりました。
終章でこの二人の言説を引用しているのです。
というわけで、まず
「終章 歴史への責任−−あるコラムニストの予言から」
を読みました。
高村薫については、私が全く無知であったこと、私が思っていた以上に
読む価値の高い作家であるらしいということがわかりました。
「終章」から引用します。
> 小説家の高村薫は、議論を深められない政治家やどんどんこ
>とばを単純化していく小説家が増えるという状況の中、ミステ
>リーから歴史を語る小説へとシフトする決意をし、大作『晴子
>情歌』を執筆する。刊行時の著者インタビューに答えて高村は
>語る。
>> 戦争の話をしたいのに、誰もそんな話には乗ってこないし、
>>戦争のことを知らない。そしていつの間にか気が付けば戦後
>>生まれが四割という時代になり、じつに無邪気な右傾化が顕
>>著になっています。
>> 子どもの頃からたまりにたまってきた、この国への違和感、
>>大人社会への違和感。そうしたものが、これまでわたくしに
>>物を書かせてきました。『晴子情歌』はずいぶん今までの小
>>説とは外見が違いますが、根底にあるのは同じ違和感です。
>> (『現代』二〇〇二年八月号)
585 :
タク:02/10/16 20:55 ID:j1X9FeoF
『晴子情歌』は戦争の話というより、戦争に翻弄される男たちを晴子の息子との文通
を通して描いています。
これが恋愛小説として分類される一因だと思います。
ミステリーも犯罪を犯す側の視点で、緻密に描かれているので面白いですよ。
まあ、かなり好きな作家なので話半分で読んでいただいた方がいいとは思いますが。
586 :
タク:02/10/16 21:18 ID:j1X9FeoF
実は私の周囲では、かなり読書傾向が似ている友人でも高村薫については
好き嫌いが二分していて、何故か全くダメという人もいます。
でも、是非一度は試してみる価値はあります。
『神聖喜劇』第四巻 第七部 連環の章
第四 ある観念連合
177ページまで
『晴子情歌』を買って読むことにしました。
ハードカバーの文芸書を買うのは、私としては、かなり珍しいことですが、
おそらく、今だからこそ書いておきたい作品なのであろうという期待から
文庫化などを待たずに、今、読んでおくことにします。
書評や2ちゃんの他の板の書き込みなどでは、この作品に対して、
「期待はずれ」「重苦しい」「ついていけない」などといった
感想も少なくないようですが、今の日本の全体状況を考えれば、
そのような感想を持つ人がいること自体、逆にこの作品の
優れた点を反映したものと期待したいです。
ところで、今日買った本は、大修館書店の『ジーニアス英和辞典』。
うっかりしていて気が付かなかったのですが、初版、第2版と
愛用してきたこの辞典の第3版が一年ほど前に出ていたのでした。
いくらかでも英和辞典を使う機会のある人には、この辞典はお薦めです。
この辞典は、英語という言語が実際にどのように使われているのか、
英語のネイティブではない日本人が英語というものをどう把握すべきなのか
といったことを強く意識してつくられているようで、これを使うと、
他のたいていの英和辞典が「単に英英辞典を和訳したもの」のようにすら
思えてしまいます。
『神聖喜劇』第四巻 第七部 連環の章
第四 ある観念連合
215ページまで
なにか犯罪が行なわれた場合に、「前科者」あるいは
「素性のあやしい者」に対して、そのことのみを理由に
嫌疑をかけることの不当性が指摘されています。
そして、その不当性の指摘に対して、(この場面の具体的な
セリフとしては)「朝鮮人やら部落民やらが犯罪をおかすことは
絶対にない、じゃけんその連中に嫌疑が掛かるとはてんでまちごうとる、
ちゅうとが、生源寺の考えかね。」という発言があり、主人公は、
この発言を「実に世の中のおびただしい人間にしばしば見出される
非論理的・非理性的論法の室町における素朴な発言のこれまた一つ」
と評しています。
また、最初の「不当性」についてていねいな説明がなされた後で、
「理屈は、いちおうわかった」ものの「感じが、もう一つ腑に
落ちない」との見解の表明も。
すなわち、「先入主・偏見・差別観の類」、「不当不条理な見方・
考え方」が「世間の常識」となっているという指摘です。
このことは、まったく現在に通じる問題(現在も解消されないままに
なっている問題)であると私は考えます。
ところで、明らかな誤植を一か所見つけました。
205ページの終わりから6行目の冒頭で「うわさ」とすべき
ところが「うさわ」になっています。
念には念を入れて、ちくま文庫版でどうなっているか確かめて
みましたが、そちらではちゃんと「うわさ」になっているので、
今回の光文社文庫をつくる際の新たな誤植のようです。
『神聖喜劇』第四巻 第七部 連環の章
第四 ある観念連合
第五 冬木照美の前身
254ページまで
ネタバレになるので詳しくは書きませんが、ふたとおりの「うわさ」の
対象となっている冬木の経歴がようやく明らかになろうとしています。
『京の川』水上勉
592 :
大人の名無しさん:02/10/20 16:32 ID:m+TgacIh
『日はまた昇る』佐藤正明
VHS vs ベータの顛末。
何か、読んでて燃えますた。
『神聖喜劇』第四巻 第七部 連環の章
第五 冬木照美の前身
第六 脈絡
298ページまで
論理的にかつ細大漏らさずこの小説を一人称で記述している主人公が、
冗長に不必要な事柄まで漏れなく事実経過を説明してしまう要領の悪い者に
自分を重ね合わせて内観する場面、「いろんな意味」で笑ってしまいました。
594 :
タク:02/10/21 11:36 ID:wPYSMZNU
食中りで発熱のため、『保存食品開発物語』は休み。
軽いものが読みたかったので、『存在の耐えられない軽さ』ミラン・クンデラ著と
『島唄オキナワンラプソディ登川誠仁伝』森田純一著を読む。
前者はテーマが軽さではあるけれど、軽くなかった(W
登川誠仁は島唄の名人、映画『ナビィの恋』のオジイ役。
沖縄の風情を体現したチャーミングな老人。彼にはシビレテいるので
評価はさておき、
これを読んでいて気が付いたのは、高村薫が戦争について誰も語らない
との発言に個人的にどこか引っかかっていて、
内地では、確かにそうだった。
でも、沖縄に来てからは、誰の話しを聞いても避けては通れない。
地域の本でも戦争の話に触れていない関連図書は無いといっていいくらい。
毎年、6月の慰霊の日の前には全ての公立小・中・高で関連の講和や映画鑑賞などが行われる。
それこそ耳にタコができるほど、子どもの頃から聞かされている。
昨今の状況を考えると
全ての言葉をつかい語り尽くさないと、集団自決などが、精神的な強制、を含めた強制であったことが
「追い詰められた住民が自発的に行ったこと」とすりかえられ、一般化し風化してしまうことも
ありえるのだなぁとフト考えてしまった。
小学校の平和教育を参観して、感じたことは
『白旗の少女』だったけど、日本軍に脅され言うことを聞いて子どもを殺した人と
子どもを殺しきれず、自分の考えで投降した人が助かった。という結論で、
あまりにも当たり前で強烈なインパクトで、自分の頭で考えることの大切さを
小学生に訴えていることに感動した覚えがあります。
昨日、大型古書店で高村薫さんの文庫本を2冊買いました。
(ちなみに、本を買って初めて気付いたのですが、高村さんの「高」の字は
正確には、なべぶたの下が「口」ではなくはしご段になっている字です。)
新潮文庫『黄金を抱いて翔べ』は、文庫化された最初の作品だそうで、
巻末の解説に簡単な著者紹介があります。
もう一冊、文春文庫『地を這う虫』(4作品より成る短編集)を買いました。
裏表紙の内容紹介には次のように書かれています。
>「人生の大きさは悔しさの大きさで計るんだ」。拍手は遠い。
>喝采とも無縁だ。めざすは密やかな達成感。克明な観察メモか
>ら連続空き巣事件の真相に迫る守衛の奮戦をたどる表題作ほか、
>代議士のお抱え運転手、サラ金の取り立て屋など、日陰にあり
>ながら矜持を保ち続ける男たちの、敗れざる物語です。深い余
>韻をご堪能ください。
ちょっとどこかで聞いたことがある気がするような煽り文句ではありますが、
これを読んで、夕べ寝る前に表題作を読み始めてみました。
いやあ、ぐいぐい読ませてくれる、おもしろい小説ですねえ。
私は、夜、飲んでから寝るということもあって、寝る前に本を読み始めても
じきに眠くなって寝てしまうのが常なのですが、この小説は
一気に読んでしまいました。(といっても1時間か1時間半程度でしたが)
まだこの作品ひとつを読んだだけですが、登場人物が活き活きと
描かれている点、今の社会がどのような社会かということを
しっかり踏まえて書かれている(ように思われる)点などが
作品の魅力のように思えます。
作者自身の「ミステリーを書いているつもりはない」という言葉も
なんとなくうなずける気がします。
つまり、謎解きに主眼があるのではなく、ちょっと大げさな
言い方かもしれませんが、社会での人間の振舞い方を描くことを
メインのテーマにしているように読めるのです。
596 :
大人の名無しさん:02/10/21 16:33 ID:NpTnbNx9
ローレンス・ブロックの「殺し屋」
読むのは3度目。貧乏なので新しい本が買えましぇん。
ローレンス・ブロックはマット・スカダーシリーズも好きさ!
渋いわ!
597 :
タク:02/10/22 10:33 ID:8a958DhD
>596 同じくです。小説は98%図書館と友人の好意でまかなってます。
仕事用の資料を買うのがやっとです。
>595 文体などが、何故かどうしても馴染めない人もいるようなので、
高村薫が不向きでなくて良かったです。
どんな長編でも、読み終わるまで落ち着かない気分にさせる小説が多いです。
早く終わりたいというのではなくて、面白いので終わりたくないけど、
取り付かれてしまった感じが私はします。
『神聖喜劇』第四巻 第七部 連環の章
第六 脈絡
350ページまで
>>597 次の展開が非常に気になって読み進めてしまう小説だと思いました。
また、ある意味「些細な」ことを漏らさずに書いている小説のようで、
そこらへんが人によって好き嫌いが分かれる要素のひとつかもしれません。
『神聖喜劇』を読んでいる最中の私には、それでもまだ大雑把とすら
思える記述もありましたが。
(例えば、深夜の空家の窓辺で手帳にメモを取る際、照明を
どうしていたのかが書かれていなかった点。)
599 :
タク:02/10/23 10:58 ID:MiJiiudK
>598 高村薫が苦手な人は状況説明が細かすぎることが要因という意見。
全く思いつかなかったけれど、そうかもしれませんね。
実は、高村薫嫌いのでも読書傾向を信頼している友人に『神聖喜劇』を強力に勧めているところです。
ダメかも(W
本当に、暗闇でどうやってメモをとったのでしょうねぇ・・
でも、取材記者などは、話相手の顔を見ながら、手元を見ずにメモをとりますよね
あれかなぁとも思えますが、メモを取るだけならできるけど、メモを見るは
絶対にできない。現在「地を這う虫」が手元にないので前後を確認できません。
>>599 >本当に、暗闇でどうやってメモをとったのでしょうねぇ・・
誤解のないよう書き加えておきますが、私は、「暗闇のはずなのに
手帳にメモしているのがおかしい」と言いたいわけではないのです。
あくまで「書かれていなかった照明をどうしていたのかということ」を
「書かれていてもおかしくないこと」ないし「書かれているのが望ましいこと」と
感じているだけで、実際には、例えば、
繁華街からそう離れていない場所であったために深夜でも明るかったとか、
近所の街灯もしくは月明かりなどで十分に明るかった(が、そのことは
小説中で明記されてはおらず、なおかつ、作者は、それを明記する
必要を感じていない)ということもありうるかとは思っています。
ま、気になる人(気にする人)には気になるが、そうでない人には
気にせず読み飛ばすこともできる、その程度のことかもしれません。
私も、読み誤りであってはいけないと思って、関係ありそうな個所だけ
拾い読みしてみましたが、明かりについては、やはり書かれていないようだし、
主人公は、メモを取っていただけではなく、折りたたんで手帳に挟んだ
地図を開いて番地を読み、それをメモしたりしているのです。
601 :
タク:02/10/23 21:03 ID:bNWhacmh
>600「暗闇」という言葉をいきなり私が使ったので、すっかり真っ暗な感じに
なっただけかもしれませんね。
月が出ないと真の闇というのは、もう国内ではあまり無いのかもしれない。
高村薫の「マークスの山」では、夜の病院の裏口の暗さや匂いまでを
感じるほど書き込んでいたことを思い出しました。
今度は長編を是非読んでみてください。
『神聖喜劇』第四巻 第七部 連環の章
第六 脈絡
第七 早春
432ページまで
さらに、
『ぷちナショナリズム症候群−−若者たちのニッポン主義』
(香山リカ・著、中公新書ラクレ)
第1章 ぷちなしょな風景 2001−2002
第2章 崩壊するエディプス神話
今年6月に行われたサッカーのW杯の日本出場試合でスタジアムの
(日本人)観客が
揃って振っていた「日の丸」が、神道青年全国協議会の発案で各都府県の
児童に作らせスタジアムの観客に配布されていたものだったとのこと。
また、第2章では、2世タレント・作家・議員など(また有名人以外の者も)が、
かつては当然慎むべきものとされていた「親の七光」的ありさまを
平気で人前にさらすようになっているとの指摘あり。(例えば、
小泉純一郎の長男である孝太郎が「親の七光で芸能界に入れた」と
いうことを自ら表明して恥じないでいることなど。)
ここまででは、まだ、筆者が危惧していることがどのようなことなのか、
いまひとつ明確には伝わってきていません。
>>601 『マークスの山』は、評判がいいようですね。
差し当たり、『晴子情歌』を読んで、それから考えてみようと思っています。
文庫化も予定されているようですし。
『晴子情歌』上下巻を合わせて買いました。
これだけのボリュームのある新刊書を買って読むのは『火車』以来かもしれません。
書店に注文して取り寄せてもらったのですが、
下巻が初刷なのに対して、上巻は第4刷です。
他板の高村薫関連のスレによると、従来の高村ファンで、
期待して『晴子情歌』を読み始めたものの途中で挫折もしくは
中断中という人も少なくないようなので、それを反映して
上巻だけがよく売れているということなのでしょうか。
604 :
タク:02/10/25 20:25 ID:1Uj8773k
>603 そういえば、図書館で借りたときも、上巻は使用感(?)がありましたが
下巻は新品でした。ミステリーではないし、晴子のパートが手紙文になっているので
若い人には読みづらいのかもしれません。
『神聖喜劇』第四巻 第七部 連環の章
第七 早春
489ページまで(第四巻読了)
第五巻は、来月発売予定です。
>>598で、高村薫の『地を這う虫』を読んだ感想として、「些細な」ことを
漏らさず書いているが『神聖喜劇』と比べるとまだまだといった
趣旨のことを書きましたが、『神聖喜劇』では、例えば、班長居室に
呼ばれて行った場面では、居室内の机や椅子の配置から室内の人の
位置関係まで細かく描写され、一人一人がどのような順番と仕草で
敬礼したかといったことまで詳しく描写され、読者は、居室内の配置を
正確に思い描きながら読み進めることを求められることにもなるわけです。
ここらへんを読んで「必要以上に書き過ぎている」と感じるのも
無理のないことかもしれませんが、極めて隙のない小説であることも確かです。
『ぷちナショナリズム症候群』(香山リカ)
第3章 日本は「本当のことを言える国」か?
筆者が精神科医ということもあってメンタルな面からのアプローチですが、
同様のことを「論理的な議論」についての本で別の面から書かれているのを
読んだことがあり、興味深いです。
思い切り簡単に言ってしまうと、自分自身の考えではなく、
おおぜいの人が考えていることと同じような考えを持つことで
安心している、といったようなことです。
ところで、今日から11月9日までの2週間は、「読書週間」です。
今年の標語は「自分が変わる、世界が変わる、本との出会い」。
この期間中に書店で500円以上の買い物をすると書店くじがもらえるとか。
607 :
195 ◆IyApGKf56Q :02/10/27 21:30 ID:E6ZPfkOs
本日、バートン版千夜一夜物語を購入。
また、神聖喜劇第四巻を購入。
もうすぐ第五巻が発売されちゃうのだろうなぁ。
ちゃんと読まなきゃなぁ。
「マークスの山」の文庫版はいつでるか未定なようです。
ホントは9月あたりにでる予定だったのですが。
あの完璧主義者の高村薫氏のこと、改訂に時間がかかるようです。
なんせ、描写どうりに歩いたら電話ボックスの位置まで正確に書かれて
るくらいです。(私実際に歩いてみました。)
今週末は神保町界隈で古本祭りがあります。
皆さん是非足を運んでいただき、神保町にお金を落としてください。
未定なようです。
609 :
タク:02/10/28 10:22 ID:fJXIkOFH
>608 『マークスの山』、亀有の飲み屋街や金町の第一病院の描写が本当に正確でしたね。
あの辺りで育ったので、それはもう驚きました。『神の火』を読んで、『マークスの山』
は二番目でしたが、これですっかり、ファンになりました。
かなりの取材力ですが、他の作品も多分あれほど正確なのでしょうね。
古本祭り行きたいなぁ
車15分→飛行機3時間→京浜急行30分→地下鉄10分位
日帰りは無理だし、往復を考えると、チト辛い。
掘り出し物があれば、戦果をお知らせください。それとも書店さんですか?
>605 『神聖喜劇』の班長居室の描写が細かいので、後にこの家具の配置が
何か関係してくるのかと心配になり、覚えておいた方がいいのか迷いました。
ミステリーなどはこれくらい書き込むと後で必ずキーワードになったりしますからね(W
でも後の部分には深い関係はなく、物語はそのままのテンションで進むので
覚えておこうと思ったことさえ、忘れていて書き込みをみて思い出しました(W
610 :
タク:02/10/28 10:41 ID:fJXIkOFH
現在読んでいる本は
『絣』福井貞子著法政大学出版¥3.000-。これは仕事がらみですが
以前『-絣-日本の文化史』福井貞子著京都書院¥6.000-(古書価格)という本をネットで購入し
福井貞子氏の業績に興味を持ち、新しく法政大学出版から出た本も同じくネットで
購入しましたが、京都書院のものをまとめたものでした。トホホ
京都書院が倒産して復刻に近いものの可能性もかんがえたのですが・・
手にとって購入できないと、こういう悲劇もたびたびです。
『ぷちナショナリズム症候群』(香山リカ)
第4章 進む階層化、変容するナショナリズム
ここまで読んで、ようやく、筆者が言いたいことの全体像が
おぼろげに見えてきた気がします。
つまり、フランスのルペンと本質的に同じような発言をしている
石原慎太郎都知事が、マスコミから極右とは呼ばれず、
従来の代議員なら辞職を免れないような発言を許されている
そのような日本の現状のメンタルな面からの背景を考察しているようです。
第3章あたりに戻って、もう一度読み返してみようと思います。
>>607 個人的に195が『神聖喜劇』を読んでどんな感想を持つのかということに
大変興味があるので、がんばって読んでもらいたいものです。
(その気になりさえすれば、195にとっては、
がんばるほどのことではないんだろうけれど。)
>>609 居室内の描写に限らず、『神聖喜劇』は、ありとあらゆることが
省略されずに書かれていますよね。
なにしろ、主人公が連想したこと、思い出したことまでが
完璧に記述されているくらいです。
>個人的に195が『神聖喜劇』を読んでどんな感想を持つのかということに
>大変興味があるので
こういう書きこみは私の弱点なのです。
2ちゃん遊びは今日はもうすぐやめちゃうのです。
第二巻の最初からちゃーんと読むのです。
近所の古本屋で神聖喜劇文庫第一巻が200円(文春版)
近所のブックオフで神聖喜劇第二巻ハードカバーが100円(二冊)
石川書店でハードカバー第1巻〜四巻が2000円ちょい。
今日、帰りに立ち寄った古書店で澁澤の原稿が40万円だった、ちょっと欲しい。
613 :
大人の名無しさん:02/10/29 00:22 ID:GDNgOByY
藤沢周平の「蝉しぐれ」を読んだ。
久々にジンワリ心に残った本だった。
614 :
タク:02/10/29 11:03 ID:bp5mwPAk
>居室内の描写に限らず、『神聖喜劇』は、ありとあらゆることが
省略されずに書かれていますよね。
本当にこれが煩雑ではなく、臨場感があるのは映像を見ているようですよね、
そしてもちろん小説なので、イマジネーションも刺激してくる。長編の快楽でした。
現在手元にないのが残念です。なんとか入手したいものです。
195氏の『神聖喜劇』の感想を心待ちにしていましたが、どうも
野外遊びのシーズンが終わらないと無理かなぁと諦めてました。
テレマークスキーやスノーボードの趣味に走らないことを祈っています。
『ぷちナショナリズム症候群』(香山リカ)
第3章 日本は「本当のことを言える国」か?
第4章 進む階層化、変容するナショナリズム
過去の歴史と「切り離し」をして
目の前にあるものだけを見て改憲を説く若手論客、
非人間的だということを「切り離し」て誰もが投資に加わる社会を説く者、
所得格差の拡大を認識していながら、それをどうにもならないことと
あきらめる「中間層」・・・・・
筆者は、それらを心理学の面から解析しようとしています。
私には、むしろ、深く考えないこと、論理的に考えようとしないことが
蔓延していることの現れのように思えるのですが、もしかすると、
筆者と私は同じ現象を別の切り口で見ているだけなのかもしれません。
>>612 期待してます。
>タク
いいえ書店ではありませんよ。
職場は神保町ですが。
神保町に金が落ちて、元気になればちょっと好影響が
及ぶような関係の職場です。
タクさんは九州在住ですか?
>>613 藤沢周平はだいたい読破しました。
父親が好きだったもんで。
市井の人々の生活をほのぼのと書かれていて、
読後感がいいですよね。
死去されたのが残念です。
書店くじが結構たまりました。
なんか当たるといいなぁ。
ちゃんと読んでます。
読んでると、PC触ってた時間が馬鹿馬鹿しく感じます。
いまさら、こんなことに気付くのもどうか、と思います。
第二巻中途だったので最初から。
二回読み直すってのはいいもんです。
中島敦も何でした?あのナントカ興業を計画していたみたいだし、
インテリのそんな時代を改めて思い出しますた。
618 :
タク:02/10/30 09:27 ID:uxa5ihVg
>616 沖縄の離島です。30代後半まで23区内で生活していた反動でこんなに南に
来てしまいました。今日も23度位まで気温はあがってます。
生活は概ね快適ですが、読書環境がなんとも辛いものがあります。
ここで、魚好き氏の読まれた本にはかなり興味をひかれますが、図書館の蔵書も
郷土関係以外は貧しいので、『ぷちナショナリズム症候群』も『戦争のプロパガンダ10の法則』
も上京したときの、購入メモの中です。
ネット購入という手もあるのですが、これまたなんとも味気ないものです。
新刊でも古書でも、書店の棚から手に取り、ついでに何かも見つける快楽は
出来なくなってから気が付きました。
『ぷちナショナリズム症候群』(香山リカ)
第5章 「愛国ごっこ」のゆくえ−−三つのシナリオ
終章 歴史への責任−−あるコラムニストの予言から
あとがき
「あとがき」で筆者はこう書いています。
>だれかが「個の時代のぷちナショナリズム」の危険性について
>も「決めるのはあなたまかせ」としないで指摘しなければなら
>ない。そう考えて、この本を書くことにしました。
で、率直な印象を言わせてもらえば、歯切れのよい指摘ではありません。
筆者の専門が心理学(精神科)ということもあって、そちら方面から
具体的な「ぷちナショナリズム」の現れのいくつか(それ自体は
黙視すべきでない重要なこと)を指摘し、考察していますが、
それが歴史的にどのような流れの中にどう位置付けられるのか
といったことまでは言及していません。
もっとも、それは、無理のないことでもあって、「終章」で筆者自身が
述べているとおり、コラムニストのナンシー関(故人)や
小説化の高村薫といった、本来、そのような政治的な「ヘンなこと」を
指摘する専門の知識人ではない人がその指摘を行い、
いわゆる知識人や政治評論家で関や高村以上に影響力を持って、
そうした指摘をしている人がいないという現状が
憂慮すべきことなのです。
憂慮しているばかりじゃなにも変わらない、いや、むしろ、
もっと憂慮すべき状況に変わってゆくばかりでしょうから、
やはり、ヘンなことはヘンと誰もが言葉にすることが必要です。
なお、村田晃嗣という名前をこの本で初めて認識しました。
歴史と切り離した改憲論を説いて大変受けがいいらしい人です。
>>616 なんとなく縁がなくて全然読んでいない作家というのはあるもので、
藤沢周平は、私は、全く読んでいないのですが、アマゾン・ドット・コムなどの
レビューを読んでも、読後感のよい作家として紹介されているようですね。
初めての人にお薦めの作品などありますか?
