〜〜詩で遊ぼう! 投稿梁山泊 12th edition 〜〜

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名前はいらない
関連リンク:
1st http://book.2ch.net/poem/kako/1020/10201/1020179950.html
2nd http://book.2ch.net/poem/kako/1024/10245/1024587538.html
3rd http://book.2ch.net/poem/kako/1028/10286/1028646675.html
4th http://book.2ch.net/poem/kako/1035/10354/1035479195.html
5th http://book.2ch.net/poem/kako/1039/10396/1039625248.html
6th http://book.2ch.net/poem/kako/1044/10445/1044550904.html
7th http://book.2ch.net/test/read.cgi/poem/1048872818/l50 (html待ち)
8th http://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/1054914970/l50(過去ログ倉庫)
9th http://book.2ch.net/test/read.cgi/poem/1062344630/l50 (html待ち)
10th http://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/1069334282/l50
11th http://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/1081268307/l50
1〜42代目までのチャンプリンクへはここから ttp://mona.2ch.net/458/poem2ch.html (→詩板コテハン大辞典補完ページ)
現在の補完ページはここ
ttp://www.geocities.co.jp/Bookend-Ango/1299/

あなたもチャンプを目指してみませんか?

[このスレの遊び方]
まず、お題が出ます。
皆さんには、そのお題をテーマにした詩を投稿してもらいます。
一人一作品で、期限は約1週間です。
(名前欄には、「詩のタイトル」を入れてね!)

期限日の24:00が締め切りです。
審査員による審査の結果、その期間のチャンプが決まります。
チャンプには次のお題を決める権利が与えられます。
そして、またチャンプを目指して投稿開始!
という具合に遊びます。

見事チャンプに輝いた作品は「歴代チャンプ作品」として残されていきます。
>>2-3 次にルールを。ルールを必ず読んで投稿してね。
2名前はいらない:04/09/01 23:57 ID:ESgb6Dlw
[ルール]
一人一作品の投稿で、期間は約1週間。期限日の24:00が締め切り。
※名前欄には「詩のタイトル」を入れる。

1.投稿者に関すること
お題をテーマとした詩を投稿する。
名前欄にはHNその他ではなく、詩の題名を書き込む(匿名投稿制)。
コテハンは審査結果が出るまでは作品を投稿した事をほのめかしてはならない。
(しかし投稿した作品について名無しで会話することについては禁止しない。)
投稿後の訂正は、単純な誤脱字・誤変換以外はやめましょう。
以上の規定を満たさない詩は無効となります。
遅刻は審査対象外。うっかりミス(名前欄にコテハン)は、はじめの1回に限り、セーフとする。

2.審査員に関すること
審査員は必ずトリップをつけること。投稿締切前に宣言すれば誰でもなれる。
審査員の仕事は「自分の気に入った作品をチャンプ候補として挙げ、点をつけること」のみ。
審査員はチャンプ候補と次点候補を選ぶことができる。該当作品なしでもOK。
審査員はチャンプ候補、次点候補に任意の点を付ける(上限3点)。
任意で寸評をつけてくれると嬉しい。
審査員の作品投稿もOK。ただし、自作品をチャンプ候補に推薦するのは不可。
※過去に審査員をやった事がある人は、以後宣言なしで審査投票してもよい。

3.審査、集計に関すること
締切から約3日経った時点で、集計を開始する。
(審査期間は変更の場合もあり。審査員は最低3人は必要です)
集計して最高得点をあげたものがその週のチャンプとなる。
集計後、二人が同点であった場合、双方チャンプとし、お題は投稿の早かった者が出すこととする。
三人以上が同点であった場合、審査期間を2日間延長し、協議を行う。
3名前はいらない:04/09/01 23:57 ID:ESgb6Dlw
このスレには投稿、寸評、審査と週番による案内などをのせるものとし、
雑談、議論、感想などは下のスレにて行ってください。
【梁山泊スレ専用!】雑談・議論・感想スレ8
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/1077450546/l50
4前スレよりコピペ:04/09/01 23:59 ID:ESgb6Dlw
770 名前:ねむい ◆yYGM98H44I :04/09/01 18:35 ID:T7X7LoAR
「角部屋」を書きましたねむいと申します。まさか優勝できるとは…。
本当に嬉しいです。
審査員の皆様ありがとうございましたm(_ _"m)&皆様お疲れ様でした。

次のお題は「夜」でお願いします。

771 名前:てるあき ◆DDfwggPC.. :04/09/01 20:53 ID:OBlkcNvr
作品投稿期間は
9月8日午後24時(9日午前0時)までです
5前スレよりコピペ:04/09/02 00:03 ID:Pl/xS5rQ

772 :湖を渡る風 :04/09/01 21:24 ID:TLuNAz0k

悲しみを 湛えた水面
月明かり 深く差し込む
あなたは風になり 湖の私を
どうか優しく 抱きしめて

あなたが 水面を揺らす
気が付けば 熱を感じて
波はうねりになり 穏やかな月夜を
夏の嵐に 変えていく

風と波 ひとつに溶け合い
少しずつ 高まっていく
思いは溢れ出し 岸辺の砂を
濡らしてしまう 恥じらいながら

あなたは風になり 湖の私を
どうか優しく 抱きしめて
6名前いらない:04/09/02 00:09 ID:rEdoaqP3
あなたの瞳を見つめると
吸い込まれていく

時間が止まった一時
唇が近づいてきた
7なくしたもの:04/09/02 02:04 ID:3xNWqzeL

月が無い 細い道 

早足で抜ける 

痛かった

両肩に擦り傷が出来ていた

いつも通る道なのに
自分の幅がわからなくなったみたい


うつろな街灯さん
こんばんは ちょっと失礼します
 
あなたと壁との隙間 
体をすっぽりとはめる

私はこれくらい これくらいの私


ほどけた靴紐 結ぶ為しゃがんで 転ぶ

ついた手にメリコム粗い砂 はらって触る手のひら つぶつぶ

顎にグッと力をいれる 指先で触る つぶつぶ    アハハ

あなたの光、睫毛にふりつもり 
とても目にしみるもんだから

少し 泣きますよ
8それでも月は:04/09/02 02:29 ID:e19o3nkI
静かな夜です
太陽の光を反射して
月は煌きます

愛を求める少女の叫びは
未だ誰にも聞こえない

ただ、夜の闇に吸い込まれて
遥か彼方へ

それでも月は

月の光は冷たく少女を照らす
しかし、どこか優しい





9【meet a heroic end】:04/09/02 03:20 ID:+9qc68P4
真っ暗な夜にやって来た
真っ黒な空が歪んでた
真っ黒な花が枯れていた
真っ暗な夜にやって来た
真っ黒な公園で
真っ黒の椅子に座った
真っ黒なあなたが笑ってた
真っ暗な夜の中

何も残らないこの場所で
あなたと夜が歪んでた
何も残らない私に
あなたと夜が泣いていた
真っ暗な二人が歪んでた
10花火:04/09/02 16:48 ID:T/dJmT4K
真っ黒いキャンバスに
絵の具をぶちまけたかのような
ネオンのような花びらを持つ
暗闇に輝く花は
桜よりも早く散ってしまう

激しい色は、まるで都会の
ネオン看板を思わせながら
花は目立とうとして大きな音を出して
音が届く頃には形はもう崩れていた

火薬という名の種に
火と言う名の水を撒き
種は花に育って散った
11夜に寄す:04/09/02 22:11 ID:s6Xeylwx
おやすみ
でも夜は生きている
服を脱いでも 表に駆けても
ほら 
顔の周りに 乳房の下に
まつわりついてくる

 光よ参れ! 闇など要らぬ!

朝の光に 外の世界に
学校に 仕事場に
みんなの みんなの 
集まる所に 息せき切って
さあ!駆け出すんだ! 

楽しい! 忙しい! 生きてる って
こういうこと ? 心が 体が
世界が 時間が どんどん
どんどん 忙しすぎて 回るよ
回るよ 回るよ うひ、 うひ、 

  hiyaーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーheheheh! 

気が付けば
光の溢れる頂上に
白い闇に倒れてた

おやすみ

夜は

わたしを守る
12夜明けに その1:04/09/02 23:27 ID:OkBIPHUs
時間の潮が満ちてくる
それに合わせ
潮騒のように
遠くから鳥の声がやってくる
夜が明ける
さあ 世界が始まる
今日どこかの街で人が死ぬ
ある者は長患いで苦しんだ末
病院のベッドの上で
またある者は交通事故で突然に

空が白々と明るさを増してきた
夜が明ける
さあ 人の世の営みが始まる
式場でウエディングベルが鳴り響き
祝福のシャンパンが乾杯のグラスに注がれる
どこかの街で嬰児が高らかな産声をあげる
両親互いに手を取り合って喜ぶ姿もあれば
これから先
自分ひとりでどうやって育てていけばよいのか
途方に暮れる母親もいる

潮が渚を引くように
鳥の声が彼方へ遠ざかる
夜が明ける
さあ 覚悟はできているかというように
世界はやってくる
13夜明けに その2:04/09/02 23:34 ID:OkBIPHUs
人の世の何百何千万の喜びと悲しみが始まる
今日あなたの親が夫が妻が子供が死ぬかもしれない
わたし自身の想像もつかない災難が降りかかるかもしれない
それを止めることはできない
避けることも難しい
それでも容赦なく夜が明ける

夜がまだ明けきらぬうちに祈るのだ
人の世のは喜びの分だけ悲しみがある
だから不幸などなくせない
その代わり祈るのだ
世界の誰のところに気紛れな運命の使者が舞い降りても
その人は現実を受け入れることができますように
それがわたしであっても
苦難を乗り越えることができますようにと
14 ◆m3UVuKrnck :04/09/03 00:54 ID:3NyOerAN
今回より審査に参加したいのですが、
審査員定員オーバー気味だったりしますか・・・?
足りないという声も聞こえるような・・・。
どちらにせよ一応、これをもって私の審査員参加宣言ということにします。
経験不足からいろんなことをやらかす可能性が
無きにしも非ずと思われますがどうぞよろしくお願いします。
15Alnite ◆m3UVuKrnck :04/09/03 00:57 ID:3NyOerAN
あ゛。#の左にハンドル書くの忘れた・・・。
16詩人の夜(1):04/09/03 01:30 ID:GF2TdJGR
砂の絨毯に寝転び
星々の海に身をゆだねる
金色に輝く衛星も
海に浮かぶ島の一つ
私は一人で口ずさむ
母が詠ったあの詩(うた)を


あなたは感じることができますか?
あの海の輝きを
あなたは感じることができますか?
あの島のやさしさを
わたしは感じることができます
雨後の虹のように
嵐の前の雲の色のように
わたしは感じることができます
あの海の輝き
あの島のやさしさ
誰しもが持つあの日々を
あなたは感じることができますか?


17詩人の夜(2):04/09/03 01:31 ID:GF2TdJGR
続きはもう覚えていない
母の顔も思い出せないが
砂の絨毯、星々の海、衛星の島は
あの日と何も変わらない
だから創り続けている
母が詠った詩の続きを


あなたは覚えていますか?
あなた自身の輝きを
あなたは覚えていますか?
あの母のやさしさを
わたしは思い出すことができます
玩具の歯車が動き出すように
詩を詠いはじめるように
わたしは思い出すことができます
わたし自身の輝き
あの母のやさしさ
誰しもが持つあの日々を
あなたは覚えていますか?

18:04/09/03 02:33 ID:r93aKqlU
希望を胸に眠りにつく
夜がやさしく包み込む
明日になれば始まる戦い
ほんとは少しだけ怖い
癒す心 眠る体
夜が明日へ連れて行く

君は眠れるだろうか
大きな不安を抱え
僕は大丈夫
夜が僕を満たすから
暗さは不安じゃない
静けさは恐怖じゃない

あなたを包む夜を抱きしめて
19Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/09/03 06:40 ID:+PqzKEF+
>>14-15 どうぞよろしくです。
Alnite ◆m3UVuKrnckさんが審査に加わります。
20夜王伝説〜序章〜 1:04/09/03 23:18 ID:rmd2WfzV
公園の草木も 白く光るコンビニも
永い眠りについたかのような夜
唸る自販機はまるで誰かのいびきのよう
風が吹き抜けるアスファルトは
昼間のうちに溜めこんだ熱をここぞとばかりに夜闇に放つ

どこにでもあるようでここにしかないサバービア
そんな街の夜の片隅で彼は生まれた
さびれた団地で夜な夜なSEXに勤しむ若夫婦からではなく
ましてやそこで一生を終えようとしている老夫婦からでもない
この街とこの夜が彼を生み出したのだ

雨の夜も風の夜も
彼は決まって午前2時に目を覚ます
日毎に増える手首の傷はリストバンドで隠して
静かで暗いこの夜の空気を震わせるくらいの大声で
精一杯明るい歌を口ずさむ
時折流れる哀しい涙は夜闇が勝手に隠してくれる
都会ではこうはいかない
都会の夜は賑やかで明るすぎる
だからこそ彼はこの街のこの夜が好きなのだ

彼は生まれたその日から自らを“夜王”と呼んでいたが
それを知っているものは誰もいなかった
しかし事実 夜の街は彼に支配されているかのように見えた
彼はいつもひとりぼっちだったが
同時に彼はどこまでも自由であった
21夜王伝説〜序章〜 2:04/09/03 23:19 ID:rmd2WfzV
大通り 規則正しく立ち並ぶ街路樹を見上げながら
不規則なリズムを刻んで歩く
両腕広げて ズン ラビ ラズ ベリ ダン トト トトト
虚ろな笑顔で ダッ ツツ リザ ズレ リン カラ ドットン
止めるものは誰もいない
やがておとずれる 日の出までのわずかな時間ではあるが
その間の彼はどこまでも自由であった

しかし所詮“夜王”は“夜王”でしかなく
朝焼けと共にその支配は他人の手に渡ってしまう
それは彼が彼でしかない限り避けることのできない
宿命であり運命でもあった
それでも彼は毎朝 満足げな眠りについていた

黒い草木が音も無く佇んでいた公園は
今は緑と生の喜びで満ち満ちている
風の通り道だった片側4車線もあるバイパスには
排気ガスと無遠慮なクラクションが溢れている
淫らに乱れた恋人たちも
そ知らぬ顔でそれぞれの暮らしに戻っていく

彼は眠る瞼の裏側でそんなことを考えながら
ニヒルになりきれない可愛い寝顔で
忘れられた夜と 純粋ぶったつくりものの朝を笑うのだ
それを知らない子供たちをも笑うのだ
妄想だけで笑うのだ

そして今宵も彼は舞う
両腕広げて ズン ラビ ラズ ベリ ダン トト トトト
ひとりぼっちで ダッ ツツ リザ ズレ リン カラ カラカラ…
孤独を孤独と感じない
今はまだ 彼はどこまでも自由であった
22夜の蝉:04/09/04 01:42 ID:1IlH/oq0
ひたすら口を開けて眠っていた夜
眠れない夜 それらの夜はいつしか
こうやってただ漫然と眠らない夜へと成長していき
ぼくは例えば楽な何かをして得をしようなどと考えている

  ・・・  成長?

机に座ってはみたけれど
書くことの全く思いつかないのに
自ら半ば呆然としている
いつのまにか甘えん坊で満足しちゃってたらしい

まだ泣き叫んでいた頃のがましだ
客観視なんて 字面ですら見たことなかったあの頃
そして忘我したときのあの身の充実
できればのべつ忘我していたかったんだ

もしぼくに恋人がいたなら 怒っただろうか
生活に満足して何処がいけないのと言って
そしてはたかれるかもしれない
ぼくがいつまでも奇麗事を恐れてるから

夜にもセミが鳴けばいいのに
考えなしに喚くから彼らは潔白なんだ
隙あらば価値や意味がはいってきそうな静寂なんかより
よっぽどよく眠れそうだ

そしたら明日が来るんだ
退屈の中にすっぽりはまり込んでみせて
そのくせ退屈からはみ出している明日が
なぞめいた光にも似せて
23名前はいらない:04/09/04 02:08 ID:5TSgB4WI
輝く星が生まれた頃に
僕はあなたを想っています



24臨月の夜に思う:04/09/04 02:58 ID:ITrPuqD6


母よ、私が生まれた夜、
あなたは夥しい出血で死にかけた。

母よ、そろそろ私も母となり、
あなたを遠い昔のことだったように言う。

そして母よ、
わたしも遠い過去になろうとしている。

しかし母よ、
私を生んだ赤い夜、あの燃え滾る血の魂が、
わたしの身体を熱くめぐっているのを今夜も感じる。

この指先の隅々にまで、

ああ、母よ、ただならぬ気持ちが、
あなたを予感させるのだ。

25イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 :04/09/04 12:33 ID:Q8DSl92v
>>24
いかにもなちょっと昔の現代詩。茨木のり子とか好きでしょ?
俺は男だからわからんが、夜と臨月のタッグはこういうリアルを産むのだろう。
神秘だね、ことば選びも神秘だね、でも何歳?

>>23
くがいい。これがなかったら陳腐なだけの作品になったところに
異物を持ち込んで破壊している。
ただあまり作品とは呼びたくない。

>>22
たぶん前回のあの作品と同じ作者だと思うけど、上手で一途さのある人だね。
すごくストレートなようでいて、ちゃんとことばが選ばれて生き生きしている。
何回も読み直したくなる作品だ。
ガタガタ難しいこといわずにこういう作品が受け入れられたっていい。
個人的にはちっとも好みではないけど、
CDは買わないけどTVに出てたら引き寄せられて見てしまうアーティストみたいな。
26違う場所へ還る:04/09/04 16:50 ID:hXZrzmhN
日々
すこしずつ
良くないほうへ
進んでいく

朝おきればすべてが
何もなかった
何も変わらない
ようだが

ただしい方向を指し示す灯台が
わたしをとりかこむ
どれに従えば
どこへ

わかっているのだ 誰も
いつかは自分の舟で
暗い
海へと
27イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 :04/09/04 19:17 ID:jx7S3+vx
>>20
いいね。主人公を通じて秘匿されたものとしての「夜」を描いてる。
ことばは一見小説のそれだけど、詩のような小説というよりは小説のような詩、
擬音のリズムもいいね。全体的にリズムを感じる。悪くいえばまとまりすぎかも。
完結してなくて「序章」なのは好感。

>>18
俺にとって夜は恐怖だよ。いろんなものが襲いかかってくるよ。
それだからこそ眠りに逃げちゃだめだ逃げちゃだめだって思うよ。
そんな俺からするとこの詩は、自分を騙してる詩としか読めなかった。

>>16-17
綺麗だね。

>>12-13
夜には誰も死んだりしないのかと突っ込みを入れたいが、それは置いといて、
なんていうか、綺麗だね。

>>11
好み。特に冒頭二行が秀逸。
すんげーね。バカ笑いまでのテンションの高ぶり。
惜しむらくは中だるみするのと、ラストの「夜は私を守る」、
「夜があるから私はバランスを保てている」ってテーマなのなら興ざめ。
夜から逃げる人々の狂躁っぷりだけでよかったような、俺の好みからすれば。

>>10
誰でも書けそうだ。きっと誰もがこういうイメージで花火を見ているから。
独創的とかいっても難しいけど、どうせならめちゃめちゃにデフォルメするとか、
今度からみんなが花火を見るときの気持ちさえ変わるような花火を描いてほしかった。
あと、夜はただの背景として無視されている。
28イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 :04/09/04 19:27 ID:jx7S3+vx
>>9
真っ黒な空なら歪んでてもわかんねぇだろ、とか
真っ暗な夜なのに花とかあなたとか見えねぇだろ、とか
突っ込むよりは逆説的でおもしろいかもしれない。
つまりは心象風景を描いているんだね、歪んでいるのは泣いているから?
とか思いながら読み直してみたけど、かっこつけが鼻につくのは俺がダサいから?

>>8
1連目、科学的に当たり前なことをぽえみぃ☆に書かれてもなぁ。
どうせならありえないくらいメルヘンチックに攻めてほしかった。顎の下が痒くなるくらい。
29名前はいらない:04/09/04 20:21 ID:UgWfZL5D
>>27
眠りに逃げちゃだめか〜
眠むらずに戦っている?
眠りの許可がおりる時間まで、ただ目を開けているだけ?
翌朝は今夜とは何か変わってる?
あ〜あ、だりぃぃ
ピンクの眠剤ながしこんで眠っかな(*_*)。°〇
30名前はいらない:04/09/04 22:02 ID:cZLVb4jI
静かに
ただ 静かに

無音が全部全部皆壊してく
無音が全部全部皆素になる

ばかでかい建物も
現実のような光も
ついこの前できたばかりで

草木は枯れるのに
彼らは踊ってる
生きてる方が強いと言う


静かに
ただ 静かに

流れる星よりも前から
暴れる獣よりも前から
そこに今はあった
それを知ってるのは
皆全部全部
それを覚えてるのは
体を横たわらせる猫

静かに
ただ 静かに

まだ夜は続いていた
31どうでもいい夜:04/09/04 22:50 ID:BhdthNBy
こうやってる間にも
どこかの街のとある部屋の俺とどこかの部屋のお前はこの夜を共有していて
詩を書いて俺のことを見せようと お前のことを感じようと
なにか同じものを見ようとして
いろんなことを考えてパソコンの前にはりついている
一体なにを見せようと なにが言いたいのか
なぜ僕らこんなことしなければならなくなったのか

どうでもいい夜だ
俺はこの夜のことを絶対に忘れる
お前も忘れる
なんの印象も残せない夜
思い出にも記憶にも残らない夜
今夜だってそうだし
多分膨大な数の夜のことを俺達は忘れた
俺はこの夜のことを忘れるよ
約束したっていいけど多分憶えてないよ
この夜は俺達のものじゃない
おそらくなにか抗えない抽象的なものの所有物
俺はこの夜を忘れる
お前らも絶対に忘れる
32ああ:04/09/04 22:59 ID:S0INPx6M
〔不幸のカキコ〕
このカキコを見た人は
12時間後『死』が待っています。

でも,それを1個だけたすかる方法があります。
それは,この書き込みをコピーし,
5個のHPに貼り付けるのです。

注意しときますが,この文に付けたしなどしたら……
何かが起こります……

時間だけが過ぎて行きます。。

『生』か『死』,どっちを選びますか??
3330:04/09/05 07:34 ID:8uil7i1u
題名入れ忘れに今頃気付いた。
「Before Nightmare」
34月食:04/09/05 10:18 ID:9DghZuDm

Gマイナー、Cメジャー、
あらかじめ組み込まれ照らされることばたち、
葉擦れのホタルがふわっと舞い上がる、
月はあかあかと、すべては記憶にない夜の清流の出来事で、
夜、地球の影、
月に映る、地球の影、
月に映る、僕らの影、
往復する巨大な書簡のように、
影と影のあいだでささやきつづけるふたつの、
Aマイナー、Tメジャー。

みずからの名を連呼しながら
花は次から次へと咲きみだれる。
35狂月 2004年:04/09/05 19:01 ID:YgjRoJUI
暗闇でただひっそりと輝く
月は孤高の魔女
その光は冷え込んだ寂しさ
孤独が耐え切れないから
僕らは抱き合うのか

月は巡り巡る媚薬
月光に照らされた僕らは
彼女の魔力に魅せられて
秘められた夜伽をする
暗闇の中のたった一つの灯り

月は満ちてそして欠けてゆく 
逃げてもにげても彼女は
何処までも追いかけてくる 
その光は隠れても僕らを照らす
36カエルとダンス:04/09/06 00:13 ID:oIvVoo9F
からっからに乾燥した夜
月も星も夜空に執着せず怠惰に落ちていく
ぼくの部屋にしても
窓は締め切ってあるけど
そんな夜に侵されて
何もかもがぼくに落ちてくるんだ

こんな夜には
ぼくは赤いストールを肩にかけたカエルと踊りたくなってくる
ああ ヒキガエルはヤだよ ごめんな
ぼくはアマガエルと踊りたい

ねえなに踊る?
ルンバもサンバも いやゴーゴーは古いけど
できればぼくは社交ダンスでまつわりたい
キミの華奢な腰に手をまわし
指と指を絡めて
キミの粘膜に覆われたいんだ

真っ赤な口をぱっくり開けて
舌をぼくの首に巻きつけ
―カジニチュウイ カジニチュウイ
だなんて
大丈夫だよ だってキミはカエルだもの 可愛い可愛いアマガエル

ねえ 踊ろうよ
その柔らかいお腹に包まれたいんだ
ぷっくり怒ってぼくを見つめないで欲しいんだ
ねえ 踊ろうよ
もうぼくは落ちちゃいそうなんだ
37名前はいらない:04/09/06 03:29 ID:IBVC1cYF
夜の闇の中で
少年はいったい何を思ったのか

体中に打ち捨てられた
放射線物質を塗りたくって
走り出した

例えば
夏の炎天下の日差しの下で
白いテープを切ることができずに
たった一人コース途中で膝を折った選手がいるように

蟷螂がそのつりあがった瞳で
少女の内臓を抉り出したように

用は
夜の闇の中で
誰もが
寝床を探して
街灯を見上げることしかできなということだ
38イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 :04/09/06 10:33 ID:68quVNFH
>>5
あんまり勃たない。

>>6
落書きするならもっとおもしろく!

>>7
よくあるノートの落書きかと思ったら意外とうまい。
「あなた」の意味が外灯から後二回のうちにえらく親身なようでよそよそしいものに変質していく。
変質者もいない道ってさみしいね。
しかし全体的には書き込みの省略が多くスカスカの骸骨詩。
情報量がこれだけ少ないなら短歌でいいじゃないか。
39イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 :04/09/06 10:57 ID:68quVNFH
>>29
人生、嫌いなら嫌いって素直に書けばいいのにって思っただけ。
自分を騙したような書き方しても逆説にもなってないよと。
嫌いならなんで嫌いなのかなって徹底的にそれ書いて
それでおやすみ(逃避)したほうがリアルな作品になったんじゃないかなーとか。
あとこういうカキコはなるべく雑談スレのほうがいいと思うよ。

>>30
酔いすき。きもちわるい。
タイトル見てさらにきもちわるくなった。

>>31
読みはじめて真ん中くらいまではおもしろかったが、
別に夜じゃなくてもいいじゃん。
どうでもいい夜を敢えて描写して反復させるのはちとダイナミック。

>>32
飽きた。

>>34
んー、いいっすね。
同じような描写でも>>8と違って、自分たちのほうを月に影として映すダイナミズム。
まぁ、ただの月食なんだけど。
40イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 :04/09/06 14:48 ID:68quVNFH
>>30
体を横たわらせる猫はいい。よくこのフレーズ出てきたな、と。

>>35
夜っていうより月っていうより情欲の詩。
月は無慈悲な夜の女王とかどうせなら既成の有名なフレーズ盛り込んだほうが
安っぽさがわざとっぽくなってよかったかもしれない。
青年漫画の挿入詩にしたらムード高まりそう。

>>36
おもしろい。なぜにカエルなのかはわからんが。
一連目秀逸。ぼくに落ちてくる→ぼくが落ちそうの締めもよい。
なぜにカエルかわからん壊れっぷりが詩全体のヤバさとバランスが取れている…のか!?

>>37
ラストがなぜか「できないってこった」に見えた。2ちゃんの見すぎか。
体中に打ち捨てられた、ってどういうことだろう。
用は、って何の用なんだろう。
謎の多い詩だ。せめてタイトルでヒントすらもくれないとは。

>>26
見逃してた。ごめん。
タイトルと余韻をもたせたラストとの相乗効果がグッド。
ようだが、で転調させる展開がナイス。
人生の夜だね。でもよくないほうへ進んでいると思うのは思い過ごし。
本当はわからないんだろ。
41名前はいらない:04/09/06 14:50 ID:68quVNFH
お題は「夜」。

投稿締切は9月8日午前0時まで。
42Image:04/09/06 20:54 ID:XU3T3Iik
月に照らされ、そっと目を閉じた。
悦に浸ったまだ幼い僕は、
目を開いても何一つ見ようとしないんだ。
43Nightmare:04/09/06 21:03 ID:5lups8NH
カチ カチ カチ カチ
秒針の音が耳障りだ
カチ カチ カチ カチ
気になって眠れないじゃないか
カチ カチ カチ カチ
いい加減にしてくれよ
カチ カチ カ     ガシャン
時計なんていらない

午後の日差しに気づきやっと目覚める
しばらくしたら友達が遊びに来ることになっていた
憂鬱
仕事の話ばかりするつまらない奴だからだ
そして必ず説教を始める
鬱陶しい
だから将来の夢を語ってそいつを納得させている
それがいつものパターン

今日も部屋から出なかった
外はいつの間にか漆黒の闇が支配している
静寂の中で自分の失笑だけがやけに響いていく
起きていても仕方がないな
もう寝ることにしよう・・・

これが見飽きた四角い空間での日常化した生活習慣
世界の中心であり世間からもっとも離れた場所での出来事

夢だけを見続けている僕に

朝はきっと来ない
44始発バス:04/09/07 01:07 ID:WrFDLPmk
バス停で待つ次の便を
早く来いと望んでいるほど
なかなかそれは現れず
来たら来たで何故か舌打ち
むしろ煙草でも吸いながら
ぼけっと待てばすぐに来て
鼻歌まじりに飛び乗れる
どちらの場合もバスは10分おきに
ちゃんと現れているのに

朝なんてどうせいつでもやってくるから
沈んだ気分の時ほど朝焼けを
痩せ我慢でも待ち望んでやれ
きっと出て来た今日の日に
ルンルン気分で飛び乗れる
暗闇が寂しさの友達だなんて思うなよ
目に見える全てのものなんかより
頬を伝う涙の感触の方が
きっともっとずっと怖い

ほら何も考えずに待ってたら
あほみたいに陽気なつるっぱげが
地平線から顔を出した
それ舌打ちして嫌な顔で出迎えれたら
逆に太陽は明るく笑う
45蝕 1/4:04/09/07 02:05 ID:nr8xmdHn


   …      クダサイ
   …             私ニ
   …少


                 …   安ラギ
                 …安寧
                 …





       …
       …
       …ヤハリ私ハ


46蝕 2/4:04/09/07 02:06 ID:nr8xmdHn

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
□ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■…■ニ■■クダサイ■■■■■■■■□
■■□…目ヲ■■タコトノナイ私ニ□■■■■■
■■□…少シ□□ □□■■■■■■■■■■
■■■■■□□□ ■■■■■□□■■■■■
□■■■□□□ ■■■■■■■■■■■■■
□□■■□■■■■■□□…■■ト安ラ■■■
■□□■□■■□□■□■…安寧ト□□ト■■
□■□□■□□□□ ■■■…発□□発■■■
□□■□ □□□□■■□□□□□□□■■■
■■■□■■□ □□■■□■□□□□■■■
□■■■■■■■□ ■■■■■□□□□■■
■■□■■■■■■■■□□□ ■■□□□■
■□□■■□□■■■□□□ ■■□□□□■
■■■■□…■ヲミタ□□□■■■■■□□■
■■■□□…ナン□□モ■ノムケル■ヲ■■■
■■■■□…ヤハリ私■■ツテイナイ■■□■
□□■■■□ ■■■■■■■■■■■■■■
□□□■■■■■■■■■■■■■ □□□□
47蝕 3/4:04/09/07 02:06 ID:nr8xmdHn
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■私ニ■ヲクダサイ■■■■■■■■■
■■■■目ヲ閉ヂタコトノナイ私ニ■■■■■■
■■■■少シデモ ■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■不安ト安ラギト■
■■■■■■■■■■■■■安寧ト暴動ト■■
■■■■■■■■■■■■■発散ト発生ト■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■夢ヲミタ■■■■■■■■■■■
■■■■■■ナンマイモ皮ノムケル夢ヲ ■■■
■■■■■■ヤハリ私ハ狂ツテイナイ■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
48蝕 4/4:04/09/07 02:07 ID:nr8xmdHn
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
49夜の出番 1/3:04/09/07 03:52 ID:DrGlVaR7
今日も地面から浮き上がってきました。
どうも、夜です。

まだ出てきたばっかりですから、みなさん起きてらっしゃってね。
まだまだ頑張れるでしょうから、まあ適当にどうぞ。

どうもね、夜の出番は半分以上皆さん寝てらっしゃいますからね。
それもこう、何年も夜やってますと慣れてきてしまってますけど、
正直ギャラ減りますよ。ウチ、基本給プラス歩合なんでね。
昼なんてたいそう儲けてますよ、あんだけビカビカできるんですもん。
こっちはしょうがないから、ま、ごらんの通りチラッっと・・・ね。

最初にドカーンとやっちゃいましたからねー、昼は。
ぼかぁ、節約してこうとしてねー。
アレがまずかったね。

まあそれでも夜やってるのに誇りはあるんですけどね。

ほら、またこうやって、
50夜の出番 2/3:04/09/07 03:56 ID:DrGlVaR7
もしもし、お嬢さんどうしました?
・・・ほう、おととい彼氏に振られたと。
まぁまぁ。愛なんて死にますからね。 永遠じゃないですよそりゃね。
それで、今はどうしてるんですか?
・・・うん・・・うん・・・
んまー、自殺ですか。
そうですかー。まあ止めやしませんけどねー。
だってね、お嬢さん。
君達なんてね、僕の芸歴に比べればね、まあ一瞬みたいなもんですよ。
こうやって語りかけてるんだって単なる酔狂ですからね。
昼はそういうことしませんけどね。あいつは単なるバカですからねー。
はしゃいでるだけっ!もうー、体力バカ!
あー、ごめんなさいね。
自殺してどうするんですか?
・・・んーそうですかねぇ?
消えてなくなるってことはないとおもいますよ?
だって、・・・うん・・・いやね・・・ちょ、ちょっときいて、ねえ。
君自身の肉体なり何なりってのは、まあパッと見は消せますけどね。
親御さんなんて多分悲しむよー? その振った男だって罪の意識で眠れないよー?
・・・それなら本望ですか。そうですか。
じゃあ死ねば? こっちもねー、君みたいな人いっぱい見てますからね。
んで、どうやって死ぬの?
・・・飛び降り!? あー、アレはやめとけー?
きったないよー? ぐちゃぐちゃになってさー。
出来るだけね体を残したまま、中身から死ぬのがいい。 あれが一番キレイ。
んで発見されやすくしといたほうがいい。
ほっとくとすっごい臭いから。
生きてる間はきれいにしといて死んでから汚い臭いキモイってのはやめたほうがいいよ。
最終的に3K達成じゃんか。・・・あ、古いって?これでも若者に合わせてるほうだから・・・。
それじゃ・・・ってあれ、どうしたの?
・・・ああ、そう。じゃあお元気で。
51夜の出番 3/3:04/09/07 03:57 ID:DrGlVaR7
なんだよ、死なねえのかよ。ちぇーっ。
いやね、僕ねおっきな声じゃ言えないんですけど、
悪魔に借金してましてね。そりゃもう結構膨大。
んで死者の魂をあつめろ、って言われてんですよ。
自殺者オンリーでね。
もう、大変。死なない死なない。
ほっといたほうが死ぬのよ。
ダメだねー。うまくいかないねー。
あっと、そろそろ時間も短くなってきたわけで。
次は朝の出番ですね。
朝はね、結構こっちじゃパシり的な存在なんですよ。
前座ですからね。
じゃあ、今日もありがとう!
そしたら朝の登場です。
拍手でどうぞー!
52名前はいらない:04/09/07 04:23 ID:OjmvifUd
>>8 :それでも月は :04/09/02 02:29 ID:e19o3nkI

 いいねぇ……白いふっくらした少女のほほや、肩から腕……胸なんか浮かんでくる。
 この長さ、普遍的な少女像を写す鏡みたいだ。……女性が読んだらどうなるのかなぁ?

53夜はいらないなんてもういわない:04/09/07 10:08 ID:tbYMfgpr
新しい屑篭と暇つぶしのキスしながら始めた部屋の片付け

夜はもういらない
このまま朝が続けばいい
なんて思った 僕が
膝を抱いたまま 転がりでてきたのは
忘れ去られた黄ばんだノートの中から

夜は悲しみの色ときめつけて
夜は孤独の時と忌みきらい
いまの僕はつまみあげた
顔色の青い僕をきめつける

お前は間違っていたんだ(ワラ)

孤児院にはカンガルーしかいないんだ(ワラ)
野生のライオンのみ人語を凌ぐんだ(ワラ)
わらびもちは秋の晴れた風にだけぷるぷる揺れるんだ(ワラ)
まっしろな世界なら”心の中心に向かって黒くあれ”と在るいまの僕だけが在るんだ(ワラ)

まっくろな世界だからいまの僕はなくなると思えば
漂うことばが形を成す
灰色になりきれない僕は灰色の神を造り出し
闇夜の3Dキャンバスに飛び交うすべての色の
意味のない意味の光の矢

僕はつまみあげた僕をそっと机に降ろすと
僕をつまみあげていた僕にそっと部屋に降ろされた
口をついて出たのは月並みな ふふん へへん ちぇっ
夜が暗すぎて空がよく見えなかっただけさ
54名前はいらない:04/09/07 10:24 ID:xCjBNDry
>>52
…どこが!?
自演か?
あなたと作者の感性にケチを付ける気はまったくないが、自分がとんでもなく不粋なこといってるのもわかってるが、
それでもツッコミをおさえることができないこのかなしさ…
55夜釣り:04/09/07 10:55 ID:pfz+KTXv
仮初を仄めかし
手渡された薄い足場は
見渡しきれた誂えの闇、案外だ
対角線で、そう言えば包まれてしまえそう
揉み消すとの約束、鈍る思考で信じて
過去に幾度おりた諦めの張を
今に手繰りあげた諦めきれぬ張を

夜明け見たら終い
白波は、この足を濡らし
跳ね上がり、この頬を濡らし
起ち上がり刺の先々は
降り注ぐ、この鱗一つ一つに

夜明け見たら終い
忽ちに見失う四方の端
交わりに伏せて大の字になろうとも
釣られた魚は太陽から逃げられもせず
野良猫は増えてゆく
熱は地に移りゆく
誰にも付かぬ月と星
新参よそおう常連の風、薄情だ

56名前はいらない:04/09/07 13:49 ID:M/bLZG7t
>>54
同意しとくわ

たくさんあるなかで、あの詩だけを
選ぶのも、なんだかねw
57名前はいらない:04/09/07 15:22 ID:OjmvifUd
 あほ
>自分がとんでもなく不粋なこといってるのもわかってるが、
>それでもツッコミをおさえることができないこのかなしさ…

>56こそ、自演だろ?


58名前はいらない:04/09/07 15:37 ID:ddrAJFJ7
投稿・審査以外はなるべくこちらでお願いします

【梁山泊スレ専用!】雑談・議論・感想スレ8
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/1077450546/
59名前はいらない:04/09/07 16:55 ID:M/bLZG7t
>>57
違うよ
601未満から ◆MO1pk/rqmI :04/09/07 21:00 ID:D2459n4D
詩人霊園メルヘン (1)


この世にはもう
月と星と夜と風と
春風と通り雨ときみ
だけがあればよい
とのたまうこと
この頻度は、詩人がインクと羽ペンを消費する量に比例する
上記の名詞については任意に変更、追加してよいが
十を超えることは稀であろうと不肖私は推し量るところである

頭上を囲むこと数平方を住処とし
一日を丸ごとには頬張らず
しかもそれを嗜みとして捉えているようでもある
611未満から ◆MO1pk/rqmI :04/09/07 21:01 ID:D2459n4D
詩人霊園メルヘン (2)


ちらとでも葉が揺らめけば
活目して見よと隣人の肩を叩き
そんな詩人の隣人は
湖の波紋に気を奪われていたところを邪魔されて喧嘩になる
というのが日常だ

ひとりを好むが孤独は嫌い
大声は張り上げぬが心に留め
醜いものをいかにして美しく表すかに心血を注ぎ
かと思えばもとより美しいものに対しては
「美しい」とのみ表すことを
これまた規範のようにしてかっちりとこなす

月に魅せられて没する者
茨に捕らわれて帰れぬ者
女に飼われて立てぬ者
艱難辛苦はなはだ多き人種である
伝えよう
詩人霊園メルヘンは門扉も守衛もなく万人を受け入れるものである
62名前はいらない:04/09/07 21:06 ID:xzFL4ZmU
↑誤爆?コテハン出しは初回のみセーフ。以降は失格ですぞ。
631未満から ◆MO1pk/rqmI :04/09/07 21:56 ID:J0bTGR7W
うわっ!自分バカなんで前にもやっちゃってるかもしれません。
わからないんで審査員の皆様、ご随意に処理してくださるとありがたいです。
62氏、指摘どうもでした。
64夜の絵:04/09/07 23:52 ID:ilF5VpI/
夜を描く時

ある人は それを黒く染め
またある人は それを紫に染める

ある人は それを深い蒼で塗り
またある人は それをくすんだ灰色で塗る

『実際 夜はどんな色をしているのだろう?』

誰かの素朴な問いかけに 夜は空気を震わせることなく答えたという

『もともと色なんてなく ただ暗いだけだ』と――
65イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 :04/09/08 00:23 ID:Q8n9p1Hq
>>42
1分で書いたとみた。

>>43
連想ばかりで繋がっていくのですらすら読める。
読まなくてもあらすじだけわかれば読んだことになれるような詩だ。
しかも読後に「だからどうしたの?」としか思わない。

>>44
最後の連、ソウルフラワーユニオンに似たような詩があったのを思い出した。
「真昼の太陽」だっけな、なんだったっけな、忘れたけど。
つるっぱげ以外は退屈。>>43と同じような印象だ。あと始発バスはどこへ。。。

>>45-48
こういうのは俺には出来ないから羨ましく思う。
が、もっと「すげー」とか楽しませて。どうせならCGとか使って。
真っ黒になるのか。無音になるのか。。。安易だな。

>>49-51
今回、つぅか前回から数えても、初めて声出して笑えた作品。
夜の擬人化はありきたりぽいけど、まさか芸人にしちゃうとはね(爆笑)。3Kとこなんて爆笑した。
キッチュというよりチープだけど、マンガ化できないマンガ、
小説なんだか詩なんだかわかんない詩、って感じでいいと思う。
ただ、詩で行くんなら、もっと短いほうがいいかな。
66星座:04/09/08 01:37 ID:rAS7kieO
「皿座」

ひとつの星が庭におちて

それは晩ごはんのおかずになった

こうばしく甘いかおりが
     ゆげにのって狭い家をつつんだ

ちょうどいい感じに焦げ目がついて
皿の上に盛りつけられて

それでもまだ
やわらかいひかりは部屋をてらした

さめる前に食べてしまわなくては
ひかりが消えてしまう前に 食べてしまわなくては

67星座:04/09/08 01:39 ID:rAS7kieO
「掃除機座」

足の裏から雲と影の交わるところまで
金色に反射するのは麦ではなくゴミ畑
世界がゴミにかこまれたあと
動く掃除機は彼だけだった
注意深く写真をやぶくように
風景に溝をあけるのが彼に与えられた命令だった
鉛筆デッサンにプラスチック消しゴムをかけるように
ゴミ畑に道を開くのが彼に課せられた義務だった
彼のすべてはちらかった状態ときれいな状態と言う二元論であり
整然と秩序だった状態を愛することは生まれついたときからプログラムされた彼の本質だった
彼は自分の仕事に使命感を持っていたし
彼は秩序を邪魔するものを異物として認識した
風がどこかから種を運んできて
ゴミ畑に命が芽生えたとき
彼は当然のように憤然として踏みつぶした
ゴミ畑のゴミがすべて掃除されたら
彼は花畑と戦うことになったが
そのころには彼はうまく動くことができなかった

彼が描いたミステリーサークルの真ん中に
ひとつの星がやってきたとき
彼はすでにゴミになっていたが
星は生命にも地面にもゴミにもやわらかなひかりをなげかけた
68星座:04/09/08 01:41 ID:rAS7kieO
「ひこうき座」

こんなに暗いのは空が曇ったからではなくて
星が残らず落ちてしまったから
ひとり乗りのセスナは
星座のかたちをなぞって飛ぶ

オリオン
双子座
カシオペア

 想いは感覚の反射神経
 見返りをすいつくしたあとには
 最新の望遠鏡もなにもうつさない
 無感覚の海で星は石になってしまった

ペガサス
おおいぬ
ペルセウス



  ・
  ・
  ・
69星座:04/09/08 01:42 ID:rAS7kieO
  ・
  ・
  ・



地上が膨張していった
空が凝集していった
きがつけば
いつのまにか
逆さ向きに飛んでいた

ビルや犬小屋はひらたくほどけて
夜の細胞は月の引力で結びついた
地は天になり天は地になり
地平線をさかいに重力は反転した

眼下には暗闇野原
頭上にはいろとりどりのネオンの星空

ひとり乗りのセスナは夜明けをまたず
かみひこうきのようにかろやかに
               ふわりと
                  着陸した
70てるあき ◆DDfwggPC.. :04/09/08 06:53 ID:rnb6opMX
本日最終日です
今夜24時に締め切ります
71MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/09/08 10:03 ID:bJYsorZi
締め切り前ですが、先に寸評などを書かせてもらいます。

>>11 夜に寄す
第1連は確かにおもしろく書かれている。でも、やっぱりこの詩は夜ではなく、昼
の世界をメインに書かれているようなので、その点が減点かな。光の中で駆け回る
青春真っ最中という感覚は素直に好感が持てる。白い闇というアイディアがおもしろいが、
やや発想倒れに終わってしまっているところが残念。これをもっと発展させて、
夜の闇との対比について言及すると、この詩はもっとふくらみがでてくるように思う。

>>16-17 詩人の夜
ここで言う母、とは神話的なグレートマザー、あるいは月並みに言うなら母なる地球の
鼓動、といったところなんだろう。第3連の「だから創り続けている/母が詠った詩の続きを」
に共感。本当に美しい詩、というのは地球の喉笛から発せられた自然の言葉であって、
詩の言葉はいかにそれに近づくか、というのは「古今集」仮名序の詩論なんだけれど、
この個人的に思い入れがあるテーゼと重なるような気がした。

>>20-21 夜王伝説―序章―
夜王は都会から離れたある街で生まれたことになっている(これは作者の分身だろう)。
でも、そうした設定が物語りを物語たらしめている一方で、イメージを狭く限定してしまう
という災いをもたらしてはいないか。夜がどこにでもやってくるように、夜王もどこにでも
出没する、としたほうが、私としてはおもしろいと思う。第8連にビーンときた。
「純粋ぶったつくりものの朝を笑う」ね。これを笑うことができるのは確かに夜王しか
いないわな。なぜかこの夜王のイメージ、永井豪の漫画「デロリンマン」を重ねてしまった。

>>24 臨月の夜に思う
普通にうまい詩。惜しむらくは、短かすぎる。第6連「ただならぬ気持ち」をもっと突っ込んで
追求してほしかった。普通、母というと、優しさ、いたわり、慈愛、聖母などのイメージを
想起するが、こうした既成の枠を超えた、もっと狂的な母性の自覚に作者は恐れおののいて
いる、というのだろうか(私は勝手にそう解釈した)。もしそうなら、それでこの詩の続きが
書かれていたなら、これは世紀に残る名詩となっていた(オーバーじゃなく、ホント)。
72MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/09/08 11:06 ID:bJYsorZi
>>34 月食
繊細な言葉の感性に思わずうっとりしてしまう。短さが幸いして傷がない。ほぼ完璧
に書けている。2行目の「あらかじめ組み込まれ照らされる言葉たち」など含蓄のある
表現に唸る。蛍の描写もうまい。書けるようで、なかなか書けない。背景に音楽が流れている
が(ああ、この何とかマイナーとか何とかメジャー、が傷と言えば傷かな。こうした直接的な
表現を使わずに読者に音楽を意識させれば達人の芸域)、ドビュッシー的世界を彷彿させる。
―みずからの名を連呼しながら/花は次から次へと咲き乱れる―
まさに絶唱と呼ぶにふさわしい。

>>36 カエルとダンス
うまい詩。ただ、作者は自分のうまさに慣れてしまっている? 緊張感か逆にもっと
思い切った諧謔がほしい。あるいは毒。あるいは意識的な破綻、破れ。世界が平穏すぎる。
でも、やっぱ、うまいはうまい。

>>45-48 蝕
先を越された! 実はかくいう私もこれと同じ実験詩の構想を持っていた。ただ、私の場合、違うのは、
穴の部分は人為ではなく、何らかの方法で偶然性にまかせてランダムに伏字を置いていく、
というもの。でも、これって、やったもん勝ちですよね。
一見、無意味な4/4の黒マス群だけの部分がよい余韻をつくっている。

>>49-51 夜の出番
バカだねー。こういうお馬鹿な詩って、はっきり言って好み。んでも、まだまだバカパワー
が足りないんじゃない。もっとふざけて、遊んで、転んで、これでもかって、こちらが嫌に
なるくらいやってくれたら、たいしたもの。
でも、読んでいる間、カタルシスを味わえた。ありがとう。
73稲荷参り 1/2:04/09/08 11:09 ID:cBhcbXSd

月明かりの参道を上がっていくと、
いっとう上には小さなお稲荷さんがあった。
朱塗りの鳥居がいくつも並び、
石畳の両脇に蝋燭の灯った石灯籠の列。
その光を下から受けて二匹のお狐様が笑っていなした。

つっかけを脱ぐと、手と足を洗い清め、
階段を登り、鳥居の列をくぐり抜け、お参りをする。
石ころを一つ拾っては、最初の鳥居の足元へ置いていく。
素足のしゅっしゅっという足音がかすかに響き、
遠い雑踏の轍の音が遠雷のように木霊する。
お稲荷様に信仰心があるわけではないのだ。何かご加護があると
信じているわけでもない。ただ、何かしないではいられないうずうずした
思いが、ここに来させているのだろう。
石ころが50も越えるころには、そんな思いもどこかに消えていて、
ただ、歩くだけのものに成り果ててきたような気がした。
74稲荷参り 2/2:04/09/08 11:10 ID:cBhcbXSd

石灯籠の灯りが、一つ、また一つと消え、また一つ、一つと点いている。
頭のどこかで、そんなわけはないだろう、と思いながらも、
一方で、当然の出来事のようにも感じる。
灯篭の後ろから、影のようなものの気配が集まってくる。
怖いんじゃないの?と誰かが聞き。
怖くないなあ。と誰かが応える。
ヒエヒエと笑う声が頭の後ろで響く。
何かを置いてくるような、どこか透明になっていくような。

100度を終えて、手と足を清め、月明かりの帰路につく。
闇が暖かい。木々の向こうにある闇が身の内のように感じられる。

影のようなものが、一緒に歩いている。
奇妙に暖かく、冷たく、一緒にいたがっているのがわかった。
傍らの岩に座り、目を閉じてそれを見る。
きっと、今ならば、あれは思うがままの形をとれるのだろう、
男にでも、女にでも、狐にも、獏にもなるのだとわかる。
今日は影のままがいい、と思った。
明日もくるから、待っていてくれと頼んだ。
75MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/09/08 16:52 ID:daf/uZbc
>>55 夜釣り
「手渡された薄い足場」「四方の端」などは直接的には濡れ床だろうが、もっと広げる
なら、恋愛のステージの隠喩なのだろう。果たして、このメタファー、成功しているかどうか。
全体が5音、6音、7音の亜定型になっており、それが軽いリズムを生んでいる。
でも、なんか読後感がスカッとしない、パリッと食せない。なぜなんだろう。

>>64 夜の絵
落語の小噺のようで、軽いオチがいい。
76泳ぐ/弱い:04/09/08 18:09 ID:uR5XzA+X
夜に泳ぐ僕達は
光に誘われるまま
何をするわけでもなく
ひとりでいられない

笑顔の裏の声に耳を塞いで
快楽の波はうねる
飾られた虚像の中
ひとりでいられない

太陽が輝くなら
流れ落ち消えるもの
本物が欲しいのに
見つける事すらできない

どうしたの?
どうしたいの?
からっぽな体は浮かぶはず
僕達が一番知りたがっていた

溺れた事にすら気付かない
心は歪んだ音を発した
それでも
ひとりでいられない

切り離す事なんて
考えもしなかった
77灯り:04/09/08 18:58 ID:a5vg2lgv
ふたり笹舟を見つめる先の
時間はやけに
ゆっくりです

水面に光る蛍が
先立って貴方を
追いかけて行きました

貴方に
夢を呟いて
蛍の一生はそこで閉じます

でもいいのです
貴方はそれを知っているから
わたしは貴方から洩れる光に
手を重ねることくらいしか

―――‐‐--―-− - - -

くらいくらい闇のなかで
一筋の露が流れます

わたしはそれを知っているから
ささくれた指でそっと拭い

小鳥のように
唇をついばんでしまいます
78イブニングニュース 1:04/09/08 22:06 ID:alwKgQp9
テロリズム 政争 医療過誤 殺人事件
派手なドラムロールに乗って
ヘッドラインが読み上げられる
勇ましいトランペットのファンファーレとともに
年収何億の渋いルックスのアンカーマンが
これでもかというくらいに眉をつりあげて
太く低い声で「こんばんは」と自己紹介

テレビのニュースなんかに何も期待してはいない
情報ならインターネットにありふれているし
批判や分析だって新聞の方がまだいくらか鋭い

毒にも薬にもならない生ぬるい映像
テレビは今度も戦争を止められなかったね
記者が戦地にいるのは乾燥した沙漠の「背景」が欲しいから

以上現地から中継でお伝えしました
79イブニングニュース 2:04/09/08 22:06 ID:alwKgQp9
そうか こちらが夜なら向こうは昼間か
遠い世界の出来事
兵士が 自爆テロリストが ただの市民が
今日も若い命を落としました
明日は自分の子供かもしれないけれど
それでも 遠い世界の出来事

だから安心するのだろうか
ブラウン管はすべて他人事のように見せてくれる
左派を気取った優しい声で
「以上が今日の世界の動きです」って相対化してくれる
毎日見てるなこの番組

「それではまた明晩」
もう終わっちゃったよ



「戦争が起きると視聴率上がるんだよな」
あれ まだマイク切れてないよ!
80MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/09/08 23:29 ID:aPcsBKj0
>>66 星座―皿座
メルヘンですね。アイディアよし。ポエジーもしっかりつまってる。絵本になるなあ。
>>67 星座―掃除機座
皿座の趣向からガラリ一変。ちょっと変わりすぎだよ。理屈っぽい。「義務」「二元論」
「本質」などなど……。言葉が固いよー。もっとメルヘンしようよ。
>>68 星座―ひこうき座
メルヘンじゃあなかったの? 普通の詩になってしまっている。それでも、第4連までは
メルヘンっぽい。あとは言葉がかたかた。
スマソ。メルヘンと決め付けた私が悪うござんした。
でも、作者の狙いがわからない。

>>78-79 イブニングニュース
梁山泊には、この種の社会派の詩って、今まであまりなかったよね。だからひときわ
新鮮に映る。でも、これはただ感想をつなげただけ、のような気がする。限りなく
散文に近い。散文と詩、どこが違うって? いろいろあるけど、論理が違う。
最終連の因果律はまさに散文のそれ。詩のロジックで因果律が全くないわけではないが、
詩のロジックはまた違ったもの(たとえば神話的な呪術的なもの)になっている。
81MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/09/08 23:32 ID:aPcsBKj0
とりあえず、目についたものの寸評をつけておきました。再度、読み直して
気になる詩が見つかるかもしれません。そのときは、また追加します。
すいません、パワーなくて全部の詩に寸評つけられません。ごめん。
82手に取るように )イ:04/09/08 23:48 ID:RVAvwOvu
駅を出ると
タクシーからお客サン飛び出すように降りてきた
最後のショータイム
いそぐこともない
いつのまにか周りが明るくなっている
夏の間に
誰かに電話したいけど

この頃は仕事ばかり忙しくて
ツレないと思う
あいつだって
忙しさを演じているのか
同じように


……魅了された。
ほかの人たちもそうだ
ツレないならあいつらのほうが
はじめっからその気もないんだから
もっと上だ

どんどん成長して人間っぽくなって行くと
戸惑うこともあるが
いつかは仕上がると……

83手に取るように  )ロ:04/09/08 23:50 ID:RVAvwOvu


休みといえば暗がりに潜んで
くつろいだ表情
色々な想いが
手に取るように浮かび上がってくる
とはいうものの
いきなりすべてが出来上がる事もなく

朝日がカーテンの隙間から
矢を射ると
すべてがはじけて時間が
パチンと音を立てた
84名前はいらない:04/09/09 00:09 ID:YqATRofI
 〆切でつね ??
85投稿作品一覧(1/2):04/09/09 00:44 ID:UsD1eL2z
投稿作品一覧(1/2)

5 :湖を渡る風
6 :名前いらない
7 :なくしたもの
8 :それでも月は
9 :【meet a heroic end】
10 :花火
11 :夜に寄す
12-13 :夜明けに
16-17 :詩人の夜
18 :夜
20-21 :夜王伝説〜序章〜
22 :夜の蝉
23 :名前はいらない
24 :臨月の夜に思う
26 :違う場所へ還る
30 :「Before Nightmare」
31 :どうでもいい夜
34 :月食
86投稿作品一覧(2/2):04/09/09 00:45 ID:UsD1eL2z
投稿作品一覧(2/2)

35 :狂月 2004年
36 :カエルとダンス
37 :名前はいらない
42 :Image
43 :Nightmare
44 :始発バス
45-48 :蝕
49-51 :夜の出番
53 :夜はいらないなんてもういわない
55 :夜釣り
60-61 :詩人霊園メルヘン
64 :夜の絵
66-69 :星座
73-74 :稲荷参り
76 :泳ぐ/弱い
77 :灯り
78-79 :イブニングニュース
82-83 :手に取るように

以上、36作品です。
87名前はいらない:04/09/09 01:16 ID:zG7jyjk4
審査期間中age
88MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/09/09 07:42 ID:ZjpQtIrp
>7 なくしたもの
自虐的、というんだろうか。自信のなさ、失恋(?)の痛みがよく書けている。
靴紐を結ぶために転んで、手のひらに粗い砂粒のへこみができてしまった。よくある
ことだよね。そんな瑣末な、取り立ててどうということのない描写でさりげなく失恋
の痛みを表現している。これは実体験だろうか。もし、そうでないのなら、作者は
驚くべき人間観察と優れた内省力を持つビビットな感性の持ち主ということができるだろう。
最後に苦言を少々。なくした対象に対する言及がされていない以上、タイトルのつけかた
に異議あり。

>>22 夜の蝉
第6連「考えなしに喚くから彼ら(セミ)は潔白なんだ/隙あらば価値や意味がはいってきそうな
静寂なんかより」が気に入った。極論しよう。確かに世界に価値や意味はない。だって価値や意味
という「汚れ」は人間の側が勝手に世界の中に持ち込むものだから。だから、蝉は潔白、とした
作者の感覚、いいじゃん。これまで蝉の鳴き声を潔白と断言した詩人があっただろうか。オリジナリティー
とは、この種の断定する感性の謂い也。
89園川 ◆nWfXpQxHHM :04/09/09 19:17 ID:b7YvkMhz
>5 湖を渡る風
性愛を風と湖に託して描いたもの。
モチーフは既視感を免れない。
心理と風景の同化の深度、その距離の変化も中途半端。

>>6 名前いらない
詩人の感じたであろう神秘性みたいなものを推し量る事はできる。
でもそれが言葉となって表現できていないと意味がない。
この作品は表現に工夫が足りないため、描写そのままに留まっている。

>>7 なくしたもの
5連目。大切なものを喪失するとは自分の形が崩壊すること。
崩壊を一歩手前で支える女の抵抗。
崩壊と維持の均衡の結果、女の自我は外面的には静止する。
流れる涙は背後でせめぎ合う力の激しさの分だけ美しい。
詩行は空白に抵抗する。それは喪失に抵抗する女のことだ。
が、やや崩壊が優勢ではないだろうか。
女の自我が空白に呑まれつつあるように見える。
アハハという悲鳴が今一決まらない理由でもある。

>>8 それでも月は
それでも照らす しかしどこか優しい
ということは月の光は本来彼女にとって好ましくないものという事になる。
愛を知らない女を照らすのは残酷だということだろうか。
この作品からは分らないし、モチーフもその使い方も陳腐の域をでない。
90園川 ◆nWfXpQxHHM :04/09/09 19:17 ID:b7YvkMhz
>>9 【meet a heroic end】
涙と言う主観に溶けてゆく風景。>>5と同じ構図だが、
最終行で涙は女の目から世界の目へ移る。2連目の転調が
その準備を整えている。使われている言葉はありふれた詩語。
構造がありふれた言葉を蘇らせているわけだが、
もう少し仕掛けがないと、物足りない。
とはいえ、詩人の思いの形は理解できる。
あとリフレインが読む分にはしつこく、目で眺めた方が楽しかった。
夜空花夜・・・

>>10
直喩の繰り返しだが、雑。
2連目だけ「まるで」をいれたりネオン(看板)のようなを繰り返したり、
直喩の繰り返しなのにその形が一定せず、リズムも乱れるし読みにくい。
ネオン、火薬、絵の具との比較により、花火が作り物の花だというのは分るが、
意図として、それだけで良かったのだろうか?
91Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/09/10 01:02 ID:cPRHn7Ay
審査しまあす。

2点
>>53 『夜はいらないなんてもういわない』 カナーリ未整理で分りにくい部
分はあるんだけど、自分ともうひとりの自分との対話が、それらしくなく語ら
れていて、新鮮味を感じるんだよね。冒頭の2〜3連は、やや停滞してる感があ
って、その分とっつきにくい。構図を整理する必要はありそうです。

1点
>>7 『なくしたもの』 雰囲気でてるね。ちょっと安易なことば選びはある
けど(うつろな街灯とか)、最終部の夜の光の描写がよかったね。
>>24 『臨月の夜に思う』 ぼくは三好達治とか連想したなあ…。3連めの
「遠い過去」は、いくらなんでもオーバーでしょう。これからおっ母さんに
なる人が。ことば遣いとか、いいと思う。
>>36 『カエルとダンス』 ひょっとして「カエルのバレエ入門」という絵本
を御存知で?田舎の夜ってカエルの大合唱で、こんな夜の気持ちは理解できま
す。ただ、この詩の中では「カエルである必然性」は感じられない。
>>49-51 『夜の出番』 えっと、誰か芸人のモデルはあるのかな?最近のお
笑い事情には疎くて。客席に向かって漫談してる印象だね。意外とソツなく、
うまくまとまっています。ぼくは林家三平あたりでやってくれるとバカ受けな
んだけど、他の人にはダメだったかもねえ…。
>>66-69 『星座』 アイディアはぼくのど真ん中の好みです。ただね、皿と掃
除機は、星座でなくてもいいんでないの?特に掃除機。
92Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/09/10 01:05 ID:cPRHn7Ay
あとは業務連絡。
>>60-61は、セーフ。
審査の締め切りは9月11日いっぱい(9/12午前0時)です。

みなさん倒れない程度に、ガンバ。
93MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/09/10 01:09 ID:dHoB/VyZ
>>31 どうでもいい夜
詩を書くときって、向こうからやってくるっていう感じで突然、言葉や感覚が降って来る
ことがあるじゃない。この詩の第2連の冒頭3行「どうでもいいい夜だ/俺はこの夜のことを
絶対に忘れる/お前も忘れる」というフレーズがまさにその感覚じゃないだろうか。作者は詩
のとば口に立っている。惜しいかな、作者はその玄関の三和戸のところで止まってしまっている。
ここから家の中へ入っていくのに力量がいる。ゴメン。作者が力不足と言っているんじゃない。
大半の人はこの玄関にさえ辿り着けずに、塀の周りをぐるぐる回っているだけなんだ。

>>53 夜はいらないなんてもういわない
細部は正直わからない。が、全体的な構想がよく練られた詩、ということはわかる。
現在のぼくと過去のぼくの対比、精神の成長、夜つまり人生の深部をめぐる認識の深化が
独特のタッチで描かれている。第5連が珠玉。遊びというか、破れというか、軽さが
この竜骨としてこの船を支えている。最後の1行もウィットがきていて実にいい。>>

>>60-61 詩人霊園メルヘン
独特の語り口がよい。自己の詩のスタイルができている。きちんと立っている詩。
詩人という病人をこれほどまで的確にユーモラスに描写されていて、作者もミイラ取りの
ミイラなのだろう。私にもミイラの棺の隣の土地一区画、二十円で売ってくれ。

ここまでの総評。
どうしちゃったんでしょう。ホントに秀作ぞろいで。今回ははっきり言って困った。
一連の投票騒動で、すっかり眠れる獅子を起こしてしまった、という感じです。

94ななほし ◆lYiSp4aok. :04/09/10 02:40 ID:e8jrTfNT
 力作揃いで、……考えまとまりません。やむおえない……。
 ……目に飛び込んでくる作品に点をつけました

3点 >73 :稲荷参り 1/2 :04/09/08 11:09 ID:cBhcbXSd
 ほろりと涙がにじんだ。そうか……スガルというのはこんな……
3点 >66 :星座 :04/09/08 01:37 ID:rAS7kieO
 困った。とにかく星座と晩御飯のおかずに引き寄せられた。落ちは納得できない。星空なんて……そんなものかもしれない。


2点 >12 :夜明けに その1 :04/09/02 23:27 ID:OkBIPHUs
 こまった、持ち点が足りない。
2点 >49 :夜の出番 1/3 :04/09/07 03:52 ID:DrGlVaR7
 面白い。楽しんで読んでしまった。

1点 >7 :なくしたもの :04/09/02 02:04 ID:3xNWqzeL
 なくしたもの、気が付かないんですね。でも、涙は夜なんですね。
1点 >8 :それでも月は :04/09/02 02:29 ID:e19o3nkI
 叙情というのかなぁ……月を見て女性を思ったのか? 思う女性が月に映るのか?

1点 >55 :夜釣り :04/09/07 10:55 ID:pfz+KTXv
 何を釣るのやら。足元が気になる?
1点 >45 :蝕 1/4 :04/09/07 02:05 ID:nr8xmdHn
 出ると思った。アイデア!
1点 >36 :カエルとダンス :04/09/06 00:13 ID:oIvVoo9F
 う〜ン。楽しい詩だ。
1点 >78 :イブニングニュース 1 :04/09/08 22:06 ID:alwKgQp9
 ああ、点つけちゃって、いいんだろうか? ……
95園川 ◆nWfXpQxHHM :04/09/10 19:14:28 ID:3Pxil3bk
>>20-21 夜王伝説〜序章〜

内容的には、つまり一時的胎内回帰。
放棄した肉体をそこで再び獲得しようとするのだろう。
語り口の堅実さと表題で、いずれ彼の強さが臨月に到る事を予感させる。
しかし上手い。この詩人はもっと芸に拘るべきだ。
内面などと言う曖昧なものに言葉が引きずられてはいけない。
言葉が内面を引っ張ってくるべきだ。そこから展ける世界をみたい。そんな風に思った。

>>23

時間軸のゆがみが多少気はになる。秘密は く が握っているのか。

>>24 臨月の夜に思う

孫を持つ年齢になった女が母の何を予感するのか。
子育てを終え尚滾る母の血、それは我が子に向けられた力ではない。
抽象化された母性の猛りだ。それがこの世にいない母を予感させると言うことは、
ここに予感されるのは自分の母というより神話化された母なのだろう。
臨月の夜とは女が神話に昇華する夜のこと。でも神話的母との同化を暗示する言葉が
「ただならぬ」では大したお母さんではなかったな、で終わってしまう。

>>26 違う場所へ還る
2連目から、船は無意識下を航行していることがわかる。
3連目に「わたしは」という表現がでるので夢の中に現れる(自我が運航に関わる)ということも分る。
でも夢の中に現れる船が死の宿命を規定するというのは無理がないか。
それだけの支配力を船に持たせたいのなら「わたし」が関与しないところで
船は常に航行しているべきだ。
96Alnite ◆m3UVuKrnck :04/09/10 19:51:16 ID:k4EUvZYV
レベル高いですね。ポップ調の作品もなんとなく普通のと違う気がします。

三点は該当作品なしです。

>>12-13 『夜明けに』
全体的に流れが良かったように思えます。
夜明けをこのように覚悟がいるものとして捉えさせる姿勢が
素晴らしいと思います。
さあ が少しだけ多いことや その2でいきなり『わたし』が出てきたり
その辺整理するともっと良くなると思います。
本当は覚悟がいるんですよね。でもそれを忘れている私達がいるんです

以上一作品、二点です。

一点・・・
>>7 なくしたもの
『自分の幅』がなにを示唆するのか、そこの余韻が素敵です。
でも、これだけのシリアスな展開に
『アハハ』ではちょっと・・・な気もします。
主人公の切ない気持ちがちゃんと伝わってきましたよ。

>>18
一つ一つの言葉の輝きは他のどの作品にも見られないものがあります。
ただ、『夜が僕を満たす』情景をもう少し丁寧に描いても
良かったのではないでしょうか。
夜が包み込む、という表現はありふれていながら斬新でした。

続きます。
97Alnite ◆m3UVuKrnck :04/09/10 20:07:06 ID:k4EUvZYV
>>30 Before Nightmare
静かに夜が続いていく風景を眼の裏に想像すると
なんとなく自分の棲んでいる世界がちっぽけに思えてきますね。

>>31 どうでもいい夜
この夜のこともきっといつか忘れます。
『この夜は俺達のものじゃない』、強かな表現だと思います。
ちょっと悲しすぎかも知れませんが、これも詩人の性なのだろうか?

>>42 Image
眼を開いても何も見ない愚かな人間の様をよく表現していると思います。

>>49 夜の出番
詩・・・なのかな・・・?
とにかく楽しかったです。

>>66-69 星座
ポップ調かつ正統派な感じがしました。谷川俊太郎ライク?
ひらがなと漢字の使い分けが絶妙。

>>76 泳ぐ/弱い
退廃的なリズムの詩。どこかでまたもう一度朝を迎えられるように
そう願わずにはいられない情景でした。

>>77 灯り
暗闇の中のほのかな光の風景は感銘を受けました。
最後の二行に一考の余地があります。

続きます。
98名前はいらない:04/09/10 20:09:06 ID:a/71xu1A
付き合って2ヶ月の彼女に「今日親いないから」って家に呼ばれた。
まだ交わりをかわしてなかった俺は今日がその日だと思った。
彼女の家のあるマンションに着いて、大事なものを用意していないのに気付いた。
運よくマンションの一階に薬局が入ってた。
店主がおっさんだったので気楽にゴムを買えた。
レジでそのおっさんがニヤニヤしながら「兄ちゃん、いまからか?」と聞いてきた。
俺もにやつきながら「今日初H」と答えた。
おっさんは「がんばれよ」とか言って送り出してくれた。
彼女の家に着くなり「ごめんもうすぐ親が帰ってくる」と言われた。
今日はダメか・・と思ったが「とりあえず挨拶だけしていって」ということだったので彼女の親の帰宅を待った。
5分ほどで彼女の父親が帰ってきた。
下の薬局のおやじだった。
99Alnite ◆m3UVuKrnck :04/09/10 20:11:26 ID:k4EUvZYV
>>78-79 イブニングニュース
最後に近づくにつれおもしろさが増して行く作品だと思います。
夜にもう少し触れて欲しかった感じもあります。

以上十作品、一点です。

総評としては、やっぱりポップ調の詩の活躍でしょうか。
楽しいだけじゃない作品が多かったです。
あんまり多すぎると場の雰囲気を壊しかねないけれど、
正統派にもちゃんと得点が入ってるので安心。
それではまた後日。
100わに ◆Wani6uvhK. :04/09/10 21:26:11 ID:JWg0AAGF
あぁ選びきれない・・・どれも良いです。
そのなかでも私の好みで選ばせていただきます。
寸評としては未熟ですが許してください。

>7 なくしたもの 1点
夜という言葉を使わずに夜ってカンジ
少し泣きますよ ってラストが夜の寂しさを出しているような気がする
>16 詩人の夜 1点
遠い昔の子守唄ですね。胎児のように丸まって眠りたい。安らかな夜。
すごくきれいな詩です
>24 臨月の夜に思う 1点
テーマの先を越された・・・・。ちょっとくやしい。
夜はお産が多く妊婦と夜の結びつきは強い。母の壮絶な出産体験から
自分にひたひた近づいて来る出産への恐怖が伝わってくる。
>26 違う場所へ帰る 2点
肝心なものを描かないもどかしさ。なんだかむずむずする。
ただ暗闇のもつざわざわした胸騒ぎ、理由のない恐怖がすごい。うまいと思う。
>42 Image 2点
虐待のようにも感じたし、子供の性のようにも感じる。
短い詩でここまで情景の想像できるのもすごいと思う。
>43 Nightmare 1点
時計なんていらない までで十分な詩かも。個人的にかなり好き。
>64 夜の絵 1点
夜はただ暗いだけ・・・・詩的だね。絵描きが思い思いの色を塗る夜空。すごくイイ。
>76 泳ぐ/弱い 1点
つながりの薄い恋人の脆い情事みたいに感じた。彼らは薄暗い夜にすむんだね。
淡い水彩画みたいな詩だと思います
101園川 ◆nWfXpQxHHM :04/09/10 21:59:43 ID:yKUVa/MH
>>34 月食
イメージの意味の論理構造が蕪雑で混乱する。
きれいだがただ雑で分りにくいように感じる。
それは僕の誤読のせいなのかもしれない。
なんとか読み取ってみる。
張りぼての内部は構造を晒した世界の夜だ。
世界にあらかじめ配された言葉を拾い上げ、
僕は自分の中にもう一つの世界を形作る。
世界を裏返せばそこに見える、月に映った僕と地球、二つの世界。
詩人が戯れる言葉=存在の夜、そんな所だろうか。

>>35 狂月 2004年
誰でも知ってることをただ述べてもしかたない。
措辞もあまりに陳腐。

>>61 詩人霊園メルヘン
僕は「詩人霊園メルヘン」を見たいとは思うが説明されたいとは思わない。
説明は散文がしてくれれば良い。
この作品は、詩人霊園メルヘンを形作る言葉を発見していない。
世界観=措辞はかっこいい。

>>64 夜の絵
無い物を書くのは詩人に限らず人間の古くからの欲望だろう。
宗教も芸術も、ない死を夜を、夢を描こうとしてきた。
この詩もその努力と不可能性を語っていく中で「無い物」を
逆説的に炙り出していかないとだめ。

>>78 イブニングニュース
事件さえも消費の対象にする社会。それに対する苛立ち。
それはわかる。でもそれ以上のものを感じない。
読ませる工夫としての解放されたデスペレーション。
それも分るがもっと楽しませなきゃだめ。
102MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/09/10 23:43:04 ID:24IhEbG6
今回ははっきり言って悩みました。長考の末、採点に入ります。
3点作品は2作品です。今回の私の採点について、おそらく異議や疑義がでるものと
予想されます。その際の責任を引き受ける覚悟での決断です。
【3点】
>45-48 蝕
アイディア倒れになっていない。詩の内容もしっかりしている。日蝕=天照大神の天の
岩戸隠れを持ち出すまでもなく、死(安寧)と再生(発散ト発生ト)がテーマと勘繰ってみた。
「ナンマイモ皮ノムケル夢」とは、蛇の脱皮を表し、ヘビもまた死と再生の神話的シンボル
である。

>34 月食
世界が美しい。月と旋律はよく似合う。

【2点】
>53 夜はいらないなんてもういわない

【1点】
>20-21 夜王伝説―序章―
>22 夜の蝉
>24 臨月の夜に思う
>36 カエルとダンス
>49-51 夜の出番
>55 夜釣り
>60-61 詩人霊園メルヘン
>66-68 星座

1点作品が多くなって申し訳ない。これでも、もっと多くの作品に加点しよう
と思ったけれど、泣く泣く割愛した結果なのです。
ホント、今回は私が参加した中で、一番の切磋琢磨でした。
以上。
103園川 ◆nWfXpQxHHM :04/09/11 16:58:14 ID:s6NTt1gC
>>45-48 蝕
発生しつつある言語とそれを蒙翳してゆく非言語記号。
言語の方を見てみよう、不安ト安ラギ、安寧ト暴動、発散ト発生・・・
二元的要素を兼ね備えているということは、
これは「生」そのものに特化せず未だ混沌の相をのこしつつ、
そこから分離していく過程の原生命だ。非言語は死や無ではない、
劫初の発生を叩く暴力だ。この作品の「蝕」には二つの位相がある。
「無」を侵犯する存在=言語と「有」を破壊する非在=非言語と。

この作品は原初にあった暴力を描くが原初とは
あらゆる具体を捨象したものとも言える筈だ。ここにある言葉たちは
具体的対応物を失い言葉としてのみ存在している。
この作品では内容だけでなく言葉もまた原初の姿を保っている。

内容と形式の一致。
その様な在り方の言葉でなければ表現できない物を表現する。
詩のリアリティーとはそういうものだと思う。

言葉と記号はどこから別れどこから同じになるのだろう。
それについて何が言われているのか僕は知らないが、
タイポグラフィカルな作品をみると、僕は味わうより先に困惑する。

>>49-51 夜の出番
1シーンじゃ物足りない。自殺者以外とのやり取りもみたかった。
悪魔の話がでてくるが、もっと細部を書き込まないと効果がでない。
「朝はね、結構こっちじゃパシり的な存在なんですよ」とのことだが、
「こっち」の事情ももっと語って欲しい。
104園川 ◆nWfXpQxHHM :04/09/11 17:55:02 ID:s6NTt1gC
>>53 夜はいらないなんてもういわない

昼の僕と朝の僕との弁証法が生み出すもう一つの価値観。
けどそこに辿りつた時、この作品は日常の裏側に飛んでいってる。
この日常と非日常の融合が、彼の心理的葛藤とにとって何なのかが良くわからない。
が、なんらかの和解があったことだけは分る。最終行もそう。
書き手のなかで上手く整理されていない印象。センスは感じる。

>>66-69 星座
やさしさの中に得体の知れなさがあるし、3つの世界を並べ収束点に持っていく構図もいい。
でも叙述に意味の取りにくいところがあって残念。
あまりアクロバティックな筆運びが必要な作品でもないだろう。
>>69の一連目などは上手いと思うが、もう少し文章を整理して読みやすくするべき。

>>73 稲荷参り

お百度を通して日常の向こう側へ移行してゆくイニシエーションの足取りが、
主人公の行為の描写を通してよく分った。1人称と3人称の間で運動する我と彼。
そんな難しい構図を叙述の上手さと展開の確かさが支えている。
「あれ」は現れ顔を得て、やがて自由に振舞うだろう。内容もわかる。
でももっと「あれ」の不気味な影を感じたい、そんな物足りなさが残った。

>>77 灯り

蛍は彼を「追いかけ」た。といことは彼らは移動していると言うこと、
少しわかりにくい。蛍はあなたにささやく。わたしは貴方の光に手を重ねる。
この箇所、貴方に働きかえるという点では蛍はわたしの喩だが、
光るという点では彼の喩えになる。前者なのだろうが分りにくい。この種の曖昧さは勿体無い。
105てるあき ◆DDfwggPC.. :04/09/11 18:15:01 ID:Uw1rOzcg
「9,12 AM 6:00」


リビングにはいつもと違う殺伐とした雰囲気
見慣れないテレビのL時部が他のテロップ
あきらかに関係がなさそうな
銀行 ハイジャック などの単語
飛行機がビルに突っ込む映像
事故?
何があったのか?

その朝はいつもと違う朝だった
その数時間前にはNYも朝を迎えていた
人々はどのような気持ちで
死の煙突を見ていたのだろうか

テロ
明らかに昨日まで
あの大都会とは関係もなかった単語
キャスターが言う
106てるあき ◆DDfwggPC.. :04/09/11 18:19:23 ID:Uw1rOzcg
悲しみは悲しみをよび
また悲しみを呼ぶ

NY
カブール
バグダット
歴史は確実の僕の目の前で動いていた

マドリード
北オセチア
悲しみのドミノ倒しが終わらない
107むこうの317 ◆317..n/Ke6 :04/09/11 18:59:25 ID:E+dKAL66
コメント無しでスマソ

【3点】
>>35 狂月 2004年

【2点】
>>12-13 夜明けに
>>77 灯り

【1点】
>>5 湖を渡る風
>>18 夜
>>24 臨月の夜に思う
>>44 始発バス
>>45-48 蝕
>>64 夜の絵
108園川 ◆nWfXpQxHHM :04/09/11 19:31:06 ID:s6NTt1gC
>>32 詩人の夜
叙述の運び方が上手いし、破綻もない。
喪失、記憶と今をつなぐ存在としての詩の営為が愛とともに誠実に語らる。
何も言うことはない。

>>18 夜
叙述の破綻などなはいが普通。

>>30
夜に停止した全時間全存在、猫だけが知っている。
これは神話としてはそう珍しいものではないと思うが、
3.4連目などもう少し上手く書けばそれなりに面白い物
になったかもしれない。

>>32 ああ
「1個だけたすかる」「5個のHP」
この辺りがふざけた不気味さを狙っているのなら、
この作品は足りてない。

>>36 カエルとダンス
カエルと男にふしぎな切なさを感じる。
彼らは、何が悲しいとか何が嬉しいとか余計な口を利かないからだ。
互いに語る言葉もない。彼女はカエルだから彼の言葉は届かないのか。
軽さのなかに書き手の持っている何か大事なものを感じる。

>>37
最終連で用意されたイメージがもっと鮮烈に焦点を結び
現れた像自体にも衝撃がないといけない。ぼんやりしている。

>>42 Image
月と夜の母性に包まれた全能の幼児。
過不足なく的確だが既視の範疇。
109園川 ◆nWfXpQxHHM :04/09/11 19:46:51 ID:s6NTt1gC
>>11 夜に寄す
エネルギーの偏りが儀式性を帯びる。しかし
「夜は わたしを守る」のせいでせっかくのトリップも
印象が弱くなってしまう。狂い方が面白い分そこが残念。
夜の安寧との両立をもうすこし工夫して欲しかった。

>>12 夜明けに
それまでのある種の絢爛さが最終連でしぼんでしまう。
「人の世の」の繰り返しの使用が効果的でない所から、語彙の少なさを感じる。
並べられた風景がもっと精細に描かれて欲しい。
纏め方ももう少し広がりを感じさせる表現にして欲しい

>>22 夜の蝉

語り口は手馴れてるし所々光るフレーズがある。
でも僕は筋を追うのに苦労してしまう。すっと入ってこない。

潔白なセミが忘我だったころの自分だとして、
忘我を失った潔白でない自分はこの作品でどういう位置付けなのか。
否定されるべき物なのか乗り越えられるべき物なのか。
5連目で「価値や意味がはいってきそうな」と言ってる所もわからない。
価値や意味がはいってきたから眠れないではないか。
最終連の「そしたら」も、どうしたらなのか分らない。
眠れたらという事にしか読めないがどうすれば眠れるのか。
他に「甘えん坊」「奇麗事を恐れてるから」の意味も分らない。

揚げ足取りかもしれないが、致命的なことではないか。
曖昧さが入り込んではいけない形式の筈である。勿体ない。
こちらの読解力不足なら申し訳ない。
110園川 ◆nWfXpQxHHM :04/09/11 19:47:30 ID:s6NTt1gC
>>43 Nightmare
漆黒の闇、静寂、失笑、世界観に不似合いな漢語が使用される。
こういう装飾性を詩性だと思ってはいけないのであって、
言葉は常に世界観でなくてはいけない。日常に漆黒があるだろうか?
とはいえ、この作品とてその日常を一歩下がって視野に置く類の物なんだから、
異化は必要。でもこの作品ではただ浮いている。

>>44 始発バス
歌詞かな。2連目の「痩せ我慢」が1連目の舌打ちするケースに結びついたり
2連目の6行目、7行目で対立する価値の双方に「なんて」「なんか」とつけてしまう等、
少し混乱させる要素はあるけど意味はわかる。でも語られる事柄に新鮮さがないし、
芸で見せるにしては足りなすぎる。

>>55 夜釣り
文法的に筋を追うのが難しい。イメージの展開にも表面的な論理性があるわけではない。
初期の荒川洋治っぽい?そういう作品として虚心に読んでみる。
夜釣りをしていると朝が来る、それは新鮮な振りをしている中古の風にすぎない。
そんな朝を迎えてしまう前に、夜に組上げられた仮初の足場で何かを釣り上げようとする、
過去に何度も諦めた「揉み消すとの約束」を信じて。そんな所だろうか。
この作品は多分比喩として読んではいけないのであって、茫冥とした中に浮かぶ記憶の形という事だろう。
それが何を意味しているか?そんなことはわからない。ただその様な形象を詩人は見た、
そして読み手は何かは分らぬが何かを感じる、そういう事なのではないか。

>>76 泳ぐ/弱い
この作品も分りにくい。語ろうとしているのは分るが意味が取れない。
文法的に分らないところがあるし、比喩の意味を書き手は語っているつもりなのだろうが
読み手には分らない部分が多い。

>>83 手に取るように  )ロ
タイトルの意味が僕には分らなかった。語られていることは理解できるし、想念が弾ける様子や
そこは無時間なのだということも分るが、それだけでは読んで面白いとは思えない。
111名前はいらない:04/09/12 00:05:34 ID:k9E0g7J8
審査終了age
112名前はいらない:04/09/12 00:27:01 ID:BfYQ/i5D
個人的には園川氏の審査を待ちたいところですが… 終了でしょうか・・。
113名前はいらない:04/09/12 00:29:26 ID:kcjxfv2R
何のためのルールだかわからなくなるぞ。
114名前はいらない:04/09/12 00:43:37 ID:a7Dn3zpx
特別扱いには反対です。
115soft ◆ZYsoftMCT2 :04/09/12 00:45:03 ID:/lCildB9
周りがわいやわいや騒がなくても本人がわかっていると思います。
116名前はいらない:04/09/12 00:48:04 ID:dPhR3H5C
しかし周囲の意見も大事だよ。
117名前はいらない:04/09/12 01:31:41 ID:BfYQ/i5D
集計しました

6点 >12-13 夜明けに
> 66-69 星座

5点 >45-48 触
  >49-51 夜の出番

4点 >7 なくしたもの
  >24 臨月の夜に思う
  >53 夜はいらないなんてもういわない

3点 >34 月食
  >35 狂月 2004年
  >36 カエルとダンス
  >42 Image
 >73-74 稲荷参り
  >77 灯り

確認よろしくお願いします。
118Alnite ◆m3UVuKrnck :04/09/12 02:07:59 ID:1A9O/6JQ
>>117
これは・・・三点未満は集計されていないということでしょうか。
一応集計しておいた方が良い気がしますが。
六点作品についてはこちらで確認しました。大丈夫のようです。

>>112-116
審査終了にケチつけるのは良くないですが、
独り言的なレスにここまで周囲が反応するのもどうかと。
119名前はいらない:04/09/12 02:56:27 ID:VGBTD8Vx
>>118
反応してるあなたもどうかと。
とか言われちゃうよ。
2chはそういう場所だから。
120名前はいらない:04/09/12 03:21:23 ID:S6ZUueW8
119のような2chに毒された人がまた一人
121名前はいらない:04/09/12 03:25:05 ID:+lS9UQ/2
【梁山泊スレ専用!】雑談・議論・感想スレ8
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/1077450546/

いがみあいはこちらでお願いします
122名前:04/09/12 07:32:36 ID:oL09dFpa
集計―続き―

2点
18 夜
>26 違う場所へ帰る
>55 夜釣り
>64 夜の絵
>76 泳ぐ/弱い
>78 イブニングニュース

1点
>5 湖を渡る風
>8 それでも月は
>16 詩人の夜
>20-21 夜王伝説―序章―
>22 夜の蝉
>30 「Before Nightmare」
>31 どうでもいい夜
>43 Nightmare
>44 始発バス
>60-61 詩人霊園メルヘン



123MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/09/12 07:42:44 ID:oL09dFpa
「夜明けに」を書きました。

投稿が先なので、お題を出します。

次回のお題は「〜がない」です。

〆切は9/19(日)いっぱいです。では4649。
124てるあき ◆DDfwggPC.. :04/09/12 07:55:57 ID:4Dlr3d2s
すいません誤爆しました
>>105-106は本当は5段階表かすれに投稿するはずだったんですが
8いませんでした
125未来都市トーキョー:04/09/12 08:13:17 ID:YORxDV1P
誰が買っているのかわからない
流行の歌が街中に溢れているよトーキョー
昨夜も遅くまで彼氏と電話?
今会ってるそいつは彼氏じゃないの?失礼しました
浮気中?

付き合うなら社会人がベスト 金あるし
平日は学生と遊んでればオッケー 暇つぶし
未来都市トーキョーに不自由はない
きっと誰も不幸になんてならない

ホントか嘘かもわからない
ゴシップ記事に振り回されているよトーキョー
今日はまだメールも来ない?
彼も他の女と会ってるんじゃないの?失礼しました
仕事中?

金がないならプライド切り売れ 金になる
堕ちたら堕ちたで生きていけるさ どこででも
未来都市トーキョーにどん底はない
きっと誰も最下位にはならない

ふたりの絆確かめるために
今宵も愛の電磁波飛び交っているよトーキョー
会えない時間が長いほど
ふたりの想いが強くなるんじゃないの?失礼しました
理想論?

SEXしたけりゃ某所に登録 すぐヤれる
ビョーキと妊娠には気を付けて ゴム付けて
未来都市トーキョーに寂しさはない
きっと誰も独りになんてならない
126言葉のない世界U 1/2:04/09/12 14:27:49 ID:Iuu51qV4
名前のない駅で汽車を降り
文字のない新聞を買って
見るともなしに眺めながら
時刻表にない汽車を待つ

プラットホームの花壇には
四季の花々が咲き
蜜蜂が蜜をせわしく集めている
ギイ とひとつ鳴いて
とらつぐみが木の枝を飛び立った
絹積雲が糸をひきながら
音もなく流れている
ああ いつもと変わらない午後の風景だ
ただ わたしと同じようにベンチで汽車を待つ人たちだけが
みな一様に油気がとれたような
つるりとした顔をして
呆けたように空ばかり見ている

看板のない店で
顔のない店員から
名前も値段もない商品を買い
買ったことも忘れ
道のない道を歩く
わたしはいつになく上機嫌で
空を見上げ
口笛を吹きながら
歌のない歌をメロディーに乗せる



127言葉のない世界U 2/2:04/09/12 14:30:41 ID:Iuu51qV4
言葉のない世界は
何と潔いのだろう
開悟した大師が初めて吸った空気をわたしも吸うと
大きく一回くしゃみをした
そうしたら
世界の底が抜け
空がひっくり返った
128早口言葉:04/09/12 15:39:11 ID:+T+DpjMt

(息継ぎのない言葉の響きについて)


アカイハナウエタ
カキクノケテ
サシスエセミノセ
タチツテタナ
ナクニヌレノネ
ハイヒルフタカエシ
マミマニムメイ
ヤユ
ラリユレル


赤い花植えたか
菊除けてさ
死饐え蝉の背
太刀伝たな
泣くに濡れの音は(灰)
いひる蓋返し
間見間に無冥や
ゆらり揺れるわ

129:04/09/13 00:51:37 ID:3kuYw4S+
空から
降り
そそいでくる

やまない楽になれぬ音
鎖骨のくぼみに溜まって鳴り響いて

こぼれた音
拾い集めてばらまいて歩く 
僕はスピー カー 

音も色もオレンジ
うるさい太陽
耳ふさぎ嘆く君ひまわり
あらぬ方を向いて早々に枯れゆく

真上を向いて口を開け
好きものお前キラキラ朝顔
観察日記を書いてやろ

昨日、芽が出ました。

今日、花が咲きました。

明日、多分枯れてます。

明後日、僕 も


伸び過ぎたつる
ぐるぐるのつる
スピー カーを 抱きしめ るるる
130Night無いとLight無いとRight無いと:04/09/13 01:00:07 ID:5HqSopTP
こそあど言葉で騒ぎ続ける
戦火の夜に声は無い
見えないマナコで探し続ける
警鐘の中に光は無い

そう僕は強い
僕は強い
この世界なんてすぐにひねりつぶイヤッホゥ!
僕は強い
あり得ないくらい
目指すものは必ずある

見えない球を投げ続ける
ライトの夜に視線は無い
数多の思想を殴り続ける
全ての何処かにトップは無い

そう僕は強い
僕は強い
その気になれば今すぐでもほアハハハハハハ!
僕は強い
認めないくらい
トップに立てるのは 僕一人
世界を壊すのは 僕一人

僕が壊すべき世界は何処だ
僕が立つべきトップは何処だ

まだ探してる僕に夜明けが言う
ここには何も無い
131決意の狭間 1/2:04/09/13 01:31:07 ID:9j6WIAL2
このままでいいわけない
人の言われるまま生き
納得のいかない指示に従い
理念の無い行動をとり続ける

このままでいいわけない
自分に能力が無いから
一人で生きる力が無いから
食うために従っているのだ

このままでいいわけない
苦労するから
危険だから
破滅するかもしれないから
その恐怖、その予感が
一歩踏み出すことをためらう
成功者は皆、それを越えているのに
132決意の狭間 2/2:04/09/13 01:31:36 ID:9j6WIAL2
夢ばかり見て、空想ばかりで
何もしないで、逃げてばかりで

今度こそ立ち向かう

やり過ごす?

いや、到達する
逆境がバネ、はねつける、はねつける
吹く風のように強くなる

夜明けが怖くて、夜明けしかなく
待ってばかりで、はじまらなくて
ちょっと動けば五里霧中
常識なくて、世間知らずで
世の中のせいにして、自分のことは棚にあげる
そんな俺になりたくはないんだ

俺を自立せしめよ 俺を自立せしめよ

自分の感性で確かめるんだ
変容する自分を捕まえるんだ
明るい明日は必ずくるさ
あきらめなければ
133決意の狭間 2/2の訂正:04/09/13 01:36:10 ID:9j6WIAL2
夜明けしかなく → 夜明けしかなくて

自分のことは棚にあげる → 自分のことは棚にあげて

です。細かいけど。m(_ _)mスマソ
134がない:04/09/13 04:20:43 ID:cJ0ibURs
ワイマール条約もう失効
ワシントン条約以下同文
とりもなおさず日米安保
普天間問題すりかえて

そこのボク
そこのキミ
そしてそこのミンナ

あれがないこれがない
どれがいいこれがいい
しょうがないとんでもない
なんでもいいどうでもいい

世の中はまわる何かなくても
この世はまわる何がよくても
イロイロまわるお酒もまわる
まわるまわるゼンブミンナ

そしてこういう
〜がないって
135しょうがない:04/09/13 05:28:43 ID:E9U1VAvQ
○○って言ったら負け
小さい時の瞬き お母さんのいじわるな言葉遊び
含み笑いの猫の目
あれからずーーっと、僕は、○○って、言っていない
たくさん○○はあったけど、あの時だけ負けなかった褒めてくれた
だからさ
けれどまわりの人が僕を指して○○って
ふざけるな そんな簡単に負けていいのか?
敗者の影は嗤っていた
僕は、カッと火を吐くように、かき消す
離れる事のない影は○○、○○、○○
まるで僕が言わせているみたいだ
136意味のないことばのない音楽:04/09/13 09:39:17 ID:pUnQEcMR
おはようございます
ぼくにまんこがないのは
落としてきたからですか

穴を空に落としたら
太陽が産まれるかと思った あの日

こんにちは
ぼくにまんこがないことよりも
ジョアン・ジルベルトのワン・ノート・サンバを知っていますか

音楽になるために展開するノートが憎らしいから
桃も腿も面もMomoも百々藻ももうもうモーモもモーモーと歌った あの日

あの日ぼくはもう
剥けていて

MANKOを逆さから読むとOKANになるような予感に戦いていた

あの日ぼくはもう
生え揃った同級生に殺意さえ抱いていて

MANKOを逆さから読むとOKAMAになる革命を単語帳にメモっていた

こんばんは
意味のない詩に付き合ってくれてありがとう
ちょっと怒っていますか

あの日のことを 歌のない音楽のことばでただ歌う
そんなぼくがあかるく笑いながら意味がないのは
まんこを落としてきたからですか
137ぼくは中東を肯定する(1):04/09/13 13:07:48 ID:2qoPNTMM
戦争がなくてはつまらない
友愛がひとを生かす力となるから
殺すひとと殺されるひとは仲良く遠火を目指し、いつしか激しくそれを憎む
未明の星々 予感だけの朝
軍歌が奮い立たせジョンレノンが落ち着けと言い
ジャンレノが銃を撃つと少女が大人へと変わる
どうやらこの世は多すぎる ただ
どんな子供も愛のもとに生まれそしてその誰もが傷から免れて育つことが叶わない
愛だって傷だっていつのどこの世でもあるから この先も しつこく

どうぞお手にとって確かめて
いじめけんかなかたがいしかとなかまはずれごうとうぬすっとひとごろしいがみあい
怒りに我を忘れ、口汚く罵り、流れる血に心と体を洗われ、ときにすっぱり死んでみせる
ひとは
五人いたら差異が生まれ順番が生まれ
十人いたら線が引かれ意見が対立し(その中で愛もいくつか行ったり来たり)
大きいか小さいか、近いか遠いかだけが変わって
名前も変わって
結局愛し合い傷つけあうもの(百年の恋人だってそうだ)

いきて いたいから

教科書が本当なら、歴史と同時に戦争が始まったことになる
宇宙のどこかの図書館にはきみやぼくの顔写真入りの図鑑があって
「戦争を起こしながら戦争を悲しむ」と
ぼくたちウン千年の習性が書かれてるんだろう
 戦争は、あるんだ
きっと地球が言ったんだ 
ひげの神様かもしれない
慈愛に満ちた声で粘土をこねながら
「お前ら頑張って殺し合いをしろよ」
138ぼくは中東を肯定する(2):04/09/13 13:08:37 ID:2qoPNTMM

ひととひとの間のその行いを魔法で消したら
ぼくと彼女はいなくなり君とあいつがいなくなり
のっぺらぼうでつんつるてんの青銅色の個体が体育座りで順番に死を待つのだろう
会話も励ましあいもいがみ合いもなく天気だけが頭の上でぐるぐる変わって
「よい天気だね」もない それは戦争になるから
ひとは愛と殺し合いを一緒にもらったんだ
大きく見たらそいつらは同じものなのかもしれない
いつか悲鳴を上げる順番が自分にまわってくるとしても
我々はそれを返してしまうことはできない

それは愛がなくてはつまらないから
彼女がいなくちゃ始まらないから
振られたり傷ついたりもするだろうが
それでもひとはひとと会わずにすまない だから
ぼくたちは何度でも戦争を起こすまいとするし何度でも戦争を悲しんでやるだろう
戦争をしながら
139なんにもない:04/09/13 18:04:14 ID:pJDBLX0J
雲のない青空
二人以外誰もいない砂浜で
かわいい彼女と二人きり
海で一緒に泳ぎたい

そんなことを考えながら
僕以外誰もいない部屋から
星のない夜空を眺め
夢を描いてみたけれど
そんな僕には彼女はいない

誰もいない部屋の別途の真ん中で
一人空を見上げる
月のない夜空を
140なんにもない:04/09/13 18:07:54 ID:pJDBLX0J
すいません誤字があったので修正します
141なんにもない:04/09/13 18:08:54 ID:pJDBLX0J
雲のない青空
二人以外誰もいない砂浜で
かわいい彼女と二人きり
海で一緒に泳ぎたい

そんなことを考えながら
僕以外誰もいない部屋から
星のない夜空を眺め
夢を描いてみたけれど
そんな僕には彼女はいない

誰もいない部屋のベットの真ん中で
一人空を見上げる
月のない夜空を
142贅沢な嘆き:04/09/13 21:36:56 ID:aY0HP6WR
僕には夢が無いと謂う
僕には未来が無いと謂う
僕には友も無いと謂う
僕には何も無いと謂う

季節を自在に操る箱を使い
自然の理を我が物顔で統べ
無限の想像を叶える箱を使い
創られた世界の王と成り
食を永久に蓄える箱を使い
躯に脂を蓄えている君

安堵し乍ら嘆く君

人の世を垣間見る箱をふと見ると
痩身の黒い塊が
果てしなく荒野に敷き詰められている
屈強な白い塊が
望まずして時を止められた顔をしている

其れを眺めた後
何事も無かったかのように
期限の切れた菓子を放り投げ
僕には何も無いと謂つた

俺は其れを眺めるだけだった
唯々眺めるだけだった

君には愛が無いのだろう
俺にも愛が無いのだろう
143何かがないかもしれない:04/09/14 00:08:53 ID:5tPtEc/Q
妙に乾いた指先
誰かの影をなぞって
いずこへと 消える

なぞった影は 砂漠いっぱいの蜃気楼
やはりその指の主は何かをなくしている
何か大切なもの けれど一瞬で価値を限りなくゼロに近づけたもの
人は背中にあるそれに気付かない

外見主に顔 それだけで恋愛を決め付ける人々が
何処かの中心で愛を叫ぶ世界に
その指の主他多数の人間が不意に生まれ
いつか影となって消えてゆく

人々は誰も影なのかもしれない
光を浴びて影を排出しているのかもしれない
目をそむけて生きているのかもしれない
人は背中にあるそれに気付かない

だからとても愚かなのに
だからまた無くすのに
だからいつも傷つくのに
人は背中にあるそれに気付かない

「何かがない」ということすら分からなくて
哀しくて涙 三日後に忘れる
リアリティに乏しい落し物
人は背中にあるそれに気付かない

例示された指は結局振り向くことはなかったという
144君の住む町:04/09/14 01:21:10 ID:TwDEZPwj
汗ばんだ鳩が風船に掴まって
遊覧飛行を楽しんでいる
程好く解けた陽だまりの午後に

海沿いを車で飛ばすと
そこには一軒の花屋がある
特に急ぐ理由は無いんだけど
吹き抜ける風が気持ち良いんだからしょうがない

颯爽と乗り込んだ空間には
君に負けないくらい良い香りが立ちこめていて
何だか色々と自分が申し訳なくなるのはいつものことだから
そそくさと用件を済ませて
顔馴染みのおばちゃんに話を振られないうちに

高校生の頃みたいにその場を抜け出したなら
僕の息子を迎えにいこう
今年で4つになるあの子の顔を見ると
この世のどんなことにだって立ち向かっていける気がする
145君の住む町(つづき):04/09/14 01:35:32 ID:TwDEZPwj

「例えそれが、君を失ったんだとしても」
変わり果てた君の姿に花を添えた僕は
そう確信している
繋いだ左手から 誇りを持ってそう確信出来るんだ

帰り道にはとある貰い物があった

息子が不思議そうな顔をしている先に
あの時見かけた鳩が
街路樹に風船が飛ばないように括り付けているのが見えたからだった
僕が思わず吹き出したのと同時に
鳩はしなやかに大空へと舞い上がり
やがて見えなくなった

やればできるもんなんだね
この子らしい、感謝の一言に僕はまた吹いた

我が家に帰った後は
まず溜め込んだ食器を洗った
その中から平たい受け皿に水を張って
包装紙の中で一輪、出番待ちのガーベラを飾っておいた

まだ居なくなって間もない君に思うんだ
初夏のバランスも考慮して
神様の癇に障らないくらいに
僕は幸せになりたいと
146丘に座って:04/09/14 11:48:09 ID:hSGPY6Vt

詩が空を見上げ
詩が煙草を吸っている
いまいちな喩と不細工な韻を抱えて
詩が途方にくれている

これは と
地べたにはいつくばって詩人は目を見張る 
なんという精巧な細工だろう
本物の芽 本当に生きることばかりを望む 世界の欠片


綿毛の先まで微細に見てから 詩はおそるおそる顔を上げる
いったい ああそしていったい これがどこまで続くというのか 
誇らしげな真新しい緑色に包囲されながら
詩はここで言葉を失う
 
何を言うことができるというのか 世界とまっとうに対峙しようとするほど
失語症に陥る人の
新しい名前が右から左へ行き交う現場を
ただ生きる人の その目の前で

世界から消える声が空に響いている
世界に生まれる声が雲を消している
詩人は聖人じゃないからただそこで言葉を失っている
そして新しい、本当に新しい自分のための言葉が生まれやしないかと目を見開いたまま

詩が空を見上げ
詩が煙草を吸っている
147わからない:04/09/14 21:10:10 ID:wFCJnZtN
なんか足りない そう なんかわからないけど
幸せでもない けど 不幸でもないんだ
寂しいと思う  そう  寂しいと思う
だけどどっかで ただ 独りを望んだり

友達は好きで でも どこか距離置いて
意識なんて無い でも 依れる時は少ない
悲しいと思う そう 悲しいんだ それは
いつもどっかで ただ 不満を抱いてて

欠落感 ただ 欠落感
理解の無い 後 その気も無い
良いわけない そう 言い訳も
ただどうしようもない

この手 目 足 脳 感覚の全てが
知っている 気付いている
欠けている 欠けている 欠けて
それが何か わからない 教えて欲しい
普通になりたい 普通に
普通って何? 何? なに?
148GON ◆rOo2fYBBKk :04/09/15 07:30:55 ID:p7zpInOc
これからは、できる限り審査にも参加しようと思います。
よろしくおながいします。
149空瓶:04/09/15 15:18:03 ID:cL5EMkeQ
飛行機が秋空の高高度に留まっている
コルクボードに押された一葉の絵葉書みたいだ

言葉を必要としている人に送ってあげたい
そう思う僕の広げた洗濯物が芝生に影を落とす

小さな靴下を並べて干す


忘れ物が潮に流されていく浜辺
僕は蓋をしっかりと閉めたビンを波の先に乗せる

でもそれは緩やかに僕の手元に戻ってくる
宛名のない言葉たちが僕の海岸に打ち寄せてくる


ピアノの無くなったリビングを風が吹き抜け
音も無くカーテンを巻き上げる

ラジオが午後の天気予報を告げる
涙の降水確率を淀みなく読み上げる
150君がいない:04/09/15 19:01:31 ID:RZ/8/d9i
真新しくピカピカ光る 傷一つない
その名前の刻まれた石の前で
少年は泣いているよ

こう決めたらしい 「もうここへは戻らない」と
荷物は二人写った写真だけを持って
手作りの舟で海に出た

全て忘れるくらい 大きな嵐が何回もあって
少年はいつのまにか大人になってった
得意になったのは 忘れ去る事


こう信じたらしい 「きっと戻ってきてくれる」と
悲しい顔だけ残して去ったあの人を待って
ただひたすらそこにいてじっとしてた

もう忘れてもいいくらい 長い長い時間が過ぎたのに
石の下で横たわる人は忘れなれなかった
気付いてしまった 忘れ去る事が出来ないと
151君がいない:04/09/15 19:01:55 ID:RZ/8/d9i


嵐の中であの写真は飛んでった
雨も風もないあの場所で 石は倒れるはずもない


雑草がぼうぼうとしてる コケまみれの
その名前の刻まれた石の下から
泣き声が聞こえてくるよ


海の上で大人になった人
「前へ進める 前へ進める」


石の下で子供のままの人
「君がいない 君がいない」
152Plane world:04/09/15 21:26:37 ID:8vj1D2Is
フラミンゴの群れが空にピンク色のリボンを掛ける
遅刻しそうなガゼルが全速力で駆け抜けた横で
諦めの早いカバが大あくび
間延びした綻びだらけの太陽が地平線を抱き込んでいる途中
真っ黒なキリンが首を鳴らしていた


実感の湧かない感動を押しつけるナレーションと
最後の楽園と貼り付けられた無粋なテロップのおまけ付きで
虫眼鏡で覗き込むように地球の反対側からリンク
相変わらず薄っぺらすぎる
指先だけで変わる世界に感動しろと?飾られた演出に影響されろと?
それではあまりにも自分がないって思わないかい?


そんなひねくれた見方を続けている
安易に否定することは自己顕示欲を満たしているだけなのに
意味のない自己主張を飽きもせずに繰り返す
そのくせ毎日依存している矛盾

要するに素直に感動しろよ 俺
って事だ
153夕暮れ:04/09/16 12:19:36 ID:EjR4rD4e
耳鳴りがする
めまいがする

あなたが見えない、聞こえない。

高音の金属音
黒板に爪を立てたみたい
ゆれてる天井
蛍光灯がUFOみたい

あなたが見えない、聞こえない。

オレンジに染まった教室
深刻そうなあなたの顔
固く結んだあなたの唇
なにか言った気がする
カーテンが揺れたそのときから

私にはあなたが見えない。聞こえないよ。

耳鳴りがする
めまいがする

あなたが見えない、聞こえない。
154てるあき ◆DDfwggPC.. :04/09/17 08:19:32 ID:e7H3QIjy
現在21作品

あさって締め切りです
作品まだまだ受付中です
155僕のもの:04/09/18 02:22:30 ID:VKQf5Klz
僕の中身は
ないものだらけ

愛が無い
自分が無い
愛想が無い
夢が無い
自信が無い
才能が無い

ないものだらけ

そんな僕でも
今ただ一つ確実に
持っているもの



生があれば
無いものは
埋めればいい

生かされている
理由があるから
ここにいる
156GANAI:04/09/18 14:50:19 ID:62hwdSTS
がまなし

なみなし

いちなし
157GOING ON:04/09/18 22:44:50 ID:O1JSBUBC
野菜刻んで生地作って
鉄板あっためてそこに広げて
さあいざって時にマヨネーズ買い忘れて
コンビニダッシュかます馬鹿

そんなのどうでもいいじゃねえかよ
そこにお好みは出来上がってんのに
自分の好みに走ってる時間はねえんだよ
見てみ戻ってきた頃には真っ黒焦げだ
ひいてんじゃねえよお前のせいだろ

いつもいつも時期を逃して
じゃあって昔を思い出しては
あの頃はよかっただなんて
あのな今でも良くはなれるの
ただお前がしてないだけなの

あいつには金があって
あいつにはルックスがある
じゃあお前には何があるのって尋ねたら
何も答えられない馬鹿

無いなら作れ
無いなら造れ
ただがむしゃらに
そうして無理だったら
また新しいの作ればいいじゃん
158タブー:04/09/18 23:07:58 ID:03m+8Thm
ぼくはタブーを失った

女の子と指と指を触れ合わせると
何の抵抗もなくそれらは溶け合い
一本の指(はたしてそれは指であろうか?)になるのである

姉を抱いたあの日
境界はなくなった
すなわちその日こそ
ぼくはタブーを失った

世界が揺れている
アスファルトの上を川が流れ
ぼくは流れに身を任す勇気もなく
乾いた目を守るように顔を手で覆っているのだ

まだ条理を知らないのだ
背骨を侵食されるほどの恐怖も知らないのだ
若いのだ 必要ないのだ
ぼくはタブーを失った

飽食の中で得られる人間の業は
あくまでもデジタルに徹することで
開きかけた夜への扉の僅かな隙間にのみ見えるもので
ぼくのように実に律儀に大地を生きている人間からは
決して見えてこないものであり無縁なのである

あの日からぼくは
窓の向こうを走る電線が行き場を失い
部屋に進入して家を突き破り
向こうの信号機の青色に突き刺さったような毎日を
土手を駆け下りながら混ざり合っているのだ
159てるあき ◆DDfwggPC.. :04/09/19 07:57:09 ID:vfh8mTfj
本日締め切りです
審査は明日からになります
160私のノート:04/09/19 12:57:13 ID:lTmyQjYS
白いノートがいっぱいになって
何冊も残って
書き止めたことは世界につながってる

なのに
知らないことが増えていく
今日も 今も 
見知らぬ人が歩いてる
希望はどこでも羽ばたいている


猜疑や 不信が目覚める
増えた知らないことに
幸せみつかると やきもちをやく

ノートは世界に向かってけなげにしっかりと
投げ網のように広がっているが
なにもつなぎとめていない
161高句麗 ◆OIZKOUKURI :04/09/19 13:02:35 ID:u+faj3Wx
ほう
162うぉき・とぉき:04/09/19 16:40:30 ID:kakm1ECF
僕の友達は女のように歩いて話すことが出来る男だった。
僕ら男のように年がら年中座りこんだり寝転んだりできない、
ただ一人の男だった。

それでも彼は僕らと同じように生きようとした。
歩けてしまうことや話してしまうことなど、彼は気にしていなかった。
そんな彼の気持ちをわかっていたから、
僕らも変に気にすることもなく、仲良く暮らしていた。

思い出せるのは僕らが16歳の夏。夏休みの終わりかけ。
彼は彼の生涯においてたった一度限りの恋をした。
女のように、歩いて、恋するあの娘のもとに向かった。
女のように、言葉で、恋するあの娘に話しかけた。

あの娘は彼が男か女か区別がつかず、
結局勘違いをして彼を無下にしてしまった。
生涯たった一度の恋しか許されない男として、
彼は女のように、歩いて、あの例の場所に向かったらしい。

ああ、彼が歩けなければよかったというのに。
163子守唄:04/09/19 17:39:55 ID:Ajn2sWfb

家の東側の少し高台になったところに、昔ながらの井戸がある。
もう、どこでも見なくなったような、釣るべ式の木桶の井戸で、
普段は、重い蓋がのっているけれど、今でも冷たい水が汲める。
最初の2,3杯は、表面を掬うように上澄みをすくい捨て、
ようやく使う水を汲むのだけれども、
身を乗り出した拍子に、誤って声を落としてしまった。
あっと思うまもなく、白い小石のような声が黒い井戸へ消えていき、
”あっ”という声をたてて、水に沈んでいってしまった。
急いで桶で、すくってみたが、沈んでしまった声を拾う術もなく、
諦めて家へ戻った。

失くしてみれば、案外と良いことも多くて、
嘘や、失言、言い訳、ひがみ、陰口、皮肉一切合切
つい口をつく嫌な言葉を言わなくてすむ。
中々調子がいいなと思うのだ。
もちろん、励ましや愛情、慰め、誉め言葉も失くしたのだけれども、
よくしたもので、手を握り、肩を抱きしめ、頬を摺り寄せるほうが
余程気持ちがよく伝わる。

ただ一つだけ残念なのは、歌を失くしたことで、
これだけは、ときおり、とてもとても哀しく思う。

そんな夜には、あの白い小石が
井戸の底で
子守唄を歌っているような気がしてならない。
164コトゴト:04/09/19 21:52:04 ID:PPDodNlN
この文字があるということ
この文字が回線に乗って掲示板にあるということ
そして今この文字があなたの頭の中にあるということ
この文字が堆積する砂粒のようにたよりなく しかし確かにあなたの記憶の一部となること

この文字がここにあるということ
そして今あなたの中にあるということ

ある意味で多くのものを共有していること
ある意味で何ひとつ共有していないこと

この文字は何を求めてここにあるのかということ
あなたは何を求めてこの文字を見ているのかということ

そんなことごとは
この文字と同じように
意味を欠落しているのであろうこと
165コトゴト:04/09/19 21:53:07 ID:PPDodNlN

この文字があるということ
この文字が回線に乗って掲示板にあるということ
そして今この文字があなたの頭の中にあるということ
この文字が堆積する砂粒のようにたよりなく しかし確かにあなたの記憶の一部となること

この文字がここにあるということ
そして今あなたの中にあるということ

ある意味で多くのものを共有していること
ある意味で何ひとつ共有していないこと

この文字は何を求めてここにあるのかということ
あなたは何を求めてこの文字を見ているのかということ

そんなことごとは
この文字と同じように
意味を欠落しているのであろうこと
166名前はいらない:04/09/19 21:55:32 ID:PPDodNlN
二重投稿すみません。
167私がない[1/2]:04/09/19 23:50:51 ID:zDkyC5iT

日々を生きるともいいきれず生きてる私
のなかの
殊に意識と無のはざまにかき消される違和感
といえば
極論といったことになります、はい

背骨は在るし
肺は在るし
言葉があるし
私があるし
別段、ないことを考える際に同時にそれを観直すこと、やめてくれません?私
あるんですよ、私、言葉、肺、背骨、私

けれど惰性のまま生きるともいいきれず生きてる私
のなかの
殊に意識と無のはざまにかき消される違和感
というと
余りにシンプルに向かっている志ゆえに
そっくりそのまま、愚かにも夢と溶け合う最善の予知なんです、はい

168私がない[2/2]:04/09/19 23:51:27 ID:zDkyC5iT

ゆえに

真っ黒な
私と
真っ白な
私とが先ずあって
それから
熱い珈琲に冷たいクリームをゆっくり垂らしてできるような渦がやがて消えると現れる私
になったかと思えば

途端に
何処までも限り無い色の中に埋没される私自身のことを
誰もかれもが目にすることのないということに気付き そのまま
測り知れない色の薄さの狭間で
いないない
ってしてるんです

嘆きのままに日々を
喪に臥すなんてできるわけでもなく ただ
ぐるぐる

黒と白とも相容れないものを探しつつ


169名前はいらない:04/09/20 00:22:37 ID:pdZ9jD4+
〆切ですね。
170投稿作品一覧:04/09/20 00:52:58 ID:pdZ9jD4+
125 :未来都市トーキョー
126-127 :言葉のない世界U
128 :早口言葉
129 :音
130 :Night無いとLight無いとRight無いと
131-132 :決意の狭間
134 :がない
135 :しょうがない
136 :意味のないことばのない音楽
137-138 :ぼくは中東を肯定する
141 :なんにもない
142 :贅沢な嘆き
143 :何かがないかもしれない
144-145 :君の住む町
146 :丘に座って
147 :わからない
149 :空瓶
150-151:君がいない
152 :Plane world
153 :夕暮れ
155 :僕のもの
156 :GANAI
157 :GOING ON
158 :タブー
160 :私のノート
162 :うぉき・とぉき
163 :子守唄
164 :コトゴト
167-168 :私がない

以上29作品。テーマは「〜がない」。審査機関は9月23日いっぱいでつね?
171  ◆OgKORiAbeY :04/09/20 01:50:44 ID:6fOcuDrp
宣言無視して特別審査員登場 因みに特別審査が出現する確率は1%弱だ HAHAHA
名作>傑作>良作>佳作>普通>凡作>駄作

125 :未来都市トーキョー :駄作
126-127 :言葉のない世界U :佳作・----------1点
128 :早口言葉 :駄作
129 :音 :駄作
130 :Night無いとLight無いとRight無いと :普通
131-132 :決意の狭間 :凡作
134 :がない :大駄作
135 :しょうがない :駄作
136 :意味のないことばのない音楽 :大駄作
137-138 :ぼくは中東を肯定する :佳作・--------1点
141 :なんにもない :凡作
142 :贅沢な嘆き :普通
143 :何かがないかもしれない :普通
144-145 :君の住む町 :シネ
146 :丘に座って :佳作・----------------------1点
172  ◆OgKORiAbeY :04/09/20 01:51:21 ID:6fOcuDrp
147 :わからない :駄作
149 :空瓶 :凡作
150-151:君がいない:佳作・-------------------1点
152 :Plane world :普通
153 :夕暮れ :駄作
155 :僕のもの :凡作
156 :GANAI :しょうもない
157 :GOING ON :凡作
158 :タブー :普通
160 :私のノート:駄作
162 :うぉき・とぉき :ンナコタァナイ
163 :子守唄 :普通
164 :コトゴト :凡作
167-168 :私がない :凡作

<`∀´>駄作作品を優勝させたら評価人ヌッコロス 
173MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/09/20 08:13:54 ID:29sPOoL1
寸評、行きま〜す。
その前に、今回のお題の出題意図から。
近代詩は、定型詩を否定することから出発し、韻律や音数の束縛から解放されることで
自由詩という形式になりました。ところが、詩を声に出して読んだときの語調の快感も
捨てがたく、最近では、この韻律を見直そうという動きもあるや、に聞きます。
「詩のボクシング」などは、まさにそれ。韻律や口語詩の復権、といったところでしょうか。
そこで、
@「〜がない」と歯切れのよい言葉を使い、しかも[ai」と二重母音を持つことで、
 語感や音韻の調べを重視した詩をどれだけ書けるか。
A欠落感や喪失感は近代人の特徴と言われています。2チャンネルのネット詩人は
 こうした欠落感、喪失感をどこまで表現できているか。
B「ない」とすべてを否定して、否定し尽くした上で、なおも否定し得ない、残余
 のようなもの。これに詩でどこまで迫りうるか。
 以上3点です。今回はこの三つの観点に分類して寸評していきます。
174MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/09/20 08:24:23 ID:29sPOoL1
まずは、@から。
>>125 未来都市トーキョー
 独特のリズム感がいい。ラップ調に読むときの快感。日本語は音曲に乗らない
と言われているけれど、いえいえ、どうして。「ない」の歯切れと「トーキョー」
「浮気中」「仕事中」など「おー」「うー」のリズム感が心地よい。
 中身だが、ポップな軽さがいい。「きっと誰も不幸になんてならない」
「きっと誰も最下位にはならない」などのフレーズは、読者から異論や反感もでるかもしれ
 ない。だから、この部分をそうしたことへのプロテクト、風刺ととることも可能。
 けれども、私としては現代人(いや、未来人か)の感覚をリアルにつかんだ表現、と
 受け止めた。下手に倫理を持ち込まないところが、いい。
175GON ◆rOo2fYBBKk :04/09/20 15:28:17 ID:eEt569aw
>>126->>127 言葉のない世界U 2点
普段の生活のなかでも言葉に疑問を持っている作者の姿勢をうかがわせる。
「つるりとした顔をしてて呆けたように空ばかり見ている」人たちとは、言葉、名前、
地位、金といった人間お手製のもののために東奔西走していた人たちが、急に座標軸を
失ってぼけたようになっている姿ではないか。それに対して、普段からそういった価値観に
疑問を持ち、動植物と同じ地平に立って世界を喜ぼうとしていた作者は、その新たな
潔い世界の出現を喜び、楽しんでいる。世界とはそもそも、一人一人がどういったや
り方で把握するかによって全く違った姿を現す不安定なものであり、そのため、人間は、
前提となるべき『みんなの社会』を仮想的に作っている。最後の「世界の底が抜け、
空がひっくり返った」とは、言葉が消えたことによりまさにその仮想的な社会が消えて
なくなったという決定的な瞬間であり、淡々とした語り口ゆえ余計に読む者をどきりとさせる。

>>142 贅沢な嘆き 1点
優れた文芸作品のひとつの条件に、異化と呼ばれるものがある。
ようは作者オリジナルの視点を読者に上手に教えることだ。作者は、読者にとって平凡な事物や
こびりついて放れられなくなってしまった考え方を、全く新しいものとして再提示する。
それを伝達することが文学では最も重要な『目的』であり、そして表現はそれに対して二次的な
『手段』となる。難解すぎる言葉では酩酊状態の作者の独りよがりとなってしまう。逆に表現が
稚拙だと大事なイメージが伝わりきらない。この詩の表現については、一連目の書き方が
中高生じみているのと、最後の「眺めるだけだった」から「愛が無いのだろう」への乱暴な
帰結の仕方が引っかかった。しかし内容面では、贅沢な暮らしのなかで安易に生きている人々を、
作者自身も含めてすっぱり裁いてみせるところがすごくいい。これこそが異化なのだ、と思った
ものなので、長々と書いてしまった、失礼。詩人の理想的な姿勢だと思った。

176GON ◆rOo2fYBBKk :04/09/20 15:29:46 ID:eEt569aw

>>144->>148 君の住む町 1点
 詩云々よりもこの愛すべき中年男性をただ愛してしまった。ホモじゃないけど。
風船を持った鳩が僕と子供といなくなった君の三者に加わったことで、詩はただの
日常描写であることを免れている。最後の二行はパクリたくなるほどいい。

>>163 子守唄 2点
小説の村上春樹が大好きな暗示なんだけど、やっぱり井戸ってのはイドのことかな。
すると主人公はイド(深層)とペルソナ(社会)の架け橋としてあるべき言葉を
失ってしまって、現実とは没交渉になりかねない状態に陥ったといえる。しかし、そうでもなかった、と。
愛はより愛らしく伝わる。言葉などいかほどのものか、と。「歌」はただ歌ととってよさそうだ。
最終段が美しい。とにかく文章が喚起力に優れ、上手い。唸ってしまう。

>>160 私のノート これも最終段がすごくいいと思った。が、第一段の「世界につながっている」と矛盾してないのだろうか。
>>167 私がない  語り口が上手いが、「意識と無の狭間にかき消される違和感」などがうまくイメージできなかった。
177園川 ◆nWfXpQxHHM :04/09/20 19:49:45 ID:I/XalLiL
>>125 未来都市トーキョー
音楽がある、歌になっている。それだけで評価できる。内容面は辛辣さが足りないし、
風俗の描写も類型を脱していない気があるがそれがむしろ韻律の軽快さを助けている。
今後もこの作風を追求し、研鑚してほしいと思った。

>>126-127 言葉のない世界U
時々措辞に生硬なところが見られるが全体的にはセンスがいい。
知的で柔らかな台詞回しに乗って軽さに傾く字面が快く文面を踊り、
夢想的なノスタルジーを生んでいる。
最後大きなくしゃみが鮮やかに渇望をはぐらかす。
渇望と僕は言ったが、この作品では「言葉のない世界」という言葉が
どの程度の深度で捉えられているのか、そこをもう少しはっきりさせて欲しかった。

>>128 早口言葉
50音という配列に意味のほうが後からついてくる。こういう操作は
言葉を発する個人と言う近代の建前に揺さぶりをかける。
では瓦解した近代の粉塵の向こうに見えるものは何なのだろう。
人間が居ないのはわかる。この作品はこれだけでもそれなりに面白いが
人間の居ない場所、そこにもっと戦慄を感じたい。

>>129 音
停止の予感を遊歩する、楽にならぬ音を撒く壊れたスピーカー。
悲しみを的確に構造化した比喩。上手いし、悲しい。
コレスポンダンスの説明は4連目に固めてしまわずに2〜3連に希釈させたほうがいい。
読者にばれるような説明が入ると作者の顔がのぞいてしまう。
178名前はいらない:04/09/20 20:00:31 ID:MSMzFqk4
「入口と人口」
十得ナイフをぶら提げて〜
ガン付けながら歩いたらァ
マイクにエレキにドラムスの
パンクの兄貴に囲まれて〜
慌てふためき取り出したるは
何と何とも無さそげなァ
ポークチョップの缶切りだったぜ
ゴルァ
179Alnite ◆m3UVuKrnck :04/09/20 20:08:38 ID:A4mfaKDR
それでは審査ー。今回はレス順です。

>>147 分からない 一点
分からないけれど足りない、普通が何だか分からない。
こういう喪失感を、ぼんやりした道筋で表現しているのがGOOD

>>152 Plane world 二点
最終連がぐっとくる作品です。
審査やってる身には耳が痛くなりそうだ・・・。
肯定しつつ否定する姿勢もまた良いですね。

>>164 コトゴト 一点
ない、という題から、ある、を見つけていくこと、
それが最終的に欠落感につながってゆくということ、
それこそまさに、無から有をつくり、有から無をつくる詩人のあるべき姿だと思います。

以上、二点が一作品、一点が二作品、合計三作品でした。
180MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/09/21 00:27:28 ID:kuiHTa1E
@のグループの詩の寸評。続き。
その前に174 「未来都市トーキョー」の寸評7行目、「プロテクト」を「プロテスト」に訂正。
>>129 音
 伸び伸びと自在に書いている。第1連と最終連のR音軽快な音の呼応と響きのこだま。
 太陽の光と音の照応、コレスポンダンス。
 難を言うなら、第2連がやや音声がもたついている。

>>130 Night無いとLight無いとRight無いと
 まず、タイトルがしゃれている。たぎる若いエネルギーが「イ」音と「イヤッホウ」
 の叫び声と「アハハ」の嬌声の喧騒となって噴出している。
 全能感と無力間の波が交互に押し寄せる感覚。私にもそういう時期、確かにありました。

>>136 意味のないことばのない音楽
 詩の世界は何でもあり、ですな。このようなゲリラ的な手法も。第1連。奇妙なことに
 詩になってしまっている(困ったな、どうしよう……)。第2連。凡庸でない。そして、
 つまらん言葉遊び……おい、待てよ、「MANKOを逆さに読むとOKANになるような
 予感に慄いていた」だって?……ムムム、お主できるな。下品な詩だけど、なんか
 捨てがたい、と思ってしまう自分が怖い。私もひょっとして、落としてきた?
181ななほし ◆lYiSp4aok. :04/09/21 00:35:42 ID:uAqpPa42

 採点難しいですぅぅー 印象から、……考えないようにして採点。
 不都合ごめんご容赦してくだされぇぇぇ……

3点 >158 :タブー :04/09/18 23:07:58 ID:03m+8Thm
 うぅぅぅ…おもしろい!

2点 >143 :何かがないかもしれない :04/09/14 00:08:53 ID:5tPtEc/Q
 しっかり無い物を書いている。
2点 >146 :丘に座って :04/09/14 11:48:09 ID:hSGPY6Vt
 地べたに……と出てくるタイミング。いい!
2点 >149 :空瓶 :04/09/15 15:18:03 ID:cL5EMkeQ
 ポップなシリアスコーンのブレックファスト

1点 >134 :がない :04/09/13 04:20:43 ID:cJ0ibURs
 詩らしいかなぁ……
1点 >135 :しょうがない :04/09/13 05:28:43 ID:E9U1VAvQ
 すーッと読めた。OOの言葉が浮かばなかったが……皆さんはどうだろうか?
 作者のねらいは? なにか、2語あったんだろうか? ……??
1点 >137 :ぼくは中東を肯定する(1) :04/09/13 13:07:48 ID:2qoPNTMM
 よく意味がわからなかったが、勇ましい書きっぷりに
1点 >141 :なんにもない :04/09/13 18:08:54 ID:pJDBLX0J
 寂しさ共感
1点 >144 :君の住む町 :04/09/14 01:21:10 ID:TwDEZPwj
 そこはかとなく、いいたいコトは見えている。……情景がひび割れ入り乱れて、
ピカソの抽象画のようだ。……が、1てん
1点 >150 :君がいない :04/09/15 19:01:31 ID:RZ/8/d9i
 想いが見えてこない。
1点 >152 :Plane world :04/09/15 21:26:37 ID:8vj1D2Is
 なんか疑?? 感動してるんじゃン ( w
182園川 ◆nWfXpQxHHM :04/09/21 20:41:48 ID:b/QZ1DgN
>>136 意味のないことばのない音楽
内容的には母性喪失の代償としての性を、回帰を志向しつつも受け入れていくという話。
通読して受けるナンセンス風の印象に隠れているが、しっかりした構造を持っている。
まず1-2連目で喪失と希求を性に絡めた種を用意する。3-4連目で自棄を起こし、
5連目以降で尚消えない疼きとの対決(の記憶)の描写に入る。そして最終連、
それまで語られた喪失と回帰への渇望の記憶を余韻とともに総括して終わる。
意味の解体を取り入れながらしっかりした構造、脈絡を維持する腕は群を抜いている。
卑語を卑語にしない手際も見事で、それは語り手の純実さの表現の為に採用された方法で、
とにかくいい。タイトルの持つ二義性も決まってる。

>>152 Plane world
1連目がテレビ番組で以降、それに引きつけて語り手の思いを叙述している、のは分る。
でも1連目のレトリカルな世界とそれ以降で直叙される語り手の想いに関連がない。
レトリックがお飾り程度にしか存在していない。でもそういう構成なのだと思えば
これはこれで面白いか。でも思うところをそのまま述べるというのは随筆と何が違うのか
という疑問は残る。
183園川 ◆nWfXpQxHHM :04/09/21 21:36:56 ID:b/QZ1DgN
>>160 私のノート
「ノートは世界に向かってけなげにしっかりと」
けなげは健気とした方が美しくて良かったのではないだろうか。
全体の中での文字の種類のバランスを考慮したのかもしれないが
平仮名の連続によるマイナスの方が大きいと思う。
内容的には特に心を動かされなかった。

>>162 うぉき・とぉき
寓意があるのなら正直言って、分らなかった。申し訳ない。
だから寓意のない作品として解釈する。
一向に具体的な像の浮かばない「女のように歩いて話すことが出来る男」
それを徹底することによって不思議な透明感を生んでいる。
何事かを語ってやろうと言う下心を感じさせない姿勢と相まって鮮潔な美を感じる。

>>163 子守唄
狂気を感じない、残念。最終連が陰影を持たない。
言葉を無くしたという事はなんなのか、
感傷を排した詩行の向こうにぞっとする闇を感じないのだ。
もう少し叙述を積み重ねないと見えてこないものがあったのだろうと推測する。
手法は完成したものを持っていると思うがこの作品はそれほど評価できない。

>>164 コトゴト
メタ構造を上手く取り入れている。最終連、
語られる言葉は伝達すべき意味をなにも担っていない事を明かす。
それまで伝達に徹していた無味乾燥な言葉が逆に伝達を放棄するのだ。
その時、モニターに張り付いた言葉の実存が屹立する。
実存は共有される。それは何だ。それは何ものでもない何かだ、
読者の心に陰影が宿る。こまかい事を言えば1連目の最終行の
長さは意味を感じさせてしまう。改行した方がいい。
184Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/09/21 22:46:44 ID:8kjkassw
取り急ぎ。

2点
>>164 着眼点がいいと思います。バクゼンとしたことば運びだけど、それが
かえって意味のなさを強調していて、成功していると思う。

1点
>>126-127 「言葉のない世界」は、ぼくは田村さんを連想する。田村さんを
思って思って、ヲンヲン泣きたくなる。かなしみは少ないですが、やわらかな
ことばが魅力的。
>>146 詩の擬人化が効果的。詩人はこの詩では、もしかしたら不要だったか
も。
185ame ◆yUHAxrOw2c :04/09/21 23:20:45 ID:8D3sPc3I
採点参加します。

3点
>>146 丘に座って
彼らが皆言葉を失ったことに全てを費やした後はどうしようもないことですから、
それから必死に逃げるための詩だとぼくは思うのです。
ぼくらは同時に何が本当かを知ることはないはずなのですが。

2点
>>158 タブー
表現が上手いと思う。そして目的に沿っていると思う。方向性はピタリ。
欲しいものは行く先そのものに深みを。

1点
>>126-127 言葉のない世界U
その1の流れは結構好きだ。
アレみたいだけれども…ええと、「春夏秋冬」(泉谷しげる)…って、何歳よ自分。
それだけにその2でもう少し大きく流れていけるはずだと思えたが。


「ないこと」はそこらじゅうにあって、それゆえに難しいかなと思いますが、
こうやって作品読むとまた取り出し方が面白くてよかったです。
186MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/09/22 01:55:15 ID:HEC82xzs
@の詩、続きです。
>>165 コトゴト
 さっきから、コトゴト、ゴタゴタ抜かしやがって。あんまりグダグダ言うと、首根っこ
 捕まえて、川に放りこんぢまうぞ。
 と、隣のオヤジが申しております。
 ことほどさように、うるさいぐらいに「こと」の反復で、眩暈がするようです。
 ネット詩掲示板で詩を書き、詩を読むということ、その行為の意味を真正面から
 問う力作であります。いわば、「メタ詩」と言っていい。モダンアートは「メタアート」
 だ、と普段からほざいている私としては、このような詩は最前線の詩、ということで、歓迎
 するところであります。

次にAのグループ。欠落、喪失感の詩の寸評に行きます。

>>131-132 決意の瞬間
 自分で自分に言い聞かせる詩、自分を励ます詩、なんだろう。特に目立った技巧や
 驚く表現はなく、つい見過ごしてしまう。けれど、等身大の自分が描かれていて、
 私としては大変好感が持てた。決して背伸びをしていない。そんな姿勢は清々しく
 さえある。うまい詩なんて書かなくていい。10年後に読み返してみて、しみじみと
 した感興が湧いてくればいい。

>>135 しょうがない
 この手の手法はだいぶ前に阿木ようこが山口百恵の「美サイレント」で既に試みている、
 と思うんだけど……。

>>142 贅沢な嘆き
 正直、全体の流れがよくつかめない。ただ第2連が秀逸。文明批判として、短い文章でよく
 まとまっている。この部分だけでも、加点材料になる。


187わに ◆Wani6uvhK. :04/09/22 03:26:30 ID:U/SKi3gz
時間がなく、失礼ながら一作品のみとさせていただきます。

他の作品ももちろんすばらしいんだけども
私の心にきゅぅぅぅんときたのは
>>163の子守唄
声を無くす・・・その思考も凡人にはなかなか思い浮かばないし
「あっ」ていう声が井戸に落ちてゆく様子や
詩を失ったことだけが悲しいと嘆く淡々とした感じがいい。
小石の歌う子守唄がひんやりとした温度を作り出している気がする。
何にでも意味を持たせる濃ゆいものはお腹いっぱいになるけど
こういう薄味さっぱり、でも癖になる。もっともっとたべたい。
こんな詩が私は好きです。
3点進呈させてください。
188MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/09/22 10:21:23 ID:F3D3P4xI
Aの続き。
>>162 うぉき・とぉき
 「女のように歩いて話す」、男のように「年中座りこんだり寝転んだり」という
 隠喩は男女の視点の高さの相違や大地に接する姿勢の違い、というふうに勝手に
 読み込んでみたものの、さりとて何かが見えて来るわけではない。むしろ逆なん
 じゃないだろうか。男のほうが「歩いて話す」。だって恋愛でもそれをすぐに言語化
 したがるのは男のほうだし、大地にしっかり根を張らないのも男だし。作者の解説
 ギボンヌ。

はい、最後にBのグループ。残余を描いた詩です。


>>163  子守唄
 「白い小石のような声」というくだり、好きです。ハッキリ言って、この詩は私が梁山泊
 に参加して以来、一番のBEST詩です。だから、3点を献上しようと思ったのだけれど…。
 如何せん、最後のツメがなぁ。「言葉を失った」「歌を失くした」――いいではないか。
 それでも歌いたいなら、言葉を失った肉体、身体をして歌わしめよ。それを、井戸の底の
 小石が歌う――では、情景は確かに美しい。美しいが、作者は美しさのほうへ逃げてしまっている。
 ちなみに以前、私は「声盗人/koenusubito」を書いた者です。方向性が同じなだけ、
 小さな差異にこだわってしまったわけです。はい。
189MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/09/22 10:51:46 ID:F3D3P4xI
>>158 タブー
 全編、思わせぶりな表現。不条理を描いている、というのはわかる。でも、イマひとつ
 見えてこない。「背骨を侵食されるほどの恐怖」など、ところどころドキッとするフレーズ
 があるのだけれど、わからない。近親姦が何を象徴しているの? 文明批判ではおかしい。
 タブ―=モラル面での社会秩序 への反逆を歌ったものか。んでも、むしろモラルがタブー化
 されなくなった現代社会のほうが問題なのであって、いまこれに反逆するもなにもない。
 すでに反逆しようとする対象は壊れてなくなってしまっているのだから。未開社会のほうが
 よっぽどインセストタブーなどが守られているよ。「姉を抱く」はせいぜい、シュールレアリスム
 の調味料、というぐらいの効き目しかない、のでは。

>>137-138 ぼくは中東を肯定する
 挑発的なタイトル。この詩に流れているテーマのひとつは反倫理。反ヒューマニズム。その通低音
 となって流れるのは「バトルロワイヤル」のニヒリズム。
 「ひとは愛と殺し合いを一緒にもらったんだ/大きく見たらそいつらは同じものなのかもしれない」
 うん、男女間の恋愛なんかは確かにそういう部分がある。でも、ちょっと待ってくれ。
 これを戦争、しかも中東紛争に持っていくのは、いくらなんでも短絡なんじゃない。
 君は中東で何が起きているか知って書いているのか。すべて責任を引き受けた上で
 覚悟しての言葉か。あえて、作者の挑発に乗ってみた。

>>146 丘の上で
 本当に感動的な風景に出会ったとき、ひとは言葉を失う、というか、言葉を発したくなくなる。言葉の
 ウソで風景を汚したくない。詩の言葉なんて弱いもの。これを自覚しているところが
 素晴らしい。それでは、作者に問う。「本当に新しい自分のための言葉が生まれ」るには
 どうすればいいい? 答えは詩で書いてね。
190MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/09/22 11:04:32 ID:F3D3P4xI
今回は問題作が多くて大変でした。
やっと採点に移ります。

【2点】
 >>146 丘の上で
 >>163 子守唄
 >>165 コトゴト
 
【1点】
 >>125 未来都市トーキョー
 >>129 音
 >>136 意味のない言葉のない音楽
 >>142 贅沢な嘆き
 >>157 GOING ON

今回はまれに見る大激戦。文句言ったが、個人的にチャンプ候補はNo.163「子守唄」
準チャンプ候補はNo.146「丘の上で」です。これから採点する皆さんの評価いかんですが
はてさて、どうなることになりますやら。
以上、長々失礼しました。
191園川@代行お願いしてます :04/09/22 23:18:55 ID:gzc7anBF
3点 >>129 音
    >>136 意味のないことばのない音楽

2点 >>126-127 言葉のない世界U
    >>146 丘に座って

1点  >>163 子守唄
    >>164 コトゴト

他に「未来都市トーキョー」「しょうがない」「君の住む町」「空瓶」「君がいない」「Plane world」 
「夕暮れ」「タブー」「うぉき・とぉき」「私がない」 が気になった。
192てるあき ◆DDfwggPC.. :04/09/23 18:58:41 ID:Li7MFwct
集計結果発表します

チャンプ作品は
>>146 丘に座って

準チャンプは
>>163 子守唄

となります

チャンプ作品の作者さんおめでとうございます
お題おながいします
193てるあき ◆DDfwggPC.. :04/09/23 19:03:18 ID:Li7MFwct
3位 7点
>126-127 言葉のない世界U

4位 6点
>164コトゴト

5位 5点
>158 タブー

6位 4点
>136 意味のない言葉のない音楽
>129 音
194てるあき ◆DDfwggPC.. :04/09/23 19:12:14 ID:Li7MFwct
8位 3点
>152 :Plane world

9位 2点
>142 贅沢な嘆き
>143 何かがないかもしれない
>149 空き瓶
>144 君の住む町

13位 1点
>125 未来都市トーキョー
>157  GOING ON
>134 がない
>135 しょうがない
>137-138 ぼくは中東を肯定する
>141 なんにもない
>150-151 君がいない
>147 わからない

以上確認おねがいします
195てるあき ◆DDfwggPC.. :04/09/23 19:14:03 ID:Li7MFwct
今回点を獲得したのは

29作品中20作品でした
196ウノ ◆mdm4jQk4Iw :04/09/23 23:14:13 ID:H4kqwxx/
>>170に締め切りは今日いっぱいとあるけど違うんか?
あと40分ちょいやけど。
197名前はいらない:04/09/23 23:24:03 ID:7NFkdDHM
本日審査〆切age
>170参照。

まだの方は、大至急どうぞ!
198園川 ◆nWfXpQxHHM :04/09/23 23:29:32 ID:tlyTJUHl
今日が締め切りなのかな?
僕は採点は発表しましたが投稿できなかった寸評があるので書き込みたいと思います。

>>135 しょうがない
・○○の意味
禁じれれた単語→負の価値を担う単語
・敗北の意味
ゲームでの敗北→社会での敗北
・ゲームの相手
母→世間

このような展開の中で僕はゲームの勝者から社会的敗者に変化し
さらに僕がゲームでの勝利を大事にし続けている所から
ゲームでの勝利が社会的な勝利を超える価値を暗示しだす。
短い詩行の中に上手く構造を詰め込み詩でなければできない表現を獲得している。
でも中身には大して心を動かされなかった。

>>142 贅沢な嘆き
文学的な言葉での叙述があまり上手くない。
ただ、世界と自分に対峙する意思の誠実さは伝わる。
内容的にはここで復唱するまでもなく伝わる詩だが一つだけ気になる点がある。
それは最終連の「君には愛が無いのだろう」という箇所。
総括が他人にまで及ぶ根拠が述べられていない。
理屈で考えれば社会の構成員として僕と君は同じ資格でテレビに映る矛盾に
加担している、故に責めを受けるべきという事なのだとは思うが
この作品ではそんな事は語られていなかったのだから強引。反感が生まれるのではないか。
199園川 ◆nWfXpQxHHM :04/09/23 23:30:16 ID:tlyTJUHl
>>143 何かがないかもしれない
誠実さは伝わるし、それだけで好感を持ってもいいのだが、
論理的、文法的に分りにくい、読みにくいところが多いので頑張って欲しい。
僕は内容面にはあまり立ち入らないことにしてるが、
この作者には少し僕の考えも言っておきたい。共鳴するものがあったからだ。
世間に流通する恋愛のイメージはなるほど軽薄かもしれない。
でも実際には真剣で他意のない恋愛を生きている人達も間違いなく存在するし、
それが行き過ぎて悲劇の生まれることもある。
僕は恋愛の現在は軽薄と深刻の二極化の過程を踏んでいるのだと思っている。
そしてそこからはみ出す当たり前の健康なそれだって当然あるだろう。
ここまではあなたも僕も同じ考えだと思う。ただ軽薄を軽薄と切り捨てて良いのか。
そういう人たちの想いをも掬い取って何かを語るのが詩人なのではないだろうか。

>>153 夕暮れ
韻律は決まっている。句点の使い方もいい。夕焼けを背景にして、
思考の途切れた意識の暗黒に記憶の断片が明滅する。構成は整っている。技術的には買える。
でも「あなたが見えない、聞こえない。」というフレーズは安手感を免れない。

>>144-145 君の住む町

僕は以前悲しみの表現について、実際に悲しんでいる人がこんな風に書くかと批判した事がある。
でもそれならどう書けば良いのか。結局僕が言ってるのは沈愁を否定する強さや前向きさ、
又は韜晦を技巧として使用しろということに過ぎないんじゃないかと最近、反問している。
ただこの作品をそんな不純なものとして捉えているわけではなく、飾らない叙述に、
悲しみから立ち上がった健やかな強さを感じるし破綻もなく上手く纏まっていると思う。
でも例えばこの父子が母を亡くした場面を書けと言われたらどう書けば良いのか?
作品自体に関係なくて申し訳ないがそんなことを考えた。
200名前はいらない:04/09/23 23:31:22 ID:7NFkdDHM
200ゲトズザッ
201園川 ◆nWfXpQxHHM :04/09/23 23:31:55 ID:tlyTJUHl
>>146 丘に座って

4連目で少し混乱した。失語症に陥ってるのが詩から人々に移動していたため。
5連目の雲を消す言葉とは詩の言葉、響く言葉は真っ当に生きてる人の言葉という事だろうか。
構成は退屈だが爽やかな世界を作り出す言葉の選び方はいい。
詩人にとって常識でなければいけない認識、だがそれを新鮮に捉えなおす事に意義はある。
が、やはりそこから開かれる戦端を少しぐらいは見せてほしいとも思う。

>>149 空瓶
私はそういう詩人である、という作品。演劇的な場面転換がいいが
改行の仕方のせいでかシーンが上手く分節されずにごちゃごちゃしている。
そこをなんとかして欲しい。個々のシーンはきれい。ただ主観的で分りにくい言葉が多い。

>>150-151 君がいない
>>150の物語は冗長に感じる。>>151だけでいいと思った。
そこで描くべきものは描ききっている。
最低限の構造で全てを言い尽くせ、力のある詩になったと思う。

>>158 タブー
侵犯への罪悪感はあるのだろうか。
混沌に戦いてるというより触れ回っていないか。
観念的な分析もしてみせる。事件が都合よく扱われていると思う。
5連目が主観的過ぎて意味が分らない。衝動が暴走している印象。
感想としては姉がかわいそうだと思った。

>>167-168 私がない
ところどころ、意味の分らない箇所がある。狙いとしてそうなのではなく
文体と文学的な語彙に振り回されて破綻している。言葉の危うい連なりに
喚起されるイメージはおもしろいし、語り口もいいだけに残念。
自分のスタイルを持っている点に好感が持てる。

気になった作品を優先して寸評を書きました。今回は時間もなく、触れられない作品もあり残念でした
202名前はいらない:04/09/23 23:43:01 ID:BhwtBoJA
>>196-197
〆切は22日いっぱいまで>>170が間違っている
審査は20日から始まっているから20〜22日の3日間(>>123参照) 
203名前はいらない:04/09/23 23:47:32 ID:7NFkdDHM
>>202
あれ?そうなん?誰も指摘しないと、わけわからん。
間違いに気付いた人は要訂正っすよ。
204名前はいらない:04/09/23 23:51:20 ID:OIa7H1f6
 だはっ そうなの? では、〆切って……もう23日も終わり。
 こんかいあ、23日いっぱい(24日0時)しめきりってことで、
 集計??
205名前はいらない:04/09/24 00:05:41 ID:+XnYnWd0
>>192
 ゴメン 読んでいなかった。
 結果あってます

 チャンピオン
>146 :丘に座って :        合計9点

 準チャンピオン
>163 子守唄            合計8点

 おめでとうございまーーす!!!
206GON ◆rOo2fYBBKk :04/09/24 01:23:16 ID:qvRTtXcU
「丘に座って」を書きました。
次回のお題は「恋愛詩」。テーマっていうか、属かもだけど。
ここ梁山泊ではあまり見ない気がするので、いいやつをぜひ読みたいです。
期間は10/1いっぱい。
207CC:04/09/24 02:49:11 ID:NeUzxxhy



もやもやしたきもちがすきなんです
けどじぶんのやみにじしんがもてな
いんですけどそのもやもやにぬくぬ
くとくるまれるすこしづつすこしづ
つほうかいがおとずれていくんです


からからおとをたててじぶんのほね
がのいずになれていくのですがただ
もやもやはさきをみることをくつく
つおそれてもこころはつながること
をのぞんでいたいんですいたいから


うかんではきえていくくらやみのそ
らですべるかんかくきえるほどせつ
ないのがわかりますかあなたのはら
がせかいにしんしょくするまでそれ
はたしかないみをもってちのあじで



ある日突然その瞬間はやってきた
それまでの僕は何もかもが、自分一人のためにあり
他人にどう思われようと、勝手気ままであり続けた
偶然を装った出会いはバレバレだったね
微笑んでくれた君のこと、愛おしく感じた初めての瞬間
慣れない事をしている僕の声は震えていて
思い出すとはずかしいでも
あの時の、僕の勇気に感謝する

君と出会った今現在も、友達と遊び歩くのは楽しい
ただ遊び方が少し変わっただけ
君の事が頭に浮かんで、風俗通いはもうやめた

多くは望まないと決めていた
君は料理を作るのが好き それだけが僕の願い
うまいへたは別として、レトルトはもう食べ飽きた

レンタルビデオを一緒に選び
ビールで乾杯、ムード作りは下手な僕
再生ボタンで世界は変わる、二人並んで泣き笑い
ビールが旨すぎて怖くなった
いつ見放されてもおかしくないような
隠れて他の女と会ったりした
君と出会う前にしてたことの延長上
それは君に多くを望まないようにするためと
勝手に自分で決め付けた
素知らぬ顔をしているもんだから
胸が痛くなる 君の立場に僕が立ったなら
そんなに凛としていられるだろうか
君の相手は本当に僕で、良いのかとさえ考える
僕には君は出来過ぎた女だ
明日会ったとき、心から謝ろう

綺麗事ばかり並べるつもりはない
今までしてきたことを帳消しにする
そんな意味合いじゃないことだけは分かって欲しい
君を悲しませるような、そんなことはもう絶対しない
等身大の僕として、飾ることない君への想い
これからも君と一緒に暮らして生きたい
不細工で出来損ないのラブソング
210よるのもりのできごと:04/09/24 17:33:02 ID:wPXt4X2u
ママが云ったよ
ジプシーと遊んじゃだめって

くらい森に
緑の草木を照らす
ちいさなあかりがゆれて
タンバリンの音が
僕の胸の中まで鳴りひびく

ママに怒られないように
遠くからこっそり眺めた

オレンジ色の炎に
浮かび上がった少女の舞
僕は石みたいにうごけず
彼女から目がはなせない

白い衣装が
波の泡にみえる
黒髪はゆれゆれて
夜のかぜのよう
舞の途中のまじないで
月みたいな瞳が
こっちをむいた

森のなか
草木がささやく
差し伸べられた手に
すいよせられた
ママの言いつけをやぶった日
211翡翠の森:04/09/24 22:26:36 ID:Nlwnso+Z
儚げに散る桜のような
刹那的な恋
雨に打たれる紫陽花のような
堪え忍ぶ恋
ひっそりと咲く月見草のような
切なげに見つめる恋

独りよがりな想いが創り出した
幻想に過ぎないのが恋だから
人は花に喩えるのだろうか
花は美しく咲き醜く散っていくから

様々な花が咲き乱れる森の中で
色々な花と出会っていく
どれも美しく 儚く そして切ない

だがそれも忘れ去られる時がくる
人は散らない花を見つけていくから
正確に言うと花ではない
自ら光を放ち永遠に咲き続ける
半透明な緑色の結晶を手に入れるのだ
恋が愛に浄化していく

翡翠の石言葉は 「忍耐」
212ユーカラ:04/09/25 00:13:31 ID:Ogtp4lz5
ユルユルリ モユルモユルリ
モエイズル
オモヒオモへズ オモヒナム

コイコユル コイコガレテ
コイシカルベキ
コイワズラフ コイシキアガメ


それは
たまたま
わたしであっただけで
本当はあなたであったのかもしれない


わたしによく似たあなた
あなたによく似たわたし

213本当の恋の話をしよう:04/09/25 01:53:16 ID:TASK3q2N








                              セックスしませんか?

214香織:04/09/25 02:54:34 ID:CTbf534H
君は美しいのでいつも
ぼくの中の醜悪を恥じ入らせる
笑顔(あの笑い声!) 
真っ直ぐの視線
柔らかく光る髪
たったそれだけの十七歳の武器が
ぼくを
ぼくをグるぐるカキまわしまわりぼくはねムれずにとりみだシまわりヨみちうろついテハシャがみこみとびハネゆめみわきふるいたとうトシてはシボみまたすぐにふくらみ そして
ぼくは
震えんばかりの喜びと臆病で
君の前に立つ
―――それがそう、皆、そうなんです―――

 お前 
 お前よ
 恋愛よ
 神のようにか
 微笑んでは手を差し伸べ
 ぼくが積み上げたものをくずすのか
215香織(2):04/09/25 02:55:10 ID:CTbf534H

いつかぼくは言ったものだ
「正直そんな漠然としたものに
あんなに大事だったぼくの全てをひっくり返されたくない」
それでも
ぼくは叫ぼう
はらわたを引きずって顔をゆがめ
(それが世界一のコメディアンより可笑しいさまで
世界中の正常なひとにゆびさされ笑われてもなお)
君が好きだと叫ぼう

 亀のように
 ひっくり返されひっくり返されひっくり返されひっくり返されひっくり返されてなお
 君が好きだ
216霧の縦走路:04/09/25 13:08:33 ID:OhLZ0BTy
山頂にいる二人を
ミルク色の霧が
暖かく見守っているようにつつむ

結婚という山の頂に
やっとの思いでついたねと
ふたり思い出しながら
語り合っている

力を合わせて坂を上り
反対という名の峠を越え
さまざまな難所を越えてやっとの思いで
この山の頂に着いたんだ

この霧の向こうの
見えない縦走路の先には
大きな峠もあるだろう
鎖場もあるし崖も上らなきゃ
でもその先には高い山がある
幸せという名の山のてっぺんを目指すよ
217結わいた命:04/09/25 14:13:04 ID:M+rkJZv/
チャンプのGONさん、準チャンプのリーフさんおめでとうございます。
また審査期間逃してしまいました・・・ごめんなさい。
私は「空瓶」を書きました。
浮かんだイメージをまとめるのが大変でした。本当は悲しい詩を書きたかったんですけどね…。
採点してくれたななほしさん、批評を書いてくださった園川さんありがとうございました。
218217:04/09/25 14:13:48 ID:M+rkJZv/
すみません誤爆です…。
219れんあいし:04/09/25 19:12:21 ID:ymDigNuI

>>1->>218 

ふーん


どうでもいいけど、俺はさとみのことがだいすきだ

さとみ愛してるよ
ずっといっしょにいようね


だーいすき
220月と手紙:04/09/25 22:41:32 ID:HHBJmWZU
満月の夜、君に手紙を書こう
朝読み直すときっと捨ててしまうから
読み直せないように
あぶり出しで書いて送ろう
明るくきれいな月をみながら
あふれる思いを書こう
書き直しなど一切せず
全て素直に書いて送ろう

書き終えて
自分のロマンチック加減が
つくづく嫌になって泣けてきた
あぶり出しってバカみたい
しょっぱい物がどこからか落ちて
手紙はすっかり汚れてしまった
古い古い宝の地図のよう

こんなに汚れた手紙
明るくきれいな君に見せることはできない
しょげかえる僕を
月が慰めた

アカルクキレイナ ツキダッテ
ヨクヨクミレバ クレーターダラケ
カノジョダッテ キットソウ
テガミノヨゴレ キニシナイ

それを聞いた僕は
また泣いてしまったんだ
さっきよりもずっと深く大きく
221Happy:04/09/26 00:24:15 ID:4Jou3wDe
どうせどれだけ分かり合えても
そこに恋が芽生えることはやっぱり無くて、
また、いつものようにスヤスヤおねんね。
少しトゲトゲしい口調に僕はなってるんだろうけど
心配御無用。

僕はすっかりハッピーさ。












222サッド:04/09/26 18:31:09 ID:ZgTVGckE
声のないパーティ
思いを馳せながら
ちみっちゃいあの娘が
誰かの手を
取らないように
踊らないように
ソファに寝そべり祈るだけ

テレビガイドの片隅の
チープな星座占いは
「攻めて攻めて攻めまくれ」
他人事を殴り書き
もう負けたくない僕は
レイトショーを眺めるだけ

咲かずに枯れる花
ねじ曲げられるドラマ
たった一つの孤独な誇り
武器を持たない悲観論者
攻めることなんかできやしない
攻め方なんかもわかりゃしない
223サッド(2):04/09/26 18:31:32 ID:ZgTVGckE

鳴らない電話と白紙のアドレス
新調したドアベルは色褪せて
整いすぎて空回り
そのうちどうでも良くなって
字幕も追えなくなっていて
叶わぬ思いに飽きはじめる
もう何度目だろう
スープを暖め直したのは

越えられないフィールド
どうしようもない諦め
どうにかしたいお願い
哲学一人と銘打って
今日も踏み荒らされていく

そんな最中
傍らの高い高い橋の上には
君らしきパッケージが
慣れた手つきによって
今まさに開けられようとしていた!
224楽などできず:04/09/26 21:52:59 ID:x6OgeKLo
飲み屋であのひとを見た
おれがいないところで楽しそうに
赤くよっぱらっていた
胸がちくつき
おれはこそこそ逃げ出した

こんなとき 自分は怒るのかとおもっていたが
不安と自己憐憫がおれを押しつぶし
それどころではない

せめて
泥酔して帰ってくるであろうあのひとの
世話を焼きたくて
おのれのふがいなさをののしりながら
あのひとの家の前をうろついている

わかったろう おれのこどくな男根よ
格好よく生きたければ
恋などするものではないのだ
225憧れマトリョーシカ:04/09/27 00:51:07 ID:QPc5T5lU
倒れそうな君 可哀相に笑って

笑顔ばっかり可愛いな な―― 泣くんか なんなら か 可愛いな――

僕はヨロコビの歌を間違い無く歌う アブク吹いてもそれも歌やで

なぁ 歌 歌い
ぎゃーぎゃーやかまし君に戻り

もーぐもーぐさせて口 ちっちゃい口 
きっとその中で声飛びかってんのんな

ベロにしみて声 ずしりだらり伸び 
その内落ちる 拾ったらへん
拾ってもまた 落ちるんやろベロ

な 泣くんか あ 歌うんか ほな 合いの手入れるわ

煙草吸えば煙草依存症・医者行け♪  行かん
眠れんなら不眠症・医者行く♪  行くな
歯医者以外行くな な ――― やっぱり歌やめて

傘で示して行き先 雨なんかいつ降るん
何も歌わんといっそ無音 ほな降るんちゃうリズム雨

なんしか飽き飽き うつむいておきてうつむいてうつむいて
ああ 君 おきあがりこぼし おもりバランス悪すぎな 

僕が憧れてるのはマトリョーシカ
小さくなっても小さくなっても小さくなっても ちゃんと立ってた 
         
       君 
226罪の果実:04/09/27 01:08:09 ID:tWH8T6j/
わたしの中に
りんごの木が一本
あなたを見つけた時
白い花を小さく
初めてつけました
あなたの花粉は
わたしにそっと触れました
花は小さな実をつけました
あなたを感じるたび
照らされて大きく育ち
赤く色付きます
甘い香りがするの
あなたを感じるたび
あなたを知るたび
紅に色付きます
熟してとても美味しそう
でも
あなたはわたしに気付かない
あなたは果実に気付かない
りんごは落ちる
あなたに噛られる事なく
甘い香りを漂わせたまま
227格子窓:04/09/27 01:09:58 ID:Fe4JRoSy
ほらまた今日も寝ている
いつも午後になると寝ている
先生にでかコンパスで殴られるよって
背中を叩かれてビクッと起きるふりをする

僕は決して午後の陽射しの暖かさとか
昼食後の満腹感で寝ていた訳ではありません
というよりは寧ろ
それを口実に寝たふりをしていたのです

ただ一度だけ本当に眠くて
寝る体勢に入ったところ
まだ意識のあるうちに隣から声が聞こえたのです
寝顔かわいいよねって
眠気が吹き飛んだけど
間が悪くて起きれませんでした
そうして先生の声が途切れて
スリッパの足音がした時に
背中を叩いてくれた手の
柔らかだったこと

二学期の頭席替えで移動してきた時
ゲッ最悪って言ったのは
半分あなたに半分自分に
皆が机を持って移動しているときに
僕はそこに居座ったまま
また同じ景色かよって
ちょっといやかなり凹んでました
しかも隣はよく知った仲
リフレッシュのリの字もなかった

228格子窓:04/09/27 01:12:43 ID:Fe4JRoSy
僕がいつも寝ている時
決して廊下側を向いてないのは知ってる?
陽射しが目を赤らめて寝にくいのに
決して廊下側を向いてないのを知ってる?
水曜日の午後一の音楽の時間だけは
僕が寝てないのは知ってる?
遅刻魔の僕がこの秋は
一度も遅れてないのは知ってる?

斜め45度に見えるあの大きなくすのき
その向こうの建設中のマンションが
にょっきりと顔を出すのに気付くのは
住人が布団を干した時にでいい

また目をつぶって
ちょっとだけ開けて
睫毛の間から見る景色を
僕は夢と思った
目を開けたらほら
いつもみたいに馬鹿しちゃうから
229愛情のかたち:04/09/27 04:53:03 ID:I8QBNCBd

君の自己中心型の寝相に布団を追い出され
気弱なぼくはせめて大きなため息をつき
うらみごとをシコシコと詩にしてみている
ぼくの掛け布団を大事なもののように抱きしめるから
少し嬉しくて
そんなぼくが大いに恥かしくもあり
ニンベンをつけるほどじゃあないが
いつのまにか幸せでもある

かわいい寝息を聞くために
音楽を消してみたら予想通り
かわいい寝息が聞こえてきて
この詩は自然に君への愛情のかたちを辿る

だけどぼくは自称詩人 君にさえ秘密の
そして本当はただの男で
更に怠惰で無職でへんな髪だ
でも こんな夜は 「キミガスキダ」ではすませられないことのために
自称でもフリでも こうやってこっそりと詩人している

そして 君のむきだしの背中から永遠や百年の愛を読み取れるほど器用じゃないぼくは
いま とっととただの男にもどり
カーディガンを脱いで君にかけてやるわけだが
そんなただの男の行為のほうが
シェークスピアよりも上手にあらわしていたりするのだ
「君が好きだ」と


喩もなく
韻さえ踏まず
230素直:04/09/27 11:50:19 ID:3NVMpaCo
寂しがり屋の私 ひとりがとても怖くて
いつも誰かに寄り添っているの
寄りかからせてくれるなら誰でもいいの
多ければ多いほどいいの
「たったひとりを愛し続ける」なんて私にはできない
みんなみんな大好きなの

世間一般から見たら全然かわいくない私だけど
こんな私でも必要としてくれる人は沢山いるの
ちょっと誘えばすぐに抱いてくれる
みんなとってもいい人よ
「こんないい人を裏切ってるんだ」って思うと
私だって 涙が出るほど辛いの
だから おあいこだよね?

ひとりぼっちの夜は耐えられないから
そんなときは誰かにメールをするの
「寂しくて眠れないよ」って
そうすれば電話がくるから 部屋にだってきてくれるから
そんなみんなが大好きなの 本当だよ
みんながみんな一番なの だからいなくならないで…

昨日ひとりの人がね、「結婚しよう」って言ってきたの
「僕だけを愛して欲しいんだ」とも言ってた
でも私にはまだひとりを選ぶなんてできなくて
とても辛い選択をしたの 今でも心が痛いよ…
ごめんね 私のこんな話を聞いてくれるのはあなただけだから
本当だよ
あなたのことが 誰よりも…
んっ  あ… んん…  は… あ…
今までしたキスのなかで一番気持ちよかった…
…大好きだよ
231名前はいらない:04/09/27 19:02:58 ID:kT0HnykR
↑詩とはいえこういう女って最悪だね・・・・
糞レススマソ
232永遠:04/09/28 00:19:20 ID:yWPc1y45
「いつのまにか 産まれて 育ち いつか
ゆっくりと ゆっくりと 死んでゆくのなら
それがもっと もっと 遠い日で 望むなら
僕が死んだ 後ならと 願うんだよ」

「ネガティブ」だって 君は笑った
ありのまま僕を受け入れてくれた 
君の前で 僕は何も繕っていない 今は
だから怖い 裏切られれば そのまま
裸のまま抉られる そうやって
致命的に損なわれた 恋や愛を
僕を少しずつ与え 弔って来たんだ

「君を失う事が恐いんだ」 今では
いつか失う事を知って それでも
恋して 君を愛してる
こんな風に言うのは恥ずかしいけど
僕はもう恋なんてしないと思ってた
冗談じゃなく 本気で

「嬉しい」って 君は笑った
ありのまま君をうけいれられたのは
その微笑 無邪気に戯れる 心地よさ
きりが無いとか 言えないけれど それでも
君を愛するに十分 有り余る
理由を探す事は無意味だと 思うけれど
君に聞かれたとき すらすらと言えるよう
233永遠(続き):04/09/28 00:20:47 ID:yWPc1y45
「僕達が死んでしまうまで 愛が生きたのなら
その後に愛が死んだとしても 僕達は
幸せなままいられるのかな」

人の世ではそれは 永遠の愛なのか
いつか終わると思っているけれど
君といる時 僕は永遠の愛を願わずにいられない
出来そこないみたいな永遠だけど
僕達は幸せでいられるだろう 君はまた笑った
つられて僕も笑った ずっと笑っていたいんだ
君と 死ぬまで ずっと 
234くりすますいぶ×∞:04/09/28 02:10:04 ID:R59w6DGt
最近、空を見上げることが多いんです。
僕の心のもやもやも取ってってくれたら本当は嬉しいんだけど。
最後のデートからどのくらいたったっけ。

最近、一人で過ごすことが多いんです。
心のもやもやは溜まる一方で、空もそれで満杯になってしまいました。
でも、なぜかそんな気はしないんです。

最近、夜になると一層寒くなる季節になったわけですが、
体が寒くなると、なぜだが心はあったかくなれる気がします。
あと、何かが起こる予感がするんです。

去年のクリスマスもそうでした。
予定はなかったのに結局彼女と過ごしたクリスマスの夜。

今年も何か起こる素敵な予感。
クリスマスじゃなくてもそんな素敵な、素敵な予感がしてならないんです。

そう思うと空も、星も心なしか輝いて見えてくるんです。
235:04/09/28 11:45:33 ID:uw8O7izk

無邪気と臆病のあいだで
意外な居心地よさに目を細める
そんなあなたの厚顔に
それでも僕は好意をかくせず
あなたは愛されているんですよといいたい
それには気付かず周りを気遣う
そんなあなたの盲目に
それでも僕はその目を見つめる


僕とあなたとそれぞれの
未来
無限に広がる地平を伸びゆく曲線が僕ら
ばったり出会った僕ら 
窺い見詰め合うふたりに
花や歌や風を
お金と言い訳以外で手に入る
安らかで慎ましやかなもの全てを


そして許されるなら僕の手は
それらをなお越えてその髪にふれたい
時間はゆっくりだし
空は夜だけど空気が涼しいし―――
僕らには嘘も何の約束もなく
微妙なのにひとりよりも居心地がいい
なぜか幸せな
そうとても幸せな猫だ
236甘酸っぱい血:04/09/28 22:49:46 ID:bQO49OcR
輝いていた日々――
白黒だった僕に 明るい色を塗ってくれた君
話しているだけでよかった 隣にいるだけでよかった
愛を語り合ったりしなくてよかった 
君からのメール全部 たった一人別のフォルダに入れた
太陽が微笑んでいるように見えた 手にしたもの全てが光に満ちていた

突然だった
後ろから刃物で切られたような痛み
赤くて 赤くて 生臭い鉄の匂い
空が鉛色になった 手にしていた幻想の小瓶がゴミになった
一言だった
『あの時期は、何かと寂しかったのよ』
それだけだった
君はどこか違う空へと飛んでいった

違う
僕の求めていたのはこんな、こんな感触じゃないっ・・・!
僕は 太陽のオレンジを求めちゃいけなかったのか
光の黄色を求めちゃいけなかったのか
色褪せて行き 白黒に戻った僕 いや セピア色になった僕

心の背中から飛び散る赤黒い憎しみ
行き場を失って滞って腐ってゆき黒さを増す
躊躇った後 君のメールを全て消す時の「削除中」表示の長さが
黒さを霧散させて 変わりに悲しみが来た

裏切りじゃないのに 何故傷は消えないんだ
涙が乾いても どうしてこんなに苦しいんだ
キューピッドにでも聞きに行くか
237隠喩の実在:04/09/29 08:30:47 ID:zaZGQRZ8

頭の中に霧がかかり
君の唇が浮かんでくる

(ここでしきをあげよう)

鎖骨にルビーを入れてよ
肉の間から覗きたいんだ

(だれもいないバスルーム)

水平に似た肩のライン

(バスタブで舐めるパインキャンディーの味は
触れられない誰かに似てる

「ふたりは」

君の掬った温かい水
誰かの言葉みたいに

「ひとつの心臓でいきれたらいいのに」

人はなぜ涙を流すのか

女「一つになった体は 触れられない 誰かに似てる
誰かの流した涙が あなたの言葉になりますように

・ ・ ・

鉛筆を措く カーテンレールを見る
ここには何もない
238:04/09/29 10:14:41 ID:d49iTn2i

いつも生意気で、きっちり仕事をしあげ、
口の悪い彼女の中には
一人の少女が怯えて隠れている。
心の中の深い森で
いつも、いつも泣いてばかりいる。

僕は、少女のために、花束を用意する。
僕は、少女のために、絵本を用意する。
僕は、少女のために、チョコレートを用意する。

僕は、牡だから、
時々少女を力づくで犯してしまいたいと夢想する。
一匹の牝になってしまうまで、容赦なく奪ってみたい。
きっと魔女が一人できあがると思うから。

本当に望んでいるのは、
いつか怯えて泣いている少女が泣き止んで、
僕を見つめて頬を染める瞬間なのだろう。

手をつないで、ゆっくりと森を歩み出るにつれ、
きっと、少しづつ少女が乙女になり、
僕の横にいる彼女に同化していくに違いない。

僕は、彼女にもう一度 恋をするんだ。

そして、もういない怯えた少女を惜しむんだ。
239初舞台:04/09/29 21:39:50 ID:jBFBGlGu
言いたいことがあるの・・・
お話があるの・・・
もうちょっとしおらしく お話があります・・・
の方がいいかな・・・

急に強い風が吹いて
銀杏の葉が夕焼け空に舞い上がったら
それがタイミング

深呼吸 深呼吸
今日だけは大女優
音楽スタート 緞帳上がる はいっ

「ねえ 一緒に帰ろう」
240恋のスイッチ:04/09/30 00:57:49 ID:yg5LQGC7
スイッチを押して

ガタンと一音

青い空を背景に

赤い缶を投げ渡した

金網越しのレールを横目に

二つの車輪がくるくるまわる

車輪の一つはキミを乗せ

残る一つにボクが乗る

ブレーキなんて踏まずに

坂道下るその瞬間

眼下に広がる光の海を

キミとボクとで泳ぎきろう
241慧  ◆eBWUIXUMPI :04/09/30 03:14:29 ID:PojaYceg
Zというハンドルから、慧に変えました。Zというハンドル、他でも見かけたので。
自宅でぶっ倒れてから、しばらく入院してました。退院後。病み上がりです。
体調をみて、出来そうならば、今回、審査させてもらいたいと思っています。
よろしくお願い致します。
242名前はいらない:04/09/30 03:41:09 ID:NSJSs0zn
あ、これはポエムでなくて感想ですけれど。
恋愛詩って、他人に共感させるのは難しいですよね。
ただ「付き合っていて嬉しい」や「ふられて悲しい」を詩にしても、
だからどーしたっていう感じだし、よほど筆力がないと共感までは
行かない。今回もストレートな恋愛詩は個人的に好きなのと嫌いなのが
分かれてしまいますね。勿論自分で書いた詩は、自分で共感できるので、
好きだけれど(笑)。

そんな中で、個人的に目に付いたのは>>230、素直。
共感はまったくしないんだけれど、こういう女の人って不思議な
魅力があるんですよね。で、この詩も同じように不思議な、
ある種魔力的な魅力がある。悪い女だなと思いながらも、最後まで
話を聞いてあげたくなる。騙されて傷つけられる快感みたいな・・・。
「みんな大好き」っていうのも本心なのか、言い訳なのか分からない。
男は馬鹿ですからね。読んでいるうちに、本心で言っているんじゃないかと
思わされる。そういう風に読者が少しずつ深みにはまっていくのが
この詩の面白いところであり、秀逸なところであると思います。
243隙間いっぱいに満たされていた:04/09/30 23:09:40 ID:tZYHeTFA

言えないよな
からっぽのと時はからっぽだし
いっぱいの時はもうそれだけで いっぱいだし

シューボックスにはバックスキンの焦茶の靴が入っていた
それから何か 入れておいたが ……今はからっぽ

チョコレートケースには香りのいい大粒アーモンドチョコが入ってた
カキッと噛み砕いて食べちゃったあと
なにか 彼女からもらった何かを入れといたが……それも今はからっぽ

なんで、箱だけが残ってるか?? 捨てられない想い……??

いそがしい日中に、ちょっと会って
離れるのがつらくなる
でもなんでいっしょにいたかったの?
そこが大事なんだけど
彼女も苦労人
あったかく育てられたけどやっぱり苦労のニガ味に
頬引きつらせちゃったなぁ……
ごめんね

なにが欲しかったんだろうなぁ思いだすのは
カラノ箱
244君のそばにいるよ:04/09/30 23:43:51 ID:ra1RVkaj
君が雨に降られていたら
僕は雨雲を追っ払う事は出来ないけど
傘なら君の上に持っていくよ

君が闇の中で立ち止まったら
僕はあたり一面を眩しく照らす事は出来ないけど
小さなランプを持って君の元へいくよ


いつか 君も 僕も
呼吸と体温を失って
目も 耳も 鼻も
きかなくなって
綺麗な言葉達はくたびれて


君が冬の寒さに震えていたら
僕は春を導く事は出来ないけど
僕の温もりを分けるため君を抱きしめにいくよ

君が死を恐れているなら
僕はその恐怖を取り去る事は出来ないけど
ただそばにいるよ君のそばにいるよ

離れないよ
ずっと君のそばにいるよ

245恋欲:04/10/01 00:51:43 ID:7BwcDow7
赤い実を 探します
赤い実を 見つけます
地面の揺れを感じながら
夜(よ)も催芽な頃に 食します

 
ぬらり

心の汁が伝ふので
心の汁が通ふので
ぬらんらら ぬらら  
ぬらんらら 
らら

そして世界が少しだけ
少しだけ 傾き
心を別つとき
もとどおりのふるさとにて
とてもキリッと 馬鹿らしく
水やオトを弾くノデ

ぴじゅう てんてん
てんてんてん

弾き ハジキ の合間に
あなたの顔を思いだすのは
あなたの心を思いだすのは


あなたを思いだすのは
246もっと、ぜんぜん:04/10/01 01:24:52 ID:yzC5h6CB
びっくりするほど真っ白にくもったきれいな空を、
はばたくように飛行機がとんでいきました。
もしかしたら実際にはばたいていたかもしれないあの飛行機を、
じっと見つめながら僕はマンホールをよけつつ歩いていました。

あの飛行機にまたがっているだろう君は、
雲の上に突きぬけていったのでしょうか。

君に「突きぬける飛行機」の話をしてもらったのは、
ずいぶん前のことになるかもしれません。
「さみしい思いをたくさん見てきたら、
突きぬけていく飛行機が、
あたしをさらっていって、
それでもっとぜんぜん見たこともないような思いを、
見せてくれるんだわ、きっと」

「その飛行機ははばたいてるみたいに見えるの。
でも実際にはばたいているのかもしれないのよ。
だってそれにはまたがらないとわからないし、
またがってしまったらもう見上げることなんて、
なくなってしまえるんだわ、きっと」

君は見上げたくなかったみたいだけど、
僕がいまこうして見上げてることは、
決してさみしい思いなんかじゃないよ。
もっとぜんぜん君にも見えてた思いなんだと思うよ。

そうつぶやいて僕はマンホールに飛び乗りました。
247なめくじの結晶(1):04/10/01 10:03:15 ID:0MulMqBh
エリカが口を開けたら
僕は指を入れよう
強く噛まれる痛みか
甘く包まれる痛みか
どちらにしろ
そうして僕はふたつに割れて

君を割れ目に閉じ篭めるんだ
発情したなめくじみたいに
ビール缶が稲妻で裂けて
白い天上に「恋愛」の影を描く

そんなことも知らないでエリカ
教会みたいに行儀のいいベンチで
子供みたいにあくびして伸びるくちびるは
僕が未来に描いた影に似て
僕は慌てて席を立つ

オレンジジュースが似合う君に
カルピス曹達(ソーダ)を買ってきて
寒いからとコーヒーカップに入れ換えて
ジャンパーの胸で温めながら
帰ってみれば君はいない

それきり君がいない
248なめくじの結晶(2):04/10/01 10:03:50 ID:0MulMqBh
今度エリカが口を開けたら
僕は拳を入れよう
そうすれば二度と君を失うことはない
強く噛まれる痛みか
君の歯を砕く痛みか
どちらにしろ
そうして僕らはひとつになって

妄想をやめて窓を見よう
滴に濡れる僕の顔は確かにそこにあるか
ほんとうにエリカはそんなことも知らないでいたか
ほんとうにエリカはあのベンチにいたか

ほんとうに僕達は名乗りあったか

溶けたなめくじは固まった

君は好きにすればいいエリカ
僕もまた
ただひとりの人間に戻り
歩き出す
見晴らしのいい丘へ

次のエリカを探しに
249羽に吹く風(1/2連目):04/10/01 16:32:48 ID:F9CB/GET

あなたがわたしの首をうっすらとしめたとき
わたしは瞳を閉じ 力を抜いた 全身から
あなたがわたしの首からそうっと力をゆるめ
両手をおろし わたしを見たとき
そうっと開けたわたしの瞳には あなたそのものが
映っていたに違いない あなたのたましいが
(何をされても受け入れますよって感じなんだね)
とあなた言うから
黒のピアノに寄りかかって突っ立ったまま
(うん)
とこたえる その時
首をしめられ 死んでもなお
あなたのたましいを わたしは守るだろうと
わたしの瞳は こたえていただろうか


250羽に吹く風(2/2連目):04/10/01 16:33:38 ID:F9CB/GET
雨上がりに二人で散歩する
わたしは水たまりをぴょんととんで
あなたは遠くの空を見てる
(すずしいね)
あなたが言う
ひとりきりで 生きていくと決めてた二人
夕暮れの 雨上がりの空の
雲のかげからの 光
わたしの首に
あなたが残した天使の羽が
いまだ熱をもったまま 風に吹かれる
(夏がもうじき終わるね)
あなたが言う
(そうですね)
とわたしが言う
雨上がり
二人に吹いてくる
251眠れぬ夜:04/10/01 17:49:43 ID:jO6IJe0y
たとえ君が目の前に 跪いてすべてを
忘れてほしいと 涙流しても

ぼくは君のところへ 二度とは帰らない
あれが愛の日々なら
もういらない

愛に縛られて 動けなくなる
何気ない言葉は 傷つけて行く

愛のない毎日は 自由な毎日
誰もぼくを責めたり できはしないさ

それでももし君が その扉を開けて
入ってきたら ぼくにはわからない

君の横を通りぬけ 飛び出して行けるか
暗い暗い暗い 闇の中へ

眠れない夜と 雨の日には
忘れかけてた 愛が甦る

252二つの想い:04/10/01 22:08:02 ID:az0TGB1p
僕から君に向けるまっすぐな想い
君から僕に向けるまっすぐな想い

まっすぐな二つの直線を
いつも必死に一つにしようとして
なぜだかうまくいかなかったよね
まっすぐな二つの直線は
ちょっとずれてるだけなのに
なぜだか不安でしょうがなかったよね

僕は不器用だから
君にまっすぐな想いを送ることしかできないから
君はその直線の周りをひらひらと揺らめく蝶になってよ

そうしたら僕は一年中咲く花になってみせるから
いつだって甘い蜜を出す花になってみせるから
253名前はいらない:04/10/02 00:51:02 ID:gOhHj738
審査期間突入age
254名前はいらない:04/10/02 01:01:31 ID:0rLcdsSA
 審査の〆切はいつでつかぁ?? 月曜日、10月4日いっぱい?
255名前はいらない:04/10/02 01:08:28 ID:gOhHj738
207 :CC
208-209 :不細工で出来損ないのラブソング
210 :よるのもりのできごと
211 :翡翠の森
212 :ユーカラ
213 :本当の恋の話をしよう
214-215 :香織
216 :霧の縦走路
219 :れんあいし
220 :月と手紙
221 :Happy
222-223 :サッド
224 :楽などできず
225 :憧れマトリョーシカ
226 :罪の果実
227-228 :格子窓
229 :愛情のかたち
256名前はいらない:04/10/02 01:09:40 ID:gOhHj738

230 :素直
232-233 :永遠
234 :くりすますいぶ×∞
235 :猫
236 :甘酸っぱい血
237 :隠喩の実在
238 :恋
239 :初舞台
240 :恋のスイッチ
243 :隙間いっぱいに満たされていた
244 :君のそばにいるよ
245 :恋欲
246 :もっと、ぜんぜん
247-248 :なめくじの結晶
249-250 :羽に吹く風
251 :眠れぬ夜
252 :二つの想い

以上34作品。締め切りは10/4いっぱい。審査員のみなさんよろしくお願いします
257名前はいらない:04/10/02 01:12:54 ID:gOhHj738
失礼。251の「眠れぬ夜」は、議論スレの流れどおり、無効ということで。
全部で33作品です。
258てるあき ◆DDfwggPC.. :04/10/02 07:54:47 ID:b8Ck1uI7
>>254
それであってます
4日24時(5日0時)締め切りです
審査のほう審査員さんおながいします
259Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/10/02 15:12:46 ID:BnmhBoi7
久々に寸評いこっか。

>>207 自分のスタイルを持ってて好感がもてるよね。毛色のかわった定型詩
ともとれる。内容がやや陳腐なのと、定型であるがゆえのことばの制限を逆に
武器にできないかなあ、なんて無責任に思います。
>>208-209 自己の表出に終始していて、パートナーの顔は視えてこない。自
分勝手もまた恋愛のひとつってヤツかな。
>>210 フレーバーが不満だなあ。ジプシーの少女との邂逅なんだから、南欧
の森や少女の顔だち、その他それっぽさがほしかった。「君はタンバリン/ジ
プシーの真似して踊る」って歌詞を思い出したよ。
>>211 愛の不滅を書きたかったのは分る。ただ論の運びが唐突すぎてついて
いけない。不滅の「翡翠の森」を中心におくのはどうだったろう。それでも陳
腐に陥る危険はありますが。
>>212 ぼくはユーカラは4、50話くらい読んでるかなあ。話すと長くなるから
やめとくけど、ぼくの描いてるユーカラ像とは違うけど、シマフクロウのいる
森は表現できていると思う。後半がいいよなあ。
260Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/10/02 15:34:30 ID:BnmhBoi7
>>213 オレの尻でよかったら…(もじもじ)。
>>214-215 後半から調子がでてるぞ。裏を返せば、前半のことば運びがすご
くぎこちない。多分これは狙ってぎこちないんじゃなさそう。でも>>215はす
ごくいいぜ。後半だけでいいんじゃないのかなこの詩は。
>>216 御存知の方もいるでしょうがぼくは既婚者です。違う人間がいっしょ
に暮らすってのは面白いと思います。ぼくの言いたいことはこれだけかな。
>>219 レスアンカーが間違っとるがな。ま、お幸せに。
>>220 テーマ自体がかなりメランコリーに傾いてるせいなんだろうなあ、正
直、読んでてツラい…。
>>221 いっさいの背景を排している気概は買うんだけどさ、個人的で刹那的
な感情を持ち出されても、よくわかんないよ。
261慧  ◆eBWUIXUMPI :04/10/02 17:49:33 ID:pNZJeh0v
Zあらため、慧です。体調や仕事の都合で、年に何回かしか出てこれませんが、
今後もよろしくです。

すべて縦書表示にしてから読みました。第一印象重視です。
寸評・感想です。

>>207 CC
この詩が、恋愛詩なのかどうか、私はよくわかりませんでした。
"あなた"とあるから、その人を心に思い描いているのだろうと
思うのですが、その人との、距離がまったくない感じがして。
見つめているのは、自己愛ではないかなぁという気がしました。
自己愛が、他者と対峙する恋愛と、相反するものだとは思わないけれども。
ところどころ、文章の流れが止まるようにも感じ、そこも気になり、
するりと入っていけませんでした。

>>208-209『不細工で出来損ないのラブソング』
恋愛、というか、結婚かなぁ。
結婚してくれと頭を下げている手紙、でしょうか。

>>210 よるのもりのできごと
禁じられたものへ触れる時の、どきどき。子供の、性への好奇心。
そういう感じで受け取りましたが、それにしても、
「制御不能なぐるぐるな感じ」が足らない気がします。
大人の女性(違うかな)の視点からくる余裕を感じてしまいました。
分かり易いキーワードをたくさん使っているのを、欠点と思いました。
262慧  ◆eBWUIXUMPI :04/10/02 17:51:09 ID:pNZJeh0v
>>211 翡翠の森
じーっとじーっと夕から日暮れまで、夕顔のつぼみのひとつを見続けたところ、
他のつぼみは次々と花開いていくなかで、見つめられ続けたそのつぼみだけが、
ただひとつ、咲かずにぽとりと落ちた、という話を読んだことがあります。
二度試して、二度とも、二輪ともそうなったそうです。
両足を、身体をひらいていくときの、羞恥が、花にもあるんじゃなかろうか。
この詩に書かれているものよりも、花っていうのはもうちょっと、
芯の強い、たくましい生命の、性のものではないでしょうか
……という反論でした。失礼しました。

>>212 ユーカラ
うーん。もうちょっと説明して欲しいです。わからないです。
わたしは、酔えませんでした。

>>213 本当の恋の話をしよう
題名は、"恋"ではなく、"愛"のほうがまだしっくりくるかなぁ、
と思いましたが、そうじゃなくて"俺"にしてみるほうが面白いかなと。
まあ、何にしても、初めてみる感じではなく、ありふれています。

>>214-215 香織
"十七歳の武器が"のところが、思い切り説明だなぁと思います。
他の全ての言葉が、最後の三行の、言い訳というか、照れ隠しというか、
そういうもののように感じました。
ええと、つまり、最後の三行はちょっと面白かったです。

>>216 霧の縦走路
これも、結婚の話かなと。
二連目、三連目をまるごと削り、四連目の二行を採用して、書き足して、
結婚の旅立ちの詩に、書き直すことが出来そうな気がしましたが、どうでしょうか。
263慧  ◆eBWUIXUMPI :04/10/02 17:52:14 ID:pNZJeh0v
>>219 れんあいし
他を批判するためだけに、綴った言葉のように思いました。
本心だとは思いますが。
恋愛詩と呼ばれるものの多くへの、反発・批判の言葉。それ以上でも以下でもなく。

>>220 月と手紙
恋する自分への、男への、励ましのうた。
でもまあ、相手を想うときの、相手の姿が、見えてこない気がして、だから
恋愛詩と呼ぶのはどうかというような気が……。

>>221 Happy
ふたり暮らしの感想、でしょうか。短くてすみません。

>>222-223 サッド
ここから先がはじまりで、まだ恋愛ではないような。そんな感じがしました。
Billy Joelの「Sleeping With The Television On」という曲を、
思い出したりしつつ読んで、最後の連で、よくわからなくなりました。

>>224 楽などできず
恋などせずとも、格好悪くしか生きてきていない女性のわたくしですが、
最後の三行は、わからんでもありません。
でもちょっと、前の三連に似合わない、最後の連の立派さ(?)だと感じました。

>>225 憧れマトリョーシカ
面白いなぁと思うのですが、推敲が足らないかも。
もう少し引き締められるのではないでしょうか。……と思いました。
最終行の"君"は、改行も、空白も、いらなくないですか?……というのは
勝手なわたくしの意見です。
264慧  ◆eBWUIXUMPI :04/10/02 17:52:46 ID:pNZJeh0v
>>226 罪の果実
題名の、"罪の"というのは、要りますでしょうか?
花粉が触れた瞬間に、かなりしあわせにみたされたのではないかしら、
とわたしは思ったりするのですが、どうでしょうか?

>>227-228 格子窓
誰かの日記を覗いているような、そんな気になりました。
普遍にまでは、ちょっと遠いような気がします。

>>229 愛情のかたち
余計な言葉が多いような気がしました。
もっと格好悪く、"愛情のかたち"を、見せて欲しいです。

>>230 素直
来る男来る男、すべてを受け入れてたら身がもたんやろうと思いますが、
まあ、「心からよろこんで、相手の*すべてを*受け入れたい」というような
そういう想いは持っているわけではないから、だからへっちゃらなんでしょう。
結構めんどくさいことが嫌いで、だから「自分だけのものになってくれ」
というふうに人格をもってぶつかってこられたら、受け入れられなくて、
「私つらい」と泣きつつ振る。そしてそういう自分自身のことも好きで……。
最後の"大好きだよ"というのは、
I love it.であって、I love you.ではないのだろうと思いました。
"素直"なんじゃなくて、"正直"かなぁと思います。
恋愛詩というのとも、違うように思います。
アダルトサイトへの誘い口なんかを思ってみたり、
正津勉さんの「さよならのマキ」「港のマミー」を読み返してみたくなったり。
読んで、反応はしました。
265慧  ◆eBWUIXUMPI :04/10/02 17:54:12 ID:pNZJeh0v
>>232-233 永遠
ラブレターであるのは確かなような気がします。
"ありのまま"、"受け入れる"というのは、キーワードのようですが、
結構こういうのは、相手の女性の方の手腕にかかっているものなので、
なんというか、もすこし、醒めていたほうが、
作品としても、良いのではないかなぁ……
って、失礼かつ余計なことですね。ですよね。

>>234 くりすますいぶ×∞
これを詩と呼ぶことに、ためらいを感じますが、
題名の"×∞"のことを思うと、そんなに悪くない気もして。
でもまあ、作品としてはあまり良いと思いませんでした。
辛口でごめんなさい。同じような視点で、別の詩を書くことも、出来ると思うんです。
「人は、この世にもはやなにも残されていなくても、心の奥底で愛する人の面影に思いをこらせば、ほんのいっときにせよ至福の境地になれるということを、わたしは理解したのだ」という言葉に、最近わたしは出逢ったばかりなんです。
V・E・フランクル『夜と霧 新版』から。紀田順一郎『翼のある言葉』からの孫引きです。

>>235
三連目の最初の何行かが、作者の知性を感じさせて、そのため全体が、
良くなくなってしまっているような気がしました。
木島始さんの「とほうもない望み」という詩を思い出しかけて、
崩れました。もったいない気がします。

>>236 甘酸っぱい血
題名と、最終連の想いだけを使って、そこからが詩になるかもしれない、
と思いました。

>>237 隠喩の実在
あたまがいいんだろうなぁという感じがし"過ぎ"ます。と思います。
題名が良くないと思いました。そこが一番大きいです。
本文は、ところどころ、良いなぁと思いました。
266慧  ◆eBWUIXUMPI :04/10/02 17:55:59 ID:pNZJeh0v
>>238
盛りだくさんの幻想、という気がしてしまいました。すみません。
男というのは処女が好きなのかなぁと、多くの場所で感想に持つ
わたくしなんですが、この詩もそうかなぁ…??
"きっと魔女が一人できあがる"って、うーん、それも男の幻想っていうか、
願望っていうか、そういうもののような気がします。

>>239 初舞台
かわいらしい舞台を演出している主人公を、
つくっている作者を思い浮かべてしまいます。
しかしあれこれ考えている主人公にしては、普通の台詞で、
いまひとつ、だという気がします。

>>240 恋のスイッチ
"赤い缶"って、コカコーラだったら、投げ渡したら、炭酸でぷしゅーって。
"恋"はともかく、"恋愛"については、スイッチが押されているのかどうか、
この作品からはわかりませんでした。

>>243 隙間いっぱいに満たされていた
この詩の作者の、昔の恋人(?)が読んだら、
ちょっとかなしいような気持ちになるんじゃないかなぁ。
"ごめんね"という言葉のわりには、言いたい放題ではないかしら。
まあつまり、一人歩きするような作品、ではなく、
作者の"想い"が綴られている文章、だという気がしました。
共感する人は、いると思います。

>>244 君のそばにいるよ
三連目が、他の連を、打ち消してしまってはいませんでしょうか。

>>245 恋欲
性愛の詩かなぁと思ったのですが、違っていたらすみません。
恋愛、というと、なんだかちょっと違うかなぁと思いました。
267慧  ◆eBWUIXUMPI :04/10/02 18:13:39 ID:pNZJeh0v
>>246 もっと、ぜんぜん
一読して、ずっと、胸を離れなくなりました。
「好き」なんて単語を、「好きです」なんてことを、
もう誰にも、どんな詩にも、どの詩の作者にも、告げないように
していたいわたくし(超個人的な思いを語ったりして恐縮ですが)なので、
だからコメントしづらい。
他者を他者として、大事に想える人が主人公の、静かな詩。
他者との距離。自分の心。人間の営み。ひろくをみつめる主人公の心は、
醒めていて、静かで、少しかなしくて、やさしいです。そんな気がしました。
ごめんなさい。この詩、好きです。ごめんなさい。

>>247-248 なめくじの結晶
共感するようなところが、実は多々あったのですが……。
>>243 隙間いっぱいに満たされていた」へのわたしの感想と、同じです。
"想い"が綴られている文章だと思います。
が、普遍にまでには、足らないように思います。

>>249 羽に吹く風
描きたかったものを描くことに、作者が成功しているのか、
わたしにはわかりません。そうではないかもしれません。
軽みがないところ、物騒な言葉が並んでいるところが、
欠点であるような気がします。勇み足のような気もします。

>>251 眠れぬ夜(採点対象外のようですが、知ったこっちゃないやい)
"愛"という言葉があるわりには、"情"は感じません。
音があるならば、良い歌だったのかもわかりませんが、
聴いたことがないうえに、歌詞だけをみるかぎり、
わたしはそう、好きではありません。
268慧  ◆eBWUIXUMPI :04/10/02 18:15:24 ID:pNZJeh0v
>>251 眠れぬ夜 の続き
"眠れない夜と 雨の日には 忘れかけてた 愛が甦る"と言われても、
言葉(だけ)のうえでは、説得力がないと、わたしは思います。

>>252 二つの想い
"まっすぐな二つの直線を いつも必死に一つにしようとして"も
うまくは行かないような気がします。
"君にまっすぐな想いを送ることしかできないから"ということは、
やっぱり、相手の女性の愛情と手腕とにすべてがかかってきている
ということでしょうか。
恋愛詩、というには、浅いと思いました。
269慧  ◆eBWUIXUMPI :04/10/02 21:15:07 ID:pNZJeh0v
わたしが投稿した、>>267の「羽に吹く風」は、>>249-250の間違いです。すみません。

さて、今回のわたくしの採点候補は、
>>225 憧れマトリョーシカ
>>235 猫
>>237 隠喩の実在
>>246 もっと、ぜんぜん
でした。

ですが、今回、点無しです。
純愛にいまだあこがれ、恋愛詩が実は大好きなわたくしは、
どの詩にも、点をつけられませんでした。
"恋愛"という言葉の定義がよくわからないというのもありますし、
"恋愛詩"もまたそうです。
後世に残るような、恋や愛の詩にいくつか出逢っている私は、
どれにも点をつけたくありませんでした。

長々と、読んで頂いて、感謝します。
また、批評や感想を書かせて頂いた作者の方々に感謝します。
ありがとうございました。(^-^*)
270名前はいらない:04/10/02 23:11:43 ID:7Vw7VlPw
「採点」しないなら雑談ズレでいいのでは
271慧  ◆eBWUIXUMPI :04/10/02 23:43:03 ID:pNZJeh0v
>>270
点無し、という採点です。
272iななほし ◆lYiSp4aok. :04/10/03 00:36:06 ID:tb0tJtVB
 味わうのにつかれて、まったく優劣つけられない状態……ふぅぅ〜
 全部一点。ほかの採点者様の嵩上げに……と。
    充実の疲労ですが、  ぅぅ /(^_^; つかれぁぁ〜

1点 >225 :憧れマトリョーシカ :04/09/27 00:51:07 ID:QPc5T5lU
 なんかリズムがある。でも、声に出して読んでしまうほどではなぃなぁ……
1点 >226 :罪の果実 :04/09/27 01:08:09 ID:tWH8T6j/
 そこはかとなく、ワイセツで哀愁ただよぅぅ……オレ感覚ずれてるかなぁ
1点 >227 :格子窓 :04/09/27 01:09:58 ID:Fe4JRoSy
 ありえそうも無い風景、 ありそうな妄想?
1点 >207 :CC :04/09/24 02:49:11 ID:NeUzxxhy
 なんかわからない。声を出して読みたくない。……わからない。ああ、
1点 >210 :よるのもりのできごと :04/09/24 17:33:02 ID:wPXt4X2u
 絵本のようなイメージの世界。ママがいったよ……この出だしゆえに???
1点 >213 :本当の恋の話をしよう :04/09/25 01:53:16 ID:TASK3q2N
 出そうに思った。……ら、出たぁ!!
 でも、女性はどう思うやら……??
1点 >214 :香織 :04/09/25 02:54:34 ID:CTbf534H
 男のほうがロマンチスト……だと言う定説だが? 単に言い訳スキなのか? とも思た。
1点 >216 :霧の縦走路 :04/09/25 13:08:33 ID:OhLZ0BTy
 失礼。微笑ってしまった。……しまたった。テンをつけ杉だぁぁ!!!
1点 >220 :月と手紙 :04/09/25 22:41:32 ID:HHBJmWZU
 なんで? あぶり出し? ……気になる。釣られたぁぁぁ!!
1点 >224 :楽などできず :04/09/26 21:52:59 ID:x6OgeKLo
 そのまんま、いじけ男? それとも、口だけ……弱気? 社会ステータスバッチ次第か?
1点 >237 :隠喩の実在 :04/09/29 08:30:47 ID:zaZGQRZ8
 やっぱり、……最後は何も無くなってシマウノかァァ……
      ダチョウだったか? 肋骨に時計だったか? ……思い出した。
273ななほし ◆lYiSp4aok. :04/10/03 00:38:10 ID:tb0tJtVB
 採点 その2  (……続きです)

1点 >238 :恋 :04/09/29 10:14:41 ID:d49iTn2i
 ほんとに……オトコはロマンチストだと感じる。頭は空っぽなんだろう。
1点 >239 :初舞台 :04/09/29 21:39:50 ID:jBFBGlGu
 作者さまは、男性とかんじるが……いかが?? 
1点 >245 :恋欲 :04/10/01 00:51:43 ID:7BwcDow7
 なんか、音の在る詩になってるが、「あなたの顔」が浮かんてこない。…足が無い。
1点 >246 :もっと、ぜんぜん :04/10/01 01:24:52 ID:yzC5h6CB
 けっきょく、フォールいんラブ?? 落っこちちゃった。恋愛物理法則MC^2…?
1点 >247 :なめくじの結晶(1) :04/10/01 10:03:15 ID:0MulMqBh
 君がいない。……妙に切ない。男は何時もさ迷う者か?
1点 >249 :羽に吹く風(1/2連目) :04/10/01 16:32:48 ID:F9CB/GET
 作者は女性だろうか? そんなことのほうが気になる。誘惑の詩??
    ……ならば、3てんつけるか?? 風に吹かれて考えよう
274わに ◆Wani6uvhK. :04/10/03 01:25:24 ID:EO76xuHd
謹んで寸評させていただきます。
いっぱい書けないので気になったものだけです。
すいません。

208-209 :不細工で出来損ないのラブソング
きゅんとなりました。オトコノヒトのかわいらしい不器用さ。
女はそんなところに母性本能を感じて抱きしめたくなるんじゃないかと思います。

211 :翡翠の森
きれいではかなくて触ったら切れちゃいそうな鋭いカンジ
恋ってそんなものかもしれない。ヒスイと恋。
でも、決して愛じゃないんですね。
初めてした恋はたしかにすね毛とかつまらないことで幻滅して消滅したもの。
自分に作り出せない世界だからか、この詩の世界に憧れを感じます。

213 :本当の恋の話をしよう
わたしは触れることが恋愛だと思っているので
こういうストレートさはいいと思います。
すきとか愛してるとかが照れくさくって思わずこんな風に言ってしまったのかな
なんて思ってしまいました。

216 :霧の縦走路
結婚式のスピーチのよう。こういう言い方は書き手に失礼かもしれませんが・・・ごめんなさい
恋愛って山あり谷あり、それぞれのカップルにいろんな物語があって結婚にこぎつける。
そんな感じを きみが、オレがって詩が多い中結構客観的に、そしてきれいにまとめられててすごい

219 :れんあいし
すきとか愛してるとか陳腐な言葉を使わないで表現するのが恋愛詩だと
わたしは考えているので、これは詩だとはわたしには思えませんが
こういう言葉を言える男性は女性にもてるだろうなと思います
275わに ◆Wani6uvhK. :04/10/03 02:08:44 ID:EO76xuHd
222-223 :サッド
ああ、こういう表現すき。一つひとつの表現がこの詩の為にある言葉のよう
恋をすると臆病になるんだよね。
すき、でもいえない、のはがゆいかんじと、だめなオトコみたいなカンジがいいなぁ

224 :楽などできず
最後のところがいいですね。恋なんてすると格好よく生きられない。
そんな女性に翻弄されているナサケナイ男性はすごく可愛く見えるわけですが・・・

225 :憧れマトリョーシカ
いいな・・・才能に嫉妬。自分には絶対にまねできない。
マザーグースみたいな、摩訶不思議な詩ですよね・・・・でもむづかしい。

226 :罪の果実
すごい好みです。上品なエロさ、触れてほしいと願う女性の気持ち
果実という表現は使い古されて入るけれどもここの詩の中で使われると
みずみずしい感じを受けました。ありがちなものでも使い方次第なんですね。
参考になります。

229 :愛情のかたち
うん。完成されている。詩人の書く恋愛詩だ。
カーディガンのくだりがいいです。評にも何にもなってないけど
ほんとにこれ、いい。

230 :素直
読後感がもう少しよくなるようになにか救いの部分がほしかった
でも、こういう人って結構いるよね・・・・真実ってこんなものかもしれないけど
276わに ◆Wani6uvhK. :04/10/03 02:30:14 ID:EO76xuHd
232 :永遠
永遠なんてありえないから。それが分かるからこそ永遠を願うし、それを恐れるんだろうね
男性が不器用ながら飾らない心のままで愛を告白する姿が紳士的で好ましく思えました

235 :猫
猫と恋愛・・・・日向ぼっこみたいなあったかいカンジがよく似合っています。
一緒にいて、それがとても心地よい。そんな恋愛っていいよね。

237 :隠喩の実在
鎖骨にルビーのあたりの表現にゾクゾク来ました。
愛することはひとつに戻ることなのかも。
そしてそれを回想している詩人の目線が突き放したようでいい距離感と思います

239 :初舞台
だれにでもあるよね。こういったかんじ
いいたい言葉をなんどもなんども心の中で練習してそれから始める好きな人との会話
すこしでもよく思われようって努力して、可愛くみえるように精いっぱいの演技
初々しいカンジがよく表現されてて共感できます。
277わに ◆Wani6uvhK. :04/10/03 02:44:33 ID:EO76xuHd
245 :恋欲
すこしいやらしいニオイがして、でも上品で
恋のおいしいところだけこっそりつまみ食いしたようなずるい感じがします
ぬるり、とか てんてん、とか独自なリズムが心引かれます

249-250 :羽に吹く風
短編映画みたいな、なんかおしゃれ系のまんがみたいなストーリーっぽい詩ですね。
読むだけで映像が脳裏に浮かぶみたい。
別れなのにさわやかで、きれい。文章も雨上がりのさわやかなカンジで。
278わに ◆Wani6uvhK. :04/10/03 02:57:58 ID:EO76xuHd
採点させていただきます。

2点
222-223 :サッド
229 :愛情のかたち

1点
225 :憧れマトリョーシカ
226 :罪の果実
245 :恋欲

恋愛って誰もが書く題材だけに難しいとおもう
ともすれば自分の自己満足のものになりやすい。
でも、今回の投稿作品は全部よんでて楽しかった
もっともっと読みたいしもっともっと書いてほしい。
279MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/10/03 07:40:26 ID:wAnAVlVT
寸評の時間です。
その前に総評から。
あえて厳しく言うけれど、今回は、さっぱりぜんぜん、というものが多かった。
恋というテーマは、身近なだけに、難しいのだろう。あまり主観を色濃くしすぎると
自己陶酔でキモチワルーになるし、抽象化して洗練すると、恋の実相から遠ざかり、
作為的な偽語となる。
 そんな中で、下手くそではあっても、一生懸命に自分のコトバで、等身大のコトバで
語ろうという真摯な姿勢に惹かれる詩もいくつかあった。
 能書きはこのくらいで、はい寸評。

>>208-209 「不細工で出来損ないのラブソング」
 男俵万智だな。ウブな純情を描く。多くの市井人が抱いている共通感覚を平易な言葉で
わかりやすく掬いとっている。ただ、俵のほうが洗練されていて、消費されやすいように
きれいな包装紙でくるんでいる。でも、私は好きになれない。中身が人工甘味料だから。
 対して、この作品は新聞紙にさえも包まれずに差し出された焼いも。とても売り物には
ならない。消費されない。でも、味は甘くて、僕は好き。

>>244-245 香織
 とくに整合性は感じられず、作品としてのまとまりがない。むしろ、取乱したような
錯乱気味の文章、文体。意図してやっているんだろう。8−9行目の平仮名カタカナ混交文。
最終連のしつこいまでの繰り返し。男の純情の涙ぐましいまでの滑稽さを感じる。
それにしても、男の恋って、なんかブザマだよね。
280MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/10/03 09:10:58 ID:wAnAVlVT
>>222-223 サッド
 内気でなかなか大きく一歩を踏み出せない青年の心理。これもまた男の純情。
スープやパッケージなど、恋愛を食事に喩えるのは珍しくはない。よくまとまった
詩だが、心は動かされない。

>>224 楽などできず

 これもまた男の純情。けっして褒められる内容ではないが、訥訥と恋慕を吐露している。
尽くすことの自虐ともいえる喜び。ドレイの喜びは心の琴線を震わせる。
「格好よく生きたければ/恋などするものではない」――これぞハードボイルド。
日本では誤解されている。ハードボイルドはハンフリー・ボガードやGメン75
(チト古いか)ではなくて、ボロボロになりながら、女に振り回され、騙されては
よろよろ立ち上がる男の哀歌なのだ。

>>225-226 憧れマトリョ―シカ
 独特のリズム感。ロシアの入れ子人形マトリョ―シカを持ってきたところはうまい。
これだけ恋する相手(自分?)を突き放し突き放して歌うと、悲しくも切ない恋の
実相が透かし彫りに浮き出てくる。これぞ諧謔。

>>226 罪の果実
 どうなんだろう、これは。淡々とした語り口の中で、みずみずしいエロスを歌い上げる――
作者の狙いはそんなところだろうが、果たして成功しているかどうか。まず、もっと
紙数をかけて大きく歌うこと。そして描写を磨くこと。果実の腐肉の甘い爛熟まで
持っていければ、エロスはいやでも鼻腔をさすだろう。
281園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/03 09:58:18 ID:oxYfgdXY
今回は寸評が書けないかもしれません。先に点数の方を。

3点 なめくじの結晶
2点 もっと、ぜんぜん
1点 羽に吹く風

この三作の順位は完成度を基準にしてます。
それ以外の尺度では甲乙がつけがたい。
ただなめくじの結晶はそのなかでも突出していました。
282皮膚ヘタレ ◆.uQr7ysYjs :04/10/03 11:47:03 ID:mWAt7/9t
審査します。
あと僕の主観だらけの感想なんかも書くけどなんとなく読み流せばいいと思う。

各1点

>>225 憧れマトリョーシカ
上手いよね、言い回しとか。でなんか裏にいい感じの空しさとか出てる。
けどわかんない。君ってふらふらなおきあがりこぼしなわけじゃない。
締めのマトリョーシカは君じゃないんでしょ?

>>235
頑張ってる人ってのは好きだ。この主人公もきっと色々と頑張ってるよね。
ただ、猫ってのはこの詩の場合だとあんまり有効な例えじゃなかったかも。
猫はそのまんまの君でも良かったとする。

>>238
この設定に惚れる。でも仕事っていう現実と、森っていう世界の差が
半端じゃないので、前半ぼやかしても良かったんじゃない?
魔女が一人〜とかは僕には思いつかない。すごい。

>>239 初舞台
この作者の感性だと長々と続けても面白いかなと思ったけど、こんなのもいい。
ちょっと細かいこと気になったけど深呼吸はいらない。この詩のスピードの邪魔してる。

>>249-250 羽に吹く風
あなたとわたしの関係を上手いことやってのけたらもっといい。2連目が活きる。
そんなに2連目が好きだ。きれいな救われなさってのが堪らなく好きだ。

以上で。
283皮膚ヘタレ ◆.uQr7ysYjs :04/10/03 12:01:46 ID:mWAt7/9t
作品付け忘れ。

1点

>>247-248 なめくじの結晶
指や拳を入れるところなんか大好き。
主人公のいい感じにボケてるのがはまり役。
284慧  ◆eBWUIXUMPI :04/10/03 14:12:27 ID:tldraBYw
>>269は、我ながら、混乱したままの、意味不明気味な文だったと思い、
もういっかい書きにきました。

今回のテーマが、もし"恋愛詩"ではなかったならば、
>>269に挙げた四作品に、わたしは1点ずつ、いれたと思うんです。
ただ、このテーマにおいては、どの作品も、
チャンプにしたい、というふうに、わたしは思えなかったんです。
点をつけられない、つけたくない、というのは、そういう意味です。

また、寸評・感想で、わたしは度々、「恋愛じゃないんじゃないか」
「恋愛詩ではないんじゃないか」と書いておりますが、
ここらへん、実は自分でも、よくわからないままで書いています。
ただ、(なんかちょっと違うんじゃないのかな……)という
自分の勘を信じる、ことにして、書き進めていきました。
285慧  ◆eBWUIXUMPI :04/10/03 14:13:41 ID:tldraBYw
恋とか、愛とか。詩とか。わたしはわからないままです。
わからないままなのですが、そういうものがわたしは好きで、
また、とっても良いもののようにも、思っています。
だから、点を出し惜しむ気持ちがとても強いと思います。
しかしながら、今回のこのテーマで、たとえば黒田三郎さんの、
「もはやそれ以上」とか「賭け」とかが投稿されていたら、
恋とか、愛とか、詩とか、恋愛詩とか、
それが何だかよくわからないままですが、迷わず3点つけるんです。

このような気持ちで、今回、点無し、という採点になりました。
そして、それを、固定ハンドルで、本スレで、表明をしたく思いました。


自分の今回のコメント、すべて読み返してみたら、
ぴんぼけだったり、言葉足らずだったり、失礼なこと言ってたり、
あれこれ、で恥ずかしいなぁと今思っております。
次に参加させて頂くときは、もすこし慎み深くやります。
では、これで。いつも長文ですみません。
286MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/10/03 15:09:06 ID:81/vt02j
>>228 格子窓
 これと良く似た経験がわたしにもありました。初恋の娘が隣の席で、授業中、居眠り
をしたわたしを起こしてくれて。でもって、その娘が好きだったのが、オフコースの
「眠れぬ夜」で……。あれ? NO251がまさにそれ! ともかく、なつかしくも
甘酸っぱい初恋の思い出を思い起こさせてくれた一編、いやニ編でした。

>>229 愛情のかたち
 最終連の「喩もなく/韻さえ踏まず」とは、よく言ったもので、さりげなく日常の愛の
かたちを叙している。ここにはドラマはない。ごくありふれた情景ゆえに二人の愛の
深度と確かさがうかがえるのだが。特別、ひとに読ませて伝える内容ではない、と思ってしまう
のだよ。そう思うわたしは、二人の仲を妬いている?

>>230 素直
 真間の手古奈って知ってる? 「万葉集」の美女で、多くの男性に言い寄られて、相手を
傷つけることができなくて、海に身を投げた伝説の女(ひと)。その話を思い出した。
 案外、この作者、一人の男性に一途っていうタイプなんじゃないだろうか。どうも、
この詩の世界は虚構のにおいがする。多情な女は本当にこんなふうに思うんだろうか?
男性依存症のひとって、だらしないというよりも、繊細で、病的で、どうにもならない
痛みを抱えているような気がするんだけど、これ、美化し過ぎ? ともかく、ホントに
これって、「素直」?
287Alnite ◆m3UVuKrnck :04/10/03 18:59:53 ID:m1+/0jzr
今回は白票を投じさせていただきます。

今回のテーマである「恋愛」とは人それぞれで、
皆さんが思い思いに自分の言葉でそれを表現できていれば、
それに優劣をつけることはないと私は思います。
もしもそれに決定的な優劣をつけてしまえば
それはその人の人格や個性、生き方を否定しているだけだと考えます。
(もちろん、これは優劣を定めたり点数をつけている方々を
批判したり責めたりしているわけではありません)
本当のところは、全部一点!としても良かったのですが、
あえて全部0点です。
これが審査といえるかどうか私にも分かりません。
でも私にはどうしてもこの個性あふれる作品のうちいくつかについて
ここがこうだからダメ、などと心の中で、あるいは
寸評として、定めてしまうことができないのです。
だから今回は、総評だけで勘弁。

出来事として具体的に、曖昧な想いを捕らえて行くこと、
あるいは肉欲の面から、またあるいは心の中から、
パートナーを求めてゆく気持ちについて素直に描いてゆくこと、
そのどれもが素晴らしいと思います。
今回は肉欲の面から、の詩が数作品見られましたが、
自分の気持ちを正直に描いていると思える作品が殆どで、
ただいやらしいだけという感じはあまりしませんでした。
他の作品については、技巧を使いすぎてる面も無くはないと思いましたが、
それがこういうスレッドの悲しいところかもしれないですね。
288MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/10/03 23:35:21 ID:DPWuaK2Y
>>232-233 永遠の愛
 「永遠の愛」って、自分が死んだあとも最愛のひとを気にかけ思い続けること。
親の子に対する思いがこれに近いよね。いま、ニンゲンは地球に対して、永遠の愛
を持てなくなってきている。それが未来のナウシカたちを苦しめているおおもとなんだ、
と話がそれてスマソ。

>>236 酸っぱい血
 こう、何もかも色だけで表現しようっていうの、どうなんだろう。とくに「セピア色」
云々というのは月並み調。「セピア色」を絶対使うな、というわけでは、もちろんないんだ
けれど、虹色、バラ色、夢色……安易に色に頼るな、と昔、山本太郎(俳優の太郎ではない、
絵描きは岡本太郎だからね、念のため)先生が仰ってました。

>>245 恋欲
 赤い実→心の汁→弾く のイメージの展開がいまひとつ、流れとして見えてこない。
ひとつひとつの場面は奇妙な魅力を醸しいるのだけれど、どうも違和感、ミスマッチ感が
する。私の単に私の読みが足りないだけなのかもしれないけれど。

>>246 もっとぜんぜん
 マンホールは、やっぱ、アレ。村上春樹シェンシェイですか。ともあれ、はばたく
飛行機のイメージはよい。ジャンポジェット機に耳が生えて、羽ばたきながら空を
飛ぶ。これがホントのダンポジェット。す、すいません。
 この詩は現代の童話、大人の童話(形容矛盾)って感じがする。でも、やっぱ
雰囲気は村上春樹だなー。(嫌いだけど)

289MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/10/03 23:56:02 ID:DPWuaK2Y
>>247-248 なめくじの結晶
 第1連でグッと引き込まれる。口っていろいろなものの隠喩だね。いまさらながら。
ここでは、三つぐらいのトリプルイメージかな。エリカって、彼女の名前かなって思った
けど、そうじゃない。なんか、はぐらかされた感じ。でも、こういう仕掛けも利いている。
でも、この作者、前もエロのイメージをなめくじ使ってやってなかった?

>>249-250 羽に吹く風
 詩というよりドラマだね。1/2連目。「首をしめられ 死んでもなお/あなた
のたましいを わたしは守る」―これが永遠の愛なんだねぇ。
 2/2連目の別れの場面も映画のワンシーン見るようだねぇ。「あなたが残した
天使の羽が/いまだ熱を持ったまま 風に吹かれる」―愛情はときとして、熱をもった
暴力となる。DVとか最近、いろいろ言われてるけど、暴力=悪の図式で単純に割り切れない
ものなんだね。私の敬愛する今は亡き哲学青年が言ってました。生は暴力だ、って。

最後に採点です。

【2点】
 >225-226 憧れマトリョ―シカ
 >249-250 羽に吹く風
【1点】
 >208-209 「不細工で出来損ないのラブソング」
 >224 楽などできず
 >228 格子窓
 >229 愛情のかたち
 >246 もっとぜんぜん
 >247-248 なめくじの結晶

290MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/10/04 00:08:33 ID:LWxtEdZg
今回は慧さんの無得点問題があったので、一言いわせてください。
以前から審査員のみなさんに確認しておきたかったんだけど、採点方法は絶対評価なの
それとも相対評価なの? 厳密な相対評価だと、その回のレベルがちょっと…と思っても、
3点、2点、1点の得点差をつけなくてはいけない。緩やかな相対評価なら、三段階にしなくても
いずれかの作品に得点をちけなければいけない。でもって、絶対評価なら、慧さんのように
該当作なし、でもいいと思う。本来の厳格な審査ならそこらへんの了解は最初にしておかなければ
ならないかと思う。梁山泊はそこまで厳密にやらなくても、いいけれど、少なくとも
審査員を名乗る以上、そこらへんの自覚は意識として持っておくべきだと思う。
で、わたしは絶対評価でやっている。だから、今後、慧さんのように該当作なし、
となるときもあるかもしれない、ということは言っておきます。
あ、これは感想スレに書くべきだったね。すいません。
以上、終わります。
291GON ◆rOo2fYBBKk :04/10/04 16:29:17 ID:mB+UQgS5
採点させていただきます。

>>214「香織」 1点
主人公の不器用で無様な様子に織り交ぜられた、
『神のように』『ぼくが積み上げたものをくずす』恋愛と、
『亀のように』『ひっくり返されて』しまう僕との対比がよい。

>>224「楽などできず」 1点
格好よい。やっぱ男は格好悪くなれなきゃ。
作者の青春にGOING STEADYの「童貞ソー・ヤング」を贈ります。♪一発やるまで死ねるか!!

>>225「憧れマトリョーシカ」 2点
方言の温もりとドモリまでいれた完全な話し言葉を遣うことによって慈愛の情感を増している。
そのくせ現実に発せられる類のセリフではあり得ず、相手を想う心のみを込めた詩的な世界。

>>246「もっと、ぜんぜん」 1点
個人対個人のぐちゃぐちゃした諸事情を一切排して、
人を想う気持ちだけ選り分けて丁寧に昇華した作品。
作品中の僕と君のあいだには、君が言った二つのセリフと、僕から
君に向けられる想いしかない。道と空と人の想い。一連目と最終連に
マンホールという装置を入れることによって、読者にもそういった気持ちを上手に喚起させる。
292GON ◆rOo2fYBBKk :04/10/04 16:29:48 ID:mB+UQgS5

>>247「なめくじの結晶」 2点
『そうして僕は二つに割れて//君を割れ目に篭めるんだ』という言葉、改行の使い方が、
「うわぁ詩人だ」と思わせた。ビール缶、稲妻と白い天井は濡れ場の件だろうか。
口や手も含めて、表現が秀逸。
しかし最後の「次のエリカをさがしに」で、読者から見た語り手が
「もともとシュールな、遠い人」になった。
読者と同じ常識の中に住みながら「恋愛(エリカ)によってシュールになった人」または
「恋愛という感性の爆発の現場」というふうに感じられたら、
しらふの読者をも連れ去ることができる恋愛詩になっていたと思う。

>>249-250「羽に吹く風」 1点
自分の世界を確かに持ってる人だなあと思った。
スペースの入れ方についてなどのもうちょっとの試行錯誤、推敲で、
さらに確固としたものができていたのでは、と思う。
『力をゆるめ』も本当なら『あなたの腕から』だろうな、など、
修飾関係と改行とかの文法的なとこも、元教師だもんで気になった。
まあ体裁はいいんだけど。
あと『ひとりきりで 生きていくと決めてた二人』という説明はないほうがいい、と僕は思った。
お互いがどれぐらいアレだかは十分すぎるほど伝わっているのだから、
ドラマチックな言葉で逆に鼻白んでしまった。
以上のことで失点したが、本当は一番感じた作品。
293園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/04 22:01:13 ID:mxN/pc2c
>>207 CC
平仮名のみの表記により言葉は伝達から一歩身を退いている。
しかし自己の表出は完遂される。内気に秘められた想い。
自己表出としての文脈も意味規範からの多少の変形が加えられている。
想い自体が意識の領域を越えたところに根付いていることを感じさせる。

>>210 よるのもりのできごと
童話。しかし童話としての最低限の要素を満たすだけでは読み手の心を捉えることは出来ない。
作品が構造と肉からなるとすればそのどちらかに目新しさか複雑化がなければいけない。
>>211 翡翠の森
語彙が世界観を造り出してるのはいい。花が石に結晶化する過程もいい。
しかし最後、忍耐が結晶化したように感じる。
>>212 ユーカラ
恋とコイの間で分節化を拒む言葉。それはわたしとあなたが
わたしとあなたである前の姿だ。言葉のあり方が意味を持つのであって
言葉が意味をもつのではない。ユーカラというのはアイヌの叙事詩のことだそうだが
この作品の効果としてはそういうことだったと思う。
>>214-215 香織
タイトルがいい。
>>225 憧れマトリョーシカ
散文であることへの苛立ちを感じた。
>>226 罪の果実
言葉が対象への直接的指示性を一歩超えている。
それを暗喩と言っても寓意と言っても自由。
たとえ一周遅れのあり方なのだとしても。
>>229 愛情のかたち
ウェルメイド。恋愛を語ることに置いてウェルメイド性の志向は不可避ということか。
>>240 恋のスイッチ
余白と韻律が機能し、情景を豊かに膨らませている
294園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/04 22:39:17 ID:mxN/pc2c
>>246 もっと、ぜんぜん
現代のオルフェウスとエウリディケ。
男はいつだって地下に惹かれるし女はやっぱり地下で地上を見上げている。
男は言う、君が地下だと思っていた場所は本当は地上だったんだよと、
地上を求めて空へ消えていった女に。彼はマンホールの蓋に飛び乗り
女の行為を補償する。弔いである。晴天の風景に上手く陰影をよぎらせている。

>>247-248 なめくじの結晶
隠喩的イメージが上手く文脈を成し一個の物語を完成させている。
しかもその上で4連目に見られるような眩暈を上手く盛り込んでいる。
ただ2連目の3-4行目、読者を上手く文脈から放り投げたかったのだろが
上手く言ってないと思う。脈絡が唯一この場所で途切れてしまっているのだ。
小さな瑕が気になるのは完成度故。

エリカという固有名詞、みたいな物が登場する。このエリカとの距離感において
語り手と妄想の世界、そして世界における諸物の関係に立体感が生まれる。
詩人はイメージにエリカという命を与え、エリカは作品世界に命を与える。
そういう所が素晴らしい。
295園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/04 22:39:45 ID:mxN/pc2c
>>249-250 羽に吹く風
なせかぎ括弧ではなく括弧なのか?それは発語した者が「あなた」ではなく
「あなたのたましい」だからだ。
言葉は意味の伝達を目的とした対象への直接指示性から一歩抜け出す。
言葉として自身を表す所の世界が自分によって自分を語る、そんな言葉へだ。
そのような言葉を語る男は男というよりもはや世界の半双なのだ。

>(夏がもうじき終わるね)
>あなたが言う
>(そうですね)
>とわたしが言う

半双のもう一方が揃う。世界が姿を現す。
交わされる言葉のうちに二人は神話へ昇華するのだろう。
にもかかわらず、この二人のなんと地に足のついたことか。
昇華を括弧の中のみで行い地の分はあくまで語りに徹するからだ。
難を言えば前半部分、主観にウェイトを置いているからだろうが
主観、風景、会話の三層構造の分節化が曖昧になってしまっている点が気になる。
296名前はいらない:04/10/05 00:12:03 ID:MnaYeK9J
 採点〆切でつね? 
297集計しました。:04/10/05 00:34:03 ID:MnaYeK9J
 点数確認お願いでつぅー

チャンプ  >>247 :なめくじの結晶(1) :

準チャンプ >>225 :憧れマトリョーシカ :


6点 >>249 :羽に吹く風(1/2連目) :

5点 
>>246 :もっと、ぜんぜん :
>>222-223 :サッド
298名前はいらない:04/10/05 01:03:12 ID:ZoyHXMQo
>>297 5点が違う

247-248 :なめくじの結晶 8点
225 :憧れマトリョーシカ 7点
249-250 :羽に吹く風 6点
246 :もっと、ぜんぜん 5点
224 :楽などできず 3点
229 :愛情のかたち 3点
214-215 :香織 2点
227-228 :格子窓 2点
222-223 :サッド 2点
226 :罪の果実 2点
238 :恋 2点
239 :初舞台 2点
245 :恋欲 2点
207 :CC 1点
208-209 :不細工で出来損ないのラブソング 1点
210 :よるのもりのできごと 1点
213 :本当の恋の話をしよう 1点
216 :霧の縦走路 1点
220 :月と手紙 1点
235 :猫 1点
237 :隠喩の実在 1点

299名前はいらない:04/10/05 12:50:12 ID:MnaYeK9J
 おつかれー ちゃんぷは確定のようでつね

 チャンプ
 >>247 :なめくじの結晶(1) : 
      の作者さま次のお題と締切日をお願いしまつ
300イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 :04/10/05 15:57:15 ID:YWUWEg6T
遅れてごめん。俺っす、なめくじ。

前回のお題が出た時、俺の愛する女が
「次のお題、どんなの?」と聞くので、
「れんあいしだって」と答えたところ、
「おんがえし? 変わったお題だね」と見事に聞き間違えてくれやがりました。

てことで次のお題は「恩返し」でお願いします。

締切は10月12日いっぱいまで。

GO!
301花から蜂へ:04/10/05 20:23:48 ID:mH+3we2O
ちゃんとあの娘に届けてくれた?
君にたくしたあの花粉
花の僕は動けないから 
ほんと君には感謝している

かわりに蜜をわけてあげる
君はこれをたくさん集めて
甘い甘いハチミツを作るんだね
いつか僕もなめてみたいな

お互い様とかとんでもない
ほら見てあそこに僕の子供
まだ芽しかでてないけれど
君のおかげで生まれたんだよ

いつかこの荒れ果てた地を
たくさんの緑で埋め尽くしたいな
それまでよろしく蜂の青年
それは君たちかかっている

そしたら草原いっぱいの花の蜜を
好きなだけ持っていっていいよ
それだけしか僕らはできないから

それが君への恩返し

花から蜂への恩返し
302お礼参り:04/10/05 22:38:59 ID:QlW1YFbL
世話になったな
よくもきっちり世話しやがったな
その似合わねぇ蝶型メガネ
木刀で叩き割りたいといつも思ってたんだよこの恩師

「蛍の光」充満するガラスにヒビ入れて
明日からコメツキムシの勢いで飛び出そう
どこへ飛び出すのかはコメツキムシに聞いてくれ
その前に俺の自由を縛りつけたおっさんおばさんどもをぶちのめす
先生あなたはか弱き大人の大便者なのか(爆笑)

テレビの中で
ありえないほど血生臭いお礼参り

テレビの中で
終わらない番組に呆けた顔並べる


いま
要り?
303:04/10/05 22:48:04 ID:Fq6uE275
夢の輝き



星空を見上げてみた 君が輝いていた
明日には旅立ってしまうね 夢を追いかけて
僕も 君も 自分の夢を追いかけて
二人で別々の道を突き進む

君の夢は何だっけ?僕の夢は・・・

・・・ふと気づくと朝焼けが まぶしく輝いていた
君と 僕の夢も あの光のように なれるよ
まだ輝きの kakelaだけれども
いつかあの光のように 輝ける日が
きっと来るはず

だから勇気を出して 歩き出さなくちゃ

夢の輝きを追い求め―――――dream
304みなこ:04/10/05 22:55:40 ID:32B+tFJN
貴方が教えてくれた「愛」すること
契り交わして愛を委ねた
そんな貴方はもう亡き人
ボールペン一本残して逝ってしまった
愛を教えてくれて
本当にありがとう
私も貴方に教えてもらった通り
大きな愛を掴んでみせる
305名前はいらない:04/10/05 22:58:55 ID:RNcDBsVa
≠″ ャ 」レ 文字 ナょ ー⊂″ ー⊂ 言 ぅ   ιうゝ 、ナ″ ιナ ナニ 日本 言吾 ιょ   糸色 文寸 ιニ 普及 、ナ せる へ″ 、キ 乙″ ιょ ナょ ιゝ
≠″ ャ 」レ 文字 ιょ  日本 言吾 を /(″ ヵ ιニ ι  日本 言吾 ιニ 最 惡 の ィ 乂 ─ =/″を与 ぇ 乙 ιゝ る
夕ト 国 ヵゝ ら  ー⊂″ /〜 ナょ 風 ιニ 言われ 乙 ιゝ るの ヵゝ
彳皮 女ら まれ ιニ 彳皮 ら ιょ 矢ロ っ 乙 ιゝ るの ナニ″ з ぅ ヵゝ
ιうゝ 、ナ″ ιナ 乙 ιゝ る まっ ナニ < もっ 乙 言午 せ ナょ ιゝ 文字 乙″ ぁ る
ぉ 前等 ιょ  日本人 乙″ ιゝ る資 木各 ナょ ー⊂″ ナょ ιゝ
今す <″ 国籍を変更する へ″ 、キ 乙″ ぁ る 「 ≠″ ャ 」レ 国」
≠″ ャ 」レ 国 乙″ ぞ /〜 ιうゝ″ /〜 ≠″ ャ 」レ 文字を イ吏 っ 乙 < れ
日本 ー⊂ 言 ぅ 素 日青 ら ι ιゝ 国 乙″ 最 イ氏 最 惡 の  ≠″ ャ 」レ 文字を イ吏 わ ナょ ιゝ 乙″ < れ
それ ヵヾ 乙″ 、キ ぬ ナょ ら 今す <″ 歹ヒ ね

日本語の読めないアフォギャルへ
306猫の恩返し(一):04/10/07 11:20:35 ID:f9we4SyM
道路の真ん中で轢かれている猫のうち
生きているのを一匹だけ拾った
威嚇するのにやすやすと
車の助手席にのせられた

紅茶みたいな色の猫だった
傷はどこにもないのに立てないのは
わたしがこの間失恋したのに似ていた
毛布を敷きつめた段ボール箱に入れて
逃げないようしっかりと蓋をした

御飯を食べないので
抱っこして顎の下を撫でてやった
ミルクも飲まないので
底に俯せた頭を撫でてやった
そのうちひとりにしてやると
皿の食事が減っているようになった

名前はつけなかった
この間別れたばかりの大好きだったひとの
その名前さえすぐにはいえないほどに
わたしは裸だったので
わたしにはその時名前がなかった
それでも猫という名前だけは消えなくて
寝る前にはいつも笑顔で唱えるようになった

猫、おやすみ

307猫の恩返し(二):04/10/07 11:21:19 ID:f9we4SyM
猫はすぐに元気になった
元気になったはずだった
わたしに抱かれてゴロゴロと
喉を鳴らすのだがそればかりで
歩こうとしないのだ
段ボール箱の上の分厚い本を除けて
蓋を開いてみればいつでも隅っこでうずくまっている
まだ元気じゃないの、猫?
わたしの言葉が通じないように壁を見ている
抱き上げても死体みたいに硬い
ずっとおしっこをしていない
それでも連れ出してみようと思ったのは
食事がすべてなくなっているようになったので

メスだとばかり思っていたら
車にのせてよく見るとオスだった
弱っている猫の二つ玉はしぼむものなのだろうか
こんないい天気の日には
猫もきっと歩くだろう
死体みたいな毛に命よみがえらせて
そしてお前の故郷だよ
ほら
お前の轢かれていた場所
そっと頭を撫でてやる
アスファルトに置いた猫は
わたしの顔に恐怖の色を投げつけて
飛ぶスピードで逃げて行った
民家の裏に見えなくなった

308猫の恩返し(三):04/10/07 11:22:10 ID:f9we4SyM
猫、猫
お前に名前をつけておけばよかった
世界中のどこにお前がいても
わたしはただ一匹のお前を呼ぶことができたのに

淋しい気持ちは束の間を襲う
それを過ぎたらなんてことはない
通り縋りの猫

助けたかったから助けただけの猫よ
ありがとう

309聖獣学園(1):04/10/07 20:48:57 ID:It4G7tsa
恐れ入ります学部長様
恐れ入ります学部長様

貴女は清らで聡明で 知らぬものなどないのでしょう
地を知り霊を知り全てを知って そして極めた女性性
灰色の布のその下には 気さくやお茶目まであるのでしょう
私は知識も経験もなく 向かいに座って小さくなって 
ことばも発せず俯いたまま 貴女を正視もできない様です

ノースリーブやミニスカートを 貴女は激しく叱るのですから
暑さにめっぽう弱い私なら そろそろ腋臭を発症しそうです
獣は愛も霊も無きもの 「命尊し」そこには含まず
似姿の者 ことば持つ人はさぞやさぞや特別でしょう
そして貴女に語らぬ私は まるで獣に見えるのでしょう

貴女の喜ぶ素敵な緑は 粉塵の舞う街の公園
貴女の称える逞しい命は 抗生剤漬けの病院の中
貴女の嫌いな自己憐憫は 鬱で上がれぬ私の親友
貴女の知らない喜びは 世界と繋がる私の遊び
310聖獣学園(2・完):04/10/07 20:49:46 ID:It4G7tsa
恐れ入ります学部長様
恐れ入ります学部長様

万知を誇れる貴女の前に あの日の獣が立ち戻ります
大いなる後ろ盾を持つ 求道者・乙女・母・妻よ
万能の矛を打ち砕くことを 穢れた私は夢見るのです
大いなる知識と実践の果てに 貴女と相討ちになる覚悟です

恐れ入ります学部長様
恐れ入ります学部長様

本日懐かしい学びの園に
貴女のご恩に報いる方法を やっと私は見つけたのです 
どうぞ私にも平等の愛を 
獣は獣でありながらも 今はことばを持ったのですから
311恩返しさえ出来ないままに:04/10/07 22:19:59 ID:b4Ncemgg
窓を打つ雨音で目が覚めて
爪を切りながら決めたの
今夜最後に駅を発つ夜汽車で
あなたの知らない街へと行くと

もしもあなたが今目を覚まし
行くなと止めたとしたら
私きっとあなたの優しさに甘えて
だめな女になってしまうわ

あの日も雨が降っていた
私は傷ついた一羽の鶴

恩返しさえ出来ないままに
硝子に映った寂しい笑顔に
ルージュで書いた
さよならと
312機の音:04/10/07 23:12:29 ID:sEpZ/PHT
与ひょうさんちは トントンカラリ
嫁さん貰って トンカラリ
機の音止まず トントンカラリ
日がな一日 トンカラリ
トントンカラリトンカラリ

姿は見せずに トントンカラリ
与ひょうは絹売る トンカラリ
毎日酒を飲み トントンカラリ
日に日に贅沢 トンカラリ
トントンカラリトンカラリ

ある日機の音ぴたりと止まって
赤い鼻した酒臭い与ひょうが
嫁の織った絹抱きしめて
とおい空見て呆けていたよ

もう聞こえない トントンカラリ
鶴が一声 空で啼く
313マリンスノー NO1:04/10/08 00:06:10 ID:MnkZKRD2
雪が降る
深海の奥底深くに
雪が降る
ほとんど光が差し込まない海の中の
常夜の国に
雪が降る
プランクトンの死骸――
誰が名付けたか
マリンスノーと呼ぶ
あるものは深海魚の今日の命をつなぐ糧となり
残りは深海底の懐深くへと
静かに降り積もる
ひとつひとつのプランクトンの死を
嘆き悲しむものはいない
ひとつの命の終わりは
またひとつ新しい命の始まりを育む
世界のあらゆる命を寿(ことほ)ぐ祝祭の紙吹雪のように
マリンスノーは降り止むことはない
314マリンスノー NO2:04/10/08 00:11:53 ID:MnkZKRD2
人権
生命の尊厳
地球より重いひと一人の命――
ひとはいろいろ言うけれど
わたしひとりの命はプランクトンの命とどこが違う
深海の魚一匹育めないわたしの命は
むしろ
プランクトンひとつの命に劣る
わたしひとりの死など
どうして悲しむに値するだろう
わたしの死に悲惨があるとすれば
それは
生命の鎖から外された疎外された死
であるところの惨禍
315マリンスノー NO3:04/10/08 00:18:18 ID:MnkZKRD2
わたしの死が何ものも育めないとしたら
いっそわたしの死骸は深海底の底深くに堆積すればよい
ニンゲンという種の死骸からなる堆積層が
いつか地上に隆起して
美しい曲線の縞模様を描く
わたしが見ることはついぞ叶わぬ
億万年の未来の日を夢想しながら
わたしは
わたしの言葉は
海表面のすれすれの
海と空のわずかな隙間を
海月のように漂っている
316オンガエシ(1):04/10/08 01:14:31 ID:iQzm7bje
オンガエシという妖しがいる

物の怪にしては珍しく律儀で
生真面目な性格をしている
礼には礼を以って対し
些細な恩も忘れずに返す
人のうちに在っても稀な
折り目正しい性分である

 それ故
オンガエシを忌む者はなかった
 しかしながら
オンガエシを愛する者もまた
一人としていない


『受けし恩 必ず返そうオンガエシ
 受けぬ恩 いかでか掛けようオンガエシ』

愛や優しさ親切心といった
桜花のような
淡雪のような感情が
オンガエシには決定的に
残酷なまでに欠如していた

 どうか好いて下さい
 あなたが好いてくれた分だけ
 私もあなたを好くでしょう
 あなたが「愛している」と言うのなら
 言われた数だけ私も告げましょう
317オンガエシ(2):04/10/08 01:16:16 ID:iQzm7bje
 あなたが私に向かう限りは
 私は余所見をすることも背くこともしないことでしょう

オンガエシの真っ白な心は
お猪口のように薄く小さく
誰かを思い遣るだけの余裕はどこにも残されていないのだった

 声を掛けてくれた事のない者に
 何と声を掛けてやれば良いのか
 笑い掛けてくれた事のない者に
 どんな顔をしてやれば良いのか


オンガエシという妖しがいる

物の怪にしては珍しく律儀で
生真面目な性格をしている
泣いてくれる人間がいたなら
その者の為に涙しただろう
抱いてくれる者があったのなら
同じ様に抱きすくめただろう

そんな性質であったので

オンガエシを忌む者はなかった
 しかしながら
オンガエシを愛する者もまた
一人として
たった一人として

ついぞ現れる事はなかった
318感謝のカタチ(1):04/10/08 01:58:08 ID:e0Wvhoj3
今更だけど
僕の感謝しているあなたへ
恩返しをしたく思います
赤い服が似合うあなたへは
赤色にきらめく月の光のような 
貝殻を 首飾りにして
感謝のカタチとして 受け取って欲しいのです

―そう 僕はそれを探しに旅にでてきます

目的地―無人島
移動手段―舟(オールを使って漕ぐ) 

されど 用心深い僕は
舟が沈まないように 3人のチカラを借りました

牧師は 祈りました     アーメン
風水士は 飾り付けました  キレイニ
魔術師は 唱えました    マホウヲ

―決意を胸に秘め 舟を大海原へと―
空は雲ひとつありません  
風もほとんどありません
なんて
なんてすがすがしい光景だろうか
319感謝のカタチ(2):04/10/08 02:02:13 ID:e0Wvhoj3
漕いで漕いでしてる中  空の青を見ていると
漕いで漕いでしてる中  海の青を見ていると
四方八方 青だらけ
空も青だし 海も青
海の深さも知らないし 島までの距離も分からない
僕は心も体も 青の中へ
オールを上へ上へ ドプン オールを下へ下へ ドプン
どちらが上で どちらが下か  空は上で合ってるか
空と海が ぐるぐる回る  疲れ疲れて ぐるぐる回る
海の真ん中で自問自答

僕は 何のためにこんなことを? ―― 赤い貝殻を探すため

赤い貝殻とは何だ?        ―― 感謝をカタチづけるもの

あの人は喜ぶだろうか?      ―― 喜ぶはず 

本当に?             ―― ああ でも分からない 分からなくなってきた

退屈な光景は そのままだ
変化が欲しくてたまらない
   
赤いイルカよ現れろ
もし    もし
赤くなかったから 赤く染めてくれようか
ドプンドプンドプンドプン 
僕の心は癒されたくてたまらない
320感謝のカタチ(3):04/10/08 02:08:54 ID:e0Wvhoj3
イライラが募ります 
空が憎い  海も憎い

―そう  なんだか全てが無駄なことのよう 
  
  赤い貝殻が何だろう 
 綺麗だから何だというのだ
     ほら
   吐き気がしてきた
               
 ハァ  ハァ   
  僕の気持ちの中から 感謝 とか 恩返し とか
            そんな綺麗な言葉は 吐き出して 失くしてしまいたい
    ハァ  ハァ 
    そう いっそのこと              アアアア
                                  
    この海の上に 全部を吐き出そうか どうしようか
                                  アアアアアアア    
               僕の薄汚れた血で海を染めれば
                    少しはマシな景色になるのだろう?
                                        アアアアアア
                それとも血だらけの魚を釣ろうか?
                       この舟をグロテスクに変えたい気分だ
                                         
   アアアアアアアアア       アアアアアアアア       アアアアアアアア
321感謝のカタチ(4):04/10/08 02:10:01 ID:e0Wvhoj3
         ・
         ・
   恐ろしくも冷たい光景は そのままだ 
    時が何なのかも分からなくなってきた
      だが時期に 島に着くだろう
       僕は理由もなく 変テコな涙を流し
         あなたは喜んでくれるだろうか
          そればかりを考えながら まだ見ぬ島を思い続けました
322泣き止まぬ:04/10/08 04:02:38 ID:n4fXMXhZ
 オーンおん恩 オーンおん恩
今まで生きてきて
どれだけの人に生かされてきたのだろう
乳飲み子として母へ感謝
生徒として先生に感謝
雇われ者として経営者へ感謝
オーンおん恩、恩返し
しかし時代は変わり

 我々は自由だ
飛ばす、飛ばすぜ、謳歌するぜ
一陣の風が錬金術で駆け抜ける
かわいいな(うるさいな)
誇りだな(かったるいな)
素晴らしいな(まだいけるな)
繰り返される
繰り返される
繰り返される
オーンおん恩 オーンおん恩

返す恩はどこかへ消えて

暗い

泣き止まぬ
323カラマリ:04/10/08 04:40:50 ID:8wMIZaWl
パンツを脱いで くれないか

俺が君にしてあげられる事と言ったら コレ位なんだ

俺は泣いている 滑稽だろう 知っている

君が笑っても俺が泣くだけだ
優しい目をして哀れむな 俺がもっと泣くだけだ

コトバデハタリナイ オレノアイガタリナイ
ヨルノアメヤマナイ キミノアイニナリタイ

君押し倒しパンツに摑みかかり 
硬い陰毛が指に絡まり
カラマリ
それは俺の陰毛と同じ感触でざらついてごわついてあたたかでどうしようもなくて俺 
社会見学ででかくてうるさい牛を見た時に異常な臭気に吐き気をもよおしながら担任の
「臭うのは牛じゃなくてその環境が臭うだけです。」って馬鹿に得意毛な話にうんうんうなづいて
それどころじゃない牛の乳首に釘付けでこれからは牛乳は飲まないって誓ったちみっちゃい俺 になって




ポツン と雨漏り 俺の頭目掛けて

振り返ると君はふんわりと笑って 俺の背中ポンポンと叩いて 俺が 
俺がやっぱり 泣くだけなんだ

なあ パンツを脱いで くれないか
324この歌が(1):04/10/08 10:00:52 ID:FKa4G8ue
あなたが小窓を閉めたら
私はもう帰ろうとおもう

木蓮の薫り残る小路に立って
あなたの優しさ空に見上げてた

肩を抱いてくれたリフトの上
護ってくれた冬の蜂

手を取ってくれた帰り道
傘をくれた春の雨

指輪をくれた海岸通り
送ってくれた夏の車

受け取ってくれた手編みのセーター
笑顔をくれた今日のこと

325この歌が(2):04/10/08 10:01:43 ID:FKa4G8ue
私はあなたから
いつももらってばかりで
それでも恩とか
思いたくはなくて

あなたが小窓を閉めたから
私はそっとおやすみ呟いて

木蓮の薫り残る小路を帰る
あなたの知らない夜のつづき

歌をつくりながら帰る
この歌が私からあなたへの


326『僕の師』 @:04/10/08 10:09:08 ID:G+rYW5m9
白いキャンバスに滅茶苦茶に絵具を塗りたくる
形さえなく自分で何を描いてるのかさえハッキリしない
ある日、僕の隣に知らないおじさんが立っていて
僕の手を取り、そのなんだかわからない竜巻のような
そのキャンバスに輪郭を書き始めた
僕はその様子をじっと見つめる
僕の塗りたくったその断片が、時間をかけて一つの絵になる
赤い絵具に青を重ね、鮮やかな色を作り出す
最後のほうはおじさんの真似をして
僕一人で筆を使いこなせるようになっていた
後ろから眺めるおじさんは『うんうん』とうなずいている
最後の一筆をキャンバスに入れるとき
なぜか僕の目には涙が溢れ出てきて
後ろを振り返るとおじさんが優しく言うんだ
『その気持ちを忘れちゃいかんよ、さあ前を向いて』と。
そしてそっと最後の一筆を入れる
役目をおえたおじさんはそっと立ち上がり
僕の肩をポンと叩く
327『僕の師』 A:04/10/08 10:09:40 ID:G+rYW5m9
白い長めのステッキを持つ女性がバスを降りてくる
バスの後ろには苛立った車クラクション、長い列ができている
女性は黄色のタイルを見つけると、その上をまっすぐ、
少しぎこちなく僕の前を歩いてゆく
その女性の周りだけがゆっくりと時間が流れている
たまらず僕は女性に駆け寄る
話を聞くと家から一人で出るのは初めてで
今日は冒険なんだという
その唇は少し震えていて、僕にありがとうと何度も言う
僕は行き先を聞いて、そこまでゆっくりと歩いた
目的地まではほんの500m、着くと僕は『帰りもこの道を
歩けばバス停ですから。まっすぐ歩けば目的地です』
そういって彼女の肩をポンと叩いた『こちらこそありがとう』
なぜかおじさんの顔を思い出して僕はとても感謝したんだ
328言いそびれた一言:04/10/08 17:30:05 ID:OxxPuiGT
木の根元に咲くコスモス
もうあと少しなのかと
そこの桜の木が咲いた時
僕はここを立ち去らなくてはならない

ここまで歩いてこれたのも
あのにぎやかな教室の窓から
あふれ出た声の持ち主たち
そしておとうさんおかあさん

悲しくて飛び降りようとした時
しかってくれた友
何もかもがうまく行かない時に
励ましてくれた友

あいつたちと僕は今違う道を行く
その前にやらなきゃいけない
たいした恩返しもできないけど
言わせて
あの時言いそびれた
「ありがとう」
の一言を
329恩返し:04/10/08 23:31:55 ID:31TYUbjw
 ( ^^) _恩~~  (^。^)


「これ、返すよ」




 ( ^^) _恩~~  Σ(TдTlll )


          「ガーン!」
330ジジイと世界と孫@:04/10/09 00:52:11 ID:0pamVa6b

やっと職が決まった
それまでも食わねばならぬので日雇いをしてきた
来月には上層階の上場企業でガードマンに守られてエリート
じゃあ今日現場の年下に殴られそうになった俺はうそっこか
給料やらねえぞ馬鹿野郎といわれてすんませんと謝った俺は
でも、ありゃ俺が悪い、いや、でも、
ぐだぐだ思い返しながら歩いてると地震だ
サーファーやライダーよろしく咄嗟に手を広げ
俺は格好悪く口を開けてなぜだか空を仰ぐ
周りには「キャッ」だの「わっ」だの言って右往左往する兄弟たち
でも揺れる世界から見上げる半月は怖いほど静かだった

友人からすぐに電話がかかってきて
地震については何も言わずに、ただ流しにこぼしたカップ焼きそばを返せと言った
俺もふざけてしきりに謝る
今日の出来事を話すとじゃあ安いキャバクラを知ってるからと言う
俺の一日の汗と涙と矜持の損耗をイチキャバクラに還元する気かと笑い飛ばす
ちょっとでも怖い目に会えば俺たちはすぐに繋がりを確かめ合う
どこからともなくうまい冗談を拾ってきてごまかし笑う
隣を歩く女も誰か捕まえたらしい
「地震、地震、ウソー気付かなかったの?」

いっぱしの大人ってのはどこにいるのか
電話のあいつだって最初はこわもてに思えたもんだが
お互い手探りで仲良くなってみると
なんてことはない俺と一緒で不安げに頑張っているだけ
俺は月を見たときジジイを思い出した
誰とも繋がってやしない、誰とも喋りやしなかった俺のジジイ 
331A:04/10/09 00:53:41 ID:0pamVa6b

机の上に今日稼いだ万札を置いて
ぼんやり眺めながらビールのプルトップを引っ張った
こいつはなんだろう 
年下のチビの顔がユキチに重なる
必死こいてあいつから奪ってきたこいつはなんだ
俺たちは誰も持つものを夢見はしなかったはずなのに
パイロット、花屋、ピアニスト
誰しもがすることに夢を見たはずなのに
だのにこいつはなんなんだ? どう見ても紙じゃねえか
あのころ俺はこんなもん欲しくはなかったはずだ
万札を見る目が揺れ始めている

やぶってやろうか

そして俺はまたジジイを思い出した
孫そっちのけで 寡黙で飄々としていて 後ろ手組んでうろつきまわってた俺のジジイ
プライドや友愛や万券を自分の身体にこすり合わせて生きることを本当に捨てていたジジイ
孫のもつ思い出はいつだってあんたの後姿だった
冗談みたいな家族旅行 よけいにぎこちなく会話を交わす家族たち
俺たちはどこかへ行ってしまったあんたの背にむかって迷子放送するたび 
何だか誇らしかった 何だか申し訳なかった
あんたの旅はいつだって一人で続くべきものだったんだ

トイレのドアをノックすると「どうぞ」と言われた
中からノックを返したときには
「老人に席を譲らんか」と叱られた
たまに喋るとそんなもんだ

332B:04/10/09 00:54:22 ID:0pamVa6b

そんなアホな老人がいっぱしの大人だったのかは分からない
でももうどうでもいいや
ただその放浪の魂はたんと孫の血にも盛り込められ  
おしゃべりでかしましくはあるが
同じようにこの世を右往左往しては目を細めている
孫はこうやって万札や繋がりに疑問を持ち始め
ノート片手に恐る恐る世界の方を向き始める

そうやって俺も
そのうち何もいわなくなるんだろう
両脚だけが動く限り動き続けて
この世の謎を自分なりに解いてみる 
ジジイと世界と孫
あんたは消えちまったが でも
ジジイと世界と孫

答えが出ようが出まいが
俺たちはこの世があることを物言わず喜び続けよう
いまごろあんたは土に還って
どこかの木や水になっている 俺のため
いまだに生きている俺だって
やがては死んで いつかは卑属の血肉となる
爺さん あんたみたいに俺も 確かにいっぱしの一端になろうな 
そして 俺はあんたに返す 
そうして俺はあんたに帰る


333まぶたのうら〜1〜:04/10/10 03:09:16 ID:fCs8rhC4
僕は生きている。
このあおいそらのしたで。
裕福でもなければ貧乏でもない。

私は生きている。
日が照りつける南の島の空の下で。
生臭い血の匂いと焦げ臭い銃声が飛び交うこの血に立っている。
私は生きている。
この青い空の下で。
全てが終わった、この青い空の下で。
334〜2〜:04/10/10 03:17:51 ID:fCs8rhC4
あの日、共に本国の土を踏もうと約束した友たちは皆、戦死していった。
なぜか私だけが生きている。

結局私もいつかは死ぬ。
何故生き残ったんだろうと思うことがある。
御国、御郷のために死んだ方が良かったんじゃないかと思う。

私は生きている。
この苦しいほど青い空の下で。
死んでいった友や上官、他の仲間の犠牲の上に。

今となっては恩を返すどころか感謝もできない。
だが、彼らは私の瞳の中で生き生きと普通の生活をしている。
彼らの魂と共に私も共に行き続けるのだ。

335〜3〜:04/10/10 03:19:04 ID:fCs8rhC4
そして死んでいく。
恩を返すのはそれからでも遅くはないだろう。
336ロボット:04/10/10 08:30:41 ID:jjhOIF7W

「父さんもうすぐ初給料なんだけど」
「そうかおめでとう」
「なにかほしいものある?」

俺の目には父は典型的な仕事人間で
週休二日制になっても
土曜にはいそいそと職場にでかけていった

「ロボット」
「へ?」
「いやだからロボット」
「…AIBOじゃないよね」
「うん」
「……いくらすんの?」
「三千万円」

迷ったあげくに俺は
新しい電動ヒゲ剃りを父に買った
母と婆ちゃんに何を買ったか
まったく覚えてない
337ま、こんなもん:04/10/10 09:50:32 ID:OGxXjfT9
3軒となりのじろべえさん、
うーなぎとって、
逃がしやった。

籠編んで、きーじ。
逃がしやった。

ウサギがかーご。
逃がしやった。

いのしし、衝突。きいうしなった。
逃がしやった。

あり踏むとこやった。
逃がしやった。

ネズミにおにぎり。
よろこんどった。

さあ、恩返しよ来るかいな、わくわくしやって待った夜、
じろべえさんの家の前、
我が我がとけんかが始まり、
朝までもめて、じろべえさんに会えなんだ。
ひもじゅうてなみだ。

あけたつぎの日 じろべえさん、
鰻を食べた。きじ焼いた。
ウサギ皮はぎ、いのししゃ鍋。
ありの巣ごと踏んづけて、
ネズミ殺しをまかしゃった。
お腹くちくなって、しあわせやった。
338名前はいらない:04/10/10 10:56:48 ID:dpeCEWfY
ܷܵܶ

WindowsXPは行間が空いて、目に優しいなあ!
339名前はいらない:04/10/10 11:12:33 ID:xUdIsv1k
>>338
非IEコンポのJaneだから問題なし。というか、悪戯はやめなさいね。
340ピストル:04/10/10 14:44:15 ID:6+yp3O7i

くわえると熱くなる
昇天

さあ お前の番だ
あだで返せ
341拳とキック:04/10/10 21:01:03 ID:4d4TDr6I

お前は恩を俺に売り
拳で俺を束縛する
いつか
お前の拳を平手で堰き止め
キックでお前を二メートル飛ばし
この小さな世界を出て行くために
俺はなんとしてでも
お前に恩を返したい
342習性 (1):04/10/11 00:31:14 ID:7cPg6ipP
恩返し 動物 集計でぐぐったら、やっぱりそういうページがあってね、
一位はツルの恩返し。
自分の羽を抜いて人の着物を織るなんてマゾエロイ発想がすごいよね、まず。
それを夫とその母が盗み見るというね、切なくも罪深い。つぼだよね。
さすが一番人気。
あとはイヌ、ネコ、キツネ、タヌキ、カエル、ヘビ、スズメと。いや、みんな律儀だね。
番外編でサイの恩返しだって。アフリカの民話。
ワシの恩返し、これはネイティブアメリカンの伝承。夜、焚き火囲んで、
長老が自分の頭飾り指差しながら「この羽はな」って話し始めるんだろうね。
でもヒトの恩返しって話はないんだね。動物界でヒトだけが恩知らずなのか。
だいたいヒト年がないから。おしゃかさま危篤に駆けつけなかったっていうんだから
罰当たりなことだよ。いちばんいろいろ教えてもらっただろうに、ねえ?
なんちゃって。
ま、ぜんぶ嘘なんだけど。ぐぐったって言ってみたかっただけ。実際ぐぐってないし。
343習性 (2):04/10/11 00:32:06 ID:7cPg6ipP
飽きてなければ、ちょっとだけ本当らしい話を。
リチャード・ドーキンスが30年前に利己的な遺伝子の話を始めた。
動物の習性はすべて遺伝子が生き残るためのものだって。
いくら利他的に見えても、それは遺伝子にしてみたら、
オレときみの区別なんかしてないんだって。
だから、きみよ、
自他の区別もあいまいな親切を真に受けるのはやめたもう。
恩を返すのがしんどいときに自分を責めるのはやめたもう。
親切は受けるもの
ってことをきみが知ってることは知ってるよ。でもそれにすべて応えるのは、
よってたかって親切にされてしまうきみには、
ムリ。
親切にあたるなんて変わった体質の持ち主だ。
344習性 (3):04/10/11 00:32:40 ID:7cPg6ipP
とにかく、ありがとうぐらいは言って、あとはちょっと笑ってあげればいいんじゃないの。
眉間に皺寄せて考え込まれても、みんなには分からない。
せっかく親切にしたのにって、文句を言う人もいるけど、
それはその人の恩返され遺伝子が足りなかっただけ、運が悪かったんだね。
きみのせいじゃない。
恩知らずのススメ。ぼくらは知性をもったまま結晶化する。
パンがなければケーキを食べればいいのに
って言ってごらん。すこし気持ちいいよ。
ま、実際言ったら、革命起こされたわけだけど。
もうぐだぐだになってなんだけど、
こんな与太を聞くために時間を割いてくれたきみに
ありがとう。
え? いつも言葉だけで
なにもしてくれない?
そうですね。あ、でも、ハローワーク行ってみるから。
汗かいてみるから。
345忘れるでないぞ:04/10/11 07:56:56 ID:UdPMSYWG
日本には八百万の神がいるのである
八百万である
どこぞの唯一神を崇める物ではない

大きな石や 大きな樹木には
神がいるのである

昔の人々は神を信じ
神を祀り
神と共に生きていたのである

それが今はどうか
価値観の多様性
個に重点を置く事を賞賛する
346忘れるでないぞ:04/10/11 07:57:48 ID:UdPMSYWG
道祖神を祀るどんど焼は
行われている地域を探す方が難である

ふわりと舞い降りたケサランパサランを
気付かずにゴミとして捨ててしまう

自然を愛さなくなった 恐れなくなった
自然のありとあらゆるモノには神がいると言うのに

自然から
神から
私達は生かされている

恩返しをしなければならないはずだ
せめてその気持ちを持っていなければならないはずだ
古の人々は出来ていた

それが今はどうか

神に感謝せよ
自然に感謝せよ

この事を忘れるでないぞ
347老人と猫・一:04/10/11 11:16:32 ID:LYzq26T2
白い猫は何日もご飯にありつけず
お腹をぐうぐう鳴らしてた
最後の力を振り絞り
建物の影で目を閉じた

気がついたら暖かい部屋の中
白髪の老人が
こちらを見て喜んでいる
死にかけたやせっぽっちの猫を
見捨てる事ができなかった
猫は彼と暮らし始めた

彼は一人で暮らしていた
黒い縁の小さな写真に
毎日手を合わせていた

彼は猫に色々な話をした
写真の女性を愛していた事
写真の女性に苦労をかけた事
過ちを悔いてすぐに女性は煙になった事
感謝の言葉を彼女に伝えられなかった事

猫は彼に何かしたいと思った
彼は猫の気持ちを知っていたのか
ここにいればそれでいい
と何度も呟いた

彼と白猫と暮らしは
穏やかで幸福だった
348老人と猫・二:04/10/11 11:17:30 ID:LYzq26T2
彼はある日煙になった
黒い服の人間がやってきて
幸福な生活はからっぽになった

猫はホケンジョに連れていかれた
猫も煙になった

白い世界で猫と彼は再会した
彼は猫を抱きしめて
猫の耳元で写真の女性の名を囁いた
猫は写真の女性の姿をしていた
猫は彼の愛した女性だったのだ

彼は小さく暖かい言葉を
彼女にそっと伝えた
猫だった彼女は
彼を包み込んだ
349ローズマリーに祝福を 1/2:04/10/11 20:39:13 ID:GVHzpSQI
夏が始まろうとする七月
教会で懺悔をする俺
取り敢えず言ってみる アーメン
意味は知らないが最後の締めの言葉であることは知っている
調べれば判ることだが面倒くさいし気休めだし
いいかげんな祈り
冒涜だなこりゃ

毎日適当に生きているくせに
嫌なことがあると不幸を嘆き
辛いことがあれば神頼み
喉元過ぎるとまた適当に生きる
いいかげんな人生
だめだこりゃ

端から見ると救いようのない人間に見えるのだろうな
てか 自分でも思ってるし
でも決めつけるのはまだ早い
と思っていたりもする
俺だけの個性や特性を信じるってやつだ
たとえば
にんじんを生で食べられるとか
障害物競走が得意だとか
あと えーと       ゴメン もうないや
てゆーか 特技でもなんでもないな これ
やっぱり救いようがないです ごめんなさい

そしてまた教会で懺悔をする俺
350ローズマリーに祝福を 2/2:04/10/11 20:41:53 ID:GVHzpSQI
教会の花壇に生き生きとした若葉が
俺がこの場所に来るたびに蒔いてきた種が芽吹いたのだ
数えてみたが途中で止めた
多すぎる
どれだけ謝ってきたんだよ俺
懺悔好きもここまでくると笑えるな
どうせだからここでも謝っておくか  
数えるの途中で止めてごめんなさい    あーすっきりした

今日の分はどうしようか 埋める場所がもう無いぞ
そこら辺に蒔くのも失礼だし
そのまま帰るのも   ちょっとね
仕方がない 端っこのほうに埋めさせてもらおう
窮屈だと思うけど我慢しろよ
綺麗な花が咲くといいな    


夏が始まろうとする七月
所狭しと咲いている花壇の花が
訪れる人達の間で話題になっているらしい
久しぶりに来た教会で思わず笑ってしまった

ローズマリーの祝福

未来に希望がありますように
351脱水少女:04/10/12 05:11:58 ID:zdK/yh8S
僕といっしょに住んでる少女は、
仕事もしないし家事もしない。
彼女がなぜ一緒に住んでるのかはわからない。
同棲してると言う風に世間では見られるかもしれないが、
僕は彼女が住むのを許可した覚えはないし、
そもそも恋人同士じゃないのだ。
みだらな関係とかいう、そこまでいいものですらない。
なんだかわからない状態で娘は住んでる。

仕事もしない、家事もしない。
食事はしてるのかわからない。
すくなくとも見たことはない。
寝るときだけ同じ布団で寝る。
ただ眠るだけなのだけども。

それでも彼女は一つだけ、僕の為にしてくれることがある。
僕のうちの洗濯機には脱水機能がついていない。
洗濯物がびしょびしょのままで放置されるのを、
一生懸命しぼってくれる。
ただそれだけの彼女はいわゆる脱水少女だ。

脱水少女との生活で、なにも不自由することはないので、
このまま続けていこうかと思う。

僕に恋人ができるまで。
352cie ◆ow1oBFc37U :04/10/12 05:19:34 ID:8tEp1W38
私怨というだけで、なんでそんなに酷いことが言えるの?
353てるあき ◆DDfwggPC.. :04/10/12 06:59:16 ID:1zYeoYCu
ピンポンパンポン

本日は詩板梁山泊にお越しいただきありがとうございます
選手および審査員の皆様にお知らせいたします

作品の締め切りまであと1日をきりました
本日の深夜24時(明日の0時)締め切りです

審査は明日から3日間
13日午前0時から15にち24時(16日0時)
となっております

業務連絡を終わりにします
354僕の夢(1):04/10/12 18:53:17 ID:KoxjNbse
夢を食べ散らかした僕
それを拾い集めた君
今を見つめず苛立った僕
それに微笑み返した君

夢に夢見る盲目の僕は
さよならも謂わず
貪欲な足跡を残し
急に故郷を捨てた

夢を忘れるように隠し
都会の暮らしに慣れた頃
流行りの電話が鳴り響く
君が君でなくなった
そんな言葉を聞いたらしい
355僕の夢(1):04/10/12 18:53:38 ID:KoxjNbse

気付けば僕は
鄙びた列車に飛び乗って
故郷の土を踏んでいた

駅前の旧い足跡に僕は
謂われ得ぬ恥を噛みしめて
祈りながらただ走った

扉を開けると
壊れた夢を拾う君
力無く立ちつくす僕

僕は夢を此処に捨てよう
君はそれを拾うがいい
僕は君に微笑みかけよう
君はそれを見なくていい

僕はこれから
君が拾い集めた夢を食べ
僕の夢を君に渡しながら
君のために生きよう

くだらない僕の夢は
君に返すためにあったのだ
356:04/10/12 18:54:35 ID:KoxjNbse
>>355は「僕の夢」(2)です。失礼致しました。
357異郷に赴き  -x-:04/10/12 23:20:26 ID:cpkgpAdQ

帰りたい
思い浮かぶのは山や川ばかり
母の背
薄暗い土間 かまど

開かぬ握りこぶし
医学博士にもなれて生まれ故郷に
開業すれば 母にも姻戚の皆にも
近隣の村人にも
お役に立った事だろうに

しかし 何故だろう母も会いたいとは
言って来たが帰って来いとは
言わなかったなぁ
仕事なんて今はどうでもいい
思い出の風景に埋もれていたい

指を切り開いてくださった大恩
報いる為にも医学の道に進みたかった
一人でも多くの人を救うために
一つでも多くの病魔を退治したかった
やがて
客死する運命となろうとは
358異郷に赴き  -y- :04/10/12 23:21:57 ID:cpkgpAdQ

見えるものは思い出深い景色ばかり
故郷の風景に取り巻かれ永遠までも
居られるのは恩寵かなぁ
母は若く笑み輝いてい
ガキ大将が待っている苛められた様に
思ったが眼を逸らす奴らよりよっぽど
一緒に過ごした

全て研究に捧げちゃったような
あれからの人生
ちっとは誰かの為に役立ったのか
この故郷の恩寵
ありがたいなぁ
359日々の眠り:04/10/12 23:59:56 ID:IpUqYaq4
私があなたを守ってあげる
遠くで静かに沸く泉

夜の暗さに怯えてる
あなたのそばにいてあげる
芝生の上で手をつなぎ
過ぎ行く日々に耳を貸す

いつしかあなたも大きくなって
私はただただ見上げている

寝たままあなたの両手を握り
いつしかあなたに甘えてる

水差しが"琴"と鳴り
透明な影をくゆらせる

それはあの鮮やか日々の続き
穏やかな眠りの地平
360Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/10/13 00:44:45 ID:tLeElE0G
皆さんお疲れサマーでした。
こないだはプロキシ規制とやらに引っ掛かってました。

審査期間に入ります。10/15いっぱい(10/16午前0時)が期限。
それでは、レッツ!(…審査って英語で何ていうんだっけ?)
361名前はいらない:04/10/13 00:49:35 ID:FNzDV2Y1
301 :花から蜂へ
302 :お礼参り
303 :駈
304 :みなこ
305 :名前はいらない
306-308 :猫の恩返し
309-310 :聖獣学園
311 :恩返しさえ出来ないままに
312 :機の音
313-315 :マリンスノー
316-317 :オンガエシ
318-321 :感謝のカタチ
322 :泣き止まぬ
323 :カラマリ
324-325 :この歌が
326-327 :『僕の師』
362名前はいらない:04/10/13 00:50:32 ID:FNzDV2Y1
328 :言いそびれた一言
329 :恩返し
330-332 :ジジイと世界と孫
333-335 :まぶたのうら
336 :ロボット
337 :ま、こんなもん
340 :ピストル
341 :拳とキック
342-344 :習性
345-346 :忘れるでないぞ
347-348 :老人と猫
349-350 :ローズマリーに祝福を
351 :脱水少女
354-355 :僕の夢
357-358 :異郷に赴き
359 :日々の眠り

以上32作品です。審査員の皆さん頑張ってくださーい。
363MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/10/13 00:52:04 ID:GUdDNkf9
寸評、行っちゃいます。
>>302 お礼参り
 卒業式のお礼参りで、先公を血祭りにあげる。どんどんやってくれ。でも、この詩は
暴れ方が足りないぞ。日の丸国旗掲揚と一緒に奴らを高く吊るせ。
 そう言えば、私が厨房のとき、ボンタンはいてたツッパリが卒業式で真っ先に泣いてたっけ。

>>303 駈
 安直に夢を前面に出す詩は、正直、苦手です。詩は夢ではなく、現実以上のリアルを
追求するもの、素晴らしい詩を読むと、現実のほうが実は夢まぼろし、ということが露わになる、
というのが私の持論なもので。お前の持論など、どうでもいい? どうもすいません(林家三平)。 

>305 無題(日本語の読めないアフォギャルへ)
 キョはくジョー。これ見て、そう思った。「お前の子供を預かった。返してほしければ、明日の
午後5時までに一千万円用意しろ。さもないと―」ってやつ。古新聞のいろんな活字を切り張りして
作ったやつ。グリコ森永事件でも、使われていたっけ。そんな、いかがわしさがプンプン臭っている。
いいよ、この詩は。ダダっぽい。発想の勝利。全然、「恩返し」のお題になっていないけれど、
「日本語の読めないアフォギャルへ」と言っておきながら、本人が一番アフォ語を使っている。
この辺も十分折込済みなんだろうけれど。こうした逆説的な形でアフォギャル達に恩返しを
している、と無理クリ解釈できないこともない。
 さて、何点入れようか、入れるまいか、思案中。もし、この詩がチャンプに選らばれたら、
梁山泊の革始まって以来の革命! と思っちゃう。(別にそうなってもいい、とも思うけど…)
364MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/10/13 01:29:06 ID:GUdDNkf9
>>351 脱水少女
 これは散文であって、どーも詩じゃないよなぁ。小説やエッセーとすると、秀逸。
文句なしの3点GETもの。家事もSEXも何もしないで、居候。びしょびしょの
洗濯物を絞る、一生懸命絞るだけ――だって!? これを詩的なメタファーと捉える見方も
当然あるんだろうけれど、それじゃあ、かえってつまらなくなる。字義通りとっていいん
だろうね。二人の生活を想像するだけでも凄い。惜しむらくは、結語が弱い。最後を
決めていれば読後感はさらに良化するはず。
 正直、この作品の採点も難しいぞ。これが詩なんだか、そうでないのかで、評価が真っ二つ
に分かれる。どうもこれも思案橋。審査員のみなさん、どうかご意見をください。
助け舟を出してくれなければ、溺れちゃう。

>>330-332 ジジイと世界と孫
 等身大のコトバで、自分のコトバでイマ・ココを描いているのがいいねぇ。第1連目の
最終行「でも揺れる世界から見上げる半月は怖いほど静かだった」――この視点が作者を
詩の地点に立脚させている。まさに、半月からの視点、これは取りも直さず、今は亡き祖父
の視点なんだけれども、こうした世界の外部、周縁からこの世界、娑婆を見ると違って見える。
つまらない福沢諭吉の紙切れのためにアクセク働くのが馬鹿馬鹿しく見える。これぞ、現実が
夢まぼろしで、詩の世界のほうがリアルに見える瞬間。
 でも、この作者は半月やジジイの世界への憧れに留まっていて、まだ身体はこちら側に
残っている。半月に向かって思い切りジャンプ、ジャンプ。
365MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/10/13 02:09:18 ID:GUdDNkf9
>>357-358 異郷に趣き
 「おまイのしせ(出世)にわ○みなたまけ(げ)ました」
 確かに、お母さんのシカさんも手紙に書いているように、僕らもたまげました。
今度は千円札になっちゃうんだからね。アフリカで客死しなければ、ノーベル賞を受賞
した、という声もあるくらいです。
 「はやくきてくた(だ)され○いつくるトおせて(教えて)くたされ」と必死で
帰郷を懇願していたので、帰ってあげれば最大の恩返しになっていただろうに。
 とのかく、時宜を得たタイムリーな詩です。

>>333-335 まぶたのうら
 戦後思想や戦後詩はすべて戦争体験が出発点になっている。思想家(たとえば丸山真男)や
詩人(たとえば石原吉郎)などのコトバはおしなべて戦争で生き残った自分に対する負い目や
戦争に導いた者たちへの呪詛や糾弾に満ちている。
 この詩の作者は戦争を知らない子供たち、なのだろうけれど、なぜ、今、彼らの
立場に立った詩を書くのか、という必然性が見えてこない。もちろん、戦争体験を次の世代の
人間が語り継ぐ、という営為は重要なことなのだけれど、この詩のコトバは石原のもの
を読むと、軽く吹き飛んでしまう。
366MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/10/13 11:03:46 ID:dYdyhphE
>>309−310 聖獣学園
 TVドラマやアニメのワンカットに出てきそう。全編、風刺に満ち満ちている。自虐の刃
は返って一閃、学部長を一撃にする。私は学校という偽善に満ちた場が大嫌いだった。教育に
名を借りた獣への調教。女性性というジェンダーの鎖で猛獣を縛る。獣は獣のままで野生に生きよ。
けしてことばなんか覚えなくていい。

>>316-317 オンガエシ
 対人関係をただのGIVE AND TAKE 駆け引きの場としか考えない、愛を持たぬ現代人が多すぎる。
オンンガエシという怪異はまさにそれだね。友愛は本来、無償のものなのに、「もし相手が
――してくれたら、自分も――する」というヤカラ。そいつらみんなオンガエシだ。
 ふだん私も思っていることをよく詩にしてくれた。私からは感謝、という恩返ししか作者に対して
できないけど。

>>318-321 感謝のカタチ
 出だしはRPGのよう。牧師と風水士と魔術師が勢揃いして、さあ冒険の始まり――。
赤いイルカが現れた! いいぞ、いいぞ。わくわく。……アレレ、おかしいぞ。三人の
キャラはどこへ行った? 大海原をただオールで漕いでいるだけ。読むうちにだんだん
疲労感が増してくる。「イライラが募ります」―こっちもだ。涙なんか流すなyo。島
にはまだ着かないの? 初めの期待は急速にしぼんでしまうのでした。
367MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/10/13 11:57:35 ID:dYdyhphE
>>323 カラマリ
 タイトルがいいじゃない。美しい愛だなんだといって、所詮は陰毛のカラマリ。
「ざらついてごわついてあたたかでどうしようもなくて」――恋しくて恋しくて、
抱いても抱いても、どうしようもなく相手に手が届かないもどかしさがよく表現されている。
愛のMEG・MILKの生産現場、牛舎を持ってくる感覚も相当のもの。
触覚や嗅覚、家畜の臭い、といった五感の中でも言語感覚から離れた地点で恋愛を描いている
作者の手腕は、正当に評価されていいんじゃないだろうか。

>>336 ロボット
 問題 なぜ父は息子の初任給のプレゼントに三千万円もするロボットを選んだのか。
    最も適当なものを選べ。
   @なけなしの初任給から買ってもらうのに気がひけるので、とうてい買えない
    ものを言ってみた。
   A将来三千万円のロボットが買えるぐらい一生懸命働いて、出世しろよ、と息子
    を励ます気持ちから。
   B父親はガンダム世代で、本当にロボットが欲しかったから。
  
 正解者には1万円進呈します。

>>337 ま、こんなもん
 なんつーか、身も蓋もない話ちゅーか。お返しを期待しちゃいけない、ってこったね。
最後はめでたし、めでたしでいいんだろうか。

>>340 ピストル
 映画のワンシーンの台詞としてなら気が利いている。

>>359 日々の眠り
 第1連目「遠くで静かに沸く泉」、第5連目「水差しが”琴”と鳴り」など言語感覚が優れている。
小石が投げ込まれ、波紋が湖に広がるように、詩が広がってゆく。
 もっと紙数をかけてほしかった。この作者のことばをもっと聞いてみたい。
368園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/13 16:34:27 ID:9qiQZHu2
>>305
「日本語の読めないアフォギャル」へ彼女らの言葉で向けたメッセージ。
内容自体はそれ以上のものではなく、問題なのは「ギャル文字」を使っている点。
だとすれば最後の一文はこの作品を敵意の表顕という枠に嵌めてしまって作品の可能性を小さくしてしまっている。
それとも「日本語の読めないアフォギャル」という存在への攻撃がそれほど大事な事柄だったのだろうか。
それは作品中には表現されていない。だから大事ではなかったのだ。
ならばもっと「ギャル文字」が禍々しいのなら禍々しく、輝かせるべきだ。
目前に「ギャル文字」が現れた。その軽い衝撃。それ以上のものは感じなかった。

>>306-308 猫の恩返し
道路の真ん中の子猫達の轢死体、車という舞台装置、名前を巡る思考、に興味を惹かれた。
猫への語りかけと作品の間にもう少し距離をおいてそれぞれをもっと大事に描けばもっと面白くなった。
詩人の意図としては猫への語りかけに仮託して何事かを語れればそれで良かったのだろう、
でもその想い語りと少し距離を置いてみてもいい。少なくとも表現上の形式に於いては。
とはいえ、作者がこのように書きたかったのならばそれはそれでいいし、僕は可能性を見たのに過ぎない。

>>351 脱水少女
名づけ方の潔さと彼女の生態の描写に齟齬があるように感じた。
他に何もしない女の洗濯物を絞るという行為に現れた何かを切り捨ててしまっているような。
あっけらかんとした名づけに対してどうも少女が陰翳を感じさせすぎる。
しかも恋人が見つかるまでは、と言う。その言葉に恋人がいない時間の大切さを感じない。
彼女が可哀想である。意図が十分尽くされていないのではないだろうか。





369園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/13 17:06:24 ID:9qiQZHu2
>>368
脱水少女について、
>あっけらかんとした名づけに対してどうも少女が陰翳を感じさせすぎる。
とあるが、「陰翳」とは情緒的、しがらみ的なものに限られない。とにかく何か変なのだ。それを陰翳と言った。
今は作品から受ける得体の知れない淡白さに没してようと思う。作品についての理性的な理解に今は興味を持てない。

370ななほし ◆lYiSp4aok. :04/10/13 23:50:30 ID:HdnETWnX
 むずかしぃーー。訳が判らなくってきたぁ。印象に残った中から
お題に迫ってるなぁ……の基準で点付けたぁ

3点 >342 :習性 (1) :04/10/11 00:31:14 ID:7cPg6ipP
 アイデアがいい。……ぐぐってみましたよ。どうなるか……興味がワイタ
この詩の作者さま、ぐぐらなかったとかいているが……どうやらぐぐってみたのでは
ないかぁ……と思った。ぐぐってみたら面白かった

2点 >322 :泣き止まぬ :04/10/08 04:02:38 ID:n4fXMXhZ
 なんか本物の妖怪のような、実態がある恩 ……かなぁ
2点 >326 :『僕の師』 @ :04/10/08 10:09:08 ID:G+rYW5m9
 じっくり恩を書きこんでいる。詩かなぁ……

1点 >301 :花から蜂へ :04/10/05 20:23:48 ID:mH+3we2O
 さらっと書いてるけど、結構意味はふかそう。
1点 >305 :名前はいらない :04/10/05 22:58:55 ID:RNcDBsVa
 アバンギャルドと呼び声高いが、何度も見ているうちに読めるようになったのが
驚きだ。
1点 >306 :猫の恩返し(一) :04/10/07 11:20:35 ID:f9we4SyM
 よくわからない所があるが、それでいいような気もする。癒しになって
 ……それが恩返し? 意識するとき価値があり、意識なければ価値も無し??
1点 >316 :オンガエシ(1) :04/10/08 01:14:31 ID:iQzm7bje
 アイデアが面白かった……こういう新種の妖怪が発生する、有難いところを
見せていただいたような……
 お題の言葉・意味に切り込んでいく姿勢がいい
371ななほし ◆lYiSp4aok. :04/10/13 23:53:43 ID:HdnETWnX
 採点、その2です。 

1点 >323 :カラマリ :04/10/08 04:40:50 ID:8wMIZaWl
 詩らしい。面白さ……かなぁ。 もてもてのいい男の独白(セリフ)仕立ての
 板に付いてるのが羨ましくもあり……
1点 >330 :ジジイと世界と孫@ :04/10/09 00:52:11 ID:0pamVa6b
 おじいサンっ子だったのかなぁ……楽しいほろっとする詩になってるかなぁ
1点 >333 :まぶたのうら〜1〜 :04/10/10 03:09:16 ID:fCs8rhC4
 死んで恩が返しのかなう訳もない……恩というのはほんとに、何でしょうね?
1点 >336 :ロボット :04/10/10 08:30:41 ID:jjhOIF7W
 コントと言えばコントのような……おもしろさ?
1点 >337 :ま、こんなもん :04/10/10 09:50:32 ID:OGxXjfT9
 まさに、ナンセンス……でも、ストレート杉では?? 面白かった。
1点 >347 :老人と猫・一 :04/10/11 11:16:32 ID:LYzq26T2
 ストーリーデラーだなぁ。
1点 >351 :脱水少女 :04/10/12 05:11:58 ID:zdK/yh8S
 なぜ? ナンセンス? その割には話がすっきりまとまってる。
372イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 :04/10/14 15:10:03 ID:RM81OmyV
まず総評からいうと、悪い意味で期待通りというかなんというか、
恩返しストーリーのあらすじ書きましたみたいな作品が多かった。
詩というよりは改行多用した小説、てか小説の骸骨。
でも中にはよさげなのも混じっていたように思う。
とか書きながら、今回多忙につき実は真面目に目を通せていない。
パッと見て興味を惹かれないものは切り捨てた。
ではパッと見て目に止まった作品のみ寸評から。

>>306‐308
猫が適役。恩知らずな猫は本当に恩知らずか。じゃあ犬は恩って言葉の意味知ってるのか。
世界は無意味だということを改めて教えてくれた猫にありがとうといえる強さ。
失恋した君でもこれなら心配ないね。でも饒舌すぎるよ。
ちなみに俺の飼ってた犬は、俺が死にかかってる時に近くを通りかかった知らない人と遊んでた。

>>312
どっかで読んだことある。でも展開が違うので別の人だろう。
いわずとした「鶴の恩返し」。原作を知らなければわかりにくい詩だ。
しかも原作そのまんまでパロディーにもなっていない。
リズムに乗せて叙情的に読ませるが、この作者ならではの鶴の恩返しにはなっていない。
373イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 :04/10/14 15:58:46 ID:RM81OmyV
>>318‐321
いい。茫漠とした海の上と主人公の心境からしてもこの長さは必要。
もしこれが退屈させないよう場所をあちこち変えての
愛あり出会いあり戦闘シーンありの冒険ドラマなら一時間で終わってくれと思うところだが、
これなら24時間くらいやってくれてもいい。本当は嫌だけど、効果的だとは思う。
こういう海の上で襲われる虚無感ってありきたりではあるけど、
何度使われてもいいモチーフだと俺は思う。
「感謝のカタチ」という概念が出てくるが、
これが「君に贈りたいもの」から「虚無に対抗する光」に変化していくさまがおもしろい。
そして詩は途上で終わっている。ハッピーエンドなのかそうでないのか、
あるいは意外な方向へ転換して続いていくのか、
読者の好みに任されるという意味でも、この終わり方は最適だ。
主人公が妙に自信たっぷりでなくヘタレ気味なのもいい。

>>323
歌いっぷりがとても情けなくていい。
陰毛から牛の臭さに飛ぶイメージの質感も上等にそのまま感覚。
白いブリーフを履いて彼女の前でパンツ一丁になりたい気分にさせてくれた。

>>330‐332
うまい。哀愁とユーモアの噛み合ったよくある中間小説だ。
ジジイの存在があまりリアルに思えないのは、やはり故人だからかな。
死んで伝説になるよりも、俺なら生きてるうちに幻滅されたいな。
金を捨てた男は実際どっかの国にいたよね。
俺ならそこまで極端に文学的にはなれないな、その男、伝説になってないし。
とりあえずこの作品は、主人公の一時の気の迷いを描いただけのものかと。
374イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 :04/10/14 17:04:42 ID:RM81OmyV
>>336
一行目、主語がないのでわかりにくい。
お父さんの初給料が出たのかと思った。
お父さんの初給料だったほうがおもしろいし。

>>337
昔話調の文体がハマっているが、ハマりすぎてておもしろくない。
昔ベストセラーになった「政治的に正しいおとぎばなし」を見習え。
途中の「恩返しの順番で喧嘩して」みたいなファンタジーはあんまり好きくない。
そのせいで結果ただの残酷なすれ違い話になってしまった。
読後感が単に「あーあ」なのだ。アンチ予定調和はジンテーゼに非ず。
タイトルもバカにしてるとしか思えない。

>>342‐345
へーおもしろいな、美味しんぼみたいだ。うんちく最高。
ぐぐったの嘘なのに笑わされて、後になって考えたらちょっとムカッとした。
読物としておもしろいね。詩の投稿スレとしては異色だし。

>>347‐348
かわいい。老人も猫も煙になったところが特にかわいい。
最後の猫の人格は猫でしょうか妻でしょうか?

>>349‐350
なんだか知らないけど読んでしまったのは自暴自棄な文体ゆえか。
最後つくりすぎで興ざめ。ヤング向けの小説かよ。
タイトルもかっこつけすぎでかえってかっこ悪い。
375Alnite ◆m3UVuKrnck :04/10/14 23:35:46 ID:Sy5CsHsG
今回は、あんまり秀逸な作品は見られませんでした。残念ながら。
なんだか、右耳から左耳へ抜けて行く感じがした。
よってかどうかは知らないですが今回から、容赦なく駄作宣言します。
今回はなるべく多くの詩に批評、それから実際のチャンプを選ぶ点数以外での段階式の評価をつけます。
《》で囲まれたのがそうです。十段階評価です。
最低<却下<駄作<平凡<佳作<優良<秀逸<名作<最高<感動

>>301 花から蜂へ 《駄作》
言葉の一つ一つは綺麗だけど全体としてありきたり。こういう正統派なのは好きだけどちょっとこれじゃあ。

>>302 お礼参り 《却下》
テレビの中でっていう描写がよく分からない。何が言いたいのかハッキリしない。
要は不良モノが書きたかったのだろうか。

>>304 みなこ《駄作》
やっぱり花の詩と同じでありきたり。
作中でも作者は愛がどんなに重いものだか語っているはずなのに、
その出現回数が多く、軽々しく使っているとしか思えない。矛盾。恋愛の詩だけど、切り捨て御免。

>>306-308 猫の恩返し 《佳作》
話題性のあるタイトルにひきつけられて読んだ。
ストーリーはおもしろいと思う。こういう心温まる感じ、嫌いじゃない。
実際恩返しされてないのに恩返しされているようになっているのもまた良いと思う。
ただ、どっちかというとポエムというよりスキットかな。展開はそんなに非凡じゃない。

>>309-310 聖獣学園 《平凡》
風刺モノは好き。だけど何を風刺しているのかいまいち俺は分からない。
風刺的な口調だけど分からない。なんなのだろう。
もやもやしすぎないってのも、時には大切なんじゃないですか?
376イタチ小僧暗算! ◆8rr1u/54T2 :04/10/15 00:15:46 ID:3Oh6F9KH
>>351
不思議ワールドだ。脱水だけをしてくれる少女との共同(?)生活。
恋人ができたらポイなのだろうか? 恩返しがまったく感じられないのが非道い。
この詩を書いたことが恩返しなのだろうか? なんにしろ、この鬼畜め。世にはばかれ。

>>357-358
フツーの人っぽいのがいい。
昔マガジンに連載されてた「Dr.Noguchi」よりもいい。
おもしろくはないけど。

>>359
なんだかこうボンヤリとしてて、かつ透明な感じ。
377MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/10/15 00:20:02 ID:jWWFgwKf
寸評の補足です。
>>351 脱水少女
 この作品が詩であるか、否かという点で逡巡している、と前に書いた。結その話の続き。
詩と散文を分かつ特徴のひとつに、喩法や掛詞(和歌の場合)に代表される意味のズレ、ブレがある。
語や表現にあえて多義性を持ち込むことでイメージの振幅を持たせるのが詩であるとするなら
(もちろん散文にもそういう手法があるが、その度合いが詩において大きい)この脱水少女も
優れて詩的である、と考えた。
 作者の意図はともあれ、私はこの作品に現代社会の人間疎外の現況を読んだ。産業革命以降、
生産の現場や社会において広範な分業体制が進化した。その結果、私たちは全一的な創造性を
失っている(自動車製造のフォード型生産ラインが好例)。脱水少女はもとより、多くの
皿洗い少女、大根スライス少女、ズボンの皺伸ばし少女……に囲まれて私たちは暮らしている。
そして、これは同時に現代消費社会の機能分化した、不要ともいえる機器(テレフォンショッピング
で売っているような)をも連想させる。
 ここまでは私個人の極めて主観的な読み(というか、作者の意図を超えた妄想)だが、このような
想像が入り込む余地のある作品、つまり寓話ともとれる作りから、これを良作、と評価したい。
378イタチ小僧暗算! ◆8rr1u/54T2 :04/10/15 00:45:32 ID:3Oh6F9KH
>>306-308「猫の恩返し」
とにかく「恩」ということばを空中に放り投げちゃってるのがいい。猫も適役。
しかしラストを際立たせるために猫とのラブストーリーを描く必要があったんだろうけど、
それにしてもストーリーを構築するためだけの饒舌な文章には面白みを感じない。

>>318-321「感謝のカタチ」
これは饒舌なように見えて、じつはその反対。すごくなんにもないことばの群れだ。
虚無の海と感謝の「カタチ」との熾烈な戦い。しかもその戦いがなんとダイナミックに見えないことか。
そういうところがとてもいい。なんにもないのに長いのもいい。それでいて面白いのが凄くいい。
ただ、連想のままにえいっと書いただけみたいな粗雑さは否めない。
凝ったレイアウトはそれを誤魔化すための飾りにしか見えなかった。ありがちだし。

>>351「脱水少女」
恩ということばから自由になっている、というか無頓着。
なぜこのどうでもいいような脱水少女を詩にしようという気になったのか、
なぜ少女は脱水だけするのか、作者が脱水機能つきの洗濯機が欲しいからとも思えないし、
とにかく不思議ワールドがふわふわしているのです。

以上、1点。

あ、ちょっと待って。

>>323「カラマリ」
>>330-332「ジジィと世界と孫」

以上にも1点入れとくか。おわり。
379MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/10/15 07:39:30 ID:XYyMMEfX
採点です。

【2点】
>351 脱水少女
>323 カラマリ
>330-332 ジジイと孫と世界と

【1点】
>305 名前はいらない「日本語の読めないアフォギャルへ」
>309-310 聖獣学園
>359 日々の眠り

「日本語の―」は当初2点入れようと思ったけれど、「死ね」という表現がイケナイ。
それで減点1。いくら2チャンネル特有の表現と言っても、私は嫌いです。同じ意味でも、
もっと洗練と工夫があるだろうに。
以上、終わります。
380GON ◆rOo2fYBBKk :04/10/15 13:35:09 ID:cCmnRB0R
読み込んで味わいつつ自分なりの解釈を深めていくような梁山泊らしい詩は、
今回お題のためか少なかったと思います。
僕の採点基準は、いい世界があり、表現できていて、
そして作者はそこに読み手を連れて行く気があるか、です。
今回はちょっと辛口でいきます。気分を害された方すいません。
301 :花から蜂へ 童謡。これといった工夫がない。
302 :お礼参り どんな世界を伝えたいのか不明。勇ましさもない。
        最後の俺今要りも特にうまくない
303 :駈 dreamときた
304 :みなこ ひとりごと。詩として光るものがない。
305 :名前はいらない 読めなかった
306-308 :猫の恩返し @点 原型は小説だけど織り交ぜた比喩と最終連で
           詩になっている。
           女性が私は裸だったとか二つ玉と言うだけで
           なんか雰囲気出る。ずるい。
309-310 :聖獣学園 A点 なんか運動とかPTAとかやって大きな顔してる
          プロトタイプのオバサン的女性と、
          獣を内に持つ女性である私との葛藤や決別の詩かな。
          世界に引き込まれた。
311 :恩返しさえ出来ないままに  ルージュときた
312 :機の音 @点 民謡ぽいけどよく表せてる。歌ってみたい。
313-315 :マリンスノー NO1は図鑑の説明、NO2は説教的論文、を、改行の多様で
            詩らしくしている。最終連にやっと作者のイメージが出てきて、
            そこは悪くないと思うがこれじゃ足りない。
381GON ◆rOo2fYBBKk :04/10/15 13:36:09 ID:cCmnRB0R
316-317 :オンガエシ A点 こういう説教なら聞く気になる。うまいし書きなれてる。
318-321 :感謝のカタチ @点 ひとつメッセージを持って書き出して、自由に楽しく表現してる感じ。
            イタチ氏が流し書きしたのかと思ったら、違ったんだ。
            そのメッセージがあまり好きじゃないので1点
322 :泣き止まぬ 一連目とのギャップを狙うべきところだと思うが二連目が半端。
323 :カラマリ カタカナ部分まで非常に良かった。中盤七行で引いた。
324-325 :この歌が 中盤飽きる。受け取ってくれたセーターてのは詩の意図と矛盾してないか。
326-327 :『僕の師』 いい小説
328 :言いそびれた一言 詩として光るものがない。
329 :恩返し ?
330-332 :ジジイと世界と孫 長い。もっとすっきりまとめられないのか。
333-335 :まぶたのうら 老人の独白。詩になっていない。
336 :ロボット @点 なんか心に残ってしまう。余計な装置がなく、
           読み手が自分の家でイメージするからだ。
337 :ま、こんなもん @点 好き。でも題名いくない
340 :ピストル 荒々しさを狙ったんだろうが、こいつSEXんとき変なこといってるな、ぐらい。
341 :拳とキック  ?
342-344 :習性 何度か読み返したが混乱する。
        こんだけ好きに喋る形を取ってるんなら、せめてもっとわかりやすく。
        実際最後はぐだぐだ。すごい詩にもなる可能性は感じるが。
345-346 :忘れるでないぞ もっと工夫がほしい
347-348 :老人と猫 べただけどほんわかする。文はうまいけど表現はない。
382GON ◆rOo2fYBBKk :04/10/15 13:37:27 ID:cCmnRB0R
349-350 :ローズマリーに祝福を 「習性」と同じ。
                こういう書き方は逆に集中して読み手側に立たないと
                なにも伝えられないのではないか。
351 :脱水少女 なんか文芸新人賞で読みそう。小説ならオモシロそう。
354-355 :僕の夢 普段思っていることを自分の言葉から詩的な言葉に直した感じ。
         僕が多い。こういうのはどこかでテーマが万人に対して
         開かれてくれないと読み返せない。
357-358 :異郷に赴き @点 y部分で感動した
359 :日々の眠り @点 一連目「遠くで」じゃないほうがいい気がした。
         そして水をもう少し利用したらば美しさが際立つのでは。
383園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/15 18:05:12 ID:IgTrHmew
言いたい事があるなら素直に直叙的に言えばいいのではないだろうか、という作品が多かった。
詩としての体裁というものがあって、それを整えている点によってのみこれは詩であるというような。
別に言葉の可能性を追求しているわけでもなく、その言葉よってしか語られ得ない何かを語ると言うことでもなく。
ありきたりの想いに衣装を着せただけのような。しかも衣装自体、別に目新しくもないものばかり。

別に比喩がなくても語れるのなら比喩なんて使わなくてもいいのである。
新奇な設定や語り口がなければ語れぬものでなければ普通に語ればいいのだ。

そうして出来たものは詩ではなくなっているかもしれない。では詩とは何か。
短歌や俳句や漢詩には明確な形式性とそれのもたらす独自の世界がある(のだろう)
現代詩はそれに匹敵する形式性を詩人一人一人が自前で創り出さなければならない。

別に詩とは短文のことだ、でもいいのかもしれないが・・・。

>>316-317 オンガエシ
6-7連での行分けによる視点の移動にのみ形式の必然性を感じた。

>>318-321 感謝のカタチ
>>323 カラマリ
リズムと行分けの意味についてもっと考えれば詩になる。

>>326 『僕の師』
連を跨ぐことによる効果をもっと自覚的に用いれば詩になる。

>>329 恩返し
面白いという事で言えばこれが一番面白かった。





384園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/15 18:22:42 ID:IgTrHmew
>>336 ロボット
もっと続ければ内容だけにではなく形式にも目が行っただろう。
そうすれば詩になった。

>>342 習性
口調が気障だと思ったのは僕だけだろうか。小説的な、口語みたいな文体を襲用している。
文章語なので内容のほうも構成がはっきりとしている。
このような作品を見るに付け、平田オリザは偉かったんだなと思う。
文芸上の技巧、描写も文体も所与のものとしてでなくまず疑ってみるべきだ。
この作品の場合は語り口が世界観を創り出しているのでそれでいいのだろうと思うが、
うまく格好をつけたなぐらいの事しか感じなかった。>>343での擬論理性、>>344の前半の論理性、
後半の纏めが曖昧で、言いたいことが分りにくかった。

>>345 忘れるでないぞ
一神教にも自然に神を見る物神崇拝的な側面はあるらしい。
385名前はいらない:04/10/15 19:30:41 ID:/zfQUCwT
いろは歌を漢詩と英詩に押韻訳して相互の言語特徴を確認するサイト。
韻とは踏むものだと決め付けるから、仮名遣がごまかされて誰も咎める
ものが無い。韻律とはしかし、言語の骨組みなのである。
漫然行分けした文を詩といつてはいけない。骨の無い人間有り得るといふ前提で
人間を論ずるやうなことになつてしまふ。
http://blue.ap.teacup.com/roha/
386園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/15 20:26:03 ID:IgTrHmew
>>306-308猫の恩返しについて、とんでもない思い違いをしていた。
というより全く読んでいなかった。よくある感傷的なだけの詩だと思っていたがぜんぜん違う。

>威嚇するのにやすやすと
>車の助手席にのせられた

>毛布を敷きつめた段ボール箱に入れて
>逃げないようしっかりと蓋をした

横暴である。しかもそれが全く問題にされていない。
猫の方でも女から与えられたご飯を食べず、彼女のいないところでそれは何時の間にか減っている。
女は猫の食事する姿を見ない。猫の主体的行動は女の意識に存在しない。
それにしても凡そ生き物の扱いではない。子供がヌイグルミを扱うような手つきではないか。

>名前はつけなかった
>この間別れたばかりの大好きだったひとの
>その名前さえすぐにはいえないほどに
>わたしは裸だったので

この世界は徹底的に女の主観で構築されており、理由は全て女の側にある。
ただ主観を構成するピースとしてのみ、彼女にとって都合のいい存在としてのみ猫は存在する。

>まだ元気じゃないの、猫?
>わたしの言葉が通じないように壁を見ている
>抱き上げても死体みたいに硬い
>ずっとおしっこをしていない
>それでも連れ出してみようと思ったのは
>食事がすべてなくなっているようになったので

この箇所で女と猫の間には決して埋められない溝があることを示す。
その溝を非連続性と言っておく。女に見えてなかった猫の実体が見えてくる。
女の勝手な情意は猫には一切届かない。女の主観から猫が徐々に剥がれて行く。
387園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/15 20:27:39 ID:IgTrHmew
>メスだとばかり思っていたら
>車にのせてよく見るとオスだった

ここでようやく猫が女にとって他人であることが自覚される。
女ははじめて猫が自分の分身でなかったことを知るのだ。

>お前の轢かれていた場所
>そっと頭を撫でてやる
>アスファルトに置いた猫は
>わたしの顔に恐怖の色を投げつけて
>飛ぶスピードで逃げて行った
>民家の裏に見えなくなった

女と猫の分れとは女にとって他人との出会いなのである。
他人は自己を投影するスクリーンではない。他人は自分の分身ではない。
それは自分の意にならない、想いの届くこともない、どうしようもなく別個の存在なのだ。

>わたしの顔に恐怖の色を投げつけて

猫の表情が初めて視界に入る。女も本当は分っていた。
しかし失恋の傷を受けた彼女には猫はどうしても自分のヌイグルミでなければならなかった。
388園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/15 20:28:52 ID:IgTrHmew
>猫、猫
>お前に名前をつけておけばよかった
>世界中のどこにお前がいても
>わたしはただ一匹のお前を呼ぶことができたのに

ここで初めて名前のが意味を持つ。猫に名前は要らなかった。自分に名前をつける必要はないから。
非連続性を自覚して ―他人が他人になって― 初めて誰かを名前で呼ぶ。他人と自分を繋ぎとめる唯一の絆。
名前とは別れであると同時に我々に与えれたたった一つの結びつきの可能性なのだ。

>この間別れたばかりの大好きだったひとの
>その名前さえすぐにはいえないほどに
>わたしは裸だったので
>わたしにはその時名前がなかった





>助けたかったから助けただけの猫よ
>ありがとう

女は自らを救助した。猫は媒介に過ぎなかった。
しかしこの言葉はヌイグルミなんかではなく、紛れもなく猫に向けられたものだ。
一切の甘たるい感傷はない。女は深淵を見たのである。
389園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/15 20:47:06 ID:IgTrHmew
前回は低調な中にもいいと思える作品が幾つかあったが今回は一作しかなかった。
その一作とは猫の恩返し。これが一番。これは確定。

>>351脱水少女 
>>316オンガエシ 
>>342-344習性 
>>323カラマリ 
>>318-321感謝のカタチ

その他の候補としてこれだけ挙げた。まず習性は書きこなせていないので落とした。
カラマリと感謝のカタチのどちらかを入れたかったが、
感謝のカタチは技巧を並べた以上のものを感じない、カラマリも形式に面白さを感じるが、
内容的に語り手の言いたいことが分らなかったので推しにくい。
セックスでの結びつき以外に残されていない二人というようには取りにくく、
だとすればセックスがしてあげられる全てだという言葉が男の勘違いにしかとれない。
男から見た性が女にもそう見えていると考えてはいけない。女を男と同じ世界に住まわせてはいけない。
まあそんな世界を書きたかったのならそれでいいが、問題はよく分らないと言うこと。だから落とすことにした。

3点>>306猫の恩返し 素晴らしいなあ!!って感じ。破綻もない。過不足ない。
              しかし猫との別れにもう1クッション事件があっても良かった。くれぐれもあざとくならぬ様。
2点>>351脱水少女 淡白さの中に含みを持たせているのだろう。
              一人称の向こうにある三人称の陰翳がもどかしく訴えて来るようで、どうも気になる。
1点>>316オンガエシ 物足りない。でも他に推したい作品もない。完成度はあるがそれが枷になっている様。
390Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/10/15 20:53:30 ID:G2yS0JdE
一挙掲載。

>>301 丁寧に書けてるけど、も少し踏み込みがほしいかなあ。というのも、い
わゆる共理共生の一コマのなかでも、花と蜂つーのは真っ先に思いつくもので
すから。
>>302 虚構と実在の線引きをわざと曖昧にしたんだろうなあ。ただ、それは分
りにくいだけで、あまり効果的でないと思いました。「必殺のジョーク」って
やつ(?)も、なんだか内輪受けっぽいよ。
>>303>>304 パス。あまり恩返しには感じないなあ。
>>305 目がチカチカする。
>>306-308 猫は三日たつと恩を忘れるつーのは大ウソで、親子関係と師弟関係
は、それはそれは大事にします。子猫がどうしてなつかなかったのか不思議で
すが、それはお互いに通りすがりの関係であろうとしたのかなあ、と勝手な感想。
>>309-310 額面どおり読むと、権威との闘争の序曲、かなあ。マンガチックな
フレーバーが面白いよね。たださ、ことばとか喜びとか遊びとか、キーワード
がキーワードのままで終わってるんで、表面をなぞっただけの印象が拭えない。
>>311 テレサ・テンあたりの歌の歌詞みたいだね。3連めの回想部分を生かす
と、も少しイメージが広がりそうです。
>>312 誰もが知ってる『夕鶴』、だよね。情景描写に終始しているんで、ここ
から詩が始まるように思えるんだけどねえ。
>>313-315 ニンゲンの隆起する縞模様あたりから面白くなってくるなあ。逆に
いうと、マリンスノーの説明はもっと短くならないかな。命についての考察も、
平板にすぎるかも。
391Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/10/15 20:54:33 ID:G2yS0JdE
>>316-317 うん、隠喩も効いてて、いいね。ことばも意外と練られている。不
満をいうなら、詩全体の面白みが少ないと思います。それは構成であったり、
道徳の教科書を思わせるようなことば遣いであったりするのでしょう。
>>318-321 必然性のない旅って設定は面白いと思う。が、この脈絡の欠けた構
成は、作者のなかではある一貫性を保ってるんだろうか。作者の心のなかをの
ぞき込むようで、なんだかコワいね。
>>322 泣き声と恩の語呂合わせが、ええい正直に言おう、いまイチと思うんだ
よなあ…ごめんね。この詩はそこがミソなだけに、ちょっとツラい。ことばの
選び方は上手いと思う。
>>323 自己中心的思想の滑稽さ、っていうのかなあ、かいつまんじゃうと。自
分の世界に浸りきっているよね。その世界が魅力的だと、結構引き込まれるこ
とになるんだろうな。
>>324-325 可もなく不可もなく。スタンダードなイメージ世界。
>>326-327 この内容だと、半分くらいの長さがちょうどいいかなあ。情景描写
の説明が長いように思う。ことばを刈り込むと、意外にドラマティックな展開
になるかも。エピソード自体ちょっとイマイチではありますが。
>>328>>329 パス。
392Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/10/15 20:55:47 ID:G2yS0JdE
>>330-332 四国ってのはたしか、人もロクにいないのに五つも競輪場がある、
トンでもないところだ。ジジイの住処はきっとそこだ。読んでて楽しかった。
最終で収まりをつける必要はないかな、でもそれだと恩返しにならないか。
>>333-335 ぼくらは戦争を知らない世代ではない。だって今やってんだもん、
戦争。また、戦争を知らない人間が戦争を書いてはいけない、ということも
まったくない。ただこの詩はアウトラインをなぞりすぎているなあ。
>>336 庶民的な恩返しだよね。んで、オヤジさんのほしいのがロボット…。
笑っていいのかどうか、微妙すぎるよな…。
>>337 構成が上手くて引き込まれるよね。でもなあ…。あまりといえばあまり
な結末だよね。
>>340 スパイスがあまり効いてないかな。「あだで返せ」ってことばも面白く
ないかも。
>>341 たしかに格闘の世界にも「恩返し」ってことば、あるよね。ちょっと強
引だったかも。
>>342-344 ぼくが気に入ったのは、何の脈絡もなく「知性をもったまま結晶化
する」ところ。なんだかそれっぽく聞えて、いいぞ。
>>345-346 論理に破綻がありすぎるよ。まあたしかに「日本」は記憶のなかに
しか存在しない、とはよく言われるけど。ぼくの地元は日常的にタノカンサア
とかウッガンサアとかいるし。ケサランパサランは神さまじゃないし。
>>347-348 神様の視点ではなく、老人か猫か女性かいずれかの視点で書くと、
もっと違ったかも。とかく淡々と流れているように思います。
393Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/10/15 20:56:46 ID:G2yS0JdE
>>349-350 ダメ人間のくせに教会で懺悔とかローズマリーとか、いちいちキザ
なんだよね。キザは嫌いじゃない。ただ、ポリシーのあるキザであってほしか
ったな。
>>351 ぼくにとっては反則スレスレの世界観。だってリアリティがゼロじゃ
ん。脱水機能って、最初期タイプの洗濯機にさえ付いてたんだよ?でもこの詩
が魅力的なのは、語り口が詩の雰囲気に見事にマッチしているから。
>>354-355 夢の大安売り、だなあ。頻発すぎて抽象的にすぎて、ものすごく
「夢」ということばが安っぽく感じるよ。
>>357-358 「もしぼくが野口英世だったら」テーストなんだけど、わりといい
味だしてるよ。日記とか著書とか引用すると、より「それっぽく」なるんだぜ
え。あざといけどね。
>>359 締めきり直前の投稿はタイムリーだったかも。穏やかな気持ちになるね。
394Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/10/15 21:08:21 ID:G2yS0JdE
審査結果です。詩の良し悪しなんて人それぞれ。今回は酷評が多いみたいだけ
ど、気にしない気にしない。
ぼくが魅力的に思った作品から順に。

2点
>>351 脱水少女
1点
>>306-308 猫の恩返し
>>316-317 オンガエシ
>>330-332 ジジイと世界と孫
>>342-344 習性
>>357-358 異郷に赴き
395Alnite ◆m3UVuKrnck :04/10/15 21:13:45 ID:ujDM7PIL
>>311 恩返しすらできないままに 《平凡》
情景は綺麗だし、雨と汽車の窓の様子とか、鮮明に浮かび上がってくる。
その代わりぐっと来るものは皆無。何に感動してほしいのか?

