kskアニメキャラバトルロワイアル Part27

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1創る名無しに見る名無し
            _,-ー'´           `'´<._
            >           \  l    \
         _∠´            >Nレ'     ヽ_      __________________________
         /                       1‐-   /
         /.:::  ..:                      ',   .| ここは、安価で決定されたアニメ作品のキャラクターによる
        /::::.: .:/   ...::  ..:/    l: l:.        ヘ、  | バトルロワイアルパロディの企画スレさ。
        /イ:::: .::/   ..::::/ /l    / ノ \ヽ::..:. :. :. l:. l`  | 
         l.::イ  .:::::::/:/  レi   /:: /_.. -ー\‐、l:: l:. ∧!  .| この企画はその性質上、版権キャラの残酷描写や死亡描写が
         j:::::l .:: .::://ナこニ;ミl:: /:/l::/7Z=サナ‐ャ.〉l:: |:リ '  | 登場する可能性がある。苦手な人は注意してくれ。
         ノ:::::|.::リ l.::/<'ヘ::リ..`,l:/l´ l/  " ヾ-' " /f`|! |'    .| 
       /-イl::i:l´リl/X   ̄ /         /)ソ:l::リ..    .| なお、本企画は他板に存在する同様の企画とは一切関係ない。
          l:/::|::::|、Kヘ      〈L      /-'/|/    < 混同しないように気をつけて欲しいところだね。
          /´l/ヽ:l::::::::::\   ー- - -一'  , '::/        |
             ノノl/V|::::`-、,.      /l |/′        | それから、僕と目が合ったそこのキミ。
                 l´  |:::`' -、_,/ .|           |         好意に値するよ……『好き』ってことさ♪
                    |::       |           \__________________________
                 _-ー」:::..      ト、__
                /i7:::ノ:::::..      ',l  l、
               ../::: `ー、_::::::..    ..::r'´  ト、
             _/´レ:::: /`ー`):::-、:. -‐十⌒〉 \ `ー、 
            /∠´-ー┘::::「{...____.. -‐|! く.___\  `ヽ、
        _,.-''´     .了 / |::三=ー ̄:|:\  ` ̄、    `ヽ、
     _,.-'´     _,-'´   `ヽ、l、::::::::::::::::::::/:/     ``-、   `ヽ
前スレ
kskアニメキャラバトルロワイアル Part26
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1243065623/

避難所したらば
http://jbbs.livedoor.jp/anime/7056/

まとめwiki
http://www39.atwiki.jp/kskani/

過去スレや参加者は>>2以降に
2創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 23:10:05 ID:+JNyk1CV
過去スレ
kskアニメキャラバトルロワイアル Part25
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1241620804/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part24
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1240388302/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part23
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1237377384/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part22
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1235397738/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part21
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1233661828/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part20
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1231683608/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part19
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1230679406/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part18
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1229845601/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part17
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1229267673/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part16
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1228743088/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part15
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1227535172/
kskアニメキャラバトルロワイアル(実質14)
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1226591287/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part13
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1225463936/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part12
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1224586241/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part11
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1223734166
kskアニメキャラバトルロワイアル Part10
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1223212911/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part9
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1222568380/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part8
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1222005228/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part7
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1221486079/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part6
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220958994/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part5
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220615940/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part4
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220359994/
kskアニメキャラバトルロワイアル part3
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220120311/
アニメキャラバトルロワイアルin創作発表part2
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220104445/
アニメキャラ・バトルロワイアルin創作発表
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220012845/
3創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 23:11:37 ID:+JNyk1CV
よろしいならば参加者だ



3/6【涼宮ハルヒの憂鬱】
○キョン/●涼宮ハルヒ/○朝倉涼子/●キョンの妹/○古泉一樹/●朝比奈みくる
5/6【キン肉マンシリーズ】
○キン肉スグル/○キン肉万太郎/○悪魔将軍/○ウォーズマン/●アシュラマン/○ジ・オメガマン
2/6【モンスターファーム〜円盤石の秘密〜】
●佐倉ゲンキ/●モッチー/○スエゾー/●ホリィ/○ハム/●ナーガ
4/6【魔法少女リリカルなのはStrikerS】
○高町なのは/○スバル・ナカジマ/●フェイト・T・ハラオウン/●セイン/○ノーヴェ/○ヴィヴィオ
3/5【ケロロ軍曹】
○ケロロ軍曹/●日向冬樹/○タママ二等兵/○ドロロ兵長/●ガルル中尉
2/4【スレイヤーズREVOLUTION】
○リナ=インバース/●ゼルガディス=グレイワーズ/○ゼロス/●ラドック=ランザード
1/4【新世紀エヴァンゲリオン】
●碇シンジ/●加持リョウジ/●惣流・アスカ・ラングレー/○冬月コウゾウ
4/4【強殖装甲ガイバー】
○深町晶/○アプトム/○ネオ・ゼクトール/○リヒャルト・ギュオー
3/4【砂ぼうず】
○水野灌太(砂ぼうず)/●小泉太湖(小砂)/○川口夏子/○雨蜘蛛
1/3【となりのトトロ】
○トトロ/●草壁サツキ/●草壁メイ

