【LAS】アスカの日記　８冊目【LAS】

前スレ
【LAS】アスカの日記　７冊目【LAS】
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1140362446/

過去スレ
【LAS】アスカの日記【LAS】
http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1099731728/
【LAS】アスカの日記　２冊目【LAS】
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1114245799/
【LAS】アスカの日記　３冊目【LAS】
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1119106493/
【LAS】アスカの日記　４冊目【LAS】
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1127140426/
【LAS】アスカの日記　５冊目【LAS】
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1130462494/
【LAS】アスカの日記　６冊目【LAS】
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1135476374/

ダミーアスカ氏の保管庫
http://mitada3.hp.infoseek.co.jp/asukaindex.htm
初代1氏の保管庫
http://f18.aaacafe.ne.jp/%7Eshadow/ffss/ffss.html

関連スレ
アスカの日記　４冊目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1111761234/
綾波レイの日記　2冊目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1122215092/
碇シンジの日記　２冊目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1123423924/
葛城ミサトの日記　２冊目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1137160023/
霧島マナの日記
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1131333238/
渚カヲルの日記
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1119309531/

2get
>>1乙

>>1俺乙

前スレ埋まるまで待機

1乙
sage進行

保全

待機

乙

10

まち

神まち

待機

大気

タイキシャトル

ここの稼働もまもなく

てーき

タイキブリザード

マチカネタンホイザ

タチカワボールペン

　ということで私は今、ペットショップにいる。首輪と鎖を買いに来たのだ。近所のミサト姉さんも言ってた。「大事なものはしっかり鎖で繋いでおかないと後で痛い目見るわよ。
大体、男なんて・・・・。」後の方はよくわからなかったが、とにかく鎖が良いらしい。
鎖に繋いだシンジをどう調きょ・・じゃなくって躾けるか想像していたら、店員さんに
「お客様、すいませんが、よだれが・・・。」と注意された。気がつくとよだれが品物にかかりそうなぐらい垂れていた。さらに近くにいる親子に「あのお姉ちゃん、一人で笑ってるよ。」「見るんじゃありません！」のおまけがつく。
まあ、とにかく、無事に首輪と鎖を購入できたわけで、実際手に取ってみると、みるみるうちによだれ・・・じゃないって、やる気が出てきた。覚悟しなさいバカシンジ！

結果は・・・惨敗に終わった。鎖を見せたとたん、ビビッてシンジがトイレに逃げ込んだのだ。
（断じて私の表情にビビったのではない・・・たぶん。）
台所を握っているアイツに対してこの行為は軽率だった・・・。結局、バカがずっとトイレに篭ってたため、
アタシは夕食にありつけないまま、時間が過ぎていき、帰ってきたママにこってり叱られた。
その後、二人でなだめすかして、やっと出てきた。もちろん、鎖は禁止だ。
でも私は負けない！いつかきっちり型にはめてやるから！

7冊目からの続きです。読みづらくて申し訳ない。
えー、二度目になるかもしれませんがシンジの設定はテキトーです。深く考えないでください。二人のネ申待ちの間の余興として読んでいただければ光栄です。
引き続きアドバイスがあればお願いします。ありがとうございました。

捨てシンジＧＪ！よいよ！

二人のネ申待ち。
今思えば毎日のように投下されていたお二人、それを当然と思ってこのスレを見てたわけで
最近やっぱりそれはすごいことだと思った。
まぁ確かに待ちどおしいのだが、ここは急かさずに落ち着いて待ちたい。
というわけでネ申待ち

ひょっとしてDAHLIA氏、否定的な意見があったからやめてしまったんじゃ・・・・。

なんかそれっぽいこと書いてたし。やる気なくしたのかも。

そうかもしれない、と思いつつも希望を捨てきれない…
戻ってきて下さい、一生のお願い

一生のお願いだけはやめとけ…

とにかく待つ

うむ、外野はあぁだこぅだ騒がずに、待つべきではないか
そして職人が来たら、よければ乙と言い、よくなかったら読まない、職人が来なければスレを保守し待つ。
それがベスト

確かにDAHLIA氏のは脱線気味だったからねぇ。
このスレ的には疑問符が付く。

だがそれがいい

スレ違いにしても、期待させたままの中断なんてナンセンスですよ。
ヒスｔ(ｒｙ

脱線気味だから他でやった方が、って氏も言っていたけど自分はここで良いと思う。

同意。
あれは日記にカテゴライズするべきだろう。

続けてほしいという結論で落ち着こう。

氏の作品は、リアル日時と合わせる事にこだわるから
しばらく日記が書けない状態の演出と自分に言い聞かせて
待っている

>>29
だからといって「青葉の日記」なんてスレを立てるのはナンセンスだと思うし
主軸が「アスカの日記」なら、ここでいいと思う。
面白くなる分には、狭義にならず歓迎で良いんｼﾞｬﾈ？

ホリちゃんダリちゃんまち

まち

漏れもダリ待ちだな。

マチカネホリデイ

なんだかんだ言って俺達は待っています。
いつか来るであろう投下を信じて。

誰がなんと言おうと待ってます

>>1様
乙です、いえ、深く感謝しております。

では新スレを祝して拙作を投下しますかな。

夜の月戰い日

週末の夜なんて楽しい時間を過ごした後の延長戦みたいなもの。
リビングではなればなれに居場所を作るアタシとシンジもそれは仮の姿にすぎない。
どうやってこの間延びしそうな危うい時をうまく活用してやろうか手ぐすねをひいてるのだ。

今日はシンジの「TV見てないならチャンネル変えるよ」という一言が着火点。
BGM代わりに意味もなく流してたのがばれたかと口惜しかったけど、
シンジとて見たい番組があるわけじゃなしザッピングを繰り返して何かをごまかしてたわ。

リモコンを投げやりに置いたシンジを見つめるアタシの瞳は狩人の目、
いいえむしろ狩られるはずの獣が獲物を狙って離さない目、
交わされた視線は火花を散らし、アイツが思わずたじろげばそれは何かの合図。

ぼんやりとイスにもたれてたアイツの広げた足の中へ四つ足で近づくアタシはまさしく獣、
「TVも飽きたし楽しい事はとっくにしちゃったし、でも何か物足りないと思わないシンジ？」
少し甘えた声で誘うアタシに驚きアイツのつばを飲み込む音が静かに響いたリビング。

上目遣いの困った顔がほんのり染まればそれはアタシとアイツにしかわからないサイン、秘密のサイン。

ホリ氏ｷﾀｰｰｰｰｰｰ！！

たぶんアイツは知っているのだ、アタシの中にある強烈な何かを。

猫のように迫るアタシの姿はちょっとだけ寄せた胸がちらちらとして、
おまけに自分で云うのもあれだけど綺麗な足や艶かしい体の動きも相まって、
つまりアイツはもう限界、自画自賛じゃないけどアタシにめろめろね。

鼻先まで近づきいたずらたっぷりににやりと笑いかけアタシはとどめをさす、「何が物足りないと思う？」
アイツも知っているくせに本心は云わない「…どうしても僕に云わせたいの…？」
こそばゆい息遣いは答えを云ったも同然、そうよアンタはアタシを、アタシはアンタを…

そのままもたれかかりアタシは両手を回し体を預けしっかりと抱きついた。
「…最初っからこうしたいって云えばいいのにさ…」ぜったい云うもんか、アンタなんかに。
嬉しくもなさそうな顔してちゃんと抱き返すアンタの方がよっぽど素直じゃないわよ、ふんだ。

たぶんいちばん幸せだと思い、欠けていた何かを埋めて満たされる瞬間。
一緒に居て、それなりの触れあいもあるのにどうしてこうしなきゃいられないんだろう。
ほんとうは嫌いだった男の子に、今は好きになってしまった男の子に。

もっとも今も嫌いになりそうなのは膝元に当たるちょっと熱くて固い何かを感じた時、
ほんっっとオトコってこうスケベでバカでどうしようもないのよっ！そこだけはまだ慣れないのよね…むう。

でも、それすらも忘れさせるなぞる唇の魔力は忘れられなくて…それからは内緒よいくら日記でもね。
明日もこんな風に過ごせるの？それとも来週までおあずけなの？
眠りにつくまでに教えなさいよシンジ、でなきゃ許さないからね、ふふふ。

よお、遅かったじゃないかホｒ(ry

ｇｊ！

乙!

うむ、よい、すべてはこれでよい…

ダリ氏、もしもう一度会うことが出来たなら、前スレで言えなかった言葉を言うよ…

しかし本当に外にでねえやつらだなあ。
まるで貧乏学生カップルみたいだ。

こんなところにいましたよ

http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1145881896/l50

GodJob!!

乙。ホリ氏ネ申

乙です

スレ立てした甲斐がありました。今回も甘く熱い二人の抱擁にとろけそうです。

乙

成長月期日

ちょっとだけブラがきつくなった、ミサトに聞けばサイズを改めたら？と、
しごくもっともな意見を云われたので納得してしかたなく買いに行った。

今まで買ったものが全て無駄になるのがとても腹立たしかったけど、
苦しいのは自分なのだからしょうがないと思いつつちゃっかり色々なのを選ぶのはなんなのか、
結局普段にも使える無難なものとちょっとレースが可愛いのを選んでしまったのは不覚、
…別に誰に見せるわけでもないのに…なんで無意味な所を意地張るんだろう…バカなアタシ。

帰ってからミサトに見せると「いいじゃな〜い、誰に見せてもめろめろよん」と云われたけど…
先述の通りアタシは誰にも見せるつもりなんてないんだから、そう云われても納得はできない。

でもなんでだろう、アイツはそういうアタシの変化を知らず知らず気づいてる、
妙に今日は胸に向けられる目線が痛かった、アタシの顔はちらりアタシの胸はじろり、何よもう。

腹立たしさが募るのでアイツにしっかりと聞いてみた、「何見てるの？」と。
いつも通りごまかすアイツのムッツリスケベぶりがむかついたけど、それをものともせずまたアタシは探り出す、
ようやく「少し大きくなった…？」と正直な答えを聞き出してよせばいいのに誇らしげに見せつけるアタシ。

見せつけるように強調するアタシにアイツは何もできなかったけど、
真っ赤な顔と実は狙ってる狩人の目が光ったなんて全てはお見通し。

だからなのねいきなり抱きついてきたのは、貪りたがるその欲望、わかる気はするけど…
おあずけを命令してもアイツはおさまりなんかしない、しかたなくアタシは唇を犯す事だけを許したわ。
いつもより荒々しい交わしあいはそういう事？アイツに男を感じる瞬間、それはつまり…そういう事だ…むう。

最後まで行かなくても結局アタシとシンジはそんな丁度いい所で満足する、
昨日もそうだったけど…ほんとはその先を望んでるのかな？いいえまだ早いわよね。
でも教えてあげたいわ、少しだけ成長したアタシの胸がどうなのかって。

でもまあ…アイツにはまだ早いかもね、乙女の秘密を探せる心意気があるかしら？少しは見せなさいよバカシンジ、ふふ。

乙です


少しずつ低くなるハードル。そしていつか乗り越えられる時が。

乙

少しずつ迫ってきてますね
たまんねえ

よしよし

乙です
どんどん素敵な二人に

(･∀･)ｲｲ！

その先の月二人日

授業の中で将来についてのサゼッションを受けたアタシ達は、
わかりやすく幼い未来像を思い述べた事でひとまずその場は収束したけれど、
昼休みアイツと屋上でお弁当を広げた時、またその話を蒸し返してしまった。

シンジはさっきの時間明確に未来への意見を述べはしなかった、だからだろう、
「もう少ししたら大人になるのかあ…どうなってるんだろう？」なんて呟いたのは。
随分先のようでもしかしたらあっという間に辿り着いてしまう世界、そりゃ気になるわよね。

まだこれといってやりたい事も行きたい所も考えられないアタシ達にとって、
その問いかけは無意味な禅問答を生むしかできない、でもお互いの未来を思い浮かべるのはたやすいわ。

たぶんもう少し背が大きくなってる、少しは弱々しさが薄れるかしら？
ちったあ鍛えて抱きしめた時に「男」を感じさせる体つきになりなさいよ、
マッチョは嫌だけどもう少しだけたくましさを身につけなさい、これは命令よ、ほんの少しでいいんだから。

アタシ？アタシは決まってるじゃない、今より少し大人っぽく、もっと可愛くなってやるんだから。
もうそれこそ今以上に世間の男を振り返らせてやるわよ、ぜったい相手なんかしないけど、
だってしかたないでしょ、もうアタシの隣の指定席は決まってるんだから、ちょっと頼りないバカだけど。

他愛ない予想図を思い浮かべて意地悪くにやにやしてあげたら、
「何がおかしいのさ？人の顔見て」なんてすね顔、もう少し先の未来になったら教えてあげるわ、ふふ。

もう少し経ったらアタシ達はどんな風に過ごしどんな風に歩いてるんだろう？
今から何一つ変わらないままなのかしら？まだ知らず知らず傷つけあうのかしら？
それとも…どちらかが少しだけ大人になって…許容を、慈悲を、情愛を示すのかしら？

たぶんアタシは変わらない、ううん変われないと思う、それがアタシだとよくわかってはいる。
ならばあのバカシンジが変わってくれたらと思うけど…それも無理な話ね、だってアイツだし。
やっぱりいつまでたっても引いたり押したりぶつかりあったりな日々なんだろうな…ふむう。

「でもね、もう少しだけ強くなりたいんだ…守りたいから、って聞いてるのアスカ？」
想像から引き戻され聞く事ができたのは最後の部分だけなんて不覚も不覚、
なんでそう思ったの？どのくらい強くなりたいの？誰を守りたいの？ぶつけたいくつもの問いかけ、
「それは…そのう」なんてごまかすアイツに食い下がっても肝心な部分は聞かせてくれなかった、けち。

ともかくアタシ達に今必要なのは遠くて近い未来より目先のお昼よと、
ささやかな時間を二人でしっかりと味わう事にした、これもまた続けられるのかな？

食事を終え二人手すりにもたれながらまたさっきの続きを少しだけ話した。
「…たぶん、アスカは可愛くなってると思う…うん、たぶん」なんて気のきく言葉云ってくれるじゃない、
「アンタは相変らず鈍感でバカなままね、たぶんじゃなくてぜったい」「そう云うと思った」
おおげさに笑いはしなくてもかすかな笑みを交わしあいアタシ達は空を見上げた。

この空と同じものを未来にもう一度見る事ができたら、今は云えない云いたくない気持ちを伝えてあげたい、
生まれる前から変わらない青空にそんな願いを託してみた、変わらないからこそ変わりたくないと気持ちをこめて。

だからごめん、アンタにはまだつんってしちゃうと思う、それがアタシだから、
でもねいつか必ず伝えるわ、それが大人になるってことであり…望ましい未来だと思うから、
もう少しだけ我慢してね、頑張るから、自分と戦うから、もちろんシンジも大人になってね、これも命令よ！ふんだ。

萌え

乙です

二人で描く未来予想図。可愛いね。

乙！
アスカ可愛い

アンチLASだったのに一瞬で萌え死んだ
胸キュン
ＧＪ！

5月16日

日記を書くのも久しぶりになる。　10日以上、日本を離れていた上にこの
日記帳を置いていってしまっていたからだ。　理由は、アメリカで発見された
エヴァシリーズの核の検証に立ち会って欲しい、というお偉方の申し出に
応えていたせいなのだが、その間、こちらの相棒の様子がずっと気になっていた。

ネルフが新しい組織として少しずつ動き出しているなかで、何も知らない相棒はいまだ、
私の名前を呼び続けている。　最初は何も口にしなかったのにこのところは、食事も摂るように
なってきた。　意地悪が過ぎたかもしれない。　正直私もそろそろ進展が欲しくなってきた。
私のGOサインを受けた青葉さんは、ついにシンジに対し最終兵器を繰り出したのだ。

もう一人、サードインパクト前の知人がいる。　青葉さんのこの言葉が、泣きじゃくるシンジの心を
揺らした。　二週間近くかけてようやく得たシンジの承諾。　この機に、さらに畳み掛ける。
やっと、本当の意味での再会を果たした、果たせた。　生きている最高の形で。

もう、その後はよく覚えてない。　二人とも涙腺が壊れてしまったこと、それが青葉さんにまで移ったこと、
痛いくらいに抱き合った事、シンジが初めてベッドから立ち上がった事、今までにない長いキスをしたこと。
お互いの髪が絡み合ったこと、身体と心が震えてる音を聞いたこと、それが嬉しすぎて、また泣いたこと。


何もかも分かっていて、まだ分からない。　どうして？　この気持ち。
アンバランスな廃墟の中で、心からの笑顔が出来た今日。


日本へ、ただいま。
私とシンジに、ただいま。

遅ればせながら、>>1氏スレ立て乙です。
そして、ご声援をいただいた住人の皆様に感謝しつつ、復帰させていただきたいと
思います。　これからもよろしくお願いいたします。

きたー！

乙です

二重の再会。アスカとシンジの、そしてDAHLIAさんと読者の。

きんもーっ☆

きんもーっ☆

DAHLIA氏待っていたかいがありました。感動しました。今後ともよろしくお願いします。

DAHLIAさんってもしかして初代スレの職人さん？

乙

待ってました、待ってました…！

切ないなぁ
遠距離やってた頃を思い出した。

>>DAHLIA氏

乙です、そして再開と再会、待っておりました。
これからも良作の投下を楽しみにしております、

ではこちらも投下します↓

現代月髪形事情日

二バカともアタシとも帰らずにどこかへ消えたアイツが戻ってきたのは夕方。
どうやら伸びた髪がうっとおしかったので切りに行ってきたらしい。
それにしてもせっかく切るんならヘアサロで今っぽくしてくりゃいいのに、
律儀に床屋で済ましてくるのがシンジらしいと云うかお子様というか。

「だって校則もあるしだいいち美容院は高いからミサトさんに悪いよ」
浮いた費用はビールに変わって腹の中よ、人に義理たてるより自分を立てればいいじゃない、ふん。
とはいえさっぱりしたのが嬉しいのか妙なごきげんが可愛らしいので良しとしておこう。

しかし切る前と切った後、どこがどう変わったのかまったくわかりゃしない。
「え？前髪と襟足を整えて…ボリュームを抑えて…わからないの？」わかるわけないわよ。
一生懸命説明してくれたけどアタシにとってはいつものシンジの髪形、そうとしか云えない。

どうせならと雑誌を引っぱりだして「モテる髪形」をあれこれ教えてやったけど、
「僕にはそういうの似合わないよ…それにモテたいとは思わないし…」とあっさり流された。
ま、確かにイケメン風、パーマ、ベリーショート、ソフモヒ、どれをとっても想像し難い、
一つ一つを当てはめても見事な違和感、思い浮かべたアタシを笑い死にさせないでよバカシンジ。

まあ、今の髪形はアンタにぴったりなやりすぎずさりとて目立ちもしないもの、
髪にあれこれ悩んでキメてくるアンタなんてらしくないかもね、
ほんとはそんなシンジも見てみたい気はするけど…今のシンジがシンジらしいから無理は云わない。

「僕の事はもういいよ、アスカは髪切りに行かないの？」そら来ると思ったわ。
そういう気分になる時もあるけれど、やっぱり乙女の魅力は長い髪、これでも自慢の一つなのよ。
あと…まだママが生きてた頃アタシのこの髪形を好きだった、ってのもあるけどね…
ちょっと何を書かせるのよ！アンタなんかにはぜったい教えない秘密なんだから！

「そうだよね、僕もアスカは長い方が似合ってると思うし…好きだな…」
最後の方だけ声がこもって聞こえなくなるのはほんとアンタらしいわね、
今さら恥ずかしがる間柄じゃないでしょ、ちったあそういう所を改めなさいよ。
もう何回抱き合ったの？唇を重ねたの？そっちの方が恥ずかしいわよ、もう。

それにアンタのそういうさりげない心を惑わす言葉だって、
アタシにとってはものすごく恥ずかしいわ、こそばゆいのは息もセリフも困っちゃうのよ。
まあ、バカシンジにしては上出来な言葉の数々を褒めてはあげようかな、
もっとも口に出して賞賛なんかしないわ、だってアイツすぐ増長するんだもの。

落とし損ねた髪の切れ端がちくちくするからって珍しくアイツが先にお風呂へ入ったけど、
さらにさっぱりした自分の髪よりも、アタシの洗いたての髪の方が気になるなんて、ほんとバカね。

そういうわけで今日は抱き合ったついでに互いの髪の香りを味わってしまった。
アイツの香りもよかったけど、アタシの香りはどおだった？ちゃんとそのうち教えなさいよ。

もっとも愛おしそうにアタシの髪ヘ埋めたアイツの顔をみればいい香りだとわかるけど、けどね…ね？シンジ。
でもシンジの香りは誰にもそしてアンタにも教えないわ、それは秘密、アタシだけが知っていればいいの。

鼻先にのこった香りがまだ消えない内に筆を置いて夢の中まで持っていこうっと。

乙かれです。
どうせなら一緒に美容院に行く展開なんていうのも見たかったかな







いやシンジに女装させて連れて行くとかじゃないですよ？

>>83
美容院は女だけなんて思ってる人いないだろう


そんでホリ氏乙です。

あぁ、マジでホリさんイィ！
本当にあったけぇ。
15、6ぐらいってこんな感じの恋愛だよなぁ。
そういう気持ちを丹念に書けるってのが本当にすごい
マジ学生時代に戻りたいなぁ。。。

5月16日

今日は僕の人生の中でも、初めてエヴァに乗ったあの日以上に忘れられない日に
なった。　今いる病室で目を覚ましてから、毎日のように青葉さんが会いに来て
くれていた。　嬉しかったけど、その度に一緒にネルフを立ち上げよう、と誘われるのには
参っていた。　だって、僕なんかがなんの力になれるわけでもないから。
青葉さんは、僕を是非仲間に入れたい、君じゃないとダメだなんて言ってくれて。


好きな子一人、繋いでおけなかった僕に、何の価値もない。　そう思ってた。
けど、今日青葉さんが今まで隠していた重大なことを告げた。　僕がネルフに協力するなら、という
条件で同様に参加を決めかねている知人がいる、と。　僕は恐る恐るではあったものの、
その正体知りたさに首を縦に振った。　このベッドの上で、初めて歩いたような瞬間だった。

そこには、大好きな女の子が待っていた。　一番逢いたかった彼女が待っていた。
他の誰にも埋められないものを埋めてくれる人が、同じ気持ちで僕の顔を見ていたんだ。
今日ほど、嬉しかった日はない。　　辛い一ヶ月だったけど、生きていて、良かった。


でも、その後青葉さんに渡された新ネルフの人事予定表に、思わず声を上げて驚いてしまった。
青葉さんとアスカは、最初から分かっていたような顔で僕を笑っている。　本気なのか。


総司令　碇　シンジ
副指令　惣流　アスカ　ラングレー
補佐　青葉　シゲル

即興でシンジ日記を書いてみました。
ほとんどアスカバージョンと変わりませんけど（苦笑）。
レスを下さった住人の皆様、ありがとうございます。

＞ホリデイ氏
お疲れ様です。　今スレでもよろしくお願いします。
一日一日のリアルな描写と、大袈裟じゃない出来事に二人の息吹を感じます。
毎度ながらただただGJです。　これからも楽しませてくださいね。

乙です

ホ：ちょっとした事が喜びだったあの頃を思い出しました。遠くまできてしまったな・・。
Ｄ：この人事には裏がありそうです。波瀾万丈の予感。頑張って。

切ない

ＧＪ！ダリ氏またもや意外な展開ｗｗｗ
もう本当に読んでておもろいよ！今後も頑張ってくれ！

お二方とも乙です

乙

wktk

5月17日

相棒の退院まで秒読み態勢に入った。　紆余曲折あったけど、二人での暮らしが
帰ってきた。　訳も分からず二人きりで投げ出された以前の生活と違い、これは
二人で掴み取った現実なんだと、私達の新しい誇りになった。

今日はお見舞いに行き、半身を起こして新組織の暫定事項に目を通す相棒の横で
林檎を剥いてあげた。　前にドラマでこんなシーンを見た記憶があり、いい機会なので
再現してみたくなったのだ。　が、私は果物ナイフが上手に使えない。
プログナイフで使徒を串刺しにする術には自信があるのに、リンゴの方が手強いだなんて。

苦心する私を察して手を貸そうとするシンジを跳ね除けて無理をすれば、左手の親指を少し
切ってしまった。　痛みは大した事は無いが、腹立たしくて大げさに叫んでしまった。
するとシンジは、これまたドラマの再現、止血と言う建前で親指を口に含んでくれた。
ちょっと恥ずかしかったけど、僅かにシンジが大人びて見えたことに口元が緩んだようだ。

深く掘ってしまったような剥き掛けのリンゴの赤さ。　多分私の顔も同じだった。
弐号機、プラグスーツ、ヘッドセット、そしてシンジと一緒にいる時のこの心。
赤は、私の色。

それを一番よく知るシンジはかけがえのない理解者。　
二人で食べたリンゴの甘さに、今日はお互い、真っ赤になった。

そう、幸せだった。

乙です

ドラマみたいな恋がしたい。繰り返されて刻み込まれる絆。

>>94

> そう、幸せだった。


・・・！！
過去形？

んあっ!?
過去系だっ！

あ〜展開気になるなぁ…
いつもながらＧＪ！休憩時間のよい楽しみになってます。

乙

別離

一日を振り返ってただ過去形にしてるだけだと信じたい

そうじゃないかな

深い意味じゃないと思うが…
ま、これからまた展開があるのは確かだろうし、楽しみだな〜

くしゃみ月三回日

さっぱりしない天気が続いたせいか鼻風邪をひいた、ええいうざったい。
動けないほど辛くないくせに関節が痛むわ鼻づまりがやまないわでもう最悪。
おかげで今日の学校はえらい長く感じた、これなら嘘ついてでも途中で帰りゃよかった、へくちっ…むう。

こういう日はさっさとお風呂入って薬飲んで寝るに限るわね、
早く夜にならないかと待ち焦がれた頃お節介なバカが余計事を聞いてきた。

温かい格好して早く寝た方がいいとか、お粥作った方がいい？とかまったくいちいちなんなのか、
近づいたら伝染すわよと憎まれ口を叩いたら「せっかく心配してるのに！」と他愛無い口げんかの始まり。

さんざんわめきあえば「はいそれまでー」とミサトの仲裁が入りひとまず休戦。
それでも黙るシンジにアタシはぶつくさ文句を止めず一方通行な一幕はまだ続いた。
困った顔のままのシンジがふと何かに気づいたみたくアタシを見つめた、いったい何なのよ？

「…鼻声のアスカ、なんか可愛いや…」ほんとこの男はバカとしか云えないわ。
「うん、そう思う、僕はそう思った」何度も確かめるみたく云わないでよしつこいわね。
何バカ云ってんのよ、そう返したらまたくしゃみが一つ、へくちっ…アイツの微笑みがくやしい、くそう。

ほんとアイツはまったく無意識にそういう言葉を吐いて人の心を惑わすんだから。
う、嬉しくなんかないわよっ、なんだか小馬鹿にされたようで、嬉しくなんかないんだからっ。
余計な心配も似合わない気遣いもぜんぜんぜんぜん嬉しくなんか…ないんだから…

嘘、ほんとは嬉しいのよ、でも認めたくないの、でも嬉しい、ええいなんなのよ。

…でもそんなに鼻声のアタシって可愛いのかな…？
思わずテープレコーダーを引っぱり出して録音してみようかとしたのは間違いなく不覚。
これは全て微熱のせいでぼうっとした頭が引き起こした失態、理性なきアタシの失敗。

そうよ、あの時こそばゆい文句を云われて顔が赤かったのも微熱のせい、
何が鼻声が可愛い、よ、しれっとした顔で云ってくれちゃってさこのムッツリスケベ、
すべては不測の風邪が起こした事態、アタシの意識が起こしたものではない、きっちり記しておく。

…でもなあ…せっかくアイツが伝えてくれた言葉…やっぱり嬉しくないわけないでしょ…
御丁寧に湯たんぽまで持ってきてくれたアイツを前時代的とバカにしながらも、
鼻声で「ありがとう…」と応えてあげた、嬉しそうなアイツの顔はアタシも嬉しい、そして好きだ。

もう少しだけひいて鼻声のアタシがどうなのかちゃんと教えてもらおうかな…
ううん、ちゃっちゃと治して健康体に戻りたいわよ鬱陶しいし、でも、でもね…

ひとまず布団にもぐりこんだアタシは湯たんぽの温かさをとても感謝して、
どうせならアンタを猫じゃないけど湯たんぽ代わりにしたかったわよと、
また微熱が生み出した言葉をつぶやいてにやにやしながら…寝る事にしたわ…おやすみなさい、へ、へくちっ…

乙です


恋は全てに魔法をかける。鼻声もそれは女神の声。甘いなあ。

ＧＪ！

まさに微熱な恋だ

アスカテラカワユス

5月18日

外は、激しくはないけど冷たい雨。　立ち上がろうとする街の人達に、一時の休息を
促さんとしているかのように。　私もこんな日は、相棒の病室から出るつもりは無い。
その気持ちには、天候なんか関係ない気もするけど。　今の私には憂鬱になる要素がないのだ。

かつて浜辺でいた頃と同じ、昔話を繰り返す。　時折、じゃれあってみたりする。
そんな戯れの時間を、遠くか近くか、見ている気配がある。　私もシンジも、気付いていながら
言葉には出さない。　もう、eyeコンタクトなどという領域を超越した私達の意思疎通。
二人で呼吸を合わせ、「それ」を呼んだ。　声に出さず、こちらも気配で訴えかけた。

ファーストは、ゆっくり私達に近寄ってきた。　見えないけど、見えた。　近寄ってきたはずなのだ。
珍しく、寂しそうな表情をしている。　私は、嫉妬と言う感情を感じ取った。
まだまだ乙女心を理解し得ないシンジは、私がいるから来ないで欲しい、なんて一端の複雑な顔をして、言った。
私の制止も聞かずに消えてしまったファースト。　納得が出来ずにシンジに怒鳴りかけると、突然私を抱き締めてくる。


綾波レイが怖かったと、その肩は震えていた。　この気持ち、私には分からない。
私の言いたい事はかき消され、気分の良くない時間に雨音が重なった。　私は逃げ場所じゃないのに。

今日は自分の為にと言い聞かせ、シンジを許した。　せめて心の中は晴らしておきたかったから。
拒絶という選択肢が自分を閉じ込めていく事、充分にコイツは知っているはずなのに。
まあいい。　それなら、私がこじ開けるための鍵になるまで。　運命共同体の決意は揺らぐもんですか。


私も、随分変わったと思う。　何より、今の自分を愛せていることが。
だから…、ついて来るのよ、バカシンジ。

>>108
乙。健気だなぁ

乙です


閉ざされた心、繋げる心。愛は二人を、そして世界を救う。

乙。

乙

ＧＪ！
二人と、世界のRestart

5月19日

今朝、自分の部屋で朝食を取っていると電話が鳴った。
あくまで非常連絡用として持たされている携帯電話。　ディスプレイに出た番号は
唯一登録してある青葉さんのものではなく、知らない番号だった。
気になって出てみると、耳に入ったのは弱々しいけど澄んでいる、私の一番好きな声だった。
昨日、持たされたから試しにかけてみた、との事だったが本当にただそれだけだったのか
話題が無く、お互いどもってしまった。　電池の無駄だと言って切ってしまったが、無性に
顔が見たくなり、私は今日も病院へと駆け出していったのだ。

相棒の名を呼びながら病室へ飛び込んだ。背中を向けて白い布団にくるまっているシンジに
上から、走ってきた勢いのまま覆いかぶさってやった。　さぞ、喜ぶだろうと思いながら。
しかし、どうしたのかシンジは硬直して動かない。　被さった瞬間にビクンと動いたから、
余程驚いたのか、それとも寝ていたのを起こされて機嫌が悪いのだろうか。


どうしたのよと聞いてみれば、泣きそうな声で見ないでと哀願するシンジ。
そう言われてはかえって関心をあおってしまう事に気付かず、やっぱりバカシンジ。
離そうとしない掛け布団を無理矢理引き剥がしてみれば、見えた光景は唖然とするものだった。

左手にボロボロの、かつて私の顔に巻かれていた包帯。　
詳しくは書かないがベトベトの右手。　
そして普段は決して晒すことのない部位。

久しぶりに悲鳴をあげて、相棒の頬に真っ赤な手形を付けるハメになった。
予告無しで現れた私も悪い、とシンジは力なく反論したが、聞いてやらなかった。
こういうことに本気で落ち込む男なので、それ以上責めることはしなかったが、
非常に複雑な気分だった。　以前四六時中プラグスーツ姿だったのも、今頃効いているらしい。
やれやれと思いながら、今、巻いている包帯をプレゼントしてやった。


何をしているのか、私は。

ナニですか？

ﾜﾛｽ

乙です

笑っちゃったけど・・その中でもアスカの大人っぽさが見える。お姉さんアスカ。

乙

二人とも惨下を通りながらも成長してるってのが、
よく分かるなぁ
でもまだまだ若いね
ＧＪ！

ていうか、シンジ何やってるんだｗ

ホリちゃんはいずこ

あなたに月なれたなら日

キュロットスカートが流行ってるので買ってみた。
ホットパンツほどどぎつくないしミニスカートほど合わせにくくもないので、
なかなか重宝しそうな予感、ちょっと前までは古い格好だと思われてたなんて。

「アスカ足綺麗だからそういうの似合うわよね」ミサトにほめられたけど、
アタシにとっては彼女みたく大人のスタイルが似合うのがうらやましいから、
嬉しくてもなんだか素直に喜べなかった、ほんとうはあなたのようになりたい、なんて。

もう少し時を重ねれば自然とそういうのが身につくのかな？
「見せかけにすぎないわ、わかりやすい鎧で自分を守ってるだけ、若さは最良のファッションよ」
ミサトもまたアタシをうらやんでる、アタシもミサトをうらやんでるのに、ままならないなんて不思議ね。

でも大人になりたい、今よりももう少しだけまともになれるような気がして。
「大人になってしまっただけ、後で気づくものよ代わりに大事な何かを失ったって」
「反面教師にしろとは云わないけど…私みたく失敗ばかりの生き方よりあなた達には真直ぐ進んでほしいの」
悲しげにそれでいて力強く諭すミサトの言葉はアタシの心にしっかりと刻まれた。
わかってるわ、応えるから、でもねミサトも含めて皆いい方向に進む事をアタシは第一に望むわ。

幸せが独り占めできたらいいとは思う、でも代わりに誰かが不幸に陥るなんて見たくはない。
全てが上手くいくほど世の中甘くはないわ、ただ少なくともアタシの知る限りの人達が幸せに護られていてほしい。
ミサトにそれとなくこぼせばにっこりと微笑んでくれた、やっぱりあなたになりたい、なれるものなら。

