銀河系の遥か彼方、地球から6万光年の距離に惑星Ziと呼ばれる星がある。
長い戦いの歴史を持つこの星であったが、その戦乱も終わり、
平和な時代が訪れた。しかし、その星に住む人と、巨大なメカ生体ゾイドの
おりなすドラマはまだまだ続く。
平和な時代を記した物語。過去の戦争の時代を記した物語。そして未来の物語。
そこには数々のバトルストーリーが確かに存在した。
歴史の狭間に消えた物語達が本当にあった事なのか、確かめる術はないに等しい。
されど語り部達はただ語るのみ。
故に、真実か否かはこれを読む貴方が決める事である。
過去に埋没した物語達や、ルールは
>>2-5辺りに記される
ルール
ゾイドに関係する物語なら、アニメや漫画、バトスト等何を題材にしても良いです。
時間軸及び世界情勢に制約は有りません。自由で柔軟な発想の作品をお待ちしています。
例外的に18禁描写はご遠慮下さい。
鯖負担の軽減として【450〜470Kb】で次のスレを用意する事。
投稿された物語の感想等も大歓迎です。
「血塗られた剣の持ち主が、『ディープグラウンド・シティ』に向かったとの事」
「何? 目的は解っているのか?」
「僕達の事を調べているみたいだ…たしかにあの街なら、とんでもない情報も手に入るしね」
どこか暗く、広い部屋の中心に置かれた円形のテーブル。そこに13人の人間が座っている。
否、正確を期するなら彼らは「人間に見える」と言うべきだろう。
「地下街は能力者至上主義団体が牛耳っている。厄介な所に入り込んだな」
テーブルを指でトントンと叩きながら、一人の男が呟く。彼はジークフリート――“円卓の騎士”における
No.2のポジションに位置する男。
そう、この暗い集まりこそが“円卓の騎士”13人だった。
そして最も北側の席に座る騎士のリーダー、“ソードマスター”の称号を持つアーサーが椅子から立ち上がる。
「…厄介? わざわざ我らを探してくれているのだ、迎えに行ってやるのが礼儀と言うものだろう」
「アーサー、それでは…?」
つられる様に、他の騎士達も腰を上げる。アーサーは出口のドアを開きながら、同志らに命令を下した。
「我ら円卓の騎士、総出で彼を迎えに行こうではないか…」
マキシミンは片っ端から情報屋などを当たってみた。だが、聞こえてくる話は神話めいた意味不明のものばかり。
彼が足を止めたのは、町の中心に位置する巨大な柱の前だった。
「なるほど、ここが地盤沈下で崩れないのはこの柱のおかげか…」
その柱はまばらな感覚で窓が付いており、それ自体一つの巨大なビルとして機能していることを窺わせる。
間違いなくこの地下都市で最も巨大な構造物であり、マキシミンはその威容に圧倒されるばかりだった。
「…もしかしたら、ここに手がかりがあるかもしれないな」
入り口には警備兵が立っている。どうやって入ればいいのか?
街行く変人の一人に訊いてみると、あの柱について教えてくれた。
「あれはな…俺達の間じゃ『トートの柱』って呼ばれてる。あそこには、今この町を支配してる組織
『リバース・ガーディアンズ』の本部があるのよ。昔は反“ギルド”のレジスタンスだったらしいが、今は何やってんだか…」
「どうすれば入れるか、知らないか?」
マキシミンが訊くと、男は大げさに肩をすくめた。
「オイオイそいつは無茶だぜ兄ちゃん! あそこはしょっちゅうヤクザみてーな連中が出入りしてるし…あ、
そういや聞いたことがあるな…組織のボスは能力者至上主義者で、能力者は優遇されるとか。アンタもしかして能力者か?」
「そうだ。なら好都合…その場合どうすりゃ入れるかは知らないか?」
「さぁな? ちょっとだけ『チップ』を頂けりゃあ、教えんでもないが」
マキシミンは迷わず札を取り出した。この男には既に充分な情報を貰っている。少なくとも、その分の金は払う価値がある。
「え゙、こんなにくれるのかよ?」
「ああ。金に見合う情報はもらえるんだろう?」
その男は陽気そうに笑う。そして、マキシミンに何かを耳打ちした。
男に礼を言い、マキシミンは走り出した。この町の中心――つまりは、全ての情報が集まる場所。
円卓の騎士に関する話が聞けそうなのは、やはりあの柱しかない。
「王道っつーか、何というか…」
先程の男は隠しエレベーターの存在を教えてくれていた。柱の側面、小さな駐車場の壁に隠された扉が見える。
彼はそこに飛び込み、焦る気持ちを抑えながら男に教わった階のボタンを押した。
「騎士め…被害はどんどん増えている。このままでは、ただでさえ少ない能力者が皆殺しにされるのも
そう遠い未来の事では無いかも知れん」
トートの柱内部、中ほどの高さにある廊下を歩き回っていた少年、オレーグ=カーティスは手にした書類に何度も目を通していた。
それはここ数日で円卓の騎士に葬られた能力者のリストであり、その人数はゆうにプリント4枚分に膨れ上がっている。
「奴らと戦った者の中で生存者は二人…オリバー=ハートネットに、マキシミン=ブラッドベインか…
…会って、話を聞きたいものだな」
その言葉に、オレーグの後ろについて歩いていた3人が頷く。彼らはオレーグの仲間であり、腹心の部下だった。
地下市街の者達すらあまり知らない。この町を支配する「リバース・ガーディアンズ」の首領が、一人の少年であると言う事を。
「マオ流格闘術奥義!!鉄破微塵切り!!!」
『おおおお!!!何かマリン選手が必殺技っぽいの出す模様です!!!』
『マオ流格闘術とはあのマオ=スタンティレルが起こした流派ですな。強いワリに結構セコイ所も
あったと言う彼女の性格の現れか、他の格闘技流派ではとてもお目にかかれないユニークな技が多い故、どんな技か楽しみですな!」
と、その時だった。両腕を振り上げたまま強化型デカルトへ迫ったカンウの両腕の数が増えた。いや、増えたように錯覚する程素早く動かしていたのだ。
「あーたたたたたたたー!!!」
「な…何ぃぃぃ!!!!?」
それは一瞬だった。カンウと強化型デカルトが互いにすれ違った直後、なんと強化型デカルトの
強化多面体装甲の特長とも言える多面体が削られ、各部の突起部等が綺麗に切断されていたのだ。
「な…なぁぁぁにぃぃぃぃ!!!?」
「どうよ!あんたのゾイドの装甲を色々と捌かせてもらったわ!!料理人を舐めちゃいけないよ!!」
「さ…捌くって…あの一瞬でどうやって…。つか料理とどう関係が…って料理人!!?」
技の威力にもさる事ながら、マリンの言葉に対してもドラゴスは驚愕していた。
『おおおおおっとぉぉ!!!マリン選手は自分を料理人と称していますがこれは一体どういう事なのでしょうかぁぁ!!!?』
『マリン選手の実家は料理店ですからね。彼女が料理の技術を身に付けていても不思議では無いで
しょう。それに、拳法の使い手が同時に料理の技術も身に付けているって良くあるじゃ無いですか!』
と、ヤマモトがそう解説していたその時だった。カンウが両腕の爪同士をガンガンと音を立てて打ち付けていたのだ。
「ヤマモトさーん!!ご名答―!!そうでーす!!私の実家は料理店やってるし、料理の技術持ってまーす!!」
「それとよー!マリンの料理は一見粗末なんだが、その辺の高級料理店のシェフが裸足で逃げ出す程美味いぞー!!」
と、ルナリスが突然口を挟むのであったが、当の彼女はハーデスと共に漆黒エナジーと普通に戦っていたりする。
『確かにルナリス選手の言う通りですよ。実際彼女の実家の料理店は戦後、マオ=スタンティレルが
起こした物で、彼女を含め、その血筋からは多くの名料理人が輩出されているのです。と、こう解説していると私も彼女の料理をごちそうしてもらいたくなりましたよ…。』
ヤマモトはそう解説しながらよだれを出していたが、それでもドラゴスの疑問は晴れなかった。
「それは分かったが、さっきの技と料理とどう関係があるのか教えてくれ!!」
「だからさ!さっきのはその料理の技術を技として応用した物なのよ!食材を正確に、かつ素早く
切り刻むように、あんたの装甲も切り刻ませてもらったワケよ!うんうん!改めて考えてみると
これらの技を身に付けるまで本当に苦労した物よね…。ウチの両親は本当に優しかったけど、
料理や格闘技に関しては凄い厳しい人でね…。まあ、その苦労あったからこそ調理師免許やフグ調理免許も楽に取得できたんだけど…。」
マリンはカンウごと腕を組み、昔を懐かしむようにうんうんと頷いていた。
『おおおおおーっとぉぉぉ!!!!マリン選手はなんとフグの調理免許まで持っていたぁぁぁ!!!
マリン選手ぅぅぅぅ!!!後で私にもフグ料理何か食わせてくれぇぇぇぇ!!!!!』
実況のフルタチは何やら勝手にエキサイトしていたが、強化型デカルトはカンウへの攻撃を続けていた。
「貴様その微塵切りとか奥義とか大層な事言ってるワリに強化型デカルトのダメージは全然大したこと無いぜぇ!!」
「ハァ!?貴方まだ分からないの!?私がこの技を使った意味を…。」
確かにカンウの鉄破微塵切りを受けた強化型デカルトの装甲は所々削れはしていたが、全体的な
ダメージと言う意味では全然と言わざる得ない物があり、強化型デカルトも問題なく稼働する事が
出来ていた。そうしてカンウへの攻撃を再開した強化型デカルトであったが、それに対しカンウはその口を大きく開くのである。
「これでも食らっちゃいなよ!!超灼熱火炎放射砲!!ギガファイヤァァァァ!!!!」
カンウの口からいかなる金属も溶かしてしまうのでは?と思える程の灼熱の火炎が放たれた。
が、強化型デカルトは全く回避する素振りを見せず、そのままカンウへ突っ込んでいたのだ。
「お前バカか!!?そんな火なんぞが特殊コーティングを施した強化型デカルトに通用しない事は分かっているはずだが!?」
「嫌、本当にバカなのは貴方だから…。」
「ハァ!?何ワケのわからん事言ってやがる…。そんな火なんぞが強化型デカルトに効くワケ…ってうわっちぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
なんとギガファイヤーの灼熱火炎は強化型デカルトの装甲を溶かしていた。強化型デカルトは慌てて
横に跳んで炎から脱出していたが、その高熱と燃え上がる火炎から、ゴロゴロと何度も転がりながらのたうち回っていた。
「なぁ!!ななな何でだぁぁぁ!!何で…。」
「ほらね。分かったでしょ?私が鉄破微塵切りで貴方のゾイドの装甲を色々削り取ったワケが…。」
「は!!!!」
その時、ようやくその意味を理解したドラゴスは驚愕した。
『おおおっとぉぉぉ!!!強化型デカルトの多面体装甲には通用しなかったのカンウの口から火炎が
今度は何故か効いていたぁぁぁぁ!!!!これは一体どういう事なのでしょうかヤマモトさん!?』
『これは恐らくマリン選手が先程行った鉄破微塵切りと言う技による物でしょうな。あの技で装甲を
削り取っていたのはただ単にダメージを与える為では無く、強化型デカルトの多面体装甲を無力化
させる為のだったのでしょう。恐らく今の強化型デカルトの装甲は対ビームはおろか、多面体としての機能すらもしないでしょうな!』
「そう言う事!!分かった!!?」
「な…なんと…。」
強化型デカルトの強さを支えていた多面体装甲が無力化された事実はドラゴスにとって愕然と
せざる得ない物があり、そのまま思わず鼻水を垂らしてしまうほどであった。が、そんな彼を尻目にカンウは一歩前へ踏み出すのである。
「さ〜て…私を散々コケにしてくれた憂さ晴らしと行こうじゃないの…。」
その時のマリンはニッコリと微笑んだ顔をしていたが、それ故にかえってドラゴスへ恐怖を与える結果となっていたのだ。
「(ま…まさに緑の悪魔…。だ…ダメだ…、もうダメだ…。最初は良い線行けると思っていたが…
奴はとんでもない力を隠し持っていやがった…。本当にもうダメだ…。奴には誰も勝てん…。)」
ドラゴスは心の底からマリンに恐怖し、思わず強化型デカルトの歩を一歩二歩下げていた。が、
無論カンウも一歩二歩と強化型デカルトを追いつめている。もう強化型デカルトに逃げる力は無かった。装甲が溶け、本体とくっつくいてしまっていたのだ。
「(もう俺の負けだ…。)」
ドラゴスが敗北を確信し、思わず目を力一杯閉じた時だった。観客達の声援が響き渡ったのだ。
「ドラゴス頑張ってぇぇぇ!!!!」
「緑の悪魔やめろぉぉぉぉ!!!!」
「魔女は死ねぇぇぇぇ!!!!」
今までにも増してドラゴスへ声援が送られ、マリンに対し強烈なブーイングが浴びせられた。そして
観客達は一斉に空き缶などをカンウへ向けて投げつけるのである。無論とどかなかったり、とどいて
も不可視電磁シールドに阻まれるのであるが、この事実はそれだけ観客達が怒っている事を意味していた。
『観客達のブーイングの嵐がうるさいほどにまで巻き起こっております!!っと闘場に空き缶を投げないで下さい空き缶を投げないで下さい!!!』
『もう暴動寸前ですな…。』
なおも続く強烈なブーイングの嵐。それにはマリンも流石に困った顔をしていた。
「は〜…やんなっちゃうわ〜ね〜…。」
「ホントホント!全く持ってその通りだよな〜!」
その時、ハーデスが漆黒エナジーライガーを3機まとめて強化型デカルトのいる地点の近くへ投げ飛ばしており、カンウの隣に着いた後でルナリスも同感と行った顔をしていた。
「ま…そんな事はどうだって良い。とにかく奴等に一気にトドメを刺そう…。」
と、こうしてカンウとハーデスが一気に勝負を付けに強化型デカルトと漆黒エナジーへ迫った時だった。
「ま…まだだ…まだそうはさせねぇ…。」
「あ〜らら〜…。」
なんと彼等はまだ起き上がってきたのだ。これには流石の2人も困った顔をした。
「俺達はな…ただ単に個人的な怨みの為だけに戦ってるんじゃないんだ…。ズィーアームズ社…いや、全てのゼネバス系人民の意思を背負って戦ってるんだよ…。」
「何勝手な事言ってるのよ!勝手に巻き込まれたこっちは良い迷惑よ!」
「ええい黙れ!!こうなったら俺達の最後の力を振り絞らせてもらう!!!」
と、その時だ。強化型デカルトの強化コア、そして漆黒エナジーライガーのエナジーチャージャーが
大きなうなり声を上げたのだ。常識では考えられない膨大なエネルギーが発せられる。しかし、
ダメージの大きな機体はそのエネルギーに耐えきれず、あちこちから煙を吹き出していた。
「もうやめてドラゴスさん!!」
それには客席のリューコも思わず叫んでいたが、それがドラゴスの耳に入る事は無かった。
>>1
前スレにも書きましたがお疲れさまです。
>>Innocent World2作者さん
久々に出てきた円卓の騎士が何か企んでいた様子ですが・・・
マキシミンさんは地下都市で何かの組織とコンタクトする見たいですね・・・。
そのオレーグと言う人は・・・もしかして・・・・
「こらこらぁ!!!無茶すんな!!下手したらあんた達死ぬよぉ!!」
「うるせぇ!!!こうなったら死なばもろともだぁ!!!!」
強化型デカルト、漆黒エナジーライガーは最後の力を振り絞り、一気にカンウとハーデスへ向けて
跳びかかった。しかし、その膨大なエネルギーにダメージの大きな機体が耐えきれず、機体各所から小爆発が起こっていく。
「耐えろ!!!耐えてくれぇぇぇ!!!」
「あと少し!!あと少しなんだぁぁぁぁ!!!!」
ドラゴスと黒い三銃士は心の底から祈っていた。が、そんな彼等を見ても2人は困った顔をするしかなかった。
「たくよぉ!!世話焼かせるわねぇ!!!」
その時、マリンとルナリスは渋々カンウとハーデスの両手を伸ばしていた。そしてカンウが強化型
デカルトと漆黒エナジーモッシュ機の頭部を掴み、ハーデスが漆黒エナジーゴイア機とアルテガ機の頭部をガッチリと掴むとその頭部を一気に引きちぎり、その場から素早く飛び退いたのだ。
そして、カンウとハーデスが飛び退いた直後に強化型デカルトと漆黒エナジーの体は大爆発を起こし、四散していたのだ。
『ななななーんと!!これは!!カンウとハーデスが強化型デカルトと漆黒エナジーの爆発間際にその頭部を引き抜いてドラゴス選手達を助けましたぁ!!!』
「お…お前等…。」
「な…なぜ助けた…。」
敵であるにも関わらずに助けたと言う事実は彼等にとって驚くべき物であった。が、マリンはニッコリ微笑みながら言ったのだ。
「ほら!昔なんとかって人が言ってたでしょ?“敵は倒さなくてはならない。しかし、殺す必要は無い”ってね!」
「なんとかじゃなくて、ハーバート=リー=チェスター教授だろ?」
と、さり気なくルナリスも笑顔で横やりを入れていた。ちなみにハーバート=リー=チェスター教授
とはその昔の大戦時代に存在した学者であり、ウルトラザウルスやマッドサンダーを開発した人物である。
「畜生!!!」
ドラゴスは思わず力任せに正面パネルを殴りつけていた。
「畜生畜生!!何が殺す必要は無いだ!!緑の悪魔のクセにぃぃぃ!!!!」
ドラゴスは悔しさの余り何度も正面パネルを殴りつけていた。ただ負けたから悔しいのでは無い。
自分が殺そうとした相手に逆に命を救われると言う状況こそが彼にとって悔しい物だったのだ。
それだけでは無い、観客席からのブーイングも今だ続いていたのだ。
「今更そんな事して良い人ぶっても遅いんだよ!!」
「そうだそうだぁ!!!お前らがゼネバス系人民に犯した罪は決して消えないんだぁぁ!!!!」
「帰れぇぇ!!!!」
「死ねぇぇぇ!!!!」
『おおおおっとぉぉぉ!!!観客達のブーイングはまだまだ続きますぅぅぅ!!!』
『ゼネバス人の執着心は本当に恐ろしいですからね〜…。』
フルタチとヤマモトは他人事の様に…、いや本当に他人事なんだが、とにかくそう言う事をのんきに
言っていたが、今度ばかりは流石のマリンもカチンと来た様子で、無言のままマイクの音量を最大にした後で大きく深呼吸をした。
「帰れ!!帰れ!!帰れ!!帰れ!!」
「死ね!!死ね!!死ね!!死ね!!」
観客席からはなおもブーイングの嵐が巻き起こり、さらにはコールにまで発展していた。もういつ暴動に発展してもおかしくない状況であったのだが…。
『だぁまれクソガキャァァァァ!!!!!!』
「!!!!!!」
その時、闘場に響き渡った大音量の叫び声に皆は思わずビクッと一瞬痙攣し、そのまま黙り込んだ。
その叫び声の主はマリンだった。そしてその声には本当に怒りが込められていた。彼女は今度こそ
本心から起こっていたのである。そしてマイクで音量を増幅させたまま、マリンはさらに言ったのである。
『ったくあんたら勝手な事言ってからに…。本当今度こそお姉さん怒っちゃうよ…。』
「いや、もう怒ってますがな…。つか、クソガキってあーた…、俺等の方がずっと年上なのに…。」
『ああ!!?今なんか言ったか坊や!?』
「いや…何でも無いとです…。」
さり気なく突っ込みを入れていた観客席にいた1人の中年男であったが、速攻でマリンに睨み付けられ、その殺気に押される形で速やかに縮こまっていた。
『とにかくね!あんたら好き勝手言ってるけどね、本当に巻き込まれる方は迷惑なのよ!!』
『そうだ!!それになぁ!!確かにウチの爺ちゃんやコイツの曾婆ちゃんが昔、何か色々やってたと
してもな、何故今更になって私等相手に憂さ晴らしをしようとするのか、それがわからんのだよ!!
言っておくが犯罪起こしても15年逃げ切れば時効なんだぞ!!なのに100年経ってもまだ根に持つ気か!?』
今度ばかりはルナリスもマイクで声を増幅し、己の主張を行っていた。その時の2人から発せられる
殺気や気迫は半端な物では無かった。一見平静を保っている様に見えても、心の底では何時暴れ出し
てもおかしくない程怒っていたのだ。無論その事実に観客はもとより、カンウとハーデスの両手に
握られたままであった強化型デカルトと漆黒エナジーの頭部に乗るドラゴス等も気圧され、思わず黙り込んでいたのだ。
『確かにさ!曾お婆ちゃんも昔の戦争中に多くの兵隊を殺してきたんだろうけどさ、その殺された
兵隊だって多くの敵兵士を殺してきたんじゃないの!?私は戦争なんて体験した事無いからよく
わかんないけど…それが戦争って物でしょ!?何で曾お婆ちゃん1人のせいにするのよ!!それって本当に逆恨みじゃない!!』
『そうだ!!それによぉ!!仮にお前ら何か怨み晴らそうとするにしても、何で今更になってそれを
やろうとするんだ!!?あの大戦から100年。今まで時間ならいくらでもあっただろうが…。
なのにマリンの曾婆ちゃんが死んだ後になって、その曾孫であるマリン相手にその怒りをぶつけよう
とする。それは八つ当たり以外の何者でも無いんだよ!!お前等人として何か恥ずかしく無いか!!?』
マリンとルナリスの力説は恐らく観客達にとって怒るべき物なのかもしれないが、彼等は黙って
聞く事しか出来なかった。それだけ2人から発せられる強烈な気迫に押されていたのである。
『それにさ!私だけじゃない!何でルナリスちゃんの方も恨まれるワケ!!?』
『ちゃん付けするなよ!!』
『痛い!!ちょっとそれやるならもう少し待ってくれたって良いじゃない!』
ルナリスは例によってハーデスの右腕でカンウの頭を小突き、そこの所だけさながらドツキ漫才の
様ですらあったのであるが観客達は笑う事は出来なかった。つまらないとかそう言う意味では無く、
2人から発せられる気迫に本当に押され、そのまま凍り付くように固まっていたのである。
『あー…とにかく…。彼女だってアンタ達と同じゼネバス人なのに何でアンタ等は私と同じ様に憎み、
殺そうとするワケよ!そりゃ確かに彼女のパパンの財閥はズィーアームズ社と敵対関係にあるのは
認めるけど、あくまで企業としての話じゃない!別に戦争してるワケじゃない。ただの商売勝負でしょ………………。』
と、その時マリンのセリフが止まった。そしてそのまま誰もが緊張し、沈黙のまま10秒が経過した。その後でカンウがガックリと肩を落としたのだ。
『だ〜めだ!私は頭が悪いからこれ以上上手く説明出来ないよ…。』
その事にルナリスもハーデス同様に一瞬肩を落としていたが、すぐに体勢を立て直すとカンウの前に立った。
鉄獣28号さんへ
鱗削ぎでデカルトドラゴンを引ん剥きあっと言う間に成敗!曾お婆ちゃんにどんどん近付いている様ですね。
しかもマイクパフォーマンスで周囲を黙らせるとは…2代目恐るべしw
しかも折角良い事を言った!と思ったら_| ̄|〇としてしまうなんてw
Innocent World2の作者さんへ
13人そろって会議中…ここは何処かの御話と違って約半分しか居ないのに全員揃って座った事の無かった何処かの漫画とは大違いだ。
しかもその城は剣1本の前に屈するし…w
マキシミンとデススティンガーの運命は如何に!?
「待て!」エントヴァイエンを呼び止める声。「また貴公か…いい加減鬱陶しいぞ?」その言葉に「たった2回で鬱陶しいか?えらく嫌われたものだっ!」
パワーブレイカーがエントヴァイエンを押し潰す。
「全く…せっかちだな貴公も?余でなければ真っ二つのままだったな。」ベンハルトは目を疑う。確かに法衣は血塗れになり体は上下に分断されている。
しかし上半身はそのまま空中に浮いたままで下半身は立ち上がると何かを彷彿させるような合体シークエンスを生身で演じて元どうりになる。
しかし法衣は破れたままで血に染まっているのがベンハルトの見間違えでなく確かに胴体を両断した跡を物語っていた。
「貴様だったか!儂の本当に狙うべき相手はっ!」今の今更である。今までベンハルトはエントヴァイエンがファインであると言う確証を得ていたが兵士としての勘が何かが足りないと告げていた。
足りない何か…それは膨大な時を生きた生気の感じられない瞳と圧倒的な力だったのである。つまり今まで狙っていたのはそうなる前の本人と言う事になる。「期せずして見付けたか…元凶を!」
こいつを生かして置く訳にはいかない。エントヴァイエンは平行世界を駆け回り自分を入れ替え同じ事をしていたのだ。終末…意に適わない世界の間引き。
そして同じ時を何度も繰り返し自分好みの並列世界を構築しようとしてるのだろう。ペイルバイターの出力を限界まで高め自身の心情を背水の陣と化して修羅となるベンハルト。
「ほう?イレギュラーとは言えここまで食い下がるとは関心関心…ならばお望み通り相手をしてやろう。全力でな…。」エントヴァイエンが空間に現れた闇に消える。
すると闇の中から儚げな光を湛えた狼型ゾイドが現れる。「遠き者は耳に聞け!近くば寄って目にも見よ!月光の狼姫”アルテミスリュカネイオス”の姿を!」やはり大きさはコマンドウルフ等と同じサイズ。
しかも如何見ても野生体状態だ。戦闘用に改造された形跡は無い。「ふふふ…これが歴然たる存在の差だ。」天に向かい吼える月の狼。それと共に空間を切り取られた空は歪んだ闇夜へと変わる。
そして…2つの満月。凶事の到来を告げる赤い色。その光はアルテミスリュカネイオスに呼び込まれる。そして浮き上がるエントヴァイエンの機体の真の姿。
捜し者を納めるべき場所が空いている獣神の姿だ。
その右手は先にアビサルストライクを放ち一撃で結果的にベルゼンラーヴェを”沈めた”物。ペイルバイターより全体的な大きさは小さい。
だが各部のディフォルメが左右対称であるがちぐはぐな為手の指自体は本来有るべき姿の3倍弱の長さが有る。その人差し指を使いベンハルトを挑発する様に動かす。
「さあ!参られよ!イレギュラー!」周囲の森は邪悪な炎に包まれる。その炎は燃え盛るだけなく火の付いた対称を燃やす事無く歪な姿に成長を促している。
位相空間であるコントロールコアの中で身構えるエントヴァイエン。奇しくもと言うよりわざわざ似せて創り出したTFS(トレースフィードバックシステム)でペイルバイターに挑む。
右胸が空洞の為バランスは頗る悪いが問題ではない。まだそう遠くには行っていないだろう右胸のパーツが近くに有るので無理矢理な一石二鳥の状態。両手に闇が宿り震える。
「手を出し辛いか?ならば此方からだ!アビサルストライク!」強力な闇の塊がペイルバイターに迫る。しかし簡単に当たるものでもない。発生が確認できる物であれば流れを読み避ける事ができる。
巨体に似合わぬ素早さでアビサルストライクを避けるペイルバイター。その間に後ろに潜ませたEボール発生機で攻撃を加えている。
「ふ〜やっと浸水を防ぐ事に成功したであります…。」「お疲れ。だが状況は深刻よな…。」やっと浸水を止めたのも束の間コクピットの惨状を見てがっくりとするファイン。
腰まで水に浸かっている。一段高い上にライダータイプのサブシートも膝までの高さに浸水している。ベルウッドは器用に水を避けておりアサガオライガーは半定位置となったファインの頭の上で水を振り落としている。
「更にだ!これが重要だ。ミーディアムグロウブが破損して居る。」それは初耳な物だ。「それは一体?」ファインがそう聞くと「ゾイドコアの中に有るある種の器官だ。それが破損すると術式の類の発動にコアは使えん。」
さらりととんでもない事を言っている気がしてならない。「ん?何を深刻な顔をしておる?術式のサポートなら全部妾がしておる故心配は要らんぞ?」その自身たっぷりの顔を見て思う。
代わりはもう無いと言う事を…。一応放って置けば治るらしいが今日中と言う訳にはいかないだろう。地下ではこう考えを巡らせている所だが突然の轟音で目を地上に向ける。
『しゃー無い後は私に任せな!とにかくなぁウチの実家とズィーアームズが敵対しあっても
しょうがないだろうが!企業として全く別の存在なんだからな!お前等だってゾイテックと
敵対してるだろ?それと同じ事だ!あと…バカデカイセイスモに乗ってた奴が何か言ってたな!
ウチの実家は共和国の財界にも強い影響力を持つ存在になってる故にゼネバスの裏切り者だとか…。
もうね、アホかと。お前等に経営の何が分かるんだとか叫んでやりたいよ。そう言うのってよ!
もうアレじゃん!アレ!ただの逆恨みでしかないんだよ!逆恨み!!分かるか!?それによ、
もうゼネバスとヘリックが啀み合うような時代は100年も昔に終わってるじゃないか!!なのに
今更裏切り者とか言ったって、お前らアホだろ?とかしかならんと思うのだがよ!』
ルナリスはなおも熱弁を振るっていたが、観客達はやはり唖然とし、固まった状態で聞くしか
なかった。そして、ハーデスは両手に持つ漆黒エナジーの頭部を高々と上げた。
『あとだな!私等がコイツ等助けたのもな!別に良い人振るとかそんな安易な事じゃ無いんだよ!
良いか?私等は賞金稼ぎでZiファイターなんだ!決して軍人などでは無い!戦い一つにしても、
相手を倒すために戦いはすれど、決して殺す為の戦いはやってないつもりだ!!つかよ、今私等が
やっていたのはゾイドバトルの試合であって、殺し合いじゃないんだぞ!試合だからこそ、
勝敗を決しさいすれば良い!別に相手を殺す必要なんて無いんだよ!!それに比べてお前等は
何だ!?ゼネバスの敵を倒すとか言う大儀さえあれば何をやっても良いとでも思ってるのか!?
お前達だって知ってるだろう!?先日タイガタウンが吹き飛んだのを…。ありゃなあ!お前らの
仲間が作ったデッカイセイスモサウルスの仕業なんだぞ!!何が緑の悪魔を殺せだ!!
何の関係も無い連中にまで虐殺しといてからに…。お前等の方がよっぽど悪魔じゃねーか!!
お前らにそれが分かるか!!?文句がある奴がいるなら掛かって来いよ!!全員返り討ちにしてやるから!!』
「もう良い…。完敗だ…。」
『!?』
口を挟んだのはドラゴスだった。しかし、その言葉は彼を応援していた観客達を悲しませる物だった。
「しかしドラゴス!!」
「何度も言わせるなぁ!!!俺は俺が知りうる限り最高のゾイドで臨み、全力を出してコイツ等に
負けた…。ただそれだけだ…。敗者は大人しく勝者に従うのみ…。コイツ等が俺達を助けたと言うのなら…俺達は大人しく助かるのみだ…。」
と、その時だった。観客席からかすかに手を叩く音が聞こえてきたのだった。それはリューコだった。
「(ドラゴスさんが負けたのは悲しいけど…無事で良かった…。)」
最初はかすかな音でしかなかったその拍手であったが、リューコに誘発される形で拍手を始める者が
現れ、それがさらに誘発させ…の繰り返しにより、その音はどんどんと大きくなっていき、終いには闘場全体を覆う程の大喝采となったのだ。
『これはどうした事でしょうか!!先程とは一転して拍手の嵐となっております!!』
『それだけ試合に感動したという事でしょう。ついでに2人の熱弁も…。』
「って私等の主張はついでかい!!」
マリンは実況解説の2人に突っ込みを入れながらも、カンウとハーデスは両手に掴まれた強化型
デカルトと漆黒エナジーの頭部をそれぞれ下ろすのであった。その後、漆黒エナジーのコックピットから這い出たゴイアは申し訳なさそう2人へ話しかけていた。
「ほ…本当にすまんな…。俺達は心の底からお前達を殺そうとしていたのに…。お前達はそんな俺達をも殺そうとはしなかった…。」
「そりゃぁ仕方がないさ!試合中はどっち側にせよ相手を殺さんばかりの勢いで試合に臨むからな!だが…試合が終わればノーサイドだろ?」
「………。」
それから、ゴイアも目を瞑り、数秒間黙り込んだ。そして彼はその場に座り込んだのだ。
「やっぱり俺等の負けだぁー!!そうだろ!?アルテガ!?モッシュ!?」
「ああ…。全くだ…。」
「もう完敗だなハッハッハッ!」
3人は負けたにも関わらず大笑いを始めるのだった。そして陽気に笑う彼等の姿を見て2人は思うの
である。この人達も決して悪い人では無いのだと…。と、その後でマリンはドラゴスへ話しかけていた。
「まあそれはそうとしてさ!試合前に約束したよね?私が勝ったら社長の居所教えるって…。」
「何と!?そんな話付けてたのか!?」
突然話に割り込んできたのはルナリスであった。まあ無理も無い話である。彼女はそういう約束が交わされていた事も知らずにバトルに巻き込まれたのだから…。
「チッ…しょうがねぇな…。大人しくゾイテック社長の居所教えれば良いんだろ?」
「あら!意外と聞き分けは良いのね?」
「意外とってなんだよ…。ま…まあ俺だってそう言う事はわきまえているつもりだ…。だが・・・、
一つ教えてくれ・・・。お前は敵である俺を助けた・・・。お前は本当にそれで良かったのか?俺はお前を殺そうとしたし・・・。」
「だから何でも言わせないでよ!私は軍人じゃ無い!ただの賞金稼ぎ兼Ziファイター!
戦う事についてだって、相手を倒す事は目的にしても、殺す事は目的にはしてない!まあ、決して
殺した事が無いと言うのもウソになるけど・・・。とにかくこの戦いは生きるか死ぬかの殺し合いじゃ
なく、勝敗を決するゾイドバトルだったんだから、無理して殺す必要は無いじゃないの!」
「本当にそれで良いのか・・・?俺は・・・、いや、緑の悪魔の恨みをまだ根に持っている奴は大勢いる。そんな奴が今後もお前を殺しにくるかもしれんぞ・・・。」
「まあそん時はそん時でしょ!何とか返り討ちにしてみせるって!曾お婆ちゃんだってそうやって
生き残って来たんだろうから・・・。それにさ・・・、曾お婆ちゃんは常々言っていたよ・・・。
戦争時代に多くの命を奪って来た事を忘れず・・・。彼らの分も幸せになる事が彼らへの最大の供養に
なる・・・。自分勝手な事かもしれないけど、自分の頭で考えられる供養はこれ以外にはあり得ない・・・ってね!」
「・・・・・・・・・・・・。」
ドラゴスは目をつぶり、何か考え込み始めた。さらにその後で目を開き、マリンの方を見つめたのだった。
「わかった!俺はただの殺人鬼と思っていたが・・・あいつも色々苦労していたのだな・・・?」
「殺人鬼って・・・。」
マリンは思わず眉を細めていたがドラゴスはその場にどっしり座り込み、口にくわえたタバコに火を付けながらさらに言った。
「お前は俺をここまでさせたんだ・・・。今後も色々な障害が待ち受けていると思うが・・・。
絶対に負けるなよ・・・。お前もあの緑の悪魔の様に戦って幸せを勝ち取れ!」
「わかったよ!わかったからそんな事よりも早く社長の場所を教えてよ!」
「お・・・おいおい・・・、そ・・・そんな事よりもって・・・。」
明日予告!ついにゾイテック社長が登場します。
ただし、VSV発売より随分前に書いた物なので、自分なりの解釈がなされております故、
実物と随分違うと思いますがまあその辺ご了承下さい。
>>恐怖の亀裂作者さん
上半身と下半身が分断されても元に戻る・・・想像すると随分怖い・・・
しかも、今度は並行世界を行ったり来たり出来る人ですか。確かに同じ世界がベースと言えど
並行世界となれば多少の誤差はありますから、カルチャーギャップ(?)とかあっても
仕方ありませんよね・・・。そして新たなる神の獣が・・・
突然携帯電話が鳴り、オレーグはそれに出た。発信源はこの柱のコントロールルームからである。
「ボス! 非常用エレベーターが作動しています――そちらに向かっています!!」
「何だと?」
訝るオレーグの後ろで、その隠しエレベーターのドアが開いた。
「――誰だ!!?」
「いきなり見つかったか!!」
ドアから飛び出し、銃を抜くマキシミン。同時にオレーグも銃を構え、銃口を向け合ったまま二人の間にしばしの沈黙が訪れる。
しかし相手の顔を見たオレーグは、手にした書類の写真と見比べて呟いた。
「…マキシミン=ブラッドベインか?」
名を呼ばれたマキシミンは銃を降ろさず、「そうだが」とだけ答えた。
地下街にはあらゆる情報が集まる――とりわけ、この柱の中には自分の名と顔を知っている者が居てもおかしくない。
第一、今この場において驚いている余裕など無かった。
「何故ここに居る? 何をしに、この『トートの柱』を上ってきた?」
オレーグが銃を降ろす。が、マキシミンの方は肩の高さで銃を構えたままだ。
「俺は…ある集団に関する情報を手に入れるためにここへ来た。――円卓の騎士を知っているか?」
「知っているとも、俺は今まさにそいつらを追っているのだからな」
「追っている…?」
口をついて出る質問。その時生まれた一瞬の隙に、オレーグの後ろに居た少女がナイフを振り上げる。
「!?――このッ…!」
マキシミンの指がトリガーを引く前に、少女の振った刃渡りの長いナイフは拳銃を二分していた。
「人に物を訊くときは、少なくとも互いに信用できる状態でなければ正確な答えは期待できないぞ…ブラッドベイン君?」
いつの間にか、オレーグの後ろに居た3人がマキシミンを包囲していた。
――おかしい。侵入者である筈の俺を、どうしてすぐに排除しない?
答えはすぐに得ることが出来た。オレーグが名乗った肩書きによって。
「俺の名はオレーグ=カーティス。能力者解放団体『リバース・ガーディアンズ』の首領…丁度、お前を探そうと
思っていたところだよマキシミン=ブラッドベイン。円卓の騎士と戦って、生き延びた者の一人であるお前をな」
「それで…行き先ってのはどこなんだ?」
「なに、私の知り合いに中々のゾイド乗りが居るものでな…彼にお前の特訓を手伝ってもらう」
十数分とイクスを走らせ、オリバー達が辿り着いたのはゾイドバトル訓練場だった。
訓練場は、戦前から市民の娯楽として親しまれていたスポーツであるゾイドバトルの選手、
あるいはそれを志す者や技術を磨きたい者達が集まって戦いを繰り返す場所だ。
“ギルド”がこの街を支配していた頃は閉鎖されていたものだが、2年前から営業が再開されている。
「おいおい…訓練場なんかじゃ、実戦に役立つ特訓ができるヤツ居ないんじゃないのか?」
「お前もか、オリバー…ゾイドバトルを子供の遊びだと思うなよ、競争相手が多い世界だからこそ
腕のいいパイロットも結構いるんだ。私の知り合いも、ウォーリアーの一人さ」
リニアがいくつものゾイドバトル用リングを見回していると、探していたゾイドが見つかった。
「エメット君、聞こえるか?」
彼女の呼びかけに、しばらくして返事が返ってくる。
<お久し振りですね、リニアさん! 僕、この間のトーナメントで優勝したんですよ!>
「それはまたおめでとう。ところで、今日はちょっと…『弟子』を連れてきたので相手してやって欲しい」
エメットと呼ばれた少年の、変声期前らしい高い声が答える。
「良いですよ? 僕にとっても練習になりますから…」
「そうか。じゃあ、今やってる勝負が終わったら11番リングに来てくれ」
通信を切ると、リニアはオリバーの肩に手を置いて言った。
「さあ、彼は強敵だぞ…エメット=ノーブルは、史上最年少で世界大会の出場権を手にした天才ウォーリアーだからな」
オリバーのイクスがリングに入る。相手は既にそこで待っていた。
「ガンブラスターか…格闘戦に持ち込めば、楽勝じゃないのか?」
「そう甘いものでもないぞ。まあ、戦ってみれば解る」
試合開始の号令が響き渡り、オリバーの機体は勢い良く走り出す。何にせよ、ガンブラスターと
砲撃戦をやろうとは思わない。
「一気に! キメるぜッ!!」
ゾイドバトルとか色々混在する時代って難し…
>>恐怖の亀裂作者氏
それ何の作品ですかーッ!!?
神の獣って…なんか「神獣」と同意義?
前作のザン・ビエなんかも元ネタは神獣でしたが…
>>鉄獣28号氏
とうとうブーイングにぶち切れですか…
さて、次回社長登場。てか、娘持ちのはずが!
テストパイロットのアローにスクードは当然見る影もなくorz
鉄獣28号さんへ
遂に完全無欠に会場を黙らせた〜〜!!!しかも遂に社長が物語に出陣!
神の獣は一応本人が前スレでもちょこっと口走っていますw
Innocent World2の作者さんへ
エメットさんとオレーグさんそして…ジェノブレ3人組の中の人も登場!
しかもエメットさんは大躍進だ!!!
中身は別物ですが神の獣に関しては神話学のアポロンとアルテミスの双子の神の異説からです。
色々な所で名前を変えては出て来るアルテミス。アメリカではディアーナとか別の所ではヘロデア。
とんでもない解釈としては狼顔のヘカーテ。表現が違う上に彼女の御話では人を動物に変えてしまう表現が良くあります。
それに本人も良く動物に姿を変えているとも言われています。ここからが本題でグループSNEのゴーストハンターシリーズ。
その小説第2作目”パラケルスの魔剣”の中の表現でアルテミスとアポロンは狼の姿を持つ双子神と言う所から元をとっています。
ここ最近のオカルトネタは殆どこのシリーズか〇モンベイン辺りのネタを参考に色々手を替え科を替え組んでいます。
御話では”神”としか表現できない様な強い力を持つ獣と言う意味です。それでゾイドですから…究極野生体とか極限野生体とかそんな感じです。
「如何やら上に抜ける事はできないでしょうね…はぁ…。」ファインはがっくりと肩を落とし水に沈む。
背ではアサガオライガーが自身の背のアサガオで器用に水を吸い取り始めていた。「にゃ〜〜…。」
こう見えても中身はベルゼンラーヴェの数倍以上の体躯を持つ植物+動物の彼(彼女である可能性も捨て難い)。ゆっくりではあるが水かさは引いて来て居る。
「ぬう?無線攻撃端末の類か!?」機体が前のめりで転倒しやっとそれがペイルバイターの攻撃である事を認識するエントヴァイエン。
それに畳み掛ける様にパワーブレイカーや尾の複列ドリル棍棒、両腕のブランチクラッシャークローで攻撃するベンハルト。
「だが甘い。」数発貰ってから行動を起こしその場から瞬間移動するエントヴァイエンの機体。「ふむ…少なくとも攻撃力に関しては余のベインヴォルフよりは上か。」
対なる神の獣を両胸に納める事で完成を見る機体であるからして出力他全ての能力が劣っているのは本人も充分理解できる。
だがそれすらを以て優位に立てる存在であるのが彼…エントヴァイエンである。彼に勝つ為には普通の方法では駄目なのだ。
それが次第に表沙汰になる。ペイルバイターの猛攻はニュートン力学上の威力にして総合計がデスザウラー数十機もの全力発射の大口径荷電粒子砲の威力に換算できる。
それを以てしてもベインヴォルフは機体表面が傷だらけ程度で済むのである。その上弱点と思しきアルテミスリュカネイオスには全くダメージが無い。
「中身が化け物なら外はげてものかっ!」通常なら必殺の一撃であるゼネバス砲。それを発射を確認した後に回避する。
「常識等と言う物は何時かの火曜日にゴミと一緒に捨てた後だ。」どうもセンスがぼやけているのも”常識”が無いからかもしれない。
「さて…そろそろも余も反撃するとしよう。はあっ。」強烈な殺気の発現にその場を大きく離れるペイルバイター。ベインヴォルフの手には巨大なハルバートが握られている。
エントヴァイエンが生身でも振り回した傍迷惑なサイズの物だ。風を巻く轟音を伴い過ぎ去る刃。その刃先にはアビサルストライク同様の闇が迸っている。
それを巧みな挙動で避けるペイルバイターだが回避できる範囲が次第に狭く感じられる様になる。実質無秩序に歪んだ成長を遂げて行く木々に戦闘空域は狭められている。
しかもそれは加速しつつあった。
「そうだ…じきに終わりが来る。ならば限られた時間を貴公は如何扱う?一瞬でも長く生き長らえるか?それとも玉砕するか?」
エントヴァイエンは上機嫌だ。それにしても切り替えの速い男である事は確実だろう。しかも落ち込み具合は極度の躁鬱病の気がある。
しかし最悪の選択を選ばないのはそれが無益である事を良く理解しているからであろう。ここまで来たのなら死よりも生きて何かをする。
その方が多少はまし程度の物であるが。
「くくくくく…ならば死して生きる事を見せてやろう!悠久の前に死すら死に絶えた貴様には理解できる筈の無い真理をぉぉぉぉぉぉーっ!!!」
ベンハルトは叫びペイルバイターを突撃させる。しかも目の前には死神の鎌ですら玩具同然の破滅の刃。しかしその切っ先に”凶行”突入する。強行とは言い難い行動だ。
「ぬあああああ!!!」ギガクラッシャーファングがハルバートの刃を噛み砕く。「何と!?」自慢のハルバートの刃を噛み砕かれ表情が変わる。
そのまま突撃するペイルバイター。両腕が煌めきブランチクラッシャークローに強力な力が篭もる。そしてそれが最大展開しその中間点にエネルギーが集中する。
「バニシングブロウ!参る!」強力なエネルギーの渦を発生させながら2つの光を手に握り締めたペイルバイターがベインヴォルフに迫る。これは何回かの変異を重ねる間に手に入れた力。
簡単に言えばベルゼンラーヴェのニュークリアインフェルノを模倣修得及び機構追加をした物である。しかしそのエネルギーは荷電粒子と収束レーザー光更に荷電粒子とは別口の強力な電力を使用している。
この反発やら相乗効果やらを起しそうな物を一斉に相手に叩き込みそれを以て排除する。更には叩き込む際の有効範囲も性質上ニュークリアインフェルノの数倍の射程と吸い込み範囲が有るのも見逃せない。
ごたくを並べれば解る通り安全性は無いが命中率と極点攻撃力は核反応を使用してまでいるそれに勝る物だ。そして…距離はゼロ。命中である。
周囲は閃光に包まれ地下に居るファイン達にすらその光が届く。「綺麗でありますねぇ〜逃げましょう!!!」「妾も異論は無い!とっとと逃げるぞ!」「にゃーん!!!」
アーバレスト全開で湖底へ移動。そしてESBストライクで強引に湖底を蹴り破る。間一髪の所で彼等は膨大な水の流れの加護の元更なる地下へ脱出した…。
こうしてドラゴスは渋々ながらもマリン等にゾイテック社長の捕らえられている場所を教えるのであった。
『と言う事で!!本日のゾイドバトル!!ふたりはゾイキュア対ズィーアームズ連合軍の試合は
ふたりはゾイキュアチームの勝利に終わりましたぁ!!皆様、次の試合をお楽しみに〜!』
「だぁからゾイキュアってどういう意味じゃぁ!!!」
2人はやはり突っ込みを入れたが、これまたやはり誰1人としてゾイキュアの意味を教える者は
おらず、2人が強引に問いつめたとしても、皆は2人から目を背けて黙り込むだけだった。
その頃、別所で試合の様子を観戦していたドボルクはため息を付いていた。
「なんじゃ…負けたのか…アイツ等も意外とだらしないのう…。じゃが…まあ良いじゃろう…。アレさえ完成すれば全ては終わるのじゃ…。」
そしてゆっくりと立ち上がったドボルクは何やら作業を行い始めていた。
ゾイドバトルの長い戦いからようやく解放され、元のゾイテック社長奪還任務に戻ったマリンと
ルナリスの2人はドラゴスから教えてもらった場所をへ向かって移動していた。
「しかし…アイツが教えてくれた場所…正しいんだろうな〜…。案外罠だったりしないか…?」
「でもね〜…。それ意外に手掛かりは無いし…。とにかく行ってみましょうよ!でもさ…私思ったんだけどさ…。その社長ってどういう所に捕らえられてるんだろう…。」
「そりゃあ捕らえると言う事だから独房とか牢屋か何かだろうな…。いや待てよ…。ズィーアームズ
の連中は社長から何かを聞き出すために捕らえたんだよな…。だとすると凄い拷問とか受けてたり
するかも…。三角木馬に座らせられた状態で、女王様みたいなサドな奴にムチでビシバシ叩かれたりして…。」
「キャア!ルナリスちゃん貴女そう言う趣味が!?」
「バカ!!こんな時に何言ってるんだ!!つかちゃん付けすんな!!」
茶化すマリンにルナリスは顔を赤めらせながら、例によって彼女を小突くのであったが、
そうこうしているウチに2人は社長が捕らえられていると言う特別室の前に到着していた。
「ここか…。」
「だよね…。」
社長が捕らえられている部屋を目前にした2人は緊張していた。が、古代虎に関するデータを聞き
出す為にズィーアームズの手によって、恐らく地獄のような拷問を受けているであろう社長を助けなければならないのも事実である。
「よし…行くぞ…。」
ルナリスは恐る恐るドアノブに手を掛けた。2人は思わず息を呑む。そして彼女はゆっくりとドアを開くのであった。
「ギャハハハハハハー!!若い娘は良いのぅ〜!!」
「あ〜ら社長さんだって男前やし、飲みっぷりも最高よ〜!」
ずげげげげっ!!
その時2人は度派手な前転を見せるのだった。何しろ社長は2人の予想に反し、拷問どころか、
凄い高級料理や酒でもてなされ、女を侍らしたりと凄い接待を受け、豪遊していたのだ。
「こ…これは一体どうなっているんだぁぁぁ!!!!」
「ちょ…ちょっと待って…何か私…目眩が…。」
2人はその光景に愕然とするだけだったが、2人の存在に気付いた社長はほろ酔い気分で立ち上がり、2人の方へ歩み寄るのだった。
「あれあれ〜?新しいコンパニオンさんかな〜?」
「しゃ…社長さん!私達は…。」
「どれ…。ちょっと品定めを…。」
思い切り酔っ払っていた社長は2人の話も聞かず、あろう事か2人の胸や尻に手を掛けていたのだ。
「って何すんだよこのセクハラオヤジ!!ってしまったぁぁぁ!!!」
「ああああ!!しっかりして下さい!!」
2人は思わず顔を真っ赤にした状態で社長の顔面へ蹴りを撃ち込んでおり、我に帰った2人は
そのまま部屋の端へ吹っ飛ばされた社長に駆け寄っていた。ちなみに、先程まで社長を接待していたコンパニオンのお姉さん方は2人に驚いてそそくさと下がっていた。
「社長さん!しっかりして下さい…。」
「あ〜いや〜…。最近の若い娘のもてなし方はやっぱり違うの〜…。」
「結構タフ?」
2人の蹴りを顔面に真っ向から食らい、そのまま吹っ飛ばされたにも関わらず、社長のダメージは
それほど大きな物では無い様子だった。まあ、酔っ払っていたという事もありえるのであるが…。
と、その後でルナリスの顔を見た社長は何かを思いだしたような顔をしたのだった。
「おやおや、誰かと思ったらバッハードさん所の娘さんじゃないか…。しばらく見ないウチにこんなにべっぴんさんになって…。」
「ってそんな事はどうだって良いでしょう!?とにかくもう帰りましょう!?私達はゾイテック社の依頼で貴方を救出する為にここまで来たのですよ!!」
と、そうしてルナリスが社長の服を掴み、そのまま引っ張った時だった。逆に社長がルナリスを引っ張り返したのだ。
「嫌だ!!ワシは帰らんぞ!!」
「な…何で!?」
「こんな良い所!早々離れる事など出来る物か!!メシも美味けりゃ酒も美味い!その上可愛い娘も沢山いる!!こんな天国みたいな所から出られる物か!!」
ずげげげげっ!!
2人はまたも度派手な前転を見せてしまった。それこそズィーアームズ社の狙いであったのである。
人間は苦痛には耐えられても快楽には耐えられないもの。それを上手く利用したのだ。
それ故ズィーアームズは捕らえたゾイテック社長に拷問をせず、逆に天国の様なもの凄い接待を
行った。そうして、その豪遊の中で快楽に身を委ねた社長がついつい古代虎に関する事柄について口を滑らせる。そう言う事を彼等は狙っていたのだ。
「ハーッハッハッハッハッハ!!ここは本当にえーぞー!!」
「ハア…。」
酔っ払っている事もあろうが、社長は本当に接待による快楽に完全に負けてしまっており、2人は困った顔でため息を付くしか無かった。
「これから…どうしよう…。」
「もうこうなったらしょうがねーだろ…。社長さんゴメン!!」
「ハァ?」
2人は一斉に社長の腹と首元を殴りつけ、気絶させた。そしてそのまま社長を抱え上げるのである。
「んじゃ!社長さんがお世話になりました!」
「それでは私達はこれで失礼します!」
「は…ハイ…。」
唖然として固まっていたコンパニオンのお姉さん方に2人は挨拶を送った後、社長を抱えたまま
部屋を出た。こうして社長救出に成功した2人はそのまま格納庫に移動し、脱出用ポッドに社長を押し込むとそのまま外へ向けて飛ばすのであった。
「よし!これで取り合えず一段落したな…。」
「あとは…ハガネさん達を探さないと!」
「ああ…これまた忙しくなりそうだ…。」
と、まあマリンとルナリスの2人が必死扱いて戦ったり社長探したりしていた頃、ハイGホエール内部の別の通路にてゼノンとトランサーの2機がひたすら突き進んでいた。
「あーもー…思ったより時間食っちゃったじゃない!」
「そんな事言ってもオレが知るかよ!」
まあ彼等の前に立ちふさがった守備隊の数は夥しい物であったとは言え、かなり手こずらされた事にハガネは愚痴り気味だった。
「ああ…。こんな事してる間にもチョコちゃんは…。」
「オイオイ!それよりも社長だろ?」
チョコを心配する余り、ため息を突き続けていたハガネにタイガスは呆れた顔をしていたが、その時ラッキーが正面を指差したのだった。
「ちょっと!正面に2つの熱源反応があるよ!」
「あ!ホントだ!ってこの反応はチョコちゃんのドラグネス!」
「もう一つはあの黒赤虎野郎じゃねーか!」
探していた物の一つが見つかったハガネ等は一斉に正面通路の先の大型フロアへと走った。
「チョコちゃぁぁぁん!!!」
「さっきの試合…何かくさかったよな…。なあ嬢ちゃん?」
「……。」
ずげげげげげっ!!!!!
その時ゼノンとトランサーは度派手な前転を見せるのであった。何しろそのフロアでは、ゾイドから
降りたチョコとブロイの2人がのんきに茶を飲みながらテレビの前でくつろいでいたのだ。
「なななななな!!!!」
「お前ら一体何をやっとるんだぁぁぁ!!!!?」
「何をって…。ただクルクル転がってただけのお前等に言われたくないなぁ…。なあ嬢ちゃん?」
「………。」
ここからまた視点が変わります。
>>恐怖の亀裂作者さん
なんだかんだ言ってアサガオライガーって植物なんですね〜。水を吸うとは・・・。
もしかしてこのままさらに大きくなったり?
あと、ニュートン力学で凄いバケモンになってるゾイドとか、いますし。
でもそのゾイドがあっけなく斧を噛み砕かれたと思ったらまた何か必殺攻撃みたいな事して・・・
勝負はまだ分からないって事ですね。
>>Innocent World2の作者さん
影の最強キャラエメットキタァァァァァァ!!!!!!
あと、オレーグってやっぱりあの紫ギガの人だったんですね?
結構大切な事を忘れてしまって済みませんorz
それと、オリバーさんはゾイドバトルをバカにしていた様子ですが、
考え方を変えると、ルールで縛られている分、実戦とはまた勝手が違うと言う事もあり得ると思いますが・・・
たかが○○されど○○って奴ですね。
はたしてオリバーさんはInnocent World2世界版バディター=ロウエンとも言える
エメットさんに勝利出来るのか〜ってやっぱり今は無理?
「リニアさんの弟子ですか…気は抜けませんね!」
ガンブラスターの背が光った。無数の射線がイクスを掠め、会場の防壁に当たって派手な閃光を散らす。
正直、一斉射も避けられないと思っていたリニアはオリバーの動きに感心していたのだが、そんな事はまったく顔に出さない。
「やたらと撃ちまくってくる奴は、何度も相手にしてきたんでね!」
オリバーには自負があった。ゾイドバトルなんて遊びでいくら強かろうと、本当の戦いを経験してきた自分が負けはしないという。
しかし、二度目の射撃は正確だった。300km/hを越える速度で走るイクスの足をビームライフルが捉え、
体制を崩した所に衝撃砲の連射を受けて吹っ飛ばされる。
「くッ! …ダメージは!?」
幸い、脚部のダメージは大した物ではない。オリバーはすぐに操縦桿を握りなおし、再び機体を走らせる。
「あれが、彼の戦法…精密射撃の連射で、敵が近付く前に勝負を決める。格闘戦に持ち込む事自体が難しいんだよ、オリバー」
「そんなら――『狙えなく』してやるッ!!」
ビームを避けて飛ぶイクスの姿が揺らぎ、消えた。
「光学迷彩ですか…公式のゾイドバトルでは使用禁止ですが、ここは訓練場ですから」
電磁シールドを張り、エレクトロンドライバーの直撃を防ぐエメット。そのままで彼は、
イクスのコックピットに通信を送る。
「流石に目視できないってのは厳しいですね…――リニアさん、僕も『本気で』やっていいですか?」
「好きにしたまえ、先に反則を仕掛けたのはこっちだ」
それでは遠慮なく――と言わんばかりに、ガンブラスターが輝く。発動の光を放った敵にオリバーは驚愕した。
「え、アイツ能力者かよ? …ゾイドバトルって、能力禁止のはずじゃあ…」
「そう。だから彼は、能力を使わず自分の力だけで現在の地位まで上り詰めた。そして…」
ガンブラスターの全砲口が、姿を消したイクスの方を向く。
「…かつて、私と同じ師に教えを受けた者の一人でもある」
無数のビーム、衝撃砲、その他諸々の砲撃が全てイクスを捉えた。絶え間なく続く被弾の衝撃に揺さぶられ、
オリバーは思わずうめき声を上げる。
「何の能力を使いやがった!? …ちっ、なら俺も能力を」
「忘れたか阿呆、お前は今能力を使えん」
「なーーッ!! 忘れてた!」
ショックを受けつつ、オリバーはモニターにでかでかと映し出された「YOU LOSE」の文字を見た。
「ゾイドバトルでは、次のバトルまでに修理が終わるようある程度のダメージで試合が終了する。お前の負けだ」
ここ最近連敗続きのオリバー。もはやプライドも何も粉砕されている。
その時先程のリニアの言葉を急に思い出し、彼女に尋ねようとした。
「なあ、師匠がさっき言ってた『同じ師』って誰のこ…」
「お前はやはり駄目だ…機体性能すら活かせていない。今度は私が、イクスでエメットと闘る」
故意に自分の言葉を中断されたような気がする。が、それ以上にリニアがどんな戦い方をするのか楽しみだった。
「えー!? リニアさん相手じゃ流石にキツいですよぉ!」
「落ち着け。今日の私はシャドーエッジに乗ってもいないし、このイクスは今の戦闘で傷ついている…丁度いいハンデだ」
再び愕然とするオリバー。いくらリニアでも、オリバーと同じ機体でエメットを倒せるものだろうか。しかも、
確かに今の戦闘でイクスは傷ついている。
「し…師匠、丁度いいハンデとは…随分、自信があるようで」
ベルトを引っ張りながら、オリバーが呟く。リニアは表情一つ変えず、感触を確かめるように操縦桿を握った。
「私は自分の実力を過信している訳じゃあない。…しっかり身体を固定しておけ、少々荒っぽいの行くぞ」
「は? ――いッ!!?」
彼がベルトを締めた直後、奮い立つようにイクスが跳んだ。途端に、ビームの嵐が襲い来る。
明らかに速度は落ちている。だが、リニアが小刻みに操縦桿とフットペダルを動かしただけで
白い機体は全ての砲撃をかわして見せる。
「オリバー、敵の攻撃を避けるに当たって大切な事はな…『移動速度』ではなく、『反応速度』だ」
リニアは光学迷彩を使っていない。反能力でエメットの力を封じた訳でもない。
彼女は、ライガーゼロイクスという機体の持つ力を最大限に引き出していた。
「くうっ! …当たれぇ!!」
全門射撃を横に飛んでかわし、リニアは隙が生まれた相手に迫る。
「ちっちっちっ、焦ったなエメット君。常に使える武装は一つ残しておけと、『彼』に教わらなかったか?」
どの武装の次弾が装填されるより早く、スタンブレードがガンブラスターの喉元に突きつけられた。
この板おかしい! 絶 対 字 数 規 制 厳 し い !!
>>恐怖の亀裂作者氏
ジェノブレ3人組の内2人は機体があぼーんしてしまいましたので、現在何に乗せるか考案中。
いっそ3人とも変えるか…ジェットストリームアタックはできないが(こだわり)
>>鉄獣28号氏
訓練場はルールがかなり緩いです…
てかエメットは全然最強には程遠いキャラでしてw
…社長!あんなに娘思いで良い人だった(顔は出なかったが)社長が!
エロ社長に―――ッ!!! (VV゚Д゚=こ ―=三))゚∀゚).・:"
だあああ!書き込み中に落ちターーー!!!_| ̄|●
鉄獣28号さんへ
凄いぞ社長!正に男の鏡!色香に惑わされてこそ真の漢w
そして…戦闘に飽きたのかそれとも疲れたか観戦モードでマリンさん達の試合を見ていた2人w
助けに行って救出対称がこれでは両方転けても文句は言えませんw
Innocent World2の作者さんへ
いっその事残りの2人はバスターフューラーと凱龍輝に!これならスペックと見た目の関係でジェット(以下略)は使用できない筈ですw
エメットさんは能力無しでチャンピオン!そして能力使えば消えたイクスも蜂の巣!弱点があるとすれば…単発の火力の弱さだけ?
閃光に薙ぎ払われその輝きに世界の輪郭は消失する。これはベンハルトの視界から確認できる情景だ。
対閃光防御の遮蔽シールド越しでもそう見える世界の中ベインヴォルフの輪郭も消え行く…。
しかしその最中アルテミスリュカネイオスだけはその場に存在し続けている。「くくくく…素晴らしいぞ!貴公!真逆ベインヴォルフを1体丸毎消し飛ばすとはな!」
エントヴァイエンの方はその光景を見てご満悦という感じである。
世界の輝きが消え元の情景に戻れる物は戻って行く…。周囲は完全にクレーター状になり醜く歪み成長を続けていた木々は閃光と膨大な熱に焼き払われている。
その中心部には機体こそ残ってはいるが最早乗り手は存在しないペイルバイターと外見を失ったアルテミスリュカネイオスが存在するだけだ。
「ベンハルトに免じて貴公は生かしておいてやろう…もし余に刃向かうならばここから這い上がってくるがよい。」ペイルバイターにそう告げるとエントヴァイエンはアルテミスリュカネイオスと退屈な闇へと消えて行く。
残されたペイルバイターは悲痛の雄叫びを上げその場に倒れる。失ってしまった者は余りにも大きくその頭部はパイロットの居る筈の場所がくり取られた様に無くなっていた。
「そうか…。」ベルウッドは状況を理解しているらしい。「主よ…ベンハルトとやらが逝ったぞ。」その言葉に超反応を示すファイン。それで振り抜かれた頭にはふやけ気味のアサガオライガー。
バランスを失って床に落ち腐ったサボテンの様に外見の装甲っぽい部分が破れてしまっている。「にゅ〜〜…。」
「そうですか…とんでもない奴でありますね。あのそっくりさんは。」正直な感想を述べる。「しかし未だに閲覧禁止事項の効果が妾には残っておる。まだ隠し玉を用意している筈であろうな。」
ベルウッドは周囲を見回しながらそう言う。今は水が全て流れて行った後で周囲は暗い洞窟の壁である。
「出口は…上以外壁を砕く必要が有るようでありますがねえ?ここらは特に脆そうでありますから壁を掘るなら慎重にいかないと…。」とか言いながらもその手はバスタークローの使用を選択している。
その回転は次第に速度を上げ機体の持つエネルギー量に比例した回転をして行く。バーサークフューラーの物より元のサイズが手と小型な分2〜3倍程の回転力を持っている。
「…くしゅん!」くしゃみだ…。
「あ”っ!?」くしゃみの主はベルウッド。それにより手元が狂い…「だあああああああああ〜っ!!!」ベルゼンラーヴェは生き埋めになる。
「で?ベルさんはこの責任を如何取るつもりで?」上手い事手と足が何処にも着かない状況になっているファインは言う。「ほほう?その状態でそう言うか?やれい!」
ベルウッドとアサガオライガーはTFSを使用している訳では無いので当然自由に動ける。「にゃ〜。」アサガオライガーはアサガオでファインの体を擽り始める。
「あひゃひゃひゃひゃ〜っ!!!」情けない声を上げて必死にもがくが当然状況は好転しない。くだらない時間が無駄に過ぎていく…。
しかし時間が無理矢理間延びさせられている状況なら多少は問題無いとベルウッドは考えているらしい。
「ほれ?見ろ!お主のもがきが多少状況を好転させているかもしれんぞ?」もがいているという事は機体もそう動こうとしている。
その甲斐があったのか如何かはモニター映像を丁度見れない位置のファインには解る筈が無い。「もっとだ!もっと擽るのだ!ああ〜じれったい!妾も手を貸すぞ!そりゃ〜♪♪♪」
何か楽しそうなベルウッド。そうして擽られること約十分。遂に大きな音がして周囲の一部が更に落盤を起こしてドツボにはまる。
「これは…如何言う事でありましょうか?」ここまで来れば流石に異論は飛んで来ない。「全く…しょうがないでありますねぇ〜…壊すなとは言われましたが壊すしかないのであります。とほほ…。」
肩の後ろに後方警戒用にカバーの中に入っているストームガトリング。それを泣く泣くフルパワー斉射する。
激しい音と共にカバーを撃ち抜き岩盤を粉砕していくストームガトリング。落石に加わる力の流れが変わり隙間の多い物が多く成る。「機体の操作の方はお願いするでありますよ!」
銃身が焼き切れる寸前まで斉射を続ける。そして機体の上方に掛かる荷重が機体のパワーで何とか成るレベルにまで軽減するとその瞬間に上体を起こし岩盤の山から上半身を脱出させる。
「はあ…はあ…やっと楽な姿勢に成ったであります…。」休憩がてらにもう一つのサブシートに座り汗を拭くファイン。しかしそんな都合の良い物は無い。
「こら!妾の服で汗を拭うな!こっちを使え!」そう言って何処からかタオルを投げよこすベルウッド。何処から?と言うのは永遠の謎なのだろう…。
「うわ〜ん、やっぱリニアさん強過ぎ…」
「あのな…これで世界大会なんか出たら、負けるぞ」
モニターに映る「YOU WIN」の文字が明滅する。が、オリバーの目には何も見えていなかった。
これまでは、腕のほかに機体性能の差もあってリニアに負けていた。だから、彼女との腕の差が
正確には解らなかったのだ。だが、同じ機体でこれほどの力量差を見せ付けられたオリバーは改めて悟る。
「やっぱ凄えわ、師匠…」
ジークフリートと戦ったとき、彼はリニアの機体が来るのを見て逃亡した。その理由も今なら解る。
「こんな事で凄いといってもらってはな…お前は、少なくとも今の私よりは強くなれるだろう」
「え…?」
オリバーの疑問符は、隣の会場から聞こえてきた歓声にかき消された。
「何だ? 12番リングで、何か…」
<おおーッと!! これは凄い、サラマンダーF2が開始6秒で瞬殺だーーッ!!!>
リニアがモニターを切り替える。隣のリングの映像がダウンロードされ――煙を上げるサラマンダーと、
それを空から見下ろす黒い機体が見えた。
「あれは…希少種のデッドボーダー? だが、あんな翼が付いた奴は見た事がないな」
「それに、あの槍…」
そのデッドボーダーは翼を持ち、手に30mはあろうかという繊細な装飾が施された槍を持っている。
「まさかとは思うが…いや、そんなはずは無いか」
リニアはその機体からモニター越しに感じていた。競技者にはありえない、戦場で感じる殺気を。
<何をやっているヴォルフィ! 目立つ行動は控えろとあれほど…>
「良いじゃないか兄さん。どうせ他のところで僕の姿を見るとしたらそれは、そいつが死ぬ時なんだからね」
中空を舞うデッドボーダーのパイロット。それは暫定政府議長の弟、ヴォルフガング=フォイアーシュタインだった。
「ま、僕だってたまには遊んでみたくなる物さ。任務はちゃんとこなすから心配しないでよ、兄さん」
不機嫌そうに切られた通信。ヴォルフガングは愉快そうに、ノイズを漏らす通信機を見つめていた。
「ほう。で、そのオリバー君は病室から姿を消した訳か…」
「ああ。一緒に居た友達に訊いたんだが、彼女も行き先は知らなくてね」
マキシミンはオレーグの私室に通され、そこで互いの情報を交換していた。
「しかし、まさか連中が…政府に作られたモンだったとは…」
オレーグが広げた資料。それは、強化人間に関する政府の極秘研究計画とその失敗に関しての物だった。
そこに書かれていた事実は衝撃的なものだった。13体の実験体が研究所を破壊して逃走、
それらが何らかの方法でデスザウラー級の機体と“剣(ソード)”を手に入れ、能力者を狩っていると。
「俺が最も不審に思ったのは、この“剣”とかいう能力…どれも非常に強力な力らしいが、なにしろ生存者が居ないんで
詳しい事がまったく解らなかった。で、それをお前に話してもらおうかとね」
なるほど――実際に彼らと戦って生き残った証人の一人であるマキシミンなら、確かにオレーグ達が掴めない情報を持っている。
「まず、ジークフリートとか言う奴の能力は…発動する前に黒いフューラーが来て、奴が逃げてしまったから解らない」
「まて、黒いフューラー? それに…騎士が逃げた?」
「そうだ。そして、アーサー…騎士達のリーダーらしき奴の能力は、見たこともないタイプだった。
俺が見ただけでも増速に装甲強化、たぶんまだあるだろう…複数の能力を、同時に使いこなしているんだ」
オレーグの眉がつり上がる。そして、彼は明かした。
「実はな…俺達は一度、アーサーと戦った事があるんだ」
「!? なら、俺に聞かなくても…」
首を振り、マキシミンの言葉を中断するオレーグ。
「駄目なんだ。俺とこいつら三人は皆Aランク以上の能力者だったが、4人一気にかかっても奴を倒す事はできなかった。
しかもアイツは――“剣”を使っていない」
誰にも明かさなかった推測を、彼は話そうとしていた。
「推論に過ぎないが…もしかしたらアーサーの能力とは、」
ズズ…ン
「!? 何の音だ!?」
オレーグが手にした通信機に、部下からの緊急連絡が入る。
<ボス! 居住ブロックD地区にデスザウラー級反応が13機――円卓の騎士です!!>
地の底での死闘まで書きたかったのだけれど今日も時間が無い…
>>恐怖の亀裂作者氏
いやいや、3人が同じ機体の色違いで違う能力を発揮するから面白いのだと考えてます。
攻撃に特化したジェノブレ、防御に特化したジェノブレ、再生に特化したジェノブレと
それぞれに違う戦術で連携攻撃できたりしたらカッコイイと思ってはじめた3人組でしたので…
たまに思うんだが。
このスレ、書いてる人以外に誰か居るのだろうか、って…
俺が常駐しているよ
Innocent World2の作者さんへ
槍持ちデットボーダー…まさかあれが残っているとは。
しかも最高支配者搭乗機。目立ってるよシャッチョー!!!目立ちすぎだよ!