28/48

地図はこれだよ!
http://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/free_uploader/src/up0098.png

こちらは現在位置だよ!
http://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/free_uploader/src/up0253.png
4創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 23:13:01 ID:+JNyk1CV
【――カヲル君からのお願い――】

            ___,,,.................,,___    \                  / キャラクターの状態を把握しやすくするために、
           ´  >'"¨'''ー- ...,,__¨`\  ヽ\                |  SSの最後に以下のテンプレを挿入してくれ。
           _/_,,.... -─-- ..,,_\ \ i  ヽ               | 
          /   `>          \  \  i\  i            |  【場所/時間帯】
       /-‐ァ /  ___        \ヽ    i  /           |   【名前】
      / /// /    _,,..二ニ=        ',i  //           |   【状態】
       //,.7'" _,,.. -‐'''"、‐-..__.... -──- 、  レ   、 ̄`\         |   【持ち物】
        /,..イ/   「¨,ゝ、=ニ二             \¨、`\       |   【思考】
       //// Z ヽマラ''"  -‐‐-        、  \ \    __ | 
         //    _=ニ二__....   _二ニ= ,     il   ',   ',/ ̄    |  時間帯の区分は以下の通りだ。
     ___,イ,'      、_ノ _,.-‐ニ二、-‐ニイ      ll \. i  ',. ',    / |  0〜3時:未明
   /  フ ,   、  '"、    -.、、\. /i ∧   /l  ∨   ',_',  ,.イ   |  3〜6時:明け方
"\'-─- //!,'    丶       ヽ,仏、 / レ' ',  /| l __,,... -‐ム''"    <  6〜9時:朝
   \‐-、  ,'       \    Z ヾ-イ .//  /',/ /レ'''"/ /        |  9〜12時:昼前
        //ヽ      `     Z `>ソ /  /_/ ,.イ /          |  12〜15時:昼過ぎ
、 ,. ‐‐--‐'''"_,.! \     _,,.. -‐- ..,,__,,.. -‐'''"      /   .         |  15〜18時:夕方
/   / ̄       ̄>'''"     /          /  .          |  18〜21時:夜
__/__........___/  -‐==- イ           /  .           |  21〜24時:夜中
             /   /          ,.-‐''"              |
                                              \ 三時間区切りだから、割とアバウトでいいと思うよ。

【放送】
6時間に一度ゲームマスターからの放送があり、死亡者と禁止エリアを発表します。
禁止エリアは>>101>>102>>103……という形で書いてもらい、安価で決定されます。
キャラクターの時間を進めるのは自由です。
しかし、放送時間までたどり着いたら一度ストップ、他のキャラ達が追い付くのを待ってください。
ほとんどのキャラが放送時間にたどり着き、放送がされたら再び時間を進められます。

次の放送は24時です。
5創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 23:14:24 ID:+JNyk1CV
【予約】
予約はこのスレ内で行います。
トリップをつけて「○○(キャラ名)と××を予約します」と宣言して下さい。
予約期限は原則として3日ですが、「ちょっと待って」で2日ほど延長が可能です。
さらに事情があったりするときは追加の延長もできます。
ただし連発は出来る限り避けましょう。
延長したい場合は、再び予約時と同じトリップをつけて延長を申請して下さい。
何らかの理由で破棄する場合も同様です。キャラ追加予約も可能です。

