吸血大殲 第26章 殲鬼達の慟哭 夜魔達の哄笑

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511関根杏子:02/05/26 19:54
関根杏子vs三輪坂真言美【青い闇の中で】
>510
 
真言美の反射神経は、思っていた以上のものだったらしい。
獣の速度の一薙ぎを、無様とはいえ避けて見せたのだから。 
更には…… 
 
「ぃぁああ!」 
 
炎の弾丸が、杏子の顔を焼いた。 
ゾーンと化しても、痛覚は変わりなく存在するのだ。 
目玉を焼かれる痛苦に身悶えし、ひたすら再生を願う。


視界が戻った頃には、真言美は鉄パイプを構えていた。 
 
(そんなに私と一緒になるのが嫌なのッ!?) 
 
激情が、一瞬理性を上回った。 
先に倍する早さの跳躍。壁を走り、天井を蹴り、爪を振るって一気に……
 
(……殺した!?) 

振るい終わった瞬間、その恐怖が体を縛った。 
杏子の一撃により、パイプは音も無く斬り飛ばされていた。
が、弾き飛ばされた真言美はゆっくりと体を起こしつつある。 

(良かった、殺してない……) 
 
胸を撫で下ろす杏子。安堵の溜息が漏れる。
死んだ人間が知性を持つゾーンとはなる事は、絶対にない。 
その場合、杏子が欲する真言美ではなく、本能のみに従う獣が誕生することになる。

杏子には、絶対に耐えられない事だ。

(慎重にやらなきゃ……) 
 
軽い傷でいいのだ。それで全ては事足りる。
512三輪坂真言美:02/05/26 19:55
関根杏子vs三輪坂真言美【青い闇の中で】
>511
 
手にした鉄パイプが、殆ど音も立てずに両断された。
衝撃を受け、後ろに吹き飛ばされる真言美。
 
「か……はっ……」
 
下水が受け止めてくれたとはいえ、かなりの衝撃だ。
呼気と一緒に、僅かながら血も口から漏れる。
 
――――痛い、痛いよ。
 
ガクガクと、全身が震える。
痛みが、心の片隅に押し込めていたはずの恐怖を呼び起こしたのだ。
 
だが、その時同時に浮かび上がってきたのは、ある少年の顔。
能力もないのに、ただその総身の覚悟のみで光狩に立ち向かった少年。
 
――――モモ、ちゃん……
 
あきらめない。
負けない。
 
そう、心はまだ折れてない。
だから、まだ戦える。
 
また、素早く辺りを見渡す。
今度は頭よりも少し高い位置。
 
突き出たパイプ。そう、一瞬だけでも真言美の体重を支えられるモノ。
 
MDを操作、選曲は七曲目。
言霊が解き放たれる一瞬前に、先程見つけたパイプに向かって飛びつく。
 
――――モモちゃん!
 
一瞬、少年の事を思う。
彼の勇気を借りられるように、と。
 
「ドキドキレーザー!!」
 
言霊が解放され。
現象が発生する。
 
下水道を覆うかのような青白い雷光が、水面に落ちる。
そして落ちた雷は汚水を伝わり、杏子の全身を激しく灼いた。
513関根杏子:02/05/26 19:55
関根杏子vs三輪坂真言美【青い闇の中で】
>511
 
「ひぎぃぃいぃいいぃいいい!」 

硬直する体。 
体中から上がる煙の匂いを嗅ぎながら、杏子はがっくりと膝を突いた。

人間ならば、間違い無く致命傷となるであろう電圧。 
杏子の異形と化した体はそれにもなんとか耐えた。
が、電撃が引き起こす麻痺まではどうしようもなかった。 
下水の中に座り込み、小さく震える。

「……私、を、こ、ろす、の?」 
 
怯え。 
彼女は最早異形の怪物ではなく、暴力に怯えるウサギでしかなかった。
 
「い、や……」 
 
引き攣った声帯は、泣き声を上げる事など許さない。 
ただ、ぼろぼろと涙が零れ落ちていく。
 
「ころ、さ、ない、で……」
514三輪坂真言美:02/05/26 19:56
関根杏子vs三輪坂真言美【青い闇の中で】
>513
 
閃光の乱舞のあと、ばしゃんと真言美は下水に落ちた。

まだ、ぴりぴりと電気が走る下水から立ち上がり、杏子のもとに向かう。
最大出力の雷を直撃でないとはいえ浴びた彼女は、もはや身体を動かす事すら叶わず、ただ下水の中に座り込んでいる。
その有様は、先程までの異形の怪物と思えないほど、小さく、儚く、哀れだった。
 
「……っ……」
 
MDに伸ばした指が止まる。
 
――――止めを刺さねばいけない事が判っていて、なぜ躊躇うのか?
自問しても、指はやはり動いてくれず、ただ、彼女を見つめるだけ。
 
脳裏には、短いけれど楽しかった、杏子との思い出がリフレインしている。
――――一緒にクレープを食べた事。
―――――好きな男の子の話をした事。
―――――演劇の練習をした事。
―――――放課後の教室でただぼんやりと夕焼けを見ていた事。
 
涙が、出た。
でも、それが訣別のための儀式だったかのように、指はゆっくりとMDの再生ボタンに伸びる……
 

その時。
トン、と誰かに肩を叩かれた。
515関根杏子:02/05/26 19:57
関根杏子vs三輪坂真言美【青い闇の中で】
>514
 
「喧嘩はそのくらいにしときな。お互いにな」 

下水道には場違い極まりない、白いスーツを着た男。
彼は水音も立てず気配も無く、何時の間にか真言美の背後に立っていた。 
真言美の肩に添えられた手に、力はこめられていない。 
だが、一度『その気』になれば肩ごと命を握り潰す力も秘めているのだ。
 
「じょ、う……まなみ、を……」 
 
泣き止み、笑顔を見せる杏子に、白スーツの男は微笑みかける。 
真言美の肩に置かれた指が、彼女の頬を優しく撫でた。

「アンタ、あいつと一緒に来てくれる気は、これっぽっちも無いのかい?」

キリキリと音を立て、男の爪が尖っていく……
516三輪坂真言美:02/05/26 19:57
関根杏子vs三輪坂真言美【青い闇の中で】
>515
 
肩を叩かれた瞬間、真言美は死を覚悟した。
それほど、相手との実力差がある、とわかってしまったのだ。
 
しかし。それでも、あきらめはしない。
きっ、と相手に向き直る。
背後にいたのは、白いスーツの男。
あまりにも場違いなその格好が、男の尋常でなさを物語っている。
 
男の問いかけに、真正面から答える。
簡潔に。しかしはっきりと。
 
「ないです」
 
これで、戦いになるのであれば、そこまで。
そうであったとしても、絶対に自分の心は曲げない。
人間のまま、人の心のまま死んでいってやる。
 
――――覚悟を決めるとは、そういう事だ。
517関根杏子:02/05/26 19:58
関根杏子vs三輪坂真言美【青い闇の中で】
>516
 
「なら、仕方ねぇ。今日の所は諦めろ、杏子」 
 
驚愕の表情を浮かべる杏子に、白いスーツの男は頭を振る。

「今までの経験上、自ら受け入れる人間で無ければ、出来上がるのはただの獣だ。
 それはお前の望みではないんだろう?
 ―――――焦ることはねぇ。俺達にはたっぷり時間があるんだ」 
 