その後の言い分で納得できますが。
>>44さん
たまに思います自分も…。
現に…そのタオルは空間を超えてきたと思われる。証拠はタオルが突然出てきた事とその時に何かから引っ張り出しているような動き。
そしてもう見飽きてお腹一杯の空間の歪み。如何やらベルウッドは以前言った通りアドラメルク(アドレメレク)の衣装保管庫等を自由に使えるらしい。
目の前に立つ者…突然岩の中から現れて疲れた様な素振りをする者を彼は見る。
昼寝のつもりが如何やら1000年単位を軽く越しているだろう…それが解る程彼の体は鈍っていた。
「…ん?お主は確か空を捨てし者の一族か?珍しいものよ。とっくに全てがこの橋を離れたと思っていたが…。」ベルウッドも目の前の彼に気付いたらしい。
アサガオライガーやファインが彼の存在を確認できないのはしょうがない事だ。
なにせ彼の体は山一つはゆうに或る長大な尾羽根と鳥の癖に4本足そして飾り物になって久しし背の翼。そして誰が与えたか2対の飾り翼。その内一つは頭部に大それた冠の様に収まって居る。
「おうぅ?そこに居るのは角の一族のママンじゃないかい?」鷹の顔から発せられたのはちょっと高めの男の声。しかし口を動かした形跡が無い事から言葉その物を振動波として発生させたのだろう。
「お主…ママンはよせ!まだ実際に子を産んだ覚えはないぞ?」そんなやり取りをサブシートから見るファインにはこの場が別世界にしか思えなかった。
結局彼に頼み機体を岩の山から引き摺り出してもらう。「それじゃママン!縁があったらまた会おうね〜!」爽やかな風の様にこの世界を去って行く彼。
「全く以て変な奴だ。周囲の状況から考えても8000年以上はここで寝ておったらしいぞ?」あんたが言うかと突っ込みたい気分は有ったが疲労の方が勝りそれはしない。
そして…忘れ物の翼の冠。「置いて行ったか…飽きたのだろうな。」そこに有るそれはとても豪華な装飾品だ。「如何しましょう?これは?」ファインは呟くと「当然持って帰る!」ベルウッドが断言する。
貧乏性なのかそれとも人外様でもアクセサリーには弱いのか?答えは解らないが取り敢えずそれを拾い上げ帰路に就く事にした。
「…で?壊しちまった代わりって訳か?しかしなぁ〜またとんでもないもの拾ってきやがってからにもう…。」流石の整備班長もこの翼の冠には唸ってしまう。
今の所解析できる構造材はそれの中に半分以下である。
「…その上嫌がらせか?解析できる素材が古代チタニウム合金って。」帝国軍にとっては嫌がらせにしか思えない。
素材としては貴重であるが精製法が解らないので切ったりして調べるわけにもいかない。この他ベルウッドの説明で使用されている物だけは知る事ができた。
「えっと…宝石みたいな飾りの一番大きいのは賢者の石と。それに小さい飾りが天河の滴。縁取り金具が古代チタニウム合金…。」とメモを取っている。
「えっとそこの花崗岩模様の奴がハイパーグラナイトで良いのかい?御嬢?」「うむそうだ。大地に住む旧原種ゾイドは大抵ハイパーグラナイトを外殻に持って居る。」
「すまねぇ御嬢?聞いて良いか?このハイパーグラナイトって奴はどれぐらい硬いんだ?」整備班長の言葉に「そうさな…デスザウラーの装甲の3倍程は硬いぞ?純度が50%以上ならな。」
ベルウッドは答える。世の中にはまだ未開の領域が多いと言う事を世に知らしめる様な一言だった。
「所で…御嬢?もう一つ聞くがミーディアムグロウブが破損したって本当か?」神妙な面持ちで整備班長が聞く。「残念だが事実だ。」それを聞いて少し考えてから整備班長はベルウッドに言う。
「悪いこたぁ言わねぇ…ベルゼンラーヴェを降りろ。御嬢の為だ。」その瞬間ベルウッドの表情が怒りに充ちるが直に収まり浮かない顔になった。「妾とした事が事実を突き付けられただけで揺らぐとは…まだまだ甘い様だ。」
それ以降ベルゼンラーヴェの修理をじっと見詰めている。
「全く情けない限りであります。」此方はツヴァイザーシュライエントの中で報告を終えたファイン。それに「この馬鹿者が…と言いたい所だがしょうがないだろう。しかしお前もこれで人間の証明ができた事になるな。」
アービンはそう言う。まあ感情の起伏がおかしいとか彼奴は切れているんじゃないか?とか言われていたが明白な動揺を残したまま報告する事など無かった者がそれをしたと言う事で一応人間的な感性を持っている。
それが確認できただけでも良いとしておく事にする。事情が事情だけに一般に公開はできないだろう。ファインのそっくりさんが生身で周囲を破壊して回った等と言うと間違い無く大混乱になる。
唯でさえトリニティブラッドと言う事で立場の危うい彼。その上この部隊に転がり込んで来るまでの顛末は背任限々の行為が目立つからだ。
2年間で23部隊…それだけ所属が変わっている。その大抵が現地指揮官との諍いと来ている。
更にその内ファインが憲兵隊に部隊の犯罪行為を告発した回数は二桁にのぼる。悪いのは彼等なのだが軍人としての配慮に欠けると報告書には記入される程だ。
見た目の胡散臭さとは対照的な軍務に対しての潔癖な態度と行動原理が彼を気違いだと風評される原因だ。また更に個人の生活に関しては論外の社会不適合者。
多少の違反程度なら喜んで犯す駄目男。支離滅裂さが色濃く見える。
アービンに背を向けて司令部の修理を手伝っている彼を見る限りは真面な存在だと辛うじて思える。公私が同一であれば言う事無しなのだが…。
視線を感じてか「何か他に御用でも?」と振り向く。「いや…何でもない。」いつもは怒鳴るだけ怒鳴り終わるのだが生きて帰って来たのが不思議な状況がそれを行えないでいる原因である。
それだけ事態は混沌を極め見極めを誤れば全てが崩れ去るかも知れない程判断に窮する状況である。
「結局こう成るのか…。」レクスの脳内はもう如何でも良いやと言う言葉がぎっしりと詰まっている。
待たしても連れが増えたのだ。今度は帝国軍。それもやばそうな機体が揃いに揃った新兵器開発実験部隊。悪名高きフリッケライドラグーンの面々だ。
「ほうほう…これは素晴らしい!戦時の行き詰まった状況でこれだけのバリエーションを造るのは難しいですよぉぉぉぉぉ〜〜!!!」連れ1号のエルザは舐める様に機体を見て回っている。
数の暴力に押し負けそうな成ったところに偶然遭遇したのだ。これだけの頭数と各々の機体及びパイロットの実力の予想以上の高さが今の相手の惨状を物語る。
殆どの者は荷電粒子砲の精密照射で跡形も無く消え去りその他の戦力も戦闘というより虐殺の勢いで排除されている。
「如何しよう…。」実は帝国軍側も困っていたりする。相手が少ないと言えど先に聞き及んだデスザウラー舜殺ツール装備のゴジュラスギガ。
しかもパイロットはこの一年間程自力での補給で帝国軍監視網を掻い潜りもしくは破壊し生き残り続けた”ゼネバスデストロイヤー”だ。
隣りから此方を舐める様に見回す視線の主も四面獣天の1人となると正面衝突だけは避けたい。「「あっあの〜…。」」
運の悪い間の悪いその上交渉力が余り無い者同士レミントンとレクス場が固まってしまう…。
「困りましたねぇ〜…交渉事は他の人にぃ〜頼りきりでしたからぁ〜?」間を埋める様なルディアの声。
「そ〜〜〜〜うですよ!こんな所でキャンプを張っていると…。」エルザ介入。しかもその後声を合せてこう言う。
「「強襲を〜受けますよぉ〜〜〜?」」しかもこう言う時に限って真面な事を言ってみたりする。すると…。
「本当に来たわね…。」リディアが手で額を押さえる。
交渉中で固まった2人を放って置いて各自戦闘体勢を執る。「如何やら本物の中の本物みたいね!」リディアが毒吐く。
今まで遭遇していなかった厄介物。第1次及び第2次調査隊を膾切りにした強化型ゴドス。共和国軍側のコードネーム”ネックスナッチャー”である。
両足の首狩り鎌。多層構成型超振動ブレードを構え飛び掛かってくる。「でもこれでおしまいね。」味方にはその居場所が解るが光学迷彩で隠れている機体。
リディアの乗るナイトウォーカーはデスザウラー特有の長い尾を足を掛ける様に通路に横たえる。
空中を舞うネックスナッチャー。ナイトウォーカーの尾に足を引っ掻けて派手に舞う。機体に似合わぬ高機動力とマグネッサーが仇となった瞬間である。
その代わりでしょうがないがナイトウォーカーの加重力衝撃テイルは切り傷だらけになる。振動波発生機能を持って居る尾でこれなのだから単純な多重積層の張り重ねの超重装甲では腕を切り飛ばされても無理は無い。
その実感をリディアは感じる。その上こんな事態を想定していないのならデスザウラーとて下手すると一溜まりも無い。資料映像のエルガイル海岸の戦闘を思いだし気合いを入れる。
「メイア!クローム!処理をっ!」
「「了解!」」素早くその声に反応しメイアのボンバードスレッジは素早く宙を舞うネックスナッチャーの真下を取る。「行ってきなさい!私のミサイルちゃん!」一斉に数十発の小型ミサイルが的確に相手を捕らえる。
爆発の連鎖音に合せてその数に見合った相手の残骸が飛び散る。そしてメイアの”処理”を逃れボンバードスレッジを狙う者も居るが「私を忘れて貰っては困る。」その声が通り抜け真っ二つの炎上物が2ダース半程出来上がる。
「炎刃修羅羽。じっくり味わってくれ…。」クロームのクリティカルエッジの斬撃。第一波を軽くあしらう第2小隊。しかし直にその場を第2小隊は逃げ出した…。
>>46 一度、他板のSSスレを覗いてみた方がいいと思う。
こことは決定的に違う部分がある。
「馬鹿な――何故奴らがここに!?」
「驚いてる暇があるかッ! 俺は出るぜ!!」
マキシミンがエレベーターに飛び込む。オレーグが止める暇も無い、一瞬の事。
「わざわざあっちから来てくれるってのは…親切なこったな!」
エレベータを降りると、遥か遠くに巨大な機影が見えた。リストバンドの青いボタンを押すと小さなランプが点灯し、
数秒の後大空洞の側面を突き破ってデススティンガーが現れる。
愛機に飛び乗ったマキシミンは、遥か向こうの敵影に向けてリニアキャノンを放った。
「テメェら!! こんな所まで能力者狩りか、あァ!?」
頭部に仮面のようなユニットを装着した、ジークフリートの機体がその砲撃を弾く。
<ついでにそれも考えてるけど、第一目的は君さ>
「何――俺だと?」
その時、マキシミンの背後で轟音が鳴った。振り返ると、ゾイドの格納庫らしき所から紺と濃緑の迷彩柄に
身を染めたゴジュラスギガが出てくる。その後ろから出てきた3機のバーサークフューラーは、
それぞれが違う色に塗り分けられ別々のアーマーユニットを身に付けていた。
「ふざけた真似もここまでだ…目的が聞けない以上、お前らは抹殺する!」
オレーグがギガのコックピットから通信機越しに叫ぶと、先頭に出たアーサーが嘲笑うように肩をすくめる。
<我々を抹殺すると…ティベリウス、本当の“抹殺”が如何なる物か、あの小僧に教えてやれ>
ティベリウスと呼ばれた男の機体が前に出た。やはりベースはデスザウラーだが、全身に角のような突起があり
その外見はもはや魔改造と呼ぶほかないほど変わってしまっている。
<ジークフリートはあの3機を、残りは格納庫から出てくる雑魚を抑えろ。…あの少年は、私がやる>
13機のデスザウラーが、恐るべき速度で迫ってくる。
「クソッ! 連中は何故、お前を狙う!?」
「知るか、そんな事ァ!!」
先陣を切って突っ込んできた3機を、5機のゾイドが迎え撃った。
<我が名は“抹殺者(ターミネーター)”ティベリウス…お前を、抹殺する>
「ぐッ…ぬううぅぅぅぅッ!!?」
数百mの間合いを一気に詰め、電磁爪を叩きつけるティベリウス。オレーグは400tの質量が加速して突っ込んできた衝撃に耐えながら、
クラッシャーテイルでその機体を横に弾き飛ばす。
「ハッ! どーやらお前は、アーサーほど強くはないらしいな!」
<当然の事…だがお前は、その私よりも弱い>
「何だと!?」
受身を取って立ち上がった醜悪な機体。その爪がゆっくりと、鞘に収められた剣を抜く。
現れた刀身は蒼く、透き通るように美しかった。だがその根元に施された装飾は悪魔の顔を模っており、
刀身とのギャップがあまりにも激しい。
<我が“剣”の名はデスブリンガー…この力は>
その時、剣を構えるその機体にオレーグの部下が駆るスナイプマスターが編隊を組んで突撃した。
「ボス、我々が隙を作ります!」
「ここは俺たちの街だ…守るのは俺たちだ!!」
マキシミンと睨み合いながらも横目でその光景を見ていたアーサーが、奇妙な笑みを浮かべる。
<あ〜あ〜、可哀想にあいつら。…ティベリウスの“剣”は、危ないぞ>
ガッ、ガッ、ガンッ
3機のスナイプマスターは、一刀両断にされず蒼い刀身で弾き飛ばされただけだった。
「何だ? どうして斬らな…」
「待て、あのスナイプマスターは――死んでいるッ!!」
飛ばされた3機はそのまま動かず、コアの生命反応が消えている。オレーグの呼びかけに、パイロットも答えない。
<これがティベリウスの“剣”…騎士の中でも、一線を画した力だ>
「貴様ッ…! 俺の部下に何をしたァッ!!?」
あくまでも冷静に、ティベリウスは淀みなく答えた。
<私の称号は抹殺者…ゆえに、敵を確実に殺せる力が必要となる。このデスブリンガーと言う名が意味するのは『死を運ぶもの』…
我が“剣”の力は、『刀身に触れた者の命を奪う』!>
13人も名前考えるのはとても大変…
>>恐怖の亀裂作者氏
最高支配者の影武者搭乗機、ですね。
>炎刃修羅羽
何と読むんですか?
>>51氏
他の板だと、どうやら名無しさんの書き込みがもっとある模様ですがその事ですか?
もしかしてこのスレは…というか自分の話は…
名無しが書き辛い雰囲気が自然にできちゃってるよな。
1.お三方ともネタを小出しにし過ぎ。読み辛いし、いつ終わるかもわからないものを追い掛け続ける程みんな暇じゃない。
それにどこでレスを返したらいいのか困る。
別に完結していなくてもよいとは思うけれど、ある程度まとめて投稿すべき。書く方も別に焦る必要はないと思う。
読む方も時間掛かってもいい作品ができるなら誰も文句は言わないだろう。
2.お三方ともレスを返し過ぎ。馴れ合いにしか見えないし、第一名無しが書きそうな部分まで全部返しちゃってる。もういいやって思う人もいるだろう。
それに元ネタばらし過ぎだし。パロディはあってもいい。でもそれを喜々として晒しちゃうのはどうよ?努力して書いてないと思う人もいるよ。
他にも色々あると思うけれど、特にこの二点は目立つ。名無しの足が遠のく結果に繋がってないだろうか?
名無しが書きづらいなーってのはおれもちょっと賛成。
書いてる人が悪いとか言ってるんじゃないんだけど
>>55 んじゃおまいもバトストなんか考えてみない?
おれもなんか考えるから
すでに書いてたらスマソ
>>55 成る程、今考えてみましたが改善案としては
1について
・10話ぐらい自分のPCで書いて保存する
・それを一気に貼る(以下このパターン)
2について
・とりあえず話を書く方に集中する(余分なレスを削る)
・元ネタは訊かれない限りはとりあえずばらさない
というのはどうでしょうか
俺には「名無しで書きづらい」ってのはわからないなぁ。
「名無しで書いても目立てない」ならわかる。
それこそ名無しなんだし、書き捨てるつもりで書いてみるのが2chのSSスレだと思うよ。
幸運にして、自分が前に投稿したときはレスももらえたりしたし。
空気は自分から換えていくのが建設的だと思うんだわ。
以上、煽りっぽくなってたらごめん・・・。
>>57 確かに、スレ上でのやりとりが「話の小道具に使った元ネタを指摘してもらうごっこ」
みたいになるのはちょっと見苦しいと思うな。
でも「こうしなければならない!」とか言うつもりは無いよ。
>>58 書く側のスタンスはそれでOKかと思われ。問題は読む側としての名無しの居辛さ・レスし辛さでしょう。
例えば前スレなんだけど、なんと今スレ移行までに一ヶ月経ってない!ゾイド板としては異常なハイペース。
それでも流れがある程度整然としてれば追い掛け易いだろうけれど、実際はそうじゃないから。
55の指摘はそういう部分についてでしょう。
今、前スレの流れを試しにまとめてみようかと思ったけれど5分で挫折しますた。
58さんも試しにどうぞ。これは確かに、毎日スレに立ち寄らないと厳しいかも…。
Innocent world2の作者さんへ
あれは如何呼んで貰っても基本的に問題無いです。家の馬鹿変換では”えんじんしゅらは”でそう出ました。
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書き辛い読み辛い。の点は入り乱れる話が原因なのでしょうか?
>>59 そうでしたか…一ヶ月経たずにこのスレ。随分勢いが速かったようで。それとも次スレの準備に入るのが速いのでしょうか?
それとも◆.X9.4WzziA さんが定期的に魔装竜シリーズを投下してくれているからでしょうか?
今回も大体日を分けて一気に張っているみたいですし?
書き溜め…一応鉄獣28号さんはしているみたいです。
しかし自分がやるとすると…字数制限に見事に引っ掛かる悪寒。唯ここで書いているだけで引っ掛かる男なので。
それは良しとして…10個ぐらい纏めて張る事になると大体18〜20KBが一気に負荷が掛かるのでアクセス規制。とかに成らないかな?とか。
取り敢えずぼやきを書いているばかりでも駄目なので試してみます。如何なるかな?
急いでゾイドから這い出てきて一喝するハガネ等にブロイは呆れた顔をしており、あげくのは手には彼の言葉にチョコが頷く始末であった。
「とにかく!!お前等一体何やってるんだよ!!そんな所で茶を飲みながらくつろいでたんだよ!!」
「しかもチョコちゃんまでぇ!!」
「でもなぁ…。何時までも戦い続けるのも疲れるしな〜…。だから丁度さっきまでゾイドバトルの試合があったから一時休戦してその試合見ていたんだよ。なあ嬢ちゃん?」
「……。」
ブロイの言葉にまたもチョコは軽く頷いており、それにはハガネ等はガックリと肩を落とすので
あった。ちなみに、ブロイとチョコが先程までテレビ観戦していたゾイドバトルの試合とはマリン&ルナリス対ドラゴス&黒い三銃士の試合である。
「は〜…。ったく私達の苦労も知らないで〜…。」
「今までどれだけの数の敵と戦ってきたかわかんないでしょ?」
もうくたびれたと言う顔をしていたハガネ等に流石のブロイも困った顔をしたのか、彼はすっくと立ち上がるのだった。
「わかったよ…。んじゃあそろそろやるか!」
「………。」
ブロイに会わせるようにチョコも無言のまま立ち上がり、先程までとは打って代わって緊張感のある顔となった2人は互いに飛び退き会うのだった。
「今度こそは本当に勝たせてもらうぞぉ!!!」
「私に貴方は勝てない…。」
「おいおい…。」
「何処まで本気で何処までふざけてるんだ?」
一気にシリアスな雰囲気となったブロイとチョコにハガネとタイガスは呆れていたが、それを尻目に2人はそれぞれゾイドに乗り込み、起動させていた。
「今度こそその無表情を崩させてもらうぞ!!!」
「無駄……。」
起動したドラグネスとブラストルタイガーはそれぞれ向かい合う形で構えていたが、遅れて起動したゼノンとトランサーがドラグネスに近寄っていた。
「今度は私等も行かせてもらうよ…。」
「いつまでも戦い続けるのもいい加減疲れるからな!」
ハガネとタイガスはやる気満々であった。が、ドラグネスがゼノンとトランサーの2機を止めたのだ。
「チョコちゃん!?何で…。」
「ダメ…。」
『この娘の好きにさせてやるべきだ。さすれば紅の神も…。』
「そ…そう…なの?」
1人で戦うと主張するチョコにハガネは戸惑っていたが、蒼の神の勧めもあり、結局引き下がるしか無かった。
「わ…わかったよチョコちゃん…。けど、危なくなったら問答無用で助けにはいるからね!」
「ありがとう…。」
「しゃーねーなー…。んじゃあ俺達は妨害者を止める役でもやるかぁ?」
ハガネに遅れてタイガスも納得しながらトランサーを下げており、それを確認したドラグネスはブラストルタイガーの方へ向き直っていた。
「おい…本当に良いのか?仲間を下げて…。」
「……。」
チョコは無言のまま頷くが、それと同時にブラストルタイガーが跳びかかっていたが、ドラグネスはその突撃を軽くかわし、逆に頭部に蹴りを入れていた。
「紅の神を強引にねじ伏せる限り…貴方は勝てない…。」
「畜生!!済ました顔しやがって!!」
ブラストルタイガーは装甲を開き、内蔵した火器を撃ちまくっていたが、ドラグネスはまたも軽々とその攻撃をかわしており、その光景にハガネ等は唖然とするばかりだった。
「それにしてもあのガキやるよな〜…。何であんなに強いんだ?」
「私が少しご教授した事あるけど…。あそこまで強いとは思っても無かったよ。」
「いずれにせよあの娘は強いと?」
と、そう言っている間にもドラグネスは冗談のようにブラストルタイガーを圧倒しており、ブラストルの体を軽々と蹴り飛ばしていたのだ。
「何故だ…?何故お前はそこまで強い?」
「紅の神を解き放つまでは…。私は負けない…。」
「何が紅の神だぁ!!?ワケのわからねぇ事言いやがってぇぇ!!!」
その時ブラストルタイガーの全身を覆う装甲が展開し、内蔵する火器を全方位へ向けるのだった。
「今度こそ消えてなくなれぇ!!!サーミックバーストォォ!!!」
「ってコラぁ!!室内でそんな危ない物使うなぁぁぁ!!!!」
慌てて叫ぶハガネを無視し、ブロイはブラストルタイガーの最強兵器、サーミックバーストを
全方位へ向けて撃ち込んでいた。ゼノンとトランサーは慌ててその場から逃げ出していたが、
ドラグネスはそのブラストルタイガーを中心に全方位へ向けて降り注ぐビームの雨のまっただ中にいた。
「ああ!!チョコちゃんがぁぁ!!!!」
「今度こそ俺の勝ちだな…。」
ブラストルタイガーを中心としたサーミックバーストの着弾範囲の金属はドロドロに溶け上がって
おり余りの高熱による湯気や煙により、視界が遮られるほどであった。これほどの物を真っ向から受けてしまえばどんなゾイドも一溜まりも無いはず…であったのだが…。
「そ…そんなバカなぁ…。」
その光景を見たブロイは愕然とした。何と湯気や煙が晴れた時、何事もなかったかのように立って
いるドラグネスの姿があったのだ。そう、ドラグネスはサーミックバーストのビームの雨をも全てかわしていたのだ。
「畜生…。コイツ…ばけもんか…?」
「紅の神を解き放つまで…私は負けない…。」
「もうここまで来たらどうなっても良いや〜…。」
「そーだねタイガス君…。」
タイガスとラッキーは目を丸くしていたが、ブロイは圧倒的な力の差に愕然とし、ブラストル
タイガーを思わず後ずさりさせていた時だった。突如としてドラグネスの各部から煙が吹き出したのだ。
「ええ!!?」
「な!!?一体どうした!!?」
今まで一発としてドラグネスに直撃弾を浴びせていないにも関わらず、突如として煙を噴きだした事実に、ハガネ等はおろかブロイも思わず驚きの声を上げていた。
「ドラグネス…。ゴメン…。でも…もう少し頑張って…。」
ドラグネスが煙を噴きだした原因はチョコにあった。彼女のイグアンの限界を一つも二つも三つも
超えた操縦は、ブラストルタイガーを圧倒する反面、ドラグネスに多大な負担を負わせていたのだ。
「な…何か良くわからんがこれやチャンスだ!!!」
ブロイはチャンスとばかりにブラストルタイガーの爪を叩き込んだ。ドラグネスは回避行動を
取ろうとするが、内部機構がショートし、煙を噴きだした今のドラグネスに先程の様な機動力は無かった。
「チョコちゃん!!!」
どうにか回避行動を取ってダメージを最小限に食い止めたとは言え、ブラストルタイガーの
サーミッククローの一撃をまともに受けたドラグネスの体はあっという間にズタズタになり、
その左腕と背中に装備したプテラスの翼は完全に持って行かれていた。無論ハガネはチョコを心配し、
ゼノンで駆け寄ろうとした。が、その時にチョコがハガネの目を見つめたのだ。
「チョコ…ちゃん…?」
「…………。」
ハガネにはチョコが言いたかった意味が分かっていた。彼女はこれだけのダメージを受けてもなおブラストルタイガーと戦おうとしていたのだ。
「ドラグネスごめん…。もう少し…。もう少し我慢して…。」
ドラグネスのダメージは外装だけでなく、コックピット内部にすらもとどき、至る所がショートして
煙を噴きだしており、チョコが無事なのが不思議な程であった。であるにも関わらずドラグネスは右腕に装備したビームガンをブラストルタイガーへ向けるのである。
「お前まだやる気なのか?」
ブロイがそう問い掛けた時、ドラグネスのビームガンの一撃がブラストルタイガーへ撃ち込まれた。
しかし、所詮はイグアンの武装である。その上さらに各部がショートし、出力が下がっている状態で
あるため、その一撃はブラストルタイガーの装甲表面をかすかに焦がす程度の物でしか無かった。
「おい…もうやめろ…。」
ブロイは悲しげな表情で呼び掛けた。が、であるにも関わらずブラストルタイガーへ向けてドラグネスはビームガンを撃ち続けていたのだ。
「もうやめろ!!もうお前の負けだ!!!」
ブラストルタイガーはドラグネスへ向かって跳んだ。ドラグネスにそれをかわす力は無い。
が、ブラストルタイガーもドラグネスを叩き壊す事とて造作もないはずであるにも関わらずただ押さえつけるだけに止めていたのだ。しかし、ドラグネスはなおももがいている。
「もうやめろ!!いい加減もうやめてくれ!!お前死ぬぞ!!」
ドラグネスはなおももがいていた。もうビームガンも完全に砕けており、その右腕の爪を何度も
ブラストルタイガーの腕に叩きつけるだけだった。そして、その姿を見つめるブロイの顔は何処か悲しげな物だったのだ。
「俺には…。昔…お前くらいの歳の娘がいたんだ…。」
「……………。」
突然何か語りだしたブロイにドラグネスの動きが止まった。それだけじゃない、勝負の行方を見守る
ハガネ等も思わず耳を傾けており、その周囲はブロイの声をのぞき無音状態となったのだ。
「昔…。俺にもお前位の歳の娘がいた…。そしていつも言っていた…。パパみたいな強いゾイド乗りになりたい…ってな。しかし…生まれ付き体の弱かった娘は病気で…。」
その時のブロイの顔は本当に悲しげな物であった。しかし、すぐに彼は首を左右に振ったのである。
諸事情によりここ数日間ネットが出来ない状態にあった為に空気が読めなくてすみません。
現在は別所のパソコンから書き込んでいますから、こういう状態がまだしばらく続くかも・・・orz
>>恐怖の亀裂作者さん
しばらく見なかった内に随分と展開が進んでいる様子ですね。
「にゅ〜」にはちと笑わせてもらいました。
未知の新素材(?)やすごい改造ゾイド等もいろいろ出てますし。
>>Innocent world2の作者さん
リニアさんはやっぱり強すぎるのですね・・・
そして新キャラとデッドボーダーの登場。
一方マキシミンさんの所ではデストゲラー(?)みたいなのが乱入・・・
今後も二人の視点でどうなっていくのでしょうか?
>>一連の問題について
ここしばらく来る事が出来なかったと言うこともありますが、
問題が積みすぎて答えがたいですね。まことに済みません。
確かに他の皆様が書き込みにくい状態にはあるようですが・・・。
かと言って自分にその解決策があると言うワケでもありませんし・・・
やはりこういう事は気の持ちようなんじゃないですか?無責任で済みませんが。
66 :
58:04/11/08 12:26:27 ID:???
>>59 レスどうも。・・・確かに俺も全部読めてないですよ。
進行に追いつけてないというか、ログの取得だけしていた時期もあったりして。
読みやすさに関しては、2chのスレに適した物語サイズってモノがあるんでしょうね。
話を短くまとめるってのも難しいですが。。。
>>ALL
とまぁ、このように居辛さとは別問題で
長編の進行に追いつけてない人間もいるんだけど、
流れと独立した一品物だったら読みやすいし、レスも返し易かったりするのです。
これは個人的な問題でスレ読んでる時間が限られてるせいだけどね。
保管庫も氏にっぱなしだし、今執筆してる人たちが保管庫作ってみては?
そこまでいかなくとも、
自分の執筆した分を誤字訂正と改行調整とかして
どこかにうpしてもらえれば保存スペースを作るよ。
保管庫引き継ごうかと思ったけど、
何が大変かってログから1レスごとに収集するのがもう・・・(;;Д;)
逆に書き込めない雰囲気になってる気がするけど気のせい?
現在、数話分まとめて書いております。
何レス分くらいずつ投下するのが理想的などの意見がありましたら聞かせてもらいたいのですが…
現在スレの空気から考えて、果たして書き込んでも良い物か?などと悩んでいる自分でありますが
>>71 何レス分・・・と言う事ですか?自分としてはやはり1日に3〜5レス位が
長すぎず短すぎずで丁度良いのでは?と考えていますが、皆さんとしてはどうなのでしょう?
73 :
68:04/11/09 23:48:28 ID:???
>>72 それでいいと思いますよ。
何度も言ってるけど、(あんまり変な書き込みは別にして)
流れとか空気とか必要以上に気にすることはないと思うよ。
保管庫についての話は一応言いたい事言ったし、普通に続けてどうぞ。
どの辺で発言しようか迷った。というか、困った。
連投規制に関してですが、普通は8連投稿で規制が掛かるみたいです。
回線を一旦切って、入れ直してやれば投稿できるようになります。
※対六ツ首竜では規制が掛かりまくったのですが、先日投稿した話しだと全く規制が掛かりませんでした。
連投規制は時期的なものも影響している?(前者は8月、後者は10月投稿)
◆.X9.4WzziA さん
助かります。やっぱり時期的な物も加味されてしまう可能性有ですか…。家は回線切ってが上手く行かないので引っ掛かる悪寒。
…それにしても。暇が殆ど無いので(ここ3〜4日間)返事も糞も無い状態でした。
昨日〜今日に到っては完徹の仕事合計38時間ときつかったです。
あと5つで10回分。金曜〜日曜ぐらいには連張り予定です。神様!居たら張らせて下さい_| ̄|●
>>73 そうですか?では早速書かせていただきます。
流石にこういう状況で書き込んだら、「お前状況理解出来てるのか?」とか
「しっかり考えているのか?」とか言われそうで怖かったと言うのが本音なのですが・・・
>>恐怖の亀裂作者さん及びInnocent world2作者さん
とりあえず今はこれしか言う事がありませんが、とにかくがんばってください。
「少し湿っぽい話をしちまったな…。とにかく、この俺でも、まだ子供のお前を殺すのは忍び無い。だからもうやめろ。いい加減負けを認めるんだ。」
「ダメ…。」
「んなぁ!!!!?」
チョコの返答は彼の意表を突いた物だった。そしてドラグネスはまたももがき始めたのだ。
「何故だ!!何故こんな絶望的な状況になってまで…。」
「ダメ…。紅の神を解き放つまで…。ダメ…。」
「お前ぇぇ!!!!」
その時、聞き分けのないチョコに対して怒りを見せたブロイは思わずブラストルの力を入れていた。
ドラグネスの胸部を押さえつけるブラストルの右前足がグイグイと食い込み、いつ潰れてもおかしく
ない状態に…と、そう思われた時だった。ドラグネスの爪がブラストルタイガーの右前足の関節に撃ち込まれ、ブラストルも思わず怯んだのだ。
「なぁ!!!お前ぇぇ!!!」
「もう少し…我慢して…。」
怯んだブラストルタイガーのスキを突き、ドラグネスは立ち上がった。
「お前まだやる気なのかぁぁぁ!!!?」
ドラグネスはブラストルへ向けて跳びかかっていた。しかし、その加速は恐ろしく鈍い。ブラストル
タイガーは右前足で叩き落とそうとする。が、その時ドラグネスの左足が小爆発を起こし、わずかに
加速したのだ。ブラストルの右前足の爪はドラグネスの装甲表面を削ぎ落とすだけであり、その直後
にドラグネスの渾身かつ最後のの蹴りがブラストルタイガーの顔面へ撃ち込まれていたのだ。
「うおおおおお!!!!」
頭部に強い衝撃が掛かったブラストルタイガーは大きく怯んだ。しかし、それだけの話である。
装甲のダメージも小さな物であったし、コックピット内部のブロイも無事であった。それに対し
ドラグネスはその右足も完全に砕け、その場に叩きつけられる形で倒れ込んでいたのだ。
「あああチョコちゃん…。」
「あああ!!!ハガネさんが泡噴いて倒れたぁ!!」
「ほっとけそんな人形!!!」
外野でもハガネが卒倒するとか色々大変な事になっていたが、ブロイは完全に無視している。
「ったくお前も諦めが悪いな〜…。」
ブロイが苦笑いしながら操縦桿を前に倒し、倒れ込んでいるドラグネスへ向けてブラストルタイガーを
歩み寄らせようとしていた。と、その時だ。ブラストルタイガーがあの時の様にまたもその機能を停止したのだ。
「な!!?どうした!!?」
突然の機能停止にブロイは慌てて操縦桿を前後左右に倒し、到る場所のボタンを押しまくった。しかし、ブラストルタイガーは全くと言って良いほど反応無し。
「い…一体どうしたって言うんだ…。これじゃああの時と同じじゃねーか…。ドボルク爺さんのゾイド制御プログラムはどうなってるんだ…?」
唖然として深く腰掛けたブロイはフロッピー差し込み口に差し込んでいたゾイド制御プログラムの
入力されたフロッピーを見つめた。が、そのゾイド制御プログラムは完全に停止していた。
「くそ!!どうなってるんだ!!?」
ブロイは怒りに身を任せて正面パネルを殴りつけていたが、突然のブラストルの機能停止に驚いていたのは彼だけでは無かった。
「あれ…?」
「い…一体どうしたんだ?」
ハガネはなおも泡噴いて倒れていたが、タイガスとラッキーは気になってトランサーをブラストルへ
近寄らせようとしたが、何か気になるところがあるのか、その気持ちを何とか心の中で押しとどめていた。
「畜生…この機体は一体何なんだ!!?わけわからんぞ!!」
ブロイはなおも取り乱し、コックピットの至る所を殴りつけていた時だった。突如地の底から響くような低い声が耳に飛び込んできたのだ。
『わ…私は…。』
「な…何だこの声は!!?」
『んん!!?』
『おお!!?まさか封印が解けたのか!!?』
謎の声はブラストルタイガーのコアから聞こえる物であり、白、蒼の両虎神も思わず反応していた。
『私は紅の神…。ってここは何処だぁ!!?何で私がこんな所に…。まさか私をこんな所に連れ込んでドキドキイヤンな事しようとしたとか!?』
ずげげげげっ!!
ブラストルタイガーの内に眠る紅の神が呪縛から解き放たれたのは良かったが、急に取り乱し始めた紅の神に皆は思わずすっ転んでしまった。
「ね…ねえ…紅の神って…随分アンタ等と違って軽い性格じゃない!?」
『うるさい。人形に言われる筋合いなど無い!』
さり気なく復活していたハガネも愚痴を零していたが、トランサーとゼノンは共にブラストルタイガーの方へ近寄っていた。
『おお!よく見たら白と蒼じゃーないか!久しぶり!それにして見違えたなー!』
『ふ…。お前こそ世話を焼かせおって…。』
『そうだ…。お前を蘇らせるために今までどんな苦労を払った事か…。』
「お…おい…こりゃどうなってんだ?オレは夢を見ているのか?」
事の状況の次第を理解できず、うろたえるブロイを余所に、白、蒼の両虎神は紅の神に対し、今まで何があったのかを説明するのであった。
『ななななんと!!!私が寝ている間にずーあーめずとか言う連中に改造されてて、おまけに何か
封印みたいなの掛けられてお前らを攻撃したんかぁ!?そりゃすまんかったなー!』
『ま…まあそう言う事だ…。恐らく先程のあやつの蹴りのショックでお前は封印から目覚める事が出来たのだろう…。』
『あやつ?』
『ああ…そいつはな…?』
白、蒼とは全く違う紅の神の性格の軽さは両虎神も戸惑いが隠せない様子であったが、取り合えず紅の神の問いに蒼の神が答えようとした時だった。
「だぁぁぁぁぁ!!!!お前ら一体何者だぁぁぁぁ!!!!喋るゾイドなんて聞いたことねーぞぉぉぉ!!!!!」
紅の神であるブラストルタイガーのコックピット内のブロイは完全に取り乱していた。彼は一心不乱
に操縦桿を前後左右に倒し、あらゆるボタンを押しまくっていた。無論この事は紅の神の気にさわる事であった。
『あー!つかおっさん何人の頭の中に勝手に居座ってるんだよ!!お前誰だよ!!?』
「俺は貴様のパイロットに決まっているだろうが!!それ以前に突然言う事聞かなくなる上しゃべり出すお前も何者だぁ!!?」
『何ってそりゃお前、私は紅の神以外の何者だっつんだよ!それに、私の操縦者は虎神の巫女以外にありえねーんだよ!お前なんかこーだ!』
と、突然ブラストルタイガーのコックピットが開き、ブロイは外へ弾き出されてしまった。そして、
そのまま床に叩きつけられてもがいているブロイへ向けてブラストルタイガーは右前足を振り上げたのだ。
『勝手に私を操ろうとした罪だ!お前なんかなー!こーしちゃうんだからなー!』
「だから紅の神とか虎神の巫女とかワケわからんのですがー!!っていやぁぁぁ!!!」
紅の神は振り上げた右前足でブロイを潰すつもりであった。思わず目を閉じるブロイであったが、彼の前に何とチョコが立ちはだかったのだった。
「ダメ…。この人は本当に悪い人と言うワケじゃ無いから…。殺してはダメ…。」
『え?あ・・・ああ・・・。あんたがそう言うなら・・・、分かったよ・・・。』
チョコとブラストルタイガーの目が合った時、ブロイへ向けて振り下ろそうとしていたブラストルの
右前足の動きは止まった。そしてゆっくりと右前足を下げると両者はさらに見つめ合ったのだった。
「な…何だ…嬢ちゃん…?」
目を開けたブロイは、敵でありながらチョコが自分を助けてくれたと言う事やブラストルタイガーを止めた事に驚いていたが、それはハガネ等も同様であった。
「ええ!!?ねえ…蒼の神…。何でチョコちゃんが…?」
『フフ…。今に分かる。お前が世話していたあの娘の正体がな…。』
「チョコちゃんの…正体?」
ハガネはなおもワケが分からないと言った様子であったが、蒼の神の言う通り事の次第を見つめるしか無かった。
「ねえ…タイガス君?私達って結構置いてけぼり食ってない?」
「いや…。もうここまで来るとどうでも良いだろ?それより社長とかどうなったんだ?」
完全に話から置き去りにされてると言っても過言ではない状態にあったタイガスとラッキーも
トランサーの中でそのように愚痴っていたが、それでもやはり、互いに見つめ合うチョコとブラストルタイガーの姿を見守っていた。
『おおおおお!!!って誰かと思ったら虎神の巫女ちゃんじゃーないのよー!!少し外見変わってるけど…何となく分かったよ!!』
「紅の神…やっと…思い出してくれた…。」
「ええ!!?チョコちゃんがなんとかかんとかってどういう事!!?チョコちゃんは私の知り合いの娘であってそんな何とかの巫女とかじゃないよ!!」
何やら納得し合うチョコと紅の神であったが、それとは対照的にハガネはワケが分からないと言った様子で取り乱していた。
『まあ確かに我々もその娘が虎神の巫女だと知った時は少し驚いたがな…。』
『まったくだ…。』
「だーかーらー!!それは一体どういう事なのよ!!これだから神様の考えてる事は理解出来ないのよ!!」
虎神達は納得できていてもハガネは納得出来ない様子でまだ取り乱し、その姿は駄々をこねる子供の様ですらあったが、その時だった。
「フェッフェッフェッ!事の状況が理解出来ておらん者がおる故、ワシに説明させてもらおうかの!」
「誰だ!!?」
「刀身に触れた者の命を奪う…? それって、つまりは…」
「あの剣に触れたら即死、と言う事か」
迫り来るティベリウス。その刃が空を切り、危うくオレーグの機体を掠めかける。
「やべェーなッ!! こんなヤバイ能力は生まれて初めて見たッ!」
受け止める事ができない以上、必然的に避けるしか道がなくなる。だが、ティベリウスは
いつまでも避けさせてくれるほど生易しい腕の持ち主ではない。
あくまでも彼は、オレーグを「殺しに」かかっているのだ。
<我が剣の前に! 絶命せよ、能力者!>
蒼い刃がオレーグに迫る。マキシミンはアーサーに阻まれ、近付く事すらできない。
「なっ…オレーグ―――っ!!!」
「うるせぇよ、叫ぶな」
ドドドドンッ
振り下ろされたデスブリンガーが、横手から飛んできた太い光条に弾かれる。
そして同時にティベリウスの頭上から、無数の砲弾が降り注いだ。
<――!!?>
怯む機体。剣で頭部をガードしたその隙に、クラッシャーテイルがその下腹部を貫く。
<クハッ!>
「フン…2年前と違って、俺にも能力の使い方ってモンが解ってきたのさ。いいか、能力ってのはな――」
ギガの全身に配された古代チタニウム装甲が開き、中から無数の砲門が顔を覗かせた。
「…こうやって使うモンだ!!」
全方位に放たれた無数の砲撃。それらが全て急速に軌道を曲げ、ティベリウスに襲い掛かる。
「喰らえッ! これが俺の!『我流全方位攻撃』だッ!!」
逆に全方位から迫る砲弾、ミサイルの雨。既に着弾したビームの衝撃で体勢を崩した機体は
避ける術を持たない。
被弾の衝撃。装甲部へのダメージは皆無だったが、関節部に入り込んだミサイルなどは
ティベリウスの機体に相当のダメージを与えていた。
<貴様…許さん! よくも――よくも、神に与えられた機体に傷を付け…!>
<ティベリウス、黙れ!! それ以上口を滑らせるのならば、死んでもらうぞ!>
<…!!>
剣を下げ、後退を始めるティベリウス。オレーグは追う事も考えたが、部下達の危機を救う事が先決だ。
<その小僧はジークフリートに任せるが良い。貴様は彼と代わって、雑魚どもを殲滅せよ!>
「随分余裕だなァ、アーサーさんよ!?」
レーザーシザースを振り上げ、マキシミンはアーサーに打ち掛かった。先程から
ずっと戦っているのに、アーサーの機体に一発掠らせる事さえできない。
だが、アーサーも彼に攻撃を仕掛けてこなかった。
「何だ? まるで俺が何かするのを待ってるような…何か企んでる動きだ!」
先程からアーサーは、“エックス・キャリヴァー”も抜かずただマキシミンの攻撃
をかわし続けるだけだ。明らかに何かのタイミングを待っている。だが、何の?
「奴を仕留める事ができない…どうする? ――そうか、俺に能力を使えと言ってやがるな!?」
マキシミンの身体が電光と共にコックピットから消える。そして、デススティンガーが激しく発光した。
「テメーの挑発に乗ってやろうじゃねえか!! 俺の能力を見てクソ漏らすんじゃねえぞ!
…行くぜ、“ブラッドベイン”発動ッ!!!」
周囲に散らばるゾイドの残骸が振動を始め、次いでそれらがマキシミンの機体に吸
い寄せられていく。
「俺の名字と同じ名のこの能力は! ゾイドの残骸やパーツを集め――」
デススティンガーにびっしりと纏わり付いたジャンクパーツの山が、内側から変形を始める。
「――『吸収』し、『自らの一部』とするッ!」
その機体はもはやデススティンガーではなかった。全身の装甲は丸みを帯びた形状に変わり、関節部の至る所から
ビーム砲やミサイル発射管が突き出している。加えて尾の荷電粒子砲はジェノザウラーやその他諸々の機体に
装備されていた集束荷電粒子砲が新たに追加され、計4門の「4連荷電粒子砲」となっていた。
「うわ…さっきのデスザウラーに負けず劣らず魔改造…つーかアレは、小学生が
プラモにやたらと武器を付けまくったようにも見えるな」
オレーグの酷評も耳に入らず、変貌を遂げた愛機の中でマキシミンは宣言する。
それを聞いたアーサーは、低く含み笑いを始めた。
<――クックックッ…待っていたぞ、この時をな>
「…!?」
<ラインハルト、雑魚を薙ぎ払え! あの機体を中心に、フォーメーション:オメガの陣形!!>
紅い剣を持った機体が凄まじい弾幕でオレーグの部下を遠ざけ、13人の騎士がマキシミンの周囲を取り囲む。
「何だと――全員で俺に掛かる気かッ!!?」
<…『神の祝福を受けし我が刃よ、今ここに請い願わん。我とその同志の剣を束ね、仇為す敵に終末の光を』>
アーサーが何かを唱える。その言葉に呼応し、マキシミンを囲んで円形に並んだ13本の剣が輝き出す。
<…『またその光は我が主の下、新たなる創世の礎とならん事を』……終わりだ、マキシミン=ブラッドベイン>
眩く輝く剣の切先が、全てマキシミンに向けられた。あまりの眩しさに何も見えない。何も――。
<――“アルティメットエンド”!>
地下の広大な空間を、白い閃光が覆い尽くす。住人達が次に感じたのは轟音であり、大多数の者はそこまでしか解らなかった。
音が聞こえた一瞬後に、凄まじい衝撃波が彼らの身体を塵に変えたからだ。
「こ…こんな事が…!」
その光は極至近距離で見えていた。が、オレーグのギガはその古代チタニウム装甲で
衝撃波を凌いで見せたのだ。――3人の部下を後ろに隠して。
彼の視界を焼いた白い光が消え去り、その残光も消え去った時そこに見えたのは「ただの空洞」だった。
もはやそこに町があったことなど誰も信じられはしないであろう、完璧な破壊である。
「じ…冗談だろ…? ありえねぇぞ、核兵器でもこんな破壊力は出せねー…つーか、
こんな破壊力は今まで見たことも無え…」
「ボス、残念ですが…これは99%現実です」
砲門を背負ったフューラーに乗る少女が頭を抱えた。彼女も、この光景から目を背けたかったのだろう。
「…あいつは、マキシミンはどこだ? それに、円卓の騎士も消えている!」
マキシミンの機体が居た場所には、閃光の中心となって穿たれた深いクレーターがあるだけだった。
「…まさか、こんなに上手く運ぶとはね」
「我らの力を持ってして攻め落とせぬ場所など、この星にありはしない」
13機のデスザウラーは、荷電粒子砲で掘って降りて来た穴を駆け上がっていた。
「残りの生存者は一人いるけど、念のため殺っとく?」
ジークフリートが機体を走らせながらアーサーに訊く。
アーサーはにべも無く答える。
「その必要は無い。既に手は打った」
「何、聞いていませんが…」
呟くティベリウスに、アーサーはひらひらと手を振って答えた。
「我らを生み出した研究所跡を調べた所、ナンバー13以降の実験体を発見したのでこれを持ち帰った。
ナンバー30まで、計18体…それらを、奴の所に向かわせた」
「へぇぇ、他にも仲間が居たんだ…」
驚いたと言った表情のジークフリートに、アーサーがニヤリと笑いかける。
「私は彼らを『ロストナンバーズ』と名づけた。ただ――彼らは、人の形をしていない」
「いい加減修理代も馬鹿にならないぞ…」
TASHIROの奥にある格納庫で、ボロボロになったイクスに取り付きながらリニアが呟く。
オリバーはあの後、結局イクスが戦闘不能になるまでエメットと戦わされたのだった。
最終的には一斉射のみかわせる様になったが、強くなったとはとても思えない。
「あれは、実力が違いすぎだって!」
力なく叫ぶオリバー。そんな彼に歩み寄り、リニアはその瞳を覗き込んだ。
「…変わったな、オリバー」
「は、何が?」」
「以前のお前は自分の力を過信し、敗北に必要以上のショックを受けていた。もちろん負け癖が付くのは良くない。
だが、ゾイドの戦いにおいて『負ける』ということは――『死ぬ』ことだと、私は思う」
オリバーの周りを歩き回りつつ、続ける。
「今のお前は、自分の実力をしっかりと見ている。お前は決して弱くはない…ただ、そもそももっと強くならなければ
勝てない者が居る――お前は、『奴ら』を倒すために私のところへ来たのだろう?」
「俺は…弱い奴ばかり相手にして、自分の能力に酔ってた。だから最初に負けたとき…それまで信じてきた、
なんつーか…プライドみたいなものが、一瞬で吹っ飛んだ。
だけど俺はその敗北に背を向けて…現実から逃げようとした」
リニアは何も言わない。頷きもしない。ただ、その眼差しから彼女がオリバーの話を聞いていることは解る。
「二回目に負けたときは、本当に目の前がブラックアウトして…自殺も考えたくらいだ。
でも、俺の中に残ってたプライドの欠片が『負けたままで居る事』を許さなかった…だから、強くなる事を考えた」
「で、今お前はどうする事を望んでいる?」
オリバーはしばらく考えていた。が、不意に顔を上げて真剣な眼差しをリニアに向ける。
「俺は、円卓の騎士に……勝ちたい」
「そうか」
おもむろに作業へ戻ろうとするリニア。その肩越しに小さく呟く。
「…嫌いじゃないな、そんなお前なら」
「え? 師匠何か言った?」
オリバーは追いかけて呼び止めようとする。が、その瞬間彼の注意は逸れた。
店の表から、凄まじい音が聞こえてきたからだ。
「何だ!?」
「何って、どう考えてもあれは…ミサイルポッドの音だ!」
次の瞬間、立て続けに飛来したミサイルが爆発し、突風がリニアの身体を放り上げた。
「くッ…!」
地面が目の前に迫ってくる。
――激突する…!
固い床に当たる事を覚悟し、リニアは手で頭を覆う。だが、その身体が痛みを覚える事はなかった。
ふわり、と優しい感触を背中に感じる。リニアが手を退けると、彼女を受け止めたままの姿勢で立っている
オリバーの顔が目に入る。その顔は影に隠れてよく見えない。
「…奴らは俺に任せてもらえないか」
「え?」
雲間から月が顔を出した。その明かりに照らされて、怒りに歪んだオリバーの顔がよく見える。
「ここは師匠の家だ。誰かは知らないが…生かしておける奴じゃない」
せめてもの改善策(?)として、4〜5話くらいずつ投下しようかと思います。
直した方がいい所があったら、名無しの方々も是非書き込んで行って下さいね。
>>恐怖の亀裂作者氏
このスレは確かに結構速い方かと。まずほぼ毎日書き込みがあるのと、
一回の字数が多いことが原因と思われます。
>>鉄獣28号氏
>がんばってください
が ん ば り ま す 。
どこからか聞こえてきた謎の声、そしてその特徴ある笑い声はドクタードボルクの物であった。
そして、どこからか現れた彼はそのまま杖をゆっくりと床に突きながら皆の前へ歩み寄ってきたのだ。
「フェッフェッフェッ!久しぶりだのおハガネよ…。もっともお前はあれから全然変わってはおらんようじゃが…。」
「へ?私はあんたみたいな爺さんと会うのは初めてだけど?」
いきなり知り合いのように話しかけられたハガネは困惑するが、ドボルクは不敵な笑みを浮かべたまま表情一つ崩しはしなかった。
「まああれからもう100年にもなるんじゃ…。ワシも歳を取った。お前がワシの事を忘れてしまっていても不思議ではあるまい…。」
「いや、だからお爺さん何者よ!」
ハガネはなおもワケの分からないと言った状態であったが、ドボルクはなおも不敵な笑みを浮かべていた。
「フェッフェッフェッ!ワシじゃよ。その昔ネオゼネバス帝国で科学者をしておったドボルクじゃよ…。」
「ドボルク…?」
ハガネは腕を組み、考え込み始めた。そして彼女は頭脳であるコンピューターをフル稼働し、
ドボルクに関する事柄を検索し始めたのだ。その数秒の間、周囲は沈黙に包まれていた。
「ああああああ!!!思い出したぁぁ!!!!」
「フェッフェッフェッ!ようやく思い出してくれたか…。」
「ああ…。ドクタードボルク…思い出したよ。あれは忘れもしない100年前、確かにそう言う名の科学者が帝国軍にいた…。」
「この爺さん元ネオゼネバスかよ!!?」
急に深刻な顔になるハガネに引かれるようにタイガスとラッキーも深刻な顔となったが、ドボルクは不敵な笑みを浮かべていた。
「ドクタードボルク…。まさかあんたが生きていようとは…。100年前、マオちゃんを目の敵に
する一方でエッチな感情も抱くという中途半端な考えのもと、数々の怪物ゾイドを開発するけど
ことごとくマオちゃんに破壊され、そのままトチ狂って毒ガスや細菌兵器にまで手を出すけど
それも未然に阻止された挙げ句、戦後、毒ガスや細菌兵器に手を出した事と問われて戦犯扱いに
なり投獄されたバカだけど少し可哀想な所もあるかな〜って思ってしまう科学者…。」
ずげげげげっ!!!!
その時ドボルクとチョコとハガネを除く全員がすっ転んでしまった。まあしょうがない話である。
端から聞くとギャグにしか思えないような事である上、ハガネはそれを真顔で言っていた事がさらに
拍車を掛けていたのだ。が、その事実はドボルクを怒らせる物である事も事実だった。
「黙れこのロボット風情が!!緑の悪魔を目の敵にしていたのはお前も同様じゃろうが!!」
「そりゃそーだわ!けどね、私はライバルとしてマオちゃんと幾度と無く刃を交えた。そう言う点はあんたとは違うと思うけどね!」
「そりゃそーだわってあっさり肯定するでない!こっちが調子狂うじゃろうが!」
ドボルクは思わずうろたえていたが、すぐに杖をカチンと音を立てて床に突き立てた。と、その時だ。ブロイがもの凄い勢いで彼へ向けて駆け寄ったのだ。
「おいドボルク爺さん!!こりゃどういう事だ!!?」
「おお…。ブロイか。お前も生きておったか…。」
「生きておったかじゃねぇ!!あのブラストルタイガーなんか急に機能停止したと思ったらいきなりしゃべり出すし、あの娘も何かワケわからん事になってやがるし…。」
怒りながらも困惑するブロイに対し、ドボルクは不敵な笑みを浮かべたまま手を左右に振った。
「これこれ急くで無い。とにかくそう言う君等の疑問に関しての説明をこれからワシがしようと言うんじゃ!」
「説明する?じゃあ説明してよ!これじゃあワケわかんなくて夜も眠れないわ!」
「どうでも良いからはよやれや!」
「タイガス君…本当やる気無いでしょ?まあ私も人の事言えないけど…。」
チョコを心配するハガネも困惑しており、本当にワケが分からないと言う様子であったが、
タイガスとラッキーはどうでも良いと言う様子で耳を傾けていた。しかしドボルクは説明するどころか急にチョコの方を向くのであった。
「フェッフェッフェッ!まさかこんな所に虎神の巫女がいようとは流石のワシも夢にすら
思わなかった!しかも自分からこちらへ飛び込んでくるのじゃからな〜…。手間が省けたと言う物じゃ!」
「虎神…ってコイツ等と同じ事言ってるけどどういう意味よ!!」
『つか我等をコイツ等呼ばわりするな人形ごときが…。』
「それより説明はまだかよおい!」
「もう何がなんだか…。」
一度に数人が話し始めている為、またもワケの分からない状態となっていた。が、それを止める意味を込めてドボルクは杖を床にコンコンと数回突き立てた。
「お前達皆静かにせい!」
「………………。」
何故かドボルクの言葉に従って急に静かになるハガネ達。そして、静かになった事を確認するなりほっと胸をなで下ろしたドボルクは深呼吸をするのであった。
「とにかくな…。その娘は伝説の虎神の巫女なのじゃ…。」
「ちょっと待ってよ!!何でチョコちゃんが伝説の何とかなの!!?チョコちゃんはね!!私の知り合いの娘で、いたって普通の女の子なの!」
「イグアンでブラストルタイガーと渡り合う奴の何処が普通だよ…。」
ドボルクの言葉に対するハガネの反論に、さらにブロイが小声で突っ込みを入れていたが、ブロイはうろたえる事無く不敵な笑みを浮かべていた。
「フェッフェッフェッ!もちろんワシも知っておるよ。お前がチョコと呼ぶその娘がレートの奴に育てられていた事くらい…。」
「な!!何であんたがレート博士の事知ってるの!!?」
「どうでも良いけどそのレート博士って誰だよ…。」
「良いからタイガス君は黙ってて…。」
シリアスな空気をタイガスがぶち壊してしまっていたが、ハガネはタイガスの疑問に答えるのであった。
「レート博士はチョコちゃんのお父さんでね、私も色々な面で世話になった人なのよ…。けど…何者
かに殺されて…。その時に彼からチョコちゃんの事を頼まれて私がチョコちゃんを世話する様になったのよ…。」
「そ…そんな事が…。」
チョコのその無表情な顔に隠された過去をかいま見たタイガスとラッキーは悲しげな表情をしたがドボルクはなおも不敵な笑みを浮かべていた。
「確かにその通りじゃ!しかしハガネよ!お前はレートから何も聞かされてはおらんかったのじゃな!?」
「ええ!!?何も…って!!?」
「そうじゃ…お前は何も知らないのじゃ…。何も…。」
ドボルクは再度杖を床に突き立てるとそのままゆっくりと上を見上げた。
「そう…。昔…、ワシとレートの奴は共に研究し合う仲であった…。」
「ええ!!?アンタがレート博士と…?」
ドボルクはまたも床へ杖を突き立てた。
「ええい黙っておれ!!話の途中じゃ!!」
「わ…分かったわよ…。」
皆が再び黙り込ん後、ドボルクは話の続きを始めるのであった。
「昔…ワシとレートは共に伝説の古代虎に付いての事を研究しておった…。」
『要は私達の事だな?』
性格の軽い紅の神は思わず口を挟んでいたが、他の者は皆黙ってドボルクの話を聞いており、紅の神も結局申し訳なさそうに黙り込むだけだった。
「ワシとレートは伝説の古代虎、つまり白、蒼、紅の三虎神に付いての調査、研究を進めていた。
そんな中、とある古代遺跡にて、その三虎神の一つである紅の神、つまりブラストルタイガーの母体
となった虎神のコアを発見したのじゃ。しかし発見されたのはそれだけじゃなかったのじゃ…。
そう、紅の神に関する事柄を示した古文書じゃ。ワシとレートは長い年月を掛けてその古文書を解読した結果、面白い事を知ったのじゃよ…。」
「(お…面白い事?)」
ハガネは無言のまま息を呑んだ。
「その古文書には要約してこの様に書かれておったわ!紅の神には他の白と蒼の虎神と違い、
“虎神の巫女”と呼ばれる特別な存在がパートナーとして共に行動をしていたと言うのじゃ!
ならばその虎神の巫女を研究すれば紅の神を制御できるのでは無いか?そう考えたワシ等は
その事実に基づき、さらに調査、研究を進めた。その結果虎神の巫女の物と思しき遺伝子データが
発見されたのじゃ。そしてワシ等はその遺伝子データを元に虎神の巫女のクローンを作り上げたのじゃよ…。」
「ま…まさか…。そ…それがチョコちゃん…?」
「その通りじゃ!!もっとも…その遺伝子データも完全な物では無かった故、不完全な部分をワシ等なりに書き加えたのではあるがな…。」
『なるほど!だから微妙に感じが違うと思ったのだ!何か性格暗そうだし…。』
『確かにな…。昔は紅の神同様、うるさい程明るい奴だったのだがな…。』
「明るいっておい…。」
>>Innocent world2作者さん
もう滅茶苦茶にも思える程の散々凄い能力とか技の応酬が続いた末についに地下都市が消滅・・・
一方特訓中のオリバーさん所も何か大変な事になっていますし・・・
まるで他人事の様に扱う虎神達にタイガスも眉を細めていたが、ハガネにとってのショックは大きい物だった。
「そ…そんな…チョコちゃんがクローン人間だった…なんて…。」
思わずハガネは膝を付く。が、それとは対照的にドボルクは笑っていた。
「フェッフェッフェッ!何が可笑しい!?お前とて金属や様々な物質からから作られた人形では無いか!今更クローンが出てきた所で何が可笑しい物か!」
「じゃ…じゃあこの嬢ちゃんが強かったのはそのなんとかの巫女とか言う何か良くわからん奴だからて事なのか?」
ハガネ同様にブロイも驚き、唖然とし、思わずその場に座り込んでいた。
「あ!なるほどな!コイツあんまり無愛想だからロボットかと思ってたらクローン人間だったのか!?」
「タイガス君空気読んでよ!それに、あの娘の事も考えて!」
「あ…。」
ラッキーに諭されてタイガスも思わず申し訳ないと言う顔をしたが、それでもチョコは相変わらず無口無表情なままであった。
「(自分の意外な出生が明らかになったと言うのに顔色一つ崩さないとは…。アイツ一体何考えているんだ?)」
タイガスはやはり眉を細めていたが、その時ハガネがドボルクへ問い掛けたのだ。
「じゃ…じゃあ…。ま…まさかレート博士は…?」
「フェッフェッフェッ!ほう…流石ハガネは察しが良いのう…人形のクセに…。そうじゃ!恐らく
お前の考えている通りじゃ!全てはレートの奴が悪いのじゃ…。虎神の巫女のクローンの育成、
教育を引き受けていたレートの奴はあれから変わりおった…。奴にチョコ等という名を付け、
あまつさえ育てている内に愛情とやらを抱き、本当の娘のように思えてきたとぬかしよったのじゃ!」
「だから…だからそれだけの理由で殺したと言うの…?」
「そうじゃ!!こやつはあくまでブラストルタイガーをコントロールするためだけの存在なの
じゃぞ!!こやつに愛情など無用なのじゃ!だからワシはレートを殺し、こやつを連れ帰ろうとした。
しかしあやつは死ぬ間際にこやつを逃がしおった…。まさかそれがお前の…ハガネに預けられていようとはなあ…。」
「く…。」
ハガネは怒りに身を任せ、思わずドボルクへ跳びかかりそうになっていた。が、その前にブロイが彼の方へ駆け寄ったのだ。
「ちょっと待てよドボルク爺さん!!それじゃあ俺の立場はどうなる!!?それにこのゾイド制御プログラムだって一体何の為に…。」
ブロイの片手にはブラストルタイガーをコントロールするために使用したゾイド制御プログラムの
保存されたフロッピーが握られていた。が、ドボルクは不敵な笑みを浮かべるだけであった。
「そりゃあその時はあの小娘が見つかる前じゃったからな〜…。もちろん代わりに決まっておろう…。
その制御プログラムにしても、あくまで紅の神の精神を押さえつけるだけの物であって、紅の神を
コントロールした内に入らんわ!お前だって身をもって分かっておろう?それが不完全な事くらい…。」
その話を聞いたブロイの顔に怒りが込み上げ、さらにその右手を力一杯握りしめ、プルプルと痙攣させ始めた。
「このクソジジイィィィ!!!!」
ブロイはそのままドボルクを殴りつけようとした。しかし、その前にドボルクは彼へ銃を向けたのだ。
「もう君は下がってもらえんかね…?虎神の巫女が見つかった以上君は邪魔なだけだよ…。」
「う…。」
銃を向けられたブロイはその場から動けず、うろたえていた。
「それじゃあ…君はもう用無しじゃ!死にたまえ…。」
ドボルクが銃の引き金を引き、その銃口から放たれた弾丸がブロイの胸を貫く…と、そう思われた時、
ハガネがその銃弾を右手で受け止めていたのだった。それにはブロイも心の底から驚いていた。
「あんたねぇ!!何考えてるのよ!!コイツあんたの味方でしょ!!?」
「じょ…嬢ちゃん…すまねぇ…。実は結構強いんだな…。」
「そんな事はどうでも良いでしょが!!私はただ仲間殺しをやろうとするコイツが気に入らないだけなの!!」
ブロイを助けたハガネはドボルクを睨み付けるがドボルクはうろたえるどころか逆に笑っていた。
「フェッフェッフェッ!何が仲間殺しが気に入らないだ!お前とてその昔は殺戮兵器として開発され、
多くの人命を奪っておるでは無いか!!今更人が1人死んだ位で何をギャーギャーさわいでおる!!」
「そりゃ私は兵器だから多くの人命を奪ってきたのは承知さ!けどね、それはあくまで敵相手の話じゃないか!私は少なくとも味方を殺した事は無いつもりだけどね!」
ハガネはドボルクを睨み付ける。が、彼は全くと言って良い程うろたえはしなかった。
「おー怖い怖い!そんな怖い顔せずに少しはしとやかにしてはどうじゃ?美人が台無しじゃよ、いや待てよ、お前ロボットだから意味無いかぁ?フェッフェッフェッ!」
「ドボルクゥゥゥゥ!!!!!!」
ハガネは全身の装甲を開き、全身の到る場所から現れた火器をドボルクへ向けた。
「アンタァァ!!!言っておくけどねぇ!!あたしだってその気になればアンタをぶち殺す事くらいワケ無いんだからねぇ!!!」
「コワ!!!」
全身の到る場所から銃砲、ミサイル、光子砲発射用レンズなどが展開したハガネの姿は異様な物であり、思わずブロイも驚いていた。
「お…お前何者だ…?ただのメイド服じゃねぇな?」
「あああ!!?お前の目は節穴!!?この機械の体が目に見えないの!!?私はロボットだよロボット!!」
「ろ…ロボットって…。じょ…冗談だろ…?」
ブロイはまだ我が目と耳を疑っていた。いきなりロボットと言われてもブロイの頭には昔懐かしの
ブリキの玩具的なロボットしか思い浮かばなかったりしたのである。とは言え、ハガネの異様と殺気はブロイをしても近寄りがたい物があり、彼も思わず下がっていた。
「お…おい…コイツ…まさか…強いのか?」
「そうらしいよ〜…。何か昔いた緑の悪魔って異名で呼ばれていた人のライバルだったんだって〜!」
唖然とするブロイの言葉にさり気なくラッキーがトランサーのコックピットを開き、直接肉声で答えていたが、それは彼をさらに唖然とさせる物であった。
「み…緑の悪魔…だと…?確かそれ…俺も聞いた事あるぞ…。何か凄いバケモンだったって話だった
よな…。奴はそいつのライバルだったって…。じゃあ以前戦った時弱かったのは何だったんだよ!つーかアイツ昔から生きてんの!!?」
「うーん!ハガネさんって本当に昔の戦争時代から生きてるらしいよー!」
「あとよ!あの人形が弱かったってのはその時言って無かったか?二日酔いで体が思うように動かないって!」
今度はラッキーだけでなくタイガスまでブロイの言葉に応えていたが、それを聞いたブロイはプルプルと震えだし、鼻水まで出すほどであった。
「じょ…冗談はよし子さんやで…。つーか本当に二日酔いだったのかよ…。」
以前戦った時ハガネが弱かった事に付いて、ただ二日酔いを理由にした言い訳としか受け取っていなかったブロイにとってその事実は愕然とする物だった。
「あーもーうるさい!!後ろでペチャクチャペチャクチャ!!坊や達は黙っててよ!!」
「は…ハイィィィ!!!」
ハガネに睨まれたブロイはそれまでとは打って代わって弱気になり、さながらヘビに睨まれたカエル
の様におどおどと下がっていた。ちなみにブロイとてかなり歳行ったベテランゾイド乗りなのである
が、それでもハガネにとってはやはり坊やなのである。そして重苦しい空気の中ブロイが下がった後、ハガネはドボルクをまたも睨み付けるのである。
「もう良いのかハガネ?」
「ああ!!静かになった所で言わせてもらうよ!!!本当にあんた許せない!!レート博士を殺した
だけでなく…チョコちゃんまで弄ぼうとする…。あんた一体、命という物を何だと思ってるのよ!!」
「それがどうした!!あの娘など所詮は紅の神の制御装置として生み出したにすぎん!!レートにしても、それを拒んだ故に裏切り者として殺したまでだぁ!!!」
「お前ぇぇぇぇ!!!!!!」
怒りに身を任せたハガネは全火器をドボルクへ向けて一斉に発射した。銃弾砲弾、ミサイル、光子砲などの多彩な重火器の雨が瞬く間にドボルクの全身を飲み込んだ。
「はあ…はあ…はあ…はあ…。」
全身に展開した重火器を再び収めたハガネは後ろを振り返った。
「アンタに…レート博士のチョコちゃんへの愛情が…分からないと言うの…?」
そのままゆっくりと立ち去るハガネの表情は悲しげであり、何処か空しいと思える所があった。
「あ〜あ〜…。ハガネよ〜…。いくら何でも殺す必要は無かったんじゃね〜のか〜?」
「確かに…そうだった…かもね…。」
トランサーのコックピットから身を乗り出して問い掛けるタイガスの言葉にハガネも先程まで
ドボルクのいた場所を見つめ直していたが、彼のいた場所はハガネの重火器により吹っ飛び、ただただ爆煙のみが立ち上るのみだった。
オリバーはイクスに飛び乗り、店の表へと躍り出る。そこでは、十数機もの多様なジェノザウラーが店舗の看板と
入り口を破壊している最中だった。
「…お前らァッ!!」
新たな標的を見つけた襲撃者たちが、一斉に向かってくる。先頭にいた機体がレーザーライフルを放ち、
イクスは辛くもそれをかわすとエレクトロンドライバーを放つ。
が、ジェノザウラーは信じられない反応速度で至近距離からの電撃を回避した。
「…!? こいつら…?」
何かがおかしい。まるで能力者が乗っているような反応速度だが、特殊な力は持っていないように見える。
撃ち掛けられた荷電粒子砲を避け、オリバーは光学迷彩を起動した。たちまちイクスの姿が闇に紛れ、
ジェノザウラーがその姿を見失う。
その機体を、横手から突然放たれたエレクトロンドライバーが貫いた。
炎に包まれる機体を尻目に、オリバーは続々と向かってくる敵の群れを睨みつける。
「まず一機…だが、並みのパイロットじゃあない」
敵の正体がつかめない――それは、オリバーに不信感と得体の知れない危機感を抱かせる。
だが、迷っている暇など無いのだ。
「…全員、返り討ちにしてやらァ!」
外で爆音が聞こえる。リニアはその音を聞きながら、今は自分の物である黒い機体を見上げた。
この機体――バーサークフューラー・シャドーエッジは、彼女の兄がかつて乗っていたものである。その兄は
既にこの世に居ないが、生前は世界最強の能力者とも呼ばれた男だった。
「…兄さん、私はまだ迷っている…」
幼き日にその頭を撫でてくれた、優しい兄の姿が脳裏に甦る。
「何が正しいか、そして戦うべきなのか…」
外からまた爆発の音が聞こえる。相当激しい戦闘らしく、ゾイドの足音から敵が複数である事も解る。
加勢に行かなければ。頭ではそう考えているのに、身体が動かない。
「こんな時、ルガールならどうしたかな?」
その名を呟くと、不思議な勇気が湧き出てくる気がした。そして、その男が出したであろう結論を彼女は一人唱える。
「…『善悪の判断なんて人間にできる仕事じゃない。大切なのは、自分がどうしたいかだけだ』」
彼女の心はその時決まった。
「クソッ、光学迷彩がダウンしやがったか!」
光学迷彩は、消費電力と処理速度の問題から長時間の使用はできない。迷彩の効果が切れたイクスがその姿を現す。
すかさず3機のジェノザウラーが襲い掛かってきた。有線操作で遠くから狙えるハイパーキラークローが放たれ、
その一つがイクスを捉える。
「!?」
ワイヤーを通して高圧電流が放電され、イクスの全身が電光に包まれた。
「――くあッ!! …だが、電撃なら!」
背後から格闘を仕掛けようと迫る別のジェノザウラーに、尾部のアースユニットを突き刺す。イクスに流された電流はそのまま
後ろのジェノザウラーへと抜け、その機体がショートしながら弾け飛ぶ。
オリバーの思わぬ反撃に驚いたのか、一瞬放電が止まった。すぐさま爪と本体を繋ぐワイヤーを切断し、
エレクトロンドライバーでその頭部を撃ち抜く。
頭を失ってなおもがくジェノザウラー。そのコックピットに、オリバーはもう一度エレクトロンドライバーを叩き込んだ。
「悪いね…そっちが殺す気で来るんじゃ、こっちも手加減してられんのさ」
ジェノザウラーは総数17機、その内2機は既に撃破している。だが残りの15機は無傷の上に、
イクスは光学迷彩も使えず、先程の電流でダメージを受けている。
加えて、訓練場でのダメージは回復しきっていなかった。
荷電粒子砲が放たれる。ギリギリで避けたオリバーに、レーザーライフルの雨が降り注ぐ。
「クソッ! 戦力的にちょいと分が悪いぜ!」
その時――。
「オリバー! 今だけ『返して』やる!!」
突然、オリバーは失っていた何かを取り戻したような感覚を覚えた。まさかと思い精神を集中すると、
愛機の心と自分の意識が繋がる――能力を発動する時のシンクロ状態を感じる。
「ここ数日で大して強くなった訳でもないのか? 相変わらずヘタレだな」
「いや、これは相手のパイロットがかなり腕の良い連中で…」
「いいから! さっさと!! 発 動 し ろ ッ !!」
リニアへの反論も押さえ込まれたオリバーだが、そんな事はもう気にならない。
身体が愛機の中へと潜り込んで行く。ぞくぞくする様な快感を覚え、久し振りに
彼を迎え入れたイクスも嬉しそうだ。
「これだよこれ! やっぱコイツがないとね!!――“ビューティフル・ドリーマー”
発動! クールにキメるぜッ!!」
能力者がその力を使うとき、単に特殊な力を得るだけではない。ゾイドとの精神的なシンクロ率が常人で達しえない
レベルまで高まり、文字通り愛機と一つになることで寸分の無駄もない操縦が可能となるのだ。
ジェノザウラーの頭部レーザーガンが雨のように放たれる。オリバーが反応すると同時にイクスはそれを回避し、
無数の残像を残しながら先頭の一機とすれ違った。
「さぁーさぁさぁ!! リベンジ開始だぜぇ〜ッ!?」
スタンブレードで上下に二分されたジェノザウラーが爆散し、後続の機体がレーザーライフルで狙い撃ちするも
反応速度を限界まで引き出されたイクスの機動を追いきれず、撃ち抜かれるのは残像ばかり。
展開したブレードが2機のジェノザウラーを同時に葬り、そのまま放たれたエレクトロンドライバーが更に2機を貫く。
その間、わずか数十秒。それだけの時間でオリバーは5機のジェノザウラーを屠っていた。
「あと10機居るけどな…つーか師匠、自分の家なんだから! 手伝ってくれても良いんじゃないかなー!?」
「え? …ああ、すまん」
リニアは「今思い出した」とでもいわんばかりに、何気なく答える。シャドーエッジの背から
12基のビーム砲“セラフィックフェザー”が放出され、一瞬にしてジェノザウラーが一機蜂の巣になった。
屋根の上に立つシャドーエッジに向けて、レーザーの嵐が襲い掛かる。しかしリニアはその全てをかわし、弾き、
一瞬にして敵の群れに飛び込むと、ビームブレードを振るった。
衝撃音。シャドーエッジが飛び退くと同時に、ジェノザウラーが2機爆発する。
「腕は悪くないが…まだまだだな」
やはりリニアの強さは鬼神の如きものがあった。超高速で敵の懐に飛び込み、ビームブレードで一刀両断に切り捨てると
また超高速で元の位置に戻る。
この戦法を、彼女は「サムライソード戦術」と名づけた。遥かな昔、地球で剣を振るったサムライたちの動きを
真似た戦形――ヒット&アウェイを徹底した、必殺のステップ。
荷電粒子砲を放とうと足を踏ん張った一機が、全身にビームを受けて吹き飛ぶ。残りは7機。
「俺も負けてらんねーな!」
残像を残し、うろたえるジェノザウラーをスタンブレードが切り裂く。――残り6機。
「やれやれ…能力に頼りすぎだと、何度言えばわかる…」
リニアが空中から荷電粒子砲を横薙ぎ放射し、一気に2体を葬る。――残り4機。
2体ずつ向かってくるジェノザウラー。オリバーとリニアはそれぞれブレードを展開し、敵の攻撃に備える。
「これでーお終いっ!と」
「相手が悪かったな」
爪を飛ばした4機は、その手で敵を掴むことなく爆散した。
「フゥゥ〜ッ…訳の解らん連中だったぜ…」
「オリバー、おかしいとは思わないか?」
面食らった表情で、オリバーはおうむ返しに聞く。
「て、何が?」
「最初の砲撃はミサイルポッドだった…だが、こいつらは一機としてミサイルを装備していない」
その意味するところは、つまり――
「…まだ仲間がいる、ってことか?」
その瞬間、大地が割れた。
「――ッ!!?」
割れた地面の亀裂から、9本の長大な触手の様なものが現れる。二人は辛くもそれを飛んでかわし、
地面の下から現れる異形の機体を凝視した。
「オイオイオイぃ!? あんなゾイドは見た事ねぇぞ!!」
リニアは冷静に、だが迅速に大戦前のデータを探っていった。そして、そのコンピュータが相手の正体を暴きだす。
「特殊任務用ウミユリ型ゾイド…“リビングデッド”…!?」
データベースのスペックでは、全長15mと書かれている。だが、どうやらそのデータは触手の分を
考慮していなかったらしい。触手だけでも、長さは明らかに20mを越えている。
「で、どんなゾイドよ?」
「まて、武装は…エレクトロンテンタクランサー9基に、450mm集束ビーム砲、多用途マグネーザー。それに…」
突然、破壊されたジェノザウラーの残骸が動き始めた。揺らめくように立ち上がり、おぞましい咆哮を上げる。
「…特殊電磁波操作ユニット、『DEAD or ALIVE』。効力は――ゾイドの残骸を操作し、傀儡とする」
…目が充血するw
>>鉄獣28号氏
死んでない気がするな〜、爺さん…
なーおれも書いていいかな?