>>618 ネットの時代になっても、書店の必要性は、なくなりませんよね。
ご指摘の通り、書店の棚をあれこれながめ、気が向いたものを手に取って
なにか新しいものを発見するという楽しみは、廃れることがないように思います。
藤沢周平 澤田ふじ子 池波正太郎
私の好きな時代物作家三人衆
シバレンとかヤマフーとかはあまり面白くない
622 :
タク:02/10/30 16:47 ID:8ok7Vmnm
山田風太郎は、何故か父が晩年集めていたので、かなり揃っていますが確かに
まだピンと来るものがありません。
柴田連三郎(あれ?「郎」はこれでよかったかしら)もダメ。
池波正太郎も、世間の評価のように食べ物と表現が優れているとは思えず、
というか、おいしいとされているもは、シンプルすぎる。
40年くらい前ならいいけど、もっと食べ物は進化していると思うので、
個人的評価ではダメ。
澤田ふじ子は全く知識なし、どんなものが代表作がご紹介ください。
藤沢周平は、これまた母の愛読書だけれど、読んだ事無し。
よく考えると時代物がジャンルとしては苦手かもしれない、
文句なしに楽しめるのは白戸三平、漫画でした。
『晴子情歌』(高村薫)上巻 第1章 筒木坂
41ページまで
国語辞典と漢和辞典のないところで読み進めるには抵抗のある本です。
率直に言って、あの年代でこれだけの文章を手紙にすることのできる
お母さんの存在にまず驚かされます。
ま、面白くない、とは書きましたが忍者系は先に白土三平を読んじまったので、
丁丁発止の忍術くらべのようなヤマフーは面白くなく感じたのかもしれません。
横山光輝の『伊賀の影丸』も同じように面白くなかった記憶があります。
ただぁ、晩年の食べ物日録には鬼気迫るものがありました。
澤田ふじ子に関してはこんなのがありました(つづく)
作者(澤田ふじ子)は、作中、致し方のない人間のありようというものを次のように記している。
すなわち、「人間とはいたって生半可、惰弱なもので、おのれに器量がないのを少しも自省いたさぬ。
出る杭を打ちすえ、人を妬んで、どうにもならぬわい」
「人は自分よりすぐれた者を、異なものと疎み、衆に交わっていれば、安心いたす」と。
藤沢は短編集でしたか、こんな奴。
放蕩三昧で家を捨てた父の姿を子供たちが偶然見つける。
苦労して大人になった子供たちである、父親には自分たちを捨てた恨みもある。
だが、父親の、銭湯の火炊きを辛そうにやっている姿を見て、子供たちは父親を引き取ることに決める。
その引き取ったあとの父親の行状は・・・、という内容。
最後の『父親の眼光の鋭さ』に恐ろしさを感じる子供たちの描写がまたいい。
で、こんなところでPC触るのをやめちゃうのであります。
他スレ抜粋
古書店にも立ち寄りました。
例の現代書館シリーズの『日本の仏教』が100円だったので買ってきました。
棚の上を眺めると『神聖喜劇(文春文庫版)2巻4巻5巻』がありましたので、
迷わず購入してきました。3冊セットで70円でありました。
なんだ?その値段、と思いながら、1冊70円だったら3冊で210円だなぁ、
もし、そうだったら嫌だなぁ、と思ってました。私はホントにケチだな、と実感しました。
勿体無いので古書のほうの2巻を読んで新刊本の二巻は飾っておく事にします。
ここらへんもかなりケチさが出ていて、私は大満足です。
神聖喜劇2セットになっちゃいますた。
手塚のマンガの文庫本で、宮部みゆきか高村薫が巻末に文章を
書いていたのがあったような気がするなぁ・・・と思って
さっき探してみたら、両方とも見つけることができました。
秋田書店の文庫版『ブラック・ジャック』の
第3巻に高村薫、第13巻に宮部みゆきが文章を書いています。
仕事中なのでゆっくり読むわけにいかず、後で読むつもりですが、
どちらも他の巻末文と比べて長いようです。
特に、高村薫のは、一回り小さい活字に行数も増やして
5ページ余りにわたって書き綴られています。
一般書籍板やミステリー板の高村スレで教えてあげたら
喜ばれそうな情報かもしれません。
629 :
タク:02/10/31 17:10 ID:amP0NHdk
>623 戦前の東京の女学校で学んだ「お母さん」の、国語力はその他数学や物理などと
比較すると、かなりレベルが高いようですよ。
母や叔母達の取り交わす手紙を見ると、内容の無いことをよくもこれだけ格調たかい
文章で書くものだとあきれたことがあります。
万年筆で手書きの手紙も、どんなにしても真似ができません。
父親たちの手紙も大西巨人とほぼ同じ年代ですが、まるで漢文の手紙です。
国語教育のレベルは今とは比べ物にならないようです。
そのあとの世代は戦争で勉強どろこではなかったようですが。
PC使用で変換ミスなどしているのを知ったら嘆くでしょうねぇ
晴子は文学少女でよく勉強ができたと言う設定になっていますので、その通りで
良いのではないでしょうか。
『晴子情歌』(高村薫)上巻 第1章 筒木坂
80ページまで
最初のうちは、いつ、何者が、どのような状況にあるのかが
まだ判然としない記述で、映画でも小説でも、
そういうのが苦手な私には、今一つ入り込めないところが
ありましたが、晴子の2通目の手紙は、かなりいい感じです。
子供時代を含むみずみずしい回想で中勘助の『銀の匙』を
読んだ時の感動なども思い出されました。
戦前のその時々の時代状況などが折り込まれていきますが、
ちょうど読みかけている岩波新書の『昭和史』の巻末年表などで
確認しながら、先を急がず、楽しみながら読んでいます。
「昭和六年に逮捕された十年来の共産党員」といった記述から
年表で確認して、党結成当時からの党員であることが
わかったりするのも楽しいものです。
>>627 新刊の光文社文庫は、装丁もよくて、飾っておいてもいいような
見事なできですよね。
文庫版『ブラック・ジャック』の巻末の「解説」、
高村薫と宮部みゆきのものを読んでみましたが、どちらもこのマンガの
愛読者でありながら、その解説は対照的で実におもしろいです。
高村さんのは、一言で言って、非常に真面目な解説です。
マンガを卒業してさまざまな哲学書や文学書を読むような大学生時代に
それでも『ブラック・ジャック』だけは熱心に読んでいたような
ファンでありながら、主観的な思い入れを極力抑えて、
客観的で「骨太」な解説を展開してるという印象を受けます。
それでも、最後に、実は、『ブラック・ジャック』で自分の好きな
エピソードはほのぼのしたものだと白状していて、そこが妙に可愛く
感じられたりします。(そういう感想は、いくぶん失礼かも・・・笑)
一方、宮部さんのは、中学生時代に『ドカベン』と『ブラック・ジャック』を
連載していた雑誌を毎週発売日に買っていたことから始まって、
比較的ストレートに一人のファンとして書いているような
非常に親しみやすい解説です。
例えて言うならば、宮部さんのは、放課後の教室で仲間同士語っている感じ、
高村さんのは、教壇で講義ないしは発表をしている感じです。
いずれにしろ、どちらも、本当にこの作品が好きで解説を引き受け、
一種の愛情をこめて文を綴っていることが伝わってきて、好感を持ちました。
興味のある人は、立ち読みくらいしてみるのもいいと思います。
ちなみに、
高村薫:1953年2月大阪生まれ
宮部みゆき:1960年12月東京生まれ
余計なお世話でしょうけれど、私は、1963年10月に新潟で生まれて
『ブラック・ジャック』連載当時は、小4〜中3でした。
>>魚好き
魚好きさんくらいの読書家なら、どれから読み始めても
差しさわりがないと思います。ただ、晩年の作品はさすがに
質がおちます。
この人は長編よりも、短編のほうが面白いです。(連作も含む)
個人的にお勧めの作品を書いておきます。
「時雨のあと」「用心棒日月抄」ただし続編は不可。
「橋ものがたり」「隠し剣狐影抄」「隠し剣秋風抄」
「消えた女」「闇の傀儡師」「時雨みち」
藤沢周平が好きになったら、山本周五郎もいいかも。
読んだ事ありますか?
634 :
195 ◆IyApGKf56Q :02/10/31 21:28 ID:JEi1ij8i
前回とまってた、あの会話部分をやっと通り抜けた。
あの部分は『ドグラマグラ』のアホダラ経の部分と同じように、私を萎えさせてしまうので有ります。
越えたので、これから一気呵成で御座いましょう。
>>630 いい装丁ですので、飾っておきます。
引用の寺山修司の短歌は教科書にも出てましたねぇ。
米詩人はさっぱりわからない。『花はどこへ行った』が引用されてるといいな、と思ったが、
そんなこたぁ、ない。
>>633 ありがとうございます。
今年は、このスレを立てて、たくさん読んでいるように見えるかもしれまえんが、
去年までの私の読書量は、多いとはとても言えない状況です。
このまま本を読まずに年を取るのはつまらんと思い、
毎日、少しずつでも読むようにしたのです。
お勧めの作品の中から、読みやすそうなものを探して
いずれ読んでみようと思います。
(早くても12月以降でしょう。)
周りにそういうものを読む人がいなくて、話題になったこともないせいか
私は、時代物は、とにかく全然読んでいないのです。
山本周五郎に関しては、宮部みゆきが『火車』で山本周五郎賞を
受賞したということを知っている程度でしかないです。
>>634 「あの会話部分」とは、「安芸」の彼女との会話のことでしょうか?
私も、最初に読んだ時の最大のネックがあそこでしたよ。
しかし、やはり、あの会話内容も、この小説の主題と大きく関わっているようです。
>>636 アンケート答えてきますた。
頻繁にいろんなスレに貼り付けたほうがいいです。
その本も勧めてるんですか?か?か?
神聖喜劇のあとに残しておきます。
会話の部分、そこなんですなぁ。
はい、今日は雨なので毛糸を買って来てから読み始めます。
>>637 アンケートは、とりあえず、一見さんも含めて、
このスレを読んでいる人限定で考えています。
今後、読んで報告する際の参考にと考えているので。
お勧めかどうかは、報告の中で書いてゆくつもりです。
『晴子情歌』(高村薫)上巻 第1章 筒木坂
110ページまで
晴子の回想は、小林多喜二が虐殺された頃のことまで進みました。
ふと気がついて、小説のはじめまでさかのぼって、以下をメモ用紙に
書きとめながら、じっくりと楽しむことにしました。
1)作中登場人物に関するできごとの年表
2)そこに記述されている社会的事件の一覧
3)言及されている文学作品や著述家の名前の一覧
4)主要登場人物の家系図
1と2を重ね合わせて、さらに岩波新書の『昭和史』で確認しながら読むと
物語の時代背景をさらによく理解することができるわけです。
(ちなみに、記述されている主要事件はロシア革命から始まっていて、
第一次世界大戦から始まっている『昭和史』は、ほぼ同時期をカバーしています。)
3も、現時点でもかなりの数に上っており、それも、時代背景を反映して、
物語の展開とも関わりのあるものであるようです。
さしあたり、武者小路実篤をこてんぱんにやっつけたという
大杉栄の文章を読んでみたいと思いました。(いま読めるのだろうか・・・)
640 :
大人の名無しさん:02/11/01 19:02 ID:dYHOkiEx
ヘンなおじさん
志村けん ブックオフで一〇〇えん
『晴子情歌』は、この一作品のための解説本があっても
おかしくないような小説なのです。
ちなみに『神聖喜劇』には、『「神聖喜劇」の読み方』という
解説本があって(
>>434で既出)、私は、作中で引用されている
文学作品などの一覧・総解説などが収録されているのではないかと
期待して買ってみたのですが、それはありませんでした。
登場人物一覧と時間軸に沿った作中事件一覧はそれなりに役に立ち、
作者および他の研究者による解説もよい内容でしたが。
『晴子情歌』上巻97ペ−ジの以下の記述は、どのような模様か
いま一つよくわからなくて気になりましたが、ネットで検索して
↓ここにある模様だということとそれが記述の通りであることがわかりました。
http://www.asahi-net.or.jp/~we4k-kgmy/wallp/p6m06/p6m06.html >彰之は、手が動くままに定規で大きな正六角形を一つ描き、そ
>こに対角線を三本引いて、しばらくその単純な形を見つめた。続
>いて対角線の交点に、六角形の一辺の二分の一の長さを一辺とす
>る正三角形を二つ重ねてダビデの星を作り、さらに対角線で作ら
>れた六つの正三角形をそれぞれ三等分する線を引いていくと、図
>柄は刺し子の伝統柄の六角花文になった。
642 :
はじめまして:02/11/01 19:48 ID:AS0PzSxr
スレタイにはあまり関係がないので恐縮ですが、
よろしかったら皆さんのご意見を伺わせてください。
司馬遼太郎、初めて(?)読むならどれがいいでしょう?
お勧めがあったら教えていただけませんでしょうか?
(胡蝶は読んだことがあるのですが、他がないので参考までに
お聞きしたくて。。)
643 :
タク:02/11/01 21:34 ID:odewK7rt
>637 か?か?か?と聞きながら
『今日は雨なので毛糸を買って来てから読み始めます。』って?
『晴子情歌』読んでいるってことですか????
『花はどこへ行った』の詩ってショーロホフの小説の中の詩のことを言ってますか?
アメリカのフォークソングバージョンのことなら時代が少し違うのではと
思いますが、私の思い違いでしょうか?
>642
司馬遼太郎をはじめて読んだのは、遥か昔中学生の頃『竜馬がゆく』でした。
この頃父が集めていたので、これから始まり、日本史は司馬遼太郎でまかないました。
今読んで面白いかどうかわかりませんが、テンポは良かった記憶があります。
>>642 どの時代が好きかな?
幕末? 戦国? それとも中国かな
それによって作品も変わるけど・・・
ちなみに私は司馬があまり好きではありません。
なぜかというとストーリーを追っていて、
急に現代の話になったり、自己の歴史解釈を開帳したり
するからです。
645 :
195 ◆IyApGKf56Q :02/11/01 22:06 ID:zOrzEC02
>『花はどこへ行った』が引用されてるといいな、と思ったが、そんなこたぁ、ない。
>>643 ええ、キングストントリオやPPMとは全く時代が違うんで、
『そんなこたぁない』で締め括りました。
ジョニーは戦争に行った、とかそういう詩なら神聖喜劇主人公はどう引用しただろうか?
なんてのを読みながら考えておりました。
毛糸を買いに行く予定が、晴れたので釣りに行ってきました。
結果は澁澤だったので、明日は釣りには行かないかもしれません。
司馬遼太郎、司馬遷には『遙かに』及ばない、という逆説的自負から名前をつける、
そのあたりで、既に私は大嫌い(w
『司馬遷』なら武田泰淳でしょうなぁ。
646 :
タク:02/11/01 22:26 ID:ouP4D0Vm
>645 『晴子情歌』の彰之の毛糸編みにかけて言ったのではなくて
本当に編物をされるんですね。失礼いたしました。
そ、マジで編物するの。
あのインテリ橋本治も編物が上手なのです。
インテリの趣味は囲碁と琴なんだそうですが、私、将棋もヘタですし、ギターもヘタです。
648 :
タク:02/11/02 16:16 ID:lmaqxqEZ
>647 蛇足ながら、>641の刺し子の六角花文は漁船の中で彰之が晴子のために編む、毛糸編みの
肩掛けの図案の引き方です。
やはり私も195氏に『晴子情歌』をお勧めしたくなりました。
『晴子情歌』(高村薫)上巻 第1章 筒木坂
140ページまで
>>641で引用した「六角花文」のことは、妙に詳しい記述だと
思っていたら、その後にも出てくるのでした。
模様そのものに意味があるのかどうか、まだわかりませんが、
コッホ曲線というのも登場します。
↓こういうもののようです。
http://www.wcsnet.or.jp/~miyaguti/ntkoch.htm いやあ、ネットって、本当に便利なものですねぇ。(笑
六角花文の編み物をしながら『晴子情歌』を読める、
そんな195みたいな人がそう多くはないことは確かでしょうね。
まだ、「火車」読み終わっていません。
370ページまで。
とても面白いのですが時間がない。
連休中に一気に読みたいです。
あと「三国志」も中盤で挫折。
もっともこちらは横山漫画の「三国志」ですが。
『晴子情歌』(高村薫)上巻 第1章 筒木坂
167ページまで
ここまでのところでは、遠洋漁業の船に乗る息子彰之に宛てて綴られる
晴子の回想と彰之自身の回想と今現在のことがこの小説では書かれています。
私自身は、文学を学問の対象として専門に学んだことはないのですが、
三省堂の「新明解国語辞典」第4版で「大河小説」を引くと、
語義として、「激動する社会、混乱する時代思想の中で、さまざまな
階層の人とかかわりを持ちながら生きた主人公が、何を考えどのような
苦楽を味わったかを、雄大な構想のもとにじっくりと描き上げた長編小説。」
と書かれており、『晴子情歌』は、どうもこれに該当するもののようです。
例えば、晴子の手紙の中のある日のこととして、ちょうどその日に
瀧川事件の瀧川教授を罷免させたのが当時の文相の鳩山一郎であったことが
書かれていますが、その息子の威一郎が後に外相を務め、そのまた息子の
由紀夫が現在民主党の党首、邦夫が自民党議員であるということなどと
合わせて考えると、1976年の晴子が特に鳩山一郎に言及したことに
なにか意味があるのかとか、今現在の作者高村薫が晴子にそう書かせたことに
どのような意図があるのかとか、いろいろと興味の種は尽きません。
>>636のアンケート、まだの方がいましたら、どうかよろしくお願いします。
『晴子情歌』(高村薫)上巻 第1章 筒木坂
197ページまで
ネットでこの作品の書評などを探して読んでみると、
ミステリーとして書かれてはいないが、晴子が息子にこのような
手紙を書いたのはなぜなのかという謎が明らかにされていく
おもしろさがあるといった指摘がありました。
それに加えて、私は、
>>584のような考えからこの作品を書いている
作者が読者に対して、「あなたはどうするのか?」という問いを
投げかけているように受け止め、緊張しながら楽しく読んでいます。
653 :
タク:02/11/04 20:53 ID:IvZ/VTo4
連休前に図書館で借りてきた本。
藤沢周平『早春』『「少年A」この子を産んで・・』
『別冊宝島ブルーハーツと日本のパンク』
藤沢周平は短編がこれしかなくて後は長編、市立図書館は寂しい品揃えです。
最近の作品でしたが、なかなか楽しめました。
お勧めのものをまた探してみます。
『少年A』は他スレで誘導されて読みました。
あまりにも平凡な両親が屈折したサディズムの子供を持ったことが要因と
思われます。更正は困難と思われますが、今の制度ではあと、10年以内に
社会復帰する予定です。
654 :
タク:02/11/04 21:01 ID:IvZ/VTo4
>651・652 戦前から面々と流れる保守の系譜と、財力の変換などが読み取ることができましたが
>作者が読者に対して、「あなたはどうするのか?」という問いを
投げかけているように受け止め
ここまでは、問題意識をもたずに純粋に小説として楽しんでしまいました。
もちろん、魚好きさんも楽しんでおられるのは分りますが・・
『晴子情歌』上巻
第一章 筒木坂(215ページまで)
第二章 土場
224ページまで
>>654 ええ、まあ、純粋に小説として楽しむのでもいいと思うのです。
ネットで作者自身がこの作品について語っているのを読んでも
「作者からのメッセージはない」という意味のことを言っているものもあります。
ただ、明らかに現状の日本社会に対する批判的な見方からこの作品を
書いている以上、読者に対して「これでいいのか?」という問いかけが
あってもおかしくないと思うし、例えば、上巻187ページの
>戦争を前にしてジャン・クリストフは行動することを選び、
>親友オリヴィエ・ジャンノンはどこまでも精神の明澄を求めて
>行動を否定し
(以下略、原文は旧字体)
といった部分で私の心のアンテナは反応してしまうのです。
(ロマン・ロランの『ジャン・クリストフ』を読んだことはありません。)
656 :
大人の名無しさん:02/11/05 19:14 ID:1zGcINhh
地獄変 芥川
657 :
タク:02/11/06 15:11 ID:8KygypUv
>655 ジャン・クリフトフの引用では私も引っかかりました。中学生で読んでいるのですが
悲しいかな全く残っていない。読み直したい本のリストに入ります。
こんなのばっかりで悲しくなります。学生の時に読んだものは殆ど読み直す必要ありです。
『少年A』この本自体は文章も稚拙で面白くないのですが、
中で触れていた『FBI心理分析官』を購入したまま読まずにいたのをフト思い出し
読み始めました。
『心臓を貫かれて』村上春樹訳、著者名が出てきません。ごめんなさい。
を読んだ時も感じたことですが、
自らの性衝動が全く社会に受け入れられないものだった場合、ということを
考えさせられます。
人口も少なくストレスの少ない田舎社会に暮らしていると
善と悪の二極的なものの見方や性善説に傾きがちですが、けっしてそうではないことを
思い知らされます。
『晴子情歌』上巻 第二章 土場
264ページまで
>>657 私も、さしあたり、『ジャン・クリストフ』と『アンナ・カレーニナ』を
読んでみたい気持ちになっていますが、その理由としては、まず第一に、
少女時代の晴子の心情をもっと理解したいということだったりします。(笑
659 :
タク:02/11/06 19:54 ID:oSUIpRp8
>658
ああ、『アンナ・カレーニナ』もそうですね。中・高校生に理解できる世界では
なかった。
『花はどこへ言った』でちょっと触れてしまった『静かなるドン』も
今年になって、3度目の挫折をして積んだままになってます。
刺激の強い血なまぐさいものはさて置いて、冬はじっくり長いものを読みたいです。
『晴子情歌』上巻 第二章 土場
298ページまで
「恋愛」が始まりそうな状況と雰囲気が徐々に現れてきました。
自分の生涯を克明に綴っている晴子の手紙の中に、初潮を迎えた日の
ことが書かれていてもおかしくない、むしろ、書かれているのが自然なように
思うのに、そのことが書かれていないのが多少引っ掛かっていたのですが、
やはり、「その日」の描写が出てきました。
そして、その日読んだ新聞には、昭和天皇と満州国皇帝溥儀が共に
観兵式に臨む写真が載っていたのでした。
661 :
195 ◆IyApGKf56Q :02/11/08 09:14 ID:DJUofCQG
第三 「匹夫モ志ヲ奪フ可カラズ」 の直前まで読了。
第二章がやっぱり面白くなかった。あまり気をいれて読んでない。
全巻読了してから改めて読んでもいいかな、と思った。
やっと第三章なので、もったいなくてまだ読んでない。
そのあと編物をしてたので他は全く読んでない。
『晴子情歌』上巻 第二章 土場
329ページまで
鰊漁に沸く浜の様子、晴子の初デート(?)など
描写がますます活き活きとしてきました。
身欠き鰊は小学生の頃はよく食べたものですが、
最近は食べる機会がほとんどなくなりました。
>>661 第二章を過ぎれば、後はかなり読みやすかったと思いますよ。
主なストーリーを中断して挿入される膨大な引用や回想は、
確かに、いきなり読んでも小説中の位置付けがすぐにはわからないような
ものもありますが、当然ながら、意味のない引用はないようです。
もう一度通読するという前提で、引用部分を飛ばして読むというのも、
あまりお勧めできませんが、ひとつの読み方かもしれません。
663 :
タク:02/11/08 20:10 ID:o63vCknX
長編をよもうかな、と思いつつ図書館で見つけた
澤田ふじ子『はぐれの刺客』を読み始めたらテンポが良く、読み終わるまで
眠れず、一気に読んでしまいました。
もう1冊『冬の刺客』があり、これは作者も修行していた西陣織りを背景に書いているので
楽しみに残しておいた方。
今夜も眠れない。
読書時間が限られているので、
「読むべきものをまず、先に」などと考えたりもするのですが
目に付いた面白そうなものを手当たり次第ダラダラ読む快楽も捨てがたい。
『晴子情歌』上巻 第二章 土場
354ページまで
『晴子情歌』上巻 第二章 土場
376ページまで(上巻読了)
40年ほど前の母親晴子の状況と現在の息子彰之の状況が
次第次第につながっていきます。
彰之の下半身を埋め尽くしたスケソウの感触を
女性の舌の感触に譬えるあたり、独特の表現です。
具体的な姿勢(?)を思い浮かべづらくもありますが。
『晴子情歌』下巻 第三章
41ページまで
地方の名家で奉公して目撃し、認識した、
政治理念と選挙運動が別物だということ。
これは、現状に対する作者の批判の表れであるのかどうか・・・
『晴子情歌』下巻 第三章 野辺地
87ページまで
かなり些細なことなんですが、初めて登場する人物の名前に
ふり仮名がふっていないのが気になります。
優という男の子は「ゆう」なのか「まさる」なのか、
巖は「いわお」なのか「げん」なのか・・・
『晴子情歌』下巻 第三章 野辺地
136ページまで
晴子の境遇に一大転換点が生じた・・・と思ったら、そうでもなかったりして。
祝言の晩の五目並べは(・∀・)イイ!と思いました。
そんなわけで、晴子の回想が、岩波新書『昭和史』で私が読んだ部分を
過ぎて進んでしまったので、『昭和史』を読み進めたりもしています。
今日は、第4節 日中戦争 の
2 日中戦争の開始
3 「国家総動員」
さらに、光文社文庫『神聖喜劇』第5巻(最終巻)も買ったのですが、
さしあたり、『晴子情歌』の方をまず最後まで読み、それから
『神聖喜劇』第5巻、さらに、『昭和史』の残りの部分と
少なくともここまでを年内に読み終えておきたいと思っています。
今、気になっていること。
果たして、高村薫は、『神聖喜劇』を読んでいるのだろうか?