 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 |   あーーーーーっと!!!ここでお願いが入ったぁぁぁぁ!!!                          |
 |  次スレは>>950を踏んだ人が立てて下さい!                                        |
 |  そしてテンプレもhttp://www39.atwiki.jp/kskani/pages/290.htmlに置かれております!!    |
 |________________________________________|
    .∧ | ∧     
   ,i  |_,! i、    
   i .。 |_ 。, `i    
   i -ー、―-、 |    
   i ,/"^ヘ^i i   
   i i'       | |   
   i ヽ_,._,/ ,'   
    ゙ー---―'   
6創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 23:18:10 ID:Ah1Rj+yO
      /| ,/|          ヽ_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ノ
      く K 」    m        )                   (
 ? _r'"    `ヽ  ノ        )  >>1乙だよトトロー!     (
 ミ(~ ゜-‐    ミ    ズボォ   )                   (
  ,i'" ''ヾ`ヽ    ミ       __Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
 i'^ ヘ  `l    ミ⌒`⊃ ==--- ̄ ̄
 |   ^       "ミ
            _ヽ
     "'"'゛''""''''゛""´
7創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 23:30:49 ID:mMilHeig
  / ̄ ̄ ̄ ̄\
  / \__从__丶
 i / """ """ i  >>1乙デース
 |/ (●) (●)|
 (6  ノ(_)、 |
  丶  ト==イ ノ
   \_`ニ"/
8創る名無しに見る名無し:2009/06/24(水) 01:37:36 ID:K/QNnGU6
       ,,、,、、,,,';i;'i,}、,、
       ヾ、'i,';||i !} 'i, ゙〃
        ゙、';|i,!  'i i"i,       、__人_从_人__/し、_人_入
         `、||i |i i l|,      、_)
          ',||i }i | ;,〃,,     _)  >>1乙だよトトロ〜!
          .}.|||| | ! l-'~、ミ    `)
         ,<.}||| il/,‐'liヾ;;ミ   '´⌒V^'^Y⌒V^V⌒W^Y⌒
        .{/゙'、}|||//  .i| };;;ミ
        Y,;-   ー、  .i|,];;彡
        iil|||||liill||||||||li!=H;;;ミミ
        {  く;ァソ  '';;,;'' ゙};;彡ミ
         ゙i [`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ   _,,__
          ゙i }~~ } ';;:;li, ゙iミミミ=三=-;;;;;;;;;''
,,,,-‐‐''''''} ̄~フハ,“二゙´ ,;/;;'_,;,7''~~,-''::;;;;;;;;;;;;;'',,=''
 ;;;;;;;;''''/_  / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';;:;;;;;;;, '';;;-'''
'''''  ,r'~ `V ヽニニニ二、-'{ 十 )__;;;;/ 
9創る名無しに見る名無し:2009/06/24(水) 04:09:08 ID:iwyjozwG
変なAA増えとるwwww