ファンブックすら持ってない上に最初に買ったゾイドがデスステZSな超新参なんだが
>>Innocent world2作者さん
ジェノザウラーの皆様相手に大立ち回りしてると思ったら凄いオリジナルゾイドが登場しましたね?
そのウミユリ型ゾイドがどんな大暴れを見せるのでしょうか?
>>101 もちろん良いですよ。むしろ大歓迎です。確かに初めて書くと言うのは不安になるものですが、
何度か書いていくとそう言う不安は無くなると思います。自分がそうでしたから。
「確かに私も少し大人げなかったかもしれない…。けど…やっぱりレート博士を殺し、チョコちゃん
を弄んだのは許せないよ…。挙げ句の果てには仲間であるはずのアイツまで殺そうとしたし…。
でもね…手を汚すのは私1人で充分だよ…。この兵器として作られた機械の体を持つ私1人で…。」
「………。」
皆は黙り込み、ハガネを見つめていた。そして悲しげな顔のままゆっくりとチョコの方へ歩み寄る
ハガネの手はプルプルと震えていた。と、その時だった。立ち上る爆煙の中から突如としてエネルギー弾の様な物が発射され、ハガネの背中を直撃したのだ。
『これこれ…。ワシを勝手に殺すで無い…。』
「な!!!!!」
皆は愕然とした。ドボルクは死んではいなかったのだ。そして立ち上る爆煙の中から彼はゆっくりと前へ踏み出してきた。その直後、ハガネ等はさらに愕然としたのである。
『フェッフェッフェッ…。ワシがそんな旧式火器で死ぬとでも思ったら大間違いじゃよ…。』
爆煙の中から現れたドボルクと思われたそれは、それまでのドボルクとは全く違う異質の物であった。
その全身は鋼鉄で覆われ、その声も機械的に合成された物であると言うまさに機械の骸骨と呼ぶに相応しい様相をしていたのだ。
「あんた…まさかその体…。」
『そうじゃ!ワシは生き延びる為に…生きながらえる為に自らをサイボーグ化したのじゃ!
如何に優秀な頭脳と肉体を持っていたとしても、生物である以上“老い”と言う自然の摂理から
逃れる事は出来ない!!考えても見ろ!!あの緑の悪魔ですら既に寿命でのたれ死んだと言うでは
無いか!!ならばワシはそれを超える!!生物を超え、寿命を超越する!!その為にワシは自らの身体を機械化したのじゃぁ!!!』
自らの機械の体を誇示するドボルクに皆は愕然とし、思わず後ずさりした。
「なんてこった…。じゃあ今までのヨボヨボぶりは全て芝居だったと言うのか?」
唖然とした目つきのまま後ずさりするブロイであったが、対照的にハガネは一歩前に出していた。
「あんたぁぁ〜…。今度はマオちゃんまでバカにする気なの〜…?」
ハガネは両手を強く握りしめ、ドボルクを睨み付けた。しかし、ドボルクはその顔である機械骸骨をガシャガシャ言わせながら笑っていた。
『フェッフェッフェッ!それがどうした!ワシはかつて緑の悪魔に嫌と言う程コケにされてきたの
じゃぞ!!じゃが…もう良い…。虎神の巫女が見つかった以上、これ以上お前達に付き合っているワケにはいかんのでな!では…。』
「な…来るの!!?」
思わず身構えるハガネであったが、ドボルクは手の平を返すように向きを変えそのままもの凄い速度で走り去っていった。
「へ…?」
ドボルクの行動に皆は拍子抜けした。
「な…なんだよ…。偉そうな事言っておいて逃げるだけかよ…。」
「でもまあ良いよもう…。とにかく本題である社長探しをしなくちゃ…。」
ハガネはいそいそとゼノンに乗り込んでいたが、チョコは紅の神と見つめ合っていた。
『まあとにかく、お前が虎神の巫女の黒豆だか何だかよーわからん物だったとしても…。』
『クローンだクローン!』
『そ…そう!そのクローンだとしても、私にとってはお前は紛れも無く虎神の巫女だ!早く乗りな!』
紅の神の言葉にチョコは無言で軽く頷いた。が、彼女はその後でさらにドラグネスを見つめたのだ。
ドラグネスのコアは完全に停止し、死亡していた。しかし、その死に様は我が人生ならぬゾイド生に悔い無しと言った満足げな物であった。
「ドラグネス…ゴメン…。そして…今までありがとう…。」
チョコは軽くドラグネスに対し頭を下げた後でゆっくりとブラストルタイガーへ乗り込んで行くのであるが、その時の彼女の顔はかすかに悲しげな物に見えた。
「それじゃあもう行きますか?」
「でもよお!あのオッサンどうするよ!」
「あ…。」
ハガネはブロイの方を見つめた。しかし彼は唖然とした顔のまま立ちすくんでいるだけであった。
「この際ほっといても良いでしょ?もう戦意喪失してる見たいだし…。」
「そうか〜?」
ブロイはなおも立ちすくむだけであったが、それを尻目にゼノン、トランサーと、チョコの愛機と
して新たに仲間に加わった紅の神であるブラストルタイガーはゆっくりと立ち去っていった。
一方その頃、機械骸骨のドボルクは老人とは思えぬもの凄い健脚で通路を突き進み、自らの研究室へ飛び込んでいた。
『フェッフェッフェッフェッ!今こそ…今こそワシの長年の研究成果が発揮されるのじゃ…。三虎神がそろった今こそ…フェッフェフェッフェェェェ!!!』
ドボルクは研究室のコンピューターのキーボードを高速で叩き、何かの操作を行っていた。そして、彼の後ろには一体の巨大なゾイドの姿があった…。
と、ドボルクが何か企んでいる事も知らず、ゼノン、トランサー、ブラストルは通路を突き進んで
いたのであったが、ブラストルタイガーの背中にはドラグネスの死骸が背負わされていた。
「なあ…それ…一体どうするつもりだ?もう使えないだろうが…。」
「外に運び…供養します…。」
「あ…そ…。」
「チョコちゃんは優しいんだね…。」
タイガスは眉を細めていたが、それとは対照的にラッキーは長年連れ添ってきたドラグネスを供養
しようと言うチョコの行動に感心に値する物であった。と、そんな時紅の神がチョコに話しかけていた。
『なあなあ!そろそろ私にも何かカッコイイ名前付けてくれないかな〜?白の神がトランサー、
蒼の神がゼノンって名前で呼ばれてるんだし!私にも何かカッコイイ名前プリーズって感じだよ!』
『あのなあお前…。もう少し場の空気読めよ…。』
相変わらず性格の軽い紅の神に他の虎神も眉を細める程であったが、チョコはその時こう一言言ったのだ。
「トラグネス…。」
『え?』
その時一瞬周囲は沈黙した。
『あ…あの〜チョコさん…?私には背中に背負っていたゾイドの名前そのまま使い回してるように思えるのですが…。その辺どうでしょう?』
「トラグネス…。」
『いや…だから…。』
「トラグネス…。」
何度問いつめてもチョコはそう一言しか言う事は無く、紅の神もほとほと困り果てていた。
『なんだよ〜…。いくら何でも前のゾイドの名前そのまんま使い回す事無いじゃん…。』
『おい!紅の神よ!お前の耳は一体どうなってるんだ?微妙に違うでは無いか!』
『その通りだ!虎神の巫女が前に乗っていた機体の名前は“ドラグネス”、お前に付けた名前は“トラグネス”だぞ!』
『あ…。そう言われてみれば何か違う…。』
白、蒼の虎神のフォローによりようやく紅の神は納得した様子だった。要は名前の最初の文字に濁点があるか無いかの違いである。
『なんだなんだ!よくよく考えれば違う名前じゃないか!ならいーや!』
「(違う名前ならどうでも良いのか?つーか一文字しか違わねーし…。)」
細かい事を気にしない紅の神のさっぱりさに皆は眉を細めていたが、それでも虎神トリオは今日も行く。
「奴等を見つけたぞぉ!!って何でブラストルタイガーまで一緒にいるんだ!!?」
ハガネ等は、マリンとルナリスが社長を救出し、既に脱出させている事も知らずにハイGホエール
内部をうろつき回るのであったが、やはり何度か守備隊と衝突していた。が、守備隊にとって
味方の存在であったはずのブラストルタイガー=トラグネスが敵に回ると言う事実は彼等にとって
浮き足立たせる物であり、虎神トリオはことごとく守備隊を撃ち破っていた。
「あ〜あ〜…。もう嫌だよこんな生活…。」
通路中に散乱する守備隊ゾイドの残骸を踏みつけるゼノンの中でハガネはため息を付いていた。
「しかしね〜…。やっぱり社長連れ戻さないとダメでしょ…。」
ハガネ等は本当に疲労で気がゆるんでいた。しかし三虎神は気がゆるむどころか逆に緊張し始めたのだ。
『お前達…油断するなよ…。』
「な…何よいきなり!!」
『そうだ!私達には分かる!何か…何か嫌な予感がするのだ…。』
「い…嫌な予感って…?」
『白と蒼もそう思うかい?だとするなら私の予感も間違ってはいないかもしれないな〜!』
「いや…だからそれは一体…。」
ハガネ等は全くワケが分からなかった。しかし、そんな彼女等を余所に三虎神は一斉に180度反転していたのだ。
「来る…。」
チョコがそう一言告げた時だった。突如として通路が震動を始めたのだ。
「な!!」
「じ…地震!!?」
「そんな馬鹿な!!ここは空だぞ!!」
「じゃ…じゃあこの空中要塞その物が揺れてるって事になるじゃん!」
確かにその通りだった。原因不明の震動は虎神トリオのいる場所のみならず、ハイGホエール全体に渡っていたのだ。
「きゃあああ!!」
「って何だよこれはいきなり!!!」
社長を脱出させた後、ハガネ等を探して歩き回っていたマリンとルナリスのその震動をまともに
受けていた。カンウとハーデスがどうにか踏ん張った為に被害は無かったが、精神的な動揺は無視できない物であった。
その場に降り注ぐ複数の小口径収束荷電粒子砲の雨。壁からの狙撃者である。
”ウォールインスペクター”(壁からの観察者)名前のわりには攻撃的な存在である。銃眼形式で狙撃する為射角が狭いのが唯一の救いだ。
ブロックスでできてるくせに強力な荷電粒子砲を発射するとても厄介な存在だ。元々は同士討ち等を避けるために威力が低くされていたのであろう。
しかし寄生体騒ぎが発生しそれに憑かれた機体がパーツを更に連結させブロックを増設。この辺が真相だろう。現に銃眼は周囲が溶解ている。
威力に見合わないから周囲が溶けてしまうのだ。
流石に交渉に必死だった?レミントンとレクスもその場を離れて行動を開始する。「今までは逃げられたが今度は逃がすかっ!」
レクスはサイクロンドライバーを起動させパイルバンカー機構で壁に突き刺す。「チャージショットキャノン!ディスチャージ!」サイクロンドライバーを伝うビーム粒子が壁の中に送り込まれる。
数秒後サイクロンドライバーが刺し込まれた壁から泡立つ様な歪みと同時に爆発音と銃眼から爆炎と爆風が漏れ出す。
壁の中で行き場を失ったビーム粒子は適当に壁の内部を走り何かに当たる度それを破壊しながら残りのビーム粒子が爆発と共に敵を追いかける。
敵に当たり敵を爆破したら更にその爆発が別の相手を襲う。狭い場所を高速機動できる相手であっても衝撃波や爆風から逃れられる程の動きはできない。
そして同じ攻撃をもう片方の壁にも行う。同じく壁が歪み爆発が内部で連鎖している。
しばらくして施設の自動防衛機構にハッキングを掛けることに成功したシュミットがスリーパー機能を切る。これで相手にこれ以上の増援は無い。しかし機動スイッチらしき機構の為動き出した者は止まらない様だ。
「少なくともこれで新たな増援だけは防げる筈です。ついでに中尉が洒落で造っていたウィルスワームを放っておいたので十分もすればそこら辺のプログラムをメモリ超過にしてくれる筈です。」シュミットが報告する。
「それってぇ〜もしかしてぇ〜アレですかぁ〜?」ルディアが言うと「そうです。プログラムに介入し”繋ぎ”の部分にハッピーニューイヤーって単語を挟むアレです。」何か聞き覚えのあるウィルスである事にレクスは気付く。
「ちょ〜〜っと待て!共和国軍の通信回線に入り込んだウィルスと同種じゃないかっ!?」
「そうですね…確かアレはそれを元に悪性変異をさせた物を撃ち込んだらしいですから。」シュミットも知っているらしい。
「ハッピーワームと言ったら私も弄くった記憶が有りますよ〜!」張本人現わる。エルザらしい…。「「何の為に!?」」シュミットとレクスは同時に言う。
そもそも彼女には弄くる意味も無ければ散蒔く意味も無い。しかし事実それが猛威を振るったのは確かだし原種も有る。
「ノンノン!そこに興味の対称有ればエルザちゃんはたとえ火の中水の中〜〜♪」そもそも人間性に問題が有る事を忘れていた様だ。
会話を途切れさせる荷電粒子砲の発射音。レミントンのブラックオニキスの攻撃だ。それは通路の端に存在する何かに向けての物だ。
しかしそれは相手から発射された複列多砲塔荷電粒子砲に相殺されている。「距離が遠すぎたか…。」牽制で撃ったつもりではあるが交渉相手に格下に見られると問題がある。
その為何としても落しておきたかったのだ。それはその尾を振りながら現れる。「マンティコア…こいつが親玉かっ!?」レクスはその巨体を見て叫ぶ。
その姿は既に懐かしくもある寄生体強化型ブロックスゾイド。相変らず無茶な体躯を持って居るのも懐かしい臭いを感じる程だ。今まで異形やら邪神やらがわらわら出て来て居た反動でもある。
しかしだからと言って楽に対処できる相手ではない。何方かと言うと強化再生まで持っている寄生体タイプの方が事実対応し難い。何処で一気に仕留めるか?判断を誤れば二度手間になる。
飛ぶ事は適わないだろう小さな翼。最早共和国の顔とも言える域に達しているライオン顔。蠍の尻尾の先にはびっしりと複列多砲塔荷電粒子砲。それを嬉しそうに振りながら近付いてくる。
久々の獲物と言った所だろうか?
「さぁ〜てここはぁ〜私の出番ですぅ〜!!!」妙にやる気のルディアがラビィを前に出し戦闘体勢を執る。そしてマンティコアとラビィ目が合う。それ以降の光景は誰も余り覚えてはいない。
と言うのもラビィのエレクトロンドライバー発射以降の行動が誰の目にも映らなかったのである。ただ結果としてはその十数秒の間にマンティコアは倒された。
その結果が残されるのみである。その姿は上半身が蒸発と言う恐るべき死骸とその場で急速放熱処理を続けるラビィの姿が物語る。巨大な電力を用いて一気に勝負を決めたらしい。
「う〜ん…全部焼いちゃうつもりでしたがぁ〜電力がぁ〜足りなかったみたいですぅ〜。」あっけらかんとして言うルディアであるが周りは静けさに包まれている。
只一人除いてだが。「何というゴージャスな電力!帝国はその機体1機で町一つの電力消費を賄えます!凄いですよ〜!!!」冷静な分析でいて尚且つおかしな言い回し。
やはり絶好調らしいエルザ。良く見ればグロウエイムは散っている電気を尾からちゃっかり吸収していたりする。「再利用再利用!サ・イ・リ・ヨ・ウ〜〜〜ッ!!!」
「相変らず唐突だな…その上動けば大抵一撃って何か反則じみてるぞ?」レミントンは思わず呟く。凍った時間が動き出すかの様に尾の複列多砲塔荷電粒子砲が天井に向いて弱々しい照射を思い出したかの様にする。
とても哀れな光景だった。「反則ですかぁ〜?それは置いておいてぇ〜所でそこな方ぁ〜?その場に居るとぉ〜危ないですよぉ〜。」如何やらレクスに対しての言葉らしい。
その場を素早く離れるレクスのギガ。その後直に天井から巨大質量が降ってくる。始めからギガを狙っていたらしい。
「…だから俺は…グロいのやらオカルトの類は大嫌いだって言っているのに〜〜っ!!!」レクスはガチガチに固まっているらしい。それを狙う巨大質量の者。
ここが複数のゾイドを保管保有しているだけあり今回は身の丈約4倍の大きさのジャイアントグリーンホーンが目の前に現れる。ギリギリジャイアントの範疇に入る大きさなのが失笑を買う。
背にはワキワキと寄生体の触手が忙しそうに砲塔をこちらに向けている最中だ。元々このサイズで建造されていた者らしく無理矢理な巨大化に有る特有の継ぎ接ぎ等の無い事からもそれは伺える。
何とか気を紛らわせて飛んで来たミサイルを躱すレクスのギガ。飛んで来たミサイルのサイズも無理な大きさで当たれば如何成るか解った物ではない。
それが確認される。目標を見失って旋回しようとするも壁に激突するまでに間に合わず壁に接触。大爆発を起している。「爆発力も4倍!?」機体が持っても自分が持たないとレクスは思う。
3連ミサイルランチャーでこれだからアタックブースターのハイデンシティビームガンを喰らったらと想像するととんでもない惨状が目に浮かぶ。しかもその砲口は確実にこちらに向いて来て居るのだ。
それはゆっくりと確実にギガに向けられようとしている。
しかも手動成らぬ触手動で気持ち悪い。ずしずしと地響きを立てて近付いてくる巨大グリーンホーン。
そして…破滅の砲口が差し向けられ驚異の高圧縮収束ビーム弾が放たれた。
威力が強過ぎた反動で砲身の狙いが反れ遙奥の壁に激突しているがその爆発が目で見える程巨大な半球状になっていた。
爆風は当然この場まで届く。「「如何言う威力だ!?」」レクスとレミントンが同時に叫ぶ。荷電粒子砲でも中々出せない威力の爆発だ。
距離にして約20kmは先で目視で確りその半球状の光と爆発を確認できる程だ。残念ながらデスザウラーにもセイスモにもできない芸当である。
唯一例外としては32門ゾイド核砲辺りがその芸当をできるが命と引き換えでは物足りなく感じる程だ。
次の攻撃をさせまいと帝国軍とレクスのギガが攻撃を開始する。だが確かにダメージを与えて居るのだがそれは何れをとっても致命傷はおろか苦に成るようなダメージを与えていない。
それ等の攻撃に興奮したか巨大グリーンホーンは何と火器を乱射し始める。特大級の災害花火が発生し周囲の建造物が融解もしくは蒸発する。
そして本体はその真の力試作反荷電粒子シールドを展開しそれの補助機能急速冷却効果で周囲の温度上昇に耐えている。とろける壁や床に反して整然としている巨体は不吉な予感を感じさせる。
今度はエルザのグロウエイムにその砲口を向ける…そして発砲。今度は狙いを外していない。光球の中に消えて行く機体の姿。しかし爆発等の予測した事態は起こらない。
「無駄無駄無駄無駄〜!この機体にビームと形式を同じく為る兵器は大小関係無くむ・だ・な・の・で・す〜〜〜!!!」そう言えばそうだったとレクスは思い出す。気が触れそうなあのシーンを。
ホロテックルーン装甲。それもオリジナルとなればベルゼンラーヴェの様に温度に左右される事は無い。光が消えた後には何事も無かった様にグロウエイムが立っている。
外に直に出ている配線等も無事な事からそれ等ですらホロテックルーン装甲を装着しているらしい。豪華絢爛で無茶苦茶な機体だった。
「そこなレクスさん!いよいよ大詰め!遂にこれを使う時が来ましたぁぁぁぁ〜〜〜!!!」また絶好調の場の雰囲気を撃砕する声。
「レェ〜〜ッツミュ〜ジックゥゥゥ〜〜!!!サードチューナーシステム良好!合体準備完了!ゴジュラスフォーメイショォォォン!!!」
とても嫌な予感がするレクス。思い当たる節も在るので非常に気掛かりで成らない”あの件”である。
何故かギガのコクピットに潜り込んでいたエルザの姿。しかも何かを成し遂げたぞ!な表情の寝顔が脳裏をよぎる。
「操縦を任せるデス!」やっぱりだ。しかも何故”デス”なのか?そこだけカタカナなのかは当然知る事はできない。
「うわぁ〜合体ですぅ〜!!!」何故か拍手をして喜ぶルディア。最終的には自分に襲い掛かって来るかも知れない物を喜んでみている姿は何故か大物に見える。
グロウエイムのパーツがバラバラになり背にしょった巨大ドラム缶型パーツボックスが解放される。「こっこれはっ!?〇レート合体かっ!?」レミントンも余りの唐突さに中途半端な突っ込みを入れる。
見た目そのまんまな光景。しかも巨大グリーンホーンも何事かとじーっと見ている。有る意味好都合ではあるが…。
だが肝心の中心パーツが乗り気でないので失敗も有り得る。特にパイロットの方がだ。「何故にお前はやる気満々?」愛機に語りかけるレクス。
まあゴジュラスギガと言う機体はとても好戦的で且つ負けず嫌いだったりする。格闘戦に拘る理由もそこら辺から来ているが逆に猪武者の様な存在でもない。
共和国軍のプロパガンタの通りギガは”格闘王”なのだ。数々の戦場で速度を頼りに突っ込んで来るシュトゥルムフューラーや瞬発力と強大な格闘武装で迫るデススティンガーを破るのは猪武者では到底無理だ。
しかし平均的に各機体がそれ等を効率よく撃破している結果からは元のギガノトサウルス野生体が完全たる食物連鎖の頂点に居る事を証明している。
そんなこんなで幾ら巨大でもレッドホーンの派生機如きに負けたくないと言うのが先行している事は間違い無い。
「もう良い…勝手にやってくれ。」観念するレクス。それを聞いたか聞かずかギガは高らかにジャンプしてパーツ群の中心に飛び込んだ。
素早くグロウエイムのパーツ群がその姿を作る為の状態にシフトして各々のパーツが合体連結してギガに被さっていく。
実に短く見応えたっぷりの合体シーンを終えて床に降り立つもう一つの巨体。見るからに見事なゴジュラス姿。多少サイズに対して長いがそこら辺は良いだろう。
上手い事内蔵されている火器の群れ。確り使えるサイクロンドライバー。この姿でも小さく見え無い実は大型サイズだったようだ。
「合体完了!!!キーーーーングゴジュラスギガーーーーーー!!!」エルザが吼える。そうとしか形容できない気合いの入った声だ。
だが本来の声の性質からして少女が必死に大好きな何かの名前を叫んでいる様にしか聞こえない。
良く見ればサイクロンドライバーは先の部分が継ぎ足し状態になっておりそれを支える為に基部の方も確りサポートパーツが装甲付きで付いて居る。
それでも元が大きい所為もありその姿はバスターイーグルのバスターキャノンを背負ったギガのシルエットその物だ。
「よりによってキング付きか…とほほ。」何故か悲しい。それが何故かは解らないがそれも来れも目の前の巨大グリーンホーンが原因だ。
レクスは無性に腹が立つ。ごく一部の人間は他人から見れば羨ましいと思われる位置に居たりするが本人がそれを望んでいない場合も多い。
今のレクスも良い例だ。取り敢えず訳も解らず込み上がる怒りに任せてとんでもない掛け声と共に突撃する。
「汚れた大地より来たりて!」「正しき怒りを胸に!!」「「我等は魔を絶つ竜を呼ぶ!!!汝!無垢なる牙!キングゴジュラスギガッ!!!」」エルザが介入してとんでもない大見得をきってしまっている。
しかも完成している。ギャラリーから見れば完璧過ぎる情景だ。大見得を戦闘開始の合図と見てか巨大グリーンホーンはかく火器を乱射して襲い来る。
当然的が大きくなった分キングゴジュラスギガには全てを回避できるスペースが無い。直撃を受けて派手な火の玉と化すキングゴジュラスギガ。だがヒーロー修正を受けた彼に”その程度の攻撃”は通用しない。
乗って居るレクスが呆然とする程で周囲が焼けて煤が付いた以外何一つ外見に変化は無く当然ダメージも皆無だ。
そして…蹴りを一発放つキングゴジュラスギガ。それで巨大グリーンホーンの巨体が傾いだ。体躯の差ではそれでもまだ倍は有る巨大グリーンホーンを傾かせる一撃。
このレベルになってしまわれるとデスザウラーもセイスモサウルスも折り紙の恐竜を子供が踏むかの様に装甲を踏み抜かれてしまうだろう。
目の前にはお手上げ状態の”キングオブ化け物ザ化け物”同士の一騎討ちが始まっていた。ルディアは隣りのブラックオニキスを見る。
この機体とてかなり化け物じみた機体でデススティンガー2機とジェノ系2機のコアを持ちサイズがデスザウラーと同じぐらいだ。
しかし目を前に戻すルディア。「あのレベルはぁ〜無理ですねぇ〜…。」超合金の床が軋み壁が崩れる。
あんな戦闘はできない。と言うよりできる機体が或る方がおかしい。真面目に考察をしても脳内がシュミットのようにパンクするだけなので見ているだけにする事を決めるルディア。
「無茶だ!質量保存の法則とか運動エネルギー学とかそう言った物を考慮してもおかしいっ!!!」そう言いながら必死に調べているシュミットを見てルディアは「駄目だこりゃ〜次行ってみよう〜!」
とシュミットの機体の通信回線に大きな声で言い放つ。如何やらそれでシュミットの脳内パニックは収まったようだ。
「それでも…あれは無しですよね?少佐?」まだ恨めしそうな声で2体の戦闘を見ているシュミット。
「シュミット君〜?全く系統の違う技術にぃ〜別の技術を〜当てはめようとしてもぉ〜無駄の極みですぅ〜。」ばっさりとその意見を一刀両断するルディア。
そんなやり取りをしながらキングゴジュラスギガと巨大グリーンホーンの戦闘を眺める。何時の間にかそんな位置にまで後退している所はせこい程迅速な行動力と判断力である。
「背中の一物…何時使うか?ちょっとドキドキしています。」会話にも参加せず少しの腕の差で今回全く役に立っていないカイエンはシュミットとは別口でデータを収集しているようだ。
「自棄だ自棄!喰らえ!ガンクローコンビネーション!」手のクラッシャーレーザークローを叩き付けてその瞬間に袖口状になった腕装甲内部から70mm2連装ヘビーマシンガンを発射して攻撃する。
機体出力による射出速度の向上でダメージを与える事はできないがマシンガンの弾に怯む巨大グリーンホーン。頭部にはクラッシャーレーザークローの傷が残っている。攻撃力が強固な装甲を勝ったのだ。
実弾兵器の癖にヘリック共和国軍使用の火器は出力で威力が上がったりする物が非常に多い。これが以外にも両帝国軍が共和国軍を潰し損ねた原因だったりするのだがそれが気付かれるのは100年以上先の話だ。
巨大グリーンホーンは体勢を直さぬまま火器を発射して俯せ状態に倒れる。その重みで高圧濃硫酸噴射砲が潰れる。その瞬間圧縮された濃硫酸が吹き出す。
空気と混ざり希硫酸となった硫酸が巨大グリーンホーンに襲い掛かる。それを受けて化学反応を起こし嫌な臭いと共に溶けていく…。
高圧濃硫酸噴射砲。空気中に加速用に電荷を与えて高圧で噴射した濃硫酸が大気と混ざり希硫酸となって相手に襲いかかる兵器。
レッドホーンが初期においてゴジュラスの快進撃とまで言われたアルダンヌ開戦以降のアイアンコングロールアウトの期間戦線を支えた理由の一つ。
例え装甲を溶かせなくとも霧状の希硫酸は触媒となる存在を溶解させる効果は消えない。その貪欲な化学反応の牙は配線類やエネルギーチューブ類を劣化破損させる。
見た目よりは遙に強力な武器。それが自身を襲うのではちょっと悲しく見える。
しかし黙って喰らっている訳でもなく当然もうお約束として認知された寄生ゾイド十八番の強化再生を発動させている。
「待ち時間か…厄介だ。」レクスは舌打ちする。追い詰めるのが少々速かったらしい。しかも気になる事も或る…。
「もう直ぐタイムリミットとか言わないだろうな…?」それが聞えたらしくエルザは答える。「問題な〜いで〜す!でも修理とかしてないと3回しか合体できません〜。」
別な方向に嫌な答えが返ってきてしまう。あと2回だそうだ。相当負担が掛かるらしい。整備不良でもガンガン動くギガでそれと言う事は他のゾイドなら動いている途中で壊れかねない程の負担らしい。
しかし大した変異無く再生が終わったらしい。しかし心なしか動きが速くなった気がする。さっきまでと攻撃のタイミングが合わなくなっているのだ。
「なら!」手首周辺にある見るからに怪しい形の板が爪に装着される。如何見ても延長用のブレードの類だ。今度は延長された刃が上手く当たる。
しかし見た目に対した変化が無かったのは新しい力を身に付けるよりも自身の強化を重視したようだ。軽い金属音と共に延長ブレードは跳ね返ってしまう。
「何の!」今度は長い尾を素早く振って攻撃する。ギガ特有のロケットブースターの加速と極限まで摩擦をマグネッサーで軽減した一撃を振るう。
それに予備動作で右足を素早く前に出し尾のリーチやカバーできる範囲を増やすのも忘れない。
今度は真面にヒットし巨大グリーンホーンを壁に叩き付ける。しかし思ったような大きな効果は得られていない様だ。「喰らう寸前に尾の進行方向に飛び上がったな!」
受け身の体勢を取られ威力を殺された一撃。無防備に背を向けているキングゴジュラスギガ。そこに超特大のクラッシャーホーンを突き立てる。
「掛かったな!流石にこれだけ派手に背を向ければ襲ってくるだろうよ!何もロケットブースターは尾を振るだけの物じゃないっ!」
その状態から更にロケットブースター点火しキングゴジュラスギガは逆回転を始める。クラッシャーホーンの体勢の関係で尾は掠りもしない。
だが踏み出し後ろを向けた右足は足払いの如く後ろ下段回し蹴りの状態を取る。
その後ろ回し蹴りは巨大グリーンホーンのクラッシャーホーンと鼻っ面を捕らえる。更に足の向きを微妙に変えていた為その巨体は頭部から空中に打ち上げられる。
「決まった!これで止め…って使い方が解らん?如何使うんだ?こいつは?」背中のゴテゴテに強化パーツを付けているサイクロンドライバー。自分がそうした訳では無いので使用法が今一解らない。
取り敢えずキャノン砲として使用してみる事にするが…突然変形を始めていたりする。直ぐには使えない様だ。
結局砲撃準備ができた頃には巨大グリーンホーンが床に激突しやっと足で掴んだ床を蹴って立ち上がるところだった…。
「しょうがないか…発射。」やる気が俄然失せ気味で投槍な行動だったがその威力と反動で巨大グリーンホーンと同じ様に転倒してしまう。
「何だ!?この馬鹿げた反動はっ!?」素早く機体を起こして巨大グリーンホーンの攻撃を避けるキングゴジュラスギガ。決着には随分と時間が掛かりそうだ。
「何か時間が掛かりそうですね…。」データ収集だけをして解析は諦めたシュミットが双眼鏡で戦闘を覗きながら言う。
「あんなにぃ〜派手だからぁ〜結局3kmも〜離れてしまいましたぁ〜。」ルディアは肉眼でも確り見えるのでそれを見ながら言う。
余りにも挙動や行動に使用されるスペースが大きい2体の間に割って入れる機体は多分無い。幾ら如何わしい武器を沢山保有しているからと言って何時も装備させて置くわけにもいかない。
更に突然現れた想定外戦力を有利に攻撃できる程気の利いた武器等もうこの時期には存在しない。「あれはゴジュラスなんかじゃない!もはや■■■だっ!」
レミントンが何か言ったが検閲禁止事項だったそうだ…。
「此方は此方で楽しい事になっているな。」その光景を覗き見るエントヴァイエン。
しかし「決着は目に見えている。後はそこに如何辿り着くかだが…?つまらんなもう少し観戦できると思ったのだが。」
そう言って観戦を止めてしまう。
「下からが駄目なら上からだ!」猛然とジャンプするキングゴジュラスギガ。
如何言う理屈かは知らないが飛行ゾイドのそれも高速で垂直離着陸できるタイプの如く素早く天井に到着する。
そこで天井を無理矢理腕を突き刺して落下をしない様にしてせのキャノン形態に変化させた強化型サイクロンドライバーを発射する。
相対距離は450m程一瞬でその距離を駆け抜けて巨大グリーンホーンに突き刺さる2発のエネルギー弾。
「あ〜なたのギガはとても賢いです!何とゾイド核砲を単発でしかも1門以下の出力で使用できるのですよ!」
更に説明を続けるエルザ。「だから使ったからと言って死んでしまう事は無いです!臆病そうに見えて実はやり手の固体だったんですよ!奥さん!」
始めはレクスに対しての説明だが最後に一言は何処の”奥さん”に言ったのだろうか?相変らず真相は解らないだろう。
しかもキャノン形態の強化型サイクロンドライバーは更なる変形を遂げる。
「止めの準備良し!そ〜れではっ!イグニッション!!!」エルザがそう言ってスイッチを押す。突然キングゴジュラスギガの各部から強烈な放熱と共に機体が真紅に染まる。
「周辺温度589度…機体温度15度って非常識な!」周囲の機体や塵に発火反応が見られて一瞬で火だるまになるキングゴジュラスギガ。その最中機体の表面温度が15度と恐ろしい冷却技術だ。
火だるまのキングゴジュラスギガが天井から一気に巨大グリーンホーンの目の前に降り立つと背の強化型サイクロンドライバーから全身の炎を吸い上げる様に放射する。
それで今度は巨大グリーンホーンが火だるまになる。更に残った炎を砲身に残しつつ強化型サイクロンドライバーが背より切り離される。
それは元々その形で在ったかの様に巨大な柄となる。それを後目に猛然と火だるまの巨大グリーンホーンに殴り掛かるキングゴジュラスギガ。
更に効果が有るかは解らないが胸部や腹部の火器も撃てるだけ撃ち込む。その間に不思議な理由で発生し成長形成された炎の刃を付けた強化型サイクロンドライバーを掴む。
キングゴジュラスギガがそれを握ると途端にその炎の刃は明確な形を持った金属質の物体へ姿を変える。「爆炎のオリハルコン!この世で一番薄い刃!いざ!お命頂戴!」
今度は時代の掛かった台詞で叫ぶエルザ。それに答えてか答えずが無造作にそれは振り抜かれた。
やっぱり連投駄目よ!に引っ掛かった。しかも10個かいても区切りが付けれない…_| ̄|●
やっぱり今までの様に少しづつ書いている方が気分が楽…。それもこれも全部RDの所為だ!おのれRD許すまじ!
鉄獣28号さんへ
1文字どころか濁点の有無しの字違いw紆余曲折の末虎が揃ったみたいですね。
Innocent World2の作者さんへ
世界が…一気に崩れ去るような予感がしますね。地下都市消滅やら突然辺鄙な場所に現れるゾイド達。
『なななななな!!!これは一体どうした事でしょうかぁぁぁぁ!!!!いきなりもの凄い地震ですぅぅぅぅ!!!!』
『これはやはりこの会場だけで無くハイGホエールそのものが揺れていると言う事でしょうな〜!』
無論ゾイドバトル会場においても震動を受けており、フルタチとヤマモトの2人は流石はプロと言わんばかりの実況解説を続けていたが、会場はパニック状態となっていた。
「お前達落ち着けぇぇ!!!!」
「ここは冷静に行動するんだぁぁ!!!」
さながらパニック状態となる会場であるが、ドラゴスや黒い三銃士は率先して彼等の避難誘導を行ってい、観客達は彼等の誘導に従って行動していた。
「畜生…。こりゃ一体どうなってるんだ?」
「何か嫌な予感がするのう…。」
パニックとなっているのは他の場所も同様だり、ハイGホエールのコントロールルームにおいても
大騒ぎとなっており、コントロールルーム中を様々な役職の人間が走り回りっていたのだ。そして艦長らしき男が近くにいたオペレーターと思われる男に怒鳴りつけていた。
「おい!!これは一体どうなっている!!ハイGホエールが揺れているぞ!!まさか例の侵入者にエンジンをやられたのか!!?」
「エンジンその物は健在です!!しかし…不可解な事が一つあります!!」
「不可解な事だと!!?」
「ハイ…。ハイGホエール内部にエンジンとは別の高エネルギー反応があるのです…。」
「な…何だと…?それは一体何なのだ!!?」
「わ…わかりません!た…ただ…もの凄いエネルギー量です…。一体これは…。」
「オイオイオイ!!一体何だこれは…。」
「何かヤバイ雰囲気じゃない?これって…。」
「確かに早く脱出した方が…。」
なおも続く震動にハガネ等も困惑していた。が、その時三虎神はさらに緊張したのだ。
『お前達気を付けろ!!来るぞ!!』
「ええ!!?来るって!!?」
その時だった。突然正面通路の床が大爆発を起こしたのだ。無論その爆風により3機はまとめて飛ばされる。
「きゃぁぁぁぁ!!!」
「一体何!!?」
3機はどうにか着地し、体勢を立て直すが突然の爆発による精神的な動揺は大きな物だった。
そして、先程爆発を起こした地点から立ち上る爆煙の中から一体の巨大なゾイドが姿を現したのだ。
「お…オイオイ…。」
「じょ…冗談だろ…?」
「私もう帰りたい…。」
『やはり予想通りであったか…。』
そのゾイドを見た皆は唖然とした。彼女等の目の前に現れた巨大なゾイドは正しく異様と言える物で
あったのだ。そのゾイドはかのデスザウラーをブラッディーデーモンの要に四足歩行にした物を
ベースとし、その頭部にはマッドサンダーの反荷電粒子シールドを兼ねるヒレと、マグネーザー、
サンダーホーン。両腕にはコングの腕に手の部分のみデスザウラーのそれをさらに大型化させた
ハイパーキラークローが装備され、両肩にはロングバレル式ストームガトリング。その胸部には
ゴジュラスギガのハイパーEシールドジェネレーター。背中にはハイパーローリングチャージャーと
エナジーチャージャーを組み合わせた様な物が装備され、さらに2本のセイスモサウルスの首とデススティンガーの尾まであると言うまさにバケモノと言わんばかりの物であった。
『フェーッフェッフェッフェッフェッ!!どうじゃ!!これこそワシの最高傑作!!サタンザウラーじゃぁぁぁぁ!!!!!』
「ゲ――――――!!!ドボルク逃げたと思ったらそんな物騒なもん用意してやがったよ!!」
サタンザウラーと呼ばれたバケモノゾイドの頭部コックピット内には紛れもなく機械骸骨サイボーグ
と化したドボルクの姿があった。そして彼の全身の到る場所から配線が伸び、コックピット中の
到る場所と直結するというかなりグロテスクな光景が展開されていたのだ。
「畜生!!次から次へといい加減しつこいよなー!!いい加減休みたいよ!!」
「もういい加減終わりにして欲しいよね!」
『お前達気を付けろ!!こやつからもの凄い力を感じる…。』
三虎神は緊張していた。それだけサタンザウラーから放たれるエネルギー反応はおぞましい物があったのだ。
「ったく何てバケモンを作ってくれはったんでしょーねー…。」
『フェーッフェッフェッフェッフェッ!!誉め言葉ありがとうよ!!』
「別に誉めて何か無いよ!!」
ドボルクはサタンザウラーの力を誇示し、そのテンションも高くなっていたが、それとは対照的にハガネ等はうろたえていた。
「な!!何だあのゾイドは!!?」
ハイGホエールの震動がおさまり、ハイGホエール艦内の皆は一安心し、ほっと胸をなで下ろして
いたがそれもつかの間、カメラが捉え、ハイGホエール各部のテレビカメラに映された怪物ゾイド、
サタンザウラーの姿に皆は驚愕していた。無論コントロールルームも大騒ぎとなっており、あらゆる役職の者が走り回り、罵声が飛び交っていた。
「おい!!あのゾイドは一体何なのだ!!?」
「分かりません!!所属は全く不明です!!しかし…、先程感知した高エネルギー反応は紛れもなくあのゾイドから反応が出ています!!」
「な…何だと…。ではまさか例の侵入者のように外から入ってきた物なのか!!?」
「いえ!!その形跡は全くありません!!突如として内部に現れたのです!!」
「何…?」
コントロールルームにいた皆は驚愕していた。彼等の戸惑い様から見て分かる通りサタンザウラーは
ドボルクの独断により開発された機体であり、ズィーアームズの意思とは全く関係が無かったのだ。
「しゅ…守備隊はどうしている!!」
「現在急行中です!!」
『ななななな!!これは一体どうした事でしょうか!!突如として艦内にこの世の者とは思えぬ怪物ゾイドが現れましたぁぁぁぁ!!!!』
『この色々なゾイドの良点ばかりが集められておりますが…。こればかりはどうも解説のしようがありませんな…。』
フルタチとヤマモトは相変わらず実況解説に精を出していたが、他の観客等はさらにパニックを起こしていた。
「落ち着いて!!みんな落ち着いて行動するんだ!!!」
「畜生…次から次へと…一体どうなっている…?」
「何なんだこのゾイドは…。」
ドラゴス等は係員達に協力し、観客等の避難誘導に精を出していたが、その都度モニターに映されたサタンザウラーの姿を見て半ば唖然としていた。
「こ…このゾイドは…。ま…まさか…?」
先程まで呆然と立ちすくむだけであったブロイも通路モニターに映されたサタンザウラーの姿に愕然としていた。が、その直後彼は何を考えたのか突然何処へ走り始めたのだ。
「きゃあああ!!!!一体何何何―!!?」
「何だよこの合体怪獣みてーな奴は!!」
映像を介して伝わったサタンザウラーの映像はマリンとルナリスをも大いに驚かせる物だった。が、その映像からマリンはある事に気付いていたのだ。
「ああああ!!!ハガネさん達がいる!!!!」
「何!!?ってマジだよ!!」
確かにその映像にはサタンザウラーのみならず、そのサタンザウラーに面と向かって身構えている虎神トリオの姿も映し出されていたのである。
「ああ〜…ハガネさん無事だったんだね…。」
「しかし…あの敵のはずの黒い虎がなんでいるんだ…。しかも奴、背中にチョコのドラグネスを背負ってやがる…。これは一体どういう事だ?」
ルナリスはハーデスごと腕を組んで考え込んでいたが、マリンはカンウを大急ぎで走らせていた。
「とにかく細かい事は考えずにハガネさん達の所へ向かわなくちゃ!!!」
「あ!ああ!!ちょっと待てよ!!」
走るカンウの後をハーデスも慌てて追い、カンウの隣に付いて、2機は共に走り出すのであった。
「早く!!早くしないと!!」
「どうでも良いけど…。奴等が何処にいるかわかるのか?」
「あ…。」
その時マリンは一瞬青ざめた。
その頃、サタンザウラーと三虎神のにらみ合いはなおも続いていた。しかし、サタンザウラーから
発せられる高エネルギーとドボルクの人間離れした邪念に流石の三虎神も後ずさりしていたのだ。
「いたぞ!!あそこだ!!」
「そこの所属不明機に告ぐ!!所属と機体を証せ!!」
ハガネ等の背後から突如として響き渡ったその声は守備隊の物だった。ライガーゼロやBF、
デススティンガー等で構成させる夥しい数の守備隊ゾイドが警告を発しながら迫ってきていたのだ。
「やっばぁ!!!」
「挟み撃ちかよ!!!」
『前門のサタンザウラー…後門の守備隊か…。面白くなってきたな…。』
『ああ…こりゃ久々に熱くなれるかもな!』
ハガネ等だけでなく、今度ばかりは流石の三虎神も、口では強がっていた物の、焦っている事には
変わりなかった。と、その時だった。守備隊の方へ向き、サタンザウラーの口が大きく開かれたと思うと赤い光を放ち始めていたのだ。
『ちょっと邪魔者には退散してもらおうかのう…。フェッフェッフェッ!』
「あ…。」
サタンザウラーの口から放たれた赤い光を放つ大口径荷電粒子砲はハガネ等の頭上を飛び越える形で
守備隊ゾイドへ向けて突き進み、そのまま全てを消し飛ばし、あろう事かハイGホエールの体そのものにすら大穴を空けていたのだ。
「きゃぁぁぁぁぁ!!!!」
「オイオイオイ!!!冗談はよし子さんやで!!!」
サタンザウラーの赤い大口径荷電粒子砲が飛び去った後、ハイGホエールは大きく揺れ動き、
その赤い大口径荷電粒子砲も近隣の山を吹き飛ばしていた。その威力たるや、タイガタウンを吹き飛ばしたメガセイスモサウルスの巨大ゼネバス砲すらも遥かに凌駕していた。
「あ…。」
「な…何だ…?」
「一体ハイGホエールの中で何が起こっているんだ?」
ハイGホエール外部に展開し、外を守っていた守備隊もその光景は目撃しており、皆呆然と立ちつくすのみだった。
『フェーッフェッフェッフェッフェッフェッ!!!!どうじゃぁ!!これがサタンザウラーの力じゃぁ!!!』
『おのれ!!一体何をすればあれ程の力を…。』
「もう真面目に帰りたい…。」
サタンザウラーの力を誇示し大笑いを続けるドボルクに皆はうろたえ、さらに後ずさりしていた。
「(このエネルギー…普通じゃないね…何か荷電粒子砲も赤かったし…。)」
サタンザウラーの口に残る荷電粒子砲の余剰エネルギーも確かに赤い光を放っていた。しかし、
それだけでは無い。サタンザウラーは全身の至る所から淡く赤い光を放っていたのだ。
「もうすこし落ち着いて書き込みしてください」を何度も連発されて正直へこみましたorz
>>恐怖の亀裂作者さん
巨大グリーンホーンとキングゴジュラスギガの怪獣大決戦w
こういうのはゾイドとしての初心に帰ったかのようでおもしろかったです。
特にクラッシャーテイルのロケットブースターを回し蹴りに利用するのは上手いと思いました。
>やっぱり今までの様に少しづつ書いている方が気分が楽…。
ならば今まで通りのやり方でも良いと思いますよ。あと、さりげなくRDへの愚痴にもなっていてワロわせてもらいました。
無造作に握られ振るわれた大剣。それは切っ先の角度から見ると何も見えない空間に閃きが走る様な光景。
世界一薄いと言う言葉は相変らず非常識な厚さが略物質の最少構成単位で1次元の刃らしい。
他の角度から見れば美しく茜色に染まる金属質の刀身が鮮やかな装飾と共に見て取れる。
一閃。巨大グリーンホーンを流れる時間は燃え盛る炎以外ピタリと止まる。そして唐突に動き出した時間は新たな炎の発生。
それが一直線に巨大グリーンホーンを走り抜けその炎の中心部から上下に真っ二つに割れる。それは取り憑いていた触手を焼き払い巨大グリーンホーンを焼く。
コアを焼かれて動きを止め石化を始める巨大グリーンホーン。総じて応用力があっても戦略や戦術を講じる知恵の無い寄生体では巨大決戦兵器型ゾイドの前には荷が重かったようだ。
「振れば霊散る炎の刃…1次元の刃に絶てぬ者無し!」乗りやすい性格だったらしいレクスは締めの台詞と共に大剣を構え直す。それと共に質量に耐えられ無くなり崩れ落ちる石化した巨大グリーンホーン。
崩れ落ちる轟音でキングゴジュラスギガの勝利を宣言する。「…しかしこれでもあいつ等と渡り合えるか微妙な線だな。」かなり遅れてだが2機のセイスモサウルスが到着した為にレクスが零した言葉。
「こう見えて急造仕立ての合体です!隙間が有り過ぎてひじょ〜〜〜にキビシー。」以外と状況判断に優れるエルザの言葉。しかしそれは…交渉事の得意でないレクスとレミントンの行き詰まった交渉の再開を意味していた。
「これもぉ〜駄目だこりゃ次行って見よぉ〜〜!!!と流してぇ〜しまいたいですぅ〜…。」ルディアが言うのもしょうがない。あ〜とかう〜とか続けるだけで端から既に会話が成立していないのである。
そんな時また合流する2つの影。それはこの状況を予測してサーベラス搭乗のダブルアームリザードを運ぶラビットホーンの姿である。
「やっと追い付きましたねぇ。」惚けた声が聞こえて来る。「本当にこう成っているとは…レクス大尉もまだまだだな。中尉!ここで降ろしてくれ。後は私に任せてもらおう。」「了解であります〜。」
ダブルアームリザードを降ろしてその場を去ろうとするラビットホーン。そこ前にルディアのラビィが立ち塞がる。「あのぉ〜状況報告はぁ〜無しですかぁ〜?」
その言葉に「隊長殿万事問題有であります。」と答える。
今回は上の10個を締め括る1個だけです。
鉄獣28号さんへ
何故だ!何故サタンザウラーにフューラーのパーツが使われていないんだ!それもこれも(以下略)
はともかく勝つ為に頑張る博士。こう言う人は素敵だ…。
【技術】
ハイパーグラナイト:グラナイト(花崗岩)の一種で石英やら長石を含む深成岩の一つだが惑星Ziでは不純物の中に圧倒的にその他の金属が含まれている
この言葉はベルウッドが呼称したもので実際にはゼネバス領原産のゼネバスグラナイトの1つである
長命の古代種ゾイドの体より生成されるそれは通常のゼネバスグラナイトの数倍の密度と分子レベルでの強度増強が図られている為ハイパーの冠名をつけたらしい
更にその中でも純度の高い物が有り金属として生成されたそれの純度が50%以上なら古代チタニウム合金をも越す硬度を得られるらしい
その理由はハイパーグラナイトの内部の鉱石の物質内に古代チタニウムが混ざっている為である、現時点ので精製の為には錬金の技術以外では不可能
賢者の石:〇の錬金術師等錬金術と来る話には必ず存在する至高の物質でオリハルコンと同一視される事も或る
この話でのそれは術的力を結晶化した物で魔導機では最も一般的な存在
その由縁はオールマテリアルと言われ誰が持っても魔導機として利用できる点からである
ミーディアムグロウブ:ゾイドコアの中に有る丸い物体で何故存在するか未だに解らない物
固体によってはこれに他から力を取り出す能力を持つ者もいてその固体が呪装ゾイドの素体となる
何故良く解らない物かというと砕けたりしても特にゾイドの生命活動に支障が無い事からであるがその代わり呪装ゾイドにとっては存在意義の生命線になる
オリハルコン:この話では火を結晶化して精製した金属を差すがそれ以外の特徴は余りなく貴重で強固な金属である事と火から精製すると言う事が解っている全て
茜色の金属であり使用状況によっては結晶化した火が周りに火を付けたりする
サタンザウラーはただ外見的に様々なゾイドの優れた点を持ち合わせるだけで無く、そのコアも
各ゾイドのコア同士を組み合わせた合成コアを使用していた。もちろんそれだけで絶大な出力を持つ
強靱なコアとなっているのであるが、その上からさらにエナジーチャージャーとハイパーローリング
チャージャーをそれぞれ組み合わせたエナジーローリングチャージャーなる補助動力装置も組み
込まれていた。合成ゾイドコアとエナジーローリングチャージャーと言う二つの動力装置の存在は、
ただエネルギーを+するだけで無く、それぞれの相互反応や共振反応等により出力をさらに高い物に
していたのだ。しかし、その事もハガネにとってはどうでも良い物だった。むしろ味方であるはずの
ズィーアームズ守備隊を赤い荷電粒子砲で吹き飛ばしたと言う仲間殺しの事実が彼女にとって気にくわなかったのだ。
「それよりちょっとドボルク!!あんたがさっき撃った奴等って…味方じゃなかったの!!?」
『ハアァ?味方じゃと?何を言っておる…。』
「え…。」
その時ハガネは絶句した。
「ちょっと待ってよ!!アンタと奴等は同じズィーアームズ社の人間でしょ…?じゃあ何で…。」
『そんなの決まっておろう…。ワシにとってズィーアームズなどどうでも良い!!むしろワシが力を蓄える為にズィーアームズを利用していたにすぎん!』
「何て奴だ…。」
ドボルクの衝撃の告白にハガネ等は愕然とするだけだった。
「それにしても。…本当に物騒なバケモン作ってくれた物だぜ…。」
『確かに君等にとってはサタンザウラーもまあまあバケモノと呼べるような機体なのかも知れんな〜…。しかし…。』
「んなぁ!!!まさかあんたそれだけの物作っておいてまだ満足できてないって言うの!!?」
その時サタンザウラーはゼノンを睨み付けた。無論ハガネと蒼の神は一瞬身震いした。
『何を言うか!!そんな事は当然じゃろうがぁ!!!科学に満足などと言う言葉は無い!!
昨日より今日、今日より明日とより進歩して行かなければ気がすまんのじゃぁ!!!現に人類の
持つ様々な技術はそういう日々の進歩によって発展していったのでは無いかぁ!!!』
「た…確かにその通りだけどさ…。」
「オイオイ…言いくるめられてるんじゃねーよロボットさん!」
ドボルクの言葉にハガネはタイガスに突っ込まれてしまう程うろたえていたが、すぐ様体勢を立て直したハガネはさらに言ったのだ。
「けどさ!!それだけのバケモノ作っておいてさらにそれ以上のバケモノ作ろうって言うの!!?さらに関係の無い大勢の人間を殺そうというの!!?」
『何を言うか!!それにお前達の乗るそのゾイドは人を殺さないとでも言うのかぁ!!?』
「これはアンタのバケモノと違って大量虐殺兵器なんて付いてないから良いの!!」
「ってスゲェ理屈だ!!」
やはりハガネの言葉は思わずタイガスを突っ込ませてしまう物だった。しかし…ドボルクは表情一つ
崩してはいなかった。それどころか彼は大笑いを始めたのだ。機械骸骨の状態で笑うドボルクの姿は不気味以外の何者でも無かった。
『フェーッフェッフェッフェッ!!面白い!!実に面白い言い訳じゃなぁ!!まあ良い…。しかしなぁ…このサタンザウラーも実は完成してはおらんのじゃよ…。』
「か…完成していない!!!?それだけのパワーがありながらぁ!!!?」
皆は愕然とした。しかしドボルクは不敵な笑みを浮かべてゼノン、トランサー、トラグネスを見つめていたのだ。
『そうじゃ…サタンザウラーは完成していない…。サタンザウラーを完成させる方法は一つじゃ!!』
と、その時、サタンザウラーがゼノン、トランサー、トラグネスの3機を指差したのだ。
『お前達三体の虎神のコアをこの体に取り込む事なのじゃぁぁぁぁ!!!!!』
「な…なんだってぇぇぇ!!!!?」
その時皆は驚愕し、電撃が走った様な間隔に襲われた。そして3機は思わず後ずさりしていたのだ。
「な…何で…?何でコイツ等を取り込もうとするの…?」
『こら!!人形ごときが私をコイツ呼ばわりするでない!!とにかく…。我らを取り込んむとは一体どういうつもりだ?』
『そうだそうだ!!私達は食ったって美味くないぞぉ!!』
自らを取り込もうとするサタンザウラーに対して三虎神も戸惑いを隠せない様子であったが、ドボルクはなおも不敵な笑みを浮かべるだけだった。
『フェッフェッフェッフェッ!!ならあ教えてやろうかぁ?それはな…三虎神のコアの持つ無限の力
じゃよ!ある種の永久機関とも言える三虎神のゾイドコアを取り込めば、サタンザウラーは永久的に活動できるようになるでは無いかぁ!!』
「うん…そう聞いてみると常套手段ではあるよね…。」
「おいおい…納得するなよ!」
と、タイガスがハガネに突っ込みを入れた時だった。サタンザウラーの巨大な腕が虎神トリオを襲ったのだ。
「きゃぁぁ!!!!!」
「うわこえぇ!!!」
『やむを得ん!!ここは一時逃げるぞ!!』
『し…仕方ないな…。』
『確かに…何か怖いもん!』
どうにかサタンザウラーの攻撃をかわした三機であったが、その後で白の神の提案によりその場から逃げ出したのであった。
「あら〜…。逃げても大丈夫かしら〜…。」
『確かに奴の力はもの凄い…。しかし、足の速さならばこちらの方が上手と見た!』
「オイオイ!そんな事言って大丈夫かよ!またさっき見たいな凄い荷電粒子砲が来たら一溜まりも無いぜ!!」
『それならば問題は無いであろう…。奴は我等を取り込む事が目的故、そう言う大量破壊兵器で一気に吹き飛ばすマネはしまい!』
『とにかく一旦逃げ切って体勢を立て直そう!!』
「残念…。すぐそこまで追ってきてます…。」
「ええ!!!?」
チョコの静かな一言により後ろを向いた皆は愕然とした。サタンザウラーはその巨体からは想像も
出来ぬ程の身の軽さを持ち、その昔存在したと言う4足歩行の改造デスザウラー“デスドッグ”ばりの高速走行で三虎神にも負けぬ速度で追撃していたのだ。
『フェーッフェッフェッフェッフェッフェッフェーッ!!!サタンザウラーから逃げられるとでも思うたかー!!?そう考えていたのなら甘い甘い甘過ぎじゃぁぁぁ!!!!』
「きゃああああああ!!!!!」
逃げる三虎神と追うサタンザウラー。ただひたすら広大なハイGホエール内部を使用した壮大な鬼ごっこが今始まったのであった。
一方、コントロールルームはなおもパニックに似た大騒ぎで様々な役職の人間が走り回っていた。
「正体不明機と古代虎型ゾイドが移動を始めました!!もの凄い速度です!!」
「なんだと!!?本艦に影響は!!!?」
「正体不明機がまたあのハイGホエールの体に大穴を空けた荷電粒子砲を撃たないとも限りません!!ましてやその時の穴からハイGホエールの空気が漏れています!!」
「何という事だ…。それにしてもこのゾイドは一体何者だ…?」
オペレーターの報告にハイGホエール艦長は頭を抱えた。
「艦長…ご采配を…。」
「奴を…奴を止めるんだ…。奴を止めなければハイGホエールは終わりだ!!」
さらにそれと同じ頃、カンウとハーデスはハガネ等を目指してひたすらハイGホエール通路を
さまよい走り続けていた。が、ルナリスが通路に掛けられた巨大モニターの映像に気付いたのだ。
「ちょっと止まれマリン!!」
「な…何…?」
2機が一旦停止した後、ハーデスは通路に掛けられた巨大モニターを指差した。そこにはサタンザウラーの追撃から逃げ回っている虎神トリオの姿が映し出されていたのだ。
「なんてこった!タダでさえ場所が分からないって言うのにまたどっか走り出しやがった!」
「あ〜あ〜…。こりゃ本当に大変だわね〜…。でも…それでもハガネさん所に行って助っ人しないと流石にヤバイでしょ…。」
「そうだな…。」
こうして、2機は改めて走り始めるのであった。
一方虎神トリオとサタンザウラーの鬼ごっこは続いており、猛烈な速度で迫るサタンザウラーの
追撃を虎神トリオは必死扱いて逃げていたが、どうしても振り切ることが出来ずにいた。
「逃げろ逃げろ怖い怖い!!」
「正直寿命が縮まりそうだぜ!!」
「もうお家に帰りたいよお母さーん!!」
『愚痴を零すヒマがあったら少しは操縦しろ!!』
『私達だって正直怖いんだよー!!』
執拗なサタンザウラーの追撃にチョコを除く皆は嘆いていたが、それでもドボルクはその追撃を止めはしなかった。
『フェーッフェッフェッフェッフェッ!!もう諦めろ!!お前達はサタンザウラーから逃げる事は出来んのじゃぁ!!』
サタンザウラーは両肩のロングバレルストームガトリングを虎神トリオへ向けた。そして
コンピューターが自動的に走行時の振動を計算し、それに合わせてロングバレルストームガトリングを上下させながら照準を付けていたのだ。
「うわわわわ!!何か撃ってきたよ何か!!」
「怖いってマジ怖いって!!さっきのデカイ荷電粒子砲じゃないのがせめてもの救いだけどそれでも怖いって!!」
「もう嫌こんな生活!!」
>>恐怖の亀裂作者さん
やっと決着ですね・・・。にしてもこの世でもっとも薄い剣について、
計都○獄剣を思い出しました。たしかこれも原子一個分の厚みという話ですし。
それと、今回の設定補足は物質シリーズですね。そのうちミスリル銀なんかも出てきたりして
生命活動は既に停止している筈のジェノザウラー達が襲ってくる。リニアが飛び掛ってきた一機を
薙ぎ払うが、上半身を斬り飛ばされてもなおその機体は彼女に襲い掛かってきた。
「くッ…こいつら、何回殺せば死ぬんだ!?」
「俺が知るかよー!」
エレクトロンドライバーで撃ち抜かれても、ジェノザウラーはひるむ事がなかった。
ゾイドコアを潰されているにもかかわらず向かってくる敵に、どうしていいものかリニアでさえ惑う。
「ならば、本体を…!」
シャドーエッジがジェノザウラーの群れを飛び越し、リビングデッドに肉迫した。だがその機体をビームブレードの間合いに捉える前に
エレクトロンテンタクランサーが襲ってくる。この時点で触手の長さは40m近い。
「――何処まで伸びるッ!!?」
回避運動は追いつかず、触手がリニアを捕える。高圧電流が9基の触手から流され、
彼女は肺から空気が押し出されるのを感じた。
「く…はっ…!」
「師匠ッ! ――くそっ、退きやがれ、死に損ないがァ!!」
スタンブレードが閃く。残像と共にジェノザウラーが数機吹っ飛び、イクスはその隙間を
突風の様に走りぬけてリビングデッドに迫る。
触手が襲ってくる。しかし、残像に惑わされて本体を捉えられない。
「死んだゾイドを操るなんてのはッ! 非常に美しくねえーッ!!」
前方に展開されたスタンブレードが厚い外殻を貫き、刃を突き刺したまま彼はトリガーを引く。
付き刺さったブレードから、エレクトロンドライバーが放たれた。
「あれは…私にやったのと同じ技…」
触手を波打たせ、リビングデッドが暴れ出す。拘束が弱まった一瞬の隙を突いてリニアが脱出する。
そして振り返ると――スタンブレードが根元から砕け、吹っ飛ばされるイクス。そして、外殻の鋭い突起が
高速で回転し始めたリビングデッドの姿が見えた。
「多用途マグネーザーか! …オリバー、ダメージは!?」
「ブレードが飛んじまっただけさ! 大丈夫――」
イクスの全身に、無数のワイヤーが巻き付いた。
「!? また、有線ロケットパンチ野郎か!!」
背後に迫っていたジェノザウラーが、一斉に腕のワイヤーでイクスを絡め取ったのである。そして
その腕から一斉に電撃が放たれる。
「ぅああァ―――ッ!!!」
尾部のアースユニットから地面への放電を試みるが、流し込まれる電流が多すぎて逃がしきれない。
オリバーの意識がだんだんと薄れてきた。――まただ。また、アーサーの時と同じ…
遠くを見ると、リビングデッドと格闘するリニアの機体が見える。ビームブレードが触手の一本を叩き落とすが、
その後ですぐに残りの触手が伸び上がり、彼女を再び捕える。
リビングデッドが身体を傾けた。触手の付け根、「口」にあたる部分に何か見える――450mm集束ビーム砲だ。
ジェノザウラー級の荷電粒子砲を凌ぐ威力を持つ大口径ビーム。零距離射撃を受ければ、
フューラークラスでも即死だ。
砲口が光り始めた。ああ、あのままじゃあ師匠は死ぬ…そして俺も。
「…死ぬ…?」
敗北の絶望に支配されかけた心の底から、こみ上げてくる感情がある。それは自分の、そしてイコール愛機の潜在意識。
――『嫌いじゃないな、そんなお前なら…』
彼女を助けたい。その思いが絶望を凌駕し、傷ついたイクスの全身が輝きを帯び始める。
「こんな所で死ぬなんて、美しくねえな…行くぜ、相棒!