669 :
大人の名無しさん:02/11/14 16:40 ID:WdB7mJpn
古本屋で買った片岡義男「ボビーに首ったけ」。
片岡氏独特の辺りの景色、人々の仕草を淡々の語っていく口調。そこには
過ぎ去りし夏の日の風が吹いている。若かりしあの日の一瞬の夏。。。そして
突然の悲しい結末・・・。
おまけに本に挟まってた栞が、原田知世の東芝のラジカセの宣伝だった。
ダブルカセットの小さいラジカセが5万近くもしたんだ・・・。
『晴子情歌』下巻 第三章 野辺地
160ページまで
太平洋戦争中、補給が途絶えてフィリピンの山中をさまよった兵士の回想。
日本に侵略されたアジア諸国の人々(およびその子や孫)にとって、
日本による侵略の歴史は、事実として知っていて当然のことであるに
違いない、などと、小説そのものとはまた別のことなども考えてしまいます。
>>669 >本に挟まってた栞が、原田知世の東芝のラジカセの宣伝
すいません。
そういう栞の挟まっている文庫を何冊か持っていたりします。
さらに、そのラジカセそのものも持っていたりしてしまいます。(汗
そういえば、これは、単なる偶然ですが、
その原田知世のラジカセのCMで主題歌と映像が使われていた
映画「天国にいちばん近い島」でも、舞台となったニューカレドニアで
亡くなった日本軍兵士に花を手向ける人が登場していたように思います。
672 :
石川梨華写真集:02/11/15 01:20 ID:8OeGNUrs
桐野夏生「ダーク」
シリーズモノだが、よく裏切ってくれる
673 :
石川梨華写真集:02/11/15 01:31 ID:8OeGNUrs
>>642 司馬作品も佐高も読みますが、基本的に司馬作品が好きです。
一発目は竜馬ですかねぇ。
674 :
大人の名無しさん:02/11/15 14:07 ID:+GP+MW4g
今、その原田知世の栞・・・確認してみました。
ラジカセの名前は東芝シュガー
「Wでリバース 知世のシュガー」
定価は47、800円でした。
彼女も俺のひとつ上・・・因みに今、彼女と似た名前の10年年下の女と
付き合ってる・・・。
『晴子情歌』下巻 第三章 野辺地
183ページまで
リアルでちょっと取り込んでいて、ペースダウンしています。
>>674 ちなみに、当時そのラジカセを買うと知世のウエストバッグが
ついてきたのです。(どこかにまだあるはず。)
676 :
タク:02/11/16 20:26 ID:MsIItmJv
図書館でまた澤田ふじ子を借りてしまった。
貧しい蔵書なのに、何故かこの人のは15冊くらい揃っている。
借りたのは『奇妙な刺客』『夜の腕』『夜の蛍』
『晴子情歌』下巻 第三章 野辺地
218ページまで(ここまでで第三章読了)
社会の変転と共に主人公達の状況も大きく変わっているのですが、
回想であるせいもあるからか、晴子は落ち着いています。
今日は、さらに、
岩波新書『昭和史』の 第4節 日中戦争 の
3 「国家総動員」 の中から
「言論統制の強化」という項を読みました。
決して昔話とは思えません。
それから、内容確認のために、講談社版世界名作全集『水滸伝』の中の
青面獣楊志の登場する部分(の一部)を読みました。
「悪い奴とはいえ人を殺してそのままにはできない」とすすんで自首したり
財宝を運ぶ任務中にだまされて酒を飲んで財宝を奪われたりという
この人物から私はすぐに『神聖喜劇』に登場するある人物を連想しました。
『晴子情歌』下巻 第四章 青い庭
243ページまで
晴子の夫の淳三が絵を描く時に使う油絵の具の色の名前が
たくさん書かれています。
どのような色彩なのかが大変気になりますが、こればかりは、
ネットで検索して画面上でわかったとしても、実際の色合いを
理解したことにはなりません。
679 :
タク:02/11/19 16:54 ID:YQamWnA8
>魚好きさん
日本と朝鮮の歴史については岩波新書『植民地朝鮮の日本人』高崎宗司著と
同じく岩波新書『日韓併合』(著者失念)の二冊です。
後は、ちょっと興味がないと辛いと思いますが
筑摩書房『柳宋悦全集』の中の『朝鮮の美術』『雑器の美』に関する部分に
李朝工芸の日本への影響に関するものが見られます。
柳宋悦自身が李朝美術への関心を経てから江戸時代の木喰上人という木仏へ移行して
います。
あとは、『李朝の美 仏画と梵鐘』明石書店 日本の各地に点在する李朝仏画が
わかります。
私自身も適当なテキストを探しているのですが、李朝の民画を見る機会があれば
これが、どんなに京都の日本画家伊藤若冲らに影響を与えているかがわかります。
あとは修行中の沖縄の染織ですが、絣にしても苧麻にしてもすべてもとをたどれば
朝鮮半島に行き着きます。
人びとが日々の暮らしの中で継承してきた美しい物をみると政治上の確執に囚われたくないと
つくづく感じます。
『晴子情歌』下巻 第四章 青い庭
268ページまで
淳三が描く「青い庭」の絵に使われている絵の具の色の名前や、
事細かに書き込まれる漁船上での作業の様子などを読んでいると、
作者は、言葉だけで伝えることのできるイメージの限界に挑んで
いるのだろうかとも思えてきます。
まず『晴子情歌』を最後まで読んでから他の本を読もうと思っていたのですが、
なんとなく岩波新書『昭和史』を読み進めておきたい気分になって
第4節 日中戦争 の 3 「国家総動員」 の中から
「抵抗組織の解体」という項を読みました。
印象に残ったのは以下の部分です。
> 戦争を批判するもの、積極的協力を誓わぬものには、容赦ない弾圧が
>くだされた。三七年七月、宮本百合子、窪川稲子らのプロレタリア文学の
>作家、山田盛太郎、平野義太郎ら講座派(『日本資本主義発達史講座』の
>中心であった人々)のマルクス主義学者など、合法的な著作活動だけを
>していた文化人が、いっせいに検挙された。(中略)
> さらに三八年に入ると、弾圧は労農派の学者におよび、同年二月大内兵衛、
>有沢広巳らの大学教授が検挙された。これと前後して、関西では反ファシズム
>運動の紹介につとめていた『世界文化』による新村猛らの少壮学徒も
>検挙された。(中略)この弾圧にさいして、司法省は「いまや民主主義
>自由主義の思想は共産主義発生の温床となる危険性が多分にある」と発表して、
>これらの思想まで公然と否認することを明らかにした。このときよりも前に、
>領土の拡大のみが国家の目的ではないと論じた東京帝大教授矢内原忠雄の
>「国家の理想(『中央公論』一九三七年九月号)は削除処分を受けたが、
>ついで彼は東大内の右翼教授の策動によって三七年十一月教壇を追われた。
682 :
タク:02/11/20 10:49 ID:drAnLS/l
>681 そうです。申し訳ございません。『日韓併合小史』でした。
確か60年代に書かれていて、中国などの位置付けも古いので廃刊になっているのだと
思いますが、地元の古書店には数冊ありました(笑
あと、これも古いのですが、『朝鮮戦争 米中対決の原形』中公新書、前書きにもあるとおり
参考にするべき資料がその当時の中国やソ連からのものがほとんど公にされていんくて
アメリカからのものしか入手できなかったと述べています。
戦後のアジア史はその時々でも中国の位置付けが違ってきているので
どういう立場か、中立でもどれだけの資料が入手できているかでずいぶん違うはずです。
どれも、眉唾で読むしかないので何をお勧めして良いのか不安もあります。
新書を多くあつかう古書店などでは、怪しいものも取り混ぜて、アジア関連が
いろいろありますので、ご自分の感覚でお選びいただくのが面白いかとも思います。
『晴子情歌』下巻 第四章 青い庭
309ページまで
彰之と同じ漁船に載っている男達の戦争体験や三池炭坑での
労働争議経験などが語られ、物語も残り少なくなってきました。
おそらく、このあたりは、作者が「こういうことがあった」と
いうことを書いておきたいと思っていることの中でも特に重要な
部分なのであろうと想像します。
ところで、『晴子情歌』で、作者が読者にこっそり提示したと
思われる、ちょっとした謎かけのようなものを一つ発見しました。
しかもそのことが偶然昨日私が書いたこのスレの書き込みと
関連しているかもしれないので、その偶然が愉快です。
★未読の方で、この本を読んで自分で発見したいと思う方は★
★以下を読まない方がいいかもしれません。★
エンゲルスの同じ著書のタイトルを彰之が下巻287ページでは
『空想より科学へ』と言い、すぐ続けて290ページでは
『空想から科学へ』と言っています。(「より」と「から」の違い)
これは、些細なことのようかもしれませんが、おそらく、作者は、
意識しないでこのタイトルを書いているのではないと思います。
この著書の文庫版の邦訳でよく知られているものには、
岩波書店の岩波文庫版『空想より科学へ』(大内兵衛・訳)と
大月書店の国民文庫版『空想から科学へ』(寺沢恒信・村田陽一訳)
の二つがあるようです。
で、ここから先は、私がずっと以前に何かで読むか聞くかした
うろおぼえのことなのですが(ネットの検索でも確認できませんでした)、
>>680の『昭和史』からの引用中の「労農派」と「講座派」、
この二つの派(およびその流れを汲む人達)がそれぞれ
「より」と「から」を(単に訳語の問題ではなく、「学習」などで
どちらの版を使うかといった点で)使い分けていたとかいう
区別があったとされていたように思うのです。
(もしかすると、とんでもない考え過ぎかもしれないので、その際はご容赦を。)
もちろん、
>>680で私が引用した眼目は、「合法活動だけをしていた人や
民主主義自由主義の思想まで弾圧された」ということであって、
労農派や講座派といった言葉まで引用したのは全くの偶然です。
>>682 タクさん
重ねての紹介をありがとうございます。
私も、以前は、あちこちに古本屋のあるようなあたりに住んでいて、
小さな店でも、意外にいい品揃えだったりして、今から振り返ると
あの頃にもっと本を読んでおけばよかったとも思ってしまいます。
全く関係ない話ですが、「眉唾」で思い出した私の読書経験を。
「眉唾」なんて言葉も知らない小学生の頃、『ガリバー旅行記』を読みました。
ある年代の人にはかなりポピュラーと思われる講談社の世界名作全集版です。
その中で、巨人の国でガリバーが見世物にされるエピソードがありました。
そして、巨人にしてみれば小人のガリバーを見て見物人の一人が
「眉に唾を付けた」という表現がありました。
私は、これがさっぱりわからなくて、そうするとどうなるんだろう
と思って、本を開いたまま、指を唾で濡らし、自分の眉毛に
塗ってみたりしましたが、結局、どうにも意味がわかりません。
まったく素直な子供だったものです。(笑
686 :
タク:02/11/20 12:17 ID:drAnLS/l
確かに労農派と講座派の問題だと思います。『空想より科学へ』の論争は私も聞いたことがあります。
での記憶の彼方でハッキリしない。同じように解釈の問題でいろいろあるようですが
誰かがこの会話の途中でよほど英訳で読んだ方が理解しやすい、といったことまでは
覚えていますが、それはしんどくて手がつけられなかった(笑
眉唾 確かにつけてもわからない・・
キツネやタヌキに騙されないおまじない、ですよね。
キツネやタヌキより複雑なものでも効果があるのかなぁ
岩波新書の『昭和史』はかなり気になるのですが、まだ読んでいません。
『晴子情歌』と合わせて読むのはなかなかの方法だと関心しています。
日朝ピョンヤン宣言が発表され、日本と北朝鮮の国交回復交渉が
一応再開されたのを機に、もっと日本と朝鮮の関係の歴史や
朝鮮の文化などに関する本を読んでみようと思っていたのですが、
ようやく、以下の3冊の本を買って、順次、読むことにしました。
それぞれの引用文は、カバー折り返しの言葉です。
今日は、それぞれの「はじめに」と「あとがき」を全部読み、
ところどころを拾い読みしてみました。
岩波新書『植民地朝鮮の日本人』(高崎宗司・著)
日本の植民地支配は、政治家・軍人によってのみ行われたわけで
>なく、名もない人々の「草の根の侵略」によって支えられてい
>た。一八七六年、日朝修好条規によって日本人が釜山に上陸し
>てから、一九四五年の敗戦で引揚げるまで、最大時七五万人い
>たといわれる在朝日本人七〇年の軌跡を描く。繰り返してはな
>らない歴史を検証する一冊。
2002年6月に発行されたばかりの新しい本です。
(つづく)
>>687のつづき
岩波新書『韓国併合』(海野福寿・著)
>江華島事件を口実に朝鮮の開国に成功した日本は、清国との角
>逐や欧米列強との利害調整をくり返しつつ、日清・日露戦争を
>へて、一九一〇年、韓国を「併合」する。それは同時に、朝鮮
>政府・人民の粘り強い抵抗を排除する過程であり、苛酷な弾圧
>の歴史でもあった。朝鮮植民地化の全過程を、最新の研究成果
>にもとづいて叙述する待望の通史。
1995年5月発行
中公新書『ハングルの世界』(金両基・著)
>東西の言語学者が認めているように、ハングルは世界でもっと
>も合理的な文字である。従って判りやすく覚えやすい。しかも
>この文字は東洋の陰陽五行思想を具象化したものなのである。
>だが一五世紀に創制されたハングルが、名実ともに国字の正位
>置についたのは、第二次大戦後のことであった。そのイバラの
>道を振返って、独特な構造を明らかにし、ハングル世代考を試
>みた本書は、単なる語学の入門書を超えて韓国文化の本質に迫る。
1984年10月初版発行
『晴子情歌』下巻 第四章 青い庭
332ページまで
明日には読み終えることができそうです。
今日は、さらに、
岩波新書『昭和史』の 第4節 日中戦争 の
4 近衛新体制 という章を読みました。
以下は、その中で、繰り返してはならないと特に感じた、
1939年8月、平沼内閣総辞職の頃の状況についての記述です。
> この声明(平沼内閣の声明)は、「複雑怪奇」という表現に
>端的に示されているように、日本の支配者が国際情勢にたいす
>る判断力を失い、自主的な外交政策をたてることができなくな
>っていたことを告白したものにほかならなかった。しかもこの
>事態になっても、三国同盟問題は、国民に知らされず、新聞は
>「対応策を再検討」と表現しただけであった。支配層は、日中
>戦争の見とおしについても、国際情勢の動向についても、方針
>をたてる能力を失っていた。それだけに国民が情勢を知り、論
>議することをおそれて報道と言論にきびしい統制を加えた。そ
>して国民に知らせず言わせずおしつけた結果は、支配者もまた
>見通しを失うことになったのである。
690 :
大人の名無しさん:02/11/22 18:18 ID:a8kOHk7y
『日韓共鳴二千年史』(株)明成社 編薯 名越二荒之助
ヨゼフ・ロゲンドルフ賞受賞
日韓の相互理解を深めたいという編集者による、両国のドラマ。
691 :
タク:02/11/22 21:45 ID:wlyGL6Pu
>690 お勧めありがとうございあます。
日韓の神話の共通な部分まで触れているようですね。
692 :
大人の名無しさん:02/11/22 23:40 ID:tw0yAF/z
スタインベック「怒りの葡萄」
アメリカの抒情作家だと思っていた。
とんでもない。凄すぎる。一気に読めた。
最後の一節。全ては、ここに収束する。余りに美しい。
「唇はとじられて神秘な微笑を浮かべた。」
『晴子情歌』下巻 第四章 青い庭
356ページまで
これで上下巻とも読了です。
なんとなくこのまま終わってしまうのだろうかと思っていたら、
今日読んだ部分で登場人物の身辺に新たな(ちょっとした?)
急展開があり、それがどう決着するのかというと・・・(自主規制)。
ま、全体を通して、楽しんで読むことはできましたが、やはり、
これは、遠大な大河小説の一部分ということなのでしょうか。
旧仮名遣いをはじめとして、小説中で言及されるさまざまな文学作品や
風俗・習慣等々、「こういうものがあったのだ」ということを
書き残しておきたい(?)作者の熱意のようなものは感じられました。
「蜻蛉(とんぼ)玉」というもの、辞書にも載っていませんでしたが、
ネットで検索して、どんなものなのか知ることができました。
これです。
http://www2.nsknet.or.jp/~gure/mono.html
光文社文庫版『神聖喜劇』(大西巨人)のつづき、第五巻を読み始めました。
今年の残りの読書計画
あと約5週間。
さしあたり『神聖喜劇』第五巻を10日ほどで読む。
それから『昭和史』の残りを4日ほどで読む。
後は『植民地朝鮮の日本人』『韓国併合』『ハングルの世界』を
各1週間程度でと・・・・・
こうやって、計画を立てると読めそうな気がしてきますが、
どうなることやら。(笑
695 :
タク:02/11/25 09:47 ID:5AqRPyo6
今朝出勤途中でドンボ玉体験¥800という、看板を横目で見ながら来たところでした。
工芸関係は簡単に体験できて、ハマルと奥が深いので、怖いです。(笑
>694 どれも、歴史的にはリンクしているので、羨ましい取り合わせです。
地理的にも時間的にもめちゃくちゃな取り合わせで読みかけのものが積みあがって
いるので、とても報告できません。年内中になんとかせねば・・・・
と言いながら、「怒りの葡萄」も読み直したくなってしまった。
『神聖喜劇』第五巻 第八部 永劫の章
第一 模擬死刑の午後
115ページまで
まさに推理小説仕立てで、奇怪な剣鞘すり替え事件の謎が
解き明かされ始めようとしています。
そして、そこに、登場人物の回想として挿入される
被差別部落出身者の幼時の不当な差別経験。
『神聖喜劇』第五巻 第八部 永劫の章
第一 模擬死刑の午後
166ページまで
以下の引用部分は、ちょうど、165ページから166ページにかけて
書かれていたもので、物事の本質は、それにどんな言葉が付けられて
いるかということではないという指摘であり、某スレでの議論との
偶然のシンクロが、またもやおもしろくてたまりません。
主人公が「第一次世界大戦後の『軍縮』風潮を反映するとみえ」る
旧『軍隊内務書』と「第二次世界大戦前の『軍拡』風潮を反映するとみえ」る
新『軍隊内務書』の両者の主要な異動・差異を比較・検討する場面です。
> 旧『内務書』(軍隊内務書)の「綱領」ならびに本文における「兵卒」
>という語は、新『内務書』において、ことごとく「兵」という語に改めら
>れた。その疑似民主主義的「改定」は、「ヤヌスの神」現代日本帝国主義・
>絶対主義・軍国主義の一面であって、たとえば「第二章『服従』」におけ
>る後述のごとき反民主主義的「改定(削除)」の一面と表裏一体を成して
>いた。私は、中野重治著『論議と小品』中の「社会的歴史的事実は、その
>ものとして抹殺されることはできない。女郎屋、監獄署、不浄役人、二等
>卒、帝国主義を、貸座敷業、刑務所、刑務官吏、二等兵、王道と呼び換へ
>ることで、事柄自身少しでも変るものではない。」〔『文学作品に出てく
>る歴史的呼び名について』〕という言葉に思い寄った。
698 :
195 ◆IyApGKf56Q :02/11/27 10:22 ID:jD7mk8Pn
『神聖喜劇』第五巻 先日購入。これでこころおきなく読めるのです。
昨日、寝る前に読んだもの
『マスターキートン』1〜3巻
学生に奨められてよんだ。
699 :
タク:02/11/27 10:45 ID:as5O0cSR
>698『マスターキートン』はいかがでしたか?
コレを見てお勧めしたいものを思い出しました。
書名はうろ覚え、自宅に戻ってから調べますが、
悪趣味の美学を追求しているジョン・ウォータスの伝記、たぶん自伝だったような
記憶があります。
検索しても出てこなかったので入手困難かもしれませんが、
おそらく、興味深く読んでいただけそうです。
恋風 2巻
ほのぼのすますた。
↑著者名だけでも教えてくだされ。
702 :
タク:02/11/27 19:37 ID:+Jh++SQh
『マスターキートン』から連想するのは顰蹙モノですが、
めちゃくちゃ楽しめました。
ジョン・ウォータース著『クラックポット』
サブタイトルは「カルト映画の巨匠ジョン・ウォータースの偏愛エッセイ」です。
徳間書店から、1991年出版です。
『神聖喜劇』第五巻 第八部 永劫の章
第一 模擬死刑の午後(244ページまで)
第二 模擬死刑の午後(続)
255ページまで
この本を最初に読んだ時には、さほど印象に残らなかったのに、
今回は、実に印象深く感じられる記述がいくつも出てきます。
「正義のための暴力の行使の是非」を考察するあたりも、そうです。
たとえ、それが真実、正義のためであっても、暴力を振るうことによって、
対象となる「悪」と同じ立場に堕してしまうものとの考察に
私は、大いに同意するものです。
704 :
大人の名無しさん:02/11/29 03:41 ID:C3oEcby+
これから読むけど
「残された人々」アレクサンダー・ケイ
「未来少年コナン」の原作。廃刊になってたのだが復刻版が出たので買いますた。
アニメ化前の復刻なので挿絵も素朴でいい感じです。
705 :
195 ◆IyApGKf56Q :02/11/29 12:31 ID:vYAYKT5I
寝る前に
『マスターキートン』4〜5巻
>>699 かなり面白い漫画でした。考古学や歴史の造詣の深さはすごいもんだと思います。
例えば、ヒトラーがジプシー大量虐殺した回なんぞは
当時話題になった阿部謹也の『ハーメルンの笛吹き男』(現在ちくま文庫所収)を、
ちゃーんと使ってるし、こりゃすごい漫画です。
漫画をばかにしていた東大新聞研の稲葉センセイの研究書よりずっといい!
読み取るコードがあればまったく学術書と変わらないレベルだと思います。
ただし、漫画を読み取るコードは読書でしか手に入らないのですが。
706 :
大人の名無しさん:02/11/29 12:32 ID:PhS+iiIU
『神聖喜劇』第五巻 第八部 永劫の章
第二 模擬死刑の午後(続)
第二 模擬死刑の午後(結)
305ページまで
以下に引用する部分は、実に名文だと私は思います。
新兵を騙し、脅して、死刑執行を行うまねをすることにより、その兵の
生命と精神をもてあそぶ上官の「人間の魂にたいする侮蔑凌辱」に対する場面です。
>……その「人間の魂にたいする侮蔑凌辱」を黙視していることは、つ
>いに私に耐えられなくなってしまった。私自身の臆病はさもあらばあ
>れ、私の精神は、仁多軍曹(たち)にたいする忿怒ならびに憎悪によ
>って、まったく飽和した。私自身における小心も臆病も恐怖も保身慾
>も分別らしさも、もはや私を抑制することはできなかった。私は、あ
>わただしく上衣のホック、第一および第二ボタンを掛け、広っぱの仁
>多軍曹ら向きに直立し、その途中で銃剣の帯革を締め、「不動ノ姿勢」
>を取り、「爼板の魚」となるべきことを観念して、絶叫した(私の開
>口寸前、生源寺が、私の剣鞘を握って下へ軽く二、三回引きながら、
>「東堂、東堂。」と気遣わしげに呼んだけれども、私は、強行した)。
>「止めて下さい。誰にも許されていません、そんなことをするのは。」
ちなみに、「人間の魂にたいする侮蔑凌辱」という言葉は、
ドストエフスキーの『白痴』に登場するムイシュキン公爵の言葉として
主人公が憶えていたものなのですが、今年の3月に私が『白痴』を
読んだ時点では、以前に一度『神聖喜劇』を読んでいた私でしたが、
そのような『神聖喜劇』とのつながりは、全く意識していませんでした。
もちろん、その場面(死刑を執行される直前の死刑囚についての描写)は、
非常に印象的なものではあったのですが。
709 :
タク:02/11/29 21:04 ID:b5FQBzu5
図書館に別のモノを探しに行き
児童書のコーナーで気になっていたアーシュラ・K・ル=グウィンの
ゲド戦記 全4巻を借りる。
魔法使いの修行中の傲慢さから死の影を呼び起こし、それと戦うといったストーリーですが
自分の力を過信し一切を支配下におこうとすることの戒めと反省をうながしています。
アメリカ人って自らの傲慢さを反省することって恒常的にしているんだけどねぇ
710 :
195 ◆IyApGKf56Q :02/11/30 13:02 ID:JYRKZElR
昨日寝る前『マスターキートン』7巻
クリスマスが近いのである。
毎年、クリスマスにはディケンズを読むことにしている。
毎年読むのである。読んだ後に映画を見るのである。
『3人のゴースト』でもいいが、やはり『クリスマスキャロル』である。
私はスクルージそっくりである。いつクリスマス過去・現在・未来の幽霊がくるか待っているのである。
私はディケンズの文章で既に泣いている。ただ泣くのではない。
慟哭しながら『クリスマスキャロル』を読むのである。
『神聖喜劇』第五巻 第八部 永劫の章
第三 模擬死刑の午後(結) (333ページまで)
第四 面天奈狂想曲
349ページまで
おそらく、全編を通じて最も感動的な場面が展開します。
このようなことは、現在の私達にとって、そうそうあることではないと思いますが、
それでも、やはり、ありうることに違いないと私は考えます。
『晴子情歌』に登場する文学作品その他のタイトル一覧
(読みながらメモしていったもの)をアップしようと思っているのですが、
なかなか実行できていません。
712 :
タク:02/11/30 23:01 ID:h0cSehTF
>711 文学板の大西巨人スレに最近いってます。
733という面白い人が来ています。まだでしたら、どうぞ。
『神聖喜劇』のホモソシャールとジェンダーについての疑問点を
時々シワダで書き込んでいますが、歯が立ちません。
『神聖喜劇』第五巻 第八部 永劫の章
第四 面天奈狂想曲
398ページまで
>>712 タクさん
はい、私は、このスレで『神聖喜劇』のことを話題にし始めた頃に
そちらのスレを見つけて、ずっとROMをしていました。
私がちょうどリアルで取り込んでいたり、この板の他スレで長文の
書き込みをしていた頃に、あちらでも長文の書き込みが急激に
増えたりした関係で、タクさんご指摘のあたりは、ほとんど目を
通さないままでいてしまいました。
先程、途中まで読みましたが、興味深い書き込みのようです。
(もともとあちらのスレの主要な書き込みについては、私は、
興味深く読ませてもらっていました。)
このことについては、きちんと通読してから、改めてレスします。
ところで、あちらのスレの過去ログで、このスレのことが
話題になったことがあったのは、もちろん、ご存知ですよね。
714 :
大人の名無しさん:02/12/01 18:47 ID:AvG9A1ok
桂米朝、「上方落語 桂米朝コレクション3」、ちくま文庫。
落語の台本集れす。新聞で「米朝会談」とか「米朝問題」とかいう
見出しを見かけると、一瞬ビクーリする。
715 :
ジムシー:02/12/01 22:16 ID:8iac+9fh
>>704 それ小学生のときに図書館で借りて読んだなぁ・・
アニメは良い出来だったけど(俺の子供たちも嵌った
それをイメージして読んだもんでえらい違和感があった気がする。
俺は「龍の仮面(ペルソナ)」を進めるぜ〜
作者は佐々木敏 アカシックレコードのあの人ね。
まじで面白かった。高いけど。
かなりブ厚いけど一日で読んじゃった。
「ゲノムの箱舟」も面白いのでお勧めである。
716 :
タク:02/12/02 11:29 ID:8pBfQHDt
>713 実は、巨人スレは全てを見ているわけではありません。
『神聖喜劇』のほかは短編集を一冊しか読んでいないし、情報量が圧倒的に少ないので
ついていけないことの方が多いです。
でも最初は『fishman』と言うコテハンは魚好きさんの別名かとおもいました(笑
アプローチの仕方が違うので、すぐ別人と納得できました。
ご指摘の部分は気づいていました。
文学板は議論が面白くなると巧妙な煽りが出現するので、やっかいです。
『神聖喜劇』第五巻 第八部 永劫の章
第四 面天奈狂想曲
446ページまで
>>716 タクさん
はい、私も、あちらの書き込みには、ついていけないと思う面もあります。
例えば、私は、文芸評論については、ほとんど無知なんですよね。
といっても、あちらでよく書き込みをされている人の中に
私がかなり好感を持っている人がいるのも事実です。
私があちらに書き込みをしていない理由のひとつとして、
自分の主観をいれずに、世間一般では大西巨人はどのように
評価されているのかを知りたくて、見守っている、ということもあります。
なんとなく言いかかったついでなので書いてしまいますが、
私としては、今、『神聖喜劇』について論評したり、あれこれ感想を
述べたりする際に最も重要なことは、著者が光文社文庫版の前書きで
書いていた(うろおぼえですが)「いやまさる今日的意義」ということを
どう理解するかということなのではないかと考えています。
つまり、世界と特に日本の現状に対して、『神聖喜劇』が特に
持っている意義がどこにあるのかという視点です。
718 :
タク:02/12/02 20:33 ID:Ka8gWaAr
ちょうど今、大西巨人スレをみてきたばかりです。
以前に魚好きさんが、『神聖喜劇』を読んだあとでは
少しだけ自分が変わっているという意味のことを書かれていて、
東堂の自分の行動を検証する姿勢に深く感動した後では、少なからず意識が
変化することは事実ですし私も同意しますが、
「皆がコレを読むと少し世の中が良くなる」
ということが一人歩きをすることは本意ではないとfishmanさんがスレから
距離を取る事を宣言していました。これは議論の余地もありますが、
現状で、必要とされる(欠落している)要素をくまなく著した影響力のある小説の
陥る落とし穴もあるのかとも考えさせられました。
ただ、この落とし穴にけっして落ちない、本質性を作者は表現しているのだとも
思います。
『神聖喜劇』第五巻 第八部 永劫の章
第四 面天奈狂想曲(478ページまで)
終曲 出発
495ページまで
これで、『神聖喜劇』全五巻を読了、約7年ぶりで2度目の
『神聖喜劇』通読でした。
はっきり言って、細部に関してまだまだ理解し切れていない部分も
多く残っているのですが、「こんなことまで書かれていたのだったか!」
と新たな収穫も非常に多かったです。
特に、「物事を徹底的に論理的に考えるとはどういうことなのか」
という面からの収穫が大きいと感じています。
細かい点で気になっていることとして、作中に残されたいくつかの「謎」、
これらについて、はたして作者は、解答を用意しているのだろうか?
ということがあります。
なんらかの合理的な説明が可能な「謎」なのか、それとも、それらは
(それらのいくつかは)合理的な説明のできない、いわば
「人間の深淵」とでも言うべきことに属するものなのか、ということです。
作者の大西巨人氏が今ウェブ上で執筆中という小説のタイトルが
『深淵』なのですが、このタイトルが上記の謎と関わりがあるのか
どうか・・・まあ、読んでみればわかることですね。(笑
(そこまでつながってはいないのだろうと思いつつ)
>>718 タクさん
私の決して十分ではない理解力をもって、誤解を恐れずに言わせてもらえば、
「皆がコレを読むと少し世の中が良くなる」という理解は、
『神聖喜劇』を読んで理解した者の考え方として、果たして
正しいのかどうか、疑問です。
この本は、確かに、有益で、得るものの(得ることが可能なものの)
非常に多い本ですが、そこから何事かを得られるかどうかは、
あくまで読む人しだいなのではないでしょうか。
もちろん、私も、この本を多くの人に薦めたいと思うし、
読む人が増えるのはいいことに違いないと考えますが、
それだけで世の中がよくなるものでもないのでは、と考えます。
(このことについては、後日、さらに書くかもしれません。)
ついでに、【「光文社文庫」版前書き】の全文を紹介しておきます。
>『神聖喜劇』の光文社刊四六判五巻本(元版)は、のち「文春文庫」に
>入り、さらにのち「ちくま文庫」に入った。しかし、現在、それらは、
>すべて絶版ないし長期品切れである。
> このたび『神聖喜劇』五巻本が「光文社文庫」に入ったのは、それが
>言わば「生家に帰った」ことであり、私として重畳(ちょうじょう)で
>ある。のみならず、その「このたび」が二〇〇二年(二十一世紀初頭)
>であることは、私として――『神聖喜劇』の弥増(いやま)さる今日的
>意義を確信する私として――至極(しごく)重畳でなければならない。
> なお、元版から当版に至るまでの間に、逐次、若干の修訂が行なわれ
>た。この文庫版を、私は、今日における決定版として、『神聖喜劇』に
>関する論評が今後この版について為されることを希望する。
>
>二〇〇二年盛夏
> 大西巨人
721 :
タク:02/12/04 10:32 ID:QV0mo5D9
>720 光文社文庫版の前書きの前文を、実は目にしてなくて、部分だけの言葉に
拘っていた事を、心苦しく思ったいたところです。ありがとうございます。
読む人の心に深く影響を落とす本であることは事実だし、あの分量にも関わらず
楽しめる小説です。ネット購入も考えるのですが、書店で買いたいと言う気持ちも
強く、上京した時の楽しみにしてます。それにつけても、この島では買えない、
図書館でも相互貸借システムを利用しないと手にできないのは寂しいことです。
722 :
タク:02/12/04 10:45 ID:QV0mo5D9
今朝読んだ『ゲド戦記』
「名づけの長」クレムカムレクが数限りない物の真の名を覚える修行をする弟子たちに
言い聞かせた言葉。
『それでもまだ学ぶべき名は次々と増えて、尽きることを知らん。いや、この世
が終わるまで尽きることはないじゃろう。
(中略)魔法をかけるには、太古の言葉で、その真の名を言わねばならん。それはエッサと言うがな。
ちょっとしたまじない師なら、誰でも、この程度の太古の言葉ならいくつかは知っておる。
一応の魔法使いなら知っておる言葉も多い。しかし、本当はもっともっとあるんじゃ。
長い年月を経る間になくなったものもある。密かに埋もれてしまたものもある。
(中略)だれも、そのすべてをしることはできんのじゃ。この言葉には果てというものがないんでな。
続く
723 :
タク:02/12/04 10:56 ID:QV0mo5D9
つづき
(中略)もしも、魔法使いの海の司か誰かが魔法をかけて世界中の海に嵐を呼ぼうとしたり
反対に世界中の海を静めようなどときちがいじみたことを考えたら、どうなると思う?
