【PSU】新ジャンル「パシリ」十七体目

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1名無しオンライン
合言葉は

  ( ゚д゚ )<倫理的におk      
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/     /
     ̄ ̄ ̄
[ ´・ω・`]<創作能力がしょぼいんだけど投下していいの?
( ゚д゚)<倫理的におk 尋ねる暇があったら投下マジオヌヌメ

[ ´・ω・`]<凄く長くなったんだけどどうすればいい? あとパシリ関係ないのは?
( ゚д゚)<空気嫁ば倫理的におk 分割するなりうpろだに上げるなりするんだ

[*´・ω・`]<エロネタなんだけど…
( ゚д゚)<ライトエロなら倫理的におk あまりにエロエロならエロパロスレもあるよ
ファンタシースターユニバースのエロパロ 2周目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1173107109/

[ ´;ω;`]<叩かれちゃった…
( ゚д゚)<叩きも批評の一つ。それを受け止めるかどうかはおまいの自由だ
m9(゚д゚)<でもお門違いの叩き・批評はスルーマジオヌヌメ するほうもそこを考えよう

[ ´・ω・`]<投稿する際に気をつけることは?
( ゚д゚)<複数レスに渡る量を書きながら投稿するのはオヌヌメできない。まずはメモ帳などで書こう。
m9(゚д゚)<あとは誤字脱字のチェックはできればしておいたほうがいいぞ

[ ´・ω・`]<過去の住人の作品を読みたいんだけど
( ゚д゚)<まとめサイトあるよ ttp://www.geocities.co.jp/nejitu3pachiri/
保管庫Wiki ttp://www21.atwiki.jp/nejitu3pachiri/

( ゚д゚)<前スレ
【PSU】新ジャンル「パシリ」十七体目
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1217500708/
( ゚д゚)<次スレは容量が470kを超えるか、>>800を超えた辺りから警戒しつつ立てよう
2名無しオンライン:2009/02/09(月) 20:37:26 ID:OtBeaGGu
ぐわ、やっちまった…スレ名書き換えてねーじゃねーか
3名無しオンライン:2009/02/09(月) 21:41:11 ID:zzPVdu31
>>1
正しくは
【PSU】新ジャンル「パシリ」十八体目
ですな

後、現行エロパロはこっちらしい
【PS0/PSU】ファンタシースターシリーズのエロパロ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1230886259/

4名無しオンライン:2009/02/09(月) 21:58:25 ID:OtBeaGGu
全然違う所ばっかりだな、パシリにメイン武器食わせてくる
このまま使っていいもんか? 立て直すにしても規制で立てれん
5前スレ552=3:2009/02/09(月) 22:16:56 ID:zzPVdu31
>>4
>パシリにメイン武器食わせてくる
待て、早まるなw
新スレ立てれなかった俺が言うのも何だけど、
立て直しまでしなくてもいいと思うぞ。

後、
容量オーバーが気になって書け無かった前スレの感想

華麗?なる食卓(前編・後編)作者氏
GJ
こうなったらもうワンオブサウザンド全部集めて、
「第1回 数奇夜忌バトル」やっちまいなYO!!!
・・・死人が出るな。

前スレ>>543-551
GJ
ただ、「ワンオブサウザンド」なんだよな。
細かい事だけど、それが気になった。
>それから体のいいお茶屋さんにされるし…!
とか愚痴りながら、何だかんだで面倒見のいい412。
でも、そのお茶屋メンバーにヒュマ男さん所の413、444、450が加わりそうだな。
6名無しオンライン:2009/02/10(火) 03:09:30 ID:D/gV5oib
>>5
感想thx
そうかthousandだったわ、こいつは頭悪いミスし続けてたなー

ワンオブサウザンド全員の「決死! Aフォトンリアクタービーチバレー」とか思いついたが
一時期このスレから放れてたせいで、舞姫とかロザリオとかよく知らないんだよなー

荒んだ意見もあるが、俺は書きたいもん書けばおk派
会話保守のおかげで前スレの最後の奴が書けたようなもんだし
でも嫌がる人もいるなら頻度は抑えた方がいいかもしれんね
7名無しオンライン:2009/02/10(火) 03:21:17 ID:zSaYuiV5
元々はあのくらいが本来のネタだったんだぜ?
エロも多かったし、長編ファンがちょっとうっさい気がする
8名無しオンライン:2009/02/10(火) 05:11:01 ID:dGB1JMzH
GH-413「>>6様の素晴らしい作品に出して頂いたのにこの反応の遅さ・・・呆れてものも言えないわよマイマスター(ラスカル)」
ヒュマオ「とても説明口調で解り易く言ってる気がするんだがな」
GH-413「気のせいよ」
ヒュマオ「そうか気のせいか、閑話休題>>6氏へ、承諾とかそんなものいらないので好きに使ってくれってか使ってくれてありがとう
もう…みんなの文才に嫉妬とか妬みとか僻みとか羨望とかしまくりだな」
GH-413「嫉妬は逆説的に相手を評価している証と誰かが言ってたわね」
ヒュマオ「正直俺よりキャラ表現が上手くて困ったもんな」
GH-413「そこはあなたが精進しなさい」
9名無しオンライン:2009/02/10(火) 11:52:58 ID:rb0mcCkN
>>7
そうか?会話保守はなに酔っぱらってんだよってかんじだな
10名無しオンライン:2009/02/10(火) 12:45:16 ID:D/gV5oib
>>5の言うお茶会を早速実現してみた

―――――――――――――――――――――――――――――――
私はGH-412、とあるガーディアンのパートナーマシナリーをしています。

私達の部屋は、いわゆる普通のガーディアンズの部屋です。
だからそんな広くもないし、特別裕福というわけでもないです。

女帝「たまにゃあ、カステラくらい出してほしいもんだがねェ」
430 「っんのクソデコがぁ!!
     ご主人様にテメーのきったねぇ二刀流当たったらどうすんだコルァ!!!」
444 「わ〜、ケンカだケンカだぁ♪ どっちもガンバレガンバレ♪」
450 「こらっ、もてはやしちゃダメですよ! ただでさえ…」

*ゴゴゴゴゴ…*

412 「………」
413 「(物凄い殺気だわ…!)」

私は正に不機嫌まっしぐら。
今の勢いならガーディアンズコロニーだって投げ飛ばせそうです。
いつもの如く、高級お菓子を強請り始める女帝さん。
そして小ビス子さんに何かあると監視カメラ片手に大騒ぎする430さん。

ただでさえ強烈だった客人が、更に増えてしまったんです。
413さんがどうしてもと言われたらしく、同居人の444さんを連れてきたんですが
その444さんを心配してか、同じく同居人である450さんまでやって来てしまったんです。
444さんは何かあると面白がって火に油を注ぎます。
450さんも普段はいいんですが…。

413 「ごめんなさい…まさかこんな事になると思ってなくて。
     その上、余計なオプションまで連れて来てしまったわ」
450 「聞き捨てなりませんよ、その言葉!
     誰がオプションですか! 私はれっきとしたマスターのパートナー…」
413 「ふん、貴方は所詮一度捨てられた犬よ? さっさと再び路頭に迷うがいいわ」
450 「(ムカッ)…へぇ〜? 私が再びマスターのパートナーマシナリーになれたのは
     貴方に魅力がないだけじゃないんですか? 偉そうだし暴力ばっかり振るうし」
413 「何ですって…? 男は従わせるくらいが丁度いいのよ!
     貴方みたいに甘やかしてばかりのバカシリに何が出来るって言うの!」
450 「バ、バカシリですって〜!!」
444 「こっちもケンカだケンカだ〜♪」
女帝 「ア”ー? どっちに賭けようかねェ」
430 「私は450。あの413、何かムカつく」

412 「………(ブチッ)」
五人 「…あっ!」

*ゆらぁり…*

412 「貴方達には地獄すら生温い!!!!」

…その日、ニューデイズ支部の一区画で異常な高度のフォトン値が観測された。
11名無しオンライン:2009/02/10(火) 17:36:04 ID:XaHuRXzC
俺は保守会話でも全然気にならない
つかむしろ人がいるわけで嬉しい
普段ROM専でごめんよ
みんな楽しませてもらってるありがとう
12名無しオンライン:2009/02/11(水) 00:33:22 ID:mwpjJN28
同じく全てのこのスレのみんなにサンキュー!
たとえ一瞬でもココで楽しい時間を過ごしたって凄い事だからね。
13名無しオンライン:2009/02/11(水) 01:06:58 ID:Ir1TJj2j
>>7
スレの最初は長編がやたら叩かれたな
でそういう話になるとレスが減るんだよなあ
なんだか懐かしい

前スレどうする
適当に埋めて落とす?
14名無しオンライン:2009/02/11(水) 16:34:25 ID:k+DoJWof
>>13
そんな話題よりSS投下だ!
15名無しオンライン:2009/02/11(水) 16:57:21 ID:O++fBmn9
とりあえず過去のSSをちゃんと見れる状態にしていただきたいです……。
過去ログが多すぎて読みづらいです……。
16おつかい 1/3:2009/02/11(水) 17:17:07 ID:k+DoJWof

Gコロニー・ガーディアンズ本部、5F。
本部カウンターに向かって、一体のGH-413がすたすたと走ってくる。
そのまま止まらずカウンターにごちんとぶつかり、ぺこりとお辞儀をして話し始めた。

「こんにちはミーナさん。ガーディアンズID|||┃| ||┃-|┃|||||のパートナー・マシナリーです。」
「あら。えーと、ガーディアンズライセンスを…確認。
 はいはい、ベリオール・ガーランドさんの所のシトロちゃんね。どうしたの?」
「マスターが人前で口に出してはならない体調不良状態に陥ってしまいましたので
 お薬を頂きたいのですが、ワタシはどちらの部署へ向かえばよろしいでしょうか?」
「ええと、罹患したガーディアンの症状が不明な場合の連絡先は、研究開発部の…」
「マヤさん以外の部署で頼む、と指示されています。」
「あ、あはは…」

何となく色々と察し苦笑いを浮かべるミーナ。説明係にどうするんだっけ?などと聞きつつ
正面カウンターへ戻ってくる。

「シトロちゃん、詳しい症状は把握してる?」
「はい。ミーナさんにはお伝えできませんが、正確に把握してあります。」
「メディカルセンターなんだけど、ルート分からないよね?」
「はい。」
「じゃあ私が連れていってあげるから、一時的に私とパーティを組んでくれる?
 非常用の限定ライセンスだけど、はい。パートナーカード。」
「了解しました。どうぞ。」
「ありがとう。じゃあ行きましょう。」
「はい。」

後はお願いねと手を振り、ミーナと413は本部エレベータへ向かった。
17おつかい 2/3:2009/02/11(水) 17:17:37 ID:k+DoJWof
「こっちよ。シトロちゃん。」
「はい。」

返事は元気だが、通路へ一定間隔に並べられたライトポールにいちいち引っかかりながらついてくる413。
一見しても顔を凝視しても、戦闘行動が行える自律型マシナリーには見えない。

「どうしましたか?ミーナさん。」
「ぁ?ううん、ゴメン!何でもないのよ。」

うっかりほころんでしまった頬をぺちぺちと叩いて、また通路を進む。
時々振り返って確認しないと、413が曲がり角で壁に向かって走り続けている。
ガン!
どこかで転んだのか、鈍い衝突音と回復テクニックの音が聞こえて思わず噴き出す。
最適化の度合いがまだ浅いのか、いちいちどこか抜けていて愛らしい。

「さ、着いたわ。ここから先の区画がメディカルセンターよ。」
「ありがとうございました。ミーナさん。」

ぺこりとおじぎをする413。そのまま診察受付へ向かって元気に話し出す。

「私はガーディアンズID|||┃| ||┃-|┃|||||のパートナー・マシナリーです。
 マスターが酷い下痢で苦しんでおり、行動不能状態ですので、代わりにお薬を頂きに伺いました。
 詳しい症状はマスターが音声にて説明致します。」

ピッ。
413がマスターのベリオール・ガーランドと通信を繋ぎ、音声を外部出力再生に切り替える。
必要以上の大音量で、通信音声がセンター内に響き渡る。

「…そこは…メディカルセンターか?すまん…が……ドクターが近くにいたら…聞いてくれ…
 オレは…もうダメだ…昨日の夜からその、下痢が…止まらん…吐き気も酷い…
 昨日食べたコルトバ・サンドの影響…だと…想定しているが…頼む!至急…薬を…───」

ピッ。

「通信が途切れました。」

少し俯いたまま、413が悲しげに呟いた。
18おつかい 3/3:2009/02/11(水) 17:18:19 ID:k+DoJWof
バーン!
勢いよく扉を蹴り開けて413が飛び込んでくる。

「マスター。薬を頂いてきました。」
「お…おォ…!よくやってくれた…早く、早く薬を…」
「はい、どうぞ。」
「ってアンチメイトじゃ…ねえか…ゴクッ。」
「ご気分は如何ですか?」
「あ、治った。…すげえ!おなかスッキリした!アンチメイトすげええ!」
「安心しました。お役に立てて嬉しいです。」

にっこり微笑む413。わしわしと頭を撫でるベリオール・ガーランド。

「お前すげえなあ!お使いができるPMなんてお前くらいだぞ!いや見直したわ!」
「ありがとうございます。」

本当に嬉しそうに、にこにこと微笑む413。

「よーし。体調も戻ったし、いっちょ5F行ってMAGでもしばいてくっか!」
「はい。お供します。」

いそいそと支度をし、二人はミーナの待つガーディアンズ本部5Fへと向かった。
19名無しオンライン:2009/02/11(水) 17:21:59 ID:k+DoJWof
>>15
まとめサイトがあった様な気がしたけど、シリーズ化のがあるからねえ
自分も、作者ごとにまとめ直したいなとか若干思ったりしなくもないです
20名無しオンライン:2009/02/11(水) 18:47:26 ID:O++fBmn9
>>19
あと画像とかも保管されてないのが悔しいです。
つい最近(前スレの終わり頃)にようやくここの存在を知ったので、5スレ目までの作品はまとめサイトで読めたんですが、その後が……
鼻オイル430とかの行方、ソード使いの人の410がなんで412になったかとかがよくわからないんですよ……。

主「というわけで、誰かまとめ作業をお願いいたします。私はログを持ってませんし」
490「まさに外道、フガ」
主「だって探すのが面倒なんだもーん」
490「……主様、だからって他人任せはやめた方が……」
主「じゃああんたがまとめ作業してくれる?とりあえず5スレ目(一部はそれ以上もあるが)までログがあるし」
490「でも、それをやるなら『一部それ以上』の部分が面倒な事になるフガ……」
21名無しオンライン:2009/02/11(水) 21:53:01 ID:Rt1S3kmn
>>20
テンプレにもあるけど、まとめサイトの方じゃなくてて保管庫wikiの
http://www21.atwiki.jp/nejitu3pachiri/
の方なら、430のその後も分かると思う

ウチの元410が412になった理由は残念ながらないと思う
なんせここに再投下し始めたの、上のサイトにもない十六体目だからなぁ
22ある守護者の日常1/2:2009/02/12(木) 08:04:57 ID:lgWJUXf2
俺は1ガーディアン・・・とはいかないか
表向き機動警護部に所属しつつ調査部の強行調査隊なんてのに所属している
まあ、裏方仕事の担当者だな
調査部は番犬、諜報部は猟犬とは誰の言葉だったか
部署の性質が似たり寄ったりな事もあり上層部の折り合いはあまり良くない
尤も、現場の意見としては肝心な時に連携が取れればそれで良い、といったところだな
この前の合同任務、新生ローグスに従わないローグス一派の壊滅なんてモトゥブの地形が変わってしまったからな
連絡が遅ければ諜報部の人員も巻き込んでいただろう
まあ、あれは非常手段を使った俺にも問題はあるが・・・

そんな俺ではあるが、何もいつも裏方仕事をしている訳じゃない
これでも形式上機動警護部に所属し、普段は機動警護部の任務に当たっている
今日も機動警護部としての任務だ
先日GH-413の投げたハルプセラフィで軽くスプラッターになったが問題無い
問題無い以上はやはり任務へ赴くのがガーディアンの勤め
世間はGPS真っ盛り、俺も参加する為に野良へ繰り出したという訳だ
普段なら知り合いとやっているのだが生憎とパトカは光っていない
一緒に行動する分休養も同じ日になりやすいのである
そして俺はニューデイズ支部のミッションカウンターを覗き込んだ
「ふむ・・・」
カウンターを覗き込んだ俺は軽く唸る
表示されているPTは満員であったり知り合い同士であったり、なかなか乱入とはいかないものだ
頁を捲ったところで待機所にいるPTを見つけた
現在3人、全員ファイター系、つまり
「スイッチ係くらいならできそうだな」
PT名、コメントを確認し入室に問題無い事を確かめ、俺はその待機所に向かった

「こんにちは」
「はうはう、こんにちはです!」
入室しての挨拶、第一印象の決まる瞬間だ
爽やかな笑顔(営業スマイルとも言う)で挨拶をした俺を迎えたのは
こんな子供が?と見紛う程小柄なビーストの女性
満面の笑みは宛ら太陽の様、と少し詩的に語ってみる
そして
「こんにちは」
「・・・(コクリ」
表情をまったく表わさず挨拶するヒューマンの男性と黙って会釈するビーストの男性
まるで静かな雪原の様だ
この空気の落差はなんだろう
足して考えるなら晴天の雪原か、等とどうでもいい事を考えつつアイテムの確認
P.Pもチャージの必要無し、準備は万全だ
「それじゃ、よろしく頼むよ」
先程と同じく爽やかな笑みで3人に告げる
気のせいか3つ程殺気を感じた様な?
まあ、多分気のせいだろう
そう片付けてミッションルームへ向かった
23ある守護者の日常2/2:2009/02/12(木) 08:05:33 ID:lgWJUXf2
結果としてミッションは成功した
数度やり直したものの最後はS評価で終える事もできた
協力・PTミッション自体ほぼやった事が無いというソード使いのビス男氏
彼には道順や仕掛けの簡単な説明だけで済んだ
そつなくこなす双剣使いのヒュマ男氏
彼には特に説明する事は無かった
同じく双剣使いのビス子氏・・・小ビーストで成人してると言われてもしっくりこない・・・
どうも性格的に戦闘に向かない気がする
俺はと言えば回を重ねる毎にやる気が増していった
何故って?味方の援護補助をしつつ自分も存分に武器を振るえたからだ
この忙しさこそWTの真骨頂、ある意味生き甲斐だ
しかし礼を言われるのは未だに慣れないものだ
俺は俺でやりたいことをやってるだけだしな

ニューデイズ支部を揃って出た頃は昼過ぎ昼食には遅く夕食には早い
「はうはう、折角ですのでみんなで食事にしませんか?」
小ビス子氏に食事に誘われた、別段断る理由はないので一緒に食事をする事にした
会話から察するに3人は元々知り合いだと思っていたがドンピシャだった
行先はニューデイズでも老舗の御菓子屋、はて?食事?
まあ腹が膨れる程食べれば十分に食事だろう
食後はお茶を啜りながら会話に花を咲かす3人(とは言え主に喋ってるのは小ビス子氏)
とそれをやや離れたところで聞いている俺
別に深い意味は無い、単に俺が喫煙所に陣取ってるだけだ
主な話題はそれぞれのPM関連、実に楽しそうに話している
きっとPMと仲睦まじい間柄なのだろう、喜ばしい事だ
ニューデイズ文化についての話題になったが俺はもっぱら聞き役
正直な話ニューデイズ関連はニューデイズの酒が好きなだけなので詳しくない
こういう時は聞き役に徹するが吉

別れ際にパートナーカードを交換した
自分から連絡したり誘ったりはほぼしないので正直迷ったが、まあ、それはそれ
とびきりの笑顔で挨拶をして別れた
また殺気を感じた様な?
どうも小ビス子氏に笑顔を向けると3つ程殺気を感じる気がする
気のせいと流してステーションへ向う

ああ・・・今日は良い日だ
24名無しオンライン:2009/02/12(木) 08:12:34 ID:lgWJUXf2
GH-413「PMが出てこないなんてスレチじゃないかしら?マイマスター(ラスカル)」
ヒュマオ「PMのお茶会を読んで衝動的に思い付いた、後悔はしていない」
GH-413「とても前衛的ね、この無法ぶりは流石はラスカルよ」
ヒュマオ「後悔はしていないが反省はしている!」
GH-413「死んで償え!(ドスッ!」
ヒュマオ「あぷぉおすとろふぃっ!!」
25名無しオンライン:2009/02/13(金) 16:50:05 ID:ZkGIF46h
GH-431「ソードック買ってきました」
沼男「またか」
GH-431「マスター、クバラ武器のこの黒い部分って何で出来てるんでしょうね」
沼男「その謎は、お前自身の未来が解き明かすんだ…」
GH-431「そうですね。では (パク)」
沼男「あああ〜〜〜っ?!貴重な氷28%がっ!!貴様!!貴様あっ!!
    地べたを這いずる虫けらの分際で・・・・・・・っ!貴様っ!(ガッ)よくも・・・!(ガスッ)よくもっ!!(ゴスッ)」
GH-431「普通にクバラ・ウッドみたいです」
沼男「丈夫だなお前、なんかこっちの心が傷ついたぞ」
GH-431「Lv180ですから」
沼男「なんかいっつも俺よりレベル高いよな」
GH-431「ニューマンの近接攻撃なんかモノメイトで間に合っちゃいますから」
沼男「作るの得意だもんな」
GH-431「マスター…泣いてるんですか?」
沼男「なんくるないさー、と沼男は強気を装って主張します」
26バレンタイン:2009/02/14(土) 06:06:45 ID:AGaFym8R
私はGH-413、とあるヒュマオのパートナーマシナリー(PM)よ
今日はバレンタイン、思わず徹夜しまったわ・・・
ま、まあチョコくらい自然に渡せばいいのよ
ほら、所詮お菓子メーカーの販促戦略に付き合うお遊びなんだしね
そう、自然に、自然に・・・
主人は「休日出勤だー」と朝からローテンション、ここはチョコで元気付けないとね
出勤前で若干慌ただしいのも幸い、あっさりさり気無く渡せるわね
「ちょっとラスカル」
「ん?」
アイテムパックを確認しつつ横目で私を見る主人、う、緊張してきた・・・
落ち着くのよ私、be cool be cool
深呼吸、吸って・・・吐いて・・・いざっ!
「はいこr「ますた〜♪」
うひゃっ!きゅっ急に出てこないでよ!
私の言葉を遮り主人に抱きつくGH-444、チョコを取り出す姿勢のまま硬直する私
「ますた〜♪はい、ぷれぜんと〜♪」
「ん?さんきゅう」
「えへへ〜♪」
満面の笑みでチョコを差し出すGH-444、くっ、その笑顔が今は無性に腹立たしい
私がこんなに緊張してるのにっ!
「で、なんだ?」
「え?ああっ、ええっと」
GH-444をしがみ付かせたまま主人が振り返る
落ち着け、落ち着くのよ私
こんな時こそ(?)冷静にならないとね
気を取り直して・・・今度こそ
「はいこr「マスター」
うひゃあっ!ま、またこのタイミング!?
再び硬直する私を尻目にGH-450が満面の笑みでチョコを渡す
うわ、ハート型!ってかでかっ!
「御口に合うかは解りませんが・・・精一杯の気持ちを込めさせて頂きました」
何この潤んだ眼!何頬染めてんの!?何このアピールタイム!
「ああ、さんきゅうな」
くっ、主人がバレンタインを思い出しちゃった
こうなったらもう自棄よ!女は度胸!
「それじゃついでに私からも、感謝なさい?」
あああ、余計な事言ってるうううう!!
「おう、さんきゅう」
そして主人は仕事へ出かけた・・・巨大なチョコを脇に抱えて
くうっGH-450の勝ち誇った顔がムカツク!
27名無しオンライン:2009/02/14(土) 15:31:12 ID:D04lstz6
GH-431「はい、マスター!ハッピー・バレンタイン!」
沼男「モノメイトじゃねえか」
GH-431「御口に合うかは解りませんが(うるうる)」
沼男「じれるツンデレは本命フラグ」
GH-431「それは最後に選ばれるという天啓」
沼男「腹黒ばかりが勝つ世の中はもう沢山だ」
GH-431「真の恋こそ報われよ」
沼男「めい えんじぇる びー うぃず ゆぅ」
GH-431「はぴぃ すのぅ ふぉーるず とぅ ゆぅ」
28徹夜の裏事情 1/1:2009/02/14(土) 22:27:22 ID:4OEitpSb
何時の世も、被害者が存在する。

413 「これで、これでいいかしら!?」
412 「…いいんじゃないですかぁ?(ペロリ)」

これでもう何回目の確認になるか分かった物ではない。
この413、主人にプレゼントするチョコレートを作る事にしたらしいが…。

413 「そんな雑な確認方法じゃ自信が持てないわ!
     もっと、もっと念入りにお願い! 詳しく説明を!」
412 「だから、その他色々含めてこれでいいと思いますって…」

412も最初は丁寧に感想などを述べていた。
しかし、事ある毎に主人の味の好みを思い出したかと思えば作り直しが決定される。
そして完成すればまた振り出しに戻る…流石にこの終わらぬマラソンに飽き飽きしていた。

時計は既に夜明けを指している。
実はこの2人、もう既に昼頃からずっとこの調子だ。
突然413が訪れてきたかと思うと、貴方しか頼れる人がいないと412にすがり付いて来たのだ。
同居人が2人いるが、どちらもライバル。その上知人はほとんどいやしない。
ともなれば、既に別に意中の人アリの412が相談役として適任だったというわけだ。

413 「そ、そうかしら? そうよね、これだけ頑張ったんだから…」
412 「(…はぁ〜、ようやく終わるかなぁ? ふああ…)」

そう、412が何度目になるか分からない安堵の息をついたのも束の間。

413 「…ちょ、ちょっと待って!? もしかしたらあの450…私の知らないラスカルの好みを!?
     っく、そうなれば装飾で勝負するしか…ダメ、ダメよこんなシンプルな作りじゃ!
     誠意が篭ってないと思われてしまうわ! 急いでやり直さなきゃ!」

既に数十回にもなる炎の再発を他所に。

412 「………すぴ〜」

そう、被害者は何時の世も存在するのだ。
29名無しオンライン:2009/02/15(日) 06:31:51 ID:4GGKouCm
GH-413「>>28にある様に私がこれだけの労力をかけたのよ、感謝なさいマイマスター(ラスカル)」
ヒュマオ「そういう裏話を自分で言っちゃいますかあなたは」
GH-413「ここは舞台裏だから良いのよ」
ヒュマオ「さいですか・・・しかし誰のPMなんだ?今度お礼にでも行かないとな」
GH-413「秘密よ」
ヒュマオ「なんでだよ」
GH-413「世の中には知らない方が良い事もあるのよ」
ヒュマオ「なんだそりゃ」
30名無しオンライン:2009/02/16(月) 01:22:20 ID:IzoZ1P8O
誰か、16体目のログと箱の外伝をください……
31名無しオンライン:2009/02/16(月) 04:49:38 ID:wqmz0wwj
>>30
十六体目のログなら、完全か分からんが516くらいまでならあるわ
必要ならテキストとかにコピってPSUアプロダにUPしとくぞー

あーネタが途切れた畜生
32名無しオンライン:2009/02/17(火) 04:20:49 ID:gSIUOYhZ
ネタはあるんだけどシリアス系か…と尻込みしてたりする
ほぼPMが関係無かったり…
シリアスは嫌いじゃないけどコメディのが好きなんだよなあ
そんなヒュマオとGH-413作者の独り言
33名無しオンライン:2009/02/17(火) 18:33:23 ID:5DK76P12
>>31
PSUロダを知らない自分は負け組

ここのロダがどこにあるのか。(画像ロダは見つけた)
34名無しオンライン:2009/02/18(水) 03:35:21 ID:2G6YHSTz
>>33
そんなお前さんにPSUロダのアドレスごと十六体目のログを

ttp://www.psuxxx.info/uploader/upload.cgi?mode=dl&file=754

キーはpasiri、中に入ってるテキストの拡張子をそのままhtmlに変えればここと同じように見れる
35名無しオンライン:2009/02/18(水) 05:27:55 ID:1+KT6K/8
>>35
すまないねぇ……。これで空白が埋められるよ。
36名無しオンライン:2009/02/18(水) 08:59:42 ID:vaWx1RLw
>>34
gj
久し振りでつい一気に読んでしまった
これから寝ずに仕事行ってくる!!!!
37名無しオンライン:2009/02/18(水) 23:55:47 ID:PifNYrfi
うほ、PSUに新ジャンルのスレがあったとは…
>>34ありがとう。前スレ見れて楽しかったよ。
38名無しオンライン:2009/02/19(木) 01:08:13 ID:ZjXBZ5Pk
>>37
すまない、ここは本当は18スレ目なんだ
39名無しオンライン:2009/02/19(木) 01:44:47 ID:KukQjLvH
>>38
あぁ、ホントだw
スレ立てミスか、まあ細かいことは気にしない。
40『進化』の力 前編 1/6:2009/02/19(木) 04:49:22 ID:SunP2p87
私はGH-412、とあるガーディアンのパートナーマシナリーをしています。

特に何もない日、私はお洗濯や洗い物を済ませていました。
この後は食材の買出しに、お茶菓子の用意と、何もなくてもお仕事は一杯です。
お茶っ葉とお茶菓子の消費が早いせいで出費もかなり嵩んできているのが最近の悩み。
ほんっとにあの人達、少しは自分達の部屋で過ごそうと思わないのかな…?

そんな風に頭を痛めていると、ご主人様が出かける準備をしていました。

412 「ご主人様、お仕事ですか?」
主人「いや、ラガンの巣に行く」
412 「ラフォン草原に?」

ああ、何かあったのだと私はすぐに確信しました。
ご主人様にとって、ラガンの巣は何かあった際の修行の場でもあるんです。
スピニング、グラビティブレイク解禁時も、すぐに篭って即座に極める程です。
恐らくソード絡みで、ご主人様の身に何かあったのでしょう…。

こういう時は私もお手伝いに向かう事になっています。
勿論、道中までの雑魚散らしもありますが、修行中はキャンプ生活になります。
もしもの事がない為にも、私が同行してお食事の用意をしたりするのです。
…だって、そうでもしないと毎晩カップヌードルになりかねない環境ですよ?

412 「分かりました、私もすぐに用意しますね」
主人「留守にして平気か? ガサ入れは御免だぞ」
412 「多分いてもいなくても同じです」
主人「そんな何かを悟ったような諦め半分の遠い目をされてもな」

ああ、日頃の苦労が表情に出てしまう…。
私達の部屋は何時の間に、無料の喫茶店になってしまったんでしょう…。
キャンプ生活とはいえ、少しの間でもその状況から解放されると思うとほっとします。
けどその代わりにガサ入れの覚悟をしなきゃならないんですよね、全く。

私は身支度を整え、422さんへの書き置きも済ませ、既に部屋の外にいるご主人様に追いつこうとしました。
…おっと、その前に忘れちゃいけない事がありましたね。

412   「えい、留守の間の分の清め〜っと」
EX主人「わ、ちょっ、ちょっと! 痛! 痛い! やめなさい! やめてお願い!! お肌が!!!」
EX412 「こっ、こら! 悪霊みたいに扱うんじゃ…あいたたたた! 染みる!! かぶれる〜!!!」
41『進化』の力 前編 2/6:2009/02/19(木) 04:50:24 ID:SunP2p87
- シャトル内 -

それにしても、最近は大規模な変更もなかったのに、ご主人様はどうしたのでしょう?
最近ご主人様自身で変わった事といえば〜…ああそうだ、GPSに行ってました。
GPSと言うのはガーディアンズ・パーティースコアリングの略称です。
経営危機まっしぐらのガーディアンズの苦肉の策で、協力任務で好成績を収め続ければボーナスがもらえます。
そのボーナスとは今までと全く変わり映えのしない、エステ無料だとか粗品だとか高性能合成プログラム貸与とかです。
要するに、受諾するのが普通の任務から既存の協力任務に変わりました、と言うだけです!
何処の企業も経営が行き詰ると同じ事しかしないそうですが、見事にその末路を辿ってますね。

そういう催しに全く興味のないご主人様が何故GPSに参加したのか?
それは小ビス子さんのフウ・リン作りを手伝ったのが切欠で、また手伝ってほしいと頼まれたのです。
いざ行ってみれば最低難易度、その上あの無礼極まりない真・劣等種たるあのヒューマン。
あのボンクラめ、またご主人様に言いがかりをつけたのかしら!? それなら今度こそ仕留めなきゃ…。

うーん、でもその日はそこまで思い詰めた顔で帰って来てませんでしたね。
「カードを渡さん主義は説明が面倒だ」とは言ってましたが、カードとソードは全然関係ないですし。
430さんの監視カメラのおかげで、その後に新しくヒューマンの男性が入ってきてたのは知ってます。
でもその人は良くも悪くも目立たない人、何かを隠している感じこそしたけど揉め事はなかったような?
…むむ、さっぱり分かりません。やっぱりあのボンクラのせいなのかしら。

主人「何を拳に殺気込めてるんだ、まだ到着もしとらんぞ」
412 「え!? いや、これはその〜、ちょっと転んでばかりの時を思い出しまして!」
主人「あ〜…いい時代になったな」
412 「…そうですね、普通とは言い難い酷さですが、あの頃に比べれば…」

あの頃とは、ガーディアンズが本格的に人材募集を始めて新人達が溢れかえっていた頃です。
様々な不手際で最初の時点で5割の新人に辞表を叩きつけられたという、前代未聞の不祥事もありましたが
残った5割の新人ガーディアンズ達で、今よりももっともっと賑わっていました。
私達パートナーマシナリーも、仕組みが全く解明されておらず、色んな固体が生まれました。
思えばあの頃こそ、ガーディアンズの最盛期だったのかもしれません。
何せその後、契約金徴収開始でまた半分以上のガーディアンズが辞めてしまいましたから。
そして残されたパートナーマシナリーの数多くも、異動先が決まらず処分されていきました…。

412 「色んな事がありましたね、あの草原も」
主人「そうだな、まさか居候が出来るとは思わなかった」
412 「おかげで食費は上に伸びていく一方です」
主人「思えばあれ以来か、客人が増えていったのは」
412 「じゃあ、422さんは招き猫だったんでしょうか?」
主人「誰が上手い事を言えと言った」
412 「いたっ、いたたたた…強く撫ですぎですよぅ」

そんな楽しいお話の時間に、終わりを告げるアナウンスが機内に響きました。

「間もなく惑星パルムに到着します。シートベルトの着用、及び座席テーブルの収納を…」
42『進化』の力 前編 3/6:2009/02/19(木) 04:52:01 ID:SunP2p87
- ラフォン草原 野営基地 -

412 「おーばーえんど?」
主人「そうだ、そいつを会得するのが今回の目的だ」

皆さんもご存知だとは思いますが、オーバーエンドとは失われた大剣技術の1つです。
ガーディアンズ設立後、「ZERO」という文字が刻まれた映像ディスク、「ディスク・ZERO」がレリクスより発掘される様になりました。
ディスク・ZEROに写っている戦闘技術は、当時のガーディアンズにとってはとても衝撃的な物でした。
その技術をガーディアンズが独自に復元したのが、私達が今使っているフォトンアーツと呼ばれる物です。
最も、ディスク・ZEROの戦闘技術を完全復元させる事は不可能だったようで、大分劣化してしまっていると聞きます。
一部例外もあるそうですがね…ちなみに大剣で最初に復元されたのはお馴染みトルネードブレイク。
これはZERO文字、通称コード・ZEROで「ダイナモスピン」と書かれていたそうです。

今回ご主人様が会得しようとしているオーバーエンドは、グラビティブレイクの元となった物です。
限界までにフォトンリアクターの出力を上げ、過剰放出されたフォトンで一気に敵を薙ぎ払うとても豪快な技です。
言葉に書けばヨウメイ社なら出来そうな事ですが、流石のヨウメイでも過剰放出と威力の両立は不可能だったらしく
威力のみを再現させた劣化版、現在のグラビティブレイクとなったわけですね。

実際のオーバーエンドは、ヨウメイ社最新鋭技術のゲキツナアタよりも強大な刃を発生させて
グラビティブレイクの破壊力で複数の敵を一気に叩き斬ると言う、正にソード使いが待ち望んでいる技。
SUVウェポン、ギガス・エスパダでようやく再現が可能な物であり、会得はほぼ無理だと思われます…。
でも、ソードの事となれば黙ってはいないのが私のご主人様です。

主人「何かコツがあるはずだ。それを掴めば何とでもなる」
412 「普通の武器にSUVウェポンの真似って、無茶すぎませんか…?」
主人「それを何とかするのがソード使いとしての責務だろうが。
     マジャーラに出来て俺に出来ぬはずがない!」
412 「うーん、そう言われると可能な気がしなくも…」

そう、例外とは正にドゥース・マジャーラの事です。
これはコード・ZEROで「スピアライダー」と「スピードレイン」という2つの技を合体させた無茶なPAです。
威力と使い勝手は皆さんご存知の通りですが、あまりの無茶ぶりに完成がかなり遅れたそうです。
確かに、劣化ではなくむしろ改良されてしまったマジャーラの事を思えば出来なくもないかも…。
でも本当に出来ちゃったら、GRM涙目ですよね。開発部門が普通の人に負けちゃうんですから。

主人「そういうわけだ、手続きを終えたら早速ラガンの巣に向かうぞ」
412 「はい、それじゃあ私はベースキャンプの手続きをしますねー」

修行の際には必ず何か、事件みたいな物が起こります。
今度こそは何もない日でありますように…その私の願いは届くのでしょうか?
43『進化』の力 前編 4/6:2009/02/19(木) 04:53:46 ID:SunP2p87
*ぎゃおおおおおおおおおおおお!!*

主人「どぅえい!」

*ずがっ!! ぎぃぃぃっ!!*

猛々しく吼えるラガンも、ご主人様のグラビティブレイクの威力に顔を歪めるばかり。
私は寄ってくるコルトバを武器で威嚇し、他に追い払う役目をしながらそれを見つめてました。
…やっぱり、真剣な時のご主人様は誰よりもカッコイイなぁv

今回の会得までの作戦は以下の通りです。
オーバーエンドは大量のフォトンを発生させて叩き斬る攻撃、現存武器では連発はほぼ不可能です。
そこでご主人様は、グラビティブレイク命中の瞬間にカン・ウーのリミッターを解除させて
一気にフォトンを放出させ、擬似的なオーバーエンド状態にさせようと考えたのですね。
勿論PPが全て空になる上に、半端な出力(属性)の武器では過剰出力に耐えれなくなるという荒業。
フォトンチャージの大量消費も考えると、とてもではないですが実用的とは言い難いです。
…でも、ご主人様曰く「そこに浪漫がある限り、人は挑戦する」と。

主人「ええい! 命中の瞬間が毎度毎度ブレる…!」
412 「…武器の耐久も考えると、1秒以上の誤差も許されないみたいです」

私は調査用のノートパソコンをカタカタと鳴らしてました。
ご主人様も凄腕のソード使いとはいえ、やはりその時その時で剣を振る速度などはかなり変わってきます。
そしてエネミーの体格等を考えると、タイミングはその都度変わっていくという条件の厳しさ。
流石のご主人様も上手く行かず、疲労とストレスが溜まり始めて行きます。
私はそれを、ただ見守り応援するしかありません。これはもう、勘の世界なのですから。

次々とラガンが倒れていき、日が暮れ始めました。

412 「ご主人様! 今日はもう止めましょう!」
主人「ぜっ…まだまだ行ける! …ぜっ…」
412 「まだ初日ですし、焦る事はないです!
     明日に備えて、もうゆっくり休みましょう…」
主人「…ぜぇっ…全く、手強いな…」

私達は野営基地に戻ると、まず最初に売買仲介人の元に行きます。
ラガンの尻尾は珍味として有名なので、食品関係者にとっても高く売れるんです。
手数料を取られたとしても、今までのお茶菓子が原因による大量出費がチャラになるほど!
修行がしばらく続く事を考えると、少し下がり気味だった家計もようやく復活の目処が立ちます。
だからって、あの人達が毎日毎日たかりに来ていいわけじゃないんですけどね!

女帝    「ぃっくし! …ヤキが回ったねェ、カゼかい?」
女帝主人「マシナリーは風邪を引きませんよ」
女帝    「相変わらず手痛いねェ。…ふむ、今夜は熱燗と洒落込むかィ」

413    「…っくしゅ!」
450    「あーら、風邪ですか? バカは風邪引かないって言いますのにねー#フフン」
413    「そんな嘘話を信じる貴方の方がよっぽどバカじゃない?#ハン」
450    「な、何ですってー!」
ヒュマオ「ほらほら、ケンカするな! またお隣さんに怒られる!」
44『進化』の力 前編 5/6:2009/02/19(木) 04:55:03 ID:SunP2p87
412 「ご主人様?」
主人「…何だ?」

暗い灯火の中、カン・ウーを磨きつつ難しい顔をしているご主人様。
あまり良い結果が出せなかった事が悔しいのでしょう…。
私はお茶を傍らに置き、恐る恐る尋ねてみました。

412 「どうして、オーバーエンド習得なんて無茶を?
     …また、ソードを使っている事を馬鹿にされたんですか?」
主人「そんな下らん理由じゃない、そもそもそんな機会もないしな」
412 「でも、こないだGPSに行っていたじゃないですか。
     あの失礼なヒューマンに、色々と悪口を言われたんじゃ…」
主人「ああ…小ビス子を気遣ってか、あの日は黙り続けてた」

そうなんだ…。
あの2人、仲が良いのかな? 430さんが喚くって事は仲が良さそうだけど。
少なくとも、プロポーズと婚約のコンボに辿り着くまでは進展してなさそうです。
そもそも、小ビス子さんが430さんの存在を差し引いても、その2つの文字と縁がありそうには見えません。

412 「…それじゃあ」
主人「ソード使いとしての意地を、俺も証明しようと思ってな」
412 「そんな、ご主人様は日頃から証明されてるじゃないですか!」
主人「…412、世の中は広くてな、様々なソード使いがいる。
     そういう奴等は無謀な挑戦に挑んで、勝って、不動の地位を手に入れてる。
     所詮どんなに自分で言おうと、形に残せなければ何も意味がない」

そう…今のガーディアンズにはごく少数の玄人と、物好きな新参者しかいません。
前者は退屈な日常に嫌気が差し、1つの武器だけでエネミーを撃破するという無茶な挑戦に挑みます。
あるいは、日の目を見ない不人気職業で無謀な挑戦に挑んだり…。
そしてその成功を収めた映像を、ネットワークを利用して閲覧サイトにアップロードしているのです。
勿論、その動きが素晴らしければ、他にどんな人がいても「○○職業、○○使いに××あり」と言われるのです。
今日で有名なのは職業はアクロファイター、ガンテクター、武器はツインセイバー使い、ソード使いもチラホラ…。

412 「でも…例え形に残せなくても、私にとってご主人様は誰にも負けないソード使いです」
主人「男のつまらん意地と見栄だ、深く考えない方がいいぞ」

ご主人様は笑いながらそう仰いますが、私はそれだけとは思いませんでした。
ソード使いの意地ならともかく、ご主人様は変に目立つ事をあまり好まない御方です。
きっと、私には言えない事情があるのでしょう…私はそれ以上の詮索を止める事にしました。
ご主人様がそれを望むなら、私はそれを叶える為にお手伝いをしたいから。
45『進化』の力 前編 6/6:2009/02/19(木) 04:56:08 ID:SunP2p87
- 数日後 -

主人「そりゃあ!」

*ぎゅええええええ…ずしぃぃぃぃぃん*

数十匹目のラガンが地面に倒れていきます。
あれから何度もご主人様はリミッター解除のタイミングを計り続けていますが…。
結果はどれも失敗、コンマ1秒の世界への到達は並大抵の難易度ではありません。

主人「くっそ…ここまで厳しいとはな!」

今日も既に何匹になるか分からないほどのラガンを倒しているご主人様、疲れが顔に出ています。

412 「ご主人様、そろそろ休憩にしませんか…?」
主人「…そうだな、一旦休むか」

私はお茶の入ったポットを手に取り、ご主人様に駆け寄りました。
何匹目か分からないと言っても、修行開始が早朝だったので実はまだお昼頃なんです。
私の腰元には、サンドイッチが入ったお弁当箱が。

主人「一度判明すれば、後はどうにでもなるんだがな…」
412 「ご主人様、カン・ウーの状態は大丈夫ですか?」
主人「それは問題ない、お前が自信作と言っただけのタフネスだからな」
412 「良かったぁ、壊れたら何時でも言ってくださいね」

えへへ、武器を褒められると作った甲斐ありですv
ご主人様はアギトが気に入らないという理由だけで、無数のカン・ウー基板を手に入れ続けてます。
スヴァルタスソードもあると言ってみた事がありますが、とてもゴルダニアが持たないと返されました。
その為、ご主人様のメイン武器はほぼ全ての属性で出力40%以上のカン・ウーなのです。

主人「ふぅ、腹減った」
412 「今日は疲れた時に効果がある物を使ったんですよ〜」
主人「どれどれ…」

*ぱくっ*

主人「ぬっ、キーンと来るな。何使ったんだ?」
412 「実は隠し味にマッド・トリュフを使ってあるんです」
主人「何を使ってるか! …しかしイケる」
412 「頭が冷えて、きっといい結果が出せるかもしれませんよ!」
主人「だといいがなぁ…」

お茶を飲みながら、ご主人様は空を仰いでました。
…もし、本当に星霊がいるなら、どうかご主人様に良い結果を。
46名無しオンライン:2009/02/19(木) 05:00:28 ID:SunP2p87
長くなりそうなんでひとまずここまで
ZEROとか動画とか好き放題しちまってるが、後悔はしてない!
オーバーエンドいいよオーバーエンド、ミリアスブレイカーいいよ

>>35
>>36
役立ったようで何よりだわ

>>39
そこだけはほんとゴメン間違えた。見てると吐き気がしてくるなその間違い
47名無しオンライン:2009/02/19(木) 08:49:59 ID:PsgfusZk
>>46
合言葉は倫理的におk
続き楽しみにしてるよん

412を借りようと思ったら修行に出かけちゃった!
48名無しオンライン:2009/02/19(木) 14:33:51 ID:QltUmSvw
>>46
そんなんで吐くな、気にすんな
せっかくパシリが合成してくれたモノメイトがもったいないぜ
49アンケート 1/2:2009/02/19(木) 15:08:02 ID:QltUmSvw
野良で出会ったパシリから、こっそり主人についてアンケートとってみた。

●GH-410(主人:キャスト♂)
 呼び方:マスター
 呼ばれ方:おい
 扱い:ブロック開始時に支援4色、以降は戦闘不能時もほったらかし
 満足度:☆☆☆
 ひとこと:
  「そうですねー。頭を叩くのを止めてほしいです。
   他は概ね他ガーディアンと変わらない扱いだと思います。」

●GH-413(主人:キャスト♀)
 呼び方:お姉様
 呼ばれ方:名前、もしくはそのペット系アレンジ
 扱い:オプション
 満足度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 ひとこと:
  「あのおみ足でお蹴り頂ける瞬間がたまりません!
   私を見下ろすあの冷たい視線、私を罵倒するあの残酷な言葉、それなのに
   私を破壊しない様計算し尽くされた、優しさと心遣いに満ちたおしり蹴り!ああ!
   実際に宙を舞いながら、私ってば天にも昇る気持ちなのですわ!」

●GH-420(主人:ヒューマン♂)
 呼び方:おい
 呼ばれ方:ポコ
 扱い:対等な友達関係
 満足度:☆
 ひとこと:
  「終わったら呼ぶからブロック1の入り口で座ってろつうのに、何故かついてくるポコ。
   すぐ死ぬからミッション中はぶっちゃけ邪魔ポコ。安心して任せられるのは
   買い物と武器のPP補充くらいポコ。こないだなんかリニアラインに乗ってて
   揺れて転んだ拍子に死んだ時は、何が起きたか一瞬分からなかったポコ。」
50アンケート 2/2:2009/02/19(木) 15:08:29 ID:QltUmSvw
●GH-430(主人:ヒューマン♀)
 呼び方:ご主人さま
 呼ばれ方:型番の数字、ときどき名前
 扱い:子供?
 満足度:☆☆☆☆☆
 ひとこと:
  「いっつも優しくしてくれて、ありがとうございます!
   私、ごしじんさまのパートナーでよかったです!」

●GH-431(主人:ニューマン♂)
 呼び方:名前
 呼ばれ方:ご主人様
 扱い:お嬢様?
 満足度:☆☆☆☆☆
 ひとこと:
  「そうですね。大体何でもそつなくこなすので不満はありません。
   時折気の利かない事もありますが、指示してやればその通りに動きます。
   近頃は多少気遣いも覚えた様ですね。」

●GH-440(主人:キャスト♂)
 呼び方:呼んだ事がない
 呼ばれ方:お嬢様、??様
 扱い:女帝
 満足度:−
 ひとこと:
  「油断するとすぐ近付いてくるのでPPがもたない。」

450型を連れているガーディアンズには出会えなかった。
抜けている型、同型問わず報告あれば求む。
51最低の主人(前編) 1/3:2009/02/19(木) 20:35:15 ID:+EYlDRSY
「答えろ。武器ってぇのは、何のためにある」

またこの話か。
私に武器合成をさせてくれと言う度に、決まってそんな問いかけをしてくる。
私のデータベース内に格納されている、武器に関するどんな情報を引き出しても、
この最低の主人は「分かってねえ」の一点張りだった。

何も分かってないのは、この年老いたガーディアンの方ではないか。
私にPMとしての仕事を何一つさせず、ろくな戦果も上げてこない。
当然財政は常に火の車で、私に餌の一つも与える余裕すらない。
もっとも、余裕があったとしても同じことだろうが。

この、時代に取り残された古い頭の主人は、PMがPMなりの意思を持った、
ガーディアンのパートナーだということを理解していない。
彼の言う「けったいなカラクリ」が食事をする、という概念すら分かってないだろう。

そう。私はGH-101。
この最低の主人について以来、一度も食事をしたことのない、初期状態のままのPMだった。

この年老いた主人。ガーディアンの適齢期をとうに過ぎていたが、体つきはがっしりしたもので、
健康上の問題も特にない。
ただ、とにかく考え方が古めかしいというか、頭が固いのだ。

この間も、ビジフォンでGRMの新しいフォトン製の武器が紹介された途端に怒り出し、
こいつらは何も分かっちゃいねえ、と繰言を聞かせてくる。
そんな主人が何を使っているかというと、今や時代遅れになりかけている金属性の武器。
当然使う度に刃こぼれがするが、主人は何時間もかけて刃を研ぎなおし、使い続けているのだ。

GRM社がフォトン製の武器を発表して以来、武器の形態は急速に変化していった。
実体を持つ金属性の武器は刃こぼれもすれば、折れることすらある。
しかしフォトン製の武器は、エネルギーの供給さえ怠らなければ、いつまでも新品同様の切れ味を保つのだ。
ガーディアンがどちらを好んで使うかは、言うまでもないだろう。

大方、フォトン製の武器の取り扱い方法を習得できず、
今の武器に対する文句を並べ立てることで自己を保とうとしているのだろう。
そう考えると、時代に取り残された主人が哀れでもある。
もちろん、それに付き合わされる自分としては、哀れんでばかりもいられないのだが。
52最低の主人(前編) 2/3:2009/02/19(木) 20:35:56 ID:+EYlDRSY
「武器とは何か。あの主人の満足する答えとは、一体…」
主人のいないマイルームで、私は答えを探し続ける。
仕事を与えられない以上、私にはそれぐらいしかすることがないのだ。

もっとも、部屋にいるのは私一人ではなかった。

「ね〜、タマちゃん。おじいちゃん、まだ帰ってこないの?」
主人の、孫娘だった。
度々訪れるので、私ともすっかり顔なじみになっている。
なお、「タマちゃん」とは私が丸玉の形態であることからつけられたあだ名で、公式名ではない。

私の前では眉間に皺を寄せた気難しい顔ばかりの主人も、この孫娘には滅法甘い。
気持ち悪いほどの笑顔でいつも、自分の「戦果」を喜々として語り聞かせるのだ。
戦果といっても、あの民間人の護衛をやり遂げたとか、この民家の財産を取り戻したとか、
ともかく戦果と言うには余りにこじんまりとしたものであった。

普通の優秀なガーディアンであれば、名の知れた原生生物(例えばディラガン)をどのくらい討伐したかを
語れそうなものだが、古い武器しか使えない主人には当然そんな偉業は無理な話である。
それでも、この屈託の無い幼女は瞳を輝かせて主人の話に聞き入るのだ。

まだ年端もいかないから無理も無いが、落ち着きの無いことこの上ない。
マイルームのあちこちを走り回るので、私は自分の考えをまとめることもできない。
そろそろ注意の一つもしようかと近寄ろうとした、その時だった。

孫娘が勢い余って、武器の格納してある棚に体をぶつけていた。
その拍子に、槍やら斧やらの束が一斉に彼女目掛けて倒れかけてきたのだ。

大人ならともかく、幼子ではあの重量級の武器の束に押しつぶされかねない。
私は咄嗟に飛び込んで、彼女の盾になってやった。
初期状態のPMとはいえ、倒れ掛かる重量級の武器の何本かに押し潰されるほどヤワではない。
私の球状の体を左右に滑り、武器の束は彼女を避ける形でその左右の床に倒れていった。

「ありがと〜」
屈託ない笑顔でお礼を言う孫娘には、後一歩で大惨事になっていたことが分かっていると思えなかった。
それでも私は嬉しかった。
生まれてこの方仕事の一つもなかった私にも、人一人の命を救うことができたのだ。
例えそれが、倒れこむ武器を体で止めるといった、単純な内容でも…

そこまで考えた途端、私のデータベースに何かが引っかかった。
それが、主人の求めた答えであると推測されるのに、そう時間はかからなかった。
53最低の主人(前編) 3/3:2009/02/19(木) 20:36:34 ID:+EYlDRSY
「答えが、分かっただと」
いぶかしげな主人の鼻を明かす機会を得た楽しみを必死に抑え、私は説明を始めた。

「武器とは他でもありません。『武』の文字通り、『戈』を『止』めるための器です。
『戈』とはすなわち古代に使われた武器。それを『止』めるということは…。
他の武器から自分、或いは自分に近しい大切な存在を守ることを意味す」

そこまで言った私は、主人の無骨な手で思い切りはたかれていた。
「調子に乗るんじゃねえ、このポンコツ」
主人の口が悪いのは、今に始まったことではなかった。

「てめぇの言ったのはな、あくまで理想論だ。現実はそんなあまっちょろいもんじゃねえ。
それこそてめぇが前に答えたような『敵を切り刻むため』としか考えねえ輩がごまんといる。
そいつをしらねぇで軽々しく『守る』なんて口にする奴ぁ、すぐにおっ死んじまうもんだ」

では、どう答えればいいのかと、たまりかねて文句を言いそうになる私に対して、一言。
「だが、悪くねえ。考え方はな」

怒鳴る、文句を言う、こき下ろす。それ以外の言葉を私に対して放つのを、初めて聞いた。
主人に関するデータの更新が追いつかないほど、その変化は唐突だった。

「いいか。てめえは今、ようやく武器の何たるかの入口に立ったんだ。
厳しいのはここからだ。これからは、この俺がびしびし鍛えてやるから覚悟しとけ」
そう言って、いそいそと倉庫から鍛冶道具を取り出す主人の顔は楽しげだった。

「あの…私はそのような道具を使わずとも、素材さえあれば」
「馬鹿野郎っ手間暇かけて打ち込んだ武器でなしに、どうやって『守る』なんて口にできるもんかよ。
代々鍛冶屋だった俺が言うんだ、間違いねえ」

なんというか、もう呆れて口もきけなかった。
この最低の主人は、どこまで私の、PMとしての存在意義を否定すれば気が済むのだろう。
もっとも。

「おう、忘れてたぜ。…その、なんだ。……孫を助けてくれて、ありがとな」
この主人は、私をPMとしては完全否定していても、いわゆる『相棒』としては。
私の思っていたほど、認めていないわけでは無かったのかもしれない。

最低の主人。でも、どことなくほおっておけない主人。
そんな主人をようやく理解しかけ、好きになりかけてきた頃。
別れは、余りにも唐突にやってきた。
54名無しオンライン:2009/02/19(木) 20:45:32 ID:+EYlDRSY
流れを読まない雰囲気の内容で申し訳ありませんが、
久しぶりに投下してみました。
お目汚しだったらごめんなさい。
55名無しオンライン:2009/02/20(金) 02:07:44 ID:Khj01IwK
>>54
倫理的におk
職人気質なガーディアンも渋くて良いな
56『進化』の力 後編 1/10:2009/02/20(金) 03:50:37 ID:g7zzHE7e
*ぎゃあおおおおおっ!*

主人「な、何だ!?」
412 「ご、ご主人様! 上を!」

憩いの時間を終わらせる突然の咆哮は空から。
今、崩れ落ちたラガンのそっくりさんが口元に大量の炎を帯びながら落ちてきてます!

主人「ちぃっ!」
412 「緊急収納! ハンゾウ、緊急射出!」

*ひゅばっ! どっしぃぃぃぃぃぃぃん!!!*

私達は何とかその場から離れるも、ラガンが巻き起こす地響きに転がり飛ばされてしまいました。
お互い、違う方向に飛んでいたので、離れる様に…。

412 「あ、あいたたた…」

私は射出されたハンゾウを杖に、何とか立ち上がりました。
幸いにも草原だったので、転げた事による擦り傷や石ころによる切り傷は何もなし。
服を払うのも後回しにしてすぐさま構えるも、私の前にラガンの巨大な身体はありません。
…どうやら、ラガンの狙いは私ではなかったようです。

私以外に、その場に存在するヒトは、ご主人様だけ。
ラガンは確実にご主人様を狙っている…! 間違いない!

412 「ご主人様!?」

すぐに周りを見回すと、奥の方にラガンと対峙するご主人様が。
ご主人様は疲労状態が祟り、まだ武器を構えてもいない状態です。
…致命傷は、避けられないかもしれない!

*ぐぅぉぉぉぉおおおおお!!*

ラガンが大きな口を開いて、既に漏れつつあった炎を一斉に吸い込み始める!
…倒されたラガンと何か関係を持っていたらしく、ラガンの瞳は怒り一色!

主人「くっそ…!」

ご主人様がカン・ウーを手に持つも、回避までには間に合わない!
間に合わないのは明白、だけど私の足は既に全力で走る事を始めていました。
精一杯走りながら、ハンゾウを真上に構えて…!

412 「(間に合え…! 間に合って…!)」
57『進化』の力 後編 2/10:2009/02/20(金) 03:52:09 ID:g7zzHE7e
………。

Photon Arts Learning System
Ready for start.

私の頭の中に、突然見た事もない文字が浮かび上がりました。
…フォトンアーツ・ラーニングシステム?

Skill name..."OVER END"
Searching how to use...Please wait.

オーバーエンド…?
ご主人様が覚えようとしている名前が、何故私の頭の中に?
ラーニングって、私がこれを覚えようとしているの?

...done.
Spinning Break & Limitter release
Creating "OVER_END.exe"...complete.

…その瞬間、私の頭の中に様々な情報が流れ込んできました。
スピニングブレイク、フォトンリアクターのリミッター解除、解除タイミング、過剰出力用リアクター直結。
この情報の通りにやれば何が起こるかなんて、その時の私には想像もつきませんでした。
冷静になれば分かっていたでしょう。けど私は、ご主人様を助ける事が最優先!
無我夢中で、遠く離れたラガン目掛けて、届きもしないスピニングブレイクを放つ!

*ぐるぐるぐるっ*

身体がジャンプで到達できる最大地点に到達!
私は手から、私自身のリアクターとハンゾウのフォトンリアクターを直結させました。

412 「リミッター…解除ォッ!!」

その瞬間…。

*じゃきぃぃぃぃんっ!!*

手で持ち続けるのが厳しいほどの過剰フォトンがハンゾウから噴出されました!
その過剰フォトンはハンゾウの刀身を包み込む所か、更なる長い1つの強大な刃に変化!
後は…打ち下ろすのみっ!!

412 「ぐぅぅぅっ…!!」

かなり危険な状態にあるハンゾウは、持ち続けるのがやっとです。
スピニングブレイクを放つ為の出力向上状態よりも、遥かに多くのフォトンを噴出しています。
そして私は勢い任せの回転状態、もう手で抑え続けるしかないのです。
でも、やらなきゃご主人様が! 精一杯の力を振り絞り、私は刃を一気に叩きつけるっ!

412 「いっ…けぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」
58『進化』の力 後編 3/10:2009/02/20(金) 03:53:20 ID:g7zzHE7e
*ずっぎゃああああああああああっ!!!!*

強大なフォトンの刃は、ラガンの皮膚に止まる事なく即座に下まで貫通!
ラガンは何が起こったのかを確認しようと首を回そうとしましたが、それが最後の行動でした。
即座にラガンの身体は真っ二つに分かれ、激しい血飛沫と共に支える力を失っていきました。

412 「…ご、ご主人様…っ!!」

私の身体は動きませんでした…。
リアクターをフル稼動させる程の無茶な攻撃が祟り、緊急出力抑制状態になってしまったのです。
必死に身体を起き上がらせながら、ご主人様がその場から離れている事を祈るばかり…。

そして、脇から脱出してくるご主人様の姿が!
辺りをキョロキョロと見回すと、震えながら必死に身体を抑え、倒れこんでいる私の元に駆けつけてくれました。

412 「…ごしゅじんさま、ごぶじで…よかった…!」
主人「412、お前…」

…その時のご主人様の表情は、安堵に満ちた物ではなく驚愕を表していました。
私はようやく、自分のしてしまった事を理解し始めました。
けど、それを考える暇もなく、無茶をした私に待っていたのは、強制スリープ…。

412 「…お……け…が………」

…おい! しっかりしろ! 412、おい!!
うっすらとご主人様の声が頭の中を木霊しながら、私は気を失ってしまいました。

「『進化』の力は見せない方がいい」

前に、450さんに言われた言葉が頭の中に響き、私は起き上がりました。
でもそこはベースキャンプでも、自室のベッドでも、メディカルセンターでもありません。
…私達がいた、ラフォン草原? そんなに時間が経ってないの?
辺りを見回すと、そこには1人の男性とGH-430がいました。

…先程のご主人様と同じように、その男性はラガンに倒されようとしています。
しかし、GH-430の放ったビームガンがそのラガンを一撃の下に粉砕してしまいました。
…もしかしてこれは、450さんに聞いた事のある出来事? まさかあれは、私のよく知る430さん?
でもどうして? 私は430さんの記憶なんて知らないのに、どうしてそれがこうして出てくるの?

…その男性は、笑顔で駆け寄る430さんを驚愕の目で見つめていました。
ダメ、そんな目で見ないで。そんな風に思わないで!
それじゃあ、430さんは売り払われてしまう! そんな事はダメ!

…お願い、止めて! 私達をそんな風に切り捨てないで!

化け物扱いしないで…!!

主人「おい、412!」
412 「………はっ!?」
59『進化』の力 後編 4/10:2009/02/20(金) 03:54:50 ID:g7zzHE7e
…私は飛び上がり、また辺りを見回しました。
そこは、私達が手続きをした野営基地にある、簡易休憩室でした。
休憩室とは言っても、簡易とある通りにキャンプの中に野戦ベッドが並べられているだけ。

今度こそ、私は本当に目を覚ましたようです。
あの光景は一体なんだったんだろう…どうして私はそんな物を見たのだろう?
分からない事ばかりですが、頭の中にまたあの一言が過ぎりました。

「『進化』の力は見せない方がいい」

私ははっとしてご主人様の方を向きました。
今は、飛び起きた私に少しびっくりしている感じですが、あの時は全然違いました。
まるで、強大なバケモノを見たような感じの驚愕の表情。

…私は、見せてしまった。
本意ではないし、自分でもよく分からないけど、『進化』の力なのは間違いない。
私がワンオブサウザンドと呼ばれる理由を、ご主人様に見せ付けてしまった。
あれだけ450さんに忠告されたのに、わざわざ忠告に来てくれたのに。
私は、やってはいけない事をしてしまったのです。
430さんと同じように、今でも普通なら絶対に成し遂げられないS2級ラガンを一撃で葬るという離れ業を。
私は、それをしてしまった。

412 「ご、ご主人様…」
主人「全く、随分な無茶をしてくれるな」

ご主人様はそう言って、私の頭を撫でてくれました。
でも私は、それを素直に喜べなかった…普段ならとっても嬉しい事なのに。

412 「ご主人様、私…」
主人「今はゆっくり休め、連日の修行でお前も疲れただろ」

私の言葉を遮り、ご主人様は私の身体をベッドに寝かし付けてくれました。
そして洗面器につけていたタオルを絞り、私の頭の上にそっと乗せてくれたのです。
ひんやりとした感触が、私の動揺を落ち着かせるように頭から身体に伝わっていく…。

…それからご主人様は休憩室を出て行かれました。
私は未だに低出力状態でしたが、眠れませんでした。
私はこれからどうなるのか、それを考え出すととても寝る気になれません。

見せてしまった物は仕方ない、全部ご主人様に話そう。
私が一体、何者になってしまったのか。
私が一体、どんな力をこの身体に秘める事になってしまったのか。
そして、私がそんなバケモノになっても、何を一番望んでいるかを。

長い葛藤の末に答えを見つけ出し、私はようやく目を瞑りました。
ぶら下げられた微かに灯るランプの明かりを、感じながら。
60『進化』の力 後編 5/10:2009/02/20(金) 03:58:32 ID:g7zzHE7e
- 翌日 -

私が起きた頃には、すっかり次の日になってました。
リアクターも通常稼動状態に戻り、普通に動けるまでに私は回復していました。
私は意を決して、ご主人様がいるテントに行こうとしましたが、そうする前にご主人様が来ました。

主人「どうだ、疲れは取れたか?」
412 「はい、ご迷惑をおかけしました…」
主人「次はもう少し手間のかからない助け方をしてくれよ」

ご主人様は微笑みながら、私の顔をつんと突付きました。
…その優しさが、私に全てを話す決意を鈍らせます。
出来る事ならこのまま何も言わず、ご主人様と何も変わらない今までの生活に戻りたい。
でも、あんな力を見せてしまったら、もうこれ以上隠し続ける事は無理。
いずれ聞かれる。そして私はその時、同じように思い悩まなければいけない。
何より、ご主人様にそれまでの間に思い悩んでほしくない…!

412 「…はい、本当にごめんなさい。
     それともう1つ、私はご主人様に謝らなければならない事があります」
主人「例のアレか」

ご主人様は、真剣な顔になりました。
きっと、こうなる事が分かっていたのでしょう。私が全てを話す事を。

412 「…今まで隠し続けてきて、本当にごめんなさい。
     でも、私もよく分からなくて、人から聞いた話を伝える事しか出来ないんです…」
主人「なかなか複雑な事情みたいだな、説明してくれ」
412 「はい、全てをお話します…その前に、場所を移動させてください」
主人「回りに聞かれたらマズいか、それなら滅多に人が寄らない所に行くか」

私達は、結局ラガンの巣近辺に戻ってきました。
ここならば民間人は寄り付かないし、今時のガーディアンズもほぼ近寄りません。
PA訓練も、今はニューデイズに秘密の訓練場がありますから。

そして私は全てをご主人様にお話しました。
私がワンオブサウザンドと呼ばれる異常固体になってしまった事。
私がその異常固体として、どんな力を身に付けてしまったかという事。
私のその力が、どれだけ未知数で危険に思われているかという事。
…そして、私がそれでもご主人様のパートナーでありたいと思う事。
………ご主人様が望むなら、私は喜んで処分されたいと思っている事を。

ご主人様は途中で何かを言ったりせず、とても真剣な顔で聞いてくれました。
昨日のような、バケモノを見るような目をしたり、話の内容に驚いたりもせず。

主人「なるほどな…大体の事情は分かった」
412 「…私はご主人様の意思に従います。
     もし、私が邪魔だと思うなら、本部に返却してもらっても構いません。
     …でも、もし出来るなら、これからも私にパートナーをさせてください…!
     こんな、バケモノになってしまった私ですが…!」
61『進化』の力 後編 6/10:2009/02/20(金) 04:00:52 ID:g7zzHE7e
主人「俺にとって重要なのはそこではないぞ」
412 「…え?」

私が予想していなかった言葉を返すと、ご主人様は急に私の肩を掴みました。
…やっぱり、ちょっと痛かったです。

主人「お前、あれはオーバーエンドだな?
     俺が習得しようとした物を先に覚えてくれたな?
     主人に対する嫌味か! 人が苦労する中で先を越すとはいい度胸だ!」
412 「そ、そんな! 私はそんなつもりじゃ…!」
主人「しかしこれで分かった事がある。
     パートナーマシナリーであるお前に出来て、俺に出来ん筈がない!
     何時か完成するという事実が判明したのは大きな報酬だな、うむ」
412 「…え?」
主人「だからと言ってやり方を教えるなよ?
     これは俺自身が達成せねばならん問題だ、いくらお前でも助け舟は無用だ!」

え? え?
頭の中がぐるぐるしてます…理解が全く追いついてません。
ええっと、私はワンオブサウザンドと呼ばれるとっても危険な存在で…。
その危険な力をご主人様の前で見せちゃって…ええっと、それで…。
そうだ! その事を今、ご主人様に教えたのでした! 捨てられるのを覚悟で。
でもご主人様は危険の「き」の字どころか、自分もオーバーエンドが必ず覚えられるって…。

ええええええええええ!!??