      /| ,/|          ヽ_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ノ
      く K 」    m        )                   (
 ? _r'"    `ヽ  ノ        )  >>1乙だよトトロー!     (
 ミ(~ ゜-‐    ミ    ズボォ   )                   (
  ,i'" ''ヾ`ヽ    ミ       __Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
 i'^ ヘ  `l    ミ⌒`⊃ ==--- ̄ ̄
 |   ^       "ミ
            _ヽ
     "'"'゛''""''''゛""´
10創る名無しに見る名無し:2009/06/24(水) 07:47:37 ID:V2PYKImF
-‐‐- 、                ,、         ,. -‐‐‐‐- 、
.... .. .:.:::ヽ              /,iヽ      /:::.:. .   . .::::ヽ
.:. .::.. .:.::::`、             ´ l |     / {::::::.: ..... ........ .:.::::j.、
`゙'ー-、:::::::::}                ト j   /〃!::::.:. .:.:.:. .:.:.:.:.:. .:.:} |
    `ヽj       ___,.--、___   」 l L___/∠/ ハ;::::: :::::::: ::::::::::. :シ/
、      ヽ     ヽヽー-‐'、 ヾヲj rトj バ__)'フ ヾ;;::::::::::::::::::::://
.\.:.:.:.:.....:.:.:..jヽ    (ヽ\ r-ニ ヾl | `ー'´/`ー-ニ==-//7
ヽ `゙'ー- 、;,;,jヾ;、    `ヽ ゝヽ}`゙ヽ('o)r'フ_/)  ......:.:.:.////l
 `゙'ー- 、_.:.:.:.ヾ、jy-‐-、  /ト、,ハ_(_(Y,)),r'´-、   .:.:////.:ノ
`゙'ー--、___`ヽ;,;,;,;jハ   ∨ゞ{!iYト、ヽ∨/ノ ヽ,:.:.:} .:.:.:/.:./.://:./       >>1乙だよトトロー!
> ヽ三ニ=-‐‐ゝ⌒'ー-‐‐-;ッム、`ー〉∧〈j___,}.:.:.j.:.:./../:∠-‐'ヽ\
`ー-{`゙'ー- 、/  /r'´ ̄/:..._,>ヽヾyシノ_,r-、ノ:::::レ'ー--、   ヽハ
   |`゙'ー-ト、<<〃/ /⌒ヾ〃⌒ヽ、ソ ̄´,〃ヽ/ー‐´ ̄ ̄ヽ_  jハ
   \___ゝト、{/ ∠{,,..:::::ソy    `、ー-</ /´ ̄二ニー-‐ニコrく__ハ
     `ー-、 {//´...:.::j ̄´ ヽ、_,.-‐-ヽ,  レ'ヾシリ彡ハ、  {´r'/`ヽ`ヾ、
        { 〉ゞ,...:::∧     {三彡ミト、jr'  ` ̄ ̄´ー-ヾ{   /⌒ヽ \
        { ( `)ー'  ヽ,,._,,.-ゞ彡シ)lハリ〉         ゝ、ヾ;;,;,シハ、 ヽ
        ヾ`フ\    入リシ` ̄∨ソ            `ー---‐、_,.-、ト、_
         `ヽ  ヽ__ノノシ人__,r一'/                 ヽ/⌒ヽ)
           `ー-'ツ二ニ=‐、ノ ,ノト、_                  「`r- ハ
             く(ヽ/(⌒)ゝ/,r'´/ r'                   {ゝニソ〃
              _〉}\二/ /} / / 〉                   `  ̄ ´
            《∨ i Y i   l //  ト、
            jゞリ ` j ´ / | ヽ / _ヽ
11創る名無しに見る名無し:2009/06/24(水) 17:02:02 ID:b4c/KB8X
      /| ,/|          ヽ_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ノ
      く K 」    m        )                   (
 ? _r'"    `ヽ  ノ        )  >>1乙だよトトロー!     (
 ミ(~ ゜-‐    ミ    ズボォ   )                   (
  ,i'" ''ヾ`ヽ    ミ       __Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
 i'^ ヘ  `l    ミ⌒`⊃ ==--- ̄ ̄
 |   ^       "ミ
            _ヽ
     "'"'゛''""''''゛""´
12創る名無しに見る名無し:2009/06/24(水) 17:20:38 ID:FAz502x3
>>10ちょっとまてw
13創る名無しに見る名無し:2009/06/24(水) 19:54:08 ID:YRpdmVgh
 _∧_                 、 
ヽ/`´ `iフ               iヽ、
<)  (>                   || |
  ヾ~/   .、        ,       、/;|  :|
  .| |    |;ヽ    / |      i'Y .:|
  | |     |;, |彡三ミ| ,;|   ,.,  |;|  |
 /ミノ i\,--、|;, |三三| ,;|,--//  |;| .:|
 (___) /::::  /l;, `'''''''´,;/ヽ:  ヽ  .|;| .:|
 \ ヽ!ヽ, .:i  i;,____,;| `!;;. ,;|   || ,;|
  `ー-^-:;;;;;<二|| O ||二>l;;;;イ、∠二_ゝ  >>1乙だよトトロー!
       ̄ゝ;;;;|`- -'|;;;;;∠\;;;;;(彡| ,:|
      ,,,>! ヽニニ/||<_  ̄ |;;|ノ.,;|
    -=ニ...:::ii::\ー' / !!;::...ニ=<ニノ
        ̄>┐,;!Oi;,┌ 、' ̄
      ∠ イ_‐┬‐`ヽ、_ゝ
       / \ヽ< ̄ー, 、 
     ,_ ||    \ ~゙‐<ノ} 
   <<=||二二二フ-,--λ} 