い い ト コ 見 せ る ス ー パ ー チ ャ ン ス だ ッ !!」
白いイクスは凄まじい咆哮を上げ、その叫びに呼応するかのごとく全身を眩い光が包み込む。
死を覚悟したリニアは、その光を見た。そしてリビングデッドも。
「ハァァッ…」
淡い光のオーラを纏ったイクスが立ち上がる。そして、いつの間にかジェノザウラーが放ったワイヤーは全て斬られていた。
「…邪魔だ――ッ!!!」
レーザークローが一閃する。命中した瞬間ジェノザウラーのボディが完全に粉砕され、砕けたパーツ群が地表に転がる。
そして背後から放たれたレーザーライフルを避け、残った一方のスタンブレードを
展開してジェノザウラーの群れを突っ切る。
長く尾を引く残像。その軌道上に居たジェノザウラーは全て、細かくスライスされて金属片と成り果てた。
「…何だ…!?」
リニアは見た。発動の光に似た、眩い閃光を。だが、オリバーは既に能力を発動している。
機能停止したシャドーエッジを離し、リビングデッドの触手が100m近くまで伸びる。その一本が
イクスを掴んだ――確かに手応えを感じて。
しかし、触手に巻かれたイクスが一秒となく消滅し、次の瞬間にはその触手自体が微塵切りにされている。
飛び上がったイクスが、回転する装甲にレーザークローを叩き込む。リビングデッドはその体を傾け、
爪の一撃をかわすと反撃に出ようとした。
だが――かわしたはずのレーザークローがその外殻に叩き付けられた。しかも、数十発がほぼ同時に。
為す術も無く砕け散るマグネーザー。同時に装甲が吹き飛び、ゾイドコアが露になる。
「…まさか」
先程の、レーザークローの連撃。あれは一動作の攻撃であるにもかかわらず多段ヒットした――リニアはその瞬間を見た。
確かに、本体のレーザークローは外れていた。だが装甲を粉砕したのはその後の残像の攻撃。
ジェノザウラーが一度の斬撃で細切れになった理由も、リニアは理解した。
――今のイクスは、残像が“本体と同等の質量を持っている”。
「オリバーの能力が…」
「うおおおおおッ!!」
数十のスタンブレードが、むき出しになったリビングデッドのコアに突き刺さる。
リニアは目を見開いて、「弟子」が敵にとどめを刺す瞬間を見つめていた。
「…オリバーの能力が――『進化』している…!?」
リビングデッドが爆発した。巨大な火球とキノコ雲が上がる中、既に死んでいた
ジェノザウラー達が元の残骸に戻っていく。
淡い光が消え、満身創痍のイクスがその場に倒れた。リニアが通信機越しに呼びかけるが、返事は無い。
「おい! 終わったんだ、お前の勝ちだ!…どうした、オリバー!?」
ゾイドを降り、戦場の後を歩いてイクスに歩み寄るリニア。ハッチの強制解放ボタンを押すと、コンソールに突っ伏して
気絶しているオリバーの姿があった。
あれだけの力を使って疲れたのかもしれない。が、命に別状は無さそうだ。
「…お前、すごいよ」
気絶しながらも、彼の口元は笑っていた。
「え、何? 自分が何をしたか覚えてない?」
リニアは落胆した。あの能力の進化も、偶然の産物だったと言うのか。
「いや、何か叫んだ所までは覚えてんだけどさー…」
恐るべき敵との戦いの翌日、オリバーはまたいつものように屋根裏のベッドで目覚めた。
ただいつもと違うところは毎朝感じる体の痛みが普段よりも激しい事であり、身体のあちこちに包帯が巻かれている。
「…しかし、あのパイロット達」
あの後リニアは、敵機のコックピットを調べてみた。そして、18機のシートに居たのはいずれも人間ではなく
「人の輪郭をかたどったグロテスクな何か」だった。
生存している者はおらず、何者であったのかも真相は闇の中だったが、その異様を見たときリニアは何か背筋に走る
悪寒のようなものを感じていた。
この襲撃には何かある。影の中で蠢く、悪の存在を感じる。
ただ、その正体は彼女の想像からはかけ離れたものだった。
「予想外の事態じゃないか、アーサー?」
暗い通路を早足で歩くアーサーに、ジークフリートが小走りで追いすがる。
「殆ど化物とはいっても、一応僕らの仲間だったからね〜あの『ロストナンバーズ』とやらは」
「どうやら…オリバー=ハートネットの能力が“Act2”に入ったらしい」
思いもかけぬアーサーの答えに、ジークフリートは一瞬表情を失う。
「なん…だって? “Act2”? そんな、あり得ないよ。あのセディール・レインフォードですら
そこに到達する事はできなかったのに」
再び答えるアーサーの顔には厳しい表情が浮かび、目は冷たく光っている。
「今まで『誰もやらなかった』からといって、『できない』証明にはならない。
何にせよ、第一の脅威を排除したと思ったら今度はこれだ…早々に手を打つ必要がある。それに」
彼は身に纏った白いサーコートの懐から二枚の写真を取り出した。一枚は黒いフューラーの機影、
もう一枚は可憐な少女の写真。
「“堕天使”の妹、リニア=レインフォード…現状で最も危険なのは、コイツかもしれん」
時間差が開きすぎ…
>>恐怖の亀裂作者氏
キングゴジュラスギガというスレが存在するのですが…(汗
>>鉄獣28号氏
ぬ…ラスボスは“サタン”の名を冠する宿命なのか…
それはそうとマッドサイエンティスト(・∀・)スキ
確かにあったねw >キングゴジュラスギガ
「問題有って相変らず解り易い報告だな…。」レミントンがそう言う。「そう言うそちらは全く交渉が進まない様でありますが?給料の3ヶ月分で交代と言うのはいかかでありますか?」
「「全力で断るっ!!!」」何故か息がピッタリと合ってレミントンとレクスの声が知人らしき者の声に答える。「…似た者同士はやはり一味も二味も違う。ステレオ突っ込みでありますね〜。」
ラビットホーンのコクピットを開いて手を振りながらファインが顔を出した。
「あのぉ〜状況報告はぁ〜終わっていないのではぁ〜?」微妙に変わったイントネーションでルディアは催促する。起こっている様だ。
「今の所上の方は戦力が瓦解。周辺警備の部隊も略全滅であります。ついでに厄介物と厄介事が増えたと言う状況であります。詳しくはこっちで…。」
データを送信する。それを受け取って目を通した者は壮絶な脱力感に襲われる。「もしかしてぇ〜また増えたりぃ〜しちゃったら如何しましょう〜…。」
正直な意見だ。この報告書にはフューチャーズリベリオンの事やエントヴァイエンの事。それにマリエスやワーロックの様なアークデーモンの事に何故か襲われるサーラの事が有る。
状況は一つの決まった切り口のパズルに有り得ない切り方のピースを放り込んだ様な物である。
「…と言う事なのでデコイとして自分は地上に戻るよう言われているのであります。後は宜しくお願いするであります〜♪」
最後だけ自棄気味に嬉しそうなのは気の所為だろうか?それはともかくとして情報を残して去って行くファインに「上はお願いしますぅ〜。変な事になっていたらぁ〜女装でヘリックシティを〜練り歩いて貰いますぅ〜。」
そして小声で「シュミット君込みなのでぇ〜気合いを入れて下さい〜。」「ラッ…ラジャーであります!」恐るべし罰ゲームを提示され身も凍る思いでファインは地上へ帰って行った。
そんなこんなしている内にサーベラスの調停の元一時的に休戦条約を結ぶに到る。
「所で…中尉がデコイに成ると確定した前提じゃ無いですか?それって?」シュミットはルディアに問い質してみる。
「それはぁ〜事にエントヴァイエンと言う人がぁ〜彼の”別の可能性の存在”らしいと言う事とぉ〜その人が彼にぃ〜御執心らしいとぉ〜言う事ですぅ〜。」
それを聞いてシュミットは思う。「〇想〇女〇のストーカーより厳しそうだ…。」
その後第8層もその後ろくな戦闘も無く第9層に続くスロープ周辺に到着する。有り得ない組み合わせ。
報告書から当然抹消されているがこの時期にセイスモサウルスの援護受けて戦闘するゴジュラスギガの強化機。
それだけで大抵の相手は狩られるのを待つだけの存在になる。相手も強力な機体が多いが何方か相手に一方的な戦闘を出来る機体が無い為その連携は鉄壁となり相手を寄せつけない。
デスザウラー級やマッドサンダー級の同時投入ですら止められないのでは如何しようも無い。無人である事も絶望的な差を産んでいる要員だろう。
「さて…そろそろお約束のフロアマスターの登場の筈ですが〜?何処に居〜るの〜でしょう〜!?」
エルザがそんな事を言っている。満場一致で出て来て欲しくないと正直思っている。それに何時の間にそんな輩がボスキャラとして配置されたかを聞きたいと思う。
それはもう全力で。そして不注意なエルザの言葉を聞いていた者が居る。「…それも良かろう。何も嫌がらせは目の前にいなければ出来ないという事も無い。」
しかしエントヴァイエンはそこまで聞き耳を立てていたのは良いが何を出したら喜んで(嫌がって)くれるか見当が付かない。
速くしないと下の階層行きのスロープに入ってしまう。折角ここまで来たのが無駄になるとここで誰にも気付かれない様に術式を講じる。
「…すまん。余は良い相手が思い付かなかった。だからこれで勘弁してくれ…。」何故かすまなそうに謝りながら話す声が聞こえて来る。「確かに声も一緒だな。尊大なところが違いという事か。」
レミントンはぼやく。特に何故謝っているのかが如何しても知りたいと思うばかりだった。そして出て来た物は巨大な迷路。「これで少し暇を潰しておいてくれ…その間に考えるから。」
有る意味敵より困る物が出て来たと一同は思う。しかも強制的に全員参加で散り散りになっていると言う芸の細かさだ。「こっちの方が充分処か激しく迷惑だっ!!!」レミントンは叫んだ。
「苦手なんだよな…立体迷路という奴は。」クロームが呟く。実は生粋の方向音痴である彼は誰かが居ないとろくに出歩けない。
その為傭兵を生業としてきた。用事が有れば用の有る方から来てくれるからだ。しかもここは味方が見えていたりするこんな異次元空間立体迷路。
「絶対無理だ!」そう言うと機体の足を止めその場に留まる事にした…。
如何やら壁は無いが床からはみ出すと別の所へ飛ばされるらしい。それに各々の者が立つ床の色は違っている。
カラフルな床が目に痛い異次元立体迷路。立体交差やトンネル、階段にリフトその上「ぬおっ!?」回転床まで有る始末。
止めは…「あらぁ〜?瞬間移動ですぅ〜…。」違う道での行き止まりはワープゲートらしい。
「まさか…落とし穴…っ!?」レクスはギガの片足が膝まで沈む程の落とし穴に引っかかる。「その内シュートォオ!?」如何やら有り得るトラップは完備らしい。
幸い機体が直接ダメージを受ける様なタイプは無いらしいがそれ以外は全て有ると見て間違い無いようだ。図らずもクロームの動かないと言う選択は間違いでは無かった。
だがレクスは妙に嬉しそうだ。原因は多分エルザが近くに居ない事だろう。レクスのギガが壮大に罠に引っ掛かった為一同はそれ等を警戒して移動する。
しかしそんな中全くそれを気にする事無く迷路を疾走する機体が1機有る。シュミットのニードルガッシュだ。ハリネズミ型の機体で掟破りの丸まり走行が出来るからである。
共和国軍が開発したらしい特殊振動抑制及びリアルタイムで重力の方向に下を向くグラヴィティアジャストシートの効果は抜群で間違いを次々に発見しながら床を疾走する。
その内シュミットはエルザのグロウエイムと合流する。「何でよりにもよって一番相手にしにくい人の所に…。」がっくりとするシュミット。「お疲れさまです!ささっ取り敢えずこれでも飲んで落ち着いて…。」
やけに手際よく他人の機体にコクピットに乱入して飲み物を手渡すエルザ。「これは御丁寧にどうも…。」流石に受け取り拒否は人道的道徳的に不味いので受け取るシュミット。
「…なんだろう?この色は?」はっきり言って美味しそうには見えない。絵の具を沢山混ぜ過ぎたみたいな色。トロピカルな上に毒々しい粒々。
キンキンに冷えた謎の流動物。隣を見ると一気に呷れとのサインがエルザより送られている。しかし如何見ても危険物質にしか見えない飲み物。
如何したらいいか迷っている内にエルザが視線を外す。期は熟したと飲んだ振りをして携帯型の水質検査用のボトルに流し込もうと試みる。
しかしここは作られた世界。もう1人の監視者に見付かりその監視者に「おっと…それは男らしくない。」とずらした腕の位置が修正されてしまい一気に飲み干してしまう…。
鉄獣28号さんへ
赤い秘密…それが示す物は一体!?
鉱石や金属は必要が有れば増えて行く可能性大。解釈が面白くできればいいなとか思っていたり…。
Innocent World2の作者さんへ
工工エエエエ(´Д`)エエエエ工工
そんな事知る訳…w(確信犯)折角の2chなのでつい…。
ロングバレルストームガトリングから高速連射された弾丸の雨が次々に虎神トリオへ向けて降り注ぎ、
彼等もどうにか逃げ続けていた物の精神的な動揺は大きな物であった。ロングバレルストーム
ガトリングはただストームガトリングをロングバレル化した物では無かった。サタンザウラーの持つ
超高出力により、通常のそれを遥かに凌駕するほどの射出速度を持ち、高速連射される弾丸は全て通路の分厚い壁や床、天井を撃ち抜いていたのだ。
『フェーッフェッフェッフェッフェッー!!無駄じゃ無駄じゃ!!サタンザウラーからは逃げられないのじゃ!!』
「きゃぁぁぁぁ!!!!」
「うおおおおお!!!!」
通路中にサタンザウラーの両肩のロングバレルストームガトリングの発砲音とドボルクの笑い声と
ハガネ等の阿鼻叫喚が響き渡っていた。しかし、それだけでは無かった。サタンザウラーの無差別破壊がハイGホエールそのものにも大きなダメージを与えていたのだ。
サタンザウラーの無差別破壊はコントロールルームにも影響を与え、さらに大騒ぎとなり、次々に入ってくる情報報告により各地で大混乱となっていた。
「正体不明機が三体の古代虎を追撃しながら辺り一面に弾をばらまいています!!この無差別破壊のせいでハイGホエールのいたる部分にまで…。」
「なんとしても奴を止めろ!!守備隊はどうなっている!!」
「現在急行中です!!しかし、正体不明機、三体の古代虎は共に移動速度が速い為、なかなか追いつく事が出来ません!!」
「何としても追いつかせろ!!」
艦長が近くにいたオペレーターに対しそう叫んだ後、彼は後ろにいた男を指差した。
「おい!!いざと言う時の為に非戦闘員を退艦させるんだ!!」
「了解であります!!」
艦長の指令を受けた男は一斉に走り出したが、彼はふ〜っと一息ついた後でシートにドッシリと腰掛けた。その後でギリギリと親指の爪を噛みだしたのだ。
「(畜生…。何でこう今日に限って次から次へと事件が立て続けに起こるんだ…?)」
その頃、まだ鬼ごっこは続いていた。
『フェーッフェッフェッフェッフェーッ!!無駄じゃ無駄じゃ諦めれぇ!!!』
「いーやーだー!!!」
サタンザウラーの両肩のロングバレルストームガトリングからはなおも弾丸が無尽蔵に撃ち出され、
通路中の各部の床や壁、天井を破壊し続けていた。そしてついにはサタンザウラーが頭部に持つ
マグネーザーとサンダーホーンをきらめかせ、一気に虎神のいる地点へ向けて突き刺してきたのだった。
「うっきゃぁぁぁぁ!!!!」
「もうマジコワ!!」
虎神トリオはどうにかその攻撃をかわしていたが、サタンザウラーのマグネーザーとサンダーホーン
は分厚い超合金製の床をやすやすと貫き、深々と突き刺さった後でさらに大きくえぐり取っていたのだ。その光景を見た皆は愕然とした。
「ちょー待ったちょー待った!!あんま無茶しないでじーさん!!」
「そんな物食らったら死ぬでしょマジ死ぬ!!」
「もう嫌―!!もう帰してぇぇぇ!!!!」
ハガネ等は恐怖におののき、真面目に嘆いていた。しかしそれでもサタンザウラーは攻撃の手をゆるめるどころか余計に激しく攻撃してきていたのだ。
「ちょっと待ったちょっと待ったぁぁぁ!!!!そんな事したらアンタのお目当てのコアが破壊されちゃうよぉぉぉ!!!!」
『安心せい!!!しっかりコア以外を狙っておるからなぁ!!!』
「え…。」
その時、またも虎神トリオの真上からマグネーザーとサンダーホーンが振り落とされ、床を大きく
えぐり取っていたのだった。と、そんな時だった。ゼノンのレーダーが正面の機影を探知したのだ。
「げげぇぇ!!!何でこんな時に…。」
「何だ!!?何かあったのかぁ!!?」
正面の機影の正体はズィーアームズ守備隊であった。やはり夥しい数のライガーゼロやBF、デススティンガーの大軍が迫ってきていたのだ。
「そこの正体不明機!!止まりなさい!!」
「止まらなければ発砲する!!」
守備隊はハガネ等に警告を送っていた。しかし、車ならぬゾイドは急に止まれないと言わんばかりに
虎神トリオとサタンザウラーは全くスピードをゆるめずに守備隊へ突っ込んだのだ。
「こ…こらぁ!!止まれぇ!!!」
「止まらんと撃…。」
その時虎神トリオは一気に守備隊の真上へ跳び上がり、そのまま飛び越えて行った。あっけにとられる守備隊であったが、その直後に彼等に絶大な恐怖が襲ったのだ。
『フェッフェッフェェェ!!!退かなければ死ぬぞぉぉぉx!!!!』
「ってうおわぁぁぁぁ!!!!」
「でかいぃぃぃぃ!!!!」
サタンザウラーは虎神トリオと違って飛び越えるというマネはせず、そのまま突っ込み守備隊ゾイド
をまとめて踏みつぶし、吹っ飛ばし、そのまま虎神トリオを追い続けて行ったのであった。
「お…おのれぇぇ!!!」
「怯むなぁ!!何とかして奴を止めろぉぉぉ!!!!」
残存する機体は大急ぎで反転し、サタンザウラーへ向けて攻撃を行った。
ライガーゼロのレーザークローが、BFのバスタークローが、デススティンガーの各種火器が
サタンザウラーの背中へ向けて矢継ぎ早に叩き込まれ、たちまち大爆発が巻き起こる程であった。
が、それですらサタンザウラーの装甲には傷一つ付いてはいなかったのだ。それどころかゼロの爪や
BFのバスタークローが欠け、もしくは亀裂が走る程であった。
「何てこった!!!何て固い奴なんだぁ!!!」
「怯むなぁぁ!!!砲撃を続けろぉ!!!」
守備隊はサタンザウラーを追撃しながらも砲撃を続けた。しかし、何度やってもサタンザウラーの装甲には傷一つ付く事は無かったのだ。
『フェッフェッフェッフェッ!何かハエが後ろで騒いでおるわ…。無駄だと言うのに…。とは言え何時までも騒がれるのは流石にうざいのう…。』
守備隊の砲撃はサタンザウラーそのものには全くと言って良い程ダメージを与えるに到っては
いなかったがドボルク自身の気にはさわっていた様子で、サタンザウラーの背中に装備された
2本のセイスモの首とデススティンガーの尾が後方に展開する守備隊ゾイドの方を向いたのだ。
「正体不明機から高エネルギー反応!!」
「た…待避ぃぃぃ!!!」
「間に合いません!!」
「うお…。」
守備隊ゾイドは一斉に回避行動を取ろうとしたが時にはもう遅かった。2本のセイスモの首とデス
スティンガーの尾から放たれた荷電粒子砲が守備隊ゾイドを消し飛ばしていたのだ。無論デス
スティンガーやBFは慌ててEシールドを張ったが、それも全く意にも介してはいなかった。
それどころか3本に連なる荷電粒子砲の渦はハイGホエール内部の隔壁を幾つも貫き、あげくのは手にはその外壁まで貫いていたのだ。
「守備隊もうやられたの!!?少しは時間稼ぎになると思ったのにだらしない!!」
「そんな事言ってる場合かよ!!あいつまた風穴空けやがったぞ!!!!」
「もう嫌だ怖いー!!!」
サタンザウラーの余りの強さにもう錯乱状態となっていたが、それも皆は操縦桿をしっかりと握り
こみ、必死にサタンザウラーを振り切ろうとした。しかしそれでもサタンザウラーは執拗な追撃を行っていたのだ。
『フェッフェッフェェェ!!!もう諦めろ!!決して逃げられはせんわぁぁぁ!!!』
コントロールルームではまたもサタンザウラーによってハイGホエールに大穴を空けられた事実により大騒ぎとなっていた。
「守備隊壊滅です!!それどころかハイGホエールにまたも風穴が空けられました!!」
「何と言う事だ!!!奴を止められる奴はいないのかぁ!!おい!!非戦闘員の避難を急がせろ!!その後で機を見て我々も退艦する!!良いか!!?」
「了解!!」
ハイGホエールクルー達はもはやハイGホエールを捨てる覚悟をしていた。それだけサタンザウラーによる破壊は凄まじい物があったのだ。
「あー何処よ何処よ!!」
「つってもな〜…。」
カンウとハーデスは今だにハガネ等と合流する事も出来ずにただひたすら広大なハイGホエールの
通路を走り回っていた。しかし、そんな彼女もある変化に気付いていた。それは近くで爆発音が響き渡っていた事である。
「あっちで凄い爆発音がした!!」
「恐らくそこにハガネさん達がいるんだろうよ!!」
「んじゃ急ご!!」
2機は爆発音のする方向へ向けて急行していた。しかし、その爆発音が響き渡るに従ってハイGホエールはグラリグラリと揺れていたのである。
「こりゃ本当に急がないと不味いよな〜…。」
「そうだよね…。何かこのままじゃ墜ちそうだよここ…。」
逃げる虎神トリオとそれを追うサタンザウラーの鬼ごっこは延々と続くかと思われた。しかし、
虎神トリオの正面に巨大なフロアが現れ、しかもそのフロアは行き止まりとなっていたのだ。
「しまった!!!」
「なんてこった!!行き止まりかよ!!」
『フェッフェッフェッ!もうお前達も終わりじゃな〜…。』
>>恐怖の亀裂作者さん
「全力で断る」には笑わせてもらいました。
あと、立体迷路と言う奴は、確かに難しいですよね〜・・・。
迷路攻略の定石である片方にのみひたすら進むも通用しにくそうですし
>>Innocent World2作者さん
流石のシャドーエッジも食らえばモロいですかー。オリバーさんも何か凄い事になってます。
次も今回の様に敵の刺客がまた来るのでしょうか?
「”#>R$!”+>&B&’ん>&$%〜!!!」それを最後にぱったりと倒れるシュミット。顔は赤くなり間違い無くそれにはアルコールが入っている。
吐き出さなかった所を見るかぎり味の方は大丈夫だったようだ…。「ご愁傷様ですぅ〜シュミット君〜。」味が良くてもああなる物。
有る意味才能だとそれを見ていた者は思った…。「おかしいですね?スタミナドリンクの筈が何処かでアルコールに変異…その上ショック症状を併発!?これは興味深い!」
ダウンさせた本人はスタミナドリンクを作っていて失敗したそうだ…。
地上部では戦闘がそれ以降ぱったりと行われなくなり周囲に敵の気配も無い。
そんな中をかごめかごめの要領である一点を中心に回っているゾイドが数体。「か〜ごめかごめ…(中略)しょうめんだ〜れっ!!!」
中心に居る1機のゾイド。サーラのストームラプターの背後に居るゾイドが何か当てろと言っているのだ。当然機体のセンサー等のスイッチは切ってある。
センサーが死んだ時の訓練の一つであるが端から見れば巫山戯ている様にしか見えないのが難点であるこの部隊独自の訓練方法だ。
複数の違うゾイドが周囲をグルグル回る為駆動音は混ざり合い唯の雑音である。その中から音の移動位置等を判断して答える。中々難度の高い物だ。
「ラスキドールちゃんのロードサーベリオン!」「…当たりって僕はちゃん付けかいっ!?」耳をぴくぴく振るわせながらラスキドールは言う。「その顔かわいい〜。」
怒ってる相手に気にする事無くそんな事をさらっと言ってしまうサーラ。「貴様ノ負ケダナ。ラスキドール。」ベレディケンが笑いながら言う。とは言え額の甲に”泥”と塗られたままの彼は彼女より”泥ちゃん”の名を貰っていたりする。
「よう…ど・ろ・ちゃん?お前はそれで良いの?」ラスキドール挑発に「何?気ニ入ッテイルガ?ソレガ如何シタ?」本当に気に入っているらしい。「爬虫類の考える事は解らね〜〜!!!」
コクピット内でジタバタして悔しがっているラスキドール。正に”ちゃん”の付く子供と精神年齢が余り変わらない様だった。
「後ろのしょ〜めんだ〜れ〜?」第8回戦だがサーラはある事に気付く。音が増えている。この音はホバリングができる機体の音だ。
しかも後ろに居る。この辺の技能もどうやらサーラは持ち合わせているらしい。「伊達眼鏡君のうさぎちゃん!」
「大当たりであります。」必死になって機体を飛ばし地上に戻って来たので少し息が荒くなっているがそれ程きつい状況ではない様だ。
「おう!お勤めご苦労さん!んで?お土産は?」ラスキドールがコクピットから出て手を出している。「おねだりでありますか?しょうの無い方で…。」
そう言って謎の液体入りの水質調査用ボトルを手渡す。「何だこれ?」そう言うラスキドールにファインは「これは或る方がくれたものであります。」
「…如何見ても飲み物の色じゃないだろっ!これはっ!?」そう言うラスキドールに「御強請りしてそれでありますかぁ?…それともお子ちゃまだかばぁ!?」
「るせいっ!飲めば良いんだろ!飲めば!」ファインに衝撃波をぶつけてラスキドールはそれを一気に呷った。その後の結果はシュミットと同じ運命を辿る事になる。
全身毛が逆立ちまるでフーッと猫が警戒して威嚇しているような状況で固まっている。「貴様…ヤリ手ダナ…。」ベレディケンは横目でファインを見ながら言う。「いや〜それ程でも。」
誰も褒めていないのに照れている。しかし何故こんな時にこの様な事をしているかは理由もある。先の襲撃の件だ。天河の滴を求めて襲ってきた者。
その時は人間だったから良いがもしこれがゾイドやら寄生体やら邪神とその眷属だった場合は大事になる。何に使うか解らない物を相手に使用されては困る。
しかしその心配事は杞憂に終わりそうだった。
「間に合ったか!」どうやら翼は交換になったらしい…。4機のストームラプターが舞い降りてくる。「世話を掛けた。しかし酷い有り様だな地形が到る所で変わっていたぞ?」
ラフィーレがサーラの機体に合流して呟く。「頑張ったんだよ。1000機ぐらいやっつけたんだから。」その言葉にヴァイスリヒトの面々は声を失う。「おい!本当か!?そんなに酷使したのか!?」
如何して非常識な奴が多いのだろうまたしてもラフィーレはコクピットに乗り込んで来て蹴りを放ってきた。「はい。そこまでであります。」今度は容赦無しに足首を掴んでそれを止める。
「早とちりは無しにして欲しいのでありますが…大体大小合わせれば数万単位の敵を相手にしたのでありますから。彼女ならそれくらい当然でありましょう…。」それを聞いて「すっ数万!?」
それなら酷使しなくても攻撃のとばっちり等色々な要素でそこまでできるだろう…。
実質サーラの戦果は第2層のボムホーネットの撃墜数の時点でそれを軽く越しておりカウントを見ると…その時点でカンストしていた。
「1000機どころじゃないだろっ!」掴まれた足首を軸にして回し蹴りをファインに喰らわすラフィーレ。「ぶへっ!?って危ないでありますよっ!」
蹴りで自分から空中に放り出したラフィーレの足首をもう一度掴み何とか落下を防ぐファイン。「お…お姉様?気は確かですか!?」ソニアが機体を横付けしラフィーレを受け取る。
「…それにしても一体あそこの中にはどれだけの敵が居たんだか気になりますね。」そう施設の入り口を見ながらそれとなく誰かが呟いた。
「…はっ!?ここはっ!?」どうやらシュミットは目が覚めたらしい。それでも30分以上は寝ていたらしいのだが。
何故か体が異常に熱い。それに吐く息にはアルコール臭がする。エルザが隣りに居るので何を混ぜたのか聞いてみると恐ろしい物が色々と入っていた事が解る。
「そんな物を飲まされたのですか…。」中には当然普通なら食べる筈の無い物も沢山含まれている。吐く事無く飲み干してしまった以上は消化の良いように液体として有る為吐き出す事も叶わない。
「気分が悪くなりました…もう少し寝ます…。」その一言を言い終えるとシュミットはぱったりとコクピットの中に倒れていった。
立体迷路は時間が経つ毎にルートが変わる仕組みらしくスライドフロアの様な規則性も無いらしい。
「そうだ…言い忘れていたがここから落下。もしくはその場に留まってずっと居ると追跡者が出て来るから気を付ける事だ。」
そう言い終わった途端に謎の緑色の巨大な球が出現する。「もしかして…掴まったら?」クロームが呟くと「ふりだしに戻るだ。しかも今日のな。」
何か観念的な事を言っているが要するに…今日になって始めに居た場所に機体毎戻されるという事だ。理不尽極まりない仕打ちだと思う一同。
「そうそう…もし戻れない場合は?と言う質問は受け付けない。とにかくそうなる。」エントヴァイエンは言いたい事を言い終えるとまたう〜んう〜ん唸り出した。
しかし直ぐ何かを思い出したように言う。「そうだまた言い忘れていたが下手に飛んだりすると…別の世界に放り出されるから無茶をしない様にな。」
逃げ場は前方のみらしい。唯只管前に進むしか手は無いようだ。問答無用のゲームが開幕する…。
鉄獣28号さんへ
目茶苦茶暴れて回ってやっと沈む兆しを見せたハイGホエール。物凄い安定性で乗り物としては最高の安全性を持って居そうですね。
虎神トリオの背後には既にサタンザウラーと言う名の巨大な影が迫っており、皆はうろたえた。
『万事休すか…。』
皆はサタンザウラーを見上げ、呆然としていたが、ハガネはゼノンを一歩前に踏み出させていた。
「ドボルク!!私はあんたに一つ聞きたい!!」
『何じゃ?そんなに何か聞きたい事あるならば、最後ならぬ最期の質問…。ファイナルアンサーと
して聞いておいてやろうかのぅ…。どうせならしっかり知った後で死んだ方が気持ちよく死ねるであろう…。フェッッフェッフェッフェッ!』
ドボルクはなおも不敵な笑い声をあげていた。しかし、ハガネは内心うろたえながらも表面的には何とか平静を装いながらドボルクへ問い掛けるのだった。
「何であんたはここまでしてサタンザウラーとか言うのを完成させようとするの!!?大勢の人間を殺してまで…。アンタの目的は何よ!!!」
『フェッフェッフェッフェッフェッ!!そんなの決まっておろう!?ワシは人間を超えるのじゃよ!
ワシ自らをサイボーグ化した事も、サタンザウラーを作り出したのもその第一歩にすぎんわ!
その上でサタンザウラーに伝説の虎神と呼ばれた三体の古代虎のコアを取り込ませ、無限の神の力を
得る…。真に素晴らしい事では無いか!!ワシもここまで来るのにも苦労したのじゃぞ…。
会社に作る老科学者を装い…、ズィーアームズのバカ共を上手く欺きながら密かにサタンザウラーの
研究開発を進めた…。少しずつ…少しずつなぁ…。10年…、いや20年もかかったじゃろうか…。
その間、自らの肉体の限界を知ったワシは生きながらえる為に自らをサイボーグ化したりもした…。
長かった…。本当に長かったわい…。しかしこの長年の苦労のかい会ってワシのサタンザウラーはついに完成する…。お前達三体の虎神を取り込む事でなぁぁぁぁ!!!』
「なんてこった…。こりゃ典型的なマッドサイエンティストだぜ…。」
タイガスは思わずトランサーを下げていた。が、ハガネは逆にゼノンを前進させていた。
「ちょっと待ったドボルク!!!」
『何じゃ…?まだ何か言いたい事でもあるのか…?』
「そりゃあるさ!あんた…。その研究とやらで一体今まで何人の人を殺して来た…?」
『は?いきなり何を言っておる…。』
ドボルクは拍子抜けしていたがハガネはキッと彼を睨み付けていた。
「そりゃぁねぇ!?あんたが何を研究しようが勝手だよ!!研究しないで何が科学者な物か!!
けどね、アンタはそのサタンザウラーとか言う奴を使って、今日だけで何人の人間を殺したと
思ってるの!!?しかもそれは同じズィーアームズの…味方の人間じゃない!!あんた何考えているのよ!!」
『お前こそ何を考えておる?ワシは前にも言ったはずじゃ!ズィーアームズの奴等など最初から味方などと思った事は無い。奴等など所詮は上手く利用していただけにすぎん。』
「だからって…だからと言って何の関係も無い人まで巻き添えにするなんてやりすぎだと思わないの!!?」
『何を言うか!!お前とて人間くらいいくらでも殺しておろうが…。』
その時ハガネは一瞬黙り込んだ。その後で彼女はゆっくりと口を開いた。
「そりゃあるさ…。確かに私だって数え切れない数の人間を殺して来たよ…。けどね!!それは
あくまで戦争中!しかも戦場での話じゃないの!!しかし今は違う!!今は何だかんだ言っても
一応は戦争の無い平和な世界!そこであんたは何をした!?その荷電粒子砲で大勢の人間を殺した
じゃないの!それに…、あんたそのサタンザウラーを完成させた後一体何をする気なの!!?まさか世界をひっくり返す気!!?」
ドボルクは不敵な笑みを浮かべた。
『フェッフェッフェッフェッ…。サタンザウラーが完成したら…か…。そのまま世界を征服すると
言う事も良いかもしれんの〜…。じゃがそれもワシにとってはどうでも良い事じゃ…。ワシが
やりたい事は一つ…。ワシと認めなかった者を見返す事じゃ!ワシの才能を認めなかった奴等を
見返し!粛正し!ドボルクとサタンザウラーありと、世界中に名をはせるのじゃぁぁぁ…。』
そのドボルクの力説を聞いた皆は愕然としていた。
「な…なんと言う事だ…。ま…まさかあの…機械の骸骨みたいな奴が…ど…ドクター・ドボルク氏だと言うのか…?」
ドボルクの力説は全回線を通じてハイGホエール中に伝わっており、コントロールルームにて退艦準備に移っていたクルー等も愕然としていた。
「おい!!何としても非戦闘員の避難を急がせろ!!何としてもだ!!1人でも多くハイGホエールから脱出させるんだ!!!」
「了解!!」
その頃、サタンザウラーによる無差別破壊により、各部で小爆発を起こしていたハイGホエールの
各ハッチから、ズィーアームズ社員やその家族等、非戦闘員や、各ゾイドなどを乗せたホエールキング等の旅客機ゾイドが次々に脱出していた。
「押さないで下さい!!」
「慌てないで下さい!!皆様を脱出っせるだけの数は充分にあります!!」
「慌てず落ち着いて急いで下さい!!」
脱出ポッド乗り場は我先に脱出しようとする人混みであふれ、係員などが必死に誘導を行っていた
物の、それでも押さえる事は出来ずにもはやパニック状態となっていた。無理も無い。
ハイGホエールはいつ墜ちても不思議では無い程であり、さらにサタンザウラーとドボルクの
攻撃対象にはハイGホエールに乗る非戦闘員等も含まれているかもしれないのだ。これで恐怖しないはずが無い。
「それにしても…。まさかドボルクのおっさん…。裏であんな事やっていたとはな…。」
「全くだ…。人は見かけに寄らないとはまさにこの事だ…。」
他の大勢が我先にホエールキングに乗り込もうと殺到している事を尻目に、ドラゴスと黒い三銃士達
はサタンザウラーを映したテレビモニターを落ち着いた表情で見つめながらタバコで一服していた。
「さ〜て…。俺達はこれからどうするか?このまま連中と一緒に脱出するか…。それとも…。」
「あの虎共に加勢して皆が脱出する時間を稼ぐか…だな…。」
「フフ…。やるか…?」
ドラゴス等は互いを見つめ合い、ニヤリと微笑んでいた。と、そうして4人が立ち上がろうとした時だった。
「待って下さい!」
「ん?」
彼等を呼び止めたのはリューコだった。そして彼女は悲しげな表情のままドラゴスに近寄っていた。
「もうやめて下さい!あんなバケモノ…勝ち目無いじゃないですか…。」
「オイオイ…。そりゃキツイ言い方だな〜…。まるで俺が死ぬみたいな言い方じゃないか…。」
「だって…もう既に多くの守備隊員達があのバケモノにやられているじゃないですか…。それに…このハイGホエールも…。」
リューコは涙目のままドラゴスに泣きついていた。しかし、ドラゴスはリューコの肩を掴んでゆっくりと離したのだ。
「リューコ…何か忘れてはいないか?俺達はズィーアームズ社に雇われたZiファイターだ…。
俺達はズィーアームズの敵と戦うだけの存在じゃない…。ズィーアームズ社を守る為の存在でも
あるんだ!それに…俺達がここで時間を稼げばより多くの人間が脱出できる。それで多くの人命が救われるのだぞ…。」
「しかし…。」
「安心しろ…。俺達は死なないよ…。絶対帰ってくるさ…。」
「うう…。」
と、その時だった。黒い三銃士の三人がパンパンと手を叩いていたのだ。
「お見事お見事!場の空気を読めないラブコメ!楽しませてもらったぜ!」
「臭いセリフなんかあったがまたそこが良い!」
「次はどんなセリフが来るのかー!?」
「オイ!!」
2人と茶化す黒い三銃士にドラゴスは思い切り睨み付けていたが、その後で互いに笑みを浮かべた。
「それじゃ…行くか…。」
「ああ…。」
「い…行くって…。第一ゾイドはどうするんですか!!?」
慌てて呼び止めたリューコに対し、4人は微笑みながら答えた。
「な〜に…ゾイドならその辺の格納庫に余ってる奴でも使うさ…。」
「だからリューコ…お前はもう皆と共に脱出しろ…俺は絶対帰ってくる…。」
「わ…分かりました…。ドラゴスさん…絶対帰って来て下さいね…。」
そうして走り去るドラゴスと黒い三銃士をリューコは何時までも見つめていた。
そして、大勢の人間がホエールキング等に乗って脱出していたが、その中にフルタチとヤマモトの姿は無かった。
「これは凄い事になって来ましたぁぁぁ!!謎の怪物ゾイドと伝説の古代虎そろい組の試合です!!」
「この燃えるシチュエーションは女房を質に入れても実況解説せずにはいられませんね〜…。」
何とフルタチとヤマモトの2人は脱出せず、ディメトロドンに乗り、実況解説をする為だけに現場に
急行していたのだ。まさに無謀としか言いようの無い事であったが、そのプロ根性は賞賛に値する物があった。
「そ…それだけ…それだけの事で…?それだけの事で大勢の何の関係も無い人間を殺したと言うの…?」
ドボルクの余りにも幼稚な理由にハガネは愕然としていた。そして、それだけの理由で大勢の無関係な人間を虐殺したドボルクに怒りが込み上げていたのだ。
とりあえず今の段階で訂正すべき場所が二つ確認されました。
>>150 「会社に作る」→「会社に尽くす」
>>152 「脱出っせる」→「脱出させる」
>>恐怖の亀裂作者さん
凄い飲み物・・・とても飲む気にはなれない。
あと、やはり立体迷路には苦戦している様子ですね。この謎をいかにして解くのでしょうか?
>物凄い安定性で乗り物としては最高の安全性を持って居そうですね
まあ一応あれは要塞としてだけでなく、移動工場やズィーアームズ社員の宿舎等も兼ねてますから・・・
って安全性の答えになってないかな?
ドボルクがパンの枚数とか言わなくて良かったw
「お前…」
金属が激突する音が鳴り響き、リニアの振り下ろしたビームブレードが根元の部分で止められる。
「ふっふっふーッ! 何か強くなったような気がするぜ!?」
エレクトロンドライバーの連射をかわし、リニアは“セラフィックフェザー”を放出した。
「確かに強くなったよ…ま、 弱 い け ど な」
「何をッ…おわ!?」
全方位から浴びせられるビーム。反応が遅れたオリバーは、全弾まともに喰らって吹っ飛ばされる。
「能力が使えないのは私も同じだ。機体性能の差は多少あるが…それ以前に、まだまだお前は弱い」
あえて貶すような口調で言うリニア。しかし彼女は、オリバーの技術が凄まじいスピードで伸びているのを感じていた。
――コイツは、強くなる。
その確信があった。飛びぬけた才能も見受けられないし、努力が好きな訳でもない男だが、
計算や予測で計れない不可思議な強さがある。
「…まったく、育て甲斐のある『弟子』だな」
「弱いって言ってたじゃん! …まったく、師匠の言動パターンは意味不明――」
上空からの細いビームが、イクスの背中を直撃した。
「痛ぇッ!」
「すまんなぁ〜、手が滑って“誤射”してしまったよ…」
明らかに狙ってやっている。それは解っていたが、オリバーは小さな怒りをこらえて言った。
「…ところで、師匠。ちょっと市街まで行ってもいいかな? 情報屋に依頼してた情報が、そろそろ入る頃かもしれないし」
シュバルツバルトはやっと、殆どが廃墟と化した地下都市から地上へと出てきた。
やっと視界に因縁の機体――アーサーの改造機を捕らえたと思った矢先、閃光と共
にその姿が消えてしまうと言う
最悪に悔やむべき経験をした彼は、あの後丸一日ほど地下の生存者達に円卓の騎士に
関する情報を聞きまわっていたのである。
そして――ある筋から手に入れた情報は、彼の興味をそそる物だった。
「円卓の騎士が“神に与えられた機体”と口走った事、古代の神話に似せた能力を使う事などから
彼らが宗教的な理由で動いている可能性が出てきた」――と。
確かに、彼らが生み出された経緯は能力者を狩る理由にならない。もし、何者かが彼らに機体と能力を与え、
宗教的なことを吹き込んで手駒としているのであれば?
「元締めが居る…」
車に乗りこみながら、浮かされたように呟く。
「必ず、俺が討つ…GXシリーズも、黒幕もな!」
「あ、やっぱり戻ってないですか…いいんです。ありがとうございました」
“星光の鎖”本部を訪れたエルフリーデだったが、オリバーもマキシミンも寮に戻ってきてはいないという。
「はぁ…どこ行っちゃったのかな、二人とも」
街は本格的に冷え込んでくる時期。エルフリーデが空を見上げると、灰色の空に白い点が見える。
それはひらひらと舞い落ちてきて、彼女が差し出した手のひらに乗ると瞬く間に水滴に変わってしまった。
「初雪、かぁ…」
次々と落ちてくる雪を見ながら、エルフリーデはまた回想に耽る。
一年前の事とは思えない、オリバーと始めて出会った日のことを。
「――道路の真ん中に立ってると、ロードスキッパーに蹴られちまうよ?」
「そうだねー…って、オリバー!?」
オリバー=ハートネットが目の前にいた。いつの間に現れたのやら想像も付かないが、とにかく思いがけず
再会できた事にエルフリーデは喜びを隠せない。
と、彼の後ろにいる少女の姿に気付いて彼女は一瞬怪訝そうな顔をする。
その表情を見逃さず、オリバーはすかさず言った。
「あ、この人はね、俺の――」
リニアが後を引き継ぐ。
「――師匠だ。名はリニア。…オリバー、こんな可愛いガールフレンドを放置して私のところに来ていたのか?」
「いや、“マエストロ”ルガールを凌ぐゾイド乗りだって言うからさー…もっとゴツいおっさんかと思ってたんだけど」
ルガール――その名を聞いたとき、またもリニアの身体が僅かに震えた。が、やはりオリバーは気付かない。
「や、可愛いなんて…そんな事は」
「謙遜はいらないよ、エル。君は本当に可愛いんだからね」
オリバーが今まで幾度となく吐いてきた台詞の一つだ。しかし、今回は本音だった。
――もっとも、彼女は少し消極的すぎる気もするが…悪くはない。
ますます顔を赤くするエルフリーデ。このままでは、顔から湯気が出かねない。
〔大体…ここであんまり惚気てると師匠が白けちまうしな。この辺で打ち止めるか〕
「じゃ、俺はちょっと行く所があるから」
雪の降る中、オリバーは背を向けてエルフリーデから遠ざかっていく。と、その時。
「オリバー、待っ…」
「!? お前は!」
エルフリーデの呟きは、リニアの叫びにかき消された。彼女の視線の先には、おぼろげながら見覚えのある男が歩いている。
冬だと言うのに、その男の上半身は上着の下に黒のノースリーブ一枚しか着ていない。だがその薄着は逆に、少年とも呼べる年齢に
そぐわぬ彼の肉体美を強調しているようでもある。
そして、その男の後ろには3人の少年、少女が居た。
「…よぅ、思わぬところで会うモンだな――反能力者のリニアさん?」
「聞いたことがあるぞ…能力者至上主義の筆頭、リバース・ガーディアンズの首領。
たった一度でも『彼』を負かしたとな…オレーグ=カーティス!」
名を呼ばれ、オレーグは笑った。「よく知っていた」とでも言わんばかりに。
「能力者至上主義ってのは過去の話だ…今はそんなに過激なモンじゃない。それに、
アイツに勝ったのは機体性能の差だった」
横から見ていたオリバーは困惑したが、どうやら仲良しと言う訳で無いらしい事は解る。
それに「彼」や「アイツ」が誰の事なのかもまったく解らない。
ただ、「ワケあり」なリニアの過去が少しでも解るのではないか――そんな期待を抱いていた。
「それで…お前は何故こんな所にいる?」
「世間知らずだねぇ、ラジオだけに頼ってちゃ世間で何が起きてるのか解らないぜ。
…俺たちが住んでいた地下都市、ディープグラウンド・シティが円卓の騎士に破壊された」
「円卓の騎士だと!」
思わず大声を上げたのはオリバーだった。そして、オレーグはこの時初めてオリバーの存在に気付いたらしい。
「おおぉ〜、オリバー=ハートネット君じゃあないか! まさしく天の導きと言うべきかな?
俺たちが地上に出てきたもう一つの理由は、お前を探す為だよ♪」
「というか、何故私がラジオしか使わないと知っている?」
リニアの低い突っ込みにも、オレーグは終始余裕の姿勢で答える。
「ちっちっちっ、犯人(ホシ)はなんでも知っているのさ。俺達の情報力は『表』の比じゃないぜ」
何だかずっと監視されていたような気分で、リニアはばつが悪くなる。
その時、オレーグの後ろに控えていた少女が遠慮がちに彼の方を叩いた。
「ボス、あまり時間は無いので…」
「あー…そうだな。本題に入ろう。オリバーと二人だけで話がしたいんで、リニア殿と
そこのお嬢さんは下がっててもらえるかな?」
数秒の間を置いて、「そこのお嬢さん」が自分の事であると気付いたエルフリーデはいそいそと後ろに下がる。
彼らが二人だけで話したいと言う以上、それに反発する理由など彼女は持たない。
たとえ、突然現れたオレーグという男がどんなに危険なオーラを醸し出していても。
渋々ながらリニアも引き下がり、部下3人も除いてオリバーとオレーグは向かい合った。
「で…話って、何?」
(元)能力者至上主義とはいえ、自分の味方であるかどうかは解らない。多少の警戒を
顔に出すオリバーに、オレーグは値踏みするような目を向けた。
「うーん、いいねぇ…実にいい眼をしてるよ。純粋に力を追い求める、情熱の炎が燃えている眼だ」
からかっているのかとオリバーは思ったが、その後に続く言葉に絶句する。
「それに、女癖も悪そうだね…そういえば君の親友も、何かを熱心に求める眼をしていた」
親友――といっても、思い当たるのは一人だけだ。そういえば、彼と連絡を取っていない。
「まさか…マキシミンのことか!? あいつに会ったのかよ!?」
「そうだ。君と彼は、円卓の騎士に襲われて生き延びた唯一の証言者だったからな…
だが、まさか連中が俺達のシマまで踏み込んで証人の抹殺に掛かるとは、正直俺も予想できなかった」
オリバーの目の前が歪み始めた。唯一の証言者…地下まで襲ってきた円卓の騎士…“証人の抹殺”…
「気の毒な事だが、君の親友マキシミン=ブラッドベインは殺された。――円卓の騎士によって」
VS3もそろそろ飽きてくるYOOO、隠しコマンドの残りはまだか…
>>鉄獣28号氏
メガザウラーの比じゃない…w>サタン
ある意味Ziユニゾンかとも。
>>恐怖の亀裂作者氏
某超能力テニスの漫画でそんな飲み物があった希ガス…やめろなにをすqwせdrftgyhじゅいこlp;
クロームは嫌な事を思い出す。確か今日の始めと言ったら…空中でしかもその位置には今急造仕立ての物見やぐらが増設されていた筈だ。
つまりそこに戻されるという事は…「大惨事だっ!」後ろに出現した緑の球から素早く離れる。そして適当に道を曲がり行き止まりのワープゲートに突っ込む。
その後また同じ床の迷路に立つがその後目に進み暫く後方を見ていると案の定クロームの出現位置に緑の球が出て来る。
「…確か飛ぶと別世界と言ったが?何れくらいでそう成るのか試してみますか。」思い切って試す事にしカイエンだが”勢い良く”は行かず物凄く遅くじりじりと高度を上げて行く。
その内上に振り上げたマグネイズスピアが境界面に達し空間に波を創り出しているので大体の距離を図る事ができた。
だがそこで止めておけば良いのに”別の世界”に興味を少し持ってしまいコクピットを上半分別の世界につっこんでしまう。
「うわあああああああっ!!!」直ぐさまコクピットを世界の境界面から離し息を荒げるカイエン。怖いもの見たさで覗いた世界。それは精神に苦痛を与え気がふれるかもしれ無い様な場所であった。
以下は事件後に本人が語ったその世界の事である。
見渡す限り何も無い空間に時計がそれも色々な種類で色々な大きさがある。大きいものでは惑星Ziよりも大きい物まで合ったらしい。形も歪んでいたり縦長だったり文字盤だけ無駄に横長だったりと奇妙な世界だったという。
しかも見た事も無い種類の時計まで遇ったらしい。字がおかしいのはそれが時計と融合している猛獣だったらしいからだ。あらゆる世界のあらゆる時計が一同に会したその奇妙な世界。そこでは針の音しか聞えずしかもその時間の刻み方はバラバラ。
そんな場所だったそうだ。
そして突然時計が一斉に止まったかと思うとそれ等の時計が血を吹き出しながら逆回転を始めたと言う。余りにも非現実で許容できない容認できない光景に悲鳴を上げながら逃げたと言う。
彼自身の性格からしてこの様に手の込んだ妄想の類ができる人間性は無いのでそれは確かに在ったと断定できるだろう。
話を戻し現状を見てみるとクローム以外の物はまだ誰も”追跡者”に追い掛けられていない。如何やらつつがなく歩いていれば取り敢えず襲われはしない様に見える。
そんな中エルザのグロウエイムは走っていた。何か嫌な仮説でも立てた様に…。
シュミットの乗るニードルガッシュを両手に抱え動くエルザ。「これはひょっとすると大変な事に成りかねません余〜〜〜!」
彼女の言葉の間違いは当り前なのでこの際気にする事は無い。しかし一番動かなそうな彼女が危険を察知したように動いたならそれに倣う方が無難だと各自一斉に動き出す。
「ふっ…気付いた者が居たか。それで良い。致死的なトラップは追跡者のみだ。頑張って逃げると良い…出口は無いのだから。」言葉には出さないがエントヴァイエンはカイエンに目を移す。
「ほう…クロノスクリームか。そんな場所に繋がっているとはなよし!それで行くか…。」
迷路をひた駆ける機獣の駆動音。多少ジャンプしても問題無いらしいが床から床に一足跳びで移動はできない。
壁が有る筈の場所には何も無くそこを突破すると”違う迷路のレーン”へ移動してしまうだけだ。突然エルザから通信が届く。
メール形式なので声は無い。それを見て背筋が凍る思いがする。どうやら一定の数の定員が在るらしく定員オーバーになると排除行動が起こる可能性が有る。
そう書いて有る。その仮説が本当だとすると下手に”隣りのレーン”に移動する事はできない。策為的に集結地が同じ場合それが確実に発動するという事になる。
そして…あの言葉が脳裏を過る。”落下”と言う言葉だ。概念的に空間が捩じ曲げられている為不可抗力での落下は有り得ない。
そこから推測するに”定員オーバーはそのレーンの落下”を意味する。はっきり言って理不尽すぎる状況だ。
シュミットの例を見るに出口もまた別のレーンに移動する事になるので逆に言えば出口に移動するのも危ないという事になる。
道を選びながらの逃走劇。追跡者が発生しているレーンも増えて来て居る。運良く?クロームが別のレーンに移動するとクロームの居たレーンより追跡者が消滅する。
クリアは落下のリスクを伴う代わりにそれまでの行動をリセットできるメリットも有るらしい。その他追跡者の後ろから前に追い越しをすると追跡者が消えるのも確認した。
つまりそのルールを応用して一定数の定員を超えない様に粘る。それが今の最良の策らしい。万一戦力が集中した場合は一斉に別のレーンに飛ぶと決めて。
早速”落下”の兆しを確認する。一気に6機機体が集まってしまった場所が揺れ始めている。「性の悪いカルネデアスの板だなっ!」誰かがそう言う。
”性の悪いカルネデアスの板”言い得て妙かもしれない。普通なら誰かを蹴落とす事でそれを避ける事もできる。それを為た者を悪いとは一概に言えない。
有る論理で極限られた限定条件に於いて助かる為に他人を見殺しもしくは殺人に該当する反射的自衛行為を養護する時に使われるものだ。
しかしここでは”相手を蹴落とす”事ができない為自動的に板たる迷路のレーンの落下を防ぐ事ができない。八方塞がりの状況である。
しかし全ての機体が居なく成ると揺れが納まった事から執行猶予がある事が確認できた。そして危険機数域の最低値が6機以下である事も判明する。
しかしそこからが大変だった…。横にステップして別のレーンに移動すると別々の所に飛ぶらしく一斉に他の所でも落下の兆しが現れている。
特にセイスモサウルスにはサイドステップ等という芸当はできない。当然取り残される為他の機体が移動する事になる。更にサイドステップで別のレーンに移動すると追跡者が現れる。
今度は数の増えた追跡者の消去に直走る高速戦闘ゾイド。はっきり言って泥沼と化している。そんな中エントヴァイエンの何かを招喚をしようとしている詠唱が聞える。
詠唱を必要とする為かなり大掛かりな者を招喚しようとしているらしい。
「…この気配は?またあの人がちょっかいを出しているようでありますね。全く…。」「にゃあ〜。」頭にアサガオライガーを乗せた状態でそれっぽい台詞をファインは地上で言っている。
だが全く締まりが無い。「何?それ?可愛いじゃない?」突然アサガオライガーを摘み上げるフェニス。背中を丸めて成すがままのアサガオライガー。
「君も弱いのね…その人には…ふう…。」がっくり肩を落すファイン。「フェニス〜次は私に触らせて。」キリカもアサガオライガーに興味津々のようだ。
そんなこんなしながら施設の方向に向けてカラミティシャドウとウェイブレイダーを構えるファイン。「何を為る気だ?」ラフィーレはその様子を見ながら言う。
それに「ちょっと”狙撃”をするのでありますよ。」無茶な事をさらりと言うファイン。
一応機体と生身両方で使える2挺の銃。そして何かを必死に測っている様だがその内狙いが定まったらしい。
そこで本人すらできないと思っていた驚きの術式が完成するのである。「5…4…3…2…1…動作限定!照準良し!ファイアッ!!!」
鉄獣28号さんへ
あの2人ゾイドを操縦できたのですか…もしかしてディメトロドンで試合有る所に神出鬼没だったりして。
Innocent World2の作者さんへ
戌亥汁ですか?あれは間違い無く劇薬の類じゃ?
生きていたのですね…あの人達は。でも他界してる人がまた1人…。生き残るのは誰だ!?
『フェッフェッフェッフェッ!さて…。もう質問は無いのじゃな?それでは…死ね…。』
「お前が死ねぇぇぇぇ!!!!」
その時サタンザウラーの腕が振り上げられるより先にゼノンが跳びかかっていた。
『むう!!』
しかし、サタンザウラーは頭部の三本の角を振り回し、ゼノンを払っっていた。たちまち宙を舞う
ゼノンであったが数回回転した後でサタンザウラーの背後に綺麗に着地していた。
『おやおや…まだ生きておったのか?』
サタンザウラーの背中の2本のセイスモ首とデススティンガーの尾、そして尾部の先端部分に大型
レーザーシザースの付いた加重衝撃テイルを後方のゼノンへ向けて振り上げていた。
『ほれ!ほれ!』
サタンザウラーは背中の2本のセイスモ首とデススティンガーの尾から荷電粒子砲をゼノン目がけて
発射していた。しかし、その荷電粒子砲は先程ハイGホエールに穴を空けた時の物と違い、
出力を押さえられた物であった。やはりゼノン内部に搭載された蒼の神のコアを無傷で手に入れたいと言う考えがあったのである。
「わ!や!は!」
荷電粒子砲の出力が押さえられている分、連射速度を高めているのか、荷電粒子砲はさながら雨の
様にゼノン目がけて降り注がれていた。しかしハガネも伊達では無く、その全てをかわしていたのである。
『ほお…。これだけの荷電粒子砲の連撃を全てかわすか…。もはや時代遅れの旧式ロボットとなったと思ったら…まだまだやる様じゃのう…。』
「なになに…。マオちゃんの突きに比べればそんな攻撃くらい…。ハッキリ言って止まって見えるね!」
『ムゥ!!!』
その時ドボルクの顔はもの凄い形相となり、サタンザウラーのシザース付き加重衝撃テイルがゼノン
を襲ったのだ。ゼノンは横に跳んでかわすが、シザース付き加重衝撃テイルを受けた超合金製の分厚い床はそのまま深々とえぐり取れていた。
「うわ…こっわ〜…。それにしてもやっぱりあんたにとってマオちゃんは禁句だったかな〜…。」
『人形ごときが…。ワシをおちょくるなよ…。なにがマオの方が上だったじゃ…。ワシの全てを尽くしたこのサタンザウラーがあやつごときに負けるとでも思ったのかぁ!!!?』
「でもまあ、今のあんたが…は分からないけど昔は全敗だったよね…。それに、マオちゃん今はもう亡くなっちゃったし…。比べようが無いしね!」
『くぬぅぅぅぅ!!!!』
怒りの余りさらにもの凄い形相と化したドボルクの指令に従い、サタンザウラーはゼノンへ向けて
襲いかかっていた。しかし、怒りのために頭に血が上り、冷静さを欠いたその攻撃は確実さに欠け、ことごとくゼノンにかわされていたのであった。
『何故じゃぁぁぁ!!!!何故当たらんんんん!!!!』
「ホラホラどうしたよ!そんな攻撃じゃあ3丁目の角を曲がった先にあるタバコ屋のおばちゃんも倒せないよ!!」
「3丁目の角を曲がった先にあるタバコ屋のおばちゃんって誰だよ…。」
タイガスは思わず眉を細めていたが、ゼノンはサタンザウラーの攻撃をかわし続け、ハガネは
ドボルクをおちょくり続けていた。これこそは彼女の作戦であった。あえておちょくる事で
相手を故意に怒らせ、冷静さを欠けさせる。これはハガネの宿命のライバルであり、マリンの
曾祖母であるマオが良く使った手であった。手強そうな敵に出会った時や、遠距離攻撃ばかりを行い、
自分の土俵に入れさせてくれない様な相手に出会った時、彼女はわざと相手を怒らせるような悪口を
言い放っていたのである。無論これを続ける事により相手は怒って頭に血が上り、冷静さを欠いて
ひたすらマオに向かって馬鹿正直に突撃掛けてくるので楽に撃破する事が可能であった。
こういう手段はセコイと思われるかも知れない。ましてやマオにはそう言う事をしなくても充分
相手に勝てるだけの力があるのにも関わらずこういう事を行うと言う事は恐らく他の者に取っては
邪道とか恥を知れとか思われたりする事かもしれない。しかし、そう言う事はマオには全くと
言って良い程通用しない。“強いクセにセコイ”これこそが彼女のスタイルだったからである。
あえて言うなればそのセコさがあったからこそ彼女はあの戦いを勝ち残る事が出来たのでは無い
だろうか。ただ強ければ勝てる程戦争は甘くない。だからこそ、“セコイ戦法”と言う物は彼女
なりの戦術だったのでは無いだろうか。一応、彼女の名誉の為に付け加えて置くが、“セコイ戦法”
はやっていても“卑劣な戦法”とか“卑怯な戦法”はやっていない。
これらとセコイ戦法がどう違うのか?とか言われたら流石に辛いし、生きるか死ぬかの戦争のルールは
無いとかそう言う言葉もあったりするのであるが、まああえて説明しなおすならば“人の思いもよらぬ
戦法”言った方が良いのだろうか・・・。と、そんな説明をしている間にもゼノンはサタンザウラーの
攻撃をことごとくかわしており、逆にサタンザウラーの側頭部に爪を叩きつけ、尻餅を付かせていた。
『こりゃぁぁぁ!!!全く少しは老人をいたわらんかい!これだから最近の若い者は…。』
「こんな時だけ老人ぶるんじゃないの!それに私だって100歳超えてるんだから…。」
「…。」
最初の頃のビビリっぷりがウソの様にドボルクを圧倒し続けるハガネの姿にタイガスとラッキーは呆然と見送り続けるのみであった。
「そう言えばあのじーさん…人形の奴がマオの名を呼んだ時怒っていたよな…。何でだろう…。」
「まあ…文脈からすればあのお爺さんもきっとマリンさんの曾お婆さんに怨み持ってた人の1人だったんだよきっと…。」
「う〜ん…。」
タイガスは目を瞑って何か考え込んでいた。しかし、それを尻目にチョコがトラグネスを前進させていたのだ。
「手伝わなきゃ…。」
『おうさ!いっちょ派手に撃ちまくったろうじゃないの!』
チョコはトラグネスの各装甲を展開し、トラグネスの全身に装備された各種レーザー砲や衝撃砲を
向けた。そしてモニター一面に表示される夥しい数のロックオンマークと共に、それらの火器を一斉発射した。
『ぬお!!』
ゼノンに気を取られていたと言う事もあるが、背中から全弾まともに受けたサタンザウラーは思わず
仰け反っており、その鉄壁のはずの装甲もややへこみが見えていたのだ。今のトラグネスのパワーは
ブロイが操っていた時のそれを遥かに凌駕していた。ブロイが操っていた時は、紅の神の意志を
無理香具師に押さえつけていたが故にそのパワーも同時に押さえられていたが、トラグネス=
ブラストルタイガー=紅の神の真のパートナーである虎神の巫女であるチョコが操作する事で
トラグネスの内に秘めたる紅の神の真の力が発揮され、想像を絶する破壊力を生み出していたのだ。
そしてパイロットであるチョコ自身も、今日初めてトラグネスに搭乗したにも関わらず、あたかも長年
付き合って来た愛機を操縦しているかの様な見事な操縦を見せていたのだ。
「……………。」
「……。」
タイガスはとラッキーの2人はなおも呆然と状況を見つめているだけであったが、ふと我に帰り、力一杯操縦桿を握りしめたのだ。
「おっと!!あんな子供が戦ってるんだ!!俺達だって戦わんと!」
「そ…そうだよね!」
『ったく先が思いやられる…。』
今更になって慌てて加勢しようとしていたタイガスに白の神も呆れて眉を細めていたが、それでもトランサーはサタンザウラーへ向けて跳びかかっていたのだった。
各地で小爆発を起こすハイGホエールはいつ墜ちても不思議では無い程損傷していた。が、であるにも関わらず虎神トリオとサタンザウラーの戦いは延々と続けられていた。
『おのれおのれおのれぇぇぇ!!!!』
ドボルクは心の底から焦っていた。まだ未完成な代物だとは言え、自らの最高傑作とも言える
サタンザウラーを圧倒し続ける三体の虎神の戦闘力は彼の想像を遥かに凌駕していたのだ。
機動力に秀でるトランサーはその圧倒的な機動力で荷電粒子砲の照準をことごとく外し、
格闘能力に秀でるゼノンの爪や牙がサタンザウラーの超重装甲を深々と刻み込み、
砲撃力に秀でるトラグネスの各種火器が超重装甲に矢継ぎ早に撃ち込まれる。
三体の虎神の力は、ズィーアームズ守備隊の一斉攻撃すら意にも介さなかったサタンザウラーの
超重装甲ですら、やすやすと打ち砕く破壊力を持っていたのだ。その上ドボルクはあくまで
三体の虎神のコアをサタンザウラーに取り込ませると言う事を目的としている為、勢い余って
破壊しない様に気を付けて攻撃していた為に上手く攻撃できずにいたのだ。無論虎神トリオは
そんな事お構い無しに攻撃を続けており、それがドボルクをさらに怒らせ、冷静さを欠けさせる原因にもなっていた。
ストラグルスレ見てたらストラグル買いたくなった・・・。
>>恐怖の亀裂作者さん
時計しか無い不思議な世界って・・・文字通り不気味で怖い世界ですね・・・。
しかもその後は迷路での戦闘に突入している様子ですし。
>>Innocent World2作者さん
あああああ!!!!もはや主役級と言っても過言ではなかったマキシミンすわんが
殉職したぁぁぁぁぁぁ!!!!!
って驚かせておいて、実は○塾みたいな感じで死んだと思わせておきながら
実は生きていたってオチになるのでしょ?そうでしょ?ねえ・・・
>>155 済みません・・・。そのパンの枚数ってどういう意味ですか?
パンの枚数か…w
引き金をタイミングを微妙にずらして引いている。カラミティシャドウより発生した火球を高機動誘導弾のウェイブレイダーが追い抜く。
そしてウェイブレイダーの弾丸は略奪者の名を示す様に火球の弾道。すなわち直線軌道を奪い取る。行く道を失った火球はウェイブレイダーの軌道を追い掛けて消えて行く。
計6回同じ様にその現象が起こる。施設に飛び込んで行く物理法則jを無視した動きの弾丸をラフィーレは言う。
「何処でそんな手品をっ!?と言うか何時の間にそんな事ができる様になったんだ!」驚くのは勝手なのだが条件反射というのだろうか?
情け容赦無しにハリセンはファインの頭に唸りをたてて炸裂していた。
「…それは酷いのでは?」頭を押さえながらファインは言う。「ほんまやで〜お嬢様。そんなに無差別に突っ込んどると突っ込みの仕事もきまへんで。」
何故えせ関西弁が聞えるのだろうか?「ここや!ここ!珍しい物見れるさかい無理言うて付いて来ましたんや。」フェニスのストームラプターからマリエラが顔を出す。
「…とまあこう言う訳や。」その話を聞き「胡散臭い奴だとは思ったが真逆如何わしい魔術の類を使えるとは驚いたものだ…。」ラフィーレはなる程と納得した様にうんうん頷く。
「…多分話半分って所やね。」正確な分析をマリエラがする。”なる程”と言う言葉を使ったときは十中八九自身の良い様に訳され本質を半分も理解してないと言う統計が何処かで裏付けされたと言う話を聞いたことが或る。
特に癖で使う人は要心らしい。「所でほんまなん?ミーディアムグロウブを撃ち抜かれたって!?」突然痛い所を突かれる。「残念ながら本当であります。相手は意図してそうした可能性が高いと思われるでありますね。」
「あちゃ〜これででっかい術の類は使えまへんな。ベルちゃんに無茶させる訳にはいかへんからね…って?ベルちゃんは何処に居るん?」
「くしゅん…おかしいな妾が風邪など引く訳が無いからな。誰かが噂でもして居るのか?」その頃ベルウッドは格納庫でくしゃみをしていた。
「御嬢!取り敢えず無駄なパーツを外したぜ?ここから如何するんだい?」整備班長がベルウッドに聞く。「うむ…先のYK装備を簡略化してデフォルトに幾つか装備できんかと思ってな…。」
「そう言う事か。それなら任せてくれよ御嬢!付けて置きたい装備を言ってくんな!」
「…それにしても主の奴。あんな術式を思い付くとは面白い奴よ。」遂先の2挺の銃を使用した術式の重ね掛けを冷静に評価していた。
その弾の群はエレベーターホールを高速で下層に向け直進第8層の入り口に滑り込むと通路を縫って進みスロープ周辺に発生した迷路に突入する。
「何!?何故その様な事が起こるっ!?」”二枚舌”の術を使い詠唱を続けながらエントヴァイエンは唸る。突然目の目を通りすぎた12発の連動弾。電車ごっこの様にウェイブレイダーの弾がカラミティシャドウの火球が付いていっている。
更に二枚舌の術を行使して3枚舌になりあの弾の狙った物を守る為それを動かす。
「ぬっ!?」「きゃっ!?」「何だ?」「うわっ!?」突然この空間その物が揺れだし一同は驚く。そんな中エルザとルディア後元々動じないサーベラスだけは平然と状況を確認している。
ルディアとエルザは予め把握した別々の情報をラビットホーンに向けて送信していたのでそれを総合して判断すれば必要なら援護行動が執れる筈である。
それに折角如何わしい術を使えるならとルディアはファインにあるアイデアを提示していたのだ。つまりは”それ”で援護行動が執られた事が確実である事が解るのである。
そんな中まだ冷静に動いている者がセイスモサウルスのパイロット達だ。素早く動けない。機体特性が余り役に立たないとなればサポートに徹するしかないと地味にルディアやらエルザやらの行動の手助けをしていた。
「如何やら援護が来たらしいな…オルディン?抜け穴は見付かりそうか?」そのパイロットの声にもう1機のセイスモサウルス。背にジャミングブレード2枚を付けディメトロドンの全天候3Dレーダーを装備した機体が答える。
「駄目だ。”天井”以外に別の空間に繋がる場所は無いよ。ミルディンの方は如何?何か新しい発見は有った?」そう返って来る声。両機とも同じ装備をして来て居る。それに答えるミルディン。
「追跡者は対応した機体のみに接触した場合に効果を発揮するらしいな。今後ろから追突されて解った事だ。」ルールとしてずっとレーンの上を動いている者には追跡者は出現しないので解った事だ。
「聞いたか!今のを!追い越しの際は当たっても問題無いらしい。追って来る者だけに警戒すれば良いらしいぞ!」レミントンは素早く周りに連絡を取る。大慌ての状況も少し落ちついた様だ。
他の僚機を連れず同型の2機のセイスモサウルスで行動する…通称トライスパイナーカスタムを駆る兄弟のミルディンとオルディン。
双雷の駆逐艦の異名を持つ陸及び水上戦のエキスパートだ。その真価は今の様に両者が分断された状態で最大限に発揮される。
丁度位置を調整しながら球体の中の様なこの立体迷路の中心を挟む対称線上に存在しエルザとルディアが立てた作戦の決行を今や遅しと待ち構えている。
「自爆王の方は上手くやってくれている様だな。」「それはそうだよ。自爆王である事以外は下手なパイロットじゃ追い付けない実力を持ってるからね。知っている人間だけの公然の秘密さ。」
以前作戦の関係上囮をやって貰って知った事だ。相手を呼び寄せる才能も有るらしい。自分達は最優先目標をその後撃ち抜くだけの軽い仕事だった。当然彼は通名の通り機体を失っていたが…。
「隙間が有る筈だ!探すぞオルディン!」「了解!ミルディン!」彼等はこの空間に或る筈の出口の捜索と共に出口が無い場合この空間を構成する最重要部分の特定とそこに対しての攻撃がルディアより命令されている。
それはその後部隊の指揮を任されているレミントンにも報告は終わっている。後は確り他の者には段階を持って知らせていく。そして…それがばれた頃には相手に端にもできない状況を創り出すのが目的だ。
いかに1人で数万単位の事象の把握やそれに対応した行動が執れる存在だとしても所詮単体の存在であり更に生物である為物事に順序や優先事項の順番を付けてしまう事は避けられない。
エントヴァイエンの行動は道筋を立てて行動を執る。つまり同時多発した状況を1人でどうにかするにも限度が有る。
今の状況はこの迷路の空間を創り出している中心部を防衛しながら何かの招喚を行っているので注意は完全にその二つに逸れている。
なので迷路内から他の世界に繋がる歪みを避けてそれに攻撃を到達させる事ができれば理論上この空間を消滅させる事が出来る筈だ。
「!」エントヴァイエンは一瞬迷路を見渡し常に対称線上に2機のセイスモサウルスが居る事を確認してようやくこの電車ごっこ弾が飛んで来た理由を理解する。しかしその時点ではもう彼に手は無い。
「「見付けたっ!」」遂に中心部に到達する道が開かれる。その数秒後中心部にゼネバス砲2門の精密射撃が撃ち込まれた。
鉄獣28号さんへ
多分あの人の言葉では?”貴様は今まで食べたパンの枚数を覚えているか?”と言うディオ=ブランドーの言葉。(うろ覚え)
”何人の人を殺した”と言う質問に吸血鬼になったディオが問い返した言葉でこれは食べ物を食べるのにその数を人生始まってから一々覚えているのか?と言う問い掛け。
〇ョ〇ョの奇妙な冒険の第1部より。検索でも見付かりました。
ドボルクの単語で探してもここが見付かるだけだったりw
「何かこりゃ行けるかもしんないよー!!」
「確かになぁ!!」
「じゃあもう一踏ん張りだね!」
サタンザウラーを圧倒する様を目の当たりにし、勝利を確信したハガネ等は安心した表情となっていた。しかし、そこに油断が生じてしまったのである。
『ワシを何時までも舐めるなガキ共がぁぁぁぁぁ!!!!!!!』
「うわ!!!」
怒りが溜まりに溜まったドボルクは逆上し、相手が壊れる事お構い無しに突撃を掛けてきたのだ。
その気迫に押され、一瞬スキが出来たトランサーはサタンザウラーの右手によって掴み上げられてしまった。
『フェーッフェッフェッフェッフェッフェッフェッ!!!ついに一つ目を捕まえたぞ〜…。』
「し…しまったぁぁぁ!!!」
「きゃあぁぁぁぁ!!!!」
『なんと言う事だ…。』
トランサーは必死にもがき、何とか脱出を試みようとするがサタンザウラーの右手はトランサーの胴体をガッチリと掴んでおり、全く脱出出来る気配は無かった。
「クソ!!!離せ!!この野郎!!!!」
『フェッフェッフェッフェッフェッ!元気の良い事じゃ!じゃが…。そろそろそのコアをもらおうかのう…。』
ドボルクは換気の笑い声をあげながらサタンザウラーの左手をトランサーへ近付けた。その爪でコアをえぐり取ろうとしていたのだ。その光景にタイガスとラッキーや青くなった。
「うわぁぁぁ!!!!やめろやめろ!!!」
「きゃぁぁぁぁぁ!!!!!」
『おのれ!!!貴様の好きにはさせんぞ!!!』
トランサーはなおも必死にもがいていたが全くと言って良い程離れる事は出来なかった。
「ドボルク!!そのボーヤを離しなさい!!!」
「誰がボーヤじゃぁ!!」
ハガネはトランサー救出の為、トラグネスの支援砲撃を受けてゼノンをサタンザウラーへ突っ込ませ
ていた。牙をむいたゼノンがそのままサタンザウラーの右腕に噛み掛かろうとしたのであったが…。
『すまんが邪魔はせんで欲しいの〜…。』
その時、サタンザウラーの全身の装甲と装甲の隙間がやや赤み掛かった光を放つと同時にその各部から数十発というミサイルが発射された。
「うわぁ!!!!こ…こわぁぁぁ!!!!!」
ライガーゼロパンツァー何十機分とすら思える程の夥しい数のミサイルがゼノンとトラグネス目がけて降り注ぎ、2機は慌てて逃げ出すしかなかった。
『さて…。それでは気を取り直そうかのう…。』
「だからやめてくれってぇ!!!」
一安心したドボルクはそのままトランサー内部に存在する白の神のコアをえぐり取る作業を再開し、
サタンザウラーの爪がトランサーの体へ刻まれる…と、そう思われた時だった。突如として
サタンザウラーの右側にあった分厚い超合金製の壁をぶち破り、何か巨大な物が飛びだしてきていたのだ。
「待った待った待ったぁぁぁぁ!!!!!」
『んぬぅ!!!お前等はぁぁ!!』
「ああああ!!!!」
壁をぶち破って飛び出してきたのはカンウとハーデスであった。2機は突然の出来事に浮き足立った
ドボルクとサタンザウラーに対し目にも留まらぬ速度で突っ込み、ハーデスがトランサーのコアを
えぐり取ろうとしていた左腕をガッチリと掴んで押さえ、カンウがトランサーをガッチリと掴む右腕にギガクラッシャーファングで噛みついていたのだ。
『くそぉ!!!マオの曾孫とルーガスの孫ぉぉぉ!!!お前等生きておったかぁぁぁ!!!!』
「そっちこそ何とまあ変わり果てた姿になっちゃって〜…。」
カンウのギガクラッシャーファングはサタンザウラーの右腕の超重装甲に深々と食い込んでおり、その為に力の抜けた右腕からトランサーは脱出する事が出来た。
「おお!!!脱出出来たぁぁぁ!!!!」
「マリンさんとルナリスさんありがとう!!!!」
「何々!まだまだこれからさ!」
サタンザウラーの右手から脱出したトランサーが距離を置いて離れた事を確認した後、カンウと
ハーデスは素早くサタンザウラーから離れたのだ。しかし、そのまま下がろうとしていた2機に対し、
サタンザウラーは頭部のマグネーザーを超高速回転させてもの凄い勢いで襲いかかった。
『おのれぇぇぇぇ!!!!!このガキ共ぉぉぉぉ!!!!』
「うわっとぉ!!!危なっかしいったらありゃしねーなー!この合体怪獣は!」
「全くよね〜!」
2機はマグネーザーの一撃を軽く回避しており、ハーデスはスラスター噴射の勢いに乗って後方へ
跳び上がり、カンウは目にも留まらぬ速度でサタンザウラーの背後に回り込むと同時にサタンザウラーの背中へ掴みかかっていた。
「よし!!行くよぉ!!!」
『むぅ!!おのれ!!何をする気じゃぁぁぁ!!!!?』
サタンザウラーは慌ててカンウを振り払おうともがいた。しかし、その時には既にサタンザウラーの巨体が持ち上がり、そのままカンウに振り回されていたのだ。
「それは西方大陸にそびえる天導山から吹き下ろす風のごとく!!!!天導山おろぉぉぉぉぉぉっし!!!!」
『そんなバカなななななななななななぁぁぁぁぁ!!!!!!!』
600トンを有に超える超重量を誇るサタンザウラーの巨体をわずか200トン程度のカンウが投げ
飛ばし、そのまま宙を舞わせていた。そして高速で回転しながら上へ上へ舞い上がるサタンザウラー
のさらに上にはスラスター噴射でより上へ舞い上がっていたハーデスが待機していたのだった。
『むぅ!!!!?』
「食らえ!!!死竜昇天蹴りぃぃぃぃぃ!!!!!!」
スラスターの勢いを上乗せしたハーデスの渾身の蹴りがサタンザウラーを襲った。カンウの
天導山おろしの後でハーデスの死竜昇天蹴りのコンビネーションはアルティメットセイスモや
マーライガーなどの強豪ゾイドを次々に真っ二つに引き裂いていった強力な必殺技である。
とは言え、流石にサタンザウラーに対しては真っ二つにすると言う事は出来なかったのであるが、
それでもその圧倒的な破壊力は変わらず、そのままサタンザウラーはもの凄い勢いで床へ叩きつけられていた。
「いよっしゃぁ!!!!」
「やったね!!!」
ワンツーフィニッシュを決めた2機は思わずその場でガッツポーズを取っていた。が、その時だった。
『やりましたやりましたやりましたぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!ゾイキュアの合体攻撃が怪物ゾイドへジャストミィィィィィィィトォ!!!!!』
『う〜ん…何という素晴らしいコンビネーションでしょうか〜!』
「ってわぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
その時皆は絶叫した。なんとどさくさに紛れてディメトロドンに乗るフルタチとヤマモトの2人が実況中継を行っていたのだ。
「あああああああんたら何時の間にぃぃぃぃ!!!!!」
『そんな事言われましてもね〜…。』
『それに、今話題の3体の伝説の古代虎に加え、ゾイキュアまで一緒になって謎の怪物ゾイドに戦い
を挑んでいる。こんな燃えるシチュエーションを持つ凄い試合は滅多に見られませんよ!これは是非とも皆へ伝えてやりたい!それこそが実況解説としての勤めです!』
『そうです!この様な凄い試合!女房を質に入れても見たいと思っている人は大勢いるはずです!』
「だからゾイキュアってどういう意味じゃ!つーかこれは試合じゃなーい!!」
やはりフルタチとヤマモトはマリンとルナリスの突っ込みに対し、ゾイキュアに関する事は思い切り
無視していた。そして彼等がディメトロドンに乗っていた理由もやはり試合の実況中継を行う為で
あり、ディメトロドンに備え付けられた特殊カメラの映像をレーダーから発信し、ハイGホエール
から脱出していた各ホエールキングなどへ送信され、大勢の人がその様子をかたずを呑んで見守っていたのだ。
『と言う事で我々は死んでもここを動きませんよ!!何としてもこの試合は実況中継させて戴きます!!』
「あーもー勝手にせい!その変わり襲われても守ってはあげないからね!」
フルタチとヤマモトの強情な姿勢にマリンも呆れた顔をしており、カンウ共々ヤレヤレのポーズをしていた。と、その時だった。
「こらぁ!!マリンちゃんにルナリスちゃん!!!」
「!!!!!?」
突然2人を怒鳴りつけたのはハガネだった。恐る恐る2人がハガネの方を向くと彼女はもの凄い形相で2人を睨み付けていた。
「あんた達…何で来たの…?」
「来たのって…。そっちだって水くさいじゃない!私達に黙って行っちゃうなんてさ〜!」
「口答えするなぁ!!!!」
ハガネは怒りに身を任せ、ゼノンの爪を思い切り床へ叩きつけており、その際に鳴り響いた轟音にマリンとルナリスはカンウとハーデス共々ビクッと一瞬身震いした。
「(口答えするなって…。質問してきたのはそっちじゃん!)」
「(しかしそんな事言ったらまた何か言われるぞ…。)」
2人は恐る恐るハガネに聞こえない様に小声でそう言い合っていたが、人間を超越する聴力を持つハガネには通用しなかった。
「アンタ達ねぇ!!!そのヒソヒソ声全部聞こえてるよ!!!本当もう私怒っちゃうよ!!」
「いや!怒ってる!既に怒ってますから!」
「口答えすんなぁぁぁぁ!!!!」
その時ゼノンの怒りの鉄拳がカンウとハーデスをまとめて吹っ飛ばしていた。2機はたちまち宙を舞い、
そのままもの凄い勢いで壁に叩きつけられる。それにタイガスとラッキーの2人は思わずビクッと驚いていたが、それだけでは無かった。
>>恐怖の亀裂作者さん
エセ関西弁笑いました。これはジョークで使っているのでしょうか?
それともこれが普通なのでしょうか?
あと、セイスモサウルスバリエーションがいくつか登場してましたが、
高性能レーダーを装備したセイスモってある意味最強の一角になれませんか?
パンの枚数のお話についてですが・・・
ジョ○ョネタは流石に分かりません!!orz 切腹ぅ!!!!
電車ごっこ弾の飛来した最大の理由。それは膨大な熱エネルギーに有る。熱エネルギーなら感知が容易い。
出力はともかくディメトロドンと同等になる為にはジャミングブレード2枚を余計に装備しなければならなかったトライスパイナーカスタム。雷竜と帆立竜では相性も構造が違うと言う事だろう。
しかし実質レーダーが都合3つ増設されている為解析速度はディメトロドンより上回る。中心核らしき物体を追尾する熱エネルギーは次第に相手の逃げ場を奪い場所を固定する。
そしてそれは少しづつ移動して別の世界に繋がる天井の網を擦り抜けて到達する場所に誘導する。
最後にそれを特定した2機より直接砲撃。砲撃自体が効果は無くともゼネバス砲の荷電粒子はカラミティシャドウの弾丸を誘爆させるのには充分な熱量と粒子量が有る。
当然中心部には巨大な火の玉が出現し爆発が起こる。後はこれを産み出した中心を焼き切れるかが問題になる。
可能な限りゼネバス砲を連射し口腔内の砲身が焼き切れる寸前まで撃った時この空間その物が霞が掛かった様に曖昧になる。
「残念だったな。もう少し速ければ招喚は無しだったのだが?何とか間に合ったよ。こいつと楽しんでくれ。」何故か名残惜しそうなエントヴァイエンの言葉。
「紹介しよう!貴公?カイエンと言ったな…彼の見た驚異の世界の住人クロックスクリームの誇る時計仕掛けの魔獣の降臨だ。」
その声と同時に迷路の空間は完全に消滅しその代わり第9層へのスロープの前に見た事も無い文字盤の時計を肩に帆のように立てた獣人。
「気の触れた時間に住まう巨人。呪われし神話学者の作りし不浄の獣。鋭き物クロノスプレンダー。今後とも宜しく頼む。」律儀にルディア等に礼をする異形の巨人。
クロノスプレンダーと自身を呼んだ者はエントヴァイエンを睨み付ける。「如何言う了見で多層次元の端に私を呼んだのだ?事と次第によっては貴様のその体喰らい尽くしてやるぞ!」
「ほう?余に口答えをするか?エルダージャイアント風情が…まあ良い。そこの御仁等と試合をしてもらいたいのだ。宜しいか?」尊大ではあるが言葉を選び依頼をする形で話を運ぶ。
少し腕組みをし考えていたクロノスプレンダーだがややあって「いいだろう。その依頼を受けてやる。」そしてそれを見ていた周囲の者に振り返る。「と言う事だ。一局付き合って貰うぞ。」
「一局って一体!?」当然疑問符が飛び交う彼等にクロノスプレンダーは答える。「ゲームだよ。これだけ汚穢な私相手に直接戦闘を挑む気にもならんだろうて。ならばこれしか在るまい?」
確かに説得力が有る。その上多分直接戦闘を行えば時間逆行とかとんでもない事をして軽く処分されてしまうだろう。それなら此方も充分勝算がある。
「ほう…直接戦闘を避けるとは。余程時間が掛かるゲームの様だな。」エントヴァイエンは考え込む。如何やら参加か非参加を悩んでいるらしい。
「これで勝負だ。内容は良くある双六だが難度は高いぞ?私であっても2回に1回はゲームを時間逆行で無かった事にしなければならない程の手応えだ。如何する?やるか?」
脅しが来る。しかも本人の顔を見る限り本当らしいっぽい。ルールは簡単で手持ちの札と中心のルーレットでプレイする物だがカードの内容が物凄い物が多い気がする。
「これはぁ〜分子分解のカードですぅ〜。」何とも物騒なカードだ。こんな物を5枚手に持ちルーレットの出目分駒を進める。
しかし問題はここからで止まった駒の指示に強制的に従わされる。これがこのゲームの難易度を上げる要因でしかも手にしたカードはルーレットを回す前に使用を宣言する必要が有る。
「〇卍かよ…。」レミントンはがっくりと項垂れる。最後に指示を達成すれば山札よりカードを1枚引いて次の手番になる。それの繰り返しでゴールに向かう仕組みだ。
「運命を司る存在に対して誓う!今回は時間逆行を使用しない事を!」参加者が決まる。先ず提案を持ち出したクロノスプレンダー。何故かエントヴァイエン。ルディアとシュミット。ミルディンとオルディン。
レミントンとサーベラス。そして…レクス。彼は無理矢理参加させられた。「だから何で俺は強制参加っ!?」悲痛な叫びは誰にも届かない。そしてゲームの幕が切って落される。
ゲーム自体が術式的な存在らしくカードは何故か手元に有ゲーム版も目の前に人数分確りと有る。エントヴァイエン曰く相当価値の有る魔導機だそうだ。
「それではぁ〜一番乗りですぅ〜!」ルーレットを回すルディア。ゾイドに乗ったままでプレイして良いとクロノスプレンダーは言ったが如何言う意味かは止まったマスの内容で解るだろう。
その内容は…誰かが1を出すまで金縛り。本当にルディアはラビィ共々金縛りに掛かっていた。
ここからはリプレイ形式に文体が変わります。ル:ルディア シュ:シュミット レ:レミントン レク:レクス
サ:サーベラス ミ:ミルディン オ:オルディン エ:エントヴァイエン ク:クロノスプレンダー と成ります。
その他に状況説明を挟みながらの予定です。かなりご都合主義っぽくなりますが平にご容赦を…。
鉄獣28号さんへ
最強の座は今の所ハガネさんで決まりみたいですねwまだ何か起こるみたいですし。
ガチに近い機体については今の所最強の機体はベルゼブブとキングゴジュラスギガだったりしますw
【人名】
ミルディン=アイネリス:セイスモサウルスのカスタム機トライスパイナーカスタムを駆る帝国軍海上防衛部隊所属の中尉
オルディンと共に双雷の駆逐艦の異名を持つパイロットで射撃の腕は弟と共に帝国随一と言われている
オルディン=アイネリス:同じくトライスパイナーカスタムを駆るミルディンの弟
彼はついでに運も良くラッキーヒットを多数出すラッキースナイパーの肩書きも持つトライスパイナーカスタムに乗ってからの狙撃の命中率はレーダーを使用しなくても100%だったりする
【ネタ】
双六:元ネタはかなり昔の双六でキン〇マンの双六のルールから元を取っています
かなり厳しいゲームとなっている他ろくでもないマスのルールに絶対服従のストレス大爆発請け合いのゲーム
知っている人はもう一つのルールのネタも解るかもしれません
『凄い凄い凄いぃぃぃぃ!!!!あのゾイキュアの2人が一撃で吹っ飛んだぁぁぁぁ!!!!強い!!強すぎます!!これが伝説の古代虎の力なのでしょうかぁぁぁ!!!』
『ゾイドの性能だけで無く、あのレイズタイガーに乗る彼女の実力も無視は出来ませんよ。何しろ彼女、ハガネさんはあの初代緑の悪魔のライバルだった人ですからね〜!』
「お前ら一々実況解説すんなぁ!!!うるさくてかなわん!!」
ゼノンはフルタチとヤマモトの乗るディメトロドンに襲いかかっており、たちまち鬼ごっこが始まった。
『おおおおおっとぉぉぉぉ!!!!レイズタイガーが私達を追い駆けております!!!もの凄い速度です!!!!』
『これは滅多に体験できない事ですよ本当に!』
「だからお前ら…。」
こんな状況になっても実況解説を続けるヤマモトとフルタチの根性はハガネすらうろたえさせる物で
あり、そう言う意味で大した物だと言う事が出来た。その為ハガネはディメトロドンの追跡を断念し、壁にもたれかかっていたカンウとハーデスへ再度近寄って行った。
「うわぁ!!また来たよ!!!」
「また来たよじゃない!!!」
ゾイドごと互いに抱き合いながらビクビクしていた2人にハガネは再度怒鳴りつけた。
「あんたねぇ!!!一体何で来たのよ!!ったく…これじゃあ何で私がアンタ達置いてきたのかわかんないじゃない!!」
「ええ!!?置いてきたって…。」
ハガネはただ2人を怒っているワケでは無かった。ハイGホエールに乗り込むと言う生きて帰る事の
出来る希望も無い様な事に若い2人を行かせたくなかった。ましてや2人はハガネの友の血を引く
者達でもある。そしてこの2人も彼女にとって大切な者であるに代わりは無い。ハガネが怒っている事はそれだけ2人の事を思っての事なのである。
「アンタ達ねぇ!!!!本当もう!!何でこんな危険な所に飛び込んで来るのよ!!!全く…。
死ぬ気!!?本当に自殺行為よ!!ここで貴女達殺しちゃったら…、マオちゃんやルーちゃんに申し訳が立たないじゃない!!」
「す…済みません…。」
2人は思わず申し訳無さそうに謝っていた。ハガネは怒りを露わにしながらもその目からは涙を流していたのだ。
「とは言え…。もうアンタ達がここに来た以上しょうがないし…。ここに来てるって事は今に至るま
での戦いの中でも全て生き残ったと言う証拠なのだろうから…。私の心配しすぎだったのかもね…。」
「ハガネさん…。」
なおも涙を流しながらもハガネの顔に笑みが浮かんでいた。何だかんだ言って彼女も嬉しかったのだ。
『おおおおおおおっとぉぉぉ!!!!これは感動のシーンです!!感激です!!涙が出ます!!!』
「お前こんな時まで口挟んで来るなぁぁぁぁぁ!!!!!」
せっかくの感動のシーンをフルタチの実況がぶち壊しにしており、今度は彼等がハガネの怒りをぶつけられていた。
『またもレイズタイガーが我々の乗るディメトロドンへ襲いかかって来ましたぁぁぁ!!!速いです速いです!!猛烈な速度です!!』
『これはやはり恐らく二度と体験出来ない事です!』
「はあ…。」
「あ〜あ〜…。」
たちまち始まるゼノンとディメトロドンの鬼ごっこに皆は呆れた表情をしていたが、マリンはハガネへ向けて叫んだのだ。
「ハガネさ〜ん!」
「何だぁ!!!今コイツ等追い駆けるのに忙しいんだから邪魔するなぁ!!!」
「でも、一応言っておかなきゃならない大切な事だからー!!」
「何だよ!!!さっさと手短に済ませなさい!!!」
やはりハガネの言葉には怒りが込められており、相当にイライラしている様子であった。
「ゾイテックの社長さんねー!!私達がもう助けたからー!!」
「何ぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
「わぁぁぁぁぁ!!!!!」
その時ハガネはもの凄い形相のまま、ゼノンをもの凄い勢いでカンウへ迫らせており、その突撃にも似た行為にマリンは思わず悲鳴を上げていた。
「ゾゾゾゾゾイテックの社長をたたたた助けたってほほほほ本当かぁ!!!?とととと言うかそそそそそれをははははは早く言えぇぇぇ!!!!」
「本当だよハガネさん!!と言うか少し落ち着いて!!顔も怖いし!!」
「マリンの言う通りだよハガネさん!とにかくここは落ち着いて…。」
「す…すまん…。」
取り乱していた自分に反省したハガネは何度か深呼吸を行い、落ち着きを取り戻した後で2人へ問い掛けた。
「とにかく…。ゾイテック社長を助けたのは本当か?」
「本当だよ…。一応脱出ポッドに乗せて外に飛ばしたけど…。」
「でもその社長がさー!ズィーアームズに拉致されてるんだからきっと凄い拷問とか受けてるん
だろうな〜とか思ったら凄いんだよ!何か凄い接待とかされて女侍らして豪遊してたんだ!」
「そ…そうなの?」
ハガネはやや眉を細めていたが、2人の目がウソを言っている目では無い事を感じ取るや否やすぐに平静状態に戻った。
「と…とにかく…。ゾイテックの社長を救出すると言う本来の任務は完了したわけか…。」
「それよりハガネさん!私も少し聞きたい事があるんだけど…。」
「何?」
マリンはカンウごとトラグネスの方を指差した。
「あの虎型ゾイドって…確か敵の機体だったよね?何で一緒にいるの?しかもチョコちゃんのゾイドを背負ってるし…。」
「確かにな!これは私も気になる!」
「は〜…。まずそこから説明せんといかんか〜…。」
ハガネはイヤイヤそうに頭をポリポリと掻いていたが、気を取り直して2人にそれまでのいきさつを説明するのだった。
「――――と言う事で今にいたると言う事だ!」
「なるほどね…。それにしてもチョコちゃんの境遇が何か…。」
マリンはチョコの乗るトラグネスを見つめ、悲しげな表情をしていた。ハガネから聞かされた事は
虎神の事、ドボルクとハガネが知り合いであった事、なぜチョコがブラストルタイガー=トラグネス
に乗っているのかと言う事など、多岐に渡っていたが、特にチョコの生まれに関する事柄はマリンとルナリスにとってショックとしか言い様が無かった。
「チョコちゃんがクローン人間だった何て…。」
「その虎神の巫女とか言う奴が何者かは知らないが…、何かチョコの奴が可哀想に思えてきたよ。」
2人はチョコを悲しげな目で見つめていたが、やはりチョコは無口無表情のままであった。
「確かにチョコちゃんは人為的に生み出された存在だけど…。それでも一度生まれたからには彼女にも生きる権利はある…。」
「だよね…。それにクローンでも黒豆でもチョコちゃんはチョコちゃんだよ!」
「まあ黒豆と言うのはこの際置いておいて…。とにかくマリンの言う通りだ!だから気にするなチョコ!」
マリンとルナリスはチョコを励ますつもりであったが、それでも無口無表情のチョコに唖然としていた。
「やっぱ無愛想だよなコイツ…。」
「うん…。」
『確かにそこが問題だよな〜!先代の虎神の巫女は明るい娘だったのに!』
「ってうわぁ!!ゾイドが喋ったぁ!!」
急に話に割り込んできた紅の神に2人は本気で驚いており、その場から思わず飛び退く程であった。
『お…おいおい…。さっきのあの人の話聞いてなかったか?私達が君等の言葉を熟知している事を…。』
「す…すんましぇん…。やっぱり直接聞くとどうも…。」
『ま…まあそれはともかく…。よろしく頼むよ…。』
2人の狼狽様は紅の神も呆れる程であったが、今度はトランサーが近付いてきた。
「まあとにかくだ!本来の目的の社長はもう助かったわけだし、奴も倒れた!と言う事でもういい加減帰らんか?」
「そうだよ!何かここ今にも墜ちそうだよ…。」
確かにその通りだった。各地で小爆発を起こすハイGホエールはグラリグラリと揺れており、何時墜ちても不思議では無い程にまで来ていたのだ。
「そ…そうだね…。早く逃げましょ!!!」
「右に同じ!」
『これより我々も彼等の後に付いて行って脱出を試みます!』
皆は一斉に機体を反転させ、出口へ向かって走り出そうとしていたその時、信じられない事が起こった。
『フェッフェッフェッフェッフェッフェッ…。もう帰るのか?つまらんの〜…。』
「!!!!!」
皆へ向けて一斉に悪寒が走った。恐る恐る後ろを見た時、そこにはサタンザウラーが悠々と
立ち上がっていたのだ。しかもただ立っているだけでは無く、それまでの戦闘ダメージなどすらも回復し、戦闘前の元の状態に戻っていたのだ。
『ななななぁぁぁぁぁんとぉぉぉぉぉ!!!!これはどうした事でしょうかぁぁぁぁ!!!!倒されたはずの怪物ゾイドが復活したぁぁぁぁぁ!!!!!』
『一体どういう仕組みなのか私にも皆目検討が付きませんよ…。』
フルタチとヤマモトは実況解説を行いながらもディメトロドンを大急ぎでサタンザウラーから距離を
取るよう後退させていた。しかし、焦っているのは彼等だけでは無かった。他の皆もサタンザウラーの姿を見て愕然としていたのだ。
ブレード粘着日記は面白いけど、流石にマイバトストのキャラを使用する事は出来ない・・・
おのれRD許すまじ
>>恐怖の亀裂作者さん
あの時計沢山空間の住人・・・。あれも一応複線と言うか、意味があったのですね?
>キン〇マンの双六
キン○マンは知っていますが、その双六がどんな物かは知りません。しかし、少し笑わせて頂きました。
あと、妄想スレを見ると、パンのお話に関するジョ○ョネタ説明がされてましたが、
やっぱり自分にとってジョ○ョネタはレパートリー外なので分かりません。
おのれRD許すまじ
流石にあのスレでオリキャラは痛いと思うから、出さなくて正解だと思う。
「名も無き兵士」
背後に気配は無い
スクリーンに映し出される敵と味方の展開図の一部に
ふと奇妙な疑問が浮かび上がる。敵の陽動か!?
小隊長は左翼にばかり気を取られているようだが
やがて小隊長はその代償を払うことになる
「こちら中隊本部!右前方5kmの川岸をカバーしろ 第2、第3小隊は右の川岸だ!急げ!」
その時小隊長の機体の右腕が吹き飛ぶのが見えた
「右翼の第5小隊の反応無し!! やばいぞ!!」
小隊長の機体はもはやバラバラに吹き飛んでいて
その奥から小型の機体が5,6機突撃してくるのが見えたが
照明弾が着地したと同時に見えなくなった
「こちら第2小隊!目の前に敵がいる!!ゴドスが少なくても5!」
「落ち着け。こちらからは見えない。正確な位置を知らせろ」
この時敵の射撃は苛烈をきわめ彼の横にいたイグアンの上半身がもぎ取られた
「こちら第2小隊!小隊長戦死!副隊長もだ!」
「了解。第4小隊を援護にまわす。5分待て」
再度打ち上げられた照明弾の明かりに照らされた敵の背後に
大口径のミサイルランチャーを搭載した敵が見えたかと思うとそいつはそれをぶちかました
彼のイグアンの右足がふっとび彼の機体は一瞬宙に浮いた
いまや彼のいる小隊は敵に包囲されていた
ありとあらゆる方角から撃ちまくられもはや小隊で生存者は彼一人かと思われた
「こちら第2小隊!砲撃ポイントは第4陣地だ!第4だよ第4!かまわんからやれ!」
「了解。」
もはや地面に横たわっているだけしかできない彼の機体を飛び越えて
敵が次から次へと現れては後方の味方へ向けて撃ちまくっていた
その時味方の砲撃が彼の機体の右側にいたゴドスを吹き飛ばした
彼の機体も吹き飛ばされたが彼にはもう意識がなかった
・・・・・・・・・・・・
「敵は後退しています」
「よろしい、被害は?」
「第2第5小隊は全滅です。後は大したことはありません」
「今回はこちらの主力を温存できた。小型に多少被害が出てもかまわん」
「・・・は、しかし補充がこないことには。。。」
「まもなく大型のゾイドが開発される。それまでこの防衛ラインを確保してればいい!」
朝日が昇り辺りを照らし出していた
彼はマルダーが彼の機体を引きずりながら回収していくのを横目で見ながら
煙草の煙を吐き出していた
どうやらまだ彼には次の戦いがありそうだ
早速プレイ開始後先頭を切ってルーレットを回したリディア。しかし出目の8に止まると何と金縛りの文字が…。
誰かが1を出すまで機体共々金縛り状態に。幸先悪いプレイ開始の出来事だった…。
リ:「(動けないですぅ〜…。)」
シュ:「しょっ!?少佐!?本当に金縛りに?」
リ:何とか力を振り絞り頷くがその後力尽きて元の状態に戻る。
ク:「しょうがあるまい…誰も回さんなら私が逝こう…4だな。どれどれ?”落とし穴警報! 2を出すまでカード使用禁止”
ぬおっ!?落ちる〜っ!?…こう言う事か。」
穴の縁に掴まるクロノスプレンダー。両手が塞がり当然カードを見る事は出来ない。それよりも下に落ちると言う文字が無い為無理矢理縁を掴まされている様だ。
レク:「だぁぁぁぁ〜っ!勝手にルーレットを回すな!」エルザとセットで参戦らしく何も決めないままルーレットをエルザが回したらしい…。「5ですよぉぉぉ〜!”ざんねん!わたしのぼうけんはこれでおわってしまった!カードを捨ててふりだしに戻る”」
「何だそりゃ〜っ!?」カードが手元から消えスタートに駒を戻されたレクス。
既にこの時点で命を掛ける程の展開に成りかねない事がありありと示される。
エ:「余も逝くか…12と。”3回休み。その間に誰かが12を出せばあがり”何だとっ!?折角の遅延工作が水の泡に成るかもしれんのかっ!?」3回休み。
ミ:キュピーンと目が輝く。「12さえ出せば終わる。そして隣りは1だ!金縛りを解く事ができる!オルディン!狙うぞ!」息を荒げて回すが結果は7。
”おおっと!何も無い…何て甘いんだよ!隣りの奴からいらないカードを受け取って代わりにお前のカードを全部渡せ”「オルディン…俺はもう駄目だ。後を頼む…。」
オルディンからカードを3枚受け取り自分のカードを全部渡す。
オ:{え〜っとカード”1”を使用。対称はルーレット。」特にカードに使用対称が決められていない為対称を選ぶ権利と義務が発生するシステムらしい。その時点でルディアの金縛りは解ける。
リ:「ありがとうございますぅ〜。」
オ:「いえいえ…”空間地雷だ!吹き飛ばされて8マス進む。ついでにそこの指示にも従う事”」くの字に曲るトライスパイナーカスタム。本当に吹き飛ばされてしまった。
「うわ〜酷いな。”痛かったろ?もう一発だ!その後1回休み”」もう8マス進み1回休み。
シュ:「そろそろ行きましょう。5!?真逆同じ目にっ!?”カードを引きな!その代わりそれはその場で使用されるぜ!”」
面倒な事に同じマス目でも同じ効果ではないらしい…。引いたカードは”重力3”名前で見る限り3Gの重力を対称が受けるらしい。
「対称は…。」少し悩む。カードの端にAの文字が有る。使用者に解り易い様に成るとの事なので「Aは多分ALLだ。対称をルーレットに指定!」
レ:「俺の番か5って何!?3マス戻った!?」そう言う効果らしい。
エ:「(これで暫くは安泰だな…。)」
シュ:「多分後2回はこのままらしいです。表記がA:2と有ります。」
レ:「…”蛇だ!蛇が降ってくるぞ!”」コクピット内に蛇が沢山降ってくる。「それだけか…気持ち悪いがカードを引くか。”毒消し”純粋に嬉しい。」
サ:「最後に私だな。6と言う事で3か。”ミニゲームだ!全員ルーレットを回せ!一番数の大きい奴は?”」全員ルーレットを回す。
ミ:「12自動的に俺だな。えっと”鼻歌を一局フルコーラス!いよっ待ってました!”」鼻歌を一局フルコーラス歌う事になった。
ー1順目終了ー
そして2順目には誰も指示は無し。
ー3順目ー
ル:「4ですぅ〜。”あんたもやり手だな?好きなカードを誰かから1枚奪って良いぜ!”それではぁ〜クロノスプレンダーさん。”宝箱”のカードを下さい〜。」
ク:「了解。私の番だな…2?と言う事は1マス戻るか…取り敢えず穴は消えたな。”お疲れさん。温泉にでも浸かってくれ”」今度は温泉の中に叩き落とされる。
レク:「”フルハンド”を自分に使用!出目は10で7マスと。”カードを引きなよ?その代わり全部同じカードを7枚な”」7枚同じカードを引くレクス。「”スカ”って何だよ!?」
エ:「後2回休みだ。」
ミ:「6。3マス進んで”突風だ!カードが1枚飛んで行ったぞ。ついでにカードは引くなよ”嫌がらせだ…。」カードを1枚失う。
オ:「3。その場で待機”残念だったなこのマスは待機禁止だ。3マス戻れ”」3マス後退。カードは上限の7枚なので引けない。
その後レミントンは”魂だけ別の世界で戦争してくる”の指示で幽体離脱する。直ぐに戻っては来たがガクガクブルブル震えていた…余程怖い目に遭ったのだろう。
ー4順目ー
ル:「”宝箱”を〜自分にぃ〜使用しますぅ〜。それでぇ〜3マス進みますぅ〜。」
ル:「”お宝発見!中身は見てからのお楽しみ!”」幾つかの例を見るに自分にカードを使用し時にはこう言った指示に成ることも有るらしい。
「中身はぁ〜ああ〜!この前落してぇ〜無くしたナイフですぅ〜。」無くし物を見付けたようだ。
途轍もなく如何でも良い様な事も起こり得るらしい。クロノスプレンダーは温泉から上がったのは良いが今度は頭上から青海苔の洗礼を貰い緑に染まる。
レクスは”スカ”を早速使用。効果は覿面で指示を無効にできるらしい。
エ:「”2度ある事は3度有る”使用。対称はレミントン。貴公だ。」早速嫌がらせに走る。効果を予測しての使用だ。
「4マス進み”鏡を一枚割れ!話はそれからだ!”」エントヴァイエンの手元に斧が現れる。それを投げ鏡を割ると「ぶおっ!?チョコレートかっ!?」
大量のチョコレートを全身に浴びてしまう。
レミントンはカードの効果でもう一度戦争へ借り出されて行く…。やはり戻って来た時には脂汗をかいて震えていた。
ー5順目ー
ク:「”恵みの雨で汚れ者は綺麗になるぜ!”」雨が降りクロノスプレンダーとエントヴァイエンの汚れが落ちる。
サ:「シュミット少尉悪いな…”対称入れ替え”をシュミット少尉に使用。”ゴールの一歩手前に移動。でも進行方向は4が出るまで逆側”」シュミットの駒はゴール手前に跳ばされる。
特に大きな動きは無くシュミットが逆回りでゴール直前に到達。
ー6順目ー
エ:「何々…”何処からの叫び声が貴様の口から木霊する。”なる程…あ、あ、あ、アァァァァンビエントォォォォォォォー…。」と叫ぶ。意味不明だ。
オ:「”運が良いねあんた!3枚カードを引いてその場で使いな!文ができたらその効果が産まれるぜ”」3枚カードを引く。
「”〜に〜を”と”星”と”祈り”か…”星に祈りを”が発動。」オルディンの駒の止まるマス目に分岐点が現れる。近道だ。
7順目と8順目も大した事は無い。元々大した事は起こらないと言うよりは人数が多い為に危険の集中度が下がっている様だ。
そして最大の危機が参加者に迫る。
ー9順目ー
ル:「マスの色がぁ〜変わりましたぁ〜?取り敢えずぅ〜9マス進みますぅ〜。”危険地帯にようこそ!これより落盤事故が発生します!参加者は充分お気を付け下さい”」
とても嫌な予感がする。
うわぁ…元々超展開滋味た物ですが今回も色物極まりない状態です。
鉄獣28号さんへ
ハガネさんのAIが…混線してますか?もしかして?
名も無き兵士の作者さんへ
お疲れさまです。やはり大型ゾイドは希望の星!時期的にはZAC2035〜6年代でしょうか?
戦線や国境の維持には大量のお金と労力が必要ですしね…。
お金や労力を回せないと実在する何処かの国の様な状態になりかねませんし。
「何てこった…。今まで俺等が与えた傷が全部塞がってやがる…。」
「ど…ドボルク…あんた…何で…。」
『フェッフェッフェッフェッフェッ!ワシの作ったサタンザウラーを舐めては痛い目を見るぞと言う事じゃ!見なされ!この通りワシもサタンザウラーもピンピンしておるわ!』
サタンザウラーは意気揚々と胸をバンと叩き、皆を威圧していた。
「じゃ…じゃあ…い…今までのは…。」
『まあ確かに相手は伝説の古代虎が3体じゃからな!多少は苦戦すると予想はしておったし、いかに
超重装甲でまとめても大きなダメージを受けるとも考えておった。もちろんその通りなのじゃが…。
じゃからあらかじめそこを見越したワシはサタンザウラーに自己修復装置を取り付けておいたんじゃ!』
「な…なんと…。」
確かにサタンザウラーの装甲は先程の戦闘のダメージはおろか細かい傷一つ無い綺麗な物となって
おり、その事実はそれだけドボルクの作った自己修復装置の性能の高さを意味していたのだ。
「畜生…やっぱコイツを倒さんとダメなのかぁ…?実際逃げても振り切れる相手じゃないしな…。」
「でもダメージを与えてもまた再生されちゃうよ!」
「ならば再生できないくらいにまでボコボコにしちゃえば良いじゃないのさ!!!」
そう叫んで飛び出して来たのはカンウとハーデスだった。そしてサタンザウラーと面と向かうと同時に互いに口を開いていたのだ。
「食らっちゃいなよ!!!ダブルブレス!!!!」
カンウの超灼熱火炎放射砲ギガファイヤーとハーデスの大口径荷電粒子砲。同時に放たれたこの二つの超兵器は瞬く間にサタンザウラーの巨体を飲み込んでいった。
『ゾイキュアの必殺攻撃が怪物ゾイドを飲み込んでいったぁぁぁ!!!これは勝利確定かぁぁぁ!!!?』
「やったぁ!!!!」
「でもどういう意味だ!!?」
勝利を確信した2人は思わずゾイドごとガッツポーズを取っていた。が、その直後だった。
ギガファイヤーの灼熱火炎と大口径荷電粒子砲のエネルギーが晴れた時、高出力Eシールドを周囲に展開して立つサタンザウラーの姿があったのだ。
「し…シールド持ってるのか…?」
『ワシとサタンザウラーを甘く見ると痛い目を見ると言ったじゃろう?』
その直後、その巨体からはとても信じられない、いや、もはや目にも留まらぬ速度と言っても過言で
は無い程の速度で2機へ迫ったと思うと、その両腕でカンウとハーデスの首をガッチリと掴み、軽々と持ち上げていた。
『おおおおっとぉぉぉぉ!!!ゾイキュアが怪物ゾイドに捕まってしまったぁぁぁぁ!!!!』
「くぁ!な…なんっつーパワー…とスピード…。つか実況のおっさん!それどういう意味だよ!」
「し…信じられない…。」
皆は愕然とした。サタンザウラーはただ自己修復能力を持つだけで無く、スピードとパワーもつい先程までとは比べ物にならない程パワーアップしていたのだ。
『フェッフェッフェッフェッ!じゃからワシとサタンザウラーを舐めるなと何度も言ったじゃろうが…?』
「く…放せ!」
「放しなさいよ!!」
カンウとハーデスは必死に首を掴むサタンザウラーから離れようともがくがその首を締め上げる
サタンザウラーの手はガッチリと掴まれており、全く離れる気配が無かった。そんな必死になって
いる2人を見てドボルクは笑い続けていたのだ。突然のサタンザウラーの急激なパワーアップ。
それはサタンザウラーの合成ゾイドコアとは別に儲けられた補助動力であるエナジーローリング
チャージャーが大きく関係している。エナジーライガーのエナジーチャージャーとマッドサンダーの
ハイパーローリングチャージャーの両方の特性を併せ持つエナジーローリングチャージャーは、
大気中のタキオン粒子を取り込んだ後、そこにさらに高速回転を加える事でエネルギー発生率を
より高めるのである。これによりエナジーチャージャーの持つ高出力とハイパーローリング
チャージャーの持つ長い稼働時間と言う二つの特性を併せ持つ超高性能動力なのである。
そして、現在のサタンザウラーのパワーとスピードが上がった理由はそのエナジーローリング
チャージャーの出力をさらに高めた所にあった。驚く無かれ、これですらサタンザウラーはまだ全出力の50%も発揮してはいなかったのだ。
「ええい!!放せ放せ!!!」
「放しなさいってぇぇ!!!」
カンウとハーデスはなおもサタンザウラーに首を掴まれたままもがき続けていたが、そこへトランサーが跳びかかっていた。
「今度は俺がお前等を助けるぜぇ!!!」
タイガスはそう格好良く飛び出して行ったが、ドボルクは鼻で笑っていた。
『フン…。少しは黙って置いて欲しいの〜…。出来れば伝説の古代虎のコアは無傷で手に入れたいのじゃ…。』
そう言ってサタンザウラーはハーデスをトランサーへ向けて放り投げたのだ。400トン以上の重量を誇る質量砲弾と化したハーデスがそのままトランサーを襲っていた。
「うわぁぁぁぁぁ!!!!!」
「ってマジこえぇだろこれ!!!」
「きゃぁぁぁぁぁ!!!!」
トランサーは慌てて回避行動を取っていたが、ハーデスはスラスターによる姿勢制御が間に合わすそのまま壁に叩きつけられていた。
「つ…なんつーパワー…。」
壁にもたれかかって倒れているハーデスを尻目に、ドボルクはなおもサタンザウラーに掴まれているカンウの方を睨み付けていた。
「こら!!もういい加減放しなさい!!!」
カンウはサタンザラウーの腕のを爪で引っ掻き、蹴りつけ、尾を何度も叩きつけていたがそれでもサタンザウラーは微動だにもしていなかった。
『これが…昔ワシをさんざコケにしたカンウだと言うのか…?弱すぎる!』
その直後カンウはサタンザウラーの足下の床へ向けて放られ、もの凄い勢いで叩きつけられた。それはカンウ自身がバウンドしてしまうほどであった。
「うぐ!!!」
カンウが床へ叩きつけられた際の衝撃で一瞬マリンの息が止まった。が、サタンザウラーはまたもカンウを掴み上げていたのだ。
『ワシは…。こんなザコにさんざ苦渋を舐めさせられていたのか…?情けない!!!』
「うぐぁ!!!」
カンウはまたも叩きつけられ、マリンを強い衝撃が襲った。
『情けない…本当に情けないぞ…。』
ドボルクの顔は何処か悲しげであり、同時に怒りが込み上げて来ている様子でもあった。
無理も無い話である。カンウはパイロットが違うとは言え、100年前の大戦に散々ドボルクに
苦渋を舐めさせ、かつ彼の人生を大きく狂わせた元凶なのである。そのカンウを今のドボルクは軽々と
あしらっている。こんな奴にワシは苦戦していたのか?そう思うたびに彼は自信を情けなく思い、そして怒りを込み上げていたのだ。
「こらぁ!!!マリンちゃんを虐めるなぁ!!!チョコちゃん!支援お願い!!」
「ハイ…。」
サタンザウラーの一方的なカンウへの攻撃に他の者が割り込まないはずがなかった。カンウ救出の為、トラグネスの支援砲撃を受けたゼノンが跳びかかったのだ。
『お前達はまだ先じゃ!ワシはまずコイツに用があるのじゃ!邪魔をするでない!』
「うわ!!コワ!!」
サタンザウラーはまたも全身の到る場所から夥しい数のミサイルを発射し、その分厚い弾幕により一旦退かざる得なくなってしまった。
「くそ!!!近付けない!!」
皆がうろたえる間にもサタンザウラーのカンウへの攻撃は続けられていた。いや、これはもはや攻撃と
呼べる物では無かった。一方的に床や壁へ叩きつけられ殴られ、蹴られ、嬲られた。しかもカンウを
わざと壊さ無い様に痛めつけると言った物とさえあったのだ。かと言って助けに入ろうとしてもサタンザウラーとドボルクにスキは無く、すぐさまミサイルやビームの応酬が襲う。
「クソ!!なかなか近付けない!!!!」
手に届く距離にありながら、サタンザウラーに近付けない皆は歯痒く感じていたが、それを尻目にサタンザウラーはなおもカンウを痛めつけていた。
『怪物ゾイドのカンウへの折檻がまだまだ続くぅぅぅぅぅ!!!これは痛そうだぁぁぁぁ!!!!!』
『確かにこれは痛そうですね〜…。』
重苦しい空気の流れるその空間に流れるのは重金属の塊が何度も壁や床に叩きつけられる鈍い音と、実況解説を続けるフルタチとヤマモトの声だった。
『フェッフェッフェッフェッフェッフェッフェッ!!どうじゃどうじゃ?ハッキリと言うが楽には
殺さんぞワシは…。マオの奴に受けたワシの屈辱はこの程度の物では無いのじゃからな〜…。』
「んあ〜…確かにこの程度じゃね〜…。昔曾お婆ちゃんの組み手した時のシゴキに比べればね〜…。」
『ぬぁ!!!!』
さんざ痛めつけられているにも関わらず、マリンとカンウはダウンしてはいなかった。何という精神力であろうか。しかし、その事実はドボルクをさらに怒らせたのだ。
『貴様ぁ!!!!!貴様等血族はワシをバカにしおってぇぇぇ!!!!!』
「んぐ!!!」
またもカンウは壁に叩きつけられた。しかし、マリンは朦朧とした顔をしながらもその目は死んではいなかったのだ。
>>恐怖の亀裂作者さん
凄い双六風景ですね。もはやギャグ化してます。
端から見てると凄く楽しそうなんですが、やっぱりやってる本人からすればもう必死なんですね・・・。
そう考えるとやりたくないような気にもなります。
>>188 確かにその辺は承知しているつもり何ですけどね。
でもそれでも何かの形でやりたいと言う気持ちは無くならないんですよ。
と言う事で、このスレが450KBに達した後のおまけ小話と言う事で少し書きたいなとか考えてますが・・・
>>名も無き兵士作者さん
渋い作品ありがとうございます。思えばこういう人達がいたからこそ戦争は成り立つんですよね〜。
敗者がいて初めて勝者が成立するとか、決戦ゾイドがどんなに活躍しても結局は
戦局を動かすきっかけを与える事しか出来ず、実際にがんばるのは名のない兵士達とかですからね。
何と頭上の空間が避け参加者の周辺に落石が発生する。頑丈なゾイドは良いが口が裂けても頑丈とは言えないゾイドは回避を余儀無くされる。
エントヴァイエンは咄嗟の出来事に反応できず落石の下敷きと成りスプラッター状態に…。しかし何喰わぬと言う感じで気持ち悪く再生を始めている。
余りの気持ち悪さに場は騒然とし一時プレイは中断。10分後法衣と服を着替えてきたエントヴァイエンが戻りプレイが再開する。冗談抜きでゴールするまで足止めらしい。
ク:「この色のマスを誰かが抜ければ状況は元に戻る。5か”噴火だ!噴火!あんたの足元はマグマ溜まり!2マス戻りな”」2マス戻る。しかし足元にできたマグマ溜まりはそのままだ。
レク:「”スカ”は使用出来ないか。」「そ〜れではぁ!”スプリット”をルーレットに使用!」エルザに勝手に虎の子として隠し持っていたカードを使用される。
「6って事は12マス…”大変だ!大岩が転がってくるぞ!”」キングゴジュラスギガに向かって巨大な大岩が転がってくる。しかし「えい。」大岩は砕け散り消える。
しかし大岩の数は多く大岩の処理に大忙しになる。
エ:「(これは余好みの状況だ…)”半減”をルーレットに使用。以後2順する間出目の半分しか進めず端数は切り捨てだ。1と言う事は待機だな。”おっと連続の嫌がらせはいけませんぜ旦那?1マス戻れ”」
意図的な遅延行為と認められると罰則が付くらしい…1マス戻りそこの指示を受ける。”カード廃棄!その後3がでるまでカードの使用禁止!”の罰則を受ける。「余の”大惨事”のカードがぁっ!?」
ろくでもないカードを溜め込んでいた様だ。
ミ:「9と言う事は4マス。”落ち目の貴方に良い話!何と隣りのプレイヤーの駒の隣りに移動だぜ!”」ミルディンの駒はオルディンの駒の居るマスに移動する。
オ:「12。6マスと…”あんたのカードは凄いぜ!どれか1枚は2回使えるぞ!”」レクス同様持っていた”スプリット”のカードを宣言して2回使用の特典が付く。
シュ:「4。2マス。”アクシデントだ!手持ちのカードが暴発!全部のカードが使用される”ええっ!?と言う事は…”リターン”と”ランダム”それに”大いなる壁”が全部一斉発動!?」
”ランダム”の効果で対称を決めるのはルーレットの出目。”リターン”の効果は参加者なら何マスか戻るのだろう…。
シュ:「しかし…”大いなる壁”って何の効果だろう?」そう言うと突然双六板に壁が所々に出現して行く手を阻む。
どうやら足止め用の効果だったらしい。”ランダム”の効果は3人無作為で”リターン”の効果は前の手順のマスに駒が戻る物らしい。
対称はエントヴァイエンとレミントンとルディアになった。
レ:「傍迷惑な…2。1マスか。”ボンタン狩りだ!ボンタンを護れ!”」周囲にどこの国の人間か解らない姿の不良が十数人現れる。
物騒な事に機械のチェーンや鉄パイプ等で武装している。「お〜ら!てめぇ!ボンタン遣しやがれぃぃぃぃいいい!!!」無駄にトーンの高い声でそう言うと一斉に襲い掛かって来た。
「本当かよっ!?」下半身には何時の間にか”ボンタン”なる物を履いている。結局の所プロの軍人と不良の集まりでは実力の差が開きすぎている為全員をノックアウトする。
戦利品としてそれが支給される。
サ:「9順目もこれで終わり。1”トラバサミだ!4回休み”」突然足に刃は無いががっちりとトラバサミに足を挟まれ動けなくなる。
ー10順目ー
ル:「目の前に壁がありますぅ〜。8で4マスとぉ〜思ったらぁ〜動けません〜。」4では壁を越せないらしい。
落石は終わる事無く続いているが避けれない者の上に狙って落ちてくる事は無い様だ。
ク:「10。5マス私は壁を越えられたな。”引いたカードを使いな!”なる程。”8”を使用。」4マス進む。
レク:「後2マスで危険地帯突破だ…6!いよっしゃ〜!!!”1マス戻る”…。」突破成らず。襲ってくる大岩を砕き続ける。
レ:「どけっ!お前等邪魔だって!12。6マス!”奴等仲間を呼びやがった!暴走族出現”連鎖式なんて物まで有るのかっ!?」
轟音を轟かせシンカーが1ダース到着。中に乗っているのはやはり目の前の不良と同じ姿の者と背に特攻隊夜路死苦と書かれたコートともスーツとも思える後ろの長い上着を来た奴等が居る。
しかし何故かシンカーから降りてきたのであっさり排除する。レミントンは腕っぷしの方も相当の兵らしい事が判明する。
今度はその”特攻服”と言うのを貰った。
ー11順目ー
ル:「またですぅ〜。”両手に花!嬉しいね!でも人間じゃない”」コクピットの両脇に突然現れる”花”「猫耳娘さんと犬耳娘さんですぅ〜♪可愛いですぅ〜♪♪♪」
如何でも良さそうな事がまた起こる。
エ:「そりゃ。6と言う事は3!だと思ったが”半減”の効果は切れているな。”おしい!あと一歩だったのに!ふりだしにペアでご招待!”」
エントヴァイエンは少し考える。誰を戻せば良いかを…そして「レクス!貴公だ!もう一度ふりだしに戻れ。」
レク:「貴様の血は何色だぁぁぁぁああああ〜〜〜!!!」共にふりだしに戻る。
ミ:「悲惨だな…1”人を呪わば穴二つ。以前の指示に従う”俺も悲惨組の仲間入りだ…。」ふりだしに戻る。
レ:「今度こそ…12!”騒ぎが大き過ぎて大変だ!遂に組まで動いたぞ!”ぎゃああああ〜3連鎖っ!?」ウルトラザウルスが現れ中からそれらしき輩が現れる。
数も多いが武装も強力だ。遂に銃火器までレパートリーに加わっている。1対数十の銃撃戦に突入するレミントン。
しかし華麗な身のこなしと謎のBGMの元無傷で組員を制圧する。”〇ン〇ーニ〇ン〇ーニ〇ン〇ーニ!!イェイイェ!!”そんな曲だ。レミントンの額には冷や汗が流れている。
ー12順目ー
シュミットは順調にゴールから離れて行きそれ以外でも最も近いのはルディアで丁度1/3ぐらいの位置に居る。
進み具合は順調ながらマスの指示でさんざんな目に遭っているレミントンや波も谷も無く進むサーベラス。幸運そうで実は余り良い目に遇っていないオルディン。
それ以外は完全に負け組街道を直走っている。
ク:「そろそろ危険地帯を抜けたいのだが…8か”疲れている奴の変わりにルーレットを回してやりな!そいつは出目の倍進む”」一目で解る疲れている奴。
レミントンは1回休みでクロノスプレンダーの出した12の倍24マス進む。レミントンの駒は後1マスの所で止まり一同は如何しようも無さにがっかりする。
エ:「新たなる旅立ち!4。”鏡を割りな!今度は3枚の内のどれかからな”」またしても連鎖式の指示。チョコレートでベタベタになった斧が出て来る。
「そこまで続いているのか…。」チョコレートで手が滑り斧を取り落とす。「”おっと失敗か。15回休みだ”15回休みっ!?」略再起不能の15回休みを喰らうエントヴァイエン。
ミ:「うわぁ〜…酷い指示も有るんだな。4”缶を蹴れ!蹴りまくれ!それまでX回休み”無期限!?」コクピットから降りて床に有る缶の群を全て床に有る赤丸で囲まれた場所に蹴り込むまで休み。
落石の中必殺シュートを開発するかの様な苦行が始まる…。
鉄獣28号さんへ
きっ切れた!切れたぞ〜!博士!殿中でござる1と言ってももう止まりそうにありませんねドボルク博士w
「あ〜あ〜…。この程度の攻撃しか出来ないの〜…?ホント幻滅しちゃうよ〜…。曾お婆ちゃんもあの世で嘆いてるかもね…。」
『お前はぁぁぁ!!!強がり言いおってぇぇぇぇ!!!!!!』
その時サタンザウラーはカンウの尾の先を掴んで大きく振り上げた。そのまま渾身の力を振り絞って壁に叩きつけ、一気に破壊するつもりであったのだ。
「おっと少し邪魔させてもらうぜ!!!!」
その時だった。突如電撃の様な物がカンウの尾を掴むサタンザウラーの右腕を直撃し、その際の感電によって一瞬力の抜けたサタンザウラーの右手からカンウが離れたのだ。
「うぬぅ!!!?何者だぁ!!!?」
ドボルクがサタンザウラーごと振り向いた時、そこにはデカルトドラゴンと3体のエナジーライガーの姿があった。これらにはドラゴスと黒い三銃士が乗っていたのだ。
『おおおおおおおっとぉぉぉ!!!これは意外な増援だぁぁぁ!!!!先程のゾイドバトルでゾイキュアと名勝負を繰り広げたドラゴス選手と黒い三銃士の登場だぁぁぁ!!!』
「だからそれどういう意味だって!!!」
やはりフルタチとヤマモトはゾイキュアに関する突っ込みには完全に無視していたが、ドラゴスの乗る
デカルトドラゴンはその場に倒れ込んでいるカンウへ近寄り、その頭を軽く殴りつけたのだった。
「バカが!!他の奴に負けるなと約束したばかりじゃねーか!!」
「ハハ…。これからカッコ良く脱出してやろうと思ってたのに…。」
「口の減らねぇガキだぜお前は…。」
2人は互いに笑みを浮かべ、カンウはすっくと起き上がっていた。
「お!おい!大丈夫かお前…?」
「そうだよ!何か色々叩きつけられていたじゃん!」
「あんま無理するな!」
すぐさま起きあがり、サタンザウラーへ向けてファイティングポーズを取ったカンウとマリンに、皆は心配そうに声をかけていたが、マリンは笑っていた。
「ハハ…大丈夫大丈夫!鍛えてるから!」
「鍛えてるからって…。」
皆は呆れて眉を細めていたが、不思議な事にマリンにせよカンウにせよ、無傷とは言い難い物の、
何度も壁や床にもの凄い力で叩きつけられていたとは思えない程、その体に受けたダメージは小さな物であり、その傷や装甲のへこみもそう大した物では無かった。
『こ…これはどうした事でしょうか!!!先程まで凄く痛めつけられていたにも関わらずカンウのダメージは決して大きな物ではありません!!!!』
『いかに古代チタニウム合金製装甲を持つギガと言えども、あれだけの猛攻には耐えられないでしょう。
かりにゾイドが耐えたとしても衝撃でパイロットが死ぬ可能性も大きいですし。しかし、カンウにせよ
マリン選手にせよ実際に耐えている。これは恐らくは拳法で言う所の気鋼体の技を使ったのでしょう。』
『キコウタイ…?とは一体何ですか?ヤマモトさん!』
『マリン選手が気功術の使い手である事はあの時の試合で良く知っている事だとは思いますが、この
気鋼体の技もその気功術の内の一つです!生命エネルギーである“気”を練り、凝縮させ、その作用に
よって自らの身体を鋼下させ、自らの身体の強度、耐衝撃性を高める事であれだけの猛攻に耐えていたのでしょう…。』
『専門的過ぎて良くは分かりませんがとにかく凄いと言う事ですね!』
『ハイ!』
気鋼体の技
惑星Zi三大拳法総本山の一つと呼ばれ、心・技・体の内、“心”を司る西方大陸の神聖寺から
誕生した気功術系奥義の一つ。これは体内の気を凝縮させる事により体の強度を高めると言う
いわゆる防御の為の技であり、達人にもなると弓矢はおろか銃弾すらも跳ね返したとされる。
無論これを会得するには絶大な体力、精神力と共に辛く厳しい修行を積まなければならないのは言うまでも無い。
オリンポス書林刊「まだまだ謎多き古武道」より
『しかしマリン選手…。気鋼体など、格闘技の中でも特に極めるのが困難とされる気功術系の技を
この若さで会得しているとは…人は見かけにはよりませんね!』
「何々!曾お婆ちゃんに比べれば私なんて全然大した事無いって!だから無理にゴマすらなくて良いよ!」
マリンの技に感心する2人に対し、マリン本人は笑ってそう答えていたが、ハガネはマリンの言った“鍛えているから”と言う言葉から、昔あったある体験を思い出していた。
「鍛えてるから…か…。昔マオちゃんも同じ事言っていたな…。」
それは100年前の大戦時代。ハガネがまだ完成したばかりの頃、当時ハガネは自身の強さに
完全に自惚れており、人間を“ただのタンパク質の塊”と完全に馬鹿にし、見下していた。
そんな時に彼女はマオと出会った。マオは生身の人間でありながら、科学の粋を集めたスーパー
ロボットであるハガネと互角の力を見せ、あろう事か歩兵の対ゾイドバズーカにすら余裕で耐えた
D型特殊超鋼材+ハイセラミックス005と言う二つの超硬素材を組み合わせたスーパーサーメット
装甲を頭突きで割ったのである。無論その事実にハガネは信じられず、驚きに耐えなかった。
無理も無い。ハガネにとってタンパク質やカルシウムの塊でしかない生身の人間がハガネの強固な装甲を破ったのだ。これで驚かない方がおかしい。そしてその時にマオは言ったのだ。
「鍛えてるから…。」
もちろんこの際にも、マオは気功術の応用により頭突きの威力と自らの身体の強度を高めていたので
あるが、やはりダメージが無かったとは言い難く、彼女の方も額が大流血していたりする。
それだけで無く、マオは同様の事をゾイドに乗った状態でも使用する事が出来た。あの後ゾイド戦に
突入し、当時のハガネの乗機であったデスザウラー“初代ゼノン”とマオの乗るカンウとの戦いと
なった時である。その時から既にマオはマリンの乗る時とは比べ物にならない程の力を持ち、
当時自惚れ、人間を舐め腐っていたハガネはさらにショックを受けた物である。しかし、
ハガネは機転を効かせてカンウの胸部に装備されたハイパーEシールドジェネレーターを
ハイパーキラークローで切り裂き、使用不能にした。そこで勝利を確信したハガネはそのまま
荷電粒子砲をカンウに撃ち込んだワケである。いかに古代チタニウム合金で身を包むゴジュラスギガで
あるカンウと言えども、ハイパーEシールド無しに大口径荷電粒子砲、しかも至近距離での一撃に
耐えられるはずが無い。しかし、マオはここでもハガネの予想を大きく裏切ったのである。
なんとカンウが耐えていたのだ。大口径荷電粒子砲のエネルギーに装甲で…。
「気合いだよ気合い!!!」
当時マオはそう言っていたが、その時もやはり気鋼体の技を使ってカンウの装甲強度を高めていたので
ある。とはいえ、当時のハガネにとって、不確定要素の塊とも言えるそれは彼女を大きくうろたえ
させる物であり、コンピューターがショートし掛ける程ですらあった。そのスキを突かれ、
カンウの牙が初代ゼノンの首もとに食い込み、さらに噛みつかれままブンッと投げられ、初代ゼノンは
破壊されてしまい、ハガネも頭だけになってしまった。自らが下等と蔑んでいた人間にここまで
やられる。当時のハガネにとってそれは絶大な屈辱とも言える物であったが、今では良い想い出である。
その事があってこそハガネはマオと友になる事が出来たと言えるし、その人生ならぬロボット生も充実した物であったからだ。
場の空気を読めずに懐かしい事を思い出して少し和んでいたハガネであったが、その和みがかえって彼女をリラックスさせる結果となった。
「いよっしゃ!!ようわからんが味方が増えるのは良い事だ!それじゃあ気を取り直して行ってみるかぁぁぁ!!!!」
ハガネがそうかけ声を掛けたそんな時だった。
「いや、ほんの少しだけ待ってはくれんかね?」
その様な声と共に一発の大型ミサイルが通路の向こうから飛んできてサタンザウラーの背中に命中したのだ。
「な!!今度は何だ!!?」
皆は一斉にミサイルが飛んできた方向を向いた。その方向、通路の先の闇の中から一体のゾイドが歩く音が聞こえる。
『これはこれはこれはぁぁぁ!!!!これはさらなる援軍の登場となるのかぁぁぁ!!!?』
『一体誰なのでしょうね〜…。』
「フ…、どうやら俺達みたいな物好きがいるみたいだな…。」
「その通りだ若いの…。」
通路の先の闇の中から現れた一体のゾイド。それはアイアンコングであり、そのコングにはブロイが乗っていたのだ。
>>恐怖の亀裂作者さん
今更カードを使うと言う事に気付いてごめんなさい。
ク○高ネタが出てきた時には思わずパソコンのディスプレイに鼻水ぶっ掛けそうになりました。
必殺シュート開発風景を横目にプレイはつつがなく続く。多分エントヴァイエンとミルディンは復帰しても何もできないだろう。
オ:「3。”カードを全部捨てな!それで捨てた枚数引き直しだ!”手元のカードを全て入れ替える。
シュ:「4!やっと向きを修正できました!”残念!お前の目的地はふりだしだ!”」しゅんとするシュミット。向きを変えたのにまた反対方向に行かないと成らない。
又向きの変更には4を出す必要が有るらしい。
レ:「1回休み。って何時の間に俺が組長にっ!?」どうやら全員殴り倒したので組長になっているらしい。
サ:「(ちょっとレミントンが羨ましい気が)6。今回は何も無し。」
ー13順目ー
ル:「ところでぇ〜このゲームはぁ〜全員プレイ続行不可能になったらぁ〜如何なりますかぁ〜?」
ク:「やり直しになる。水入りは無い。」
ル:「物凄いゲームですねぇ〜6”疲れたろ?食事を出してやる。全員にな…その代わり!食い終わるまでX回休み!”」嬉しいのやら悲しいのやら?
食事が並び早食い競争がスタートする。食べ終わるまで全員休みなのでゲームは完全中断状態に…流石に落石はその場を狙ってはこない。
どうやら生殺しがこのゲームの特徴らしい。精神が擦り切れ発狂や暴走するのが速いか?死ぬのが速いか?或いはクリアするのが速いか?
何方にしろ迷惑際なり無い物だが今は食事がありがたい。早食いと言うレベルには程遠いがゆっくりできるのが嬉しい状況だ。
願わくばアメと鞭で表すならアメばかりが欲しいと思う心情である。
レ:「良し復帰一番乗りだ!5”壁の効果が切れるぞ!ついでに危険地帯突破したぜ!ダブルでめでたいから…12マス戻る”」”だから戻る”とは如何言う了見か全く解らない。
だが落石は消滅する。
ー14順目ー
レ:「もう1回だな。6”そう気張るなよ3回休み”狙ってるだろっ!この糞ゲームがぁ!?”不敬罪でもう1回休み追加で4回休みね”」もう何も言う事は無い。
黙って指示に従うのみだ。4回休み。
ー15順目ー
エ:「食べ終わったが後12回休みだ。」
ミ:「必殺シュート開発中!休み!」
レ:「後3回休み。はぁ…。」
その後20順目まで大した進展は無くレミントンが自棄で使用した”ノーハンド”の効果で全員カードを捨てる事となった以外は特に状況に変化なし。
ー21順目ー
ル:「御馳走様でしたぁ〜7”出逢いあれば別れあり。同行者がプレゼントを残して帰るぜ”」
左右に居た人外さんが別れ際に何かをルディアに渡して帰って行く。「さよ〜ならぁ〜ですぅ〜…。」
今回もプレゼントは特にプレイに役に立つ物では無かった。しかしルディアはとても嬉しそうだ。
ク:「(どうやらあれはスペルカードの類。招喚系だな)4だ。”そんなに深読みしたって無駄無駄!3マス進む”」更に3マス進む。
しかし何かゲーム板が仕掛けて来る気配がある。
レク:「絶対にこのゲーム板は意志を持っている。さっきの1回休み追加とかが特に怪しい。9”ピンポーン!大正解!ゴール手前で10回休み”」
屈辱的な仕打ちだ。ゴールを目前に10回休み。
エ:「後7回休みだ。」
ミ:「同じく休み。」それでも1/4を赤い線の枠内に入れ終わっている。缶の軌道も一定だ。不規則な大きさをそうするとなれば必殺シュート完成だろうか?