男の言葉に、杏子は震える唇を噛んだ。
下を向いて震える杏子に、男はゆっくりと歩み寄る。 
その背中に隙はなく、開放されたものの、真言美は指を動かせなかった。


杏子を抱き上げて歩き去ろうとする前に、男は一度だけ振り向いた。

「……今はお前等が多数派だ。だが、いつかは俺達が多数派になる。
 その時は、今回とは違う返答が聞きたいな。
 ……杏子は、寂しがり屋だから」

彼の哀しげな瞳は、どうみても人間のそれだった。 
当然といえば当然だ。
彼等の異形の原因となったウイルスも、人の心まで捻じ曲げたわけではない。
その残酷さも、元々人の内に在ったものが表面に現れたに過ぎないのだ。

異形の体が生み出す孤独は、人のままの心を持つ彼らを寂しがらせていた。
だからこそ、杏子はあれほどまでに真言美を求めていたのだった。

「……じゃあ、またな」 
 
男はそういって闇に向かって歩き去った。
抱えられたまま、杏子は見えなくなるまでずっと真言美の姿を見つめていた。 

心に、焼き付けておく為に。
518三輪坂真言美:02/05/26 20:00
関根杏子vs三輪坂真言美【青い闇の中で】
>517
 
――――数日後。放課後の学校。
 
 
「よう、三輪坂。何やってンだ?」
 
頬杖をつきつつ、夕焼け空を見上げている真言美に、声をかける少年。
 
「……あ、モモちゃん」
 
少年の顔を見て、何処かぼんやりと答える真言美。
その様子を見て、はぁ〜っと溜息をつきながら、少年は真言美の手を取る。
 
「え、あ……」
 
「ほら、帰るぞ。今日はクレープ食いに行くんじゃなかったのか?」
 
ぶっきらぼうで、しかも乱暴。
それでも、これが好意からだというのはわかる。
 
「……うん!」
 
笑顔を浮かべて、少年の手を握り返す。
その時、ふと、杏子の言葉が頭をよぎった。
 
『私にも彼氏が出来たんだ。だから、百瀬くんも誘ってダブルデートしよ?』
 
涙が、一筋こぼれた。
 
――――うん、ダブルデート、したかったね。
――――でも。
 
「ばいばい」
 
夕暮れの、誰もいない教室に向かって、呟いた。
別れの言葉を。
 
 
【青い闇の中で Session Closed...】
519三輪坂真言美:02/05/26 20:04
【青い闇の中で】
 
闘争者 三輪坂真言美 関根杏子
使用レス18 
 
>500 >501 >502 >503 >504 >505 >506 >507 >508
>509 >510 >511 >512 >513 >514 >515 >516 >517 >518
  
http://fargaia.hokuto.ac/html/test/read.cgi?bbs=vampbattle&key=1019409630
 
感想などはこちらのアドレスにいただければと思います。
>357 黒岩省吾対カーラ 〜闇と灰の狭間〜
 
 床に剣を突き立て倒れるのを堪えるガウザー。
剣士としての誇りが膝を屈することを拒むのか――――
 
 ガウザーはカーラの方に切っ先を向ける。
一目見れば解る。突きの型だ。
カーラも剣を構えそれを待ち受ける。
 
 ――――光の矢。
 
 カーラの眼にはガウザーの突きはそう映った。
それ程までにガウザーの突きは早い。
 
 ――――首を狙った突きは剣で払った、だが残りは――――避けきれない!?
 
 カーラは反射的に身を捻って庇う。
胸への突きはかすったのみだが――――三番目の突きはカーラの脇腹を大きく切り裂いた。
 
 ガウザーの剣をカーラの血液が染める。
唇を歪めるカーラ――――だが、それだけだ。
 
 浅くない傷だ。常人なら……いや、常人ならずとも傷の痛みに耐えられず絶叫するだろう。
 
 「仕留め損なったな……氷で滑ったか?」
 
 カーラの口調にも変化はない……そして、カーラの剣が閃く。
ガウザーの剣を跳ね上げ、胴を蹴りつける。
効きはしないが氷で滑りカーラから離れた。
 
 『風の咆哮、光の疾走、始源の巨人の大いなる息吹き―――
       ―――万物の根源たるマナよ、稲妻の綱となりて束縛せよ!』
 
 カーラの魔法。ガウザーの身を雷のネットが包み込む。
先ほどとは違い、紫電は消えることなくガウザーの身を苛む。
521ゴキヴリマン:02/05/26 21:42
「以上!」 

決め台詞を叫んだゴキヴリマンの背後で、暴漢がばったりと倒れた。 
 
「き、貴様みたいな変態に公司のエリートであるこの俺が……」
「誰が変態だッ!」 
 
倒れたまま呟く暴漢にジャンピングエルボーを止めに食らわせ、
ゴキヴリマンは再び立ち上がった。 
 
「しかし、一体何者だったんだ?妙な能力を使っていたけど……」 
『地底人だ。ゴキヴリ間の情報網でそんな人間達も居るという話を聞いたことがある」 
 
なんでも知ってるケンヂの相棒、Gの返答。 

「地底人ねぇ……ま、魔法の国があるくらいだからそんな人も居るんだろうな」

若い癖に妙に達観した台詞を呟いたケンヂは、襲われていた少女に歩み寄った。 
が、助けた筈の少女は、何故か泡を噴いて倒れていた。 
 
『G・サイクロンの圏内ではなかったはずだ。外傷も無い。心配はいらんだろう』 
「……心にふかぁい傷跡を残した気がする」 
 
ゴキヴリマン=ケンヂが溜息をついた瞬間、背後から人の怒声が上がった。


【天然戦士Gvsチェルシー・ローレック戦  START!】
>485 >486 >487>488

一度目の驚愕。
距離を置いて撃ち合っていた吸血鬼が原形をとどめない程に弾けた。
だが、弾いたのは銀の銃弾では無い。
(――――――――味方で視界を塞ぐ盾を作りやがった……!!)