    `~ ||   ./─'‐‐'‐'  
       \/     
14創る名無しに見る名無し:2009/06/24(水) 20:53:40 ID:ci/EYoyU
   rニニニ、
 _|o o o|  _
|`ヽ \""/\゙゙//
| 〉 ∨:∩:∨ /
|=/  。 :∪: 。 ヽ
|||`―、_ _r-l/
j|| _|_`′_L|ヽ
| 〉〉、●||● |〈
|/ / | ̄|  ̄|"//
リ ヽ | 、┗  |/ レi >>1乙だよトトロー!
`\_| | | ̄ ̄ソ|L/
 |:\| ` ̄ ̄ |/|
 |:: \_I_/ |
―|:: \  ノ  |`-、
15創る名無しに見る名無し:2009/06/24(水) 21:07:13 ID:X4qqIJMx
AAがどんどんカオスにwww
16創る名無しに見る名無し:2009/06/24(水) 22:30:32 ID:K/QNnGU6
              __
              / !ヽ
             /∴!;ヽ
            !∵ !∴ヽ\_____                 |
            !∵∴!∵∵ヽ三:::::::/:::::::ヽ、         _    .||
           |∴∵ !∴∵!::::::::::;;;;;:::::::::::::::ヽ       ,-´ ヽ   |.|
           ::::::::::::::::::::::::: ヽ:/:iヽ三ヽヽ:::::|      | / `'! !  | |
         / :::ヽ:::::::::::::::: ∴\ \\!::::|::::::|      |:::|   |. |  ! !
        /∴/ ::::::::::  ヽ∴∵ヽ__ヾ`::::::|::: |      |:::|    i ‐' j >>1乙だよトトロ―!
       /;/∴∴ 丶∴∴:ヽ∵ \ `!\::|::::|      |:::|   `'''´
      //∵∵ __,,,-  \∴∴\∵ヽ! |::::|:::::|      |::::|
      `‐--'''!´!      `''''‐、__∵ヽ i '!:::::|:::|、    ノ::::|
          !´;;;!          `゙゙ ‐:::::::::|:::::|:: `' ' -´::::ノ
        |::::::::::`ヽ        /::::::::::::::: |:::::!`'' ''' ''' '´
       .// !:::::/ ヽ |      /:::/ |::::::/|:::::i
       // |:::::i   .i |    /:::::/   |::::| /:::::|     /!
      //  |:::/   | !    |::::::::j   |::::: //! |    /  !
     | !   |:::|    | !   .|:::::::::i   |.::// | |  /   ノ
    .! |   |:::|    | !    |:::j:::::|  // |  '! |/::::::::/
    .ヽヽ  |::::ヽ    !!    '!::::: |//i::j:::|  ,'! ヽ二´(
     | |  |::::!ヽ\  ヽ    '!// |:::!:::|   // !! ヽヽ
     .| |  |::::::|! | ヽ       //!:::::ヽ |:::::::::|  !/  ||  | |
     | j  |∧|| | |        j::::i:::::|::::|::::|      |  ||
     ノ/  | ! ! ||     (´-- ::::::::/::::|:::::| <_` '!    !
    ノ/   | | jノ       ̄フ''''''''::::::::::::`'''''';;;;;;ノ
         ∨           ̄ ̄ ̄ヽ | ̄ ̄
                          ヽ!
17創る名無しに見る名無し:2009/06/24(水) 22:59:59 ID:ua9arEWI
>>16
イスの大いなる種族だったっけ?
18創る名無しに見る名無し:2009/06/24(水) 23:55:23 ID:K/QNnGU6
wikiにあったAAです
19創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 01:07:13 ID:4AZOR07Z
さすがトトロ。異形の知り合い多いなぁ…と妄想
20創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 21:59:24 ID:jgPl2zBo
           |_ |
           | `'|
          ノ,.、 ゝ、.__
         /ー 、,__、,.__ `\
         /_,,._/_,ジ=、\  \
       / - 、,_  ヽ、_ :》、\   l
       / ィ‐ 、_`'‐ 、,_ヾ゛\ `ヽ/´\
      / / |   \_ ` ‐ 、_> ヽ_/〉       >>1乙だよトトロー!
      / | 〉、_/ヽ7\_i/__\_li∠、
      `'>|iヘ/'`Y´`|i //T/,-‐`ニ _‐、>'"\
      //ヽ∧_ハ.イ`メ‐|./ハ'、__ 〉ノ!丶、 \
   ,..、/./   ,.<ゝィ;;/ `゛‐イノ」|ヘ――‐ イ!ヽ  `丶\
  /ゝへヽ_./  〉YV'y‐|`vヘ \ヽ-t‐'"  ,|i   `i |
 /    `'ー‐'/r'v‐i'ヾ_,トイY'\_  ̄7\/ | / ト‐''´
 ヽ、_   ∠ーf_ハ.,l、.ト|´\ノ ソ! |ト、 \l\  !| /
    `''‐'゛  ̄||i`ヽ ‐| /`l/   |.| ヽ   \\V
         |l / `ヽ/   | | ヽ  ヽ\\ _
         〉く   /   //  ヽ  ヽ \_\` ‐ 、
         |ヽ/  ,イ   _//    \ \_/ \\  \
         | |  /    | /      \   \_`ー 、_ \
         !  i.∧    |.|         //`ー、  r‐‐=ニ\
       //  ハ l     |.|    / ