【妖怪】人間以外の女の子とのお話26【幽霊】

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1名無しさん@ピンキー
オカルト・SF・ファンタジー、あらゆる世界の人間以外の女の子にハァハァなお話のスレです。
これまではオリジナルが多いですが、二次創作物も大歓迎!
多少の脱線・雑談も気にしない。他人の苦情を勝手に代弁しない。

<前スレ>【妖怪】人間以外の女の子とのお話25【幽霊】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1212773145/

<保管庫>
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.gozaru.jp/
 →「オリジナル・シチュエーションの部屋その5」へどうぞ。
2名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:00:08 ID:79kvOspS
【妖怪】人間以外の女の子とのお話24【幽霊】
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1212773145/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話23【幽霊】
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1199204809/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話22【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1189137444/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話21【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1175519231/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話20【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1163776989/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話19【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1153583027/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話18【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1149415855/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話17【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1138894106/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話16【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1136184690/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話15【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1129137625/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話14【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1123248462/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話13【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1118943787/
3名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:00:42 ID:79kvOspS
【妖怪】人間以外の女の子とのお話12【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1112711664/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話11【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1105867944/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話10【幽霊】
ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1102854728/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話9【幽霊】
ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1099739349/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話8【幽霊】
ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1093106312/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話7【幽霊】
ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1088018923/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話6【幽霊】
ttp://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1084053620/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話5【幽霊】
ttp://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1077123189/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話4【幽霊】
ttp://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1072/10720/1072019032.html
【妖怪】人間以外の女の子とのお話3【幽霊】
ttp://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1065/10657/1065717338.html
【妖怪】人間以外の女の子とのお話U【幽霊】
ttp://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1047/10479/1047959652.html
人間じゃない娘のでてくる小説希望(即死)
ttp://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1046/10469/1046994321.html
4名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:13:30 ID:79kvOspS
<関連スレ>
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5名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:16:28 ID:79kvOspS
スレ立て初めてなので、前回のテンプレとほぼ同じです。
前回同様にh抜き忘れたのはご愛嬌という事で許してください。
64:2009/02/08(日) 22:22:52 ID:79kvOspS
 
 眩いばかりの光を纏った真鬼の腕が、一直線に譲の顔面に向けられる。
強烈な風圧を纏った腕が、秀平の顔面に到達すると、秀平の顔は握り潰され、
熟れたトマトのごとく真っ赤に染まった哀れな顔面が姿を現すはずなのだが、

“ぽふっ”
「ぽふっ?」

 譲の顔面に到達した腕の妙な音に、真鬼は不信感を抱いたが、特に気にすることなく
顔面を握りつぶさんと、握力に物を言わせて一気に握りこんだ。

「へへへ、秀平、あたいを敵に回した事を呪うんやなぁ」

 だが、真鬼がいくら力を込めても、秀平はうめき声の一つも上げない。
一旦腕を外してその場から退くと、眼前には何事も無かったかのように立ち尽くす
秀平の姿があった。

「んなっ、あたいのシャイニングフィンガーを受けて何事も無いなんて」
「えっ、いや、俺は何もしてないぞ?」
「ちいっ、なら、鋼鉄の板すら貫く、あたいの拳を打ち込んでぇ」
「ちょっ、待てってば」

 身体を見回して無事を確認した秀平は、眼前の真鬼と同様、
自分の身に何が起こったのか理解できないでいた。
真鬼は、相変らず話を聞く気が無いようで、今度は拳を握りこみ、
正拳就きの要領で、秀平の腹を一気に打ち抜いた。

「えいっ」
“ポフッ”

「ええいっ」
“ポムッ”

「えいっ、えいっ」
“ポフッ、ポムッ”

『…………』

 真鬼の拳は譲の身体に命中するものの、何度打ち込んでも、弱弱しい音を立てるだけ。
今まで経験した事の無い異常事態に、真鬼の頭は混乱の際に達していた。

「なんでや、あたいの拳を受けて何事も無く立ち尽くしているなんて、ありえへんっ!」
「あれっ、いやぁ、俺にもさっぱり理由がわからん」
「なっ、なにぃ、あたいを馬鹿にするつもりかい、きぃぃぃ、くやしいー」

 今度は、両手を大きく振りながら、秀平の頭や胸をポカポカと殴りつけるが、
その攻撃も譲には効果が無く、ネコパンチの如く可愛らしい攻撃であった。

「こらっ、待てって言ってるだろうが」
「きゃっ」



75:2009/02/08(日) 22:24:09 ID:79kvOspS
 秀平もだんだんとイラついてきたらしく、自分の腕を伸ばすと、
ネコパンチを繰り出す真鬼の腕を掴んだ。
真鬼は、人間の秀平に腕を掴まれただけだというのに、痛みに顔をしかめると、
その場に座り込んでしまった。

「きゃっ、だなんて、真鬼も、そんな声を出すんだな」
「うっ、うるさいっ、今度こそ本気の本気を……あれっ?」

 秀平の言葉に顔を赤らめつつ、再び立ち上がろうと腰に力を込めるが、
今度は立ち上がる事もできず、それどころか、敷き述べられた布団に倒れこみ、
動く事ができなくなってしまった。

「うえーん、人間に負けるだなんて一族の恥じやぁ、いっそ殺せぇー」

 布団に顔を埋め、泣き叫ぶ真鬼を見下ろしつつ、呆れ顔の秀平。
何が起こっているのかは相変らず理解する事ができなかったが、真鬼が力を出せない事、
そして、自分の命が助かったという事実に、安堵を抱く。

「はうんっ」

 これからどうしようかと考えている最中、眼下で寝転がる真鬼からの口から、
聞きなれない口調の声が漏れた。
 何事かと真鬼をじっと見つめるが、布団に顔を埋めたまま動こうともせず、
空耳かと思っていたのだが、

「ひあうっ」

 秀平の見つめる前で、再び色気に満ちた喘ぎ声が聞こえた。
それ以降も、僅かな喘ぎと共に身体がピクリと動く動作が続く。

「大丈夫か、真鬼、顔も赤いみたいだが」
「なんでもなっ、ひいんっ」

 実際、真鬼の顔はほのかに赤みを帯びていた。
いや、顔だけではない。虎縞の下着しか着ていない彼女の身体全体が赤みを帯び、
興奮している事が理解できた。
 そう、性交のときのように。

「な、なぁ、真鬼」
「なんやっ、私に話しかける……なっ……」

 布団に顔を埋めていた真鬼が振り向き様に見たもの。
それは、怪しげな笑顔で真鬼を見下ろし、仁王立ちした秀平の姿であった。

「な、なんや秀平、そんな怖い顔して」
「……」
「なんで答えないんや、なぁ」

 真鬼の心を支配していたもの、それは恐怖であった。
何かしゃべってくれるならまだ安心できたかもしれないが、無言の圧力は、
真鬼の心に重く圧し掛かっていた。
 しかも、眼前の人間に力で敵わないだけでなく、身体の自由もろくに利かない。
今まで虐げてきた人間という弱い存在から発せられる異様な気配が、
鬼という無敵の存在を恐怖で支配しようとしていた。
86:2009/02/08(日) 22:24:51 ID:79kvOspS

「うっ、何するんやぁ」

 秀平が真鬼の肩に手が掛け、力いっぱい引っ張ると、布団に埋めていた真鬼の顔が
天井を向き、室内灯の眩しい光と、そこに浮かぶ人影が目に入った。
 秀平は、真鬼の身体を跨るような形で立ち、真鬼を見下ろしているのだ。
光に遮られ、真鬼は秀平の表情を読み取ることが出来なかったが、
その影はゆっくり腕を伸ばすと、真鬼の胸を覆っている虎縞の布に手をかけた。
「やっ、やめてぇなぁ、シュウ、もう勘弁やぁ」

 力の入らない腕を伸ばし、秀平の腕を必死に掴むが、行動を押し留めるような力はなく、
秀平が一気に腕を引っ張ると、

「ひっ、やぁぁぁぁ」

 押さえつけられていた豊満な胸が露になり、衝撃で僅かに揺れた。
恥ずかしさからか、胸を隠そうと動く真鬼の両腕を、秀平の両腕が押さえ込む。
真鬼の胸の先端では、ピンク色の乳首が勃起したかのごとく張り、天を仰いでいた。

「はっ、恥ずかしいわぁ、見んといてぇ」

 両腕を押さえ込まれ、抗うすべを持たない真鬼は、秀平の行動を見守る事しかできず、
僅かに身体を揺らしながら、自分に圧し掛かる秀平の行動を見守っているが、
その瞳には、わずかに涙が浮かんでいるように見えた。

「あああっ、だめやぁ、それ以上顔を寄せたら、だめやぁ」

 秀平の頭の中では、幸一の言葉が思い出されていた。
(なるほど、若旦那の言っていた犯っちゃえというのは、こういうことか)

 秀平は、真鬼の両腕を抑えつつ、自分の顔をゆっくりと真鬼の身体に近づけて行く。
寄せた顔は露になった豊満な胸の直上で止まると、口からピンク色の下がヌルリと
這い出し、ピンと立った乳首の回りを優しく嘗め回した。

「はっ、やめっ、乳首っ、だめえっ」

 2周、3周と胸の頂上を囲うように舌を這わせた秀平は、大きく張った頂にも優しく
舌を這わせると、顔を真鬼に向けた。
 真鬼は、恥ずかしさからか秀平の行動を見ることもできず、必死に目を瞑っていたが、
自分の片胸を伝って流れ込む快感に耐えかねたかのように、口から僅かな美声を漏らした。

「真鬼、気持ちいいんだろ、そんなに我慢すると、身体に悪いぞ」
「うっ、うるさいっ、だまっ、れっ、ひいいっ」

 真鬼が瞳を開けて顔を起こした瞬間、秀平は真鬼の胸を口に含んだ。
含んだといっても、巨大な胸の一部しか口に含める事はできないが、
唇をぴっちりと密着させ、舌で乳首を舐りつつ、胸を一気に吸い上げた。
 激しく吸い上げられ、引っ張られながらわずかに形を変える自分の胸を眼前にして、

「やめい修平、本当に、こっ、殺すぞおっ」
「へぇ、じゃあ、やってみれば?」
「くっ、くぅぅ」
「いつもはお前が俺の上に乗っかってさ、胸なんて揉ませてくれた事無いもんな」

97:2009/02/08(日) 22:26:13 ID:79kvOspS
 
 現状を理解できなかったとはいえ、いつも責められっぱなしの真鬼に対して、
攻めに転じられるチャンスを逃す修平ではない。
 真鬼の両腕を頭上で組ませ、自分の片手で押さえ込んだ修平は、開いた片方の手で真鬼の片胸を揉みつつ、
快感に耐える真鬼の顔をじっと覗きこんだ。
人間に責められた事の無い真鬼は、“受け”という初めての経験に、どのような表情を
したらよいのかわからず、ただただ焦りを募らせるだけであった。

「じゃぁ、今度はキスでもさせてもらおうかな」
(しめたっ)

 修平の言葉を耳にした耳にした、真鬼の頭に、現状を打破する考えがよぎった。

(舌を入れてきたら、そのままシュウの舌を喰いちぎったる)

 体全体は力を入れることができないでいたが、言葉がしゃべれなくなったわけではなく、
快感に歯をくいしばることも出来たため、真鬼には舌くらい喰いちぎれる自信があった。
 本当は修平のことが好きだし、痛めつけることも好まない真鬼であったが、
それ以上に“鬼”としての誇りを守ることが彼女にとって優先事項であった。

「さっ、いくよ」
(こいっ、さぁ、こいやあっ)

 修平の唇が、真鬼の唇に触れた。
やさしく、少し触れただけのフレンチキス。
真鬼にとって、久しく感じたことの無い唇同士の優しい触れ合いなだけに、
攻撃的なことを考えつつも、行為の感覚は真鬼の体を震えさせた。
 修平がゆっくりと唇を離すと、もっと長く触れ合っていたいかのごとく、
水気を含んだ真鬼の唇が、修平の唇に吸い付いていた。

「真鬼の唇、筋肉質な体と違って、ものすごく柔らかいんだね、かわいいよ、真鬼」
(なっ、なんて言うた、かっ、かわいいやてっ!?)

 体が一気に熱くなる。
己の強さと美しさのみを突き詰めてきた真鬼にとって、“かわいい”という形象は
考えたことも無い言葉であった。

(なんや、このときめきは……あかん、あたいは鬼や、鬼の誇りを守らなあかんのや)

 真鬼の心は激しく動いていた。
眼前の男を殺すような行為をしたくない。しかし、鬼としての誇りは捨てられない。
自分の唇を優しく愛撫する修平を受けつつ、真鬼の葛藤は続いていた。

「さ、次はディープに、君の口を吸わせておくれ」
(きっ、きたぁぁぁ)

 唇を離した修平は、再び真鬼の顔を覗きこむと、優しくささやきかける。
真鬼が虎視眈々と修平の舌を狙っていることなど露知らず、
修平の唇は再び真鬼のそれと触れ合った。
真鬼の唇に割り込んだ修平の舌は、唇に沿って左右に動き、唾液のヌルリとした質感
を真鬼に伝えていた。
一気に舌を奥まで入れるような事はせず、やさしく、滑らかに、修平は真鬼の唇を味わう。

「はむっ、ちゅっ、はうっ」

108:2009/02/08(日) 22:27:41 ID:79kvOspS
 抵抗できない真鬼を目の前にしながらも、あくまでも優しい愛撫を繰り広げる修平。
そのおっとりとした舌の愛撫に我慢しきれなくなったのか、真鬼の舌が修平の舌を
押しのけると、そのまま修平の口内へ侵入し、舐りまわす。

(ちょっ、ちょっとくらい楽しんでもええよな、せや、最後に愉しませたらんと)

 心の中で言い訳がましく呟くと、押しのけた修平の舌に、押し込んだ自分の舌を絡める。
修平は、急に始まった真鬼の積極的な行動に驚きながらも、真鬼の激しい舌技に抗えず、
自ら舌を動かすことを止め、真鬼のすべてを任せていた。

「むふっ、ぐじゅっ、むっうっ」

 長く柔軟な真鬼の舌が、修平の舌を口の奥へ押し込むと、
そこが自分の領地であるかのごとく動き回る。
修平の歯、その一本一本も自分のものと主張するように、真鬼は舌をじっくりと絡め、
唾液を擦り付け、匂いを染み込ませる。
 真鬼の舌技は終わる気配を見せなかったが、修平の息はそれについていくことが
出来なかった。

「ぷはっ、苦しいじゃないか、真鬼」
「はっ、はぁぁぁん、いいとこやったのにぃ」

 修平が顔を引くと、取り残された真鬼の舌が、物欲しそうに空中を泳ぎ、
修平の口から溢れた唾液が、真鬼の舌先との間に透明な橋を作っていた。
息を荒げる修平に対して真鬼は余裕の表情だが、どこか恍惚とした感じを見せる。

「シュウ、こんどはあたいの口の中を、あんたの舌で舐ってほしいわぁ」

 顔を赤らめながらおねだりする真鬼。
いまだかつて経験したことの無い受身な真鬼の言動に、修平も気分を高揚させ、
再び真鬼の唇に覆いかぶさった。

「ふっ、むぅぅ」

口で動き回る修平の舌に、為すがされるままに従う真鬼。
先ほどの仕返しとばかりに真鬼の口内で蠢き、大量の唾液を送り込むと、真鬼も舌を
絡めて必死に唾液をなめ取り、飲み下す。
舌を喰いちぎってやろうという考えも忘れ、修平の舌と絡み合い、踊る。
瞳を蕩けさせながら舌を動かし続ける真鬼の顔は、凛々しい鬼としての表情ではなく、
ただただ快感を求める、一個のメスとしての表情であり、
その意識は深く、恍惚の中に沈んでいくように感じられた。

(あっ、あかん)

 口の中で繰り返される激しい交じ合いの中、ふと、真鬼の意識が浮上する。
鬼としての誇りが、このまま人間に堕とされる事を拒否したのであろうか。
修平に口の中を舐られるたび、自分に残された僅かな力すら吸いだされるような感覚に、
真鬼は決断した。

(ごめん、シュウ、しょせんあたいは鬼なんやぁ)

真鬼はぎゅっと目を瞑り、己の口内に侵入した修平の舌に歯を添えると、
顎に持ちうる限りの力を込めた。

11名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:30:41 ID:79kvOspS
本日ここまで。
時期外れの前半のみの投稿がさらに半分に切れて申し訳ありません。

後半は来週までに作成します。きっと。
12名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:32:47 ID:+BXwW+5w
GJ

容量切れとは災難だったな。
13名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 23:05:41 ID:TY2GltOo
GJ

だが生殺しのままで一週間全裸で正座で待機せねばならんとは・・・

鬼可愛いので続きを早く!!
14名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 00:12:58 ID:LC1FdVlg
乙乙
前スレが前々スレになってたから前スレ貼り
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1219453539/
15名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 03:48:56 ID:DAM6EBza
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +        
 と__)__) +
16名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 22:27:37 ID:lFtiCrIl
次は何がくるかな?
17名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 15:47:00 ID:sU06Qbjo
保守
18名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 21:26:16 ID:OIzbPAyi
耳無し法市のチンチン無しバージョンで、女幽霊達に歌を聞かせてるのだが、チンチンだけ、お経を書き忘れた為に散々弄られて、吸いまくられてもぎ取られる話を見て見たい。
19名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 21:31:30 ID:UTATwI8P
竿無し芳一ってかww
しかしアソコをもぎ取られるとか悲惨過ぎる
20名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 22:32:39 ID:JxkOtFFv
チンコもぎとったら一人成仏。
そして、もぎ取られて死んだ男は女幽霊になって仲間入りという七人ミサキ理論。
って感じの短編漫画を高橋葉介が描いてたな。
その漫画は、女性に誘われてホイホイついてったらチンコ食いちぎられて女性化、
食べちゃったほうは男になって屋敷から出て行くっていうジョジョのスーパーフライみたいな話だけど。

……これはどっちかって言うとTS系のネタか。
21名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 06:16:12 ID:MvzrgbjR
よーするに、吉原で死んだ女達に歌を聞かせてたが、毎日せがむので、いい加減逃げたくなってお経を書いて貰ったが、男根に照れた尼さんが書けなくて、それに気がつかない男は、彼女達に男根を握られしゃぶられて、玩具にされまくった挙句に精を吸い尽くされたと?
男根取られるのは無しバージョンなら見たいな。
22名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 10:01:40 ID:dI4VBlhj
竿にお経を書こうとするけど、墨で濡れた毛筆の先っちょで撫でられるのでビンビンに。
書いても書いてもトロトロ流れる先走りが墨を洗い流して終わらない。
男が体を震わせて書き辛いので後ろ手に縛り上げ、ついでに股を閉じないように脚も開かせて縛り上げ、
「貴方の為にありがたい経を書いているというの、この魔羅はどうした事ですか。
 いつもいつも魔羅を張り詰めさせる事ばかり考えているのでしょう?今はどんな事を考えているのですか?
 …そうですか。まったく、いやらしい。そんなだから女郎の霊などに憑かれるのです。
 私が手助けして差し上げますから、この大きく熱い魔羅に詰まった淫らな煩悩に打ち勝つのですよ」
と尼さんノリノリで書きまくり責めまくり。
時間使いまくったおかげで、いつの間にやら女郎幽霊も参加。
尼さんの筆が表面を、幽霊の手が肉をすり抜けて内側から、亀頭粘膜を表裏両側からいやらしく撫でまわす。
生死二人の美女による寸止め愛撫地獄+射精後亀頭責め地獄。

とか。
23名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 20:48:12 ID:uFkgmGtI
さあ、それを物語にする作業に移るんだ。
24名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 01:02:23 ID:jOhWIoTX
>>22の降臨を全裸で待つ
25名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 14:40:45 ID:j2T/3qo6
坊さんの夢に仙女が出てきて、毎晩性欲を鎮めてくれてたのに、口止めされてたのに、自慢話しちゃったせいでその晩
「これが今までにお前が吐き出した精だ!」
って全身ずぶ濡れになるくらいの水をぶっかけられてそれ以来夢に出なくなった。
という昔話があったな。
26名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 17:33:54 ID:m3woXmM3
水なのか
水でよかったな
27名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 20:08:15 ID:05hVAhY0
坊さんが顔射されてもなw
28名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 21:47:42 ID:/K8c/WIA
製造完了した子供をごっそり渡されても困るわけだが。
299:2009/02/15(日) 23:43:52 ID:3QEHOsFX

“はむっ”
(あれ?)

“はむはむはみはみ”
(んなっ、コレもだめなんかい!)

 結局、真鬼の悩みは特に意味を成さなかったようだ。
修平の舌を挟み込んだ真鬼の歯は、やさしく甘噛みすする結果となっただけで、
その行為は、あたかも修平の舌を吸い取る行為になっていた。

「はむっ、ふっ、俺の舌を吸っちゃって、お前もすっかりその気だな」
(はうっ、ちゃうのにっ、あたいは、こんな事したいわけじゃないのにぃ)

 修平の命を奪わずに済んだ安堵に満たされると同時に、万策尽きた真鬼の体からは、
残りわずかな力すら抜け落ち、修平の行為に身を任せた。

「顔もすっかり蕩けちゃって、俺の下半身も、君を犯したがってうずうずしてるよ」

 真鬼の体に覆いかぶさっていた修平は、立ち上がりながらベルトを外すと、
ズボンや上着を一気に脱ぎ捨て、パンツ姿となる。

「これで、君とおあいこだね」

 体を跨いで立つ修平の姿を見上げる真鬼であったが、その視線は一直線に
下半身へと向けられる。
 薄い布製の下着越しに、脈動する一物の姿が視線に飛び込み、息を呑む。
大きく張った布のテントの頂点では、透明な液が僅かに染みを作っていた。

「今日は、俺の太巻きをたっぷりとご馳走してあげるよ」

 最後に残った下着をも脱ぎ捨てると、天を仰いだ修平の分身が姿を現す。
送り込まれた大量の血液で怒張したソレは、物欲しそうに脈動していた。
真鬼は自分の秘所を貫かれるという、期待と不安に胸を熱くしていたのだが、

「よいしょっと」
「ふえ?」

予想に反し、修平は真鬼の胴体に腰を下ろすと、自分のイチモツを胸の間に挟みこんだ。

「ちょっ、何しとるんや」
「いや、実は一度、お前のでかい胸でパイズリしてみたかったんだよなぁ」

 修平は質感のある真鬼の両胸に手を添えると、間に挟みこんだ自分のイチモツに向けて
力いっぱい押し込むと、柔らかな胸は、形を変えつつ、秀平のモノに密着する。

「すごいな、俺のモノが全部隠れちゃったよ」
「いっ、いややぁ、こんなん、いややぁ」

 自分の胸で秀平を挟み込んでいるものの、力の出せない真鬼には、秀平にされるがまま。
その瞳の端にはジワリと涙が溜まり、今にも泣き出しそうな勢いである。
鬼の目に涙とは、まさにこの事だろう。
30名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 23:44:08 ID:I1+LjuxV
Blue Liquidの二作目書き終わったけど
いつ投下しよう?
3110:2009/02/15(日) 23:45:00 ID:3QEHOsFX
「さ、動くよ」

 真鬼の割れた腹筋の上に腰を下ろした秀平が、腰をゆっくりと前にずらすと、
巨大な胸に埋もれていた秀平のイチモツ、その先端が僅かに顔を覗かせた。
秀平はゆっくりと腰を前後させつつ、力を込めながら、胸を前後左右に激しく揉みこむ。

「あたいの胸の間を、秀平のが出入りしとるぅ」
「真鬼の胸、やわらかくて、あたたかくて、くっ、今にも射精しそうだ」

 腰を上下し、胸を揉み扱く秀平に乗られているが、
力が出せないとはいえ、鍛え抜かれた真鬼の腹筋が堪えるほどではない。
 先ほどまで涙を貯めていた真鬼の瞳であったが、視線の先にある秀平のイチモツを
凝視していたその瞳は、次第に熱を帯びており、秀平もそれに気が付いていた。

「真鬼、どうせなら俺のモノ、お口でしゃぶったりしてくれないかな」
「んなっ、いい加減にせんかいっ、なんであたいがそこまでっ」
「そうか、潤んだ瞳で俺のモノを見てるもんだから、てっきりしゃぶりたいのかと……」

 腰を突き出した状態で動きを止め、真鬼の眼前にイチモツの先端を見せ付ける秀平。
透明の液体を垂らすモノを眼前にして涎を垂らす真鬼であったが、
すぐに頭を振って否定の意を表した。

「じゃっ、続けるね」
「あっ、うぅぅ」

 平然と腰の動きを再開する秀平に対して、真鬼は残念そうな表情を見せる。
胸の柔らかさを感じ、ひたすらに自分を高める秀平と、成すがされるままの真鬼。
真鬼にも、己の胸を弄られる感覚と、量の胸の間で熱く鼓動する修平の感覚が伝わる。
視界には、自分の胸の間から顔を出す亀頭の張りが写り、それが今にも爆発しそうな状態
であることを悟っていた。

「くあっ、出るっ」
「やめっ、出す前に退けぇ、そこで出したらどこに命中する思っとるんやぁ」
「ゴメン、我慢できないっ」

 真鬼の眼前で、修平のイチモツが爆発した。
真鬼の胸に挟まれていたため、修平から放たれた白濁の液体は、狙い済ましたかのごとく、
真鬼の顔面を直撃する。
射精と同時に、真鬼の胸をさらに押し込みつつ、腰を二度三度と前後にスライドさせ、
竿に残った僅かな精液も全て放出した。

「くっ、ふぅ、すっきりした」
「……」

 射精の達成感に満面の笑みを浮かべる秀平に対し、顔面を精液で汚した真鬼は、
瞳を見開いたまま、呆然とした表情を見せ、動こうとしない。
涙目になっていた真鬼の瞳から、一筋の涙が流れ落ちたのは、その時である。

「ふっ、ふえぇぇぇぇん」
「なっ、どうした、なんで泣く」

 大声を上げ、泣き出す真鬼。
今まで泣き言はおろか、涙を流すところすら見た事がない秀平は困惑する。
3211:2009/02/15(日) 23:45:39 ID:3QEHOsFX

「人間に犯されたぁ、顔を汚されたぁ、ふぇぇぇん、これがバレたら破門やぁ」
「え、破門?」
「きっと、一族の誰かがあたいを殺しに来るぅ、ふえええんっ」
「なっ、ナンダッテェェェ!」

 真鬼の発言に衝撃を受ける秀平。
今まで2年近く生活を共にしていたが、よくよく考えると彼女達一族については
何も考えていなかった。
 しかも、“殺される”という単語が飛び出した事に、困惑の度を強める。

「とっ、とりえず、その顔を拭こうか」
「待ちやっ」

 自分の行為が真鬼に危険を招く結果となる事に焦り、
その場を退いて立ち上がろうとする修平の手を、真鬼の腕が掴む。
力が出せないにもかかわらず、必死に修平を掴むその腕には、異様な力がこもっていた。

「見てみい、あんたのソレは満足しとらんやろ、あたいの股を、使ってもええで」

 視線をそらせつつ、顔を真っ赤に染めて答える。
確かに、秀平の股間では、立派な太巻きが天を仰いでそそり立っていた。

「いいのか、破門がどうとか言ってたけど」
「んな事を考えるんは後回しや、それよりも、あたいの大事なところが大洪水や」

 修平が、真鬼の股間を覆う虎縞の布を外すと、見慣れた真鬼の秘所が姿を現したが、
そこは過去に見た事がないほどに濡れ、手にした真鬼の下着も、水気を含んだ染みで
グッチョリと汚れていた。

「真鬼、おまえ……」

 股と両手を大きく開き、秀平を招き入れる準備を整えた真鬼。
じっと修一を見つめる真鬼の瞳は情欲を含み、ネットリとした視線が修一に絡みつく。

「いっ、いいのか、なんだか大変そうだけど」
「もうっ、じらさんといて」
「じゃあ、いくよっ」
「んっ、ふああぁぁあっ」

 真鬼に招かれるまま、濡れた秘所にイチモツをあてがった秀平は、
そのまま腰を前に押し込み、一気に挿入した。
挿入の喜びに力の出ない身体を震わせ、自分の中に浸入した異物の感覚に悶える真鬼。

「やあっ、こんなに、気持ち良いんは、久しぶりやぁ」

普段は上に乗って腰を振る真鬼の姿しか見た事の無い修一なだけに、
自分の下で仰向けになり、悦びに塗れた顔で修一のモノを受け入れる真鬼の姿は、
修一をいつも以上に興奮させていた。

「いつもはギッチリ締め付けられているせいか、今日はなんだか緩く感じるな」
「うるさいっ、力がだせんのやから、しゃあないやろっ」
「俺は、このぐらいの締め付けがちょうどいいよ」
「シュウの、ばっ、かぁ……」
3312:2009/02/15(日) 23:46:36 ID:3QEHOsFX
 責められる悦びに快感を覚える真鬼と、責める悦びに心を躍らせる秀平。
真鬼は、鬼としての誇りよりも快感を優先させてしまう自分に呆れつつも、
秘所を貫く秀平の感覚に、いつも以上の興奮を感じていた。

「シュウ、今日のあたいは動けんから、変わりに動いてぇな」
「あ、ああ、そうだった」

 挿入したまま動かない秀平に苛立ちを感じつつも、それを表に出すことなく、
しおらしい態度で秀平におねだりする。
だが、秀平としては、日々の行為において自分が動こうとする度に、

「貴様は、あたいの下でじっとしとればええんや!」

 などと、烈火のごとき怒りを向けられているわけだから、
いきなり責めに回れといわれてもうまく動けないのは仕方が無いといえる。

「んなぁ、はよう動いて」

 動かぬ身体をクネクネと捻り、秘所に加わる僅かな快感に甘んじている真鬼であったが、
快楽を没する欲求だけが高まり、動かぬ秀平に怒りを向けそうになる。
 だが、主導権が秀平にある以上、秀平のご機嫌を損ねるわけにはいかない。

「じゃ、動くからね……怒るなよ?」
「あんっ、せやっ、ちゃんと、んんっ」

 ゆっくりとではあるが、腰の前後動を開始する秀平。
真鬼の顔を覗きながら、ご機嫌を伺いつつのため、動きは若干ぎこちない。

「んっ、んんっ、うんっ」

 秀平のピストンを受ける真鬼の声も、どこかぎこちなく、
快感に呻く女の喘ぎ声とは程遠い。

「なぁシュウ、もう少し、激しく動けんのか?」
「えっ、ああ、わかった」

 真鬼に急かされて腰の動きを早める秀平であったが、自分よりも巨体の真鬼を責めて
いるわけだから、うまく動けないのも無理は無い。

「んもうっ、シュウ、もっと激しくって言うてるやろ」
「無理言うなって、お前の巨体が悪いんだぞ」
「なっ!?」

 真鬼の顔にはだんだんと青筋が浮き出てくる。
秀平に対して受身に出ていた反動か、鬼である真鬼が爆発したのは当然の事かもしれない。

「くおらぁぁっ! シュウ!」
「はっ、はひ!?」
「何をヘコヘコ腰ふっとるんや、もっとしっかり腰ふりぃな!」
「ひぃぃぃっ」

 額に青筋を立て、立派な角をさらに尖らせながら怒りを露にする真鬼。
秀平も鬼の形相を見せる真鬼に恐れ戦き、イチモツを縮めていたのだが、

3413:2009/02/15(日) 23:47:28 ID:3QEHOsFX

「人が下手に出てりゃぁ、ノンビリと腰振りおってぇ」
「いや、ごめん、だってお前が……」
「自分の不能っぷりをあたいの巨体のせいにするんか、こぉのヘッポコがあっ!」
「ヘッ……ポコ?」

 ピクリと、秀平の眉だけが反応した。
それと同時に、自分を見下ろす秀平の顔に黒いオーラが宿る所を真鬼は見逃さなかった。

「なっ、どうしたんやシュウ、急に黙って」
「ヘッポコだと……ろくに身動きも、取れないくせに……」
「ひっ、なあ、シュウ?」

 秀平の身体から怒りのオーラが発せられると同時に、
真鬼の形相に縮み上がっていた秀平の分身が、再び肥大した。
普段見せた事のない怒りの表情を見せる秀平の異様な雰囲気に相まって、
自分の膣に密着するかのごとく肥大した秀平のモノを受け入れ興奮する。

「お前はいつもいつも、そうやって人を見下してばかりだっ」
「あんっ、シュウ、ちょっと待っ」
「うるさいっ、こうして欲しいんだろ、えぇ? こうして欲しかったんだろ?」
「あっ、激しいっ、子宮の奥にっ、ふあああっ」

 秀平は、真鬼に刺激されて、頭のネジが一本吹っ飛んでしまったようである。
本能の赴くままに腰を激しく律動させ、真鬼を激しく突き上げる。
急に始まった秀平の攻勢に、元より抗う力を持たない真鬼は、秀平の腰つきに合わせ、
身体を前後に揺する。

「ふんっ、鬼がこの程度で喘いでどうする、これならどうだっ」
「ひあっ、らめえっ」

 秀平は、真鬼を激しく突き上げながら、真鬼の豊満な胸を揉みまくった。
行為のはじめの時のように、悪戯心から真鬼を責めているのではない。
心の底からの怒り、普段のうっぷんを晴らすかのごとく、激しい責めを咥える。

「イけっ、んっ、イきたいんだろ、んんっ」

 原因不明の症状により力が出ないばかりか、性的な感覚が異様に高まっている真鬼には、
秀平の与える激しい刺激、特に、言葉による激しい責めを受けるのは初めてで、

「シュウ、あかんっ、こんな激しく突いたら、あたいっ」
「どうなるんだっ、んっ、どうなるっていうんだ」
「あっ、イッ、イッ、イクぅううううっ」
「なっ、んっ、くああっ」

 真鬼が絶頂を向かえ、それと同時に秀平も絶頂を迎えた。
待ちに待った瞬間の到来に、頭の中が白く染まるのを覚えながら、
膣に注がれる精液の熱い感覚に身体を震わせた。

「ふんっ、どうだ、これでも俺が不能だと……あれ、真鬼?」
「はうっ、ふあああっ、はふぅぅっ」

半開きの口からは涎を垂らし、身体を痙攣させ、快感の余韻に浸りながら、
真鬼の意識は絶頂の快感から戻ってこない。
3514:2009/02/15(日) 23:50:05 ID:3QEHOsFX

「真鬼、どうした、一体何が」
「はっ、ふあああっ、くあぁぁっ」

 怒りに頭のネジを飛ばした秀平と同様に、真鬼も快感によって頭のネジを
飛ばしたようである。

「んっ、ふぁぁぁっ、気持ちいいのが、とまらへんっ、くあっ」
「むあっ、落ち着け、俺が悪かった、とりあえず抜くから……」
「あかんっ」

 真鬼の脚が、秀平の腰をガッチリと固定し、腰を抜けないように拘束した。
数分前に見たのと同じような展開な気がする。

「責められてイくんがこんなに気持ち良いなんて、初めてやぁ」
「こらっ、落ち着けってば」
「怒ったのは詫びるからぁ、もっと、あたいの中に出してぇ」

(あ、こりゃぁ、何を言ってもだめだろうな)と、秀平は頭の中で結論付け、
真鬼の言うとおり、腰の動きを再開した。

 冷静さを取り戻した秀平につぃして、真鬼は快感に敏感なままで、秀平が腰を
押し付ける度に、絶頂のような快感が真鬼の脳髄を刺激した。

「はぁぁっ、責められるんがこんなにエエなんて、母ちゃんも教えてくれなんだわ」
「んっ、くっ、破門がどうとかは良いのか?」
「んあっ、シュウはそんなん気にせず、腰を突き上げればいいんやっ」
「わかったよっ、ほらっ、ほらっ」

 再び腰を突き上げ、真鬼の子宮を突き破らんとイチモツをねじ込む秀平。
一旦は怒りの矛先を秀平に向けた真鬼であったが、連続的な絶頂の快感にそれも忘れ、
秀平の肥大したイチモツに身悶える。

「ああっ、見直したで、シュウ、あんたもこんなに責められるんやなぁ」
「お前も、こんなに受けにまわれるんだなっ」
「もう一度、一緒にイこう、あっ、イッ、イくっ」
「あっ、俺もだっ、くああぁっ」

 精を放ち終えると、結合を解くこともせず、そのまま真鬼の大きな体へ倒れこんだ。
両名共に息を荒げ、目を瞑りながら、射精後の余韻と脱力感楽しんでいたが、
沈み込んだ意識がだんだんと浮上するのを自覚すると、修平は結合を解き、再び真鬼の
体に圧し掛かりながら、真鬼の顔をじっくりと覗きこむ。
 真鬼も、力の入らない己の秘所から精液が漏れ出るのを感じながら、
自分を覗き込む修平に、愛おしさを感じていた。

「なあ、シュウ、もしもあたいが破門されたら……」
「わかってる、責任は、俺がきちんと取ってやるよ」
「ああっ、シュウ」

優しい口付けを交し合った二人は、どちらからともなく、深い眠りに落ち……

「あんっ、もっとや、まだまだ足りひん」
「えっ、まだやるの?」

落ちることは無く、真鬼の気が満たされるまで、秀平は腰を振り続ける事になる。
3615:2009/02/15(日) 23:50:49 ID:3QEHOsFX

……そして、数時間後。

「はぁ、“新月の間”やて?」
「そう、先ほどまでお二人がいらした部屋の名前です」

 新月の間とは、人外旅館に存在する特殊な部屋の一つであり、
その部屋に入った人外の者達は、誰もが本来の力を出せなくなる。
変化形の獣人は人間の姿のまま変化できなくなり、真鬼のような腕力系の人外も、
少女のようにか弱い力しか出せなくなってしまう。
昔から、人外との夫婦関係で悩む人間男性が、ちょくちょく使用していたらしい。

「へぇ、あたいらみたいなのが他にもおるとは驚きや、なぁ、シュウ」
「修平さんは……当分喋れないと思いますが」
「あ、せやった」

 行為を終了し、従業員の部屋で先ほどの経緯と今後の展開について話し合う、
修平、真鬼と、若旦那の幸一。
肝心の修平からの応答が無いのは、部屋に入って一息着いた直後に真鬼の一撃を受け、
顔を壁にめり込ませて、抜け出せなくなっているからだろう。
仲居姿のコハクが引き抜こうと必死になっているが、修平の顔は木製の壁を突き破って廊下に飛び出しており、相当手こずっているようだ。
 とりあえず、この一撃で真鬼の気も納まったらしい。

「ちっ、しゃあないなぁ、ふんっ」

 おもむろに立ち上がった真鬼が、壁に顔面を埋めている修平を引っこ抜き、
自分の真横に座らせた。
壁の中にいた修平は幸一の話を聞いていなかったので、幸一は先ほど真鬼に話したのと
同じように説明を始めたが、その視線がチラチラと修平がめり込んでいた壁に向けられる。
どうやら、壁の修理をどうしようか考えているらしい。

「へぇ、俺たちみたいな人達が、他にもいるんだ、なぁ、真鬼……真鬼?」

話を聞き終えた修平は、先ほどの真鬼と同じようなことを口にのぼせながら、
笑顔を傍らの真鬼に向けたが、当の真鬼は不満げな表情でそっぽを向いていた。
修平も、真鬼の気持ちを悟っていたし、自分のやりすぎも自覚しているから、
うまい言葉が出ない。

「なぁ、真鬼、今回の事、許してくれるかい?」
「いやや」

そっぽを向いたままの真鬼。
半ば予想道理の反応であったが、どう償えばよいのか分からず焦りを見せる秀平に対し、真鬼の顔が怪しい笑みを浮かべ、

「けど」
「けど?」
「また、あたいをいっぱい責めてくれるって言うなら、許してやらん事も無いかなぁ」

 色っぽい視線を投げかける真鬼に、修平の表情も一気に明るくなった。

3716:2009/02/15(日) 23:52:33 ID:3QEHOsFX

「じゃ、来年の2月3日、予約でええな」
「いきなりかいっ!」
「何か不満でも?」
「いいえ、不満など何もありません」

 上げた拳に力を込めながら笑顔を見せる真鬼に、肩を落とす修平。
結局、真鬼の尻に敷かれる運命に変わりは無いようである。
落胆する秀平であったが、下を向いたその顔には、奇妙な悦びが宿っていた。
 一方で、

「あ・な・た」
「ハッ、ハクじゃないか、いつからそこに?」
「いつって、最初からに決まってるじゃないの」

 妙にニッコリとした笑顔をたたえつつ、二股の蛇舌をチロチロと出し入れするハク。
読み取りにくい微妙な表情ながら、幸一はハクが何を言おうとしているのか察していた。

「あんな素敵な部屋があるのに、妻であり若女将である私に内緒っていうのはどうかしら」
「別に内緒にしていたわけじゃないよ、聞かれなかったから答えなかっただけで」
「なら許してあげるけど、知ったからには、分かっているわよね?」
「はい、今度時間が空いたら、その時にはね」
「うん、よろしい」

 あっさりしながらも、妙に心の通じ合った二人を目にし、
真鬼はライバル心を燃え上がらせるように、瞳を熱くしていた。

「うっ、うちも負けてられへん、シュウ、早速帰って、あたいらも愛を育むんや」
「昨日の今日で?」
「問答無用やっ、さっ、行くでぇ」

 言うや否や、秀平を肩に担ぐと、旅館を後にする二人。
笑顔で見送る旅館の一同。
こうして、無事に難を逃れた秀平は、真鬼との共同生活を続けていたのであった。




▽△▽

話は戻って、2月3日の人外旅館

「いや、若旦那さんにはお世話になりまして……」
「壁の修理、大変だったんですよ」

世間話を続ける中、幸一の目は、秀平の背後で蠢く真鬼の行動を注視していた。
自分の肩に下げた鞄の中に腕を突っ込んで何かを探していたかと思うと、
その中から何かを取り出しつつ、自分の立ち位置を僅かにずらし、

「シュウ、こっちむいてぇな」
「なにっ……むっぐむっ!?」

 真鬼の方を向いた秀平の口めがけて、太くて黒くて長いモノが差し込まれた。
奇襲と同時に、秀平の首は一方向を向いたままガッチリと固定され、動かす事ができない。
3817:2009/02/15(日) 23:53:53 ID:3QEHOsFX

「その太巻きを口から抜いたり、何かしゃべろうとしたら……その首が胴から離れるで」
「……」

 真鬼の迫力に、秀平は何も言わず、ただ、太巻きを食べ続ける事しかできなかった。
息を詰まらせつつ、顎を必死に動かし、太巻きを必死にほうばる。
まさに、命がけの食事といえよう。

「んっ、くっ、ぐはぁ」
「ようやったで秀平、これで今年も一年、秀平はあたいのもんやぁ」

 秀平が食べ終わると、真鬼が喜びの声を上げる。
傍らの修平は、どんよりとした灰色のオーラをまとい、諦めムードをかもし出している。

「はぁ、去年はあんなにしおらしく要求してくれていたのになぁ」
「あん、なんか言うたか?」
「いいえ、なんでもございません」

 鋭い視線でジッと睨みつけられ、秀平はおろか、幸一も背筋が凍りつく感覚を覚える。
鬼の瞳に睨みつけられて逆らえる人間は居ない。
唯一この旅館で対抗できるとすれば、蛇女で若女将のハクただ一人だろう。
 だが、睨みを利かせていた瞳の光が緩むと、修平の体に胸ごともたれ掛かり、

「うふふふ、この後は、アンタの太巻きで、たっぷりいじめてくれるんやろ?」

 両手で修平の体を抱きかかえると同時に、甘えるような声で囁きかける。
修平としても、真鬼の行為にまんざらでもない様子で、後ろ手に真鬼の頭を撫でていた。

「ああ、いつもの仕返しに、いっぱい苛めてやるからな」
「うれしいわぁ、ほな、行こか」

 真鬼は修平の首根っこを鷲掴みにすると、そのまま一気に持ち上げた。
身長2メートルを超える真鬼に持ち上げられたわけだから、当然ながら両の足は宙を泳ぐ。
修平を摘み上げた真鬼は、仲居姿のコハクに案内されて歩みを進めるが、
その足取りは子猫を運ぶ親猫のごとく軽やかである。
 重量数百キロの金棒を振り回す彼女にとって、修平ひとりの重量など、
あってないようなものだ。

「今日はあんたの気が済むまで、私を苛め抜いて欲しいわぁ」
「おう、俺も頑張る……けど、この運び方はやめて欲しいな」

 新月の間では、今夜、いや、明日の朝まで二人の媚声が響き渡ることだろう。
連れて行かれる修平の後姿を見送る幸一の瞳には、
同じ境遇を味わったことのある男にしか分からない、同情の光がこもっていた。
(がんばれ、同士!)
心の中で叫んだ言葉が、今宵の自分への激励であることも、また道理である。
3918:2009/02/15(日) 23:55:32 ID:3QEHOsFX

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40名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 00:03:18 ID:MAh3Whud
GJ
41名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 20:03:23 ID:RCd4Qf8T
>>39
GJ、けど投下する前に一言欲しいな

>>30
夜にでもお願いします
42名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 00:29:34 ID:kH2wgNF6
続き待ってます
43名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 07:17:32 ID:JLfqJ8db
>>39
GJ
Sを犯すのって良いよな。
44名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 11:28:23 ID:wcLvexXY
>>39
なんというGJ
45Blue Liquid:2009/02/18(水) 20:15:52 ID:Dh+JL2W1
投下します
46Blue Liquid 1/6:2009/02/18(水) 20:17:02 ID:Dh+JL2W1
第2話 前編

 洗い終わった二十五枚目の皿を拭いて、水気切り用のカゴに入れておく。
 ルクは左手で額を拭うような仕草をして、布巾を置いた。疲れを感じるようには作られ
ていないが、疲れたような気がする。さほど深い意味はない。
 お昼に使われた食器はこれで終了だった。

「お皿洗い終わりましタ」

 街外れにある食堂。
 ただ居候しつつ家事を手伝うだけでは悪いと考え、ルクはサジムに仕事をしたいと頼ん
だ。その数日後、紹介されたのがここである。木蓮亭という街の一角にある小さな食堂
兼酒場で、サジムの行き付けらしい。

「しばらくお客さんも来ないし、そろそろお昼にしようか?」

 店のおかみさんであるカラサの声がする。

「はイ、今行きマス」

 ルクは布巾を置いてから、そちらに歩き出した。
 さすがに、人型スライムのまま出歩くわけにはいかないので、簡単な魔術で人間の姿
を真似していた。赤い髪の少女という外見で、白いシャツに緑色のスカートというと格好
である。服は自分の身体を変形させたものだった。

 今は店から渡された白い割烹着を着て、三角巾を頭に巻いている。
 カラサたちには、サジムの遠縁の親戚で身寄りが無くなったので一緒に暮らしていると
説明していた。言葉が拙いのは、故郷の方言だと誤魔化している。サジムの説明が上手
かったのか、今のところ特に怪しまれてもいない。

「ルクちゃんは仕事早いねぇ。手付きも慣れてるし手際もいいし、料理も掃除も上手だし。
本当に言いお嫁さんになるよぉ」

 ナカン・カラサ。白い割烹着を着た五十歳ほどのやや恰幅のいい女性である。笑顔の
似合う明るい人というのが、ルクの感想だった。
 さほど広くない店内にはテーブルが五つ置かれている。その一番奥――厨房のすぐ隣
にカラサが着いていた。テーブルには簡単なまかない料理が置かれている。店のドアに
は準備中の札が掛けられているので、客は入ってこない。

「ありがトうございマス」

 一度頭を下げてから、ルクは椅子に座った。頭の三角巾を取り、きれいに畳んでテー
ブルに置いてから、テーブルの上に並んだ料理をじっと見つめる。
47Blue Liquid 2/6:2009/02/18(水) 20:17:33 ID:Dh+JL2W1
 パンが三枚と残り物の肉と野菜と魚を煮込んだホワイトシチュー、ガラスのコップと水
差し。残り物とはいえ、きちんと料理してあるためかなり美味しい。ルク自身は味覚という
概念が薄いので詳しくは分からないのだが。

「またまたぁ、謙遜しちゃってぇ」

 カラサがぱたぱたと手を振っている。

「さ、ご飯にしましょう」
「はイ。頂きまス」
「いただきます」

 そう口にしてから、ルクはパンをちぎって口に入れた。顎を何度も動かし噛み砕いてい
く。固形物は消化に時間が掛かるため、出来るだけ細かくしなくてはいけない。
 カラサが口元に手を当てた。内緒話をするように。

「ところで、ルクちゃん」
「はイ?」
「あなた、サジムのこと好きなんでしょ?」

 唐突に口にされたその言葉に。
 ルクは沈黙を返した。むぐむぐとパンを噛みながら、緑色の瞳でカラサを見つめる。コ
ップの水を一口飲んで、咀嚼したパンを喉の奥へと流し込んだ。
 その反応をカラサは肯定と受け取ったらしい。

「人の性格に口出しする気はないけど……。あのサジム相手にあなたの態度は感心しな
いわねぇ。待ちの態度じゃあの朴念仁は振り向いてくれないわよ?」
「そう、デスか?」

 シチューを口に入れながら、ルクはただそう頷いた。どう返事をすればいいのかよく分
からない。食事をしながら話を聞くのは行儀が悪いことだが、幸いにしてカラサは気にし
ていないようである。
 一人で話を進めるカラサ。ぴっと人差し指を立てながら、断言した。

「こういう場合は既成事実が重要なのよ。既成、事実」
「既成ジジつ……?」

 ルクは曖昧に頷く。

「そう、既成事実。あたなも子供じゃないんだし、意味は分かるでしょ? ただ、それを実
行する勇気もなさそうだし、あたしが一肌脱いであげるわ」

 そう言い切ってから、カラサは左右を見回した。誰もいないことを確認するように。テー
ブルの置かれた店内はきれいに掃除されている。壁に掛けられた三枚の風景画だけが
二人を見つめていた。店主であるトーアは仕入れに出ていて今はいない。
48Blue Liquid 3/6:2009/02/18(水) 20:18:12 ID:Dh+JL2W1
「……旦那が帰ってくる前にね。渡しておくよ」

 ドン。

 と、カラサはテーブルに一本の瓶を置いた。

「お酒ですカ?」

 ルクは瞬きをして、その瓶を眺める。
 無色透明な液体の詰まった透明なガラス瓶。ラベルには『情熱の白』とい銘柄と、アル
コール注意という文字が記されていた。容量は一リットル半くらいだろう。底には何かの
草の葉が沈んでいる。高そうなことを除けば、普通の酒にしか見えない。

 しかし、カラサは得意げな表情で指を左右に振ってみせた。

「ただのお酒じゃないのよ。これは北の大山脈近くの寒い街で作られるとっても強〜いお
酒。強い割にすっきりしてて、かなり飲みやすいわ。だからこのお酒を知らない人が呑む
と大抵量を間違えて潰れちゃうのよ」

 妙に嬉しそうに説明している。茶色の瞳がきらきらと輝いていた。面白い遊びを考えつ
いた子供のような無邪気な表情――と表現すれば聞こえはいいかもしれない。
 にやりと悪戯っぽく表情が変化してる。

「その性質を利用して、相手を酔わせてお持ち帰りするために使われることが多いわね。
女の子が男を子をね。ついでに、ちょ〜っとエッチな気分になる薬草とかも入ってるし」

「エッチな気分になる薬草ですカ?」
「実は、そこら辺はあたしもよく知らないだけどね」

 ルクの問いに気楽に笑うカラサ。何を企んでいるのかは分からない。あまり感心できる
ことではないだろう。ルクに何をしろと言いたいのかは何となく理解した。

「これ、サジムに飲ませて襲っちゃいなさい。あたしが許可するわ」

 ウインクしながら、カラサは予想通りのことを口にする。妙に楽しそうに。

「でもサジムさんはあんまりお酒呑みマセんよ? 寝る前に少し飲んではいますケド、お
酒呑んでル姿はほとんど見ませんネ。飲ませられルでしょうカ?」

 言いながら、ルクは前髪を手で払った。サジムと同じような赤い髪の毛。この地方では
赤毛は珍しいらしい。髪の毛のような形というだけだった部分を、実物の髪の毛のように
するのは大変だった。
 ルクの思考には気づかず、カラサは続ける。瞳を輝かせながら、

「あなたは知らないみたいだけど、サジムって実は物凄くお酒好きなのよ。でも、お酒買う
お金ないから滅多に飲まないみたいだけどね。他人の奢りじゃ飲むわよ〜」
49Blue Liquid 4/6:2009/02/18(水) 20:18:47 ID:Dh+JL2W1
 サジムが酒を飲む姿を思い出したのだろう。呆れ半分感心半分の顔を見せていた。
 パンとシチューを食べながら、ルクは話を聞く。

「それにサジム、こないだ出た新しい本が売れたって喜んでたじゃない。そのお祝いもか
ねて、ね? これはタダで上げるから遠慮無く使っちゃいなさい。あと、今日はこれから
帰っていいわよ。旦那にはあたしから言っておくから」
「そういうコトなら、遠慮無く頂きマす」

 ルクは酒瓶に右手を伸ばしてから。
 ふと気になって尋ねる。

「カラサさんは何故このようナお酒を持ってルのでしょうカ?」
「女のヒミツよ」

 カラサはそれだけを答えた。




 ---------
50Blue Liquid 5/6:2009/02/18(水) 20:19:27 ID:Dh+JL2W1
 テーブルに慣れべられた料理を見て、サジムは細く息を吐き出す。

「どうしたんだ、これ?」

 ご馳走と呼ぶべきだろう。
 一体どこから持ってきたのか。高級そうなパンに、分厚い肉のソテー、香辛料の香り漂
うスープ、細かく刻んだ唐揚げの入ったサラダ、川魚のムニエル、デザートらしきチーズ
ケーキ。そして、酒瓶が一本。
 極端に高いものはないだろう。しかし、経済的理由で粗食を心がけているサジムにとっ
ては、ご馳走と呼ぶべきものだった。
 テーブルの傍らに立ったルクを見やる。

「ご主人サマの本が沢山売れタという話をカラサさんから聞いたのデ、ワタシからのお祝
いでス。どうぞ遠慮せずにお召し上がり下さイ」

 透き通った青い腕で料理を示しながら、ルクがそう言ってくる。淡泊な緑色の瞳からは、
何を考えているのか読み取ることはできない。本が売れているのは事実だった。増版が
掛かっていて、現在三版目である。

「あと、このワンピースを買って貰ったお礼でス」

 と、自分のワンピースを指差した。
 やや高級そうな白い半袖のワンピース。腰は白い布のベルトで留めている。以前着て
いた服装では飾り気もないため、奮発して買ったのだ。喜んでいるのか喜んでいないの
か分からない反応が記憶に残っている。
 さておき、サジムはテーブルに置かれた酒瓶を指差した。

「これ、酒か?」
「はイ」

 頷くルク。青緑色の髪が動く

「カラサさんから頂きましタ。珍しイお酒だそうデス」
「あのカラサさんが……」

 木蓮亭の女将。やたらとルクを気に入っていた記憶がある。気が合う要素は見つから
ないのだが、相性とはそんなものだろう。
 そう推測しながら、サジムは席に付いた。

「本当にいいのか? ぼくが食べて」
51Blue Liquid 6/6:2009/02/18(水) 20:20:20 ID:Dh+JL2W1
 ご馳走とルクを交互に見ながら、尋ねる。これらの料理の代金は、ルクのアイルバイト
代から出したのだろう。決して安くはないはずだ。もっとも、ルクは自分で稼いだ金を自
分の食費以外には使っていないようであるが。 

「どうゾ。ご主人サマに食べて貰うために用意しましタから。全部食べて下さイ。ワタシじゃ、
こんなに食べられませんカラ」

 そう言って、ルクは口元を笑みの形にしてみせる。いつも徹りのやや拙い笑み。確かに
ここに出された料理はサジムが食べるしかないだろう。
 ちらりと酒瓶を見てから、サジムは応じるように笑った。

「ありがとう。遠慮せずに頂くよ」
「ハい。ゆっくりと召し上がって下サイ」

 ルクの言葉を聞いてから。
 サジムはさっそく酒瓶を開けた。
52名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 20:20:57 ID:Dh+JL2W1
以上です

続きは来週の月曜日を予定しています
53名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 21:11:59 ID:JAEbsAqQ
待ってました
wktk
54名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 23:47:19 ID:npfSoUcf
遅くなったがGJ
続きにも期待
55名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 03:09:13 ID:je1GcEoc
ルクさんかわええなぁ……続きwktk
56一週間遅れのバレンタインネタ:2009/02/22(日) 11:51:00 ID:PvKQ9awX
2月16日、月曜日。


「お帰り、勇斗」
いつも通りの時間に帰宅した勇斗を、いつも通り彼女は出迎えた。

「ただいま」
勇斗もいつものように返したが、すぐに彼女の様子がいつもと違うことに気がついた。

いつもは真っすぐに勇斗を見つめてくる宝石の様に紅い瞳が伏せられ、いつもは自信と余裕に満ちた表情も垂れ落ちる銀色の髪に隠れてしまっていて、その小さな身体も一段と小さくさせてしまっといる。

「何かあったの?」
勇斗が心配して尋ねると、彼女は飛び上がるように顔を上げ、
「なっ、何でもない!」
と叫んだが、その顔、いや首まで透き通るように白い肌が真っ赤になっていた。
「顔が赤いよ?風邪でもひいた?」
「私は風邪などひく身体ではない!」
「そっか、そうだね。じゃあ、どうしたの?」
「ど、どうもこうも…」
また彼女は下を向く。
そのまましばらく何やらモジモジしていたが、やがて何かを決意したように顔を上げ、真っすぐに勇斗を見つめてきた。いや、見つめるというより、にらみつけてきた、と言うべきかもしれない。
57一週間遅れのバレンタインネタ:2009/02/22(日) 11:53:26 ID:PvKQ9awX
勇斗の立つ玄関と彼女の立つ廊下の段差は30センチ近くあり、それでもまだ彼女の方が低い目線なのだが、そのあまりの迫力に勇斗は思わず後ずさる。
「勇斗っ!」
「は、はいっ!何でしょう!?」
彼女は勇斗の手を掴むと、グイッと引っ張った。
「とにかく来い!」
「ええ!?ちょ、ちょっと待って!」
勇斗は慌てて靴を脱ぎ捨て、そのまま彼女に引きずられるように家の奥へと入って行った。





キッチン、そのテーブルの上、
引きずられてきた勇斗が目にした物は、
「これ…、ケーキ?」
しかも、色と言い匂いと言い、どうやらチョコレートケーキのようである。見た目も香りも申し分なく、思わずゴクリと唾を飲み込む。
「これ…、もしかして手作り?」
「う、うむ」
「あ、もしかして…、バレンタイン?」
「う、うむ…。その、準備に思ったより手間取ってしまったのと、できる限り秘密にしようと思っていたら、結局2日も遅れてしまった。今更なのは分かっているが、受け取ってもらえるか…?」
彼女はそっと勇斗を見上げる。その瞳はかすかに潤んでいた。
58一週間遅れのバレンタインネタ:2009/02/22(日) 11:54:55 ID:PvKQ9awX
「それとも、迷惑だっただろうか…?」
「そんなコトない!まさか貰えるなんて思ってなかったからスゴく嬉しいよ!ホントにありとう!」
勇斗は思わず、彼女を抱きしめ、抱き上げた。
「バ、バカ者!まだ早い!いや違う!先にケーキを食べろ!!」
抱き上げられ、宙に浮いてしまった足の爪先まで真っ赤にしながら彼女が叫ぶ。足をバタつかせ、「降ろせ!」と付け加えるのも忘れない。
「ご、ゴメン」
勇斗はそっと彼女を下ろすと、はやる気持ちを抑えて椅子に座る。フォークを手に取り、一度深呼吸をするとゆっくり一口、口に入れた。
不安げに彼女がその様子を見つめる。
「ど、どうだ?」
「うん、おいしい!」
「そ、そうか!」
彼女の顔がパッと輝いた。
が、次の瞬間、勇斗の言葉にまた眉をひそめる。
「うん、味見する?」
「は?」
彼女が言葉の意味を理解できないうちに、勇斗に抱き寄せられ、ポカンと開かれた口が勇斗の唇にふさがれていた。
「んんっ…!?」
一瞬、彼女の目が見開かれ、驚きの表情を浮かべたが、すぐにその瞳はとろけてゆき、恍惚の表情に変わってゆく。
59一週間遅れのバレンタインネタ:2009/02/22(日) 11:55:39 ID:PvKQ9awX


「どうだった?」
「フフ…。確かに甘くて美味だな」
「ところで、あの黒いチョコケーキもいいけど、コッチの白いケーキも食べたいなあ」
「…は?い、いや、だからまだ早いと言って…」
「せっかくだし、2つ一緒に食べよっか?」
「ゆ、勇斗?お前、まさか…!」


それからどうなったのかは、また別の話。
60一週間遅れのバレンタインネタ:2009/02/22(日) 11:57:42 ID:PvKQ9awX
以上です。

一応、彼女は吸血鬼なんですが、必然性が薄かったり、描写が薄かったりするのは反省してます。


では、失礼しました。
61名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 12:16:39 ID:yWrDY4oK
62名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 12:58:31 ID:je1GcEoc
>まだ早い!いや違う!
モエコロスキー
63名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 07:26:14 ID:3WvxnHEF
>>59
女体盛りケーキですね。
64Blue Liquid 中編:2009/02/23(月) 18:39:21 ID:v/M5itQ7
投下します
65Blue Liquid 中編 1/7:2009/02/23(月) 18:40:25 ID:v/M5itQ7
>>46-51の続き

「ご主人サマ、大丈夫ですカ?」

 ルクはサジムを見つめながらそう尋ねた。
 ルクが作った料理を全て食べ、カラサから貰った酒を全部飲み干し、さらに台所に置
いてあった酒瓶二つを空にして、椅子に背中を預けている。静かに息を吐き出してから、
身体を起こし、コップに入った水を飲一口飲んだ。
 不思議そうに見つめてくる。

「ん? 美味しかったよ。ちょっと食べ過ぎたけど」
「そうですカ。それはよかったデス」

 頷きながら、ルクはそう答えた。
 起こったことは事実として受け入れるべきだと思う。サジムはカラサから渡された強い
酒と、家に置いてあった普通の酒の合計三本を全部飲んでて、普通にしていた。
 アルコールに対する人間の生理現象は詳しく知らないので何とも言えないが、サジム
の反応は不自然なものと言えるだろう。おそらく。
 そう判断を下し、ルクはサジムの傍らに移動した。

「でも、こんなにお酒飲んデ大丈夫なんですカ? 普通こんなに一気に三本も飲んだラ
酔い潰れてしまうと思いますヨ」

 空の酒瓶三本を手で示す。
 サジムは何かを考えるように一度眉を寄せてから、身体の酒瓶を掴み上げた。微か
に中身が残っている情熱の白。底には色素の抜けて白っぽくなった香草が沈んでいる。

「自慢じゃないけど、ぼくは酒には強いんだよ。血筋の関係でね。ザルとか言われるくら
いに。カラサさんのことだからぼくを酔い潰そうとしてこんな強い酒渡したんだろうけど」

 ラベルを眺めながら、そう笑ってみせる。
 頬がほんのり赤くなっているが、それ以外に変わったところない。強いて言うならば、
饒舌になっていることくらいか。

「情熱の白。アルコール度数が高い割に飲みやすい酒。元々山岳救助で凍えた人に飲
ませる酒だから、そう作ってある。これは一般向けに造ってあるけど。こっちの地方じゃ
酒飲み自慢に飲ませて酔い潰すなんてイタズラにも使われるようだね」

 サジムが酒に強いというのは事実だろう。空になった酒瓶とほとんど酔いつぶれた様
子のないのを見ればすぐに分かる。
 カラサの計画は失敗したようだった。

「そうなんですカ。カラサさんも変なことしますネ」
66名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 18:40:34 ID:hHWS+2L/
支援支援
67Blue Liquid 中編 2/7:2009/02/23(月) 18:41:04 ID:v/M5itQ7
 もっとも、ルクにとっては失敗したことはそれほど気に留めることでもない。元々乗り気
ではなかったし、何となく進めていたことである。しかし、カラサに言われたことを口にす
るつもりはない。
 サジムは酒瓶を置いて、椅子から立ち上がった。

「いつだったか……奢りで飲みまくって平然としてたのが気に入らなかったのかもしれな
い。あの時は悔しそうな顔してたし。ふふ」

 その時の顔を思い出したのだろう。口元を左手で押さえて笑いを堪えている。身体の
動きに赤い髪が小さく跳ねていた。
 カラサの残念がる顔を想像しながら、ルクは口を動かした。

「そうですカ。それでは、片付けはワタシがしておきますのデ、ご主人サマはお部屋で休
んでいて下さイ。食後に無理をするのは身体に悪いデスから」
「そうだな。そうさせてもらう」

 口元から手を放し、サジムは額を押さえて首を左右に振る。酒は別としても、普段の
食事の数倍の量を胃に収めたのだ。しばらくは大人しくしていた方がいいだろう。
 ルクの頭を右手で撫でてから、

「ありがと。美味しかったよ」
「どういたしましテ」

 頭を下げるルク。

「それじゃ、休んでるから後はよろしく」

 手を振りながら台所のドアへと向かうサジムに、手を振り返す。向かう先は自分の部
屋だろう。食後は部屋で寝ていることが多い。

「はい。ごゆっくりどうゾ」

 台所の入り口に向かって歩いていくサジムを眺めながら、さきほど撫でられた頭に手
を触れる。ほんのりと手の温もりが残っていた。
 パタリ、とドアが閉る。
 それを確認してから、ルクは皿に目を移した。

「片付けを始めマしょウ」



    ------
68Blue Liquid 中編 3/7:2009/02/23(月) 18:41:35 ID:v/M5itQ7
「これで、おしまいデス」

 ルクは拭いた皿をカゴに入れた。
 皿を洗剤で洗って水気を拭き取り、水切り皿に入れておく。しばらく放っておけば乾く
のだが、雨期の今は湿気が多いので乾くのは遅かった。遅いといっても、明日の朝には
乾いているだろうが。
 時計を見ると、午後九時前である。

「結局、ご主人サマ酔っぱらいませんでしたネ」

 テーブルの上に並んだ酒瓶を眺め、ルクはため息をつくような仕草をした。肺はない
ので息はしないが、自然とそのような仕草をしてしまう。
 さきほどサジムが水を飲みにやってきた。部屋で酔い潰れていることも期待していた
のだが、そういうこともなく至って普通である。頬は赤く酔っていることは見て取れたが、
それだけ。ほろ酔いにか見えなかった。
 現状は現状として受け止めるのが、ルクの考え方だった。

「ところで、これはどうしましょウ」

 空っぽの酒瓶を見つめる。どうしようかと困っていたので、テーブルに起きっぱなしだっ
た。多分、空き瓶としてゴミに出すのが正しいと思う。
 ルクは三歩足を進めてテーブルに近づいた。
 酒瓶のひとつを持ち上げてみる。

「お酒……。ワタシってお酒飲んだことないですネ」

 カラサから渡された情熱の白の空瓶。
 中には白っぽくなった薬草と、ほんの少しの酒が溜まっている。見た限りでは透明な液
体だった。酒には色々な色があるらしい。木蓮亭には青い酒も置いてあった。
 瓶の口を鼻に近づけて匂いを嗅いでみる。

「んー?」

 微かな刺激を帯びた甘い香り。
 その気になれば皮膚などでも匂いを感知することはできるが、ルクはできるだけ人間
のように振る舞うように心がけていた。
 きょろきょろと左右を見回して、誰もいないことを確認する。

「ちょっトくらいなら、いいですヨね?」

 自分に言い聞かせるように独りごちてから、ルクは酒瓶に口を付けた。頭を動かし、
瓶を逆さまにする。透明な瓶の中で底から、入り口側へと香草が滑り落ちた。中に溜ま
っていた酒が、ルクの口の中へと入ってくる。
69Blue Liquid 中編 4/7:2009/02/23(月) 18:42:06 ID:v/M5itQ7
「ん?」

 微かな刺激が味覚を刺激した。今までに味わったこともないものである。甘さを含んだ
不思議な熱さ。それが舌から喉を通り、身体の奥へと染み込んでいく。
 ルクは酒瓶をテーブルに置いた。

「おかしな味でしタ」

 誰へとなく感想を述べてから、ルクは酒瓶三本を掴む。口の中には痺れるような感覚
が残っていた。決して不快ではない刺激に、笑みを浮かべる。
 酒瓶を洗うために流しに近づこうとして。

 ぐにゃ。

 そんな手応えがあった。

「あゥ?」

 視線を下ろすと、踏み出した右足が歪んでいる。太股辺りの内部骨格が溶けていた。
すぐに倒れることはないが、これではまともに歩けないだろう。
 骨格を強引に修復してから、ルクは天井を見上げる。
 灯り石の白い光が照らす、無骨な天井。それがそこはかとなく霞んで見えた。自覚で
きるほどの速さで思考が鈍っていく。それと同時に、気分が高揚してきた。楽しいという
感情とは違うが、今なら何でもできる。そんな感情。

