2011/10/13
【遺伝子】長寿でガンになり難いネズミ、ハダカデバネズミのゲノムを解明 がん研究に貢献も 米ハーバード大など
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1318516265/ 【ワシントン共同】ネズミの仲間としては寿命が約30年と際だって長く、がんになりにくいハダカデバネズミ
のゲノム(全遺伝情報)を解明することに米ハーバード大などのチームが成功し、13日付の英科学誌
ネイチャーに発表した。成果は長寿のメカニズム解明やがん研究に役立つという。
ハダカデバネズミはアフリカに生息するネズミの仲間で、地下で群れをつくって生活する。寿命は3〜4年
程度のラットやマウスに比べて長く、がんになりにくいほか、空気中に含まれる酸素が少ない地中で生活できる
などの特徴を持つ。
若さ保つ驚異的な能力、ハダカデバネズミで解明
ttp://www.yomiuri.co.jp/science/news/20111013-OYT1T00201.htm 体毛がなく、長寿でがんができないなどのユニークな性質を持つ「ハダカデバネズミ」の全遺伝情報(ゲノム)
解読に、韓国と中国、米国、デンマークの共同研究チームが成功した。
細胞の老化を防ぐ遺伝子が活発に働き続けるなど、人や他のネズミとは違う特徴が見つかった。仕組みを
調べ人で再現する薬を開発すれば、抗加齢やがん治療に役立ちそうだ。13日付の英科学誌ネイチャーに
発表する。
ハダカデバネズミは、アフリカ東部のサバンナに80匹程度の集団で生息。大きさはマウスとほぼ同じだが、
平均寿命は28年とマウス(2〜3年)の約10倍。運動能力も20年以上衰えないなど、若さを保つ驚異的な
能力が注目を集めている。
解析の結果、遺伝子の数は人や他のネズミとほぼ同じ2万2561個だが、固有の遺伝子グループが
96種類あった。細胞の老化に伴って短くなる「テロメア」を保護する遺伝子や、DNAの傷を補修してがん化を
防ぐ遺伝子などが活発に働いていた。
2013/06/27
【科学】「ハダカデバネズミ」がガンマ線を打ち込んだり、腫瘍を移植したり、発ガン物質を注射してもガンにならない理由
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1372314977/ http://sankei.jp.msn.com/wired/news/130627/wir13062714010001-n1.htm 「ハダカデバネズミ」が、ガンにならない理由
ハダカデバネズミは酸素の少ない環境で生きるため呼吸のペースが遅く、
非常に少量のエサでも生きることができ、苦痛にも強いことがわかっている。Photo: Smithsonian’s National Zoo
http://sankei.jp.msn.com/images/news/130627/wir13062714010001-p1.jpg ハダカデバネズミは、ガンマ線を打ち込んだり、腫瘍を移植したり、発ガン物質を注射したりしてもガンにならない。
その一因は「密度の高いヒアルロン酸」だとする研究が発表された。
ハダカデバネズミはアフリカに生息するネズミの一種だ。地中に平均80頭、最大300頭もの大規模な群れを形成し生活する。
このネズミが研究者たちの関心を引いているのは、彼らが30年近く生きられるためだ。
体の大きさは実験用マウスとほぼ同じであるにもかかわらず、寿命はマウスの10倍近くも長い(日本語版記事)ことになる。
一方、ハダカデバネズミは長年の研究においてガンが発生したことがない。
研究では通常、ガンを誘発するためにガンマ線を打ち込んだり、腫瘍を移植したり、
発ガン物質を注射したりするのだが、ハダカデバネズミはガンにならないのだ。
ふたりはハダカデバネズミの腋窩と肺から採った細胞を研究していて、
細胞の周辺に化学物質が異常に密集していることを発見した。
その化学物質はヒアルロン酸(ヒアルロナン)だとわかった。
ヒアルロン酸はすべての動物に見られる化学物質であり、細胞の結合が主な役割だ。
ヒアルロン酸は力学的な強さを与えるだけでなく、細胞の数が増える際の制御にも関係している。
ガンでは細胞の無秩序な増加が見られるため、ヒアルロン酸は悪性腫瘍の発達に関係していると考えられていた
(たとえば悪性胸膜中皮腫の腫瘍マーカーであり、胸水でのヒアルロン酸の検出は胸膜中皮腫を示唆する)。
しかしゴルブノヴァ氏によると、ヒアルロン酸の量と密度といったさまざまな側面が、細胞の増殖を調整している可能性がある。
重合体であるヒアルロン酸は、ひとつの鎖に含まれるヒアルロン酸分子の数が大きくなるほど密度が高くなる。
ヒアルロン酸の分子量が大きいと、細胞は数が増えないよう「命じられる」。
分子量が小さいと、細胞は増殖するよう「依頼」される。ハダカデバネズミは、ヒアルロン酸の分子量が普通よりも大きく、
マウスや人間の5倍もあることをゴルブノヴァ氏は発見した。
ゴルブノヴァ氏はヒアルロン酸を分解する酵素の量を増やして、ヒアルロン酸の分子量を減少させてみた。
するとすぐにハダカデバネズミの細胞がガンになったマウスの細胞と同じように、
大きなガンの塊へと増殖を始めるのが観察された。
さらにゴルブノヴァ氏はこの仮説をテストする別の実験において、
ヒアルロン酸を生成するようコード化された遺伝子を破壊することで、ヒアルロン酸を減少させるという方法を使った。
そのうえでガンを抑えるのではなく発生させるウイルスを注射すると、ハダカデバネズミの細胞が癌性になった。
ゴルブノヴァ氏は、ハダカデバネズミはヒアルロン酸の密度が高いことで、
皮膚の弾力性が増しているのではないかと考えている。
そのためハダカデバネズミは、地下の小さなトンネルで暮らすことができるわけだ。
その特徴が図らずも、ガンを防ぐという新しい役割を得たのかもしれない。
今回の論文は『Nature』誌」に掲載された。
※ハダカデバネズミには生活環境が厳しい時に代謝を低下させる能力があり、
それが酸化による損傷を防いでいるという説がある。ガンにならない性質については、遺伝子的な研究も行われている。