>>312 機の音 《駄作》
ただの鶴の恩返しじゃん。表現こんなに膨らますことができるんだったらもうちょっと
違う題材選べなかったのかなー。トントンカラリの節は思わず声に出してしまうぐらい良い。

>>313-315 マリンスノー 《駄作》
言いたいことは分かる。人間の命ばっかり大切にしてプランクトンはっていう疑問は当然起こり得る。
でも、最終的に「わたし」を中心に描いたのは失敗だと思う。
人間誰しも自己中心的なんだわ、って嘆いて、自分も自己中心的になっている。

>>316-317 オンガエシ 《優良》
うん、ぐっときた!
恩返し、という発想にはこういう欠点もある、ということを明確な文章で示してくれている。
比喩もいい。ちょっとくどい気もするけれど。
まぁ強いて言うなら物の怪に例えたのはどうかと思う。

>>318-321 感謝のカタチ 《平凡》
この詩の情景は残酷に綺麗。最初は清らかに、後にグロテスクに。
何かクラシック音楽のようなものを感じさせる。
主人公の気持ちの変化も、ごく細かい部分まで描かれていると思うが、
最初の三人のチカラをせっかく借りたのにその後何も触れられないことが気になって仕方がなかった。
多分、細かい部分まで書き込んである詩なだけに、細かい部分が一度気になるともやもやし続けてしまうと思う。
396Alnite ◆m3UVuKrnck :04/10/15 21:49:57 ID:ujDM7PIL
>>322 泣き止まぬ 《却下》
何が言いたいのか?
確かに風刺していることは分かる。時代を嘆いているようにも捉えられる。
でもそれだけじゃ嫌だ。もっと伝えたいことはあったはず。泣く事に夢中に成りすぎ。

>>323 カラマリ 《駄作》
これもえろちいモノが書きたかっただけ?
混乱した心理をしっかり書き込んである。泣くのは俺っていうことの真相にも触れている。
けれどやっぱり、だから何?となってしまう。

>>324-325 この歌が 《佳作》
恩返し、というタイトルぴったり。
温かいだけの詩もアリだと思う。真冬のホットココアの如く心にしみた。
終わり方も良い。適度に余韻を残してくれている。
但し「木蓮の薫り残る小路」が二回出てくるのはよろしくない。
この他にも数箇所、もう少し言葉を選んだ方が良い部分が見受けられた。

>>326-327 『僕の師』 《平凡》
駄作に近めの平凡。
上に引き続きハッピー系統の詩なんだけど、この詩は「恩」が押し付けがましい。
言葉の一つ一つや、ストーリーは輝きを放っているだけに残念。

>>329 恩返し《平凡》
ワロタ。

397Alnite ◆m3UVuKrnck :04/10/15 23:33:42 ID:ujDM7PIL
>>330-332 ジジイと世界と孫 《平凡》
>>332の感じで全体を書ければ《優良》だったと思う。>>330-331で大きく減点している。
出来事自体はそんなに悪くない。「ジジイ」という老人の性格も味が出ている。
「俺」のいる場所が分かりづらい。家にいるのかそうでないのか。場面がめまぐるしすぎる。
私は最初はどこか家でない場所で、次が家だと思ったけれど。
せわしないのは良くないです。

>>333-335 まぶたのうら 《駄作》
せっかくいい雰囲気だったのに戦争を持ち出して一気にさめた。
斬新にしたいってのは分かるけど、だったらもうちょっと描写しっかりしてよ。戦争について。

>>336 ロボット 《平凡》
楽しい詩にしたいんだったらもうちょっとひねりが欲しいところ。
それでもそこまで気になるところは無い。勿論逆にぐっと来るところも無い。

>>337 ま、こんなもん 《平凡》
中身だけなら佳作。恩返しを滑稽に描いている。
まぁ我が我がとけんかしたのは減点対象としても、それを語る口調はおもしろい。
タイトルで一段階減点。最後の行為を見せ付けられて「ま、こんなもん」と来られても嫌だな。

>>340 ピストル 《却下》
うん、早速あだでかえさせてもらいます。(爆
意味不明なものを書けばそれで詩になると思わないで欲しい。

>>341 拳とキック 《駄作》
しっかりしてるのはしてるんだけど。
二メートル飛ばして、そこからどうする?
398Alnite ◆m3UVuKrnck :04/10/15 23:34:34 ID:ujDM7PIL
>>342-344 習性 《佳作》
怠惰的な雰囲気。好感がもてるかと聞かれたらそうでもないと答えるしかないけれど、
こういう手の語り方をするには相当な表現力とある程度の知識が無いとできないと思う。
それだけで平凡ぐらいの評価で、あとは言葉一つ一つの選び方とつなげ方。
主語がぼくだったりオレだったりするのは良くない。

>>345-346 忘れるでないぞ 《平凡》
一番伝えたい部分の評価は平凡に近い佳作だけれどこれは駄作に近い平凡。
問題は一行目と二行目。八百万を800万と捉えてしまっているではないかと思われかねないこと。
もちろん八百万はやおよろずと読む。
知識をひけらかすんだったらもっと丁寧に。一段階分減点。
耳にたこができるぐらい言われ続けてるけどなんとなく一瞬忘れたりする人間達。
現実をちゃんと客観的に見てるじゃん。達観してるじゃん。良いと思う。

>>347-348 老人と猫 《平凡》
佳作に限りなく近い平凡。
死ぬを煙になると書いて、うまくつながっているのが良い。
どんでん返しも良い。ただ、「〜だったのだ」という表現はちょっと。展開はそれでいいんだけど。

>>340-350 ローズマリーに祝福を 《佳作》
割合綺麗にまとまっている。
後ろ向きな心、なのに優しくて純粋で綺麗な心。
余談だが、ローズマリーの花言葉は「記憶」「思い出」だそうだ。
問題は特に見られない。無論アラを探せば出てくるだろうが。
399Alnite ◆m3UVuKrnck :04/10/15 23:35:04 ID:ujDM7PIL
>>351 脱水少女 《平凡》
でました今回の問題作。
評価の都合上平凡っていう言葉だけど全然平凡じゃない。
確かにこの風景は詩にする価値があると思う。
絞る時の少女の気持ちとか、良い感じに余韻が残ってる。
でもやっぱりネーミングセンスは良くないかも。

>>354-355 僕の夢 《平凡》
抽象的な言葉でまとまりのある文を作り上げている。
でも抽象的過ぎて、分かりづらい部分も多々ある。
心境の変化がちょっと飛躍しすぎな部分もある。けれど美しいと思う。

>>357-358 異郷に赴き 《平凡》
歴史モノはカドが立たない。めったに問題や何かを起こさない。
けれど、詩としてぐっとくるものも少ない。

>>359 日々の眠り 《駄作》
平凡に限りなく近い駄作。
静かな風景、小さく波打つ感情、一つ一つの表現が私を静かな場所に連れて行ってくれている。
けれど私は、それ以上のものを求めたい。もう一歩の努力を望む。
400Alnite ◆m3UVuKrnck :04/10/15 23:40:42 ID:ujDM7PIL
ふう。ぎりぎり終わって良かったです。
採点結果発表。
今回の合格点は《佳作》です。それ以上の作品について以下の通り点数を差し上げます。

2点
>>306-308 猫の恩返し
>>316-317 オンガエシ
1点
>>324-325 この歌が
>>342-344 習性
>>340-350 ローズマリーに祝福を
401Alnite ◆m3UVuKrnck :04/10/15 23:50:38 ID:ujDM7PIL
>>398 >>400
間違い修正。
「ローズマリーに祝福を」は、正しくは>>349-350でした。
さりげなく400ゲット。
402 ◆WvShSU0mOg :04/10/15 23:57:36 ID:QT9UWNUU
久し振りに投票させてください。
このお題で、どれだけバラエティに富んだものが見られるかなぁと他力本願で拝見しておりましたが。
どうも似かよってしまった感は否めませんな、、やはり難しかったということでしょう。

2点
>>323『カラマリ』踏まれた韻が小粋。牛の配置とその近辺の暗色のエロティシズムが
素敵でした。それを前後の、男の情けなさで濃い口にしているのも良いなぁと。
    
>>330『ジジイと世界と孫』何の気なしに置かれている自然体の茶目っ気や比喩が心地良い。
   読み飛ばさせないストーリーと、多少強引にですが上手く整えられた構造、
   作品全体を流れる空気が好きですの2点。


1点
>>305『名前はいらない』 そのチャレンジ精神をかって。
最後の文は寧ろ挑戦状のように文頭に持ってきた方が良かったのではと。
勿論≠″ ャ 」レ 文字で。
「今すぐ死ね」は、安易な言葉に流れてしまった感があります。もう一味ユーモアを
効かせる事も出来たのでは。

>>318-321『感謝のカタチ』今回一番気になった作品です。巧いのか、巧くないのか微妙な
ラインでがっかりさせたり感嘆させたりと浮動して、読み手をハラハラさせる
ところがニクイです。全体的にはたどたどしいのですが、ツボだけきちんと押さえ
切っているような。しかし前半と比べると、多少の作為はあるにせよ、スタミナ
切れからの投げっぱなしはやはりもの足りなく、勿体無い。
403園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/16 00:57:05 ID:lvCRG3dc
9点  306-308 :猫の恩返し  

8点  351 :脱水少女  

7点  316-317 :オンガエシ 
     330-332 :ジジイと世界と孫  

6点  323 :カラマリ  

5点  342-344 :習性  

3点  305 :名前はいらない  
    309-310 :聖獣学園 
    318-321 :感謝のカタチ 

2点  322 :泣き止まぬ  
    336 :ロボット  
    357-358 :異郷に赴き 

1点  359 :日々の眠り 
    301 :花から蜂へ  
    312 :機の音 
    324-325 :この歌が 
    333-335 :まぶたのうら  
    337 :ま、こんなもん  
    347-348 :老人と猫  
    349-350 :ローズマリーに祝福を 

集計してみました。特に上位の作品については一応皆さんご確認ください。

チャンプは>>306-308「猫の恩返し」、準チャンプは>>351「脱水少女」です。
おめでとうございます。
404園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/16 00:58:09 ID:lvCRG3dc
あ、まだ締め切り前だった。すいません。
405園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/16 01:00:32 ID:lvCRG3dc
あ、やっぱり締め切り過ぎてましたね。再度すいません。
ということで結果は>>403の通りですね。チャンプになられた方はお題をお願いします。
406名前はいらない:04/10/16 01:02:55 ID:pGyOXM4E
ムフフな展開だ。さすがだね。
407名前はいらない:04/10/16 01:03:42 ID:pGyOXM4E
いや、チャンプのことね。無駄レススマソ
408告知です:04/10/16 21:15:11 ID:fsmWGFUT
現在、詩・ポエム板では
ローカルルールの投票を投票所板で行っています
あさってまで受け付けております
皆様の清き一票を

詩・ポエム板ローカルルール投票
http://ex5.2ch.net/test/read.cgi/vote/1097851672/
409しいな まほろ ◆tYbIWmaS5o :04/10/16 21:38:38 ID:k2KqlxGS
「猫の恩返し」書きました。ありがとうございました。

次のお題ですけど、
たまには「お題なし」もおもしろいかなぁ
と、思うんですけど、どうでしょうか...。

締め切りは23日いっぱいで。
410名前はいらない:04/10/16 23:30:54 ID:GvEsFl80
 〆切勘違いしていたたぁ ちゃんぷ、準ちゃんぷあってます。

 しいなさん おめぇー!!
411園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/17 00:27:29 ID:SHuipFlL
>>386
すいません、ちょっと遅いですが、
----------------------------------------------------------------------------------
>名前はつけなかった
>この間別れたばかりの大好きだったひとの
>その名前さえすぐにはいえないほどに
>わたしは裸だったので

この世界は徹底的に女の主観で構築されており、理由は全て女の側にある。
ただ主観を構成するピースとしてのみ、彼女にとって都合のいい存在としてのみ猫は存在する。
-----------------------------------------------------------------------------------
この箇所、

----------------------------------------------------------------------------------
>紅茶みたいな色の猫だった
>傷はどこにもないのに立てないのは
>わたしがこの間失恋したのに似ていた

この世界は徹底的に女の主観で構築されており、理由は全て女の側にある。
ただ主観を構成するピースとしてのみ、彼女にとって都合のいい存在としてのみ猫は存在する。
-----------------------------------------------------------------------------------
に訂正。失礼しました。
412星屑 1/2:04/10/17 00:38:38 ID:UxgpmSxb
気付けば私の水面(みなも)に落ちたのか浮いたのか
健気に足掻く低い星は孤独
明日の雨も知れず
知らせる仲間すら無く

心は上の空
湿りに耳を垂れた

空に同じ拍子の無いこと誇りに思うふりで棘を増して
今、短い腕を
此処へ差し出せば
思わせぶりなソレに、振られること期待し
受け取るふりをして、泣かれよう

触るなと振り上がる二つを
触るなと叫びヘシ折ろう


413星屑 2/2:04/10/17 00:40:06 ID:UxgpmSxb


今夜、殴りたい誰かの
眠りを妨げることなど躊躇うから
無駄に積み上がるハザードの吃音
タイムオーバー
今や水面は底になって
どうやら明日も生きるつもりらしい

時計を見た
ラジオを消した
冬までを数え、星を置き去りにした
強かな拍子、朝方にはハデるだろう
折れた腕、霜に砕けるだろう

踏み出した外の
今日の熱は遠に冷めて
煩い星も、黙る私も
拍子ずらしつつも同じくらい惨めだ
414題名のない詩集:04/10/17 03:20:07 ID:/9SYIX13
詩は正午の水面にたゆたう光線の中にあった
詩は影がひそひそと雑談する台所で米を磨ぐ母の背中にもあった

詩は詩の中にだけあって
それは私たちが
水槽の中の水の分子を
掴もうとするぐらい
静かなものであった

私は八月の日差しの下で
詩が機関銃に打たれる姿を
この目で見た

詩は地面に倒れ
血を流しながら
咲いていた花の香りを嗅いだ

そして詩は私に微笑んだ

八月の太陽は
銃弾の音や誰かのかなきり声よりも
高く昇り

私の背中を焦がし
詩を静かに埋葬した

そして今
詩は静かに
花瓶に生けられている
花の中にあった

415自閉ノススメ 1−2:04/10/17 13:49:47 ID:CaCUnkWy
目は
固く閉じられるためにあり
口は
こぼれかけた悲鳴を慌てて飲み込み
鼻は
最後に塞がれて窒息するためにある
そのあと
検死官が死体にするように
残された
あらゆる穴という穴を塞ぎ
そして封印せよ

君たちは
どうしてそんなに
ひとと繋がっていたいのか
毛穴まで見てやろうと言わんばかりに
大きく目を開き
シェパードのように低く鼻をうごめかし
口はのべつ汚物を垂れ流す




416自閉ノススメ 2−2:04/10/17 14:02:15 ID:CaCUnkWy
君たちは何を恐れている
自分は何も信じていないことが露見しやしないか
誰からも愛されていないことは恥ずかしいから
そうやって
他人や自分をごまかし続けても
いずれひとはひとりで死んでゆかねばならない

恐怖や不安を隠す口実に
曼荼羅模様に色を塗り
香を焚き
何かの呪文を唱え
聖霊でも呼び出そうというつもりか
妖精物語(フェアリーテイル)を物語るのはやめよう

今すぐ
ポストを撤去し
電話線を引き抜き
パソコンを破壊し
携帯を海に投げよ
外部に接続するあらゆる回路という回路を断ち切り
自家薬籠中に酔え



世界ニ美シサヲ求メテハイケナイ
417ルーズ:04/10/17 16:23:11 ID:ilmWFXJG
夢に出なくては落ち着かない
故に来なくては行き着かない
おしかかるもの何から何まで 潰してく
手の上にある色んな街を 這っていく
やけに和風な服を見て じかに触るは三秒間
触り心地はどうですか 火星の表面みたいでしょう

消灯するまで 遊びほうけ
銃声きいても 遊びほうけ

そのテレビは音が出ない
昨日の夜から僕は寝ない
ヘッドフォンとってバット持って 歩いてく
胃の中にある盛んな欲を 選んでく
反対側から通るので 正面閉めては三年間
そんな気分はどうですか 苦いコーヒーみたいでしょう

感電するまで 浸かりつづけ
反省してみて まかりつづけ
1009まで はなしつづけ
しつこいくらいに それにつづけ
418壊死 (1):04/10/17 17:52:37 ID:m7pocA+l
 初冬

オリオン横寝の真夜中
赤く光る星目指して自転車をこぐ
星は無数にある 心躍らせながら

 コンビニ

熱冷ましには アイスクリームを
寄り道は何よりも楽しく

店員の男荒れた指ささくれ
舌で削り取りたい たやすく発熱

 フィスト

欲情押さえ握るはハンドル
ぶいーんぶいーんぶいぶいーん
飛ばすごとに落ちていく
私の身体は部品だらけ
欠けた所修理しないまま 自転車置き場へ
419壊死 (2):04/10/17 17:55:43 ID:m7pocA+l
 蛞蝓

壁よじるお前 隅っこに落ち着くのかい

ペパーミントのガム噛んで 
セッタの煙プカリわっか ぷううとお前にいたずら

がくりと頭を後ろに垂れ 
半分に折りたたまって 私とお前の目が合った

 家

蛞蝓が這うように辿り着く

ただいま 私 蝸牛になったのよ
剥いたら山吹色の管ぐるぐるでね

ぐるぐるくねくねの気持ち隠して
ツノは隠さないぞってなデンデンムシで ね

 身体

男の荒れた指ささくれ
触れた私の指 やがて来る狼狽の感電

出来るだけ長い時間 痺れてると良いな
少し痛いけど大丈夫 心配しないで良いよ

ぞわーと鳥肌立ち じゅくんと濡れた
溶けていく身体 忘却のアイスクリーム

―――何を心配しないで良いんだっけ
420壊死 (3):04/10/17 17:57:37 ID:m7pocA+l
 夢

眠りたくない 
眠りは死  
明日が安産を祝福しても
産まれるのは昨日までの私

夢見る度 腐っていく両の手足
べランダの隙間 白い幽霊覗いて
こっちにおいでと誘う正夢 始まる

そっちはどうですか
たいして変わりはしないんでしょう?

私の寝言に相槌打つのは離脱した私
幽霊と手を繋ぎ 誘導された空はパノラマ

見上げると星は無数で心だけが踊っていました



(終)
421贅沢:04/10/17 19:56:55 ID:gjlOeY4x
人情を感じる者達が
控え目に交わる貧乏長家で
安い缶詰と魚肉ソーセージを頬張り
万年床に寝転ぶと
何時の間にか眠つて仕舞う

働かず交わらず
欲しい物を知る事も無く
お気に入りのレコードを
摺り切れるまで繰り返し
14型のモニターで
8ビットのゲームに興じる

戸を開け放して排泄し
気紛れな風呂で垢を落とす
爪は噛み切り整へて
髭なんざは伸び放題だ
但し部屋の塵だけは
まめに捨て去り居心地を守る

電話の線は引き千切り
呼び鈴の電池は切れたまま
訪れる客は勧誘のみだが
見え見えの居留守で交わし
たまに人情ある人の
おかずの差し入れに涙する
422贅沢(続き):04/10/17 19:57:22 ID:gjlOeY4x
深夜のコンビニで漫画を買い
早朝まで読み耽りながら居眠り
日が傾いた頃目が覚めるが
其れに気怠さを感じ
また眠りに就く

たまに朝日が恋しくて
早起き等と洒落てみるが
すぐに眠気に負けてみて
スーツを見下ろし寝返りを打つ

ある日ちょっとの御馳走に
モツ鍋つついて大酒喰らい
無性に片づけたくなって
何もかも綺麗に整えてから
風呂で髪髭爪を切り
真っ新な布団に包まれた途端
眠るように息を引き取ってしまう

そんな暮らしが夢である
423かくれんぼ 1/2:04/10/17 21:34:09 ID:PU4VjLOX

隠れるところをさがしていた

新興住宅地
オフィス街
駅前広場

子供のころ遊んだ小川は
護岸工事が行きとどいて
メダカもホタルもいなくなった
近くに広いバイパスがとおって
コンビニとガソリンスタンドが一軒ずつ
街の見慣れたメイキャップ

地下食品売場
マニュアルどおりの対応
プラタナス
ふりそそぐ陽光

鬼もつらい
たったひとりで
人だけが消えた風景に向きあって
もういいかい もういいかい
もーう いーいかあーい
血の出るような
凪のような
地球の最期の日のような
424かくれんぼ 2/2:04/10/17 21:35:06 ID:PU4VjLOX

同僚の尻ポケット
見知らぬ女の子のミニスカート
うわべだけのつきあい
酔っぱらった末の醜態

ノートに地平線つっとひいて
こころに闇をこさえて転がりこんで
いい考えだとおもったけどみんなやってて
まあだだよ でも
ほんとはみつけてほしいんだ
誰かぼくをほじくりだして
肩を抱きあって狂ったように叫びたいんだ

増殖するこころの闇
増殖するこころの闇
増殖するこころの闇

明ルイボクラノミライ
425家出:04/10/18 00:38:10 ID:eS5C2sjW

世界が●
廻る

基チ外
の腕の中眠る
リバウンド、取れなかったこと思い出したりする

      ある気持ち良さ
      の殻の中眠る
      アタシはたまご
      生みの親はアマガエル

それとも世界は○?

まぁいいかと
星空が閉じる
一人ぼっちのトラベル
だって私はアマガエル

目の前 真っ暗! のしん 優しー光
426永遠の矛盾-1:04/10/18 01:55:23 ID:6NZda515
道に残る跡はもう消えました 意味を探してここまできた
探して来たから快楽の矛先 淡い気持ちが消えてゆく
無理して目的を作っていた そうでもなければ怖くなってた

時に他人に比べられていた 私は他人と比べられた
私は違いは比べられずに 同じであれと言われてた
道は多いと信じてる 同じ考えだから認め合えた

大胆に我侭に悲しく歌って 誰にも影響されない美しさと
自由に使える時間がなくなってきた
伝えたい その気持ちが変わってゆくのが怖い
終わりがきたら過去になるから 
終わりがきたら過去になるから 

*先代の人間はこう名付けました 使い古された言葉永遠と言う文字
私は永遠の姿が掴めない 一度は理想と重ね合わせますか
終点を消すのは全ての夢です それは必ず共通する事なのです 

*人間は全ての対象を時間と名付けました 時に過去を思い出します
一生愚かに道の先を予想し続けるのです 決定された事です永遠に
時がぶつかる時人は文字に変え残します そして沈み夢を見るのです
故人は大木を選び刃物で刻み今に残りました 永遠に愛していると
さてそれはロマンなのでしょうか
427永遠の矛盾-2:04/10/18 01:57:33 ID:6NZda515
道に残る跡は形を変えた 期待を求めてここまできた
求めてきたから今を振り返る 夢が静かに散らばって
こうやって目的を考えていた 期待されるだけ嬉しかった

時に他人に求められていた 私は他人と求められた
私は違いは求められずに 同じであれと言われてた
違う道を進んでいたい 同じ気持ちだから尊敬し合えた 

誓い合いたい求めたい軽く踊って 永遠散らばる美しさと
自由に使える時間がなくなってきた
伝えたい その気持ちが変わってゆくのが怖い
終わりがきたら過去になるから 
終わりがきたら過去になるから 

*目で見てください手で触ってください 人は言葉を覚えました
音を変え確かに叫ぶのです 先代の残した言葉で鳥のように歌うのです
それは全てが揃っていますか そして納得して使えているのですか?

*永遠は人間の憧れです 人は必ず求めています 必ず
期待は終わることはありません 永遠の歴史から断言できます
永遠は憧れなのです 憧れだから理想は美化され飾るのです 永遠にそれは決定された事

大胆に我侭に悲しく歌って 誰にも影響されない美しさと
自由に使える時間がなくなってきた
伝えたいその気持ちが変わってゆくのが怖い
隠し通せるものじゃないから
隠し通せるものじゃないから

分かり合えるかな,,, 分かり合えるから,,,
428宇宙:04/10/18 15:45:28 ID:x63mBGr+
左右対称な 真っ白の部屋に
足を踏み入れた一人の男

無造作に煙草を咥え 
四角い部屋に黒い煙を充満させる

すると
部屋の隅の寝台から 1人の女が
黒に包まれた男を見て 微笑んだ

みつめあう 2つの裸の瞳 

そして 女は 太陽になった
そして 男は 月になりたいと思った
   




429世界標準:04/10/18 23:26:20 ID:Vjhc4oDU
ぼくがきみのなかにはいろうとする
きみがぼくのなかにはいろうとする

からだの奥からあふれるもので
たがいのからだをけがしあう

このしとねは僕らの帝国
奴婢どもよ
宦官たちよ
花を!
花を!
430むくい(1):04/10/19 00:21:15 ID:KAYd0Qls
この椅子に座らされるときほど
神経が研ぎ澄まされるときはありません
白 薬品の匂い 金属音
目の前に迫ったマスクの男
目標は右奥 噛み合わせ面
「口開けてくださーい」

普段はぼっとしている頭が
逃げ道を求めてフル回転する
逃げても仕方ないって 観念しろ
でも一応退路確認 窓 窓辺の観葉植物は
患者を慰めるためか 枯れてるぞ
BGMにはリラクゼーションミュージック
やめてジムノペディは怖いから
あっ今歯医者のお腹鳴った、グルルって
面白いなでも笑う気になれないぞもし笑ったら憤った歯科医師は
患者に対しより苦痛を伴う治療をなんつってでももしか
「山田君 リーマー取って」
431むくい(2):04/10/19 00:22:22 ID:KAYd0Qls
悪いのは私です
根幹治療のし途中で 入れた予約もすっぽかし
四ヶ月間逃げてたのですから
その間おやつは毎日欠かさず 甘いものばかり
「あ、ここ痛い? こうすると? あすごく痛い へえ」
思考あえなく停止

シュークリームとか好きです
チョコのかかったエクレアなんて最高です
お行儀が悪くて恥ずかしいんですけど
紅茶片手に本とか読んでゆっくり食べるのが幸せです
こんな苦行はなんのためって
ひとえにまたあの至福を味わわんがためなのです
ですからここから解放されたら一番に
スーパーマーケットに寄って帰ろう
今日は食べられなくっても
二個入りの洋菓子を買って帰ろう

歯医者がよそ見をしている!
432A false man:04/10/19 01:06:08 ID:FOD1Xy+9
ステージにあがる
ギター一本持ってゆっくり中央に向かっていく俺に
拍手は疎ら

客には顔がなくて
男か女かもわからなくて
それ以前にやたら暗い

俺は
予定通りに愛を歌う
作り上げた愛を歌う

予定通りに希望を歌う
ありもしない希望を歌う

今流行のロックに合わせて


聞こえてくるんだ 
クスクス笑う声
誰が笑っているんだ


お前らが望むような 愛や 希望を
俺は歌いたいとは思ってねぇよ

沢山の人がいる その中心で
歌いたかった
叫びたかった

孤独と悲しみを
433名前はいらない:04/10/19 02:36:17 ID:qCT4hEgy
生まれて毛が生えて

死ぬ前には毛が抜ける

人生と毛

私と孫

同時に生きている
434ない   1:04/10/19 02:56:55 ID:7zzhA+PL
無いのである
青空は雲一つ無く陽はすでに高く上(のぼ)って
寝坊して出遅れた鳥の一羽も飛んでいない

おろくは既に運び出され
めぼしい証拠品も持ち出されて……あとは
犯人を挙げるだけである

鍵のかかった部屋の中で首のあたりを
一突きにされた被害者に殺されるような問題は
見当たらない
鍵を持ってる関係者(……家族である)にも
父親や夫を殺すような動機は
近所を聞き込んだ範囲では
なさそうであった

被害者が部屋のカギをもう一つ
持っていたと言うことも考えられるが……
それならば
犯人が犯行のあと被害者からカギを奪って
部屋を出て鍵をかけた
435ない   2:04/10/19 02:58:52 ID:7zzhA+PL

山沢刑事はふらふらと表に出た
あてもない
少し離れたところに駐車(とめ)ておいた
車に向かう
あっ 無い! 駐車ておいた覆面パトカーが無いのであった

そのとき歩いてきた女
依平律子は車がレッカーで移動させられるのを
目撃していた
しかし
今は それを告げてあげる親切心は浮かばなかった
そんな心のゆとりはないのであった
もう 三日も無いのであった

考えないようにしても胸の内はないないないで
一杯なのであった
普段なら
レッカーと言うくらいの気安さは持ち合わせる
律子であったが
すたすたと
山沢の横を通り過ぎた
436ない   3:04/10/19 03:02:30 ID:7zzhA+PL

静かな住宅街の道端
見る人の一人も居ない男女の
すれ違い
二人は二度と合うこともない……であろう
したがって
物語も続かないのであった
437戦場:04/10/19 15:02:07 ID:+vf658zP
僕は
お前は
何をしている



僕の隣で君は高く昇っていった
君は僕よりえらくなった
こういうのは名誉な事らしい
うれしいか
うれしいか

でたらめに 
魂の抜けた血の荒野を歩いた

ここはどす黒い感情が渦巻いていて
誰かさんが流れを作って
表向きはそういう事になってる

それに従い 対峙する
僕と
お前
何をしている

地上とは対照的な空の青
何をしている



僕は
お前は
人間を喰っているんだ
438ツリカケ死ス:04/10/19 17:40:09 ID:ZZRvJ/q1
今老兵は
うめきをあげ
死への階段を昇ろうとしている
雨にも負けずに
叫びながら
駆け抜けた老兵は
消えようとしていた

台風の風の中も
雪の降る夜の中も
孤独に単線の線路を駆け抜け
負けずに叫びながら走りぬいた
あの勇姿はもう面影もなく

涙を流していた乗客
希望を抱いた青年
感情の雨で錆ができた
でも文句を言わずに
「プーン」と独り叫び走った
439ツリカケ死ス その2:04/10/19 17:40:50 ID:ZZRvJ/q1

雨にも
風にも
針のように突き刺す寒さにも
燃え出しそうな暑さにも
負けやしなかった老兵も
時代の渦に勝つことはできなかった

駅のホームに
ひっそりとたたずみ
最後の時を迎えようとしていた
老兵は
カメラのフラッシュに見送られ
別れの雄叫びを上げて
最後の旅へと走り始めた

老兵は今
音も立てずに
静かに息を引きとろうとしていた
最期の時は目の前に
あの叫び声は
消え去ろうとしていた
440ぼくのふたり  きみのふたり:04/10/20 12:08:38 ID:1NFvYkGr

君がぼくを見ている
期待の笑みに 
面倒くささと発奮でこころが割れる

そう自分で書いてから ぼくは間抜けにもびっくりする 
何だろうこの3行は どこから来た
ぼくのこころはあの時確かに割れたが だからって漢字もひらがなも飛び出してきやしなかった

憤りとあきれがいまは仲良くこころに同居しているが
かれらは沈黙を保ったままだ
いつでも動悸と息切れでのどを鳴らしているのはこのぼくの表層

時間を切り取って
手に取って眺めてるだけで人生が済むなら
ぼくだって黙ってどっしり構えていてやれるんだが

残念ながらあしたがいつもやって来る
そしてそいつにところてんみたいに押し出されて
世界中で一つ一つのものは結果へと近づいていく
441(つづき):04/10/20 12:09:27 ID:1NFvYkGr

さてこのふたりはわかれていくのか
それともだんだんくっついて
ケミストリーをおこすのか

結局世界中でやった何兆回のすったもんだに消えてしまうはずなのに
当座のこころはお構いなくぐるぐると遠心力を増して
世界中なんていう言葉そのものを遠くかすませてゆく

本当は公園の鳩みたいに無言で尻を追いかけまわしてやりたい
でもふだん言葉に頼り切っているからいま言葉は試されている気になる
ぼくと君はまるであの――

弾力的な財と需要曲線? n数と一般項? メキシコ銀と一条鞭法? 力積と運動量?
すし詰めの電車でめくらに手を伸んでどこかの尻を撫でさするようにして
人間の口はいそがしく動き回り自然科学や人文科学を吐き出す 

結局学校や新聞はなにも教えちゃくれなかった
ふたりの秘密はただイギリス国王のように象徴の道を辿る
毎度のことながら 浮き立つこころだけが行儀よく無言
442(つづき):04/10/20 12:10:23 ID:1NFvYkGr

さてこのふたりはわかれていくのか
それともだんだんくっついて
ケミストリーをおこすのか

結局世界中でやった何兆回のすったもんだに消えてしまうはずなのに
当座のこころはお構いなくぐるぐると遠心力を増して
世界中なんていう言葉そのものを遠くかすませてゆく

本当は公園の鳩みたいに無言で尻を追いかけまわしてやりたい
でもふだん言葉に頼り切っているからいま言葉は試されている気になる
ぼくと君はまるであの――

弾力的な財と需要曲線? n数と一般項? メキシコ銀と一条鞭法? 力積と運動量?
すし詰めの電車でめくらに手を伸んでどこかの尻を撫でさするようにして
人間の口はいそがしく動き回り自然科学や人文科学を吐き出す 

結局学校や新聞はなにも教えちゃくれなかった
ふたりの秘密はただイギリス国王のように象徴の道を辿る
毎度のことながら 浮き立つこころだけが行儀よく無言

443名前はいらない:04/10/20 12:11:32 ID:1NFvYkGr
ダブった >>442はなしで スマソ
444:04/10/20 13:43:11 ID:9k0RZw/i
東京ドームの上を父と散歩する
ポヨンポヨンと跳ねて歩きにくいね
ちょっと端っこの方を歩いてみようか
「見てごらん、素晴らしい景色だ」
うん、素晴らしいのかな
俺東京には高校の修学旅行でしか行ったことないから
どんな景色かわかんねぇ
富士山は見えるのかな
東京タワーは見えるのかな
そもそも東京ドームってどんなところにあるんだよ
よくわかんないから残念ながら描けない
こっから数行、素晴らしい東京の風景をいずれ記述するつもり






445:04/10/20 13:43:37 ID:9k0RZw/i
「な、綺麗だろ」
父は年甲斐もなく跳ね回り淵に踊り
そんなに端っこに行くと危ないよ
と声をかけようとした瞬間
父は「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーー」と叫び声を残して消えた
「あ」に濁点だ
どうやって発音するのかは不明だが、聞くことには問題ない
ちょっと声出してみて、しわがれた「あ」
多分それが「あ゛」自信ないけど
かなりに醜く素敵に不気味
声の主は消えちゃったのに、下に落ちていくのに、声は上がってくるんだぜ
正確には「ぐわああぁぁぁぁぁ」だったかも知れないが
俺の脳にはもう「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーー」でインプットされてる
悪夢としてな

いや実際に夢だったけど

あ、ちょっと待って、オチを考えるから





いや、こんなに余白はいらないな
(余白)これで充分
さて、俺は充分悩んだわけだが、いまだオチが思い浮かばない
もう2〜3日待ってほしい
446「死化粧」:04/10/20 17:51:31 ID:llTr4sAi
何も語らない
冷たい母の躯
幼い二人の乳飲み子は
どのように捉えるのだろう

白く美しい肌に
生える紅
彼女の長い睫毛は
もう瞬くことはない
ただ匣に横たえている
不思議なことに
綺麗な黒髪は生前と
ほとんど変わらない様に見えた

双子はそこにいた
お揃いの黒いワンピースを着せられて
新品の服がうれしいのか
二人ではしゃいでいる

手をつないで仲良く
母に駆け寄る姿
彼女らは無邪気に言った

「ママ、綺麗だね?」
447「死化粧」2:04/10/20 17:51:59 ID:llTr4sAi
彼女はモルヒネで呼吸困難を起こしながら
細かい汗をいっぱいかきながら
苦しんでいる姿を見せたくないと
酸素マスクの下で呟いていた
眉間の皺は日に日に深くなる
青くなっていく女性
SPO2が下がって機械が悲鳴を上げて
それでも彼女は綺麗に見えた

「あなたたちのママは世界一綺麗だね」

双子の小さな手が
彼女の冷えた頬に触れた
あれだけ苦しんだのに
なぜか微笑んでいた

頬にも紅が差した
それは気のせいだろうけど
448「明日に感動のおまえら」:04/10/20 20:15:24 ID:+4Nn4eyU
明日に感動でぼくらは おれらは
感涙で おもいもよらぬ空虚な気分
いつものいつもの様だといっつもこんな感じだったと
声を殺し合い 嗚咽が孤独に響いて 更にぼくら おれらはなんでも食った
それ以外は 悠も越えて 肺も得て
ああなんていうことだろうと 何度も 何度も 考えはそこで止まって
更に更にぼくら おれらはなんでも食った
腐った赤貝の後光を受けて おまえら輝いてた ぼくらはうらやましくかった
おれの猿股もええ加減だ 飲み水に浮かぶ魚の目玉 

反比例に勇気が愛が んで永遠のような一日
最低だ 最高だ 電車で 車で 徒歩で ああ 憂国 
禁じて こうじて 金が無い こうして 皆分かれて 殺しあった
気がちがった 顔を天に 名画のわるいやつら!
おれらああなりたかった おれはもっとああなりたかった
遊歩道の上
観光バスのナンバー
公園のベンチ
エスカレーターのモーター
便所のワイン
見捨てられない国に 欠かせない電気。
へへへ でも 屑を食ってらねがいさげ 舌腐ってますか わかりませんか?

──あなたが 風邪薬を飲みすぎた


夕べから付き添っている犬/が部屋の中で           床
居ない主人の影を踏み走り/回る                  空間
ベッドの下で眠る引き出し/の向こうから声を             空間
テレビの多重音声のように/複成させて                  空間
                                             床
カーテンは閉めたまま/窓の外から途切れて               彼女
テーブルの上に猫の形/の影が見える                 空間
彼女が挟まれた空間は/コンクリートの壁と            空間
断熱材という嘘の塊に/並べられた               天井

階段は逆らせん状に/ベクトルを向けた            床
その段差を不定期に/更新させて                  空間
上ってはドアの向う/で平地を生み出して                空間
何人もの空想がそこ/で酒盛りを始めて                   空間
                                              床
酒瓶が垂直に立て/られたその図形を                    酒瓶
浮き上がった風が/つかむことなく                    空間
少し冷めていた酒/の臭気を引き連れて              空間
視線とともに雲を/突き上げていく中で             空間

                         
   その 彼ら皆が想定しようとした視点         月


ビルの上で/空に
向かって/酒だ
酒を空/に
掲げ/
て/

                       一斉に飛び上がって
……空が反転した
                       一斉にぶら下がることができる

雲\
のな\い
空の下\で高い
ビルの最\上階から
駆け下りて\叫ぶ彼ら


   いま 視点の足元にある下弦が5つ         月



ビルの羅列の間を\駆け抜けてゆく声と            空間
雪を呼ばない軽い\風さえ隙間をうならせ             空間
それでも踊り場は\それらを遮っては                 空間
子供達の駆け下り\る反響と振動を寄せ                 空間
                                             階段
昔から気にしないでいた\だけの窓の下で                空間
蹴られた石がドアに跳ね\返されて                  空間
猫はのっそりと夏から這\い出て背伸びをして          子供
部屋の中を見回して四隅\を埋めに行く            床

カーテンは開けられたまま\外が見える            天井
向かいの窓に映る光が犬の\影のように             空間
何も遮らない色のない高さ\の床の外には              空間
足の置き場も見当たらない\ほどの人の頭                空間
                                             床
部屋の中で電灯の切れた空間\から                    空間
テレビの映像だけが明るさを\くれて                  空間
広げたままの布団の中でいま\寝返りを打ちながら       布団
眠れないでいるのはいつもの\こと               床


──ぼくは 風邪を引いていない
452'''スリープモード...:04/10/22 02:19:01 ID:6bZ3Cz4V
      日当たりのいい部屋
                    カーテンは 閉めたまま

  布のあいだから
          沈澱するひかりに

    うっすら     ふり     つもる
                           ほこり


          なにも 考えない
                   メールは 返さない
    めざまし時計は 2時間前
                     たしかに  ちかちかと 七色に ふるえたけれど
              決めたのだ
                        今日は わたしだけのもの


  誰かの 話し声
            どこかの テレビの音
      車の排気音
               アスファルトを砕く音
                            
             空気の底にひそやかにながれる音楽は
                               あたたかい   水の中にいるように
         くぐもって 
                    きこえる


      …毛布のなかで   ひとかき..
                       もうすこし 深く 潜ろうか…
453硬直(1):04/10/22 03:15:41 ID:m+iorav7
このまえ教えてもらった場所に投稿して、
そしたらいろいろ言ってもらえて。うん、ブックマークした。
スレッドをブックマークしてもそのうち消える? あ、そう、
はかないんだね。

今回のお題は「お題なし」だって。どうしますか。
決められたテーマはありません、自由に書きなさい、
ということだと、これ書きようないよ、だってさ、
おれ詩人じゃないもん。詩人ならいつなんどきでも書きたいことあるでしょ、
溢れ出てくるでしょ、それはまるでエーゲ海のようだった。てぐらいに。
おれはどちらかというとテスト用紙配られてから実力発揮するタイプ。まあ、
いなかの優等生です。
言うなれば、詩畜ですか。人にあらず。イヌですよ。飼ってもらってなんぼの。
イヌでも偉くはなれるけどさ。
忠犬ハチ公なんてそうでしょ。人間だと
天下の副将軍、水戸光圀公であらせられるぞ、頭がたかーいっ、ぐらいしか公つかないよ、いまどき。
で、伏せをするハチ公。しかし、
黄門さま御一行はハチ公に対してそれ以上の勝利は得られませんよ、けっして。
ハチ公に獄門ハリツケなんて言い渡そうものなら、背後の動物愛護団体が騒ぐよ、
生類憐れみの令違反で今度こそ摘発されるよ、この場合には最悪、番組スポンサーが降ります。
もうこうなると、死んだと思われていたハチ公の主人がじつは黄門一行に助けられて生きていた、なんて、
むりやりなシナリオの変更しかないだろうけど、これはハチ公側が拒否。
「勘違いしてるよね、オレのキモチってやつをさ。わざとやってるんだったら許せねーっていうか。
 いまさら帰ってこられても、
 じゃ、待ってた十年間ってなんだったの? ってことになるじゃない? 
 それよりもそっちにうっかりナントカっている? オレと同じ名前の。気分悪いよねえ。
 けずれ。その部分。そう、うっかりベエにしろ、な。今回はそれでいいよ。
 あと、夜に渋谷来たら、正直、ちょっとオレでもおさえられねえかなって。仲間、大勢だから。いつも周りにいてくれるし。
 すっげーいいやつらだけど、オレとの友情? ちょっと大事にしすぎるから(微苦笑)」
渋谷の忠犬と水戸の副将軍の闘争は、権力基盤を営利的TVショーにしか持たない後者の自滅という結果に終わりそうです
って、あなた、もうほら、こんなことに。
454硬直(2):04/10/22 03:16:57 ID:m+iorav7
じゃあ、「お題なし」というお題が出ましたってことにするよ。これは
自由に書きなさいという意味じゃなくて、自由について考察しなさいという意味で、
私は、自由という言葉からは自立を試みる青年の気概と不安を連想しました。では、本編をどうぞ。
   ぼくの前に道はない ぼくの後ろに道ができる
はい、いきなりパクった。しかもうろ覚え。もっと言えば教科書の詩しか読んだことない。
だってさ、詩を読むのってたいへん。読み手が責任を負わされるし。
どうしてそこにその言葉が存在し得るんですかっていうね、
詩はその説明しないから。世界といっしょ。世界自体は世界を説明しないから。
道端で石ころ拾ってもさ、但し書きないでしょ、見たことない。「あなたの掌の上の
石ころの質量はCP対称性の破れによって保存されています。あなたの掌に当たる
石ころの質感はシュレディンガー方程式の線形性によって一意の現実であると保証されています。それでも尚、
石ころの存在に疑義を呈す深刻な事由があると認められる場合に限り、なるべく早期のビッグバンに於いて
来世を修正致します。また、平行世界の類似品にご注意ください」
とか。
そういう親切なラベルの貼られた石ころなんて拾ったことない。
世界が実在することの証明は素粒子物理学者に任せるしかないのであって、
詩もさ、言葉の相互作用から詩を見出せる人たちが他にいるようだから、
彼らに任せちゃって、世界も詩もほんとにあるんだって安心していられます。世界と詩が実在ならば
自分が現実に存在してるかどうかなんてたいした問題じゃないと思う。我思う、ゆえに我あり
とも言うけどさ、自分と自分以外のものが自分の想念の中にしか存在しないのであれば、
なぜ、物理で100点とれないんですか、ここで3点3点3点、満点ってならないんですか。
世界も詩も、もっとうまく創れよ、おれのばかばかって思わなきゃいけないので、それは勘弁。

どうしよう、おなかいっぱい。いいか。
では、本編を(タイトル:自立神経失調症)。
   ぼくの前に道はない ぼくの後ろに道ができる
   そういう人間にわたしはなりたヒ
455父の詩/死(1):04/10/22 06:59:17 ID:SpAo5WXN
小さな 五つの 生き物の ように
さざめく うごめく 黒 そのものの
それは
盛り 撥ね立つ 蛆の虫
それは
変わり果てたる 父の指

彼は 丸まる
ダンゴ虫の ように
父は 黒ずむ
ゴキブリの ように
縮む 融ける 消えゆく
塩を 浴びた ナメクジの ように
見えない光を 浴びせられ
真っ白な ベッドの 上を
不様に もがいて のたうち回る
456父の詩/死(2):04/10/22 07:01:02 ID:SpAo5WXN
寝たふりを していた 子の
小さな 額に あたたかく 置かれた 父の 掌
一言の 言葉も ないままに
それから 十五年

心の 中で 父は
瞳の 前で 父は
変わらぬ 姿 変わり果てた 姿
どちらの 姿で 死のうと いうのか
あれから 十五年

泣くことも 吐くことも できず
殴ることも 愛すことも できず
子は 父の 死を
そっくりな 瞳で 静かに 静かに
冷たく 見つめて 立ちつくす
457父の詩/死(3):04/10/22 07:01:30 ID:SpAo5WXN
たった一滴 涙の ために
あるはずの 言葉を 探しながら
子は いつまでも 立ちつくす
父は
もう 何も 見えない 眼球を
さまよわせ さまよわせ さまよわせ
そうして
十五年ぶりの 父と 子は
二つの 死を 死のうとしていた
知ろうとしていた
変わらぬ 変えられぬ 定めと
変わり果て 取り戻せない 定めを
458名前はいらない:04/10/22 13:18:57 ID:Cf1UeTzl
詩は どうやって捉える
古い鞄の持ち手はもう擦り切れて しかし一途に抱きしめる
遠い草原でかつて死んだことには気付かず
もう内臓の温もりも忘れて

それが 人の詩か
しつっこくこびりついた一点の染みか
人の呪い 死の知らせか
 土に還れ 還れ土に

太陽は回転し人間は回転する
地球は回転し人間は回転する
日が照り笑い声が聞こえる 
  詩はそれを損なう  詩は

詩は どうやって捉える
なぜ託す
お前は喘ぐ子を抱きしめる母の腕か
悠久へだつ御神木か

けれど 病の救いとなれぬ腕だ
そびえ立たない大木だ
詩よ 回転せよ
産声をあげて回転しやがてひっそりと土に還れ
459おまえ:04/10/22 22:21:09 ID:mVbrGhDy

おまえがみつからない



おまえよ
おれはおまえがいないとだめなんだ

おまえがいないとおれの感情は
制御装置を持たないことを忘れたのか!


おまえよ
おれをもう少し受動的なままで居させてくれ

おれは寝ていたいんだ


おまえよ
おれの愛を催促してくれ

頑強でデリケートな俺の魂に腐敗と貧困をぶち込んでくれ


おまえ
おまえがみつからない 、ああ

460おまえ(2:04/10/22 22:22:14 ID:mVbrGhDy

おれはいまから俺の額の青い目玉を抉りぬいて
宇宙に放り投げることにする


全世界衛星生中継で探そうと思うんだ 、おまえを


おまえよ
俺を支配してくれ、、、、




おれは
まだ信じられぬ
えいけつの朝は
はたして今日なのか
おれは
だめだ おまえが
いないと、
だめだ
       」
          
            おまえがみつからない



461sad song(1:04/10/22 22:31:24 ID:I+UxDznl
繋がりの薄いこの世界で
見えない悲鳴をあげている

行方の重ならないすべての場所で
誰かの両手を求めてる

風が過ぎ、風見鳥が空回る
方位磁針のように
どこかを示す事はない

街頭で血を売り、
冷たい瓦礫を手に入れる
そいつを壊すと
甘い香りが漂った

優しい夢、柔らかな肌
すがる様に迷い込んだら
切り裂かれるように目が覚めた
462sad song(2:04/10/22 22:32:01 ID:I+UxDznl
絶望はすぐ隣にいて時々話しかけてくる
…また距離がつまる

どうするのかは、あなたの勝手
どうしたいのか、あなたの自由

どこへ行くかは、あなたの勝手
どこに行くかも、あなたの自由

なにをしてても、あなたの勝手
なにもせずとも、あなたの自由

ただ
行方の重ならないすべての場所で
誰かの両手を求めてる

ただ
繋がりの薄いこの世界で
愛されたいと願ってる
463”移動可能な双方向通信社会”:04/10/22 22:58:03 ID:tabbSMui
街角で、携帯を持って喋っている男は、
自室でこっそり笑う少女とつながっている。
暗い道で語る男は、彼女の知らなかった世界を
ささやいているのだろう。
少女が2階で”女”の笑い声をたてている。
お菓子の箱詰めらていたキャンデーは
バラバラにばらまかれてしまった。
そのもろいセロファンの包み紙で、
世の中を渡っていくんだろうか
ほどけてはしまわないのだろうか
中身が雨に打たれてはしまわないのだろうか。
”いつでも、どこでも、誰とでも。
会話も、文字も、画像でも。
監視の眼の届かない通信が可能です。”

オナニーを覚えた猿が、
監視の眼のない部屋に棲み付いたんだ。
揺るぎない個である自信など、どこを探せば出てこようか?
自分を常に律することなど、できるはずもないじゃないか。
回線をはさみで切っちまえ。
携帯を川に投げ捨てろ。
背中を向けて携帯にメールを打ち込むあいつの頭に
くさった花瓶の中の水をぶちまけろ。

手に届く、手で触れる人間が、柔らかい体のままでここにいる。
こっちを向け。向けよ。気持ちの全部でこっちを見ろ。
独りにならないで欲しいんだ。独りにしないで欲しいんだ。
こっちの頭が固いのか?  ああ、そうだよ、原人なみなんだろうな。
複雑な人生には向いてないんだよ。
あったかい肌と、真正面から見る目と、よく働く手足が好きなんだ。
お前の全部がいるんだよ。 こっちの全部も使い切ってやる。
固くて、手でつかめる人生が好きなんだ。
464作品が創れない夜:04/10/23 00:15:42 ID:iKkFYUcD
書けば書くほど嘘になる
長文スマソ的な詩文の羅列
なぜにそんなに奇をてらう
正しい言葉を一つ二つ
ただそれだけあればあれば良い

こわいね
こわいさ

え?何がいいたいかって?
無題って難しい
詩って難しい
そう思っただけさ

書いては破いて捨てたのか
思い付くままエイヤと送信したのか
君背中が透けて見えるよ
あれれ、怒ったのかい
気にすることはないさ
所詮「詩で遊ぼう」さ
壊そうよ
壊そうぜ

でも
創れないよ



もう寝るよ、おやすみ
465「何か創る」の始まり:04/10/23 00:51:04 ID:5E+ZoQi6
南からは油と血の匂い

西からは重厚な機械音

北からは寒さの凍える子供達の喘ぎ声

東からは

東からは

東からは    何も聞こえてこない

だったら東に行ってみようか
なんだったら俺がなにか起こしてやるよ

神様がそんな俺を見て笑ってやがる。
466純愛に恋する汚れた手:04/10/23 01:55:55 ID:XdL40Dpi
私に注ぐ光は固体で だから手に触れれば
さらさらと音立てて 流れていくのでした 

それはとても とても 素敵な心地で
まるで 愛しい人に抱かれて眠る夜のよう

けれど私には 心決めた人もおらず
そのような心地は 本当に久しく絶えて・・・

一人で感じるこのような光の感触は
幾ら心地よいとしても 誰かの肌を
恋しく思わせるのです 誰とも知れず

それはとても虚しくて このような時でさえ
寂しさを感じさせるのです 強く 強く 
誰かを愛したいと!


467「蛍の湖畔」に集う言霊たち(1):04/10/23 02:49:21 ID:WVmR5J+c

 今日も 意味のない言葉たちが いたるところで生まれゆく
   そしてそれらは この街の忘れられた死角の闇に予定通りに散らばり 
     そのままほこりにまみれてゆくだろう  
   
 その一方で
    
 今日も 輝きを放つ言葉たちも この街のどこかで生まれゆく
   そしてその言葉たちのいくつかは 理由もなく炎のような言霊となり 
     どこか遠くにあるそれぞれの思い思いの場所へと向かう
  
 
   
―そしてこれは、
無数の蛍が飛び交う湖畔へと辿りついた
4体の言霊たちの例である
468「蛍の湖畔」に集う言霊たち(2):04/10/23 02:51:34 ID:WVmR5J+c
―最初のお客様(言霊1)
 静か過ぎる水面と 夜空の間を右へ左へと這いまわり 
 木々に溶け込みそうな月の光に身を浮かばせ  
 私は艶やかに言葉を発した
 「あらあら 私としたことが すっかりごぶさたでございましたわね。
  もっとも ここでは時間の流れ自体が無意味なことなのかもしれないけれど。
私と私以外のすべての言葉たちへ… 清く 厭らしく 美しく あれ」

―2〜3番目のお客様(言霊2、言霊3)
 (遠くで何かが聞こえる)
 「う〜ん、子供の名前は何にしようかあ〜〜、
             やっぱ今風の格好のいい感じがいいよなあ おまえ」
 (僕はその時 初めて`何か´を感じた気がした)

―4番目のお客様(言霊4)
 蛍がコウコウと光るから 飛び交う言葉たちに花を添えるのです
 遥か高い夜の色を映し出す湖面を眺めながら  
 私は素直に言葉を発しました
 「ふふふ とても綺麗…」  
  
 その言葉は蛍の洪水の中をうねるように通り抜け
 羽を持つ者のようにふわりと 湖面の下へ下へと舞い降りた
 そしてまだ陽の下で生きられぬ異形の言葉たちを包みこんだ
 「…またお逢いできますよう」

―湖畔の主(言霊5)
 (ふむ 今日は4名の来客でしたか)
  空間ヲ       我のスベテハ
    チガッタ空間ヲ      感じるコトガ   
      我と違った空間を       感じることが我の全てである

 (さて今宵はここらへんでお開きにしましょうか)
469てるあき ◆DDfwggPC.. :04/10/23 08:06:37 ID:ruJ/G5GR
締め切りまで残り16時間をきりました

今夜の24時に作品投稿は締め切られます
参加予定者はお早めに

審査は明日24日(日)0時(今夜24時)開始で
26日(火)24時(27日0時)審査終了です
470名前はいらない:04/10/23 21:30:00 ID:zeoRNt5P
sultugo-1
471名前はいらない:04/10/23 22:04:26 ID:dg51TxkZ
掻けば、掻くほど、血が滲む
インクだけ、飲んでれば
腹黒くなるだけの、説話集
しょせん文字なんてそんなものさ
だから
曲線と直線を羅列させ、縦列歩兵隊で
墺太利継承戦争
を再現しちまえ
諸兄、大王の再来さ
いや
むしろ内戦だよ、免疫物質と
脳内麻薬の、死骸だらけ、永遠の
咲く、フラワーフラワーフラワー、
ああ花ってのは
あー
なんというか
"くそやべえ"
と狼少年は叫びつづけたり
中断したり、まあ狼狽して
敗北したあげく、
数億匹の音符をズボンに
しみつけた虐殺を
俺はなんども繰り返して

音圧にしびれながら
でもアンペアは感じない
畏れよ、そして踊れ
おっさん、今流れてんの
アレだよアレ
マーヴィンゲイとか、星
472471:04/10/23 22:09:38 ID:dg51TxkZ
↑ちなみに、  "名前はいらない"が題ってことで宜しくお願いしますね。
473嵐の後で:04/10/23 22:49:11 ID:/JZQn/oy
もうじき暮れる街の中

風の妖精が通り抜けていった
沢山の人間の間を
倒れた木々の間を
元巨大ビルの間を

人間達は命の儚さを嘆かず 前より大きくなった流れに向かい石を投げた
土の精は何かを黄土色に染め あるいは誰かと永遠に添い寝した
空は愚者の太陽を取り戻し すぐにそれを覆い隠すように暗い色のコートを着た

空がコートを着終わった頃 精霊達の宴が始まる
真の静寂が訪れる頃 精霊達が風を傷つけずに歌う

既にその眼を閉じた街には響かない

全ての生命のためのレクイエム
474パラドックス:04/10/23 22:56:57 ID:sDwCaxec
僕はただ、浮いていた。
忘れ去られた昨日の空で。

光を打ち返す事も知らない この透明な羽を
そっと震わせ ただ回るだけのつむじ風をおこし
それは誰かの指に絡んで かすれた思いを残していった。

醜いものを受け止めて はかない物だけ追いかけて 
埃の中を意味も無く サワザワと彷徨っていたんだ。

そんな昨日は過去となり 羽は薄まり虚空に消えた
僕はにぎやかな街の明りを讃え 晴れやかな笑みを浮かべ
時には友と喧嘩して 一寸(ちょっと)後には抱き合って
みずみずしい果実のような毎日を暮らしてゆくのだろう。

それでも、いつか脳裏に浮かぶ事もあるだろう。
何月何日かの昨日という、錯覚に満ちた一日の記憶を。
何月何日かの昨日、確かに僕が蝶であった事を。
閉じかけた時の狭間に、きっとそれは眠っているだろう。
はかなさと孤独に溺れて、宙(ちゅう)に浮かぶような恍惚感。
人である暮らしの中では到底、感じる事のできない感覚。

はかなさと孤独に溺れ、サワザワと宙に浮かぶ恍惚感。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

某スレで既出御免。
475憂歌:04/10/23 23:12:18 ID:BgjE944v
粘膜の空洞に
突入させるなら首
首の長い男ではなく
長い男の首がいい

そんな気持ちになるのは朝が閉ざされているからだ
カーテンを開けろと
命令するのは首
やはりお前なのか
長い男の首め

隣で寝ていた筈の女からは女のレッテルが剥がされていて
それはもはや女ではなくなっている
昨日、確かにそこへ向かう環状線がまわりつづけていて
一昨日まで、俺は確かにまわりつづけるカボチャの馬車に乗っていた

俺はいま
満たされているから詩が書けない

サブリミナルを意識する男よ
首を振れ

硝子のスニーカーを掴んで俺は胸を打った
強く打ちすぎた
やばい! おとぎばなしの中へ入るぞ
死んでも飛んでもシンデレラ

     あー カラオケ行きて

サブリミナルを意識する男よ
首を振って出せ音を
突き刺さり臓物揺さぶる音を
476:04/10/23 23:19:04 ID:HDAhc8Gv
お父さん、駄目でした、間に合いそうもありません
あれからしばらくあれこれ考えましたが、
あのことについて考えるたびに、ぼくは何も見えなくなるのです。
頭に黒い靄がかかっていて、その靄は段々大きくなりながら、
そうまるで意思を持っているように、
まだ靄のかかっていないところでじっくり考えようとしても、
ゆっくりではありますが、じわじわと真っ黒に塗りつぶしながら侵攻して来るのです。

「真っ黒クロスケ出ておいで」

いや、ぼくの頭にそんな奇怪なものは住んでおりません。

「ほうら、出てきた出てきた」

出てませんってば。
お父さんも暢気にお茶なんか飲んでいないで考えてください。
いいですか、問題は「あ゛」の扱いなのです。
もうこうなったら力技でもよろしいのです。
詩的センス? 情緒? なんですそれ?
そんなもんネットリ考えてグダグダ書いてる暇なんてないのです。
どっか適当に「あ゛」と入れて、上手くまとめましょう。
言葉足らずに単語を引っ付ければ、それっぽく見えるぐらいです。
なんて言われようと作者が「これ詩ですよ」って言えば詩なんです。
477:04/10/23 23:19:43 ID:HDAhc8Gv
「あ゛」

なんです?

「いや、『あ゛』が必要だったんだろ。これにて終わり」

なんであなたは、いやもうちょっと、ほんの少しでも自然に。
いくらなんでも唐突過ぎます。

「まあ落ち着いて、茶でも飲め」

はあ、頂きます。
ずずず……

あ゛あ゛〜 うめぇ


「少々勇み足だったかな?」

いや、先ほどよりかはマシでしょう。

「そうだな、じゃゆっくりとお茶でも飲もうか」

そうですね、そうしましょう。

ずずず……
『あ゛あ゛〜 うめぇ』

「しかしなんだな、このお茶全く濁ってないのぅ」
いや全く、ずずず……
478硬貨と兵士の笑顔:04/10/23 23:42:38 ID:Z1XIpR4Q
たくさんの硬貨の中から選んだ一枚は
貴方と私の生まれた年のものでした
それは汚れすぎて何人の人が触れたのだろうか
まったく想像がつかず私もまた硬貨に触れます
私が生まれてから今日までこの硬貨はどこかに在りました
私の目の届かないこの社会のどこかに在りました
それが何十年もの時を経てこうして出会ったのですから
この硬貨は特別なものになるでしょう 

そういう思いで集めた硬貨は数百枚
今ではこの気持ちは薄れています
何故だろう

皆さん兵士の中から選ばれた一人は
貴方と私が今日の日をむかえる時に死にました
それは美しい横顔で何人の人が触れたのだろうか
くったくのない笑顔に私は微笑みかけます
戦争が始まってから今日までこの兵士は戦い続けました
私が平和に暮らすこの社会のすみっこのほうで戦い続けました
それが何十年もの時を経てこうして出会ったのですから
この思いは胸に永遠に刻まれ続けるでしょう

そういう思いで廻った街は何十箇所
その思いはつのるばかりです
兵士の笑顔は何故だろう
479名前はいらない:04/10/24 00:00:10 ID:aaahgMe7
言葉の足りないあなたと
喋りすぎるわたし
幸せは言葉じゃないことに気がついた
480名前はいらない:04/10/24 00:02:22 ID:0YndyWop
以上でシメキリとなり、審査期間へと移行いたします。
26日(火)24時(27日0時)審査終了です
皆様の審査が明日を作るを合言葉に
がんばっていきたいとこでございます。
481名前はいらない:04/10/24 00:12:50 ID:0YndyWop
総覧1

>>412-413 星屑
>414    題名のない詩集
>>415-416 自閉ノススメ
>417    ルーズ
>>418-420 壊死
>421-422 贅沢
>>423-424 かくれんぼ
>425    家出
>>426-427 永遠の矛盾
>428    宇宙
>>429    世界標準
>430-431 むくい
>>432    A false man
>433    無題
>>434-436 ない
>437    戦場
482名前はいらない:04/10/24 00:22:14 ID:0YndyWop
総覧2
>>438-439 ツリカケ死ス
>440-441 ぼくのふたり きみのふたり
>>444-445 父
>446-447 死化粧
>>448   明日に感動のおまえら
>449-451 風邪薬の効用,もしくは勝手な記号論
>>452   '''スリープモード...
>453-454 硬直
>>455-457 父の詩/死
>458    無題
>>459-460 おまえ
>461-462 sad song
>>463    "移動可能な双方向通信社会"
>464    作品が創れない夜
>>465    「何か創る」の始まり
>466    純愛に恋する汚れた手
483名前はいらない:04/10/24 00:25:40 ID:0YndyWop
総覧3
>>467-468 「蛍の湖畔」に集う言霊たち
>471    名前はいらない
>>473    嵐の後で
>474    パラドックス
>>475    憂歌
>476-477 父
>>478    硬貨と兵士の笑顔
>479    無題
484ななほし ◆lYiSp4aok. :04/10/24 00:34:18 ID:aLDOFDXj
   感想 No1 です。
 
>>412 :星屑 1/2 :04/10/17 00:38:38 ID:UxgpmSxb
 一節から「触るなと振り上がる二つを」へのつながりがよくないか? 文字の列をを見失う。

>>414 :題名のない詩集 :04/10/17 03:20:07 ID:/9SYIX13
 よく読むと、詩らしい魅力が作れているが、飛び込んでくる笑顔のようなキャッチ
にかけるかなぁ

>>415 :自閉ノススメ 1−2 :04/10/17 13:49:47 ID:CaCUnkWy
 反対表現かな? それとも、自分に対して美を求めるのかなぁ……。
穴も検死官も目を見開くも、外界との語りなんだが??

>>417 :ルーズ :04/10/17 16:23:11 ID:ilmWFXJG
 出だし韻を踏む? 繰り返す? ありそうな表現だが、面白い。しかし、消灯と、銃声はあたりから、読み手の感覚をハズされたかなぁ??

>>418-420 :壊死 (1) :04/10/17 17:52:37 ID:m7pocA+l
 当たり前の日常を詩にすると、困惑してしまう。危険嫌悪オージーザズ、
ない、目標も援助の言葉も、詩を忘れよう。……何を心配しなくていいんだっけ?
 ……という詩のか? よくできてる。読まなくても入ってくるようなレベルを
目指してほスィ
485ななほし ◆lYiSp4aok. :04/10/24 00:37:22 ID:aLDOFDXj
  感想 No2 

>>421-422 :贅沢 :04/10/17 19:56:55 ID:gjlOeY4x
 身につまされるが……まだ詩じゃねぇ! と、思いは複雑。

>>423-424 :かくれんぼ 1/2 :04/10/17 21:34:09 ID:PU4VjLOX
 前半、「隠れるところをさがしていた」<この一行がよく効いている。
 最初の一行の力が、はらりと落ちた最後の一行。……にまでしっかり及ぶ
 後半、……ちょっと、前半を受け止められなかったかなぁ……
 後半は必要だと思う。

>>425 :家出 :04/10/18 00:38:10 ID:eS5C2sjW
 ちょっと、面白い。……まあ、いいっか?

>>426-427 :永遠の矛盾-1 :04/10/18 01:55:23 ID:6NZda515
 ちょと、読みつらい。……つかれたかあぁ 約30分詩を読む限界か??
 最後に向かって衝撃を蓄えて行く?? ちょっとソンな展開?

>>428 :宇宙 :04/10/18 15:45:28 ID:x63mBGr+
 なんとなくほほえましい。空を見上げることもない現代人が、なにかで
空を見上げたとき光る目立つモノにつけるこだわりのお話。素朴さがほほえましい
486ななほし ◆lYiSp4aok. :04/10/24 00:40:39 ID:aLDOFDXj
 感想 No3 
>>429 :世界標準 :04/10/18 23:26:20 ID:Vjhc4oDU
 中に入ろうとする。込みにゅけーしょんの世界意表準拠……しかし、
 動機は放出放浪個別のはずだ。……であろうし。

>>430-431 :むくい(1) :04/10/19 00:21:15 ID:KAYd0Qls
 歯医者サンはちょい怖いですね。治療そのものはそれほど痛くないにしても……

>>432 :A false man :04/10/19 01:06:08 ID:FOD1Xy+9
 切ない歌のほうが多いんじゃないでしょうか? ちょっと現実の歌との
乖離をイメージしました。

>>433 :名前はいらない :04/10/19 02:36:17 ID:qCT4hEgy
 孫ねぇ。暖かい縁側太陽の光?? 孫の頭は光らない。

>>434-436 :ない   1 :04/10/19 02:56:55 ID:7zzhA+PL
 初期条件、舞台ト書き……が発散する詩。

>>437 :戦場 :04/10/19 15:02:07 ID:+vf658zP
 「戦場」で何をしている。と聞くのもまた一つの真理か、心理か?
 戦場にいる人間は悲惨だ。戦場にいる戦士には意義があり保護もある。
 戦士には敵がいるが、戦場の人間には味方がいない。
487ななほし ◆lYiSp4aok. :04/10/24 00:47:14 ID:aLDOFDXj
  感想 No4 

>>438-439 :ツリカケ死ス :04/10/19 17:40:09 ID:ZZRvJ/q1
 ツリカケ < この意味がわからなかった。詩の全てが判らなかったのだろうか?

>>440-441 :ぼくのふたり  きみのふたり :04/10/20 12:08:38 ID:1NFvYkGr
 なんとなく、題名から作者の意図する方向が見えてくる……だが、
 同居している事しか知り得なかった。

>>444-445 :父 :04/10/20 13:43:11 ID:9k0RZw/i
 トーキョードームをトランポリンにするのはワンダー!
 父が落ちて落ちになっているが。サゲが無い。

>>446-447 :「死化粧」 :04/10/20 17:51:31 ID:llTr4sAi
 人の死はいつも大事件。詩は極限をかたり、気のせいと灯りを慈しむ

>>448 :「明日に感動のおまえら」 :04/10/20 20:15:24 ID:+4Nn4eyU
 主張があるのを感じる。ちょっと文章が読みつらいか? 言葉がすーっと
脳細胞に流れ込んでこない。

>>449-451 :風邪薬の効用,もしくは勝手な記号論(1/3) :
 建築物のような詩か? 面白いと言えば面白いし、不要と言えば用もない。
 それは、例えて言えば、ビルと中に潜む人間との関係のような方程式か……?
 社会から人間を見る。あるいは、人間の社会が見えるときにのみ、
ビルと人間の間に関係が発生する。……と言ったような詩か?
488ななほし ◆lYiSp4aok. :04/10/24 00:49:46 ID:aLDOFDXj
  感想 No5 

>>452 :'''スリープモード... :04/10/22 02:19:01 ID:6bZ3Cz4V
 日曜日? あるいは日曜日に集約されるような、弛緩・開放・放逐 …の詩か?
 スナップ写真のような心象風景。よくまとまっている。

>>453-454 :硬直(1) :04/10/22 03:15:41 ID:m+iorav7
 何を書こうとしたのか、明確にならない。なんとなくわかるのは、お題がない。
 ……そのことに反応した。……その反応が「硬直」……融通が利かないと、
 自己判断したのだろうか。……そして、その自己判断をそのまま、詩にした?
 さて、……それをどう受け取るか? だろうが、いかに受け取ればいいのかい?
 ……と、自己問答している。

>>455-457 :父の詩/死(1) :04/10/22 06:59:17 ID:SpAo5WXN
 詩と言えば、「死」……なのか? 何を書き出そうとしたのか? ちょと疲れた。

>>458 :名前はいらない :04/10/22 13:18:57 ID:Cf1UeTzl
 詩(イメージ)を掴めなかったら、詩人は自分を裏返しにするのか?
 内臓は人間ではない……と、ふと感じた。(内臓を出したら土還元・ボンBOM)

>>459-460 :おまえ :04/10/22 22:21:09 ID:mVbrGhDy
 いいたいことがあるなら。黙っているのも詩作かもしれない。
 見つからないと言ったとき、見つかるものを失った。……そんな夢を見た。
489園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/24 18:57:51 ID:4KDuFI86
>>414 題名のない詩集

>八月の太陽は
>銃弾の音や誰かのかなきり声よりも
>高く昇り

「八月の太陽」は高さを鉤に「銃弾の音」と「かなきり声」を引っ掛け昇る。
比喩の効果とは意味の理解の他に比喩されるものへの像の二重化にもある。

>詩は正午の水面にたゆたう光線の中にあった
>詩は影がひそひそと雑談する台所で米を磨ぐ母の背中にもあった

「詩」という像を喚起しない語が像の世界に放り込まれることにより
「詩」は像に凌辱される。つまり「八月の太陽」にあっては他の像との二重化であったものが
「詩」に於いては他の像を一身に引き受ける受難へと深化している。
この作品は像の結合と像の侵入という比喩の二重構造の安定が古典的な象徴詩的な詩趣を生んでいる。

凌辱や受難という言葉を使ったのは僕がこの作品から受けた「詩」の非人間的な受動的在り様への不安による。
構造の安定感がなければこの不気味な不安は生まれなかった。技巧の持つ全ての効果が詩人の意図へ収束して過不足ない。
こういう作品を完成度が高い作品というのではないだろうか。でも全てが既知の範疇にあり退屈でることは否めない。

>>418-419 壊死
韻律を意識した措辞が主題→展開、主題→展開・・・という構成を取る。
行為を時間軸に沿って展開する筋に描写される風景を、主題=名詞が転々とズームアップさせながら転がって行く。
描写から零れる主観のリズムと両者のバランス。さらに進んで蛞蝓を見ることにより蛞蝓になってしまう私、主客の融化もある。
構成、韻律、描写と主観の戯れ、それらの要素に律され諧和した言葉の列が一個の音楽を作っている。

主客の融化とは例えばこの作品では「蛞蝓のような私」という比喩の事だがそれを一点使いでなく全体に散らせば尚良かった。
この作品では比喩という要素だけが律されてなく、それが物足りなさの理由だと見た。

今更ですが最近詩とは拡大された音楽のことだと思うようになった。正確には音楽を派生させたもの?
490園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/24 20:50:07 ID:4KDuFI86
>>421-422 贅沢
雨ニモ負マケズ、かな。伝達がリズムを作り主観が終止符を打つ。
淡々としたリズムが自堕落な生活を退廃的なストイシズムにまで高めようとしている。
詩人の意識のさわりが内容と形式に分化することにより表現が成立するとして、
この作品は語られる生活とそれを語る意識の在り方が一致している。
嘘のない、自然に心から湧いた詩はそういうものだし、
意識的に作られた練りこまれた詩行だって想いに忠実であるかぎりきっとそうなる。

>>423-424 かくれんぼ
「こころの闇」という言葉さえ使わなければ。残念。
あまりにも陳腐化してしまった言葉で、この作品にとっては瑕にしかなってない。
明ルイボクラノミライや地球最後の日という言葉なども、それぞれ的確に用いられてるけど安っぽい。

幼年期の探索。
外傷に同化したぼくが今を逃避するのか飢渇に同化したぼくが過去をやり直そうとしているのか。
いずれにしても回帰の衝動がかくれんぼに形象化されている。探すのも隠れるのもぼくである。

1連目で意味を、2連目と3連目でかくれんぼの舞台となる今と過去を、3連目で遡行の断念を描くきれいな展開。
特に3連目に惹かれた。
ぼくは地下食品売り場に回帰するべき失われた過去(子宮=過去=死)を見るがマニュアル通りの対応にその幻想を破られる。
店外に出れば今(外界=今=生)が開けている。陽光の映えるプラタナスの祝福にぼくは悲しく微笑みを返す。

4連目でかくれんぼを書き切り後半で視点を切り替え抑圧をこころの闇として展開させて行く。構成はしっかりしているが
観念的な描写に移行するにつれて言いたいことが曖昧になってしまう。使用される語も陳腐化してしまう。残念。

>>434-435 ない
最終連を導くためにその直前だけ部分的に三人称多元になっている。山沢刑事の物語を終わらせるためだけに
女をすれ違わせているのだからそれでいいのだが、この移入の転移にもっとこだわれば凄いことになったと思う。
作者はすれ違いの不条理とその真実性に詩を見たのだと思うがぼくは移入の転移に詩を見た。
散文の鼻をあかしてやりたいものだ。
491MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/10/24 20:57:12 ID:Pg7MEyPy
今回は難解な作品が多く、私の手に負えないんじゃないかと、心細く思っています。
で、問題作は後回しにして、取りあえず、取っ掛かりが得られるものから寸評、いきます。

>>414 題名のない詩集
 なんか全体的に錯綜していて構成上のまとまりがない。「機関銃」「血」「埋葬」など
物騒な言葉が並ぶ。イメージは好き。だけど、詩が撃たれてはいけない。むしろ、詩は弾丸。
誰かを銃殺するつもりで機関銃のスロットルを握れ。

>>426 永遠の矛盾
 散文調、説明調は計算ではなく、作者の推敲不足。それと、もっと永遠に対してもっと思いを馳せ、追求し、
整理をしてから書く。その前に投稿してしまった。フライング。全体がタドタドしい地の言葉になっている。
自分のコトバで書く、と再三にわたって主張してきたが、自分のコトバと地の言葉は違う。
自分のリズム、自分の文体、自分の表記法をいう。さらに修練を。

>>428 宇宙
 宇宙草創の神話を現代風にアレンジした? さしずめ、太陽がアマテラスで、月がスサノオといったところか。
でも、原初のカオスが書かれていない。だから、この詩はまるきり神話になっていない。
単に名無しの男女の恋愛を神話風に書いて、普遍性を持たせようとした、といったところか。




492MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/10/24 21:58:30 ID:Pg7MEyPy
>>429 世界標準
 第3連は凝っていて好き。第1、2連の平仮名多用のやわらかいタッチと第3連の
エグイ漢字のコントラストは、狙ったんだろうが、どうも効果はいまひとつ。もっと紙数を
かけて絢爛たる紫禁城の後宮物語を紡いでみたらいいのに。

>>438-439 ツッカケ死す
 JR宇都宮線と高崎線を走っていたオレンジとモスグリーンの車体の電車、115系が10月15日
を限りに引退した。私の知人は悲しみに暮れ、しばし放心状態であったが、それを思い出した。
「単線の線路」とあるから、115系ではないのだろうけれど、鉄道ファンの思いは同じっていうことか。

>>446 死化粧
 死の意味がわからない無垢な幼子を出すことで、かえって死の悲惨さを描こうとしている――のではないらしい。
死にゆく女性の顔、表情に作者は究極のエロス、美を見ようというのだ。
 以前、韓国でアマチュア・カメラマンが女性を騙して青酸カリ入りカプセルを飲ませ、
苦しんでいるところを写真撮影した、という事件があった。私もその写真を見て、生々しいエロスに
興奮を隠せなかった。倫理的に指弾されるのを承知でのことだ。もちろん、私だって殺人は肯定しないし、
人の死に喝采を送ろうなんて思わない。が、生と死の危ういはざ間に詩や芸術はある、ってことは
誰にも否定できないんだ。だから、私は作者の感性を支持する。
 興味のあるひとは、飯沢耕太郎「『見る』という欲望」(「写真とフェティシズム」参照)。
493ななほし ◆lYiSp4aok. :04/10/24 22:34:57 ID:aLDOFDXj
  感想  No6 
>>461-462 :sad song(1 :04/10/22 22:31:24 ID:I+UxDznl
 愛されたいと願っている。……そうですね。愛されたいです。
 ひょっとして、誰かを愛していますか? 詩を読んだので聞くのですが。

>>463 :”移動可能な双方向通信社会” :04/10/22 22:58:03 ID:tabbSMui
 みんな楽しくやっているようですね。ケータイがないときは電話。電話がないときはハガキだったんだよなぁ……。あ、そういうコトとは違う展開。
 よく読むと面白い詩だが。ちょっと読み辛いかなぁ。

>>464 :作品が創れない夜 :04/10/23 00:15:42 ID:iKkFYUcD
 なんか、秘密の呪文があるのかもしれません。……創作がバリバリできる作家には
 でにょ、やっぱり寝ちゃったら書けないにょ……

>>465 :「何か創る」の始まり :04/10/23 00:51:04 ID:5E+ZoQi6
 すっきりしている。若さを感じる。……ところで、あなたは神を信じますか?

>>466 :純愛に恋する汚れた手 :04/10/23 01:55:55 ID:XdL40Dpi
 出だし、かなり好みです。愛とは? どんな人? 愛する顔立ちが見えないかなぁ……

>>467-468 :「蛍の湖畔」に集う言霊たち(1) :04/10/23 02:49:21 ID:WVmR5J+c
 西洋の妖怪の雰囲気が出てる。日本の幽霊とはちょっと違うように思います。
 妖怪は妖怪の社会があるのかな?
 霊を迎える霊がいるの、イイ
494ななほし ◆lYiSp4aok. :04/10/24 22:39:10 ID:aLDOFDXj
   感想 No7 
>>471 :名前はいらない :04/10/23 22:04:26 ID:dg51TxkZ
 掻けば掻くほど血が滲む < すごい言葉が矢のように……

 いいなと思ったが、先に行くほど、息切れ気味。少年老い易くということもあるが
言葉のテンションも弛み易く……なのか? どこかで違う要素を持ち込めばまた違うか??

>>473 :嵐の後で :04/10/23 22:49:11 ID:/JZQn/oy
もうじき暮れる街の中  < 前の詩とは違う言葉の切れ味。
風の妖精が通り抜けていった <ここもイイ!!

 しかし、先に行くにつれ、少しづつ、……緩んでいくような気になる

>>474 :パラドックス :04/10/23 22:56:57 ID:sDwCaxec
 なに? なぜ? 浮いているの? ……浮いてる、から恍惚 ??

>>475 :憂歌 :04/10/23 23:12:18 ID:BgjE944v
 むずかしい。どことなくリズムが出てきて、最後まで読ませてしまうが……。
 ちょっと、面白いのかなぁ……

>>476-477 :父 :04/10/23 23:19:04 ID:HDAhc8Gv
 ナンセンス、会話。面白く読める。お茶のさっぱり感と共鳴・マッチしてるのか?
495ななほし ◆lYiSp4aok. :04/10/24 23:08:55 ID:aLDOFDXj
 採点です。今回全作品批評……しよう! 意気込んだのはイイが、
 手におえなかったです。感想にしました。沢山読んでちょっと混乱してる
ところもあるかと……失礼ありましたらごめんなさい!

3点 >478 :硬貨と兵士の笑顔 :04/10/23 23:42:38 ID:Z1XIpR4Q

2点 >418-420 :壊死 (1) :04/10/17 17:52:37 ID:m7pocA+l
2点 >421-422 :贅沢 :04/10/17 19:56:55 ID:gjlOeY4x

1点 >423 :かくれんぼ 1/2 :04/10/17 21:34:09 ID:PU4VjLOX
1点 >430-431 :むくい(1) :
1点 >475 :憂歌 :04/10/23 23:12:18 ID:BgjE944v
496園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/24 23:30:10 ID:0Cy5PrVA
>>475
「サブリミナルを意識する」の意味が、意識から零れ落ちる認識に気をかけるという意味のなのか、
無意識の領域に懇意であるという意味なのか。後者であると判断する。

無意識とは意識にとっては他者であり、無意識がなにを考えているかは無意識に聞かなければ分らない。
夢の中で主導権を得た無意識が作り出す象徴群がなにを意味するのか無意識にしか分らない。
意味を推測するよりも経験することだ。対話することだ。シュルレアリスムの理論が何を言っているかは知らないが
(何にも知らない)ナンセンスとはそういうことだと思う。

この作品が面白いのは夢がナンセンスだけでなく視点の転換の運動も経験させてくれるからだ。
1連目、これは男の空想である。2連目で男の空想の世界から男の居る世界に転換する。
3連では視点を男の居る世界に固定して回想をする。これは回想された世界への転換をその前段階で踏みとどまっているのである。
踏みとどまる代わり4連では「詩が書けない」と出る。これは作中の男が詩を書けないという意味であると同時に
この詩の作者が書けないという意味でもある。作者と男は未分離状態なのだがそれがこの連で露見し、
視点が男の居る世界から作者の居る世界へ揺らぐ。ついでになぜ詩を書けないかと言えば作者=男が詩=夢の中に充足しているからである。
5連目では視点は完全に作者の居る世界に転換し、語り手が男から作者へ移行する。だから5連目で言う男は「長い男」ではなく
「長い男」のことを語っていた男のことである。作者が男に「サブリミナルを意識する男よ首を振れ」と呼びかけているのだ。
6連目で「俺」とあるのは語り手を再び男に戻すためである。再び視点は男の居る世界へ転換する。5連目はこの詩世界の構造の最上部である。
6連目では3連目のように下部構造(おとぎばなし)への転換は前段階に留まる。なぜなら可動部が男の居る世界から作者の居る世界の
間に移動したからだ。7連目は4連目と同じで転換の媒介部である。ここを媒介に8連目で再び構造の最上部へ帰還する。
497園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/24 23:30:53 ID:0Cy5PrVA
(つづき)
重層的な構造を夢という平面で擬似的に再現している。それは知覚が夢の中で擬似的に再現されるのと同じである。
実はこれは読み物全般の構造で、我々は物を読むとき夢を見ているのだが、この作品の場合夢を題材にしているので
とりあえず夢の構造と認識するのだ。で、大事なのは意味はないという事。あったとしてそれは読み手には(意識には)
分らない、伝達不能の書き手(無意識)の主観なので理解しようとしないこと。ただ現れたものに翻弄され、なにかを感じればいいのである。

それにしても転換の構成がえらい的確で、これは意識的に構成されたものなのか、かなりの技量を感じた。
モザイクに喩えればピースがあまり精細でなく構成の堅固さが退屈でもあるのだが、使われるイメージ自体も古風故、
総合的にみてクラシックな安定感と気だるい美しさを感じるのでそれはそれで良し。意識的なものと捉えておく。

>>440-441 ぼくのふたり  きみのふたり
代名詞が多くて混乱した。1-3連目が発語の不可能性で4-5連目が時の流れの否応なさ、
どうつながるのかこの時点では分らなかった。6連目また転換して恋の行方を案じ出すが8連目あたりでどうやら
好きなんだけど言葉という壁がもどかしいという事を言いたいのだと分る。
ついでに言葉によって成る文明一般にまで言及してるようでそれがなぜふたりの恋愛に繋がるのか、これは最後まで分らなかった。
作者の中で書きたいことが上手く分節化されていないのでは?

言葉が駄目だとして、それがどうなの?と言いたくなるのは読者を置いていく構成に着いて行くのに気を取られるせいで
作者が行間に忍ばせたなにかが読者の目に入らなくなるからだろうか。それとも喋りすぎることにより自ら行間を破壊してしまうのか。
言葉というノイズの海から睦びあう男女の心を取り出したかったのだと思っておく。
498Alnite ◆m3UVuKrnck :04/10/25 01:08:40 ID:mzLRVFbC
お題フリーということで、今回は力作が大変多い感じがします。
それゆえに難解な作品や手に負えないような作品が見受けられます。
私が読めていないのか、それともただ単に表現が下手で伝えられないなのか。
この紙一重の作品が非常に多いです。
それについては他の素晴らしき審査員の方々にお任せするとして、
私は私のできる精一杯を感じます。よって今回は私にも伝わったものだけ批評します。

>>415-416 自閉ノススメ
最初の出だしを考えて欲しかった。ただ、ひきつけられるテーマではあった。
最近の、特に女性の若者に多く見受けられる群れ思想を痛烈に批判している。
但し批評する詩を書きたいのならもう少し万人に分かりやすく書いてもいいのではないか。
現実の世界を否定して、夢の世界を否定して、後に何が残るのか?
そこまで描いてくれなきゃ、満足いかない。

>>421-422 贅沢
古語を使いたいのかそうでないのか不明。
余計に難解にしているだけにしか思えないのは私だけのようで。
人情は二回出てきてはよろしくなかったかもしれない。
それでも批評をしようと思ったのは、全体として伝わってくる何かが煌いているから。

>>423-424 かくれんぼ
最初はいい。中間から後ろはダメ。最後はいい。
最初は批評精神旺盛で爽快、メントールの味。
と見せかけて2に入ってだらだらゆるゆる、冷めたおでんの味。
最後はキレが良く、後味すっきり、食後のお茶。
499Alnite ◆m3UVuKrnck :04/10/25 01:09:46 ID:mzLRVFbC
>>426-427 永遠の矛盾
全作品中私が見ていた時間は割と長い方だと思われる作品。
素敵だね。全体的にはごちゃごちゃしてるけど。
一つ一つの言葉の選び方、それから言葉の並べ方、とても綺麗。
特にいいと思ったのは、終わりがきたら過去になるから。
理論的で抽象的で幻想的で感情的。いいと思う。
出だしをすっきりするとのどの通りもよくなるかな。

>>428 宇宙
幻想的な詩は好き。
でも、太陽と月と地球だけで宇宙を構成してしまうのはどうかと思う。
最後の二行は素敵。
だけど黒い煙の指差しているのが何か分からない。何故?

>>430-431 むくい
良かった。この詩があって。お堅い詩ばかりで殺風景だったものでね。
枯れた観葉植物、よそ見した歯医者さん、どれもいい味を出している。

>>432 a false man
気持ちは伝わってくる。最後のシメがとてもいい。
しかしながら、"false"をこう言う風に使うのは許せなかった。
無理して英語を使わなくても日本語でいいじゃない。
タイトル適当につけないで、もうちょっと考えようよ・・・。

>>433 無題
漢字の問題かと思った。
500Alnite ◆m3UVuKrnck :04/10/25 01:11:31 ID:mzLRVFbC
>>434-436 ない
詩的なタイトル中身は「?」
詩でないのを無理やり詩って言っている感が拭えない。
もうちょっと詩的な表現を入れてみようとか、チャレンジを求めたい。
こういうのを認めないわけではないしむしろ歓迎するけどね。

>>437 戦場
そうだね。感情に理論なんて無いもの。
この題材に理論的なものを求めちゃいけないんだよね。
いいと思う。感情的な部分もひっくるめて全て。
主人公さんの心、もっと知りたかったなぁ。

>>438-439 ツリカケ死ス
私がもっと歳をとっていればもっと感動したのかな。
情景描写はきちんとしている。
でも時の流れが感じられない。写真を見ているような感じ。

>>446-447 「死化粧」
全体的には仕上がりが良い。
でもSPO2の正体が分からなければ読み取れないなど、
ちょっと医学の知識が無いと読みづらい。一般人向けじゃない。

>>452 '''スリープモード...
こんな生活が羨ましい、といえれば私はまともなんだろう。
今日を私だけの物にしてみたい。そんな願い、叶えてください。
巧い表現なんていらないよ 気持ちさえ伝われば
501Alnite ◆m3UVuKrnck :04/10/25 01:12:10 ID:mzLRVFbC
>>453-454 硬直
私も文句を言ってやりたいことは多数あるんだよね。
例えばお題を出したのにそれに沿って書かないのとかね。
でも私がどうこう言える問題じゃないんだよね。
その辺 この作者に提起してみたい。ごめんこれ批評じゃなくて感想だね。

>>464 作品が創れない夜
俺の詩とかね。投稿回数は一回二回じゃないってのに。
理由はこんな夜が続いて期限だ期限だって急いで書いて悪循環。
だから気持ちは分かる。分かりすぎる。ほら、ちゃんと伝わったよ。
こんなに稚拙な文でもね。
だから表現にばっかり頼ってはいけませんって私はいつも言ってるでしょう?
502Alnite ◆m3UVuKrnck :04/10/25 01:19:39 ID:mzLRVFbC
採点結果発表。

2点
>>426-427 永遠の矛盾
>>430-431 むくい
>>437 戦場

1点
>>428 宇宙
>>452 '''スリープモード...
>>464 作品が創れない夜

今回は採点は甘くしました。
この前と同じ基準にすると点数を入れられる詩が少なくなってしまうので。
なんだか消化不良な感じが否めませんが。それについては結果発表の後で述べることにします。
503名前はいらない:04/10/25 02:53:45 ID:0p0XWIBX
>>412-413
表現の広げかたにしても、痛みにしても
結局、自分のことに落ち着いてしまう分、広がりが薄い。

>>414
非常にイメージが静逸。ただし、
>詩は詩の中 >水槽の中の水の分子
など、くどい。これでは、デッサンの重ね塗り。

>>415-416
宣言文タイプはいいんだが、結局のとこ、個性のない教条主義に過ぎないと思う。
かろうじて一連目だけが詩として成立してて。他必要なし。
教条にしても説得力がないので、威力がかけらもなし。ただの”言ってやった、言ってやった”

>>417
韻の踏み方は悪くないと思うよ。実際歌詞としてはこれだけで合格点をあげられるのだけど
重大な欠点として普通に音楽がないので、その分ただ、普通に音楽がないくせに
音楽が流れてることを想定し要求するおこがましい詩にすぎない。
504名前はいらない:04/10/25 03:36:38 ID:0p0XWIBX
>>418-420
女性の心理分析できるほど、女とつきあってないのでムリ。

>>421-422
一切の情緒を廃して無粋な説明をすれば、タイトルと
自堕落な生活への違和感、そしてラストの違和感
それのみで成立している詩だが、マア上手い。

>>423-424
切り捨てれば、詩全体が、"増殖する心の闇""アカルイミライ"の説明でしかない。

>>425
結局、きわめて構図的でしかないんだよなぁ。
載せる言語をまったく選んでは居ない感じはする

>>426-427
青年の主張、以上でも以下でもなし。

>>428
女は月、男は太陽、的な構図を逸脱させることでしか
詩性を成立させることができてないし、別にその前に至っては
ハッテンバがあることで有名な公園のトイレに全力疾走してても問題ない。

>>429
セックスに関して普通に構図的なだけじゃん

>>430-431
ちょっといい話 で終わってるなあ結局は。 構成的に失敗だったろうな。
505名前はいらない:04/10/25 05:43:32 ID:DwWcA6x3
506MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/10/25 07:12:00 ID:BKq7CC2+
>>452 スリープモード
 絶妙のレイアウト。朝の寝覚めの半覚醒の意識状態を空白多用の画面でうまく表現している。
ただ、この詩の持ち味はそれだけ、というのが少々ツライところでもある。

>>454-455 硬直
 饒舌調というか、無駄口調というか。八方破れの内容だね。ムチャクチャなめくさっている。
でも、これが作者のスタイル。全然冗長さは感じない。ここまで好き勝手ワンマンショーやられちゃうと、
こっちはただ乗せられて最後まで見てしまう演芸場のお客さん、といったところ。
これぞ吉本芸人の心意気、といった詩でした。

>>458 名前はいらない
 第1.2連は、使い古した表現しか書けない現代詩人たちへの批判。そして作者自身の自戒、
だろう。万物流転の世界――詩はその世界そのものだ。この主張はよい。でも、「詩はどうやって捉える」
という冒頭の設問の答えはとうとう出ずじまい。宿題だね。次回以降で、このテーマを詩にしてください。
507MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/10/25 07:51:57 ID:BKq7CC2+
>>463 ”移動可能な双方向通信社会”
 バーチャルなコミュニケーションツールを批判し、生の対面コミュニケーションの
重要性を訴える、というテーマはよい。第3連の最終連が作者の一番イイタイコト、なんだろう。
でも、いま一息なんだな。チョッとしたTVドラマの台詞としては気が利いていても、詩
として昇華しきれていない。さらに表現の工夫と推敲が必要だろう。

>>475 憂歌
 難解で意味シンそうでいて、実はこの詩は極めて単純明快。サブリミナルな願望――
「あーカラオケ行きて」を歌ってるだけじゃない。第1連は「長い男の首」なんて言うから
なんて不気味だ、と思いながら、こちらも構えて読んだけど、なんてことはない。
カラオケで首振って歌うよね。直接的にはそのこと。
 第1連と最終連のヘッドファックを連想させる部分が秀逸といえば秀逸かな。強烈、過激な
恋愛詩といったところで、まあ一応、秀作の部類には入る。
508ななほし ◆lYiSp4aok. :04/10/25 10:35:53 ID:8asN3rtm
  感想 No8

478 :硬貨と兵士の笑顔 :04/10/23 23:42:38 ID:Z1XIpR4Q
 何となく引き込まれた、書き出し。コインの年号なんか、マニアック・呪文??
 コインの横顔が戦士とは……かなりの秀逸。


>>479 :名前はいらない :04/10/24 00:00:10 ID:aaahgMe7
 よく読んで二人の間の存在意義(たのしい)ことだと気がついた。……おぉ、そう、幸せなんですね。

 書き落としてました。ああ、そそっかしいぃ。ふう、これで全作品感想書けた!
509園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/25 13:40:52 ID:NEvT9FQE
>>496の3段落目の9行目で「6連目で「俺」とあるのは語り手を再び男に戻すためである。」
と言ってますが、6連目には「俺」とありませんので無視してください。>>497の1行目、
「重層的な構造を夢という平面で擬似的に再現している。それは知覚が夢の中で擬似的に再現されるのと同じである。」
ここちょっと間違えたんで気にしないで下さい。夢と読み物の件も妄想なんで無視してください。

あと夢を題材にした作品だとありますが、
これは「サブリミナルを意識する男」→無意識と懇意な男→夢と現実を行き来する男=作者、という考えです。

−---------------------------------------------------------------------------------------------------

今回、詩、又は書くことを対象化した作品が目に付いた。
詩は詩を対象化し詩を超えようとしているのか。


>458 無題
分りにくかったが省略されている主語が「詩」だとすれば古い鞄は詩の捉えたもの。
実在から剥ぎとられた薄片は剥離の瞬間命を失う。実在の死体が詩である、ということか。

太陽と地球と人間の回転を詩は不完全な形でしか捉え得ない。捉えた瞬間それは損なわれてしまう。
言葉にすれば嘘に成るという言語表現の不可能性がここでは永遠と刹那という要素を加えて繰り返し表現される。

死体はその腕に抱く喘ぐ子供を救えない、刹那は永遠の中に屹立しない。
詩作は徒労か、不毛な営為か。作者は考える、それは違うと。

> 詩よ 回転せよ
> 産声をあげて回転しやがてひっそりと土に還れ

観照された詩群の明滅の余白に充満する痛切なる希求。作者はそこに真実をみたのだ。
510園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/25 13:52:54 ID:NEvT9FQE
>>464 作品が創れない夜

先走った技巧は想いと乖離し詩を間違った言葉に変える。
それは素朴に誰もが感じる。この作品で言う正しい言葉とは想いに忠実な言葉ということだとして、
では言葉はどうすれば想いに忠実になるのか。口語で書いたり平易に書いたりすれば良いという分けではないはずだ。

> 壊そうよ
> 壊そうぜ

> でも
> 創れないよ



> もう寝るよ、おやすみ

沈黙を持って語らしめる。それも一つの方法だ。でもそれでは詩にならないから
沈黙への過程を描くことで正しい言葉を余白に炙り出す。でもそれは一度きりしか通用しない方法だ。
詩人は結局いつかは正しい言葉を自分で作り出さなければならない。そのとき形骸化した技巧に再び命が吹き込まれるはずだ。
511園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/25 19:11:43 ID:4NjkLpGt
>>467-468 「蛍の湖畔」に集う言霊たち

夜闇の蛍が世界に浮かぶ言葉の隠喩になる。
言霊が舞台裏で言葉を吐き、言葉は舞台で世界を踊る。
ここは世界の舞台裏なのだ。

地の文=世界の裏側
言霊=媒介
言霊の語る言葉=世界の表側

だから地の文は言葉ではない、言葉になる前の実在と言ってもいい世界の上部構造だ。
下部構造は実在が言葉になった、言葉による世界で、言霊が媒介となって働くことにより
二つの世界を繋いでる。

しかし言葉以前の世界も結局言葉によって語られてしまう。
それは当然で僕達は言葉しか知らないからだ。
言葉という平面の上に言霊というキャラクターを媒介とし世界の立体的構造を擬似的に獲得しているのだ。

舞台設定が日常との距離を獲得し劇詩的な形式が
日常とその向こう側という構造を上手く形象化し、
地の文と会話文、導入と本編の使い分けに必然性を与え、奥行きのある幽遠な趣のある絵を描いている。
512園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/25 19:12:37 ID:4NjkLpGt
>>476-477 父

この作品で面白いのはまず1連目で頭の中の黒い靄が真っ黒クロスケになりかける所。
息子の主観内の存在が父との間に客観的な存在になりかけるのである。かける、というのは
父の言葉により真っ黒クロスケという客観的な存在になりかけたものが息子の否定により再び主観内存在に引っ込む。
内界も外界も言葉という同じ素材によって存在する矛盾を逆手にとっているのだ。
さらに言えば言葉が言葉から飛びだし物体になりかける、そんなスリリングな瞬間を経験できた。

「 詩的センス? 情緒? なんですそれ?」と言うが
作品には詩的センスも情緒もある。言葉を扱うことが目的で言葉によって表現することが目的ではないという事だろう。
僕がスリルと感じたものを作者は諧謔と捉えていて、それがこの作品のセンスであり情緒である。
「言葉足らずに単語を引っ付ければ、それっぽく見えるぐらいです。」
これは主観を漫然と行分けしただけの詩に対する皮肉で、「あ゛」の試みの一見消極的な肯定だが、
「 なんて言われようと作者が「これ詩ですよ」って言えば詩なんです。」
これは勇み足ではないだろうか。この作品が詩であるのは何でも詩であるからではなく言葉自体を扱おうという意識のせいだ。
まあそんなことを息子が語りだしても困るし、これはあくまで息子の主張、それでいいのかもしれない。
もう少し言えば「これ詩ですよ」といえば詩になるとして、ではその詩とはなんだろう?詩とは詩だと主張されるものであるとして、
ではその主張される詩とはなにか?それを知りたいと思うのだ。

「あ゛」が詩行を転がって行く。地の文を、セリフを。
外界と内科医を分かたない息子の語りのなかに父のセリフが爛発する父のセリフ。
両者の間を転々とする「あ゛」がなにか不思議な実在感を孕んで膨張していく様に惹き付けられた。
513園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/25 19:13:27 ID:4NjkLpGt
>>444-445 父
これも面白い。

> こっから数行、素晴らしい東京の風景をいずれ記述するつもり

語り手は外部から詩を既述すると同時に詩の内部の住人でもある。
その二重性がここで露見する。

> 「あ」に濁点だ
> どうやって発音するのかは不明だが、聞くことには問題ない

どうやらこの二重性は実在と言語の二重性のことらしい。
「あ゛」は実際の音声としては存在し得ないが文字としては存在しうる。
ここでは言語化が実在の劣化としてではなく実在を超えた自由な可能性として捉えられる。

言葉による世界の虚構を虚構と認識しつつそれを肯定し、詩と現実を自由に行き来する。
まず語り手が言葉の世界からはみ出すことにより言葉を言葉から飛び出させよう、
言葉を超えようという意思を感じた。
514Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/10/25 20:54:23 ID:sqzMIhqP
寸評です。テーマなしっつーのもたまには面白いね。

>>412-413 自己の内面に落ちてる星屑、って構図は魅力的だね。徐々に現実に
無理なく移っていって、上手さを感じます。問題は最終連かなあ。枠のなかに
収めちゃって、詩のスケールを小さくしているよ。
>>414 好きなタイプの詩。ただ、この手のヤツって田村さんあたりがガンガン
書いてて、同工異曲ではあります。そしてひとつ、問題提起。「『詩』である
必然性はあるでしょうか?」ほかのことばでも成立しそうです。
>>415-416 曼陀羅模様とか妖精物語とかを現実世界の比喩として使うのは無理
がないかなあ。なんの脈絡もなしにポンとやられても、読者は戸惑うだけ。そ
いつを使いたいんなら、それなりのイメージ付けが必要かな。
>>417 世界の構築よりもことばの韻律を優先させているよね。「火星の表面み
たい」つーのは、好き。銃声のイメージを膨らませたい。
>>418-420 痛みを感じない壊死だね。淡々とした日常だからこそ、ゆっくりと
腐っていくのかな。ぼくだったら、そんなとこをより前面に押し出していく。
何にしてもこの詩では、ナメクジはただのゲストにしか感じない。
>>421-422 反『雨ニモ負ケズ』って感じ。『雨ニモ負ケズ』の世界観もぼくは
けして好きなわけじゃないけど、この詩は御都合主義的な妄想のオンパレード
だね。読後感はよくなかった。
>>423-424 かくれんぼからいきなり心の闇が登場しちまうのか…。プロセスを
書いてるようには見えるけど、それでもまだ唐突だよね。もう少し書き込める
かもしれない。
515Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/10/25 20:55:40 ID:sqzMIhqP
>>425 最終連を死のメタファーとして取るなら、この詩は草野心平さんを意識
していることになるけど、深読みしすぎかな(苦笑)。面白いんだけど、まだ
ことばの精度が甘いよなあ。こういう詩だって、いくらでも推敲できるはず。
>>426-427 はっきり言いましょう。テーマの大きさに筆力がまったくついてい
けてません。かといって、書けちゃうのもイケナイ。自分の手にちょっとだけ
余るようなテーマを選んでみてはいかがでしょう。
>>428 最後の「と思った」がなければ、ただの宇宙創世もの。「んで?」って
なっちゃう。それでね、「と思った」があっても、全体的な印象はほとんど変
わんないんだよね、残念だけど。
>>429 奴婢と宦官って、いっしょに仕事することはないとおもうんだけどねえ…。
>>430-431 何つっても最後の1行がいいね。ことばの遣いかたはところどころ
疑問がありますが、構成にセンスを感じます。タイトルはまんまですが、内容
からは少しかけ離れているよね。
>>432 うーん、うまく言うのは難しいんだけど、ギター一本で音楽やってるヤ
ツにしては、なんか表面的な感じがするんだよな。特に最終部近く。イマジネ
ーションってやつをもっと膨らませたい。テーマは好きな部類。
>>433 俳諧的な諧謔を狙ってて、そんな雰囲気は伝わるんだけど、いかんせん
その諧謔の内容がよくわからない。なんか原典があるの?不勉強ですまんね。
>>434-436 妙な味があるね。まず、ストーリーはめちゃくちゃ。共通するのは
「ない」ということだけ。ことば遣いも「詩の常識」で言うとヘタ。うん、で
もね、この微妙なボタンのかけ違いが、読めば読むほど気になるんだよなあ。
516Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/10/25 20:57:17 ID:sqzMIhqP
>>437 テーマ自体に目新しさはない。が、好感が持てるのは、この詩が個性を
持っていること。ちょっとした独自の観点や表現があり、ああ頑張ってるなあ
という印象です。とは言うものの、既読感はあり。
>>438-439 うーん、ぼくはこういうのに弱いんだ…。70年代に在来線のSLに乗
ったり、廃止直前のはやぶさに乗ったりしたクチなんで。ツリカケ電車だね。
特定の人に分る詩も存在価値はあります。もうひとひねりはほしいけどね。
>>440-441 饒舌さと内容のとりとめのなさがうまくマッチしてくれました。妄
想に近い考えの飛躍だけど、むしろ好感が持てる。この詩もランディングの位
置が問題だなあ。ケミストリーやイギリス国王のことばも違和感あるし。
>>444-445>>476-477 うーむ…。これさ、メタ詩とか自動記述とかじゃなくて
「行き当たりばったり」つった方がピッタリだなあ。二篇の詩を読んでるよう
な面白みは感じましたが。お父さん飄々としてるね。
>>446-447 この詩のいちばんの問題は、子供たちの態度です。死の概念はまだ
分らないにしても、「かあさんがいない」ことは、それこそ「乳飲み子」にだ
って分るよ?腹立つなあ。「ママ、綺麗だね?」はよかったけどね。
>>448 前半は背骨あり。食って生きて、出世する奴らを指くわえて。んで後半
ではやや背骨から離れたフリースタイルになりますが、途端にことばが軽くな
っちゃうんだよね。照れを捨ててテッテ的にカッコ悪くなりたいね。
>>449-451 一見、右のことばの羅列は芸がないように見えるけど、読み込んで
いくと、鏡のような空間で微妙な対称非対称の間を揺らいでるんだなこれが。
風邪薬という軽いテーマと構成のダイナミックさ、こまやかな描写、座標とし
ての月、そのブレンドを堪能したよ、力作だこりゃ。
>>452 うん、雰囲気はいいね。ことばも結構吟味されています。ただ、どっか
のテレビドラマみたいなテイスト、どっかで見たような風景だなあ。
517Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/10/25 20:58:33 ID:sqzMIhqP
>>453-454 柳の下のイカのキンタマ、ってヤツだね。でも後半とか、いいこと
言ってるね。どっかの詩論と違って分りやすいし、簡潔だし。ちなみに本編は
ダメダメです、ダメ押しときます。
>>455-457 十五年間死に続けていた父ってのが何かの象徴かと思ったら、見事
にただの父だよね。しかも個性や顔すら見えてこない、ただのスタンダードな
父の像。伝わりません。
>>458 まあ、これもまた詩の一面かな。聴き覚えのあることばがズラッと並ん
でいるんで、どっかでコワす必要はありそう。
>>459-460 受動性の強い叫びってのは面白いモチーフだと思う。でも徹底でき
てはいないよね。最後の「えいけつの朝」とか、やけに物々しく感じる。
>>461-462 絶望とか愛とかのことばを、ずいぶんと軽い感じで出しているね。
>>463 大真面目に直球勝負だね。そういう意味では好感が持てる。1、2連めは
最終連を引き出すためだけの導入でしかないんじゃないかな。構成など再考す
る必要がありそう。
>>464 正しいことばは、難しいよね。
>>465 「始まり」というより、この詩はまだ何も始まっていないよね。始まる
前に神さまの嘲笑を受けておしまい。「何か創る」ってせっかくタイトルにあ
るんだから、とっかかりくらいあってもよかったんじゃない?
>>466 汚れた手の描写がまったくできていない。内容もただの感傷の表出でし
かない。
518Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/10/25 20:59:47 ID:sqzMIhqP
>>467-468 ややセンチメンタルな趣ですが、発想自体は悪くないと思う。ただ
せっかくの輝く言霊たちが、ほとんど沈黙を守っているよね。輝くことばとは
何なのか、そっちの方に心を砕いてほしかった。
>>471 マーヴィンゲイはおっさんの方がリアルタイムだぜえ。星は君の方がリ
アルタイムかもしれないね。内面での葛藤とトランスが結構いい感じだけど、
どっちかへの踏み込みがもう一歩ほしいかな。壊すか、開放するか。
>>473 中途半端な印象。廃虚の描写、精霊の位置付け、それらの全てが不明確
で、漠然とした印象しかない。とは言えそれらを明確にしたところで、箱庭的
な風景でしかないかも。
>>474 丁寧にことばを大切にして書いてるね。ただ、この世界には、自己の内
面と神さましかいないよね。若さを感じますが、それは微笑ましさより痛々し
さの方が強い。
>>475 構図として技量を感じる。でも何かさ、首を突っ込んで揺らしたりして
強いことばを遣ってるわりには、「安全地帯でのことば遊び」の印象が拭えな
いな…。おとぎばなしがいきなりだったり、カラオケが失敗だったかな。
>>478 これは佳品になる可能性があったな。2、4連めの「何故だろう」これが
ただの問いかけになってます。答えのとっかかりは詩のなかにも用意しましょ
う。どうしてそうなったのか、それは3連めです。無理に1連めと対比させたも
んだから、論理がグダグダ。硬貨と兵士は、すでにタイトルで対比されてるよ
ね。
>>479 IDがカッコいいね。よかったね。おしまい。
519Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/10/25 21:30:25 ID:sqzMIhqP
審査です。今回よかったよ。何つっても、みんな一生懸命に詩を書いているよ
ね。それが伝わった。そのなかでもぼくが魅力を感じた作品を。

3点
>>434-436 「ない」
こんなの書けねーよ、実際。普通は知性がジャマをして書けません(笑)。
逆に計算の上でこれを書いてるとしたら、驚くべき知性の持ち主です。密室殺
人事件の概要を書くだけでこんなもつれた紐のような文章。ケーサツの車をレ
ッカー移動させたり、関係ない人物を登場させて「カンケーないよ」と涼しい
顔で言う、展開のアホさ加減。おまけに「詩のことば」なんてカケラもありゃ
しません。もう、絶妙であります。ぼくは気に入ったよ、全部褒めてんだぜ、
念のため。
>>449-451 「風邪薬の効用,もしくは勝手な記号論」
いちばん効果的だったのが、風邪薬という軽いテーマでした。鏡の間のような、
微妙な対称性、非対称性で揺らぐ詩世界とマッチして、成功しています。
右に並ぶことばの座標は必要だったかどうかは正直疑問。しかし、座標として
の月はきっと必要だったんだろう。
520Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/10/25 21:40:09 ID:sqzMIhqP
あとは1点。
>>418-420 「壊死」
>>425 「家出」
>>440-441 「ぼくのふたり きみのふたり」
>>471 「名前はいらない」
521しいな まほろ ◆tYbIWmaS5o :04/10/25 22:29:43 ID:w7ww/SIj
お邪魔審査します。

>>412-413 星屑
>>449-451 風邪薬の効用,もしくは勝手な記号論
>>453-454 硬直

この三作が好きです。
それぞれに1点。
522MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/10/26 01:05:48 ID:B0r0q3w6
>>417-420 壊死
 オムニバス形式というんだろうか。短い情景描写のフラッシュが小気味よい。
「男荒れた指ささくれ」など、細部をうまく拾っている。音感もよい。(2)の濡れ場
がややステロタイプなのを差し引くとしても、全体的な構成よし。体言止め、脚韻((3)のイ音、死―私―手足)
のリズム感など、随所に光るものがある。作者はかなり書き慣れてますね。

>>449-451 風邪薬の効用、もしくは勝手な記号論
 毎度ながら、緻密な詩を書いてくる。ビジョンをいったん解体したあと、詩的な言語で
再構成する手腕は職人芸の域に達している。ウェットな抒情を排する理知的な言葉の質感は
正直、私の好むところではないけれど、やはり好き嫌い言っていられない技量の凄さがある。
 今日は思いっきり遊んでいるところが、楽しくまた微笑ましい。でも、やっぱ、作者が何を
イイタイかわかんね。浪花節のわたしから見たら、この作者は武満徹あたりの現代の純粋音楽、
といったところ。

>>467-468 「蛍の湖畔に集う言霊たち」
 おもしろさを感じられなかった。言霊には相当思いいれがある私としては、これらの4体のどこが
言霊? と首をかしげてしまう。タイトルに期待して読んだが、最後までピンと来なかった。
523MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/10/26 01:28:32 ID:B0r0q3w6
採点に移ります。

【2点】
>417-420 壊死
 一番よくまとまっています。作者の若くてみずみずしい感性に脱帽。
>454-455 硬直
 過去の営々たる詩の歴史の中で、ほとんどのテーマは書き尽くされている。残されたものは
この種の無駄口しかない、と言ったら悲観論にすぎるだろうか。お題を出されるまで書くものがない、
というのは、これまでは詩人として「失格」だが、ポストモダンの現今下、ブランド牛の認定証を差し上げます。
最後の光太郎と賢治の引用の仕方といい、ナメ腐ってるところがいい。まさに「反詩」。
>446 詩化粧
 子供の視点を仮構することで、死にゆくもののエロスの反倫理性に蓋をしたところはズルイ。

【1点】
>452 スリープモード
>458 名前はいらない(無題)
>475 憂歌
>449-451 風邪薬の効用もしくは勝手な記号論

以上、終わります。
524MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/10/26 01:30:37 ID:B0r0q3w6
>446 死化粧
でした。作者さんスマソ。
525構造 ◆/Cej999/v6 :04/10/26 21:27:14 ID:4rj1el7w
お久しぶりに審査のほうを

>>459-460
おまえ

多分作者の方、書きなれてないと思うんですけど
この、一歩半ズレてるような感覚ってハッキリ言って
なかなか出せるもんじゃあないっすよ。
中学生がプログレやろうとしましたみたいな感じで好き。

>417-420 壊死
女性の心つーのはよくわかりませんが
エロスがあるからねえ。

>>449-451
イメージ的な飛躍でいったらやはりコレですね。
フィルムワーク的な構図処理がかっこよすぎ

てことで各二点づつ
526ame ◆yUHAxrOw2c :04/10/26 22:01:19 ID:+yOFRSgO
ようやく出来ました。点数いれます。

3点
>444-445,476-477 父
最初、続き物だと思わなかったので、気づいた時にやられた、と思った。
それにしても面白すぎで、そして芸が細かい。
確かに力技だけども、それを使えるだけの力量と、背後にある思想というか世界観が
きちんと存在していることは確かだと思う。
意図的のようで非意図的に飛ばされ加減の行間で、
読み手の目が作品とメタとの間を漂わされていることは確かなのだから。
というわけで3点で。

2点
>471 名前はいらない
何度も繰り返して、のくだりでまとめられる一連までの流れがいいと思う。
それゆえに二連目の投げっぱなしジャーマン?みたいなところも良いと思ったけど、
それでもどちらかというとこの続きが彼にはできそうな気がしてならない。
というか、見てみたい。ゆえに2点ということで。

1点
>430-431 むくい
構成がとてもしっかりしてる。安定して読める。
ただ、内容がちとまとまりすぎというか。新しいものではない気がして。
何か違うモノが途中でぱっと見えてきたら面白い、と。
そういう意味で「歯医者がよそ見をしている!」は転換点になると思った。先が、欲しい。
そんなわけで1点で。


では。
527園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/26 23:24:29 ID:BvKi5Z1Y
「題名のない詩集」と「「蛍の湖畔」に集う言霊たち」は詩の外部世界をキャラクター化し詩の内部に取り込んだ。
内容によって詩が詩の外側に立ったのだ。
「父」と「憂歌」は書記行為(読解行為)に於ける意識の詩への没入の深度の各段階を意識化し、
それを没入の構造として表現に取り入れ、内容だけでなく内容を追う意識のあり方によっても詩の外側に立った。
超克がさらに甚だしい段階に進んだのだ。

次に、記号を使用したり文字の配列にこだわり視覚的効果を狙った作品も印象に残った

>>452 '''スリープモード...
最終行へ向けて沈殿して行く詩行の断片が布団の中に溜まる光のようでもあり
再び眠りに落ちて行く語り手の意識のようでもある。
余白に浮遊する断片群だと視覚的に捉えれば、それは温かい水の中で聴く、くぐもった音楽のようだ。

意識は文章を追いながら音や像や概念を思い浮かべ内容を理解して行くわけだが、書き言葉は
読解にあたる意識の運動を整調することにより内容を介さず直接前内容とでも言うべき物を伝達できる。
この作品では切れ切れの詩行と余白の配列が次の3つ要素を律する。まず視覚的効果。
次に行頭から行脚、そして次の行頭への視線の動きのリズム。最後に音韻。
それらを追うことにより整調された読解の意識の運動が、内容と互いに照応し合い一つの世界を作り上げている。
528園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/26 23:26:12 ID:BvKi5Z1Y
>>412-413 星屑

> 気付けば私の水面(みなも)に落ちたのか浮いたのか

1行目、「私の」という言葉が挿入されることにより意味が分らなくなる。
「私の」は「水面」に掛かるので「私の水面」という語が意味不明の語として浮かび上がる。
意味不明の語に続く語は不安定に存在せざるを得なくなる。
意味の分る文脈の中に意味の分らない語が浮き上がり、
次に連なる意味の分るはずの語は半分意味の分らない語に変性する。
「気付けば水面(みなも)に落ちたのか浮いたのか」という意味の分る言葉、
「私の水面」という意味の分らない言葉、「落ちたのか浮いたのか」という半分意味の分る言葉。
文脈から切り離されたこれらの分節は意味の伝達を放棄しそれぞれ得て勝手に自己を主張する。
意味の分らなさにも違反や省略などそれぞれに次元があるがそこまでは計算されていない。

不断に断たれる認識の糸の上で瞬間瞬間に残壊された意味の残骸を拾い進む。
大事なのは残骸を珠玉と認識すること・・・味わうことだろう。

でたらめにコラージュした(ような)パズルを前にして、人はピースそれぞれの個性的表情に気づくだろう。
読み手に上手く同化してくれない言葉達は意識から独立した、客観的な実在でさえあるはずだ。
「私の水面」は言葉ではない。実在なのだ。

文脈とともに決壊し、言葉を与えられては取り上げられ、意識はやがて詩行を追跡する自身の存在に気づくだろう。
「'''スリープモード...」は文字の配列という形式面から意識に直接したが、この作品は文脈の破壊という内容面から意識に直接する。
ただし前者は余白が意識の状態を詩の内容と一致するよう整調したが、後者では破壊された文脈が意識から詩を詩自身に奪回するのだ。

> ↓

> ↑

↓に従うと↑に突き返される。意識はここでもまた意味からはじき出され宙吊りにされる。拒否の意思は記号化により決定付けられる。
結果矢印は鏡像として視覚的に了解される。読者の心の中からはがれた星屑は、読者の目の前で驕慢な美女のように輝くのだろう。
529園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/26 23:35:24 ID:BvKi5Z1Y
>>449-451 風邪薬の効用,もしくは勝手な記号論
「'''スリープモード...」では余白の配列が眠りの情緒の形象化だった。
「星屑」でも意味の破壊や記号のもたらした読み手からの逃走、実在化を書き手の情緒だと言ってもいい。
この作品では風邪薬により眩暈を起こした意識が記述の形態と意味の破壊により表現されている。
3作とも詩行を追う意識へ直接伝達される前内容がそれぞれ内容を表現している。

この作品を具体的に見ると記号の使用と改行が視覚的効果、そして音韻と目線の動きのリズムを律する。
これは「'''スリープモード...」と同じだが前述の様にその情緒は風邪薬の眩暈である。
眩暈の上を駆け抜けてゆく記号が詩行の真ん中で鏡像をつくり意識の運動にそれまで描いた軌跡を逆走させる。
逆走の生む二重の軌跡が対称的レイアウトがによって生み出される。それが内容と照応する。
眩暈のうちに円運動をした二人称は終着点では螺旋を一段上がって一人称に変身している。
鏡を隔てたあなたとぼくだ。

文脈が破壊され、意味の世界からはじき出された読み手の意識は意識に直接する文字と音韻の世界に注意を向ける。
内容の破壊と形式の効果が結びつくことにより、「'''スリープモード...」と「星屑」をもう一段超えている。

薬を飲みすぎた読み手が部屋の外からビルの外、そしてビルの内から部屋のうちへと一周してくると
詩の中で薬を飲みすぎたぼくを見守るあなたが薬を飲みすぎた僕になっていた。
錯乱した意識の上に実在感を増して輝く言葉たち。客観的に読み取れるのはそこまでだし、それだけで十分面白い作品だ。

>425 家出
いままでの見方でいくと物足りない作品。記号は作者にしか分らない理屈で用いられているのだろうが
客観的には効果が薄い。ただ言葉づかいにセンスを感じる。

>446-447 死化粧
これはいいなあ。死体を概念操作抜きに直接美しい肉体と提示しそれを幼子は疑いなく受け入れる。
生の側から死を見ればそれは悲惨かもしれないが、死の側から死を見ればそれを素直に感受できる。
死の側における素直な感受が生の側に現れたときの不気味さもある。でももう少し死としてのこだわりが欲しい。
530構造 ◆/Cej999/v6 :04/10/26 23:39:00 ID:4rj1el7w
連投規制回避。
531園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/26 23:51:40 ID:BvKi5Z1Y
3点 風邪薬の効用,もしくは勝手な記号論
    壊死

2点 星屑
    憂歌

1点 '''スリープモード...
    題名のない詩集

相対評価なんでどうしても順位という考え方になりますが、今回の順位の根拠は寸評中に大体述べたつもりです。
今回は力作が多くて3作に収まらないので例によって6作で。感想としては力が入ってる半面力みすぎてるような気がして
そこが少し気になりました。読み終わったあとこれは評価ではなく勝手に思っただけだけど、
結局詩は読んでかっこいいか、つまり感覚的に訴えるかどうかなんで、そのかっこよさの理由は理屈でいくらでも分析できるけど
自分にしか分らない理屈を元に誰にも分らない詩を構築していくのは間違いだななんて考えたりしました。
逆に作者の込めた裏の意味というか、よく深読みなんて言われますが、そういう読み方もまた間違いだなとも思いました。
532園川 ◆nWfXpQxHHM :04/10/26 23:57:51 ID:BvKi5Z1Y
>>530
連投規制ってよく知らなかったな・・・
どうもです
533名前はいらない:04/10/27 00:13:58 ID:+lJ6TXs7
以上をもちまして、締め切りとなりました。
審査員の皆様、寒い中ご苦労様でございます。
534名前はいらない:04/10/27 00:35:35 ID:+lJ6TXs7
集計だYO

チャンプ
壊死 2+1+2+2+3=10
風邪薬3+1+1+2+3=10

準チャンプ
むくい1+2+1=4
憂歌 1+1+2=4
535名前はいらない:04/10/27 00:37:46 ID:8B5KEfBe
確認しました。それでOKだと思います。
536名前はいらない:04/10/27 00:42:17 ID:+lJ6TXs7
了解しました。

んじゃチャンプは
>>417-420 壊死
>>449-451 風邪薬の効用もしくは勝手な記号論

準チャンプ
>>430-431 むくい
>>475    憂歌

ってことで宜しくメカドック
537心霊写真:04/10/27 11:46:27 ID:XC5uy2vs
失礼します。
「壊死」書きました。どうもです。
投稿が先の方がお題出すと言うわけで。

次は「道」でお願いいたします。

〆切は11月3日いっぱいだと思います。

よろしくどうぞ〜☆
538イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 :04/10/27 12:43:29 ID:C2EWVUb1
ageていえよーーーー!

雑談のほうに「次のお題はなに?」とか書いちったろーーーー!

では次のお題は未知から道へと姿を現しました。
皆様、テキトーに力を抜いてどうぞ。

ちなみにシンサイン常時募集中です。
やりたい方は「やりまーす」と宣言するだけでOKです。
ちなみに宣言したからといって強制審査ではないです。
前回の俺みたいにすっぽかしてもいいです。
539C ◆7sqafLs07s :04/10/27 12:50:39 ID:AdxK3FVr
審査員やります。ルール読みながら間違えないように心がけますが、不手際を仕出かしたら
ご指導よろしくお願いします。
540あぜ道にて:04/10/27 23:53:34 ID:v8Mo2KM2
わたくしを繋ぎ止めるのは脆く、細い二本の足
傷まみれの手ですこしづつ軽くなる荷物を運ぶのです
ポロポロとこぼれる荷物があなたの道を塞いでしまうなら
その時は優しく踏みつけて下さい 大切な物だから

わたくしが倒れたときは振り返ることなく先に進んで下さい
わたくしに出来ることはあなたのために祈る事だけです
雨風や日照りで荒れた道にあなたが歩みを止めないように

道に迷い、袋小路に出会った時は 自ら道を耕して下さい
きっと誰かがその道を踏み あなたに感謝することでしょう
光りが見えない時もけして焦らず、ゆっくりと確かに進んでいって下さい
朝も夜も繰り返すのが自然なのですから

途切れざる道にキラキラ光る落とし物 いつか目差した夢のように

涙はこの道の果てに置きましょう 今はまだ道の途中ですから
言葉や感情は全てを乗り越えた後に放ちましょう
今は只、前を向いていて下さい
さぁ行きましょう
541道子さん(1):04/10/28 23:42:08 ID:n/7dNBfa
北をみれば山があるし
南をみれば海があるし
どっちへ行っても壁だと思っていたら
道子さんが下から足を掴んできた

歩けぇ
歩けよぉゥ
走ってもいいからぁァ
止まっていることは止まること
動いていることは生きること
わたしはある
わたしはここにあるから
わたしの上をお前は歩きなさい

道子さんの長い黒髪の上
艶やかだけどすべらないね
東をみればビルだよ
西をみれば防風林だよ
どっちへ行っても壁だね
ぼくはどこへも着けはしないね

それじゃァわたしが
お前を気持ちよくしてあげよぉ
白いこの指でさァ
お前のペニスを擦ってあげよぉ
テンゴクのユメをみて
たっぷり黄金をお注ぎ
ユメから醒めても黄金で
道子はとっても気持よいだろう?
542道子さん(2):04/10/28 23:42:39 ID:n/7dNBfa
ごめん道子さんあんたばからしい
ころすよ道子さんあんたいやらしい
サルの歯を剥いてぴょんと脇へ飛びのいたら
道子さんはぼくの頭のなかの静止画だった

そしてぼくは死ぬまでオナニーするための道子さんを失ったんだ

                               (終)
543特撰キンバエ ◆yuQ9t.UD8o :04/10/29 00:03:00 ID:cqNcDn6H
無明の夜行く人間は
無数のざわめき聞くと言う
ぼうと光るは月夜茸
蛆虫の群れ照らし出す

山をうずめる赤躑躅
吹き出る鮮血映ゆと言う
人の灯火に誘われて
蛆虫の蠢き足元へ

人食いの蟲棲む地獄谷
しゃぶりしゃぶりと人肉を
啜る音聞く供養地蔵
南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏と呟く声
鬼火をまとって里まで響く

人の骨も一夜に谷の石となりて
やがて風に舞い散り跡形もなし
544あぼーん:あぼーん
あぼーん
545普遍草原:04/10/29 19:16:49 ID:rD0AYggW
ドンキホーテも進んだそこを
ゆっくり歩くだけでどんどんと狂気の沙汰に成り得る
自己悦に浸りながら

何処の誰か知らないけれど
切り開かれた道を
どんどんと進むだけで
何処の誰か知らないけれど
此処の俺に成り代わっていく

嗚呼 全部自分に成っていく

裏返った香車はもう真っ直ぐに走れない
用意された道は沢山在る
ゆっくりと歩く事しか出来ないけれど

何れ龍に辿り着く事が出来る
其れが例え風車で在っても
信頼する馬は居ないけれど

常に誰かの道を歩いて居るのだろうか
546危ない道:04/10/30 08:11:06 ID:tiyz2bL1
どうせ
悲しくなるんだったら
耳も
目も
邪魔なものかもしれない
でも
それと引き換えに
楽しさを得るのだろう

人生はまるで道のようなもの
平坦じゃつまらない
たまには山の鎖場のような
危ない道を歩きたくなる

きつい坂道や
息の切れる峠も
終わったあとの感激のために
苦しみがあるのだから

時には人は危険な道を
あえて選ぶときもある
危険のおまけの
激しい胸の緊張の
鼓動を求めようとする
547突堤:04/10/30 16:38:00 ID:+c8Kov8Y

この道は
夕暮れの港湾へと続き
また拡張する大樹へと続く
静まり返った工場に沿っては
常夜灯が雪に浮かぶ駅前へと入り込む
寒村の児童公園の小さなブランコを臨み
山に分け入れば廃線のひび割れた枕木を踏む
あばた面の野球少年と彼が想う一人の少女の家を繋ぎ
あるいはまたその少年を産んだ女の墓にも繋がっている
死んだ女がその昔に とある男と出会った広場へとも いまもまだ繋がっている
エントランスの雑踏は雨に濡れ
線路沿いに野球場の歓声が聞こえる
倒れた老婆を横たえるあぜ道に続き
彼女を探す家族の呼び声が聞こえる
車のライトに照らされた獣は足が竦んでいて
土産物屋の軒先から落ちた人形が日を受けている
548突堤:04/10/30 16:38:38 ID:+c8Kov8Y

コスモスが咲いている
マンホールから音がする
入浴剤の香りがたちこめ
子供らの声が響き渡っている
半裸の女がベランダに立っていて
葬式の花輪が並んでいる
この道は目の前を続き
その向こうへなおも続いている
誰もが行けるこの道に全てはあり
それはこの道を行けば分かる
アスファルトが途切れ砂利が空を指差し黒土が波打っては海岸へとひらけ
道は街路樹の花を静かに見上げ
道は月明かりに粛々と照らされ
道のどれもが未知でありしかしここで今確かにただの道であり
伸び広がって交わって重なりどこまでもどこまでも続いている
誰もがこの道を行ける日は続きこの道はその向こうへなおも続く
お前よ 今夜胸を張り世界の突堤たる地面に丁寧に新たなる一歩を捧げよ
雑草が伸び街灯に照らされ
風が吹いている
549そら開拓史ー1:04/10/30 19:22:49 ID:HWgmzQlg
ーーーーそれはどこ?

猫がよこぎります

ーーーーそれはどこ?

ここは西暦3×××年
人類もついに空を飛べるようになりました
正確に言うと反重力装置 それが発明されたわけです
というわけで車も家も野球球場も全て空
地上がいっぱいになってからはすべて空に作られます
空の土地の値段 矛盾しますが 
つまり空の空間の値段は 地上のなんと100倍 
お金持ちしか買えません 普通の人は国の公共の空間を使います
さぁ 少したってみなが空を利用しはじめてからは
地上と同じように規則が作られます
そう交通ルール 空にも道ができ町並みが作られていきます

だから最初にだした問いの答えは 「道」もしくは「空の道」

どこにだって道はひらくーー  誰の言葉でしたっけ?
550そら開拓史ー2:04/10/30 19:23:32 ID:HWgmzQlg
ここは西暦4×××年

プルルルルルルル プルルルルルルル
あー空にはもう空いてる空間がありません
無限にあるように思えますがもうないんですってば 

いったい誰だ 反重力装置なんて作ったやつは
地上で暮らしてたほうが よかったじゃねぇか
雲の上に 町をつくると雨がふらないし
雲の下に つくると 地上の住民が文句をいいやがる
なんだ日照権っていうやつか それがあるからいけねぇんだ
こんだけ科学が進んだんだから 人口太陽でも買えってんだ
たしかにあれは高いけどよ 500年前には 地上vs空で 戦争したんだろ
なにか学ばなかったんか 俺らのご先祖様は まったく 

プルルルルルルル っち なんだまた電話か 俺の仕事は空の開拓工事だっての
もう用済みだからって 事務にまわらせやがって 
はい はい こちら 「そら管理局」  え なんだって
反重力装置が壊れた 予備はーー ぜんぶ 壊れたぁ おい どうするんだ
こりゃ やべぇな 空にあるもの全て地上へまっさかさまだ
これが「テンペイチイ」ってやつか ちょっと違うか
ってそんなこと考えてる場合じゃないな オレも地上の藻屑かーーー
ってことは 地上のやつらも死ぬんだよな ん 人類滅亡ってことか
うわぁぁぁぁあぁーーーーー


ひらいた道は必ず閉ざされるーー こんな言葉ありましたっけ?
551道化:04/10/31 05:13:18 ID:Sz1CZWly
さあさ
寄ってらっしゃい
見てらっしゃい

目の無い獅子の悪夢
耳の無い兎の空耳
舌の無い猫の巻舌
足の無い象の地団駄

ワタクシ
進行役の道化者でございます
背負ったこぶは永久なる保存食でございます

よくぞお集まりの皆々様
あなた方こそどうかしているのでございます(爆笑)

さあ 最後が今から始まります
552むかしの言葉:04/10/31 09:50:30 ID:IYbHdMXQ
むかしの言葉には形があった
むかし――
と言っても
いつのことだろうか
わたしがまだ子供の頃
夕焼け空が血の色をしていた頃
道がアスファルトで被われる前
土埃の呼吸をしていた頃
言葉は確かに手にとることができた
手にとれば触感が直に伝わってきた
丸い言葉
尖った言葉
四角い言葉
ゴム鞠のように飛び跳ねて
投げればまた手許に返ってくる言葉

 青森のりんごは
 赤いりんごがたくさんとれて
 一個とれて
 二個とれて
 三個とれて――

道の真ん中で
女の子たちとむかし歌ったこの歌は
縄を飛んで地面に手をつくと
真っ赤に熟した津軽りんごの
甘い芳香と一緒に
ゴロゴロとした
りんごの丸い手触りが
返ってきたものだった
553むかしの言葉(続き):04/10/31 09:56:34 ID:IYbHdMXQ
言葉からこうした手触りが失われて久しい
いまの言葉は
つるんとしていて
まっ平らで
触るとベトつく
いまの言葉に触れるたび
わたしは
ナメクジでも触ったような心地かして
急いで手を引っ込める
こういうときに使う
ぴったりの言葉がむかしあった
えんがちょ カギ閉めた
554名前はいらない:04/10/31 12:20:13 ID:/foceI3h
孤独が代わる代わる囁く。
「これでいいの?」
「今ならまだ間に合うわ。出直しなさい」

街角には花束。
涙もいつかは乾き、全てが過去になるのだろう。


555554:04/10/31 12:24:16 ID:/foceI3h
忘れてた。
題名は「milky way」で。
556フロントガラスに霜が降りるころ:04/10/31 18:17:56 ID:IiMSQ6by
ラムネビンアスファルトに叩きつけて
取りだしたビー玉
そいつは一日十日千日
時が立つほどに研ぎ澄まされて
純粋さを増してんだ

真夜中のネオンと星
どっちが美しいかってお前に聞いてみたいね
本当は答えなんて
どっちでも構わないんだけど

雪が降る日の予想が90%の的中率だとか
冷えた空気に映える白いヘッドライトが好みだとか
真夜中凍えるようにしてフカす煙草が旨いとか

とても大事だけどビー玉割れたっていいし
カタチじゃないって知ってるし
アスファルト踏みしめるときだけ
浄化されてんだ

何が大切かなんてどうだっていいだろ
お前ならそう言うだろ
まっすぐ進めば届くんだろ

THANK YOU MY FRIEND

3、2、1
お前のカウントで
また今日も地面を蹴り上げるんだ
557地の果て:04/11/01 19:27:56 ID:CCAapmzI
なあ血だるまー

結局俺達死ぬんだろうな

お前は血だるまだし
俺は血みどろだし

ち、血みどろ
怖いよ
怖いよ
おいかけてきたよ

怖い?

怖いとか
そ、そういうの俺、
もう、わ、わっかんないんだよねー

あははお前
ざくろみたい

なあ血だるまー

558:04/11/02 02:00:49 ID:3r43e/LE
アスファルトの感触がおかしい

バス停までの道

靴が3センチほど沈みこんで消える音  ちふ

周りが白化して

上下左右もなく歩く

もうそろそろ

バスがくるころ

あきらめて楽になった


559海を渡る:1:04/11/02 02:52:20 ID:7eKddJZf

「線路の上を歩いて海を渡る
 それ自体はけして珍しい行為じゃない
 だが心してきいてほしい
 次の駅にたどり着くことのできる者は
 きわめて稀である

「大洋をどこまでも縦断する一本の直線
 それは島嶼
 それは紡がれたかぼそい蜘蛛の糸
 それは単純で最大のシナプス
 それは人類に残された最後の自己主張

「必需品
 まずは一本の水筒と
 絶縁体の手袋と靴を用意すること
 線路は帯電していて触れると必ず体を蝕む
 また駅間の距離は定かではないが
 夜通し歩いても二日は優にかかる

「海洋特急は週に一本
 なぜか南回りの便だけだ
 列車がやって来るまでに海を渡らなければ
 運命はサイコロのように決まってしまう

「線路のまわりの波はおだやかで
 はるか向こうには灯台がかすんでいる
 口笛を吹きながら渡った
 太陽と空と海と線路と
 旅の道連れにウミネコの鳴き声と
 駅までの道のりはけして長くはない
560海を渡る:2:04/11/02 02:53:37 ID:7eKddJZf

「妨げとなるのは高波だけではない
 強い紫外線と海風は確実に体力を消耗させる
 線路は常に横揺れをくり返し
 海を渡るわれわれを拒絶するかのようだ 

「そして今やかなしいことに
 イルカもクジラも人類の敵なのだ
 彼らに見つかったら最後
 四肢から徐々に喰われて
 私の存在した証はどこにもなくなってしまう

「ここの生活には満足している
 それなのにどうしてだろう
 駅がぼくをいざなうんだ
 旅に出ようとぼくをいざなうんだ

「海を渡るには駅を見つけなくてはならない
 駅の正確な場所は誰も知らない
 規約上は誰にも訊いてはならない
 秘密裏のうちに目くらめっぽうに
 探す 薔薇の薫りのする方へ

「駅員は親切に旅の手ほどきを教えてくれる
 最低限の必需品まで揃えてくれる
 駅員はパトロールも兼ねていて
 線路を歩いて海を渡る者を取り締まる
 彼らはためらいなく密航者を射殺する
 駅に駅員のいたためしはなく
 さびれたプラットホームがぽつんとあるだけだ
 駅は存在しない
561海を渡る:ラスト:04/11/02 02:54:43 ID:7eKddJZf

「遠くで
 海洋特急の疾走する音がきこえる
 姿をみたことはない
 音だけの幻の列車だ
 私は思い出すかつて私の成し得なかったくさぐさを
 ユニゾンのこだまはいつまでも続く後悔のように

「ぼくははだしで
 海上のプラットホームに立っていた
 これからぼくの渡るまっすぐな線路だけを見ていた
 次の駅は
 かすんでまだ見えない 歩きはじめる

「ぼくは駅を知らない
 ぼくは線路を知らない
 ぼくは海洋特急を知らない
 ぼくは海を渡るすべを知らない
 ぼくの眼前にひらけた道を知らない
 ぼくは海を知らない

 知らない。
562道々しい:04/11/02 18:00:23 ID:4XnCMH+p
青白い息に押し潰された
色狂いの電柱達が
立ちっぱなしの中
彼女は昨日のまま
アスファルトに熱く接吻

もう会えないと思っていた
道は分断され滞っていた
彼女はいつかと同じく
高いヒールで
跡を付ける

ダダッダダダッダダダ
俺はロボット彼女女王様
563海上の道:04/11/02 21:12:52 ID:iSgxoUek
秋の黄昏まで指一本という
まだ太陽の微笑みが力に満ちている時、
微かに赤らんだ雲がたなびき、空はいまだ青く、
奇妙にろうらかな空間が浮かび上がる。

海上に光の道が拓かれた。

ゆるやかに波立つ海上に
この世の全ての色を映し出したような
細かな鏡の欠片が敷き詰められて、
一瞬ごとに形を変える無数の破片が
約束の地へと真っ直ぐな道を造りだした。

彼の地には、愛が手に取れるに違いない。
彼の地では、美が万遍なく行き渡るに違いない。

彼の地に至る道は、きっと足を引き裂くに違いない。
彼の地へ至る道に吹く風は、心も引き裂くに違いない。

青い空が薔薇色を増し、太陽の輪郭が拡散し、
光が柔らかく空に溶けていく。
今日もまた、彼の道を歩み得ないまま、
陽が落ち往きて、黒い海を迎えた。
よく見知ったこの海に、この世の全てが内包される。
ここに示される道は、黒い蜘蛛の糸で編み出したように
無限にひろがり、闇に収束していく。

この道をたどる。
すべての分岐を闇の中で迎え、闇の中で選ぶ。
手探りで、這いつくばって、にじにじと歩む。

にじにじ と 歩むのだ。
564未知行く際に:04/11/03 02:01:31 ID:TJB0FzDc
油の海を行くの 黒く暗く 月も水面に映さない
そんな景色はまるで 絶たれた希望を呑んだ
丈も知れぬ獣のように 恐いけれど

それを知っても行くの 跡を辿ることも叶わない
終わり知れぬ先 それは水平線の彼方
ドロリとした感触は 船の上にいても不快
それは手段でしかない 私は守られていない
当たり前の事だけど 自分の足で立つことなんて

その足を踏み出す事を 知らないまま此処まで来て
船は油であれ海から私を守ると信じて
そして 裏切られた 得体の知れない道に
向かい合い それを行く覚悟の選択を
私は後悔しない
565夕暮れの道   1:04/11/03 03:02:19 ID:hrLzR98V

冷たいと九月の雨にけむる高層ビルが遠くに見えている深町署の
刑事課に電話がかかる
110番ではない

「山沢? ……山沢は今 出ています …どちらサン?」

捜査一課の鬼刑事も電話の相手が中年の女性とあって
いくらか声もやさしくなる
まさか飲み屋のオカ……

「紅藤と申します 山沢様はお忘れになっているやも知れませんが
高校の頃ご一緒させて頂いた紅藤康介の母親でございます」

何か訳ありの様子……

不機嫌そうな顔の康介が電話の向こうで母親の顔色を見ていた
566夕暮れの道  2:04/11/03 03:04:30 ID:hrLzR98V

黄色でもない茶色でもない 柿の色は秋の日に照らされる甘い色だ
たねなし柿と値札に書いてある

「おいしそうねぇ……」

山題貴子は無邪気に言うとあでやかな柿を手に取った
山題栄次郎は無表情に少しうなずいて答えた
これで今夜は……私をいじめに来るは……

小さなスーパーマーケットの売り場主任と話しているのは山沢刑事だった
二人連れの客も結構 来るようである
売り場主任の田島徹が死体のから描きおこした似顔絵のコピー見ていた
この方がアベックとかで御こしになっていたら
覚えていますね……

被害者の部屋にこのスーパーの袋があった
しかし
何も繋がる事実は見つからなかった

捜査がうまく行かない時は現場百遍という
もう一度現場に行ってみるか
567夕暮れの道  3:04/11/03 03:06:23 ID:hrLzR98V

「お前ぇ! 刑事ってのは勤勉に励めばいいってモンじゃ
ないんだよ」

先輩から叱責されるような気持ちで
それでも
現場百ペンだと……想う
今日の予定の聞き込みは終わった 手掛かりはない
ここで現場に行ってみる ……それがただの勤勉で
あるはずがない
はっきり
そんな事を考えているわけではないが勤勉な
行動派の山沢刑事だ

被害者は毎日この道を歩いていた
道端の電柱には所番地とローカルな広告が

/ハッピー金融 断りません/峠産婦人科 /ハッピー金融 断りません/峠産婦人科 //ハッピー金融 断りません/峠産婦人科 /山田学習塾 小学生から高校生まで/
/ハッピー金融 断りません/峠産婦人科 /ハッピー金融 断りません/峠産婦人科 //ハッピー金融 断りません/峠産婦人科 /山田学習塾 小学生から高校生まで/
568夕暮れの道  4:04/11/03 03:08:43 ID:hrLzR98V

この角を曲がると被害者が住んでいたアパートだ
被害者は10年以上勤めていた会社にも偽の名前を使っていた
アルバイトから本採用になるときに出した保証人の
住所も名前も
該当者がなかった
いったい何故 偽らなければならなかったのか?

被害者の身元が判らねばこれ以上の
捜査は行き詰まりだなぁ……
疲れを感じながら
山沢刑事は
歩いた

569想いは道:04/11/03 16:32:32 ID:Q83YXSJo

道は大蛇のように君に絡まっていた。 
――そして僕は
君の道の 形、 色、 質感 を 
静寂の空間に置いて眺めていた。

――あっ、

その時、僕は確かに見た。
道の上で 雨に濡れながら懸命に泳ぐ 
魚のようなシルエットを。

それは君に映る僕か、
それともただの風の記号か。


風呂上がりの君は
そんな僕の考えを知ってか知らずか
道を両手でねじってまわし、
魚や雨を消しながら 
メビウスの輪のような「何か」を作り始めた。

――君は言う、 
これで互いに行き来するための道が出来上がるはずだと。

生き返った空間
君の笑顔 
笑顔の君
 
僕は無性に嬉しくなり、君の道へと手を伸ばしていた。
570街灯:04/11/03 18:05:27 ID:pYh5LJ3j
例えば自分が生まれたその日に帰ったような
やさしい やさしい夜だよ
リュックをしょって 息を吸って
町の外に出るんだ

夜にすっかりくるまれた いとおしい町の屋根のもと
知る人たちがみんな もう眠っている

門の外は荒野だ
吹く風は星を揺らしはできず
踏みしめる砂利の軋む音は
ただどこかに吸い込まれていく
呼ぶ 誰もこたえない

眠る人たちの枕のそばの
灯りにぼくは守られている
この道のどこまでも先で星を見よう
あの家々の窓のために

灯りをかかげて行こうか
光をともしながら行こうか
571EVRYDAY EVRYDAY (ONE):04/11/03 19:45:15 ID:twzYrju/
人が苦しんでいるのが
人が死んでいくのが
小さな箱に映しだされる
EVRYDAY EVRYDAY
情報過多なこの世の中

かわいそうなんて同情
ちっとも役に立ちゃしない
優越感振りかざして満足かい
人の命は地球より重いなんて
悪いがそんな事信じちゃいない
不幸と思ってるアンタより
幸福そうに見える命は
EVRYDAY EVRYDAY
どの位消えていくの

特別な存在じゃなくても
生まれたなら生きりゃいい
ただそれだけ
アンタの世界ははアンタがなくなりゃ
スベテ真っ白
EVRYDAY EVRYDAY
笑っていりゃれりゃそれでいい
572EVRYDAY EVRYDAY (TWO):04/11/03 19:46:36 ID:twzYrju/
特別な存在じゃなくても
なんていうけど特別なんて誰が決めた
御託並べて言い訳好きな
この世に染められちまったかい

アンタの道はアンタのもんだ
茨だって裸足で走れよ
叩かれたって伸びやがれ

アンタの世界じゃアンタはGOD
人を羨ましがる前に
自分ひとり位幸せにしてみろよ
そんなに難しいことじゃないだろう

笑って生きれるように
EVRYDAY EVRYDAY
動くコトできりゃ
EVRYDAY EVRYDAY
幸せの道はそんなに遠くない
573571:04/11/03 20:04:16 ID:twzYrju/
EVRYDAY→EVERYDAYです…。すみません。
574夢の住人(1/8):04/11/03 20:39:56 ID:pvW8OQJf
文化の日 サーカスを見に行った
サーカスというモノを見た事が無かった

新聞屋に貰った無料のチケットを持ち
スーパーに行くようないつもの服装でぼさぼさと出かけた
賑やかなステージに家族連れのうるさい観客
今年三十になった私は一人指定席に座る
「ようこそ 夢の国へ あなたも夢の住人へ」
ありきたりな謳い文句 期待は出来なかった

想像で描くままのピエロが総合司会を務める舞台
次々と繰り広げられるものは正に夢物語だった
私はぐいぐいと惹き込まれていった

空中ブランコの少女のか細い指先
伸ばしきった指先は切なさと名前を変えて
青年がしかと繋ぎとめる―――と見せかけて
動揺誘うためわざと一度落ちていく青年
待ち受けるネットが大きく揺らいだ

演出と解ってはいるもののドキリとしてしまう
浮き上がる肩を自分でぎゅううと押さえつけた

悪夢を見てる最中(これは夢ですよ)と肩叩く自分
そんな無意識の自制心に似ている感覚だった
575夢の住人(2/8):04/11/03 20:44:01 ID:pvW8OQJf
猛獣使いの青年がびゅううと鞭をふるいながら現われた

金色タキシードに真っ赤なマント緑の蝶ネクタイ
金色シルクハットに目だけ隠せる黒アゲハのマスクを付けて
サーカスらしい目がチカチカする姿 美しい 蒼く光る目をしている

じゃれつく猫の様に虎は腹を見せた
本物の猫は細くしなる綱をせっせと渡った
象は蹴り上げるボールを見事にゴールへ
毛虫のような犬達はジェンカを繰り返す

猛獣使いが鞭をふるうと叶わない事が無かった
誰もかれも従順な一匹の獣になってしまう
触手の如く自由にしなる鞭 強い静かな蒼い目
 
憧れのような恐れのような恋にも似た感情を抱き

私は何度と無く肩をぎゅううと押さえつけていた


576夢の住人(3/8):04/11/03 20:47:01 ID:pvW8OQJf
夢の帰り道 
興奮冷めやらぬ私の足は
両親二人きりとなっている実家のマンションに向かう
今日の出来事をとりとめも無く話したくなったのだ

でね
あのね
それから
凄いでしょ

子供の頃と同じようにうんうんとうなづく母親と父親

昔と何一つ変わらない空気の中
熱いチーズの絡んだバーグ
もちもちと噛みむぐむぐと喉につまらせて

長い食事の後 大きな湯船に浸かった

重力にあらがえなくなってきた丸くない風船
四つ持っている私はドコを向いてもふわふわと浮いた
サーカスの猛獣使いがぴしゃりと鞭を振るうとぱちんと割れて
たちまち沈んでしまうんだろうな いや あの蒼い目が見つめるだけでも

一気に潜ると耳からしゅぱーっと抜けていく空気
代わりに注ぎ込まれたお湯がずんと音を消した
詰まりきった私は呼吸をしなくても生きていけた

ネルのパジャマを着て両親の間に眠る
ちゃんとパジャマを着るのは久しぶりだった
一人暮らしの長い恋人不在期間の長い私は
夏は裸族で冬はそのままコタツで寝てしまうから
577夢の住人(4/8):04/11/03 20:51:57 ID:pvW8OQJf
目が覚めた 何だか寒いな
玄関のクリアポケットパシパシと揺れ ドアーが開いている

両親は眠りこけている 寒くは無いのだろうか
何も変わらないと思ったのに
久しぶりに帰った実家は勝手が変わってしまっているのだろうか

冷え切った空気 床溜まり 静かな寝息の輪唱 二匹の化け物みたい

ハーフ毛布くるまって玄関へ 転がる化け物跨ぎ 
柔らかな寝床から 暗がりの中フローリングへ 冷たい

玄関に誰か居るのだろうか
 
思えば 思えば誰か居るのだろうか 
風で開く重さのドアーでは無いのだから

私はハーフ毛布を剥ぎ取って玄関へ急いだ

電気をつけると私の靴がなくなっている事に気付く
玄関のドアーは十センチ程の隙間を作っていた
隙間に私の靴が片方だけ縦になって挟まっている
靴をひっぱり抜いた 左の靴だ ドアーはごおんと鈍い音を立てて閉まった

すぐさま鍵をかけて右の靴を探す どこにも無い
魚眼レンズを覗くと外灯に照らされた右の靴がぽつん
左手に持ったままの左の靴と呼び合うように黒光っている
578夢の住人(5/8):04/11/03 20:55:27 ID:pvW8OQJf
不思議だ どうして片方だけ外にあるのか 取りに行くべきか
しかし不思議さよりもまだ怖さが勝っている 諦めて朝を待とうか

恨めしく見つめていると突然視界が金色になった
驚いて目を離し再び目をつける すると猛獣使いが私の靴を持って立っている
左に私の靴を持ち 右手で鞭を地面に二、三度打ちつけながら

急いで鍵を開けドアノブを右に回した
外灯の薄暗い光の中 右の靴があった しかし猛獣使いは居ない

夢を見ているのだろうか しかし肩叩く自分は現われない
 
ごおんとドアーが閉まり 私は一人夜の中歩き出す
とっくに恐怖は消え去り 首をかしげながら右の靴を拾った
右手に持った右の靴と左手に持った左の靴
再会を祝うつもりで両の靴底をぱんぱんと合わせ鳴らした

裸の足裏がひんやりとコンクリートにはりついている 
玄関のドアーを背にしばらく立ち尽くす 夢では無い

きょろきょろと周りを見渡した所で静かな真夜中だった
もう一度両靴を打ち鳴らして裸足のまま玄関に振り向いた
579夢の住人(6/8):04/11/03 21:03:10 ID:pvW8OQJf
突如
目の前の小さな魚眼レンズがズームアップしていく

直径1センチ程の丸い穴が中心から大きく広がり
ドアーの大きさぎりぎりまで膨張していく 
レンズは光り 夜の闇が作る真ん丸い鏡となって私を映した

そこには見開いた目の下に隈を作ったパジャマ姿の三十女が居た
両手に持った靴をパタリと落とし目の前の真実を凝視している私だった

呆然とする私の背後に金色シルクハットのてっぺんが見え始める
地底から浮き上がってくるように彼の全身は現われた 猛獣使いだ 

振り返る事も出来ずに鏡越しに私は彼の目を見ている 蒼い目を見ている
彼は私の頭の中に低い声で話しかける 

(ようこそ 夢の世界へ 君も夢の住人にならないかい) 

彼の目を見たまま 私は身体の自由を失っていた
持ち上がるように 両肩が震え始めた 押さえつける両腕は意のままにならず
震えはじきに頭部にも伝染し 私は頭を上下に震わせていた
580夢の住人(7/8):04/11/03 21:06:34 ID:pvW8OQJf
彼はぴしゃりと鞭を振るった 

はらはらとパジャマが脱げ落ちた 目の前に下着姿の私
直視出来ずに目を閉じかけた所 もう一度 鞭の音がした

私の首に衝撃が走る
瞬間視界は紫色一色となった

紫の液体を噴出す私の首根っこ 
ヒヤシンスの球根が逆さまになったよう 目の前の鏡に大きく映された 

私はスローモーションで落ちていった 
鏡越しにヒヤシンスになった自分を見ながら

何もかもが紫 
なのに鏡越し 視野の端っこで見る彼の目だけが蒼いままだった

自分の艶の無い肩を
自分のくびれの無い腰を
自分の垂れかけたお尻を

じっくりと眺めながら落ちた私は今 自分のかかとを見ている 

がさがさじゃないか
581夢の住人(8/8):04/11/03 21:12:14 ID:pvW8OQJf
こつこつと足音が近づく
 
足音に合わせて私の二足の靴
ひとりでに歩き出し私の横に並んだ

足音の主に拾われた私は温かい腕の中に居る
彼の手が私の頭を優しく撫でていた
ゴロゴロと喉でも鳴らしたい気分だ

彼はゆっくりと歩き出す 
その前に私の靴が軽やかに歩いていく

(どこに行くの?) 
(人が住むべき素晴らしい世界さ)

私の靴は迷う事なく紫の夜道を歩いていく

頭だけになっても迷いだらけの私は
これが夢であればと妄想を止めない しかし 終わりなのだ 


終わりたくない
終わりたくないな 

親孝行も
部屋の掃除も出来ていない
582ぺぷちど:04/11/03 21:30:31 ID:Tc+SFrr1
>>574〜581
おもしろかったです。8/8のオチをもっと派手で引田テンコウな
イリュージョンでキメて欲しかったです。
583581:04/11/03 21:37:27 ID:pvW8OQJf
↑ありがとう。

すみません 
>>581 三行目「私の二足の靴→私の靴」 に訂正です。申し訳無いです。
584十一月の追憶:04/11/03 22:53:40 ID:zqRvP/Qz
眠っている夢の影のとなりで君がやっぱり眠ってる
もっと泣き出した誰かの声に似た風景で
水たまりのように坂を流れていくのだろうね

消えた映像の代償として点々とつけられた靴跡
両手にそっと乗せた綿のような軽さで
いつか陽射しに溶けてしまうようなこの部屋の上で

夢は舞うだけの蝶のように止まる場所をきっと与えてくれなくて
君は一歩先にあるアスファルトの冷たさを知っていたのだろう
そこに何もないことだけが見えていることも


 雨の降ったこの空間で後ろを振り向いてみれば
 月と水銀灯の光と一つの影

  円ガラスを切り取ったような空は勝手気ままに
  無数の星だけを厚い雲で隠した

   道が前と後ろにあるだけの十一月のあの日は
   晴れた一日が欲しかった


僕の影を月が細い紐で引っ張り始めて
どうにも動けなくなった夢はそこから夢のままで
立ち尽くした太陽は月をもう追いかけられない

いつか見えなくなったら消えるだけの道の上で
眠ってしまった君の夢と 小さな十一月
585夕陽の中で:04/11/03 22:58:54 ID:o4DW9BmX
歩くことは罪か
進むことは罪か

生きている動物は穢れに非ず
想いが純粋だから
死んでいる大地は悪に非ず
徒に踏み潰されただけだから

けれども彼は確かに罪だ
何処かの宗教の神に拒まれたわけではなく 誰に裁かれたわけでもなく
けれどもそれは確かに罪だ
途方もない長さの影をした 何方かの下劣な笑顔がそう仰った

道は いつも光に向かうとは限らない
光が動くからではなく 大地が動くからではなく
誰もの向かう先が仮初だから
その仮初を人は希望と呼んだ

希望に向かって頑張る人がいたら
それを彼は素晴らしいと言うだろう
けれど彼は罪なのだ やはり彼は罪なのだ
何故なら彼は毎日 彼の足で歩いているから 進んでいるから

人は罪を憎み 罪人を笑う
人は罪を憎み 罪人を傷つける
それでも彼は黙々と あてもなく家路を急ぐのだ
それでも彼は黙々と オレンジ色の中を駆けるのだ

不合理は踏み荒らされた大地で道理になった
586固有値 1:04/11/03 23:31:08 ID:ZlCcPevT
カマーン、チャンプ、受けて立ちます、(こちらは副音声でお届けしています。
お題を出しな、(画面は最大、文字はなるべく小さめでお楽しみください。
道? ですか、そーですか。(ではまず、これは習性、硬直につづく三作目、
てんてんてん、(トリロジーのとりですね?
よしゃー、来ちゃった見ちゃった勝っちゃった、(ええ、エポックメイキングかつ豪華な仕上がりです。    
合計点数3000点、(申し遅れました、実況は作者、解説は作者です。                  
破格でぶっちぎる、(ところで、コテはつけないんですか?                 
錯覚レミゼラブル、(んー、なんか気の利いたやつとか思っちゃうとね、                
MUJINAが、これは希望抜きのパンドラの箱、(あと、かなりのびびりですから、       
イタチが、神々の黄昏にはこんなRock-'n'-roll、(きびしいこと言われたら、   
Alniteが、作者はエデンの蛇である、(もう来ねえよ         
て言うよなやつを、書きますよ、覚悟なさい。(ってすぐ逃げられるようにですね。     
あっと、敬称略ですから(あ、いままさに。こういう部分が失礼なびびりですね?
お気を悪くなさらずに、(そうですね。失礼ですね。
なにとぞひとつ穏便に。(Canopusさんにはイカのキンタマって言われましたよね?
じゃあ、いきますよ、(そう、そこで柳の下のどぶさらいですよ。                
キリストが博愛を(あと私もキンタマって言ってみたかった、
シャカが解放を(キンタマって。
レノンが平和をうたったように、(キンタマって文字にすることなかなかないですからね。           
最後の問題、(そうでしょう。
シノザワ教授に全部(そういう特殊な職業じゃないとね、
と言った人々の勇気をここに称え、(キンタマとは書かないですよね。          
爆発ゴローが直球勝負で直帰をホープする、(キンタマって。      
今週のびっくりどっきりメカ発進。(それではしばらく主音声、本編をお楽しみください。          
                       
587固有値 2:04/11/03 23:32:21 ID:ZlCcPevT
ボクノマエニ道ハナイ ボクノウシロニ道ハデキル(10月30日(土) 
て言うけどね、いまや21世紀、(ハロウィーンパーティーというものに行った。
そんな公共事業型信念は受けません。(また明日、と言って別れたバイト先の10才年下の
道がない(同僚たちが待ち合わせしていた場所に偶然出くわし、
という理由だけでは道をつくっちゃいけません、(考えなしに声をかけてしまったためだ。
エコだから。(なにしてんの?   
荒野は荒野に、都市は都市に、(いや、パーティーがあるんですけど…。                     
ネットとコンビニ往復で、(気まずいながらも好奇心が勝ち、ついていくことにした。
地球にやさしいライフスタイル。(会場の店には印象的な眼のあの娘がいた。         
                (あれー、珍しいんじゃないんですか?                   
生まれたときからブロードバンド、(こんな場所に来るのって。                   
親の敷いた道かまわず突っ走り、(プラチナブロンドのかつら。
誰が敷いたなんて気にしない、(青いカラーコンタクト。       
まずは頂点にのし上がる、(襟巻きをひらひらさせて、売春婦みたいですよね                       
理想はこうだ、(と彼女は言った。                            
成人式には自分目当てのファンの群れ、(それから、普段どおりの格好のぼくに、                 
はたちになったからタバコはやめた、(わざわざかつらを脱いで貸してくれた。                  
そう言ってにやけたにきびづらとは縁もない、(うしろにぺたんとなでつけられた濡れた黒髪が現れ、              
余生50年、悠々自適の自分探し、(とてもエロチックな気がした。
全面舗装の赤道直下で体育座り。(図に乗ったぼくはかつらをかぶってその辺を歩き回り、     
                (しかし、                   
588固有値 3:04/11/03 23:33:10 ID:ZlCcPevT
ひがんだ横目でニュースを見やり、(話し込む相手もいないので、かつらを返しに戻った。                   
歳だけいって踏み出せない。(彼女は背の高い男とキスをしていた。                       
勉強不足、運動不足、(かつらを持ったまま、                         
知性体力時の運、いつかを夢見る怠け者。(ぼくは目を逸らすことができずに立っていた。                
汗かかん、損をしたくナイっすから。(彼女は頬を上気させて目を閉じていた。                  
否定せん、面倒みたくナイっすから。(うっとりしていた。                 
主張せん、恥かきたくナイっすから。(幸せそうだった。                  
いうなればフリースタイル、(いま思うと一分もしなかったと思う。                     
あえてさらす無教養。(正気に返ったぼくは                           
                   (わーちょちょちょちょちょーっ                        
おれのまえには誰かが通った道しかねえ、(と叫んだ。
荒野を返せ、このやろう、(マトリックスの100人スミスのように増殖したぼくも    
こうなりゃ人工冬眠、50年後に火星で解凍、(ワーチョチョチョチョチョーッ                
火星初の火星詩人、興行収入火星一位、(といっせいに叫んだ。                 
地球の皆さん、こんばんわ、                     
一気呵成に火星で稼いでみませんか、(あの、脳内のマイク、スイッチが切れてなかったようです。                  
火星の駄洒落王、火星で犬のくそ踏んだ。(日記がだだ漏れですな。まあ、わざとですけどね。                 
                   (わざとですか? 
589お宝:04/11/03 23:34:28 ID:7Pf7dCG7
どんなに険しい道だとしても
その先にある お宝目指して

道がなくなったとしても
道を作って歩いた

手に入れたお宝は
無造作にリュックに入れて
再び取り出して見るような事なんてしなかった


お宝へ続く真っ直ぐな光の道が
見えていたよ
ああ
確かに見えていたんだ


なぁそれがどうしたんだ?
地べたに座って
キラキラしてるお宝見せ合っては
笑ってさ
590お宝:04/11/03 23:34:49 ID:7Pf7dCG7

何かが枯れていく音
とても小さい音だけど
それが響き渡るくらい
あたりは静かになった

次のお宝を目指さなくなった
目玉にうつるのは手に入れたお宝だけ

やがて風景は消え
光は消え
道も消え




これからお宝探しに出ると言う若い者達へ
お宝を手に入れたら
どんな所に入れておいてもいい
ただ 人にも自分にも見せないでほしいんだ

いいかい
手に入れた物を見てしまっては駄目なんだ
591固有値 4:04/11/03 23:36:27 ID:ZlCcPevT
わざわざ道の端っこ歩くから(ええ。メタな感じ?
犬のうんこ踏むんです。(いや、メタではないですよね?           
真ん中をさっそうと歩けば、(ないですか。
よっぱらいのげろにも当たりません。(意味分かってないのに覚えたての単語使いたがりますよね。     
そうはいっても世界の端に生まれついた、(でもね、今回、園川さんが来られそうにないらしいので、                
ものごころついたときには良心の呵責、(ここで言いますけどね、                 
みなさん、申し訳ありません、(道って方向と距離がありますね。これはベクトルです。                     
おれがもっとスマートだったり(この詩も主音声と副音声のずれが方向と距離を生んでいる。
クールだったりすれば、(つまりベクトルである。          
みなさんももっとスマートで(この詩は道についてうたいながら、
クールなメンバーになれたんですよね。(道を構成している。    
おれがカリスマだったら、(自己を内包しながら自己を構成するフラクタルである。                       
みなさんもカリスマの知り合いだって(これは老子の説く道にも合致するのである。
自慢できてたんですよね。(って言ったはずですよ、園川さんが。       
みなさん申し訳ありません、(いや、まったく言わないですよね。
おれさえメシアだったら。(ええ。言いませんね。          
                  (そもそも、ベクトルを持ち出してきたのは後付けですよね。
592固有値 おわり:04/11/03 23:37:30 ID:ZlCcPevT
愚痴りながらも一歩踏み出すその勇気、(いや、これはね、最初から考えてた。                 
踏み出す先には犬の糞、(えー、ほんとですかあ?                        
だから勇気が欲しいんだ、(本当だとも。それとも私がうそをつくと?                       
犬の糞をあえて踏む、(あんた、最初の作品の最初でうそついてるやん。                         
むしろ落ちてる糞はすべて踏む、(なはっ!                    
踏んで踏んで踏みまくる、(前回チャンプのameさんのと父に影響されて                       
オレオリジナルじゃないけれど、(遠浅なぱくりをしてしまいました。
でもその道の端っこ、(ということを告白したところで放送時間があとわずかです。          、
フンまみれの全力疾走、(それではみなさん、ごきげんよう。                        
フンでフンでフンでフンでふんふんふんふん(ごきげんよう。               
ふうん、で?            
593つじうら:04/11/03 23:55:09 ID:gK8j6UcS
それとも君は
吐息の渦に飲み込まれながら
鞄の中の写真に映った
あの笑顔を見せるだろうか

きっとあの人の思い出の中に
そう言ったよね

それとも君は
この星の何処かに生まれた
理想の人を求めるだろうか
可能性の中にある無限の限界を見つめて

馬鹿だなあおまえ
え?そうなの?
だからさあ言ったじゃん
昨日、見た?

無数の声が君を包んで
そこに聞こえないものだけを
聞き取ろうとしながら

道の真ん中立ち尽くす君を
遠くにいながら思っています
594Alnite ◆m3UVuKrnck :04/11/04 00:03:23 ID:rMNq2ozv
以上をもって締め切りだと思われます。
595Alnite ◆m3UVuKrnck :04/11/04 00:25:59 ID:rMNq2ozv
せっかくなので作品リストも作ります。
540 あぜ道にて
541-542 道子さん
543 特撰キンバエ ◆yuQ9t.UD8o #うっかりミスか?
545 普遍草原
546 危ない道
547-548 突堤
549-550 そら開拓史
551 道化
552-553 むかしの言葉
554 milky way # 555参照。
556 フロントガラスに霜が降りるころ
557 地の果て
558 道
559-561 海を渡る
562 道々しい
563 海上の道
564 未知行く際に
565-568 夕暮れの道
569 想いは道
570 街灯
571-572 EVERYDAY EVERYDAY # 573参照
574-581 夢の住人 # 583参照
584 十一月の追憶
585 夕陽の中で
586-588 591-592 固有値 # 詩が切れています
589-590 お宝
593 つじうら
それでは審査頑張りましょう。
596Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/11/04 20:51:07 ID:PGEl5y3V
出来たぶんから挙げてくね。スレのサイズが残り少ないので圧縮バージョンで。

>>540 誠実そうな人柄が垣間見えるんだけど、惜しむらくは「顔」の欠落です。
登場人物の描写がステロタイプになってて、顔が見えてこないかな。
>>541-542 後半で、何でそっちに話もってくかなあ。壁の設定がものすごく面
白いのに、途中で放り投げちゃってる。道から足を外したら道子さん死んじゃ
ったり、語り口とか、面白く読めたけどね。随所にユニークさを感じた。
>>545 ドン・キホーテと将棋盤をフレーバーにして、みんなの歩いた道が普遍
草原なのかな。タイトルは魅力的なんだけど、内容に意外性がないかなあ。
>>547-548 イタリア映画みたいな、静かで明るい情景描写。ワンテイクでじー
っと撮影してるようで、生活感もあって、味わい深い。詩の終わらせ方には、
一工夫いるのかも。
>>549-550 構成に妙あり。時々コメントのように挟まれることば、電話の音、
猫がよこぎったり、それらがいちいち効果的です。他愛ない話といってしまえ
ばそれまでですが、明るめのテイストが詩全体を包んでいます。
>>554 天の川つーより、ぼくは事件や事故の現場に花が活けてあるよね、それ
を連想したなあ。それと天の川のイメージを繋ぐのに苦労してる。
>>556 「純粋さを増してんだ」は、なかなか書けないね。いいことばだと思う。
ただ、かなり粗削り。「THANK YOU MY FRIEND」は詩の世界をコワしてるし、
「大事」「大切」の重複など、もちっと気をつけたいね。
>>557 血だるま君と血みどろ君の会話ですか…。うーん、ナンセンスだねえ。
うん、こういう詩もアリだねえ。お題には沿ってないような気がすんだけど。
597Alnite ◆m3UVuKrnck :04/11/05 00:16:08 ID:WXiDWdkC
私と来たら大事なことを忘れていました。
審査期間は11/4(木)0:00〜11/6(土)24:00です。
つまり六日いっぱいまでって事ですな 一応あげときます
598名前はいらない:04/11/05 04:26:47 ID:DtJw8NJV
 採点ですー 影響力の有る……目に飛び込んでくる。……を基準にしました

3点 >>557 :地の果て :
 するっと、喉を過ぎていく感触。一気に読んだ。

2点 >>552-553 :むかしの言葉 :
 昔の言葉は形があったのかぁ……だから良く目に飛び込んでくるのかぁ……

2点 >>559-561 :海を渡る:1 :
 何だろう? と引き込まれた。 最後まで読んでしまった。なんともいえない……
読後感が残った。

1点 >>545 :普遍草原 :
 ドンキホーテを借りて、ドンキホーテしか飛び込んでこないかなぁ……
1点 >>547-548 :突堤 :
 なんかきらっとするフレーズが有る。突堤という突き出した黒っぽい一物の
イメージ?? ……なら、読み取れないフレーズも黒さの象徴??
1点 >>549-550 :そら開拓史ー1 :
 面白い。……けど、ナンセンスでもないし、ストーリーでもない。破綻するが、
もともと、成立していない……とも感じる。まあ、おもしろいから……いいっか?
599ななほし ◆lYiSp4aok. :04/11/05 04:30:31 ID:DtJw8NJV
 あぉ!! トリップ入れるのを忘れた!!  >598の続きです。
1点 >>551 :道化 :
 ちょっとぞくっくっと、した。一気に読み終わる。
1点 >>558 :道 :
 アスファルトの柔らかい。……感触がある。特に読後感が残らなかった。
 「ちふ」 < ちょっと意味がわからないが……誤字だったら邪魔にならない良いタイミング
 「楽になった」< この印象は強かった。
1点 >>563 :海上の道 :04/11/02 21:12:52 ID:iSgxoUek
 にじにじと と < このフレーズが切れがいい
1点 >>564 :未知行く際に :
 ドロリとした感触 < 飛び込んでくる。
1点 574-581 :夢の住人(1/8) :
 ふっと、風のように言葉が届く。意味は繋がりにくいが……
1点 >>586-592 :固有値 1 :
 所々、光ってる言葉がある。
600名前はいらない:04/11/05 07:17:50 ID:4LXzkP47
都会の女子中高生の間ではミニスカの下にブルマを履くのがはやってるらしい。
健康にいいし、足も長く見えるんだってさ。なんかのティーン雑誌で特集したらしい。
ミニスカの下にハーパンやスパッツを履いたり、階段でスカートを手や鞄で押さえるのってダサすぎ!!
みんなの笑いものだよ。自意識過剰。見られるのが嫌なら、最初から長いスカートをはけ
http://sports7.2ch.net/test/read.cgi/npb/1098053692/l50
601名前はいらない:04/11/05 12:33:26 ID:DtJw8NJV
 すいません、採点間違えていました。
3点 >>547-548 :突堤 :に、変更おねがいします。(読んではいけない、絵画的な詩だと思いました)
  プラス二点で、今回3点が二作品です。
602ななほし ◆lYiSp4aok. :04/11/05 12:36:17 ID:DtJw8NJV
>601 ななほしです。あせっていてまちがえたぁ
603MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/11/06 00:50:12 ID:goCZLDPA
寸評、行ってみよう。
>>543 特選キンバエ
 仏教の無常観をベースにして、怪奇趣味とグロテスク風味で味つけたスープですなあ。
ただ、具材(単語)に頼りすぎて、じっくりコトコト煮込んでいない。味わいが既製品の
カップスープの域を出ていないなあ。「無数のざわめき」「吹き出る鮮血」「鬼火をまとって」
など、説明風になってしまい、詩語にまで到達していない。どうせ七語調をとるなら、文体も
擬古文でいったら、もっとオドロオドロしさが出るのに。たとえば、添削するなら、
「無数のざわめき」→「五月蝿(さばえ)の声明(しょうみょう)」、
「人の骨も」→「骨(かわら)の一片(ひとかけ)」など、古語や仏語を多用すれば
もっと雰囲気がでるはず。

>>549-550 そら開拓史
 起承転結がしっかりしている。難を言うなら、もう少し冒頭のクイズを工夫する余地がある。
学生時代、スペースオペラにはまって、ペリー・ローダンシリーズを読んでいた。その中に
反重力装置が出てきたっけ。ネタ自体に目新しさはないやね。挿入しているアフォリズムは
軽くてまずまず面白い。もっといくつかアイディアを詰め込むとオリジナリティーが出て
好感度UPだった。
604MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/11/06 01:28:24 ID:goCZLDPA
>>559-561 海を渡る
 歩いて海を渡る――イエス・キリストじゃああるまいし、渡れるわけねぇだろ。
何? 線路の上を歩いて行くって? 海底トンネルか? 違う? 海洋特急だぁ?
何だ、それ。聞いたことねぇぞ。東京駅の何番線から出てるんだ? 「海洋特急は週に一本/
なぜか南回りの便だけだ」 それじゃあ、来週まで来ないっていう寸法か。それなら
オイラ歩いて渡るよ。線路の上を。えっ!命がけだって? 駅員が銃で射殺するって!?
ふざけんなJR。国土交通省に訴えるぞ。それならオイラ行かない。それでも君は行くのか。
おい、やめときなよ、殺られちまう。引き返せ。帰ってきなよ。カムバック。カンバック
カ○○○○!

>>547-548 突堤
 パンチパンチパンチ。ポエジーのラッシュ。すべて胸にクリーンヒットする。人の生死、一生の
場面場面をフラッシュして、一本の道に収斂させるとは。お手際、見事。すべての道はすべてに
繋がるリゾーム。全編、海のにおいがする。最終行の「風が吹いている」は海からの風だろう。
人間の来し方、行く末を暗示させる海の気配まで感じ取らせる作者の詩世界の奥行きの深さは
計り知れない。
 ホントにうまくて頭きちゃうから、あえて揚げ足取りしましょ。マンホールは表の現れないカネ、
モノ、ヒト、情報などの地下世界を暗示しているんだろうけど、ちょっと見え見え。詩は計算して
書くもんじゃない、と一言いじわる言っときます。
605MUJINA ◆iXws.WGCLY :04/11/06 02:30:09 ID:3UNtEVKK
>>586-588/591-592 固有値
 パンドラの箱を開けてモンスターを召還してしまった!(書いたよ。これでいいかい。)
しっかし、軽口無駄口減らず口は収まるぢころか、ますます磨きがかかってきてますなあ。
まさに饒舌大魔王の称号を差し上げます。呼ばれてないのに、呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん。
と、誰も聞いてないのに、一人漫才かます、おしゃべり泥棒。名無しの作者氏に対するキャッチフレーズ
がたくさんありすぎて、こっちも饒舌が移ってしまう。
さて、今回の作品は軽い興奮のうちに一回めを読みました。いま、自分は最先端の詩を
読んでいる、という興奮です。読み終わってから、いや単なる気の迷い。こちらの勘違い、思い違い
と意気消沈。でも、やはり、この詩は凄いんじゃあないか、の行ったり来たり。
でも、作者の天性のものを感じます。やっぱり、こんな詩、いままでなかった。いや、こんなの
詩じゃないから、誰も書かなかった、と誰かに悪口言われそう。ただ、副音声というアイディアを
持ち出して、前回よりパワーアップしてきているのは事実。で、採点は今回までは
甘くつけます。次回こそ、この作者の本領発揮。いつまでもこの饒舌スタイルを続けると
読むほうもいい加減飽きます。こう言って作者にめ一杯プレッシャーをかけときます。

採点です。

【3点】>547-548 突堤
【2点】>586-588/591-592 固有値
【1点】>559-561 海を渡る

今回は私の琴線に触れる作品が少なかった。お題の「道」が難しかったのだと思う。
同じ方向性に誘導されやすいテーマで、みなさんオリジナリティーを出すのに一苦労、という
印象でした。そんな中で正攻法をとった「突堤」には力量を感じました。「固有値」は
どこまでも自由闊達に書いている姿勢はよかった。詩なんて、そんなに気張らずに、
やりたい放題やればいいんだ、ということを教えてもらったような気がします。
「海を渡る」は今回もまた海の向こうの世界を見させてくれずに、じれったさを感じました。
小出しにしているところがずるい。

以上です。しっつれい仕る。
606C ◆7sqafLs07s :04/11/06 17:47:21 ID:l9N+m/jw
凄く悩んだのですが、投稿した人は何かしら評価を得たいと思っているだろうと考え、
また新参の自分が評価する側の人間としてどういう基準を持っているか示すために
今回限定ですがすべての詩に対して評をつけていくことにしました。
少しずつ上げていきます。

>>540 あぜ道にて
ごく親しい人間への遺志としてこの詩を読むのでなければ、
多少の偽善と傲慢を感じてしまう。
それは自身が「言葉や感情」で伝えようとしているにも関わらず
受け取る側にはその伝え方を禁絶しているからだろう。
そして人間が選び得る無数の道のうち「前」が果たしていずれなのか、
詩の作者だけが規定できると思っているようだからでもある。
ではその偽善と傲慢こそが作者の「意図」だと仮定してこの詩を読み直してみよう。
すると「優しく踏みつけて」「いつか目差した夢」などの
一見そぐわない言葉が不思議に輝いてくる。

>>541-542 道子さん
猿に自慰を教えると死ぬまでそれを続けるという。
という真偽不明の有名な話をベースにして人間の進化を茶化している。
そのひねくれた発想は大好きだ。
しかし僕個人の趣味において唯一不満だったのはせっかく象徴的に「黒髪」を出すなら
自慰に「絡めて」欲しかった、という部分。
むりやり(作者に対抗しようとする虚栄から)もう少しひねくれた見方をすれば
人間はそれでも結局死ぬまでオナニーしているようなものじゃないか、
という考えも浮かんでくる。
607C ◆7sqafLs07s :04/11/06 18:02:24 ID:l9N+m/jw
>>545 普遍草原
どんどんと進む「俺」は猪突猛進の印象だ。一方「俺」はその道に対してある種の疑いを持っている。
この矛盾に対しドンキホーテを持ってきたとすれば説明的すぎるような気もする。
さらに盤上「香車」を動かしたのは今回のテーマにおいて「歩」の次にありがちな選択ではある。
しかし偶然だろうがイラクで人質になった「香田」氏のことも連想させて
危険で無意味な「自分探しの旅」を想起させもした。
砂漠生まれの宗教に生きる人々と僕達との差に関連して、取ってしまえば相手の駒はもう使えないチェスと
それを自分の駒として活用できる将棋との差、そんなことも考えたくなる。

>>546 危ない道
どんな事態が人生を空虚にするだろうかと考えたとき、個人的にはこう思う。
「それは意外な失望や予期せぬ絶望ではなく、むしろ予想どおりもたらされ続ける希望なのではないか」
もう少し押し進めればこうなる。「予想がつく人生ほど空虚なものはないのじゃないか」
「ありとあらゆる災いのつまった箱」の底にあったのは「希望」だったことをどう解釈するかの問題だ。
この詩を読んだとき気になったのは「それと引き換えに/楽しさを得るのだろう」とか
「終わったあとの感激」「危険のおまけ」などの予定調和的な感じ方だ。
これは幸福のみならず「危険」の範囲までもが予想済みだからこそ出てくる所感なのだろうか。

>>547-548 突堤
寂しさ侘しさ多少の不気味さの中に見える絶対的な「生」の意思もしくは定め。
小説ではあるが中上健二の『岬』を連想した。あれほど暴力的でも泥臭くもないけれど、
そのかわりに全てを風景のように語る視線がより過酷でなおかつとても効果的だと思った。
……思ったのだが、「誰もが行けるこの道に全てはあり/それはこの道を行けば分かる」
「道のどれもが未知でありしかしここで今確かにただの道であり」
これらの部分だけ作者の物思う姿が見えてしまった。豊かに構築されていた世界が一瞬、見えなくなった。
充分に描写された世界は思想を含包すると思うので世界を描ける人は思想を持ち込む必要がないと思う。
読者へのサービス精神かもしれないが、この詩の描写は充分に思想を浮かび上がらせていると感じた。
608C ◆7sqafLs07s :04/11/06 18:15:08 ID:l9N+m/jw
>>543 特撰キンバエ
出だしの七五調が描写の過酷化とあいまって少しずつ崩れていき、
最後に無常観を打ち出すときにはそのリズムもまた無常になっている。
やや古めかしい語調に対してこの構成は作者の心意気を充分に感じさせる。
ただしこの詩は物語のエピソードとして(特に付記のように)
つけくわえられるべきものではないだろうか。
このようなスタイルの詩が想像の世界へ人を導くためのものであって、
なおかつそこから読む側の世界が広がっていくものだとすれば
この詩のイマージュは作者の内側で完結してしまっている。

>>549-550 そら開拓史
SF(に限らずジャンル文学、カテゴリ表現)的な用語を持ち込んで表現をするときには、
そっち方面のマニアの目を気にするべきだと思う。
反重力装置というタームを見ただけでどうしても集中力が切れてしまう。
詩の運び方はビートルズのマジカルミステリーツアーを思い起こさせ
ユーモアもリズム感もあって良いと思うがどうもいかん。
イメージが反重力装置にまつわるエトセトラを巡って勝手に動き出し
反重力装置が壊れた?そりゃ壊れるだろうさ。なんて感じで収拾がつかないのだ。
……SFマニアではない人の評を読んでみたいと思った。

>>551 道化
単純に、夢を見るのは「目」なのだろうか、という疑問が浮かんでしまった。
それと(爆笑)はこのような詩の表現として不適切じゃないだろうか。()が読む側の心にクッションを置く。
で澁澤的もしくは乱歩的もしくは寺山的な怪しい見世物小屋の雰囲気に対して精神が拒絶の動きを始めてしまう。
アングラと呼ばれるような芝居を愛する人間としてこの詩の雰囲気には愛着を感じるのだが、
「見世物を見ているようで実は道化に嘲笑されている自分」を演じ続けることが出来なくなってしまって残念だった。
道というテーマに道化を持ってきたその着眼点だけでも評価したいのだが
好きな方向性のものにはやはり完璧を期してしまう。
609Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/11/06 18:50:57 ID:BuIcr8Tt
続き。
>>562 イメージ的なことばの列だけど、軽みと重みの両方あって、不思議に情
景を喚起するものがあるね。でも尻切れとんぼでもある。
>>563 海に映る夕陽と夕焼け、ってヤツだね。ちょっと堅すぎるかもよ。
>>565-568 これ続き物だったのか…。んっとね、今回は焦点がかなりボヤけて
る印象。刑事を書くでもなし、事件を書くでもなし。ピント合わせよう。
>>569 この詩での道は、じつは道ではないよね。それだけに、「何か」をきっ
ちりと表現する必要があったんじゃないのかな。
>>570 端整な出来ですが、この街は西欧か中国の街でしょ。門が街を隔ててい
るもんね。その味付けは必要だと思う。
>>574-581 内容は面白いと思う。自分のカカト見たり、靴だけがついていった
り。でも小説の手法に近いんじゃないかな、これは。もっと短くできるよ。
>>584 すごくきれいだよね。でも不思議にことばが入ってこないんだよなあ。
夢の風景だからなのか、それともそれは十一月の為せるわざなのか。
>>586-588>>591-592 うん、三部作のなかではいちばん好きだよ。上質なイン
プロヴィゼーション。パーティの描写が特にお気に入り。最後の種明かしは、
やっぱ興ざめだったな。
610C ◆7sqafLs07s :04/11/06 18:53:53 ID:l9N+m/jw
>>552 むかしの言葉
言葉はそのままではただの記号なのであって、感情や記憶やその他あれこれ捏造されたものが附加されて
ようやく「触感」を得るものだと思う。その点で「いまの言葉」にもそれぞれ特有の感覚がある筈だし
その手触りに違和感を覚えたとして、それを「えんがちょ」してしまうことは
それこそ言葉達が敷設してきた「道」を自ら終焉させてしまう行為ではないだろうか。
ある言葉が別のある言葉を拒絶した時こそ、繋がっていたはずのすべての言葉は分散し、
それぞれの記憶の中で死に絶える。そうやって言葉を殺すくことは、ナメクジに触ることよりも危険だ。
不意にナメクジに触ってしまったときのあの素っ頓狂な声だって、やっぱり大切な「言葉」だろう。
むかしを知る者が今との接触を拒んだら本当に「失われて」しまう。今しか知らない者に手段は無い。

>>554 milky way
孤独は囁くだろうか。少なくとも僕の孤独は呟く。囁くのは孤独から抜け出したいと思う自分だ。
そして一歩。その一歩が道になる。餞別として用意された花束。僕は疑ってその花束を手にしないだろう。
涙は乾く。しかし涙を終えることはできるだろうか。全てが過去になったとき、僕は生きているだろうか。
それらの疑問と不安を胸にした僕は、空を見あげる余裕もなくただ足元を見つめる。
だからそんな僕は見ることもないのだ。その天の川を。

>>556 フロントガラスに霜が降りるころ
これは>>552への返歌として読んだ。閉ざそうとするむかしの言葉に突きつけられたいまの言葉。
都会の夜景の美しさは星達の輝きに決して劣らない。むしろそれらを比較すること自体が
ある種の欺瞞に満ちている。そこで「本当は答えなんて/どっちでも構わないんだけど」となる。
ただし「割れたビー玉でもいいのならそもそもビー玉なんていらないんじゃないか」と問われたときの答えだけは
やはり探しておかないといけないだろうと思う。そのくらいの範囲で「何が大切か」を決める必要はある。
「お前のカウント」だって「俺のカウント」に変えないといけないだろう。
611Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/11/06 18:55:32 ID:BuIcr8Tt
採点っす。
2点 >586-588>591-592 固有値
1点 >541-542 道子さん
 >547-548 突堤
>557 地の果て
>584 十一月の追憶
612Canopus ◆DYj1h.j3e. :04/11/06 19:08:36 ID:BuIcr8Tt
新スレたてました。
以降はこちらでどんぞ。
〜〜詩で遊ぼう! 投稿梁山泊 13th edition 〜〜
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/1099735482/l50
613C ◆7sqafLs07s :04/11/06 19:15:42 ID:l9N+m/jw
>>557 地の果て

思わず笑ってしまった(もちろん良い意味で)詩ではあったが「道」は何処にあるのだろう。
タイトルと「結局俺達死ぬ」事実だろうか。そこらへん「わっかんないんだよねー」


>>558 道

道を人生と比較するとどうしても死という終焉が見えてくるわけでそのような詩が多いわけだが
せっかく詩という虚構の世界で「生きる」のだから死を超えるようなものがもう少しあってもいいと思う。
僕はむしろバスに乗っている他の乗客たちのことが知りたかった。
バスの運転手のことも、そのバス停の名称も、バスの行き先も知りたかった。

>>559-561  海を渡る

ファンタジーは幻であるからこそ具体的に描かれないと茶番になるわけで、この詩はその点を意識している。
知らないものを語る、その語り口も徹底されている。
言葉の働きかけによって存在しない情景が読者の内側に想像され個々別々の世界が創造される。
その試みと企みは成功している。少なくとも僕の中で充分すぎる成功を見せた。
ここから先を「意味」に依って語る事は避けるべきだろうと思う。
ただし一つだけ考えてしまう。駅を「知らない」僕は、無人のプラットホームに立って
「知らなかった」僕になったのだろうか。それともまだ「知らない」ままなのだろうか。
「知らない」と言い張っているのか。それとも……
614C ◆7sqafLs07s
>>562 道々しい
君はロボットというより早漏だ、と詩を読んでそう思った。最後、もう少し堪えるべきだ。
しかしそれも意図として読むべきなのだろう。
「もう会えないと思っていた/道は分断され滞っていた」
この部分がテーマにこじつけた蛇足のように感じられた。
その後にある「いつかと同じく」のような方向性の言葉を費やすべきだった。

>>563 海上の道
今回のテーマで、海関係が多いのは何故なんだろう。道と海の関係とは一体。
やはりそれまでに書かれた詩を読んで投稿する人が多いために
影響しあうのだろうか、などと考えつつ
この詩に関して言えばイメージの選択には独特な奇想があり、
対比と象徴で攻める様も好みなのだが
最後、リフレインされる「にじにじと歩む」
の部分には自分の発想に酔っているような印象があってそこが残念。

564 未知行く際に
なにか独特のリズムを感じた。生理的なリズムとでも言えるだろうか。
しかしこれは独り言だ。日記を盗み読みしたような気分がする。
そしてそれは決して愉快な気分ではないのだ(少なくとも僕は)
「裏切られた」ことも「覚悟」も「私」しか知らないままで
始まり終わってしまう。「未知」に踏み出すその前に、
「後悔しない」と言えるだろうか。この場合は「後悔したっていい」じゃないのか。
そうやって感じてみても、閉ざされた言葉の前に何処か虚しかった。