ところでシンジにこの姿を見せたら何も云わず赤くなってしまった、何よこれしきの事で。
街でこういう格好の子を見てそれとなく意識はしていたらしい、やっぱりムッツリスケベなんだから。
でもそのおかげで明日はお出かけする事を言い出してくれた、もちろんこの姿でとの条件付きで、ふふ。

大人にすぐなれなくても今のアタシをめいいっぱい欲してくれる人がいるのだから、それでいいのよね、そう今は。
けれどもいつかその人に見せてあげたいの成長したアタシを、もっとも同じように成長したアンタによ、ね、シンジ…？

ホリデイ乙

ふふ乙

乙です

幸せは二人で、いやみんなで作るもの。一抹の悲しさと微笑ましさ。

よいね

乙です。
最近は一度の投下で完結ですね。毎回楽しみに読ませて頂いています。これからも宜しくお願いしますだ。

乙

5月21日

待ちに待った日がやってきた。　相棒がようやく退院する日。
すでに新組織のトップの椅子が用意されていることに本人がいまだ釈然と
しない様子だが、盛大に迎え入れる準備は、副司令として怠っていない。
これは私が決めたこと。　政府の人間はあくまで年長の青葉さんに持ちかけた
話だとしているが、内緒でそういう役割だと決めたのだ。　そう、青葉さんは
私達のサポートにまわりたいそうだ。　主役は、私とシンジ。　


それはさておき、今日は退院祝いパーティーで盛り上がった。
三人で、贅沢とは言えないけどご馳走を食べて、笑って、騒いで。
楽しかったけど、青葉さんのリクエストでキスをさせられたのは難儀だった。
誰かに見られていると、異様なほど恥ずかしかった。　それでも場の
空気に乗っかって、ためらうシンジに強引に唇を押し付けた私は、多分愛情が
プライドに変わっていい人間になれたのだと思えた。　　青葉さんには、ちょっと感謝。

すっかり恋人扱いの私達だけど、これからは上司、部下という関係になる。
シンジがそういうがらではないと私も知っている。　それでもあえて、私はシンジの部下になる。
残されたものを守ること。　残されたものの中で精一杯生きること。　そして、
やり直すのではなく、前に進む事。　これからの生き方に、もう澱みはない。


よろしくね、碇司令♥

5月21日

今日は入院生活最後の日。　迎えに来てくれたのは、毎日来てたけどやっぱり
嬉しい僕のパートナーだった。　青葉さんは昼間仕事があったそうで、アスカと
二人で病院をあとにすることになった。

街の中は、まだまだサードインパクトの傷跡が生々しく残っている。
そんな中でも割と大きく、きれいな政府のビル。　今、アスカや青葉さんが住むこの
建物が今日から、僕の住居にもなる。　街の人達には悪い気もするけど、また
アスカと暮らせる事は嬉しくって仕方がない。　　やっぱり…最低かな、僕って。


でも、アスカと青葉さんは、僕の退院を心から喜んでお祝いしてくれた。
たった三人だけど、いつかを思い出せたような、楽しい時間だった。
キスを迫られたのはちょっと悪ノリだと思ったけど、恥ずかしがる僕が
青葉さんのお気に入りらしい。　なんとも、困った話だ。

今日から、アスカと同じ部屋で共同生活することになった。
以前の生活が屋内になっただけだから、そんなに違わないけど、これは
冷静に考えるとすごいと思う。　何より、アスカと出逢ってからはほとんどずっと
一緒に暮らしてるんだ。　もう僕も、特別な縁があったことを疑ってはいない。

だからこれからもずっと、一緒に暮らしていくんだ、アスカと。

乙

乙です

退かぬ媚びぬ顧みぬ（違。
アスカの当てにする想い、そしてシンジの決意。それは新たなる旅立ち。
ハートマークが可愛いね。

ポエマーなスレでつね

愛してる

恋は月水色日

お腹の辺りの肉が気になったため市民プールへ行き一泳ぎして減らす事にした。

なぜシンジもいるかと云うと記録や監視を兼ねた雑用係として採用したため、それ以上の意味はない。
だから新しい水着をなぜか持ってきたのも偶然にすぎない、決して見せつけたかったのではない…たぶん。
誰が泳ぎは苦手だとぐずるアイツを無理矢理連れてきて見せようなんて思うの？
うじうじするバカを引っぱりだしたアタシを褒めてほしいものよ、まったく、ふん。

幾度も往復を繰り返した所で小休止、イスでくつろぐバカにどうせならと誘えば、
「人は浮くようにはできてないの」といっちょまえな口を聞いたのがかちんときて、
そのままプールの中へ蹴落としておいた、盛大な音としぶきがはちきれた瞬間。

せきこみながらも器用に泳ぐ姿からなんだやればできるんじゃないと思ったら、
「泳ぐのは嫌いだし苦手なの、すすんでしたい事じゃないよ」とアイツらしい答え。
そうよね、アンタって何事にも対応できるくせに自ら動こうとはしないんだから、
エヴァに乗る事も、チェロを弾く事も、料理も家事も、みんな人に云われたから、だもんね。

「そういう云い方ないだろ」とすねるのは図星ってことでしょ、ふふ、わかりやすいんだから。
悪さがみつかってうなだれた子どもみたいなアイツの濡れた髪と体を、
そっとタオルで拭ってあげたのは「ごめんね」の代わり、ちったあ嬉しく思いなさいよ、
このアタシが優しくしてあげるなんて滅多にないことなんだからね、それもアンタだけに、よ。

「アスカはそうやって自我が強いからさあ…」とむくれたままのアイツは、
アタシにぶつぶつ聞こえない文句をこぼしてはやめこぼしてはやめ。
こうやって一度へこめばそれっきり意識は下降線を辿るだけなんだから、もう。

「3-A」と書かれた水泳パンツと揃って情けないアイツにアタシはちゃんと教えておいた。
そんなアンタでも自分から進んで、ちゃんと決めた事が存在してるじゃない、と。

不思議そうな顔で見つめるシンジにアタシは言葉を続けた、「アタシを選んだ事、よ」と。
一瞬にして火が灯った様に赤さを増したアイツは隠せないたじろぎを見せつけ、
「そ、それは、そうしなきゃ僕は…僕の気持ちが…」あーその先はくすぐったいからやめて。
ったく女の子にこんな事云わせないでよ、まあ、そういうセリフが出ないのもアイツらしさだけど。

もう一泳ぎして帰ろうと誘いアタシとシンジはプールに向かって歩き出した。
「僕はちゃんと決めたんだよ」「何が？」「…さっきの話」「わかってるわよそれくらい」
スタートラインに辿り着きアタシ達は体勢を整えた、ゆっくりと体を曲げながら会話は続く、
「成長してるって事よアンタも」「…ありがと」「…ううんほんとは嬉しかったんだから」「何が？」

もう一度聞かれるのが恥ずかしくてアタシは勢いよく飛び込んだ、
慌ててアイツも飛び込むというよりは落ちるように水の中へと後を追ったはずだ、
ゴールが近づく前にアイツの姿を確認するとアタシは潜ったまま待ってみた。

水色の世界の中で顔を見合わせれば鼻先にひらめくのはアイツの柔らかい唇、それに返事をしておいた。

ところで体重計の数値はそれほど極端な変化を示してはくれなかった、
これからは定期的にプールへ向かわなくては、仕方がないわ…
もちろんあの非協力的な雑用係を連れてかなくてはいけないのも仕方がないわ、いいわねシンジ？

ﾃﾗﾓｴｽ

乙です


二人で前に進む。その表現の仕方が巧みですね。さすがです。

アスカがどんどん素敵になっていくな。
女の子はいつも男の子より大人なんだよな。

水の中の・・・。激しく萌え。

ﾓｴサイコーー！！！









ﾊﾟｼｬ…

5月22日

ゆくゆくは重役になる私達だが、今の時点では特にやる事はなかったりする。
今日は相棒と二人で外を歩いた。　再会後初のデートを堪能するつもりで、部屋を出た。
しかし何もない浜辺を歩いていた時よりも、殺風景に感じられる今の街並が物悲しい。
躍動感はある。　でもそれに状況が追いついていないから。　まだ、傷口を止血する作業の
途中なのだ。　そもそも生存している人達でさえ、身元が判明しているのは僅か。
誰なのか調べようもない遺体が日々、あちこちから転がり出る。　聞こえてくるのは
笑い声より、悲鳴や泣き声が圧倒的に多いのだ。　そう、満たされて笑顔を見せる私とシンジは
浮いてしまっている。　この雰囲気の冷たさに、たまに負けそうになる。

分からないまま、集団で葬られてしまう火葬場の横を通った。　嫌な臭いと嗚咽が、
耳と鼻を歪めようとしてくる。　私はすぐに立ち去りたかったのに、シンジは立ち止まった。
そして、事もあろうに十字のペンダントを見つめている。　眼を、潤ませている。


分かってる。　私とは別の意味で、シンジがまだ、愛している女性。
私も、まだ振り切れていない想いが残っているから、シンジの痛みが伝わる。
「家族」だったのに、こうして弔ってもあげられないのか。　悔しい。


せめてこれからの「家族」を、手放してたまるもんか。
この国に来てから、初めて手にしていた三人での暮らし、忘れるもんか。
目を閉じれば、ミサトはいつも笑顔でいる。　　忘れるもんか。

そして今は、シンジという家族がいる。


負けるもんか。

乙です
力強いなぁ

乙です

戻ってくるのは補完時にまだ生きていた人達なんですね。消せぬ想い、返らない想い、そして守り続ける想い。

繊細なスレだな。
今日のダリ氏のは泣いた

乙です。
…泣いてしまった

いいなこのｽﾚ。
久々に自分の涙を見たよ

今まで「泣いたよ」とかレスしてんのは全部感動したっていう例えかと思ってたけど、違った。
泣いたよ

乙

私だけの月指定席日

わけもなく寂しくなって独り砂利を噛むような気持ちで帰り道。

辿り着いても着替えるのすらおっくうで、一念発起して普段着姿に。
ジンジャーエールのペットを抱えて夕焼けが滲むベランダへとぼとぼ向かった。

どうして独りになるんだろう、生まれてから死ぬまでそうだと知っては見ても。
いつも隣には誰もいなかった、ママはいつの間にか息をしなくなってパパの顔は仮面になっていた。
だから自分を鼓舞して慰めた、自分が自分であるために、独りは唯一人であると勘違いして。

その果てに見たのは九つの槍に貫かれ貪られた体と、紅い水に汚され消えた心。

死にたくなかったけど生きたくもなかった日々はやがて勝手に隣に来た誰かのせいで、
いつの間にか少しは生きていた方がましだと思う日々に変わっていった、感謝なんてしてないけど。

でも傷つけあい、舐めあい、うんざりしては渇いた心を潤してほしいと繰り返すのは変わらない。
その度に意味を知る、隣に居続けてくれた人の、その人の心の、その人の想いの。

最初は何にもできなかった、そのまま拒みあい憎しみあった、
でも、それから、ほんの少し、少しづつ進んで、触れあって、今、アイツが隣にいる…
何よ、なんにもしてくれなかったたくせにいつの間にか近づいてくれて………ばか…

誰もいなかった、でも今は隣にいるんだ、それだけが支えとなって…
何一つしてくれなくてもいい、手を繋ぐ事も、抱きしめてくれる事も、キスですらも。
ふと襲いかかる何かに押しつぶされそうな瞬間、隣にいる事を教えてくれるだけで。

それだけでアタシは嬉しくなる、切なくなる、泣きたくなる。
ぜったいにそんな気持ちも姿も教えてあげないけど、それは心に浮かぶ真実。

だから今いない事が耐えられなくなった、涙なんて流さないけど心は雨模様。
いつまでも消えない不安はこういう時に限ってやけに大きくふくらんで破裂寸前、
時が重ねられても待つわ、でもお願い、陽が沈む前には姿を見せて、でないと…もう…

ジンジャーエールの苦さが気になり出した頃、玄関から空気音が響いた。
弱気な「ただいま」と強気な「おかえり」が交わりあうと間髪入れずに命令した。
「夕焼けが綺麗だからすぐこっちに来なさい！隣の特等席を用意したから」と。

深い意味は知らずに「ありがとう」と近づいてくるアンタをどれだけ待ったと思う？
いつもなんて贅沢は云わない、大事な時は必ずなんてわがままもいわない、
ただ、一日に一回でいいから隣にアンタがいるって感じさせて、それだけでいいの。

もう二度と誰も隣にいない、いてほしくないと願った日々を忘れさせて。
そして隣に誰かがいるって事をしっかりと教え続けて、
そのための碇シンジであり、アタシの大切な人なのだから、わかってる？

乙です


誰も一人では生きられない。切実なアスカの想いが伝わってきます。これからも頑張って。

すげえな

なんか、人との絆を大切にしようと思った。
ホリディ氏はなぜそんなに女心が分かるのか不思議でならない。

読んでてｽｹﾞｰ切なくなるのは何故ですか？

>>155
あなたが優しいから。

泣きました

乙

5月23日

久しぶりに、腹を抱えて笑ってしまった。
相棒がこの街で発見された時、着ていた服は私のためにコイツが用意していた
スカートだったのだ。　他にないので仕方なく着ていたらしいが、ちょっと
興味が沸いてそれを穿かせてみたのだ。　嫌がってはいるが、最終的には拒めない、
それがシンジ。

…似合う。　女の私よりも、下手をするとはまっている感がある。　何度か襲われそうに
なったらしいが、これはやむを得ない気がするほどに。　恥ずかしがる姿が、飢えた男の
鼻息を荒くさせたことは簡単に想像できる。　そう考えると、吹きだしてしまって大笑い。
さすがに、男である以上不機嫌にもなった。　謝って、お詫びに一緒にバスタイムを過ごす事にした。

あの浜辺での暮らしでも一緒に身体は洗っていたけれど今は、ちゃんとしたお風呂場で、石鹸を使って
身体を洗える。　熱いお湯に浸かることもできる。　まっとうなバスタイムなのだ。
私はあまり、変わった感じを受けていなかったけど、シンジは必要以上に興奮していた。
真っ赤な顔をして、動きから喋りからぎこちない。　ますます、どちらが女なのかという気がしてしまう。
私は面白がって、背中を流してあげるといいながらそのまま抱きついた。　

赤いものを噴出して倒れてしまったシンジ。　こんなのは漫画の話だと思ってたのに、現実に見てしまった。
不思議なものだ。　一緒に寝る時は力強く抱いてくるくせに、まだ免疫がないなんて。
少しあきれ返りながらも、純粋なその頬に唇を付けて、上がりすぎた熱を吸ってあげた。


結局私は、こんなところも含めて、碇シンジを欲しがってる。
当たり前のことに気付かされて、　私も少しだけ、心が熱くなった。
冷まさずに、今日は、おやすみなさい。

乙です


少し小悪魔ですね。それでも／だからこそ、かけがえのないパートナーなのかも。

＞一緒に寝る時は力強く抱いてくるくせに

(*´д｀*)

可愛いなぁ

心底羨ましい。いやらしい意味じゃなくて。そこまで異性と深く結ばれることが。

乙

わりとこのスレはｼﾘｱﾙ/ｾﾝﾁﾒﾝﾀﾙなうえに中身はリアル系だよな。
だがらこそ身に染みる。

びば月のん日

うっとうしい天気が続くのも考えものだけど寒さまで引き連れてくるとは。
おかげで今夜のお風呂が爽快なものになったのは季節外れの賜物なのかな。

心地よい熱さと湯上がりの風がこれほどすっきりとしたものになるなんて、
暦の上では夏の入り口、されど暑さは年中無休、それなのに快適な入浴とは、はて。

上機嫌になればいつもの入浴も少し違うものになる、
渇ききった髪と体に潤いを戻すため一生懸命磨きをかければ、
ふんわりとそれでいて瑞々しい髪が、あるいはぷにゅってした柔らかい肌が、
これ以上ないくらい感じられて、なんだかにへらと笑ってしまったのは不覚。

乳白色の湯舟の中からぴょんと長い足を伸ばしてみたり、
つかみきれない湯のこぼれに彩られた手から腕をじっと見つめてみたり、
それなりの谷間に溜まったお湯を見てまだまだこれからなんて思ってみたり、
いつもは気づかない己の体を今一度再認識してにやにやしたのもまた不覚。

浴室と変わらないくらい湯気をほわほわとあげるアタシの一糸纏わぬ体を鏡の前で見つめた。
ふり返ってみたり胸をきゅって寄せてみたり…もう少し大きくなるかな…成長期よ止まらないで、お願い。

そりゃできるものならミサトみたく出るとこ出て引っ込むとこ引っ込むボディになりたい。
やっぱり女である以上美しさへの憧れは際限ないのよ、これで良しなんて思ってたまるもんですか。
以上アタシが美しくなりたい理由、つまり決してシンジに見せつけたいのではない…たぶん。
百歩譲ってあのムッツリスケベをからかう材料としては有効、そんな理由は成立する…そういう事にしておく。

しかしいまだに納得できないのは同じ湯に違う人間が入るって事よね。
ミサトはまあ、同じ女同士だし、その辺は仕方ないし違和感はないけど…問題はあのバカよね、
アタシやミサトが入った事想像して鼻血出しそうなムッツリだからね、あのヘンタイ。

一番最後にアイツが入るってのが問題なのよね、もっとも一番風呂の権利はアタシのものだから仕方ない。
順番を逆にしてアイツの後入るってのもなんかな…別にイヤってわけじゃないけど、
誰が入ったとか問題じゃなくて入れたてのお風呂が好きなのよね、こればかりはゆずれない。

「どうせなら一緒に入っちゃえば？」ミサトはそうやって誘導尋問して、引っかからないわよ。
札束を積まれたら考えてみるわとスルーしたけど…あーまたそうやって意地悪な目つきするんだから。
だいいちあのバカが耐えられないわよ、いやよ白い湯に赤い何かがぽとりと染まってくなんて。

そうこうしてたら話題の主がふらりと上がってきた。
なんでだろう、湯上がりの匂いってみんないい香りするけど…アイツのって特に…
いやいやそれは勘違い、長風呂はするもんじゃないわね、頭がぼうっとしちゃうんだから。

「お風呂上がりのアスカの匂い…僕好きだよ」あー、そうやってまた人を惑わして、
でもまあいいか、アタシが思ってたのと同じ事アンタも感じてたなんて、ちょっと嬉しかった、いやかなり。
一緒に入って一緒の香りになるのを想像した事を必死に隠した、ぜったいわからせてあげない、ふん。

くすぐったい言葉の飛び交う中、お互いに顔が赤いのは湯にのぼせたからと言い合った、
「私はあなた達のその様子にのぼせたわよ、ビールのせいもあるけど」お節介な家主の一言。
今度はほんとうに赤くなったねと、また互いに顔を見合わせてちょっぴりの微笑みを交わした。

「でもねアスカ、脱いだものはちゃんとかごに入れといてよ…僕恥ずかしいよう…」
あーもう、そういう事云わなきゃもっと好きになれるんだけど、この鈍感バカ。
くやしいけどアンタと一緒に入る夢、しばらくは夢のままね、、後少しの成長を願うわ、このバカシンジ、むう。

乙です

甘甘お風呂タイム。男は黙って洗濯かも。しかし、いいですね。

5月24日

まだ十年以上先の話だが、遷都予定とされている五番目の東京。
今朝、私達の部屋を訪れた黒服の男が目を通せと持ってきた資料に、その都市に
ついての計画があれこれと書かれていた。　使徒迎撃用の要塞都市だった第三新東京市と
酷似した防衛機能を持つその案を、私とシンジはお茶をすすりながらなんとなく
読んでいた。　全然実感のない話、関係ないわよねと呟いていれば、ドアの向こうから
そうでもないよと投げかけてきたのは、そろそろ長髪の鬱陶しい私達の兄貴分だった。

新しいネルフの本部は、この新しい都市へ造られるそうだ。　これは前身と同じく、
ネルフが街のリーダーとなりうる事実を示している。　わずか15歳の男女に、大人たちは
どんな重荷を背負わせるつもりなのか。　呆れてそっぽを向く私。　相棒は何故か、
ニコニコと微笑っている。　何が嬉しいのかと聞いてみれば、予想だにしない答えが返ってきた。

新しい街を、出来るだけ第三新東京市に似せて造って欲しいと、相棒は願い出た。
本来の用途を考慮すれば、おのずとそうなってくるとは思うが、とにかく嬉しそうなシンジ。
もう一度、戦いたい。　　それがシンジの思いらしい。　　あの時の自分が輝いていたことが
分かったと、珍しく強い口調で言い切った。　私も、つられて微笑んだ。　

こんな顔のシンジを信用した時、いつも私に笑顔をくれていたからだ。
総司令という任を受けた自覚はまだ無さそうだが、芽生えている気はする。
なら、もう一度このバカの手を取って歩こうと思う。　強く、引っ張ってくれるなら。


共に生きるところに、どんな意味があってもいい。
共に生きてきたことを、信じられるからそれでいい。

乙です

過去からの絆があるから現在の自分がある。それがあなたとなら未来をも切り開いてゆける。

ホモはすっこんでなさいよ！

みなさんがんばって

すばらしい

乙

いつかはTokyo-5でのデートだな

欲する月ということ日

手足を投げ出してごろんとしたままぼんやりしてたらなぜか視線を感じた。
体を動かさず目だけを動かして様子を伺えば同じようにぼんやりと見つめてたアイツ。
気づいたら即座に目をそらし赤のライティングが射したような顔が可笑しい。

いつもより露出度の高い格好だったから？おへそが見えそうな黒キャミにぎりぎりな短パン。
この姿に何も感じない男の子なんていない、いいえいたらそいつは人間じゃない。
鼻息が荒いくせに、どきどきしてるくせに、隠してるアンタがとても可愛いのに。

たぶん、見とれてた、さらけ出した肢体に、刺激的な服装に。
たぶん、焦がれてた、性を感じる何かに、女である事を隠さないアタシに。
たぶん、欲してた、互いを求める想いに、はちきれそうなどきどきに。

少しは努力してる胸を見せつけたいなんておかしい？
ううん、知りたいのそうやって誘ったらどんな風にどきどきしてくれるかって。
もちろん何も言えずにおろおろしてもごもごして燻るのは予想通りよ。
でもやめないの、たまには見たいの、純粋さの裏に隠されたアンタの獣を。

少しだけ迫った勢いと、強く握りしめてきた右手は褒めてあげるわ、それが見たかったから。
でも、そこまでで終わっちゃって、何をしていいか困るのはまだまだって所ね。

されど侮り難し、男はやはり男なのね、素っ気なく交わしたおやすみの果ては、
…後ろからキュッて抱きついてきて…そのまま何も云わずに唇奪うなんて…くそう…裏をかかれたわ。
なかなかのものね、それも見たかったの、お礼は二度目のキスで伝えておいた。

ほんの少しづつ蓄積された欲する想いはこうして月に一度放たれる、
突き進むほど愚かではないが、何もしないほど野暮じゃない、求めあう何かが生む幸福、
恋人のようで恋人じゃないようなアタシ達が、ほんものになる瞬間、とても嬉しい。

欲しいと素直に言えれば簡単なのだが、こんな探りあいの極みな方がアタシ達らしいのかな
…シンジはどう思ってる？そのうち教えてね、アタシとアンタにしかわからない方法で、ね？

乙

乙です

寄せては返す波のように欲っする想いはいつか一気に越えていく。絶妙ですね。

たまらん

ホリちゃんダリアちゃんまち

チュンデレ

乙です
あいかわらずのホリデイクオリティー
たまりません

5月26日

私との再会という快挙を成した今でも、相棒はたまに過去への罪悪感に
苛まれるらしい。 確かにシンジの心が世界を破壊した事実はあるが、
私に言わせれば今の世界が残ったのもコイツの功績なのだから、
気に病む程ではないと思うのだ。

部屋のガラス窓からぼんやり空を見上げて寂しげな顔、それでいて
何かに怯えているような眼。 皮肉なことにシンジには似合っている
気がしてしまう。


今まで散々色々な言葉をかけてきたが、残念ながら特効薬は見つかっていない。
だから、何も言わずに、後ろから抱きしめてやった。

ギュッと強く、ギュウッと強く。


お互いの体温を与えあう、慰めの時間。 優しくて、少しだけ痛い時間。
過去に構う暇はないから、こうやって、これからを紡ぐ。


いつの間にか生まれていた、愛情を撫でながら。
永遠を願ってる。

PC不調のため携帯から投下しました。
短い上にぎこちない文章ですがご容赦ください…orz

DAHLIAたんｶﾜﾕｽ

携帯でも落ちないダリクオリティ

nintendo64のエンディングってLASエンドって聞いたんだけど、誰か詳細知っている人いますか?

DAHLIA氏GJ

乙

アッチャンいつものやったげて！

ピンポンダッシュでダッシュしない。

眩しさの月裏側に日

外から帰ってきて二人リビングに居た時の事、
何気なく退屈なTVを見ながらぽりぽりと腰のあたりを掻いたその時、
だってしょうがないじゃない、パンツのラインが妙にこそばゆかったし。

ローライズのデニムスカートと黒キャミから覗いた腰の辺りの肌を隠しもせず、
無意識にぽりぽりしただけなのに、妙な視線を感じたのはなぜ？
振り返ればほんのり顔を赤らめて困りながらぽつりと呟いたアイツ。

「…ねえアスカ…丸見えだよ…」云えない言葉を紡いだアイツは恥ずかしさたっぷり。
云われてみて気づいたけど確かにぎりぎりのキャミからスカートの間に、
柔肌がばっちり御開帳、恥ずかしい話だけどパンティも少しだけ見えていた、不覚。

ああこれだからバカなガキはちょっとした事でどぎまぎおろおろして、
何見てんのよ！と怒ってみれば「僕じゃなくても誰でも指摘するよお！」と逆ギレされた、ふん。
そうよねアンタはムッツリスケベでアタシのそういう所見て変な気持ちになってんのよね、
続けざまの挑発はくやしさを隠すための下らない対抗心、あるいは見せかけの突っ張り。

「ミサトさんもそうだけど、そういう所簡単に見せるのやめてよ」一緒にするな、ばか。
知ってるわよアタシだって、「ブラとパンツがないわいな〜♪」って唄うミサトの恥ずかしさを。
でもそれをなぜシンジが云うのか、その本意をアタシは知る事になった、様々な事象から。


シンジはそうやって少しづつ互いを知ると遠慮なく人の何かを指摘する。
「それが近づいた証拠なのよあの子、余裕であり許容なのかもね」ミサトがいつか云っていた。
思い出してみると確かにアタシにも色々な事を容赦なく言い放つ事があった。

大抵は嬉しくない注意の数々なれど、それだけ見られてるという事なのだろう。
あんまり人に近づかないアイツが近づいてくれたと云う事、あるべき対象としてとらえてる事、
つまり自分にとって重要な存在として、その一番の所にアタシがいる…てのは考えすぎかな、たぶん。

「他人」だったのが、「家族」から始まって、いつしか「恋人」になった。
でもそれは戯れの関係ではなく、「大切な人」だと信じてる二人、今日のような出来事もその一つと思いたい。
密接な関係だからこそ云える事、だからこそ叩ける軽口、それでいてリアルな意志疎通。

アイツも色んな事を云ってくる、その何倍もアタシは返す、そんな二人の交わしあい。
それはたぶんそのくらい互いを見つめてる事を遠回しに云っておきたいのだろう、
見てる、見られてる、意識する、そして互いの想いを知って人知れず胸を焦がす、
下らない一場面ではあっても、なんだか可笑しくて誰にと云うわけじゃないけど感謝する瞬間。

鼻っ柱強くあれこれ返してみたもののアタシは嬉しかった、そんな他愛もない言い合いが。
その裏に潜んだ、シンジがアタシを見てる、アタシもシンジを見てる、という事、それがわかるだけで。

でも聞いたら肌が眩しかったなんて嬉しい文句はいいとして、
やっぱりアタシのパンティが見えたのをやけにぶつぶつこぼすなんて、やっぱりムッツリスケベ、ばか。
でもアンタに云わなかったのは、久々のおでかけだったから、つい気分が高揚して、
レースが華麗に彩られたオキニの上下をさりげなく纏ったという事実、だって…着たかったのよ、悪い？
見せるつもりなんてさらさらないけど、アンタだから、アンタじゃなきゃ…って事よ、いいでしょ！ふ、ふん。

でも見せ物にされるのはイヤだったから、その後はずっと隣にいて邪な目線を封じておいた。
もっともアイツの眼差しはそれからアタシに釘付けだったけど、いい心がけよシンジ、へへん♪

この眩しい体を全て見せてあげられるのはいつの日だろう？すぐ来てほしいけどまだまだな気分…
でも、でもね、それを見せたい、見せてあげたいのは世界で唯一人よ、それアンタわかってる？ふふ。

乙です

Ｄ：永遠を歩いてゆける。未来に向けて。PC復活を祈念しています。
ホ：二人の素敵な関係が伝わってきます。いやほんと上手い。頑張って。

たまらん

乙カリー

えじん月ばらばら日

TVニュースでスコットランドの風俗が紹介され、現存する人々が映し出された。
バグパイプの音色もなかなか風情が合って気に入ったけど、何より人々の衣装、これよ。
男が皆キルトスカートを纏ってるなんて？！けれど妙に似合ってるのよね、なぜだろう。

ドイツ支部時代、スタッフにいたイギリス人を思い出した、
目の前に虎がいても顔色一つ変えないようなすかした男だったけど、
着てる服がいちいち仕立てよく、それを自慢にしてたわね、ほんとすかした奴だった。
でもイングランド出身だったからスコットランドの事は小馬鹿にしてたな、
アンタこそキルトスカートきて出勤しなさいよなんてこっちもからかったっけ。

似たようなスカートを引っぱり出して着てみた、うん、やっぱりかわいいわこれ。
ついでにツイードのJKと同じ色のハイソックスも合わせてみたら、うんうん、いいじゃない。
これで足りないのはバグパイプと鉛色の空くらいね、まあここはイギリスじゃないからしょうがないけど。

ちょうど帰ってきたシンジが驚いてたので、ここは一つ同じ格好をさせる事にした。
JKはなかったけど、制服のシャツにネクタイを合わさせ、もう一つあったスカートを、ふふふ。
もちろん手酷く抵抗したけどそんなの知ったこっちゃない、観念しなさいシンジ。

顔を真っ赤にさせていやいやしながら佇むキルトスカートの男の子、
「僕はアスカの着せ替え人形じゃないよ…だいいちなんでスコットランドなのさ…」
「うっさいわね！アンタチェロ弾けるんでしょ？ついでにバグパイプだってできるでしょ？」
「ああもお！アスカが何云ってるのかわからないよう！」
うん、確かに、今日のアタシはどうかしてるわよ、今は反省してる、悪い？

奇妙なペアルックのアタシとシンジの前に帰宅した家主、
「あなた達…そんなにイギリスに行きたいの？無理よ、今月も来月も来年までピンチ」
そんなつもりはさらさらないとこれまでのいきさつを話してみたら、大笑いされた、何よ、ふんだ。

とはいえキルトスカート姿が可愛いとほめられたので悪い気はしない。
制服もあんなのじゃなくてブレザーにこれだったらまた可愛いのに、
また全校生徒の目を釘付けにしてやる…と思ったけどめんどくさいからいいわ。
だからもし制服がそうなっても見せるのは一人だけで十分だ、あの鈍感バカだけで。

しかしやっぱりシンジのスカート姿は気になるのね、ミサトも。
しばらく二人この格好のままで過ごしてみたけど、アルコール入ったミサトは…まったく…
シンジのスカートをちらちらめくっては「ぬふふ、ういやつよのう」なんて悪戯してたわ。
「や、やめて下さい！アスカもミサトさんもお！…ひどいよ…僕の気も知らないで…」
しかたないでしょ、女二人集まれば悪戯心は二倍、小悪魔と大悪魔のせいと諦めなさい。

結局シンジにけっこう怒られたけど、いいでしょたまにはこんなバカな真似したって。
これくらいの暇つぶしがないと毎日ってのは退屈に埋没しちゃうのよ、またつきあいなさい、いいわね？

追記

「ねえアスカ、スコットランドではその衣装、下着はつけないのがルールらしいわよ」
ミサトから貴重な情報を得たのでさっそく実行しておいた、え？アタシ？アタシがやるわけないでしょ？！

記す必要もないが、もちろんこういうのはシンジの役目だ、さっそく命令、当然拒否。
その後は追いかけ回し押さえつけては逃れの繰り返し、スカートを半分降ろすのは成功したのに、くそう。
さっきよりも真剣に且つ相当怒られたので諦めた、ああ、せっかくの面白い事件が、むう。

もっともアイツはアイツでアタシが着るのは嬉しいのよね、そのまま過ごしちゃったけど。
「今度もそれ…着てよ…？」云われなくてもわかってるわよ、また惑わしてあげるから。
そのかわりアンタも一緒に着るのよと云ったら、徹底的に拒絶された、冗談よ、ふふん♪

乙です


ホント毎回ネタつきないのがすごいです。目の前に浮かんできそうな情景だし。がんばって。

うっるさいわねぇー！

乙です。
ホリディ氏のは、本当に日記だよな。リアルすぎる。
あったけぇよ、うん

乙。
キルティシュなアスカとシンジ

互いを留める月全てを留める日

髪を留めるのにヘッドセットを使わなくなったのはいつかの日記に書いた通り。
今は時にリボンだったりアイツからもらった可愛い髪留めだったり、まあそれはいい。

少しだけれど、それは変わると云う事、意固地をやめて許容した証。
それをアイツが妙に嬉しがるのがちょっとこっちも嬉しいというのは…内緒であり、絶対秘密。
きちんと記しておくがアタシは別にシンジの為に変わったわけではない、
変わる事、自分を変える事、それが成長だと気づいただけの話、繰り返すけどアイツは関係ない。

閑話休題、とはいえ毎日を数少ないローテで切り盛りするのも限界はある。
飽きがきて迷う事もあれば気分に乗じたものが見つからないのは時に困りもの、
さりとて15才の懐なんてたかが知れてる、新しいのを買うほど予算は潤沢ではない。
悩みを抱えれば救いの手をさしのべたのはミサトだった。

「昔のだけど、それでよければ、ね？」引き出しから出てきたのは色褪せぬストック。
今風に派手でもなく時代遅れな違和感もない、感謝して二・三のそれを選んだ。
でもこんなにあったのになんでどれも傷みや風化がないの？たずねればどこか浮かない顔。

「…買ってはみたものの、ね、つけるには若くなかったって事かな…」少しだけ嘘の匂い。
「…アスカと同じ頃は…つけて喜ぶ人もいなかったし…私もそれどころじゃなかったから…」
いつかシンジが教えてくれたミサトの過去、セカンドインパクト、失語症、孤独、そして脱却。

幸せを、日常を失った世代、そしてそれを知らず日常を、幸せを当然と思う世代。
いたたまれなさで顔が曇った時、彼女は穏やかな笑みをアタシに向けてこんな話をしてくれた。

「主を失った装飾具でも…誰かの役に立てば喜ぶわ、これは女の武器でもあるし、
　それにね…一人っ子だけど…お姉さんのお古っての少し憧れててね…
　馬鹿な話だけどなんだかお転婆な妹の力になればって…私はなんにもされなかったから、
　余計に誰かに同じ悲しさは感じて欲しくないの…ごめんなさい、お節介ばかり押しつけて」

突然大声で泣きたくなった、そんな事云わないで、悲しいんじゃない、嬉しいの。
ミサトがそうであった様にアタシも独りだったのだから、こんな風にされたのは初めてだったから。
お姉さんが欲しかったんじゃない、でもそんな風に見てくれる人が欲しかった。

選んだ赤色のリボンをミサトは丁寧に着けてくれた、ずっと待ち焦がれてた様に、慈しむ様に。
「これはいちばん誰かにあげたかったのよ、偶然とはいえ奇妙ね」そう、でももう一つの理由もある、
赤色が似合うとアイツの言葉を基に選んだのは内緒であり不覚だけど、お見通しだった、やっぱりお節介。

おまけにそれを嬉しそうにシンジへばらすんだから、ああほんとお節介でいやな姉貴、くそう。
あーとかうーんとかもごもごさせて機知に富んだ答えを出せないバカにきっちりと云っておいた、
「だあれがアンタの為に選んだってえのよ！アタシの…それとミサトの為に決まってるでしょ！！」

「素直じゃないんだから」とすねた顔と目線で反抗的なヴァカシンジ。
「あらあらいつまで突っ張る気？」とニヤケ顔のお節介極まりない三十路大悪魔こと葛城ミサト。
いつかこの二人、殺してやるくらいひどい目にあわせてやる、ぜったい、待ってなさい。

それでも作れなかった想い出の代わりに今まで抱えてた想いが詰まったリボン達を、
アタシはしっかりと身につける事で応えようと決めた、ありがとう、「お姉ちゃん」

想いで繋ぎ留められたリボンは寝る前にもう一人想いを伝えたい誰かによってほどかれた。
二人の女性の想いを受け取ってもらう為にだ、もっともそこまで大した奴じゃないけど。
ただし、いきさつを知ったとはいえ「僕それも好きだよ」と云ってくれた所は評価に値する。

全てが繋ぎ留められたこれをアタシもいつか誰かに託すのかな？
その時は想い人と結びあう魔法のリボンとでも云ってあげようかな…やだ何書いてんだろ、これも内緒よ！ふ、ふん。

乙です。いいですね〜。お見事です！

乙です。
毎回素晴らしい日記に感動してます。

乙です


ミサトさんとの心のつながりがとても素敵です。

うほ

ミサトさん素敵。
味わい深い日記に感謝。

ホリディ氏乙。
ミサトへのアスカの態度、考えがどんどんよい方向に変化していってる。
戦いなんかなきゃ二人はこう姉妹みたくなってたんだろな。

ダリ氏が心配だ。パソコンは直ったのだろうか？

DAHLIAちゃんまち

季節月開かれる時日

束の間の晴天続きは何を意味するのかしら？

男子には内緒だけど女子達は汗ばんだ制服の鬱陶しさに四苦八苦。
そりゃアイツらより一枚身につけるものが多いんだもん、
じわりと吹き出る汗が気になっても脱ぎ捨てるわけにはいかず、
それでも妙な違和感はどうしたものかと皆が皆同じ悩みを抱える始末。

雨がもたらす湿った日々とそして暑さが日常となる頃を迎えたらいったいどうなってしまうんだろう、
臆面もなく胸元へ下敷きで風を送れる男気溢れたあの娘がうらやましい、そんな勇気はアタシにはない。
吸収性の少ない独特の布地なシャツをどうすればいいのか、その話でヒカリと盛り上がるなんて。
「一日中プールで授業だったらいいのにね」風邪ひきそうだけどそれもまた面白いわ。

どうせなら夏の間だけ私服で登校させてくれりゃいいのに、
そしたらいつものキャミにカットオフのデニムで楽々過ごしてやるのに。

でもそれじゃ皆がアタシに抱いてるイメージが狂っちゃうかもね、
だいいちろくでもない男共に格好な材料なんて与えたくないわ、
ただでさえあのじめってした目線にうんざりなのに、見せる相手は一人で十分だ。

そっか…もう少ししたらアタシのいろんな姿にアイツがどぎまぎする季節が来るんだ…
今年はどんな水着にしよっかなあ…そうだ、あの店にあったワンピースも欲しいなあ…

「でもね、鈴原ったら真夏でもジャージなのよ、これがワシのユニフォームじゃ！だなんて、聞いてる？」
え？う、うん、真夏にジャージでしょ？…蒸れてそうで…やな想像したけどヒカリには悪いので黙っておいた。

今年もみんなでどこか行こうねと、去年の夏を思い出して約束した。
「…今年は…ちょっぴり勇気ある水着にしたいの…せっかくつきあってるし…」
知らない間に純情なあなたでもそんな気持ちは生まれるのね、いいな、自分に素直で、
あの熱血バカでもそれだけの何かを見せたい相手なのね、恐らくちゃんと云ってくれたんだな、見たいって…

いくら着飾ってみても、危ない挑発を纏っても、何一つ気のきいた事云えないアイツ…
それでもアタシは頑張る、ううん、無駄じゃないの、ちゃんと…伝えてはくれる奴だから…

さりげなく夏休みの行く末を聞いてみてもこれといった建設的な意見は出さないんだから。
しょうがなく去年の想い出を語ればようやく一生懸命さを見せた、ほんと鈍感ね、それもアイツらしさ、か…

「またみんなで楽しみたいね、トウジにケンスケに委員長、ミサトさん加持さん、それに綾波も」
たいした気配りね、でもアタシが聞きたかったのはそんなセリフじゃないわよ！
なんでこう、ちゃんとしてくれないの、みんなもいいけど…何より誰より…でしょ？この鈍感ヴァカ。

でも、そうよ、やっぱりアイツはアイツ、だからアタシは安心できる。
「ところでさ、今年はどんな水着にするの？去年のも…僕好きだけど」
決めた、ぜったい来月あたりアンタを店に連れ回してやる、アタシの七変化を見せてやる、ふふ。
鼻血と鼻の下に気をつけなさいよ、我慢できたらしっかりと見せてあげるわ期待通りの姿を、ね。

「泳ぎの嫌いなアンタが海なんて、どういうつもり？」
「…見たいんだ…海を見ると色々な事を思い出すから…辛かった事、忘れちゃいけない事を…」
そうね、アタシとアンタにとってはいつまでも、白い渚、紅い海が甦るものね…忘れてないわよアタシも。

「…ねえみんなとじゃなきゃイヤ？」「え？ううん、そうだね…今年はどこの海に二人で行く？」
空想の計画を互いに浮かべてアタシは笑った、シンジも笑ってくれた、夏休みは、もうすぐだ。

乙です


二人で作る夏の想い出。いいなあ。

よかよか

乙

夜に月弾けたものは？日

クーラーを稼動させるほどではないけどやはり妙な暑さは耐え難い。
窓を開いてささやかな風を招き入れても爽快感はやんわりとしか感じ得ない。

そういうわけで今日はノースリーブのカットソーを引っぱり出して過ごした。
袖口は肩の骨が見えるか見えないかの辺りで終わる微妙な長さ、
おまけに彩りとして綺麗なレースをあしらってるのがお気に入りな一枚。
衝動買いとはいえ愛着がわいたのは珍しい事だ、自分の審美眼を改めて自画自賛。

もう一度自画自賛したのはシンジの目線とぎこちない言葉を得られたから。
アタシの姿を見たとたんぱっと明かりがついたような顔を見せたなんて。
もちろんそれからはいつもと同じ態度で隠そうとしてたけど、
長いつきあいでしょアタシとアンタは、何を抱えてるのかお見通しよ。

「…ねえ…それいつ買ったの？」三人でリビングに居たら隣からか細く聞こえた言葉。
TVと缶ビールに没入するミサトを気にしてだろう、こっちもささやきを返した、つい最近と。
「…そっか…」短く返した言葉の裏に強い気持ちを感じたのもお見通しよ、だってその目つき、もう。

「あら私もそれ可愛いと思ったわよ」振り向きもせず放たれたのは名実共に耳年増な家主の一言。
「お姉さんを侮ると恐いわよん♪」お酒も呑まずにアタシとシンジの顔はほんのり赤さを増した。
赤くなるのは缶を重ねるあなただけで十分よ！ったくそうやってからかうんだから、くそう。

衆人監視の元、吐き出せなかった想いは、二人っきりになった深夜、弾き出された。
きっかけはアイツらしい不器用でストレートな感想、あーあこれだからオトコってのは。

「なんでさあ…そういう可愛いのばっかり選んでくるのさ…」
しかたないでしょ、見せたいバカがそういうの好きそうだからよ、決まってるじゃない。
いつも通りの受け答えも胸いっぱいのバカには通用しない、黙る姿はたぶんサイン、愛情のサイン。

アイツの部屋のベッドに腰掛けてたアタシの元へシンジは何も云わず抱きついてきた。
でも同じ目線だったのは束の間、そのまま腰を落とし胸元に顔を埋めたわ、縋るように。
なんでこんな風にしかしないんだろう、不器用な直接さで構わないのに…答えは彼の口から漏れ出す。

「僕だってわからないんだ…好きだと思えば思うほどどうしていいのかわからなくなる…
　今だってほんとうはすっごくしっかりしたいのに…こういう風になっちゃうんだ…
　可愛いって云いたいんだ、かっこよく振る舞いたいんだ、でも、でも僕は…
　導いた答えはいつも間違いで傷つけるしかできなくて…だから自信なくて…ごめん、いつもごめん…」

間違いなんかじゃないわ、こうして心を開いてくれるだけで、それだけでいいの。
アタシだって間違いだらけ、おかげで随分遠回りしたから、今もそんなに変わりはしないけど、ね、ふん。
でも昨日聞いた答えが今日また新しい答えに連なるとこうしてわかりあえるんだから。
逃げ場所じゃなく、自分の気持ちを知る為になら、いくらでも縋ってほしいんだから…

はぐれ続けた子犬のように寂しげな顔を上げたアイツは、そのまま正直にアタシの唇を奪った。
そういえば久しぶりね、これすら必要ない日常と思ってたけど…それでも欲する気持ちは失われないわよね。

ちょっとだけ長く、強く、熱く、アタシとシンジは繋がった、大事な気持ちを知る為に。

ベッドに倒れこみようやく同じ目線に戻ったもののこの時のシンジの目が忘れられない、
嬉しくてたまらないのに切なさを失わない瞳、まだ信じられないのね、自分が。
少なくともアタシは信じてるわよ、そう云うと、茶色の瞳は光を変えた、どうやら心配ないようね。

短いようで長い二人の夜、久々の夜、弾けたものを互いに受け止めアタシ達は眠る事にした。
何を得たかなんて、襖の前で交わしたユニゾンの「おやすみ」が全ての証よ、ね？シンジ…

せつねえ

乙です


なんかしみじみします。

乙です。
ここを見るのが日課になってしまいますた

DAHLIAさん忙しいのかなorzPC壊れたままなのかなOTL

乙

トリコに月なりました日

教室を彩る話の数々は、誰と誰がくっついた離れたなんてもの。
おいしいスイーツも可愛い服もダイエットの秘訣もそれには勝てないわ。

今日も運動部の噂の男の子がとうとうつきあったなんて噂が駆け巡って、
朝から下校のチャイムがなるまでその話で持ちきりだった、
でもまあアタシやヒカリには、それからなぜかファーストにも興味ない話。
他人に興味のないファーストはいいとしてアタシやヒカリにはもう…ね？

「いいじゃない、想い人が現れるってのは女の夢だし」ヒカリも随分なものだ。
自分にはもうその人がいる、そんな余裕が言葉を生むのかしら？いいわね、ううん、いいなあ。
「あらアスカだって似たようなものじゃない」そりゃそうだけど世間一般とは事情が違う。
なんでだろう、いつだって余計な悩み抱えて、反応の悪い奴を相手しなきゃいけないなんて。

「…心を開かなければ何事も上手くいかないわ…」いきなり背後からささやくなんて悪趣味ね、ファースト。
でもなぜか彼女はアタシの右手をぎゅって包むと「…自分を…そして碇君を…信じて…」と一言、
「…優しいわね？」云ってるアタシも聞いてたファーストもなぜかうっすら紅の差した顔、
桜色のファーストはさよならも云わず帰っていった、温もりに何かを託したまま…でも、ありがと。

そうよね、いつも記してる通り、信じてるんだろう。
他の人にはわからないくらい衝突と許容を繰り返したアタシとシンジだから、
生まれては消える問題は複雑であっても、答えを得る瞬間はひどく単純だなんて。

一般論では測れない二人、それなのにすんなりと自己解決できる二人、おかしな二人…ほんと。

帰宅すると玄関には大きな箱を抱えたシンジが待っていた。
「アスカ宛だってさ、いったいなんだろう？」今帰ったアタシが知るわけないでしょ、バカ。

箱を開くとそれは黒のワンピースだった、フリルがアクセントとして彩られた可愛さたっぷりの。
「今日は帰ったらいいものが待ってるわよん」今朝ミサトが云ってた言葉が頭によぎった。
うん、とてもいいものが待ってたわ、もちろんシンジじゃなくてワンピースよ、決まってるでしょ。

さっそく制服を脱ぎ捨てて袖を通してみた、何回も鏡の前をくるくる回りながら。
鏡だけに見せたって面白くない、一応批評は仰がねば、それがシンジに見せた理由、そういう事。

すでに箱を開いた時から想像してたんだろう、アタシから目を離せなかったアイツ、ふふ。
でも欲しいのは態度じゃなくて言葉、素直に放たれた想いのたけをアタシは待った、いいえ望んだ。

「…なんだかアスカがアスカじゃないみたいだ…」それが感想？！期待して損した。
「…違うよ！だから、その…いつもより…あの…」うんうん、その先よ、早くいいなさい！
「…き、きれい？というか…か、可愛いと思う…」うーん、当りと云えど遠からずね、まあ上出来よ。

「そうじゃなくて言葉が見つからないんだよ…」とすねたって惑わされないわよ。
とはいえぷくーって少しほほを膨らませて不満を訴えたその顔には駄目だった、くそう。
膨れたほほをアタシは指でつんつんする、また膨らむほほ、またつんつんする指、
「もう…」と云いかけたアイツのほほを引っ張って気持ちをごまかした、ばかなアタシ達…ほんと。

期待した答えは得られなかったけど、言葉の代わりは行動が証明してくれた。

「ところでアタシをこんな格好のまま、何も応えずに終わらせるつもり？」
腰に手をあてて誇らしげなポーズを見せ最後の挑発をつきつけたアタシ、
「…え？」困った顔はフェイク、弱気な瞳に光が一瞬きらめいて近づいてきたシンジ。

それからどうなったかを日記とはいえ最後まで記すほどアタシは野暮じゃない。
唯一つ、もっともっとアイツを信じたくなった、それだけは書いておくわ、ふふふ。

乙です


甘甘ですね。幸せな二人の風景。

畜生何したのかきになるぜ

……この直後にアスカが猫になるのか……。

>>228様

いえいえ、こっちはこっちですよ。
もしあの服を滞りなく着れたらどうなってたのかな、なんて事です。
そういえばあっちのスレも滞ってますね…いいアイディアを生まなければ。

それにDAHLIA氏の復帰が気になりますね、早く戻ってきてほしいです。
孤軍奮闘してた頃のように、やはり毎日投下はなかなかどうして…
DAHLIA氏のぴりっとした日記が恋しいです。

自分のは同じような日常の日記ばかりで…ROMされてる方、レスを書かれる方、
いずれにせよまだまだ頑張らなくてはと、申し訳もありません。

少し自分の気持ちを書いてみたかったので、長文すみません。

訂正

×孤軍奮闘してた頃のように
◎自分が孤軍奮闘してた頃のように

ホリデイさんのはそれが魅力なのだと思われ。
しかし、DAHLIAさんはどうされたのか、心配ですね。

乙

うむ、ホリディ氏の持ち味はその暖かい日常にある。
毎日のこまかな変化を書けるというのはなかなかできないと思うしな。
なにはともあれＧＪということさ。

おつ

神まち

お二人とも投下お待ちしております

6月6日

今日は、相棒の誕生日。　この世に生を受けた日らしい。
覚えていた訳じゃない。　つい数日前に目を通した資料のプロフィールで
確認しただけだが、その時が誕生日の直後でありお祝いの機を一年先まで
逃してしまった青葉さんはなんだか不憫だと思う。

それはいいとして、今日はこないだに続いてシンジの祝賀会だ。
ケーキとか、気の利いたお菓子などは用意できないけどささやかながら
ご馳走を食べて、Dear Shinjiと歌って。　淡白だけど、シンジの喜ぶ顔が
見られたから、私にとっても有意義なイベントだった。
シンジは、自分の誕生日を私が覚えていたと大喜びだった。　　…真相は、伏せておく。

そもそも物もないし、シンジが何かを欲しがるとも思えない。
プレゼントはあれこれ考えた結果、私が自己中心な性格のせいでシンジに言わせて
ばかりだった、愛の言葉をかけてやることにした。　

今なら言ってもいいと思うし、安上がりで一石二鳥だ。
そう思ってパーティーの最中、できればドラムロールが欲しかったような
雰囲気を作り、思い切って私の気持ち、ぶつけてやった。


泣いちゃってさ、バカ。

最近は割とよく見られるようになったけど、まだ貴重なシンジの笑顔。
これまでにないくらいのそれを期待して言ってやったのに。
涙でクシャクシャになった顔で、力いっぱい、痛いくらいに抱き締められた。

望んだものとは違ったのに、私も満たされてしまったからよく分からない。
気持ちよかった。　これからもずっと一緒だよって、心に流れ込んできたから。
当たり前の事だけど、夢を現実にする旅路はシンジと共に歩いていく。
どんなに長くて険しくても、大丈夫。　　頼りないけど、熱い心で抱き合ってるから。
どんなに辛くて悲しい過去も、大丈夫。　それが全部、力になったんだから。

ほんの数日前に分かって、シンジに隠していたことがある。
プレゼントついでに、それも教えてあげた。　二重に驚かせてしまったけど、これでいい。


シンジは、今日で16歳。　これからも頼りないバカには変わりないだろうけど、
私と一緒に、少しずつ階段を昇っていかなきゃと言う横顔は、少しだけ頼もしかった。


そう、強くなってもらわなきゃ。
この身体に宿る、新しい生命のためにも、ね。

6月6日

つい、忘れそうになるもの。　自分の誕生日だ。
僕が生まれてから今日で16年目。　ここ二年がめまぐるしすぎて、節目だなんて
実感がまるでないけれど。　今日のお昼過ぎまで、すっかり忘れていた。
それに気付かせてくれたのは、一番大切な、自分より大切な彼女だった。
アスカが覚えていてくれた。　僕にはそれだけで胸が一杯だった。　再会してからの
生活は、自分の中では…本当にもう、大きくって。　それなのに、最近もろくなってる
涙腺が、また壊されちゃったんだ。　ありふれた、「おめでとう」の言葉で。


ついこないだ、退院祝いをしてもらったばかりなのにまた、僕のパーティーだ。
なんだか悪い気がする。　でも、今度のアスカや青葉さんの誕生日には、だからこそ
今日よりも盛大にお祝いをしたい。　それを心に誓って、今日は好意を受けることにした。

楽しかった。　今まで自分の誕生日が、年を重ねることが嬉しいなんて思ったことは
一度もなかったのに、早く大人になりたいな、なんて思えた。　すごく、暖かくて。
僕にとっては、これだけで充分だった。　本当ならもう、高校生になっている歳。　でも
学校がない代わりに、僕にとって必要なかけがえのない勉強ができたと思うから。


お互い、辛い思いをしながら今、手を繋いでいられるアスカ。
一緒にいてくれる、それで充分だったのに。　アスカは、更に僕への
プレゼントを用意してくれていたんだ。

この、めまぐるしかった二年間。　そのほとんどの日を一緒に過ごしてきたアスカ。
少しずつだけど距離は縮まって、一時はATフィールドすら取り払われてしまったほどだ。
そんな一番近い他人、僕はもちろん大好きだって言える。　本当に、大好きだから。

でも、アスカからはまだ、一度も言ってもらったことがない。
それを僕も、アスカも知っている。　誕生日プレゼントは、僕とアスカが一歩、
前に進むための言葉だった。　特別な言葉じゃないけど、とっても、特別な言葉。


「愛してる。　これからもずっと、大好き。」


身体が勝手に動いて、アスカを抱き締めてた。　返したかった同じ言葉が消えて、
涙に変わって流れ落ちた。　もう、溶けてしまうことはないけど、溶けていきそうな時間。
熱くなって、熱くなって、自分じゃ何を抑えているのかも分からない力が入ってた。
僕も、アスカが大好き。　

嫌な事が多かったこの十六年間だけど、この先はきっと素敵な人生になるはず。
だって、アスカが大好きだって言ってくれたから。　アスカが大好きだって言えるから。


プレゼントともう一つ、アスカから打ち明けられた隠し事があった。
僕は、ここにいてもいいって教えてくれたアスカが、僕をまた一つ、重くしてくれた。

ああ、ここにいなきゃいけないんだって、たぶん僕の顔は微笑ってた。

乙です

おめでとうのおめでとう。再開と思えば、衝撃ですね。とにかくお待ちしておりました。

マチカネフクキタル

DAHLIA氏、乙です

PC復旧しました。　中身がほぼ無事で胸を撫で下ろしています（苦笑）。
拙作でありながら待っていただける住人の方々のご声援、携帯から心強く
受け取らせていただいてました。　本当にありがとうございます。

展望としてはシンジ君の誕生日を以って完結する予定でした。
今日の投下で締め括るつもりだったのですが前振りとして書きたかった部分が
書けない状態になってしまったので、少しだけ内容を変えて投下させていただきました。
この先どういう方向へ持っていくか、自分の中でもまだ未定ですが
応援してくださる皆様の声を励みに、アスカ、シンジその他一名を歩かせようと思っています。

重ねて、ホリデイ氏含め住人の皆様の暖かいご声援に感謝いたします。
もうしばらく、お付き合いくだされば光栄です・・・。

よかった。どうかこれからもがんばってください。

DAHLIA氏乙です。

久々の投下にしてはかなりドラマチックですね。思わぬ衝撃に恥ずかしながら目頭が熱くなりました。

まだまだDAHLIA氏には勝手に期待しております。
これからの展開にもいい意味で期待を裏切る展開を期待してます。

再開されるこの時をずっと待っていました。これからも変わらず投下をお願いします。

アスカおめでた？
スラッと書いてしまうDAHLIA氏、すごいな。

DAHLIAさんとホリデイさんの日記、
ttp://yy10.kakiko.com/yy11307819/
に所蔵してほしいなあ。

乙

ここのお二方は本当にすごい。
触発されて自分もFF書きになったが、うまく書くのが本当に難しいと分かった。
マジで乙です。

6月7日

今日は少し肌寒い一日。　相棒と部屋にこもって外には出なかった。
なにげない時間だけど、少し前の私からすれば夢のような状況だ。
それは勿論、相棒にとっても同じ事。それを考えれば、自然と顔が緩んで
くるのも分かる。　ニコニコ顔のシンジは、以前は聞かせたことなどない
鼻歌まで披露している。　上機嫌を絵に描いたような姿。

シンジは言った。　いずれまた、大変なことや辛いことがあるから、楽しい時は
思いきり笑っていたいのだと。　今なら、それができるからと。
コイツらしいとは思いながら、どうせならどんな時でも笑っていられるようになれ、と
軽く肩を叩いた。　無言で頷いて、ゆっくりと私を抱き締めてくる。

こうやって身体が密着する度に、思い出すのは初めて逢った日のこと。
プラグスーツ同士、狭いコクピットの中で、使徒と戦いながらお互いを感じてた。
あの日から少しずつ繋がっていく絆を、私達なりに育てていたんだって、
一つになった心が言ってた。　　知らない間に夜が来た。


冷え込むはずの夜だけど、全然寒くない。　
冷たい海の中で熱くなれた、あの日みたいに。

乙です

冷たさの中の熱さ、水から空気へ、戦いから愛へ、深まる絆。

遅まきながらDAHLIA氏の復活に。
更に深い絆で結ばれたアスカとシンジに。
そして、新しい命に。

おめでとう。

乙

6月8日

今朝、私達の部屋を訪れた黒服の男が、ぶしつけに渡した一枚の紙があった。
婚姻届。　私の身体の状態を知って、上なりの配慮なのだろう。
私もだが、ピンと来ていないのは相棒の方だ。　顔を見合わせて、お互いの心中を
確認する。　そう、通じたものは、何の意味もないということだった。

手続きをして「夫婦」になってもならなくても、それによって何かが変化する訳でもない。
シンジ16歳、私が15歳。　本当ならまだ高校生だし、日本の法律ではまだ認められない年齢。
ただ、他のどんな夫婦にも想いの強さでは負けない、そういう自信はある。
それでもとりあえず、保留して「結婚」はしないという結論で合意した。

碇　アスカ　ラングレー？
惣流　シンジ？

馬鹿馬鹿しい。　大事なことはそんなことじゃない。
もうすぐ親になるのは事実だけど、私は私だし、シンジはシンジ。
関係ない誰かから、飾りを付けられるのはゴメンだ。
これが私達。　新しいATフィールドを誇りにして、シンジと、



愛し合ってる。

乙です


何より大切な二人の気持ち。

16個の月気持ち日

誕生日、この世に生まれた日、自分の存在を得た日。
でもアタシじゃない、アイツが生まれた日、めでたくもありめでたくもなし。

またミサトに頼まれてケーキを取りに行く羽目になるとは、去年の二の舞いだわ。
「帰りたくても書類の山とリツコが引き留めるの」大人の事情はもうたくさん、まあしょうがないけど。
評判がよかったので去年と同じ店にしたけど「一年は早いですね」なんて店員さんに云われ、
そうですねと返したもののあっという間に流れた時の早さに笑うなんてできやしない。

持ち帰った包みを見てアイツは「甘いもの食べると太るよ」とまあ鈍感な事、
怒られてやっと気づくなんてほんとバカ、「そうだよね…ごめん、忘れてた」だって、ふん。
これだから祝ってあげる気になれないのよ、まあ妙に強調されてもいやではあるけど。

それでも、夕食後、電気を消し、キャンドルを灯してあげるアタシは、
別に優しさなんかじゃない、同情でもない、たぶん…やっぱり…そうよね。

二息で消された灯火、わずかな闇が反転した光にかき消された時、
目の前には、案外幸せそうなアイツの顔がぎこちない笑みを浮かべてた。

「おめでとう」「…ありがとう」
このやりとり、そして祝福は世界でアタシとアイツにしかできないもの。

見つめあった瞳に紡がれた糸が切れたのはケーキに耐えられないアタシの餓えが限界を超えた頃。
互いにさっそく食べ始めたら、アイツの口にはクリームの切れ端がさりげなく自己主張、
人指し指ですくいとって舐めてあげれば桜色の微笑がこっちに放たれた、たぶんアタシも同じ色な気がした。

甘えたかったのでもなく、意地悪したかったのでもない、ただそうしたかったの、なんとなく…ふふ♪

さてケーキの次はプレゼントなんだけど…とりあえず何も用意しなかった、忘れたんじゃないわよ！

一応計画したのだ、今週末はアンタを連れて好きなもの買ってあげるんだって。
「…でも今とりたてて欲しいものないし…」浮かぬ顔など知るもんか、いいからつきあいなさい！
「…今は…このケーキと…アスカの気持ちで十分だよ…」そらきたこの純粋バカは！

もう決めたんだからね、今の一言で覚悟したんだからね、絶対連れてくんだからね、
べ、別に嬉しいんじゃないわよ、あ、アイツが、アタシの気持ちで十分なんて云ったから、
それならそれで今日だけじゃ済まされない気持ちを解消する為に連れてくんだからね。
S-DATのテープとCDのレンタル代でいいとまだのたまうバカを一喝しておいた。

でも、ほんとうは迷っていた、今日何か贈った方がよかったかなって。
気持ちとか言葉とかで伝わるものもある、でも目に見える何かの方がわかりやすいかなって。

幾多の紆余曲折を経て刻まれた16個の軌跡は何一つ間違ってなかったと、
そう、つまりは16回分の感謝と祝福を伝えてあげたいと…

「僕、嬉しいよ、生きてきた事、生きている事を祝ってもらえるだけで…」そんな事云わないで、
…でも…そうね…アタシもアンタも祝福されなかった子供だものね…でも、今は、今は、
「でもいちばん嬉しいのは祝って欲しい人に祝福される事だよ…つまり…それは…その…」
ありがとう、代わりに云ってくれて…ま、あ、アンタにしちゃ、き、気のきいた言葉ね、やだ、もう、むう。

誰も何も云わなくても、これから先ずっとアタシはアンタに云い続ける、「おめでとう」と。
そのかわり、アタシにもちゃんと云い続けなさいよ、同じ祝福を、心からの想いを…待ってるんだから…

結局16回かけて何かを伝える必要はなかった、ただ1回で全てを伝え受け止める術を交わしたのだから…
16回してあげてもよかったけど…ま、何事も過ぎたるは及ばざるが如し、そういう事。

最高の術をこれからもずっと続けられるかな？そっとなぞった唇に聞いたら心にまた火がついた、
そういえば週末の計画をきちんと話してなかったな、足は自然にアイツの元へと傾いた。

まだ贈り足りない何かが燻ってるわ、日付けが変わるまで祝福させて、いいでしょシンジ？

乙です

ああ、ほんと甘甘な二人。このままずっと幸せに。

乙

GJと思ったのは不覚。くそぅ

６月９日
今日は朝から雨が降り止まない。なので今日の昼間はつまならいテレビを見ているだけで過ぎた。
夕方に部屋のベットでゴロゴロしているとあることを思い出し、自分の手帳で確認しみる。来週は加持さんの誕生日だ！
どうしようかと考えているとリビングから、ご飯が出来たとアイツの声。
いつものようにおいしいご飯を食べ、アイツがお茶を入れてくれているところに、加持さんの誕生日プレゼントを買うのに付き合って欲しいと伝える。「別にいいけど・・・」と元気の無い曖昧な返事。ここ数日、コイツはこんな感じだ。
なにかスッキリしない返事に、アタシが問いただしてみると、返ってきたのは苦笑いと溜め息が一つ。アタシが更に詰め寄ると、アイツはしょうがなさそうに一言。「この前、僕も誕生日だったんだよ・・・」
驚きの声と同時に机を叩き、立ち上がってしまったのはアタシ。「どーして言わなかったのよ！！？」と聞いても「聞かれなかったから・・・」との答え。
アイツが最近元気のなかった原因はこれだった。不覚。

アタシはなぜ気づかなかったのか、と自分の不甲斐なさに頭を抱え、少しの自己嫌悪に浸っていると、「そんなに気にしないでよ。言わなかった僕も悪るいし・・・」
アイツの一言で何を思ったか、アタシは「30分したら、アタシの部屋に来なさい！」と言葉をアイツに投げて部屋に戻った。
ベットに座り腕を組む。意を決し、頭の中の者を行動に移す。今思うとただただ恥ずかしい。なんでこんなことしたんだろう・・・。でもこれしか思いつかない自分も情けない・・・。
お気に入りの服を着て、いつもはつけないリップにいつもしている物より少し高い香水をつけてアイツを待つ。
「来たけど・・・」とまるで虎の檻に入るように襖を開けたアイツ。
「プレゼントよ」とアタシが言ってもアイツの上には？マークがたくさん。
アタシは目を閉じ、「こういうこと！」といつもはヘッドセットをしている場所にあるリボンを指差した。
目を閉じたままでも分かる。アイツの焦った顔。「ほら！どーにかしなさいよ！！」と恥ずかしさで思考回路が停止しているアタシが言う。

アイツは何も言わずに抱きしめてきた。ただ強く。アタシが壊れそうなくらい強く。
でも嫌な感じはなかった。それよりもコイツが愛おしくなり抱き返してしまったのは自分。アタシの体にアイツの熱が伝わってくるのが分かった。
そのままどれくらい経っただろう。ただ流れていた時計の音に気づいた頃。アタシから自然と出た言葉。
「誕生日おめでとう。シンジ」それを聞いたアイツが我に返ったようにアタシから手を離す。「ごめん・・・」と俯くアイツにもう一度言ってやった。「おめでとう」するとアイツは笑顔で「ありがとう」と返してくれた。
そのまま見つめ合いまた少し時間が経つ。すると玄関から「たっだいま〜！シンちゃ〜ん、遅くなったけど、誕生日ケーキ買って来たわよ〜♪」という声が聞こえてきた。
二人とも我に返り、アイツは早足で部屋を出て、アタシは急ぎリップを落とし、着替えた。

家主の買ってきたケーキを食べ終わろうとしていた時、「二人でなにしてたのよ〜？二人とも顔真っ赤よ〜ん♪アスカなんかリボンしちゃってるし♪」
と性悪な言葉。「別に！気分転換よ！」と反論し、アタシは部屋に帰ってきた。
別にアイツにプレゼントをした時に心を決めていなかった訳じゃい。少し冷静になったアタシはアイツはこんなもんかと思ったけど、そのこんなものにドキドキしてしまったのもアタシだったけど・・・。


でも加持さんには悪いけど、買い物の予定が変わっちゃったわ♪財布の中も少し心配だけど、もう一度、今度は計画的に、かつ盛大におめでとうをアイツに言ってあげなくちゃ♪
だってアイツがアタシに会う為に生まれてきてくれた日なんだからね♪♪とにかく、遅れちゃったけど、おめでとうシンジ！これからはちゃんと祝ってあげるから期待してていいわよ♪♪


それから、プレゼントの先も・・・ね？

皆さんお久しぶりです。
そして長文駄文失礼しました。
自分は稀に名無しでレスする程度でしたが毎回、職人のお二人には感動させられています。こんな自分からで申し訳ないのですが、ホリデイ氏、DAHLIA氏、お二人共頑張って下さい。
それでは失礼いたします。

乙

肉氏おつ

肉ジャガ氏、しばらくぶりだと思ったら、また腕をあげたな

肉じゃが氏乙です。
久々の投下と思えばレベルＵＰしているじゃないですか！
これからも期待しております。

肉じゃが氏見ない間に上達しましたね。乙&ＧＪです

乙です

肉じゃがさん頑張りましたね。
ホリデイさん、DAHLIAさんお待ちしています。

肉氏愛してる

6月10日

第三新東京市で暮らしていた頃、眠れば見る夢はほとんどが悪い夢だった。
現実でも本当の意味で満たされた事などただの一度もなかったのに、夢の中では
付け加え嫌な過去だけがリプレイされるばかり。　かつて相棒が寝言と
共に泣く私を見たと言う。　本気で夜の闇が怖かった、いつも。

でも今はどうだろう。　まだ分からない未来の夢をよく見る。　もちろん、光に溢れてて。
昨夜の夢で、今私の中にいる新しい生命が姿を見せてくれた。　男の子で、シンジにそっくり。
シンジが童顔なせいもあるけれど、本当に小さなシンジだった。　私をママと呼び、甘えてくる。
母が手に入れられなかった幸福を私が手にする未来予想図、それをシンジに話せば、真っ赤になって
笑っている。　　その笑顔が、正夢だと信じる力をくれる。　そのお礼はいつもの唇しか、無くて。


窓の外にはまだ、溢れかえる悪夢しか映らない。　淀んだ空気の中で、暖かさに飢えた人達が彷徨う。
この世界を救おう、なんて考えはない。　全て自分のために創りかえることしか、ない。
誰もいないより、誰かがいる世界。　それを選択した相棒の手を握って歩くのだから、思いは伝えてゆけるはず。
血に汚れた心が軋むなら、大切なものに問いかければいい。　　私はシンジから、それを教わった。


今晩は、どんな夢が見られるかな。　昨夜の続きなら、シンジにも見せたいな。
いずれ三人になったら夢じゃなくなる夢を、二人占めしていたい。
お腹に手をあてて感じる幸せで、世界すら変えていける気がする。

＞肉じゃが氏

お久しぶりです。
数日遅れゆえのバースデーエピソード、暖かくてすばらしいです。
こちらもまた、次回の投下に期待しております。　ご声援ありがとうございました！

乙です

夢見ることは等しく誰にでも許されている。それがあなたとなら。

乙

おつ

6月11日

今の私達の暮らしには、ある程度義務付けられた規則正しい時間割がある。
起床は朝七時。　私にとっては何かの力を借りなければ起きられない時間。
いつも起こしてくれるのは、苦もなく六時頃に起きられる相棒の優しい声。
一つ屋根の下で暮らし始めてからこの役目をずっと果たしてくれている相棒だが、
今は一つのベッドで寝ているためにつられて早起きしてしまうこともしばしば。

起こさずに起きてしまった私の顔は、ひどいらしい。　それ以上に残念そうなシンジに
尋ねてみれば、私の寝顔を見られなかったことを悔やんでみせた。　朝からのろける私達。
ここ数日は、少しずつ惣流・アスカ・ラングレーの夫たる自覚を持ち始めたのか気遣いが増えた。
対して私には、妻であらんとする気構えがまだまだ薄い気がする。　正直、不安なのだ。

本当なら二人、新しい制服を纏い、鞄に綺麗な教科書を詰め込んで、遠い街の校舎へ駆けていた
はずだから。　クラスの連中にはやし立てられながら羨望の眼差しを向けられる、そんな青春が
あったと思ってる。　くだらないけどキラキラした、繰り返しの毎日。
それらをすっ飛ばして、私達は大人になろうとしている。　もうしばらくで、どうしても子供では
いられなくなるのだ。　それを思うと少し怖い。　二人で選んだ道だけど、それでも。


今夜も口付け、お互いの背中に腕を回して眠る。　明日はまた、シンジの声で朝を迎える。
言葉にすれば簡単だけど、これを繰り返すことに今は精一杯だ。　少しでも、心に力をつけたくて。
私達は結ばれて幸せになった人を、全く知らずにここまで来てしまったけれど…

大丈夫だよね、シンジ。　少し早いけど、大丈夫だよね。
私達だから、大丈夫だよね。


信じてて、いいよね？

乙です

幸せと不安、だからあなたを信じたい。いい子だなあ。

DAHLIA氏
天才

おつ

犬も月歩けば日

帰宅途中自動販売機の前でオレンジジュースを飲んでいたら、
飼い主に連れられた散歩途中の犬がアタシのすぐ後ろで立ち止まった。
何事かと様子を伺えばどうやらアタシの足を何かと間違えてたのだろう、
しばらくうーうー唸っていたけど飼い主に引かれそのまま振り向きもせず去っていった。

何と間違えたかがすごく気になった、犬が興味を引く対象って？
まさか電信柱と間違えたんじゃないでしょうね、アタシにマーキングしたら殺すわよ！
たぶんアタシに何か魅せられたのよね、だから興味引いてじっと見て、
そうね、そういう適当な理由にしておこう、深く考えたら馬鹿を見そうだし。

見上げた犬の切なげで甘えたそうな顔がなぜか印象深い、
ああそうか、思い出して家への道を急いだ、あの顔、シンジそっくり、ふふ、
ちょっといじめると見せる顔、ほんとアイツって犬っぽいな、見かけも性格も。

銀色の扉が開かれ珍しく響いた「おかえり」に導かれるとシンジは台所にいた。
熱そうな日本茶をひとすすりしてこっちに向けた顔は、ああやっぱり、さっきの顔だ。

くすって笑ったらそのまま怒った風に可愛げな子犬は鳴き声をあげる、
「なにがおかしいのさ、帰ったと思ったら人の顔見てさ」口をとがらせちゃって、
ごめんその声も他の声もきゃんきゃんってしか変換されなかったわ、またくすくす笑っちゃったし。

笑いの理由は説明しなかったけど、犬は好き？とだけは聞いておいた。
「可愛いよね、飼えたらいいけど、ペンペンがいるし、世話も大変だし、ミサトさんに悪いし」
実にアイツらしい返事、たまにはわがままいっぱいに訴えればいいのにまわりを気にしちゃってさ、

いくら犬っぽいからって性格まで誰かに飼われる様じゃイヤ、しっかりしなさいバカ。

「前も飼い馴らされた男って最低とかさ、僕を何だと思ってるんだよう」
聞こえないように云っても案外聞こえてたのね、そうか犬の耳は人よりも鋭いって。
さすがにそんな調子を続けたらシンジもぷんぷんしてそっぽを向き始めた。

からかいはほどほどにして自室へと向かうアタシに背中から一言、
「なんだよ、自分だって気まぐれな猫なくせに」あらわかってるじゃない、いい読みよ。
移り気でからかい上手で可愛いどら猫だってのも知ってるかしら？
機嫌を損ねた子犬の気持ちを元に戻す方法なんてとっくに心得てるってのも？

一舐めも猫撫で声も艶かしい動きも何一ついらないわ、
少しだけ甘えるの、少しだけ優しくなるの、少しだけ…ほんと少しだけよ、素直になるの…

誰も近づかせない寂しい背中を見せて俯く姿だって気になんかしない、
さりげなくそれでいてオーラを出しながら隣に座る、
ちらりとでもこっちを見たらもう逃さないわよ、自慢の爪で引っ掻いてやるんだから。

そうやって気弱な子犬はいつもしっかり術中にはまってまた元通りに。
甘えた鳴き声で問いかけが投げられたら確かめあうキャッチボールの始まり。
息の合ったバッテリーには余計な言葉などなくても以心伝心、そういう事。

そんなアタシとシンジのさまを見てミサトはなんて云ったと思う？
「でも、アスカは猫っていうよりーじゃじゃ馬って感じがするわ」
云ってくれるわよね、シンジにいつかは慣らされるってえの？！
シェイクスピアの台本通りになんていかせないわよ、みくびらないで、ふん。

「でも僕、アスカをそんなふうに思ってないです、犬っぽいのは自分でも納得しますけど…じゃじゃ馬なんて」
「ごめんごめん〜でも暴れっぷりは猫も馬も同じ、犬も歩けばなんとやら、シンちゃん災難ねー」

その瞬間葛城ミサトの顔面にクッションが派手な音をたててヒットした。
やっぱりいつかひどい目にあわせてやる、おぼえてなさい、この大悪魔。

乙

乙です

可愛いね。。

6月12日

ずいぶんと唐突だったが、今日は私達の兄貴分からあるものの差し入れがあった。
それは、相棒の唯一といっていい特技、チェロという楽器だった。
なんでも政府関係者が使える物資をかき集めている中で見つけたものだそうだ。
ケースに入っていたため綺麗で、壊れている様子はない。　以前の持ち主の几帳面さを伺わせる
行き届いた手入れ。　ギターが無かったことを悔やみながら、シンジへのプレゼントとして持ってきたのだ。

僅か二人の観客を前に、演奏会が始まった。　およそ一年振りに触る楽器だけど、
三歳から習っているだけに染み付いているのか、すぐに勘を取り戻した。
何をするにも自信なさげなシンジには不釣合いに思えるくらい、見事な音色を奏でてくれる。
よく考えれば、これを聞いているのは三人。　きっと、小さな鼓動を響かせながら聞き入って
いるであろうお客が、もう一人いた。　私は知らずに笑顔になって、ウトウト眠りに落ちていたらしい。


シンジと一緒に、音楽に合わせて踊ったことがある。　多分シンジじゃなきゃ、あんなにうまくは
いってないと今は思ってる。　今日はシンジのチェロを聴きながら、とろける時間を過ごせた。
私が満ちていく音楽のそばに、いつもシンジがいる。　そんな事を考えれば、私もシンジのために
歌ってあげたくなったりする。　下手っぴだけど、気持ちを込めて。


もしもふたり　逢えたことに意味があるなら、
私はそう、自由を知るためのバイブル。

乙です


ほんと可愛い。

気持ち悪い
以前程読みたいとは思わなくなってきた
もう無理しないで下さい

乙

乙です

前撤

胎教乙

乙。
だが何気に青葉も素敵に見えてきた俺は重症ですかそうですか。

葛城家の月罠日

朝、温水の温度設定が狂っていたのかひどくぬるかった事に腹を立てシンジをなじる。

前なら「ごめん」とお決まりな返事をちくちくといじめて楽しめたのに、
今日は設定パネルの前まで連れてかれ基本設定ではなく浴室の微調整ができてないと、
つまりはろくに確認もせずノブを開いたアタシが悪いと、
素っ気ない表情で理路整然に言い返され何も云えず、くそう、なによ、バカシンジノクセニ。

バスタオル姿で人をさらけものにしてなんて奴だ、
繰り返しそれを訴えても「アスカが悪いの、僕は何も悪くないの」と一点張り、
主体性が生まれるのはいいとしてもこんなに可愛くない態度を出すなんて、ちくしょう。

そういえばそろそろ長いつきあいと公言してもおかしくない間柄、
長い時間の果て、少しだけ自分を出せるようになった点は評価に値するわ、
でもアイツのあの顔でちくちく云われるとなんかくやしいのよね。

なんにもできないバカシンジと思ってたのに、いっちょまえなあの態度って奴が、
なんて云うの？生意気ってやつ？それとも侮り？近づいた分のフランクさ？

「だから前から云ってるじゃない、余裕が生まれるとシンちゃんああいうふうなのよ」
そりゃわかってるわよ、でもねえ、そういう部分だけは簡単に見せるくせに、
どうして大事な言葉や想いや態度とかそういうのはしっかり見せないのよアイツは。
これでも我慢してるのよ、見せる力は持ってると信じて、長い時間を気にもせず。

「ならちょっち試してみる？賭ける価値はあると思うけど」

だまし討ちのようなマネで確かめなきゃなんて少しイヤだったけど、
何もしない、何もわからないで悩むよりまだマシではないかと考え直し、
小悪魔は大悪魔の囁きに乗る覚悟を決めた、大人ってこれだから恐いわ。

起きぬけのような「ただいま」が扉の彼方から聞こえた頃計画は始まった。

何も知らずリビングに入ってきたアイツの前でぐったりした姿を見せるアタシ、
不思議そうに覗き込むアイツの前でやや息を荒げて「…おかえり」と返す、
微動だにしないアタシにアイツは「どうしたの？」を繰り返す、弱い声、しめしめ、
今朝の一件とバスタオルの話を匂わせ寒気がするとこぼした、さてさて。

それからのアイツはもう…記したくないくらいだ、ほんとなんて奴なのよ、くそう。

動けないふりのアタシを一生懸命運ぼうと四苦八苦、
お姫さまだっこに失敗して転びそうになった時は思わず笑いそうになってしまった、ごめん。
結局肩を抱えてベッドまで連れてってくれたけど…何よ…ちゃんとしてくれてさ…

布団の中そっぽを向いたアタシにアイツは困った顔でごめんを繰り返した、
「…無理に優しくしないで、今日だって優しくないくせに…」それは言葉の錠前、
「…ごめん…でも、だからこそ優しくしなきゃ…大事なんだから…」それは言葉の鍵。

「やっと云ってくれたわね」「何が？」「云った通りでしょ？アスカ」
襖の前に立つミサトがニヤニヤとこちらを向いたのを合図にゆっくりと起き上がった。

全てを悟ったシンジの心底すねた顔と「もう絶対心配しないから！」の言葉、
だってこうでもしなきゃアンタちゃんと見せてくれないんだもの…
この時は演技でも嘘でもなくほんとうに悲しい顔を見せた、アイツもそれはわかったらしい。

「でもさ…優しさって…見せ過ぎると嘘になりそうで…だから大事な時にしかって…僕は…」
違うわ、見たいのは優しさだけじゃないの、それを生む心を、想いを見たいのよ、
はっとしたようにアイツは真剣な顔に変わると「わかった」と云ってくれた。

「ごめんね」をお互いに言い合いまた一つ確かめあう、想う事、それを見せる事。
見つめあった瞳と握った両手で全ては解決よ、そう記すだけで十分よ、ありがとうそしてごめんねシンジ。

追記

「でもミサトさんのやり方はひどいと思う、ずるいと思う」
その点に関しては同意しておいた、じろりとミサトを見つめたアタシとシンジ。

「いいじゃなーい、全てが丸くおさまったわけだしー」
あっけらかんと言い放ちながらもきらりと鋭く光った目はまさしく大悪魔、反省の色なし。

「結局僕を騙した事には変わりないじゃないですか」
「その点に関してはシンジに同意するわ、結果はともかく過程はやりすぎよ」
「何よ何よ二人とも、元のサヤに納まったくせに感謝こそすれ怒られる道理は」
「だいたいアスカだって演技して僕を騙したんじゃないか、片棒担いでおいてよく云うよ」
「ぬわんですってええ！それもこれもアンタの努力不足が原因でしょ！」
「しかたないじゃないか…だいた「ほらほら二人ともケンカはやめ「うっさいわね行かず後家！」

禁句を口にした事を今は反省してる、勢いで云ったわ、ええそうよ、悪かったわよ。

以降日付けが変わるまでミサトにこってりとお説教1:愚痴9の話を聞かされた、
もう二度とミサトを怒らせないようにしようと心底思った、もちろんシンジも同じだろう…あーあ…

今一度云っておくけどつまりはアンタが原因なんだからね、少しは反省しなさいよ！ふん。

乙です

言葉にしないと伝わらない想い、けれど言葉にした瞬間それはありきたりなものになってしまいそう…。いいですね。オチもＧＪです。

なんてーか、ｱｽｶだなーと思た。

乙ー

6月13日

ほんの一ヶ月前まで、シンジと暮らしていた浜辺ではほとんど野外での寝泊りに
等しかった。　だから夜になれば、星空を見上げる事も頻繁にあった。
今日は久しぶりに見てみようかと、相棒から声をかけてきたのをきっかけに、外に出た。
少々物足りない感はあったけど、久しぶりの夜空の輝きは悪くなかった。

怖いと感じることが多かった夜の闇も、星を映えさせるためには必要なのだろう。
無意識に手を握る私に応えながら、シンジは穏やかな表情を見せる。　そして、呟いた。
サードインパクト。　失ったものは多すぎて、大きすぎる。　なのに何もかもを良くして
いける気がする、と言う。　多分会いたい人達も、この空を見ているからだって。


何カッコつけてんだか、と思いながら私も過去を捨てられないし、捨てる気もない。
確かに強くなった自分を噛み締めて、今日は自然のプラネタリウムに包まれていよう。
握り締めた手は暖かくて、星に届きそうな気がするくらい力強い。
冴えない同僚が、かけがえのない一人となって、私を想ってくれている。


夜の闇を照らしていくのは、これからの私達。
なんてことのない、この気持ちで。

乙です

闇の中の星は小さいけれど、でも自ら輝いている。それが幸せな未来を照らしてくれる。When you wish upon a star.

乙

「ねぇ、おばあちゃん」
「なんだい？」
「おじいちゃんのこと好きだった？」
「・・・今でも好きだよ。ミーナはおじいちゃんのこと好き？」
「うん。おじいちゃん、いつも優しかったから。パパはいつも怒りんぼだし」
「そう・・・・・・・　ミーナ、お母さんと一緒にお祭りに行ってきなさい。レナ、
レナ、ミーナをお祭りにつれてってあげなさい」

暖かい日差しが差し込んでいる縁側。いつのまにかうつらうつらしてきて
そして・・・「シンジ？シンジ・・・孫はもうあんなに大きくなったよ。もうそろそ
ろアタシもそっちに行きたいな。連れて行ってくれない？」

一筋の暖かい光が差し込む。すべての疲れを癒してくれるそんな優しい
光が縁側へと差し込む。「ただいま・・・・」「おかえり、アスカ。じゃ、行こうか」

暖かい日差しが差し込んでいる。その体がいつまでも冷めないように・・・

神まち

α月　○日

今日からあの連中と一緒に戦うために戦線復帰。
ちょっと出だしが遅れてブランクもあるけどこのアスカ様なら即エースに返り咲きね。
で、準備を整えるために宇宙の秘密基地へ行ったらファーストと再会。生きてたのね。
てっきり土に還って今はミジンコにでもなってるんだと思ってたけど。
お世辞であれからどうしてたのか聞いたらシカトされた。
こんちくしょう。人が大人になってちょっちだけ社交的にしてやったらそれかい。
とか思ってたらシンジにも同じ態度。
あれ？こいつシンジには懐いてなかったっけ？とか思ったけどどうでもいいわ。
どうせ2年もたったからすっかり他人になったんでしょ。


α月　*日

部隊編成がされた。あたしとシンジが同じ小隊、ファーストは坊ちゃんガンダム乗りと。
ファーストが艦長に恨めしそうな視線を向けている。
やっぱりあのバカに懐いてるんじゃない？
移動合体攻撃は便利よねー、と得意げに振る舞ってシンジに同意を求めてみると
ファーストが能面な顔を精一杯歪ませてこちらを威嚇してくる。ちょっと面白いかも。
でもその後小耳に挟んだところ、あたしとシンジがカップル扱いされているらしい。
いや…同居…ていうか同じとこに軟禁なんかされてたけど過ちとかないし。違うから。
口に出して否定してみたかったけどファーストの反応を楽しみたいからしばらく黙っておくことにする。

最高のLAS小説。携帯サイトですがよかったらどうぞ。http://www.geocities.jp/sirotori2005/eva01.html

感動した。ありがとう

スレ違いだと思うぞ。
ここは日記形式FF専用スレだ。

スレ違いだが俺は嫌いじゃない

>>306
そこのはスレ違い以前の話だと思うが

とりま待つか

君の話を月聞かせて日

機嫌がいいわるいに限らずアタシは思った事や溜まった気持ちを吐き出す。
もちろんその矛先そして相手はシンジだ、だっていちばんぶつけやすいんだもの、悪い？

おまけにアイツは何もいわず黙って聞いてくれる、ほどほどな相槌と共に。
たまにアタシが、聞いてる？とかアンタはどう思ってる？とか意見を求める事もあるが。
それはそれでいいのだけど、ただ、たまに、はいはいってあしらうような仕草見せたり、
「それは違うと思うよ」なんていっちょまえに返してくるのが憎たらしいのよね。

今日だってそうだ、内容なんて覚えてないけとるにたらない話を続けたら、
そうだねっていいながら目線も態度も中途半端、聞いてるの？って問えば、
ちゃあんとこれまでの話を御丁寧に理路整然と説明してくれる、
今度はアタシが相槌を打つ番なんて、しかもそれ見てアイツくすくす笑うし、くそう。

だったらそんなまどろっこしい聞き方やめなさいよって云っても、
変わらずそうだねってもとの調子に逆戻り、ああもおじれったい、このバカったら。

そうやってされるとねえ、なんだかこっちがつきあわしてるようでイヤなのよ、
おまけに力ない返事じゃ聞きたくないって云われてるみたいじゃない、
思い通りになれとは云わないけど、ちったあそれなりの態度は見せなさいよ！

されどもどかしさばかりこっちが抱えるのは腹が立つから聞いてみる事にした。
そんなに聞きたくないなら聞かなくていいわよ！と少しだけほほをふくらませて。

「僕ちゃんと聞いてるよ、さっきだって証明したじゃない」ぽかんとした顔で返された、むう。
そうじゃなくて、無理矢理つきあわせてるのにアンタはちっとも苦痛じゃないの？って事…

「そんな事ないよ、僕アスカの話好きだもの、興味あるし…女の子ってそう考えるんだとか」
ふむふむ、なかなかいい心がけじゃない、アタシの事は当然として、他人の考えを知りたいなんて。
しかしこの後の言葉には参ったわね、誰がそこまで云えって頼んだのよ！ほんと純粋バカ！

「だって僕アスカの話だから聞きたいんだもの、好きな人の話だから」
今思えばこれってちょっとしたアタシへの口封じよね、何も云えなくなったもの。
そこまでアイツは計算高くないから違うと思うけど…まったく…いっちょまえにい…

「もういいの？なんだ…もっと聞かせてよアスカの話」ああもおうっさい！
真っ赤な顔うつむかせもじもじしたアタシに何を話せってえのよ！このバカ！
…今口を開いたって…くすぐったい文句しか…出ないわよ…アンタの事しか…出ないわよ…

何も知らずにこにこしてるあのバカのほっぺをギュッて両手でつねって気持ちを紛らわした。
「いひゃいよあひゅかあはひをふるの」「うっさい！このまま代わりにアンタが話しなさい！」
ごまかしたけど云えるもんか、アイツへの想いの一つ一つなんて、ぜったい云うもんか、ふん。

どんなに聞きたいとせがまれても、大好きだなんてぜったい云わない、云うもんか。
アンタからちゃんと云ってくれるまで、ぜったいに云ってあげないから、ぜったいイヤ。
だいたいね、言葉の代わりにちゃんと唇で教えてるんだから、それで十分でしょ！

なんか変な展開になったけど、ともかくシンジがそういうなら、もっともっと話すわ、
でもねアタシだって好きな人の話は聞きたいわ、今度はアンタも話しなさい、命令よ。

おちゅ

乙です

好きな人ならどんなことでも楽しい。いいなあ。

梅月雨日

最近の雨続きの天気にはウンザリだった。
朝、目が覚めた時に感じるカーテンの向こうに広がる雨模様が
1日の始まりを台無しにしてくれた。
せっかくアイツが起こしに来てくれるのに、
美味しい朝食が待ってるというのに、
本当に気分は最低！

昼休みになっても窓の向こうはしとしとと降り続く雨だった。
アタシはアイツお手製のお弁当に箸を突き刺しながら
雨に対する文句をヒカリや周りの女子にぶちまけていた。
でも、彼女たちは生まれながらに梅雨との付き合いがある所為か
アタシの苛立ちを真剣には受け取ってくれなかった。

放課後、先生に呼ばれたアイツを待って昇降口でボンヤリと外を見ていた。
止みそうにない雨と薄暗い雲がアタシの心を蝕んでいくようだった。
そんな時、部活に行くというクラスメイトの子が話し掛けてきた。
「惣流さんはさ、雨を嫌なものと考えないで雨を楽しんだらいいのよ。」
彼女はそう言って、日本の男女が雨の日にするという行為について教えてくれた。
勿論、アタシがそれを実践したのは言うまでもないんだけどね。

追記
美術部の彼女がコンクールに応募して見事入選したという作品が
張り出されたのはもうすっかり夏の日差しが強くなった頃のことだった。
その画の中ではアタシとアイツが未だに相合い傘をしていた。
まったく、彼女にはしてやられたものだ。
ちゃっかりアタシをダシにしてくれて、悩んでいたという画題を決めたのだから。

6月14日

昨夜、ママの夢を見た。　エヴァパイロットとしての役目を終え、弐号機へ
別れを告げたけれど、今でもずっと、一緒にいてくれている。
他の人が大抵持っている、母の記憶が私には無い。　それは仕方のないことなのだが、
ママはそれを私に謝ってきた。　私はただ、ううんと首を振って答えるだけだった。

以前の事を踏まえて、ママは相棒の事を誉めてくれた。　優しくて、純粋な男だと。
ママは、シンジを知っている。　たった一度だけ、記憶の無いシンジが弐号機に乗ったときの
ことを忘れていなかった。　やがて義理の息子になることまでは、読めなかったみたいだけど。

目覚めてみれば、同じ夢をシンジも見ていた。　忘れていた時間が戻ってくるような匂いを感じたそうだ。
すごく緊張したらしい。　心の準備も出来ていないまま、ぎこちない挨拶しかできなかったと言う。
でも私を頼むと言われ、そこは力強く返事をしたよ、と目を輝かせてみせる。
いまや家を出て貰われていく訳でもないのに、幻想の中で想いが廻る。


そうだ、この世界で失くした人達でも、こうやって夢の中で心が通わせられるんだ。
それに気が付いて、私達はすごく嬉しくなった。　いずれ海の底で眠る、初号機と
弐号機に逢いに行こうと約束をした。　遅くなんかない、親孝行をしようって。


私も初号機に乗ってみたかった。　あの頃はプライドが邪魔をして許さなかったけど。
もう、大切なものを抱き締める事に、遠慮はしないつもりだから。
夢の中で会える人々だって、シンジと一緒に護っていこう、　　　今夜も。

６月１５日
今日は珍しく定時に終われたというミサトが、更に珍しくお酒やおつまみではないお土産を持って来た。
そのお土産の中身はコーヒー。それもミサト自身が買ったのではなく、リツコが持たせてくれた物らしいけど。
食後にアイツが入れてくれたコーヒーを三人で飲む。アタシはそんなに詳しい訳じゃないけど、まぁリツコが選んだだけあって普通のコーヒーよりは美味しい気がした。ただ少し苦かったけど。
それを飲むために、アタシは砂糖とミルクを多めに入れていた。
それを見てミサトは鼻で笑い一言。「アスカに大人の味はちょ〜っち早かったかなぁ〜♪」そんな安い挑発に乗る訳ないじゃない！と頭では思っても、体はそのコーヒーを一気に飲み干し、シンジにおかわりを促していた。
「さっすがアスカねぇ〜ん♪アタシが間違ってたわ」その言葉を言わせる為にアタシが飲んだコーヒーは、最初とその後に飲んだブラックのコーヒー合わせて５杯。なんだか肌までコーヒー色に染まるんではないかと、自分を心配するほど飲んでしまった。気持ち悪い・・・。
アタシの行動に機嫌を良くしたミサトを部屋に見送り、アタシはシャワーを浴び、アイツと挨拶を交わし寝床に着いた。

寝ようと思い、寝返りを何度かしながら自分の丁度良い場所を探す。
ここだと思い目を瞑っても、耳に入る目覚まし時計の音が自分の中で大きくなってくる。眠れない。
原因は分かっている。
ミサトに軽い怒りを感じながらも、意地を張った自分を反省する。
寝返りでベットを何周した頃だろう。気分転換も兼ねてトイレに行こうと襖を開けると、同時に目の前の襖も開く。
一瞬、お互いに驚いたけど、アイツは頬を人差し指で掻きながら「コーヒーのせいかな？アスカも？」と口に出す。アタシが頷くと、「じゃあホットミルクでも作るよ」と言いながらアイツが先に部屋を出た。
キッチンの光が隙間からリビングに漏れてきている。アタシはリビングの電気をつけず、クッションを抱きアイツを待った。隣の部屋からはミサトの気持ちの良いほどの寝息が聴こえてきていた。
アタシが「よくもまぁ・・・」と独り言を呟いた瞬間、小さなくしゃみと身震いを一つ。夜中はさすがに少し寒い。
キッチンから来たアイツが「部屋に持って行ってあげるから部屋で待ってたら？」と言う。アタシが、首を横に振り答えるとアイツは自分の部屋から毛布を持って来てアタシの肩に掛けてくれた。

アイツはそのままキッチンに戻ったけど、アイツを近くに感じた。「シンジの匂い・・・」同じ石鹸を使ってるはずなのに、自分の香りと微妙に違う香り。落ち着く・・・なんてことを考え、毛布に鼻をくっつけた瞬間。
アタシは「こんなの変態じゃない！！」と立ち上がり、息を荒げながら毛布を叩きつけていた。
それと同時に、両手にカップを持ったアイツが「どうしたの？」と言いながら自分の席に座る。「なんでもないわよ！」とテーブルに置かれたカップを取り、それを無言で啜った。
お互い飲み終わったカップをテーブルに置く。アタシは自分の横を叩きアイツが自分の横に座るように促す。オドオドしながら座ったアイツに、アタシは自分にかけてある毛布の反対側をかけた。
別にアイツとくっつきたいなんて思ってなかったわよ！
ただアイツの匂いを直接感じたいっていうのは少し思ったけど・・・ってなに書いてんのよアタシは！
横に来たアイツの肩に頭をのせてみた。ただ毛布が小さくて二人が入るにはそうしないといけないからだ。

そうすると体は動かさないが更にオドオドするアイツ。そのアイツが変におかしくて、ミサトがコイツをからかい遊ぶのも少し分かる気がした。なんてことを考えていると、時計の音もミサトの寝息も遠くなっていった。


朝、目を開けるとアタシの前には片肘を着きニヤニヤするミサトがいた。
数秒後、状況を飲み込んだアタシが、横で眠るアイツを揺らし起こす。「ん・・・」と目を開けたアイツが伸びをしようと腕を上げた。アイツの肘がアタシの胸に当たる。「あれ？」とアタシの胸に当てたまま何度か肘を動かすアイツ。
状況を把握したのか、ギギギと機械音が聞こえそうな首をアタシに向ける。
乾いた音とアイツの頬に出来た、赤い痕。腹を抱え笑うミサトの横を足音をたててアタシは部屋に帰って来た。
なんなのよ！もう・・・。

でもこれでアイツに貸しが出来たわね！どうやって返してもらおうかしら？
今度、一晩中、子守歌でも唄ってもらおうかな？

二人だけの時間を満喫したいから・・・ね？シンジ？

またしても長文駄文ですみません・・・orzそして
DAHLIA氏
自分のレスに対しての返事ありがとうございました。

連投すみません。
正直、少し前に書いた時に良いレスばかりだったので今回のレスは少し怖いです。けれど前にコメント下さった方々ありがとうございました。
汚しすみませんでした。

お二人とも乙です。

DAHLIAさんの以前の話を読んでいないのですが、今回の話は1st Impressionのネタが
入っているのかな？

キスとかの描写なくなってきましたね

乙。
ダリ氏
アスカの心境の変化が素敵だ。
しかし、初号機にアスカが乗ったらどうなるんだろう？

肉じゃが氏
やはりうまくなったと思う。
が、ちょっと長かったかな？
まぁ読み手側だから何ともいえないけど、短い文で説得力のあるストーリー
をかけたら申し分ないな。
頑張れ！


他の職人さんも来たようだが、あまりここに集中しすぎずに、
雰囲気のあうアスカ日記スレに行くとよいのでは？

>>327
何様？

>>327
おまえがアスカ日記スレに行け

私は肉じゃが氏の文章好きですよ。これからも投下お願いします。ということで乙でした。

327だ、
ごめんよ、悪気があって書いたんじゃないんだ、
ただ、折角だからと思っただけなんだ。
だからそんなに怒らないでくれ(つд｀)

6月15日

今日は相棒と、久々の散歩へ出かけた。　復興が進む平べったい街の中を、
手を繋いで歩いていく。　天気が良いから、単純に気持ちが良かった。
私もシンジも、街行く人々を見ながら無意識に知人を探している。　誰かに
似ていれば、ピタリと視線が止まることをお互い感じながら二人で一つの様に進む。
人口はグッと減ったはず。　でも簡単に見つかりはしない。　私とシンジの様に、
説明できない特別な縁があれば引き寄せあうことがある。　でも青葉さんの様に再会できる人は、
砂粒に等しい確率だろう。　それでも、探さずにはいられない。
今の人が誰に似ていたとか、そんな会話が続く。　私達に関わった人達の全てが、私達の絆を育んだと
思っているから、そこだけはサードインパクト前に還りたがる私とシンジ。


かつて私も書き込んだことがある、広場の掲示板の前に来た。
一ヶ月以上前だから薄くなっていたが、私のシンジに宛てたメッセージがまだ残っていた。
これ、アスカでしょとすぐに気付くシンジ。　汚い字で悪かったわねと拗ねてみれば
そっと肩を抱いて匂いをくれた。　これを書いた時の心細さは、この匂いを求めていたんだ。

もう必要ないから消しておこうと思い、黒板消しを持って近付く。
他の書き込みを消さないように気を付けていると、シンジが制止してきた。
私のメッセージに、返答が付けられていることに気付いたのだ。


二人して、戦慄が走った。　日付が一週間前になっているけれど、今日まで知らなかったことを
心から悔やんでしまった。　こんな頼りない掲示板が一つ、道を開いた気がする。
今日は出会えなかった。　けど明日からも、私とシンジでこの書き手を探すことに専念しようと思う。
もちろん、手を繋いだままで。　　　あの時一番欲しかった香りを、お互い与え合いながら。


「親友を探しています　　お返事を下さい
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　H.H」

>>325氏
＞今回の話は1st Impressionのネタが
入っているのかな？

ご名答です。
分かり難くてすいません。

＞肉じゃが氏
長文ですが駄文ではありませんよ。　お疲れ様です。
むしろ自分は長く書けないので参考にさせていただいたりもしています。
お忙しい中少しずつ復帰なされているようで嬉しいです。　
次回も楽しみにしていますので、頑張ってください。

乙です


儚げな、でも確かな縁。離れていたからわかる大切なあなた。匂いで分かる絆。

乙です
H･H・・・

乙。

ミサト、この日記をもって、アタシのパイロットとしての最後の仕事とする。
まず、アタシの状態を検査するために、リツコに妊娠検査をお願いしたい。
以下に、大人になることについての愚見を述べる。
人生に重要なものを考える際、第一には、あくまで勝気であるという考えは
今も変わらない。

しかしながら、現実にはアタシ自身の場合がそうであり、意識した時点で
負け心や不整脈をきたした進行症例がしばしば診うけられる。
その場合には、逃避行動を含む精神改造が必要となるが、
残念ながら、いまだ満足のいく成果にはいたっていない。

これからの勝気魂の飛躍は、洗脳以外の治療法の発展にかかっている。
アタシは、ミサトがその一役を担える数少ない女であると信じている。
能力を持ったもには、それを正しく行使する責務がある。