二度目の驚愕は一瞬。貫かれた吸血鬼は死んだ。電撃が身体を駆け抜ける。

しかし、そんな自分勝手な驚愕を見届けてくれるお人好しな銃弾等は存在しない。
吸血鬼を貫いた弾丸が勢い削がれずに神速で襲いかかる。
死、

「――――ッ!?」

を覚悟する暇も無く、三度目の驚愕が訪れる。
アイン、なぜ――――

     ――――貴方が死ぬと、玲二が悲しむ――――

玲二? 玲二って、玲二かい? あんた、こんな時にまで玲二のことを――――

直感。稲妻のように頭のなかでそれが閃く。
そう、それがアインとドライの差。

あの日、あの地で決別を決めた。あたしは吾妻玲二と決別を決めた。
ファントム・ドライは吾妻玲二という男がいなくても、生きていけるのだ。
だけどアインは……ファントム・アインは――――
(――――玲二無しでは生きられない……)

これが差。絶大な差。埋められない差。
ドライに取っての玲二は、もはや『絶対』では無くなっているのだ。

……あたしは薄く笑みを浮かべると、自分を庇った少女に語りかける。二度目の驚愕。あれは大きい。

「アイン、あの蜂の巣にされた女。あいつロシアン弾で死にやがった。つーことは、通常弾でもあいつら殺せるってことだ」

銀の銃弾はもう無い。
腰のホルスターに刺さっている二丁のガバメントを引き抜き、両手に持つ。
合計18発。だが、これで仕留めるわけじゃない。こんな豆鉄砲じゃあいつ等は殺れない。

狙いは――――撃ち殺された吸血鬼が持っていたAK。あれなら殺れる。生中継で証明済みだ。

「アイン、あんたはもう使いもんにならねぇ。そこで寝てな」

銃声。二匹の死神に向かって二つの銃口が吠える。
同時、疾走。

(殺ってやる――――アイン……あたしはまだ負けてねぇぞ!!)
>521 天然戦士Gvsチェルシー・ローレック 『黒光旋風』

―――不覚


まさか、街に買い物に出ている間にルリ様を見失ってしまうなんて・・・。
これでは護衛役失格以前に、地上に出てからの気の緩みと言う物も認めざるを得ない。
ルミナ達と一時的に目を離した隙の出来事だったのだが、それでも言い訳は通用しない。
もし、この間にルリ様が公司の刺客に狙われていたら・・・。

『くそっ!見付からねぇぞ!』

地理に詳しいルミナが街中をくまなく探してもコレなのだ。

もしかして・・・ルリ様は。
時は一刻を争う。
私は一瞬、頭に過った嫌な感覚を振り払い、再び街の中を探すことにした。


「ルリ様・・・」

息を切らし、とある公園の目の前を通った瞬間

『きゃああああああ』

この声は!
私は悲鳴が聞こえる場所へと全力で駆け出した。

そこには、なんだか厳ついと言うよりもグロテスクに近いフォルムをした、奇妙な生き物が立っていた。
その姿はもう、目を逸らしたくなるほど嫌な、そう。
私が大嫌いなゴッキーそのものだった。

一瞬立ちくらみを覚えたが、それ所ではない。
走りだし、ルリ様を救出し、そのままゴッキーらしき生物を睨み付ける。

「よくもまぁ・・・公司も奇妙な半獣人を作ってくれたようね」

私は重力の結界を体の周りに張り巡らせた。『何が何でも』素手で触らないように。
かなり能力の消耗は激しいだろうが、そうも言っていられない。
何せ相手はゴッキーなのだ。
もしかしたら、後ろから羽が出てきてぶわわ〜っと空を飛んで襲って来たり
最悪の場合、単独での繁殖も・・・。
考えただけでも気絶しそうだ。
重力の結界に力を注ぎ、防御の面は怠らないよう気をつける。

「ルリ様の害になる者は死んでもらうわよ!!」

飛びあがり、重力波を相手にぶつけた。



・・・ふと思ったのだが、害になるのはルリ様以上に私に、ではないだろうか?
524ゴキヴリマン:02/05/26 21:50
>523 天然戦士Gvsチェルシー・ローレック 『黒光旋風』

公司? 
突如現れた女性の言葉に首を捻るゴキヴリマン。
さっき倒した暴漢がそんなことを言ってたような気が…… 

『どうやら誤解されてしまったようだな、何時もの事だが』 
 
Gの言葉にケンヂは苦笑いする。 
 
(気絶させたのは僕等なんだから、完全に誤解とも言えないんだけどね)

完全に戦闘態勢に入った女性に向かって、両手を上げて敵意の無い事を示す。
が、少しばかり遅かったようだ。 
飛び上がって、何かを投げるようなポーズをする女性。 
 
(……? 何か投げたん、じゃ……ッ!) 
 
次の瞬間、見えない手に捻じ伏せられるように、ゴキヴリマンは地面に押さえつけられた。 
声をあげようにも、肺が押しつぶされて息が出来ない。 
 
『追撃を受けては拙い、まずは逃げるぞ』 
 
(ど、う、や、っ、て……) 
 
勿論、ゴキヴリのごとく。 
地に伏せたまま高速移動して、重力圏内を脱出。 
 
「がはッ、ぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」 
 
必死で呼吸を整えようとする……が、それを安易に許してくれる相手ではないようだった。
>524 天然戦士Gvsチェルシー・ローレック 『黒光旋風』

私は重力波をゴッキーにぶつけ、そのまま完全に潰してしまおうと力を込めた。
重力は徐々にその力を増し、どんどんゴッキーにかかる負荷が大きくなってゆく。
そして後少しという時、いきなりゴッキーは地面に地に伏せ、
わさわさと超高速で手足を動かし、私の作り出した重力圏を突破した。

だが私は、突破された事それ自体よりも、ゴッキーの動きにより大きなショックを受けていた。

………………まさに、ゴッキーそのもの。

とんでもない相手に戦いを挑んでしまった、と少し後悔した。
でもそれはルリ様の為、たとえ私がゴッキーの犠牲になろうとも守らなければならない。
そう私は決意し、地上へと逃亡してきた。


・・・でも、やっぱり嫌よね・・・コレばっかりは


強力な重力圏から突破したゴッキーにダメージが残っているのを確認すると、
すぐさま追い討ちをかける為、大きく飛びあがり拳に重力を収束させ、一気にその拳を・・・・・・。

ぶつけられない。
どう考えても。
やはり、このまま殴るのはどんな事があっても嫌だ。

何故ならば相手はゴッキー。
そのゴッキーを殴ると言う事は触ると言う事とほぼ同一、ゴキブリを触るなんてどう考えてもできない。
確かに、相手は不潔とかそう言うことは無いだろう。
仮にも人型をしていて、理性や知能も十分に備わっている様だ。
だけど、私の体はそれに触れることを条件反射的に拒否してしまう。