「ワタシ、酔っぱらってますネェ?」

 崩れかけた自分の手を見ながら、ルクは確認するようにそう囁いた。



   ------
70Blue Liquid 中編 5/7:2009/02/23(月) 18:42:36 ID:v/M5itQ7
 サジムはベッドに寝転がったまま、ほんのページを捲る。
 先日買って来た大人向けの小説だった。表紙にはカバーをかけて、ルクには見つから
ない場所に保管してある。あれから色々と気を遣うようになっていた。
 ふと部屋の外に気配を感じ、サジムは本を下ろす。しおりを挟んで扉に目を向けた。
 ノックもなく、ドアが開く。

「ルク?」

 入ってきたのはルクだった。普段はノックをして声を掛けるのだが、今回は何もなく部
屋に入ってきている。しかも、雰囲気もおかしい。

「ご主人サマぁ〜」

 間延びした声とともに歩いてくる。
 歩幅の合わない歩き方で、身体も左右に揺れていた。一歩歩くたびに、身体が震えて
いる。ゼリーのように。スライムであるルクの身体は元々ゼリーのようなものだが、普段
は形状を固定しているので、震えることはない。

「おい。どうしたんだ? 何か変だぞ」

 本を傍らに置き、サジムは起き上がった。暗い部屋。灯りは枕元の灯り石だけである。
カーテンが閉っているので、窓から外の明かりが入ることはない。
 白い明かりに照らされたルク。すぐ傍らにまで歩いてきている。

「えへへへ」

 その顔は笑っていた。不自然に楽しそうな、気の抜けた笑顔を見せている。元々表情
の拙いルクにしては、妙に人間的な笑顔だった。だが、それはどうでもいい。
 ルクが正常でないことは素人目にも見て取れる。

「大丈夫か?」
「大好きでス〜。ご主人サマ〜」

 間延びした口調でそう言うなり、腰のベルトを外した。そのまま、ワンピースの裾に手
を掛け、思い切り脱ぎ捨てる。ふわりと宙を舞う白い服。
 ワンピースの下には何も付けていない。服と一緒に下着も渡したのだが、下着を付け
るのは違和感を覚えるらしい。人間の女性を模した青い半透明の身体。向こう側が薄く
透けていて、胸の奥には赤い核が浮かんでいる。以前見た時よりも、造形は粗っぽい。

「ワタシを食べちゃって下さイ〜」

 ルクが一歩前に出た――
 途端に、左足がおかしな方向へと曲がる。膝の辺りが潰れ、前のめりに傾いた。両腕
を伸ばして、サジムへと抱きつくように。右足で床を蹴っていたため、やや回転が加わり
横向きとなって倒れてくる。
71Blue Liquid 中編 6/7:2009/02/23(月) 18:43:08 ID:v/M5itQ7
「おわっ」

 サジムは両手を広げて、ルクを受け止めた。受け止めたつもりだった。

 べちゃり。

 粘りけのある水音とともに、青い身体が砕ける。文字通りゼリーのように、ルクの身体
がばらばらになった。サジムの身体とベッドに落ちる青い破片。

「……何なんだ?」

 身体にくっついた青い半液体を眺めてから、サジムは振り返った。
 胸から上にだけになったルクが倒れている。胴体から砕けているが、痛みなどはない
ようだった。胸の赤い核が無事なので大丈夫なのだろう。仮に身体の一部が千切れて
も、苦痛はないし、近くなら魔術式を介して動かせるとも言っていた。
 自分の身体を見下ろしながら、間延びした声を上げている。

「アれ。壊れちゃいましタ〜」
「ルク、ぼくが残した酒飲んだだろ?」

 サジムはジト眼でそう問いかけた。
 ルクの様子は紛れもなく酔っぱらいである。好奇心のままに酒瓶に残った酒を舐めた
のだろう。スプーン一杯に満たない量だっただろうが、見事に酔い潰れている。

「はい〜」

 ルクは隠すことなく肯定した。

「で、何しに来たんだ?」
「ご主人サマ、ワタシを抱いて下さイ」
「却下」

 即答するサジム。額を抑えてため息をついた。
 酔っていて正常な判断能力を失っているらしい。酒が抜けるまで大人しくさせておく必
要がある。人間と同じくらいの時間で酒が抜けるのかどうかは分からないが。
 しかし、ルクは勝手に話を進めていた。

「大丈夫デス」

 会話の流れを無視して言い切るなり、サジムの首に抱きつく。反応する暇もなく、自分
の身体を引き寄せ、サジムの唇に自分の唇を押しつけた。
72Blue Liquid 中編 7/7:2009/02/23(月) 18:43:39 ID:v/M5itQ7
「!」

 ゼリーのように柔らかい唇の感触に、サジムは目を見開いた。微かな冷たさと甘みを
帯びた液体が口の中へと流れ込んでくる。ルクの唇が溶けているのだ。

「ちょっと待て!」

 半ば無理矢理ルクを引きはがし、サジムは息を吐き出す。
 ルクの両肩を持ったまま、粗い呼吸とともにその顔を見つめた。右腕は離せたものの、
左手はサジムの首に抱きついたまま、肘の辺りが水飴状に溶けている。

「すみません、ご主人サマ。ワタシがご主人サマとひとつになるニは、多少強引でないと
いけないんでス。つまり、愛とは略奪であり、襲撃デス!」
「言ってることおかしいぞ」
「問題ありマセン!」

 サジムの言葉に、ルクは説得力のない台詞を口にする。
 視線を下ろすと、砕けたルクの破片が溶けてひとつにつながっていた。しかし、完全に
人形には戻っていない。お腹の辺りから造形が崩れ、太股半ばより下は完全に溶けて
いる。青い液体がサジムの下半身を包み込んでいた。意図的にそうしているわけではな
く、単純に形を保てないらしい。

「参ったな」

 音もなくルクが再び首に手を回していた。溶けた右腕はとりあえず元に戻っている。引
きはがそうとしても無理だろう。

「ご主人サマ〜」

 両手で抱きついて来るルク。右肩にルクの大きな胸が押しつけられる。
 陶酔したような緑色の瞳を見つめ返しながら、サジムはため息をついた。そのままル
クの身体に両手を回し、固定する。手の平に触れるほんのりと冷たい液体の肌。

「え?」

 淡い戸惑いの色を見せるルクには構わず。
 サジムは無言のまま唇を重ね合わせた。
73名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 18:44:09 ID:v/M5itQ7
以上です

続きは金曜日の夜を予定しています
74名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 20:22:31 ID:hHWS+2L/
生殺し…!
だがそれがいい!
75名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 00:26:23 ID:tKnjfwaG
一杯やっているところにまさかの更新wwwwww
テンション上がってきたーーーーーーーーー
wktkして待ってます
76名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 06:48:56 ID:YMFBrHtT
>>72
GJ
77名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 01:03:20 ID:HnIobJVK
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +        
 と__)__) +
78名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 22:55:04 ID:jKSaWX5R
さて、明日か
79Blue Liquid 後編:2009/02/27(金) 20:09:18 ID:fQ3A+qaK
投下します
80Blue Liquid 後編 1/9:2009/02/27(金) 20:12:00 ID:fQ3A+qaK
>>65-72の続き

「むっ、ン……」

 驚いたようにルクが目を開く。
 しかし、サジムは引くことなく唇を味わいながら、ルクの口へと自分の舌を差し込んだ。
舌に感じるのはほんのりした甘さ。以前、自分は美味しいと言っていた言葉通り、淡い
甘さを帯びている。
 ひとしきりルクを味わってから、サジムは口を放した。

「あゥ、ご主人サマ?」
「こうして貰いたかったんだろ?」

 困惑するルクに、口端を持ち上げてみせる。倒れないように右手でルクの肩を支えな
がら、空いた左手で頭を撫で、サジムは続けた。

「断っても離れそうにないからね。やるなら腹括って最後までやってやるよ。ぼくも全くル
クに興味がないってわけでもないし」

 自分で言うのも何だが、思いの外酔っぱらっているようだった。素面ならば何とか追い
払っているだろう。しかし、今回はルクを受け入れようという気になっている。ルクの相手
をするというのは嫌ではないのだ。

「ありがとウございまス……んっ」

 礼を言い終わらぬうちに、サジムはルクの胸に触れていた。
 弾力のある大きな青色の膨らみ。表面は滑らかで、丈夫なゼリーを触っているような
感触である。その大きな胸を弄ぶように、左手が動いていた。

「ご主人サマ――。んっ、ふぁ」

 ルクが身体を震わせている。
 不定形となった下半身が絡みついているせいで、サジムはルクの反応を文字通り肌
で感じていた。そのため、ルクが感じる場所を手に取るように知ることが出来る。

「ふあッ、凄いデス……。ご主人サマの、手が、あぁっ」

 胸の縁を撫でられ、ルクが引きつった声を上げた。
 構わず、サジムはルクの左右の胸を攻め続ける。しかし、普段よりも表面に強さがな
いようだった。アルコールのせいで固定化が弱まっているのだろう。

「ルク、中に手入れていいか?」
「中って、どコですか……?」
81Blue Liquid 後編 2/9:2009/02/27(金) 20:12:37 ID:fQ3A+qaK
 訊き返してくるルクに、サジムは一言だけ答えた。

「ここ」

 指を皮膚の表面に突き立てるように曲げ、そのまま奥へと押し込んだ。ぬるりとした手
応えが手の表面を走り抜ける。

「ッ!」

 ルクは緑色の目を見開いた。
 サジムの左手首から先がルクの胸の中へと潜り込んでいる。固まりかけのゼリーに手
を入れているような感じだった。ほんのりと冷たいルクの体内。
 身体に手を入れられるのは初めてだったのだろう。ルクは未知のものを見るように、
自分の胸を見つめていた。幸い苦痛ではないらしい。

「ご、ご主人サマ……? ワタシの身体の中に――ぃッ!」

 言い終わるよりも早く、サジムは左手を動かした。ルクの身体が激しく跳ねる。
 胸の中を揉むというのは奇妙な感覚だった。抵抗の強い水の中で手を動かしているよ
うな粘り気。時折手に引っかかる部分は体内の骨格だろう。一見気持ち悪いように思え
て、癖になるような感触である。

「ふあああッ、ひっ、いいィ、んんあッ! ご主人サマ……!」

 背中を仰け反らせてルクが声を絞り出していた。集中が途切れているせいか、腕や髪
の毛から溶け出している。青い液体が音もなく滴っていた。
 手の動きは止めずにサジムは尋ねる。

「もしかして痛い?」
「痛く、ッッ、はナイですケド……!」

 首を左右に動かしながら、ルクが必死に答えを返してきた。苦痛でないことは訊かずと
も分かる。サジムの手はルクの胸からお腹や肩までかき混ぜていた。

「ご主人サマの手で、んん――! ひっ、あ、神経がッ、直接刺激されテ、ああッ! 気
持ちよすぎマス! んんっ、くっ、おかしく、なりそうデス――!」
「そう言って貰えると、ぼくも嬉しい」

 笑いながら頷き、サジムはルクを支えていた右手を引き寄せた。抱き寄せるように。
その唇に自分の唇を押しつける。口元から微かな水音が聞こえてきた。

「ン――」

 さきほどよりも結合の崩れた唇。溶けた組織が口の中へと流れ込んでくる。淡い甘さ
が口に広がった。文句なしに美味しい、上品なゼリーのような味わい。ルクは逃げようと
もしない。いや、逃げること自体が思いつかないのだろう。
82Blue Liquid 後編 3/9:2009/02/27(金) 20:13:08 ID:fQ3A+qaK
「んッ……! ンン――!」

 ルクの反応が変わる。
 サジムの手が身体の内側から皮膚をくすぐっていた。胸やお腹、腋の下など、ルクの
感じる場所を体内から指で撫でる。体内と表面を同時に刺激。まともな生物には理解不
能なものだろう。そして、ルクにとっても初めての快感だった。
 ルクが絶頂へと上り詰めていくのが直に分かる。

「う、あっ――! ご、主人……サマ……っ!」

 サジムから唇を放し、ルクは大きく身体を痙攣させた。思いの外あっさりと達してしまっ
たらしい。胸の奥の核が脈打ち、青い身体が何度も震える。
 サジムはルクの胸に差し込んでいた手を引き抜いた。
 表面が薄く湿っているだけで、手に青い液体が付着しているということはない。ルクの
組織は他の物質に付きにくいと言ってたことを思い出す。

「美味しかったぞ、ルク」
「はイ……。ありがとウ、ございマス……」

 粗い呼吸を繰り返しながら、ルクが朦朧とした返事をした。目付きが虚ろで、胸が上下
に動いている。人間のように呼吸はしていないようだが、人間のような仕草は自然と取っ
てしまうらしい。
 だらりと下ろした両腕。肘から先が溶けて水飴のようになっている。

「まだ終わりじゃないよ」

 サジムは自分の身体に絡みついたルクの身体をそっと撫で始めた。お腹の辺りから、
辛うじて残った腰の辺りと太股、そして溶けた青色の液体部分へと。
 ふるふると揺れながら、快感を表現する青い半透明の体組織。水を主成分としてタン
パク質や特殊な魔術式で身体を構成しているらしい。
 魔術につていはサジムの管轄外だった。

「何、をしていル、んんっ、でスカ?」

 何とか半分ほどまで形を戻した右腕で口元を押さえつつ、ルクが手の動きを凝視して
いる。表面を撫でるたびに、全身が震えて気持ちよさを表現していた。

「何となく」

 言いながら、サジムは撫でる位置を変えていく。
 そうしてしばらく撫でる位置を探っていると、

「うんっ」
83Blue Liquid 後編 4/9:2009/02/27(金) 20:13:43 ID:fQ3A+qaK
 ルクの声がうわずった。明らかに反応の違う場所である。サジムの左太股辺りにくっ
ついている液体状になった部分。そこに性感神経が集まっているのだろう。乱数的に生
まれた強い性感帯と表現するべき場所だった。

「ここか」

 サジムは左手の指をかぎ爪状に曲げて、その部分を掴み取る。抵抗があるわけでも
なく、あっさりとルクの身体から分離した。

「!」

 緑色の目を丸くして硬直するルク。さすがに予想外だったらしい。
 サジムの左手には、すくい取られたルクの一部があった。手の平に乗るほどの青い半
透明の液体。ルクの破片。大きな水滴を手に乗せているようだった。

「ちょっと試したいことがあって。小説書きの知的好奇心というべきかな? ルクって自
分から離れた部分も感覚つながってるみたいだし、ね?」

 にっと笑い、右手を放す。
 支えを失い、ベッドに倒れるルク。両手をついて起き上がろうとしているが、骨格がほ
とんど崩れているので、一人ではまともに動くこともできない。その様子からするに予感
は当りだろう。右手を持ち上げながら、必死に声を上げる。

「ご主人サマ、待って下さイ――!」
「やだ」

 一言答えてから、サジムは手の平の破片を両手で握った。

「ひぁッ」

 ルクの身体が跳ねる。予想通り、破片と本体の感覚はつながっていた。およそ三十メ
ートル以内ならば分れた部分とも感覚は共有している。それはルクが言っていたことだ
った。つまり、近くにあれば身体の破片への刺激も還元される。

「これは、思ったより凄い」

 サジムは会心の笑みを見せた。
 両手を動かし、無防備な破片を攻める。柔らかな水風船のようにぐにぐにと形を変え
るルクの一部。そして、そこは性感神経の集まった部分でもあった。

「ひッ、ああッ……! アあっ、ご主人サマっ――。んんンんッ、ワタシの身体、ふあぁ、
オモチャにしなイで、えっ、っあ、っ、下サい、っ!」
「だって面白いから」
84Blue Liquid 後編 5/9:2009/02/27(金) 20:14:36 ID:fQ3A+qaK
 気楽に笑いながら、破片に指を差し入れぐりぐりと捻る。

「いっ、はっ……ぁッ」

 指の動きに反応し、痙攣しながら引きつった声を上げるルク。無防備状態の破片。体
内に指を入れられ、直接性感神経を刺激されているのだ。
 その姿を見ながら、サジムは両手の指を破片の中へと差し入れる。

「ひィぁァッ!」

 ルクが悲鳴じみた声を漏らした。
 歯を食い縛りながら、形の残った上半身を仰け反らせる。
 サジムはその姿を眺めながら、両手の指を動かした。十本の指と破片を絡み合わせ
るように、両手を動かす。それはルクの性感神経を直撃していた。

「いいイぃぃ、んアああぁぁぁ……! んんっッッ!」

 ルクの喉から漏れる、擦れた嬌声。身体を震わせながら、何度も達しているようだった。
自分から切り離された部分を弄られるというのは、人間には想像もできないことである。
しかし、ルクはスライムという性質上、その奇妙なことを体感していた。
 十秒ほど痙攣する姿を眺めてから、サジムは右手で破片を置いた。

「大丈夫か?」
「は、ハひ……」

 砕けた声音の返事。

「そろそろ、ぼくも挿れさせて欲しいんだけど」
「ド、うぞ。ワタシも、ご主人サマが、欲しいデス……」

 弱々しい声で、ルクが言ってきた。しかし、下半身は液状になっていて、肝心の挿れる
部分がない。とりあえず、輪郭は残っているが、輪郭しか残っていないとも言える。とは
いえ、今の状態では全身が性器のようなものだろう。
 サジムはズボンから自分のものを取り出した。ルクの両脇に手を差し入れ、身体を抱
え上げる。女性としての部分は辛うじて形を残している程度だった。

「行くぞ?」

 サジムはゆっくりとルクを下ろしていく。受け入れる態勢が出来ているのか表面強度
が落ちているのか、体内へと入る際の抵抗はほとんど感じない。自分の身体が流動性
の弱い液体をかき分けていく。
 そうして、青い半透明の液体が、サジムの下腹部を包み込んだ。

「んっ。は、入りましタ……」
85Blue Liquid 後編 6/9:2009/02/27(金) 20:15:35 ID:fQ3A+qaK
 対面座位のような格好で、下半身同士がくっついている。しかし、この状態ではどちら
も腰を動かすことができない。ゆらゆらと動く青い液体の流れを感じる。
 サジムは右手を伸ばして、さきほどつかみ取った破片に手を触れた。

「んッ」

 ルクの反応には構わず、破片を半分掴み取る。量は減っているが感度に差はないだ
ろう。破片をルクの下半身へと押し込み、体内から自分のものを握り締めた。普段自分
で慰めるように、ルクの破片ごと右手を上下に動かす。

「ンあああッ! ご、ご主人、サマ、ふああぁァッ!」

 ルクが甘い悲鳴を上げる。
 自分を自分で慰めるありふれた行為。だが、ルクの身体がローションのようになり、い
つもとは全く違う快感を生み出していた。

「これは、新感覚――」

 それだけではない、ルクの破片は周囲と一体化し、その部分を強烈な性感帯へと変え
ていた。ルクの仮初めの秘部は、サジムの手の動きに合わせて、歪められ掻き混ぜら
れ、強烈な性感を発生させる。
 まるで、自分で慰める動きを、ルクが共有しているかのように。スライムの身体だから
こそ可能な荒技に、ルクは為す術なく絶頂に突き抜ける。

「んンンああっ! ご、ご主人っ、サマ、ふあァァぁぁッ、んいいぃぃッ」

 しかし、サジムは止まらない。
 左手で残った破片を掴み取り、ルクの顔へと押しつけた。性感神経の集まった破片が、
顔の組織と同化し、顔自体を強力な性感帯へと変化させる。

「ふ、ああ、ぁ?」

 何が起こったのか理解できないと言った表情のルク。
 サジムはルクの肩に左手をかけて、抱き締めるように引き寄せた。だが、結合がかな
り弱くなっていたのだろう。みぞおち辺りで胴体が千切れ、サジムは仰向けに倒れた。
胸から上がサジムの身体へとのしかかる。
 辛うじて形を残した腰回りは、サジムの上に乗ったまま。

「いただきます」

 サジムは左手でルクの肩を押さえたまま、口付けをした。

「!」
86Blue Liquid 後編 7/9:2009/02/27(金) 20:16:09 ID:fQ3A+qaK
 ルクの身体が十何度目かの大きな痙攣を起こす。さきほど顔に押しつけた性感神経
の集まった破片。それは顔の表面と一体化していた。今までとは違い、ルクの口は立派
な性感帯と化している。

「んん――! ンっ、あふっ……!」

 サジムは自分の唇と歯と舌で、ルクの口を蹂躙した。唇を舐め、唇を甘噛みし、咥内
へと舌を差し入れ、甘い液体を舐め取る。それら全てが、ルクの思考を揺らしていた。
 さらに肩を抱きかかえていた左手が、ルクの身体へと潜り込み、再び体内を直接刺激
し始める。胸や肩やお腹、首筋など、ルクの感じる部分を身体の内側から攻めていた。
 無論、自分のものを扱く右手の動きは止まらない。
 ルクが背中を反らし、唇が離れる。

「んはぁっ――! あはぁッ、ごひゅじん、さマ……! 凄い、凄イ、ああああッ、もう気持
ちよすぎテ……くうん、あっ、ワはシ、壊れひゃイまふ……!」

 誰へと無く叫んでから、ルクがサジムの唇にむしゃぶりつく。
 溢れる快感に、ルクの全身が波打つように跳ねた。意識も朦朧としていて、思考もろく
に働いていない。変則的な方法から作り出される快感は許容範囲を越えている。

「んん――、あはっ、ごしゅぃんさま……大好きデすぅ――!」

 甘い声で呟きながら、ルクは無心にサジムを求めている。
 サジムの思考も半ば停止していた。
 自分が何をしているのかも分からない状況で、何度となくルクの体内へと射精しながら
も、勢いは衰えない。お互いに快楽を共有しつつ、まるでルクと自分がひとつになってい
くような陶酔感とともに際限なく快楽へと溺れていく。

「あ、うっ、ルク……」
「ふあぁ、ご主人サマ……」 

 お互いに呼び合うが、声は届いていない。
 しかし、お互いに我を忘れて相手を求めていた。



 そうして。
 サジムはいつしか意識を失い、ベッドに倒れていた。
 ルクも人型を保てなくなり、失神したサジムの上に力なく広がっていた。


 -----
87Blue Liquid エピローグ 7/9:2009/02/27(金) 20:16:47 ID:fQ3A+qaK
 翌日の午前九時前。

「どうだった、ルクちゃん」

 木蓮亭にやってきたルクを迎えたのは、カラサのその言葉だった。好奇心に瞳をきら
きらと輝かせながら、ルクをじっと見つめている。
 昨日の夜、サジムに情熱の白を飲ませた反応だろう。

「実は、覚えてないんでス……」

 椅子に荷物を置きながら、ルクは正直に答えた。右手で頭を押さえて左右に振ってみ
せる。赤い髪が揺れた。頭痛とは違うものの、意識がやや重い。

「何やったの?」

 きょとんと呟くカラサに。
 ルクはしばらく考えてから、申し訳なさそうに頭を下げた。

「サジムさんのお話ですト、ワタシがお酒少し飲んで酔っぱらっちゃったんですヨ……。
何だか凄いことヤっちゃったみたいで、朝起きたらサジムさんに怒られてしまいまシタ。
金輪際、お酒を飲むなト」

 朝目が覚めると、身体がバケツに放り込まれていた。酷くやつれたサジムから、昨日
は暴走して凄いことになったと告げられた。何をしたのかまでは言われていない。自分
の記憶も、サジムに料理を出した辺りから途切れている。
 記憶がないので分からないが、サジムに五分ほど説教され、今後一切アルコール類
を口にしてはいけないと厳命された。

「あらら、それは悪いことしたねぇ」

 カラサが右手をぱたぱたと振っている。あまり罪悪感を覚えているようには見えない。
事実大して悪いとは思っていないだろう。

「いえいえ、大丈夫ですヨ」

 ルクはそう言い返した。
 ふと、カラサが呟く。

「そういえば、結局サジムのやつは酔っぱらわなかったのかい?」
「そうみたいでス。サジムさんの四分の一はハッカク地方の人なので、お酒には物凄く強
いって言われました。同じ血筋であるはずのワタシは物凄く弱いんですケド……」

 ルクは自分の赤髪を指で示した。
 ずっと北西にあるハッカク地方。その地方の人間は綺麗な赤毛と、桁違いなまでのア
ルコール耐性を持つ。サジムの母方の祖父は、その地方の人間だったらしい。その血
筋のおかげで、サジムは酒に強い。今朝聞かされたことだった。
88Blue Liquid エピローグ 9/9:2009/02/27(金) 20:17:25 ID:fQ3A+qaK
「ふーん」

 興味なさそうに相槌を打つカラサ。

「ま、いいでしょう。また機会があったら協力してあげるわ」
「おーい、二人とも何話してるんだ?」

 店のドアが開き、五十歳ほどの体格の良い男が入ってくる。調理用の白衣を纏った、
温厚そうな男。木蓮亭店主のトーアだった。さほど凄い人には見えないものの、その料
理の腕は本物である。

「早く準備しろよー」
「あいよ」
「分かりました」

 返事をしてから、カラサとルクは開店準備に取りかかった。


  ------


 サジムは薬箱から取り出した栄養剤を水と一緒に飲み干した。
 テーブルには起きっぱなしにされた酒瓶が置かれている。底には色の抜けた白っぽい
草が落ちていた。ヒトヨイ草と呼ばれる珍しい薬草である。

「情熱の白に、ヒトヨイ草……」

 ぼさぼさの赤毛を撫でつけ、呆れたようにその名称を呟く。
 図鑑で調べてみるととんでもない草だった。薬草というより麻薬と呼ぶべきだろう。事
実、準麻薬指定植物だ。濃縮した葉液は蜂蜜のような見た目で、魔術薬として使われ、
副作用として強い媚薬効果があるらしい。草自体を口に入れても媚薬効果は薄いが、
アルコールと一緒に摂取すると、強く現れることがあるらしい。
 ヒトヨイ草のことはカラサも知らないだろう。

「酒に強いと思って油断した……」

 昨夜の痴態を思い返しながら、サジムは首を振った。全身の関節が軋んでいて、身体
に力が入らない。生命力を削り取られたかのように。
 ルクは全く覚えていなかったが、自分は半分くらい覚えている。まるで自分が自分でな
いような乱れ様。明らかに異常な状態だった。
 細くため息をつき、サジムは酒瓶を持ち上げる。

「酒には気をつけよう……」

 そう呻いて、微かに残った中身を口に流し込んだ。
89名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 20:18:09 ID:fQ3A+qaK
以上です

90名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 20:24:44 ID:AlJhI3NT
 Σ(  ゚д゚)   ・・・「これは、新感覚――」
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/    /

  ( ゚д゚ )
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/    /

  ( ゚д゚ ) ガタッ
  .r   ヾ
__|_| / ̄ ̄ ̄/_
  \/    /

 ⊂( ゚д゚ )
   ヽ ⊂ )
   (⌒)| ダッ
   三 `J


/  O | ̄| O  ヽ
|    / |     |
ヽ、.  ├ー┤    ノ
91名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 22:48:25 ID:jyKYax8G
こっちくんなwww

神SSご馳走様でした
92名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 05:05:54 ID:mvO0RHJQ
グッジョブ!!                  ∩   ∩
       _ _∩           (⌒ )   ( ⌒)       ∩_ _ グッジョブ!!
        (ヨ,,. i             |  |  / .ノ        i .,,E)
グッジョブ!!  \ \          |  |  / /         / /
  _n      \ \   _、 _  .|  | / / _、_    / ノ
 (  l     _、 _  \ \( <_,` )|  | / / ,_ノ` )/ /    _、_    グッジョブ!!
  \ \ ( <_,` ) \         ノ(       /____( ,_ノ` )    n
    ヽ___ ̄ ̄ ノ   |      /   ヽ      | __      \     l .,E)
      /    /     /     /    \     ヽ   /     /\ ヽ_/ /
93名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 07:38:35 ID:+iPgif3b
>>85
GJ
94名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 11:21:11 ID:bUp25wNV
スライムエロい
95Blue Liquid:2009/03/01(日) 16:49:08 ID:HEeBbgQ6
ルクのイラスト頂きました
http://sukima.vip2ch.com/up/sukima038172.jpg
96名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 23:26:08 ID:i132XKND
GJと書いてゴットジョブと言いマス

絵師さんも作者も両方GJ!
97名無しさん@ピンキー:2009/03/06(金) 03:44:47 ID:sp6X3Jev
スピーカーの振動でモンスターのように変貌するコーンスターチのムービー - GIGAZINE
ttp://gigazine.net/index.php?/news/comments/20090305_nonnewtonian_fluid_monster/
98名無しさん@ピンキー:2009/03/06(金) 04:04:14 ID:i0nkmCwS
>>89
『エロは今、新たな次元に踏み入った』NewYorkTimes

『スライムがこんなにエロいものだとは人類は2000年間知らなかった』WashingtonPost

『人間以外で一番、いや、地球で一番エロいものは間違いなくサジムに抱かれているルクだ』Gardian
99名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 03:48:27 ID:aW6w5nM2
絵画に描かれてる女性が夜な夜な絵から抜け出して、男を犯す話を見て見たい。
100名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 20:38:33 ID:xngXXjOg
で、時々絵の中で衣服が乱れたりとかしてるのか。
101名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 21:20:43 ID:hYbNB/qZ
絵の衣装書き換えると
服装も変わるのか。
容姿書き換えると…

描いた女の子が夜中に襲ってくる
不思議なキャンバス?
102名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 00:37:39 ID:jYSKz309
むしろ 大好きな(エロ)絵の中に閉じ込められる
103名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 01:28:38 ID:/bsakxU3
何か某みんなのうたっぽいなw
タイムトラベルはたのし♪
104名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 15:09:36 ID:2HX2M/Sn
文字通りの、二次元嫁、か。

性も次元も突破して、掴んで見せるぜ、己の嫁を!!
105名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 13:50:37 ID:fr/rCjp3
>>103
夜になると ココが冷える
キミのブツを 貸 し て く れ る ?

タイムトラベルは たのし♪
メトロポリタソ ミューヂアム
使用中のでもよければ かたっぽあげる

ちゃららっちゃっちゃら ちゃららら〜
106名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 01:57:24 ID:jlh5TlgG
ぬーべーのモナリザは俺のトラウマ
107名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 03:38:29 ID:0J8elz6d
外国まで行って
封印されているかわいい吸血鬼のおにゃのこを探し出して一緒に旅をしたい。
108名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 16:15:29 ID:xPVpy5Ht
封印されるには相応の理由があるわけで
冷酷で人間をエサとしか思ってないとか
悪意はなくても吸血対象を死に追いやってしまうとか

とはいえ吸血鬼自身は善良かつ噛まれると痛いこと以外は無害なのに
狂信的な悪魔祓い師に封印されてしまったという設定もアリ

というか、それを助け出して貸しを作った上に
日々の糧(血液)も与えてやることでさらに貸しが増えていく
「感謝してないわけじゃないんだからね、いつかまとめて借りを返してあげるから期待しておきなさい!」
とか言われつつ、人間側としては吸血行為に付随するエロ展開でオナカいっぱいですゴチソウサマ
なんてのもかなりアリ
109名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 16:42:26 ID:TeAotoN0
>>106
魚食うモナリザの絵っつーシュールな物体だったっけか?
アレはアレで萌えた
110名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 19:59:03 ID:R4fMjM4f
>>108
授乳…つまり、おっぱいを血液代わりにして養うという設定はどうですか?
111名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 22:05:29 ID:uVopM2Pw
>>110
母乳と血って成分かなり似てるらしいぞ
112名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 03:07:09 ID:ZWbykCZR
売れないけど才能溢れる画家が
命を賭けて描いた絵の美女が
その念の強さにより実体化し
貧困と空腹に倒れた画家を甲斐甲斐しく世話する

そんなSSを希望
113名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 04:13:12 ID:2T61ga3I
授乳……ってことは
人間側も女の子ってわけですか??
それはそれで萌えますが

あるいは血を吸うたびに何故かエロ化する吸血娘が
「濃厚ミルクも飲ませてぇ」
みたいに男のモノを……


>>112 が命を賭けて書いたSS内の美女が
その念の強さにより実体化するかもしれないから
早く執筆作業にとりかかるんだ
114名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 03:43:01 ID:kZIxFGIg
外国で吸血鬼のおにゃのこと旅をするって話だけど
吸血娘さんが昼間は活動不能という設定の場合
レンタカーを借りて夜だけ移動という手があるのだな

旅行代理店のサイトとか見てると海外でのレンタカーの借り方を紹介してる
アメリカに限れば日本の運転免許証+英訳した書類の提示で運転OKらしい
吸血鬼の本場ヨーロッパだとあらかじめ日本国内の免許センターで国際免許に切り替えておくか
現地で免許取得の手続きが必要だけど

……とか何となく調べてたらいろいろ妄想がふくらむけど
とりあえずそろそろ寝ろや>俺
115名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 09:46:02 ID:6Y5ByQO/
>>112
ここ一月以内にどっかでそんなSSみたぞ
116名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 12:07:24 ID:dReKdbGH
リャナンシーがアップを始めた模様です

※アイルランドの妖精で、美しい女性の姿をしている
 詩人や芸術家に才能を与える代償に精気を奪う
 古来、芸術家に短命が多いのはリャナンシーの仕業とされた
117名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 23:27:26 ID:NiWjtMAt
>>116
ソウルハッカーズの4コマでそんなリャナンシーがいたなーw
118名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 19:54:27 ID:vC/IMJTz
つまり被造物に命を与えられるような創作者になろうと思うなら、
『日に30時間の創作という矛盾ッ!!』『長生きできる創作活動などたかが知れている』
ぐらいの覚悟がいるわけだな。
まったく芸術は死狂いだぜ。

実際には元々病弱とかで肉体労働ができないので創作活動ぐらいしか道がなかったとかもありそうだけどね、短命なのは。
119名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 21:47:00 ID:X33k+W0f
「あれ?誰か倒れてる。外国の人かな?あの〜、大丈夫っぽくないですけど、大丈夫ですか?」
「おなか、へって…しにそう…なの。
 お、ねがい、ちを……ち、ちを…ちょうだい…」
「ち、ち…?チチ?乳?え、えええ!おおおおオッパイですか?!」
「おねがいよぉ…このままじゃ、しんでるけど、しんじゃうわ…」
「ええええ?ど、どうしたらいいのー?確かにあたしはオッパイ大きいけどオッパイなんか出ないし!
 でも絵里ちゃんに乳牛みたいに搾ってやろうかとか揉まれるし、もしかしてって事も…」
「おねが…い、なんでも、するからぁ…」
「おおおお客様!お客様の中でお乳の出る方はいませんかーってこんな夜道にゃあたししかいないわー!」
「ち、ち…を……」
「ああああ、どんどん台詞が少なくなってるぅ!なんかヤバそーだよー!
 奇跡を信じるよりも捨て身の努力って誰かも言ってたし!頑張って揉めば出るかも!
 ううう、恥ずかしいけど、これも人助け…だよね」
 僅かな逡巡。
 意を決したように、一息にセーラー服の裾が捲り上げられる。
 露わになった純白のブラジャーのフロントホックに手がかかる。二つの小山が形作る谷間に下側から手が差し込まれ、狭間に埋もれているようなそれを僅かに一捻り。
 瞬間、胸元が爆ぜた。
 否、相手は多少天然ボケているとは言え、一介の女子高生に過ぎない。どこぞの巨大ロボットのように胸部から必殺技が出る筈がない。だが、そうとしか見えなかった。
 巨大な双椀を備えた下着が、一瞬で中心部から左右に分かたれたのだ。
 いまだに成長を続け、同級生の畏怖と羨望と嫉妬と下心を一身に集める、脅威の胸囲。サイズが合わない薄布一枚に押さえつけられ、解き放たれるのを今か今かと待ち望んでいた二つの白い峰は、主人の号令に従って無粋な拘束具を振り払う。
 それはまさに開放と呼ぶに相応しかった。
 夜気に晒された柔肉は開放の喜びに、ぷるん、とその身を一震えさせる。
 文字通りの意味で手に余る乳房を下から掬い上げるようにして持ち、アスファルト上に倒れ伏す少女の口元へと、身体ごと近づける。
「はい、アーンしてくださぁい」
 霞んだ視界の向こう。
 思わず揉みしだきたくなる大きさ。たっぷりとした量感。健康的な色合い。柔らかそうな曲線に満ちながら、瑞々しく張りのある肌は形を崩させない。
 一瞬で頭の中が沸騰し、そこから生まれた熱が思考と視界を覆っていた霞を吹き飛ばした。
 視界一杯に映るのは、母性と豊穣の象徴。
 どれだけ憧れても与えられる事は無く、どれほど努力しようとも届かない。人を超えた身であるのに、いまだ持ちえざる物。
 それ故に忌々しい。
「だ…」
 ぎり、と伸びた牙が噛み合わさり音を立てる。
「だ?」
 腹ぺこで体力はすっからかん。それでも心底煮えくり返ったハラワタはなけなしの体力を振り絞り、足りない分は気力を奮い立たせて補わせる。
 そして。
 吼える。
「だ、れ、が……っ!乳をよこせって言ったのよ!血よ!私が欲しいのは、人の!処女の!あんたの血よ!
 それになによ!その腹の立つ肉塊は!薄べったい私への嫌がらせかっ?!嫌がらせねっ!!
 こうなったら、お望み通り、首からじゃなくてあんたの乳首から血ぃ吸ってやるわ!!」


母乳で授乳で吸血とはこういう感じかな。
120名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 23:48:44 ID:ce89S0fq
GJww
笑わせてもらった
121名無しさん@ピンキー:2009/03/24(火) 01:02:12 ID:AK2nyQ9P
なんという大袈裟な乳であることよ
122名無しさん@ピンキー:2009/03/24(火) 11:08:51 ID:0LKedIlr
1レスネタにしておくのは勿体ないほど上手いし吹いたw
123名無しさん@ピンキー:2009/03/27(金) 00:28:41 ID:Dclrorex
その昔、吸血鬼の少女が育ての親の少女に後から抱きついて血を啜る「授乳」という絵を考えた事があったな。
124名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 15:44:59 ID:hfXUWE3j
母乳は一番血に近い。
だから母親は貧血。
125名無しさん@ピンキー:2009/03/29(日) 09:05:52 ID:deWWmdqz
下がりすぎage
126名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 16:01:00 ID:WJfGCslX
Gさんはマダか!?
127名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 21:07:18 ID:Uh6T7efn
俺もGさんを待ってる
全裸でw
128名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 23:53:10 ID:5ZkkVZe+
一ノ葉…巫女装束…

129名無しさん@ピンキー:2009/04/04(土) 21:16:21 ID:lyFOwWz3
保管庫久し振りに見たらお気に入りの作品が消えてたorz
つらら女の先輩が出てくる話(暑くて死にかけてたのに氷食べさせて助けた)
なんだけど・・・どなたか知りませんか?
130名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 00:38:04 ID:rSMBNgWb
俺の場合保管庫は何かエラーが出るから確認出来ないんだけど…

多分『偶然』ってタイトルのつらら女のSSかな?
そのSSの作者さんのサイトだと思うんだけど『異種淫行技戦』でググれば、そこにあるよ
131名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 02:47:04 ID:kOC5Zw97
そういやこまねこの作者はどこに消えたんだろう?
結構楽しみに待ってたんだが
132名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 04:05:14 ID:nMnCmy7+
作者乙
133名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 07:29:43 ID:kwtj85ki
>>130
おお、ありました。有難う御座います
134130:2009/04/05(日) 08:38:42 ID:rSMBNgWb
あぁ良かった 確認出来て

保管庫の方はようやく確認出来たけど、無くなってたみたいだから
135名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 20:44:39 ID:K+2PyUUD
少し聞きたいんだがこのスレってクトゥルフ神話とかはあっても、
ギリシャ神話とかそういうのがないよーな気がするのだが、
需要無いのか?
136名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 20:53:54 ID:hKQFju5Z
ありますあります
137名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 20:55:08 ID:8ejesWMO
一応神話スレは別にあるけんどもね
138名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 21:33:29 ID:K+2PyUUD
え?そんなんアルの?
139名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 15:13:40 ID:4+gMICTR
今、勢いだけで神様と悪魔を手篭めにするシリーズssを考えているのだが、
スレチかな?
140名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 15:46:35 ID:6MAtGSkk
神だろうと人外なんだからここでいいんじゃねえの
141名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 15:54:21 ID:4+gMICTR
回答に感謝。だがsageよう
142名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 16:11:52 ID:+sCkIaJq
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1238066898/
神話系はこれだね
まぁここは人外娘なら妖怪だろうが神様だろうが幽霊だろうがロボだろうが
何でもありな総合スレ的な部分があるから
143名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 16:16:53 ID:4+gMICTR
超☆感☆謝
144名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 16:20:59 ID:4+gMICTR
いまいってみたけどそこのスレって神×神が多いね。
だとしたらこっちは人×人外なら何でもアリってかんじだな。
145名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 20:53:23 ID:4+gMICTR
連レス済まない。勢いで書き上げたんだがエロが無くなってしまった・・・。
投下してもいいのだろうか・・・。
146名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 21:32:42 ID:zsXLKfU0
誘い受けウザス

「投下してもいい?」…
そんな言葉は
使う必要がねーんだ
なぜならその言葉を頭の中に思い浮かべた時には!
実際に書き込みボタンをクリックしてもうすでに終わってるからだッ!
だから使った事がねェーーーッ
「投下した」なら使ってもいいッ!
147名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 21:35:35 ID:Nwu9/Rry
不安ならテキスト投下でもいいのよ
148名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 21:48:01 ID:4+gMICTR
すまん。常識知らずで。orz
もうちょっと練ってみるか。
確かに俺うぜぇ。
すまんかった
149名無しさん@ピンキー:2009/04/10(金) 21:08:51 ID:70dpaWM3
>>148
待ってるヨー
150名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:08:42 ID:y6WqPvSM
久しぶり。148だ。
今から投下する。
木曜にはできていたんだが風邪で寝込んでしまって投下できなかった。
初投下だからけっこー緊張する。
誤字脱字意見ダメだしいくらでも受け付ける。
ちょっと厨二だができれば見て、感想を言ってくれると嬉しい。
151名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:09:37 ID:y6WqPvSM

「こんばんわ」

何故か判らないが家の前に人が立っていた。
それにかなりの美人が。
今の時間は丁度午前零時。
一瞬、見とれてしまったが俺は平静を装い素っ気なく言った。
 
「・・・誰?」



俺は神崎月(かんざきつき)高校一年生である。
今年の春、入学と同時に一人暮らしを始めた。
理由は、両親に迷惑をかけたくなかった。それだけだ。

俺は捨て子だった。

ちょうど16年まえのこの日に河原のそばで泣いていたのを発見された。
その夫婦・・・俺の両親は大変心が優しい人でそんな俺を見たらすぐに引き取ってくれたらしい。
152名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:10:19 ID:y6WqPvSM
両親にはかなり良くしてもらっていた。
姉と妹に挟まれて育った俺は多少無口なことを除けば普通に育っていった。

そんな俺には少し不思議がある。
毎年俺の拾われた日―――
8月3日に俺宛に誰かから荷物が届く。
それも不思議だがもっと不思議なのは

それが全て俺の欲しい物だからだ。

一昨年はゲーム。去年は家具。全部俺がその時欲しかった物だ。
だが、それらは俺にとって恐怖でしかなかった。
だからおれは高校入学と同時に家を出ることにした。
そして今年、めでたく高校に行くことになった。、
家からでて新たにアパートを借りることにした。
6畳一間。それで俺には十分だった。
両親は反対したが俺の説得により、ようやく家を出ることになった。
それでも少しは生活金を援助してもらってる。
心苦しいかぎりだ。
なので最低限は自分で稼ごうとバイトに励でいる。
153名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:10:53 ID:y6WqPvSM
そして今日。夏休みの真っ最中。バイトを終えて帰ってきた所だった。
そして話は現在に戻る。


「こんばんわ」
「・・・誰?」

その相手はかなりの美女だった。

白い肌。艶やかな長い黒髪。顔は女神のようで、垂れ目がちな瞳の色は漆黒。170前後の身長。長い足。引き締まった太もも。
小振りなヒップ。くびれた腰。そして、メロンの様な、いやメロン以上の胸。歳は20代前半だろうか?
今まで生きてきた中で見てきたどの女よりも綺麗だった。

「私の名はニュクスと申します。どうぞよろしくお願いします」

ニュクスと名乗った美女はとても綺麗なお辞儀してきた。

「・・・こっ、こちらこそどうも」

その綺麗なお辞儀にまた見とれてしまい、あわててこちらもお辞儀をする。
154名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:11:35 ID:y6WqPvSM

「少しあがってもよろしいでしょうか?」

彼女がそう聞いてくる。

「・・・どうぞ」

少し躊躇したが強盗だったとしても捕らえられる自身があったので彼女を部屋に招いた。

「お邪魔します」
「・・・」

もう一度丁寧にお辞儀を彼女はした。だが、おれはそれをスルーして彼女を卓袱台まで導いた。


「こんな夜中に何の御用でしょうか?」

茶をすすりながら俺はそう言った。少し棘のある言葉だったがまぁいいだろう。

「少し質問をさせていただきます。」
155名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:12:16 ID:y6WqPvSM
「質問?」
「ハイ。質問です」
「それだけ?」
「ハイ」

俺は少し疑問に思ったが会話を続けた。

「あなたの名前は神崎月さんですね?」
「はい」
「血液型はB型ですね?」
「はい」

全部そんな質問だった。
そういうのか。と、おれは安心した。
なにか仕事などのアンケートとかで来たのなら、
他の所を廻ってたら日が暮れて遅くなる日もあるかもしれない。


だが最後の2問に俺は驚いた。
156名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:13:09 ID:y6WqPvSM


「毎年あなたが拾われた日には誰かわからない人から欲しいと思ったモノが送られてきますよね?」
「ッ!!」

そうだ。最初にも言ったが誰かから送られてくる。
それが誰かは判らない。
ただおれの欲する物が送られてくる。
それともう一つ驚くべき事が会話の中に含まれていた。
「拾われた日」と彼女は言った。
なぜそれを赤の他人がしっているのだろうか。


「どうしてアンタがそれを「最後の質問です」」


間髪入れずに彼女は喋ってきた。
そして次の質問に俺は驚愕した。


「あなたの母親の詳細を知りたくはありませんか?」
157名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:13:57 ID:y6WqPvSM
「なっ!?!?」

俺は驚いた。
それはもう凄く。
俺は彼女を問い詰めようとした。

「オイ!!アンタいったい「知りたくはありませんか?」」
「・・・」

またもや口を挟まれた。
だが俺は彼女に少し恐怖心を抱いて口をつぐんでしまった。


「知りたくはありませんか?」


彼女はもう一度言う。
おれは怖くなった。
158名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:15:12 ID:y6WqPvSM
ちょっとここで区切る。
母に怒鳴られる。
159名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:24:04 ID:y6WqPvSM
再開。
160名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:24:49 ID:y6WqPvSM
それは彼女が。

それは彼女の気迫が。

震えるほど怖かった。

だが、俺は知りたかった。

毎年送られてくる物の秘密。それと母親。

どちらも知りたかった。

まだ脚が少し震えていた。

それでも頑張って聞く。

知りたいから。

「・・・聞きたいです。」
161名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:25:20 ID:y6WqPvSM
「・・・。」
「・・・。」

その場に沈黙がながれる。
その沈黙に耐えかねて俺は質問しようとした。

「あの「ハイ!!合格で〜す!!」

言おうとしたその時だった。
彼女はどこから取り出したのかわからないマラカスなどをイッキにならした。

「おいっ、ちょっ・・・。」
「合格〜!合格〜!」
「近所迷惑ですよ!」
「合格〜!合格〜!」
「・・・。」

彼女はいっこうに止める気配がなかった。
そして俺のメーターがプチッと振り切れた。
162名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:25:55 ID:y6WqPvSM
「おい・・・」
「合格〜!合格〜!」
「おい・・・」
「合格〜!ごうか・・・ヒィッ!!」

後ろで自分の肩を叩いている俺に気付いた彼女はすぐに正座した。
俺から怒りのオーラみたいのが出ていたのかも知れない。
それから俺の説教が始まった。

――――数分後――――

「・・・騒いでしゅみませんでした・・・。えぐっぐすっ・・・。」

ここまで言わせることに俺は成功した。
俺って凄いな。と自分で感心しつつ、俺は聞いた。

「それで俺の母親の話しとは?」
「はい・・・えぇとですね・・・。」
「驚かないでくださいね?」
「はい・・・?」
163名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:26:34 ID:y6WqPvSM

その瞬間だった。
彼女の腰の辺りの服がふくらんでゆき、そして・・・

服を突き破って大きな黒い翼が生えたのだ。

大きすぎる翼。黒すぎる翼。それはまるで夜を体現しているような翼だった。
その黒い翼を1度バサァッとやり彼女は翼をたたんだ。

「あなたは合格です。なぜならきちんと前に進むことが出来たから。」
「・・・。」

おれは驚きで声が出なかった。
そりゃぁ誰だってそうだろう。
目の前で腰から大きな翼が生えたのだ。
しかし俺は現実を認めた。
時間はかかったが何とか抑えることができた。

「・・・それで?」
「・・・アレッ?予想より立ち直りが早いですねぇ」
164名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:27:14 ID:y6WqPvSM
「・・・あなたが人ではないのはわかりました。で、それを踏まえた上での母の話とは?」

俺は彼女になんとかそう聞くことができた。
実際まだ驚いていない訳ではない。
だがそれを信じざるを得ないのだ。

「はい。まずあなたの母親も人ではありません」
「人ではない・・・。するとなんかの妖怪とかですか?」
「いやいや私達はそんなモノではありませんよ」
「じゃあ何なんですか?」
「あなたたちで言うところの「神様」って言う奴です」
「これはまた・・・」

これもまたスケールが大きい話だった。
それでもおれは何故かこらえることが出来た。

「アレッ?意外と驚いてないですねぇ」
「いや、これでもかなり驚いてますよ」

自分でも実際驚いていた。
165名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:27:51 ID:y6WqPvSM
しかしなぜか平静を保てた。
なぜかはわからないが彼女を見ているとそんな気がしてくる。
それが原因だと思う。

「じゃあ話を続けますね。あなたの母親の名前はエレボス。簡単に言えば「闇」を司る神で、私の姉です」
「姉・・・ですか」
「そうです。私は「夜」を司っています」
「「闇」と「夜」ねぇ・・・」

これもまたスケールが大きい話だった。

「そして、あなたの母親は母親ではありません」
「は?」

意味がわからなかった。
母親であって母親ではないどういう意味だ?と俺は思った。

「あなたの元みたいなモノです」
「と、いいますと?」
「あなたには父親はいません。あなたはお姉様の力の一部から作られた人工・・・いや、神工生命体です」
166名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:28:30 ID:y6WqPvSM

「・・・ハイ?」

俺は耳を疑った。
だって面とむかって「あなたは人ではありません。」と言われたのだから。

「本当の話です」
「マジ?」
「ハイ」

これにはさすがに驚いた。
が、俺はそれを噛み殺し質問をした。

「じゃあ俺の母親は何故俺を創ったんですか?」
「『久しぶりに人間を調査するため。』と言っていました」
「じゃあ俺が河原に捨てられていた理由は?」
「あなたが河原に捨てられていたのはあなたをその近辺の優しい人にわざと見つけさせるためです」
「ほう・・・」

これにもまた俺は驚いた。
167名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:29:12 ID:y6WqPvSM
というかあの人たちは神も認めるいい人だったのだな。なんだか少し誇りに思えた。
ニュクスは話を続ける。

「あなたに毎年プレゼントを送ったのはお姉様です」
「へぇ・・・」
神様ならそれ位のこともできるのかもしれない。
その話が本当なら俺の母親は意外と良い奴なのかもしれない。
だがおれは疑問に思った。

「今日は俺の誕生日のはずなのにプレゼントが送られないで、何であなたが来たんですか?」
「それは・・・」
「それは?」


「お姉様が『今年は何故かあの子が何もいらないらしいから、ニュクスあの子にもらわれてきて。』と言われまして・・・」


「OK。母の所に案内して下さい。一発殴る。」
「い、いやダメですよ!?」
168名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:29:43 ID:y6WqPvSM
なんかむかついた。無償にむかついた。殴りたかった。
母親とはいえなんか殴りたかった。
だが、おれはあと一歩の所でニュクスさんの説得により踏みとどまった。

「ニュクスさんがそこまでゆうならいいですけど・・・。」
「ぜぇぜぇ・・・そうしてください・・・。」

ニュクスさんは肩で息をしていた。
よほど疲れたのだろうか。

「で、わたしがここにきた訳です。」
「で、ニュクスさんはどうするんですか?」

俺は結構気になっていたことを質問した。
そして話は一区切りついたなと思い茶を飲んだ。
しかし俺は次の言葉にかつてないほど驚いた。


「そうですね・・・まず同棲します。」
169名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:30:08 ID:y6WqPvSM

「ぶふぉ!!!」
「キャッ!」

おれは茶を吹き出した。
ものすごい勢いで。

「いやいやいや!いくらなんでもそれはダメでしょう!!」
「おねがいしますぅ・・・やらないとお姉様に殴られるんですぅ・・・千回ほど」
「拷問かよ!!」
「だからぁ〜お願いしますぅ〜なんでもするからぁ〜・・・ダメ、ですかぁ?」
「うっ・・・」

俺は彼女の上目遣いにまけた。
それはそうだろう。
彼女はものすごく美しかったから。

「・・・わかりました。」
「ホントですか!?やったああああぁああぁ!!!」
「うるせぇ!」
170名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:30:48 ID:y6WqPvSM
「・・・しゅみません・・・」
「わかったならいい。しかし!条件がある」
「なんですか?」

受け入れてもらったことが嬉しいのか、
ニュクスは目をキラキラさせながら俺をみてきた。

「ひとつめに家事を手伝うこと。二つめに食い扶持は自分で稼ぐこと。三つめに騒がない。それだけだ。」

「わかりました!」
「これから宜しく。ニュクスさん。」
「よろしくお願いします。月さん。」

十六歳の誕生日に母から送られてきたモノ。
それはかなりの美女だった。
出会いは唐突。
だが俺は彼女を受け入れた。
明日からの生活に思いを馳せつつ、これからは賑やかになりそうだな。と、
俺は思った。


END
171名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:31:16 ID:y6WqPvSM
おまけ

「月さ〜ん洗濯機が泡だらけに〜!」

「あぁっ食器がぁぁ!」
 
「服がっ服がぁぁぁぁぁ!」

「月さぁ〜ん!!」

ニュクスさんは神様達が住んでいるところでは家事を一回もしていなかったらしい。
今度から家事は絶対にさせない。
172名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:35:21 ID:y6WqPvSM
見てくれた人に感謝。
ちょっと中二設定になってしまった。
しかも当初予定していたエロもなくした。
しかしこの作品がギリシャ神話のssの需要を広めてくれたら嬉しい。
題名は「月と夜」で。
最後にもう一度。
ありがとう。
これから熱が出てるので少し横になる。
さいなら。
173名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 20:37:15 ID:qviIzMST

秋子さんのせいで叔母属性を得た俺によし!
しかし、なんという情けない叔母……ところでこれ、エロとかキャッキャウフフがないってことは続くってことだよね?





ね?
174名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 20:56:05 ID:X0j41JTn
GJ
ニュクスとかエレボスと聞くとペルソナ3を思い出す
エロパロ板は1レスに60行4096byteまで投稿可能
携帯だったらメモリ制限とかあるかもしれないけど、もうちょっと詰めて投下すると良いかも
叔母か妹か姉よく解らないニュクスさんとのエロスをワクテカして待ってる
175名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 23:35:07 ID:y6WqPvSM
良い情報ありがとう。
いつかはわからないが続きも投下する予定。
まぁ気長に待っててくれ。
176名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 20:23:34 ID:wx0wb6Gn
>>172
神話スレで投下する場所探してた人か?
177名無しさん@ピンキー:2009/04/14(火) 17:28:53 ID:Tm82rFbg
神話スレは俺少し見てたけどROMってたよ
178名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 20:44:44 ID:i02LXWJY
>>175
気長にまってる
179名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 14:35:19 ID:L/OLZA00
純粋な好奇心で訊くんだけど
ここは獣人はOKで獣姦はNGなんだよな。
180名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 23:32:16 ID:AO/ZOcm5
獣姦なら他にスレがあるしな
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1186650487/
181名無しさん@ピンキー:2009/04/20(月) 19:34:32 ID:HGal7zuw
あるんだ。
さすがエロパロ板
182若旦那:2009/04/23(木) 00:23:16 ID:eTuBXBG1
昔の話を蒸し返すのはどうかとも思いましたが……
ちと長くなったので、3回ほどに分けます。
 
 其の四 〜逃れられぬ抱擁〜
18301:2009/04/23(木) 00:24:32 ID:eTuBXBG1
 
 天を仰ぐと、闇夜に満点の月が煌々と光を放っている。
まん丸の月に浮かぶのは、かつて身体を許しあった可愛らしい子狐の姿。
月に向かって吐息を吐くと、白い吐息がゆらゆら浮かび、月に浮かべた思い人の姿諸共
漆黒の闇に溶けていった。

“例の事件”から数週間経つが、譲はいつもと変わらぬ平穏な日常を過ごしていた。
夢であったと思いたくとも、体に傷跡がなくとも、心の中に刻み込まれた感覚が、
あの出来事が夢ではないことを示している。
人と違う者達、獣人と付き合う場合のリスクというものを、文字通り
“この身を持って”思い知らされたわけだ。

「はぁ」

 都会の濁った夜空を仰ぎ、色々と考えを廻らせる度に溜め息ばかりを漏らし、
寒空に白い吐息が溶けてゆく。
 向こうの側から「もう関わらなくて良い」と言ってくれたわけだから、
本人としては気に病む必要はない筈だが、そういわれると逆に気になるのが人の性。
なによりも、あのふかふかの尻尾に二度と触れないかと思うと心が虚しくなるのだが、

(って、それが一番なのかオレ)

 一度は死にかけたというのに、実にのんきな話である。
一端のサラリーマンに過ぎない譲は、今日も社会の歯車となり、身を粉にして働いていた。
かつてのように、平凡な日常を送っているが、何となく物足りなさを感じる。

「あぁ、雪風の尻尾が恋しいなぁ」

 そんなことを考えつつ会社帰りの道を歩いていると、彼を再び非日常の世界へと誘う
予兆が待ち受けていた。
 前を見ると、彼の住処である会社の寮の前に止まっていたのは高そうな黒塗りの車が2台。
周囲には真っ黒なスーツにサングラスをかけた黒ずくめの男が数人いて、
辺りの様子をうかがいつつ、睨みを利かせている。
 それを視界に捉えた瞬間、電柱の陰に隠れて様子を見守っている自分に気が付く。
咄嗟に隠れてしまったのは、目の前の男たちの目的が自分であると、無意識のうちに
感じとったからだろう。
彼の直感は正しいのだが、残念ながらその行動は徒労に終わる。

「平賀、譲さんですね? こちらへおいで下さい、なお、あなたに拒否権はありません」

 突然の呼びかけに後ろを振り返ると、同じく黒ずくめの男が2人、目の前に立っていた。
何の気配もしなかったので驚いたが、譲が‘はい’と言う間もなく彼の両脇を抱えると、
二人の男は、譲を引きずりながら待機していた車の中に押し込み、

「出せ」

 1人が合図すると、譲を乗せた車は静かに走り出した。
車中では何を尋ねても返答は帰ってこず、重苦しい雰囲気が漂うが、
 唯一の救いと言えば、高級車のためか、車のシートの座り心地が良かった事だろう。
時間があるので、シートに深く腰を据えつつこの男達が何者なのかを考える。
間違いなく言えることは、彼らが“獣人”に関わりのある者達であるという一点のみ。

(そうでなければ俺がこんなM.I.Bに誘拐される理由はない)

という確信が、譲にはあった。
18402:2009/04/23(木) 00:25:33 ID:eTuBXBG1

 だが、ここで重要なのが、敵か味方のどちらかということ。
先日の一件もある以上、最悪の場合は、どこか人知れぬ山中へ連れて行かれ、
後から銃を突きつけられて“ズドン”とも考えられる。
 しかし、それを知ることもできず、しばらくの間車に揺られ続けていると、
いつのまにか周りの景色は緑に包まれ、道の舗装も悪いせいか車がガタガタと揺れ始める。
先ほど思い描いた最悪の事態が頭をよぎり、額から冷や汗が垂れた。
こうして車に揺られること小1時間、

「降りろ」

 促されるままに降り立った場所は、なんとも日本的で大きな屋敷の門前。
入り口には鳥居が立ち並び、屋敷は背の高い塀で囲われている。
 周囲には他に人工的な建物が一切無く、月と星の明りだけが唯一の光源。
足元に注意しつつ歩みを進めると、屋敷の入口前に1人の女性が立っているのが見えた。

「遠い所をわざわざお越しいただきまして、おやかた様がお待ちでございます」

 強引な連行の割に丁寧な対応を受け、相手の目的が何か、余計に分からなくなる。
牢屋にでもぶち込まれるとばかり思っていた譲がほっと胸をなでおろしていると、
譲を連れてきた男たちは迎えの女性に身柄を引き渡し、先ほどの車に乗って
足早にその場を去った。
 譲としても、相手の正体が知れぬ以上は迂闊に口を出すわけにも行かず、
案内されるまま長い廊下を進むと、手入れの行き届いた庭が月明かりに輝いていた。

「おやかた様、お連れしました」

 ある部屋の前で案内の女性が頭を下げながら中の人物に告げ、そっとふすまを開ける。
部屋の中は真っ暗で様子は分からないが、だだっ広い畳敷きの部屋だということが分かる。

「どうぞ」

 促されるまま部屋の中に入るが、中は真っ暗で何も見えない。
だが、目には何も見えなくとも、何者かの気配を感じることができた。

「ご苦労、お前は下がってよいぞ」

 部屋の奥から声が響いた、今までに聴いたことの無いような威厳を感じる声。
その声を聞くと、案内してくれた女性は再び一礼し、譲の背後でふすまが閉められた。
 真っ暗な部屋に残されたのは、譲と謎の人物だけ。

「ほれ、そんなところに突っ立っていては話もできん、座りなされ」

 時代劇でしか聴いたことの無いような口調に不安を感じつつ、
目の前に置いてあった座布団の上に座る。一応正座で。
 最初は闇の中にうっすらと影が浮かんでいたが、数分立つと目が慣れてきたようで、
自分と同じように正座して座る人の姿が見え、その後ろでは何か巨大なものがゆらゆらと
揺れているのが透けて見える。
正体を見極めるために目を凝らしていると、室内に淡い光が燈った。

 何事かと室内を見回すと、部屋の中には人魂のような碧い狐火がいくつも浮遊し、
再び前方を見た瞬間、譲は驚きの余り硬直した。
目の前にいるのは着物姿の女性、頭には狐耳、そして複数の尻尾、
雪風と同じ種族、妖狐の“獣人”である。
18503:2009/04/23(木) 00:26:44 ID:eTuBXBG1

 人間で言うと、年のころは三十路を一つか二つ超えたくらいだろうか。
雪風と似た顔つきながら、その妖艶な雰囲気と着物越しに感じられる肉置きは、
大人の色気を醸し出す。
だが、そこまでなら今の譲が驚くようなことではない。
 彼が驚いたのは、目の前の獣人の後ろで蠢く巨大な尻尾、その本数である。
雪風が2本、時雨が4本あった。だが、目の前でゆらゆら揺れているのは9本の尻尾。
譲の知る限り、彼女達の種族で最高位の力を持つ存在ということになる。

「きゅ、九尾……」
「ほぉ、力は完全に抑えているつもりやったが、この尻尾が見えるのかえ?」

 思わず漏れ出た譲の呟きを聞くと、睨みを利かせていた九尾の狐は驚きの表情を見せ、
譲がコクリとうなずくと、今度は不敵な笑みを見せた。
 すると、さっきまではうっすらとしか見えなかった尻尾がはっきりと視界に写る。
1本の長さが2メートル以上はありそうな金色に輝く尻尾が9本個別に蠢き、
そこから強い波動が譲の体に圧力を加えていた。
いや、体だけではなく、意識を保とうとしなければ気を失ってしまうほどの力が
譲の心に加えられている。
 最初は爽やかな風のように感じていたのだが、それも束の間。
段々と心が真っ白に染め上げられ、何も考える事ができなくなってゆく。
数秒が数分に感じられ、限界を感じた瞬間、譲に加わっていた波動が和らいでいった。

「これでも堕ちんとは、我が子らと交わって力に耐性を得たか、関心するのう」

“我が子ら”という言葉。
意識が朦朧とする中で譲はその言葉を聞き逃さず、目の前の獣人の正体を把握できた。
耳と尻尾を見たときから雪風達の関係者であると薄々ながら感付いていたが、肉親、
しかも母親だとは想像していなかった。

(子らって、雪風も時雨も年齢的には相当なものだし、本当の年齢はいったい……)
「……ぐべっ!」

 頭の中で疑問を投げかけた瞬間、先ほどよりも数段強力な波動が頭上から襲い掛かる。
目の前の妖狐、雪風の母親の顔を見ると、額に血管が浮いているように見えた。

「ずいぶんと生意気な奴よ、この場でそんなことを考えておるとは余裕があるのう、
やはり、愛しき子らを誑かし、陵辱した罪は、その命で贖ってもらおうか?」

 どうやら、考えていたことを読まれたらしい。
母親の発した発言に、雪風に出会ったとき以上に危険な状況にあることを認識したが、
生じた誤解はあの時以上。
 そもそも弄ばれたのは譲の方だし、陵辱されたのもどちらかといえば譲だが、
何とか弁明しようにも、頭上から押し寄せる力によって精神的にも肉体的にも余裕がない。
力の差は歴然、例えこの場から逃げ出せても、外には例のM.I.B達が待ち構えている可能性がある。
謝っても許してもらえる事ではないが、拾ったばかりの命を誤解によって失うのはイヤだ。

「ぐっ、罰は、受けますから……お願いです、少し話を、話を聞いてください」

 薄らぐ意識の中で言葉を紡ぎ出し、意識を手放そうとした次の瞬間、波動が弱まった。
息を荒げながら体勢を立て直すと、よろめきながら眼前の妖狐の瞳を覗き込むと、
琥珀色に染まった綺麗な瞳の奥に宿るドス黒いものに、今まで感じた事の無い恐怖を覚え、
冷たい間隔が体の中を奔ったのだが、
18604:2009/04/23(木) 00:27:59 ID:eTuBXBG1

「ほほ、これは遊びが過ぎたようやな」

譲の考えをよそに、着物の袖を口に手を当てて上品に笑う。

「自己紹介もせずに潰してはおもしろくないのでな、わしの名は“陽炎”
既に理解しているようだが、貴様の抱いた姉妹の母親じゃ」

投げかける優しい笑顔は雪風と似ているが、不気味な雰囲気は拭えない。

「悪ふざけはここまでにして、さ、足を崩しておくれや」

 油断のならない相手であるが、機嫌は損ねない方が良いと判断し、足を崩す。
相手の真意を読み取れずに困惑するが、譲が危うい場所にいることは間違いない。

「あの……私が、陵辱したというのが誤解と、理解されているのでしょうか?」
「無論じゃ、子らの行動は、いつでも見ることができるゆえにな、ほれ、覗いてみよ」

 陽炎が手を翳すと、譲の眼前に大きな水晶球が現れる。
中を覗くと、巫女服の雪風が、社の布団でぬくぬくと温まっている姿が見て取れ、

「アイツ、サボってるな」
「まったくじゃ、貴様と熱い抱擁を交わしながら、強くなると約束しておったのにのぉ」
「はっ……」

瞬間、今までの行為が見られていたという恥ずかしさからか、顔を俯けてしまう。

「手を出したのはこちらが先、それは認めよう。じゃが、貴様のおかげで、時雨どころか
雪風までもが、男の味を忘れられんようなった、貴様、先ほど罰を受けると言うたよな?」
「へ?」

 自分の罪が晴れたと、ホッと胸をなでおろしたのも束の間、
目の前にいたはずの陽炎の姿が消え、気配を感じさせることなく譲の後ろに回りこむと、
譲の背中から両手を回し、覆いかぶさるような形で抱きついた。
見た目は細い腕ながらも、完全にホールドされ、両手はおろか、体の自由が利かない。

「罪は、貴様の体で贖ってもらおうぞ」

耳元で囁いたかと思うと、譲の耳、そして首筋をペロリと舐めた。

「ちょ、ちょっと、誤解は無いんですよね? だったら帰して……ひいっ」

 陽炎の舌先が首筋をなぞる度に寒気が体を襲い、体が反応する。
塗られた唾液の跡に息を吹きかけられると、感度がさらに増した。

「はむっ、ちゅっ、だいぶ汗をかいておるな、暑いのかえ?
ならば、上着を脱がしてさしあげねばな」

“いえ、それは冷や汗なんですが”
などと冗談めいた言う余裕もなしに、ボタンがひとつひとつ外され、
上着が全て脱がされると、胸を背中に密着させ、グイグイと体を押し付ける。