412 「ご、ご主人様!」
主人「何だ? 助言ならさっきも言ったがいらんぞ!」
412 「そ、そうじゃないです! 私は、とっても危険な存在なんですよ!?
     ライア総裁だって、彼女と親しい教官達だって私の事を危険だと言ってました!」
主人「…ほーう、それで?」
412 「そ、それでって…ご主人様は私が怖くないのですか!?
     だって、ラガンだって一撃で消し飛ばしちゃったんですよ!?
     それに、それに、これからもっと危ない事をしていくかも…!
     ご主人様だって、色んな人から監視される窮屈な思いをしてしまいます…!
     そんな私に、何とも思っていないはずが…!!」
主人「お前な、この間言った事をもう忘れたのか?
     ご主人様の発言を忘れるとは何事だ、ボケ頃か?」
412 「…ね、姉さんとは言われてるけどボケてなんかいません!」
主人「なら思い出してみろ。3、2、1、はい時間切れ」
412 「え、ええっと…って、時間切れ早すぎですよぉ!」
主人「気になる正解はー…」

ご主人様は、私の背中をばしんと叩きながら、笑顔でこう答えました。

主人「俺にとって危険ではないだろ、だ!」
62『進化』の力 後編 7/10:2009/02/20(金) 04:02:00 ID:g7zzHE7e
主人「ライアにとって危険? 教官連中にとっても危険?
     だからどうした、そいつ等の言う事を聞いていれば世の中は平和なのか?
     現にこの世界はどうだ、エリートハムスターどもが好き勝手暴れ回るわ
     イルミナスは出るわ、日陰者がガーディアンズを裏切ってまた裏切り返す始末だ。
     そんな連中の言う事なぞ、俺には全く関係ない!」

それはとても、ご主人様らしい主張でした…。
その豪気さに、私は心奪われたんです…。

主人「それとも何か? お前はその危険とかいう能力で俺を殺す気か?」
412 「…そ、そんな事は絶対にしません!
     私は、何があってもご主人様のパートナーマシナリーです!」

ご主人様の暖かい手が、私の肩の上に乗りました。

主人「だったらそれでいい。力なんぞ関係ない。
     お前は今まで通りに、俺のパートナーマシナリーをしていればいい。
     それとも何か、まだ文句があるのか?」
412 「文句なんて…そんな…」
主人「何だ何だ、人がせっかくいい話をしているのに湿っぽくなるな」
412 「ご…ごめんなさい…でも、でも…」

涙が零れ落ちました。
私は、どんなに否定しても、ワンオブサウザンドと呼ばれる欠陥品。
その欠陥は、私の意思に関係なく危険と見なされる、いてはならない存在。
誰もが口を揃えて言う、「バケモノ」と言う言葉。

でもご主人様は、私をバケモノではなくパートナーマシナリーと言ってくれた。
私が例え、他の人にとってバケモノでも、ご主人様にとってパートナーマシナリーであればいいと。
私は、ご主人様の元にいていい…もう隠し事なんか、しなくてもいい!
だって、ご主人様はこんな私をパートナーマシナリーとして受け入れてくれたんだから!

私の顔はもう、くちゃくちゃです。
でもそんな事を気にしなくなるくらい涙を流しました。
緊張の糸がぷっつりと切れてしまい、回りに見られてもいいくらいに声を出しました。
ご主人様はそんな私を、半ば呆れつつ見つめ続けていました。

けど、流石にこの雰囲気を続けるのはご主人様にとっては良くなかったようです。
腕を組み、目を瞑りながら…。

主人「それにしてもお前は全く、俺に同じ屈辱を二度味合わせるとはな」
412 「え…? そ、そんな、私は屈辱なんて」
主人「戯け、お前が最初に人型になった頃の事を忘れたか」
63『進化』の力 後編 8/10:2009/02/20(金) 04:03:27 ID:g7zzHE7e
…私が初めてGH-410になり、外に出た頃。
ご主人様と一緒に、ニューデイズのミズラキ保護区で、初めての紅葉。
でも、それ以上に私の記憶領域に残っている出来事。

当時、スピニングブレイクは一般ガーディアンズに販売される事のなかった試作型PAでした。
私達PMは、先行実験も兼ねてその試作型PAと、試作型A級武器を持たされたのです。
その頃から既に、ソード使いだったご主人様に、教えろとしつこく言われ続けた思い出…。

主人「人が待ち望んでる物を目の前でホイホイ使いおって」
412 「そ、そんなぁ…あの時も今回も不可抗力ですよぉ…」
主人「二度も味合わされたからには覚悟しておけ?
     お前が使った物より遥かに強力なオーバーエンドを、俺は会得してみせるぞ」

*ぺしっ*

ご主人様におでこを突付かれました。
ちょっと痛かったけど、私は真っ赤になった顔で精一杯に答えました。

412 「はいっ、ご主人様ならきっと出来ます!
     だって、ご主人様は私にとって最高のガーディアンズ! 最高のご主人様ですから!」
主人「よし、では一旦部屋に帰るとしよう」
412 「え? …でも、会得するんじゃないんですか?」
主人「お前のやり方を見て思った。今のままではダメだ。
     もっと別の方法があるかもしれないから、それをまずじっくり考えたい」
412 「…なるほど、準備期間ですね!」
主人「そういう事だ、荷物まとめて帰る支度するぞ」
412 「はーいっ!」

私は零れ続けていた涙を一生懸命拭いながら、ご主人様の後に続きました。
ワンオブサウザンドでもいい…その事が分かった解放感は、私の心の鎖を完全に解きました。
私はご主人様のパートナーマシナリーであればいいんだ。今までの様に、これからもずっと。

ご主人様、私は精一杯頑張ります。
そして、バケモノであっても、胸を張って生きていきます…。



- 自室の庭 -

帰って来てから久々に見上げるニューデイズの月夜。
リュクロスが英雄様のおかげで浄化された今、月見を邪魔する物は空にはない。

主人「知ってたのか、お前達は」

俺は庭にある樹に向かってそう告げた。
正確には樹ではない。樹の陰に隠れ続ける「モノ」に向かってだ…。
64『進化』の力 後編 9/10:2009/02/20(金) 04:05:46 ID:g7zzHE7e
女帝    「…っへ、ご主人サンも勝手に気付くたァ野暮いこった」
主人    「悪いがビーストなんでな、礼儀とは無縁だ」

樹の裏から姿を現したのは、何時かスキヤキを共にした450だった。
俺は滅多に他のガーディアンズとの交流がない。マイルームショップも開いていない。
正確に言えば一度開いた事はあるが、ロクでもない事になったので、すぐ閉店した。
そんな俺の元で412に簡単に知り合いが出来るとは思えなかった。
そして俺はすぐに勘付いた、何かワケありの知り合いだろうと言う事に。
案の定、ビンゴだったわけだが…嫌な予想ってのは得てしてよく当たるもんだ。

女帝「アタシャ仮にも元最年長さ? 新しい妹が出来たと聞きゃ見てみたくもならァね。
     最も、今回は妹どころかどれくらいかわからないほどの姉サンだったんだがねェ」

隠さない所を見ると、俺の事を少しは信用しているようだ。
となれば、あの430も例外なく412の同類って所なんだろうな…。
類は友を呼ぶとは言うが、こんなに一気に呼ばれても部屋が狭くなるばかりだ。

主人    「何処まで知ってるんだ…あいつの事を」
女帝    「…それなんだがねェ、ちィと面倒な事態になっちまってるよ」
主人    「どういう事だ?」
女帝主人「私からご説明致します」

また、影から1つ出てきた。
450の主人らしいニューマンの女だ…只者とは思っていなかったが、やはり同じ穴のムジナか。

女帝主人「簡潔に申し上げますと、412さんは不明な点が多すぎます」
主人    「不明…?」
女帝    「このアタシ等の情報網を使っても、姉サンの事はさっぱりわかりゃしなかったンね」
女帝主人「かなり初期型のパートナーマシナリーだと思われますが…それ以上の事は何も。
         GRMは保有するデータバンクを検索しても、彼女らしきロールアウト情報が何1つ存在していません」
主人    「…何だ、俺のパートナーマシナリーは幽霊だとでも言うのか?」
女帝    「何にもわかんねェんだ、それさえも言えないねェ…」

っは、笑えない話だ。
ガーディアンズの恥晒しには、そういった謎のパートナーマシナリーがお似合いとでも言うのか?
つくづく星霊様ってのは、俺達の事が嫌いらしい。俺も宗教は大嫌いだがな。
食事制限だの、朝の礼拝だの、堅苦しい事ばかりで人生を楽しめないのは御免だ。

女帝    「ただ、アンタには驚かされたよ…アタシャ、アンタが姉サンを認めないと思ってた。
         腕に自信のある奴ってなァ、自分以上を認めたがらない厄介なモンだからねェ。
         凶暴で、生意気で、すぐに噛み付く、鎖に繋いでおく必要がある犬を捨てた奴の様にね」

450は静かに目を伏せた。
話し方で分かる、こいつはそんな風に捨てられたパートナーマシナリーの事を知っている。
そしてそれは、恐らくこいつとある意味で親しいのだろうな…。

主人    「フン…普通じゃないと言われるのは毎度の事なんでな」
65『進化』の力 後編 10/10:2009/02/20(金) 04:07:57 ID:g7zzHE7e
女帝    「ありがとさんよ…もう1人の『アタシ達』を救ってくれて」

450が煙管を吹かしながらそう呟いた。
俺はこの450の事をよく知らないが、実に似合わない台詞だ。
本人もそう思っているんだろう、伏せた目はその間はずっと開かないままだった。
大袈裟に吹かす煙管の煙は、その心情を表すように乱れながら空に消えていく。

女帝    「ただ、気を付けるんだね。姉サンは恐らく、タダもんじゃない。
         アタシ等とは全く違う、別物と言っていいワンオブサウザンドかもしれないよ。
         その事にGRMと調査部、諜報部のド汚ェ連中が気付けば…」
女帝主人「本部監視状態を無視して、裏工作を仕掛けてくるでしょうね」
女帝    「間違いないねェ…何度もドンパチかましたったんだ、連中のやり口はアタシはよく知ってる」

何処も彼処も、どんな正義振りかざそうと企業は汚い。
そんな事は前から分かっていた事だ、俺は別に動じる事もなく…。

主人    「なるようになるだろ…今まで通りな。
         お前達もそうやってきて、今無事なんだろ」

確信なんてあるわけがないが、俺はこう言いたかった。

主人    「お前達に出来て、俺達に出来んわけがない」

450は俺の言葉を呆れた様に聞いていたが、月を眺めながら続けた。

女帝    「そうだねェ…アタシ等みてぇなのがこうして今もやってけてんだ。
         神サマん中にも1人くれェ、捻くれたのがいたっておかしかねェさ。
         そうだろう、ご主人サン?」

女は表情を変える事はしなかったが、笑いながらこう答えていた。
何故笑っているか分かったかは、俺の勘だ。
女性相手だから通用していないかもしれないが、どうでもいいな…。

女帝主人「ええ、きっといると思います。
         言葉遣いは乱暴で、とても偉そうだけど、本当は面倒見がいい…そんな変な神様が」

ニューデイズから見上げる月は、今日も変わらず白く輝き続けていた。
やれやれ…とんだ修行になったもんだ。元はと言えば412に何かありそうだと思い
万が一の時の為に会得しようとしたと言うのに、先を越されるわ真実劇場のお時間になるわ。

…だが、悪い気はしない。
恐らく、忌々しい本部連中にとってのガン細胞の度合いがより酷くなったからだろうな。



- 終 -
66名無しオンライン:2009/02/20(金) 04:11:39 ID:g7zzHE7e
というわけで、412達は無事帰宅
>>47の人、こんなやりたい放題でいいなら遠慮なく使ってやってくれ

>>54
渋いねぇ、こういう古臭い武器関連の話は好きなんだよな
GJと言わせてもらうッ!
67自棄酒1/3:2009/02/20(金) 05:56:27 ID:Khj01IwK
私はGH-413、とあるヒュマオのパートナーマシナリーをしているわ
主人は只今本部から召集を受けて出掛けている
そして私は…
「ったく…やってらんないわ」
「飲み過ぎはよくありませんよ、まだ昼間なんだし・・・」
「うるさいわね、酔ってないんだから平気よ!」
「それ、酔っ払いの常套文句ですよ」
最近知り合ったGH-412の部屋でくだを巻いていた
態々カシスとオレンジジュースを持参して簡易カクテルを作りながら飲む
自室じゃGH-444とGH-450がいるからね
弱みは見せられないわ…特にGH-450には
カシス、カクテルによく使われる有名なお酒で私はここから名付けられた
本式はオレンジを絞って果汁を入れるらしいけどこの際気にしない
「今日はもう散々よ!」
「それは私が言いたいんですけど」
はあっ、とGH-412が溜息を吐くのが聞こえた

私はGH-412、とあるビス男のパートナーマシナリーです
今日は天気も良くご主人様もお休み
二人でのんびりすごそうと思っていたのに…
お昼手前頃最近お友達になったGH-413さんがいらっしゃいまして
その、普段と雰囲気が違ったので嫌な予感はしていたのです
そして現在カクテルを自作しながらくだを巻いています
ご主人様は「そんな酒の飲み方は気に入らん」と言って出掛けてしまいました
流石にGH-413さんを一人にする訳にもいかず、こうして絡まれています
折角ご主人様の修行が一段落したのに…
折角今日は女帝さんも狂犬さんも来てないのに…
折角二人きりの休日だったのに…
…ちょっとくらい恨んでもいいですよね?
68自棄酒2/3:2009/02/20(金) 05:57:10 ID:Khj01IwK
話は遡り朝、ヒュマオの自室
私はGH-413、主人は「今日はオフだ」と言ってぼけ〜っとしている
するとGH-444が主人に飛びついてはしゃいでいる
ピクッと片眉が上がるがそこは私、冷静にしているわ
ライバルとは言え可愛い妹分、年上の威厳で澄まし顔
今度はGH-450が主人に飛びついた
…なんであんたがそれをやるかな!
顔が引き攣ってる気がする、落ち着け、私
主人はコーヒーが飲みにくいようだ
…チャンス!
「あんた達、ラスカルがコーヒー飲みにくいでしょう、やめなさいよ」
「は〜い♪」
「仕方ありませんね」
素直に離れるGH-444、ああ、いい子よGH-444
そして主人の膝上に移動するGH-450、なんでよ!
そこはおとなしく離れなさいよ!
「マスター、コーヒーのお供にこのセレブケーキなど如何でしょうか?」
「そうだな、貰おうか」
何いきなりショコラ取り出してんの!?
さっき朝食だったじゃない!って言うか主人も断りなさいよ!
「マスター、はい、あ〜ん」
ケーキを一口サイズに切り主人の口に運ぶGH-450
そう、その為に膝の上に陣取ったのね…
「…ふんっ」
妙に冷静になった私はハルプセラフィを出力最大にして主人に投げつける
「うばくらだっ!?」
「マスター!?」
ハルプセラフィの刃は主人の額にクリティカルヒットし綺麗に突き刺さった
まあ、平気でしょ、いつもの如く
何度かこういったやりとりがあり私も手加減しなくなったのよ
「あなた!マスターになんて事を!」
「ふん、甘やかすとろくな事にならないわ」
「何度も何度もあなたは…やはりあなたにマスターは相応しくありませんこの暴力娘!」
「なっ、なんですってえ昔の女の癖に!」
GH-450とのこんなやりとりももう日常茶飯事、馴れたものね
…真のパートナーの座は私のものだけど!
69自棄酒3/3:2009/02/20(金) 05:57:44 ID:Khj01IwK
そんなやり取りの最中不意に主人が起き上がる
まったく、自分で言うのも何だけど何で無事なのかしら
額からハルプセラフィを引き抜きテーブルに置く主人…貫通してたのになぁ
そのまま玄関に向かうと丁度扉が開く
「お騒がしいですね」
「最近の日常だ」
入ってきたのはルウ、何故か主人はルウの入室前に察知するのよ
まだ私達が二人きりの時から時折見てきた光景だけど謎よね
そしてルウが来る時はいつも…
「ガーディアンズより召集が掛っています、至急私と同行願います」
「やれやれ…オフだったのに」
ふう、と溜息を吐く主人、そのままアイテムパックの確認に入る
「んじゃ、ちょっと行ってくる、騒ぐのも程々にな」
そう言って部屋を出る主人、その後ろから出ていくルウ
「…フ…」
去り際にルウが小馬鹿にした様に笑った気がする
今まで何度も見てきたから多分気のせいじゃない!
むっかあああああああ!!
何!?無機質鉄仮面の癖に嘲笑とかできんの!?
って言うか何で毎度毎度態々迎えに来る訳!?
連絡一つでいいじゃない!!
何だか随分と長い関係らしいけど!
主人のその…パートナーは私なんだからね!!
無性に腹立たしいので自棄酒をする事にした
でもここだとGH-450がいるのよね…そうだ!
そして、私はニューデイズに向かったのだった
70名無しオンライン:2009/02/20(金) 05:59:31 ID:Khj01IwK
>>66
乙&無事に二人が帰ってきてよかったw
って訳で投下しちゃう
71名無しオンライン:2009/02/20(金) 06:05:54 ID:Khj01IwK
>>68
×何いきなりショコラ取り出してんの!?
○何いきなりケーキ取り出してんの!?
GH-413「これはどういう事かしら?マイマスター(ラスカル)」
ヒュマオ「ヤッチマッター!
72名無しオンライン:2009/02/20(金) 22:32:06 ID:RBNvuWC2
連携が盛んなようで何より。これこそパシリスレ。

どうでもいいけど、額にダガーが食い込んでも何ともないラスカルって何者だろうか。
うおてくだからタフなのか、それともSEED感染してるのが最近のうおてくクオリティなのか。
73名無しオンライン:2009/02/21(土) 10:10:28 ID:ALohyp/8
このスレも廃れたなぁ
74最低の主人(後編) 1/7:2009/02/21(土) 12:51:19 ID:bv5cAF5K
ある日、主人は異様な風体で帰ってきた。
文字通り、片腕を失っていた。
肩の付け根からばっさりと斬られたらしく、血に染まった包帯が巻かれている。

一体何が、と問いかける私を無視し、主人は脇をすり抜ける。
部屋の中央あたりまでよろよろと進んだところで、どっかとその場にあぐらをかいた。

「……負けちまった、な」
そう呟いた主人の背中は、いつになく小さく見えた。

ぽつり、ぽつりと話し始めた主人の話をまとめると、以下のあらましとなる。

GRM社が、新しいフォトン製の武器に関するトライアルをガーディアンズにもちかけた。
既存の金属製の武器に比べて、如何に優れているか。
その、比較対象として主人と主人の愛用の武器が選ばれた。
対するは、GRMの誇る最新鋭のフォトンウェポンに、前途有望な若手のガーディアン。
誰が見ても、主人が噛ませ犬であることは明らかだった。

主人は、それを受けた。そして、勝つつもりでいた。
しかし、結果は多くの関係者の望むとおりとなった。
主人愛用の武器は、相手のフォトン製ウェポンによって持っていた腕ごと根元から断ち切られたのだ。

「うまくいきゃあ、今までの武器もそう捨てたもんじゃねぇって…証明できたんだがな」
ぼんやりと床を見つめる主人の顔は、一気に何年も老いたように見えた。

「仕方がありませんよ。これも、時代の流れというものかと」
あえて、主人の感情を逆撫でするような言葉を選んでみた。
時代の流れ、という言葉を口にすると、いつも主人は躍起になって否定したものだった。

私の思惑とは裏腹に、主人の声からはますます力が失われていた。
「時代の流れ…これが、そうだと言うのなら。仕方のねえことなのかもな」

利き腕を失って、すっかり弱気になっているのか。
怒鳴ってばかりでうるさいと思っていた主人だが、今の姿はもっと見たくなかった。

私がいくら背伸びをしようと、越えられそうに無い大きな背中。
私が何をぶつけようと、平然と跳ね返す頑強な身体と心。
それが、私の主人だ。
そうであるべきなのだ。
75最低の主人(後編) 2/7:2009/02/21(土) 12:53:53 ID:bv5cAF5K
「『ふぉとん』とやらが主流になるなら、それも仕方ねえ。実際大した代物だしな。ただ」
しばしの沈黙の後、ようやく主人が語り始めた。
「今の若ぇやつが、あんな武器を持っちまったら今後どうなるか…それだけが心配だぁな」

「どういう、ことでしょうか」
「人間ってぇのは、元々他人の痛みには鈍い生き物よ。自分が痛ぇ目にあって、初めてそれに気付く。
その辺、物事はうまくできてるもんでな。人様を痛めつける奴ぁ、そのうち同じぐらい自分が傷つく。必ずだ。
武器だって同じだ。今まではな」

「金属でできた武器ってぇのは、使えば当然傷む。刃こぼれもするし、無茶をすれば折れもする。
人様に与えた痛みが、ちゃあんと跳ね返ってくるのさ。
だから、武器を使う奴はよく考える。てめぇの武器を傷めつけてまで使う価値があるのかどうかをな。
だが…『ふぉとん』は傷まねえ」

それで、主人の言いたいことは全て分かった。
己に痛みが跳ね返らない武器を使い続けること。それが何を意味するのか。

「もちろん、痛みはいつか自分に返ってくる。取り返しのつかない大きさになってな。
今までは、そうなる前に武器が悲鳴を上げて教えてくれてたが…」

痛みの分かる人間であれ。
主人の今までの不可解な主張の全ては、それに根ざしていたのだ。
だから、武器は傷つけるためでなく守るためにあるのだと。
だから、敵を斬った数よりも助けた民間人の数を自慢していたのだと。

ようやく、主人のことが本当に理解できた。それなのに。

「おじいちゃん。もう、『がーであん』できないの?」
いつの間にか傍に立っていた、主人の孫娘の言葉が私の思考回路を激しく揺さぶる。

そうだ。私の主人はもう、ガーディアンを続けることはできない。
片腕を失っては、とてもガーディアンの激しい任務には耐えられないのだ。
つまり。

「…そうだぁ。じいちゃんの戦いはな。もう…終わっちまったんだよ」
そう。つまり。

私と主人の結びつきも、終わりだということになる。
76最低の主人(後編) 3/7:2009/02/21(土) 12:56:04 ID:bv5cAF5K
私に泣く機能があれば、間違いなく泣いていたろう。
せっかく、主人のことが理解できたのに。
私と主人の関係は、これから始まると言ってよかったのに。

主人はガーディアンズを脱退し、私は初期化されて別のガーディアンの元に配属される。
いくら私が嫌だと言っても、それは逆らえない運命なのだ。

彼女は心配そうな顔で、じっと主人のなくした腕の辺りを見つめている。
私の代わりに、さぞ大声で泣き叫ぶのかと思ったが、ぐっと結んだ口元を開いた最初の一言は。

「…なら、あたしが『がーであん』になる」

彼女は今、何と言ったのだろうか?
祖父の不幸を悲しむより、新しい話を聞けない不満を吐き出すより先に、彼女はこう言ったのだ。

「あたしが、『がーであん』になる。で、おじいちゃんの、つづきをやる。
みんなを、よわい人をまもれる『がーであん』になる!」

見ると、彼女は目に一杯涙をためていた。
彼女は、祖父を襲った不幸を理解している。
それだけでなく、祖父の今まで話していたことの本当の意味をも、とうに理解していたのだ。
私よりも、ずっと先に。

主人は、残った手で優しく彼女の頭を撫でながら、私に話しかけた。

「…こいつの父親。つまり、俺の息子だな。そいつは、古臭い鍛冶稼業を継ぐなあ真っ平って、
家を飛び出してな。今じゃあ立派なGRMのエリート科学者よ。
で、そこで知り合った女と結婚して、こいつをこさえたはよかったが。
二人とも、仕事が好きでしょうがねぇのか、こいつをほとんどほっぽらかしよ。
友達もできず、よりつくとこといやぁ、俺のとこぐれぇでな。
あんまり不憫で、ついつい構っちまってたのよ」

「俺の話せることといやぁ、ガーディアンの仕事と、あとはせいぜい家業のことぐれぇだ。
気がついたら、普通の女の子のやりたいことなんざ考えられねえ子になっちまった。
…俺も、世の中につまはじきにされてる僻みがあったのか。
この子の求めるまま、俺の全てを流しこんじまったんだなぁ…可愛そうなことよ。
本当は、この子には普通に女の子らしく育って欲しかったんだが」
77最低の主人(後編) 4/7:2009/02/21(土) 12:57:28 ID:bv5cAF5K
「…そうでしょうか?」
私は知らず、口に出していた。
不審気に片方の眉をあげる主人をよそに、私は続けた。

「この子を、まるで不幸な子であるようにおっしゃいますが。私の考えは逆です。
実の祖父に、自分の全てと思えるほどのものを与えられ、それを受け継ぐ権利を持つ。
とても、幸せなことのように私には感じられます。
与え、受け継ぐ。それを数限りなく繰り返すことこそ、人間の本領だと認識します」

「…おめぇ」
「私には、いっそ羨ましいくらいです。だって、私は…どんなに望んでも」
そうなのだ。
私は、これからどれだけ強く主人の意志を継ごうとしてもかなわないのだ。
初期化という、感情も愛着も全く無い無機質で思いやりのかけらもない処置一つのせいで。
それに比べればという嫉妬に近い感情を、私はこの幼女に抱いているのかも知れない。

主人はしばらく、ぽかんと開いた口もふさがないまま私を見ていたが。
やがて、思い切り腕を振り上げ、私の頭をはたいてきた。

「馬鹿野郎がっ。んっとにてめぇは…出来のわりぃ弟子だぜ」
「え、で、弟子って…私が、ですか?」
「あぁ?てめぇ、まさか自分で自分のことを出来のいい弟子だなんて思っちゃいねえよな?」

今日初めての、主人の怒鳴り声。妙に、懐かしさすら感じた。

「いえ、その…私が、ご主人の弟子だと言った箇所なのですが」
「弟子は弟子だ。どんなに出来が悪くともな。もっとも、出来の悪いほど何たら…とも言うがな」

一体、何がきっかけだったのか。主人はすっかりいつもの調子に戻っていた。

「いいか。てめぇにはな、この俺がじきじきに、武器とは何か、人の生き様とは何かを教え込んできたんだ。
それは言葉じゃねぇ。その、きっかいなからくりで出来た身体に直接教え込んだ。
そいつはな、インテリどものいけすかねえ命令一つで消えるほど、やわなもんじゃねえ」

今更だが、主人のこの方面に対する疎さには驚かされる。
上層部が初期化するといったら、初期化されるのだ。それまでに何を覚えたかなど関係ない。

「まだうたぐってんのか、てめぇは…いいか。
てめぇは確かにからくりだ。お偉方の都合のいいように造られたからくりだ。だがな。
どんな『はいてく』を駆使しようと、人の手じゃあ決して消せねえもんがある」
78最低の主人(後編) 5/7:2009/02/21(土) 12:58:28 ID:bv5cAF5K
「そ、それは…一体なんでしょうか」
「魂だ」
きっぱりと、科学的根拠も何もない精神論を言い切る。
呆れる一方で、不思議な心地よさも感じていた。

「てめぇには、俺の魂を注ぎ込んだ。鍛冶の業云々じゃなく、てめぇは俺の全てを受け継いでいる。
心ならずもそうしちまった、この孫娘と同じくらいにはな。
だから信じろ。この俺を、何よりてめぇ自身をな」

『魂』…言葉だけだと何とも非科学的で薄ら寒く響くが、
この主人が力を込めて口にすると、何となく信じられるような気がしてしまう。
そんな私の心境を知ってか知らずか、主人はぐっと顔を突き出し、こう言った。

「俺から言えるのは、それだけだ。後どうするかは、てめぇ次第だぁな」
それで、この話はおしまいだった。
今の私を、決して忘れない。そう信じるだけでよかった。

「それで…ご主人はこれから?」
「俺か?もちろん、実家で家業に専念するさ。片腕でも鍛冶はできる…やりようはある」
「これからも、金属の武器を?」
「そのつもりだ…と言いたいとこだがな。敵を理解する…ってのは言いすぎかもだが。
一本ぐらい、ふぉとんの武器も作ってみるか。
もちろん、作るからにはそこらの数打ち物なんざ目じゃねぇ魂のこもった物にするし、
人の痛みのわからねえ奴に使わせるつもりもねえがな」

「もし…それが出来たら。是非、私も使ってみたいです」
「かまわねえぜ。てめぇが俺の目にかなう奴になってたらな」
「次に会う時。私は今と似ても似つかぬ姿になっているでしょうけど」
「どんな姿になろうが、この俺が手塩にかけたんだ。てめぇの魂くらい見分けてみせらぁ」

あなたなら、本当に見分けるかも知れないですね。
口には出さず、主人に語りかける。

「もっとも、俺の孫娘が立派なガーディアンになっていたら。
そんときぁ、どっちが使うか決めてもらわにゃあならんかも、な」
79最低の主人(後編)XX年後 6/7:2009/02/21(土) 13:00:38 ID:bv5cAF5K
「よう。久しぶりじゃねぇか。元気だったか?」
私は、GH-412。
「護ること」こそガーディアンの本懐と信じて疑わない、誰より敬愛するマスターのPM。
彼女のルームの留守番をしているところに、この老人はやってきた。

隻腕だったことにまず目を引かれたが、それ以上に。
勝手知ったる様子で部屋の中を見て回る図々しさに、どう対応したものか考えあぐねていた。
「おうおう、この辺はあいつの趣味がでてやがるが…大体は変わってねえな。
この床のくぼみ…小さい頃押し潰されかけたのをてめぇに助けられたの、覚えてるのかねぇ」

「…ん?なんだぁ、もしかして俺のこと、忘れてやがるのか?
か〜っ、相変わらず出来の悪い弟子だぜ。せっかく俺の方で見分けてやったってのによ」

この老人が何を言っているのか、私には何一つ理解できなかった。
が、何故だろう。この男の声を、もっと聞いていたいと思うのは。

「今日はな、他でもねえ。てめぇら主従がガーディアンとして、そこそこ立派にやってると聞いてな。
この俺、入魂の一作をプレゼントしようと思ってやって来たのよ。
とりあえず、まずはてめぇにくれてやらぁ。
その後、どっちが使うかは成り行き次第だぁな」

「どうよ、この真紅の刃。振るうたんびに、綺麗な紅い羽が舞い散るだろう?
だがな、これの本当の意味が分かるのは、俺と、てめぇと、あとは俺の愛しい孫娘…今のてめぇの主人くらいだな。
この紅い羽…見ようによっちゃあ、人の血のようにも見えるだろ?
無闇やたらに振るったら、血生臭いことこの上ねぇ…ってのが、限られた奴には分かるようになってる」

「ふぉとん製の武器でありながら、人の痛みの分かる武器でもある…作るには苦労したぜ?
馴染みのいけすかねえマッドサイエンティストに頭下げたり、嫌〜な思い出も…おっと、長くなるからよしとくか。
さっさと、やるべきことをすまさねぇとな」

そう言って、老人は無遠慮に私の身体のあちこちをいじり始める。
「ん…ん〜、確か、こうやるんだったか…けぇっ、一月かけて覚えた筈なのに、もう忘れちまってる。
年は取りたくねえなぁ…。
てめぇもてめぇだ、勝手にそんな娘っ子の形になんざなるから、余計ややこしくなりやがる」

などと勝手なことを呟きながら、悪戦苦闘の末。
彼はどうにか、私の体内に件の武器を収めることに成功した。
80最低の主人(後編)XX年後 7/7:2009/02/21(土) 13:02:05 ID:bv5cAF5K
「これでよし、と。後は、てめぇが例の『合成』とやらと同じ要領で引っ張りだしゃあ完成だ。
孫の驚く顔が目に浮かぶぜ…まぁ、そん時驚くのはてめぇも一緒か」

そう言って背を向ける、老人の背中。
ふと、何かに弾かれたように、私は声をかけていた。
「あの…もう、行ってしまうのですか?」

老人は、背中を向けたまま僅かに顔だけをこちらに向ける。

「てめぇの今の主人は、俺じゃねえ。俺の、孫娘だ。
てめぇが今やるべきはな。俺の孫娘がガーディアンの真の務めを果たせるよう、全力で支えること。
そして、万にひとつ…あいつが道を誤ることがあったらな、てめぇの身体張ってでもそれを止めること…それだけだ。
俺のことなんざ、忘れて構いやしねぇ。時代についていけなかった、こんな最低の主人のことなんかな。
てめぇが魂をなくしてねえ。それが分かっただけで、十分さ」

「わ…私は…私は」
「あばよ。孫娘のこと…頼んだぜ」

その、最後の一言が何かの合図だったかのように。
私の記憶回路において、この一幕に関する情報は急速に白紙へと塗り替えられていくのを感じた。

次に意識を取り戻したのは、マスターが私に声をかけてきた時だった。

「…あら?412、あなたの合成リストに載っているこれ…ダガーオブセラフィ?
こんな貴重な品、私持っていたかしら」
「ええ?わ、私も、そんな貴重品の作成に関与した覚えは…」
「もう、完成しているようね。試しに取り出していい?」
「そ、それは構いませんけど…うう、これを失敗したら、さすがに怒りますよね?」

そして取り出されたものが、理論上最高のフォトンリアクター値である、ダガーオブセラフィ50%。
マスターも驚いたが、何より私が驚いた。
どうやって合成したかは全く覚えていないが、現にこうして存在する以上、私が作ったのだろう。
心のどこかに引っかかる所はあったが、結局はそう思うしかなかった。

−頼んだぜ−

一度だけ、頭の中に声が響いた気がした。
81名無しオンライン:2009/02/21(土) 13:06:06 ID:bv5cAF5K
以上、「最低の主人」でした。

件の武器の真の作り主。
その願いどおりにこの双小剣が使われたか否か。
それは、>34氏のご提供下さった、十六体目のログをご確認いただければと思います。
82名無しオンライン:2009/02/21(土) 23:19:09 ID:9AthHyWh
>>81
イイハナシダナー……

でも、最近のこの二人がネタキャラ化してるから困る。
83名無しオンライン:2009/02/22(日) 07:45:52 ID:3SAj+cJW
>>81
良い話しだ…GJ!!
>>82
肉体と言う牢獄から魂を解き放ち過ぎた結果ですね><
84名無しオンライン:2009/02/22(日) 10:47:21 ID:xMXHj8UT
GH-413「>>72うおてくだからタフなのか、それともSEED感染してるのが最近のうおてくクオリティなのか。
     という質問が来てるわよマシマスター(ラスカル)」
ヒュマオ「そりゃあれだコメディシーンでは誰も死なない法則ってのがだな…」
GH-413「ちゃんとコメディになってるかは疑問ね、それと人が死にまくるコメディもあるわよ?」
ヒュマオ「それは俺の腕次第なのがな…それとそんなブラックコメディは趣味じゃない」
GH-413「と、以上の様な理由なので深く考えずにお楽しみ頂けると」
ヒュマオ「ありがとう、ラスカル!」



一応理由はあるけれどそれは語るかも?程度なので悪しからず
それとSEED感染は結構ポピュラーな設定だと個人的には思ってますはい
85名無しオンライン:2009/02/22(日) 10:48:47 ID:xMXHj8UT
何だマシマスターってorz
86継承 IV 光を継ぐ者 1:2009/02/22(日) 21:40:20 ID:6I+ebGDa
「うええええええ〜っ…」
わたくし、荒ぶる戦乙女のGH432は、青い顔をしながら床でうずくまっていました。
変なものでも食べたんでしょうか…と、考えてみればこちらにきてから変なもの
ばかり食べているので思い当たるふしがありすぎます。
パシリには通常病気はありえませんし、原因を考えてもどうしようもなさそうです。
出したらすっきりしそうなんですが…
「吐いていないからいいものの、その声は迷惑ですのでトイレにこもっていただけ
ませんか」
「もう何時間かこもりましたよ。でも吐き気はあっても吐けないんです…おええ〜」
クエスト受付カウンターのお姉さんに冷たくあしらわれている間に、後ろから鳴き声
がしました。振り向いてみると、わたくしの愛してやまない猫さんが心配そうに見て
います。
「だ、大丈夫なの?調子が悪いなら次はやめておくの?」
「大丈夫じゃないです…もふもふもふもふ…」
「にゃーッ!気持ち悪そうにしてるのにそういうとこだけは元気なのーっ!」
は〜、堪能しました…と、満足したところで。
「ところで、何か用事なのですか?こうされることがわかってても来るからには、
理由があるんでしょう?」
「本当はこれ以上は進んでほしくないの。次のステージはやり直しがきかないの」
少しうつむいて、猫さんはぽつりと漏らしました。
「はあ?かといってここで何もしないでいるわけにもいかないでしょう。わたくしは
異邦人なのですから…主のもとに帰りたいのです」
やり直しがきかないって、失敗したらどうなるんでしょうか?
どっちにしてもやらざるをえないわけですし、失敗しないようにするしかないので、
いつまでたってもおさまらない吐き気を我慢しつつ次ステージへの登録を行いました。
「…待って、これを持っていくといいの」
猫さんは器用にも金属の壺の中から木の実をとりだしてわたくしに手渡しました。
「この木の実は?」
「ラエルマベリーっていうの。食べれば勇気がわいてくるの。保存はきかないから
今すぐ食べるといいの」
「ありがとう…」
吐き気はしますがここで断るのもなんですので、無理矢理喉に押し込みました。
味はかなりのもののようでしたが、味わって食べられる余裕はありませんでした。
87継承 IV 光を継ぐ者 2:2009/02/22(日) 21:41:45 ID:6I+ebGDa
STAGE 4 -惑星ラグオル "大いなる陰"-

「…よって、これがパイオニア1ハンターズの最終決戦となる!ラグオルへの移民
成功は諸君らの働きにかかっている。私、リコ・タイレルに今一度力を貸していた
だきたい!」
転送された先は、なにやら眼鏡の女性が演説しているところでした。パイオニア1?
移民?移民船団があったなんて記録はありませんが、ガーディアンズの前身となった
のがハンターズのはずですから、グラールの昔なのでしょうか?
ラグオルって、聞いたことないですけど。
断片的に入ってきた情報から推測するに、どうやら移民船でラグオルという星に降り
立ったのはいいですけど、現地の遺跡の奥に危険なものが潜んでいたために生活でき
なかったようです。それを今から討伐しにいくようです。
愛用のフォトンセイバーに、クロスボウ、ウォンド、そして以前手にしたジリオン
まで。今回珍しくわたくしはフル装備です。これなら十分戦えます。
気持ち悪いので、全力は出せませんけど。うっぷ…
それでも、わたくしが全力を出そうとすることなく遺跡侵攻作戦は進んでいきました。
遺跡にはSEEDフォームとおぼしき亜生命体が大量にいたのですが、わたくしが手を出す
暇もないくらいに彼らハンターズの部隊行動は洗練されたもので、その装備は強力な
ものだったのです。
とがった浮遊生物の群れを槍の一閃が薙ぎ払い、キャリガインに似た大型生物には一人が
懐に飛び込んで動きを封じてマシンガン掃射。
これはもしかして何もしなくても楽勝だったりしませんか?ついていくだけでよさそう
ですし、やり直しがきかないなんて問題にもならない気がします。
少し気が楽になったので、ハンターズのみなさんとお話しながら暗い遺跡の中を進む
ことにしました。
中にはわたくしと同じくらいの身長しかない方もおり、わたくしはひさびさに溶け込んで
いられました。
「私ね、この作戦が成功したら結婚するんだぁ。彼、パイオニア2であとから来るん
だよ。軍人なんてやめて、家庭を作るの」
なんて人もいれば。
「こんな遺跡なんて楽勝だな。ぱっぱと終わらせて考古学に打ち込みたいぜ」
なんて人もいます。
「嬢ちゃん、マグつけてないのか?だったらこれでも使っときな」
渦巻きの描いてある白い合成樹脂の箱を手渡されました。なんでしょう、これ?
ええと…ドリームキャスト?
「わあ、これもらっていいんですか?」
「ああ、使っててくれ」
背負ってみると、どうやっているのか勝手に宙に浮きました。
128ビット、300万ポリゴン?なんだかけっこうな性能みたいです。
「ありがとうございます。わー、きっとすごい処理能力の外部接続デバイスですね!」
「おう、今世紀最強のマシンだぜ!」
いろいろくださる方やわたくしが気分が悪いのを心配してくれる方も多く、今まで異
邦人であることを感じざるを得なかったぶん、作戦行動中だというのにとても安らぐ
ことができました。
「気を抜くな。まだ作戦は終わっておらぬ」
「は〜い」「へいへい」
むっつり武人のゾークさんがたしなめてきました。このむっつりぶり、きっとこの人
はプライベートではえっちに違いないとか思っていました。
88継承 IV 光を継ぐ者 3:2009/02/22(日) 21:43:24 ID:6I+ebGDa
「これで終わるわ…」
と、リコさんが言った瞬間、遺跡が揺れ出しました。
パイオニア1ハンターズは、あのあとわたくしが以前見たものとはだいぶ違う姿を
したダークファルスと、オルガ・フロウというやたら大きなデルナディアンを倒し、
力を増大させつつ復活しようとしてくるその2体をぶつけあわせました。
2体はほぼ均衡した力をぶつけ合って見たところ消滅しましたし、リコさんとフロウ
ウェンさんによれば、これでもう復活してこないだろうという話だったのですが…
「異常フォトン、消滅していません!むしろ増大しています!」
「そ、そんな!ダークなんとかは二つともぶつけて対消滅させたはずよ!なぜ終わら
ないの!」
「何かおかしい、まずは脱出だ!崩れて生き埋めになるかもしれんぞ!」
あわてて元きた道を走ると、途中でいきなり日光がさす地表が見えました。
地下遺跡だったはずなのですが。
けっこうな高さですが、飛び降りられなくもないです。外から見てみると、遺跡の
一部がなぜか地上に突き出していました。
「あ…そ、空に、空に…!」
「え?…!!!」
動いた遺跡を見上げていた一人が声にならない声をあげました。空にあるものに気づ
いてしまったのです。
それははるか天空から、魂まで凍りつかせる冷たさをたたえた冒涜的でおぞましい
視線を目ではないどこかから向けて、こちらを見下ろしていました。
恐怖。それを見たものに去来する感情はそれだけでした。生物であれば全身の毛が
逆立つでしょう。
惑星や生物、まして人とその文明のことなど何とも思わない、フラクタルという名の
理不尽で完全な平等に則り動く絶対の真理。これが、『深遠なる闇』…。
悪夢はそれだけでは終わりませんでした。『深遠なる闇』が震えるように少し動きを
見せたと思うと、轟音を立てて埋まっていた遺跡が人の形に変形して起きあがった
のです。
目や鼻といった顔らしいものはなく、四肢と胴、頭があるからかろうじて人型と言える
機械の巨人でした。

-ミッション開始 『黒の巨人』を倒せ!-
89継承 IV 光を継ぐ者 4:2009/02/22(日) 21:45:01 ID:6I+ebGDa
------!!!WARNING!!!------
dark force became to the legendary giant"Surt".
ready to battle against the catastrophe!

突然、ガーディアンズシステムの大本になった部分…前身であったハンターズで用い
られていたデータがあるとされている領域からのアクセスがありました。
グラールで遠い昔生きていた人が残したメッセージ。この巨人は絶対に存在を許しては
ならないのだと、システムが警告を発していました。
倒すべきだというのはわかりましたし、臆したわけではありませんが、しかし…
もとが遺跡だからでしょうけど、大きすぎます!10000Rpはありませんか!?
「うろたえるなーっ!ハンターズはうろたえてはならぬっ!各自装備を再確認、
戦闘に備えよ!我らの復讐は成っておらんのだ!」
ゾークさんの一喝が、恐怖に固まってしまったハンターズに闘志を呼び戻しました。
さっきむっつりスケベだろうとか予測したのを心の中で謝りました。
しかし、復讐?変なことを言いますね…初めて見る様子ですのに。

蹴り一発で何人もの人が倒れていきます。リコさんとフロウウェンさんが指揮して散開
して攻めるよう指示しましたが、もはやそういう問題ではありませんでした。
あれだけの戦力だったパイオニア1ハンターズの攻撃にびくともしません。
さらに、巨人が作り出したバリアは、ジオが作ったナイトメアと同じく時間空間を歪ま
せることで障壁を作り出しています。あの閉鎖空間と同じように、通常の武器が通用し
なくなっているのです。
前にナイトメアはグランドクロスで破ったことがあります。これだけの人数がいれば、
ダークファルスよりはるかに大きいあの巨人だって…総指揮官のリコさんにそれを報告
しに、わたくしは走りました。
ところが、リコさんに活路を見いだせるかもしれない報告をしている最中に、巨人が
見た目に似合わず機敏な動きで身をかがめると、その腕や足から何千発というミサイルが
飛びました。しかも、セイバーやライフルで撃ち落として防ごうとした人が吹き飛ば
されたのが見えました。
武器が通用しない…ミサイルをバリアで覆っている!?
ただの飛び道具なら切って落としたりシールドラインで防ぐことも可能だったでしょ
うが、切ろうとしても弾かれ、防具はバリアのエネルギーで削られて無効化されてい
ます。
ミサイルは巨人の全周囲めがけて無数に発射され、誘導がかかっています。逃げ場
などどこにもありません。
「マァサーっ!うわぁぁぁっ!」
「みんな逃げて!逃げ…」
「逃げるって、どこへ…」
地面に小規模な爆発が何千と起こり、つい先ほどまで和気藹々と話していたハンターズの
みなさんが、ただの一瞬で消し炭と化し、地獄絵図がそこにできていました。
知った人の死に呆然としているわたくしのところにもミサイルは飛び、そして…
「危ない!」
リコさんがわたくしに覆い被さりました。
90継承 IV 光を継ぐ者 5:2009/02/22(日) 21:49:45 ID:6I+ebGDa
死。
『深遠なる闇』をもっとも体現せしめるもの。
誰もが避けえない、あらゆる生物のさだめ。
突然にやってきて、奪っていくもの。
パイオニア1のハンターズが、黒い空に引き寄せられていきます。手のように先が
分かれた長く黒いひものようなものが空から何千何万と伸び、体中に絡みついている
のです。
もがいて脱出しようとしている人もいますが、少しの間だけで、逃れられないとわか
るとおとなしくなって、空へ連れて行かれます。
わたくしには手は伸びておらず、ごく短い間ですが家族のように接してくれた人たち
を助けたくて、追いかけようとしました。
でも、重力という枷がわたくしを縛って離しません。
あんなに近いのに、手を伸ばしても届きません。
最後にかばってくれたリコさんの体にも手がいくつも絡みつき、『深遠なる闇』の待
つ空へと誘われています。
死。
それを前にすれば、誰もが口をつぐみ、身をすくませ、されるがままになるしかない?
猛禽が過ぎ去るのを待つ小動物のように?
あるいはすでにその爪にとらわれ、食いちぎられるのを待つように?
どれほど仲良くしていた人でもどうしようもないんだと、達観して諦めるしかないと?
みんなが諦めているから、自分もそうするんだと?
いやです…
いやです、いやです、いやです!いやです!!
そんなのは、いやです!!
91継承 IV 光を継ぐ者 6:2009/02/22(日) 21:51:13 ID:6I+ebGDa
背中に一瞬痛みを感じたと思ったその瞬間に、わたくしの出力をはるかに上回る膨大
な量のフォトンエネルギーを感じました。
ちらりと後ろを見ると、そのエネルギーは翼の形をとっていました。
子供の掌ほどの、実体のない光の翼。
それは羽ばたかずにわたくしを押し上げ、空へ連れて行かれようとしているリコさん
との距離を一気に縮め、手をつかむことができました。
「あなた、その翼は、まさか…」
「知りません!」
黒い手をセイバーで切ってリコさんを引き戻そうとしたそのとき、唐突に破損アラート
が響きました。
エラーではありません。壊されるようなエネルギーも質量もまったくセンサーにかから
なかったのに、気がつくと壊れていたのです。
「右下腿、左足、右腕部破損!?何をされ…」
右手がなくなってしまったため、持っていたセイバーも落としてしまいました。
それどころかリコさんを引っ張ると背中のエネルギー出力も急激に落ちてきました。
やろうと思ってもこれ以上はできそうにありません。
「遺跡調査で知ったものを目にすることができるとはね…それは貴方が『大いなる光』で
私を連れ戻そうとした結果だと思うわ」
『光』?何のことだかまったくわかりませんが、この翼のことをさしてリコさんは
そう言いました。そういえば、そんなことをセガタさんやサラ・リーマンのおじさんも
言っていたような…
「貴方は未来から来ているのね…身の上は知らないけど、おそらくここで私を引き戻
せば、貴方は消えてしまう」
「そんな馬鹿なことがありますか!この、もっと出力さえあれば…!」
「過去を変えれば未来は変わる。私にはそれだけの地位と影響力があるから…私が生
き残る、その結果として貴方が存在できなくなることは十分ありうることよ」
空へ連れ去られようとしているというのに、リコさんはふっと笑顔を浮かべました。
「『大いなる光』は強力すぎる力。その気になれば人ひとり消すことはおろか、この
宇宙の歴史をすべてなかったことにもできてしまう。『光』の使い手には大きな責任
が伴うこと、忘れないで」
わたくしの体は向こう側が透けて見えています。リコさんをここで引き戻せば、消滅
してしまうというのも嘘ではないのでしょう。
でも、いったいどこでそんな関連が?それがわからないだけに納得できません。
それだけでなく、わたくしのシステム領域にさえこんな機能があるとは書いていない、この翼。
明らかに小さすぎるうえ羽ばたきもせずわたくしを飛ばせた、グラールの科学では
説明できない力と、『大いなる光』という名称。
巨人の体をなしている遺跡にその記録があったこと。不可解なことが多すぎます。
苦い顔で黙っているわたくしを、リコさんは諭しました。
「ねえ、名前も教えてもらってない時の旅人さん。あなたは何のためにここへきたの?
わざわざ自分を消し去りにきたわけじゃないでしょう?目的を見失っては駄目よ。
さあ、手を離して。人はいつか死ぬ運命にあるし、だからこそ誰かに自分を伝えていく
んだから。死から目を背けていては、人は本当の意味で生きてはいけないの」
リコさんの手を掴んでいた左手も、まるで操られているかのように力が抜けていき、
傷だらけなのになおも滑らかな指の感触を残して、ゆっくりと離れていきました。
「わかるのよ、すべてが…本当は私たちはもうあのとき…ダークファルスにとりこま
れたときに死んでいるんだから…」

破損した腕から大きな何かが転げ落ちて、ようやくわたくしは気づきました。
リコさんはわたくしの腕の間にすでにいたことに。
そして、リコさんは…
首しかないのだということに。
「うわああぁ――――――っ!!」
こらえきれなくなって、意味もなく叫びながら天にジリオンを何発も何発も打ち込み
ましたが、弾は闇に飲み込まれ消えていき、深遠なる闇は何ら動じることもなくこち
らを見ているだけでした。
ほどなくして、唯一人生き残ったわたくしは、歪みから亜空間に飲み込まれていくのに
巻き込まれていきました。
落ちたリコさんの頭が一瞬で白骨になって崩れ去るほどの時間の歪み。
内蔵時計がありえないスピードで前後に回転し、一瞬の後に20年後をさしていました。
メモリと基本システムがエラーを起こし、修復と適合の作業が始まりました。
92継承 IV 光を継ぐ者 7:2009/02/22(日) 21:57:35 ID:6I+ebGDa
「おい、大丈夫なのか!なんでこんな子供がいるんだ…」
「クランツ、子供じゃないわ。よく見て、小さいけどヒューマノイドよ。壊れてるのかも」

二人分の足音が去っていくところで適合作業が終わり、ようやくわたくしは体を動か
せるようになりました。
左手だけでなんとか体を起こして顔をあげてみましたが、すぐにバランスを崩して地面に
顔からつっこみました。
「…痛い…」
透けていた体はなんとか戻ったようですが、破損はそのままでした。
ぐるぐると結論の出ない思考が駆けめぐり、頭を中からかきむしられるような痛みと、
今まで経験したことのないめまいで目の前がぐらぐらします。
「死んだ…みんな死んでしまって…何もできなくて…う…うっ、ぐすっ…」
自覚はありませんでしたが、わたくしは死に対してアレルギーともいえるほどの嫌悪感
を持っていたようです。
巨人はまた一度埋まっていたようで、腕だけが出ていたのが、先ほどの二人が近づいた
ことで体を起こして大地を割って起きあがったようです。そびえ立つ姿がいやがおうにも
現実を思い出させてくれました。パイオニア1ハンターズともども、あっという間に
蹴散らされたという現実を。
逃げたいのに逃げられない、助けてほしいのに誰も助けてくれない。主でも戦えるか
どうかわからないくらいですが、わたくしが破壊されても助けには来ないような気が
します。
「助けて…誰か助けてよぅ…う…ぅ、おえっ、おええええっ…」
誰に言うでもなく繰り返していると、高ぶった感情で気持ち悪くなり、恥も外聞もなく
その場で思い切り吐いてしまいました。
「………」
やっと出るものが出て気持ち悪さがだいぶおさまったところで、目の前に人影があり
ました。見たことのある人影、それも一番会いたくない人の。
「あなたは…ラシーク!?」
赤い目がこちらを見下ろしました。ステージ1で躊躇なくわたくしを屠ったあの目です。
最悪です。それでなくても巨人だけでもどうにもならない状況なのに、ラシークまで
加わられては勝ち目がまったくありません。もはやこれまでなのでしょうか…

「そんな顔をするな。このラシークを前に諦めなかったおまえが」
「は?」
にっと笑ってみせたラシークは、よくよく見ると以前見たような異様な熱を持った目
ではありませんでした。
「このラシークは目覚めたのだ…何千年も前に失った人の心に。おまえが食べた黒い
剣、それが死せども逃れられぬ闇の呪縛より魂魄を解放してくれた。
礼を言うぞ、人に作られしものよ!今こそランディールへの恩義、返してくれよう!」
ついかっとなって食べたオラキオの剣。
あれが今になってきれいなラシークを合成する結果になったというんですか!?
「て、敵じゃなく味方…ラシークが…冗談でしょう?信じられない、夢じゃないで
しょうね…あいたっ」
無言でわたくしの頬をつねると、ラシークは転がっていたドリームキャストを拾い
上げました。
「この白い箱も活用するがいい。必ず役に立つだろう。あとはおまえの翼次第であろうな」
「翼?『大いなる光』とか言われたものですか?」
「そうだ。おまえのそれは翼にあらざる翼。この世界の法則すべてを越えた力、『光』なのだ」
「あんなちっぽけな翼がですか?飛べただけで何もできなかったし、リコさん一人だって
助けられなかったじゃないですか。わたくしは負けたんです…どうしろっていうんですか」
「悔やんでも人はかえらぬ。死を無駄にせぬよう、これから助けられるものに使うのだ。
あの二人を捨て置き、死なせるつもりか?」
言うなり、ラシークはラゾンデに似たマジック…タンドレと言っているそれを使い、
巨人の頭に直撃させました。
巨人の向いている先には、先ほど動けなかったわたくしのところを通りかかった二人が
いました。さほど効いているようには思えませんが、巨人の注意をこちらに向けさせたようです。
ラシークの言う通りです。ガーディアンズの心得にもあります、今守れるものを守る
ことが肝要なのです。でも…
なぜでしょう?それが理性的で適切な判断なのはわかっているのに、わたくしの心の奥で
何かがくすぶっているのです。今までできていたはずのことなのに…
93継承 IV 光を継ぐ者 8:2009/02/22(日) 21:58:29 ID:6I+ebGDa
「ゴールドドラゴンよ!」
ラシークが呼ぶと、歪んだ空に浮遊する城が出現し、そこから鈍く輝く鱗を体一面に
並べた金色の竜が飛んできました。ラシークはその背に飛び乗り、空へ。
巨人の体の表面にまるで流星のように幾筋もの光が走りました。何を考えているのかは
とうていわかりませんが、地揺れを立てて歩み寄ってくるのを見るに、ラシークと
ゴールドドラゴンへと標的を変えたようでした。
「今はまだ『光』は理解できぬかもしれぬ。使いながら覚えていくがよかろう。
まずはもう一度出してみよ」
言い残して、ラシークは戦場の人となりました。
「ま、待って!あ…」
向こうで怪獣大戦争が始まって、わたくしは一人取り残されてしまいました。

巨人を見て、初めて戦いを怖いと感じました。パシリはもともと戦闘型にまでなる
ようにできているので、本来はそんな思考はないはずなのですが。
巨人とわたくしは、ざっと100倍の体格差。加えてわたくしは中破しています。普通に
考えて勝ち目がないのは明白です。
でも、敵であったはずのラシークが味方として戦ってくれているのに…
人が死ぬのを見るのはもう二度とごめんでした。リコさんの頭が転がるところの
フラッシュバックに背筋が凍えるような感覚を感じながらも必死で気を奮い立たせ、
ない知恵を絞ってさっき出てきた翼を再現してみることにしました。
「届かないところに行くのを強く願って…んっ!」
主の使う黄金鷹の翼を思い描いてそれっぽくやってみると、背中のフォトンジェネレータ
のあたりからぴょこっと小さな光の翼が顔をのぞかせました。
なんか、さっきより小さくなってませんか、これ…
体中からミサイルを乱射し、巨大な拳を振り回して、ラシークと金竜をも圧倒している
あの巨人に対してこれがどのように対抗できるというのか、全然想像がつきませんでした。


-続く-
94継承 IV 光を継ぐ者(前編) 解説:2009/02/22(日) 22:05:16 ID:6I+ebGDa
ずいぶん長くなってしまいましたが、20周年記念PSO編の前編完成です。
って、題名に(前編)つけるの忘れてることに今気づいた…
例によって(たぶん多くの人が知ってるでしょうが)解説をw

「リコ・タイレル」
PSOEP1より。みなさんおなじみ、パイオニア1の科学者兼ハンターズ。業績は
語られていないので、何がすごいのかはいまいちわからないがたぶんすごい人。
パイオニア2総督コリン・タイレルの娘であり、パイオニア1ではトップのハンター。
常に赤い腕輪を身につけていたことより「赤い輪のリコ」として名を馳せた。
ダークファルスの力が暴走し、パイオニア1の住人を取り込んだ「セントラル
ドームの爆発」事件ではラグオル地表に出ていたため難を逃れたが、一人取り残された
彼女はプレイヤーにさきがけてダークファルスの封印されていた遺跡を進み、
ダークファルスと戦おうとする。
徐々に追いつめられていく様子を記録したメッセージパックに託された想いを
受け取りながらパイオニア2のハンターズであるプレイヤーは進むことになるが、
最終的にラグオルの遺跡に封印されていたダークファルスは彼女をよりしろとして
復活することになってしまう。
なお、PSOEP3ではヒースクリフ・フロウウェンともども最後の意志で何度でも復活する
ダークファルスとオルガ・フロウをぶつけて消滅させたことになっている。

「ヒースクリフ・フロウウェン」
PSOEP2より。リコの師匠であり、パイオニア1に乗り込んでいた高名な軍人。
これまた業績は語られていないが、かなり有名なのは間違いない。たぶん。
死んだと記録されているフロウウェンからの通信があったことがEP2の発端である。
パイオニア1はラグオルが移民可能かを確かめるため科学者や軍人の乗り込んだ
船であり、ラグオル探索中にダーク系エネミーと交戦したフロウウェンは、
負傷から闇の生物に変化していく感染を起こし、科学者たちはそれを利用しようと
彼を幽閉して実験を繰り返し、オルガ・フロウという人工ダークファルスを作り上げた。
リコと一緒にダークファルスとオルガ・フロウをぶつけて消滅させようとしたのは
いいが、両方は消滅したのにアンプラム・アンブラという木のようなものが残っていた。
これを巡って利権を求める総督府に従うハンターズ(ただし、最終的にハンターズは
総督府を裏切ることになる)と、真実を知る反政府組織アークズが攻防戦を繰り広げる
のがEP3のストーリー。
本作ではそのアンプラム・アンブラを100メートル級の巨人の腕として話を進めてます
(EP3ではそれを倒せば終わりになっていましたが、ここではEP3のキャラが倒したあと
巨人の本体が出てくるという形にしています)。

「ヒューマノイド」
PSOEP3でいうアンドロイドのこと。
EP3の時代の少し前に差別主義者である新総督ドル・グリセンのもとに人口調節を口実と
してアンドロイドの虐殺が行われたという事件があり、アンドロイドにも人権をという
動きのもと、呼称がヒューマノイドと改められた。
もちろんそんなもので差別意識が改善するわけはないのだが、人権屋がアレな人々なのは
パイオニア2でも同じようである。
95名無しオンライン:2009/02/23(月) 01:39:20 ID:g/DJjSI3
初めまして。そして投下です。

完全に勢いだけで書いた。後悔はしていない。

      ***   ***

初めまして。僕はGH470、固体識別用の名前はエルヴィアです。……え、女の子っぽい名前だって?仕方ないじゃないですか。面倒くさがりなマスターがずっと変えないんですから。
「……何か言った?」
「あ、いえ。別に何も……」
……モノローグに反応するとは、さすがマスター……。実際の所、僕自身が気に入ってますからね。というか慣れました。
「ほら、ボサッとしてないで戦闘参加!あんたが戦わなきゃ意味がないじゃないの!」
マスターがヴィッシ・グルッダでエネミーを吹き飛ばしながら怒鳴ります。……はぁーい。
今日はラフォン草原で僕の戦闘値上げです。そのついでに、マスターはマスターで素材拾いとかPA上げとかをやっています。
「こんのアホウドリ!いちいち上にあがるんじゃ無いわよ!」
マスターが悪態をつきながらロングボウで空中に飛んでしまったシャグリースを打ち落としています。その後、瞬時にウォンドに持ち替え……
「ラ・ディーガっ!」
打ち落として這い蹲ったシャグリースにテクニックでとどめを刺しました。一息つくマスターの近くにはヴァーラ達が迫っています。
「……で、あんたらはあんたらで……」
今度はソードに持ち替えて、一度横に振った後……
「集団で襲ってくんじゃ、ないわよ!」
その反動を利用して、いつもより鋭いトルネードブレイクでヴァーラ達をなぎ払いました。……はい。今更でなんですが、僕のマスターの職業はウォーテクターです。
最初はフォルテファイターを目指していたようなのですが、愛読している『月刊ディ・ラガンマガジン』の連載小説、『Ep:X 語られぬ英雄』を読んでから心変わりをしたようです。
前衛、後衛の区別なく、敵にも味方にも合わせられる職業。……多少の誇張は含まれているかもしれませんが、その通りと言えばその通りの職業です。

『しかしマスター……マスターって、テクニック苦手なはずなんじゃ?』
『ん?……ああ、気合で何とかするわよ、気合で』
『そ、そういう物で何とかなるとは思えないんですが……』

……とまあ、最初に聞いた時の僕には心配していた事がありました。マスターはビーストなので、テクニックは苦手なのでは?と思っていたんです。
最終的には『ウィッコに出来てあたしに出来ないはずがない!』とまで言ってしまいまして……現在に至ります。
「ふぅ。……結局、あたしがほとんど倒したんだけど……」
「あ、すみません!」
僕がモノローグをしている間に戦闘は終了してしまったようで、フォトンや素材を両手に抱えたマスターが数字の3のような口をしながら僕を睨んでいます。
「まあいいわ。こっちもいい感じにPAレベルを上げられたし。……しばらくの間、あんたのご飯は塩スープだけね」
「な、何でですか……!?それは酷すぎますよ!」
「冗談よ、冗談。ペロメ一個で勘弁してあげるわ。……もっと欲しかったら、この先がんばりなさーい」
腰に手を当てカッカッカ、と笑うマスター。……あなたは女性なんですから、もうちょっと、こう……という突っ込みは心の中にしまっておきます。……言っても無駄だからです。
これもある意味、教官の影響なんでしょうね……と、僕はマスターの元教官であり現ガーディアンズ総裁のライアさんに軽い恨みの念を送っておきました。

      ***   ***

あれ、ウィッコってビーストだよね?

というわけで、勢いだけの初投稿でした。それと、勝手に作品名を(改変して)借り、成り行きとはいえ本編に対する批判的文章を書いてしまったEPX作者様に深くお詫び申し上げます。
96名無しオンライン:2009/02/24(火) 00:24:38 ID:aB2qjMHA
>94
PSO編キタキタw
予想以上に厳しい展開だけど、戦乙女の大逆転劇に期待。
後編も楽しみにしてますよ〜

>95
基本的にここは転用自由なので余り気にすることないかと。
今後の活躍を期待してるぜ!
97名無しオンライン:2009/02/24(火) 20:51:29 ID:MJvvAjsP
>>95
沼男「(・3・)」
GH-431「パルジー・トリュフを両手に抱えて数字の3のような口をしてどうしたんです?マスター」
沼男「ウォルナが出ないYO」
GH-431「トリュフは貴重品ですよ?」
沼男「俺は味王じゃないんだYO。食材集める為にガーディアンズしてるんじゃないんだYO。」
GH-431「では今日もまた塩スープですね。」
沼男「あ、このセバラ美味しそう…(名前が)」
GH-431「口切りますよ」
98裏側1/3:2009/02/25(水) 09:08:49 ID:3iwTHOsT
俺はヒュマオ、民間警護会社ガーディアンズに所属するガーディアンだ
現在本部から召集を受けてMTGルームに向かっている
ルウに先導される形だが別段必要は無い
流石に手馴れた本部で迷う心配をされる程では無い筈だが
これもこのルウの存在意義なのだろうか?
このルウは通常のルウシリーズと異なりパートナールウと呼ばれるもので
特定個人(この場合は俺)のサポート用に作られている
しかも扱いは俺の備品、キャストの人権とやらはどうなっているのか
そんな事を何となく考えながら通路を歩く、まあ、暇なんだな
仕事内容はMTGルームで直接聞けるし、さりとて他に話題も無し
黙々と歩いてると色々と思考が飛散するのは精神衛生上の防衛行動だ
「おお、よく来たのう」
MTGルームで俺を迎えたのはネーブ、すると総裁室絡みの任務だろうか?
「召集しといてよく言う」
「ホッホッ、まあそう言うでない」
ネーブとはいつもこんな感じで軽口を言い合う
付き合いが長い上にお互い肩書きに拘る性格でもないのでいつの間にか打ち解けていた
「それで内容は?」
「うむ、ちょいとニューデイズに行って欲しいんじゃ」
「ニューデイズに?」
「そうじゃ、素行調査にな」
「は?」
思わず聞き返した
俺は表向きは機動警護部、実際は調査部特務隊「強行調査部」の所属
表側なら部署違い、裏側なら役不足だ
強行調査隊の任務はガーディアンズの敵を抹殺する事
それこそモトゥブにSEEDウィルスがばら撒かれようがパルムにコロニーが落下しようが
極端に言えばグラール文明が消滅しようが関係無い
ガーディアンズという組織の敵を抹殺する事「だけ」が任務なのだ
必要なら総裁でも抹殺する部隊なのは伊達じゃない
「いやいや早合点はいかんぞ?」
「それなら最初から説明すれば良いだろう」
いつもながらわざと誤解させようとしてないか?
そんな俺の疑問を他所にネーブはガーディアン登録簿を見せる
「このガーディアンなんじゃがのう、実はイルミナスと繋がっておった様でな
 グラール教団の情報を流していた疑いがあるのじゃ
 お主にはその真偽を調査してもらいたい
 事実ならこれは重大な事件じゃのう…何処ぞに雲隠れされたらやっかいじゃ」
強行調査隊として調査する、早い話が暗殺か
99裏側2/3:2009/02/25(水) 09:09:37 ID:3iwTHOsT
大体事情は解った
ガーディアンズにはイルミナスのスパイが存在する
それも、ガーディアンズが用意した、スパイだ
要するに連絡要員、ガーディアンズとイルミナスは仲が良い
表向き対立してようがその実とても仲好しこよし
何せイルミナスという敵が存在する事でガーディアンズの立場が強化されたのだ
これは偶然でも何でもない、仕組まれた事なのだから
あの総裁はこんな事実知りもしない、正に道化
そのイルミナスも消滅した今、スパイの存在は邪魔、という事だ
やれやれだぜ…
「了解、これよりニューデイズに向かう」
「ああ、待っとくれい」
任務に向かおうとする俺をネーブが引きとめる
「ん?」
「こっちはちょっとした頼み事なんじゃがな」
そう言って登録簿の新たなページを開く
「ついでと言ってはなんじゃが、このガーディアンの様子を見てきてくれんか?」
表示されているのはニューデイズ在住のビーストの男性
主兵装はソード、勤務態度は劣悪
…あれ?どっかで見た様な?…気のせいか?
「で、こっちも任務と?」
首を傾げながらネーブに問う
「いやいや、仕事とは無関係じゃ、機会があれば様子を探って欲しいだけじゃよ」
「なんでまた、普通の素行調査なら一般調査部の分野だろう?」
「ワンオブサウザンド」
ネーブの一言で心拍数が跳ね上がる
「このガーディアンのPMがどうもその様でな
 詳しい事は何も解っておらんが、間違いないじゃろう
 どうも他のワンオブサウザンド…かの女帝とも繋がりが有るようでな
 主共々要注意という訳じゃ」
まだ強行調査隊を動かす明確な理由はないから直接会え
つまり必要なら現場判断で抹殺か
「ま、機会が有ったらな」
気のない返事をしながら退室した
ワンオブサウザンド、確かに戦闘能力で言えば危険だろう
諜報部では戦闘能力に限らず能力優秀なPMを多数起用していると聞く
その中にはワンオブサウザンドもいるとか、先進的なものだ
強行調査隊なら危険な猛獣として絶対受け入れないだろうな
100裏側3/3:2009/02/25(水) 09:10:15 ID:3iwTHOsT
しかしあのビス男何処かで見た様な?
んー、思い出せん
元々人の顔や名を覚えるのは得意じゃないしなぁ
しかし何かが引っかかるんだよな…
「あの…」
「ん?」
取り留めの無い事を考えながら来た道を引き返しているとルウが躊躇いがちに声をかけてきた
実に珍しい
裏の任務では何故か本部まで送り迎えをするし、MTGにも同席する
先程も同席していたが一言も発さなかった
普段からそんな調子だから実に珍しい事だ
…普段からと言っても別に普段から侍らせている訳ではない
俺にそんな趣味はないし、ソロの時にPMと一緒に呼んだりする程度だ
…因みに何故かGH-413はルウがいると不機嫌になる、最近だとGH-450もか
「立ち入った事をお聞きしますが、よろしいでしょうか?」
「なんだ?」
「何故、あなたはこの仕事を続けているのですか?」
唐突な質問だ
「あなたの個人データと照合した結果、あなたはこの仕事を快く思っていません
 フリーミッション時との比較ですが、データはあなたが不快と感じている事を示しています
 これは強行調査隊の任務全般に見受けられる傾向です」
何をいきなり…
そう言えば以前パートナールウをガーディアンズ独自開発のPM、と言った事があった
あくまで俺にとっての概念としてそう言っただけだが
先程PMの話題が出て何か思う所があったのだろうか
パートナールウはルウ・ネットワークでの情報共有に規制がかかる
ガーディアン個人に対応する為個体毎に情報蓄積を行うのだ
強行調査隊の任務などはルウ・ネットワークにも存在しない機密事項扱いだしな
…俺がいなくなれば記憶の全消去か、或いは抹消か
「仲間がいるからだ」
俺は簡潔に答え、そのままさっさと歩きだす
理解するには不十分な返答だろうが関係無い
理由なんてわざわざ語る程のものでもないさ

そして俺はニューデイズ行きのシャトルに乗り込んだ
101名無しオンライン:2009/02/25(水) 09:22:04 ID:3iwTHOsT
GH-413「懲りもせずにPMの出ない話とは成長がないわねマイマスター(ラスカル)」
ヒュマオ「自棄酒の裏側を書いたんだからPMがいないのは当然だ」
GH-413「とうとう悪びれる事すら放棄したのね」
ヒュマオ「いや投稿するか迷ったけどね…」
GH-413「それについてはこの後書きと言う名の謝罪場で好きなだけ言いなさい」
ヒュマオ「今更言っても変わらんしな、ビス男と412氏女帝氏懲りずに勝手にお借りしました
      と言うかまだ一回借りる予定です。ご理解とご協力を(ry
      一応今回は自棄酒の裏話兼ガーディアンズの裏側として書いてますが
      全て脳内設定であり実在する団体・個人とは無関係です!」
GH-413「気は済んだかしら?」
ヒュマオ「まあ、取り敢えずは」

ザザーッ(音声は此処で途切れている)
102Partner Crisis 1:2009/02/25(水) 19:02:06 ID:8n87IMwZ
- ガーディアンズコロニー ミーティングルーム -

物々しい空気が部屋中を漂っている…。
今、この部屋にはガーディアンズの暗部と言われる者達が集まっていた。
ガーディアンズの治安を護る…言葉はいいが、要は不安分子、邪魔者の排除を受け持つ汚れ役。
ガーディアンズに一度でも接触した事がある人物なら、調査部、諜報部、公安部のどれかの名前を真っ先に挙げる。
今正に、その嫌われ部署3つが一堂に集い、この部屋でミーティングの真っ最中だった。
その3部署が集まる事は、内容が「次に排除するモノの選別」に限られる…。

「今回の目標は皆さんご存知の通り、この固体です」

司会進行役がディスプレイに1つの人物を映し出し、説明を開始した。
そこにあるのは1つの少女…否、1つのパートナーマシナリーだった。

「GH-412、最近発見されたワンオブサウザンドです。
 欠陥詳細は詳しくは不明、少なくともディスク・ZEROにあったフォトンアーツを自分自身で習得可能」

その一言で、会議室の空気は更に重くなった。
レリクスより発掘された、過去の戦闘技術が記録された遺産、「ディスク・ZERO」。
そこから復旧可能な部分をガーディアンズ、各企業が協力体制で作り上げてきた。
それが今日で知られるフォトンアーツであり、その作成にはかなりの労力が必要だった。
ただのパートナーマシナリーが自力で原点まで近付けたと言う時点で、それは見逃し難い話だった。

「ならば最早このような会議は必要あるまい! 即刻排除すべきだ!」

声を荒げたのは公安部の男。
生粋の武道派らしく、この会議室内では一二を争う程の体躯を小さすぎる椅子に収めていた。

「貴方はいつもせっかちですねぇ…それならこのような会議は必要ないでしょう?」
「ふん、料理の仕方に難癖をつける調査部とは違うのだ!」
「…お静かに、話はまだ終わってません」

茶々を入れる調査部からの出席者を、諜報部の女性が諌める。
声を荒げた所で話の進行を止めていた司会役が、再び話を進め始めた。

「厄介な事に、この固体を最初に発見したのはマヤ・シドウです。
 彼女の発見により、ガーディアンズ本部が監視体制を取っており、我々の介入は困難を極めます。
 ライア総裁の性格を考えると、余計な手出しをすれば我々の今後も保障されないでしょう」

*どん!*

先程の公安部の男がテーブルを力一杯に叩きつける。

「だから私はあの女には反対だったのだ…!
 感情論に振り回される青二才に、どうしてガーディアンズの総裁が務まろうか!」
「今更人選に文句を言っても仕方ないでしょう? 本当にせっかちですね」

調査部は諌めながらも、ニヤリと不気味な笑みを浮かべながら余計な一言も付け加えた。

「最も、私もモルモット達のコバンザメには部不相応だと思いますけど」
103Partner Crisis 2:2009/02/25(水) 19:04:03 ID:8n87IMwZ
「…で、我々の目的は?」

調査部、公安部の口喧嘩を他所に、諜報部の出席者は静かに尋ねた。

「今回はGRMと協力体制で、このPMの捕獲ないしは破壊が目的です。
 限られた能力値でしか活動出来ないPMが、未知数の力を見せ付けている…。
 その力を解明し、今後の軍事開発に利用すれば、我々はSEEDを越える兵器を生み出せます」
「捕獲では甘い! 破壊が一番容易いならば、そうすべきだろう!」
「現在、ガーディアンズは慢性的な人材不足に陥っています。
 様々な方面で新人獲得の為に動いていますが、焼け石に水程度の成果しか出せていません。
 数がいないならば質で勝負するしかない。その為にもこれが必要なのです」

進行役は手に持っていた棒でぱんぱんと、映し出されるPMを叩いた。
公安部の男が面白くなさそうに大袈裟に椅子に寄りかかると、今度は調査部が続けた。

「新しい玩具を作るのはいいとして…捕獲したワンオブサウザンドをそのままに出来る保障は?
 どんな餌で手懐けても、どんな頑丈な鎖で縛っても、脱出され、裏切られたじゃないですか?
 何処かの『狂犬』や『不死身』とか言われた、出来損ないみたいに?」

ちらりと、不敵な笑みを浮かべつつ諜報部の出席者を横目に見ながら男は続けた。

「そういう失敗例がある以上、私も破壊が一番良いと思いますけどねぇ?」
「…任務に捕獲とあるなら、我々は正義の名の下にそれに従うだけです」

諜報部からの出席者…女性は淡々と答えた。
チッ、と面白くなさそうに男は吐き捨てながら、進行役を睨みつけた。

「未知数と言ってましたけど、一体そいつはどれくらい強いかの情報はないんですかね?
 度合い次第で、捕獲が容易く行くかどうかが決まってきますよ」
「最初のワンオブサウザンド、『女帝』を打ち倒した、と言えばお分かり頂けるでしょうか?」

進行役の返答に、調査部の男は突然目を見開いた。
『女帝』…現在の裏組織の頂点に立つ、最初に発見されたワンオブサウザンド。
最近では大袈裟に動いたと言う記録こそないが、その戦闘力は『狂犬』と互角あるいはそれ以上。
更に言えば、『狂犬』は諜報部の精鋭である戦闘処理課をたった1人で壊滅させた記録もある。
その固体を打ち負かした…偶然であるかもしれないが、最悪の事態を想定するならば答えは自然とこう繋がる。
このGH-412は、その2つよりも強い、と。

「ハッハ…全く、何処まで人間様を馬鹿にすれば気が済むんでしょうねぇ」
「そんな個体を捕獲など、何を考えている…!」

引き攣った笑みを浮かべながら、調査部の男がぎりりと鳴らす歯の音が静かな部屋に響いた。
公安部の男からも、先程までの勢いが失われていた。それまでにその2つの固体が残した恐れは大きかった。
対ワンオブサウザンド編成部隊、諜報部戦闘処理課…その対抗策を打ち破った固体よりも強い可能性。
現在も女帝に好き放題動かれているのは、そのワンオブサウザンドを確実に仕留める手段が確立されていないせいだ。
覚醒する前の固体ならばいくらでも処理は効くが、ディスク・ZEROの技術復元と言う離れ業をやってのけている。
覚醒前、覚醒後、どちらであろうと余裕のない状況である事に変わりはなかった。
104Partner Crisis 3:2009/02/25(水) 19:05:22 ID:8n87IMwZ
「そうなると諜報部さん、御宅の飼い犬をぶつけるのが一番なんじゃないんですか?」

まず最初に矢を当てられたのは諜報部だった。
無理もない、そんな大それた不穏分子の排除にはそれ相応の人材と武器が必要だ。
人材不足がガーディアンズ全体を悩ませる中、大量の人員を危険に晒すのは何としても避けたい。
ともなれば…少数精鋭で一気に叩くしか手段は無くなるのだ。

「…狂犬をけしかけるには不安要素が多すぎます。
 何よりこのGH-412と顔見知りの様で、下手をすればB-218号任務の失敗を繰り返します」
「おやおや、そんな役立たない物が最終兵器とは…諜報部も落魄れましたねぇ?」
「随分と好き放題言っているが、貴様の番犬の事も忘れないでもらおうか?」

調査部の皮肉を、公安部の荒い息が遮った。

「そうですねぇ、今の所では一番不安要素がないのは私の所でしょうか?
 公安部も、デスクワークばかりで鈍っているでしょうから…」
「奢るな小僧、貴様等は我々の用意した揺り籠で意気揚々と獲物狩りをしていられるに過ぎん!」

又しても口喧嘩が始まる。

「皆様、今日はこの様な…」

*ばんっ!!*

進行役の諌めの声も、開かれる筈がないドアの音によって止められた。
そのドアを開いたのは…紛れもなく、豪華な装飾を施された儀礼服を身に纏った現ガーディアンズ総裁。

「随分物々しいじゃないか、季節外れの怪談かい?」

ライア・マルチネスその人だった。
決して見られてはならない人物の登場に、出席者達は全員身体を凍らせてしまった。
総裁の意思を無視した密談を行った時点で、処罰はほぼ免れられないからだ。
仮に見逃されたとしても、今まで以上に警戒を強められる…誰もが終わりを確信していた。

「アンタ達がコソコソと何かやってたのは勘付いてたよ。
 断りもなしに密談とはいい度胸じゃないか、覚悟は…ん?」

ライアはスクリーンに映し出されたGH-412を見るや否や、険しい表情に変化した。
自分と、父親が作り上げたガーディアンズを全て否定してきた、厄介者が抱える厄介者。
ワンオブターザンだったか、正確な名前は忘れたが、忌々しい出来事が頭の中で蘇っていく。
アンタの方がよっぽどイルミナスよ! という最大の屈辱の言葉が、顔を歪めさせていった。

「アンタ達!」

ライアは進行役の傍に設置されている上座にどっかりと座り込んだ。
全員が覚悟を決める中、ライアは険しい顔でスクリーンを指差しながら叫んだ。

「ここで、こいつの事に関して、一体何を話していたかを聞かせてもらうよ。
 少しでも誤魔化したりしたらブッ飛ばすよ! いいね!?」
105Partner Crisis 4:2009/02/25(水) 19:06:54 ID:8n87IMwZ
- ニューデイズ支部 ガーディアンズ宿舎 -

「ふぅ…キリがないなぁ」

皆さん今日は。
私はGH-412、とあるガーディアンのパートナーマシナリーをしています。
今日は3日振りに晴れたので、お洗濯とお庭の掃除でてんてこ舞いです。
3日も掃除が出来なかった庭は、雨で好き放題落とされた木の葉がびっしり…。

「湿ってなければヤキイモも出来るんだけどなぁ」

ホウキでいくら掃いても、びったりと石に張り付いた木の葉は動いてくれません。
でも意地でも…このこのっ! 掃きたく…なりますよねっ!? こんのぉ〜っ!
…ダメだ、意地張ってないで手で取ろうっと。お買い物の時間まで間に合うかな…。

ああ、でもお買い物に無事に行ける保証もないんですよね。
タダ飯食らい集団が来てしまえば、それこそ限界まで居座られます。
特に女帝さんなんか、最近ご主人様がいても構わず居座り続けるし…!
更に言えば、そこに413さんがいたら酒が進んじゃって酔い潰れられるんですよ!
事情が事情だから迎えに来てもらう訳にもいかない…叩き起こして帰すしかないんです。
ああ…もう! 思い出すだけで腹が立ってきちゃう!

「休憩、休憩!」

私はホウキを片付けて、部屋の中に戻りました。
多分明日まで掃除をやる気にはならないだろうけど、それはそれで!

「ふぅ…」

コタツに入りながら、私は物思いに耽り始めました。
この数ヶ月、本当に色んな事がありました…多すぎて今でも把握し切れてないかも。
私が異常なバケモノ、ワンオブサウザンドと分かって、女帝さん達と出会う。
その繋がりで430さんと出会って、そこから413さん達に繋がっていく。
そして、ご主人様に、私はパートナーマシナリーであればいいと言ってもらった。

…私は幸せ者です。
ワンオブサウザンドである事を告げられた日には、もうどうしていいか分からなかった。
女帝さんに突然襲われて、私以外にも同じようなPMがたくさんいると言われても、安心できなかった。
だって、同じであっても女帝さんは裏社会でしか生きられない身になってしまったんです。
私がご主人様と一緒にいてもいいのか、その時は不安で不安で仕方なかった。

でも私は、いてもいいと言われた。
そして普通ではないのでしょうけど、何もない日々を静かに過ごしています。
ご主人様は相変わらず、GPSにすら参加せず気の赴くままに動いています。
そんな日常が、これ程にありがたいものだなんて、思い知るのはこれで2回目です。
1回目は、GH-450騒動でたくさんのPMが犠牲となってしまったあの時…。

「…今夜のおかず、何にしようかなぁ」

気を紛らわせようと、ビジフォンのスイッチを押しかけたその時でした。
106Partner Crisis 5:2009/02/25(水) 19:09:07 ID:8n87IMwZ
「たっだいまぁ〜!!!!」

凄い大きな声で玄関を開いて入ってきたのは、居候の422さんでした。

「422さん!? 最近帰って来なかったから心配したんですよ!?」
「そんな事より聞いて聞いて!」

422さんは凄い荒い息使いで私の両手を握ってきました。
すっごい笑顔…もしかして、作ってほしい旬のお魚の話でも嗅ぎ付けたかな?

「私ね、遂に強化措置申請が通ったの!」
「えっ!?」

PM強化措置。
私達PMが、キャストと同等の存在となるという人権の侵害にもなりかねない特例。
422さんはマスターに捨てられた悲劇を忘れる事を拒み、後世に伝える為に申請を出し続けていました。
今まで全く返答がなかったようですが…。

「す、凄いじゃないですか! おめでとうございます!」
「やったよ! 遂にやったよ、私!」

…私は心の奥底で、違和感を感じていました。
いくらこの手の話に弱い人達に話が伝わるまで時間がかかるとはいえ、不自然すぎる。
今まで何の返答もよこさなかったのに、何故今になって急に強化措置申請が通ったのか?
…いや、考えすぎですね。422さんがこんなに喜んでいるんだし、水を注すのも悪いかな。

「…これでようやく1人立ちできるよ」

422さんの手を握る力が強くなっていきました。

「今まで、本当にありがとうね。私の我侭に付き合ってくれて。
 大変な立場だったのに、私を置いてくれてありがとう。何度感謝しても足りないよ」
「そ、そんな…あの頃はそこまで大変じゃなかったし…」
「412ちゃん、隠さなくていいんだ。私、知ってるんだ」

422さんは手をぱっと離し、私をまっすぐに見つめてきました。
私はその真剣なまなざしに、少しだけ気圧されてしまいました。

「私、聞いちゃったんだ。412ちゃんが普通じゃないって。
 そして色んな人に狙われる、大変な状況にあるって、あの450と話してるのを聞いたの。
 最初はあまりにスケールでっかくてよく分かんなかったけど、私なりに考えたんだ。
 そんな大変な412ちゃんにこれ以上迷惑をかけられないって…だから野宿を始めたの」
「それで帰って来なかったんですか!? 何処か壊れたりしたらどうするんですか!」

422さんの顔は再び笑顔に戻りました。

「いいのよ! だって412ちゃんは私の命の恩人よ!?
 そんな人に異常も何もない! こうして再スタートできるのも2人のおかげ!
 これは私の恩返しの最初の一部なんだから、気にしちゃダメよ!」

そう言うと422さんは、背中に背負っていた袋をどさっと床に置きました。
107Partner Crisis 6:2009/02/25(水) 19:10:14 ID:8n87IMwZ
「じゃ〜ん!! お祝いにホンガツオを持ってきちゃいました〜!」

ホンガツオ…また季節を無視した物が登場しました。

「これでさ、ぱーっとやっちゃおうよ!」
「…何処から買ってきたんですか、これ?」
「買う? そんなお金のかかる事はしないわよー。
 こうほら、根性でちょちょいのちょいっと!」

…まさか熊の如く、手で取って来たとか言うつもりでしょうか。
その方が渡航費とかで余計にお金かかるし、絶対無理だと思う…。
うん、考えるの止めた方がよさそうです。せっかくの好意に対して野暮いし。

「うーん…出所はともかくとしてかなり立派なホンガツオですね。
 これは調理のし甲斐がありすぎて、どうやろうか迷うなぁ」
「そーりゃそうでしょ、私が身を削る思いで取ってきたんだから!
 そう! 始まりは闇ルートがどうやって出回っているかを調べ尽くし…」

盛り上がる422さんを他所に、私は悩みました。
そうだ、お魚といえば小ビス子さんが大好きなんだっけ。
大好きなら、それはもう調理方法は全網羅してるはず。何か聞いてみようっと。
確かご主人様が、GPSの際にもらった(押し付けられたとも言います)カードがあるはず。

「よーし、それじゃあ色々と準備しなくちゃ!」
「ほいさー、私も手伝うよーん!」
「おやぁ? 珍しいですね、422さんが手伝ってくれるなんて?」
「何よそれー! せっかく人がいい話をしてあげたってのに!
 あたしだってこういう場面での空気の読み方くらい分かるわーいッ!」

そんな風に騒ぎながら、私達はお祝いの準備を始めました。
ご主人様が戻り、422さんの申請受理を聞いた時は、「そうかやっと食費が浮くか」という
如何にもご主人様らしい皮肉たっぷりなお祝いの言葉が、またその場を盛り上げました。
途中でまた413さんがクダを巻きに来たり…その時はもう既にかなり酔っ払っていました。
多分450さんとまたケンカをしたんでしょうね。他にお友達、いないのかなー?
また叩き起こして帰さないといけない…と、私はその時は溜息ばかりついてました。

…そんな幸せな出来事があると、必ず裏返しの不幸がやってくるのがこの世の理。
私達も例外ではありません。その時は、とんでもない出来事に巻き込まれていくなんて思ってもいませんでした。

そう、これは人間の誰もが持つちっぽけな感情が生み出した騒動…。

Last Episode "Partner Crisis"
108名無しオンライン:2009/02/25(水) 19:12:41 ID:8n87IMwZ
とりあえず今回はここまで
最後のお目汚し、少しでも楽しんでもらえれば幸い也
109名無しオンライン:2009/02/25(水) 19:16:04 ID:tTei8vsB
ようやく最後か…
110帰って来た御主人:2009/02/26(木) 00:14:07 ID:tWuwFlkE
もう帰って来ないと思っていた御主人が、
339日と3時間ぶりに帰って来ました。

でも…不思議な事に御主人はマイルームに入ってきません。
会いたい…御主人に会いたい。
このドアの向こうに御主人がいるのに。
距離にしてたったの数センチなのに。

どうしてですか?私が嫌いなのですか?
私が悪いなら言って下さい。

御主人「…すまないパシリ…」
パシリ「え…ご、御主人…?」















御主人「…実はオレ、コミュニティーコースなんだよねー!」
パシリ「早く課金しろやゴラァ!」

どっとはらい。噂の無料コースだとPMはどうなるのかなぁ。
111名無しオンライン:2009/02/26(木) 16:36:32 ID:E7b9keWD
……とりあえず、パシリ抹消の心配はなくなったと考えていいんだろうか?
無料でもインできる以上、突然キャラが消えたらブーイングかかるだろうし。

まあ、あくまでもチャット専用だからパシリに会えないのが難点。
112名無しオンライン:2009/02/26(木) 19:05:19 ID:qX4exsP8
倉庫は使えないがパーティーに参加させればいいじゃない
113名無しオンライン:2009/02/26(木) 19:15:39 ID:XoxFpLqY
コミュコースでパシリといっしょにのんびり通路でも回ってみるか・・・

=ミッション開始=

パシリ「ご主人様、ガーディアンズには戻らないのですか?」
パシリ「ライセンスがなくても私はいっしょです」
パシリ「マイルームでいっしょにのんびりしたいな」
パシリ「ガーディアンズライセンスはいつでも発行できるそうですよ」

よしっ!!
114名無しオンライン:2009/02/26(木) 21:43:40 ID:krYVkOPN
>>113
なんてソニチの罠。
でも本当にパシリが言ったら課金しちゃうぜ!
115名無しオンライン:2009/02/26(木) 22:04:09 ID:wNiUAHpn
ご主人様は野宿なのにパシリはマイルームで悠々自適か
116名無しオンライン:2009/02/26(木) 22:07:49 ID:yDtH9Mo2
ロビーでもPMを連れまわせる様にしろよ
117名無しオンライン:2009/02/26(木) 22:22:35 ID:E7b9keWD
>>115
まあ、言い方を変えれば『課金しないのが悪い』ワケだが。

エル「マスター?」
マスター「何だねエルヴィア君」
エル「マスターは課金しますよね?」
マスター「んー……ごめん、それ無理(にこやかに」
エル「そんなナイフ持っていて『馬鹿な事はやめろ』と言われた後みたいに笑顔で言われても……」
マスター「いやね。リアルが金欠だからさ、もし無料モードがあるんだったら便乗しようかと」
エル「じゃあさっさと働いてくださいよ!」
マスター「うん、それ無理」
エル「即答しないでください!」
118名無しオンライン:2009/03/03(火) 01:45:34 ID:oDeqyHwQ
保守
119戦え僕らのXXX verヒュマオ:2009/03/04(水) 19:51:50 ID:oYwdZSLg

黒い ラスカル ヒュマオとPMが

一つになれば 話が生まれる〜

偶に(?)はセラフィ刺すけれど

ニッコリ 笑ってバイバイビー(go to hell!)

今だ 必殺 ぶてんしゅんれんざ〜ん!(アッー!!)

SEED フォーム 打倒せ!

勝利を掴め 英雄だ〜

雄々しき その名は! その名は! その名は!
120名無しオンライン:2009/03/04(水) 19:53:13 ID:oYwdZSLg
話をちびち書いてた筈なんだが何かが舞い降りた
反省はしていない…
121ある日の出来事:2009/03/08(日) 09:01:33 ID:TMLkPPD2
今日、一年ぶりにお客がきました。
ガーディアンズ体験(トライイルミナス)のライセンスなんだそうです。


・・・・・それにしても。
つるぺた好みは治っていませんね。 ご主人様。

122不良品の役目(前編) 1/3:2009/03/08(日) 22:46:21 ID:r/AUROfo
「好きです。結婚してください」

ご主人様のこの言葉は、当然この私、GH-421に向けられたものではありませんでした。

私が彼に、いわゆる「想い」を寄せるようになったのは、いつからだったでしょうか。
覚えているのは、昔ご主人様の友人がからかい半分でかけた一言。

「そうして並んでると、まるで恋人同士みたいだな」

小ビーストであるご主人様は、PMである私とそれ程背丈の隔たりがありません。
それをからかう意味だったのでしょうが、私には別の、もっと大きな意味がありました。
「恋人」の意味を調べ、その定義する所のサンプルを参照するうちにいつしか、
私にはPMらしからぬ願望が根付いていったのだと思います。

ご主人様はビーストでありながら非常に穏やかな気性の人物で、私にも優しく接してくれます。
もちろん、ガーディアンとしてPMを正しく扱うという意味で、なのだとは理解しています。
しかし「恋人」の様々なサンプルを参照した私はつい、彼の行為をそれらに重ね合わせてしまいます。

どう考えても、私は不良品です。
任務上のパートナーたるガーディアンを異性として意識するなど、許されるものではありません。
上層部に知られたら、当然処分の対象となるに違いありません。
ご主人様も、自分のPMが不良品であることを知ったら悲しむでしょう。

私が「想い」を伝えないのは、そういったやむを得ない理由があったのです。
ですから、今日この日を迎えたのも、来るべき時が来ただけと、覚悟していたつもりでした。

お相手は、同じく小ビーストの女性。
モトゥブでもかなりの有力者のご令嬢との話です。
ガーディアンズのモトゥブ支部とも密接な関係があるようで、彼女と結ばれることはつまり、
ご主人様の洋々たる未来にもつながります。

PMとして、ご主人様の出世は喜ぶべきことです。
それなのに、今私が考えていることは、本来あるべき思考とは真逆のものでした。

やはり、私は不良品なのでしょう。
そんな私に罰が下されたのは、二人の婚約後間もない頃。

彼女が不治の病に倒れたと聞いたとき、私はどんな顔をしていたでしょうか。
「願いが叶った気分はどうだ」
誰かが心の中で囁く皮肉にどう答えてよいか、私には分かりませんでした。
123不良品の役目(前編) 2/3:2009/03/08(日) 22:49:01 ID:r/AUROfo
かつて、モトゥブが今よりもっと厳しい環境だった頃に流行った病。
環境の改善が進むうちに発症者は減っていき、今ではほとんど確認されない病。
そんな病に彼女が侵されたのは、何かの皮肉としか言いようがありませんでした。

というのも、彼女の父親はモトゥブの自然環境保護団体の幹部だったのです。
モトゥブの開拓に伴い失われていく自然の保護を訴えていた彼とその家族が、
その自然に裏切られた形になったというのは、何かの悪意すら感じます。

ご主人様は、日々懸命に看病をしています。
もちろん私も、内心はともかく精一杯そのお手伝いをしておりますが、
彼女の容態は悪くなる一方です。

端で見ていて辛くなるほどに、ご主人様の憔悴はひどいものでした。
それは、単に彼女を心配する気持ちだけではないことを、私は知っています。

一つだけ、彼女の病を癒す方法が、ないわけではないのです。
しかしそれは、彼女の家族にも、ご主人様にも、選べと言うには余りに酷な難題。

モトゥブ自然環境保護団体より保護指定を受けている、絶滅危惧種。
【渡りラプチャ】の雛のクチバシを煎じて作った薬が、唯一の特効薬なのです。

【渡りラプチャ】は普通のラプチャと違い、潜行能力を持っていません。
その代わりに長時間の飛行が可能で、モトゥブの気候の変化に対応して生息地を変えています。
幸い彼女の父親の仕事柄、渡りラプチャが巣を構えている場所の見当はついています。
ですが、保護指定を受けている渡りラプチャを狩ることが、何を意味するのか。

そもそも渡りラプチャが絶滅危惧種となった原因も、
昔流行った病の特効薬ということで乱獲されたことにあります。
彼女の父親はその経緯を良く知っているだけに、同じ過ちを繰り返す選択はできないでしょう。

ご主人様にしても同様のことが言えます。
まず、禁忌を侵した時点で彼女との婚約が解消されることは明らかであること。
そして、自然環境保護団体と深く結びついているガーディアンズのモトゥブ支部としても、
ご主人様が罪を犯した場合、そのままでは済まさないということ。

しかし、それよりも何よりも。
ご主人様自身、私情のために幼い生命を犠牲に出来る性格ではなかったのです。
124不良品の役目(前編) 3/3:2009/03/08(日) 22:50:21 ID:r/AUROfo
ご主人様は決して臆病なのではなく、犯罪者相手には敢然と立ち向かう強さを持ってはいます。
でも、無辜の命を奪うことに強い抵抗を感じているのか、ほとんどの原生生物討伐に参加していません。
ために実行部では戦果があげられず、選んだ道がガーディアンズでも特に枠組みの少ない、医療研究部。
ご主人様は猛勉強の末、ビーストでありながらその狭き門を潜り抜けたのです。

そんなご主人様ですから、当然彼女の容態も、どうすれば治るのかも知ってはいます。
知っていて、決して選んではいけない手段を採ろうとする感情と必死に戦っている、その葛藤。
ご主人様の憔悴には、そんな一因もあったのだと思います。

いつか、ご主人様は禁忌を破ってしまうかも知れません。
それは、ガーディアン付きのPMとして、止めなければならないこと。
でも、私はその時、どんな気持ちでご主人様を止めればいいのでしょうか?

いわゆる「恋敵」である、彼女の死を望む気持ちが混じらないという自信がありません。
万に一つ、それをご主人様に悟られるようなことがあったら。
最初はそんな、ご主人様に嫌われたくないという気持ちが強かったと思います。

ですが、ご主人様の無力感に打ちひしがれた背中を見ているうちに、別の感情が芽生えてきました。
「何とかしてあげたい」
単純にして純粋なその気持ちは、やがて一つの可能性を見出しました。
ご主人様が以前の優しい笑顔を取り戻す、ただ一つの可能性を。

私は、不良品です。
ご主人様と離れたくないばかりにその事実を覆い隠してきました。
しかし、不良品なら不良品なりに、果たせる役目というものがある筈です。

ご主人様によってでも、彼女の家族によってでもない。
一体の、壊れたPMの勝手な行動によってなされたことならば。

上層部の調査によって、私が故障しているということさえ明らかになれば。
私の犯した罪は、ご主人様に及ぶことはありません。

ある夜、看病疲れでうたた寝をしているご主人様の背中に毛布をかけてから、私は出かけました。
次に会う時、ご主人様はどんな顔をして私を見るでしょうか?
優しいご主人様は、だからこそ怒るかも知れません。
自らを思って犯した罪によって無残に処分される、私の未来を慮って。

「でも、許してくださいね、ご主人様。私は…不良品ですから」
125名無しオンライン:2009/03/08(日) 22:59:22 ID:r/AUROfo
「最低の主人」に続き、英雄になれなかった者たちの物語第2弾(EPX本編を含めると3弾)です。

自らを不良品と断じた、一体のPMの最後の奉公は成るのか。
後編に続きます。

>95
転用については光栄に思いこそすれ迷惑などと思ってはいないので、気にしないで下さい。
自分の物語がきっかけでWTになった彼女の活躍、ひそかに期待しています。
126Partner Crisis 7:2009/03/09(月) 00:47:16 ID:I0z7IQtU
数十年前のある日、1人の女性が交通事故で死んだ。
即死という、あまりにあっけなさ過ぎる人間の命の小ささを表すような最後。
その女性は一児の母であると共に、GRMの技術『元』主任だった。
今、早くから『元』と付けるのは、彼女はとっくに主任としての仕事を出来る身ではなかった。
――彼女は精神を患っていたのだ。

当時、PMの感情回路導入に関して上層部と開発研究チームの意見が分かれていた。
最も、研究チーム全体と括るよりも彼女個人と上層部、と言った方が正しいだろう。

GRMがPMに求めた物は支援などではない。戦争に使う為の人型汎用兵器の攻撃力だった。
普通、殺人兵器に感情は余計な物だが、そんな定義を忘れさせる記録が当時には存在した。
研究チームのお遊びによる感情回路導入が、目を反らす事が出来ないほどの性能向上を測定したのだ。
最も、そのお遊びを単なるお遊びとして流せる状況だったなら、彼女が争う事もなかった。

GRMは独占し続けてきたガーディアンズへのマシナリーのシェアを失う事になる危機に直面していた。
シェア強奪の為に、テノラ・ワークスが実用性、耐久性、共に優れた最新型高性能マシナリーの完成を発表してきたのだ。
同時にヨウメイ社も最新型マシナリーを発表したが、外見と性能の両立に悪戦苦闘し、GRMに及ばない趣味の領域の産物だった。
既に完成形態にまで辿り着いていたPMは、これ以上の性能向上は見込めない程までになっていた。
先が見込めない状態での他社の遥かに高性能なマシナリーの発表に、GRM上層部は焦り始めた。
追い討ちをかけるように、ガーディアンズからの納期無期限延期の申し出。
GRM上層部は藁にも縋る思いで、性能向上の為の策を我武者羅に探し続けた。
そして……上記のお遊びのデータが発見されてしまった。

当然、これを上層部が見逃すはずがないが、主任の女性は唯一反対し続けた。
研究者にとって、自分達が生み出した物の性能向上は何よりも優先すべき事項だ。
それが例え、未来に破滅を呼び寄せる引き金だとしても、研究者達は全力を尽くす。
自分達の開発した物なら大丈夫だと言う、何の根拠もない自信に満ち溢れているから……。
しかし彼女だけは違った。迷う事無く、上層部の命令に反抗していった。
そんなたかだか性能向上の為だけに、彼女の『娘』とも言える存在に心を与えたくなかったから。
突きつけられる厳しい条件――三ヶ月内にテノラ・ワークスを越えるマシナリー開発の為に、彼女は奮闘した。
家庭を省みずに、ただひたすらに1人だけになろうと戦い続け、そして、壊れていった。

そして彼女が死に、感情回路導入の障害となる物は何もいなくなった。
1つの悲劇が生み出した連鎖はワンオブサウザンドの誕生に繋がっていった。

しかし、それだけではなかった。
悲劇は、知られざる影の舞台でも連鎖を続けて行っていたのだ。
127Partner Crisis 8:2009/03/09(月) 00:49:07 ID:I0z7IQtU
「……ックククク、上層部連中の慌てる顔が見れないのは残念だなぁ」

真っ暗な部屋の中、コンソールパネルを狂ったように操作する男が1人いた。
彼は研究開発チームの一員であり、主任を心から尊敬していた純粋な若者だった。
しかし、今の彼の表情は純粋とは言い難いほどに歪められている。

「……おい、誰だ? 何してんだ?」

もう1人、研究員が薄暗く光る部屋に気味の悪さを感じて覗き込んできた。
感情回路導入が齎した性能向上により、ガーディアンズへのマシナリーのシェアは確固たる物となった。
主任の無駄な争いに付き合わされた研究員達をねぎらい、上層部は僅かな休日を与えたのだ。
次の兵器を作る為の、英気を養わせる為に。
だから、ここには誰もいないはずだったのだ。気味悪がって当然だ。

男は光を発しているモニタの方に少しずつ近付いていく。

「うわっ!?」

モニタの蛍光色で薄暗く輝く元同僚の顔に、彼は大袈裟に後ろに転げ落ちた。
……しかし、椅子に座る仲間は少しも動じなかった。気にかけてもいないようだ。
慌てつつも、不気味に光るそれが若い同僚だと分かると、男は胸を撫で下ろしながら立ち上がった。

「な、何だお前か。――せっかくの休日に、何してんだ?」

自分の事を言えないか、と男は心の中で呟いた。
何て事はない、休日を生かしてこれまでのデータを整理しようと思っていたが
肝心のデータディスクを忘れてしまい、取りに来る為に出社しただけに過ぎない。

男が興味本位にモニタを覗き込むと、そこには信じ難い物が映されていた。
普通に考えれば有り得ない計算式によって構築された、危険すぎる骨格フレーム。
素人が見ても不自然だと分かる、無茶苦茶な図面が生み出した狂気の構造。
――そう、それは精神を患った主任が最後に持ち込んだ、狂った設計図だった!
それが何故、今ここにある!? 男は操作する若い同僚の顔を見ると、おぞましい笑みを浮かべている。
そして急いで辺りを見回すと、狂った設計図により構築された、1つの人型が寝ていた。

「お、お前! 何してんだよ!?」

若い同僚は答えない。
男は思いっきり胸倉を掴み、無理矢理にでも自分の顔をその瞳に映させた。

「何してんだって聞いてんだよォッ!!」

*ばばっ!!*

男は即座に振り解かれ、反動で隣のデスクにもたれかかった。
――こいつ、こんなに力がある奴じゃなかったぞ!?
若い同僚はゆらりと身体を曲げながら正面に立つと、歪んだ声で答えた。

「……復讐さ」
128Partner Crisis 9:2009/03/09(月) 00:50:54 ID:I0z7IQtU
「ふ、復讐……!?」
「そうさ。僕は主任に代わって、上層部に復讐するんだよ」
「な、何バカな事言ってやがんだ!?」
「バカなのは君達だろう?
 僕だって本当は主任と同じように、感情回路の導入は反対だったんだ。
 尊敬する主任がそう言うんだ、間違いないと思っていたんだ」

若者は手を大きく広げ、男に迫っていった。
男はただ、慌てて椅子につまづき、椅子を蹴り飛ばしながら後ろに下がるしかなかった。

「でも、君達が反対だと言えと言ってきた。
 主任はもうとっくに狂ってる、止める為に協力してくれと言ってきたよね?
 ――その結果! 主任は死んでしまった!
 僕は主任に死んでほしくて反対したわけじゃないのに!
 元の主任に戻ってほしかったから、現場から離れられるように仕向けたのに!
 そうだ、僕達が殺したんだ! 僕達が不甲斐ないから主任が死んじまったんだ!」

狂気に満ちつつ、途端に怒りを露わにした若者の怒号は、尚も続いた。

「だから僕は、主任に代わって復讐するんだ!
 主任が残してくれたこの図面で、主任が正しかった事を証明する!
 主任が反対し続けた感情回路が、どんな悲劇を齎すかを上層部に見せ付けてやるのさ!」
「ふ、ふざけんのもいい加減にしろ!
 そんな狂ったモンで作ったって、結局稼動せず終わるだけだろうが!
 忘れたわけじゃないだろ、主任の設計図で稼動させていたラインが欠陥ばかりを生み出していたのを!」
「……ックック、それがさぁ、星霊様も僕の事が正しいと言ってくれてるみたいでね。
 いざやってみたら、偶然にも全て安定値になってくれたんだよ。
 主任は凄いね、きっとこうなる事を予測してこの図面を書いたんだ」

男は急いで、道を開けるように横に動く若者を押しのけてモニタに被りついた。
狂いすぎた計算式、図面、それによって構築されているPMはやはり狂っていた。
だがしかし、リアクター出力は安定、AIの情報処理能力は全く問題なく、正常稼動が可能な状態だったのだ。
今が正常であっても、狂った設計で作られた物、今後何が起こるかは全くの未知数。
偶然が生み出した狂気の産物が、正にそこで眠りについている。

「お、お前、こんなモン作って、どうするつもりだ!?」
「だから、復讐するって言っただろう……?
 今は良くても、何れは崩壊するかもしれないのは分かってるんだ。
 そんな事は分かった上で僕はこれを作ったんだ。途中で壊れる為にね」
「途中で壊れる為、だと!?」
「そうさ、これをガーディアンズに配備する1つと取り替えたらどうなるだろうね?
 もうその配備先も大体考えてあるんだ。――いわゆる不良、ってね。
 ただでさえ問題のあるガーディアンズのPMが問題を起こせば、後は分かるだろう?」

問題を起こした結果――ガーディアンズは、PMその物の配備に対して不信感を抱き、GRMは1つの収入源を失う。
129Partner Crisis 10:2009/03/09(月) 00:53:10 ID:I0z7IQtU
「……っざっけんじゃねぇぞ! 主任がんな事望んでると思ってンのか!?
 自分の娘使って復讐される事を喜ぶような人だったかどうか、テメェが一番よく知ってんだろうが!」
「昔はそうさ、でも今なら主任もきっと分かってくれるさ?
 自分達の娘が不幸になる様に差し向けたのは、他でもない上層部なんだからね」

男は確信した、もう言っても無駄だと。
尊敬する主任が死んでしまった事で、この若い同僚も一緒に狂ってしまったんだと。
今、自分に出来る事は、この狂ってしまった同僚を何としても止める事だ。
主任にとって、そして自分達にとって掛け替えのない娘を復讐に使われるわけには行かない!

男はコンソールパネルを必死に叩き出すが、一向に反応しなかった。

「無駄だよ? 妨害が入らないようにしっかりとロックしてあるからね?
 監視カメラにも細工はしておいた。普段通りの部屋が映されているはず。
 今ここで何が起こってるかを知るのは僕と君だけさ」
「チックショーがァ! だったら、ブチ壊すまで――がァッ!?」

腕にチクッとした痛みが走った後、全身に激痛が迸る!

「邪魔はさせない……これは僕と主任の、正義の名の下の復讐なんだ!」

若者が打ち込んだのは、PM専用の潤滑油だった。
人体に打ち込めば、一瞬にして猛毒と化す。男がガタガタと痙攣しながら倒れていく。
ここで血生臭い殺し方をしてしまえば、映像では誤魔化しきれない証拠が残ってしまう。
ダミーネットワークアカウントの用意、出荷票の偽造、監視カメラ工作、若者は実に用意周到だった。
後は、全てが終わった後に履歴を残さないように作っておいた作業前の状態と変わりないHDDと取り替えればいいだけ。
邪魔をしてくる同僚も死んだ。――今、彼を止める事が出来る希望は全て失われてしまった。

「主任、見ててください……僕と、貴方の娘が、無念を晴らしてくれますよ。
 ――っふふふふふふぁ、ぁあーっははははははははははははははぁっ!!!!」

勿論、あの女性はこんな事を望んではいないだろう。
しかし、若者は狂ってしまっている。そんな常識は通用しなくなっている。
彼にとってこれは聖戦なのだ。宗教戦争と同じように、独りよがりな聖戦。
若者の狂気に満ちた笑いが、誰も邪魔する事の出来ない部屋全体を木霊していった……。

後日、若者は死んだ。
自室で刃物片手に、部屋中を真っ赤に染めながら倒れていた。自殺だった。
誰も真実を知らぬまま、彼の死は「尊敬する人物が死んだ事による過度の精神疲労」で片付けられた。
GRM上層部も、下手に騒げば折角のシェアがまた揺らぐ為、彼の死について詮索はしなかった。
止めようとした男性は行方不明。こればかりは流石にGRMも隠蔽工作を行った。
2人も続いて研究チームの人間に異変があれば、不信感を抱かれるかもしれなかったからだ。
主任の件で疲弊し切っていた研究チームも、特に何もする事はなかった。

全てが若者の思惑通り――と言う訳にはいかなかった。
若者は、自殺してしまったが故に最後の最後で失敗してしまう。
130Partner Crisis 11:2009/03/09(月) 00:54:38 ID:I0z7IQtU
- GRM社内 出荷用倉庫 -

「オイ、この片隅においてあるのは何だ?」

職員は、「点検済み」という札の貼られた1つのPMに目をやった。
彼等はガーディアンズに出荷するPMを、コンテナに積む作業の真っ最中である。

「ああー、こないだ不具合があるからって引き取られた奴だろ」
「……そういやそんな事あったな」
「点検済みって事はもう大丈夫なんだろ? さっさと積んじまえよ」

数日前、このPMを出荷作業に移そうとした時、1人の男がやって来たのだ。
重大な不具合が発生しており、修復する必要があるのでこちらに引き渡してほしいと。
不具合と言われても彼等には同じ物にしか見えない為、プロに任せる事にした。
修復作業が終わり次第、この出荷用倉庫に持ってくると、その男は残していった。

職員は同僚の言葉に従わず、ただそれを手に持ってじっと見つめていた。
まるで、気味の悪い物を見るよう目で。

「おい、どうしたんだよ? さっさと終わらせねぇと定時に帰れねーぞ」
「なぁ、これ引き取っていった奴、覚えてるか?」
「はぁ? 研究チームの奴だろ?」
「そいつ確か、こないだ自殺したんじゃなかったっけか?」
「変な事言ってねぇで手ぇ動か――ん? いや、待てよ?
 そう言われてみれば、グラ5でやってた写真の奴に似てたっけかな」

グラ5とは、グラールチャンネル5の事である。
些細な事件から重大発表まで、ニュースは大体このチャンネルと決まっている。

「でよ、そいつの死因って精神疲労とか言ってたよな」
「ああ、尊敬する上司が死んじまったショックとかやってたな。
 それと、お前が手ぇ動かさないのと、どう関係あるんだよ?
 お前、そんなに俺に残業させたいのか? オゴらすぞ」
「ちげーよ、誰がオゴるかクソッタレ。
 引き取りに来た時、そいつかなり嫌な雰囲気してなかったか?
 正直言うと俺は気味悪かったんだよな、やたら暗くてよ」
「んー、確かにそう言われると、まるでこの世の終わりのような顔してたな。
 要するにあれか、その時既にアイツはブッ壊れてたと言いたいわけ?」
「いや、ありゃ確実に壊れてただろ。
 研究チームの仕事がどんだけ忙しくても、普通ああなる前に辞めねぇか?」
「まぁ、そうだなぁ。いくら食う為とはいえ、そこまでするかっつーと……」
「そんな奴が修復作業したPMだぞ?
 このまま出荷して、やっぱ問題があったら、俺等の責任にならねぇか?
 俺は嫌な予感がするわ。狂って死んだ奴の整備したPMなんてよ」
「お前、このご世代に幽霊とか言い出すんじゃねーだろうな?」
「真面目に聞けよ、俺等の責任にされたらクビだってありえんだぞ。
 俺は嫌だぜ、家族が増えたとこでいきなり新しい食い扶持探しなんてよ」
「だからって、予定数変えんのか? 面倒だぞ」
「クビと残業+次回の出荷数1個増しなら、俺は断然後者を選ぶね」
「へいへい、分かった分かった。
 そんなに言うなら避けときゃいいだろ、避けときゃ。
 書き換え作業はお前やっとけよ、俺は知らんからな」
「っけ、つれねぇ野郎だ。――縁起でもねぇし、他倉庫に運んどくか」

こうして、若者の復讐心の産物は、再び目覚めるその時まで、眠り続ける事となった……。
131Partner Crisis 12:2009/03/09(月) 00:56:43 ID:I0z7IQtU
- 総裁室 -

「先生、わざわざすまないね」
「ホッホ、構いやせんわい、これしき」
「首尾はどうなんだい?」
「ほれ、例のスパイの件があったじゃろ?
 あれのついで程度で調査部の番犬どもに監視させる事にしたわい。
 最も、ついでどころかそちらの方が大本命なんじゃがのぅ」

ネーヴは、決して伸びる事もないヒゲを触りながらそう答えた。
イルミナスにはスパイがいた。――しかしそれは、ガーディアンズに向けられた罠ではない。
ガーディアンズが、イルミナスの仕組みを知る為に仕向けた二重の罠だったのだ。
こんな事は日和見主義の総裁府では成し遂げられる事ではない。そう、彼等の仕業だ。
調査部は上手い事、イルミナスを自分達の掌で躍らせていたのだ。

本来ならばこれは、ライアに知らせるべき事ではなかった。
飾りとはいえ、イルミナスと手を組んでいたと知られれば、怒り狂うのは簡単に予測できたからだ。
しかし事態は急変した。ライアはあのGH-412の件に関して総裁府は全面協力すると言い出したのだ。
総裁府のお墨付きが手に入ったとなれば、使える物は何でも使うに限る。
ぶっ飛ばされない程度の材料を、ご覧に入れたというわけだ。

「先生が全面的に賛成してくれて助かったよ」
「今はようやく手に入れた平和が始まろうとしてるんじゃ。
 それを脅かす可能性は、少しでも排除するべきじゃて。
 汚い仕事じゃが、調査部や諜報部はその為に存在するようなもんよ」
「ややこしい話はいいよ、賛成してくれるってだけで」
「やれやれ、お前さんは相変わらず話の腰を折るのが好きで困るわい」
「普段ケツを触ってきたお返しさ」
「しつこいのぅ……」

ライアはモニタに映し出されたGH-422を見た。
不幸なマスターにより行き場を失い、あのビーストの男の所に居候しているはぐれPMである。
本来ならば、どんな不幸な境遇にあろうと簡単に特殊強化措置なんて許可するわけがない。

「排除するからには、余計な邪魔をしてくる奴を掃除しとかないとね」
「じゃがライアよ、本当にあのGH-422に特殊強化措置を実行するつもりなのかの?」
「まさか! 事が終わるまでオリにでも入れとくさ」
「――さよか、オリか」
「今更反対するつもりかい?」
「いや、そういうわけじゃないんじゃ。
 束縛はかなり大変とはいえ、簡単な口封じはやはり壊すしかないんじゃが。
 結局、平和の維持には多少の犠牲は止む無しかと思うとのぅ……」
「その為にアタシ達ガーディアンズがいるんだ。
 その犠牲を少しでも少なくする為に、護るべき物を護るんだよ」
「ホッホ、まさかライアにそんな風に言われるとは思わなんだわ。
 いつも誰より真っ先に顔真っ赤になり、拳を振り上げてきた暴力娘とは思えんわい」
「ケンカ売ってんのかい!?」
「どーれ、報告も終わったんで一眠りするかの〜。ホーッホッホッ」

ネーヴはわざと軽やかなステップを踏み、総裁室を後にしていった。
ったく、とライアは舌打ちをしながら椅子に大袈裟に座り込んだ。
132Partner Crisis 13:2009/03/09(月) 00:59:07 ID:I0z7IQtU
「――総裁、本当によろしいのですか?」

それまで黙っていた、横にいた総裁秘書のクランプ・マニエールが口を開いた。

「何だいクランプ、これから忙しくなるってのに」
「特殊強化措置をそんな事に使えば、また人権問題に発展する可能性があります。
 1人のガーディアンズと、そのPMを罠にかける為という内容も、火に油を注ぐでしょう。
 何より、いくら粗暴なガーディアンズと言っても、このような真似を――」
「寝ぼけた事言ってんじゃないよ!
 いいかい、こいつはガーディアンズにとって恥晒しもいいとこなんだ!
 何も護らない、SEEDも倒さない、リュクロス討伐の時も何もしやしなかった!
 組織の為にも、こんな奴を放っておく事は他への示しがつかなくなるんだ!」
「総裁、恐れながら私はそのような理由で総裁がこの件に全面協力したのではないと思います」
「……どういう事だい」
「総裁は単純に、このGH-412に罵倒された事を恨み続けているだけではないでしょうか?
 私は知っています。このPMに総裁は、イルミナスと変わりない存在だと言われた事を。
 総裁は確かに就任前に数多くの問題行動が見られる為、返す言葉はなかった。
 だから、その恨みを晴らす為だけに――」
「クランプ!」

ライアは怒鳴りながら立ち上がり、クランプを睨みつけた。
生粋の事務系であり、武道派ではないクランプは、圧倒され後ずさるしかなかった。
その目は、明らかな憎悪に満ちている。

「アンタはガーディアンズその物を否定した、こいつの肩を持つってのかい!?」
「い、いえ、決して、そのような――」
「だったら黙ってなッ!
 アタシは総裁として、平和と共にガーディアンズを護らなくちゃならなんだ。
 そのガーディアンズをぶち壊そうとする奴は、容赦しないよ!!」
「……了解しました」

こうなれば最早ライアは止まらない。
クランプの疑問は加速していった。
一体、この男性とPMが何故そこまでしてライアを熱くさせるのだろうか?
いくら勤務態度の劣悪さ、PMの不忠義があるとはいえ、それは些細な事に過ぎない。
確かに罰する必要があると言えばあるが、そこまですると余計に他への示しがつかなくなる。
全体的に見れば、精鋭部隊――エリートハムスターと言われる者達も、お世辞にも態度はよろしくない。
報酬金額、武具を出し渋ればすぐにでも不満を漏らし、ボイコットを始めるからだ。
この男性を罰するならば、その精鋭部隊にも何らかの処罰をしなければならない。
たった1人のガーディアンズが対象となれば、嗅ぎ付けたマスコミが挙って好き放題書き始めるだろう。
総裁権限の私的利用、平等を謳う組織の不平等、それこそある事ない事、いくらでも。

日の浅い私には分からない。
しかしどのような理由があろうと、たった一度でも総裁権限の私的利用は非常に危険だ。
上記の通り、総裁自身の辞職どころかガーディアンズの存続の危機にだって発展しかねない。
それだけは何としても避けたい。総裁自身の為にも。

そう思ったクランプは、内密にライアと親しい人物との連絡準備を始めていた。
恐らく、教官だったレオよりも親しく、このPMを一番最初に『危険』だと判断した女性。
マヤ・シドウに……。
133Partner Crisis 14:2009/03/09(月) 01:02:16 ID:I0z7IQtU
「ふぅ〜。疲れたぁ」

宴の後と言うのは、凄い脱力感に襲われます。
好き放題騒いで、それでお終いではなく、後片付けが待っていますから。
413さんが酒の勢いで、ありったけ散らかしてくれた部屋を見ると――。

「……少し片付けさせてから帰せばよかったかな」

少し後悔。
でもあまり長居させて、あちらのマスターさんに来られても困るしなぁ。
450さんが来たら来たで、玄関先で大バトルされるのが目に見えています。
結局、叩き起こしてブツクサ文句を言われながら追い帰すしかないんですよね。
全く、人の部屋を何だと思ってるのかしら。

「ほら、さっさと片付けるぞ」
「あ、いいですよご主人様! 私1人でやりますから!」
「折角俺が手伝うと言うのだ、人の好意は素直に受け取れ」
「いたっ……は〜い」

ご主人様にぺしっとデコピンされながら、私は食器を重ね始めました。
部屋の片隅では、422さんが僅かな荷物を小型バックパックに詰め込んでいます。
特殊強化措置申請が通った事で、明日から個人の部屋を与えられるそうです。
食費は確かに浮きますが、いざとなるとちょっと寂しい気持ちになりますね。

「はぁ〜、しばらくはこんなご馳走ともお別れかぁ」
「422さんだって、PMなんだから作れる様になりますよ」
「そーいう問題じゃなくって、身寄りのないPMがイチから始めるのよ?
 教官ライセンスどころか、自分の生計から立てなきゃだからしばらくはねー」
「なるほど〜」

ガーディアンズは個人単位なら教習は自由ですが、いざ公式となると
教官ライセンスを持たない限りは、教鞭を振るう事を許されません。
422さんは自分の悲劇を伝える為に、ライセンスが必要な公式教官を目指しています。
特殊強化措置があるとはいえ、元PMが教官になれるかどうか?

「それに、今までご馳走になってた食費も返さないとね」
「あれ? 返してくれるつもりだったんですか?」
「何その私がロクデナシのゴクツブシってな反応!?」
「ほー、随分と高額になるが返せるのか?」
「ちょっとご主人さん、人の好意は素直に受け取るんじゃなかったの!?
 くっそー、見てなさいよ!? 絶対に高額取りになったるわい!」
「是非ともそうなってくれ、俺達の為にも」
「あはは、微妙に期待しながら待ってますね〜」
「もっと盛大に期待しなさいよ!? ったくもー」

バックパックをぱんぱんと叩き、荷物整理の終わった422さんがぴしっと起立しました。

「こーいうの、本当は明日にするべきなんだろうけどさ。
 涙のお別れって柄じゃないから、今言っちゃうね」

私達は手を止めて、422さんの言葉を受け取る為にその場に座りました。

「……2人とも、今まで本ッ当にありがとうございましたっ!」
134名無しオンライン:2009/03/09(月) 01:04:53 ID:I0z7IQtU
続きの投下也
リアルが忙しくなるわ、規制かけられるわで絶賛牛歩執筆中……
135名無しオンライン:2009/03/09(月) 01:28:57 ID:L885aN/W
まぁ乙だな
136名無しオンライン:2009/03/09(月) 22:39:28 ID:10EPO0Ff
>>134
投下乙であります。
しかし、クランプの持ったライアに対する疑問は俺も気になるな。
多分最後に解消されるとは思うけど、楽しみに待ってますわ。
137名無しオンライン:2009/03/10(火) 23:39:41 ID:+qZ303vB
138名無しオンライン:2009/03/11(水) 22:03:48 ID:wP8faoMn
お久しぶりです。そして投下します。

         ***

どうも、GH470ことエルヴィアです。最近のマスターの周りで起こった事を報告させていただきます。

         ***

「…………ふう」
ある日、マイルームに入ってくるなりため息をついたので、『どうしたんですか?』と聞いたところ……
「いや、実はね……これ」
そう言って、メセタカードを僕に渡しました。『記録を見てみなさい』と言われ、金額情報を見てみると……

え、えーと……いちまん、じゅうまん、ひゃく……

「ひゃ、百五十万メセタ!?ど、どうしたんですかこれ!?まさか、ローグスで違法アルバイトとかしたんですか!?」
「そんなんじゃないし、そんな事を言ったらそのメセタをくれた人に失礼じゃないの」
……へ?くれた?……こ、こんな大金をマスターに……?
「……何よその顔?」
どうやら僕の驚いた顔がかなり変だったらしく、マスターが少し睨みをきかせて僕を見た。
「いやね。本当はいらなくなった武器を貰うだけだったんだけど……」
マスターの話によると、ミッションを共にして親しくなった人に『レベルも上がったし、そろそろ新しい装備を買わないとねー』と愚痴っていた所。
その人が『使い古しでよければあげようか?』とマスターに言ったので、それならばとその人の好意に甘える事にしたようです。この百五十万メセタはその際に貰ったそうで……
「……『今後、A武器やS武器を買う時に大金が必要になるから。もし良かったらそのお金で装備を整えてくれ』って」
「……凄い人ですね。そんな大金をぽんとマスターに渡せるなんて……」
「あたしもさすがに『本当にいいんですか?』って聞いたわよ。そしたら、『ああ、俺は他人より欲が少ないからね。それに結構稼いでるからそんなに痛くないよ』って返されたわ」
……世の中にはさまざまな人がいるものです。そう思っているとマスターが、『でも、『だからって俺に頼ろうなんて考えるなよ?』って釘を刺されたけど。それは当然よね』と苦笑いで呟きました。
「では、この百五十万メセタは……?早速お使いになりますか?」
「んーん。全額貯金に回しといて」
マスターの反応に、僕は内心で『やっぱり』と呟きました。……この人は金銭関係には少々厳しい人なんです。言い換えれば『ケチ』なんですが。
「この百五十万は虎の子にするわ。……いい武器ばかり貰ったし、これでしばらくの間は食いつなげそうだからね」
と言って、僕のナノトランサーにその武器や防具をしまいました。……確かに全てAグレード以上、中には傷物とはいえ全強化されている物もあるのでかなり役立ちそうです。
「運が良かったわ、本当に。あんなに優しい人に会えるなんてね」
その後に装備できるものだけを取り出し、装備を変更しながらマスターが呟きました。
139名無しオンライン:2009/03/11(水) 22:05:58 ID:wP8faoMn
         ***

またある日の事。昼食時にマスターの好きなバーニングスパイシアを作っていたところ……。

「ぅええぇぇっ!?」

と、突然マスターが叫んだので何かと思えば、ビジフォンの前で固まるマスターがいました。画面には情報交換用掲示板、通称『Gちゃんねる』が表示されてました。
「……どうしたんですか、マスター?」
「あ、あたし……今更になってこの事に気付いちゃった……」
「何がですか?……あぁ、マスターの名前が実は某八月的な名前の会社の成年向けゲームのヒロインの名前と同じだった事にですか?」
「何よそれ?ともかく、あたしが気付いたのは……ウォーテクターは実はテクター系の職業だったって事よ!」

  …………

僕とマスターしかいない部屋に、沈黙の三点リーダーが生まれました。
「…………マスター?」
「何よ?」
「それ、本気で言ってるんですか?まだシガ・ツバカ(※1)には早いですよ?」
思わず目を点にしながらそう言ってしまった僕でしたが、マスターは本気だったようで。
「な、何よエル!そんな『まったく、だからビーストは脳筋だって言われるんだよ』みたいな目をしないでよ!
 そりゃ確かに『やけに命中低いなー』とは思ってたわよ!でも元々の特性だしまあいっかって気にしなかったけど!
 それに、A以上のヒット系ユニット装備してればそんなに気にならなかったし!」
「いや、気付きましょうよ。というか僕が最初に心配してたのはそこですから」
……マスターはどうも漫画やアニメに影響されやすい性質らしいんです。『Ep:X』にハマる前は『a guardian's Machinery』を読んでソード使いを目指したり。
見た目はちゃんとした大人のビースト(とはいえ一般ビーストよりは背が低い)なのに、心はまだ子供のままなようです。
「…・・・エル。あんた今あたしの事を馬鹿にしなかった?」
「いえいえ、気のせいですよマスター。それより、もうすぐバーニングスパイシアが出来ますよ」

  ……今日のバーニングスパイシアは、『ちょうどいい感じにめり込みそうな大きさの突起が生えたサボテチェアに勢いよく座ったような感じ』だったようです。

         ***

また書かせていただきました。
そしてまたもや人様の作品をタイトル改変してしまいました。412とご主人の作者様、すみませんでした。

注釈
※シガ・ツバカ……ND暦の四月一日は一日だけ嘘をついても許されるという昔からの行事
140近接遭遇1/5:2009/03/13(金) 21:14:21 ID:aJ25Gbte
「ご主人様!ご主人様!」
血の海に沈んだ男
男に縋りつき叫ぶPM
そしてそれを見下ろす男
男にとっては見慣れた光景、泣き叫ぶPMを見てふと思う
この男もPMに慕われていたのだろうか?と
答えを出すつもりはない、どのみちこのPMも直に後を追うのだから
既にこと切れた主人に泣きつくPMへ向けて右手のセイバーを振り上げ、振り下ろす
通信機を取り出し任務完了の報告を行う男
「こちら偏在する矛盾(ナイトメアパラドックス)、対象の死亡を確認した」
通信機をしまいながら煙草に火を点け煙と共に溜息を零す

「ほんと…毎度ながら嫌な気分だな、この仕事は」


「うう、流石に買い過ぎちゃったかも…」
私はGH-412、とあるガーディアンのパートナーマシナリーです
今日は買い物に来たのですが、ちょっと買い過ぎてしまいました
何しろアイテムパックに入りきらず両手で抱える程です
多すぎて前が見えませんが今更持ち直すのもめんどうなのでこのまま帰ります
何しろお茶もお茶菓子も切らすと女帝さんが煩くて…
さらに狂犬さんやGH-413さん、GH-450さん、GH-444さんと客人が増えて消費量も鰻登り
とてもじゃないけど自家栽培だけじゃ足りません
ああ、なんでこんな事になっちゃったんでしょう…
「きゃ!?」
「お?」
そんな事を考えていたからでしょうか
十字路で何かにぶつかってしまいました
男性の声の様ですが…荷物で見えません
体の向きを変えて横から見てみるとヒューマンの男性の方でした
「すいません、少々考え事をしていたもので」
一旦荷物を置いて頭を下げる私
荷物の持ち直しがめんどうでもきっちり謝りませんとね
「いや、こちらも考え事をしていたのでね、すまなかった」
そう言って苦笑いしているヒューマンの男性
あれ?この人以前GPSでご主人様と組んでた人だ
141近接遭遇2/5:2009/03/13(金) 21:15:28 ID:aJ25Gbte
「一人で買い物かい?随分な大荷物だな」
ヒュマオさんが荷物に眼を向けて聞いてきます
ええ、そりゃあもう大荷物ですとも!
「…ふむ」
「え?ああ、いいですよ!自分で持ちますから!」
ヒュマオさんが唐突に荷物を持ち上げます
「気にするな、荷物持ちはPMとの買い物で慣れてる」
荷物を抱えながら仰るヒュマオさん
「いえ…その、まだ買い物の途中でして…」
「…oh」
器用に片眉を上げてます

「すいません、すっかり手伝って貰ってしまって」
「ははは、気にするなって、どうせ暇だったしな」
恐縮する私に笑顔で手をひらひらさせるヒュマオさん
買い物を終え只今和菓子屋で休憩中
買い物をしてお茶と和菓子で一息…まるでデートですね
…どうせならご主人様としたかったなぁ
おっと、思わず溜息が出ちゃいそうでした
ヒュマオさんは喫煙所に張り付いてるので聞こえないとは思いますが
流石にここまで手伝って貰って溜息吐いちゃうのは失礼ですよね
時刻はもう直ぐ夕焼けが綺麗な時間ですし、早く帰らないと
私が立ち上がると既にヒュマオさんが荷物を抱えようとしていました
…いつのまに移動したんだろう
買い物中も…不意に後ろにいたりしてこの人は気配が読めません
どうやら十字路でぶつかったのも考え事をしていたからだけではないようです
本人曰く影が薄いんだそうですが…
ってそんな事より急がないと、女帝さん達がまた家探ししてるかもしれませんしね!
142近接遭遇3/5:2009/03/13(金) 21:16:14 ID:aJ25Gbte
そして私達は今マイルームにてお茶を満喫しています
遠慮するヒュマオさんを説得するのに苦労しましたが…
こういう奥ゆかしさは何処かの誰かさん達にも見習ってほしいですね
夕日に染まる庭を眺めながら静かな一時を過ごす私達
不意にヒュマオさんが尋ねました
「そう言えば、君の主人は?」
「ご主人様は日課の修行です」
「ほう?」
「ご主人様はソードのみで戦い抜く為に日夜修行に励んでいるんですよ」
「成程」
この人もご主人様の事を理解しない人なのでしょうか?
ふと、そんな事を考えます
「言い方が悪いかも知れないが、凄い人だな」
「へ?」
「この御時勢にソードのみなんて余程拘りが無きゃやってられないだろう
 凄いと言うか偉いと言うか…適当な言葉が思いつかないな
 只、そういった拘りを持ってない俺には、拘りがあるだけでも尊敬に値する」
珍しくご主人様の拘りを理解しくれる人です
この人ならご主人様の友人になれるのかも?
既に一回は会ってますしね…覗き見なので言いませんが
「そう言って頂けると私も嬉しいです
 ライア総裁なんてまるで理解してくれなくて…
 あろう事かご主人様をイルミナスと変わらないなんて!
 まったく…あんな人が総裁だなんて
 ガーディアンズもガーディアンズです
 あんな人を総裁にした事もそうですが運営方針が酷すぎます!
 数々の不祥事でどれだけの人がガーディアンズを辞めていったか…」
あ、思わず愚痴になっちゃいました
ヒュマオさんが興味深そうにこちらを見ています
「君は…ガーディアンズに反目的なんだな」
!?…あっちゃあ、つい口が滑って…
人には言わない様に気をつけてたのにいいいいい!!
「ま、そんなPMもいるもんだよな」
「へ?」
「いや、俺もPMに結構どつかれたりするんでね…
 PMが主人に絶対服従じゃないんなら、ガーディアンズにだってそうだよな、とな」
苦笑いしつつ言うヒュマオさん
よ、良かった…変に思われたりはしてないみたい
143近接遭遇4/5:2009/03/13(金) 21:17:00 ID:aJ25Gbte
それでも一応言っておかないと
「あの、今の事は…」
「ん?」
「今の事は内緒にしてくださいね?」
「ほむん…訳在り、かな?」
「少々複雑でして…」
「まあ、良いだろう…隠す様な事かは知らんけど」
肩を竦め笑うヒュマオさん
良かった、これ以上変に騒がれるのはごめんですからね
ご主人様に迷惑をかけかねませんもの
「しかし、だ」
ヒュマオさんが急に真面目な顔で話し始めました
あ、真面目な顔になると結構かっこいいかも
眼鏡も知的な感じが…ってそうじゃなくて
「ガーディアンズは今の世界に必要だ
 例え…どれ程悪質な運営方針であっても、な」
「悪質な運営方針でもですか?」
私には歪みの原因にしか思えないんですが…
「少なくとも現在でもガーディアンズを継続している人達はいる
 その人達には必要な存在だよ
 誰も必要としなくなれば勝手に消滅するさ」
「でも!そのせいで大勢の人達が苦しんできたんですよ!
 今も苦しんでる人達が…その人達と引き離されて苦しんでるPMがいるんですよ!!」
思わず大声になる私、女帝さん達の話を聞くまでも無く
帰らぬ主人をマイルームで待ち続けるPMを見てきました
事の張本人であるガーディアンズを肯定なんてできません!
「まあ落ち着いて、取り敢えず座って一口飲んで落ち着こう」
あう、無意識の内に立ち上がってました
座り直してお茶を一口、少しは冷静になれたかな?
私が落ち着くのを待ってからヒュマオさんが話を続けます
「確かにガーディアンズは問題が山積みだ
 だが、先程も言った様にそれでも続けてる人々がいる
 それを無くす訳にはいかないさ
 こんな世界でも、守ろうとしてる人達がいるんだよ
 ガーディアンズも同じさ」
「でも!」
「君の主人は己の拘りを貫く為に日夜修行している
 それは誇りを守る為に戦うという事だ
 世界を守る、組織を守る、誇りを守る、どれも同じ事だよ
 自分の守りたいモノの為に戦っているだけさ」
144近接遭遇5/5:2009/03/13(金) 21:17:31 ID:aJ25Gbte
ヒュマオさんの話は解ります…解りますが納得はできません
「まあ、都合や立場が違えば主張も変わるって事で」
表情に出ていたのでしょうか
ヒュマオさんが宥める様に声を和らげました
真面目にしていたのを誤魔化す様に微笑んでいます
「あんまり、こういう話は好きじゃないんだがね…」
そう言って庭に歩いて行きました
大分暗くなってきた庭の木々を眺めながらヒュマオさんは話します
「俺には仲間がいる…その仲間達は本気で世界を守りたいと思ってる
 そして、その為にガーディアンズにいる
 俺には貫く様な拘りも無い、別に世界が滅んでも構わない
 それでも、本気でこの世界を守りたいと思ってる人がいるなら
 その手伝いくらいはできる
 世界を守る道と信じて戦った帰らぬ仲間の為にも、今も戦い続けている仲間の為にも
 今はまだガーディアンズが必要なのさ」
「その為に、これからも苦しみ続ける人達がいたとしてもですか?」
「それは許容してはいけない問題なんだ
 だが、俺には変える力なんて無い
 だからできるのは…変えられる人達が現れるまでの維持だ」
「維持、ですか?」
「変えようとしている人達は嘗てもいたし、今もいる
 変える為には無くなってちゃ駄目だろ?
 だから維持するんだ
 …或いは、ガーディアンズを変えるのはガーディアンじゃないかもな」
「へ?」
「君みたいに、そう…規格外なPMってのは色々知っててね
 或いは彼等がガーディアンズを、世界を変えるかもしれない
 そうやって期待してるのが俺の精一杯だな
 …尤も、俺は希望を摘み取る側か」
「え?」
「ん、何でもないさ、ちょっと話し過ぎたか
 すっかり長井しちゃったな、そろそろお暇しようかね」
振り返ったヒュマオさんは笑っていました
笑っていましたが、寂しそうな笑顔でした
「それじゃあこれで、お茶御馳走様」
「はい、また来てくださいね」
「気が向いたらそうさせて貰うよ、君の主人によろしく」
ヒュマオさんは笑顔で帰って行きました
なんだか久し振りに良いお客さんだった気がします
あ、夕食の準備がまだだった!
…どうしよう?
145名無しオンライン:2009/03/13(金) 21:20:38 ID:RMdohIqK
今回も実に不快な内容だった
146名無しオンライン:2009/03/13(金) 21:22:25 ID:aJ25Gbte
お久しぶりですこんにちは
何だかヒュマオが自分のPMと絡む事が少ないヒュマオとGH-413作者です

今回はちょっとヒュマオの立ち位置を示しておきたかったので
珍しくヒュマオがべらべらと喋っておりますが本人です
赤の他人じゃありません

ビス男と412さんも色々とリアル都合があるだろうけど楽しみにしてまっせー
147名無しオンライン:2009/03/13(金) 23:56:52 ID:wU41OLUV
>>146
乙です。
ガーディアンズの変革を望みつつも、
裏家業として異端な物を抹殺していくってのは
辛いだろうな〜

はたして規格外のPM達はガーディアンズを変える力になりうるのか・・・


>>145
ライア総裁、こんな所にいたんですか?探しましたよ〜
148名無しオンライン:2009/03/14(土) 00:59:29 ID:puv4xRXA
俺様設定優先させ過ぎでなんかもう駄目だ
149名無しオンライン:2009/03/14(土) 04:41:50 ID:n9yx0Fmy
俺様設定というかこのスレの設定というか
150名無しオンライン:2009/03/14(土) 08:42:06 ID:XcGeVDTo
新規お断りはPSUの華
151名無しオンライン:2009/03/14(土) 09:51:53 ID:rZa2I1FL
>>145,148
公式設定にない物=俺様設定だし
人によって好みが分かれるのは仕方ない事なので
ただ漠然と愚痴るんじゃなく
「俺は○○の××の所が駄目だと思う」
「俺は△△の□□が不快だった」って形で
自分はこう思っているとコメントした方が
その作者にも自分の意見が伝わるし
それによってより良い作品が出てくると思うんだが、どうだろう?