ならば。
手に収束させていた重力を解き、そのまま空中から自分の体に重力をかけ、
体重を増加させてそのままゴッキーを踏み潰そうと襲いかかる。
空中で重量が増加した私の体は、徐々に勢いを増し、ものすごい勢いでゴッキーに向かって
落ちて行く。


「ゴキブリは黙って踏み潰されなさい!」

526ゴキヴリマン:02/05/26 21:54
>525 天然戦士Gvsチェルシー・ローレック 『黒光旋風』

「ぬぅわぁああああ!」 


危うい所で落下攻撃をかわすゴキヴリマン。
地面にヒビを入れるその一撃に、おもわず腰が引けてしまう。

直撃されたら、装甲はともかくケンヂがもたない。

『このままでは拙い。反撃だ、ケンヂ』 
(いや、そうは言っても……) 
 
相手がどうやら悪人でなさそうだ(ついでに美人)ということがケンヂに躊躇を与えていた。 
これで怪我でもさせようものなら、ただでさえ悪いゴキヴリマンの評判が地に潜ってしまう。 
 
『G・サイクロンだ。アレならば怪我をさせる心配はない』 
(くそ、それしかないか……) 

「クロ・チャバネ・トビーロ・オー……ワモン・コワモン(同志よ集え)!」

ゴキヴリマンの言葉が終わった途端、森がざわめき始めた。 
黒い何かが、ゆっくりと迫り来る。



             ワサワサワサワサ
        ワサワサワサワサ
 
                  ワサワサワサワサ

>526 天然戦士Gvsチェルシー・ローレック 『黒光旋風』

私の渾身の攻撃は外れてしまった。
しかし、その勢いは十分。
相手を完全に潰してしまえることが出来るほどの威力を持っている事は確認できた。
自分の重力を増加させての攻撃は始めてだったが、意外と使えるようだ。

「・・・次は外さない」

私は辺りの重力をマイナスにし、近くにあったベンチを軽々と持ち上げる。
このベンチを相手に投げ付け、ゴッキーに当る瞬間に強力な重力に切りかえれば
相手を完全に沈黙させる事だってできるはずだ。
私は殆ど重さを失ったベンチを振り上げ、そのまま投げようとした……

その瞬間!!


聞こえた。

得体の知れない何かの足音。


―――それも―――大量に!!

私の体は芯から冷えるような感覚に襲われ、ガタガタと膝から震え出す。
額からは冷汗がだらだらと流れ、鏡で自分の顔を確認しようものならその顔は
まさに蒼白となっている事だろう。

ホントにこの場から逃げ出したい気分になってきた。

得体の知れない生物が私の足元に集まって来る前に近くの電灯に飛びあがり、
黒い絨毯のようになっていく地面に向かって腕を突き出した。
地面が気持ち悪く蠢いているのを見て、具合が悪くなってきたが
そんな事を言っている場合ではない。
あの大群に飲みこまれたが最後、私はある意味社会復帰できなくなるほどの
精神的ダメージを受けてしまう。

拳に集めた重力の塊を放射線状に地面に向かって放つ。
全てのゴッキーを潰してしまう為に。

「ジオ・インパクト!!」
528ゴキヴリマン:02/05/26 21:59
>527 天然戦士Gvsチェルシー・ローレック 『黒光旋風』

『こっちの意図は理解しているようだな。だが、甘い!』 

確かに、後から後から涌いて来るゴキヴリ達に対する攻撃は、焼け石に水のようだった。
熱くなってるGとは別に、ケンヂはこれから起こる悲劇を思ってホロリと涙を零す。 
彼に出来るのは、彼女の精神的外傷が浅くてすむ事を祈るのみ。 
 
「あんまり気は進まないけど、……いけ! G・サイクロン!」 
 
言葉と共に、絨毯と化していたゴキヴリ達が一斉に飛び立った。
無数のゴキヴリがぐるぐると相手の周りを回り、隙あらば取り付いて触覚を攻撃する新・必殺技である。

『よし、今の内にもう一つ、やっておくことがある』 
 
Gは不敵にそう言い放つと、ある程度の数のゴキヴリ達を近くに呼び集めた。 
 
『ゴキヴリ・1to30だ、ケンヂ』 
 
「何をするつもりなんだ、G?」

『平穏無事な幕を用意するのだよ』

>528 天然戦士Gvsチェルシー・ローレック 『黒光旋風』

甘かった。

そうよ。こんな攻撃ですぐになんとかなるようなら、世の中のゴキブリなんて生物は
絶滅してるはずなのよ。
と言うよりもさせてる。私が。

私の放ったジオ・インパクトは黒い地面を一時的に元に戻しはしたのだが、
すぐにまたあの忌々しい生物が集まり出し、地面をどんどん埋めてしまう。。
私のやった事はもう、意味の無い行動と言えた。
これからどうなるのかなー・・・私。

『……いけ! G・サイクロン!』

ゴッキー男がいきなり叫び出した。
一体何が起こると言うのだろう?
今、私が分かるのは、それが恐らく自分にとって物凄く嫌な事だろうという事。

だから私は、自分の周りに重力の結界を作りだして身構えた。
足場にしていた電柱が、強力な重力により増加した私の体重と自重に耐えられなくなり、
そのまま折れることなくまっすぐに潰れてしまう。
この位の結界を作り出せば、いかに生命力の強いゴキブリでもひとたまりも無い、はず。
とりあえずは相手の様子を見ることにする。


―――私の判断は大正解

地面を這っていたゴキブリは一斉に羽ばたき、私の周りをぐるぐると飛び回る。
その情景はヘタなB級ホラーよりもおぞましく、恐ろしい物で、
結界の外はもう別世界となっている。
もし、仮にもしも結界を張っていなかったら・・・。
考えるだけでもぞっとしない。

(あー・・・家に帰りたい)

心の叫びだった。
530ゴキヴリマン:02/05/26 22:03
―――――五分は、経っていないだろう。
現れた時と同様に、潮が引くように一斉に消え去るゴキヴリ達。

日は完全に沈み、月が淡く空にある。 

その中に、一つの影。 
 
羽を広げたゴキヴリマンは、ゆっくりと姿勢を変えた。

ご家庭の黒い流星。 
顔に向かって飛び掛ってくるソレは、全ての存在に平等なる恐怖を与える。

そう、今、必殺の! 
 

        ゴ キ ヴ リ ダ イ ブ !!