「ちょ、何をするんですか、止めてください」
「なんじゃ、まだ暑いのか、よしよし、全部脱がしてしんぜよう」

18705:2009/04/23(木) 00:29:16 ID:eTuBXBG1

 譲の意見は無視され、時雨よりも大きそうな胸の感触が、
着物越しながらもその柔らかさを十分に伝えてきた。
ここにきて、ようやく譲は、今回も逃げることは出来ないと、諦めるに至ったのである。

「ほぉ、これは良い身体じゃ、子等が夢中になるのも無理は無い……」

 陽炎は、後ろから差し伸ばした2本の腕で譲の体を弄った。
氷のように冷たい指が、臍から腹、胸にかけ、なでるように体をすべる。
最初に異変が起こったのは、この時である。
一度目に指が通ったときは何もなかったが、同じところをもう一度指がなぞった瞬間、

「ひあっ」

 思わず、叫び声をあげた。
皮膚の表面が、神経をむき出しにされたかのように敏感になっており、
体の中を直接弄られるような感覚すら覚えた。

「こんな快感、時雨も雪風も与えてくれんかったろう?
九尾ともなればこの程度の術は容易い事、どうじゃ、気持ちよかろう……はむっ」

 耳元で甘い声に囁かれた次の瞬間、陽炎の熱い唇が耳たぶを包み込む。
耳の上を舌が這い回り、唾液の水音が耳の中に響き渡る。
その間も指による愛撫は続けられ、譲は快感に呻いていた。

「くぅ、あっ、やめっ」
「快感に喘ぎながら、何を言うのやら、本当はもっとしてほしいのじゃろうが」

 今までに感じたことのない、背筋がゾクゾクするような快感にまともな声も出ない。
強く熱く体を交えたときの快感とはまったく違う未知の感覚は、譲の体を、
今まで経験した事の無い、新しい快楽の世界へ誘おうとしていた。

「ふむ、なかなかに良い感度、ならば、これはどうじゃ?」
「はうっ」 

 陽炎の指が乳首に触れたかと思うと、摘み上げるようにして愛撫を加える。
冷たい指が譲の乳首をつまみ、クリクリと回しながら甘い刺激を与え、
時間が経つにつれて快感が大きくなってゆく。

(きっ、気持ちいい)

 言葉には出さないが、譲は自分の胸で感じていることを実感していた。
胸だけではない、腹や脇やへそ、指がなぞるところ全てが性感帯に変化してゆく。
今まで快感など覚えたことの無い場所が与える初めての快楽は、自慰を覚えたばかりの
ペニスのようで、譲を夢中にさせた。

「やめっ、あうっ、ひいい……」

やがて、乳首を弄んでいた腕の片方が譲の首をなぞり、顎を撫でたかと思うと、

「あぐっ!?」

 しなやかな指は、熱い吐息を漏らす譲の口内へ侵入した。
2本の指は、譲の口を捏ね繰り回すように蠢き、その指に唾液を絡める。
挿入された指を押し出そうと舌を出すが、逆に陽炎の指に絡めとられてしまった。
18806:2009/04/23(木) 00:31:38 ID:eTuBXBG1
 
 女に口の中を犯されるという今までに無い快感と背徳感を覚えつつ、
数本の指によって蹂躙されている口の端から、タラリと涎をたらした。

「体を直接重ねるのとは違う、本物の悦楽の味はどうじゃ?」

 耳たぶを甘噛みし、なめしゃぶりつつ、優しい声でささやく。
その口を譲の首筋に押し付け、吸い上げる度に、紫色の斑点が鮮やかに浮かび上がった。

「ひやっ、はうっ、やめっ」

 譲は指の動きに踊らされるよう、体をくねらせる事しかできない。
体中の神経が敏感になり、快感が普段の何倍にも増幅されている。

「どうしたのじゃ、女子ような声を出しおって、そんな声を出されたら
もっと虐めたくなるではないか」

今度は、何本もの巨大な尻尾が、譲を包み込むように回りこんできた。

「さて、今度はコレで遊んでやろうぞ、いつまで耐えられるか見ものじゃのう」

 神経が敏感になり、快感しか感じ取れない状態であれに触られたら……
譲はただ、恐怖と期待に胸を膨らませ、その動きを凝視することしかできない。
 しかし、譲を包み込もうと蠢く尻尾はすぐにその体に触れることはなく、
まずは1本がゆっくりと、じわりじわりと近づいてくる。
触れるのか触れないのか、ギリギリのところでお預けを食らってしまい、
譲の脳裏には、早く触って欲しいと考えてしまう。

「どうしたのじゃ、触って欲しいのか、ホレホレ」

 首筋に吸い付いていた口を再び耳に寄せ、妖艶な声で囁く。
譲の体を襲わんと鎌首をもたげる巨大な尻尾の群れ。
ゆらゆらと揺れる尻尾達を眺め、生唾を飲み込む譲だが、

「くっ、そんなことは、ない……」

 その口から出たのは、否定の言葉であった。
正直な所、今すぐにでも触って欲しいところだったが、譲の理性は、それを拒絶している。
触れられてしまうと、何もかも壊されてしまうのではないかという恐怖が、
快感を求めることを恐れているのだ。
 陽炎は、譲のやせ我慢を察してか、愉快そうに譲を舐り続ける。
体中を弄られ、首筋を舐められ、吸われ、口内を蹂躙される。
さらに、口内を弄り唾液まみれになった指が再び譲の乳首を襲うと、
ひんやりとした感触と快感があいまって、頭を痺れさせる。
そのときであった。

「ひあっ」
「いかんいかん、ついつい触ってもうたわ、我慢のできん尻尾ですまんのぅ」

 突如、尻尾の先端が触れ、譲の体がビクッと反応する。
その後も、9本の尻尾が代わる代わるに譲の体をつつく。
おそらく、思いのほか屈しない譲に止めを指すつもりなのだろう。
 少し触られただけだというのに、その快感は強烈で確実に体内に蓄積されていく。
触れては離れ、離れてはまた触れる。
少しずつ与えられる快感は屈するほどで無いにせよ、確実に体を蝕んでいた。
189名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 00:35:04 ID:eTuBXBG1
とりあえず中断。
190名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 00:58:26 ID:9+FqVbGC
GJ
続きをwktkして待ってます。
191名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 01:18:14 ID:0/P7oYhO
まってましたー
192名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 01:57:07 ID:FxCNHSqf
興奮してきた!
193名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 07:51:42 ID:zi7qcgzw
GJ
194名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 18:38:47 ID:UMDxj1x/
GJ
そして保守age
195名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 02:33:27 ID:uxRsndam
今日ヤングガンガンのWEBコミックサイト行ったら萌え幽霊さんが居た
196名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 10:39:23 ID:AuJELwqY
>>189
とりあいずM.I.B.にふいたGJ
197名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 18:09:10 ID:e2lOgx0U
そういえばひでぼんの人の魔法少女ク・リトル・リトルってどこで読める?ググッテも見つからないんだが。
198名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 21:02:06 ID:OvV94mL5
それは、聞いた話によると作者さんがスレ違いだと判断して、
自分が今度作るサイトに載せる・・・って聞いた気がする。
199189:2009/04/25(土) 21:15:13 ID:rBHe8IRj
再開します
20007:2009/04/25(土) 21:17:14 ID:rBHe8IRj
「くっ、はっ……」
「ほれ、尻尾の先、気持ちよかろう、そろそろ尻尾に絡め付かれたいのではないか?」

快感に屈するまいと気を張る譲に、悪魔のささやきが続くが、

「ふむ、おぬし、本当はもっと虐めて欲しいのではないか?」

陽炎の一言に思わずギクリとする。

「もっと虐めて欲しくて我慢しているのではないか? どうじゃ?」
「そっ、そんなことはっ……あうっ」

否定の言葉を発した瞬間に尻尾が体をさすり、ビクリと反応する体を愉快そうに眺める。

「ふふふ、尻尾の先が触れただけというに、可愛いのう」

 ついっと突付かれるたびに体中の快感が刻み込まれる。
何度も何度もそれは繰り返され、そのたびに体が反応してしまう。

「ほれ見ろ、お前は女に虐められて感じる変体なのじゃ」

 冷静ならば受け流せる言葉も、極度の緊張状態にある今はそうすることもできず、
刻み込まれる快感と同時に、頭の中に声が響いてくる。

“屈してしまえ、堕ちてしまえ、私を求めろ……さあ……”

何度も何度も頭の中に届く声は、譲から正常な判断力を奪っていく。

(触られたい、あの尻尾で思いっきり触って欲しい、包み込んで欲しい)
「どうじゃ、きちんとおねだりできたらもっと虐めてやるぞ?」

 耳元での優しいささやきは譲の心を強く揺さぶるが、
心の何かが欲望に従ってはいけないと警鐘を鳴らし続ける。

「うくっ、いや、この程度じゃ、雪風や陽炎と変わらないですよ」

 この強気の姿勢だけが譲にできる唯一の、そして最後の抵抗だった。
喉の奥から一杯の力をこめて言い放つと同時に尻尾の動きが止まり、一瞬の静寂が訪れる。

「ふふっ、うふふふっ、うふふふふふふっ」

静寂の後、体をまさぐる動きを止めていた陽炎が、怪しい笑い声を発した。

「楽しい、楽しいぞ、相手が抵抗し、悶える様を見るのがわしの楽しみよ!」

 突然、今までつついていただけの9本の尻尾が一度に襲い掛かる。
背中には陽炎の体が密着したまま、ふかふかした尻尾の感触が体の表面を動き続ける。
外からは、譲と陽炎が尻尾で出来た繭に包まれたように見える。

 繭の中では快楽の宴が繰り広げられ、敏感になった肌をふかふかのしっぽが蠢く。
体の表面をしっぽのやわらかな感触が突き抜け、
先ほどとは比べ物にならない快感の波に身をよじらせる。
快感に対してだけ敏感になった神経が、一本一本の細かい毛の感触まで拾っていく。
20108:2009/04/25(土) 21:18:31 ID:rBHe8IRj
「どうじゃ、待ち焦がれた分だけ、その悦びもひとしおであろう」
「うわっ」

 体の表を尻尾に任せた陽炎は、今度は譲の背中を指で優しくなぞり始めた。
腹と同じように、指になぞられた神経が、快感に対して敏感になってゆく。
体の正面は9本の尻尾に、裏面はしなやかな指の動きに弄ばれる。

「ひぃぃぃっ、ああっ」

 背後では、背骨の辺りを下から上へと舐め上げた舌が、縦横無尽の動きを見せ、
前後からの快感の挟み撃ちを受ける形となった。
舌の通過し、わずかに唾液の残った部分がジンジンしびれ、断続的に快感を与える。

「もう、おかしくなるっ」
「良いぞっ、おかしくなってしまえ、壊れてしまえ」

 首筋を舌で舐めながら、豊満な胸を俺の背中に押し付けて体を上下させる。
胸のやわらかい感触、乳首のわずかな突起が背中から譲を攻め立てた。

「うっ、でるっ」

ついには、下半身に一度も触られることなく、絶頂にまで高められた。
しかし、

「だめじゃ」

 陽炎が言葉を発すると、誰も触れていないイチモツの根元が急に締め付けられ、
行き場を失った精液が譲の中で暴れまわる。
突然の痛みに体をくねらせようとしたが、尻尾に包まれた譲の体はビクともしないが、
その痛みのせいか、飛びかけていた意識が快楽の海から引き上げられ、
正常な判断ができるようになる。

「上半身だけで達してしまうとは、なかなか素質があるのぅ」

再び、陽炎が優しい声でささやく。

「だが、これは罰じゃ、簡単にイかせては褒美になってしまう?」

 発言から察するに、何か術のようなものを使って射精を止められたようだ。
陽炎は簡単にといったが、譲は今まで体験したことのない快感にさらされながらも、
イけない苦痛を味わっている。
 これ以上この刺激にさらされ続けたら、どうなるのか考えも付かない。

「では、今度は下半身を攻めてやろうぞ」

 今度は9本の尻尾が譲の体を浮かせ、器用に下半身の服を剥いでゆき、あっという間に
全裸にされた譲は、尻尾によって空中で磔にされた。
四肢を尻尾に巻きつかれ、体や顔にも絡み付き、顔にまきついた尻尾のせいで周りの
状況は一切確認できず、次に何をされるのかわからない状況が譲を更に興奮させた。

「ほほっ、こんな状態でも興奮できるとは、たいした変態じゃな」

興奮の中で大きく勃起した譲のモノを見て、陽炎が言い放つ。
雄雄しくそそり立つモノをうっとりとした瞳で眺めつつ、尻尾はさらなる行動を開始する。

20209:2009/04/25(土) 21:19:55 ID:rBHe8IRj
「うっ、ひやぁぁっ」

 空中で磔にされた体に、何本もの尻尾が巻きついた。
手の先から足の先まで尻尾が絡みつき、しゅるりしゅるりと這い回ってゆく。
尻尾の先端で撫でられるのとはレベルが違う。
敏感な体中の神経を、尻尾に生えた無数の毛、その一本一本が確実に犯す。

「はっ、あうっ、あっ、くっ」

 尻尾の動きに呼応して譲の呼吸が荒くなり、脳に送られる酸素の量が減っていく。
体中をランダムに攻め立てられるが、未だにペニスには何も触れていない。
いきり立ったまま放置される俺のペニスだったが、突如、ペニスの先端に何かが触れた。
おそらく、尻尾の先端が触れたのだろう。
 ようやくペニスをいじってもらえるのかと期待したが、先ほどのように体を弄られる
だけで、それからペニスへの刺激が無く、しばらく快感に悶えていると、
今度は続けざまに何かが触れたが、またしても空白の時間が訪れる。

「あっ、くっ」

譲は、ペニスへの直接の刺激を欲し、無意識に太ももをすり合わせていた。

「そんなに足を動かして、どこに何が欲しいのじゃ?」

陽炎の言葉で我にかえるが、自分の行っていた行動に、顔に血が上るのを感じていた。

「なっ、なんでもない」

 思わず強気の発言をしてしまうが、その強がりは見抜かれている。
陽炎の怪しい笑みが、さらに深みを増した。

「顔を赤らめて愛い奴じゃ、じゃが、素直になれん子にはさらなる仕置きが必要かの」

 拘束されていた顔が開放されたかと思うと、今度は首に絡みつき、
譲は無理やり自分の下半身を向かされる形になると、
両足に絡みつき、やさしく愛撫していた尻尾が足を締め付け、股を開こうと力をこめた。

「うわっ、やめっ」

 疲労した譲に抗う力は無く、譲の眼前でゆっくりと股が開いてゆく。
陽炎の尻尾なら、力技で一気に出来そうなものだが、それをやらないのは譲を
じっくりと辱めるためだろう。
 自分の無力さ、人の非力さ、そして、獣人という種族の恐ろしさを再認識し、
怯えた瞳で見続けることしかできない。

「恐れるな、恥じらいも快感のひとつ、思い知らしてくれよう」

 譲は自分の無力さに耐え切れず、最後はあっけなく尻尾の動きに従った。
開かれた自分の股、そこに見えるには、射精を許されずにいきり立ったイチモツ。

 更にその先には妖艶な笑みを見せる陽炎の瞳と楽しそうに揺れる狐耳……
股の間から陽炎の顔がニョッキリ現れて、譲のイチモツを凝視した。

「ほぉ、イチモツから我慢汁が溢れて輝いておる、まるで射精しておるようじゃな」
20310:2009/04/25(土) 21:21:48 ID:rBHe8IRj
譲は、恥ずかしさに陽炎と目を合わせることが出来ないでいたのだが、

「ほれっ、しっかりとこっちをみんか」

 首根っこを押さえた尻尾に引っ張られ、無理やり顔を合わせる形となった。
視線を合わせないように瞳をずらしてわずかな抵抗を試みるが、
陽炎から発せられる無言の圧力に耐え切れず、どうしても視線を合わせてしまう。
琥珀色の輝きを見せていた陽炎の瞳は、今は不気味なほど赤く輝き、その瞳を見ている
だけで、自分が侵されているような感覚に陥っていた。
 いや、陽炎は実際に瞳で犯しているのだろう。
その、交差する視線の間に数本の尻尾が舞い降りてきた。
譲と陽炎との視線の間で揺れ、いつでもペニスを愛撫できる体制になる無数の尻尾。

「おや?何を期待しているのじゃ?」

 自分では気が付かなかったが、譲は何かを待ち焦がれるような眼をしていたのだろう。
それを見透かしてか、尻尾はゆらゆらと揺れるだけで、決してペニスに触れることはない

「さっきも言ったであろう? きちんとおねだりできたら……イかせてやるぞ?」

 譲は答えず、無言のまま、ただただ揺れる尻尾を見続ける。
陽炎も、未だに抵抗を続ける譲におもしろみを覚え、さらな行動に移る。

「ふふふっ、こんなに楽しいのは何年ぶりか、もっと楽しませておくれや」

 陽炎は、自分の顔を股の間に近づけると、顔を落とした。
股の間から見えるのは顔の上部と、ピコピコ動く狐耳。
陽炎が見ているのは譲のペニスではない。
譲は、陽炎が何をしようとしているのか察したが、尻尾に四肢を固定され、
空中で磔にされていては何もできない。
これから何をされるのか、できる限り考えないようにしていたのだが、

「ふーっ」
「!!」

 予想していた通り、尻のあたりに強烈な快感が突き抜ける。
陽炎が息を吹きかけたようで、思わず尻の穴をすぼめてしまうが、
吹き付けられた冷たい息を感じただけでイきそうなほどの快感である。
術で射精が封じられているため、射精する事は出来ないのだが……

「ふふふっ、貴様の‘ココ’も、性感帯に変えてやろう」

 陽炎は自分の人差し指を口の中に入れると、ゆっくりと舐めまわし、
唾液にまみれた指の、その先を尻の穴に近づけてゆくと、
予告も無しに、唾液に濡れた指を譲に挿入した。

「ひっ」

 譲は、自分に与えられる快感を、ただただ受け入れる事しかできないのだ。
尻から異物が進入する違和感、普段なら嫌悪感を覚えるはずの感覚が、
快感として脳に伝えられる。

「まずは、ひとつめ」
20411:2009/04/25(土) 21:23:02 ID:rBHe8IRj

 陽炎の人差し指は第1関節まで挿入されているが、それ以上奥へは一気に進めず、
指先を出したり入れたり、入り口を馴染ませるようにゆっくりとピストンを行う。
唾液で滑った指先が出入りする度に、譲は声を噛み殺しながら喘いでいた。

「これこれ、この程度で悶えては後がもたんぞ、次は、2つ目まで」

 続いて、予告通りに第2関節までが挿入された。
ただ出し入れを行うだけではなく、指先を折り曲げて穴を広げるような動きをさせ、
指先を押し付けながらの動きは、まるで何かを探しているかのようでもあり、
陽炎の指が譲の中にある“あるところ”に触れた瞬間、体が仰け反るほどの快感が奔った。

「見つけたぞえ、ここがお前の弱点か、ほれほれ」

 そこは、男の性的な弱点のひとつ、前立腺。
体の内側から快感の元を直接刺激されるが、相変わらずイくことは許されていない。
それからもズブズブと指を奥まで挿入し続け、ついには人差し指が全て収まった。
快感を押さえるため尻に力を込めるが、それは陽炎を喜ばせる事でしかない。

「おやおや、こんなに締め付けおって、貴様は尻が好みなのかえ?」

 今度は奥まで入っていた指を一気に引き抜き、すぐさま挿入を再開する。
腸液で滑った陽炎の指は譲の中を出入りすると、その度に恥辱という名の快感が送られた。
そして、そのままピストンを繰り返すだけだと思っていたら、不意打ちとばかりに、
指を2本に増やして一気に挿入する。

 指を動かしながら、身悶える譲の表情を見て楽しそうな顔をしている陽炎であるが、
与えられる快感とイけない苦痛に身を捩らせる譲のいたいけな表情は、
陽炎の心をさらに燃え上がらせた。

「おや、これはすまんかったのう、体の方が寂しそうじゃ、ほれっ」

 合図と共に、譲の眼前で揺れていた尻尾が、体を蹂躙するために這い回る。
体を触られるだけでも絶頂しそうな快感であるのに、尻の穴からも責められている。
四肢を固定され、体中を尻尾が這い回り、尻を指で犯される。
さらには自分の痴態を見ることを強制され、萎える事の無いペニスは
イクことを許されずに勃ちつづけた。

「さて、ここを弄るのはこれまでにしておこうか」

捏ね繰り回していた指を一気に引き抜いた瞬間、‘アッ’と、思わず口から声が漏れる。

「そんな残念そうな顔をするでない、“今宵は”ここまでなだけじゃ」

その言葉に、再びこの行為をしてもらえると言う期待と不安を覚えるが、
陽炎の行為はとどまる事を知らない。

「しもうた、ワシとした事が、大切な事を忘れていたぞ」
「大切な……こと?」
「えいっ!」

 尻尾の一つが、譲のへその辺りに触れたかと思うと、陽炎が気合の篭った声を上げ、
それと同時に、尻尾から譲の体内へ力の波が押し寄せる。
 雪風や時雨との行為でも感じたのと同質であるが、数倍のエネルギーを感じ、
拒絶できぬ体はビクビクと震えながら、ある変化を見せる。
20512:2009/04/25(土) 21:24:48 ID:rBHe8IRj
 
 人には存在しないはずのもの、獣にしか存在しないはずのモノが、
譲の頭と尻に姿をあらわしたのだ。

「うっ、まさか」
「くくっ、人の身でありながらソレを生やす者は、わしも久々に見る」

 そう、時雨と初めて遭遇した際に生えるようになった尻尾と耳。
狐のソレが譲の体からニョッキリと姿を現していた。
 無論、拘束されている譲に自分に生えたモノの姿など見えはしないが、
今までに無い器官から脳に送られる電気的な信号は、一度経験したら忘れられぬものだ。

 尻から手を引いた陽炎は、自らの波動を送り込んで生み出した耳と尻尾を満足そうに
見つめると、新たな獲物の出現に対し、蠢く己の尻尾と共に喜びの表情を見せた。
譲も、度重なる雪風との行為で、そこが彼女達の弱点である事は知っているが、
今まで自分のソレを弄られた事は無かった。
 見た目の幼い雪風ならまだしも、勝気な時雨でさえ、耳や尻尾を弄られただけで悶絶し、
絶頂の潮を吹いては恍惚の表情を見せていた。
 ただ、眼前にいる陽炎は、弱点であるはずの尻尾を9本も持ち、それを使って譲の体に陵辱の悦びを刻み込んでいるわけだから、必ずしも弱点とはいえないのだが。

「お主、雪風の尻尾と耳を弄るのが好きであったな」
「ひっ、お願いしますっ、それだけは、やめ……」
「もっとして下さいと言うようになるまで、煽ってやろう」
「あっ、あああっ、ひあぁぁぁっ」

 途端に始まる、叫び、悶絶。譲の耳と尻尾に、陽炎の口と複数の尻尾が襲い掛かる。
興奮からかピンと張った譲の尻尾に、グルグルと巻きつくような形で陽炎の尻尾が
覆いかぶさると、そのまま回転を始める。

 毛と毛が触れ合い、絡みつく感触。
強く締め付け、引っ張ったかと思うと、優しく、恋人の顔を撫でるかのように
滑らかな動きを見せ、強弱を付けた動きが譲の尻尾を犯す。
譲の耳には、陽炎の口が這い回り、時には吸い、時には甘咬みしながら
2つ並んだ三角の山を唾液に濡らす。
唾液に濡れた耳の毛が、尻尾の起こす僅かな風を拾うだけで、言葉にならない絶叫を上げ、
声を詰まらせる。

「中々に雄雄しいではないか、しかもこの感度」
「ひあっ、やめっ、もうやめっ、ひあぁあぁっ」
「ふふ、こうして陽炎を虐めて楽しんでいたのだろうが、自分で味わうのもよいだろう?」

 譲に生えた尻尾に対する責めも、時が立つにつれて巧妙さをましてゆく。
最初は一対一であったのが、いまや一対三となり、一本が譲の根元をガッチリと掴み、
別の二本は輪を形作ると、根元から先に向けて、シゴくように上下動をくりかえす。
 ペニスの根元をつかまれ、2本の腕でしごかれているのと同じ状況であるが、
毛と毛が絡み合い、縺れ合う感覚は、その比ではない。

「これ、首を揺するでないぞ、狙いが付けられんではないか」
「うっ、ひあぁ」
 
 譲の首に巻きついていた尻尾が強く締め付けると、譲は天を仰いだまま
顔を動かせなくなる。
20613:2009/04/25(土) 21:25:58 ID:rBHe8IRj

 陽炎は、譲の尻尾への愛撫を続けつつ、耳を攻めていた口を離すと、
涎まみれになった譲の獣耳が、ビクンビクンと性器のように微動する。
そこに、鎌首をもたげた2本の尻尾がゆっくりと距離を詰め、

「ひっ、ぎやぁぁぁっぁ」

 2本の尻尾が飛び込んだのは、譲の獣耳、それも、耳の穴であった。
狐耳だけではない、人としての耳にも尻尾の先端が入り込むと、ドリルのように回転し、
耳の奥深くへと侵入を開始する。
 
「必殺の耳掃除、貴様の羞恥心も、そこから全て掻きだしてやろうぞ」

 人としての耳はとかく、獣の耳の穴は、一体どこへ通じているのか、
脳天から快感を打ち込まれている譲にはそのようなことを考える事はできない。

「はっ、はっ、はっ、はっ、あっ、ひああっ」

 4つの耳から続けざまに与えられる快楽の波。
それらを放出するための堰は陽炎によって堅く閉ざされ、行き場を失った波は
譲の体内で廻り続ける。
 終いには、脳みを尻尾によって掻き出されているような感覚となり、口の端から
だらしなくよだれを垂らし、思考が停止する。
 このまま数分、いや、1分も続けていれば、譲の心は完全に陽炎のモノとなっていたが、
陽炎は、譲の心が壊れる直前、全ての愛撫をピタリと止めた。

「はっ、はっ、ふぅ、ふぅ、はぁ」

 責めては引き、引いてはまた激しく責める陽炎。
しばらくの休息と共に意識は回復を見せるが、体に滾る興奮は収まるどころか、
時間が経つにつれてその度を増した。

 一時の間を挟むたびに強くなる陽炎の愛撫は、次は何をされるのかという恐怖を、
新たな境地へ導かれる期待へと変化させ、恨めしげに陽炎を見る譲の瞳も、
“なぜもっと犯してくれないのか”と、さらなる行為を望む、オスの光を帯びている。
 
 最早、譲が堕ちているのは間違いないが、陽炎はそれで満足しない。
陽炎にとって“男を堕とす”というのは、心の底からの願い。
ただ単に、イきたいというのではなく、オスとして、眼前のメスに搾り取られたいという、
心からの従属。

 陽炎を見つめる譲の、瞳の奥に燈る淡い光に、屈服した男の証を垣間見た陽炎は、
スッ目を細め、最後通牒を突きつけた。

「今宵は十分楽しんだ、最後にお前の堕ちるさまを見させておくれや」

 退いていた尻尾達が、ある一点に狙いを定める。
蠢きながら迫る尻尾、その目的はもちろん、

「さ、堕ちよ」
「くっ、あああぁっ」

 四肢と首を固定している以外の、4本の尻尾が、貪るようにペニスへ絡みつく。
激しい愛撫を繰り返す尻尾達と、それを嬉しそうに眺める陽炎の瞳。
(見られてる……俺の、感じているところをっ……)
20714:2009/04/25(土) 21:27:02 ID:rBHe8IRj

 もはや、見られることすら快感である。
だが、精液が昇ってくるのを感じても、再び寸前で射精を止められてしまう。

「あっ、ぎいいいいぃ」

 これは、快感というより苦痛といっていいだろう。
陽炎の言っていた“罰”それは、イきたくてもイけないという快楽の地獄。

「ふふっ、痛みと快感は紙一重、まだイってはならんぞ」

 続けざまにペニスに与えられる刺激。待ちに待った性器への刺激。
しかし、絶頂を迎えようとする寸前に尻尾が離れ、
根元が締め付けられるためにそれを迎えられない。
そして、快感の波が退いたと思うと、再び愛撫が繰り返される。

「ひっぃぃ、やめぇ、もういやだぁ!」

 イきそうになると、体がビクビクと反応するが、決してイくことができない。許されない。
そして、快感の波がひと段落するたびに繰り返される愛撫。

「イかせて、お願いだからイかせてくれ」
「駄目じゃ、喘げ、もっと喘げ!」

 自分が射精を拒んでいたことなど、今は射精を懇願していることなど、
最早どうでも良いことだった。
目を閉じても、陽炎の姿がまぶたの裏に焼きついて離れない。

(感じろ・喘げ・もっとだ)

 まるで呪文のように頭の中で木霊する言葉。
譲の、人としての耳から聞こえるのではない、獣としての耳から、直に入ってくる声。

「あっ、ふぅん、よいのぅ、実に良い……」

 突如、怪しげな水音が室内に木霊する。
いつの間にか、陽炎は自分の秘所に指を当て、自慰にふけっていたのだ。
着物の中に手を突っ込み、己の性器に指を添える。
 尻尾の動きを休めることなく、快感に喘ぐ譲の痴態を眼にし、恍惚の表情を見せる。

「はぁ、快感に悶え、悦楽に浸るオトコ、何度見てもすばらしぃオカズじゃ」

 だが、あいにくその姿も言葉も譲に届くことは無かった。
なぜなら、譲は再び快楽の虜となり、他は何も考えていなかったから
ただただ、体中を這い回る尻尾の感覚に悶えながら……
208名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 21:30:16 ID:rBHe8IRj
再度中断。あと6ページ。
正直、長すぎたと反省してる。
209名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 21:57:01 ID:VRWquwJp
GJ!
長すぎだとは思ってないですよ
210名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 09:58:40 ID:FladMShz
乙!
21115:2009/04/26(日) 22:27:32 ID:wX3v2jAF
▽△▽

「あぁぁ……イかせて……イかせて……くれ……」

 どれだけの時間が経っただろうか、譲はもうイく事しか考えていないが、
その懇願も、最早誰にも届いていないように感じられた。
尻尾の繭に包まれ、犯され、真っ暗な闇の中で、イくことを懇願しつづける。
理性を失い、光の欠けたその瞳は、陽炎に弄ばれた男達に共通する姿でもある。

 しばらくすると、譲の体を這い回り続けていた尻尾の動きがピタリと止まり、
視界に陽炎の姿が現れた。
譲は宙吊りの状態からゆっくり地面に下ろされると、陽炎が譲の体に跨るような形で
立ち上がり、自分の女陰に指をかけると、その中を譲に見せ付けた。

「さて、どうする? 女陰を前にしてまだ強気に拒むか、それとも欲望に従うか?」

 譲を尻尾の繭に包んでいる間、ずっと自慰に耽っていたのか、
彼女の股の間からはドロッとした愛液が滴り落ち、準備万端といった状況だ。

「ほれ、ほれ、どうするのじゃ?」

 自分の女陰を譲のペニスに擦り付けながら尋ね、腰をグリグリと動かすたびに、
亀頭に陽炎の愛液がぬりたくられる。
譲は、腰を浮かせて彼女の胎に挿入しようと試みるが、尻尾に固定されてそれは出来ない。
悶える譲を見下す瞳は、譲の言葉を待ち受けているようであった。

 求めていた物がすぐそばにある。譲は、自分の理性も、プライドも、どうでも良かった。
ただ、いきり立つ自分のモノを彼女の中に打ち込みたい、彼女に自分の精を捧げたい。
それしか考えることのできない彼には、他に選択肢が無かった。

「入れ、させて……」
「なんじゃ、聞こえんぞ?」

度重なる攻めによって、譲はほとんど声を発する事ができない。

「入れさせて……くれ……」
「ほぉ、それが人に物を頼むときの態度かえ?」

 ニヤニヤと不敵な笑みを浮かべる陽炎は、譲のモノに自分の秘所を擦りつけ、
一人でスマタを楽しんでいる。
譲は、わずかに残っていた理性を完全に吹き飛ばし、発せるだけの大きな声で叫んだ。

「お願いです! 入れさせて下さい!」
「よう言えたわ! ほれ、褒美じゃ!」

 その言葉と同時に陽炎は譲を自分の中に導き、挿入した瞬間、
譲は溜まりに溜まった自分の欲の塊を、彼女の中に放出した。

「ああぁ、良い、良いぞぉ、堕ちた人間の精、これほど美味いものはない」

 陽炎も譲も一切体を動かしてはいない。挿入による快感だけで射精したのである。
その射精量は異常で、今まで出せなかった分を一度に出しつくそうとしているようであり、
長い長い絶頂による快感が、譲の頭を焼いていった。
21216:2009/04/26(日) 22:29:14 ID:wX3v2jAF
「はぁ……はぁ……」

 待ちに待った絶頂、何度も何度もお預けを食らったためか、その快感も格別だった。
陽炎は射精の後も、譲のペニスを強く締め付け、精液を一滴も逃さぬように蠢く。
体はフルフルと震え、目を閉じて自分の中に染み込む力を感じ取っているようだが、
彼女は素早く次の行動に移る。
4本の尻尾が再び四肢を拘束し、残りが体を這い回りはじめた。

「まさか、一度で終いということはなかろう? もっと、もっと出すのじゃ!」

 失せかけていた尻尾による快感が戻り、射精の余韻から戻る前に、2度目の射精を行った。
今度は、納まり切らなかった精子が、結合部から漏れ出しているのが見える。
陽炎もそれに気が付き、ペニスをつたう精液を指ですくい取ると、
その指を自分の口の中に運ぶ。

「んちゅっ、ふぅ、実に美味じゃ、まさかこれほどとは……」

譲の精液を口に含み、その味を確かめると、驚きとも喜びとれる声を漏らす。

「あっ、あぁぁ、出てるっ、でてるよぉぉ」
「貴様の愛らしい耳と尻尾が空いておるな、ほれっ」
「もっとぉっ、尻尾も、耳も、ひあぁぁぁっ」
「ふふふっ、貴様の身も、そして心も、欲しくなってしもうたぞ」

 怪しい目つきで譲を睨むと、尻尾の動きが激しさを増した。
胸を、腕を、足を、耳を、尻尾を、そしてペニスを、体の各所を尻尾のやわらかな感触が
滑るたびに、堰を空けたような勢いで精を放出し続ける。
もう何度目か覚えていない。
焼け付くような快感と共に陽炎の言葉が頭に届く。

(我に、我が一族にその身を捧げよ、従属を誓えばさらなる悦びを貴様にくれてやろう)

妖艶な声が、薄れゆく意識の中に溶け込んでくる

(誓え)

その言葉を拒む理由は何も無い

(さぁ、誓え)

なぜなら、すでに身も心も彼女に捧げてしまったのだから。

「誓い……ます……だから……もっとおぉ……」

 無数の尻尾が譲の体を包むのを最後に、視界は真っ暗になる。
譲は、頭の中が完全に真っ白になる感覚を覚えながら、自分の意識を手放した。

 意識を失った譲の体を、陽炎の尻尾が包んでゆく。
9本の尻尾がどんどん巨大化すると、譲の体に巻きつきながらその姿を覆い隠す。
譲の体は尻尾の繭に包まれ、外界との接触を遮断された。
怪しく蠢く尻尾の繭で、譲の心と身体は犯され、穢され、壊されているのだろう。
ブツブツと何かを呟く譲の声など、誰の耳のも届いてはいなかった。
21317:2009/04/26(日) 22:30:28 ID:wX3v2jAF

「イかせて……もっと……もっと……」

 壊れたレコードのように同じ言葉を繰り返す人間。
その瞳に光は無く、口をパクパクとあけて涎をたらし、心が完全に壊れている。
その人間を尻尾の繭に納め、大量の精液で膨れた腹を撫でながらご満悦な陽炎。

「人の心とは儚きもの、どんなに強がっても所詮はこの程度……だがそれが良い」

 自分の長い生涯を恨み、人の生涯のはかなさを羨む。
その想いは誰にも理解される事無く、時々こうして人を壊して気持ちを紛らわす。
悲しげな表情を見せる陽炎だが、その顔が困惑気味な表情を見せた。

「しかし、我が子らのお気に入りを壊したのはまずかったかの」

 尻尾の繭を開き、その中の人間の様子を見る。
蠢く尻尾の与える快感に合わせて体をび反応させるだけの哀れな肉塊。

「人間にしては良くもった、子らが気に入るのも無理は無い」

 初めて陽炎と交わったにしては、長持ちしたようだ。
おそらく、雪風達と交わって妖孤の力に耐性がついていたのだろうが、
陽炎も、不思議なほど激しく攻め立ててしまった。
従属まで誓わせる予定は無かったのだが、すでに心までも犯し尽くてしまっている。
眼前にいる、壊れた人間の中にある何かが、自分を激しく興奮させていたのだろうか。

「まさか、まさかな……」

“愛しい”という久しく感じたことの無い感情を思い浮かべたが、すぐに自分で否定する。
魂の抜けたその体を見ながらため息をつき、
このような形でしか自分の気持ちを表せない自分を嘆く。

「ふぅ、親というものは、子に嫌われるのは嫌なものじゃ」

 ポツリ呟き、壊れた人の体を抱き寄せ、その口に自分の口を合わせると、
口移しで自分の妖力を注入してゆく。
その力は人間の喉を通って体全体に広がり、ジワリジワリと染み込んで心と体の傷を癒す。
やがて、人間の瞳には光が戻り、ゆっくり目を閉じると同時に、安らかな寝顔を見せた。

「ふぅ、これで、少し休めば回復するじゃろう」

 自分の尻尾を大きく広げると、譲をそこに寝かせ、自分もその横に添い寝した。
この人間を回復させるのはあくまでも子供たちのためと、そう自分に言い聞かせるが、

「儂も、この人間を好いてしまったようじゃ……」

優しげな顔を見せると、横で眠る人間の寝顔を見てポツリと呟いた。
そして、もう一言、

「ふぅ、今宵も儂はイけなんだ、欲求不満は募るばかりかの」

不満そうな独白を、傍らで眠る譲に投げかけていた。
21418:2009/04/26(日) 22:31:30 ID:wX3v2jAF
△▽△

 悪夢だった。
怪しい男達に怪しい屋敷に連れ込まれ、怪しい女狐に心も体も無茶苦茶にされてしまう。
さらに従属を誓わされ、自分自身が崩れていく所で終わる。
悪夢以外になんでもない。
 そして、目が覚めてもそれが現実であるという悪夢が続く。
気が付けば陽炎の姿は見えないが、行為の余韻は未だに体を支配していた。
頭のどこかに残る言葉の欠片が未だに譲を苦しめるのだ。
今は布団の上に寝かされ、体を起こして周りを見回しても誰もいない。
途中で意識を失ったために最後はどうなったのか覚えていないが、
命があるということは、許されたと言うことなのだろうと判断した。

「おはようございます」

 突然の声に横を向くと、今まで誰もいなかったはずの場所に女性の姿があった。
見覚えがある顔、屋敷に連行されたとき、譲を部屋まで案内した女性。
その女性は、枕元に着替えと食事を置くと、

「おやかた様がお待ちでございます、食事と着替えを終えましたら声をおかけ下さい」

 言い残して部屋を出て行った。
いや、出て行ったというか、瞬間移動したように見えたのだが、気のせいではないだろう。
盆の上に載せられた白粥に手を付けるが、蓮華を持ち上げるだけで譲の身体が悲鳴を上げ、
喉の奥になんとか流し込むものの、味など分かりようも無い。
 とりあえず、言われた通りに食事と着替えを済ませて部屋を出ると、
先ほどの女性が目の前に立っており、最初に案内された部屋へ再び連れてこられた。
 さっき見た悪夢が再び頭をよぎり、眼前の襖戸を開けることが出来ずに立ち尽くしたが、
譲が手を出す前に襖が勝手に開き、譲を中へ導いた。

「おぉ、待っておったぞ、このネボスケめ」

 部屋に入り、声のする方を見ると、奥では陽炎が譲を待っていたが、
揺らめく尻尾を見るだけで、なぜか譲の体全体が異様な興奮に襲われ、
陽炎はその姿を見て怪しげな笑みを浮かべた。

「早速で悪いが、貴様のこれからの処遇について話がある」

 その場に出されていた座布団の上に座ると、陽炎が口を開く。
細く鋭い瞳に睨まれ、譲は蛇に睨まれた蛙の如く動く事が出来なかったが、
陽炎の提案は、驚くべきものであった。

「ここに残って、我に、いや、我が一族に尽くす気はないかえ?」

 突然の提案に譲は驚きを隠せない。
彼らのような一族は、人との接触を極力持たないようにするのが普通であろう。
そのための掟もあるようだし、提案の意図が理解できないでいたが、
そんな譲の気持ちを悟ってか、陽炎は話を続ける。

「我らのような一族がこの浮世で過ごすのは何かと大変でな、
ここ200年ほどは、退魔師の真似事もしており、その恨みもかっておる。
無論、しっかりと修行を積んでもらわねばいかんが……」
21519:2009/04/26(日) 22:32:25 ID:wX3v2jAF
 譲はしばらく考え込んだ
サラリーマンとしての日常を捨て、
非日常的な世界で生きていけるだろうかという疑問、そして、陽炎との行為。
陽炎から受けた数々の責めを思い出すたびに恐怖が譲を支配する。

「あなたの僕として誓いを立ててしまった記憶があります。それでも選択肢はあると?」

顔を伏せると、再び考えを見透かされたようで、

「あの行為のことで儂を恨んでいるなら詫びよう、あれはやりすぎじゃった」

まさか向こうから謝るとは思っておらず、その驚きもあるが、
陽炎が艶かしい視線でこちらを見るのはもっと気になる。

「しかし……ふふっ、再びアレをして欲しいというのなら、その望み叶えてやるぞ?」

 背筋がゾクリと反応する、まさか、自分は再びアレを欲しているのだろうかと、
頭がそれを否定しようとしても、意識に組み込まれた何かがそれを阻害する。

「すぐに答えを出せとは言わん、ひとまず、別の部屋で考えるが良い」

 こうして譲は、人生で最大の選択を迫られたのだった。
部屋を出ると、先ほどの女性に別の部屋へと案内される。

「どうぞ、こちらでおくつろぎ下さい」

そして、案内された部屋の中を見ると、そこには驚きの光景が広がっていた。

「……これ、俺の部屋じゃん」

 そう、そこには、まさに譲の住んでいた部屋があったのだ。
家具の並びから散らかった洗濯物までそのままの状態、
左右を見渡すと、日本的な家屋の長い廊下、眼前に出現した光景に驚きを隠せない。

「あの、この部屋は?」
「あなたのお住まいを解約して全て運び出しました。何かお忘れ物でも?」

(なにぃぃぃぃ!てことは俺には帰る所が無いわけかよ!)

「周辺へのご挨拶は済ませておきましたのでご安心を」

(それはどうもありがとう……いやまて、俺が気になるのはそこじゃない。
あれは、会社から借りている寮だし、どんな手続きをしたんだ?)

「あの、会社には?」
「会社には退職願をお渡しして、退職したことになっております」

(なにぃぃぃぃ!ってことは俺、無職のフリーターかよ!)

「お気づきで無いと思いますが、あなたがこの屋敷に来てから本日で7日目になります」

(ぬぅあにぃぃ!ってことは退職願出さなくても無断欠勤で会社クビってわけかよ!)
21620:2009/04/26(日) 22:33:55 ID:wX3v2jAF
 つまりあれだ、譲は陽炎の条件を呑まざるを得ない状況になっているわけだが、
まさか、自分が7日間も眠り続けていたとは思ってもいなかった。

「おや?決心は付いたかえ?」

 そして、タイミングを見計らったようにやってくる陽炎。ため息をつく譲。
譲は、あまりの手回しの良さに、もう反対意見をいう気もおきませんでした。

「わかったよ、もう後には引けないわけだな、君たち一族の力になるよ」
「ほほう、良い心がけじゃ、さぁ、今宵は子らも呼んで歓迎の宴を開こうぞ」

実際の所、譲は今も、陽炎の尻尾に捉えられたままなのかもしれない。

(だが……それもいいかな?)

 そう考える時点で、今でも陽炎の支配下にあるのだろうが、
それを喜びと感じている時点でどうでもいいことだ。
さて、これから譲にはどのような人生が待っているのだろうか。
希望か絶望か、とりあえず前に進めばいいと考えるのが、この男の良さだろう。
こうして、ここから譲の新たな生活……いや、新たな人生がスタートするのだった。


―終―








「うわっ、朝からナニやってるんですか」

突然、服の間に陽炎の尻尾が入り込んでくる。

「だから、ナニじゃ」

あたかもそれが普通であるかのように、しれっとした顔で言う陽炎。

「あの、まだ疲れが取れていないんですが?」
「儂はお前が寝ている間、もう一週間もシておらんおじゃ、コレも修行と思え。
それにあの時も、私は結局イケず終いだったのじゃぞ?」

こうして、譲は尻尾に巻きつかれながら眼前の部屋に引きずり込まれる。

「貴様も溜まっているであろう? たっぷりと体を煽ってやろうぞ。
今宵も、明日も、そして明後日もな、ふふふ……」
「いやぁぁぁ!」

譲の人生……これでいいのか?



―続?―
217名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 22:35:17 ID:wX3v2jAF
終了。続くかも。
218名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 22:47:26 ID:/exx8pc0
GJ!!!!Mにはたまらない!
219名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 23:45:37 ID:cQ3mbc0s
GJ!
これが行方不明になった挙句、退職した真相ですか。
220名無しさん@ピンキー:2009/04/27(月) 03:45:08 ID:u4Bg3vW0
むしろ続け

で、雪風が焼餅を焼いてくれるステキSSはまだなのかい?
221「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:19:16 ID:9IqYOh7R
GJ。お疲れ!
そしてども。約2週間ぶりだ。
みんなの「GJ」を中断させて済まない。
今から投下する。
今回も駄文だと思うが出来れば読んで、感想を言ってほしい。
質問要望意見誤字脱字ダメだし全部受け付ける。
今回はエロに挑戦してみた。
少し長いと思う。
222「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:20:03 ID:9IqYOh7R

「月さ〜んお届け物でーすっ!」

俺こと神崎月は唖然としていた。
ここは学校。
正確に言えば蒼曜高校(そうようこうこう)、1年D組。
そこに俺の叔母がきていた。

俺の衝撃的な誕生日から4週間がたった。
その日俺は母の話や自分にまつわる謎を聞いた。
『え?なにその超展開?』
と言われそうなその話の数々は、
彼女が言えば何故かしっくり来た。
その彼女とは―――

俺の叔母(らしい)のニュクスだった。

ニュクスさんが話せばなぜか信じられた。
なぜかはわからないが彼女が話せばそれが全て真実のように聞こえた。
それは彼女の姿形もあってのことだった。
人間離れした美貌はまさしく神のものだ。
白い肌や女神の顔。さらさらの黒髪にくびれた腰、こぶりのヒップ。
そしてなんと言っても・・・
超大なバスト。
凄い大きい。なのに垂れてない。
服の上からでも分かるすごいバスト。
彼女は人を惹き付ける。
その母性的な彼女の姿に、俺は彼女が人でないことを悟った。
そしてその彼女は、
『私は今年のプレゼント。なのでもらってください!』
と言った形で俺の家へ住まわせてくれと頼んできた。
当然俺は断れなくて家へ住まわすことにした。
だが俺はきちんとけじめをつけて条件を提示した。

一つ。家事を手伝う。

二つ。食い扶持は自分で稼ぐ。

三つ。騒がない。
223「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:20:47 ID:9IqYOh7R
この条件で家に住まわすことにした。
結果は・・・


”最初から礼儀正しかった彼女ならば出来ると思った。後悔している。”


といった感じだ。
礼儀正しく素敵な叔母という俺の考えは早くも崩れた。
家事に関しては、
皿を壊す洗濯機あわだらけ風呂は栓しないで水の無駄遣いetc・・・。
俺の家は、俺はアパートで良いと言ったのに、親が許さなかったのでマンションになった。
1LKで風呂と洗濯機も付いてる安くてお得な物件は、いま彼女のせいで汚されている。
彼女が唯一できた仕事は、服をたたむ。それだけ。 

二つめ。金は、これはまだこちらになれていない人・・・いや神なので、
免除してやることにしてる。
・・・今の所。

そして三つめ。
これが一番だめだった。
彼女はあちらには無いものに驚く。
例えばテレビ。
俺がニュースを見ていたら、

「人が箱の中に入ってるぅぅぅ!!」

と叫んだ。
おれは誤解を作らないためにテレビの原理を説明した。
そしてそれからバイトがあったので急いでバイトに向かった。
そして午後九時。
俺がマンションに帰ってきたときには手遅れだった。
マンションの一階103号室の前の廊下に響く声。
俺は恐る恐る扉を開けた。
そこに飛び込んできたのは

「かっとばせ〜!!・・・きたぁぁぁぁ!!!」

正座をしながら野球の大声で応援をしている彼女の姿だった。
どうやらジャイアンツの応援をしていたらしい彼女は、
224「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:22:58 ID:9IqYOh7R
俺に気付いた瞬間に顔を引きつらせた。

一時間後。
そこには涙で目をはらせた我が叔母がいた。

「しゃわいで・・・えぐっ、じゅみましぇんでじた。ぐすっ・・・」

どうやら野球が気に入ったらしい。
おねがいだからぁ〜と頼んでくる彼女に断りを入れることも出来ず、二度と騒がないことを理由に今でもテレビを見せてあげていた。
俺の家には叔母と姪ではなく、兄と妹が居るようだった。
そして現在。
4日前に学校が始まり、今日から弁当だなーと思って弁当を作ったのだが忘れてしまって、
パンでも買いに行こうかなーと思っていたところだった。

「月さ〜んお届け物で〜すっ!」

「・・・は?」

俺は唖然とした。
クラスメイトも唖然としてた。
廊下も静かになった(気がした)。
それもそのはず。
さっき言ったようにこの叔母の姿はかなり人の目をひく。
ちょっとまえに街に一緒に出かけた時には通行人の約9割が見ていた。
その1割は犬や猫などの動物。
ぶっちゃけると、人は全員彼女を見ていた。
俺がトイレに行って帰ってくると、ナンパされていた。
その時の会話はこんな感じ。

「そこのねーちゃん、ちょっと俺らに付き合ってくれねぇか?」

「えっと・・・どこまでですか?」

「ちょっくらホテルまでだな。うひゃひゃひゃひゃっ!」

「えっと待っている人がいるので・・・」

「付き合いわりぃな〜。いいだろぉ。そんなヤツほっとけよ」

こんな感じ。
225「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:23:32 ID:9IqYOh7R
最終的に無理矢理連れて行かれそうになったときに、
俺がそいつらをボコボコにして奪還。
そのまま帰ってきた。
先週の日曜日には、スカウトもされたしナンパもされた。
一番ひどかったのは、

「・・・君5万でどうだい?」

と脂ギッシュな中年がいってきたことだ。
まぁ普通にスルーしたけど。
まぁそんな感じで彼女は人を惹き付ける。

で、今俺達がポカンとしている間に彼女は

「お弁当忘れてましたよ?もううっかりさんですね。ふふふ」

などと言いながら近寄ってくる。
俺は疑問を口にした。

「・・・なぜあんたがここにいる?」
「お弁当を届けに来たんですよ」
「・・・どうしてこの学校の位置が?」
「通行人にききました」

わお、うつくしきつうこうにんのこころ。
じゃなくて・・・

「・・・ぇれ」
「ほぇ?」
「・・・えれ」
「なんと?」

「・・・帰れぇぇぇーーーー!!!」

「ええぇぇ!?なんでですかぁー!」
「とにかくあんたは目立つんだよ!!今回は帰って!!!」
「お弁当を渡しに来ただけなのに・・・」
「ウン、ありがとう!!だけど帰って!!!」
「しくしく・・・」
「さぁ、ほらいったいった!!」
226「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:24:18 ID:9IqYOh7R

そんな感じで彼女を追い出した。
相変わらずクラス全体がしーんとしてる。
だが、その静寂も長くはつづかなかった。
分かるだろう。
恋愛ゲームではこういうイベントに必ず起こる、アレ。

「だれ!?今の誰!?」

「ねぇーねぇーいまの君のおねえさん?」

「いや、それにしては”さん”ってつけてたし・・・」

「礼儀正しい姉・・・ハァハァ」

「そんなことはどうでもいい!神崎よ!!俺ら友達だよな!!紹介してくれ!!いや、しろっ!!!」

「僕にも彼女を紹介してくれないか・・・?」

「ぼ、ぼくにも・・・」

「豚は黙れ!!俺にも紹介して!!」

「あたしレズだからさぁー紹介してほしいなー」

そう。クラスメイトに詰め寄られるっていうやつだ。
あぁ、俺のクールなイメージが崩れていく・・・。

「バカかお前ら!!あれは俺の叔母だぞ!!」
『・・・』
「・・・なんだ、急に静まりかえって。ようやく分かったか、このバカ共」

ようやく静まったか・・・。と思った時だった。

『わ・・・』
「・・・?わ?」

『わけえええええーーー!!!!』

「おわ!なんだお前ら!!」
227「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:25:06 ID:9IqYOh7R

何故かもっとヒートアップしてた。

「いいよ!!いい!!全然構わない!!むしろかもーん!!」
「名前は!?名前なんて言うの!?」
「えと・・・ニュクスっていうんだけど」
「ハーフ!?良い!!いいよ!!なおいい!!お前の叔母さん俺にくれ!!」
「ハァ!?」
「ニュクスさーーーんッ!!!俺だーーーッ!!!結婚してくれーーーッ!!!!」
「何いってんの!?」
「ぷりーずぎぶみーゆああうんと!!」

「ちょっ、せまってくんな、やめ・・・アーーーーーッ!!!」

こんな感じで騒々しい昼休みは過ぎていった。


キーンコーンカーンコーン
ようやく授業が全部終わった。
あれからは大変な騒ぎになった。
廊下やクラスは俺の叔母の話で持ちきりになった。
なかには廊下の中心で

「ニュクスさーーん!!大好きだーーーー!!!!」

と、愛を叫んだやつもいた。
先生に連行されたけど。
今でもそこら辺からちらほら声が聞こえる。
すると、

「なぁ今度おまえんち遊びにいっていいか?」

と、俺に話しかけてくる者がいた。
名前は遠野忠(とおのただし)。
クラスの盛り上げ役である。
顔は良いが頭がヒドイ。
こいつとはバイト先が同じで、夏休みには勉強会も開いてやった。
とそこにまた二人新たな影。

「僕も久しぶりに行きたいな」
228「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:25:43 ID:9IqYOh7R

そう話しかけてくるのは金草千鳥(かなぐさちどり)。
学級委員長でうちのクラスのリーダーである。
頭もかなり優秀。
かなりの美男子である。

「俺もだなー・・・うひひ」

不気味に笑ったコイツは陰屋京介(かげやきょうすけ)。
ヲタクだが話は面白いし頭もいい。
メガネを取ったら別人のように美少年になる。
だがヲタク。
結局ヲタク。
哀しきことにヲタク。

「・・・どうせあの人に会いたいだけだろう?」
『もちろん!!!』
「即答だな。オイ」

すごく早かった。

「美とはみんなに見られなければならない!!そう言う宿命にある」

そう忠が言い、

「美なる者には近づきたくなる・・・それが人間の性」

とは千鳥の弁。

「そうだ。美とは男女共通の尊敬の対象。・・・・・・友の叔母をレイプ・・・ゲームにありがちだがそこがいい」

と京介が―――ってちょっとマテ!!

「おい!!マジで!?」
「いやー冗談だよー冗談」

棒読みで京介は言う。

「レイプって洒落になんねーぞ!!!」
「だからジョーダンだって。嘘くらいわかれよー」
229「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:26:24 ID:9IqYOh7R
「お前が言うとマジに聞こえんだよ!!」

ハァハァと息を荒げながらも俺は声を出した。

キーンコーンカーンコーン

「あ、鐘だ」
「じゃあ席に戻るか。」
「また後で。」
「あぁ」

そして学校の一日の行事は全て終わっていった。


「で、だ。今からおまえんち遊びに行っていい?っていうか行くぞ」

で、今。帰り道。
忠と千鳥と京介と俺で横に広がって歩いている。

「別に良いけどウチにはあの人がいるぞー」
「いいじゃないか。・・・あれ?今の会話で気づいたこといっていいかい?」
「?何だ?」


「君たちって同棲してるのかい?」


「・・・」

「・・・」

「・・・」

・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・。


「しまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああぁぁ!!!」
「マジで!?マジなの!?今夜おまえんちに泊めて!!」
「本当なのか!!じゃぁ監視カメラを・・・」
230「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:27:20 ID:9IqYOh7R
「お前はウチに何を仕掛けようとしてる!!」
「じょうだんだってー」
「あ、母さん。僕は今日友達のウチに止まってくるから」
「千鳥っ!!お前は電話で誰と話している!!!」
「良いじゃないか!!僕にもそんな夢を与えてくれよ!!!」
「だ・め・だ!!!お前達には家は渡さん!!!」
「けちー!!!」
「けち、じゃねぇ!!」

そうして居るウチに夕日が差してきたのであった。



「やべー。忘れてた」
俺は今新月の夜を走っている。
理由は食材が冷蔵庫にない事に気付いたからだ。
近くのスーパーで買い物して帰るところだった。

「はやく帰らないとあの人泣くからな・・・」

ニュクスさんはかなりの食いしん坊で、2人前をさらりと食らう。
しかも腹が空くと泣く。赤ん坊かって。
そんなわけで今俺は帰路についている。

「あ、ついた」

考え事をしながら歩くと速く感じるもんだなと、思いながら正面玄関を鍵で開けて建物の中へ。

「あれ?やけに静かだな。」

その時にはもう兆候はあらわれていた。

静か過ぎる廊下。

電気の消えた他の家。

この二つだけでも十分だった。
なのに俺は気付かなかった。

俺は部屋の前についた。
231「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:28:11 ID:9IqYOh7R
気が付いたのはその時だった。


   黒い羽。

夜を形容するように黒い羽。

それが頭上から降ってきた。

俺は反射的に避けた。

その羽は地面におちた。

俺はマンションの窓から外を見た。

鳥が居た。

その鳥は空から降ってきた黒い羽に気付かずそれに当たった。

その鳥は瞬時に眠った。

俺は急いで部屋の前に戻ると扉を開けた。


そこには


黒い羽。
それがそこら中に落ちていた。
リビングをのぞいた。
いた。
俺の叔母がいた。
しかし様子がおかしかった。
その叔母の腰辺りから黒い翼が生えていた。

「オイ、どうし」

言葉はそこまでしか紡げなかった。
何故なら
黒い羽が一斉にばらまかれたからだ。
232「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:29:14 ID:9IqYOh7R
やばい!と思っておれはその無数の羽を避けつつも冷静になってかんがえた。
どうしてこうなったのかは分からない。
しかし、この黒い羽は頭に当たることで動物を眠らせることが出来るらしい。
ならば頭に当たらないようにしながら彼女を気絶させるのがいい。
そう思って彼女の顔を見た。
そこにはうつろな目をこちらに向けている彼女がいた。
俺は彼女に向かって歩き出した。
すると彼女は大きい黒い翼を俺振ってきた。

(あぁ、あれに当たったら寝むっちまうだろうなぁ)

と思いかがんで回避。
すろと逆側の翼で追加攻撃。
後ろに跳んで回避。
隙が出来たので全力でダッシュ。
彼女の肉体を痛めつける事に多少心を痛めたが、その勢いのままに一撃。
それによって彼女の身体が揺らいだときにマンガみたいに首筋に手刀一発。
我ながら実に凄い手際だ。
そして彼女は気絶して倒れた。


「・・・ふぇ?」

あれから約二時間後。午後10時丁度に彼女は起きた。

「お。ようやく起きたか」
「あれ〜?私確かリビングでやきゅーを見てたはずなんですけど?ってアレ?なんで私、黒翼出してるんですか?」
「こっちがききてぇよ」

彼女は寝ている間もずっと翼を出していた。
なんでかは知らんけど。

「あぁそうだ。今日は新月でしたね〜」
「?だからどうした?」

全く意味が分からなかった。

「説明するとですね〜、私は元々は肉体がなくて霊体しか無かったんですが・・・」

そこから彼女は語りだした。
233「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:29:48 ID:9IqYOh7R
まとめると、

1・人の身体を受肉したのでかなりエネルギーを消費した。

2・自分は夜の神なので夜になるとエネルギーを吸収できるが、最近は夏。夜が短くて満足に吸収できなかった。

3・月の満ち欠けによって自分は吸収出来る量が決まっているが、今日は新月なので吸収できなかった。

4・それによってリミッターを外してしまった。

と言うことらしい。
わけがわからないがまぁ良しとしよう。

「ということで・・・」
「ということで?」

一人で話をまとめているとニュクスさんがいきなり話しを切り出してきた。

「私はてっとりばやくエネルギーを吸収したいです。なので・・・」
「なので?」


「エッチしましょう」


「げっふぉぉ!!!」

いきなり何を言い出すのかと思えば。

「アンタ何いってんのかわかってんytrfdっがっふぇ!!!」
「月さんこそ何語喋ってるんですか・・・」
「ヒドイ!!まさかアンタに言われる日が来ようとは!!」
「ねぇそれって私のことを侮辱してるんですか?ねぇってば」

まぁ気を取り直して・・・。

「で何故に?」
「精液とはいわばエネルギーの固まりです。それを吸収したらそれはすごいエネルギーが取れます」
「なにこのどっかで見たことのあるようなエロへの持って行き方」
「?なにをいってるんですか?」
234「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:30:21 ID:9IqYOh7R
「あ、あぁなんでもない。」

俺はいま何を言っていたのだろう。
自分でも何を言っていたのかわからない。

「理解していただけましたか?それではやりましょう!!」

ニュクスさんがそんなこといってくる。
当然俺は・・・


「断る」


ことわった。

「何でですか!!」
「だって新月って今日だけじゃん。今日一日ガマンすれば明日には全部元通りじゃん。みんな黒い羽当たって寝てるだけなんだから。」

そうだ。実際みんな寝てるだけ。
ぶっちゃけ新月は今日だけだから明日になれば元通り。
その理論で言えば明日からはまたエネルギーを吸収できる。

「お願いします!!」

それでも言ってくるからおれは 

「断る」
「お願い!!」
「無理」
「お願い!!」
「不可能」

もちろん断っていった。

「フフフ・・・こうなったら」

いきなり彼女は不気味に笑って腰から生えてる翼から一枚羽を引っこ抜いた。
・・・って
235「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:30:59 ID:9IqYOh7R

「こうなれば無理にでも!!!」
「ちょっとまて!!止めろ!!くんな!!うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」

俺は黒い羽を押しつけられながら意識が遠くなっていくのを感じた。



ピチャ・・・ジュブ、グチュッ・・・

音が聞こえる。

グチュ、ニチッヌュポックチュッ・・・

あぁ何か下半身が熱い・・・。

ニュプ、クチャッネトッ・・・

いやこれは熱いんじゃなくて

ネチャッグポッニュルッ・・・

気持ちいい。

その快感によって、ようやく意識が戻ってきた。
・・・って

「やっぱりか!!!」

俺はベッドの上で仰向けになっていて、ニュクスさんが俺の股間に顔を埋めていた。

「あ、起きました?」
「起きました?じゃねーよ!!何やってんの!!」
「何ってフェラチオですけど?」
「そうじゃねぇよ!!何でアンタがそんな事をやってんの!!!」
「エネルギー吸収のためですって。さっきも言いましたよ?」
「あぁクソッ!もう離れろ・・・ってアレ?手が身体が動かん」
「フフフ・・・布で縛ってるからですよ」
「なぜ!?」
「逃げられないようにするためです」
236「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:31:43 ID:9IqYOh7R
気絶している間に縛られたのであろう。
ベッドごと布で縛られていた。

「フフフ・・・仕上げです」

そう言うと彼女は俺の顔に自分の顔を近づけていった。
そして何の躊躇もなく唇を重ねた。

「!?!」

俺はもちろん驚いた。
しかもニュクスさんは舌も入れてきた。

「ァん・・・んくっ・・・ピチュッ・・・」

しかも唾液まで・・・ってあれ?

「か、体が熱い・・・」

そう。何故か急に体が熱くなってきたのだ。

「ふっふっふ〜私は体組織をある程度変化させることが出来るのです。今のは唾液に媚薬効果を混ぜてみましたっ」

明るい顔で彼女は言う。
媚薬唾液のせいで俺の理性は本能に負けかけていた。
分かりやすくやると

本「へへっもう身をゆだねちまえよ〜」
理「いけない!!このままだと本能の思うつぼだ!!」
本「そんなこといってもお前だって興奮してんじゃねぇか〜」
理「くっ・・・」

てな感じ。
そろそろ真面目にやばくなってきて
あ、やばい。(理性的な意味で)
と思った瞬間に彼女はまた唇を重ねてきた。
そして俺の理性が崩壊した。

「ぅン・・・んむっ!?ハァん・・・んくっ、ピチャッ、んんっ!!・・・んーー!!」
237「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:32:15 ID:9IqYOh7R
理性の崩壊した俺は積極的に舌をいれた。

「ゥん・・・あっ、んんっ・・・んくっ・・・ァん・・・」

激しく舌を絡め唾液をすすった。
彼女はそれに何とか耐えようとしているがやはり女性ということか、すぐに酸素を欲する。
しかし俺はそれを許さず息の続くまでせめる。

「んン・・・んむっ!ンくっ、ピチャッくちゅっ・・・んん!!」
「ァんっ・・・んんん!!んむっ・・・んーーーーー!!!・・・ぷはぁっ!!・・・はぁ・・・はぁ」

ようやく唇を離してやる。
そして彼女の瞳を見る。
その彼女の瞳はすごく潤んでいた。
その光景に興奮してまたキス。
もちろん舌も入れる。

「んぁ・・・むぅっ!んくっんくっ・・・んんん!!」

今回は彼女も積極的に舌を入れてきた。
しかし俺はそれならばともっと激しい動きで彼女を翻弄した。

「んんっ!!ら・・・らめぇ・・んっ、んんんぅ!!!」

さすがの神様もこれには屈服してしまったようだ。
唇を離して深呼吸をする。
2分間の休憩。
休憩した後、彼女は妖しく笑った。

「うふふ・・・ようやく堕ちましたね・・・」
「あんたが堕としたんだろうが・・・」
「どーでもいーです。それじゃあ続きをしましょう。」

そう言うと彼女は体を回転させて、顔を俺の股間に近づけていわゆる69状態になった。
そして彼女は躊躇いもなく

「んん・・・グチュ、にゅぷっ、ぬぽっ」

フェラチオをした。
238「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:33:25 ID:9IqYOh7R

「くっ・・・」

あまりの快感に息が詰まる。
それをこらえるために上を見つめていると。
あることに気が付いた。
今俺の目の前にはニュクスさんの女性器がある。
ということは・・・

「にゅぽっグポッネプッ・・・んんん!!ぁん、あひぃん!!」

俺は彼女をショーツの上から舌で愛撫した。
時に押し込み、時に全体を舐めるように舌を行き来させる。

「あんっ!あ、あぁん!だ、だめぇ!い、今はぁ、わたしがぁ」

彼女はすごく敏感ならしい。
布の上からでこれなのだから、直接やるとどうなるのだろうか。
俺は興味をもってショーツをずらし直接女性器に口づけた。

「ひゃっ・・・ひやぁぁぁぁぁあああああ!!!」

結果は大成功。
彼女はもの凄い快感を感じ、フェラすることさえ忘れていた。

「あんっ!あっ・・・んんんー!!ひんっ!あ、あ、あ、あひぃぃぃぃいいい!!」

口づけるだけではなく、舌を差し込んだり、クリトリスを唇で挟んだりなど、
とことん彼女を攻めた。
そう。何故かはわからないが俺には愛撫の才能があった。
神様をよがらせるくらいの。

「ふぁっ・・・あンっ!!ら、らめぇ、らめーーー!!!」

ニュクスさんはフェラすることを完璧に忘れていた。
そして遂に

「い、いやぁぁっ!もう・・・もう、だめぇーーーーーー!!!」

絶頂を迎えた。
派手に愛液をまき散らせ、体を大きく仰け反らせた。
239「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:35:55 ID:9IqYOh7R

「あ、あ、かふぅ・・・」

未だに余韻に浸っているらしい。
目がとろんとしている。
そして俺はあることに気付いた。
今なら彼女はこの縛めを解いてくれるのではないか。
試しに言ってみた。

「すまん。ちょっとこれ解いてくれ。」
「はァ・・・いい、ですよぉ・・・ふぅ」

案の定彼女は未だ頭にモヤがかかっており、簡単に解いてくれた。
・・・反撃開始。

「ふぅ・・・んひぃぃぃ!!」

解いてもらった瞬間に押し倒し、その大きな胸をわしづかみにした。

「あひぃぃぃ!!ちょ、イったばっかり・・・んぁ!!」

少し強めに揉みほぐしていくと、だんだんと乳首が立ってきたので

「あんっ!!あ、あんんんぅぅぅぅ・・・ひゃひぃ!!!」

右の乳首を強烈に吸い、もう片方は指でつまんでみた。

すると信じられないことが起こった。

「んんんん!!あ、ああ・・・お乳が・・・」

なんと乳液が出てきたのだ。
ほんのり甘くて優しい香りのする白い液体。
それに俺はすごく興奮した。

「あああぁぁぁ!!す、吸わないれぇ!!ら、らめぇぇぇ!!」

右を吸って、左を吸う。その間も乳首をつまむのは忘れない。
そして良い感じに彼女が乱れてきたので一気にイかせることにした。
240「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:37:00 ID:9IqYOh7R
「いやぁ・・・んひぃぃぃ!!?ら、らめぇ!やめてぇ!つままないでぇ!吸わないでぇ!!イっ・・・くぅぅぅ!!!!」

ぷしゃぁぁぁと胸から乳液をまき散らせて、また彼女はイった。
そして、俺もそろそろ限界だった。

「ニュクスさん・・・挿れていい?」
「は、はいぃぃぃ・・・どうぞぉ・・・」

彼女は快くOKしてくれた。
なので俺は取り敢えずバックの体勢になり、位置を確かめてから一気に貫いた。

「んっくぅぅぅぅぅぅ!!!!!」

途中で何かぷちんとはじけた感じがしたがなんとか貫いた。
と、その瞬間だった。

「くぅっ!!!!」

強烈な快感が俺を襲ってきた。
さっきフェラされていたこともあって、それに耐えきれず俺は射精してしまった。

びゅくぅ、びゅるるるっ!

「あああああああ!!!奥であったかいのがぁ・・・」

俺は少しでも堪えようと下を見た。
するとそこには、驚くべきことがあった。

「あんた・・・処女!?」

そこには―――ヴァギナから鮮血が流れていく情景があった。

「はいぃ・・・私はぁ、近頃受肉したものでぇ・・・あぁ、でもぉ痛くはありませんよぉ・・・」

確かに無理をしているようにはみえない。
痛くは無いらしい。
処女だと知らずにおもっいっきり突き上げたからな・・・。俺も反省はしている。
今改めて考えると俺は今、美人な叔母の「初めて」を頂いたわけで。
しかも痛くは無いから突き放題。
そんなことを考えていると我が息子も勢いを回復して、今までに無いくらいに堅く、大きくなっていた。
241「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:37:46 ID:9IqYOh7R
我が息子も復活したのでこちらも攻めることにした。

「ちょ、いきなりっ!・・・んやぁあぁぁあ!!!にゃふぅっ!!」
「・・・くぅっ」

相変わらずすげぇ気持ちいい。
だが俺はグッとガマンして、ニュクスさんを貫き続けた。

「んやぁぁ!!ひゃうっ!んんん!!ひゃあああぁぁぁぁ!!」
貫き続けながら、腰に添えていた手を移動し手綱を掴むように胸を両手で掴んだ。

「ひ、ひやぁぁぁ・・・おっぱいはぁ、やめてぇ・・・」

乳首を刺激してやると母乳が溢れてくる。
俺はそれを感じ取りながらよりいっそう腰の動きを速くした。

「いひぃっ!!あふぅ、ああああああああ!!!にゃふぅぅううぅぅ!!!」

俺はこれが初体験なので分からないが、ニュクスさんはそうとう感度が良いらしい。
いろんな所を触っても、必ず感じてくれる。すごくいい。
っとさすがにヤバくなってきた。
ちょっとラストスパートかけよう。

「んみぃぃぃ!ら、らめぇぇぇえええ!!おっぱいも、おま○こも・・・いやぁぁぁああああ!!!」

腰を激しく振って、胸も強くもみしだく。乳首への愛撫も忘れない。

「そろそろイくぞ・・・」
「ひゃ、ひゃいぃぃぃ!わ、わらひもぉ・・・んんっ!!」

絶頂が近いことを告げる。
そして前までと同じように腰を振り、胸ももむ。

「イくぅっ!!イくっイくっ・・・イっちゃうううぅぅぅぅ!!!」
「ぐっ・・・」

俺はすぐそこまで絶頂が来てるのを感じて、これが最後と肉棒を抜ける寸前まで引いて、
・・・思いっきり奥まで貫いた!

「らめぇぇぇ!!!いくぅぅぅ!!・・・んあああああぁぁぁぁぁ!!!!」
242「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:38:13 ID:9IqYOh7R
「くっ!!」

先にニュクスさんが果てた。
そのイく時の膣内は最高で、俺は最後に肉棒を子宮口に押しつけてイった。

「はああぁぁぁ・・・子宮にはいってきますぅ・・・」
「すまん・・・もう寝る・・・」
「はいぃ・・・私もぉ・・・」

つかれてたからか、俺はニュクスさんから肉棒を抜いたあと、豊満な彼女の胸を枕にして眠ってしまった。




「やっちまった・・・。」

それには二つの意味がある。
一つめは昨日の話。
いくら唾液に媚薬効果が混ざっているからと言って最後までやってしまったのはダメだった。
二つ目は今の時間。
午前11時26分。
完全に寝過ごした。
今から行っても、間に合うっちゃ間に合うけど、もうダメだろう。

「ふぁぁぁ〜・・・」

ようやく元凶が起きたみたいだ。
・・・処刑執行。

「おはようござ・・・って痛いー!!頭が割れるように痛いー!!」

起きた彼女に向かってブレインクロー。
俺の握力は一応握力は53kg。
あるていど痛いだろう。

「痛いー!!あ、頭がー!」
「ほう。昨日のことを忘れたのか、このヤロウ」
「な、何がですか・・・って痛いーー!!!頭蓋が割れるようにいたいーー!!!」
「『何が』だと?」
「は、はいぃぃ〜!何のことだか・・・って痛いー!!」
243「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:39:11 ID:9IqYOh7R
「昨日、俺を襲ってくれたなこのヤロウ」
「す、すいませんでした〜・・・い、痛いーー!!謝るから許してーー!!」
「よろしい」

俺は彼女から手を離した。
それでも彼女はまだいたがっていた。

「うぅ・・・まだいたいぃ〜・・・」
「痛いのは分かるが、まず謝れこのヤロウ」
「す、すいませんでした〜・・・」
「謝ればよろしい」

そういうと彼女は調子にのって

「で、でも気持ち良かったんですよね?後半は私が攻められてたし・・・」

なんてことを言う。
なので俺は・・・

「えへへ〜・・・痛いーー!!」

ブレインクローをもういちど。

「ちょっ・・・本当のことじゃないですか〜・・・みぎゃああぁぁ!!!」
「・・・神の万力!!」
「ちょっ、神って私・・・にゃああああぁぁぁ!!!・・・がくり」

あ、気絶した。
まぁいいか。ここらで許してやろう。
確かに後半は俺が積極的になってたし。
それにしても。

「かわいいな」

彼女の寝顔(っていうか気絶顔?)は本当に可愛らしいものだった。


拝啓

俺のカス母上様。
今年のあなたの俺へのプレゼントで、
俺の生活は乱れております。
それはもう色々と。
グチャグチャです。このヤロウ。
・・・ですが前よりも賑やかになりました。
あなたも今度来てみてはいかがでしょうか?

by神崎月
244「月と夜」かいたバカ:2009/04/29(水) 01:40:01 ID:9IqYOh7R

以上。投下終了。
長いのに駄文で済まん。
エロは自分でも思うが微妙だった。orz
感想を言ってくれると嬉しい。
そして読んでくれた方に感謝。
本当にありがとう。
245名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 04:08:45 ID:fDTfKBPJ
正常位でお願いします
246名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 22:57:39 ID:T7ZSNAGi
乙!!
247名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 23:49:02 ID:JplobE2Z
248名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 00:06:00 ID:l2elI5jI
249名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 00:18:14 ID:ip6uyL56
     ::|
     ::|    ____
     ::|.  ./|=|    ヽ.    ≡三< ̄ ̄ ̄>
     ::|. / |=|  o  |=ヽ     .≡ ̄>/
     ::|__〈 ___  ___l   ≡三/ /
     ::|、ヽ|.|┌--、ヽ|/,-┐|    ≡/  <___/|
     ::|.|''''|.\ヽ--イ.|ヽ-イ:|  ≡三|______/
     ::|.ヾ |.::. .. ̄ ̄| ̄ /
     ::|  ';:::::┌===┐./
     ::| _〉ヾ ヾ二ソ./       こ、これは乙じゃなくてスラッガーなんだから
     ::||ロ|ロ|  `---´:|____    変な勘違いしないでよね!
     ::|:|ロ|ロ|_____/ロ|ロ|ロ,|`ヽ
     ::| |ロ|旦旦旦旦旦/ロ/ロ|旦,ヽ
     ::|ロヽ 旦旦旦旦旦./ロ,/|::旦旦)
     ::|ヾ旦旦旦旦旦旦,,,/::::|、 旦旦|
250名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 01:15:38 ID:VgUmixow
251式神馴らし:2009/04/30(木) 20:45:53 ID:/3apxND7
投下します
252式神馴らし 5話 1章 1/4:2009/04/30(木) 20:47:29 ID:/3apxND7
 冷たい風が吹き抜けていく。
 年の瀬も迫り、気温は低い。大学は冬休みに入っている。
 厚手のコートとマフラーを着込んだまま、初馬は神社の境内を歩いていた。敷地は広く、
よく手入れされた神社。靴が石畳を踏む音が耳に聞こえてくる。
 世間ではクリスマスイブと騒いでいるが、自分にはさほど関係がない。

「さすがに寒いな……」

 正面を見ると本殿があり、賽銭箱が置いてあった。その前に並んでお参りをしている人
が三人ほど。休日は人が多いのだが、さすがに平日は人の姿もまばらである。年末年始
は呆れるほど人がごった返すのだが、今は嵐の前の静けさだ。

「さて、一ノ葉はちゃんとやってるかな?」

 そんなことを呟きながら、社務所へと歩いていく。
 社務所の近くにあるお守り売り場。ずらりと並んだお守りやお札。
 その奥に佇む高校生くらいの少女。長い黒髪と色白の肌。そして、白衣に朱袴。退屈そ
うな眼差しで、木の葉の落ちたケヤキの枝を眺めていた。式神変化でほぼ人間の姿に化
けた一ノ葉である。素人目には人間でないとは分からないだろう。
 見た限りでは、巫女さんのバイトをしている女子高生だった。
 後ろでは石油ストーブが暖気を吐き出している。

「よぅ」

 初馬は右手を挙げつつ、声を掛けた。
 それで気がついたのだろう。ぼんやりとしていた一ノ葉が目を向けてくる。今まで感情の
移っていなかった黒い瞳に、不機嫌そうな光が灯っていた。
 眉根を寄せて、冷たく一言。

「何しにきた?」
「冷やかし」

 初馬の即答に、一ノ葉が人差し指を立ててみせる。

「堂々と言い切るな、アホが。いちいちこんな時間に見に来る必要はないだろ。冬休みは
大学無いんだから、夕方くらいまで寝てろ。むしろ、冬眠してしまえ」
「やれやれ。せっかく人が見に来てやったのに」

 初馬は頭を掻いて辺りへと視線を漂わせた。
 朝九時過ぎ、お守り売り場にいるのは一ノ葉一人だけ。他人に会話を聞かれる心配もな
い。もっとも、周りに人がいても普通に悪態を付くかもしれない。

「要らぬお世話だ」

 予想通りの反応に満足しえつつ、初馬は一ノ葉を見つめた。神社から借りている巫女装
束。首のチョーカーは術で隠してある。

「そろそろ慣れたか、このバイト? お前は適応が早いから大丈夫だとは思うけど。明後日
から一気に人が増えるぞ? 覚悟はできてるか?」

 視線で境内を示しながら、初馬はそう告げた。どこの神社仏閣でも言えることであるが、
正月前後は一気に人が増える。まさに稼ぎ時だ。
253式神馴らし 5話 1章 2/4:2009/04/30(木) 20:48:09 ID:/3apxND7
 一ノ葉は指で髪を弄りながら、

「それにしても、ワシは何故こんなことやってるんだ?」
「これ」

 初馬はポケットから一枚の紙を取り出した。


 私、一ノ葉は白砂初馬より現金二万四千円を借ります。借りた金銭はどんな手段を使っ
てでも、必ず返済致します。
                          一ノ葉


「………」

 目蓋を落として、じっと借金証明書を見つめる。
 パソコン印刷されたA4の紙。一ノ葉の右前足の拇印が成されている。それは、初馬から
借金をしたという証書だった。借りた金は寝床用の高級タオルケットとペット用電気マット、
その他本類に使われている。ちなみに、利息はついていない。

「金を稼ぐのがこれほど大変だとは思っていなかった。ワシは甘かった……」

 右手でこめかみを押さえて、呻く。
 本人としては初馬の退魔師の仕事を手伝った金で返すつもりだったらしい。しかし、初馬
は見習い準二級退魔師。一級退魔師ならともかく、普通は退魔師資格を持っていても学生
に仕事は来ない。一ノ葉にも収入が無く一円も返ってこないまま一ヶ月が経ち、結局アル
バイトをすることを決定した。

「とはいえ、何故神社の巫女のバイトなんだ? 普通のアルバイトくらいあるだろうに。答え
は訊くまでもないのだろうがな」

 一ノ葉が不満そうに両腕を広げている。白衣の袖が広がった。
 今は初馬の親戚の白砂一葉と偽り、近所の神社で雇って貰っている。この神社の神主
は初馬の知り合いだったので、すんなりと採用された。いわゆるコネ採用だ。昨日から巫
女さんのバイトを始めている。
 無論、巫女装束が似合うだろうという理由で巫女さんのバイトをさせたのが、それだけで
はない。それはおまけ程度の意味である。
 初馬は断言した。

「お前に普通の接客業できるとは思っていないよ」
「うぐ……」

 自覚はあるのか、一ノ葉がたじろぐ。黒髪が揺れ、白衣の布擦れの音が聞こえた。
 一ノ葉は言葉使いが悪い上に、態度も悪い。古風な喋り方は誤魔化せても、態度の矯正
は難しい。普通の接客業では、ほどなく客と一悶着起してクビになるだろう。
 初馬は空を見上げた。冷たく澄んだ青い空。

「年賀葉書の仕分けってのも思いついたけど、それも無理そうだし。一番無難そうな巫女さ
んのバイトにしたわけだ。俺もこっちに来てから一年経ってないし、どんなバイトあるのか知
らないから」
「そういえば、貴様はアルバイトはしたことないのか? 最近の若者は、アルバイトで自分
の小遣いを稼いでいるようだが――」

 一ノ葉が訊いてくる。単純な好奇心だろう。
254式神馴らし 5話 1章 3/4:2009/04/30(木) 20:48:48 ID:/3apxND7
 今はいないものの、一ノ葉と一緒に巫女さんのバイトをしている女子大生もいる。そこか
ら他のバイトの話も聞いているらしい。ちなみに、一ノ葉は神主の親戚か何かと思われて
いるようだった。大人しくしているなら、清楚なお嬢様である。素の口調で喋り出したら、化
けの皮は剥がれるが。
 高校生の頃を思い出しながら、初馬は首を振る。

「無いな――。退魔師ってのはバイトやってる余裕もないから。家に帰ったら三時間は修行
だし。家の手伝いって名目で小遣い稼ぎはしたことあるけど」

 霊術から政治的交渉術まで、退魔術は学校などでは学ぶことのできない特殊技術だ。学
校が終われば、その勉強をしなければいけない。アルバイトをしている余裕はなかった。そ
れでも時間を作って遊んだりはしていたが。
 一ノ葉に目を戻してから、初馬はぱたぱたと手を振った。

「正月明けまで働けば、俺からの借金返して十分お釣りが来るくらいは儲けられるだろ。時
給は普通だけど、正月は特別手当も出るみたいだし。頑張れよ」
「分かっている。ワシは約束は守る主義だからな。きっちり返してやるわ」

 腕組みをしてから、憮然と一ノ葉は答えた。長い黒髪が揺れる。返す気は満々であるが、
心配は消えない。まあ、大丈夫だろう。
 それでも、テコ入れとして初馬は告げた。他人事のように。

「金返せなきゃ、借金式神なんて呼ばれるだろうからな。てか、もう一部でそう呼ばれてる
からな。放っておくと変なアダ名が広がるぞ?」
「借金、式神ぃ……?」

 その言葉を繰り返しながら、一ノ葉は顔を強張らせる。思いの外堪えたらしい。唇が震え、
身体を仰け反らせていた。暑くもないのに、頬に冷や汗が浮かんでいる。
 実家の妹に一ノ葉の事を話したら、そう言われた。借金式神。既に実家では広まってい
るだろう。下手に長引かせると、親戚中に広まる可能性もある。式神に変な噂が立つと、
初馬にとってもダメージはあるのだが、今は笑い話の範疇だろう。

「だから、早く返せよ」
「分かっている」

 答えた声に先程までの余裕はなかった。
 初馬は並んだお守りやお札を眺める。神社のお守り売り場。特別斬新なものは置かれて
いない。斬新なものが置かれていても逆に怖いだろう。

「おみくじでも買ってみるか」
「百円だ」

 右手を差し出しながら、一ノ葉が言ってきた。
 眉を斜めにしたキツイ表情。普通の接客の時は営業スマイルを作っているようだが、初
馬相手にそれをする気はないらしい。
 だが、初馬はにっこりと微笑みながら、

「スマイル」
「………」

 帰ってきたのは沈黙。
 笑顔のままの初馬と、怒り顔の一ノ葉。
 数秒の睨み合いの後、屈したのは一ノ葉だった。
255式神馴らし 5話 1章 4/4:2009/04/30(木) 20:49:25 ID:/3apxND7
 額に青筋を浮かべたまま、強引な笑顔を作ってみせる。頬を無理矢理持ち上げ、口元と
目を笑いの形にしていた。だが、目付きは笑っていない。

「ひゃく、円です」
「ほい」

 初馬はポケットから百円を取り出して、差し出された手の平に乗せる。
 一ノ葉は百円を小銭入れに収めてから、御神籤箱を手で示した。年期の入った六角柱
の木箱。側面に「おみくじ」と書かれていて、上の部分に小さな穴が開いている。

「どうぞ、おひとつお引き下さい」

 棒読みの台詞を聞きながら、御神籤箱を振って出てきた棒を手に取る。先端に二十三と
いう数字が書かれていた。御神籤箱を置いてから棒を一ノ葉に渡すと、慣れた動作で傍ら
の小さな棚からおみくじを出し、両手で差し出してくる。

「どうぞ」
「ありがと。思ったよりもちゃんと出来てるな。偉い偉い」

 おみくじを受け取りながら、初馬はごく普通に感心していた。多少ぎこちないことも覚悟し
ていたが、予想以上に手慣れた動きである。さすが適応が早い。

「これくらい、三十分も教えられれば普通にできるようになるわ、ボケ」

 飛んでくる罵りを聞き流しながら、初馬はおみくじを広げた。
 おみくじを引くのは、子供の頃から好きだった。大吉が出れば嬉しいし、たとえ大凶が出
てもそれはそれで面白い。何が出て来るのか分からないのが、クジの醍醐味だと思う。

「末小吉……」

 現れたのは見慣れない文字だった。

「って、何? どれくらい吉なんだ?」

 訳が分からず初馬は一ノ葉を見つめる。一緒にお神籤の文字も見せた。
 少し前までは、大中小吉に吉、凶、大凶の六種類だった。半年前に興味本位で引いた時
はそうだったと記憶している。何が出てくるのが分からないから面白い――とはいえ、本当
に分からないものが出てしまうと、戸惑うしかない。
 一ノ葉は呆れ顔でおみくじを見つめながら、

「神主の爺さんが、お神籤の概要を増やしたとか言っていた。これが新しいおみくじの概要
だ。貴様が引いたのは……上から8番目だな」

 そう一枚の紙を見せてくる。新しく作られたおみくじの格付けのようだった。

『新おみくじ概要一覧  大大吉、大吉、中吉、小吉、吉、半吉、末吉、末小吉、凶、小凶、
半凶、末凶、大凶、大大凶』

「あの爺さんは、また思いつきで変なことして。そう簡単に種類増やしていいのか? 神道
的な立場から考えて? そもそも何で十四種類もあるんだよ。おみくじ種類日本一でも目
指してるのか? まったく」

 末小吉のおみくじを握ったまま、初馬は額を押さえる。

「ワシに愚痴るな」

 一ノ葉がため息混じりに言ってきた。
256名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 20:49:57 ID:/3apxND7
以上です。
続きは来週を予定しています
257名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 23:42:48 ID:7KFB1zqO
本命キターーー!
258名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 05:43:33 ID:bw2YpUvC
ドラゴン&モンスター案内
259式神馴らし:2009/05/06(水) 19:35:27 ID:7b4gx+qu
こんばんは
投下します
260式神馴らし 5話 2章 1/4:2009/05/06(水) 19:36:39 ID:7b4gx+qu
 空を見ると日が暮れかけ、薄暗くなっている。
 神社の駐車場にあるベンチに腰掛け、初馬はホットココアを飲んでいた。厚手のコートを
着ているが、骨身に染みる寒さがある。車は一台も置いていない。それでも念のためにと、
隠れ蓑の術の結界を張っていた。

「遅かったな」

 初馬は右手を挙げた。
 神社の境内から一ノ葉が歩いてくる。黒いコートに灰色のズボン、スニーカーという格好
だった。どちらも初馬が術で作ったものである。着替える際に不自然にならないよう、服は
脱いでも一日程度は形を留めておくように細工してあった。

「少し片付けに手間取ってな」

 一ノ葉が答える。月並みな台詞であった。

「さて、バイトも終わったし、もう人の姿でいる必要はないだろう? さっさと元の姿に戻せ。
式神変化の術は解除に手間取るからな……」

 ぱたぱたと手を振りながら、催促してくる。式神変化の術は一ノ葉の意志では簡単には
解けない。強制解除はできるが、手間はかかるのだ。
 初馬はココアの残りを一気に飲み干した。

「お前は本当に人間の姿になってるのが嫌いなんだな」
「嫌いというか、落ち着かないのだ……。ワシは元々四つ足の獣なのだぞ。貴様も一日四
つ足で過ごしてみろ。ワシの気持ちが分かるから」

 一ノ葉の反論。両手を腰に当てて睨んでくる。
 言っていることは正しい。一ノ葉は元は普通の狐だ。資料によると、死んだ狐を素体とし
て様々な術加工を施したらしい。
 初馬はココアの缶をゴミ箱に放り投げた。距離は五メートルほど。放物を描いて吸い込ま
れるようにゴミ箱に飛んでいく空き缶。だが、縁にぶつかって横に落ちた。
 カラカラと乾いた音を立てて転がっていく。

「カッコ悪……」
「ぐ……」

 囁くような一ノ葉の一言が心に突き刺さる。
 だが、気づかない振りをして初馬は足を踏み出した。素早く空き缶を拾い上げ、ゴミ箱に
放り込み、何事も無かったように一ノ葉に向き直る。

「式神変化・解除」

 両手の印とともに術が発動。
 微かな煙を立て、一ノ葉が人の姿から狐の姿へと変化する。
 普通の狐よりも二回りほど大きな狐。全身を赤味がかった黄色い気で覆われている。す
らりと伸びた手足と、無駄のない体付きが美しい。ふさふさの尻尾が一本。首には赤いチョ
ーカーが巻かれている。
 変化が解除されたことを確認するように、一ノ葉は身体を動かしている。

(やっぱキュウコンだよな……)

 その姿を眺めながら、初馬はそんなことを考えた。ポケモンに出てくるキュウコン。その
尻尾が一本になると、おおむね一ノ葉の姿になるだろう。
 訝しげに見上げてくる一ノ葉。
261式神馴らし 5話 2章 2/4:2009/05/06(水) 19:37:10 ID:7b4gx+qu
「何を考えている?」
「いや、何でもない。帰るか――」

 初馬は軽く手を振ってから、歩き出した。
 一ノ葉も一緒に歩き出す。首に巻いたチョーカーには隠れ蓑の術を焼き付けてあるので、
術を掛ける必要もない。持ち主に対して自動的に術効果を及ぼす仕組みだ。
 駐車場の入り口から出て、一人と一匹で道路を歩いていく。下宿先のアパートまでは徒
歩で二十分ほどだった。およそ五キロの道のり。

「そういえば」

 一ノ葉が口を開いた。
 前足と後ろ足を動かすたびに、尻尾が左右に揺れている。やはり動物だからだろう。初
馬の普通の徒歩よりも少し早かった。

「今日はクリスマスイブなのだな」

 十二月二十四日。世間一般で言うクリスマスイブだった。クリスマスそのものは、キリスト
教が別宗教の冬至祭を取り込んだものらしいが、それはどうでもいい。日本では商業戦略
のためか恋愛と贈り物の日になっているのだが、それもどうでもいい。
 初馬は眉を寄せて一ノ葉を見下ろした。

「お前がそんなことを口にするとは思わなかった……」
「ワシも大して興味はないのだが、バイト仲間が言っていてな。恋人とどこかへ遊びに行くと
か、そんな他愛もないことだ。そして、夜にはサンタクロースがプレゼントを配りに来るらし
い。まあ、そういうお伽話ということはワシも理解しているが――」

 溜めを作るように一ノ葉は口を閉じた。
 初馬の歩くスニーカーの足音だけが響く。一ノ葉は狐であるため、全く足音を立てずに歩
くことができる。人間である初馬はそうもいかない。無音の歩行法は習得しているのだが、
市販のスニーカーでは完全に音は消せない。
 真横を白い自動車が通り過ぎていった。
 尻尾を一振りし、一ノ葉が口を開く。

「何かくれ」
「ヤダ。俺も金が無いし」

 即答する初馬。
 数秒の沈黙。
 尻尾を一振りして一ノ葉が続ける。

「そういえば、あと一週間でお正が――」
「お年玉もやらんぞ」

 最後まで言い切る前に、初馬は告げた。仕送り生活の学生の身分では、余分な金は簡
単に作れないのだ。アルバイトでもすれば話は違うのだが、退魔師という身分上気楽にア
ルバイトもしていられない。

「貴様はケチだな」

 蔑むような眼差しとともに、一ノ葉が呻いた。

「朝に言ったと思うけど、退魔師ってのは貧乏なんだよ。少ない仕送りから溜めた貯金はお
前に貸したからな。それが帰ってくるまで、まとまった金は無い。言っておくが、借金の棒引
きってのは絶対しないからな」
「分かっているわ……」
262式神馴らし 5話 2章 3/4:2009/05/06(水) 19:38:05 ID:7b4gx+qu
 舌打ちをしつつ、一ノ葉は横を向く。
 どうやら借金の棒引きを企んでいたらしい。もっとも、本人も駄目元で言ってみただけで、
上手く行くとは思っていないようだった。言葉にやる気が感じられない。
 信号のない十字路を右に曲がる。

「それにしても――」

 一ノ葉が話題を変えるように空を見上げた。狐耳がぴんと立てられた。空気の音を聞くよ
うに。濃い紫色の空。雲ひとつなく、天頂まで澄み渡っていた。

「世間ではホワイトクリスマスとか言っているようだが、雪どころか雨すら降る気配もないな。
風情が無いものだ」
「そりゃそうだろ」

 初馬は苦笑した。
 冬の太平洋側で雪が降ることはまず無い。太平洋沿岸を低気圧が通り、なおかつ強い
寒気が入ってきた時だけである。今日は絵に描いたような西高東低の冬型。日本海側は
雪や雨が降り、太平洋側はきれいな晴れだった。そして、今日は冷える。

「この辺りでホワイトクリスマスなんて聞いたことないぞ。親父が若い頃には一回あったみ
たいだけど。あったら面白いな」
「そういえば、ワシはまだ雪というものを見たことがないな」

 空を見上げながら、一ノ葉が呟いた。
 一ノ葉が作られた場所は日本海側だったらしい。しかし、作られたのは春の終わりで封
印されたのは秋の半ば。冬という季節は体験していないため、実物の雪というものを見た
ことがない。
 初馬は人差し指をくるくると回しながら、

「この辺りでも雪だけなら冬に一回くらいは降るだろ。積もるとは思わないけど」

 乾いた風が吹き抜ける。太平洋側でも雪が降らないわけではない。積もることは少ない
が、雪が舞っているのを見ることは何度かある。積もる時は積雪五センチ程度でさえ交通
機関が麻痺してしまうのだが。

「ふむ。楽しみにしておこう」

 一ノ葉は頷いた。
 それから、一度尻尾を動かして思い出したように訊いてくる。

「で、今日は誰と過ごす予定なのだ? 若い連中は皆恋人と過ごすと言っていたが、貴様
はどうするのだ? 日本では恋愛祭りになっているが」

 すっと目を細めて見上げてきた。白々しい口調。バイト仲間から色々と話しを聞いている
のだろう。訊かなくとも分かることを、あえて訊いてくるのが実にイヤらしい。
 だが、初馬は笑顔で言い切った。

「とりあえずお前がいる」
「クリスマスに過ごす相手が式神とは、貴様も寂しい男だな」

 横を向いてため息を付いてみせる。
 グリッ、と心を抉られるような感触を味わいつつ、初馬はあくまでも平静を装った。反射的
に胸を押さえそうになるのを気合いで自制する。
263式神馴らし 5話 2章 4/4:2009/05/06(水) 19:39:21 ID:7b4gx+qu
「一人よりはマシさ」

 言ってみるものの、強がりにもなっていない。
 無言のまま、ジト目で見上げてくる一ノ葉。呆れと哀れみの混じった茶色い瞳が、初馬の
心を貫いていた。だが、あくまでも平静を貫く。
 初馬はこほんと咳払いをした。話題を変える。

「あと、一ノ葉。悪い知らせがひとつある」
「何だ?」

 露骨な話題逸らしだったが、それを指摘してくる事はなかった。瞳に映る哀れみの感情。
傷心を抉るほど冷酷ではないらしい。
 そのことに感謝しつつ、初馬は口を開いた。

「暖房が壊れた……」
「むぅ?」

 訝しげに見返してくる。

「俺の部屋にあったエアコンが動かなくなった。もう寿命なんだろうな。随分と古びてたから。
前から調子悪かったけど、とうとう限界が来たらしい……」

 部屋に設置してあるエアコンが壊れてしまった。元々古いもので調子も悪かったので、い
ずれ壊れるとは予想していた。そして、今日の昼過ぎに止まってしまたのである。色々とやっ
てみたが、結局動くことはなかった。

「あのポンコツか……。修復の術で直せないか?」

 一ノ葉の指摘に、初馬は頭を振る。
 壊れたものなら粉々に破壊されてでもいない限り、修復の術で直せる。仕事柄、公共物
を壊すこともある退魔師にとっては、修復の術は必須だった。

「無理なのはお前も分かってるだろう?」
「まあな」

 初馬の言葉に、頷く。
 修復の術で直せるのは壊れた物のみ。経年劣化などで寿命を迎えたものは、直せない
のだ。それを直す術も存在するが、非常に高度なため初馬は使うことができない。つまり、
エアコンは壊れたままである。

「今日は冷え込むって天気予報で言ってるのに……」

 初馬は両腕で身体を抱え込んだ。この時期暖房無しで部屋にいるのは辛い。だが、外に
出かけるという気にもなれない。大家に電話したところ、無料で付け替えはしてくれるのだ
が、それは年明けになるようだった。

「それだけじゃない……。年末年始、暖房無しで過ごさないといけないらしい。俺は暑いの
は平気なんだけど、寒いのは苦手なんだよな」

 陰鬱に頭を押さえる。
 鍛えてあるため皮下脂肪が少ない。そのため、暑い夏より寒い冬が苦手なのだ。術で部
屋を暖めることは無理ではないが、炎系の術は苦手なためそれを実行する勇気はない。
そもそも、術は仕事以外にはみだりに使ってはいけないのだ。

「ワシには大型ペット用電気マットがある。問題ない」

 しれっと言い切る一ノ葉に。
 初馬は無言のまま視線を向けた。
264名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 19:40:00 ID:7b4gx+qu
以上です
続きは来週を予定しています
265名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 21:07:14 ID:sXCldJRb
エロパートまだああああああああああああああ
266名無しさん@ピンキー:2009/05/07(木) 04:34:10 ID:Es+V5vVZ
GJ !! なのだが

>>261
>下宿先のアパートまでは徒
>歩で二十分ほどだった。およそ五キロの道のり。

ずいぶんと歩くのが速い・・・
267名無しさん@ピンキー:2009/05/07(木) 04:43:20 ID:nH03wy/O
チャリ並みだなw
268名無しさん@ピンキー:2009/05/07(木) 06:04:09 ID:x9JYfIwb
>>266
時速15km
269名無しさん@ピンキー:2009/05/07(木) 17:52:43 ID:JPY7eCWM
まるで競歩だな
270式神馴らし:2009/05/07(木) 18:15:12 ID:l1hL5X8o
すみません。
2キロ 20分に修正します
271名無しさん@ピンキー:2009/05/09(土) 21:11:27 ID:VuIgtQ4J
保守
272式神馴らし:2009/05/11(月) 20:22:23 ID:ukW+9sdk
投下します
273式神馴らし 5話 3章 1/5:2009/05/11(月) 20:23:16 ID:ukW+9sdk
 部屋の空気は冷たい。
 初馬は布団に潜り込んだまま、壊れた暖房を眺めていた。普段ならば、普通に暖気を吐
き出して部屋を暖めているのだが、今は沈黙を保っている。
 壊れているので当然だった。

「寒い……」

 単純な感想を口にする初馬。
 気温も表示されるデジタル時計には、室内温度十度と出ていた。普段は暖房を付けてい
るので、十八度くらいはある。それに比べて八度も低い。鍛錬を終えて、風呂に入った後、
暖まった身体が冷えると、余計に部屋の寒さが身に染みていた。
 時間は午後九時過ぎ。ドキュメンタリー番組がテレビから流れている。

「辛そうだな」
「お前は暖かそうだな……」

 呻きながら、初馬は一ノ葉を見つめた。
 寝床用の大きなバスケットで丸まっている一ノ葉。身体の下に電子マットを引いて上には
高級タオルケットを乗せていた。タオルケットの端から出た尻尾が、ゆっくりと左右に揺れ
ている。見るからに心地よさそうだった。

「暖かいぞ、ここは。入れて欲しいと言っても絶対に入れぬが」

 得意げに狐耳を動かしながら、一ノ葉が愉悦の眼差しを向けてくる。冬用装備と言って過
言ではないだろう。幸せそうな顔で温泉に浸かる猿が頭に浮かんだ。
 布団から顔を出したまま、初馬は呻く。

「あいにく俺はそこには入れないんでね。人間だし……」

 皮肉なのか本気で言っているのかは、自分でもよく分からない。
 一ノ葉は卓袱台を眺めた。

「コタツでもあれば、そこで眠れるだろうが。あいにくここにコタツはない。バイト仲間の兄は
一人暮らし先で、いつもコタツで寝ていると話していた。コタツムリ状態だとか。ワシとして
はそれはどうかと思うがな――」

 絨毯の上に置かれた卓袱台。春先からその場所に変化はない。冬を迎えるにあたって、
一人用のコタツを買おうと思ったことは何度かあった。

「金があったら、コタツ買ってたんだけどね」

 初馬は言い訳じみたことを口にする。
 一ノ葉は気持ちよさそうに目を細めたまま、

「なら電気毛布でも買えばいいのではないか? あれがあれば、暖房無しでもかなり暖か
いらしいし、そんなに値も張らないだろ。高くても五千円程度だそうだ」
「そうだな。明日辺り買いに行ってみるか」

 初馬は近所にあるホームセンターを思い浮かべた。さすがに電気毛布を買う程度の金
はある。寒さが凌げるのなら、それも致し方ない出費だろう。
 前足でヒゲを撫でながら、一ノ葉が言ってくる。

「というわけだ。今日はこの寒い中頑張って眠れ。ワシは暖か〜い寝床の中からしっかり
眺めててやる。せいぜい凍えているがいい」
274式神馴らし 5話 3章 2/5:2009/05/11(月) 20:23:49 ID:ukW+9sdk
「ケンカ売ってるのかお前は……」

 呆れたように、初馬は一ノ葉を眺める。自然とため息が漏れていた。暖かい寝床と冷た
い布団という格差を、見せつけるような態度。
 一ノ葉はつんと鼻先を持ち上げ、

「貴様の言葉を借りるならば、やるなと言われるほどやりたくなる、というヤツだ」
「なるほど。そのケンカ買った」

 無感情に答えてから、初馬は布団の中で印を結んだ。印とともに組まれる術式。
 一ノ葉もそれを感じ取ったのだろう。

「ん……。何するつもりだ?」
「式神変化……」

 囁くように呟く。
 一ノ葉が目を見開いた。
 術が発動し、一ノ葉の身体を組み替える。
 一瞬の時間で狐から人間の少女へと姿を変えた。

「ふぐ!」

 身体のサイズが代わり、寝床のバスケットから外へと落ちる一ノ葉。幸いバスケットは壊
れていない。そのまま両手を突いてその場に立ち上がる。

「予想通りの事をするか、このド阿呆は……」

 気の強そうな少女。いつも通りの変化だった。狐耳と尻尾を生やし、長い狐色の髪を背
中に流している。前髪を払いながら、心底呆れたように自分の姿を見下ろしていた。
 服装は清潔そうな白衣に朱色の行灯袴である。いわゆる巫女装束だ。足には白い足袋
を穿いている。一ノ葉のアルバイトを頼む時、神主に頼んで本物をじっくりと見せて貰った
ので、細部まで詳細に作ることができた。

「いつだったか獣姿のまま抱いて寝たら、布団が抜け毛だらけになって掃除が大変だった
から。その時の反省はしている。寒いときは一肌で暖め合うに限る」
「そうか……」

 初馬の感想に、一ノ葉が目元を引きつらせた。右足を前に踏み出し、初馬の寝ているベ
ッドに近づくと、おもむろに布団の縁を掴んだ。

「では、ワシはその布団で寝るから、貴様はワシの寝床で寝ろ。ワシは貴様と一緒に寝る
気は微塵も無いんでな。貴様を入れるのは気が進まぬが、特別に一晩だけ貸してやる。な
に――人間頑張れば何とかなるものだ」
「それは無理」

 一ノ葉の腕を掴み返しながら、初馬は答える。
 無理矢理布団を引っぺがすと思ったのだが、一ノ葉は毛布から手を放した。おもむろに、
二歩下がる。狐色の髪が揺れていた。諦めたわけではない。両腕を振って腰を落とす。
跳び上がる予備動作。

「ならば、叩き出すまで――」
「式操りの術・改」

 続けて術を発動させる。

「ぐ……」
275式神馴らし 5話 3章 3/5:2009/05/11(月) 20:24:20 ID:ukW+9sdk
 一ノ葉が動きを止めた。今まで何度か使われているので、術の効果は理解しているだろ
う。式神を自分の意志通りに操る式操りの術。式神使いの基本術だが、使われることは滅
多にないものだ。

「またコレか? いちいち必要もない術を使って、貴様は」

 一ノ葉が顔を歪める。
 初馬が使ったのは、本来の術の形とは違い、自己流に改造した術式である。一ノ葉の身
体の支配権を掌握し、なおかつある程度感覚も還元させる特殊なもの。さらに、中継の印
も不要になっている。

「この術はお前を使役するに当たって必要な術だよ。普通の式神なら必要ないけど、お前
はかなり特殊な式神だし、何より強い。だから、それ相応の運用戦術が必要になる。この
式操りの術はそのために必要なんだ」

 天井の灯りを見上げながら、初馬は答えた。布団に潜ったまま、

「何を訳の分からぬことを……」

 歯を軋らせ、一ノ葉が呻く。
 一ノ葉の実力。技術や知略では初馬に分があるが、単純な火力だけならば初馬を越え
ているのだ。その力を自分の一部のように使う。それが初馬の考え方。それには、式操り
の術は不可欠だった。もっとも、まだ術式としては調整中である。

「納得したなら、一緒に寝よう」
「ぐぅ……」

 初馬の指示に従い、一ノ葉が近づいてくる。不服そうな表情であるが、術式の効果のせ
いで自分で身体を動かすことができない。布団を持ち上げて、ベッドの中へと身体を滑り込
ませる。巫女装束のままだが、気にしない。両足を伸ばしてから、初馬の右腕に頭を乗せ
た。無論、初馬が一ノ葉をそう動かしている。
 布団を下ろし、初馬は左手を一ノ葉の背中に回して抱き締めた。

「暖か――く、ないな?」

 思いの外冷たい身体。さきほどまで電気マットで暖まっていたのだが、部屋の空気に触
れたせいかもしれない。待っていれば暖かくなるだろう。
 初馬は右腕を曲げて肩を抱き締め、左手で丁寧に頭を撫でる。指の間をすり抜けていく、
滑らかな狐色の髪の毛。当たり前であるが、一ノ葉は気に入らないようだった。初馬を睨
んだまま、犬歯を見せている。

「こんなことして楽しいのか、貴様は……」
「俺が寒さに凍えてる中、慰めの一言も掛けてこないばかりか、あまつさえケンカまで売っ
てくる始末。これは主として黙っておけないよね。今夜一晩、俺のおもちゃの刑」

 ふにふにと頬を指でつつきつつ、初馬は笑った。柔らかな頬の感触が伝わってくる。同時、
頬を触られている一ノ葉の感覚も伝わってきていた。かなり無味乾燥な感覚だが。

「貴様はつくづくアホだな……」

 悪態を一ノ葉。
 初馬は左腕を動かしながら、

「前々から言っていると思うけど」
「ひぅ!」
276式神馴らし 5話 3章 4/5:2009/05/11(月) 20:24:55 ID:ukW+9sdk
 毛並みのよい尻尾を捕まえた。茶色い瞳を見開き、びくりと跳ねる一ノ葉。ふさふさの毛
の感触が、心地よい痺れとなって手の平から腕を駆け抜ける。さらに、尻尾を掴まれたと
いう感触も伝わってきた。
 初馬はもふもふと優しく左手を動かしながら、

「俺はかなり性格が悪い。あそこまでコケにされて黙っているほど甘くはないよ」

 初馬の右手が一ノ葉のキツネ耳を摘んでいる。堅いながらも適度な弾力を兼ね備えた三
角形の耳。親指と中指で軽く揉みながら、人差し指で縁をなぞった。
 一ノ葉から流れ込んでくる痺れに、胸の奥が熱くなる。

「貴様は、ッ……!」

 唇を震わせながら睨み付けてきた。
 尻尾と狐耳を同時に弄られ、身体は否応なく反応している。肩や手が小さく痙攣するよう
に跳ねていた。やはり人の姿になると敏感になるらしい。

「クリスマスに過ごす相手がお前ってのも寂しい話だけど、まあそれも一興。もう半分くらい
スイッチ入ってるんじゃないか?」

 意地悪げに、初馬は一ノ葉を見つめる。
 目元に涙が浮かび、頬が赤く染まっていた。少し弄っただけで、身体が反応している。開
発されてしまったと表現するべきだろうか。

「うるさい……」

 言い返してくるが、その言葉に説得力はない。

「このままキスしたら、完全にスイッチ入るかな?」

 聞こえよがしにそんなことを口にしてみた。右腕で頭を固定しつつ、顔を自分い向けさせ
る。逃げることもできないし、抵抗もできないでいる。
 初馬の唇を迎えるように、一ノ葉の唇も前へと出てくる。
 一ノ葉は目を見開いて、声を絞り出した。

「待て、ま――ん」

 言い切る前に、初馬の唇が一ノ葉の口を塞ぐ。

「むっ……ぅっ……」

 柔らかな唇の感触を味わいながら、一ノ葉の瞳を見つめた。耳に届く塗れた音。無論、
尻尾と狐耳を弄る手は止めない。茶色の瞳に写った抵抗の意志が、見る間に消えていく。
一ノ葉が快楽に崩れていく様子が、文字通り手に取るように感じられた。

「ふぁ」

 初馬が唇を離すと、一ノ葉は擦れた呼吸を繰り返すだけになった。身体から力が抜け、
目の焦点も合っていない。今まで冷たかった身体が熱を帯びている。
 初馬は右手を狐耳から放し、丁寧に頭を撫でた。柔らかな狐色の髪の毛。

「どうだ? これで完全にスイッチ入っただろ?」
「やかまし、い……」

 無理矢理威嚇の表情を作りがら、一ノ葉が言い返してくる。まだ反抗する気力は残って
いるようだった。しかし、もう手遅れだろう。
277式神馴らし 5話 3章 5/5:2009/05/11(月) 20:25:36 ID:ukW+9sdk
「お前は人間の姿になると急に淫乱になるよな。式神変化にそういう効果はないし、式操り
の術にそういう効果があるわけでもない。俺も術式とかにそういう細工しているわけじゃな
いんだけど。やっぱり――素質かな?」

 尻尾をこねながら、初馬はそんな疑問を口にした。
 人に化けた一ノ葉は、不自然なほど脆い。もしかしたら、一ノ葉を式神にした時に用いた
遣い魔用の契約にそういう効果があるのかもしれない。

「黙れ……、ヘンタイ――。一度地獄に堕ちろ……!」
「この状況で言い返す度胸あるのは、お前らしいよ」

 初馬は左手を尻尾から放した。
 一ノ葉が初馬の首に右腕を回し、自分の身体を固定する。本人の意志ではなく、初馬が
そう身体を動かしているのだが。次に起こることを悟り、慌てていた。
 しかし、本人の意志を無視して勝手に動く身体。

「ま、待て、やめ――んんッ!」

 半ば抱きつくように強引な口付けをしてくる。無論、初馬がそう身体を動かしているのだ
が。むしゃぶりつくように初馬の唇に自分の唇を重ね、薄い舌を咥内に差し入れてくる。初
馬もそれに応じるように、自分の舌を絡ませた。

「んっ、ふっ……あぅ……」

 一ノ葉の目に涙が浮かぶ。
 お互いに唾液を交換するような濃厚なキスを行いながら、初馬は一ノ葉の理性が削り取
られていくのを感じていた。
278名無しさん@ピンキー:2009/05/11(月) 20:26:06 ID:ukW+9sdk
以上です。
続きは週末辺りを予定しています。
279名無しさん@ピンキー:2009/05/12(火) 01:28:24 ID:gSDKyz6y
    + 。 *   ワクワクテカテカ  +
ツヤツヤ  ∧_∧  +
 +   _(u☆∀☆) ギトギトヌルヌル
  ⊂ (0゚ ∪ ∪。⊃ +
⊂ ゚̄ と_u _)__)゚  ̄⊃ + ワクワクキラキラ
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280式神馴らし 5-4:2009/05/15(金) 21:37:56 ID:BYzutB3p
投下します
281式神馴らし 5-4 1/5:2009/05/15(金) 21:38:55 ID:BYzutB3p
 
 初馬は一ノ葉の首筋に優しく噛み付く。

「ふあ……」

 喉から漏れる甘い吐息。首筋を甘噛みしながら、肌の表面に舌を這わせた。狐耳と尻尾
を優しく弄る手の動きはそのまま。もはや抵抗らしい抵抗はできていない。
 狐耳や尻尾を撫でながら、口付けや首筋の甘噛みを続けている。そろそろ三十分ほど
経つだろう。一ノ葉の思考を溶かすには十分な時間だった。

「あっ、は……」

 だらしなく舌を出し、頬を赤くしたまま荒い呼吸を繰り返している。身体は熱く火照り、ろく
に力も入らず、目の焦点も定まっていない。
 首筋から口を放し、初馬はそっと一ノ葉の頬を撫でた。

「どうだ、気分は? ずいぶん暖まったと思うけど」
「やかまひぃ……。この下衆がぁ」

 目元に涙を滲ませながら、一ノ葉が言い返してくる。呂律はまともに回っていないが、ま
だ悪態をつく気力は残っているらしい。布団の中は暑いほどに熱が溜まっていた。
 初馬は人差し指を伸ばし、白衣の上から胸の辺りをくすぐる。

「っ、ヒッ」

 力無く歯を噛み締めたまま、一ノ葉は擦れた声を吐き出した。意志とは別に、ぴくぴくと動
く狐耳と尻尾。目元から一筋の涙がこぼれ落ちる。

「相変わらず感度いいな、お前は――。飽きるまでこうしててもいいんだけど、それじゃお
前の方が持たないだろうし。俺もこのままなのは気が進まない」

 初馬は狐耳と尻尾から手を放した。手を放したからといって疼きが収まるわけではななく、
不規則な動きを繰り返している。このまま壊れるまで弄っているのも一興だろうが、それ
もマズいだろう。
 汗が出るほどに暑くなった布団をどかし、初馬は起き上がった。部屋の冷気が肌をなで
るが、寒いとは思わない。ベッドの横の壁に背を預けながら、両足を伸ばす。
 一ノ葉の身体を動かし、寝た状態から起こす。長い狐色の髪の毛が微かな音とともに背
中に流れた。両足を開いてから、太股の上に正面を向いて座らせる。本人が脱力していて
も、式操りの術を用いて普段通りに身体を動かすことができるのだ。
 目の前で不安げに動いている狐耳。

「これからどうしてほしい?」

 左手で肩を抱えたまま、一ノ葉を見下ろす。
 両足を投げ出した無防備な姿勢。自分で動こうという意志は残っていないようだった。虚
ろな眼差しをどこへとなく向けたまま、上がった呼吸を繰り返している。
 薄暗い部屋。テレビから流れる番組。冷たい空気も、火照った身体に心地よい。

「希望がないなら、俺のやりたいようにするけど」
282式神馴らし 5-4 2/5:2009/05/15(金) 21:39:26 ID:BYzutB3p
 言うが早いか、初馬は一ノ葉の身体を動かしていた。横に落ちていた右手が持ち上がり、
自らの胸元へと伸びる。本人の意志とは関係無く、五指がわきわきと動いていた。

「っ……」

 手から逃れるように一ノ葉は身悶えするが、どうにもならない。襟元から見える朱色の掛
襟。その下に見える白い短襦袢。襦袢の下へと一ノ葉の右手が滑り込む。

「やめ……」

 擦れた声音で呟くが、手は止まらない。
 初馬の意志により、右手が襟の奥へと差し入れられた。そのまま、手の平で胸全体を包
むように丁寧に撫でる。柔らかな膨らみと、手のひらに触れる小さな突起。

「あ、ぁ……」

 熱い痺れが胸から全身に広がっていく。一ノ葉の感覚は手に取るように分かった。
 初馬は一ノ葉の頭を自分の方に向けさせ、強引に唇を重ねた。

「むっ……!」

 茶色の瞳が大きく見開かれる。強張る身体と跳ねるように伸びる尻尾。
 つんと立った乳首をやや強めに摘みながら、舌を一ノ葉の咥内へと差し入れた。もう何
度目なのか忘れた、絡みつくようなディープキス。身体が反応しているのが分かる。
 快楽に呑まれようとしている意識を、理性と意地が強引につなぎ止めていた。それでも抵
抗が続く時間は少ない。しかし、完全に堕とすことはしない。
 唇を放し、初馬は口端を持ち上げた。一ノ葉の顔も正面を向く。

「さて、これからどうするかな?」

 一ノ葉の右手を動かしたまま、初馬は左手で白衣の上から右胸に触れた。
 自分の手と初馬の手で、柔らかな両の胸の膨らみを揉み始めた。一ノ葉の心拍が上が
っている。羞恥心と屈辱感。そして、通常ならあり得ない状態に対する困惑と興奮。

「貴様……」

 それでも一ノ葉は気丈に呻いてみせた。まだ抵抗の意志は消えていない。しかし、身体
の支配権は初馬に奪われ、眼にも力がない。抗う力は残っていないようである。
 左手が行灯袴の切れ目へと手を差し入れた。

「待て――!」

 一ノ葉が呻くが、手の動き止まらない。
 行灯袴はスカートのような構造であるが、下には裾ほどまで長さのある白衣がある。袴を
持ち上げても、見えるのは足ではなく白衣だ。行灯袴の切れ目から手を入れても、直接太
股などに触れることはできない。
 しかし、その白衣は前で留めているわけではない。一ノ葉の手を操りながら、白衣の衽を
めく上げ、その奥へと左手を差し入れた。胸を弄る手の動きは止めていない。

「貴様、はっ――っぁ! ワシは貴様の、おもちゃッ、んんっ、ではない!」

 必死に抵抗の意志を見せるが、身体の支配権は奪い返せない。
 差し入れられた手が太股を撫でる。丸みを帯びた弾力のある肉の感触。手に合わせて、
朱色の生地が動いていた。太股を撫でる手の感覚、自分の手で撫でられる太股の感覚。
そして、一ノ葉の味わっている快感。
283式神馴らし 5-4 3/5:2009/05/15(金) 21:40:03 ID:BYzutB3p
 初馬は術式を解してそれらを味わっていた。第三者的なものだが。

「さっきも言っただろ? 今日はお前をおもちゃにするって。俺はかなり怒ってるからな。具
体的に言うと、楽しみに食べようと冷蔵庫にしまっておいたレアチーズケーキを妹に盗み食
いされた時くらい」

 楽しげに告げながら、初馬は焦らすように一ノ葉の手を動かしていた。太股を撫でる手が、
徐々に上がっていく。

「やめ、ろ……」

 必死にその手を止めようとしている一ノ葉だが、無駄な抵抗だった。
 両足がやや大きく左右に開かれ、指先がショーツに触れる。

「ッ!」

 喉から漏れる引きつった声。下腹から背筋を通り、脳天まで痺れが突き抜ける。しかし、
手は止まらない。元々一ノ葉の意志で動かしているわけではないのだ。
 塗れたショーツの上から、中指を動かし秘部を上下に擦った。なめらかな生地と柔らかく、
弾力のある肉。その動きはまるで自慰である。

「どうだ? 自分で自分を弄るって気持ちいいだろ?」
「くぅ……。そんな、わけ――あ、ふあぁ……あるか……ァっ! このド阿呆がっ、くああっ、
いい加減に、ッ、いぃ、はっ、やめ、ろ……。ふぁ、やめ、て――」

 だらしなく口を開けて、切なげな悲鳴を上げる一ノ葉。頬が赤く染まり、口元から涎が垂
れている。狐耳と尻尾が不規則に動いていた。
 一ノ葉がどれほど感じているのか、初馬は手に取るように分かる。
 その反応に満足しつつ、初馬はショーツの縁から中指を差し入れ、

「行くぞ?」
「ぃ?」

 その一言に疑問符を浮かべる一ノ葉。
 その口が問いを発するよりも早く、膣へと中指が差し入れられた。今までの前技のおか
げて溶けた膣内。濡れた肉をかき分け、指が体内へと差し入れられる。身体の中に異物
が入ってくる感触に、寒気のような衝撃が下腹からに全身に響き渡る。

「……!」

 無言のまま、一ノ葉が身体を仰け反らせ、手足を強張らせる。鈍い電撃がゆっくりと身体
に広がっていく。そうして中指の根本まで膣に差し込まれた。
 何度か痙攣してから、一ノ葉が睨み付けてくる。両目から涙を流しながら、

「あっ、はッ……! 貴様、何を……ぃっ、ヒぁッ!」

 しかし、初馬はかまわず一ノ葉の指を動かす。ゆっくりと上下に、丁寧に膣を刺激するよ
うな動き。時折、親指で淫核を優しく叩いている。
 両胸を攻める一ノ葉の右手の動きと初馬の左手の動き。それに加えて、膣内を優しく上
下する右手の動き。それらが、意識を溶かしていく。

「はっ、あああっ……。くっ、貴様はぁ――んんんっ……!」

 必死に抵抗する一ノ葉。初馬はその感覚を知ることができるため、どこが感じるのか、ど
れほど感じているのか、手に取るように分かった。
284式神馴らし 5-4 4/5:2009/05/15(金) 21:40:33 ID:BYzutB3p
「まだまだ行くぞ」

 初馬は胸を攻めつつ、中指で膣を刺激しながら、おもむろに狐耳に噛み付いた。柔らか
く同時に適度に弾力のある歯応え。一ノ葉の狐耳から首筋を通り、背骨から手足の先まで
細い痺れが伝わっていくのが分かる。

「ああッ、また、ミミ……!」
「お前これ好きだろ?」

 狐耳を甘噛みしながら、初馬は笑った。狐耳を咥える歯応えは癖になる。

「好きッ、なっ、わけ、ない……んんっ、だろ! ぅあぁ」

 横隔膜を引きつらせながら、必死に言い返してくる。両目から流れる涙と、口元から垂れ
る涎。身体を駆けめぐる甘い波紋から、必死に逃げようとしているが、やはり自分の意志
で身体を動かすことはできない。

「先に言っておくけど、ちゃんとお願いするまで、最後までイかせる気はないぞ?」

 初馬はそう囁きかけた。
 今までに二度同じ事をしている。それが何を意味するかは一ノ葉も理解しているだろう。
お願いします、ご主人様――そう言うまで焦らし続けるということだ、と。

「はっ、ぁッ、貴様は……! ッぅ、やは、りッ、はっ、そう来たか……!」

 一ノ葉が殺気の込められた視線を飛ばしてくる。初馬に支配権を奪われ、顔を後ろに向
けることはできないので、その気配は伝わってきた。
 初馬は狐耳から口を放し、胸からも手を放す。

「もっとも、今日試してみたいのはこれじゃないんだよ」

 一ノ葉の身体を動かし、襟元から右手を引き抜き、膣から中指を抜いて、袴から左手を
抜いた。とりあえず攻めが中断されたことに、安堵の息を漏らす一ノ葉。しかし、それで終
わりでないことは身に染みて理解している。

「貴様は、何を企んでいる、のだ――」
「口で言うよりも体験する方が早い」

 初馬はそう告げて一ノ葉を動かした。足を動かして身体を持ち上げてから、前後を入れ
替える。正面を向いた状態からお互いに向き合うように。
 再び一ノ葉が太股に座った。殺意の込められた視線が飛んでくるが、それは受け流す。
 初馬は両手で七つの印を組んでから、一ノ葉の首筋に右手を触れさせた。最初に契約
術式の継続点として血印を書き込んだ場所である。

「式操りの術・意送り」
「ッ!」

 一ノ葉が一度小さく痙攣した。
 術は成功である。

「何を、した……?」

 威嚇の眼差しのまま、不安げに訊いてくる一ノ葉。まだ自分に何が起ったのか理解でき
ていないようだった。すぐに理解できるような変化ではない。だが、もうすぐ否応に理解する
ことになるだろう。
285式神馴らし 5-4 5/5:2009/05/15(金) 21:41:05 ID:BYzutB3p
 一ノ葉の両手が初馬の股間に伸び、ズボンのチャックを下ろす。
 既に準備万端となったものが姿を現した。

「相変わらず不気味な生殖器だ……」

 戦くように一ノ葉が呻く。今までに何度か見ているが、慣れないのだろう。普通に生活して
いて見慣れるということもない。

「今お前に使ったのは、こういう術だ」

 言うなり、一ノ葉の両手が初馬のものを優しく掴んだ。

「!」

 一ノ葉の両目が見開かれる。狐耳がぴんと立ち、尻尾が爆ぜるように膨らんだ。初馬の
ものを掴んだからではない。自分の感覚に驚いたのだ。
 両手が上下に動き出す。他人に触られているとはいえ、動かしているのは初馬自身なの
でそれなりの気持ちよさを作り出すことができる。
 しかし、一ノ葉はそれどころではなかった。

「あ、あっ、なに、何だ……? 貴様、んんッ、ワシに何をした……!」

 何が起ったのか分からないとばかりに、辺りに視線を飛ばしている。自分に何が起って
いるのか、まだ理解していないようだった。すぐは理解できないだろう。
 一ノ葉の手が初馬のものから離れる。

「……ぅぁ?」

 訳が分からないといった表情に一ノ葉に、初馬は簡単に説明する。

「式操りの応用。俺の感覚をお前に送っている。つまり、お前が今感じてたのは、男の感覚
だよ。いつだったか女の快感ってのを楽しませてもらったから、今日はお返しに男の快感
ってのを教えてやる」

「貴様は、何を考えているんだァ!」

 絶叫する一ノ葉。
 初馬は右手で、そっと自分のものを掴んだ。その感覚が一ノ葉に伝わったのだろう。ぴた
りと硬直する。そのままゆっくりと上下に手を動かし始めた。

「な、なな、ぁ……何だ……。あっ、何か、ヘンだ、ぅあああッ……」

 両手で股間を押さえる一ノ葉。式操りの術の効果が薄れて、ある程度自分で身体を動か
すことができるようになっていた。それを認識する余裕はないだろう。
 しかし、自分で股間を押さえても意味はない。自分の感覚ではなく、初馬の感覚が流れ
込んできているのだ。一ノ葉の意志ではどうにもならない。
 女である一ノ葉にとっては、男の快感というものは未知のものだ。

「さて――」

 初馬は手を放してから、一ノ葉の両肩を掴む。びくりと、大袈裟なまでに身体が震える。
これから何が起るのか悟ったのだろう。
 しかし、自分の予想を否定するように問いかけてきた。

「貴様、何を……するつもり、だ?」
「訊く間でも無いだろ?」

 初馬は笑顔で答える。
 そして、一ノ葉の身体を動かした。
286名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 21:41:36 ID:BYzutB3p
以上です
続きは週明けを予定しています
287名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 03:18:30 ID:PAJHqFik
    + 。 *   ワクワクテカテカ  +
ツヤツヤ  ∧_∧  +
 +   _(u☆∀☆) ギトギトヌルヌル
  ⊂ (0゚ ∪ ∪。⊃ +
⊂ ゚̄ と_u _)__)゚  ̄⊃ + ワクワクキラキラ
  ⊂_。+   ゚+_⊃
    ⊂__⊃.  +  * +   ワクテカ  +
288桜狐 ◆3CUCwaRw32 :2009/05/17(日) 23:56:11 ID:4fS78GTe
予定より早いですが、
諸事情により投下します
289式神馴らし:2009/05/17(日) 23:56:42 ID:4fS78GTe
コテ間違えた、と
290式神馴らし 5-5 1/5:2009/05/17(日) 23:57:18 ID:4fS78GTe

 太股に座った状態から、膝を少し伸ばして前に出る。自分で少し動けるようになったとは
いえ、初馬が動かそうとすれば、それを拒否することはできない。
 初馬は両手で一ノ葉の腰を固定した。一ノ葉は左手で行灯袴と白衣をたくし上げ、それ
を口に咥える。露わになる滑らかな太股と、しっとりと濡れた白いショーツ。

「ま、て……」

 引きつった声が漏れるが、動きは止まらない。
 右手でショーツのクロッチ部分をずらす。産毛も生えていない秘部が露わになった。秘裂
から溢れた透明な液体が太股までを塗らしている。
 辺りに漂う、イヤらしい雌の香り。

「挿れるぞ」

 初馬の言葉とともに、一ノ葉の左手がものを軽く掴んだ。その感触に、肩が縮められる。
だが、身体は止まらない。支配権はいまだ初馬が掌握しているのだ。
 徐々に腰が下がっていく。一ノ葉からは袴が邪魔になって見えないだろう。自分に怒って
いることに、不安げに視線を動かしている。
 濡れた秘部と、初馬のものが触れた。

「!」

 大きく見開かれる茶色い瞳。
 一ノ葉の腰がさらに下がり、初馬のものを膣内へと呑み込んでいく。生暖かく凹凸のある
体内。そこを掻き分けるように進んでいった。
 下腹から、喉まで駆け上げる熱い衝撃。

「うぅ……うぁ……」

 一ノ葉の喉から意味のない言葉が漏れる。
 初馬に伝わってくる感覚は、ほとんどの情報を切り捨てた極めて淡泊なもの。一方、初馬
が一ノ葉に送っているのは、ほぼ初馬が感じたままの感覚だ。厳密には性感だけであるが、
それでも一ノ葉にとっては理解不能なものだろう。

「ん!」

 一ノ葉の腰が完全に落ちた。
 顎か軽く跳ね上げられ、口が開かれる。再び軽くイッてしまったようである。咥えていた裾
が落ち、お互いのつながっている部分を隠した。

「どうだ? 一ノ葉、お前の中は気持ちいいか? 俺はかなり気持ちいいから、お前が気持
ちよくないはずないんだけど」

 問いかけるが返事はない。
 女として男に挿れられる感覚と、男として女に挿れる感覚。一方は直接的なものではない
とはいえ、一ノ葉はそれを同時に味わっているのだ。ましてや、挿れている相手は自分な
のだ。感覚的には、自分で自分に挿入しているようなもの。
 滅多にありえない体験だろう。
291式神馴らし 5-5 2/5:2009/05/17(日) 23:57:49 ID:4fS78GTe
「き、きサマは……」

 虚ろな瞳から涙をこぼしながら、一ノ葉は浅い呼吸を始める。どうやら数秒ほど意識が吹
き飛んでいたらしい。
 凍えたように身体を震わせながら、光の抜けた眼で睨んでくる。

「き……貴様は、何を……思いつくんだ……」
「何となく面白いと思ったから」

 笑いながらそう告げて、初馬は左手で印を切った。複雑な印ではなく、指を弾くような動
作。それで式操りの術が解除され、一ノ葉の支配権が離れる。

「自分で動けるようになったから、好きに動いていいぞ?」
「ふざ、けるな……」

 初馬の言葉に、一ノ葉が言い返してくる。
 つながった状態から離れようと足を動かそうとしているものの、足が痺れていてまともに
動かせない。離れても根本的な解決にはなっていないが、現状から逃れることが第一のよ
うだった。
 しかし、初馬も素直に逃がすつもりもない。

「ほい」

 軽く腰を突き上げる。

「ぅあッ!」

 悲鳴じみた声とともに、一ノ葉が初馬の方にしがみついてきた。痛みに耐えるように肩を
震わせつつ、力の入らない顎で歯を食い縛っている。
 初馬は左手で一ノ葉の肩を抱きかかえ、右手で優しく頭を撫でる。

「男と女の快感を同時に味わうってどんな感じだ? 単純計算で二倍か、相乗効果で何倍
にも感じるのか……正直、俺は体験したいと思わないけど」
「そう思うなら、やる、な――!」

 言い返してくるが、無視。
 自分たちの格好を思い返す。客観的には、つながったままお互いに抱き合っているよう
に見えるだろう。だが、それほど情熱的なものではない。
 初馬は頭を撫でていた右手を下に下ろした。
 朱色の行灯袴を突き抜けている尻尾。身体と同様固まっている。
 尻尾抜きの術と同じ原理なので、服が邪魔になることもない。この巫女装束自体が術に
よって作られたものなので、違和感もないだろうが。
 気配を感じたのか、一ノ葉が声を上げる。

「ま、待て――」
「待たない」

 答えてから、初馬は右手で尻尾を握った。赤みがかった黄色い毛に覆われた尻尾。普段
から手入れを欠かしていない、ふさふさの毛並み。

「ひっ!」

 引きつった息とともに、身体を跳ねさせる一ノ葉。
292式神馴らし 5-5 3/5:2009/05/17(日) 23:58:23 ID:4fS78GTe
 初馬の右手が尻尾の根本を優しく握りしめ、上下に動かす。

「んん、くっ、ぅぅぅ……はっ……」

 一ノ葉の喉からこぼれる押し殺した声。
 経験上、尻尾の根本が一番敏感であることは分かっていた。しかし、思いの外反応は少
ない。白い先端が痙攣するように動いているだけである。感じていないわけではなく、無理
矢理反応を押さえているという様子だった。

「なるほど……」

 左手で狐耳を弄りながら、初馬は静かに呟く。
 つながった状態で自分が反応すると、その反応が初馬にも伝わった。そして、術式を介し
て自分にも伝わってくる。反応するだけで、通常よりも数段大きな快感が襲ってくるようだっ
た。そうしたのは初馬自身であるが。
 一ノ葉の背中に回した両手で印を結ぶ。

「待て。貴様、何……するつもり、だ……?」
「式操りの術・改」
「待て!」

 その言葉も虚しく、術式が一ノ葉の支配権を奪い取っていた。首筋に刻まれた刻印を介
して、霊力が全身の神経を掌握する。効果は文字通り一瞬で終わる。

「お前が動かないっていうなら、俺が動かしてやるよ」
「貴様はッ――。ふああっ!」

 言い出すよりも早く、命令が届いていた。手足は脱力しているが、あくまでも運動機能は
生きているので普通に動かせる。本人の意志とは関係無しに。

「あっ、ああっ、はぁッ!」

 初馬の首に両手を回したまま、腰を上下に動かし始める一ノ葉。
 決して激しい動きではない。しかし、ねっとりと絡みつく暖かい肉の壁が、自分のものを優
しく刺激していた。無論、初馬のものも一ノ葉の膣内を刺激している。

「ひ、ああッ! やめ、やめ――ろッ。かっ、待って……! ああっ、ふざける、なっ! ワシ
はッ、貴様の、んんんああぁぁ……! おもちゃ、ではない、ッッ!」

 狐耳と尻尾をぴんと立て、一ノ葉が擦れ声で叫んでいた。女と男の快感を同時に味わっ
ている。その快感は、並のものではないだろう。

「嫌だね」

 初馬は笑顔で答えた。

「俺はそういう性格だって、何度も言ってるだろ? それに、自分で自分を犯すって貴重な
体験だと思うぞ? 俺はそういう体験は聞いたことないし」
「寝言は、はっぁあっ、死んでから言えッ!」

 気丈にも言い返してくる。余裕があるわけではないようだった。反抗心に無理矢理縋り付
いていると表現する方が正しいだろう。
 もっとも、よがり狂った方が気は楽かもしれない。

「その反応は好きだ」
293式神馴らし 5-5 4/5:2009/05/17(日) 23:58:53 ID:4fS78GTe
 一ノ葉の腰の動きが少し加速する。

「んんン……!」

 喉を痙攣させながら、声を噛み潰していた。横隔膜が固まってしまったので、声を出そう
うにもまともに出せないだろう。不規則な痙攣が、その快感を表している。
 初馬も下腹に力を入れた。
 自分のものから伝わる快感が一回り大きなものへと変わっている。

「あ、あぁ……」

 半開きの口元から涎が零れていた。
 初馬が一ノ葉の腰を掴む。それまで初馬の首にしがみついていた手が離れ、白衣の上
から自分の胸を撫で始めた。胸の膨らみが形を変える程度の力で、円を描くように両手が
動いている。
 一ノ葉のタガが外れるのが分かった。

「ひッ、あ゙あ゙ッ! 待てッ、待て――! 許して、くれ……あッ、もう気が狂い、ふああッ、狂
いそうだッ、ぁあああッ……!」

 しかし、初馬は答えぬまま右手で尻尾の愛撫を始める。さらに、左手で頭の狐耳をいじり
始める。全身から送られる快感に、一ノ葉が叫んでいた。

「あ、あ゙ッ! お願いじます、ご主人さマ……もう止めで下さい゙ッ!」
「無理。俺が止まらない」

 一言だけ答える。自分も戻れない所まで来ているのだ。
 一ノ葉の腰の動きは加速していく。朱色の行灯袴が跳ね、身体の動きに合わせて長い狐
色髪が跳ねていた。両手で貪るように自分の胸を揉みしだいている。

「い゙あ゙ああっ! ちゃんと、ふあっ、お願いすれば、止めるっで――言っだのに、ひっ、
はっ。このッ、嘘つきッ、ひっ、卑怯者がッ、ァぁぁ……!」

 全身が痙攣し、涙と涎を無様に垂れ流している。度重なる刺激に、既に何度も絶頂を迎
えていた。普通なら脱力して動けないだろう。
 しかし、普通なら動けない状態のまま、式操りの術によって身体を動かされている。

「あ゙あ゙あ゙……このまま、じゃっ――はっ、んんあああッ。おかしく、なるッ……! あぐっ、
壊れる! イヤだっ! ふッ、ああッ、何か来る……何か来るッ!」

 下腹部に集まる衝動。
 男の射精の前兆だが、一ノ葉がそれを理解できるはずもない。過剰とも言える甘い刺激
に溶けた神経が、数瞬後にやってくる未知の感覚に戦いている。

「行くぞ――」
「待て、止め……ッ! イヤだ、あっ! ふああああぁぁぁぁッ……」

 一ノ葉の体内へと精が解き放たれる。
 その感覚も一ノ葉の身体へと伝達されていた。自分のものの中を駆け抜け、一ノ葉の中
へと精液が放たれる。男にとっては何度となく体感しているもの。しかし、一ノ葉に取っては
生まれて初めて体験した精通だった。
294式神馴らし 5-5 5/5:2009/05/17(日) 23:59:23 ID:4fS78GTe
 身体を何度も痙攣させながら、神経へと流れ込んでくる射精の感覚を味わう。全身を引
きつらせながら、狐耳と尻尾をぴんと立てる一ノ葉。絶頂状態から未知の快感が重なり、さ
らなる快感が脳髄を抉っていた。

「あ、あ、あっ……」

 一ノ葉の喉から漏れる、気の抜けた声。
 ぐったりと脱力して、初馬にもたれかかってくる。意識は辛うじて残っているようだが、思
考は動いていないようだった。光の消えた瞳で、微かな呼吸を繰り返している。時折、びく
りと身体が震えていた。
 初馬は一ノ葉の背中を撫でながら、

「さて、もう二回戦目行くか……?」
「お願い、します……。もう許し、て……」

 一ノ葉が声にならない声で懇願してきた。
295式神馴らし エピローグ 1/2:2009/05/18(月) 00:00:01 ID:JPXWNl1C
 翌朝。

「風邪だな」

 一ノ葉の冷たい声。狐の姿で寝床に座ったまま初馬を眺めている。
 初馬は布団に潜ったまま、じっと一ノ葉を見つめ返していた。頭が痛み、喉も痛い。全身
を包む倦怠感。咳も時々出る。さきほど体温を測ってみたら37.7度だった。健康に気を
つけていると言っても、風邪を引く時は引く。

「苦しい……」
「昨日あれほど羽目を外せばそうなるだろう? あの後汗かいた状態でワシを撫でていた
が、身体冷やすのは当然だな。身から出た錆だ、ド阿呆」

 昨日はあれからしばらく一ノ葉を撫でていた。後技というものだろうか。しばらく宥めてか
ら式神変化を解いて寝床に寝かせ、初馬も布団に潜って眠った。
 どうもその時に身体を冷やしてしまったらしい。
 一ノ葉は寝床から出て、右前足を上げた。

「さて、ワシはこれから神社のアルバイトに行くから、早く式神変化で人に化けさせろ。
のんびりしてると遅刻してしまう」

 時計は七時を示している。一ノ葉は八時には神社に行っているので、七時半くらいまでに
家を出ないといけないのだ。
 初馬は二度咳き込んでから尋ねた。

「ここで俺の看病するとか……そういう考えは?」
「無い」

 予想通りの答え。

「早くしろ」

 急かす一ノ葉。
 初馬は布団の中からのろのろと印を結んでから、一ノ葉に霊力を飛ばす。風邪で衰弱し
た身体には、簡単な術を使うだけでも負担がかかる。

「式神変化」

 霊力が一ノ葉の身体を一瞬で組み替える。狐の姿から長い黒髪の少女へと。昨日とほ
ぼ同じコート姿だった。術自体は掛け慣れているので制御の失敗などはない。
 一ノ葉はぐるりと自分の身体を確認し、

「よし、ちゃんと変化できているな。さて、たまには早く行くというのもいいだろう。ワシはこれ
から神社に行ってくるが、貴様は大人しく寝てろよ」

 玄関へと歩きながら、一ノ葉が投げやりに行ってくる。
 力の入らない右手を持ち上げながら、初馬は声を掛けた。

「少しは労いの言葉が欲しい――」
「大丈夫だ。貴様はしぶといから、風邪くらいでは死なぬ」

 自信満々に断言してくる。
 確かに退魔師という仕事柄身体は鍛えている。あまり体調を崩すこともないし、風邪など
を引いても回復は早い。だが、それでもぞんざいに扱われると寂しい。
296式神馴らし エピローグ 2/2:2009/05/18(月) 00:00:32 ID:4fS78GTe
 ふっと吐息して、一ノ葉が冷たい眼差しを向けてくる。

「どうせただの風邪だ。貴様の体力なら一日寝ていれば治るだろう。電気毛布は夕方にで
も自分で買ってこい。ワシは仕事があるんでな。それに、昨日のことはワシも結構腹が立っ
てるので、貴様の体調の手助けはしない」

 そう言いながら、靴を履き、玄関の扉を開けた。
 冷たい風が部屋に流れ込んでくる。
 アパートを出る前に振り返り、一ノ葉がきっぱりと言ってきた。

「ま、コレに懲りたら二度とするな」
「ひどい……」

 初馬は空笑いのまま、閉じるドアを見送った。
297名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 00:01:09 ID:JPXWNl1C
以上です。
随分と長くなってしまいましたが、
次からはもう少し短くまとめられるように努力します。
298名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 04:11:01 ID:Yq2qD5KB
GJ!
気にしない気にしない、むしろどんどんやっておくれ
299名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 18:59:22 ID:xgQ/ZNey
GJ〜!
300名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 21:38:58 ID:ow4A0JkI
GJ!
両者ともにうらやましいと思ってしまうんだぜ
301名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 20:06:56 ID:QIW4twS7
GJ!!
302名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 00:00:21 ID:UuQF5G1N
ここに投下している人で自サイト持ちって
何人くらいいるんだろう?
303名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 17:26:25 ID:BkklQUm1
ひでぼんの人はちがうからなぁ・・・
昔でいいんだったらゲーパロさんだけじゃないか?
304名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 19:46:34 ID:ygznT/FX
某とかくなさんとか持ってないのか?
305名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 20:00:07 ID:WzYvDriS
妖精学者さんとか3Mさんとか?
306名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 20:25:28 ID:WzYvDriS
ちがうか、3Mさんはこっちのスレじゃないな。
307名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 20:22:43 ID:4YEP5BWW
……最近このジャンルにはまったんだけどさ、初歩的な質問しても良いかな
妖怪とか幽霊に襲われたとしてさ(襲撃的な意味で)
別にお返しにこっちが襲っても(性的な意味で)
罪にならないよね?
308名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 20:34:37 ID:0RdEvtJ1
襲われた後に襲う余裕があればの話だな
309名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 20:36:41 ID:XpESPnTJ
>>307
OK
310名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 20:45:49 ID:mh7PqZ5L
>>307
過去に
襲ってきた悪霊をエロ行為で退散させられるかどうか
についてを割と真面目に語らってた希ガス
311名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 21:44:25 ID:lVpn/BH8
>>307
罪って法的な意味で?
人じゃないからナニしてもいいのさ!
312名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 22:11:09 ID:ny1wGv2t
存在するかどうかもわからないものに法は適用されません。
313名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 09:30:53 ID:RoFld4A8
ひでぼんの人を全裸で待ってたら半年たっていた
まだかな…
314名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 10:20:25 ID:RTWCGK9L
ペットや家畜を傷つけると器物損壊が適用されるから、
猫又系の妖怪で、普段は誰かのペットになってるような奴を襲ったらアウトじゃなかろーか
315名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 20:31:28 ID:gVE6GFyW
猫又飼ってみたいものだ
316名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 20:34:10 ID:IId1ekyh
美少女に変身してくれるなら…
317名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 01:42:03 ID:YOIQDZw4
そういやぁ昔オカ板で幼女の霊に襲われてムラッときちゃったから逆に襲っちゃったってカキコあったなぁ・・・
羨ましい
318名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 19:53:11 ID:bufMFI3S
319名無しさん@ピンキー:2009/05/29(金) 08:34:09 ID:VYFW2dez
>>318
ひどい話だなw
祟り殺されても自業自得だわ
320名無しさん@ピンキー:2009/05/29(金) 16:59:12 ID:eRTnLD5l
>>318
読んでみたらありとあらゆる意味でひどすぎて吹いたw
321名無しさん@ピンキー:2009/05/29(金) 18:12:22 ID:OBIxq8hw
>>318
まさに外道w
322名無しさん@ピンキー:2009/05/29(金) 18:15:58 ID:2Q7KVpDJ
>>318
酔った勢いにしてもド外道すぎるわコイツw
323名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 02:15:23 ID:GfWhwV+1
保守
324名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 22:56:46 ID:qB7hlozm
金太郎は、山姥が夢に出てきた龍とヤって生まれたんだって。
325名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 00:27:25 ID:VGc+sKe8
龍をふん捕まえて異種逆レイプ、と申したか
326名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 00:54:41 ID:tn3fofeD
山姥が、か……
327名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 18:05:32 ID:yOcniYHI
巨乳幽霊
死んだ筈の彼女がクリスマスの夜に…
328名無しさん@ピンキー:2009/06/05(金) 11:58:32 ID:JETCqTCa
子供の頃に死んだ幼なじみが……
というロリ幽霊ものなら考えてた
規制続きで創作意欲もわかんので
とかなんとか言い訳して生きてる俺だから
投下は期待しないでちょ
329名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 02:38:20 ID:HGoOFGQx
>>326
金太郎の絵巻とかでは山姥は若く描かれてるのもあった気がする。

まぁ、そもそも結婚適齢期とかが今とは違うから姥って言っても現代人の感覚ではまだ若い年齢かもしれん。
330名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 03:41:52 ID:+g9US59d
十五で成人の社会なら、十七の山姥とか、二十八の山姥とか三十路一歩過ぎの山姥とか弱音ハクもありなんですね。

「もう結婚なんてあきらめたよ。
女って生まれただけできれいなお嫁さんとかありえないから。
がんばってもお肌の時間は巻き戻らないんだよね。
とりあえず、もう一杯頂戴。
ありがと、キミやさしいね」

みたいな?
331名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 08:23:23 ID:idmUT54p
>>330
ツマンネ

はスレ違いかと
332名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 11:45:06 ID:Ht8ryfnT
まあ、人間じゃないという枠には入るかと。
専用スレあるだろうけど
333名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 12:31:10 ID:Jvw0g5iu
ハクさんは好きだが専用スレがあるからなあ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1241005956/
334名無しさん@ピンキー:2009/06/08(月) 21:01:31 ID:hnFJGoID
ライオンの牙
ヤギの蹄
ヘビの毒
335名無しさん@ピンキー:2009/06/11(木) 19:08:48 ID:VI97qP0Z
ネタがねーなぁ
336名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 13:37:16 ID:Pd8lRylj
あれ?
久しぶりに来たんだけど童話スレ落ちてる?
337名無しさん@ピンキー:2009/06/15(月) 11:30:44 ID:SV/iEAvc
幻妖閣久々に更新されてた
338名無しさん@ピンキー:2009/06/16(火) 15:58:50 ID:2KjXD6AU
学園モノや妊娠も?陵辱系だけにとどまらない「エロゲ規制」
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/news/1245134306/

>「現在、規制に関する案件で、各方面と折衝を重ねておりますが、
>将来的には、人外ヒロインや、子作り、孕ませというワードや要素があるものは
>ショップでは取り扱わなくなる可能性が出てきております」と書いている。

人外が規制されたらここしかなくなる…
339名無しさん@ピンキー:2009/06/16(火) 19:39:50 ID:JJLG3ymh
>>338
記事読んでいくと、また野田か。

裏にはどんな献金主がいるんだろうな?
340名無しさん@ピンキー:2009/06/16(火) 22:36:14 ID:zWC44LCK
嗜好品の過ぎた規制は、かえってモラルの崩壊を招くことを歴史は証明してるのになあ
341名無しさん@ピンキー:2009/06/16(火) 23:01:52 ID:fiwmBJWF
ほとぼりが冷めたら有名無実化しそうだけど
冷めるまではネットでも騒ぎまくってるポーズだけでもしといた方がいいだろね
342名無しさん@ピンキー:2009/06/16(火) 23:54:24 ID:BPwraneH
何故規制されるのか本気で分からん……人外エロの歴史の長さを知らんのか
343名無しさん@ピンキー:2009/06/17(水) 00:38:48 ID:xEdaEepZ
陵辱系は百歩譲ってまだ言ってることがわかるとしても(おかしいけどさ)
人外ヒロインのどこがいけないんだろうか・・・?
344名無しさん@ピンキー:2009/06/17(水) 00:51:07 ID:R0N2HmgH
見た目はロリ幼女だけど数千歳です、ってのを防ぐのかね
345名無しさん@ピンキー:2009/06/17(水) 01:39:06 ID:0yOXrX1a
まあぶっちゃけ、ありがたーい高尚な理屈さえもなく、妙な潔癖症精神で、単に潰したいってだけだろな
もしくはそこらへんどうでもよく、耳触りのいい言葉を並べたてて、目先の利益で私腹を肥やしたいかだ

本当に先を考えてのことなら
下手に規制なんかするより、供給を上手くコントロールしたほうが
むしろ治安も利益も良いものが得られるに決まってる
346名無しさん@ピンキー:2009/06/17(水) 07:45:21 ID:MRKBkEhl
>>345
きれい事しか見えてない頭すかすかの人間に
そこまで考える頭は無い
347名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 00:56:41 ID:0lbd9N6z
どっかの禁酒法みたいにウラで人外ヒロインものがたくさん出回って取り返しのつかないことになったらどうするつもりだw
348名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 17:37:29 ID:7fOc9n8o
それはさておき
作品投下はまだか?
349名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 17:54:03 ID:WBnZqQzl
狐耳巫女カモン
350名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 20:30:34 ID:7fOc9n8o
狐巫女は上の方にある
351名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 20:57:56 ID:KEH6r/NS
バイト巫女だがな!
352名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 21:32:36 ID:JVRMX36e
バイトの理由が借金だしな
353名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 23:16:45 ID:I5BXbJRE
狐耳巫女きてー
354名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 01:28:11 ID:ei62PI1k
深刻な狐耳巫女不足
355名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 01:39:55 ID:/eyE0w/P
狐耳巫女が出てくるエロゲ教えてください
356名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 02:40:16 ID:J/Ts7Gux
hanamaru
357名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 01:05:31 ID:9pHWZx1D
>>355
最近ので言えばとっぱらかな。巫女かは微妙だけど藤花ルートはなかなかだった。
あとはいなこいぐらいしか知らないな。他にあったら誰か教えて下さい。
358名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 01:10:09 ID:9pHWZx1D
↑最近つっても去年だけど。
359名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 10:13:25 ID:PaRHlCIr
>>345
特に人外は規制されないみたい。
あれだ、規制対象となったエロゲはタイトルにはらませ云々と書かれてたから引っかかっただけで、
人外規制云々は無いらしい。
ソースは2chだから信憑性は微妙だけど
360名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 12:32:17 ID:lUwCx2sa
よかった。

純愛で妊娠もだめなのかねぇ。
361名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 15:31:54 ID:KQMTAhGx
小説内であっても「"外国人を差別する描写"はまずい」のと同様に
「"男に都合のいい女性"の描写がまずい」っていう主張だと聞くが・・・
362名無しさん@ピンキー:2009/06/23(火) 02:33:17 ID:Qvxg66P3
それじゃ都合のいい男と設定で量産してるハーレクイン・ロマンスとか
レディス・コミックとかはどうなるんだw

363名無しさん@ピンキー:2009/06/23(火) 09:14:46 ID:/LhqPs1X
女向けだとかまわないが、
男がそういう妄想をすることすら許せないんだろうきっと
どう同考えても逆差別です本当に(ry
364名無しさん@ピンキー:2009/06/23(火) 10:28:38 ID:342LrLe7
もちろんそんな女ばかりじゃないのはわかっちゃいるんだけどねえ

得てしてこういうことを主張するタイプって
女が男を差別するのはかまわないが、男がそれに異議を申し立てることすら許さん
権利は持っていくが義務は放棄するって感じだもんなあ
365名無しさん@ピンキー:2009/06/23(火) 12:08:06 ID:EkXbhKo/
しかもそう言った連中は無駄に声がでかいから面倒だ。
だがしかし、人外娘さんにとって都合の良い男になれと言うのなら、望む所だ。

彼女らに都合が良い男って言うと、いつでもどこでもエネルギーを提供する携帯食代わり。
さもなきゃ、身の回りの全てをやってくれる執事みたいなのかな。

ちょっと、食っちゃ寝ホルスタイン系ミノ娘さんのお世話をする仕事を探してくる。
三食自前、住み込み、報酬は一日一回の感謝のハグ、ボーナス別途がいいなぁ。
366名無しさん@ピンキー:2009/06/27(土) 13:54:15 ID:xId5R5W6
保守
367名無しさん@ピンキー:2009/06/27(土) 16:13:18 ID:vcGy4lDP
俺もホス
368名無しさん@ピンキー:2009/06/27(土) 19:25:15 ID:LfXPARj2
>>365
エロ魔物娘図鑑にホルスタウロスてのがいたなぁ
369名無しさん@ピンキー:2009/06/28(日) 09:07:08 ID:6xUsE9yJ
>>365
そういう女って人生楽しくないから人(男)のせいにしてるんだろ…
そんな女には良い男は愚か雑魚すら寄りつかん。

俺は、躾に厳しい和服美人の狐のお姉さん探しにいくわ。
……そしていつか彼女に吊り合う男になる!
370名無しさん@ピンキー:2009/06/28(日) 10:42:44 ID:H/lVRN4f
吊り合うのか

土俵際でうっちゃられたりしないよう、気をつけるんだな
371名無しさん@ピンキー:2009/06/29(月) 14:36:32 ID:vNkj86Jb
俺もツンデレの猫の嫁さん探しに行くわ。
みんなどこにいるか知らない?
372名無しさん@ピンキー:2009/06/29(月) 15:18:53 ID:aMtpqHqY
蛇なら知ってるんだが残念だ
373名無しさん@ピンキー:2009/06/29(月) 23:45:40 ID:IEglS/bG
>>372
なん・・・だと・・・?
そこんとこkwsk
374名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 19:20:08 ID:kekEPllP
ほす
375名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 20:31:36 ID:nRpsk/0U
人外が出てくるお勧めエロゲを教えてください
376名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 21:03:27 ID:VZa4cXvQ
とっぱら

ヒロイン影女が発表当時の地味との評価を
かいがいしく尽くす嫁キャラで跳ね返した
377名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 23:52:26 ID:XIj9ZMXE
ゆのはな

可愛いロリ神さまがでてくる
378名無しさん@ピンキー:2009/07/04(土) 01:23:42 ID:Erdu4X3e
とっぱらは素晴らしい
狐耳巫女と混浴なんて…嗚呼…
379名無しさん@ピンキー:2009/07/05(日) 02:02:08 ID:ZdE4kMjZ
ブルーリキッドの続き読みたいな
380名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 00:59:21 ID:S4I56TZp
狐耳巫女とキャッキャウフフしたい…
381名無しさん@ピンキー:2009/07/08(水) 20:59:31 ID:rA91vejL
狐巫女なら上の方にあるだろうと
382名無しさん@ピンキー:2009/07/09(木) 20:52:25 ID:TY8BEWt0
ごんぎつねに萌えた人、挙手
383名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 12:19:10 ID:05x0otmD
ごんぎつねのワードに反応してパロディ小ネタを一発。
以下のネタは美しい思い出を汚す可能性があります。ご注意ください。


 兵十は、物置で縄をなっていました。それで、ごんは、うちの裏口から、こっそり中へ入りました。
 そのとき兵十は、ふと顔を上げました。と、狐がうちの中へ入ったではありませんか。あのごんぎつねめが、またいたずらをしに来たな。
 兵十は立ち上がって、納屋にかけてある火縄銃を取って、火薬を詰めました。
 そして、足音を忍ばせて近よって、今、戸口を出ようとするごんを、ドンと銃床で打ちました。
 ごんは、ばたりとたおれました。
 その拍子に着物の裾が乱れ、張りのある細い太腿が姿を表しました。
 まだ化け方が下手なのでしょう。二本ある尻尾は消せず、無理矢理に着物の下に詰め込んでいたものですから、はらりと帯がほどけてしまいました。
 土間の上で、寸足らずの小さい着物は、あっという間に乱れてしまいました。
 襟元は肌蹴け、膨らみ始めたばかりの緩やかな胸が、絶妙な曲線を描いています。
 太腿どころか、その付け根さえも裾の陰から姿を現し、ふっくらとした餅のような白さと柔らかさを兵十の目に焼き付けます。
 兵十は駆け寄ってきました。
 見れば兵十の股間の火縄銃にもぎっしりと火薬が詰められ、いまに火を噴きそうです。そう、兵十は炉裏魂だったのです。そうでなければ、いい加減いい年なのに嫁を取らない訳がありません。
 兵十は倒れたごんに伸し掛かるなり
「わるい子狐め。もう悪さをしないようにお仕置きをしてやるぞ」
 と無毛の割れ目に筒先を擦りつけました。
 危なっかしい目付きと鼻息の兵十に怯えたのでしょうか。何も言わないごんの態度に気を良くした兵十は、ごんの控えめすぎる胸の頂きに吸い付きます。乳臭くも芳しい、なんとも良い匂いで鼻の奥まで満たされ、兵十はさらに猛ります。
 ずぶり、と兵十はごんに自身を埋めました。
 そこは温かく、きつく、かと言って痛いほどではないと言う、夢の中にいるようでした。
 抜けば、ごんは胸を兵十に押し付けるようにして身を反らせます。
 差し入れれば、ごんは何かに耐えるようにきゅっと目を瞑り、頭から突き出した大振りな狐の耳がふるふると震えます。
 ほんの十往復もしないうちに兵十は、ごんに向けて撃ち放っていました。
「ふう……」
 言うなり、兵十の頭の中がさーっと冷えていきます。
 いくら溜まっていたとは言え、相手が悪戯狐のごんだったとは言え、炉裏獣娘にお仕置きと言う抗いがたい状況だったとは言え、相手はまだ子供です。実際に手を出すなど言語同断の、変態紳士としてあるまじき行為です。
 はっとして、体の下を見ると、土間に赤いものがぱたぱたと零れているのが、目につきました。
「おや」
 と、兵十はびっくりして、ごんに目を落としました。
「ごん、おまえ、はじめてだったのか」
 ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきました。
 兵十は、股間の火縄銃をぬぷりと抜き取りました。白い残滓が、まだ筒先から細く出ていました。
384名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 12:42:44 ID:YKv0dWcN
これはひどいw
385名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 13:04:21 ID:C8Jr8ALK
俺の感動を返せwww
386名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 13:21:15 ID:we0nT53d
非道いなこれwww
387名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 15:24:49 ID:ggqvVPkw
ある意味感動したwww
388名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 15:51:43 ID:NTvXfKNQ
>>383
GJ
最後の科白がw

炉裏魂=幼女に燃える魂ですね。実に良い当て字だ。
389名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 18:29:05 ID:ZBahIOiR
>>383
トラウマSS、GJw
390名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 20:12:05 ID:gINWEhBO
>>383
GJ

でも作者は新美南吉にあやまれw
391名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 23:07:03 ID:dC+oqGKX
実にけしからん
もっとやれー
392名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 23:50:14 ID:6KfbMMEx
>>383は死刑


しかし反省のしるしとして
ごんと兵十のらぶらぶえっちを書けば執行猶予とする
393Mr.@:2009/07/13(月) 00:26:23 ID:/YGIIkiI
みなさん初めまして。
ちょと書いてみたので、こちらに投下させていただきます。


属性としては
てけてけ
逆レ
グロ注意
となりますので、苦手な方はスルーしてください
394名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 00:28:08 ID:/YGIIkiI
彼女は向かいのマンションの真向かいの部屋に住んでいる、清楚な人だった。
ことあるごとに目が合い、その度に彼女は微笑んでくれたりと、僕は舞い上がっていた。



その日は、バイトから帰ってきた時に、なんとなしに彼女の部屋の方を見た。
――ヤバいっ
彼女の部屋はカーテンが開いていて、それで着替えの途中だったのか、下着姿の彼女と目が合ってしまった。
「すみませんっ!!」
こんな離れた場所で聞こえるはずないのに謝り、視線を外そうとした。
……なのに目があったまま動けないでいた。
『悪気があったわけじゃないんでしょう?謝らなくていいのよ』
「いやっ、見てしまったものは……え…?」
彼女は、もちろん向かいの部屋にいる。普通なら僕が謝った声も、彼女の声も聞こえないのに…
『かわいい』
彼女はそう言うと窓を開け、ベランダの手摺に手をかけ身を乗り出した。
「あぶな…」
言いかけた時、彼女の身体がぐるんと回り、マンションの壁に張り付いた。



彼女がマンションの壁から道路を這い、僕の部屋に来るまでの時間が、少しだったのか長い間だったのかは解らない
けど僕は物凄く長い時間、彼女から目が離せないでいたと感じていた。



「こんばんは」
そして、目の前には憧れだった彼女の姿がある。
いつも見とれていた綺麗な黒髪、整った顔立ち、白い肌、大きく張りのある胸、どれも全部一流のモデルと比べても遜色の無いものだった。
だけど、それだけ。
下の方に視線を移すと、腰のラインから物凄い力で引き千切られたように下半身が無かった。
395名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 00:29:59 ID:/YGIIkiI
もう全てが理解の限界を超えていた。
憧れだった女性が目の前にあられもない姿でいて、普通なら嬉しいはずなのに…

異常すぎる光景
上半身だけで浮かんでいる彼女、ただ立ち尽くす僕
彼女は僕の戸惑いなど気にする様子もなく、ゆっくりと近付いて来て僕を抱き締めた。
「っっ!!」
柔らかい膨みに顔が埋まり、目の前が真っ白になる。
――ごとん
気付けば、彼女にされるがまま押し倒されていた。
「ねぇ、私としない?」
そう言いながら彼女の手はカチャカチャと僕のズボンを脱がそうとしていた。
「す、するって何をですか…」
そう聞く僕に、彼女はいつもの笑顔で答える。
「わかってるくせにぃ、……ここは硬くなってるわよ」
「あっ………、う……」
彼女の手の動きは、とても気持ちよく、膝がガクガクと震えだし
「まだダメっ」
すんでのところで止められた。
「出すなら。私の中で出してよ」
「中でって……」
「お腹の中にきまってるじゃない」
ふふふ、と彼女は小悪魔的な笑みを浮かべ
「下半身なんて飾りよ、か・ざ・り」
そう言って彼女は、僕の股間に胴体を被せてきた。
初めての感覚
彼女が身体を上下させる度に、ヌチャリヌチャリと生温かい肉がまとわりつく感触
内臓を犯している。という背徳感
そんな未知の体験による快感で限界に達した僕は、彼女のはらわたに射精した。
「もう出しちゃったの?」
「ひゅ、ひゅみません」
息も絶え絶えな僕に容赦ない言葉がかけられる。
「いいわ、もっと私のこと気持ちよくしてくれたら許してあげる」
そう言って彼女は、また身体を上下しはじめた。
前言撤回、彼女は僕の戸惑いを楽しんでいる。そう確信した。
396名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 00:31:13 ID:/YGIIkiI
「……朝?」
窓から差し込む光で目が覚めた僕は、昨夜のことを思い返した。
「あんなこと現実にあるわけなんてない、疲れてるから夢でも見たんだろ」
そうして、いつもの様に起きようと手をついたら
――べしゃっ
と水溜まりにでも手を突っ込んだような感触
ようやくハッキリしてきた頭で周りを見てみると、よく解らない液体や白いもので水溜まりのようになっていた。

――トントントン
――コトコトコト
そんな音に混じり、誰かの鼻歌が聞こえてくる。
聞こえてくる方を見ると、音の主が僕の視線に気付いたのか、手を止め振り返った。
「おはよう」
そんな笑顔を見て、昨夜のことは夢じゃなかったんだと理解出来た。

―これからどうなるんだろう僕
397Mr.@:2009/07/13(月) 00:33:44 ID:/YGIIkiI
<<394-<<396
以上となります。
稚拙な文でオチもまとまってませんですが、読んでくださった方はありがとうございました。
398名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 14:48:48 ID:gHH9adkM
こええw
399名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 17:43:15 ID:x3dy+tB/
周りのべしゃべしゃ誰が片付けるんだろう
400名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 17:46:46 ID:T0DoAnAI
くくではなくて>>ですよ…
401名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 19:05:41 ID:/YGIIkiI
>>394->>396
正しくは、こうでしたね。
指摘ありがとうございます。
次の機会があれば注意します。
402名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 22:20:28 ID:E8kLZmH5
俺も何か書こうと思い妖怪や都市伝説を調べていたら
突然寒気がして鳥肌が立ったので調べるのをやめた
403名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 06:36:25 ID:DQxBMGrS
>>402
妖怪「ぶるぶる」ですね。
ねずみ男がひどい目にあってたな。
404名無しさん@ピンキー:2009/07/21(火) 23:12:33 ID:zb7hJmkk
保守
405名無しさん@ピンキー:2009/07/23(木) 17:30:10 ID:sTONjS2d
保守ageのついでに小ネタ。



「あー、暑い……」
「……おい」
「…何よ?」
「お前、仕事はどうしたんだよ?」
「無期限停止中ですが何か?」
「無期限って…お前、契約絶対の悪魔がそんな事言ってどうすんだよ…」
「あ、良いよ良いよ。どうせあたしみたいなサボり魔みたいな奴は
どのみち追放処分されるからどうでも良いよ」
「どうでも良いって、お前なぁ…」
「それにさぁ…あんたの魂をあんな貴族どもにやるなんて、このあたしが許せないからね」
「そりゃどうも…てか、俺なんかで良いのかよ?」
「ええ、このあたしがあんたに惚れたんだ。そのくらいの覚悟でしないとね」
「全く、惚れた女って言うのは怖いな」
「ええ、怖いわよ。同時に優しいものでもあるわ」

「それにしても暑いわ…」
「なんか、涼しくなる魔法でも使えば良いんじゃないか?」
「あ、無理無理。わたしが使えるのは火の玉を一個出せるだけだから」
「………」
406名無しさん@ピンキー:2009/07/24(金) 04:05:53 ID:n2njyme3
モルモル亭みたいなほのぼの都市伝説が読みたい。
407名無しさん@ピンキー:2009/07/24(金) 12:52:00 ID:WMmV2SlE
ひでぼんの人は元気かな…
408名無しさん@ピンキー:2009/07/24(金) 18:31:19 ID:NOBHvsdM
とっぱら全員攻略しちまった・・・
409名無しさん@ピンキー:2009/07/24(金) 18:41:53 ID:ARSFJMOi
>>406
モルボル亭って呼んで
ぎょっとした
410名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 00:54:21 ID:jb/J40j5
今度アニメ化するデュララララ!っていうのおススメ
411名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 03:19:03 ID:bzP73bnX
デュラはん
412名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 06:47:41 ID:PTp4cgOP

首無し騎士
413名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 21:42:58 ID:oZ4rJ7n8
>>412
創作物の世界ではよくあること
414名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 22:09:14 ID:3etf9lCY
一般向けフィギュアの付喪神ですか
415名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 12:35:42 ID:u/mpOmPY
大事に扱われていた物が九十九日間、一度も使われないと付喪神になる。お金とかでも。
416名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 14:49:51 ID:Hw5PyCHB
フィギュアの使い道ってなんなの?
417名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 23:47:30 ID:LfBjeaVx
眺める
418名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 22:11:44 ID:eyuIRH6F
崇める
419名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 01:41:22 ID:1Lh3qtlq
舐める
420名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 03:26:44 ID:X4lEb4ra
嗅ぐ
421名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 10:00:14 ID:gveUWMrs
愛でる
422名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 18:15:59 ID:048qMcxp
撫でる
覗く
423名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 23:12:50 ID:yJShnQgu
「私リカちゃん、祝われてるの」
424名無しさん@ピンキー:2009/08/04(火) 02:39:55 ID:iX1J+lsK
噴いたw
425名無しさん@ピンキー:2009/08/04(火) 20:36:51 ID:NS+N/LH2
トイレの花子さんネタ思いついたけど
まるっきりエロ要素が無い
426名無しさん@ピンキー:2009/08/05(水) 16:49:06 ID:lbyEayJF
>>425
かまわん、やれ。
427名無しさん@ピンキー:2009/08/05(水) 20:24:21 ID:zn/vmnMM
わるいな、
時間が無い
428名無しさん@ピンキー:2009/08/06(木) 19:31:13 ID:tkYQgEgb
構想はあるのに書こうとすると寒気がして未だ1文字も書けていない
429残暑お見舞い小ネタ:2009/08/07(金) 07:43:32 ID:ZZY5Fb3v
>>56の続きのようなモノ。
相変わらず中身が無いです。
1レスのみです。
430残暑お見舞い小ネタ:2009/08/07(金) 07:45:42 ID:ZZY5Fb3v
「…暑いな」
「そうですねぇ」
「……暑いな」
「いや全く」
「…私はな。長らくヨーロッパの山の中で暮らしていたのでな、暑いのは苦手なのだ。ましてや日本の暑さは湿度が高くさらに厳しい」
「そうでしょうね」
「で、貴様は何をしている?」
「何がです?」
「…このクソ暑い中、貴様はなんで私にしがみついてるんだ!」
「嫌ですか?」
「今はそんなコトは言ってない!」
「嫌なんですか?」
「だ、だから、今は」
「嫌?」
「…クッ、うぅ〜。い、嫌ではないが、ただでさえ暑いのに余計に暑苦しくなるだろう?」
「僕はひんやりしてて気持ちいいです」
「き、貴様!私を何だと思っているんだ!?」
「……氷枕?アイスノン?冷えピタ?備長炭入りのマットが云々」
「血ィ吸うたろか!!」
「間寛平〜」
「誰がモンキーか!!」
「吸血鬼ですよね〜」
「いい加減にしろお!!」
「あ〜もう、わかりましたよ。それじゃあ水風呂にでも入りますか?」
「む、悪くないな。…待て、何故担ぎ上げる?こんな荷物みたいな運び方じゃなくて、お姫様抱っ…、じゃなくて!何?一緒に入る?い、いらん!1人で入る!離せ!降ろせ〜!」


以上。皆さん熱中症に気をつけましょう。
431名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 19:30:26 ID:GKFaGerw
>>430
GJ
432リカちゃん:2009/08/10(月) 14:47:17 ID:7F9cfumr
>>423に触発されて即興で投下。ふたなり注意。



「私リカちゃん、呪われてるの」
俺が深夜まで掛かった仕事を終えて帰宅する途中、見知らぬ少女から声をかけられた。
リカちゃんと名乗るとおり、確かに人形をそのまま人間にしたような可愛らしい少女だ。
だがどうにもその下半身に違和感がある。そう思っていると少女──リカちゃんは、
そのスカートをおずおずと捲り上げた。
「呪われて、脚が三本あるの」
果たして、そこに在ったのはまさに三本目の脚と言えそうな巨大な肉棒。
幹は両足と同じくまっ白なのに、先端だけが赤い靴を履いたように色づいている。
俺はその光景にいち早く合点がいった。なるほど、これが都市伝説の「三本脚リカちゃん」か。
常日頃から筋金入りの変態だと自負している俺は、たちまち歪んだ欲望を滾らせるやリカちゃんの
かわいいあんよにこれ幸いと手を伸ばし、にぎにぎと揉みしだいた。
「ねえリカちゃん。これ、おちんちんだよね?」
「ち、ちがうもんこれリカの脚だもん」
見え透いた嘘。その証拠にムクムクと頭をもたげるソレをイジワルに指摘する。
「ふ〜ん、じゃあどうしてこんなに硬くなってるのかな?」
「き、今日はたくさん歩いたから疲れてるんだもん!」
「そうか、大変だね。じゃあお兄さんがマッサージしてあげるからね」
いささか滑稽なほど自らがふたなりであることを否定するリカちゃん。そんな彼女を尻目に
俺は立派なあんよを両手でしごきはじめる。彼女は抗えない快楽に先走りを漏らし、
赤い靴を濡らしながらわなないた。
これは堪らない。さすがにもう限界だ。俺はズボンのファスナーを下ろし、いきり立った逸物を
引きずり出すと、リカちゃんのしとどに濡れるオンナノコにあてがった。下着はつけていない。
まああんな立派な三本脚をぶら下げているのならまともな下着を穿けなくて当然か。
これだけ濡れていれば前戯はいらない。俺は後ろから一気にリカちゃんを貫いた。
「きひいいいいいいいいん!」
挿入のショックからか、リカちゃんは押し寄せる快感にアヘ顔をさらし、
おびただしい白濁を撒き散らして絶頂する。しかし一度では終わらない。前立腺が刺激されるのだろう、
ピストンのたびに彼女は幾度も射精した。
やはりふたなり少女は最高のおかずだ。俺もイキまくる彼女に触発されてか溜め込んだ欲望を
一気に爆発させる。
「あー、スッキリした」
全てが終わり、俺の立ち去った夜道には黄ばんだ白い水溜りに浮かぶリカちゃん人形が残されているのみだった。

数ヵ月後。
「私リカちゃん。おなかに赤ちゃんが居るの」
俺はまた、新たな都市伝説に遭遇した。
433名無しさん@ピンキー:2009/08/10(月) 15:13:08 ID:u4vzApqb
>>432
GJ
どうせなら突っ込みながら扱いてやりゃいいのに。
434名無しさん@ピンキー:2009/08/10(月) 19:25:43 ID:8qMk9CnG
エロいといより笑った
435名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 19:57:41 ID:S10PuQSu
そういえば巨大なちんこに靴下履く女の子の漫画があったな
436名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 08:35:47 ID:NcOvekHb
>>435
何その町野変丸チックな話
437名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 10:12:50 ID:M9MTsXDR
砂じゃなかったっけ
438名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 00:47:12 ID:g6MaKbCo
ほしゅ
439名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 18:28:32 ID:9j8Hn4J8
部屋が暑い>暑いのは南国>沖縄とかいいな>由布島で水牛車に揺られたい
という思考を経て
遠浅の海に散らばる島から島へと車を曳いて渡し守をするミノ娘さん、という電波が降って来た。

水に浸かる職業なので日常的にサラシと褌しか着てなくて、毛皮に覆われてない肌は日焼けして健康的に褐色。
鍛えられた上腕二頭筋と割れた腹筋がセクシーで、歩く度にたわわな乳とカウベルが揺れて、車に乗ってると真っ白な褌の食い込んだ引き締まった双臀とその上の尻尾まで見えちゃう。
そんなミノ娘さんが曳いてくれる車に揺られながら旅が出来たら最高だなぁ。
という妄想がてらの保守。
440名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 18:45:36 ID:1Y4lGfNC
さあそれをSSに起こすんだ
441名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 18:49:18 ID:HD/Ysh8c
そんな渡し守なミノ娘に渡し賃は体で払ってと言われて今度は自分が上に乗られるんですね わかります
442名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 10:50:53 ID:36LGofsq
>>441
無人島に連れ込まれるんですね。
443名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 02:01:58 ID:MZo3ntRB
>>439
ARIA風でお願いします
でなきゃヨコハマ紀行か
444名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 22:35:18 ID:YK+c3yvQ
私は、メリーさんと背面座位がしたい。

メリーさんの首筋を舌で舐め、キスがしたい。

メリーさんの耳元で卑猥な言葉を囁き、甘噛みをするのもいいだろう。

部屋で、公園で、人気の無い図書館で。

メリーさんの白いワンピースの上から、腋から直に胸を撫でたい。

互いに焦らし焦らされ、互いの汁で濡らさた下着をずらし、挿入するなんて最高だ。

もう一度言う。
私は、メリーさんと背面座位がしたい。



……少し、頭冷やしてくる。
445名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 02:26:50 ID:Yid9b/7a
冷やさないでそれをSSに起こすんだ
446名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 08:20:33 ID:yt6EXYSD
背後に現れるメリーさんの、更に背後を取らなければならないのか
447名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 13:46:35 ID:Yid9b/7a
ゴルゴの背後に現れていきなり殴り倒されるメリーさん
448名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 19:17:49 ID:U4e5Js08
>>444
背面座位好き。
公園のベンチとかで、ばれない様にヤりたい。
449名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 21:13:43 ID:d2VRMHLE
>>447
ゴルゴの背後に近づきながら、胸の内を告白してくるメリーさん
悲観的な内容から諦観的な内容になっていって
最後には、達観的になっている
450名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 22:13:30 ID:910V08Qb
一時期メリーさんブームがあったよな
451名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 03:00:28 ID:9RdTCoR6

 とある図書館のある一角。そこに、極平凡な男と白いワンピースが似合う金髪碧眼の少女がいました。

男の目の前には分厚い童話の本を一冊、少女を自身の膝に乗せ読み聞かせる優しい男。

だが、お気づきだろうか?
その本は1行1ページも読まれず、少女の碧眼の目は潤ませ、白い肌をほんのりと紅く染める。身体は上下に小刻みに震え、荒い吐息と共にだす小さな喘ぎ。

背面座位。それが二人が行っている行為。
「メリーさん」 。これが少女の名前である。




文章は難しいです>>444でした
452名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 14:45:37 ID:Oj4l3J/p
>>451
GJ
男の顔がどうしてもゴルゴで再生されてしまう。
453名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 22:58:31 ID:6uKQqtj8
>>452
背面座位で激しいセックスしてる絵が浮かんでしまったじゃないかwww
454名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 23:34:23 ID:yxCjS08x
狐耳SSを…お願いします…
455名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 23:51:07 ID:3vnuYWJ5

「花子さーん。遊びましょー」
友人達と肝試しをかねて廃校舎探険する事となり、俺はクジで花子さんを捜す事になった。いるわけ無いと思ってたんだが…。
「何して遊ぶの?」
返事が返ってきた。パニクった俺は、つい。
「お、お医者さんごっこ!」無音。沈黙。俺は意を決してトイレを扉を開けた。

赤いスカートの少女ーーこの子が花子さんなのだろう。驚いた顔をしているが、うん。可愛い子だ。
「さー、お腹見せてごらん」服をめくり、お腹を見せてくれる花子さん。とても素直な子である。
花子さんの健康的(?)なお腹を撫でていると。
「お兄ちゃん。何処か痛いの?すごく腫れてるよ」
花子さんの視線の先には戦闘体制な息子の姿が。
心配そうに見守る花子さんに俺はこう言った。
456名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 23:54:05 ID:3vnuYWJ5
「花子さん。コレを治すには毒を吸い出すしかないんだ、君が吸い出してくれないか?」
戦闘体制の息子を花子さんの前に突き出す。外気かはたまた花子さんの前だからか先走り汁が大量だぜ。
「それでお兄ちゃんが治るんだよね?私やるよ!」

「先端をくわえて、ああ歯で噛まないように。そうしたら舐めるんだ」
小刻みに動く息子を小さな口と舌で必死に舐める花子さん。ん。
「キャッ…!?」
息子は呆気なく暴発し、花子さんの顔を白く染める。顎や喉を伝って垂れた白濁ミルクが服や赤いスカートに付いてしまった。
「助かったよ花子さん。ありがとう。毒にかかったらまた来るよ」
俺はそう言い残し立ち去る。







あー花子さんとも背面座位をしてみたい
457名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 12:34:50 ID:pNJ3vhaJ
>>456
お前が花子さんの便座になって、花子さんをお前の肉便器にすれば良い。
458名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 23:12:54 ID:KbLQWHDH
本屋で見かけた「きつねさんに化かされたい!」というコミックスに妙に惹かれた
459名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 02:10:34 ID:jlOI8wi4
森の中を歩いていたら、一人の女の子に出会い、出口まで道案内してもらったらいきなり落とし穴に落ちたんだ。
笑い声が聞こえて、上を見たら笑っている女の子に狐のような耳と尻尾が生えてたんだよ。
だけど、次の瞬間女の子の足場が崩れて……穴の中で女の子と密着状態へ。
そんな電波がきた
460名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 11:48:23 ID:hyyFVYpD
>>459
さあ、その思いをSSにする作業に戻るんだ!
461名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 16:37:08 ID:0c/W1tBn
>>459
いたずらっ子でドジっ娘な狐読みたい。
462名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 19:16:39 ID:/0f0t42w
夏休みを利用して田舎の実家に帰省した主人公。
はじめこそ懐かしんでいたが、やがて暇をもてあます様になり近所の山へ散歩に行くことに。
そこで悪戯好きの幼い少女と出会って山へ散歩に行くのが日課になったが、
ある日、落とし穴にはまって昏睡状態へ。
その落とし穴は紛れもなく、少女が主人公を脅かそうと作ったもので、
少女が主人公の様子がおかしいのに気づいて慌てふためいてお医者さんに連れて行ったり
昏睡状態だと知って山頂の稲荷神社に願掛けしたり記憶喪失フラグだったり
”そもそもおまえが悪いんだろ?”な鬼畜エロルートや主人公死亡ENDで少女欝とか
ちなみに少女は山に住む狐か、普通の女の子だったけど、
神社で願掛けした際に主人公が目覚める代わりに狐になる呪いとかまで妄想して力尽きた

縦読みは無い
463名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 07:38:09 ID:R3aGGNvh
>>462
鬼畜エロルート読みたい。
464名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 23:28:31 ID:3QOePI0w
記憶を無くして苛立つ主人公に調教される女の子か
465名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 02:47:43 ID:5Fzh8/U1

>>464を見て書いてみる


分かってた。
彼女の笑顔が自分じゃない自分に向けられている事を。
悔しかった。
ただ、自分を見てほしくて……その結果が。
自分のそそり立つモノをくわえる、首輪だけを身につけた裸の女性。狐耳の彼女を俺は眺めた。
466名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 07:10:34 ID:YBm/gwIe
>>465
期待
467名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 17:29:11 ID:Z69bDIaC
「泳ぎに行こうぜ!」
「は?」
友人のそんな一言から、学校に忍び込み夜のプールで泳ぐ事になった。
俺はプールの中をぼーっと立ち、泳ぐ友人を眺める。「立ってないで、お前も泳ごうぜ」
「そのうちな」

どうやら友人は気が付いて無いらしい。
水の中で俺の息子を咥える彼女の姿を。
彼女の口の中は、水中だと感じさせず舌を使いアイスキャンディーの様に息子を舐めてゆく。射精感を感じた俺は彼女の頭を両手で固定、打ち付ける様に数回のピストンし、白濁液が彼女の口内を侵す様に射精した。

な妄想で保守です
468名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 17:48:54 ID:cR46595B
>>467
GJ
ばれない様にヤるのって、優越感あるよな。
469名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 23:58:03 ID:LCOcZzbu
学校七不思議の一つ「夜のプールでフェラしてくる霊」ですか
470名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 21:25:57 ID:BmQSH6GU
他の七不思議と言えば
体育館で誰もいないのに跳ねてるボールを止めると、
代わりに貴方の玉で遊ばせてと一晩中精巣しゃぶりフェラされるとか、
トイレの個室に入ると、
こんな汚いところでおっ立てて、と言葉責め中心で逆レイプしてくる花子さんとか、
夜になると屋上への階段が一段増えているのに気づかずに一段ずつ踏みながら屋上へ出ると、
女性霊だらけの異空間に飛ばされ空中に持ち上げられ輪姦されるとか、
夜ひとりでに鳴るピアノを聞きに音楽室へ入ると、
自分自身の棒その他を使われ性的な意味で楽器にされるとか
放送での呼び出し答えて放送室へいくと、
一晩中逆レイプを校内に実況放送されるとか
チャイムと同時に教室に入ってしまうと、
クラス全員の女の子と女教師の霊に実際に体を使われて一晩中保健体育の教材にされるとか、
そんな感じのやつか
471名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 22:13:16 ID:lgtysMBq
七不思議か…
夜の美術室に来ると、石膏の手達に押さえ付けられて女の霊に騎乗位されるとか
472名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 11:12:18 ID:qRRLNRG+
エロイナ
473名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 19:16:10 ID:GL0HK5QH
>>470
男女逆がいい。
474名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 06:01:39 ID:Zs+srGYk
数日がかりで七不思議を全部回る男の話とか読んでみたいものだ
475名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 16:09:13 ID:fsxK4dyk
一晩で回った絶倫にのみ、八個目が顕れるとか。
476名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 17:32:42 ID:TvWHsg/L
ロールを使って髪コキしてくれるバッハの肖像画とかな。
477名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 17:37:07 ID:E28FEo0i
>>475
本人が8番目になるフラグだろ

夜の学校に一人でいると絶倫男に襲われるとか、ソレ系の
478名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 21:50:43 ID:Gz6YV8oq
ここのスレ住人が幽霊達の七不思議な気がする。それ以前に七で足りるかどうかわからんが…


>>476はこんな感じだろうか?

夜の音楽室に俺は居た。
「……バッハさん」
「あら、また来たの?」
一枚の肖像画から抜け出した女性。バッハさんの問いに俺は黙って頷く。

バッハさんが頭を動かす度にロールに包まれた息子が擦れ、髪が張り付き、尿道を刺激し射精感を煽っていく。
479名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 22:34:35 ID:iii3m3Qc
アッー
480名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 01:04:36 ID:Hom8on1F
「・・・まだ駄目よ」
彼女は冷徹に言い放つと、にじみ出た体液で艶めかしく輝くロールを伸ばして、俺の根元辺りをきゅ、と縛った。
「うっ・・・なんで止めるだすか!おら、苦しいだすよ!」
俺は低い声でうめいた。
だが彼女は容赦しない。
「あなた・・・わたしを抱いたあとも、他の七不思議っ子とするつもりなんでしょう?」
「ど、どうしてそれを」
企みを見ぬかれ、激しく動揺する俺。
「ふん、駄犬が。バレバレよーーーああ、もうどうでもいいわ。眠いし、全て終わりにしましょう」
彼女が低い声で何か呟く。
突然、ロールが激しく回転し始めた。
「うあっ・・・ぐ、く・・・!!」



・・・この後どうなるんだろう。
分からないけど住人の皆さん、お休みなさい
481名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 01:50:56 ID:Q2Pkk8e/
>>477
七つ目は謎というパターンも多いよな

六つの不思議を回ることで妖力を吸収して人外になってしまう。
そうして六つの不思議に愛されながら夜の学校の住人となる。
それこそが誰も内容を知らない七つ目の不思議「帰らない男」の真相…とか。
482名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 14:19:33 ID:75s2gCd4
七不思議の七つ目は
「六個しかないのに七不思議と呼ばれている」事だとばかりw
483名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 14:04:53 ID:w2DrSO5Z
4時44分に○○室に行くと幽霊に会えるとか。
484名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 18:06:02 ID:li3c/V4X
早朝四時って大抵子供寝てるよね
485名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 19:34:47 ID:d9NIwTQ6
>>484
「おやおや、子どもは寝てる時間だよ」
と幽霊に布団に連れ込まれて犯される女の子。
486名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 18:07:46 ID:AsnpKEDL
「おや坊や、私が一緒に寝てあげようか」
と幽霊に布団に連れ込まれて犯される男の子
487名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 07:00:33 ID:e5DFx167
>>485
幽霊が男ならスレチ
百合百合なお姉さんなら無問題
488名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 06:46:15 ID:GHKcwrUB
学校でロリ地縛霊を犯したい。
489名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 07:09:38 ID:85AqL68l
>>473
逆じゃないからいいんじゃないか!
490名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 05:11:09 ID:7X66hoVi
昔々、ある所に正直者の男がおったそうな

男はある日、山の中で誤って古井戸に落ちてしまいました

そして気がつくと、なんとそこには地獄が広がっていたのです

男は出口を求めて歩き続け、やがて賽の河原へと辿り着きました

そこで積み石中の可愛い女の子と出会い、話をする内に親しくなりました

しかし虎柄ビキニの鬼娘が現れて、積み石を蹴り崩しに来たのです

男は女の子を庇い、代わりに精を捧げることに

段々と激しくなる二人の行為を見て、自慰を始める女の子

「一緒にする?」

女の子は堪らずに頷き、死に装束を脱がされ男に抱かれました

こうして二人と仲良く混精した男は、度々地獄に通うようになったそうな

そんな話を聞いたのは隣に住んでいた欲深い男

男は自分もと井戸に身を投げ、意気揚々と地獄に乗り込んで行きました

待っていたのは奪衣婆でしたとさ

おわり
491名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 08:12:48 ID:6sIqRRel
奪衣婆ってぬーべーで見たことあるな
492名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 10:08:43 ID:BYbz3Pio
>>490
GJ
493名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 16:40:30 ID:Oq4HnlYp
夜中に動く二宮金次郎像(♀)を窓に押し付けて立ちバックしたい
494名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 18:55:16 ID:UcH6mgWB
そこ、何で♀なんだよ!
495名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 10:05:58 ID:p1IShULN
二宮金次郎像っつうたら
薪を背負ってるんでないの?
立ちバックには邪魔だよね……
496名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 13:29:37 ID:QHfaosH+
>>495
だが前には本が。
497名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 21:39:47 ID:/hHhPiSq
本で挟んでしごいてもらえばいい
498名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 22:07:14 ID:/0DsEKVe
前も後もダメなら横から攻めるしかあるまい
499名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 22:29:48 ID:DECAgk39
金治郎男だろ…
500名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 23:36:45 ID:Cfib4wBf
「だ・・・だ、駄目ですよそんなの!これは全部、大事な大事なご本なんですから!」
彼女は白い頬を羞恥に染めながらそう言って、護ろうとするかのように本をきゅーっ・・・と、大きな胸に抱き寄せた。
・・・ああ。あの本になりてぇ。
「だ、だいたいゆーくんは発想がどれもこれもえっち過ぎます!そんな想像力があったら、少しは公共の福祉に役立ててください!」
「・・・分かってないなぁ」
「・・・?何がです?」
「僕は君が大好きだから、これだけ想像できるんだよー」
「・・・///」
彼女はまたしても頬を赤らめて、それからうつむいて黙りこんでしまった。
「好きだよ」
畳みかけるようにそう言うと。
「も、もう・・・いつもそうやって・・・ゆーくんはずるいです」
根負けしたように呟いて、彼女は綺麗に結っていた髪をほどく。
艶めかしい黒髪がさらり、と広がった。
「ほ、本は駄目ですけど・・・その、ふとももとか、胸、でしたら・・・きゃっ」

きゃっ☆
今は反省しています
501名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 14:02:56 ID:KGaxlhDt
>>500
文はいいのに、画がどうしてもアレだ……
有名過ぎる。
502名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 20:41:01 ID:FlXOtl0k
>501
「それも、この本に書いてある通り……」
503名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 08:17:22 ID:eaJHiwhG
504小ネタ:2009/09/18(金) 12:35:40 ID:+g4dfCzJ
(下の)口裂け女

「坊やわたしきれい?」
一人で下校途中の小学生の男の子の前に白いドレスを来た女がいきなり現われて、スカートをたくしあげた。
何も履いて居ない彼女の股間がモロに男の子の目に入る。

黒い繁みとぬらぬらと既に濡れて光る発達した紫色のビラビラをはみ出させた成熟した女の股間をびっくりした顔をして見る男の子が思わぬ一言を言う。

「母ちゃんやお姉ちゃん達と違う、おばちゃんのより二人の方が綺麗だよ?」
小学4年なので、母親と姉達と毎日入ってるので、女の股間何か見慣れて居る。
「お、おばちゃん?」
彼女の顔が引きつる、まだ彼女は20代前半なのにおばちゃん呼ばわりされて気分を害した。
「おばちゃんじゃないでしょ、お姉さんと呼びなさい!」

彼女の怒りにたじろいだ男の子は、「お姉さん」と言い直す。
「よし、良い子ね坊や、でも私のより家族の方が綺麗なの?」
彼女が妖しく目を光らせながらたずねると男の子は

「うん!」
と力強く答えるので、彼女の妖しく笑う顔が再び怒りの顔になると同時にいきなり彼女は、座り込んで脚を拡げて男の子に己の股間を見せつけながら言う
「ふふ、じゃあこーんな事貴方の母親や姉達は出来ないわよね?」

そう言うと紫色の大陰唇を開いて、くぱっと指で開くと、紫色の粘膜内部が露になる。
「うわーきたね―…」
と内心男の子は思うが、言うとやばい気がしたので、黙って彼女の股間に咲く

紫淫花を見つめる、更に彼女は、膣口をグワッと拡げて見せると男の子は驚愕する、何と自分の頭が入る位に広がり紫色の内部が丸見えではないか!
彼女は、その様子を満足げに見ながら

「わたしの口は、こーんなに大きく拡がるの、このお口で生意気な貴方を食べちゃうわよ?」
「ギャアア〜!」
男の子は悲鳴を上げて逃げ出した。
逃げ出した男の子の背後にて女の艶のある笑い声が響く。

――これが、僕たちの街の口裂け女の都市伝説です。僕は逃げれたけど、友達の一人は、彼女のあの口に飲み込まれたり、ズボンを脱がされてチンチンを吸われたりしたそうです。
僕は、あれ以来食欲がありません。

母さん達の股間すら恐怖で見れません、女怖いです。姉達は言う。
「それって、超ガバマンの露出狂な痴女じゃん!!」…意味は解らないが、姉達が言うならばそうかもしれません。

姦じゃなく完
505名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 12:47:14 ID:+g4dfCzJ
下の口裂け女諸説

・過去の出産の事故で、括約筋が切れてしまい締まらなくなった。

・膣整形手術の失敗に依る物。

・元々彼女の皮膚とかが伸びやすく、限界まで自由に拡げられる。(入れてしまった子は、あそこの締まりは良かったとか)

・脚力が物凄くて、子供程度の足なら容易く追い付き、凄まじいジャンプ力があるとか。(ジャンプした下の口裂け女が逃げる男の子の頭をカポッと咥えたとか。)

・現われる場所はまちまちで、必ず人気が無くて一人な時に現われるらしい。

・襲われて居る子以外誰にも見えないと言う噂もある。(襲う相手のみ実体化?)

・幸いにも死人は今のところ出ないが、トラウマになる男の子が多数でた。
506名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 12:56:53 ID:+g4dfCzJ
諸説2(死んで居る幽霊説)

・子宮癌か膣癌か何かの手術の失敗による死亡で、その時の影響とか?

・交通事故で、何か太い物が不幸にも彼女の膣口に突き刺さり、死んでしまい、そしてガバマンとなったとか。

・顔立ちは、とても整って居て美人らしい。

・おっぱいはそこそこ大きくて、谷間がやらしいとか?(みんな股間に目が行くから顔と胸は忘れてしまう。)

・交通事故と被るが、彼氏にフラれた下の口裂け女は、足元から飛び降りたらしいが、屍体は間抜けにも地面から出て居る突起物が、膣口を貫通してたとか、そのせいでガバマンになったらしい。
507名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 15:08:23 ID:oukILyk1
膣口に歯がある女がヨーロッパの妖怪にいる。
子離れ出来ない母が息子を男にしない為にチンコをかじりとるんだと。
そういう都市伝説が拡張されて、膣に男性器を入れる者つまり男を男でなくしてしまうのが生まれたんだと。
508名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 19:24:32 ID:axTnazK+
ヴァギナ・デンタタってやつか?
これ、妖怪っていうほど俗な感じじゃなさそうだが
509名無しさん@ピンキー:2009/09/19(土) 18:40:32 ID:jkeOwJsD
大母?
510名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 03:57:40 ID:+mYp+c5Z
ほしゆ
511やぶ:2009/09/23(水) 10:15:36 ID:6q5FQCuU
>>504見て妄想掻き立てられた

口裂け女(下の口も)1

 白衣を着た冴えない中年男の傍らで、淡いピンク色のナース服に身を包んだ若い女性が一心に細い棒へ綿を巻き付けている。
 ここは『やぶ医院』。いわゆる町医者という奴で、外科や内科はもちろん、産婦人科まで節操無く兼任している、何でも屋の小さな診療所だ。

「患者さん来ませんねー」
 ヒマそうにその女性が呟いた。
 口を動かしながらも手は一時も休まないのはさすが、というべきだろう。
「一日中患者さんも看ないで綿棒作りなんて、きっとナイチンゲールも泣いているわ」
 経費削減のため、綿棒を院内で手作りしているのだ。
「まあまあ、貞子さん。病院がヒマってことは、病や怪我で苦しんでる人がいないってことなんだから、いいことじゃないか」
 その女性、貞子看護師に声をかけると、恨みがましい目が私に向けられた。
「何言ってるんですか、この近辺でヒマなのってここだけですよ!」
 うーん、やっぱそうか。
「まったく、少しは自覚してください。だいたい、先生の名前が悪すぎなんですよ。なんで『やぶ』なんて名前で医者を目指しちゃったんですか!縁起悪くて、みんな他所の病院に行くに決まってるじゃない!」
 そういわれても…。
 貞子ナースがはぁっ、とため息をつきながら言葉を続けた。
「まあ、そんな所に就職しちゃった私はとんでもない大馬鹿やろーですけど」
 うん、そうだねー。
「このポークビッツみたいな粗チンに、作りかけの綿棒突っ込んでぐりぐりしてほしいのね?たぶん膀胱に綿玉落ちて大変なことになるけど?」
 あああ!貞子さんがサド子さんにぃ!?
 迂闊にも思ったことをストレートに口に乗せた私は、次の瞬間冷たい床に転がされ、貞子さんの白ストッキングに包まれたなまめかしい脚に股間をぐりぐりされてた。
 あああ!お願いします、女王さま。って言ってしまいそうな自分が怖い!
カランカラーン
 貞子さんのナースシューズに服従の口づけをしていると、来患を告げる鐘の軽やかな音が院内に流れた。
「ちょ、やぶ先生患者さんが…、ああんっ!ちょっ、いい加減にしなさい!」
 白いパンストに包まれた貞子さんの可憐な爪先を口に含み、レロレロなめ回していたらいきなり顔面を踏み付けられた。
 ああ!良い!最高だよ貞子さん!
「先・生、患・者・さん・です!」
 ナースシューズでガスガスと何度も踏み付けていただき、思わずパンツを汚して賢者タイムに入った私はけだるげに院内を見渡す。
 花粉症なのだろうか?顔半分を覆う大きなマスクを被った綺麗な女性が、入口からがらんとした待合室を所在なげに見渡している。
 時間も時間だし、今日の診察は終わってしまったのか、とか思っているに違いない。
「まだやってますよ?」
 声をかけると、その女性は安心したような顔(と、言ってもほとんどマスクに隠れているが)をして、院内に入ってくる。
「ぎりぎりに来る患者って、厄介な人の場合が多いのよね…」
 患者には聞こえないよう、貞子ナースがポソリとつぶやく。
512やぶ:2009/09/23(水) 10:18:11 ID:6q5FQCuU
口裂け女(下の口も)2

 確かにその通りだけど、今日初めての患者さんなんだから、愛想よく頼みますよ?
「ええと、申し訳ありませんが初めての来院ですよね?こちらの初診申込書に必要事項を書いて、保険証を提出していただけますか?」
 テキパキと準備をする貞子ナースとは対象的に、患者はもじもじとするだけで差し出されたボールペンを受け取ろうともしない。
「あの、保険を使わず自費で診察を受けたいんですが…」
 ああ、最近増えたよね。生活がきつくって健康保険脱退しちゃう人。
「貞子さん、手続きは後でいいから、とりあえず患者さんお通しして?」
 マスクでほとんど隠れているが、息子のいい女センサーは限界まで反応している。早く診察と偽って触診しまくり…、
「コホン!」
 いやもちろんそんなことはこれっぽっちも思ってませんよ?だから、その古井戸の中から覗き込むような呪いの篭った目線はやめて下さい。
「ええと、どうされました?」
 私が質問すると、その女性はモゴモゴとマスクの中で呟く。
「すみません、もうちょっと大きい声でお願い出来ますか?」
 そう言いながら体ごと近寄り、女性の口元に耳を寄せる。
 うん、たまたま私の股間が女性のスカートから出た膝に当たってるけど、偶然ですよ?あ、そういやまだ汚れたままだ。
 などと幸せな気持ちで診問を続けていると、不意に女性が話す度に空気が漏れる音がするのに気付いた。
 よく見ると大きなマスクの両端から、何か裂け目が覗いている。
(ぎりぎりに来る患者って、厄介な人の場合が多いのよね…)
 貞子ナースの言葉が脳内で再生される。
(まさか…、口裂け女!?)
 普通は私綺麗?と聞いてきて、はい、と答えると、
「じゃあ、これでも?」
と、マスクを取り、耳元まで裂けた口を見せて驚かすだけだが、相手が医者だとそれではすまない。
 整形手術の失敗を怨んで、その裂けた口でアチコチを噛み裂くというのだ。
「裂けちゃったんです…」
 不用意に体ごと近付いた私の耳元に、口裂け女がぽつりとつぶやく。
 き、きた!?
 マスクごしに口裂け女の熱い息吹が右耳に当たる。
 俺じゃないのに!美容整形失敗したことないのに!
 グッバイ、マイ右耳!お前の仇に、必ず口裂け女のオッパイは揉んでやるからな!
 覚悟を決めて口裂け女の胸元に手を伸ばしかけると、口裂け女は意外な言葉を続けて口にした。
513やぶ:2009/09/23(水) 10:20:00 ID:6q5FQCuU
口裂け女(下の口も)3

「…裂けちゃったんです。…下のお口が」
 はい?
「あの、彼のがその、とっても大きくて…」
 えーと?
 伸ばしかけた両手を緊急停止して、ぎりぎりでさくらんぼちゃんをつまむ直前で止まる。
「えと、その…、私も馴れてない、というか、その、初めてだった、というのもあるんですけど…」
 指をくにくにさせ、恥ずかしそうに私から目を逸らし、真っ赤な顔でもじもじと説明を続ける彼女。
 か、可愛いじゃないか。
 せっかく止まった指先が我慢出来ずに動き出す!
ごりっ!
「はうぁっ!?」
 不意打ちで私の爪先を激痛が襲った。
「先生…!」
 あううっ!ごめんなさいごめんなさい!触らないから!触らないからピンポイントで足の小指を踏み付けるのはやめて下さい、貞子さん!
「あの、実は私、口裂け女ってやつで、取りあえず縫合さえしていただければ、人間よりも体力あるんで自力で直せると思うんですけど、何だかなかなか血が止まらなくて…」
 両手を戻した瞬間、口裂け女が目線を戻す。ふうっ、あぶなかったぜ。
「うーん、それでしたら立派な傷害罪ですから、あなたではなく彼氏が治療費を支払う、ということですか?」
「ち、違います!彼はその、全盲なんで、私のアソコが裂けたことも知らないんです!…私、女にして貰った証だから、って言い張ったから…」
 うーん、確かに目が全く見えないんじゃ、ちょっと裂けたくらいじゃ破瓜の血なのか裂けた血なのかわからないかも。
 にしても、処女を捧げた直後にそんな気を配るなんて、よっぽどその彼氏が好きなんだろうな。
「まあ、取りあえず見せていただけますか?」
 私がそういうと、彼女の身体がビクッ、と震える。くぅっ!いちいち反応が可愛いなっ!
「そ、そうですよね。見ないことには治療出来ないですよね…」
 しばしの逡巡を見せた後、恥ずかしそうにスカートをたくしあげ、ストッキングと下着をぬぎさり、脚を開く。
 くくぅっ!医者になって良かった、て思う瞬間だぜ!
「ありゃ?けっこう大きく裂けてますね…」
 控えめなヘアーの下に現れた、綺麗な観音様の一部に亀裂が入り、そこからじくじくと真っ赤な血が滲み出ている。
「ナプキンを当てているんですけど、なかなか血が固まらなくて…」
 脱いだ下着に目をやると、血止めがわりらしきナプキンがかなり血で汚れている。
「うーん、確かにここは湿っぽいからなかなか血は固まりにくいでしょうけど、だいたい何日ぐらい血が出続けてますか?」
「えと、彼に女にしてもらったのが〇日だから…、は!?あの、その!えと!6日です!」
 くはぁっ!狙ってるのか!?
 はふぅ、という熱い吐息を感じて目をあげると、口裂け女の可愛いさにやられたのか、貞子ナースの目がやばいことになっている。
「先生、思ったんですけどこのまま縫合しても同じことの繰り返しになっちゃうんじゃ?」
そらま、そうだけど。でも、そのあやしい目の輝きはなに?
「口裂け女さん、失礼ですが彼氏さんのアレってどのくらいの大きさかしら?」
ちょ、診問は俺の仕事…。
「え?えと、あの、私がいっぱいにお口開いて、その、ぎりぎりの、大きさ、です…」
恥ずかしいのか、最後は蚊の鳴くような小さな声。
「ふーん、そう…。じゃあ、ちょっと調べさせてね?あ、今からすることは診察にとっても大切なことだから、嫌だと思っても我慢してね」
あー、貞子さんや?先生を差し置いて、看護師のあなたが何をする気かね?
口裂け女が可愛いらしくコクン、と頷くと、貞子さんの目が大好物のお魚さんを前にした猫のように、爛々と輝きだした。


…口裂け女の彼氏さん、もしこの子を壊しちゃったら、その、ゴメン…。
514名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 11:04:23 ID:tzsYBL1k
支援ひゃっほい!
515名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 15:50:15 ID:6SnAwWZd
>>513
貞子さんがんばれ!
516名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 17:47:02 ID:HVywhNN2
GJ!!

