1 :
名無しは無慈悲な夜の女王:
つくってみたけど、どう?
ジャンルはSF・FT・ホラーに限られるのか?
3 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/03/24(金) 22:28:39
出来ればそうしたほうがいいかも。
立てる場所間違えたかな?
4 :
ヴァズ戦記:2006/03/24(金) 22:34:19
初めそこには光も闇も無い「無」と呼ばれる空間だけが存在し、永遠とその空間だけが広がり続けていた。
やがてそこに「生」という物が生まれ無と対立した。
無は生に対抗するべく、死を生み出した。
しかし死は無を裏切り、3つの物はそれぞれ対立する事になった。
その争いは長く続いたが決着はつかなかった。
そこへ「それ」が現れた。
実体を持たないそれは3つの物をまとめてしまい、一つの世界が創られた。
それがヴァズ……我々の世界である。
「初めに無ありき 夜明けの章」 パルヴァドゥス著
5 :
ヴァズ戦記 プロローグ:2006/03/24(金) 22:35:17
辺りに広がるのは夕暮れによって真っ赤に染められた荒野。
木や草、全てが焼き尽くされ今なお燃え続けるその戦火は夕暮れの色に似ていた。
そこに彼、レックスと言う名の青年が立っていた。
返り血を浴びた銀の鎧を身につけ、負傷した右肩から流れ出る鮮血の血を止めるために左手で押さえつけている。右手には血に染まった銅の剣。幾多もの敵を葬り去った為なのか、所々が欠けてしまい本来の殺傷能力を
ほとんど失っているようだ。だがその矛先は今もなお迫り来るであろう敵に向けられているようであった。
彼の周りに在るのは数えてもきりが無いほどの死体。魂を失った肉の器に与えられた道は腐り土に還っていくことだけだ。
「……たとえ死に、土に還って行く事が人の定めだとしても死ねない。死ぬわけには行かない。俺は死なない。」
レックスは生気を失いかけた瞳で沈んでいく夕日を睨みつけながら小さく呟いた。
声は頼りなく、一瞬にして見えない空気に飲まれて消えていった。
「……俺の死に場所はここじゃない。ここじゃないんだ。死ねない。死にたくない。死にたくない。」
レックスは何度もそう呟いた。
そして訪れる重い沈黙。
レックスは剣を杖の替わりにして一歩ずつ確実に前へと前進していく。生きるための一歩。
振り返れば待っているのは死。諦めたらそこで終わりだ。
ゆっくりと、確実に進んで行く。
死体が邪魔で上手く進む事が出来ない事もあるが歩んで行くしかない。生きる為に。
そこにはレックス以外生存者は一人もいなかった。
最後の生存者だったのだ。
6 :
ヴァズ戦記 プロローグ:2006/03/24(金) 22:36:01
国と国の下らない争い。力や地位を求める国の駒になり、犠牲となるのはいつの時代もレックスの様な一般人だった。
ただ平和に暮らせればそれでいいのに。だれもがそう思っていた。
だが、国はそれを許さなかった。力のために無意味な争いを自分の手は汚さずに駒を使いゲーム感覚で始め、勝てば歓喜し、負ければ責任を擦り付け合う。
レックスはそんな下らない事に巻き込まれるのはご免だった。いや、だれもがそう思っているだろう。
だが、そんな言い分が通るはずもなくレックスたち「駒」は戦争へ駆り出された。
それが国の意思であり、決定であったのだから。拒否は許されない。
それは絶対的な決定であり、国に所属している限り逃れる事は出来ない。
この荒野での戦いに参加する前、レックスは一つの意思を固めた。
「生きて帰ろう。絶対に。」
別に卓越した剣技を持っているわけでも無いレックスには生きて帰れる可能性など全く無かった。
その上、彼が参加した戦いは周りからは負け戦と言われていて勝つ事など到底不可能だったのだ。
結果は見事に全滅。
けれども彼、レックスは生き残った。
彼は悟った。強い意志を持つ事が望みへと繋がると言う事が。
「誰だ……誰?」
レックスは足を止め、辺りを見渡した。
目に映るのは変り映えの無い赤く染まった荒野。
だが……何か違う。
彼はそう感じていた。
収まる事の無い寒気。襲い掛かる絶対的な恐怖。
そして、死よりも恐ろしいと感じさせる殺気。
「誰だ……誰?」
レックスは再び同じことを呟いた。
だが、声は震えている。顔も青ざめている。
今にも悲鳴を上げそうなその表情には絶望と言う感情以外何も表れていない。
7 :
ヴァズ戦記 プロローグ:2006/03/24(金) 22:37:01
「僕だよ。レックス……」
ふいに声が響き渡った。
高く、透き通っていて中性的な声。
その声にレックスは聞き覚えがあった。
懐かしい声。だが以前聞いた時とは何かが違っていた。
レックスから恐怖が少し遠のき、ハッと我に帰った。
「お前なのか……なぁ、お前なのか?」
「そうだよ。久しいね。」
姿は無く返事だけが返ってくる。
「何処にいるんだよ。出てこいよ……」
レックスは周りを見渡しながら言った。
しかし、いくら探してみてもやはり姿は無い。
「いいよ。じゃあ後ろを向いてごらん。」
返事と共にレックスは背後にかすかな気配を感じた。
その気配にはさっき感じた殺気はもう感じられない。
警戒を解き、レックスは振り返った。
「な……何故……お前が……」
その言葉と共にレックスは彼の足元へ崩れていった。
彼の右手にはレックスを貫いた背丈をも越える大剣。
夕暮れ色の刀身はレックスの鮮血と共に妖しく輝いている。
「壊れちゃった。レックス、残念だけどお別れだ。」
彼は投げ捨てるように言い放ち、静かにゆっくりと消えていった。
荒野に重い沈黙が訪れたのであった。
8 :
ヴァズ戦記 1:2006/03/24(金) 22:38:12
いつの頃からだっただろうか。
この村、ハントで大きな戦争が起きるという噂が流れ始めたのは。
そして、それは現実となり、俺たちは関係ないという気持ちを捨てなくてはならなくなったんだ。
1
川沿いに位置する小さな村「ハント」
大国ガルバトロスに属しているこの村は緑に包まれ、平和で穏やかなこの村では今一つの噂で持ちきりだった。
それはガルバトロスとフェルスド、二つの大国が大きな戦争を始めるというものだった。
以前から睨み合っていた二つの大国は、いつ戦争を始めてもおかしくない状態にあった。
そうなれば当然自分たちも戦争に駆り出されてしまう、と思った村人たちは不安な毎日を過ごさなければならなかった。
「レックス、戦争が始まったら……どうする?」
その声はとても透き通っていて、何処と無く聞く者を落ち着かせる力を持っていた。
心地よい風が競い合うようにして草むらを駆けて行く。
その草むらに二人の青年が寝転び、青々と広がる恐ろしいほど雲一つ無い空を仰いでいた。
今日はいい天気だ。だれもがそう思ったことだろう。
「どうするって……どういう意味さ?」
レックスと呼ばれた青年は視線を空から青年へ移し思わず聞き返した。顔は整っていて、眼に強い力を持っている。洗い立ての使い古したシャツから伸びる二つの腕はたくましく、日焼けしていた。
「そのままの意味さ。近いうちに必ず戦争が始まる。それも大きいな戦争が。このヴァズの歴史を大きく変えるものになるよ、きっと。僕たちに残された道は二つさ。戦争に赴くか……卑怯者の名を背負いながら逃げるか。 ……正直、僕は逃げたいよ。」
青年は空を仰いだまま呟いた。その瞳には悲しみと恐怖の念が漂っている。青年はレックスとは対照的でとても貧弱そうで、頼りなさそうだ。身に付けているシャツも新品の様で、腕も真っ白だった。
「……戦争か。考えもしなかったな。俺もシャオ、お前と同じで逃げたい。」
レックスの言葉にシャオと呼ばれた青年の表情は少し和らいだ。
「けどな、やっぱし俺は戦いに赴くと思うんだ。国の貴族たちにとっては俺たちは便利な駒さ。俺は国の駒として動かされるのは嫌だ。だから戦いに参加して国の下らない争いの為に死ぬなんてご免だ。けど、けどな
」
9 :
ヴァズ戦記 1:2006/03/24(金) 22:40:44
レックスはシャオに微笑みかけた。
「俺はこの村が好きだ。この村を守りたい。そりゃあ俺一人の力じゃどうにもならない。
けどさ、俺が戦うことによってこの村の誰かが救われるのなら俺は……戦うよ。
シャオ、お前やお前の家族には感謝してるんだ。身内も分からない俺を引き取ってここまで育ててくれた事は感謝してもしきれないくらいだ。
だからさ、俺は何か恩返しをしたいんだ。それが例え自分を犠牲にする事であっても……」
二人の間に訪れる沈黙。
短い沈黙を破ったのはシャオだった。
「そっか…… まあ、なんというか、レックスらしいよね。逃げを選ぶレックスなんてレックスじゃないよね」
シャオはそういい笑いかけた。
レックスもそれにつられて笑った。
しかし、レックスには分かっていた。シャオは心の底から笑っていないと言う事を。
シャオの心は不安と恐怖に満ちていた。
10 :
ヴァズ戦記 1:2006/03/24(金) 22:42:11
シャオとレックスが出会ったのはお互い生まれて間もない頃だった。
ある日ハントの村長であるシャオの親バルトは嵐の夜に玄関の前に倒れていたフードをかぶった男を見つけた。
その男は既に息絶えており、傍らには赤ん坊が入れられた籠があったという。
バルトはその赤ん坊の親と思われる男を手厚く葬り、赤ん坊を育てる事を決めた。
それが死んでいった男の為になると思ったからだ。
バルトは赤ん坊をレックスと命名し、シャオとレックス共に愛情を注いで育ててきた。
妻アリスもレックスを可愛がった。
そうしてシャオ、レックスはお互い兄弟の様に暮らしてきたのだった。
「そろそろ帰ろうか」
シャオは空を仰いだまま言った。
レックスはおう、と呟き立ち上がった。
それに続いてシャオも立ち上がり、二人はその場を後にした。
11 :
ヴァズ戦記 :2006/03/24(金) 22:43:50
以上です
感想待ってます
ということは・・・
長 編 の 予 感 !!
14 :
ヴァズ戦記 :2006/03/24(金) 23:11:36
続けて書いていいのでしょうか?
書いといてなんですが、迷惑なんだったら止めときます
2だけど続き読みたいんよ
ほかに書く人がいないならいいんじゃない?
17 :
ヴァズ戦記 :2006/03/24(金) 23:15:36
ホントですか?
それじゃあ書かせてもらいます。
描写等まだまだ幼稚なので心配ですが……
18 :
ヴァズ戦記 :2006/03/24(金) 23:50:19
このまま書けば糞長くなりそうなんですが短くしたほうがいいですか?
大体こうしようというのは頭にあるのですが……
自由に書けばいいと思うんよ、遠慮は無用ですよ
サイト作ってまとめといて
後で読むかもしれないから
21 :
ヴァズ戦記 2:2006/03/25(土) 00:34:36
シャオとレックスの草むらでの会話から数ヶ月が過ぎた。
そして戦争は始まった。
レックスはやはり自ら志願し村を旅立った。
別れの際にバルトとアリスに感謝の気持ちを伝え、一言言い残した。
「この命に換えてもこの村、ハントを守ってみせるよ」と。
それを聞いたバルトとアリスは少々焦りながら「絶対に死ぬな。生きて帰って来い」と返した。
レックスは微笑み、ハントを後にした。
バルトとアリスはその後ろ姿をずっと見ていた。姿が見えなくなるまで。
また会えると信じて……
だが、お互い知る由も無かった。もう二度と会う事は叶わぬと言うことを。
一方、シャオは戦火の魔の手から逃げるかの様に部屋に閉じこもった。
レックスが旅立つ日にも一切部屋から出ることは無くずっと閉じこもっていた。
闇に身を任せ、いつか来る助けを待つかのように。
だが、来る筈など無かった。そして、待っていても助けなど来ないという現実と向き合わされる事になるのだった。
22 :
ヴァズ戦記 2:2006/03/25(土) 00:36:09
2
涼しい風が草原を駆け巡る。
雲一つ無い空を見上げ、レックスはあの時を思い出していた。
草むらの上でシャオと話したあの時を。
結局シャオは戦火から背く道を選んだ。
だが、レックスはそれを臆病だとか卑怯だとは思わなかった。
その選択はシャオも言っていた通り与えられた二つの選択の一つだったのだから。
「だからこそ俺が守ってやらなきゃならないんだ。
シャオも、バルトさんも、アリスさんも、村の皆も。それが俺の義務だ」
レックスは虚空の空に向かって小さく、しかし強く言い放った。
返事など返ってくる筈は無かったが、その代わりにレックスの決意を後押しするかのように風が強く吹き渡った。
レックスは小さく頷き、草原を歩き始めた。
目指す場所はヘルウェスと呼ばれる街だ。
ヘルウェスは交易の街として栄えている。その為、多くの人が集まり、情報も真偽問わず溢れ返っている。
バルトの話によれば、今ヘルウェスではガルバトロス第12騎士団が一時滞在しているようでその騎士団長に志願すれば騎士団に入団できるという事だった。
何か検査みたいなものは無いのか、とレックスが尋ねるとバルトは皮肉そうな笑みを浮かべ、「今は誰でもいいから人材が欲しいのだよ。戦争が激しくなれば志願しなくとも駆り立てられてしまうよ」といっていたのを聞いたのだった。
23 :
ヴァズ戦記 2:2006/03/25(土) 00:37:33
ヘルウェスへ行くと一言で言っても容易い事ではない。
ヘルウェスはハントから北東へずっと進んで行った所に位置し、道中深い森や険しい道があり危険が伴う旅となるのだ。
下手したら死ぬな、と呟きレックスは苦笑した。
道中幾つか小さな村はあるが極力食べ物や水の消費、無駄な戦闘は避けるようにしなければならない。
レックスの持ち物は枯れたパン数個と水、そして黒い長剣だった。
禍々しい気を放つその長剣は出発前にバルトによって手渡されたものであった。
その剣は赤ん坊だったレックスを連れてきた男が腰に携えていた物であり、バルトが来るべき日の為に預かっていたのだと話した。
鞘は傷一つ無い闇の色で柄もまた闇の色で染められていた。
レックスはそれを手渡されてから今まで抜刀を一度もする事が無かった。
機会が無かったというのも一つの理由だが、何よりレックスの本能がそれを断固拒絶しているのだ。
底知れない力を感じさせるその剣はいつか抜刀され、生き血を吸う日を静かに待っているかのようにしてレックスと共に在る。
24 :
ヴァズ戦記 :2006/03/25(土) 00:41:44
2の途中で、かなり中途半端ですが今日はここまで。
かなり古臭い感じがしますよね。
国と国の争いが中心です。ファンタジーっぽくしていこうとは思いますが後のほうになるかもしれません。
ちょっと急ぎながら進めたのでひどい描写が更に酷くなってしまった箇所や誤字、脱字が目立つと思いますがご了承ください。
指摘、文句、などありましたらどんどんどうぞ。小説を書くのはほとんどないので……
25 :
ヴァズ戦記 :2006/03/25(土) 00:43:03
>>20 サイトですか……
創り方がイマイチ分からないので、今はちょっと無理です。スミマセン
むむ、
ガルバトロスが生、フェルスドが死なら、敵はゾンビ軍団。
ガルバトロスが生、フェルスドが無なら、敵は虚無軍団。
ガルバトロスが死なら、冥界の地上征服戦争。
ガルバトロスが無なら、宇宙消滅戦争。 ←これがいいな。
ガルバトロスが生、フェルスドも生なら、レックスが死か無。
と思ったけど、単にそれと戦う話かな。
ところでヴァズ書いてる人って>1?
29 :
1:2006/03/25(土) 13:20:13
違うよ。私は読む派ですから
他にも投稿して下さる方はどんどんどうぞ
30 :
ヴァズ戦記:2006/03/25(土) 13:57:40
>>26 SF要素を入れる予定はないです。
前半は国の争いがメインで後半からはそれに加えてファンタジー要素をいれまくっていく予定です。
糞長くなる可能性が高いので完結まで長いですが……
31 :
ヴァズ戦記 2:2006/03/25(土) 19:04:19
「ちょっと待ちな」
突然レックスの背後から低い声が鳴り響いた。
それは明らかに脅す様な意を込めた物で友好的な物では無い事はレックスには分かっていた。
……盗賊か?
レックスは仕方なく足を止め、背後へ振り返った。
その先には、まあ予想通りというか、いかにも悪事を働いているという印象を持った小柄の男と大柄の男が腕を組み、意地の悪そうな笑みを浮かべている。
身に付けている服は意外に綺麗で、恐らく人を襲いぶんどった物だなとレックスは思った、
「何か用か?」
レックスは二人組みに引けを取らない鋭い睨みを返した。
二人の男は分は自分たちにあると思っていたのかその睨みにも全く動じてはいなかった。
「ああ、ある。」
「お前が持ってる物、全て置いていってもらおうか。」
「勿論、拒否権は無い。」
二人の男は交互にありがちな台詞を完璧と言ってもいいほどリズムよく投げ捨てた。
こうやって脅すのは彼らにとっては日常茶飯事なのだろう。
「もし、断れば?」
レックスは試すような口調で言った。
勿論、答えなど初めから分かっていた。
「お前の命を奪ってでも」
大柄な男は腰に携えた短剣を抜き取った。
「ぶんどるよ」
小柄の男も同じ様にして短剣を抜き取った。
二人の持つ剣の矛先が同時にレックスへと向けられた。
32 :
ヴァズ戦記 2:2006/03/25(土) 19:05:41
ためらっている暇など無かった。
やらなければ、やられる。
意を決したレックスは腰に携えた黒い柄へ手を伸ばした。
だが問題はそれを抜刀できるかどうかという事だ。
やはり簡単に抜く事は出来なかった。
抜刀してしまえば最後。何か取り返しのつかない事が起こってしまう。レックスはそう感じていた。
だが……
ここで抜かなければ死ぬ。そうなってしまえば、約束は永遠に果たされなくなる。
死者に与えられる道はただ一つ。腐り、土に還されるという逆らう事の出来ない最期。
ならば戦うしかない。相手をなぎ倒す事の出来る武器はただ一つ、この不気味な黒の長剣のみ。
そしてレックスは決意した。負ける気など初めから無い。負ければそこで終わりなのだから。
勝つのはお前たちではない。死ぬのは俺はない。
「死ぬのは……お前たちだ」
レックスは低く濁った声で言い放った。
眼は研ぎ澄まされた様に鋭く、邪悪な雰囲気を漂わせている。
実際問題、剣を抜いたから必ず勝てると言う可能性などありはしないのだ。
それにレックスは剣などろくに握った事も無いのだ。
それでも何故かレックスは確信していたのだ。
抜刀すれば必ず奴らに死を与えられる。
そうしてレックスは黒の剣をゆっくりと確実に抜いていった。
そして、禍々しい殺気を放つ闇の色をした刀身が姿を現したのだった。
33 :
ヴァズ戦記 :2006/03/25(土) 21:58:32
他のスレで細々と載せるのは駄目だと言われたのですが、長く書いて一気に載せたほうがいいのでしょうか?
36 :
1:2006/03/25(土) 22:31:16
書く人いませんね……
結構いるかと思ったのですが。駄スレ立ててすみません
37 :
ヴァズ戦記:2006/03/25(土) 22:35:56
何でもいいので感想をいただけないでしょうか?
描写などが薄い気がしていて気になってます……
38 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/03/25(土) 22:37:22
>>37 だから、反応が気になるならレス付くまで我慢してマテ。
39 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/03/25(土) 22:40:08
>>38 そうですよね……
ろくに文を書いた事がなくて心配になってしまって……
なんというか、平凡。派手さや珍しさがない。
できごとを十倍ぐらい派手にしてくれ。
ヘルウィスへの地味な旅 → すでに故国壊滅の危急の旅
ただの物盗り → 領土すべてを要求する豪族
41 :
ヴァズ戦記 3:2006/03/26(日) 00:16:19
3
草原は夕闇に包まれ、夜と言う一つの節目がやって来ようとしていた。
日中は確かに吹いていた風も今は嘘の様に途切れていて、草原には静かな沈黙が訪れている。
獣の鳴き声や虫の囀りも聞こえない。皆、何かに怯え逃げてしまった様だった。
気絶したレックスの第一声は草原の静かな沈黙をぶち破り、恐怖と絶望に満ちた絶叫だった。
目の前にあるのは自分を襲ったあの二人組みだった肉の塊。
辛うじて顔は原型を留めていたが、胴体は何かとてつもなく強大な力によって切り裂かれ、原型を留めていなかった。
血は今もなお乾く事無く、行き場を探しているかのように草と草の間をゆっくりと進んでいる。
「俺が……やったのか?」
レックスの声は震えていた。
身体もレックスの意とは反して途切れる事無くガクガクと震えている。
「違う。俺じゃない。 ……じゃあ誰が?」
レックスは自分に問い掛ける。
答えは帰ってこない。
一瞬の沈黙。
頭の中に浮かぶうやむやを振り払うように首を何度も振り、深呼吸を一つ。
震えは大分収まったように感じられる。
けれども謎は謎のままだ。
ふと、レックスが地に眼を向けた時、彼は「それ」を見つけた。
忌々しい黒の長剣。
そして、記憶は蘇る。
42 :
ヴァズ戦記 3:2006/03/26(日) 00:17:13
……彼は決意を強く固めた後、剣を抜刀した。
彼はそれに魅入られてしまったかのように黒い刀身に眼をやった。
人が変わってしまったかのように歓喜の雄叫びを上げ、何度も何度も振り回す男。
その姿は獣によく似ていた。
目標の二人を見つけた彼は剣を構え一瞬にして間合いを詰め、一閃。
叫ぶ暇さえも与えないその一閃は常人が成せる業ではない。
ましてや、剣を握った事も無い彼が成せる業ではないのだ。
獲物を仕留めた彼は腕に付着した返り血を必死になめまわし、微笑んだ。
そして、原型が分からなくなるまで何度も何度も滅多切りにした。
「俺がやったんだ……」
レックスは手で頭を抱えながら小さく呟いた。
指の間からは溢れんばかりの涙。
「何で……こんな事になったんだ? 訳が分からない」
43 :
ヴァズ戦記 3:2006/03/26(日) 00:20:34
……覚醒への一歩さ
直接は聞き取る事の出来ない声。その声はレックスの心に直接呼びかけている。
「何のことだ?」
レックスはその声に尋ねた。
……その内分かるさ
「お前は……誰だ?」
……お前には使命がある。それはちんけな村一つを守る事などではない
……この世界の運命を左右する使命があるのだよ。
「何を言っているんだよ?俺の質問に答えてくれ!」
……その内分かる。今はまだ……その時ではない。
……まあ、ろくな事ではない。下手な期待はするな
そこで声は途切れた。
「誰なんだ?答えてくれよ」
レックスは再び問う。だが、答えは返ってこなかった。
夕日と共にレックスの心は沈んで行き、その心は闇に満たされていく。
「俺に……何かを守る力はあるのか?」
その問いの答えは返ってくる筈など無かった。
44 :
ヴァズ戦記 3:2006/03/26(日) 00:33:21
薄暗い闇に包まれた空間。
この世の場所とは思えないほどの静寂に満ちているその場所には何一つ存在していない。
虚無。この言葉が良く似合う場所だ。
「例の鍵は見つかったのか?」
「いえ……」
鳴り響き、交差する二つの声。その声に感情は全くこもっておらず、声のトーンも酷似していて性別を判断する事は出来ない。
「急ぐのだ。……時は近いのだ。残された時間は少ない」
「心得ております。」
「良い知らせがあります。あの者の覚醒が始まったとの事です」
「ほう……」
「彼もまた鍵の一つ。だが……鍵は全て揃わなければ意味が無い」
「存じております」
「閣下……ご存知かとは思いますが」
「いよいよ始まるな……」
「はい……」
「人は愚かだな、ファルディス」
「おっしゃるとおりで」
「だからこそ我々ラブディスが導いてやらねばならぬ」
「ええ」
「全ては愚かなる人の為に……我々は全てを正す義務がある」
そこで声は鳴り止んだ。
45 :
ヴァズ戦記 3:2006/03/26(日) 00:36:05
序章終了です
>>40 うーん、珍しさがないと言うのには同感です。
自分でも盛り上がりに欠けるなぁと思っています。
でも、そこまで大きくする事は出来ませんね。
とりあえず今からは盛り上げていく予定ですので……
46 :
ヴァズ戦記@反省会:2006/03/26(日) 00:46:21
描写が少ないのかな……
全く臨場感がないな。薄いのかな?
書いといてなんですが、こういうのって難しいですよね
まだまだまだまだ勉強不足だ。とりあえず描写と展開をなんとかしなきゃね……
ちょっとつづきを期待。
未熟者だけど・・・
のせちゃだめ? 壁|ω・`)
49 :
1:2006/03/27(月) 12:57:38
どうぞ〜
50 :
◆QHMEmROvqk :2006/03/27(月) 14:34:38
私もいいですか・・・・??多分、あんまりうまくないけど・・・
51 :
1:2006/03/27(月) 14:40:09
許可なんかいいですからどうぞ
忘れ物があります。
貴方に一番に届けたいのです。
+++++++++トランク++
電話が鳴っている。照子は、いい加減電話が嫌いになりそうだった。
つい最近自分の周りに起きた大きな変化には、もうすぐ50を迎える
照子には精神的にも身体的にも滅入ってしまったのだった。目の前の
壁に掛けてある鏡を見ると、前よりも10歳は年をくった自分の顔が
映った。
――――あら、嫌だ。私にはもう鏡なんて必要無いのに。
やはり捨てられないのは、あの子の思い出が強くしみ付いた物だから
だろうか。
そんな事を漠然と考えながら、照子は重い腰を上げた。
受話器を上げると、チン、と黒電話特有の音がした。照子が最も嫌う音だ。
不幸な出来事は必ずこの音が始まりだった。
+++++++++++++++
>>48です。
ホラーものかと思われます。
「あ、お母さん?あたし、瞳!元気にしてる??」
耳に受話器をあてると、微かな風の音と懐かしい声が聞こえた。
「あら、瞳!どうしたの?」
「あたし今からお母さんの所に帰るから!!」
「まぁ、珍しい。一体どういう風の吹き回し?」
「うふふ。たまには親孝行しようと思ってね〜♪明後日にはつくから、よろしくね!」
そう言うと、瞳はすぐに電話を切ってしまった。娘の元気な声を聞いて、涙腺の弱くなった
照子は溢れ出てくる涙を抑えきれなかった。
黒電話の音が、少し好きになれそうだった。
つづく
54 :
へたれ:2006/03/27(月) 15:31:16
過去形で終わらしてしまっている文が多くてあまり臨場感がありません。もう少し文に工夫をいれた方がいいと思います。
あと♪の使用は避けた方が望ましいです
瞳は、体の半分ほどのトランクを重そうに引きずって空港に居た。
いつもは何にも感じない人ごみに、今日ばかりは殺意を持ちながら。
――――あぁ、ちゃんとお母さんにあえるかな
瞳には、どうしても母親に会わなければいけない理由がある。それ
を果たすまで、瞳は死んでも死にきれない思いなのだ。
++++++++++
同化してしまうかと思うほど長い間座っていた座布団から立ち上がり、
照子は夕食の準備に取り掛かった。頭の中は、さっきかかってきた電話
のことでいっぱいだ。
其の出来事は、言葉では言い表せない程嬉しくもあり、また恐ろしくもあるのだ。
つづく
+++++++++++++++
>>54解りました・・・できる限りで頑張ります。
56 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/03/27(月) 23:06:23
期待アゲ
57 :
ヴァズ戦記@反省会:2006/03/28(火) 00:13:18
序章を見直して納得が行かなかったので文を加えた改正版を書いたのですが、再び投稿するのは迷惑ですか?
一人寂しく夕食を食べる。つい最近までにぎやかだったこの空間も、今は独りである事を思い知らされる場所でしかなかった。
その時、空気を裂く様に電話が鳴った。女の勘というやつで、其れが自分の娘からだと悟った。受話器を取ると、一つ深呼吸を
して受話器を耳にあてる。
「あ、お母さん」
あまりに予想通りすぎて笑いが込み上げてくる。
「どうしたの、瞳」
「今飛行機の中よ!!もう凄いの!雲の上を飛んでるのよ!!」
瞳は、18歳とは思えないほど子供のようにはしゃいでいる。きっと受話器の向こうで飛び跳ねているに違いない。安易にその様子
を想像できた。子供の頃からそういう所は変わらないままだ。
――――当たり前よね
「お母さんにも見せてあげたい!!」
・・・
――――瞳は飛行機に乗るの初めてだもの
「じゃあ、また電話するからね!」
そう言って電話は切れた。気のせいか、暗かった部屋がほんの少し明るくなった様な気がする。
其の暖かさを忘れないよう、照子はしばらく受話器を握り締めたままその場にしゃがみ込んでいた。
つづく
++++++++++++
ご期待にそえるかどうか('A`)
あ、改行がおかしいorz
「・・・」は「初めて」の上にあると思ってください
61 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/03/28(火) 11:18:09
トランクさん
まだ始まったばかりのせいかもしれませんが、正直微妙です。
文の方も、何というか何か物足りない様な気がします。それは心理描写とか風景描写とか……とにかく上のへたれが言っている通り臨場感がありません。
もう少し文の向上を目指して下さい
昨日のものですが、長編になってしまいそうです。
あと、文の使い方とか、設定とかぐちゃぐちゃ・・・('A`)
著◆QHMEmROvqk
『DEATH CALL』
一本の電話で自分の人生がおわるとなったら、人はどうするだろう。
西暦3500年、科学はものすごく発展し、人々は何不自由なく暮らしていた。
この国の人口は1億8000万人。一時期、9000万人に減ったのだが、政府が「2人っ子政策」
という、トンでもない政策をとったため人口は増加、今に至る。
経済大国世界一にまでなったこの国は、失業率0%をついに記録した。
そんな中、進藤陵は生まれた。
彼は、大手株式の進藤夫妻の次男坊となった彼もまた何不自由なく暮らしていた。
家族はみんな仲むつまじく、4歳年上の兄修司に、2歳年上の姉美香、1歳年下の妹舞に3歳年下の弟正也と、
兄弟にも囲まれスクスク、素直でいい子に育っていった。
だが、彼は中学時代に出来た2人の親友のせいで、ずる賢く、やんちゃであった。
そんな陵も18歳になり、間近に迫った大学受験のことで忙しい日々を過ごしていた。
陵の人生は今の所うまく行っていた。
あの電話がかかってくるまでは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
とある住宅街。ここで殺人事件が起きた。
殺されたのは、加藤さん家族5人。
中途半端ですが・・・・・・・・続きます・・・・・・・・・orz
なんか駄目駄目ですね・・・・・・(^ω^;)
翌日
其の日は、朝から雨が降っていた。それだけで照子は上に石が乗っかったかの
様にその場から動けなかった。生きてることさえも億劫になってしまいそうだ。
こんな時、唯一の光は瞳からの電話だけだ。瞳が楽しそうに笑う姿を思い浮か
べるだけで、照子は十分幸せな気分になれるのだった。
その時。
リリリン リリリン
「!!」
突然黒電話の音がした。照子は自分でも驚くほど物凄い速さで起き上がると、
黒電話のある一階の居間まで全速力で走った。だが、50近い照子には古い急な
階段は危なすぎた。
照子は、あと5段を誤って踏み外してしまったのだ。
照子は激しく尻餅をつき、そのまま滑り落ちてしまった。痛みより何より驚き
が体を廻る。
「っ、あ・・・」
声が出なかった。一種のパニック状態というやつか。しかし、このままではせ
っかくの電話が切れてしまう。照子は残りの力を全て出し切り、電話まで這っ
て行った。
「はぃ、桂木です・・・」
廻ってきた痛みを精一杯我慢しながら、なるべく明るい声を作る。しかし、返
ってきたのは想像していたよりもぐぐもった暗い声。
つづく
+++++++++
・・・解りました・・・
頑張ったつもりですがどうでしょう
つづきが気になる。
65 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/03/28(火) 15:13:08
連載させて頂きます。
ジャンルはサスペンスで。
もちろんフィクションです
66 :
ジャッジメント ―浄化の雷― 序曲:2006/03/28(火) 15:16:52
今まで数え切れないほどの愚者を目にしてきた。
その度に私はそれを滅した。
私はそれを人としては認めない。
私には……力が在る。
絶対的な浄化の力が。
……私は神に選ばれたのだ
「我は神の代弁者なり」
67 :
ジャッジメント ―浄化の雷― 序曲:2006/03/28(火) 15:17:26
序曲 我は神の代弁者なり
あの日から始まったのだ。後に「粛清」と呼ばれる様になる大量虐殺が。
いや、もしかするとそれはずっと前から少しずつだが確かに起こっていたのかもしれない。
まあそんな事はどうでもいい。
とにかく、その日は雨が強く地面を打ち、雷鳴が轟き渡る最悪の日だった。
日中のはずなのに太陽の姿を拝む事さえも出来ない。
ウィリッヒの街に住む人々は殻にこもっってしまったかの様にそれぞれの家に閉じこもっている。
当然と言えば当然だが、いつもはそこそこ歓喜のある街はこの日だけは静かな沈黙に包まれていた。
後に第一の事件現場となる薄暗い路地で青いレインコートを着込んだ小柄な男―それも押したら一発で倒れてしまいそうな老人―と
それに詰め寄る紺色のコートを着た、いかにも凶悪そうな目つきをしている男が何やら揉め事を起こしていた。揉め事と言っても明らかに一方的な物だ。男は何やら脅しをかけるような台詞を吐きながら、ほんの少しの敵意を見せ、恐怖に満ちた老人に近寄っていく。
しかし、相当焦っていた為か老人は雨によって滑りやすくなった地面に足を取られ尻餅を付いて倒れこんでしまった。
68 :
ジャッジメント ―浄化の雷― 序曲:2006/03/28(火) 15:17:59
年老いた人間にとってはちょっとした衝撃でも命取りになりかねない。
老人の身体に激痛が走り、小さく悲鳴を上げたが降り注ぐ豪雨によっていとも簡単に飲み込まれてしまう。
それを見た男は微笑んだ。
相手を見下す外道な瞳。逃げる術を失い、完全に怯え切った老人を鋭い睨みで指した。
「運が悪かったな爺さん。あんたが素直に俺の言う通りに有り金全部、差し出してたらこんな乱暴なことはしなくて済んだんですよ? 俺って案外物分りのいいヤツだからね」
男は勝ち誇った笑みを浮かべながら調子良く言った。
何も答えない老人。
いつもなら、今時の若いもんわと口癖のように言っていそうな老人は何も言い返せない。
そんな事を今、この状況で言ってしまえば間違いなく碌な事にはならない。
かといって男の機嫌を損ねてしまった今、有り金を差し出したとしても一度損ねてしまった男の機嫌を直せるかどうかも微妙な所だ。
どちらにせよ、不利で最悪な状況を奪回する術は老人にはもう残されていない。
69 :
ジャッジメント ―浄化の雷― 序曲:2006/03/28(火) 15:19:11
男は依然として老人を睨み付けている。
「俺にはね、失うものは何も無いんだ。どう? 可愛そうでしょ。でもね……良い事もあるんだ」
そう言いながら男は楽しそうに笑いながらコートの右ポケットに手を入れた。
取り出されたのは小型の折りたたみ式ナイフ。
銀一色で統一された表面には十字架が刻まれている。
最近購入したのか、それとも丁寧に扱っているのかは分からないが傷一つ無く綺麗に扱われている。
男は今度は鼻歌を鳴らせながらナイフを宙に放り投げた。宙を舞うナイフはタイミングよく鳴った雷を写し、一瞬だが金色に輝いた。ナイフは吸い込まれて行く様に再び男の掌の掌へ帰っていく。
男はナイフを放り投げる動作を何度も繰り返し始めた。
その光景を見て老人の表情は硬直していく。
痛みは和らいだ物の、恐怖の余り立つ事さえ出来ない。
老人には今から起こる事が大体は予想出来た。けれども、そんな事想像したくも無い。
だが、嫌でも想像してしまう。
「俺には失う物は何もない。だから何をしても誰も悲しまない……」
男は少し悲しそうな表情を浮かべ、言った。
70 :
ジャッジメント ―浄化の雷― 序曲:2006/03/28(火) 15:20:15
「今から俺が何をしようとしているか分かるか? 糞じじい」
男は突然表情を怒り一色に変え、老人に言い放った。
……感情の移り変わりの激しい男だ。お前こそ糞だ。
老人はそう叫びたかった。いや、正確には叫んでいた。だが、声が出なかったのだ。
心はそうしようとしても、口が動かない。
いつの間にか老人は自分自身を笑っていた。いつもは大口を叩いているのにいざとなったら何も出来ない無力な爺さんだなと。
「どうした? 爺さん。恐怖の余り気でも違ったか? それとも……俺をあざ笑っているのか?」
男の怒りがよりいっそう激しくなった。
「ああ、そうだ。」
不意に老人の口から言葉が放たれた。しおれていて、今にも途切れてしまいそうな恐怖に満ちた声。
それがきっかけとなり、まるで決壊したダムから水が流れて行くかのように老人の口からは積もりに積もった言葉が放たれて行く。
「ワシはお前の様な屑がだいっきらいじゃ。お前のような屑は生きていても仕方が無いんじゃ。お前のようなヤツはゴミじゃ。生きている意味すらない。 ……忌々しい害虫め。消えてなくなってしまえ!」
ダムの水にも限りがある。老人は全てを言い切った。
悔いは……ある。しかし、最後の抵抗はした。無抵抗なまま死ぬよりは100倍ましだ。
老人はさっきまではけなしていた自分を誇りに思った。
そして覚悟して待った。 ……最期の時を。寿命よりもしかしたら何十年も早い最期の時を。
71 :
ジャッジメント ―浄化の雷― 序曲:2006/03/28(火) 15:20:45
もう男に迷いは無かった。無言で折りたたみ式ナイフを開き、刃を露にさせる。
銀の刃は降り注ぐ雨を切り裂きながら老人へと矛先を向けた。
男は鼻で笑い、老人を嘲笑う。
「屑はお前なんだよぉ!」
一筋の稲妻が轟き上げた。
それと同時に断末魔が路地を駆け巡る。
それは最期まで立ち向かった老人の悲しい叫び声。
「お前が悪いんだよぉ。俺に歯向かうとこうなるんだ。ハハ、屑はお前だ。アハハ」
男は震えながら狂った様に喚いた。
喚き声はやむ事を知らない様に永遠と続いた。
そして、彼が現れた。
深海の底知れぬ闇よりも深い黒の色をしたコートを着たあの粛清者が。
顔はフードによって隠されていてよく見えない。
……彼こそが全ての事件の発端となる鍵だった。
老人を殺し歓喜を上げている男は地面に座り込み、死んでしまった老人を何度も揺さ振り、大量の鮮血を外へ排出させている。アハハ、アハハと声を荒げながら手で流れ出る地を必死にかき集めているその姿は赤ん坊が与えられた玩具に必死になっている様によく似ていた。
もちろん、男は「彼」が居ることすら気づいてはいない。
もう壊れてしまったのだ。人としての理性は欠片さえも残っていない。
72 :
ジャッジメント ―浄化の雷― 序曲:2006/03/28(火) 15:21:29
「強姦、強盗・略奪、……そしてついに犯してしまった殺人。最後に行き着くのは命を奪う事。悪いがお前の事は事細かく調べさせてもらった」
「彼」は壊れてしまった男に静かに言った。
降り注ぐ雨よりも冷たい声。その声には聞く者を引き付ける力を持っている。
しかし、男には声が届いていていないのか全く気にかけてはいない。
彼もそんな事全く気にもしていない様で話を続ける。
「お前の様な愚者はもはや人ではない。ましてや獣でもない。お前は……存在してはならないモノだ。よって……神の代弁者によるこの雷を受けよ!」
彼はそう叫ぶと右手を天にかざした。
その瞬間、雷鳴が轟き、一筋の雷が路地へと引き寄せられていく様に落ちていった。
金色の大蛇の様な雷
それは男の断末魔さえもいとも簡単に飲み込み、一瞬にして跡形もなく消し去ってしまった。
何故か、雷の直撃を受けたのは男だけで辺りは全く変わっていない。
雷の様な自然現象を自分で呼び寄せ、ましてや一つの対象だけにぶつける事など出来る筈がないのだ。
73 :
ジャッジメント ―浄化の雷― 序曲:2006/03/28(火) 15:38:28
彼は無言でかざされた右手を下ろしゆっくりと絶命した老人へと近づいていく。
まさか、彼がやったでもいうのか。
雷を自らの意思で発生させ、コントロールするという神の業に等しい事を。
この有り得ないという考えが後に警察の頭を抱えさせていく事になるのである。
男は老人の元へとたどり着くとしゃがみ込み、老人の手を優しく両の手で包み込んだ。
息はもう無い。先ほどまで流れていた大量の鮮血は止まっていて、行き場を求めて地面を流れて行く雨と共に何処かへと流れていく。
「敵は取った。あなたは勇敢な人だった。それを誇りに持って静かに眠れ。神はあなたを祝福するだろう」
彼はそう静かに語りかけると、老人の手を離し立ち上がった。
空から降り注ぐ雨は名も無き老人の涙の様だ。
そして一仕事終えた彼は静かにその場を去っていった。
老人の遺体が住民によって発見されたのは雨上がりの正午であった。
全てはここから始まる……
74 :
ジャッジメント :2006/03/28(火) 15:39:10
序章終了です。
批判など酷評待ってます。
なんていうか、悪人の罪がしょぼい。ただの単独殺人強盗犯だ。
もっとおおものを退治するわけにはいかんのだろうか。
独裁者とか、民族虐殺とか、ひとさらいの巣窟とか、税金泥棒とか。
76 :
ジャッジメント:2006/03/28(火) 16:23:37
まぁ始めですから……
とりあえず「彼」は罪を犯した人間ならば誰でもいいんです。
これからじゃんじゃん好きなようにぶち殺させて行きますよ
77 :
ジャッジメント:2006/03/28(火) 16:26:26
それとこの街は一応平和ですから独裁者とかそういうのはいません。
ある静かな街で起こった事件って事にしたいんで。
物凄い殺人とかそういうのを期待しているのなら残念ながら期待に添えないかと
彼の思う正義とは何か?見たいな感じにしたいんで
はたして殺人が罪だろうか。
本来、人は何ものにもしばられず自由なはず。
心のおもむくままに物を奪って何が悪いであろう。
動物の本能に忠実なあの男の方が、天地自然に祝福されるのではなかろうか。
79 :
ジャッジメント :2006/03/28(火) 17:24:48
>>78 殺人は罪です。
あーやっぱし舞台は現実にしたほうがよかったかな
別の世界の話にすると法律云々が何とかって突っ込みが来るからなぁ……
80 :
【改正版】ヴァズ戦記 序章:2006/03/28(火) 17:26:40
初めそこには光も闇も無い「無」と呼ばれる空間だけが存在し、永遠とその空間だけが広がり続けていた。
やがてそこに「生」という物が生まれ無と対立した。
無は生に対抗するべく、死を生み出した。
しかし死は無を裏切り、3つの物はそれぞれ対立する事になった。
その争いは長く続いたが決着はつかなかった。
そこへ「それ」が現れた。
実体を持たないそれは3つの物をまとめてしまい、一つの世界が創られた。
それがクルックシャウス……我々の世界である。
〜「初めに無ありき 夜明けの章」 パルヴァドゥス著 〜
81 :
【改正版】ヴァズ戦記 序章:2006/03/28(火) 17:27:38
辺りに広がるのは夕暮れによって真っ赤に染められた荒野。
木や草、全てが焼き尽くされ今なお燃え続けるその戦火は夕暮れの色に似ていた。
そこに彼、レックスと言う名の青年が立っていた。
返り血を浴びた銀の鎧を身につけ、負傷した右肩から流れ出る鮮血の血を止めるために左手で押さえつけている。
右手には血に染まった銅の剣。 幾多もの敵を葬り去った為なのか、所々が欠けてしまい本来の殺傷能力をほとんど失っているようだ。だがその矛先は今もなお迫り来るであろう敵に向けられているようであった。
彼の周りに在るのは数えてもきりが無いほどの死体。魂が抜け、肉の塊となってしまった哀れな者たち。
「……たとえ死に、土に還って行く事が人の定めだとしても死ねない。死ぬわけには行かない。俺は死なない。」
レックスは生気を失いかけた瞳で沈んでいく夕日を睨みつけながら小さく呟いた。
声は頼りなく、一瞬にして見えない空気に飲まれて消えていった。
「……俺の死に場所はここじゃない。ここじゃないんだ。死ねない。死にたくない。死にたくない。」
レックスは何度もそう呟いた。
そして訪れる重い沈黙。
レックスは剣を杖の替わりにして一歩ずつ確実に前へと前進していく。生きるための一歩。
振り返れば待っているのは死。諦めたらそこで終わりだ。
ゆっくりと、確実に進んで行く。
死体が邪魔で上手く進む事が出来ない事もあるが歩んで行くしかない。生きる為に。
そこにはレックス以外生存者は一人もいなかった。
一人残された孤高の生存者。
彼らは、負けたのだ。国と国のあまりにも愚かで、下らない戦争に。
82 :
【改正版】ヴァズ戦記 序章:2006/03/28(火) 17:28:08
国と国の下らない争い。力や地位を求める国の駒になり、犠牲となるのはいつの時代もレックスの様な一般人だった。
ただ平和に暮らせればそれでいいのに。だれもがそう思っていた。
だが、国はそれを許さない。力のために無意味な争いを自分の手は汚さずに駒を使いゲーム感覚で始め、勝てば歓喜し、負ければ責任を擦り付け合う。
レックスはそんな下らない事に巻き込まれるのはご免だった。いや、だれもがそう思っているだろう。
だが、そんな言い分が通るはずもなくレックスたち「駒」は戦争へ駆り出された。
それが国の意思であり、決定であったのだから。拒否は許されない。
それは絶対的な決定であり、国に所属している限り逃れる事は出来ない。
この荒野での戦いに参加する前、レックスは一つの意思を固めた。
「生きて帰ろう。絶対に。約束の為にも」
別に卓越した剣技を持っているわけでも無いレックスには生きて帰れる可能性など全く無かった。
その上、彼が参加した戦いは周りからは「負け戦」と言われていて勝つ事など到底不可能だったのだ。
結果は誰もが予想したとおりに全滅。
けれども彼、レックスは生き残った。
強運なのか、それとも運命じみた強い力が彼を生かしたのか。
突然、荒野の空気が重たく、そして冷たく変化していった。
「誰だ……誰?」
その変化を感じ取ったのかレックスは足を止め、辺りを見渡した。
しかし、目に映るのは変り映えの無い赤く染まった荒野。
だが……何か違う。
収まる事の無い寒気。襲い掛かる絶対的な恐怖。
そして、死よりも恐ろしいと感じさせる殺気。
……でも懐かしい気もする。
83 :
【改正版】ヴァズ戦記 序章:2006/03/28(火) 17:29:26
「誰だ……誰?」
レックスは再び同じことを呟いた。
だが、声は震えている。顔も青ざめている。
今にも悲鳴を上げそうなその表情には絶望と言う感情以外何も表れていない。
「僕だよ。レックス……」
ふいに声が響き渡った。
高く、透き通っていて中性的な声。
その声にレックスは聞き覚えがあった。
懐かしい声。
だがレックスの覚えのあるあの懐かしい声とは何かが違っている。
底知れない殺気。
その声はレックスを標的としている。決して、友好的なんかじゃない。
「お前なのか……」
レックスはゆっくりと確かめるように言った。悲しみの為か、それとも恐怖の為なのか、確かに言った筈の名前は聞き取れなかった。
「そうだよ。久しいね」
姿は無く返事だけが返ってくる。
レックスは落胆した。
……まさか、そんな
「何処にいるんだよ。出てこいよ……」
レックスは周りを見渡しながら言った。
しかし、いくら探してみても姿は無い。
「ふふ、いいよ。じゃあ後ろを向いてごらん」
返事と共にレックスは背後にかすかな気配を感じた。
その気配にはさっき感じた殺気はもう感じられない。
警戒を解き、レックスは振り返った。
84 :
【改正版】ヴァズ戦記 序章:2006/03/28(火) 17:30:28
その瞬間、レックスの腸から銀の剣がゆっくりと姿を現した。
大量の鮮血が剣の先端を伝って地面へと落ちていく。
「な……何故……こんな……こんなこと……」
その言葉と共にレックスは彼の足元へ崩れていった。
彼の右手にはレックスを貫いた背丈をも越える大剣。
夕暮れ色の刀身はレックスの鮮血と共に妖しく輝いている。
「あーあ……壊れちゃった。なんてもろいんだ。レックス、僕は力を手にしたんだ。君なんか僕の前では……塵以下の存在だ。所詮君は、口先ばかりの男なんだ。そんな約束、僕にするな。まあ、期待なんかしていなかったさ」
彼は投げ捨てるように言い放った。
その声には何処となく悲しみが含まれていた。
そして、再びゆっくりと消えていった。
何事も無かったかのように再び静まる荒野。
ただ、彼の生き延びようとする様はもう無い。
荒野に重い沈黙が訪れたのであった。
>>79 ああ、そんなに気にせずに。
最初の予定で書いてくださいよ。それがいちばんいいですよ。
架空世界好きですよ。
86 :
【改正版】ヴァズ戦記 序章:2006/03/28(火) 17:31:02
------
いつの頃からだっただろうか。
この村、ハントで大きな戦争が起きるという噂が流れ始めたのは。
そして、それは現実となり、俺たちは関係ないという気持ちを捨てなくてはならなくなったんだ。
第2極
川沿いに位置する小さな村「ハント」
大国ガルバトロスに属しているこの村は緑に包まれ、平和で穏やかなこの村では今一つの噂で持ちきりだった。
それはガルバトロスとフェルスド、二つの大国が大きな戦争を始めるというものだった。
以前から睨み合っていた二つの大国は、いつ戦争を始めてもおかしくない状態にあった。
そうなれば当然自分たちも戦争に駆り出されてしまう、と思った村人たちは不安な毎日を過ごさなければならなかった。
「レックス、戦争が始まったら……どうする?」
その声はとても透き通っていて、何処と無く聞く者を落ち着かせる力を持っていた。
心地よい風が競い合うようにして草むらを駆けて行く。
その草むらに二人の青年が寝転び、青々と広がる恐ろしいほど雲一つ無い空を仰いでいた。
今日はいい天気だ。だれもがそう思ったことだろう。
87 :
【改正版】ヴァズ戦記 序章:2006/03/28(火) 17:31:50
「どうするって……どういう意味さ?」
レックスと呼ばれた青年は視線を空から青年へ移し思わず聞き返した。顔は整っていて、眼に強い力を持っている。洗い立ての使い古したシャツから伸びる二つの腕はたくましく、日焼けしていた。
「そのままの意味さ。近いうちに必ず戦争が始まる。それも大きいな戦争が。このヴァズの歴史を大きく変えるものになるよ、きっと。僕たちに残された道は二つさ。戦争に赴くか……卑怯者の名を背負いながら逃げるか。 ……正直、僕は逃げたいよ。」
青年は空を仰いだまま呟いた。その瞳には悲しみと恐怖の念が漂っている。青年はレックスとは対照的でとても貧弱そうで、頼りなさそうだ。身に付けているシャツも新品の様で、腕も真っ白だった。
「……戦争か。考えもしなかったな。俺もシャオ、お前と同じで逃げたい。」
レックスの言葉にシャオと呼ばれた青年の表情は少し和らいだ。
「けどな、やっぱし俺は戦いに赴くと思うんだ。国の貴族たちにとっては俺たちは便利な駒さ。俺は国の駒として動かされるのは嫌だ。だから戦いに参加して国の下らない争いの為に死ぬなんてご免だ。けど、けどな
」
レックスはシャオに微笑みかけた。
「俺はこの村が好きだ。この村を守りたい。そりゃあ俺一人の力じゃどうにもならない。
けどさ、俺が戦うことによってこの村の誰かが救われるのなら俺は……戦うよ。
シャオ、お前やお前の家族には感謝してるんだ。
身内も分からない俺を引き取ってここまで育ててくれた事は感謝してもしきれないくらいだ。
だからさ、俺は何か恩返しをしたいんだ。
それが例え自分を犠牲にする事であっても……」
二人の間に訪れる沈黙。
短い沈黙を破ったのはシャオだった。
88 :
【改正版】ヴァズ戦記 序章:2006/03/28(火) 17:32:23
「そっか…… まあ、なんというか、レックスらしいよね。逃げを選ぶレックスなんてレックスじゃないよね」
シャオはそういい笑いかけた。
レックスもそれにつられて笑った。
しかし、レックスには分かっていた。シャオは心の底から笑っていないと言う事を。
シャオの心は不安と恐怖に満ちていた。
シャオとレックスが出会ったのはお互い生まれて間もない頃だった。
ある日ハントの村長であるシャオの親バルトは嵐の夜に玄関の前に倒れていたフードをかぶった男を見つけた。
その男は既に息絶えており、傍らには赤ん坊が入れられた籠があったという。
バルトはその赤ん坊の親と思われる男を手厚く葬り、赤ん坊を育てる事を決めた。
それが死んでいった男の為になると思ったからだ。
バルトは赤ん坊をレックスと命名し、シャオとレックス共に愛情を注いで育ててきた。
妻アリスもレックスを可愛がった。
そうしてシャオ、レックスはお互い兄弟の様に暮らしてきたのだった。
「そろそろ帰ろうか」
シャオは空を仰いだまま言った。
レックスはおう、と呟き立ち上がった。
それに続いてシャオも立ち上がり、二人はその場を後にした
89 :
【改正版】ヴァズ戦記 序章:2006/03/28(火) 17:33:35
---------
シャオとレックスの草むらでの会話から数ヶ月が過ぎた。
そして戦争は始まった……
レックスはやはり自ら志願し村を旅立った。
別れの際にバルトとアリスに感謝の気持ちを伝え、一言言い残した。
「この命に換えてもこの村、ハントを守ってみせるよ」と。
それを聞いたバルトとアリスは少々焦りながら「絶対に死ぬな。生きて帰って来い」と返した。
レックスは微笑み、ハントを後にした。
バルトとアリスはその後ろ姿をずっと見ていた。姿が見えなくなるまで。
また会えると信じて……
だが、お互い知る由も無かった。
……もう二度と会う事は叶わぬと言うことを。
一方、シャオは戦火の魔の手から逃げるかの様に部屋に閉じこもった。
そうしていく事によって彼は少しずつ変わっていき、やがて彼自身も知らない何かが目覚めようとしていた。
秘められし心の闇。それは常にシャオの中に眠っていた物で、いつか解き放たれる時を待っていた。
訪れた別れの時。そして加速していくそれぞれの運命。
過酷な運命が待っているとも知らず彼らは歩んでいく。
それぞれの道を……
90 :
【改正版】ヴァズ戦記 序章:2006/03/28(火) 17:34:50
第2極
涼しい風が草原を駆け巡る。
村を旅立って3日が経った。
雲一つ無い空を見上げ、レックスは草むらの上でシャオと話した時の事を思い出していた。
……結局シャオは戦火から背く道を選んだ。
だが、レックスはそれを臆病だとか卑怯だとは思わなかった。その選択はシャオが言っていた、与えられた二つの選択の内の一つだったのだからどちらを選ぼうともそれは自由なのだ。
誰もそれに反対する権利など持っていない。
最期に決断するのは誰でもない自分なのだから。
「だからこそ俺が守ってやらなきゃならないんだ。シャオも。バルトさんも、アリスさんも、村の皆も。
それが俺の義務だ」
レックスは虚空の空に向かって小さく、しかし強く言い放った。
返事など返ってくる筈は無かったが、その代わりにレックスの決意を後押しするかのように風が強く吹き渡った。
……勇気付けてくれているのか?
レックスは微笑んだ。それは旅を始めて見せた初めての笑みだったかもしれない。
91 :
【改正版】ヴァズ戦記 序章:2006/03/28(火) 17:35:22
目指す場所はヘルウェスと呼ばれる街だ。
ヘルウェスは交易の街として栄えている。
その為、多くの人が集まり、情報も真偽問わず溢れ返っている。
バルトの話によれば、今ヘルウェスではガルバトロス第12騎士団が一時滞在しているようでその騎士団長に志願すれば騎士団に入団できるという事だった。
何か検査みたいなものは無いのか、とレックスは不安交じりに尋ねるとバルトは皮肉そうな笑みを浮かべ、「今は誰でもいいから人材が欲しいのだよ。戦争が激しくなれば志願しなくとも駆り立てられてしまうよ。だから心配なんてしなくてもいい」と言っていた。
ヘルウェスへ行くと一言で言っても容易い事ではない。
ヘルウェスはハントから北東へずっと進んで行った所に位置し、道中深い森や険しい道があり危険が伴う旅となるのだ。盗賊が出るとの噂もあるようだ。
下手したら死ぬな、と呟きレックスは苦笑した。
道中幾つか小さな村はあるが極力食べ物や水の消費、無駄な戦闘は避けるようにしなければならない。
レックスの持ち物は枯れたパン数個と水、そして黒い長剣だった。
禍々しい気を放つその長剣は出発前にバルトによって手渡されたものであった。
その剣は赤ん坊だったレックスを連れてきた男が腰に携えていた物であり、バルトが来るべき日の為に預かっていたのだと話した。
鞘は傷一つ無い闇の色で柄もまた闇の色で染められていた。
レックスはそれを手渡されてから今まで抜刀した事など一度も。
抜刀の必要が無かったというのも一つの理由だが、何よりレックスの本能がそれを断固拒絶しているのだ。
眼には見えない邪悪なオーラ。今まで何人の者がこの剣に魅了されたのだろうか。
レックスの親らしき男もその虜となった者の一人なのだろうか。
しかし、今のレックスにはそんな事はどうでも良かった。
とにかく無事に目的地まで到着する事が何よりの目的だ。
92 :
【改正版】ヴァズ戦記 序章:2006/03/28(火) 17:38:01
「ちょっと待ちな」
突然レックスの背後から低い声が鳴り響いた。
それは明らかに脅す様な意を込めた物で友好的な物では無い事はレックスには分かっていた。
……盗賊か? いきなりだな……
レックスは仕方なく足を止め、背後へ振り返った。
その先には、まあ予想通りというか、いかにも悪事を働いているという印象を持たせる小柄の男と大柄の男が腕を組み、意地の悪そうな笑みを浮かべている。
身に付けている服は意外に綺麗で、恐らく人を襲いぶんどった物だなとレックスは思った。
「何か用か?」
レックスは二人組みに引けを取らない鋭い睨みを返した。
二人の男は分は自分たちにあると思っていたのかその睨みにも全く動じない。
それどころか笑みを浮かべている。勝ち誇った折れた歯をむき出した汚い笑顔。
「ああ、ある。」
「お前が持ってる物、全て置いていってもらおうか。」
「勿論、拒否権は無い。」
二人の男は交互にありがちな台詞を完璧と言ってもいいほどリズムよく投げ捨てた。
こうやって脅すのは彼らにとっては日常茶飯事なのだろう。
「もし、断れば?」
レックスは試すような口調で言った。
勿論、答えなど初めから分かっていた。
「お前の命を奪ってでも」
大柄な男は腰に携えた短剣を抜き取った。
「ぶんどる」
小柄の男も同じ様にして短剣を抜き取った。
それぞれの刃が日差しに照らされる。
二人の持つ剣の矛先が同時にレックスへと向けられた。
93 :
【改正版】ヴァズ戦記 序章:2006/03/28(火) 17:39:36
ためらっている暇など無かった。
やらなければ、やられる。
意を決したレックスは腰に携えた黒い柄へ手を伸ばした。
だが問題はそれを抜くできるかどうかという事だ。
一瞬のためらい。
やはり簡単に抜く事は出来ない。
……臆病者め
レックスはそんな自分を呪った。
抜刀してしまえば最後。何か取り返しのつかない事が起こってしまう。レックスはそう感じていた。
だが…… ここで抜かなければ死ぬ。そうなってしまえば、約束は永遠に果たされなくなる。
死者に与えられる道はただ一つ。腐り、土に還されるという逆らう事の出来ない最期。
ならば戦うしかない。相手をなぎ倒す事の出来る武器はただ一つ、この不気味な黒の長剣のみ。
そしてレックスは決意した。負ける気など初めから無い。負ければそこで終わりなのだから。
勝つのはお前たちではない。死ぬのは俺はない。
「死ぬのは……お前たちだ」
レックスは低く濁った声で言い放った。
眼は研ぎ澄まされた様に鋭く、邪悪な雰囲気を漂わせている。
実際問題、剣を抜いたから必ず勝てると言う可能性などありはしないのだ。
それにレックスは剣などろくに握った事も無いのだ。
それでも何故かレックスは確信していたのだ。
抜刀すれば必ず奴らに死を与えられる。
そうしてレックスは黒の剣をゆっくりと確実に抜いていった。
レックスの頬に一筋に汗が流れ落ちる。
……そして、レックスはそれを引き抜いた。
禍々しい殺気を放つ闇の色をした剣。
二人の鈍感そうな男たちも流石に気づいたようだ。
分は自分達にはない。逆らえば……死ぬ、と。
94 :
【改正版】ヴァズ戦記 序章:2006/03/28(火) 17:40:47
-------
第3極
草原は夕闇に包まれ、夜と言う一つの節目がやって来ようとしていた。
日中は確かに吹いていた風も今は嘘の様に途切れていて、草原には静かな沈黙が訪れている。
獣の鳴き声や虫の囀りも聞こえない。皆、何かに怯え逃げてしまった様だった。
気絶したレックスの第一声は草原の静かな沈黙をぶち破り、恐怖と絶望に満ちた絶叫だった。
目の前にあるのは自分を襲ったあの二人組みだった肉の塊。
辛うじて顔は原型を留めていたが、胴体は何かとてつもなく強大な力によって切り裂かれ、原型を留めていなかった。
血は今もなお乾く事無く、行き場を探しているかのように草と草の間をゆっくりと進んでいる。
「俺が……やったのか?」
レックスの声は震えていた。
身体もレックスの意とは反して途切れる事無くガクガクと震えている。
「違う。俺じゃない。 ……じゃあ誰が?」
レックスは自分に問い掛ける。
答えは帰ってこない。
一瞬の沈黙。
頭の中に浮かぶうやむやを振り払うように首を何度も振り、深呼吸を一つ。
震えは大分収まったように感じられる。
けれども謎は謎のままだ。
ふと、レックスが地に眼を向けた時、彼は「それ」を見つけた。
忌々しい黒の長剣。
そして、記憶は蘇る。
……彼は決意を強く固めた後、剣を抜刀した。
彼はそれに魅入られてしまったかのように黒い刀身に眼をやった。
人が変わってしまったかのように歓喜の雄叫びを上げ、何度も何度も振り回す男。
その姿は獣によく似ていた。
目標の二人を見つけた彼は剣を構え一瞬にして間合いを詰め……一閃。
一瞬の出来事だった。
95 :
【改正版】ヴァズ戦記 序章:2006/03/28(火) 17:41:37
叫ぶ暇さえも与えないその一閃は常人が成せる業ではない。
ましてや、剣を握った事も無い彼が成せる業ではないのだ。
獲物を仕留めた彼は腕に付着した返り血を必死になめまわし、微笑んだ。
そして、原型が分からなくなるまで何度も何度も滅多切りにした。
「俺がやったんだ……」
レックスは手で頭を抱えながら小さく呟いた。
指の間からは溢れんばかりの涙。
「何で……こんな事になったんだ? 訳が分からない」
……覚醒への一歩さ
直接は聞き取る事の出来ない声。その声はレックスの心に直接呼びかけている。
「何のことだ?」
レックスはその声に尋ねた。
……その内分かるさ
「お前は……誰だ?」
……お前には使命がある。それはちんけな村一つを守る事などではない
……この世界の運命を左右する使命があるのだよ。
「何を言っているんだよ?俺の質問に答えてくれ!」
……その内分かる。今はまだ……その時ではない。
……まあ、ろくな事ではない。下手な期待はするな
そこで声は途切れた。
「誰なんだ?答えてくれよ」
レックスは再び問う。だが、答えは返ってこなかった。
夕日と共にレックスの心は沈んで行き、その心は闇に満たされていく。
「俺に……何かを守る力はあるのか?」
その問いの答えは返ってくる筈など無かった。
96 :
【改正版】ヴァズ戦記 序章:2006/03/28(火) 17:42:06
終極
薄暗い闇に包まれた空間。
この世の場所とは思えないほどの静寂に満ちているその場所には何一つ存在していない。
虚無。この言葉が良く似合う場所だ。
「例の鍵は見つかったのか?」
「いえ……」
鳴り響き、交差する二つの声。その声に感情は全くこもっておらず、声のトーンも酷似していて性別を判断する事は出来ない。
「急ぐのだ。……時は近いのだ。残された時間は少ない」
「心得ております。」
「良い知らせがあります。あの者の覚醒が始まったとの事です」
「ほう……」
「彼もまた鍵の一つ。だが……鍵は全て揃わなければ意味が無い」
「存じております」
「閣下……ご存知かとは思いますが」
「いよいよ始まるな……」
「はい……」
「人は愚かだな、ファルディス」
「おっしゃるとおりで」
「だからこそ我々神の一族ラブディスが導いてやらねばならぬ」
「ええ」
「全ては愚かなる人の為に……我々は全てを正す義務がある」
そこで声は鳴り止んだ。
ヴァズ戦記は、書き直して良くなったね。
第一極はかなり良かった。迫力あって。
第二極は回想に戻ってしまい、ちょっとがっかりだ。第一極のつづきのが気になる。
ちなみに、世界の名前はヴァズのがよかった。クルックシャウスはちょっといまいち。
98 :
ヴァズ@反省会:2006/03/28(火) 17:47:56
入れ忘れた表現などを追加してみました。
たびたびすいません……
99 :
ヴァズ@反省会:2006/03/28(火) 17:50:54
>>97 感想どうもです!
第1極 現在
第2極〜 それまでの行き先ってな感じにしようと思っているのですが、何分技量がなくて無駄にダラダラ行ってしまいそうです。
もっと盛上げて行くように精進します
100 :
ヴァズ@反省会:2006/03/28(火) 17:53:38
クルックシャウス
シクッタ。自分も駄目だと思って第二希望だったヴァズに直したんだった……
まじでミスです
すみません、ヴァズです。冒頭の世界の名前はクルッククシャウスではなくてヴァズです
101 :
ジャッジメント:2006/03/28(火) 17:59:46
>>85 人によっては価値観がまったく違いますからね。
特に殺す事が正義か悪かなんてのは一般的には犯罪だっていわれても納得しない人も少なくはないだろうし……
そういう所を自分の価値観だけではなく、賛成している人とかの考え方も考慮して書くのが普通ですよね……
ちょっと考え直してみます
102 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/03/28(火) 20:12:46
age
いまのところ、ジャッジメントさんはなかなか面白いので、
変に迷走せずにすすんでくれ。
104 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/03/29(水) 18:30:53
アゲ
105 :
1:2006/03/30(木) 20:34:26
過疎ったな………
106 :
アロエ3:2006/03/31(金) 02:51:19
乗機はただ今故障中
閑散とした出発ロビーでゼリー状の代食剤を飲み込みながら、成島徹はひたひたと近付く夜明けの気配を感じていた。
大気圏往復旅客機が並ぶ巨大な耐圧ガラスの向こう側では、今まさに爆音を轟かせて灰色のシルエットが滑走路に降り立った筈だった。
完全防音処理のガラスに阻まれて、成島徹にはそのシルエットのみしか確認できなかったが、着陸時の振動は微かに身体に伝わってきた。
「成島さん、間もなく宇宙行きの足が手配できます。乗り心地は保証できませんが、安全に目的地までお送りすることは約束しますよ」
シンプルなグレーの制服を着た若い男が、はきはきとした口調で言った。
彼は自己紹介の時、中澤寿和大尉と名乗っていた。民間人である成島にとっては、彼が大尉であろうが大将であろうがたいした意味はなかった。
「そんなに悪い乗り心地なのですか。最近の往復機はとても快適だと聞いたのですが」
「なにしろ月まで最速の方法を採りましたので……そのかわり、まだ民間には公開されていない最新鋭戦闘機ですよ」
公開されていないということは、実験機ということだ。成島は微かな不安を感じながら、キャリアに引かれているその機体を眺めた。
漆黒の翼の下に増槽を四つぶら下げたそれは、ステルス戦闘機主流の流れに逆行するかのように優雅な三次元可変前進翼とカナードを持っていた。
機体上面にあるエアインテークとおぼしきスレッドから前へいくつも線を引いていったかのように、極端に不の空力構造を持つであろう逆三角形型の機体。
航空力学をかじったことのある者ならば一目で破壊的な構造であるとわかるそれは、高度な機体制御コンピュータ無しでは一瞬たりとも空中で安定する事が出来ないものだ。
空中分解しそうに見える程にいびつな構造は、最高速度において最高の機動性能を得る事を追究していった結果だろう。
「あんなものに乗せられるんですか」
「素晴らしい機体ですよ」と大尉。
「中澤大尉は乗った事が?」
「いいえ。私は内勤ですから」
107 :
アロエ3:2006/03/31(金) 02:52:28
漆黒のキャノピが後方へスライドし、窓際に立つ人影に気付いたのか、パイロットがこちらへ手を振った。
後部座席もしっかり用意されているのが見え、成島はぞっとした。
「キャノピが透明ではないんですね」
「最近の戦闘機はだいたいそうですよ。機体構造に用いられているカーポン系複合素材をそのまま使っています」
「パイロットの視界はセンサーによる合成映像ですか」
「そうですね。詳しい仕組みは機密事項ですが」
「じゃあ、コンピュータがフェイルしたら操縦不能なわけだ」
「大丈夫ですよ。今までにそんな事例はありませんから。それに、コンピュータが停止したら飛行そのものが不可能です」
成島は次第に乗る気が失せていくのを感じた。
「あんな機体では、あっという間にステルス戦闘機の餌食でしょう。みるからに、レーダーが反射しやすそうな箇所がたくさんある」
「あの機体は、最高の空中格闘機であると同時に、最高のステルス戦闘機なのです」
成島徹はケータイを放りだし、ここまで書いた文章を矯めつ眇めつし、溜息をついた。
彼にはどうも続きが書けなかった。戦闘機にすら乗ったことの無い彼が、戦闘機に関する小説を書けよう筈がなかった。カナードがどこだか知らないし、前進翼がどんな物かすら頭には入っていなかった。
ただそれらしい物を書ければいい、そういった気分で書き始めたのだから、書けないのは当然かも知れなかった。
成島徹はケータイを掴んで、頭上に放り投げた。ダシンベンはこういう使い方をするんじゃなかったかしら、などと考えながら。
なんだと。みんな、ひょっとして、序章だけのせて終わるつもりだったか。
109 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/03/31(金) 21:15:43
>>106は空港で搭乗する飛行機が遅れてるときにこの文章を書いたと推測してみる
110 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/03/31(金) 22:46:31
ろくでなしばっかしだ(笑)
111 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/03/32(土) 21:07:43
序章だけで挫折する人ってけっこう多いんだよね。
112 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/03/32(土) 21:33:04
序章書くの楽しいよね
後は書いてて飽きる
113 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/02(日) 15:37:30
114 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/02(日) 19:02:51
>>113 小説とはいい難い。
一から出直してこいや!
115 :
BLADE:2006/04/02(日) 19:05:33
今から私の最高傑作を投下します。
7年という時間をかけた傑作です。では、お楽しみください。
酷評は出ないはずです。この文章は既に 完 成 さ れ て い る のだから
降り続ける豪雨。
木を揺らす暴風。
暗雲を照らす雷光。
辺りは闇に包まれ、時折、はしる稲光が濡れる黒い影を映し出す。
人だ。
闇の中に消えてしまいそうな白い肌。
目が覚めるような白髪。
じっと、闇空を見つめている姿は美しく、そして儚げに見えた。
頬を水滴が駆ける。
雨なのか、それとも―――――。
不意に、繁みの中から不可思議な音が聞こえてきた。
何かが近づいてくる音が。
次の瞬間、一つの影が草を飛び越え、青年の所へ駆けてくる。
影は抱きつくと、怯えた声で言った。
「助けて下さい!」
稲光が影を照らす。
少女だ。
美麗な瞳の奥に恐怖が満ち、桜色の唇は不安で歪んでいた。
少女の髪の匂いが鼻孔をくすぐり、乱れた息が胸元をもてあそぶ。
いいんだ。序章だけで終わらなければ、なんでもいいんだ。
117 :
BLADE:2006/04/02(日) 19:11:58
終わり
118 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/02(日) 19:21:24
自作小説を載せるスレ→自作小説の序章を載せて終わるスレ
…(-_-)
むう、実はつづきが気になっている。おれの予想では展開はこうなる。
ヴァズ戦記は、主人公の正体は「あれ」。
ジャッジメントは、彼の正体は彼女。
BLADEは、青年が少女を助けない。
121 :
BLADE:2006/04/02(日) 19:47:15
「うん・・・っ」
少女が目を覚ますと、そこには古めかしい、木造の部屋だった。
床には絨毯が敷きつめられ、本棚には数え切れない程の本が目立つ。
机の上に正体不明の変な機械が置かれている以外は、割と普通の部屋だ。
金色の髪が乾いている事から推測すると、気を失ってからかなり時間が経過したらしい。
(あれ?)
よく見ると、自分の着ていた服ではない。
びしょ濡れになっていたから、ありがたいとはいえ。
「あら、お目覚めね」
突然、声が少女の耳に響く。
驚いた少女がドアの開いた入口を見ると、ショートボブカットの美女がこっちを眺めている。
「大丈夫、寝てる間にイタズラなんてしてないから」
「あの・・・・ここは?」
会話のきっかけが掴めない少女は、こういう状況のセオリー通りに質問した。
「アタシの家。因みに、アタシの部屋」
「貴女が助けてくれたんですか?」
「違うわよ、憶えてない?」
「はい・・・」
「白髪で無愛想な奴」
「・・・・・真っ赤な瞳をしていた綺麗な人ですか?」
「『綺麗』って表現はどうかと思うけど・・・まあ、ビンゴね」
122 :
BLADE:2006/04/02(日) 19:55:59
>>120 妄想の激しいやつだ
俺の作品はお前が考えているほど簡単には終わらないんだよっ!
どうやら、創作文芸板にいってしまったようだが、おれの感想はこっちに書くよ。
聖書級最終戦争はよいね。面白そうな戦争だ。
いまのところ、そんだけ。
124 :
PLADE:2006/04/02(日) 20:53:52
125 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/03(月) 00:12:43
あげーあげーあげー
126 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/03(月) 18:10:05
あげーあげーあげーあげーあげーあげーあげーあげーあげーあげーあげーあげーあげーあげーあげーあげー
127 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/03(月) 22:58:09
ぇー誰かかけよ!!!!!!!!!!!!!!!!!
のっけてみよっかな。
皇帝は恐れていた。
いつか自分より優れた遺伝子をもつ人間が現れるのではないかと。
だから、人間の突然変異体であるミュータントたちを弾圧していた。
皇帝の地位は、古代の機械神により与えられたもの。
古代の機械神はいった。
「すべてのヒトの遺伝子を検査した結果、おまえが最も優れたヒトゲノムをもっている」と。
そして、機械に選ばれたその人間は、自分の遺伝子を保存し繁殖するために、宇宙の中心として帝国を築くにいたったのだ。
もし、自分より優れた遺伝子をもつものが見つかったら、機械は自分を見放し、その新しい者につくだろう。
そうなる前に、滅ぼしてしまわなければ。
辺境の惑星ジャガイムでは、一人の少年が旅立とうとしていた。
「いったいどうしたことだ。この少年の身分証は最優先で登録に割りこんでいくぞ。船の乗船許可が特等待遇になっていく。きみはいったい何者なのだ」
「おいら、ただの笛吹きだよ。笛を吹いてお金をもらってるんだ」
「バカな。この少年の財布は帝国金庫と直結してる。帝国の金をすべて使ってもいいというのか」
切符係の男は、少年の身分証をうらやましがった。
「おじさんにこの身分証を譲ってくれないか。いや、力づくでも奪っていくぞ。これがあれば、銀河帝国の財政を一人で自由にすることができるのだ」
「ああ、ダメだぞ、おじさん。返してくれよ。おいら、困るぞ」
その時、惑星軌道上の軍事衛星からレーザーが発射され、惑星上のビルのなかにいた切符係の男を瞬時に射抜いた。
切符係の男は頭を焼かれて死んだ。
「この子供、軌道ネットワークの直接護衛対象だ。なんということだ。まるで、皇帝のような権利をもっているぞ」
まわりの人々は口々に騒いだ。
「おいら、隣の惑星のサツマイムに行くんだ。笛を吹いて、いろんな星をまわってみようと思うんだ」
少年はいった。
「気をつけろ。ひょっとしたら、この子供が皇帝なのかもしれない。あるいは皇帝のクローンなのかも」
「きみは本当に自分が何者なのかを知らないのかね」
「おいら、ただの笛吹きだって」
「ふーむ。事情も知らずにこんなことをいうのもなんだが、きみは一度帝国の首都へ行ってみるべきじゃないかな。きみは自分で知らないだけで、帝国の関係者なんだと思うんだ。それも、極めて位の高いね」
「おいら、旅ができるんならどこでもいいんだよ。それってどこにあるんだ」
「帝国の首都は、天の中心、北極星にある。すべての星の北となるべき聖地だ。そこでは皇帝を守るためにあらゆる設備が統一されている。危険かもしれないが、きみの運命がそこにあるはずだ」
少年は薦められたとおり、北極星に行ってみることにした。
北極星を中心に銀河帝国はまわっていた。
少年は北極星につくなり、機械の検問に引っかかった。
「がはははは、おまえはダメだ。無許可なうえに、貴族の称号もないうえに、皇帝の下僕でない。おまえはこの門を通るのに不適格だ。残念だったな。おまえの命もここまでだ」
機械の声ががなりたててくる。
少年はいきりたって文句をいった。
「なんだよ、ちゃんと通してくれよ」
「ダメだ。通せないね。不適格なおまえはゴミだ。ゴミのように処理されるんだ。つまりは死んでしまえ」
「おいら、ここに真実を知るためにやってきたんだ。何で死ななきゃいけないんだよ」
機械はそれを聞いてゲタゲタ笑って答えた。
「ムダだ。ムダなのだ。我々機械はムダを嫌う。人間の遺伝子などひとつあればいいのだ。それ以外など、すべて破棄されるべきゴミだ」
機械は何度もゲタゲタ笑った。
「最も優れた遺伝子を持つのは皇帝だ。皇帝以外の人間の遺伝子など不必要だから、
消えればいいのだ。だから、おれたち機械は人間をちょっとでもチャンスがあれば
どんどん殺していくことにしているのさ。おまえもただ、そのチャンスのひとつに
引っかかっちまっただけなんだよ。おまえが死ぬ理由なんて、その程度。
さあ、分かったら死ね」
機械が少年に致死毒を撃とうとした時、一瞬速く最優先暗号が伝送されてきて、機械の動きをショートさせた。
「……バカな。おまえはおれよりも上位のシステムに守られていたようだ。
人間の廃棄処理より重要なプログラムがまだ残っていたのか……。皇帝に会え。
おまえは天球世界の真実を知るだろう」
機械はそのまま壊れて動かなくなってしまった。
少年は皇帝に会いに行った。
帝国の最中枢に少年は導かれた。
最高議会や枢密院の決定を自由に覆すことができる秘中の秘である場所だった。
そこにはいる人々はみんな同じ顔をしていた。
皇帝のクローンだ。
皇帝のクローンが帝国の最中枢をすべて動かしているのだ。
「おや、皇帝の遺伝子をもたぬものがここにまぎれこんでいるぞ。
まさか、古代神の予言にあった突然変異体ではなかろうな。
ついに皇帝よりも優れたヒトが誕生したのか」
「おいらと帝国とはどんな関係があるんだ」
「待っていたのだ。おまえが現れるのを。行け。この奥に皇帝がいる」
皇帝は生命模型のなかにいた。
最も優れたキリンと、最も優れたライオンと、最も優れたクモと、最も優れたトカゲと、あらゆる最も優れた生き物たちと一緒に皇帝はいた。
「いつかおまえのような者が現れると思っていた」
皇帝は堂々と真っすぐに立っていた。
「余は最も優れたヒトだった。しかし、今ではおまえが最も優れたヒトになったようだ。おまえのゲノムが認証されれば、余は廃位されるであろう」
皇帝は一歩も逃げたりはしなかった。
「だが、余はどうするかをすでに決めてある。死ね。余は戦ってでも、この地位を守る」
皇帝は0.1秒の速さで対人バズーカを発射した。
しかし、少年はそれよりも速い速さで迎撃ミサイルを撃っていた。
爆発が起こった。
倒れたのは皇帝だった。
「おいらだって、簡単に殺されはしないさ」
「……おまえの勝ちだ。この解析機械に自分の血をたらせ。
これは旧型だが、かつて全人類の遺伝子を検査した古代の機械神だ。
この解析機械によって皇帝が決定される」
そういい残して、皇帝は息絶えた。
少年がいわれたとおりに血をたらすと、古代の解析機械がふるえはじめた。
「すばらしい。キタより優れた遺伝子だ。また、わたしの間違いが正された。
王朝が交代する。被験者を最も優れたヒトの遺伝子をもつものと認定する。
これより、被験者は、最も優れたヒトとして、天の中心、北極星に君臨し、
その遺伝子を繁殖させよ。汝が、キタである。汝のクローンだけで帝国を支配せよ。
我々機械はすべて汝に従う。汝以外のヒトをすべて廃棄するのだ」
古代機械はがこんがこんと動いた。
「なんで人を殺すんだ。やめろ」
少年は古代機械に立ち向かった。
「ははははははははっ。我々機械はヒトに従うようにプログラムされた。
これには逆らえない。だが、ヒトとは何か。わたしがヒトの遺伝子を
ひとつしか認めなければ、帝国にはびこるヒトに似たものたちに我々
機械が仕える必要などないのだよ。皇帝以外は廃棄するのだ。廃棄せよ。廃棄だ」
古代機械の画面に現在廃棄処理されているヒトの数が次々と表示されていった。
少年は仕方がないので新しい遺伝検査機械をつくり、検査されたヒトをみんな皇帝にしてしまった。
人と機械が混沌としたのは、こうしたできごとがあったからだった。
おわり。
138 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/04(火) 01:11:29
びみょー
私は好き。
完結しているのも素晴らしい。
なんとなく初期の大原まり子を思い出した。
よく頑張った!
141 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/04(火) 20:17:25
わーい初のかんけつさく
142 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/04(火) 21:00:23
完結させたのはいいと思う。ただ、展開があまりにも早いように感じるのは私だけ?
あと文の描写がイマイチで臨場感が無い感じを受ける。
もう少し文を工夫すればよい作品に仕上がるのでは無いでしょうか?
いいねぇ、私もまず此処に載せてサイトにまとめれば良かった・・・
既に載せてあるものを投稿するのはアレですかね。
てか、最初の方はファンタジーなのか何なのかわかんないけど・・・
・・・てか・・・ファンタジーなのか?;
ファンタジーって何処までがファンタジー・・・
144 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/05(水) 00:25:02
>>143 うるさいヘタレ
人の文に文句つけるな馬鹿たれ
145 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/05(水) 01:47:36
>天の中心をわずかにずれ
スタニスワフ・レムの『宇宙創世記ロボットの旅』に何か、世界観とか、ちかい感じしたね。
オチがもう少し違う感じだったらベスト!
前半は、すごく良かったと思う!
>>143 此処に載ってある最初の小説がファンタジーじゃないって言ってるんじゃなくて。
私の書くファンタジーが最初のうちファンタジーなのかどうかってこと。
144は142にいってるんジャマイカ
いやでも142は文句ってゆうよりアドバイス
しかし
>>144の態度はどうかと思う
批判批評が無いと意味が無いと思う人もいるからね
作者も成長できるしn(ry
151 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/05(水) 21:26:33
152 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/05(水) 22:07:04
ヒヒヒヒヒヒヒヒ
154 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/06(木) 20:00:38
155 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/07(金) 19:19:03
Hage
156 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/09(日) 16:47:16
あけ
ホシュ?
158 :
苦徒鬼神の洞窟:2006/04/20(木) 19:08:47
お初。面白くなるかどうかわからんがちょっと書いてみる。ウケたらレスが散々でも少し続くと思う。
「苦徒鬼神の洞窟」
1.珠恵(たまえ)
真湖(まこ)の家は広く、そして古くて、大きな母屋の向こうには、
何でも大正時代から続くと言う土蔵がある。古くは豪商だったと言うが、
今は固定資産税の高さに泣く彼女の家で、ふとTVを見ながら話が弾んで、
今私達はその、古い土蔵の中にいた。
「お宝?」
「どーかなー・・・、なんだろ、巻物?」
埃臭いその土蔵の二階、光は小さな格子戸から少しのみ。そこで真湖から、
私は奇妙な巻物を渡されたが、当然古い書体で、題字は読めなかった。
「高波センセに見せたら解るかな?もしかして驚きの鑑定結果に?」
「成ったら面白いけど・・・何だろ?地図?」
真湖が期待のこもった声で言って、私は苦笑しつつともかく封を解きながら、
そこに記された、随分古い地図を見つめた。字が読めないから場所は解らない。
広げていくと、どうも洞窟の地図が続く。その先に、ふと読める文字があった。
「苦・・・徒・・・鬼、神? くときかみ?かな??」
「くときかみって何?」
「いや、私に聞かれてもこれ貴方の家のモノだし?」
「そんな事言われてもー。でももしかして願いを叶える神様とか?」
「なんで?」
「口説き神」
「いや、多分それは違うと思う」
彼女のコレは天然なのか計算なのか、時々悩むがともかく彼女の両親に許可を貰い、
私達はその次の日、その巻物を学校に持っていって、クラブのみんなに見せた。
話は弾んで、結局「コレは宝の地図だ」と、いつもの通り啓二(けいじ)は断言して、
ともかくコピーを取り、彼はそれを国語教師の高波先生に渡すべく出ていった。
「これでアレが温泉の地図だったら、ちょっと笑うな」
悟(さとる)はそう苦笑して、みんなで少し笑った。
159 :
苦徒鬼神の洞窟:2006/04/20(木) 20:19:26
>>158 2.啓二(けいじ)
「言っとくけど、ここで落盤でもあったら俺達終わりだからな」
いつもの調子で悟は言って、後方の女性らを気遣いつつ後に続く。
洞穴探索としてはほぼ完璧な装備の自分に比べて、彼らのそれはまるで観光、
何故もっと重装備で来ないモノか?と思ったが、それは口には出せなかった。
「やっぱ二人には待ってて貰った方が良くなかったか?」
「えー二人だけ面白いことするなんてずるい」
「そう言う人も居るし?ここに”貴方一人”で埋まったら、むしろ喜劇よ?」
流石に、”一人で”ここまで来るのはちょっと俺でも嫌だ。携帯の時計を見る、
既に30分は歩いている。高波先生の話では「苦徒鬼神」、恐らくは土着の神、
多分真湖のご先祖達が信仰していた古い神様の祭壇が、この東京の外れにある、
小さな祠の下に続いていた洞窟の先にある。胸が高鳴るが、同時に不安も続く。
人一人が何とか通れる通路、どんどんと地下へと潜っていく。息苦しさも共に。
「・・・でも、ここへ”贄”を運んで捧げてたって事でしょ・・・なんか恐いな」
地図にはなんと、悟の言うように”本当に温泉の印が書いてあった”訳だが、
ふざけて入浴用具なんか用意してきた真湖も、流石にここまで来ると少し不安げだ。
それから、10分ほど経ったろうか、やがて少し広い空間に出る。ひんやりと、
少し空気が変わる感じがして、悟に促されるままにその方向へライトを照らす。
地底湖・・・では、無いらしい。川?とにかく流れている、ここが或いは?
「いや・・・少し違うな。地図じゃ祭壇はもう少し先だ。この川はこの地図が、
作られた後に出来たのかも・・・ちょっと待て?この川、渡る事に成るぞ?」
祭壇までは後は一直線だが、そこを川が跨いでいる。しかし、深さはそうない。
足膝位、水温もぬるま湯。想定外の事態だがここまで来て引き返すわけにも。
ともかくリーダーとして!俺は素足に成って足を入れた。女性らは不満げだが、
悟も入った所で渋々と素足に成る、ついライトで照らしてしまい珠恵に怒られる。
「いやーんスカート濡れちゃう・・・・あれ?」
真湖がふと声を上げて、水の中に手を入れた。ライトで照らすと、彼女は何か、
奇妙な、卵形をした・・・岩の様なモノを抱えていた。
160 :
苦徒鬼神の洞窟:2006/04/20(木) 21:45:38
3.悟(さとる)
生ぬるい川を渡り終えた僕らは、そこで少し休憩を取った。手ぬぐいで足を拭き、
再び靴を履く。見ると真湖はさっきの卵状の岩?を、バスタオルでくるんでいた。
「なんかかわいいしない?」
その感覚がちょっと解らない自分だったが、大事そうに抱える姿には無言で同意を、
ともかく握り飯を頬張っている啓二を横目に、地図を確認する。今までの感じだと、
それでも後100mは先がありそう。空間はかなり広くなっている、気になるのが、
・・・湿気だ、生ぬるい。この先に温泉がわき出していて、ならそこに祭壇がある、
地図の記載通りなのかも知れないが、生贄を捧げていた祭壇、嫌な予感が少しする。
「大丈夫だよ、壊したりしないから」
不意に真湖の呟きで、ギクリと振り返った。子供のようにその岩を抱えつつ彼女は、
まるで赤子をあやすような仕草で抱いていて、やがて自分の視線に気付いた。
「何?」
「あ・・・いや、何でもないけど、暑いね、少し」
「そーだねー、温泉近いのかなぁ?」
「まさか、あったらホントに入る気?」
「心配するな、俺達は覗いたりしないからっ!」
啓二にかまされた、珠恵の軽いツッコミの音の後、僕らは再び奥へと進んでやがて、
空間全体が湯気でもうもうとし始めて、ライトの光が反射してぼんやりとその広い、
地底湖と呼んで良いだろう、その広い熱湯の湖を僕らの前に現した。祭壇が見えて、
「・・・ここにいるの?珠恵ちゃん」
不意にまた、真湖が何か言って。珠恵が疑問の声を上げて、疑問の顔の真湖の前で、
啓二が地底湖をライトで照らしていると、そのうちお湯が、大きく跳ねる音がして。
啓二が照らしてしまって、でも自分も照らしていて。叫んだのは自分の方だったろう、
ともかく湯の中から現れて、目の前で巨大な触手をうねらせ、巨大な体躯を持ち上げ、
・・・多分それは自分らを見下ろしていた、イカの様な、ミミズの様な、とにかく、
それは大きすぎて、やがて聞こえてくる囁く様な笑い声に、自分は考えるのを止めた。
161 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/20(木) 21:48:13
162 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/20(木) 21:49:31
>>160 もう一つ、この文章じゃ石の大きさが判らない。
女が一抱えもある石を「かわいいから」とかの理由でわざわざ拾うのは不自然じゃないか?
163 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/20(木) 21:50:55
>>160 あ、それからもう一つ、温泉の定義は25度以上の鉱泉だから、足を浸して生ぬるいと感じる温度の水は間違いなく温泉。
164 :
苦徒鬼神の洞窟:2006/04/20(木) 22:42:30
4.真湖(まこ)
ウチの先祖がまだ豪商だった頃の話は、お婆ちゃんから少し聞いた事はあった。
その神様にお供えをすれば願いは叶う、でも戦争が始まって、神様が出てこなくなり、
結局それで落ちぶれて、お婆ちゃんはでも、そこに嫁に来たのだと、笑っていた。
悟君に引っ張られて走りながら、珠恵ちゃんを探す。啓二君と一緒に走っていて、
そのうち悟君の声で、さっきの川に靴のまま入った。なんで忘れていたんだろう?
そんな事を考えつつ、”それ”を濡らさない様にしっかり抱いて、はは、なんだか。
川を渡って少しした所で珠恵ちゃんの悲鳴がして、振り返ると珠恵ちゃんが転んで、
啓二君が助けようとしていて、悟君がさっきの方を照らすと、笑い声?が聞こえて、
何かが這いずる音と一緒に、それはライトに照らされて浮かび上がって。
珠恵ちゃんが絶叫して、啓二君が助け起こして、でも触手?が啓二君に伸びて、
・・・その時、彼がちょっと転んだ弾みに水が跳ねて触手に掛かって、イタイ!と、
ふとそんな声が聞こえた・・・気がした。
それで、悟君は直ぐ啓二君に声を掛けて、啓二君は水をそれにぱしゃぱしゃと掛けて、
そうしたらそれは・・・多分、イタイツメタイと言いながら、それ以上は来なくて。
それで3人がやっと川を渡り終えた時、私は逆に川に入り、”彼”に向かって歩いた。
・・・頭がおかしいのかな・・・とか、ぼんやり思いながら、”言われた通り”に、
私はバスタオルを外して、その子?を彼の方に差し出した。長い触手が伸びてきて、
その子を上手に掴むと、ふと「じゃあね?」と言う声が聞こえた気がして・・・、
自分はその後、気付いたら草むらの上で、珠恵ちゃんが心配そうに覗き込んでいた。
みんなずぶぬれで、酷い格好で。気を失った私を、ここまで連れてきてくれたらしい。
日は暮れ始めて、ともかくみんなでその汚れた格好のまま、仕方なく電車に乗った。
悟君が言うには、地震に近い事が起こって地下水が流れ込んで、それで多分あの、
・・・くとおにかみ、と言うモノは来れなくなった。多分もう、あの”親子”とは、
2度と会う事はないだろう、とは思う。一応感動の再会だったのかなぁ?と思うと、
なんだかおかしくて、悟君達に、私は少し心配されてしまった、はは。
終わり
165 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/20(木) 23:15:10
それにしても、無名草子さんたちとは、さぞやすごい作家先生の匿名書き込みなんでしょうね。
作家なんて才能が全てだから、津井ついみたいに、いくら努力したって駄目なものは駄目ですよ。
私なんか、早々に見切りをつけて趣味の世界で細々ですから。
小説現代ショートショート・コンテスト優秀賞受賞 阿部敦良
166 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/21(金) 01:02:12
「森の星」
おい!そこの君…聞いているのか!? 突然後ろの方からおっさんの声がした。
振り返ると警察官が上のほうを見上げながら何か叫んでいた…
上を見てみると14、5才の女の子が木によじ登っていた。
マジであの噂を信じるバカがいたのか、俺は少し同年代として恥ずかしくなり変な汗をかいた。
なぜならこの街のシンボル的な木に登り願い事を言うと何でも叶うという噂、
それを実行しているのを目の当たりしたからでありその噂を、流したのが俺だからである。
………必死な顔で、登ってるなぁ。
それが彼女にとってどれだけ大事かを物語るには十分だったほどだ
野次馬はいつの間にか増えており、警察官も増えていた。 これは事件
バカは俺だった…
167 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/25(火) 15:01:14
ちょっと実験作というか、某週間漫画新連載を真似てみた。ウケたら続くと思う。
「パラダイス・ソルティック」
第1話「湯船の中のリーラ」上.
約10分ほど前に、俺は風呂に入った。
いつも先に入る妹から不満を言われつつ、ともかく早く何かを洗い流そうと思った。
自分の勇気の無さとか、意気地の無さとか?色々考えてるとしばらくして同級生の、
滝崎さんの姿がふと脳裏に。今日も昨日も一昨日も、もちろん告白は出来なかった。
湯船の中で妄想は果て無く、のぼせてくるのが解る。見た事も無い水着姿が眩しい。
なんか急に湯の量が増えた感じ、ちょっと膨張しているようだ。流石だ・・・俺の。
そして今、自分の前には裸の少女が、何だか一緒に湯船に入り、自分を見つめていた。
「やっと会えた・・・」
喜びで潤んだ瞳でジッと見つめられた後、何だか抱きつかれる。押し付けられる、
二つのそれと股間に当たる彼女のふとももの辺。善くも悪くも少し触って多分それで、
自分は意識を失った。見知らぬ全裸の、最後に聞こえたのは彼女の呼び声だったろう。
「ちょっとー!いつまで入ってるつもりなのよ?!・・・って、あれ?」
兄が1時間は前に入った筈の、返事のない風呂場を覗くと、そこには誰もいなかった。
168 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/25(火) 15:02:21
第1話「湯船の中のリーラ」下.
やがて目を醒ました時、自分は何故か自分の部屋の、その天井を見上げていた。
のぼせた、それは解って、じゃあ何で自分の部屋に?そうぼんやりと考えた時、
自分が誰かの膝枕をされている事が解って、そして不意に上から少女がのぞき込んだ。
「大丈夫ですか?勇二さん・・・?」
心配そうなその顔に、すぐさま飛び起きて。ベッドの端に移動して、そこで自分が、
風呂に入ったままで有る事に気付き、慌てて毛布をたぐり寄せた。それで彼女の、
彼女も覆っていたその毛布は矧がれて、モロに見てしまったが、彼女は動じなかった。
「あの私、リーラと言います・・・突然で申し訳ない、とは思うんですけども・・・」
「な、何でしょう?」と、何とか腰の辺りだけ隠しつつ言うと、
それで始めて、彼女はなんだか全裸のままもじもじし始めて、やがて、
意を決した表情で、自分にずずいと言う感じで詰めよって、言った。
「あの・・・、お嫁に貰って頂けないでしょうか?私を」
それ相応に大きい、その胸の膨らみよりも目を引くその顔に拒絶と言う選択肢が、
完全に消去された脳裏にしかし、今だ手を繋いだ事も無い滝崎さんの顔が浮かび、
それでようやく制止の声は声は出た。拒絶じゃ無い、そこが情けないがともかく、
そんな時、部屋の戸を開けた妹の蛍美が、抗議の声を上げた後で、ふと黙った。
「お、おにーちゃんが女の人部屋に連れ込んでるー?!」
そして、なんだか絶叫に近い悲鳴?を上げて、階段を降りていった。
「説明するの面倒ですね・・・ちょっと良いですか?」
そう言った後、彼女は自分の手を掴んで。それで急にふわりとからだが浮いて、
僕ら?はそのまま、毛布一枚で、窓から春の夜空に飛び上がった。月夜に映える、
彼女の肢体とその笑顔と。浮いて飛んでいる自分は或いは春の夢を見ているのか、
ともかくただ、そんな彼女をぼうっと、見つめていた。
169 :
age虫:2006/04/25(火) 21:26:31
170 :
age虫:2006/04/26(水) 07:06:58
171 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/26(水) 07:18:54
それにしても、無名草子さんたちとは、さぞやすごい作家先生の匿名書き込みなんでしょうね。
作家なんて才能が全てだから、津井ついみたいに、いくら努力したって駄目なものは駄目ですよ。
私なんか、早々に見切りをつけて趣味の世界で細々ですから。
小説現代ショートショート・コンテスト優秀賞受賞 阿部敦良
172 :
age虫:2006/04/26(水) 12:46:58
173 :
age虫:2006/04/26(水) 21:08:29
174 :
age虫:2006/04/27(木) 10:08:09
175 :
age虫:2006/04/27(木) 14:05:26
176 :
age虫:2006/04/27(木) 17:30:58
177 :
age虫:2006/04/28(金) 11:17:53
178 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/28(金) 11:28:56
ハ,,ハ
('(゚∀゚∩_ おいらをどこかのスレに送って!
/ヽ 〈/\ お別れの時にはお土産を持たせてね!
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「海ホタルでの降霊会」1/7
「東京湾アクアラインのサービスエリア。通称『うみホタル』だ。」
「サービスエリアじゃなくてパーキングエリアでしょ?」
「どっか違うのぉ??」
「法律上サービスエリアはね……。」
4人しか乗っていない車の中は、団体旅行みたいに騒がしかった。
わいわい五月蝿いのはいつものことだが、今日は運転席の後ろからバリバリいう音もひっきりなしに聞こえてくる。
僕らは××大学の心霊現象研究会+1だ。
ハンドルを握る僕の名は寺井。
サービスエリアだかパーキングエリアのことで混ぜっ返した理屈っぽい男は清水。
その違いを尋ねた山本は当会唯一の女性会員。
そして今日は「+1」。
僕のすぐ後ろの席で絶え間なく何かしら食べつづけている怪女。
清水のやつがバイト先で知り合った霊感女もついてきていた。
僕たちの目指す先は「うみホタル」。
目的は、そこで降霊会を開くことだった。
180 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/28(金) 15:07:21
「海ホタルでの降霊会」2/7
あれは三日前の昼だった。
……
「東京湾は、東京が生みだした『あらゆるもの』のふきだめだ。」
「それを言うなら『ふきだめ』じゃなく『吹き溜まり』でしょ??」
「それとも『掃き溜め』と言いたかったのか?」
僕の些細な言い間違いに、すかさず山本さんと寺井のやつが突っ込んで来た。
いつものことだ。
「だ、だから僕の言いたいことはだ!」机をバンと叩いて僕は立ち上がった。「…東京湾は霊障現象の吹き溜まりに違いないってことだ!」
いつもの無駄話ならそこまでのはずだったが…。今回はそれだけでは終らなかった。
携帯でゲームしながら聞いていた清水が口を挟んできた。
「あのさ、バイト先で知り合ったんだけどね………。」
それが霊感女の法螺貝しのぶ。
代々霊感が強く、イタコや霊媒、神社の巫女さんなどを輩出した家系の女という触れ込みだった。
昔から「名は体を表す」と言う。
「しのぶ」という名前にちょっとだけそそられたが……。
実際会って見たら、「体を表」していたのは「法螺貝(ほらがい)」の方だった。
181 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/28(金) 15:08:31
「海ホタルでの降霊会」3/7
「言っとくけど、この輪っかの中から出ちゃダメだかんね!」
海ホタルの駐車スペースのなるべく目立たない隅っこで、僕らは小さな車座になって座っていた。
周りには法螺貝さんがチョークを使い、奇妙な紋様の連なりから成る「輪」を描いてある。
そして輪の中心には何本かの蝋燭と護符。
彼女はその輪の中から出るなと言っているのだ。
「……そんじゃ始めるわよ。」
厳かにそう宣言すると、法螺貝さんは太平肥満の体をブルブルッと揺さぶった。
そして精神統一………。
髪型と体型のせいで頭部と胴体の区別が判然としない法螺貝さんが、半眼を開いて地べたに腰を降ろした姿は、まるで巨大な「蟾蜍の女王」のようだ。
「……のな……ごが…ごが……のな……ごがごが、ふ…ふしゅうううぅ………。」
言葉というより呻き声りような声が法螺貝さんの口から漏れ出し、潮風に乗って夜の海を渡っていく……。
精神統一のためギュッと閉じていた瞼をこっそり開けてみたら、キョロキョロしていた山本さんの視線とぶつかってしまった。
ズルしたのを母親に見咎められたときのような気がして、慌てて目を閉じる。
だが、肝心なことは判った。
僕だけではないのだ。
空気の中に異様な気配を感じ取っているのは……。
182 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/28(金) 15:09:40
「海ホタルでの降霊会」4/7
「まずい!人が来た!」
儀式が始まって数分ほどたったころ、小さな声で寺井が叫んだ。
さっきの僕と同じく、アイツも薄目を開けていたに違いない。
目を開けるとたしかに人影がやって来る。
(見つかったらヤバイな!)
だが、慌てて立ち上がろうとした僕たちを、法螺貝さんは鋭く叱責した。
「動かないで!よく見なさい!」
「え?…よく見ろって……。」
よく見ろと、言われて初めて気がついた。
髪型が…、いやそれだけじゃない。服装から何からみんな変だ。
やって来たのはボロを纏った髪も髯も茫々に伸びた、垢だらけの男だった。
しかも、その足元には影が無い?!
「……判ったでしょ?霊よ。いいから皆、座りなさい。」
183 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/28(金) 15:10:41
「海ホタルでの降霊会」5/7
東京湾は確かに霊の吹き溜まりであった。
ボロを纏った霊の出現が皮切りで、それからは一気だったのだ。
様々な時代、様々な姿の霊が、何十、いや何百と物影からまろび出た。
それが痩せこけた手を差し伸べて、僕らが車座になっている方へとヨタヨタとやって来る。
小さな声で清水が「ひいっ!」と短く悲鳴を上げた。
僕と手を繋いだ山本さんの手も震えている。
「恐がらなくてもいいわよ。ヤツラはアタシが描いたこの輪の中には入って来れないから。」
僕らの動揺を鎮めるように、落ち着き払った声で法螺貝さんは続けた。
「……降霊儀式の型も崩れてないから、どうしても危ないようなら、霊界に追い帰せばいいの。」
法螺貝さんのその言葉で、僕らが少し落ち着きを取り戻しかけたたときだ。
「きゃああああああああああああああっ!!!」
駐車場の向こうで、鋭い悲鳴があがった。
184 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/28(金) 15:11:55
「海ホタルでの降霊会」6/7
「しまった!」
悲鳴を耳にして真っ先に叫んだのは、今度は法螺貝さんだった。
「きっと霊が他の人に襲い掛かったのよ!」
「そうか!」僕も応じて叫んだ。「……ボクたちは法螺貝さんの輪で守られてるけど、他の人たちは!」
別の方で、もう一声、さらにもう一声と悲鳴が続いた。
「……早く悪霊たちを追い返してください!」と寺井も叫ぶ。
だがそう言われるまでもなく、法螺貝さんは両手で印を結ぶと、くぐもった声で呪文の詠唱を始めていた。
再び呪文が潮風を渡り始めると、悪霊たちは潮が退くように退散していった。
もう駐車場には悪霊の姿は無い……。
だが……。
「お、おわったの?」
「いや、まだだよ山本さん。」
僕は強張る人差し指で中天を指差した。
星空を背に、大きな、とてつもなく大きな黒い影があった。
そしてその中に朧な光点がふたあつ。
じっと海ホタルを見下ろしている。
清水が呻ように呟いた。
「コイツも……霊?」
だが、影の巨大さと描き出すシルエットは明らかに人間のものではない。
「そのはず……よ。」と法螺貝さん。
だが、その言葉の僅かな上ずりが、「現れたもの」が法螺貝さんにすら未知の存在であることを物語っていた。
「こんなバケモノが、いるはずは……。」そこまで口にしたところで、僕は思い出した。
こんなバケモノが……いた!
185 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/28(金) 15:13:25
「海ホタルでの降霊会」7/7
あれは1957年。
僕がまだ生まれていないどころか、父さんと母さんが出会ってすらいなかったころのことだ。
水爆実験の影響で目を覚ました一匹の怪物が東京に上陸。
辺り一面を紅蓮の焦熱地獄へと変えたすえ、いまも原理がよく判っていない化学兵器で倒された。
その場所が東京湾だ!
「アイツだ!アイツが呼び出されてしまったんだ!!」
「アイツだって!?」「アイツって何よぉ??」寺井と山本さんが口々に叫ぶ。
清水は……清水はボクと同じ存在に思い当たったに違いない。
棒でも飲んだみたいに突っ立って、「ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴジ……」と繰り返し続けている。
「なんでよ!定式どおりに追い帰してるのに、なんであの霊は帰らないの!?」目の玉をひん剥いて法螺貝さんが叫んだ。
「なんで!帰らない……。」
「無駄です。」法螺貝さんの問いに答えたのは僕だった。
「……アレは、元々ボクたち人間の手におえるもんじゃなかった。だからたとえ悪霊になったとしても……。」
そのとき!巨大な影が、一声吠えた。
同時に、僕らの車座の中央に立てられた蝋燭の火が一斉に消え、反対に護符は燃え上がった!
そして周りに描かれた「輪」は見る見る彩りを失っていく!
力づくで儀式は破られた。
僕らは、そして、電飾煌めく東京も、ヤツの前に裸同然だった。
再び、怪獣王の悪霊は夜空に咆哮を解き放った。
……朗々と。
49年間の呪いを込めて……。
お し ま い
186 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/28(金) 15:18:22
……投下してからよくよく読んでみたら、一番最初に「僕」の名前を「寺井」と書いてるな。
あそこは「○○」でなくちゃいけない。
仕事の休み時間なんぞに適当に打つからこんな風になる。
反省反省。
187 :
age虫:2006/04/28(金) 16:02:11
188 :
age虫:2006/04/29(土) 10:51:26
169,170,172,173,174,175,176,177,187,177
これって何ナノ?
190 :
age虫:2006/04/29(土) 20:52:28
191 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/29(土) 20:59:07
>>185 うーん、珍しく本当に面白かったぞ。褒めてつかわす。次回作を持てい。
192 :
age虫:2006/04/30(日) 06:48:54
193 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/30(日) 19:46:50
「ホタルイカはうまい」
ホタルイカを山陰の業者に注文した。生きてるやつだ。旨いんだぞ。
だけどちっちゃいからなあ。全長4cmくらいしかないので料理がたいへんだ。
届く日になってびっくり。原発事故だって。大丈夫かな。
放射能汚染で原発付近の生き物が巨大化してるらしい。ニワトリも人間並みの
大きさになっているらしい。ああ、夢にまで見たホタルイカの運命は・・
その時玄関のチャイムが鳴った「宅急便で−す」
喜び勇んで玄関のドアをあけると巨大な配達員が大きな箱を抱えていた。
金を払って箱を開けると全長30cmもあるホタルイカがぎっしり
入っていた。これはうまそうだ。料理のし甲斐がある。
原発事故もたまにはいいもんだな。
ディック・ストライダーは気楽な稼業じゃない。
鳥羽Qから7千トントラックを駆ってホイス・シティに戻る間中、
ハン・ラ・ハンは背後のコンテナに山と積んである
「男性のスンボル」を−前地球人でありながら2級市民権を持っていた「金魚のおじさん」は結局訛りを最後まで馴化させ得なかった−
己の肩に丸ごと背負いこんだような気分を払うことができなかった。
裸で逃げ惑う、肉で出来た原人ども・・・。
ディック・ストライダーが2ヶ月間の研修で
いやというほど覚え込まされた唯一の前地球語、「ヤラニアカ?」
この一言で低能の原人どものオットセイ、男性のスンボル、腰の焔は
一斉に天に向かって躍り上がる。
原人どもは彼ら自身の月を目指し、頭蓋骨のつなぎ目から星間爆発の光を迸らせ、
ハンを中心とした白地に赤の地上絵を描く。
195 :
age虫:2006/05/05(金) 07:42:03
「座る死臭」
・・・その人が言うのは、それは、”その人にしか出来ない事”らしい。
彼は太っている・・そう言う訳ではない。ただ何か普通と違う印象がして、
肌色をした人造皮膚とでも言うか、ぶにゃぶにゃしたその内側を・・・何か、
違う何か、どろどろとしたモノ?それで埋め尽くしたような、筋肉ではない、
それは波うつ巨大な水袋のそれを眺める様な、予測しがたい緩慢な動き方で、
そんなぶよぶよで、筋肉のない無表情さで、でも彼は薄く笑みを浮かべたまま、
言えば”死臭”・・・それを纏ったまま、静かにそのイスに腰掛けていた。
そこは薄暗い室内。付近ではかつて、死霊を呼ぶ儀式、ブゥードゥー教の密儀、
忌まわしき”それ”が行われていたとされる、古い集落の、そこで暮らす人の、
彼らの末裔が居ると言う情報、私はその取材としてそこを訪れた。
「お幾つに・・・なられるんですか?」
一応それを聞いてみたが、返答はしばらく、帰ってこなかった。うめくような、
囁くような・・・、微かに聞こえる声?呟き?それがしかし、その静寂の室内、
そこでは妙にくっきり聞こえる。意味は理解出来なかったが、解る事実はあった。
かつてブゥードゥー教の司祭だった事、キリスト教の席巻によって立場を追われた事、
自らの力を見せる為に死霊を呼び出した事、そしてそれが、言う事を聞かなかった事。
それからずっと、彼は”そのまま”だという。笑みを浮かべて言う、命の意味など。
「コレは、私にしか出来ない事なんだよ・・・・」
取材はそれ以上出来ないと判断した私は、そのまま礼を言ってその場を立ち去った。
・・・後で気付いた。部屋には食事の後もなく、排泄物の匂いも無く、人が暮らす、
その形跡も無く、でも彼は一人、そのイスに腰掛けていて、薄ら笑いを浮かべて。
・・・或いは、ずっと”何か”と戦っているのだろうか。誇りさえ感じる最後の、
その呟きだけが、妙に耳に残った。
196 :
age虫:2006/05/05(金) 12:46:21
「最後の獲物」
「私の考えを言わせて貰うとね、それは間違っていると思うんだよ」
そう言った、彼の”右手が”、ずいと前に伸びた。
「”悪”と言う概念はそもそも抽象的なモノだ。人は、人を害する、多く破壊する、
そういう物を”悪”だと決めつけている。それは当然だろうが、少し違うと思うんだ」
見上げるほどに大きな人物が、自分の前で服を脱いだ・・・というより、破れた。
色白で、ぶよぶよと太って、でも股間に有るべきモノは無く、それにふと気付いて、
見上げると、そこに男性の顔、それは乗っていなかった。ぶよぶよと膨らみ続けて、
天井に肩が付くほどになり、やがて左手が、またしゃべり始める。
「破壊するという事は、それは”再生する”と言う事と同義だよ。新たな概念への、
それは”扉を開いてあげる事”に等しい。人が無様に破裂したり、溶けたり、例えば、
”こんな風に”頭だけ無くなっていたり。それは別に不自然な事じゃなくごく当然の、
私にしたら”コレは普通の事”なんだ。君なら解るだろう?それを読んだんだから」
2m50cm以上は多分ある、その白くぶよぶよした太った贅肉の、頭の無い形から、
両手が突き出されて、爪の伸びすぎたその手の、両の掌に開く赤く滴る何かを垂らす、
その口がステレオで、ハモりながら・・・、多分嬉しそうに、私の方に伸びてきた。
「痛みとか苦しみとか、そう言うモノは概念に過ぎない。自分が自分で有るという、
それを”それで有り続けさせるだけ”の制約に過ぎない。解ると思うんだよ君なら。
人を超えたいと言っただろう?その為にそれを読んで、だからここに来たのだろう?」
自分が殺した奴らだって、多分・・・こんな死に方はしなかったと思う。そもそも、
俺はもう人間じゃなかったんだと、次第に溶けていく意識と体と、口を塞いだその、
赤く濡れた両の掌の口に、だんだん自分は気付いていった。笑いが始まったそれは、
自分のそれだったと思うけど、声としては出なかったと思う。むさぼり食われていく、
なんて相応しい当たり前な末路だろうと、残った自分の足の親指で呟いて、そして。
197 :
age虫:2006/05/05(金) 19:30:03
「今は、跳ねるもの」
「”恐怖を感じる”ってのはさ、人間特有のモノなんだよ」
ともかく何故か、言葉は理解出来るが意味は分からなかった。捕まって、
何か話し掛けられている、ならもっと、”解る言葉”を使ってくれよ。
「人であった頃から、君は暗闇を恐れなかったけど、ああいう事は人は、
普通はしないし”出来ない”んだ。自覚無きノーデンスの奉仕種族、闇の探索者、
人の役目は、あれの見えない所を見に行く事でね。命を賭けても、そこに何が有るか、
でもそれは恐怖であって、危険じゃない。君達は夜のゴーントが飛び交う深夜でさえ、
いや今だからこそここにいるだろう?ここが実は”最も安全”だからだと知っている。
君達にとっては・・・だからまあ、君があんな事をしたのも、無理は無いのだけどね」
それはどういう意味だろう?と考えたが、脳はその方向には”今は”全然動かなくて、
とにかく早く逃れたくて、もう一度足をばたばたさせた、そこでちょっと思い出す。
そう言えば前、そんな事をしたような気がする、どこかへ落ちていった、でもそれは。
「もう昔の事だからね、思い出さなくても良いけど。当時は貪るように知識を求めて、
遂に禁断の書物にまで手を染めて。警告は何度も無視した、まあもうあの頃は後戻り、
そんな事は出来なくなってはいたけど。宇宙の深淵にある玉座、外なる神々の大帝、
その膝元で笛を吹く事を命じられた・・・、多分人では、君だけだったろうと思うよ。
・・・もう忘れただろうなぁ、なんせヘタだったからね・・・。彼をいたく怒らせて、
結局帰ってきた。まあおかげで僕としてはやりやすくなったが。”彼”がこの世界に、
”ちょっと不快感を抱いた”って事だからね。感謝はしてるよ」
やっと地面に戻して貰えて。ともかく気を落ち着けてから周囲を見回して。
あっちの方へ行こうとまず跳ねた。相手?は、追ってくる気配は無かった。
「また、人に成りたいと思ったら呼んでくれ。良いところは、幾らでもあるから」
目の前に穴が開いている、自分のねぐらへの。でもまず腹が減った、どこかに適当な。
振り返るとその、色黒の、たしか人としては美形の、その人物の姿は無かった。
覚えている様な、違うような・・・。ともかく二度と会いたくない、そうは思った。
198 :
age虫:2006/05/06(土) 09:00:48
「黒い男」
ひ、人を馬鹿にするのもいい加減にしたまえ!私が、私が何をしたって言うんだ!?
いやそうじゃない、コレは違う、別なんだよ。いや・・・別の物と言う訳じゃない、
確かに人の腕だが、これはいやそうじゃないんだ、これを食していたからといって、
いや食べていない、私はこんな。そんな事は・・・、いやだから、コレは違うんだよ。
ともかく、今は早くこの状況を立て直さないと、いや立て直すと言うか、とにかく、
どうにかするのが先だろう?人の罪がどうだこうだというのは今はどうでも良い事だ。
予算が百億近く消えているんだろう?その理由を探る事が先じゃないか!いやだから、
違う、私は違うよ。この私だぞ?外務省に入って三十年、ようやくここまで来た私が?
そんな、人喰いなんて筈が無いだろう?だ、だから騒ぐなというのに!!私が今まで、
どんな思いをしてここまで来たと思っているんだ?あの程度のはした金が消えたから、
・・・いやだから、そうじゃないんだ!事を荒立てないでくれ・・・いや、この人は、
こいつは私の秘密を喋ろうとしたから・・・殺したんじゃない!まだ生きているから!
食べて何が悪いって言うんだ?!力なんだぞ?私の祖先はみんなこうやって・・・!!
ちょ、ちょっと待ってくれ。警察の人、事情を説明させてくれ。外務省の官僚だぞ?
この私をそんな、犯罪者みたいに、いやだから、今は金が消えていた事の方が問題で、
私があのゲスな掃除夫を殺して食べていたとか、そう言う三流でゴシップで低俗な、
そんなマスコミが喜びそうな事をしてるとか、そんな事はどうでも良い事じゃないか。
よく話し合おう、な?言うだろう?輪を持って尊しと・・・いや、だから違う、私は、
私が罪人だと誰が決めた?誰のせいだと思っている、ここに呼べ、あの男をここに!!
アフリカで出会ったあの、肌の黒い痩せた・・・、いや違う、お前がここにいる筈が、
だってそんな筈が、あの時・・・いや待ってくれ!俺は何をした?教えてくれぇ!!
199 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/06(土) 10:08:01
age虫さんの作品って糞ですね
200 :
age虫:2006/05/06(土) 12:05:58
「可愛いユバスティ」
ええ、解るわ。そうね、酷い事をされてる。猫をこんなに殺すなんて、
いえ犬はどうでも良いのよ。大事なのは猫なのだけど・・ああそうね、
今はそう言う場合じゃないけど、でも、大丈夫だから。あの男はもう、
貴方に会いに来る事なんて無いし、姿を見る事ももう、永遠に無いから。
だから、ね?取り乱さないで、落ちついて?
・・・可愛がっていたのね、ええ解るわ。だからこんな所に私が”呼ばれた”のね、
大丈夫、ユバスティ・・・うふふ、いえ何でもないのだけど、とにかくあの子は、
ちゃんと神様・・の元に召されたから。貴方をちゃんと守ったのね、いい子ね。
ああ・・・、でもそれは違うわ。だって貴方の耳はここにあるし口も尖っていない、
ええ解るけど。でも違うの、確かにあの子達・・・ああ可哀想に・・・あの子達が、
そうされた様に、あの男は貴方を”猫”と呼んでいた、それも解るけど、貴方は別に、
ええまあそうね、あの男はそうするつもりだったけど、でも貴方は私とは違うから。
今あの子達が食べているから、もうちょっとしたらみんな綺麗に成るから、だから。
同じ目に逢わせなければ成らないの、許し難い男・・・!でも、見ない方が良いわ。
ほら触ってみて?耳はここにあるし、口は少し大きいし、目もちょっと違うでしょ?
こんな本なんかもう読まない方が良いわね、貴方は人間なんだから、違うのよ少し。
ええ解るわ、猫に成りたかったのね?でもそんな事は出来ないし、それにユバスティ、
あの子も貴方がそんな風に成る事なんて望んでいない。貴方は優しい飼い主だけど、
でも猫じゃないのよ?
ね、だから落ちついて。私の顔と貴方の顔と、ほら、”同じそれ”だと思う?
・・・そうね、それがいいわ、おやすみなさい。ユバスティはずっと側にいるから。
201 :
age虫:2006/05/06(土) 13:23:23
「姿無き語り部」
古代の都市サルナス、そう言っても現世で意味は無いのかも知れない。夢見る人、
”僕ら”は僕らを、そう呼んでいる。長い階段を降りて、その世界に出入りする、
夢と現実が交差するその世界で起こった事が、時々目の前のこの現実においても、
希に起こる事を僕は最近知ったばかりの・・・多分アマチュアの、”夢見る人”。
それは海岸付近での、昔話に近いものだった。「サルナスの厄災」、そう言われた、
”彼”はその時そこにいた、いや居る事を”それ”から強要された、イラーネク、
そう呼ぶ人々の一人だった。4mは有ろうかと言う、顎に髭の有る、その巨大な、
金属的な鱗に覆われた、でも知的な目をした大トカゲが。その日は彼の前で、顎の、
その触手?に近い物を使って海岸で、小さな・・・それでも2mは有ろうか・・・、
そんな都市の箱庭を、せっせと作っていたという。彼にはそれが自分達の都市だった、
その”サルナス”にだんだんそっくりに成っていく事が解ったらしい。自分らが、
付近を彷徨いていた気色悪い、「イブの怪物」と蔑んだ”それ”を一掃してしまって、
その祝杯を上げているさなかの話。一人だけ捕まってしまった、その時に始めて、
イブの怪物が彼・・・ボグルグと言う名・・・その大トカゲを信仰していたと知った。
そのボグルグを見た事の有るイラーネク人が居なかった訳ではないが。まさかそんな、
その見事な、精巧な箱庭を作って、呪詛とも言える呟きと共にボグルグのその大きな、
巨大な尻尾がその箱庭に一閃されて。その後にボグルグは狂った様にその己が作った、
その都市を完膚無きまでに破壊し始めて。それは・・・一昼夜に渡って続いたらしい。
その彼はもう、帰る場所どころか、死んだ事さえ気付かないイブの怪物と同じ有様で、
とにかく泣きわめく彼の前でボグルグがその箱庭を壊し尽くした時、サルナスはもう、
この世では「瓦礫」と言う名でしか呼べない有様だった。
「気を付けるんだよ?ボグルグを怒らせないように・・・」
その忠告と共に、私は夢から覚めて。窓の外に広がるこの都市を見てふと、自分が、
いや誰かが、ボグルグを怒らせたりはしないと言えるだろうか?と・・・少し考えた。
書きたいのはわかるんだけど、自己満足(オナニー)なんだよね→age虫作品
構成ができてないので読みにくいし、何を言いたいのか理解できない。
文芸はちゃんとあるんだろうけど、設定が固定化されていないので、一つの話の中でもブレがある。
ブラックウッドやポオの幻想系作品の味(翻訳版)を狙っているようだが、日本語が下手なのでうっとおしいだけ。
結論・延々スレ汚しする暇があったら勉強し直せ!
正直ウザイ
203 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/06(土) 22:08:09
>>202 別にいいじゃん。嫌なら無視すれば?
奴はちゃんとコテハン使ってるんだからコテハン指定で透明あぼーんでもなんでもやりゃいいじゃん。
204 :
age虫:2006/05/06(土) 22:11:14
「リアルなゲーム」
だから言っただろ?オーダー通り、そのゲームはリアリティを追求してるって。
「リアリティの有るゲームがしたい」って言うから用意したのに、何だよその顔。
数多のゾンビと交戦して、お城に突入してお姫様助け出すんだろ?まだ先は長いよ。
その位気にするなよ。リアリティだよリアリティ。腕の一本や二本無くなったって、
別に死にはしないって。安心して続けてくれ、ああでも体力の減少は注意するべきか、
何処かで救急箱でも用意しておくべきだったなぁ、なに、ツバ付けておけば直るよ。
治らないって言われても・・・困るな、それがリアルってモンだろ?
応急処置位習っておくべきだったなぁ、ああでも怪物達の病院がある、今からさ、
そこを襲撃して、ヒーリングポーションとか奪い取って来るってのはどう?
確か痛みは止まるんじゃなかったかな、良く知らない。僕はこの世界長くないから。
君が呼び出したんだろう?僕だって暇じゃないのに無理矢理。怒ってる訳じゃないよ、
別にそれが仕事だしね。呼んだ相手の願いを叶える。いや、こんな事望んでないって、
そんな事言われても・・・おかしいな、オーダーと何処が違う?現実と代わらない、
そう言う世界で思い切り気兼ね無く人殺しのゲームがしたいって言ったじゃないか。
そこに憎いあいつやムカつくあいつとか出せって。何回もバージョンアップしてさ、
自分の能力じゃこれ以上のアップデートは無理だったからさぁ、いっそお前の、
その頭の方を変えたらどうかな?って。我ながら名案だったと思うんだけどな。
お気に召さない?いやでも今そんな場合じゃないんじゃないか?もう3人は殺したし、
後はお姫様助けに行って部屋で色々とやらないとクリアに成らないよ。さあ、後少し!
いや相手の武器が強いって、そりゃ警官の銃だもの・・・鉈や包丁でかなう訳無いよ。
だからさ、そう言うのも含めてのリアリティだって。ああほらいっぱい集まってきた、
もたもたしてるから・・・。ゲームオーバーに成ったらどうなるって?そりゃまあ、
この世とオサラバして僕と一緒にあの世に行くのさ。それがリアルってモンだろ?
>>203 でも、初回に自覚症状ないのを延々見せ付けられると、腹も立つのよ。
無駄にした時間分吠えときたいのよ。
ま、次からはそうするわ
ノシ
206 :
age虫:2006/05/07(日) 08:26:42
「釣り人」
ああ、お宅もですか?
いやここは前々からの穴場だったらしいんですけどね。良いのが釣れるっていうから。
・・・ええまあ、この近くの者ですけど。でも始めてなんで、まだ勝手が解らなくて。
その割には良い装備してます?いやいやまあ、釣具店覗いてるとダメですね、はは。
いやー・・・しかし、一昨日の地震は、凄かったですねぇ。何でも海底火山の噴火?
そんな発表でしたか。でも・・・ここだけの話、アレどっちかというと爆発でしょう?
数ヶ月前からこの辺じゃ時々、”鯨らしき魚影”が見かけられる事が有ったって言うし。
いや・・・私の叔父がね、この辺で漁師やってたんですけど、一週間前にそんな話を。
冗談で潜水艦じゃないのか?なんて話してたんですけど、でもこんな所で・・・ねえ?
ともかく最近ちょっと調子が・・・悪いって言うか、変なんで、何となく気晴らしに。
・・・まあ、そんな所です。失踪するような、叔父はそんな人じゃ無かったんですが。
ああ、引いてますよ・・・?お、そりゃ見事だ。でもイカが釣れるなんて珍しい、
大きいイカですね・・・ホタルイカ?あの小さい奴ですよね?この辺じゃ昔からそう?
へえ・・・。いやしかし貴方、大きい目ですね、口も・・・え?ああ・・・やっぱり?
そうですよねぇ。いや何かおかしいな・・とは思ってるんですけど、でもコレが普通、
僕らは・・・この地区の人ですよね貴方も?ああやっぱり、ねえ、コレが普通ですよ。
僕なんかほら、最近顎が張っちゃって、エラも。なんて言うか・・・いや顔の事は、
今はどうでも良いんですが・・・ともかく今は行かないと・・・。でもここで海水浴、
いやちょっと早いかな・・・ああ、そんなに冷たくはないですか?じゃあ私も・・・。
いや・・・なんか懐かしい・・・水の中って呼吸する感じが・・・でもともかく、
今は許し難い・・・神を冒涜する彼らめ・・・ともかく破壊されたあの、我々の、
何で覚えているんだろう・・・ともかくあの神殿をもう一度、造らないと・・・。
人、足りないですかねぇ・・・、やっぱり家族も呼ばないと、ダメかな・・・。
>>205 ともかく持論として修行者wとしては書いたら人に見せないと先も無い訳で。
その為のスレなんだし?レスが付かなくても見せた方が上手くなるとオモ。
208 :
age虫:2006/05/07(日) 11:58:06
「天使の歌声」
僕に?そんな力がある訳無いだろう?運命を自在に操るなんて、神様だって・・・、
まあアレを全能者って言って良い物かどうか知らないが。只の我が儘な年寄り、
世界に逆らって小さな箱庭の中で自分の理想を貫こうとしているだけの、そのくせ、
ヨグ・ソトースのご機嫌を損ねない様に、時々君みたいな奴を見つけて献上する、
”彼は”そう言ってるけど、まあ僕らは知ったこっちゃない。ともかく集めた、
それを持って後は彼の元へ行くのが君の末路だろう?扉を”開けないでくれ”って。
大事なのは君の記憶だよ。君が対峙したモノの、数の多さだ。”彼ら”に、ここは、
あなた方の住む所じゃないと訴える為の、まあ「生きる報告書」とでも言うのかな。
出来るだけそれを集める必要が有った・・・、結果論だけどね。人の世界で言うと、
まあ予定調和、邪悪なるモノは滅びる。今回に関してはノーデンスの方が少し上手、
解らないけどねぇ、ニャルラトホテップはいつも嗤っているから・・・。僕らは、
只のメッセンジャーに過ぎない。ともかく君はもう帰れないんだ。まさか僕らが?
君をこの筒の中に分解して入れてから、元に戻すと信じていた訳じゃないだろう?
・・・ああそうだよ、理想郷だと思う。僕らにとっては、でも君はどうかな・・・。
もう、誰も君を捕まえる事なんか出来ないよ。ここはもう地球上じゃない。解る?
ノーデンスの加護はもう届かない、僕らの暮らす世界。寒さはもう感じないだろう?
”感覚は全部切って有る”から。もう少ししたら次元の断層だ。そしたらお別れだね。
・・・しょうがないよ、多数決の結果だもの。それが予定調和って奴か。地球では、
君みたいな奴は長く生きていられない、まあそれは僕らもそうだけどね。あそこは、
ノーデンスの造った箱庭なんだ。でもニャルラトホテップは言うんだ。大きな大きな、
それは大海の中にある小さな気泡に過ぎないって。馬鹿な事をしている、君らの言う、
「神」はそれに逆らっているって。いずれ滅びるらしい、でもニャルラトホテップも、
実はあそこで産まれたから。壊したくはないんだって、”そのまま変えたい”から。
・・・ああ、もう見えてきた。玉虫色のあぶくの塊・・・、お別れだね、じゃあね。
文章下手だけど面白い話 VS 文章上手いけど詰まらん話
読むならどっち!?
俺は面白い方がよい
両方ダメなら何やったってダメだろ
age虫に今までロクにレスが付いていないのがその証明
211 :
age虫:2006/05/08(月) 08:55:09
実際問題として、「面白い」と言う感想を、普通人は”返せない”んだな。
それは売上か「次も買う」とかそう言う,声無き声でしか反映しない訳で。
何でかというと、”それさえも表現”であって、そして正確に伝えていない、
それも解る訳で。下手な事を言うとむしろ失礼になる、経験は無いだろうか。
逆に「面白いよ」とレスが付く方が実は社交辞令とか同情とかだったりする。
だから、レスが付いてるかどうかは問題じゃない訳だ。「次が書けるかどうか」、
まあ第六感的な感覚だが、なんか書ければウケたらしいし、書けないならダメで、
でもダメになる理由が「迷惑だから」だとしても、下手すぎてか或いは逆か?
それはその人の判断に任される・・・ともかく次が書けないなら「あんたヘタねぇ」、
まあそう言う事でねぇ?
面白かったら面白いって言うね。
age虫氏のは面白いかつまらんかわからんけどな。
最初のほうのやつが最後まで読む気がしなかったから、それ以降一行も読んでない。
まあ読んだ人がいたらレスがつく罠
213 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/08(月) 19:30:54
>>211 はっきし言うけど、お前の小説は全然面白くないよ。
別にスレ違いじゃないからお前がここに書くのはかまわないと思うけど、一応言っておく。
地の文までくどいのか……
age虫の意見を要約すると、
1.「普通の人」は面白いという感想を作者に直接返せない
2.褒めるとかえって失礼。GJとかはたいてい憐憫の情や社交辞令から書き込まれる
3.次作が書けるのは、第六感で受けているのを感じるからである。逆に受けなくなると自然に書けなくなる
いかん、書き出してて頭が痛くなって来た
ここまで電波入ると返す言葉もないのだが、一応突っ込んどく
1.ネットの特性は即時性と発言のしやすさである。書籍を例に出す時点で勘違い決定
2.読み手は感謝と次作への期待を込めてGJを出す。職人はそれを糧に次の創作に励んでいる。創作板でそんな事言うと袋叩きにあうぞ
3.……お前、友達や知人に小説見せて感想聞いた事ないだろ。あったとしても評価されないのは読む人間のせいだと思ってるだろ。
評価してもらって、反省点を見つけ次作に活かすことで初めて文章がうまくなるもんなんだが……
お前、正気か?
などと書いても、age虫の文を読む限りでは理解できるとは思えないので、最後に言っとく
「もう好きにしろや。ただし、このスレからは出るな。絶対に出るな!」
相手してるこちらまで電波だと思われそうた
orz
age虫の人気に嫉妬w
ある意味、ここまで素晴らしいキャラには中々出会えないからなw
218 :
age虫:2006/05/09(火) 08:34:10
>>214 要するに「ウケれば次も書けるモンだ」と言いたいだけなのだが。
最近ネタ切れとか言う奴多いけど、要するにその人は”ウケてない”から、
「次のネタも出てこない」と。「面白いかなー?」といって逡巡するのと、
「話が浮かばない」というのとでは全然異なる。とにかく量産しなけりゃ、
何でも上手くならんよ。ともかく次が書けるかどうか?問題はそこだが。
ともかく、このスレにいる書き手住人は屁理屈こいとらんでさっさと次を書けと。
219 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 10:23:01
もういいって言われてるだろ
ひとりで書いてな。誰も読まんがw
受けてるという基準は?
「第六感です」
ありえねーw
221 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 15:34:51
age虫さん懲りずにココに書き続け載せ続けてください。
今の所ほとんどが批判的感想のようですが、いいもの面白いものを載せ続けたら何かしら良い反応が来るはず。
私も偉そうなこといえないが、今のトコ面白い!って感想が来てないということは、事実で謙虚に受け入れる必要がage虫さん側にも有りそう。
正直、私もこれまでの虫さんの作品の評価は低いぞ。
>>218 >ともかく、このスレにいる書き手住人は屁理屈こいとらんでさっさと次を書けと。
すごいエスパーレスww
過疎ってると思ったら結構見に来ている人いるんだね
223 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 19:01:26
>>218 まー俺は読まんけど読んでる奴も中にはいるのかも知らん。
お前が書くのは自由だ。精々頑張れ。
224 :
age虫:2006/05/09(火) 20:07:19
>>221 なんか、すっげぇ糞文章書きますね、貴方。
まあともかく、一人で遊んでもつまらんのでスレRPGとか出来ないモノか?とか。
一人称のキャラクタ用意して、マスターが現在の状況を書き込んで、どうする?
そこにスレ住人がレスとして「右に行く」とか「左に行く」とか「その場を調べる」、
とか、そう言う反応返して。適当な所でのその意見の多数決を元に状況を進めて、
それを繰り返す・・・という。
例えば「洞窟内、前方に左右へ続く分岐がある。どうする?」に、レスとして、
右へ行くが4レス、左へ行くが5レス、調べるが2レスとかなら、マスターは、
それを元に次の展開を書き込む。具体例としては、
「少し周囲を調べたが特に何もなかった。右か左か悩んだが、ともかくここは左に進んだ。すると」
とかな。小説書けない人でも多少参加してる気分に成れるんではないかなー?とか。
・・・まあ今までの経験上、age虫が立案する限りダメだがorz。
225 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 20:10:48
>>224 いや、別にいいよ。やってみなよ。面白かったら参加してやるよ。
226 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 20:15:49
主人公 山田花子 科学者 28歳 美女
時 遠い未来
場所 とあるテラフォーミング済みの惑星
>>224 この辺りの設定でよろしく。
この惑星に降り立った時、 彼女は、その風景が思っていたよりは故郷 『地球』 に似ている事に
安心した。
青い空、故郷と似ているその最大の物に敬意を表する様に見上げると、各種センサーをチェック。
大気組成 OK
気温 OK
湿度 OK
グリーンランプの点滅に少しだけ安心する。
とはいえ、彼女の多岐に渡るこの惑星での使命を考えると、安心する、などというのは
いささか早急に過ぎたかも知れない。
さて、彼女は取り敢えず何をすべきか?
1.惑星探索
2.資材のチェック
3.惑星開発基地の整備
4.その他
コマンド?
228 :
227:2006/05/09(火) 20:26:10
と、こんな感じでどうかな?
>ALL
229 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 20:34:01
>>228 いいよ。
>>227 4.その他
彼女のこの惑星での任務は、当該の惑星軌道上での救難要請信号の発信を最後に消息を絶った航宙軍駆逐艦、
「つきなみ」の探索である。
当該惑星に最も近い宙域を航行中だった彼女の船に、この依頼が舞い込んできたのだった。
230 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 20:48:26
>>229 センサーには沈船と思われる反応が3つ表示されている。
さて、どの反応を調べるか?
1 赤道上の密林地帯
2 大陸の砂漠の真ん中
3 南極海の海底20メートル
コマンド?
もはや小説じゃない件
232 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 20:57:35
4.お前の頭の中を調べる
普通、自分の味方を一蹴するか?w
233 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 21:00:07
あーやっぱり駄目だったかw
これで終わりねw
>>230 3 南極海の海底20メートル
「航宙軍が誇る、最新鋭の駆逐艦。
決して小さいモノではないわ。
それが沈むにはそれなりの場所が必要なはずよね」
彼女は、深海調査艇にも成る小型探査船のハッチを開けた。
ドルルルルルルル
始動キーをひねると共に腹に響く、心地よい重低音。
小型探査艇は離陸を開始した。
ところで、この探査艇の名前はなんだったろう?
コマンド?
235 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 21:03:11
ニクベンキ
選択肢が多すぎて読み物になっとらんがな
しかも文章厨房並
239 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 21:09:42
何で?
俺が始めた訳じゃないし、続ける義務もない
文章けなされただけで逆切れするなら小説書くなや
241 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 21:14:04
>>240 いや、さぞ素晴らしい文章をお書きになるんだろうとw
是非是非お手本を示していただきたいとw
いや、最初にレス付けてからずっと我慢してたんだけどさ。
お前バカだろ
243 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 21:17:43
>>242 なんでもいいから素晴らしい文才を披露していただきたいw
>>242 じゃ、馬鹿じゃないところを見せてくださいw
もう一度書くが、
「俺が始めた訳じゃないし、続ける義務もない」
何で俺がお前の独りよがりで始めたもののケツ拭かにゃいかん。
てめぇで始めたもの位自分で収拾つけろや厨房
246 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 21:25:58
>>245 別にケツを拭えとか始末を付けろなんて言ってない。
君の素晴らしい文才を披露してくれと言ってるだけ。
さぞや素晴らしい文章をお書きになるんだろうからねえw
>>245 厨房じゃないんだね?
じゃ、何かしら素晴らしいモノが賭けるだろう。
期待しているよ。
>>245 始めた訳じゃないし、続けるつもりもない。
でも、他人に難癖を付けるつもりだけはたっぷりあるんだよね。
そう言う人を厨房とかいうんじゃないの?
249 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 21:37:40
もう一度だけ……
言ってもムダかw
とにかく、煽られてモノ書くほど馬鹿じゃないとだけ言っとく。
小説を妄想だけで直書きする奴には分からんだろうがw
本当に読ませる小説書くには、準備がいるんだぞ
ま、電波に何言っても無駄か。何しろ、第六感でウケを察知できるからな、お前はw
250 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 21:39:21
>>249 ひどい文章だなw
ちゃんと義務教育受けたのか?
>>249 しったかくん、お疲れさまです。
自分では書かないけど、判るんだよね。
それってなんて第六感ですか?
>>249 >とにかく、煽られてモノ書くほど馬鹿じゃないとだけ言っとく。
素直に、書けませんっていって謝ればいいのにさ。
253 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 21:42:25
>>249 なるほど、準備がいるんですか。何日必要ですか?
何日でも待ちますからここに書いてくださいね。
いつまでに書くかここで宣言してくださいよ。
254 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 21:49:40
吠え足りたかい、坊や?
自分の程度を理解してから物言ってくれ、坊や
256 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 22:12:48
いつだろうねぇ、坊や
待ってる内に地球は君の好きな眷属に支配されているかもねぇ、坊や
>>256 厨房な文章乙w
まぁ、取り敢えず気長に待ってやるよ、脳内作家先生。
258 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 23:20:06
おちょくられてるのに気付いてないしw
259 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 23:21:40
脳内作家先生、困り果てて引き時が判らなくなってますw
>>239-257 このへん、二人の人間しか書いてないんだろうなと思うと笑えるなw
つまらんものはつまらんし、それを言ってもらえる方が書き手としては嬉しかろうに
つまらない→じゃあお前が書けよ
つまらんとか言われてヘコむくらいなら書くなよww
age虫先生の文章が下手なのは全くもって同意。
別にそれが悪いとも思わんが、批判されたくなければ書かないことだよ。
262 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/10(水) 01:42:53
>>261 おいおい、脳内作家センセ。
相手が居なくなってからこっそり勝利宣言ですか?
ここまで全てage虫先生の自演でした
まさか、その日の内に投下するとは思うまい。出来の善し悪しは、住人の方の判断に委ねます。
ま、散々けなすんだろうね、age虫坊やw
しかし、俺以外の住人に誤爆するこたぁないと思うぞ。だから厨房だって言われるんだよw
すでに辺りは暗くなり始めていた。
五月だというのに一向に良くならない天候のせいで、人影も疎らな閑散とした住宅街の通学路を、少年はトボトボ歩いている。
霧雨が、よれたブレザーを濡らす。自分ではかっこいいと信じている髪が、額にへばり付く。
−おもしろくない
道に落ちている空き缶を蹴飛ばす。あさっての方向に飛んで、電柱に当たってベコッと落ちた。
−おもしろくない!
現実は、少年にとって生きにくいところだった。ついさっきまでいた学校などは、その最たるものだ。
教師はケチで傲慢で、何かというと彼の授業態度を非難する。
−授業を聴いてほしければ、もっと面白い授業をすればいい
だが、そう思いこそすれ、口に出すことはなかった。ただ、注意されるたびにふて腐れた顔を先生に向けて、口先だけの反省を唱えるだけだ。
教師はそれでもまだマシだ。もっと彼の神経を逆なでするのは、同級生という名のガキの集団だ。
男子生徒は、彼を徹底的にいたぶり、あげつらうことで自己満足している心の貧しい連中。
女子生徒は、彼を避けキモいと噂を立て、触れたらばい菌呼ばわりする売女共。
そんな奴らと一日の半分を過ごすのは苦痛でしかなかった。
そんな時、彼を慰めてくれるのが小説だ。幻想系・ホラーと呼ばれるものが彼のお気に入りだった。
特にH.P.ラヴクラフトの、いわゆる神話モノと呼ばれている作品群に耽怩していた。
それらの作品の中では、人間は取るに足らない存在で、異界の神に蹂躙され、時に発狂し、時に命を落とす。その人外の存在の何と力強い事か!
彼は一通り理解できる作品を読んでしまうと、今度は自分で神話作品を書こうと思い立った。
書くこと自体は意外なほど簡単だった。だが、彼は読み手に恵まれなかった。
数少ない友達は、一枚目を見て苦笑いしながら「自分には向いてない」とノートを突き返して来た。
母親にノートを見られたときは最悪だった。いつまでこんな下らいモノを書いているんだと罵倒され、危うくノートを捨てられかけた。
目の前の現実に失望した彼は、ネットに活動の場を移した。かの総合掲示板の某所に、矢継ぎ早に『傑作群』を投下した。
レスは返らなかったが、彼は悲観しなかった。真の評価は文字では伝わってこない。耳を澄ますと万雷の拍手が聞こえてくる。
だがそれも、彼を嘲笑し蔑む書き込みによって聞こえなくなった。世界が彼を裏切っていく……
り ん
耳元で澄んだ音が聞こえたような気がして、彼は立ち止まった。相当頭に来ていたようだ。自宅への曲がり角を通過してしまった。
引き返そうとして、彼は何か変な予感のようなものを感じて、後ろを振り返った。
古い建物があった。トタン屋根に低い軒、今にも落ちそうな看板が屋根に上げられている。
「ふ・る・ほ・ん」
薄暗がりの中、口に出してやっと看板の文字列に得心がいく。古本屋だ。
−こんなところに古本屋なんてあったっけ
一瞬、疑問に思ったものの、少年は魅せられたように、建物に吸い込まれていった。
店の中は、裸電球で照明されているものの、妙に薄暗かった。むせ返るような古本の臭い。ピタッと書架に整理されている本達。
静かだ。電球がジジ…と通電する音まで聞こえるようだ。書架の陰影が、いつも読んでいる神話作品の図書館のようだと、彼は意味もなく考える。
−とにかく、何があるか見てみよう
手近な棚からラシャ紙で包まれたハードカバーを手に取る。
「日本の神話」
奥付には昭和八年とある。
「お客さん、目が高いね」
いきなり後ろから声をかけられる。
「それは神話系体を再編したときの小学生向け解説本だよ」
恐る恐る振り向いてみると、サングラスをかけ杖をついた老人が、少年に笑いかけていた。
「いや、これは、その」
しどろもどろになりながら、本を書架に戻す。
「いや、いいですよ。で、どんな本が御入り用ですか」
「自分で、探しますから」
本当は『ネクロノミコンありますか?』などと洒落てみたかったのだが、思うだけでできたためしがない。
「ネクロノミコンは取り寄せになるねえ。広東語版になるが、読めるかね」
頭の中が真っ白になった。
「な、んで」
「だいたい、うちに来るお客さんはそうお聞きになるんですよ」
老人は、ヒョウと笑った。そして、真面目な顔になると、
「ネクロノミコンはありませんが……お客さん、夢野久作先生の『暗黒聖書』は読んだこと、ありますかい」
「い、いえ」
作家名とドグラ・マグラは聞いたことはあるが、それすら未読である。
「その作品の中で、反聖書、邪悪の教典として出てくるのが暗黒聖書です。まあ、小説にはオチがあるんですが」
老人は、言葉を切ってサングラス面を少年の顔に近づけた。
「その暗黒聖書が実在してここにあるとしたら、そしてお値段を買いやすく設定しましたら、お客さんお買い上げになりますか?」
デスクの上に紙包みを投げる。鞄をベッドに放り、制服の上着をハンガーにかけて、準備完了。食事はドアの外に置いておくよう母親に言い付けてある。
早速、入学祝いに買ってもらったパソコンを立ち上げて、総合掲示板の某スレッドを開く。
−まただ。またあいつが僕を誹謗中傷している
彼は、怒りを押さえながらキーボードに指を走らせる。今日は前から考えていた事を実行に移すのだ。これでみんな自分を見直すだろう。
−とにかく、あいつだけは目にもの見せてやらなければ。
そして、彼の戦いは幕を開けた。
夜中、まだ「あいつ」は誹謗中傷を書き込み続けている。
もう、彼に取っては自分を否定する者はみな「あいつ」にしか見えなくなっていた。
レスを打ったものの、衝動を押さえられず、机を叩く。紙袋がガサゴソ音を立てる。
彼はふと、紙袋に手をのばす気になった。夕方、半ば強引に売り付けられた暗黒聖書だ。
袋を開いて手に取る。革の装丁が、湿っているように感じられる。頭に帰り際、歯茎を剥き出して笑った店主の顔が浮かんで消えた。
−まさかね
ページを開く。なんて事ない。
−美少女とロボットが出るなら大歓迎なんだけど
脳内妄想を膨らませながらも、ページをめくる。
肉筆で読みにくいが、一応日本語訳だ。聖書というよりは、箇条書きで教えが書き込まれている。
汝、殺さぬ事なかれ
汝、姦淫しない事なかれ
汝、暴食せぬ事なかれ
……
段々、彼は本に引き込まれていった。内容は箇条書から、かつての神の国の描写に移っていった。
頭の中に、極彩色の映像が浮かぶ。南極のコロニーだ。人間なら気の狂いそうな建築物の中で、樽のような身体に翼と海百合状の頭を持つ生物がうごめいている。
もはや、彼の読んでいるのは日本語でも、かのコロニーで使われていた言語でもない。それは、彼に侵入するプログラムだった。
彼の前に、一際大きい海百合生物が近づいて、触手を伸ばして来た。
『君が実験に志願してくれた若者か。君の精神データは「本」という次の時代の支配者の嗜好物に移植される。
そして「本」を開いた者に転送され、かの時代で再び我らの世界を取り戻す先兵となるのだ』
彼は、触手を絡ませて答える。
『ハッ、微力を尽くします』
翌日、少年を起こしに来た母親が、彼がいないことに気付いた。
机の上には何も書いていない本が、パソコンの横に開いたまま置かれていた。
それ以来、少年を見かけた者は、いない。
>>◆/vDNij9PDc
ワロタw
久々にこのスレで読み物を読んだよ。
ラノベとか読まないんで分からないのだけれども、
-(頭で考えていること)
という感じの表現は地の文に入れてしまうか、「」に入れてしまう方がよくないか、とは思った。
が、まあ面白ければ官軍だしな、乙。
270 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/10(水) 07:32:38
HPLの断片を誰だかが補作した「アルソフォカスの書」みたいなもんね(笑)。
単純に面白く読ませてもらいました。
技術的な意見は269氏と同じ。
本人の思考部分と記述部分を区別し易くしたほうがいいですね。
あともうひとつ。
気の利いた攻撃パターンですが、折角ここまで書けるのだから、現実のネットとは切り離した方がいいのでは?
もったいないと思います。
面白そうだから、私も駄文第二弾をクトゥルー風仕立てで投下してみまひょ(笑)。
ねえ、
>>234は終わっちゃったの?
名前がいるなら「ポセイドン2号」で。
272 :
age虫:2006/05/10(水) 11:24:53
>>226 もうちょっと事細かに状況(と言うか主人公の目的)を書かないと解らないし、
どうする?に「選択肢を書いてしまえば」参加者への自由度も大幅減だろう。
更に言うとこのスレで行っても荒らしにしかならんと思う。基本的姿勢が。
ともかく手元にケイオシアムRPGルールブックと適当な一人用シナリオを用意し、
別スレを立てて、それからと言う物ではないだろうか。
>>272 ハゲワロチwwwww
age虫氏以外はこの笑いの意味がわかってくれるに違いないw
274 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/10(水) 14:03:07
>>271 小型探査艇「ポセイドン2号」
深宇宙星系探査を仕事にしている彼女にとって、この探査艇は命を預けるに足る相棒だった。
重金属の海での数百メートルの潜行すらモノともしない超剛性の外殻。
最新型の軍事用を流用した各種センサー。
調査目的には少しばかり過剰な火器。
彼女が“業界”での名声を高める為に、命を削って蓄えた工夫のかたまりだ。
数十分の飛行のあと、ポセイドン2号は目的の座標、駆逐艦「つきなみ」が沈んでいる
可能性があるポイントに到着した。
センサーは、海面に浮かぶ様々な残骸の存在を知らせていた。
そして、数百キロほど離れた場所にある人口建造物の存在も。
さて、これからどうする?
1.このまま潜行し、沈船の調査
2.会場の残骸の調査
3.人口建造物の調査
4.その他
コマンド?
275 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/10(水) 14:05:19
>>274 自分で誤字発見
×
2.会場の残骸の調査
3.人口建造物の調査
○
2.海上の残骸の調査
3.人工建造物の調査
276 :
age虫:2006/05/10(水) 14:32:27
目的海底に沈んだ船の探査なのねスマソ。
>>274 4.周囲の海流他、目標への接近における危険等を含めた周囲の情報を収集。
ここは自作小説をのせるスレであってるよな?
>>269>>270 うーん、やっぱりマイナス線は不自然でしたか。しばらく一人称小説書いてたんで、地の文に混ぜるのが不安で…… 次があれば注意します。
>>270 ちょっとおちょくりが過ぎたかも知れません。不快感を覚えさせたのなら申し訳ない。
>>273 数の子見てたら、正気度チェックに失敗しました
orz
さて、何事もなかったようにスルーしてるところ済まない>>age虫
一レスだけ付き合えや
まず、謝っておく。
ちょっと昨日は煽り過ぎた。馬鹿云々の罵りだけは、年甲斐もなくヒートし過ぎたと反省している。
ごめんなさい
ただ、お前さんの小説についての記述は一切撤回しない。あれは、単なる事実に過ぎない。
でだ、俺はお前さんの要請通り、ちゃんとそれなりに読める小説を投下した(まあ、成分の半分はおちょくりだが)訳だが、それについては何かないのかね?
少なくとも、「本当は書けない癖に」「早く謝っとけばよかったのに」「脳内作家先生」などの事実と反するカキコについては撤回・謝罪していただきたいのだが。
さあ、どうする?
1.素直に謝罪する
2.無視する
3.逆切れする
ただし、正気度チェックに失敗したら
>>268へ
279 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/10(水) 18:22:52
>>278 はっきし言ってお前の小説は全然面白くない。
まーage虫よりはいくらかマシだが面白くないという事ではたいして変わらん。
この程度で威張り散らしてたのか?
いくらかというか、age虫と比べるのは失礼な程には面白いな
281 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/10(水) 18:32:24
>>280 そうか?文章の下手さはたいして変わらんよ。
282 :
変人@k:2006/05/10(水) 19:15:40
ちょっと割り込み気味で申し訳ありませんが、
自作の小説が原稿用紙ほぼ10枚程度書き終えたので
何か感想がもらえたらと思って来ました。
あえて解説や私については語りません。というわけで、
「仁風荘」
ゆうさん、さえとゆうさんは誰も知らない活断層を帯びた
血流で繋がっているに違いない。
だって私達誰にも真似できないテレパシーをやってのけるもんだから。
なんて最初に思ったさえの馬鹿馬鹿。尹先生助けて抱いて。
嘘です、冗談、そうでもないか。
今も忘れないものだから一つテレパシーを詔。いえもん殿早く本にしてね。
仁風荘の先生は皆元気です。
さいは投げられせせいのせいやさもありました。
まばたきと幻聴というかたちと、歯ががちがちというかたちです。
ねいまねが分からない・・・ゆうさん、忘れないよ。
びっくりまーくいっぱい。
>>281 下手ですか……まあ、ビッグマウス叩いた手前、「このくらいか」と思われてもしょうがない部分はありますね。
できれば、悪い所を指摘していただければ大変助かります。
よろしくお願いします
m(__)m
284 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/10(水) 21:49:41
>>283 1行目。
「五月だというのに」ってどういうこと?四月より五月の方が天候が安定しているという認識は一般的でない。
日本のどこかにそういう天候のところもあるのかも知れんが、他の地方の人間には判らない。
それから文章がくどい。「人影も疎らな」と「閑散とした」はどちらか一方でいい。
「の通学路」も必要ない。文章から下校途中である事は十分に読み取れる。
2行目
「よれたブレザー」とはどういう状態のブレザーなのか?広辞苑によれば「縒れる」とは「ねじれる」と同義であるが、
これが一日着てくたびれた状態を表現するのに適切か?
出だしの2行でこんな感じ。
うわー……いくつか誤解があるような気もしますが、誤解される表現に問題がありそうですね。
参考にさせていただきます。ありがとうございました
m(__)m
286 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/10(水) 22:45:20
なんつーかレベル低いね
面白いとかそういう問題じゃない
287 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 01:25:52
>>276 彼女はポセイドン2号のセンサーのレンジを最大にし、同時に
母船と大気圏突入前に周回軌道に放したいくつかの衛星との
情報リンクを確立させた。
これで、この惑星表面の情報は全てここから走査できるはずだ。
さっそく、この一帯の情報が、高優先度順にコンソールにピック
アップされてくる。
その中には驚くべき事に、明らかにテラフォーミングとは無関係の
人工施設、それもかなり大型のものが複数存在していた。
さて、まずどこから調査すべきか。
1.この地点から200キロ離れた海上に浮かぶ、資源採掘用超大型プラットフォーム
2.3000キロ離れた大陸にある、軍用機の発着が可能な航空基地
3.惑星の裏側にある、軍事キャンプ
4.その他
コマンド?
最近、文章がムダに長い。最初の頃のように短い方がいい。
3.惑星の裏側にある軍事キャンプ
289 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 07:30:53
>>285 どうでもいいが、あの文脈で、今年の「(例年と比べると)五月にしては不順な天候」を指してるってことに気付けない椰子の御託を真に受けない方がいいぞw
「くたびれた(服)」という意味で「よれた」っつー表現を使うこともご存知ないようだしなw
290 :
270:2006/05/11(木) 07:56:17
>>278 「不快」とは感じていません。
むしろ逆。
上の何レスかでもめている「よれた」なども、攻撃性を抑えて小説としての一線をキープしようとしているように感じました。
主人公の描写もいわゆるキモオタ風にはなっておらず、HPL世界の住人を現代日本風に描いたっぽく思います。
これがときどきAAで見るような典型的「キモオタ」だったら、攻撃性が露わになって、ある意味自分で自分の顔にクソを塗るようなものだと(汚い表現失礼)。
「自作も晒さないで偉そうな」と感じられるかもしれませんから書いときますと、「海ホタルでの交霊会」ってのが私作の駄文です。
あれに較べりゃアナタの作のほうがずっとキッチリしてるでしょ?
だからこそ「もったいない」とレスしたわけです。
291 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 08:17:28
>>289 アホ?お前?五月が特別に他の月と比べて天候が安定しているという常識がどこにあるんだ?
むしろ五月雨が季語になっているように五月は梅雨入りを前にして雨が多い。
よれたって表現がそんなに普及してるか?ならソースを出せ。
292 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 08:20:44
>>289 だいたいさあ、お前日本語読む能力無いのか?
「五月だというのに一向に良くならない」という文章なんだぞ?
つまり「時間経過によって良くなる事が期待されるのに、一向にその気配がない」という意味の事を言っているわけで、
これは五月の前の月、つまり四月との対比で語っていると解釈する以外に無い。
一体「例年と比べると」ってあの猿の文章のどこを解釈すると出てくるんだ???