オ:「頑張れミルディン!1”応援ありがとう!そんな貴方にカードを2枚プレゼント!”」カードを2枚引き更にもう1枚カードを引く。
シュ:「4。ようやく方向修正完了。”回転床だ!偶数ならそのまま奇数なら進行方向は逆だ!”」結果は偶数でやり直しの危機を回避する。
レ:「もう一度前に!5”惜しい!だから1マス進む”意味が合ってない!?」更に1マス進む。何が惜しいのかは秘密だ。
サ:「2”問題です。近愚馬論は何の発展機体?”…近愚羅居我娃だ。”正解10マス進む”」何故当て字だと解った!?と一同の視線を浴びながら10マス進む。
ー22順目ー
レ:「4…”出逢え出逢え!〇〇組が殴り込みを仕掛けてきたぞ!”ってまたリアルファイトかっ!?」今度も相手の方が数が多い。
しかしもう恐れる事は無い。と思ったのだが完全武装の熊とも犬とも付かないきぐるみの群が走って来て居る。歩兵使用の防弾チョッキに大量の弾薬。
手にはバトルライフルとフル装備だ。手榴弾まで持っている。「何処の組がそんな姿と物持って殴り込みを仕掛けて来るんだよっ!!!」
突っ込みの声も虚しく戦闘開始。助かったのはリアルファイトではなく模擬弾を使用した演習方式だった事が大きい。勿論決着が付くまで休みである。
負ければ罰則も付くだろうし負ける訳にはいかない…のだが既に一人きりになっている。
レミントンに連鎖式指示がとんでいるのを見て益々迂闊な言動はできないと思う一同。流石のエントヴァイエンも邪魔するよりクリアしたいと思い始める程だった。
ー23順目ー
ル:「えい〜3ですぅ。”敵襲だ!でかいぞ此奴は!”」素早くその場を離れる。ルディアの方はゾイドを使ったリアルファイトに遭遇する。
落ちてきたのは…馬鹿でかい蛭。しかし「エレクロトンドライバーですぅ〜!」嫌な音と共に黒焦げになり風に吹かれて消し炭に早変わりする。
レ:「危なっ!それにしても凄い電力だな。これならさっきの奴も解る気がする…エナジーチャージャー恐るべし…。」戦闘継続中。
相手には3つのターゲットが有りそれに全部当てると”死体”と書いて有るプラカードを着けて倒れるらしい…しかし味方は全て”死体”を着けている。
「役に立たん…。」がっくりしながらきぐるみに猛然と攻撃を始めるレミントン。
ク:「3。”祝勝パーティーだ!当然やるのはアレだぜ?”」ビールの津波に飲まれてクロノスプレンダーは流されていってしまう。
レク:「休み〜。」エルザが代わりに言う。レクスは拗ねている様だ。
エ:「…。」宣言も飽きたらしい。
ミ:「後もう少し!休みだ!」
オ:「”クイック”をミルディン本人に使用!5”もう1回ルーレットを回してその数字の半分戻る”って1じゃ戻れないな。」
ミルディンの動きが速くなりシュートの動作の足の動きが見えなく成る程だ。
シュ:「12。”頑張りな。隣りの道に移動できるぞ。何方かは知らないけどな”」今度は奇数で成功らしいが偶数で失敗。
大幅な後退を余儀無くされるしかもその位置はゴールである。しかしシュミットのゴールはふりだしなので何も起こらない。
レ:「くそっ!本当にこいつ等〇ク〇者かっ!?この動きは如何見ても軍隊だぞっ!?」戦闘続行中。
サ:「この手だけは使いたく無かったが…”カタストロフィ3”をルーレットに使用!」ルーレットが破損して3順する間だれも動けない。
ー26順目ー
ル:「今度もぉ〜3ですぅ〜。”良いね良いね!連続なんて!次の手番は3マス進む”」初回の金縛り以外はつきまくりの節が或るルディア。
依怙贔屓の疑惑が深まる。
ク:「全く…この〇〇〇が。”そいつは褒め言葉って物でしょ!4マス進んで2マス戻る止まったマスの指示に従う事”」
鉄獣28号さんへ
援軍キター!サタンザウラーの底はまだまだ知れないようでドキドキ…。
あのネタはこう言う状況でしか使用出来ないと思ったのでやっちゃいました。
最近は例の日記スレが爆発的に伸びていて笑っていたり…w
「俺も微力ながら手助けさせてもらおうじゃないか…。」
「何だ!アイアンコングか!」
ずげげげげげっ!!!!
ブロイは格好良く登場したつもりであったが、皆の白けた反応に思わずすっ転んでいた。まあアイアン
コングは決して悪い機体では無い。むしろ傑作機と呼ばれる程バランスの良い素晴らしい機体なのだが、
やはりここに集結している他のゾイドと比べると力負けしている感は否めない物があった。
『さらなる援軍はアイアンコングだぁぁぁぁ!!!!しかしアイアンコングで何処までがんばれるかぁぁぁぁ!!!!』
『う〜ん…。やっぱり伝説虎でも苦戦は必至な怪物ゾイドと戦うにはやや力不足な感は否めませんね〜…。』
「うるせえうるせえ!!!俺は今までこのコングと共に数々の修羅場をくぐって来たんだ!!性能の差は腕と経験でカバーして見せるぜ!!!」
言うまでも無いと思うが、このアイアンコングはズィーアームズ社の所有物では無い。パイロットで
あるブロイ自身が所有し、彼の長いZiファイター生活を共にしてきた仲間なのである。そのブロイが
ブラストルタイガーのテストパイロットとしてズィーアームズ社に身を置いた際に彼の愛機のコングは
一時、ズィーアームズ社に預けると言う形になっていたが、この事態に彼は大急ぎでこのコングを引っぱり出してきたのである。
「ま…まあ…良いか…。」
「こういう時だし、戦力は少しでもあるに越した事は無いしな…。」
「枯れ木も山の賑わいって奴よね!」
「オイオイ…。」
やはり皆の対応にブロイは眉を細めていたが、彼のコングへハガネから通信が来ていた。
「あんた…、いきなり協力を申し出るなんてどういう風の吹き回し?」
「ふ…。そりゃ決まってるだろう?メイド服の嬢ちゃん…。」
その時ブロイは皆の方を見つめた。
「あんな若い連中が戦ってるんだ。中には年端も行かねぇ奴もいる…。ならば人生の先輩である俺が
戦わずして何すると言うんだ?それに…俺自身も奴に…あのドボルクのジジイには、俺を騙し、あろう事か殺そうとしたツケを払わせてやりたいしな!」
ブロイは力一杯手を握りつつそう意気込んでいたが、その直後に打って代わって穏やかな表情になった。
「まあ…と言ってもな…。本当言うと俺をさんざコケにし、さらにブラストルタイガーまで持って
行っちまったあの嬢ちゃんを殺させたくないって気持ちもあるかもな。それに…。アイツを見てると
俺の死んだ娘を思い出して来てな〜…。フ…。俺らしくも無い事ダラダラ言っちまったな…。
とにかくアイツは今後絶対優れたZiファイターになるだろう。ならばなおの事ここで死なせるのは正直勿体ない!そうは思わんか?」
「う…うん…。(メイドの嬢ちゃんって…。私はあんたより遥かに年上なんだぞ…。)」
ブロイの言葉にハガネは軽く頷いていたが、それでも彼女は眉を細めていた。
「よっしゃあそれじゃあ気を取り直して行くかぁぁぁぁ!!!!」
『何が行くかぁぁぁ!!!!じゃぁぁぁぁ!!!!』
その時サタンザウラーが頭部のマグネーザーを回転させ、猛烈な速度で皆を襲った。皆は慌てて横に跳んでかわしたがそのマグネーザーによって壁や床が大きくえぐり取られていた。
『怪物ゾイドのマグネーザー攻撃で床や壁がえぐられたぁぁぁ!!凄い威力だぁぁぁ!!!』
「やっぱりスゲェ威力だ…。」
「こんなの食らったら一溜まりも無いな…。」
「つかマジ怖い…。」
サタンザウラーのマグネーザーはその出力の高さも相まって、マッドサンダーのそれすらも大きく
凌駕する破壊力を持っており、改めてその威力を目の当たりにした皆は一斉に青ざめていた。
しかし、そんな事もお構い無しにサタンザウラーは皆へ向けての突撃を続けていた。と、聞くと
無差別攻撃をしているように思われるが、コアの入手を目的としている虎神トリオと、自身の
強さを世界に知らしめる為と言う事でフルタチとヤマモトの乗る中継用ディメトロドンには全くと言って良い程攻撃を加えてはいなかった。
『フェッフェッフェッフェッフェェェェ!!まずは邪魔なお前達から地獄へ送ってやるわぁぁぁ!!!』
「うわぁ!!!コワイ!!」
「ヒィ!!!」
「母ちゃん助けて!!!」
そのマグネーザーで次々に壁や床をえぐり取りながら襲いかかるサタンザウラーの猛攻に皆は
逃げ回る事しか出来ず、ドラゴスのデカルト、黒い三銃士のエナジー、ブロイのコングなども、格好良く援軍で登場した意味が感じられ無かった。
「ヒィィィィィ!!!」
「ったくこれだから男共はぁ!!!!」
逃げ回る皆を尻目にカンウがサタンザウラーの前へと躍り出た。そして両腕にMBユニットを装着し、
そのマグネーザーを掲げたのだ。そう、マリンはMBユニットマグネーザーでサタンザウラーのマグネーザーを押さえようとしたのだ。
「目には目を!!マグネーザーにはマグネーザーを!!!」
『バカがぁ!!!そんな玩具みたいな武器が通用すると思ったかぁぁぁぁ!!!!?』
その直後カンウのMBユニットマグネーザーとサタンザウラーのマグネーザーがぶつかり合った。
しかし、両者のサイズなどの差は歴然としており、なおかつエナジーローリングチャージャーを持つ
サタンザウラーのマグネーザーには、いかに同じマグネーザーと言っても勝ち目は無いと思われた。
しかしその予想は大きく外れた。何とMBユニットマグネーザーがサタンザウラーのマグネーザーを
逆に削り取り、さらにそのままサタンザウラーの頭部側面部の反荷電粒子シールドまでえぐり取っていったのだ。
『なぁ!!!そんなバカなぁぁぁ!!!!』
「うっそぉぉぉぉぉ!!!!?」
その光景は敵味方を問わず、皆驚愕の声を上げていた。と言うよりそれを使用したマリン本人すらも驚愕していたのである。
「MBユニットのマグネーザーがこんなに凄いなんて知らなかった…。本当にミライロさんは凄い物を作ってくれた物ね…。」
『んん!!!?み…ミライロじゃとぉぉ!!!?』
「?」
マリンの何気無く言った言葉に反応し、ドボルクが叫んでいた。
『おい!!まさかそのマグネーザーはミライロの奴が作ったと言うのか!!?』
「う…うん…。そ…そうだけど…、お爺さんミライロさん知ってるの?」
さらなる意外な展開にマリンは唖然とし、目を丸くしていたが、ドボルクはサタンザウラーごと腕を組み、何やら語り始めるのであった。
『ああワシはあやつを知っておる。あやつ…、ミライロ=スタンティレルこそは真の天才よ…。
いや…神童と呼んでも過言では無いかもしれぬ。そしてワシは何としてもあやつを味方に付けたかった。
奴の協力があればワシの野望はあと5年は早まったであろう…。しかし奴はワシの申し出を断り
おった!!何度頼み込んでも返答は一つ!“そんな事には協力出来ない”じゃ!!ワシは仕方無く
独力での野望達成に乗り出したが…、まさかあやつがこのような物を作り、なおかつ緑の悪魔の曾孫に
渡していたとは…。あやつめワシの野望に協力しないばかりかワシの夢を邪魔しようと言うのかぁぁぁ!!!?ゆるせんぞミライロォォォ!!!!』
「いや、あんたの野望が危ないから断ったんでしょ?」
『うるさいぃぃぃぃ!!!』
勝手に逆切れしたドボルクはさらにサタンザウラーの出力を上げ、さらに激しい攻撃を始めるのだった。
『お前ら全員死んでしまえぇぇぇ!!!!!』
「ったく物騒な奴だなー!!?」
逆ギレしたドボルクに呼応したサタンザウラーの全身から夥しい数のビーム、ミサイルが放たれ、
皆へ襲いかかっていた。しかし、その攻撃は高性能コンピューターにより自動制御され、
虎神トリオと中継用ディメトロドン以外のゾイドのみを狙っていたのだ。
『怪物ゾイドの全身からもの凄い数のビームやミサイルが発射されています!!正しく動く弾薬庫です!!』
『しかもその狙いは正確ですよ!!』
彼等の実況解説通り、サタンザウラーの射撃は正確だった。特にミサイルは一度や二度かわしたとしても、すぐさま反転して追尾してくるのだ。
『フェッフェッフェッフェッフェッフェェェェ!!!!死ね死ねぇぇぇ!!!!』
「ったく物騒なお爺ちゃんねぇ!!!そんな頭があるならもっとまともな事に使えば良いのに…。」
なおも切れた様に笑い続けるドボルクに対し、マリンはそう愚痴りながらカンウ搭載コンピューターの操作を行っていた。
「ようし!!ミサイル妨害ジャマーオーン!!!!」
カンウの背中のマグネッサー3Dレーダーが輝き、強力な妨害電波が周囲一面へ向けて放たれた。
もちろんサタンザウラーのミサイルもその妨害電波にさらされ、対象の追尾が出来なくなってしまった。
>>恐怖の亀裂作者さん
もはや地獄双六と言っても良い様に思えてきました。
不良ネタ族ネタの次は極道ネタですか。と来ると次は一体どんな物が来るのでしょうか?
日記スレは確かに面白いですよね。しかしスレの流れが思いの外速く、旧スレの分も
まだ読んでない部分も多く、何かに保存してゆっくり見る事にしてます。
除け者にされたエルフリーデとリニアは、解けて水滴になった雪を拭いて道路脇のベンチに腰掛けた。
「君はどうやら、あのバカ弟子の恋人のようだが」
突如発せられたリニアの問いに、エルフリーデはまたも顔を赤くする。
「こ…恋人だなんてそんな事! …多分、私の片想いです」
「ほぉ〜、そうは見えんがな」
顔はまだ赤かったが、エルフリーデは思い出を振り返って微笑む。
「私、少女漫画とかが嫌いだったんです。白馬に乗った王子様が迎えに来てくれるなんて、絶対ありえないと思って。
…でも彼と会って、もしかしたら『白馬の王子様』が居るかもしれない…なんて、生まれて初めて思えたんです」
一年前の冬、その日は雪が積もるほど降る日だった。
「あの日」の傷跡も癒えきらぬ街はまだところどころに崩壊した建物の残骸が残っている。しかし、
人気の多い街道では既にきらびやかな装飾をした店が並んでいる。
エルフリーデは大きな木を店頭に飾った店のショーウインドウを覗き、「クリスマスセール」の看板を見つめた。
今や「クリスマス」という言葉の意味を知る者は、この星に存在しない。
「う〜…寒い! どうしてこんなに気温が下がるんだろう…」
時折吹く北風も寒さの原因だった。身を震わせながら彼女は狭い路地に入り、風をしのごうとする。その時――。
「フッフッフゥゥ〜〜…お嬢ちゃん、ここに入ったって事は…俺たちの領地に入ってるんだぜェェ〜?」
路地の奥から現れた若い男数人が、彼女の腕を掴んだ。声を上げる暇も無く、彼女は男達に手を引かれ
路地の更に奥へと連れて行かれる。
彼女を連れた男達は薄暗い建物の中に入り、そこにはまた多くの若い男達がいた。
みな一様に、いかにも「不良」らしき格好をしている。
「ハァーーい諸君…なんとこの可憐な少女が、我々のテリトリーに足を踏み入れた!」
ヒューヒューと耳障りな口笛を吹き、男達が歓声を上げる。
「不法入国しちゃうような子には、人権もクソもありませぇぇ〜ん…」
「YES! YES! YES!」
エルフリーデは既に、この危機的状況の意味を理解していた。が、脱出する手段は無い。
「…つーワケでこれから彼女の『歓迎パーティー』始めようなんて考えてますがどーでしょー!」
「NICE! NICE! NICE!」
突然、エルフリーデを掴んでいた男の一人がナイフを取り出し、彼女が着ていたダウンジャケットを切り裂いた。
羽毛が飛び散り、エルフリーデは気温の低さと悪寒でまたも身を震わせる。
「俺もー我慢できねェェ〜…お先に」
仰向けに倒され、ニヤニヤと笑う男の顔が目の前に見える。エルフリーデはこの後起こるであろう事を考えまいと
目を閉じた。その瞬間――。
「なァ、マキシ…こいつらゲロ以下の最低野郎どもだ…ぶっ殺しても、誰も文句なんて言わないと思うんだが…」
「やめとけよ、オリバー。一応生け捕りにすんのが仕事だ」
先程エルフリーデが通ってきた入り口。そこに、二人の少年が立っている。
バシュンッ
金髪の少年が、手にした電磁銃を放った。エルフリーデを抑え付けていた男が一瞬で意識を失い、
彼女の上にそのまま倒れる。
「キャアッ!?」
「あのリストバンド――クソッ、“チェーンアーツ”か!!?」
黒髪の少年が手にした電磁銃が続けて光を放ち、次々と男達を昏倒させていく。その間に
前へ出てきていた金髪の少年が、エルフリーデにのしかかっていた男を脇へ退けた。
「何もされてないか? 俺はチェーンアーツのオリバー=ハートネット…もう大丈夫だ、俺が助ける」
不良たちは黒髪の少年から銃を奪おうと走り寄るが、近付く前に全員電磁銃の餌食となる。
電磁銃は電撃を飛ばすスタンガンのような物で、対象を殺さずに気絶させる事が可能だった。バッテリーさえ切れなければ、
弾切れの心配は無い――そして彼らは予備のバッテリーを常に5個は携帯している。
オリバーはエルフリーデが震えているのに気付き、屈みこんで彼女の顔を覗き込んだ。
「?どうしたの? …あ、その格好じゃ寒いな」
「え…?」
暖かい感触。切り裂かれたダウンジャケットの代わりに彼女に着せられたのは、
それまでオリバーが着ていた青いコートだった。
「あんま暖かくないだろうけどさ。それで我慢しといてね」
「オリバー! 被害者の無事を確認したなら手伝え!!」
既に、数十人はいた男達はその殆どが床に倒れ伏している。数人残って震え上がる男達に、二人は銃口を向けた。
「じゃ、オメーらができるだけ長くムショに入ってられるよう頼んでみるからよ」
「フヒャァァァャァ〜〜ァァァ〜〜〜ッ!!!」
電撃の雨を浴びせられ、最後の不良たちが気を失った。
黒髪の少年が、リストバンドの通信機で警察らしき相手と話している。そんな彼を尻目に、オリバーはもう一度
エルフリーデの前に来て言う。
「…しかし、ギリギリ間に合って本当に良かった」
安堵からか、エルフリーデはその場で静かに泣き出してしまった。そんな様子も黙って見守るオリバーに、
エルフリーデは改めて訊く。
「…名前。何て言うんでしたっけ?」
彼は不敵とも見える笑みを浮かべ、改めて答えた。
「俺の名はオリバー=ハートネット。チェーンアーツのエースさ!…君は?」
「あ、私は…エルフリーデです。エルフリーデ=ラッセル」
この時彼らは名乗りあい、そして出会った。
「付き合って…ていうか、それから一緒にいても彼はカッコ良かった。そりゃ、良い所ばっかじゃないけれど
何というか…まあ、好きなんです」
ショックを受けたような顔をしていたリニアが、ふと呟く。
「…君も、私と同じか」
「え? どういう事ですか?」
リニアは自分の考えを振り切るように、首を振った。
「私もな、危なかった所をある男に助けられたのさ…彼はもう、この世に居ないが。
…いや、どうでもいいな。忘れてくれ」
忘れずともエルフリーデの注意は逸れていた。オリバーが雪の中にがっくりと膝を付き、
うずくまって震え始めたのである。
「オリバー!? どうしたの…ねえ!」
駆け寄って見ると、オリバーは歯を食いしばり――泣いていた。
その前ではオレーグが彼を見下ろし、憐れむような表情を浮かべている。
「俺たちも止めようとした…が、思うに奴らの狙いは彼一人だったようだ。本当に不甲斐無いとしか言えないが…
…こんな事、知らせたくはなかった」
「…っく…ううぅぅぅぁぁッ…!!」
オリバーの口から、言葉にならない呻きが漏れ出す。
幼い頃からの親友だった。デス・メテオと戦うときも、チェーンアーツに入るときもいつも隣に彼がいた。
その「彼」が…マキシミン=ブラッドベインが死んだ。殺された――円卓の騎士に。
「は…あああぁぁァッ…!!」
世界が崩れていくような気がする。何も考えられない。何も…。
「オリバー、何があったの?」
優しい声が聞こえる。その声の方に目を向けると、不安そうな面持ちのエルフリーデの顔が見える。
彼は顔を背けた。この少女にまで、自分の泣き顔など見られたくない。
その濡れた頬に柔らかい手が触れる。オリバーは、優しい腕が自分を抱きしめるのを感じた。
「私は…あなたの悲しみを解ってあげる事も、背負ってあげる事もできない」
道行く人々が彼らの方を見るが、エルフリーデは続ける。
「でも、その背中に声援を送る事はできる…一緒に泣く事も、笑う事もできる。
――だから一人で泣かないで、オリバー」
今のオリバーにその言葉は優しすぎた。傷口に薬が沁みるように、全身が熱くなる。
そんな彼に、リニアはあくまでも師として言い放つ。
「…立て、オリバー。泣く事も悔やむ事も後でできる――今、お前がやるべき事は何だ?」
エルフリーデの腕の中、行き場の無い悲しみはその元凶への怒りとなる。
「俺が今…やるべき事は…」
オリバーがゆっくりと立ち上がった。
「…マキシミンを弔う事だ。――奴らを、討つ…必ず!」
「あなた方が、議長直属の暗殺部隊『死者の槌鉾』ですか…」
「そう。僕が隊長のヴォルフガング=フォイアーシュタインだ」
シュバルツバルトとヴォルフガング。同じ組織に属していながら、どちらも表舞台に姿を見せる事はあまり無い。
その二人が今、市街の片隅にあるバーで話し合っていた。
「円卓の騎士に関しては、ここ最近被害が大きくなってきたのでね…この現状を放置しては、議長の
失脚に繋がりかねないという事で僕達が出てきたのですよ。もっとも、公式の発表では
『特殊部隊を放った』としか言われていませんが…」
今回の話は投下すべきか二日ほど迷いました。そして、少しずつ書き足して今の形に。
>>鉄獣28号氏
サタンザウラーの外見がまったく想像できません…_| ̄|○
>>恐怖の亀裂作者氏
双六ですか…余計かとは思いますが、台詞は通常でも良かったのでは?
アイデア自体は見事な発想だと思います。
4マス進むクロノスプレンダーの駒。”さあ!手品の時間だぜ!空中大分割!4が出るまでそのまま”
なんと宙に浮いたかと思ったら良くある手品の箱の中に入った人の体の位置がずれるを箱無しでやっている。
そして2マス戻る。”出て来たぞ!野良猫のボスが現れ手を噛まれる”巨大な猫が現れクロノスプレンダーの右手に咬み付いた。
レク:「…。」
エ:「…。」
ミ:「あと3個!休み!」遂に缶を蹴り終わりゲームに復帰を果たす。
オ:「4。”好きな枚数カード引いてカードを引いた回数休み”じゃあカードはいらないっと。」カードを引くに引けなかったオルディン。
シュ:「12!出目が大きいな。”犯人は誰だ?犯人を捕まえろ!捕まえるまで休み”えっ!?速く機体を降りないと!」どうやらターゲットは時計を持ったウサギだ。
嫌な予感を匂わせるその上スーツを着込んだウサギを追いかけるシュミット。”穴”が無い事を祈るのみだ。
レ:「くそっ!次から次へと…ってタイムオーバー!?って数が増えてるぞ!奴等!」復帰はまだまだ先の話らしい。
サ:「5。”地味だね!パッとしようよ!”」突然機体に派手な装飾が付く。それだけらしい。
ー27順目ー
レク「4…。」
エ:「3…。」
ミ:「復帰した。5”ルーレットの出目の5倍を2で割った数進む”12!夢のようだ…30マス進むぞ!」これで戦線に電撃復帰を果たす。
どうやらゲーム板は意志を持っている事を見抜かれ露骨な指示をとばし難くなったのだろうか?公平?を露骨にきすかの様に事を運び始める。
が中途半端な感は拭えないし不信感も払拭できない。
オ:「6。今回は何も無し。」
シュ:「待てっ!”穴”は無いけど素早すぎるっ!」
レ:「くそっ…後少しだったのにまた増えた!しかも弾切れ間近だっ!」
サ:「さて…7”ここで一句 足元の 地雷踏み付け 動けない 地雷の処理を終了するまで休み”お安い御用だ。」さっさと機体を降り地雷の信管を簡単に解体してしまうサーベラス。
何と言っても地面に埋まっている訳でも無く唯足元に踏んである状態で地雷が有るだけなので解体は容易だった。
ー28順目ー
ル:「3ですぅ〜。”じりじり来るね!そんな貴方に次の手順はルーレットの出目だけ戻る”残念ですぅ〜。」
ク:「4!良し元に戻った…だが巨大猫はそのままか。指示も無し。」
数順してレクスとエントヴァイエンがゲームに復帰するも丁度でなければ到着できない為後ずさるレクス。
エントヴァイエンは”カルテット”をルーレットに使用するも3×4の12マス進むに留まる。
32順目に差し掛かりようやくレミントンが弾切れを銃で殴ると言う力業できぐるみ戦隊を撃破して復帰を果たす。
シュミットは真面目に追い掛けるのを止めて罠で足止めを画策中。
ー33順目ー
ル:「後5マスでぇ〜ゴール射程圏に入りますぅ〜1。”1・21・16・25・24・50・39・2・26?”え〜っと24ですぅ!”教えてくれてありがとう!2マス進む”」更に2マス進む。
すっぱりと答えを出したらしいがそれが何かを知っている者は参加者の中では同期であるレミントンしか知らない。
レ:「ああ〜!そう言う事か!」ポンと手を叩く。
ク:「いい加減でか猫を何とかしたいのだが…3”飽きたらしいな。猫は居なくなるぞ”」やっと右手を解放されるがそこには深い噛み跡が残っていた。
レク:「12ですよぉぉぉ!」プレイはエルザに任せる事にしたらしい。レクスは指示に備えている。”備えあれば憂いなし!カードを3枚引く”と言う事でカードを3枚引く。
エ:「5だ。”ラストチャンス!鏡を割って後ろの数字だけ進む!”逃すかっ!」相変らずチョコレートまみれの斧が降ってくるが全身でキャッチして素早く左側の鏡に斧を投げる。
割れた先には…宇宙空間が有る。「吸い込まれっ…エアフィールドッ!!!」相変らず非道い仕掛けも有る。宇宙に飛ばされて20マス駒が進む。「余とてギリギリ人間の分類だ。危ない危ない…。」
ミ:「9!調子が出てきたか?”調子のいい貴方に!早撃ちの仕事!時間内に撃ち抜いた的の数だけ進む”」機体の周囲に的が現れるがレーザー機獣では当たらない。
「舐めるなっ!」ゼネバス砲で的確に的を射始めるミルディン1分での成果は8枚。8マス進む。
シュ:「休み。…そこだぁ!!!」縄を引っ張りウサギの足に掛かった縄が絞られてウサギが転倒する。素早く駆け寄り滑り込みながらウサギを捕まえる。これで指示を達成して次よりプレイに復帰する事ができる。
レ:「8。”最後の聖戦!聖杯を護りきれ!”おいっ!飛躍しすぎだろそれはっ!」結局最後までこう言う目に遭うレミントン。今度は”聖杯”を護るのが目的らしい。
鉄獣28号さんへ
これでZi-ARMS関連の方が略揃い踏み。しかも特製MBユニットはとても硬いようで。
後はけりを付けるのみ!?
Innocent World2の作者さんへ
過去の話…とても切ないような青いと言う様な(褒め言葉)青春してます。
頭の悪そうな不良最高w
あれは棒読み部分なので””で挟んであります固有名詞やそこらを区切らないと文脈が著しく破綻する可能性が高いので…。
「これでどうよ!!」
『うぉのれぇ!!!このクソガキがぁぁぁ!!今度はミサイル攻撃まで邪魔するかぁぁぁ!!!?貴様等の血筋は一体何処までワシを邪魔すれば気が済むのじゃぁぁぁ!!!!』
「そんな事言われてもな〜…。」
カンウの強力な妨害電波によりサタンザウラーはミサイルの追尾が出来なくなっただけに止まらず、
ロックオンそのものまで不可能となっていた。もちろんそれは他の皆も同様なのであるが、
レーダーと連動した自動ロックオンが不可能となっただけであり、手動照準には全く問題無いのである。
しかし、射撃に関してコンピューターに依存する点の強いドボルクとサタンザウラーにとっては致命的な物だった。
『おのれぇぇ!!!貴様電子戦までやりおってぇぇ!!!!?』
「そんな事言われてもねぇ…。そんな合体怪獣みたいなゾイド作っておきながら電子戦にまで頭の回らなかったお爺ちゃんが悪いんじゃないの?」
『言い訳するなぁぁぁぁ!!!!!』
「え―――――――――!!!?」
ドボルクの強引かつ無理のある切り返し方に皆は驚愕の声を上げていた。しかしそのスキを突いて
サタンザウラーは背中に装備したセイスモの2つの首とデススティンガーの尾と言う3連荷電粒子砲を彼等へ向けたのだ。
『ミサイルが使えなくともワシにはまだまだこれがあるわいぃぃぃぃ!!!!』
「ゴメンな爺さん…。ちょっと邪魔させてもらう…。」
『い!!!?』
なんとどさくさに紛れて、ハーデスがサタンザウラーの背後に回り込んでいたのだ。そしてハーデスは
その両腕の手刀でサタンザウラーの背中のセイスモの首とデススティンガーの尾の関節を切り裂いていたのだ。
『なななななんじゃとぉぉぉ!!!!?』
「どうだぁ!!?装甲に空いた穴とかは修復出来ても部分丸ごと取られても再生出来るか!!?」
ハーデスは手刀で関節部に切れ目を入れたセイスモの首とデススティンガーの尾を両腕で抱くように
持ち、その後で自らの両足をサタンザウラーの背中に押しつけながらグッと引き、セイスモの首とデススティンガーの尾を引きちぎったのだった。
「って思ったより楽にちぎれたな〜…。」
関節に切れ目を入れていたとは言え、セイスモの首とデススティンガーの尾のあまりにあっけないちぎれ方にルナリスは拍子抜けしていた。
『怪物ゾイドの背中に生えるセイスモの首とデススティンガーの尾が楽にもぎ取られたぁぁぁ!!!
如何にデスザウラーの力とは言え、相手の怪物ゾイドはそれ以上の力を持っているはずです!!!これは一体どうした事かぁぁぁぁ!!!」』
『関節の多さが仇となったのでは無いでしょうか?セイスモの首にせよ、デススティンガーの尾にせよ
多重関節ですから、あらゆる角度へ自由自在に動く分、脆くなっていると思うのです。しかし、
それよりもむしろマリン選手のジャマーによって、怪物ゾイドのミサイルだけで無く我々の中継電波までジャマー(邪魔)されていないか心配です。』
外ではヤマモトの心配する通りの事が起こっていた。ハイGホエールから大勢の人間を乗せて脱出した
ホエールキング等の中で、人々はモニターを介してこの戦いを見守っていたのであるが、カンウの
発したジャマーによってその電波が妨害され、試合の様子が分からなくなっていたのだ。
「おい!!!どうした!!見れないぞ!!!」
「故障か!!?」
人々はワケも分からずモニターの前で立ち往生するしか無く、中にはテレビをバンバンと叩く者もいた。
「とにかくこれで戦力大幅ダウンだなぁ!!!」
『ルーガスの孫ごときがいい気になるなぁぁ!!!』
「!!!!?」
セイスモの首とデススティンガーの尾をもぎ取った際に出来た油断とスキを突き、サタンザウラーの
裏拳がハーデスを襲い、その頭部へ思い切り叩きつけていた。両者のパワーには雲泥の差があり、
ハーデスはたちまち宙を舞いながら一回転し、頭から床へ落下していた。いかに超重装甲を持つ
ハーデスと言えども頭部キャノピーは、決して脆くは無いが、頑丈とも言い難い。ましてや400トン
以上の重量を持つハーデスの全体重が頭に掛かってしまえばそのキャノピーが中のルナリスごと潰れてしまうのは目に見えている。
「ルナリスちゃん!!!!」
マリンは思わず叫び、目を瞑っていた。が、その直後意外な事が起こった。
「ちゃん付けするなと言ったらちゃんと聞けぇぇ!!」
「ええ!!!!?」
ルナリスの例によるお約束が帰ってきた事にマリンは驚いていた。そして目を開けてハーデスを見たとき、両手を床について倒立しているハーデスの姿があったのだ。
「だ!!大丈夫だったの!!?」
「私がこれくらいで死ぬかよバーカ!!」
そしてハーデスは倒立したままサタンザウラーへ跳びかかり、やはり倒立したままの回転回し蹴りや
回転加重力衝撃テイル攻撃を与えていた。その動きは地に足をつけている時以上に俊敏だった。
『うぬぉぉぉ!!!!そんなバカなぁ!!』
「爺さんが自分を舐めるなと言っているくせにそっちは私等を舐めていたようだな!!?」
なおも倒立したまま連続攻撃を加えるハーデスはサタンザウラーの体中の彼方此方へ蹴りを撃ち込んでいた。
『これはこれは凄い凄いぃぃぃぃ!!!!ハーデスは実は逆立ちした状態の方が強いのでは無いかぁぁぁ!!!』
『これは地球の格闘技、カポエイラですね。しかし彼女がカポエイラまでマスターしていようとは…。』
カポエイラ。それは地球から伝わった格闘技の一つであり、手枷を付けられ、手が自由に使えなかった
奴隷が権力者に反抗する為に編み出した事を発祥とする倒立した状態での足技を主とした格闘技である。
「カポエイラって…。まさかルナリスちゃんそんな事まで出来たの…?と言うか今まで何でそれを使わなかったの!!?」
倒立したハーデスの強さはマリンすらそう叫ばせてしまう程の物だった。確かにこれだけの技を今までもしっかり使っていればかなり楽が出来たはずなのであるが…。
「ちゃん付けするな!!あと、今まで私がこの技を使わなかった理由についてだが…、ぶっちゃけスカートの中が見えるだろ?」
ずげげげげっ
その安直すぎる理由に皆は思わずすっ転んでいた。
「おい!お前ら何ですっ転ぶ。」
「だ…だって…、スカートの中が見えるだけで使わないって…。」
「何言ってるんだ!!恥ずかしいじゃんか!!!」
「なら私みたいにスパッツ履けば良いのに…。そんなニーソックス履くくらいならさ・・・。」
「う…。」
痛い所を突かれたルナリスはそのまま絶句していた。とはいえ、やはり突っ張っていても彼女もやはり女の子だったと言うべきだろうか。
『お前らやる気あるのかぁぁぁぁぁ!!!!?』
事あるごとに戦闘が中断してしまうと言う現状にドボルクも痺れを切らせたのかやたら滅多等に荷電粒子砲を撃ちまくり、皆は散り散りになってかわすしかなかった。
「ったくやっぱコイツはタフだぜ!!!多少ダメージ与えたとしてもすぐ回復しちまう!!!」
確かにその通りだった。サタンザウラーの回復力は再生ゾイドの代名詞であるゴジュラス・ジ・オーガ
に匹敵、いやそれ以上の物であり、カポエイラ戦法で押していたハーデスの攻撃すらも再生されていた
のだ。と言っても、もがれたセイスモの首やデススティンガーの尾の再生は出来なかったが…。
そして荷電粒子砲の広域放射により皆をそれぞれ散らせたドボルクはそのままサタンザウラーを虎神トリオへ向けて走らせていた。
『お前らさえ!!!お前らさえ取り込めばこのサタンザウラーはぁぁぁぁ!!!!!』
荷電粒子砲とその爆風を目くらましにしたサタンザウラーは虎神トリオへ向けてその長く巨大な腕を
振り上げた。一気に虎神の持つ天然の永久機関とも言えるコアを取り込むつもりであったのだ。
『うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!お前らを取り込めばぁぁぁぁ!!!!』
「ごめんなさい!!!お願い邪魔させて!!!」
『ぬぅ!!!?』
その時サタンザウラーの右腕に電撃が走った。しかし本当に稲妻が走ったワケでは無い。電撃が走った様な間隔がサタンザウラーの右腕を襲っていたのだ。
『貴様ぁぁぁぁ!!!?』
「お爺さんって、高性能なゾイドを作るのは上手い見たいだけど戦い方は度素人だね!!ただパワーに任せて振り回すだけじゃない!!」
そこにはサタンザウラーの右腕にプロレスで言う“脇固め”を掛けるカンウの姿があった。確かに守り
が堅く、並の攻撃が通用しないような相手には下手な打撃技よりも関節技の方が効果があると言えた。
『出た出た出たぁぁぁぁ!!!!マリン選手18番の関節技が炸裂したぁぁぁぁ!!!!これは痛い!!地味だが怪物ゾイド痛そうだぁぁぁ!!!!』
『確かにこういう相手には打撃技より関節技の方が効きますからね〜。』
「アイツ…関節技が得意だったのか?」
「やっぱ地味に痛そうだよな〜…。掛けられないで良かった…。」
>>恐怖の亀裂作者さん
箱無しの人体バラバラマジックは想像してみると意外と怖いような・・・。
あと猫やウサギに戸惑う所も良かったと思います。
>>Innocent World2作者さん
もはやギリギリセーフと言う所ですね〜。ハイな不良のキャラは面白いと思います。
あと別所で放たれた暗殺部隊と円卓の騎士はどなるのでしょうか?
>サタンザウラーの外見がまったく想像できません…_| ̄|○
ええと、つまりそれはデスザウラー(をもっと大きくした物)を四足歩行にさせた物をベースに、
頭部に兜をかぶせる様な感じでマッドサンダーの反荷電シールド&マグネーザー&サンダーホーンが付き、
腕部はコングの長い腕を基本として、手の部分はデスザウラーの特徴の一つのハイパーキラークローになって、
さらに肩にはストームガトリングをロングバレル化させた物が付いています。
胸部腹部はゴジュラスギガのハイパーEシールドジェネレーター。
尾には大型のブレードとかシザースとか付いてます。
背中にはセイスモの首二本とデスステの尾が、さながらキン○ギド○の首みたいな感じで付いていて、
同じく背中の、丁度腰からちょっと下辺りにはエネルギーの源泉であり、
ハイパーローリングチャージャーとエナジーチャージャーを組み合わせ、高出力と持続時間を
両立させたエナジーローリングチャージャーが取り付けられています。
とにかく一口に言うならば良いと所取りしまくった合体怪獣としか言い様はありません。
この機体の弱点は今日の書き込み分の作中において主人公の言った通り、操縦者のドボルク自身が
あくまで科学者であり、パイロットでは無い為、戦い方が下手と言う点くらいです。
マリン自身、関節技を使うのは久々であったとは言え、今ここで関節技を得意としている事を知った
ドラゴスと黒い三銃士、ブロイは自分が掛けられたら…と言う変な想像を始め、やや青ざめた様に
なっていた。これはいわゆる、他人が凄い怪我をしたとか、そう言った“痛い話”を聞いたりした時に、
精神的に自らもいたがってしまうと言うか、そう言った現象に似ていると言える。と、そう説明している間にもカンウは脇固めでサタンザウラーの右腕を絞めていた。
『おのれ貴様等血筋はぁぁぁぁぁ!!!!何度の何度もワシを邪魔しおってぇぇぇ!!!!』
「もううるさいうるさい!!変な逆恨みしない!!お爺さんも少しくらい罪の意識を持ってよ!!」
その時カンウはサタンザウラーの右腕を掴んだままくるりと回転し、今度は“腕ひしぎ十字固め”を掛けたのだ。その時さらにサタンザウラーの右腕に電撃が走った。
『ぬぅおおおおお!!!』
「ほらほらほらぁ!!!もう手加減しないよ!!!その腕折っちゃうよぉぉぉ!!!!」
カンウはさらに力を入れてサタンザウラーの右腕を折らんばかりの勢いで締め上げており、サタンザウラーにとってもかなり痛いのか、思わず空いた左手でバンバンと床を叩いていた。
『今度は腕ひしぎ十字固めで来たぁぁぁぁ!!マリン選手はまさに関節技の魔術師!!共和国の魔女ぉぉぉぉ!!!!』
『関節技は装甲の強度とは関係無しにダメージを与える事が出来ますからね、これは痛いでしょう!』
フルタチとヤマモトがそう実況解説している間にもカンウはサタンザウラーへ腕ひしぎ十字固めをかけ続けており、なんとサタンザウラーの右腕から煙が吹き出していたのだ。
「どうよどうよ!!!これでも再生出来るって言うの!!?」
カンウはさらに力を入れ、今まさにサタンザウラーの右腕をもがんばかりの所まで来ていた。しかし…。
『クソガキが調子に乗るなぁぁぁぁぁ!!!!!』
サタンザウラーが痛みを堪えながら左腕を大きく振り上げた。そしてその巨大な左腕を右腕に組み付くカンウへ向けて叩きつけようとしていたのだ。が、その時だった。
「私もお邪魔その2ぃぃぃ!!!!」
そう叫んで跳びかかったのはハーデスだった。ハーデスはカンウへ向けて叩きつけようとしていた
サタンザウラーの左腕に体当たりをかけて強引に押し戻すと、そのままカンウばりに腕ひしぎ十字固めをかけたのだ。
「ルナリスちゃん!!!貴女何時の間に腕ひしぎ十字固めを!?」
「フッ!見よう見まねだよ見よう見まね!!やはりお前程上手くはできん。が!!ちゃん付けはするなよ!!」
『うぉのれぇぇぇ!!!ルーガスの孫がぁぁぁ!!お前まで邪魔をするかぁぁぁぁ!!!!』
両腕にダブルで腕ひしぎ十字固めをかけられるサタンザウラーの腕に掛かるダメージは凄まじく、その表情は苦痛にゆがんでいた。
『おおおおっとぉぉぉぉ!!!!これぞ正しくゾイキュアダブル腕ひしぎ十字固めだぁぁぁぁ!!!』
『これでは流石の怪物ゾイドも両腕を封じられたも同然ですね〜…。』
「と言うかそれどういう意味だって!!?」
なおもカンウとハーデスはサタンザウラーの両腕を折らんばかりの力で締め上げていたが、マリンはマイクの音量を最大にして叫んだ。
「みんなぁ!!!今のウチに奴に攻撃を仕掛けてぇぇぇ!!!!」
「ええ!!?そんな事したら貴女達2人まで…。」
「今はそうするしか無いだろうが!!!と言うかこっちの言う通りにしてくれ!!奴が強引に技を外そうとしているんだ!!」
ルナリスの言った通りだった。サタンザウラーは両腕に腕ひしぎ十字固めをかけられた痛みに
もだえながらも、その圧倒的なパワー差に物を言わせ、強引に技を外そうとしていたのだ。とはいえ、それでもラッキーはうろたえていた。
「で…でも貴女達2人が…。」
「良いから早くしてくれぇ!!!でないと奴は倒せない!!!」
「ったくよ〜…。本当嬉しい事言ってくれるじゃね〜の〜…。」
「!!?」
そう前に踏み出て来たのは、今まで援軍で来た意味があまり感じられなかったドラゴスのデカルト、
黒い三銃士のエナジーライガー、ブロイのアイアンコングと言うズィーアームズ連合軍の皆様であった。
「あんたら…。」
「今はゴチャゴチャ言ってるヒマはねぇ!オレ等はズィーアームズ社員やその家族の命も守らなくてはならんのだ!その為に奴を倒す!!!!」
ドラゴスの目がカッと見開くと同時に総攻撃が始まった。デカルトドラゴンのエレクトリックディス
チャージャーとプラズマレールガンが、エナジーライガー3機の2連エナジーキャノンやエナジー
バルカンが、アイアンコングの各種ミサイル群が一斉にサタンザウラーへ向けて撃ち込まれ、その爆風がサタンザウラーの巨体をたちまち包み込んでいった。
「これで良いのか?」
「そう…それで良い…。」
ドラゴスとマリンは互いに頷き合っていた。一見非情に見えがちだが、これはやはり互いを信じていたが故の事なのである。が…、
『ワシのサタンザウラーがその程度の武器でやられるとでも思ったかぁぁぁ!!!』
「きゃぁぁぁぁ!!!!!!」
「うわぁぁぁぁぁ!!!!!」
ドボルクの怒りに満ちた叫び声が周囲にこだまし、サタンザウラーは両腕に組み付いていたカンウと
ハーデスを力任せに振り払った。しかもその装甲には大したダメージが見えなかったのだ。
「くそぉ!!何て装甲だぁ…。」
「バケモノか…。」
確かにズィーアームズの誇るデカルトドラゴンや、タキオン粒子の力で常識を越えた力を持つエナジー、
そして今だ根強いファンの多い傑作機であるアイアンコング等は決して弱くは無い。むしろ充分強力な
ゾイドであり、その武装も強力な物であったが、それでも超重装甲で身を包むサタンザウラーに対しては力不足と言わざる得ない物があった。
『ワシはなぁ!!!こんな所で足止めを食っている場合では無いのじゃぁ!!!!お前らなど所詮は
通過点に過ぎん!!ワシは今から世界へ羽ばたくのじゃぁ!!世にドクタードボルクとサタンザウラーの名を広く知らしめるのじゃぁ!!!!』
サタンザウラーは再生能力によりダメージを受けてもすぐ回復してしまうが、ドボルク本人は別だった。
如何にサイボーグ化しているとは言え、最も大切な脳だけは生身であり、さらにマリン等が意外にも
粘り続けていると言う現状から、精神的な疲労と言う物が見え始めていたのだ。
『もうええわい!!!こうなったらもう皆殺しじゃぁ!!!何もかも消え去ってしまえぇぇぇ!!!!』
ドボルクの怒りは頂点に達し、もはや何も見えなくなっていた。そして彼のサイボーグ体は各部が
スパークを起こし、それに呼応したかの様にサタンザウラーが一吼えしたと思うとその全身の火器があらゆる方向へ向けられたのだった。
『消えろ消えろ消えろぉぉぉぉぉぉ!!!!!』
サタンザウラーの全火器一斉放射が今始まった。サタンザウラーの全身に持つビーム砲やミサイルが
360度あらゆる方向へ向けてやたら滅多等に撃ち放たれた。ドボルクはもはや狙いを付けてはいない。
完全な無差別破壊である。そして本来取り込むべき虎神もその破壊対象に切り替わられていた。
怒りによって完全に切れたドボルクにとって、その目に映る全ての物が破壊対象なのである。
『おおおおおっとぉぉぉぉ!!!!完全に切れた怪物ゾイドが無差別破壊を始めたぁぁぁ!!!凄いです!!!凄い砲撃の雨です!!!』
『もはや完全にあっちの方へ行ってしまいましたね…。』
ヤマモトとフルタチは流石はプロと言わんばかりの実況解説を続けていたが、その周囲に目をやるとありとあらゆる物が砲撃にさらされ、炎に包まれ、破壊され続けていた。
「うわぁぁぁぁ!!!ったくコイツ完全に切れやがったぁぁぁぁ!!!!」
「きゃぁぁぁぁぁ!!!!コワイコワイコワイィィィィィ!!!!!」
サタンザウラーの無差別破壊に皆は逃げ回るしか無かった。が、その様子を見たドボルクはさらに面白がっていたのだ。
『フェッフェッフェッフェッフェッフェ―――――!!!!消えろ消えろ!!!何もかも消えさってしまえぇぇぇぇ!!!!』
「うあああ!!!ったく俺等って出てき損?」
「何かイマイチ良い所無かったなぁ!!」
「やっぱ田舎に帰るべきかぁ!!?」
「そんな事言ってるヒマがあったら少しは回避行動しろよ!!」
ドラゴスと黒い三銃士はそう叫びつつ、砲撃の雨から焦り顔で逃げまくっていたが、ブロイのコングは違った。
「あの口の中にミサイルを撃ち込めば勝機はある!!!」
ブロイのコングは右肩のミサイルランチャーを腕に再装着し、どうにか砲撃をかわしながらもサタンザウラーの口に狙いを済ましていた。
「あと少し…あと少し…。」
レ:「おい待て!”聖杯”ってそれかよっ!?ドチクショウがっ!!!」少々錯乱気味でレミントンは叫ぶ。
何か”聖杯”に見覚えが在るらしい。
エ:「フルトセリスの聖杯!?馬鹿なっ…最終兵器の鍵が何故ここにあるっ!!!」彼も知っているらしく酷く狼狽している。
これ程の存在を以てしても狼狽する”聖杯”の存在。
サ:「取り敢えず状況の説明を頼む。」雲行きが目茶苦茶怪しい方へ直走っているので説明をエントヴァイエンに要求する。
その説明によればフルトセリスの聖杯と言うのは遥昔…それも惑星Ziや地球等が産まれる前に在ったと言われる物らしい。
聖杯は何処か別の世界からこの世界に破棄されたもしくは接地された最終兵器の機動キーだと言う。
レミントンが以前の指示で青い顔をしていた理由もそこに起因するらしい。
それを使用された場合特殊な波動を宇宙中に撒き散らし生物を絶滅させる事ができると言われ何処かの誰かが常に厳重警備をしている物らしいのだ。
サ:「で?そんな物騒な物をレミントン中佐が護らなければいけない訳が見えて来ないのだが?」
レ:「いや…その幽体離脱の時にそれを取り返すってのをやらされた訳で…ってその所為っ!?不当だっ!」
幸いシュミットに床に置き忘れていたチェーンバードライフルと”聖杯の守護者”と言う存在の援護を受けて如何にかそれを護りきる。
レ:「もう嫌だ…こんな目に遭うのは…。」過労と心労によりダウン。気が付くまで休みと言う事で脱落者第1号に成る。再起不能。
サ:「さっさと終わらせよう…4”他人のカードをその場で使用!その代わり無作為に引く事”厄介そうだな…さてレミントン中佐のカードを使おう。”天界の識光”を使用。」
全員のゲーム板が光りに照らし出されマスに印が浮かび上がるどうやら印の有る所に止まると指示が出るらしい…。
ー34順目ー
ル:「ああ〜印のぉ〜位置がぁ〜変わりましたぁ〜!」一回り毎に指示を受けるマスが変わるシステムだったようだ。無作為に使用された”天界の識光”の賜物である。
「5ですぅ〜印が無いのでぇ〜何も有りません〜♪」
ク:「(何回も手元に在ったのに使い道が解らなかったのは秘密だ)6。”瓶が落ちてきたぞ!受け止めろ!”」彼の巨体でも受け止めれるか如何か解らない大きさの瓶が降ってくる。
「スロウ!」掛け声と共に瓶の速度が極端に低下した。
速度が落ちるだけでは無く時間に対する物理的な構造にも影響を与えるらしくそれを取る際のクロノスプレンダーの動きは卵を抱えるような形だった。
やっぱり時間に干渉する力を持っている。
レク:「そりゃ〜あ〜あ〜…12!”3マス戻る”」微妙なエルザの掛け声共に3マス戻る。
エ:「…7以外は指示が来るな。4微妙だ。”隣りの客は良く牡蠣食うきゃぐだって事で牡蠣ゲット!”???」牡蠣が1匹落ちてくる。しかも間違いだらけだが?
ミ:「逃げ場が無い…10”敵襲に備えて全方位攻撃の練習始め!”」唐突に巨大なクレー射撃用のクレーが飛んで来るそれも全方位から。
今度はレーザー機銃にも当たってくれる様で約3分もの間奮戦することになる。その間周囲の者は流れ弾を避けるのに必死だった…。
オ:「3。”走れ!あの目の前のパンに向かって!”メロンパン!頂きだ!」コクピットを降りて走り出すオルディン。
しかし一向にパンに届かない。と言うよりどんどんメロンパンが大きくなっている様に見える…と言うより2km程先に彼の背程も有る巨大メロンパンが有った。
「…無理!全部食べれる筈が無い!取り敢えず1個分ぐらい頂きます。」2回休み。
シュ:「ウサギ狩り終了!5”俺と勝負だ!カードを出して右上の数字が俺より大きければ勝ちだ!”(1とか最大で3までしか無い…R?これでいくか)勝負!」
相手は5そしてシュミットはR(ルーレットの出目)ルーレットを回す…結果は1で4マス後退。
レ:「…。」リタイア済み。
サ:「3…指示は無し。」ピッタリと隙のある3に止めるサーベラス。如何やらルーレットを回す力加減を熟知している様だ。出目が散つきが目立ったのはその所為らしい。
ー35順目ー
状況は以前ゴール付近での行ったり来たり。シュミットだけは反対方向だが既に残り1/4の位置に来て居る。惜しむらくはリタイアしてしまったレミントンの位置が最もゴールしやすい場所である事だろう…。
ー36順目ー
ル:「4ですぅ〜う〜ん惜しいですぅ〜後1マス”注意報注意報!大雨注意報!”」突然ゾイドの動きすら縛る程の雨がルディアの機体周囲を激しく叩き付けている。
エ:「7。指示は無し。」
ミ:「追い付け!追い越せ!ゴールは間近だ!12!”ルーレットを回して偶数がでればその数前進。奇数ならその数後退”」
ミ:「偶数じゃ如何やってもゴールできない位置なんだが?8マス進む。」更にゴールに近付く。
オ:「休み。」
シュ:「”ランダマイザースプリット”をルーレットに使用!」目の前にルーレットが2つ出て来るが出目が目茶苦茶だ。
32とか26とか68とか無茶な数字が元の数字と忙しなく入れ替わりしている。二つを同時に回す。
「合計…198。」ふりだしを通り越しゴールを通過その後残り1/3の地点に止まる。「遠くなった…。」99が2個も出たのだからしょうがない。
サ:「”クローン”を使用後のカードに使用!」それで無作為に取り出したのは”スカ”「”スカ”をゲーム板に使用。6だ。」
ー37順目ー
ル:「止めですぅ〜!!!」突然ルディアが叫ぶ。と言っても大きな間の延びた声だ。残り4マス。「”4”を〜ルーレットにぃ〜使用しますぅ〜。」
残り4マスを進みゲームは終了するかに思えたが…?
”ラストバトルの時間ぜよ!全員参加の強制ルール!相手は…こいつだぁ〜!”
周囲が漆黒の闇に包まれる。恐ろしい気配が所彼処から発生し機体が恐怖心で震え出す始末だ。
それはプレイしていた者を包み込む球体の内側みたいな者。その壁からは気色悪い姿の化け物がうようよ跳び出している。
「カオスレギオンかっ!」最も速く戦闘行為に移ったのはエントヴァイエン。掌より発生させた光を掴むと歪な弓状の物に成る。
レミントンの機体はクロノスプレンダーが抱えてくれて居る。見た目はとんでも化け物だが紳士だ。
「碧き燕よ!敵を払う道標となれ!」エントヴァイエンのその声に現れた碧い燕はその姿を矢に変える。弓に番えられ放たれた燕は一瞬で数百の燕になり内壁を一斉に襲う。
そのエントヴァイエンの動きの迅速さからカオスレギオンと呼ばれたこれが如何言うレベルでかは解らないが危険な存在である事が知れるだろう。
更に言えばゲーム板が仕掛けた最後の手はルーレットでゴールしなかった場合これが起こると言う事だったらしい。
難しいだけでストレスが溜まるゲームシステムの双六。こんなものなら誰でも途中で止めたいと思う事だろう。
数百の燕の攻撃は内壁より生えて居る気味の悪い化け物の群を蹂躙する。しかし直ぐに後続が現れてワシャワシャ蠢いている。
「他の戦力は当てにならんな…そもそもこう言う輩の排除が魔術師の仕事だ。」
やっと双六が終わった…何回休みとか数えるので知恵熱が出る寸前だったりした日も有って正直笑えない状況にもなってましたw
今じゃ笑い事ですが…。
鉄獣28号さんへ
サタンザウラーは硬いですね。関節技に耐えてみたりフルバーストで暴れても冷却も追い付いているみたいで。
でも乗って居る人は無理でしたと言う状況ですね…。ゾイドVSとかだと3万突破とか耐久力が有りそうで怖い。
〇パロ〇シリーズなら6桁いって居そう。
全てをその一発に賭け、ブロイのコングはサタンザウラーの口に狙いを済まし、そのサタンザウラーの口が大きく開かれるのを今か今かと待っていた。と、それはその時に起こった。
「んん!!?」
サタンザウラーから放たれたビームの一つがトラグネス目がけて突き進んでいた。そのビームは一本と
は言え太く、そしてとてつもなく高出力な物だった。しかも数本のビームをトラグネスがかわし、一瞬動きを止めた直後に飛んできたビーム。かわせない。
『うわぁ!!!何かデカイのが…。』
チョコは相も変わらず無表情一辺倒であったが、紅の神はビックリ仰天と言う様相をしていた。そして
今まさに大口径ビームのエネルギーにその体が包み込まれんとした時、トラグネスに向けて側面から強い衝撃が走ったのだった。
『な!!何だよオイ!!?』
側面からの衝撃に思い切り吹っ飛ばされた事に紅の神は驚きつつも瞬時に体勢を立て直し、自らを
吹き飛ばした物の方向へ向いた。そこには何と土手っ腹に大穴の開いたブロイのアイアンコングの姿があった。
「な…なぜ…。」
チョコはやはり相変わらず無表情であったが、その目は一瞬かすかに大きく見開いていた。
彼女は終始ポーカーフェイスを維持しながらも、敵であるはずの自分を助けたブロイの行動に驚いていたのだ。
「へ…へへ…。オレもまだまだ甘いよな〜…。心底殺したいと思っていた相手を助けちまうなんてよ〜…。」
アイアンコングはただ腹部に大穴が開いただけでは無く、各部もボロボロに砕け、そのコックピット内
もあちこちがスパークを起こしていた。そしてブロイ自身が受けたダメージも大きく、もはや虫の息。しかしそれでも彼は笑っていたのだ。
「だがまあ何と言うかよ…良い夢見せてもらったぜ…。お前を見てると本当に死んだ娘を思い出しちまう…。」
『おいオッサン!!しっかりしろ!!傷は浅いぞー!!』
紅の神はブロイを励ます意味を込めてそう何度も呼び掛けていたが、ブロイの意識はどんどん遠退いて行くばかりだった。
「ふ…。もうオレも長くないみたいだ…。だが…お前は生き残れ…。このオレをさんざコケにし…、
あろう事かブラストルタイガーの…操縦者の座まで力づくに蹴落としやがったんだ…。ならばお前には
生きる権利がある…。いや…、むしろ強いお前をここで死なせる事こそが…人類の損害だ…。」
「もう良い…。それ以上喋らないで…。」
チョコはやはり無表情であったが、その目からはかすかに涙がこぼれ落ちていた。
「ふ…ふふ…、何だ…、ずっと無口無表情だから…意思も感情も無く…コンピューターみたいに行動する様な奴だと思っていたら…、しっかり流せるじゃねぇか…涙…。」
ブロイは朦朧とする意識の中、笑っいながらチョコを見つめていた。
「もうオレには悔いなんて無ぇよ…。本当に良い夢見させてもらった…。オレはもうここでお終いだが…。」
「そんな事…言わないで…。」
「お前は…生き残れぇ!!!!」
その時ブロイとコングは最後の力を振り絞ってトラグネスを横へ吹っ飛ばした。その直後にブロイと
コングはサタンザウラーから放たれたビームのエネルギーに包まれ、消滅して行った。
―――――――――悔いは無ぇよ…。良い夢見させてもらったぜ…―――――――――
「ブロイのおっさんがやられたぁ!!!!」
『何という事でしょうかぁ!!!!心強い援軍の一つ!アイアンコングが怪物ゾイドの餌食になったぁぁぁぁ!!!!!』
「……………。」
その時チョコは無表情ながらも、その目はかすかに大きく見開いたまま黙り込んでいた。そして、ゆっくりと顔を俯けたのである。
『フェッフェッフェッフェッフェッフェッフェェェェェ!!!死んだぞぉ!!1人死におった
ぞぉ!!!じゃが奴もブラストルタイガーのパイロットとして頑張ってくれた…。故にせめてもの情け
で一瞬にして消すという楽な死に方をさせてやったわい!!じゃが安心せい!!すぐにお前達や世界中のあらゆる生きとし生ける者達も後を追わせて…。』
と、その時だった。数本の赤いレーザーがサタンザウラーの右腕を撃ち抜いていたのだ。
『ぬぅ!!?』
笑いを止めたドボルクが見た物は装甲を展開したトラグネスの姿だった。それだけでは無い、なんとトラグネスの体が赤い光を放っていたのだ。
「ゆるせない…。お父さんや…こんな関係無い人まで…。」
『何が父親じゃぁ!!お前は何も分かっておらん!!レートはただの虎神の巫女のクローンでしか無いお前を生かしていただけなのじゃぞぉ!!!!』
「分かってないのはあんただよ!!ドボルク!!」
そう叫んだのはハガネだった。それどころかそのゼノンまでもが蒼い光を放っていたのだ。
「私はレート博士とは古いつき合いだし、チョコちゃんが赤ん坊の頃から良く知ってる!!
レート博士はそれはもうチョコちゃんを大切にしていたよ!!!本当の親子…いや、それ以上にね!!」
『それがどうしたぁ!!!それはレートの奴がおかしい証拠なのじゃぁ!!!虎神の巫女のクローンなど!!所詮は生きた古代虎制御装置に過ぎんと言うのに…。』
その時、さらに飛んできたエネルギー弾により、今度はサタンザウラーの左腕が貫かれていた。
「どうしたもこうしたも無いだろうが!!所詮オレの頭ではお前を理屈でどうこうなんて出来は
しねーが…、お前は実際に、敵味方構わず大勢の人間を殺しているじゃねーか!!お前をのさばらせたらさらに大勢の人が殺されちまう!!」
「そうだそうだー!!」
今度はタイガスとラッキーだった。そしてトランサーまでもたトラグネスとゼノン同様、白い光を放っていたのだ。
『コイツ等の言う通りだ!!私はその黒豆とやらが一体何なのかさっぱりだが、チョコちゃんはもう立派な私達にとって虎神の巫女なんだよ!!!』
『黒豆じゃなくてクローンだクローン!だがまあ、我らとしてもお前をこれ以上のさばらせるのは
許せぬ…。人間がどうなろうと知った事では無いが、それと同時に大勢のゾイドや自然が巻き添えで死んでしまうのは正直我慢ならん!』
『確かにな…。いかにこやつが所詮は人間が作った物であり、“奴”に比べればどうと言う事は無いのであるが…それでもやはり野放しにするのは危険だろう…。』
「(奴?)」
虎神達が最後に言った言葉にハガネは疑問深そうな顔をしていたが、そんな事を考えているヒマは無いのですぐに頭を切り換えてサタンザウラーの方を向いた。
『おおのれぇぇぇ!!!好き勝手言いおってぇぇ!!!このワシのサタンザウラーがどうと言う事は無いじゃとぉぉぉ!!!!?』
「いや、冷静になって考えてみれば本当にどうという事無いと思うよ!!」
『んなぁ!!!!?』
ハガネの一言はドボルクをさらにピクッとさせる物だった。
『おのれハガネめ!!お前までそんな事を言うか!!バカが強がりを言いおって!!』
「いやいや、本当だって!確かに最初は戸惑ったけどさ!落ち着いて考えてみたらあんたのサタン
ザウラーとか言うゾイド!それほど大した物じゃ無いと思うよ私は!」
『何じゃとぉ!!?』
「100年前にさ!エーマって言うアンタ見たいな誇大妄想なバ科学者が作った怪物ゾイドで
“キメラサタン”って奴がいたんだけど、確かにそいつに比べればそう大した物じゃないよ。あんただって話には聞き及んでいるでしょ?ねぇ?」
『何を言うか!!!確かにそのキメラサタンとやらの話はワシも聞き及んでいるが、所詮は既に昔退治された負け犬では無いか!!!』
自らをバカにされたドボルクは心の底から怒っていた。が、マリンは首を傾げていた。
「きめらさたん?って何だろう…。」
「わーったわーった!若い衆の皆様にも分かりやすく説明して上げるよ!」
そんなマリンの小言も耳に入っていたのか、ハガネは皆への説明を兼ねて語り始めたのだった。
「確かに100年前、エーマっつー誇大妄想なバ科学者が遺伝子操作によって作り出した怪物ゾイド
“キメラサタン”。コイツは野生ゾイドを機械化すると言う従来の戦闘ゾイドの形とは全く違う概念に
よって作られた完全有機体型の遺伝子操作ゾイドだった。コイツが本当に強いの何のって。
いかなるゾイドも歯が立たぬ圧倒的なパワーと超強力な荷電粒子砲。その中でも特に恐ろしかったのが
その無限の再生能力!ハッキリ言ってこれは本当に骨が折れたよ。何しろどんなにぐちゃぐちゃに
しても、コアさえ無事なら無限にかつ瞬時に元通りになってしまうし、そのコアも体中自由自在に
移動させるからね〜…。しかもゾイドを直接食ってその体をドンドン進化させて行くし…。」
「そ…そんな怪物を一体どうやって…。」
>>恐怖の亀裂作者さん
双六の結果がまたすごいバケモノ退治ですか・・・。双六だけでも大変だった上に
これではもう命がいくつあっても足りませんよね?
しかも何か物騒なアイテムみたいな物まで発見されてますし。
あと、サタンザウラーは耐久力と言うより(それでも相当強靭ですが)、回復能力が恐ろしかったりします。
と言っても今回の書き込み分を読んでわかる通り、昔はもっとヤバイ奴がいたと言う事なのですが・・・
「真逆内側に閉じ込められた状態で戦闘が始まるとは余も驚いたぞ。」そう言いながらも数百の碧き燕で随時攻撃を続けるエントヴァイエン。
今回の戦闘で一番役に立ちそうな2人が戦闘不能状態では厳しい物が有る。荷電粒子砲の使えるレミントンのブラックオニキス。
招喚してみたクロノスプレンダー。かなりの戦力ダウンだ。かと言ってシュミットの機体の背の砲塔を見るエントヴァイエン。
光子融合弾を撃ち込めばどんな事が起こるか解らないと来ている。何時もなら外側から攻撃するので強力無比な術一つで消し炭に出来る相手に苦戦をしなければならないのが手厳しいと思う。
自らの目的の為にはここに居る誰かが減る事は許されないのだ。
フルトセリスの聖杯は先に守護者に回収されたがもしそれがここに在ったらと思うと生きた心地のしないエントヴァイエン。
下手な術式反応や物理的及び機械的反応でも機動スイッチが入り使用スタンバイができる物なので心底安心している。
「ルディア少佐?余の頼み事を聞いてはくれぬであろうか?」彼の世界でも彼の上官だったのだろうか?その言葉には心の底からの懇願の色がかなり含まれていた。
「…はい、はい?ええっ!?ちょっちょっとまt…切れたであります。」ファインは通信機のスイッチを切る。プライベート用に軍用回線で強引に割り込むのは毎度だが今回は火急の用事のようだ。
ベルゼンラーヴェの再構成をしている格納庫へラビットホーンを飛ばす。「ぬっ?何か用か?機体は組み上がっておらんぞ?」
そう言うベルウッドに耳打ちをする。「ぬう…しょうもない状況になって居るのう。しかし見捨ててしまっては妾も枕を高くして眠れんやも知れぬ。」そう言って整備班長の所に揃って行き両耳からステレオ放送の如く耳打ちする。
「だあああ!擽ったい!解ったから退けって。」整備班長の指揮であっと言う間に準備が整う。
「さっさとやってくれよ!あいつ等の命が掛かってるって話だからな!」「了解であります。」機体サイズのカラミティシャドウとウェイブレイダーを使用して先と同じ射撃をする。ベルウッドの助けも有るのでより強力な軌道融合弾を発射できる。
それは6発分施設の内部へと素早く侵入して行く…あの聴視なら直にでも目標に到達するだろう…。
そしてその予測通りカオスレギオンの外側に全弾命中する。
「如何やら事は順調に進んでいる様だな。」アミノ酸が焼ける特有の悪臭と着弾の衝撃でエントヴァイエンは支援攻撃の到達を知る。
内側の触腕(繊毛)も苦しそうに蠢いている。しかし余り時間は無い。カオスレギオンは強力なダメージを受けると体内に巨大なコアが出現する。
それの体積はカオスレギオンの内部の容積を殆ど消費してしまう。もたもたしていると気味の悪い内側の触腕と否応なしにお近付きになってしまうのでそれだけは避けたい。
周囲を見回し最も肉厚が薄くなっている場所を探す。「そこか!」賢者の石を呼び出しそれから生える巨大で長大なハルバートを握るとそのまま振り払う。
すっぱりと切り開かれたカオスレギオンの内壁。そこから内部に居た双六参加者は素早く抜け出す。限々のタイミングでミルディンとオルディンのトライスパイナーカスタムが抜け出し脱出は完了する。
そのカオスレギオンの外側も内側をそのまま引っ繰り返したような姿。カオスレギオンも生物の分類が始まる前に生まれた種類で動物と植物それに菌類までセットになってる無秩序さが見る者を嫌悪感に誘う。
触腕の先端に生物の進化の過程の多数の動物の顔無節操に模倣して持つ姿。「輝き無き汚れた太陽とは良く例えたものだ。」エントヴァイエンは呟く。
触腕を太陽の炎に例えたのだろう。それを動かしながら迫るカオスレギオン。全ての動物の目は彼等を獲物として見ていた。
「古来よりどの世界どの星でもこう言う輩の相手は術士や戦士の仕事と相場が決まって居る。つまらん双六で迷惑を掛けた手前始末は余のみで付けさせてもらう。異論は在るまい?」当然無い。
ハルバートを片手で構え宙に静止するとそれを素早く連続して振り抜く。その動きは目にもとまらぬ迅雷の速度で上下左右斜めに光が多数奔ったかと思うとカオスレギオンの表皮が散乱する。
カラミティシャドウの劫火が表皮を軽くローストしていた事も在り出来損ないの北京ダックの様に四角に切リ取られた表皮の触腕が虚しく蠢いている。
「其は閃光。暗く沈んだ宵闇を照らし真実を映し出す鏡なり!」閃光が突然カオスレギオンの目の前に発生し隠されていた巨大なコアが現れる。
ハルバートが姿を消し両手を合せる。「相手が悪かったな…。」その手を開いていく先には強力な反応が発生している。実物を見たものはそれが何で有るか解るだろう…。
鉄獣28号さんへ
ああ〜無情にも…惜しい方が…_| ̄|●
確かに、平民からの信頼が絶対条件である議長が放つ刺客として「暗殺部隊」は望ましくない。
ここは単なる「特殊部隊」としておくのが賢明な判断と言える。
「しかし、見れば見るほど議長に良く似ておられる。影武者が居るとの噂は耳にしていたが…」
ヴォルフガングの容姿は、顔から体型に至るまで最高議長アルフレッドと瓜二つだった。
双子と言うだけでは説明が付かない――恐らく、影武者としての役割を果たすべく
外見を兄に合わせてきたのだろう。
そのために彼がどんな努力をしてきたかなど、想像も付かない。
「影武者だけじゃあないですよ? 政敵を裏で粛清したり、『力仕事』はみーんな僕の仕事ですからね」
これまで彼は、そういった「裏の仕事」を一手に引き受けてきた。その存在を知られる事なく。
だからこそ、議長の信頼は厚い。
「…ところで、表のデッドボーダーはもしかして槍と翼を持った――『初号機』と呼ばれているものですか?
ゾイドの研究を仕事にしてたもので、興味深くてですね…」
「そうです。アレが伝説のデッドボーダー・プロト。数千年前の機体だとも言われていますねぇ」
デッドボーダー初号機の伝説は、いまや神話的な物になっていた。「槍を持った黒い悪魔」が、遥かな昔
中央大陸を治めていた強国へリックの軍隊に大損害を与えたと言う話が。
その機体は手にした槍で空間を切り裂き、次元の狭間を自在に行き来したと伝えられている。
他にも武器を使わずに一個大隊を戦闘不能に追い込んだとか、ウルトラザウルスをジャイアントスイングで
投げ飛ばしたとか、手も触れず「ハンドパワー」でマッドサンダーを吹っ飛ばしたなどと、その逸話には
耳を疑うような話が幾つもある。
そのゾイドが、数千年の時を越えて今と言う時代に現れたのだ。科学者として興味を持つのは当然である。
「古代遺跡より仮死状態で発掘したと聞きましたが…で、神話通りの戦闘力は発揮されましたか?」
試すようにシュバルツバルトが訊く。ヴォルフガングは底の読めない笑みを浮かべ、答える。
「ええまったく。神話にも劣らぬ戦力ですよ、コイツは。…ま、セディール=レインフォードが乗ったデス・メテオぐらいには
勝てるでしょうよ…実力は保障しますから、政府のプライドに懸けてね」
シュバルツバルトはある種の痛快な眩暈を覚えた。デス・メテオと互角以上――それは、単機で
世界を滅ぼす事が可能という意味に他ならない。だが、ヴォルフガングは立場上彼の味方である。
――勝てる。この男が味方ならば…伝説のゾイドが味方ならば、円卓の騎士にも勝てる…!
浮き立ちそうになる心を抑え付けながら、シュバルツバルトは平静を装って手を差し出した。
「では、私が情報担当。あなたが実力担当と言う事で――組んでいただけるのですね?」
彼らがここで会ったのはほかでもない、同じ勢力に属し、同じ目標を追うもの同士が合流する為なのだ。
「ええ、はいもちろん。…じゃ、お仲間と犠牲者の敵討ちツアーに出発と行きましょうか」
敵討ちツアーという言い回しは気に入らなかったが、そんな事はおくびにも出さない。
この男が仲間に加わった事自体が最大の収穫なのだから。――それに、議長の影武者を務めるほどの男が
一筋縄で行くはずも無い。
できるか? と自分に問い掛ける。自分が味方につけたのは、恐らく最も危険な男であろう。
そして彼は自答する。「やってみせる――シャルロットの、死んでいった仲間の仇を討つ為に」と。
「さァ、さっさと騎士をぶっ殺してオシマイにしちゃいましょう。こんな任務は」
西部劇のようなごろつきが集まる暗いバー。二人の男と、その後ろに黒服が二人続いて出て行く。
奇しくもそこは、2年前にある男が騒ぎを起こした現場でもあった。
「お前、少し見直したよ」
「え?」
オリバーの精神も少し落ち着き、オレーグ達が去って行った後の商店街。道端のベンチで
彼とリニアは並んで座っていた。
そしてリニアが唐突に話を切り出す――エルフリーデが語った過去について。
「…あの子がヴァカどもに襲われていたとき、お前が助けたんだってな。お前と…その、親友君が」
一瞬きょとんとした顔を見せたオリバーだが、すぐに思い出したらしく「ああ」と手を叩く。
「俺とエルが初めて会った時の話ね! …あのときの手柄は殆ど、マキシミンの物だったけど…」
「だが、被害者にしてみればそんな時、近くに居てくれる者がとても心強く感じるのだ。
お前はあの子の心を救った…それで良い」
自然とオリバーの意識は亡き友の方へと向かってしまうが、リニアの言葉がそんな彼の意識を引き戻す。
「私もな…実は、彼女と同じ状況に置かれた事があった」
「え?」
意外。まさしくオリバーの感想はこの一言に尽きた。それは普段彼がリニアの強さを目の当たりにしているからであり、
そんな彼女が襲われる様な不覚を取るとは思えなかったが故の事だ。
しかし、彼女は昔から強かったわけではない。
「その時私は、ある男に助けられた。彼は私にゾイドの操縦から何から全てを教えてくれた男であり…」
すっ、と息を吸い込み、深く吐き出してからリニアは続ける。思い出を偲ぶように。
「…そして、私が淡い片想いを寄せた男でもあった。彼はもう、この世に居ないがな」
オリバーはこの時密かに思った。「そうか! 彼女が俺ほどの美少年に惚れないのは、
死んだ男の事をまだ忘れられないからだ!」と。
それは「コーラのボトルを振っておいて、開けた奴の顔面に中身を直撃させようと
仕掛けておいたが実は中身がコーヒーだった」
という状態に匹敵する勘違いである。しかし、オリバーはそんな事を口に出さなかったので一命を取り留めた。
「…私は、私の秘密を話そう」
雪の中、隣に座るリニアの声が妙に緊張している事に気付いてオリバーは気を引き締める。
彼女が何か大切な事を話そうとしているのだと言う事が解ったからである。
「お前の両親を殺したテロリスト、彼のフルネームはセディール=レインフォード…」
首を傾げるオリバー。話の方向がまったく読めない。
だが、次の言葉に彼は今度こそ言葉を失う。
「…私の名は、リニア=レインフォード。世界を滅ぼしかけた男の――お前の両親を殺した男の妹だ」
沈黙が流れる。まるで空気が重い液体にでも変わったように息苦しい。
「私と兄は、“ギルド”の研究機関で人工的に作り出された人間だ。もはや人間といって良いのかは解らないがな…
…兄は最強の能力者として、私は能力者の力を打ち消す“反能力者”として造られた」
マキシミンの訃報を聞いたときとは違う、別種の衝撃がオリバーの頭をかき乱す。
セディールの妹? 「造られた」――?
「幼い頃の兄は優しかった。だがゾイドに乗り、自らの力を知った時から兄は変わってしまった…そして私は機関を逃げ出した。
逃亡中に電磁銃を受け、記憶が一時的に失われたが、私は本能だけで逃げ遂せた。
彷徨っていた私を手に掛けようと馬鹿な酔っ払いが襲ってきて――そして、私は助けられたんだ。彼に」
彼女はオリバーの目を真っ直ぐに見つめ、フッと微笑んだ。
「言われてみれば、お前は彼とよく似た眼をしているな…“マエストロ”と」
当のオリバーはまたも、後頭部を鉄パイプで殴られたような衝撃を受ける。
「何…だって? それじゃあ、師匠が片想いを寄せた相手ってのは…」
消え去った町の中心部――その際にある銅像。この街の住人なら、誰もが一度はその男を目にしている。
「私が愛した男は、とても年上だった…まあ、彼もロ○コンだったがな。あの“師匠”――ルガールは」
その日は、市街でゾイドバトルの試合があった。
二人一組のチームバトル。一方はマトリクスドラゴンとロードゲイルの編成、もう一方は
ガンブラスターとライトニングサイクス。
後者のチーム、ガンブラスターのパイロットであるエメット=ノーブルは相方に通信を送った。
「…本当に、バトルなんか出て大丈夫なんですか?」
相手は、とうにゾイド乗りの適齢期を過ぎた老人だった。60代か、あるいは70歳を越えているかもしれない。
「大丈夫じゃ。それに、あの男に何と言われてもワシはやはり――戦いの中にしか生きられぬ男よ」
古風な語り口。老人は快活に答え、その顔には生気が漲っている。
試合開始の電子音が鳴った。
「さぁ、ゾイドバトルとやらを見せてもらうぞ!」
マトリクスドラゴンが突っ込んでくる。狭い闘技場で、一瞬にして音速まで加速する性能は
明らかに性能の底上げが為された機体である。
老人のサイクスが頭部のバルカンを撃ち掛ける。装甲の薄いマトリクスはその射線を避けようと突進を中止し、
横をすり抜けてサイクスの背後に回った。
――勝った!
マトリクスのパイロットは少なくともそう思った。ライトニングサイクスは後方への迎撃可能な武器を持たない。
だが次の瞬間、マトリクスのコアブロックが一つ撃ち抜かれた。驚愕に目を見開くパイロット。
サイクスのレーザーライフルが「旋回」し、こちらを向いている。
ありえない事だった。ライトニングサイクスのレーザーライフルは、超高速戦闘を行う際に
旋回砲塔では命中率が下がる為、正面限定の「射界が狭い武器」として認知されているはずだ。
出力の1/4を失ってバランスを崩すマトリクス。味方機のロードゲイルが突っ込んでくるが、間に合わない。
「油断しおって…ゾイドのスピードをコントロールできておらん! 貴様は20点だッ!!」
放たれるバルカンの雨。一斉射で機能停止に追い込まれ、マトリクスドラゴンは戦闘不能となった。
「さて…次はそちらの番じゃぞ」
エクスシザースを振り上げ、迫るロードゲイル。軽やかな跳躍でその一撃をかわしたサイクスは、
ブースターを噴射して数秒のうちにロードゲイルから距離を離す。
「格闘攻撃の基本:良。ただし、読み易い。 ――ノーブル、この戦いはワシ一人で充分そうだ」
流石にロードゲイルも音速を出せる機体だけあり、すぐに追いついてくる。サイクスはすぐに
闘技場の反対側まで来てしまった――目の前には壁。
「どうする?」
老人の口から出たのは、敵に対しての言葉かそれとも自らへの問いかけか。
飛び上がったロードゲイルがマグネイズスピアを突き出して襲い来る。サイクスは逃げ場の無い
壁に向かって走り出した。ブースターが火を噴き、そして――。
「ゾイドの特性は理解している…が、やはり教科書通りの戦術じゃの」
ライトニングサイクスが壁面を走り出した。2連キャノンでロードゲイルが狙うも、その機動を追いきれない。
瞬く間にサイクスが目の前に迫り、すれ違いざまにその爪が閃く。
「…修繕費はあまりかからない様にしてやったぞ。感謝せい」
ロードゲイルの右半身を維持していたブロックスジョイントが分解し、その場にパーツが崩れ落ちる。
<バトル、オールオーバー!――ウィナーッ! チーーム・エメットォ!!>
「…流石ですね、ワンさん。腕は落ちてないようで…」
エメットに名を呼ばれた老人、ワン=ジンキは皺のよった顔に笑みを浮かべた。
「伊達に“ギルド”で試験官をやっていた訳ではないのだよ。…久々に、腕が鳴ったわい」
超ゾイドのバトルばっかり書いてると感覚が麻痺してしまう…w
>>恐怖の亀裂作者氏
星間戦略兵器ですか…(汗
>>鉄獣28号氏
何だか、前作のサンダース氏を思い出させる死に様ですね(?)漢の人生に悔い無し。
「確かにキメラサタンは100年前に倒されたゾイドであるけど、その倒す事が口で言う程簡単な
物じゃ無かったよ。私やマオちゃん、ミオちゃん、ルーちゃんやライン君、クーちゃんやギッちゃん、
あと何かよう分からん協力者やその他の名もない兵士達!とにかく帝国共和国が一時休戦し、
協力してこそ初めて倒す事が出来たんだよ。それでもかなり大変だったんだけどね!」
「え…?って事はまさかそのキメラサタンにはハガネさんや私の曾お婆ちゃんや曾お爺ちゃん、そして
ミライロさんのお婆ちゃんやルナリスちゃんのお爺さんとかみんなで協力しても何とか倒す事が出来たって奴なの…?」
「ちゃん付けするなよ…。」
「マリンちゃんの言う通りだよ。」
唖然としながら言うマリンに対し、ハガネはゆっくりと頷いており、それには皆が一斉に唖然とした。
特にドラゴスと黒い三銃士のズィーアームズ連合軍にとって、それはショッキングな事実と言えた。
「って事は何か?昔の大戦時代には緑の悪魔すらも苦戦する様な奴がゴロゴロいたってのか?」
「まあ、そう言っちゃえばそうなるかな!エーマ以外にも世界征服目指すような誇大妄想バ科学者とかも結構いたし。」
「俺達の想像を超える事が100年前に起こっていたのか…。」
ハガネの言葉にはやはり皆は驚きを隠せない様子であった。100年前の大戦時代におけるレベルの高さに本当に驚いていたのだ。
「そ…そんな事があったんだ…。それじゃあ私達なんてまだまだだね…。」
「そう言う事!とにかくさ!そのキメラサタンに比べりゃああんたのサタンザウラーなんて全然大した事無いっての!!!」
ハガネはそう叫びつつサタンザウラーを指差していた。しかし、それがドボルクをさらに怒らせる結果となり、そのサイボーグ体の各部から煙がもの凄い勢いで噴出していた。
『おのれおのれおのれおのれおのれぇぇぇぇ!!!!このワシを侮辱するのもいい加減にしろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!』
ドボルクの怒りに身を任せたサタンザウラーの無差別破壊がまたも始まった。全方位あらゆる角度へ
向けて夥しい数のミサイルやビーム砲が放たれ、あちこちの壁や床が次々に破壊されて行ったが、
怒りに身を任せ、冷静さなど欠片もないその攻撃は正確さに欠け、肝心のカンウ等へは一発として当たってはいなかった。
「ええい!!もうこれ以上無駄な破壊はやめい!!!でないとブッ壊すよぉ!!!」
『うるさいうるさいうるさい!!!死ね死ね!!全部死んでしまえぇぇぇぇ!!!!!』
「ったく説得の余地無しかよ!!やっぱやるしか無いのか!!?」
『やらなければならんのだ!!これ以上奴等をのさばらせておれば、何もかもが破壊し尽くされる!!』
「やらなきゃ…。お父さんや…あの人の死を無駄にしないためにも…。」
「ようし!やったるかぁ!!」
そうして、白、蒼、紅、それぞれの光を放つ虎神が破壊の魔王へ向かって行った。
『おのれぇぇぇ!!!!死ね死ね死ね死ねぇぇぇぇ!!!!』
なおも怒り狂った様に無差別破壊を続けるドボルクとサタンザウラー。しかし、そのドボルクを
黙らせたのは3体の虎神の攻撃だった。三体はもの凄い速度でサタンザウラーの周囲を走り回って
攪乱、翻弄し、白の神=トランサーのエレクトロンハイパーキャノンが、蒼の神=ゼノンの
ピンポイントレーザー砲、レーザーネスト砲が、紅の神=トラグネスのサーミックレーザー砲が次々にサタンザウラーの超重装甲をやすやすと貫いていった。
『ななななんじゃぁ!!?この力は一体何じゃぁぁぁぁ!!!?』
ドボルクは驚愕した。その時の三体の虎神の力はそれまでのそれを遥かに上回る程協力であったのだ。
これは虎神の放つ白、蒼、紅の光にあった。これこそが虎神の持つ封印されし力なのである。
もはやサタンザウラーの回復も間に合わない。装甲が再生される前に内部機構へ攻撃が撃ち込まれ誘爆が続き、さらなるダメージを受けていた。
「ようし!!!私達も加勢しようよ!!!」
「加勢しなければ何をするかよ!!!」
サタンザウラーを押す虎神の戦いに勇気付けられたのか、カンウ、ハーデスも攻撃に加わっていた。
ドボルクが虎神の攻撃に気を取られているスキを突き、サタンザウラーの右腕へカンウの
ギガクラッシャーファング、そしてハーデスのハイパーキラークローを深々と食い込ませたのである。
「行くぞぉ!!!!」
「イチニのサン!!!!」
『何をする気じゃぁ!!!?』
マリンとルナリス、そしてカンウとハーデスが息を合わせたその時、サタンザウラーの右腕が根本からもぎ取られ、オイルや様々な部品、配線があちこちに散乱した。
「いよっしゃぁ!!!まずは右腕封じに成功!!!」
「でかした2人とも!!」
『おのれぇぇぇ!!!!』
右腕がもげた事によりサタンザウラーは大きく仰け反り、ドボルクはさらに怒り狂った。が、その時、
右腕がもげた事によりむき出しになった内部機構へ向けて数条のビーム砲が撃ち込まれ、さらにサタンザウラーは大きく仰け反っていたのだ。
『ななななんじゃぁぁぁ!!!!?』
ドボルクが慌てて右を向くと、そこにはドラゴスのデカルトと黒い三銃士のエナジーライガーの姿があった。
「俺達も行くぞぉ!!!」
「そうだ!!!若僧共に遅れをとるなぁ!!」
「ああ!!戦いのプロの底力見せてやるぜぇ!!!!」
そしてデカルトドラゴンとエナジーライガーが飛んだ。デカルトドラゴンはサタンザウラーの上を
飛び回りながらエレクトリックディスチャージャーを撃ちまくると言う落雷攻撃、そしてエナジー
ライガーは黒い三銃士の持つトリプルコンビネーションアタックをサタンザウラーへ仕掛けていた。
「あいつら…。」
「なかなかやんじゃん…。」
ドラゴスと黒い三銃士の戦いぶりに他の皆もやや感心し、見直したと言った感じの顔をしていた。
確かに敵として戦っていた時は正直腹立つ奴等であったが、それが味方になればそれほど心強い事は無い。そう思う事が出来た。
「ようし!!私等も負けてられるかぁ!!!」
「行くぞぉぉぉぉ!!!!」
こうして恐らくは世界の命運を賭けた戦いとなるやもしれぬ総攻撃が今始まった。
トランサー、ゼノン、トラグネスがその高機動力を生かしてサタンザウラーを攪乱しつつ、
エレクトロンハイパーキャノンが、レーザーネストが、サーミックレーザーがサタンザウラーの
超重装甲をやすやすと撃ち抜く。それに並行して、三体は牙や爪でサタンザウラーを切り裂く。
特にゼノンのエクスプロードバイトはサタンザウラーの回路その物をズタズタに引き裂いていた。
しかしそれだけでは無い。同時にカンウ、ハーデスの牙や爪がサタンザウラーへ叩きつけられ、
切り裂き、ギガファイヤーや大口径荷電粒子砲がその超重装甲を溶かして行く。その上でデカルト
ドラゴンの電撃とエナジーライガー3機のチームワーク攻撃がサタンザウラーへ追い打ちを掛けていたのだ。
『これは凄い!!凄い壮観です!!!三体の古代虎の中心に、ゾイキュア!!ズィーアームズ連合軍が力を合わせ、怪物ゾイドを追いつめています!!!』
『これは本当に凄い戦いですよ本当に!』
フルタチとヤマモトは何時にも増してエキサイトしているがそれも無理な話では無かった。今目の前で繰り広げられる戦いは見ているだけで熱くなる程爽快な物であったのだ。
『おのれおのれおのれおのれおのれぇぇぇぇ!!!!!!サタンザウラーがぁ!!!ワシのサタンザウラーがお前らごときザコにぃぃぃぃぃ!!!!!!!』
「ならそんなザコに追いつめられるあんたは何なのさぁ!!!!」
その時三体の虎神のトリプルクローアタックがサタンザウラーの頭部のサンダーホーンを叩き折り、
あろう事か大きく吹き飛ばしていた。軽量級とはとても思えぬ圧倒的な力。それが伝説の虎神。太古の
昔、神と崇められた存在の力なのであろうか。それにはドボルクも愕然とし、その顔は恐怖に打ち震えていた。
「もうこれで終わりだ!!!いい加減往生しろドボルク!!!!」
『お前らたった1人に数人がかりで攻めるとは卑怯じゃぞぉぉぉ!!!』
「何を今更!!!そんな色々なゾイド組み合わせた合体怪獣のクセに何を言うかぁぁぁぁぁ!!!!」
その時サタンザウラーの真上からハーデスが跳びかかっていた。そしてその右足をサタンザウラーの喉元へ引っかけたのだ。
「食らえ!!死竜流奥義!!!ヘルズギロチン!!!!」
それは壮絶な物だった。サタンザウラーの喉元へ400トン以上の超重量が加わり、そのままサタン
ザウラーが後頭部から床へ落下し、さらにその喉元が床とハーデスの足に挟み込まれる。これはその技の名の通り、ヘルズギロチン、つまり地獄のギロチンと呼ぶべき様相であった。
『おぉぉぉぉぉっとぉぉぉぉ!!!出た出た出たぁぁぁぁ!!!ルナリス選手の必殺技ぁぁぁぁ!!!凄いのが出ましたぁぁぁぁぁ!!!!』
『あの〜…この技、どっかの将軍様が使う技に激しく酷似している様な気がするのは私だけでしょうか…。』
ヤマモトはやや眉を細めていたが、実況のフルタチはなおもエキサイト。そして喉元に強大な圧力の
掛かったサタンザウラーのダメージは大きく、苦しみもがいていた。
『うお…おのれぇぇぇ…。ガキがいい気になりおってぇぇぇ…。』
>>恐怖の亀裂作者さん
最近出番の無かったベルゼンラーヴェは格納庫で何かしてましたか・・・
もしかして再登場するときは新機能なんかも付いていたり?
>>Innocent World2作者さん
槍持ちデッドボーダーキタァァァァ!!!しかもその戦闘力って、さらなるインフレの予感。
一方別所では昔話してたりバトルしてたり
>何だか、前作のサンダース氏を思い出させる死に様ですね(?)漢の人生に悔い無し。
覚えていてクレタテタァァァァァ!!!!
(゚Д゚)ノ<先生!自分は鉄獣28号さんに質問があります!
マリン&ルナリス戦でぶっ壊れたはずのデカルト&エナジー3兄弟が戦っているのは何故ですか?
その後それをカオスレギオンに打ち込むエントヴァイエン。「ほう…予想以上に簡単にできるものだな。」
反転したEシールドの結界に囚われるカオスレギオン。「ここからは違う物でいくとしよう!」
その後圧縮エネルギー弾を多数作りだしたエントヴァイエンはそれを結界内にポイポイと放り込む。
内部がエネルギーで充ちた所で両手を前に付きだし構えると両手で何かを握り潰す動作をする。
それと同時にその手の動きと同じ様に潰れる結界。当然内部に囚われたカオスレギオンも同じく潰れてしまう。
「終了だ…これで片が付いたな。」それだけを言い残しエントヴァイエンは虚空に開けた穴に消える。邪神や異形等の様に世界を引き裂く様な真似はしない。
ただ元々そこにそれが有ったかの様に穴は開きそして消えて行く。全てに於いて等しい世界で産まれその地で力を得た者の力は外成る者のそれとは次元が違う。
外成る者がこの場で受ける制限を全く受けないと言う事。唯それだけがその驚異的な差を産み出すと言う事なのだろう。
何事も無かったかの様に静けさを取り戻す第8層の下りスロープ前。
呼び出したまま帰すのを忘れられたクロノスプレンダーは抱き抱えていたレミントンのブラックオニキスを床に降ろす。床に確りと足を付くとクロノスプレンダーに軽く吼える。礼を言っているらしい。
とは言えデスザウラー級の機体の声だけ有り端から見ると威嚇している様にしか聞こえないのはお約束だ。「さて…そろそろ私も帰るとしよう。少し離れた方が良い。あの男の様にスマートには行かないからな。」
合流した一同は2〜3km程下がるのを確認してから帰り道を招喚している。しかしその言葉を聞き取るに際して目を醒ましたレミントンはまた青い顔をする。
「帰り道が解らない時に呼び出す者と言えば…■■ソ■スの門か。」「門にしてぇ〜神であるぅ〜と言う有れですかぁ〜?」ルディアからそんな言葉が跳び出してレミントンの目は点に成る。
「何で知っているの?」レミントンも思う事だがこの部隊の半数近くの人員ははっきり言って偏った知識を有しているとしか言い様が無い。今の様にそう言う事とは無縁そうなルディアから外成る神の説明が出て来たりする。
ヨグソトース。異界を繋ぐ門にして鍵の神。異形を束ねると言う異質足る世界への水先案内人の姿の一つだ。
まあ良く言う■■でもド■の様な神様である。開けた方向からの一方通行では無く双方向に繋がってしまう為タイミングが悪いと目的地側から何かが出て来たりもする。
大体は事故らしいと言うのだが…。
暫くして突然虹色の泡の様な物が一同の視覚に一瞬焼き付いたかと思ったらそこには一つ目の門が姿を現していた。
「良し…願いを聞き入れてくれた様だ。」クロノスプレンダーは呟く。現れる門の形で何を願ったか解る様だがその言葉から目的地に対する一方通行の門を開いてくれる様だ。
「すまんな。変な物に付き合わせてしまった様で。」その言葉に全員こう思う(あんたとリアルバトルするよりはましだって!)。
実際に門を呼ぶ時も本来数週間は掛かる物を2〜3分で呼び出していたりするのでその時間短縮能力も驚異だ。はっきり言って勝てる訳が無い。
「縁が有ればまたあう事も在るかもしれん元気でな。」多分無いと思うがそう言って門を通り帰って行くクロノスプレンダー。
「さようならぁ〜ですぅ〜!!!」手を振ってルディアが見送っているが別に問題は無いだろう…。
双六に参加した物の中で未だに戦闘続行が可能なのはルディアのみ。他の者は大小差があれど疲労やゾイドの損傷が見られる。
特に酷いのはレミントンの疲労とオルディンのトライスパイナーカスタムの胴体の損傷だ。その為結局修繕も兼ねて休憩を取る事になる。
修繕は応急処置程度しかできないが装甲に空いた大穴は塞いで置くにこした事は無い。何故エルザが修理しているかは他の帝国軍には秘密だったりする。
レミントンは死んだ様に眠り。シュミットは情報整理が終わって携帯用食料をほんの少し口に入れる。先に無理矢理食べた物には栄養価が無く腹が膨れただけなので栄養の方を補給する。
「如何やらまた邪神や異形の動きが活発になっている様でありますね。そっちの制御から手を引いたみたいでありますねエントヴァイエンは…。」「うむ。その様だな。」
急速に敵意が辺りに充満し始める。格納庫内で作業をしている人員には自衛の手段が無い状態だ。「さて…如何したものでありましょうか?」そんな事を平気な顔で言うファイン。
「ちっ!もう少しで終わるってのについてねえなぁ!一度非難させるぞ!良いな御嬢!」「解っておる!速く引くが良い!急がないと戦闘に巻き込まれるぞ。」整備班が退避する。
格納庫が静まりかえる…。そう言えばサーラの天河の滴の警備の方は任せきりで大丈夫なのだろうか?
そんな事を考えている内に周囲に穴が多数発生する。「黒の尖角刀!」ファインの左手とベルウッドの右手に尖角刀が現れる。
「行くぞ!3…2…1…散開っ!」穴から異形が現れたのを合図に戦闘が開始される。
「klwデェウイフィエエウdj!!!」聞き取れない悲鳴。略同時に2箇所で最初の被害者が発生する。尖角刀に真っ二つにされて燃え尽きる異形の者。
程なく悲鳴は連鎖を始める…ファインの右手にはカラミティシャドウが握られておりその火球に焼き払われる者。ベルウッドの虹の糸の結界に触れて存在を消し去られる者。
それを凌いだにしても強力な刃として使用されている為に切り刻まれる者。他にももう2箇所に悲鳴の発生源が有る。
乗るゾイドがまた無いミズホの甲殻皮膚より披露される舞いの前に引き裂かれる者。最後に格納庫にいたまま味噌っ滓にされていたノワールの攻撃に散る者。
しかし床が焦げ後と血で汚れきってもまだ後続が押し寄せてくる。そろそろ鬱陶しくなって来た時だった。
突然格納庫奥より荷電粒子砲が真っ直ぐ照射される。「やっぱり僕は天才だねっ!何でこんな簡単に事を進められるんだ!」ベルフの声が格納庫の最深部から聞こえて来る。
ベルフは愛機のアジャストコアブロックに砲身をそのまま接続して簡易荷電粒子砲を完成させていたのだ。「射線より離れた離れた!このサイズが相手ならこの程度で充分!」
人間サイズの者であるから簡易収束の荷電粒子砲でも充分効果が有る。術などに対する抵抗力が高い異形等だが機械的な技術の攻撃にはめっぽう弱かったりする。
これが邪神や異形に通常のゾイドが勝てる由縁でもある。
復活を果たしたベルフの活躍はその他4人を上回りどんどん出現してくる異形共を一手に引き受ける程になる。
ベルフ本人は銃火器で武装している為コアブロックの上に現れた相手も銃火器で叩き落とし排除する。そんなこんなが続き始めるとそろそろ戦略眼の効いた者が出て来る。
しかしそれでもまだ充分と言えず出現位置を背後等に選ぶがそれこそ無駄の極みで背後等は誰もが最も気を配る場所に外ならない。
速攻で排除され骸を晒すのみだ。一般人ならいざ知らず軍人やルール無用の人外様に対してそんな事をしても無駄に等しかった。
施設の外側では当然懸念の通り天河の滴に誘われた哀れな異形達が屍を重ねていた。
「それにしても…AM装備がこれ程まで効くとは思いもしなかったな。」正直なラフィーレの言葉。
唯装備に抗術紋章を彫っただけなのだ。それで攻撃したら一撃で相手を倒せるのだから都合の良い事この上無い。
「はっきり言って拍子抜けですね。お姉様。」ソニアも今しがた仕留めたストームラプターの十数倍の大きさの異形から小型テイルマグネーザーを引き抜き言う。
「1ダース屠殺終了。拍子抜けも良い所だ。」フェニスはショットガンで一片に倒れる相手を見ながら本当につまらなそうに言う。
「はい!こっちも終わったよ。」キリカは愉快痛快と言った感じである。
「数が多いだけだよな〜つまんね〜の!」余りにもつまらないのでロードサーベリオンに竜巻を起こさせて相手を一斉に始末したラスキドール。
その隣りでは残りをプチプチ潰す様に巨大な腕を飛ばして居るベレディケンのパラスパラサウロン。「ウム!終了ダ!」
外の方はがたいが大きいのが仇になっていた様である。
「いやあトレビア〜〜〜ンな手腕だね?諸く〜〜ん!」格納庫内で何か間抜けで高貴な声が響いてくる。近付く気配の強烈さからワーロック等と並ぶレベルの存在らしい事は解る。
出て来た姿は…中世の貴族の装束をした位の高そうな…ピエロ。そこに居る一同は「プッ!」と一斉に吹いてしまう。
「だぁ〜まらっしゃい!見た目なんかで笑っちゃいか〜ん!!!我こそは!高貴なるレビデルト様であ〜る!」何か間の抜ける展開になってきた。
奇妙な空気が場を支配しつつある。
「諸く〜〜んに聞きたい事があ〜る!ここは…何処だね〜?」全員固まって何も言えない。余りにも拍子抜けで出て来た彼は…迷子なのだ。
彼等処か更に発生して来てさあ襲うぞ!と言うところな異形すら動きを止めてしまったのである。その後”高貴なレビデルト様”は一斉に周囲の者に襲われ念入りにボコられてしまう。
「しょっ諸く〜〜ん!それは余りにも非道い仕打ちではないか〜〜!?」彼の悲鳴をそして願いを聞いてくれる者はこの場には居なかった様だ。
「ぼっちゃま〜〜〜っ!!!何と!?裸で吊るされてまるで食肉加工前の豚の様な御姿にっ!?御痛ましや〜〜っ!!!」とても怖そうな執事さん空間を蹴破り颯爽と登場して来た。
とてもおかしな展開になっている。
鉄獣28号さんへ
危うし!ドボルク博士!このまま終了してしまうのでしょうか?
Innocent World2の作者さんへ
お爺さん再臨!やっぱり強い!
>星間戦略兵器と言うよりアレは生物絶滅装置で俗に言うリセットボタンです。
使用されると生き物が世界から居なく成ります。それはもう綺麗さっぱりと。
苦しみながらも何とかそれを堪え、どうにかサタンザウラーが起き上がろうとしていた時だった。何と今度はカンウがサタンザウラー目がけて上から襲いかかっていたのだ。
「曾お婆ちゃんに代わって私が貴方に引導を渡すから!!!!」
『なにおぉぉぉぉ!!!!お前等血筋はつくづくこのワシをおちょくりおってからにぃぃぃぃ!!!!』
サタンザウラーは残る左手を大きく振り上げ、カンウを迎撃しようとした。ダメージを受けているとは
言え、カンウとサタンザウラーのパワーの差は歴然としている。故にこのままカンウが弾き飛ばされる
のは目に見えていた。しかし、サタンザウラーの左手がカンウへ襲いかからんとしていたその時、カンウの全身からまばゆい光が放たれたのだ。
「ギガスパワー解放!!!そして私とカンウの持てる力をこの一撃に賭ける!!!!」
カンウはギガスパワーシステムを発動させる事により、背中に装備した4つのコアブロックとの
コア共振を開始し、一時的にではあるがその力を数倍に跳ね上げた。そのパワーによりサタンザウラーの左腕を逆に弾き返した後で、マリンは自らの、そしてカンウの持てる“気”を練り、その“気”をカンウの右腕へ向けて集中させていたのだ。
「うおあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
『バカがぁ!!!!そんな前時代的な技でサタンザウラーを潰せる物かぁ!!!!何もかも消えてしまえぇぇぇぇ!!!!!』
その時、サタンザウラーが真上のカンウへ向けて口を光らせた。荷電粒子砲を放つのだ。
『死ねぇぇぇぇぇぇ!!!!!』
「マリン!!!!」
カンウの攻撃がサタンザウラーにヒットする直前、既にカンウはサタンザウラーの荷電粒子砲に飲み
込まれていた。ズィーアームズ社の守備隊を消し、ハイGホエールにすら大穴を空ける荷電粒子砲。
そんな物を真っ向から受けてしまえばいかなるゾイドにおいてもタダでは済まない。いや、完全に消滅するのは目に見えている。
『フ…消えおった…。フェッフェッフェッフェッ…。断ち切った…・ワシは断ち切ったぞ…。緑の悪魔との因縁を…100年の因縁をををををを!!!!!!』
そうしてドボルクが大笑いを上げようとした時だった。今だサタンザウラーの口から放たれる荷電粒子砲のまばゆいエネルギーの中に何かがうごめいているのが見えたのだ。
『なぁ…まぁさぁかぁぁぁぁぁぁ!!!!!?』
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
そう、マリンとカンウはやられてはいなかった。全身の集光パネルを輝かせ、そしてハイパー
Eシールドで全身を覆ったカンウが荷電粒子砲のエネルギーの奔流をかき分け、サタンザウラー
目がけて跳びかかっていたのだ。だがそれだけでは無い。何とサタンザウラーの荷電粒子砲の
エネルギーのいくらかをカンウの集光パネルが吸収しており、その吸収されたエネルギーまでもがカンウの右腕へ向けて集まっていたのだ。
「くぅらえぇぇぇぇぇ!!!!!気功龍爪斬んんんんん!!!!!!」
『そんな…そんな前時代的な古武術でサタンザウラーの分厚い頭部装甲を砕ける物かぁぁぁぁ!!!!お前ごとき頭突きで跳ね返してやるわぁぁぁぁぁ!!!!!』
そう、サタンザウラーの頭部装甲はマッドサンダーの反荷電粒子シールドを使用し、それをさらに
強化した特殊装甲で覆われているのである。それ故に荷電粒子砲に対して高い耐性を持つだけで無く、
単純な装甲防御力においても高い防御力を持っていたのだ。それを証拠にそれまでの猛攻の中に
おいても頭部装甲だけはそう大したダメージを受けずに残っていたのだ。そして超強固な装甲は
自らの身を守るだけで無く、直接相手にぶつけるだけで強力な武器にもなりえる。ドボルクはその
超分厚い頭部装甲を利用した頭突きによって逆にカンウを弾き返そうとしていたのだ。
『サタンザウラーの頭突きで潰れて死ね死ね死ね死ねぇぇぇぇ!!!!!』
――――愚かな…貴方はそれだけやってもまだ無益な血を流そうと言うの?―――――――
『!!!』
その時ドボルクの耳にささやく様なかすかな声が聞こえ、一瞬サタンザウラーの動きが止まった。
「今だ!!うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
サタンザウラーの動きが止まったのは一瞬であったが、その一瞬のウチにマリンとカンウは練りに
練った気を右腕に集中させ、それをサタンザウラーの頭部目がけて振り上げていた。
『ま…まさか…まさかまさかまさかまさかまさかまさか…まぁさぁかぁぁぁぁぁぁ!!!!?』
ドボルクの口はあんぐりと大きく開き、その目も大きく見開いていた。真に信じがたい事だが、彼の目にはカンウの背後にかすかにマオの姿が見えたのだ。
――これ以上貴方に無益な殺生はさせない…だからこそ…私の曾孫が…――
『ま…マオ…?マオォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!』
「これでぇ!!!終わりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
その直後、重金属同士がぶつかり合う鈍い音と共に、サタンザウラーの頭部装甲をカンウの右腕の
爪が、コックピット内のドボルクごと突き抜け、砕いていた。そしてカンウがゆっくりと右腕を引き抜き、一歩二歩下がった後で、サタンザウラーの頭部は大爆発を起こした。
『やりましたやりましたぁぁぁぁぁ!!!!マリン選手とカンウが怪物ゾイドの野望を打ち砕きましたぁぁぁぁぁ!!!!』
その様なフルタチの大絶叫が全回線を通して皆へ伝えられ、ハイGホエールから脱出したホエールキングなどから大歓声が響き渡っていた。
「俺達は…助かったんだよな…。」
「しかし…俺達は…緑の悪魔に助けられてしまった…。これは喜ぶべきなのだろうか…。」
「そんな事はこの際どうでも良いじゃないか!!!もうあの怪物ゾイドは死んだんだ!!俺達はもう助かったんだ!!!」
「だよなぁ!!!ハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!!!」
皆は笑っていた。もはやサタンザウラーにトドメを刺したのが彼等にとって憎むべき存在である事
などもはやどうでも良かった。命が助かった事が彼等にとって何者にも勝る喜びだったのだ。
「あ〜あ〜…。最後で良いところ持って行かれちゃったな〜…。」
「とは言え、あの変態爺さんが死んだ今、サタンザウラーもただの鉄の塊に過ぎないだろう。」
その頭部が崩れ、砕け、倒れ込んだサタンザウラーとガッツポーズを取っているマリンとカンウの
姿を見ながら皆はある者は喜び、またある者は複雑な表情をしていた。そして、肝心のマリン本人は突如として悲しげな顔になった。
「今思ってみると…やっぱり…殺すしか無かったのかな…。あんな人でも生きているのだから…。」
「しかし…奴を殺らなければより大勢の人間が死んでいたのは事実だ。結局はやるしか無かったのだ…。」
「そうなのかな…?」
マリンは相変わらず悲しげな表情のまま、戦いによって空いた穴から外を眺めていた。一方三体の
虎神は白、蒼、紅の輝きを解き、改めてサタンザウラーの方を見つめていた。
『まさに強者共が夢の後…と言う奴だったな…。』
『あ〜あ〜…。にしてもトドメをあんな奴に持って行かれたのが痛かったな〜…。これからこの私、
紅の神とチョコちゃんの最強コンビが奴を格好良く倒してやろうと思っていたのに…。』
紅の神はその様な愚痴を零していたが、やはりチョコは無口無表情であった。と、そうして皆が一安心した時だった。
『おい!!気を付けろ!!!!奴はまだ生きているぞ!!!』
「え!!?」
蒼の神の言葉に思わずマリンとカンウが後ろを振り向こうとした時、強い衝撃が彼女等を襲い、カンウが物凄い勢いで壁に叩き付けられたのだ。
「お…おいおい…冗談はよし子さんだぞおい…。」
「そ…そんな…。あの人はもう死んだんでしょ?」
皆は愕然としていた。なんと頭が完全に潰れ、コックピット内のドボルクが死んでもなおサタンザウラーは動き出していたのだ。
「そ…そんな馬鹿な…。ドボルクは死んでるんだよね…。」
『間違いない!!!ドボルクと名乗る男の命の火は完全に消えている。これは…あの物の怪自身の意思による物だ…。』
『ああ…この私にもビンビン響いてるぜ!奴の意思が…。』
『恐らくあの男の悪意を吸収し、己の物としたか…。しかし…それだけでは無いぞ!!』
サタンザウラーはただ自らの意思で動き始めたワケでは無かった。その補助動力炉であるエナジー
ローリングチャージャーがさらなる高速回転を始め、おぞましい程のエネルギーがサタンザウラーの全身をめぐり、全身からスパークを起こしていたのだ。
「ま…まさかオーバーロードしてる!!!?」
「確かに…これは普通じゃねぇぞ…。そりゃあ奴は初めから普通じゃなかったが…今はさらに普通じゃねぇ…。」
皆がゾンビのごとく立ち上がったサタンザウラーの姿に驚愕しながら一歩二歩下がっていた時だった。
サタンザウラーが起き上がろうとしていたカンウを思い切り踏みつけ、甲高い咆哮を上げたのだ。
「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
マリンは必至に気鋼体の技を使い、身を固めたがサタンザウラーの力はそれまでの物すらも遥かに
上回る物だった。今度は耐えられない。カンウの各部の装甲からメリメリと潰れる様な悲鳴が上がる。
そしてサタンザウラーはカンウを踏みつけたまま、頭を真上へ向けて上げ、荷電粒子砲を発射した。
>>恐怖の亀裂作者さん
早速出ましたね?新たな敵。
ワーロックと同族(?)なピエロ怪人
>>258 それは単なる同型であるだけの別機体だからです。
試合中=強化型デカルト&漆黒エナジーとなっていたのが、
今=(単なる)デカルト、(単なる)エナジー
と書いているのはそう言う事を意味しています。
「やつの名は・・・」
慣れたはずの振動が今日は妙に気になるもう何日太陽を見ていないだろう
あと何日天井が崩れてこない事を祈らなければならないのだろう
我々はやつらに勝てないのか・・・何故だ・・・
やつらの爆撃さえ無ければ・・地上戦力は互角なのだ!!
問題はやつらの航空戦力だ・・
サラマンダーさえ撃墜できれば!!
目の前にほぼ完成しつつある新しい飛行ゾイド・・
ここまでこぎつけるのに幾つもの問題があっただろう・・
「敵が帝都に突入してきたらしい!!」
「親衛隊が防いでいるが時間の問題だぞ・・」
「皇帝を脱出させる時間を稼げ!!」
「だめだ包囲されている!」
「おい!こいつは使えるのか!?」
「・・・現状で90パーセントというところだがSAMバードミサイルの調整が終わっていない」
「飛べればいい!!」
その日帝都は瓦礫に埋もれた空は灰色に染まり地面は赤く塗りつぶされいくつもの命が失われた
その時帝都を包囲していた共和国軍は1機の飛行ゾイドを探知したが
追撃したプテラスは追いつけなかったそれを目撃したパイロットは赤く塗装された飛行ゾイドを目にし感嘆の声をあげたという
瓦礫の下敷きになった私はどこからか聞こえる無線で皇帝が無事に脱出したことを知った
「ふ・・・おまえはもう空の鷲だ・・こんな地下で埋もれるよりか飛ぶことを望んだんだ。
空を支配するのは・・そうおまえだ・・」
-完-
「や…やあ。諸く〜〜ん…。紹介しよう…執事の愚例度馬乱だ。」レビデルトは執事を紹介して居るがボコられていた為そのトーンは低い。
「ぼっちゃま!いい加減にそう言う風に名前を呼ばないでくださいませ!私はグレイド=バランですよ!」最早戦闘状態の空気はすっかり消え失せた。
有る意味今日見た存在の中でもトップクラスの珍妙な組み合わせだ。執事のグレイドは盛り上がった筋肉質の体に無理矢理執事服を着せた様なピッチピチの格好をしている。
「ほう…あやつベヒモス(巨獣種)の類か。おい!愚例度とやら!さっさと御主人様を連れて帰るが良い!」ベルウッドがそう言う。
すると「ぼっちゃま!貴方の所為で有んな呼ばれ方をしたじゃないですか!?人の名前は確りと言ってくださいませ!」相当の苦労人?である事は確かであろう…。
レビデルトがなにやらグレイドに耳打ちをしている。「了解しました!ぼっちゃま!それでは不詳グレイド!逝って参ります!」
突然強力な圧力が格納庫中に充満したように感じる。「先ずは!ぼっちゃまを集団リンチした貴様等の始末からよ!フゥゥゥゥゥゥゥ〜〜…。」更に右腕が肩から膨張し右手に力が篭もる。
そして徐ろに手を床に付いた途端異形が全部潰れたトマトの様に悲惨な姿に早変わりする。「はっはっは他愛も無い!修行が足りんのだ!先ずは良し…次は…そこの悪趣味な羽根を生やしている方!」
「いっ!?」びくっと硬直するファイン。「ワーロック様もその羽根を何とかしたいと申しておりましたぞ。やはり翼は羽毛!それが一番です!」
「ぎぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜っ!!!」トップスピードで逃げ出すファイン。「鳥なんて大嫌いだ!みんな焼き鳥になってしまえっ!!!ウワァァァン!!!」
怨嗟の言葉を吐き疾風の様に格納庫から逃走する。しかしグレイドの走る速度も尋常では無い。
全身が二回り程大きくなり軽い地響きを立てながら猛然とファインを追い掛けて行く…歩幅の違いも有りグレイドはファインの半分以下の時間で格納庫から出て行った。
その時のファインの横顔を見た者は正直笑えない状況に呆然としている。泣きが入っていた。しかも半べそでは無く本泣きであったと言う。
「御待ちくだしませぇ〜〜!」巨獣執事の追及を必死に逃れるファイン。はっきり言って勝ち目は無い。しかもファインの闘志はゼロ処か下の限界を突破している。
「…何をやって居るのだろうな?あの2人は?」ベルウッドは変な汗をかいて言う。
「たぶ〜ん愚例度は彼の飛べない羽根を抜いて鳥の翼型の物に取り替えようとしている〜んだろう〜〜!」
何とか服を着てそう言っているが次の瞬間ベルウッドの力場衝撃弾(フォースブリット)を3ダース顔面に撃ち込まれていた。
「こうしては居れん!ベルフとやら!足の速い乗り物で妾に乗れそうな物は無いかっ!?」ベヒモスの類は時に誤って無茶な力を掛けてしまう事が有る。
急がなければとベルフが直ぐに連れてきたロードスキッパーに跨り格納庫を飛び出した。
「全〜く冗談の通〜じないお嬢さんだ〜!」レビデルトは舌を出しながらベルウッドを送り出している。何時の間に手伝っていたのかは多分解らない。
「…えいっ!」突然レビデルトの尻に痛みが走る。「おっじょ〜さん!幾ら綺麗だ〜からと言って勝手〜に尾羽根を抜かないでくれたま〜え!」
ミズホは尾羽根が気になっていたらしく遂にレビデルトから引っこ抜いてしまった様だ。「綺麗だからつい…。」その言葉に機嫌が良くなるレビデルト。
その後自分から何を血迷ったか尾羽根を引き抜きミズホに造営していた…高貴な人?の考える事は良く解らないものだ。
「…。」壁の裏から素早く隠し部屋に逃げ込み如何にか難を逃れるファイン。顔は涙で一杯で真っ赤に成っている。相当怖かったのだろう。
しかし「ここにいらっしゃりましたか!」壁の外からグレイドの声が聞こえて来る。腐っても魔の眷属。この程度の隠れん坊なら簡単に見付かってしまうらしい。
だがグレイドはその強力な力を自分が強力な存在で有る事を示すだけに使うタイプの性格らしくわざわざ壁抜けを披露している。
そこでファインは面白い顔をしてみると…「ぶぅわはははははっ…って集中が途切れてしまいましたぞ!これは不覚!」壁に嵌まった。
壁抜けの為の集中が途切れた為もう1回壁抜けの力を使用しなければならなくなったのだ。
「ぬう…完全に見失ってしまいましたぞ。これでは鳥の一門の恥を上塗りにしてしまいますな。」そんな事になれば本当に”愚例度=馬乱”に改名させられ兼ねないと急ぐ。
「しかしそれではまだ頭隠して尻隠さずですぞ!」ファインの力の臭いを辿って追跡を開始する。「今日も私の鼻は冴えてまぐぼらはぁっ!?」
トラップに引っ掛かった様だ。
「何と!起爆術式を紙に書いて散蒔きましたか!流石はワーロック様がてこずるだけは有る。燃えてきましたぞ!」
余計に火に油を注いでしまう状況を作っただけらしい。しかし本格的に困った事になるグレイド。
その一瞬の内に施設内の通路に一斉にファインの気配が発生する。強かったり弱かったりと不規則に揺らぐ気配。
「ほう…あれはこれの機動キーになって居りましたか。しかしそれも蟷螂のおっノ〜〜〜〜!!!」後頭部にフォースブリットを当てられ転倒する。
「おい…お主!妾の主を泣かすとは良い度胸だ!今まで見てきたがあれ程恐怖に駆られる姿は見た事が無かったぞ!」
ベルウッドがロードスキッパーに乗って現れる。「これはこれは…しかし私を舐めてもらっては困りますぞ…角のお嬢さん!」
視線が重なり火花が散る。如何やら双方殺る気満々らしい…。
それを離れた場所で覗くファイン。「何か途轍もなく嫌な予感がするのでありますが…?」ここで大事を起こされるとまた怒られるのは自分のみ。
もう泣きたい気分で一杯だが既に泣いている状態なのでこれ以上は泣けない。べそをかきながらウェイブレイダーを構え狙いを定める。
それに気付いたベルウッドは悟られない様に移動してグレイドを十字路の中心に誘導する。ベルウッドの方は正面から殺る気はグレイド程ないらしい。
ウェイブレイダーが全弾発砲される。
「そこに居ましたか!」しかしウェイブレイダーの弾丸を全て喰らい数十m吹き飛ばされる。半分は威力の軽減の為自ら跳んだのだろう。
巨体を数十m飛ばす程の威力は人間使用サイズのウェイブレイダーには無い。しかし限度という物を知らないのだろうか?
グレイドの巨体はよりにもよって天井に突き刺さっている様だ。何とか涙を止める事に成功し涙を拭き取るとその場から全速力で逃げる。
しかし記憶を手繰り寄せてみればあれだけの事をして決して破れない執事服。別な意味で疑問が沸き上がってくる。
「しか〜し!遅いではないか…愚例〜度は。」格納庫の掃除を手伝いながらレビデルトは呟く。ネジが幾つか抜けているらしく掃除を嬉々として行う姿は滑稽を通り越して目に痛い。
しかし彼自身の力は正に偉大としか言い様が無く。数時間は掛かる掃除をたった一人でしかもモップ掛けで綺麗にしている。その殆どは操術の類でモップその物に掃除をさせてはいるが。
そうこうしてレビデルトが格納庫の掃除を終えた頃…ファイン、ベルウッド、グレイドはへとへとになって帰ってくる。
最早目的も戦う気力も彼等には無い。3人揃って肩で息をしている様はマラソンを完走したランナーを思わせる程だ。
しかしベルウッドはロードスキッパーに乗って居たので如何してそこまで疲れたか?については本人から聞く以外にないだろう。
「全〜く。愚例度はスマ〜〜〜トじゃない!わた〜しが手本を見せ〜て上げよう!」レビデルトは意識を集中する。
すると「ぬおっ!?」ファインの甲殻皮膚の甲翼に変化が起こる。皮膜部分が鱗状になったと思ったら直ぐに羽毛状の物に変質する。
「無理に引っこ抜い〜て何て考えてるから逃げら〜れるのだよ!何故に我が一門〜は短気な奴〜が多いのか…理解に苦〜しむ!」
レビデルトを見て本気でそう思うファイン。しかし抵抗力のある相手に対して一方的に錬金の類を行使できる彼の実力はともすればワーロック以上だ。
「事はエ〜レガントにスマ〜〜トに!そ〜して鮮やか〜な大〜道〜芸の如く驚きと羨望〜の眼差しを集め〜る様にな。」
「おお!ぼっちゃま!最高ですぞ!」それを見て格納庫に居る他の者は一斉に彼等に言う。「用事が終わったなら帰れ!整備の邪魔だ!」
「愚例〜度帰るぞ。」「ははっ!」その言葉を聞いて事の顛末を知っている者は更に突っ込む「執事!お前が行き先を指定しろ!そいつは迷子だろうが!」
「おおっ!忘れておりました!ささっ…ぼっちゃま此方へ!」「うむ!苦しゅうない〜ぞ!」人は?見かけによらないとは良く言った物である。
結局彼等は本当に偶々通り掛かっただけのようだった。色々な意味で疲れる日である。
更にはベルウッドが気付いた事らしいがレビデルトは格納庫周辺に結界の文様を無色で書き込んだらしい…それ以降他の場所では出現する異形もこの場には全く現れなくなっていた。
「本当に高貴なレビデルト様々って所だな!全く化け物が出て来やがらねえ!」作業は再開される。基礎的なフレームに繋ぐ関節部分を構成するフレーム。
ベルゼンラーヴェは2つを交互に繋げていけば事実上色々な動きを執れる姿になれる。しかしTFSを使用するには人の動きを再現できなければ成らないので人に近い状態に成っている。
そして…胴体中心部に丁度良いパーツが見付からないのも相変わらずだった。
鉄獣28号さんへ
暴走した〜!もっと厄介な状況になった!もしかしてドボルク博士が一番要らないピースだった!?
>>269さんへ
シュトルヒの御話ですね。それにしても…サラマンダーの絨毯爆撃や1200mmウルトラキャノン。
実は共和国軍の方が何時も先に非道い事をしている様な気がしてならないは気の所為なんでしょうか?
この荷電粒子砲もそれまでのそれすらも遥かに上回る程太く、そして破壊力も想像を絶する物だった。
ハイGホエールの天井部にそれまでの物を遥かに上回る大穴が開いた。もはや暴走。サタンザウラー
は自らを制御するドボルクの存在を失い、自らの有り余る力を制御出来ずにもはや暴走とも言える
状態となっていたのだ。それだけでは無い。サタンザウラーの意思そのものも、ドボルクの悪意に
強く影響され、“破壊”の二文字しか頭には無い破壊の権化と化していたのだ。
「やばい!!こっちを向いてるぞ!!!」
「こわ!!」
サタンザウラーは今度は皆へ向けて荷電粒子砲を放とうとしていた。先程ハイGホエールの天井に
大穴を空け、あろう事か大きくえぐり取った荷電粒子砲の威力ならばここにいる全員を消し飛ばすことなど造作もない事であろう。
『ななななんとぉぉぉ!!!復活した怪物ゾイドがこちらへ向けて荷電粒子砲を放とうとしています。もはやここまでなのでしょうかぁぁぁぁ!!!!』
「だ…ダメだ…もう逃げらんねぇ…。」
皆がサタンザウラーの荷電粒子砲に恐怖し、死を覚悟した。そしてサタンザウラーの大きく開かれた口からおぞましい程のエネルギーが放たれる。そう思われた時だった。
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
なんといつの間にかサタンザウラーの踏みつけから脱出していたカンウが背後からサタンザウラーの
腹部面をガッチリと掴み、渾身の力を込めてサタンザウラーの巨体を持ち上げ、荷電粒子砲の軌道を
大きく変えたのだ。しかしそれもつかの間、サタンザウラーの左裏拳がカンウに叩き込まれ、倒れ込んだカンウはまたも踏みつけられてしまった。
「マリンちゃん!!」
「ハガネさん!!今のウチ…今のウチにぃぃぃぃ!!!伝説と呼ばれた古代虎の力を…、虎の神の力を見せてあげてぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「しかし…。」
『やるしか無いぞ!!あの娘のご厚意を無駄にするなぁぁ!!!!』
『いっくぞぉぉぉぉぉぉ!!!!!』
三虎神は白、蒼、紅の光を放ち、一斉に輝き始めた。虎神の持つ力を再度発動させたのだ。全ては破壊の権化とか化したサタンザウラーを倒すために。
「今度こそ…今度こそ倒れろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
その時三虎神は一つの光の塊と化し、その光の塊がサタンザウラーを叩き飛ばしていた。そして素早くハーデスが倒れ込んでいたカンウを救出したのである。
「やった!!」
『いやまだだ。奴はまだ死んではいない…。』
「え…?」
皆はサタンザウラーのタフネスさに驚愕していた。と、その時、急にハガネが皆へ向けて言ったのだった。
「みんな…良く聞いて。後は私達がやる。だから皆はただちに脱出しなさい!このハイGホエール自体も落ち始めているし…。」
「な!!何を言うのハガネさん!!」
ハガネの言葉に皆は驚いた顔をしていた。しかし、ハガネはもの凄い形相となり、さらに言ったのだ。
「いいから脱出しなさい!!そこの勝手に実況解説してるおっさん共も!!!」
『何を言うのですか!!私達にはこの戦いを最後まで皆に伝える義務があるのです!!そうはさせませんよ!!』
「そうだ!!それに第一あんた1人の力だけで奴を倒せる物かよ!!!」
「うるさぁぁぁぁぁい!!!!良いからさっさと脱出しろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
ハガネの怒りと共にゼノンが戸惑う皆へ襲いかかった。そしてもの凄い勢いでカンウ、ハーデス、
中継用ディメトロドン、デカルトドラゴン、エナジーライガー×3を次々にサタンザウラーの荷電粒子砲によって空いた大穴から外へ叩き出していたのだ。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「全く無茶するなぁぁぁぁ!!!!!」
外に弾き出された皆であったが、ハーデスとデカルト、エナジーライガーは単独で飛行可能であった
為、瞬時に体勢を立て直していた。そしてカンウは飛行とまでは行かなくともマグネッサー3D
レーダーと各種スラスターの併用により、落下速度を減速させる事が出来、その後でハーデスに抱えてもらっていた。
「あ〜あ〜…ハガネさん酷い事するよね〜…。」
「しかし…ここはハガネさんに任せた方が良いだろう…。今下手に戻った所でまた弾き出される
かもしれんし…。私達の実力ではかえって邪魔になり、足を引っ張ってしまうかもしれない…。」
「やっぱりそうだよね…。ん?あぁぁぁぁぁ!!!そう言えばあのディメトロドンはぁぁぁ!!!!?」
「そうだったぁ!!すっかり忘れていたぁ!!」
皆は慌てふためき、中継用ディメトロドンを探していた。単体での飛行はおろか減速させる事も
出来ぬディメトロドンが超高空から外に弾き出されたのだ。ただでは済まないはずである。が…。
『落ちています落ちています落ちていますぅぅぅぅ!!!私達の乗るディメトドロンが凄い勢いで落ちていますぅぅぅ!!!!』
『怖いですね〜…。恐ろしいですね〜…。』
こんな状況になっても実況解説を続ける2人に皆は唖然としていたが、その時ディメトロドンに変化が起こった。
『しかしこんな時でも安心です!ディメトロドンチェェェェェンジ!!と一声掛ければぁ!!!
あほら!ディメトロドン飛行型、スカイディメトロにワンタッチで変形です!』
『凄いですね〜!カッコイイですね〜!』
その様子を見た皆は違う意味で愕然としていた。何と彼等の乗る中継ディメトロドンはスカイ
ディメトロにも変形させる事が出来たのだ。とは言え、皆はゆっくりと地上へ降下して行く事になるが、マリンとルナリスは悲しげな目で上空のハイGホエールを見つめていた。
「ハガネさん達…死なないで…。」
既に穴だらけになったハイGホエールは所々が爆発を起こし、既に降下を始めていた。
立て続けの爆発を続け、高度を下げていたハイGホエールの中に残るのはハガネの乗るゼノン、
タイガスとラッキーの乗るトランサー、チョコの乗るトラグネス、そしてサタンザウラーの4機のみだった。
「ここは私が何とかする。チョコちゃんとタイガス、ラッキーは脱出しなさい…。」
「オイオイ!そりゃねーだろ?」
「そうですよ!水くさいですよ!」
「まだダメです…。」
ハガネの呼び掛けを3人は拒否していた。無論ハガネはカンウ等の様に力づくで外に弾き出そうとした。しかし、トランサーもトラグネスもそれを巧みにかわしていたのだ。
「な!」
「オイオイ!ったく無茶するなよ人形が!あんた1人で勝てる相手じゃないだろ?」
「タイガス君の言う通りですよ!それに、ここであいつを倒さないとさらに数万単位で人が死ぬかもしれないんですよ!そんなの嫌です!」
「私も嫌…。お父さんやあの人みたいな人をこれ以上増やしたくない…。」
『こやつ等の言う通りだ人形よ!先程お主が外に弾き飛ばした連中ならいざ知らず、こやつ等ならば
あの物の怪にも遅れは取らん!お前も、こやつ等も、我ら虎神によって選ばれた乗り手なのだから…。』
『その通りだ!!私達は三体そろって初めて三虎神なんだぜ!!』
「みんな…。」
皆に諭されたハガネは自分が恥ずかしくなっていた。これ以上皆を巻き込みたくない。最後のカタは
私だけで付ける。そう言う気持ちが先走っていたのだ。しかし皆に諭された今は違う。細かい事は
考えずに、目の前のサタンザウラーを倒す事だけに全神経を集中させた。一方目の前のサタンザウラーは全身から炎を吹き上げながらもゆっくりと起き上がり始めている。
「ようし!!!ならばみんな!!!コイツをブッ倒して!!みんなで生きて帰ろう!!!」
「おうよ!!!」
「ハイ!!」
「わかりました…。」
『フ…、それしかあるまい。』
『全くもってその通りだな…。』
『やったろうじゃんかぁ!!!』
皆のかけ声と共に、三虎神は一斉にさらに強く輝き始めた。そしてそのままサタンザウラーへ向かっていくのだった。
一方その頃、脱出した皆は、守備隊の残存部隊と共に地表からハイGホエールの様子を見守っていた。
守備隊からは大勢の死傷者が出ていたが、非戦闘員の避難は迅速であった為か奇跡的に死傷者はほとんど出てはいなかった。
「ハイGホエールが…、墜ちる…。」
皆は爆発を起こしながら落下していくハイGホエールを見つめながら誰もが不安そうな顔をしていた。
無理も無い。命こそ助かった物の、彼等の家も同然だったハイGホエールが失われていくのだ。
これが不安に思わないはずが無い。しかし、その一方でヤケクソになって笑っているヤツもいた。黒い三銃士の3人がそうだった。
「ハッハッハッハッハッ!こりゃもう減某処分じゃすまね〜よな〜!」
「だよな〜ゴイアよ〜!こりゃ完全にクビだ〜!ハッハッハッハッハッ!」
「んじゃあ明日からZiファイター業でもやるか〜?ハッハッハッハッハッハッハーッ!!」
「おうよ!!俺達は何時までも一緒だぜぇ!!」
「うおぉぉぉぉぉぉ!!!!」
現在422KBです。と言う事で、450KB以降は小話を書きたいと思っています。
ただし、以前のスレで書いた様な一発ネタとかでは無く、
ちょっとしたバトスト形式になると思うので、その分の場所とか残してもらえるとうれしいなと考えたり。
>>恐怖の亀裂作者さん
○塾的に無理やり漢字に直してる面白い人キタァァァァ!!でも結構お強い様子で。
しかも次あたりからベルゼンラーヴェが久々に戦う事になるのでしょうか?
>>269 いわゆるシュトルヒ話良いですね。戦いは勝者もいれば敗者もいると言うワケですが、
未来へ繋げる為の敗北みたいな感じが出ていて良かったと思います。
「しっかし相変らず胴体は空っぽだぜ!丁度良いパーツが全くねえぞこん畜生!と言うか胴体スカスカの時点で機体として完成しているのも凄えがな…。」整備班長は言う。
確かに彼の言う通りだ。普通重要なパーツは全て胴体に埋め込んで機体は完成する。胴体とも成れば色々なシステムの根幹としての装置を満載すべき場所だ。そこに何も無いと常識外れな機体である。
「まあ…胸部分に装甲と一緒にくっついて居るアレだ。エクススプレンダーとか言うシステムブロックの連結パーツだ。あいつに全部のシステムが有るから胴体はスカスカで良いらしいぜ。」
整備班長が指さす方向には首を繋ぐ場所らしき物が有るパーツが有る。
「ベルちゃん元気にしとった〜?」似非関西弁が聞こえて来る。マリエラが格納庫に侵入してきたらしい。ベルゼンラーヴェのフレーム組み替え作業風景を見ると…「随分と派手に使い込んでくれとるらしいなぁ〜?」
そう言って肩で息をしているファインに詰め寄って来る。少々言葉に怒気が有り作り笑いが途轍もなく怖い。それに目は全然笑っていなかった…。
「何しとんねんボケェ!何でこんなにあっさり壊しとるんやぁぁぁぁ!?」首に手が掛かっている。
近くに居た整備班の人員が一斉にマリエラを止めに入る。整備班長とベルウッドの説得プラス状況説明で何とか納得したらしい。
「そうなん…それならええんやけど。」本気で言っているとは思えない。「まあそう言う事なら!ウチが内緒で手〜貸しちゃる!」
マリエラは整備班人員の輪の中に無理矢理割って入り最重要点を実例を見せて教え込んでいる。しかも驚く事にそれを見ただけで簡単にそれを熟している整備班の面々。流石変な機体を色々やりくりしているだけは有ると感心するファイン。
その口には酸素吸入ボンベを付けていた。「まあ任しとき!これだけハイレベルな人員が頭数揃っとる!直ぐに動ける様にしちゃるさかいな!」
整備班の動きが速くなりどんどん機体が明確な形を取って来て居る。「…マリエラは?」今更気付いた様でラフィーレは言うが「格納庫に光の速さで走っていったわよ?」フェニスはこう答えていた。
「良し!完成や!」周囲には元の形には戻れなくなったオケアノスユニットやフレスヴェルクユニットが散乱している。
またしてもガラッと見た目が変わっているベルゼンラーヴェだった。
最大の変化があったのは頭部。早速戦闘レコードからのデータを使用しているらしくサイズは及ばないがペイルバイターの後頭部の機構を転用している。
「こいつはなぁクレセントレールビームガンや!9mm口径しかあらへんけど連射可能で撃ち出し速度はあんた等の所のゼネバス砲と同じや!荷電粒子や無いさかい簡単だったわ。」
随分とえらい物を簡単に作り上げた様な気がするが聞き違いだろうか?最低出力の試射を見る限り悪夢の様な威力を発揮している。「…射撃訓練用の人型の的が粉々ですが?」
綺麗に粉の塊になって四散しているスローモーションでの映像だ。
「ついでにそれで外した耐圧バルカン2機はバラして胸の奴の砲身に継ぎ足ししとるさかい射程と射出速度が上がっとるで。」武装の方は問題ではないだろう。
他にはショックガンランチャーやレーザーウィップ格納スペースが大腿部前面に移動。腕部は単体での純粋な格闘用になる。余り気にはしていなかったが今度はメインマニュピレーターとしての爪が外側に有る。
今まではメインの部分が無くサブである人間型のマニュピレーターで全てを賄っていた分リアルタイムでの使用に誤差が有ったがこれでメインとサブに別れた為握り手部分は自由に動かせる様に成った。
メインの爪であるハイパーファルクス4機はディマンティスのそれの倍のサイズになるので引っ掻き攻撃と言うよりは切り裂き攻撃が簡単に行える。
脚部は装甲の行き場が変わりそれによりアーバレストが全機膝より下に移動しより強力なボルカニックストライクとESBストライクを使用出来る様になっている。
その他膝下にも火器として獣型の足を隠す人の爪先型装甲にプラズマディスチャージャーを装備して長身の機体の弱点に成りやすい足回りの防衛力を向上させている。
結局の所総合戦闘力事態は火器の増加分と腕部のハイパーファルクス程度の物しか無く相も変わらず胴体の特に腹部と胸部装甲の後ろはスカスカである。
マリエラの言い分としては文献やらにそう言う姿である事に意味が或るのかもしれないとの事だ。今回の最大の目玉は別に有り各部に分散された在る物にある。
空水冷式インタークーラー内蔵式荷電粒子吸入コンバーターである。外付け荷電粒子砲の軽量化を狙っての事らしい。その他まだ効用があるらしいのだが聞く暇は無かった。
格納庫として使用していた区画のゾイド用のゲートを叩き壊し余にも奇妙な異形とも寄生体ゾイドとも付かぬ存在が侵入してくる。
「ぬう!?異形の骸に寄生体が潜り込んだかっ!何という事だ。ネクロライズすら寄生体は行うというのかっ!?」流石のベルウッドも驚きを隠せない。
丁度コクピットで説明を受けていた為そのまま出撃準備完了だ。マリエラがコクピットを降りるのをごねたのでそのまま機体を起動する。
「早速喰らえ!」クレセントレールビームガンの加速リングが輝きビーム弾が発射される。自分の体のサイズを理解していないらしく入り口でもたもたしている相手に命中する。
手加減は無しなので頭部らしき部位が吹き飛びその体も衝撃で格納庫から叩き出される。それを追い格納庫の外に出るベルゼンラーヴェ。
「忘れとったけど正式名称はベルゼンラーヴェ・セカンドアジャストや。」2回目の調整。そのまんまであるが解り易いから良いのだろう。確かに調整は万全らしい。
惜しむらくは弾薬の装填がまだだった事とカラミティシャドウとウェイブレイダーを持ってき忘れた事だろうか?それくらい如何でも良い事だった。
「黒山羊の槍杖!」槍杖を呼び出し握る。その途端腕部のハイパーファルクスが向きを変え取り回しの制限と干渉を防ぐ形に変形する。「おおっ!?賢いであります!」
術式行使を考慮したモーションプログラムの追加を30分足らずで完成させるマリエラの実力は相当のものだろう…今まで会った事のある技術者の中でも間違い無くトップクラスの逸材である事は間違い無い。
目の前の肉の塊は案の定簡単に体を再構成して立ち上がってくる。その姿はすっきりとし完全に寄生同化が終わった様だ。
それを蹴り跳ばし更に格納庫から遠ざける。「如何やら結界の所為で異形の力を使用出来なかった様であります!」それは手からエネルギーの刃を創り出して構える。
生命の形その物の結合すら寄生体は行えるらしい…「ふはははは…素晴らしい力だ!漲る!漲るぞ!力が漲るぅぅぅ〜〜っ!!!」言語を理解できるレベルの知能を持った固体。
非常に厄介だが逆を言えば機体の真価を見るにはもってこいの相手だ。「貴様!力を持つ者か…貴様の腸を遣せぇぇぇぇぇ〜〜〜〜っ!!!」両手のエネルギーソードを振り払う。
その切っ先からはエネルギーの刃が切り離され衝撃を纏いながら奔る。
「たあっ!」槍杖を振り抜くとエネルギーの刃が砕け散る。術式の浸透スピードも向上されたらしくスペルブレイクの効果が現れる。
そして更にクレセントレールビームガンで攻撃を仕掛ける。今度は連射して使用する。異形融合体は素早く飛び退き土煙もうもうと上がる。
如何やら粘土層の地表に当たったらしい。
「きえええええ!!!」エネルギーソードを振り上げて右から襲ってくる異形融合体。だがアーバレストで片足を軸にして放たれた蹴りを真面に喰らいくの字に曲って飛んで行く。
更に追い撃ちとして「ブーストファルクス!」両腕からハイパーファルクスが射出される。それは完全に狙い澄まされ異形融合体を引き裂くと元の場所に帰って来る。
「おおおっ!?おぬぉれぇぇい!!!」切り傷を抑えながら吼える。それを呼び水として彼の手下らしき異形が大量に出現する。
思い思いに飛び掛かってくる異形の群。しかし首領である彼がそのレベルで手傷を負うの相手なので手下とも在れば吹けば飛ぶ程の存在でしかない。
クレセントレールビームガンの連射で周囲の者を一掃し飛び掛かる者を左手のハイパーファルクスや右手の槍杖で蹴散らしていく。力の差は歴然としていて数秒経った頃には襲ってくる者は無い。
ただ遠巻きに包囲するだけで手も足も出ない様だ。少し離れたという事で今度は爪先のプラズマディスチャージャーを使用する。周囲に散蒔かれるプラズマボールが散蒔かれる。
更に騒然とする状況。プラズマが破裂する度に周囲に電撃と衝撃波が吹き荒れる。
更に包囲の輪が広がり包囲する意味すら無くなっている。手下の腑甲斐なさと自身とベルゼンラーヴェとの力の差を感じる異形融合体。
「お〜の〜れぇぇぇぇぇ〜〜〜!!!」何かする予備動作をする。それに対して身構えるベルゼンラーヴェだが次の行動に移る事は無かった。
「降参です!参りました!見逃してください!後生ですから!」白旗を出して敗北を宣言をする。その後土け座までしている。「…色々な意味で賢いようでありますねぇ。」無駄は省くべきである。
人間よりはそこら辺ができているらしい。多分彼等は山賊とかのレベルの集まりなのだろう…生き抜くための知恵に長けている他いい加減なプライドは持っていないらしい。
人間の山賊とは大違いだ。穴を空間に空けると脱兎の如く逃げ出す一団を黙って見送るしかなかった…。
鉄獣28号さんへ
何Kb程でしょうか?20ぐらいでしょうか?(文字限界で約10レス分)多分大丈夫だと思いますが…?
