吸血大殲 25章『Memory Of MoonBlood』

このエントリーをはてなブックマークに追加
7シスター服の少女
『意思、果つる者の躯』
>6
「あんた、大丈夫!?」
 
少女が、銃をホルスターに収めながら彼へと駆け寄る。
そして、全身を見回して嘆息する。
 
「怪我はないみたいね、よかった。」
 
にっとボーイッシュな笑みを浮かべる。
彼女の物腰にも、ボーイッシュな活発とした雰囲気が見て取れる。
 
「危なかったわね〜、『死者食い(グール)』に殺された奴は同じく『死者食い(グール)』になる。
 あんたもあいつ見たくなるとこだったんだから・・・・・・・。」
 
彼女は、彼に手を差し伸べながら言った。
胸元の懐中時計がゆれる。
 
「それにしても何であんたこんなところに来た・・・・・・っと。
 名前聞いてなかったわね。私は――――――。」
 
そこまで言いかけて、彼女の言葉が止まる。
顔には、先ほどまでの笑みは無い。
 
「来たわね・・・・・・・。」
 
彼女は、ホルスターから銃を抜く。
 
「ど〜やら、逃げ場はなさそうよ?」
 
彼女の視線の先には、ボロボロの服を着込んだ『影』が入り口を塞ぐように立ち構えていた。