その海の司はイニーンと言う言葉だけでなく多島海全域のいや、各海域の、いやいや
もっとずうっと外の、これ以上名前がないというところまでも手をひろげて、
その中の海水のおよぶ全ての名をいわねばならんことになるんじゃ。と、なれば
わしらに与えられている、魔法をあやつる力というものにも、おのずと限度があることがわかるじゃろう。
そう、魔法使いの力にかなうものは、自分の身近なもの、つまり、全てを正確にあやまたずに、
真の名で言いうるものに限られるんじゃ。それでいいんじゃ。もしもそうでなくなってみい。
とうの昔に、よこしまな心を持った権力者か、頭だけは切れる愚か者が、変わりもしないものを
変えようと目論んで、宇宙の均衡を崩してしまっていたろうし、そうなれば均衡をうしなった
海は、わしらが今、何とかすまいしておる島々をきれいさっぱり飲み込んで、
今ごろは声という声、名という名はすべて、太古の静けさの中にけされてしまっていたろうからの。」
子ども向けだけにしておくのは惜しい内容です。この教えにも関わらず自分の力を
示したかったゲドはこの後、死者の国から影を呼び出してしまいました。
今後の展開が楽しみです。
724 :
20世紀の精神異常者 ◆8jdJPTePSE :02/12/04 12:38 ID:HjjnErF3
読書大好きです。
映画と、ボクシングを中心にしたスポーツ観戦も好きです。
沢山の本を読み散らかす癖があるので、読了した本のみ書いていきます。
よろしく。
山口瞳「血涙十番勝負」
昭和時代の棋士と、山口瞳が飛車落ちで指す十番勝負の自戦記。
たいして面白くなし。同じ自戦記なら団鬼六の方が遥かに味があるな。
725 :
タク:02/12/04 13:21 ID:zjV1uHQ8
>724 ようこそ。はじめまして。
>沢山の本を読み散らかす癖があるので、読了した本のみ書いていきます。
たくさんの本を読み散らかす癖は同じです。
読み始めて気に入ると、読み終わらないのに書き込んでいます。
ちょっと反省しました。
こちらこそよろしく。
726 :
20世紀の精神異常者 ◆8jdJPTePSE :02/12/04 14:13 ID:QJnfUloB
>>725ようこそ。はじめまして。
ありがとうございます。
>>たくさんの本を読み散らかす癖は同じです。
そういうことを言われると親近感が湧いてしまいます。
>>読み始めて気に入ると、読み終わらないのに書き込んでいます。ちょっと反省し
ました。
読み始めて、気に入ったら、反省なんかしないで、バリバリ書いて下さい。
オナガイします。
読みかけの岩波新書『昭和史』の続き
五 太平洋戦争 の中の
1 太平洋戦争の前夜
2 緒戦の勝利
3 戦争体制の危機
4 ポツダム宣言の受諾 の各章
特に歴史の教訓とすべきと思われる点をいくつか引用します。
まず、太平洋戦争開戦を目前にした日本の言論界の状況についての記述。
> 当時、新聞・ラジオは、A(米)B(英)C(中)D(蘭)包囲陣の
>強化と国防の危機を大々的に報じ、英米に対する敵愾心をあおっていた。
>「世界制覇を夢みる米国の野望」が憎悪をもって語られ、アメリカで港
>湾労働者のストライキがおこなわれたことが「国家に対する忠誠の念な
>し」と軽蔑をもって報じられた。自分で自分の高声に興奮し、そのあげ
>く日米関係好転の見込みなしとさじを投げ、日米戦わざるべからずとき
>めこんだのが、当年の言論界の動きであった。
さらに、開戦直後の言論取り締まり(戦争遂行のために都合の悪い
ことは一切報道させない)の結果生じた状況についての記述。
> 指導と取り締まりがすみずみにまでおよぶと、言論は当局の意向に迎
>合して示された方針をまもるのにもっぱらなため、内容は空虚なものと
>なった。こうしてよらしむべく知らしむべからずとした結果は、国民は
>考える意欲を失い、感ずることを口にするのをおそれ、そのため自発的
>な愛国心も、合理的判断も、自主的な活動もすべて封じさられた。した
>がってただお上の命令に従っておればよい、その裏で何をしようと、表
>向き戦争協力の形を示せばよい、そうした消極的態度に国民をおとしい
>れたのであった。
>20世紀の精神異常者さん
はじめまして。
私は、あまり時間にゆとりがないこともあって、どちらかと言うと
なるべくよい本をしっかり読み込みたいと願望しているのですが、
たくさんの本を読んでいるなんて、うらやましいです。
今後とも、報告をよろしくお願いします。
729 :
20世紀の精神異常者 ◆8jdJPTePSE :02/12/04 20:36 ID:TgOqg0xh
>>728なるべくよい本をしっかり読み込みたいと願望しているのですが
私もそう思っているんですけど、頭の程度に問題があるのと、やはり仕事の疲れでまともな本が
あまり読めません。一日中、本だけ読んでるような生活だしたいのですが。
>>今後とも、報告をよろしくお願いします。
クダラない本の報告ばかりでスレを汚してしまうかも。
この間まではイイ本読んでたんですけど、少し疲れが入って今・・・
730 :
タク:02/12/04 20:54 ID:MVjAZOmc
歳を取ると、残りの持ち時間も少ないし、やることは多いしであと何冊読めるのかなぁ
と考える一方、テレビよりも映画よりも、自分の脳内ファンタジーの方が面白いので
本の中が一番の気分転換でもあり、ミステリーなどテンポのあるものを
手にとってしまう気分になることがあります。
読んでおくべき本と、読み直したい本のリストはたまる一方です。
731 :
やれやれ:02/12/05 01:09 ID:y6tl9OlD
文が長いのに、全然内容が無い書き込みばっかりだな。
お前らが煽られるのは当然だよ>タク&魚(外基地?)
例えば
>>720なんて、要約すれば「この本は良いから読め」という
一言で済むのに、何であんなに内容の無い空虚な言葉で不必要に
飾り立ててるの? あの長文を読んでも、「この本は良いから読め」と
いう以上の情報は何も提示されていないと思うのだが。
スノビズムやペダントリィの袋小路だな。時間の無駄だった。
昨日で『マスターキートン』全18巻読了。
寝る前に読むと朝まで読んでしまうような漫画を久しぶりに読みますた。
さて、『神聖喜劇』に入ります。
>>731 『この本は良いから読め』ってのが伝わったからこそ、私は全五巻買っちまったのであります。
足立巻一の『やちまた』という上下巻の本があります。名著です。
呉智英がなぜこんな本を見つけたかというと、書評文にアナグラムまで施した
書評家の熱意を見つけ、『この本はそんなにすごい本なのだな?』といって購入したのが
きっかけだったとか。で、やはり、すごい本なのであります。
本居春庭の文法書をふすまの裏張りから発見するなど、すごい本なのです。
レヴィ=ストロースの『悲しき熱帯』が紀行文でありながら超一流の民族学研究書であるように、
『やちまた』は超一級の書誌学本なのです。
書評とはそういうものです。
注
本居春庭⇒本居宣長の息子。早くに失明。
塙保己一が盲目の中で『群書類従』を完成させた、それにたいする憧れと嫉妬もあり、
春庭は国学者宣長の子供として『詞八街』を著す。
リーマン板から来ましたが、こちらはすごいレベルが高いでちね!
いやー、2chって奥が深いんでちねぇ・・・しみじみ。
736 :
タク:02/12/05 14:45 ID:u/hhZvSf
>やれやれ
720の光文社文庫版の前書きの全文は、私が別の板でこの一部に関する議論に
首を突っ込んでいて、魚好き氏は私がこの全文を読んでいないので(ハードカバーで
読んだことを知っていて)その注意も含めて書き込んでくれたものです。
いきさつを知らない方は、不可解なことと思いますのでお詫びします。
やれやれの読んだ本の1冊でも書き込んでくれれば、また話は面白いのに。
『昭和史』
六 戦後の世界と日本 の中の
1 第二次大戦の結果
2 戦後の民主化 の各章
1946年、食糧事情の悪化から餓死者まで出るような惨状にいたっての
以下の記述は、感動的ですらあります。
> このような惨状の中から、国民はめざめはじめた。戦時中にすべての
>自主的な組織をつぶされ、盲目にされていた国民は、敗戦と同時に解放
>のため立ち上ることができなかった。ポツダム宣言の理想も、占領軍の
>「民主化」指令も、必ずしも立ち上る直接のきっかけとはならなかった。
>しかし敗戦の衝撃から立ちなおり、今まで隠されていた真実が次第に明
>るみに出て、自分たちはだまされてきたとわかってくるにつれ、そして
>支配者の無為のため飢餓の危機にさらされたとき、ながい圧政の下にお
>さえられてきた解放のエネルギーは一気に爆発した。
>>729 20世紀の精神異常者さん
私も、以前、ストレスの多い仕事をしていた頃は、おもしろおかしく
読めるものや、マンガなどばかり読んでいたこともあったものです。
肩肘張らずに楽しめる本の紹介なども有意義だと思いますよ。
>>731 やれやれさん
後半部分については、タクさんが書いていますが、
>>720の
前半部分は、過去ログを通して読むとわかるはずですが、
他板のスレでの書き込みを踏まえた私の考えを述べたものなので、
それ抜きに
>>720だけを読んでしまうと誤解が生じるかもしれません。
高村薫の『晴子情歌』に登場した(名前が書かれていたという程度のものを含む)
文学作品や作家、その他の作品や作者・表現者等の一覧を以下にアップします。
(作品名に付けるカギ括弧等は、基本的に省略しました。登場順・重複ありです。)
嵐が丘、「大気の動乱」、キャサリン・アーンショー、萬葉集の精神、
日本資本主義発達史講座、シューベルト『冬の旅』、白樺、青鞜、
早稲田文学、改造、中央公論、高瀬舟、ガートルード・スタイン、
ヴァージニア・ウルフ、T・S・エリオット、ジェームズ・ジョイス、
ダブリン市民、平塚らいてう、かぐや姫、『労働運動』新聞、大杉栄、
武者小路実篤、人類の意思に就て、小茂田青樹、緑雨、ルソー、夢、
ヴァレリー、棕櫚、海辺の墓地、浅草紅団、春琴、佐藤春夫、新潮、実篤、
人類の意思に就て、北村透谷、啄木、失楽園、嵐が丘、講談・東郷青児、
小林多喜二、横光利一、葛西善蔵、佐藤紅禄、鳴海要吉、和田山蘭、
佐野翠坡、今東光、羽仁もと子、太宰治、福士幸次郎、数学ジャーナル、
サルトル、資本論、コッホ曲線、南総里見八犬伝、シートン動物記、
夜ふかくものを思へば心の秀(ほ)刃のごとくとがり来しかな、
高畠華宵の絵、ジャン・クリストフ、ロマン・ロラン、ソシュール、
ロラン・バルト、マルクス、ロマン・ロラン、ドストエフスキー、ニーチェ、
超人、シューベルト、シューマン、ジャン・クリストフ、ヘッセ、
ガラス玉演戯、ジイド、コンゴ紀行、宝島、
戦争を前にしてジャン・クリストフは行動することを選び、大杉栄、三木清、
アンナ・カレーニナ、海ゆかば、三島由紀夫、美徳のよろめき、
カルチェ・ブレッソン、ユージン・スミス、カレーニナ、カレーニナ、
福士幸次郎、地方主義篇、浅草紅団、太陽族、アンナ・カレーニナ、
レー■(ヰに゛)ン、蟹工船、中江兆民、西田幾太郎、石橋湛山、岸田劉生、
アンナ・カレーニナ、福士の詩集、長塚節の短編集、シートン動物記、
北一輝、北村透谷、銭ゲバ(以上、上巻)
(以下、下巻)
どんぐり小僧、ラルキー、アムンゼン、スヴェン・ヘディンの探検記、
北越雪譜、田部重吉、有島武郎、或る女、みづゑ、コギト、キュビズム、
ヴァレリー、伊東静雄、河辺の歌、新潮文庫、伊東静雄詩集、浪漫派、
いしだあゆみ、放浪する半身、創元選書、伊東静雄詩集、
わが人に与ふる哀歌、ベータ崩壊、北村透谷詩集、北越雪譜、みづゑ、
ジャン・クリストフ、みづゑ、大岡昇平、レイテ戦記、藤田嗣治、エノケン、
ロッパ、徳富蘇峰、武者小路、セザンヌ、唐十郎、ATG、嵐が丘、菜根譚、
チルチル、ミチル、南総里見八犬伝、太宰、伊東静雄の詩集、向坂逸郎、
資本論、マルクス、谷川雁、藤圭子、東映ヤクザ、日活ポルノ、武田泰淳、
ひかりごけ、司馬遷、エンゲルス、空想より科学へ、大江健三郎、
文庫『空想から科学へ』、オイディプス、サロメ、サド公爵夫人、
オスカー・ワイルド、トロイメライ、観音経、
無尽意菩薩の偈文に釈尊が応えるくだり、
>>738-739 私の極私用BBSに転載しますた。
神聖喜劇でそれやりたいなぁ、でもまだ二巻だから無理だなぁ。
っていうか、読め!俺。
>>737 ありがとうございます。
ではさっそく・・・
「順送りの恋人」阿部牧郎
ポルノ小説な訳だが一、般のサラリーマン小説風の色合いが濃く、少し物足りない。
最近のAVビデオって感じより、昔ののんびりした日活ロマンポルノって感じ、
でしょうか・・・直接的な刺激はイマイチかな。
こんな小説カキコしてすみません。でも読み終わったので・・・w
『昭和史』
六 戦後の世界と日本 の中の
2 戦後の民主化
3 二つの世界と日本 の各章
これで、この本を読了。
この本に書かれている程度の知識は、義務教育の中で日本国民全員が
常識として身に付けておくべきだと強く思います。
巻末の文章から引用します。(この本の第1刷は1959年8月発行)
> 経済企画庁の『経済白書』(五六年)が「もはや戦後ではない」との
>べて以来、この言葉はしばしば用いられている。たしかに現在は戦争の
>後始末の時期とは、情勢がはなはだしく変っている。しかしこの言葉の
>流行が、戦争の歴史と戦争責任とを忘れさせる効果をもつとすれば、私
>たちはますます声を大にして、戦争の歴史を語らなければならない。
(中略)
> 私たちは戦前・戦中・戦後の歴史を通して、世界の、また日本の歴史が
>どの方向に進んでいるのか、この歴史の上に立って、日本国民がアジア
>の一員として、他のアジアおよび世界の諸国民にたいしいかに大きな責任
>と任務とをになっているかを知ることができる。戦争の歴史と戦争責任
>とを明らかにすることは、現在および将来にわたって、日本国民が平和
>と民主主義の歴史をつくりだす力の根源となるであろう。
このような本が存在して、そして、決して売れていないわけでは
ないようなのに、今のこの日本の状況は、いったいなんなのだろう
と思わずにはいられません。
>>740 195
「私の極私用BBS」って、なんのこと?
というのは、まあ、いいとして、『神聖喜劇』でこれをやって、
総解説を付したような本があると大変いいと私も思うのですが、
『神聖喜劇』の場合には、出典が明記されずに、主人公が
「・・・・・」という一節を思い起こしていた、といった表現も
少なくないので、相当な(少なくとも作者程度の)読書家でないと、
漏れなくまとめることは、かなり難しそうなのです。
もっとも、今の時代なら、ネットを利用して、少しでも元ネタが
ありそうな文章はすべて検索してみるということを繰り返せば、
ある程度はカバーできるかもしれませんね。
744 :
タク:02/12/06 20:55 ID:Aq3ftpFH
738-739 ごくろうさまでした。
>740 やはり言い出した方が適任だと思います(W
図書館でまたまた面白そうなのを借りてきてしまいました。
講談社 ハバート・P・ビックス著(米国人)『昭和天皇』上
2001年のピュリッツアー章を受賞してます。
昭和天皇の自伝ですが、天皇の戦争責任を追求しています。
著者の意識の中には、アメリカが国際法を蹂躙して行ったベトナム戦争で
数百万のベトナム人が死んだことに、
歴史的な責任をとっていないという思いがあるようです。
日本の読者へのメッセージから一部引用
『私が神秘につつまれた昭和天皇に焦点をあてたのは、
20世紀のそれぞれの時期における日本の政策を把握し、日本という国家全体の権力構造をさらに
良く理解するためである。さらに、民主主義的な変化が少数特権集団による権威と権力行使とを脅かすたびに
そうした変化を封じ込めるのに果してきた近代天皇制の役割についても私は検討を加えた。
このテーマの追求にあたって私は、日本社会を一つに結び、昭和天皇とその官僚の政策に
浸透していった政治的思考と道徳的信念とを議論の対象とした。つまり、国体、皇道、天皇親政、
そして精神的に優れ、神に加護された民族としての均質の比類なき日本といった観念に対してである。
こうした特徴が、天皇崇拝やさまざまな抑圧制度、言語習慣などとともに、無答責のエリートによる
戦時下の権力行使を正当化してきた。
これらの思想のあるものは1945年8月の敗戦後に復活し、敗北に至った戦争の本質を曖昧にするために
利用されていることは否定できない。したがって本書は敗戦国の元首が、間接的にせよ
著しい暴虐に加担したのに、処罰を免れ名誉と権威のある地位に留まることを許された場合
その国がどうなるかの研究でもある。』
>>687-688に書いたとおり、日朝平壌宣言の発表を機に、日朝関係の
歴史や朝鮮の文化に関する本を読もうと思い、今日から読み始めました。
まずは、岩波新書『植民地朝鮮の日本人』(高崎宗司 著)のうち、
1 釜山に上陸した日本人 朝鮮開港〜甲申政変 1876〜84
1876年2月の日朝修好条規締結とそれに基づく翌年の釜山開港に
始まる朝鮮半島への本格的な日本人上陸の歴史をたどったものです。
まず、注目すべきは、日朝修好条規がきわめて不平等なものであったこと。
日本史の上では、幕末の日本に対してアメリカなどが共用した不平等条約が、
アメリカなどの治外法権を認め、日本の関税自主権を認めなかったことで
知られていますが、日本は、朝鮮に対して、治外法権を認めさせることはもとより、
関税自主権どころか関税そのものを認めなかったのでした。
また、釜山開港の当初から日本の敗戦まで一貫して、朝鮮で「成功」したと
される日本人の多くは、表向きの職業はともかくとして、裏では
高利貸しを営み、没落した農民の土地を兼併して地主となった
人々だったとの指摘も。
>>744 タクさん
実におもしろそうな本ですね。
特に、
>均質の比類なき日本といった観念
というあたり、『論理的に考える方法』という本で著者の小野田博一氏による
「異なる価値観を持つ者から成り立つ社会であることを認めず、
議論をする習慣のない多くの日本人」といった指摘について、
日本人がそのような特色を持つにいたった要因としてどのような
ことがあるのかという観点からも興味深いです。
最後の
>敗戦国の元首が、間接的にせよ
>著しい暴虐に加担したのに、処罰を免れ名誉と権威のある地位に留まることを許された場合
>その国がどうなるかの研究
という表現は、直接ではないにしろ、そのようなことを許してしまった
日本国民の一員として耳の痛い指摘ですが、まったくそのとおりと
受け入れないわけにはいきません。
なにしろ日本は、第二次世界大戦のファシスト陣営の枢軸3か国の中で
唯一、最高責任者の戦争責任を実質的に不問にしたまま天寿を全うさせた上、
当時の国旗をいまだに使い続けている国なのですから。
747 :
大人の名無しさん:02/12/07 19:19 ID:obXvYtpM
で、PC設定はネットにつなげるとこのスレにしました。
1000いっちまったり、鯖が変わっちまったりしたら教えてください。
750 :
タク:02/12/08 12:04 ID:H2R0R0nU
>748 なんだか大変なことになってきましたが、楽しみにしております。
『昭和天皇』は第一章 「少年の家族と明治の遺産」というところを読んでいます。
「みちの宮」(昭和天皇の称号のちに「裕仁」)が1908年に学習院の初等科に7歳で入学、
このころは『明治天皇の超越的な徳を誇大に伝え、日露戦後の日本の現状を正当化し
天皇崇拝を強化するために教科書を書きかえていた』時期と重なる。
また『明治天皇は日露戦争の英雄である陸軍大将の乃木希典を第10代学習院長に任命し
皇族の教育に当らせた』
大正天皇の教育には伊藤博文や大山巌など、そうそうたるメンバーがいたが、
最終的な責任を誰が負うかということがはっきりしておらず、失敗だったことを
強く認識した乃木は、近代日本の軍隊が始めから天皇の軍隊であり、天皇に直接指揮される
ということを常に意識し、最高指揮官の特別な訓練を用意した。
また、祖先崇拝の念も性格が形成され始める以前から神道儀式の実践によって植え付けられた。
乃木が明治天皇の後を追って自害した後は、艦隊提督の東郷平八郎と海軍大佐小笠原長生が彼の
教育指導を引き継いだ。
昭和天皇が徹底的なイデオロギー教育の環境のもとで成長していることがわかる部分です。
『植民地朝鮮の日本人』
2 高まる殖民熱 甲申政変〜日清戦争 1884〜94
>>748-749 195
よそに書かない分、こちらでの書き込みが充実することを期待します。
752 :
大人の名無しさん:02/12/08 17:29 ID:cqu1MSnk
ここが駆け込み寺か?
ヘ タ レ 1 9 5 (藁
753 :
大人の名無しさん:02/12/08 17:38 ID:cqu1MSnk
おまい怖くてダンパに来れなかったんだよな。
その言い訳を2週間書き続けていたんだよな。
まったく恥ずかしくないのかよ、また逃げて。
つまり結局畢竟要するに絶対195はヘタレ。
実は頻繁には本を読まない私ですが、近頃読みかけの本があります。
ハヤカワ文庫でローレンス・ブロックという作者の短編集。
4年ぐらい前に買って、読まずに置いといた本なんですが、
なぜこの本を買ったかと申しますと、仕事上の関連の集まりがありまして、
普段は会わない古い知人・友人と会うことになり、
その場所で色々挨拶する時のネタに用意した訳です。
相手が「やあ、久しぶり、なんだか太ったんじゃないの?」とか訊いて来たら、
黙って懐に忍ばせたその本を見せたのです。
その短編集の題名は「おかしなことを聞くね」というのです。
755 :
大人の名無しさん:02/12/08 19:22 ID:cqu1MSnk
ここが駆け込み寺か?
ヘ タ レ 1 9 5 (藁
756 :
大人の名無しさん:02/12/08 20:12 ID:L0Yb6sRQ
おまいらごときの読書感想文を熱心に目をとおしてくれる人がイタ!!
・・・コテハンでも名無し同然な場だけれど、
今の私を実感できているであろうことは、それはそれで良かったな。
757 :
20世紀の精神異常者 ◆8jdJPTePSE :02/12/08 20:33 ID:qy6e47qD
>>「おかしなことを聞くね」
傑作です。
持ち歩かないで読み切りましょう。
758 :
タク:02/12/09 11:03 ID:RIvk5Bi+
>はい、お茶さん
ローレンス・ブロックは好きで長いものは何冊か読んでいますが、
短編集は知りませんでした。小道具に使うなんてなかなかですが、
それは、体型の変化を自覚されて用意したのでしょうか?
『植民地朝鮮の日本人』
3 戦争への協力と移民の奨励
日清戦争〜韓国保護国化 1894〜1905
(この章の途中まで)
この本では、数多くの資料・文献にあたりながら、釜山、元山、
仁川、漢城などの各地に居留した日本人の数とその職業別内訳などを
年代ごとに挙げ、具体的にどのような人たちが朝鮮でどんなことを
してきたのかを明らかにしています。
ここまでのところで特に重要と思われることは、朝鮮に渡った日本人の
主たる部分が、私腹を肥やすため、朝鮮の土地と人と物を食い物にする
目的を持ち、戦争にも便乗して、商業・貿易や農場経営、
あるいは質屋・金貸しなどを行っていたということです。
日本人によって大農場で綿花栽培が行われた結果、そこで元々農作物を
作っていた農民の生活に悪影響を及ぼすといったことも生じています。
>>754 お茶さん
>「おかしなことを聞くね」
(・∀・)イイ!
私も太ってみたくなりました。
あ、私「も」というのは、失礼でしたか・・・(汗
760 :
タク:02/12/09 20:19 ID:WqRWWdYZ
いやぁ、考えてみたんですが、「おかしなことを聞くね」のフレーズは
かなり広い範囲の回答に使えますよねぇ。
あまりはっきり答えたくない質問にはだいたい使える。
内容も読んでみたくなりました。
ネタに使っただけでなく、読んでもいますので、「おかしなことを聞くね」の書評
日本の様な漫画雑誌の世界が無い米国ですが、
その代わり、パルプマガジンの世界があります。
それもこの本の作者によれば、かつてあったという事らしいですが。
どうも私はSFとかミステリーの短編小説が好きでして、
見事なアイデアを軸に、余分な脂肪を削ぎ落とした(ゲホゲホ)良質の作品は、
一話一話読み終わるごとの爽快感があり良い物です。
フルコースディナーより小皿料理で何種類も食べるのが好きと言う訳でしょうか。
まだ18ある短編の4話しか読んでいませんが、
ちょっとブラック的要素のあるストーリーが特徴の様でした。
先にことわっておきますが、これはまったく他意はありません。
この本の最初の話は「食いついた魚」(ホントに偶然で、他意はありません!)
釣をしにきた主人公が偶然に知り合った男、同じポイントで釣をするも全然釣果は無し、
日も暮れてきてそろそろ引き上げようかと思った時男が話しかけてきます。
「ちょっと妙な事を訊いてもいいかい?」 「なんだい?」
「あんたは今までに人を殺した事があるかい?」
周囲に他に人がいない釣り場での男との会話、
その妙な話の中でだんだんと明らかにされていく男の過去の忌まわしい出来事。
ネタばらしちゃいけないので此処までですが、
そんな風にだんだんと緊張感あふれる世界に引き込まれていく、
最初のこの話で私はこの作者が気に入りました。
一話十数分ぐらいでしょうか、楽しいものです。
762 :
大人の名無しさん:02/12/09 21:56 ID:JPS1NHQB
題名は覚えていないが、奥さんが末期ガンで余命半年と言われた夫婦が
「新婚さんいらっしゃい」に出たという実話の本。
出るきっかけからオーディションの様子、本番でのやりとり、そして
奥さんが亡くなるまでが書かれていた。
立ち読みだったので、涙が出てくるのを抑えるのが大変だった。
763 :
タク:02/12/10 10:23 ID:RhwWqh73
>お茶さん
ミステリー嫌いじゃないので、というか本当はこれだけでも充分というほど
ミステリー好きなので、読みたくなりました。
ローレンスブロックの短編集、表紙のタイトルは何ですか?