何故か医者と貞子のコンビが某エセ物理学者と某貧乏マジシャンで脳内再生された
517名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 16:43:14 ID:KMhXCsUU
ブラムストーカー著の王女テラの棺が子供心にエロかった。
主人公が冒頭夢でエジプトの墓所に閉じ込められて、王女のミイラが棺桶から
這い出てくるんだけど、むしろなんか性的なものを感じてしまった。

19世紀イギリス、古代エジプトでミイラを発掘し自宅に持ち帰った考古学者だが、
それをさかいに夜な夜な衰弱していく。心配した一人娘が密かに好意を抱いている
青年に家に呼ぶ。その晩、寝ずの番で博士の部屋のクローゼットに身を潜めていた
彼が見たものは……世にも美しい包帯褐色美女に跨られて搾り取られ悶える博士の
姿だった。あわてて飛び出してはきたものの、どう対応していいのかわからない
青年と、さして驚いた様子もなく不敵な笑みを浮かべる美女。やがて彼女が何気な
く手をかざすと、包帯は生き物のように舞い上がり、彼に絡みついてその身を拘束
する。
「丁度いい、この年寄りにはそろそろ飽き飽きしていたところじゃ、……お前は
 若いし、ふむ…顔もまあまあじゃのう」
と、ニヤニヤ笑みを浮かべながら歩み寄ってくる美女、そして足を拡げて彼の体
を跨ぐ恰好で立つとその薄い陰毛に覆われる淡い桃色の裂け目も拡がり、コポッ
と音を立てて白い粘液が滴り落ちると彼女は艶やかな笑みを浮かべた。そして
それをそっと鍵穴から覗く視線がひとつ…
518名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 19:05:27 ID:8xadsIt+
それなんてエロ小説?
519名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 19:20:34 ID:rrAQ/MQZ
>>517
娘、助けてやれよw
そして当然3Pか4P。
520名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 18:26:13 ID:5K4lU23P
ひでぼんの人を待っている
後二ヶ月で最終投下から一年か
521名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 19:10:09 ID:jYeXexsz
もうそんなに経つのか

俺はラウラの人を待ち続けている
522名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 00:11:52 ID:JE10oBFv
山神狐巫女の続編を…
523名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 20:56:18 ID:JE10oBFv
524名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 21:36:05 ID:df6yBz3O
>>523
猫が恩返し?
525名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 09:09:05 ID:QB81Y+sk
526名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 18:07:50 ID:hdBAJdVC
ほす
527sage:2009/10/05(月) 15:36:17 ID:FPh8AGPt
こないなー
528名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 22:17:06 ID:Z15qao4t
>>522
久々にスレを最初から眺めると、前の話を投下したのが半年前、
今からだと頑張っても2ヵ月後かかるかな……
529名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 01:12:11 ID:kDO86NMn
>521
ラウラか、何もかも懐かしい。……あれはもう4年位前か。
冒頭の原案しか思いつかなかったんで、それだけをここに投下したところ、霜ノ関さんが小説化してくれたんだっけ。
後に自分でも全部のストーリーを思いついて、原案というか細切れにしたシーンだけ投下した。
ちなみに「吸血鬼アンジェラ」はその一部。
530名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 03:28:22 ID:2ohQxLqQ
女の幽霊に遭遇してその幽霊を見つめながらオナニー始めたらさすがに幽霊でも引くかな?
531名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 06:49:48 ID:opNHpYFN
きっと射精するまで見ててくれるよ

そしてそれ以来、夜毎現れては射精を見届けて消える女幽霊が…
532名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 07:32:58 ID:Rj3cQpyN
>>530
「悪霊退散!」と白い物をぶっかけるんですね。
533名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 18:16:00 ID:/42/5Iem
>>530
金縛りに遭って女の幽霊出てきたら
「何者でござる?」
と侍口調で話しかけ、
最後は
「は、か、た、の」「塩」
で追い払ったという話なら聞いたことある
534名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 21:55:14 ID:OlPJKNeU
>>529
あのときは吸血鬼ブームだっだっか
メリーさんとか色々あったがまた何か新しいブームが来ないものか
53512-91:2009/10/06(火) 23:07:18 ID:kDO86NMn
>534
その吸血鬼ブームとやらも、私が延々と吸血鬼モノを連載していた影響でもある。
(まさかひでぼんの作者さんにまで影響があるとは思わなかった)
536名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 23:09:55 ID:RDL6JL0h
ho
537名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 17:43:14 ID:XcATKuAd
538名無しさん@ピンキー:2009/10/15(木) 23:54:30 ID:JV7cnGCZ
ほす
539名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 00:19:34 ID:fFQ3J9/l
ぱさぱさ
540名無しさん@ピンキー:2009/10/20(火) 22:03:17 ID:lLGmVxgM
狐耳巫女とキャッキャウフフしたい…
541【ラミアで彼女で先輩で(投下予告)】:2009/10/20(火) 23:37:40 ID:WO6gRUA2
タイトル通りの話を本文2レス分投下します
ラミアが普通に日本人みたいな名前で学校に通ってる謎な世界
エロ無し(キスのみ)の小ネタということでスマソ
終了宣言はありません
では、どうぞ↓
542【ラミアで彼女で先輩で(1)】:2009/10/20(火) 23:39:58 ID:WO6gRUA2
 ひらひらと短いスカートをなびかせて、女子生徒たちが校門を出て行く。
 うちの学校、どうしてこんなにレベル高いんだろうなあ……
 校門の脇に立って、圭一は思う。
 どの子を見ても、後姿だけで間違いないと思わせるほどのスタイルの良さなのだ。
 男なんかとは脚の長さも腰の高さも違うもんなあ……
「――お待たせ、圭一」
 声をかけられて、圭一は振り向いた。
 美維(みい)の――いつも悪戯を思いついたときの、口元を綻ばせながら胸を張って見下ろす視線。
「ふふん? なーに鼻の下を伸ばして、女の子の綺麗な脚を眺めちゃってるのかしら?」
「な……なっ!?」
 圭一は真っ赤になって、
「そっ……そんなの見てませんよ!」
「嘘ついてもムダだよ? あたしの心眼は誤魔化せないんだから」
 美維は、すっと手を伸ばして圭一の顎を、指で艶めかしく撫でる。
「正直に言ってごらん? 僕は脚フェチなんですぅ、女子校生のナマ脚が大好きですぅって」
「そ……そんなことないですっ!」
 圭一は顔を伏せようとしたが、美維の指で、くいっと顔を上向かせられた。
 しかし美維とは眼を合わせられずに視線を彷徨わせながら、
「ただ……その、女の子って、男とは全然違うんだなあと思って……」
「あたしの眼を見て言ってごらん、圭一?」
「…………」
 圭一は、のろのろと美維に視線を向けた。
 思わず、ため息が漏れてしまう。美維は綺麗だった。
 絹糸のように艶やかな、腰まで届く黒髪。羽毛のような長い睫毛に縁取られた、ぱっちりとした眼。
 すっと通った鼻筋に、小ぶりな桜色の唇。
 顔立ちの美麗さに劣らず身体つきも完璧といってよかった。
 まるでオートクチュールのようにぴったりとした制服が、腰の細さと胸の豊かさを際立たせる。
 実際、身体に合わせて制服を仕立て直している筈だけど。それくらい彼女には簡単なことだ。
 美維は、にっこりとしてみせた。
「さあ、言って。あなたが何を見ていたか?」
「その……ごめんなさい」
 圭一は謝った。美維が指を引っ込めてくれたので、ちゃんと頭を下げることができた、
「確かに女の子たちを見てましたけど、でも、それは男より全然、スタイルがいいなと思ったからで……」
「脚が長くて?」
「あ……脚もそうですけど、それだけじゃなくて顔も小さいし、すらりと細いし……男なんかより」
「あたしはね、圭一も充分に可愛いと思うけど」
「ぼ……僕はそんな……」
「からかうと、すぐ真っ赤になっちゃう顔とかね。ホント可愛い」
「か……からかわないで下さい」
 赤くなって口をとがらせる圭一に、美維は、くすくすと笑う。
「ねっ、圭一。もう一度、こっち見て」
「……はい」
 圭一は言われた通りにする。
 美維の紺碧の瞳に圭一自身の顔が映っていて、吸い込まれていきそうな錯覚に彼は陥ってしまう。
「ラミアの心眼は誤魔化せないんだよ、圭一」
543【ラミアで彼女で先輩で(2)】:2009/10/20(火) 23:43:12 ID:WO6gRUA2
 美維は言って、にんまりと悪戯っぽく眼を細めた。
「圭一は、あたしのどこが好きか言ってごらん?」
「その……美維先輩は、凄く綺麗で」
「うん」
「長い髪が綺麗だし、眼が綺麗だし、唇が綺麗だし、スタイルも凄いいいし」
「脚はないけどね」
「脚なんて、そんな……!」
 圭一は少しばかりムキになって言った。
「先輩は、ラミアだからいいんじゃないですか!」
「そうだよね」
 美維は、にっこりとした。
「あたしはラミアで、それでもって圭一の彼女」
 圭一の手をつかむと、自分の身体――
 人間の女子生徒と同じくらい丈を詰めたスカートの下から伸びた、錦蛇に似た胴体に触れさせる。
 ひんやりとして、滑らかな手触り。
「先輩……」
 胸をどきどきと高鳴らせる圭一に、美維は笑顔のまま、
「撫でて。大丈夫、周りの視線なんて。むしろみんなに見せつけてやろうよ、あたしたちの仲を」
「はい……」
 圭一は美維の蛇の胴体を撫でた。
 腰から上の人間と変わらない肌も上等だけど、彼女の蛇の部分の触感はそれに負けず劣らずである。
 何より、蛇の部分を撫でてやったときの彼女は、頬を朱に染めてうっとりと艶めかしい表情を見せるのだ。
 圭一はラミアである美維に心底から惚れていた。
「……んんっ……はぁっ……」
 美維は恍惚と吐息をついて、
「あたしに告白してきた男は何人もいたけど、みんな『ラミアでもいい』とか見当外れなことを言うのよ」
「それは……最悪ですね」
 お追従ではなく本心から圭一が言うと、美維は「……あふぅっ……」と艶めいた声を上げてから、
「そうよ。ラミアがどれだけ誇り高い種族か、人間はみんな理解してないの」
「でも、そのおかげで先輩はフリーのままで、僕は先輩とつき合うことができたんだから……」
「あたしもね、圭一みたいに素直で可愛らしい男の子が好き」
 美維は両腕を差し伸ばして圭一の首に回した。
「ラミアは誇り高いの。あたしに絶対的な愛と献身を誓える男じゃなければ相手になんてしないわ」
「美維先輩……僕の忠誠は、とっくにラミアの心眼で理解してるんでしょう?」
 圭一も美維の背に手を回して抱き寄せ、唇を重ねた。
 舌先と舌先が触れ、次いで互いに絡み合い、さらに口中をまさぐり合う。
 しばらく深いキスが続いてから、互いに唇を放し、「……ぷはっ」と息をついた。
 美維は、にっこりとして、
「少しずつ積極的になってきたじゃない? 自分からキスした次は、『先輩』の呼び名をやめてみようか?」
「慣れるように……努力します」
「敬語は、まあ、そのままでいいけど。あたしへの忠誠の証しと理解してあげる。さ、帰りましょうか」
 美維が鞄を提げた手を伸ばしてきて、圭一はその手を握った。すると美維は、
「違うわ。あたしの鞄を持って。それでもう一方の空いてる手で、あたしと手を繋ぐの」
「はい……」
 圭一は苦笑いで言われた通りにする。ラミアの彼女に絶対の愛を誓うとは、そういうことなのだ。【終わり】
544名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 02:57:11 ID:UgfG9jTF
美維の下半身でぐるぐる巻きにされる圭一が目に浮かびます
545名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 03:54:26 ID:/d1Kpz/+
俺のニヤニヤが止まりませんGJ
546名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 19:08:14 ID:KRQ43Tin
>>543
GJ
鱗を一枚一枚舐めたい。
547名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 01:26:39 ID:HCVj1xSL
>>546
逆鱗を舐めて怒られるんですねわかります
548名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 19:50:59 ID:rMPsS0kO
怒るのは、逆鱗が一番の性感帯だからとか。
喉に在るんだし有り得る。
549名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 22:15:26 ID:7CEOGyDz
>541
乙!
ラミアの誇りとか伝わってきてよかった。
でも、これ以上エロのないまま長くすると叩かれる恐れがあるぞ。
550名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 22:37:07 ID:VydkLQfF
いちゃいちゃしてれば叩かない
551【ラミアの彼女と愛し合う(投下予告)】:2009/10/25(日) 00:06:25 ID:uA5BYMMB
>>542-543 の続編です
ラミアといえばロールミー! という声が聞こえたような気がしたので投下しました
しかし今回も2レスに留めているのは意図的です
終了宣言はありません
では、どうぞ↓
552【ラミアの彼女と愛し合う(1)】:2009/10/25(日) 00:09:32 ID:uA5BYMMB
 大蛇の胴体が圭一の肌を、するすると「舐めて」いく。
 それは圭一の身体に巻きつきながら、ゆっくりと回り続けているのだ。
 ときおり強く締めつけたり、再び緩めたりを不規則に繰り返しながら。
 まるで女の胎内に肩まで呑み込まれた感覚を、圭一は味わっていた。
 そうであるならば「彼女」は、ミミズ千匹どころではない「名器」だ。
 大蛇の胴体は細やかな鱗に覆われており、それらが圭一の肌に密着したまま、法則性もなく蠢動している。
「……ひぁ……んひっ……ひきぃっ……んぁぁぁっ……ひぐぅぅぅぅぅっ……!」
 ぎゅっとつむった眼の端に涙を浮かべて、圭一は少女のように喘いだ。
「……圭一、可愛い……」
 くすくすと《大蛇》は笑って、ヒトに似た手を差し伸ばし、圭一の頬を撫でる。
 そして長い胴をくねらせながらヒトを凌ぐ美貌を近づけ、圭一に、口づけた。
「……んんっ……」
 圭一の唇を舌でなぞり、相手が息をついた隙に、口腔内に潜り込ませる。
 舌に舌を絡めて、舐(ねぶ)る。ぴしゃぴしゃと、いやらしく音を立てて。
《大蛇》は少女の上半身を備えていた。
 いや、むしろ少女の腰から下が、長さ数メートルの蛇の胴体であると表現するべきか。
 腰まで届く艶やかな黒髪。きめ細やかな、白磁のような肌。深い湖のような紺瑠璃の瞳。
 悪戯っぽい笑みをたたえる、ぷっくりとして艶めかしい薄紅色の唇。
 張りのある乳房の頂きで天を指す、可憐な桜色の乳頭。
 そして――細くくびれた腰から下の、金と銀と黒とが散りばめられた錦のような蛇の胴体。
 彼女は完璧といっていい容姿を備えていた――蛇である部分を含めて。そう、圭一は思っていた。
 半人半蛇の彼女はラミアと呼ばれる種族に属する。
 名前は美維(みい)。圭一の恋人で、同じ学校に通う先輩でもある。
 ここは学校帰りに、ふたりで立ち寄ったホテルだ。
「……あぅっ、せ……先輩っ、僕、もうっ……!」
 圭一は美維から顔を離して切迫した声を上げたが、その先の言葉を美維は唇で封じた。
「……んあっ……んぁぁぁ……!」
 身震いする圭一の唇を、舌を、ついばむように美維は吸ってやる。
 それから唇を離し、微笑みながら囁いた。
「いいよ、このまま出して。あたしの錦の鱗を、圭一の白いので染めて」
「……あぅっ……先輩、あぁっ……あっ、あっ……!」
 人間など及びもつかない魔性を備えたラミアが蛇の胴体を存分に用いての快感責めであった。
 獲物となった男は蠢動する鱗に嬲られるうち、全身を性感帯に変えられてしまう。
 堕ちずにいられるわけがない。
「あぁぁぁぁっ……! みっ、美維先輩ぃぃぃぃぃっ……!」
 どくっ、どくっどくっ……!
 蛇の胴体に巻きつかれた内側で、圭一は精を放った。
「……んんっ……!」
 美維も眼を細め、頬を朱に染めながら身震いする。
 ラミアにとって蛇の胴体は、乳房や性器に劣らない性感帯だ。
 圭一を責め立てる一方で、美維自身も快感を味わっていたのである。
 そして圭一が射精したと同時に、美維も達した。
 ラミアの性技を駆使して最愛の少年を絶頂に導けたことが美維には誇らしい。
 人間である彼はラミアである彼女を選んだ。だから美維は、全身全霊で彼に応える。
 自分のそこまでの想いを、彼女が口に出すことはないのだけど――
553【ラミアの彼女と愛し合う(2・完)】:2009/10/25(日) 00:11:48 ID:uA5BYMMB
「……はぁぁぁ……」
 圭一に巻きついていた蛇の胴体が離れる。
 彼の腰に触れていた部分には、どろりとした精液にまみれていた。
 美維は蛇の胴体をくねらせてそれに顔を近づけ、舌を伸ばして、精液を舐め上げる。
「……んふぅ……」
「そんな……先輩、舐めなくたって、いま拭いて綺麗にしますから……」
 ベッドの頭上の棚に置いてあったティッシュの箱を取ろうとする圭一に、美維は悪戯っぽく眼を細めて、
「べつに汚くないわよ、圭一が出したものだもの。あたしとのエッチが気持ちよくて出したんだものね?」
「先輩……」
 圭一は赤くなりながら、美維の蛇の胴体の手の届くところを優しく撫でた。
「……んあっ……!」
 びくんっと、美維は身を震わせる。圭一が撫で続けるとそれに応じて、ぴくぴくと美維は震える。
「圭一、あたしの蛇のところ撫でるの、好きだよね……」
「だって、手触りがいいですし……それに、こうしたときの先輩、とても可愛いから……」
「……圭一のくせに生意気」
 美維は頬を赤くしながらも、くすくす笑う。
 それからヒトに似た上半身を圭一に近づけてきて、両手で持ち上げた乳房を、圭一の胸に押しつけた。
 つんと硬く実を結んだ少女の乳首が、少年の平らな胸をくすぐる。
「じゃあ、オッパイと蛇の部分なら、どっちがいいの?」
「どっちも好きですよ。だって、全部含めて美維先輩ですから」
「でも、本音ではオッパイのほうが好きなんでしょ? 哺乳類のオスなんて、みんなオッパイ星人だもの」
「たとえそうだとしても、先輩より素敵なオッパイをした人間のメスはいないです。先輩が誰よりも最高です」
「やっぱり、そうだよね」
 美維は、にっこりとした。
「圭一は幸せ者だよ? こんなに美人でオッパイも最高な彼女がいて」
「心得てます。どうして僕が先輩とつき合えてるんだろうって、いつも夢みたいに思ってますよ」
 苦笑いで言う圭一に、にこにこ笑顔のまま美維は小首をかしげ、
「でもね、あたしも幸せなんだよ? あたしを誰よりも愛してくれる圭一が彼氏で」
「それは……」
 赤くなった圭一の頬に、美維はそっと手を触れて、
「オスがいないラミア族は、人間の男と結ばれるしかない。でも、心から愛せる相手と出会えるのは稀なこと」
「僕は学校で先輩の姿を初めて見たときから、ずっと美維先輩しか見えてないです」
「あたしも、あたしの人間に似た部分――顔とかオッパイしか見ようとしない男は、眼中にない」
 美維は、くすっと笑い、
「あたしの全てを見て、全てを愛してくれるのは圭一だけ」
「だって、先輩は全部綺麗じゃないですか。長い髪も顔もオッパイも、くびれた腰も……それに錦蛇の身体も」
 圭一は美維の蛇の胴体を撫でた。
「……んんっ……!」
 美維は眼を細めて艶めかしく声を上げ、
「ねえ、オッパイも可愛がって。あたしを全部可愛がって、圭一……」
「はい……」
 ちゅっ、と、音を立てて美維の乳首を、圭一は吸った。ちゅぷ、ちゅぷと音を立て、それを繰り返した。
 もちろん蛇の部分を優しく撫で続けながら、だ。
 二回戦は圭一の主導で人間と似たかたちでの性交となるだろう。
 それもまた愛されている実感があって心地良い。美維は圭一の愛撫に身を委ねた。
【あとは普通っぽいセクロスなので、ここで終わる(笑)】
554名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 01:05:16 ID:5fLJDty8
お疲れ様です
555名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 04:19:45 ID:/m2qp0ta
すごいラブラブっぷりで羨ましいぜこんちくしょう
556名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 19:25:15 ID:6QeOkq4L
>>553
GJ

誇りを持ってる女の子を、人間流に犯したい。
557名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 20:31:22 ID:3oT7d8ov
GJ!
いい恋人だなあ
558名無しさん@ピンキー:2009/10/26(月) 03:58:52 ID:FMI89iNR
美維と主人公の馴れ初めとか
うれしはずかし初デートとか
どきどき初えっちとか
そういう展開も読みたい
559ラミアな先輩を書いた奴:2009/10/29(木) 13:54:13 ID:5hksCDOB
皆様レスどうもです
次の話にとりかかろうとしてましたが
埼玉OCNに規制がかかってどうにもならんことになりました
前回も2〜3ヶ月解除されなかったし
今度も当分ダメだろうな……
また忘れられた頃に投下するかもしれません
それまでROMります……(;_;)
560名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 22:17:24 ID:c1BNcVwy
;;*。+ _、_゚ + ・
  ・.(<_,` )_゚ ・  ●などいかがでしょう?
   /,'≡ヽ.::>
 ̄ ゙̄-' ̄`-´ ̄ ̄
561559:2009/10/29(木) 22:38:28 ID:5hksCDOB
●はdat落ちしたスレも読めるし便利だけど
決済方法がね……
(米ドル建てだったり自動更新だったり)
モリタポみたいに銀行振込も選べればよかったんだけど
562559:2009/10/29(木) 22:48:29 ID:5hksCDOB
書き直すつもりがキー操作を誤って送信してしまった
携帯はこれだから(^^;

2ちゃんねるって書き捨て上等な媒体だと思ってるから
カード決済で自動更新ってなんだか馴染めないのですよ
一年限りの現金払いのほうが後腐れなくていい感じ
いや単に気分の問題ですけど

どうでもいい話でスマソ
場合によってはテキストをどこかのロダに上げて
URLを書き込むとかさせてもらうかもしれないです
長々と失礼しました
563名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 23:03:13 ID:7WqaljN7
>>562
投稿代行スレというものがあってだな・・・
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/2964/1060777955/l50
564名無しさん@ピンキー:2009/10/30(金) 03:19:14 ID:FbztizP3
>>562
モリタポポイントだったらオレ余ってるから1000モリタポくらい分けたげるよ
一年間はp2で書き放題だぜ
565559:2009/10/30(金) 08:53:37 ID:DmdKoIyl
皆さんありがとうございます
とりあえず代行スレを使ってみることにします
……まずは書き上げないといけないのですけどね(汗

しかし今回の規制、よほど大規模みたいで
巡回先がどこのスレも停滞してますわ……
566名無しさん@ピンキー:2009/10/30(金) 18:35:31 ID:Fljp/dCM
運営によるモリタポ販促活動中かね?
567名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 17:58:17 ID:lgPEqs0T
568名無しさん@ピンキー:2009/11/04(水) 21:55:49 ID:J2vUFbhY
しゅ
569名無しさん@ピンキー:2009/11/04(水) 21:59:40 ID:w0ISrFSo
狐耳巫女とキャッキャウフフしたい…
570名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 08:29:05 ID:1PJH1dfB
世界各地で伝わる妖怪のキャラ同志を闘わせる格ゲーって無いね。ヴァンパイア、ワーウルフ、フランケンとか
が全部萌え系の美少女キャラで格ゲー作ったらウケそうなのに。使えそうな妖怪だけでこんなに思い付くし。

ヴァンパイア、ワーウルフ、フランケン、死神、魔女、エルフ、デュラハン、ミイラ女、サキュバス、人魚、
メドゥーサ、ハーピー、ドリュアド、雪女、妖狐、グレムリン、リザードマン、ラミア、アルケニー、バンシー
571名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 10:57:47 ID:dByFPRK7
それなんてバンパイアセイバー?
って、あれは男キャラも居たか。

それはそうと、突然目の前にマンコだけの幽霊で、マンコだけしか無いし、本体が見えない幽霊が眼前にある。
マンコの様子は、明らかに綺麗な未婚の若い女のマンコだ。
まるで舐めてくれといわんばかりにクパァ状態であるが、お前らならどうする?
572名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 16:52:57 ID:OYqYjzPE
しっかりしろ、それはオナホールだ
573名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 20:21:11 ID:2GA7Ff0S
ガムテープ貼って見なかったことにする
574名無しさん@ピンキー:2009/11/06(金) 19:22:23 ID:4sCkGv6C
双親の居ない陰陽師の跡取り息子と、育ての親の和服の似合う美人の化け狐とか。
狐さんは彼の数代前の陰陽師と恋仲で、お役目の最中に死に別れてしまう。
で、成長するごとに彼の面影を色濃く見せはじめる少年をかつての恋人と重ね、
母性愛とともに激しい恋慕のようなものを抱くように…

で、彼が同い年ぐらいの女の子連れて来るとすんごく不機嫌になるの
575名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 00:53:51 ID:MVI617fl
>>571

良く見ろ。
横にTENGAて書いてあるぞ!
576名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 17:01:35 ID:MkZJV2Ax
チャレンジの漫画で、三尾の狐が実は三つ子の幼狐が合体してるだけだったってのがあってな。
ロリ狐三つ子と4Pしたい。

御桜様万歳
577ラミアな先輩を書いた奴:2009/11/10(火) 15:24:06 ID:iOl3x4Dl
ご無沙汰してます
埼玉OCNはさっぱり規制解除の兆しがありません
前回の規制も二ヶ月超えたし今回も長引きそう
賃貸マンションの光回線だからプロバイダ変えるわけにもいかないし……

したらば・エロパロ板避難所の書き込み代行スレへ新作の投下依頼してきました
今回はゴブリン娘の話です
こちらへ代理投下されました際は宜しくお願いします m(_ _)m
578名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 15:25:32 ID:hEUuyLnO
    + 。 *   ワクワクテカテカ  +
ツヤツヤ  ∧_∧  +
 +   _(u☆∀☆) ギトギトヌルヌル
  ⊂ (0゚ ∪ ∪。⊃ +
⊂ ゚̄ と_u _)__)゚  ̄⊃ + ワクワクキラキラ
  ⊂_。+   ゚+_⊃
    ⊂__⊃.  +  * +   ワクテカ  +
579ゴブリン娘を書く奴:2009/11/10(火) 15:34:43 ID:iOl3x4Dl
すいません先に謝っておきます
あまり長いものを代理投下依頼もできないので
エロシーンに入る手前で話が終わってます
すいません
規制が悪いんです
そういうことにしておいて下さい(汗
580書き込み代行Chu!:2009/11/10(火) 20:20:49 ID:ZJUSj19l
144 名前:【ゴブリン娘はブタじゃない(1)】:2009/11/10(火) 15:05:16
「――黒沢双葉(ふたば)いいます。大阪から来ました。見ての通りゴブリンやけど、仲良ぅしてください」
 二学期の初めに転校して来た女子生徒は、ゴブリンだった。
 黒板の前に立って、にこにこ笑顔で挨拶する。
「ちなみに小学三年までは茨城の水戸にいてたんで、納豆は平気ていうか、むしろ好物やったりします」
 はぁぁぁぁ……
 窓際の前から三番目の席で、白岡一樹はゴブリン女を見やり、ため息をついた。
 エグい身体してるなあ、雌ゴブリンって……
 褐色の肌は日焼けした運動部員と、さほど変わらない。
 ショートボブの髪は、いくらか赤みを帯びているけど、茶髪の生徒が多い中では目立たない。
 顔は丸いけど、くっきりとした眼鼻立ちのおかげで、それなりに可愛いといっていい範囲である。
 だが、髪の間から頭の上に突き出しているのは、三角形で先が折れたピンク色の耳――ブタの、耳。
 制服のブレザーがはち切れそうな丸々とした身体つきも、まるで仔ブタだ。
 しかし服の中身が実は筋肉であろうことは、丈を詰めたスカートから伸びた脚が示している。
 艶やかな褐色をしたそれは、ごつごつと筋肉が隆起しているのだ。
 彼女がブタの獣娘ではなくゴブリンである所以だろう。
 スカートをめくってやれば、腰からは、やっぱりブタに似た尻尾が生えているのだろうけど。
「ほかに好きなものいうと、歌手なら絢香、関ジャニなら緑の人、粉モンならタコ焼きよりお好み焼きですぅ」
 あらかじめ考えてきたのか勝手に口をついて出てくるのか、ゴブリン女は調子に乗って喋り続ける。
 クラスの皆が、くすくすと笑っているのはウケているのか失笑か。
 ……うぜ。
 と、一樹は思った。顔はそこそこ可愛いと思わないでもないけど、こいつのお喋りは、うざい。
「えっと……自己紹介はこんなトコやけど、ほかにみんな訊きたいこと、ある? ある?」
 ゴブリン女は生徒たちにマイクを向ける真似をした。
「何でも訊いてくれてええよ、体重とか答えられへんこともあるけどな。あとスリーサイズも堪忍やけど」
 いや、興味ねーからさ。
 どうせ体重七十キロオーバー、ウエストも七十センチはあるんだろ……
 と、一樹が心の中でツッコミを入れていると。
「そしたら、こっちから指名しよか。窓側の前から三番目の、頬杖ついてる彼。ウチに訊きたいこと、ある?」
 ゴブリン女が、わざわざ指名してきやがった。
 クラス中の生徒が、くすくす笑いながらこちらに注目する。
 テメェッ、黒ブタッ! なに勝手に指名してやがるッ!
 一樹は内心、腹を立てながら、しかし学校では冷めたキャラで押し通しているので、
「……前の学校では、何て呼ばれてたの? 普通に黒沢?」
 あくまで落ち着いて訊いてやると、ゴブリン女は「あはっ!」と声を上げて笑った。
「いややわ、そんなん訊く? 前のガッコの綽名は捨てて来たつもりやってんけど」
 そして笑いながら、べーっと一樹に向かって舌を出してみせ、
「『クロブー』や。由来はまあ、見たらわかるやろ? 言うとくけどゴブリン、ホンマはブタと違うねんで」
 クラス中の生徒が、これに大笑いした。
 一樹だけは笑えずに、むしろ呆れ果てたけど。
 何、こいつ? 自分のブタキャラで笑いをとろうって、完全にオンナ捨ててるじゃん。
 アホくさ……
 転校初日。一樹の双葉への第一印象は、最悪だった。
 しかし双葉の側が彼をどう思ったのかは、この時点での一樹は知る由もないのだった――
581書き込み代行Chu!:2009/11/10(火) 20:21:18 ID:ZJUSj19l
145 名前:【ゴブリン娘はブタじゃない(2)】:2009/11/10(火) 15:06:23
「――なあ、白岡くんてサッカーしてたて聞いたんやけど」
 ゴブリン女の双葉が転校して来て三日目。
 二時限目と三時限目の間の休み時間に、いきなり彼女が話しかけてきた。
 机に頬杖をついて居眠りしていた一樹は、双葉が席に近づいて来たことにも気づいていなかったが、
「……え? ああ……」
 頭の中がぼんやりしたまま視線だけ相手に向けて、曖昧に頷く。
 何だ、このゴブリン女。こっちはオマエに用はないんだけど……
 しかし双葉は一樹の前の空いていた席に勝手に腰を下ろして、にこにこしながら、
「ウチもなあ、サッカーしてたんよ。とゆうても小学校までやけどな」
「あ、そう……」
 一樹は、また曖昧に頷く。ゴブリン女が話しかけてきた理由がさっぱりわからない。
 しかし気のない返事も、双葉はまるで意に介さない様子で、にこにこ笑顔のまま、
「それでな、あのな、相談なんやけど……一緒にJリーグ、観に行かへん?」
「……ほえ?」
 一樹は眼を丸くした。思わず変な声を出してしまったのが恥ずかしくなって、すぐに眉をしかめ、
「……何で?」
「何でて、じぶんサッカー好きやろ?」
 くすくす笑いながら双葉は答える。
「初めは女子の誰か誘おう思てんけど、サッカー知らん子と観ても、おもろないしなあ」
「Jリーグっても、どこの試合、観に行くつもりだよ? セレッソとか?」
「何でセレッソ? ウチが大阪育ちやから? せやったら先にガンバの名前が出て来そうやけどな」
 双葉は、くっくっと苦笑いして、
「まあ、同じJ2には違いないねんけど。観に行きたいんはホーリーホックや」
「……って」
 一樹は相手の顔を、まじまじと見つめ、
「……プリマハム?」
「プリマハムって何でやねん。いや、ホーリーホックの前身がプリマハムなのは知ってるけどな……って」
 双葉は何かに気づいて、けらけら笑いだした。
「セレッソ言うたのも、それでかい。ニッポンハムがスポンサーやから? いややわあ、白岡くん!」
 ばちんっ! と、一樹の肩を思いきりひっぱたく。
「痛ッ!」
 一樹は呻いた。本気で痛かった。ゴブリン女の糞馬鹿力!
 双葉は、けらけら笑い続けながら、
「ゴブリンはブタと違う言うてるやん。ホーリーホックはウチが生まれた水戸のクラブやねんで」
「いや俺、東京サポだし。よその試合は別に興味は……」
「なんやガスサポかいな。ええやん、漢(おとこ)祭りではガスサポにも毎度お世話になってんで」
 双葉は携帯電話を取り出して、ウェブビューアを立ち上げ、
「次節は日曜日の横浜FC戦や。アウェイやけど三ツ沢やから遠ないし、ガスは来週まで試合あれへんやろ」
「そうだけど……」
「なんや渋い顔してはるなあ。チケット代はウチがもつし、スタメシくらいごちそうしたるで」
 にっこりと双葉に笑いかけられて、一樹は答えに困った。
 問題はゴブリン女そのものよりも、先ほどからこちらを見て、くすくす笑っている女子生徒たちだ。
 このゴブリン女、俺をサッカー観戦に誘うことを、ほかの女子に話してやがるのかよ……
 これは慎重な対処が必要だった。迂闊に双葉を怒らせれば、クラス中の女子を敵に回すことになりかねない。
 双葉は転校して来て早々に、クラスの人気者の地位を占めていた。
582書き込み代行Chu!:2009/11/10(火) 20:21:48 ID:ZJUSj19l
146 名前:【ゴブリン娘はブタじゃない(3)】:2009/11/10(火) 15:07:54
 一樹には騒がしいだけに思える彼女のお喋りを、特に女子連中が面白がって、もてはやしていたのだ。
 お笑い芸人みたいな胡散臭い関西弁が珍しいだけだろうと、一樹は思っているのだけど。
「……三ツ沢のスタメシで何が旨いかなんて知らねえよ」
 一樹は、ため息まじりに言った。
 双葉の誘いを断るべきではないというのが彼の結論だった。
 このクラスで居心地よく過ごすには、人気者のゴブリン女と仲良くしておいて損はないだろう。
 もちろん、あくまで友達としてのつき合いだ。それ以上、何がある?
「横浜FCがJ1にいた年は、俺まだサッカー部でアウェイまで観に行く暇なかったし」
「スタメシのオススメはウチもよう知らんわ。行ってみてのお楽しみでええやん」
 双葉は一樹のブレザーの袖をつかんで、くいくいと甘えるように引っぱり、
「なあ、頼むわあ、白岡くん。女の子ひとりでアウェイ観戦って寂しすぎるやろ? 一緒に来てえなあ」
「……わかった、行ってやる。言っておくけど俺は観てるだけで、水戸の応援までは、つき合わねえからな」
「ほんま一緒に来てくれるん? ありがとお! 嬉しいわあ!」
 双葉は叫ぶと、一樹の腕にぎゅっと抱きついてきた。
「どわっ!?」
 一樹は思わずのけぞったが、双葉はぐいっと自分のほうへ引き戻す。
 ……むッ、胸ッ! ゴブリン女の胸が俺の腕に当たってんじゃねェかッ!!
 自分のブレザーの袖と相手の制服越しに、意外に柔らかな肉の感触があった。
 仔ブタのような、ぱっつんぱっつんの身体で双葉は一樹の腕に抱きついたのだ。
 腕が胸に触れてしまうことは必然といえるだろう。
「応援はしてくれへんのは寂しいけど、他サポに無理は言えんしな」
 双葉は一樹の腕に抱きついたまま、彼の顔を見上げて、にっこりと輝くような笑顔を見せる。
「せやけど服は青いの選んで着て来てな。ホーリーホックのクラブカラーやねんから」
 一樹は思わず、どきりとした。
 こいつ……もう少し痩せたら、マジで可愛いんじゃねえの?
 それだけにゴブリンであることが、もったいないとも思う。
 贅肉ではなく筋肉で丸っこい体型のゴブリンが、人間のようにダイエットできるわけでもないだろうし。
「……わかった。水色のシャツがあるから、それ着て行くよ」
 動揺を隠して言ってやると、双葉は「あはっ!」と笑って、
「水色はアカンわ、横浜FCの色やん。そないな真似したらウチのオーセンティックユニ無理やり着せたるで」
「そしたらオマエは裸族かよ」
「そうそうゴル裏は裸で気合入れていかんとな……って、何でやねん。ウチの裸は安ないで」
 ばしんっ! と、また肩を叩かれて一樹は呻く。
「痛ッ!」
「ユニは毎年買うてるから何枚もあるんよ。一緒に応援する気になったときのため、予備で持ってったるわ」
 双葉は携帯電話をかざして、にこっと笑い、
「それとな、メルアドと電話番号、交換しとかなあかんね」
「あ……、ああ」
 とうとうメルアドまで教える羽目になってしまった。
 赤外線通信で送った一樹のメルアドを見て、双葉は小首をかしげ、
「……メルアドが『kazu_s0912@』って、もしかして白岡くんの誕生日、九月十二日?」
 ついでに誕生日まで知られてしまった。
「もうじきやないの、えらいタイミングやな。よっしゃ、誕生日祝いに新しいオーセンティック買うたるわ!」
 胸を張ってみせる双葉に、一樹は渋い顔をして、
「いや、いらないから。というかオマエ、どうしても一緒に応援させようって気だな」
583書き込み代行Chu!:2009/11/10(火) 20:22:19 ID:ZJUSj19l
147 名前:【ゴブリン娘はブタじゃない(4)】:2009/11/10(火) 15:08:39
「だって、そのほうが楽しいやん。他サポも巻き込んで一緒に応援するのんが漢祭り以来の水戸の伝統やで」
 にこにこと笑っている双葉に、一樹は小さくため息をつく。
 どうしてゴブリン女に、ここまで懐かれたのか。
 顔は可愛いと思わないでもないのに、その体型はどうにかならないのか。
 ゴブリンである以上、どうにもならないのだろうな……と、一樹は嘆息するほかなかった。
 
 
 日曜日は台風が関東地方を直撃して、朝から大雨だった。
 一樹は朝の九時に起きたけど、部屋のカーテンを閉めたままでもどんな天気か雨音でわかった。
 うんざりしながらカーテンを開ける。窓の外は、やっぱり土砂降り。
 さすがにゴブリン女も、この天気でサッカーを観に行くとは言わねえよな……?
 途中で電車が止まるかもしれないし、現地へ着いても試合自体が中止になる可能性だってある。
 携帯にメールが届いていることに気づいて、開いてみると双葉からだった。
『おはよ(^_^)/ 大雨だね(;_;) 試合も延期かも・・・白岡くん雨男と違うよね?(笑)
 とりあえず予定通り10時に駅前のマクドで待ち合わせお願いしますm(_ _)m』
 大雨の中、駅まで出て行くのも億劫だけど、一樹はあきらめて『了解』と返信した。
 
 
 自転車が使えないので早めに家を出て、一樹は徒歩で駅へ向かった。
 Tシャツと短パン、足元はサンダル。Tシャツは青いものを持っていないので紺色にした。
 濡れても上等な格好だけど、駅へ着くまでに、やっぱりびしょ濡れ。
 風が強まってきて、傘が役に立たなかったのだ。
 ゴブリン女との待ち合わせのために、どうしてここまでしなきゃならんのか……
 関西人にはマクド呼ばわりされてる駅前のマックへ着いたのは約束の五分前。
 店の二階の客席を覗いてみたけど、ゴブリン女は来ていない。お客自体が二、三組しかいない。
 こんな天気で出歩く奴が珍しいのだろう。
 朝食がまだなので、ソーセージエッグマフィンのセットを買って、二階の適当なテーブルに着く。
 食べ始めたところで、ばたばたと階段を駆け上がって来た仔ブタのような丸い娘……双葉だ。
「……あぁ」
 客席を見回してこちらに気づき、ほっとした顔で(ドタキャンされるとでも思ったか?)、歩いて来た。
 白いブラウスに、制服のときより少し長めの膝上丈のデニムスカート。相変わらず筋肉質の脚。
 肩からは『mitre(マイター)』のエナメルバッグを提げている。
 肌が褐色なせいもあり、部活がオフの日の女子サッカー部員みたいだ。それにしては、ちょっと太めすぎか?
「ごめんなあ、バスがさっぱり来おへんで。ウチが誘ったのに時間ぎりぎりで、ホンマ申し訳ない」
「というかオマエ、頭から水かぶったみたいじゃん……」
 スカートも水を吸って色が変わっているけど、ブラウスは完全にびしょ濡れで肌に貼りついている。
 百センチあってもおかしくないくらいのデカ乳を包む、白いレースの大人びたブラが透けて見えていた。
「いややわあ、ホンマや。急いで来たから気づかへんかってん」
 双葉は両手で胸を隠して、ぺろりと悪戯っぽく舌を出す。
 一樹は、またどきりとさせられた。
 ヤバい。ゴブリン女が可愛く思えてきた……
「ちょっとお手洗いで、着替えて来てええか?」
「着替えるって……水戸のユニに?」
「それでええなら、そうするけどな。せやけど試合は延期になってもうてん。さっきネットで調べたんや」
「そっか……」
584書き込み代行Chu!:2009/11/10(火) 20:22:49 ID:ZJUSj19l
148 名前:【ゴブリン娘はブタじゃない(5)】:2009/11/10(火) 15:09:30
「普通の青いTシャツも用意して来たんよ。白岡くんが空気読めない格好で来たら着替えさせよ思てんけど」
 双葉は、眉間に皺を寄せて一樹のTシャツに顔を近づけ、
「きょうは必要なくなったけど、用意しといて正解やってんな。ウチは青い服、言うたんやで」
「紺でもダメなのかよ」
「アカンわ。もう少し明るい色なら許容範囲やけど、それ濃紺やんか」
「雨で濡れて色が濃く見えるんだろ」
「アホ。濡れてるのんとそうでないのんの見分けくらいつくわ」
「アホって……」
「待っててな。試合中止やからって帰ったらアカンよ。渡したいものがあるんや」
 そう言い残して、双葉はバッグを抱えてトイレへ立ち去った。
 一樹はマフィンを食べながら待つしかない。
 ……それにしても、あいつすげえ乳だな……
 先ほど見たものを思い出して、一樹は、慌てて首を振る。
 おデブ女の乳がデカいのは当たり前である。そんなものに欲情するほどマニアックな趣味ではないつもりだ。
 だが、単純に太っているから大きいといえないほどの高低差も備えていた。
 ブラジャーのおかげかもしれないけど、形も悪くなかった気がする……
 ……って、なに考えてんだ俺は! 俺のアホ!
 相手はゴブリンだぞ。ブタの耳と尻尾を生やした筋肉ダルマだぞ。
 友達としてつき合う分には悪くない奴だけど、オンナとして見るには微妙すぎるだろ。
 双葉が戻って来た。青いTシャツに着替えて、首にホーリーホックのタオルマフラーをかけている。
「白岡くん、タオル使う? タオルマフラー、もう一枚あんねん。頭とか拭いたほうがええよ」
「ああ……じゃあ、借りておく」
 一樹が答えると、双葉はにっこりとして、バッグからタオルマフラーを出して広げてみせた。
「これ見てみ。龍の絵と、漢字で『水戸』の字が入ってるんや。カッコええやろ?」
「俺は東京都民だけどな。いまはオマエもな」
「せやけど水戸はウチの魂の故郷やねん」
「バリバリ関西弁喋ってるくせにな」
「そおだごと言うでねえ、ごじゃっぺが」
「……は?」
 眼を丸くする一樹に、双葉は、くすくす笑いながらタオルを渡してきて、
「茨城弁や。もう半分忘れてるけどな」
「そっか」
 一樹は借りたタオルマフラーで濡れた髪を拭く。
「……で、俺に渡すものって、このタオルマフラーじゃねえだろ?」
「うん。ホーリーホックのシーズンチケットやわ」
「……え?」
「ウソウソ、ホンマはこれや」
 双葉はバッグの中を探って、駅弁の釜飯に似た茶色い壺を引っぱり出した。
 木の蓋を紐で結わいつけてあるところも釜飯に似ている。
「ゴブリンてのは、もともと、戦士の種族なんや」
 壺をテーブルの上に置き、双葉は、じっと真顔で一樹を見た。
「戦士に怪我は、つき物やろ。せやから、それぞれの家に怪我の特効薬がご先祖さんから伝わってるねん」
「……それで?」
 一樹が先を促すと、双葉は、言った。
「それでな。この薬なら白岡くんの膝、完治するとは言わんけど、草サッカー楽しめるくらいにはできる筈や」
585書き込み代行Chu!:2009/11/10(火) 20:23:23 ID:ZJUSj19l
149 名前:【ゴブリン娘はブタじゃない(6)】:2009/11/10(火) 15:10:19
「…………」
 一樹は口をつぐんだ。
 何でゴブリン女が、俺の膝のことを知ってるんだ?
 いや、知っていてもおかしくねえか。俺がサッカーやってたことも知ってたんだし。
 クラスには同じ中学出身の奴が何人かいるから、あいつらから聞いたのだろう。
 双葉が言った。
「ウチも小学校でサッカーしてた言うたやろ? でも中学でやめてもうた。魔物は中体連、登録できへんから」
「それは……悔しいな」
 一樹が言ってやると、双葉は頷くように顎を引いて、眼を伏せ、
「悔しいに決まってるわ。ゴブリンは人間より筋力も体力もあるけど、それだけでサッカーが有利と違うやろ」
「……ああ」
「ウチがゴブリンに生まれたんは仕方のないことやし、もう割りきったけどな。せやけど」
 再び双葉は眼を上げて、一樹を見つめ、
「白岡くんの膝は治せるねん。何もかも元通りとは言わんけどな、練習してないブランクもあるし」
「だから草サッカー?」
「頑張ってトレーニングすれば、大学でサッカー部に入って公式戦に出られるくらいになるかもしらんけど」
「そこまでは無理だろ。怪我がなくても三年もブランクがあるんだ。大学サッカーはそこまで甘くねえよ」
「せやけど草サッカーで芝生の上でボール追いかけるだけでも楽しいやろ。せやから、この薬……」
 双葉は壺を一樹のほうへ押しやった。
「…………」
 一樹がその壺を手にとると、少し早口になって双葉はつけ足した。
「……あのな、その薬、使い方が少しメンドいねん。毎日朝晩塗り込んで、包帯きっちり巻かなアカンねん」
「そうなのか?」
「せやからウチがやってあげよか? 普段は学校でできるし、休みの日は、きょうみたいに待ち合わせて……」
 そこまで言って、双葉は俯き、
「毎日朝晩、顔を会わせることになるけどな。ウチは構へんねん、白岡くん次第や」
「……怪我のあと、必死でリハビリやったよ」
 一樹は言った。
「膝の皿が砕けて靱帯も痛めて、かなり酷い怪我だったけど、もういっぺんサッカーやりたくて」
「…………」
 双葉は顔を上げて、一樹を見る。
 一樹は自嘲気味に笑って、
「でも結局、日常生活は支障がない程度に回復したけど、それ以上は無理だった。いや、自分で無理と決めた」
 壺をテーブルに戻す。
「心のどこかに恐怖が残っちまったんだ。あんな痛い思い二度としたくなくて、本気でプレーできなくなった」
「痛いのをゼロにするのは無理やわ」
 双葉は言った。
「せやけど、少しでも痛いのを和らげてあげることはできると思う。その薬と……、ウチとでな」
 そしてまた俯いた。
 肌が褐色なのでわかりづらいけど、人間でいえば顔を赤くしている状態かもしれない。
「……何で俺なの?」
 一樹は訊ねた。
「いま俺たち、一緒にサッカー観に行く友達っていう以上の会話、してるよな?」
「魔物の女の子には本能があんねん」
 双葉は答えて言った。
586書き込み代行Chu!:2009/11/10(火) 20:23:54 ID:ZJUSj19l
150 名前:【ゴブリン娘はブタじゃない(7)】:2009/11/10(火) 15:11:06
「人間が支配してる世の中で、数に乏しい魔物が生き残っていくには、ある種の嗅覚を働かせなあかんねん」
「嗅覚?」
 訊き返す一樹に、双葉は頷いて、
「相性ぴったしの相手を見つけ出す嗅覚やわ。魔物の女の子は、それを本能的に備えてるねん」
「オマエと……俺の相性がぴったりだって?」
「一目惚れやねん」
 双葉は眼を上げて、一樹を見た。
 一樹はまたしても、どきりとさせられた。
 彼女の台詞にも驚いたけど、ゴブリンのくせに筋肉ダルマのくせに可愛らしいことに、どきどきさせられた。
「もちろん、ウチはゴブリンや。人間でも魔物でもウチより可愛い女の子はいくらでもいてるやろ、でもな」
 壺を手にとって、
「ゴブリンでもそうやのうても、ウチにしかできへんこともある。白岡くんの膝を一緒に治してくこととかな」
「…………」
 一樹は次の言葉を待ったけど、双葉が黙り込んでいるので、先を促す。
「一緒に治してくこととか……それと?」
「それと? それと……あとは」
 それ以上は考えてなかったのか、双葉は壺をテーブルに戻して、視線を彷徨わせた。
「ええと……なあ、あとは……その」
「……ぷ!」
 一樹は吹き出した。「あはは!」と声を上げて笑った。
「な……何がおかしいねん!」
 叫ぶ双葉に、一樹は笑いながら、
「オマエさ、可愛いよ。うん、すっげえ可愛い」
「なんや、褒められてる気が少しもせえへん」
「褒められ慣れてねえからだろ。可愛いなんて言われることも滅多にないだろうし」
「そないなことあれへん。クラスの女子は、みぃんなウチを可愛いと言うてくれるわ」
「そりゃ実際、可愛いからな性格の面では。みんなに俺のこと、あれこれ訊きまくったんだろ?」
「そら訊かなしゃあないやろ。ウチ、転校生やねんで。白岡くんのこと、よう知らんねんもん」
「それを可愛いって言うんだよ。女子がみんな俺たちのほうを見て、くすくす笑ってたわけだ」
「あのな、ウチの可愛いとこ、性格だけやあれへんで!」
 双葉が語気を強めて、一樹は苦笑いで訊き返す。
「どこだよ? あと頼むから、声はもう少し抑えてな。ほかに客がいないわけじゃねえし」
「ごめん。ウチの可愛いとこは……その」
「ん?」
「……オッパイや」
「あ?」
 一樹は、あんぐりと口を開ける。顔とでも言い出すかと思ったのに、そっちに振ってきたか。
 双葉は拗ねたように口をとがらせながら、上目遣いに一樹を見て、
「ホンマやで。一緒にトイレ行って見せよか? 乳首はピンクやし、乳輪の小っささはきっと予想外やで」
「……いや、いまは遠慮しとく」
 一樹は苦笑いで言った。
「というか、ぶっちゃけすぎだろ、オマエ」
「白岡くんが、ウチの取り柄が性格しかないみたいに言うからや」
 双葉は、くすくすと笑って、
「せやけど『いまは遠慮しとく』てことは、いまでなければウチのオッパイ見てくれると思てええのん?」
587書き込み代行Chu!:2009/11/10(火) 20:24:21 ID:ZJUSj19l
151 名前:【ゴブリン娘はブタじゃない(8)】:2009/11/10(火) 15:11:56
「いや、だからオマエ、ぶっちゃけすぎだって……」
 一樹は苦笑いしながら、椅子の上で姿勢を正し、こほんと咳払いしてから真顔になって、言った。
「……あのさ、黒沢」
「うん?」
 にこにこと微笑みながら訊き返す双葉を、一樹は見つめて、
「俺は魔物の女の子とのつき合い方は、よくわからない。だから、オマエを傷つけることもあるかもしれない」
「そんなん怖がってたら、ウチかて人間の男の子とは、つき合えへん」
 双葉は笑って答える。
「ウチは見た目からして人間と違うし。ゴブリンはブタやないてなんぼ言うたかて、耳や尻尾はそっくりやし」
「いや、まあ……ごめん。こないだの『ハム』ネタは」
「ええて。貸しにしとく」
「貸しかよ」
「そのほうが、お互い気がねせんで済むやろ。なんや腹の立つことあれば、怒る代わりに貸しにしといたる」
「オマエ……人間できてんのな。いや人間じゃなくてゴブリンだけど」
 一樹が感心して言うと、双葉は「あはっ!」と笑って、
「ええ女やろ、ウチってば」
「自分でそれを言うのは、どうかと思うけどな」
 一樹も笑って、
「……あのさ、黒沢」
「うん? 何?」
「俺……オマエのこと、好きになってきたみたいだ」
「あはっ!」
 双葉は、にっこりとして、
「それを言うなら、『好きになってきた』やのうて『好きになった』やろ」
「ああ……好きになった」
 苦笑いする一樹に、双葉は微笑み、
「人間は鈍感やねんな。相性ぴったしの相手と出会うても、すぐには気づかへんのんや」
「相性がどうなのかは……正直、まだよくわかんねえけどな。でも、オマエの鼻を信じることにしとく……」
 一樹はテーブルの上に身を乗り出した。
 双葉は微笑みのまま、眼をつむる。
 一樹は、ゆっくりと顔を近づけていき……唇を、重ねた。
「……んっ……」
 双葉が微かに声を上げる。雨で濡れた髪から、シャンプーだかトリートメントだかの甘い香りがする。
 やばい。こいつ、普通にオンナじゃん。人間でもゴブリンでも一緒じゃん。
 しかし積極性は戦士の種族であるゴブリンならではか。
 双葉は自分から唇を緩め、舌で一樹の唇に触れてきた。一樹も舌で応えた。
 互いの舌を、舐めるように絡め合う。一樹はエロビデオの見よう見まねだけど。
 こそばゆいけど不快ではない。舌は濡れているのに熱く火照っている。
 マジでやばい。キスだけでは済まなくなりそうだ。でも、この場所では、まずい。唇を離す。
 とろんと蕩けかけた艶っぽい表情で、双葉は一樹を見つめた。
「白岡くん……一樹くんて呼んでも、ええ?」
「ああ……」
「ウチのことは、双葉て呼んでな。『クロブー』はアカンで」
「……ああ」
 一樹は苦笑いする。色っぽい顔して笑いのネタは忘れないんだな。
588書き込み代行Chu!:2009/11/10(火) 20:24:49 ID:ZJUSj19l
152 名前:【ゴブリン娘はブタじゃない(9)】:2009/11/10(火) 15:12:42
 双葉は眼を伏せた。
「……あのな、一樹くん。ウチ、もう抑えきれへん……」
「何を……とは、訊かねえよ。俺も一緒だし」
 一樹が答えると、双葉は再び眼を上げて、
「ウチ……ゴブリンやで。服を脱いだらブーちゃんの尻尾も生えてんねんで。それでも、ええの?」
「でも、胸は可愛いんだろ? 見せてくれよ」
 一樹は言って、苦笑いでつけ足す。
「いますぐって意味じゃねえよ。ここを出てから」
「……アホ。それくらいわかってる」
 双葉は口をとがらせて、一樹は笑う。
「アホ呼ばわりかよ。待ってろ、これ片づけちまう」
 一樹は食べかけのマフィンを口に放り込み、ドリンクで流し込んだ。
 双葉が自分の唇に指で触れ、
「ウチらの初めてのキス……マクドのマフィンの味やねんな」
「ソーセージエッグマフィンな。きっと食うたびに思い出すぜ」
「あはっ! 言うとくけどウチがソーセージ味なのと違うで、味がついてたのんは一樹くんやからな」
 くすくすと双葉が笑って、一樹は苦笑いで、
「誰もそこまで言ってねえよ」
「一樹くん」
「ん?」
「好きや。大好き」
「……ああ」
 一樹は赤くなりながら立ちあがった。トレーを返却場所へ運んで行き、ゴミをクズ入れに捨てる。
 双葉があとについて来て、
「さっきの薬、ウチのバッグにしまっといたで。包帯も用意して来たし、あとで塗ってあげるな」
「ああ、頼む。それで……」
 一樹が何か言うより先に、双葉が横に並んで手の指を絡めてきた。
「……あのな、クラスの子らに聞いてきたんやけど。駅のちょい裏に、ホテルあんねやろ?」
「ああ……、あった、かな……? 電車から、ちらっと見えるやつ」
「ウチから誘うようなこと言って、はしたないと思わんといてな。魔物の女の子は本能に忠実やねん」
「人間の男も一緒だよ。俺らみたいな若い奴が、好きな相手ができたら結局、やりたいことは一つだろ」
「一樹くん、それもういっぺん言うて」
「え? いや、だから俺らみたいな……」
「そのあとや」
「そのあと? だから……」
 一樹が双葉の顔を見ると、双葉は、にこにこと笑っている。
 赤くなりながら、一樹は言った。
「……好きだよ。好きだ、双葉」
「あはっ! ようやっと、ちゃんと好きて言うてくれた、ついでに名前も呼んでくれた」
 輝くような笑顔になる双葉に、一樹は眼を細め、
「オマエ……ホントに、可愛いな……」
 その場でもう一度、唇を重ねた。
 
 
【ゴブリン娘はブタじゃない(第一部・完)】 規制解除後の第二部にご期待下さい……
589ゴブリン娘を書いた奴:2009/11/10(火) 20:37:10 ID:iOl3x4Dl
ちょうどスレを覗きにきたら代理投下が完了したところでした
投下者の方、ありがとうございました m(_ _)m

いちおうエロシーンも続ける予定はあります
腹筋の割れたゴブリン娘さんにどれだけ需要あるかは不明ですけど(笑
では〜
590名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 21:07:44 ID:Dd7PVN5l
>>577
ちくしょう可愛いなちくしょう
続き期待してる
筋肉女はニッチ嗜好だからなかなか難しいかもしれんが、さておいてもこの可愛さはイケる
書き込み代行してくれたID:ZJUSj19lもGJ!
591名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 18:25:19 ID:1M02RUwl
>>582
子豚ちゃんGJ
おっぱい期待
592名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 02:51:37 ID:py4AhNZ0
なんてかわいいゴブリンなんだ
GJ過ぎる
593名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 11:30:36 ID:Gq655aWq
http://u3.getuploader.com/eroparo

保管庫付属のアップロダー
規制された人はここを利用したらいいんじゃないかなかな
594名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 17:31:42 ID:Yr1AWGhr
一樹って妖精スレの数学オタクと同じ名前だから
一瞬びっくりしたわ
595名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 04:22:42 ID:fDlJ6Cm0
>>589
ムチムチゴブリンボディに興奮する日が来るとは思わなかったw
甘くて熱いのを一つ頼む!
596名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 09:31:17 ID:hS5X10Hc
どうでもいい話だけど、食用のブタの体脂肪率は14〜18%。
人間で言うと痩せ型の部類に入る。
これ、豆知識な?
597名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 15:29:35 ID:/d0TLb97
そりゃまあ体脂肪率が高いと
脂身だらけで美味しくないだろうからなあ
598名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 16:29:47 ID:hq9PFCu+
フォアグラは、カモの脂肪肝。
599名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 19:36:44 ID:Q2E0nbVY
フランス人も奇妙なものを食う。
600名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 02:16:36 ID:t7BAjji+
ゴブリン娘と海とかプールに行ったらどんな水着着てくれんのかね

普通にビキニ(尻尾の穴あり)なのか
恥ずかしがってワンピースなのか
想像するだけでニヤニヤしちゃうぜ
601名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 14:53:08 ID:QR3ipv2f
ゴブリン娘にムラムラしてしまった…
ところでゴブリンは子鬼、もしくは闇妖精で訳されてて、ガタイの良い豚人間はオークって
言うんじゃなかったっけ?
602名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 23:06:59 ID:0dhhDQqb
あなたがゴブりんだと思うものがゴブりんです。

※ ただし他人の賛同を得られるとは限りません。

かわいい人外は正義でもういい気がする。
黒小人とかもあるし、闇妖精は駄ークエルフを連想できるし。
603名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 03:40:30 ID:Pk3WLO9y
むしろ体育のプール授業でのスク水のムチムチっぷりに期待

クラスの男子が全員思わず前かがみになっちゃうくらいのダイナマイツっぷり
でもそれにも気がついてるのか気がついてないのか、一樹にベタベタイチャイチャしちゃうゴブリンっ子を妄想
604名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 17:36:12 ID:+vd+vmh2
ゴブリンのメスと言ったら、ブルーフォレスト物語的に獣耳幼女しか思い浮かばない俺が居る。
605名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 11:21:25 ID:LPxDTarg
保守
606名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 11:46:19 ID:Pd96ITLf
狐耳巫女まだあああああああ
607名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 14:48:11 ID:c83JLamw
もう出たでしょ
608名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 19:14:06 ID:zTNzVGnV
ゴブリン娘の耳を甘噛みしたい
609名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 23:48:27 ID:+dbtH19O
本来は巫女じゃないけど狐の小話をひとつ
6101:2009/11/23(月) 23:49:29 ID:+dbtH19O
秋も深まり、冬の到来も近づいた昼下がり、譲は屋敷の軒先で空を眺めていた。
山の木々は赤く色づき、吹き抜ける風も冷たさを増すこの季節、
太陽から与えられるわずかな温もりは、ありがたさを増す一方である。

「はぁ、良い風だ」

 屋敷に来てから半年も経ち、生活にも落ち着きを見出してもいるが、
実際にこうして表で太陽の光を浴びていられる時間は限られている。
 原因といえば、九尾の妖孤である陽炎、その夜伽の激しさだろう。
長い時は三日三晩に渡って弄ばれ、その後は一週間に渡って立ち上がることすらできず、
文字通り精も魂も吸い上げる激しさに、譲は行為の最後まで記憶を持たせた事がない。

「平和だな、こんな日はのんびり日光浴でもして、一日を過ごすのも良いかな」

 今の譲には、世間で何が起きているのかも分からないし、知りたいとも思わない。
ただ、この屋敷から逃げる勇気も無く、己の命がいつまで持つかを考えるばかり。
そんな自分の将来を考えると、身震いする。

「譲さま、お茶でございます」
「あ、ありがとう」

 譲が将来を悲観していると、見知った女性が熱いお茶を持ってきてくれた。
この屋敷には、陽炎と譲以外に、お手伝いらしきこの女性の3人しか住んでいないらしい。
彼女は、優しく微笑みかけると、風のように姿を消した。何時もながら謎の多い女性だ。

「ふう、お茶がうめぇ」
「まったくじゃ、こんな日は日光浴に限るのう」
「うおっ、いつの間に」

 譲の主人であり、天敵ともいえる陽炎の声に、茶碗を落としそうになるが、堪える。
だが、顔を声の主に向け、その姿を見た瞬間、茶碗を地面に落とした。

「あっ、あの、陽炎様、その姿……」
「なんじゃ、あっけに取られおって、隣に座らせてもらうぞ」

譲の隣に腰を下ろし、正座する陽炎はいつもの着物姿ではない。
上は真っ白な白衣、下は対照的に緋色の袴。俗に言う巫女装束だ。
譲にとって、この姿の陽炎を見るのは、初めてのことである。
 陽炎は、驚きを隠しもしない譲を気にも留めず、己の尻尾を扇状に広げた。
巨大な尻尾の全てを広げると、その身体が何倍もの大きさに見える。

「それで、陽炎様は一体何をしてらっしゃるんですか、そんな服まで着て」
「貴様と同じ、日光浴じゃ」
「尻尾まで大きく広げて、毛並みでも良くなるんですか」
「我らは太陽の輝きから陽気を、月の煌きから陰気を得ておる、
これも立派なお勤め、正装で挑むのが当然といえよう」

 年を重ねた妖艶な色気を醸し出す陽炎に、巫女装束という組み合わせはどうなのかと
心の中で失笑していたのだが、

「貴様、似合わんとか、思わなかったであろうな」
「いっ、いえいえ、まさかそんな事を」

6112:2009/11/23(月) 23:50:29 ID:+dbtH19O
 
心中を察せられ、その場での御仕置を覚悟し身を縮めたが、陽炎はお茶を啜りつつ、
何事も無かったかのような態度で譲と共に日光浴を続けている。
 続けてはいるが、大きく広がった尻尾の一つが先端を譲に向けているのが気になり、
日光浴どころではなくなった譲は、その場から避難すべく腰を上げかける。

「どこへ行く」

 腰を上げる動作、身体の重心を前にずらし、両の足に力を込めた瞬間に声を掛けられ、
そのまま硬直、前かがみのまま陽炎の顔を覗き見た。

「譲や、面白いものを見せてやろう、余の尻尾を見ておれ」
「尻尾?」

 見慣れた尻尾に何が起きるのかと疑問を抱きつつ、言われたままに尻尾を凝視する。
すると、金色の尻尾がほんのりと赤みを帯び、オレンジ色に染まってゆく。

「うわぁ」
「太陽から陽の気を受けるとな、こうして日の色に染まってゆく、
 月から陰の気を受けると、銀色に染まる事もあるのじゃぞ」

神秘的な光景に感慨の声を漏らし、まじまじ見入ると、尻尾と同様に陽炎の顔や身体も
ほんのりと赤みを帯びていくのが分かった。

「ふうっ、暑い暑い、ちぃと気を吸収しすぎたか、このままでは逆上せてしまいそうじゃ」
「陽炎様、いったい何を……」

譲の眼前で着物の襟首を大きく肌蹴ると、形の良い胸が澄みきった空気に触れ、弾む。
堅く尖った乳首を惜しげもなく晒し、譲に視線を向けると、やさしく微笑んだ。

「譲や、近う寄れ」
「いや、そんな、滅相も無い」
「近う寄れと言うに、ええい、手間のかかる奴じゃのう」
「わふっ」

 大きく広がっていた尻尾の一つが譲の身体を巻き絞めると、
そのまま陽炎の身体に引き寄せ、譲は胸の谷間に顔を埋める形になった
 他の尻尾たちは、陽炎と譲の身体を優しく巻き絞め、
譲の身体は顔が僅かに覗くだけとなった。

「どうじゃ、譲や、いつもの尻尾とは違う心地よさがあろう、ん?」
「は……い……」

 胸に顔を埋め、尻尾に巻かれた譲は、強烈な眠気に襲われていた。
太陽の光を一杯に浴び、ほんのりと熱を帯びた尻尾は、二人を優しく巻き絞める。
これが地肌の上からだったなら、譲は体中の性感帯が刺激され、発狂するだろうが、
幸いに服の上から巻き絞められており、胸の柔らかさと尻尾の温もりだけが身体を撫でた。

「このまま眠っても良いのだぞ、じゃが、貴様の安らかな寝顔を見たら、
余は色欲を我慢できぬであろうな」
「そっ、そんなぁ」

6123:2009/11/23(月) 23:52:02 ID:+dbtH19O
 
 陽炎の忠告に、両の瞼か付きそうになるのを必死に押さえる譲であるが、
オレンジ色の尻尾から伝わる温もりが、譲の眠気を増加させる。
 顔を抑える胸の柔らかさも加わって、文字通り天にも昇るような心持となり、
譲の意識は白く染まってゆく。

「うぅ、くうっ、すぅー」

 無論、かのような愛撫を我慢できる存在は無く、胸と尻尾の中で安らかな寝息を立てる。
陽炎はやわやわと愛撫を加えつつ、狙い通りの展開に笑みを浮かべた。

「ふふふ、眠りおったか、色欲を我慢でぬと言うたのに」

 譲を包み込む尻尾は、すぐさま譲を蹂躙する事もなく、優しい温もりを与え続けるが、
安らかな寝顔を覗く陽炎の口には、じんわりと唾液があふれ出す。

「いかん、夜まで我慢するつもりが、このように油断しきった顔を見せられては……」

 赤い唇が濡れ濡れと湿り気を増し、尻尾の締め付けが僅かに強まる。
譲が少しでも身悶えをしたのなら、陵辱劇が開始される一触即発の状態が続いていたが、

「おやかたさま、雪風と時雨が参っております」
「わかった、昼餉の間で待たせておけ、ふふっ、二人の驚く顔が目に浮かぶわ」

 これが、その変の山にいるような妖孤であったなら我慢は効かぬところだが、
九尾を誇る陽炎ともなれば、引くべきところは引く。

 己の胸で一瞬の安堵を享受する男に視線を落とし、髪を撫で摩る。
陽炎の頭に浮かぶのは、娘達の驚く顔か、今宵の男の喘ぐ顔か。
 孤高の精神を持ちながら、孤独な狐の心の内を探る事は誰にもできないが、
この後に一騒動待ち受けているであろう事は、容易に想像できた。


【終】
613名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 15:50:01 ID:GkNCE7u7
GJ!!このシリーズの続編待ってました!
614名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 20:25:29 ID:HeMB9lZ5
GJ
615名無しさん@ピンキー:2009/11/25(水) 00:58:19 ID:GQNAUlA2
>588
>ゴブリン娘はブタじゃない
ゴブリナに萌えちゃったじゃんか! どうしてくれる!
616名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 18:53:24 ID:T9ajqK8l
保守
617名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 20:42:55 ID:it69P7/I
山神狐巫女キテター
618名無しさん@ピンキー:2009/12/01(火) 00:28:33 ID:xmvhUIxC
狐耳巫女とキャッキャウフフしたい
619名無しさん@ピンキー:2009/12/05(土) 19:30:28 ID:/wULzLC/
【ゴブリン娘はブタじゃない(第二部)】はまだですか?
620名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 23:14:11 ID:ngicatmH
拙僧もぜひ、ぜひ!!
【ゴブリン娘はブタじゃない(第二部)】拝見したく!!
621名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 23:29:38 ID:R6fBf48k
狐耳巫女とキャッキャウフフしたい
622名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 20:43:40 ID:FrVSDpEt
一旦保守
623名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 19:26:56 ID:NOqU0RcT
花子さんとヤミ子さんとにゃんにゃんしたい
624名無しさん@ピンキー:2009/12/19(土) 07:13:57 ID:lDmEuZvJ
猫が恩返し、書き始められたっぽい
625名無しさん@ピンキー:2009/12/20(日) 15:15:12 ID:sJLP0xNc
動物擬人ものは、妖怪じゃないとダメですかね?
626名無しさん@ピンキー:2009/12/20(日) 16:52:33 ID:xGBVQiSH
>>625
どういう擬人化かに依る。
627名無しさん@ピンキー:2009/12/20(日) 19:33:15 ID:U2GqYYat
>>625
とりあえず書いてみよう。
結果は後から着いてくる
628名無しさん@ピンキー:2009/12/20(日) 20:42:42 ID:sJLP0xNc
>>627
わかりました、とりあえず投下してみます。
タイトルは『アミガメ』で。
6レスほどお借りします。
629アミガメ 1/6:2009/12/20(日) 20:43:29 ID:sJLP0xNc
「聞いてくれよ、今日はマジで大変でさぁ……」
 家に帰って着替えたら、缶ビール片手に愚痴る。それが俺の日課だ。
ただ、俺は実家暮らしでも、同居人がいるわけでもない。
聞き手は、飼っている亀。
名前はアミ、アカミミガメ(ミドリガメ)でアミだ。


 アミは、小学生の頃に縁日で釣ってきた。
母さんは「最後までちゃんと世話をすること」を条件に、飼育セットを買ってくれた。
まあ、よくある話だ。
普通なら、『しかし、一ヶ月もすると面倒になり――』と続くだろう。
 でも、俺はなぜだか飽きなかった。
日向に出してやると気持ち良さそうにして俺も和んだし、
餌をやるときには寄ってくる様子を、可愛いと思った。
――そして、いつの間にやら十数年。
俺は大学も出て社会人となり、一人暮らしを始めた。
アミも連れていくことは、俺としては当然だったんだが、母さんは
「まさかここまで『ちゃんと世話をする』とは思わなかったわ」と笑っていた。


「…っと、もうこんな時間か。悪いな、毎日こんなことばっか話して」
 そう言うと、アミは首を振ってくれた。
――飼い主補正なのは分かってるけど、そう見えるんだから仕方ない。
「もしアミが人間だったら、一緒に飲めるのに…なんてな」
 すっかりぬるくなったビールの残りを飲み干す。さ、風呂入って寝るか。


 翌朝、俺はいい香りで目が覚めた。
何の匂いだろう。まだ動き出さない頭で、そんなことを考える。
 と、台所から物音が聞こえた。どうやら台所がこの香りの出所のようだ。
俺はフラフラと台所へ向かった。
(俺しかいないはずなのに、誰が料理なんて)なんてこと、考えなかった。

 台所では、深緑の和服を着た女が料理をしていた。
俺の足音に、彼女が振り返る。
肩に掛かるくらいのやや緑がかった黒髪に、大きな漆黒の瞳。
それと対比するかのように白い肌。目鼻立ちも整っている、かなりの美人だ。
630アミガメ 2/6:2009/12/20(日) 20:44:10 ID:sJLP0xNc

「あ……おはよ…」
 俺の姿を見ても、まったく動揺したそぶりを見せない。
それどころか、構わず調理を続ける。
「ちょ、ちょっとアンタ」
「………なに?」
 そうまっすぐに見つめられると、何だか落ち着かない。
だが、聞かないワケにもいかない。
「アンタは誰だ? なんで俺の家にいる?」
「……アミ、洋と一緒……」
「………?」
 『洋(ひろし)』って、何で俺の名前を知ってる?
…しかも、アミ? アミに何の関係があるんだ?