>530 天然戦士Gvsチェルシー・ローレック 『黒光旋風』

しばらく結界の中で黙って様子を見ていたが、この技は長い間使用できないようで
空を飛んでいたゴキブリも今では嘘だったの様に居なくなってしまった。
この機会を逃すわけにはいかない。
一気に片をつける為に重力波を再び相手にぶつけようと・・・した瞬間

       
            世界が   静止した


黒い物体、
私の目の前に、
飛んで来る、
得体の知れない、
生物。


それは        『ゴキブリ』


プチ


私の中の何かが飛んでしまい
ただひたすら、無我夢中で殴った。
殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴りまくった。
ヒュン ヒュン
            ‘´ Λ_Λ    Λ_Λ  ゛、
          〃〃 ( ´Д` )   ( ´Д` )ヾヾ
     ヒュン ´ Λ_ ( ) ( Λ_Λ ) ( )_Λ ヾ
         ( ´Д` )   ( ´Д` )  ( ´Д` ) ゛
         ( ) ( )_Λ ) ( Λ ( ) ( ) ヒュン
          ヾヾ ( ´Д` ) ≡ |( ´Д` )  〃
         ヾ  ヾ( ) ( )ー ( ) ( )〃 ∴
          ゛、     / /  | |       ′
                / /   | |      ´
               ./ /     |⌒|
               .\\    | |
               !、_〉   〈_〉



               ズドドドドドドドドドド!!!
                    ゜ヾ´      ″
     マックノーウチ !   =―≡ ̄`:∵∧_∧´‘
          _  Λ_≡―=', (    )∴∵゛、゜¨
        , ≡ ) ( ゜Д゜r⌒)  _/ / ̄    _
      ´∴‘≡く / ∧   | y'⌒  ⌒ ヽ _Λ(  ≡―=‥、,、
     ″″    \/  Λ_|  /    | | ゜Д゜ )`=―≡―∞
     “         ( ゜Дー' |   |ヾノ   //
             =―≡ ̄`:, | ,  | ( ̄=―≒‥,,
         ,゛“=―≡―=',/  ノ )∵`=≡―=
                ∴/´/ / |  | ,'ゞ       マックノーウチ !
              ゛〃/ / / \|  |   ヾ
                /(  |  (  |
               /  |  |  |\ \
              / / |  |   | ヽ/⌒〉
             (_  「 _) (_〈_/
532ゴキヴリマン:02/05/26 22:08
>531 天然戦士Gvsチェルシー・ローレック 『黒光旋風』

猛烈なラッシュを、大きな樹の影から伺う一人の男。


| ヘ ヘ ))
| ;゚ -゚) )) oO(ミガワリタテトイテ、ヨカッタ……
⊂ ノ ))
|/     ブルブルガタガタドキドキ…   

|
| 彡サッ
|
|


そう。
ゴキヴリ・1 to 30。 
ゴキヴリを集めて、ゴキヴリマンと寸分違わぬ分身を作り出す技である。

『メスというのは、やはりどの世界でも恐ろしいのだな……』 
 
Gがしみじみ呟いた。 
 
そして、ラッシュに耐え切れなくなった身代わりが四散する。
ぶわっと。
>532 天然戦士Gvsチェルシー・ローレック 『黒光旋風』

「はぁ・・・はぁ・・・」

ルミナをどついたり、戦闘での攻撃で殴る事はいつもの事なのだが、
ここまで必死になって何かを殴ったのは本当に始めてだった。
息が続かなくなってようやく私のラッシュは停止し、そのまま地面に座り込む。

よく見ると、ゴッキーの姿が少し歪になっている様に見えた。
殴ったのだから形が変わるのはわかるが、なんだか不自然過ぎる。
私は起き上がり、一度軽く殴ってみた。


ぶわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ


ゴッキーの体から大量のゴッキーが飛び出す。

私はそのまま意識を失ってしまった。


 *   *   *

『チェルシーさん』
『おいっ!金髪!』

目が覚めた。
気が付けば家に無事に戻って来れた様だ。
ホントに良かった。

「ルリ様は?」

ルミナにルリ様の安否を問う。

『ルリならまだ寝てるよ。それより何があったんだ?』

私はしばらく黙りこみ・・・口を開いた。

「・・・ゴキブリ」

『はぁ?なんだよそれ?』

ルミナは呆れた顔をする。
だけど、私にはこれ以上無いってほどの強敵だったんだから・・・。
思い出すだけで、背すじがぐうっと寒くなるほど。

私は再び布団を被り、全てを忘れる事にした。

やっぱりゴッキーは嫌いよ!!
天然戦士Gvsチェルシー・ローレック『黒光旋風』のレス纏めよ。

>521>523>524>525>526>527>528>529>530>531>532>533

http://fargaia.hokuto.ac/html/test/read.cgi?bbs=vampbattle&key=1019409630
感想はここによろしくね。

ゴキブリ怖い〜(涙
535吾妻玲二 ◆REIJI2xI :02/05/27 00:15
ウピエルVSファントム
>343
 
 周囲の人々が繰り広げる阿鼻叫喚の地獄、しかしそれは他人事では無い。
 更に三発の.50AE弾を放った時、左腕と右足に衝撃が走る。
 
「―――――!」
 
 銃弾が左腕を引き裂く。パトリオットが着弾の衝撃で手を離れ乾いた音を立てて床を滑る。
 
 次の銃弾は正確に右の脹脛を撃ち抜き、そのまま横転。
 痛みを堪え勢いのまま床を這いずり、下りの階段へと転がり込む。
 そのまま階下へと落ちる様に逃れる、階段のあちこちにぶつけた全身が痛む。
 
――――― クソッ、どうする…… どう戦う!? ―――――
 
 もはや走る事もできない、痛む左腕を庇いつつデザートイーグルのマガジンを交換する。
 
 目に入る壁際の粉末消火器、一体どちらに有利に働く?
 階段の裏側に身を潜ませ、デザートイーグルで消火器に発砲。
 破壊された圧力容器の中から薄いピンク色の粉末が爆発的に飛散し周囲の視界を遮る。
 
 階段の下でシャツを引き裂き出血の酷い右足を縛って止血する。

536孔濤羅 ◆SIDenZTQ :02/05/27 02:35
>479
大振りの一撃。
それは濤羅の胸板を真一文字に切り裂いた。
ただし浅い。
皮膚と肉を裂いたのみ。
 
その斬撃にわずかに遅れ、濤羅は踏み込みつつ倭刀を振り下ろす。
目標を外し動きの止まったエンハウンスの頭蓋を刃は断ち割る、筈だった。
 
投げつけられる殺気の塊。
とっさに濤羅は地を蹴り宙に舞う。
切り下ろさんとした体の勢いをそのまま回転力に変え
弾丸のようにくるくると回りながら。
 
地面を離れた足の下を、黒い何かが通り過ぎて行く。
それは妖気、瘴気としか形容できぬもの。
察知したのは視覚でも聴覚でもなく、内家剣士に備わった内勁だった。
 
頭蓋を割るはずの太刀は狙いがそれ、エンハウンスの肩口を
削いだに過ぎない。
だが濤羅はもはや次の手に移っている。
 
大振りに剣を切り下ろしたために前のめりとなったエンハウンスの背中。
宙に舞った濤羅はそれを見下ろしている。
急な跳躍で高度を稼げず、刺突も斬撃も送る距離は無い。
 
ならば用いるは戴天流の内功掌法。
濤羅は渾身の勁力を左手に集める。
 
回転の勢いと内力とを十分に乗せた「黒手烈震破」は
エンハウンスの背面中央を直撃した。
537クロウ ◆KURou.eM :02/05/27 08:17
確か、あいつの話ではこの辺りだったな。
不死身の――千数百生きて年をとらない女の噂を聞いたことが無いか?