3人は笑い、そして号泣しながら抱き合っていた。ゴツイオヤジ3人が抱き合うと流石にむさ苦しく、かつ暑苦しい物があり、周囲の人々は皆気まずい顔で3人を避けていた。
「あ〜あ〜…。アイツ等みたいにはなりたくないな〜…。」
ドラゴスはタバコを口に食わえ、黒い三銃士の姿を眉を細めながら見つめていた。
「にしても…。やっぱ俺もクビだなこりゃ!んじゃ俺も明日から普通のZiファイター業だな!」
「なら私も付いていきますよ!ドラゴスさん!」
「ん!!?」
彼の隣にはニコニコと微笑むリューコの姿があり、ドラゴスは思わず口に食わえていたタバコを落とした。
「おい!!お前は別に社で続けていけるだろう!!?何でお前まで…。」
「あら!それだと一体誰が貴方のゾイドの修理や整備をするんですか?」
「あ…。」
ドラゴスは口をあんぐり開け、そのまま黙り込んでいた。一方リューコはニコニコと微笑んでいる。
「なら決まりですね!私はドラゴスさんに付いていきます!」
「勝手にしろ!!!但し後で泣き言言っても知らんぞ!」
「ハイ!」
「ああ!!!ハイGホエールがぁ!!!」
「ハガネさん達がぁ!!!」
マリンとルナリスの2人はズィーアームズ社の人々がいる場所から離れた場所にある、丁度
ゾイテック社長を脱出させたポイントから墜ちるハイGホエールを見つめていた。そのハイG
ホエールは地表に墜落する前に、大爆発を起こし、四散していたのだ。その様子を見た2人は両膝を付いて跪き、そのまま俯いた。
「もう終わりだ…。」
「ああ…。」
2人の目から涙がボロボロと流れ落ち、2人は悲しみに暮れていた。と、その時だ。2人の肩を
何者かが叩いたのだ。2人が振り向くとそこにはゾイテック社長の姿があったのだ。
「2人とも、何時までも悲しんではいけない。君達が何時までも悲しんでいて、君等の友達が喜ぶだろうか?」
「う…。」
今のゾイテック社長は酔いが完全に抜けた為か、その口調も顔立ちも何もかも、救出したばかりの
頃とは別人とすら思える程まともかつ知的で精悍な物となっていた。そして社長は天を指差したのだ。
「さあ2人とも涙を拭きなさい!君達のお友達は死んではいない…。あの夜空に輝くお星様になったのだよ…。」
「あの…あれは夕日です。」
「………。」
痛い所を突っ込まれたゾイテック社長は気まずい顔で黙り込んでいた。
そのまま沈黙のまま悲しげな表情のマリンとルナリス、そして気まずい顔のゾイテック社長は空を
見つめていたが、もっと気まずい顔をしている者達がいた。
「何か出ていきにくいな〜…。」
「だよな〜…。何か浸ってるし…。」
「でも行かないと何か延々と続きそうだよ…。」
ハガネ等は死んではいなかった。サタンザウラーを完膚無きまで叩き壊し、そのコアの破壊を確認
した後、ハイGホエールの爆発前に素早く脱出していたのだ。そうしてマリンとルナリスの2人と
合流しようとしていたのだが、2人と社長の様子を見て、何か出て行きにくく感じていたのだ。
「とにかく!行きましょう!」
一方、マリンとルナリスの涙は止まる事を知らなかった。
「そうだよね…。社長さんの言う通りだよね…。ハガネさん達は死んではいない…。私達の心の中に永遠に生き続けるんだよ…。」
「ああ…。今でも耳をすませばハガネさん達の声が…。」
「おーい!!」
「ってマジで聞こえてるしぃぃ!!!!?」
驚きの余り目を丸くした2人が声の来た方向を向くと、こちらへ向けて走ってくるゼノン、トランサー、トラグネスの3機の姿があったのだ。
「いやったぁ!!生きてたぁぁ!!!」
双方と共に子供のように喜び、生存の可能性など絶望でき出会ったハイGホエールから生還できた
事を皆で喜び合っていた。それだけでは無い。丁度都合の良い事に、ゾイテック社のネオタートルシップも駆け付けてきていたのだ。
「みなさ〜ん!!」
「ああ!!タリスさん!!!」
皆いる場所の手前に着陸したネオタートルシップからタリスや他の社員が駆け付けてきた。
「社長!!ご無事でしたか!!」
「ああ!この娘達に助けられたよ…。」
社長、そして社員等は共に申し訳のない顔をしていた。無理も無い。社長は本人の不注意から
ズィーアームズ社に拉致され、皆に迷惑を掛けてしまったと言う思いがある事はもとより、
社員等も、その社長の奪還を一般のZiファイター、しかも子供達任せであった事を申し訳無く感じていたのだ。
『さて・・・それでは我々はしばらくの間眠らせてもらうとしよう・・・。』
「え?それって一体どういう・・・?」
三虎神が、ハガネ、チョコ、タイガス、ラッキーの4人に対して送ったテレパシーに反応した4人は思わずそれぞれのゾイドの方を向いた。
「ねえちょっと!!眠るって一体どういう事!?」
『現在における我々の戦いは終わったからだ。』
『だが安心しろ。我々“虎神”が眠りにつくだけであり、このワイツタイガー、レイズタイガー、そしてブラストルタイガーそのものは君らが今まで通り使っていけば良い。』
『チョコちゃんとしばらく会えなくなるのは名残惜しいけどさ!まあ、次また何かあったら直ぐに目覚めるから!』
『それでは皆の者!また会おう!』
虎神達のテレパシーはそこまでだった。そしてトランサーも元のワイツウルフとしてのトランサーと
ティニィの2機に分離していたのだった。
「ハァ・・・。まったく神様って奴は・・・。下手すりゃ人間以上にワガママじゃないの・・・?」
「いやいや、まったくだよ。」
身勝手な虎神の行動にハガネ等は呆れた表情をしていたが、チョコはやはり無口無表情であり、そのままトラグネスに乗り込むと穴を掘り始めていた。
「チョコちゃん!!急に何穴を掘ってるの?」
「ドラグネスのお墓・・・作るの・・・。」
「チョコちゃん・・・。」
色々なゴタゴタの為、皆からすっかり忘れ去られていた事であるが、トラグネスの背中にはなおも
破壊されたドラグネスが背負わされていたのだ。それを見たハガネは急いでゼノンに乗り込んだ。
「チョコちゃん!私も手伝うよ!」
「ありがとう・・・。」
その時、チョコがほんの一瞬、微かに微笑んだように見えた。
それから、今回の事件に関して、ゾイテック社が色々と警察等に対し手回しを行ってくれた事もあり、
ハイGホエールの墜落はエンジン暴走事故による物として報道され、マリン達はたまたまその日に
ハイGホエール内で行われたゾイドバトルにおける招待選手として扱われた。強いていうなれば特に
おとがめも無く事は済んだのだ。そして、今回の事件の巻き添えによって崩壊したタイガタウンに
関しては、ゾイテック社がその復興支援を行う事になった。もっとも、ゾイテック社は復興事業による
特需景気を狙っているのであろうが、それはともかくとして、タイガタウンが復興される事は良い事であろう。
そして、ハイGホエールにおける戦いが終わったその日、マリン等は作戦成功を祝して焼肉で派手に
打ち上げを行っていた。もちろん費用はゾイテック社持ちである。しかもさり気なくゾイテック社長や
タリス、その他の名も無い社員等まで一緒に焼肉食っていたりする。焼肉屋そのものも、ゾイテックが
貸し切っている為、もうその夜は飲めや歌えのどんちゃん騒ぎとなっていた。ハイGホエールにおいて
の戦いやどんな活躍をしたのか?どんな武勇伝があるか?等の話題で花が咲き、誰もが笑い、勝利を、そして社長が、いや、ゾイテック社が助かった事を祝していた。中には
「ゾイテック社は永遠に不滅です!!」
とか、何処かの野球選手の引退表明みたいな事を言う奴まで現れる始末である。しかし、一つ困った事があった。
「誰だぁぁ!!!社長に酒を飲ませたのはぁぁ!!!」
その様な声が焼肉屋中に響き渡った時、その場にいた社員等は誰もが凍りついた。それに反応した
マリンとルナリスも、思わず社長の方を向いていたのであるが、そこにいたのは紛れも無く、
ズィーアームズ社から救助したばかりの時のあの凄い酔いにより変態親父と化した社長の姿だった。
「こ・・・これは・・・一体・・・。」
「社長は普段は冷静沈着で、非の打ち所も無く、誰からも慕われる好人物なんですが・・・。一度酒が入ってしまうとあのように・・・。」
と、タリスが説明していた時、マリンとルナリスは背後に殺気を感じた。
>>恐怖の亀裂作者さん
面白そうな関西弁紛いなメカニックに強化された新生ベルゼンラーヴェですか。
でも胴体部は空っぽのままとは・・・。まあそれはそれで胴体部攻撃されても平気なのでしょう。
あと、自分が450KB以降に書こうと考えている小話は
ワードで5ページ分位あったりします。
「あちゃ〜見事な逃げっぷりや!これは追っちゃあかんな…まだレーザーウィップとアレが残ってたさかいに。やっとれんわ。」
何方がだ?的な疑問は無しにして置く。下手に機嫌を損ねたらそれこそ先のファインの二の舞。凄く良く効くネックハンギングが炸裂するに違い無い。
あれを見ていなかったらへんな所で反論して命の危機に直面していた所だろう。
とは言え周囲から敵が居なく成ったという事は取り敢えずテスト終了な筈なのだが…「ぼさっとせんと相手を探す!」マリエラのたっての願いで戦闘できそうな相手を探して彷徨う羽目になる。
ベルウッドすら逆らわない相手なら黙って従った方が吉だろう。彼女の性格なら濃くて鬱陶しい感じのするマリエラには問答無用で威力を調節した衝撃波でも叩き込んでいる気がして成らない。
フラフラと彼方へ行きこっちへ行きと動いているベルゼンラーヴェは良い的の筈だが狙ってくる者は無い。
いい加減飽きたらしくマリエラも帰ろうか?と言い出した頃に間の悪い登場をする存在が居た。
「居たでぇ〜アレを打ち噛ます時や!」命令系統が完全に出来上がっているのでパイロットは「ヤー!!!」と言って従うだけだ。
機体内を走り抜ける緑の閃光。ニュークリアインフェルノのシステム機動完了を示す状態。そのまま緑の光を湛えベルゼンラーヴェは走る。
今回は他のシステムとの併用を避けフル出力で走って叩き込むテストだ。背にヒラヒラしているアスピトルテの外套が物悲しく見える。
「てりゃあああ〜!」運悪く現れた存在に容赦無く撃ち込まれるニュークリアインフェルノ。しかし運が悪かったのは何もその存在だけではない。
周囲2km半径に居た者全てがそれを喰らう事になる。「でか過ぎだぁぁぁぁぁ〜〜〜〜っ!!!」
それは突起の一部分だけだったらしく周囲に焼却効率重視のリバースEシールドが展開される。「巻き込まれたぁぁぁぁあ!?」ファインのやりきれない叫びが悲しく響く。
それで現れた存在は…何故陸地に居るのか?と疑問に思う存在。最長3kmはある足を持ったオウムガイの先端だったのだ。「オオムガイ!?否!違うで!こいつはジャガーノートや!」
余計事態は悪い方向へ走って行く。特に大きなオウムガイ型の野生体をジャガーノートと呼ぶ。だがサイズが桁違いでこのサイズなら戦艦や地上空母としても充分通用する大きさだったりする。
「…それに此奴ジャガーノートでは無い!スクイドクラーケンだ!」ベルウッドが叫ぶ。
それと同時に熱核反応結界が打ち破られる。今までの仕様なら物理結界であるEシールドのみだったが今回は術式結界も用いた2重構造結界だ。
それを打ち破ると言う事は物理法則を超えた領域に足を踏み入れている生物のそれもベルウッドの本体であるベルゼンラーヴェと同格かそれ以上の存在である。
「…やっと掛かったか。」最後の手札が切られヴィゾールの剣は嗤う。幾ら呪装ゾイドの類とて神の獣にはそうそう勝つ事はできない。
始めからヴィゾールの剣は謀の手始めとして陸地が出来上がる前にスクイドクラーケンをこの場所に配置していた。もしくはこの場にスクイドクラーケンが眠っている事を確認済みでこの場を選んだ。
それの何方かだろう。記憶が曖昧になってしまっている彼には如何でも良い事だ。それに動き出したスクイドクラーケンは水のそれも濁流を司る神の獣。海棲生物な姿のくせに湖や池、川に棲んでいる者だ。
外はこれで如何にかなる…後は散々煮え湯を飲ませてくれた近くに居る1人と上に居る1人に借りを返して大手を振って力を手にするのみだ。
オウムガイの殻を冠り巨大なイカの体を持つ。巨大という言葉すらかすむその全身。そして…とても大きく眠そうな目。とここでオチが付く。
寝ぼけているらしい。しきりに周囲を見渡して誰かを探しているようだが…?とこのパターンで気付いてはならない物にベルゼンラーヴェのコクピットの一同は気付く。
「嘘だろ…真逆これも?迷子おおおおおっ!?」そう言う時の予想は良く当たる。何か目に涙を浮かべているがその量は半端なものでは無い。数滴落ちると弱い地盤なら地滑りや土砂崩れを起しそうな量だ。
その巨体で周囲を素早く見回したものだから溜まった物では無い。哀れベルゼンラーヴェは大量の涙に包まれて山の下まで滑り落ちて行った…。
デルポイ西南西の海岸線にまで流されたベルゼンラーヴェは砂浜に上半身が突き刺さっている。足だけ上を向いた状態の情けない姿だ。
「あんさん…ようこれだけの訳の解らん相手と戦ってスクラップに成らへんやったな。許しちゃる。」マリエラはファインにそう言う。常識的な頭で考えればしょうがない。
言わマンモスと…蟻ぐらいの大きさの差が有る。ダメージを与えれるか如何かも疑問だ。
何とかして機体を砂浜から引き抜き立ち上がった彼らが見た物は…猛然と海にダッシュするスクイドクラーケンの巨体だった。
「「「いやあああああああ〜〜〜〜っ!!!」」」虚しい叫び。山肌や森を薙ぎ倒す事無く地震を起こさず走るスクイドクラーケンにベルゼンラーヴェは見事に撥ねられる。
「何でやねん!何で耐久テストに様変わりしとるん!?」しかもマリエラの疑問が晴れる事無く今度は跳ね上げられたベルゼンラーヴェをしまったとばかり素早く触腕でキャッチするスクイドクラーケン。
「嘘や!嘘や!普通これ程までに大きくなるとどんなに柔らかくとも岩ぐらいの硬さになる筈や!それなのにこの衝撃吸収率の良さ!ほんまに化け物や!」
余りにも信じられないと脳の思考回路がショートしそうになっているマリエラに2人は揃って言う。「「そりゃ化け物だから仕方ないって!!!無理に考えるの止めれっ!」」
ファインはここぞとばかりにラフィーレからくすねて居た大ハリセンでマリエラに突っ込んだ。
「あんがとさん…それにしてもねえ?」マリエラは呟く。今度は海の中。そろそろ水圧が問題に成ってくる水深だ。
耐久テストも遂に水圧に対するテストになっている。スクイドクラーケンはベルゼンラーヴェを握ったまま海に入って行ったのだ。
本気で困った事になっている。抜け出そうにも抜け出せない。そこにモニターに通信が入り表示される。
「ママ知らない?」知らないです…。「お家は?」解りません!「ここは何処?」デルダロス海の水深4567m
これだけ大きくてもこれを見る限りまだまだ子供。それも人の年齢に直せば3〜5歳ぐらい…お子ちゃまだ。
大変困った事になって居る。相手には交渉能力は皆無。しかも迷子になった時の鉄則であるその場所から動かないと言う方法も坊やには無理だったらしい。
典型的な迷子の子供の一人歩き状態だ。こっちの声は聞こえるのだろうか?試しに「主よ!主が言え!」指揮系統の最下位に居る一兵卒に過ぎない立場のファインは声を掛ける。
「余り動くと親が見失ってしまいますよ?」その途端スクイドクラーケンの動きがぴたっと止まる。「よっしゃ!聞えとるで!ついでに言葉も解っとる!説得や!」
しかし説得何て事ができるのであろうか?難しい言葉は使えない。何処かの駄目交渉代理人じゃなくても真面な交渉は無理に近い。
鉄獣28号さんへ
ワードパッドで5ページですか…何とか成るとおもいますよ?
それと殺気って何者が現れるのでしょうか?知人だったら阿鼻叫喚の予感が…。
「やっぱ若い娘は良いの〜・・・。」
「ヒィ!!!」
酔った社長はいつの間にか背後に回り込んでおり2人の耳元に息を吹きかけると同時にその尻にも手を掛けていた。2人は思わずビクッとさせる。
「何すんのよこのセクハラ親父ぃ!!」
2人は同時に社長へ向けて裏拳を飛ばしていた。しかし、その常人では到底かわす事の出来ぬとすら思える程の超高速の裏拳を社長は頭を下げるだけの動作でかわしていたのだ。
「へっへっへ〜・・・。元気が良いの〜!しかし!まだまだじゃな〜!」
「ヒィ!!」
社長はまたも2人の尻を触っていた。そして猿の様な動作で走り始めた社長を、顔を真っ赤にして怒り狂った2人が追いかけ始めたのだった。
「こうら待てぇぇぇ!!このセクハラ親父ぃぃぃぃ!!!!」
「ウッキッキ〜!こっちじゃこっちじゃぁ!!」
「大変だー!!社長を!!!社長を止めろー!!!」
社長を追いかけていたのはマリンとルナリスだけでは無かった。他の社員等も一緒になって追いかけて
いたのだ。恐らく酒に酔った社長の恐ろしさを痛い程分かっているのは彼らであろうから・・・。
「くぅらえぇぇ!!!!」
社長の背後まで肉薄したルナリスはそのまま社長に手刀を叩き込もうとした。しかし、社長は体をくにゃりとさせ、その俊足の一撃をかわしたのだ。
「なら今度はぁ!!!」
今度はマリンが飛び出した。そのまま社長を掴み、得意の関節技で一気に動きを止めようとした。
しかし、社長の体を掴み、関節技の脇固めで押さえ込むまでは良かったが、その直後、信じられない
事が起こった。なんと社長が体をタコのようにくねらせてその脇固めから脱出していたのだ。
「ウッキッキ〜!何者をもワシを止める事はできんわい〜!」
社長は自らの体をぐにゃりぐにゃりとさせながら皆を挑発していた。と、それを見たマリンとルナリスは絶句した。
「は!!まさか・・・。この人酔拳使えるの!!?」
「た・・・確かに・・・こりゃ酔拳だ!!まさか酔拳まで会得していようとは・・・!!」
「たまたまそれっぽい形になってるだけですよ!!それより早く社長を止めないと!!!」
もう社員等は総出で大騒ぎになっており、もう何がなんだかよく分からん事になっていた。
というか、これだけやれる社長をズィーアームズ社は一体どうやって捕らえたのであろうか。
「ねぇねぇ・・・。タイガス君!あっちで何かやってるよ。」
「勝手にやらせとけよ・・・。」
この様な大騒ぎの中においてもタイガスとラッキーの2人はどこ吹く風と言った様子であり、それはハガネとチョコも同様だったりする。
「チョコちゃん・・・。チョコちゃんはお父さんの事・・・どう思ってる?」
「大好き・・・。あのドボルクと言う人が何を言っても・・・。お父さんは私に本当に優しくしてくれました・・・。」
「そう・・・。」
ハガネはチョコの頭を優しく撫でた。
「私達はこれからも・・・一緒だよ・・・。」
チョコはゆっくりと頷いた。
こうして、焼肉屋における大騒ぎは続けられるのであったが、一方で、この戦いで大きな傷を負った
カンウやハーデス等はゾイテック社の手によって修理を受けていた。もちろん無償である。
報酬金までもらえて、タダでメシ食えて、タダでゾイドの修理までしてくれる。少しありえない(?)
と思う事かもしれないが、ゾイテックにとってはそうでは無かった。何しろ今回の騒動はまさしく
ゾイテック社の命運がかかっていたからである。社長が奪還されなければ、ズィーアームズによって
様々な脅迫を受け、さらにサタンザウラーが破壊されなければその大量破壊によって、ゾイテック社は
絶大な被害を被っていたかもしれないのである。それに比べれば、高い報酬金払って、さらにタダで
ゾイド修理する事やタダでメシ食わす事など安い安い。そうゾイテック社は考えているのである。
それから、焼肉屋でのどんちゃん騒ぎも終わり、マリン達はゾイテック社の用意したホテルに泊まって
いた。そしてハガネが何気なくテレビを見ていた時、その部屋に真剣な顔をしたマリンとルナリスの二人が来たのである。
「ハガネさん・・・少し大切な話があるんだけど・・・いいかな?」
「あらあらどうしたの?何かあったの?」
2人は申し訳無さそうな顔で互いの顔を見合っていた。
「う・・・うん・・・。さっき二人で良く話し合った事なんだけどね・・・。」
「言っていくがレ○はいかんぞレ○は!」
ゴン!!
その時2人は床に頭をぶつけた。
「ち!!違います!!」
「じゃあ何だよ・・・。」
「ハガネさん・・・。済みませんが私達・・・明日からハガネさん達と別々に行動したいと思ってるんです・・・。」
「え?そりゃまたどうして?」
2人の爆弾発言(?)にハガネはあっけにとられた顔をしていたが、2人は言った。
「こ・・・このままじゃ私達・・・いけない気がするんです!!!今回の戦いでそれが分かりました。
いつまでもハガネさんに頼っているわけには行きません・・・。だから一度ハガネさんと別れて、自分達だけで行きたいんです!!」
「そう・・・か・・・。」
ハガネは腕を組んで考え込んでいた。
「い・・・いけませんか?」
「いや・・・アンタ達がそうしたいのなら好きにするが良い!元後言えばこっちがアンタ達に押しかけて来たって形なんだしね!」
「ありがとうございます!!」
2人は一斉にお辞儀を送った。と、ハガネは急に2人と指差したのだ。
「ただし!そうなったら自分達の問題は自分達で解決しないとダメだぞ!!その辺よーく頭に叩き込んどけ!!」
「わかりました!!」
「ではまたどこかで・・・。」
「おう!またな!」
「シーユーアゲイン!」
そして翌日、タイガスとラッキー、ハガネとチョコ、そしてマリンとルナリスはそれぞれまたいつか
再会できる事を祈り、別々の方角へ向けて出発していた。その後マリンとルナリスの2人は破壊され、
徐々にではあるが復興が始まる兆しを見せていたタイガタウンの方へ来ていたのである。
「ここで死んだ人々にせめてもの供養だよ・・・。」
2人は地面に優しく花束を置いた。そして目を閉じてお経を唱えたのだ。
「では・・・、行くか?」
「うん・・・!」
2人が焦土と化したタイガタウンを見つめながらそれぞれのゾイドへ向かおうとした時だった。
「よう・・・。」
「あ!!あんたはぁ!!」
突然二人の前に現れたのはなんとドラゴスだった。しかし、今度はリューコも隣にいた。
「な・・・なによあんた・・・。まさかもうリターンマッチでもする気?」
「フ・・・それも良いかもな・・・。と言いたい所だがよ・・・。別にそういう目的で来たワケじゃ無い。」
「じゃあどういうワケだ?」
2人は身構えつつドラゴスを睨み付けていた。しかし、ドラゴスはニヤリと不敵な笑みを浮かべていた。
「なんと言うかよ・・・。お前らへの挨拶って奴だよ。」
「挨拶?」
「そうだ・・・。俺・・・、いや俺達はズィーアームズを辞めた。今日からお前等同様フリーのZiファイターってワケだ!」
「え?やめたって・・・?て言うかその人も?」
ドラゴスの言葉に2人は拍子抜けしていたが、ドラゴスはなおも笑っていた。
「そう辞めた。しかし、緑の悪魔の曾孫よ、俺がお前を倒そうと言う気持ちは変わらんぞ!
しかし、今度は爺ちゃんの仇とか、ゼネバス人の恨みを晴らすとかそんなんじゃねぇ!一人のZiファイターとして試合でお前を倒す!」
「あんた・・・知らないウチに人間丸くなったね?まあ好きにすれば良いさ。ただし、私はあんたに倒される気なんて全然無いからね!どんな理由でも!」
「そうだ・・・それで良いんだ・・・。では、また会おう・・・。」
「じゃあ2人とも!またね?」
ドラゴスとリューコはそうして、笑顔のまま立ち去って行き、マリンとルナリスは開いた口が塞がらなかった。
「何だったんだ?」
「さぁ・・・。け・・・けど・・・、私達も行きましょう?」
「ああ!!」
長い戦いが終わり、2人は新たな一歩を踏み出していた。これからも2人には新たな障害が、
降りかかる事だろう。もしかするならばより強力な敵が現れるかもしれない。しかし、2人は歩みを止めない。2人はそう決めていたのだから・・・。
「もっと落ち着いて書き込みしてください○秒くらい」が5回くらい連続で出て正直へこみましたorz
とりあえずやっとここに来てこの長い話は一区切りとなります。
思えば自分の想像を以上に長かったな〜としみじみ考えてみたり。
後の残りは前々から予告していたおまけ話でも書きます。
>>恐怖の亀裂作者さん
マリエラさんって実は凄い人ですか?しかも戦艦級巨大ゾイドやらも出て。
山から海とかなり忙しい様子ですね。
とりあえず450KBを突破したので次スレ立てに挑戦しようと考えています。
ただし、スレが立てられなかった時は誰かお願いします。
諸事情により、今週中の本編投下は無理かと思われます。続きは次スレへと持ち越し…
その代わりって訳でもありませんがほんの少し短編投下致します。
その少年はとても気弱でした。
小学校では、虐められてこそいませんが影が薄く、そのため、殆ど人と会話する事もありません。
少年は自然と孤立していきました。友達は、居ません。
そんな彼はある日、帰り道で大きなゾイドの足跡を見つけました。
足跡を辿って岩山の裏に回った少年は、そこにとても大きな灰色のゾイドを見つけます。
「ねえ、きみはだれ?」
そのゾイドは答えました。
「僕は、キングゴジュラス。君には、僕の声が聞こえるの?」と。
「――うん、聞こえる。おはなししようよ」
大きなゾイドと、小さな少年の話は夕方まで続きました。少年はとても多くの事を聞いて、
戦争から逃げてきたというキングゴジュラスをかわいそうだと思ったのです。
「きみは、どこかへ行くの?」
少年が聞くと、キングゴジュラスは答えました。
「戦わなくてすむ所に、行きたいと思う」
「そう。楽しかったよ、それじゃあまたね」
日も暮れてきたので、少年は家に帰りました。
次の日も「彼」は、そこにいました。
「もしかして、うごけないの?」
心配そうに聞いた少年に、キングゴジュラスは言います。
「ううん、違う。ちょっと疲れただけ」
少年は突然言いました。
「もう少しここにいるんなら、ぼくとともだちになろう」
キングゴジュラスはとても驚きましたが、その言葉を喜びました。
と、頭のコックピットハッチが開きます。
「うん。じゃあ、僕の中を見せてあげる」
少年は彼の中に入り、すごく感動しました。
「わあ、ぼくゾイドの中に入ったこと無かったんだぁ」
「良かった、喜んでもらえて」
こうして二人は、「ともだち」になりました。
けれど次の日、二人は会えませんでした。
空から落ちてきた月の破片が近くの海に落ち、大きな津波が少年の住んでいた町を流してしまったからです。
水が流れる中、キングゴジュラスは少年を探しました。
「どこに行ったの?」
しかし少年は見つかりません。そのうち、落ちてきた別の破片がキングゴジュラスを
宇宙まで飛ばしてしまいました。
宇宙は真っ暗です。キングゴジュラスはいつまでも少年を探していました。
生まれて初めてできた、ともだちを。
「ねえ、どこへ行ったの?」
いくら探しても少年は見つかりません。
長い時間が経っても少年が見つからなかったので、キングゴジュラスは眠ってしまいました。
「どうして居なくなったの?」
そして気付きました。少年は今でも一緒にいます。
――ずっと一緒にいられるよ。いっぱい、おはなししよう…。
Fin
存在したのか知りませんが、開発局から脱走した「キングゴジュラス2号機」の話(という設定)です。
元ネタといっていいのか解りませんが、某スレの
「考えてもわからなかったので、キングゴジュラスはそのうち考えるのをやめました」
という一節から。
結局何が書きたかったのか良く解らん話かも…
何が書きたいのか自分じゃわからなくても
自然と書きたくなる衝動ってあるよね・・・
惑星Ziの何処かにポツンと存在するズィーばしり刑務所。ここには数々の犯罪者が投獄されていた。
そして服役囚達はそこで出所するまでの間、罪を償う事になるのだが、そのズィーばしり刑務所から脱獄した無謀な男がいたのだ。
「大変だぁぁ!!アイツがセイバータイガーホロテックに乗って脱獄したぞー!!!」
「何てこった!!闇夜の上に姿を消せるゾイドに乗って逃げるなんてぇ!!」
「もう見えなくなりやがった!!センサーやレーダーにも反応は無い!!」
「くそぉ!!やっかいな奴が逃げ出しやがって!!今すぐ治安局に電話しろぉ!!」
一人の脱走者の為にズィーばしり刑務所は大騒ぎとなり、他の者達まで脱獄せぬよう特別警戒態勢が敷かれていた。
その頃、チームマッハストームでは皆がテレビを見ながら夕食を楽しんでいた。と、そんな日常の風景を打ち破るかのように、テレビから臨時ニュースが流れたのだ。
『臨時ニュースの時間です。つい先頃、スィーばしり刑務所の服役囚の一人が脱獄しました。』
「脱獄囚だってさ・・・。最近物騒だよな〜・・・。」
「ガミーのおっちゃんも色々大変だろうな〜・・・。」
と、RD達は他人事の様にテレビを眺めていたが、その脱獄囚の写真が公開された瞬間、RDとシグマの目は飛び出しそうになった。
『脱獄した男は、見えないゾイドによるZiファイター襲撃事件の犯人で名はキッドと言います。テレビの前の皆様、この男の顔を見たら直ぐに治安局へ連絡してください。』
「キッドってぇ!!」
「ブブゥ!!」
「こら!RDとシグマ!食べてる物を吐くなんて汚いでしょ!!」
RDとシグマは驚きの余り、思わず食べていた物を吐き出してしまいスイートに叱られていたが、二人は汚した床を掃除しながらもまだ驚いた顔をしていた。
「アイツまだ懲りてなかったのか?」
「何か嫌な予感がするよ僕は・・・。」
「これってやっぱりエミーに知らせた方が良いかな?」
その頃、ズィーばしり刑務所から脱獄した男、キッドは光学迷彩以上に優れたステルス性を持った、
“ホロテック”なる力を持った、“セイバータイガーホロテック”に乗って荒野を疾走していた。
「フッフッフッフッ!ここまで来ればもうこっちの物だ!このセイバータイガーホロテックは誰一人
として捕らえる事は出来ないぜ!!それに、久しぶりの娑婆の空気は美味いぜぇ!!!」
キッドは笑っていた。彼はそれだけセイバータイガーホロテックの性能に自信があったのだ。彼は
かつて、己のセイバータイガーホロテックこそが最強であると信じ、ブルーシティー周辺において
そのホロテックの能力に物を言わせ、数々Ziファイター達を襲撃して世間を騒がせていた。
その暴れっぷりは、自在に姿を消せるホロテックと言うだけあって治安局すらも翻弄する物だったが、
マッハストームの活躍によって彼は逮捕。以後キッドはズィーばしり刑務所にいたのだ。
「しかしもう俺は自由の身だ!!俺とこのセイバータイガーホロテックがいればどんな奴が来ても
負ける事は無い!!ましてや治安局ごときに捕まって刑務所に逆戻りさせらえる心配なんて微塵にも無いんだ!アッハッハッハッハッ!!!!」
脱獄し、娑婆の世界へ舞い戻った彼がまず行おうとした事。それは“リベンジ”だった。
「見てろよ・・・。俺は本当にスゲェ男って所をお前にも見せてやるからな・・・。エミー・・・。」
と、その時だった。セイバータイガーホロテックのレーダーが一つのゾイドの反応をキャッチしたのだ。
「おお!早速カモが出やがった!」
キッドはその反応に喜び勇んだ。脱獄記念にそのゾイドを襲おうと考えていたのだ。早速彼はセイバー
タイガーホロテックの姿を消し、音も無くそのレーダーに反応のあったゾイドへ向かった。
「お!あれは・・・。」
彼の目に映ったゾイドはゴジュラスギガだった。彼は慌てて岩陰に隠れた。
「治安局め・・・もう出動してやがったのか?にしては少し違う様な気がする・・・。」
彼はセイバータイガーホロテックのカメラを望遠にしてそのギガを観察した。そのギガは何するでも
無く月明かりを浴びながら荒野を歩いていたが、治安局の装備の特徴である肩のパトランプなど存在
せず、ましてや色も違い、月明かりから反射したメタリックグリーンの輝きがキッドの目に映っていたのだ。
「緑色のゴジュラスギガか・・・。パトランプや治安局マークが無い所を見ると個人所有のZiファイター
仕様機か?ならばなおの事都合が良い!俺が自由の身になった記念の標的にふさわしい相手と言えるし、ゴジュラスギガをしとめたともなれば俺の男も上がるってもんだ!」
彼は早速そのゴジュラスギガへ仕掛ける事を決めた。そしてセイバータイガーは姿を消した状態で、
隠れていた岩陰から出ようとした。が、その時だった。突然ギガがこちらを向いたのだ。
「そこのセイバータイガーさん!姿を消して何してるの?」
「ええ!!?」
キッドは思わず驚きの声をあげてしまった。無理も無い。彼のセイバータイガーホロテックは完璧に姿を消しているにも関わらず、そのギガは彼の位置を捉えていたのだ。
「お・・・お前・・・、まさか俺の姿が見えるのか・・・?」
「うん!でもまあ確かに肉眼では見えないけどね。と言うより貴方私に何か用でもあるの?」
ギガに乗っていたZiファイター、声色からすると十代の少女の様だったが、彼女は興味深くセイバー
タイガーホロテックの方を見つめていた。が、キッドは額から一筋の汗を垂らしながらも笑っていたのだ。
「ハ!!口から出任せ言いやがって!!ならこれでどうだ!!」
セイバータイガーホロテックは姿を消したままギガの背後を取った。そして大きく跳び上がると
ギガの頭上から攻撃を仕掛けたのだ。そしてギガの頭部へ向けてその牙をむいた。
「この一撃で俺の最強伝説は復活だぁぁぁ!!!!」
セイバータイガーホロテックの牙がギガの頭部に叩き込まれると思われたその時だった。彼にとって
信じられない事が起こったのだ。なんとその攻撃がギガを破壊する所か、すり抜けていたのだ。
「な!!何ぃ!!?まさかコイツも幻影を生み出せるのか!!?」
キッドは焦った。が、その時既にギガはセイバータイガーホロテックの背後に立っていた。
「人の背後を取るのは私のスタイルなんだけどな〜・・・。と言うか、貴方のその行動、私への挑戦と見てよろしいですか?」
「くそ!!!」
セイバータイガーホロテックはギガから逃げる様に前へ跳び、走り始めた。が、ギガはその側面に付いて追ってきたのだ。
「何だ貴様はぁ!!何でこのセイバータイガーホロテックの姿が見えるんだよぉ!!」
「まあ沢山修行したからね。視覚に頼らずに物事を見定める方法とか。」
「ワケの分からねー事言いやがってチキショー!!」
セイバータイガーホロテックのスピードに付いてくるギガにさえ驚いている上、何故そのギガ乗りが
完璧に姿を消したセイバーホロテックの姿を捉える事が出来るのかと言う事が全く分からないキッドは
ヤケクソになり、“姿を消す”ともう一つ存在するホロテックの特性である、“幻影を生み出す”機能を
発動させた。そして周囲に夥しい数のセイバータイガーホロテックの幻影が現れるのである。
キッドはギガがこの幻影に気を取られているスキに逃げる、もしくはギガを倒すと言う作戦を狙って
いたのだ。が、ギガはセイバータイガーホロテックの幻影に取り囲まれながらも別に焦った様子は無かった。
「へ〜・・・。面白い事出来るじゃない貴方。でも私だってその位出来るのよね。」
「な!!」
キッドは絶句した。何と突如としてギガの幻影が現れたのだ。しかもその数はセイバータイガーホロテックが作り出した幻影の数を上回っていた。
「(な・・・何故だ・・・。姿を消したセイバータイガーホロテックを捉えられるだけでもワケ分からんと
言うのに、何故コイツはこんな幻影までも作り出せるんだ?見た感じホロテックと言うワケでも無いし・・・。)」
キッドは自らの持つ優秀な頭脳(本人が勝手にそう思っている)をフル回転させても目の前の現象は全くワケが分からなかった。
「くそ!!何でお前はホロテックでも無いのにそんなに幻影を作り出せるんだよぉ!!」
「へ?まあ・・・何と言いますか・・・。貴方のゾイドはそのホロなんとかみたいなのが立体映像を作って
相手を幻惑するって手法を取ってるみたいだけど、私の場合純粋に肉眼で捉えられない速度で動く事によって残像を作り出すって手法を取ってるワケよ。」
「な・・・なんだとぉ!!?そ・・・そんな意味不明な事が出来るゴジュラスギガなんて聞いた事無いぞ!!」
「そんなの私に言われても知らないわよ・・・。そりゃ沢山修行はしたけど・・・。」
ああ・・・ついにやってしまいました・・・。
私はこれで日本全国、そして全米合わせて一億五千万人以上のキッドファンを
敵にまわしてしまったのかもしれません。
ちなみに補足させていただきますが、この物語のテーマは
「世の中常識の通用しない奴もいる」
です。とりあえず明日の書き込み分が完結編となります。
>>Innocent World2作者さん
諸事情という事は最近忙しいみたいですね。ではそちらも頑張って下さい。
「僕の友達」はいい話だと思いました。実際に惑星Ziの童話とかになっていても
おかしくない程ぼのぼのし、そして哀しい話でしたし。
小学校低学年の時に読まされたその手の童話を思い出して懐かしんだり。
>>304 確かにそういう事ありますね。理屈とか口で説明するのは難しいんですけど、
なんとなくそう考えたりするという感じで。
Innocent World2の作者さんへ
発作だw発作だw急に何か書きたくなる…それがこのスレに集まる人が作品投下を始める最大の理由!
と言っている自分もジェノハイドラの単語一つでスレ末にアレを投下し始めた理由だったりして。
でも普通の機体だと書き難い上先陣に投下した人が現行ゾイドの使い方が上手いのでひねくれた機体で作ってみたり…。
2号機は何処へ行くのでしょうか…思わす”〜〜考えるのを止めた”と言う文で他の作品を思い出したりして。
鉄獣28号さんへ
新スレ乙です。
ヘタレキターーーーー!!!個人的にはヘタレキッド君の方がキャラとして好きなのでそのままで良いかな〜と思ったり?
>>304 言えない…絶対に言えない。何となくな理由で長編になってしまったなんて絶対に言えない…。
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がんばれキッド君の終了を見てアレを投下するかどうか様子見状況です。
キッドは“修行”の二文字で片付けるギガ乗りの言葉に唖然としたが、目の前のギガはなおも夥しい数
の幻影を作り出したままであり、さらにその幻影は同じく多数存在するセイバータイガーホロテックの
幻影の中に存在する実像を確実に取り囲んでいた。しかも驚くべき事に、そのギガとギガ乗りはそれだけの動きを行っていながら、全く息を切らしていなかったのだ。
「(こ・・・こいつ人間じゃねぇ・・・。妖怪や悪魔と言った類のもんなんだきっと・・・、じゃなきゃこんな冗談みたいな事が出来るはずがねぇ・・・。)」
キッドは青ざめていた。と、その時だった。突如として側面からデスザウラーまでもが現れたのだ。
「おーい!お前そんな所で何セイバータイガーと遊んでるんだー?」
「いやね、この人が何か私に挑戦してきたから遊んであげているの。」
「ええ!!?」
キッドは驚愕の声をあげた。何とそのデスザウラーも、完璧に隠蔽した彼のセイバータイガーホロテックの位置を捉えていたのだ。
「お・・・おい!!何でお前まで俺が見えるんだよ!!!?」
「え?まあ・・・確かに目では見えないけどさ、何となく分かるんだよ。私はアイツ程訓練してるワケじゃ
無いからそれ程明確には行かないが、あんたが姿を消したセイバータイガーに乗ってるって事ならなんとか分かる。」
「・・・・・・。(コイツも妖怪の仲間か・・・。)」
キッドは唖然と黙り込んだが、デスザウラーに乗っていたZiファイター、声色からするとこちらも女性と思われるが、とにかく彼女はギガ乗りの方に話し掛けていた。
「おい!そんな事よりさっきのニュース見たか?」
「へ?どんなニュース?」
「何でもあのズィーばしり刑務所から誰か脱獄したらしいぞ。あとその脱獄囚の顔も公開されてた。
ニュースはもう終わったが、治安局あたりのホームページでも見ればそいつの顔が出てくると思う。」
「あ!確かにそんな事書いてるね!」
ギガとデスの中の人は何やらそんな事を言っていたが、近頃はゾイドからでもインターネットが出来る
とは便利な世の中になった物である。と、その時だった。突如としてギガがセイバータイガホロテックの方を睨み付けたのだ。
「噂の脱獄囚って・・・あんたじゃん・・・。」
「ギクッ!!」
「ってやっぱり図星じゃない・・・。」
ギガが一歩前に踏み出すと、セイバータイガーホロテックは思わず後ずさりしていた。
「アイツを捕まえろ!!捕らえて治安局に連れていけば賞金が貰えるぞ!!」
「んな事は分かってるわよ!!」
「ヒィ!!そんなの嫌だぁ!!もうあんな刑務所暮らしは嫌だぁ!!もう二度と臭い飯食いたくねぇ!!」
セイバータイガーホロテックは姿を消したまま全速力で逃げ出した。しかし、ギガから逃げ切る事は
出来なかった。何故ならそのギガは高速移動によって多数の残像を作り出せるバケモノである。ましてやパイロットもホロテックが効かない上に、バケモノなギガを巧みに乗りこなし、なおかつその超速
から発生するであろう強烈なGももろともしてないのである。そんな奴から、ホロテック能力以外は
ノーマルのセイバータイガーとほとんど変わらぬセイバータイガーホロテックの機動力で逃げ切る事等
出来るだろうか?答えは否である。そしてキッドが真っ青になったまま操縦桿を必死に前に倒していた時、彼の耳にギガ乗りのある言葉が耳に入って来たのだ。
「俺のセイバ〜タイガ〜ホロテック♪姿も消せて♪幻影も作れる♪どんな奴にも負けないさ♪
ちまたで噂の見えないゾイドたー俺の事さ♪そんな俺様凄いだろ〜♪って言うじゃな〜い?
でも!!心眼極めた私には!!無!!意!!味!!ですかぁぁぁぁぁぁ!!!!残念!!!!
私から逃げ切りたければ実体も消せるようになりましょう斬りぃぃぃぃぃ!!!!!」
「心眼なんて非科学的だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
キッドが再びズィーばしり刑務所に強制送還されたのはそれからわずか数時間後の事であり、
その頃マッハストームでは全員パジャマに着替え、いつでも寝れる状態でテレビを見ていたが
その時に流されたキッド逮捕を告げる臨時ニュースにRDとシグマはたまたま歯磨き中であった為に驚きの余り、口から歯磨き粉を吐き出してしまった。
「早!!逮捕されるの早!!」
「一体誰が逮捕したんだ!!?」
「RDにシグマ!!汚いでしょ!!」
やはり二人はスイートに叱られていたが、一方ニュースではキッドを治安局へ引きずり出した
ゴジュラスギガとデスザウラー、及びそのパイロットに関した事柄は全くと言って良い程取り扱われてはいなかった。
「ワケ分からねーよ!!何が心眼だよ!!非科学的も良いところだろ!!?」
「ああ分かる・・・分かるぜ兄ちゃん・・・。俺だってあの摩訶不思議な術を使う緑色のゴジュラスギガに酷い目あわされたもんさ・・・。」
「にしてもアイツ一体何者なのだろうな〜・・・。」
再び投獄されたキッドはなおも納得行かないと言った顔で泣き叫んでいたが、彼と同じ境遇にある者と
思しき他の服役囚達が彼を宥めていた。彼、キッドのセイバータイガーホロテックが一切通用
しなかったゴジュラスギガとそのパイロット、そして同じ一派と思われるデスザウラー。キッドを
治安局に引き渡し、償金をもらうや否や、そそくさと帰って行った彼女等は謎に包まれている(っぽい)。
ただ分かっている事は、色々な意味で常識離れしている所と、摩訶不思議な技を使いこなす賞金稼ぎとして犯罪者連中に恐れられている事くらいである。
とりあえずこれにてめでたしめでたしと言う事で。
あと30KB残っているのですが、もう一つ二つ短いのを書いてもよろしいでしょうか?
「日記スレはオリキャラ禁止なのでこのスレに書いてみましたー」みたいなお話で。
「申し訳ございませんサンドラ様。」男は目の前の豪奢なドレスを纏う美しい女性に言う。
「しょうがないわ。バートン今回はRDがファイヤーフェニックスに拘っていたのが大本の原因よ。でも次はがめつく報酬を渋らない事ね…?」
サンドラと呼ばれた女性はバートンと呼んだ男にこう言葉を付け足す。「スポンサーは私なのだから資金に対しての多少の無茶なら何とも無いのだから。」
「はっ…以後より一層気を付けます。所で…?サンドラ様が私をお呼びになったのはこの件だけでしょうか?」バートンは顔をサンドラに向ける。
その表情には隠された愉悦が見え隠れする。獲物を見つけた猛禽の眼差しをサンドラに向ける。「そうね。じゃあ本題に入ろうかしら…?」
ーZi-ユニゾンー
「すまないが…シャワーを使わせてくれ。」ミストはZOITECの社員にそう伝える。外せないと思っていた外層が外せると言う事で約半年以上の汚れと体臭を落そうとしているのだ。
「困りますよ…そう言う物を着用したままでこっちに入ってきて貰っては。外してください。」職務に忠実な警備員の女性は制止する。外さないと言うより外すと不味いと言う事も充分承知での制止だ。
「良いのか?天下のZOITECの玄関ホールで最臭兵器発動なんて三面記事を作りたいのか?それを承知で言っているんだな?」ミストは警備員に詰め寄る。
「いえ…だから通常の社員が使用する場所では無理なので一度こっちの警備員詰め所で一度臭いだけでも抜いてそのヘルメットを取って移動して下さいと言っているのですよ?」意外と柔軟な対応に感心するミスト。
「そうか…ならはったりじゃないから空調は換気を最大にして置いてくれよ…。」
結局臭い抜きで密閉を解いたミストだったが余りの汗やオイルとその他諸々の混ざった臭気ガスに消し忘れのタバコの吸い殻の火が引火してその場で冷水のシャワーを浴びる事となってしまったミストだった…。
「申し訳ございません!ミッキーにはきつく言って置きますから…。」必死に謝る女性警備員。如何やらミッキーという当直のもう1人はタバコの消し忘れの常習犯らしい。後で面白可笑しく匿名日記掲示板にでも書き込んで置こうと思った。
そう言ったら女性警備員は顔を真っ青にして止めてくださいと平謝りしてきたのでそれを止めて念願のシャワールームに通してくれた。
一方サベージハンマーの格納庫でバートンは1人の少年と話をしている。そこから少し離れた所にはその少年より2〜3歳程年上の少年が壁により掛かりそれを聞いている。
「…と言う訳だリュック?何か有用な情報があったら私に教えてくれ。それと…ブレード。これを渡して置く。提示連絡はするつもりだがそれが無くなって6時間以上経ったらそれでこっちに来てくれ。」
発信機の受信モニターらしい物をブレードと呼ばれた少年は難なく受け取る。「わかった。好きにすればいい…。」こう言う素っ気ない反応が彼の返事らしくそれを聞いたバートンはロードゲイルで空に飛び立った。
「なる程…ファンタズマか。Zi-ARMSの連中は相当焦っている様だな。しかし真逆このサベージハンマーを小間使いにするとは良い度胸だ。まあ精々稼がせてもらうとしようではないか。はっはっはっは…。」
ファンタズマの捜索及び捕獲をZi-ARMSはサンドラに正式に依頼したらしい。それ以前にもエネルギープラントの警備を無理矢理押し付けた矢先の追加依頼。地上げの手伝いよりは鈍らないと上機嫌でバートンは空を行く。
更に今回はサンドラから在る仕事もしてくる様に言われているので余計に愉しみが多い。”せいぜい稼がせてもらう”と言う言葉には裏があったのだ。
「ありがとさん。それではお暇するとしよう…。」ミストはファンタズマに乗り込みZOITECを後にする。アルマ達は直ぐに飛び出して行ってしまったので礼を言えず終いだが長居を特にZOITECでしている訳にはいかない。
Zi-ARMSとは最近三大虎のコアの事で火花を散らしているらしいのでZOITECに対する強攻手段へのダシに使われるのだけは避けたいからである。
とは言え…ホバーカーゴを1台貸し出すとは娘の方もやり手なのかもしれない。ファンタズマを乗り込ませるとホバーカーゴを発進させる。目指すはブルーシティ。
あそこなら何か情報も見付かる事だろう…何とかして体に埋め込まれた爆弾を摘出して貰わない事には永遠にハイドラと一蓮托生で生きて行かなければならない。ハイドラの方はまっぴら御免らしいので如何にかしたい。
普通の医者では無理そうなので蛇の道は蛇。そう言う事でミストは在る男に通信してみる。「バートンか?話が有る。」それだけ伝えるとミストは通信を切る。
餌に寄ってくるか如何かはバートン次第と言う事だ。
「ん?通信…なる程。誘き寄せているらしいな。差出人は…ミストッ!?これは良い!ターゲット自ら私を御指名とは!」
バートンはコクピットで少し考える。「餌にそのままがっ付くのも良い…がここはサンドラ様の命令通り同業者の排除と行こうか。」
ロードゲイルから不特定多数に対しての情報の配信が行われる。サンドラの狙いとはファンタズマの確保を可能な限り遅らせる事に有る。
そしてじれたZi-ARMS側が依頼料を引き上げるのを狙い頃合を見計らって捕獲すると言う段取りだ。その為の下準備が今完了した所である。
「…ん?事は上手く運んだらしいな。リュック!行くぞ。」「了解しました!ブレードさん!」通信を受けて各々の機体に乗り込む2人。
ブレードはバーサークフューラーにリュックはバスターイーグルに乗り込む。2人は機体を駆りバートンに合流する為移動を開始する。
焦る事は無い。ゆっくり行けば良いのだ。まだ扱い慣れたとは言い難いバスターフューラー。その練習相手が勝手に集まってくれるというのだから…。
「どうやら餌にされたのは俺の方だな。」ミストは大方の予測を付けて何が有っても民間施設等に被害が出ない場所にホバーカーゴを止めファンタズマに乗り込んでいる。
「お客さんのようだな〜♪ミスト。」ハイドラが鼻歌交じりで言う。如何言う理屈で鼻歌を覚えたかは解らないがそれなりに決まっていて逆に可笑しかった。
ZOITECに上がり込んでいた短時間の内に研究員達は頻りに6ヘッドバインダーを調べていたらしく立ち去る前にプラズマッシャーの制御プログラムの改良をしてくれたそうだ。
今は単発での使用も可能となっている。それだけでも充分な戦力になる。全力で撃つ他に放熱代りに適当に散蒔けるのは全力で使用に際してはペース配分が必要になったと言う事でもある。
しかし如何しようも無く発砲と言う事態に行き着き難いのでデメリットがメリットにも成っている状態だ。
「行こう…千客万来だ。追っ手がこれだけ現れれば治安局も黙ってはいないだろう。それにこれだけ間引きが出来れば動き易くなる!」Ziファイターや盗賊や賞金稼ぎ等色々な面々が集まって来ている。
しかし名うての連中が現れていない所を見ると彼等は様子見か胡散臭い情報に乗らなかったかの何方かだ。しかしここで気付いた事はバートンはこっちの状況を知っていると言う事になる。
今日はこれでおしまい。今度からは戦闘なので後3レス分ぐらいは必要かもしれません。
鉄獣28号さんへ
やっぱり他の人も捕まってしまっているのですね。やだろうな…平気な顔をして高速ゾイドを追ってくる大型ゾイドって…。
マリン=バイスの日記
○月×日(マグネイズスピア)
今の私は正直気が立っている。何故ならどいつもコイツも私とカンウをザコ呼ばわりするからだ。
もちろんそんな事言う奴がハガネさん見たいに本当に私をザコ扱い出来る程強い人なら仕方がないと思う。
でも気に入らないのは、最近私をザコ呼ばわりしてる奴はみんな”弱い”事である。
正直弱い奴にザコ扱いされるのは我慢できない。もちろんその後試合で完膚無きまで叩き潰すのだけども、
それでも奴らは私達へのザコ扱いをやめない。己の意志を曲げないその根性は賞賛に値する程だ。
と、こうして私はふてくされながらその日の夜、テレビを見ていた。「治安局24時」と言うタイトルの番組だ。
内容は各街の治安局の人が犯罪に立ち向かったりするドキュメント番組。私は何気なくそれを見ていたが、
そのクライマックス辺りに差し掛かった時私はそのままテレビを殴り壊しそうになった。
ブルーシティー治安局の何か隊長っぽい人で、テンガロンハット被ったゴツイ男が出て来て、
彼もゴジュラスギガに乗ってるんだけど、これがまた”弱い”。動きはカメも同然だし、
アイアンコングに苦戦ってギャグにもならんでしょ?
最初私は受けを狙ってるんでしょと思ったが、どうやらテンガロンハットの人は真面目だったらしい。
そこで私は腹が立ってきた。きっと私がザコ扱いされる原因はこの治安局のギガにあるのだ。
治安局のギガが弱いから、同じギガを使う私も弱いと勘違いされるのかもしれない。
と考えてみたが、もしかしたら治安局ギガも私のカンウ同様、”外見はギガだけど中身は別物”な
ゾイドなのかもしれない。もちろん私のカンウはスペックアップされてるんだけど、
治安局のギガはスペックダウンしてるとしか思えない。というか実は普通のゴジュラスじゃないの?
翌日の試合の相手は丁度アイアンコングだったので憂さ晴らしに腕や足をもいでやった。
けどみんなは私とカンウをザコ呼ばわりするのをやめなかった。
おのれ治安局でギガに乗ってるテンガロンハットの人許すまじ。
ルナリス=バッハードの日記
○月×日(エレクトリックディスチャージャー)
最近色々あって忙しく、暇が無かったのだが今日は珍しく暇が出来たので
「Zちゃんねる」と言うインターネットサイトを見てみた。
Zちゃんねるとは様々な事柄に関した掲示板の集合体とも言える巨大掲示板である。
その中にある「ゾイドバトル板」と言う掲示板を見るのだが、ここが毎日多くの人で賑わっているそうだ。
このゾイドバトル板ではゾイドバトルに関した様々な情報や攻略法などを情報交換されている。
中には有名なZiファイターに関してスレッド等も立っており、話によると現役のZiファイターも
匿名で参加しているらしい。中には匿名なのを良い事に自作自演する無名Ziファイターもいるらしいが・・・。
まあ色々なスレッドを読んでいて本当に面白そうだと思ったので私もスレを立てる事にした。
「誰かゾイキュアの意味教えてくれ」と言うスレッドだ。私はマリンの奴と旅を初めて以後、
色々な奴からゾイキュアゾイキュア等とワケの分からん名前で呼ばれ、挙げ句の果てには勝手に
チーム名にまでされてしまったのだ。もちろん私等が問い詰めてもみんな目を背けるだけで
誰も教えてはくれない。ならばこのゾイドバトル板で匿名名義で質問すれば
誰か答えてくれるのではないか?そう私は考えたのだ。しかし・・・
誰一人としてレスしてくれる人はおらず、スレはその日のウチに落ちた。
私は思わず目の前のディスプレーを殴り壊しそうになった。ちなみにこういう時は
何を言えば良いのか?と言う事もゾイドバトル板に書かれていた。何でもあーるなんとかとか言う
Ziファイターに勝てない奴が色々愚痴ってるスレなんだが、それがまた何故か人気があって、
そこから色々な所に波及してもはや流行語になってしまった言葉らしい。と言う事で・・・
おのれRD許すまじ!!!
思わず書いてしまいました。済みません。ちなみに新スレの方では新シリーズ書いてます。
>>恐怖の亀裂作者さん
サベージハンマーだけでなくゾイテックやズィーアームズも色々絡んでいるみたいですね?
今後は一体どうなるのでしょう。ちなみに現在481KBで残り19KBなんですが足りますよね?
>やっぱり他の人も捕まってしまっているのですね。
まああの人は物語がスタートする前から賞金稼ぎとしてそこそこ稼いでいたと言う設定ですから。
じゃあ埋め立てを兼ねつつ質問を振ってみる。
書き易いゾイドとか、書きにくいゾイドとかってあるの?
こう見えてブルーシティ周辺は荒れ地や砂漠気候の土地が多い。他の都市や集落や交通の便宜を計らって中継点として存在する町。
それ等を結ぶ道路は大体荒れ地を通っている。観光名所ともなれば緑を拝めるがそれ以外では虚しい植林の跡も伺える程だ。
そもそも地球原産の植物には厳しい環境。それを無理矢理植林しようとすれば失敗もするであろう…。
今ファンタズマが立っている場所は植林計画の失敗で出来たウッドラスト(木の砂漠)と酷評された場所である。
無理に動けば足を砂に取られ倒木に常に気を配らなければ成らない。闇雲に動けないこの場なら先制のプラズマッシャーやガンポッドで有効的な攻撃が出来る筈だ。
如何やらお客さんが来たらしい。多数のゾイドの反応が感知される。しかもホバーカーゴの方には目もくれず密集包囲の状態に陥っているのだ。
「如何やら…先にこっちを叩いてから争奪戦を始めるらしい。読みが外れたな。ハイドラ!全開で行く!」「腕が鳴るというものだ!」
一気に機体内の温度が上昇する。先制攻撃を掛けるのだ。
「高熱原体多数接近っ!?しまっ…。」包囲網の一角。273門プラズマッシャーの襲来に回避行動を取る間も無くゾイドの一団は放熱限界を迎えてシステムが機能停止する。
しかしそれでハイドラの所在がばれる。「2分だ!2分以内に仕留めろっ!」集まった一団の誰かがそう叫ぶ。如何やら機体特性は相手に知られている様だ。
一斉に降り注ぐミサイルをヘッドウェポンポッドのクリスタルレーザーとビームキャノンそしてガトリング砲で全てを撃ち落とす。きつい仕事だ。
ミサイルの迎撃で1/3の弾薬を一気に失ったハイドラ。このまま砲撃戦を続けても的になるだけなのでマグネッサーとホバリングを最大出力で使用しジャンプからの滑空で一気に一団の中に飛び込む。
流石に集まるだけ集まった事は有る。アイアンコングやゴジュラスは元よりレッドホーンやシールドライガー等々とちぐはぐな武装を施したカスタム機の見本市の様な状態だった。
格闘戦の先手は同じく高額迷彩の使い手であるヘルキャット。背には一撃必殺のパイルバンカーユニットが2つとやばい仕事をしている様にしか思えない装備の機体が突っ込んで来る。
それを尾で叩き落としその場を離れると案の定恐怖心か功名を焦ったか砲撃の雨が降り注いでいる…。
何とかハイドラはその攻撃を避けるがヘルキャットの方はコクピットのセイフティーシステムによりコクピットが射出されていく。
連携も糞も有ったものではない。腕の立つ烏合の衆と言うべきなのだろうか?唯ハイドラの動きを止めるだけに執着し周りの者など歯牙にも掛けていない。
危険な状況だ。このままでは死人が出るのは確実だろう。二つに一つ。相手を全て行動不能にするかこの場を逃げるか。
しかしその両方ともミストとハイドラには選ぶ暇は用意されていなかった…。
その戦場を割って1機の暴風が駆け抜ける。機体の判別は直に終わる。機体はバーサークフューラー。ブルーシティ周辺でこの機体を駆るZiファイターと言えば該当する物は1人のみ。
サベージハンマーのブレードだ。「残念だが貴様等の出番は終わりだ…。」ハイドラとその他のゾイドとの間に割って入るその姿は相手を見下しきっている。
当然そんな挑発をされては周りも黙って居る訳にはいかない。ゾイドで戦闘行為を行う者としては相手を目の前に引き下がると言う事は自分が下であると言う事を認める行為だ。それ故絶対に引き下がる事はできない。
「ブレードちゃんよぉ!いきがってんじゃねえぞ!こらぁっ!!!」アイアンコングが動く。背に積んだハイマニューバスラスターが火を吹き一気に間合いを詰めるが両機がすれ違うとその結果が出る。
アイアンコングは両腕を切り飛ばされ擱座。肩口にはバスタークロー特有の抉り取る様な跡が残っている。
場の空気が一瞬凍り付くがその氷は直ぐに解け既に役割がドヤと化したゾイド乗り達の罵声と怒声がブレードに降り掛かる。ここで更にブレードは相手を煽る。
「弱い犬程良く吼えると言うが…コマンドウルフは居ない様だな?」
普通に聞けば何だそりゃ?で済む台詞だが頭に血が上った相手にとっては何を言っても相手を愚弄する様にしか聞こえない。
何やら多数で口論となるが揉事が済むと一斉にブレードのバーサークフューラーに向き直る。
「こうなりゃ貴様を先に片付けてやる!」誰かがそう叫ぶとそれが呼び水になり一斉にバーサークフューラーに襲い掛かるゾイド達。
「リュック出番だ。」「了解しました!ブレードさん!」上空に大型飛行ゾイドの機影が現れる。それはあっと言う間に大きくなりバーサークフューラーに一直線に向かってくる。
「「Zi-ユニゾン!」」
大型飛行ゾイドの正体は…バスターイーグル。100年以上前の戦争の時代に開発されたブロックスゾイドだ。
しかしブロックスゾイドとしての販売は既にZOITECからは終了しており今は有る事件の際にZOITECから逃走してという一部のみが現存している筈のゾイドだ。
非常に捕獲が難しく下手をすれば背のバスターキャノンの元に一撃粉砕されるのがオチである。それをサベージハンマーが所持しているとはミストは正直考えては居なかった。
しかもそれが最近見たニュースでピアース博士が言っていたZi-ユニゾンをすると言うのだ。
バスターイーグルが変形して素早くバーサークフューラーの背に接続される。その途端に2機のエネルギーが爆発的に増加する。
「バスターフューラー。ユニゾン終了ですブレードさん!」「リュック。後は任せろ。」黙ってユニゾンを見ていた訳でもなく相手は一斉にミサイルやビームを放っている。
爆発。その後目の前に現れたのは数十機のゾイドの攻撃を物ともしないバスターフューラーの姿だった。
バスターキャノンが火を吹くと数機単位で機体が吹き飛び機能を停止する。上手く機体に近寄った者も普段なら略使わないバーサークフューラーの細腕で簡単に投げ飛ばされている。
信じ難い鬼神の如き振る舞いでバスターフューラーは並み居るゾイド達をあっと言う間に片付けてしまった…。
あっけに取られるミストとハイドラの前にバスターフューラーが立ち塞がる。「用件を聞いて来いとバートンに頼まれている。速く言え。」完全に1本取られたとミストは思う。
端からこれが狙いだったのだろう…。並み居る多数のゾイドを一片に片付けそれをデモンストレーションとして自分達に見せる。”何時でも貴様等を捕まえれると”脅しを掛けてきたのだ。
しかし今直ぐ捕獲するのでは無く美味しい時期になってからと言う腹心算も見える。つまりは今は安全という事だ。
用件をブレードに伝えると「解った…確かにバートンに伝えておく。逃げ様としても無駄だ。時が来るまで怯えていれば良い。」そう言い残してバスターフューラーは飛び去って行く。
長居は無用とミストとハイドラもその場を後にした。
数時間後ミストの前ににやけ顔で手を振るバートンが現れる。一発殴ってやろうかと思ったが思いとどまり本来の用件を切り出す。
「…そう言う事か。」バートンは更に嗤う。
「なる程…口封じと新型システムの開発を同時に行って失敗したという訳か!これは良い!」バートンは手を叩いて言う。
「それで…例の件だが?」「了解だ!これは予想以上にZi-ARMSから搾り取れそうだ…サンドラ様もお喜びになるだろう。」
取引は成立する。そして去り際にバートンがミストを睨み付けて言う「精々逃げ延びてくれ。そうすればそれだけ私達が儲かる。」
蛇の道は蛇とは良く言うものだ。ミストは町医者それも非合法で腕の良い医者の情報を得る。そしてバートンはZi-ARMSに対する切り札。
つまり脅しのネタを手にした。しかし協力関係はここまでである。次に会えば容赦無く襲ってくるだろう…。
ミストは夕闇に消えるロードゲイルを見送るとホバーカーゴに戻り寝る事にした。明日からは町医者を探さなければならない…。
ーZi-ユニゾン 終ー
次回予告選択
A:そう言えば1年以上も娘と息子に会ってないな…行ってみるとしよう。 ー追跡者ー
C:先ずは医者探しだな。 ー治安局強襲ー
D:厄介事が起きたらしいな…暫くは身を隠した方が良さそうだ ー対決!隠れん坊!H VS Fー
のどれかでお送りします。
>>322 一応ゾイドを分類するとこんな感じです。
普通のゾイド:バトストやアニメ等を基本としてそれを逸脱しない様に書くと簡単。名前だけでどんな奴か解ってくれる所も見逃せません。 難易度:簡単〜普通
カスタマイズゾイド:方向性次第で簡単にも難しくもなります。無駄な武器をとっぱらう等すると非常に書き易くなりますし下手にバランスを取ろうとしなくても良いのが利点。 難易度:普通〜簡単
オリジナルゾイド:書く人次第ですが明確な特徴を持たせてそこから掘り下げていきましょう。話はそれからだ!な感じです。ボス敵多し。
如何でも良い扱いの者に一言でくくりつけ等の技も有るので一概に難しいとは言えないかも? 難易度:不確定
オリジナルは人によりですが名前を挙げてこいつが簡単だ!と言うゾイドは余り無いかもしれません…。
作戦や状況等の方が場合によってはゾイドより書くのが難しいと思います。
>>恐怖の亀裂作者さん
ブレードが恐ろしく強い男に見えました。やはりRD相手だとなかなか勝てない彼も
名もないザコキャラが相手になると修羅のごとき戦闘力を発揮するのですね。
>>322 それはそれぞれの好みによる物があるのでは無いでしょうか?
高速ゾイド書く(と言うよりイメージする)のが得意な人にとっては高速ゾイド話が書きやすいでしょうし、
他のパターンもしかりって奴です。自分の場合、ゴジュラスギガとデスザウラーって感じで
普通ならボスキャラにされても可笑しくないゾイドを主役側に持ってきたりしてますが、
そう言う事も自分の好みというか何というかって感じです。
あと自分が何の作品に影響受けたか?とかも重要になるかも。
オリジナルゾイドに関しては恐怖の亀裂作者さんが言う通り、難しいと思います。
その都度説明が入ると言うのならばやや難しさも緩和されると思いますが。
>>322 自分にとって最近ではパラブレードが激ムズかな・・・。
何なのそのトサカ。なにを表現したいの? って思ってしまうのです。
キットとしてはオーソドックスな恐竜型で良いパーツ揃ってるんだよね。
頭のブーメランはかなり可笑しい装備だと思うんだけど
どうも完全にネタ方向にも振り切れていないように見える・・・。
コンセプトのよくわかんない改造ゾイドを見せられて
返答に困った感じ、とでも言うのでしょうか。
じゃあ、名無し読者が一番好きな作品とか訊いてもよろしいかな
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