 訳がわからず、何となしにアミの水槽があるリビングの方を見て――絶句した。
 アミがいない。
水槽は割れてない。フタは開いているが、縦は50cmある。
体長30cmほどのアミが自力で出られるはずは無い。
 目の前の彼女に視線を戻す。
「…どういうことだ?」
 まさかこの女、アミに何か――
「……洋、アミが人間だったら、って言った……」
「何言ってんだ? それがアンタにどう関係あるって――」
「だから……神様に、お願い、した…」
「………ん?」
え?
何?
つまり――
「……アンタは、人間になったアミだ、と?」
 彼女は、こくりと頷いた。
631アミガメ 3/6:2009/12/20(日) 20:45:02 ID:sJLP0xNc

  * * * *

 リビングでの聴取の結果、彼女がアミであることは確かなようだ。
俺が小四まで(個人情報保護)ことや、中二で(自主規制)ことも知ってたし。
 彼女――アミによると、昨日の夜に祈って、朝起きたら人になっていた、という。

「で、どうすんの?」
「……?」
 首をかしげるその様子に、思わずグッときた。
アミは、人になってもやっぱり可愛…じゃなくて。
「人間になって、それでどうするんだ?」

 亀が人間になった、とかそういうことは眉唾ものだとは思うけど、
実際に起こった後だからもういいとしよう(良くないけど)。
鶴の恩返しのように、何か人間になるだけの理由があるはず。
「………」
「………」
 無言の睨み合い。さあ、何が来る?
恩返しか? もちろん大歓迎だ。
復讐か?  って、俺アミに何かした?
別離か?  いや、それはムリ!つーかイヤ。
支配か?  アミの言う事なら従うぜ!(爆

「…の………る」
「ん? 何?」
「洋の……お世話、する」
「え? 俺の…世話?」
 こくり、と頷くアミ。
「ずっと……してもらう、だけ、だったから……」
「えー…と、つまり、今まで自分が世話になったから、
 ヒトになった今は自分が俺の世話をしたい、ってこと?」
 アミは無言で、でも大きく頷いた。
恩返しキターーーーーー!! 悶え転げる俺。
その間にアミは台所へ向かい、ご飯と味噌汁を乗せたお盆を持って戻ってきた。
「……朝ご飯」
 喜んで頂きます、ハイ。
632アミガメ 4/6:2009/12/20(日) 20:45:37 ID:sJLP0xNc

  * * * *

 今日は休日だから、部屋の掃除とか、諸々の家事をするつもりだった。
その旨を伝えると、私も手伝う、とのこと。
 二人いると、作業は実にはかどった。
終わったときには、まだ二時をまわったところだった。

 やることが無くなったので、とりあえずお茶の時間にする。
「時間、余っちまったな」
 こくり。
アミはあんまり喋らない。ずっと俺の聞き役に徹してたからそうなったのかもな。
「あ、そういえば、食べ物は人間のでいいのか?」
 こくり。
「二人分か…それじゃ、買い物にでも…ん?」
 立ち上がろうと床についた俺の手を、アミの手が掴んだ。
「? どうした?」
 アミの顔を覗き込んだ、そのとき――

 ちゅ。

 唇に触れる、柔らかなもの。そして、焦点の合わない程の近さにアミの顔が。
「…………!!!!」
 慌てて肩を掴んで、唇を離した。
心臓の鼓動が、尋常じゃない速さになっているのがわかる。
633アミガメ 5/6:2009/12/20(日) 20:46:25 ID:sJLP0xNc

「……ア、ミ……?」
「…ゴメン…嘘、ついた……」
 アミは俯きながらそう言った。
朝からずっと、何か言うときには俺の目をまっすぐ見てたのに。
「嘘…?」
「人に…なった、理由」
「恩返し、じゃ、ないの…?」
 ふるふる、と首を振る。
「本当は…洋を、私の…ものに、したかった」
 あー…それって支配? まさかの支配ですよダンナ!
いや朝はあんなこと考えたけど、それは言葉のアヤってやつで?

「洋と、ずっと一緒にいたい……洋と、一つになりたい、って…ずっと、思ってた…」
「え…」
 『私のものにする』って、そういう意味で!?
「でも…私…亀、だから……洋は…いつか…人間…女の人と…け、結婚…する。
 それで…私は…洋より、先に……死んじゃうん、だ、って、そう…思って、た…」
 声に、鳴咽が混じる。その顔から、いくつか水滴が落ちた。
「で、も…ひ、洋…が、が…他の人の、ものに、なる、のが……嫌…だった…
 だから…洋が、わ、私が、人間だったら、って…言った、とき」
「もういい…」
 両腕を肩から背中へと回して、その小さな体を抱きしめる。
そういう意味なら、いくらでもお前のものになってやるよ。
ただ、同時にお前にも俺のものになってもらうけどな?
634アミガメ 6/6:2009/12/20(日) 20:46:56 ID:sJLP0xNc


「アミ…」
「……なに?」
「好き」
 ポン、という音が聞こえた気がした。
真っ赤になったアミが腕の中でもじもじと動く。
「大好きだ、ずっと一緒だ」
「………ん」
 アミが発したのは、『ん』の一文字。でも、俺にはわかった。
 『私も、洋が大好き』

  * * * *

 外は日も傾き、すっかり夕方だった。
俺たちはまだ、布団の上で抱き合っている。
ええ、ヤりましたよ、ヤりましたとも。
ただ、一つ気掛かりなのは、
「…そういえば、避妊してないんだけど」
 こくり。
アミが頷いた。一時の乱れっぷりはどこへやら、素に戻っている。
「子供、できるのか?」
「……欲しい…」
 片手を下腹部にあてて、期待に満ちた目でこっちを見つめる。
飼い主の子供が欲しいとは、とんだペットの亀さんだよ。
思わず嘆息一つ。
「わかったよ、そのことも含めて、『ちゃんと世話』する」
 頬をうっすら赤く染め、こくりと頷く。
「だから、俺の世話も…『最後まで』よろしくな」
 一瞬きょとんとした後、満面の笑み。
「一生……洋は、私のもの」
 どうやら俺は、『最期』までアミの世話をすることになったようだ。

< 了 >
635名無しさん@ピンキー:2009/12/20(日) 20:47:52 ID:Y0ow13lL
乙!いい作品だった
636名無しさん@ピンキー:2009/12/20(日) 20:49:33 ID:sJLP0xNc
以上です。
スレの方向に合ってるのかなコレ…
お目汚し失礼しました。
637名無しさん@ピンキー:2009/12/20(日) 21:21:35 ID:ib+gWEGx
乙。
なかなかいい感じだと思うよ、ただ一つケチをつけるなら・・・



室内の水槽にいる♂クサガメからの視線が気になってしまうじゃないか!w
638名無しさん@ピンキー:2009/12/20(日) 22:22:44 ID:88Ax4ccP
これは良いほのぼの異類婚姻譚ですねGJ
639名無しさん@ピンキー:2009/12/20(日) 23:12:50 ID:4ZVb6lRd
>>629

GJ

気が向いたらで結構なんで、是非後日談を!

エロなしでも全然いいんで、お願いします。
640名無しさん@ピンキー:2009/12/20(日) 23:39:53 ID:a9B4ETns
            \     _n         グッジョブ   /
              \   ( l     _、_       /
               \   \ \ ( <_,` )    /
                 \   ヽ___ ̄ ̄  ) /
   _、_  グッジョブ      \    /    / /  _、_   グッジョブ
 ( ,_ノ` )     n        \∧∧∧∧/   ( <_,` )     n
 ̄     \    ( E)       < の  グ >   ̄     \    ( E)
フ     /ヽ ヽ_//        <      ッ >  フ     /ヽ ヽ_//
─────────────< 予  ジ >───────────────
   ∩               <      ョ >
   ( ⌒)       ∩ グッジョブ < 感  ブ >       |┃三     話は聞かせて
   /,. ノ      l 'uu       /∨∨∨∨\      |┃  ガラッ    もらった
  / /      / /"    /         \     |┃ ≡   _、_   グッジョブ
  / / _、_   / ノ     /    グッジョブ   \  |ミ\__( <_,` )
 / / ,_ノ` )/ /    /|    _、_     _、_   \ =___    \
(        /     /\ \/( ,_ノ` )/( <_,` )ヽ/\≡   )   人 \
 ヽ      |   /   \(uu       /     uu)/  \
641名無しさん@ピンキー:2009/12/21(月) 04:33:48 ID:nWKxj0iH
>>634
いいね
こういうの大好き
続きも読みたい

>>637
アッー!!の予感
642名無しさん@ピンキー:2009/12/21(月) 06:53:45 ID:wkmw28yC
アミさんいいなぁ・・・。
うちも亀飼いたくなった。
齢40に届こうとする今更手遅れだろうし、「ちゃんと世話」できるかわからんから、しないけど・・・。
643名無しさん@ピンキー:2009/12/21(月) 18:36:00 ID:zpkGSPAO
>>634
何故一番大事なところを省略する
644名無しさん@ピンキー:2009/12/22(火) 01:16:56 ID:C5U2QBCb
亀だけに実は俺の股間のryオチもいけるかと思ったが
それだとスレ違いだった
645:2009/12/22(火) 12:38:35 ID:SgUYUhCK
予想外の反響に驚いた>>636です。
後日談…ってほどでもないですが、小ネタを一つ。


『アミガメ 1.5』

「それじゃ、行ってくる」
「……ん」
「おとなしくしてろよ、風邪はひき始めが肝心なんだから」
 こくり。
「行ってきま〜す」

 何のことはない、アミが風邪をひいただけだ。
微熱と体のだるさ。まぁ、風邪だわな。
そういえば、病院はどうすんだろ。保険証とかあるはずないし…

  * * * *

 なんで? なんでこんなことになってんの?
『家に帰ったら、この世の終わりかという沈んだ顔で泣いているアミがいた』
な、何を言っているのか自分でもわからねーが、とにかくそうなっていた。
「おい、アミ、どうした、何があった?」
 とりあえず、この状況の原因が知りたい。
「ごめん、なさい…わ、私、洋と最期までいられ、ない……」

え。

「ちょっ、どういうことだよ!」
 冗談じゃない。そんなことあってたまるか。
「私、きっと…ひ、ひどい病気…なん、だ」
 病気? 病気だって? 風邪だとナメていたら…っていうアレか?
「な、何があったんだ」
「洋には、黙って、たん…だけど、朝から、お腹が、い、痛くて」
 この馬鹿。異常な腹痛はかなりヤバイじゃねえか。
646:2009/12/22(火) 12:39:22 ID:SgUYUhCK
「それで、ト、トイレに行ったら」
「行ったら?」
「な、なんか変なのが、わた、私の…ア、アソコから…」
ん?

「ち、血も混じってたし」
それって…

「なんか、ドロッてしたの、が」
ですよねー。

「あー…アミ、とりあえず落ち着け」
「で、でも…」
「それな、生理って言って、人間の女には普通にあることなんだ」
「ふぇ…?」
「だから、別に病気でもなんでもない」
「え……」
 まあ、亀に生理はないよな。
にしても、何もなくて本当によかった。


 おまけ。
「あの…ドロってしたの…何?」
「あー、確か…赤ちゃんのもと、だっけか」
「え」
「妊娠中は生理は無くなる、って話だったような…」
「………(目がキラキラ)」
 その後、アミは生理の度に悲しそうな顔をするようになりましたとさ。
647名無しさん@ピンキー:2009/12/22(火) 17:27:25 ID:IL5b4j1y
>>646
悲しませない様にがんばるしかないな。
648名無しさん@ピンキー:2009/12/23(水) 00:16:05 ID:MOwLFP5R
狐耳巫女マダー
649猫が恩返し:2009/12/23(水) 18:47:10 ID:OrStuXMF
投下します
650猫が恩返し 1/4:2009/12/23(水) 18:47:50 ID:OrStuXMF
猫が恩返し 2話 前編



「ただいま」

 正博は玄関のドアを開けた。外から室内に流れてくる冷たい空気。

「あれ?」

 普段ならシロの出迎えがあるはずである。いつも帰宅時間が正確に分かっているよう
に玄関に立っていた。帰宅予定時刻よりも早くても遅くても、それを外したことはない。
猫の本能っぽいものが正博の帰宅を知らせてくれるらしい。
 しかし、今日はその姿がない。
 奥の部屋は明るいので、出掛けているわけではないようだった。
 訝りつつ靴を脱ぎ、室内サンダルに履き替え、正博はキッチンを通って奥の部屋へと
移った。八畳の一間で、床にはコタツが設置されている。

「シロ?」
「ご主人様……」

 そこから首だけだして正博を見上げる少女がいた。
 白い髪に白いカチューシャを付け、白い猫耳が小さく動いている。人間に化けた猫又
のシロだった。黄色い瞳に涙を浮かべて、真顔で言ってくる。

「助けて下さい。寒すぎてコタツから出られません!」
「何か分かるなぁ……」

 正博はしみじみと苦笑しながら、暖房のスイッチを付けた。天気予報によると、今日は
この冬一番の冷え込みらしい。雪こそ降っていないものの、外の気温は氷点下である。
正博がいない間は電気代節約で暖房を付けていないため、部屋はかなり冷たかった。
 ふと時計を見ると、午後六時。

「今晩の料理は……」

 普段はシロが夕食を作ってくれるのだが――
 シロはコタツ布団の縁を両手でがっしりと押さえている。

「ごめんなさい、無理ですぅ。わたし猫又ですから、寒いのは苦手なんですよ。童謡にも
あるじゃないですか。犬は喜び庭駆け回り、猫はコタツで丸くなる〜♪ って」

 そう言い訳して引きつった顔を見せた。シロが猫だった頃コタツに入っている姿を見て
いたが、伸びていることの方が多い。丸まっている姿は見たことが無かった。
 正博は荷物を机に置いてから、

「分かった、今日は僕が作るよ。何食べたい?」
「お肉」
651猫が恩返し 2/4:2009/12/23(水) 18:48:14 ID:OrStuXMF
 黄色い瞳を輝かせながら、シロが即答してくる。
 やはり元が猫であるせいか、野菜類よりも肉や魚が好きだった。期待するように猫耳
が動いている。コタツの中では二本の尻尾も動いているだろう。
 横の髪を掻き上げてから正博は吐息した。

「野菜も食べないと身体に悪いよ」
「猫は本来肉食なんです」

 白い眉毛を斜めにして、そう反論してくる。猫は魚を好むとも言うが、それは魚をよく
食べる日本での話であり、実際には肉の方が好きらしい。もっとも、人間になるには人
間のような食生活をするようにと言われてはいるようだった。
 正博はシロの前に腰を下ろした。そっと両手を前に出す。

「何です、ご主人様……? はッ!」
「おしおき」

 ぺたりと両手をシロの頬へと触れさせた。

「にゃァ!」

 悲鳴とともに、シロが猫耳を立て、黄色い瞳を見開いた。表情も含めて全身の筋肉を
硬直させたのが分かる。さきほどまで冷たい空気に触れていた両手をいきなり頬に触
れさせたのだ。驚かない方がおかしい。
 手の冷たさに固まること数秒。
 正博が手を放すと、シロは一度脱力してから恨みがましく見つめてきた。

「何するんですか、ご主人様。酷いですよー」
「言い訳しないで、ちゃんと野菜も食べるように。えっと、野菜とラーメンあったから、野
菜ラーメンにしようか?」
「お肉……」

 未練がましく呟くシロに、手の甲を見せると。
 何も言わぬまま、コタツの中へと引っ込む。

「チャーシューは入れて下さいね」

 コタツの中からそう声が聞こえてきた。



  * * * *
652猫が恩返し 3/4:2009/12/23(水) 18:48:43 ID:OrStuXMF
 暖房が効き、部屋は暖かくなている。

「美味しかったです」

 こたつの向かい側で満足げにシロが呟いてる。
 紺色のワンピースと白いエプロンが見えていた。いまだメイド服以外の服装には変化
できないらしく、家に居るときはいつもこの格好である。脱ぐと消えてしまうのだが、普通
の服を着るのはまだ慣れないらしい。
 へなりとこたつの上に突っ伏しながら、顔の筋肉を緩めている。

「暖かいって素敵ですね〜。ご主人様〜」
「好きだな、こたつ」

 苦笑しながら、正博はシロの頭を撫でた。人間の髪の毛とは少し毛質の違う白い髪の
毛。心地よさそうに白い猫耳が動いている。
 シロは目を閉じて、口元を緩ませた。

「こたつは魔性の道具ですよ〜。一度入った者を絶対に抜け出せなくするって、現代の
怪物です〜。猫も人間も絶対に抜け出せません〜」

 こたつの暖かさは確かに凶器だ。実家で暮らしていた頃は、こたつに入ったまま出ら
れず翌朝まで寝ていたこともある。

「ところで、シロ」
「何です〜?」

 黄色い目を向けてくるシロに、正博は紙の箱を見せた。長さ四十センチくらいの細長
い紙の箱だった。帰りに寄り道して、ペットショップで買ってきたものである。

「こういうもの買ってきたんだけど」

 箱を開けて中から取りだしたのは、三十センチほどのしなりのある細い棒。その先端
に白い綿毛が付けられた。いわゆる、ネコジャラシである。
 正博はそれを左右に振ってみせた。

「!」

 細かった瞳孔が、一度大きく見開かれる。肩が一度跳ねて、二本の尻尾もぴんと動い
た。分かりやすい反応。しかし、シロは平静を装って笑っていた。

「ネコジャラシなんて、ご主人様も面白いもの買ってきますね。でも、もう私も普通の猫じ
ゃないですから、そんなので遊びませんよ」
653猫が恩返し 4/4:2009/12/23(水) 18:49:09 ID:OrStuXMF
 返事はせずに、正博はこたつの上でネコジャラシを動かし始めた。
 最初はゆっくりと左右に。
 その動きを追うようにシロの目が動いている。本人は必死に意識を逸らそうとしている
ようだが、猫としての本能がそうさせない。こたつの上に投げ出された両手が、ぴくぴく
と緊張するように震えている。
 ネコジャラシがぴたりと止まった。

「ぅぅ……」

 じっとそれを凝視するシロの頬に、汗が滲んでいる。
 白い猫耳と二本の尻尾がぴんと立っていた。大きく開かれた瞳がネコジャラシの綿毛
を凝視している。それでも、理性で何とか意識を逸らそうとしているのが分かった。視線
が時折ちらりと明後日の方向に跳ぶが、二秒も持たずにネコジャラシに戻る。
 ぱたっとネコジャラシが跳ねた。

「!」

 シロの肩が跳ねる。咄嗟に伸ばし掛けた右手を、力一杯握りしめる。
 正博は再びネコジャラシの動きを再開した。ぱたぱたと小刻みに振ってから、跳ねる
ように横に移動。そこで小刻みに動いてから、数秒ほどして横に移動。
 その動きから目が離せないシロ。

 パッ。

 脈絡無く伸ばされたシロの右手が、こたつを押さえた。
 しかし、ネコジャラシは別の場所にある。移動先を読んで手を出したシロだっが、正博
はさらにその先を読んでいた。シロがじっと自分の手を見つめている。

「くっくっくっ、甘いなぁ」

 不敵に微笑みながら、正博はネコジャラシを持ち上げた。ゆらゆらと先端の綿毛を揺
らしながら、悪者顔で尋ねる。真下からライトを当てられている気分で、

「シロが僕の操るネコジャラシを無視できたことあったかなァ?」

 悔しげな眼差しが、揺れる綿毛を捉えていた。
 普通の猫だった頃から、正博はネコジャラシでシロと戯れていた。最初は興味無い振
りをするシロだが、ほどなく手を出すのが常である。さすがに年を取ってからは控えてい
たのだが、今ならネコジャラシで遊ぶことができるだろう。
 こたつに突っ伏していたシロが、おもむろに身体を起こした。口元を引き締め、白い眉
毛を内側へと傾ける。

「ご主人様……。ネコジャラシの恨み、今こそ晴らさせてもらいます」

 黄色い瞳に燃える熱い炎。今までシロが正博の操るネコジャラシを無視できたことは
なく、そして一度もネコジャラシを捕まえられたことはない。

「ふっ。返り討ちにしてくれるわ」

 そう言って、正博は静かにネコジャラシを前に出した。
654名無しさん@ピンキー:2009/12/23(水) 18:49:48 ID:OrStuXMF
以上です
続きはそのうち
655名無しさん@ピンキー:2009/12/23(水) 22:13:55 ID:MOwLFP5R
   _、_
 ( ,_ノ` )      n
 ̄     \    ( E) グッジョブ!!
フ     /ヽ ヽ_//
656名無しさん@ピンキー:2009/12/24(木) 01:20:12 ID:KNFIUQ9r
GJ! 少し早いクリスマスプレゼントだった
657名無しさん@ピンキー:2009/12/24(木) 11:16:10 ID:spBiLk0S
GJ


相変わらずクオリティー高いですな。
658猫が恩返し:2009/12/27(日) 22:23:21 ID:zoaooptS
投下します

前回主人公の一人称が間違っていました
僕ではなく、俺でした
659猫が恩返し 1/5:2009/12/27(日) 22:23:50 ID:zoaooptS
第2話 中編

 正博が最初にこの遊びを思いついたのは、いつ頃だっただろうか。
 小学生の低学年頃だったと思う。ネコジャラシにじゃれつき、それを奪い取ろうとする
シロ。そして、シロに捕まらないようにネコジャラシを動かす正博。いつの間にか遊びと
称した真剣勝負になっていた。

「にゃァ……」

 こたつに突っ伏したまま、シロは涙目になっていた。くたりと伏せられた猫耳と、萎え
た二本の尻尾。右手に握りしめられたネコジャラシ。しかし、それは正博から奪い取っ
たものではない。
 持っていたネコジャラシを放り投げるのが、この遊びの終わりの合図だった。
 ネコジャラシを睨みながら、シロが悔しげに口を動かす。

「また負けてしまいました。ただの白猫その1から猫又になってパワーアップしてたから、
今度こそは勝てると思ったのに。無念です……」
「挑戦はいつでも受け付けるよ」

 余裕たっぷりに、正博は微笑んだ。
 久しぶりのネコジャラシ争奪戦。二十分ほどの攻防を続けた結果、シロは一度もネコ
ジャラシに触れることもできなかった。今までどれほど同じ事を繰り返したのか覚えてい
ないが、全戦全勝なので対戦成績に意味はない。

「ご主人様って変な才能ありますよね……? わたし以外の猫をじゃらすのも上手かっ
たですし。普段ネコジャラシに反応しない子も、ご主人様のネコジャラシは無視できませ
んでしたし、猫を弄る天才です」
「それ褒めてるのか?」

 シロの頭を撫でながら、正博は苦笑した。
 言われてみると、昔から猫を相手にするのは得意だった気がする。他人の家の猫や、
野良猫も何の気無くじゃらしていた。それも一種の才能なのだろう。

「それでは、罰ゲームですね……」

 握っていたネコジャラシを手放し、静かに呟いた。

「罰ゲーム?」

 ネコジャラシを手に取って、正博は首を傾げる。ネコジャラシ争奪戦は、罰ゲームとい
うものはない。ただ、お互いに勝敗を悟ったらそこで終わりである。それが今までの暗
黙のルールだった。人間と猫で文章的な意思疎通もできないが。

「はい。敗者の掟です」
660猫が恩返し 2/5:2009/12/27(日) 22:24:15 ID:zoaooptS
 神妙に頷いてから、シロはこたつから出た。
 微かな布擦れの音ともにその場に立ち上がる。紺色のワンピースと白いエプロンとい
うメイド服姿。二本の白い尻尾を揺らしながら、部屋の片隅に移動する。
 部屋の隅に置かれた『私物入れ』と書かれた箱。
 それを開けて何かを取り出し、戻ってきた。

「何コレ?」

 こたつの上に置かれたもの。
 黒い皮革の輪っかふたつが鎖で繋がれたもの。棒の左右に黒い皮革の付いたもの。
四十センチほどの黒い革の帯。アイマスクのような形の黒い革。

「手枷と足枷と首輪と目隠しです」

 至極普通に答えてくるシロに、正博は眉間を押さえた。やはり元が猫であるせいか、
普通の人間とは感覚がズレている。

「いや、それは見て分かるから……」

 いわゆるSM道具と言われるもの。主に相手の自由を奪うための拘束具である。ハ
ードなものではないようで、身に付けても痛くないように工夫されている。正博自身も知
識として知っているだけで、実物を見るのは今が初めてだった。
 しばし考えてから、ジト目でシロを睨む。

「これで一体何をしろと言いたい?」
「メイドさんのお仕置きはエッチなものと決まっています――」

 何故か嬉しそうに言ってくるシロに対して。
 顔を近づけるように、正博は指を動かした。

「何です?」

 素直に顔を近づけてくるシロ。
 そのこめかみに曲げた中指を押しつけ、ぐりぐりと捻る。

「にゃぁぁ!」

 悲鳴を上げて両手で腕を掴んでくるが、無視。

「痛い、痛いです……! ご主人様、ぐりぐりはやめて下さい!」

 五秒ほどこめかみを抉ってから、正博は手を放した。
 解放されたシロが、こたつに突っ伏す。
661猫が恩返し 3/5:2009/12/27(日) 22:24:44 ID:zoaooptS
「うぅぅ」

 両手でこめかみを押さえながら、目元に涙を浮かべて唸っていた。数秒で体力を根こ
そぎ奪われたような有様である。
 正博は手枷を持ち上げた。マジックテープ式で簡単に取り外しができる構造である。

「これ、どこから調達してきたんだ……? 探せば手に入るだろうけど、まさかシロがそ
ういう専門店行って買ってきたわけじゃないだろうし」
「猫の神様がいる神社の裏手に捨ててあったそうです」

 顔を上げて、あっさりと白状する。神社の裏手に捨ててある怪しいもの。よくあるもの
と言えばよくあるものだった。大抵はいかがわしい本であるが、そういう処分に困るもの
を捨てる人間もいるのだろう。
 視線で先を促すと、シロは身体を起こし、

「神様が見つけて、さてどうしようと困っていた所にわたしが訪ねてきたので、せっかくだ
からお前にあげるからご主人様とよろしくやりなさい、というわけで貰ってきました。大丈
夫です、未使用みたいですから」

 色々とズレている答えであるが、大筋は理解できた。
 率直に正博は訪ねる。

「俺にどうしろと……?」
「メイドさんお仕置きモノ好きじゃないですか、ご主人様……!」

 黄色い目を大きく開き、シロは人差し指を立てて顔を近づけてくる。二本の白い尻尾
をぴんと立て、ぴくぴくと猫耳を動かしている。シロが人間の性的な営みに対してかなり
好奇心旺盛ということは知っているが、それで納得出来るわけではない。
 正博は再びシロのこめかみに曲げた中指を押し当てた。

「あ」

 シロの表情が固まるが、気にせず捻る。笑顔で。

 グリグリグリ……

「んニャゃぁ! 痛い、いっ、痛いッ――痛たたァ! 痛いですよ、ご主人様? やめ、ソ
レ本当に痛いんですから。ウニャぁぁッ! 待ってください? ご主人様許して、痛い、痛
いですから……許して、下さい。本当に痛い……! ギブ、ギブアップです! ニャァア」

 二十秒ほどお仕置きしてから手を放す。

 しぅぅ……。

 とこめかみから立ち上る煙が見えたような気がした。実際に煙が出ているわけではな
いが、そんな雰囲気が感じられた。こたつに突っ伏したまま、シロは両目から滝涙を流
している。苦しげに震えている両手と猫耳。
662猫が恩返し 4/5:2009/12/27(日) 22:25:31 ID:zoaooptS
「なるほど。よく分かった」

 こたつから出て、正博は静かに呟いた。暖房が効いているため、部屋の空気は暖か
い。両手をほぐすように動かし、こたつを回り込むように歩く。

「うぐぅ」

 力尽きているシロの背後へと移動してから、コタツの上の手枷を掴んだ。脱力したシ
ロの両腕を背中側に回してから、手枷でしっかりと拘束する。さらに、黒い革の首輪を
首にしっかりと嵌めた。構造は普通の首輪と変わらないので、難なく付けられる。

「あれ、ご主人様……?」

 いまさらながら、シロが手枷を外そうと腕を動かしていた。しかし、マジックテープの拘
束は意外と頑丈である。並の腕力では、外すこともできない。
 手際のいい動きで、正博はシロの肩を掴み身体を後ろに引っ張った。
 こたつの中から両足が引っ張り出される。紺色のワンピースの裾と白いエプロン。白
い靴下が見えた。その足首辺りを、足枷で拘束する。黒い革製の足輪と、プラスチック
製の五十センチほどの棒で、両足を開いた状態を固定された。
 最後に、目隠しをして終了。
 両手両足を拘束され、目隠しをされたシロ。首には黒い首輪。

「こうして見ると、いかにも襲って下さいって格好だな」
「あうぅ。ご主人様……何でこんな手慣れてるんですかぁ?」

 戸惑ったように猫耳と尻尾を動かしながら、シロが目隠しをされた目を向けてくる。普
通は手間取るのだろうが、正博はごく自然に拘束具でシロを動けなくしていた。

「いや今が初めてだけど。そんなに難しくないものだよ」

 言いながら、動けないシロの傍らに腰を下ろした。

「もしかして、ご主人様。拘束具の使い方とかそういう道具系のエッチな本を持ってたん
ですか? わたしの調査だとそういうのは見つからなかったですけど」
「人の私物を勝手に漁らないように」

 言いながら、シロの頭に手を置く。
 自分で言い出したことだが、かなり緊張しているのが分かった。これから何をされるか
分からない恐怖だろう。シロは猫だった時から後の事を考えない行動をすることが多か
った記憶がある。

「えっと、ご主人様……痛いのとかはやめて下さいね?」
「いぢめたくなる格好だけど、虐めたりはしないから安心しろ」
663猫が恩返し 5/5:2009/12/27(日) 22:26:40 ID:zoaooptS
 そう笑いかけてから、正博は両腕でそっとシロの身体を抱きしめた。右手でそっと頭を
撫でる。今まで緊張していた身体から、安心したように力が抜ける。

「シロの頼み通りきっちりお仕置きしてあげるから、覚悟してくれ」
「お手柔らかにお願いします、ご主人様」

 その台詞に、正博はそっとシロの唇に自分の唇を重ねた。

「んっ……」

 薄く柔らかなシロの唇を味わいながら、お互いに舌を絡ませる。ディープキスというほ
ど深くはなく、お互いの存在を確認するような丁寧な口付け。目隠しをされたシロにとっ
ては、抱きしめる手と丁寧な口付が正博が存在を知る手段だった。
 そっと正博はシロの唇から自分の唇を放す。

「ご主人様……」

 シロが物欲しそうに自分の唇を舐めていた。

「安心しろ、シロ。これからたっぷり可愛がってやるから」

 優しく告げてから、正博は丁寧にシロの頭を撫でる。人間とは少し質の違う白い髪の
毛。撫でているだけで、シロが安心しているのが感じ取れた。
 そして、微かに動いている白い猫耳に、正博は前触れなく息を吹きかける。

「ニャァ!」

 シロが驚きに身体を跳ねさせた。
664名無しさん@ピンキー:2009/12/27(日) 22:27:07 ID:zoaooptS
以上です
続きは、できれば年内に上げたいと思います
665名無しさん@ピンキー:2009/12/27(日) 22:41:08 ID:odVIF6dY
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +        
 と__)__) +
666名無しさん@ピンキー:2009/12/27(日) 23:06:54 ID:IjYGClrj
GJとしか言いようがない
667名無しさん@ピンキー:2009/12/30(水) 01:33:08 ID:FEHiECFf
そこで・・・そこで止めるかああああああああああああああああああ!
ちくしょう!最低でも年内は全裸待機か世おおおおおおおおおおおおおおおおおお
668名無しさん@ピンキー:2009/12/30(水) 19:44:16 ID:/xZhpx+1
期待
669名無しさん@ピンキー:2009/12/30(水) 23:15:41 ID:jnUZVwp3
明日には実家に帰省するんだ…
読めないぜ…
670名無しさん@ピンキー:2009/12/31(木) 02:50:16 ID:U0rlwkAk
よいお年を
671猫が恩返し:2009/12/31(木) 23:25:49 ID:FiYTYsyJ
投下します
672猫が恩返し 1/6:2009/12/31(木) 23:26:17 ID:FiYTYsyJ
2話 後編

「何するんですか……にゃッ!」

 再び猫耳に息を吹きかけられて、シロが肩を跳ねさせた。人間でもいきなり耳に息を
吹き掛けられるのは驚く。敏感な猫耳ならその効果も人間より大きいようだった。

「何するってオシオキ。シロからしてくれって言ったんじゃないか」

 笑いながら、正博は右手を下へと移動させていく。背中を撫でていた手を、不安げに
動いている尻尾に触れさせた。

「っ!」

 尻尾が一度ぴんと伸びる。
 猫にとっては――いや、動物にとって尻尾は最も敏感な部分のひとつだ。他人に触ら
れるのはかなり嫌がる。正博自身もそれを理解しているので、あまりシロの尻尾に触る
ことはない。しかし、今は特別である。
 右手で尻尾を撫でながら、正博は小声で訪ねた。

「尻尾触られるのはやっぱり嫌かな?」
「あ、え……ご主人様が触りたいなら……」

 尻尾を動かしながら、シロが答える。逃げるように動いていた尻尾が大人しくなった。
右手で尻尾を握り、丁寧に手の平を走らせる。髪の毛とは少し違う尻尾の毛の手触り。
尻尾を往復する刺激に、背筋を硬くしていた。
 頬がほんのり赤く染まっている。
 正博の左手は優しくシロの頭を撫でていた。
 指先で白い猫耳の縁をなぞる。

「ん……」

 シロの喉から小さな呻きがこぼれた。目隠しをされているため、それ以外の感覚が鋭
くなっているのだろう。正博は指先で猫耳を摘み、揉みほぐす。

「ご主人、様……」

 顎を少し持ち上げ、シロが息を吐いた。
 正博は尻尾を撫でていた手を放す。名残惜しそうに動いている二本の白い尻尾を眺
めながら、尻尾の付け根を指先で軽く叩いた。

「ゥなァっ!」
673猫が恩返し 2/6:2009/12/31(木) 23:26:41 ID:FiYTYsyJ
 シロの口から放たれる猫のような声。時折口にする猫のような声は人間の声真似の
ようだが、この声は猫そのものの鳴き声だった。

「ご主人様、そこは……!」
「弱いんだろ?」

 口端を持ち上げながら、正博は指先で尻尾の付け根をとんとんと軽く叩く。叩かれる
たびに、身体が反応していた。白い尻尾が左右に揺れ、白い猫耳が跳ねる。

「なあっ、うにゃぁ……!」

 シロが文字通り猫のような声を上げた。
 猫耳を触っていた左手を下ろし、右手と一緒に尻尾の付け根を攻める。

「なぁぅぁぅ……。ご主人様ッ……そこは……にゃあぁぁ」

 首を左右に動かし甘い悲鳴を上げながら、シロは正博の手から逃れるように身体を
捩らせている。しかし、手も足も枷で拘束されていて、正博の両手が身体を抱きしめて
いるため、逃げることはできない。
 シロは正博の攻めを無抵抗に受け入れることしかできなかった。

「なぁッ! 待って下さい……! うにゃぁ」

 甘い吐息と鳴き声を漏らしながら、指の動きを甘受する。
 三十秒ほど尻尾の根元を弄ってから、正博は手を止めた。

「あ……ぅ……」

 赤く染まった頬と、上がった呼吸。胸が前後に動いている。
 正博はシロの身体を持ち上げた。思いの外軽い身体。そのまま、こたつにうつ伏せで
上半身を乗せる。両手腕を動かして体勢を直そうとしているが、枷によって拘束された
身体は思うように動かない。
 正博は音もなく右手を動かし、尻尾の付け根に触れた。

「うにゃ!」

 シロが尻尾と猫耳を立てる。
 だが、構わず正博は尻尾の付け根を手で撫でる。

「どう、シロ。気持ちいい?」
「あっ、ご主人様……。なあぁっ、付け根ばっかり、んにゃぁ、弄らないで下さい……。な
ああッ、にゃぁ。わたし、おかしくなっちゃいます……!」
674猫が恩返し 3/6:2009/12/31(木) 23:27:11 ID:FiYTYsyJ
 身体を捩りながら、シロが顔を向けてきた。しかし、目隠しをされているため、正博の
顔を見ることはできない。不安げに白い眉が傾いている。
 口元の笑みを左手で隠しつつ、正博は平静を装って答えた。

「お仕置きしてって言ったの、シロじゃないか」
「そうですけど……ンにゃ!」

 シロが身体を硬直させる。
 正博の両手が尻尾を掴んでいた。両手で包み込むように尻尾のうちの一本を掴み、
上下に扱くように撫でる。手を動かすたびに、硬い毛が痺れるような感覚を送ってきた。
 さらに、正博はもう一本の尻尾を器用に口に咥える。シロの身体が一瞬動きを止めた。
だが、それには構わず、前歯を動かし何度も甘噛みを繰り返す。

「ん、あっ……尻尾、ダメです……。んんっ」

 逃げるように身体を動かしながら、シロが甘い声を漏らしていた。声では否定している
のに、尻尾はさらなる刺激を求めるように動いてる。
 正博は尻尾を弄っていた右手を放し、シロの猫耳を摘んだ。

「にッ」

 身体が一瞬固まる。
 当たり前であるが、耳も動物にとっては敏感な器官だ。いきなり触られることは嫌がる。
正博も普段はできるだけ猫耳には触らないようにしていた。
 しかし、今は遠慮することもない。
 くにくにと三角形の猫耳を弄りながら、二本の尻尾を口と右手で攻める。

「やっぱりいいなぁ、シロの耳は」
「ご主人様……あっ。そんなに、んっ、焦らさないで下さい……!」

 切なげに、シロが言ってくる。今までずっと尻尾と猫耳を触られているだけで、他の場
所には手を出していない。それがもどかしいのだろう。
 しかし、正博は構わず視線を移した。
 猫又。尻尾が二本に分かれているから猫又と言われる。先端だけが別れていたり、
根元から分かれていたりと種類はあるとシロは言っていた。だが、どれも変わらぬ猫又
らしい。シロは尻尾の根元から二股に分かれている。

「もしかして……」

 尻尾の分かれ目に右手の指を触れさせた。
 声もなく、シロの全身が硬直する。
 尻尾の分かれ目を指先で触れる程度に撫でながら、正博は声を掛けた。

「ここ、弱い?」
「………」
675猫が恩返し 4/6:2009/12/31(木) 23:27:32 ID:FiYTYsyJ
 震えながらきつく唇を閉じ、シロは首を微かに左右に動かす。緊張に猫耳と尻尾がぴ
んと立っていた。否定したいようだが、全く否定にはなっていない。
 正博は分かれ目から指を放す。ついでに、両手と口を放した。

「うにゃぁ……」

 全身から力を抜くシロ。背中を上下させるほど深い呼吸を繰り返しながら、猫耳と尻
尾を垂らしていた。目隠しされた顔を正博へと向けながら、

「あ、あの……ご主人様……」

 ぽんと、尻尾の付け根に右手を乗せる。
 シロの肩が跳ねた。やはり、ここは敏感な部分らしい。

「んん、んッ!」

 四本の指を動かして尻尾の付け根をくすぐると、シロが辛そうに身体をよじっている。
だが、頬は赤く染まり、呼吸も乱れていた。全身がうっすらと汗ばんでいる。
 しかし、正博は何事もなかったかのように問い返してた。

「何だい?」
「あの……。んんっ、尻尾と耳だけじゃなくて、あっ……他も触って下さい……」

 苦しげなシロの頼み。さきほどから、尻尾と猫耳しか触っていない。既に発情している
シロにとっては、ひたすら焦らされているようなものだ。それは辛いだろう。
 だが、正博はあっさりと告げた。尻尾の付け根をくすぐりながら。

「却下」
「ご主人様ぁ……」

 悲しげなシロの声。他の部分も疼いているのだろう。両手を動かそうとするも手枷に
阻まれ動けず、太股を摺り合わせようとするも、足枷に阻まれそれもままらない。
 全身が快楽を求めているのが、手に取るように分かった。

「これは、お仕置きだから、今日は耳と尻尾しか触らないよ」

 正博はシロの頬に左手を触れさせる。

「酷いですよォ……」
「お仕置きしてって言ったのは、シロじゃないか」

 かぷ、と。

 猫耳を口に含んだ。
676猫が恩返し 5/6:2009/12/31(木) 23:27:56 ID:FiYTYsyJ
「んっ……!」

 シロが声を呑み込む。
 正博は尻尾の付け根から手を放し、右手で尻尾の根元を緩く掴んだ。そのまま尻尾
の裏側を引っ掻くように、人差し指と中指を動かす。

「んにゃあぁ! ご、ご主人様っ……。耳と尻尾が、んんっ……おかしいです、よ」

 ぱたぱたと激しく動いている尻尾。尻尾は根元の方が敏感らしい。人間として発情し
た状態では、立派な性感帯として機能している。

「このまま、耳と尻尾だけでイケるように、調教でもしてみる?」

 猫耳を口に含んだまま、正博はそう問いかけた。

「あっ、な、何言ってるんですか……! ご主人様は……んあっ」
「案外冗談じゃないかも」

 慌てるシロの台詞に、そんな感想を漏らす。
 正博はシロの猫耳から口を放し、左腕をシロの肩の下に差し入れた。コタツに突っ伏
していた上半身を持ち上げる。膝立ちの状態で、正博と向き合った。

「にゃ?」
「いくよ」

 正博は静かに告げてる。そして、尻尾を弄っていた指を、尻尾の分かれ目へと触れさ
せた。これから何をされるのかを悟ったらしく、シロが全身を硬直させる。

「ご主人様ッ。それ、ダメ……」

 シロの肩を抱えた左手で猫耳を摘みつつ、正博はにっこりと笑った。拒否したくても、
拒否できないようにするための拘束具である。

「ダメって言われてもやるから」

 正博はシロの唇に自分の唇を重ねた。
 同時に、右手の指で尻尾の分かれ目を撫でる。

「ンン――!」

 シロの身体が跳ねた。
 まるで痙攣するように全身の筋肉を収縮させつつ、背中を仰け反らせる。自分の意志
とは無関係に動いている身体。ぴんと伸びた尻尾の毛は爆ぜるように逆立っていた。

「――!」
677猫が恩返し 6/6:2009/12/31(木) 23:28:20 ID:FiYTYsyJ
 唇が震えている。予想以上に強い絶頂を迎えているようだった。
 爆発する快感に耐えるように、身体をよじりつつ、何度も痙攣する。
 手枷や足枷の鎖が鳴っていた。
 正博はシロの唇から一度自分の唇を放す。

「……んなああぁぁぁッ! ご主人様ッ、わたし、おかしく……あっ、なああっ! うにゃあ
あっ! やめて、やめて下さい、わたし変になっちゃい――」

 悲鳴じみた声を上げるシロの唇を、正博は再び自分の唇で塞いだ。
 絶頂が収まらないシロの咥内へと、舌を差し入れる。その舌に自分の舌を絡めるシロ。
お互いに舌で相手の味を確認するような深い口付け。
 その間も正博の右手はシロの尻尾の分かれ目を指で撫で、擦り、ひっかき、くすぐっ
ている。猫耳を弄る手も止まらない。
 その度にシロは何度も、身体を跳ねさせていた。

「ンンン……!」

 正博はシロと舌を絡ませ合いながら、全身が溶けていくような錯覚を味わっていた。
自分とシロが混じり合ってひとつになっていくような、不思議な感覚。
 そうして、どれくらい時間が経っただろうか。
 一分は経っていないはずだが、異様なほど長く感じた時間。

「にゃぁぁ……」

 正博はシロの唇から自分の唇を放し、尻尾を弄っていた右手を放した。猫耳を弄って
いた左手も放し、シロの両目を覆っていた目隠しを取る。

「ご主人様ぁ……」

 黄色い瞳に涙を浮かべながら、シロが見つめてきた。真っ赤に染まった頬と、乱れた
呼吸、凍えたように震える身体、猫耳と尻尾を垂らしている。

「酷いですよぉ」
「お仕置きだからね」

 悪戯っぽく笑ってから、正博は再びシロの唇に自分の唇を重ねた。
678名無しさん@ピンキー:2009/12/31(木) 23:28:44 ID:FiYTYsyJ
以上です

何とか年内に間に合った…
679名無しさん@ピンキー:2010/01/01(金) 01:20:33 ID:UTdogbWd
>>678、明けましてGJでございます。
ギリギリ年内ですね…有言実行、お見事。


…こんな日のこんな時間に…何やってんだろ俺…
680名無しさん@ピンキー:2010/01/01(金) 18:23:07 ID:Zel4q2NS
焦らしgj
尻尾開発期待
681名無しさん@ピンキー:2010/01/04(月) 01:25:36 ID:R+3ei/+/
東京に帰ってきた

   _、_
 ( ,_ノ` )      n
 ̄     \    ( E) グッジョブ!!
フ     /ヽ ヽ_//
682名無しさん@ピンキー:2010/01/04(月) 22:52:14 ID:gvKJgv8O
GJ!
683名無しさん@ピンキー:2010/01/08(金) 22:58:42 ID:ua3EHqkO
gj!
684名無しさん@ピンキー:2010/01/08(金) 23:45:48 ID:v+pgAgXH
狐耳巫女とキャッキャウフフしたい
685名無しさん@ピンキー:2010/01/10(日) 00:30:59 ID:SOgiiSiT
ここは動物擬人化は駄目ですかね?
妖狐とか獣人やらの設定じゃなきゃ駄目ですかね?
686名無しさん@ピンキー:2010/01/10(日) 00:41:57 ID:f00C9T1J
>>685
「なんかよく分からないけど、ふしぎパワーで動物が人間になっちゃったー」
ってのなら別にいいとオモ
不思議パワーは、長寿だからとか大事にされて恩返しとか適当にw
687名無しさん@ピンキー:2010/01/10(日) 01:10:01 ID:SOgiiSiT
動物擬人ではないけど
ただ人間に犬耳猫耳狐耳を生やしただけで獣人って設定のキャラでもいいの?
688名無しさん@ピンキー:2010/01/10(日) 11:20:41 ID:Aut7La02
>>687
特にだめな理由はないけど、獣耳が性感帯とか獣人ならではのシチュやプレイが入ってると俺が喜ぶ。
689名無しさん@ピンキー:2010/01/10(日) 12:28:14 ID:T/8/CYyp
>>687
耳や尻尾をねちっこくねぶってくれると
俺は喜ぶ
690名無しさん@ピンキー:2010/01/10(日) 20:54:15 ID:JnScvbHb
>>687
とりあえず書いてみよう、話はそれからだ。

自分は正直、人外娘で萌えるか抜けるかすれば問題ないと思う。
691アミガメ:2010/01/11(月) 21:24:10 ID:8Fyd+E6I
続編、7レスほど投下します。
今回エロに初挑戦なので、指摘などありましたら是非。
692名無しさん@ピンキー:2010/01/11(月) 21:25:19 ID:e6IDeoHk
キタ━━(゚∀゚)⌒Y⌒(。A。)⌒Y⌒(゚∀゚)⌒Y⌒(。A。)⌒Y⌒(゚∀゚)━━!!!
693アミガメ 2 1/7:2010/01/11(月) 21:25:57 ID:8Fyd+E6I
 早いもので、アミが人になってからもう一ヶ月が過ぎた。
あの日は、翌日起きたら亀に戻ってるんじゃないか、という不安もあったけど、
そんなことはなく、俺は今日も台所から漂ってくる味噌汁の香りで目が覚める。

「…おはよ」
「ああ、おはよう」
 洗面所で顔を洗ったりヒゲを剃ったり、身嗜みを整えてから食卓につく。
その辺はちゃんとするように、とアミに注意されたのだ。
亀の頃から、アミに触っても手を洗わずに食事したりしていたのが気がかりだったとか。
※亀はサルモネラ菌を持っているので、触ったらきちんと手を洗うべし。
「じゃ、いただきます」
「…めしあがれ」
 朝食を抜くこともあった俺が規則正しい生活を送れるのは、この世話焼き女房のおかげだよ。
女房って言っても、アミに戸籍があるはずもなく、正式な結婚はできないのが悩みなんだけどな。

「やっぱり美味いな、アミの卵焼き」
「…ありがと……」
 アミの料理は今まで一ヶ月、全部もれなく美味かった。俺のお気に入りは卵焼き。
野菜系が多めで、肉や油ものはやや少なめ。その辺りは亀だったからか。
栄養バランスもよく考えられている。最近疲れが翌日まで残らないのはそのおかげだろう。
そもそも、どうして料理ができるのかが疑問だったので聞いてみたら、
「神様ができるようにしてくれた」らしい。……美味いから別にいいか。

「さて、行くか」
「……」
 無言で曲がったネクタイを直してくれるアミ。本当に、よく気がつくよなあ。
なんて思ってたら、
「ん……」
 目をつぶってこちらに顔を向けてくる。ちなみにここは玄関。
そう、新婚バカップル特有の『行ってきますのキス』というヤツだ。
「あいよ」
 ちゅ。
背中を屈めて、軽くついばむ程度に唇を重ねる。毎日のように要求されるので、もう慣れた。
そのくせ、キスしてやると、求めた当人は頬をほんのり赤く染めるんだ。
「それじゃ、行ってき」
 そこで言葉が止まる。ぐい、と袖を引かれたから。
振り返ってアミの方を見ると、耳まで真っ赤になって俯いたまま、
「今日…あの……ね」
 消え入りそうな小さな呟きだったが、その意味を理解して俺も顔が熱くなる。
「…わかった、今日は急いで帰る」
 こくり。
今日の俺の仕事はかなり効率的なものになることを、ここに宣言しておこう。
694アミガメ 2 2/7:2010/01/11(月) 21:27:14 ID:8Fyd+E6I

  ――ちょっと小話――

 ところで、アミの年齢について考えてみたんだ。
アミ自身も自分が何歳なのかわからないらしいから、推定してみた。
亀だった頃なら、甲羅の年輪見ればわかったけど…見なかった俺が悪いですかそうですか。
 アミは、俺が小学二年生(8歳)のときに釣ってきた。で今、俺は24歳。
つまり、最低でも16歳は越えている。
じゃあ、釣った時点で何歳だったのか、ということなんだが。
屋台で釣ったときのだいたいの大きさ、と……それに対応した年齢は……

結論:ほぼ確実に1歳、もしかすると2歳(推定)。

 したがって、アミは17、8歳ということになった。
…それからというもの、アミを抱く度、胸に若干妙なモヤモヤを感じる。
6、7歳差…それくらい問題ないよな…? アミはむしろ大人っぽいもんな?
そうそう、ミドリガメの寿命は20〜30歳らしい。17、8なら立派なおば(ry

  ――閑話休題――

「亀沼(きぬま)、お前最近料理の盛り付けが上達してるよな」
 食堂で弁当(アミ製)を食べていると、天岡(あまおか)さんにそんなことを言われた。
俺は以前からごくたまーにではあるが弁当を作ってきていて、その見た目は確かに悪かった。
アミは綺麗に詰めてるが、それほど派手な弁当じゃないせいか、俺の自作と思われてるようだ。
「いや、これは俺じゃなくて彼女が作ってくれてるんスよ」
 幸い、他人をイジったりネタを言い触らしたりする人ではないので、正直にバラす。
天岡さんは、俺より2歳年上の先輩。机が近いこともあり、ちょくちょく話をする。
それに、たしか妻子持ちだったはずだ。ちょっとその辺の話を聞いてみたい。
「そうなのか……よかったな」
 案の定あっさりした答えが返ってきたが、一瞬遠い目をしたように見えた。
そういえば天岡さんは以前、重箱入りのやたら派手な弁当を持ってきたことがあったらしい。
今では普通だけど、そんな物を持たせるなんて、この人の奥さんはどんな人なんだか。
「あー、弁当と言えば天岡さんは「やめろ、その話は」
 俺の言葉に素早く反応し、途中で遮る。そんなに追求されたくないことなのか…
「いや、その話じゃなくて。天岡さんの奥さんについて聞いてみたいんスけど」

695アミガメ 2 3/7:2010/01/11(月) 21:28:12 ID:8Fyd+E6I
 すると天岡さんは、弁当をつついていた箸の動きをピタリと止めた。
というより、天岡さん自体の動きが、凍りついたように止まっている。
「…なんかマズいこと聞きました?」
「あー、いや……アイツはなぁ……」
 バツが悪そうにポリポリと頬をかき、俺から目を逸らした。
照れてるのとは違う、と思う。まあ、それほど感情を表に出す人でもないけど。
なんか話しづらそうだし、こっちから話を振ってみるか。
「どんな人なんスか? イイ家のお嬢様だとかって噂も…」
「そんなわけ無いだろう」
「箱入りのご令嬢だからあんな弁当を……え?」
「アイツは令嬢なんかからは最も遠い人種だぞ。はっきり言えば馬鹿だ」
「…バカって…天岡さんがそういう人を奥さんに選ぶとは思えないんスけど」
 この人なら、甲斐甲斐しく家を守ってくれる…そう、アミみたいな人を選びそうなのに。
「俺が選んだんじゃない、アイツが俺の所に転がり込んできたんだ。
 その後はなし崩し式でいつの間にやら……ハァ」
 奥さんとは小さい頃からいつも一緒で、大学生のときに家に押しかけてきたらしい。
天岡さん曰く、「猫のように気まぐれで、アホみたいに能天気」な人だそうだ。
「…そろそろ戻る」
 一通り話すと、天岡さんは早々に昼食を終えて行ってしまった。
俺も仕事に戻ろう。さっさと終わらせて早く帰らなきゃな。


「上がります! お疲れ様でしたっ!」
 午後6時を少し過ぎた頃。俺は仕事を切り上げ、ものすごい勢いで会社を後にした。
課長が書類片手に何か言おうとしたけど、ダッシュで逃走。今日は残業なんかできません。
なにせ、今日はこれから夫婦の営みが待っているんだ。それも、アミからのお誘い。
 アミは無口だけど、自分の意思ははっきり示す。気分が乗らないときは絶対にさせてくれない。
俺も無理させてまでヤりたくないし、毎日するほど盛ってないから別にいいんだけども。
でも、今日は違う。さっきも言ったように、アミは意思をはっきり示す。
しないと言ったら絶対しない。逆に、すると言ったら…?