ミサトには勝気な心の発展に挑んでもらいたい。
遠くない未来に、恋心に負ける精神が、この世から無くなることを信じている。
ひいては、アタシの戦いの記録を病理解剖の後、ミサトの研究材料の一石として役立ててほしい。

「男のやさしさに負ける女は馬鹿。」

なお、自ら恋愛嫌いの第一線にある者が早期発見できず、回復不能の恋心で馬鹿シンジと結婚
することを心より恥じる。

６月１７日

昨日は昼からアイツと出掛けた。電車で揺られること数十分。行き先は雑誌の端に見つけた喫茶店。
寂れた街を迷いながらも目的地に着く。
とても良い雰囲気で、ストロベリーの香りがする紅茶と甘過ぎないパフェがとても美味しかった。
流れる曲も知らない曲ばかりだけどセンスの良い感じで、店主も気さくな紳士だった。
アタシ達は終電ギリギリまで、その喫茶店と店主の話し、サービスしてくれた料理を満喫した。
今思うとそれがいけなかった。あんなことになるなんて・・・。
アタシ達は深くお礼を言って駅に走った。
駅に向かっているとアイツが「ねぇアスカ。来た時こんなところ通ったっけ？」なんて言い出す。
確かに・・・。走るアタシの視界には記憶にない風景が流れていく。あれ・・・？確かに駅に向かっていたハズなんだけど・・・。
駅に着いたのは記すまでもなく、終電が出たあと。アタシ達はこの後の電車とバスが無いことを確認して、いっこうに来ないタクシーを待った。

自動販売機で買った紅茶は不味くはなかったけど、昼間の紅茶に比べたら機械的な味というのかな？ホットなのに温かく感じなかった。
手の中の紅茶が冷たくなった頃、「来ないものを待ってもしかたないわ」自分が悪いのに素直に謝れない自分が嫌になる。
アタシ達は昼間に向かった道とは逆の道を歩いた。喫茶店やファミレスを探したんだけど、予想通りなにも無い。
「どうしよう」と不安げにアイツが言った時。目に入ったネオンの看板。
休憩3900円 宿泊5900円
アタシがその看板の前に立つと「えっ？」更に不安げになるアイツ。
アタシもこの場所がどういう場所かは知っていた。けれど自分のせいでこういう状況になってしまったのだ。
アタシは一芝居うった。「アンタお金持ってる？ここ宿泊安いわね。もうここに泊まらない？」顔が真っ赤なのは自分でも分かった。きっと、夜道でなかったらバレていたと思う。
「えっ・・・お金は持って来たけど・・・え〜！？」と驚くアイツ。その時、肩にポツリと当たり出す雨水。それが自分の中できっかけになり、アイツの腕を引っ張り、そこに入った。

入るとすぐに部屋の写真にボタンが付いているボードがあった。横にある説明書きを見ると、ボタンで部屋を選び料金は部屋から出る時に払うらしい。
「へ、変なホテルね」声が上擦っている。けれど勢いで来たとはいえ、今更後には引けない。週末だけあって余っている部屋も少ない。
きっとここに来る人達はみんな・・・。心の中で、『アタシ達はしょうがなく入ったんだから！』と言いながら、ジャグジーがオススメらしい部屋のボタンを押した。
顔を真っ赤にしてオドオドするアイツの腕を持ち、「ほら行くわよ」なんて言葉で自分を隠しながら部屋へと向かった。
ボタンを押したルームナンバーの部屋に入る。意外と普通だ、とひとまず安心した。
バックを置き、ソファに並んで座った。お互いになにも喋れない。
しばらくして先に口を開いたのはアイツだった。「雨、強くなってきたね」アイツの言葉の通り、外は騒がしくなっていた。「ほらみなさいよ！やっぱり入って良かったわ♪」なんて言いながらアタシはトイレに。
帰ってくるとテレビにリモコンを向けたまま固まったアイツがいる。どうしたのかと思って近づくとテレビからは悩ましい外国の女性の声。

アタシは急ぎリモコンを奪い取ってチャンネルを普通のテレビに変えた。アイツを見るとまだ固まっている。しかも鼻からは赤い液体が流れている。
アタシは急いでアイツの鼻にティッシュを突っ込む。それでやっと意識を取り戻したのか「ア、アスカ！今のは違うんだよ！・・・」など一通り言い訳をしてくる。その後の気まずい沈黙に耐えられなくなったアタシはシャワーを浴びた。
ドギマギするアイツとシャワーを交代したアタシは、喉が渇き、備え付けの冷蔵庫を開ける。そこにはお酒しか入っていない。アタシは喉の渇きに負けて甘そうなピーチソーダを飲んだ。「けっこういけるじゃない」と独り言。一気にそれを飲み干した。
その後、美味しいので、とカシスソーダ、スクリュードライバーと立て続けに飲んだとこまでは覚えている。
気がつくとアイツに起こされていた。「もう出ないともっとお金かかるみたいだよ」
そうらしい・・・。アタシ達は急ぎ、入り口の両替機のような物にお金を入れ、外にいたおばさんの白い目を気にしながら小走りで駅に向かった。
帰りの電車の中で、時々思い出したように吹き出すアイツ。

「どうしたのよ！」と問い詰めたら、笑い涙を人差し指で拭いながら「アスカって泣き上戸なんだね」と一言。その後はいくら聞いてもアタシの顔を見て返ってくるのは吹き出し笑い。
けれど、アイツは何故か笑ったあと、その度に顔を赤くして俯いてしまう。


アタシは本当になにも覚えていない。だけど、思い出そうとするとなんだか唇がうずく。

あぁーもぉーアタシは何をしたのよ！！問い詰めきゃ！
それに、なにもなかったとしても、アタシ達は大胆な行動したわよ・・・ね？

もうこうなったら責任はとってもらうからね！覚悟しときなさいよ！優柔不断でムッツリスケベのバカシンジ！

>>327さん
確かに長いです。今回も特に・・・orz
でも、自分の書きたいことをまとめる技量が足んないです。今回も、喫茶店の店主の女性エスコート術指南や、部屋が過激だったり、テレビもシンジだけじゃなく二人で見たり、お酒もアスカだけじゃなくて二人で飲んだりなどいろいろ入れたかったんですが・・・
ってこれも長文ですね。
なので、また修行してきたいと思います。
アドバイス嬉しかったです。本当にありがとうございました。

DAHLIAさん
誉めていただきありがとうごさいました！本当に読めば読むほど技量というかセンスというか、いろいろと自分には足りないことを痛感します。

ホリデイさん
自分とは全てのスペックが違い過ぎます・・・orz
本当に凄すぎです。猫のほうも読んだりしています。またしてもこんな自分からですが頑張って下さい。

新しい職人さん
自分個人は職人さんのような乾いた文章が好きだったりします。これからは結婚後・・・ですよね？

１文字でも読んでくれた方
ありがとうございます。こんな文ですみませんでした。また書く機会がありましたらよろしくお願いいたします。

最後まで長文すみません。

乙です

千里の道も一歩から。がんばってください。ちゃんと情景がイメージできたし。その調子ですよ。

6月16日

今日も二人で外へ出て知人探し。　好きに時間を使っているように見えて
逆説的にこれも仕事だと言い聞かせている。　言うなれば協力者探しでも
あるのだから。　新生ネルフはいまだ、三人しかいないのだ。

無駄話をしながら歩いていると、知らぬ間に人気のない場所まで来てしまっていた。
私とシンジで暗黙の了解を取り合って、わざとこの場所まで来たのだが。
途中から尾行されている気配を感じ取ったので、尾行者を誘導したのだ。
呼吸を合わせて二人で振り向くと、ボロボロの服に伸びきった髪と髭の汚い男が、
刃渡り10cm程のナイフを、震える手で翳しながら叫んできた。

サードインパクトが日本政府の陰謀、何らかの兵器実験だったとどこかの噂で誤認している
男だった。　私達を目の敵にしているのは勘違いだが、皮肉にも半分は当たっている。
男は正気ではなかった。目の焦点も定まっていない状態で私に襲い掛かってきた。
確信があったので平静を保ったまま私は、そのまま立っていた。　シンジもまた、同様に。

ATフィールドが、突き出してきた男の武器を弾き、砕いた。
それは私を護る、シンジのフィールドにも見えた。　どちらかのなんて、私にも
わからない。　男は愕然とし、奇声を発しながら走り去っていった。　無様な
後ろ姿だけが、嘲笑にも値しない今日の記憶になった。

「僕は、恨まれて当然なんだ。」　相棒の言葉からは、私を巻き込んだことへの
遺憾の念が滲み出ている。　何度も何度も、答えを出してきた事なのに。
「私は、そんなアンタを誰にも渡さない。」　気が付けば傍にいた。　一番大切だった。
それ以上に何もない。　私にだって、まっとうな過去なんてなかったのだから。


一番、大好きだから。
誰にも渡さない。
今日のキスで掛けた橋は、いつもより熱かった。　

乙です

アクシデントの中で確認する絆。だから想いは深く、強く、そして熱い。

>肉じゃが氏
ちょっと普通のFFっぽいから、もっと日記形式ってのを全面に出せば
文書の軽量化ができるのでは？でもすごく中身はいいよ！


で、アスカは何をしたのか、話してもらおうか。

6月17日

サードインパクトによって日本には、セカンドインパクト前の季節が戻っている。
寒い冬を相棒と温めあって凌いだのはいい思い出だけど、今は梅雨と言う、雨が
多くなる季節だそうだ。　子供の頃に経験している、青葉さんからの知識。

今日は朝から鬱陶しい雨。傘を持って外へ出ようとも思わず、ずっと部屋の中だった。
シンジのチェロ演奏会も、レパートリーに乏しいため時間つぶしとしては物足りない。
結局は二人で昼寝をすることになった。　まるで動物みたいだがまぁ、合理的ではなかろうか。
朝はいつも、寝覚めの良いシンジが先に起きるが昼寝となれば私にも相棒の寝顔を眺める
チャンスがやってくる。　ぼんやりした眼で、シンジの顔をジーッと見つめていた。

おそらく日本に来てから、一番多く見た顔に違いないけれど、飽きない。
整っていて、子供っぽくて、でもたまに強さも覗かせる、そんな顔。
自分のことを面食いだとは思っていないけど、それでも顔がいいのに越した事はない。
私だって自慢にしている美貌につり合う容姿、シンジには合格点をあげられる。
何気に学校では、女子に人気もあったと思う。　すぐに仲良くなった転校生もいた。
私のものになったから振り返って微笑む事もできるけど、この綺麗な顔は罪深い。


何も知らずに眠りこけるその顔に、唇でお仕置き。
頬に、額に、唇にお仕置き。　もし関係ない夢を見ていても、無理矢理現れてやる。
朝も昼も夜も、私の虜として縛り付けてやるんだ。

気持ちよい昼寝のせいで、夜がなかなか寝付けない。
それもお互いのせいだから、微笑いあう。　今、すぐそばで寝息を立ててる相棒。
まだ、お仕置きは終わっていない。

乙です

DAHLIA氏の青葉が頼りがいがあるのは不可能を可能にする男のｅ(ry。キスの嵐。攻めるアスカ。いいな。

乙

おつ〜

いいかんじ

今日は投下がありますように

>305もっとスパロボα３のLASかいてよ。

ホリさんもダリさんも仕事忙しいんだろうな。のんびりがんばってくださいね。

>>306
見れない

明日こそは投下がありますように

妬ける月心日

そういえばシンジは他の女の子の事をあまり話さない。
ふつうこのくらいのバカなガキだったらクラスの女の子はもとより、
グラビアアイドルからそばをすれちがう子まで興味の的なのに。

まあそれはアタシと云う完全無欠な美少女がいる以上しかたのないことよねー、
などと身勝手な理由でごまかそうとしたがやっぱりわりきれない。
実際の所どんなふうに誘惑の全てから自我を守ってるのか不思議だ。

一度だけあったとすればそれはあのマナと云う女。
たぶんその事もあって余計に話さなくなってるだろうとは思うがどうなのか。
試しにその事を切り口にして聞いてみようかと考えてみたけれど…

あの時も全てが終わってから沈んだままアイツは何も話してくれなかった。
くやしくて、切なくて、腹立たしくて、幾つかの言葉を投げかけても、
悲しみでいっぱいの瞳とやりきれないしぐさで返されては何も言えなかった。

ならばクラスのスタイルよさげなあの子、それとも男うけのいいあの子、
そんな幾人かを例え話に聞き出そうとしてみたけど、やはり説得力に欠ける材料ね。

そういうわけで直接的に聞いてみる事にした、そういうの興味ないの？って。

沈黙と共に返されたのは、あの時と同じ悲しい目、そして切なげな態度。

やはり、そうなのね、忘れようとしても忘れないもの、
心に刻まれたのは甘いひとときの夢と決して癒されない傷。

最初っから承知の答えなのに聞いてしまったアタシがバカだった。
そう、アタシは初恋の身代わり、罪を償う為のあわれな生け贄。
数えきれないキスも、忘れないほど抱きしめた温もりも、
全ては誰かにできなかった事を自分勝手に押しつけてただけなのね、そうなのね…？

そう思うと今度はアタシが悲しい瞳と切なくやるせない顔を見せる番になった。
でも、わかってる、それこそ自分勝手な思い上がり、都合のいい押しつけに過ぎない。
あの時言えなかった嫉妬の心がまたひどく渦巻いただけの卑しい思い込み。

どうやらアタシが思ってたほどの話ではなかった様だ。
やはり朴念仁ゆえの無関心と、女の子が苦手ゆえ近づこうとは思わない、そういう理由だとか。
ったく心配させちゃって、シンジの天然とアタシの嫉妬をひどく恥じた。

「…イヤな事だったけど…それで次に進もうって思えたから、だから僕は…」
少しだけあの時の話を漏らしたら返ってきた言葉、それほんとうなの？ねえほんと？
「そうじゃなければ僕、今アスカとこうしてここにいないと思う」ほんと？ほんとね？

縋るような目を一瞬だけ見せてしまった、ずっと誰にも見せなかった弱いアタシ。
優しい瞳と温かい手に包まれたらもう答えなんて聞かなくてもいいわ、それだけ、それだけよ。
でもね、妬ける心を許して、いつだって生まれてしまうものなのだから、それだけは…それだけは、ね。

いいでしょ、好きなんだから、それくらい我慢しなさいよ、そうよ、好きなゆえ、なんだから…

乙！

乙

乙です

永遠に変わらない気持ちは存在しない。人の心は儚い幻みたいなものだ。
だからこそ逆に、想いが通じ合った時、それはかけがえがない。そんな事を思った。

おつ

ＧＪ

6月18日

お風呂上りに、新しいガーゼと包帯を左目に付けている。
政府の施設で暮らし始めてからこういう物資については不自由しなくなった。
そのために、顔に残る醜い傷痕を見ることも増えたのは複雑な気分。
もう、左目の視力が戻る事はない。瞼は下がったまま、生々しい傷を隠し続けている。
知らない人が見れば、思わず声を上げてしまうであろう。　私の顔にとって、
左目はそういう部位になってしまった。　何かで覆わなければ、私を美人と呼んで
くれる人はいなくなってしまいそう。　それは、やっぱりとても辛いもの。


これを目の当たりにして、なお私の美しさを称える男が、ここに一人いる。
今日、私が鏡の前で包帯を巻く前に溜め息をつけば、後ろから優しく抱いてきた。
何も言わずに、ギュッと強く。　伝わってくる心の声は悲しげで、この傷痕の責任を
背負っているかのような、痛々しさを放っていた。

アンタのせいじゃない。　そう言ってあげたかったのに、声が出なかった。
右目から、うっすらと溢れる熱いものがあった。　身体に回された腕を強く
掴んで、一緒に泣きなさいというメッセージに代えた。　言うまでも、なかったようだけど。


ねぇ、ここに一緒にいる意味は、シンジが教えてくれたんだから。
一緒に痛みを感じて。　一緒に気持ち良くもなって。　一緒に同じ涙を流し合って。

一緒に、笑っていくためだよね？

6月19日

旧ネルフとゼーレに関する資料は、セントラルドグマの跡地から少しずつ、
毎日発見されている。　政府関係者はそれらをもれなく私達に提供してくれている。
もっともこれは、私と相棒が新ネルフを引き受けるための条件として予め提示して
おいたもの。　私達には、全てを知る権利があるはずだから。

今日は興味深いものを持ち込まれた。　私とシンジはほとんど話す事もなかった冬月副司令の
手記。　かつて大学の教授で、シンジのお父さん…つまり司令とは先生と教え子の関係だった事。
そして私のお義母さんでもあるユイさんに寄せていたほのかな想い。　知らなかったことが沢山あったが、
日記を盗み読みしているみたいで悪い気もした。　でも、シンジと二人で全部読んでしまった。

関心を引かれたのは、サードインパクト後の世界についての予見が書かれていたこと。
心の中に、ある他人を住まわせている者は、この儀式により補完されその形を失う。
しかしそれを見出していないものは、やがては己に回帰するだろう、とあった。
これが事実なら、他人によって心の埋まらない人達は補完されずに残るということだろうか。
青葉さんは苦笑していた。　俺はそういうのがいないから、あの時は怖いとしか思えなかった、
「欠けた自分」に未練があるから、自分の形をイメージするのも簡単だったのだろうと言っていた。


本来なら、エヴァパイロットこそ礎となり…なんて書いてあった。　なのに、私とシンジはどうだ。
揃いも揃って、戻ってきている。　サードインパクトなんかでは、補完されるに足りなかったのだ。
今ここにいることは、お互いを求め合った証。　そう信じていたい。
私達の補完計画、これから始まるんだ。　先に満たされて消えていった人達に負けたくない。


もし、LCLの海が答えなら、欠けたままでいいと思う。
シンジの顔を見て、シンジに触れて、声を聞いていることが、何より素敵だから。

6月20日

今日、気が付いたことだがブラジャーがきつくなっていた。
間違いない。　バストサイズが変わったのだ。　大きくなったのだ。
このところ身体の変化も含めて色々あったけど、私本人にしか分からないであろう。

昼間、部屋で時間を持て余す相棒にこのことを告げると、しばらく返事にどもった。
何て言えばいいの、なんて気の利かなさは相変わらず。　　とは言ってみても具体的には
私もどう言われたいのかハッキリしない。　そこを男としての機転に期待しているのだが、
この男にはまだ、やや高望みだったかもしれない。

「あんたバカぁ？」　もはや何度言ったか分からないこのセリフで、「男らしさ」の反撃を
待ってみる。　すると両手で卑猥な構えを作り、確かめてみるなどと言うので思わず蹴りが飛んだ。
これも散々喰らっているだけに、バカな話吹き飛び方が様になっている相棒。


正直ガッカリもしたけれど、これがシンジだと思って今日は許しておいた。
どうせこの胸に触れる男はこの世に一人しかいないのだし、それでいいかな、なんて納得した。
私だって大人になっている。　それをわかっていて欲しい碇シンジという名の相棒は、
今までのブラジャーを付けられなくしてしまった、犯人なのだ。


本当に、バカね。

乙です

6/18　傷つけてしまった事もあったけれど、許せる想い出。
6/19　欠けているから求め合う、それは誰よりも大切だから。
6/20　変わらないからこそ、想いは一つだけ。愛してる。
ヘタレも包みこめる、お姉さんアスカですね。

おつ

乙！

がんがって

ＧＪ

6月21日

いまだに見る悪夢がある。　醜悪な顔で私を襲ってくるエヴァシリーズの夢。
あの時の恐怖の記憶は、おそらく生涯消える事はないと思う。　心の傷となって、
幸せを求める私を蝕みに来るに違いない。　悔しいけど、拭い去れない。

そんな夢が、少しずつ薄くなりつつある。　子供番組で悪者をやっつけるヒーローの様な
救世主が、最近現れたからだ。　エヴァシリーズを颯爽と消し去って、私を抱き締め、悪夢を
ハッピーエンドに変えてくれる勇者がいる。　今朝はそんな夢から目覚めて、すぐ傍で眠る
その勇者に感謝のキスをした。　とても頼りないくせに、私にとっての絶対の存在。


次第に、怖かった夢が楽しみにすらなっていく。　不思議なもので、現実には味わえないお姫様気分に
酔い始めている私がいる。　実際には、立場が逆になりそうな気がして苦笑いするけれど。
もし、シンジが怯えるものがあるなら、私が振り払ってあげたい。
そのための強さなら、この身体から湧き出てくると思うから。


いつか、使徒の攻撃を私が受け止めて、シンジが攻撃して倒した事があった。
あの時背中に受けた痛みは、嫌な感触として今も覚えているけれど、あんな役を借りの
ためとは言え買って出たこと。　あの頃からシンジを信頼しきっていたことに気付いた。
どうしてだろう。　初めて逢った時から、心のどこかにアイツの部屋が出来ていたなんて。


何も知らずに目を覚ましたシンジは、今日も満たされた笑顔を見せている。
心の傷を埋めあって、ちっぽけな時間を紡いでいるのが今の私達。
今夜は、どんな夢を見るだろう。　隣で眠る相棒と、創る時間を映したい。

おやすみなさい、私のヒーロー。

乙です


信じられるパートナーに出逢えたとき、その人は誰よりも大切な存在になれる。

6月22日

今、暮らしている部屋には小さいバスルームが付いている。
正直、一人で丁度いい大きさなので二人だと窮屈だけど、よく一緒に入る。
手続きなんてしてないけど、もう夫婦同然なのだからその方が自然だ、などと言って
押し切ったのは私だが、照れて照れて真っ赤になりながら嬉しそうな顔の
相棒は、拒否しながらも本心が見え見えでいやらしい。　

以前なら軽蔑の言葉を投げかけていた所だけど、最近では私も本心が隠せなくなっている。
本音は、こういう自分が好きだし、こういうシンジも大好きだ。　口には出せないけれど。
一緒にお風呂に入るのももう、何度目になるかは分からない。　それでもいまだに緊張気味な
相棒をからかいながら、今日も遊び道具にしてやった。　いつか理性が吹っ飛んでしまいそうな
シンジ。　事故も含めればかなりの回数、私の裸を見ているはずなのにまだ、落ち着いていられるのは
灯りを消した時だけらしい。　16になったのに、14のままな部分が、そこだ。


私は、シンジの裸を見ても緊張はしない。　見慣れてしまったし、卑猥な気もしない。
正直、男のくせに細くて、すごく綺麗な身体なので羨ましくなってしまう。　もっと固そうで、
大きなイメージのある男性の身体とは程遠い、シンジの肢体。　なんで女の私が羨ましくなるような
白い肌まで持っているのか、コイツは。　ちょっとしゃくだと思いながら、それが見たくて一緒に
お風呂に入っている。　などと言うのは本人には…内緒だが。


今日は面倒だから、お風呂上りに服も着ずに夜を待った。
もうわざわざ、どうしてなどと聞いてこないシンジは少し成長したと思う。
お互いの身体を洗って、温めあって。　　恥ずかしくなんかない。

他人じゃ、ないんだから。

乙です

そろそろ大丈夫かな。割り込んですみませんorz。
男からすると、少し恥ずかしがった方がいいんですが、まあ、想いや絆の強さの表現ですね。
無粋でいつもごめんなさい。

乙！いいですね！

いいよいいよ

6月23日

一ヶ月程前まで相棒と一緒に暮らしていた浜辺に、久しぶりに訪れてみた。
当然だが何も変わってはいない。　今回、兄貴分の彼と三人でやってきたが、
海の向こう側へ浮かぶ巨大な綾波レイの顔は、初見の青葉さんには衝撃的だったよう。
私だってそうだったが、半年以上見ていたので景色の一部として受け入れてしまっていた。
人間の順応力も尋常じゃないと思いながら、改めて異様さに少したじろいだ。

相棒が、突然荒唐無稽な提案をした。
この海の底へ眠る初号機と弐号機を引き上げて欲しいと、政府の人間である青葉さんに
持ちかけたのだ。　何を考えているのかと問えば、もう心無い人達に関わらせないためにも
必要だ、と言い切った。　リリスは既に生体で無くなり役目を終えているけれど、エヴァは
無限に生きるもの。　いずれあるべき場所へ還る時まで、私とシンジで見守らなければいけないと言う。

これが、シンジの優しさなのか。　　わからない。
でも、反対する理由はなかった。　シンジの目が思いやりに満ちているのを感じたから。
もう二度と、エヴァに乗ることはなくても、私とシンジがパイロットであり続けなければ
いけないことを、シンジは悟っていた。　

きっとこの場にファーストがいれば、無言で頷いていたと思う。
私もシンジと二人で生きる決意を翳して、これからも進んでいくのだから
エヴァとの再会に賛同した。　今度は私達が、エヴァを護る番なのだ。


私の自慢のパートナー、サードチルドレン。　

6月24日

いつも出される食事は、最低限の栄養を摂るための質素なもの。
相棒が珍しく調理師に呼びかけて、自分で作ってみるというアクティブな
行動に出た。　私を喜ばせたいらしい。　かつての第三新東京市での生活の
一端を再現してみようと言うのだ。　確かに家主は料理が出来ず、家事を
9割方担っていたのはシンジであり、私もその手料理の味を忘れた事はない。


出て来たメニューは、見覚えのあるものばかり。　あの頃は少々飽きていて
文句を言った覚えもあるものだった。　でも、それでいいことはお互いの目で語り合った。
一口、口に運んでみれば、懐かしさが口の中から飛び出してきそうだった。
美味しい。　本当に美味しい。　質素なことに変わりはないのに、これ以上の贅沢はない気がした。
女として悔しい思いはあるけれど、天晴れと言うしかなかった。


これからも、たまに作りたいという相棒。
できれば毎日でも、と言う私にシンジは微笑んでみせる。
そんなに昔のことでもないのに、とても懐かしかったシンジの料理。
部屋に漂った香りに、十字のペンダントも喜んでいたと思う。


シンジと手を繋いでいるから、過去が力になっていく。
簡単だけれど、最高のご馳走だった。

>>376氏
いえいえ、割り込みなどととんでもありません。
いつも迅速にレスをくださり感謝しています。それを励みに書かせて
いただいてますから…。　

こちらこそ毎日、本当にありがとうございます。

乙です！

乙です

DAHLIAさん、恐縮です。
6/23　護られる側から護る側へ。鎮魂の詩。
6/24　慣れ親しんだ記憶。味覚、そして思い出の欠片。

しかし、ホリデイさん、遅いな。。。

ｇｊ

乙

6月25日

梅雨という季節のためかここ数日、天候が悪い。
今日はかなり激しい雨が降り、雷まで鳴っていた。
おそらくその影響だと思うのだが、今日の夜、突然部屋が停電になった。
急に真っ暗になり相棒の姿を見失う。　同じ部屋にいるのは分かっているけれど、
唐突さと相まって不安になり、思わず名前を叫んでしまった。
ここにいるよ、大丈夫と答えた後に歩み寄り、手を握って心を落ち着かせてくれた。

予備電源などはまだないのか復旧するまでに10分近くかかった。
いつぞや、こんな中でエヴァに乗って戦ったことがあったと話していたが、
目が慣れてくると不思議と闇の中でもシンジの顔が分かるようになってきた。
そしてそれはシンジも同じ。　手を握り合ったまま、真っ暗闇の中で唇を重ねあった。
誰だって、暗いのは怖い。　紛らわすための男女の行為としては自然ではなかろうか。


再び灯りが点いたら、なんだか恥ずかしくなった。
それでもしばらく、手を離さなかったのは何故なんだろう。　
前の停電の時は服の上からお尻を見るのも禁じていた私。　うっかり見たシンジを
蹴ったりして。　そんな相手と今回はずうっと、キスをしていたなんて。


困るし、無い方がいいのは分かってるけど、
こんな停電ならいいかな、なんて思った私。　我ながら、バカ。
いつもの口ぐせを今日は自分に投げかけて、おやすみなさい。
バカシンジの相棒、バカアスカ。　　なるほど、離れられなくて当たり前ね。

ＧＪ

乙です


偶然の相手なのに、その中に自分を見つけるとき、人は必然を感じる。重ね書きされたイベントが強める想い。

ＧＪ！乙です！

ＧＪ！

最近のしっとり感がたまらない。
なんかリアルな描写が胸をうつよ。

おつ

胸をよぎる月それは日

いつもの事だがシンジは言葉が少ない、何を考えてるのかわからない。
しかたがないと割り切ってみても時にはそういう何かが欲しいのに。
それもまたアイツらしさだとあきらめてはいるけれど。

ほんとうは云って欲しいのに、想いの込められた言葉を。
ほんとうは云って欲しいのに、気持ちの詰まった言葉を。

でもいいのよ、コミュニケーションに長け、気回しのいいシンジなんて、
そんなの気持ち悪いしだいたいそんなアイツなら好きになんてならない。

不器用でもどかしくてそのくせとんでもない時に真剣な心を吐き出すバカ、
そのバカを好きになったアタシは…たぶんもっとバカでどうしようもない、
どうしてこうなっちゃったんだろう、もっと大人で素敵な人に憧れてたのに。

たぶんそれはいつも知らないうちに胸をよぎる何かを、
いつの間にか気づかせるアイツの真摯な言葉が、
アタシの心へしっかりと刻まれてきたからだろう、大切な想いの数々を、幾度も、幾度も…

今日もそんな想いを知った。
といってもミサトから教えられたんだけど、まったく、ふん。
ヒカリと過ごし遅くなって帰った日、その時の話らしい

珍しくミサトとシンジの夕食、そんな時に吐露された言葉、
少し難しい顔つきでシンジはミサトに話しかけた（らしい）、
「…ミサトさん、胸がきゅってするんです…これなんですか？」
「胸焼け？胃腸が悪いの？薬なら効くのがあるわよ」
「…そうじゃなくて…変なんです、時々…その…とても、むしょうに、なぜか」

心当たりがあるくせに妙に隠そうとするシンジをミサトが諭してみたら、
「…その…アスカの事を考えると…そう…きゅってなるんです…」
「シンちゃん、それはアスカを好きってこと、それが恋ってものよ」

瞬時にシンジははっとした顔を見せたらしい、少し朱色の交じった。
もっともその後すぐ「そうなのかな…」なんてわからない顔に戻ったのがアイツらしいわね。

まったく、云ってくれるじゃない、けどね、一つだけ不満があるわよ、
どーしてそーいう言葉をアタシの前でちゃんと吐かないのよ！このボケナスシンジ！

まあ、いいわよ、それが嬉しくて少しだけ今日は優しくなってあげた。
何も怒らず、文句も云わず、しおらしく、でもいつもらしく、そんな二人の夜。
好きだとか恋だとかそれが何なのかちょっとだけ考えた夜、とても…よかったわ。

ところで夕食にナスが出たのは何か悪い冗談なのか、
特に意味はなかったけど気になったので一応記しておこう、まったく不可思議だ。

ホリデイさんが・・・






ｷﾀ━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━!!!!
乙です！

帰ってきたホリデイ氏




乙です

乙です

ツボは人それぞれ、でもそれにヒットするのが運命の人。ホリデイさんお帰りなさい。

ナス…？

乙。

だがナスがなんのインディケーションなのかわからん

ボケナスシンジ！

6月26日

今、私達が暮らす施設のすぐ近くで、今日はある事件が起きた。
麻薬中毒者の様な正気を失った男が刃物を持って暴れ、周辺の人々を恐怖に
陥れた。　緊急の警察官達と政府の護衛官が知らせを受けて取り押さえたが、
何人かが怪我をしてこちらの施設で手当てを受けることになった。

治安は決して良くは無い。　復興に向けて動く街の中で暗躍する連中もいるのだろう。
今日の犯人を見てそういう連中に対する怒りも湧き上がったが、新しい街はそれを許さない
ものにしよう、という決意が相棒と重なった。　第三新東京市を、もう一度って。

街を護るとか、そんな器じゃないけど、とシンジは言う。
でも私達は、エヴァパイロットとして色んな人達を守ってきたはずなのだ。
結果的には、守れなかったかもしれない。　それでも、私達がしてきたことは
無駄じゃなかったと思ってる。　シンジは、割り切れない性格だから損をしている。

私が抱いてあげる事で、少しだけ自信を付けるシンジ。
全く頼りないけれど、そんなところが私を魅きつけているもの。
もっと自信を持ちたいっていう、マイナスからゼロへの強さはあるんだから、
それを見失わないようについていてあげたい。　
自分が惚れた男だから。　　熱いままの気持ちでいたい。

6月27日

再会の時は、いつでも唐突に訪れる。
昨日の件で施設に運ばれた負傷者の中に、探していた知人を発見した。
それは、私が日本へ来てから出来た、唯一の同性の友人だった。
数日前の掲示板への書き込みから探し続けていた、再会を信じていた存在。

右腕に軽い傷を負っただけなのは幸いだった。　私が姿を見せると、もう言葉は無かった。
走り寄って、抱き合った。　名前を呼び合って、やっぱり涙はこらえられなかった。
随分、やせてしまっていた。　私に負けないくらいの美人なのに、気の毒でいたたまれない。
衣服もボロボロで、袖は右だけ破れて肌が露出している。　痛々しくてたまらなかった。

すぐに、左目の傷の事を訪ねられたが、事情をすぐには説明できなかった。　話さなきゃいけないことが、
あまりにも多すぎて。　たった一年振りだけど、こんな一年はすぐには語れない。
この子は潔癖症なところがあったから、今のシンジとの関係を話すのに躊躇いがあった。
何よりこんなに苦労している友人に、二人でぬくぬくと不自由ない暮らしをしていることなど言えない。
だから隠しながら、シンジが無事であり元気であると告げた。　この一年でとてつもなく親密になり、
新しい生命まで授かったことなどは、話せなかったけど。　　　　　　

それなのに、感づかれた。　私の身体の変化は、外見はそれほどでもないのに雰囲気でばれてしまった。
まだ、本来なら高校に入ったばかりの歳でこんなことになっていたら軽蔑されかねない。　
私は覚悟したが、友人は正反対の反応を見せた。　そして、祝福の言葉をかけてくれた。

洞木　ヒカリ。
私が自分を見失った時受け止めてくれた、恩人。
私の醜い部分から目を逸らさないでいてくれた、恩人。

もう存在しない肩書きなのに、思わず委員長と呼んでしまったシンジを笑いながら、
また、日々の優しさが一つ増えた。　明日からが楽しみになっていく。
そして少しずつ、かつての眩しさが、還ってきている気がする。

乙です

6/26　惚れた男の成長をうながす、お姉さんアスカですね。
6/27　親友との再会、損なわれた円環の回復。

乙です。

おつ

後はトウジか…

つｹﾝｽｹ

ＧＪ！新しい時代が近いな

つｺｳｿﾞｳ

>>402みたいな人は何がいいたいの？要約したいのか？俺は昔から疑問だた

ガラス細工を月抱えて日

四季がかつての姿を取り戻している、そうミサトは教えてくれた。
やけに気分と肌を蝕むこのうっとおしい蒸し暑さも「梅雨」という四季の彩りらしい。
それが過ぎれば今までは当たり前のような「夏」が始まるのだとか。