>>763 どうも腑に落ちない質問だったんですが、自分なりに理解しました。
短編集の表紙のタイトルが「おかしなことを聞くね」なんです。
正確には「ローレンス・ブロック傑作集1・おかしなことを聞くね」で、
そのタイトル・作者・翻訳者えを45o角ぐらいでレイアウト。
オレンジ色の壁にソフト帽で煙草をふかす男のシルエットの写真となっています。
ですので本を開いて短編の題名を示したのでは無く、表紙だけを見せたのです。
また、体型を気にして用意と言うより、
長年会っていない人が、色々質問して来る時を狙ってのジョークに使っただけです。
と、これでいいですか?もう「おかしなこと」はありませんか?
ついでに、
私はミステリーと言っても、ハードボイルド探偵小説が好きで、
ハメット、チャンドラーの作品、
その系統を汲むネオ・ハードボイルドの作品を読みました。
ビル・プロンジーニ、ロバート・B・パーカー等
プロンジーニの名無しのオプシリーズは、
主人公の探偵が50歳ぐらいの独身中年、
ヘビースモーカーで肺がんの影に脅えるなんてところもあり、
パルプマガジンの蒐集が趣味。
だんだん私もその年齢に近くなり、どうも似たような状態になってきました。
あと作品数は少ないのですがジェイムズ・クラムリーの、
「さらば甘きくちづけ」「酔いどれの誇り」なんて作品。
題名からして、ウヒョヒョと感じてくる大好きな作品です。
765 :
タク:02/12/10 17:01 ID:mJenP2al
腑に落ちていただけたら安心です。
ミステリーでもマッチョ臭いのは、散々読んだあとすっかり忘れてます。
どうしようもなくだらしないのが面白い。病弱だったり、ゲイだったりが好きです。
そういえば、女性のマッチョもありますが、読んでいてテンポがよければ面白いけれど
やっぱり、読んだ後どれがどれだか分らなくなって忘れてますねぇ。
そういえば、今年はミステリー全然読んでなかった。
岩波新書『植民地朝鮮の日本人』(高崎宗司 著)
3 戦争への協力と移民の奨励
日清戦争〜韓国保護国化 1894〜1905
(後半部分)
1890年代に一山当てようと朝鮮に渡った浦尾という人は、卵の売買に
失敗した後、一獲千金の朝鮮人参買い入れに没頭しますが、それは、
朝鮮政府の許可が必要とされる売買を、偽造契約書をつくってめぼしい
人参畑を片っ端から採掘し、畑の視察には、右手にピストル、左手に刀を
握って行くというようなものでした。
この人は、99年に贋金作りを行い、5000円の出資で2万円近くを
得るはずが逮捕され、立ち退きを命じられていますが、帰国船には
同じような事件での同船者が他に13名いたとのことで、そのようなことを
していたのが決して一部の者ではなかったことを示しています。
(浦尾氏以外にも、暴力や不正によって私腹を肥やそうとした
例は実に数多くあります。)
今、1900年に遭難した船の韓国人を救助し、交流を深めた
福井県小浜市の人びとのことを描いた絵本『風の吹いてきた村』が
話題になっていると、今朝の新聞で知りました。
そのようなことがあったということは、もちろん、多くの人が知って
おいた方がよいことでしょうが、その一方で、同じ頃に朝鮮半島に
渡った日本人が何をしていたのかということを知っておくことも、
いっそう重要なことだと考えます。
>>764 お茶さん
ハメットというのは、ダシール・ハメットのことですよね。
そうですか、ハードボイルド小説の作家だったのですね。
私は、そちら方面はあまり読んだことがなくて、実は、『神聖喜劇』で
主人公が学生時代、葬儀の後の焼き場に持っていって「待ち時間」の間に
読んだ本がそのハメットの『赤い収穫』だったと思うのですが、
残念ながら(当然にも)私にはピンと来なかったのでした。
光文社文庫版の巻末解説者の一人がそのハメットの本を焼き場に持って
いったことについて、大変おもしろがっていたように思いますが、
なんとなくそのおもしろさの意味が少しだけわかりかけたように思います。
amazon.co.jpで探してみたら、ハヤカワ・ミステリ文庫の『コンチネンタル・
オプの事件簿』について、こんな書評を書いている人がいました。
(ちょっと長いのですが、なかなか興味をそそる書評なので引用します。)
(前略)
>のちに長編「赤い収穫」(黒澤映画「用心棒」の元ネタになった)へと
>発展した中篇「血の報酬」など、オプシリーズのなかから「初登場」「連作」
>「中篇連作」「異色短編」「オプ最後の事件」とバランスよく取り揃えてある。
>
>この連作集が書かれたのは、急激な工業化と発展によって未曾有の繁栄を
>現出すると同時に、広がる貧富の差から激烈な犯罪が発生しはじめた、
>禁酒法とギャングに象徴される1920年代である。全編に暴力と殺人、
>血まみれた一攫千金の夢が満ちあふれ、しかもそれらをきわめて乾いた
>描写で放り出してあるハメットの作品に代表され、のちに「ハードボイ
>ルド」と総称される小説群がこの時期のアメリカに生まれたのは偶然では
>ない。こう書いていけば誰もが思い出すのが作家の船戸与一の指摘だろう。
>
>「ハードボイルドとは、帝国主義下の文学である。」
>
>すなわち、急激な工業化と次々に到着する移民労働力のすさまじい搾取、
>そこから生じる人種の多様化と莫大な貧富の差をかかえた「高度工業化
>社会と内部植民地を同時にもつ地域」であるアメリカにこそ、この過酷な
>文学が発生する土壌があったというわけである。事実、ヨーロッパでは「ハ
>ードボイルド」ではない探偵小説やスパイ小説がのちのちまで主流であった。
(後略)
ところで、アメリカ社会の急速な資本主義的発展といった概念から、私がまず
思い出す小説は、O・ヘンリーの『車が待っている間に』や『マモンと弓の
使い手』だったりします。(いずれも今はなき旺文社文庫版の邦訳)
「ハードボイルドだど」
>>768 もちろんハメットと言えばダシール・ハメット。
「コンチネンタル・オプ」は、まさにパルプマガジンの時代の作品。
この作品へのオマージュが、プロンジーニの「名無しのオプ」シリーズ(新潮文庫・徳間文庫)
日本でも矢作俊彦がFMラジオドラマで「マンハッタン・オプ」なる作品があり、
光文社文庫でも出していました。(いずれも現在ブックオフでしか入手出来ないでしょうが)
主人公達は社会に対し改革しようなどといった行動は取らず、
クールにシニカルに社会を表現し、その歪みの中で起きる事件を、
派手な立ち回りもそれほど無く、丹念に歩き廻り、
次第に真実を明らかにしていくといったパターン。
金が欲しいからこの仕事をやっているが、主義に反する金は受け取らない。
ロバートミッチャム主演の映画「大いなる眠り」で、
最後に探偵マーロウが金で解決しようとする女性に見栄を切るシーンがあります。
ほぼ原作に忠実な映画ですので、これを御覧になればその雰囲気が判るかもしれません。
まあ「帝国主義下の文学」説、その小説を生み出した背景は別としても、
その乾いた文体、騎士道精神にも通じるストイックな主人公、
エリートではない大人の男性の理想たる振る舞い。
謎解き主流の推理小説とは違い、そこに魅力を感じる者に長年支持されて来た様です。
キャラクター重視のあまり、迷路に嵌り込んだ様な作家の作品もありますが、
やはり本道を守り受け継いで来ている作者は人気がある様です。
そうそう、「木枯し紋次郎」もハードボイルド小説と私は思っています。
771 :
タク:02/12/11 11:42 ID:KwaMas4J
「ハードボイルドは帝国主義化の文学」
なんと船戸与一的な大まかな表現だろうと苦笑します。
ただ、「次々に到着する移民労働力のすさまじい搾取、
そこから生じる人種の多様化と莫大な貧富の差」から連想するのは
少し前、ヒットしていた『不夜城』などの馳星周や大沢在昌の『新宿サメシリーズ』
特に馳星周の作品のすくいようの無い殺伐さは、移民で混沌としている大久保界隈
の風情を表現していて、まさに社会を反映していました。
往年のハードボイルドに登場する、ストイックなヒーローとは違った
しょうも無いやつらがヒーローになっているのも象徴的です。
『植民地朝鮮の日本人』
4 激増する在朝日本人
韓国保護国化〜韓国併合 1905〜10
5 植民地支配の先頭に立つ居留民
韓国併合〜三・一運動 1910〜19
朝鮮が開発から取り残された遅れた地域だという宣伝が日本国民に
対して行われたこともあり、日本人の多くは朝鮮人に対する強い差別感を
持っていました。朝鮮へ渡る人の多くは、一山当てようという人や、
日本で食い詰めた人だったわけですが、そのような中に、日朝連帯のために
朝鮮語の勉強をし、朝鮮で農作物の栽培・普及に務め、朝鮮人女性の
識字教育に携わった人もいました。しかし、そのような人に対して、
居留日本人の多くは、「朝鮮人の味方」として差別的な対応をしていたようです。
日本人による植林は、森林資源の収奪を目的としていたわけですが、
その中に例外的に、林業試験場で朝鮮唐松の育苗を試み、朝鮮の工芸を研究し、
試験場の朝鮮人同僚と別け隔てなく付き合い、今でもその墓が
朝鮮人後輩によって守られているという人もいたとのことです。
壬生義士伝 上下巻 浅田次郎
新撰組諸士取調役兼監察、撃剣師範、目付を歴任した吉村貫一郎の生涯。
南部藩藩校講師を務めるほどの文武両立した藩士で有ったが、出自が足軽で有った為
禄高も上がらぬ生活に不満を持ち脱藩。江戸にて新撰組入隊。
鳥羽伏見の敗戦後南部大阪屋敷に帰参するが脱藩者のため切腹。
その他の元隊士の生涯も書きつづっている本。
新撰組には、後世語られた人は多いが、日陰の吉村貫一郎を題材にした所は
面白味が有ったんでは、ないかと思う。事実この本を読むまでは、存在を
知らなかったので良かったと思う。
新撰組を題材にした本は、新撰組びいきな内容が多くこの本も多少その分に
入ってるのでは無いかと思う。時代物の割りには、現代的に読める書き方が
作者の工夫が良く出来ている様に感じた。他の隊士の生涯も書き綴って有り。
興味深く鑑賞出来た。何より第三者的な観点からの書き方なので、
新撰組マンセー!じみた本にならなかったのがさいわいだと思う。
誇張した本は読みツラァーだから。
774 :
大人の名無しさん:02/12/12 01:11 ID:FivFsMiz
須磨ソ、質問です。今年は忠臣蔵300周年だとか。某新聞で、仮名手本忠臣蔵を登場人物の
色恋を絡めて紹介していたものがありました。こういった観点から、手軽に読める忠臣蔵の
本があったあら紹介してください。
『植民地朝鮮の日本人』
6 「文化政治」の中で
三・一運動〜満州事変 1919〜31
7 「内鮮一体」の現実
満州事変〜敗戦 1931〜45
>>774 時代物は私の苦手分野で、紹介できなくて申し訳ないです。
「鬼平犯科長(1)」池波正太郎
司馬遥太郎が男の志を描く作家なら、池波正太郎は、日常の些事を愛する作家ですね。
池波文学の中では、高邁な志より、豊満な女体や、旨い酒、肴に、作者の愛情が溢れます。
手錬の文体は、叙情性に富み、ああ、江戸って美しい都市だったんだろうなと、
不思議な郷愁にも似た思いを抱かせます。
>>年末のお楽しみ、「このミステリーが凄い、2003」が出ました。
この本が出ると、年の暮れ。年末年始はどれを読もうかな・・・
ハードボイルドで最近のお気に入りは、ランズデール、とフロストシリーズでしょうか。
『植民地朝鮮の日本人』
7 「内鮮一体」の現実 満州事変〜敗戦 1931〜45
8 敗戦と引揚 1945〜48
「おわりに」
この本を読了。
総じて、政府による宣伝もあって、朝鮮(の人)を遅れた地域・人種と
固定的にみなし、ひどい差別的な待遇をする日本人がほとんどで
あったわけです(具体例は非常にたくさん述べられています)。
そして、そんな中に、いくぶんましな日本人もいたわけですが、
そのような人にしても、教育を施すとか、いくらかましな対応を
するといった例がほとんどで、そこには結局、上下関係というか、
多かれ少なかれ目下に対するような姿勢があったようです。
そうではなくて、本当に対等な関係で共に何かをするといったことは、本当に
例外中の例外であったわけですが、全然ないわけではありません(例えば浅川巧)。
思うに、現在の日朝国交正常化交渉をめぐるさまざまなことがらについても、
なにかこう、相手を施しの対象とでも見るような日本側(政府だけでなく
国民一般も)の姿勢というのは、あまり変わっていないとしか思えません。
(『風が吹いてきた村』も、そのような面を描いている絵本なのでは)
過去の歴史を知ることがなければ、反省もしないし
見方も改めないというのは、無理のないことではあります。
それにしても、同じ朝鮮半島での生活を経験していても、
エリート層と庶民との間に全く理解の隔たりがあるのもすごいものです。
朝鮮で暮らした大地主の娘は、当時を振り返って「朝鮮では雑穀の主食化が
普通で、朝鮮人はむしろ米食よりこの方を好む」(日本人によって取り上げられて
米を口にすることができなくなったのが実情)と書き「日本は朝鮮に対して
大いに搾取政治を行ったように記す、実情を少しも知らぬ机上学説のおそろしさ」
などとも書いていますが、朝鮮の庶民とも多少とも付き合いのあった
在朝日本人庶民の子供は、たまに家に遊びに来た朝鮮人の子供に白米の
おにぎりを出したところ、その子が走って家に帰り兄弟たちと分け合って
食べていたといったことを実際に見たりもしているのです。
778 :
大人の名無しさん:02/12/13 20:48 ID:EyU0k8Wl
>776
×司馬遥太郎
○司馬遼太郎
気になったもんで。。
779 :
:02/12/13 22:24 ID:kuRL57bF
黒焦げ美人:岩井志麻子
結構熱中して読んだ。
岩波新書『韓国併合』(海野福寿・著)
第一章 朝鮮の開国
一 外交慣例をめぐる紛糾
二 江華島事件――軍事力による開国強要
おおよそどんな本かということは、
>>688に書いてあるとおりです。
>>778 あっ、どうも。間違ってたら、今後もよろしく。
「7」瀬川ことび
伝奇小説な訳ですが、薀蓄部分も卑小で、親子関係のトラウマも掘り下げ不足。
3流の出来。でも瀬川ことびは、私の、見ずテンで買い、の作家なのです。その訳は・・・
瀬川ことび、との幸福な出会い。
その日、私は仙台に出かけていました。所用が済み、帰りの新幹線を待つ間、私は駅構内
の書店にいました。帰りの車中で読む本がなかったのです。
本好きのみなさんなら分ってくれると思いますが、活字中毒患者にとって、そんな
事態は我慢出来るものではありません。活字なら週刊誌でも月刊誌でも良い、という
訳には行かないのです。本、でなければ承知できない!
でもあまり本格的なモノでなくても良い。
軽い読み物で、かつ面白い。まぁそうそうあるわけないのですが、それでも
トレジャーハンターが、宝物を探すのを止めないように、本好き人間も、面白本を
探すのを止めないのです。
そして見つけた薄い文庫本「夏合宿」瀬川ことび。
瞬間、もうひらめきましたね。長年の直感が。コレハイケル。
帰りの車中はじつに幸福な時間を過ごせました。
夏の、数時間の、車中、を、お気楽に、という状況にはピッタリの本でした。
その後「お葬式」「厄落とし」の2冊もお気楽に楽しむ、という点では、とても
よろしい本でした・・・
「百鬼園随筆集」内田百
内田百閧ェ近年見直されているようだが、この随筆集を読むとその訳はよくわかる。
何気ない日常が、いつの間にか、幻想的な迷宮に彷徨いこんだごとく、不思議な
不安感と、寂寥に満ちた世界へと変貌する。
まさに奇妙な味、と言うべきで、現代の感覚にすこぶる合っているのである。
明らかに強迫性障害と見られる箇所もあり、天才はやはり狂気と紙一重である。
人間に元々内在する狂気を、凡人にもわかる言葉に翻訳出来るのが、
天才ということなのかもしれない。
今の時代に産まれていたら、もっと評価は高かったろうにな、と思う。
優れた随筆は、短編小説のような読後感を残すモノであるが、この一冊もそうであった。
783 :
195 ◆IyApGKf56Q :02/12/15 15:04 ID:Si9UTm97
『韓国併合』
第1章 朝鮮の開国
三 砲艦外交――「修好条規」の締結
四 解釈をめぐる対立
第2章 「軍乱」とクーデター
一 不平等条約体制の成立
>>783 で、どうですか。
『「神聖喜劇」引用文献総目録』なんてものは、できそうですか?(笑
785 :
タク:02/12/16 09:18 ID:tdpd0xPl
>783&>784
あ、そうか。勝手に『「神聖喜劇」引用文献総目録』ができあがるまで195氏は2ch
を休むのかと思い込んでました。スミマセン。
でも『目録』ワクワクするなぁ。
786 :
195 ◆IyApGKf56Q :02/12/16 14:13 ID:smIRttLx
じゃ、また、引用文献一覧を作成するために2ちゃん休業いたします。
今度はホントに研究者的作業なのです。
ほら、また酔った勢いでこんなこと書き込んじまった。
菅茶山『黄葉夕陽村舎詩』は和本で持ってるので、後ほど画像UPいたしましょう。
本当は『南総里見八犬伝』をあらためて読み直そうと思ったんだが・・・。
788 :
タク:02/12/16 16:08 ID:ZWVMq8gY
>786.787
酔った勢いて、まだ陽は高いのに・・
ああ、そちらはそろそろですね。飲兵衛の島ですが6時過ぎるまでは太陽があるので
仕事をしている振りをしています。
もちろん、『南総里見八犬伝』の後で結構です。
『韓国併合』
第2章 「軍乱」とクーデター
二 壬午軍乱――清国の影響力が強まる
三 甲申政変――内政干渉のクーデター
四 宗属関係の変質と朝鮮の抵抗
さらに、今日は、クリスマスが近いのでクイズスレでクリスマスに
ちなんだ問題を出してみようかと考え、確認のために
O・ヘンリーの『賢者たちの贈り物』(旺文社文庫版)を読みました。
(他の版では『賢者の贈り物』)
ストーリーは、たいていの人が知っているだろうと思いますし、
知らない人がこれから読む際の感動を損なわないよう、ここには書きませんが、
あのラストを改めて読んで、涙があふれてしまいました。
まだ読んでいない人には今の時期にお勧めの短編です。
私は、太田裕美の「最後の一葉」(O・ヘンリーの同題の短編を
原案とする歌)をきっかけに、旺文社文庫の『O・ヘンリー短編集』
(大久保博:訳)を中学生時代に愛読したのですが、今、いくつかの
短編を拾い読みしてみても、感動が一入(ひとしお)です。
今、読んでみると、ニューマニスティックな面での感動ももちろん
大きいのですが、アメリカ社会の資本主義的発展に伴う貧富の格差の
拡大に対する批判的な視点が感じられるのです。
(念のため、旺文社文庫は、今はもうありません。)
>>786 >じゃ、また、引用文献一覧を作成するために2ちゃん休業いたします。
すごいですね。
それ、本当に、徹底的にやったら、ウェブサイトのひとつ分
くらいにはなるだろうし、出版されたものとしては、
まだ誰もやってないんじゃないかと思いますよ。
ま、『南総里見八犬伝』の報告もおもしろそうですが。
『賢者たちの贈り物』について、もう少し。
旺文社文庫の解説(大久保博)によると、この小説は、
1905年の新聞のクリスマス号の一番の呼び物として、
第一面にカラーの挿し絵付きで掲載されたのだそうです。
当時は、もちろん、映画もテレビもないし、ラジオも高嶺の花、
庶民の娯楽といえば、新聞や雑誌の読み物が中心という時代だった
わけですが、こんな小説をクリスマス号の記事として楽しむことが
できた人たちは、大変幸せだったに違いないと思います。
792 :
タク:02/12/16 21:05 ID:oCEpMK6s
『賢者の贈り物』は、小学生の時に絵本のバージョンで読んでしまいました。
でもこれは、大人になってから読むほうがしっくり来ると思います。
クリスマスには読み直そう。
793 :
大人の名無しさん:02/12/16 23:25 ID:c3wb5YJG
『賢者の贈り物』は、小学校時代に私も絵本か何かで読み、高校時代に、やさしく
書き直された原書で読み、大人になってからも何回か読みました。タクさんが
書かれている通り、大人になってから読むと、しっくり来るし、深いものがあるように
思います。
794 :
タク:02/12/17 10:47 ID:1CQhMoK+
クリスマスにお勧めしたい一冊を考え始めたら、まず頭に浮かんだのが
レイモンド・カーヴァーの『ささやかだけど役に立つこと』村上春樹訳
読み返してみたら、全くクリスマスらしくない悲惨な物語。
8歳の誕生日に大きなトラブルにあった男の子とその両親の悲しみについて
描かれている。
でも、身動きできないような悲しさの最中にも、なんとか自分を立て直す
何かがあるということも感じられるので、今年はこれをやはりクリスマスのお勧めにする。
あと、これほど焼きたてのパンの暖かさを表現した物語もそう無いと思います。
795 :
オバコ:02/12/17 13:36 ID:vLcoCrOv
『韓国併合』
第3章 日清戦争前後
一 東学と甲午農民戦争
二 日清開戦への道
三 日清講和条約と王妃殺害事件
四 開化派のたどった運命
五 大韓帝国の成立と中立化構想の挫折
797 :
大人の名無しさん:02/12/17 23:01 ID:FTGmr8+I
『韓国併合』
第4章 日露戦争下の韓国侵略
一 日韓議定書の締結
二 植民地経営のマスタープラン
この本を読むのは、まともに歴史のお勉強なのです。
>>797 どうもありがとう。
799 :
195 ◆IyApGKf56Q :02/12/19 11:23 ID:WkUMzwTS
高島俊男『中国の大盗賊』
いい本ですよ。盗賊の種類を平易な言葉で面白おかしく解説する。
最終章は『毛沢東』
国民党との争いのなか井岡山にこもるあたりから、著者の面目躍如たる名文が続く。
『水滸伝』の盗賊と全く変らん。
高島俊男の著作は面白い名著ばかりだが、他人に読め!とは絶対に奨めない。
私だけのモノにしておきたい人間の一人である。
『韓国併合』
第4章 日露戦争下の韓国侵略
三 列強の合意をとりつける東学と甲午農民戦争
第5章 保護国化をめぐる葛藤
一 外交権を奪う――第二次日韓協約
二 皇帝の孤独なたたかい
当時の韓国の外交権を奪った第二次日韓協約は、銃剣で威嚇する
日本兵に囲まれた中で、韓国政府閣僚が特派大使の伊藤博文による
恫喝と脅迫を受けて、強引に成立させられたものでした。
私は、テロも含めて、政治・経済・社会の問題で武力や軍事力に
訴えることは誤っていると考えていますが、第二次日韓協約の
具体的な成立過程とそれに対する韓国の人々の憤りを知ると、
後に伊藤博文が安重根に暗殺されたのも無理のないことと思えてきます。
また、伊藤博文の肖像を使った千円札を使っていたことも、
非常に無神経なこと、歴史認識を欠いたことだったのではないかと思います。
さらに、『O・ヘンリー短編集』と一緒に段ボール箱から出てきた
新潮文庫『伽や子のために』(李恢成・著、「や」は人偏に「耶」)を
ところどころ拾い読み。
在日朝鮮人をめぐるさまざまな矛盾・葛藤の中を生きる若者の
哀切な恋愛を描いた小説で、17年ほど前に小栗康平の監督で
映画になった頃に一晩で読み通したことがありました。
当時は、時代背景などについては、ほとんど無知でしたが、
今読むと、受け取り方もかなり違ってくるのかもしれません。
801 :
タク:02/12/20 10:35 ID:njETUK5X
>800 日本にとって歴史的な必然性(西洋の列強に対抗するため)があったとは言え
朝鮮半島にしてきた政策を見ると、日本に対する国民感情は当然のものがありますよね。
『韓国併合』
第5章 保護国化をめぐる葛藤
三 植民地権力の成立――内政権をも掌握する
四 高揚する義兵闘争
>>801 タクさん
教わる先生にもよるのかもしれませんが、伊藤博文については、
私くらいの年代の中学の歴史程度の理解では、初代の内閣総理大臣で
千円札の肖像にもなっている偉い人で、それを暗殺したのは
なんだかよくわからないけれど悪い奴のように思いがちでしたが、
事実を知ってみれば、安重根が韓国で英雄視すらされていると
いうのも、納得できるほどです。
803 :
大人の名無しさん:02/12/20 19:40 ID:ipA6caOZ
第6章 韓国併合への道
一 保護か併合か――伊藤博文の「改宗」
二 併合の条件づくりがすすむ
三 「韓国併合条約」の論理
これで、この本を読了。
1910年「韓国併合条約」調印。
「日韓併合」は、双方の合意に基づき(もしくは、韓国側が進んで)
行われたから、合法的なものである(さらに、その後の植民地支配にも
問題はない)とする論があるようですが、日本は、韓国の軍隊を解散させ、
反対も抵抗も事実上不可能な状態にしておいて、韓国皇帝に対し
「自ら進んでその統治権を我が天皇陛下に譲与」せよと要求したのでした。
驚くべきことは、当時、植民地化に批判的であった日本人ですら、
「未開の人民」として朝鮮人を蔑視し、併合を是認していたということです。
石川啄木の「地図の上朝鮮国にくろぐろと墨をぬりつつ秋風を聴く」についても、
著者は、「地図の上から抹消された亡国への憐憫と同情をこえるものが
どれほどあったであろうか」と批判的です。
この本の最後に著者は、次のように述べています。(この本の発効は95年)
「今日求められている日朝国交正常化問題にしても、補償問題にしても、
戦後処理の正しい解決をするためには、正しい歴史認識をもたなければならない。
いいかえれば、誤った歴史認識からは誤った解答しかえられないのである。
消し去ることのできない過去の「清算」はむずかしい。しかし、
それができるとすれば、まず、日本と朝鮮との関係史を直視し、正しい
歴史認識にもとづいた意識の「清算」から始めねばならない、と切に思う。」
>>694に書いた予定では、さらに、この後、中公新書の
『ハングルの世界』を読むことにしていたのですが、
ノンフィクションが続いたのと、なんとなくブックオフで
100円の文庫本を買ったので、ここでディケンズの
『クリスマス・カロル』(新潮文庫版)を読んでみることにしました。
機知に富んだ表現が多く、楽しんで読めそうです。
806 :
195 ◆IyApGKf56Q :02/12/21 21:48 ID:T6MsQFEE
あわせてクリスマスキャロルを読もうと思ったが見つからない。どこにいったか?