知らない?…まあ良い。ここに手掛かりがあるのは確かだ。

装備は太刀、ハンティングナイフ、拳銃だが
主に使うのは太刀で他はサポート程度だな。
カテゴリはCだな。

出典 : 黒塚/夢枕獏
名前 : クロウ
年齢 : 1000歳以上(記憶があるのは100年ほど)
性別 : 男
職業 : 不明
趣味 : ない
恋人の有無 : 不明
好きな異性のタイプ : 気になるのは黒蜜と呼ばれている女
好きな食べ物 : ない。が、血は必要
最近気になること : 黒蜜と呼ばれている女の居場所
一番苦手なもの : 大蒜の成分などから作られた薬
得意な技 : 愛刀を使った斬撃
一番の決めゼリフ : 「生きていて、その口が動いたら、誰がおまえをそのように
               したかを皆に言え。俺の名を広めておけ。クロウだ」
将来の夢 : 自身の過去を知ること
ここの住人として一言 : 黒蜜と呼ばれている女を知っているか?
ここの仲間たちに一言 : 信用した訳じゃない、利用させてもらうだけだ
ここの名無しに一言 : 特に言う事は無いな
ジャッジ・デス vs ン・ダグバ・ゼバ
 
扉を開く。
これが“作業”になってしまったのは何時からだろう?
 
狩りはとても楽しい。
弱い奴を追い立てて殺すのもいい。
強い奴をじわじわ追い詰めていくのもいい。
でも、これはあくまで遊びだ。
仕事じゃない。
 
少し前から、同じ事ばかりしている。
僕より弱い仲間を潰していく、ゴミ処理だ。
最初の方は、逃げるのが面白くて中々楽しかった。
そして、何度も続けて―――
 
 
飽きた。
 
 
どれも少し弄っただけで壊れてしまう脆い玩具。
反応は、揃って一緒。
つまらない。つまらないな。
 
遊びじゃ無くなっても、僕は続ける。
弱い奴は潰さないといけないんだ。
僕が始める、「究極の闇」には邪魔だから。
 
でも、今回は何かが違った。
扉を開けた瞬間に血の匂いが鼻をつく。
誰か居る。それを確認した途端、何故だかとても嬉しくなった。
心弾ませながら軽い足取りでその影に歩み寄る。
最高の笑顔を顔に貼り付けて。
539如月蘭(M):02/05/27 15:12
生命樹に捧げる協奏曲 〜南武公&操vs如月蘭
Hod ―――目覚めよと我を呼ぶ声あり―――
>262

「いきなりとは、中々のご挨拶だ」

伸ばされた鋼糸は、しかし青年の目の前に作られた半球状の壁に遮られ、
虚しく放射状に広げられていった。

大気の盾が青年の右手の前で円錐状に変化する。
そして、それを纏わせたまま鋼糸の流れを遡って放たれる抜手。

轟!!!

大地に、大穴が穿たれた。
540吾妻玲二 ◆REIJI2xI :02/05/27 16:45
次スレ
 
吸血大殲27夜 ――Lunatic Dance――
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1022485313/
541吾妻玲二 ◆REIJI2xI :02/05/27 17:24
ウピエルvsファントムのレス番中間纏めだ。
 
前スレ、前々スレ纏め。
吸血大殲 25章『Memory Of MoonBlood』
>http://cocoa.2ch.net/charaneta/kako/1021/10211/1021106839/673
 
今スレ
 
>21 >32 >42 >52
 
ウピエルvs吾妻玲二ルート
>218 >311 >343 >535 
 
ツァーレンシュベスタンvsエレン&ドライルート
>90 >263 >299 >300 >301 >310 >339 >485 >486 >487 >488 >522
 
西蔵国(チベット)の奥地、人跡未踏の深山に『血仙蟲』という蟲がいる。
人の身体に巣食うその蟲は宿主に不老不死をもたらすという。
それにより、永劫の時を歩むことになった『無限の住人』。
閑馬永空。

人ならざる者として、独り無限の時を歩む。
流れに逆らい、水面に突き出た杭のように、
己の脇を流れ去る泡沫を見つめ続ける。
その胸中、いかばかりであろうか。

己と共に歩める輩を求め、
閑馬永空は不老不死伝説の残る地を探す。
400年の暗い旅路の果てに辿りついた、僅かな光明。
目指すは伝説の地、「昆侖」。
 
543閑馬永空:02/05/27 18:42
一たび、我らの戦を纏め置く。
 
藤井八雲vs閑馬永空(途中経過)
 
>542 >465 >467 >468 >471 >476 >480
 
一部レス番が前後しているが、この通りに読んで頂きたい。
続きは次スレだ。
>498 チェルシーvsオーフェン

私は瓦礫の中からゆっくりと体を起こす。
回りを確認し、敵を黙視する。

「クスクスクスクス・・・」

笑いが漏れる。何故か半角で。
そして、怒りに震える私の体は金色に輝き、回りの瓦礫を闘気(?)のような
もので吹き飛ばす。
私の体は中に浮き、髪は逆立ち、髪の色は金色・・・ってそれは最初からなのだけれど
兎に角、そんなすごい事になっていた。

「オレは怒ったぞーー!!フ○ーザ!!」

誰よそれ?