  * * * *

「はあぁ……ひろしぃ…んっ…」
――こうなる。
 風呂上がりに全裸で待ち構えられて、襲いかからずにいられるはずもない。
自分から求めたときのアミは、ちょっと不自然なくらい積極的だ。
まるで、繋がってないと俺がどこかへ行ってしまうとでも言うかのように。
今も、舌を絡めあっているというよりは、俺の舌がアミに絡め取られている。
「ん…っ……む…」
「………ん…」
 ああ、幸せそうな顔しやがってコイツは。俺はいい加減、息が苦しいよ。
ぴちゃぴちゃ、と舌が絡み合う水音だけが部屋に響く。

696アミガメ 2 4/7:2010/01/11(月) 21:29:11 ID:8Fyd+E6I
「ぷは…アミ、いいか?」
 こくり。
覆いかぶさって、改めてその体を眺める。
元々亀だったからか、髪と眉、睫毛くらいしか毛がない。ゆで卵のようにつるつるの肌だ。
着痩せするのか、胸はやや大きめ…だと思う。そのきれいなお椀型の先端はもう勃っていた。
「アミ…乳首、勃ってる」
「あう……」
 言ってみると、耳まで赤くなってもじもじする。うんうん、やっぱり可愛いな。
まず、左の膨らみをやわやわとほぐすように揉んでやる。
右手は体を支えるのに使っているので、右の乳房は舌で外側からなぞっていく。
アミの胸は弾力があって、手にもっちりと吸い付いてくる。
擬音で表すなら、『もにゅ』って感じだろうか。
「っ、ふ……ん、っっ」
 アミは胸や腹など、前は甲羅に覆われていただろう胴体がかなり敏感だ。
それなりの大きさはあるにも関わらず、胸をいじるとすぐに反応が返ってくる。
口からは小さな声が漏れたけど、それじゃあ俺は満足しない。
それまであえて避けていた薄桃色の頂点を、指でつつき、つまみ、擦る。
同時に、右のそれを唇でねぶり、舌で嘗め、吸い付く。
「あっ、や、あああっ…!」
 アミは声のボリュームを上げ、俺の攻勢から逃れようと全身をよじる。

 なので、手も口も離して攻撃を中断してやった。
「あ、うぁ……え……?」
「どうした?」
 素知らぬ顔…は多分できてない。引き攣って変な顔になってると思う。
「う、うぅ……」
 アミの瞳の中に、羞恥と情欲とが混じり合っているのがはっきりと見て取れた。
と、手が自然と胸を掴む。
うん、やっぱ無理。俺はSにはなりきれないわ。
「はう……あ、んんっ…」
 乳房への愛撫を再開する。乳首はもう、これ以上ないくらい張り詰めていた。
あんまり張ると痛い、って話をどこかで聞いたような気がするので、やさしめに。

 だいぶ盛り上がってきたところで、手をゆっくりと下へ持っていく。
ただし、その行き先は秘所ではなく、お腹から腰にかけての辺り。
その辺の柔らかな手触りが俺は大好きだ。
柔らかいって言っても、下腹のぜい肉とかそういうのじゃない。
むしろアミの腰まわりは、くびれが美しい曲線を描いている。
「アミの体って、柔らかいよな」
「んんっ……」
 表面をなぞるよう指を這わせると、ぶるぶるっと震える。
実際の所はただ撫でたりつついたりしてるだけだけど、胴が敏感なアミには充分な刺激なようだ。

697アミガメ 2 5/7:2010/01/11(月) 21:30:10 ID:8Fyd+E6I
 そうこうしている内に、アミの腰が浮いてきているのに気付く。
喘ぎに合わせてビクビクと動くのを見て、思わず手を伸ばした。
そこは、もうぐっしょりと濡れていた。ちなみに、ここにも毛は生えてない。
「もう濡れてるな…」
「〜ッ!」
 恥ずかしさのあまりの行動なんだろう、アミは顔を両手で覆い隠した。
その姿は、あまりにも扇情的で。
ああ、お前はどこまで俺を興奮させれば気が済むんだ。

「足、開くぞ」
 足側にまわってそう言うと、顔を隠したままでいやいやと首を振る。
もちろん閉じた足に力はなく、簡単に開く。いやよいやよも何とやら…ってか。
そして、既に蜜をとろりと垂らしたそこが露になる。
同時に、鱗に覆われた尻尾も見えてくる。もう見慣れてしまった、亀だった証。
ただ、『お約束』通りとはいかず、性感帯ではない。表面が鱗のせいで感覚が鈍いらしい。
「もうぐちゃぐちゃだな…」
「んぅ……はあぁ……」
 軽く指でなぞるだけで、蜜は糸を引き、アミも甘い吐息を漏らす。
「アミはエッチだよな、こんなに溢れ出させて」
「あっ、ん……い、いじわる…」
 にちゃにちゃ、わざと音がたつように弄りながら、ちょっといぢめてみた。
「これだけ濡れてれば…っと」
 入り口を左手でほぐしつつ、右の中指をゆっくりとアミの中に挿れていく。
膣壁を擦るように指を動かすと、アミの腰が一段と高く跳ね上がった。
指の隙間からは留まることなく蜜が溢れ、尻尾を伝ってシーツに落ちる。
「っああ…あ、あ、あぅ…」
「アミはここ弱いんだよな」
 俺はそう言って指を曲げ、お腹側の壁を擦りあげてやった。
「ひぃっ、ああーーーーっ!」
 アミはたまらず両手を顔から離し、体をくねらせて何とか快感を逃がそうとする。
長く艶やかな黒髪を振り乱して悶えるその姿に、俺の興奮はますます高まった。
「アミ、気持ちいいか?」
「あ、あ、あ…も、もう、ひっ…やめっ、あああ」
「いいぞ、イっちゃって」
 指の動きを激しくしようとすると、アミの手が下りてきて俺の腕を掴んだ。
目で抜いてと訴えかけられて、いったん指を引き抜く。
「はぁ…はぁ……い、一緒にぃ…」
 アミは俺の腕を離すと、震える手で自分の割れ目を開いた。

698アミガメ 2 6/7:2010/01/11(月) 21:30:56 ID:8Fyd+E6I
 情欲に染まった目でそんな風におねだりされて、我慢できる雄がいるか? いや、いない。
俺は再びアミに覆いかぶさると、いきり立ったモノを秘裂にあてがった。
「いくぞ…」
「……ん、来て…」
 すっかりほぐれきった秘所は、俺を根本までつるりと飲み込んだ。
――アミの中はちょうど良い締め付けで、奥へ導くかのようにうねって、暖かくて。
「ふあ、あぁぁあぁ…」
「アミ…動くぞ…」
 愛液をとろとろと溢れさせるそこから、ゆっくりと自身を抜く。
その途中、まわりを包みこむ肉襞が逃がさないとばかりに絡み付いてくる。
正直、気を緩めればすぐに出してしまいそうな程に気持ちいい。
全部出るかどうかまで引きずり出したら、直ぐさま今来た道を引き返す。
「はああぁぁぁ…」
 角度を変え、壁に擦りつけてやると、アミは震えながら恍惚の表情で息を吐いた。
その背中に手をまわして抱き起こし、対面座位にすると、
すぐにアミの両腕が首にまわされ、繋がったまま抱きしめあう形になる。
「あんっ…洋ぃ……深、いぃっ…」
 この体勢だと、ちょうどアミの最奥を俺の先端が小突く。
結合部からは愛液が溢れ続け、下腹部をビショビショに濡らしていく。
腰を揺らして子宮口を刺激してやると、俺を包む襞がさらに激しく蠢いた。
「ア、アミっ…、すご、イイっ」
「あっ、あ、あ、洋っ、ひろしいっ!」
 アミが普段からは想像できない大きな声で俺の名前を呼ぶ。
普段無口なのは、その声を聞くと俺が発情してしまうからだ、そうに違いない。
そんな考えが浮かぶほどに、その嬌声は俺を昂らせる。
もっとアミの声が聞きたい、もっと乱れさせたい。
そう思うと腰の動きは速まり、それに伴って膣壁もより強く締め付けてきた。
腰が離れる度に、下腹部の愛液がいくつもの糸を引き、ぱちゅぱちゅと音をたてる。
「っあ、アミ、俺、もう…っ!」
「ん…っ、来てっ、洋のっ、あうっ」
 最後に、アミを思いきり抱きしめて引き寄せ、腰を密着させた。
「く、うっ」
「あっ、あ、あはぁぁっ…あ、熱いぃぃ…」
 白い奔流が、アミの中へと流れ込んでいく。
俺の先端から熱いものが飛び出す度に、腕の中で柔らかな体が小刻みに震える。
その顔には、目をとろけさせ、だらしなく口を開けた、淫らな悦びの表情が浮かんでいた。
699アミガメ 2 7/7:2010/01/11(月) 21:31:40 ID:8Fyd+E6I

  * * * *

「…じゃ、行ってくる」
 体が重い。腰が痛い。昨日は結局、何回やったのか覚えてない。
それでもいつもの時間に目が覚める。身体がそういう風になってしまっているから。
「疲れてる…?」
「んー…少し怠いけど、大丈夫」
 ずっと一緒にいるから、アミは俺の様子からだいたいの調子を読み取ってくれる。
夜の生活が原因で体調崩すなんてことになったら、旦那の面目丸つぶれだ。
この程度だったら、ちょっと時間が経てばほっといても自然に治るだろう。
「じゃあ……今日は、私が上」

え?
今 な ん て 言 っ た ?
ギギギ、という音がしそうな動きで首を動かし、視線をアミへと向ける。
「…いってらっしゃい」
 笑顔で手を振ってくるアミ。
あー…これは有無を言わさぬパターンだ。もう今日も搾られることは確定。
どうやら、明日も黄色い太陽を拝むことになりそうだ。

<続く>
700アミガメ:2010/01/11(月) 21:37:19 ID:8Fyd+E6I
以上です。
続きモノにしたからには、ちゃんと完結させられるように頑張ります…
701名無しさん@ピンキー:2010/01/11(月) 21:47:12 ID:Q+Uk2CTF
GJ&乙
しっぽは性感帯じゃないのか、残念……だが、付け根なら、付け根ならきっと……!
702名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 18:21:43 ID:lmByH7IG
gj
いいカップルだ。
703名無しさん@ピンキー:2010/01/15(金) 01:04:32 ID:/U7HsB3K
それと、天岡さんの奥さんが気になる。
もしかして、天岡さんの奥さんって・・・・(謎
704名無しさん@ピンキー:2010/01/15(金) 11:15:39 ID:7k8dcpZj
       ┐
      └ ●  /
       _,◆ /
        _, ◆
        ‐― ◆' ̄
        -― ◆ ―
        ― ◆ ―
        ― ◆ ―         すみません。ちょっとGJしますよ〜
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       ― ◆―
        _,◆⌒
        _,◆⌒
           ,◆⌒/
         /  ,◆
           /  ●┐
.             └
705名無しさん@ピンキー:2010/01/18(月) 03:22:30 ID:PcCb/qAu
こんにちは1匹のムカデ
706名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 00:15:56 ID:YQegcxsS
GGXXのザッパかよw 向こうは三匹だけど
707名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 00:18:08 ID:YQegcxsS
しまった…なんでそこでS子や犬や三つ子とのお話につなげられないんだ…orz
708名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 22:10:33 ID:LvlHs6/1
ムカデつながりで、ちょっとネタ投下してもよいですか?
長さのわりにエロくないけど……
709名無しさん@ピンキー:2010/01/20(水) 10:51:31 ID:kQM01JQa
へんじがない ただのしかばねのよう ……なので投下。
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『夫婦神善哉』

 3月頭にしては珍しく風もなく日差しも暖かな、とある午後。
 この安倍乃橋MH事務所の主とその秘書が揃って出かけているため、女子高生バイトの見習い所員である護堂鈴(ごどう・りん)は、いささか暇をもてあましていた。
 一応、電話番を兼ねた留守番役と言えるだろうが、生憎この事務所には、真っ当なルートで依頼が来ることはあまりない。電話帳などにも最低限の広告は載せているはずなのだが……。
 もっとも、所長と秘書兼助手のコンビは、個人レベルでのMH(ミスティック・ハンター)──既知外現象防止家としての実力に関しては関東、いや日本でも有数と言われている。
 そのぶんツテやコネから面倒な仕事が持ち込まれる機会も多いが、報酬も相応なので、事務所の家計が火の車ということはないはずだ……たぶん。先月の給料も残業手当込みでしっかり振り込まれてたし。

 とは言え、あてのない電話をボーッと待つと言うのは限りなく暇だった。
 鈴の相棒である化け猫のジョニーは、早々に見切りをつけて窓から遊びに出かけている。
 鈴としてもそうしたいのは山々だったが、尊敬する秘書(この事務所の金庫番でもある)の女性に、「妾(わらわ)らのおらぬあいだの留守居役、頼んだぞえ」とキレイな笑顔で言われては、いろんな意味で逆らえなかった。
710夫婦神善哉:2010/01/20(水) 10:52:59 ID:kQM01JQa
 「ぬぉっ、まさか、二頭いっぺんにくると言うのか!? クッ、よかろう、この三上勇矢(みかみ・ゆうや)、逃げも隠れもせん!!」
 居間(この事務所は所長達の自宅も兼ねている)の方から漏れ聞こえてくる「客」の罵声に苦笑する。
 「客」といっても事務所の仕事関係ではなく、雇い主の個人的な知己だ。
 本来は彼女の雇い主にとって恩人にして大先輩にあたる存在だそうで、一介の平アルバイトである鈴は話しかけるのにも緊張していたのだが、存外気さくな相手の「ハッハッハッ、もっと気楽に接してくれていいぞ、嬢ちゃん」という言葉に甘えて、親しくさせてもらっている。

 「あらあら、ゲームに夢中みたいね。ん〜、そろそろ夕方だし、お買い物にでも行って来ようかしら」
 お客の片割れである女性が、昭和期の藤子アニメに出てきそうなちょっと懐かしい感じの買い物かごを腕にかけて、現れた。
 「おや、鈴ちゃん」
 「こ、こんにちは、紫苑さん」
 「はい、こんにちは。そうだ! 鈴ちゃんは、今日のお夕飯はコッチで食べていくのかしら?」
 「えーと、そのつもりでしたけど……」
 鈴の家は両親が共働きのため、家に帰ってもひとりで夕飯を食べるハメになる。
 それを知った所長たちは、普段から鈴にここで食べていくように勧め、鈴も喜んでその好意に甘えていた。
 「なら、5人分ね。じゃあお鍋でもしようかしら」
 どうやら客の身で、主に代わって今日の夕飯を作る気満々みたいだ。
 「えっと……よろしいんですか?」
 「ええ、今回の件は青ちゃんたちにずいぶんお世話になったから、そのお礼も兼ねて腕をふるうわ」
 もっとも、私の料理の腕前なんて、葉ちゃんと比べるとタカが知れてるんだけど。だから鍋なんだけどね〜、とペロッと舌を出す女性。
 パッと見、20代半ば位のグラマラスな長身の美人が、そんな表情を浮かべている様は、年下の同性である鈴から見ても妙に愛嬌があって可愛らしかった。
711夫婦神善哉:2010/01/20(水) 10:54:46 ID:kQM01JQa
 彼女の言うとおり、鈴の上司たち──所長の阿倍野橋青月(あべのばし・せいげつ)と、秘書の葛城葉子(かつらぎ・ようこ)は、ここ数日ずいぶんと疲れた様子をしていた。
 ただ、その事件もようやく昨夜でカタがつき、今日は事後処理に奔走しているらしい。
 せめてそれくらい連れて行ってくれても……と思うが、見習いと言うのもおこがましい三免──MHとしての三級免許をとったばかりの鈴がついて行っても、手助けなんてほとんどできないだろう。
 ちなみに、三級免許はMHの実務現場に同行するための最低限の資格で、「MH助手」とも呼ばれている。
 猛勉強の末ようやく先月獲得した、高校生の鈴にとっては初めての「国家資格」だが、あのふたりは鈴のことを妹同然に可愛がっているため、少々過保護なところがある。
 無論、鈴もふたりを兄、姉のように慕ってはいるが、それとこれとは別問題。未だ危険な実務には連れて行ってもらったことがないのが、密かな不満であった。

 「すき焼きか寄せ鍋にしようと思うんだけど、鈴ちゃん、嫌いなものある?」
 軽くも物思いにフケっていた鈴は、目の前の女性、三上紫苑(みかみ・しおん)の言葉であわてて我に返った。
 「あ、いえ、たいていのものは好き嫌いなく食べられます」
 「そう、エラいわねぇ。それに比べて、ウチの人と来たら……」
 ため息をつく紫苑。彼女の連れ合い──居間のゲーム機で巨大モンスターを狩るゲームに熱中している男、勇矢は筋肉質の巨漢なのだが、意外と偏食家らしかった。
 「春菊とかネギとかはわかるけど、玉ねぎも人参もダメなのよ。あと、豚肉もあまり食べないし」
 「そうなんですか!?」
 あの豪快な大男が、それらをちまちま除けて食べるところを想像すると、確かにおかしい。ちょっと和んだ。

 ふと、話が途切れた隙に、鈴はかねてから聞いてみたかったことを思い切って尋ねることにした。
 「えっと……三上さんご夫妻って、そのぅ……」
712夫婦神善哉:2010/01/20(水) 10:55:24 ID:kQM01JQa
 口ごもる鈴の言いたいことがわかったのか、紫苑は軽く微笑んだ。
 「ええ、いわゆる”神様”よ、一応」
 そうなのである。目の前の、ニコニコと人の良さそうな笑みを浮かべている美人若奥様風の女性は、夫共々まがりなりにも八百万の末席に名前を連ねる神のひと柱であった。
 それも、破邪顕正と悪鬼調伏を旨とする武神だ。鈴たちMHを志す者にとっては守り神と言ってもよい。
 もっとも、本人達に言わせれば「運がよかっただけ」らしいが……。
 「おふたりが知り合った時は、どちらも神様じゃなかったんですよね? その……馴れ初めとか聞かせてもらってもいいですか?」
 以前、青月たちからチラと聞いた話では、勇矢は元人間(当時は武士)だが、紫苑の方はいわゆる妖怪変化の類いだったらしい。そのふたりが、どのように出会い、どんな経過を経て愛を育んだのかは、年頃の女の子として大いに興味をそそられた。
 「うーーん、隠すほどのことじゃないけど……」
 今北産業ってワケにもいかないから先にお買い物してくるわね、と妙に現代風の言い回しを残して、夫婦神のかたわれは買い物かごを提げて事務所を出て行ったのだった。

 30分ほどして紫苑が買い物から帰って来た直後に、ちょうど青月たちも戻ってきた。
 客人(しかも神様)に食事の支度をさせてしまったことに恐縮する常識人の葉子と、久しぶりに葉子以外の美女の手料理が食べられるとヒャッホイしている青月。
 念のために言っておくと、このペアも男性が人間、女性が人外である。もっとも、葉子の場合、とある事情から人として育ち、戸籍もしっかり持ってるし、有名短大を優秀な成績で卒業した才媛だったりするのだが。
 神様に平気でおさんどんさせるあたり、青月の器が大きいと見るべきか、あるいは単に何も考えてないだけか……。
 雇い主兼兄代わりの青年の良識と度量に、いささか疑念を抱きつつ、鈴もしばし紫苑が準備した鍋に舌鼓を打つ。
 ちなみに、勇矢のほうは、あれから何とか火竜のつがいを闘技場で倒したものの、ひとつも天鱗が出なかったらしくふて寝していたのだが、ご飯の時間になったら一気に機嫌が回復していた。……本当に神様なのだろうか?

 「あの……それで、おふたりの馴れ初めですけど」
 ひとしきり鍋をつついて満足したのか、鈴が話を蒸し返した。
 「おや、覚えてたのねー。そうね、そこまで言うなら……」
 「紫苑様、鈴はまだ子供ですので、その…あまり生々しい話は……」
 葉子が、止めようとするが、「子供」と言う言葉にカチンときた鈴は、「ぜひ続きを!」と促した。微妙なお年頃というヤツである。
 「あらあら、葉子ちゃんは心配性ねー、ま、そのあたりも考慮してR指定ぐらいで話すわ」

 * * * 
713夫婦神善哉:2010/01/20(水) 10:57:40 ID:kQM01JQa
 人間界では三上紫苑と名乗り、八百万の神としての名は「御祇永智蟲媛命(ミカミナガチムシヒメノミコト)」と呼ばれる存在は、もともとは一介の地妖──大地の霊気が人の意識と呼応して生まれた妖怪に過ぎなかった。
 その本性は、全長三丈八尺(約12m)の大百足である。もっとも、夫と連れ添って以来およそ千年になるが、その姿に戻ったことは数えるほどしかない。
出産すら今の「人」としての姿で行っているため、ややもすると本人ですら「そういえば、私ってムカデの化身だっけ」と失念してたりするのだが。
 ともあれ、「ミカミ」「ムカデ」というキーワードで民話伝承に詳しい人はピンと来たかもしれない。
 そう、有名な「俵藤太のムカデ退治」の話に出てくる、三上山のあの大百足である。となると、勇矢の正体は、当然俵藤太その人というコトになる。
 もっとも、正確には、「彼らの逸話を元に、話に尾ひれがついて、やたらスケールがデカくなったのが、俵藤太こと藤原秀郷の伝説」なのだが。
 そして、例の伝説は、面白おかしく脚色された結果、幾つか事実と食い違っている点もある。
 ひとつは、もともと三上山は紫苑の基となった大百足の故郷であり、彼女はいわば山の主であったこと。
さらに言えば、別段非道な行いで人々を苦しめていたわけでもない。むしろ、地元の民からは、「大地虫様」と敬われていたくらいだ。
(だからと言って、彼女が何か人に益をもたらしたと言うワケでもないが)
 つまり、勇矢(当時は別の名前を名乗っていたが)は、龍神の娘に騙され、彼女らの勢力拡大のお先棒を担がされてたワケだ。
 そして、もうひとつは戦いの勝敗。解釈の仕方にもよるが、純粋な戦闘においては、武士は大百足に敗北していたのだ。

 当時の勇矢は優れた武士ではあったが、三国時代の呂布やのちの源平時代の鎮西八郎のような「万夫不当の勇士」と言える域には達していなかった。
これまた後世の源頼光の如く頼もしい部下がいたわけでもないし、青月の遠いご先祖様である安倍晴明のごとく陰陽の術に長けていたわけでもない。
 美しい娘の涙ながらの懇願(実は演技だったわけだが)に義侠心を刺激され、また自分の腕試し武者修行にもなるからと大百足に戦いを挑んだ、単純な猪武者に過ぎなかった。
 もっとも、ただ己が一身に備わった武の力のみを頼りに、単騎大百足に戦いを挑んだ者としては、異例なほど善戦したことも確かだった。
 軍勢を率いているわけでも、陰陽師や法力僧の加護を受けたわけでもない、ただひとりの若武者に、時には生命の危険さえ感じさせられるほど肉薄されたことに、大百足は驚き、同時に彼に興味を持った。
 普段は人間など食べない(そもそも食べてもさして美味くないし)彼女も、自分に戦いを挑んだ者だけは例外で、見せしめ半分、勇敢な戦士への敬意半分で敗者を喰らうことにしている。
 しかし、目の前で矢尽き、刀折れてもなお、素手で彼女の岩より固い甲殻に殴りかかってくるほどの気迫を持った武士(もののふ)を、このまま死なせるのは少々惜しいという感傷が、いつしか彼女の中に生じていた。

 具足もボロボロになり、両手の拳さえ砕けながらも、なお目だけは死んでいないかの武士に、大百足は人の言葉で問いかけた。
 「なにゆえ、我を討伐しに来たのか」と。
 ここ数年、たて続けに何人もの人間が襲ってきたが、実はどうにも狙われる理由がわからなかったからだ。
 ならば、聞けはよかろうと言われるかもしれないが、これまでの相手は彼女の大きさと強さに半狂乱になるか、ろくに刃を交えもせずに逃げ去るかのいずれかだった。
 恐ろしげな大百足が、人語を、しかも意外と理性的な口調で話しかけてきたことに武士も驚いたが、それでも変なところで律儀な彼は、事の経緯を話した。
714夫婦神善哉:2010/01/20(水) 10:58:31 ID:kQM01JQa
 武士の口から事の次第を聞いた大百足は嘆息した。
 「お主、たばかられたのぅ」と。
 大百足の口から、龍神族のたくらみを聞かされた武士は半信半疑と言った様子だったが、彼女の言うことを頭から嘘だと決めつけるようなこともなかった。
 「我のような化け物の言うことは信じきれぬかえ? ならば、これでどうじゃ?」
 俄かに湧き出た黒煙が大百足を包む。
 何事かと目を見張る武士の目の前で黒煙の塊りはみるみる小さくなり、彼の背丈ほどの大きさで縮小が止まった。
 「ふむ、こんなものかの」
 と、煙の中から美しい声が聞こえたかと思うと、次の瞬間そこには、目を見張るような美女が立っていた。
 黒を主体にした艶やかな袿(うちぎ)一枚をまとい、足元まで流れる髪の毛は赤毛に近い赤褐色。ピョンと2本だけ飛び出た前髪は、触角の名残りか。
 着物と対照的に白い肌は、彼が京で見たどんな女性よりも白く艶めかしい。化粧はしてないようだが、仙女のごとく整った顔(かんばせ)の中で、そこだけ朱を佩いたように紅い唇と、神秘的な紫の瞳が印象的だ。
 背丈は大柄な彼の眉までもあり、この時代の女性としては破格に長身だが、それに見合った豊かな胸や腰つきは女性らしさを十二分にアピールしている。
 包み隠さず言うと、彼の好みにドンピシャストライク、ホールインワン! であった(いや、当時そんな言葉はなかったわけだが)。
 「ホホホ、龍神の娘の色香にたぶらかされたと言うのであれば、今の我の言葉も信じられるのではないかえ?」
 「あ、ああ……」
 ニコリと笑いかけられても、生返事を返すのが精一杯だった。
 「さて、本来、我は我を殺そうとしてきた無謀者には、その愚かさを自らの命をもって教授してやることを常としておるのじゃが……」
 チラと流し目を投げられただけで、武士の心臓の鼓動が数割方跳ね上がった。
 無論、恐怖からではなく、牡として牝の色香に反応して、だ。
 「お主ほど、愚直ながら気持ちのよい戦いっぷりを示した若者をあたら死なすのは惜しい。ゆえに、我と賭けをせぬか?」
 フッと女が息を吹きかけると、たちまち武士の体の傷がふさがった。完治には程遠いが、このままで死に至るということもないだろう。
 「──賭け、とは?」
 と答えつつ、武士の視線は着物の下でたゆんと揺れる彼女の乳房に釘付け。なにせ、サイズがスゴいうえに、布一枚しかまとってないから、モロに動きがわかるのだ。
 「なに、簡単なことよ。先ほどは「武」による戦いでお主が負けたワケじゃが、もう一度、今度はそれ以外の戦いをする機会をお主にやろう。それでお主が勝てば、お主の命は見逃そうぞ」
 成程、賭けの代金は彼の生命。今は彼女に抵当権があるが、賭けに勝ってそれを取り戻せというわけなのだろう。
 「勝負の方法はお主に任せよう。双六でも囲碁でも偏継でもよいぞ。あいにくと投壺(ダーツ)や輪鼓(ヨーヨー)なぞは道具がないが……」
 むしろ、双六盤や碁石があることのほうが驚きだった。
 しかしながら、雅な遊びの類いは彼が苦手とするもの。多少は腕に覚えがある投壺や輪鼓は無理と来たものだ。
 だが、せっかくの生き延びる機会をあきらめる手はない。後世の武士道とは無縁の彼は、生存本能に忠実だった。
 (何かないか……)
 必死で考える彼の頭に奇想天外なアイデアが浮かぶ。
 「……なんでもよいのか?」
 「うむ、この場で簡単にできることならの」
 おもしろがっているような、ムカデが化身した女の言葉に、武士の覚悟が決まる。あるいは、己れの欲望に素直になっただけとも言うが。
715夫婦神善哉:2010/01/20(水) 10:59:10 ID:kQM01JQa
 「勝負は……男女のまぐわい、勝敗の判定は、先にイッた方が負けじゃ!」
 「な!?」
 女に異議を差し挟む隙を与えず、躍りかかる若武者。虚を突かれたのか女が一瞬反応できなかったのをいいことに、あっさり彼女がまとう袿を脱がせてしまう。
 「ちょ……」
 待てと言おうとして、とっさに胸と下腹部を手で隠すムカデの化身。
 この姿は仮初のもの、それにそもそもムカデが裸体に羞恥心なぞ感じるはずもないのだが、なぜかそんな行動に出てしまっていた。
 そして、その微かな恥じらいは、若武者の意欲(性欲?)にとって、まさに火に油を注ぐようなモノだった。
 豊満な女の身体を抱きしめつつ、彼女の唇を奪う。
 「ん! んむッ……」
 女は一瞬だけもがいたものの、唇から伝わる未知の感覚の虜になったのか、すぐにクタリとおとなしくなる。
 実は、ムカデなどの虫妖は人間の唾液が弱点だったりするのだが、この場ではそれがちょうどよい媚薬代わりとなっていた。
 すなわち、ピリピリとした軽い刺激を女に与えると同時に、彼女の体が痺れ、力が入らなくなっていたのだ。
 とは言え、今この場にいる男女はどちらもいっぱいいっぱいなので、そんなコトにまで頭が回っていなかった。
 男の方は、何度か浮かれ女などに手をつけたことはあるものの、さして経験は多くなく、また、これほど己れ好みの美しい女性を抱けるとあって完全に頭に血が上っている。
 女の方は言わずもがな。実は何度か人間に化けてコッソリ人里に忍び込んだことはあるものの、「人間の女性」としての性体験なぞあろうはずもない。
 わずかに聞きかじった耳知識で、「こ、コレが女子の「感じる」という感覚なのか」と思い至りながら、初めて知る「快感」という刺激に、こちらも我を忘れていた。
 胸元に忍び込んで来た若武者の指が、今まで誰にも触れられた事のない柔らかな桜色の頂きをまさぐる。
 宮中の色事に慣れた雅男などとは違う不器用な手つきだったが、逆にその懸命さがよりいっそう愛しさを募らせる。
 これまでの自分を密かに縛っていた孤独と言う名の氷の鎖が、胸の内で燃え上がる暖かな炎に溶かされ、音を立てて剥がれ落ちていくのを、女は感じていた。
 「ま、待って……お願いじゃから……」
 そう半泣きで訴えられてなお強行できるほど、男は鬼畜ではなかった。
 「いや、ココでやめろと言われると、正直男として辛いのだが……」
 それでも、なんとか堪えて動きを止め、腕の中で喘ぐ女の顔を覗き込む。
 「たわけ、この期に及んでやめよとは、我も言わぬわ。ただ……」
 白磁の肌がサッと桃色に染まる。
 「その……我は、初めて故、やさしくしてたもれ?」
 無論、この局面で、そんな可愛らしい言葉を絶世の美女から投げられて、燃え/萌えないヤツがいたら漢(オトコ)じゃない。
 「ひゃんッ!? こ、コラ、じゃから優しくと……あ……アーーーーッッッッ!!!」
 その後、ふたりの「勝負」は丸半日にも及んだという。無論、武士の圧勝だ。
 大百足の化身した女は、完全な敗北を認め、武士に隷従することを申し出たが、武士はそれを拒絶。
 泣き出しそうになる女を抱きしめ、婢女(はしため)ではなく、己れの連れ合い──つまり妻として共に生きることを願ったのだった。

 * * * 
716夫婦神善哉:2010/01/20(水) 11:00:05 ID:kQM01JQa
 「……とまぁ、大体こんなところかしら。それから100年ばかり、この人と一緒に日本各地を回って武者修行がてら、いろいろ悪さをしてる妖しを懲らしめてたら、いつの間にか有名になっちゃってねー」
 「ああ。こいつと夫婦(めおと)になって体重ねることで儂(わし)も半妖化して、仙人のごとき不老不死に近い体質になってたこともぷらすに働いたのか、地元の神社で祀られるようになってな」
 その結果、八百万の神々の一柱として認められ、神籍を得たと言うわけだ。ま、日本には800万とは言わないまでも10000柱を超える「神」がいるし、その中でもペーペーに近い下っ端ではあるのだが。
 ちなみに、勇矢の神名は「御祇弓丈夫尊(ミカミユマスラオノミコト)」。その名のとおり、武芸とりわけ弓や飛び道具に加護を与える武神として知られている。
 「はぁ……ロマンスと言えばロマンスなんですけど……」
 ロマンチックとは程遠いですねぇ、と意気消沈する鈴。
 1000年前から仲の良い夫婦神ということで、恋愛未体験の女の子らしい「夢」を思い描いていたのだろう。
 「そうかのぅ? 妾に言わせれば、十分に浪漫ちっくじゃと思うがの」
 敵味方の立場を超えた愛じゃぞ? と含み笑いする葉子。
 陰陽師に追われていたところを青月の先祖に救われたという前世を持つ彼女には、何やら思うところがあるのかもしれない。
 「しかも、種族の壁すら越えて、ついには永遠の愛を誓う神様にまでなったワケじゃし」
 「ぅわぁ、確かにそう聞くと、一大ロマンスですねぇ」
 「あ〜ん、ふたりとも、恥ずかしいからやめてよ〜」
 かしましい女性陣に比べて、男性ふたりは妙に静かだ。
 「……にしても、半日もよく続きましたね、先輩」
 「あー、若気の至りだな。もっとも、最初がソレだったせいか、しばらくは紫苑の夜の求め方がハンパなくてなぁ」
 よく赤玉出なかったな、儂……と遠い目をする武神の片割れだった。

-FIN-
---------------------------------------
実は、書きかけているオリジナルの退魔物小説(多少えっちぃけど、一応一般向け)のサブキャラ使った番外編。あまりエロくなくて申し訳ない。
三上夫妻の発想の元は、昔、ココの板に掲載された「ムカデ姫」のお話。
ちなみに紫苑の外見は、山本正枝のキャラ・千蟲姫をアダルトにしたような姿を想定(性格の方はデレ状態の向坂環って感じ?)。
 本来の主人公は鈴・青月・葉子で、こちらは某GSマンガに加えて、某三番娘漫画を多少意識してます……って、元ネタ知ってる人が今時どれだけいるんだろう。
好評だったら青月と葉子のラブいちゃシーン(18禁含む)を書くやも。
717名無しさん@ピンキー:2010/01/20(水) 18:33:31 ID:KsqH0IMr
GJ
718名無しさん@ピンキー:2010/01/20(水) 22:32:09 ID:2GbtrkHq
とりあえず乙かれ。

ああ、なんか文量のワリに名前持ちキャラが多かったのは
>オリジナルの退魔物小説
ってことか。
>三上紫苑(みかみ・しおん)
が出てきた時点で脳がウニャとなった。

>好評だったら青月と葉子のラブいちゃシーン(18禁含む)を書くやも

さあ、早く投稿するんだ!
18禁!18禁!
719名無しさん@ピンキー:2010/01/23(土) 16:37:43 ID:3dbgPgLl
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720名無しさん@ピンキー:2010/01/23(土) 19:21:57 ID:7TbmCSOH
黒神二次創作物
舞凪自慰
ふたなり



「あの…ところで…あなたのお名前は…?」
「あ……あなたのような人間に教える名前など…私は持ち合わせておりません…」
舞凪(マナ)はその小さな身体を抱え込むように縮こまりながら、呟くように言った。
「お…おいそんな冗談はいいからさ、ちゃんと自己紹介してくれよ」
慶太(けいた)は軽い口調で舞凪に言ったが、舞凪は身体を抱いたまま
視線をずらし、後ずさっただけだ。
「お…お願いですからもっと離れて下さい!!手が触れるではありませんか!」
「お前そんな言い方ないだろ?これから一緒に暮らしていくってのにさ」
慶太は舞凪の言い方を注意するという格好で、その手をポンと少女の肩に置いた。
ぞわっ……
慶太の置いた手の位置、そこを起点として少女の身体が総毛だった。
「なんで触るんですか!!汚らわしい!!身体が腐ったらどうしてくれるんです!!」
少女は叫びながらバチバチバチッと正掌で慶太の頬を2〜3回、程突っ張った。
紫龍一族の4つの属性である飛龍・地龍・水龍・雷龍の秘伎を統合し誕生した帝龍流。
その奥義を究めた唯一の継承者である舞凪。その突っ張りの威力は横綱力士よりも強力だ。
そのまま吹っ飛び、意識も吹っ飛んだ慶太は気を失った。口から魂らしきものが
昇天しかけているのは気のせいだろうか。
「い…生きてますか慶太さん!!」
「慶太君しっかりして!!」
あまりのできごとにぽかんと口を開け、見ていたクロと茜が慶太に駆け寄った。
「舞凪さん!どうしてこんな酷い事するんです!?今すぐ慶太さんに謝ってください!!」
クロが慶太を介抱しながら声を上げた。
「あ…謝る…?」
身体を頑なに抱き、ビクビクしながら舞凪は言った。
「人間は下品で下等な生き物ですよ?指一本触れられるのもおぞましいです
人間なんかと同じ空気を吸う事すら私には耐えられる自信がありません!!
ですから…私だけの個室を要求します!!これは絶対に譲歩するつもりはありませんわ!!」
721名無しさん@ピンキー:2010/01/23(土) 19:23:22 ID:7TbmCSOH
「ふぅ……」
あれから数日後、佐野 茜の家で2つしかない個室の占有権を
取得した舞凪は椅子に腰掛けた。
時刻は昼をまわった頃だろうか、茜は仕事へ行き、夜遅くに帰ってくると言っていた。
クロと慶太は蒼鷹(そうよう)一族の織慧(おりえ)と共に朝早くから出て行った。
何やらシュンジュクというところへ行くらしい。
今、現在この佐野家にいる者は韓国より来日した山神霊(サンシンリョン)のナムのみ。
それも今は再放送の韓流ドラマに釘付けだ。
(今なら……)
舞凪に出で立ちは少々問題がある。
表情を悟られぬように顔を覆う狐の面に肌着である襦袢に着物。
その着物が問題なのである。
本来、着物という着衣は足元まであり、およそ『走る』という行為を
想定していない作りである。
が、しかし、帝龍流はクロとの戦闘においてみられたように
激しい立ち回りに、間接伎を基調としており相手に組み付く速度、回避が
重視される。結果、舞凪の着物は膝の上でカットされ、女性の股間を
下帯…つまりは褌で覆う大胆な作りになっている。それに付け加え、ニーソックス…
いくら紫龍一族が他部族との接触を断っていたとはいえ、
これを考案した者の卑猥な思案が存分に盛り込まれた事に違いない。逆に言えば、
他部族との接触を断っていたが為に何ら恥じることなく着衣として認められたといえるだろう。
722名無しさん@ピンキー:2010/01/23(土) 19:24:09 ID:7TbmCSOH
「……ん……」
舞凪はそっとその下帯越しに股間に触れた。既にそこは微かな湿り気を帯びている。
「は…く…」
実は、個室を要求した事にはもう一つ、理由があった。
帝龍流の奥義を会得するまでにおよそ物心ついた年齢から4属性の伎を叩き込まれてきた舞凪。
同年代の者はなく、ただ一人で師より与えられる厳しい修練。
ただひたすらに修練を重ねる日々は想像を絶する程のストレスがその精神を蝕む。
そんな折りにふとした事からそのストレスを発散するために興じた事――――――それは自慰であった。
「ん…ふ……くぅ」
下帯の上からかるく秘部をさすり、その花弁のような唇からこもれる吐息。
「ん…んんんっ……」
十分に緩ませた事を悟ると少女は直に秘部に触れ、下帯の紐を解いた。
愛液で濡れた下帯を口にくわえ、すううとその甘美なニオイを鼻孔に満たす。
少女の秘部はその口を閉じ、まだ淡い恥毛すら生えていない年相応の
女性器であった。その淫核にあたる部分に手をかざし、舞凪は唇を噛んだ。
「あはっ…ん…んんんっ…くうううっ!」
舞凪が手を当てた箇所が、ありえないモノがムクムクと顔を上げた。
「はぁ…はぁ…んっ…んふっ…は…はぁ……」
それは男性の性器から睾丸部を取り除いた肉棒であった。
神経が連結しているのか天に向かって反り返り、どくどくと脈を打っている。
紫龍一族の純血者にままある女性でありながらも男性器を持つ、特異な身体。
普段は術式で隠しているが、ここ数日はご無沙汰であった。
本来なら毎日、扱いてその青臭い精を存分に解き放つ事ができるのだが、
新しい環境では、そこの住人の生活を数日、観察する必要がある。
もし協力を求められた者が敵対する部族の者だったら?
味方と言いつつも、その中に間者(スパイ)がいたら?
そして――――――問題なく自慰ができる環境なのか?
723名無しさん@ピンキー:2010/01/23(土) 19:25:24 ID:7TbmCSOH
「が…我慢…できませんわ……た、溜まって……んんっ」
そして一呼吸おくと、隠し持っていたコンドームを被せ、
その繊細な手で軽くしごき、舞凪はピリピリとくる快楽に酔った。
「こ、こんな…淫らな行為……見られるわけにはいけませんもの……くっ」
自らの下着を口に、その匂いを嗅ぎながらの自慰。
そんなものを他人に見られるわけにはいけない。
「あはっ……すぅ…し、刺激的な…んっ…あはっんんっ」
ギチギチに反り返った肉棒から下腹部にかけてチリチリと軽い電が走る、
下腹部にわだかまりを感じ始めた。
「ん…あ…でる…もう…ん…少し」
舞凪はぐっと下帯を噛みながらシュッシュと音が出るほど激しく肉棒を扱き上げた。
圧迫感が最高潮に達する。ぐぐぐっと煮立った精液が手の刺激によって肉棒の中を昇り始める。
「はっ出る…で、出ちゃ…んあ…あはっで、出る」
肉棒の中を精子が駆け上る感覚に舞凪は脳がとろけそうになった。
椅子の上で腰に渾身の力を込め、グッと前のめりの姿勢を取った瞬間、
「あはっあ……んんんうう〜!!」
ぴゅっとその鈴口から透明な汁が飛び出し、
間髪おかずびゅるるるっと白いゼラチン状の塊が飛び出した。
数日、抜いていなかったから結構な量だ。
コンドームの中で混じり合い、ぬるりとした感触が気持ち悪い。
「はっ…は…はぁ…ん、くぅ…ん、んんっ」
しばらくその小振りな尻を振るわせ、余韻に耽っていた舞凪、
途端に来る脱力感を感じ、口に噛んだ下帯をもう一度鼻に押しつけ、嗅いだ。
後はさっさとこのコンドームを処理して……
「ほう……なかなかどうして…
日本の元神霊(もとつみたま)はこうも性倒錯者が多いのかの?」
その声にビクッとして舞凪は後ろを振り返った。
「のう……舞凪?」
そこには韓国の山神霊ナムが立っていた。



やたらと専門用語がでてきて元ネタ知らない方
すうません。
724名無しさん@ピンキー:2010/01/23(土) 20:18:04 ID:nxVyzwQU
マルチ乙
725名無しさん@ピンキー:2010/01/26(火) 21:42:55 ID:dm/B+x4P
東鳩のマルチとかロボ娘って
分類するならここなのかな?
素朴な疑問
726名無しさん@ピンキー:2010/01/26(火) 23:22:15 ID:yKQagTDo
>>4参照
一応ロボ&アンドロイドスレが別にある

まあ見た目がヒトとほとんど変わらないレベルだったら
向こうではあんまり歓迎されないかもしれないが
727名無しさん@ピンキー:2010/01/27(水) 23:00:27 ID:pc3EvYUi
皆さん、もうすぐ節分ですよ。
そろそろ鬼っ娘を迎える準備に取り掛からねば。
728名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 20:20:29 ID:OTUp0t8K
逆に福の神娘で
729名無しさん@ピンキー:2010/01/29(金) 00:01:36 ID:onBUfvkk
エルフ娘の外見って耳が突き出てる以外人間と変わんないから難しいな
730名無しさん@ピンキー:2010/01/29(金) 01:41:26 ID:FqkowZCZ
>>729
エルフの外見の特徴というと、伝統的な所では…
「目がアーモンド形に釣り上がっている」
「耳の先端が尖っている」
と言った所。
日本産エルフの外見はディードが全ての諸悪の根源。
耳はあんなに長くないし、むしろ目の方が特徴的。
瞳孔のあるシルバーグレイみたいな目と言えば良いだろうか?
731名無しさん@ピンキー:2010/01/29(金) 01:56:21 ID:ls0GH4eZ
エルフは専用スレがあるからな。
SSを投下するなら向こうにした方が喜ばれるよ。
732名無しさん@ピンキー:2010/01/29(金) 13:01:33 ID:KjrBJdaZ
いろんなスレがありすぎて何を書いてもスレ違いになりそうだな・・・
733名無しさん@ピンキー:2010/01/29(金) 15:14:48 ID:xeRybFoD
>>732
逆に考えるんだ 
「人外なら、何を書いても大体許容範囲」と考えるんだ 

734名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 01:53:00 ID:BObLhlhA
異星人ネタで
735名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 01:55:35 ID:BObLhlhA
「密猟者」

 傭兵達は背と背を合わせて震えた。怯えの震えだ。部隊の生存者はわずか
しかいない。残りは全て、得体の知れない何かに殺された。今は視界の死角を
減らし、得体の知れない何かを見逃さない体制で安全地帯に逃れるのが目標で
ある。だがしかし、見逃さず見つけたとしてどうするのか。この残りわずか
になった人数で逃げながら追い払えるのか。それよりも残る限りの体力で、
追撃を受ける事を覚悟で逃げる事に専念するべきではなかったか。しかし半
ば本能的に生存者は見張りながらの撤退を続けた。

 諸大国は遠く離れた外国の凄惨な内戦の鎮圧に人手が足りなかった。その足
りない人手を埋める為に傭兵の手を借りる事が決まった。傭兵達は損害を出
しながらも着実に任務を果たして行った。敵は内戦の間に素人から熟練の戦
士へと変わっていた。しかし苦戦はしても敗退は無い。傭兵は契約相手
と世界の期待に応えて任務を果たして行った。
 賊が集結しつつある村に傭兵の部隊の一つが迫った。しかし村に賊の姿は無か
った。代わりにあったのは武器を抱えた死体だった。村には生き残った人間
がいた。生き残った死体のような病人は言った。わけのわからない死に方だ
ったと言った。事実わけがわからなかった。突如として起きた仲間割れ、自
殺、どこからかわからない何かもわからない武器、理解を超えていた。
 部隊は村での任務を終えて立ち去った。襲撃は帰路で起きた。突然アルプ
レヒト隊長が発狂して暴れだした。それを抑えようとしたラーべが同じく発
狂した。殺害を始めた二人をやむなく残りは殺害した。地に伏した死体を遠
巻きに見ながら連絡を取っていた傭兵が同じく狂い出した。思いついた別の
傭兵がそれを突き倒した。まもなく発狂は消えた。立っていた空間に人を狂
わせる何かがあった。生き残った傭兵達はそこを足を速めて去った。フリッ
ツが死んだ。死因は何かわからないが、恐らくは武器による物だった。村の
死体と同じだった。傭兵達は理解した。敵は自分達を次の標的にしていた。
更に一人、更に一人武器で死んだ。生存者は集まって周りを凝視した。敵を
探した。

 移動手段は発狂した隊長たち二人の蛮行で破壊された。救援は要請した。
おそらくはそれが安全地帯まで届けてくれるはずである。発進した方角へと
生存者は警戒しながらの移動を続けた。汗が生存者の肌を伝う。生きている
証だ。警戒するにしても、遅すぎるとあの人を狂わす何かに捕捉される恐れ
があった。動きの向きを一定にしても捉えられる恐れがあった。敵を探しつ
つ傭兵達は救援の来る方へと動く。待望の救援はついに迫った。追伸の要請
で強力な武器で辺りを一掃してまでくれた。快哉を叫んだ生存者達の見守る
前で、救援は炎上墜落した。駆け寄ったミュンツァーを巻き込んで爆発し、
生存者は更に減った。涙が頬を伝った。今までも傭兵は死んできた。だが絶
望は今日が初めてだった。
736名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 01:56:30 ID:BObLhlhA
 「取り乱せば、助かるものも助からなくなる」
 古参兵ダシュナーの低い声が、切れかけた緊張と冷静の糸を確かな強さに
した。
 「誰か見なかったか。何でもいい。撃墜の瞬間に」
 誰も見ていなかった。前兆も何も無い完全な攻撃にダシュナーは低くうな
った。
 「まず、地上にいるとは思えない。さっきのあれだ。生きてるとすれば、
人間並みの小ささでちょっとした戦車並みの頑丈さだ。と言う事は」
 一斉に見上げた。しかし影も形も見えない。
 「もうたくさんだ!!殺しに来い!!殺してやる!!」
 耐え切れなくなったハイネマンが手榴弾を取っては投げ出した。何も無い
空間に、何も無い焼け跡に向かって次々と投げた。手榴弾の尽きた後は更に
銃を乱射した。
 「ハーニッヒ!!グラウェルト!!ハイネマンを止めろ!!クンテは連絡だ」
 その時救援の残骸がひときわ大きく爆発した。衝撃で5人は吹き飛ばされて
倒れた。

 ダシュナーはゆっくりと目を開けた。信じられない光景だった。3人の部下
が不可思議なあの武器で既に死んでいた。生き残ったグラウェルトが丁度
殺された。ダシュナーは見た。グラウェルトの間近の空間になにかが間違い
なくいた。一呼吸置くと飛び上がったダシュナーは銃を連射した。その何か
は、はっきりと倒れた。
 ダシュナーは辺りを見回した。見慣れない、何かがあった。本で読んだラ
イト兄弟以前の飛行研究に使われたグライダーの様な形に見たことも無い機
械が組み合わさっていた。振り返って、何かが倒れた所を見た。ダシュナーは
目を見開いた。空間に色が浮かび上がった。現れたのは奇妙な鎧だった。恐
る恐る近寄ってダシュナーは眺めた。頑丈そうな鎧だった。銃創は、どうや
ら急所を偶然破壊したらしかった。どうみても、尋常の鎧ではなかった。
 ダシュナーは当然の欲求に襲われた。鎧であるからには誰かが着ている。
ダシュナーは中身を見たくなったのである。ダシュナーは鎧のあちこちを
調べた。継ぎ目の様に見えた隙間の周りをいじっていると、金属音とともに
鎧が外れた。息を呑んでダシュナーは鎧を持ち上げた。中身は、女、に似
ていた。兜を外した。緑色の髪と、風変わりな髪飾り、褐色の肌に赤のアイ
シャドウが引いてある。生意気な蛮族への怒りにも、恐怖にも見える表情
が浮かんでいた。美しかった。

 貿易商社の経営者として活躍する彼女の趣味は戦争である。発展途上の
知的生命体を見つけては攻撃を仕掛け、理解不能な技術で相手を翻弄して
嬲り殺しにしていた。彼女の友人の地方法廷長を誘ってまた遊びに出かけ
た。二人は禁じられた遊びに熱中していた。発覚すれば地位を失う事は確
実だった。しかしその危うさが更に二人を燃え上がらせた。そうして訪れ
たのがここだった。
 追い詰めた生物達は爆発に巻き込まれて吹き飛ばされた。気になって地
上に降り立ち、一体づつ様子を見ては殺害した。そこへ予想外の反撃が加
わった。破損するはずがない軍用の強化装甲服の動力が故障し、装甲服は
鉄の棺おけとなった。それをあの生物が開けてしまった。見るからに喧嘩
慣れしていそうな生物だった。驚愕の目で見ていた生物は、刃物を取り出
して服を切り裂いた。
737名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 01:57:25 ID:BObLhlhA
 女、に見えるそれは抵抗してきた。普通の女よりははるかに強い力だが
たやすくねじ伏せた。服の下はまるで女と変わりが無かった。ダシュナー
は押さえ切れなかった。女の唇を奪った。

 胸を揉まれている。押しのけようとするが敵わない。強烈な刺激が走る
。生物は唇を重ねながら片方の手で胸を揉んでいる。顔を背けても相手は
追ってきた。相手の手が揉むのを止めた。離れた手は刃物を握ると、さら
に服を裂いた。

 女の胸の感触はひさしぶりだった。場違いでもあった。死を目前にした
直後の甘美な感覚は、戦地から遠く離れてのそれとは全く比べ物にならな
かった。直前の恐怖と絶望が悦楽を盛り立てた。いつまでも触っていたい
感触だったが、ダシュナーは更に冒険した。女を完全に裸にした。下の毛
はやはり緑色をしていた。聞いた事の無い言葉を女は発した。多くの言語
を理解できなくとも聞いてきたがどれとも合致しない言葉だった。
 (異星人か)
 その想像もダシュナーを思いとどまらせなかった。震える女にダシュナ
ーは突き入れた。

 彼女は苦悶の表情を浮かべ、悲鳴を上げた。恐怖だけではない。痛みが
あった。それも構わずダシュナーは引いて押した。塩梅は文句無しだった。

 気配を感じた。いる。仲間がいる。ダシュナーは彼女を放り出して駆け
出した。横たわった彼女に救出が遅れた友人は平謝りに謝った。

 ダシュナーは逃げた。ひたすらに逃げた。隊長の上司のクネッパーとの
連絡をしようにも機材を取りに帰れない。カンを当てにダシュナーは走っ
た。
 (了)
738名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 03:55:08 ID:kk8Uy7qc
>>735-737
GJ。たった3レスなんだけれども「異星人」というシチュがいいなあ。
>女の胸の感触はひさしぶりだった。
から
>震える女にダシュナーは突き入れた。
の下りが特に好き。

了とは云わずに続編希望。
739名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 14:06:29 ID:Bab/ibwT
>>730
日本産エルフ耳は輸出されて本家のアメやヨーロッパでもデカ耳いるからなぁ
ある意味ディードの影響力はすごいなw
740名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 23:34:19 ID:Gpe/lEWV
>>739
外国産NINJAが形変えて逆輸入されてたりもするし
それが文化じゃないか

>>735-737
GJ
741名無しさん@ピンキー:2010/02/02(火) 10:41:17 ID:Q/086x7c
 

742名無しさん@ピンキー:2010/02/02(火) 16:13:50 ID:VjsTbIo6
なんかプレデターっぽくて好きよん

女 プレデターでぐぐったらクソワロタ
設定でも一応はあるんだなあ
743名無しさん@ピンキー:2010/02/04(木) 21:52:08 ID:e8T8ICxI
昨日は節分でした、というわけで鬼娘ものを。
タイトルは『節分と鬼畜』、8レスです。
7441/8:2010/02/04(木) 21:52:55 ID:e8T8ICxI
 節分。一般的には暦が冬から春へと移る日、またはその前日を指す。
鬼(邪気)に豆(魔滅)をぶつけて払うことにより、一年の無病息災を願う。
 しかしこの現代、家で豆まきをしない人々も増えていることだろう。
世に溢れる邪気もあいまって、そういう意味では鬼は生きやすいのかも知れない。

  * * * *

 既に十一時をまわって街灯もまばらな暗い夜道を、疲れた様子で歩く男。
彼もまた、豆まきなどしてる余裕はない独身男性の一人。
上司に押し付けられた残業をやっとの思いで終わらせ、帰る途中である。

(くっそ……部長のヤロウ、何が「早く帰って鬼をやると娘と約束したんだ」だ!
 オレにとっちゃ、そんなアンタこそ本物の鬼だっつーんだよ!)

 男は心の中で悪態をつきつつ、不機嫌な顔で家路を急ぐ。
今日が節分であることなど、彼にとってはそれこそ何の意味も持たなかった。
……そう、持たないはずだった。

「……んあ? 何だありゃ?」

 男が住む小さなアパートの前に、何やら白いものがあった。
彼はそれに近づいていく――まあ、家に向かっているだけなのだが。
 すると、それは白い上着を着た女だった。
この寒い夜道の端に座り込んで、その女は一人泣いていた。

「おいアンタ、どうしたんだ」

 腕っ節には自信があった男は、不審に思いながらも彼女に声をかけた。
もしもヤバイ事態になっても相手は女、どうにかなるだろうと思ったのだ。

「……!」

 ビクリと肩を震わせ、女は顔を上げる。歳は二十台前半というところだろうか。
泣き腫らしたその目は赤く充血し、黒髪のセミロングもボサボサになっていた。
しかし、そんなことよりも先に男が思ったこと、それは――

(うわ……スゲー美人じゃねえか)
7452/8:2010/02/04(木) 21:53:44 ID:e8T8ICxI

 吊り上がった大きな目に細い柳眉、すっと通った鼻、薄い唇。
それはまさに、男の好み直球ど真ん中ストライクを撃ち抜いた。
 その上、女は今の今まで泣いていたせいで『うるうる』になっており、
男の目にはその美しさは、倍率ドン!さらに倍!な状態で映った。
だからだろうか、次に口をついて出た言葉は、男自身でさえ意外なものだった。

「あ、あのさ、オレの家、このアパートなんだけど……よかったら、来る?」
(っ、何言ってんだオレは! こんなこと言ったらヒかれるに決まってんだろ!)

 しかし、その問いに対する女の答えは、彼にとってさらに予想外なものだった。

「い、行っても、いいの……?」
「え……あ、ああ、アンタがいいならオレは別に」
「ありがとう……」

 男は知るよしもない。彼の目が泳いだほんの一瞬、女が口角を吊り上げたことを。
そして、この数秒のやり取りが原因で彼がこの先どうなるのかを。

  * * * *

 女を家に上げた男は、とりあえず風呂(シャワー)に入れて暖めてやることにした。
普通に考えれば、女が言われるままに知らない男の部屋へ入る時点で変なのだが、
女に一目惚れしておかしなテンションになっている男に、その判断はできなかった。

(なんでオレ、自分で風呂薦めといてこんな緊張してんだ?
 別にあの人がシャワー浴びてんのはそういうアレじゃねえっての!
 だから鎮まれマイサン! お前の出番はねぇから! ……たぶん)

 彼も若い健康な男である。前の彼女と別れてから一年近くはご無沙汰な状態で、
好みの女性と部屋に二人きり、しかも彼女がシャワー中、とくれば仕方ないことだろう。
 そんな調子で男がしばらく悶々としているうちに、女が風呂からあがってきた。
風呂上がりだからだろうか、その顔はうっすら上気し、色っぽい美しさを醸し出している。

「なぁ、どうしてあんなところで泣いてたんだ?
 あ、いや、言いたくないなら別に無理して言わなくても」
「黙れこの下心丸出しの独男。……もう十二時は過ぎたな」
「な……!?」
7463/8:2010/02/04(木) 21:54:22 ID:e8T8ICxI

 男は自分の耳を疑った。
さっきまでのしおらしい雰囲気とはまったく違った女の言動。

「貴様は何かを……ナニを期待して吾を家に招いたのだろう? 違うか?」
「なっ!! なんてこと言ってんだアンタ!?」
「五月蝿い」

 女の口から突如飛び出した言葉に、男は思わず大きな声を出してしまう。
すると、その脳天にとても女性とは思えない力のチョップが落ちてきた。

「〜〜〜〜〜〜!!!」
「大声出しおって。近所迷惑だろうが、この馬鹿が」

 あまりの激痛に悶え転がる男に向かって、理不尽極まりない言動。
いくら容姿が好みとはいえ、これには彼も勘忍袋の緒が切れた。

「だああっ! アンタなんか拾ったオレがバカだった!
 もういい、さっさと出てってくれ!」

 男は片手で頭をさすりながらどうにか上体を起こし、もう一方の手で玄関を指差す。
しかし、女は腕を組み、鼻をフンと鳴らしてそれを拒否した。

「無理だな」
「何ふざけたこと言ってんだ! 出・て・け!」
「たとえ吾が出ていきたくとも無理だ、もう節分は終わったからな」
「ハァ? 節分? だから何だっ……て……」

 男の語気は、尻窄みにどんどん弱くなっていく。
というのも、目の前で女の黒かった髪がみるみる赤く染まっていき、
その髪の下からは天を突く二本の角が生えたからだ。

「これでわかるか? 吾は、貴様ら人間が『鬼』と呼ぶものだ」
「お、鬼……?」
「もう日付は変わった。『呪』に従い、来年の節分までの一年、吾は貴様に取り憑く」
「取り憑く!?」
「最近は躍起になって我々を払おうとする者も少なくなり、過ごしやすくてな。
 しかも、少し猫をかぶって色目を使うだけで貴様のような馬鹿が家に招いてくれる」

 鬼女は悪の組織の女幹部のような、人を蔑む笑みを浮かべ――男を押し倒した。
7474/8:2010/02/04(木) 21:55:07 ID:e8T8ICxI

「な、何しやがる! 放せ!」
「断る」

 男は抜け出そうともがくが、鬼である彼女の力の前では何の意味も無い。
やがて男が脱出を諦めおとなしくなると、彼女は満足げに口を歪める。
そして、両手で男の頬を包み込み、唇を重ねた。

「んむっ……な、何だってんだ!?」
「ふぅ、吾も久しぶりに男を味わいたい、協力しろ」

 実はこの鬼女、かなりの好きモノであり、最初からこれが目的だった。
ちなみに、一年取り憑くというのも人間相手に使うデマカセなのだが、
霊能力者でも退魔師でもない、ただの一般人の男にそんなことがわかるはずもない。

「ふ、ふざけんな、なんでお前なんかと……」
「ほう? 体は正直に反応しているようだが?」

 口では強がってみる男だが、相手は(少なくとも容姿は)好みの女性である。
既に男の股間にはテントが張っており、準備ができていることを示していた。
鬼女が体を押し付け、腿でムスコを刺激する度に男は顔を歪める。

「ふふ、この程度で反応するとはな……よほど溜め込んでいるか、はたまた初物か?」
「ぐっ……るせぇ、テメェなんか、っ……」
「快楽に必死で抗っている、という顔で言っても説得力はないぞ。
 それにだ、どうせこの先一年間、吾と貴様は離れられん。
 貴様、一年ずっと吾の誘いに耐え続けるとでも言うのか?」

 鬼女は激しく前後に動き、自らの体で男のテントを擦りあげる。
服の上からの刺激とはいえ、ここ二週間ほど溜め込んでいた男は敏感になっていた。
その上、豊満な二つの膨らみが胸で潰れる感触も男にやわやわと快感を与えてくる。
 そして、男が限界を迎えようとしたその瞬間――突然鬼女の動きが止まった。
男が何事かと目を開けると、すぐ目の前に鬼女の悪そうな笑顔があった。

「おや、どうしたその残念そうな顔は? 止めて欲しかったのではないのか?」
「う……」
「吾としてはこのまま――と行きたいところだが、そちらが拒むのならばしかたない」

 もちろんこの鬼女、仮に男が拒否したとしてもやめる気などさらさら無い。
それがわかったのか生殺しに耐えられなかったのか、男も抵抗はしなかった。
7485/8:2010/02/04(木) 21:55:38 ID:e8T8ICxI

「……もう、いい。好きに犯せよ」
「ふむ。言い方は気にいらんが、もう吾も我慢の限界だ。よしとしよう」

 鬼女は立ち上がり、服を脱いでいく。
女性らしい丸みを残しながらも、適度に筋肉がついて締まった躯が露になる。
男は何を考えるでもなく、仰向けになったまま彼女の肢体に見惚れていた。

「ふふふ……どうだ?」
「………」
「すっかり呆けおって、気の利いたことぐらい言えんのか。
 まあ、いい。貴様はそこを勃ててさえいれば、吾に文句はない」

 鬼女は男のズボンに手をのばし、ベルトを外していく。
ズボンとパンツを掴むと、モノに引っかからないようにして一気にずり落ろした。

「さて、貴様はどれほどのモノ……を……」

 男のムスコを見るやいなや、鬼女は絶句した。
なぜなら、そこにあったのは凄まじい――まさに人間離れの――巨砲だったからだ。
 この男、人はいいのだが、あまりに巨大なコレのせいで女性と長続きしないのだ。
女たちの別れの言葉が「死にたくない」だったと言えば、その巨大さがわかるだろうか。

「ば、馬鹿な……人間風情がっ、こ、こんな……」
(有り得ない……こんなモノ、鬼の男にもいなかったぞ……だが……)

 鬼女はそのとき、自分の中の牝が疼くのを感じていた。
この女もまた、その性欲の強さ故に鬼の中でも浮いていたのだ。
これまで、人妖問わず多くの男を食い荒らしてきたが、彼女を満足させる者はいなかった。

(もしかすると、コレなら、こやつなら……吾を……)

 目の前にある企画外のコレなら、という期待に、鬼女の体が反応する。
息が荒くなって肌も紅潮し、下の口も涎を垂らし始めた。
彼女は男に跨がると、モノに手を添えて角度を調整し、自らの女に狙いを定める。

「もう、挿れるぞ」
「なっ……いきなりで大丈夫なのかよ」
「むしろ逆だ。今すぐシないと吾はおかしくなりそうだ」
「でもよ……」
「ええい、黙れ!」
「ちょっ、おま――うっ!!」
「んんッ、うっ、くうっ……」
7496/8:2010/02/04(木) 21:56:27 ID:e8T8ICxI

 男の意向などまったく無視で、鬼女は腰を沈めていく。
内臓を押し上げられるような、という比喩があるが、まさにその感覚を――
いや、内臓どころか脳天に至るまでを貫かれるような感覚を彼女は感じていた。
そして同時に、自分がソレの大きさをまだ侮っていたことに気付く。
腰をどうにか落とし終えたときには、男の巨砲は彼女の中を完全に埋め尽くしていた。

「か、はっ……こ、こんな、の、知らな……」
「く、あっ……う……」
「ひあっ!?……ま、また、おっ、きくぅ!?」

 常軌を遥かに逸脱したその大きさに、鬼女は動くこともできずガクガクと震えるだけ。
しかしその震えが男を刺激し、モノはさらにその大きさを増す。
 そんな調子でしばらくつながっていた二人だったが、
やがて鬼女の体からヘナヘナと力が抜け、男の胸へ突っ伏した。

「あ、ああぁ……無、理ぃ、……動け、な、いぃ……」
「………」

 鬼女は既にヘロヘロだが、実際のところ男はまだ挿れただけである。
男は鬼女の腰を掴んで起き上がり、繋がったまま体の上下を入れ替えた。

「ひあっ! や、やめっ……」
「悪い……けど、無理」
「ちょっ、や、ああ゙――――――ッ!!」

  * * * *

「あ゙ぁ……やぁ……も、やらぁ……」
「く……そろそろ……出、るっ」

 男は鬼女の腰をがっちりと掴み、後ろから文字通り『犯して』いた。
 鬼女は男に掴まれた腰だけが上がり、全身をだらりと力なく投げ出している。
虚ろな目からは涙を、だらしなく開いた口からは涎を垂らし、ほとんど動かない。
……実はもう七回戦目、彼女が意識も朦朧として言葉すらまともに出ないのも無理はない。

「うぐっ……で、出るっ!」
「ゔぁ……あ、うぅ……」

 男が七度目の絶頂を迎え、鬼女の中に精を放った。
鬼女は呻き声とともに二、三度小さく震え、また動かなくなる。

「ハァ、ハァ……あー、その……生きてるか?」
「ぅ……ぁ……」

 男が自身を引き抜いて呼びかけると、鬼女は小さな声でかすかに反応を示した。
問い掛けに応える辺り、どうやらかろうじて意識はあるようだ。
さすがに男も限界を迎えたのかベッドに倒れこみ、二人はそのまま眠りに落ちた。
7507/8:2010/02/04(木) 21:57:15 ID:e8T8ICxI

  * * * *

 翌朝、二人はリビングで向かい合っていた。
正座で座る男の前、鬼女が腕を組んで仁王立ちになっている。

「……昨晩はよくもやってくれたな」
「いや、でも元はといえば」
「やかましい」
「ぐぶ!?」

 元々はそっちが襲い掛かってきたんだろ、と男が反論しようとしたところで、
昨晩と同様に凄まじい威力のチョップが彼の脳天を直撃する。

「吾は昨晩、『来年の節分まで取り憑く』と言ったな」
「そうだな」
「あれは嘘だ、本当はいつでも出て行ける」
「あぁ、そうかい」

 頭をさすりながらそっけない返事をする男だが、どこか残念に思っていた。
心ゆくまでヤりきったのも、最後まで相手に意識があったのも初めてだったからだ。

(もしかすると、コイツなら……オレと……)

 彼はいつの間にか、心の奥底でそんな期待を持っていた。

(でもこんな話するってことは、きっと「死にたくないから出てく」なんだろうな。
 しゃーないか、昨日のは自分でもやり過ぎたと思うし――)

「だが、お前にはこれからもしばらく、吾の相手をしてもらう」
「……え?」

 男が呆然としていると、鬼女は男の横に座り、彼の肩に頭を預けてきた。
その頬に朱がさしているのに気付いて、男は不覚にも鬼女をかわいいと思ってしまう。
7518/8:2010/02/04(木) 21:58:10 ID:e8T8ICxI

「……吾を満足させるどころか、あそこまで壊したのはお前だけだ。
 誇るがいい、お前のモノは数多の妖怪よりも凄まじかったぞ」
「あー、そうかい。そりゃ光栄なこって。
 ところでお前、オレのこと『貴様』じゃなくて『お前』って言った?」

 ささいな変化だったが、何となく違和感を感じた男。
指摘された鬼女は、頬を赤くして俯き気味になりながら、ぼそぼそと呟く。

「……吾は、お前の名を知らない。だが、『貴様』では……あー、なんだ……」
「何だよ?」
「いずれ……お、夫となる相手に、あまりに……」
「夫ぉ!?」
「いや、そ、それはだな……わ、忘れろっ!!」
「ぶっ!!」

 鬼女が真っ赤になって放ったビンタは、これまで以上に力が入っていた。
あまりの衝撃に、男の体が宙に浮き上がる。

(こんな奴が嫁とか……オレ、いつまで生きられるかな)

 壁に向かって吹き飛びながら、男は不思議と悪い気はしていなかった。


 そしてこの一年後の節分、男の側から正式にプロポーズし、二人は結婚する。
鬼嫁となった彼女は、最終的に七人の子供の母となるのだが――
それはまだ、先の話。

< 完 >
752名無しさん@ピンキー:2010/02/04(木) 22:02:44 ID:e8T8ICxI
以上です。
こんな鬼嫁、どうですかね?
753名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 04:32:41 ID:yDWt/cvy
鬼嫁www
いいなあ。続きが読みたい!
754名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 09:02:09 ID:g3PUrV1p
GJ!
このスレの鬼っ娘は可愛い娘が多くてニヨニヨしちまうなぁw
755名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 22:55:14 ID:8QAiEck1
>>752
7人とはよくがんばったなw
756名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 13:01:22 ID:2MvGojZy
保守?
757名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 06:32:58 ID:BLoHuydm
バレンタイン向きの妖怪はいないものか
758名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 18:51:27 ID:FXwEQsKL
チョコレートスライムとか?
759名無しさん@ピンキー:2010/02/17(水) 20:47:40 ID:h1t9ZJ7J
美味しそう
760アミガメの人:2010/02/19(金) 01:02:37 ID:znv2wEIz
>>758>>759から
「甘くて食べられるスライム娘(二重の意味で)」
という電波を受信したので書いてみました。
即興なので短め。エロはないです。


『甘々で不定型な彼女』

 ある休日の午後、なんか口が寂しかったオレはつまみを置いた棚を漁っていた。
しかし、そこにあるのは菓子がわりにするには重いものばかり。
柿ピーとかベビースターとか、あると思ったんだけど。
「どれも微妙だな……」
「なにしてるの?」
 顔を上げると、そこには同棲中の彼女がいる。
つやつやとした茶色の肌とストレートの黒髪からはいつもの甘い香りが……
先に言っておくが、断じて性的な意味ではないぞ。
「ああ、なんか軽くつまめるもんないかと思って」
「チョコでも食べる?」
「お、いいな」
 すると、彼女は自らのほっぺたを抓り、そのまま引っ張った。
むにゅ〜……プチッ。
「はい、どーぞ」
 そう言って差し出す手の上には、彼女の肌と同じ色の物体。
プルプルと揺れるそれは、チョコムースのようなチョコプリンのような。
「なんでわざわざ顔から取るかな……お前は〇ンパ〇マンか」
「チョコスライムだよ」
 そう、彼女の正体はRPGその他もろもろでお馴染みのあのゲル状生物だ。
それも、目の前のコイツはチョコレートでできた特殊な個体。
「いや、それは知ってるけどさ……」
 とりあえず、その欠片を受け取って口にほうり込む。
食感はプリンみたいな感じで、味はチョコ(当然だ)。
ちなみに、茶色い肌の部分はミルク、黒い髪の部分はビターらしい。
 最初こそ体内でこの欠片がどーにかなるんじゃないかとビビったもんだが、
今ではなんの抵抗もなく飲み込める。これ食って腹下したこともないし。
761アミガメの人:2010/02/19(金) 01:04:22 ID:znv2wEIz
「ん、甘い。ありがとな」
「お礼なら、ぎゅーってしてくれる方がいいな」
 毎度のことながら、思わず苦笑い。
コイツはなにかと理由をつけては、オレにくっつきたがる。
なぜだか服がチョコで汚れることはないが、やっぱ恥ずかしくはあるわけで。
「……わかったよ。ほれ」
 両手を広げて、さあどうぞ。
まあオレだって嫌じゃないさ、好きな女とくっつくのは。
「えへへ」
ぎゅ。
「あったかい……わたし、溶けちゃいそう」
 頬を朱く染め、満面の笑みでそう呟く。
いわゆるテンプレってやつなわけだが、コイツの場合はマジだ。
「つーか、もう足が崩れ始めてるぞ」
 その下半身はヒトの足の形を失い、二本の棒になりつつある。
このまま放っておくと、いずれ両足がくっついて一本になるだろう。
「え!? あ、ホントだ。すぐ直し――」
ペロッ。
「ひゃうん!?」
 うなじの辺りに舌を這わせると、ビクリと震えて声をあげた。
コイツの体は全部チョコなので、うなじもやっぱり甘い。声色も甘い。
「な、何?」
「ん、ちょっと食べたくなった」
「なら、そう言ってくれればいいのに……」
 そう言うとまた自分の頬を抓り、引っ張る。
むにゅ〜……
「いや、そうじゃなくて」
「へ?」
 ちぎれる前に、その行為をやめさせた。
引っ張るのをやめると、伸びた頬がにゅるにゅると元に戻っていく。
彼女の目が、じゃあどういう意味? と問い掛けてくる。
――オレは答えを言わずに、彼女をそばにあった座布団の上に押し倒した。
「ちょ、これって……」
「いただきます」
「もう……バカぁ (////)」

< 完 >


うん、こんな感じで。
もはやバレンタイン関係無くなってますけども。
762名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 16:00:56 ID:9CnFqY87
>>761
なんとゆーほのぼのカニバリズム…いや、厳密にはちがうかw
GJでした
763名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 23:48:45 ID:jJrbJDFO
次スレは大丈夫?
764名無しさん@ピンキー:2010/02/20(土) 01:49:26 ID:iOxtN3bj
>>761
もうそろそろトリップをつけてくれないかなあ。
765名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 14:04:30 ID:+84/V875
766名無しさん@ピンキー:2010/02/24(水) 01:11:42 ID:9buJXRAL
ベラ様ぁ
767名無しさん@ピンキー