去年は居間で読んだのでそのままなのかもしれない。
集英社の『カラマゾフ』が見つけられないので、岩波の『カラマゾフ』でお茶を濁す。
まだ読んでない。
ニコライ・オストロフスキーの『鋼鉄はいかに鍛えられたか』
これを知ったのは大藪春彦の紹介。大藪はすべて読んだ。
上記とあわせてあらためて『野獣死すべし』を読むこと、カラマゾフを読破する事。
来年の目標である。
新潮文庫『クリスマス・カロル』
(チャールズ・ディケンズ著、村岡花子訳)
第1章
主人公のスクルージは、こういうことを言う人です。
「おれの思う通りになるんだったら、クリスマスおめでとうなんて
寝言を並べるのろまどもは、そいつらの家でこしらえてるブディングの
中へ一緒に煮込んで、心臓にひいらぎの枝をぶっとおして、
地面の中へ埋めちまいたいよ。ぜひともそうしてやりたいよ」
AA板で探してみましたが、この様子のAAは見つかりませんでした。
>>806 私の方は、24日の晩か25日の早朝に読み終わるくらいのペースで
読むつもりなので、まだ十分間に合いますよ。
『クリスマスキャロル』
『キリスト教の歴史』
聖書を読んだのはずいぶん昔になるが、パリサイ人とサドカイ人ってのを
ずいぶんわかりやすく説明してくれている。
キリストの誕生日が12月25日じゃないこともはじめて知った。
『クリスマス・カロル』
第2章と第3章の途中まで。
クリスマスのお祝いにプディングを作って食べる描写が出てきます。
私が最初にプディングというものの存在を知ったのは、
『鏡の国のアリス』を読んででしたが、その時には、
どんなものなのか全然わかりませんでした。
挿し絵から「ゼリエース」のようなものなのかとも想像しました。
チャプリンの映画『独裁者』に出てきた、中からコインなどが
出てきたら「当たり」にするお菓子、あれがプディングでしたよね。
811 :
大人の名無しさん:02/12/23 22:41 ID:IeEbERMA
「あなたと読む 恋の歌百首」俵万智編 朝日新聞社
クリスマスカードに格好つけて歌でも載せようと思い、読み返してみました。
改めて恋愛の奥深さを思いました。
812 :
オバコ:02/12/24 15:07 ID:kFYGhLku
>810 クリスマスのプディングは粉を入れて焼く、どっしりしたヤツですよね。
あれはおいしい。
>804 読んでいた『昭和天皇』には、欧米列強の黄色人蔑視に対抗するために、神の国の
選ばれた人々という概念の定着がが日本には必要だったことが述べられています。
これが「皇道」の思想へとつながっていったようです。
この考えの裏返しが、周辺諸国への蔑視になったのでしょうね。
悲しいことに図書館で借りていたため、期限切れで一旦返却になってしまい、
年内に読み終わることができそうにありません。残念。
『クリスマス・カロル』
いきなり読了です。
夕べ、BS2の映画『クリスマス・キャロル』を見て、
今朝、一気に最後まで読んでしまいました。
感動的なお話だと思うし、もちろん、クリスマスの時期に読むに
ふさわしいものだとも思いますが、その一方で、当時とは違い、
今は、あらゆる人が守銭奴のスクルージのように振舞うことを
強制されているようにも感じます。
で、スクルージのように改心することが本当に可能なのは、
スクルージのように裕福な人だけなのではないのかとも。
>>812 そもそも、隣国に対し、「侵略してやって当然」とか、
「つぶしてやらなきゃならない」といった考え方は、
まともな神経を持っていたら、とても出てこないし、
賛同できるものではないはずです。
中公新書『ハングルの世界』(金両基・著)
第1章 ハングルの楽しい学び方
1 ハングルの原理
2 文法不要論
私は、これまでにハングルを学んだりしたことは全くなく、
「世界でもっとも合理的な文字」とされていることも知らずにいました。
なるほど、子音と母音の組み合わせで作られている文字というのは
合理的であると思います。「世界でもっとも」かどうかは、
まだこれから書かれているのだろうと思いますが。
それから、地域によって方言があり、アクセントや話すスピードにも
かなりの違いがあるとのことです。
日本のテレビなどでは、北朝鮮のテレビキャスターの特徴のある
独特の力のこもった話し方が知られていますが、元々、平壌のあたりは、
アクセントの強い方言が話されている地域なのでした。
815 :
揚げ。:02/12/25 18:44 ID:MJlTRARj
宮本輝の錦繍がお勧め。
第1章 ハングルの楽しい学び方
3 漢字の世界とハングル化
第2章 その歴史をめぐって
1 ハングルの呼称
817 :
大人の名無しさん:02/12/26 19:14 ID:/FNShTvt
合理的つーか、文盲率を何とか上げようとして作った文字だから。
先ほどまで
『危ない1号』第三巻
スマートドラッグ、薬局で手にはいる睡眠薬の項
家族の団欒の居間でこういう本が読める、いい時代である。
遠藤周作『黒ん坊』の書評あり。
『ハングルの世界』
第2章 その歴史をめぐって
2 ハングル世代考
3 ハングルの誕生
>>817 >合理的つーか、文盲率を何とか上げようとして作った文字だから。
よくご存じですね。
ちょうど、今日読んだ部分にそのあたりの事情が書かれています。
ハングル(当時は「訓民正音」)は、15世紀の中頃、
李氏朝鮮の国王世宗によって創制されました。
その目的として、学ぶ機会のない民百姓が、自分たちの意志を十分に
あらわせないという不便さを解決することがあったとされています。
無実の罪をきせられても、文字を知らない民百姓は、それに抗弁し、
釈明する手段がなくてかわいそうだ、ということを世宗は
国字創制の理由のひとつにしたのでした。
このことは、上からの憐れみの政策という面があり、また、後世の人によって
美化された話として伝えられている可能性もあるかもしれません。
しかし、仮にそうだとしても、15世紀に一般庶民が広く文字を習得して
使いこなせるように新しい文字をつくり出したということは、
きわめて進歩的なことであったに違いありません。
っていうか、よく考えてみたら、「文盲率」じゃなくて
「識字率を上げる」でしたね。
820 :
タク:02/12/27 20:55 ID:0CHUmTbE
ゲド戦記U『こわれた腕輪』を終了。
物語の中心人物の少女が慣れ親しんだ場所、闇の世界で囚われた奴隷として生きるか
未知で、困難が予想される自由と光明の世界を選択するかということが中心に
描かれています。
自分の生に誠実であるために、ためらいながらも困難を選び取る過程が感動的でした。
問題が一つあります。
ゲド戦記、大変面白いのですが、この続きのVが、この島の図書館にはなく
リクエストしているのですが、いつ来るのか全くめどがついていないようです。
Wは、かなり状態の悪い古本で所有しているのですが、Vを新刊で購入しようかどうか
迷っています。
仕方が無いので、借り直した『昭和天皇』の続きを読みながら成り行きを待つことにします。
『ハングルの世界』
第2章 その歴史をめぐって
4 ハングルの受難
5 民族の魂
822 :
大人の名無しさん:02/12/28 19:01 ID:jW01FC45
がなり説法
823 :
大人の名無しさん:02/12/29 00:06 ID:1gW2UJQf
森永卓郎著
日本経済「暗黙」の共謀者
わかりやすく時事経済を解説してくれている。
『ハングルの世界』
第2章 その歴史をめぐって
6 ハングルの構造
「4 ハングルの受難」「5 民族の魂」では、ハングルが
どのような扱いを受けてきたかという歴史を追っています。
一六世紀のはじめには、失政の限りを尽くした暴君が、
民が王への怒りをハングルで書き、投書することを理由に、
ハングルの教授と学習を禁止しています。
また、日本による植民地支配の時代には、ハングルを用いた
新聞・雑誌が無差別に廃刊させられ、学校の教科から朝鮮語が
追放されるという暴挙も行われました。
しかし、そのような茨の道のりの中から『春香伝』『沈清伝』などの
ハングル小説が生み出されてきたのでした。
「6 ハングルの構造」に書かれている陰陽五行説とハングルとの
関わりも興味深いです。
『沈清伝』は、
>>800で書いた『伽や子のために』(「や」は人偏に耶)の
中でもあらすじが紹介されている、朝鮮半島の人ならだれでも
知っているという物語ですが、今回、ネットで探してみたら、
もう少し詳しく書かれているものを見つけることができました。
http://www.01.246.ne.jp/~tong-kj/ohanasi/sinchon.html
なんの因果か『野獣死すべし』
で、次に『汚れた英雄』を読む予定である。
村田英雄のスキャンダルを暴いたドキュメンタリーである。
大藪の作品。映画化されている。
『ハングルの世界』
第3章 言葉をあじわう
ハングルの諺やよく知られた歌、言葉遊びなどを通じて、
独自の慣習や伝統的なものの考え方の一端を知ることができます。
もちろん、日本と共通の諺もあります。
これで、この本を読了。
基本的に、ハングルを学ぶことよりも、ハングルを通して
韓国・朝鮮の人々の文化や考え方に触れることに重点が
置かれている本だと感じました。
この本を読むまで私は、ハングルを全く意味不明の記号のような
ものとしか認識できずにいましたが、ごく基本的な構造を
理解しただけでも、「とっつきにくい」という感覚は、
相当に払拭されたと思います。
さらに、その歴史を知ると、守るべき文化の象徴という側面を
強く感じます。
新潮文庫版『O・ヘンリ短編集』(一)(大久保康雄訳)の中から
「緑の扉」
私は、かつて旺文社文庫の『O・ヘンリー短編集』を愛読し、
そこに収録されていない物語が新潮文庫に入っているということは
知っていたのですが、ずっと読まないままになっていたのでした。
最近、第1巻から第3巻まで揃えて手に入れたので、未読のものを
読むことにします。
新潮文庫版を敬遠していた理由のひとつとして、どうも訳が
よくないのではないかという先入観みたいなものがあったのです。
なぜそういう先入観を私が持ったのかというと、旺文社文庫版
(大久保博訳)で「ハーグレイブズの本心」と訳されているタイトルが
新潮文庫版では「ハーグレイブズの一人二役」になっているのです。
(原題は、The Duplicity of Hargraves)
読んだことのある人なら同意してもらえると思いますが、
新潮文庫版のタイトルには「重大な問題」があると私は思うのです。
新潮文庫版『O・ヘンリ短編集』(一)の中から
「桃源郷の短期滞在客」
結末は、他のO・ヘンリー作品をある程度読んでいる人には、予測できる範囲内です。
インターネットや電子メールの匿名性をうまく使った映画やテレビドラマは
既にあるようですが、短編小説の分野で、この「桃源郷の短期滞在客」の
現代版のようにうまく仕上げられた作品はあるのだろうかと思います。
新潮文庫版『O・ヘンリ短編集』(一)の中から
「水車のある教会」
見え見えの結末・・・と思って読んでいると、
最後の言葉で一本取られてしまいます。
見事にやられてしまい、感動が込み上げてきました。
830 :
大人の名無しさん:03/01/02 20:30 ID:8D7HtU/n
森永卓郎著
「シンプル人生の経済設計」
テレビでの語り口同様、わかりやすくソフトに経済事象を説明してくれています。
・枕草子
・刑務所の中
詳細は日記参照
新潮文庫版『O・ヘンリ短編集』(一)の未読作品を読み終えたので、
第二巻を読むつもりが、3冊重ねておいた中から、よく確かめずに
第三巻を手に取って読み始めてしまいました。
「最後の一葉」
たいていの人が知っていると思われるO・ヘンリーの代表作。
もちろん、何度も読んだことがあるのですが、こちらの訳が
どうなっているのか気になって、また読んでしまい、
以前とはまた少し違う感動を得ることができました。
つまり、中学生くらいじゃ、「芸術に見捨てられた老人」とか
「恋人を作ることなんて想像もできないような貧しい生活をしている
若い女性」なんてものは、表面的にしか理解できていないということです。
気になった訳語がひとつ。
「ジョンジーが助かる見こみは十に一つ」と医者に言われたスウが
「日本製のナプキンがぐちゃぐちゃになるまで泣いた」といった表現が
あります。(うろおぼえで書いているので、一字一句同じではありません。)
「日本製」なんていう印象的なことをかつて読んだ記憶がなかったので、
旺文社文庫も開いて対照してみると、「紙ナプキンがパルプになるほど泣いた」
となっていました。
ますます気になって講談社で出ている英文の文庫に当たってみると、
そこは、直訳すると「日本のナプキンがパルプになるほど泣いた」
という文章でした。
当時のアメリカで「日本のナプキン」と言えば紙製が当たり前だったのか、
それとも日本製と言えば貧しい人が使うような粗悪品の代名詞だったのか、
謎が広がります。
833 :
タク:03/01/03 19:55 ID:/qjvJbI6
『昭和天皇』上を読み終わる。
満州事変のあたりまで書かれているが、昭和天皇は満州での陸軍の暴走を止めることのできる
立場と責任があったにもかかわらず、黙認しある時は、関係者が昇進さえしている。
英国、米国との戦争には経済的側面でかなりの無理があることを承知していながらも
開戦への道を選んでいく過程がわかる。
下が今のところ手に入らないので、『大本営の震えた日』に取り掛かる。
新潮文庫版『O・ヘンリ短編集』(二)の中から
「手入れのよいランプ」「睡魔との戦い」
「睡魔との戦い」は、「ああ、あの作品の元ネタは、
この『睡魔との戦い』だったのか」と思えるものがいくつかありそうです。
835 :
.:03/01/04 19:50 ID:yKoSOtI6
夢枕獏の「飢狼伝」って今どうなってるのかな?
北辰館トーナメントの最後に藤巻が警察に自首した所まで読んだんだけど。
なにせあまり本屋に並んでないもんで。
まだ、枕草子。
あのさ、面白いから、古典読んでみなさいって。
「飛蝗の農場」 ジェレミー・ドロンフィールド 評判倒れ。
「動機」 横山秀夫 傑作。
「グランプリを走りたい」 根本健 感動した。
>>828 桃源郷の短期滞在客って、、、、
(・∀・)イイ!
オレ、リゾートから帰ってきたんだけど
まさにそこは桃源郷だったYO
新潮文庫版『O・ヘンリ短編集』(二)の中から
「ハーレムの悲劇」
まさか悲惨な結末が待っているのではと心配しながら読んでいると、
ちゃんとホッとさせて笑わせてくれます。
>>836 『枕草子」は好きなんですよね。
改めて通読してみようかと思いつつ、
一昨年200ページくらい読んで挫折した『源氏物語』を
読んでおきたい気もしています。
840 :
タク:03/01/07 16:16 ID:wHXW10Qc
>>836 横書きの枕草子を眺めたら、縦書きで読んでみたくなりました。
古典は食わず嫌いで敬遠してましたので、どのバージョンを選んだら良いのかもわかりません。
お勧めがありますか?
ちなみに、有り余るバナナはスライスしてレモンを絞り、カルダモンを振り掛けるのが
好みです。お試しください。
『大本営の震えた日』ほぼ終了。戦争に翻弄され命まで落とすのはどの話もいたましい。
『梅原猛の授業 仏教』朝日新聞社刊を読み始める。
ツレがこれを読んでいて最終章で、文明の対立といわれるイスラム教とキリスト教の対立を
唯一神の文化対立と置き換えるなら、一つの正義を求め戦う徳より
多神論の仏教や新道の寛容の徳に解決の道があるのではないかということがのべられていること、
この授業自体が、実際に京都の空海が開いたとされる私立の絡南中学で行われた授業で
作者は、子どもたちに宗教教育の必要性を感じていたということです。
私自身は信仰心がなく、最近は仏像に興味があるけれど、これもエリッククラプトンが好き
と同じ次元で、ただ興味の範囲が年寄りじみてきたというだけのこと、どんな仏像も
アートの範疇でしか見ていません。
ただ小学生になる自分の子どもを見ていて、梅原猛の言うような中学生ではなく、
もっと早期、幼稚園くらいの幼い子どもには宗教教育が必要ではないかと不安になることがあります。
自己の欲望や欲求に素直に行動した時も人の道を外さないストッパーはこの時期の
人間以上のものへの畏れなどに培われるのではないかと考えます。
もちろんその後の人格形成の時期に、価値観の基準を宗教にたくすのは反対ですが。
そんな疑問があってこの本を読み始めました。
私の今読んでる『枕草子』は旺文社文庫版です。角川でも出ていますでしょう。
見開きで右が原文、左が対訳です。全集本でもいいんですが、寝ながら読むのには
重いのです。
バナナにレモンにカルダモン・・・カルダモンって生姜の仲間なんですね。
カルモチンを混ぜたら昭和の作家になれるのかもしれない。
昨晩読んだ本
・危険な思想家(呉)
『ドナドナ』のなかでは、牛がslaughterされる。太平記の中では
『死骨満ちて屠所の如く』という記述がある。
英語の理解力があるもの、古文の読解能力のあるもに限って差別的な記述のある文学を
自由に楽しめるのは二重に差別的ではないか、と。
こういう言葉も狩れ!という流れでは全くないことに留意したい。
・文学部唯野教授(筒井)
両方とも何回も読んでる。文章の面白さはこの二人に限る。
「ホームレス作家」 松井計
ホームレスは現代の異境だと思う。
それはそこにあり、ある種の人間には憧憬を感じさせるが、実際に行くことは難しい。
ホームレス関係のテレビ番組、本が一定のマーケットを持つのはその証だと思う。
今回は一人の作家がリアルな体験を通して、その現実を語ってくれる。
ベストセラーになっただけの内容はある。ホームレスは自由人、などという、ありがちな
戯言をぶっ飛ばす苦難が語られ、世の理不尽に改めて驚かされる。
しかし感動的な警官はでてくるが、福祉関係の役人が随分レベルが低い。
本当だったらイヤだなぁ・・・
843 :
タク:03/01/08 10:30 ID:PGh5mCcB
>843 旺文社か角川ですね。ありがとうございます。
カルダモンはしょうが科?なるほど知りませんでした。
れれ、しょうが科なのに体を冷やす薬効があるんなら、風邪の時には不向きですねぇ。
甘い果物には、カルダモン・シナモン・クローブなどのスパイスが最適、
無ければ生姜も使えるがバナナはどうかなぁ。隠し味にカイエンヌペッパーだって
沢山食べる時にはお勧めです。但し、少々。
カルモチンは睡眠剤ですよね。コレを飲んだら本読まずに眠ってしまう。
『梅原猛の授業 仏教』で中学生たちに、文明と宗教の関係を考えるということで
『カラマゾフの兄弟』を勧めていた。やはり、今年は遅ればせながらコレを読むしかないかな。
>842 福祉関係の役人とは少しだけ関わったことがありますが、
貧しい人の生活を監視・監督している意識があるように感じたことがあります。
ここだけではなかったのか。
新潮文庫版『O・ヘンリ短編集』(二)の中から
「千ドル」
さらに、講談社学術文庫『枕草子(上)』
第5段 「思はん子を法師になしたらんこそ」 まで。
旺文社文庫あたりで見つけられればと思った『枕草子』ですが、
古本屋にないようなので、新刊書店に行き、すぐ見つかった岩波文庫は、
原文と注釈だけで、読むのにきつそうなので、この講談社学術文庫版を
購入して読み始めてみました。
全段をもれなく収録し、注釈と現代語訳、さらに「異説」までついています。
おかげで、全3巻という大部になっている上に、「下」はまだ
発行されていないようです。
あ!学術の枕草子を買ったんですな?
下巻はいつ出ることやら・・・、ってやつです。
以前紹介した田辺聖子のシリーズに『むかし・あけぼの』ってのがあります。
それにしても新刊で学術を買ったんですね?ブルジョアだなぁ・・・(w
>>845 100円の文庫が13冊買えるなぁ、と思いました。
あぁ、関係ないけど思い出したので書いておきます。
今、書店にコーナーまでできてあふれかえっている、
北朝鮮の正体とかなんとかいったタイトルの出版物、
ああいうのは、基本的に、金のためなら利用できるものは
なんでも利用するという下司な姿勢の現れだと思うので、
一度、そういう出版物を出している出版社名を一通りチェックして
なるべくそういうところのものには金を使わないように
したいと思ったのでした。
例えば28段なんかは、清少納言もそういう経験をしての感想なんだなぁ、
と思うと、ほほえましく思えたりします。
そりゃそうだ。コトが終わってテキパキと身支度してさっさと帰る男は
女性から見れば嫌なもんだろうなぁ、と思ったりしました。
昨晩、明け方まで読んでたもの
・歌よみに与ふる書(岩波文庫)
古今集は殊に其粋を抜きたる者とのみ存候ひしも、
三年の恋一朝にさめて見ればあんな意気地の無い女に
今迄ばかされて居つた事かとくやしくも腹立たしく相成候。
先づ古今集といふ書を取りて第一枚を開くと直ちに
「去年とやいはん今年とやいはん」といふ歌が出て来る、
実に呆れ返つた無趣味の歌に有之候。
日本人と外国人との合の子を
日本人とや申さん外国人とや申さんとしやれたると同じ事にて、
しやれにもならぬつまらぬ歌に候。
ってような感じで、なかなか面白かった。
明治前後の論客って、大体こんな感じでいいね。
竹添井井もこんな感じを漢文で書いてる
『枕草子(上)』
第九段 「よろこび奏するこそをかしけれ」 まで。
中学生の頃に全体の現代語訳を通読したと思っていたのですが、
それは、かなりダイジェストしたものだったのかもしれません。
(さもなければ、記憶がかなり薄れているか。)
読んだことのないようなものも出てきます。
実直で不器用な男の登場する「大進生昌が家に」も、その一つです。
「上にさぶらふ御猫は」とともに、深読みした解説がおもしろいです。
『枕草子(上)』
第二十段 「家は」 まで。
さらに、新潮文庫『文車日記』(田辺聖子)から
清少納言についての部分「うまずめ」も。
ここには、『枕草子』の中の子供に関する記述から判断して
清少納言は子供がいなかったか、いても手放していたのでは
ないかという説が書かれています。
つまり、作者の子供を見る目が、実際には子供を持っていない人の
視点から見ているのではないかということです。
まあ、私なんかも、よその子供は、どの子も可愛いと思えます。
853 :
山崎渉:03/01/12 01:01 ID:92vNCtti
(^^)
『マンガ狂人につける薬』(呉智英)
マンガと硬質の本を章ごとに一冊ずつセットにして書評した書。
日記にはもうちょい詳細な感想を書きますが、これからちょいと用事ができてしまったので
>>852 子供に関する記述
子供のいろんなしぐさに『らうたし』とか『うつくし』っていってるよね。
で、夜中に泣き出す赤ん坊はすごく嫌だ、なんて書いてあるんだよね。
そういうところからなのかもしれません。
(枕草子2ちゃん訳)
春は明け方に萌え。だんだん白くなってゆく山際の空が
少し明るくなって、紫がかった雲が細くたなびくのが(・∀・)!!イイ
夏は夜に萌え。月の出ている時が(・∀・)!!イイなんていうヤシは素人、
暗闇も捨てがたい。蛍がたくさん飛び交っている様も、1、2匹の
蛍が(´・ω・`)ショボーンと飛んでる様も(・∀・)!!イイ。雨が降って
いたりする夜も、チョット萌え
秋は夕暮れに萌え。夕日が射して山の端がたいそう近くなった時に
カラスが寝床へ行こうとして3羽4羽、2羽3羽と飛び急いでいる
姿は(・∀・)!!イイ。まして雁などが連なって飛んでいる姿がとても
小さく見えるのはすごく(・∀・)!!イイ。日が沈んだ後の風の音、
虫の声などは言うまでも無い(w
冬は早朝に萌え。雪が降った時が(・∀・)!!イイなんて言うヤシは逝ってよし、
霜の白いのも、またそうでなくとも、とても寒い時に急いで火を起こして
炭を持ち運んでくる姿もとても冬らしい。
しかし、昼になって寒気も和らいでくると火鉢の火も白い灰が多くなって
きて(・A・)イクナイになってくる諸刃の剣。
どなたか、続きをキボンヌ_(._.)_
>>856 なかなかいいですね。桃尻訳(橋本治)よりも好感が持てます。
ただ、冬の段に誤訳があります。
『いふべきにもあらず』は『なんとも言いようがないくらい【よい】』の意味です。
ドストエフスキーの『罪と罰』がちばてつやの漫画『餓鬼』と合わせて批評される。
例えば、こんな書き出し
1962年に刊行が開始されたドストエフスキー全集は29年かけて1991年に完結した。
私がその第一回配本を買ったのは高校一年生、最終回配本を買った時には、なんと
45歳になっていた。なんだかドストエフスキー全集に青春をかけちゃったようだな。
確かにドストエフスキーにはそれぐらいの値打ちはある。近代最高の作家である事は間違いないのだから。
父に日曜大工を命ぜられたのだが、材料を買いに行った父がまだ帰ってこない・・・。
>>826 ハングル本について。
ここは滅多に見ないし、亀横レスで悪いのだけど、
>魚好き
なんでも「世界で一番」といってのけるのが韓国人の
悪癖なのだと一言…。
本からの知識は素晴らしいが、実際に彼らと話してみてください。
ハングルは「世界で一番美しく、合理的な言語」
韓国の教育は世界で一番、韓国の唐辛子は世界で一番辛い、
…
などきりがありません。もちろん根拠はとってつけたような
もんです。
860 :
大人の名無しさん:03/01/12 14:21 ID:mXgNURmh
昨日と今日で
フェルナンデス・アルメスト『ミレニアム』下巻60P程度を読んで、
ウィリアム・ベックフォード『ヴァテック』4Pぐらい読んで溜息をし、
『かなりHな博学知識』をフロの中だけで読了して、
シェルドン・コップ『ブッダに会ったらブッダを殺せ』を流し読みで読了しまつた。
古本屋で目を閉じて手に触れた本を読んでいるだけなので、
自分が何を読んでいるのかさえ、定かではないのでつ。
読んだら、すぐに忘れることにしてるんでつ。
たった一人の人を愛するように、本を読むことなんかできないのでつ。
こういう読み方は本好きにとって、逝ってよしでつか?