『チェルシー・・・』

その声にふと我に返る。
目の前にとても悲しい顔をしたルリ様がいた。

そうだ・・・私はどうしてこんな事をしているのだろう?
いくら変態が現れたからってルリ様をほったらかして戦って・・・何が護衛役なのか。

私の使命はただ一つ。
ルリ様を守る事。

私はルリ様に駆け寄り、力強く抱きしめる。

「申し訳ありませんでした・・・ルリ様」

そして、感動のクライマックス。

・・・と思った刹那



『申し訳ありませんで済むかこのヴォケがあああああ!!』

私はルリ様の強烈なタイガーなアッパーで宙を舞う。
そして、空中に浮かんでいる暇もなくコンボが炸裂。

あの・・・かなり痛いんですけど、ルリ様。

『テメーの所為で死にそうだったんだぞゴルァ!!テメーはクビだクビっ!!』

目の前が暗闇の中、そんな感じの声が聞こえた。

そして、薄れる意識の中で私はこう思った。



       護衛役・・・要らないじゃない・・・。


・・・と。
545オーフェン:02/05/27 21:56
>544 チェルシーvsオーフェン
オーフェン側 エピローグ

・・・あの後。


――――さっきまで気絶していた一見か弱そうな少女が。
鬼と見まがうような怒気を発していた金髪の少女を、すさまじい罵声ともに撲り倒した後―――


俺はなぜか、その少女の護衛としてここに残ることになった。

――――なんでも、あの少女(ルリという名らしい)が希望したからだそうだが――――

まあ、それはさておき。
現在、俺とルリは地上へ脱出しようとしている。

さっきまで俺とこいつがいた公司が、こいつの命を使い。
ロンという化け物を復活させる計画を企てていることを知ってしまったからだ。

そして俺は、ルリを連れて地上へ逃げることにした、地上に行くことはルリの希望でもあったからな。

――――まあ、あの時ことを思い出すとほっておいても平気な気がしたが。

(とりあえず、そろそろ地上が近づいてきたか)

「もう少しで、地上につくぞルリ」

疲れが目に見えているルリを励まし、先に進もうとした瞬間――――








「師兵か!?」

数人の陰兵、そして――――

「ククク・・・バカめ。
我々の計画を事前に察知して、計画の鍵を握る生命の巫女を連れ出したことは、ほめてやるが。
そう簡単に、逃げおおせると思っていたのか・・・!」

一人の男が、闇から現れた。
546オーフェン:02/05/27 21:58
>545 チェルシーvsオーフェン
オーフェン側 エピローグ〜続き〜

「さあ、生命の巫女を渡してもらおうか、裏切り者――――」

陰兵が周りを取り囲み、そして男が一歩前に出る。

「てめえは、確か赤とかいったな。
生憎だが、俺は元々お前等の仲間になった気はねぇんだよ!!」

魔術の構成を編み、赤と対峙する。

「ここでじっとしてろよ、ルリ」

一度ルリの様子を見た後、再び相手に視線を戻す。

「貴様は、光使いと聞いた。
それも相当の能力使いだとな。
この赤の『炎』とくと味わってもらおうか!!」

男の手から火炎が立ち上る。

(なるほど、炎とかをこいつ等は自在に操れるわけか。
となると、あの金髪は重力使いといったところか)

「悪いが、てめえとここで闘うつもりはねぇ。
知ってるか、地上には大量の水が降り注ぐ、『雨』ってもんがあるんだぜ。
さっきから天井から落ちてくる、水滴に気づいてるだろ」

そして、天井に向けて手を掲げる。

「しまった!思いの外、地表近くまで来ていたということか!!」

男が叫び、こちらに向かってこようとする。
だが・・・

「もう遅いぜ!
我は放つ光の白刃!!」

光熱波が天井をぶち破り、地上への道を開く。

「行くぜ、ルリ!」
『はい』

そして、俺とルリは地上へと無事とはいえないが脱出することに成功した。

――――そういえば、あの金髪は今どうしてるかな?


>546 チェルシーvsオーフェン
チェルシー側 エピローグ

『ローレック様。赤の部隊が巫女の保護に失敗したそうです』

仮面を被り、黒い戦闘服を身に纏った陰兵が、膝を付き淡々と状況の
報告を終えた。

私は椅子に座り、その報告を黙って聞いていた。


私はあの忌々しい事件の後、護衛役の任務からは離されたものの、戦闘員として
の実力を買われ、そのまま戦闘部隊長として再スタートを切った。
私の実力は折り紙付き、更には重力と言う他に類を見ない能力のおかげで一気に
A級師兵を超え、管理職の座にまで付く様になっていた。

「まだ巫女は捕まえられないのか・・・」

私が憤りを隠せず、ぎりっと拳を握った。
しばらくその場が沈黙で時が止まった様に静まり返っていたが
そこで、報告役の兵が私のこう言った。

『確かローレック様は巫女様の管理の役職では無いはずでは・・・?』

ムカ

そう、確かに私はこの兵の言う通り巫女のうんぬんとは別の役職についている。
いわばこの仕事は余計な手出し以外の何者でもないのだ。
他の兵の者たちが不思議に思うのは無理は無い。疑問を抱く方が当然なのだ。
だが、私は・・・

「ねぇ・・・巫女がどんな奴だか知ってる?」

『は?』

兵の一人がずれた声で聞き返す。

「いい!?良く聞きなさい!あの女はね・・・!」

そして、私の長いお説教は始まった。
兵には悪いが巫女の話を出されたらもうあの事を思い出す。

あの・・・


めちゃくちゃ痛かったタイガーなアッパーカットを!!
548オーフェン:02/05/27 22:19
チェルシーと俺の闘争のレス番纏めだ。

チェルシーvsオーフェン

>489>490>491>492>493>494>495>496>497>498>499>544>545>546>547

http://fargaia.hokuto.ac/html/test/read.cgi?bbs=vampbattle&key=1019409630
感想はここに頼む。
◆スミレvs水のエル◆『ローラレイ』
途中経過だ。
導入:>278>280>281

闘争:>283>287>291>298>302>307>309>321>325>327
   >330>332>337>341>345
 
決着は―――次スレだ。
550孔濤羅 ◆SIDenZTQ :02/05/27 23:04
エンハウンスvs孔濤羅
 
>27 >28 >29 >31 >36 >38 >43 >44 >48 >110 >147 >479 >536
 
続きは次スレだ。
551遠野志貴 ◆sikiXlKk :02/05/28 00:03
遠野志貴 vs 邑輝一貴(M) 「銀と蒼」 途中経過

・導入 >196>197>198>200>201>202>203

・闘争 >205>275>276>293>322

次スレで必ず決着をつけてやる――秋葉のために。
552サウジーネ(M):02/05/28 01:22
「倫敦大戦祭り」
 
概要&導入
>362 >363

本編
>364>365>366>367>368>369>370>371>372>373>374>375>376>377>378
>379>380>381>382>383>384>385>386>387>388>389>390>391>392>393
>394>395>396>397>398>399>400>401>402>403>404>405>406>407>408
>409>410>411>412>413>414>415>416>417>419>420>421>422>423>424
>425>426>427>428>429>430>431>432>433>434>435>436>437>438>439
>440>441>442>443>444>445>446>447>448>449>450>451>452>453>454
>455>456>457>458>459>460>461>462>463>464>466>469>470>472>473
>474>477>478

エピローグ
>481>482>483
553吾妻玲二 ◆REIJI2xI :02/05/28 01:45
『意思、果つる者の躯』
>335 
 
 壁の穴へと消えた少女を呆然と見送る。
 もう一度自分の体が受けたダメージを確かめる、夢中で動いてきたが肋骨が数本折れて
 いる様だ。 間違い無く巨大な竜の力は本物だ。
 
 彼女の体が宙に舞ったのは目の錯覚だと言うのか? そして冷たい手は……?
 