でもだらしない格好でタオル首に巻き胸元に風を送り込んでる姿では、
とても歓迎すべき季節の彩りとは思えないわよ、もう少しまともになってよミサト。

そういうアタシもいつもより涼しさをとろうと、
けっこうぎりぎりな短パンはいてたなんて、人の事は言えない…か、むう。

もちろんだからといって挙動不審でいつもより三割増しなぎこちなさを、
徹底して貫いてくれたバカシンジを誘惑しようなんてこれっぽっちも考えてないわよ。
ほんとアンタっていつになったら慣れるのよ！男でしょ！しゃきっとしてなさいよ！

なぜなのか、こうして毎日毎日飽きもせずあのバカのもどかしさを書き連ねるなんて、
書いてる以上はそれなりの着地点もあるからこそ結果報告として記してるのに、
毎日と云う事は馬鹿げた繰り返しが、つまりは成就してまた元通りって事じゃない。

いいかげんこの日記にそんな事書かなくていいくらいにしてよ、シンジ、バカシンジ、ボケナスシンジ。

でもたぶん、シンジばかりがいけないのではないと思う。
こうして登りきってはまた急降下な二人で続いてしまうのは。

気づいてるんだから云ってしまえばいいと何度考えたか、
少しでも言葉に出せばどんなに楽で前向きになれるかと何度思ったか。

それができないのは、この丁度いい感覚の日々が壊れて欲しくないから、
過ぎたるは及ばざるがごとし、言葉は時に刃と化して全てを傷つける、
どんなに上手く言い回しても真意が伝わるはずのないもの、それに全てを委ねるなんて…恐い、とても恐い。

綺麗にかたどられたガラス細工で作られた世界が一瞬にして砕けちるのを誰が見たいと思うの？
それだけはイヤ、ぜったいイヤ、でもガラスはいつか砕けるもの、
そのかけらにまた美しさとかけがえのなさを知らなくては再び作る事はできない。

だから言葉の力を心底信じられないけど、ほんの少しだけ伝える、いつもと同じ様に、「言葉少ないシンジ」って。

「それじゃ云うけどさ…今日の、というより今日も格好がちょっと…恥ずかしいよ僕にはあ…」
とまどったままの顔を見せてそれでも一生懸命に絞り出した答えがそれか！！
ピントのずれぐあい、さすが天下無敵のバカシンジ様、アタシはアタシを恥じた。

腹立たしさをしずめるためにそれからずっとシンジにまとわりついて、
どきどきさせたのは云うまでもない、それならめいいっぱい恥ずかしがらせてやるわよ、ふん。

今日もまた同じ日記、まあいいわ、それもまた変わらない幸福なのかもしれない、
「アスカが可愛すぎるのがいけないんだよっ！！」と憎たらしいくらいなセリフを、
吐いてくれた純粋ムッツリスケベに少しだけ感謝して筆を置こう、でもね、夜は長いわよシンジ？ふふふ。

和んだ

乙です

可愛いですね。

6月28日

今日は親友との再会までの経緯を語り合うのに終始した一日だった。
LCLの海の中で、泣き顔で救いを求める自分を見て、思わず走り出した。
気が付いたら一人で見知らぬ街にいたそうだ。　他人も自分もいなくなる世界が、
恐怖でしかなかった。　ヒカリは、ATフィールドをしっかり張り立ち上がった。
私とシンジにとっては、それはとても嬉しく、頼もしく聞こえるものだった。
そういう強い意志が、こうやって再会を果たさせてくれたのだから。　流し尽くした
嬉し涙の向こうにある笑顔は、貴重なしあわせを一つ刻んでくれた。

手当ての済んだ民間人は、施設を出なければいけなかった。
私は引き止めて、新しい私達の組織にも誘った。　でもヒカリは、複雑な笑顔と共に
首を横に振った。　まだ探している人がいるから、と言い残して刺々しい雑踏の中へ
戻っていった。　いざという時は、いつでも会いに来るという約束を残して。


何も言えなかった。　私もシンジも。
最後になるかもしれないのに、手を振ることも出来なかった。
でもそれは仕方がない。　私達は、どうしても必要だったものをもう、手に入れて
しまっている。　彼女はそれを探しているのだから、止められようも無い。
寂しかったけど、小さくなる背中が消えるまで見送って、その大切な人に逢えるようにと
願いを込めた。　私にとってのシンジ、シンジにとっての私に出逢えますように、と。
さよならは言わなかった。　またね、が言えなかったのは心残りだ。
ATフィールドは、少しずつ進化している気がする。　他人との心の壁、を超えて
他人を想う心で己を形作るものへと。　ヒカリは、そんな強さを見せ付けてくれた。
私達だって、負けていられない。　　生きていることは、前に進む事だから。


黙ってたけど、約束だよ。
両手いっぱいに幸せを持って、また会おうって。
私はシンジと、ずっと待ってるから。　
私達は、友達だから。

乙です

誰かを想う心としてのＡＴＦか、富野のＮＴ論の到着点ですね。

ｇｊ

友達という言葉が今まで以上に重く感じた。

最高月気温日

変わらずの蒸し暑さ、やけっぱちになりそうな気分を消すにはどうすればいい？
冷蔵庫を開けても解放を促す何かは全くない、なんてことよ。
外界の惨状を思い出し一瞬ためらったけど頭をふるふると振り心を決めた。

いったん帰ってしまった事を悔やみながらもどうせ近くだからと言い含め一支度、
銀色の扉を開けたとたんじわっと包んだ気持ち悪さに負けそうだった、
それでもアタシは出かけるの、あれやこれやいろいろなのが欲しかったから。

ささやかに吹き込む風が時に心地よくても、結局暑さからは逃れられない、
舌打ち一つして額の汗を少し拭った、これからは夏向けに肌対策もしなきゃ。

近くて遠いコンビニに辿り着き、エアコンのさなかで冷静に計画を実行、
冷たくて甘くて一番欲しいものを全てかごの中に詰め込んだ、財布の中身なんて気にするものか。
立ち読みの一つでもしたかったけど、今大事なのはそれじゃなくて、
買い漁った全てを如何にして損なわないよう安全に運ぶか、唯その一点。

でも半分ほどでそれは少しだけ諦めた、
溶けるくらいならとアイスを一つ舐めたのはその為、決しアタシの運び方が悪かったわけじゃない。

口の中から体中に広がる小さな冬のかけらに酔いしれてたら、
横断歩道の近くで予期せぬ出来事、それはとぼとぼ帰り道のバカシンジ。

ったく相変わらずな辛気くさい顔ねーと声かけたらまたいつもの赤い顔、
なによなによとけしかけたら「なんなのさその格好…家と変わらないじゃない」

黒のパンキッシュなプリントが入ったタンクトップ、デニムの短かめなショートパンツ、
ラメ入りのサンダルに髪はめんどくさくて後ろに一つまとめたポニーテール崩れ、
だってしょうがないでしょ、嫌気がさすくらい蒸し暑いんだもの。

はずかしいはずかしいとぼやくアイツを見てたらからかいたくて、
アイスも舌先で挑発するように舐めながら見つめたりして、
嬉しいくせに一生懸命我慢してるようなシンジがアタシはとても大好きだ。

なんでだろう、もしかしたらそういう性癖なのかなあ、アタシがSでアイツがM…？
やだ、何考えてるんだろう、別にそういうんじゃないと思う、
ただアタシもシンジもからかったりからかわれたりするのが好きなだけよ、じゃれたいのよ。

しかしいくらそういう考えや行動に夢中だったからって、
帰ってからクーラーいっぱいの部屋に喜び思わず上を脱いだ時…
ふと気づいたら襖は開きっぱなし、その先にはぽかんと見つめるシンジ…

枕が高速でアイツの顔にヒットしたのは云うまでもないが、
それからすっかりすねた奴の機嫌をとるのになんと苦労した事か、
だいたいねえ枕ぐらいで勘弁された事に感謝しなさいよ、半殺しだったかもしれないのよ。

とにかくこれから暑さは増してくるのだから、少しでも冷静に、気を緩めないようにする。
心頭滅却すれば火もまた涼し、熱くなるのはアンタと抱き合った時だけで十分よ、ふん。

乙です

暑さが生んだハプニング。甘甘ですねー。

ＧＪ

6月29日

私は以前から、寝相が悪い。　相棒と一緒に寝るようになってからもそれは
変わる事がなく、意志に反して迷惑をかけてしまうことは頻繁にある。
グーで殴ってしまったり、アスカキックをお見舞いしてしまったり。　文句の
一つも言えばいいのに、黙っているから余計に罪悪感を覚えてしまう。

でも昨夜は、初めて立場が逆転した夜になった。
蒸し暑さのせいか珍しくシンジが動き回り、無意識にしては出来すぎだが、上に
覆いかぶさってきたのだ。　私は思わず目が覚めたが、お構い無しに夢の中にいる
コイツはそのまま頭を重力に任せ、唇を左の頬にくっ付けてきた。
重かったが、苦しいほどでもなかったのでしばらくそのままでいた。少しずつ身体を
ずらして元通り隣で寝させたけど、この寝顔のなんとも無邪気なこと。

さらに聞こえてきた寝言では、私の名前をゆっくりと連呼するばかり。
いやらしい夢でも見ているのかもしれないが、心地良い重みへの報酬として許して
あげようと思った。　いつか、弐号機を受け止めてくれた時のお礼でもある。
新しい生命は、父親の重みを感じ取っただろうか？　擦りながら、問いかけてみたりして。


今夜は、どうやってお返しをしようか。　今はそればかり考えている。
木製のダブルベッドが呆れたように音を立てたが、気にしない。
身体を休めながら、お互いを感じあう戯れの時間が、私のお気に入りなのだ。

考えながらウトウトして眠ってしまうなら、それもまた、幸せ。

乙です。ＧＪ！アスカがいい！

６月３０日
今日、というよりここ数日。アイツに違和感を感じていた。いつも通りの態度だけれどなんだかしっくりこない。
アイツに対して霧がかかっている。アイツに近づけば近づくほど霧が濃くなる感じ。別に今のジメジメした天気とは関係ない。恋とは違うモヤモヤ。

そういうアタシの悩む姿に敏感なのは、いつもアイツよりヒカリだ。
下校しながらモヤモヤのことを話す。ヒカリは少し首を捻りながら「アスカと碇君の今の関係って・・・？」それだ。ヒカリの言葉で電源が入ったアタシの頭は答えを出そうと働きだす。

家族？仕事の仲間？学校の友達？それとも・・・？
「ねぇ、アスカ？アスカはきっと、碇君と恋人になりたいんでしょ？ならアスカからハッキリ告白しなきゃダメな気がする。だって、男の人はみんな鈍感だもん」
ヒカリは分かれ道で、その言葉と結果は教えてね♪という言葉を置いて小走りで去って行った。経験者の言葉か・・・

アタシから告白なんかするもんか！！そう思ってはいたけれど、家に辿り着くまでに頭の中はヒカリの言葉と告白のセリフがいくつか。それと、誰の言葉か知らないけれど、「女は度胸！！」というのがグルグル回っていた。

家のドアの前で頭の中を整理した。アタシはきっと、アイツとそういう関係になりたいんだと思う。ならば短期決戦で、言葉はシンプルイズベスト！
こういうのは勢いも大切よ！！そう思いながら、一つ深い呼吸をしてアタシは勢いよくドアを開けた。

勢いよく歩いて行くと、ちょうど部屋からアイツが出て来る。
アイツの顔を見た瞬間。アタシは今までの勢いを失い、顔が熱くなった。それと同時に不安が襲ってきた。

アイツがアタシを拒む可能性はゼロじゃない！失敗したらどうなるのよ！？それは嫌！
でも、今のままなんかもっと嫌！！

心の中で叫んでいると、アイツが心配そうにアタシの名前を呼んだ。
その瞬間、心を決めて口から出した言葉。


「アンタは一生アタシの側に居ればいいんだからね！！！」


・・・・・・・アタシはなにを言ってるんだろう？伝えたいのは違うのよ！考えていたセリフはなんだっけ？
頭の中は真っ白。

目の前で苦悩するアタシに、アイツはきょとんとした顔で「え・・・？ずっと居たじゃない・・・身の回りの世話の為かもしれないけど・・・ってアスカ！？」

もう最後のほうは聞いてなかった。一緒に居たという言葉と事実に、アタシは感情が飛び、アイツを抱きしめてしまった。
恥ずかしい行為。これは反省する点だ。
けれど、抱きしめた時に気づいた。

どんなに濃い霧がかかっていても、その向こうにはアイツは必ずいてくたことを。アタシが違う方向を見ていても横にはいつもいてくれたことを。いつも側にいてくれるのに、アタシが霧を消そうとしていなかったことを。

それを、アイツの大きくなっていく鼓動と体温で確認した。
やっぱりアイツは側にいた。今もいる。側にいて欲しい人が側にいる。

幸せってこういう物なのかな？漠然とした感覚だけれど、確かに感じた。


アタシがその思いにふけっていると、横から「暑いはねぇ〜♪最近暑くなった原因はこれだったのかなぁ〜？」と意地悪い声。
あとはいつもの通り。アタシ達は焦り、言い訳。けれどミサトは、ここぞとばかりにアタシ達をお酒の肴にしてからかう。
そういう役はアイツの役目。ということでアタシはミサトの攻撃から逃げて来た。

なんだか、今日のことでアタシはアイツとの関係を感じた気がした。言葉で表せる関係ではないと思う。一番近い言葉を探せば、お互い繋がっている。かな・・・？
まぁ、けどスッキリしたわ！
明日からも覚悟しなさいよ！アタシの側に置いてあげるんだからね！！

けれど、アンタの横にはアタシがいるって事なんだからね？
ちゃんとそれを分かりなさいよ！アタシがアンタの横にいるんだからね！感謝しなさいよ！鈍感大バカシンジ！！

ＧＪ

ホリ氏のアスカもダリ氏のアスカも肉じゃが氏のアスカも、みなよい。

6月30日

今日は数日振りに気持ちの良い天気になった。
自然と相棒の手を取り、外へ繰り出していく流れになった。　久しぶりのデートだ。
景色のいい場所がある訳でもないし、買い物をする訳でもない。　美味しいお店で
食事などができるようになるまではあと数年はかかりそうだ。
それでも、ただ歩くだけのデートがとても楽しい。　四六時中一緒にいるのに飽きないのが
不思議だ、と話してみれば、お互いが自分の一部なんだよね、などと気の利いた台詞を聞かせてくれる。
ずっと、手をつなぎっ放しの時間。　少しだけ過去を振り返って、後悔する時間でもある。

あの時、こうして手を取り合っていれば、世界を守れたかもしれなかったから。
別々に戦って、それに気付く事も出来ないまま、放り出された紅い海。
寝転がって、あのまま死ぬまで寝ていてもよかったのに、二人してまた辛い道を選んだ。
今日歩いた一歩一歩は心を満たしながら、記憶の色を変えていった。　　ひたすらに、優しくて。


用を終えた赤いプラグスーツも、大切に取ってある。　もう着ることはなくても。
シンジにも着せたことのあるこれは、私達を彩った思い出の一つだから。

帰ってきたら、腰を下ろして思い出話の延長戦。　これがまた、飽きないから不思議。
暑いのには慣れているし、久しぶりの夏が楽しみでもある。
きっとまた、色んなことを思い出すだろう。　心の糧が、増えるに違いない。
次のデートの約束を、この日記に書きとめておこう。　　　　

ずっと手を繋いでいたいから。　
ずっと、シンジと。

乙です

肉：「あたしからは絶対好きって言ってあげない。だからあんたが言うの」というのもらしくていいけど、
　支離滅裂になるのも、やっぱり、らしくていいですね。
Ｄ：ささやかな一コマや思い出が深める二人の絆。惚れている時はそうですよねorz..
　ダリアさんの描く情感がホント好きです。.

おつ

またいつもの月無理難題日

どうしてだろう、なぜだろう、やっぱりアイツの事がわからなくなる。
基本的な性格性質はもう十分に知っている、それなのに、だ。

つきあってもう幾年月を経たのだ、多少はわかりきってる仲なのに、
それでも生まれてしまう疑問の数々、何が悪いってわけじゃないのに。

何一つ答えを見せてくれない不器用な彼氏、せっかく解いた答えも確実性を知れないなんて。
節々からほのかに香る情熱を知る事は出来ても確かな何かを教えてくれないなんて。

いいえ、それは身勝手な想い、欲する事だけに目が向くアタシの悪い癖。
逆の立場だったらどう思う？伝えられないもどかしさに苦しんだゆえの答えだったら？

守る事を尊び、傷つける事を恐れるあまりに本心を見せない男の苦心の果て、
それを少しでもわからなければ…ううん、やっぱり知りたいの、たった一言でもいいから。

表面上は他愛無い会話に身を委ねて上手さを見せる二人のひととき、
でもそれは脆弱であっという間に朽ち果ててしまうやわなたがでなんとかもってる世界。

ねえ、なんでこんなにやきもきさせるの？
叫びたいくらいアンタの事で胸はいっぱいなのに、
昨日もらった言葉の一つさえも忘れてまた何かを欲してしまうなんて、
それはアタシのわがまま？それともただの餓え？あるいは構って欲しいだけ？

壊れそうな心を抱えて自問自答を繰り返しても何も得られやしない、
むしろよけいに叶えられない願いに振り回されるだけ、なんて愚かなこと。

自然と口に出てしまった「アタシの事…ちゃんと見てる？」という問いかけ。
ぎこちなく笑い返すアンタの困った瞳はこっちをよけい悲しくさせた、無理しないで。

「見てる、って云っても信じてくれないよね…どうしたらいい？」
寂しげに返すアイツにアタシは思ったままの行動をしなさいと云い賭けに出た。

ちょっと恥ずかしげに戸惑ったアイツは周囲を気にしながらそっと抱きしめてくれた。
そしてアタシの困った眉の上、つまりはおでこに軽く愛おしくキスをしてくれた…

「これでいいの…？」唐突な勇気ある行動に自分でも迷ってるなんてアンタほんとにバカね、大バカよ。
それが正しかったかどうかアタシは証明する為に答えをアイツの唇に返しておいた。

またこうやってつじつまを合わせるような行動に甘んじてしまうなんて。
明日には忘れてまたアイツを困らせるかもしれないのに、それでもいいなんて。

…でも嬉しかった…そんな風に自分を出してくれたのが…何も云わない、シンジ、シンジ…
でもごめんね、これでおさまらないのがアタシなの、また明日困らせちゃうわ、
無理難題で悩ませるだろうアタシをどうか許して…いいえ、許しなさい！ね？シンジ…

ほほえましく羨ましいです。乙です。

乙です

不安な想い、でもそれは好きだから期待するから。可愛いですね。
このやきもきが、らしくていいです。

ホリデイ氏乙です。

まるでラブレターのような前半の描写に乙女心があふれでていてＧＪ。

ｇｊ

ただのLASではなく日記というのを周到してるのが
すばらしい

二人だけの月星日

ぐったりとする日々、いつまでこんな鬱陶しい天気が続くの？我慢できない。

全身にまとわりついた澱の感覚、べったりとした膜がはりついたような。
汚れを落とすように、あるいは清々しさを得る為にしっかりとお風呂に入った。

汗が、垢が、憂鬱な気分が、泡と共に全て洗い流されていく、
そして磨かれた体と髪を湯舟にしっかりと浸して新しい鎧を身にまとう、
何もかもが一新されたような気持ちでいっぱいになってアタシはまた生まれ変わる。

クールの入浴剤だからお風呂上がりも快適、さっぱりした体と冷たい飲み物を抱えて行き先はベランダ。
備え付けのイスに持たれてのどを潤したら、それは最後の一筆、気持ちよさの終着地。

ささやかとはいえ肌を撫でる冷たい風がとても心地よい。
ふと見渡せばビルの明かり、家々の灯火、そして無限の星々。
人の紡ぐ光と数億年をかけて届いてる光、それらが同じ世界に存在してるなんて。

美しい光を独り占めするなんてもったいないわ、
ほんわりした声がアタシの名を呼んだ、探してる、今いる場所を教えた。

美しい光、美しい星、アンタにはもったいないけど、見せてあげたかったから。

窓からアイツが現れた頃、アタシはテーブルに頬杖なんてついてなかった。
代わりにてすりへひじをつき両手をほほにあてて、光を、星を追っていた。

隣に来たアイツをちらりと見たけどまた夜空と景色に眼差しを戻した。
アイツも同じ様に光と星を見つめる、少しだけ輝きが変わった気がした。

昔、停電した第三が復旧して次々と明かりが灯るさまを、
同じ様にシンジと、それからファーストと見た事を思い出した。
闇を恐れ築かれた光は眩いが、脆さも備えてるようで、どこか切なげだ。

むしろ遠くにうっすらと光る星々の方が力強さを思わせるのはなぜなのだろう。
数億光年の時を超えて届けられた光、それらが幾多にもちりばめられているから？
丁度いい、意外とそういう時に面白い答えをする奴が隣にいる、
聞こうと振り向いたがまったく違う質問をアイツからぶつけられてしまった。

「あれ流れ星かなあ」示した先を見ればゆっくりと移動する赤い光、
「飛行機のサテライトよ、バカね」そう返したらがっかりした顔、
ほんとうだったらアタシだって嬉しいわよ、めったに見ないものだし。

でも、もう願い事を祈ったりはしないだろう。
一応、まがりなりにとはいえ願いは叶ってしまったから、ね？シンジ。
もし願うとしたら、この普通の日々が決して壊れないよう、ただそれだけだ。

吸い込まれて空を飛んでしまいそうな星々の中そんな事を考えていた。
ほんとはそんな事起きるわけないけど、でもアタシ達は星空の中でただ二人きりだった。

その星空には二人にしか見えない流れ星がしっかりと軌跡を描いてた。
そっとアイツの肩に頭を預けた時確かにそれは見えた、アイツもまた見えたと呟いた。

儚くとも強い光と共に、二人だけの星が、ただ。

ホリデイ氏乙です。
　　　　　　　　　　　　もう感想をいうのが恐縮なほど素晴らしいです。

ＧＪ。

もう頬杖はつかないＧＪ。

>>もう頬杖はつかない

むはー忘れかけていたｲﾀｲ思い出が

乙です


ロマンティックですね。実に素晴らしい。

さすが！ホリデイ氏！



頬杖はつかない・・・orz

乙。
気持ちの描写がリアルだ。高校時代、付き合って調度いい時期みたいな。
シンジとアスカの別れ話も読んでみたい気が。

7月1日

新しい月の始まりは、何も特別なことはなくとも気持ちの切り替わりを促す時がある。
緩やかながら、確実に元の姿を取り戻さんと歩む街が強い陽射しに照らされる月だ。
本当は煌びやかにならねばならないのに、それを遮る目覚めを迎えてしまった。

ファーストが夢の中へ現れた。　これは何人目なのか分からなかったが、私とシンジを知っているなら、
亡き二人目だと推測できる。　悲しそうな眼、何かを訴えているかのような目で見つめている。
何か用なのかと聞いてみれば、これから親になる気持ちを教えて欲しい、などと聞いて来た。
時間が経てば経つほど、私がシンジと重なり合っていく。　それによって満たされ、心の色が鮮やかに、
それでいて濃くなっていくのがファーストには見えるらしい。　時々、それが羨ましくてたまらなくなるとか。

それが嫉妬という感情だと教えれば納得はしたが解決にはならなかった。
一緒に生きたかった、と紅い目がせつない光を放つ。　当たり前の人間でありたかった、と。
少し言葉を探して返そうとしたら、目が覚めてしまった。　そのまま消えてしまったファーストが
不憫に思えてならなかった。　こっちに来なさいよ、と言いたかったのに。


隣で寝ているシンジを抱き締めて、唇のサインを刻んで、夢の中の仲間に呟いた。

ゴメンね、コイツは渡せないけど。
ゴメンね、何も知らずに嫌ってた私で。
貴女は、紛れもなく人間だった。　だから私もシンジも、忘れていないのよ？

私達の、共に戦った、仲間なんだから。

7月2日

昨日の夢のことを、相棒に話してみた。
相棒の夢の中にも、このところよく現れるそうだ。　やっぱり、私達二人を見ているのは
間違い無さそう。　複雑な顔をする相棒に、思い切って聞いてみた。
ファーストに対する、気持ちの事を。

私を想っているのは、もう分かっている。　私以外の女なんて、恋愛対象にはなっていないはずだけど。
それでもシンジにとって特別な存在の、綾波レイ。　どう思っているのか、問い詰めてみた。
私はどういう答えを期待していたのか、自分でもよく分からないままだった。
返ってきた答えは、予想とはちょっとだけ、違ったものだった。

会ったことのない母親を見せてくれた、夢の中の人。
これが今のシンジの、ファーストに対する気持ちだった。　一緒に日々を生き、
共にエヴァに乗って戦い、傷付きあって。　あの中にいた綾波レイという存在は、
消えない夢だったのかもしれない。　それでも、もう一度会えるなら話したいことは
たくさんある、というシンジ。　その眼は、私の一番好きな眼だった。


ずっと、私よりシンジに近い気がしていた。　今、シンジとこんな関係になっても。
でもシンジがハッキリと私にくっついていてくれるから、もう不安はない。
まだ思い出にするには儚過ぎるから、忘れないでいたいと思う。
あの日々が、無駄じゃなかったって、シンジが教えてくれたから。

乙です

綾波を救う言葉ですね。優しいね。

乙

今、月咲くもの日

時にはシンジと一緒に帰らない日もある、ほんとうは帰りたいけど。
そういう時は味気ないものになるかって？たいていは半々だ。
漫然と道を歩むか、あるいはその過程に何かを思い抱えるか、そのどちらか、本日は後者也。

通り雨がアスファルトを舐め回した跡を、靴の汚れを気にしながら歩いた今日。
一瞬で冷ややかな空気をまき散らしたとはいえささやかな風が少し嬉しい、
随分と記したけど、やっぱり雨の日もそれはそれでいい事もある。

木々が並ぶ道路を歩いてある何かを見つけたのはそんな時。

ミサトの云う「戻りつつある四季」を現わすそれはあじさいの花。
およそ花らしくない淡い色調は陰鬱な雨だれによく映える為なのか、

いいえ、そんな陰鬱な頃になぜ咲き乱れる必要があるの？
誰もが現実以上に自分の心も曇らせるこんな季節なのに、
どうしてそんなに誇らしげで優しい花を見せつけるの？

たぶん、それは、憂鬱な時の中にもささやかな希望があると、教えてるのだろう。
アタシのようにささくれて絶望しか糧にできない者を諭す為の柔らくて温かい存在。

灰色の空、鉛色のつぶて、全てを縛りつける湿気、
三重苦の中でさりげなくそれでいてしっかりと在る花。

大切なのは何か、そして忘れていけないのは何か教えてくれるもの。

雨の日は憂鬱とこぼしていた誰かさんをふと思い出した。
アンタにも同じ事を諭してくれるかしら？今アタシが思ったのと同じ様に。
それともぜんぜん違う事を思うのかしら？それもまた知りたいアンタの内面、構わない。

コンフォートの方向を思わず仰ぎ見たのは恥ずべき愚直なアタシ、
決して恋しくなったんじゃない、もやっとした衝動が無意識に働いただけ、
掲げた傘の中に独りぼっちなのが悲しかったわけでも…な、ないんだからっ…

このまま濡れて帰ってしまおうか、バカな考えが浮かんだのは動揺の証。
見上げた先、灰色の空との間、遮る赤い傘の色に勇気づけられたのはなぜか。

そうよ、アタシはアタシ、溺れてはいけない、傾き過ぎてもいけない、
感情は昂れど、全てを捨てるほどになっては惣流・アスカ・ラングレーの名折れ。

でも、今はこの花を元にアンタの話を聞かせて、アタシの知らない色んな話を。
心の中を、積まれた想いを、ぎこちなくてもいいから言葉にして聞かせて。

たぶん訪れるであろうくすぐったい時間を思い浮かべてにやつくと、
アタシは花に別れを告げて歩き出した、少しだけ急ぎ足で。

さて何をアイツから聞いたかそれはまた別の話、記すよりも刻むべき内容だったとだけ書いておくわ、ふふ。

乙です

女の子してますねー。可愛いです。

gj

7月3日

お昼過ぎに部屋でまどろんでいると、言葉もなく相棒が顔を近づけてきた。
目を私と合わせずに目前まで近付き、どうかしたのと尋ねようとした瞬間、突然
相棒の右の掌が私の額を襲った。　思わず叫んで頬をはたき返してしまったが、
理由を聞けば蚊が止まっていたらしい。　そうならそうと言いなさいよと戒めるも、
鈍くさいシンジの平手は獲物を逃がしてしまったらしく、叩かれ損の私にペコペコ
謝ってみせる。　自信がないなら止めておけばいいものを。

数分後、目標はシンジの左頬へと待機場所を移した。　位置的にこれ以上ないチャンス。
寝転がって資料に目を通すシンジはこの事態に気付いておらず、当然未来も予測できていない。
悪いとは思ったが、さっきの件の因果応報、私の右手は音速で目標を打った。
風船の割れたような音が部屋に響き、勢いで一回転半ほど転がるシンジ。


涙目の亭主を慰める、妻の仕事も大変だった。
目標の殲滅には成功したものの、代償として真っ赤な手形を残してしまった。
他人じゃない他人への遠慮のなさに、今日はチョット苦笑い。

ゴメンね、シンジ。

7月4日

一度冬を経験するとこんなにも免疫が薄れるのか、最近は暑さがたまらない。
部屋から出ない日はほぼ、相棒以外の他人と顔を合わせる事がない。　だから、
一張羅のワンピースを脱ぎ捨てて、下着姿で過ごしてみた。　もちろん恥じらいは
あるけれど、涼しさを求める身体がそれに勝ってしまったのだ。　ランニングシャツに
半ズボンのシンジは、慣れたのか慣れていないのか、やや呆れ顔を見せる。

今日はガチガチにならないのねとからかってみれば、アスカの事はだいぶん分かってきたからさと
得意気に返してくる。　そうして繋がったのは、いつぞやの思い出話。
ミサトのマンションで同居を始めてすぐの頃から、私は下着も平然とシンジに洗濯させて
いた事を思い出した。　今思えば相当に大胆だった気がするが、当時はシンジを同年代の男として
見ていなかった、つまりは子供だと思ってバカにしていたという心境も打ち明けた。


そうだろうねと、軽く笑ってみせる相棒に気持ちとして謝っておいた。
しかしシンジは、だからこそ私が女として強く心の中に住み着いたんだ、とも言ってくれた。
誰も信じられなくなった時、欲望の矛先になったのも必然だったと言うけど、
私も、こんな腐れ縁になら縛られていたいと思った。　絶対にほどけないくらいに。


身体が薄着なら心は裸。
二人だけの部屋で、全部脱いでしまうのは構わない。

7月5日

以前依頼していた、弐号機の引き揚げ作業が完了したという報告が青葉さんから入った。
赤い装甲…もとい拘束具はところどころに残っているけど、殆ど生身の姿に近かった。
痛々しい傷跡が残り、残骸というよりは無残な遺体という方が相応しかった。
それでも、大切な私の母の化身には変わりない。　大きな車数台で運ばれてきたそれは、
サードインパクトの重要な資料として倉庫に保管されることになった。


あまり、手を出さないで欲しいという私の提案を青葉さんは受け入れてくれた。
殺風景な巨大倉庫の中で約一年ぶりに対面した私の愛機。　私を護ってくれたATフィールドが
今でも見えるような気がした。　共に受けた痛みや悲しみがこみ上げて、片目から
熱いものが溢れ出た。　かつて私の全てだったこと。　生きる理由だったことが忘れられなくて。


傍に立って、シンジがゆっくりと肩を抱いてくれた。　慰めのつもりなのか、出た言葉。
「こんな立派な人の息子になれるんだ。　頑張らなくっちゃ。」
久しぶりに、シンジの胸で泣いた。　コイツの存在がまた一つ大きくなった。


初号機も、もうじき引き揚げられる。
今度は、同じセリフを私が言う番。

乙です

シンジの包容力。少しずつ大人になる二人。いいね。

なんか想像したら悲しくなった。
娘を守った母だもんな。

ドイツに優勝の可能性がなくなりました

7月6日

今日は相棒と散歩に出かけた。　数日前に再会した親友との待ち合わせの約束も
あったからだ。　もちろん私は、新しい組織へのスカウトを諦めてはいない。
三人で歩く街は、時が経つにつれ活気付いてきている。　それを見るのが楽しみであり、
特に目的はなくとも有意義な時間になるのだ。　美少女二人に囲まれて幸せね、とシンジを
からかってみても、素直に頷いて微笑んでしまう。　今日は楽しい一日なのだ。

するとやはり、背の高い調子の良さげな男二人組が声を掛けてきた。
シンジが片方は妻で、もう片方にも想い人がいるんだと言えば驚いて、退散していった。
強引に出てきたら立ち向かうつもりだったので拍子抜けしたが、彼等が
驚いた理由を立ち去り間際に耳にして、私もショックだった。

どうも、狙いはシンジだったらしい。　男だったことに驚いて、萎えてしまったようだ。
本人に自覚がないので仕方がないが、傷付きそうなので伏せておいた。
私は単純に美形だと思っていたけど、シンジの容姿はそういうレベルではないのかもしれない。

私やヒカリよりも、男を引きつけるシンジ。
私にとっては紛れもなく男なので、なんとも複雑な気持ちになった。
男嫌いだった私には、丁度良かったのかもしれないが。


お義母さん、ちょっと困っちゃいます。
貴女がとても綺麗な人だったから、困っちゃいます。
息子さんが運命の相手だったから、困っちゃいます。
それがとってもとっても嬉しいから、とっても困ります。

乙です


嬉し恥ずかしデレデレアスカさん。末尾四行いいなあ。

ああ、ドイツ負けたねアスカ

最後がきたよ。
ホリ氏もダリ氏も女の子の心をうまく捉えてて驚く。

乙

誰かDAHLIA氏の作品をまとめていないだろうか。
ホリデイ氏のはまとめを見たことがあるのだが。

gj

乙〜

7月7日

今日は古い言い伝えで、年に一度しか逢えない恋人が出会う日らしい。
短冊に願い事を書いて、天に祈りをかける行事だと言う。　一年前は全く
気にもかけず過ぎてしまっていたが、今年は短冊に願い事を書くことにした。
笹の葉がないので窓に吊る事になったが、いざ書くとなると、何を願うか迷ってしまった。
勿論、冷めた言い方をすれば書いたからと言って叶う訳ではないことは知っている。


少し体調を崩したのを理由に施設で保護することになった親友の回復を願ってもいいが、
その親友がハッキリと、
「鈴原と出逢えますように」
と書いたのを見て、私も相棒の方を見つめてしまった。　思いとどまった。

シンジは何を書いたのか、覗き込んでみると私と新しい生命の健やかな未来を
願うものだった。　これ以外ないでしょ、と珍しく自信たっぷりなシンジに自分が
悩んでいたことを少し後悔した。　あれこれ、考えすぎていたのだ。

「シンジとずっと一緒にいられますように」

シンプルだけど、これしかなかった。
叶えるのは簡単だし、あえて願う事でもないけど、これしかなかった。
今の私の全てを、短冊に刻んで星空を眺めた。

すごく、心が澄んでくる。
新しい街への、祝福が聞こえた気がした。

7月8日

およそ一年前のあの日、疎開先で編み物をしていた昼下がり。
突然夜になったかのように真っ暗になり、心の中に誰かの声が飛び込んで来た。
暑いのか寒いのか分からないのに物凄い汗が出て、部屋の中でいたのに
海の中に投げ込まれたかのように泳ぐ感覚に囚われた。


ヒカリから聞いた、サードインパクトの記憶だった。
私とシンジが知る真相を、何処まで話そうか迷った。　ヒカリも私達があの中心にいた事には
気付いている。　私の左目の傷の事を聞いてこないことが物語ってる。
シンジはアイコンタクトで、話しても構わないよと言って来たが、私の決断は鈍った。
それはつまり、他人を拒絶したシンジの心が起こした破壊と、異様なまでに
執着した私の心が起こした帰結を話すことだからだ。　エヴァの中でいた世界でたった二人の、私達。



ヒカリは、怒ったりしなかった。　私達を責めたりしなかった。
私達が幸せになっているから、とてもいいことだと言ってくれた。
格好悪い話、二人で泣きながらありがとうって何度も繰り返した。
つられて、ヒカリも泣いてしまった。　　こんな友達がいてくれたこと、私の誇り。


そしてヒカリは、私の手を取って頷いてくれた。
ずっと続けていた説得が実を結んで、新しい笑顔を生んでくれた一日だった。
新生ネルフの一員、洞木ヒカリ。
頼りない司令官を支える力が、一つ加わってくれたのだ。

乙です


7/7心の底から夢みているのなら叶わぬ願いなどない。7/8許される二人。7/7のエピソードが好きです。

gj

GJ

乙

乙〜

日記形式だと臨場感を出すのが難しい所

7月9日

今日も午後は相棒と散歩。　少しずつ大きくなる腹部を抱え、心を満たす時間を作る。
僅かだが、車の通りが増えてきた気がする。　人々の暮らしは、まだまだかつての水準には
達していないけど。　このぶんなら、追いつき追い抜く日も、そう遠くないと思う。

街の外れの広場にやって来た。　数人の子供達が遊んでいる。　サードインパクトをどんな
出来事として受け止めたのかは分からないが、元気に走り回る姿を見ると大丈夫だと思える。
草の茂った所へシンジと並んで腰を下ろし、無邪気な子達を眺める事にした。
監視という名目で離れて同行していた政府の男がいる。　別に敵意がある訳ではないので、二人で
手招きをして一緒に座らせた。　堅苦しい制服が、私達とは不釣合いだったけど。

その男の話によると、この子達はサードインパクトによる孤児らしい。
私達の施設とは別の場所で援助を受けながら生活しているそうだ。　
親と離れた、もしくは失った子供達なのだ。　そう考えると、遊ぶ姿の気丈さが胸を打つ。
私もシンジも親の愛情に飢えていたから、他人事だと思えなかった。　いつだって、
大人の身勝手さの犠牲になるのは、子供。　傷つけられるのは、何も知らない子供。


こんな子供を、この子達で最後にしたい。　シンジはそう言った。
何が出来るか分からないけど、何か出来る気がする。　続けてそう言った。
当ったり前じゃない、この私がついてるんだから、と腕を抱いてみた。
アスカがいれば、何でも出来ちゃいそうだよと抱き返してくるシンジ。


無邪気な生命。　二人で包んでいけますように。

7月10日

随分久しぶりに、かつての想い人だった人と再会した。
勿論、夢の中での話。　でも、こうして会いに来てくれているのは、私の
思い込みではないと思う。　後ろで束ねた髪に無精髭。　服装も相変わらずだった。
相棒と仲良くやっていることを誉められた。　大人になったな、などと
言われれば少しムッとしたりもしたが、逆に羨ましいでしょと言い返してみた。

どうやら向こうは向こうで上手くやっているらしい。　かつて私とシンジの保護者だった
女性とは完全にゴールインしたのだとか。　気の利いた祝い事にはならなかったが私達にも
負けていないさ、とのろけ話を聞かされた。　別に嫌じゃなかったから、最後まで聞いた。

シンジがもう少し、加持さんみたいにしっかりしてればね、などと冗談っぽくぼやいたら、
もう、俺よりしっかり者じゃないかと本音か否か分からない答え。
何も心配する事はなさそうだけど、たまに様子を見に来るよという言葉を最後に、
私の意識はこちらに戻ってきた。　隣のシンジに聞いてみれば、やはりそっちには
ミサトが出て来たらしい。　全く、頼んでもいないのに見せ付けに来てくれる。


今日は、とてもいい気分。
届かない気がしてた大人の二人に、今はもう負けてないから。
次に会う時までに、シンジとの思い出をもっと増やしていようと思う。
胸をしめつける思い出から、もっともっと遠ざかるために。

いつ生まれるんだろうか。乙です

乙です

やがては全てを包みこめるようになるのでしょうね。加持ではなくシンジだから対等に（少しお姉さん風に）歩んでいけるのかも。よい子を産んでもらいたい。

日記とリアルの月日をあわせてるから出産は来年？

いつシンジに言ったかにもよるけどそんなところでしょう。DAHLIAさんに期待。

ホリデイさんも投下お待ちしています。

乙

暑い日が続いていますが職人の皆様がんばってくださいね

下さい

職人さん忙しいとは思いますが、投下がんばってください。
気長に待っています。

ｇｊ

7月11日

暑い毎日が続いている。　部屋には冷蔵庫がありボトルに詰めた飲み水が
ストックされているが、補充の頻度が高くなってきたのも必然だ。
今日も二人で旧ネルフ、ゼーレ関連の資料に目を通す一日。　のどが渇けば、
シンジに部屋の隅までお使いをさせるのは毎日のことになっている。

今日も持ってこいと頼めば、冷蔵庫を開けたシンジが最後の一本だと言う。
確か夕方まで政府の点検員が来ないので、これであと五時間我慢しなきゃと付け足す。
私一人で飲んでしまってはさすがに相棒が可愛そうだ。　かつてはそんなこともお構いなし
だった私だけど、付き合いの長さと濃さによって変わってきた気がする。

結論として二人で飲むことにした。　が、間接キスになるけどいいの、などと聞くバカシンジ。
思わず、軽く頭を叩いてしまった。　アンタは嫌なのか？　毎晩お互いの唾液を飲んでいるのに。
これは飲み水だから…などとのたまうシンジにもう一発ゲンコツが飛んだ。　別に怒ってはいないけど。


長い、濃い付き合いだけどまだ呆れ顔が隠せない。　筋金入りのバカなんだから。
二度とそんな間抜けなことが言えないように、今晩のキスはいつもより濃くしてあげる。

その心が、火傷するくらいに。

7月12日

私達の部屋に、今日は来客があった。
ラフな身なりで手帳とペンを持った、地味な顔の若い男。　聞けば新聞記者だという。
サードインパクト前から存在していた新聞社が発行再開のめどを立たせて、元エヴァパイロットの
私達を取材に来たらしい。　どこで嗅ぎ付けたのかは知らないが、マスコミとは恐ろしい。
私の左目に巻かれた包帯を見て、使徒という脅威との激闘を断片で良いので語って欲しいと
言ってきた。　取材許可を下ろしたのは、疑惑回避のための政府の判断だったと後で聞かされた。

もちろん、真実など話しはしなかった。　理解できるとも思えないし、シンジとは暗黙の呼吸あわせで
作り話を並べ立てた。　一時間ほどで、男は帰って行った。　どんな記事を書くつもりだろう。
スラスラと嘘が出て来た事が怖い、とシンジは複雑な笑顔を見せた。
別に気にすることじゃない、と軽く流してやって、薬代わりの接吻をくれてやった。


私の傷の痛み、シンジの心の叫び。　誰にもわかって欲しくなんか無い。
二人で抱いたまま、生きていくからそれでいい。　乗り越えて手にした「今」を、
磨き続けていくんだから。　それはこれからもずっと、秘密のまま。

7月13日

すっかり体調の回復したヒカリとの雑談を楽しんだ。
ヒカリは学級委員だった頃から、私と相棒が将来結ばれるビジョンを見ていた、と
語った。　これはヒカリに限らず、あの2-Aの生徒達はほぼ皆思っていただろうと言う。
私もシンジもまるで自覚が無かっただけに、多少恥ずかしい思いだ。
私達は周囲からそう見られていたのか、と。　確かに夫婦喧嘩だなどと冷やかされることは
あったが、それは同居人ゆえの冗談だと思って疑っていなかったのだ。

ヒカリは、いつからお互いが好きだったのかと聞いてきた。　唐突で、困った。
いつからなんて、よく分からない。　意識していたのは分かっているが、そのきっかけや
時期は、自分のことでありながら謎に包まれている。　そしてそれはシンジも同じだった。
やっぱり運命の赤い糸が…とヒカリは意地悪にはやし立ててくる。　真っ赤になる私達。
紛れもなくそうだったのに、恋愛感情だと思ったことはなかった。　ヒカリに気付かされた。


もう、この相棒と生涯離れることはない。　いや、多分死んだ後も一緒な気がする。
人の形を失っても引き寄せあった私達。　絶対に嫌だと言いながら手を掴んでいた私。
他人の死を願いながら私にすがり付いて来たシンジ。　結果として一緒になった。
ヒカリは、そんな私達をずっと見てきている。　一番の理解者でいてくれている。


楽しい時間は、あっという間に過ぎていく。　恋をしていたことに気付かされて、
シンジが少しだけ、いつもよりいい男に見えたりした。　罪な親友がくれた、楽しい時間。
ヒカリにもまた同じ幸せが訪れるようにと願って、私は今日もシンジと抱き合ってる。


出逢えて、本当に良かった。

乙です


燃える熱帯夜、秘密が作る絆、二人のDestiny。お姉さんしてますね。言い回しが好きです。

乙

DAHLIA氏連投乙です。
　　　　　　　　　　　　毎度ながらGJ!

7月14日

今日は資料の中から、興味深いものを発見した。
シンジの父、碇ゲンドウの残した手記だ。　先日見つけた副司令のものほどマメでは
ないが、日々の記録として数日分のものが見つかった。
コンピュータで打たれたもので筆跡などから本物かどうかの判断は出来ないが、
おそらく当人しか知りえないであろう事実が幾つか記されているので、間違いないと思う。

副司令のものと比べて、生理的に嫌悪感を覚えるものだった。
失った妻への慕情、それを重ねるファーストへのやや屈折した愛情。
私やシンジをはじめとするネルフスタッフ達については、計画遂行のための
手駒としてしか表現されていない。　独善的な人間性が見えて、気分が良くなかった。

二人で読み終われば、辛辣な顔をする相棒。　本心は好きになろうと思い続けていた父の
ことが、またシンジの中で振り出しに戻ってしまったのか。　あまりに似てない親子だとは、
前々から私も思っていた。　父のいない私からすれば羨ましかったが、どちらがマシだったのだろう？


きっとシンジは、優しい素敵な父親になる。　良くも悪くも反面教師を持っていたから。
子供を愛して、護れる強い父親になるだろう。　オドオドしながらも、芯が強いことは知っている。
そんなシンジに、私は愛されていることを誇りにしたいと思う。　選んだ事を、喜びたい。


想いの強さが歪める心もある。　でもシンジには、そんな弱さはないはず。
私がついてるんだから。
いつまで経っても、　そばにいるんだから。

乙です


二人で頑張って。支えるアスカはやっぱりお姉さん。いいなあ。

乙

いいかんじ

7月15日

相棒と喧嘩をしてしまった。　とてもつまらない、些細なことで。
今はとても後悔しているのに、まだ引きずっていて口を利いていない。
仲直りしたいけど、キッカケが掴めないまま夜が来てしまった。

原因は、産まれてくる子供のこと。　男がいいか女がいいかという話を
楽しみながらしていたのに、お互いが意地になって言い合いになってしまったのだ。
私は男の子がいいと言った。シンジは逆だった。　理由はもう、なんとなく
分かっている。　自分と同性だと分身のようになるであろうから、少し怖いのだ。
私もシンジも、自分を好きになれずに悩み苦しみ、それがようやく良い方へ傾きかけて
いるところだけど、それ故に不安なのだ。　


分かっているのに。
分かりきっているのに。


どちらが産まれて来ようとも、愛すべき存在に変わりはない。　性別なんか大した
問題じゃないと思ってる。　それなのに、意地を張るお互いが、自分の嫌いな部分に
見えたせいだろうか。　何もかも透けているはずのシンジの心が、今日は見えなかった。
寂しい。　再会して今の暮らしを始めてからは、一度もケンカなんかした事なかったのに。
部屋を出て行ってしまったシンジ。　一緒に寝られないと…張り裂けそうになる。
どうして、一歩譲れなかったんだろう。　思いがぐるぐる廻って、辛い涙を呼んでしまった。

ゴメンね、シンジ。　　私が悪かったから、還ってきて。
この辛さから逃れるためなら、プライドなんか捨てて謝りたい。
このままだと、また自分が嫌いになっちゃう。　　　それは嫌。


シンジが大好きなのに。
大好きなのに。　

乙です


かけがえのないあなた。女の子してるね。しかし、出産前の嫁を不安がらせてどうするシンジと思ってみたり。ごめんね。
しかし、ホリさんはまだか。心配です。

GJ

このアスカのように本編でもいつか大好きと言ってほしいね。

7月16日

今日は朝から雨が降りっぱなし。　私の心がそのまま映っているようなガラス窓。
元々そんなに上等な味じゃない食事が、尚の事進まない。　食べなきゃいけないのは
分かっているのに。　誰もいない部屋は、放っておけば私まで消えていきそう。

いてもたってもいられなくなり、電話を取った。　いつも話せる位置にいるため、ほとんど
使う事の無い相棒の番号を押した。　か細い想いに震えながら、出るのを待った。
五回ほど鳴った呼び出し音の後、一番聞きたかった声が聞こえてきた。
嬉しかったのに、謝ろうと決めていたのに…。　　どうして？　私は、何処にいるのかと怒鳴って
しまった。　帰って来て欲しい、その想いが素直に出なかった。

自己嫌悪に陥った。　なんで怒るのか、バカな私。
電話に出てくれて、仲直りする絶好のチャンスだったのに。
全く情けないけど、そういう気持ちが込み上げてきて泣いてしまった。
それでも口では何処にいるのかと繰り返していた。　もう心の中は
メチャクチャになっている。　しゃっくりが止まらなくなって、喋れなくなった。


シンジが、謝ってきた。　何度聞いたか分からないシンジの「ゴメン」、それが
今日は一番、嬉しかった。　みっともないとは思うけど、仲直り出来たなら、それでいい。
シンジは別の部屋にいただけだった。　すぐに帰って来てくれた。　大袈裟に抱き合ったりは
しなかったけど、たぶん気持ちはそれと同じだったと思う。　大したことじゃないけど、大きい。


これからも、ケンカはするかもしれない。　でもそれって、中の良い証拠だと言う。
いつか誰かに冷やかされた夫婦ゲンカという言葉は現実になって、夢のような絆まで
作ってくれた。　シンジと一緒に、大事にしたい。


二人で食べる夕飯は、とても美味しくって。

乙です

恋人同士の喧嘩ってそんなものですね。それぞれの想いがあるからぶつかるけれど、
もう少し察する事ができれば避けられる。元の鞘に収まれたら、とても幸せ。

ｇｊ

乙

GJ

だれかホリデイ氏のまとめサイト張ってください。m[_ _]m

前にこんなものをいただきましたが
http://yy10.kakiko.com/yy11307819/i/

7月17日

お昼過ぎ、妙に騒がしいと思えば大変な事が起きていた。
初号機の引き揚げ作業が行われているあの紅い海の浜辺で、原因不明の爆発が
起こったらしい。　現場にいた作業員や引き揚げ用の機械までが全て消えてしまったと
言うのだ。　そして何より、目にも見えそうな結界が出来上がりその場所へ近付く
こともできなくなってしまったそうだ。　一体、何が起こったのか。

青葉さん、ヒカリ、そしてもちろん相棒と、四人で急行したが、見慣れたオレンジ色の
防御壁に阻まれて、かつての住居だった場所へは立ち入れなくなっていた。
寄せては返す波、それは変わっていないけれど、この静かさが聞かされた惨事との不協和音を
奏でている。　一体、何があったのだろうか。

私には、何も分からなかった、　シンジの手を握って、佇むばかり。
ヒカリも私に寄り添い、紅い海を見つめているが意図的に彼方へ浮かぶものからは
視線を逸らしていた。　立ち尽くす私達。　何も出来ずに、仕方なく
宿舎へと戻った。　突然すぎて、みんなが混乱している。


シンジが、自分から一緒にお風呂に入ろうと言ってきた。　これはかなり珍しい。
私の背中を流しながら、ふと気付けば後ろから抱き付いてくるシンジ。　裸で、泡まみれで。
どうしたのよ、とちょっと無粋に尋ねてみた。　シンジには、事の実態が
見えているに違いない。　私が気づいていることも、感づいているはず。

隠し事はしないでね。　その言葉に応えたシンジは、己の心に飛び込んできた
母親、初号機の意思を私に話してくれた。　　人間臭い話だった。
だれかれ、何度も語れそうな話でもなかった。　繰り返せば塞がった傷跡が開きそう。
シンジの両掌に刻まれた聖痕の疼き。　私の左目と同じで、時にどうしようもない。

安心なさい。　あんたの痛みは吸い取ってあげるから。
あんたの匂いと味を愛する、この唇で。
あんたを愛する、この私が。

7月18日

今日は、部屋から一歩も出ていない。　相棒との話し合いに、気付けば夜が
きていただけなのだが。　これからの、私達についての話。
新しいネルフで何をするのか、成していくのか。　そのためには、どうするのか。
気持ちはもう、決まっている。　その再確認のようなものだったが、シンジの方は
ほんの少しだけ動揺があるようで、それを支えてあげる私の仕事をしていた。

本当に色んな事がありすぎて、追いつくのが精一杯だけど、それでも私とシンジには
未来が見えている。　パイロット仲間が同居人になり、心の同居人になり、意地っ張りの
恋人同士になり、今はその先にまでジャンプしている。　その度に、縁の薄かった
笑顔を手に入れられたのだ。　気が付けば、怖いものなんかなくなってる。

青葉さんとヒカリが、私達にどこまでついて来てくれるかは分からない。
望むものが一致するなんてのは、虚像でしかないと思ってるから。
それでも、サードインパクト前に時間を共有していた人達を大事にしたい。
この思いを私とシンジが抱くように、全ての人達に持っていて欲しい。
世界が眠ってる時は、いよいよ終わる。　

でも、シンジがいるから大丈夫。

明日、7月19日。　あの災厄から、ちょうど一年。
待っていなさい、エヴァ初号機。　運命の日に、会いにいくから。


シンジがいるから、大丈夫。

乙です

男の苦しみを優しく受け止める女。虚像だからこそ大切な思い。
急展開を予感させます。シンジを信じているのがとてもいいね。

7月19日

今日で、あのサードインパクトからピッタリ一年が経つ。
ほんの数時間で世界が壊れ、全ての形を変えた、あの出来事。
この今日という日には何かがあるのか、根拠はないけどそう思う。
今日は相棒と一緒に、彼の母親と対面する一日になったのだ。
近付けない、この海岸。　でもシンジが右手を翳し、難なく足を踏み入れる。
幾秒か遅れ、私も後に続いた。　すんなり入る事が出来た。　おそらくは世界で私だけ。
海の前で、あの出来事の後ちょうど私達二人が倒れていた場所まで歩いた。
たぶんこの辺りだったよね、と確認し合えば、二人で海の向こう側を見据えた。

「母さん、聞こえる？」

シンジの問いかけに、返事は聞こえなかった。でも何かが反応したような、得体の知れない
躍動感は私も感じ取ることが出来た。　多分シンジは、何かを聞いているはず。
ここからのシンジの言葉は、ハッキリと覚えている。　忘れないと思うけど、記しておく。


「一年も待たせて、ゴメンね。　まだ早いかもしれないけど、僕はこれでいいと思えたから来たんだ。
ずっと、怖かった。　誰というわけでもなくって、突き放されるのが。　僕は、甘えてたんだと思う。

でもね母さん、見つかったんだ。　一番、大切な人。　だから、その人を連れてきたんだ。
…覚えてる？　ずっと、僕のそばでいた人。　傍にいたのに、なかなか気付けなかった人。
僕の事を一番分かってくれて、一番叱ってくれる人。　ケンカもしちゃうけど、仲直り出来る人。

僕はこの人と生きていくって、決めたんだ。　　今日はそれを、母さんに言いたかった。」


シンジの言葉に、慟哭と共に初号機が飛び上がった。
紅い、血の様な海水を滴らせながら。　異様な光景なのに、何故か美しいとさえ思った。

初号機もまた、拘束具は剥がれ剥がれの無残な姿。
弐号機よりはいくらかマシな程度だったが、その眼光だけは紛れもなく
生きている輝きだった。

私も、久しぶりに緊張していたと思う。　知らない間にシンジの手を強く握っている
自分に気付いたから。　心配ないよというシンジの言葉が、手を解かせた。
初号機はそのまま、糸が切れたように動かなくなり、水面に浮かぶ格好で再び眠りについた。


相棒の連絡を受け回収班が到着するまで、またいつもの昔話をしていた。
たぶん今日のこともまた、こうやって語り合う日が来るのだろう。
その頃の世界がどうなっているか、凄く楽しみだ。　不安など、微塵も感じない。

「生きていればどこだって天国になる」　お義母さんが言ってくれたから。
「アスカがいてくれれば天国になるよ」　シンジが言ってくれたから。
だから、いい一年だったと思う。　たくさん泣いたけど、たくさん笑ったから。


７月１９日。　　
サードチルドレンの心がとても熱かった。
きっと今までで、　　一番熱かった。


ttp://a2.wtakumi.com/bbs.cgi?id=moimoi&rp=&m=m_file&file=1153328387854781.jpeg

西暦2031年　7月19日

司令室をほじくり返していたら15年前の日記が出て来た。
忙しいのに小一時間読みふけった私に喝を入れたのは亭主の電話だった。
来週の水曜日には戻れるそうだが、予定より三日ズレている。
こういう時の勘は外さない男なので困るのだが、最初からそのつもりなのだろうか。


二日後には、三年ぶりに息子が会いに来る。　それだけでも緊張気味なのに、
間の悪い事に政府の報告してきた日と被っている。　全くあの父親に、この息子かと
思うと因果なものを感じずにはいられない。


それでもどこか、高揚感を覚えている自分がいる。
元セカンドチルドレンの血が騒いでいるのだろうか。
今回ほど、旦那の帰りが待ち遠しいと思ったことも無い。
とにかく、新しい戦いがそこまで来ているのは事実。


もちろん、不安は微塵も無い。
夫への気持ちは、15年前のままだから。　

うぅん、それ以上だから。

昨年11月よりの長い間お付き合いくださり、本当にありがとうございました。
よく分からなくなってしまいましたが、本日をもって完結です。
駄作でありながらお褒めいただいた住人の皆様、ホリデイ氏をはじめとする職人の
皆様、ご声援のおかげで書き続けられたことを深く感謝いたします。

7月19日はEOEの公開日だったので、勝手にサードインパクトの日と設定させていただきました。
自己満足に走った形で締め括ったことを申し訳なく思いますが、構想を完遂でき
達成感は持っています。　重ね、ありがとうございました。

まとめページですが、個人サイト内に作ろうかと思っています。
元々サイト内で書いていたEOE後のFFがあり、無意識下に物語が繋がる形に
なりました。　お見せできれば良いなと思いつつ、日記の方は区切りが付けられました。


今後も住人として、作品を楽しませていただこうと思います。
HNでの書き込みはこれが最後になるかもしれませんが、これからの
他の職人さん方への応援の言葉をもって、締めさせていただきます。


Ｄａｎｋｅ　ｓｃｈｏｎ！

長い間乙様でしたDAHLIA ◆0VwZh5AEOEさん
ちゃんとした感想も言えないヘタレですが、本当に良い作品でした

後個人サイトも見てみたいんですが　何処だ判らんｏｒｚ

乙です

本作は当初の完結想定ラインを越えて延長して続けていただいたもの。
即興の創作パターンが面白かったです。本当にありがとうございました。

ホリデイさんはどうされたのか、とても心配です。

DAHLIA氏お疲れ様でした。

毎日の楽しみがひとつ減った気分です・・orz

大変お疲れ様でした。
LAS系FF、日記形式の読み物、どちらの面でとらえても良作でいつも読むのを楽しみにしていました。
長期間に渡る日記形式の投下の労力は私にははかりしれません。
DAHLIA氏に影響されてEOEアフターなFFを書いたのですが、もう本当に拙くて…orz
尊敬の一言につきます。
そして、感動をありがとうございました。

通勤時間の楽しみが減ってしまいましたが、今後もたまに投下頂けるとファンとして嬉しいです。

それでは一言。

Ｇod　Ｊob！！

DAHLIAさん長い間本当にお疲れ様でした。２月位に初めて拝見させてもらったのですが、それからは毎回読ませて頂いていました。DAHLIAさんの日記を読むのが日課になった程です。
本当にお疲れ様でした。沢山の感動をありがとうございました。

今まで乙ｶﾘｰ様
心に残る作品をありがとう

ホリさんまち

ホリさん待ってます

「そんなこと言ったって仕方ないじゃないか」

DAHLIA氏のまとめサイトないの？

hoshu

ほす

ホリデイさんはどうしたのだろうか。心配です。

ホリさん、オレハマッテルゼ

>>529
スプリンターズステークス迄には復帰するんじゃないか？

ホリちゃんまち

ものっそい今更で恐縮ですがどなたか前スレのログをdatでくださいませんか。
makimo.toにもありませんでした。

ホリさんもう来れないのかなぁ…

>>532
みみずん ttp://mimizun.com/
　dat→html変換 ttp://mimizun.com/cgi/dattohtml.pl?

ライブスレッド過去ログ倉庫より
ttp://mimizun.com:81/log/2ch/eva/anime.2ch.net/eva/kako/1140/11403/1140362446.dat

>>534
どもです(わーわー)

投下おｋですか？

>>536
どうぞ

今日はサードチルドレンとミサト＋おまけと空母で会った。
ミサトはあんまり変わってないみたい。
サードチルドレン…確か碇シンジって名前だった…は、かなり期待はずれ。
何？あの日本人を絵に描いたようなやつ。
そいつの友達のジャージ変態男に眼鏡オタクも最低のやつだった。
ジャージ男は、股間にぶら下がっているものまで見せてきた！もうホントサイテー！
もしあんな男を好きになる奴がいたら、私がひっぱたいて目を覚まさせてやる。
その後なんと使徒が襲ってきた。私たち人類の敵が！
もちろん私は弐号機で出撃！華麗に戦うところを見せてやろうとサードも乗せた。
肌色の魚みたいな使徒に海へ引きずり込まれたり、食われかかったりしたけど
何とか勝利。
やっぱり訓練と実戦はぜんぜん違った。疲れた。

それで、やっと日本についたんだけど…まだ波の感覚が消えない。
うう…気持ち悪い。
加持さんもどっかいっちゃったし、もー最悪。
今日は疲れたし、もう寝ることにする。

いらっしゃい。
ゆっくりしてってね。

文章に、素直で読みやすい、という第一印象を受けました。
これからどのようにLASになっていくのか期待です。

かつ、ホリさん待ち。

>>538文章力がチルドレンくらいで丁度いいかもｗｗｗｗ

>>541
訳分からん煽りかたするな
わざとに決まってるだろ

ここで提唱するのは前々から噂されていたホリダリ同一人物説

まさか。
とりあえずﾏﾀｰﾘ行こうよ。
ホリディ氏待ち

赤く月塗れ日

事の発端は、他愛ないいつもの話の中。

下らない日常とすぐに忘れそうな冗談の羅列に没入してたはずなのに、
少しだけの沈黙の後、アイツの口から出たのはファーストの話。

別にイヤだったわけじゃない、それもまたコミュニティに関するもの。
耳が痛いのでもなければ、なぜに今さらと訝しがるほど心は狭くない。
アイツとて無意識にただ、話題の一つとして出したのだから気にはしてない。

でも言葉の一つ一つが、傾けられた感情が、性格とは云え注がれた優しさが、
とてもとても苦しかった、やっぱりどこかでアンタはあの娘を…エゴに嫌気がさした。

わかってるわ、あの娘がアンタにとってかけがえのない存在だったって事は。
それを承知で踏み込んだアタシとアンタ、さまよったあげく導かれたと信じているけど…

黙って聞いてたけど、少しだけ我慢ができなくて口に出してしまった。
「それはいいけど、アタシがそんな話聞いて嬉しいと思うの？」

また少しの沈黙が流れて、か細い「…ごめん」がびりびりと全てを引き裂いた。
といってもその後、アイツが感情のつぶてを、まっすぐにぶつけてくれたから、
アタシは何一つ疑っちゃいない、むしろそれだけの気持ちがある事を知れて…

信じてるわ、いつだって、それでも人のはざまにあるものを怯えながら。

思い浮かべたくないけど、人の心は移り気、それは真実の一つ。
それでも、信じてるの、絶望の果てにめぐり合えたアンタとアタシなのだから。

その時はそうやって、心に渦巻く感情を煙に変えながら、何も云わずアイツの手を握った。
縋るような目つきと悲しそうにうつむく姿の先にしっかりと握り返してくれたアイツ…ばか…ふん。

それはそれでよかったのだけど、なんなのよ、このやるせない気持ち。
アタシの為に台所でのほほんとフライパンを動かすバカシンジを尻目にアタシは今部屋の中。
どうしても心は落ち着かなくて、いまこの日記に何かを記す事で紛らわしてる。

色褪せたアタシの心を塗り替えてくれた、だからアタシもアイツの心を塗りたくった。
それぞれの色で心はすっかり染められたと思っていた、塗忘れなど一切ないと思ってた。

それなのにまだ違う色が知らない間に残っていたなんて。
わかっていたようでまだ認めたくない事実、それすらも許して今二人であろうとしてるのに。

いいえ、構わないの、あの娘はアイツにとって初めて心を裂いた存在。
それにどこかかなわないなんてとっくに覚悟しているわ。
「母さんを思い出すんだ…」いつかこぼした言葉は真実の中の一つ。
『男はみんな女性の中に母親を求める』心理学上不思議でもない真理だし、しかたがないわ。

でもね、アタシは塗りつぶしたいの、アンタの心に時々生まれる色を。
アタシがそうであるようにただ一色であってほしいと、赤く赤く塗りつぶしたいの。
だってアタシはアンタの色だけで心はすっかりもう塗りつぶされてるのだから。

夕食の時ちょっとだけ見せた、そんなささくれた感情を鎮めてくれたのは、
おやすみ前にアイツからそおっと交わしてくれた、優しいキスだった。

願わくば、それすらも疑ってしまういけないアタシの心を、
そんな形で構わないから、もっともっと塗りつぶして、
アタシももっともっと赤く塗りつぶしてやるから、覚悟してなさいよ、アタシのバカシンジ…ふ、ふん。

お待ちしておりました。
新人さん共々これからも宜しくお願いします、GJ!
神が一人去ったスレに光が射しました・・・・。

復活記念あげ

ダリさん乙
ホリさん乙

涙でてきた

ホリさんおかえりなさい！
相変わらず青春時代を喚起させるような書き方が心憎いです。

ホリさんおかえり!!!

538

>>538空母って波でそんなに揺れるんですか？

ホリ氏ずっと待っていました。心からおかえるなさい。
復活オメ―――ーー‐‐−−−

ホリちゃん乙

ホリデイ氏乙です。
久々の投下にしてはまったく色褪せない青春の感情の揺らめきを感じました。
これからも期待しております。

肉じゃが氏、２３１氏両氏はいずこへ？

そしてダリ氏のカムバックにも期待

思い返せばこのスレのレベルって高かったんだな。
通勤途中の楽しみだった。
職人の帰還を待つ。

がんがって

久しぶりに来たけど投下がありませんな(´･ω･`)

レベル高いからすぐには書き込めないとか

>>562
なんで煽るかね？

>>563
どこが煽りなのか。
過敏に反応しすぎだろ。

とにかく投下待ち

ホリデイ氏投下待っています。

投下町

お盆休みかな。お待ちしています。

まち

十日待ち

透過ﾏﾀﾞｰ?

八月はとても月みじかい日

激しい夕立ちが今日もコンフォートを襲った。
雷には慣れたけど、やっぱりあまり嬉しいものじゃないわね。

ただ、大粒の雨が街を洗い流していくのを、
その後に訪れる水の匂いと少しだけ吹く風を、
とても心地いい現象として好きになってるのは事実だ。
いつかシンジにも教えてあげよう、こんなささやかな何かを。

珍しく外出したアイツに作り置いてもらったそうめんをするするとすすって、
味気なくも静かな、遅めの昼食を味わった後、そんなふうに世界は少し変化を見せてくれた。

クーラーのきいた部屋でぼんやり麦茶を呑みながら、
ああこれが日本の何気ない夏の日常なのねと、
すっかりこの土地にまみれてしまったアタシを、笑ってしまった。
自虐とも喜びとも言えないよくわからない微笑み、また笑った、なんなのこれ。

「夕食までには帰るから心配しないで」出かけてから少し後のメール、わかってるわよ。
でもね、ただ待つってのは、アタシの性分じゃないの、それはわかってた？

第三からアタシ達の家に帰るバスターミナルの前で、
アンタを待ちぶせたらなんて顔してたっけ、写真に撮っておきたかったくらい。
驚いて、困って、迷って、笑って、また困って、ホントアンタってバカ正直よね。

「どうしてここへ？」「お腹すいたの」「家で作るってぼく」「アタシは今すいたの」
「だからってここまで」「来ちゃいけないの？」「べつに…」「じゃ、いいでしょ」
以上、停留所での会話、わずかな時間と言葉の間に、アンタの顔は何種類も変化した、ホントバカ正直。

お盆休みで浮かれゆるんだ顔の人々が行き交う街の中、
少し真剣でやけにぎこちない顔の二人が歩いてたなんて、これも夏のせい？

ちらっと見つめた顔はさっき見せてくれなかったオトコノコの顔、
ふうん、こういう顔もするんだ、ちっとも見せてくれないから、見つめちゃったじゃない、ばか。
おかげでせっかくの夕食もしっかり味わえなかったわ、どうしてくれるのよ、償いなさい！

…誰がキスで償えって云ったのよ…このバカシンジ…
おかげでデザートのタルトはイチゴ味だったって思い出せたけど…まあいいか…ふん。

しかし今日ももやもやした日記になったじゃない、これじゃあきれるばかりだわ。
明日はこのもやもやをアイツにも抱えさせてやろう、さてどうやって仕掛けようかな。

昨日も、今日も、明日もこんな日記のような毎日なのかな、やはり夏は魔物ね。
でもいいわ、八月はとてもみじかい、少しでもアイツとこうして過ごせるならそれでいいかもね。

ホリ氏ｷﾀｰ!!!
ＧＪ!