861 :
大人の名無しさん:03/01/12 14:46 ID:J+VadUVf
あー、俺も『ヴァテック』読んでる。
3ヵ月に一度、20Pくらいずつ。
'03/01/11
『超男性』20P
『異端の肖像』の中のサン・ジュストのやつ(20回目くらい)
『ポリフィーロ狂恋夢』半ページ
862 :
大人の名無しさん:03/01/12 16:58 ID:lPPSxxjh
吉本隆明著 ひきこもれ を読み終えました。
途切れないまとまった時間を持つことは必要だと言ってました。
しゃべったことを書いてるのでとても読みやすいです。
やっとここ見つかりました。
報告したかったんです。
ながーくかかったけど宮部みゆきの「火車」
読み終わりました。
人間て自分ではどうしようもない事が起きるって自分でも経験あります。
読んでいて涙が出ました。
もう少し宮部みゆきの本読もうかと思ってます。
865 :
オバコ:03/01/13 11:30 ID:7UmXIQsc
『梅原猛の授業 仏教』終了。中学生対象の授業なので、仏教の大まかな本質と
日本の各宗派の発生の過程を中心に書かれていた。
「現代の仏教はどうなっているか」という章で、
近代になってからの神道は、明治時代に桓武天皇を平安神宮に祀り、明治天皇を
明治神宮に祀り、靖国神社には国のために死んだ人が祀られているが、
日本古来の神道は世の中を恨んで死んだ人、権力闘争で殺された人の怨霊を鎮める
ために祀るのが本来の姿で、これがゆがめられている。これは日本人のエネルギーを
天皇に集中しようとした天皇教であり、仏教は排除された。
また、『君に忠、親に考』は儒教、孟子の教えで、これも仏教ではない。
と批判している部分に思わずニヤリ。
それぞれの宗派の概要を説明する程度ではあるけれど、自分にとっては
それ以上踏み込む程の魅力は感じないし、東寺の帝釈天は惚れ惚れするほど
いい男だけれど、拝むほどではないし、不動明王は怒りの表現としては優れているし美しいけれど
内なる欲望を抑えられるかというと・・・
私には仏教以前のアニミズミの方が魅力的かもしれない、と思い
今日から岡本太郎の『沖縄文化論 忘れられた日本人』を読み始める。
866 :
タク:03/01/13 11:59 ID:7UmXIQsc
↑あらら、HN間違えてた。 休みボケですスミマセン。
>860 たった一人の人を愛するように、本を読むことなんかできないのでつ。
どんなことなのか、しばらく考えてしまいました。
ここに書き込んでいる本の他に読みかけの物は、涙が出るほど積みあがってますが
他にも興味をそそられる本が無いかと物色もしています。
この状態は「たった一人の人を愛するように」とはいえませんよねぇ。
『枕草子(上)』
第二十四段 「たゆまる々もの」 まで。
>>859 私は、実際に朝鮮半島の人と話をしたりしたことはありませんので、
実際どうかということは断定的には言えませんが、まあ、
そういう面はあるのかもしれませんね。
「教育熱心なお国柄」ということについても、『ハングルの世界』の
中で触れられていました。
念のため書き添えておきますが、「ハングルが合理的」ということは、
そのまま「ハングルが優れた言語である」ということを意味するわけではありません。
「合理的過ぎて遊びの余地がない」といったことは著者も書いていたと思います。
一方で、外国人が習得するに容易であるという点は、
まさにその通りであろうと私は考えます。
『枕草子(上)』
第三十二段 「説経の講師は」 まで。
「すさまじきもの」の「余説」(
>>844では、うろおぼえで「異説」と
書きましたが正しくは「余説」でした)の指摘、すなわち、
清少納言の決め付けには、一方的かつ自己中心的な面があるという
ことなど興味深いです。
第二十四段は、「たゆまる々もの」ではなく「たゆまるゝもの」でした。
「第4の扉」 ポ−ル・アルテ
本格派特有の幼稚な文体。ただし第3部から劇的に面白くなる。
構成の妙として中々のアイデアだと思う。
「英会話これだけ音読30分」 尾崎哲夫
DQNなので俺の英語はこの程度。
870 :
大人の名無しさん:03/01/14 23:55 ID:vfZwMJkZ
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>>870はこの人
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872 :
大人の名無しさん:03/01/15 00:41 ID:Ng84gdnz
今読んでるあともう少し。
873 :
タク:03/01/15 12:03 ID:7CJagzR0
『枕草子』図書館から借り出して、持って歩いてはいるのだが・・
『ネコでもわかる? 有事法制 イヌにもわかります!』
小西誠・きさらぎやよい著 社会批評社
新聞の書評欄でこの本を知り、読んでみることにしました。
「PART1 還らなかった動物たち
――かつてネコ、イヌ、ウマ、ハトが有事に動員された」
かつての戦争でペットや農耕用の家畜まで供出することを強いられた歴史。
絵本の『かわいそうな ぞう』やマンガ『ドラえもん』のエピソードの
ひとつとしても知っている人が多いと思われる、戦争の犠牲となって
無残な死を強制された動物園の動物たちのことなど。
私は、戦争や平和の問題で感情に訴えかけるようなアプローチの仕方は
両刃の剣(=正反対の主張にも悪用することが可能な手法)だと
考えていますが、そうは思っていても、この部分の記述には、
胸が潰れるような思いをさせられてしまいます。
PART2以降では有事法制の具体的な規定を取り上げて、
いったいどのようなことが取り決められようとしているのかを
見ていっています。
>>864 他にも宮部みゆきの本を読んだら、ぜひ報告をお願いします。
875 :
タク:03/01/15 17:42 ID:7CJagzR0
>874 ネコ・犬その他動物ものはもう、まったくオロオロさせられるので
コレは全然冷静に読めそうにありません。ダメです。
この部分を抜かした(笑 記述を望みます。
876 :
大人の名無しさん:03/01/15 23:24 ID:Ng84gdnz
「世界経済のニュースが面白いほどわかる本」
やっと読んだ。
877 :
タク:03/01/17 10:54 ID:RnrbYgB1
古書店でなだいなだの文庫発見。『クレジードクターの回想』を読む。
いやぁこの人面白いですね。
古い記憶でこれまたさだかではないのですが、
70年代の週間『プレーボーイ』か『平凡パンチ』あたりでエッセイを
連載していませんでしたかね?
このあたりはお茶さんの守備範囲に入るのでしょうか?
『ネコでもわかる? 有事法制』
「PART2 戦時基本法――武力攻撃事態対処法案の徹底批判
●そして今、疎開や価格統制・配給が実施される!」
いわゆる有事法制関連3法案とは、「武力攻撃事態対処法案」
「自衛隊法改定案」「安全保障会議設置法改定案」のことですが、
PART2からPART4では、各PARTごとにこの3法案の
具体的な条文を検討して、それによってどのような事態が
起こることになるのかを論じています。
武力攻撃事態対処法案は、一言で言ってしまえば、国家総動員体制を
作ることを可能にする法律です。しかもその前提となる「武力攻撃事態」の
定義は、国会でも問題になったとおり、きわめて曖昧で、恣意的な
解釈が可能なものであり、例えば、日本が軍備を強化したことに
対応して他国が軍備を強化したことすら武力攻撃事態と解釈して
しまうことも可能なものです。
879 :
大人の名無しさん:03/01/17 15:15 ID:Q0upPecf
「顔の現象学」
見られることの権利 鷲田清一
講談社学術文庫
880 :
大人の名無しさん:03/01/17 22:21 ID:s8RVefRd
内田百閧ヘおもしろいや
『似て非なる友について』『味覚法楽』
『ネコでもわかる? 有事法制』
「PART3 国民を総動員する自衛隊法改定案・国民保護法制」
●そしてまた、ヒトもモノも戦争に動員される!」
指摘されていることの全てをここに挙げているときりがないのですが、
このPARTに書かれていることのうちで重要と思われるのは、以下の点。
現行自衛隊法にも有事規定、すなわち防衛出動下での自衛隊の
権限についての規定はあり、土地・家屋・物資等を収用できるものと
既に規定されているが、改定案では、これに罰則が定められ、
強制力を持ったものになるということ。
自衛隊が必要とする物資(市民生活で必要とされるあらゆるものが
含まれることになる)が罰則をともなう(つまり、強制力のある)
保管命令の対象となり、例えば、ガソリンスタンドや食料品店などが
自衛隊の行動上必要ということになれば、どんな危険な状況にあろうと、
店主や従業員は、そこに留まって物資の保管にあたることを強制されるということ。
日本政府は、有事法制について、外部からの武力攻撃等に備えるための
ものという趣旨の説明をしているが、その一方で、日本国内で戦闘行為が
行われた場合に想定されるような事態への対処に関する規定(国内法の
除外規定等)が欠落しており、それはすなわち、日本への侵略を
想定したものではない(=日本の軍隊が国外で活動するための
ものである)ということ。
883 :
大人の名無しさん:03/01/18 16:53 ID:yzJuKyLR
↑
史ねやクソ左翼。
884 :
大人の名無しさん:03/01/18 18:30 ID:4d2BqwO6
30代板、社民党分子、魚好きへ
だいたい韓国寄りの本を読んでそのまま韓国マンセー、日本は反省。
ハングルマンセーの本読んでハングルマンセー。
左翼系の有事法制本読んで有事法制は問題だ!
オマエの頭に批判って言葉はないのか。本に書いてあったらみんな真実か。
いくら本を読んでも馬鹿は治らないんだな。
だいたいそれだけ立派な主張があるなら、こんな雑談スレじゃなく、それなりの
ところへ行ってスレッド建てろや。
こんなとこにカキコしてもオナニーだろ。
マスをカクのはチンポだけで充分だ。
今日、購入した書籍
・セリグマン『魔法』(平凡社・日本教養全集)購入価格500円
日本教養全集は分売不可なので、この一冊だけが欲しくても全巻買わなければならない。
ま、買っておいて損はない叢書である。ここでしか読めない原典がいくらでもある。
人文書院からは単体で発売されたが、すでに品切れ、絶版(定価5000円)。
呉の曰く、『凡百のオカルト本神秘主義本を買うくらいなら、これ一冊で十分である』
内容は、古代メソポタミアにおける魔術的信仰の解説から始まり、初期の頃の占星術の姿、
ゾロアスター教、聖書の中の魔術、エジプトにおける魔術、エレウシスの密儀、
グノーシス、ローマ帝国の魔術、錬金術、悪魔、ルネサンスの賢者達、カバラ、
様々な雑多占術、薔薇十字団等、魔術に関する様々な事柄が豊富に書かれている。
古書店の店主に『見つけるの早いですねぇ』といわれた。光栄である。
同じく角川文庫『アイヌ民族叛乱史』(新谷行)が1000円だった。
買わなかった。1000円だったから。でも1000円でも安い。
886 :
大人の名無しさん:03/01/18 19:12 ID:lDZksydy
>>884 それなりのところってどこだよ(爆藁
少なくとも884が魚好きよりバカなのは明白ですな(核爆藁
>>887 レスを一番つけそうな私がつけなかったことを褒めてください。
で、今日もその古書店で神聖喜劇(文春文庫版)を見つけた。
第一巻だった。他の古書店でもこの版は第一巻か二巻だけである。
三巻以降を見たことがない。昔、魚好きに古書店店主が言ったことは、
あながち一般大衆に対しては間違いがなかったんだろうなぁ、と思う。
第一巻を読んだら、あの面白さ、二巻以降も読んでしまえるだろうに、と思う。
>古本屋の店員に
>「この最終巻は手に入らないだろうか」と相談したことがあるのです。
>相手は、「たぶんそこまで読めないでしょう」なんて言ってましたが、
>最初の数ページを読んで、私は、「あの店員は、この本を全然
>読んだことがなかったのだろうな」と確信しました。
そそ、この部分。探すのに手間がかかった。
そこまで読めない方が結構いるんだと思う。
最近のブックオフ、指輪物語の上1・2ばっかりが並んでいる。
指輪すら読了できない、いわんや神聖喜劇をや。
私は、魚好き氏は「中道ぐらいかな?」って思う。
で、今日読んだ本 B.ラッセル「幸福論」。
結論:幸福になる方法は無い。不幸になる要因を除去するのが人生。
893 :
884:03/01/18 21:17 ID:MJ98cDwc
>>886 核曝なんて書いていいのか社民党。
アメリカの核はダメでも中国様の核はマンセーか。
894 :
大人の名無しさん:03/01/18 21:59 ID:X6EhBscS
痛すぎる
>>893を晒し上げとくか。どっこいしょ。
896 :
884:03/01/18 22:05 ID:MJ98cDwc
おもしろいね。
こっちもアゲ。
897 :
884:03/01/18 22:08 ID:MJ98cDwc
間違えたんだよ。
ボケ。
オマエらに出来るのはその程度。
898 :
888 ◆QGtS.0RtWo :03/01/18 22:16 ID:0IxXv1KX
>>889 ありがとう♪
ちょっと空しい。
ちなみに今読んでるのは新田次郎「八甲田山死の彷徨」であります。
900
901 :
884:03/01/18 23:27 ID:HPx7/UZm
今、大人のニュース・世相雑談にいるよ。
こっちにはもう来ないよ。
本文以外書けない奴を空いてにしてもな。
902 :
884:03/01/18 23:59 ID:+VrynPBN
http://human.2ch.net/test/read.cgi/middle/1037614985/l50 >>321から書いています。
以下その要約。
俺の最大の不満は日本に救う自虐史観。過剰な人権主義だ。そいつらの特徴
を俺は魚好きの一連の文章に読み取った。いわゆる社民党的な価値観がいかに
戦後日本を狂わせたか?
韓国への文化的な反感も強い。Wカップでの、あのサッカーとう文化への侮辱
は何だ。俺は日本人の相手への思いやりや一歩引いた文化が好きだ。
さらに具体的に徹底した反日教育がなされている。
坂の上の雲・・・明治人の必死の努力がアジアで唯一、植民地化を免れたっていう
のは評価しないのか。
それで俺をキレさせた魚の本の読み方についてはどうだ。アレでいいのか日本はどこを敵視教育している。しいていえば日本か?
そこが俺の感情的になるゆえんだ。愛国というだけで右翼。
しかし国民が国を、自分の属する国を全く愛さないで、公徳とい
ものが育つだろうか?愛しもしないでどうして価値が産まれるのだろう。
互いに愛し誇りを持つことで公徳というモノが産まれるのではないだろうか
こう思うから危機感がでて、場合によっては感情に走る。
903 :
大人の名無しさん:03/01/19 01:08 ID:tf/aB5v8
川上弘美「おめでとう」を読んだ。
言葉の淡々としたうつくしさ。
そしてミョーな登場人物たち。
よかったれす。
>>898 そりは僕に対する褒め言葉なのです。横取りはひどい。
昨日、彼女に『刑務所の中』を貸し、『真剣師小池重明』を差し上げる。
かわりに『日本残酷物語』(宮本常一)を全巻、貸してくれるのだそうだ。
そっちを先に読むか『魔法』を先に読むか、非常に迷っている。
905 :
大人の名無しさん:03/01/19 15:49 ID:eJ1q7T9W
父親が「運命の足音」読んだんでちらっと見たらふり仮名のいっぱいある本だった。
読みやすかったらしい。俺も余裕ができたら読んでみたい。
『ネコでもわかる? 有事法制』
「PART4 初めて公開する自衛隊内の有事下の総動員規定
●自衛隊の教科書は、現地調達・国家総動員・交通の統制を謳う!」
このパートの途中まで
>>878では「PART2からPART4では、各PARTごとに
この3法案の具体的な条文を検討して」と書きましたが、これは
勘違いで、このパートでは、自衛隊の教範である「野外令」などの
規定を見ながら、その問題点を指摘しています。
884さんは、もうこのスレを読んでいないのかもしれませんが、
ちょうどいい機会なので、本を読んでこのスレで報告するという
行為についての私の姿勢(というほど大げさではないけれど)を
書いておきます。
私は、例えば
>>874で
>私は、戦争や平和の問題で感情に訴えかけるようなアプローチの仕方は
>両刃の剣(=正反対の主張にも悪用することが可能な手法)だと
>考えていますが、
と書いているように、決して無批判に本を読んでいるわけではありませんが、
実際のところ、このスレでの報告は、批判的な記述はあまり多くありません。
なぜなら、元々、新聞の書評を読んだり、店頭で紹介文や「はじめに」などを
読んだりして、読んでおもしろそうな本、得るものがありそうな本を
読むようにしているからです。
限られた人生の中で限られた本を読むのですから、批判しなければ
ならないようなことばかりが書かれている本を読むよりは、積極的に
薦められるようなことの方が多いと思える本を読むようにするのは
自然なことだと私は考えます。
さらに、報告する場合でも、否定的なことがらよりは、おもしろかった点や
他の人にも知ってほしいと思うような点を中心に報告するように
していますから、批判的な記述は、そう多くはなくなるわけです。
とは言うものの、実際、読んでみて、重要な点で批判が必要と思える
本に出会ってしまうことも全然ないわけではありません。
884さんに「オマエの頭に批判って言葉はないのか」と言われたから
というわけではありませんが、今読んでいる『ネコでもわかる?
有事法制』という本について、私は、ある重要な点が欠落しているのでは
ないかと考えています。
が、今は、まだそのことをここに書きません。
なぜなら、まだ途中までしか読んでいませんし、これから読む部分に
そのことが書かれている可能性もあるからです。
908 :
大人の名無しさん:03/01/19 17:28 ID:NVtqFgQ2
909 :
山崎渉:03/01/20 16:54 ID:d8YYtR4r
(^^;
で、先ほどはじめてアマゾンで注文しようと思って財布の中からクレジットカードを
取り出して、番号入力して・・・やめた。
財布の中の図書券を見つけたから。
買おうと思った本
努力論 by 幸田 露伴 (著) ¥660 (岩波文庫)
ホントの話―誰も語らなかった現代社会学 全十八講 by 呉 智英 (著) (小学館)
幸田露伴の『努力論』は全集でしか読めなかった本である。岩波はホントにえらいなぁ。
で、渡辺昇一みたいな馬鹿が解説本を出してるけど買う必要もない。
論語が終われば聖書で喰って山本七平で喰ってるような奴の解説であるから。
宮本輝「草原の椅子」の第3章まで読み終わりました
884って人、他人には批判的精神云々薀蓄をたれながら、自分にはどうなのかな?
『ネコでもわかる? 有事法制』
「PART4 初めて公開する自衛隊内の有事下の総動員規定
●自衛隊の教科書は、現地調達・国家総動員・交通の統制を謳う!」
政府は、今回の有事法制について、ゲリラ部隊の限定的武力攻撃や
数発のミサイル攻撃に対処するものであるとしたり、また、テロ攻撃や不審船の
活動に対処できるよう補ったとして、そのようなものであると強調して
いるようですが、その一方で、自衛隊の教範では国家のあらゆるものを
総動員した国家総力戦を行なう意図がはっきりと書かれています。
1963年の三矢研究の「成果」が自衛隊の教範の制定に大いに
活かされ、現在の有事法案にも活かされていると著者は指摘していますが、
その三矢研究の「非常事態措置諸法令の研究」の概要によれば、
「国家総動員対策の確率」の項目の中の「人的動員」の中には
「国民世論の善導」などということまで書かれています。
著者が指摘していないことで気がついたことをひとつ。
「助長」という言葉は、本来、「悪い傾向を一層強くさせること」であり、
例えば、「インフレを助長する」という表現は正しい用法ですが、
「財政の健全化を助長する」といった用法は厳密には誤りです。
ところで、陸上自衛隊の『野外幕僚勤務の解説』という本の「戦争法規の
適用に関し留意すべき主な事項」の中には、次のような記述があります。
>戦争法規は、戦闘員(隊員)および一般住民の双方を不必要な苦痛から
保護し、捕虜、傷者、病者、一般住民のある種の基本的人権を
確保するとともに、平和の回復を助長に資することを目的とする。
(最後の「平和の回復『を』」は原文ママ、おそらく「平和の回復の」の誤記)
この最後の部分「平和の回復の助長」という言い方(言葉の使い方)は、
ちょっとシャレにならない誤用なのでは。(まあ、あくまで余談ですが。)
余談のついでに、もうひとつ。
これは、私は、今回初めて知ったことなのですが、自衛隊内では
「弛緩」ということばを現在ほんとうに「ちかん」と誤読しているのだそうです。
このスレで紹介した大西巨人の『神聖喜劇』には、「弛張」を「チチョウ」と
読むよう兵隊に強要する隊長が登場し、「弛緩」を「チカン」と
読ませる例なども紹介されていました。
『神聖喜劇』は創作された小説であり、作者の実体験に基づくこともあれば、
創作部分もあるのだろうと思っていましたが、まさか現在の自衛隊が
そのような旧日本軍の馬鹿げた部分までをしっかり引き継いでいるとは
思いもしませんでした。
915 :
タク:03/01/22 11:54 ID:bHu/ML+V
>914 魚好きさんの報告のみしか、その本を知らないのですが、
>捕虜、傷者、病者、一般住民のある種の基本的人権を
確保するとともに
の中にある『ある種の基本的人権』とはなんだろうと引っかかりました。
戦時下の基本的人権の概念っていうのは何が基本に
なっているんでしょう?
『ネコでもわかる? 有事法制』 PART5
内容報告は、明日にでもします。
>>915 その部分、私も、なんだか奇妙な日本語なので引っ掛かっていました。
「ある種の基本的人権」ですからね。
思うに、これは、一応人権を守るポーズを取らなければならないが、
具体的に人権の種類(言論の自由、移動の自由、平和的生存権、といったこと)を
明記してしまうと、それを守らなければならなくなって自衛隊としては
具合が悪いので、「人権を守る」という言い訳は立つが、実際には、なんとでも
言い逃れられるような表現を考え出したというところなんじゃないでしょうか。
実際のところ、有事法制の条文の少なくない部分は、既存の法律で
規定されていることの例外を自衛隊に認めるためのものなのです。
「××法第××条の適用対象外とする」といった調子で。
>>915-916 それは、こういうことではないでしょうか。
たとえば−、
戦時中に「住居進入の不可侵」などといっても、
緊急時にはそんなこといってられない。
また、戦闘車両通行の必要があって、家屋を破壊する必要があるのに
「財産権の保障」があるからそれはできない、などといってられるものでは
ない。
「人権」の「種類」によっては、ある状況において他の「人権」との考量で
制約を考えざるを得ない。
(あらゆる状況で、まったく制約されることのない「人権」などというものは学者
も唱えていませんし、そもそも日本国憲法においても「人権」の制約可能性に
ついては明記されているところです。)
引用文は、戦時法規における「人権」の種類・性格に応じた制約の存在という
「自明のこと」に言及した(その意味では、ある種の人権を守る場合があるのと同様、
他のある種の「人権を守ら」ない場合があると言及した)「解説」文だと思います。
916の魚好きさんのレスも、近いことをおっしゃっているように思いますが
(移動の自由=居住、移転の自由も、戦時には大きく制約される自由ですしね)
微妙に私とニュアンスが違うように思います。
918 :
917:03/01/24 06:02 ID:ao8cfQFC
あたたた・・・スイマセン。
「住居進入の不可侵」 ×
「住居の不可侵」 〇
進入じゃなくて侵入だし。
『ネコでもわかる? 有事法制』
「PART5 戦後憲法体系を全面否定する有事法制
●有事法制を阻む論理と倫理」
(ここまでで法案資料を除く本文を読了。)
政府の有事法制が国民主権、平和主義、基本的人権を骨格とする
憲法体系全体を根本から覆すものとの指摘。
良心的兵役拒否の運動などに見られる世界的な戦争協力拒否の高まり。
また軍事技術の面でも社会システムの点でも武力によって戦争や
テロを防止するということができなくなっている現実。
筆者は、ブッシュによる大軍拡政策や「悪の枢軸」論が世界的には
孤立しており、欧州の同盟諸国からすらも反対の声があがっている現実を
指摘し、「北朝鮮脅威論」についても、日本の「防衛白書」の記述なども
引用して、北朝鮮の軍事力が日米の軍事力に対抗して戦争を行うには
お話にならないようなものであることを指摘しています。
重油の供与などエネルギーまでもアメリカに頼っている(それが
断たれただけで自前の原子力発電を進めざるをえない)北朝鮮を
軍事的な脅威とするような「北朝鮮脅威論」は作り話としか
思えないとも書いています。
>>917 まさにそのように、実際には人権に配慮するわけではないのだけれど、
そのことを明文化すれば国民の反発は免れないので、
そうではないというポーズを取るための「ある種の基本的人権を
確保する」という表現なのでしょうね。
920 :
タク:03/01/24 22:00 ID:3YkZiR7w
岡本太郎の『沖縄文化論』終了。
「爆発だぁ」の熱い岡本太郎なので、はなし半分で読んだけれど(笑
芸術家だとばかり思っていたら、ソルボンヌで文化人類学もやっていてオセアニアを
選んでいたらしい。
専門的な知識と感性でなかなか的確な分析をしていました。
特に、拝所(うがんじょ)に関する考察は同感で、奈良や京都の仏の教えを広めるための
作られたものには、作られたものとしての完成度は感じるけれど、それ以上の何ものでもない。
でも、全く何も無い木に囲まれた自然に出来た空間の方が、心を打たれる、このことの不思議を
常に感じていた。この疑問のきっかけが見えてきたようにも思えた。
麻雀放浪記1・・・二世米兵に麻雀の勝ちを横取りされるところまで。
何でこの本を読んだかと言うと、某所で、
『これは麻雀小説だけの枠内で読むのはもったいない。めちゃめちゃ素晴らしい
ピカレスクロマンである』って評を目にしたから。
昨日、彼女が『日本残酷物語』全巻を『仁義なき戦い』のビデオとともに持って来た。
『先に読んでいいよ』っていってたので、こっちを先に読んじゃうかもしれない。
新潮文庫版『O・ヘンリ短編集』(二)の中から
「『黒鷲』の失踪」
比喩的な表現を直訳している部分が多く、
この部分は、おそらくこういうことを意味しているんだろうな
と想像しながら読むことを楽しめます。
(だからといって、おまえはそれ以上にどううまく訳せるのか
と言われると困ってしまいますが。)
新潮文庫版『O・ヘンリ短編集』(二)の中から
「人生は芝居だ」
原題The Thing's the Play。
最後のあたりの文章から考えるに、このPlayというのは
芝居ではなくて、ビリヤードのプレイなのでは?
「詩人と農夫」
同じパターンの作品が後世に数多く作られているようです。
「マディソン・スクエア・アラビアン・ナイト」
貧しい人がお金持ちの気まぐれで思わぬご馳走にありつくという
こういう話はなぜか好きです。(「小僧の神様」とか。)
誰も嫌な目に会わないハッピーエンドなのも、いい感じです。
新潮文庫版『O・ヘンリ短編集』(二)の中から
「臆病な幽霊」
「うしなわれた混合酒」
日本残酷物語第一巻・海の民の項まで。
ほんの数十ページだが、伊良子焼きの話は、面白かったね。
伊良子じゃ焼き物粘土は産出されないが焼き物は出荷される
難破船からの略奪が名物の焼き物になるってのが面白かった。
書評家の指摘どおり、船の難破を祈る海岸線住民の話も面白いし、海賊の話も
『老松堂日本行録』から引用してたり、いいドキュメンタリーを見ているようだ
新潮文庫版『O・ヘンリ短編集』(三)の中から
「一ドルの価値」
927 :
大人の名無しさん:03/01/31 17:27 ID:+zs6htoh
マイケル・J・フォックスの本買った。
ラッキーマンだったかな、書名は。
まだ読んでないが帰宅して読むよ。
ちくま文庫『崩壊する映像神話』
(新藤健一・著、2002年11月6日発行)
帯のあおり文句が
>ヤラセ番組、ウソ報道のカラクリを見抜け!