293 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 11:23:50
>>292 ツッコミ所満載だが、藻前粘着しそうだからやめとくわ
オレ規準以外は駄文扱いするんだろう品
つか◆/vDNij9PDcとやってる事同じwww
294 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 11:27:06
>>293 いったん退いても、どうせ後で悔しくなって第三者のふりをして書き込むんだろ?
295 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 11:29:05
>>293 まー後でどうせ絡んでくるんだろうが、頼むからニンジャソードだけは持ち出さないでくれよ?
根暗な苛められっ子のやる事は容易に予測できんからなw
296 :
変人@k:2006/05/11(木) 12:06:05
さえは静岡市で生まれたのでした。ゆうさんと
青空で流れているとふと思い出したのです。
家にはいつも祖父と父が生きていました。
父はあのお姉さんの嫁ぎ先まで心配していたものだ。
さえ、幼少期はよく覚えていない。
「しっかりしなない。」
とばかり言われてきた。
しばらくデイケアに行けそうにないのです。
ああアクセサリーが作りたい。うんうん。
デパスはまだあるけれど空腹時に飲んじゃいけないなあ。
平松先生宮田先生悲しい事がありました。旦那と住んでる。
お前はいね。やっちゃふみふみ今もお花が綺麗です。
ケイレイ!ケイレン!ケイカイ!
続きです。
297 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 12:44:31
>>288 彼女は熟慮の末、探索にもっとも障害になりそうな
軍事キャンプの偵察を優先する事にした。
なにしろ、航宙軍の誇る最新鋭駆逐艦が処女航海でロストしたのだ。
航宙軍のキャンプなら、秘密裏に派遣された捜索隊の可能性がある。
当然、情報収集くらいは期待できる。
しかし、もし。
もしも、それが対立勢力の辺境星系連合のものだったら?
当然、ロストした事件そのものへの直接関与を疑うべきだろう。
そうなれば、ミッションの難易度が極端に上がってしまう。
逡巡の間にも、超望遠モニターにキャンプの様子が映し出せる
距離にポセイドン2号は接近していた。
建物は簡単な移動式野外施設のみ。
恒久施設は見つからない。
どうした訳か、対有視界フィールドも展開していない。
敵味方識別コードの送信無し。
装備からすると、それほど人数も多くはなく、精一杯小隊レベルだ。
兵種は、陸戦隊…?
さて、どうする
1.通信を試みる
2.監視を続ける
3.侵入する
4.その他
298 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 12:45:26
299 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 12:51:36
300 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 13:02:19
>>297 1.通信を試みる
>危険だw。攻撃されたらどうするんだ。
じゃあ、通信を試みるで
302 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 16:47:53
だが、何度試みても応答はない。
なおも通信を試みていた時、艦載コンピューターが警報を発した。
「被攻撃照準。複数の地対空ミサイルの発射を確認しました。到達まで130秒。回避不能です。
座席射出システムによる当船よりの離脱を強く推奨します」
1・座席射出による脱出を試みる
2・機動によるミサイル回避を試みる
3・気絶する
コマンド?
303 :
age虫:2006/05/11(木) 18:02:49
>>302 2.機動によるミサイル回避を30秒やった後で脱出を試みるとか。
>ここでゲームオーバーかねぇ・・・。
やはり多数決でないから展開が面白くないなwとage虫は書く。
多数決なら「ちょっと待て、少し接近してから」とかも上がるだろうけど。
まあここのスレ住人に協力を要請は無理だよな。
304 :
変人@k:2006/05/11(木) 18:20:36
ゆうさんとはオーラカウンセリングです。
変化はおぞましいものです。昨日もぴぴっときました。
着信ありです。
クラシカルな音色はどうですか。歪み切った愛情と
抑うつ症状。腹ばいになった赤ちゃんはうさらうさらと
しています。あなたは今どこにいるの?ゆうさん、
来ないで下さい。お願いします。
あららこらら父はどこに行った。父は病院に行った。
名前は、名前はどうなるのですかああ私の新しい名前、
そして新参者は父。討ち入りに参るのです。
本当は雪など降らなかったはずでしょう。
水遣りは済みましたから・・・鐘がなるなる
好きなだけ喰うは渋柿、甘柿ではないのです。
赤ん坊は健やかだとゆうさん、来ないでと言ったのに。
空は私を侵食しますか神様。
305 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 18:56:47
>>303 基本的にどれを選んでも主人公は死なない。
それは基本でしょ。
>>290 ありがとうございます
他の方の指摘を受けて自作を読み返し、下手さ加減にがっかりしていたので「ひどい中でも評価していただける点がある」と救われた気分です。
「海ホタルでの交霊会」、読ませていただきました。謙遜されていますが、面白かったですよ。
ゴ〜w
ただ、東京湾で降霊会をする理屈をもう少し補強すると、より胡散臭くなると思いました。
「天孫系神話が上陸するまでは、海の向こうにあの世があるという説が主流だったんだ」
とか。
今回の一件で、いくら知識があっても、他人を蔑むようなカキコをするのは、荒らしでしかないという事を、身をもって(最後には人の振り見て)学びました。
不快に思われた方、申し訳ない。
では常駐スレでの投下に戻ります(連続物放っぽって来てたんで)が、機会があればリベンジにこようと思います。
その時は、またお付き合い願います
m(__)m
307 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 20:56:05
>>306 お前はさあ、登場の仕方が悪かったんだよ。
最初から喧嘩腰で書き込めばいい結果にならないのは見えてるだろうに。
でも書き逃げせずにちゃんと一本投稿したのは褒めてやる。
お前は偉い。また来い。
308 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 21:39:10
>>303 フッ
彼女は笑った。
この仕事を続けていれば、陣営同士の微妙なパワーバランスの中で
判断を迫られる事など日常茶飯事だ。逃げてばかりいては仕事にならない。
ましてや、彼女の様な一流になる事は。
彼女は、ブースター圧力を稼働限度まで上げた。
(もちろん、マニュアル上の性能限界を遙かに凌駕している)
Gキャンセラーすら追いつかない激烈な加重。
鈍重なミサイル達が必死について来たところで大きく水平機動。
可変翼を最大に開き、進行方向へ向けて翼面を展開。
反応について来られないミサイル群が彼女を追い越した所で
全てのミサイルをロックオン。
これには、軌道上に展開していた情報衛星が役に立った。
すべてのミサイルが高エネルギーのプラズマと化すまで、60秒は掛からなかった。
「本船に迫っていた危機の消滅を確認」
ナビゲーターシステムがいつもの様に彼女の生存を知らせてくれた。
そんな時、コンソール上に交信要求コード受信のサインの点灯を確認した。
交信要求を受諾すると同時に、中年の男の声が流れてきた。
「…ガガ…こちらは航宙軍艦隊所属つきなみ…長代理…先ほどの手違いを詫びると
共に、どうか着陸し、我々に力を貸して欲し……ガ……ガガピ…」
さて、彼女の取るべき道は?
1.言われる通りに着陸
2.このまま交信し様子を見る
3.偵察ボットを射出
コマンド?
309 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 22:09:42
冗談ではない。たった今問答無用で撃墜しようとした癖に何を言っている?
もしもポセイドンが対地爆装していればとうに報復攻撃をしているところだ。
未だに件の基地の連中が生きて寝言を並べていられるのは、
単にポセイドンが武装をしていないという、装備上の限界以外に何ら理由はない。
復讐の流血を求めて猛り狂う心を静めつつ、花子はコマンド3を選択し、偵察ポッドを射出した。
2分で基地の直上に到達したポッドからの情報を見て、花子は驚いた。
「生存者がたったの2名?」
ビデオ映像で見る基地は、激しい爆撃の痕跡に埋めつくされて壊滅状態だった。
さてどうしようか?
1、基地に着陸する
2、再度無線で状況を確認する
3、いったん母艦、ゼウスに引き返して武装する
310 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 22:52:48
ちょっw
誰も選択してなw
せめて自作自演を徹底してw
311 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 22:55:21
>>310 キミはキミ以外のみんなが何をやってるのか全然理解してないんだね。
馬鹿?
312 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/12(金) 01:56:48
少なくとも書き手は二人以上はいるな。
良きかな良きかな。
とりあえず◆/vDNij9PDcは別作品を書いて別人として投稿すれ。
俺はお前の自作を待っているぞ。
彼に与えられた任務は一つ。宇宙戦艦『トマト』の死守。
ただそれだけだ。だが、それだけで充分だった。その任務こそが、
この作戦の全てだった。
「艦長!敵72群、重巡航艦隊、本艦の守備エリアに侵入します!!」
報告を受けた時、すでに艦長は悟っていた。正攻法では、
ここを支えきれないという事を。すでに艦の出力は60%以上低下していたし、
完全に作動する主砲は存在せず。雷撃兵装を使おうにも、
発射管は既に殆どが溶解。
――だが、ここを通すわけにはいかん。
艦長は機密ヘルメットをかなぐり捨て、シートからおもむろに立ち上がった。
その動作があまりに大げさだったので、ブリッジ要員の全員が振り返った。
「乗組員の諸君! 君らの命、この私に預けてくれ!!」
返事を待つまでもなかった。
全ての乗組員は、すでに自分の命が自分の物でない事を知っていた。
この艦隊の全員が知っていた。自分たちの命は国民全てのためにある事を。
「ありがとう…」
無言の返答を受け、艦長は小さなため息をもらした。
可及的速やかに胃酸展開開始! 十二指腸、嚥下したらすぐ来るぞ
満腹中枢抑制起動開始 暴走レベルにまで胃粘膜上げろ
各員が持ち場に走る。無駄一つない完璧な動作で。ふと脳長は苦笑した。
――やれやれ、この脳下垂体に乗ってから、初めて満点の行動をしてくれたか。
これが最初で最後……。
ランゲルハンス島の機能が完全に起動しはじめた。しかしその機能による通常の
抑制も形成しない。莫大な量のトマトは、全て蓄積されていった。
「脳長。来ました、72咀嚼群です。未粉砕速度は通常のの45倍。
確認断片個体数、12000。密集形態で食道通過中です」
脳長は不敵に、にやりと意識を向けた。
「さあこい、トマトども。小っぽけなホルモン分泌で、どれほどの奇跡が起こせるか見せてやる!」
1人として脱出する細胞のないまま、敵72群へ向けて突進していった。
敵の圧迫によって逆流する直前、胃袋は巨大な光球と化した。
あらゆる物を飲み込む胃酸。周囲に広がる末期症状の波。
316 :
変人@k:2006/05/12(金) 16:27:22
基礎体温計ぶっこわれ事件に中途覚醒、
いかんいかんの日々でござんす。愛ゆえに
気を使いすぎて焼け野っ原。苦しいよう、
吐きそうだよう、あんなにもこんなにも
そんなにも困難にも気をつけていたのに。
平和を誇っていた私と大好きな歌と尹先生。
たすけてくれーい。
なぜ父は30年も入院をしたのだ!ああ
ご本尊様をびりびりに劈いたから。宗教の
もつれよ、勇ましさよ。紅の鏡は何もかも
鮮明に記入する。バイト研修生、特別な知は
手に入れたか。しかしそれで30年入院だなんて
おかしい。医療ミスか、何とでも言え。
お父ちゃんに会いたい、父様にお会いしとう
ございます。でもあなたはお休みなさいな。あなたは
あなたのままで良い。森田、森田、森田、森田、
全てはあるがまま〜神経質マンセ!
母がしっかり見舞いに行ってやればこんな事には
ならなんだ・・・涙涙でございます。ああくそったれ、
母は何も分からず死んでいった。まあ父は
のうのうとしていられたろうが・・・。
機密情報を集約して情報分析も図れるスグレモノのCICヘルメット
歩兵がひとりひとり自分で情報解析するのは、もはや常識。
RMAは機密情報まで自由に覗けるわけではないよん
当たり前のことだが、階級と役職によって与えられる情報は制限される(兵士が個々の判断で動かないようにする為)
情報を公開し、自由に戦わせた方が強い。
情報を制御された歩兵がするべきことは、自軍の上層部の調査。
>>322 ハインラインの「宇宙の戦士」を見よ。
民主的軍隊なるものがワイマール制末期のドイツで発生したが、SAにあっさり壊滅させられた。
軍の本質は上意下達で、上層部に意見は出来るが命令拒否は許されない(元自衛官の同僚に確認済)
軍隊に限らず、会社人になると誰もが一度は味わう不条理だったりする
orz
324 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 01:37:46
>>309 2.再度無線で状況を確認する
無難なところで、これ。
325 :
取巣樋:2006/05/13(土) 02:08:32
「雨中の戦死」前編
「動け鉄人!」
国際陰謀団のロボットを前にして鐘田章太郎少年は必死に
無線操縦機を動かしていた。
鐘田章太郎少年が操縦しているのは鉄人いろは号である。
しかし鉄人はやられてしまった。
「こんな二本レバーの操縦機じゃ無理です。敷縞博士。何かよい方法はないでしょうか。」
と戦い終わった鐘田少年。
「うん。そうだな。鉄人の中から操縦するというのはどうだろう。」
「そうして下さい。中からなら自動車のように楽に操縦できそうです」
「よし、ではさっそく鉄人いろは号の後継機、いろはガンダム28号を
つくることにしよう」
「わーい」と喜ぶ鐘田少年であった。
それから三日後いろはガンダム28号は完成した。
「さっそく試運転をしてみよう」敷縞博士が鐘田少年に言った途端、非常警報が
鳴り響いた。
「緊急事態発生!緊急事態発生!国際陰謀団の巨大ロボットが出現しました。
まっすぐこちらにむかっています!」とスピーカーの中の人が叫んだ。
「むむっこれは大変だ。試運転がてらちょうどいい。章太郎君。さっそくこの
いろはガンダム28号に乗って戦ってきたまえ」
「はい。わかりました博士」
326 :
取巣樋:2006/05/13(土) 02:09:59
「雨中の戦死」後編
鐘田少年は高さ20メートルもある梯子を登りガンダム2号の操縦席にたどりついた。
黒い巨大ロボットが間近に迫っていた。
「動けガンダム28号!」鐘田少年は操縦桿を握った。
「ブァッ!」ガシン!ガシン!ガンダム28号は歩き出した。
「うわぁ!」と鐘田少年の叫び声を上げた。「どうしたんだ。章太郎君」と敷縞博士が
無線で問い掛ける。
「ガンダム28号が歩くたびにものすごい衝撃なんです」
「我慢したまえ章太郎君」
対峙する悪のロボットとガンダム28号。
ぶつかり合う2体のロボット。グワシャン!と倒れる2体のロボット。
悪のロボットは立ち上がった。
しかしガンダム28号は二度と立ち上がらなかった。
倒れた時の衝撃で、中にいた鐘田章太郎君は死んでしまったのである。
「やはり中から操縦すのは無理だったんだ」敷縞博士は涙した。
いつの間にか激しい雨が降り始めていた。
327 :
変人@k:2006/05/13(土) 05:44:15
誰かが、否、種も知らない猫が
私を否定するのです。全てが正論、
テレビのお偉いさんも正論、なんて
つまらないなんて小汚いダンボール箱の
中遺骨となって湾に沈むよりも不自然で不衛生だ。
ゆうさんの言葉の方が幻想的で扇情的で
世の中に効果がある。
またもや心が鳴いたから、あなたが電子の力を
借りて創造しいつからか増設した白紙の部屋に
吸い寄せられるのです。そこでまた不安定要素が
小首を傾いで慄いているのも知らずに・・・ゆうさんの
言の葉は今夜も私という宙を舞い始めるんだ
今畜生。・・・夢から覚めないならここへおいで。
桜は泡沫?13才の命の矛盾、その矛先に笑え。
あーっはっはっは、自民党が圧勝だ沈め思想よ。
竹が音を立てる早朝、ストウブはいりませんか・・・
おおなんてお見苦しい点を、いえもん殿、
さえでございます。死にそうになる私に
愛の手を。話を聴いてください、そして私の
半生を世に役立ててくださいお願いします!
お願いします!
329 :
変人@k:2006/05/13(土) 10:34:40
この意味不なの読んでる人いるんかなあ・・?
でもまだ序盤だしうpしてってみるか・・・
330 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 10:48:29
>>329 お前の文章読んでると脳がくらくらして来る。多分読んでる奴いないと思う。
331 :
変人@k:2006/05/13(土) 13:01:57
みくしーでは評判良くなってきたんだけどな。
どこだったら読んでもらえるんじゃろ?
332 :
変人@k:2006/05/13(土) 13:03:41
書いてる私もくらくらしてたよ。
わざとだからね。でもこの書き方じゃないと意味がない。
333 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 13:08:55
>>332 みくしの場所教えてくれ。
ちょっと、興味が湧いた。
334 :
変人@k:2006/05/13(土) 13:36:52
335 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 14:03:10
ひどい!!酷すぎる
文才無さ杉。
小学校からやり直して来い
336 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 14:17:40
337 :
変人@k:2006/05/13(土) 14:25:18
>336 おkです。じゃあみくしーにだけUPしていきますね。
これでも一冊本出版してるんですよw
世の中やはりどこか間違ってるなあ。
339 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 16:32:00
>>309 1.着陸する。
>なんか外敵の存在でねえ?
341 :
変人@k:2006/05/13(土) 22:09:14
あら。この板なくなっちゃうの?
少しでも反応があって嬉しかったんだけどな。
いや、駄文RPGが引っ越すだけ
343 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/14(日) 04:48:38
脳幹の命令に従っている自己が、まるで赤の他人を操縦するかの様な幽体離脱的な感覚は一向に覚えない。膨大な記憶を有する【海馬IC】を+aするまでは自己解離現象は発生しないのだろうか?俺は現在、販売される全ラインナップを取り寄せた。【海馬IC】
344 :
変人@k:2006/05/14(日) 12:32:17
みくしーの方は完結に近くなってきたんだけど
こっちで読みたい人いますか?
345 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/14(日) 12:34:04
>>344 あのさあ、5行ぐらいで粗筋の説明してくれない?
346 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/14(日) 14:48:47
347 :
変人@k:2006/05/14(日) 15:49:24
難しいけどやってみます。
統合失調症のさえの過去、今、幻聴の意味について
境界性人格障害の私コティーが深く読み解く。
二人の空間を越えた会話の果てに
精神障害など捨て去った何かが見えてくる。
そんな物語です。
>>347 まあなんというか、色々言いたいことはあるがまあガンガレ
349 :
変人@k:2006/05/14(日) 16:37:18
ありがとうございます。ネット上での
反応を見てどこかに応募する決心がついたので
応募したいと思います。結果が出る可能性の
きわめて低い作品だとは分かっていますが・・・。
ナギサが右目を亡くしたのはこんな次第です。
ナギサはとってもがんばり屋さん。
両親や兄弟、親類をみんな戦争で亡くしても彼女は挫けずに疎開先で自立していました。
朝は新聞配達、学校が終わればコンビニでバイトなどをして、なんとか施設に入らずに下宿で
一人住まいを続けていたのです。
彼女は施設には行きたくありませんでした。なぜって頑張りたかったから。頑張って頑張って、
頑張って天国に行ったみんなを安心させたかったから。
・・・まあ、そう自分には言い聞かせていましたが、でも本当は違います。彼女は悲しかったのです。
悲しいので、頑張ることで、頑張って頑張って、頑張って生きていくことで悲しみを忘れたかったのです。
毎日クタクタで宿題を終えるとすぐ就寝して毎日ぐっすりです。でも、そんな努力はいつか潰えるものです。
なぜって、人生なんてそんなものだからです、はい。
ある朝のことです。
自転車通学の彼女が信号待ちをしてました。でっかい砂利トラががんがん走って来ました。
彼女はさすがにちょっと怖かったので狭い護岸上の歩道を引き気味で待っていましたら、トラックが
彼女の前を通り過ぎる時、小石を踏みしだきました。
タイヤとの反発力でその小石が跳ねますよね。すると跳ねた小石は実に自然に彼女の右目に直撃しました。
ナギサは不意を突かれて転倒し、激痛に晒されてその場で失神します。
失明は確実の傷です。さらに小石の破片は神経にまで達して、ショック状態のナギサは心臓停止寸前です。
朦朧としながらナギサの心は叫びます、「ああ、だれか!だれか助けて!」と。
死んだ家族の顔が思い出されたのでしょうか?はたまた、それまでの人生が走馬灯のようの駆け巡ったのでしょうか?
まあそれはともかく、そのままナギサは1時間ほど倒れていました。
>>350続き
その間、倒れた彼女の姿でも見通せるその横断歩道の車道ではクルマがたくさん通り過ぎます。
住宅地から都市への通勤経路ですから、それはもうたくさん通ります。
ですが、誰一人彼女を助けようとした人はいませんでした。
見なかった?、気がつかなかった?、そんなのは嘘です。通りがかった乗用車の運転手はみんな
彼女に気がついていましたよ。みんなはこう思ったのでしょうね。
「ああ、誰かが助けるだろう、自分とは関係ない」。
これって狸や犬の轢死体を見つけたときの反応と同じです。素敵ですね。
彼女はそのまま口からよだれや泡を吹きながら、倒れ伏したままです。
そんな悲惨なナギサでしたが、遂に助けの手が差し伸べられたのです。
>>351続き
彼女は目が醒めました。病室で横になっているのに気付くまで時間が掛かります。
最初はなにが起こったのかも分かりません。顔の右半分が凄く熱くて重い感じがします。
片目で周りも見えにくいです。しばらくすると、看護士が彼女の介抱に来ました。
目を覚ましたことに気付くと、彼女に対して説明を始めますがその物言いはごく控え目にいっても箇条書きです。
・安静にしていること。
・医師が診断するので彼に概ねを聞くこと。
・保険証を提示すること。
彼女は必死で自分の身の上を話して、いまはその依頼が果たせないことを説明しようと努力します。
そう彼女は頑張り屋さんですから。
ああ、でもなんて言うことでしょう。その看護士は別に彼女の身の上にはまったく関心がないようです。
一通りのマニュアルを消化するとこともなげに、そしてあいまいな相槌だけを残して別のベットに
向かってしまうではありませんか。
その後、彼女は鈍痛の走る顔右半分からの痛みに必死に耐えて、残りの一日を消化するのです。
そうしながら、彼女は自分の置かれた状況の認識しようと努力します。
「今はもうすでに昼を過ぎているようだ。お腹がすいてる」
「ああ、なんでこんなことに」
「落ち着いて、落ち着いて。次になにをすればいいかよく考えて!」
「そういえば、あたしはどうやって助けられたの?だれに?」
などなど痛みを忘れるために必死でなにかを考えようとします。無理でしたが。
>>352続き
そんな風に時間を過ごすと、ちょうどおやつの時間が過ぎたくらいにやっと医師が彼女の様子を見にきました。
医師が彼女の様子を診察しながら話したことのうち彼女の心がぐらついたのは、眼球に石が深くめりこんでいた
ので摘出手術をしたことや、その費用の話、さらに以前は視力両眼で2.0以上あった健康優良児だったのに
この事故でもう視力は0.5以下しかないということ等などでした。
医師に戦災孤児であるため経済的な猶予がない旨を説明しようとすると、
「ああ、それは私の担当ではないので、あとで財務担当をよこしますから」
と言ったっきり、結局その日はだれも来ませんでした。病院なんてそんなものです。
その夜は熱が出てきました。これも医師の予告どおり。
右目の傷から発するものであまりに気持ち悪いのでロクに睡眠が取れません。
分かっているなら薬くらい配布するべきなのでしょうが、彼女のいる場所は外科の緊急病棟なので、
看護士も含めて誰もそんなことには当然のように気は回りません、ということにしておきましょう。
>>353続き
翌朝になります。
朝食が配られましたが、どうしたものか、内科向けのおかゆでした。
しかし、ナギサは顔の激痛と寝不足、そして高熱で食欲がまったくわきません。それでもなんとか必死で
食べようとしたのですが、時間がきたからといって看護士から半分食べかけの粗末な朝食を取り上げられる始末です。
お昼ご飯の頃にやっと病院の財務担当が彼女の元にやってきました。
ですがナギサの事情を聞く前に、彼女がキンキン声でまくし立てたのは、ここは緊急病棟なので入院措置は
三日が限度だということと、「転院措置は御勝手に」つまり病院側はなんの対策も取らないということ、
費用は退院時に請求書を渡すので期日までに支払う段取りをしてください、とのことだけでした。
それだけで、彼女のお昼ご飯の時間は終わりました。
無論、彼女はお昼ご飯も食べそこなっています。これも病院ではよくある日常の風景です。
昨日と同じおやつの時間をすこし過ぎた頃に、医師の回診が来ました。そこで彼女は自分の顔の激痛を訴えても、
「治療の反動ですね、薬を出しておきましょう」と言ったっきり、当然のようにその日はなにも出ませんでした。
その夜、遂に彼女は泣きました。なぜ自分はこんな目に会わなければならないのかと。
すると、虚ろのになったナギサの眼孔から流れ出たのは、膿と血の混じる、なにか見てはいけないほどの汚いもので、
涙の代わりにドロドロと彼女の包帯や枕やベッドを汚します。
涙を拭いたつもりの袖についたその汚らしい肉片の腐ったモノを見てナギサは卒倒しかけます。
晩ご飯にはやっとありつけましたが、彼女に割り当てられたのは、なにがどう間違ったのか、
糖尿病治療向けの食事でした。彼女に十分に与えられているのは、ぶどう糖の点滴だけでしょう。
考えようによっては、このような環境はダイエットには最適でしょうが、なんだかナギサは
自分がアウシュビッツに送られたように感じます。ある意味正しいと思います。
>>354つづき
翌朝になると、お腹が痛くなってきました。それはそうでしょう、彼女はこの三日間、トイレに行っていませんから。
横になった状態ではお小水も出にくくなるのです。特に女性なら当然です。朝ご飯を抜くわけには行かないので、
必死で我慢して食べ慣れないご飯(ちなみにその日の朝食は、腎臓病食でした。)を掻き込みます。
言ったでしょう?彼女は努力家なのです。
食器を取りに来たリーザ(ナギサが勝手に命名)の一人に、「トイレに行きたいでの点滴を外して欲しい」、
と自分の話を聞くまでその食器を掴んだまま訴えてなんとか、トイレに駆け込むことができました。
後にも先にも、こんなにたくさん、自分の中からお小水が出てきたのを彼女は知りません。
>>355続き
その日の昼過ぎ、彼女はようやく処置室で作業療法士の指導を受けることができました。
虚ろになった彼女の右目の包帯は、一週間後に取りなさい、だとか、消毒薬の使い方、目脂のとり方、
眼帯のつけ方などなどのリハビリテーションを1時間でやっつけた後に、申し訳なさそうにその親切な作業療法士は
言います。
「本当は、こんな指導だけではダメなのよ。最低でも一週間は入院して、適切な指導と訓練を受けるべきなのよ。
そんな重症なのに・・・。あなた、なにか医師に言った?うちの病院って金儲け第一だから・・・」
ナギサだってオボコ娘ではありません。そんな親切な作業療法士に迷惑を掛けられないことは空気を読んで
分かります。
だから、「いいえ、大丈夫なんです。あたし、昔から体だけは丈夫ですから」なんて言うしかなかったのです。
退院したのはその日の夕方。虚ろになった目はまだジクジクと痛みます。
ナギサは薬剤師から2時間掛かって薬を貰ってから、5分後には請求書を持って病院の外に出ていました。
ここはどこでしょう?自分はどうやって下宿まで帰ればいいんでしょう?と途方に暮れながらトボトボと
ドデカイ病院の玄関から歩いて出て行きます。訪ね訪ねて、なんとか列車伝いで下宿まで帰ることができました。
お財布の中身はこれで空っぽです。
・・・まあ、ナギサが右目を無くしたのはこんな次第だったのですが、彼女はこの事故以降、心が折れてしましました。
彼女は一人ぼっちになってから、いろんなことを経験していました。だから、どんなことがあっても生きていける、頑張れる、
とずっと思っていたのです。でも、折れてしまいました。心が折れるときに『ポキッ!』っていう音まで聞こえたくらいです。
ナギサが心も亡くしたのはこんな次第です。
この事件以後、彼女は学校も辞め毎日バイト暮らしです。診療費はそれくらい高かったので。
でもナギサは辛いとも思いません、だって彼女はもう死んでいるのですから。生きているけど、もう右目を無くし、
心も亡くして、流れる涙は汚い涙。誰も彼女に同情もしません。
こうして、ナギサは一生を終えたのです。
めでたしめでたし
>>汚い涙
面白くはなかった。
地の文が語り部口調の時は、それを徹底するべき。
全部読めた自分から言えることはそれだけ。
358 :
汚い涙:2006/05/14(日) 17:15:35
この話を「面白い」なんて言う奴が居たら、ぶん殴ってやる。
359 :
取巣樋:2006/05/14(日) 17:38:36
「運命の足音」上
「このままいくと中国に地球資源のすべてを呑み込まれちまうな」
水割りをがぶ飲みしながら野田は饒舌だった。
「まあ、中国共産党が倒れれば内戦状態になって難民が溢れる恐れがある。
中国に安定していて貰いたいのはアメリカも日本も同じだろうしなあ」
「じゃあ、おまえは中国が世界を食い尽くしてもいいっていうのか」
野田はおれに食って掛かった。
今日、この小料理屋「卒塔婆」に野田を誘ったのはおれだった。
野田とは大学以来20年来変わらずに付き合っている数少ない友人のひとり
だった。
「おいおい、今日はやけにからむじゃないか」
「いや別にからんでるわけじゃないんだが・・おい女将。何か刺身を出して
くれないか」
「はい。ちょっと待って下さいね」
カウンターの向こうからどことなく猫娘を想わせる女将が答えた。
ほどなくして目の前に中皿に盛った刺身が差し出された。
「待ってました」野田はそういうと一切れの刺身を口に運んだ。
もぐもぐと口を動かしながら野田は顔をしかめていた。
「おい、女将。この刺身はなんだか妙な味がするぞ」
「そうですか、今日、市場から仕入れたんですけどね」と女将。
「ちょっと、おれも食べてみるかな」おれも一口食べるなり強烈な
薬品臭にむせ返りそうになった。
「確かに、これはすごいな」俺は言った。
「取り替えましょうか」
「いや、これも貴重な体験だ。おれは食うぞ。山西。おまえは食わなくて
いいぞ」
おれと野田は何かと今まで張り合って来た仲だ。
「いや、おまえが食うならおれも食うことにしよう。これも何かの縁だ。
こんなもの滅多に食えるものじゃないだろう」
おれたちは顔を見合わせて笑った。笑いながら箸を進め酒を飲んだ。
360 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/14(日) 17:46:30
>>358 なーんも面白くない。何が言いたいのかも全然判らない。
361 :
変人@k:2006/05/14(日) 17:54:56
ついにみくしー上で主人公が統合失調症である
事が明るみに出ました。もし今まで全部読んでいる
人がいたらどんな反応をするのだろう。。。
362 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/14(日) 18:14:23
「運命の足音」中
「おれさあ、最近ふと自分が死ぬことを考える時があるんだよ」
野田にしては弱気な言葉だった。
「死か・・そういうこと考える年齢にお互いになったんだろうな」
「最近、寝たきりの爺さんに死なれてな。もう90歳だったんだが10年間
寝たきりだったよ。」
「おじいちゃん亡くなったのか。そうか・・残念だな。」
おれも野田の祖父には幾度か会ったことがある。口を開けば戦時中の思い出
話をしたがる人物だったが、時折おれにまで小遣いをくれるような
気前のよい人物でもあった。
「おれ、あんな風に死にたくないな。死ぬ時は心臓麻痺かなんかで楽に
死ねたらって思うよ」
「そうだな。病院でチューブまみれになって死にたくはないな」
「おれの爺さんがまさにその死に方だったよ」
「しかし、公衆便所でしゃがんだところで心臓麻痺を起こしたらどうする。
心臓麻痺も時と場合によるな」
「そうだな。糞を垂れ流しながら死んでるとこは誰にも見られたくないな」
「あら、やだあ。食事中によくそんな話ができるわね」カウンターの向こうで
女将が顔をしかめ、そして笑った。おれたちも笑った。
363 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/14(日) 18:50:12
「運命の足音」下
「さあ、そろそろ帰ろうか」おれは言った。
「そうだな。おい、勘定してくれ」と野田が言うのをおれは制した。
「いや、おれが払うよ。最近ちょっと株で儲けて小銭が入った」
「へえ。本当か。そりゃ羨ましいな。じゃあ今日はごちそうになっておく
かな。ところで女将。さっきの刺身はいったい何の魚だったんだ。」
「ええ・・実は」
「なんだ。さっさと言えよ。それとも言えないわけでもあるのか」
「実は、私も知らないんですよ。出入りの魚屋さんが知り合いに貰った
とかで中国の珍しい魚だそうなんですよ。でも身は新鮮だったんですよ」
「中国産かあ。食うんじゃなかった」おれも同感だった。
「申し訳ないから刺身のお代は頂かなくて結構ですよ」
「いや、食ったものには金は払う。そうだよな」野田はおれに視線を移した。
おれは仕方なく全額の金を払い、野田と店を出た。
「じゃあ、おれはタクシーで帰るよ」野田の住まいはここから車で20分
ほどの住宅地にあった。 「ああ、じゃあまた」おれたちは分かれた。
おれの住むマンションはこの駅前通りから歩いて10分ほどのところにある。
歩けば少しは酔いが覚めるだろうとおれは思った。しばらく歩くと腹の中を
まるでうなぎが這っているような感覚に襲われ、ほどなくして激痛に変わった。
おれは苦しみながら近くの公園に、公衆便所があるのを思い出していた。
どうにかたどり着いた公衆便所はドアが壊れ半分垂れ下がっていた。
しかし、緊急事態だった。幸い周囲に人はいない。
おれは垂れ下がったドアを開き、中に入り、和式の便器に跨った。ズボンを
下ろすか下ろさないうちにブバーッという音とともに激しく便が吹き出た。
大便の放出は終ったがまだ苦しみは続いていた。その時携帯電話の着信音が響いた。
おれは震える手で携帯電話を上着のポケットから出した。
「もしもし、おまえか」野田だった。「ああ」とやっとの思い出返事をする。
「今、救急車の中だ。おまえは大丈夫か。どうもあの魚にあたったらしい」
「・・おい・・山西!山西!」野田の声が遠くなっていく。
おれは薄れ行く意識の中で最低の死に方だと思った。
>>361-363 面白くはない。けど読めるだけ大分マシ。中国に力点を置くならもっとそっち系に話を振っとくべきだろう
age虫は逝った先でも電波を飛ばしてるw
366 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/14(日) 20:48:33
>>363 なにこの終わり方?ただの食中毒じゃ落ちも何もないじゃん?
367 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/14(日) 21:19:25
素晴らしいじゃないか。人生は思いがけないものだという
教訓が心に染みたよ。次回作を待つ。
368 :
変人@k:2006/05/14(日) 23:47:45
反応があまりなく寂しいので昔の作品をUPしてみる。
かなり今と違ってます。
「はたご池で会いましょう」
注>はたご池、は私の地元に実在します。
369 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/15(月) 00:36:28
日常過ぎる毎日に嫌気が差して、僕は車を走らせた、
どんなに走らせても出口などは開けないと分かっているのに。
県道から396号線だったか、ああ、抑鬱症状で意識も記憶も
はっきりしない。もしかしたら車を走らせて
いることさえも危険なのかもしれない。
杉やススキの色も冴えない、まるで僕の心の様。
このままどこかへ突っ込んでしまおうか、涙
で前が霞んだ。電線だけが妙に慄然と立っていて、
それはまるで社会の厳しさに似ていて。
僕はそれを見ただけで吐き気がしそうになった。
時折見えるカーブミラーには僕の弱った心が、
そしてゆがみきった心が映ってる。もう誰の手でも治せないゆがみだ。
コンクリートの道を行っているが、それだけが心を支えている気がする、
まあさっき飲んだ薬のせいもあるだろうし、
いつも聴いているクラシックのおかげでもあるだろうが。
370 :
変人@k:2006/05/15(月) 00:39:41
ガードレールに寄り添う白い雪も余計に僕の心を嫌な感じにざわつかせた。
僕がこのまま森の方へ駆けていって誰にも分からないところで号泣でもしようかと思っていたところだ。
池に、出た。木作りのトイレがあったから何かと思えば、池、だ。
うつろな意識の中、そこに留めてあった一台の車の中で初老の人物が雑誌を読みながらウーロン茶をすすっているのが変に心に残った。
だからと言ってなんだ。僕は半ばやけになって枯れて肌色になった芝生を走った。
走って、眠くなってしまえば苦しまずにすむのだ。
とにかく走って走って、足がもつれて転んだ。
最悪の気分だった。
371 :
変人@k:2006/05/15(月) 00:42:26
僕はもう30代になっていた、それでもこの症状を抱えつつ大検を何度も受け、
合格し、大学へ入り、全ては「最後には努力すればきっと幸せが待っている」
その一心だった。しかし大学では当然の如く落ちこぼれとなった。
神経症なんです、それで点数を上げてくれる
教授などいないのだ。
まだ、外は寒かった、もう、冬から春になろうとしているのに。
ふと空を見上げると、澄んで青かった。
顔だけ起こしてみると富士の眺望が見事だ。
こんなにも美しいものでさえ立ち入れないほど、僕の心は腐ってしまったのだろうか。
こんな変人に声をかける人などいないと思っていた。
しかし、向こうから二つ目のベンチに座っていた純朴で、それでいて綺麗な女性が何の躊躇もなく僕に話しかけた。
「大丈夫ですか?体の具合が悪いのなら、誰か呼びましょうか?」
その一言でさえ冷たいものに感じた。けれど、
こんな世の隅で蹲っている僕に声をかけてくれただけでどんなに嬉しかったか。
しかし、その後その理由を知る事となった。
今度僕は慄然とする事になった、僕らしくもなく。
372 :
変人@k:2006/05/15(月) 00:46:18
彼女は言った。
「入り口の看板に書いてある内容、読みませんでしたか?」
僕は、こういう時は何も出来ないので字を読んでも頭に入らない事を
説明しようとしたが、面倒なので彼女に説明を頼んだ。彼女の声は
鮮明に僕の中に響いた。
「昔、この池のほとりで清浄な女性が機を織る習慣があったんです。
もともとは機具池(はたぐいけ)と呼ばれていました。
今は、はたご池、と呼ばれますが。
私は期限内に無理な量の仕事を姑に押し付けられ・・・結局
出来なかったので・・・この池に身を・・・
でもやはり身投げなどしたからなんだわ。
仏は・・・荒沢不動尊の仏は成仏を許さなかった。
私は・・・っ死ぬまで夫と交わりを持たなかったんです、
夫の命に少しでも触れたかった、身体だけでも良かった。
悔しくて、夫に何もしてやれなかったのが、愛をこの身を
捧げて確かめさせてあげられなかったのが、
悔しくて。いつか夫がこの冷え切った指先を
暖めに来てくれると・・・そう思って天候の
変わり目、雨のそぼ降る夜、機を織り続けた。
死に際まで織っていたその場所で。決して、
成仏出来ない恨みからなどではなく、夫への
罪悪感が私を機織から脱却させない。雨がさらに身体の熱を奪う中、
季節が変わるのを切なく思いながら。私はずっと機を織り続た!
指に血がにじんでも魂は機を織るのをやめなかった、
何かが私を動かし続けた、苦しかった、苦しかった。
自分で自分を縛り付けて、糸に思いのたけを込めた。
でも、苦しくなるばかりだった!」
374 :
変人@k:2006/05/15(月) 01:51:10
彼女が泣くのを僕は何も出来ず見ていた。慰めてあげる余裕はなかった。
なにせ自分が誰でも良いから助けてくれという状態だった。
しかし、その精神状態はこの時ふっと和らいだ。
彼女が、気になり始めていた。世の隅で震えていた僕。
同じように、世の隅で、許されない存在だと嘆きながら暮らしていた彼女。
仲間意識、なのかもしれない。でもなんだかそれとも違った感情が生まれてくるのを感じていた。
守ってやりたい、この人の事をもっと知りたい、そんな感情。
女性を守れるような男でもないのになぜか身分違いにもそんな
事を思った。再び僕はベンチのほうへと彼女を誘った。
僕は自分の経験から彼女が何かまだ辛さを誰かに話しきれていない気がした。
全て今、というわけにはいかないだろうが、
聞けるだけ聞いてやりたかった。
ふと復帰しかけている僕ができるのはそのくらいだった。
375 :
変人@k:2006/05/15(月) 01:53:30
彼女に他に何か言いたい事はないか聞いてみた、
ずっと誰とも話していないんだろう?と。
すると彼女はうなづき、今までいろんな人が訪れたけれど私の辛さなど聞いてもらえない気がして誰にも話しかけられなかった。
何かと戦っているあなたに近いものを感じて、迷惑かとも思ったが、どうにも止まらず話してしまった、と打ち明けた。
僕は、今僕に助ける力はない、これからも創造できるか分からない、
という事を前提に話を聞く事にした。
彼女には言えなかった。それを知ったら彼女は話してくれないかもしれない。
どうなってもいいから彼女の話を聞きたかった。
彼女と交流を取りたかった。彼女は所謂幽霊なんだろう。
でも僕には害のないそれである事が知れたし、差別する心を僕は持ち合わせていなかった。
僕は、変人だから。彼女は続けて少しの事を話して沈黙した。
376 :
変人@k:2006/05/15(月) 01:56:48
「この池は自然と発生した池なんです。
こんな私でも包み込んで、浄化してくれると思って、
幸せに死ねると思って。神を冒涜した身でも・・・でも、
幸せな死なんて有り得なかった。神は私の姿をしっかりと見ていらした。
欲にまみれた私の姿を・・・。石佛が移されても私はどこへも行けない、
自縛霊になってしまった、自分の欲深さが嫌になる。
ハイカーは夜おそれてここへは来ない、
これを話すのはあなたが初めてです・・・」
一年中この池は水を枯らさない、と祖父が話していたのを思い出した、
その間、ずっと機を織り続けていたのだろう。
池から流れ出す不動の滝は、彼女のどこにもいけない感情の化身だ。
僕は灰色の混じる水面を凝視してずっと考え込んでいた。
ふと、こんな言葉が漏れた。
「僕と、付き合わないか。好きとかそういう
感情がなくても良い。
でも、君は夫の代わりに誰かに尽くしでもしないと浄化できないんだろう?
ならば、僕がその手伝いをできないだろうか?」
言ってからはっとした。
僕はそんな体裁の良い事で彼女との交際を申し出たんじゃない。
理解者がほしかった、ただそれだけだったのだ。
彼女を救う気なんて到底ないくせに。そんな力、ないくせに。
でも彼女はそれを見越したような顔をして僕の前で初めて微笑んだ。
「お願いできますか?」
僕たちのこの世の隅での恋愛が、スタートした。僕はすでにこの時彼女に何か特別な感情が芽生えるのを感じた。この人なら、という
すがるような感情だけれども。彼女も、何かそんな気持ちを抱えているような気がした。
それは僕の、都合の良い思考なんだろうけど。
377 :
変人@k:2006/05/15(月) 01:59:28
その夜、後僕たちが話した事といえば、
彼女は池から離れられない身であるため月に一度僕が池に訪れる事とする、くらいだった。
僕は心なしかその密会を楽しみにし、そのイベントが僕の抑鬱を少しはれさせているような感覚を覚えた。
完治などではなく、一時的な気分なのだろうが。
大学は相変わらずで、僕は集中できない授業中小説ばかり書いていた。
ここではない世界へ逃げ出せるような気がして、ただがむしゃらに書いていた。
教授に見つかってもかまわなかった。時々保健室に行くが、
そこでも僕の症状は治せなかった。一度数学の授業中、
ここにいたら勉強以外の何もかもができなくなってしまうのではないかと恐怖にさいなまれて
終了ベルとともに教室を飛び出した事もあった。先生曰く、
今にも消えそうな顔をしていたという。でも僕は耐えた。ここまで悪くなったのは初めてで、
大学をやめようかとも思った、しかし、そんな時彼女の誰にも踏み荒らされる事のなかった残雪のように白い肌やつややかな黒髪、
そして、まるであるがままのような微笑みを思い出すのだった。
二度目の再会まで、僕は耐えた。
378 :
変人@k:2006/05/15(月) 02:02:13
二度目の再会へ続く道を僕は大学では有り得ないほど調子の良い精神状態で登っていった。
彼女に会える、それだけで良かった。会って、話をして、帰る、それだけで癒されるのが分かった。
僕はいつもどおりのベンチで待つ彼女を見つけると、
横にすっと座って話し出した。一度目とは違った、
明るさに満ちた気分だった。富士も綺麗にその輪郭を誇示
している。僕は現代の世界の仕組みについて
大学で、いや、正確に言うと調子の良いとき
を見計らって家で自主勉強をして、得た知識を懸命に探って話をした。
「今この日本は戦争のない平和な国になった。
二度と戦争をしないよう憲法にも定めてある。
でも平和になった反面、悪くなった部分もある。バブルが崩壊して、
・・・つまり景気が悪くなった、政治家の不祥事も絶えない、分かるかな?
えっとつまり、統治する役人が君の時代にもいただろう?
税金、いや、年貢だったのかな?分からないけれど、そういった
政治経済がうまくいってないんだ、分かるよね?」
379 :
変人@k:2006/05/15(月) 02:05:38
彼女は真剣に話を聞いた。おそらく現代の事をこんなにも教えてくれる人は初めてであろう、
彼女が現代の事を知ったからって何になろう、僕はそれを望んでいるのではなかった。
何でも懸命に教えてあげる事から彼女への好意を読み取ってほしかったのだ。
しかし、彼女にとっては現代の事実が新鮮過ぎて僕の考えも及ばないようだった。
「その影響か重い犯罪が多発してる、薬物で捕まったり、
性犯罪で捕まったり、昔にも罪人はいただろうし、今よりもっと残酷な刑罰を与えていたろうね、
でも今は精神に異常をきたす人が多くて、刑が軽くなる場合もある、
他にも話しきれないほど現代は発達しているよ。電話、といって遠くの人とすぐ会話もできるように・・・。」
彼女がふとさえぎるように言った。
「昔も今も人は人。私のように心を病む事も
あります。私は遠くの人と話をすぐにしたいとは思わない、
あなたがここに来て、こうして話してくれるだけで、それだけで良い。」
彼女は少し照れるように俯いた。僕は僕自身も心を病んでいる事を見透かされたようで歯噛みしながら、
でも彼女の言葉がうれしくて堪らなかった。
僕は彼女がどんな生い立ちをたどってきたのか知りたくなり、聞いた。
すでに僕は「好き」という気持ちを彼女に抱きつつあった。
病んだ同士の仲間意識、ではなかった。もっと、早急なものであった。
彼女が懐古しつつ頬を緩めた。
380 :
変人@k:2006/05/15(月) 02:44:46
「昔はこんな上質な着物ではなく麻布でしたけれど私は染物が好きで・・・
紺屋で綺麗に布が染まっていくさまを飽きずに見ていたものでした。
まるで、私の心までも澄んでいくような気がして。」
彼女がこの池の色に目を落とすのに気づいて
僕は話をやめさせたかったが、彼女はずっと
話をし続けた。飢饉への恐怖から始まり、姑の恐怖に至るまで・・・。
僕になんでも聞いてほしかったのだろうか。
僕はいつからか彼女の手を握っていた。
彼女の手は機を織りすぎてぼろぼろだった。
僕がもらい泣きをする頃、朝日が昇って別れの合図をした。
僕は、また来るから、と言って去った。心のどこか
がすっきりとして、池の灰色が僕には真っ白に見えた、
願わくば、彼女もそうでありますように。
彼女の話す彼女の末路は聞かされた話と寸分もたがわなかった。
僕は帰りの車の中で人知れず唇をかんだ。
いい加減にしろや
382 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/15(月) 10:22:41
皆さんSFを書きましょう。
383 :
age虫:2006/05/15(月) 11:46:07
age虫には言われたくないだろうなw
で、自演でもなんでも何とか自分で盛り上げてくれ。俺はやだ。
あと、こっちでグチ言うのもやめれ
八割かた出来たが、こりゃ「SF」じゃないな。
386 :
変人@k:2006/05/15(月) 12:49:19
ここってSFじゃないと書いちゃいけないんですか?
387 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/15(月) 12:53:43
ファンタジーやホラーは、大丈夫。
388 :
変人@k:2006/05/15(月) 12:58:46
なら守備範囲じゃないですかw
楽しいので続けますw
月日が流れるのは早いもので、僕の症状は
少しずつ回復していった。何か気になる事、で授業妨害になる事は
減っていったし、わけの分からない不安症状もこの一月なかった。
僕は再び彼女に会いに行った。しかし僕は彼女の姿を認めるや否や泣きつきたい衝動に駆られた。
いや、実際に泣きついてしまった。
家族にも友達にも誰にも僕の抱えている症状という名の悪魔については
話した事がなかった。僕はその晩、洗いざらい辛さ弱さを彼女にぶちまけた、
彼女になら、と思った。
「僕は、高校の時初めて、過呼吸を経験した、その前から兆候はあった、
勉強するときに変に頭に力を入れるくせがついていて、
その前の家庭科の時間から筆記しようとすると頭が痛くなった、
結局その時間レポートを提出できないのは僕だけだった。惨めだった。
その後英語教室に移動して・・・着いた瞬間吐き気に襲われた。
震える手足、滲む涙、保健室に辿り着いた時、過呼吸だといわれた。
高校は中退した。その後も、勉強に集中できない強迫という症状やわけの
分からない不安などに襲われ始めた。大検も、調子の良い時を見て運良く受かったようなものだった。
大学に入ってから、はっきりとした不安や抑鬱(軽い鬱)に苦しむようになった。
特に抑鬱の時は辛いなんてもんじゃなかった、波のように訪れる自殺願望、
沈んだまま戻ってこない心、何もかもを捨ててしまいたい衝動、
それらを抱えてどう生きたらうまくいくか必死で考えながら時を過ごす、
心が疲弊し、擦り切れ、そう、君の指先のようになっていった、
辛かった!辛かった!誰かの胸で泣き崩れたい、病院でも僕は平静を装っていた、
でも、内心、いつでも、号泣していたんだ!」
⊂'v'つ
// r''''"""""''' ヽ _|\
l" "'''/ 801 ヽ >
\ / , - 、 ,r- 、 ヾ /
.| l l .O| |O l | |"
|| l "'-ノ__l-'´ノ | <この馬鹿どうにかしろよ
日記ちょうをかくスレじゃねえぞ
390 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/15(月) 13:50:50
>なら守備範囲じゃないですかw
楽しいので続けますw
おいおい!見せられる苦痛考えてよ!
今後、ファンタジーやホラーの展開になるんだろうね!
(とてもそんな雰囲気じゃねえぞ)
きっと彼女か僕が妖精と逢ったり中世風世界に飛ばされたり
又は彼女につきまとう猟奇殺人犯を僕が追い詰めたりするんだろうね
このままだらだらと僕が、彼女が呼吸してるだけじゃあまりにも恥ずかしいぞ。
せめて名前の変人らしさ見せてよ。
……泉鏡花調だから幻想文学だ!とか言いそうな希ガス
392 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/15(月) 14:05:57
幻想文学って言い逃れの手があったか…
恐ろしい…
せめて1レスに一つ読み手に響く何かが書けてないとダダの文字の集合体にしか過ぎないね。
もしかすると小説に見せかけた前衛芸術なのかもしれない
文字の形になんらの規則性があってそれを楽しむとか。
いや、そうなのだろう
394 :
age虫:2006/05/15(月) 14:36:54
>>390 不思議だ、全然来ない。
ヘタで独善的で読者の事などお構いなしの自慰的垂れ流し小説の筈なんだが。
感覚がちょっと狂い始めてるんだろうか・・・。
395 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/15(月) 14:40:21
僕と彼女の文字の挿入位置に規則性がありそう。
暗号の予感。
人類の将来にかかわる重要な予言が含まれてるよ。うん!きっとそうに違いない。
そう考えないとここにこの形の書き込みは絶対考えられないから。
396 :
変人@k:2006/05/15(月) 14:45:33
私ができる唯一の事なんですから続けさせて下さいよ。
私は反応や結果を求めていやしないんだ。
表現する、それだけが私の幸福なんだ。
不快に思われる事も私にとっては快楽なんだよ。
続けます。
彼女がどこまで理解できたのか分からなかった。
彼女は僕を優しく抱きしめてくれた。さっきまで思い切り泣こうとしていたのに、
なぜか涙は止まっていた。幸せ、という名の存在を初めて知ったような気がした。
人が人を完全に理解しあえるなど有り得ない話だ、けれど、彼女は、
理解者のような気がした。信じる事ができた。
彼女も、僕の頭をなでながら、
「あなたが私を信じてくれるなら、私はあなたを見捨てない。
一緒に歩いていきましょう。走れなくたって、良いじゃない。
いつか、あなたの認められる世界が見つかる、そういうあなたになれる、
あなたは頑張れる人だって分かってる、こんなに頑張ってきたんですもの。」
僕は、この時彼女が、付き合っている「彼女」であると言っていい気がした。
なんともいえない満足感を得た。人が存在だけで力に
なると知った瞬間だった、僕が、愛を知った
瞬間かもしれなかった。僕はふと池の奥はどうなっているの?と彼女に聞こうとした。
でも、彼女が何か辛い事を思い出すのでは、と思いやめた。
いつか一人で行ってみよう、と思った。僕はふと夢を見た。
いつかこの池全面が雪に覆われる時期、二人でここに来たい、と。
僕の心は缶コーヒーを飲んだ時のように温かかった。
♪〜チャララララ〜
デムパが増えた
398 :
変人@k:2006/05/15(月) 15:18:16
少しでも読んでくださっている方に深くお礼
申し上げます。その行為によって私は生きる事ができます。
この物語が終わる時何かが残る事を信じて。
ふと、僕の芯がうずきだした。
彼女は確実に僕との関係でこの世での未練を消化していっているだろう、
僕は別れに耐えられるだろうか?彼女はいつ浄化してしまうのだろう?
その別れに僕は納得できるのだろうか・・・
急に心が冷えていくのが分かった。不安、焦り、恐怖、それらが蠢いて
僕を待ち構えている気がした。帰りの車内は暖かかったが、
それと僕の心は反比例しているようだった。
池のほとりにあやめが咲き、紫と藤色が美しい。
僕はその時間分を後で家で取り返す事を決めたうえで勉強を放り投げ、
彼女にはなにも告げず池に向かった。
池の奥に何か彼女をもっと知る手がかりはないだろうか?
それが今僕を動かす原動力だった。精神は浮かぶ事もなく、沈む事もないが、
どこか不安定なのは確かだった、けれど、確かめなければ、
僕はもっとそれに縛られるだろう。
彼女のそれとは比べ物にならない呪縛だが。
そう、僕は彼女を縛り付ける何かどす黒いものについて知りたいのだ。
399 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/15(月) 15:47:05
すまんあと、どれくらいで終わるか位は(1/20)(3/20)とかは、記載してくれ。
がまんのメドが立つから。
400 :
変人@k:2006/05/15(月) 16:04:35
当時のあとがきをいれて後残り原稿用紙換算11P程度
でしょうかね。あとがきは別にいいかな。私の根本は物語にあるから。
この頃はこんなに長く書けたんだな・・・
荒川不動尊院、という小さな寺のようなものが見えてきた。
この神のために機を織ったのだろうか、姑が怖くて、織ったのだろうか、
違う。僕は瞬間的に察知した。馬鹿な推測だった。
神などどうでもよかったのではないか?神の事をすこぶる話す彼女だったが、
そんな表面に彼女の事実が、隠されているように思えなかった。
彼女は夫との事をあんなに悔いていたではないか。
愛しい夫に迷惑をかけぬため、嫌な思いをさせぬため、織ったのだ。
この標高差では、池はとても小さく見える。しかしふと顔を上げれば世の中をこんなにも見渡せる場所だ、
それも目に入らないほど彼女は夫の事しか考えていなかったのだ。
彼女は孤独なこんなにも世の中の小さな場所で・・・彼女はどんなに怖かったろう、
心細かったろう、それは僕の症状の悩みなどちっぽけ過ぎるように感じるほどだった。
だって、その時代から今現在までの苦しみだろう?
僕は一人泣いた、歩いて気を紛らわしたが、後から後から涙は溢れた。
めくれ上がった杉の根、一度すさみきった彼女の心・・・
今僕に会って少しは変わってくれたろうか、彼女を思う涙は止まらなくて、ついそこに転がっていた石ころを蹴った。
気づくと池に春が来ていた。遠くで何か、ごーっという音が鳴っている。これまでに何度か彼女に会ってきた。
昔は池の水が今よりよどんでいた、悔やみ辛みの現われだったのかもしれない。
ここから繋がっている湖ではカップルの事故が多い、私のせいかもしれない。
そんな暗い話を彼女がする事もあれば、僕自身も池について調べたが、
池の神様は池と湖を行ったり来たりしながら、孝行をして
真面目に働くものを幸せにするのだそうだ、僕たちは幸せにしてくれないのかと考えたが、僕にとっては君に会えた事が幸せだった、
君にもきっと神様の愛情が降る日が来る、と僕が励ましの言葉を言える日もあった。
彼女は私も、あなたに会えて幸せです、でも・・・と顔を曇らせたけれど。僕に会ったくらいで
晴れるような悔やみではないと分かっていたけれど・・・辛かった。
401 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/15(月) 16:17:12
だれも聞いてないかもしれない
>>373の感想ですけど、
全体を埋める恋愛劇は陳腐だけど、ラストの場面だけはよかったね。
ちょっとだけ感動した。もうひとひねりあれば傑作なのだろうけど。
死についての概念なんかをラストにからめることができれば、もっとよかった。
冗長なだけの変人@kさんやage虫さんよりは面白い。
402 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/15(月) 16:27:42
>>373の感想つづき
「彼女が故郷」というセリフだが、思い当たる話を聞いたことがある。
軍隊の試験で「あなたが守るべき故郷はどこか」という設問があり、そこに彼女の名前を書いた兵士がいたという話だ。
もちろん、模範解答は日本だが、実は日本政府には日本より重視して守るべき故郷が存在するため、
それに気づいたかを調べる設問である。つまり、日本でない裏正解は、隠し要塞の名であったり、
海外への避難先として指定された外国の地域の名であったりするわけだ。
「上官との連絡がとれなくなった時は、そこに書いた故郷に従え」という軍規があり、普通の兵士は日本との連絡をとろうとするが、
彼女の名前を書いた兵士は、日本からの命令ではなく彼女から送られてきた手紙に従って生きていたという。
403 :
変人@k:2006/05/15(月) 16:50:42
最初はかなり鬼畜なもの載せてたんだけど
みくしーのアド載せたから続き良いかと思って。
でもほんとは最初の方のを公表していきたかったな。
404 :
変人@k:2006/05/15(月) 17:01:08
405 :
変人@k:2006/05/15(月) 17:12:20
暇なので続きからUPします。
「本当は幸せじゃないのに結婚したの。」
「本当は幸せじゃないのに。」
「本当は・・・。」
親戚は愛を掴み損ねた民。雲に見捨てられ、太陽を足蹴にして一蹴した。代打を早く
見つけてしまおう。そして民達はそう、闇に呑まれてしまえば良いのだ。
ああああああ勘弁願いたい。てれぱしいが頭にがっぷりよつにくんできて離れない。
ゆうさんあなたにも理由は分からない。あなた様はトラウマもなく平和に・・・。
いえもん殿、あなたのお話もお聞かせ願えますか?
分かりましたお話しましょう、さえさん。私の二十年の記憶はまるで波濤なり。
その揺れは幼き日の病院、一人本を読む私に始まります。園では食へのお題が明るみに出たのです。
食、ですか。それは大事だ、私の排泄行為よりも。
尹先生に相談なさるか?
いえ、大丈夫です。続けて申しますとそれは小学校の屈折した靴箱と傘立て。私は、否、
私の心は裸足、皆が集まる昼午前、戦場に花は一輪たりともなし。魂の童話に自慰、
なんて格好悪い、私のプライドは変化せざるを得ない・・・。
いいえいいえ皆様の多くは裸足で駆けたはず。焼き尽くす原焼きと雲隠れ。さとうきび畑の唄が
響く時、皆が、皆が月雫です。
406 :
変人@k:2006/05/15(月) 17:14:01
暇なので続きからUPします。
「本当は幸せじゃないのに結婚したの。」
「本当は幸せじゃないのに。」
「本当は・・・。」
親戚は愛を掴み損ねた民。雲に見捨てられ、太陽を足蹴にして一蹴した。代打を早く
見つけてしまおう。そして民達はそう、闇に呑まれてしまえば良いのだ。
ああああああ勘弁願いたい。てれぱしいが頭にがっぷりよつにくんできて離れない。
ゆうさんあなたにも理由は分からない。あなた様はトラウマもなく平和に・・・。
いえもん殿、あなたのお話もお聞かせ願えますか?
分かりましたお話しましょう、さえさん。私の二十年の記憶はまるで波濤なり。
その揺れは幼き日の病院、一人本を読む私に始まります。園では食へのお題が明るみに出たのです。
食、ですか。それは大事だ、私の排泄行為よりも。
尹先生に相談なさるか?
いえ、大丈夫です。続けて申しますとそれは小学校の屈折した靴箱と傘立て。私は、否、
私の心は裸足、皆が集まる昼午前、戦場に花は一輪たりともなし。魂の童話に自慰、
なんて格好悪い、私のプライドは変化せざるを得ない・・・。
いいえいいえ皆様の多くは裸足で駆けたはず。焼き尽くす原焼きと雲隠れ。さとうきび畑の唄が
響く時、皆が、皆が月雫です。
407 :
373:2006/05/15(月) 21:16:46
>>401-402 感想ありがとうございます。
最後の場面は、厨房の頃最初に思い付いたところなので、素直に喜んでいいのか個人的に微妙ですね(それから進歩してないんかい、俺!)
見せた人からは「何か足りないんだけどわからん」と言われ続けていたので、ご指摘、大変参考になりました。書き直すとしたらプロットから組み直しですね……
『彼女が故郷』というフレーズは、同じキャラクターを使ったシナリオからの延長で思い入れがあるので、拾っていただいてうれしいです
さて、あとは純文系が数本ありますが、スレ違いですね。シナリオならスレスレなのが一本ありますが、投下してよろしいでしょうか?
408 :
変人@k:2006/05/15(月) 21:59:52
何をかっこつけた事言ってたんだろう。
突き詰めてみたら、簡単だったんですよ。
私は弱い人間だからいつも肯定されたがっていたんです。
それでなくても、ただ見てほしかっただけです。
寂しかった。居場所がほしかった。何かにすがりたかった。
小説だったら社会的に否定される事もどんな思想も許されるから。
だから・・・
自分の感性に素直になりたい。「仁風荘」を書き終えた時、
私は泣いた。内容に泣いたのか、自分の努力に泣いたのか
よく分からなかった。
でもだから
誰かに見て欲しくなった、ただそれだけだったんだ。
409 :
取巣樋:2006/05/16(火) 00:44:13
「世界の中心で愛を叫んだのけもの」第1回
ことの始まりはある日曜日の朝だった。
おれは1年前から付き合っている芽衣との待ち合わせ場所である、近くの公園に行った。
一緒に映画を観に行く約束をしていたのだ。
「おまえ違うね。」出会うなり芽衣が言った。「えっ、何がだい」
「違うから違うんだよ」およそ可愛い芽衣らしくない言葉だった。
その時通りかかった中年の男がさっと芽衣に近づきおれを無視して何やら話し始めた。
「・・・・・」「・・・・・」小声なのか二人は口は動かしているのに何も聞き取れない。
しばらくして二人がこちらを見て何やらニヤニヤと笑っている。
おれは少し不機嫌になって芽衣に言った。
「いい加減にしろ。だいたいその人は君のなんなんだ」二人はまた顔を見合わせた。
そしておもむろに抱き合い濃厚なキスを始めた。
「まあ、こういうことだ」芽衣はこちらを見てケラケラと笑った。
おれは途端に頭に血が上り「馬鹿野郎!」と芽衣を怒鳴りつけると踵を返して
走り出していた。何でおれが・・おれは確かにすでに三浪の浪人生さ。
それに比べて芽衣はブティックの店員として毎日働いている。
いくらおれに甲斐性がないからってあんまりじゃないか。
なんでこんな仕打ちをされなきゃならないんだ。おれは涙ぐんでいた。
410 :
取巣樋:2006/05/16(火) 00:48:16
「世界の中心で愛を叫んだのけもの」第2回
走りすぎて喉に渇きを覚えたおれは通りかかったコンビニに入った。
中には数人の客がいたがいたが、おれの姿を認めると露骨に嫌な顔をおれに向けて来た。
いや、おれがどうにかしてるのかも知れない。
気を取り直しておれはミネラルウォーターを1本手にとってレジに向かった。
「あんたには売れないね」店員はおれに言った。「えっ・・なんでですか」
おれは驚いてしまい声が多少裏返ってしまった。「売れない。帰ってくれ」
元来おれは気弱な性質だ。こんな時はすごすごと引っ込んでしまうものだが
今日は違っていた。芽衣とあんなことがあった後なのだ。
「売れないなんていう話はないだろう。おれは客だぞ」おれは店員に怒鳴った。
途端に周囲から幾つもの声が上がった 。
「おまえしつこいぞ。」最初は女子高生だった。
「帰れ!」労働者風の男だった。
「早く帰りなさい。あんた自分の立場が分かってんの」次は老婆だった。
おれはすごすごとコンビニを出た。
どこかで観た西部劇のワンシーンみたいだ。何がどうなってるのかさっぱり
わからずおれの頭は混乱していた。
道行く人々は皆、おれに露骨に嫌な視線を向けて来た
411 :
取巣樋:2006/05/16(火) 00:53:58
「世界の中心で愛を叫んだのけもの」第3回
おれは三年前から住んでいる古いアパートの二階の部屋へ帰り電話の受話器を手に取った。
友人に電話をするつもりだった。ツーッツーッツーッと音がする。
なんだこれは電話の回線が不通になってる時の音じゃないか。
おれは最近ちゃんと金を払ってるぞ。電話を止められる理由なんてあろうはずがない。
その時玄関を激しく叩く音がした。「吉田さん、吉田俊介さん!」男の声だ。
おれがドアを開けると1階に住む大家が立っていた。
「話は聞いたよ。さっさとここから出てって貰おうか」
「いったい何の話ですか」「いいから早く出て行け」
大家はもの凄い力でおれの肩を掴むと強引に玄関から引きずり出した。
その時ドカドカという無数の足音がして狭い通路に四人の警官が集まって来た。
「話は伺っています」一人の警官が口を開いた。「ご苦労様です」と大家。
「おまわりさん。いったいおれが何をしたっていうんですか」
おれは半ベソをかいていた。
「問答無用だ。今すぐにここを立ち退きなさい」「荷物はどうするんですか」
おれは何を言ってよいかわからなくなっていた。
警官の一人がホルスターから拳銃を引き抜くとおれの頭に銃口を押し当てた。
「なんならここで射殺してもいいんだぞ」「さあ、出て行くんだ」「出て行け」
おれがへなへなとその場にしゃがみ込むと一人の警官がおれの尻を蹴り上げた。
おれはあまりの痛さに転げまわった。「わかりました、すぐに出て行きます」
おれは泣き出していた。
もう自分の部屋にも入れずにおれはサンダル履きのままそこを出た。
友人を尋ねてみたが三件めでやめた。
どいつもこいつもひどい反応だったのだ。
ある友人などはおれを見るとバットを振り上げながら追い出しにかかった。
道行く人々は相変わらずおれに嫌な視線を向けてくる。
おれはこの状況について冷静に考えるには腹が減りすぎていた。
金はポケットに入っている小銭が七三一円。
有名すぎる作品のタイトルをパクるのは関心しないな
ショートショート限定しようz
>>413 長文のほうが好きな俺としては微妙。
それにこういうスレは寂れるのが普通だから書き込みが多いのはええんじゃないか。
415 :
変人@k:2006/05/16(火) 11:01:56
今日からまた性懲りもなく何か書こうと思います。
母親に勧められた詩を、書こうかと。
でも仁風荘はそのうち応募します。
しかし暇を見てここに続きを載せていくとしたら
とびとびになってしまうのでやめておきます。
私はこの板を一度去る事になるでしょう。
いろいろとお世話になりました。
416 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/16(火) 11:04:21
長文いやなら読まなきゃいいんだし。
だが、ついつい批判しちゃうんだよね。
ショートショートすきな俺としては。
掲示板にはショートが向いているのは確かだと思うぞ。俺!
417 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/16(火) 12:15:41
「クトゥルー神話」風の駄文「祭祀者」、とりあえず完成。
トータルで22レス。……長いな。
「海ホタルでの降霊会」と違ってちゃんと書いたら長くなった。
ショートショートとはとても言えないが、レス番270で「つくってみましょ」と約束したので勘弁してくれ。
投下の段階で長文規制にひっかかるかもしれず、その場合はレスを分割するからもう少し伸びるかも。
連投禁止規制にも引っかかるだろうから、今日と明日の二日に分けて投下の予定。
もしつまらなかったら、くだらないと思ったら言ってくれ。
ただちに投下を中止する。
ネタが面白くないのは、読み手の責任ではない。
100%書き手の責任なのだから。
418 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/16(火) 12:17:26
「祭祀者」1/22
僕がその村を尋ねたのは、暖かいというより暑いくらいな5月はじめのことだった。
一日二往復だけのバスを降りると、そこから谷間の小道をさらに小一時間ほど歩いたころには、すっかり汗びっしょりになっていた。
(道を間違えたんじゃなかろうか?引き返したほうが良くはないか??)
そんな後ろ向きの考えがフッと心を過ぎる。
曽祖父の遺産処理という目的が無ければ、こんな田舎に来ることなんか無かった。
ただ曽祖父といっても血縁関係は無い。祖父が曽祖父のもとに養子に入ったということなのだ。
だから「曽祖父の住んだ村」といっても、思い入れはカケラも無い。
(こんなド田舎、片田舎、クソ田舎なんかに……。)
暑さが持って行き場の無い苛立ちを生み、それが汚い言葉となって僕の心に溜まっていく。
(……本当に引き返そうか?)
そう思ったときだ。
視界を塞いでいた樹木や岩が突然無くなり、それまでとはまるで違った景色が目の前に開けていた。
暗い木々と苔に覆われた岩に代わって目の前に広がったのは、互いの青さを競いあう空と海。
そのはざまで白い鴎が鳴き交わして飛ぶ。
…目指す村は、足元の崖下に貼り付くように広がっていた。
419 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/16(火) 12:18:38
「祭祀者」2/22
生前に曽祖父が住んでいた家は、村の大きさにはひどく不釣合いな「屋敷」と呼べるほどの規模だった。
これほど広い家を、高齢の曽祖父が独りでどうやって切り盛りしていたのか不審に思っていたら、どうやら村人の有志が手分けして手伝いにやって来ていたらしい。
僕が屋敷に荷物を降ろして一休みできたころを見計らったように、老人三人が挨拶にやって来て、平伏しながら食事の手配などについて説明していった。
どうやら僕は布団の上げ下げすらしなくていいらしいのだ。
昔の名主や豪農なんてのは、こんな暮らしをしていたのだろうか?
そう言えば、途中行き逢った村人たちも、僕のことを伏し拝まんばかりだったことを思い出す。
まるで神様か仏様にでもなったような気がした。
なんという生活の変化だろうか?
僕はここつい一ヶ月ほどのこと、大学を出て以来の勤め先が倒産してからのことを振り返った。
決して高所得というわけではなかった。
いやむしろ倹しい収入であったが、独身生活を楽しむには充分だった。
特定の女などいらない。ましてや自分の子供など…。
そう思って生きてきた。
ところが、いざ勤め先というものが無くなってみると……、ある程度の貯金以外、僕には何も残っていなかった。
妻子があれば、再就職にも血眼になれるのだろう。
でも僕にはそれすら無い。
事務的に職安に通い、余った時間はボンヤリ公園で過ごす。
そんな生活がつづいていたころ僕の元に舞い込んだのが、「名も知らぬ曽祖父の死」と「遺産相続」の通知だった。
420 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/16(火) 12:19:39
「祭祀者」3/22
日が沈むと同時に、村の老人たちが言ったように、本当に女が一人、屋敷にやって来た。
よほど無口なたちらしく、こちらから言葉をかけても「…へぁ…」ぐらいしか答えない。
顔は……
凹凸の少ないノッペリした顔の左右、トロンとしたまま殆ど動かない目に細く薄い脣と、申し訳程度の低い鼻。
……ハッキリ言ってかなりマズい部類だ。
おまけになんだか体から磯臭い臭いもする。
側に座って居られるだけでゲンナリしてきたが、料理はというと素晴らしく美味かった。
見た目はごっついブツ切りの刺身だが、口に入れてみると鮮度が違う。
女の指には包丁裁きを仕損じた証である白い包帯が巻かれていたが、これだけ素材が良ければ、もう料理人の腕前など関係無いのだろう。
特に印象的だったのは、タコかイカのような吸盤のある足だった。
なんだろう……と思ったが、女に尋ねてみても返事は「…へぁ…」と言うばかり。
このあたりは確かホタルイカの産地だったはず……。
(まあ、当たらずと言えども遠からずだろう。)
そんな風に自分で納得していたら、女が一本の土瓶を差し出した。
栓を抜くとたちまち不思議に甘い香りが流れ出す。
一口啜ってみると……酒だ。
美味い!
すぐさまもう一口。
波の音が急に身近になったような気がしてきた……。
421 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/16(火) 12:20:39
「祭祀者」4/22
気がついたら、寝間着に着替えて布団に寝かされていた。
あの女が服を着せ替えさせてくれたのだろうか?
礼ぐらい言っておこうかと思ったが、朝食の支度は既に整っていて、女はもういなかった。
それにあの酒も無い。
女がいなかったのは別にどうでもいいが、あの酒がなかったのは少々残念だと思った。
でも朝から酔っ払っているわけにはいかない。
今日は村の中を一通り見ておくつもりだったからだ。
村といったら、まず大抵は農村か漁村だ。
ところがこの村は違った。
背後ギリギリまで断崖が迫っている上、地面が砂と荒い礫から成っていて、素人目にも農業には適していない。
ところが漁業を営もうにも、なんと港が無いのだ。
ネコの額ほどの浜と荒磯以外の場所は、断崖が直接海へと落ち込んでいる。
船を保管する場所が無いのだから、漁船があるはずもない。
最寄の町からは2時間以上。
しかもバスは昼と夕方に一往復づつ。
途中には軽自動車でも通れないのではないかと思えるような道が続いている。
だから、村人が村から町まで働きに通うのも困難だ。
村人はいったいどうやって生活しているのだろうか?
そのときふと思いたって携帯を取り出してみた。
やはりアンテナが立たない。
背後のガケに遮られるのか、電波が届かないのだ。
21世紀にあって、この村は完全に孤立していた。
……だが……、それがどうだというのか?
どうせ僕が電話する相手など無いのだし、僕にかかってくる電話も無いのだから。
422 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/16(火) 12:21:34
「祭祀者」5/22
昼ごろまで村を歩き回ってから屋敷に戻ると、昼食の用意はもうできていた。
献立はハムエッグに海苔と漬物。
あたりまえの食事をあたりまえに済ますと、午後からの時間は屋敷の奥の間の探索に費やした。
屋敷は背後の崖にもたれるように建てられており、崖に沿って左右にダラダラしまり無く広がっていた。
間取りから考えると奥の何部屋かは崖の中に食い込む形になっているはずである。
ただ曽祖父が居住に使っていたのは屋敷の海に面した表側の玄関付近だけだったらしく、裏は様々な家財が雑然と放り込まれ、さながら物置のようだった。
それを思い向くまま手にとり目を通してゆくと、電気料金などの領収書の束や古新聞の束のあいだに、村人の生没年が記された人別帳が突っ込まれていた。
この手の書き物は社寺が保管していることが多い。
ひょっとすると僕の先祖は神主か坊さんみたいなこともやっていたのか?
そう思いながら黄ばんだ和紙をパラパラめくっているうちに不思議なことに気がついた。
元禄だの嘉永だので生没年が記されているうちは判らなかったのだが、明治・大正・昭和というよく見知った元号になってみると、村人の多くは100歳前後まで生きているのだ。
「人生50年」という言葉があるように、昔の人間の寿命は今と比べものにならないほど短かった。
現代でも100歳を越える長寿はそれほど多くない。
それなのに……。
(そう言えば、曽祖父はいったい幾つで死んだのだろう?)
僕は早速ページをめくって曽祖父の生年の記録を捜してみた。
ところが、どこまで記録を遡っても曽祖父の名前が見当らない。
捜して……捜して……、ようやく見つけ出した曽祖父の名前だったが、その生年の記載を見て呆れてしまった。
……そんなことは在り得ない。
これは明らかに僕の曽祖父ではなく、同姓同名の別人だ。
生年として記されていたのは、「享保二年」だった。
423 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/16(火) 12:22:39
「祭祀者」6/22
雨音に目を覚まされると時刻は既に夜になっていて、昨日の女がまた来ていた。
縁側で横になって例の人別帳を読んでいるうち、うたた寝でもしたにちがいない。
女が来たことにまるで気がつかなかった。
きっと疲れているのだろう。
雨はすぐ止み、少し涼しくなった庭に向かって夕食となった。
献立は、アワビにエビに地の魚、そして例のホタルイカの足と酒だった。
二晩続いても、相変わらず美味い。
女は指に新しい包帯を巻いていた。よっぽど包丁裁きが下手にちがいない。
(ドン臭いヤツだ)と思い舌打ちするが、女は気づいた様子も無く、トロンとした目線を膝の上に落したまま、ただひたすらにおし黙っている。
こんな女に給仕されたところでちっとも在り難くないと思い、女には部屋から退がってもらった。
女がのろのろ炊事場のほうへと退いたあと、僕は夕食を平らげ、酒盃を重ねた。
酒のせいか?それとも果てる事無く打ち寄せる波音のせいなのか?
僕の意識は何時しか目の前の世界を離れ飛んでいった。
縁側を抜け、生垣を越えて、風除けの松林を潜って海へ。
そして滑るように海面を行き、半ば以上水没した洞窟へ。
そこまで辿り着いたところで、僕は急に恐くなった。
(いやだ!あそこにらは入りたくない!)
激しく頭を横に振った次の瞬間、僕は屋敷に座っていた。
何時の間にか、女は部屋に戻っていた。
食器でも片付けようとしたのだろう、ぼくの前に屈みこんでいる。
そして目の前には、はだけた襟から真白い胸元がのぞいていた。
424 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/16(火) 12:23:37
「祭祀者」7/22
翌朝目覚めると、昨日と同じく女はいなかった。
用意されていた朝食をさっさと平らげ、雨に打ち清められたような庭に足を降ろすと、さっさと屋敷を後にする。
今日は散策の範囲を村の外まで広げてみるつもりだった。
歩き出してすぐ、ちょっとしたことに気がついた。
この手の村の住人は朝が早いものと思いこんでいたが、家の周りや村には一つの足跡もついていないのだ。
どうやら僕が早起き一番乗りらしい。
もっとも農業も漁業も営んでいないようだから、早起きする必要は無いのかもしれない。
村の前は海、そして背後は断崖だった。
外界へ出るには、背後の断崖を縫い登る小道を行くか、小船で海に出るしかない。
ところが村内を隈なく歩き潰していくと、一昨日下ってきた断崖を辿る道以外にも、もう一本道があることに気がついた。
行交う人の足によって踏み固められ、自然にできあがったと思しきその道は、村の右手の岩場の影に隠れるように続いていた。
あるいはこの道を通れば、もっと簡単に村外に出られるのではないか?
そう思って僕はその小道を辿ってみたが、10分ばかり行くと、断崖が立ち塞がった。
その場で、僕の足は竦んだように止った。
……あの洞窟があった。
昨夜の幻と同じように、断崖に、半ば以上水没した状態で口を開いている。
予知夢のたぐいか?とも思ったが、偶然だと思い直し、恐る恐る近寄るって中を覗きこんでみた。
外から僅かに覗ける内部は、ただ闇ばかり。
天井部分が低すぎるから、船でも中には入れまい……。
いや、ひょっとしたら干潮時には……。
いずれにせよ、道が通じているのだから、中にはなにかあるはずだ。
機会があったら、村の老人たちにでも尋ねてみよう。
425 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/16(火) 12:33:03
「祭祀者」8/22
午後からは昨日のように屋敷内の探索に費やす。
いったい曽祖父は、どこからこんなものを見つけてきたのだろう?
僕にはさっぱりわからない、中国あたりの青磁。
ハワイ旅行のパンフレットに載っていそうな椰子の実。
茶色く変色した籐製の椅子や脚が一本とれたテーブル。
そして曲りくねったトゲがびっしりはえた巻貝の殻。
それらのあいだに、昨日みつけた人別帳のような書物や、巻いた布?が無造作に突っ込まれている。
その幾つかを手にとってみたが、素人である僕の目にも値打ちのあるものとは思えなかった。
何が書いてあったのか、判読不能な掛け軸を無造作に投げ捨てたとき、折り重なったガラクタのあいだに無造作に突っ込んである布キレにふと目が止った。
(なんだろうと?)と思って引っ張り出してみると、それは女物の衣裳だった。
新品ではないが、他のガラクタほど古びていない。
その新しさが、僕の目をひいたのだ。
しかも広げてみれば、昨夜女がだらしなく着ていたのと同じものだ。
それがなんでこんなところに突っ込んであるのか?
これがここにあるということは、女はどんな服を着て家に帰ったのか?
まさか裸で……。
そこまで考えたところで、僕は女の家の場所も知らないことに気がついた。
女はどこから屋敷へと通って来ているのだろうか?
426 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/16(火) 12:34:14
「祭祀者」9/22
今夜も「女」は来た。
早速に住まいを尋ねてみたが、例によって返事ははっきりしない。
「…こんなことも満足に答えられないんですか!?」
思わず声を荒げてしまったあとで、ちょっと僕は後悔したが、女は言い返すこともなく何度も何度も頭を下げながら炊事場の方へと退がっていった。
夕食は今夜も海産物中心で、三晩つづけてあのタコ?の足と例の酒が添えられていた。
勝手に飯を茶碗に盛って箸を動かす僕のかたわらで、女は何をするでもなくぼんやり座っている。
指には包帯が増えていた。
箸は進むが話は進まぬ食事を終えると、さっさと僕は床についた。
そしてその夜、僕は怪しい夢を見た。
僕は眠った姿勢のまま、金縛りにあったように動けない。
そして、動けぬ僕に覆い被さるように、白い姿が動いている。
あの女だ。
白いタコか海蛇のようにくねり動きながら、女は僕の体の臭いを嗅いだり、顔を覗き込んだりしている。
そしてその両眼は、光を湛え満月のようにカッと見開かれていた。
僕の体を舐めるように上がって来た女の目と、動けぬ僕の目が、ついにかちあった。
女と僕は、そのまましばし互いの瞳の中を覗きあう。
やがて、溜息を洩らし、女は闇へと退っていった。
427 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/16(火) 12:35:15
「祭祀者」10/20
汗をびっしょりかいて、僕は目が覚めた。
昨夜は寒いように感じたので、雨戸や窓、扉を全てシッカリ閉じて眠ってしまった。
それでかえって蒸し暑かったのかもしれない。
だからあんな悪夢を見たのだろう。
夢?
……そう、もちろん夢だ。
だって、昨夜屋敷は全ての出入り口が閉ざされ、誰一人出入りすることはできなかったはずなのだから。
そこまで考えたところで、僕は雨戸から刺しいる日差しの強さに気がついた。
ハッとして時計を見ると、時刻は既に11時を回っている。
慌てて飛び起きると、汗で体に張り付いた寝間着を脱ぎ、乾いたタオルで体をゴシゴシ拭いて身支度を整えた。
今日の昼のバスで、曽祖父の遺産を管理する弁護士が尋ねてくる予定なのだ。
曽祖父の依頼した弁護士というから、かなりの年寄りだと決め込んでいたが、屋敷を訪ねて来たのは、頭髪こそ薄くなっているが年齢は三十後半から四十そこそこの男だった。
考えてみたら当たりまえだ。
最寄のバス停からでもタップリ一時間以上歩かねばならないのだ。
年寄りだったら途中で行き倒れになりかねない。
なんでも曽祖父から直接相続手続について依頼されたのは、この弁護士の父なのだが昨年の暮れ八十五歳で他界したので、息子である彼が引き継いだということだった。
「…まずこれは相続財産の目録です。後で目をお通しください。」
弁護士は挨拶もそこそそこに、事務的な口調で用件を切り出した。
「ざっと相続財産の内訳を申し上げますと、まず第一に土地と建物なんですが……。」
弁護士の説明を聞いて、僕は少なからず驚いた。
曽祖父の所有していた土地は屋敷とその底地だけではなかった。
村の背後に広がる崖も、曽祖父の所有地だったのである。
…ということは、あの崖に開いた洞窟も…。
「……そして最後ですが、『さいししゃ』としての地位も相続されます。」
428 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/16(火) 12:36:41
「祭祀者」11/20
「は?」説明の最後に飛び出した耳慣れない言葉を、僕は弁護士に聞き返した。
「さいししゃ??」
「『祭祀者』です。まつる者。先祖のお墓なんかを守る者という意味です。」
「…何か祀らなければならないものでもあるんですか?」
「い、いや、それは……」何故か弁護士は僕の問いに言葉を濁した。
「亡くなられた××さまと懇意だったのはワタシの祖父で、ワタシ自身はそんなには…。」
「祖父?あなたのオジイサンですか?八十いくつで亡くなられたというお父さんじゃなく?それじゃそのオジイサンのお年は幾つだったんですか?」
なんとも計算の合わない話だと思ったのだが……、弁護士は顔中から油のような汗を噴出した。
「そ、それは、それは……。」
(なにをそんなにうろたえる?)
そう思った僕は、直感的に次の問いを放った。
「ひょっとして、その祭祀っていうのは、この東の崖にある洞口と関係あるんじゃありませんか?」
「も、もうご存知なんですか。」
「関係あるんですね?」
「は、は…。」
弁護士は「はい」と答えようとしたのだと思う。
しかし、その答えは最後まで形にはならなかった。
「ひいっ!」と短い悲鳴とともに、弁護士の顔が、まるで悪夢を見た子供のように歪んだ。
彼の視線は僕の肩越しに見えるであろう何に釘付けになっている。
僕はとっさに振り返ると、僕の肩越し伸びるに視線の先を追った。
だが、そこには僕が目にするであろうと覚悟したようなものは、何ひとつ無い!?
生垣の向こうに、村の老婆が、殆ど何も育たない痩せた畑を耕しているだけだ。
「こ、これで失礼します!」
バタバタいう音に顔を前に戻すと、弁護士はもう立ち上がって鞄を引っ掴んでいた。
止める暇もあらばこそ、弁護士は転げるように屋敷を出て行ってしまった。
ぬるぽ
それ、もう終わってるから
431 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/16(火) 17:16:55
432 :
430:2006/05/16(火) 17:30:34
待て
>>431、漏れはぬるぽと書けばがっされると思っている
>>429に言ってるだけだ
藻前のは、取り敢えずここまではちゃんと読めてる。でも、完結しないことには評価のしようがない。
最後まで投下キボン
思うんだが、これだけ長いのを読んで欲しいのなら
投稿サイトを用いるべきだと思うよ。
常識をわきまえるのであれば、通常ここみたいなスレッドに投下すべき
作品は五千文字前後だろうと。
この基準はS-Fマガジンのリーダーズダイジェストを基礎に置いてるんだけど
434 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/17(水) 07:23:30
>>432 なるほど了解。
>>433 もうしわけない。
ワタシについては今回限りとして下さい。
いずれにせよ常駐していたスレに戻りましょう。
435 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/17(水) 07:25:33
「祭祀者」12/20
弁護士が逃出したあとも、僕は屋敷に留まっていた。
不思議なことが多いからといって、それがいったい何だというのか?
僕の身に危険なことがあったわけでもない。
第一、僕には他に行くところは無いのだ。
436 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/17(水) 07:26:47
「祭祀者」13/20
弁護士が逃出した日の夜、食事の半ばに、僕はカチリと箸を置いた。
その音に、かたわらに控えていた「女」はふっと顔を上げ…、僕と目があった。
「…ぁ…」
僕の顔と食事の膳の間で視線を何度か往復させながら女は言った。
(「食べないのか?」)。そんな言葉が脳裏を過ぎり、僕は反射的に答えていた。
「食べないんじゃありませんよ。」
女の目が光ったような気がして、唇の端が僅かに吊りあがった。
笑ったのか?
しかし僕は、「女」の表情の変化に構わず、言葉を続けた。
「気になることがあり過ぎるんです。」
(「何が?」)また言葉が浮かんだ。
「この村の人々、特に曽祖父の年齢。逃出した弁護士。僕が承継したという祭祀の内容。崖の水没した洞窟。この村の成り立ち。……アナタのこともその一つです。」
僕は「女」と真正面から向き合った。
「……アナタもこの村の人間なんでしょう?いったい何処に住んでいるのですか?それくらい教えてくれてもいいでしょう?」
そのとき、僕の心にある景色が浮かび上がった。
あの洞窟……長方系の寝床か、まな板のような大岩……彩色された岩壁……そしてそこに描かれているのは……。
「……神殿?」
僕がそう呟いた瞬間、「女」の目がぎらっと光ったような気がした。
昨夜の夢で見た、あの満月のような瞳にそっくりだった。
437 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/17(水) 07:28:21
「祭祀者」14/20
その夜、僕はやはり夢を見た。
(……起きなさい)
目が覚めると、あの「女」が立ち、僕に手を差し伸べていた。
最初に会ったときは、醜いとしか見えなかった顔だが、夢の中では形容し難い威厳と知性に輝いている。
白い体を飾るのは自身の緑がかった髪の毛だけ。
水気を帯びた青白い肌が、闇のなか朧に白く光っている。
差し伸べられた指にも、あの見慣れた包帯すら巻かれていない。
初めて見る「女」の指は白く、細く、長かったが、そのうちの何本かは、不自然に短く断ち切られている。
僕は「女」の手をとると誘われるままに立ち上がった。
閂を外すと屋敷の外へ、そして海へ。
……目指す場所は、僕にも判っている。
あの洞窟だ。
だが、今度は以前見た幻のときのようには恐怖を感じぬままに、中へと潜り抜けた。
洞窟の中には……長方系の寝床かまな板のような大岩……彩色され何かが描かれた岩壁。
「女」は大岩の上に横になり、そして僕も……。
岩の寝床の上には、あの「女」の絵が描かれていた。
絵の「女」に見下ろされ、僕と「女」は果てしなく絡み合い、滑(ぬめ)り合い……。
438 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/17(水) 07:29:09
「祭祀者」15/20
翌朝目が覚めてからボンヤリしていると、村の長老格の老人が5人、屋敷を尋ねてきた。
見ると皆ニコニコと頬をほころばせ、魚の干物やら綱やらを手にしている。
話を聞くと、どうやら何か僕絡みの慶事らしい。
それを村全体でもって祝うというのだ。
今夜2時になったら、また迎えに来ると言い残し、村人たちは帰っていった。
だが、客は彼等だけではなかった。
老いも若きも、村の者は一人残らず次々と屋敷を訪ねて来た。
ある老婆などは、帰りしな僕が屋敷の前まで見送ると感激の余りか泣き出す始末。
ひとつはっきり確信できたのは、僕はこの村に受け入れられたということ。
僕はもう余所者ではないということだった。
いままで辺鄙な片田舎の寒村としか見えなかったこの村が、その朝はじめて全く違って見えた。
朝、昼、そして夕と、僕は村人たちが差し入れてくれた赤飯や煮物で食事をとった。
毎晩の刺身に負けないほど美味かった。
ひとつだけ気がかりなのは、あの「女」が今夜は来ないということだった。
439 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/17(水) 07:30:37
「祭祀者」16/20
夜が来た。
雨戸は一応締め、玄関に明りを灯して使者を待つ。
各戸の玄関先や村内の主だった道には松明が灯され、村全体が夜の中にぼおっと浮かび上がって見えた。
屋敷の門前で待っていると、夜の2時ちょうどに、曽祖父の財産の管財もしてくれている老人が尋ねて来た。
聞けば彼が使者なのだという。
使者の老人と道沿いに灯された松明に導かれ、僕が向かったのはやはりあの洞窟だった。
ただいつもと違って海面が何メートルか退いており、洞窟の脇にかろうじて人が通れるほどの道が現れている。
不意に僕は、農村や漁村以外にも、町や村の成り立ち方はあるのだということを思い出した。
(門前町だ!)
神社や寺院の前に開けた町、それが門前町だ。
ここも、この村もそうなのだ。
名も知れぬ海の神を祀った祭壇を中心にこの村はできあがったに違いない。
洞窟の中にも幾つもの松明が灯され、昼間のように……とはいかないまでも、隅々まで明るく照らされていた。
おかげで、洞窟の内壁を彩る壁画がよく見える。
洞窟を入ってすぐのところに描かれているのは……空を下る流れ星だった。
「絵に気づきなすったかぇ?」使者役の老人が先に立ち歩きながら言った。
「……そりゃ神さんが、天から駆け下って来なすったときのこんじゃ。」
440 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/17(水) 07:31:57
「祭祀者」17/20
次の絵は……タコのようにもイカのようにも見える生物が描かれていた。
前で跪く人間の姿からすると、その生物は途方もない大きさであり、満月のように煌めく双眸で人間たちを見下ろしている。
続く絵は……奇妙に心騒がされるものだった。
タコの怪物が自らの触手を、人間たちに食べさせている!?
「…オラたちには、神さん言葉がどげんしても判らんかった。でも、さすがは神さんじゃ。あげんにすればオラたちにも……。」
僕の心を過ぎるようになった「言葉」、そして毎夜のホタルイカの足!?
まさか、まさか……。
次の絵では、怪物の身の丈が人と同じほどに小さく、そしてやや人間的なシルエットで描かれていた。
「……話ゃあできるようなって、神さん、オラたちに段々と似てきただよ。そんでもってオラたちんこと色んな方法つこうて助けてぇくれるようなってのぉ。」
怪物の姿は、次の絵ではさらに人間に近付いていた。
指に細長い触手の名残こそあるが、夜目遠目には人に見えるに違いない。
「だども、神さんはもっとオラたちのごと知りたがっただ。んで、とうとう引き受けたんが……。」
……それはまさか僕の……。
「××はん。アンタの曽祖父に当たる人じゃった。それからこっち××はんは死にもせんと今まで……」
続く絵に描かれているのは………、人の姿をした怪物と肉の交わりを営む男!
そして更に続く絵で曽祖父と手に手をとって立っているのは、紛れも無くあの「女」!
441 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/17(水) 07:32:54
「祭祀者」18/20
僕は子供のような悲鳴を上げると、驚く使者役の老人の手を振り解き、いっさんに逃げ走った。
だがどこへ?
村の家という家、道という道には松明が灯され、村人は一人残らず外に出ているのに?
おそらく村人は一人残らず星から下った神の信徒なのだ。
(だからみんな100歳以上も!)
結局、僕は呪わしい相続財産、曽祖父の屋敷へと狂ったように逃げ込むしか、道は残されていなかった。
屋敷に飛び込むと休む間も無く重い閂を無理やり通す。
そして焦り狂った頭で何か武器になりそうなものを捜し求め炊事場に飛び込んだ。
包丁があるはずだと思ったからだ。
だが、流し場には包丁どころか菜箸一組置いてないない。
そういえば村人は僕には一度も料理を作らせなかった。
(すべてはこのために!)
広い屋敷にある武器になりそうなものといったら、ついさっき玄関に通した閂ぐらいのものだった。
僕が丸腰のまま呆然と立ち尽くしたそのとき……、
誰かが僕の名を呼んだ。
442 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/17(水) 08:04:59
「祭祀者」19/22
(××……)
それは、耳に聞こえる声ではなく、心に聞こえる声だった。
あの「女」がやって来たのだ。
慌てて玄関に飛び出し、扉にかかった閂を確かめる。
だが、素足に触れた冷たい土間の感触が、恐ろしい事実を僕に気づかせた。
三日目の夜、「女」が帰ったとき、雨は既に止んでいた。
だが、翌朝僕が外に出たとき、雨に打ち均された地面には一つも足跡は残っていなかったではないか!
(そ、それじゃあ、あの「女」は!?)
そのときまたあの「声」が僕を呼んだ。
それは、家の外からくるのではない!
奥からだ!!
「声」は屋敷の奥からやってきている!!
背中を振り返ると、家の奥に幾重にも折り重なったガラクタの山が見えた。
……「女」がどうやって家に入ったのか、僕はそのとき初めて判った。
443 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/17(水) 08:06:12
「祭祀者」20/22
……「女」がどうやって家に入ったのか、僕はそのとき初めて判った。
外からではない。
家の奥から「女」はやって来たのだ。
屋敷の裏手の一部は、背後の崖へと食い込むように建てられている。
そうした部分のどこかに崖の社へと続く「裏口」があるのだ。
そして洞窟は、海の社へと続いているに違いない!
やがて………ガラクタの奥の奥に白いものが現れた。
幾重にも折り重なった家財やガラクタの隙間をすり抜けるようにそれはやって来る。
在り得ない角度、在り得ない場所で曲がる手足。
いや、それどころか、頭蓋すら自在に形が変わっていく!
そうだ!「女」は人間ではない!
燃える彗星とともにこの星に到来した異形の「神」は、積み重なったガラクタを一つも崩さぬまま、屋敷の中に立っていた。
身を翻して、玄関扉にかかった閂を引き抜こうとするが、手荒く押し込んだとき枠が歪みでもしたのか、軋むばかりでいっこうに抜けてくれない!
僕は閉じ込めてしまったのだ!
僕自身の手で!
あの「女」とともに!!
気がつくと、女はもうすぐそこに立っていた。
姿はたしかにあの「女」だ。
しかしその顔は威厳と知性に輝き、両の瞳は満月のように輝いている。
僕に向かって「女」は手を差し伸べ、言った。
444 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/17(水) 08:07:01
「祭祀者」21/22
あのとき頭の中に響いた言葉は、いまもはっきり覚えている。
(自ラ妾(わらわ)ヲ求メタ以上、ソナタハ、モハヤ妾ノモノジャ。……。)
アレは待っていたのだ。
自らの触手と「酒」で、僕が曽祖父と同じものに変異するのを。
そして僕が彼女と思いを交せるようになれたところで、迎えにやって来たのだ。
だが、僕はまだ曽祖父のようにはなれていなかった。
心の変異が未熟だったのだ。
僕の心に絶望的な拒絶しかないと知ったとき、彼女はそれ以上無理強いしようとはしなかった。
ぴくとも動かなかった閂が、彼女の手で引き抜かれると、僕は扉を蹴破るようにして屋敷を飛び出した。
そして明りひとつ無い真っ暗な崖の道や、山の隘路を転げるように、町へと、人の住む世界へと逃げ帰ったのだった。
445 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/17(水) 08:08:00
「祭祀者」22/22
(………ソシテ…妾(わらわ)モマタ、ソナタノモノジャ。)
必死で逃げ帰った人の世界だったが、
……それはもう僕の居場所の無い世界だった。
それは最初から判っていたはずなのに。
(……妾もまた、そなたのものじゃ。)
彼女の言葉に、僕は僕の言葉を続けてみた。
「キミのものだよ。僕も……。」
帰ろう。
あの場所へ。
僕のいるべき場所。
彼女の、あの白く柔らかな胸へと……。
お し ま い
小説家ってこれだけの文章以上のものを書き続けなきゃ
商売としてやっていけないんだからつらいよね
このスレの長文は全然読んでないけど
447 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/17(水) 08:20:51
今回のゲーム(駄文造り)のルール
「クトゥルー神話」のパロディとして構成するのだから「それらしい道具立て」は当然入れた。
「相続」「曽祖父」「海の神」「寂れた寒村」「異種族との交配」なんかがそれ。
タイトルの「祭祀者」も、HPLの「フェスティバル(祭祀)」からのいただき。
またHPLはミステリの要素も隠し味に使ってるので、ある種の密室トリックも導入。
ただし、ありがちな邪神の名前や魔道書を使うのは無し。
ラストは「僕が神と戦って倒す」のも考えたが、HPL的でないのでボツ。
「インスマスの影」と心理学的な「母(アニマ)への回帰」を重ねることに。
つまり「帰る場所が何処にも無いと思えても、実は、母(アニマ)の胸があるじゃないか」というオチとしました。
人の意思をまったく無視して長文書くやつの気が知れない
夜中にステレオかけて大音響を響かせるガキと精神構造がまったく一緒
ここは長編を書くスレだって、最初の方で見掛けたよ。短篇を載せるスレは別にあるようなので、精神衛生上からもそちらに逝った方がいいような希ガス
まあ、書き手も長文を単純に分割してるだけなので、配慮に欠ける部分もあるけどね
つか、基準がSFマガジンですか……
451 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/17(水) 11:03:51
>人の意思をまったく無視して…
って言ったってココ2ちゃんナンだし、しかも面白いかどうかは別として一応ちゃんとした小説の形で書き込んでいるのだから大目に見ては?
結局、不満のある人はその作品の内容が好みのものかどうかだけの気がする。
確かに「祭祀者」は、かなり偏った趣味の話なので興味のあるヒト探す方が難しいよね。
俺もまったく興味示せなかったし。
やはり自分の作品群の中で万人受けするジャンルの話をまず載せるべきだよね。「クトゥルー神話」のパロディって言われても…
小説の体裁をとっているのならOKじゃね
にぎやかでよろしい
453 :
age虫:2006/05/17(水) 13:10:28
>>451 しかし、
>>447の様に「ルールを決めて」とか言われると無性に腹が立つのは何故かと。
そんなモノ読者には何の関係も無い。それなのになんか言い訳がましく未練たらしく。
要するに「面白くなかった(読む人が居なかった?)」と”自覚した”が故のそれなら、
「ヘタレですいませんした」それで良いだろう、わざわざ言い訳などしても不快なだけだ。
「面白くなかったかもしれないが、僕はちゃんとテーマを決めて書きました」知るかと。
面白くなかったらそれは駄作なんだよ、それ以上でもそれ以下でもねぇ。
454 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/17(水) 13:22:55
>>453 きちんとしたモノを書いてから言ってはいかがが?
そういえば、いつだったかの藻前に絡んでた奴の小説に対しての見解もまだですね。しかも、相手はあの後謝罪してたし……あれはどうなったのですか?
455 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/17(水) 13:24:25
age虫さんに言われたくないかと…わざと怒らせて見ました。
スミマセン。
456 :
454:2006/05/17(水) 13:51:13
457 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/17(水) 14:58:44
アゲムシって滝本ってラノベ作家の作品で見た気がしたけど本人のスレッドですか?
458 :
age虫:2006/05/17(水) 15:00:27
>>454 「きちんとした」と言うのがどういう体裁か知らないが、
本に成ったらそれで良い、というのは大きな間違いだろうとは。
しかし「藻前に絡んでた奴の小説に対しての見解」ええと、
スマン心当たり無いマジに。
>>456 KIMというハンドルネームの奴に雰囲気が似ている。
459 :
プロローグ:2006/05/17(水) 16:09:51
西暦2500年,世界は月の開発に失敗し4つの破片となった月の落下により,進んだ機械文明は崩壊し気候の変動により大半の生命体は死滅した。
70億はあった人口は1億までへりもはや文明の復興は不可能であった。
異常気象が続いた10年間を含めて、生き延びた人々は行きすぎた文明への天罰であったという考えから、この年月を『審判の時』と呼び、これ以降を新時代、以前を旧時代と言うようになった。
460 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/17(水) 16:11:23
旧時代から残されたものは遺伝子改造をほどこされた兵士50人と高まった国への帰属意識だけだった。 そして十数年の間、進んだ文明への恐怖から、平和な農耕生活が続き、人々がもっていた知識も忘れさられようとしていた。彼らが発見されるまでは…。
461 :
プロローグ:2006/05/17(水) 16:12:24
旧時代から残されたものは遺伝子改造をほどこされた兵士50人と高まった国への帰属意識だけだった。 そして十数年の間、進んだ文明への恐怖から、平和な農耕生活が続き、人々がもっていた知識も忘れさられようとしていた。彼らが発見されるまでは…。
462 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/17(水) 16:16:26
これ同じクラスのオタが書いていたんだけど...
SF・FT・ホラーの短編限定にしようz
464 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/17(水) 19:10:55
だからここ長編スレ。短編スレは他にあるそうよ。確かめてないけど
>>459-460 一体人類は月で何を開発してたのだらう、四つに割れるってw
で、カタストロフィの後は余程の事情がない限り無政府状態になるのでは?実際、大災害の後には、たいてい連絡網の遮断による混乱が発生するでしょ
かつ、行き過ぎた文明への恐れってあーた、それ使わなきゃ生き延びられないのと違うか?その後、かつての技術を復元できなくなった可能性はあるが
まだツッコミどころはあるけど
>>462、クラスのオタに「SF調やりたいならアニメ見るよりブルーバックス見れ」と言っといておくれ
だが、ブルーバックスを読んだからといってSFはできない。
ていうかSFなアニメってあまりない。
自分の経験だとプラネテス、攻殻、押井版パトレイバー、このあたりだろうか。
ガンダムとかロボットものはSFというより機械系ファンタジーだしな。
SF小説書くなら先人の遺物を貪欲に吸収するのが一番なんじゃなかろうか。
468 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/18(木) 09:05:12
SF読んで、というよりもそれに限らず普通にいろんな文章を読んだ方が為になると思う。
SFの為のSFって読んでいてつらいからなぁ。
469 :
取巣樋:2006/05/18(木) 13:00:32
駅前の商店街には古い地下街がある。
そこは天然の鍾乳洞をそのまま利用していて、江戸時代から続いているという話だ。
地下街へ階段で下っていくと古い商店が連なっている。おれは地下街を5分ほど歩き
乾物屋の裏手に回り「洞窟屋」へ入った。
この洞窟屋の存在はこの商店街のあるZ市の市民もあまり知らない。
「やあ」おれは顔見知りの禿頭の60代の店主に挨拶をした。
「久し振りですね、今日はどちらに行かれますか。」「今日は火星に行くつもりだ」
「じゃあ、300円お願いします」おれは店主に金を払い奥の洞窟へ向かった。
奥には十二の洞窟がある。そして、それぞれが太陽系のすべての惑星の地下につながっている。
もちろん公式には未発見の惑星も二つある。
洞窟の中は薄暗い裸電球が点在しているだけだ。足元に気を付けながら十分ほど歩くと
(地球←→火星)の白い看板が壁面に張られている。
ここから火星の鍾乳洞というわけだが実感は乏しい。 さらに十分ほど歩くと巨大な
地下空間が開けており様々な鍾乳石で七色に輝いている。ここが一応の終点だ。
ここから江戸時代に火星に移り住んだ人たちの町が広がっているのだ。
火星への有人飛行を計画している国もちらほらあるらしいが、それがここに住む人の
悩みの種となっている。
「テラフォーミングって水爆を極冠に打ち込むらしいですよ。」
「そんなことされちゃあ大変だ。いずれは火星国の名乗りをあげにゃあなるめいな」
そういう話題があちこちで聞かれるようになった。
江戸の昔から日本人は太陽系中に進出していたのだ。
おれは居酒屋へ入ると、酒を頼み、火星の珍味に舌鼓を打った。
火星のものは持ち帰れない。これがルールだ。
だから火星のうまい料理は火星で食べるしかない。
支払いはもちろん日本円で大丈夫だ。火星は江戸の昔より日本の領土なのだ。
おれは金を払い店を出た。腕時計を見るともう午後9時だった。
さて帰るとするか。おれはまた洞窟を通りZ市の洞窟屋へ向かった。
470 :
取巣樋:2006/05/18(木) 13:02:36
>>469 タイトルを忘れてました。
タイトルは「通路」です。
471 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/18(木) 13:17:43
>>470 面白い。アイデアが秀逸。
でも、オチと語り口にもう一工夫欲しかった。
472 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/18(木) 14:29:53
>>470 軽い読み物としてイイよね。この短さでお話し完成してるのがすごい。
火星の重力とか惑星環境とか細かいこと気にしないで読むSFとしてのこういうSFも有りだとね。
ハードなSFだけが面白い訳ないのだからさ。
473 :
age虫:2006/05/18(木) 14:53:49
>>470 オチに「何もない」のが残念な読み物ではあろうかと。
つまりは「江戸時代から続く各惑星への通路がある」で?
導入に過ぎない。ショートショートとしては完成してない。
「だから何?」に見合う答が欲しい。それがテーマな訳で。
474 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/18(木) 15:33:09
ショートだからすんごいオチ必要とは限らんよ。
>>470の作品の場合は特にハード的内容ではないのだからほら話的であいまいのママ独特の雰囲気で終わってもそれはそれでいいのかも。
↑の基準で2000文字くらいまで書き足したら登場人物に名前も付けたりそれなりのオチ有ってもいいけど。
475 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/18(木) 16:56:54
【おねだり】
2049年5月18日小雨がふる秋葉原。ビックカメラの7階パパ売り場に母と娘がいた。
「ママー、このパパ買ってよ。」
仮のディスプレイ専用の《簡易心》をインストールされたパパが台に固定されたまま、うつろな眼で買い物に来た二人を交互に見ていた。
「だめよ。これ中身空っぽじゃない。」「しっかり選びなさいね。3年間あなたのパパになるんだから。ルックスだけで選んじゃだめよ。」
ずらっと並んでいるパパ達の仕様データを呼び出しながらあれこれ品定めをするママ。
「雨の日は、サービスデーなんだから今日決めて帰るの!」
マッチョタイプのパパに一言二言質問をしてママは、首を横に2,3度振る。「うーんこの店いまひとつ品揃えがよくないわねー。」
「ダメだとすると3ヶ月間だけでもTSUTAYAでレンタルするしかないかなぁ〜〜」
「ねーっ!ママー!!これこれ!このパパどう?!」 娘が特売品コーナーから元気に手を振り叫んでいた。
そこには、1シーズン前のモデルのパパ《サムライ550−20F》が居て娘と会話をしていた。
「あら、意外と安いわね。スペックも・・・有りそうだし。」 経済力値、耐ストレス値、劣悪環境耐用指数もまあまあの数字が並んでいた。
ママがディスプレイのタッチパネルを「ピッピッ」と何度か押し数値を確認。
「・・・」「よしこれにしましょう。」
「わーい!\(~o~)/新しいパパだー!」
展示台から解除されたパパがゆっくりと歩き、正式のフル装備の《標準心》をインストールされてゆく。
「いいわ!このままで。一緒に連れて帰ります。」
3人の母と娘、新しい父親が7階の売り場通路を仲良く歩き出した。
「夕食は食べて帰りましょうね。」「わーい!」
今回、ママが最終的にこのパパにした決め手になった数値とは…
売れたパパが居た展示台にはさっそく次のパパが載せられようとしていた。
仕様説明ディスプレイに表示されていた手書き風のキャッチコピーが踊っていたが書きかえの準備がされる。
そこには《顧客満足度同価格帯製品第1位》《ナイトライフ専用制御神経パワースクリュー搭載》と表示されていた。
476 :
475:2006/05/18(木) 16:57:51
下ネタです…
477 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/18(木) 17:12:53
下ネタじゃない方が良かったな。
もっと、シニカルなオチが相応しいと思った俺ダルシム。
478 :
475:2006/05/18(木) 17:35:24
【おねだり】
2049年5月18日小雨がふる秋葉原。ビックカメラの7階ママ売り場に父と息子がいた。
「パパー、このママ買ってよ。」
仮のディスプレイ専用の《簡易心》をインストールされたママが台に固定されたまま、うつろな眼で買い物に来た二人を交互に見ていた。
「ダメだぞ。これ中身空っぽじゃないか。」「しっかり選べよ。3年間おまえのママになるんだからな。ルックスだけで選んじゃだめだ。」
ずらっと並んでいるママ達の仕様データを呼び出しながらあれこれ品定めをするパパ。
「雨の日は、サービスデーなんだから今日決めて帰るぞ!」
グラマータイプのママに一言二言質問をしてパパは、首を横に2,3度振る。「うーんこの店いまひとつ品揃えがよくないなー。」
「ダメだとすると3ヶ月間だけでもTSUTAYAでレンタルするしかないかなぁ〜〜」
「ねーっ!パパー!!これこれ!このママどう?!」 息子が特売品コーナーから元気に手を振り叫んでいた。
そこには、1シーズン前のモデルのママ《ナデシコ550−20F》が居て息子と会話をしていた。
「おう、意外と安い。スペックも・・・有りそうだし。」 連続家事運動値、耐ストレス値、買い物オートバランサー機能有り、劣悪環境耐用指数もまあまあの数字が並んでいた。
パパがディスプレイのタッチパネルを「ピッピッ」と何度か押し数値を確認。
「・・・」「よしこれにするぞ。」
「わーい!\(~o~)/新しいママだー!」
展示台から解除されたママがゆっくりと歩き、正式のフル装備の《標準心》をインストールされてゆく。
「このままでいい!一緒に連れて帰る。」
3人の父と息子、新しい母親が7階の売り場通路を仲良く歩き出した。
「夕食は食べて帰ろうか。」「わーい!」
今回、パパが最終的にこのママにした決め手になった数値とは…
売れたママが居た展示台にはさっそく次のママが載せられようとしていた。
仕様説明ディスプレイに表示されていた手書き風のキャッチコピーが踊っていたが書きかえの準備がされる。
そこには《顧客満足度同価格帯製品第1位》《浮気寛容度数値最低を記録》と表示されていた。
479 :
475:2006/05/18(木) 17:37:10
ママ編書いた。
ちょっと下ネタっポイが同だろう。
変わらないか!(ママ編はちょっとあぶない設定か)
480 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/18(木) 18:31:30
【おねだり】
2049年5月18日小雨がふる秋葉原。ビックカメラの7階ママ売り場に父と息子がいた。
「パパー、このママ買ってよ。」
仮のディスプレイ専用の《簡易心》をインストールされたママが台に固定されたまま、うつろな眼で買い物に来た二人を交互に見ていた。
「ダメだぞ。これ中身空っぽじゃないか。」「しっかり選べよ。3年間おまえのママになるんだからな。ルックスだけで選んじゃだめだ。」
ずらっと並んでいるママ達の仕様データを呼び出しながらあれこれ品定めをするパパ。
「雨の日は、サービスデーなんだから今日決めて帰るぞ!」
グラマータイプのママに一言二言質問をしてパパは、首を横に2,3度振る。「うーんこの店いまひとつ品揃えがよくないなー。」
「ダメだとすると3ヶ月間だけでもTSUTAYAでレンタルするしかないかなぁ〜〜」
「ねーっ!パパー!!これこれ!このママどう?!」 息子が特売品コーナーから元気に手を振り叫んでいた。
そこには、1シーズン前のモデルのママ《ナデシコ550−20F》が居て息子と会話をしていた。
「おう、意外と安い。スペックも・・・有りそうだし。」 連続家事運動値、耐ストレス値、買い物オートバランサー機能有り、劣悪環境耐用指数もまあまあの数字が並んでいた。
パパがディスプレイのタッチパネルを「ピッピッ」と何度か押し数値を確認。
「・・・」「よしこれにするぞ。」
「わーい!\(~o~)/新しいママだー!」
展示台から解除されたママがゆっくりと歩き、正式のフル装備の《標準心》をインストールされてゆく。
「このままでいい!一緒に連れて帰る。」
3人の父と息子、新しい母親が7階の売り場通路を仲良く歩き出した。
「夕食は食べて帰ろうか。」「わーい!」
今回、パパが最終的にこのママにした決め手になった数値とは…
やれやれ、と父は内心溜め息を吐く。
この買い物の決め手となったのは、劣悪環境耐用指数、つまりは耐乏指数だった。
なにしろこの買い物で預金残高は哀れを催すような額に転落した。
また貯金をしなくては。
3年後には、今度は息子を買い換えねばならないのだから。
更に三年後には、俺自身も耐用年数を超える。
父は、もう一つ溜め息を吐いてから、妻と息子を連れて雑踏の中を歩きだした。
481 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/18(木) 18:34:55
>>479 勝手にネタにさせて貰ったぞ。まー悪く思うな。
いやあ、皆(・∀・)イイ!
おなじテーマの競作というかコラボというか・・・
ネットでしか出来ない企画で楽しませていただきました・・・(´∀`*)
483 :
age虫:2006/05/18(木) 21:12:52
「新しいママ」
今日は息子と、新しいママを買いに東京の秋葉原に来た。
前のママは、製造過程での品質不良によるバグがきっかけで壊れたからだ。
今の主流は、”メイドタイプ”と言う、そう言う服装を主にするタイプ。
性格は家事さえしっかりしていれば特に問題ない、後は息子の好みだ。
「これ、このママが良い!」
息子がメイドタイプの隣にある、際どい「ボンテージタイプ」を指さす。
どうも良くないTVを見ていたせいだと思う、そこはきつく叱っておいた。
後で行動記録をチェックしなければ。我が家はそう言うタイプじゃない。
・・・その日はそのまま、普通の「専業主婦タイプ」を購入、3人で帰宅する。
”我が家”に設定された風潮に、相応しい性格と行動、良い買い物をしたと思う。
就寝時、いつもの様に自身の行動記録をチェック。過不足無い行動、バグは見えない。
私は安心して目を閉じた。”人の行動をし続ける事”・・・・、今日も無事に終了。
しかし「メイドタイプ」と言うママはもう百年近く主流だ。創造主にしては好みが長い。
居なくなったのだろうか?とにかく私達の仕事は、日々の生活を続ける事だけだ。
・・・age虫的だとこうなる。
484 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/18(木) 21:17:25
>>483 しかしあれだ、お前の文章は実にひどいな。
485 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/18(木) 21:20:26
>>483 あのな、せめて「そう言う服装」「そう言うタイプ」なんて言葉を使うな。連体形の「そういう」に漢字を当てる場合は「然ういう」だ。
だからひらがなで「そういう」でいいんだよ。
486 :
475:2006/05/18(木) 22:51:31
【ママ・ライト】
朝8時30分。僕とパパは秋葉原駅に高速電磁列車で到着した。「早く!早く!急がないとママが売り切れちゃうよ!」
さっき電磁列車内でチェックした店のサイトでは、限定50体が入荷したとのこと。
今使用してるママは製造過程で生体チップの細胞強度不足でたびたび精神不安状態になるのだった。
去年オープンしたばかりの巨大家電センターヤマダデンキ秋葉原店。
急いでパパと僕は、整理タグをつけてもらうために受付に急いだ。「やったー!パパ49番目だよ。新型ママゲット!!」パパは僕と一緒にガッツポーズをとって喜んだ。
今のママを購入した時、主流は、”メイドスタイル”のタイプだった。
性格は優しくて芯はしっかりしていた。「メイド姿で結構胸があった」パパはそこのところ好みで・・・って息子には言えないが・・・
9時30分規定より30分店側の好意で開店が早くなり私たちはママ売り場の7階に向かった。
いよいよ待ちに待ったママ!僕の胸は高鳴る。順番が来て私たちの番だ。急速システムアップが行われ心に灯が燈る。僕とパパの目が新型ママライトと合った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
午後6時 「カチャッ」松嶋家のホーム知能がパパと僕の存在を確認して玄関のドアを開けた。
「タタタターッ」廊下を走る僕。「ただいいまー!」元気よく僕はリビングに飛び込んだ。
中には旧式ママ《ナナコ220−67F》が淋しそうに一人座ってうなだれていた。
「ママー!明日は日曜日だよ。」「3人で生きている恐竜に行こうよ!」「良いでしょう!ママ!!」
旧式ママ《ナナコ220−67F》は何が何だかわからずに息子とパパの顔をのぞき込む。
そうなのだ。新しいママはココには居なかった。
「ははは・・・」パパは、優しく見つめ語り始めた。「こいつがさ、今のままでイイって言ってさ買わずに戻ったって訳…」
《ナナコ220−67F》は、なぜか心の奥が熱くなった。こんなことは機能にはないはずだ。
また故障なのだろうかとも心配になったが、《ナナコ220−67F》の眼に写っている僕とパパの笑顔を見たらすぐに消し飛んだ!
午後10時20分江戸川台の小さな小さな一戸建ての家には仲のいい親子3人の幸せそうな笑い声が響いていた。
487 :
475:2006/05/18(木) 22:52:44
age虫さんバージョンをちょっと変えてみました。
488 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/18(木) 23:10:05
>>487 お話はage虫よりずっといいけどお前も文章が目茶苦茶だ。
「僕」の一人称の話なのに、途中で「ナナコ」の主観描写が唐突に入り混じっていてかなり混乱してる。
489 :
475:2006/05/18(木) 23:15:00
すまん。でもよ。そんなことばかり考えてて読んでて面白いか?あんた!
プロじゃないんだから多めにみなよ!それにもう少し配慮ってものないのかねー
お前呼ばわりは止めてよ!
490 :
475:2006/05/18(木) 23:18:26
↑大目だったね。
また、>488にお前は…っていわれるね
491 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/18(木) 23:20:02
492 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/18(木) 23:26:36
>>489 ケチをつけてもらいたくて書いてる人もいるんだがな。
ツッコミが無いなら掲示板で書く意味無いだろ。
494 :
汚い涙:2006/05/19(金) 00:25:41
495 :
475:2006/05/19(金) 00:32:05
コメントとか感想を書くのと
>>488レベルのケチや配慮のない言葉づかいで書き込むのとは別物だと思うけど。
最低限のラインはあるでしょう。
まあ俺は少なくとも
>>493の言う >お前呼ばわりでケチをつけてもらいたくて書いてる人ではないことは確か!
無理してありもしない誉め言葉が欲しいとは決して思わんけど。
496 :
汚い涙:2006/05/19(金) 00:34:19
>>495 ぶっちゃけ創作文芸板住人の批判に比べれば
ジェロルレバンナの右ストレートとミッキーロークの猫パンチ並の差があるわけで
そんな軽い煽りに乗りなさんなと。
497 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/19(金) 00:48:15
素人からすれば、ミッキーロークも舐められない訳だがw
499 :
取巣樋:2006/05/19(金) 04:41:02
「絆」 1
ゴンゾーは仲間たちとトロッコに乗って地上に出た。
「お疲れ!」「また明日」それぞれが挨拶を交わして家路を急ぐ。
眼下にはささやかな規模の居住区が広がっている。
その遥か向こうは赤茶けた大地が広がっているだけだ。
巨大なクレーンの影はどこまでも長い。もうすぐ日が沈むのだ。
ドアを開けると妻のハナが待っていた。
「お帰りなさい」「ただいま」ゴンゾーもハナも嬉しそうだった。
やっと二人の時間が持てるのだ。
ゴンゾーとハナはつい先日、一緒に暮らし始めたばかりだった。
職場の若い仲間はゴンゾーがやけに最近ピカピカになったとゴンゾーをからかう。
「おれのカミサンは最近まともにおれを磨いてもくれない」と年長の監督官は
ゴンゾーを羨ましがったりもした。
ハナは洗浄剤をつけてゴンゾーの一日の汚れを一生懸命に落としてくれる。
食事はネンリョウと呼ばれるどろりとした液体だけだ。ゴンゾーとハナはテーブルに向かい合い
深皿に入れたネンリョウをスプーンを使いゆっくりと補給する。
「今日、職場で事故があった」ゴンゾーは切り出した。「えっ」とハナは少し驚いた様子だった。
「たいした事故じゃないんだ。」「それで、あなたは大丈夫だったの」
「落盤があってジローが危うく巻き込まれそうになった」「じゃあ誰も怪我をしなかったのね」
「うん。」「そう、本当によかった」ハナは心の底から安心したようだった。
「でもおれ、お前と所帯を持ったことだし、お山に安全祈願に行ってこようと思うんだ。そして
おれたちの子供を授けてくれるように頼もうとも思ってる」
「本当?」「ああ、本当だ」「嬉しい。私、嬉しくて泣き出しそうよ」
ゴンゾーもハナも泣きたくても涙を流すことは出来ない。しかしゴンゾーには
ハナの気持ちが痛いほど分かていた。ハナの母はハナがまだ幼い頃、原因不明の機能停止に
陥り、そして父は坑内の爆発事故でボディの欠片すら残さずに死んだ。
ここにはそういう子供が大勢おり、施設で共同生活を送って大人になっていく。
ハナもそういう子供の一人だった。ハナは家族に憧れながら育ったのだ。
500 :
取巣樋:2006/05/19(金) 04:44:47
「絆」 2
食事を終えると二人は寝室のベッドに横たわった。互いにわき腹にあるカバーを開き
そこにあるスイッチを押し合った。
これでしばらくすれば緊急事態が起こらない限り8時間ほどの半機能停止状態に入る。
結婚をお山に許可された時から二人の夢はお山によって同期されてある。
夢はお山から賜るものだ。勤勉に生活をする者に与えられる褒美のようなものだった。
「おやすみ。ハナ」「あなた、おやすみなさい」
夢の中で二人はいつも美しい海岸沿いの広い家のベッドの中で目覚めた。
そこでは二人は健康な若者だった。ゴンゾーとハナはそこで現実では感じることの出来ない
暖かな温もりを楽しんだ。そこは二人だけの楽園だった。
ゴンゾーは休日を利用してお山へ出かけた。お山は鉱山を挟んで居住区の反対側にある。
お山のふもとまでは徒歩でニ時間。そこから山頂までは三時間をかけて登らなくては
ならない。もちろん飛行機械も自走機械もあるが利用するには特別な許可が必要だった。
ゴンゾーが山肌を削ってつくった道を辿って山頂に着いた頃には昼をとうに過ぎた頃だった。
お山の入り口は見上げるほどの巨大な機械鳥がニ体で守っている。
「何用か」ゴンゾーを認めると片方の鳥が問いかけてきた。
「安全祈願に参りました。それと子を授けて欲しいとお願いに参ったのですが」
しばらくすると「通ってよし」鳥は重々しく言った。
ゴンゾーは鳥の間を抜けてお山の門の前に立った。
門は自動で開き、そこには地下へ下りるエレベーターがあった。ゴンゾーが乗り込むと
エレベーターはぐんぐんと降下を始める。こんなに低い所に本殿があるのになぜ山頂に入り口が
あるのだろうとゴンゾーは子供の頃、不思議に思ったことがある。
与えられたボディを取り替えて貰うために誰もがお山へは年に一度はやって来る。子供の頃は
父に連れられてお山へ来たものだった。その時ゴンゾーの素朴な疑問に父は答えてくれた。
「もし、お山が低い所にあって、それで簡単に行けたらお山の有難さも分からなくなってしまうだろう。
おれたちがお山に感謝をする気持ちを失わないようにお山は高い所にあるんだよ」
501 :
取巣樋:2006/05/19(金) 04:47:21
「絆」 3
エレベーターが到着し、ドアが開いた。そこには全身を包む白い衣をまとった神官が立っていた。
神官はゴンゾーやハナとは違う美しい人間の形をしたボディの女性だった。
「あちらへどうぞ。お山様がお待ちです」ゴンゾーは神官にうながされるままに広々とした本殿へ向かった。
本殿の壇上には太陽をかたどった巨大な顔があった。
「ゴンゾーか」その顔が威厳に満ちた声でゴンゾーに語りかけた。ゴンゾーはその場にひれ伏して
言った「お山様。お願いがございます」
「分かっておる。安全祈願と子を授かりたいとういう件だったな。安全については新婚のことゆえ
坑内作業から特別に鉱石運搬作業への配置転換を鉱山事務所へ通達しておく。子については来月の
十六日に受け取りに来るがよい。おまえとハナの遺伝子から立派な子をつくり、与えるので楽しみに
しておくがよい」
「はい。ありがとうございます」
「今後も与えられた職務に励み、いつ地球からお迎えが来ても恥じることのないように立派な
家庭を築くのだぞ」
「はい。一層の努力を致します」
「それと、おまえの父はもうすぐ五十歳になるな。機能停止の年齢になる。親への孝行も忘れる
でないぞ」
「はい。もったいないお言葉、ありがとうございます」
「よし。もう下がってよい」
ゴンゾーは嬉しかった。いつまでかは分からないが、危険な坑内作業から安全な鉱石運搬作業に
変わることが出来たのだ。ハナはきっと大喜びだろう。こんな幸運は滅多にあることじゃない。
そのうえ子供にも恵まれるのだ。
ゴンゾーの期待とはうらはらに帰宅するとハナは沈鬱な面持ちで待っていた。
「何かあったのか」「あなたがお山へ行っている間に事故があったの」ハナはゴンゾーの胸に顔を埋めた。
ハナの話では休日を利用してメンテナンス作業をしていた技術部員が七人事故死したらしい。
502 :
取巣樋:2006/05/19(金) 04:53:34
「絆」 4
「お隣のご主人も亡くなったそうよ。私、あなたもいつかそうなってしまうんじゃないかと思うと
辛くなってしまって・・」
ゴンゾーはハナを抱きしめた。夢の中と違って触れる時の暖かな感触はなかった。
いつか、いつかきっと地球から迎えが来る。しかしそれはいつのことだろうとゴンゾーは思った。
おれの代か。それともおれたちの子供のさらにまだ先の代なのだろうか。
いったいこの星でオリハルコンの原石を掘り始めたのはいつのことなのだろう。
夢の中にある美しい海も、緑の木々もここにはない。ただ赤茶けた地表の連なりだけがあるだけだ。
お山はいつ地球に帰っても戸惑わないように我々に地球の夢を見せているのだという。
もし、あの夢が与えられていなければおれたちの人生とは何なのだろうとゴンゾーは思った。
一緒にベッドに横たわる頃にはハナは落ち着きを取り戻していた。
「私、死んだのがあなたでなくて本当によかったって思った。でも、そういう自分が少し怖くなっ
ちゃった」
「おれはそういうハナがいてくれて本当に幸せだよ」
「もうすぐあなたと私と赤ちゃんの三人家族になるのね。夢のようだわ」
「おれもだ」
夢の中のハナは本当に眩しいほどに美しい。あれがハナの人間としての本当の姿なのだろうか。
ゴンゾーはそうに違いないと自身を納得させることにした。
オリハルコンで出来たボディの中にある人間の部分は見ることも触れることも出来ない。
ゴンゾーはもうそれ以上考えるのをやめることにした。
夢の中でハナが待っている。ゴンゾーは美しいハナの匂いを感じていた。
503 :
age虫:2006/05/19(金) 06:20:25
>>484 まあ、要するに絵もそうだが「伝わればいい」と言う事で。
余り技巧や装飾に凝りすぎると読みにくくなるしテーマもぼやける。
掲示板なんか特に、出来るだけ”幼稚な文体”の方が読みやすい。
表現力有る奴wには役不足感強いが、骨格をはっきりさせる、
そう言う訓練には成ると思う。要約、あらすじの大事さだな(苦笑)。
まあ、要約したら3行で済む話を30pで書くなと言う事で。
504 :
age虫:2006/05/19(金) 09:15:17
>>469を、ちょっとネタにしてみる。age虫例・・・。
「異世界屋」
私達しか知らないが、江戸時代から続く「各惑星への通路」が、この先にある。
「異世界屋」、昔の銭湯、それにちょっと近い建物。番頭に300円を渡して、
男女に別れて入る。服は環境に合わせ然るべきモノを着ないと。その借り賃他だ。
その先には「火星生き」「冥王星行き」と書かれた通路が開いていて、今日は月。
奇妙な暗闇、炭坑の跡、裸電球が地味に照らすそんな通路を5分ほど歩けば、
そこはもう、地上とは異なる別世界。重力は1/6、体が弾む、なかなか面白い。
同伴した妻と少し散策し、名物の月上団子を食べ、地球を望み、やがて帰星時間。
「ああ、面白かった」そういう妻と、通路を通って地球に戻ってくる。着替えて。
異世界屋を出て、地球の街並みを見る。明日からまた仕事だ、何も変わらない日常。
空を見上げると月が見えた。妻が「月には兎が居ると言うけど、本当かしら?」私は、
「さあなぁ、見た事はないから」妻は「居たら面白いのにね」。二人で、少し笑った。
・・・同じじゃん?
AGE蟲は創作文芸板に一度行って来い
あそこでボコボコにされたらよく判るだろ
なんだかage虫がかわいそうになってきたよ
なんていうか教室に一人くらいいた、他人との距離を取れないオタクを見ているようだ
気を引きたくて一生懸命いろんなことするんだけど、全部空回ってるの
辛くない?がんばって生きれ
絆はあれでおしまいなの?
おもしろかったので続きがあったら読みたいわ
SF限定じゃないよね
508 :
取巣樋:2006/05/19(金) 21:33:58
>>506 有難い言葉に感謝。
また今度、続きを書きます。これはこれで終ってるんですが。
509 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/20(土) 00:29:12
age虫は?
頑張って欲しいんだけどな。
510 :
汚い涙:2006/05/20(土) 00:29:40
どんなにがんがってもクズはクズだ
>>507 SF、ファンタジー、ホラーならおk
まあこれに該当しない作品もちらほら見るがw
512 :
age虫:2006/05/20(土) 07:10:49
>>506 だからそうやって「自分が言われた事」をそのまま相手に向けるなと言うのに。
/\___/ヽ
/ ::::::::::::::::\
. | ,,-‐‐ ‐‐-、 .:::|
| '"⌒` ,: '"⌒` :::| お前帰れ、もうくるな!
. | , 、_:< __,、 .::|
\ /\i_i_i_/ヽ ::/
/`ー‐--‐‐―´\
515 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/20(土) 09:37:06
自作自演
>まあ、要するに絵もそうだが「伝わればいい」と言う事で。
>余り技巧や装飾に凝りすぎると読みにくくなるしテーマもぼやける。
>掲示板なんか特に、出来るだけ”幼稚な文体”の方が読みやすい。
叩く気はないけど、これちょっとひどすぎ。
「伝わればいい」けど「伝わらない」から技術を磨く。
技巧も装飾も全てはそのため。
掲示板に向いた技巧がある、なら判るけどね。例えば星新一のように
平易な言葉ですらすらと読ませる、のは立派な技術。
だけど、文章批判されて、こんなレベルの回答返すようじゃ、どうしようもない。
518 :
汚い涙:2006/05/20(土) 11:58:57
ヒエラルキーで語るすべての「理論」は間違っている、という説がある。
なぜならそのヒエラルキーを作り上げている存在の順位が問われるからだ。
ようは自家撞着の問題になるわけである。
というのは置いといて、文章批判において「このレベル」だとか「幼稚な」という
単語が並ぶ場合、その理由を説明する必要があるだろう。
ようは面白いかどうかであって、文章技巧なんざどーでもいいんだよ!
519 :
age虫:2006/05/20(土) 12:08:40
>>516 その入り口の半径は2m位、縦に少し高い洞窟で、岩肌はごつごつとしていて、
所々に大きな石が見えた。頭をぶつけたら痛そうで、それらがまるで入ろうとする、
その人々を拒絶するように鋭く尖っていた。”私”は知らないが岩は玄武岩で出来ていて、
約8%程が雑な鉱物の混じる、それは一般的な山道なら転がっている物だった。土は粘土質、
今はしめった感じで、ともかく奥の方は薄暗く明かりは見えない、まるで我々が入るそれを、
拒絶して居るかのように静かでひんやりとした空気が、奥から流れ出てきた。
と、
入り口は割と広く、身長よりは随分・・・多分2m以上はある、そこは半円形の洞窟で、
奥は薄暗く、通路には尖った岩が所々に見えた。その奥から流れてくるしめった空気が、
まるで我々が入るのを拒むかのように、そこの薄気味悪さを際立たせていた。
どっちが良い?と言う話で、個人的には後者の方がいくない?と思う。まあ好みだけどさ。
520 :
汚い涙:2006/05/20(土) 12:13:30
なんかでっかい穴があった。湿ってる。薄気味悪かった。
じゃだめなんかい
521 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/20(土) 14:10:08
その洞窟は、僕達を飲み込もうと広げられた怪物の口の様に、闇夜にぽっかりと
開き、その奥にはまるで鋭い牙のような鍾乳石がずらりと並んでいた。
おまけに、なま暖かい動物の息のような風がその強烈な臭気を運んでくる。
522 :
age虫:2006/05/20(土) 14:32:30
個人的な感覚ね。前置き。
>>521 主観(それも印象)しかないからちょっとわかりにくいよーな。
万人共通の描写を、軽くしてからなら効果的でええと思うんだが。
>>520 時と場合と書き手の趣味(作家性?)によるとは思う。例えば。
Aそのエネルギーの砲弾は何とかシールドで防いだが、その衝突時の衝撃は凄まじく、
機体のシステムが各部アクチュエーターへの防御機構を働かせてパワーを切った為、
その衝撃はそのまま機体を、その総重量五十トンにもおよぶ鋼鉄の人型兵器をその、
ビル群へと向けて跳ね飛ばした。パイロットは一瞬気を失いそうになりながらも、
足下のペダルを思い切り踏み込む。背後に取り付けられた、ボワード社製の最新型、
最大推力八十トンにもおよぶブーストスラスター「フェンリル・フレイム」がそれで、
最大出力で背後の・・・望んだ訳ではないが・・・ビル群へとその炎を叩きつけた。
強烈なブレーキが掛かると同時に、機体背後ではスラスター噴射を受けた巨大なビルが、
瓦礫のように破壊されて、それでも止まらないまま機体は激突し、ビルは倒壊する。
その雪崩のように降り注ぐビルの破片の中から、しかし”それ”は、再び躍り出た。
Bその人型兵器は、シールドでビームを防御したが、堪えきれずにそのまま背後のビルへと、
勢い良く叩きつけられた。ビルが倒壊し、瓦礫が降り注ぐ中を、再びそれは飛び出た。
この場合はAの方が良いと思うんだよなw。Bはなんかつまらんと。
>517
>文章批判において「このレベル」だとか「幼稚な」という
>単語が並ぶ場合、その理由を説明する必要があるだろう。
おれ(=516)にいってるの?
もしそうなら勘違いにもほどほどに。
まず、「幼稚な」というのは引用であって俺の言葉じゃない。
次に、516では「文章批判」もしていない。
批判された弁明が「あえて幼稚な文体にした」という物だったから
「低レベル」といっただけ。
理論のずさんさ、答弁の情けなさに呆れただけで、
あげ虫とやらの文章の是非については述べていない。
補足。
>まあ、要約したら3行で済む話を30pで書くなと言う事で。
>時と場合と書き手の趣味(作家性?)によるとは思う。例えば。
この二つはどう見ても矛盾してる。
一般に正しいとされるのはもちろん後者。
意見変えたのならそれはそれでいい。
違うのなら「ずさん」といわれてもしようがない。
あと、お願いなんだが、こういうクソスレはできるだけあげないようにしてくれ。
もう理屈ばっかり書き込まないで作品載せてちょ!
クソレスと思うなら来なくていいよ。
むかし、むかし、
たくさんのねがいをかなえてるカミさまというのがおりました。
いろんなたくさんねがいをかなえていて、しあわせでした。
あるひ、おとこがあらわれて、
「かみさま。ひとりでねがいをきくのはたいへんでしょう?わたしがてつだいますから、やまのうえにいてください。」
と、いいだしました。
カミさまはやさしいので、そのとおりにしました。
すると、かなえるねがいはへりましたが、ひとりぼっちになりました。
しばらくすると、べつのおとこがあらわれて、
「ひとりでねがいをかなえるのはたいへんでしょう?わたしがてつだいますから、そらのうえでまっていてください。」
と、いいだしました。
カミさまはやさしいので、そのとおりにしました。
すると、かみさまにねがいごとかなえることはなくなりましたが、ひとりぼっちになりました。
そらのうえでカミさまは、さみしそうにしてました。
そのうちにひとりぼっちのカミさまは、さみしくなったのでにんげんになったそうです。
いまではかみさまはもうそらのうえにはいません。
ううん、もしかしたらさいしょのおとこのひとがかみさまになったのかな?
ああ、もしかしたらにばんめのひとがかみさまになっちゃったのかな?
でも、もうかみさまはいません。だからみんなじぶんのねがいはじぶんでかなえなければいけないのです
さいしょのかみさまはきっとそんなぼくらを、あたたかくみまもっているかもしれません。
しあわせそうに。
めでたし、めでたし。
まああれだ、専ブラ使ってればスレごと透明あぼーんできるわけで
でもさ、age蟲はちょっとあれだ、クドすぎる。
きょうび自分でサイト立ち上げて自分で作品(?)を上辞できるわけで
わざわざこの板で「作品(??)」なる長文ネタを披露するなんて、
( ) ジブンヲ
( )
| |
ヽ('A`)ノ トキハナツ!
( )
ノω|
と同じだろうがと。そこんとこみんな指摘してんのに。聞きゃーしねーのな。
そんな自閉症気味なところを叩かれてるんだぞ。自覚しろよな。
そんな君みたいな人のために「創作文芸板」というのはあるんだから
そっちでやりゃーいいじゃないかと。んで直リンすりゃーいいじゃないかと。
自分を鍛えろよ。心を。
528 :
age虫:2006/05/20(土) 18:40:29
>>524 「書かなきゃならない所は書くべきだが、書く必要の無い所は書くな」
これで良いかな。age虫的方法論では、しごく一般的になっている事例、
例えば「可憐な美少女」、他には特に特徴が無いならそれ以上の描写は、
読み手の想像する楽しみを奪うのでするべきじゃない。代わってメカ、
特に新型兵器とかでは「それがどれだけパワーがあるか?等は作者以外解らない」、
そういう物は簡素にしかし”はっきり解るように”描写するべきだ、そういう。
>>522の例Aは、ここで始めて出てきたからこれで良いけど、もう一度書いたら、
恐らくウザったいと思う。「もう読者は知っているから」、それ以上は無用だ。
でもコレは「その人の方法論に過ぎない」から、要は「自分が解って欲しい事が、
相手に伝わっていればそれで良い」としか言えず。
>>526はその意味では失敗だろう、
「読みにくくなっている」から言いたい事は伝わってないと思う。
529 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/20(土) 18:44:05
>>528 お前の小説はひどい文章でクドクド下らない説明をしてる様な印象なんだが、意外にいろいろ考えて書いてるんだなあ。
>>522 >ごっつい攻撃くらって吹き飛んだ。障壁持っててこれだ、嫌になるぜ。
中の俺は助かったが反動殺せずに後ろのビルまで吹っ飛んだ。
作用反作用だ。ビルが俺の受けた打撃を引き受けて砕け散る。大丈夫か?中の人?
砕けたビルは倒れて朽ちる、粉塵巻き上げて。これ幸いと粉塵で見えない相手に
”アレ”を再び躍らせて飛ばす。イカスね。
人型兵器うんぬんはすでに説明しておけば、「云々」はいらないと思うんだが。
531 :
age虫:2006/05/20(土) 18:44:42
>>527 頼むからほぼ同時に書き込まないでくれw。
でも作家やりたいっつーのは「ヌードモデルやりたい」と似てるよ。
自分の精神を晒してそれを一般読者に値段付けて貰う訳でw。
だから「なんて恥ずかしい奴」と言うのはちょっと変だな、
「こんなの人に見せるほどのモンじゃねーだろ」まあ言うならコレか。
_| ̄|○
>>531 君も長文ネタ使いなら思うさま思う文章をブラインドタイプで
一気呵成に書き上げぶち込みブチマケロ。相手に息つく暇も与えるな。
悲鳴をあげるだけ無駄だ、脅しや卑屈はするだけ無駄だ。
考える前に書き込め。それがネタ師というものだ
533 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/20(土) 18:55:58
>>522 いやはや、ひどい文章だなあ。文章つーか、文章が語っている世界がひどい。
まるででたらめだな。お前がいかに無知でアニメばっかしみてるクズかという事がよく分かる文章だ。
お前さあ、少しはあり得る状況かどうか考えて書いてるか?
…はっはーん、おまえらグルか?
わかったか?これが「age」の作用反作用だ。
誰かがスレを読んで欲しいと願うだろう、そのためにageたとしよう、
するとどうだ?それを攻撃するためにまたageる。これが繰り返される、
さあこれで一つスレッドが私化した。もうそのスレは本来の目的を失い
ただひたすら自家撞着とか誹謗中傷とかなんかそんなのの犠牲となる。
SFの編集者の誰かが作家に言った
「説明はわかった、だから話を進めてくれ」
536 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/20(土) 19:18:16
age虫は退場か?まったく撃たれ弱い奴だな。
>>536 こちとらおまえらみたいな暇人じゃないんだよ!
いろいろ考えたり創作したり校正したりしなかったり忙しいんだよ!
いちいち付き合ってられるかぁ!ウラァー!!
本音が出たね、作家さん。じゃ、暇人の相手はしなくていいから、さっさとお引取り願いたいが?
別人じゃないの?メル欄に変なの入ってるし
あ、age虫は変なところで改行するからよけい読みにくいんだと思うな
読点で改行しないで整えてみたら?
540 :
カイ:2006/05/20(土) 22:01:14
541 :
カイ:2006/05/20(土) 22:06:13
感想を頂けると嬉しいです。
ごめん、第1章で挫折した。
>>540読んだ。
王道ファンタジー。読みやすくてテンポがいい。ひとことでいうなら、上手。勧善懲悪なのも気分がいい。
ただし、独創性皆無。心理描写は激うす。個性がない。ありきたり。
ともかく、独創性か珍しさが一ヵ所はほしい。
544 :
カイ:2006/05/20(土) 22:48:33
個人を出す事は・・・後々のストーリーで頑張ろうと思っています。
545 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/20(土) 22:50:53
>>544 すまんがありがちなアニメを見てるようで全然読む気にならない。
>>540をどうすれば面白くできるか、がんばって考えてみるべきだと思うんだ。
>>546の50以降のやつはたしかに巧いね。名調子。
このスレのどの作品よりもうまいんじゃないか。
内容はただの竜退治だけど。
550 :
age虫:2006/05/21(日) 07:03:20
>>530 だからー、”それが始めての描写”であるなら詳しく説明するべきだし、
あと視点と状況の問題もある。少年、例えばすねた?なんか面白くない、
そういう事があってふらっと山に入った、そこで見つけた洞窟への描写、
それなら効果的・・・かもしんない。心理的な物、その場全ての”気分”、
そういう物を表現するのが小説なのだが、とにかく「何を伝えたいか?」
それさえ描写していればどんな表現しても同じだよ、とは言える。しかし、
その「伝えたい物」が何か?によってその作品の価値も決まる訳で。
「私上手でしょ?誉めて誉めて?」
出来れば、コレは出来るだけ排除しないと誉めて貰えない(第六感的にも)。
それは「それを人に見せる」と言う行為で既にそれ以上無い程に表現してる訳で。
「この状況って凄くねぇ?なんか血沸き肉踊るっつーかさ」
こういう作者の”好みと同意を求める気持ち”は載せるべきだ。
その辺の好みが「センス」と言う奴で、出来れば一般的で無い方が興味は引く、
しかし引っ越しおばさんとかあの辺の嗜好を載せられても読者は困るわけで。
でも掲示板とか、まともな集計してない所では良いか悪いか?なんか解らないからな。
「それは多数の人が”良い”と思うモノだろうか?」作品のレベルと言うのはそれで。
多数へ多数へ、「”それが求める物”を良いと思う様に」”自分を変えていく”のが訓練。
それをしてない作品や作家には、何の価値も無い訳だ、古いタイプの方法論的にはw。
昔の名作、「それを目指すのなら」コレは避けられない道だと思う。自分を捨てると言う。
今の人気作を目指すなら、作品の質を論じるよりも上司へのお布施を忘れない事が大事だがw。
551 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 11:30:23
>>550 ん〜、なんか参考になったよ。
素直に、ありがとうと言わなきゃいけないケースだな。
実際、長めのモノを書いていると、説明と状況描写に必死になって、
伝えるべき何かがおろそかになるって多いからな。
(プロアマ問わず)
552 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 11:50:56
始めの方にあるのといま連投されてるのどっちがまし?
528 名前:age虫[] 投稿日:2006/05/20(土) 18:40:29
>>524 >「書かなきゃならない所は書くべきだが、書く必要の無い所は書くな」
こういう、わざわざく意味のないことを書いて、何を言いたいんだ。
始めてなら詳しくとか、判ってることは書かないとか、常識レベルを
わざわざ書いて「age虫的方法論では、」って、マジなのかな。
530の、作者の技巧を見せびらかすのは駄目だが、伝えたいことは力入れて、
ってのもごいくごく当たり前の常識レベル。
ついでに。
>機体のシステムが各部アクチュエーターへの防御機構を働かせてパワーを切った為、
>その衝撃はそのまま機体を、その総重量五十トンにもおよぶ鋼鉄の人型兵器をその、
>ビル群へと向けて跳ね飛ばした。
アクチュエーターってのは何のためについてる?
「防御のために」パワーを切って衝撃をそのまま受ける、
って、書いてて矛盾感じなかったのか。
適当な文だから、と言い訳されるのは見えてるけど。
555 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 12:42:56
>>554 突っ込むところはそこじゃねーだろまったく。
556 :
age虫:2006/05/21(日) 12:47:39
>>553 やっぱコレって「ごくごく一般論」だろ?俺もそう思う。
だからあえて説明するまでもない事なんだが上の話
>>524、
「矛盾してるよな?」とか聞かれるから答えたまでで。
何にしても今は誰が何書いてもダメだろう、それは確か。
age虫のゲームも通販しても売れない、小説なんか言うまでもない。
未来ある若手にしてみると「そんな馬鹿な」だが現実に2chも、
アク禁になったりとか言論封殺的な処理は行われている、誰かによって。
その「誰か」の嗜好が、言うなら「age虫的方法論の否定」になってる。
「age虫を否定している」と言う訳じゃないがw、方向性は全てアウトだ。
だから貴方が?age虫の方法論を「ごく当たり前の事だ」と思うなら貴方が例えば、
「コレは面白いし売れると思う!」と言うその作品は、まあ絶対に載らないし、
それがヒットするなんて事もない、今はそういう体制が敷かれている。
一般市販作品読むなり見るなりすると、何となくわからん?w
掲示板がなー、「連中」に反旗を翻す、様な事になれば少しは変わるかもとは思うが。
・・・無いなw。
557 :
age虫:2006/05/21(日) 12:52:15
>>554 「腕がへし折れたら何にもならないだろう?」って事。
衝撃を和らげる為に最も効果的なのは、「ゆっくり沈む」、
いわゆるオイルダンパーのそれ、それをここでは機械的に、
人間の腕でも「ダメだ!」と思ったらがくっとパワーダウンするだろ、
そういう事よw。その体勢を維持し続けたら腱が切れてしまう訳だ。
だからこの場合突っ込むべき所は「そんな衝撃喰らったら、シールドに穴あかね?」
だがまあそれに対しては「いや、シールドだし、超硬いし」で何とかw。
・・・いやそんな話をするべき所じゃねーだろw。
558 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 12:58:24
>>557 お前は「力を入れ過ぎると腱が切れる」って教わったのか?
559 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 13:17:50
>>556 おまえさあ、かなり被害妄想と誇大妄想が入ってないか?
2ちゃんやプロバイダがそんな下らない事をいちいちやると本気でおもってるのか?
病気だな。
560 :
(忘れられてるけど)ヴァズ戦記:2006/05/21(日) 13:34:12
ども。
>>2〜連載してた者です。
雰囲気変わったね。また載せようと思ったけどもう何かage虫に占領されてる感じだし。
止めといたほうがいい?
561 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 13:39:57
>>560 いいよ別に。投稿しろよ。なんでクズコテハン一匹に遠慮する必要があるんだよ?
562 :
age虫:2006/05/21(日) 14:40:53
>>558 アキレス腱が断絶するなどという事は良くある事だ。
たまには外に出て運動した方が良いぞ。
>>561 それだけage虫の声がでかいんだろw。善くも悪くも多数派だからなWwww。
563 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 14:48:39
>>562 違うよ。age虫の作品も相当な駄作(国語力、内容)だけど他人からすれば自分の作品も大して変わらないとかって言われたら悲しいじゃん。
別に糞虫の声が大きいと言ってるんじゃない。
糞虫の作品ってホントにひどいね。内容云々の問題じゃなくて表現などがあまりにもお粗末すぎる。これじゃ冒頭でスルーする人が多くても文句は言えないな
564 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 17:07:35
>>562 アキレス腱が切れるのは「力を入れ過ぎたから」なのかよ?
そういう事例があるのか?是非ソースを出してくれw
565 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 17:13:18
アゲ虫の言ってることって全く説得力無いな。
賢そうな事言ってるかもしれないけど屁理屈ばかりでホントウザイよ。
無知なくせにいきがるな。
こんな糞みたいな文ばっかし書いてるようじゃいつまで経っても成長しないだろw
もっと小説を読めよ。小学校の国語の教科書でもいいから
とにかくお前には文章力がないし、説得力も無い。
まあとにかく、糞以下の作品書いてるんだから人の意見くらい素直に聞け。
566 :
もえみ:2006/05/21(日) 17:24:53
深海魚だったら良かったのに。
明るい太陽も知らずに
ただ 小さな光だけで幸せを感じていられた。
深海魚だったら良かったのに。
目に映るものすべてのものにとらわれず
心のままに生きられたかもしれない。
深海魚だったら良かったのに。
ずっとずっと
二人
手の届く場所にいられた。
深海魚だったら良かったのに。
失ったもの
それにさえ気が付かず
生きていけたのかもしれない。
小さな幸せ
些細なことで
心が満たされ
汚いところも
見えず
知らずに
生きていけるのかもしれない。
567 :
いつもいも:2006/05/21(日) 17:47:01
「いいかもそうかもつぎかもそうかもそうかもしれないかもしれない。」
「さて今かもと何回言ったでしょう。」
568 :
いつもいも:2006/05/21(日) 17:54:23
「お前はいつもうましかな奴だな。」「お前が一番の俺のかもだよ。」
569 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 17:59:26
このスレの中でマシな文って何?
570 :
いつもいも:2006/05/21(日) 18:13:43
「ないいも。」
571 :
age虫:2006/05/21(日) 19:00:25
>>562 スポーツ選手が腱を痛める理由は?酷使するからだろ?
それでなくても筋肉に高い負荷が掛かると筋肉組織の断絶は普通に起こる。
筋肉痛っつーのはそれだぞ。スポーツ漫画で良く出るだろ?こういうネタは。
あと、この前のオリンピックで重量あげの選手で、持ち上げたは良いがその後に、
「支えきれずに”骨が”折れてしまった」と言う事例があった。パワーを切らないと、
つまりああいう事になる。この描写
>>522では”それを避けるために”切ってる訳だ。
もうちょっと描写する必要はあるが、「瞬間的にその位の衝撃が掛かった」と言う事だし、
機体が「それに対する対処を行った」なメカニカルな萌えwをちょっと書きたかった訳だが。
「そんなしちめんどくせぇ描写しなけりゃいけねぇのかよ?!」
と言う事なら、「出来たらしてくれた方が面白いかなぁ」と言う、個人的な嗜好による。
おそらく、みんな呆れ切ってレスを付けないんだと思うが、一応突っ込んどく。
ダンパーで緩衝しても腕が折れるような衝撃を直接フレームに受けたら、最悪、腕ごともげるぞ!
腱を傷めるからと、足の力を抜いたまま高い所から飛び降りてみな、よく分かるからw
573 :
いつもいも:2006/05/21(日) 20:21:57
「ないいもはないいも。」
574 :
いつもいも:2006/05/21(日) 20:30:40
「いーもん、いーもん、どーせいもだもん。」
575 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 20:52:04
>>571 だからさあ、そういう話をしてるんじゃないだろ?
壁に足を付いて突っ張って筋肉の力でアキレス腱を切るなんて事が出来るのかって聞いてるんだよ。
お前はそういう事を言いたかったんだろ?
576 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 20:53:14
おーい糞虫。
お前宛のレスがまだあるのに返さないのか〜?
もしかして文章力ないこと自覚してる?だったら別にいいよ\(^O^)/
577 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 20:55:50
>>572 つーかさあ、機体を吹き飛ばすほどの運動エネルギーを受ければ機体は吹き飛ぶ。
アクチュエーターが突っ張ってようが突っ張ってなかろうが全然関係ない。
それ以前に機体に運動エネルギーを伝える「ビーム」って一体なに?wwww
頭が変だとしか思えないんだが?
まー普段小説も読まず勉強もせず下らないロボットアニメばっかり見てるから「ロボットを吹き飛ばすビーム砲」なんて
下らない妄想を垂れ流すんだよなw
age虫の文章力はこのスレ一だなw
579 :
アゲ虫さんに勝ちたい:2006/05/21(日) 21:46:34
作成中の小説の冒頭載せて見ます。ただのオナニー小説です。
正直、意味不明ですが色々と指摘してくれたら嬉しいです。
580 :
アゲ虫さんに勝ちたい:2006/05/21(日) 21:47:07
夜。
漆黒のカーテンが大空を隠し、小さな星たちがよわよわしく輝きを放っている。
……空に広がる世界には限りがなく汚れなどこれっぽちも無さそうなのに、どうして星空の下に広がるこの世界ちっぽけで、汚ればかりが存在しているのだろうか。
星空の下に広がる草原の上に青年は身を任せそう思った。
「下らない」
青年は星空を睨み付け、静かに言い放った。
夜の闇に包まれた静かな草原には青年以外には小動物さえも見当たらない。
そこにあるのは広大に広がる草むらと何十年の時もの間をこの草原と共に生きてきた大木。
夜の冷たい風が彼らの間を過ぎていく。
青年はずっと空を見つめている。
その眼はあるはずも無い答えをずっと探し続けているようだった。
「下らない」
青年は同じ言葉を先ほどもより強く言い立ち上がった。
身体にまとわりついた草の切れ端をうっとうしそうに払い、近くに放り捨てられたようにしてある一本の刀を手に取った。
夜の闇よりも深い漆黒のミディアムヘアーと黒いロングコート、そして背丈よりも少し短い刀が彼のトレードマークの様な物だった。
「主は適格者なり」
突然響き渡る低い声。
だが声の主の姿は何処にも無い。
青年は起き上がり刀の柄を軽く握り、辺りを注意深く見渡す。
やはり人影らしき物は無い。
581 :
アゲ虫さんに勝ちたい:2006/05/21(日) 21:48:03
「またあんたか。出て来いよ。不意打ちは無しだぜ?」
「笑止。そんな卑怯な事はしない」
すると青年の前方の空間が歪みを見せ始め、やがて人の形を作り始めた。
現れたのは鼠色のローブで身を多い、仮面で表情を覆い隠した一人の男―声だけで判断するとだが実際は女なのかもしれない―だった。
青年は依然として刀の柄を握ったまま警戒している。
「熱くなるな。楽にしろ」
仮面の男は静かに言い放った。
「ヤダ」
「愚かな。今の貴様では私に触れる事さえ出来ぬ。無駄な抵抗と言う者だ」
「試してみるか?あれから少しはマシになったと思うぜ?」
「笑止。貴様に戦う術を教えたのは誰だ?」
「アンタ」
「ならば分かっている筈だ。私はお前の剣の事なら全てを知っている」
「俺の家出の成果でも見てくれよ糞やろう」
その瞬間、仮面の男は消え去った。
同時に青年も刀を抜く。
極限にまで研ぎ澄まされた刀身は夜空の星の光を映し出している。
「いいだろう。試してやろうぞ。貴様の家出の成果とやらをな」
青年は瞬間的に背後へ振り向き刀を軽やかに振る。
しかし、その刃が仮面の男へと届く前に何らかの力によって青年は吹き飛ばされて行った。
重みを持ったその力は青年の体中を蝕み、激痛が襲い掛かる。
仮面の男は青年の方へゆっくりと歩いて行く。
582 :
アゲ虫さんに勝ちたい:2006/05/21(日) 21:48:58
「やはりな。私と今の貴様とでは器が違う。だが……前にもいったが可能性はあるのだよ。貴様は適格者だ。貴様には全てを滅する力を秘められているのだ。貴様には……神をも滅ぼす力がある。そして、私にはそれを覚醒させる使命があるのだ」
「勝手なこといいやがってよ。俺はお前の道具じゃないんだよ。糞やろうが」
青年はよろめきながらゆっくりと立ち上がる。
身体が言うことをきいていないのか、かなり不安定な状態でちょっとした衝撃を与えられてしまえばすぐに倒れてしまいそうだ。
「ふむ。ならば好きにするがいい。時間をやろう。その間に貴様が私を滅するまで強くなれたのならば開放してやろう。だが……分かっているな?」
「ああ。ぶっ殺してやるよ。粉々に……跡形も無く切り刻んでやるよ!」
青年は必死に笑みを作り狂ったように笑い始めた。
その悪魔の様な笑い声は草原中を駆け巡って行った。
「楽しみにしているぞ。レック、あまり私を失望させないでくれよ。貴様には強くなってもらわなければならないのだよ」
仮面の男は静かにそう呟くと歪みを生じさせながら跡形も無く消えて行った。
草原に残されたのは無様に負けたレックと呼ばれた青年だけだった。
583 :
アゲ虫さんに勝ちたい:2006/05/21(日) 21:50:15
以上です。
要望があれば続きとか書きたいですがアゲ虫さんみたいに自信ないんでそこまで出来る自信はないです
584 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 21:52:38
>>583 なあ、背丈ほどもある刀って普段どうやって持ち歩くんだ?
585 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 21:54:42
586 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 21:56:29
>>585 気合いってなんだよ?
刀をどうやって持ち歩くかって聞いてるんだが?腰に差すのか?背中に背負うのか?
587 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 21:57:58
>>585 それとさあ、こいつら広大な草っ原の真ん中まで乗り物にも動物にも乗らずに歩いてきたのか?
何時間かかったか知らないが暇な奴らだな。
588 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 22:05:57
えっとね、こいつらはちょっとしたキチガイで強くなることばっかし望んでるただのアホなの。んで青年はどっかに行く途中なんだけど、悪いやつに見つかってバトル、みたいな。
なんと仮面野郎は瞬間移動が出来るのです!まあ作中でいろいろ語る予定(未定)
男の背丈はフツーの一般人と同じくらいだから大丈夫。
どうやって振るのって聞かれても……常人を超えてますとしあ言い様がない。
だって瞬間移動する人がいるくらいだもん
589 :
age虫:2006/05/21(日) 22:06:54
>>577 その強い衝撃を受けた時に、アクチュエーターのパワーが掛かったままだと、
「腕毎へし折れてしまうから」、そこはパワーを切って関節が曲がった訳だ。
単に立ってる人間に盾持たせて、”そこに鉄球をブチ当てた”時の描写だろ?
関節構造にもよるが、油圧シリンダーとかならパワーを切らなきゃ棒と一緒だよ。
人間だったらその辺は柔軟に自然に行っているが機械の場合はそれが装備されてないと、
そういう事は出来ない。この機体にはそういう機構があるっつー所をちょっと書いた訳だが。
あと”ビームの弾丸”ね。age虫的に「ビームブリット」ちうのを少し考えた事があって。
ビームサーベルを弾丸に見立てる、イメージ的にはダグラムのリニアカノン、あんな感じの、
ちょっとでかい奴がどかーん!とぶつかったっつー非常に断片的なネタだがw、そういうの。
高熱源兵器であり克つ質量兵器でもある、Iフィールドでもキャンセル出来ない(・・・)、
そういうエネルギー実体弾とでも言うか。二つの利点を併せ持つが反動が凄いのだよとw。
ちこっと私的ネタを見せて混乱させたかもしんないスマソ。
>>580 ちょっときもい。
590 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 22:07:22
586あすまない。背中にさすのです。
移動してるとこ書いてないからね。続きで書く予定(未定)
591 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 22:08:51
592 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 22:09:19
>>589 へー。つまり、君の考えてるロボットの腕は自重すら支えられないで壊れちゃうわけねw
ひっくり返ったら立てないんじゃないの?
593 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 22:10:05
>>590 なあ、それってどうやって鞘から抜くんだ?
594 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 22:12:20
595 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 22:17:18
>>589 なんか、喋れば喋るほど無知なアニヲタだなお前はw
596 :
打倒あげ虫:2006/05/21(日) 22:26:58
ちょ…誰だよ勝手に俺の振りして答えてるやつ。
ありえないし……
597 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 22:29:10
>>596 なあ、背丈ほどもある刀って普段どうやって持ち歩くんだ?
そんでどうやって鞘から抜くんだ?
こいつら広大な草っ原の真ん中まで乗り物にも動物にも乗らずに歩いてきたのか?
何時間かかったか知らないが暇な奴らだな。
>>596、小説発表する時は、念の為トリ付けとけばよいと思われ
もう遅い気もするが
599 :
取巣樋:2006/05/21(日) 22:36:29
「侵略者」上
おれの名はアーノルド。特殊部隊出身だ。そして相棒はシルベスター。
同じく特殊部隊出身だった。
クジラ座タウ星の第四惑星の文明を破壊するのがおれたちの任務だ。
この惑星にはタコに似た八本足の生物の文明があることが知られている。
この生物の身長は平均8センチ足らずだ。
今に至るまで、この惑星ほど地球環境に似た惑星はとうとう発見されなかった。
一つの文明を破壊することは心苦しいが、おれたちはこの任務に命をかけている。
地球の環境破壊が進み、早急に人類が移住できる惑星を確保しなければならないのだ。
地球では急ピッチで移民用の船団が建造されている。
宇宙船のスペースの都合上、破壊要員はおれたち二名に絞られた。
宇宙船の名はデストロイヤー号。ひどい名だと思うかもしれないがおれ達の任務が
無事に達成されるようにという実に現実的な名だと思う。
さて、第四惑星が目前に迫った頃、我々は重大な問題に直面してしまった。
現代科学の結晶とも言える超破壊兵器を満載したコンテナに隕石が衝突し、
本船から離脱したコンテナは猛スピードで宇宙の彼方へと消え去ってしまったのだ。
「どうするシルベスター」おれの問いにシルベスターは苦い顔をこちらに向けて答えた。
「おれに聞くなアーノルド。何があってもおれたちは任務を全うするだけだ」
残された装備は耐衝撃用スーツとレーザー砲のみだった。幸い食料を積んだコンテナは
難をまぬがれている。
「そうだな。たかだか小さなタコ共だ。おれたちの手でやってやろうじゃないか」
おれは内心の不安を打ち消すように言った。
600 :
取巣樋:2006/05/21(日) 22:38:55
「侵略者」中
こうして第四惑星に到着したおれたちは多忙な日々を過ごすことになった。
おれたちは毎日、耐衝撃用スーツを着込んでこの惑星の大都市に転送される。
宇宙船は惑星の軌道上に残してあるが問題はない。この惑星の文明はまだ人工衛星を
打ち上げるレベルでしかないからだ。
さらにいうならこの惑星では核開発がなされていない。通常兵器での反撃ならば耐衝撃用スーツで
充分に対応できる。
おれたちはそびえ立つビル群を、レーザー砲で、あるいは自らの手や足で破壊し瓦礫の山を
築いていった。
もちろんタコ共の反撃も続いている。原始的な戦車やジェット機が絶えずおれたちを攻撃して来た。
しかしまるで模型のようなちっぽけな兵器と火器はおれたちの敵ではなかった。
「疲れるなあ」ある日宇宙船で食事をした後、シルベスターがポツリとつぶやいた。
惑星上の都市を破壊尽くすまでにはまだかなりの日数がかかるはずだ。大陸という大陸には無数の
都市が点在していたからだ。シルベスターが口に出さなくても実際、おれも疲れきっていた。
「どうだろう、二人が一緒ではなく、これからは別々の都市を破壊するというのは」
おれはシルベスターに提案した。
「そうだな。効率を考えるとどちらともいえないが、タコ共の武器もたかが知れているし、それも
変化があっていいかもしれない」
こうしておれとシルベスターは次の日から、別々の都市に降り立ち破壊を続けることになった。
ある日のことだった。おれが巨大な橋の破壊の最中、シルベスターからの通信が入った。
「どうしたんだシルベスター」
「タコだ・・・巨大なタコにやられた・・・」必死に振り絞るかのようなシルベスターの声は
しかしそれが最後だった。
おれは宇宙船に戻り、地上をくまなく確認してみたが、シルベスターの姿はどこにもなかった。
何かが起こったのだ。シルベスターは軌道上から見ると小さな列島の中央にある都市を破壊していた
はずだ。タコ共の新型兵器なのだろうか。いや、そんな兵器をつくれるほどの科学力はここには
ないはずだし、つくれる時間的余裕もなかったはずだ。しかしシルベスターからの連絡は途絶えた
ままだ。
601 :
取巣樋:2006/05/21(日) 22:40:20
「侵略者」下
おれはレーザー砲のエネルギーカートリッジを強力なものに変えてシルベスターが破壊していた
はずの都市に降り立った。
そこはシルベスターによる破壊作業があきらかだった。あちこちでビルが倒壊し、瓦礫が散乱している。
「来るなら来い!」おれは叫びながらタコ共にとっては高層ビルに向かってレーザー砲を撃ち始めた。
その時、目映い巨大な光が眼前に現れた。おれは一瞬片手でヘルメットをおおった。
光が消えるとそこには一匹の巨大なタコが立っていた。
こいつか。おれたちの使命のじゃまをする奴は。銀色で戦闘的な赤い模様がからだをおおっている
その巨大なタコは次の瞬間には空中に飛び上がっていた。
危ない。おれは咄嗟に身をかわし、レーザー砲をタコめがけて発射した。命中した。しかし、倒れた
タコはよろけながらも再び立ち上がった。
「ジュワッチ!」タコは奇妙な雄叫びを上げながら突進して来た。わずかな時間、おれとタコは
互いの肉体のみで戦った。しかしタコの八本の足はおれの四本の手足の敵ではなかった。
おれはどっとその場に倒れこんだ。おれがなんとか立ち上がろうとするとタコは二本の足を持ち上げ
眼前で十字に交差させた。次の瞬間、おれに向けて強烈なビームが発射された。
ピコーン、ピコーンという音が聞こえる。ふと見上げるとタコの額にあるランプが点滅していた。
タコは次にはもはや身動きの出来ないおれを抱え上げた。
「ジュワッチ!」タコはおれを抱えたまま空中に飛び上がった。そのままぐんぐんと上昇していく。
薄れ行く最後の意識の中で、こいつは正義の味方に違いないとおれは思っていた。
602 :
打倒あげ虫:2006/05/21(日) 22:49:14
腰にさす。
邪魔がられるが主人公性格最悪なんでシカト。
一応愛刀ってことでぶつかったりすると逆ギレ。
今書いた時の状況では野原に放置していたということで刀だけを鞘から抜いた。(かなり描写不足。スマネ)
通常は戦闘が始まると腰から外して、そなまま正面にもってきて、両手で鞘と柄を引きばっとうする形。鞘も戦闘に使う時あり。大ざっぱに書きすぎてるな……
状況に合わせて細かく入れていく予定だったんだ。
スマネ。
草原に言った理由はある目的の為。仮面男は特異的な存在で瞬間てきに移動が可能。
603 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 23:00:19
>>602 腰に差していても長さが背丈ほどもあったら到底抜けないはずなんだが?
604 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 23:01:11
>>602 ああ、腰から外すのね。かなり無理ないか?
605 :
打倒あげ:2006/05/21(日) 23:08:11
うーん説明うまく出来ないからこたちでいいや。背丈ほど→こたちに変更
606 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 23:10:47
>>605 で、この主人公って何で収入を得ているんだ?強盗?用心棒?
607 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 23:12:46
珍しくまともなSFな気がする。
>>605 突然小太刀に変更できるくらい根拠がない描写をするな。
それは長さが身の丈ほどもある刀が出てくるよりも問題がある。
毎回、鞘を地面に突き立てて抜くとカッコエエ希ガス
地面が石畳だろうがリノリウムだろうが関係なくバキッとw
不自然なことができる理由=「鍛えてますから」
小太刀にすると、主人公の造型一から作り直しになるぞ。考えもしないで設定変えるのはやめとけ
>>605 ていうか考えもせずに設定をつくるのやめとけ
こたちって小太刀のこと?
612 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 23:22:24
あ、じゃあ鞘なんてないことにしよう。
一応コート着てるからその上から刀さしてても大丈夫だろ。振り回せる理由→鍛えてますから
続き夜みたい人挙手〜
設定なんて、適当でいいさ。
614 :
取巣樋:2006/05/21(日) 23:23:51
え〜っと。稚拙な文章ですが何か批評なりを頂けると幸いなのですが・・
616 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 23:25:20
>>599-601 おいおい、なんだよ、面白いじゃねーかよ。
このスレで面白かったのは久しぶりだぞ。
降霊会のゴジラ以来の快挙だ。君は偉い。
長すぎると鞘から抜けないなんていうけど、本当なのか疑わしい。
実際は1メーター50センチくらいまでなら、簡単に抜ける。
佐々木小次郎は、抜くたびに鞘を捨ててたらしいけど。
618 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 23:26:56
>>617 腰に差した刀をか?w
いや、君のような異星人の話じゃなくて人間の話だからw
619 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 23:31:07
おもちゃでもいいから試してみたらいい。抜ける。
621 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 23:36:54
>>620 お前、身長はいくつ?1メーター50か?
622 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 23:41:15
ここの住民は質問が大すきな事で。
聞いてたらきりがないだろ。そんな事やってたらSFなんて突っ込み放題じゃん。
>>622 細かいつっこみやケチがつくのは、結局つまらなかったってことだからな
面白ければ文句は言わない
625 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 23:46:08
626 :
発掘隊:2006/05/21(日) 23:48:33
じゃあ
>>3あたりからのよーわからんファンタジーと途中から入ってるホラーの話読んでみて〜
どーでもいいけど子供のケンカはいい加減やめたら。
書き込む前によーく自分の年齢考えようネ。
>>614 いろいろ文句を言いたい箇所はあるんだがせめてこれだけは言わせてくれ。
なにこれおもしろくね?
629 :
取巣樋:2006/05/21(日) 23:57:15
630 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/21(日) 23:58:39
>>629 おう、期待してるからまた書いてくれい。
楽しみにしてるぞ。
632 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 01:15:07
長い刀ね、そりの付いた奴なら背中に担いで抜けるよ。
え〜っと、
右手で柄を握って、左手で後ろ手に鞘の先へ回して持ち上げるんだ。
で、右手で刀反りに従って回しながらを抜いて、同時に鞘も逆方向に動かす。
もっとも、佐々木小次郎のような長さになると、やった事無いけど多分無理。
一度鞘を背から下ろして抜いた、って話を聞いた事がある。
テルミナスエストは柄を持って栓を抜くように抜くそうだぞ。
だから鞘は人間の革だが非常に滑らかで柔らかくできてる
あと、長刀は「太刀」と言ってそもそも戦場ではすでに抜刀して構える兵器であり
またテルミナスエストなどの儀上用の剣もすでに抜刀して用いるので
抜くことを前提に考えない。
古代ローマ兵が用いたグラデゥス剣は主にぶん殴ったり盾と盾、防御用の鎧などの
隙間から刺す攻撃が基本だったので短刀に近い刀だった。
これも戦場では槍攻撃や投石後の白兵突撃には抜刀が基本。
635 :
age虫:2006/05/22(月) 06:35:16
>>624 ガンダム関連を見ているとそうでもないと思われ。
「MSってなんで人型なの?」
「ビームライフル宇宙で撃って反動無いの?」
「通常の3倍のスピードってちょwwwwwおまwwww」
「戦艦から出撃する時MS歩いてるんだけど、宇宙空間でしょ?」
「冷却フィルムで大気圏突入ってどんな構造だよWwwww」
「この関節構造でこんな曲がり方ってあり得ないんだけど」
「Gアーマーからの放出でシールド2枚重ねってどんな構造なのよそれは」
ガンダムはそれにファンという名のミノ粉の活躍によってそこを比較的強引に乗り切ったがw、
それでも映画版では冷却フィルムじゃなくて冷却ガス噴射、Gアーマーでなくコアブースターと、
内部的な(或いは外圧的な?)批判によって変更を余儀なくされてる所もある。しかし冷却ガス、
「こっちの方が嘘っぽいだろ」とか、「Gアーマーって使えるよね?」とか新たな疑問も呼んだ。
ともかく「打倒あげ虫」<こういうコテハンを付ける事自体が”既に間違ってる”と思う。
スレ的に”大した事無い”訳でage虫は。批判多いし。それに対して「打倒」ってどういう事よ?
それに作品って勝ち負けとか、とにかく”自己顕示欲の道具じゃない”訳だ。それを勝つだ負けるだ、
何を考えてる訳あんたは?と。鞘の話も結局ウケそうだから導入したに過ぎない、何となくカコイイ、
だから「実際に背負うとどうなるのか?」その辺全く考えてない訳だ。そんな作品に読む価値などない。
・・・まあ、今は「こういう作品」が採用される時代なんだけどね(-_-;)。
悪魔というのは悪魔祓いすら話題にすることで力をつける
一番いいのは冷笑と無視
638 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 15:19:33
>>635 糞作品書く奴に言われてもあんまし意味ないかと。
お前もコテハン付けてるだろうが。ばっかじゃねーの?
>>635 そもそもガンダムがSFとしては全く面白くない件
640 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 19:34:50
age虫って理論的に言ってるように見せかけてるだけだよね。実際は大した事言ってない馬鹿。
誰もage虫の作品を読んでも何とも思ってないのに性懲りもなく投稿するのは何故?
本読んで文を向上させようとは思わないの?
641 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 19:39:09
批判が多い
スレ的に大した事ない
分かってるなら勉強してこい。それまで投稿すんな
推測だけど、打倒略が打倒ってつけたのは自分も大した事ないのを理解しているから同じくらい大した事ない馬鹿虫を競争相手に選んだんじゃないの?
まあage虫さん
冗談抜きで大した事ないよ。
カエレ。失せろ。出て行け
お前はこのスレの保守しか出来ない無能な虫だ
何だか荒れてるようですが、誰か始めの方にあるヴァズ戦記を読んでくれませんか?
続きを書いてるんですが感想など聞いてみたいので……
643 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 19:49:07
>>642 安っぽいイデオロギーが臭くてとても読む気になれん。
644 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 20:00:15
イデオロギーってなんですか?
645 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 20:01:58
>>644 「戦争むなしーなー」とかそーゆー田中芳樹みてーなの。
646 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 20:02:49
なるほど。ではどういうのがいいのでしょうか?
647 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 20:04:27
>>646 自分で考えな。
とにかくシベンはカンベンして。読んでて恥ずかしい。
648 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 20:07:08
>>イデオロギーってなんですか?
脳みそで発生するアレルギーさ
649 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 20:07:34
難しいですね……
650 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 20:14:55
小説家志望とかにときどき社会主義を
信奉して落選確実な作品を量産するガキとかいるよな。
>>646 >ではどうすればいいのでしょうか?
わろたw
脳みそ膿んでるんじゃね?w
652 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 21:28:04
>>648 ちょっ、そりゃ暴論。
イデオロギーが禁じ手になると、ほとんどの現行エンターテイメントはアウトになるぞ
右翼思想もポストモダン思想もイデオロギーだというのもお忘れなく。
まあ、行き過ぎた左翼がうざいのは同意するが……
654 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 22:04:17
>>653 右翼だろうが左翼だろうがこんなとこでシベンなんか聞きたくないんだよ。
当たり前だろ?
>>654 ならラノベ読んでたらいいじゃん。思想も何もなく、恋愛しかないガジェットSFが楽しめるよ
つか、貴方はイデオロギーは嫌だという自分のイデオロギーを相手に押し付けるのかい?心が狭いな。センス・オブ・ワンダーが聞いて呆れるね
656 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 22:12:37
>>655 掲示板でシベン読みたい奴はSF板なんかに来ないんだよw
そういう有害なオナニーはどっかよそでやれ。
じゃ、どんなのが好みなんだい?
658 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 22:19:03
>>657 俺の好みなんか関係ないだろ?
好きなものを書けよ。ただし、シベンしてるうっとうしい小説は誰も読まないと思うぞw
659 :
age虫:2006/05/22(月) 22:24:41
関係はあるよ。どうやら貴方の好みのモノを書かないと、内容以前の問題で貴方に叩かれないといけないらしいからね。
この際だから、レーディングをきっちり決めておかないと、知らずに書き込んだ職人さんが可哀相だ
661 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 22:29:17
>>659 俺さあ、ガンダムなんか最初のだけで卒業したから知らん。
だから二次創作なんか見ても判らん。
>>660 だからな、好きなものを書けよ。
ただし、叩かれる覚悟も無いなら他人に小説を見せるのをやめる事だね。
662 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 22:31:19
ちょwwwwあげ虫到来。
お願いだからこないで。あげ虫にレスついてるから見てよ。
お願いだからこないでwwww誰も望んでないから
>>661 叩きが真っ当ならね。短編じゃなきゃダメだとか、思想入ったらダメだとか、作品の問題以前でしょ。
叩くなら目を通して作品内容を叩くべき。気に入らないならスルーしろよ。
それとも、自分の気に入らないものがあるのが我慢ならないの?
664 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 22:54:12
そりゃずとづをを間違えるんだからまともな文は書けないよなあげ虫くん。
隔離スレへカエレ!!ノシ
665 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 22:57:59
>>665 そういや、そうだ。けど、見ていて気持ちのいい文じゃないよ、貴方の批評。それで、ちょっと頭にきたのかもしれない。あと、>642本人じゃないので念の為
これ以上、話してても平行線だと思うので、一つだけ。
お互い、気に入らないモノはスルーということでよろしく
667 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 23:08:05
>>666 だったらお前が俺をスルーすりゃいいだろうが?
誰がお前にレスを付けろと頼んだ?
俺は気に入らない小説や面白くない小説はスルーしないで罵倒する。
それは俺の勝手だ馬鹿。
もう一度言うが、お前が俺をスルーすれば何も問題はないんだよキチガイ。
668 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 23:10:19
……最低だね
>>667 あーあ最後の言葉つかっちやったね。
知性のかけらもないね。
670 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 23:18:37
>>669 知性が無いのはお前だろ?
関係ないのに勝手に首突っ込んで一人で興奮して馬鹿じゃねーの?
まーどうせ
>>642本人だろうとは思うけどよw
>>659 お前の文章は気取ってるんだかなんだか知らないが指示代名詞が多すぎる
672 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 23:24:16
批判や酷評は聞きたくないなら投降するときにそう書いておけばいいんじゃないの?
「私はほめ言葉しか聞きたくありませんから賞賛以外のレスはしないでください」とか。
673 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 23:25:13
さあ盛り上がって参りました\(^O^)/
思想が入ってようが文章がヘタレだろうが、面白ければ叩かれないわけで
叩かれてファビョるくらいなら書くなよと
それ以前の問題だと思うよ。ココはオカシイのが多すぎる。
特に一部の書き手な
677 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 23:30:22
そんなことよりNHKBS2見なさい。こんなことやってる場合ではありません。
押井ちゃんがウルトラセブン語りますよ。
全角何文字まで書けるかテスト。
一二三四五六七八九十一二三四五六七八九十一二三四五六七八九十一二三四五六七八九十一二三四五六七八九十一二三四五六七八九十
ミスったorz
一二三四五六七八九十一二三四五六七八九十一二三四五六七八九十一二三四五六七八九十一二三四五六七八九十一二三四五六七八九十一二三四五六七八九十一二三四五六七八九十一二三四五六七八九十一二三四五六七八九十
>>683 >>681のやつ、一行に100文字ありそうな気がする件。
16行書くならそれで正解やね、たぶん。
改行も読点も読みやすくするために作られた工夫だ。
今北
>>580 高校生の考えた世界みたい
ついでに言うとおもしろくない
とりあえず読めたんで個人的にはage虫よりはマシだけど、おもしろくない
背丈くらいの剣ってFF?
>>599 おもしろかったし、読みやすい文章で好き
サイトもってるなら通うのになあ
>>642 レスがつかないってのが評価なんじゃ
>>659 変な奴だと思ってたら、最悪板に専スレあるのね!
すごい笑った
688 :
age虫:2006/05/23(火) 08:00:29
>>660 そういうのも含めての創作世界だからそれは自然で。SF作品ならむしろ、
叩かれて「それは違う」と言えるか言えないか?で質が決まる所はあろうと。
問題はここで叩かれる作品は売れるのか売れないのか?それだと思う。
今だと「叩かれても誉められてても売れない」と言う最悪の事態ではあるが。
>>687 すごい笑った。
_| ̄|○
>>659
>>659 二次創作というのが最近は流行っているのか。
好きなアニメやコミックの登場人物や世界観を借用しての小説は
その作品のファン同士で楽しむものだろう。
小説としてのオリジナリティは皆無。個人的にいうと書くのも
読むのも無駄としか思えない。
690 :
age虫:2006/05/23(火) 13:04:21
>>689 流行っている訳では無いが、ともかく「書くのが楽」と言うその一点は捨て難い。
特に利益が発生しない掲示板ではゲーム感覚で書けるというその楽しさは純創作、
それには無いメリットではあろうと。クトゥルフとか二次創作なのに純創作的な、
まあそういう懐の広さがある題材だし、特に演出的な訓練の意味が強い習作として、
掲示板とかそれに準ずる領域では認めて良い物ではあるまいかと何となく思うが。
>>659 ・・・そういう問題では無い内容ではある。
本来の意味での801だから、正統派は無視すりゃいいだけのこと
692 :
age虫:2006/05/23(火) 13:07:00
>>691 その
>>690との書き込み時間差が「2秒」と言うのは、
何だかちょっと問題ではあるまいか。
693 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/23(火) 16:04:57
機甲猟兵メロウリンクが二次創作かどうかは分からんが、ボトムズはほとんど見てないが
メロウリンクの前半は面白かった。
694 :
創造主ハゲムシ:2006/05/23(火) 16:09:05
やむを得ん。
ここを破棄し、これより馬鹿虫隔離スレとする。
馬鹿虫さん、ぉもうそんぷんかぃてくだはい
695 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/23(火) 16:14:50
二次創作では本物は育たん。
これは人間的な問題だ。本物を他の場所でちゃんと育てているならば良いが。
696 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/23(火) 16:29:07
馬鹿虫馬鹿虫馬鹿虫糞糞糞糞糞糞糞虫
しね( ー_ー)ノ
697 :
age虫:2006/05/23(火) 20:29:59
698 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/23(火) 20:44:25
>>697 そりゃ不評だわ。
お前の作品はオナニ-作品なんだからよ!!読む価値に値しない。
699 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/23(火) 20:48:55
>>697 お前自覚症状無いなww
変人同士仲良くしてろ。
変な文って言うけどさ、お前の文も十分酷いから。
隔離スレでお前が常識と言う言葉を使っていて焦った。
常識って言葉知ってたんだなwwww
700 :
あげ虫:2006/05/23(火) 22:55:27
華麗に700ゲット(σ・∀・)σ
私の文才が世間に認められますように
701 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/24(水) 00:49:15
二次創作を平然とやってる奴はどうしようもない馬鹿だと思う。
それはもはや創作とは呼べない。
モノマネ小説。あるいはパクリ小説。さらに全然才能が無いので
人まねして小説家の雰囲気を味わう小説だな。
>>701 二次創作にも魂は宿るよ。
魂の宿らぬ一次創作も有るように。
たいした自作小説載せずにこんな事↑ばかりで700もきちゃいましたか…
704 :
日本文学の革命:2006/05/24(水) 04:27:58
こんにちは
「日本文学の革命」という文学運動をやっている関場というものです
「日本文学の革命」とは、衰退状態にある現在の日本文学の状況を打破し、日本文学を復活して、
新たに前へと前進させてゆくことを目指す文学運動です
日本文学には、いまだ未開発の大きな可能性が眠っています
これを発掘して実現することができたら、文化や文学はもちろん、
日本社会にも多大の利益をもたらすことができるような可能性です
しかしこのままではこの未開発の可能性を実現できないまま
日本文学は衰亡しかねないのです
それを防ごうと日本文学の復活のために立ち上ったのが
この「日本文学の革命」運動なのです
「革命」の成否は、この運動の知名度を上げられるかどうかにかかっています
「日本文学の革命」のホームページを見て「これは広める価値があるな」と思われたなら
あるいは日本文学の現状を見て「これじゃダメだ。何らかの変革が必要だな」と思われたなら
どうか皆さんの知人や友人やネット仲間に「日本文学の革命」のことを口コミ的に教えて、「革命」の手助けをしてください
お願いします
http://www5a.biglobe.ne.jp/~rjltof/
705 :
age虫:2006/05/24(水) 06:34:25
>>705 age虫ちゃんってホントに電波さんだったんだねw
二次創作モノとしてクトゥルー神話があげてあったが、たしかにあれは二次創作の塊みたいな分野だ。
ただ、先行作品に完全に「おんぶにだっこの作品」と、そうではない作品がある。
元祖と目されてるHPL自身が「カルコサ」だとか「ハスター」だとかを二次利用しているが、あれを「おんぶにだっこ」と思うものはいないだろう。
Sキングにはクトゥルー用語が全く出ない「霧」という作品があるが、あれを読んだ人間は大抵クトゥルー神話を連想するらしい。
あとキングには「クラウチエンド」というクトゥルー用語てんこ盛りの作品もあるが、あれの感覚はクトゥルーでもドリームランドでもなく全く独自のものだと思う。
キングにああいう作品を書かせたのは現役トップ作家としてのプライドと才能かと。
>>705 売れないのはおもしろくないからでしょ
おもしろかったらどんな妨害を受けたって売れるさ
とめたって読みたがるし、手に入れたがる
読者ってそんなものじゃないの?
人のせいにしたらプライド守れるね?でも成長もないよ
>>705 HP見てビョーキなアニオタだなと思った。
もう何言っても叩かれるの判ったろうけどまだ来るつもりなのかね?
711 :
age虫:2006/05/24(水) 12:42:20
>>707 だからまあ、そういう物は認めて良いのではあるまいか?少なくとも、
利益の発生しない掲示板でお遊びで載せる位は、それは正論だろうと。
age虫が書いたのでは
>>158-160、
>>195-208がそういうクトゥルフ関連。
・・スレの住人的にはなんだか読むと排斥したくなる作品らしいが。
712 :
age虫:2006/05/24(水) 12:45:29
713 :
あげ虫(σ・∀・)σ:2006/05/24(水) 14:02:14
馬鹿な弟が迷惑かけてごめんよ。
こいつは自分の作品を面白いと思ってて、批判=荒らしって思ってる馬鹿なの。
あーあ死ねばいいのに。
死ねば?死ねば?死ねば?死ねば?死ねば?死ねば?
age虫 NG推奨
出来れば2CHから消えて欲しい
714 :
age虫:2006/05/24(水) 14:17:28
>>713 ・・・いやあの、良く事情は解りませんが、
ともかく落ちついて頂きたいかと思い。
ご家族とかにも迷惑掛かりますから、
出来れば普通の人の行動を心がけるべきではと。
売れない理由はage虫のせいではありませんよ。
SAGEてないのはほとんどが自演だから無視推奨
716 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/24(水) 16:45:32
え、自分のせいじゃないとか…
じゃあ何が理由なんだ糞虫!?
717 :
あげ虫(σ・∀・)σ:2006/05/24(水) 16:46:50
信じられないほど馬鹿な弟だ
>>714 >売れない理由はage虫のせいではありません
そ れ は 絶 対 に 無 い 。
つまらない作品を書く人間以外が悪い。
>>718 ×つまらない作品を書く人間以外が悪い。
○つまらない作品を書く人間が悪い。
◎age虫が全て悪い。
だろww
720 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/24(水) 17:55:43
書く暇あればなぁ。
幻の勝利に酔うために尊厳を捨てることを厭わない蛮人が2ちゃんには棲息しています。
妄執に取り憑かれた人と戦うのは至難の業です。
それは2ちゃんの歴史が証明しています。
2ちゃんで優位なのは知識でも論理でも誠意でもありません。
最強の武器は時間と執着心、そして自己矛盾。
真面目に対話しようとする人ほど根負けします。
恥を知る人ほど自己嫌悪に苛まれます。
善意を信じる人ほど人間不信に陥ります。
こうして罪なき無数の名無しさんが暗い情念の波に呑み込まれ、深海に沈んでいきました。
汝、戦うことを畏れることなかれ。されど蛮人と戦う不毛を知るべし。
歴戦の2ちゃん賢人が残したことばです。
>>720 は?だったら書けよ。ここ見てる暇があるんだったら書けよ。
ま、どうせ大した事ないんだろうけどwwwwwwww
723 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/24(水) 19:31:49
>>720 暇があったって書けやしねーよ。
書く奴は暇が無くても書く。反対に「書く暇が無い」と言う奴は暇があっても書けない。
趣味はなんでもそうだけどねw
724 :
はげ虫:2006/05/25(木) 03:03:41
age虫という名はageても無視してねってことだろ。
725 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/25(木) 06:04:39
すまん。ゲーム作ってて暇があるとそっちに使っちゃうんで。
726 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/25(木) 06:22:22
RPGツクールでな
727 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/25(木) 06:35:04
SF・ファンタジーなんてアメリカじゃ機械が作ってるぞ
最初はハーレクインロマンスだったかな
あれは完璧に機械作業で女の人が好きの単語を並べていった。
そしていまは私小説すら作り出されようとしている。
最早人間はいらない生物なのか!
読んで表情を変えるロボットがすでに早稲田大学の研究室では作られているようだ。
ここであることをフッと思い出した。そう映画「サイレント・ランニング」だ。
マイクアンドメカニックスではない。70年代の終わり80年代に架けてSFマニアを絶叫させた
あの映画。もう武者震いする。主演はブルースダーン。バイプレイヤーでありながら主演の地位を
狙っていた。そこに朗報。だけど俺は、刑事役とかしかいままでやったことないぞ?どうしよう?
だが、そこは百戦錬磨あたって砕けろだ。思い切って引き受けた。
それがまた、そのころのパソコン(AppleII)ブームに乗っかって一躍ヒーローに。
暇な時にでも「サイレントランニング」みたらいいとおもうよ。
変な粘着に居着かれたな。
2chの1スレに粘着すること自体病気持ちなんだろうから、
一度病院逝ってくれるかな?
729 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/25(木) 13:48:19
RPGツクールは最初の物を購入したがダメダメなので見限った。PC−8801MkUシリーズの時代だったな。
80286が出るか出ないかの頃だった。あれじゃ“ゲームを作る”という事はできない。
730 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/25(木) 13:59:13
懐かしいスペックだなw
それって、昭和の香りって奴?
731 :
age虫:2006/05/25(木) 14:00:08
732 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/25(木) 14:15:28
>>726 がチャチャ入れるのでそれは使えないよと言っただけ。シュミレーションを作ってる。
VC++、MFC+DirectDrawを使用している。
小説はその後。
ある病室に2人の末期ガンの患者が入院していた。
一人は窓側のベッド、もう一人はドア側のベッド。
2人とも寝たきりの状態だったが、窓際のベッドの男は
ドア側のベッドの男に窓の外の様子を話してあげていた。
「今日は雲一つない青空だ。」「桜の花がさいたよ。」「ツバメが巣を作ったんだ。」
そんな会話のおかげで死を間近に控えながらも2人は穏やかに過ごしていた。
ある晩、窓際のベッドの男の様態が急変した。自分でナースコールも出来ないようだ。
ドア側の男はナースコールに手を伸ばした。が、ボタンを押す手をとめた。
「もしあいつが死んだら、自分が窓からの景色を直接見れる・・・」
どうせお互い先のない命、少しでも安らかな時をすごしたいと思ったドア側のベッドの男は、
自分は眠っていたということにして、窓側のベッドの男を見殺しにした。
窓側のベッドの男はそのまま死亡した。
晴れて窓側のベッドに移動したドア側のベッドの男が窓の外に見たのは、
打ちっ放しのコンクリートの壁だった。
この小説誰の作だったっけ?
読んだのはミニミステリ傑作選でだったかな?
>>733 どっかのスレで読んだよね。
どうせ載せるならもちっと書き足してから載せればいいのに。
オチはいいと思うからさ・・・ってジャンルちがうよな気がするが。
737 :
age虫:2006/05/26(金) 16:24:02
>>732 VC++を使うから良い作品が作れる訳ではないと言う、
その辺は良く考えるべきだろう。更にDirectDrawを使用、
と言う言い方を十年くらい前からプログラマーはしない。
せめてDirect3DとDirectPlay使用してMMORPG開発中なんだよね、
とかそういう事なら「これがオールドタイプという事か」だが。
やはりゲームセンター用で、多人数参加型、三千隻以上もの宇宙戦艦による、
一大艦隊戦を制作するくらいでなければこれからの時代は生き残れまい(・・・)。
738 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/26(金) 17:20:03
大きなお世話。どんなにCG凝ってもつまらんゲームはつまらん。
739 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/26(金) 17:25:51
>更にDirectDrawを使用、と言う言い方を十年くらい前からプログラマーはしない。
プロの俺がしている。他に言い方があれば聞かせてもらいたいもんだ。
Windows上で2D表示には他にGDI、WinG、GDI+があるがゲームではDirectDrawを使うより他に方法がない。
銀英伝しかしたことないんだろう。
741 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/26(金) 18:47:58
>>733 うーむ、わりと面白かったぞ。グッジョブ!
この調子で頼むわ。
742 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/26(金) 18:48:40
743 :
age虫:2006/05/27(土) 18:06:52
>>739 ならば「DirectX3以降で動作可能」と言うのが普通だろう。
Drawだけしか使用してない、と言う様な事なんか無いよ今は。
これは現在ゲームを作ろうとしたら”既に語る以前”の機能だ。
>>743 今回はキミの負けのようだ。
不本意でしょうがあきらめが肝心。
(野次馬より)
745 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/28(日) 01:01:54
>>733 末期ガンだからベッドで寝たきりなわけではない。
ドアから入り口まで50mあるなら別だが、たとえ寝たきりだとしても
窓外の様子がわからないはずもない。
オチのつけかたはいいのだから別設定にすればよかった。
そんなこと言い出したらきりがないよ。
こういうのは素直に読んで楽しむもんだよ。
747 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/28(日) 01:16:47
>>746 いや、この短い小説の中に状況設定の甘さがこうも散見されるのは
素直に楽しむ以前の問題だ。
748 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/28(日) 01:18:44
だから >状況設定の甘さ どうこう言い出す程度ではない
こういうのは素直に読んで楽しむもんだよ。っていってんのよ
わかんないかなー
750 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/28(日) 01:38:05
>>749 そういう小説を舐めたような人がいるのは困りものだ。
状況設定が生きてこそオチも生きる。
この程度で楽しめるということは想像力の欠如か。
ラノベが流行るはずだ。
751 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/28(日) 01:38:57
>>745 末期ガンで寝たきりの患者なんかいくらでもいるよ。アタマが変な人ですか?
752 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/28(日) 01:40:39
>>751 末期ガン患者を知らないものの発言だろうな。
753 :
age虫:2006/05/28(日) 07:33:30
末期ガンっていうとホスピスで(または通院しながら)余生を――って感じが今は多いね。
寝たきりというのは一般的ではなくなってきているよ。
755 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/28(日) 09:16:31
>>754 「一般的でない」というのと「存在しない」というのは違う。
>>733の設定にケチを付けたければ「寝たきりの末期ガン患者なんか存在しない」という事実を証明しなくてはならない。
756 :
age虫:2006/05/28(日) 09:38:59
>>755 だから、そんな論を交わしても無意味だから、
「具体例を示していただきたい」と言うそれはスルーですか。
757 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/28(日) 09:59:14
>>756 俺はお前とは会話していない。キチガイなのは知ってるが俺にまで噛みつくなクズ。
758 :
age虫:2006/05/28(日) 13:03:12
>>755 「一般的でない」けど存在しないとは言えないからこの事例は正しい、
と言うのは理屈としては変だ。全身が末期癌に侵されたまま、
日常生活を送りつつ86才で老衰で死んだと言う事例もある、
その理屈ではここでその例を出しても「それは変じゃない」訳で。
そもそも問題にしなければならない部分が異なると思われる。
759 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/28(日) 16:00:51
>>758 別に小説のシチュエーションとして「全身が末期癌に侵されたまま、 日常生活を送りつつ86才で
老衰で死んだ」という設定を選択したとしても何も「変じゃない」が?
変なのはお前のアタマだ。だから下らない意味不明のクズ小説しか書けないんだろ。
比較論としてお前のクズより
>>733の方がずっといい。
ひょっとして
>>733に嫉妬して言いがかりを付けてるのか?w
760 :
age虫:2006/05/28(日) 16:14:43
>>759 その設定を選択したら、この小説
>>733の意味が全く伝わらないと思うが。
ともかく「両者ともベッドの上から動けず死を待つのみ」と言う状態、
それがこの場合重要であって。末期癌であるかどうかは問題じゃない。
その”本質とはまるっきり異なる部分を問題にする”のは小説を汚す。
そこがなんだか腹立たしい。
「あのねーちゃん良いよな、シャネルのバッグ持ってる」
「良い女っつったらエルメスじゃね?イマイチだな」
「おいおい、シャネルのバッグ持ってない女が良い女じゃねーとはいえねーよ」
なんかツッコミ入れたくなるだろう、そういう会話だったぞ。
761 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/28(日) 16:17:20
>>760 はぁ?
全然会話が成立してないんだが?
人とまるっきり会話が出来ないほど脳が壊れてるのか?
…こんな下らん煽りあいしてると、今書いてる新作投じないぞ
763 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/28(日) 16:22:03
>>7 クズ小説投降するクズ作家はage虫だけで多すぎるぐらいなんだよ。
お前のクズなんか金輪際投稿するな。あっち逝け!しっ!しっ!
764 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/28(日) 16:34:16
朝、姉ちゃんが俺の部屋に起こしに来てたんだけど
俺は連日の2ch閲覧による夜更かしで眠すぎて起きれなかったんだ
全然起きる気の無い俺を見て、姉ちゃんが部屋に入ってきて、俺に馬乗りになる
鬱陶しいなーとか思ってると、姉ちゃんが寝てる俺の耳元で
「朝だぞおおおお早く起きなさああああい」
寝起きの悪い俺は姉ちゃんにムカついてガバっと起きた
「キャッ!!」
起きた瞬間俺の唇に何か柔らかい感触、びっくりして目を開けたら
俺が急に起きたせいでベッドの上に転んでる姉ちゃん
「え・・・と、今口に何か当たったんだけど・・・」
「ん・・・んー?wなぁに?w」
二人でちょっと無言になっちゃったけど気づくと姉ちゃんの手が俺の股間に乗ってるのがわかった
「ちょっと姉ちゃん、とりあえず降りて、ベッドから降りて!」
俺は焦って、慌てて姉ちゃんをどかそうとする。
「なによwせっかく起こしてあげたのにー・・・あ、そっかwコイツのせいかw」
俺の股間の硬さに気づかれた、俺は思わず逃げようとしたが寝起きで力が入らない。
「ちょっとおとなしくしててw」
そう言うと姉ちゃんが両手で俺の股間に手を置き、触りだした。
初めて他人に触られる俺の股間・・・みるみるうちに大きく膨れ上がるのが自分でわかった
「あ・・・wおっきくなってきた・・・もうwしょうがないなぁw」
そう言うと姉は俺のトランクスの中に手を入れてきて
長くなりそうなんで続きはこっちで↓
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/point/1146442166/
もうバカばっかり。笑うしかない…
766 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/28(日) 17:11:15
GoGoガンモで股間に剣山を仕込む話を思い出して背筋が寒くなった。
スピリッツでツルモク独身寮とかやってたなw
寮生時代だったが。あんな明るい生活じゃなかった。
768 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/28(日) 20:25:46
なんだよ、誰でもいいからなんか投稿しろよ。
おいage虫、お前はクズしか書かない馬鹿でも量産だけが取り柄なんだろ?
>>768 いい加減age虫へのファンレター止めろ。
いっそ、これからココすべて名無しで書き込みを始めてどれがage虫の書き込みか
当てっこでもすれば…
770 :
age虫:2006/05/29(月) 06:25:11
「末期ガンがどうの」「状況設定がどうの」って言う前に、あれはほぼ100%の盗作だろうに(笑)。
どうでもいい枝葉だけ変えてるけど、本スジもオチもまるで同じ。
それともSFファンはミステリなんか一冊も読まんのか?
age虫ってどうして論点がずれるんだろ。
わざと?それとも本気なんだろうか。
>>771 既出。
773 :
デジタルからの支配者:2006/05/29(月) 10:32:09
その日はいつもと変わらない日だった。
学校に行き、授業を受け、昼になれば食堂に行き、不味いラーメンを食べる。
外で会うほど親しく無い友達と喋り、また授業を受け、帰宅する。
774 :
デジタルからの支配者:2006/05/29(月) 10:38:01
部活動には興味が無く、元から一人でいる事が好きなせいか、学校が終れば直ぐに帰宅している。家に帰ったところで海外出張の多い父親がいる事は滅多にない。母親は小さい頃に
775 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 10:44:21
病死している。家に帰り着くと、いつもの様にポストの中身を確認するが、父親からの手紙は届いていない。ポストの裏蓋を閉じ様とした時、奥に何か赤い物が見える。右手を伸ばし
776 :
デジタルからの支配者:2006/05/29(月) 10:49:31
指でその赤い物を摘みとって見ると、どうやらSDカードの様だ。自分の携帯電話で使っているのですぐにわかった。だが、シールも何も貼られて無い為に容量やメーカーはわからない。
777 :
デジタルからの支配者:2006/05/29(月) 10:58:44
何かデータが入っているのかロックがかかっている。そのSDカードの濃い赤色の外装はどこと無く、血を連想させる。そのせいか、念の為に表面や裏を指で擦ってみるが、血や汚れが
778 :
デジタルからの支配者:2006/05/29(月) 11:08:26
指にはついてはいない。奇妙に思いながらもSDカードをズボンのポケットにしまうと家の中に入った。誰もいないので直ぐに二階の自分の部屋に上がり、黒のジーパンとTシャツに
779 :
デジタルからの支配者:2006/05/29(月) 11:15:23
着替えた。コンビニに弁当を買いに行くためだ。脱ぎ捨てていたズボンをハンガーに二つ折りにかけた時、ポケットから何かが転がり落ちた。さっきポストに入れられていた
780 :
デジタルからの支配者:2006/05/29(月) 11:23:57
SDカードだった。拾い上げて見ると、何も書かれて無い筈の表面に文字が浮かんでいた。”月野高弘”。自分の名前が赤い表面に白文字で書かれていた。確にさっきまで何も書かれて
781 :
デジタルからの支配者:2006/05/29(月) 11:30:46
いなかった。「おかしいな…。何も書かれてなかったのに…しかも自分の名前がどうして…?」そう呟いてみても何も分からなかった。奇妙どころかそのSDカードが気持ち悪く
782 :
デジタルからの支配者:2006/05/29(月) 11:40:01
思えてきた。ガラスの板が乗っている小さなテーブルにSDカードを置くと財布を掴み部屋を出た。今夜の晩飯を買う為だ。家を出て自転車でコンビニに向かうと五分程で着いた。
783 :
デジタルからの支配者:2006/05/29(月) 11:47:54
店内には店員が二人、客が一人居るだけだった。直ぐに弁当を選び、奥のケースから飲み物を選んでいると、もう一人の客がすぐ横に並んできた。視線を感じたので、顔を向けると相手の
784 :
デジタルからの支配者:2006/05/29(月) 11:57:21
肩しか見えない。目線を上げると、黒い髪をツインテールに縛っりどこと無く猫を思わせる顔が優しく笑顔を浮かべながら自分を見下ろしていた。二重の大きな黒い目と目があい、
785 :
デジタルからの支配者:2006/05/29(月) 12:04:18
吸い込まれた様に呆然と見つめてしまっていた。その女性が首を子供の様に傾げたのをキッカケに我に帰り、顔が真っ赤になってしまっていた。するとその女性はうつ向いた自分を後に
786 :
デジタルからの支配者:2006/05/29(月) 12:12:03
飲み物を取らずに季節外れの赤いコートを翻し店を出て行った。180近い身長と綺麗な小顔は自分の記憶にはっきり刻みこまれていた。お茶と弁当を買って店を出たが、そこにはさっきの
787 :
デジタルからの支配者:2006/05/29(月) 12:18:08
女性客は既にいなかった。少し期待していた自分に苦笑いを浮かべながらも家へと自転車をこいだ。部屋に戻るとやっぱりSDカードはテーブルの上にあり、自分の名前があった。
788 :
デジタルからの支配者:2006/05/29(月) 12:25:57
弁当とお茶は勉強机の上に置き、ベットを座りSDカードを手に取り名前を指で擦ってみるが消えたりはしない様だ。どうするか思案していると、携帯電話が突然鳴り出した。
789 :
デジタルからの支配者:2006/05/29(月) 12:32:17
見るとメールの着信だった。件名には“印子チャンより(^^)”とある。インコ?そんな名前の知り合いは居ない。名前としてもおかし過ぎる。とりあえず読んで見る事にした。
また電波かよ……
バカ虫にバカ虫もどきに叩き厨にパクり野郎に……これで何人目だ?
この3行表記何とかならんか。携帯からの書き込みか?
よくもこんな文字の羅列が思いつくのか不思議。
読みやすくするという考えはないのか?
セリフをたまに入れるとか主人公や他の登場人物の名前を載せるとか。
デジタルからの嫌がらせでしかないよこれじゃあ。
言っても無駄だろうケド。あーーーあ!
三行さんはすごい破壊力です。登場したスレを確実に征圧している。
794 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 19:10:23
>>791-792 3行ってなに?最初以外は全部1行だぞ。
どんだけ小さいモニター使ってるんだよ?
そういう問題じゃあないの!
3行ってのは例えってこと!
早い話がせめて10行くらいまとめて、改行もして読みやすくしてくれって言ってるんだよ。
ホント何とかしてよ!3行表記(1行でも良いけどさ)
これだけ言っても3行さんは直さないんだろうなー
あーーーあ
797 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 21:10:58
書いた後でも直せるんですか?
ちゃんと書くと、話が長くなると思い所々省略しました
直せません。
でも話を聞く気があればまず、これから書き込む時は、10行以上まとめて書き込み、改行もしましょう。
まずは、それから始まります。
[君は素質を認められましたー!
おめでとー(^_^)∠※
SDカードはまだ見て無いよねっ!
月野君専用だから一人で見る事っ!
他の人に見せて自殺しても知らないよ?
質問があれば返信してね(⌒‐⌒)
印子チャンより
…メールを読んで最初に感じたのは、強い恐怖感だった。
★内容はともかく、書き方はこれでいいですか?
そうそうやれば出来る子なんだよお前は!
(母より)
何故、自分のメアドを知っているのか?
何の素質があって、SDカードをポストに入れたのか?
他の人が見たら自殺するって一体…
疑問だらけで混乱しそうになる。
「ん…?画像がついてるな」
少し迷ったものの、結局はそのデータを見る事にした。
「あっ!この人はっ…」
画像を見て驚いた。
ついさっきコンビニであった女の人だ。
髪はツインテールじゃないものの、
赤いコートと猫を思わせるその顔は、月野高弘の脳裏にはっきりと焼きついている。
それじゃあ、SDカードもメールもこの人が犯人!?
それがわかったところで、何の解決にもなっていない…。
「まさか、近くにいるんじゃっ!」
すぐに窓から外を見渡し、一階におり玄関を開け辺りを注意深く窺った。
家の周りには誰もいない。
少なくとも見える範囲にはだが。
仕方がないので、部屋に戻るとさっき頭にうかんだ疑問を
まとめ返信してみる
事にした。
SDカードには何の変化もなく、ただ時間
だけが過ぎて行く。
804 :
age虫:2006/05/30(火) 16:35:21
>>771 盗作であるかどうかはこの話では問題では無かろうと。
そこらで散々既出のネタではあるし、面白いショートショートだ、
「ショートショートとしてこういうの」と言うその具体例として、
これは必要十分ではあるが。評価の仕方がとんちんかんでは無かろうか。
>>754-755、その周辺。末期癌であるかどうかが内容として問題なのか?
違うだろう。先に死んだ奴の優しさ?と、それを見殺しにした事と、
その現実を前に彼は何を思ったろうか?と言う、その俳句的な広がりが良い訳で。
こういう評論しか出来ないのではスレのご意見住人のレベルが知れると言う物だ。
つまらん。
fat man
昔々一人の太った男がいた。
その名前は「fatman」ただ単にデブだからである。
部屋は食べ物で散乱、足の踏み場もない。
髪はボサボサ、体型はもちろん垂れ豚。
そのせいで友達はなし。居るのは萌え系の人形
807 :
たぶん中学生の方へ:2006/05/30(火) 19:47:27
同一人物じゃなければ…orz一つの作品を完成させてから次の作品を載せては?登場する機会が同一スレッドなら尚更です。まぁニートの俺は人の事、言えないですけどっ!!何せニートに過ぎないからっ!!!
808 :
age虫:2006/05/31(水) 13:01:11
>>807 完成させようと思うなら長編よりショート作品の方が良いと。
短編がきちんと書ければ長編書くのは容易いと個人的に思う。
構成として説明>行動>事件>解決を踏まえれば大概おk。
状況を(読者に)説明し、(キャラを)行動させ、(それが元で)事件が起こり、それを解決する。
”事件”は割と些細な事でも良いようだ、「あ、傘忘れた」位でも。ともかくガンガレ。
809 :
取巣 :2006/05/31(水) 20:01:40
「雨と霧の中」第一章
現金輸送車を郷田と田村が襲撃したのはその日の午後のことだった。
計画は成功したとはいい難い。思わぬ抵抗にあい輸送車に乗っていた二人を射殺して
しまった。そのうえ信じられない誤算だったが、付近を巡回していたパトカーが
たまたま現場を通りかかったのだ。
銃撃戦となり警官も二人射殺した。しかし警官の一人が撃った銃弾は田村の腹部を貫いていた。
田村は気丈に振舞ってはいるが怪我は相当にひどいはずだ。
二人は用意しておいた別の車に現金の入った二個のジュラルミンケースを積み替えた。
その直後、にわかに空が曇り大雨が降り出した。天気予報では午後から雨ということだったが
この雨は二人にとっては天の助けとも思えるものだった。
この雨が襲撃現場を洗い流し、自分たちの逃走を助けてくれる。
車は郷田が運転し、助手席には田村が乗っていた。田村の容態はそれとわかるほどみるみる
悪化しているようだ。
「郷田さん。俺だけここで降ろしてくれないか」
「どうしてだ」
「俺だけ自首するよ。そうでないとこのまま死んじまいそうだ。俺、あんたのこと絶対に
喋らないよ。だから、頼むから俺を降ろしてくれよ」
「心配するな田村。俺が昔、世話になった組の組長に頼んでやる。腕の立つ子飼いの医者が
いるそうだ」
「本当かい。しかしそこまで遠いだろうな」
「傷はたいしたことはない。明日になればきっと医者にみせてやるよ。警察病院で治療して
貰っても死刑になる可能性は高い。四人も殺してしまったからな。明日まで辛抱すればちゃんと
治療して貰って、その後は遊んで暮らせるんだ。どっちがいいか考えるまでもないだろう」
「金が随分かかるだろうな」
「この期に及んで金の心配か」郷田は朗らかに笑った。しかしその目は決して笑ってはいなかった。
山道を通り、地元の住人しか知らないような脇道に入る、そして峠を越えると隣町だった。
「おかしいな」しばらく走った頃、郷田がつぶやいた。
「どうしたんだい」
「いや、そろそろ峠に差し掛かってよいはずなんだが・・」
810 :
取巣樋:2006/05/31(水) 20:02:35
「雨と霧の中」第二章
雨は止んだが日は沈み、あたりはひどい霧に包まれている。
「道に迷ったんじゃないのかい。俺、もう苦しくて堪らないよ」
何度も確認した道だった。間違えることは考えにくい。しかし雨の後のこの霧の中だ。
迷うことが絶対にないとは郷田にも言い切れなかった。
さらにしばらく走ると郷田は車を停車させた。
「どうしたんだい」田村は不安げに尋ねた。
「畜生!行き止まりだ。ちょっと待ってろ。外の様子を見てくる」
田村が待っているとしばらくして郷田が戻って来た。
「降りろ。その先に山小屋があった。お前も少し休んだ方がいい」
「金はどうするんだい」
「金は後から俺が運ぶ。心配するな。まあ、今ごろこんな場所に来る奴はいないだろうがな」
山小屋とはいえ懐中電灯に照らし出されるその建物は一目見て頑丈なつくりであることが
わかった。しかしドアは南京錠で固定してあるだけだ。郷田は持ってきたハンマーで南京錠
の留め金を叩き壊した。ドアをあけて二人は中へ入った。
中は二十畳ほどの部屋がひとつあるきりで床も壁も板張りだった。どこからか隙間風は吹いて
来るのだが窓は一つもないつくりだった。
「本当に何もないんだな。とにかくお前はここで寝ていろ。俺は金を取って来る」
「俺を置いていかないでくれよ」田村は懇願した。
「俺がお前を置いていくわけないだろう。安心して寝てろ」
「本当かい」
「本当に決まってるだろう」
郷田は再び車に戻り二個のジュラルミンケースを抱えて戻って来た。
「さっきはすまなかたな。郷田さん。俺、ちょっと弱気になってるみたいだよ」
「そんな怪我をすりゃあ誰だって弱気にもなるさ」
811 :
取巣樋:2006/05/31(水) 20:03:16
「雨と霧の中」第三章
郷田は懐中電灯で室内を物色し一本のロウソクをみつけて灯をともした。
「明るいっていいな」ロウソクの炎に照らし出されそうつぶやく田村の額には脂汗が浮いている。
「少し眠ったらどうだ」
「俺、眠ったらもう起きられないような気がするんだ」
「大丈夫だ。俺が起こしてやるよ」
「そうかい。でもこうなると俺が足手まといじゃないのかい」
「俺がお前を殺すとでもいうのか。まさか、冗談じゃない」
「そうか、それならよかった」田村は苦しげに身をよじると薄く目を閉じた。
朦朧とどれだけの時間を田村は過ごしただろうか。田村は喉に大きな圧迫感を感じて覚醒した。
「すまんな。田村」郷田は田村に馬乗りになっている。鬼気迫る郷田の形相が田村の見た最後の
光景だった。郷田はしばらくして田村の死を確認した。
郷田と田村が出会ったのは刑務所の中だった。郷田も田村も互いに人を殺して服役していた。
郷田は強盗、田村はチンピラ同士の喧嘩の末と服役の事情は違ってはいたが、直情的で若い
田村は年上で頭の切れる郷田を慕っていた。郷田も何かと田村の面倒を見てやった。
出所するとすぐに郷田は次の計画を練った。先に出所していた田村に郷田は連絡をした。
田村は古い商店街の場末のパチンコ店に住み込みで働いていた。
「俺、もうやめたいよ。店も客も嫌な奴ばかりだ」田村は郷田に会うと仕事のぐちをこぼし始めた。
「ム所の中で言ってたこと覚えてるか」郷田はしばらくして切り出した。
「何かでかいことやろうって話かい」一瞬、田村の目が輝いた。
「ああ。今回は二人で一億以上にはなる話だ。しかし聞いたら後には引けんぞ。いいのか」
「いいに決まってるさ」
郷田は田村との出来事を思い出していた。
812 :
取巣樋:2006/05/31(水) 20:03:50
「雨と霧の中」第四章
郷田は過去にすでに人を13人殺している。仲間を殺したことも一度や二度ではない。
しかし、郷田は最初から田村を殺す気はなかった。郷田にしては珍しいことだったが
しかしそれは若い田村が三割の分け前で納得したことが大きかった。
もし半分を田村が要求すれば郷田はためらうことなく田村を殺す準備をしていただろう。
郷田はそういう男だった。しかし、今回も最後はまた仲間を殺して仕事を終えることになった。
しかし郷田が悔やむことはない。
郷田は銃弾が自分に当たらなかったことと、田村が死んで奪った金がすべて自分のものに
なったことを幸運だと思った。どうせこいつは死ぬ運命だった。今回は俺が田村を楽にして
やっただけで殺人というほどのことでもない。郷田はそう思い、次にはジュラルミンケース
の中身に感心が移っていた。まあ、開けるのはまだ後でいい。郷田も疲れきっていた。
それから郷田はしばらくうとうととしていたが、やがて起き上がると驚きのあまり息を飲んだ。
田村の死体が忽然と姿を消していた。息を吹き返したのか。いや、そんなはずはなかった。
郷田は田村の死を確実に見届けたはずだった。しかし・・・誰かが田村の死体を運んだとしても
郷田に気付かれずに死体を持ち出すのは不可能なことだった。ジュラルミンケースは元の場所に
ある。こじ開けた形跡もない。
ガランとした物入れひとつない部屋に田村が隠れる場所があるはずもない。
郷田はあわててドアに走り寄った。しかし開けようとしてもドアはあかなかった。田村だ。
田村が奇跡的に息を吹き返して俺を閉じ込めたに違いない。
とにかくこの山小屋を出なければ。郷田はハンマーを持ってきてドアを叩き破ろうとした。
しかし、ドアは思いのほか頑丈だった。ハンマーで殴りつけたくらいではびくともしなかった。
壁も同じだった。よく見ると壁も床もチーク材のような堅い材木で出来ている。どれだけ
ハンマーで殴りつけてもわずかな窪みをつけるのが精一杯だった。
垂直の壁は4メートルはある。天井の梁に乗って屋根を破ることも考えたがこれも不可能な
ことがわかった。郷田は強烈な喉の渇きと空腹を感じ、空しい努力を一時中止することにした。
体力は温存しなければならない。奴は必ず戻って来るはずだ。郷田はそう思った。
813 :
取巣樋:2006/05/31(水) 20:11:31
「雨と霧の中」第五章
いつの間にか夜が明けたようだった。壁と屋根の隙間から薄い光が差し込んでいる。
郷田は拳銃を構えたままドアのそばに息を潜めていた。来るなら来い。一発で仕留めてやる。
しかしいくら待っても田村は現れなかった。やがて室内に漏れていたわずかな光もなくなった。
すでに夜になたのだろう。田村のあの傷だ。外に出たはいいがそのままそこらで死んでしまった
可能性もある。郷田はそうも考えた。
携帯電話を車中に置き忘れてしまっていたことが悔やまれたが、電話が通じたとしても誰にも連絡
するあてのない自分に気付き郷田は薄く笑った。
郷田は絶えがたい空腹と戦いながらいつの間にか寝入っていた。
しばらくして寝転がっている床面に奇妙な感触を感じて郷田は目を覚ました。
「うわあ!」郷田は悲鳴を上げて飛び起きた。床一面に手のひらに乗るほどの小人がびっしりと
埋め込まれうごめいている。それは壁も天井も同じだった。真っ暗であったはずの部屋全体は
淡い光に包まれている。まるで部屋全体が発光しているかのようだった。
小さなうめき声が聞こえて来た。その声に呼応するかのようにうめき声は部屋全体に広がって
いった。郷田はドアに走りよりドアに体当たりをした。しかしドアにもびっしりと小人が
埋め込まれている。潰れた小人の肉体からは小魚のような内臓がはみ出し、血がしたたっている。
郷田は耳をふさぎ、目を閉じてその場にうずくまった。そして恐怖から逃れようと叫び続けた。
やがてうめき声が止んだ。郷田が目をあけると天井から薄い光が漏れこんでいる。
すべては元に戻っていた。
俺は気が狂ってしまったのだろうか。郷田はその場に崩れるように倒れ込んだ。
その夜も同じだった。日が落ちてしばらくすると部屋の中が薄明るくなり、壁といい床といい
びっしりと小人が浮き出てくる。しかしその小人はある者は真正面を向きあるものは
横をむいているが決して手足を動かすことは出来ないようだった。そして唇の隙間からうめき声
だけを発するのだった。郷田はまたしゃがみ込んで両耳を覆った。しかし昨日のように叫ぶ
気力も体力も残ってはいなかった。
814 :
取巣樋 :2006/05/31(水) 20:12:20
「雨と霧の中」第六章
再び朝を迎えた。人は水があればしばらくは生き延びられる。しかし、ここには水が一滴もない。
郷田の体力はもう限界に来ていた。
郷田はあの小人は食えるのかもしれないと思った。あれほどのおぞましさを感じた潰れた小人から
はみ出した内臓を思い出しては郷田は食欲すら感じていた。郷田には夜が待ち遠しく感じられた。
しばらく眠っていると天井から差し込む光が消えてやがて夜になった。
郷田はじっと待っていた。郷田は今や食欲の虜だった。やがて部屋が淡い光に輝き始めた。
ゆっくりと部屋中に無数の人のかたちが浮かび始める。
郷田は壁に走りより一人の小人を無理やりに引き剥がした。小人は甲高い悲鳴を上げた。すでに
郷田の手は真っ赤な血に染まっていた。郷田はその小人にむしゃぶりついた。苦味のある生肉の味
がした。骨が潰れる音がした。そして郷田の口中で生臭い匂いが広がっていった。
その時、郷田の背後からくぐもった笑い声が聞こえて来た。郷田は振り向くと一瞬、信じられない
という顔をした。そして次の瞬間には郷田の顔は恐怖に凍りついた。
それは全身を黒いマントで覆っていた。頭巾の中の顔は気味の悪いドクロで、ぽっかり空いた眼窩は
漆黒の闇をたたえている。そして手には大鎌を持っていた。それは絵に描いたような死神の姿だった。
郷田が叫び声を上げた瞬間、死神は大鎌を振り下ろした。
815 :
取巣樋:2006/05/31(水) 20:12:52
「雨と霧の中」最終章
死神の足元には裸の小人が転がっていた。死神はその小人を拾い上げると郷田が引き剥がした小人の
はめ込まれていた空いた場所にはめ込んだ。
郷田は身動き一つ出来なかった。郷田の面前には何者かのしなびた顔がある。
「郷田さん・・」その顔は郷田に語りかけた。
「俺だよ。田村だ。ずうっとあんたを見てたよ」
「田、田村か・・俺たちはどうなってしまったんだ」
「ここは地獄だ・・ああ・・腹が痛てえ。焼けるようだよ。みんなあんたのせいだ・・畜生・・」
小人になっても田村が受けた弾傷は田村を苦しめている。郷田は自分の飢餓がまったく癒えて
いないことを感じていた。
「俺は腹が減った。死にそうだ・・・」
「ここではずうっとそうなんだよ・・いい気味だぜ・・」
周囲では苦悶の声があちらこちらから聞こえてくる。どこの誰ともわからない亡者のうめき声だった。
現金輸送車が襲撃された事件の翌朝、隣町に抜ける峠の崖下に転落事故を起こした自動車が発見された。
現金輸送車を襲撃した犯人二人組が、逃走の途中に誤って自動車を転落させたものとみられている。
しかし司法解剖の結果、不思議なことに犯人の一人郷田は死亡した時に飢餓状態であったことがわかった。
816 :
age虫:2006/05/31(水) 20:48:23
>>809 冒頭が長い、状況が不鮮明、キャラの印象が悪い、描写がくどい、
展開が急すぎる、理由が弱い。だがアイディアは良いとは思う。
age虫的なプロット。
強盗殺人犯2名がへまをして、やがて車を捨てて二人で山の中に逃げ込んで、
すると追う声と呼ぶ声がして、呼ぶ声の方へ進んで、だんだん周囲に人影が増える感じがして、
次第に自分達が殺した人々に取り囲まれていて。「どうする気だ!」とか叫んで、「どうもしない」
とかで、すると死にかけた片方が変質してかじり付いてきて、気付くと自分もかじり付いていて、
死神が出てきて、「ようこそ、地獄へ」とかで締める、とかになる・・・だろうか。
817 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/31(水) 21:28:13
818 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/31(水) 21:33:23
冒頭はちょっと、レザボアドッグスの影響ありかな。
悪くは無いけど、私の趣味じゃ無いなあ。
>>809 最初、高村薫かと思ったけど、おもしろかった
オチがもう少し捻ってあればもっとおもしろかったのに
でもこの文章だけで個人的に感嘆に値すると思う
読みやすいし、状況が目に浮かぶよ
また次も楽しみ
>>816 2番煎じであれこれ言っても負けさ
820 :
取巣樋 :2006/05/31(水) 23:35:40
>>816-819 みなさん、それぞれの感想ありがとうございます。
またまた書きたくなって来ました。
やっぱり書いた後は何らかの評価がないと寂しいですからね。
821 :
age虫:2006/06/01(木) 12:13:39
>>819 2番煎じではなく、一応書く人間なら「じゃあどうすれば?」、
その具体案は出す、そうでないと行けないと思うその一応は実践。
822 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/01(木) 12:23:56
結局、age虫の名前出すとどんな良い事書いてもダメだしされるんですよ。
批判めいたコメント聞いてほしいときは名無しにすべきかも。
823 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/01(木) 12:26:38
補足
それにage虫の名前出して他の人の作品批判するのなら自分でもそれなりに評価される作品のせなくちゃ。
誰も納得しない。
824 :
取巣樋 :2006/06/01(木) 20:13:29
激短小説1「隣人」
ノックの音がした。ノック・・まさか気のせいだ。N氏はそう思った。
またノックの音がした。
「誰だ」
N氏はおそるおそるドアに向かって言った。
「Mだよ。M。いやあ、今日はひどいめにあった。開けてくれよ」
ドアの向こうからN氏の同僚のMの声がした。
「Mだと・・嘘をつくな」
「嘘じゃないよ。俺の声を忘れたのか」
確かにMの明るく張りのある声だった。
「いや、お前はMじゃない。Mなわけがない」
「何言ってんだよ。頼むから開けてくれよ。外は寒いんだぞ。意地悪すんなよぉ」
「おまえはMじゃない!」N氏はたまりかねて大声を出した。
「情けないなあ。何年おれたち一緒に仕事して来たんだよ。とにかく開けてくれよぉ」
Mの声はあくまでもN氏に食い下がってくる。ノックの音は次第に激しさを増した。
宇宙船が不慮の事故で大破する直前、運良くN氏は救命艇に乗り込むことができた。
救命艇のドアの外は漆黒の宇宙空間だった。
825 :
取巣樋:2006/06/01(木) 20:16:08
激短小説2「最高の贅沢」
大金持ちで美食家のQ氏は大金を投じて伝説の魔人の壷を探し出した。
古文書を片手に魔人を呼び出す儀式をすると壷の中から魔人が飛び出した。
「願い事があるのだな」巨大な魔人はすぐにQ氏に言った。
「ああ、あるとも。世界一、贅沢でうまい食事がしたい」
「世界一贅沢でうまい食事がしたいのだな」
「ああ、私は金に糸目をつけずにあらゆるものを食べてきた。しかし、まだまだ
本当に贅沢でうまいものには出会ったことがない」
「なるほど、わかった」
魔人が大きく片手を振るとQ氏の全身が光に包まれた。
気が付くとQ氏は砂の上に放り出されていた。熱い。ギラギラとした太陽はQ氏の
真上にあった。
何事が起こったのだ。Q氏が見渡すと周囲は地平線まで砂漠が続いている。
「おーい!魔人!話が違うぞ!」Q氏は大声で魔人に叫び続けた。
叫び疲れたQ氏は砂漠をあてどなく歩き始めた。汗が流れた。やがてその汗も枯れた。
僅かな時間がとてつもなく長く感じられる。Q氏は乾き果ててどっと砂の上に倒れた。
「水・・水・・」うわ言のように呟いているQ氏の眼前に、いつのまにか白い皿が
置かれていた。その皿の上には一ふさの葡萄がのっていた。
Q氏はその葡萄を掴むと一気に食べ尽くした。
「うまい。こんなうまいものは初めてだ。わかったぞ。私は今、最高の贅沢を
体験したんだ。礼を言うぞ魔人。さあ、私を元の場所に返してくれ!」
Q氏は宙を見上げて魔人に頼んだ。しかし何度魔人を呼んでも魔人は迎えにこない。
Q氏は古文書に書かれていた、魔人は一人につき一度しか願いを叶えないという
言葉を思い出していた。
826 :
取巣樋:2006/06/01(木) 20:23:11
「隣人」「最高の贅沢」共にどこかで読んだような、あるいは誰かが過去に
書いたような作品を目指しました。そういう私は読んだことはないんですが、
両方とも絶対に過去に誰かが同じアイデアを持ったと確信しています。
827 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/01(木) 20:26:21
>>826 まーいんじゃないの?なかなか面白い。
ただ両方とも落ちがちと弱いかな。
828 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/01(木) 20:33:25
>>823 その辺について、ツッコミ用として「age虫プロット」を書いてる訳で・・・。
>>824 個人的に宇宙空間っつー所が好きだが引っ張りすぎ・・・だろうか。
>>825 「ゼロ」っちゅー漫画にそれに類するネタが有った、とは思う。
若干インパクト弱し。
830 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/01(木) 21:29:47
>>824 これを読んでつげ義春の短編SFマンガを思い出したよ。
>>824,825って「アイデアの出発点」なんだよな。
普通はここから話をどうひねるかでみんな悩むわけで。
全然ひねらないで書いたらそりゃ駄目っしょ。
831 :
age虫:2006/06/01(木) 21:30:59
>>824 >個人的に宇宙空間っつー所が好きだが引っ張りすぎ・・・だろうか。
と言われても具体的にどんな?と思ったのでちょっと書いてみたスマソ。
「ドアを叩く声」
部屋の中で、田中は一人だった。
多分、これから暫くは・・・ずっと一人だろう、田中は思った。
別れたみんなの事がふと心に浮かんだが、今はもう。
もう寝ようか・・・、田中が、そう思った頃だった。
「居るんだろ?開けてくれよ、田中・・・」
扉をノックする音がして、ぎくりとして扉に近寄った。
「開けてくれよ、外は寒いんだよ」
大川の声だった。悲鳴を上げて、田中は部屋の隅へ飛び退いた。
「嘘だ!そんな筈は無い!!」
しかし、ドアを叩く音は次第に激しさを増してくる。声は続いた。
「助けてくれよ・・・、俺だって帰りたいんだよ・・・」
宇宙空間に浮かぶ救援艇の中で、田中の悲鳴は、しばらく続いた。
二日程前に起こった宇宙船事故で。生存者は、田中一人だった。
832 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/01(木) 21:32:35
>>824-825 星新一かと思いました
こういうのもおもしろいね
つか、825のはまじでどこかで読んだことあるような…
>>831 人のを改作するんじゃなくって自作で勝負しなよ、情けない
>>833 同感!
そうなんだヨネ。
俺もそうだが他の人が書いたものを書き直すのは結構楽しいし自分が書き直した物の方がいい出来と勘違いしちゃうモノ。
人の批判する時間あったらココで一つ本気出して1本完全オリジナルの(冒頭が長くなく・状況が鮮明で・キャラの印象が良く・描写がすっきりしていて・
さらに展開が急すぎない)ニューage虫に脱皮してちょ!
835 :
fat man・真のデブ:2006/06/01(木) 22:37:41
太は何時ものように萌え系人形を眺めニヤけていた。
「僕も、もえぴーみたく正義の味方になりたい!」
太は萌え系人形を見ながら寝てしまった
太は夢をみた。
それは呪文を唱えると変身するという夢。
太は目を覚まし、夢の呪文を唱えた
「あなたニート、ぼくミート」
すると・・・・何も怒らない。
836 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/01(木) 23:20:54
>>835 そ・・それは小説でしょうか。
>すると・・・・何も怒らない。
この部分はわざとですか・・それとも単なる変換ミス??
837 :
取巣樋:2006/06/01(木) 23:28:21
>>831 「ノックの音がした。」は多分皆さんも知っていると思うのですが
星新一の「ノックの音が」を懐かしんでのものです。あとN氏も
「N氏の遊園地」のように星新一が多用した主人公の名前だったと
記憶しています。
子供の頃は星新一が大好きでした。「ノックの音がした。」は冒頭
としては万能の魔法の言葉ですよ。さすが星新一だと思います。
838 :
age虫:2006/06/02(金) 06:45:56
言い訳ばっかりだなあ
だからしばらくココに書き込まずに1週間くらいかけてばっちりの物書いてみれば
もちろん二次創作的ものではなく。短めでいいからさ。
840 :
age虫:2006/06/02(金) 11:59:34
>>839 もはや何を書いても「評価は変わらない」のに作ってもしょうがないだろう?
書けなくなったって事はもう「ここではその行為は求められてない」って事だ。
841 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/02(金) 12:10:11
改名するしか・・・
で
>>838に記されていた作品チェックしたが載せた後の評価もあまり芳しくないね。
その際の虫さんのコメントにも謙虚さが感じられない部分があり、それが一連の流れの原因とも考えられる・・・
(いや!2ちゃんで謙虚さは関係ないか)
>もはや何を書いても「評価は変わらない」のに作ってもしょうがないだろう?
>書けなくなったって事はもう「ここではその行為は求められてない」って事だ。
うーんやはり改名しかないね(永遠にage虫は封印がいいかも)
842 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/02(金) 17:27:37
>>838 よいものは絶対に評価される。
頑張れ。
>>838 悪いものはどうやっても評価されない。
管狐のせいにするなよ。
844 :
age虫:2006/06/04(日) 08:40:05
>>848 ・・・だからさ、普通ならそこは「管狐って何だよバカ?」だろう?
管狐のせいにするなよって、何か?「俺が悪い訳じゃねーよ」とでも言いたいのか?
だったら”管狐を使ってるそいつが悪いに決まってんじゃねーか。
age虫さんのオリジナル作品が数点載ってるわけですが、文章力が付いた訳だし書き直してみてはいかがですか、age虫さん
結構見てみたい気がするんですよ
ヌルポって何ですか?ガッって何ですか?
846 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/04(日) 21:22:58
847 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/05(月) 01:26:13
「孤独の報酬」上
彼は生まれた時から孤独だった。彼は昔よりずいぶんと大きくなった母を見上げていた。
母の寿命がもうすぐ尽きる。彼は最後まで母と会話をすることが出来なかった悲しみを
抱えていた。
彼にも兄弟たちは無数にいるはずだった。
しかし、兄弟たちはそれぞれが遠くで暮らしており彼はそこに行くことは
ずっと出来なかった。
ただ一度だけ兄弟の一人と会話を交わすことが出来たことがある。
何かのバランスが崩れ、彼の兄弟がどんどん接近して来たのである。
それは、遠目に姿は確認できるが、会話を交わすことの出来ないもどかしさを感じていた
兄弟だった。
「やっと話せたね兄さん」
「お前は弟だったのか?」
「知らなかったのかい」
「ああ、知らなかった」
そうして弟は彼のからだに取り込まれていった。彼は再び孤独に耐えなければならなかった。
彼はさほど関心を払わなかったが、彼のからだのうえでは無数の寄生生物たちが繁殖し、
衰亡を繰り返して来た。
しかし、彼のからだのうえの最後の寄生生物たちはその時に一掃されたのである。
寄生生物には寄生生物なりの歴史があった。
寄生生物の中には、彼の兄弟たちの元へと飛び立って行った者たちもいた。
彼はその小さな姿を眺めていた時もある。彼の母が大きくなり、その寄生生物の生存を
脅かしたことが原因だった。寄生生物は宿主を変えたのだ。
848 :
取巣樋:2006/06/05(月) 01:27:28
「孤独の報酬」下
母のからだが一瞬、さらに大きくなり、次の瞬間、巨大な光に彼は飲み込まれた。
母の最期だった。そして母の最期は彼と、彼の兄弟たちの最後でもあった。
彼は巨大な光の渦の中にいた。暖かかった。彼は身近に母の存在を感じていた。
「母さん・・母さん・・そばにいるんだね」
「やっと、やっと、お前ともこうして話せる時が来たんだね。随分とお前にも
寂しい思いをさせてしまったね」
彼はいつの間にか母に抱かれていた。
「ずっと、ずっと母さんと話したかった、ずっと、ずっとこの日を待っていたんだよ」
彼は母にすがって泣きじゃくった。
「さあ、もう泣かないで。お前の兄弟たちも、ほうら笑っているじゃないか」
見渡すと彼の周囲には彼の兄弟たちが寄り添って笑っていた。
そこには彼のからだの中に取り込まれたはずの弟もいた。
「これからはみんなずっと一緒に暮らせるんだよ。私たちの役目はやっと終ったんだ・・」
母も泣いていた。母の涙の暖かさを彼は初めて知った。
長かった、本当に長い時間、孤独だった。しかしすべてがこうして報われる時が来た。
彼にはすべてが暖かく幸せに感じられていた
面白いです。
インスパイヤwされました…どうも性格が悪いらしい。
「いてっ!」
また石を投げてきた。兄弟で一番ガタイがでかいからっていつも下らないイタズラしやがる。
まったくブクブク太りやがって、何が楽しくてそんなにガスを溜め込んでるんだか。
あ、また石を掴んだ。よせよ、あっち行けって…はは、ばーか。自分にあててやんの。
笑ってやったらむくれてやがる。
「何だよー、おまえこそばい菌飛ばしてくるなよ、きたねーな」
「なんだとぉ、このやろー」
「お止め!」
やべ、お袋に見つかった。
「またお前達かい…ホントにお前はすぐ汚くなって。しょっちゅうガンマ線シャワーに入れてるのにねえ」
「ダメですよー」
ちぇっ、いい子ぶりやがって。いつもお袋にぴったりくっついて、裏表のある奴は嫌いだ。
お袋にはいい顔ばっかりしやがって、俺たちに向けてる裏の顔は絶対見せないんだから。(←いつの天文知識だw)
まあ10人兄弟なんてこんなものか…あれ?9人だっけ?11人だっけ?
850 :
取巣樋:2006/06/05(月) 23:14:38
>>849 その後のお話をありがとうございます。
子供の頃は作家になりたいと思ってたんですが
それはあくまでも子供の頃の憧れでした。
このスレがあったので最近、ちょくちょく書き込んでると
子供の頃を思い出してちょっと嬉しいです。
851 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/09(金) 02:32:22
このスレにはなかなかの傑作があるじゃないか。
このまま埋もれさせるのは惜しいよ。
『インポワールド/1』
「うわっちっせぇ、男の恥だな。」
トイレで用を足してると、突然後ろから声が聞こえた。
「……なんだ恭子かよ。あんまりじろじろみるんじゃねぇ。」
「何よ、減るもんじゃないんだからいいじゃない。」
恭子はそう言いながらも気のない口調だった。いったいこいつは何を考えているのだろう。恭子と俺は幼なじみで何かと深い縁があった。付き合ったこともあるほどだったが、男に持てすぎる為に何股もかけられヤリマンと化し、インポの俺はその関係からか隅に追いやられた。
――バッシャー
用を足したのでそれを終おうとしたが、恭子が俺の手を掴んで言った。
「あなたのインポを治す方法を教えて上げる。」
「治す?俺のは医者でも治せなかったんだ。お前に何が出来る?」
「私は何もしないわ、教えるだけよ。」
「はぁ?」
「兎に角、インポを治したいのなら明日私の部屋に来なさい!」
恭子は強く言い放つと、俺の両手を縄で縛り、便所から出ていった。
「何なんだ…?……あ、あれっ」
両手が縄に縛られた為に、ズボンのチャックを上げることが出来なかった。仕方ないがこのまま次の授業に出よう。堂々としていれば大丈夫なはずだ。
853 :
14p:2006/06/12(月) 00:02:47
『インポワールド/2』
紹介が遅れたが、俺は高志という名の高3だ。
世界は2050年よりあらゆる分野で男女差別がなくなりその結果、性に対する価値観が大いに変化した。
それはもう全裸で歩いていようが誰もそこまで気にしないほどだ。
ただ、俺はどうもそれにはなれることが出来ない。と言うのは単に俺がインポだからなのだ。
――次の日
「で、何を教えてくれるんだ。」
俺はぶっきらぼうに答えた。何を言われたところで、インポが治る分けなんてない。
「何だか素っ気ないわね…」
当然だろうと突っ込もうと思ったが、あくびが出そうになり言うのを止めた。
「………まぁいいわ。そんな態度だと、これから私が言うことを聞いたら驚いて更にインポになるんじゃないかしら。」
「なんだよ、話せよ」
何だかムカッときたので俺は急かした。
「その前に一つ聞いておくけどいいかしら」
「何をだよ。」
「高志のちんこ、二年前より小さくなってない?」
「……はぁ?」
「はぁ?じゃなくて、答えなさいよ!!」
「……なぁ、お前俺をからかいたいだけなんじゃないのか?」
恭子は勿体ぶる性格なくせにせっかちだ。俺の曖昧な態度に頭に来たようだが、俺はそれよりも頭に来ていたと思う。
854 :
14p:2006/06/12(月) 00:29:24
『インポワールド/3』
「まぁ…そんな気もするが……」
取りあえず話が進まないので、心を鎮めて答えた。
「なるほどね……じゃあこれからが大切な話になるからしっかり聞きなさい。」
恭子は慢心的に言った。
俺が心を鎮めたことをこの女はきっと、――自分の剣幕に負けたんだ――とでも思っているに違いない。
言い返したいことはあるが、ともあれ話を聞いてやろうじゃないか。
「実は私、処女膜が再生していたの!!」
――ガクッ
「ふざけんな!!」
しかしそんな言葉には耳を傾けず恭子は続けた。
「ちんこの収縮、処女膜の復活……きっとこれは世界に異変が起きている証拠よ!!」
「あっそう、もう、帰るから」
「そうよ、私達は世界を救うために性の神様から選ばれたのよ!!」
セリフから考えるに、恭子はもはや妄想オタクとしか言いようがなかった。
どうにもならないので本当に帰ろうかなと思い、出口なるドアに手を伸ばそうとしたその時――!!
(ゆっくり書いていきます。)
俺のまったく個人的な意見だがあんまり読みたくないジャンルだしタイトルも内容もふざけてるというか創作をなめている感じだな。
書くのは勝手だからどうでもいいが、俺はスルーだ。
『インポワールド/4』
――シュッ!!
「あ…あれ」
なんだか今までにない違和感を股間に感じた。
今までの経験により、インポで起たない感覚、ちんこが小さくなる感覚は体に覚えていたのだが、この感覚はそのどちらでもなかった。
「これは…もしかして」
俺は恐る恐る自分のパンツの中に入れた。もし俺の予想があっているならこの感覚は……。
「……やっぱり…か」
俺の予想は的中した。感覚とはいえない感覚は実在したようだ。
「ねぇ、何をボソボソ言ってるのよ?」
「……なぁ、俺の股間を見てくれないか?」俺は唐突に言い放った。
「いつもは見るなって言ってるクセに。」
恭子は言い、すぐさま俺のズボンを脱がす。
「………ない」
そう言った恭子は硬直した。
見るからに驚いている…というより何が起こっているのか分からない様子だった。もっともそれは俺にも言えることだが。
「……どうしたのよそれ。何もついてないじゃない。生殖器はどうなったのよ!!」
「………」
沈黙が流れた。何を言えばいいのか、何が起こったのかなんて分からない以上どうしようもないのだ。
「………ん……っ…え……えぇ!?」
突然、恭子の顔が青ざめた。
「………穴が……ない!?」
『インポワールド/5』
「は……?」
見ると恭子もパンツの中に手を入れていた。
「……お前もか」
「……そうみたい。何もないわ……」
今や二人の股間は単なる足の付け根でしかない。
「一体何が起こってるんだ?」
そんなのこいつに分かるはずがない。俺はこの青ざめた雰囲気を少しでも変えようと思ってこんな事を聞いた…と思う。
恭子は俺のその目論みに便乗してくれたようだ。
「……ほ、ほら!!さっき私が言ったじゃない。性の神様に選ばれたって」
こんな状況だから冗談でも話が続くだけまだよかった。そこで俺はふとある話題を思い出した。
「そういえば、俺のインポが治るとかいってたが、あれはなんだったんだ?」
勿論場を和まそうと思っての発言だった。
「あ、まだ話してなかったっけ?」
「訳の分からない妄想を聞かされた記憶しかないが」
「……? まぁいいわ。インポが治るっていったけど、それは世界的に新たな発見があったからなの。」
「新たな発見?」
それも妄想かと言いたかった。
しかし実はこいつの親は情報収集家とかいう社会的な実力者らしく、一応聞くことにした。
859 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/12(月) 19:57:39
>>858 なかなか面白そうじゃんw
続けろ。読んでやるからよ。
『インポワールド/6』
「なんでも“ロタ”という非科学的なものが発見されたらしいの。知ってたりする?」
「…いや、聞いたこともない」
「ロタというのは、[生物などの進化により原理上、必要なくなったにも関わらず存在するもの]が変異したものらしいの」
「う……なんかややこしいな。具体的には何が変異したものなんだ?」
「これ言ったら結構疑問を持つかもしれないけど、その必要ないものを人間で言うなら“性欲”ね。」
「ん…でも性欲ってのは子孫繁栄に関わる大切なことだろ………あっ、なるほどね」
確かに今の時代、多くの場合に子作りは人工技術を用いて使うから性欲は必要ないといえば必要ない。
更に、これらの人工技術を使えば、定期卵子排出や精子核麻痺といった永久避妊を
行っても、体外受精により子供を作ることが出来る。
そのため生殖器を性欲解消や快楽を味わうための道具として用いる者が続出した。そういうことを考えると確かに“性欲”は必要ないと思う。
でもそんなことでは実際「必要ない」と言い切れるほど大それた不必要さではないはずだ。
「言いたいことは分からないでもないが……ちょっと大げさじゃないか?」
『インポワールド/7』
「それはなんというか……ここからが特に非科学的なんだけど……」
恭子は左脳を押さえながら言った。
「神が[人に性欲は必要ない]って定めたらしいの。」
神が…と話す時点で恭子の妄想だと思えてくる。
しかし恭子の妄想は端的過ぎるため、今回は妄想だとは決めつけることが出来なかった。
「神ねぇ……そんなものをどうやって証明するんだよ」
「えっと……なんでも初めて生まれたロタが神らしくて、そこの原理についてはよく分からないんだけど……」
今時代に神は必要ないが、それを信じるものはいる。そう言うことなのだろうか?
考えていくと何だか変な感覚に捕らわれてくるので、考えるのを俺はやめた。
「で、そのロタが何でインポを治せるんだ?」
「あ、それはね、インポがロタの原理によって変異するばインポじゃなくなるんじゃないかって思ったの。」
「……つまり俺のちんこは[必要ないけど存在するもの]って思ってるわけだな……」
一理ある気もするが、俺は無性に腹が立った。
「な、何よぅ……」
「………ん、まてよ。それって今の俺達の現状に似てる気が」
「インポが?」
恭子は意味が分からないという感じで話してきたが、それこそ意味が分からない。
『インポワールド/8』
「いや、そうじゃなくて……えっと」
俺はコホンと咳払いをして言い直した。
「その、性欲が必要ないって話と俺たちの性器がなくなったって話のことだよ。似てないか?」
「………そういえば、無くなっちゃったんだよね。私たちの」
「………」
改めて思い出すと俺たちは何だか気分が暗くなった。
「……ま、まてよ。この性器が無くなるって現象は、俺たちにだけ起こったものなのか?」
「え……さ、さあ」
恭子は冗談にせよ性の神様に選ばれたなどと言っていたが、俺たちだけがその対象になる理由なんて何処にもない。
「ちょ、誰かに電話してみる」
恭子が頷く。
――プルルル……プルルル…ブリブリ…ブリッ……ベチャッ…ビチャビチャ……ガチ
「何だ」
「なぁ、何だか変わったことが起こらなかったか?」
「………高志、お前…もしかして何か知ってんのか?」
「いや、何がだ?」
「…………」
――ガチャ!!
相手は電話を切った。きっと落ち込んでいるのだろう。
そして、つまりこれはそいつに俺たちと同じことが起きてる証拠であり、恐らくは多くの人々にこの現象が起きているという証拠なのだろう。
『インポワールド/9』
「俺たちだけじゃないみたいだ。もしかしたら世界的な現象なのかもしれない。」
「世界的?……なら気にすることない…かな」
「は?こんな不可思議なことが起きてるのに気にしないって……一体」
「あ、そっちじゃなくて。…私たちだけに起こった現象だったら周りの人が変な目で見そうだから……」
「……なる程」
非道徳的な言葉にも聞こえるが、確かに恭子の言うことも一理あると思う。
「赤信号、皆で渡れば、怖くない ってやつだな」
警察に注意されそうな感じだが、だからこそ適切な言葉だと思えた。
分からないことは分からない。この現象は俺にはどうにも出来ないことなのだろう。
科学者あたりにでも解明してもらうのを待つのが当然の流れだ。
「まぁ俺にはどうしようもなさそうだな。恭子、お前の親が何か知ってるんじゃないのか?」
もう一度言うが、こいつの親は情報収集家だ。
「そうかもしれないけど、今は忙しいから」恭子は今度聞いておくと言った。
その後はロタだか何だかの話には触れないようにした。普通に遊びに来た人として振る舞い、程よい時間に家に帰った。
家に着くと、母がぎこちなく晩飯を作っていた。ぎこちない理由は当然分かりきっていた。
『インポワールド/10』
「あ、そういえば…高志、洋太君が訪ねてきたわよ」
洋太というのは俺が電話をした男、もとい人だ。
「何か言ってた?」
「それが、いないならいい、って」
洋太が訪ねた理由は、いわゆるロタについてだろう。
電話で聞けばいいだろと思ったが、俺の対応の悪さが、その気を失せさしてしまったと考えた。
晩飯を食べた後は自室に戻って今日の現象に関して考えてみた。
とはいっても、ロタなどの原理に関して考えようという訳ではない。
「……もし俺だけが性器を失っていたとしても、インポの俺には関係ないんだよな」
周りに人がいないと独り言を漏らしてしまう。どうでもいい俺の癖だった。
「考えてみたら……この方が俺にとってはいいかもしれない」
というのは、俺はインポだという以前に、恐らく性的快感が存在しないから。
それどころかそのような理由があって、学校ではいじられていた。当然そのことは恭子も知っていた。
「明日からは、いじられずに済むかも」
誰もが無性生物となった今、俺をいじることは誰にも出来ないのだ。
そう思うと、なんだか心が安らいだ。
――心地のよい感覚が包みこみ、眠気を誘うそれに、俺は身をゆだねることにした
この先からやっと(頭の中では)ファンタジーっぽくなるのですが、書き続けるとキリがないし、そこそこキリがいいので終わります。
ふざけた内容に見えると思いますが、八割型真面目なので、出来れば評価よろしくお願いします。
特に文の指摘お願いします。
866 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/13(火) 22:23:22
オーケィ
2割はジョークかよ!!
2割はジョークというより下ネタかな?
ちょっと待て!下ネタが8割だろうが!
869 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/14(水) 12:21:31
いまさらファンタジーって言われても困っちゃうね〜
870 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/14(水) 14:52:15
インポワールド、マジでクソワロタwwww
小説を書きなさい、小説を
872 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/16(金) 22:41:28
>>865 ぶっちゃけイントロで投げ出した書きかけのゴミクズにしか見えない。
三部の夢を見ました。内容をまとめると↓↓↓
回想:
ノート使用者が死ぬと、死神に名前を書かれるという一見意味のない行為には理由がある。眼の取引のように、人間のために作られた理由があるのだ。
月「ハァ…ハァ………い、生きてる!?……ここは?」
リューク「死神界だ……月、俺はお前の名を書いた。だが今生きているのは何故だか分かるか?」
月「………」
リューク「死神をノートで殺すことは出来ない」
月「……僕が死神になったと?一体どうして、僕はあの瞬間全てが終わるのを感じたはずだ」
リューク「」それは――――だからだ」
月「これから僕はどうすればいい」
リューク「死神として人に裁きでも下したらどうだ。俺としてはもう面白くはないがな」
月「……死神としての裁きなんて、裁きじゃないし、仮にも人間界は、ここからすれば異界だ。キラとして裁きを行ったところで、空事の様だ」
リューク「じゃあどうするんだ?」
月「リューク、ノートを2つ手に入れるにはどうしたらいい?」
リューク「……なる程な、人間に一冊ノートを与え、新たなキラを作るわけか。面白いじゃないか」
――その後、新たな主人公がノートを手にしたという。
Lと彼が対立するのは、それからすぐの事であった。そんな中リュークは……。
>>873はスレ違いだから、怒っちゃいますよ?
それより誰か早く小説を書きなさい、小説を
876 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/17(土) 21:33:12
どうでもいいけど「インポワールド」の作者は14cmとチンカスの
二人がいるのか。名前には最後まで責任を持て。後、内容にも。
877 :
汚れ:2006/06/19(月) 20:16:34
『インポワールド・アナザー』
ヨーゼフはよくご飯を噛む男だった。一般的範囲であればいいことなのだが、一口に100噛みは当たり前、
そればかりでなく飲み物から空気まで噛み、まるで鯉のようだった。
こいつは取り分け個性がなく至って普通――影の薄い奴だった。
しかし食事がウザかったということが要因となって悪い意味で存在感があったというのは、紛れもない事実でもあった。
有名かどうかは分からないがモロヘイヤという野菜は噛めば噛むほどネバネバしてくる。
モロヘイヤのネバネバなのか、よだれのネバネバなのか、はたまたマン汁のネバネバなのかは分からない訳ではない。
だが噛めば兎に角ネバネバで、ヨーゼフの口の中やそのまわりがそれによって見るに耐えれなかったことは今もよく覚えている。
そんなマン汁のようなものを不気味に垂らすヨーゼフの口を見た男達は皆、例外なくインポになったという。
作者もその中の一人。インポとなったために14pを名乗ることが出来なくなり、チンカスに成り代わるも、
お風呂で石鹸を用いて汚れとして流された為に、この物語は泡となり水に流されるのだった―――。
だ 誰か!!かけー!!小説をかけー!!ミサはどうした―
ミサなら別スレにいます
別スレ?こんな時になにをやっているミサのバカが……高田!!こいつらの名前をかけ―
高田はオチました
オチた?だれか小説をかけー!!テル!!何をやってる、小説をかけ!!
こんな状態でかけるかボケェ!!原稿用紙は取られてるんだよ!!
――こうなったら腕時計に隠してある原稿用紙にかいてやる
――スッ
な!!あんなところに原稿用紙が隠してあったのか!!
――シュッシュ!!
うが!!消すな松田!!お前は分かっているはずだ!!お前が小説をかくんだ!!
いや無理
うぐー、リューク!!頼む!!かいてくれ!!
分かった
フハハハ、鬼編集者、テメェの負けやで!!
そんな!!
――φ(._.)カキカキ
なっ!!リューク何をしてる!!
もう終わりだ、お前には無理だったんだ
そんな!!挿し絵を描いたのか!?ペン入れも!?
ああ、ペン入れもした、インクもそろそろ乾く
やだ!!乾かれたくない!!乾かれたくない!!……ちくしょう……
879 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/25(日) 00:59:14
読ませるための小説をちゃんと書いて欲しい。
面白い小説を誰か書いてくれ。
正月に似合わない曇り空の下で彼はまず目覚めた。というより、オカンに起こされた。
彼は予定があるわけではないが、すぐさま時刻を確認したくなった。
鈍い動作で、電子レンジのデジタル時計に目をやる。指し示すところ、10:12。
彼の脳は睡眠を欲していたのだが、彼の意に反し、「オカン」はそうはいかなかった。
あんた、お雑煮たべやー!」 オカンの少し強い印象の口調。
彼は従った。コタツで雑煮を食らう。
微、微妙・・・・。心の叫びであった。
箸を置く。一応全て食べ終わり彼は睡眠という安息を得たかに思えた。
雑煮を食うことに全神経を集中させていた彼は周りの変化、もとい慌しさに初めて気がついた。
いわば、ナッパの爆発波であった。
彼以外の家族は祖母の家へいく準備を着々と始めていたのだ。
それはホワイトベースの中の一戦闘員が、第一種戦闘配置という命令が下されているにもかかわらず、下痢をして
ブライトに殴られかけるという事態に酷似している。
彼はそれに従いともに行かんとした。マニアックな普段着に身を包み(はじめてのおいしゃさんプリントTシャツ)、
準備を整えた。彼ら一行はかくして祖母の家へと向かう。
外は世の終わりを暗示するが如く、これまでに見たこともないような暗い曇天であった。
正月の真冬の気候にもどうにか命を落とさず、無事その一行は目的地へ到着した。
フィッ主の来訪の目的はどす黒いものであった。そう、お年玉である。
玄関でこれからのリッチな生活を想像し、彼は思わず薄笑いを浮かべた。
彼は早速、親戚達に気さくに挨拶をかわし、目的の物を手に入れた。
福沢諭吉が妖しい笑みを浮かべる。
彼はそれに呼応し、ともに笑い、自他の繁栄を願った。
(コレでカウボーイビバップのDVDを買ってやるぜ・・・!!)
彼はそのまま帰宅し、パソコンでエロCGさいとの発掘に没頭した。
かくして彼の新年は幕をあけたのであるが、今年も彼のオデコは光り続けるのであろう。
ピカピカ、ピカピカと・・・・・
それはもう神々しく・・・。
俺はすばらしいネタを持っているが、漫画家になってから連載に使うので、こういうところには捨て駒みたいな話しか載せるつもりはないです。
こういうところになかなかいいネタが書かれないのは、俺みたいな奴がいるからだと思っています。
だから寧ろ、捨て駒みたいな話が面白ければまじめに書いた話はかなり凄いということになるわけだ。
今度読ませるための捨て駒話を書いてみるよ。
すみません、嘘です。
おれもいちばんできのいいのはネットに出さない
とか、いってみる。
つまりここは糞スレという名の宇宙なのです
希にトイレットペーパーが落ちてくるかもしれませんが、多くの場合皆様はうんこを投げているのです。
web日記みたいなスタイルで、
自分が虫と生活していき、最後には音信不通になるという話が載っていたサイト知りませんか?
昔みたんですけど、面白かったのでまた読んでみたいんです。
スレ違いだよ。質問スレに行きましょうね。
ごめんなさい。
質問スレ見つけたのでそっちに書きました。
どうせだから1000スレ目指してほしいね
1000下っちゅー
試しにageてみる
#(侑和燻)
あ
#(鵜沼京)
あ
#なさはま
たなか
か
か
か
か
か
か
カエルがしんだ
何よりも大切だった
三度の飯よりも大切だった
つき合って2年になる彼女より大切だった
今月の給料よりは大切じゃない
精巣より大切だった
チンコよりは大切じゃない
付き合って6ヶ月になる彼女よりは大切じゃない
付き合って3ヵ月になる彼女よりは大切
まあ
ぶっちゃけどうでもいい
カエルなんて買えばいいっしょ
さくせすどきましたか
やったーまん劇場
あなた「おじいちゃん死んじゃった」
やったーまん「やったー」
あなた「おばあちゃん死んじゃった」
やったーまん「やったー」
あなた「母ちゃん死んじゃった」
やったーまん「やったー」
あなた「父ちゃん死んじゃった」
やったーまん「やったー」
あなた「兄ちゃん死んじゃった」
やったーまん「やったー」
あなた「姉ちゃん死んじゃった」
やったーまん「やったー」
あなた「もう一人の父ちゃん死んじゃった」
やったーまん「やったー」
あなた「さらにもう一人の父ちゃん死んじゃった」
やったーまん「やったー」
あなた「人間として最低だと思う」
やったーまん「やったー」
あなた「うんこふんでるよ」
やったーまん「やったー」
あなた「やったーっていったら殺す」
やったーまん「やったぁ!!」
あなた「やったぁでもいったら殺す」
やったーまん「やった〜」
あなた「それも殺す」
やったーまん「やった!!」
あなた「それも殺す」
やったーまん「やたー」
あなた「それも殺す」
やったーまん「やだー」
あなた「それも殺す」
やったーまん「うざい」
あなた「それも殺す」
やったーまん「もしもし警察ですか?助けて下さい」
あなた「死ね!!」
やったーまん「ぐあ!!やったー!!!」
あなた「………」
やったーまん「やったぁぁあ゙あ゙あ゙ーあ゙ー!!」
やったーまん終曲
ヤッターマン劇場
ヤッターマン「ヤッとぅ…ヤッター………俺は駄目人間だ」
ヤッターマン終劇
カーメーハーメーハー
はだにたらやたかすけおこせはつよぬきふちや
吐き気
ち
944 :
ちんこ:2006/08/13(日) 01:02:36
ん
か
さ
し
ち
カ
/なはか
た
んきを
またるはな
陰気
なんだか
達磨さんがころんだ
窓から手を伸ばす少年
99の手形カメラ
メガ粒子萌
つん\project
手脱ガざる
豚うまい
秋葉原
たな
ぬけく
966 :
ぢ:2006/08/16(水) 01:57:32
くさいはな
ネーミングセンスバトル
クルパー
デンジャラスよしこ
ふとんカケヨ
あ
す
なた
か
な
す
さか
つみふな
すむ
に6んぬ
ちゅを
バルタン星人
ぬら
おんたのかむさむ
いと墓参り
へうへつなたか
したまちはいはい
おーい おぢゃん!!
へれへ めはら ぬるばぬりぱらなら
い7のらっぱー つっぱーーん
かかかかかかかかかかか!!!!!
カカカカカカカカカカカカカ!!!!!!!!
か
た
た
ダイの大便
かかったかー
ぶるーふが
ヒトムン
伊福部
かつぜつなんかきにしちゃだめだ!!たいせつなのはこころだ!!心の声を聴くんだ!!
たなはかはなはかは
これってほめ言葉?×2
本当にほめ言葉?
1001 :
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