ホリデイ氏久々の投下乙です。
ＧＪ！

ホリデイさんありがとう！
日曜・祝日はエロチックな話…
なんて設定もありましたよね。

ホリデイ氏ＧＪ
待ってたかいがありました。なんか、凄いテンション上がりました。最高です。

みんなﾎﾘ氏の作品が大好きなんだなぁ。
いや、俺も好きだよ？
ﾎﾘさん乙！

e91d0dCUrU氏ﾏﾀﾞｰ?

乙

乙そして待ち

乙そして待ち

今日は来るべき葛城宅でのパーティに向けて、ミサトのおさがりの浴衣を着る事になった。

どうやって着るのかとか、そういう事を訊いてみると、
「それはシンちゃんに聞きなさい♪」
と言い残し、何故かミサトは去ってしまった。
要するに意地悪をしたいわけだ。あたしはいいけどアイツは…、そう思って見てみると、
別に何でもいいよという表情で床にちょこんと座っている。
「自分でやってみて出来なかったら僕に聞いてよ」
それだけ言うと、また黙り込む。
「ねぇ、シンジ。これって独りじゃ着れないんじゃなかったっけ？」
「出来る人はできるよ、だからアスカも頑張って」
あぁ言えばこう言ってくれるわね。
あたしみたいな美少女が無理矢理浴衣を独りで着ようとする様をアンタは横で見てるって言うの？
大体浴衣を着るって事はつまり…
「このヘンタイ！！」
思い立ったように繰り出したビンタが、三度シンジの頬を弾いた。

「痛いよぉ、やめてよー！」
力なく床にへたれこむシンジを無理矢理起こして、真っ直ぐ睨む。
「さぁ、あたしが浴衣を着るのを手伝ってもらいましょうか」
やっと気付いたらしい、みるみる紅潮していく顔が可笑しい。
異性の着替えに同伴するなんてこのスケベには最高の餌だろう、いつもとは度が違う。
うん。というとシンジは早速床に放られた浴衣を手にとり、

鮮やかなピンクの布地と、あたしの体格とを比較して、目分量で計算して、
今度はあたしの後ろに回って背丈やらなにやらと測りだした。
何故かそこで自分が遊ばれているような感覚が心の隅っこに現れ、
それを晴らすべくあたしも意地悪で対抗する事にする。
一気に下着姿になって、シンジの前にどーんと立った。
「それはいやがらせ？どちらにしろ僕も恥ずかしいからやめてよ」
随分淡々とした声で、普通に困っていますという雰囲気だった。
「あら、超ドレッドノート級スケベ男シンジ様にはこの程度ではお気に召しませんか」
シンジは逃げるように浴衣をあたしに重ねて最後の確認をした。
「はっ、早く着ようよ…」
同意を求める目でシンジがこっちを見ると、後は何のためらいも無く、いや、当人の方もかなり頑張ってた節はあるが、
とりあえず穏便に着付けが始まった。

着付けの途中、さっきのとは違う感覚があたしを包んだ。
それはシンジに母性を感じたのか、あたしのなかの母性がむき出たのか。いずれにせよ、
シンジに向かって何かしてやろうと考えた。
「ねぇ…」
帯板を片手に持ったままのシンジに、突如不意打ちをかける。
「明日のパーティまで待てないのよ」
それでもアイツはきょとんとした顔で何も応えずに板をぎゅっと握っていた。
「え…なにが……」
一度まばたきをして、「さぁ襲い掛かろう！」というときに、丁度ミサトがドアを開けた。
ちくしょう、もうちょっとで楽しいものが見られたかもしれないのに…。

そう思いつつ、ビールを取りに行ったミサトの視界の外で、
まだその目を気にして淡々と着付けてくれているシンジの頬にキスをしてみる。
戻ってきたミサトがシンジの頬が赤い理由を突き止める前に、証拠隠滅としてダメだしとビンタを食らわせてやった。

このスレが活気付きそうタイミングに乱入させていただきまして、
すいません。衝動的に書いたわけではないので、それなりに頑張ります

乙です。なかなかＧＪ！　これからも頑張ってください。暖かく応援していきますんで。

先日記した通り、明日葛城家で何故かパーティが開かれることになった。
開かれたパーティに出席したのは鈴原や相田みたいな別に要らない奴ら、そして加地さんとオマケの機械人形。
せっかく加地さんが来るってのに何も用意はできずに、全員が揃ってしまった。
シンジのつくった料理が大皿五枚分、焼肉、パスタ、サラダにケーキ、これだけよくつくれたなと関心してしまう。
それからミサトの周りにビールのケース三箱。後は特に何も置いていない。
ミサトはほとんど下着姿で、シンジを除いた３バカトリオはそれに見入っている。変態め。
ファーストもずっと最後のメニューの仕上げに取り掛かっているシンジの後ろに真っ直ぐ立っている。気持ち悪い。
着せられた浴衣でＳＥＩＺＡという恐ろしい座り方の特訓をしているあたし。それを見て笑う加地さん。
あほらしくて仕方が無いのは何故だろうか。

「できたよ」
シンジがあたしに声をかけた。望んでいた薄切りの肉をお箸で持って。
「あと一分だから…だからもうちょっと待って……！」
痛みに耐えながら呟いたあたしを気遣うように、少し黙った後シンジはこっちへ歩いてきた。
「もういいよ、口開けて」
不思議な顔して薄切りの肉を見た後、すぐにその意味がわかってあたしの方が顔を赤らめてしまった。
加地さんとミサトが横で笑ってるんだもん、そりゃぁ、ね。
「二人とも少し見ないうちに随分夫婦らしくなったじゃないか」
加地さんがシンジの作ったパスタをつるつると啜りながらこっちを見て、楽しげに笑った。
一気に赤さを増すあたしの顔と、どちらかというと青ざめるシンジ。
口に咥えたままの箸をすばやく吐き出すと、あたしはシンジのおでこを突っついた。
「あんたのせいで加地さんに笑われちゃったじゃない！！」
慌ててその指を払うと、今度はシンジがあたしのおでこの手前の空気を突っついた。
「仕方ないだろ！アスカがあと一分待ってて言うから…」
「夫婦喧嘩かい？」
熱くなったあたし達の顔が一気に青ざめた。

「そういうところも全部似合ってるんだなお前達はさ。仮夫婦でいいんじゃないか」
急いで立ち上がって反論しようとするが、足がしびれて立てない。
無理矢理勢いを付けて立とうとしても、そうできず、勢いだけが余ってシンジに倒れかかってしまった。
「えあっ！！」
必死で両腕を使って離れようとするが、できない。
おやじ臭い唸り声が出る前に諦めてシンジに完全に体重を預ける。
恥ずかしくて、いや、悔しくて仕方なかったが、どうにもならない。脚が治ってから思い切り蹴ってやる。
そういうことを思っているうちに、ミサトはふらっと起き上がって寝室へ。
加地さんは元気な夫婦の顔が見れて良かったと言い残して自宅へ。
二人のバカも「邪魔して悪かった」と勝手に盛り上がって自宅、ファーストだけがこっちをじっと見ている。

「ここにあるもの、全部食べていいの？」
急に何を言い出すかと思えば、ファーストは箸をもって目にも留まらない速度で料理を食べだした。

箸と皿が擦れる音と、ファーストの口が豪華な料理を噛み砕いていく音を背中に、
仮夫婦の唇が交わった。

アザラシ氏連投乙です。
ＧＪ！

とりあえずスレタイを1万回読んでこい。

うむ、書き方は悪くないがｽﾚﾀｲが読めていないのは事実だな。
まぁそこ気を付けて。

前にも、そんなんで揉めたけど
アスカ視点の甘LASはここで総受けで良いんじゃない？
裏設定＃アスカはその日の出来事を日記に小説風に書くのが好きだ

そうですか、以後気をつけます。

だがしかし日記であることは重要だ。
LAS投下スレがここだけというわけでもないしな。

アザラシ氏はFF書きだったがこのスレを発見！
日記のような書き方は慣れないがどうしても書きたい！
と、いうわけで日記らしくはない文章になった！
という考え方はダメ？

そしてまただれも居なくなったのであげ

キタコレ
http://page7.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/g47633427

職人さんまち

ホリさーん

こないよ、

まつ

ホリちゃんまち

ダリさんも

(´ﾟωﾟ`)

PC壊れたとか

ウィルスにやられたとか

車を撥ねたとか

>607
ちょｗｗｗ

撫でたい月背中日

シンジの悪い所はすぐすねてすぐへこむ所だ。
今日だってそう、大した言葉じゃなくて冗談だったのに真に受けちゃってさ。

いつもいつも顔色うかがって、次に出るのは「ごめん」、
ったくこのアタシがつきあってあげてるのよ？！ちったあ自信持ちなさいよ！

「ほんとアンタってアンヴィバレンツよね」「あんびりーばぶる？」
「二律背反、嬉しいのくせに悲しいの顔したり」「…僕があんびしゃす？何だよそれ」
少しはボキャブラリーを修正しなさいよ、妙なはずれぐあいはアンタらしいけど。
そのへんもふまえてまた二言三言いじったら冒頭の通りすね顔でいじける始末。

体育座りで丸まった背中を見せつけながらTVに逃げるふり、
その顔が悲しいくらいひどい顔になってるなんてお見通しよ。
どうせアタシに優しい言葉でもかけられるか謝ってほしいんでしょ？ぜったいイヤ。

テーブル越しに眺めアイツの情けない戦略を見守ってあげたけど何もなし。
期待通りを裏切るためにあえて手を触れなかったけどなんて不甲斐ない。
少しはリアクションを期待したアタシがバカだったわ…と思ってたんだけど…

ずるいのよね、あの妙に哀愁をただよわせた背中、ふれてほしいといわんばかりの。
そんなに何もしなかったらこっちがかえって不安になるじゃない、ほんとに傷ついたの？って。
心が少しだけちくちくしたアタシは気がつけば近づいて、そっと手を伸ばしていた。

気配を消して震える指をあと数cmの所まで近づけて勢いよくツンってつっついた。
猫みたいにピクってしたけどアタシは気にしない、そのまま何回もつっついた。
さっきと変わらない困った瞳が肩ごしにアタシをとらえた頃慌てて指を止めた。

今度はすうーってその憎い背中を指先で撫でてやった。
「ひ、ひゃ？！」なんて声あげてもやめてあげない、やめるもんか。
こそばゆさから逃れるように姿勢を崩したアイツが生まれたらもうこっちのもの。

そのまま背中を包むように抱いて体を預けた。
やるせない背中が少しづつ温かくなっていくのを感じアタシはつぶやいた。
「なんでもいいけど、ちったあ打たれ強くなりなさい」「…わかってるよう」
瞳とは裏腹に和らいだ笑みを見つけた、アタシも同じように笑いながら離さなかった。
獲物を狙うようなミサトの声が聞こえた途端アタシはシンジを突き飛ばしてしまったけど、ごめん。

苦し紛れの言い訳とカモフラージュをまき散らし部屋へ向かうアタシを、
ミサトはチャシャ猫のような顔で見つめてくれた、この大年増、ったくぬかりのない。
おまけに同じようにシンジの背中へふざけて抱きつこうとしたから枕を投げておいた、もお！

つまり、まあ、その後きびすを返してリビングに陣取ったのはそういう事よ。
決してシンジといたかったわけじゃないわ、桜色の悪魔に余計な事聞かれたくなかっただけよ。

だから、夜寝る前に云ったの、聞かれたくなかったから。
アタシの前では嬉しかったら笑って、泣きたいなら泣いて、怒る時は怒って、と。
つまりはまあ、好きな人の前では素直でいて…と。

…だ、誰にも内緒なんだからね、アンタ誰かに話したらぶん殴るわよ！
とりあえずその撫でたい背中にそう心でつぶやき投げかけて就寝する事にした、今日も良き日也。

乙

乙です。

ホリ氏の書き込みによりこのスレは正常に稼動します。

キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ホリさん乙

更新あげ

ホリさん乙

投下まち

十日町

稲荷町

ホリさんがんばって

ホリデイ氏乙

7月11日

今日はとてつもない達成感に包まれた一日になった。
一週間前から半ば強制的にやらされたユニゾン訓練が実を結び、第七使徒を撃退したからだ。
ほんの一分間のあいだ、私の弐号機は華麗に舞い、この世で最も輝いていたに違いない。

…だがしかし、無様にも最後の着地を失敗し初号機と絡み合って倒れるという醜態を見せて
しまった。　全て悪いのはあのグズでノロマでスケベ変態のサードチルドレンのせいなのだ。
そしてそのことで怒鳴ってやればあろうことかあの男、昨夜の間に私の唇を奪おうとしたと
自白した。　未遂だったそうだがそれも怪しい。　最悪の事態も考えられる。
任務のためとは言えこんな男とこれから同居せねばならないのかと思うと気が重い。

本っ当ぅぅぅに、取り柄の見当たらないつまんないやつ。
今回の私の活躍に0,1ミリほど貢献した事実がなければ簀巻きにして川に捨ててやる
ところだった。

あ〜あ、やっぱりまともな男は加持さんだけなのよねぇ…。

西暦2025年　9月5日

10年前の日記が1ページだけ、それもシンジと出逢って間もない頃のものが見つかった。
裏面に加持さんへの慕情が書きなぐってあった。　詳しい経緯は思い出せないが、
多分彼の扱った書類に紛れ込んだのだと思われる。

久しぶりの日本は、特に変わったことも無く平和そのもの。


今となっては恥ずかしいとも思わず、シンジに見せてやった。
とてもいい二人での想い出。　二人で笑いあった。
あの時のキスが未遂だったのは本当だよって、さして気にもしてない事を
気にしているのがコイツらしさ。　ちょっとは頼れる男になったけど、
変わらないところがいつまでもそのままなのがシンジらしさ。


今日のこの日記、10年後にどんな気持ちで見ているだろうか。
その時、どんな形であってもコイツと一緒なら、多分悪くないと思った。


久しぶりの日本は、平和そのもの。

お久しぶりです。
雑ではありますがまとめページを晒しにやってきました。
お暇でしたら、見てやってください。


ttp://www.geocities.jp/ideisdahlia/newpage70.html

乙！というか、おひさー
今日はもう遅いんで、明日以降じっくり拝読させていただきますね。
これからも頑張ってください。

thx

泣いた

>>625
まってました！
早速いってみます

乙です。じっくり最初から読ませて頂きます。

>END OF EVANGELION公開日の7月19日を以って完結しました。

新劇場版の公開日に再開します、というのはｗ

サイトのＳＳにつながるといっていたしなあ。
前半の感じが実はとても好きなので、別キャラ（別のスレになってしまいますが）でもいいからそのうちお願いします。

ホムペのＦＦの方もがんがってください

ただ一言ＧＪと。

乙

｢３月４日の反響が多かった｣ってあったけど、
確かVIPの某スレが宣伝、誘導してた日だよ。

まぁ、DAHLIAさんのお陰でLAS歴半年の俺からも乙。

ホリさんも早くこないかな

稲荷町

マチカネキララ

マチカネジンダイコ

マチカネイトハン

ヒシアスカ

もう駄目なのかい？

ホリさんもまとめサイト作ってくれないかな

保守あげ

新規職人さんも大歓迎

ここの日記は最高ですねぇーまじに。願わくばOVAでてほしいなぁ。主題歌はGLAYの夏音で

やっぱり日記風に書くのが難しいんだよな

そうそう。
普通のLASと違ってアスカの一人称でかつ落ち着いた文にしないといけないからキツイ。
試しに書いてみたけど、全然日記になってくれない。
回想する感じが難しいのよなぁ。

これから死を迎えるだろう私は、
自分の人生というものがなんだったのか、
評価しなければならない。

−−これは、私の遺書である。


こんな感じ？（RE-TAKE0だけど）

ホリさんやダリさんの素晴らしさをあらためて確認

あぁ。彼等こそ文字通り職人だよな。

ホリさんパソぶっこわれてるのかな。

>>647
難しいと思うのも無理はない

というのも、言ってみればアスカが机に向かって今日あった出来事を頭に
浮かべながら書いている姿を思い浮かべながら書くという妄想の内容を
さらに妄想するってのがこの日記スレだからね。

単純に好き勝手に掛けるLASと違って、自分の頭の中に思い描いた
世界のさらにその中で机に向かっているアスカの頭の中まで妄想しなけれ
ばならないのだから。

普通のLASはその点、いきなり書き始められるからな

稲荷町

職人さんまち

気長に待ちますよ

ホリデイさんお元気ですか？

名スレ

待機

十日町

ダリさん典型的なヲタだなｗ＞サイトの日記

DAHLIAさんのまとめサイト見ました。
最初から読んで今チャプター16なのですが、序盤でやられていた涙腺が15で完全にぶっ壊されました。
良いものをありがとうございます。

某名探偵よりはシークレットの方がよかないですか？

ホリさんダリさんまち

わたしまちましたわ

10月8日

引き揚げられてから約三ヶ月、今日は相棒と共にお互いの母親に会いに行った。
住居からそう遠くない倉庫は、辿り着くのに徒歩でも30分とはかからない。

私達の要望どおり、ほぼそのままの姿で保管されている初号機、弐号機。
ただ色々と調べられているために機械的な部分はバラされたりしている。
私達は、倉庫の奥の方へ並べられている二本のエントリープラグを見つけた。
頼んで、中を見せてもらうことにした。　なんとなく、かつて自分の居場所だった
ところへ再会したくなったからだ。　シンジも、それには異存は無かった。

シンジは私が弐号機のエントリープラグに入ると最後の記憶を呼び起こすのではと気遣ったが、
百も承知だと言ってのけた。　もう平気なのが誰のおかげなのか、本人に自覚がない。
とても懐かしかった、愛機の中。　LCLに満たされてはないけれど、その感覚も戻りそう。
私も少し背が伸びたのか、脚を伸ばすと少し違和感があった。　それが、嬉しくもあった。


シンジは何と、感極まって泣き出していた。　俯いて、自分でもよく分からない涙を拭いていた。


私は、これを弱さだと思ってた。　今も少し、思ってる。
でもこの弱さが私とシンジをつないでいる、そんな気もする。　なぁ〜に泣いてんのよといいながら、
できるだけ優しく包んであげた。　バカねと言いながら、キスしてあげた。


私達はまだ、パイロット。　初号機、弐号機の専属パイロット。
誰も知らない痛みを共有してるから、エヴァの心を知っているから。
当たり前のことを再確認して、倉庫をあとにした。　　　　　　　　二人で。

またまたお久しぶりです。
ちょっとスレが寂しいと思ったのでプチ復帰してみました。

>>630
新劇場版は純粋に楽しみです。　続編を妄想していただけに衝撃も大きいですｗ

>>631
他キャラで書くとなると難しいですね。なんだか気付けばアスカになって
しまいそうです。　書いた自分も、前半のほうが好きだったりします…お褒めいただき
ありがとうございます。

>>632
書くのが異様に遅いので申し訳ありません。　少ぉ〜しずつでも書いてはいるので
お暇ならちょくちょく見てやってください。　

>>660,>>662
正真正銘のヲタですｗ　サイトの趣旨もマイブームによってグラグラしてます。
今は完全にエヴァですが。　とりあえずエヴァゲーは全部触ってるのですが今度のは
値段が値段だけにちょっとためらっています。

>>661
読んでいただいてありがとうございます。
こういう声をいただけたことが毎日書く原動力になっていました。


これからも書ける時チョコチョコ書こうと思いますので、その時はよろしくお願いします。

乙！再開ﾄﾝｸｽ！！

ダリア氏復活あげ

ダリア氏が復活したということは何かの前触れか……？
他の神々も…………

ＧＪ

>>665乙であります！

ｇｊ

おつ

稲荷町

十日町

>今度のは値段が値段だけに
腕時計つきでない通常版は。普通のPS2ゲーの値段ジャマイカ？

腕時計狙いかも
しかし、エヴァゲーは糞ゲーばかりなのに・・・ゲーマーなら痛感しているはずなのに・・愛ですね。

7月22日

日本が常夏であることはドイツでいた頃から常識だった。
だから今更暑さに対して抵抗感は持っていないつもりだった、けど、
今日は別。　普通なら人間が生きていられない灼熱の中へ、弐号機に
護られながら潜った今日の「暑さ」？　…いえ「熱さ」は忘れられない。

楽しみだった修学旅行も強制キャンセルさせられ、その代わりが浅間山の
マグマツアーだと言うのだから、いかに任務とはいえたまらない。
それでも私は不恰好な風船プラグスーツを我慢して地獄の中へ飛び込んで
いったのだ。　エヴァパイロットとしての格好の手柄は、シンジや優等生に
譲る気が毛頭なかったから。　それに、私でなければ無理だったであろう。

発見された使徒は胎児のような状態だった。　捕獲して帰還しようとした矢先に
突然羽化を始め、さすがの私も極限状態の戦闘にピンチに陥った。
それでも、この天才の機転が働きとっさの閃きで見事に撃退してみせた。
捕獲という目的は果たせなかったが、また一つ私の白星を挙げられたことで今日は良しとしよう。


……それと、戦闘直後に初号機に助けられたことも追記しておく。
なんと耐熱装備を全くせずに飛び込んできたのだから、後先考えないバカだと思う。
でも、それが嬉しかったことも、追記しておく。
その時、ほんの少しカッコよく見えたことも、追記しておく。
助けられたなんて悔しいはずなのに、不思議とそう思わなかったことも、追記しておく。


一緒に戦う仲間としては悪くない気がしたことも、追記しておく。

第十話の日記を書いてみました。
日付はなんとなく、なのでご容赦ください。

>>676-677
コレクター根性といいますか、メーカーのカモになっているワケです（苦笑）。
それでもそれぞれのゲームに良い所を一つは見つけようと努力しています。
ちなみに64版はハード未所持のためまだプレイしたことがありません。
個人的にエヴァゲーで一番楽しめたのはデジタルカードライブラリでしたね…。

日記は追記のリフレインと行間が作る段階性がいいですね。乙

ダリアさん、まとめサイト見させていただきました。
このスレでリアルタイムで見ていたので、
久しぶりにちらっとのぞきに来てまとめサイトと聞きびっくりしました。(途中から離れていたため…)
今全て読み終えた所ですが、文章の一つ一つがとても心地よいリズムで、どうにも止まらず眠れぬ夜を繰り返してしまいました(^_^;)
アスカとシンジの息子の話も楽しみにしています。
長文失礼しましたm(_ _)m

信者ばかりしか居ないから、いいづらいけど

つまんないね

○月×日　晴れ

今日、環状線が脱線した。レールのコンクリートにヒビが入っていて、崩れたのが原因だとか。
ネルフからのいつもの試験の帰り、それほど込んでもいなかったけれど、前方の車両は中刷り
状態で大変だったみたい。

アタシたちがいた車両は真ん中あたりだったから中刷りにはならなかったけれど、衝撃がすごか
った。転びそうになったところをシンジに手をひっぱられて「大丈夫？」だって・・・一瞬誰かとおも
って見つめちゃったじゃないの。それにしてもシンジ、かなり握力があった。はじめのころなんて、
へなちょこの代表みたいな体格だったのに、やっぱあんなもの乗るための訓練しているとこうも
違ってくるのか、こっちは転びそうになっているのに、平然と立ってアタシの手を取る余裕までみせ
るなんてやってくれるわ。

家に帰ってから、掴まれた手を見てみる。別になんともない。目の前の鏡に映った自分がちょっと
笑顔になっていて、ムッとする。なんとなく、手が暖かくなった気がする。家事ばっかりやっているか
らガサガサしてた気がする。

ま、悪い気はしなかったと思う。そういうことにしておこう。ハンドクリームのひとつでも買ってやって、
今日の件は帳消しにしておこう。

>>682
手動でマルチ投稿ですか。ご苦労なことです。
氏ね。

おつ

とうかまち

乙

10月19日

今日は夜道を、相棒と一緒に散歩する事にした。
少しずつ蘇る街の灯りを見に行こう、とシンジが言い出したのがキッカケだった。
本当は、私の手を握って歩くのが好きなだけだけど、と瞳に書いてあったが。

サードインパクトによる破壊からもかろうじて生き延びた建物たちには、もう新たな
生き方が与えられ始めている。　活気付き、商売の声も聞こえる賑やかな街を、腐れ縁を
引きずりながら歩いた。　天候は良く、月と星の光が合わせて私達を照らしてくれる。
私達と同じように、手を取り歩くカップルも何組か見かけた。　サードインパクト前からの
仲ならばかなりの奇跡を起こした事になるが、もしくはそれ以後に出会った二人なのか。
街の片隅で座り込み人目も気にせず求愛行為に及ぶ呆れたカップルも見た。

恥ずかしさから思わず目を背けるシンジの純粋さが、今となっては嫌いじゃない。
私達も、駅の建造予定地で工員さんの休憩用に設けられたベンチに腰を下ろし一休みする事にした。
ちょっとイタズラっぽく、私達もここでキスしよっか、と誘ってみた。
予想通り恥ずかしいからと拒否する相棒。　この困ったリアクションを堪能しようと、攻めてみる。

どうしてもしたい、と言ったらどうする？と押してみると、さらに困った顔。
誰かに見られたって、関係ないじゃない、と追い打ちをかければ、悩み苦しむ顔。
私の頼みごとが、どうしても聞けな…とここで、口を無理矢理、塞がれた。　　唇で。


その後シンジは、困り顔ながら笑みを浮かべて、これでいい？と聞いてきた。
結局、返事もしないまま、黙って二人で帰ってきた。　笑顔で軽やかに帰って来たから、
私の気持ちは伝わってるはず。　今、真横で見せる満足げな寝顔がその証拠。


そう、それでいいの。

乙

otu

ダリア氏にリクエストなのですが、>>678の方の続きを読んでみたいです。
第十二使徒以降の日記の内容はさぞかしキツイものになるんでしょうが。

アフターもいいけど本編もそのうちお願いです。構想・発想もあるでしょうから区切りがついたら。

ＧＪ

gj

おつ

投下まち

稲荷町

ageﾃﾐﾙ

十日町

7月25日

クラスメート達が修学旅行から帰って来て最初の授業の日だった。
人類を守るという偉大な仕事のため私と他二名は旅行参加が認められず
歯がゆい思いをした。　今日、教室中に飛び交う思い出話が耳に入る度
不機嫌になった。親しい仲ほど目ざとく映ったのは今日だけであって欲しい。

一番の親友であるクラス委員が、こちらはどうだったのかと聞いてきたので
ここぞとばかりに私の武勇伝を聞かせた。楽しい修学旅行も私のお陰だという
事を忘れるなと、わざとクラス中に聞こえるように言い放った。
今回の戦いは私一人の功績だと高らかに謳えば、親友はなんとシンジを叱りつけた。
女の子を危険な目に合わせて、何をやっていたのと私より大きな声で。

そこで最後に自分の手柄もあった事を言い返せばいいのに、あのバカはただ謝るだけ。
私の方が申し訳ない気持ちで一杯になり、仕方なく助けられたことを打ち明けた。
ヒカリもシンジに謝ってその場は解決したものの、帰り道、今度は私がシンジを問い詰めた。

シンジは、私を気遣って黙っていた、という。　武勇伝に傷を付けたくなかった、とか。
それならば仕方ない、と納得した。　　　　　　　　　　
…ものの、何かスッキリしない。　正体不明のモヤモヤに覆われた感じだ。
慈善家ぶったサードが気に入らない、というのは確かにあった。でもそれだけじゃない。
そうだ、今まで私の周りに居なかったタイプの男なのだ、コイツは。　だから戸惑っているのだ。


そう考えると、少しだけ同居が有意義に思えてきた。
しかし、次の使徒戦では必ず借りを返してやる。　口には出さないけど、誓った。

>>691-692
アフターの方はその場の思いつきで書いていたので特に構想などはありませんでした（苦笑）。
十一話日記を書こうと思いながら本編を見直せていないので今日はとりあえず10,5話を書きました。
LAS日記という視点では難しい回もありそうですが本編日記も書いてみようと思います。


ご要望、ありがとうございました。

乙です。

アフターはなんとなくその時の状況などが反映されてるんだろうなと思いながら読んでいました。
がんがってください。

乙

おつ

ｇｊ

ＧＪ

稲荷町

投下まち

8月6日

今日はハプニングだらけの一日だった。
授業が終わってからネルフ本部へ着いた時、街全体が停電になった。
さらにその最中に九番目の使徒襲来。私達パイロット三人は
なんとかジオフロントへ辿り着き初の手動発進、前回に続き格好悪かったが
三機での連携プレーにより蜘蛛の様な気持ち悪い目標を見事、撃破した。

今回は敵の攻撃をディフェンスする役目を買って出ることでシンジに前回の
借りを返せたのが大きな成果だった。　攻撃をして倒したのは初号機だけど、
ライフルを拾ったのは零号機だけど、それは誰にでも出来ること。やはり一番の
功績は背中の痛みをほんの数秒とはいえ耐えた私にあるのだ。　それはあとの二人も
納得済み…のはず。　多分。　きっと。　絶対。　間違いない。

目標殲滅後、縦穴の中で初号機に受け止められた感触が、今も残っている。
溶解液の不快感を忘れさせてくれる、あのシンジにしては頼りがいを見せた瞬間だった。
戦闘後は、三人で外で寝そべって星空を見上げてた。　電気が復旧した街はとても綺麗だった。
この街を護ったって自覚の薄いバカな男と、何を考えてるのかわかんない人形女。

変なのばっかりが仲間で困っちゃうけど、戦力として確かなのは認めてあげてもいい。
特に同居人に関してはもう、大体の事が分かってきた。　とりあえずパイロットとしては優秀みたい。
男のクセになよっちろいけど、今日の戦いでまた、少しは見直してあげた。


次の使徒はいつ来るかしら。　なんて楽しみになるくらい、今日は充実していたのかもしれない。

待ってました！

乙です。
次は11.5話で三者面談の話とかどうでしょう？

乙です!!三面ヨミタイ!!

乙

ＧＪ

ｇｊ

保守

ＧＪ！

稲荷町

十日町

十日町

おつ

のんびりまち

保全

ほす

11月24日

段々と寒さが増してきて、相棒と部屋に篭る時間が増えてきた。
常夏だった頃を懐かしみながら、今日もシンジとの思い出話。
少しずつではあるが、政府役員の中から新生ネルフに配属される、言わば
私達の部下たちが選出されている。　皆、私達よりだいぶん年上の大人達。

上からアレコレ命令するのは柄じゃない。なのに私より上の立場のシンジは
私以上に上官たる威厳が無い。　もっともそうでなければ、今日まで手を取り合ってはいなかった。
出逢いたての頃、描いていた将来の姿を話し合った。もう随分と昔に感じるけど、
学校でミサト、先生との進路相談をした記憶が、私達に蘇った。


シンジは夢や展望など全く無く、これから見つける、という話で五分もかからず終わったらしい。
私は使徒撃退後にドイツに帰るので意味がない、という話で十分もかからなかった。
結局二人とも、先のことなどボヤけていたのだ。当然現状など欠片も想像出来なかった。
所属していた組織のトップ2として世界の再建を目指す。　大役と言えば聞こえはいいが罪滅ぼしの
ようなもの。　進路と言う言葉は、あまりにも似つかわしくない。


それでも、私の心は躍っている。　瓦礫の街が明るく見えるほどに。
女は、嫁いでしまえばそれが進路であり永久の仕事になることもある。
それなら私は、あの時この心を以って「シンジのお嫁さん」だとか言うのが
正解だったのだろうか。　気付けようもないけど、この想いの芽はあの頃からあったと思う。


多分、この先は困難だらけ。　でも、あの頃より幸せな私がいる。
そして、同じ気持ちで進む道を見つけた私のパートナーは、今日も微笑んでくれる。


大好きなバカシンジ、おやすみなさい。

11月24日

ミサトさんの思い出は、いつだって僕の胸を締め付けてくる。
そう言えば三者面談なんてあったね、とアスカとの昔話に今日も出て来た。
思えばあの時は将来のことなんか何も考えてなくて、ましてアスカと一緒になって
ネルフを動かす立場になるなんて、まるで想像も付かなかった。
分かってくれてたとは言え、それで随分ミサトさんを困らせた事、なんだか今更後悔する
自分が少し嫌になった。　この癖はアスカが少しずつ直してくれてるけれど。

あの頃アスカはゆくゆくドイツに帰る気満々で、僕とは別の意味でミサトさんを困らせたとか。
本当に世話の焼ける二人だったんだね、なんてちょっと寂しいけど一緒に笑った。


ねぇアスカ、僕達が一緒になったこと、もう一度ミサトさんに報告しようか。
あの時はなにもなかった将来の希望がハッキリできたことを、喜んでくれるよね。


僕はずるいから、今日言いたかったこれを今、日記に書いている。
どうなる訳でもないけど、すぐ傍に見えるお姫様の寝顔を見ながら、
今日は三人で暮らしてた頃を思い出した。


悲しいけど、嫌いじゃない感覚なんだ。

乙です。
＞私達の部下たちが選出されている。　皆、私達よりだいぶん年上の大人達。
そういえば新生ネルフはアスカが副指令で、シンジが総司令でしたね。
何故か、偉そうな態度の冬月と妙に腰の低いゲンドウを想像して吹いたw

保守

おつ

ＧＪ

アスカ、誕生日おめでとう！

という訳で、バースデーネタを書いてくださる事をひっそりと待つ。

期待

日記と名のつくスレ一覧（順不同）

アスカの日記って何か教えやがって下さい
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1099727786/
渚カヲルの日記
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1119309531/
葛城ミサトの日記　２冊目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1137160023/
綾波レイの日記　３冊目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1155143378/
アスカの日記　５冊目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1159527435/
マナのまなまな夢日記 ３冊目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1163600275/
碇シンジの日記　３冊目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1163926547/
エヴァ量産機の流浪日記
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1153743226/
霧島マナの日記
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1131333238/

>>734
元祖はさすが、すごいですね。