 自分のこめかみを殴りつけて不穏な思考を断ち切る。
 目の前現実を受け入れろ、今は迷っている時じゃ無い筈だ。
 
 少女の後を追って壁に開いた穴へと身をすべり込ませた。
 
 穴の中は先程より狭い通路が左右に延びていた。
 やはり岩盤がほのかな光りを蓄え最低限の視界を確保しているが、かなり暗い。
 壁際にシスターの姿を見つけ、少し、気まずくなる。
 
「さっきは、その…… 悪かった………… 気が動転していてつい…… 」
 
 彼女は少し顔を赤らめながら―――――。
 
「別に気にしてないわよ」
 
 と言い、にははと笑った。
 いつもの彼女がそこに居る、そう…… 俺の思い過ごしだ。
 その時どこかで微かな水音を聞いた気がした。
 
「水…… 何か有るのか?」
 
 シスターと顔を見合わせると彼女もうなずく。
 彼女はどうだか知らないが、坑道に入ってから一滴の水も口にしていない。
 喉は酷く渇いていた。
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 通路の少し広くなった曲がり角に面して、大きな泉が広がっている。
 深さは判らないが、ちょっとしたプール並みの広さだ……。
 
「凄いな、これは…… 」
 
 水を手で掬い上げ、口に含むと違和感が無いか確かめる。
 意図的に無味無臭の毒でも混ぜていない限りは大丈夫そうだ、ましてこれだけの水量に
 有効なだけの毒を用意してまで、そうそう罠を張るとも思えなかった。
 
「大丈夫みたいだ、少し休んで行こう」
554吾妻玲二 ◆REIJI2xI :02/05/28 02:14
555吾妻玲二 ◆REIJI2xI :02/05/28 02:20
吸血大殲 第26章 殲鬼達の慟哭 夜魔達の哄笑
 
闘争のインデックスだ。
 
>15 ン・ダグバ・ゼバ vs 橋沢育朗(M)
>26 ジャッジ・フィアーvs閑馬永空
>89 ミズー・ビアンカVSオーフェン 「我が身体を焦がせ精霊」
>134 アセルスVS葛葉キョウジ
>190 御神苗優 vs 不死のゾッド 〜魔人 月に吼える
>261 ◆ゴ・ザイン・ダとゴ・ビラン・ギvs仮面ライダーアギト&G3-X◆
>284 アナザーアギトvsヴァンパイア・ロード 『祝福されざる愚者達』
>290 ラルヴァ vs フラック 『踊リクルフ道化タチ』
>306 孔涛羅vs馬呑吐 「天陰リ雨湿フトキ 鬼哭啾啾トス」
>353 遠野秋葉vs麻宮アテナ
>354 宗光「淫藤宗光/ヒトラーvs御神苗優&フォルテ(M)『崑央(クン・ヤン)遊撃隊』
>484 「倫敦大戦祭り」
>519 【青い闇の中で】 三輪坂真言美 関根杏子
>534 天然戦士Gvsチェルシー・ローレック『黒光旋風』
 
中間纏め。
 
>541 ウピエルvsファントム
>543 藤井八雲vs閑馬永空
>548 チェルシーvsオーフェン
>549 ◆スミレvs水のエル◆『ローラレイ』
>550 エンハウンスvs孔濤羅
>551 遠野志貴 vs 邑輝一貴(M) 「銀と蒼」
>552 「倫敦大戦祭り」
>554 『意思、果つる者の躯』
 
もう一度、次スレの紹介だ。
 
吸血大殲27夜 ――Lunatic Dance――
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1022485313/
黒岩省吾対カーラ 〜闇と灰の狭間〜 中間纏めだ。
 
・導入
>265
 
・闘争
>266>267>269>272>274>279>323>326>328>331>357>520
 
次スレでケリを付けてやる。
557仙水 忍 ◆fISinobU :02/05/30 23:42
オレは仙水。 名は…色々だ。
暗黒天使ダークエンジェルとも呼ばれる事もあるな。
元霊界探偵、現在は墓穴掘りとでも言っておこうか?
聖光気と呼ばれる特殊な気の持ち主で、自ら編み出した霊光裂蹴拳の使い手さ。
色々とあって妖怪を狩る者であり、人々の敵でもある立場を取っている。
そういった事情なので、カテゴリーはSか?
他にも色々と秘密があるが…
今回はこの位にしておいた方が見やすいだろう?
 
さて、それではテンプレートだ。
 
出典 :幽々白書(13〜17巻)
名前 :仙水 忍(センスイ シノブ)
年齢 :6月6日生まれ26歳
性別 :男
職業 :元霊界探偵
趣味 :それぞれ別
恋人の有無 :無し
好きな異性のタイプ :それぞれ別
好きな食べ物 :それぞれ別
最近気になること :魔界の扉(穴)のその後
一番苦手なもの :人間が嫌い
得意な技 :霊光裂蹴拳・聖光気・気鋼闘衣・他多数
一番の決めゼリフ :皆殺しだ…ガキも…女も…神父も…妊婦も…墓でこの世をうめてやる 掘っても掘っても足りないくらい…掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても 掘っても掘っても掘っても掘っても
将来の夢 :魔界で死ぬ事
ここの住人として一言 :あの…精一杯がんばります……だから…いじめないでください…ぐす(ナル)
ここの仲間たちに一言 :はは、敵意は無いさ…仲良くしよう(ミノル) 人間?オレの前に出てくるなコエダメがァァ!!(カズヤ)
ここの名無しに一言 :少し心配だよ 弱い者いじめになってしまうかもしれない(忍)
558名も無きクドラク:02/05/31 00:05
少ないが今スレ分の纏めだ。
>46 >106 >121
 
次で決着……予定(w
気長に見てくれや。
559以上、自作自演でした。:02/06/01 15:01
吸血漫画といえばこれ。
よかったらこちらにも遊びに来てね。もちろん吸血に関する話題を振ってね
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/comic/1022904200/
アルクェイドVSアルクェイド 『矛盾因果律』
 
>41