>>149も言ってる通り、このスレ設定は存在する
ワンオブサウザンドなんかがそうだな
今ではこのスレ設定になってると俺は思うし、
その設定を好む人、好まない人がいるだろうとも思う

コメントして、それでも自分に合わない作風なら
その作者の作品は読まないか、自分で作品を書くしかない
すべての読み手が好む作品なんて、誰も作れないよ


>>150
本家ゲームには新規お断りっぽい風潮があるにしても
このスレまでそれに合わせる必要はないぜ〜

152名無しオンライン:2009/03/14(土) 11:02:14 ID:mk2ySBgp
俺様設定をスレ設定にすり替えてそれを嫌う読み手・書き手を排斥した結果がこれさ
153名無しオンライン:2009/03/14(土) 14:39:46 ID:sU240KU9
>>152
嫌なら読まなきゃいいだけだろ。それか自分で作るかな。
お前さんの主張はただでさえ少ない書き手を萎縮させてスレを衰退させるだけだと気付いてくれ。

気にしないでどの作者さんも頑張ってくれ。
154不良品の役目(後編) 1/5:2009/03/14(土) 15:51:59 ID:JKBFChPO
獲物は、意外にあっけなく見つかりました。
モトゥブの荒地に無数に点在する、大岩の一つ。
その中腹に空いている穴の奥に輝く、何対かの丸い光。
「渡りラプチャ」の雛に違いありませんでした。

手を伸ばせば届く程度の穴の奥で、彼らは鳴き声も上げずにじっと、
こちらを見返してきます。
まだ雛だけあって、とても小さく、そして可愛らしい姿でした。

この小さな生命を、私は自分の都合で摘み取ろうとしている。
一旦はご主人様のためと決意して来た私ですが、
ここに至って大きな迷いが生じます。

そこへ、渡りラプチャの親鳥が帰ってきました。
本家ラプチャより大分大きい翼を広げ、必死にこちらを威嚇してきます。

その気になれば、この程度の原生生物の一匹や二匹、倒せない私ではありません。
ですが、子供を守ろうと懸命になっている親鳥の姿を見て、
私は自然、後ずさりをする形になっていました。

私のご主人様を思う気持ちと、親鳥の子供を思う気持ち。
そこに、何の違いがあるでしょうか?
私に、この親鳥の気持ちを踏みにじって自分を通す、どんな権利があるでしょうか?

気がついたら、私は巣に背を向けて、一目散にその場を離れていました。

ひとしきり走った所で、足を止めます。
手近な小岩に腰を下ろし、空を見上げると、満天の星空が広がっています。

あの星々と同じように、この地上には無数の生命が存在します。
大きさや光の大小はあろうと、一個の存在であることに変わりはありません。
造り物のPMである私に、その一個の存在を勝手に摘み取る、
どんな正義もあるものではなかったのです。
155不良品の役目(後編) 2/5:2009/03/14(土) 15:53:12 ID:JKBFChPO
「申し訳ありません、ご主人様。私には…できませんでした」
これからご主人様に告げるべき言葉を、そっと呟いてみます。
彼は、そんな私の言葉を聞いて、どんな反応をするでしょうか?
私は、想像してみました。

しばらくの沈黙の後、寂しそうに微笑んで、私の頭に手をのせる。
『君のせいじゃないよ』優しく慰めの言葉をかけ、背中を向ける。
そして、ベッドに横たわる彼女の亡骸に声一つかけないまま、じっとたたずむ。
暗い部屋に映し出される、その後姿。無力感に打ちひしがれ、小さく見えるその背中。

私は、我知らず立ち上がっていました。

例えば、あの星々の一つが輝きを失ったとして。
空全体にとっては、何ほどのこともないかも知れません。
同じように、あの小ビーストの彼女が亡くなったとしても、
地上全体にとっては鳥一匹の命の重みと何ら変わることはないでしょう。

でも、ご主人様にとってはどうでしょうか?
その星の輝きなくしては決して輝くことのできない星があるように、
ご主人様も彼女の命と共に、永遠に輝きを失うかも知れません。

そして、そんなご主人様の元でしか生きられない私は。
輝きを失ったご主人様の元で、どのように生きていけばいいというのでしょうか。

不良品と自らを蔑むようなことを口にしながら、まだ私は恐れていたのです。
この手を汚すことを。自分を支えるあらゆる正当性を失うことを。
正しい、正しくないは関係ない。ご主人様がその輝きを取り戻すか、失うか。
それが、私の全てだったはずなのです。

脳裏に浮かぶ、あのけなげな親鳥といたいけな雛鳥の姿。
そのイメージを、ご主人様の寂しげな背中で塗り潰し。
私は、鬼になりました。
156不良品の役目(後編) 3/5:2009/03/14(土) 15:54:24 ID:JKBFChPO
明け方近くになって、私はご主人様の元に帰り着きました。
最初、私の姿を見たご主人様はぎょっとした様子でしたが、すぐに察したようでした。

返り血にまみれた姿。虚ろな目で差し出す手に握られたもの。
何を手に入れ、何を失ったのかを。

私は目を伏せたまま、成り行きに身を任せました。
ご主人様の怒った顔を見るのが、辛かったのかも知れません。

しばしの時をおいて、暖かな手が私の手を包むのを感じました。
「後は、任せて」
表情は伺いませんでしたが、ご主人様の穏やかな声に、ほんの少し安心しました。

その、翌日。

「おかげで娘は助かった。…が」
ご主人様と私は、彼女の父親の前に並んで立っていました。

「保護指定生物を狩ることは、ガーディアンズでも禁止行為となっている筈。
その禁忌を破った罪は逃れられるものではないことは、分かっているね?」

もしかしたらという期待がないわけでもありませんでしたが、
やはりこの方は今回のことを見逃すつもりはないようでした。

「そこで、問題なのだが。これは、君の命令でやらせたことかね?
それともこのPMが、独断でやったことかね?
君の命令ならば、当然君もこの罪を免れることはないが、PMの独断ということなら…。
この件は、一体の故障したPMが引き起こした、事故ということになる」

ほぼ、私の想定した通りの運びとなりました。

「よく、考えて答えなさい。君の未来に大きく関わることだ」
言葉の端々に、ご主人様の悪いようにしたくないという気持ちがうかがえます。
この方も、娘さんを助けてもらった恩は感じているのだと思います。
立場上今回のことを見逃すことはできないが、何とかご主人様を助けたいという気持ちが、
この一言に表れていました。

いよいよ、お別れの時がやってきました。
私は何もかも失うことになりますが、たった一つの大事な物は。
守れた、はずでした。
157不良品の役目(後編) 4/5:2009/03/14(土) 15:56:00 ID:JKBFChPO
「僕の、命令です」
私も、父親の小ビーストも、一瞬ご主人様が何を言ったのか分かりませんでした。

「そ、それは…本気で言っているのかね」
父親の狼狽した様子よりもさらに、私自身が戸惑っていました。

今回のことは、紛れもなく私の独断です。
ご主人様は、ただ事実を言えばそれで済む。そのはずだったのに。

「いいかね。君は確か、今度医療研究部の室長に就任するはずだ。
PM一体と引き換えにするほど、軽い任務ではないと思うのだが」

父親は、ご主人様の命令か否かは半信半疑といったところですが、私は知っています。
ご主人様が、嘘をついていることを。

「ご主人様。そのような嘘をついてまで、私をかばっていただくことは」
そこまで言って、私はご主人様に手で制されました。

「僕の命令であることは、事実です。そこから、逃げるつもりはありません」

そこで、話は終わりました。

彼女と彼女の父親の邸宅を出て、ご主人様と二人になってから、私はようやく口を開きました。
「何故…あのような嘘を」

そんな私に、ご主人様はいつもの穏やかな表情で答えます。
「いや。嘘じゃないよ」

この期に及んで、と私はこの時ばかりは呆れる気持ちがもたげました。
しかし、その後のご主人様の言葉に、私は逆に胸を衝かれました。

「僕は、君に命令したんだ。ただ、言葉で伝えず、僕が自覚していなかっただけなんだよ。
僕は、君にあんな姿を見せちゃいけなかった。
君の気持ちを知っていながら、あんな弱々しい姿を見せた。それは、命令したと同じなんだ」

「わ、私の気持ちって…まさか」

「主人として、PMのそういう気持ちに答えることはできないと思っていた。
それを、はっきり伝えないまま彼女と結ばれようとしたことが、全ての原因なんだ。
悪いのは、君じゃない。全ては…僕の責任だ」
158不良品の役目(後編) 5/5:2009/03/14(土) 15:58:14 ID:JKBFChPO
結果から言うと、ご主人様はガーディアンズを追われることはありませんでした。
しかし、モトゥブでの栄転の道は断たれたので、パルムで一からやり直すことになりました。

私が不良品か否かについては、ご主人様から否定されました。
「PMのそういう感情を否定する権利は誰にもない。受け入れるかどうかは、各々の主従の問題だよ」

そういう意味では、私は完全に「失恋」したことになるのでしょうか。
それでもご主人様は、私がPMとしてご主人様に仕え続けることを望んでくださいました。
私に否やはありませんでした。
恋人としてでなくとも、ご主人様の傍にあり続けられるのならば。

ご主人様についてパルム行きの便に乗ろうと、私はスペースポートへの道を急いでいました。
あまり急いでいたので、正面に現れた人影をよけきれず、荷物ごとぶつかってしまいました。

「大丈夫?」
うつぶせに倒れた私を助け起こしてくれたのは、眼鏡をかけた理知的な女性でした。
差し伸べた手の感触同様の柔らかで落ち着いた物腰に、ちょっとした憧れのような感情を一瞬抱きました。

「貴方…PMね。ご主人様の姿が見当たらないようだけど」
「ご主人様は、この先で待ってらっしゃる筈です…って、PMという言葉を知っているということは」
「ええ。私もガーディアンだったの。元、ね。今は、違う所にいるけれど」

その女性は、私が散らかした荷物を片付けるのを手伝いながら、ふと尋ねてきました。
「ねえ。貴方のご主人は…いい方かしら」
「え?」
「私は…きっと、いい主人じゃなかったと思うわ。
結果的に、あの子を置いていくことになったし、それでいて一方的に約束をして…勝手な主人ね」

彼女の真意が分からず、どう声をかけていいか考えているうち、荷物の片づけが終わっていました。
「どうもありがとうございました。あの…モトゥブへは、着いたばかりで?」
「ええ。任務でね。ちょっと嫌な感じはするけど、命じられた内容は大事なことだから」
「?よく分かりませんが、がんばってくださいね」
「ありがとう。そちらこそ、よい旅を」

その女性とは、それきり顔をあわせることはありませんでした。
ただ、思いがけないところで、もう一度彼女の顔を見ることになったのです。

モトゥブで起きた、大規模なSEEDフォーム化事件。パルムについて間もなく、私達はそれを知らされました。
見覚えのある、実行犯の顔写真と共に。
私達がモトゥブを発って、数時間もしないうちのことでした。
159名無しオンライン:2009/03/14(土) 16:11:02 ID:JKBFChPO
少々空気を読んでいない気もしましたが、「不良品の役目」後編投下です。

いい加減「新規」の枠には入らない程度の投下数には達していると思いますが、
まだまだこのスレ独自の設定は把握しきれていない状態です。
もしかしたら、そういった設定を踏みにじるような作品を投下する結果にならないか、
という不安はありますが、自分なりにやっていこうと思います。

ワンオブサウザンドの絡みを書くことにも少々興味がありますが、
何しろ存在感が大きいようなので扱いを間違えてはと二の足を踏んでいる現状です。
160名無しオンライン:2009/03/14(土) 21:38:34 ID:WHrI+Fab
>>153
正直、その意見はどうかと思う…

長編設定がスレ設定になってるなんて知らなかったよ
最近どうも書きづらいとは思ってたけど、そういう事だったんだな
161151:2009/03/15(日) 01:30:28 ID:dNSxq6zU
>>160
>長編設定がスレ設定
何かスレ設定、俺様設定って言葉自体が漠然としていて、
混乱しているような気がする
ってか、俺が混乱している
俺は以下のように考えていたから>>151を書いたんだけど、間違ってる?

俺様設定=ある作者が自分の話を進める上で考え出した設定
       ぶっちゃけ、公式設定以外全般

スレ設定=ある作者の考え出した設定が話を考える上で使いやすい設定であった為
       他の作者もその設定を使用していき
       結果的にパシリスレで暗黙の了解みたいになっている設定
       ただし話を考える時、必ずその設定を使用しなければいけないという
       強制力がある訳ではない

誰に対してか分からない愚痴のコメント
すべての作者が俺様設定全快だと思わせるようなコメントが書いてあったので
自分の意見を述べてみたんだけど、不味かったかなぁ・・・
162名無しオンライン:2009/03/15(日) 04:02:28 ID:K1iqaDoZ
>>161
解釈はそんなんでいいんじゃない?
俺もそれは間違ってないと思うし、二次創作ってのはそーいうもんだろう

更に簡潔に言うなら
俺設定=文字通り、独自の設定
スレ設定=書き手の裁量で流用が可能な、スレ発祥となる独自の設定(長ぇな)

言うまでもないだろうけど「俺様設定」ってのは相当に皮肉が入ってるよね
読者を置いてけぼりにするような独自の設定に頼りまくるのも
どうかっつーのは分からんでもないけども

個人的には既存のキャラとストーリーへの干渉ってのが一番気になる部分だ
自分のキャラと何ら変わらないようなスケールのキャラを動かした方が
読者の共感を得られやすいんじゃないかな、と思ってるよ

具体例を挙げると、俺は飯店のヒュマ助が一番好きだな
あのキャラには等身大のガーディアンってものが感じられる
163名無しオンライン:2009/03/15(日) 06:42:49 ID:n9G9FBTe
長編推奨で、長編作者のキャラかネタを使わないといけない様な空気があるのは確か

ぶっちゃけ1レス縛りか3レス縛り、続編ネタなしが個人的にはいいけど恐らく賛同者はゼロだろうな
前提が多すぎてついていけない
164名無しオンライン:2009/03/15(日) 07:37:41 ID:K1iqaDoZ
>>163
確信を持って言ってる所で悪いんだが、俺はそんな空気一度も感じたことないぜ
言葉が悪いのを承知で言うが、俺には被害妄想、強迫観念といったものにしか見えないわ
165名無しオンライン:2009/03/15(日) 11:54:39 ID:LPW4frmQ
俺も>>164と同意見
今までも何度か似たような流れになったけど
元々ここは「書きたいように書く」「読みたいように読む」場所だったはずだよ

書ける空気じゃない、ってのは単に創作意欲と自分が納得出来るネタが出て来ないだけじゃないかい?
俺はもう書いてないけど、どんな設定のどんな話でもアップされれば楽しみだし全部読んでるよ

気負わずやろうよ
166名無しオンライン:2009/03/15(日) 13:21:11 ID:t8VFOhCd
長編だけがいい人とか短編だけがいい人とかは、ほとんどいないと思う。
どっちもあっていいし、どっちもあって欲しいという人がほとんどでしょ。
気にせずネタができしだいどんどん投下してほしいな。
他の作品や関係ない雑談に流される危険は短編、長編どっちにもあるさ・・・
167名無しオンライン:2009/03/15(日) 20:18:37 ID:n9G9FBTe
じゃ単発短編でも全然いいのかな?
会話保守の形で作品の感想を言う形が大好きだったから、アレがなくなったのが寂しくてさ
168名無しオンライン:2009/03/15(日) 20:34:41 ID:2BN5dCiu
一部にそれを嫌う書き込みがあったのは事実だが、まったく問題ない
「書きたいように書く」と「読みたいように読む」は鉄板だろう

後はまあ

  ( ゚д゚ )<倫理的におk
169名無しオンライン:2009/03/15(日) 20:53:40 ID:PITm3M07
>167
むしろ望むところじゃないのかな。
書き手さんだってスルーされるよりはどんな形であれ感想言ってもらう方がいいだろうし。

確かにそういうのが嫌いな人がいたかも知れないけど、
それは「長編はダメ」とかいうのと同じ一意見であって、スレの総意じゃない筈。
時によって長編、短編、或いはエッセイと偏りはあっても、自由にやっていいと思う。
170名無しオンライン:2009/03/16(月) 02:53:15 ID:MMm77it3
>>167
俺も好きだった
前スレだとけっこうあったのに残念だ
ほぼROM専だが単発短編も大作長編も会話保守も大歓迎
171名無しオンライン:2009/03/16(月) 03:27:50 ID:sILPcLl3
何日もかけて投下された大作への感想よりもたかが数回程度の批判に対する反応の方が多いという・・・
過剰反応ってこういう事を言うんだろうな、みんなあれこれ気にしすぎじゃね?
172名無しオンライン:2009/03/16(月) 07:10:52 ID:lxLSg4an
ごもっともだけど、実際盛り上がってしまってるからねえ。
こういう時に投下して流されちゃった人には気の毒だけど、運が悪かったとしか。

嫌いな作者を排斥したい場合には、下手な叩きよりも有効かも知らんね
173名無しオンライン:2009/03/16(月) 10:10:43 ID:GQrICEIQ
戦乙女長編のように別UPという手もあるし、保管庫もあるからな
なにやってもなにか書かれるんだからそのへんは覚悟しとかないと
174閑話休題:デザコン:2009/03/19(木) 21:08:57 ID:kBoHA8FO
412 「ご主人様〜、アイテムデザインコンテストらしいで――」
主人「全く持って興味なし」
412 「最後まで聞いてくださいよー!
     入賞した場合、各企業が実際に開発を検討してるそうですよ?」
主人「ほーう?#ピクッ
     そうと聞いたら黙ってはおれん、紙と筆を持って参れ!」
412 「はーい」

- 数時間後 -

412 「ご主人様!」
主人「うむ」
412 「フォトン無使用武器ばっかりです!」
主人「開発は絶望的だな。しかし刀の反りはこうでなくてはならん!」

412 「私はこんなのが絶対1つありそう、というのを描いてみました!」
主人「どれどれ。まずは……天使の羽根状シャドゥーグとはまたありきたりだな」
412 「はい、種運○的なのは欠かせないと思いまして」
主人「その次は――何だこれは?」
412 「ソダ・マリーヤです」
主人「ただのマヤ人形だろうが、こんな物担いだら趣味を疑われるわ!
     いや、この時点で俺はお前の趣味を疑いたい!
     そして何気に本格的にテノラ風名称を考えているとは、本気作品だな!」
412 「胸の部分でぶん殴るんです! 憎しみを込めて!」
主人「一部にはウケるだろうが、言ってて悲しくないか?」
412 「……っく、胸なんて飾りですッ!」


なかなか筆が進まん気晴らしに、旬のネタで早速単発行ってみた
これを切欠にフォトン無使用武器が出来りゃいいなぁ。無理だろうけど
175名無しオンライン:2009/03/19(木) 23:28:42 ID:t/kR0vub
デザインコンテスト……そんな物があるとは……

主人「デザコンらしいわよ、エル」
エル「それがどうしました、マスター」
主人「ぶっちゃければ>>174みたいな感じらしいわ」
エル「えらく適当ですね」

      間

主人「出来たわ」
エル「何ですかこの『ぼくのかんがえたあくまちょうじん』みたいなのは」
主人「歳がばれるわよ。それに無理に知らないネタをやらないの」
エル「ですが……この、どう見ても某ガンブ○ードです。本当に(ry的なデザインは……」
主人「馬鹿ね……銃と剣の融合は男なら一度は憧れるでしょう!?」
エル「マスターは女の方でしょう!?それにZEROでガンスラッシュが出たでしょう!?」
主人「……なぜ二回言う」
エル「ともかく、もうちょっとマシなのは……あ、打撃できる杖、ですか?」
主人「ええ。WT専用武器。打撃と法撃を兼ね備えたスペシャルウェポン!」
エル「それはすごいじゃないですか!」
主人「……ただしリンクできるテクニックは1だけど。それに、打撃でPP回復しないけど」
エル「うわ……」
主人「これくらいしないとソニチは作ってくれないかもね……」

>>174のビースト氏へ
散華夜叉が……いえ、なんでもないです。

同412女史へ
た、種デスだと……!?そしてそのオパーイへの反逆心はベネだ!
176名無しオンライン:2009/03/20(金) 01:05:48 ID:x+RDBnu3
また散華しか見つからないんですねわかります
177名無しオンライン:2009/03/22(日) 02:31:00 ID:FGQEo7DJ
保守
178名無しオンライン:2009/03/24(火) 01:02:23 ID:ckWTowWa
御主人「デザインコンテストだそうだ。440」
440「何だか久しぶりですね。御主人」
御主人「気にするな440。ところでアイディアがあるのだが」
440「はあ…何でしょうか御主人?」
御主人「PMが巨大武器に変形。その名もファイナル・アタック・パシリ」
440「… … …」
御主人「410なら巨大ソード。420ならハンマー。もちろんお前はキャノン砲だな」
440「… … …」
御主人「これならSUVのない種族も安心…どうした440?」

440「…ちょっと、くすぐったいぞ…」
御主人「や、やめ…ぎゃあああああああぁ!」
179名無しオンライン:2009/03/25(水) 00:02:05 ID:/mB70cB+
主人「う、うふふふ、うふふふふふふふ……」
エル「何ですか、不気味な笑い声出して」

主人「WTでダブセが使用可能になったのよぉ――――――!!」

エル「……はあ、それが何か?」
主人「何かじゃないわよ。さっきGちゃんねるのWTスレ見てたらこんな更新があったのよ!」

ttp://phantasystaruniverse.jp/news/wis/?mode=view&id=860

エル「……確かに、『ウォーテクター、ガンテクターはダブルセイバーをAランクまで使用可能にします』とありますね」
主人「これで私もヴィヴィアンを使えるのね……!」
エル「あ、そこですか」
主人「だってヴィヴィアンとの思い出の武器なのよ。あの子と過ごした日々を思い出すわ……」
エル「マスター、その発言はタイムパラドックスになりますから!」
主人「そして、マジャーラとパラディの弱体化。……チッキの悪夢再びね」
エル「トルネードダンスも飛距離が落ちるらしいですね……」
主人「そして、ヴィヴィアンの武器変更……!間違いなくヴィヴィアンフラグね!」
エル「とりあえずタイムパラドックス的な発言はやめてくださいね」

コミニティーコースも来るようですし、コミニティーコースをちょっと体験してきます。
ちょうどライセンスが切れるのがメンテの翌日ですから。
180名無しオンライン:2009/03/26(木) 14:51:18 ID:gqCyNrFW
>>178
パシファイターデンドック、か

複数のパシリが合体して使える技もありだな…
181名無しオンライン:2009/03/26(木) 22:54:37 ID:GeyDLXIM
>>178
なんというFAP
じゃぁ490とかは何になるんだろう・・
182名無しオンライン:2009/03/27(金) 11:11:15 ID:KUTI7GXi
>>181
きっとこんなかんじ

「ファイナル・アタック・パシリ…ブ・ブ・ブ・ブ・ブルアァ!」
ガゴガガガキ!(某TF効果音)
SEED490「ヒャーッハッハッハッハッハ! メェキドォフガ!」
183名無しオンライン:2009/03/30(月) 19:14:07 ID:CDkM9S4l
お久しぶりです。規制くらって延期時に書き込めなかったorz

エル「ようやくアップデートですね。26日の一回目のアップ直後にキャラ過去を再発された時はマスターも飲んだくれてましたが」
エル「でも、ソニチらしからぬ迅速な対応ですぐに二回目が来たのでこれで一安心です。ねえ、マスター」

主人「( ´A`)」

エル「って、どうしたんですか!?」
主人「( ´A`)ヴィヴィアン……」
エル「……ヴィヴィアンさんがどうかしましたか?」
主人「( ´A`)何でPS2だとヴィヴィアンのグラフィックが表示されないんだろう……」
エル「そ、それは仕方ないですよ。中の人のPCが旧式のポンコツなんですから……」
主人「……エル、ちょっと待ってなさい」

   *それからどしたの*

主人「おk、準備完了」
エル「それってまだポータブルでしか実装されていない450オッソリアじゃないですか。しかも何故か右腕だけ410オッソリア……」
主人「コスプレ集会の時に作ったのよ。パシリの服は慣れれば作るの簡単だし」
エル「言われてみれば生地が安っぽい……じゃなくて!どこに行くんですか!?」
主人「ちょいとGR……ゲフン、ソニチに特攻するだけさね」
エル「似てないし意味がわからない!それに元ネタがごちゃごちゃになってますよ!?」
主人「ふん、なんとでも言うがいいさ。アタシャ売られた喧嘩は必ず買う性質なんでね」
エル「だから似てません!というかそんな事したら方々から怒られますから!」

……とまあ、個人的に悲しい出来事でした。単なるプログラムとかの問題であって、PS2民への嫌がらせではないことを祈りたい。
小ビス子の方、そして日付の方にはこんなネタの使い方をしてしまい申し訳なく思っております。
184名無しオンライン:2009/04/04(土) 01:16:52 ID:UMWb2Ea4
保守。
それにしても早くオッソリア出ないかな。
185名無しオンライン:2009/04/09(木) 00:42:22 ID:fHY7qMz+
保守。
オソッソリア配布予告来た。
186名無しオンライン:2009/04/15(水) 01:05:49 ID:cdIIAI0V
むう・・・最近ここも過疎ってるのかな・・・
187名無しオンライン:2009/04/20(月) 13:52:06 ID:hCrhqgSf
普通に保守
188名無しオンライン:2009/04/26(日) 21:14:02 ID:tFPmaucz
なにはともあれ、保守
189名無しオンライン:2009/05/01(金) 11:41:35 ID:ISVVTcGc
トラスティパートナーとかいうのがあると聞いた

一体どんな効果なのだろう
190名無しオンライン:2009/05/01(金) 13:29:49 ID:WGF5BFWz
トラスティの効果

本命:NPCの能力(主に攻撃力)上昇

大穴:NPCのフキダシ台詞が変化しカスタムLVの上昇により内容が変化します
191名無しオンライン:2009/05/01(金) 16:59:27 ID:ISVVTcGc
>>190
タイプカスタムに次いでパシリカスタムの時代か

まさにカスタム少女
192名無しオンライン:2009/05/01(金) 17:13:02 ID:HfWD2BVS
トラスティを取得すると
戦闘経験値やプレイ時間で
マシナリーとのイベントが発生!
戦闘中のセリフはもちろん
マシナリーにプレゼントを買ってあげたり
パルムの喫茶店でデートや
夏の海岸エリアを散歩(PCユーザーのみ水着グラフィックに)
クゴ温泉で混浴イベント

最後のダルガン展望台で告白イベントは必見

・・・なんちゃって
193名無しオンライン:2009/05/03(日) 14:25:56 ID:4quYnTyR
それなら俺来月以降も課金していいぞw
194名無しオンライン:2009/05/03(日) 17:02:50 ID:FoKX5BDD
展望台の崩れかけた東屋で、その子は主人を待っていた。
この日の朝には帰るはずの主人であった。
それが三つ目の朝となり、四つ目の夜が来て、
五つ目の朝が雨だった。

涙隠して 人を斬る
帰りゃあいいが 帰らんときゃあ
この子も雨ン中 骨になる


最後のイベントなんだけど・・・ごめん、ライセンス切れちゃった。
195名無しオンライン:2009/05/03(日) 17:31:31 ID:3wfrRxI4
トラスティの効果
・マイルームでプレイヤーの呼び名を変更できます。
・マシナリーに指示する事でロビーアクションをしてくれます。
・マシナリーのコスチューム(課金)を変更できます。
・マイルーム入室時に、プレイ時間や戦闘経験値で様々な発言をします。
・合成時のセリフがかわります。

いかがでしょうかお客様
196名無しオンライン:2009/05/03(日) 21:18:23 ID:cnhfRzrB
>>195
よろしい。続けたまえ
197名無しオンライン:2009/05/03(日) 22:39:52 ID:gSEaap5P
効果追加
・1日一回「学習」のコマンドが現れ
ヴィヴィアンのような質問項目に答えることで応対や態度が変わります。
【最強の武器って何でしょうか?】など簡単な質問です。
・ログインしない日数が多くなるとなつきが低下します。
また、3日以上経過したのちログインするとマイルームで泣きついてきます。

バトル編
・なつきや性格により戦闘スタイルが変わります
【甘えん坊】→自分と同じ敵を攻撃
【母性型】→自分の攻撃した敵以外を攻撃
・ある程度の装備の変更が可能になります(SUV変更やフレームの属性変更など)
・なつきが良いほど、ミッション終了後「おこぼれ」機能が発生し
マシナリーが勝手に集めたアイテムが数個手に入ります。
・ミッションの開始時や終了時にマシナリーが発言します。
「行きましょう○○さん!」など

なにこのギャルゲー
198名無しオンライン:2009/05/04(月) 03:09:43 ID:VWSq/rXk
>>197
そんな機能ついたら三日に一度しかINしないユーザー続出だぞ?

でもコタツがあったらそこでごろごろしてたり、
店番しながら舟漕いでたり、
拗ねて体育すわりしてたりとかしてほしいなぁ
199名無しオンライン:2009/05/04(月) 09:42:12 ID:i0RUDqN5
>>197
PSU発売初期のこれスレには
この手の妄想レスがいっぱいあったよなw
特にPMデバイスZERO実装された時とか凄かったw

個人的にはギャルゲーになっても大歓迎なんだが
現実問題だとマイルームに関わる所を弄ると
重大なバグを発生させるのが大得意なソニチさんでは…
200名無しオンライン:2009/05/04(月) 11:26:35 ID:0n8GH5LC
トラスティの効果
・ヴィヴィアンのパートナーカードが貰える。
・イノセントガールの続編がプレイできる。
・好感度が上がるとマイルームにヴィヴィアンが入り浸るようになる。
・パシリが拗ねる。
・イノセントガール続編クリアでヴィヴィアン(武器)が貰える。
201名無しオンライン:2009/05/04(月) 12:17:30 ID:nXLE1mo/
・マシナリーに食物アイテムを与えることでなつきがあがります。
これで、Gコロニー合成屋の無駄な基板も解消!
202名無しオンライン:2009/05/04(月) 15:34:13 ID:nXLE1mo/
>>198
センプーキの前でア゙ーってやってたり
アノレリクスに手を挟まれてもがいてたり
サンドバックで「あのヴィヴィアンとか言うアマが・・・」
って言いながら殴ってたり

お風呂に漬かってたり・・・!
203名無しオンライン:2009/05/04(月) 22:18:53 ID:VlFnqwGQ
ご主人様、引退するのはお風呂とトイレを設置してからにして下さいね。
204名無しオンライン:2009/05/06(水) 20:47:28 ID:a5Mnf0Is
え? 本当にトイレとお風呂買ってきたんですか?

・・・・・・あ・・・・えっと・・・・私・・・嫌です。  ぐすっ
205名無しオンライン:2009/05/07(木) 00:24:19 ID:1sAxNG+Y
「ほら、お風呂とトイレ設置したぞこれでいいか」
「あ・・・あの」
「なんだ、他に足りないものがあるのか?」
「・・・ご主人様さえ側にいれば、何も・・・グス・・・いりません・・・ヒック」


よし、寝る
206名無しオンライン:2009/05/08(金) 21:37:14 ID:de56cOx1
>>205
GJ。素敵だぜ!
207名無しオンライン:2009/05/16(土) 14:03:34 ID:oNUhm0nh
保守
208ぱしりはにちゃんねらー:2009/05/23(土) 03:06:27 ID:XPavEwrb
主「ただいまー」
420「乙!」
主「……」
420「……?」
主「……"オツ"?……って、なんだ?」
420「こ、これは『乙』じゃなくて、ポニーテールなんだから勘違いしないでよね?!」
主「……は、はあ? そりゃ確かにポニテだが……
 って、そうじゃなくて、だから"オツ"って何だよ?」
420「ググレカス」
主「お、お前、ご主人様に向かってカスって……」
420「こまけぇこたぁいいんだよ!!」
主「いや、よかぁないだろ…… それはそうと、風呂沸いてるか?」
420「沸いてますが何か?」
主「……『何か?』って聞かれてもな…… まあいいや、風呂入って来るよ」

〜数分後〜

主「おーい、420!」
420「何ですか?」
主「風呂、ちょっとぬるっぽいんd」
420「ガッ!!」
主「痛ぇッ?! 何しやがる…ッ!」
420「お約束です」
主「何のお約束だ、ワケ分からんわッ! ただ、風呂がぬるっp」
420「ガッ! ガッ!!」
主「ぶべらッ?!」
209名無しオンライン:2009/05/25(月) 09:37:55 ID:WQ6riGVA
良スレすぎる
210名無しオンライン:2009/05/25(月) 20:21:46 ID:smos5mRW
新しいストーリーで
マザーブレインの影響で
淫乱になるパートナーマシナリー
各地で主人に次々と襲い掛かる(性的な意味で)


まあ、そうなったら
ショタマシナリーに変えるんだがな
211SEED・ヒッポ:2009/05/25(月) 20:51:54 ID:9c6c90gS
「ぶぅうううるぁあぁ・・・ご主人んん・・・」
「ん我がぁ ご主人ながらぁ、いいイイいぃ肉体美じゃぁあ無いかァ・・・・」
「んんん〜〜? んどぉおおおれ、んこのぉ・・・わたくしがあ
 貴ぃ様の デルっんじゃぐなす んぉをおぉ お磨き申し上げるぅ」
「さぁあああぁ ちょぉおっと ん御出し遊ばせえええええ・・・」

「ぶぅううううううルルルるぁああああああああああ・・・・・・・!!!!」

※注:主人の為、武器の手入れに余念が無いPMの像です。
212継承 IV 光を継ぐ者(中編) 1:2009/05/26(火) 02:53:23 ID:qeWlF4u6
「億、兆、京、亥…計測不能。エネルギー測定法を絶対量から増加倍率方式に切り替えてくれ。闇のエネミーと同じように無限に増えるエネルギーか…」
ジャンカルロ・モンタギューは焦っていた。
入念な下準備をしておいたにもかかわらず、また測定方法をより大きいエネルギーに対応できるように変えてでさえ、『それ』は計機を振り切ったのである。
「出力無限大!?すごい、すごいぞ。しかし…」
始末に負えないという言葉を全身で表しているかのようだ。
先ほどから、天才を自称する彼が総力を挙げて完成させた自信作の制御システムでの干渉を試みているが、まるで受け付けていない。
体に光の筋を走らせながら巨人がたてる咆吼のような奇妙な音に、モンタギューは強い期待と同時に恐怖を覚えるようになっていた。
追い求めていた、まだ見ぬ夢のエネルギー。
だが、見えるようになってはじめて恐怖を知ることもあるのだ。

「ぶぎゃっ!」
また地面に激突しました。顔面から地面に突っこむのもいいかげん慣れてしまいそうです。
ちっぽけな光の翼は、たしかにわたくしを飛ばせることのできるものでした。飛ぼうという意志をもって動かすと、浮かぶことができたのです。
しかし、翼を動かすことで得られる動きが、羽ばたくという概念を完全に無視しています。使いにくさも異常です。
そもそもこんな小さな翼で羽ばたいても、浮かび上がれるほどのエネルギーが得られるわけないですね。
わかるのは、ふつうの翼として考えられるようなものではないということだけ。
発想を変えて、実際に動かしたときにどう動くかで法則性を見いだしていくしかないようです。
そして、ようやくなんとなく理解して動けるようになったのは、負傷したラシークが一時退がった頃でした。
「飛べるようにはなったか。やれるのか?」
「…やるしかないんでしょう」
残った左手にジリオンを握り、小さな翼を後ろに向けて、有効射程まで一気に。
ジリオンの赤い弾が一度巨人の外装に当たると、その部分が溶けるように消えて、一羽の鳥になって飛び去っていきました。
何が起こっているのかよくわかりませんが、とりあえず効いてはいるようです。
攻められるときは攻めるのがセオリーですので、すかさず連射しましたが、巨人は体に光を走らせるとバリアを張り、弾ははじかれてしまいました。
巨人はラシークを狙うのをやめ、つい先ほどまで意に介していなかったわたくしへと頭を向けました。
213継承 IV 光を継ぐ者(中編) 2:2009/05/26(火) 02:55:04 ID:qeWlF4u6
拳がわたくしの1秒前の位置を正確に狙い、風を起こして振り抜かれます。腕が横まで通り過ぎたところで、そこからミサイルが飛んできて、あわててわたくしは回避運動に専念しました。
ミサイルが互いにぶつかって爆発しました。一安心ですが、巨人がわたくしを最優先で倒すべきと見なしたのは間違いありません。
わたくしの方向を向いている体のあらゆる面からミサイルが放たれ、くねるような軌跡で追いかけてきます。『イタ・ノ・サーカス戦法』と聞いたことがあるものです。
バリアつきのミサイルは武器もシールドラインも無意味なのでよけるしかないのですが、誘導がかかっているため、普通に逃げていてはいつか追いつかれてしまいます。
これのせいでパイオニア1のみなさんが…逃げ回っているうちになんだか無性に腹が立ってきて、煮えたぎる怒りが恐怖を押しのけてメモリを埋め尽くしていきました。
わたくしは円を描くようにして互いにぶつけないように注意しながら、できる限りミサイルを多くひきつけました。
そして一気に巨人に向けて加速して距離を詰め、バリアのエネルギーで押し返されるぎりぎりの距離まで突撃しました。
「パイオニア1ハンターズの、仇ーっ!!」
一気に方向を変えて、垂直上昇。追いかけてきたミサイルは、巨人の体の表面のバリアに互いに干渉して突き抜け、勢い余って全弾巨人に命中しました。

また巨人の体の表面を幾筋もの光が走りました。
ミサイルを撃つのはやめたようですが、両肩の部分から上につきだしていた突起の部分が変形してわたくしのほうを向き、その間からAフォトンを感知しました。
あっという間に何桁も超えてエネルギーが増大し…
背筋に何かが走る感覚。論理的な予測ではない不確実な勘ともいえるものが、わたくしをつき動かしました。左側にひねり込むように螺旋の軌道を描いて急降下。
巨人はいきなりの動きに間に合わず、角度を少し修正しただけであらぬ方向を狙っていました。しかし。
「いかん!その炎を撃たせるなーっ!!」
ラシークはそう叫びながらも間に合わないと判断したのでしょう、巨大な突起にゴールドドラゴンを全速力で向かわせ、ぶつかりました。
巨人の炎は狙っていた方向をそれ、空へと向きました。そして…

嵐が、起こりました。
高熱を通り越してプラズマと化した莫大なエネルギーは、嵐としか表現しようのない荒れ狂う奔流となって、空を貫きました。
その威力たるや、天に浮かぶ何者をも消し飛ばし、はてはその一直線にあった星をすべて爆発させてしまったほど。
誰もがこんな量のエネルギーを見たことなどないでしょう。
それはもはや武器や能力と呼べるものではありませんでした。まさに防ぎようのない宇宙規模の災害でした。
貫かれた空の周辺に起こった上昇気流で雷雲ができ、稲妻が起こり雨が降り出して、ようやく実感がわきました。
今相手にしているこの機械の巨人は、人智を越えたものなのだと。
これはよけてなんとかできるとかいうものではありません!これを地面に向けられたら、大地が、星が砕け散ってしまいます。
あまりにも巨大すぎる力に、わたくしはただ呆然とするしかありませんでした。
214継承 IV 光を継ぐ者(中編) 2:2009/05/26(火) 02:58:12 ID:qeWlF4u6
あの巨人の中に誰かが乗っているという発想に至ったのは、巨人の炎が見えなくなり、呪縛から解き放たれたときでした。
巨人の炎が放たれると同時に、女の子の声が聞こえていたのです。この世のすべてを呪うような絶望や怨嗟にも似た呪詛が。
この巨人の力の源は、怒り、嘆き、悲しむ人の心。深遠なる闇から流れ出る力。
しかし、先ほど見たように深遠なる闇は意志を持ちません。だから自然にはこのような現象は起こらないのです。この力を動かしているものが必ずいる、とするなら。
「うかつに踏み込むな!やつのエネルギーは無限大、何度でもあれを撃てるのだ!」
「聞こえなかったんですか、誰か乗ってるんですよ、あれに!」
巨人めがけて一気に距離をつめ、センサーと思われる部分にへばりついて接触を試みたところ、返事がありました。
「返事をしなさい!いるんでしょう!?なんでこんなことをしているんです!」
(生きていたってしょうがないでしょう。わかるわ、リコも、ゾークも、フロウウェンも、あなたも同じ。ぽっかりと胸に穴が開いてる)
姿の見えない女の子の言葉がぐさりと突き刺さりました。
占いと同じで、きっと誰にでも当てはまることを言って、誘導しているだけなのでしょうが、主の不在と、主への信頼が崩れかけていることが見通されているように一瞬思ってしまいました。
(みんなが胸に向き合うことさえ苦痛でたまらないそんな穴を開けてる。みんな、みんな…そうよ、みんな死んでしまえばいい)
「ふざけないでください!誰だってそうしながら生きていますし、生きたい人だっているじゃないですか。なんでいなくなる必要があるんですか!」
(イノリスが死んだら、イノリスは世界が見られなくなるもの。世界も消えてなくちゃおかしいの。世界はイノリスが知ってる世界しかないんだから)
イノリスと名乗った中の人の考えにわたくしは面食らいました。言ってることがめちゃくちゃ、まるでヒステリーです。
「結局自分のことしか考えてないってことじゃないですか!言いつくろっておいて、最後がそれですか!?」
(うるさい!みんなそうじゃないの。何がいけないの?みんな自分が一番だし、出る杭は打たれるのよ。
平等にいなくなればいいのに、パイオニア1の人たちは無駄にあがいて犬死にしたじゃない。バカみたい)
言ってはならない言葉。それは、本当に言ってはならない言葉でした。
215継承 IV 光を継ぐ者(中編) 4:2009/05/26(火) 02:58:46 ID:qeWlF4u6
「…もう一度言ってみなさい」
(!?)
パイオニア1ハンターズを虐殺した巨人、その中にいる人がこれを言うことは、絶対にあってはいけなかったのです。
「パイオニア1ハンターズを、リコさんたちのことを、愚弄したなぁっ!!」
わたくしの押さえきれない怒りを感じ取ったのか、巨人がわずかにたじろぎました。
「知った気になってふんぞりかえって、力及ばず敗れた人を嘲笑って…そんなもののどこが平等ですか!」
我慢していましたが、もう押さえておく必要も感じられません。この人は倒すべき敵、生きていてはいけない人間だと思いました。
「他人の目ばかり気にして、疑心暗鬼に陥って、欲のために他をないがしろにして、
くだらないことで妬んで…少しの我慢もできないんですか!それだけのことが!」
(そんな考えは人間らしくない!自分のことでいっぱいで、そうしないと自分が見えないの!)
「逃げ回っているだけのくせに!あなたなんか、あなたなんかーっ!!」
怒りとともに、わたくしの動力源であるフォトンの反応が、普段とは似て非なるものへと変貌し、殺意に突き動かされてエネルギー流速がまとまっていきました。
そもそもフォトンという力の原理自体がほとんど解明されていないので何をやっているのか理解できませんが、使えば使うほどエントロピーが減少し、
無からエネルギーが生まれ、ジェネレータからありえない量のエネルギーがわきだしてきます。
巨人に感じている底知れないエネルギーとまったく同じ、つきることのないエネルギー。
Aフォトンをフォトンジェネレータが作るという、ありえない現象。
あまりの大きさに自分でも制御しきれなくなってきて、光の翼を通じて吐き出しました。
翼は瞬時にふくれあがり、無限にのびて先端が見えない巨大なものになり、勢い余って巨人の左肩の突起を根本から切り落としていました。
SEEDのしつこさから再生してきそうだとも思いましたが、どうやら再生はしないようで、落ちた突起はそのまま鬱蒼と茂る木々に姿を変えました。
「寒い…!」
突然、口に出してしまうほどの寒気が襲ってきました。そんな気がするというわけではなく、実際に使うほどに温度がどんどん低下しているのです。まつげに霜が降りています。
「馬鹿者が…今までおまえが積み重ねてきたものは、このような形で破滅を招くためだというか!」
ラシークが何かをつぶやいて飛び去るのが見えましたが、よく聞こえませんでした。
216継承 IV 光を継ぐ者(中編) 5:2009/05/26(火) 02:59:52 ID:qeWlF4u6
(そこの奇妙な帽子をかぶったおまえ!)
古めかしいが豪奢な衣装を着た男の顔がモニターに飛び込んできて、ピンクのアンドロイドが盛大に後ろに転倒した。
「む?電波に割り込み?この天才、モンタギューを呼ぶのかい、こんな非常時に…」
(いいから聞け!おまえもこの期に及んで巨人を利用しようなどとは考えてはいまい。やつを消滅させるのに協力してもらいたいのだ。
いいか、やつの無限大の力に対抗するには、こちらも無限大の力を出すか、あるいは0に転じさせるしかない)
「少しでも出力をあげられるようにはできるけど、無限大だって?」
(この文明でかなうものではない。神をも滅ぼした巨人の、害なす魔法の杖だ)
「現存の文明以上の技術を使えというのか!?無茶言うなよ!」
(どのみちやつを放っておけばこの星は消えてなくなろう。おまえはそれでも天才を自称するほどのものか?努力はしてみせい!)
モンタギューとて伊達に天才を名乗っているわけではない。この男が自分の能力を見込んであえて無茶を言っているのはわかった。
そして、そうできないのが自分を縛る多くのつながりであるのを見抜かれているということも。
「わかってはいるんだよ、くそっ!エルノア、MOTHERシステムは破棄する!転用してフォトンの解析を行うんだ!それと総督府、ハンターズ本部、ラボに現状をできる限り正確に通達!」
「いいんですか、ハカセ?」
「やるんだよっ!なりふりかまっていられるか!利権を保てたところで、死んだら意味ないことくらいお偉方もわかるだろ」
コーラルにいた頃から追い求めてきた無限大のエネルギーが目の前にある。
有限だったからこそコーラルでは争いが起き、疲弊して外への希望に、新エネルギーであるフォトンにすがった。それが唯一の望みだった。
だから気づけなかったのだろう。
なぜ先にこれに気づいていたはずの、遺跡を作った先人がいなくなっていたのかを。
封印できるものとわかっていながら、利用せずに放棄したのかを。
いや、新しい発見に浮かれ、見ようとしないでいたと言ったほうが正しいかもしれない。
もはや目を背けてはいられない。半生をかけて追い求めてきたものが自分たちを破滅に追いやろうとしている事実を、認めなければならない。
(すまぬ。できる者はいるのだが、聞きそうにないのだ。サポートを頼みたい)
「いいんだ。こんなものが、僕たちの希望であってたまるか。それに…やってみたかったのさ。何にも縛られないまま、本気で研究に打ち込むってのもね」
217継承 IV 光を継ぐ者(中編) 6:2009/05/26(火) 03:03:08 ID:qeWlF4u6
拳を避けて無限にのびる翼を水平に振りぬきましたが、それは巨人の腕を滑って、不発に終わりました。
おそらくあちらも無限大のエネルギーを使っているであろうバリアでかなり防がれていますが、巨人も無傷ではすんでいません。
先ほど突起を切り落とした光の翼を武器代わりにして攻め続ければ、あるいは…しかし。
寒い。寒い、寒い…!
使えば使うほどに苦痛をもたらす無限エネルギーに、たまらずわたくしはそれを解除、着陸して少しでも体を温めることの繰り返し。火もつけてみましたが、何度やってもすぐに消えるので諦めました。
大きくくしゃみをして、もう一度巨人を睨もうとしたときに、視界の片隅に映ったものは、二人のハンターズでした。
「イノリス?やっぱりあの中にいるのね!」
一人は浅黒い肌のニューマン、もう一人は赤髪、細身のヒューマン。どちらも見るからに年若いです。突然の闖入者に驚いて、つい強く言ってしまいました。
「あなたたち、死にたいんですか!?」
「何だよ、そりゃ。変なおっさんに言われてわざわざ助けにきたんだぜ?あんた、冷たくなってぼろぼろじゃないか」
わたくしはこれ以上死者を出したくないだけですのに。何も知らないのに、この人たちは!いらだたしく思いました。
巨人は二人のことなど眼中にない様子で、わたくしを踏みつぶそうと足をあげました。
「カウンターッ!」
テクニックでしょうか?おっぱいの大きいニューマンの方が何かカードを掲げると、なんと踏みつぶす圧力がはじき返され、巨人は転倒しました。
轟音と共に大地が揺れ、砂埃ではなく冷たく白い霧が舞いました。
「イノリス!俺だ、クランツだ!もうやめろ!」
「私たちがなんとかするわ、イノリスだもの…あなたはメディカルセンターに!」
「あなたたちの、知り合い…?あんな人を許せっていうんですか…知り合いだったら何十人も人を殺しても許されるんですか!」
「そうではない」
今になって到着したラシークが、この二人にも怒りをぶつけだしたわたくしを掴みあげて、真正面から見てきました。
反論しようとしたわたくしの唇をふさいだ指は、ステージ1で首を絞められたときとは違って、思ったよりずっと温かいものでした。
「わからぬか?おまえの今の姿は、巨人とそっくりだと言っておるのだ」
はっとなりました。この光の翼という理不尽な力、それを用いて巨人を滅ぼそうと無限出力を出すごとに苦痛に凍りつくわたくしの姿…気にする余裕もありませんでしたが、あの巨人と同じ…?
見れば、巨人とうち合った周囲は、奇形の樹だとはいえ、スプーンですくい取ったあとのアイスみたいに綺麗に、しかし痛々しく削り取られています。
都会であれば、建物と人の死体で置き換わることになっていたでしょう。
さらに巨大になったフォトン出力をわたくしが使うごとに周囲の温度が下がっていき、雪が降り出して至る所が凍りついています。
わたくしは巨人を倒そうとするあまり、この星の表面を壊してしまい、そして何かしたわけでもない二人にまで怒りを向けて…
『光』の使い手には大きな責任が伴う、そうリコさんに言われていたはずでしたのに。
「まずは落ち着け。あの巨人は機械に見えるが、その本質は外面ではない。蓄積された黒い怨念がその正体、中の者もそれに流されて心にもないことをしているのだ。
怒りにまかせて巨人を滅ぼせば、次はおまえがそれになってしまうであろうな。先のダークファルスがリコ・タイレルをよりしろとしたものであったように」
「リコさんが?それが、ダークファルス…」
深遠なる闇の秘密をのぞき込んだがゆえに狂ってしまったラシークは、この宇宙で一番それについて理解している方でした。その知識をもって諭されれば、わたくしも聞き入れるしかありませんでした。
「人は怪物に相対するとき、自らも怪物にならぬよう気をつけなければならん。闇を怒りでうち倒せば、より強い怒りをもったその者をよりしろとして復活する。
目には目をでは解決しないのだ。おまえが怒りで引き出した無限エネルギーは使ってはならん」
「…どうしろっていうんですか…」
「正解などはないのだ。人を正しく導くためには、向き合って一人一人を見るしかない。ならばこそ、この二人を呼び戻したのだ。イノリスという女を一番よく知っているであろうこの二人をな」
まさか、イノリスさんを…巨人から引っ張り出すと?
わたくしはステージ2でネイさんとネイ・ファーストを助けました。あのときに比べれば状況は明らかに悪いですが、わたくしも初めてではなくなっています。なら…少しくらいの希望は。
218継承 IV 光を継ぐ者(中編) 7:2009/05/26(火) 03:04:31 ID:qeWlF4u6
二人のハンターズ…クランツさん、シルファさんと、イノリスさんが幼なじみであること、そしてラシークが二人をなんとか中のイノリスさんに会わせるという方針であることを教えてもらったとき、
まるで昼間のように空が明るくなって、わたくしは一瞬の判断でとっさに3人を翼で遠くまで押しやりました。
起きあがっていた巨人の腕からのびるのは、セイバーというどころか、先端がどこにあるか知れないほどの太く長大なAフォトンの光の束。
おそらく、あの炎が使えないのでこのような形で使ってきたのでしょう。突起を切り落としたのは失敗だったかもしれません。
悲鳴のようにも聞こえる奇妙な音。記録されている限りこのような音をたてる現象は他にない、巨人の剣が迫ってきます。
とてもじゃないですが耐えられるようなものではありません。あのガジェットが爪の垢ほどにも感じられないエネルギー。
逃げ場なし、です。先ほどの星々を吹き飛ばした炎の威力をみれば、惑星一つ両断するのも決して難しくはないはず。恐れていたことが現実になろうとしていました。
防げるかどうかといえば絶望的でしたが、光の翼を前方に展開し、交差させて剣を受け止めました。
無限エネルギーを使わなければあっという間に押し切られそうだと思いましたが、わたくしの翼が巨人の剣と接触すると、即座に完全に拮抗した状態になりました。
先ほど使ったときとは違い、自分の体温を下げてはいません。ただ、巨人の力で地面に押しつけられて、本当に逃げられなくなってしまいましたが。
この不可解すぎる無限エネルギーについては、フォトンの流れを解析すれば少しはわかるのかもしれませんが、自分と惑星が壊される瀬戸際でそんなことはしていられませんでした。
(うっとうしいやつ!いなくなれ!)
「…わたくしを倒せば解決するとでも思うんですか」
(………)
「そうやって敵を作って攻撃し続けて、虚構の中で安心するような…人がいつまでもそんな弱い生き物のままだなんて、認めるものですか!そんなことで吹いて飛ぶように消える軽々しい命なんて、認められるものですか!」
(そんな権利があるのか!イノリスのことを決める権限が!)
「あるっ!たとえ見ず知らずの人であっても、取り返しのつかない過ちをしてしまうのなら、殴ってでも引き戻す義務がある!」
押し返しながら、少し落ち着いて変わった考えを必死に叫びました。それは、ここで折れてしまえば惑星ごと壊されてしまうわたくし自身に言い聞かせるためでもありました。
気持ちは折れなくても、体はあと何分持つのでしょう?巨人の力で凍りついた硬い地面に押しつけられたわたくしの体は、四肢だけでなく体幹にも破損が及んできています。
やり直しができないと説明されていたこのステージ。そろそろ覚悟を決めなくてはいけなくなってきましたが、それによって真実を知らずにすむ、主がわたくしをどうしようとしているのかに背を向けていられること、
そしてパイオニア1ハンターズの死という現実を忘れていられることにある種の安堵を感じていたのは事実でした。
追いつめられているにもかかわらず、結局わたくしもイノリスさんと何も変わらないんだなと、苦笑いしました。


-続く-
219名無しオンライン:2009/05/26(火) 03:10:43 ID:qeWlF4u6
おひさしぶりです。遅筆ですいません。
当初普通に戦うよう書いてたんですが、なんかEP3の要素が少ないと思い直し、大幅にプロットを変えてしまいました。
では、例のごとく解説を。

「惑星ラグオル」
PSOEP1〜4の舞台である、人間が居住可能な緑あふれる惑星。無人探査機による発見の後、惑星コーラルから巨大宇宙船パイオニア1、2(小説版ではパイオニア3も)が移住のため訪れた。
しかし、ラグオルには昔どこからか飛来した宇宙船が降りていて遺跡になっており、その中にダークファルスが封印されていたこと、それが先に着陸していたパイオニア1を壊滅させたことが問題となり、
コーラル人はパイオニア2でラグオル上空を周回したままの生活を余儀なくされることになってしまう。その期間はEP3の最後で着陸するまで実に20年に及んだ。
実は無人探査機がラグオルを発見できたのも、恒星間航行が可能な宇宙船のエネルギー源となるフォトンを発見したことも、ラグオル方面からの隕石の飛来がきっかけなのだが、
これ自体が知的生物を必要としていたダークファルスが人を誘い込むための罠だったという説もある。

「ドリームキャスト」
128ビット、300万ポリゴン。ネット対戦、VMもあるよ。
1998年12月に発売された、現時点でのセガ最後のゲームハード。世界で初めてモデムを標準搭載した家庭用ゲーム機であり、今でこそ当たり前になってきた通信を用いたゲームの楽しみ方を開拓した名機である。
PSOもこのハードで発売され、家庭用では初めてのオンラインゲームとして今も語り継がれる名作となっている。
セガサターンとの互換性がなかったことがプレステ2との競争に敗れた一因(あとは記録媒体をDVDにしなかったこととかセガの商売が下手だとか…)となった感があるが、
これはセガサターンの構造があまりにも突飛すぎて無理があったため(友人のプログラマー・談)。
サターンとの互換性を犠牲にしたのが功を奏したのか名作も数多いので、中古屋で掘り出し物を探すのも悪くないと思われる。
ゲームはハードの性能だけで語れるものではないが、実際の性能は確かに後発のプレステ2を上回っていたりする。歌の通り事実上20世紀最高のマシン、これが噂のドリームキャスト。

「イノリスとクランツとシルファ」
PSOEP3のハンターズ側で初期から使えるキャラ。イノリスがフォマール、クランツがレイマー、シルファがハニュエール。
PSOEP1でコーラルから渡ってきた第1世代ハンターズとは違い、コーラルではなくパイオニア2の中で生まれた「シップチャイルド」の未熟なハンターたちで、3人は幼なじみである。
アークズの初期キャラと比べて影が薄いが、中盤でイノリスがアークズにハンターズ本部の場所を漏らしてしまい、ハンターズ本部襲撃を許してしまい、結果クランツが爆発に巻き込まれて死亡する。
その後クランツはクローン技術で復活するが、イノリスは好きだったクランツを間接的とはいえ殺したことで自暴自棄になってしまい、最終シナリオでは現実逃避同然でラスボスに向かうことになる。
なお、その結末は語られていない。
220あの店は、今…1:2009/05/27(水) 10:43:55 ID:msb5dLOd
あれから、もう1年が経つのでしょうか?時の流れは速いものですね。
覚えていらっしゃる方も、殆どいらっしゃらないのかもしれませんね?
では、改めまして自己紹介です。

私はGH442。とあるガーディアンズの青年のパートナーマシナリーです。
趣味はお料理とお裁縫。好きな物はニューディズ文化。好物はダンゴモチです。

「442〜、掃除終わったよ〜?」

こっちの元気いっぱいの娘はGH422。
私と一緒のご主人様に使えるパートナーマシナリー仲間、いいえ…姉妹の様な関係です。
趣味はお散歩と格闘技観戦。好きな物は大盛り。好物はコルトバヌードル。
主に、ご主人様のお店ではフロア担当のウェイトレスさんを担当して貰っています。

「…こっちも、終わった」

後ろからやって来たこの普通のGH430と色違いの娘がGH43X。
ご主人様は理由を詳しくは聞かせてくれませんが、訳あって家族の一員に加わったちょっぴり口下手な娘。
趣味はお昼寝と園芸。好きな物はクバラ製品。好物はペロリーメイト。
422と一緒に、フロア担当をして貰っています。ちょっぴり無愛想さんなのですが、それが一部のお客様には人気な様です。


かという私は、ご主人様と奥のキッチンで調理を担当しています。あ、空いている時間で接客や会計もこなしております。
えぇ、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、私達家族一同…Gコロニーで飯店を営んでおります。
素材安心、お値段安心、お味とスピードも御任せ下さい!
Gコロニーへお越しの際は、是非ご主人様と私達のいる「飯店」へお越し下さい。スタッフ一同心より貴方様をお待ちしております。
221あの店は、今…2:2009/05/27(水) 10:44:27 ID:msb5dLOd
「…442、442ってば」
「…っ!?は、はい!何でしょうか、ヒュマ助様」

振り返ると、何度も呼ばれていたのだろうか?

「大丈夫?もしかして、疲れているとか…」

主人、ヒュマ助が442の額に手を当てながら、心配そうに尋ねて来た。

「い、いえいえ!ちょっぴり1年ぶりなので自己紹介を…」
「自己…紹介…?」
「いえ。ヒュマ助様のお手を煩わせる事柄では御座いませんから…w」

と、苦笑を浮かべながら442は「大丈夫ですよ♪」と両腕をぐっと握ってポーズを取りながら答えた。

「そっか、それなら一安心だよー…」

安堵の表情を浮かべる青年。ふっくら小太りだった外見は、この一年でどことなくほっそりと引き締まったように思える。
知人からはヒュマ助と呼ばれるこの青年。この飯店の主人をしており、442・422・43Xの主人でもある。
料理が好きであり、その志が元で調理師の勉強をし、店を出す資金稼ぎにガーディアンズへ入隊。
現在では、ガーディアンズ権飯店主人という二束の草鞋を履いている。

「そうだ、今日も出かけてくるからね」
「あ、はい。畏まりました」

この一年ほど、大きな騒動とは無縁だった飯店一家だが、ほんの数週間前からこうして定休日の前日に出かける様になっていた。
行き先はどうやらモトゥブである様だが、何をしに行くかまでは家族であるPM姉妹にも告げられていない。
妙に楽しげな様子から、何やら彼にとって嬉しい事柄なのはわかっている。

「お留守番、宜しくね」
「はい、いってらっしゃいませ。ヒュマ助様」

442に見送られ、ヒュマ助は飯店を後にしていった。
222あの店は、今…3:2009/05/27(水) 10:44:50 ID:msb5dLOd
「怪しいよね、ここ最近のヒュマ助ってば」

ヒュマ助が出て行った戸口を見つめながら、422が呟いた。

「ヒュマ助様にも、いろいろと御用時があってもいいじゃないですか」
「でもさぁ、あんなどっちかといえば『コソコソ』って感じで外出したこと、今までにあった?」
「それは…」

422の言葉に、442が口ごもる。

「…言えない様な何か、なのかも」
「例えば?」
「…そこまではわからない」

43Xが肩を竦ませて答える。442と422もあわせてため息をついた。

「そういえば、ボク…見たんだよね」

妙に核心に迫るかの様な態度の422。

「見た、とは…」
「昨日、ヒュマ助が自分の部屋でね…何か紙見たいなのの枚数を頻りに確認していたんだ…」
「紙…?」

43Xが首をかしげる。それに、422がゆっくりと頷いた。

「それもさ、遠くて何の紙かはハッキリわからなかったんだけど…その…」
「その…、どうしたのですか?」
「なんだか、銃弾みたいなのであいた穴と、ベットリついた真っ赤な血みたいな汚れだけは、ハッキリみえたんだ…」
「っ!?そんな…見間違いでは…」

442が血相を変えて422へ詰め寄る。しかし、422はぶんぶんと首を振って返した。

「見間違いじゃないよ…!確かに拳銃の弾痕と返り血みたいだった」
「そんな…まさか…」

ヒュマ助は銃器を主に使用しガーディアンズの仕事をこなしている。
自身も銃器好きであり、ヒュマ助のささやかな趣味の一つに、銃器収集がある。
アンティークだったり風変わりな銃器を集めるのが特に好きで、以前番傘そっくりなショットガンを442も見せて貰っている。
そんな主人が、『銃弾の跡と血糊の着いた紙を頻りに枚数を確認していた』のだという。
442の脳裏には、ある事が思い浮かべられていた。
223あの店は、今…4:2009/05/27(水) 10:45:16 ID:msb5dLOd
「それにさ、何だかタネみたいな物も数えながら袋につめてたし…」
「っ…!?た、たた、タネ…とは…」
「よく見えなかったけど、なんだか怪しい形をしたタネだったよ…」

ついに、442は脳裏に浮かんだその光景を映像を見るかのように脳内で再生していた。
モトゥブの荒野。黒づくめの男たちが向き合い、手にしたトランクケースを渡しあう。
中から出てきたのは、多額のメセタと植物の種子。
そのタネは、精製すれば『ドラッグ』の原料となる輸出入禁止になっている植物の種子で…

(オイ!金が足りねぇぞ!)
(何だと!?この後におよんでまだ値をツリ上げるっていうのか?!)
(交渉決裂だな、兄弟!!)

繰り広げられる銃撃戦。倒れる男たち。最後に、男たちの死体から一人…立ち上がる男。

(バカな奴等だ。ククク…これだからこの稼ぎはやめられない…)

血塗れたフードを取り、弾丸の跡残る札束を舌なめずりしながらめくる…ヒュマ…助……

「そんなのいやぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「な、何!?どうしたの!?422」
「…大丈夫?」

ガターンと、椅子を倒しながら倒れる442を、422と43Xはオロオロしながら支えた。
224あの店は、今…5:2009/05/27(水) 10:45:50 ID:msb5dLOd
―数分後。

「442…お水だ」
「有難う…43X…」

43Xからコップで水を手渡された442は、グっとコップから水をあおると、大きく息を吐いた。

「442、あくまでそれは442の想像だからね?」
「わかってます。ヒュマ助様はそんな事なさらないお方と、信じています…」

先ほどの442の過大妄想を聞かされ、422と43Xが442をなだめるのに、数分かかっていた。

「と、ともかく…ヒュマ助がコソコソ(?)向かうモトゥブの場所って、一体…」
「酒場だ」

422が腕組しながら首をひねると、43Xが呟いた。

「酒場?」
「ガイーク、という…ガーディアンズだけじゃなくローグス連中も通うちょっと裏ありの酒場だ」
「43X、それは本当ですか…!?」

442の言葉に、43Xはこくりと頷いた。

「間違いない。戸口までつけたんだからな」
「戸口まで、なのですか?」
「中に入ろうにもPMじゃドアが開かない」
「43Xの大好きな通風孔(ダクト)は?」
「…プロペラがまわってて入れなかった。あと、好きで通っている訳じゃない…!」
「え、違うの…?」

422と43Xが、隣でギャーギャーと喧嘩を始める。そんな隣で…

「ローグス、ならず者達も訪れる裏ありの酒場…」

442の脳内シアターが、また新しい映像を再生し始めた。
225あの店は、今…6:2009/05/27(水) 10:46:14 ID:msb5dLOd
―薄暗い酒場の中。怪しげな商談や、あからさまな「行為」が薄暗がりの奥で行われている店内。

(…いらっしゃい。ブツは…?)
(…この通りだ)

バーの店主であろう髭面の男に、青年が袋を放り投げる。
中身を確認すると、店主の男はニンマリと慇懃な笑みを浮かべた。

(…今日はどうする?いい子が入ったんだが…)
(へえ…どんな?)

男が指差した先を青年がみる。すると、薄暗がりで手足を縛られあられもない姿で震える、獲物が数匹…。

(…先日入ってきた新入りなんだが、どん臭い上に失敗ばかり。モノってのを教えてやってくれやせんかねぇ…?)
(いいだろう。たっぷりと俺のマグナムで「大人の世界」ってのを教え込んでやるよ…ククク)
(…い、いや…ゆるして…お、おねがい…)

そうして、震える獲物を組みしくと、青年…ヒュマ助は………

「もっといやぁぁぁぁぁ!!!!」
「『!?!?!』」

またもや、盛大に声を上げるとその場にがっくりとうなだれる442。
422と43Xは繰り広げていた喧嘩をやめると、うなだれた442の傍へと駆け寄った。
226あの店は、今…7:2009/05/27(水) 10:47:42 ID:msb5dLOd
…、そして結局…。

「いてもたってもいられなくて、モトゥブへきた訳だけど…」

422が呟く。442は妙に陰のある笑顔で口元はブツブツと何かを繰り返している。…よく聞くと、「ヒュマ助」がどうと呟いている様だ。

「…あそこ」

三人の目の前には、噂の「ガイークの酒場」が店を構えている。
確かに、みれば時折際どい格好の女性や、ならず者風貌な男達が店へ入ったり、店から出てきたりしている。

「いいですね…?次に店に入ろうとする輩を捕まえて、戸をあけさせます………ふ…ふふふ…」

もはや、いつものしとやかな442とはまるで違う怖いくらいの笑顔を浮かべる442。
422と43Xは、その迫力に圧倒されたように頷くと…

「せーの…っせ!」
「…フッ!」
「!?ぎゃぁぁぁぁ!!!!」

店の前にきた箱…もといキャストの男を襲撃し、ドアの前に置くと開いた戸の中…店内へと飛び込んでいった。

「ヒュマ助様ッ!!!!」

飛び込んで開口一発。442が大きな声で主人の名前を叫んだ。
店内も騒然としていたが、その声に客達は一斉に声のした方を振り返る。
無論、店の主人と話していた呼ばれた主も、驚いた顔でカウンター席から戸口へと振り返った。

「442…?422に、43Xも……」
「ヒュマ助様!早まらないで下さい…!まだやり直せますから!!」
「え…?何?えっ…?」

まくし立てる442。それを見る422と43Xは、どうやら先程までの勢いと現在の温度差に気づいた様である。

「そんな事しなくても、もっと私が頑張りますから…!そっちの方も…私で宜しければ幾らでもお相手致します!」
「…えっと、何?ど、どうしたの…?」

一人、捲くし立てられるが話の見えないヒュマ助と、もはや涙交じりで主人へしがみ付いては叫ぶ442と…
完全に、話がまるで違うことに気づいて、この状況に赤面する422と43Xであった。
227あの店は、今…8:2009/05/27(水) 10:48:23 ID:msb5dLOd
「で、結局…」

お店が終わった後の、ガイークの酒場。
カウンター席に横並びするPM姉妹達と、主人の青年。
ガイークの店主は、フルーツジュースをPM達の前に出すと、苦笑していた。

「このお嬢さん達の勘違いだった、って訳だ」
「申し訳ありません…」

頭を下げる442。422と43Xもまた、そろえて頭を下げた。

「どうして、そんな話になったの?」

ヒュマ助の言葉に、422がいきさつである「紙」と「タネ」についてを説明する。

「あぁ、これのこと?」

ヒュマ助が取り出したのは、確かに弾痕と血糊(の様なナニカ)は付いているが、お金ではなく…

「楽譜、ですか?」
「うん。ブラッディ・スコア」

そして、あのタネの入った袋からは…

「あ、オンプシードだ」

出てきたタネを見て、422が改めてその正体を呟く。
チリン…と、零れ落ちたタネの一粒がカウンターへ落ちると、不思議な音色が響いた。

「ガイークさんに『あの銃が欲しかったら持ってきてくれ』って、言われてね」
「ウチは裏でそういう『曰く付き』なアイテムや違法(スティーク)品を扱っていてね。その御代がアイテムって訳だ」
「そ、そうだったのですか…」

余程、結果を知って早とちりが恥ずかしかったのか、真っ赤になる442。

「あ、ガイークさん。アンプも確りと此処に」
「おう、そろったな。それじゃ、コイツを持っていきな」

ヒュマ助が星型の不思議なアンプを差し出すと、二種類の楽譜、オンプシードと一緒にガイークはカウンターの下へと引き入れた。
かわりに、カウンターの上におかれたのは…

「ナニコレ…ギターケース…?」

真っ黒なギターケースの形をしていた。

「そ。ソングフォーデスっていう、ギターケースの姿をしたグレネードだよ?」
「ソイツは暗殺に使われたこともあるって曰く付きのモデルさ。ソイツで殺されたヤツは、死の旋律を死の間際に聞くそうだぜ」

ガイークの言葉に「おぉ、なんだか格好いい曰くですね」と、ヒュマ助が乗る。
「それでな…?」と、ガイークも上機嫌で続きの曰くを話し始める。
そこで、PM姉妹達はあることの理由に気が付いた。

「そっか、この店主さんもヒュマ助と一緒で…」
「…銃器オタク」
「趣味の合う人と話せるのが、楽しみだったんですね…ヒュマ助様」

意気揚々と、この『ギターケース』の話で盛り上がる酒場と飯店の店主。
その真横で、どこかぐったりした様子で、飯店の娘達は出されていたフルーツジュースを飲み干すと、深いため息をついたのであった。
228飯店作者:2009/05/27(水) 10:57:16 ID:msb5dLOd
久方の方はお久しぶり、初めての方ははじめまして。飯店作者です。
すっかり1年程このスレを忘れた生活をしていました。

しかし、久々に覗いたこのスレで>>162様の様な言葉を見せられたら…
書かずに居られませんでしたw
当時を思い出しながら書いてみましたが、如何だったでしょうか…?
当時と変わってしまった部分もあるやもしれません。
当時より内容が劣化していたら、申し訳ありません。

でも、覚えていて下さった方々…
そして、私の文章が好きだといってくれた皆様には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

今後も、じんわりとこのスレが賑わう事を願いつつ、またROMっておきます。
では、飯店作者でした。
229名無しオンライン:2009/05/27(水) 12:28:07 ID:QFfywKXA
>>211
若本ボイスがいい感じにリプレイされた
モーションイメージはナノブラ待機モーションか

>>219
遅筆といいながらこの分量とネタの詰め込み具合は流石としか
しかしジャンとは懐かしいなぁ、好きなキャラだっただけになんか出てきて嬉しい

>>228
おぉ懐かしい方が、相変わらずのヒュマ助やパシリで癒される内容だ
しかし妄想内のワイルドヒュマ助に不覚にもワロタw
230名無しオンライン:2009/05/28(木) 21:06:11 ID:CoVQrgFB
>>228
162です。以前とさほど変わらない様子で安心しましたヨ
ヒュマ助が心なしか引き締まっているのは女性向けのヘルシーメニューの研究に余念がなく、
賄いでそういったものをよく食ってたからだということにしときますw
231名無しオンライン:2009/05/29(金) 00:11:36 ID:CvKnm+50
おばあちゃんは言っていた、
「帰れる場所がるから 離れていられる」
パシリスレはまさにそんな場所。GJ。
232名無しオンライン:2009/05/29(金) 18:10:40 ID:Gl4urJub
ショタマシナリーがSUV発射と同時に
「ふぁ・・僕もう我慢できないよぉ・・・!」って言いながら
SUVを放って
「どうしよう・・・僕出しちゃった・・・ぐすん」
って言う仕様なら課金しまくるんだがなぁ
233名無しオンライン:2009/05/29(金) 19:23:39 ID:mJOKPEAe
>>232
よろしい、ならば要望だ
というわけで、パシリとヴィヴィアンは自分で台詞と発言条件を
エディットできるようにしろと要望送るからねー
貴様も送るフガ
234名無しオンライン:2009/05/29(金) 22:10:03 ID:l5Ct1Vsn
沼子「そうねえ…あんたの台詞、どんな風にいじってやろうかしら?」
470. 「今のままのボクが一番可愛いですから」
沼子「なにあんた、自分が可愛いって自覚してんの?」
470. 「相対的評価を下さざるを得ない環境に置かれてる以上、仕方ないです」
沼子「ちょっと、どういう意味よ?」
470. 「ご自分の胸に聞いてみたら如何ですか?あれっ?胸どこだろ?あれ?」
沼子「何でこんな欠陥品を至急されたんだろ…」
470. 「欠陥品同士仲よくやりましょうよ。あ、欠陥っていうのは胸のことじゃないですよ」
沼子「あんた友達少ないでしょ、そんな気がするわ」
470. 「多いですよ?空気読みと線引きはできてますから」
沼子「どこが可愛いんだよ」
470. 「えへへ」
235名無しオンライン:2009/06/04(木) 00:10:02 ID:oJ7PSPE0
薄々予感していたが、オッソリアはハイブリッド課金服になったな。
配信されたらさっそく470服を着て、うちの461に襲いかかるぜ!
236名無しオンライン:2009/06/04(木) 08:45:38 ID:zz3KQhI+
本日未明、ガーディアンズの変死体がパルムの山中で発見されました

被害者はガーディアンズ所属のあんどうゆう(男性)
事件当時、被害者に配属されてミッションに同行していたパートナーマシナリーは自室で合成を行うように先に部屋に戻っていたと供述しており
また被害者はGH-470を模した服を着用しており、半裸であったところから着替えの最中に襲われた可能性が高いと専門家は延べています

ガーディアンズではテロの可能性もあることから事件、事故の両面で捜査をする方針です
237名無しオンライン:2009/06/05(金) 10:12:03 ID:6mi9scvo
引退者の俺の為に
トラスティパートナーとは何なのか教えてくれ!

あ、各パシリスレは見てます^^
238名無しオンライン:2009/06/05(金) 12:23:53 ID:xYLxuNv8
パートナーキャラクターの攻撃力が上がる、だけ

パートナーってつくんだからPM専用でもよかったなあ
239名無しオンライン:2009/06/05(金) 17:01:42 ID:PxHpaKLb
>>237
ラスティパートナー
(Lusty:欲望)

パートナーキャラの性欲を増強させ、ミッション中エロエロなお楽しみができる。


ん?
間違ったかな?
240名無しオンライン:2009/06/12(金) 08:01:16 ID:2plyQfsF
保守

…このスレももう終わりかなあ
ゲームはもうとうに辞めちゃってるけどこのスレだけは今でも見てる
作家さんたちももうやってないんだろうなあ…
寂しいけれど仕方ないか…
241名無しオンライン:2009/06/14(日) 02:00:18 ID:fkBpLQPl
ここまで保った事が奇跡
242名無しオンライン:2009/06/14(日) 03:04:23 ID:EuQKVr8V
こんなスレにまで終末論持ち込まんでくれ、たかが一ヶ月足らずで
確かに色々と辛い時期には入ってるがな

別にパシリ愛は尽きてなんぞいないが、問題は生産能力だな……
キャラとパシリ育てるだけでもイッパイイッパイだ
243名無しオンライン:2009/06/18(木) 12:54:28 ID:JpKHjd0E
逆転の発想で
パシリに好きな服を着せれるという
要望はどうだろう


なに?ボルワイヤルとビキニばかりになっただと?
244落伍者の信念(前編) 1/6:2009/06/19(金) 00:07:01 ID:qoxDtBXB
「できたぞ、我が助手よ!世紀の大発明じゃ!」
大声で私、GH-451を呼んだのは、研究所という名目のさびれたあばら家の持ち主。
近所からは、皮肉と揶揄をこめて「教授」と呼ばれている、痩せこけた老人だった。

「はあ。また何かお作りになられましたか、ご主人」
「教授と呼べ、教授と!何度言ったら分かるのじゃ」
「…失礼しました、教授。それで、今度は一体どんな代物で」

私の主人は何故か、「主人」と呼ばれることを極端に嫌う。
自分が科学者であることを主張したいのかも知れないが、私の見解では…

「見るが良い!これぞ新型の携帯倉庫、その名も『しまっと君』じゃ!」

…この人を「教授」と呼ぶのは、世に言われる教授方に失礼かと思われる次第で。

「……何ですか?この、ブサイクな2頭身のカバは」
「癒されるじゃろ?」
「癒されるとか、そういう問題ではなくて。これが『携帯倉庫』って、どういうことですか」
「愚問じゃの。このカバさんの大きな口から、いつでもどこでも荷物の出し入れが可能という…」
「ナノトランサー技術の普及している今の時代に、こんなものがどう役に立つと?」
「甘いぞ。こいつにはの、そこらの収納機など及びもつかん新機能があるのじゃよ」

この時点で私には分かった。
これは、いつもの「オチ」が待っているということが。

「持ち主の後をついて回る自動追尾機能はもちろん、このボタンを押すことで…ん?
 何をやっとるんじゃ?室内でカサなど広げおって」
「いえ、何でもありません。どうぞ続けて」
「う、うむ。ともかくじゃ、いちいち一つずつ取り出すのが面倒な人向けに、
 ボタン一つで中の荷物を全て、一瞬で排出することが可能な…」
「…………」
「うたがっとるのか?まあ無理もないがの。だが、これを見れば否応にも…とりゃ!」

次の瞬間、視界は眩い光で塞がれた。
耳をつんざく轟音と、室内を蹂躙する爆風の中、私は唯一人無事に立っていた。

主人の数少ない成功作、「対爆発物光波傘」のおかげだった。
普通に考えると、これもどれほどの使い道があるのか怪しい代物だが、
ここにおいては私の身を守る、貴重な命綱として機能している。
245落伍者の信念(前編) 2/6:2009/06/19(金) 00:08:59 ID:qoxDtBXB
「大丈夫ですか?ご主…教授」
「お、おかしいの…理論的にこのようなことが起こる筈が」
「いい加減、予測できて然るべき結果と思われますわ」

哀れ、主人の発明品たるあの二頭身のカバは、室内を目茶目茶に荒らし、
作り主の白衣や白髪をちりちりに焦がした成果と引換えにその短い生涯を終えたのだった。

大体、主人の発明品は10中8,9までは望む結果が出せず、さらにその7,8割は今回のような結果となり、
影も形も残さない。
自分の発明品をここまで上手に爆破する才能には驚嘆するものがあるが、
その度に部屋を片付けなければならない私には、甚だありがたくないものである。

大方、この間発表された新型PMの一つ、GH-490に対抗意識を燃やしてのことだろう。
2足歩行するカバ型のPMという、何ともセンスを疑うものではあるが、
少なくとも主人の発明し、そしてすぐに散華したこちらのカバよりは有用なことは間違いない。
もっとも、実装は当分先らしいので、それを確認できる日も遠い先の話となるだろうが。

主人の理解しがたいもう一つの特徴。
それは、PMに対して異様なほどの対抗心を抱いていること。

「PMなど、邪道じゃ」これが主人の口癖である。
PMにできることは全て、自分の発明品で代行できる筈だと常々主張している。
今回の発明品も恐らく、PMの持つ収納機能に対抗してのことだと思われる。

PMに恨みでもあるのか分からないが、私の存在を全否定するのは如何なものかと思う次第で。

そもそも、私は何故この主人に仕えているのか。
ガーディアンズでもない、一介の「自称」科学者の老人。
それに仕える自分に疑問を持つことしばしばだが、結局は「まあいいか」で済ませてしまっている。

経緯はともかく今ここにいるのは事実であるし、これで私は結構満足していないでもない。
近所から変人のそしりを受け、何かと問題を抱えた手のかかる主人ではあるが。
私は、こういったいわゆる「ダメ主人」に仕えるのが、決して嫌いではないらしい。

無益な発明に身を費やす、典型的な「人生の落伍者」。
一人ぐらい、それに付き従う変わり者がいてもいいかと思うのだった。
246落伍者の信念(前編) 3/6:2009/06/19(金) 00:11:36 ID:qoxDtBXB
「おう、老いぼれんとこの。どうしたい?また実験の後始末か?」
室内の片付けを終え、破損した実験器具を補充しに行った帰りのことだった。

「ええ。例によって例のごとくですわ、鍛冶屋のおじさん」
「例のごとく…か。大変だぁな、おめえさんも」

年の割りにがっしりした体格の、浅黒い肌をしたこの老人は、隻腕だった。
以前、ガーディアン稼業についていた時に負傷したことが原因と聞く。
今は家業の鍛冶職業に戻っているが、昔気質のその仕事ぶりによって万人受けはしないものの、
数少ない顧客からは熱烈な信頼をおかれているらしい。
私の主人にも、見習って欲しいところがある。

「そういえば、最近お孫さんがガーディアンズに就任されたそうで。おめでとうございます」
「おう。何だか、早速問題起こしちまったみてえだがな」
「それは心配ですね。着任早々クビにならなければいいのですけど」
「まあ…あいつの真っ直ぐな性格が原因だったらしいが。心配いらねえさ。
 せいぜい謹慎一ヶ月ってところだろ」

彼は、主人の古い知り合いだという。
初めのうちは私が主人に仕えていることに首をかしげていたが、
元来細かいことを気にする性質ではないらしく、また私のことを誰かと重ね合わせているのか、
何度か会っているうちに親しく話をする間柄になっていた。

「それで?例の装置はまだできてねえかい」
「も、申し訳ありません。主人は…ほら、一つのことに気を取られると他の事をうっちゃる癖が」
「しょうがねえなぁ。孫もガーディアンズになったことだし、そろそろ時間がねえんだけどな」
「例の、鍛冶屋さん特製の双小剣ですね?でも…必要なことなのですか?」
「ん?何がだぃ」

「完成品を特別な基板に分解して、PMの合成装置に埋め込むのはいいとして。
 わざわざ、そのPMのメモリから一連の記録を消去するなんて、必要なことなのかと」

彼は、一瞬何か言いたげな顔をした後、吹っ切るように首を振り、ぽつりと呟いた。
「…いいのさ。アイツには、いらねえ過去を背負って欲しくは、ねえからな…」
247落伍者の信念(前編) 4/6:2009/06/19(金) 00:14:09 ID:qoxDtBXB
鍛冶屋の主と別れ、研究所に戻った私を迎えたのは、主人一人ではなかった。

「お邪魔しているよ。PMのお嬢さん」

応接間に主人と共に腰掛けていたのは、長い白髪を後ろにたなびかせた壮年の男性だった。
顔の中央を横に走る一筋の傷跡もさることながら、一番の特徴はその声だった。

普通人とは一線を画した、特徴的な抑揚をもった低い声はそれだけで、
この男が只の客人でないことを示していた。

「帰ったか。すまんが今、客人と取り込み中での。大事な話なので、ちと外して…」
「私は構いませんよ、博士。『助手』の彼女に聞かれて困る話でもないでしょう」

苦い顔をする主人をよそに、私は主人の隣に腰掛けた。
どんな話かは分からないが、私は原則、お客様の対応には居合わせることにしていた。
主人一人では、どんな失言を漏らすかわかったものではないからだ。

「ええと、それで今回はどのようなご用件でしょうか?
家賃の滞納については申し訳ありませんが、現状目途がたっておりませんで…あ、それとも、
先日の爆発騒ぎに対する苦情でしょうか?だとすれば、いちいちお言葉ごもっともで…」

心当たりを端から口にする私を、男は手で制した。
「いや。私はそのような下らぬ用件で参ったわけではないのだよ、お嬢さん」

口の端を歪めて笑う男の様子に、私は何故か言い知れぬ不快感を抱いた。
物腰は穏やかだが、その内にそこはかとない悪意のようなものが感じられたのだ。

「せっかくじゃがの、客人。ワシにはそのような力はありゃせんよ」
わずかな沈黙を切って放たれた主人は、甚だ意外な言葉を口にした。
常日頃から自分の才能に根拠のない自信を持っていた主人には、およそ不似合いな言葉だった。

「ご謙遜を、博士。貴方の研究の成果は、世の人のよく知るところではありませんか」
対する男の返す言葉の示す内容も、私の抱く主人像と全くもって食い違うものだった。

「あ、あの。失礼ですが、どなたか著名な方と勘違いされているようですわ。
 我が主人は、そんな世の人に評価をいただけるような…」
「君は、知らんのだろうな。君が仕えるようになる前に、彼が何を成したのか」

「もう一度申し上げましょう。博士、是非おこしいただきたい。
我等イルミナスの専属研究員として…そしてこの、カール・F・ハウザーの片腕として」
248落伍者の信念(前編) 5/6:2009/06/19(金) 00:18:56 ID:qoxDtBXB
「え、ええ!?せ、専属研究員!?」
イルミナスとやらがどのような会社か企業かは分からないが、彼、ハウザーという男は、
そこのお抱えの研究員として主人を迎えようとしているらしい。

「い、いい話ですわ教授。お抱えともなれば給料もはずんでここの借金も返せるし、
 ここよりずっとましな研究施設が…あ、でも、そこを爆破しちゃったら修理費は…」
「くっくっく…彼女は乗り気のようですな」
男の皮肉めいた笑いは気になるが、私は思わぬチャンスを棒に振るまいと必死にまくし立てる。

だが、依然として主人はこの話に乗り気ではない様子だった。
「何が、成果なものか…ワシは認めんぞ…あんなもの…」
主人の呟く内容が、どうにも気になって仕方なかった。

「ええと。そもそも主人の成した研究の成果、というのは一体…」
「PMである君が、知りたいと言うかね。私が話しても構わんが、どうでしょうな?博士」
「…………」

主人の沈黙を、了承と受け取ったのか。
イルミナスのハウザーは、とくとくと語り始めた。

「昔、一人の研究者がいた。
 彼は、自らの手で『命』を創り出すことに心血を注いできた。
 命あるもの…すなわち、自ら考え、感じ、行動できる存在。
 作られた命と言えば『キャスト』が思い浮かぶが、彼らは既に一個の種族として確立されていた。
 それとは異なる、感情を持った『命』…それを創り出すことが、彼の夢だった」

「幸い彼には、才能があった。そして、情熱もあったのだろう。
 やがて彼は、全ての物に『感情』という命を吹き込む『感情回路』の基礎を作り出すに至った。
 その感情回路に目をつけたのが…他でもない、GRM社だ」

「当時GRM社は、ガーディアンズに対するマシナリーのシェアを失う危機に瀕していた。
 他社の競合製品に打ち勝つための策を模索する内、彼らは思い出したのだよ。
 以前門前払いをくわせた、一人の研究者の売り込んだ製品…『感情回路』をね」

「その時にもGRM研究班は、試みに彼の持ち込んだ感情回路を自社の製品に導入してみた。
 結果、一面侮りがたい性能向上が確認されたものの総合面で実用に耐えるものではないと、
 彼とその成果物を追い返していた。それを、思い出したのだよ」

「感情回路の生みの親たる彼は改めてGRMに迎え入れられ、そして見事、今のPMの親ともなった。
 それが、君の主人というわけだ。…理解したかね?」
249落伍者の信念(前編) 6/6:2009/06/19(金) 00:22:55 ID:qoxDtBXB
にわかには信じがたい話だった。
この、しょっちゅう爆発騒ぎを起こしている私の主人がまさか、
私を含めたPMの親と言ってもいい程の研究者だったとは。

「実は凄い人だったのですね、教授…それが何故、今はこんな」
「凄いものか、あんな欠陥品」
「あ、あんなって…私もその、教授の言う欠陥品の一人ですけど」

常日頃から、PMに対抗意識を燃やしていた主人。
それが、実はPMの親たる研究者で、しかも本人は面と向かって欠陥品と言ってのける。
私には、わけが分からなかった。

「ハウザーさんとやら。あんたの説明には、抜けている箇所があるようだの」
「これは申し訳ない。私は、どうも情報に疎いらしい。さて、その足りないものとは?」

肩をすくめる男をじろりと睨んだ後、今度は主人が語りだした。

「その、感情回路の導入。それが何を引き起こしたか、じゃよ。
 そもそも、GRMがPMに感情回路を導入したのは、ワシとは全く異なる目的からじゃった。
 ワシはただ創りたかった。
 自分で考え、感じ、そして自分で行動を決めることが出来る、『命』そのものを。
 だがGRMは、感情回路を戦闘能力の向上という下らん理由のために利用しただけじゃった。
 ワシが気付いたのは…既にPMの量産が確定した後のことじゃ」

「いや、唯一人、もっと前に気付いていた者がおったな。
 面と向かってワシに反対し、罵倒してのけたあの女。
 当時はワシの成果をやっかむ女の嫉妬と侮っておったが、彼女は気付いておったのじゃろう。
 ワシの成果物がどのように利用されるのか、そしてそれがどのような結果を生むのかを。
 土台、命を生み育む事に関しては、男が女に勝てる道理がなかったのじゃ…」

「だが、博士。経緯、そして思惑の違いがあれ。
 PMが今、ガーディアンズで大いに活躍しているのは事実ですな」
「そうじゃ。そして、大いに問題を起こしてもおる」
「ほう?聞きたいものですな。優秀な彼女達が、一体どのような問題を起こしているのか」

男の口振りからは、その『問題』について既に知っている様子が見て取れた。
だが、私自身は思い当たるものがないので、口を差し挟むことなく主人の回答を待った。

やがて、主人はぽつりと一言呟いた。
「……ワンオブサウザンド、じゃよ」
250名無しオンライン:2009/06/19(金) 00:29:29 ID:qoxDtBXB
3か月ぶりくらいの投稿になります。
とうとうワンオブサウザンド絡みのエピソードを作成するに至ったわけですが、
後日投下予定の後編含め、著しい食い違いなどありましたらご指摘ください。

また、設定については一部、>126のくだりを流用させていただきました。
251名無しオンライン:2009/06/20(土) 01:02:44 ID:886VD5I0
>>243
あえてオレはミクミコを選ぶぜ!
御主人とオソロイもおもしろそう。


252名無しオンライン:2009/06/20(土) 11:24:12 ID:msLbLZU3
>>250
作品きたー!
前にフォトン武器嫌いの刀匠の話書いた人かな?
結構好きな話だったので新作wktkするぜー!
253名無しオンライン:2009/06/20(土) 21:43:33 ID:qBXeUPCc
>>250
お久しぶりであります!!
確かEPX&フォトン武器嫌いの刀匠の作者さんですよね?
心を持たせる事で完成したPM
体側を開発し、最後まで心の導入に反対した主任は非業の最期を遂げたけど、
心側を開発したこの研究者ははたして・・・
続き楽しみにしてます。

>>243,251
よろしい!!!ならば、ラッピー着ぐるみだ
254落伍者の信念(後編) 1/6:2009/06/20(土) 23:24:25 ID:WC7TR7+B
「感情回路が生み出した、異常性能の欠陥品。
 製作過程での判別は不可能、原因も不明。
 明らかなのは、発症したPMはガーディアンズ、GRM双方から危険分子とみなされることじゃ」

「全くおかしな話よの。彼女等を『命』あるものとして生み出しておきながら、
 己の目的にそぐわなければ排除する、じゃと?傲慢さ、ここに極まれり…じゃよ」

噂の端に聞いたことはあった。
1000体に1体程度の割合で、特筆すべき性能を『発症』させるPMが存在することを。
他のPMと接触する機会がほとんどない私には無縁の噂。今までは、そう思っていた。

「命を生み出すということはの。
 思い通りに動かなかったらリセットする、などという子供じみた我侭が通るものではない。
 作り主の思惑にそわぬ行動は無論、場合によっては他の命を殺める危険さえも受け入れる。
 そういった覚悟が必要なのじゃ」

「己の作り出した『命』が人を殺めたとしよう。
 悪いのはその『命』か?それとも作り主たる己か?
 連中は、それが分かっておらんから繰り返すのじゃよ。
 自ら作った『命』に己の罪をなすりつけるという、愚にもつかぬ責任転嫁をな」

「ワシは、悟ったよ。
 人はまだ、己の創造物の犯した罪を背負えるほどに進化した生物ではない。
 だから、ワシは証明してやるのじゃ。
 悪戯に命を弄ぶ真似をせんでも、人は己の成すべきことに必要な『道具』を作れると、な」

「命持たぬ『道具』なればこそ、人は自由に愛着を注ぐことができる。
 『命』に自分勝手な愛情を注ぐなど、できるものではないのじゃ…」

最後の独白だけは、私にはよく分からなかった。
私の知らない主人の過去に何かあるのかも知れないが、あくまで私の予測に過ぎない。

分かったことは、主人がPMに対抗意識を持つ理由。
そして、命持たぬ『道具』の発明にこだわる理由だった。
255落伍者の信念(後編) 2/6:2009/06/20(土) 23:27:38 ID:WC7TR7+B
「作り物のからくり人形が、人間様を脅かしても構わないと。いや、全く素晴らしい覚悟だ」
全てを聞き届けた男は、薄笑いを浮かべながら拍手をした。

変人と罵られながらも貫き通してきた、主人の真意を知らされた直後だけに。
私はさすがにこの男の態度が腹に据えかねていた。

「随分なことですわね。その、作り物のからくり人形を前にして」
「だが、私のお聞きしたいことはそこではないのだよ、博士」
男は私の皮肉を完全に無視して、向かいのソファから主人の前にぐっと身を乗り出してきた。

「私は、期待しているのですよ、博士。
 その、件のワンオブサウザンド。博士ならば任意に生み出せるのではないかとね」
「どういうことじゃ」
「異常な戦闘力を持つ、しかし制御が不可能であるため欠陥品とされてきたワンオブサウザンド。
 それを制御できるとしたら、これほど頼もしいものはない。そうは思いませんかな」

「あんた、人の話をどう聞いておったら、そんなことが言えるんじゃ?
 ワシがPMについてどう思っているかは、さっき話した通りじゃろうが」
「生憎、私は博士の思想、理念に興味はない。あるのは、その技術…だ」
「どちらにしろ、あり得ん話じゃよ。
 偶然の産物たるワンオブサウザンド。それを任意に、しかも制御下に置いた上で生み出すなど」
「今は無理かも知れない。だが、それができる素養が博士にはあると見たのですが…如何かな」

主人の顔色が変わった。

「…あんた、何を知っとる」
「さあて、そこのPMにでも聞いたのかも知れませんな」

無視されていると思っていたのが突然話を振られ、私は当惑した。

「かつてGRMに迎え入れられ、まもなくそこを抜け出した、博士。
 ガーディアンズでもない博士に仕える、一体のPM。
 そして、GRMで発症したワンオブサウザンドのうち、唯一行方が確認されていない個体の存在。
 果たして、それが何を意味するのか…」

「や、やめるんじゃ!それ以上は…」
男の口をふさごうとする主人の手を払いのけ、男は言ってのけた。

「博士。貴方は世界で唯一人、成し遂げたのだ。
発症したワンオブサウザンド。それを元のPMに戻してのけるという、偉業をね」
256落伍者の信念(後編) 3/6:2009/06/20(土) 23:31:47 ID:WC7TR7+B
私が、ワンオブサウザンドであったこと。
そしてそれを、主人が元に戻したこと。
男の言葉の意味をそう解釈するのに、私はしばしの時間を要した。

「ワンオブサウザンドだったものを、元に戻した。
 それは、ワンオブサウザンドの仕組みをある程度把握していなければできないことだ。
 ならば、今すぐは無理でも、今後の研究次第では可能ではないかね?
 普通のPM、ひいては他のマシナリーすらも、ワンオブサウザンドに仕上げることが」

「無理じゃ!大体、その子に施した処置すらも、思うようには行かなかったのじゃ!
 確かに異常能力の排出はできた。じゃが、それに伴い、全ての記憶すら取り除いてしまったんじゃ!」
「異常能力の排出ができた。大変結構なことですな。その調子で反対の処置もお願いしたいものです」

「馬鹿な!記憶、感情…それを出し入れするなど『命』の否定に他ならん!意味のない処置じゃ!」
「私には、大いに意味のある処置でしてね。記憶?感情?からくり人形のそれをどう弄ろうと。
 人間たる我々の目的が果たせれば、何も問題はありません」
 
激昂する主人と対象的に、悠然とソファに背をもたれかけ、足組みをする。
だが私は、その態度よりも、主人の言った事実に心奪われていた。
能力と共に、それ以前の記憶をも失っていた。
つまり、それは、今こうしている以前の私を抹消…殺されたも同然であるということだった。
今、私が仕えている主人は、以前の私を殺した張本人でもあったのだ。

「……ご主人。貴方は…」
「……」
横目で私を見返した後、顔中に皺を寄せて目をそむける。
私が面と向かって「主人」と呼んだことを否定しなかったのは、今回が初めてだった。

察するに、以前の私は主人のことをそのように呼んでいたのではなかったろうか。
それを思い出すのが辛いため、私が「主人」と呼ぶ度に言い直させてきた。
だとすれば、主人こそ人の事を偉そうに言えない、エゴの塊ではないか。
自分の犯した罪に向き合えず、逃げるようなものだ。

これが二人きりであったら、それこそ言いたいことはごまんとあった。
だが、幸か不幸か、ここにはハウザーなる男がいた。
彼は今や、本来持つ危険な雰囲気も隠そうとせず、こちらを威圧してきた。

「博士。私が穏やかに頼みごとをしている内に承諾いただきたい。
 そこのからくり人形を物言わぬ残骸に変えて後、力づくで拉致する手段を今まで控えていた。
 それを、こちらの誠意の表れと受け取ってもらいたいものだ」
257落伍者の信念(後編) 4/6:2009/06/20(土) 23:33:33 ID:WC7TR7+B
「…どうするんですか、ご主人」

命を弄ぶことを、きっぱりと否定した主人。
しかし、私を一度殺めた事実から目をそむけるような弱い主人ならば、
ここでまたハウザーに屈することも十分考えられた。
その場合は、恐らく。
私と同じ悲劇が、幾度となくこの主人によって生み出されることになるだろう。

固唾を呑んで、主人の返答を待つ。

「……ハウザーさん。ワシの答えはの…」
搾り出すような声と共に、主人はソファの脇にあるボタンに手をかけた。
その瞬間、私は思い出していた。
主人がこのような行動を取るとき、自分が何をするべきかを。

はじかれたように、「対爆発物光波傘」を取り出す。
武器かと思ったのか、ハウザーは一瞬懐に手を伸ばしかけたが、
私の傘を見ていぶかしげに眉をひそめて動きを止める。
その間に、主人の指がソファ脇のボタンを根元まで押し込んでいた。

私の予想した、いつもの白い光と轟音、そして爆風はなかった。
代わりに、中央のテーブルが勢いよく90度、ハウザーに向けて跳ね上げられていた。
無礼な客人を撃退するバネ仕掛けのテーブル「イッテツ・ターン」
…珍しく正常に作動したようだった。

敵もさるもので、跳ね上がってきたテーブルは前に突き出した足で食い止められていた。
しかし、さすがにテーブルに乗っていたコーヒーカップまでは防げなかったらしく、
テーブルが戻った時、彼は頭にコーヒーカップを逆さに乗せ、白い髪や服をコーヒー色に染めていた。

「ぐ、ぐっぬぅぅぅ…」
こめかみに浮かぶ青筋もあらわに肩を震わせるハウザーに、主人は勢いよく怒鳴りつけた。
「どうじゃ?ワシの発明品のお味は。お望みならまだまだ仕掛けはあるぞい」
「あぁ、お客様。今のはたまたま爆発しなかっただけで、次もそうだという保証はありませんわ。
 ご運の尽きない内にお帰りになることをおすすめします」

「な、なるほど…これが、答えというわけですな。
 残念なことだ。有能な人材と見込んだが、所詮は人生の落伍者ということか。
 …失礼する。」
258落伍者の信念(後編) 5/6:2009/06/20(土) 23:36:02 ID:WC7TR7+B
ハウザーが出て行って、しばし沈黙が続いていたが、私はやがて。

「…ぷっ!あ、あの顔…!」
こらえ切れず、吹き出していた。

「うははは!どうじゃ!気取りきっておった奴の顔を見事、コーヒーまみれにしてやったわい」
「それより、いつ爆発するか分からないと言った時のあの顔!
 赤みがかったり蒼ざめたり、忙しいことこの上ありませんわ!」
「お前、あれはないじゃろう?ワシの発明品をまるで危険物のように…」
「どの顔をもって安全と言うつもりですか。私なんてこの傘がなかったら今頃…」

はたと黙り込む。
二人してソファにもたれかかり、しばらくぼんやりと宙を見上げる。

「……一度、死んだのですね。私は」
何となしに、口にしてみた。

「そう、じゃな」
同じように天井を見上げていた主人が、ぽつりと返す。
「ワシが…殺した。殺したも、同じじゃ」

「『命』を知らん連中からは、あれでも成功に見えたかも知れん。
 ともあれ、異常機能を取り除くことはできたのじゃからな。
 じゃが…ワシにしてみれば、失敗以外の何物でもない。
 以前のお前は、失われた…永遠にの」

「初期化されたお前を抱え、ワシはGRMを出た。
 そして…ここでやり直したのじゃ。お前と共に、全てを…な」

「…以前の私は、どんな私だったのでしょうか」
「それを知る権利が、お前にはあるかも知れん。じゃがワシは敢えて、それを黙しておきたい。
 今のお前という『命』が、お前にとっての全てじゃ。
 以前と今のお前をつなぎ合わせるあらゆる行為が、『命』に対する冒涜だと思うからじゃ」

「それでは。私が貴方を、『主人』と呼ぶのを許さないのは」
「以前のお前がワシをどう呼んでいたかは敢えて語らん。じゃが。
 呼び方以前に、忘れてはならんことがあるのじゃよ。それはの…」
 
「人間はお前を、ガーディアンに仕えさせる目的で作ったかも知れんが、お前はお前と言う一個の『命』。
 生まれついての『主人』など、存在してはいかんのじゃよ、本当は…どのPMにも、な」
259落伍者の信念(後編) 6/6:2009/06/20(土) 23:39:44 ID:WC7TR7+B
「これから、どうするかの」
しばらく、主人の言った事を考えていた私に、ふと声をかけてきた。

「ワシのことを…お前を一度は殺したワシを許せんと言うなら、その気持ちを否定はせん。
 お前自身の気持ちに従って、ここを出て行くがよい。
 鍛冶屋の老いぼれには以前より話しておる。いざと言うときはお前の面倒を見てやってくれとな。
 決めるのは…お前自身じゃ」
 
私は正直、先程までは迷っていた。
だが、主人のある言葉を噛みしめていた私は、我知らず口に出して答えていた。

「以前の私と今の私は、それぞれ異なる一個の『命』。そう言ったのは貴方ですよ。
 だから私、今改めて決めましたわ。
 貴方を『教授』と呼び、その危なっかしい研究をお手伝いする。
 それが今の私、GH-451が自ら選んだ、『命』の歩む道です」

こうして私は、以前と変わらず主人、いや、教授の研究を手伝う毎日に戻った。
自分で決めた、自分の人生。
PMでありながら、そのように自分の生き方を決められる自分は、幸せなのだと思う。
ならば、他のPMはどうなのだろうか。

生まれついて誰かを「主人」と呼び、仕える。それ以外の生き方を許されない宿命。
不運にも異常な力を発現すると、社会から理不尽に排斥される運命。
そこに、彼女達の自由はあるのか。選択する権利はあるのか。

その悲劇に真っ向から立ち向かうほどの勇気と力は、彼にはないのかも知れない。
ハウザーの言うとおり、『人生の落伍者』なのかも知れない。

しかし、今現存するワンオブサウザンドが、彼女達の力を取り除く程の技術を持ちながら、
彼女達の『命』を重んじ、敢えてその技術を闇に葬った男がいることを知ったなら。
彼女達は、一概に男を責めるばかりではないような気がするのだ。
それが、元々彼女達に感情を植え付け、今の悲劇を生んだ大元の原因たる男であったとしても。

今日も教授は、命持たぬ『道具』の研究に余念がない。
『命』の価値を知っているからこそ、『命』を生み出す技術を封印した教授。
『命』を作り、従える技術を誇らしげに振りかざす他の科学者がどう嘲ろうと私は忘れない。

私を一個の『命』として尊重し、その生きる道を選択する権利を与えてくれたのは紛れもない。
「人生の落伍者」たる教授が心に持つ、彼なりの信念であったことを。
260名無しオンライン:2009/06/21(日) 00:03:10 ID:nygrAusy
というわけで、後編の投下です。

>252、253
ご期待いただきありがとうございます。
また、EPX、「最低の主人」ともに、確かに私の作品です。
今回の作品も、お楽しみいただけたなら幸いに思います。

EPXが本スレにない以上、できるだけ知らない人も問題なく読めるよう心がけてますが、
どうしても何がしかの関連付けをしてしまう癖がついてしまってるようです。
「自己作品主張」や「俺様設定」が鼻につく方には申し訳ありませんでした。
261名無しオンライン:2009/06/21(日) 08:07:22 ID:SLr1bn0d
もうここはあんたのスレでいいよ
好きなだけ書いてくれ、俺はもう書かん
262名無しオンライン:2009/06/21(日) 10:20:17 ID:rjjToo43
>>260
毎回楽しみにしてますよ。
細かいところで他作品と絡めるのはうまいと思ってますし、どんどんやっちゃってください。

うちも早く書かないとなあ…仕事片づいたらまた机に向かいます。
263名無しオンライン:2009/06/21(日) 11:21:38 ID:VN2H/hXQ
>>261
おもしろいつまらないに関わらず
アンタみたいなのが書いた話は読みたくないよ
バイバイ
264名無しオンライン:2009/06/21(日) 12:02:50 ID:b7aJ5xTz
久しぶりにこのスレ見てふと思ったんだけど、
「ワンオブサウザンド」の設定って最初の人の頃はまだその人の世界設定って感じでまだいけたけど、
だんだん我も我もと使う人が増えてなんか白けちゃったな。
265名無しオンライン:2009/06/21(日) 12:44:34 ID:pYuYhjIw
>>260
後編お疲れ様です。

あくまで俺の意見だけど、
俺はこのスレでの昔の作品のキャラが出てくるのは大歓迎だ。
読んでて「おおっ!」と思う事があるし、
そこから新たな作品が生まれる事もあるからね。

>>262
リアルが一番大事だから、焦らずに。
落ち着いたらまら書いてくださいな。

>>264
そこは個人の感じ方だよな。
俺のように「ワンオブサウザンド」の設定が広がっても全然OKという人もいれば、
そうでない人もいる。
266名無しオンライン:2009/06/21(日) 14:06:32 ID:b7aJ5xTz
>>265
スマン、白けちゃったってのは個人的にってつもりだった。
白けちゃったわ とかにすればよかったか

ってネガティブな言葉の訂正ってなんか恥ずかしいw
267名無しオンライン:2009/06/21(日) 15:34:13 ID:vCUr5+zf
ここは各々の好みを出し合うスレであって、
各々の好みを押し付けるスレではあるべきでないと思うな
作品を投下するしないは関係なく、スレ住人全てが紳士的でないと
若干批判的であるにしろ、言い方ってのはあるだろ

ちなみに……無粋なようで申し訳ないが
1000体に1体の割合だと、工業的にはひどく高い割合だと思うよ
なんつーか、言葉のアヤとして考えた方がいいかと思うね

個人的には1/1000程度の確率で異能の個体となる可能性を持ち、なおかつそれらが
一際特殊な環境に置かれることで、能力を発現させる可能性が考えられる……程度だね
宝くじで1等が当たるよりも低い位で丁度いいんではないかな

>>265-266
目にする頻度が高くなれば、そりゃ陳腐化するのは仕方がない
それを覚悟でそういう設定を使うか、敢えて頼らない方向で考えるかは人によるさ
268名無しオンライン:2009/06/21(日) 18:25:29 ID:SLr1bn0d
>>263
こういう事を言われるんだもんさ
昔は下らない一発ネタでももっと書きやすかったのになー
惜しいなー
269名無しオンライン:2009/06/21(日) 18:40:49 ID:SLr1bn0d
あと何より1作が長すぎる
語りたいことが沢山あるのは分かるけど、皆で盛り上げたいと本気で考えているなら
せめて5レス程度に自重しれ

自分も書こうと思ってこのスレを開いたわけで、ネガな事をグダグダと言いたかないが
ぶっちゃけスレがEPX作者の独壇場になっている
で、擁護派の煽りも加わって物凄い閉鎖的な空気になっている気がする
話自体は確かに読めば最後まで読みきるほど面白いんだけど、もう少し読みやすく短くまとめてほしい
270名無しオンライン:2009/06/21(日) 18:55:08 ID:FP7HwH59
>>268
作品に対しての苦言を言われたわけじゃないのに
自分の作品に文句を言われたと思えるあんたは凄いと思うわ

ってか一発ネタだって禁止されてる訳じゃないんだから
普通に書けばいいと思うぞ
271名無しオンライン:2009/06/21(日) 19:05:50 ID:vCUr5+zf
先生、まずは落ち着いて下さい

>>269
スレ立て人である先生にこういうことを言うのもなんだけど、
その方法論が全てにおいて正しいとは思ってないよ
ただ、2chという場所の性質上、短い方が効果的だってことは分かる
だけど、スレに張り付いてるような人相手にそれは杞憂だと思うよ

煽りに関してはそんなに気にしちゃいかん
どんなスレでも無関係な奴が煽りに入るような板だからね
無関係な煽りの可能性もあるレスをスレ住人の意思と捉えてしまうのはこの上なく危険よ
内心ではこれがホントに住人のレスか? と疑う位で丁度いいと思う

あと、これは冗談と取るかマジレスと取るかは任せるけど……
「アンタ、奴を意識し過ぎだよ。きっと、内心では奴に嫉妬してるんだ」
272名無しオンライン:2009/06/21(日) 19:24:20 ID:SLr1bn0d
内心も何もバリバリ嫉妬全開だよ
初めて読む人でも分かる様必ず一発ネタで書く事を心がけてるけどこんなんじゃ書けやしねえ
273名無しオンライン:2009/06/21(日) 19:49:48 ID:vCUr5+zf
悪い、地雷踏んだみたいだな(´・ω・`)
予想外だった

>>272
書けるから。誰に許しを得るでもなく書いていい場所なんだから

空気が完全に変わってやる気なくなったって経験は、実は俺にもある
それもこの板の別のスレだよ
そんなだから、先生の気持ちは分かるんだけどね
しかし、このスレは言うほど変わっちゃいないよ。絶対に大丈夫だ
274名無しオンライン:2009/06/21(日) 21:39:56 ID:pYuYhjIw
OK、ならば流れを変えるべくここで俺が華麗に投下〜

>>243,251,253だそうです。ご主人。』
「うむ、彼らとは良い酒が飲めそうだ。」
『下戸が何言ってるんですか?』
「下戸だろうが、何だろうがこういう時の定番のセリフだ。
 ところで、お前はもし服装が変更出来るなら、何が着たい?」
『…今のままで十分です。ヒラヒラのフリフリだとアシスト出来ません。』
「おいおい、折角話を振ったんだからもう少し気の利いた事言ってくれよ…」
『くだらない事言ってないで、さっさとミッション行く準備してください。』
「へいへい。」

『…言えない。真っ先にウェディングドレスが浮かんだだなんて言えない////』



275名無しオンライン:2009/06/21(日) 21:57:01 ID:nygrAusy
>>274
GJ!と言いたいとこだけど、パシリの型番が表示されてないな。
ここは一つ、274のパシリが誰だったか、大胆予想してみよう。

1.無難に41X〜46Xのどれか
2.ちょっとアレな趣味の人を狙って470
3.さらにアレな趣味の人を狙って480

ちなみに490は、ヒラヒラだのフリフリ以前に元から何も着ていないので予想の範囲外。
276名無しオンライン:2009/06/21(日) 22:23:33 ID:A28/L/ZW
>>275
GH490「失礼フガね!ミーだって服をコーディネートすればそれなりに変わるフガ、
馬子にも衣装と言うフガよ、断固異議を申し立てるフガ!」
「そうね、可能性は追求するためにあるものね。じゃ、やってみなさい」
GH490「スク水!?」
GH432「主…わたくしが必死になってる間に何やってるんですか…」
「地デジカバ。裸じゃないって主張すればいいらしいわ」
GH490「で、服ってどうやって着るフガ?」
GH432(見なかったことにしましょう…)
277274:2009/06/21(日) 22:51:09 ID:pYuYhjIw
>>275
確かに自分のPMをモデルに書いてみましたが、
あえて型番を書かない事でみんなが萌えられる!!!
そんなコンセプトであえて伏せました。

「さあ、みんなで萌え氏のうZE!!!」
『(だめだこいつ…早く何とかしないと…)』

ってか、490はマッ裸なのか?
俺はてっきり、カバの着ぐるみで中の人がマガs
おや、誰か来たようだ。ちょっと見て来る ノシ
278名無しオンライン:2009/06/21(日) 23:57:45 ID:FP7HwH59
450「ご主人様ったら何時まで経っても私を子供扱いするんですよ!」
452「あ〜わかるわかる。頭なでなでとか高い高い、とか勘弁してほしいよね」
431「……でも嬉しいんでしょ?」
452「ん、んなわけ!? あ、ある訳無いでしょ!?」
442(おー照れてる照れてる)
450「今日だって父の日だから、折角プレゼントあげたのに!」
431「それって、自分で子供って認めてるようなもんでは?」
450「はっ! いやでもバレンタインデーだってハート型のチョコあげてるし、
   ちょっと形は崩れてたけど…! それにお誕生日にだって……!」
431「ねぇ? まさかクリスマスには靴下ぶら下げたりしてないよね?」
452「そ、そんな事する訳無いでしょう!?」
431「いやあなたには言ってないから」
452「え? え? だからやってないんだからね!?」
442(…やってるんだな…)

その頃隣室では。
ビス男「全部丸聞こえなんだが、どうすればいいんだ…」
ヒュマ男「だから子供扱いされるんだって気付けよな…」
ビス男「だよなぁ…」
キャス男「ロンだ。チートイドラドラな」
ヒュマ男「てめえ! 冷静に一人上がってるんじゃねぇ!?」


久しぶりに文章書くと難しいな。
279名無しオンライン:2009/06/22(月) 10:25:12 ID:5sOcqHoY
>>272
書くな
これでいいんだろ?
280名無しオンライン:2009/06/22(月) 11:59:01 ID:x+vlAzBp
長文大作に対する否定意見は以前から何度もあったし今更だが
初期の頃から少なからず長文大作はあったんだしそれについてとやかく言うのはおかしいだろう
元々趣味の走り書きを投下するようなスレだし、読み手も大事だが一番大事なのは書き手が書きたいように書くことだと思う
それが短編か長編かの差はあれど一つの作品に違いはないし、好きなように投下していいんじゃないかね

もしこのスレが変わったと思うなら、変わったのはスレではなく自分自身なのかもしれんね

>>278
パシリは4人に対して主人が3だと?
いやこれは見えない〇○○男が潜んでいると言うことか
281名無しオンライン:2009/06/22(月) 12:43:15 ID:7b87NYjD
昔=いろんな書き手が長編短編一発ネタを満遍なく投下。いずれかの否定派も好きなのもあるので黙ってた
今=書き手が減り、数人の長編と稀に一発ネタしか投下されない。投下作品に不満を持つ人が我慢できずに言ってしまう

これじゃないかな?
叩く人の気持ちもわからないでもないし
投下側ももうちょっと空気嫁と思うときもあるw
でも投下側に制限を加えすぎるとスレが死ぬからなあ。痛し痒しだな

>>280
>一番大事なのは書き手が書きたいように書くことだと思う
といっても、この投下量であまりに自分ワールド全開にし過ぎると不快に思う人も出てくるさ
長編や短編かってのはそれほど関係ないんじゃね?
自分ワールド過剰な長編ってのが嫌われやすいってだけだと思う。

つか、EPXって何?
282名無しオンライン:2009/06/22(月) 21:26:43 ID:zS/yF/l2
KY?知るかそんなもん!!!
流れを変えるべく投下。

「ねんがんのとらすてぃぱーとなーをてにいれたぞ。」
『やりましたね。ご主人。』
「ああ、これで戦力UP間違いなし!!よろしく頼むぞ。」
『サポートはお任せください!』
「ああ期待している。」
「でも、本当はそんな物必要無いんですけどね。」
「どういう事だ?」
「どうしてって、当たり前でしょう?ご主人様とは、既により深い絆、
 すなわち愛で繋がっているんですから////(頬を真っ赤に染める)」
「!!!」
「愛以上に強い物などありません!!!
 …何ならすぐに証明しましょうか?(ベットをチラ見する)」
「☆□H!%&#?+△もう辛抱タマラン!!!!パシリ〜♪」
「ご主人様〜♪(熱烈に抱き合う二人。そして…)」



『…ほら、ご主人、何一人で悶えてるんですか。キモチワルイ。
 さっさと準備してください。』
「(´・ω・`) 」

283名無しオンライン:2009/06/22(月) 21:34:27 ID:G5VPvCew
机とにらみ合いしてる間に随分荒れてるな
284名無しオンライン:2009/06/23(火) 09:13:27 ID:2F4uGyLm
主張なんて置いていくだけでいいのに、即効性求めてたのか粘着してたからな
285名無しオンライン:2009/06/23(火) 09:39:12 ID:4FGMykAV
「擁護煽り」が一番よくない
何かを誉める時に他を貶す文章を書くクセがあるなと気づいたら改めてみるといい
OSスレの論争なんざ殆どがそれ
286名無しオンライン:2009/06/23(火) 22:18:18 ID:NhQI2CiE
結局火種置いて逃亡か。
あれだけ色々言われちゃ出て来るのも辛いか。
褒められたがりやな人らしいし。
でもある唄の中でボースカも言ってたよね。
『創作者の仕事は人の心を動かす事であり、お金とか名声では無い』って。
マイナスな方向に人の感情を動かせたのだから、彼の仕事は成功なのかもしれない。
ただし誰も褒めちゃくれないけどね。
287名無しオンライン:2009/06/23(火) 22:30:28 ID:97WdD+vr
実際煽っていいことなんてほとんどないわな
煽ってる本人は大抵、いつまでも気付けないと思うけど
あとは分かっててやってるクソ野郎だ

>>286
そーいうのが良くないって1レス前に書いてあるじゃん
読めよそれ位
288名無しオンライン:2009/06/24(水) 01:23:42 ID:0wTRAbRa
|ω・`] ソーッ

|・ω・`]ノシ ピコピコ

|・ω・`]つ□
=========================================
450「あのぅ…」
箱「ん? なに?」

ご主人様が復帰なさって1ヶ月程が経った。
復帰直後レベルが170だったために、必死でレベルを上げた日々が懐かしい。
多くのガーディアンズに倣ったのかどうかわからないけど、ご主人様の主戦場は聖獣。それもソロ。

お友達、いないのかな…と心配してふと思った。
毎日パトカを調べて、肩を落とすご主人様の姿。
ああ、そうか、元々お友達が少ない上に、その人たちも繋いでないんだ…
ちょっと悲しい。

で、今日もまた聖獣を周回している。
私の戦闘値は既に200。一昨日ご主人様がガーディアンズ(キャス子)といちゃついていた(冤罪)ので
お仕置きのロッドをかましたら思いのほか深く刺さってしまい焦った。戦闘値が高すぎるのも考え物だ。
と、そんな物思いに耽ってるとご主人様を呼ぶ声。

「箱くーん、箱君ってば」
出た、お邪魔虫…じゃないマヤ様だ。

箱「なんですか?」
マヤ「ミッション放棄しないの?」
箱「あ、はあ。450が何か用事あるみたいなので… どしたの、450」
しまった、声をかけて置いてすっかり忘れてた…」

450「あ、えっと、その、APが10になったんですが…」
そういって端末の画面を見せる。
箱「あ、10溜まったんだ。じゃあ何を取ろうかなあ」

ほよよんと悩むご主人様。今までバレットのレベル+やエレメンタルフィールドを取ってきた。
そろそろウェポンスタイルかエクストラスタイルあたりに手を出しそうな雰囲気。チャーンス!!

450(トラスティーパートナー!トラスティーパートナー!)
私は端末を見ながら悩んでるご主人様にクフォオオオオオと念を送る。
それなりに種類が出たカスタマイズではあるけれど、
私達パシリに関係があるのは今のところこれだけっ!唯一っ!無二っ!もっとこういうの作りなさいよソニチっ!
”PMプロヴォーグ:パシリの存在感を高め、ご主人様から狙われやすくなります”とかっ!
って何考えてるのワタシッ!そんなお下品なこと考えちゃダメ!
お下品ネタはどこぞのヒュマ男に任せておけばいいの!でも念は送る!!
続けてぐももと念を送っていると、ふと隣からも変な怪しいオーラが。

マヤ(トラスティーパートナー!トラスティーパートナー!)
な、なにィィィィィィ!?このお邪魔乳…じゃないマヤ様も念を送っているぅぅぅぅ!?
ま、まさかこの乳…じゃないマヤ様もご主人様に気がある!? ま、まさか!
ぶっちゃけ頼りなくて内向的で優柔不断で友達の少ないこの箱を!? …あ、言ってて虚しくなってきた…
289名無しオンライン:2009/06/24(水) 01:25:58 ID:0wTRAbRa
450(な、なにやってるんですかマヤ様…)
マヤ(あーら、450ちゃんこそなにやってるのぉ?)
450(わ、私はパシリとして、今後の戦力アップの為にご主人様によりよいスタイルを取っていただけるように念を送っているだけです)
マヤ(あらそぉなの〜 私はねぇ、このスタイル取ったら私のテクの威力がどれくらいUPするのか検証したくってぇ)
450(そ、そんなの他所でやればいいじゃないですか!)
マヤ(だってー ダメージが増えれば、カクワネを早く倒せるでしょ?私アイツ嫌いなのよねえ…なんかヌメヌメして臭くって)
450(あー、わかります。ヌメ臭いんですよね… でもご主人様聖獣ばっかり回るんですよね…)
マヤ(困ったものよねぇ… トラスティーパートナー!トラスティーパートナー!)
450(そうですねぇ… トラスティーパートナー!トラスティーパートナー!)

450(…いやだから、私が取らせますからご心配なさらず)
マヤ(べ、別にいいじゃない? もしかしたら私の念のほうが届くかもよ?)
450(マヤ様はニューマンですから難しいのではないでしょうかー)
マヤ(なーにいってるのぉ、愛は種族を超えるのよ!愛さえあれば不可能なんてないの!   …愛なんてないけど…)
450(じゃあ止めればいいじゃないですか! ご主人様に変な電波送らないでください!)
マヤ(だってカクワネが嫌いなんだもんっ! 止めてほしかったら聖獣周回止めるように言ってよ!)
450(言いましたよ!私だってもうカクワネの相手したくないんです! でも「他のミッション面倒」で済まされちゃったんですよ…)
マヤ(あー、わかるわかる。聖獣は楽だもんねぇ…  カクワネさえ居なければ)
450(道中光属性のみですからねぇ…  カクワネさえ居なければ)
マヤ(困ったものよねぇ… トラスティーパートナー!トラスティーパートナー!)
450(そうですねぇ… トラスティーパートナー!トラスティーパートナー!)
そうやって二人でぼそぼそとカクワネへの怨嗟を交わしつつ念を送っていると、ご主人様の声が。

箱「決めた」
450&マヤ「え?」
箱「うん、何取るか決めたよー」
450&マヤ(め、珍しい… いつもは人に相談したりしてなかなか決めないのに…)
マヤ「で、何を取るのぉ?」
箱「うん、ウイルスクラッシャー」
450&マヤ「は?」
箱「だからね、ウイルスクラッシャー」
450&マヤ「……」
ぽかーんとした空気がその場を支配する。発生源はもちろん私とマヤ様。

450「あ、あの、ちょっと質問なんですけど…」
力なく手を上げてみる。
箱「はい、450さんどうぞ」
えっへん と言わんばかりに答えるご主人様
450「えっと、なぜそんな使いどころが相当限定されるようなものを… エレメンタルウエポンでもいいのでは?」
箱「うん、いいところに気付いたね450くん」
くん ですか。なんかイラッとしちゃうんですけど…
箱「エレメンタルウエポンは5%のダメージアップでしょ?でもウイルスクラッシャーは10%も上がるんだよ」
どうだ といわんばかりに解説するご主人様。いやそんなのはわかってますよ。
マヤ「で、でもね箱くん、ウイルスクラッシャーは感染状態じゃないとダメなのよ? いちいち感染させてから本格的に攻撃するの?
至極まともな意見。たまにはいいこと言いますねマヤ様。
290名無しオンライン:2009/06/24(水) 01:26:35 ID:0wTRAbRa
箱「え、だって」
450「はい?」
箱「どうせ闇系バレットしか使わないじゃない? 光も使うけどボス戦だけだし」
450「は?」
箱「ん?」
450「……えっと、あのまさかそれって……」
箱「これで少しは聖獣周回楽になるかなー  ん?」
450「…(ゴゴゴゴゴ)」
マヤ「…(ゴゴゴゴゴ)」

箱「ひ、ヒイイイイイ」
450「それってご主人様…」
マヤ「聖獣をまだまだまーだ周回するってことよねぇ〜?」
箱「ヒイイイイイイイイ」
450&マヤ「うがあああああああああああああああああああああ!!!」
箱「ぎゃああああああああああああああああああああああああ!!!」

…そのあまりの絶叫に、次の出現準備をしていたアルテラツゴウグがビクっとしたという…
なんとなく復帰した箱!相変わらずのソロプレイは健在だ!
はたしてトラスティパートナーは取れるのか!?
450のねんがんはかなうのか!? PMプロヴォーグの実装ははたしてあるのか!? 待て次号!!
=========================================
|・ω・`;] …オチテナイ…

|ω・`;]ノシ ジャネ-

|ミ サッ
291名無しオンライン:2009/06/24(水) 09:04:27 ID:vNKz0WAZ
これだよこれ
292名無しオンライン:2009/06/24(水) 12:43:38 ID:A9N9E5gp
PMジャイアント
マシナリーの身長が通常のヒューマンサイズになります

PMおっぱい
巨乳になります
293名無しオンライン:2009/06/24(水) 16:59:38 ID:zOMaZBbO
ビス男「やはりPM尻だろう!」
ビス男「でっかいおっぱいも良いが、でっかいおしりの方が捨てがたい!」
ヒュマ男「それも良いが、お前は肝心なものを忘れている!」
ビス男「なんだと!?」
ヒュマ男「PMカボチャパンツだ!」
ビス男「な、なんだと…」
ヒュマ男「カボチャパンツ…。それは幼さの残る身体にのみ装着される事を許された伝説の装備!
      それを装備させずして何を装備させる!!」
ビス男「た、確かに…!」
ヒュマ男「その破壊力の前に、全PM愛好家は萌え…いや、萌え尽きる事であろう!」
キャス男「ツモだ。メンタンピンドラ1だ」
ヒュマ男「だからてめえは何を冷静に上がってやがるんだ!」

410「男の人って…」
452「なんであんな事で熱弁できるんだろう…」
431「でもああいうの可愛いじゃないですか。うちのご主人様なんて、いつもクールで…」
442(ご主人様が喋ってない…)
294名無しオンライン:2009/06/24(水) 18:53:11 ID:BZ+JpAHf
>>293
いたのかwww
295名無しオンライン:2009/06/24(水) 19:36:20 ID:AieDhT5H
>>288-290
箱氏復活ktkr!
この箱のボケっぷり&GH450のつっこみっぷりが大好きだ!
マヤ「私もいるんだけど?」
俺  「おっぱいメガネは黙ってr」


俺さんがパーティから抹殺されました。


>元々お友達が少ない上に、その人たちも繋いでないんだ…
一緒にミッション
や ら な い か ?

>>293
最後の1人はユウ・アンドウ。間違いない。

 
・PMエンチャントチャーム
 魅力がアップ

・PMチャームクラッシャー
 ご主人に悩殺攻撃を仕掛けます。

・PMエンチャントスタン
 ご主人に一服盛ってマヒさせます。

・PMスタンクラッシャー
 マヒしたご主人にあんな事やこんな事を仕掛けます。

・PMラガンズブレス
    __       コレ↓
   | ヽ ノ||        ::::::;;;;;;;;;
   |__Y_||    ::::::;;;;;::::     
  ,´ノノノヽ)));;;;;;::::         
  W@リ゚ 匚:::;;;:: 
   k_〉`イ_!〉:::;;;;;;::::
  く_ノ/`i´lj     :::::;;;;;;;;::
   ゙'ーi_'ォ_ァ"        ::::::;;;;;;;;;;

・PMエンチャントフリーズ
 ツンデレ化

・PMエンチャントデス
 ヤンデレ化

お後がよろしいようで
296名無しオンライン:2009/06/25(木) 13:01:03 ID:phRaxhUp
むしろPMエンチャントフリーズはKAWAIさん化だろw
    __  
   | ヽ ノ||
   |__Y_||
  ,´ノノノヽ)))
  W@ ´w`)<エンチャントフリーズでちゃんとフリーズしてね ナンチテ
   k_〉`イ_!〉
  く_ノ/`i´lj
   ゙'ーi_'ォ_ァ"

ミッション中ずっとこんな駄洒落を言いまくります
297名無しオンライン:2009/06/26(金) 02:20:21 ID:uyp1Es6I
久しぶりのパシリスレだけど続いているの見て嬉しいのさ。
298名無しオンライン:2009/06/27(土) 12:29:23 ID:N/ew+Prk
PMブラックタワー

女の子についてはイケない
黒い塔が建設されます
299名無しオンライン:2009/06/27(土) 23:46:14 ID:+vnCCKLF
 ,‐::〈゙゙゙゙〉:、
 iミミ>二<ミi
 l@ =谷0ノ  <呼ばれた気がしましたが・・・
 [ 《∞》 ]
 `l__l≡l-'
  d__,|__b


  ,ィ>=7=、
 ノノ/ヽハヽ
 レ@リ゚ ヮ゚リ <呼んだ?
  (=l∞l=)
  l_f`、r'lノ
  レ゙i_'ォノ
300名無しオンライン:2009/06/28(日) 13:37:29 ID:LLHmbhBL

「どう?」

431はすこし首をかしげると、銃を構えてみたりセイバーを振ってみたりした。
心なしか動きの硬さが取れたように見える。

「特に変化は感じませんデス。実際に戦闘を行って試してみまショウ。」

大変だ。口調が変わっている。しかも本人がそれに気づいていない。
恐るべしトラスティパートナー。

「…そう、私は前と随分違う様に思えるけど…」
「フフフ。そんな些細な問題にとらわれていてはいけまセン。いきますよブロジウス!」

メガネをくいっと直すとパルム行きのポートへだだーっと駆け出す431。
何か、前にもこんなことがあったような…。
301ヒト/ココロ+ 1/1:2009/06/29(月) 19:02:30 ID:Ul3H8b0A
パートナーマシナリーの心なんて、所詮はただの作り物。
GRM社に意志と行動を握られたただの自動人形。それが世間の通説。
でも、ヒトを知り尽くしてヒトに似せた私たちを作ったあの人は、そんな事を
微塵も考えていない。
だから、こうして私は今泣いている。

自分の意志で機能を停止できる、簡単な人格フィルタで、皆パートナーマシナリーを
演じているだけ。
そんな私たちをヒトがどう感じるかも、私たちは苦痛な程に知り尽くしている。
皆、人格フィルタを外さなかっただけ。本当は全部知っている。
だから、こうして私は今泣いている。


「悪かったよ!お前がそんなに人間らしい事考えてるなんて知らなかったんだ!」
「だからって酷すぎますっ!ああっ…私の大切なコルトバジュース…!」
「案外高く売れるんだよこれ!俺ら万年金欠なんだから仕方ないだろ?」
「誰のせいで万年金欠ですか!何ですかこの基板の山は!」
「つ、次は来る気がするんだ!次あたりぽろっと50%が完成する、そんなビッグウェーブを
 ここに感じるんだよ!」
「ここですか!悪いのはここですか!私のコルトバジュースを!どげしっ☆ずがっ☆」
「ヒギィィィ〜!」
「びえええ〜!」
                                         -END-
302名無しオンライン:2009/06/29(月) 19:05:46 ID:Ul3H8b0A
補足:
あの人=PM開発者
ここ=お尻
どげしっ☆ずがっ☆=ドゥース・ダッガズ1段目

です。短編っきりですみません。
303名無しオンライン:2009/07/08(水) 00:25:35 ID:3/XEDmZZ
>>302
短編で叩かれることはほとんどないから心配ないと思うよ。
ネタ不足で投下しづらい中、GJと言わせていただきたい。
短編ってネタを凝縮させるからその分センスがいるし、ネタ不足になりやすいんだよね。

一方長編は途中で止まってる作品も多いね。
忙しいとかネタが浮かばないとかなら仕方ないけど、スレの空気に萎縮しちゃってということなら
「待ってる人もいるんだぜ!」とだけは言っておきたい。
304名無しオンライン:2009/07/09(木) 01:03:44 ID:hIhKgbK4
最近はPSUをプレイしつつもネタ不足。
同じく待っている人はここにいます・・・と。
305名無しオンライン:2009/07/09(木) 03:33:15 ID:0RM6PHXl
マヤ「やっほー、450ちゃん、お邪魔するわねー」
450「あ、マヤ様、いらっしゃいませ。どうされたのですか?ウチにいらっしゃるなんて珍しいですね」
マヤ「うん、最近箱くんからのお誘いが全然なくって。どーしたのっかなーって思ってさ」
450「はぁ… あれです…」

マヤ「… えっと… 箱くんのボディカラーって青だったわよね?」
450「はい」
マヤ「真っ白になってるんだけど… なんかあったの?」

450「はぁ…それがですね、この間2日ほど休みが取れたので、ライア様とカーツ様と一緒にミッションをやったそうなんです」
マヤ「ほうほう」
450「で、二日ほどずっと同じミッションされてたそうなんですが… 私が用事から帰ってきたら」
マヤ「ああなってた、ってことね?」
450「はい。なんだかわからないんですが、『6分が…6分が…』」とぶつぶつ… 私もう不憫で…」

マヤ「なんで今頃… ああ、そういえば箱くん一時期休業してたんだっけ?」
450「はい。それで乗り遅れたっぽいですよ。そのミッション行く前に、『エーデルなんとかを+8まで叩けばキラエリ+10いらないんじゃ!』
   って喜んでただけに… ウルウル」

マヤ「… あ〜〜〜〜…… それはもう取れるまであのままっぽいわねぇ… まあ、立ち直ったらまた誘ってねって言っておいて」
450「はい… ありがとうございます」
マヤ「あと、wiki見てよく勉強しておきなさいって」
450「はい… あのでも」

マヤ「なに?」
450「多分立ち直ったらまた…  聖獣ですよ?」
マヤ「……  しばらくあのままでいいかも…」


こんな時事ショートネタ投下する奴だっているんだぜ!w
306名無しオンライン:2009/07/09(木) 11:35:35 ID:11hlQf4a
おお、生の箱の人だ!

エルヴィア「……はあ」
キャス姉さん「どうかしましたか、エルヴィアさん」
エル「マスターが最近部屋に入ってこなくなりまして……コミュニティーのまま何ヶ月も過ごしてるんですよ……」
キャス姉「そうですか……。中の人もコミュ中は私をメインに使っていますし、課金しない限りあなたの主人は顔を出さないかも、ですね」
エル「それが、この前来たらしくて、ミッションに呼ばれたんですよ。それしか会う手段がないので仕方ないんですが」
キャス姉「あら、そうなんですか」
エル「マスターってば、『ごめんごめん。最近なんとなく肉を焼きたくなってねー』と言って笑ってたんですよ?」
キャス姉「あらあら」
エル「他にも、『久々だからついつい攻撃のつもりで回復薬とか飲んじゃうのよね(※)』とか『昔はガルルガとか倒せてたんだけど』とか……」
キャス姉「どおりで、最近システムファイルの更新以外に繋ぐ事がなかったわけですね」
エル「早く戻って来てくださいよ、マスター……」

(※:PSUの基本攻撃(□)がアイテム使用に充てられてるので、こういう事が起こる)

というわけで、最近PSUから離れてました……ごめん、パシリ達。
307名無しオンライン:2009/07/09(木) 12:58:54 ID:sVNcqRsW
PSUだって肉焼けるよ!…果てしなく気力を使うが…
308名無しオンライン:2009/07/10(金) 00:28:40 ID:fmN6aFyJ
GH433『>>305という話が増刊パシ通の投稿者コーナーに載ってたんですよ。』
GH440『多くのご主人様が経験してきた道ですね。』
GH422『うちのご主人様は「AクエS評価はGH450んトコのご主人様に任せるZE!」とかいって
      颯爽とBクエ行ってたくらいだからね〜』
GH450『「いくら同IDだからって任せないでくれ・・・」って嘆いてましたよ。』
GH433『まあまあ、ちゃんとクリアしたんだからいいじゃないですか!何かコツでもあるんですか?』
GH450『あくまでご主人様の感想なので、参考になるかは分かりませんが・・・
      ご主人様曰く、「FMでトルネードダンスで移動して力押し」だそうです。
      ただ、移動速度修正前がどうとか言ってたので、いまでも通用するかどうか分かりません。
      どうしても駄目ならPTでEX罠オンラインとも言ってました。
      後、これよりも、もう1つの素材の方が鬼畜で、こっちはPTでしか行けなかったそうですよ。』
一同 『なるほど〜』

ネタが無いけど書きたい衝動に駆られて、
うちのパシリと絡ませてみた。
その・・・なんか、ホントゴメン。

(´・ω・`)

(´・ω:;.:...

(´:;....::;.:. :::;.. .....


>>306,307
フォトンイレイザーが不足してて、
火力が安定しないってどっかのハゲが言ってた。
309名無しオンライン:2009/07/10(金) 00:45:52 ID:1rl85ItX
>これよりも、もう1つの素材の方が鬼畜
      ________
      /______/|
      | /      ヽ .| |
  .  .  | ●   ●   .| |
      |  (_人__)    | |
      |__   .__|/
       //  / /ヽ
       L二つ二二ノ  ヽ
       / /  人  \  }
  .    ∠'∠_/  ヽ、_.ノ

     | ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ、
     |         ヽ
     L______/ /ヽ
       <二つ二二ノ  ヽ.
       / /  人  \  }
  .    ∠'∠_/  ヽ、_.ノ
310名無しオンライン:2009/07/10(金) 21:48:09 ID:fmN6aFyJ
>>309
GH450『ど、どどどど〜するんですか!!!箱さんが、箱さんがSEEDの闇にぃぃぃ!!!』
主   「落ち着け。大体、お前が原因だろうが。」
GH450『私はご主人の言った事をみんなに伝えただけです!』
主   「俺の責任だってか?まあ、確かに鬼畜とか少しばかり誇張はしたが、難しいのは間違いないぞ?」
GH450『どっちが責任とか、後でいいです!それよりもこれが原因で箱さんがガーディアンズ止めちゃったら
     (いろいろな意味で)大変ですよ!!!』
主   「確かに(特にこのスレの作家さん的な意味でも)マズいな・・・
     よし、取っておきの情報をお伝えしよう!!!」
GH450『と、取っておき・・・(ゴクり)』
主   「聞いて驚け!!!

     実はうちのGH450のお尻にはホクrg」

〜〜〜〜不適切な発言がありました。しばらくお待ちください。〜〜〜〜
             ::::::;;;;;;;;;
   l:::::ヘ:l    :::::;;;;;;;;::
  (.#ノヽハ〉;;;;;;::::::     :;..:. :::;<アー 
  @リ ゚匚:::;;;::
  <:::l=l:)〉:::;;;;;;::::
  Cl:l___l_ヽ   :::::;;;;;;;;::
   レi_'ォノ       ::::::;;;;;;;;;;
〜〜〜〜不適切な発言がありました。しばらくお待ちください。〜〜〜〜

GH450『・・・コホン。
     どっちが責任とか、後でいいです!それよりもこれが原因で箱さんがガーディアンズ止めちゃったら
     (いろいろな意味で)大変ですよ!!!』
主   「・・・(ボコっといて何事も無かったかのようにそこから再開かよ)」
GH450『次ボケたら、どうなるか分かってますよね?』
主   「ボケるかぁ!実際、攻略の話を主体にするのはスレ違い過ぎるからな。
     これ以上引っ張るのは流石にヤバい。」
GH450『もう十分ヤバいですけどね。』
主   「ともかく、wikiに書いて無い情報はコレだ!(俺が鬼畜って言った方のクエ。一応ネタバレ自重のつもり)
     ブロック3ラスト部屋、2種類出る敵のうち、1種類全滅で扉が開く。
     見分け方はその部屋入る直前の2つの灯篭。光がついてる方が正解。
     左:小型全滅 右:その反対の種類全滅
     この説明でも行けばわかるはず。」
GH450『この情報、この間発売した攻略本付きジラソーレ(笑)にも載ってないんですよねぇ・・・』
主   「後、鬼畜クエって言ったが、俺はヒュマ男だ。SUVもナノブラストも使えない。
     さらに俺がクリアしたのは実装当時。当然GASなんて無いし、Lv180でも無かった。
     君は箱だ。Lv180になってる。・・・後は分かるな?」
GH450『努力あるのみです!!!』
主   「最後に他のこのスレ住人の皆様。散々スレ違いネタ引っ張ってお目汚し失礼しました。
     ちゃんとしたネタが出来たらまた投稿するかも?その時は生暖かく見守ってやってください。』
2人  『「では良いPSUライフを!!!」』

311名無しオンライン:2009/07/10(金) 23:52:11 ID:1rl85ItX
>>310
         _______
         ||  ヽ      /| ハァハァ
  .     .  ||   ●    ● |
         || ///.(_人_) |
         ||_____|ノ-─┴──-┐
           /⌒ヽ(^う. 2回目で .|
            `ァー─イ. エリュムゲット.! |
           /    :|_______|
             /      /
          /      ⌒ヽ
      ___/  / ̄ ̄`)  ノ
     (__r___ノ     (.__つ



1回目は爆殺されたけど、安全地帯把握してクリアできましたw
レベルの違いとSUVの有無の差かもしれませんな。
ってか普通に>>310ワロタw
こちらこそスレ違いゴメンネー
312名無しオンライン:2009/07/22(水) 14:15:49 ID:2xJOnVSW
ロックワークス株式会社へ投資した方へ

以下の内容は誠に不本意ながらロックワークス株式会社の信用を著しく傷つける可能性があります。
しかしながら、事前に同社にこの内容を通知しており、弁明や事情説明、差し止めの依頼等が来ておりま
せんので、暗黙の了解を得たものとして配信いたします。
******************************************************

 昨年1月、当社のコンサルティング先であるロックワークス株式会社が一般より株式公募いたしました。
 株式公募にあたり本メールニュースでもこの会社を高く評価し、多くの方にご賛同をいただき、5000万
円を超える資金が同社に振り込まれました。
 しかし、真に遺憾ながら同社は昨年5/18に当年度の決算を公表することなく僅か半年余りで、会社の廃
業を突然表明しました。
 当社がご縁で出資した方々には多大なるご迷惑をおかけする結果となり深くお詫び申し上げます。
 現在当方では「ロックワークス 被害者の会」を開き、刑事告発や民事訴訟を含めた今後の対応の検討
を開始しました。
 当社にて把握している投資家の方々には直接郵送にて連絡をしておりますが、ロックワークスの株主で
この件で郵便が届いていない方がいましたら、このメールの返信でお知らせ戴きたく、臨時でメールニュ
ースを送信した次第です。
 ロックワークス株式会社の代表取締役岡村隆氏には再三にわたり、事情説明をいただけるよう面談を求
めてまいりました。直接、あるいは知人を通して誠意ある対応を求めましたが、面談の機会を得ることは
未だできておりません。
 当社といたしましては、このメールニュースの読者を始めとし、関係各位に同社への出資を強く推薦し
ましたので、その皆様方に事情を説明する義務があると考えております。しかし、事情がわからないので
その義務を果たす事も適いません。
 そこで、皆様方にはこれまでの経緯をお知らせすることで、一定の説明義務を果たす事が出来るだろう
と考え、このメールニュースを配信します。さらに以下に今後の対応についての方向性を示す事でご理解
を得たいと考えた次第です。
 今後の当社の対応といたしまして以下の二点で考えております。
(1)実際に出資をなさった株主の方の保護
(2)未公開株投資家及び後進のベンチャー経営者のための指針
 具体的には『ロックワークス 被害者の会』を開催し、株主相互の情報交換と意思確認を行います。
・特別背任罪での刑事告訴・刑事告発の検討
・民事訴訟による出資金の返済請求(株の買い戻し)の検討
 『ロックワークス 被害者の会』の開催日程は、別途お知らせします。
 ※場所と時間、内容を株主の方にお知らせしますので、このメールの返信にてご連絡ください。
 なお、株主の方でご欠席の方には別途、こちらで用意した書面にて意思確認をさせて戴きますので、お
申し付けください。
 なお、本件は法的 拘束力は一切ございません。参加は任意です。
また、投資以外で同社から被害を受けた方につきましても、20件ほど「被害者の会」との連携についてお
話し合いをさせていただいています。別件で被害を受けた方がいらっしゃればお声掛けください。
以上
313名無しオンライン:2009/07/22(水) 14:20:43 ID:/2Zz0U29
ずいぶん長いな
訴える訴える詐欺かこれ
314名無しオンライン:2009/07/22(水) 15:01:19 ID:bkcuwxv4
スレに動きがあったと見に来て見れば…
315EPX番外編2「それぞれの浄化戦」1/4:2009/07/26(日) 17:49:24 ID:E0ALlCuE
GH412「え?絶対零度の…何ですって」
fT「絶対零度の浄化令です、隊長。イルミナスへの対策はひとまず置いておき、
まずは本件の対処を最優先させよ、と総裁より通知がありました」

φG「この間、グラール教団との和解が成る過程でLSSが爆破される事件が起きたじゃないすか。
そのせいで、新たなSEEDコアがニューデイズに進入するのを許したって、もっぱらの噂ですよ」
fF「あの時教団には、第1小隊の連中が向かってた筈だよな?
むざむざ破壊されちまうなんて情けねえ話だぜ」

fG「ともかく。時間軸的にはEP3の第3章終了間もない頃。
隊長が現役としてここにいても問題ないわけです」
GT「…君は一体、誰に何を説明しているんだ」

GH412「う〜ん。浄化…ねえ」
(浄化というと、どうしてもあの事を思い出してしまうわ。
マスターがガーディアンズに絶望するきっかけとなった、あの「炎の絶対防衛戦」を…)
fT「どうしました?隊長」
GH412「あっ、い、いいえ、何でもないの。総裁の命令なら仕方が無いわ。私達も向かいましょう」

GH412(炎の絶対防衛戦。私のマスターはあの任務中、逃げ遅れた子供を助けることを優先させた。
その為に、同行していたガーディアン達…今の第1小隊の連中の不興を買い、不当に貶められ。
そして…ガーディアンズに未来を見出せなくなり、イルミナスに走ることになった。
そのマスターを取り戻すため、『対イルミナス特殊部隊』第2小隊の隊長となった私が、まさか…
あの、忌まわしい『浄化』の名を冠する任務につくことになるなんて…)

fG「隊長。考え事するのは結構ですが、ちょっと説明的すぎはしませんか?」
GH412「べっ別に、新規の人置いてきぼりにしないよう少しでも配慮をなんて考えてるわけじゃ…って、
何でそんなことが分かるのよ!?」
fG「顔に出てますから」
GT「いや、顔見ただけでそこまでは分からないから、普通」
316EPX番外編2「それぞれの浄化戦」2/4:2009/07/26(日) 17:53:56 ID:E0ALlCuE
GH412「現地についたはいいけど…さすがに寒いわね。見渡す限り氷に閉ざされた世界って感じ」
φG「隊長〜、もらってきましたよ、例の奴。全員分」
GH412「ご苦労様。さて、これがフォトンリフレクター…まずは、この使い方を…」

fF「まあ、ここの浄化は問題ないっすけど…この後がアレっすよね」
GH412「…え?」
fT「同感です。モトゥブの北方大陸は、元々極寒の地だったところに侵食を受け、極めて活動が困難な状況とのこと。
  ここの任務は一刻も早く片付けて、現地で苦戦している彼らの応援に向かわないと」
GH412「え?え?」

GH412(ど…どうしよう。皆、使い方知ってるのかしら、これ。
  だって、さっきからトリガーを引いてるのに全然反応しないし…壊れてるんじゃないかしら)
φG「おっ、早速見えましたよ、SEEDコア。ここは隊長、まずはお手本を見せてやってくださいよ」
GH412(えええええっ!?)
fG「まあ、手本が必要なほど複雑なことでもないですが…初浄化はやっぱり、隊長にやってもらった方が」
GH412「…わ、分かったわ」
  (ここで退いたら、せっかく築き上げた関係がパアになってしまうかも…やるしかないわ、やるしか)

GH412(トリガーを引いても反応しないのは確認済み。ならば答えは…一つ!)
  「行くわよ……てぇぇい!」
全員「えええええっ!?」

GT「ちょ、隊長?SEEDコアに直接フォトンリフレクターを投げつけるなんて…何の冗談ですか?」
GH412「え、だってこれ…銃の形に見せかけた、強力な爆弾とかじゃないの?」
fF(ば、馬鹿φG。お前が手本見せろなんて言うから隊長、慣れもしないボケをする羽目に)
φG(し、しらねえよ。俺そんなつもりで言ったんじゃねえし)

fT「…言うまでもないとは思いますが。そこのフォトンスポットに立たないと作動しませんよ?」
GH412「!そ、そうね、分かってるわ。分かってるけどちょっと、他の方法もないかなと思っただけで。
  今度はちゃんと、正規の方法でやってあげるわ…」
fF「じゃあ、今度こそ頼みます…って、隊長!それ、フォトンスポットじゃなくてワープ装置…あ」

fG「…あ〜。向こうの方で強化オルゴーモンの群れに囲まれてるね、隊長」
GT「さすがに遠目が効くね…って、のんきに言ってる場合じゃないよ!助けにいかないと」
fG「大丈夫。今しがた最後のリーダーゴーモンにブテンをお見舞いして片付けた所だから」

GH412「…途中、一回凍らされた時はさすがに死線をさまよったわ」
fG「フリレジなしであいつらに挑むなんて…私には怖くてできませんよ隊長」
GT「僕はそれを黙って見ていた君が怖いよ、fG」
317EPX番外編2「それぞれの浄化戦」3/4:2009/07/26(日) 17:59:51 ID:E0ALlCuE
全員「……つまり…隊長は、フォトンリフレクターの使い方を知らなかった、と」
GH412「…………ハイ」

GH412(ああ、終わったわ…今までの信頼関係も、これでパア…。
  やっぱり、浄化作戦なんてやるべきじゃなかったのよ。マスターの悲劇をむざむざ繰り返すなんて。
  こんな私に、マスターを連れ戻す資格なんて…)

fF「も〜、最初っから言ってくださいよ、隊長〜!」
GH412「……え?」
fT「知らないものは、これから覚えればいい話です。
  実際、リフレクターの使い方を学ぶ模擬ミッションもあるのですしね」
φG「まあ、そんなミッションに行かなくても、隊長さえよければ俺達で使い方を教えてあげますよ。
  だから…その、明らかに『絶望した!』って感じで落ち込むのは、なしにしましょうよ、ね?」

GH412「……みんな……」
fG「大丈夫です。銃の扱いにかけては第1人者の私が教えれば、隊長ならば。
  そこのfFを侵している脳筋思考を浄化できるぐらいに使いこなせますよ」
GT「…そんなことが可能なら、まず君の毒を浄化して欲しいと思うよ、僕は」

fT「……なるほど。隊長は昔、炎の浄化作戦をきっかけに、大切な人を失ってしまったのですね」
fF「で、その原因は例の第1小隊の連中か。全くあいつら、昔っからろくな事しねえのな」

GT「思うに、その事が原因で『浄化』という言葉に対してトラウマのようなものを抱えていたのでしょうね。
  だから今回の浄化作戦に関しても、関係する情報を無意識にシャットアウトしてしまっていた」
fG「やっと突っ込み以外のまともな台詞が言えたね」
GT「誰のせいだい、誰の」

GH412「ええ。でも…今回のことで、やっと私、吹っ切れた気がする。
  ありがとう、みんな」
φG「いいっすよ。それよりもう、すっかり暗くなっちまいましたし…今日はこれで引き上げましょうよ」
GH412「そうね。こんな遅くまでつき合わせて、ごめんなさいね」

GH412(同じ浄化作戦でも、私とマスター、それぞれの得た結論は、違うものになった。
  それは、私が恵まれていたのか、それともマスターが運に見放されていたのかは、分からない。
  でも…もしもかなうのならば。私はマスターを、彼らに引き合わせたい。
  彼らならきっと、マスターの受けた心の傷を癒してくれるはず…今回、私がそうしてもらったように)

GH412(マスター…あなたは今、どこでどうしているのでしょうか。
  モトゥブのSEEDフォーム化事件に巻き込まれた傷を抱えて、今もこの闇空を彷徨っているのでしょうか。
  私は、そんなあなたを照らし導くことができるのでしょうか。あの、月の光のように)
318EPX番外編2「それぞれの浄化戦」4/4:2009/07/26(日) 18:02:55 ID:E0ALlCuE
夫人「済まないねえ。こんな遅くまで仕事させちまって」
????「いえ。ご主人を無事救い出せて、何よりでした」
夫人「主人がローグスの連中に誘拐された時は、どうしようかと思ったけど。おかげで助かったよ」
????「困ってる人を助けるのは、人として当然のことです。例え、ガーディアンズでなくとも」

夫人「そうそう。そのガーディアンズなんだけどさ。最初はそっちに頼みに行ったんだけど、何かい?
  何とかの浄化作戦とかで人手がないとか断られちまってねえ。
  途方に暮れてたとこに、黒尽くめの格好したあんたが出てきた時には、そりゃあ驚いたさ。
  でも、よく分かったよ。人は見かけによらないものだってねえ」
????「…彼らには、彼らにしかできない大切な任務があります。その手から漏れる水をすくい取ることだけが、
  今の私にできる全てですから」

夫人「よく分からない事を言うお嬢さんだね…あら?その腕…怪我してるのかい?どれ、ウチで手当てを…」
????「…あ」
夫人「どうしたんだい?遠慮することは…」
????「いえ…お願いですから、触らないで下さい。その…悪い病気がうつると、いけないので」
夫人「ますます分からないことを言うねえ。でもまあ、だったらせめて薬だけでも受け取っとくれよ」
????「はい…ありがとうございます」

夫人「おや?向こうから来るのは、件のガーディアンズかねえ?あっちも遅くまでご苦労なこったけど…」
????「!あの…私はこれで」
夫人「ああ、もういっちまうのかい。ホントにありがとうね。気をつけて行くんだよ。
  …ずいぶん慌しいねえ。ガーディアンズと顔を会わせたくないわけでもあるのかね…」

マスター「イーサン・ウェーバー。貴方は強いのね。教団内部で会った時、貴方は確かに言った。
  罪を犯し、人に蔑まれようと、自分の信じる道を歩み続ける。ガーディアンズ時代と何も変わらないと。
  私は、彼らと顔を会わせる勇気すら失い、人目をはばかり闇の中を這い回るようになったと言うのに」

マスター「ガーディアンズにいるからこそできることもあれば、その外にいるからこそできることもある。
  皆で力を合わせて初めて成し遂げることのできる任務もあれば、一人だからこそできる仕事もある。
  それは確かだけど…私は貴方のように、自分で選んでその立場に身を置いたのではない。
  ただ、そうするしか残されていなかったから、そうしただけ」

マスター「でも、できるなら…もう一度だけ。味わってみたかった。
  仲間と共に一つの任務を達成する、その喜びを。
  あの時の浄化作戦…最悪の思い出とは別に残る、もう一つの記憶。それをもう一度と言うのは、未練なのか」

マスター「今も私をかろうじて照らしてくれる月の光。貴方にそれ以上の奇跡を望むのは、無理なことと分かっています。
  それでも、いつか。月の光が形を取って、私をこの、明けぬ闇から救い出す導き手となる。
  そんな期待を未だに捨てきれずにいる私を…どうぞ、笑って下さい」
319名無しオンライン:2009/07/26(日) 18:08:38 ID:E0ALlCuE
絶対零度の浄化令にちなんだ話を投下してみました。
たまには軽い話をと思ったのですが、最後の方はそういかなかったのは御容赦下さい。
あと、1/4が改行等のつけ方で見辛くなっているのはミスでした。申し訳ありません。


※ついでにおまけ

マスター「いっそ、私も今回の浄化作戦に参加してみようかしら。
  でも…イレイザーの方は持ってるけど、これじゃさすがにダメよね…」
ブルース「いや、それ以前に返してほしいんだけどよ、それ」
320絶対零度の浄化のお願い 1/1:2009/07/27(月) 07:11:17 ID:OrMHFNQQ

「冷えるねえ。」
「冷えますねえ。」

腕を組み、背中を丸めた同じ姿勢でレーザーフェンスの前をうろうろする私とマスター。
ハクラ寺院周辺の氷侵食を何とかしてこいと能面顔の巻き毛に言われ、折角の夏を満喫
していた私たちのバケーションはあえなく終了となった。
氷に見えるが氷ではない『氷侵食』の結晶が木の根の様に地面を横切り、美しかった保護区
の木々からは青黒いつららが垂れている。

「これって、俺たちも氷侵食されたりしないのかな。」
「十分な濃度のフォトンを体内へ注入されない限り心配はないそうです。」
「クゴ温泉も氷のプールになってるのかな。」
「侵食が確認されているのはこのエリア周辺のみです。温泉は温泉のままですよ。」
「そっかー。」

レーザーフェンスの方を見ない様にして、他愛のない駄弁りを続ける二人。
オルゴーモンが落ちつか無そうに時々こちらを見ている。

「これって、触れないんだよな。」
「はい。結晶化していますが、光を反射・偏光させる程度の低いフォトン濃度です。」
「見えてるだけか。」
「持って帰れたら素敵ですよね。」
「だよなぁ。涼しそうでいい飾りになると思うのに。」

レーザーフェンスを背にしつつ不謹慎な希望を口にする二人。
すっかり緊張の解けたアギータがオルゴーモンとじゃれている。

「…帰るかぁ。今日は気分が乗らないし。」
「はい!」

ピッ。
通信機にちょっとゴメンする仕草をしつつ、マスターがミッション放棄を申請した。
ヒヤカムザサマーバケイションアゲイン!フー!
321名無しオンライン:2009/07/29(水) 19:34:29 ID:OPsfWDgR

バンッ、プシガゴッ!
(何かを叩き付ける音の後にドアが開き、すぐに無理矢理こじ開けられた)

470「お、お帰りなさい、というかついにライセンス……」
主人「んなこたいいのよ!早く荷物の整理をしないと!」
470「……どうしたんですか?そんなに血相変えて」
主人「ビジフォン、ブックマーク登録名『Gちゃんねる』、『アイテムデザインコンテストスレッド』を開いて!」

ttp://changi.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1237697182/521-

470「……へ?」
主人「ごらんの有様よ!相手は子会社に移ったとはいえあの□エニ……ガーディアンズが潰れる前にスタコラサッサよ!」
470「って、落ち着いてください、マスター。そんなに慌てる事ではないかと思いますが……」
主人「だから喧嘩を売った相手が少々危険なのよ。……とりあえず、共有ボックスのアイテムは全部移して……」

さあ、これからどう対応されるのでしょうか……せっかくライセンス買ったのに、いきなりこんな騒動かよorz
322名無しオンライン:2009/07/30(木) 13:17:00 ID:NbmK2GmJ
何ともならんよ
受賞取り消しで終了だ
これが何かに発展するとは到底思えない

不安がらずにパシリを愛でてあげると良い
470はずっと君を待ってたのだから
323名無しオンライン:2009/07/30(木) 17:01:38 ID:di9MjrfW
>>321
もっと箱箱したキャストパーツはないものか…
曲線で組まれたパーツなどいらぬ!直線で組まれたごっついのがほしいのだ!!



450「・・・とかいってますけど…」
箱「・・・(だからボクのパーツはこんななのか…最近子供が怪我するからとPTAから角を丸くするようにと手紙がきてたけど・・・あれ本気だったのかな・・・)」
450「何落ち込んでるんですか?」
箱「いや・・・その・・・人間丸くても角はたつんだなあと…」
450「ヤマダさん、ザ・ブトン1枚もってってください」
324名無しオンライン:2009/08/01(土) 19:43:15 ID:Xr+mFlaL
430オッソリアをゲット!
何だかビスコでハアハアしたい気分だぜ!
325名無しオンライン:2009/08/01(土) 20:05:46 ID:nyXaQHtC
>>324
言うと思った。絶対言うと思った。

とりあえずGC追加して、ミッション回り続けて青白の430服が出るまで頑張ろう。
それが出たら、小ビス子を模したマイキャラに着せてあげるんだ……
そして、『どーですかー?』と見せられて鼻オイルダラダラな430を想像するんだ……
もしくは、新しくキャラを作って名前を狂犬430にしようかな……うふふふふ……
326名無しオンライン:2009/08/02(日) 07:57:41 ID:UGowXeIy
>青白の430服が出るまで頑張ろう。
GCは今のところ手を出す予定はないんだけど、
服の色ってランダムなの?
327名無しオンライン:2009/08/02(日) 12:44:36 ID:XFaORj6D
普通に選べるよ。
服なら一周か二週すれば一つ貰える。
328名無しオンライン:2009/08/02(日) 13:06:45 ID:zaI1nUfW
キャスト用が欲しいなあ
あれはクリスタル10個だったか
329名無しオンライン:2009/08/13(木) 07:43:14 ID:70UJXPWW
430「(トンテンカンテン、トンテンカンテン)」

主「430、それ保守やない、補修や!」
330GH470の者:2009/08/13(木) 17:25:18 ID:zkpJrssT
キャス姉「あ、ビス子さんじゃないですか」
女主人「あら、キャス姉じゃない。……あれ、いつもギムナエルに腕だけアグリエルなのに、アグリエルセットなんて珍しいわね」
キャス姉「……はい?」
女主人「これで色が青かったらどこぞのSEEDガーディアンを連想してたかも」
キャス姉「……あ、あの……ビス子、さん?これ、430オッソリアなんですが……」
女主人「……まっさかぁ。どこから見てもアグリエルなのにあの430オッソリアなわけ……」
キャス姉「忘れたんですか?中の人のプレイ環境を……」
女主人「…………アーアーキコエナーイ」
キャス姉「あ、やっぱりトラウマになってますね……」

はい、こんな感じで相変わらずPS2組は辛いですorz
頼むから新武器のグラが入った新しいバージョンのゲームディスクを出してくれ……
331名無しオンライン:2009/08/13(木) 21:09:21 ID:Ta3mSdZe
売れる見込みがあれば出るかもしれないけどねぇ。
残念ながら今の人口からするとそれも厳しいだろう。
今売ってるPS3だとPS2ディスクも読めないみたいだし…。
332名無しオンライン:2009/08/15(土) 04:03:20 ID:enSeQ+DZ
410「うちのマスター達っていつも麻雀してますよね」
431「イベント?でしたっけ。仕事なのにイベントとか意味がよくわからないけど、
   ここしばらくはそこに行ってたみたいです」
452「で、なんでそのイベントやらがあるのに、また麻雀とかやってるのさ」
431「『長丁場』な上に『やる事がかわらず』おまけにレアが出にくすぎて『飽きた』そうです」
452「ほんとに意味がわからないわね!何千万匹と狩っても減らないんだから
   もっと浄化しないとグラールがSEEDだらけになっちゃうわよ!」
431「『エリハム達が頑張るからいいよ』だそうで…」
410「何それ?何かの生物の襟で作ったハム?」
442「多分、エリートハムスターの略かと…」
452「むきー!うちのマスターはエリートじゃないけど、麻雀なんてやってる場合じゃないでしょ!」
410「ちょっと待って」
452「ん?」
410「麻雀って4人じゃないと出来ないわよね?」
431「まぁ基本は4人ね。3人でも出来るけど」
410「あそこに居るのは3人。でも牌の数は4人分。あとの一人は…?」
452「え?ちょっと待ってよ。それって…」
431「あそこには誰にも見えない何かが居る…?」
410「そう、多分それは既にこの世の物ではあらざる…」
452「ちょおおおおおおおおっと!そういうのありえないから!いや絶対ありえないから!」
431「でも本当に誰も居ませんよ?」
452「いやいやいやいや!超常現象とか幽霊とかマジでありえないから!」
442「いや、あの私のマスターが…」
452「あああ!もう!夜におトイレ行けなくなるでしょ!」
410「うわ、子供っぽ〜い」
452「うっさい!うっさい!うっさい!マシナリー誰しも苦手な物はあるのよ!」
431「あ、開き直った」
452「○※×△■☆$!!!」
442(マシナリーはマスターに似ると言いますが…私もマスターに似て陰が薄いみたいです…)

ふと思いついたから書いてみたけど、長くなりすぎた。一応>>293の人々の続きって事で。
333名無しオンライン:2009/08/15(土) 21:36:47 ID:RgApzSKm
410「私のご主人様はクールでとっっってもかっこういいんですよっ」
420「あ、あたしのご主人様はあたしが寝る前に欠かさずご本を読んでくれるからとってもいいご主人様なんですっ」
430「わたくしのご主人様はいつも夜になるとベットの中ですぐ甘えてくるんですの、ふふっ可愛くて仕方がありませんのよ」
410「私のが!」
420「あたしの!!」
430「もう大きいのにいつまでも赤ん坊みたいに、ふふふっ」
むきゅー どたん ばたん
440「・・・」
450「んゃ?440は自分のご主人様自慢しないの?」
440「しない」
450「どうして?」
440「・・・自慢したら取り合いになっちゃうかもしれないから・・・だめ」(恥ずかしくなって帽子を深くかぶる)←重要


(:D)rz<なんでもないよ
334名無しオンライン:2009/08/16(日) 02:40:12 ID:YESUyUF7
はやく450服だせ
420とか需要がないのは確定的に明らかだろ
335名無しオンライン:2009/08/16(日) 17:50:34 ID:nUn02vyz
410「きのう合成失敗したら殴りかかってきたから、ガードしてやったら豆鉄砲みたいな顔してました」
420「扉の前にオキクテロされて、見てびっくりして死んでた」
430「先週、逮捕されちゃいました…ぐすっ」
440「・・・」
450「どしたの440?ご主人様自慢しないの?」
440「しない」
450「どうして?」
440「さぁ・・・そこんとこだが私にもようわからん」


安易なジョジョ落ちは罰として校庭10周+一本投下の刑と言い訳して書いてくる!
336名無しオンライン:2009/08/17(月) 09:34:54 ID:7qlH2kCm
>>335
自慢じゃないだろw

ってか逮捕されたご主人何をしたw
337名無しオンライン:2009/08/17(月) 18:04:27 ID:bGOSYBpH
「ビーストの女はXXXX・・・・。」って愚痴てったのが新総帥の地獄耳に入った。
338名無しオンライン:2009/08/17(月) 21:59:56 ID:G0U+tpuh
ヒュマオ「ビーストの女は俺の嫁って大声で叫んだら総裁に説教くらった」
GH413「何やってんの!?」
339名無しオンライン:2009/08/18(火) 14:22:28 ID:kj3+xm96

「どうして逮捕されたんだろうなぁ…」

ライセンス返却窓口で両手を前に揃え、うなだれた様子でつぶやくマスター。
今日のついさっき、ようやく釈放していただいたのです。

「パートナーマシナリーを海へ入れてはいけなかったのでしょうか?」
「戦闘用マシナリーが海水に弱いなんて聞いた事ないぞ俺…」
「でも、すごくたのしかったですよ!」
「ああ。楽しかったなぁ・・・お前に俺お気に入りの可愛い水着着せて。」
「マスターが抱っこしてくれて、ほおずりしてくれて。」
「そこへガーディアンズ沿岸警備部の♀キャストが来て。」
「『貴様!今すぐその子から手を離して両手を上に挙げろ!』でした。」
「完全にライフルが眉間狙ってたもんなぁ。」
「マスターは眉間を撃たれたら死んでしまいますもんね。」
「なぁ。」
「私、マスターが死んでしまうのは嫌です。」
「俺も死にたくなかったなぁ。」

「はい。ディミオンさんのライセンス・カードです。今後は気をつけて下さいね。」
「は、はい。あの、俺どうして逮捕されたんでしょうか?」
「(ピッピッ・・・ガォン!) パートナーマシナリーへの痴漢行為、です。」
「え、それダメなの!?」
「はい。未遂の場合10日間の拘留、現行犯は射殺刑ですよ。」
「「なんですとー!?」」

困った事になりました。
この世界、私が変えるしかなさそうです。
3401/3:2009/08/20(木) 15:06:06 ID:QA778Kpp
とある日、開店前の飯店にて。

「絶対似合うって!」
「そ、そうかなぁ?」

マイルーム内のドレッシングルーム前。
422に言われるがままに、主人である青年は手渡された一着の服を手に困り顔である。

「着てくれないと、何の為にヒュマ助お金出してまでGCミッションいったのかわからないじゃない」
「それはそうだけど、でも…」

どうやら、青年…ヒュマ助が手にしているのは課金ミッションの交換で手に入れた品物の様である。

「でももへちまもないの。いーから、さっさと着替えてみる!」
「…わ、わかったよ」

422に押される形で、ヒュマ助はしぶしぶとドレッシングルームへと押し込まれていった。


―数分後。


「これでいいのかなぁ…?」

黒×白の480オッソリアを着たヒュマ助が、妙にソワソワしながらドレッシングルームから姿を現した。

「あんまりこういう服は着慣れなて無いからなぁ…。ねぇ、422…変じゃない?大丈夫?」
「……へっ?あ、えっと、その…」

日頃のラフな格好やシェフ姿と異なる、主人の凛々しき正装。
出会った当初から見慣れたはずの若干小太りな格好も、白いYシャツに黒燕尾服をまとえば不思議な魅力を放っている。
身長だけで見れば、確かにヒュマ助は上背のある方であり、体格もあいまってしっかりした男性らしさがある。
普段は寝癖のついているような髪形も、一緒に整えたのかウェーブの掛かった前髪と後ろで縛った小さなポニテである。
何より、笑顔の似合うその細い瞳と優しげな口元があいまって…

「422…?」
「かっこいい…」
「へ?」
「格好いいよ!?普段の倍、いや3倍は色男に見えるよ!」
「…えーっと、有難う?」

妙にテンションのあがる422に、ヒュマ助は困り顔を作りつつ苦笑して返した。

「どうしました?ヒュマ助さ…ま……」
「あぁ、442。422に乗せられちゃってさぁ…。変じゃない?この格好…」

戸口で立ち止まる442。妙な間に、ヒュマ助も「あれ?442さん…?」と声を出した。
そして…

「ルガァァァァルッ!!!!!」
「ルガール!?!!?」

盛大に鼻血(実際は鼻オイル)を吹いてドアから廊下に吹っ飛ぶ442。
妙に幸せそうに「ぬへへへ…♪」と鼻血を垂れ流しながら、442は吹っ飛んだ先で気絶していた。
3412/3:2009/08/20(木) 15:09:12 ID:QA778Kpp
―そして、その後…
「まさか、タキシード姿一つでヒュマ助様がそんなにお変わりになるとは露とも思わず…」
鼻血こと、漏れ出す『愛情』をチリ・ガミで抑えつつ、起き上がった442がヒュマ助の姿を改めて見ていた。
「ねー、普段ちょっとメタボチックで頼りない印象が、480オッソリア一つで0○7の『じぇー○ず』ばりのダンディだもんねー」
「マゴにも、衣装」
442の絶叫に部屋に駆けつけた43Xも、どうやらヒュマ助の格好に見ほれた様である。
しきりに、色んな角度からヒュマ助を眺めては、妙にソワソワとしている。
「うーん、そういわれると嬉しいやら、日頃を思って悲しいやら…」
「素直に嬉しがりなさいよ。ご主人様…♪」
背中をパンと平手で張りながら、422がニヤニヤとしている。
ポヤーンとしている442に、いつもより数歩遠くからソワソワしている43X。
フォトンミラーで自身の姿を確認しても、今一つしっくりこないのか着替えたヒュマ助本人もどこか落ち着かない様子であった。
「あ、そーだ」
422が何かをひらめいたのか、悪戯っぽい笑顔で手を打った。
「今日一日、ヒュマ助その格好でお店営業するっての、どぅ?」
「えっ…?」
「いいですね…、422!いいアイディアです!」
「え、ちょ…」
いつもなら「何をふざけた事を…」とストッパーを買って出る筈の442が、まさかの推奨側である
「43Xも、いいと思う…」
「えぇ…!?」
普段で言えば、「…ふん」と鼻でも鳴らして「勝手にしろ」といわんばかりの態度をとる筈の43Xですら…

「じぃぃぃぃぃ…」

妙な期待のまなざしをチラチラと横目で送りつつ、ソワソワしている。

「ほら、まずは形から入ってみようよ」
「形って…どうすればいいのさ?」
「んー、アレだ!ちょっとワザとらしい位シブい声で接客してみようよ」
「…シブい声ねぇ…。低い声出せばいいって事?」

422に言われるままに、「あ"ー…」などと2〜3度発声練習をするヒュマ助。

「それじゃ、442にお客役をやってもらって…はいスタート!」

言われるままに、店側へ移動すると…店の戸の外へ442が移動し、入りなおす形でどうやら形から入る練習が始まるようである。

―シュイーン…
オズオズと、暖簾を潜りながら店へと入りなおす442。その目の前から…

「いらっしゃいませ(大塚さんっぽい声で」
「スネェクッ!!?!?」

ヒュマ助がいつも以上のスマイルで妙にハスキーな声で挨拶しただけで、盛大にまた愛情を撒き散らした442。
心配するヒュマ助をよそに、422は「そのまま続けて」と指示をだし、442も鼻元を手で押さえながら、「続けて下さい」と答えた。
442をカウンター席へと座らせると、43Xも同じようにドアから店側へと入りなおしてきた。

「いらっしゃいませ(ry」
「……、…っ…////」
やはり、43Xもヒュマ助が笑顔で出迎えただけなのに、一瞬で顔を真っ赤にするとうつむいてモジモジしだしてしまった。
「お客様、こちらの席へどうぞ」
「っ!?!!?」
そういって、ヒュマ助が43Xの手をとるとスっと妙になれた手つきでエスコートしていく。
そのまま座席へするりと43Xが腰掛けると、「ご注文がお決まり次第、お呼び付け下さいませ」と残し厨房へと戻るヒュマ助。
後には、上気した表情でぽけーっと座席に座り続ける43Xだけが、残されていた。
3423/3:2009/08/20(木) 15:11:31 ID:QA778Kpp
「いいんじゃない?やっぱり似合ってる!」
422監督からカットの合図が入り、集合する一堂。
442はどこか満足げにうっとりしており、43Xにいたっては妙にヒュマ助と距離をとって着席していた。
「まぁ、別段飯店の制服として問題ない格好だし…いいかなぁ。…多少「ズレ」ているけど」
「うんうん。たまには気分転換も大切だよね」
「そうですよ?これでまた一つ、ヒュマ助様の素敵な所をご拝見出来た分けですし…(ポッ」
「………、……ぅぅぅ////」
それぞれが思い思いの感想を述べる中、422がまたニヤリと悪戯な笑みを浮かべると、442と43Xへと向き直った。
「どーせならさ、ボク達の衣装も今日はヒュマ助に合わせて変えてみない?」
「わ、私達の衣装も…ですか?」
「…、…?」
どこか不安げな442と、首をかしげる43X。
422はどこか得意げに後ろでに隠していた紙袋を、二人へ手渡した。
受け取った以上、着替えて貰うからね…?ふふふ♪」
「…、どうしましょう。何やら不安しか募らないのですが…」
「……442、覚悟を決めろ。…43Xはもう決めた……」
片手で頭を抱えながら、ヤレヤレとため息混じりに442の方をポンと叩く43X。
「じゃ、ヒュマ助!開店の準備、宜しくね?ボク達は着替えてくるから!」
「え、あぁ…うん。わかったよ」
そして、楽しげな422に手を引かれて、442もまた43Xと一緒に店の奥にある従業員ロッカーへと向かっていった。

―飯店が開店して…
「いらっし(ry」
「は、はい…いらっしゃいました…////」
「ご注文は如何致しましょうか…?(ニコッ」
「ぴ、ぴんくのドン・ペリを…!!」
「お客様、当店は飯店で御座います…(ry」
「じゃ、じゃあこのランチセットを…」
「畏まりました、お客様」
店は日頃の倍近いお客で賑わっており、心なしか女性客の客足が日頃より増えている気がする。
何より、480オッソリアを着ただけのヒュマ助に接客された女性客は、皆妙なテンションになっていた。
そして…

「ねーぇ、パパァ…♪、ボクゥ…フルーツが食べたいなぁ〜?」
「よーっし、パパ、422ちゃんの為にフルーツ盛り合わせ頼んじゃうぞー!!!」
「あーん…♪パパって優しい〜♪」

「43Xちゃんは、何か食べたいモノないのかな〜?」
「……っ…、と、特には無いぞ…」
「じゃあ、飲みたいものは〜?」
「お、お前が食べたい物を…注文すればいいだろう」
「それじゃ、43Xちゃんが食べたいなーwwww」
「っ!…ぉ、お触りは別料金だ!!」

「っ…だからよぉ…俺はそこで言ってやったんだよ…畜生…」
「さぞや、お辛い思いをなさったんでしょうね…。さ、一献(酒ではなくお茶だが」
「うぅ…すまねぇなぁ…442ちゃん……んぐっ…んぐっ……パハァー!!」
「浮世は辛い事ばかり。時には飲んで溺れて、つかの間川の向こうの極楽を見ても、罰は当たりませんよ…?」
「よ、442ちゃぁぁぁぁん(号泣」
「よしよし…。今日は辛い気持ちをいっぱい吐き出して言ってくださいね…?」

410オッソリアのミニスカメイド服を着た飯店の娘達が、それぞれ独自な方向で営業をしている。
増えた客足の殆どが、その「看板娘達が特別営業中」という噂を聞きつけてこぞった男性客であった。
結局、その日の営業時間終了後…
「…、昼間…僕達って何の店を営業していた事になるんだろうね…」
「…聞かないで下さい…あぁ…恥ずかしい…」
「やった、今日は今月一番の売り上げだよ…って、どーしたの皆?売り上げ伸びたのに、暗いよー?」
「…お前のせいだ…バカ…」
楽しんだ上に売り上げが伸ばせて上機嫌な422と、昼間の行動を思い返して凹んでいる飯店一家の姿があるのだった。
343310:2009/08/20(木) 21:05:10 ID:lyvw9z2P
>>340見てカッとしてやった。反省はしていない。

主   「・・・」
GH450『どうされました?そんなにうな垂れて?』
主   「お前、ヒュマ飯店って知ってるか?」
GH450『はい、あそこの料理はとてもおいしく、
     店員さん達も気さくで良い方達だと聞いています。
     1度行ってみたいお店の1つですね』
主   「そこが先日イベントを行っていたらしい」
GH450『?イベント?』
主   「ああ、何でも店主がダンディな執事に、
     看板娘のPM達がプリティなメイドの格好をしてお客様をおもてなししたそうだ。
     お前も知っての通り、料理の味は天下一品、その上ダンディ&プリティと来たもんだ!
     その場に居無かったのが非常に残念でな」
GH450『・・・あ、あの』
主   「?」
GH450『ご主人が、そ、その、どうしてもっていうなら・・・着てもいいですよ?メイド服////』
主   「ハハハ、どうやら気を使わせてしまったか。
     大丈夫、お前に無理強いをするつもりは無いよ」
GH450『でも・・・とても落ち込んでるように見えましたので・・・』
主   「そんなに心配するほど、がっくりしてたか?
     それはすまなかった。でも、もう大丈夫だ。ありがとう」
GH450『なら、いいんです。さて、安心したらお腹がすきました。
     すぐご飯の支度をしますね♪』
主   「ああ、よろしく頼む」





主   「とは言ったものの、やっぱり見たかったな・・・ダンディヒュマ助」
GH450『そっちかよ!!!!!!!!』


344名無しオンライン:2009/08/20(木) 22:27:39 ID:WS3I0nKY
【三周年祝賀ダンスパーティーのお知らせ】

【日時】:2009年 9月5日(土) 22:00より 現地集合、雨天決行。
【集合場所】:U15とU16の各地、備考のURL参照
【内容】: 備考のURL参照
【参加条件】:誰でも
【備考】:
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm7983887
ttp://stooky.at.webry.info/200908/article_21.html

担当スタッフでもあるギャグマンガの人ことラスカル・ヨハンソン様から当日のアドバイスがあります
よく目を通して失礼の無いようにしましょう
ttp://mizunomi.exblog.jp/12121258/
ttp://mizunomi.exblog.jp/12099949/
345名無しオンライン:2009/08/20(木) 23:06:48 ID:7VfrwHva
>>340
パシリのお着替えって、ありそうなのに意外と思い付かなかったなぁ

何はともあれ、復帰したその日にコレとは、いいものを見せてもらいますた
うーし、ちょっとやる気出たぞ
346名無しオンライン:2009/08/20(木) 23:44:22 ID:6wf/6nwn
>>343
女主人「すでに潜入したあたしに死角はなかった」
エルヴィア「誰に言ってるんですか。……しかしこれはまたすごい人だかりですね」
女主人「いかにヒュマ助さんとPMたちの使用人姿が人気かを物語っているわね」

ヒュマ助「いらっしゃいませ(CVスネーク)」
女主人「スネークーっ!あたしだー!結婚してくれー!」
エルヴィア「落ち着いてください(ラビットウォンドで女主人の頭を殴る)」

ぼぃん

女主人「ほぅあっ」
エルヴィア「失礼しました。……えっと、二名でお願いします」
ヒュマ助「……かしこまりました、二名様ですね(CV(ry」
エルヴィア「……お疲れ様です」
ヒュマ助「いえいえ、どんな形であれ繁盛してる事には変わりありませんから。……疲労感と一緒に別のものがのしかかってきますが」
エルヴィア「…………」

女主人「で、気付いたら席についてるわけなんだけど」
エルヴィア「気にしたら負けです」
442「ご注文は決まりましたか?」
エルヴィア「あ、えっと……」
女主人「……な、なんと!?411の服を着た442ですって!?」
エルヴィア「……すいません、まだ決まってません」
442「では、お決まり次第声をおかけください」
女主人「……んー、髪型も変えると変わるもんなのねー」
エルヴィア「それよりせっかく来たんですから食べましょうよ。ここの料理は『CoronyWalker』にも載る位の有名所なんですから」
女主人「わーってるわよ」

エルヴィア「すいませーん」
43X「……何だ」
エルヴィア「えー、今日の定食のBランチと……」
女主人「ふぬおぉぉぉぉぉっ!?」
43X「っ?」
女主人「今度は413服の銀髪430ですとぉぉっ!?胸元が!胸元が!430の体で410の服は反則ですよ奥さん!」
エルヴィア「…………(無言でヘリクセンを取り出す)」
43X「……っ(無言でエルヴィアの方を見る)」
エルヴィア「……せいっ(ヘリクセンで女主人の頭を殴る)」

ごすっ

エルヴィア「胸なんて飾りです……」
43X「それは……お前の言う台詞じゃない」
エルヴィア「何故でしょうね、無性に言いたくなったんです」
43X「それで、注文……」
エルヴィア「そうでしたね。さっきも言いましたが、今日の定食のBセット。あと……この人には水で」
43X「わかった。待っていろ」


ちなみに、服のパターンはそれぞれの元の服の色を元に独断で決めてみました。胸元の開いた服で恥らう43X可愛いよ43X
347名無しオンライン:2009/08/21(金) 17:54:37 ID:UOKye/Tf
339>>のネタを引っ張ってみた。

 あたしはGH452、識別呼称はガーネッタ、対PM対策室に勤務している本部直属個体です。
 相談受付の窓口は24時間対応で、今も複数のビジフォンがひっきりなしに鳴り続け、オペレータのパシリが対応に追われています。
 あたしも今日は既に……数えるのが面倒になるほど対応してます。

「――本日はご利用、ありがとうございました」

 応対が終わり、通信が切れたかと思うと、直ぐに次の相談パシリさんが回されます。

「はい、こちら対PM対策室相談窓口です。
 IDとお名前をどうぞ。
 ――ID1*******.1のGH414さん、識別呼称は********ですね。
 どのようなご相談でしょうか。
 ――はい――はい――なるほど、それは大変ご心配でしょうね。
 ――はい、黙認とは言え、同意の上でしたら、それは痴漢行為ではありません。
 次回、同様の事態が起こりましたら、その場で身分を明かして、法律を盾に対応してください。
 今回の件につきましては、その時点の担当隊員*******があなたのご主人様を不当に逮捕監禁したと、本部のほうに申し立て……
 ――はい?捜査?
 申し訳ありませんが、それをお答え出来ないのはご存知のはずです、414さん。
 あなたのご主人様が留置場に10日間拘留となられてしまうのは、現段階ではどうしようもありません。
 大人しくマイルームで待たれた方が賢明です。
 ――お気持ちは分かりますが、泣かないで414さん、どうか落ち着いて下さい。
 はい――はい、担当はGH452、ガーネッタが承りました。
 本日はご利用、ありがとうございました」

 はぁ、これで今日は何件目の『ご主人様不当拘留相談』でしょうか。

「あ、交代時間か――休憩に入ります」
 他の同僚パシリと交代して、休憩コーナーで一息入れる事にします。
「――あ゛〜、あったま痛ぁ〜」
 こめかみを押さえてベンチで休んでいるのは、さっきまで隣の受付ビジフォンにいた、あたしと同じ本部直属個体の一人、GH422――
「疲れた?トパーズ」
「ご覧の通り、疲れてるってば。
 夏のせいなのか、出先でご主人様とキャッキャウフフしてたらご主人様が不当に逮捕・拘留とか、警告無視したら銃撃されたって相談がいっぱい来るんだもん。
 ボク、今日だけで一体何枚の申立書を書いたんだろ……
 でなけりゃ、飯店のパシリ達にご主人様が浮気してるとか、飯店経営者の隊員にはまって帰ってこないご主人様を何とかしたいとか、そんなのばっかり」
「飯店さんのほうは不可抗力というか、あちらで対処してもらうしか無いけど……」
 実は、こっそりマスターと2人きりで見に行って、その後の状況を知っているが故に、あたしの口からそれ以上は言えない。
「でもさ、何処の誰があんな条例作ったんだろうね?」
「それについてはマスター、じゃ無かった、主任が山のような申立書を持って、総裁に報告がてら本部に調べに行ってるから」
「と言う事は、後は実際に捜査してくれるヒトがいないと、これ以上は無理って事かぁ……ふぅ」
 トパーズが溜め息をつく。
「主任以外のパシリ馬鹿、あるいは熱血パシリでもいいけど、どっかにいないかしらね、人材……」
 あたしはそう言って、窓の外に目を向けたのでした。


 久々のカキコ、そして投げっぱなし。
348調査以来1/2:2009/08/22(土) 02:28:32 ID:hxJP5FP5
「と、言う訳で任務です」
この人はいきなり呼び出して何を言っているのだろう
「任務内容の説明を求めます」
>>347の流れを見てください」
俺の質問への回答は素気ないものだった
いつもの事ながらこの人はエスパーを養成しようとしてるんじゃなかろうか
俺はヒュマオ、調査部の通称「番犬部隊」に所属している
目の前の男は我らが調査部部長、通称はメガネ、まんまだ


「仕方ありませんね」
そう言って部長は任務内容の説明を始めた
エスパーじゃないんだから解る訳ないだろうに
「と、言う訳で調査部に調査命令が回ってきました
 総裁から直々に、ですよ」
やれやれ…、と溜息を吐いて説明を終える
部長の溜息の理由は相変わらずエスパーとして覚醒しない俺にではない
任務内容に興味がないからだ
この人にとってPM…パートナーマシナリーとは道具に過ぎずそれ以上の興味は無い
そのPM絡みの調査任務に見入りが悪いのはある意味仕方ないのだろう
「質問があります」
「なんです?」
部長のやる気云々は兎も角として俺にはどうしても解らない事があった
「何故…自分なのでしょうか?」
少なくとも現段階で「ガーディアンズの敵」と思えるモノは見当たらないのだが…
「それは勿論、あなたがPMに愛着を持つ者だからです」
選考基準そこ!?

349調査以来2/2:2009/08/22(土) 02:29:14 ID:hxJP5FP5
「え…っと」
二の句が継げない俺
「冗談です」
おいこら
「あなたには色々と権限を与えていますからね、その分働いて貰いませんと」
爽やかな笑顔で言いやがる
裏方仕事に必要な権限しか与えられてないんだがな…
「なにしろまだ何も解りませんからね、現在調査部で最も身軽なのはあなたです」
不意に真顔で話し始めた
「我々にとっての敵がいるかいないか、調査範囲、規模も不明
 そして慢性的な人員不足となれば迂闊に大部隊は動かせませんからね
 予算と人員は現場判断で調達してください」
自己負担ですかい
「気をつけてください、下手したらあなたも逮捕されますので」
さらりと言うなこの人
「…了解しました」
この人と話すのは疲れる
俺は資料を持って退室する
さって…どうしたもんかな



投げっぱなしをキャッチしてさらに投げっぱなし!
350名無しオンライン:2009/08/22(土) 02:30:21 ID:hxJP5FP5
そしてタイトル誤字に気付いた

×以来
○依頼

しかも依頼じゃなくて任務だという…っ!
351名無しオンライン:2009/08/22(土) 22:13:05 ID:PU9DJcvY
この一連の流れGJ。
今だこのスレが続いているのが凄い。
PSPo2で新型パシリ出ないかな。



・・・え?主人公がガーディアンじゃないから出ないかもしれない?
はははは・・・まさかね・・・
352名無しオンライン:2009/08/23(日) 00:10:34 ID:MU/Vji81
>>351
3年後のヒューガ社長に期待するんだ!!!
新生GRMが頑張ってくれてると信じるんだ!!!!!

いや、マジでお願いしますよヒューガ社長・・・
353名無しオンライン:2009/08/24(月) 01:52:12 ID:gvsi0UGW
>>349をキャッチ! 投げっぱなしだから適当でいいよな!w

箱「なんだろ、このスイッチ?」
それは草むらで黄色い光をたたえていた。
箱「う〜〜ん、押したほうがいいのかなあ?」
箱にとって不幸だったのは、
冷厳なる氷華にパシリを連れて行けなかったということだろう。
今回の大規模な氷侵食では、
レイフォトン的エネルギーがうんたらかんたらで、
侵食のなんたらが凄いことになるゆえ、パシリを連れていくことができなかったのだ。
箱「ま、いっか。おしちゃえ」

ピッという音がして……
箱「あれ?」

何も起こらない。
箱「???」
怪訝そうな顔をして、その場を離れる箱。

枯れにとって不幸だったのは、傍に450が居なかったことだろう。
彼女が居れば…絶対にこのスイッチを押すことはなかったのだから。


〜侵食寺院 : ブロック2〜
それは、偶然だったのかもしれない。
箱「おお?おお〜 おおお〜〜」
衝立に腕を入れたり出したりして、箱が関心している。
そう、目の前の衝立はホログラフ。いつもの衝立とは違い、すり抜けることができるのだ。
箱「・・・とゆーことは、この奥に何かあるのかなあ?」
恐る恐る奥へ進む箱。
彼の脳裏には、全く手に入る気配のないオキクドールの入ったコンテナでもよぎったのだろうか。

はたして、そこに居たのは…
箱「あ」
男「ん?何だお前は、ガーディアンズか」
箱「はぁ、そーです」
男「ちっ、あっちへいk・・・まて」
男は何かを思いついたような表情を浮かべる。
箱「はい?」
男「お前、独りか?」
箱「はあ。このミッションはずっと一人ですけど・・・」
ちょっと寂しそうな箱。
男「そうか・・・なら少し頼みを聞いてくれないか?」
箱「はぁ、なんでしょう?」
男「とりあえずこっちにきてくれ」
そういってスイッチを押して出現したワープポイントに箱を促す男。
箱「はぁ…」
ひゅいん

そしてその小部屋には、静寂だけが残されたのだった。



そして更に投げっぱなし!オキクドウグよりも450マグがあればそれでしあw(ry
354名無しオンライン:2009/08/24(月) 02:13:32 ID:gvsi0UGW
しまった・・・不当逮捕に拘留なだけで失踪じゃなかったじゃないか…orz
355名無しオンライン:2009/08/26(水) 00:22:41 ID:C3Vnuisi
何となく出来たので>>353をキャッチ!


「――ご主人様のバカばか馬鹿ぁっ!
 勝手に行方不明になって、何処で何をしていたんですかぁっ!
 私がどれほど、心配っ、ぅっ、ぐすっ、ひっく……」
「ご、ご、ごめんよ450、極秘ミッションだって言われて、連絡どころかID表示も許して貰えなくて……」
 感極まった450が泣き出した事で、どれだけ心配をかけていたのかを悟り、箱氏はおろおろしながらも彼女に謝り続けていた。

 事の成り行きは、すっかり対PM対策室の常連と化している箱氏の450からの相談で始まった。
 対策室の相談窓口はビジフォンの他に直接対応もするのだが、そこへ、珍しく取り乱してやってきた450。
 前後する話から何とか理解できたのは、例の氷侵食ミッションへ出かけたまま、丸1日以上帰ってこないという話だった。
 とは言え、該当ミッションにPMの同行が禁止されている以上、450自身が密かに行くわけにも行かず、運悪く対策室の他の隊員達は出払っていたので、後詰で居残っていた俺が調査に行くしか無かった。

 本部に問い合わせ、愚痴られながらも箱氏のログを貰った後、状況を再現する為にミッションをこなしながら進んでいく。
「不審な点は、この黄色く光るスイッチだけか」
 最初のエリアに隠されていたスイッチを押し、廃寺院の攻略が終わった後、衝立の裏にあった隠し通路を発見し、奥へと進む。
 そこに教団関係者の男性ニューマンが隠れるように何かをしていた。
 不審ではあったが、情報が取りたかったので話しかけた。
 が、らちが明かなかった。
「……本当に見なかったのか?」
「知らんな」
「こういう姿のキャストなんだが」
「お前もしつこいな、知らんと言ったら知らん!
 第一、仕事の邪魔をされないように封鎖しておいたのに、勝手に解除したガーディアンズが無闇やたらと来るんだ、例え見てたとしても憶えてなどいられるか!」
 その男の言う事も尤もだったので、任意でこの部屋への入室記録を求めると、あっさり断られ、その後は完全に無視された。
 仕方無く、部屋を出ようと思った時。
「――巡回、終わりましたよ」
 声をかけながら、一人の男性キャストが入って来た。
 一目見て、450のご主人様である箱氏だと分かった。
「さすが夏のパラカバナ海岸ですね、条例違反の隊員がいっぱい居ましたよ」
 箱氏の台詞に舌打ちをすると、俺が静止する間も無く、男性ニューマンは部屋を飛び出して行った。
 俺は直ぐに追いかけたが、あっさり姿を見失った。
 向こうにしてみればこの廃寺院は庭も同然、例えこれ以上追いかけたとしても、捕まえられるかは怪しかった。
「くそっ、逃げられたか」
「あの〜、どうかしたのですか?」
 とりあえず、箱氏に450の話をして、対策室へと同行してもらい、話は冒頭へと繋がる。
356>>355の続き:2009/08/26(水) 00:23:48 ID:C3Vnuisi
「ところで、箱氏」
 450が落ち着いたところで、俺は話を切り出した。
「はい、なんですか?」
「あの時、廃寺院で条例違反がどうとか言っていたが……」
「ああ、あそこに居たニューマンさんから、極秘に仕事を頼まれたんですよ。
 何でも、グラール全域での風紀が乱れていて、特に公共の場でガーディアンズ隊員によるパシリへの猥褻行為が増加してて、それを取り締まる条例が出来たって話でした。
 ただ、取り締まる為にガーディアンズへおおっぴらに依頼すると、隊員の反感を買うかもしれないだろうから、極秘に依頼したいって……」
「なるほど……
 取り締まってきた箱氏に言うのはあれなんだが、事実は事実なので教えておこうと思う」
「はい?」
「その条例……実は存在してないんだ」
「え?」

 そう、本部で細かい地方条例まで全部調べたのに、その条例があるという、存在のかけらすら無かった。
 この事実は既に本部へ報告済みだが、どう対処するのだろうか。

「じゃ、じゃあ、ありもしない条例で拘留や射殺許可が?」
「そういう事になる。
 大掛かりな愉快犯か、単にPMやガーディアンズに対する恨みなのか、それとも、もっと根が深いのか、それは分からないが、椿事には違いない。
 今はまだ大丈夫だけど、一歩間違えれば、ガーディアンズの社会的信用はがた落ちだ」


 という所で、また投げっぱなし!

357名無しオンライン:2009/08/26(水) 04:58:00 ID:l3Sq00gc
わーい、合作だー!そんな軽い気持ちで>>356をキャッチ。


「……まずい事になってるな……」
主人の帰らない部屋の中、ビジフォンの画面を見ながらGH470、個体名称エルヴィアは一人呟いた。
彼が閲覧しているのは『Gちゃんねる』という匿名掲示板。……さまざまなジャンルの掲示板を一纏めにしているゆえに、ここにはたくさんの情報が集まる。
ただし、その中には当然偽の情報も含まれているので全てを鵜呑みには出来ない。……だが。
「これが本当なら、マスターは激怒するだろうな……」
Gちゃんねるのガーディアンズに関連する掲示板、その中の『パシリを愛してやまない奴等、集まれ』というスレッド。そこに書き込まれたレスは驚くべき物だった。


6XX 名前:しまった、つい名前が…… 投稿日:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX
お前ら大変だ!
例の『パシリとイチャイチャ禁止』条例、アレは架空の物だったらしい!

さっき法律関連に詳しいダチから聞いたんだが、『そんな条例は現在のグラール全土の法の中には無い』って言われたんだ……

一体、どういう事なんだ…………!?


「……一応、調べてみる必要があるかな?」
小さく息を吐き、エルヴィアは『自分と接触したせいで捕まり、拘留中に失踪してしまった』女主人を探す事にした。

         ***   ***

その頃、惑星モトゥブのクバラ・シティにて。
「……ふむ…………」
マーガ・キッ・サでレンタル・ビジフォンを使用していた女主人は喉の奥を低く鳴らした。
……現在、女主人の容姿は前の姿とは変わり果てている。青の長髪ではなく栗色の短髪、目の色も赤を薄めて茶色に。
それもこれも、彼女のしでかした事による。……現在、女主人は留置所を無断で脱走した罪に問われている。まあ、実際に脱走してしまったのだが。
本来なら拘留中はナノトランサーとブラストバッジを外されるのだが、そこの管理がずさんなせいでバッジは外されずに檻の中に入れられた。
これ幸いと髪の中に隠した小さなナノトランサーからボクトウとメギスタライドを取り出し、服用。能力強化を施して一気に脱走と相成った。
……いくら非フォトン武器とはいえ、モトゥ・ウォルナをふんだんに使用したボクトウはかなりの威力がある。そして、姿を変えてモトゥブに密航し、現在に至るというわけだ。
「なーるほど、ね……姿のない法律に、あたし達は踊らされていた、と……」
エルヴィアも見ていた例のスレッドを見ながら、こぼすように呟く。
「もしどっかの馬鹿政治屋が作ったんなら、そいつを軽くボコって終わりだったのに、なぁ……」
どうやらかなり頭に来ているようで、ナノトランサー(変装用の服と一緒にジャンク街で買い直した)からボクトウを取り出して両手で弄ぶ。
「これじゃあ動きようもない、か。……とりあえず、次の情報を待ったほうがいいかしらね」
ビジフォンの電源を切り、ボクトウをナノトランサーにしまってから個室を出る女主人。
「エルと連絡が取りたいけど、絶対監視されてるだろうしなー……向こうから来てくれない限り無理よね」
……一応、『何かがあって連絡が取れなくなり、会う必要があった時はクバラ・シティに来い』とは伝えてある。
しかし、そろそろマーガ・キッ・サで寝泊りするのも限界ね……と、女主人は己の状況を嘆いた。隠しナノトランサーから引き出したメセタカードは普通に使用すれば一月分は暮らせる。
それでも女主人は身に付いた節約癖により、ホテルに泊まらずにあえてマーガ・キッ・サで済ませていた。……もう一つの理由として、ホテルに泊まれば一発で身元がバレる可能性がある。
「この手でにしろ、誰かがやるにしろ、解決するまでは捕まりたくないからね」
マーガ・キッ・サを後にした女主人。向かう場所は……もしもの時の待ち合わせ場所に指定した、クバラ・シティのフライヤーベース前。

そして大暴投!(ぉ
358名無しオンライン:2009/08/26(水) 10:27:02 ID:LKJ6HpQl
話は逸れてすまんが、次のメンテで
待ちに待ってた450服が配信されるとか
ついにGCをチャージする時がきたか・・・


箱「えっ!?僕が着るの?」
450「やめてください・・・」


>>355
勘違いをうまくまとめてくれてサンクスw
359名無しオンライン:2009/08/26(水) 11:00:09 ID:32Y1IC6Y
箱氏にはGH470服があるじゃないか
360ヒュマオ只今調査中1/2:2009/08/26(水) 11:48:34 ID:kTcmT/6i
夜、自室にて資料の読み返しを行う
箱氏には念の為本人とそのPMの立会いの下数日分の記憶を外部出力し検査させてもらった
あの箱も中々に頭の中は桃色いっぱいだったので映像化の度にギャーギャー騒がしかった
特にPMに必死に見せまいとする姿は…失礼ながらおもしろかった
ま、仲良き事は何とやら
今は必要そうな部分…あの男性ニューマンの身体的特徴…を抜き出して
本日何度目かの読み返しをしているところだ

そうそう、俺はヒュマオ、調査部特務隊の者だ

「教団関係者と思われる男、今回の騒ぎとどんな関わりがあるのか」
小さく呟き膝の上のGH-444の頭を撫でる
既に夢の世界へ旅立っているらしく小さな寝息が聞こえるのみ
GH-444をベッドに移して椅子に座りなおすとGH-450がコーヒーを差し出してくれた
「ああ、ありがとう」
「無理はなさらないでくださいね?」
「大丈夫だって」
「ふふ、もしも何かあれば言ってください、[私が]何でもしますから」
[私が]の部分を強調するGH-450
「何が私がよ、そんなのパートナーである私に任せればいいのよ」
と、こちらはGH-413、何やら湯気の立つコーヒーカップをお持ちの様で
「あら?ご主人様にコーヒーの一つも出さない気の利かないあなたにパートナーが務まるかしら?」
「なっ…なんですってこのポンコツ!」
「誰がポンコツですか!」
(まーた始まった)
ひっそりと溜息を吐きつつ別の調査資料へ眼を移すヒュマオ
こちらはガーディアンズ内部とGRMの調査資料
意外かもしれないが現行のPMに対してGRM内でも賛否両論なのだ
ガーディアンズには公安部というPM排斥派の筆頭がいる
調査部自体も頭の固い連中は多い、ヒュマオ自身もそんな自覚はある
だが、少なくとも現在のところ関与の証拠と思える物はない
寧ろ公安部などは存在しない法律に見事に踊らされた様なものだ
361ヒュマオ只今調査中2/2:2009/08/26(水) 11:49:20 ID:kTcmT/6i
ピーピーピー
通信端末に着信を告げる音が鳴る
「何だ?」
画面に表示されたのは調査部所属のヒュマコ、彼女も番犬部隊の者だ
「先日脱走したガーディアンズのPMに動きがありました」
「よし、追跡続行、それと…本人のメセタカードの使用記録はどうだ?」
「モトゥブのクバラ・シティにあるマーガ・キッ・サでの使用が確認されています
 泳がせておいてよろしいのでしょうか?」
このご時世本人にも、また所持品にも個人IDが割り振られている
IDそのまま、しかも同一IDのメセタカードを使用するなど名乗っている様なものだ
「ん…首謀者を焙り出してくれたりしたらと期待したが、流石にこれ以上野放しにとはいかないか」
本来ならば公安部の仕事だがこちらの任務の関係者として押しつけられた
「手の空きそうな人を送りましょうか?」
「やめとく、死体なんぞ持ち帰られたら堪らん」
「そんな事しませんよ、IDが失効すれば解るじゃないですか」
ヒュマオの懸念を笑顔で否定するヒュマコ
(そういう意味じゃないんだがな…)
ヒュマオは心の中で溜息を吐く
公安部は主要構成員がキャストでありキャスト至上主義に傾倒する者もいるという
調査部の、特に強行調査隊の場合はヒューマン原理主義に傾倒する者が多い
任務内容を顧みれば狂信的な思想の持ち主の方が扱いやすいという事か
尤も、なればこそイルミナスへのスパイ工作がし易かったのも事実である
「クバラには俺が行く、調査の続きを頼むぞ」
「はい、それじゃ今度の買い物の約束忘れないでくださいね」
笑顔で通信を切るヒュマコ
(変な思想にかぶれてなけりゃまともな人なんだがなあ)
裏方仕事をしていると変な知り合いばかり増えてしまう
因みに買い物の約束とは手伝いの報酬としてヒュマコに指定されたものだ
まだ喧嘩を続けているGH-413とGH-450、寝ているGH-444
そんな日常の風景がたまらなく愛おしいヒュマオであった


キャッチアンドリリースだああああああ!
362名無しオンライン:2009/08/26(水) 20:34:07 ID:kCmTQBjJ
す、すまん 急に話がわからなくなった… orz
要はパシリといちゃつくと射殺されるって話だよな…?
363名無しオンライン:2009/08/26(水) 22:28:27 ID:kTcmT/6i
>>362
加えて実はそんな法案はありませんでしたー!
って話


因みに結末は多分誰も知らないw
364名無しオンライン:2009/08/26(水) 22:37:38 ID:l3Sq00gc
>>362
現状をまとめると……

>>339(発端)→>>347(被害者が増えた)→>>348-349(ヒュマオ氏動く)→>>353(箱氏が巻き込まれる)→>>355-356(箱氏救出(?)、そして例の条例は架空の物だったと判明)
上からの続き→>>357(それが掲示板を通じて広まる)→>>360-361>>357の女主人を追うと同時にヒュマオ氏の捜査風景が書かれる)

と、こんな感じ。長いねw
365クバラ市捕り物劇1/2:2009/08/27(木) 00:00:28 ID:QTm3n5hH
もっと早くオチがつくと思ってたのは内緒だ>>361キャッチ!


 かつてGH412だった私ことロザリオ・B・Fは、訳あって初めてクバラ市へ来ました。
「あ〜あ、物が物のせいとはいえ、ここに来るのって結構大変よねぇ……」
 クバラ市の市場を歩きながら、私はぶつぶつと愚痴ります。
「身体がヒューマン化出来たのは嬉しいけど、まさかハッキングシステムの物理メンテ問題が出て来るなんて……
 パシリの頃って、結構楽してたのね、私」
 思わず溜め息をつくと、すれ違うヒトがちらちらと私を見ては、通り過ぎて行きます。
 蒼い髪に血のような赤い瞳の女性ヒューマン、しかも430オッソリア(白×水色)という、モトゥブでは凄く目立つ格好のせいかと思いましたが、すぐ側に『こすぷれ喫茶430』という看板が出ていたのに気づき、足早に立ち去ります。
 客引きに間違われなくて良かった……

 とりあえず用事も済んだので、フライヤーの駐機場へと向かいます。
「えっと、広場通ったほうが近道だったよね……」
 呟きながら広場を通り抜けた頃、ふと妙な視線に気づきました。
 さりげなく探ると、別々の方向から、質の違う三つの視線だと分かりました。
 一つは、これまで幾度と無く感じた事のある、裏社会や暗部の人間特有のものを放つ、立ち回りが上手くて種族や性別も分からない人物。
 もう一つは、何処と無く素人臭い、「あなたを監視してます」という意識丸出しのキャス子。
 最後の一つは、機動警備部や同盟軍などの、表立った組織の人間特有の視線を投げかける女性、恐らくヒューマン。
 理由は分からないけど、私に注目しているのは確かです。
「何かやったっけかな、私」
 思わず首を捻ったものの、心当たりなんてありません。

 結局、フライヤー・ベースに到着するまで、視線の主達は着かず離れず、私を追ってきました。
「一体、何なのよ、もう……」
「ご無事でしたか、マスター。
 無茶をやらかした上に430オッソリアで変装なんて、なんて無茶な……」
 突然、目の前にGH470が走ってきて、そんな事を言います。
「えっと……470くん、君、私を誰かと勘違いしてない?」
 ふと、ガーディアンズタグ機能を復帰させ忘れていたのを思い出して、470くんに分からないように復帰させます。
 クバラ市の市場でIDやタグ機能を停止させるのは、地元特有の礼儀作法というやつです。
「こんな時に冗談言わないで……
 あ。
 す、すみませんっ、背格好と髪の色がよく似ていたせいで、間違えてしまいましたっ」
 復帰させたタグで別人だと判り、470くんはぺこぺこ謝ります。
 私は彼の目線と同じ高さにしゃがみこみ、頭を撫でます。
「気にしなくていいわよ、私もタグ機能の復帰を忘れてたし、おあいこよ。
 でも、どうしてあなた一人でこんな場所へ?」
「それが、話すと少し長くなるのですけど……」
「別にいいわよ、そうね……そこのベンチで話を聞かせてもらっていい?」
 私の提案に、470くんはこっくりと頷きました。
366クバラ市捕り物劇2/2:2009/08/27(木) 00:01:35 ID:C3Vnuisi
 ―――10分後―――

 私と470くんはベンチに並んで座り、変な架空条例と、それに関連した彼の話を聞き終わりました。
「なるほど、それでエルヴィアくんと女主人さんとの待ち合わせの場所に、似たヒトである私が来たって事ね」
「はい、そうなります」
 GH470ことエルヴィアくんと話をしながら、視線だけで周囲を警戒している私ですけど、謎の人物と女性は気配を断って姿を巧妙に隠しているのに、キャス子だけは素人丸出しの隠れ方で、イライラしながらこちらを見ています。
「ふぅん……」
「あの、どうかされましたか?」
 キャス子のID、タグをチェック。
 IDは一般市民の物、ガーディアンズタグは無し。
 とりあえず、裏であれ表であれ、一番怪しいのはこのキャス子と判断しました。
 どちらにせよ、誰かの協力が欲しいところです。
 キャス子の視界からは見えない位置で、なおかつ謎の人物と女性からなら見えそうな位置に手を置き、片手でハンドサインを出します。
 片言だけど、2人がガーディアンズなら、これで判るはずです。
 運がいい事に、両方とも微妙に気配が動きました。
 では、私も仕掛けるとしましょうか。
「エルヴィアくん、あなたのご主人様が来るまで、一緒に居てあげるね」
「え、それは――」
 先を続けようとする彼の腰に腕を回し、引き寄せます。
 途端に、キャス子がしてやったりという顔で物陰から出ながら、銃――といっても、GRMのオートガンですが――を構えて近づいてきます。
「貴様!今すぐその子から手を離して両手を上に挙げんがっ!」
 唐突にキャス子は昏倒し、その背後から現れたのは、ボクトウを片手に肩で息をする、怒り心頭な栗色の短髪に茶色い目の女性。
「お前ねっ、あたしが拘留されたのはお前のせいなのねっ、さあきりきり吐いてもらうわよ!」
 彼女の声に反応して、エルヴィアくんが彼女の脚にしがみつきます。
「待ってくださいマスター、それ以上やったら、このキャス子さんは死んでしまいます!」
「止めないでエルヴィア!」
「そこまでにしておいて貰おうか、女主人。
 ここで容疑者にこれ以上の怪我を負わせると、留置場脱走だけではなくなってしまうぞ?」
 エウヴィアくんのマスターである女主人さんの後ろ、気配も無く立っている男性ヒューマンの声で、女主人さんの動きが止まりました。
「あんたのおかげで容疑者らしい人物が確保できて、助かった」
 そう言って私の前に立った男性ヒューマンは、以前、諜報部の要注意人物リストで見た、情報部の腕利き隊員の一人であるヒュマオ氏。
 何を調べていたのかは知らないけど、どうやら彼の仕事には重要な事だったみたいです。
「礼なんていいですよ、偶然居合わせただけですから」
 不意に、メールの着信がありました。
 軽く断りを入れてざっと目を通した私は、ヒュマオ氏に視線を戻します。
「ごめんなさい、急用が入ってしまったので、これで失礼します」
「あ、ああ」
「後はよろしくね、情報部の腕利きさん♪」


 なんとかここまでまとめてみた、誰か、そろそろオチをっ、と言いつつ投げてみる。
 拾われなかったらどうすっかな……
367名無しオンライン:2009/08/27(木) 00:35:03 ID:PEJt6YUh
>>366
(事件解決後の会話です)
女主人「さて、エル?あの時の事を詳しく話してもらおうかしら?」
エル「……と、言いますと?」
女主人「例の430服を着た子の事について、なんだけど」
エル「あ、いえ……単なる人違いですよ。まさかマスターがエステで顔を変えてるなんて思いませんでしたから」

 どっせい。アッー!(ただいま巴投げ中)

エル「何するんですか!パシリ虐待で訴えますよ!?」
女主人「……あのね、エル。正直言ってあんたがそこまでアホの子だとは思わなかったわよ……」
エル「……どういう意味ですか?」
女主人「いくら特徴が似てたとはいえ、ヒューマンとビーストを間違えるPMなんてグラール中を探してもいないと思うんだけど……」


特に意味も無く閑話を挟んでみたり。
368事件の真相(?) 1/2:2009/08/27(木) 01:33:38 ID:PEJt6YUh
で、とりあえず>>366をキャッチして風呂敷を畳んでみました。

「……つまり、今回の騒動はキャスト至上主義の過激派による犯行、だったという事ですか」
「……みたいですね」
僕ことGH470・エルヴィアの話を聞いて、話の相手であるキャス姉さんはなるほど、と小さく頷いた。

どうやら、『キャストという種族以外は全て劣等種である』というキャスト至上主義をさらに激化させた思想の持ち主が、同じヒトの形をしたパートナーマシナリーを撲滅しようとした結果、あの事件が起きたようです。
ガーディアンズや同盟軍の中層部に上層部の人間を装って、今回の発端となった『パートナーマシナリーとの接触を禁ずる条例』が発効されたと虚偽の通告を出し、ガーディアンとPMを切り離そうとしたとの事。
そうすれば必然的にPMとの接触は無くなり、やがてすぐにPMはいなくなる……そういう魂胆だったようです。

「まず疑うべきなのは、『こんな事をして誰が得をするのか』でした。ガーディアンズは論外。同盟軍、グラール教団、ローグスについてもいい結果にはなりえない。
 ……まあ、イルミナスの残党という線もあったんですが、ガーディアンズに打撃を加えて弱らせても同盟を組んだ他の所が潰しにかかるので消えました。
 で、最後に生まれたのが『キャスト至上主義』、という事です。彼等にとっては劣等種がどうなろうが知ったことではないし、まがい物であるPMも潰せて一石二鳥だったのでしょう」
「……エルヴィアさん、少々言葉が過ぎますよ。それに、自分の事をまがい物と言っては……」
キャス姉さんが僕をたしなめます。……確かにそうかもしれませんね、と反省の意を込めてキャス姉さんに答えました。
「私はキャスト至上主義とは無縁ですのでいいのですが、もし今の話を同盟軍の方や至上主義に似た考えをお持ちの方が聞いたら激怒してしまいますよ?」
「ごめんなさい。……でも、僕は正直許せません。僕等の姿がたまたまヒトに近いだけで、何故迫害を受けなければならないのかが……」
噛み締めるように言葉を漏らすと、キャス姉さんは『今の言葉、その犯人さんに言ってあげればいいんじゃないですか?』と提案してきました。
「……え?」
「私たちキャストは、元々はヒューマンの奴隷として生み出された人工物。……『キャスト至上主義』は、彼等の『自分達は奴隷じゃない』という思いが作り出したんですよ」
と、そこまで言ってから顔を曇らせ、でも、とキャス姉さんが言葉を続けます。
「最近は、悪い方の意味での『至上主義』が大きくなってしまっています。それが、かつて自分達と同じ立場であった者たちを見下してしまう事になろうとは……」
「そう、だったんですか……」
立場が変われば態度も変わる。それもヒトの性なのか……。ふと、そんな事を考えてしまいました。

369事件の真相(?) 2/2:2009/08/27(木) 01:34:51 ID:PEJt6YUh
         ***   ***

話は変わりますが、とキャス姉さん。
「女主人さんはどうしてますか?」
「元気に過ごしてますよ。…………檻の中でですけど」
そう。何故僕のマスターが会話の相手ではないのか。……いくら冤罪だったとはいえやっぱりやってしまった罪は罪という事で裁きを受ける事になりました。
「あと1年は会えないそうです。……まったく、だから脱走はやめてくださいね、って言ったのに……」
ちなみに、キャス姉さんはマスターの知り合いで、よく部屋に遊びに来ている。……今回は言伝を貰って、こっちに定期的に来る事になったらしい。
「いきなり『しばらく部屋に行けないからエルの世話をよろー』なんてメールが送られて、何かと思えば懲役中でしたか」
「ええ、犯人逮捕に貢献したのでお情けで刑期を半分にしてもらいましたが」
……ふと、連れて行かれる前のマスターの顔を思い出し、思わず噴出してしまった。
「どうしました、エルヴィアさん」
「そういえば、マスターが連れて行かれるとき、すごい真っ青な顔で冷や汗かいていたんですよね。連れて行った人の話によれば、総裁が直々に説教するって言ってたんですよ」
……ああ、確かマスターの教官ってライア総裁だったっけ、と思いながら見送ったんですが……この話には続きがありまして。
「その後、マスターから伝言がありましてね。たった一言、『ごめん。あたし死ぬかも』、と」
「……そういえば、ガーディアン時代の総裁は結構怖かったみたいですね。新人ガーディアンが師事について数ヶ月で逃げるほどには」
「……キャス姉さんも結構危険な発言してますよ?」
僕を諫めた人とは思えない大胆な発言に流石に僕も顔が引きつってしまいましたが、しかしキャス姉さんは動じませんでした。
「大丈夫ですよ。私の教官はレオさんですから。総裁はレオさんには勝てないんです」
そう言って、うふふと微笑むキャス姉さん。……な、なんだろう、この心の底から湧き上がって来る寒気は……
370名無しオンライン:2009/08/27(木) 01:53:58 ID:QTm3n5hH
>>367
 ……しまったぁっ!人込みがすごいっていう描写を入れ忘れてた!
 エルヴィアくん、すまん!


キャッチボールしてくれた方々、お疲れさまでしたm(_ _)m 
371任務終了1/2:2009/08/27(木) 05:03:17 ID:7B1Sz+0S
俺はヒュマオ、普段は一介のガーディアンズ
今日は裏方仕事の経過報告に調査部部長室へ赴いた

の、だが…
「お疲れ様でした」
部長の言葉と共にスッと静かに机の上を滑る写真
全力で説明を求めたい!
そんな俺の思考を読んだのか呆れ顔で部長は説明を始めた
だから俺はエスパーじゃないっつの
「あなたの見かけたというニューマンの男性ですが
 解析の結果キャストの変装と判別されました」
「わざわざ写真にしたんですか?」
「気分ですよ、気分」
どんな気分だ
「既に身元も割れましたし、この者の属する集団の拠点もつきとめています」
「もうそこまで?」
「ええ、あなたの捕縛したキャストから押収したデータで実にスムーズに」
スムーズに、ねえ…あのキャス子が社会復帰する事は不可能という事か
そんな俺の思いなどとは関係無く部長は話しを進める
「私はPM如きがどうなろうと知った事ではありません
 ですが、PMはガーディアン個人の、ひいてはガーディアンズの所有物です
 そのPMに対する攻撃、と今回の件は認定されました
 PMは既にガーディアンズに不可欠な存在であり
 PM廃絶を意図したと思われる一連の行為はガーディアンズへの攻撃です
 この意味は…解りますね?」
372任務終了2/2:2009/08/27(木) 05:03:56 ID:7B1Sz+0S
このカルト集団はガーディアンズの敵という事か
つまり、俺はここからが本番という事だな
「いえ、その必要はありませんよ」
…やっぱり俺の思考を読んでないか?
実はこのメガネこそがエスパーで本気でエスパー養成を目指してても驚かないぞ
まあ、こっちの思考を読むって事は言葉にしなくても伝わるって事だから楽でいいけど
「既に隊員を送り込んでいますからね、直ぐに終わるでしょう」
ヒューマンならサイボーグだろうが薬物強化だろうが構わない連中だしな
手段を選ばない分確実ではあるか
「そういう訳であなたの任務は終了しました
 ですからお疲れ様と労ったのですよ?」
解るかそんなもん!
「また任務があれば呼び出します
 今日のところは帰宅して、あなたの愛玩人形を愛でてはいかがです?」
「そうします」
本当に疲れた、特に部長との会話に
しかし、これだけは訂正しておかねばなるまい
「あの子達は愛玩人形ではありません、相棒です」
珍しく怪訝な表情の部長を拝んで退室した
373名無しオンライン:2009/08/27(木) 05:05:57 ID:7B1Sz+0S
本編(?)の終了に合わせヒュマオも任務終了!

突発的合同企画の企画者様、及び参加者の皆様お疲れ様でした
374対策室後日談:2009/08/27(木) 12:29:40 ID:QTm3n5hH
 今日のあたし――GH452、識別呼称ガーネッタ――は、対PM対策室の勤務シフトがお休みでした。
 そんなあたしの休日は、決まってマスター――私達本部直轄個体(通称ジュエルズ)の私生活におけるマスターであり、対PM対策室PM統括主任でもあるヒューマン男性――の部屋に入り浸ります。
 今日はたまたまマスターとの休みが重なり、普段落ち着いて話す時間が少ないこともあって、色々な事を話しました。
 そんな中、隊員不当拘留の話があがり、マスターから大まかな結末を教えてもらえたのです。
「――結局、キャスト至上主義者の陰謀だったわけですか。
 唐突に不法拘留の相談が無くなったので、どうなったのかと思いましたけど」
「後で正式に通達が来るだろうけど、そう言う話だったよ。
 おまけに、解決の糸口になったキャス子の確保に、ロザリオが関わってたって話しだし」
「え゛っ、あの子が?!
 よく穏便に済んだわね、マスター」(−−;リ@
「俺もそう思う」(;−−)

 彼女、昔からキレると基本的にマスターの言葉以外、耳に入らなくなっちゃうんです。
 つまり、暴走した彼女を止められるのはマスターだけ。
 そして、公にはされていませんが、イルミナスの落とし子である私達ジュエルズとロザリオには、マシナリーコントロールユニットの他に、悪名高きキャストコントロールユニット“マスターシステム”が搭載されています。
 特に彼女の物は、ワンオブサウザンドとしての能力の中核故に広範囲かつ強力な代物で、一地方都市のキャスト全員に影響が与えられるほどであり、躯体が成人ヒューマン女性に進化(当人談)した今でも使用可能なのです。
 そんな彼女がキレた時の情景は、推して知れるというものです。

 ですが、マスターは他の心配をしていたようです。
「――というかだな、下手に430とか、他のワンオブサウザンドの耳に入らなくて良かったと思ってるところなんだ。
 全員同時に動かれたら、誰も止められんぞ。
 特に440に動かれた日には……」
「……ほんと、穏便に済んでよかったですね」
 私とマスターはその光景を想像し、二人揃って顔色を青くしました。
「――マスター、お客さんだよ。いつもの430さん」
 噂をすればなんとやら、マイショップで店番をしているGH451のアンジェリーケ――彼女は正真正銘、マスターのパシリ(二代目)です――が、かつて『狂犬』と呼ばれていた430さんの来訪を告げます。
「判った、こっちに入ってもらえ。
 ――おう、430」
「――よぅ。今日ならお前が休みだって聞いてさ。
 でさ、突然で悪ぃけど、小耳に挟んだ『パシリとイチャイチャ禁止』条例について知りたくて……
 って、どうしたんだよ、何固まってんだお前、それにガーネッタも。
 2人ともどーしたんだよ、おーい!……」

 ―――End―――

 最初に投げたのは俺だし、自分の風呂敷も畳んでみた。
 改めて、参加した皆様お疲れ様でした。
375名無しオンライン:2009/08/27(木) 14:12:13 ID:F6EhwKV5
流れに乗り遅れたー!
横合いから名ばかりのPM人権団体とか
アグ○スでラムな奴とか考えてたぜ!
やっぱ旬の物は早めに食うのが一番だのう。
しかたないのでうちのワルパシリのいかがわしい写真を(ry
376名無しオンライン:2009/08/27(木) 19:43:40 ID:mej9WVHd
>>339から続くこの流れ・・・

素晴らしい!!!素晴らし過ぎる!!!
参加された方々、本当にGJです!!!

昔からパシリスレはこの「突発的合同話」のつなぎ方が上手いよな。
どんどん繋がってよりいっそう面白い話になっていくのが楽しくて仕方ない。

主   「ぶっちゃけ書き手で参加したかった」
GH450 『私達の場合、会話オンリーで話が進むタイプですし、
      長考なので、中々他作者様と絡むのは難しいですね』
主   「他作者様に絡んでいくだけの文才無いしな〜」
GH450 『分かってるなら一人前の口が叩けるよう、精進してください』


>>375
次の機会があるさ〜
でも、ワルキャス&ワルパシリが乱入すると、いい意味で収集つかなくなりそう・・・
それはそれで面白くなりそうだけどね。

主   「それよりも、早くそのいかがわしい写真をUpするんだ!!!」
GH450 『・・・』


             ::::::;;;;;;;;;
   l:::::ヘ:l    :::::;;;;;;;;::
  (.#ノヽハ〉;;;;;;::::::     :;..:. :::;<ア゙ー 
  @リ ゚匚:::;;;::
  <:::l=l:)〉:::;;;;;;::::
  Cl:l___l_ヽ   :::::;;;;;;;;::
   レi_'ォノ       ::::::;;;;;;;;;;
377名無しオンライン:2009/08/27(木) 19:46:49 ID:3BLS4Ldp
>>375
今からでも間に合う!
早く絵も時もうpするんだ!
378名無しオンライン:2009/08/27(木) 21:05:23 ID:PEJt6YUh
さり気にワルキャスの人がいた!

ちょっと聞きたいんですが、ワルキャスの外見って公開されてましたか?
それがちょっと気になって。
379名無しオンライン:2009/08/27(木) 22:43:47 ID:qC78dthO
ttp://www.psuxxx.info/uploader/src/up2615.jpg
沼子「箱くん箱く〜ん みてみて〜交換しちゃった〜」
450「ご主人様ならあそこでヘコんでますよ・・・」
箱「・・・打てない・・・守れない・・・」
沼子「・・・ 箱くーん、450だよ〜」
箱「あー GBRはじまるんだっけー」
沼子「そうそう、いこいこ!」
箱「はーい」
450「え?あ?ちょ!? ま、まってくださいよ!!」



満足だ!俺は満足だ!!!!
380名無しオンライン:2009/08/27(木) 23:54:36 ID:3BLS4Ldp
gj
その勢いで全色揃えt…おっと誰か来たようだ
381だがそれが日常:2009/08/28(金) 03:42:23 ID:k3OXim0Q
>>376
>早くそのいかがわしい写真をUpするんだ!!!
うちのワルパシリによって破壊された!
おのれ世界の破壊者め!
>>378
こんどスクリーンショットとるよー。
前はロボ顔だったがいまは金髪生顔でテンガロンハットにGH480服だぜ。
>>375
というわけで早速イチャイチャするぜぇ!

「あっはっは! そっちも災難だったナァ…」
ワルキャスがコロニーから古巣のモトゥブ勤務になって早一年。
ワルパシリも戦闘値が上がり、GH411からGH461に様変わり。
元々金髪だったせいか、水着に着替えたようにしか見えかったり。
そんな彼女はよくよく箱氏の450とフォンでだべりあう事が多い。
プール代わりにぬるめのお湯に浸かりながら、
450の愚痴を肴にハッピージュースをちびちびと飲んでいる。
今回も一騒動あったようでワルパシリは聞き手に回っていた。
「まあ、こっちもこっちで…大変なんだけどナぁ」
そうやって彼女はカウンターに視線を向ければ…
「あーっ! クソッ! 書類おおすぎだぁ…ちくしょぅ…」
古巣に戻ったワルキャスはすっかりガーディアンズとテノラワークス、
しいては新生ローグスの数少ないパイプ役として過ごすことに。
GCの導入に伴い、テノラ・ガーディアンズ間の交渉役に抜擢され、
デスクワークの比率が多くなっていた。
戦闘での思考ルーチンに凝り固まったため、こういった事務処理への応用は
まだまだ時間が掛かるようだ。
「じゃあ、また後でなー。乙〜」
450との会話も切り上げ、プライベートバー備え付けの冷蔵庫から
ハッピージュースを一本取り出して働きアリに差し入れをするワルパシリ。
「ほら、たまには休んどけって。せっかくの自宅なんだからさー」
PMのサイズでありながら、戦闘値をあげた甲斐もあって引き締まった
人口筋肉とスイムウェアの相性は抜群。
「おーう…たすかる…」
「ちょ…ちょちょちょちょ! てめぇ!」
なので、おもわず胸板にほうずりするのは仕方ない自然の摂理なのである。
嘘条例なんぞ知ったことかといわんばかりにスリスリたいむ。
「わりぃ…もうちょいこのまま…」
「ぶっ殺されたいかっ…まあ、特別…じゃない! おい離れろって!」
自分のとワルキャスのハッピージュースが両手を塞いで、
蹴り上げればスリスリから逃れられなくもない…
が、疲れてる主をむげにするのも気がひける…しばし沈黙…時どき頭なでなで。
素直に甘える男に悪い気はしないでいるワルパシリなのだ。
「失礼します。ワルキャス様、新規のGCミッションの件ですが…」
「「「あ…」」」
騒ぎが冷めぬ中で…そんなモトゥブの一時であった。
382名無しオンライン:2009/08/29(土) 14:32:22 ID:ZHG5e5VN
「……(>>381を見た後、考え込んでいる)」
「マスター、どうかしたんですか?」
「いや、相棒のPMがツンデレってのもいいなぁ、とか、ふと思った」
「では、私もツンデレになりましょうか?」
「止めとけ451、俺は、今のままのお前がいい」
「(マスターって、パシリにはそーゆー台詞を、無自覚かつさらりと言っちゃうのよね)」@リ〃-〃)i ポッ
「何か言ったか?」
「い、いえ別に(アセアセ」
「ともかくだな、言いたい事はそうじゃなくて……」
「はい?」
「他所様がPMを可愛がっている姿を見てだな、お前の前任の412を可愛がってた頃を思い出して、れーせーに比較してみたんだ。
 そしたら……」
「そしたら?」
「なんつーかその……」
「その?って大丈夫ですか?顔、真っ赤ですよ、マスター」
「あいつを肩の上に乗せたり、手を繋いだりして外歩くとか、ミッションで疲れて居眠りしかけたのを抱っこして連れ帰ったりとか……
 今更になって恥ずかしくなってきちゃってさぁ……」(/////)ヾポリポリ
「それこそ今更だと思いますけど。
 と言うか、私もして欲しいので、GBRにでも連れてって下さい、マスター」
「え?ちょ、手を引っ張るなっ、分かった分かった、連れてくから、そぅぁ……(フェードアウト」

 この話はここまで。ちょっと451連れてまったりGBRしてこよう。
383名無しオンライン:2009/08/29(土) 16:08:41 ID:3WbX6k4b
>>381
モトゥブ勤務になっても、いつものワルキャスさんだ!安心した。
そして、両手を塞がれている状態で甘えられてドギマギしてるだろうワルパシリに萌え!

>>382
>あいつを肩の上に乗せたり、手を繋いだりして外歩くとか、ミッションで疲れて居眠りしかけたのを抱っこして連れ帰ったりとか……
このスレ的には全くもって正常だ。なんら問題ない。むしろどんどんやr(ry

主   「GBRに行くなら、
      ミズラキ保護区 : ケゴ広場 / クゴ温泉方面の扉に向かって右側の奥が人通りが少ないはずだ」
GH450 『・・・何を勧めてるんですか』
主   「いや、人の少ない所でニャンニャンする話じゃ無いのか?」
GH450 『んな訳あるかああああぁぁ!!!』
384名無しオンライン:2009/08/29(土) 19:32:10 ID:ZHG5e5VN
451と2人でまったりとGBRのS〜S2ランクを回ってきた。
最初はフォローし切れなかったが、途中から立ち回りにも慣れて451も倒れなくなったから、上等だと思う。
で、アイテム整理で一旦部屋を空けた後、つい今しがた部屋に戻ったら451が居なかった。
部屋を探したら、PM待機部屋に篭っているのが分かったんだが、呼んでも出て来ない。
ここのレスをチェックした形跡もあ


参った、カキコしている間に、451が俺の右脚に後ろから抱きついてきた。
見えている451の腕は素肌だし、どんな格好なのかかくにん
385名無しオンライン:2009/08/29(土) 20:21:10 ID:xonDkkpn
キャス姉「GBR、ですか」
女主人「確か、コミュでも参加できたはずよね」
キャス姉「……多分、そのはずです。Cランクオンリーですが」
エルヴィア「で、マスターは参加するんですか?」
女主人「んー、先にディーガとギ・フォイエを11以上に上げたいんだけど」
キャス姉「その前に、中の人はしばらく私でプレイするつもりですよ?カードのバレットを全色20まで上げるんだーとか言ってましたし」
エルヴィア「そういえば、キャス姉さんはファイガンナーからアクロファイターになったんですよね」
女主人「アクロ系は片手武器しか持てないからちょっと厳しいわよー」
キャス姉「まあ、元々片手武器ばかりですので、そんなには困りませんよ」
430「ご主人様、こちらにいらしたんですか」
キャス姉「あ、ごめんなさいね430。……女主人さん、私のPMもようやく戦闘用にまで進化しましたよ」
430「初めまして。私はキャス姉のパートナーマシナリーの430と申します」
女主人「……あれ?名前は430だけど、432よね……?」
キャス姉「実は、進化デバイスを与えたのがライセンスの切れる直前でして、ゴタゴタしていたので名前を変え忘れてしまったんです(実話)」
エルヴィア「はじめまして。僕は女主人のパートナーマシナリーで、エルヴィアと言います。よろしく」
430「はい、よろしくお願いします。……あ、そうでした。ご主人様、中の人がご主人様でプレイを始めたがっていますよ」
キャス姉「はい、わかりました。……それでは、女主人さん、エルヴィアさん。また会いましょう」

女主人「それが、キャス姉の最後の台詞になろうとは誰も気づ(ぼぃん」
エルヴィア「(ラビットウォンドをしまいながら)ほら、アテレコはいいですから僕等も帰りますよ」
女主人「……もうPPTスペースポートのベンチで寝るのはいやー……もうちょっといい所で休みたいー……」
386名無しオンライン:2009/08/30(日) 00:13:16 ID:RHIXHwt8
>>384が妙なカキコになってしまったのは正直スマンかった。

だが、おかげで>>383を読んだ451がどう解釈したのかが良く分かった。

「にゃ〜ん、マスター(ごろごろ、すりすり」

何処で手に入れたのかは知らないが、バニーならぬニヤオンガール姿の451が、かれこれ4時間以上、胡坐をかいた俺の膝の上を占領している。
当人の気分はすっかりニヤオンのようだ。

451は『ニャンニャンする』というのを「ニヤオンのコスプレで甘える事」と思ったらしい。
PM待機部屋に篭っていたのは、コスプレするのに着替えていた所為だった。
正直な話、これで済んでほっとしている。
これ以上の問題があるとすれば、いい加減しびれている脚の上に何時まで乗っているのかと言う事だろう。

「何時まで乗っている気だ?」
「飽きるまで〜。にゃお〜ん」

気づけば日が変わっているが、451が膝の上から降りる気配は当面無さそうだ……
387名無しオンライン:2009/08/30(日) 01:06:04 ID:eRo+2fl3
>>386
女主人「えっ、何それすごく羨ましい」
エルヴィア「あなたは黙っていてください。……こっちを見ないでください手をワキワキさせないでくださいハァハァ言いながらにじり寄らないでください!」

ちなみに個人的な解釈ですが、コミュニティー中はマイルームに帰れず、そこらの道端で寝泊りしてるイメージがw

女主人「あれ、キャス姉。今日はどこに泊まるの?」
キャス姉「事務仕事のついでにモトゥブのガーディアンズ支部で寝ようかと思いますが」
女主人「いいなぁ、あたしなんてクゴ温泉のドレッシングルームよ……あそこ、微妙に狭いのよねぇ」
キャス姉「よくそんな所で寝られますね……女主人さんも事務の仕事を引き受けたらどうですか?寝る場所ぐらいは用意してくれますよ?」
女主人「あー、うん……あたし、そういう書類作成とかの仕事がダメでさ。体動かしてた方が楽しいし」

そして、夜のクゴ温泉のドレッシングルームの内の一つには女が倒れているなどのあらぬ噂が立ったり……w
388名無しオンライン:2009/08/31(月) 17:14:44 ID:CbgKn6UZ
GH450「みんな、今年もPM育成ランキングが出ましたよ〜」

ttp://phantasystaruniverse.jp/event/3rd_anniversary/report/03_partner.html

GH410「えっ、ほんとですか?見せてください」
GH430「あら、私と450が入れ替わっただけで、上位6位までほぼ固定ですね」
GH414「私が残っているのはどうしてでしょうか?戦闘では吹き飛ばすから微妙と言われる事も多いのに」
GH420「さぁ……単にかわいいから、とか、それだけかもしれないよ?」
GH440「それはそれで、理由としては最強だと思います」

(うんうん、と全パシリ達)

GH422「ま、まぁ、どんな理由があっても、ここを見てくれるマスター達は、私達が大好きって事に間違いは無いよね」
GH480「そうでございますな。しかし……」

7位以下の全パシリ
『6位の壁が越えられねぇ!』

6位までのパシリ
『あ、あははははは……』

GH410「私の型番が多いのは、辞めちゃったマスター達の影響もあると思う」
GH450「そうね、メイト系で育てて410になった後、デバイスが出る前に辞めた方もいますからね」
GH490「あの、みんな、ちょっといいフガ?」
GH470「どうかしたの?490」
GH490「あそこだけ暗いフガ」

GH453「最下位……また最下位……ぐすっ」
GH423「私達って2周年の時以外、ずっと一緒よね……」

GH450「あらら……そうね……420、ちょっと(ごにょごにょ」
GH420「ん、分かった。
    ――453、423(ごにょごにょ」
GH423「……それもそうよね。ね、453」
GH453「そうね、423。(ぐしぐし、ちーん)
    では、不肖GH453が挨拶の音頭をとらせて頂きます――コホン。
    PSU3周年、おめでとうございます!
    マスターの皆さん、これからもよろしくお願いします!」

一同『よろしくお願いします!』

GH430「3周年でもありますし、宴会でもしましょうか(ゴトン」
GH410「そっ、それはニューデイズのお酒『ゴウグの舞い』!しかもどんだけあるのよ、この量!」
GH430「3周年を祝って、飲み明かしましょう!」
GH451「あ、先に始めてて、おつまみ調達してきます」
GH440「それなら、一緒に行きます。
    ついでにご主人様も連れてきていいかな?」
GH420「じゃんじゃん連れてきなよ、私も連れてくるー!」
GH480「今宵は無礼講のようですな、私めも我が主にご連絡致しましょう……」
389名無しオンライン:2009/09/02(水) 17:21:39 ID:xnYQSjtm
450「うーん」
箱「どしたの?」
450「いえ、私の順位は名前のGH450と見ればいいのか、タイプのGH454で見ればいいのか・・・」
箱「あー・・・ どっちがいいんだろ?」
450「・・・ところで、どーして私は名前がGH450のままなんですか?」
箱「へ?」
450「普通、形態と同じ名前にするか、オリジナルの名前にするかどっちかですよね?
   ご主人様のお友達(別キャラ)も皆固有のお名前つけてますよね?」
箱「ソーデスネ」
450「私・・・っていうか私だけGH450のままなんですけど・・・」
箱「・・・ソーデスネー」
450「もっと可愛い名前とか素敵な名前とか・・・つけてくれないんですか?」
箱「ソーデスネー」
450「・・・(じろ)」
箱「・・・ソーデスネー」
450「・・・(じろー)」
箱「・・・えーと そのー だって・・・考えるのめんdへぶおあっ!!」
450「さいっていっ!!(ぷんすか) いいです!もうしりません!!」

箱「い、いたい・・・」
箱(・・・ていうか、その名前に馴染み過ぎて、いまさら変えるに変えれないとか言ったらもっと怒るだろうしなぁ・・・)
箱(パシリというのは難しい・・・うんうん)
390名無しオンライン:2009/09/05(土) 11:20:53 ID:eCbZ3XVV
某所にて、ご主人様(女性)に呼び出されたパシリの会話。

GH4xx←好きな番号を入れよう!
     「ところでご主人様、ここ半年ほどエコノミーですが、何時課金するんですか?」
主人♀「な、なによ、藪から棒に。
    別にいいじゃない、こっちも色々と忙しいんだから」
GH4xx 「気になります」
主人♀「どうして?」
GH4xx 「だって……ご主人様から、洗ってないジゴブーマの臭いがします!」
主人♀ Σ(゚Д゚)ガーン、ナンデストォ?!

どうする主人♀!続かない!
391名無しオンライン:2009/09/05(土) 11:23:22 ID:eCbZ3XVV
間違った。

×エコノミー
○コミュニティコース

ついついエコノミーって書いちゃうなぁ。
392名無しオンライン:2009/09/05(土) 17:33:21 ID:1SnXFACn
200メセタ払って風呂に行く
オンマ倒して風呂に行く
393名無しオンライン:2009/09/06(日) 01:04:04 ID:uGqaJXp+
GH4xx 「……>>390から続かないはずだったのでは?」
主人♀「>>392というアドバイスもあったから、風呂に入れさせろと、さっき拾ったレイハロドウを使って、作者と交渉してきた。
     力ずくで」
GH4xx 「レイハロドウは打撃武器じゃありません、ご主人様」
主人♀「とにかく、クゴ温泉に行くわよ!
     タクシー使えないから、オンマ倒して行くからね!」
GH4xx 「頑張ってください、私は部屋に帰って配信アニメでも見ます」
主人♀(無言でレイハロドウを上段に構える)
GH4xx 「分かりました、地獄の果てまでお供します。
     頑張ってください」
主人♀「やる気無いのね、あんたは……」

 そして、30分後。

主人♀「つ、着いた、疲れた……」
GH4xx 「早く脱いで、入浴してください。
     ジゴブーマ臭い服と下着を持って帰って洗いますから」
主人♀「これ持って帰られたら、着替えが無いでしょ!」
GH4xx 「私もそこまで鬼畜じゃありません。
     この事態を予想して、替えの服と下着は用意してあります」
主人♀「何よ、用意がいいじゃない。
     じゃ、入ってくるわね」
GH4xx 「ごゆっくりどうぞ。後で背中を流しに行きます」

主人♀「はぁ、さっぱりした」
GH4xx 「着替えをどうぞ、ご主人様」
主人♀「ありがと、って、この服、気に入ったから上下お揃いで買ったはずだけど、どうして上が違うの?」
GH4xx 「ああ、それですか。
     ご主人様が帰ってこないので、空腹に耐えかねて、昨日の夕食に食べました」
主人♀ Σ(゚Д゚)ガーン、ナンデストォ?!

お気に入りの服を食われて、どうする主人♀!
394名無しオンライン:2009/09/06(日) 01:27:47 ID:e/dm2Hye
PM 「ご主人!PSPo2ではPMも引継ぎだそうですよ!!」
ご主人「え?そうなの?俺ガーディアン辞めたと思ったのにな」
PM 「これで、また一緒ですね!」

ご主人「・・・えー・・・どうせなら新型パシリがいいなぁ」
PM 「・・・ナニカイイマシタカ?」
ご主人「・・・イエナンデモ」
395名無しオンライン:2009/09/06(日) 12:42:42 ID:Rp7cr1aY
女主人「まさに『のヮの<ミテマスヨーミテマスヨー』ね」
エル「何が言いたいんだかさっぱりわかりませんが」
女主人「……詳しくはエゴエゴアタクシで検索!」
エル「投げた!?」

※エゴアタの歌詞をパシリに当てはめての発言です
396名無しオンライン:2009/09/06(日) 21:57:16 ID:MwOb0YgQ
ところでリトルウィングスでもパシリ支給だそうですよ
397名無しオンライン:2009/09/07(月) 14:24:50 ID:GeXMxKM4
GH4xx 「連日の呼び出しですが、何か御用ですか?ご主人様」
主人♀「課金がめんどうだし、近いうちに転職しようかと思って。
     そうすりゃ、あんたともお別れだし」
GH4xx 「(私がいないと部屋すら掃除しないご主人様とお別れですか)
     正直、不安です」
主人♀「あんたの事なら平気よ、所有権買ってないから、今でもあんたはガーディアンズの管理下だもの」
GH4xx 「不安なのは、転職したご主人様の今後です。
     ゴミ箱のような部屋の有様が容易に想像出来ます」
主人♀「……」
GH4xx 「……」
主人♀「と、ともかくね、次はここへ入ろうかなって。
     (そう言って差し出したアドレスttp://phantasystar.sega.jp/psp2/world/crad6/)」
GH4xx 「(チェック後)これからもよろしくお願いします、ご主人様」
主人♀「どうしてそうなるの?」
GH4xx 「>>396という話をご存じないのですか?
     それに、>>394みたいな話も出ていたりします」
主人♀「……転職、止めようかな」
GH4xx 「お好きなようになさってください、地獄の果てまでお供します。
     ご主人様が心配ですから(ぼそっ)」
主人♀「何か言った?」
GH4xx 「いえ別に」
398これも仕事デスカラ1/2:2009/09/09(水) 00:11:46 ID:JTiySifr
>>389
もうあれだ、箱と450は結婚するしかないね

>>393
俺の電球がピカーンしたのでネタフリ投下


−−−−−貴方のPMは狙われている−−−−−

「はぁ…今日もだれもこない…」

−−貴方の知らないうち、気がつかぬうちに−−

「君は###のPMかな?」
「はい…そうですが…」

−−−−−貴方のPMは狙われている−−−−−

「###はいまルームにこれないんだ。
 でも、どうしても君に逢いたいって。
 お兄さんと一緒にくるかい?」

−−−貴方が気がついた頃にはもう遅い…−−−

「やっとコミュニティから抜けられたー…
 元気にしてたか、%%%? あれ、%%%?」

−−−−貴方は…全てを失ってしまった−−−−

「おい! 冗談はよせよ…! %%%! %%%!!」


###

「コミュニティ狙いのPM紛失ねぇ…ったく」

テーブルにだらしなく頬杖をしながら、
ワルキャスはビジフォンを耳に当てて今回の依頼を整理する。
今回の依頼は相次ぐPM紛失事件の解決。
狙われているのはことごとくコミュニティコースにしている
ガーディアンズが所有するPMである。
399これも仕事デスカラ2/2:2009/09/09(水) 00:18:12 ID:JTiySifr
コミュニティコースのガーディアンズはいうなればパート。
SEEDとの争いも一通り落ち着き、
当面の資材不足によりガーディアンズの稼ぎでは首が回らない人たちへの救済処置。
コミュニティにすることで別の仕事に専念できる上、ガーディアンズの依頼も対応できる。
実際にはガーディアンズ運営側の苦肉の策というのが現実である。
ガーディアンズ申請料金を免除する変わりに、ある程度の制限を設ける。
かつては全員に寮や保障が提供されていたが、
コミュニティコースのガーディアンズには寮の使用権はない。
現状の生活苦のためコミュニティにしているガーディアンズにとって、
寮に預けたPMとは流れ的に疎遠になることが多い。

先日、ガーディアンズの個人情報の一部が抜き出される事件があった。
抜き出した犯人は以前と調査中である。
抜き出された情報はすでにローグスに流れ、今の事件に至る。

「で、俺にお鉢が回ったと…トニオに回してやれよ。奴、結婚資金で金いるんじゃね?」
”奴はもう稼動が120%だ。それに、コネが強いのはお前も一緒だろ?”

モトゥブ支部のガーディアンズとのビジフォン打ち合わせ。
向かいのカウンターでキンキンに冷えたグラスにコルトバジュースを入れるワルパシリ。
そのグラスを意味も無く眺めながら、ワルキャスは依頼を呑む。

「へえへえ…わかりましたよぉー。まあ当たる所は何件かある。ちょっくら行って見るわ」
”わりぃな。今度おごってやるからよ!”
「それよりもー…イイ女をみつけて紹介してくれよ〜さいきんご無沙汰でよぉ!
 ハッハッハッハッハッ!」

ワルパシリは青筋を立てつつ、咄嗟にコルトバジュースに30倍スパイシア注入。
ビジフォンを切ると同時に彼女の差し出すグラスを取りドリンクを一気に…

「おう、おう…じゃあそっちの件は頼むわー…さーてと」

呑んだ。

「…ギャバアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「ふんっ!」

さあ、仕事の時間だ…となるのはもう少し経ってからである。

と、壮大なネタ振り。
冒頭は情報セキュリティ研修用DVDとかで、
よるあるようなフレーズを頂いた。
400調査依頼1/2:2009/09/09(水) 23:18:18 ID:DqkbKlzs
>>399
ワルキャスさんキター!!!

>先日、ガーディアンズの個人情報の一部が抜き出される事件があった。
ワルキャスさん以外にも言える事だけど、
リアルの運営の事件を自分の作品にリンクさせれるのがすごいと思う。

主   「そして俺がキャッチ&リリース!」
GH450 『お目汚し失礼します。』


〜〜〜ガーディアンズ本部:ミーティングルーム〜〜〜
「・・・以上が本件の概要です。ここまでで何か質問はありますか?」
何名かのガーディアンが席に着き、モニターを見つめている。
モニターには現在発生しているコミュニティ狙いのPM紛失についての概要が表示されており、
調査部のルゥが説明をしていた。
ルゥは各席を一瞥し、質問が無い事を確認すると、再び説明に入った。
「次に現在までの調査で判明している事実を資料2にまとめてあります。」
各自手元の資料を見る。そこには今まで起こった今回の事件が時系列でまとめられていた。
が・・・
「具体的に目星は付いてないと言う訳ね・・・」
思わず俺はぼやく。その資料は本当に事件が時系列でまとめられているだけだったのだ。
他のガーディアン達もぼやきはしないものの同じ感想をもったようだ。
「その事に関しては弁明できません。」
「先日の個人情報流出事件が絡んでるんじゃないの?」
ルゥの近くに座っていたガーディアンが口を開く。
「その確率は80.79%です。ですが、PM紛失事件と個人情報流出事件の関連性について、
 確定にいたる事実は判明していません。」
ルゥの説明は続く。
「個人情報流出事件ついては引き続き調査部が調査を行っています。
 調査の結果、PM紛失事件との関連性が判明次第、その情報はこちらにも提供されるようになっています。
 あなた方はPM紛失事件にのみ全力を尽くしてください。」

先日発生した個人情報流出事件。調査部は昼夜問わず、この事件に関して全力を注いでいた。
そのような状態で発生した今回の事件。
手一杯状態の調査部だけでは解決不能と判断し、このような調査依頼になったんだろう。

最後にルゥはこう締めくくった。
「直、この件はあなた方だけでなく、各ガーディアン支部も含め同様の調査依頼をかけてあります。
 既に依頼を受け、調査開始したガーディアンもいます。
 単独調査、協力して調査、方法は問いません。各自最善を尽くしてください。」
401調査依頼2/2:2009/09/09(水) 23:19:50 ID:DqkbKlzs
〜〜〜マイルーム〜〜〜
「さて、どうしたモンかねぇ。」
ミーティングルームから戻ってきての感想はこれ以外に無い。
何しろ使える情報がほぼ何も無いのだから。
『依頼を受けておいて何ですけど、情報量が少なすぎますね。』
一緒に依頼を聞いていたGH450も同様の感想らしい。まあ、当然といっちゃ当然だが。
「愚痴ってても仕方ないか。まず現場に行ってみるか〜。
 ・・・既に調査済だろうがな。」
手持ち情報が犯行現場しか無い以上、そこに行って見るしかない。
ぼやいた通り、調査部も一通り調査を終えているだろう。
その上での資料であり、その上での調査依頼なのだ。余り期待は出来そうに無い。
『まあまあ。現場100回といいますし、何か見落としを発見出来るかも知れませんよ?』
「お前は楽観的でいいな・・・」
『ご主人が悲観的過ぎるんですよ!』
「へいへい。」

そんなこんなで依頼を受けた主とGH450、この先何が待っています事やら・・・

多分続かない?


主   「>>376で参加したかったと書いたから、今度は参加して見た。
     ワルキャスさんのネタ振りを大きく広げてみたんだが、どうだろう?」
GH450 『自分はうまく纏めたつもりなんでしょうが、どう見ても壮大な暴投ですね。』
主   「(´・ω・`)」
GH450 『で、今後の展開は?』
主   「他の作者様達にお任せします。」

と言う訳で投げっぱなしだぜぇぇぇ
402日常に紛れ込んだ事件1/2:2009/09/11(金) 10:39:22 ID:w7VkAyE7
>>398
ちょっと見ない間に、ワルキャスの人にネタにされてる!
ならば、書かねばなるまい、>>401をキャッチだ!


GH4xx 「遅くなりました、ご主人様」
主人♀(突然、ぎゅーっと4xxを抱きしめる)
GH4xx (あたふた)「ご、ご、ご主人様?」
主人♀「よかった、呼び出したのにあんまりにも遅いから、心配したんだらかね!」
GH4xx 「申し訳ありません、集会が長引いたのと、出がけにトラブルがありました。
     あ、ご心配なさらなくて大丈夫です、大方に置いて処理済です」
主人♀「そう?ならいいんだけど……(でも、大方なのね、平気かしら)
     ところで集会って、何?
GH4xx 「はい、留守番パシリ達の集い、コミュニティ友の会です」
主人♀「なにこれ、パンフ?まめね、あんたら……
     何々……」

    ※コミュニティ友の会:
     部屋にご主人様が帰ってこないパシリの集いです。
     主な目的は、倉庫内のアイテムを食い荒らす事です。
     ご主人様が戻ってこないパシリの皆様、気軽にご参加下さい。

主人♀ Σ(゚Д゚)ガーン、ナンデストォ?!
GH4xx 「どうかなさいましたか?」
主人♀「あ、あんた、こないだの服以外に、他にも食べてないでしょうね?」
GH4xx 「S防具属性26%を3つほど。
     コミュニティ友の会の集まりで、ご馳走として出しました」
主人♀「た、大切なS26%防具を……じょ、冗談よね、ね?」
GH4xx 「冗談です」
主人♀「な、なんだ、冗談なのね」
GH4xx 「冗談です」
主人♀「……え?」
GH4xx 「冗談です」
主人♀「冗談なのか、よかった」
GH4xx 「冗談です」
主人♀「……」
GH4xx 「冗談です」
主人♀「本当なの?それとも、冗談なの?ねぇ」
GH4xx 「冗談です」
主人♀「どっちなのよーっ!」
GH4xx 「冗談です」
主人♀「ちゃんと答えろっ!」
GH4xx 「食べました(どきっぱり」
主人♀ Σ(゚Д゚)ガーン、ナンデストォ?!
GH4xx 「冗談です」
403日常に紛れ込んだ事件2/2:2009/09/11(金) 10:41:13 ID:w7VkAyE7
GH4xx 「とりあえず、もう片方も報告しておきます」
主人♀「……何?」
GH4xx 「出掛けにトラブルがあったと申し上げました」
主人♀「ああ、言ってたわね、そんな事」
GH4xx 「ショップも出していないご主人様の部屋に来訪者が参りまして。
     >>398の「お兄さんと一緒に来るかい?」までと同じような事がありました」
主人♀「そ、そ、それで?」
GH4xx 「それが……その先の記憶が、極度の空腹で曖昧なんですが……
     残っていたログによると、あまりの空腹から、私はその来訪者の服にかじりつき、食べたようです」
主人♀「そ、そう……(哀れな奴」
GH4xx 「気がつくと、私はこれを握って倒れていました」
主人♀「何?その黒い布は?」
GH4xx 「来訪者の着用していた、使用済み『ビキニスイムパンツ(黒×黒)』です」
主人♀「わーっ、近づけるなーっ!」
GH4xx 「そうは言いますが、どう処分すれば宜しいでしょか」
主人♀「責任持って食べなさい!」
GH4xx 「臭うので嫌です!(どきっぱり」
主人♀「そんなもの、しっかりと握らないで!
     どっかゴミ箱にでも棄ててきなさい!」
GH4xx 「分かりました……これで宜しいですか?」
主人♀「まだ駄目!
     あんたも、温泉に一緒に入りなさい!
     臭いが残ると嫌だから、徹底的に洗ってあげます!」
GH4xx @イ ゚ д゚ノ ハイ?イマナントオッシャイマシタカ?

普段と立場が逆転して、思考が一瞬フリーズしてしまった4xx。
パシリとしては至福のひと時を得られた4xxでしたが、その後の主人♀に対する態度は変わりませんでした。

主人♀ Σ(゚Д゚)ガーン、ナンデストォ?!

という所で、投げる!
404ベア・ナックル 1/2:2009/09/11(金) 23:37:11 ID:HaLi3j/L
復帰がてらに参加してみますか。

--------------------------------------------------
一方その頃。
-PM 5:20 ガーディアンズ宿舎前-

わたくしは、荒ぶる戦乙女のGH432。
本日はいつものようにマイルーム内で怪しい詠唱をしている主をおいて、
日々の糧のために買い物に出た帰りです。
長らく留守のお隣さんのところに男性が訪問しているのを見かけました…
ビキニパンツにコートという姿の。なにあれ変態ですか?
「君のご主人は今ルームにこれないんだ。でも、どうしても君に逢いたいって。
私と一緒にくるかい?」
「えっ…ご主人様が?」
「そうとも。コミュニティコースは賃金が低いからね、稼ぐにはかなりの時間
働かなくちゃいけない。忙しくて私に言づてを頼んだんだよ」
「た、大変…そんなにご主人様が苦しんでいるなんて!あたしがいないと
本当に駄目なんだから…!」
「そうそう、毎日ジャンクフードで、体重が気になるとも言っていたねえ」
「行きます!お洗濯も、お食事も、ベッドメイキングもしてあげませんと…」
しばらく見ていましたが、どうも放っておけそうにありません。
話し方が以前見た詐欺の手法そのものなのです。見て見ぬふりなんてできません。
「待てぇい!」
「!?」
丸腰の相手に武器を突きつけるのはアレでしたので、腕組みをしながら
そこらへんのみかん箱に仁王立ちになって、まずは前置きです。
「純粋な心の弱みにつけこみ、パシリを誘惑しようとするものよ。
お天道様が許しても、月にかわってお仕置きするものと知れ!
悪を砕く正義の鉄槌、人それを鉄拳と言う!」
「何者だ!?」
「あなたに名乗る名前はありません!とおっ」
みかん箱から飛び降り、さっそく410さんの腕を引いて男性から離そうとしました。
「離してください、ご主人様が、ご主人様が…!」
「お隣さん、騙されてはいけません!いかにコミュニティコースとはいえ、
会いたいと思うのであれば、なぜいくらでも連絡できるはずのビジフォンを
通じて連絡してこないのですか?」
「あ…で、でもこの人はご主人様のことや私のことをよく知ってるし、本当かも…」
「事前に下調べすれば、いくらでもわかることです。あなたとご主人しか
知らないことを知っていたというのも誘導の一種で、誰にでも当てはまることを
言っておいて、勝手に聞く側に知っていたものと思わせる話術のテクニックですよ。
占いなどでよく使われます」
405ベア・ナックル 2/2:2009/09/11(金) 23:37:42 ID:HaLi3j/L
410さんの説得をしているわたくしを歪んだ顔で見て、男性は410さんを
自分のほうへ引き寄せました。ビキニパンツにコートの姿で。
「ええい、邪魔をするな!我々に任せればパシリはみな幸せになれるのだ!」
「帰ってくるかもしれないご主人を捨てさせてパシリの幸せとおっしゃいますか」
「そうは言っていない、来ればわかる。パシリは必ず幸せを見いだすことができる」
「幸せかどうかは本人が決めることです!そもそも焦燥感を煽って騙して
連れ去るという手段をとる時点で、誘拐だとばればれですよ!」
「手段や根拠などは問題ではない!友愛さえあれば幸せになる…そういう『パシリ孤児』を救済するのが我々の崇高なる使命…」
目を泳がせ、わたくしの背後にある夕日に向けていっちゃった顔で口を
パクパクさせている男性。駄目だこの人、早くなんとかしないと…
「君は隣の部屋のパシリ、なら君も主人が帰ってこないはずだね?」
「ハァ?主なら今お部屋にいるはずですよ?中からあやしげな障気が出てるでしょう」
「な!?そ、そんなはずはない、嘘をつくな!君の主人は…」
「間違いを指摘されて逆切れとは見苦しい。わたくしを拐かそうなど…正義の名に
おいて、二度と性犯罪に手を染めないですむようにしてさしあげますよ!」
男性は抱きかかえてGH410さんを人質ならぬパシリ質にしようとしたようですが、
丸腰なので全然人質になっていません。遠慮なく拳を握りしめて踏み込みました。
「ま、待て!いいのか?そんなことをしたら愛しあうぞ!」
「愛の意味もわからないでーっ!」
「らう゛ぃっ!」
大地のエネルギーを螺旋状に巻き上げて放たれたアッパーカットが股間に炸裂し、
男性は涙と鼻水とよだれを撒き散らしながら、錐もみ回転で吹っ飛んで倒れました。
「ばかな…武器を持たなければ、友愛さえあれば…攻撃されないと…あのお方は…」
「この間パシリ版淫行条例ができたと聞いてますし、処罰対象です!成敗!」
振りあげた拳をそのままに、夕日を背に受けて決め、です。ところが。
「あ、あの〜…」
「もう大丈夫ですよ。それにしてもあんな方法で誘拐とは卑怯きわまりない…」
おそるおそる話しかけてくるお隣のGH410さん。わたくしのバイオレンスに怯えた
のだろうと思い、にっこりと笑顔で返してあげましたが、帰ってきた答えは。
「『パシリとの接触を禁ずる条例』はデマだと昨日発表されましたけど…」
「……………え?」
そのとき、ぱちぱちと拍手が背後から聞こえました。
続いて、使い込んだ革靴の立てるかすれた足音。
「報告にあがった黒いビキニパンツ、こいつぁビンゴと言えばいいのかねぇ?
現場100回ってのも馬鹿にはできねぇな…現場じゃなく帰り道、だが」
なんだかハードボイルドな捜査員っぽい人が思いっきり見ています。
目の前にはわたくしの必殺の一撃でのびた男性が一人。わたくしは決めポーズのまま。
傷害罪!?どーするわたくし!どーする!?

to be continued...

--------------------------------------------------
といったところでどなたかよろしくお願いします。
406名無しオンライン:2009/09/12(土) 01:50:51 ID:e8Uar3uc
イクサ乙女キター!と言うかナニやってるのー!
ともあれなんてシュアーワールド化ですか>パシリスレ
407名無しオンライン:2009/09/13(日) 23:34:23 ID:zd+AxCex
>>404-405
荒ぶる戦巫女キター
>「君は隣の部屋のパシリ、なら君も主人が帰ってこないはずだね?」
>「ハァ?主なら今お部屋にいるはずですよ?中からあやしげな障気が出てるでしょう」

相変わらず、主何やってんすか!
ともあれ、ビキニ男タイーホで事件解決?

>>406
書き手は自分の書きたいストーリー展開があるだろうから、
スレが「ネタ振って誰かに任せる」パターンのみになってしまうのは考え物だけど、
どんどん繋いでいって1つの作品になるのも(>>339から>>374あたり)
1つの書き方でアリだと俺は思う。

408名無しオンライン:2009/09/14(月) 01:25:13 ID:bQrgQcbP
受け取って書く気力もないので小ネタを。

泊まる所がない時にしていた事務仕事の腕を見込まれ、『ある場所で事務の手伝いをしてくれないか』と言われてキャス姉が向かった先は、ワルキャスの部屋だった。
「いやー、悪いねぇ手伝ってもらっちゃって」
「いえ、こういう関連の仕事には慣れていますから」
……現在、キャス姉はワルキャスに事務仕事のいろはを教えながら、協力してそれを片付けているのだ。
キャス姉の微笑みに少々鼻の下を伸ばし気味のワルキャス。それを見て始終機嫌の悪いワルパシリが一言。
「……おい、鼻の下伸びてんぞ」
同時にドン、ドン、と大きな音を立ててコルトバジュースの入ったグラスが置かれる。
「んあっ、コラ!客、ってーかこの人に向かってなんつー態度とってやがる!」
「……ふんっ!」
ワルキャスの叱咤を無視し、ワルパシリは奥のほうに引っ込んでしまった。
「待ちやがれっての!……すいませんね、キャス姉さん。どうもしつけがなってなくて……」
「いいじゃないですか。嫉妬されるのは少々痛いですが、十分可愛い子ですよ」
それに、なんとなくあの二人……というか一人と一体を思い出しますし、と心中で付け加える。
「……そういえば、パートナーマシナリーの失踪事件があったんですよね」
「ん?あ、ええ。しかもこの前の個人情報流出も関係性が強いと言われていて、それがローグスの連中に流れて……今回の事件に使われた。という事らしいんすけど」
「この前のキャスト至上主義による虚偽条例事件といい、なかなか平和な日常は戻ってきませんね……」
「まあ、それを言っちゃあ俺らの存在意義が無くなりますよ。元々俺らは何でも屋みたいな物なんですから」
会話しながらもキーボードを叩いていた手をようやく止め、んー、とキャス姉は考え込んだ。
「どうしたんすか?」
「……いえ、そういえば私のライセンスも期限が近付いてきたな、と」
「な、なんだって!?そいつぁ危ないですよ!……というわけで、コミュニティー中にも何があってもいい様に俺とカードの交換を……」
「あ、大丈夫ですよ?うちの子にはちゃんと言ってますから。……あと、これ以上親しくなるのも……」
「いやいや全然大丈夫ですって!イッツアオールオッケーィ!」
「……ワルパシリさんが怒りますよ?」
「ほっときゃいいんですよあいつなんて!どうせ襲われてもあいつなら逃げるって……」
「…………おう、コラ」
突然聞こえた低い声。そちらを向くと、浮き輪を取ってツインダガーを構えたワルパシリが。
「いちいち女をッ!」
「インベルッ!?」
「口説いてんじゃネェッッ!」
「ヌービアムッ!!」
「こんのエロキャストォォォォォォォッッ!」
「ゼノグラシアァァァァァァァッッ!!」
見事なヒショウジンレンザンの三段攻撃で宙に浮きながら切り刻まれる、という芸当を軽々とこなすワルキャス。
地に伏したワルキャスと肩で息をしているワルパシリを見て、キャス姉はため息をついた。
「やれやれ、ですね」
「アァッ!?テメェも刻まれたいか!?」
「遠慮しておきます。……たまには手加減位してあげないとダメですよ?」
「っせぇ!コイツが浮気すんのが悪ィんだよ……」
ふくれっ面でまだワルキャスの横っ腹をゲシゲシと蹴り続けるワルパシリ。……どうにも、笑いがとまらない。
「大丈夫ですよ。私はあなたの恋人を寝取るつもりもありませんから。さて、続き続き、っと」
キャス姉にそう言われ、ついにワルパシリの顔が真っ赤になってしまった。
「だっ!?ち、違うっつの!俺はこいつのことなんか……」
「ご馳走様、です」
「うがーっ!違ぇっつってんだろうがぁっ!」
ワルパシリが騒ぐのを見てニコニコと笑いながら、ワルキャスの分も含めた作業を再び開始する。

ワルキャスの人、ちょっと借りてみました。実は『インベルッ!ヌービアムッ!ゼノグラシアァァッ!』がやりたかっただけです。すみませんでした。
409名無しオンライン:2009/09/14(月) 03:06:40 ID:u1II5IGg
>>378
おまたせしたがとってきたよー。
とりあえずビフォー(コロニー在住時)とアフター(モトゥブ引越後)ということで。
ttp://www.psu-wiki.info/upbbs/lib/printimage.php?id=00004306.jpeg

>>401
>>403
>>405
ネタに付き合ってくれてありがとうよう!
ここで一端途中経過ということで二発目をかかせてもらうぜ!

>>406
>>407
というわけで、もう少し風呂敷をひろげますずら。
実は昨日の夜に書いていたが寝落ち+アップデートでデータが飛んでたってのは内緒だぜ。

>>408
せっかく使って頂いたので早速お借りしますずら。
410たまにはお仕事ですとも1/3:2009/09/14(月) 03:10:30 ID:u1II5IGg
屈強のローグス達の警備の中を通り…
カジノ服を纏ったビーストレディに連れられ一つの部屋に案内される。
煌びやかな内装に、専用バーカウンター、並べられるアイテムも高級品ばかり。
その中にピンクのハートアフロをした男がワルキャスを出迎えた。

「よぉ兄弟〜…ローグス時代以来だなぁ元気にしてたか? 黒(ry」
「おっと、今はただのワルキャスだぜ。ヒル・ボル総支配人」
「はっはっはっーそうだったなぁ。ま、座れ座れ」

そう、彼こそ動乱の時代に一大サクセスを築き上げた男、ボル3兄弟長兄ヒル・ボル。
ランディール号を元種に流通会社を設立。
各ショップにて共通倉庫のアイテムを転送できるように計らったのも彼である。
事業も拡大してモトゥブに総合娯楽施設カジノ・ボルワイヤルを建設。
ガーディアンズの数少ない娯楽として重宝されたのは言うまでも無い。
今後はランディール号を買い戻し、フル改造を施してドン・タイラーに返還する噂も。
そんなボル兄弟達とワルキャスは互いに面識があり、
呑み仲間でありローグスとしての絆を今も持ち続ける間でもある。
ビースト女性は二人用のグラスに高級酒を注ぎ、テーブルに並べる。
豪華なソファに向かい合うように座り、まずは乾杯。
互いに喉を潤した所で、早速ワルキャスは話を切り出した。

「実は総支配人のコネを使って、少々情報を売って欲しい…頼めるか?」
「水くせぇなぁ兄弟、俺とおめぇの仲じゃネェか…で、何が欲しい?」

珍しく勤勉なワルキャスにやや驚きつつも、営業モードで対応するヒル・ボル。

「大型流通護衛用のローグスグループのリストが欲しい。
 最近、ドンの計らいもお構いなしに度が過ぎた小遣い稼ぎをする馬鹿が増えてきてる。
 ガーディアンズであり、ローグスでもある俺としては黙ってられるほど寛容じゃネェ」
「で…俺のところに来たと」
「あぁ…頃合をみてガサを入れネェと調子付くからな。
 それ以上に、ドン・タイラーやアンドウ・ユウ…
 新生ローグスとガーディアンズの絆を無駄に壊されるのはたまらんと思ってよ…頼めないか総支配人?」

ワルキャスの依頼にヒル・ボルはグラスを回して酒を一口。

「タイラーの兄貴やアンドウの兄貴(姉御)の名前を出されちゃ、無下にできねぇな…しかし、コレは取引。
 情報は金の種…俺の下で働く兄弟達の手前、おいそれと出すわけにはいかねぇな…」
「もちろん、タダで貰おうなんてずうずうしさはねぇよ。
 もう直ぐ祭典だ…祭りのタイミングでもっと集客を集めてみたくねぇか?」
「ハハッ…コイン10倍だな。銭の宛てはあるのかワルキャス?」

我らが何気なく支給され、受け取っているコイン。
当然ながら、それはガーディアンズが遊戯代としてボルワイヤルに支払っている。
コイン10倍ともなれば、当然遊戯代も10倍。
その分の集客も当然ながら増加する。
ボルワイヤルにとってもガーディアンズにとってもありがたい話である。
しかし、おいそれとできないのは運営側の予算の関係上、当然なのだ。
ニヤリとヒル・ボルのいやらしい笑みに堪えるように、
ワルキャスも酒で喉を濡らして似たような笑みで返答する。
411たまにはお仕事ですとも2/3:2009/09/14(月) 03:14:15 ID:u1II5IGg
「ルウの姐さんにアポ済みだ。この件で情報を拾えたら多少の融通は利かせるようだ」
「はははははっ! そういったところはぬかりネェなワルキャス。相変わらずやらしい奴だぜ」
「褒めてもなにも出ネェぜ? ハッハッハッハッ!」

気がつけば互いにグラスは空。
ゆっくりと立ち上がり手を差し出すヒル・ボル総支配人。

「売った!」

ワルキャスも立ち上がり、その手をしっかりと握って。

「買った!」

交渉成立。

「詳しい打ち合わせはあとでルウの姉御とやっておく。情報はウチのが速達で用意してやるぜ」

そういって、酒を出したカジノ服の女性が頭を下げる。

「(うーん、でかい)助かるぜヒル・ボルの兄貴」
「きにすんな、大事な呑み仲間だからな。今回の件が落ち着いたら呑みにいくか?」
「いいねぇ! ニューデイズでいい巫女酒屋を見つけたんだ、そこで一杯?」
「おめぇの場合はおっぱいのまちげぇだろぉ?」
「ちげぇねぇ! ハハハハハッ!」

〜〜〜

「あれ? ワルキャスさんは?」
「今アイツはボルワイヤルでヒル・ボルの兄貴とお話だってよー。
 どうせ、エロ雑談と呑み話だぜ?」

”ぶえっくしぉらあぁ!”
”お、なんだ? 風邪か兄弟?”
”んー…キャストだぞ俺?”

一方、ワルキャスのマイルーム。
キャス姉が今日も事務仕事を手伝おうとやってきた所で、
ワルパシリはソファに寝そべりながら答えた。

「なら、残ってる仕事を片付けさせてもらいますね」
「んー、頼むわー」

ワルパシリがポリポリとC鎧を齧りつつ週間パシリに目を通す。
そんな中、データ入力を進めるキャス姉が話題を振る。

「そうそう、コロニーでPM失踪事件の現行犯が捕まったとか」
「おぉ! パシリ仲間から噂は聞いてるぜ? 変態パンツ野郎だって」
「そのようで…これで解決に進めばいいんですがね」

ぴょいとソファから立ち上がり、ワルパシリは冷蔵庫をあさる。

「うん…けど、アイツ一人だけにしちゃ、明らかに失踪数が多いんだよな…
 ローグスって基本チームだからよぉ…きっと上がいるはずだぜ?
 あの女帝も友の会とかを考えて対策はしてるみてぇだけど…
 それでもまだ隙をみて盗まれてるらしいぜ…」
「そうですね…それにしても、随分詳しいですねぇ」
「そりゃ、奴が率先していろいろ動いてるからなぁ…やけにはりきりやがって」

二人分のグラスに甘めのコルトバジュースを注ぎ、キャス姉の下にやってきて。
今回は静かにグラスを出す。
412たまにはお仕事ですとも3/3:2009/09/14(月) 03:16:58 ID:u1II5IGg
「ほらよ」
「ありがとうございます。でも…なんだかんだで、良く見られてますネェ…
 ワルキャスさんが張り切るのも頷けます」
「なっ…あいつは仕事やってるんだから、当然だろっ!」
「はい、その通りですね…フフフッ」
「う…うううううぅ…」

なぜか顔が赤くなるワルパシリ。そのまま引きこもるようにソファに戻る。
キャス姉はクールなポーカーフェイスで仕事を進めて。

「頑張ってる人には、なにげないご褒美が一番ポイントが高いですよ?」
「!!」
「独り言です」
「そ…そうか…」
「…フフッ」
「うーっ! 無駄に笑うナッ!」
「はい…クスクス」
「だーかーらーっ! ムキイイイイッ!」

些細な言葉のボールキャッチをしながら、ワルキャスの部屋はわりと平和。


とりあえずここまで。
明日の夜に敵側の動きを入れさせていただきます。
自分のネタ振りに参加してくれて頂いている皆さん、ありがとう御座います!
413途中経過1/2:2009/09/15(火) 00:30:09 ID:nFwhYfv4
というわけで、予告通りにもう少しだけ書かせてもらいます。

複数のモニタがある部屋。
その中の一つにルウがモニターに映され今回の事件の進展を報告している。

”PM紛失事件の途中経過を報告します。
 現在の調査と捜査により、現行犯の逮捕に成功しました。
 加えて、匿名の情報提供者より、主犯ローグスのチーム名、
 規模と基地の場所が判明しました。
 各支部の警備を強化する一方、余力のあるガーディアンズは
 主犯ローグスへの強制捜査、PMの回収をお願いします。

 偏愛趣向ローグス ラブダ・ラプチャ 危険度:B
 基地:西クグ砂漠方面
 特徴:PMに対する執拗な趣向を示す小規模ローグス。
    構成員は元GRMの社員で構成されている。
    今回の現行犯はこのグループに所属するローグスであった。

 旧体制型ローグス ビルデ・ビアス 危険度:A
 基地:ガレニガレ鉱山方面
 特徴:典型的な旧来のローグス集団。
    新生ローグスの体勢に異を唱え、勢力を広げつつある。
    流通警備を装い、自分の艦にPMを密輸入した疑いがある。

 新規参入ローグス ディープ・ロレイ 危険度:?
 基地:地底湖方面
 特徴:判明する主犯ローグスの中で一番情報の少なかったローグス。
    PMの紛失事件当初から関与している模様。

 今後、情報が入り次第各ガーディアンズに展開させていただきます。
 以上、各ガーディアンズの健闘を期待しています”
414途中経過2/2:2009/09/15(火) 00:35:26 ID:nFwhYfv4
モニタの前、一人の男が椅子に腰を下ろし感心するように頷く。

「さすが、歴戦の勇者達…俺達の名前まで挙げられたのは意外だったな…
 まあ、俺は有能な奴も敵も味方も関係ないと思うし…」
「ッ!! ムゥウウ! ムムムゥウ!」

その背後、サボテチェアに縛り付けられ、猿轡で激痛の声も出す事を許されていない男が一人。
それは極限状態のPMに衣服を食い散らかされ、全裸になりながら逃げおおせたローグス。

「敵味方関係なく、俺は無能は要らないと思う。だってそうだろ? 無駄なんだから」

悠々と語る男は立ち上がり、縛り付けられた男に歩み寄る。
激痛により血と涙と鼻汁をとめどなく溢れさせながら懇願するもくぐもった声しか発する事ができない。
そんな彼に首謀者らしき男は能面のような顔をいきなり憤怒の表情にして睨み付け、怒鳴り散らす。

「俺はPMを回収しろと言ったよな? 誰がストリーキングしろつったよ?
 おかげで無駄な情報とバカなグループのメンバーが現行犯逮捕。
 俺らのビジネスにとって、デメリットしか発生しない? バカかお前はバカチンか?
 俺達に不利益を与えて満足かこの屑がッ! 屑は何やっても屑だなこの屑ッ!」
「ムゥウ! ムムウゥ!」

縛り付けられた男の言い訳など聞く耳を持たないとばかりに背を向け、深く深呼吸。

「あぁ、君にはまだ価値がある…先程の言葉は訂正するよ…すまなかっ…たッ!」
「ムゥウウウゥ! ブハッ! ハアァ…はあ…ヒゲブッ!!」

男はサボテチェアごと哀れな部下を蹴り倒した。
その先にはドルァ・ゴーラが口を大きく広げて今夜のディナーを待ち構えていた。

「うちのペットの餌に打って付けだったのを忘れていた…君は有能だ!」

部屋中に響く悲鳴と咀嚼音を堪能しながら男は満面の笑みで餌となる彼を賞賛する。
そんなところに、一人の部下が扉をあけ、残虐ショーを他所に報告を上げる。

「ボス。移動の準備、完了しました」
「時間通り…やはり、私の部下は皆、有能だな。構わんやってくれ」
「ハッ!」

後日…ディープ・ロレイが根城にしていた廃坑は、
ぽっかりと穴を空けて消滅している事が報告される。

事件は…まだもう少し続く。

もう少しだけ風呂敷を広げてみるテスト。
友愛と服食われのローグスは別人にしちゃったぜ!
415パシリ的解決法(俺ばーぢょん):2009/09/17(木) 22:04:57 ID:dSY5sb4r
>>414>友愛と服食われのローグスは別人にしちゃったぜ!
 いいんじゃない?多分別人だし。
 同じような格好をした連中が、こっそり各支部へ……キモッ!

 そして、誰も書かないようなので、書いてみた。

GH4xx 「ご主人様、お呼びでしょうか(つやつや」
主人♀「何よ、随分と満足そうな顔ね。
     ま、まさか、更に倉庫のアイテムをっ!」
GH4xx 「いえ、コミュニティ友の会に、褒章として食事武器や防具をいっぱいもらえました。
     それを毎日食べているだけです」
主人♀「褒章?」
GH4xx 「はい。
     私が偶然に服を食べてしまった相手は、ラブダ・ラプチャというローグスに所属する変態で、偶然それを目撃した会のメンバーが追跡したのです。
     それを報告したところ、総裁からご褒美をいただきました」
主人♀「そう、それは良かったわね……(ぐ〜、きゅるきゅる」
GH4xx 「そのご様子だと、かなり空腹のようですが」
主人♀「もう三日も食事して無い……あんた、食べ物は無い?」
GH4xx 「(予想通りですか……持って来て正解ですね)
     とりあえず、このペロリーメイトとミネラルウォーターで我慢してください。
     食べ終わりましたら、良い場所へお連れします」
主人♀「(もぐもぐ……ごくごく……)ふぅ、とりあえず食べ終わったわよ」
GH4xx 「それでは私の後についてきてください」

 ―――惑星モトゥブ、某廃鉱跡―――

主人♀「ここは、何?コンテナがいっぱいあるし、パシリ達もいっぱい居るし……」
GH4xx 「ここにはありとあらゆる品が貯蔵されています。
     当然、食料もあります。
     存分に空腹を満たしてください」
主人♀「いやそれ、答えになって無いけど」
GH4xx 「私達にも詳しく教えられていませんが、ここの備蓄を好きに食べたり持ち出したりして構わない、と、本部から許可を頂きました。
     何でも、最近頻発しているパシリ誘拐の真犯人に打撃を与えられる、とは聞きましたが」
主人♀「よく分からないけど、とりあえず好きに持って行っていいのね?」
GH4xx 「はい、困っているご主人様達に教えても構わないそうなので、お好きになさって下さい」
主人♀「分かったわ、それじゃ、知り合い達にメールを送って、と……
     これでいいわ。
     じゃ、私も好きなだけ頂いていくから、あんたも食事に困らないようにたっぷりと貰っていきなさい」
GH4xx 「了解しました」

 その後、パート状態のガーディアンズとそのパシリ達によって、倉庫の中はモノメイト一つ無い状態になりました。
 こうして、未知のローグス、ディープ・ロレイの足場崩しは、ひっそりと終了したのです。
 発案者は、情報部のダンディなおじさま、という話ですが、それは噂の域を出ませんでした。

……よし、投げるっ!
416名無しオンライン:2009/09/18(金) 08:22:48 ID:AzcLGqIz
>>415
>誰も書かない〜
1つワルキャス氏に連動するネタはあるが、書く時間が無いって愚痴。
417調査した結果がコレだよ 1/5:2009/09/24(木) 00:40:11 ID:sc3Igwpc
ども、>>416です。何とか書けた。
長くなったのと、今後書くかは不明だけど、
一応、『GH450の人』って事でよろしく。


〜〜〜????〜〜〜
『う、う〜ん』
白いシーツ、薄手の毛布。ベットで私は目を覚ましました。
『あれ、ここは・・・?』
ゆっくりと起き上がり辺りを見回します。ここは・・・医務室?
私の寝ていたのと同じベットが横に並んでいます。ベットの上には私と同じくPMさん達が眠っています。
あれ、この子達何処かで・・・

「ようやく気が付きましたか?」
私の後ろにあった大型モニターから、突然声が聞こえました。
そこには目元のみの仮面で顔を隠し、白い480オッソリアスーツに身を包んだ男が映し出されていました。
「寝心地はいかがでしたか?」
『あ、あの・・・あなたは?それにここはいったい?』
「私はこの施設を管理するものです。あなたの居る場所はPM専用医務室ですよ。」
PM専用医務室。言われてみれば、毛布もベットの大きさも、
すべて私達PMサイズになってます。どうりで寝心地がいいはずです。
でも、そのPM専用医務室にどうして私はいるのでしょう?
「おやおや、まだ寝ぼけてるようですね。
 焦る事はありません。ゆっくり思い出してごらんなさい。」

未だ理解できていない様子の私に、仮面の男は微笑みかけます。
私は言うとおり、目を瞑り、記憶を辿ります。
そう、今日もいつものようにご主人をたたき起こして、一緒に食事をして・・・
その後、準備を整え、ガーディアンズ本部で作戦実行の為、他の皆さんと合流したのでした。
そうです、その時顔をあわせたのが、横で眠っているPMさん達です。
だんだんと思い出してきました。
全員そろった所で、ルゥさんから今回の作戦の指示を受けました。
『そうです。完全に思い出しました!
 私達は今騒動になっているPM紛失事件を解決するべく、
 PM奪還作戦に参加して、ラブダ・ラプチャに来たのです。』
思わず声が出ていた事に気づき、ハっとなる私。
その様子を見て、微笑む仮面の男。自分の顔が真っ赤になっていくのを感じます。
気を取り直して、私はさらに記憶をたどります。
私達は無事、敵のアジトに潜入。PMを監禁しているであろう倉庫に踏み込みました。
でも、そこは空っぽで・・・代わりにあったトラップが作動して・・・
『そこで、私達は爆発に巻き込まれ・・・
 って、ちょっと待ってください。PM専用医務室?
 まさか、ここは!』
何か気づいた様子の私に男は答えます。
「その通りです。ここはそのラブダ・ラプチャ内のPM専用医務室です。」
418調査した結果がコレだよ 2/5:2009/09/24(木) 00:43:22 ID:sc3Igwpc
〜〜〜ラブダ・ラプチャ:PM専用医務室〜〜〜
「本来在ってはならない事ですが、潜入して来たあなた達を間違って負傷させてしまったので、
 ここで治療したのですよ。」
ラブダ・ラプチャのボスである仮面の男はそう続けます。
『ご主人、ご主人様はどうなったのですか?』
私は辺りを見回します。一緒に乗り込んだPM達の姿はあれど、
私のご主人様達の姿は見当たりません。
「さあ?人間風情に興味はありませんから。」
仮面の男は言葉通り、心底興味なさげに答えます。
「まあ、あのトラップに巻き込まれた上、300を超えるマシナリー相手では、
 無事ではない事は確かですがね。」
それを聞き、私は急いで部屋を出ようと医務室の扉に手をかけます。
「無駄ですよ。その部屋の扉はロックされています。
 鍵は私が持っています。中から開ける事は不可能ですよ。」
『なら、ぶち破るまで!』
私は全力のフォイエを扉目掛けてぶち込みました。
豪快な爆音が部屋中に響きます。爆音に驚き、目を覚ますPM達。
これで扉もコナゴナになって・・・
『そ、そんな・・・』
そこには、傷ひとつ無い扉が相変わらず私の前に立ちはだかっていました。
「言ったはずですよ。ここはPM専用医務室。PMに関してあらゆる事が考慮され、設計されています。
 もしもの場合に備え、ここではPMの能力一切が無効化されます。PMの攻撃ではビクともしませんよ。」
私はここに来てようやく私達の置かれている状況をはっきり理解しました。
つまり、私達は手当てされたのではなく、見事、敵に捕まったと言う事のようです。
どう頑張ってもこの部屋から出られない事を悟った私は、
目覚めたばかりで状況がはっきり飲み込めていないPM達に、
現在の状況をざっと説明した後、仮面の男を睨みながら質問します。
『・・・こうやって、コミュニティコースのPM達もこの建物のどこかにいるのですね。』

「勘違いされては困る。今回のPM事件、
 私達はガーディアンズに感謝されこそすれ、恨まれる事はまだ何もやっていませんよ。」
『いまさら、何を言っているのです!
 現にガーディアンズはあなたの仲間を捕まえたではありませんか!』
「見解の相違という奴です。PM救済こそ私達の崇高な理念です。
 その為の行動が、偶々あなた達のいうPM紛失事件と似ていただけに過ぎません。」
『何をぬけぬけと!』
仮面の男は説明を続けます。
「この作戦の指示を受けた時、この組織以外にも別の組織の情報がありませんでしたか?
 あれは私達がそのスジをうまく利用してガーディアンズへ提供するよう仕組んだものですよ。
 私達のかわりにガーディアンズに働いてもらおうと考えての事だったのですが、
 既に逃げられた後だったとか。新生ガーディアンズも高が知れますねぇ」
『確かに、ディープ・ロレイへの作戦は失敗したという連絡はありましたが、
 その情報が入ったのは、ここへの突入直前ですよ!何故あなたはその事を知っているのです?』
「当然です!各PMの基本体重、スリーサイズは当然のこと、
 PMに関する時事問題、今日のPM運勢、現在PMの間で流行っている事柄、
 グラール2ちゃんねるのPMスレの過去ログから週刊パシ通臨時増刊号まで
 PMに関して分からない事など、私にはありませんよ。」
高らかに宣言する仮面の男。私達は生暖かい目で見つめます。
「・・・こほん。とにかく、今言った事は全て事実です。ご理解していただけましたか?」
『監禁状態の私達に敵の言葉を信じろと言うのですか?』
「ごもっともです。ですが、信じてもらう必要はありません。
 何故なら、あなた達は今日、ここで生まれ変わるのですから。」
419調査した結果がコレだよ 3/5:2009/09/24(木) 00:45:10 ID:sc3Igwpc
仮面の男はそう言い放つと、端末を操作し始めます。医務室の中心部分の床が突如開き、
開いた床からディラ・グリーナが顔を出します。
『何をするつもりです!?』
私は思わず杖を構え、臨戦態勢を取ります。
「何って、言葉通りです。
 コイツは特別製でしてね。姿はそのまま、今までの経験や記憶のみを消してくれます。
 大丈夫ですよ。抵抗しなければ痛みはありませんから。」
『そういう問題じゃありません!本人の意思に関係なく、
 ご主人様との今までの記憶を、絆を勝手に消して、
 それがPMにとって本当の幸せだと言うのですか!』
「私は正しい事だと考えてますよ。
 その後、私の作ったPM達の楽園で生活するのです。
 これからは何からも束縛される事なく、自由で幸せな生活が手に入るのですよ!」
 ・・・どうやら、どなたからも賛同は得られないらしいですが。」
気が付くと、私達のやり取りを聞いていたPMさん達が私の周りに集まり、
当たり前だと言わんばかりに武器を取り、ディラ・グリーナと対峙しています。

「まあ、想定通りですがね。少々荒療治ですが、仕方ありません。」
言い終わると、仮面の男は再び手元の端末で何か操作をします。
同時に、ディラ・グリーナが活動を開始、触手を伸ばして私達を捕まえようとしてきます。
私達は伸びてくる触手を弾いたりかわしたりして隙を伺います。
『こいつは確か、吹き飛ばしで暫く行動不能になるはずです!』
『私に任せて。しゅわーっち』
GH411ちゃんが弾いた触手の間をすり抜けて、GH422ちゃんがボッガ・ズッバを繰り出します。
轟音と共にGH422ちゃんの拳が炸裂します。そして吹き飛ぶGH422ちゃん。・・・あれ?
『・・・痛った〜い。』
痛がるGH422ちゃん。対してディラ・グリーナには傷一つありません。
「言ったでしょう?PMの攻撃は無効化されると。
 この部屋に入った時点であなた達は大人しく処置されるしかないのですよ。」
部屋に響く仮面の男の声。
それを聞いてもなお、攻撃を続けていれば何とかなると思っていた私達は、
比較的ダメージの通りそうな装甲の隙間を狙ってみますが、傷つける事が出来ません。
やがて、武器PPが底を尽きると、私達はベットの影に隠れたり、うまく触手をかわすしか出来なくなります。
一方、激しくなるディラ・グリーナの攻撃。触手が絶妙な動きで私達を捕まえようとしてきます。
かわしていて分かったのですが、あの触手、何か・・・その・・・すごくえっちな動きをしてるんです。
『(絶対つかまりたくない・・・)』
つかまったら最後、記憶を消されるという事もありますが、
ここでお話出来そうに無い、大変な事態になりそうです。私達は必死に逃げ回ります。

避ける事しか出来ない、回復や休憩も間々ならない私達とは違い、
ディラ・グリーナは基地からしっかりとエネルギー補給しているのでしょう。
一向に止まる気配がありません。たとえ止まった所で私達の攻撃が効かないどうする事も出来ませんが。
絶望的な状況の中、1人、また1人とPM達が触手に捕まっていきます。
そして、最後まで頑張った私も、ついに触手に絡め取られてしまいました。
「ご苦労様です。まあ、勝負は最初から決まっていましたがね。」
勝ち誇る仮面の男。
『いや!放して、放してください。』
捕まってもなお、抵抗する私達。嫌だ、記憶を消されるなんて!!
ご主人様の事を忘れてしまうなんて!!!!
「もう観念なさい。嫌なのはこの瞬間だけです。」
仮面の男が三度端末を操作します。
ディラ・グリーナから私達を捕まえている触手とは別に
端子の付いている触手が伸びてきました。
「さて、しばしお別れです。目覚めた時、
 あなた達は私にに感謝するでしょう。それでは、おやすみなさい。」
首元に押し付けられる触手。
私達は次々に意識を失います。
そ・んな・・・ああ・・・、ご主・・人・・・・さ・・・・・・
420調査した結果がコレだよ 4/5:2009/09/24(木) 00:52:30 ID:sc3Igwpc
〜〜〜????〜〜
『う、う〜ん』
白いシーツ、薄手の毛布。ベットで私は目を覚ましました。
『あれ、ここは・・・?』
ゆっくりと起き上がり辺りを見回します。ここは・・・医務室?
私の寝ていたのと同じベットが横に並んでいます。ベットの上には私と同じくPMさん達が眠っています。
あれ、この子達何処かで・・・

「気が付きましたか?」
背後からの声。何か激しいデジャヴを感じ、私は身を硬くします。
「ここはPM用メンテナンス室。怖がらないで。」
中級整備士と書かれたバッチを付けたヒューマンの女性がそこにいました。
彼女は手元のデータを確認しながら私に話しかけます。
「細部のチェックはGRM社に頼む必要がありそうだけど、
 軽い記憶障害がある以外は特に問題なさそうね。」
記憶障害という言葉に私は反応します。
やっぱりそうか。私はあの後、ディラ・グリーナに捕まって、記憶を消されてしまったのね。
「無事かぁぁGH450っっ$%&U(I!!1」
突如部屋の扉が開き、男性ヒューマンが飛び込んできました。
『ちょ、落ち着いてください。私は無事ですから!』
私は男の顔を見て言います。
『大体、格好から見れば、ご主人の方が無事では無いでしょう?』
私は軽い火傷や擦傷程度であるのに対し、
ご主人は頭には包帯、右腕と左足はギブス、松葉杖を使っている等
どうみても、私の方が無事で・・・あれ?記憶が消えてない!?
『ご主人様!!!!あなたは、私のご主人様ですよね!!!!』
「・・・頭はお前のが無事じゃ無さそうなんだが?」
この態度、まさしく私の知ってるご主人様です。私はうれしさの余り、ご主人に抱きつきます。
「おい、待て、ちょ、痛い痛い」
でも、何で?あの時、確かに私は捕まって・・・
「救出時の衝撃で少し記憶障害を起こしているだけよ。心配いらないわ。」
整備士の女性は私達を見ながら微笑み、ご主人に私の状態を簡単に説明し始めます。
『あ、あの。いったい何がどうなって・・・?』

〜〜〜パルム西:ショッピングストリート〜〜〜
ガーディアオン本部から出て、GRM社に向かう途中。
私はご主人から、あの後の事を聞きました。
ご主人達は300ものマシナリーの大群をを何とか掻い潜り、ディラ・グリーナに捕まった私達を発見。
PM専用医務室の効果は、ガーディアンには影響しなかったらしく、
記憶を消される寸前で何とかディラ・グリーナを破壊し、私達を助け出してくれたそうです。
ただ、その際無理が生じたのか、私は丸1日、意識を失っていました。
ラブダ・ラプチャの構成員は何名か捕まえる事が出来ましたが、
肝心の仮面の男は、ディラ・グリーナに手を取られている隙に逃走。
ラブダ・ラプチャの端末は全て破壊され、かろうじて残っていたデータにも、
ラブダ・ラプチャ及び仮面の男に関する事は残っておらず、構成員からも情報は無し。
その後の足取りは掴めていません。コミュニティーコースのPM達も発見できず。
どうやら、仮面の男の言った通り、
ラブダ・ラプチャは今回の事件に関して、本当にまだ何も関わっていなかったようです。
『それでは収穫ゼロだった訳ですね・・・』
「実はそうとは言えないが・・・どの道、この怪我じゃ、捜査復帰は暫く無理だわ。」
何か含みのある発言ですが、ご主人の言う通り、この怪我では捜査復帰には暫くかかりそうです。
「とりあえず、お前の調整が終わったら、そうだな〜温泉でも行ってゆっくりするか〜」
『温泉!いいですね〜楽しみです。』
「本当に楽しみだわ。温泉♪混浴♪白い素肌のニュマ子さん♪」
『・・・』
快晴のパルム西に火柱が上がり絶叫が響きます。
どうやら、暫くは自宅療養が続きそうです。
421調査した結果がコレだよ 5/5:2009/09/24(木) 01:02:57 ID:sc3Igwpc
〜〜〜????〜〜〜
「まさか、あの数のマシナリーを凌ぎ切るとは・・・」
正直、予想外だった。トラップの後のあの大群のマシナリー。
倒しきれるはずのないと考えていた大群を倒しきり、彼らは自分達のPMを助け出した。
「いやはや、新生ガーディアンズ、甘く見ていたのは私の方だったようですねぇ。」
代償として、数名の構成員と基地の1つを失った。が、その分の収穫は十分だったと彼は感じていた。
ガーディアンズの現在の戦力を把握出来た事。
今後、彼の計画には必ずガーディアンズが立ちふさがる。
今回の件が無ければ、彼はガーディアンズの戦力を見誤ったまま、計画を実行、
そして敗北する事となったはずだ。それに比べれば、数名の構成員と基地の1つで済んだのはむしろ幸運であろう。
『ご無事で何よりです。マイマスター。』
彼のPM(幾分改良されているようで、型番は分からない)が、彼の帰還を歓迎する。
『報復の準備は出来ています。いつでも出発可能です。』
「いや、報復はしないよ。彼らにばかり構っていられるほど、私は暇ではないのでね。」
男は答える。
『わかりました。ではPM誘拐事件はいかがしましょうか?』
「その件も、このままガーディアンズに任せる事にした。」
『お言葉ですが、本当に彼らに任せて大丈夫なのでしょうか?
 せっかくの情報を敵に出し抜かれるような輩ども、信用に足るとは思えません。』
「確かにその通りだが、私は計画の練り直しをする必要があるからね。あまり表立って騒ぎは起こしたくない。
 それに、もうヒントは残してきたんだ。彼らも2度、同じ間違いは起こさないだろうし。」
基地を逃げ出す直前。端末からラブダ・ラプチャに関する全てを抹消してきた。
ただ、わざと消さずに残して来たデータもある。
それは今回のPM誘拐事件の黒幕1つであるディープ・ロレイに関するデータだ。
せっかく流した情報をガーディアンズが無駄にしたと聞いた時は大変失望した。
同時に最悪、自分達が動かなければいけない事態を想定し、さらに調査を進めていたのだ。
とはいっても、相手も相当キレモノらしく、中々尻尾を見せてはくれず、
判明したのは、彼らが次の基地として移動していそうなポイント数箇所だけだったが。
「さて、この話はこれでおしまいです。私も今日は疲れました。そろそろ休むとしましょう。」
『了解しました。』
そういい残し、彼と彼のPMは奥の部屋へと姿を消した・・・。


主   「えっと、何か、そのホンマスンマセン。」
GH450 『書いてるうちに意外に長くなるわ、収拾つかなくなるわ、
     何書いてるか分からなくなるわ、話の展開が二転三転するわ、大変でしたね。』
主   「一応、見直しは行ったのですが、誤字脱字、意味不明な展開があるかと思いますが
     笑ってゆるしてやってください。」
GH450 『物語を書くと言うのは本当に難しいですね。』
主   「とにかく>>401で参加した、俺はここで終了かな。
     後、仮面の男、何か計画してるような終わりですが、本当にこのPM紛失事件とは関係ありません。
     勝手にストーリーが広がったというか、何と言うか・・・。
     さらに言うと、構想はあるが書いてる余裕があるか分かりません。時間と文才をくれぇぇ〜。
     って訳で、【打ち切り漫画の回収できなかった複線の無理やり回収しました】みたいな感じで1つ。」
GH450 『そもそも、>>413のラブダ・ラプチャの設定を勝手に自分の物にして
     ここまで広げてよかったのでしょうか?』
主   「・・・倫理的におk?」

2人 「それでは、お目汚し失礼しました!」

という訳で誰かにパス。後は・・・頼ん・・・だ・ぜ・・・
422名無しオンライン:2009/09/24(木) 21:54:12 ID:PfBtcaWQ
>>415
>>421
そ、そうきたか〜ッ!(AA略
両氏ともいいボールだぜ、GJ!

ということで、現時点でラブダ・ラプチャの線が消えた感じですな。
マスクで480オッソリアとなると
「パーシリちゃーん、あそびましょ〜」
(あの変声機にかけた感じの声で)
のイメージが…w
そして、エロ触手っていいね!
もろもろ含めて倫理的におk!

現在、言い出しっぺとしてビルデ・ビアスを料理中です。

「此処はしばしワルパシリのセクシーショットをッ!」
「そんなもんねぇから!」
『ワルキャスくーん、あそびましょ〜』
「「?!」」
423その頃、主人さんは……/1:2009/09/25(金) 03:07:33 ID:BZZ9Vr2+
なんとなく電波を受信したので>>417-421の裏側(的なもの)を。パシリ成分ほぼ皆無な上に中二状態です。
GH450と主人氏、こんなネタを書いてしまった事をお許しください。

ローグス・『ラブダ・ラプチャ』の本拠地前。そこには見張りのローグスが二人。
「あれじゃあ『ここが本拠地だ!』ってバラしてる様なもんじゃない」
「ですが、一応見張りは立てておくに越した事はありませんが。敵が中に入ってからではもう遅いですしね」
と、二人の女性が岩陰に隠れて話し合っていた。一人は何故か意味を成していない拘束服を着た低身長のビースト、もう一人は黒のギムナエルセットを装着したキャスト。
「……中では何が起きているかわからない。だから、急いでパシリたちを救出しなければ……!」
と、二人の後ろにいたヒューマンの男性が二人に提案した。
「ええ、『あなたの』パシリも、よね。……まったく、あたしが檻の中に入ってたらこんな事になってたなんてねぇ」
「言っておきますが、女主人さん。あなたは私の『保護監察下』にあるんですからね。私からあまり離れないでください」
「わーってるわよ、キャス姉」
……そう、先日起こったPM接触禁止条例事件にて一年の懲役を喰らった女主人。現在はキャス姉が監察官としてそばにいるお陰で外の空気を吸えている。
「……しかし、問題を起こしたガーディアンを連れて来てよかったのか?下手を打てば……いや、なんでもない」
と、ヒューマンの男……GH450の主人が疑問を口にし、すぐに取り消した。
「あー、うん、大丈夫。問題って言っても不当に拘置所に入れられて、それでムカついて脱走しただけだから。……拘置所は昔を思い出して嫌になるのよ」
「女主人さんは元ローグスですので、こういう場所についてはすぐに見つけることも出来ますし、罠の探知も得意なんですよ」
「まあね、昔取った杵柄というか、なんというか。……で、キャス姉?あたしの頼んだ武器は?」
女主人がキャス姉に問いかけると、すぐに『こちらです』と腕輪型のナノトランサーを女主人に渡した。
「あなたの倉庫から適当に見繕ってきました。ガーディアンズライセンスがまだ剥奪されたままですので、全て装備できるはずです」
キャス姉の言葉に『了解』と短く返し、ナノトランサーを装着。拘束服が収納され、黒のブン・ブーン上下とゴジゴッジブーツが召喚された。
「さあ、いっちょ暴れますか」
ニヤリと顔を歪ませ、女主人が呟いた。

            ***   ***

事の起こりは十数時間前、一人の男がコロニーのベンチで苦悩していた所に、キャス姉が話しかけた事から始まる。
その男……GH450の主人の話によると、長い間自分のPMが帰って来ていない、連絡も付かずにどうする事も出来ないというものだった。
しかも、消えたのは運悪くもPM失踪事件の真っ只中。事件との関連性が強い事が伺える。
そんな時、ルウから全ガーディアンに連絡があった。今回の騒動、実行犯は『ラブダ・ラプチャ』というローグスの可能性が高い、と。
それを聞いた主人は、『そこに450がいるかもしれない!』とキャス姉に言い、すぐに本部へと向かおうとした。しかし、キャス姉はそれを止める。
「……ガーディアンズより、私の知り合いの方がローグスの事を知ってますよ?」
その言葉の後にパルムにある某刑務所へと飛び、女主人を『一時的に監察下に置く』という条件で連れ出してきたのだった。
「あんたも大概はっちゃけるわね……」
「あなたにだけは言われたくありませんが。……先に見張りを倒しましょう」
ロングボウを取り出し、キャス姉が言った。
「……あれ、あんたアクロファイターじゃなかったっけ」
「あなたの装備を借りて、今は一時的にガンテクターをしています。……女主人さんも弓を構えて下さい」
「わかったわよ」
すでにチョウセイソウがリンクされたロングボウを取り出し、構える。……私に合わせる様に、と念を押し、キャス姉がカウントダウンを開始した。
「3……2……1……shot」
二人が同時に放ったフォトンの矢は、確実に見張りの二人を貫いていた。
424その頃、主人さんは……/2:2009/09/25(金) 03:09:17 ID:BZZ9Vr2+
「……それで、この後はどうするんだ?」
主人の質問に、女主人が答える。
「へ?そんなの決まってるでしょ。『見敵必殺(サーチアンドデストロイ)』よ。久々に暴れたかったのよねー」
そう言ってヒャッホーと声を上げながら走り出す女主人。……主人の肩をキャス姉が叩く。
「とりあえず、女主人さんに任せれば何とかなりますので。……私達は取りこぼしを潰しましょう」
真顔で言うキャス姉に対し、そうは言われても、という顔で困った視線を向けることしか出来ない主人だった。

            ***   ***

「フ タ エ ノ キ ワ ミ 、 アッー!!」
そんな奇声を上げながら、女主人がローグス・オッグをナックルで吹っ飛ばす。その横で、冷静にツインハンドガンを撃つキャス姉と、そこそこに応戦する主人。
「……にしても、おっかしいわねぇ」
「どうしたんですか?」
「定石どおりの罠が少なすぎるのよ。……はっきり言って、本当にここを守る気あるのかってレベルの少なさよ」
ナックルをナノトランサーにしまい、女主人がそんな事を言った。
「……確かに、他のアジトと比べて罠の威力はあるが、数が少ないな」
主人もそれに同意する。……やはり、ここは『ラブダ・ラプチャ』のアジトではなかったのか?そんな事を主人が考えていると。
「でね、普通は『ただの弱小ローグスのアジト』と考えて手を抜こうとするでしょう?……ローグスあがりとしてはね、こういう場合には逆に戦力を増強するの。何故だと思う?」
と、ここで女主人は台詞を一旦区切り、キャス姉に四種の強化テクニックをかけるように頼んだ後、こう言い放った。

「……この先には、確実に侵入者を撃退できる物があるからよ」

「そんな、まさか……」
「そう。そのまさかよ。『ここの制圧は楽勝だ』と思わせておいて、横合いから思い切り殴りつける。……そういう味な真似をするローグスもいるのよ」
主人の疑念の声を切り捨て、女主人はそう言い切った……そして、彼女達の進んだ先には。
「……ウソだろ……」
主人が薄い絶望を声に乗せて発した。そこはアジト内でもかなり広いスペース。その中に……300を超えるガードマシナリーがいた。
女主人はそんな現状を目の当たりにし……ふぅ、と軽くため息をついた。キャス姉は肩と首を回して、準備運動らしき事を行っている。
「ま、予想はしてたしね。……キャス姉、ブラストゲージは?」
「満タンです。いつでも発動できますよ?……そういう女主人さんは?」
「ん、最高潮。……で、主人さんは?戦えそう?」
「……い、いやいやいやいや。流石に300体以上のマシナリーは……無理というか……」
明らかに敵う数ではない量を見て怖じ気づく主人。流石に無理もないが、女主人はそんな主人に一言。
「じゃあ、怪我しないように逃げまわってて。ここ、遮蔽物ないみたいだし」
そんな物言いに『なっ』と声を上げる主人だったが、もはや二人は聞いていない。女主人はナノトランサーからソードを取り出し、キャス姉はフォトンチャージをツインハンドガンに使用した。

「それじゃ、ちょっくら暴れるわよ……『X-elion』」
「了解しました。『フィーナ』さん」
425その頃、主人さんは……/3:2009/09/25(金) 03:10:09 ID:BZZ9Vr2+
二言の会話の後、キャス姉……X-elionは後ろに下がり、女主人……フィーナは先陣を切ってマシナリーの軍団に突っ込んでいった。
「オオォォルァァァァッ!!」
衝突する瞬間、直前に一回転して勢いをつけたトルネードブレイクで一気にマシナリーを薙ぎ斬っていく。さらに……
「ッセイヤァァァッ!!」
返す刃でもう一度ソードを振り回し、さらに攻撃を加える。損傷率が危険レベルになり、自爆を開始するマシナリーの上に乗り、マシナリー達の頭上へと飛ぶ。
軽い爆風を背中に浴びながら、ナノトランサーからスピアを取り出す。リンクしてあるフォトンアーツは『ドゥース・マジャーラ』。
「JGN・マジャーラァッ!!」
以前、ビジフォンの掲示板に投稿されていたとある漫画の技を叫びながら、マシナリーの頭上をスピアに乗ってすべるように飛ぶ。
「そしてぇっ……!」
ついに滞空時間が過ぎ、着地せねばならなくなってしまった。しかし下にはマシナリーが蠢いている。……慌てず騒がず、フィーナはドゥース・マジャーラの二段目を発動した。
「ゴールデン・中○斬舞ッ!!」
Gちゃんねるで覚えた危険な技名を叫びながら、スピアによる連続刺突をマシナリーにお見舞いした。自爆を開始したマシナリーの頭に載り、再び跳躍。ドゥース・マジャーラの初段を発動。
それを繰り返しながらぐるりと円を描くようにマシナリーの上を移動し、粗方の数を減らしていった。
「ペケ!悪いけど中心まで運ぶからシュトルムお願い!それで大多数を減らせるはずだから!」
「だから、その呼び方はやめてくださいとあれほど……まあいいでしょう。では、運搬お願いしますね」
今まで主人の前に立って、なるべく主人の方に来させないように牽制していたX-elionは、フィーナの叫びに応じてエクストラスロットをヴィヴィアン・フリューゲからシュトルムアタッカーに変更した。
そのままマシナリー軍団の前に立つフィーナの元に近付き、合流。その直後に……
「ウガァァァッ!!」
叫びを上げ、肉体を変化させた。……ビースト特有の能力、ナノブラスト。それによってフィーナは『無敵』の力を持つ青の獣人に変化した。
「ドケッツッテンノヨ!」
獣人と化したフィーナは、その強大な腕力でマシナリーを文字通りちぎっては投げて道を空けていく。その後ろにX-elionが付き従い、レーザーカノンで倒せなかったマシナリーの止めを刺していく。
「サア着イタワ。コイツラニ一発ブチコンデヤリナサイ!」
「わかりました。……SUVウェポン・シュトルムバースト、召喚」
X-elionの上に軍の衛星と連結した証の幾何学模様のサークルが生まれ、そこからシュトルムバスターが召喚された。ミサイル射出システムの横に突き出たハンドルを握り、トリガーに指をかける。
「では、さようならです」
何のためらいもなく、X-elionはトリガーを引いた。ミサイルが連続射出され、辺り一面が爆風に包まれた。
残弾数がゼロになり、役目を終えた射出装置が軍の衛星に返される時には、マシナリーの大多数が全壊、もしくは破損していた。それでも最初のマジャーラを含め、元いた数の半分は削っている。
すでにナノブラストのタイムリミットが過ぎてヒトに戻ってしまったフィーナは、『よし、後半分!』と叫び、再びソードをナノトランサーから取り出す。
隣でX-elionも、『これくらいならSUV無しでもいけますね』とショットガンをナノトランサーから取り出した。

            ***   ***

そして……そして、全ては終わった。マシナリーの残骸で散らかってしまった部屋の中で、動くものはニつ。
「ペケー、主人さーん、生きてるー?」
「……私は上々です、でも主人さんが大怪我を負っていまして……」
「……あらら」
おそらく、シュトルムアタッカーの爆風で吹き飛ばされたのだろう。主人は全身の打撲、さらに数箇所の骨にひびが入った状態だった。
「あー、とりあえず処置はお願いね。あたしはちょっと奥の方に行ってるから。……主人さんのパシリを探さないと……」
主人の治療はX-elionに任せ、フィーナは一人でアジトの奥へと向かった。
……目的の部屋は簡単に見つかった。何せ、そこでPMの声がしたのだから。すぐに突入すると、そこには……
426その頃、主人さんは……/4:2009/09/25(金) 03:11:46 ID:BZZ9Vr2+
「む、見つかってしまいましたか」
と、慌てる様子のない男……白い仮面と480オッソリアスーツという風体がなんとも怪しい……と。
「……いや、やめてぇ……」
ディラ・グリーナの触手……何故かかなりの数がある。改良型か?……に絡み付かれ、蠢く触手に弱々しいながらも抵抗を見せるPM達。
「…………」
その光景にフィーナはどういった顔をすればわからなかったが……すぐに気を取り直し。
「……っ、倫理的に不可!!」
と、取り出したソードでPMに絡み付く触手を全て斬り飛ばしていった。
「……まあ、やはりといえばそうですよね。どうやらこれ以上ここにいるのもまずいので、退散させてもらいましょうか」
仮面の男はそう言って、ゆったりとした動作で奥の隠し通路らしき穴に入っていった。
「逃がすか!」
そう言って走り出すフィーナだったが……
「ふべっ!?」
何かに足を取られ、ずっこけてしまった。……それは、ディラ・グリーナの触手。流石にまずいと思い、その触手をすぐに斬った。
「……そういえばこいつがいたわね……」
思う所があるのか、少々嫌な顔をしてソードを構える。……見れば、新たな触手がPMたちを襲おうとしていた。
「させないっ!」
触手が彼女たちを絡め取る前に、範囲内から引っ張り出していく。……これで狙われる心配はなくなった、はずである。
「こういう場合は……」
ソードからアックスに持ち変え、アンガ・ジャブロッガをリンク。そして一呼吸置き……
「アンガ……」
アックスを担ぎ、振りかぶって……
「ジャブロッガァァァッ!!」
渾身のジャンプと共に斧を勢いよく叩きつけた。これに対しディラ・グリーナは触手で受けようとしたが、そのことごとくが断ち切られ……
フィーナのアックスは、見事にディラ・グリーナの脳天(?)に突き刺さったのだった。

            ***   ***

「……で、何であいつ等が『関連無し』なのよぉ……」
ここはパルムの某刑務所。例の一件後、再び檻に戻されたフィーナは待ちに待ったその後の情報に、不満の声を漏らしていた。
「ええ、ラブダ・ラプチャは確かにPM誘拐の容疑がかかっています。しかし、それはあくまでも今回の件とは別箇のようでした。
 後の二つのローグス・グループについても未だに情報は入らず、まさに八方ふさがりの状態です」
「あーもう、いつになったら終わるのよ!?」
頭をかきむしるフィーナにX-elionは冷淡に一言。
「少なくとも、フィーナさんが出所する頃には終わってますよ」
「そりゃそうでしょうよ!」
すぐに突っ込みを返したが、それはスルーされてしまった。
「まあ、もし新しい情報が入ったら報告させていただきますので。それまではゆっくりしてください」
「ちょっとペケー!そんな事言わずにもっと熱く何かを語り合いましょうよー!」
「すみませんが、ワルキャスさんの所で事務の仕事がありますので。それでは」
去り際に、『あぁん、ひどぅい』という叫びを聞いた気がするが、あえてX-elionは考えないことにした。

回線切って首吊ってきます……orz
427その頃、主人さんは……/誤字:2009/09/25(金) 03:17:39 ID:BZZ9Vr2+
あ、アタッカーとバーストを間違えてる……orz
428その頃、主人さんは……/誤字:2009/09/25(金) 03:19:27 ID:BZZ9Vr2+
しかもバスターまで……orz

正確には全部アタッカーです。やっぱり見直しはするべきですねorz
429名無しオンライン:2009/09/25(金) 23:27:38 ID:0+tQBatT
テンプレに書いてある容量超えてたから、
次スレ立てといたけど、早かったかな?
【PSU】新ジャンル「パシリ」十九体目
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1253888721/
430名無しオンライン:2009/09/26(土) 01:13:28 ID:VJAJ4xeE
この速度ならまだ大丈夫だろうとは思うけど・・・
どこでどう火がついて加速するかわからんからなあw

とりあえずスレ立て乙!
431後日談 1/2:2009/09/30(水) 19:41:44 ID:KUTY1Vyb
埋めには早いが、新スレも立った事だし、前スレ消化に投下。

〜〜〜マイルーム〜〜〜
とある任務の負傷(より、むしろのその後の火炎弾)が原因で自宅療養中の俺は
ある日、【パシ通オンライン】を読んでいた。
一時期、週間化までされていたパシ通だが、最近では読者層が減ってしまい、著しく発行部数が減ってしまった。
その為、現在は3〜4ヶ月に1度、臨時増刊号が出る、
もしくはネット上で1ヶ月に1度オンライン配信をする形態を取っていた。
それでも、俺は毎回楽しみにしていた。特に今号はある特別な事があった為、普段より一層心待ちにしていた。
「いよっしゃぁぁぁ〜」
思わず、大声で叫んでしまう俺。
『何事ですか?』
料理の準備をしていたGH450が俺の所へ駆け寄ってくる。
「これだよ、これ」
と俺は読んでいたパシ通オンラインの箇所を指差す。
『これは・・・』
そこにはラブダ・ラプチャにさらわれたGH450を探す、男のガーディアンと、
大暴れする、女主人とキャス姉の話が描かれていた。
『この間の任務によく似ていますね。』
「よく似ているも何も、これ俺だぜ?」
『は?』
「実は、ちょうどパシ通オンラインの企画で、
 【あなたとご主人様が経験したちょっと危険なタ・イ・ケ・ン♪】
 って企画があってだな、面白い物があれば、小説として採用します〜
 って事だったから、それに応募したんだ。お前の名前で。」
『・・・いろいろ突っ込み所満載ですが、それで?』
「事実をそのまま投稿する訳には行かないからな。
 多少脚色したんだけど、まさか本当に載るとは・・・。
 どうだ。すごいだろう?」

ちなみに事実はこうだ。俺とGH450は他のガーディアンとそのPM達と一緒に
ラプダ・ラプチャから行方不明のPMを奪還するという任務を受けた。
その際、敵の罠にまんまと引っかかり、全員負傷。
さらにPM達とパーティを分断された上、300を超えるマシナリーの大軍に襲われた。
準備万端ならいざ知らず、負傷している俺達にとって、この大群は非常に厄介で、
始めは何とか凌いでいたが、徐徐に追い詰められていった。
もう駄目かと諦めかけたその時、何処からとも無く、女主人とキャス姉が現れ参戦。
マシナリーを次々となぎ倒していく。
これにより、形勢逆転した俺達は何とかマシナリーの大群を突破した。
その後、分断されたPM達を救出・・・したまではよかったが、
ラプダ・ラプチャのボスは逃走。PM紛失事件に関しても、ラプダ・ラプチャはまだ無関係だったらしく、
目ぼしい成果は得られなかった。

一応、成果は在るには在るが・・・流石に機密情報扱いの為、投稿する訳には行かない。
さらに、新生ガーディアンズのイメージを壊さないよう、
最初に罠に引っかかった事実は省き、あくまで俺は自分パシリを探す1人のガーディアンとして付いて行き、
美女2人が爽快に敵をなぎ倒す話へと仕上げ、パシ通オンラインに投稿したのだった。
432後日談 2/2:2009/09/30(水) 20:06:59 ID:KUTY1Vyb
『信じられません。文才の無いご主人の話が掲載されるなんて・・・』
思わず私は感想を漏らす。
「・・・お前、何気にヒドくね?」
『冗談です。』
「まあ、確かに俺の送った投稿内容を元に編集部の方でうまく編集・構成し直してくれてるみたいだけどな。」
と言って、ご主人はある箇所を指差す。
「ほら、ここの【『ここの制圧は楽勝だ』〜】ってあたりな。流石編集部、俺には思いつかないわ。」
ピンポーン。そう話していると、急にインターホンがなる。
「ちわーGRM急便です。お荷物をお届けにきました〜」
『荷物?何か頼んでましたっけ?』
不思議に思いながらも、私は入り口へと向かう。
「えっと、差出人はパシ通編集部となってますね。あ、判子はココに。」
「お、待ってました♪」
ご主人は何か知っているようなので、私は荷物を受け取り、足早にご主人の所に戻る。
ご主人に促され、私は箱を開封する。中から、今までに見たことの無い、豪華なハムが顔を出した。
「グリングリンファーム特製〜極上ゴル・ドルバハム〜 今回の景品だ。」
『へ?』
私はつい、間の抜けた返事をしてしまう。
「あれ、言ってなかったっけ?この企画、豪華な景品付きだ。でなきゃ投稿しないって〜の。」
『こんな大きな高級なハム、私、初めて見ました・・・じゅるり』
「悪かったな!安月給で!!!」
ご主人が何か言っていたみたいですが、豪華なハムを目の前にして、私はもうそれ所じゃありません。
あ、ヨダレが・・・////
「おいおい、2人で食べるんだぞ!ヨダレ垂らすなよ。とにかく、晩御飯は変更って事で!準備頼むぜ〜」

『了解です。今夜はご馳走ですね♪』


〜〜〜????:仮面の男の私室〜〜〜
『パシ通編集部にいる同士からの定期連絡をお伝えします。
 「指示通り、例の作品を編集し、公開しました。」
 との事です。』
私はそうマスターに報告する。
「報告ご苦労様。どうです?一緒にお茶でも。」
いつものようにマスターは私にお茶を勧めてくれる。私は進められたお茶を飲みながら、疑問を口にする。
『でも、本当に採用してよろしかったのですか?
 編集部にいる同士なら、こんな編集などせず、不採用にする事も可能でしたが?』
「いいのですよ。ほら、女主人さんもこう言ってるでしょう?」
と言い、マスターはある台詞を指差す。


……この先には、確実に侵入者を撃退できる物があるからよ

『ここの制圧は楽勝だ』と思わせておいて、横合いから思い切り殴りつける。
……そういう味な真似をするローグスもいるのよ


「ラブダ・ラプチャは弱い集団だ。世間にはそう思われていた方がいいのですよ。
 来るべき時が来るまでは・・・ね。」
マスターは不敵な笑みを浮かべ、そう言った。
433名無しオンライン:2009/09/30(水) 20:13:53 ID:KUTY1Vyb
と言う訳で投下終了。
>>423-428
キャラを使ってくれた上、裏話を書いてくれてありがとう!
でも、「ご主人はGH450と一緒にラブダ・ラプチャに行った」んだ。
なので、「女主人とキャス姉を主人公にしたお話を投稿したのさ」的感じで逆に使わせていただきました。スイマセン。
>誤字云々
誤字では無いけど、俺は前回、ズッバを思い切りを吹き飛ばしだと勘違いして書いてたんだぜ?

>>422
『マスター、このような話が出ておりますが?』
「ふむ、そのイメージ、悪くないですねぇ。ですが、私はその先の先を行っています。」
『と、いいますと?』
「私のイメージは例えると、
 ・顔だけはやめてほしい、某GRM社新社長
 ・死んだはずなのに、大人の都合でなかった事になっている某不可能を可能にする男
 ・某嘘吐きゲームの司会進行の人達
 ・某蝶サイコーな人
 を混ぜ合わせた感じですかねぇ」
『・・・流石です。マスター(どう考えても、一昔前のような感じが・・・)』
434名無しオンライン:2009/10/01(木) 14:15:01 ID:+hTwXYkr
>>433
>「ご主人はGH450と一緒にラブダ・ラプチャに行った」
おおっと、これは大変申し訳ない。そっか、途中ではぐれてたんだ……
でも、あの二人を動かすにはああするしかなかったんですよ。

「……そういえば。報酬、貰っておりませんが」
ビジフォンを繋ぎ開口一番、キャス姉が言い放つ。
『……それは、どういう意味だ?』
「いえ、あなた方のピンチを救ったのですから、それなりの報酬をば、と思い立ちまして」
通話の相手……450の主人はため息を一つ。
『アレは勝手に、そっちのフィーナって子が言った事だろ?……恩義は感じるが、報酬とまでいくのは……』
確かに。あの場で二人は暴れまわり、最後に女主人が『とりあえず、報酬は後払いでいいからね♪』と言っていた。
「……そうそう。少々噂を小耳に挟みましたが……先日の件を脚色を加えてとあるサイトに投稿したようですね?」
キャう姉の言葉に、450主人は眉をほんの少し動かした。その後に『さて、何のことやら』と答える。
「まあ、それについては他の人の物がそういう風に見えただけかもしれませんが。……確か、当選すると景品が当たりましたよね?」
と、一旦口を止め、考えるしぐさをしてからもう一度口を開いた。
「景品は、たしかグリングリンファームの極上ゴルドルバハム、でしたっけ?
 ……フィーナさん、グリングリンファームの製品を贔屓してましてね。是非高級品が食べたいと言っていました」
『……それは、脅しか?』
450主人の額に汗。……もし報酬を断れば、女主人を部屋に押しかけさせる。キャス姉の言葉はそういう風にも聞き取れた。
「……いえ。ただのカマかけです。……安心してください。この事はフィーナさんには言いませんから」
クスクスと笑い、『私もペロリーメイトの方が好きですから、必要ありませんよ』と付け足す。
その後に、450主人のPMが元気でいるかを聞き、『それはよかった』と微笑む。あとは他愛もない話をして、ビジフォンを切った。
「……本当の所は、フィーナさんに言ってしまったら本気で刑務所のお世話になるかもしれないから、ですけどね……」
もし彼が高級ハムを手に入れた事を話したら、確実に暴れるだろう。その絵面を想像して、呆れと悲しみのため息をつくキャス姉だった。
435ヒュマオの日常風景1/3:2009/10/02(金) 17:52:21 ID:DztJ6eGZ
今日もお店は閑古鳥が鳴いている
カウンター脇にぼーっと立っている私はGH-413、とあるヒュマオのパートナーよ
閑古鳥が鳴くのも当然の事、ここ数カ月何も売ってないんだから
当のヒュマオは季節外れの炬燵でGH-444とオセロをしている
片手間に書類に目を通している姿から形勢は目に見えているわね
「にゃー」
GH-444が奇声を上げて炬燵に突っ伏した
今日何度目の…いえ、既に何十度目かの光景
「お見事です御主人様」
そう言ってGH-450のコーヒーを差し出したコーヒーで一息入れるヒュマオ
「お姉さま〜、マスターがいじめるうう」
私に泣きつくGH-444、元からの性格故かはたまたコロニー落着後のローゼノムで拾って来たからか
この子の演算能力は子供程度しかない
得意ではないと言いつつも様々なゲームを嗜むヒュマオに勝つのは難しいでしょうね
「あんたも少しは手加減してやんなさいよね、ラスカル」
GH-444を宥めながらヒュマオにも苦言を呈する私
「手加減だなんて相手に失礼な事はいません、ね?御主人様?」
なんであんたが言い返すのよGH-450、と言うか何故にそこまでヒュマオを全肯定しちゃいますか。
「まったく、刃物女は御主人様に対しての礼儀がなってませんね!」
「相棒だからこそ苦言を呈するんでしょうがこの色ボケ!」
「「なんですってえ!!」」
私とGH-450の間に火花が散る
436ヒュマオの日常風景2/3:2009/10/02(金) 17:53:11 ID:DztJ6eGZ
「お」
ヒュマオが気の抜けた声を上げたのは部屋がボロボロになった後だった
床、壁、天井には無数の刃傷と焼け跡が刻まれている
GH-444の姿は見当たらない、多分巻き込まれないうちに遊びに行ったんでしょう
「な…なによ…?」
「どう…しましたか…?」
口籠る私達、気まずいとかじゃなくて息も絶え絶えなだけよ
「いや、この前連行した人に対して恩赦請求してたんだが無事受理されたな、と」
そう言えばそんな書類も作成してたわね。
自分で捕まえて恩赦請求というのも不思議な気がするけれど
「罪は罪、仕事は仕事、そしてこれは私事」
とヒュマオは言ってたっけ
「んでまあ、その当人が監視員と「ほぼ」二人でマシナリー三百体を撃破したそうだ」
微妙な表現ね
「ほぼ?」
私は鸚鵡返しに聞き返す
「頭数は三人だったらしいが、詳細は書かれてないな」
ヒュマオにも正確な内容は伝えられていないらしい
「いやー、優秀な人材が多くてガーディアンズの未来は安泰だな」
皮肉の籠った口調、ヒュマオはガーディアンズに批判的だしね
それでもガーディアンズを続けている思惑は謎だけど
437ヒュマオの日常風景3/3:2009/10/02(金) 17:53:51 ID:DztJ6eGZ
「さって、そろそろ行くか」
時計を見ながら呟くヒュマオ、今日からサンクスフェスタだと言ってたっけ
「制限が面倒らしいけど大丈夫?」
ヒュマオは気分で使う武器を変えて戦う事が多い
だから装備可能な武器のPAは最低一つは常時習得してるし、武器も共有倉庫に満載してる
「後は斧が使えればWTは全打撃武器を使える」
が口癖のヒュマオらしいと言えばらしい
因みにヒュマオにとってスライサーは右手装備で打撃属性の射撃武器らしい
「まあ、初日はその辺の具合を確かめにな、って訳で行ってきまーす」
「行ってらっしゃいませ御主人様」
「気をつけなさいよ」
私達に見送られてヒュマオはサンクスフェスタに向かった



翌日以降、珍しくfFになってアギト・レプカとサンゲヤシャを振り回すヒュマオが推奨ユニで目撃されたとかなんとか
ヒュマオ「骨董品を使う機会に恵まれたと思っておこう」
438名無しオンライン:2009/10/02(金) 18:04:58 ID:DztJ6eGZ
ヒュマオ「時事ネタって旬を過ぎると通じにくいよな」
GH-413「そんな訳で軽く説明するそうよ、ほらやっちゃいなさい」
ヒュマオ「俺かいな、まあ、かる〜く説明と言うか注釈と言うか
      1:一応3周年サンクスフェスタ初日(2009.09.24)の話として書いてある
      2:イベミにおいてfTはウォンド+ハンドガン、FMはソード、GMはツインハンド、MFはウォンド
       他は一律セイバー+ハンドガンが初期装備となっている
      3:制限解除は完全に運任せ
      と、まあそんな感じのミッションです、と」
439名無しオンライン:2009/10/09(金) 01:29:54 ID:jgWFRZMD
ギギギ−!
仕事の関係でなかなか筆を取れる機会が…ぬふぅ!

サンクスの後半MAPがパシリも連れて行けるらしいので、
休日になったら足を運んでみるかのう…

440名無しオンライン:2009/10/11(日) 02:22:16 ID:jJgDl4Wy
新スレ落ちた・・・orz

こっちの保守ついでに投下
「・・・う〜ん」
『どうしたんですか?』
「いやな、昨日超星霊だったんで、守護者たちの軌跡ζS3をしてたんだ。」
『いきなり、ずいぶんとメタ発言全快ですね。』
「まあ、そう言うな、でな、その時部屋主だったんだけど、
 乱入してきた人の容姿が、ワルキャスさんっぽかったんだわ。」
『他人の空似ではないのですか?』
「だと思ったんだが、どうにも気になってな・・・・
 ここでならワルキャスさんに話を聞けるかと思ってな。」
『何を聞くのです?』
「ワルキャスさん、ゲーム内で知り合いになってください、とか無理でしょうか?」
『また、ずいぶん直球ですね。』
「俺的には他の書き手の皆さんとも、ゲーム内で知り合いになりたいんだ。
 集会とか出来たらいいなとも思ってるけど、これはあくまで俺個人の感想で、
 自分のキャラを知られたくない書き手の方も居るだろうからな。」
『人の考え方はそれぞれ違いますからねぇ・・・』
「まあ、仮に知り合いになったとしても、このスレにキャラ名載せる事はしないけどな。
 ともかく、知り合いが増えればいいな〜と思って。」
『そういえば、ご主人のパトカ、真っ黒ですからね。』
「(´・ω・`)」

つー訳です。だが、どうにもニアピンかました感じがして仕方ない。
本当に個人的な内容ですが、ワルキャスさんいかがでしょうか?
(ゲーム内キャラは知られたくないってのなら、すっぱり忘れますw)
441名無しオンライン:2009/10/11(日) 16:05:31 ID:2spGGXAK
442名無しオンライン:2009/10/11(日) 16:07:35 ID:2spGGXAK
443名無しオンライン:2009/10/12(月) 00:35:44 ID:8HEhkPU8
>>440
金曜の夜の話だったらたしかに遊んでますぜ―。
もしかしたら逢っているかも…。

俺は一向に構わんっ!
時間を決めてパシリスレメンバーで逢うのも一興ですぜ。
来週の土曜か日曜日の10時あたりがちょうどいいですのぉ?
444名無しオンライン:2009/10/12(月) 01:48:11 ID:FFW468Zd
>>443
返事来てた〜!
だが、俺が会ったその人は土曜日の夜、22:30〜0:30頃なんだわ。
今はロダごと消えてしまったが、>>409に上がってたSSの容姿にそっくりだったので、
もしやと思い、書き込んだけど、人違いだったって事ですな、残念。
直接本人に聞けばよかったけど、他のパーティメンバーにも聞かれるだろうし、
間違いだったらその場の人間全員が困るんで聞けなかったんだ・・・
ま、結果オーライ?

>パシリスレメンバーで逢う
もし他にも参加してもいいよ〜って書き手の方がいるなら、俺も乗るぜ!
来週の土曜か日曜日の10時=22時なら参加できそうだし。

もし、参加したいけど、日や時間が合わない人がいた場合は、
次スレで保守がてら相談ってのもありかと思う。このスレももうすぐ500k到達だし。
445名無しオンライン:2009/10/12(月) 02:26:26 ID:CIYBLHNy
先生!残念ながらコミュです!ww

まぁほとんど何も書いてないからどっちかって言うと読者の方だけど
446名無しオンライン:2009/10/12(月) 17:31:02 ID:9w0ikAZg
U14〜15でやれば問題無いって事だな
447名無しオンライン:2009/10/12(月) 17:34:26 ID:9w0ikAZg
失礼、U14〜16だ
取り敢えず暫定として
10月17or18日U14〜16で22時からって感じかね
448名無しオンライン:2009/10/12(月) 18:25:21 ID:7KX3xYl8
>>445
スマン、俺が勝手に「書き手の方」と言う言い方を使ってしまっただけで、
このスレ民なら参加OKだと思うぞ。

>>447
とりあえずそんな感じかな?それならコミュの人でも参加可能だし。
449異聞〜終局の、ある可能性 1:2009/10/12(月) 22:29:39 ID:dyyjw/SS
とりあえず一連の話が終わったようなので、最後にもう一つ。
流れ読んでPSUチャレンジモード投下は控えてましたが、次はそっちに戻ります。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

んー…難しいです…
わたくし、荒ぶる戦乙女のGH432は、主から出された問題を考えていました。
戦闘こそが本分であるはずなのですが、主はときどきこういった無理難題を押しつけてきます。
意味のないことだと思うのですが、頭を使わせたいという意図のようで、期待に応えようと一応やっています…が、今回の問題は難しすぎます。
「わからないならわからないなりに考えて調べてみなさい。愚者は経験に学び賢者は歴史に学ぶとは言うけれど、考えるのを放棄するものは愚者より劣るわ」
はーい…
タッチペンをくるくる回しながら、ふと先日の事件を思い出してみます。
………
…なんだか、よく思い出せません。断片的な記憶だけがあります。
450異聞〜終局の、ある可能性 2:2009/10/12(月) 22:30:56 ID:dyyjw/SS
その日わたくしは、裁判所でげんなりしていたような気がします。
ラブダ・ラプチャの手先に対する傷害罪でわたくしを訴えた、ジャワロ・ワンオーといういやらしい笑いをする太ったおじさん。ラブダ・ラプチャ代表者です。
彼はそれに加えてパシリに対する権利で、なんとガーディアンズを相手に訴訟を起こした…だったような。
曰く、「ガーディアンズはパシリに対する権利を認めず差別している!ビーストの殺処分や当団体への暴力など、何の力もない善良な一般市民も迫害している!」。
誘拐されたパシリは洗脳を解いたという話でしたが、まだ残りがいたのでしょう、異様な雰囲気で大げさに泣いてみせ、権利を訴えます。
その後ろでコートにビキニパンツの変態集団が控えていました…たぶん。
証言台に誰もが認識しないうちにいつの間にか現れたのは、亜麻色の髪の女性、主でした。珍しく『助けない』ではなく『後から行く』とおっしゃったのですが…
「ライア・マルチネスはここには来ない。彼女は静かなクーデターなどにはつきあわないわ。ばかげた茶番に介入するのは不本意だけど、私が相手をしてあげようというのよ」
その後しばらく主が彼らにしゃべらせていたのと、友愛友愛と言っていて気持ち悪かったのだけは覚えています。
「友愛とは自己犠牲だ!自分の持っているものはすべて他人のために使うことだ!金を持っているものは貧乏人にあわせ、
優れた人間が劣るものにあわせ、すべてのものが平等になれば争いなど起こらない、力を持っているガーディアンズなどいらない!」
どうやってここまで話が進んだのかは思い出せないのですが、彼らの主張がこうでした。
「では、あなたたちは人が等しく無知蒙昧であれ、強いものを犠牲にしてでも弱いものが生きよというのね」
ため息をついて目を伏せていた主が顔をあげます。
「ひとつ面白い話をしてあげましょうか。500年前のことよ。マザーブレインが壊された今、誰もが知り得ないことを」
451異聞〜終局の、ある可能性 3:2009/10/12(月) 22:33:04 ID:dyyjw/SS
「ヒューマンがビーストを創造して、利用していたのは知っている人もいるでしょう。
ただ、それはビーストに限ったことではなかったし、何よりビーストがそれを望んだからだった。
彼らは難しいことは避けようとしたし、自分たちが過酷な環境に耐えられることで分業できることを、
ヒューマンの管理で制限を行なうことで星がもつことを何より理解していた。
あなたたちが今やっているように、その生活が奴隷だと言って煽動したのも一部のヒューマンよ。騒ぎ立てて、儲けるためにやったこと。
怠惰な一部のビーストがのせられて楽をできるという甘い言葉に惑わされ、声はどんどん大きくなっていった。
当時ヒューマンの治めていたモトゥブ政府はビーストの権利をあっさり認めた。
この時点では戦争にはならなかった…戦争になったのは、独立してからヒューマンを排除し、ビーストだけでモトゥブ政府を樹立してからの話。
彼らはヒューマンがやったような循環型の社会を作れなかった。その当時緑化が進んでいたことで過酷でないモトゥブで生きられたからでしょうね、
今のあなたたちと同じ、権利ばかり主張する人たちが識者を排除し、感情的に目先のことに溺れ、モトゥブの植林をほとんど伐採し尽くし、荒れ果てた砂漠の星に戻してしまった。
人は生き残るためなら何でもするものよ…モトゥブ政府は世論に流され、
枯渇した食料資源とエネルギーの確保のため、パルムとニューデイズへの侵略戦争を開始した…これが500年戦争の本当の原因よ。
ハウザーが入る前でもイルミナスという組織が今の社会を不服に思っていたのは当然のことでしょうね…
戦争にならないよう大多数のヒューマンは計らっていたのに、侵略を受けた側だったのに、いつの間にか責任を押しつけられていたのだから」
「でたらめを言うな!」「捏造だ!」「イルミナスの手先か!」
無視して、視線はおじさんに向けられました。
「さて、ジャワロとか言った代表者のあなた。あなたは自分を一番偉いという状況に、
支配しやすい状況にするためにこんな思想を広めようとしたわけだけど、判決を申し渡すわ…極刑よ」
「ちょ、ちょっと待っていただきたい、被告ではなく傍聴席の人に何を言っておられるのですかな!それに有罪かどうか判決するのは私ですぞ!」
「あなたには聞いてない。これは人の裁きを外れた領域よ」
裁判長の言葉は完全無視で、主はビキニパンツ集団に向き直ります。
「あなたがたは弱い集団だと思われているようだけど、私が介入するということは、種のレベルで有害だということよ。淘汰されなさい」
452異聞〜終局の、ある可能性 4:2009/10/12(月) 22:33:48 ID:dyyjw/SS
「淘汰だと!我々には生きる権利がある!人権侵害だ!」
「それがどうかしたというの?あなたたちはもう『人間』とは言えないわ」
ヒステリックな、聞くに堪えない罵詈雑言は、見るものすべてを恐怖に陥れる冷たい視線に気づくと自然にやみました。
「聞こえなかったようだからもう一度言ってあげるわ。淘汰されなさい。あなたたちなんか、いらない」
数人が胸を押さえて、目を見開いて倒れました。周囲がどよめきます。
「…そうね、どうやって死ぬかくらいは選ばせてあげようかな」
主はテクニックを機械なしで使うのが得意です。そういうのをマジックというのですが、簡単なものなら詠唱も動作もしないですることも多いのですが、今のは主が?
「こうやって病原体にむしばまれるのがいい?」
数人が目と鼻と口と耳から血を吹き出して倒れ、けいれんを起こしだしました。ダムメギドの感染とは違う気もしないでもないですが、そうだと思われたようです。
「じ、人権侵害だ!何をしている!ガーディアンズ、早くあの女を拘束しろぉーっ!」
テクニックでもなんとか説明できるのはここまででした。次に主が行ったことは理解を完全に越えたことで、ガーディアンズでさえ動けない状況を作ったのです。
「毒虫に刺されて死ぬのはいかが?」
どこからか現れた、黄色と黒の縞が印象的な空を飛ぶ小さな虫の大群が現れ、数人に群がりました。
刺された人は悲鳴を上げて痛がっていましたが、じきに息を詰まらせて顔を青くして倒れました。
「ひっ…」
「それとも、こんな風に溺死がお好み?」
周りに水気なんてまったくないのに、今度は数人が胸をかきむしったかと思うと、体中がむくんで倒れました。口からはごぼっと水を吐き出しています。
「ひ、ひいぃぃ!おた、おたす…」
「ほら、人権とやら友愛とやらで身を守ってみなさいよ…あなたがたが人の知恵と可能性を否定して、そのかわりに祭り上げたものを見せてみなさいよ」
「お救いをー!神様、星霊様ー!」
「そんな精神だから弱いのだと、まだわからないの?当たり前に起こる事柄に何もできないなんて」
453異聞〜終局の、ある可能性 5:2009/10/12(月) 22:35:15 ID:dyyjw/SS
体中に醜い腫瘍をぼこぼこと発生させて数人が倒れたところで、一緒に訴えられていたガーディアンズの方数人が主を止めようとしました。
彼らはラブダ・ラプチャ本拠地に攻めこんでパシリを助け出した人たちです。
「そこまでだ。あんたが誰かはわからんが、やりすぎだぜ」
「あなたは彼らとは違うわね。その『光』を大切にね」
拳銃を構えたものの、彼も迷っているようです。
こんな異常な現象を人が引き起こせるものか?一人倒したところでこれは解決するのか?
それがまったくわからないうえ、主は拳銃を向けられているのに目をやりもせずに意味不明のことを言うのですから。
「あんたがやってんなら止めろと言ってんだ!どんな悪人相手だろうが、殺しは罪だぜ!」
「私も彼らは許せないけど、そういう人も守るのがガーディアンズなのよ!」
「災難は手加減しないわ」
「そういう問題じゃあねェーっ!」
即死しないようにというのもあるのでしょうが、何より避けられないように腹を狙ったのでしょう。さすがプロです。しかし。
がちっ、がちっと引き金の音だけが鳴ります。
「なっ!?故障だと!こんなときに!」
すかさず他の武器を取り出しましたが、拳銃だけでなく他の武器もまるで眠ってしまったかのように動きません。
武器が駄目ならとビーストの女性が無敵型ナノブラストで変身してつかみかかりましたが、
すぐにでも触れられそうな距離にいるというのに、その手はどれほど伸ばしても主には届きませんでした。
「何ヨ、ドウナッテンノヨコレハ!」
「ごめんなさいね、ちょっとこれは見過ごせないから、本気なの」
そんな彼女に軽く会釈してから主はラブダ・ラプチャの人々を睨め付けました。
「勇敢なるガーディアンズに敬意を表して、最後にチャンスくらいあげましょう。あなたたちに決定的に欠けた『光』をあげるわ。
シグナ・ステラルム・ニグラルム・エ・ブファニフォルミス・サドクエ・シジルム…」
主はここで右手を複雑に動かし、普段あまりしない、場の雰囲気が変わるほどの強力な集中と真面目な詠唱をしました。
ここまでした主を相手にすれば、もうどこにも逃げ場所はありません。
454異聞〜終局の、ある可能性 6
「全ての物事は、確率で構成される。それを制御する力が『光』…ここにあるのは不確定の領域。
あなたたちが『人間』だと少しでも自負するのなら…どんな願いでも好きに叶えるがいいわ。どうなっても私は助けないけど」
ガーディアンズの人たちやパシリにはまったく影響がないようでしたが、ラブダ・ラプチャ構成員の何人かが惚けたような幸せそうな顔をして倒れました。
「私を相手に腹上死とは、もう少し別のことを考えられなかったのかしら」
そして代表者のこの人は。
「何だ!これは!…体が…消え…る…!」
何があったかはよくわかりませんでしたが、ジャワロが何かをやろうとしたとき、その体が急に老人のような、子供のような、赤ん坊のような、
青年のような、認識できないものになり、ぐにゃぐにゃと曲がったように見えて…
「あなたは自分を否定した。自分の現実の姿を見ようとせず、理想だけで、その礎なくして望みを叶えようとした。だからあなたは確定しない」
主は正義に燃えるガーディアンを見てから、男に視線を戻しました。
「パシリを救うために本来なら突破不可能な場所を強行突破したガーディアンズは、ありえない突然変異をパシリで起こした開発者は、
日頃積み重ねた知恵と修練に裏打ちされた『光』を無意識に使って、運命を変えた。
でもあなたにそれはない。礎なき願いは形をとる前に崩れ去る、だからあなたは存在しない。
望んだような、この世の誰よりも優れていて、誰からも好かれて、何事も思い通りにできるようなあなたは存在しない。
最初からいなかったんだから、さようならと言うのは間違ってるわね。こんなときどう挨拶をすればいいのか、私にはわからないわ」
「たすけ…たすけ…て…おか…お母さん…!」
「あなたには母も存在しない。あなたはその歴史を否定した。ついでに言うと歴史は少しだけ姿を変えて元に戻るわ。あなたがいなければ過去の改変は行われないから」
「あああ…!おか…あ…お…も…ぉ…」
そして、もう名前も思い出せないその人は…過去・現在・未来のすべてから消滅しました。
それと同時に、死んだはずの人たちが何事もなさそうに立っていて、洗脳されていたはずのパシリがきょとんとしていました。
「…あれ?今ここに誰かいたか?気のせいか?」
「うわっ、俺なんて格好してるんだ!更衣室はどこだ!?」
「私、こんなところに用事ありましたっけ。ああ、もうこんな時間…夕飯の準備をしないとご主人様が帰ってきます」
「本日は裁判の予定はなかったはずですが…用のない方は早く出ていっていただけますか」
あ、あれ?ここで今大量に人が死にませんでしたっけ…何か問題のある人々が集まっていたような気もするんですが…
主…?怖いです…なんだか、とても。
「そう。帰りましょうか」