で、カバー裏表紙の言葉は、以下のとおりです。
>写真や映像は真実を伝えるとは限らない。あなたがいま目にして
>いる写真や映像にウソはないか。意図的にイメージが操作されて
>はいないか……。ヤラセ番組やウソ報道の手口からスクープ合戦
>の舞台裏、プロパガンダの実際、さらに最新デジタル画像のカラ
>クリまでを、豊富な実例をあげながら子細に検証する。ますます
>情報化が進む現代社会で、騙されないための実践的メディア・リ
>テラシーの技術。
さらに、カバー写真には、「同時多発テロで炎上する世界貿易センタービル」や
「瀋陽の日本総領事館に亡命を求めて駆け込み武装警察官に取り押さえられる
朝鮮民主主義人民共和国の家族」「アルジャジーラが放映した
ビンラディン氏の映像」などがコラージュされているので、
かなりセンセーショナルな内容の本かとも思えますが、
序章と第1章および全体のところどころを拾い読みした範囲では、
カバーの印象よりはかなり地味な内容のようです。
1986年発行の単行本に加筆・改題したものなのです。
[夜と霧」を読むべき。
『崩壊する映像神話』
1章 一枚の写真から
2章 ウソ報道写真
この本によると、85年の日航機墜落事故の後、アメリカで「遺族に
頭を下げる日航の高木社長」として大きく取り上げられた写真が、
実は、報道陣の目を意識して頭を下げている姿でしかなかったとのことです。
また、歴史上有名な報道写真などにも、合成写真やいわゆるヤラセの
写真があるということが具体的に検証されています。
著者は、(ここまでのところで)そこまでは書いていないのですが、
今ではもう、ヤラセをヤラセと思わないような風潮、
ヤラセで報道するのが普通という感覚すらあるのではないかと思えます。
(一例:甲子園出場が決まって報道陣のために喜びのポーズを取る高校球児)
>>929 >夜と霧
この本ですね。
http://books.yahoo.co.jp/bin/detail?id=31052042 どうもありがとうございます。
今年読む本の一冊にしたいと思います。
931 :
タク:03/02/06 12:30 ID:u04FF4aY
確かに「『夜と霧』を読むべき」ではあるけれど、これは最悪の記録だから読むべきで
読後の後味の悪さは比べ物がないほどということもご承知おきください。
風邪で寝ながら、ゲド戦記のVを終了。
生きる喜びと不死がテーマ。宗教臭いテーマだけど終わりがあることの意義を
素直に感じた。
ゲド戦記のC『帰還』に進む。
ここに登場するのは、全ての魔法の力を使い果たし無力になった老人と
夫を無くした中年の百姓女と強姦され顔の半分と右手がケロイド状になった
幼い少女の3人の物語。全く希望の持ちようがない打ちのめされた人たちが
主人公の児童文学ってのもなかなか読み応えがあります。
『崩壊する映像神話』
3章 一人歩きする写真
森村誠一のベストセラー『悪魔の飽食』が、一枚の写真の誤用から
一部マスコミによって、その本全体が虚偽であるかのように
攻撃されたことにあらわれている「一人歩き」の危険性。
KYというイニシャルでおぼえている人も多いと思われる『朝日新聞』の
サンゴ写真自作自演事件について、朝日叩きの背景に、環境破壊の
上に成り立っている沖縄の開発事業で潤う人びとが存在したという
指摘には説得力があります。
そして、「最大の環境破壊は戦争」という言葉に私も強く同意します。
ブックオフに行ってみたら、100円コーナー(作家の五十音順)の
高野悦子『二十歳の原点』の隣に高村薫『リヴィエラを撃て』
(ハードカバー)があったので買ってしまいました。
933 :
モジリ兄:03/02/08 11:01 ID:ddIh1F1D
『War With The Newts』Karel Capek
日本語版では『山椒魚戦争』として創元SF文庫より。
SFの形をとってますが、メッセージとしては人間に対して
「ぶっちゃけ、お前らってどうよ?」と質問を投げかける
内容です。読んでると、介護ロボットやアシモのことが
ガシャコーンガシャコーンと頭をよぎります。
チャペックは『ダーシェンカ あるいは子犬の生活』『園芸家12ヶ月』で
ホノボノさせてくれましたが、実は相当シリアスな人ですね。
ユダヤ人強制収容所で亡くなったんだったっけか。
『カラマーゾフの兄弟』
ちょうど
>>97の魚好きあたりまで。ロシアの名前のつけ方を知ってると楽しめる。
また、プルードンやバクーニンの名前まで出てきた。
そういうのは同時代の共犯幻想みたいで、羨ましいな。
例えば、私の祖父は明治天皇死去も大正天皇死去も昭和天皇死去も見てきて、
そういうのはかなり羨ましかった。東郷元帥や乃木大将が歴史上の人物じゃなく、
よく目にする文字だったのに羨望をもった覚えがある。
・購入書籍
・戸坂潤『日本イデオロギー論』(岩波・品切)
・『父・夏目漱石』(夏目伸六・旧角川文庫)
・『漱石の思い出』(夏目鏡子・同上)
日本国際政治学会『太平洋戦争への道』全八巻(朝日新聞社)
の中の、ロンドン軍縮条約から統帥権干犯に動く時代付近を
読みました(図書館で)。改めて、まさに今の風潮と酷似している
ことを痛感しました。
937 :
大人の名無しさん:03/02/09 22:53 ID:LKKU4yte
内田百
日没閉門
"The Overspent American: Why We Want What We Don't Need"
(Harper Collins)
複数のクレジットカードを持ち、それぞれのカードに
何千ドルもの負債をつけながら、なぜアメリカ人はもっと大きな家、
もっと大きな車、豪華なバケーション、流行の服を買い続けるのか。
高い失業率、容赦ないリストラが続くなかで、なぜ消費は大きく
減速しないのか。本書ではアメリカ人の過剰消費の根底には、周囲からの
圧力(「お隣は新車買ったわよアナタ〜ん」)とともに、自分の階級を
ひとつでもあげたいと願う気持ちがあると分析している。
アメリカ人と階級意識についての本をあさってる間にみつけた
一冊だけど、階級を規定するものは消費力である、と主張する
社会研究の一派はちょっと違うな、とこの本を読むと思わされる。
お金持ってても「品」は買えないやね。
『崩壊する映像神話』
6章 映像ジャーナリズムの裏側
これで本書を読了。
全体として、もうひとつ踏み込んだ記述を期待したいように思える
ところも多く、特に、政治的な情報操作の実例に関する部分は、
もっと詳細に書かれていてもいいのではないかと思いました。
そのことは、表紙やあおり文句から受ける印象を考えれば、なおさらです。
それが逆に、「見かけや宣伝にだまされるな」という実例を
提示しているのだとしたら、それはそれで、うまくできた本と
いうことになるのでしょうけれど。
ある程度の時間を公共の交通機関の中で過ごす予定があるので、
持っていって読むのに手頃な文庫を選ぼうと思っていたところ、
朝刊の広告で高村薫の文庫が出ていることを知り、買いました。
文春文庫『半眼訥訥』がそれです。
「世相を見すえる作家の初の雑文集」とのことで、比較的短い文章を
集めてあり、細切れの時間の中で読むにはちょうどよさそうです。
941 :
オバコ:03/02/15 14:23 ID:Re2aHERM
『マンガ狂につける薬』終了。読みたい本が山程ふえてしまった。
とりあえず借りてきてある『バカにつける薬』に移行。
しばらくよそに行っていたんですが、その行き帰りの新幹線の中で
読んだ本を報告します。
まず高村薫の『半眼訥訥』を読み始めました。
最初の東京と大阪の港湾地域の比較などは、「言われてみれば確かに」と
うなずけることで、導入はよかったのですが、全体として、
新聞に掲載した短文を集めたもので、テーマがあちこちにとび、
また、自室で読んでいるのと違って、なにか気がついたことを
蔵書で確認するというわけにもいかなくて、新幹線の中で集中して
読むには、精神的にやや落ち着かない本のように思えてきました。
そこで、半分ほど読んだところで、もう一冊、予備のつもりで
バッグに入れておいた宮部みゆきの『ステップファザー・ステップ』を
取り出して、読み始めたのでした。(購入した経過は
>>524を参照)
これは、大変におもしろく、読後感のよい物語です。
超売れっ子の宮部さんの作品なので、基本設定その他はネット上で
いくらでも見つけられるだろうと思いますから繰り返しませんが、
瑣末と思えるようなことにいたるまで「世の中のこういうことは
肯定してしまいたくはないな」と思うような点が、
ちゃんと肯定しない書き方になっているところが非常に好ましく
感じられるのです。
例えば、双子が運動部の「規律」を嫌っていると思える点など・・・
ああ、そうそう、「ワンナイト・スタンド」の礼子先生の裁判のことを
知った後の「物語の書き手」による評価なども好感が持てます。
帰りの新幹線で最終章を読みかけたところで駅に着いてしまったので、
その晩もう遅かったのですが、最後まで読まずにはいられませんでした。
943 :
大人の名無しさん:03/02/16 21:06 ID:VDFAjxYb
岩波新書
「進化の隣人 ヒトとチンパンジー 」
松沢哲郎著
昨年、NHK教育テレビの人間講座として放送された内容をベースにしたもの。
いわゆる専門家が、わかりやすく書いた類のものだが、著者は学生時代は哲学を
履修していて大学院以降に現在の学問に身を置いたのだとか。岩波にしては珍しく
中学入試やら小学校の国語の教科書に教科書として取り上げてもいいと思われるくらい、
優しくわかりやすく書かれている。
名無しさん@魚好きさんへ。
今年のバレンタインの報告はまだですか?
去年のキャバクラで貰ったチョコレートを
ちょっと自慢してたのは、笑えました。
今年もお願い致します。
旧版『夜と霧』
最初から76ページまでの解説部分読了
各収容所の状況と、そこの管理者の記述。
ま、殺されるために収容所に入れられるわけだ。死刑囚が死刑を待つ場所みたいなもんだ。
拷問なんちゅうのはなんか吐かせるためにするんだろうが、なんの意味も無く、管理者の
趣味で拷問する様子がアカハダカハダカにかかれている。
興味深い記述
・刺青をした収容者はすぐ医務局に報告され、呼ばれて、殺される。殺された後、その
収容者の皮膚はきれいに剥ぎ取られて、管理者の妻の所に送られる。彼女はその刺青の
入った皮膚でランプシェードやブックカバー、手袋を作らせる。
ということで、カラマーゾフは最初のところでとまったままなのだ。今日、尻を叩かれた。
叩かれたので読む。これから、頻繁に叩いてください。
>>929 『夜と霧』おわり。旧版で買うべき。
カラマゾフ、離れてたら内容忘れた。また最初から読まなきゃならない。
『アホでマヌケのアメリカ白人』(マイケル・ムーア)
第5章 バカタレどもの国
の途中まで。
949 :
タク:03/02/22 21:50 ID:6cvkkylj
『娘の学校』なだいなだ。これ面白い。
950 :
大人の名無しさん:03/02/23 20:44 ID:hXrYqLm8
岩波新書「天皇の軍隊」―兵士たちの近代史―
第二章まで。社会学の本かと思うくらい、多面的に観察している。
『アホでマヌケのアメリカ白人』(マイケル・ムーア)
第6章 ちきゅうにやさしくキビシイ話 まで。
いつのまにかベストセラーになっていたようで、おまけに
映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」も大盛況で
全国上映されることになったらしく、それ自体は、大変喜ばしいことです。
で、いろんな書評でも書かれているとおり、非常に真面目で
一読する価値の大いにある内容を、実に楽しめる文章で読ませてくれる
大変におもしろい本なのです。
しかしなぁ・・・・・すごく売れているらしいけれど、みなさん、
これをどんなふうに読んでいるのか(どう受けとめているのか)が
すごく気になります。
これって、「あー、おもしろかった」で終わる本じゃなくて、
さて、それじゃ、この日本はどうなの? 自分たちはどうしたらいいの?
というところへ進んでいく(進まなきゃおかしい)本だと思うのです。
アメリカは突出しているけれど、ここに書かれていることは、結局、
「し・ほ・ん・しゅ・ぎ」ってどういうものなのかという話なのでは。
http://www.hanmoto.com/bd/ISBN4-7705-0158-7.html 『ゴーマニズム思想講座 正義・戦争・国家論 』
(竹田 青嗣・橋爪 大三郎・小林 よしのり )
対談集なんだけど、竹田と橋爪の国家論・正義論・民主主義論・人権論の対談は非常に素晴らしい。誠にうべなえるものばかり、さすが本職の学者。
で、対談集なんだから小林よしのりも参加してるんだが、どうも駄目駄目。とっちらかった自分の私怨話ですぐ脱線し、編集者に軌道修正される。
これは竹田・橋爪の思想論といっていい対談集である。
で、この二人が対談するだけじゃこんな本は売れない(爆
そんな感じで、以前から付き合いのある小林も入れるとこの本は売れる。小林効果である。
簡単に言おう。吉本の対談集のページ毎にサトエリの写真が混ざってて、そして『サトエリ、吉本に学ぶ』
なんかだったら吉本を読み解けないサトエリファンは買うだろう(w
そそ、小林よしのりファンは小林本だから買うのだ。竹田と橋爪の高度な正義論・
アリストクラシー論・民主主義の限界論なんぞは理解できなくても、
小林よしのりの毎日新聞に対する私怨、オウムに対する私怨、
川田龍平系エイズ団体に対する私怨、そんなもんがかかれてりゃ、
それでモノを知った気になれるのだ。小林ファンには最高の書物である。
で、売れるんだから橋爪・竹田もホクホクである。対談の中では明らかに
小林をスルーして対談している場所が結構あって楽しい。
思想初心者のコバ信者にとっての小林よしのりは、アイドルヲタのサトエリ
みたいなもんだ。廣松渉とは言わないが、少なくとも丸山圭三郎くらい
読めるようになってから小林よしのり読みやがれってんだ、べらぼうめ、はっはっは。
『アホでマヌケのアメリカ白人』
第7章 男たちへの挽歌
第8章 ウィ・アー・ナンバー・ワン!
軍事費、ではなくて、軍事費の「増額分」の何分の一かでも、
国内の民生でどれだけのことができるかということができるかということが
ざっくばらんに、それでいて核心を突いて述べられます。
全く他人事ではありません。
955 :
大人の名無しさん:03/02/26 22:47 ID:vmlQV5ii
『家事場のバカぢから』
ものは考えようでやる気も出るんだな〜。
今日は家事を自分なりに爽やかに頑張れました。
956 :
311:03/02/26 23:10 ID:5b0tzN+a
一昨日 青井夏海「スタジアム 虹の事件簿」
昨日 青井夏海「赤ちゃんを探せ」
今日 アン・マキャフリィ「だれも猫には気づかない」
いずれも 草原推理文庫
どれも面白くて、一気に毎日1冊
「赤ちゃん」シリーズに続きを速く読みたい!!
957 :
大人の名無しさん:03/02/26 23:16 ID:LkrDkjqY
加納朋子
「いちばん最初にあった海」角川文庫
泣け。おまいら。
『アホでマヌケのアメリカ白人』
第9章 巨大でシアワセな牢獄
第10章 脳死寸前民主党
つくづく思うのだけれど、アメリカがよその国の人権問題を
大騒ぎするのは、非常におかしなことなのです。
今日の購入書籍
・『拝啓マッカーサー元帥様』(中公文庫)
・『渋江抽斎』(岩波文庫)
・『歴史の終り』上中下(フランシス・フクヤマ)
・魯迅『阿Q正伝・狂人日記』(岩波文庫)
・租税貢納論(岩波文庫)
・『受験のための警察用語集』
『拝啓マ元帥』は昔、大月書店から出てて絶版になったやつだ。私は呉の書評で読みたくてしょうがなかった。中公文庫で出てたのは知らなかった。帰宅して読む。こりゃ、面白い。
日本人が戦争に負けて占領される。これはドイツも同じなんだが、日本人、少なくとも50万人以上がGHQに手紙を出している。ドイツではこんなことは起こらなかった。
そりゃ、4カ国による共同統治だからかもしれないが、こういうのは日本人特有だろうな。
冒頭に来る手紙はこんな内容。
『とても素晴らしい指導者マッカーサー元帥様、いきなりの手紙をお許しください。私は姓名判断をやってます。
日本が負け、アメリカが勝つのはわかってました。亜米利加で姓名判断をすると、
亜・・・亜細亜の盟主になる、米・・・日本と共通の瑞穂の国、利・・利益を、加・・・加える。
マッカーサー元帥様の名前もやりました。マッカーサー(松嘉佐)松は常緑の素晴らしい木、
それを嘉みする、といういいお名前です』
『笑点』の都々逸ネタのような本当の話である。で、この手紙を書いたのが一般の庶民ではない。
某県県議会議長である(本書には名前まで載っている(w
『アホでマヌケなアメリカ白人』
第11章 人民の祈り
エピローグ
これで本書を読了。
重大な問題をこれほど真面目に、それでいながら楽しく笑いながら
読める本というのは珍しいのではないかと思います。
売上げは好調なようで、書店では、目に付くところに平積みされ、
「100万部突破」などと書かれたPOPが置かれていますが、
これは、これで、喜ばしいことには違いありません。
しかし、それにしても気になるのは、こうした本が売れれば売れるほど、
現実に日本政府が国際舞台で行っていることがこの本で批判されていることに対して
無批判であった場合に(残念ながら、そういう場合は往々にしてあります)、
そして、その日本政府に対して多くの国民が無批判であった場合に、
「いったい日本人っていうのは、何を考えているのか?」
「本を購入する能力はあっても、それを読んで理解する能力はないのでは?」
なんてふうに世界中の人達から思われるようなことになりはしないかということです。
一応、新スレを立てておきました。
http://human.2ch.net/test/read.cgi/middle/1046420314/l50 でも、もう少しこのスレを使うつもりです。
962 :
大人の名無しさん:03/02/28 18:27 ID:fBLwHKMT
「日本はテロと戦えるか」(アルベルト・フジモリ、菅沼光弘 扶桑社)
改めて「9.11」を思い出したよ。
963 :
すめら待永:03/02/28 19:56 ID:H7gHE7Sq
カムバックしないでノータリン.
ダシール・ハメットの『血の収穫』
(田中西二郎訳、創元推理文庫)を読み始めました。
>>767に書いたように(『赤い収穫』というのは勘違いでした)、
大西巨人の『神聖喜劇』の中で主人公が読んでいた本で、しかも、
そのことに特定の意味があるようで、ずっと気になっていました。
今日は、48ページまで。
禁酒法時代(?)のアメリカ、仕事の依頼を受けた探偵が依頼人を
訪ねますが、会えないまま依頼人は殺害されてしまいます。
スレ立て1周年でした。
「透明人間の告白」 H・F・セイント
(帯文)
ウオール街の証券マン、ニックは偶然巻き込まれた事故で突如「透明」
になってしまった。透明になったら無限の自由が手に入ると思っている
あなた、ちょっと待って下さい。透明な生活は楽ではありません。
食事は? 買い物は? 生活費は?
でも見えても見えなくても、人は生きていかねばなりません。
透明人間の苦難と哀しみの底から、不透明な現代が浮かび上がってくる
秀逸な作品。
『血の収穫』
97ページまで
探偵がいろんな人と接触して殺人犯が誰なのかを追及するが
みんな本当のことだけを話してくれるわけではないので、
真相を解明するまでに相当な回り道をしてしまう、という展開に
なるのかと思っていたら、いきなり・・・・・
でも、まだまだ物語は続きます。
『血の収穫』
168ページまで
大変無造作に拳銃が使われ、脇役以下の人達は、あっさり死んでしまい、
そのことは特に重要なこととして扱われることもありません。
『血の収穫』
209ページまで
主要な登場人物(死んだ人を除く)が全員登場して講和会議です。
まだページが100ページ近く残っているので、おそらく決裂するのでしょう。
ところで、よそのスレにも書きましたが、
>>874-919のあたりで報告した
『ネコでもわかる? 有事法制』の共著者の一人、小西誠は、
反戦自衛官として知られた人なのですが、大西巨人の『神聖喜劇』の
愛読者で、自営隊内で反戦活動を始めたのには、『神聖喜劇』の
影響もあったということを最近になって知りました。
そうなってみると、法案や規則の条文を徹底的に読んで批判している
『ネコでもわかる? 有事法制』は、実におもしろく読むべき本で
あったのかもしれません。
血の収穫』
258ページまで
主役級の登場人物がさらに殺されていきます。それもあっけなく。
私利私欲のために他人の命をきわめて軽々しく扱う、といったあたりが
『神聖喜劇』で東堂太郎が火葬場にこの本を携えていったことと
関係あるのかどうか・・・・・いずれにしろ、明日あたりには
読み終えることになりそうです。
『血の収穫』ダシール・ハメット
308ページまで
この本を読了。
ハードボイルドという分野を確立したとされるこの小説は、
探偵が考え込んでしまったりすることもほとんどなく、行動し、
物語が展開していって、テンポよく読んでいけます。
で、問題なのは、『神聖喜劇』の東堂太郎がこの本を読んでいたことの
意味ですが、とりあえず、『血の収穫』の中に火葬場についての
記述があるとかそういうわけではないことは確認できました。
『神聖喜劇』でそのことが書かれていた部分を引用します。
第一巻 第二部 混沌の章 第三 現身(げんしん)の虐殺者 の中にあります。
> その翌翌年盛夏、一日の晴れた午前、私は、母方の叔父を荼毘(だび)
>に附するため、福岡市南郊の火葬場へ出発した。私は、病臥中の母の代理
>であった。戦火は華北の一地点からまさに拡大しつつあって、巷(ちまた)
>に召集兵の往来が目立ち始めた。追い立てられるような焦燥感と不透明な
>虚無感とが、その日ごろ、私の内側に同居し、次第に蔓延(はびこ)って
>いた。それでもやはり私は、田舎道をそこに近づく霊柩車の中で、前田夕
>暮(まえだゆうぐれ)の「馬の脊をひしと撻(むちう)つ紐鞭(ひもむち)
>の音いたいたしこの焼場みち」を思い出したり、ここで芥川龍之介(あく
>たがわりゅうのすけ)晩年の作中人物がヴィルヘルム・リープクネヒトの
>『追憶録』を読むのである、と考えたり、しながら、初訪問の火葬場につ
>つましい興味をつないだ。前年の春、西条靫負(ゆぎえ)と近しくなった
>私は、彼の影響もあって、たとえばリープクネヒト著『土地問題論』を一
>読していた。しかし火葬場行きの私がたずさえていたのは、ダシル・ハメ
>ット作“Red Harvest”〔『血の収穫』〕であった。
(引用部分の括弧内の読みは、原文ではルビ。)
光文社文庫版『神聖喜劇』第五巻の巻末の解説の最後に評論家
(という肩書)の坪内祐三氏は、こう書いているわけです。
> 『神聖喜劇』はまた読書小説の傑作でもある。本、本屋、そし
>て読書体験に関する具体性に満ちた描写は本好きにはこたえられ
>ない。
> 私は、第一巻の終わり、十九歳の夏に東堂が、母方の叔父を荼
>毘(だび)に附する火葬場でダシル・ハメットの『血の収穫』を
>読んでいたシーンが、つまり、「しかし火葬場行きの私がたずさ
>えていたのは、ダシル・ハメット作“Red Harvest”〔『血の収
>穫』〕であった」というたった一行が、脳裏に強く焼きついて離
>れない。これからも、繰り返し、時どき、そのシーンのことを思
>い出すことになるだろう。
ここで、『神聖喜劇』からの引用中の
西条靫負は、東堂の高等学校での親友でマルクス主義者。
「戦火」は、1937年7月に始まった日中戦争。
ヴィルヘルム・リープクネヒトはドイツ社会民主党の創立者の一人。
また、ハメットは、戦後、反資本主義的な見解を表明して赤狩りの
マッカーシーの槍玉にあげられたが、『血の収穫』にそのような思想傾向が
反映しているわけではない(創元推理文庫の解説による)とされています。
昨日も書きましたが、人の命が軽く扱われてしまう戦時ということと
結び付けて『血の収穫』が選ばれたのだろうかとも思えますが、
それだけでは、坪内氏の解説のような強烈な印象を説明するには
とても十分とは言えません。
そこで、さらに、「芥川龍之介晩年の作」とはなんのことだろうと思い、
探してみたら、意外と簡単に見つけることができました。
内容で思い当たる作品がないので、ネット上の青空文庫で晩年の
芥川作品のうち読んだことのないものを開いて「追憶録」という言葉で
検索してみたところ、運良く最初に開いた作品が目的のものでした。
『玄鶴山房』(げんかくさんぼう)というのがその作品です。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/36.html 青空文庫で読むこともできますが、私の手持ちの本にも入っていた
ように思うので探してみたら、旺文社文庫の『O・ヘンリー短編集』が
出てきた段ボール箱の中にちゃんと入っていました。
『河童・或る阿呆の一生』という芥川晩年の作品を収録した旺文社文庫です。
で、旺文社文庫は、作品についての解説が比較的充実しているので、
まず解説の方をざっと読んでみました。
すると・・・・・そうだったのか!
目的のことと無関係ではないだろうと思われることがちゃんと書いてあります。
それはどういうことかというと・・・・・時間がないので、
というか、『玄鶴山房』を読んでみてから、改めて明日書きます。
ごめんなさい。
これを読んで興味を持たれた方は、青空文庫の『玄鶴山房』を
読んでみておいてください。
芥川龍之介『河童・或る阿呆の一生』旺文社文庫版より「玄鶴山房」
およびその解説(吉田精一)
解説に書かれていることのうち、今の問題と関係あると思われる
部分の要旨は、以下のとおり。
>作品発表当時、最後に大学生が社会主義者リープクネヒトの『追
>憶録』(龍之介の愛読書でもあった)を読むということが問題に
>なり、雑誌「新潮」で、なにもリープクネヒトでなくても娯楽雑
>誌の類でもいいじゃないかという批評が出た。これに対して、リ
>ープクネヒトを読ませた点に新時代が感じられておもしろいとい
>う意見を批評家の青野季吉(すえきち)だけが述べた。それを読
>んだ龍之介が青野に書いた手紙によると、龍之介は、作品の最後
>で山房以外の世界に触れさせ、そこに新時代があることを暗示さ
>せたいという意図を持っていたのだった。そして、龍之介は、チ
>ェーホフが『桜の園』で新時代の大学生を二階から転げ落ちるこ
>とにしていたことも念頭に置いていた。
このことは、新潮文庫版の『河童・或阿呆の一生』巻末の
「玄鶴山房」の解説でも、ごく簡単に触れられています。
つまり、『神聖喜劇』の中ではタイトルを挙げられていなかったものの、
この『玄鶴山房』では、登場人物が火葬場に行くのに持参して読む本が
作者によって特に意味付けがされて選ばれた本だったわけです。
ということは、『神聖喜劇』の作者大西巨人も、そのことを踏まえた上で
「ここで主人公が火葬場に持って行く本には特に意味があるのだ」という
読者へのメッセージとともにその本を提示しているということになるでしょう。
(そして、そこに強烈な印象を受けた坪内氏は、当然、『玄鶴山房』の
意味を理解した上で、「本好きにはこたえられない」という感想を
述べていると思われます。)
で、そういったことを理解した上で、では、新時代を暗示させようとした
芥川に対して、『神聖喜劇』でハメットの『血の収穫』が選んだ大西の
意図ですが、これは、当然、時代背景抜きには考えられないと思います。
『玄鶴山房』が発表された1927年(昭和2年)は、
どのような時代であったかというと、
1925 治安維持法公布 普通選挙法公布
日本プロレタリア文芸連盟成立
1926 労働争議激化 文相、学生の社会科学研究を禁止
1927 金融恐慌 日本軍山東に出兵
(旺文社文庫の芥川略年譜から抜粋)
1917年にはロシア革命が成功し、日本でも労働運動が高揚し、
禁止されるほど学生による社会科学研究が盛んに行われた時代であり、
「新時代」の到来が期待されていたと言えるのではないでしょうか。
一方、『神聖喜劇』の主人公が火葬場に『血の収穫』を持って入った
(1937年と思われる)のはどのような時代かというと、
1927年以降、共産党弾圧、世界恐慌、満州事変、五・一五事件、
滝川事件、二・二六事件などを経て1937年の日中戦争開始に至る、
将来に明るい希望の持てない時代であったと言えるのでは。
「殺して分捕る」戦争の時代に、「人生は真剣に生きるに値しない」という
ニヒリズムに陥っていた当時の主人公を象徴するものとして、
私利私欲のために簡単に人の命が奪われるハードボイルド小説が選ばれた
とそんなふうに考えてみました。
975 :
タク:03/03/07 20:55 ID:ND35YULG
>魚好きさん
『神聖喜劇』を早く購入し読み直したくなりました。ありがとう。
976 :
大人の名無しさん:03/03/07 21:31 ID:nkVuxu+N
『中国怪食紀行』 小泉武夫 光文社
夫の読んだあとに読んだが、面白かった。
小泉さん、いろんなもの食べすぎ。
カメムシの幼虫まで、あんた・・・
『もの食う人びと』 辺見傭(人偏いらない?)
これもまずまず。
食べることばかりだ。
http://images-jp.amazon.com/images/P/4101226318.09.LZZZZZZZ.jpg 靖国 新潮文庫
坪内 祐三 (著) 内容(「BOOK」データベースより)
「軍国主義の象徴」か、あるいは「英霊の瞑る聖地」か。八月がくるたびに、
閣僚の公式参拝の是非が論じられる靖国神社。
しかし、そもそも靖国は、建立当初はどのような貌をした場所だったのか
―イデオロギーにまみれ、リアルな場として語られることのなかった空間の
意外な姿を膨大な史料を駆使して再現し、近代化を経て現在に引き継がれる、
日本人の精神性を発見する痛快な評論。
温泉入って寝るまでに第五章まで。山口昌男の弟子の面目躍如たる出来。
978 :
タク:03/03/08 14:20 ID:YwNdLylh
>976
そんなあなたにお勧めの1冊、『土を喰う』水上勉。
物の味の本質に立ち返ります。
芥川龍之介『河童・或る阿呆の一生』から
「点鬼簿」「蜃気楼」
昔、読んだような気もするのですが、念のため読んでみました。
死の影の漂う陰鬱な短編です。
>>974の2行目
>『血の収穫』が選んだ
は
>『血の収穫』を選んだ
の誤りです。
『京の川』水上勉。
981 :
大人の名無しさん:03/03/08 18:18 ID:bDSDL793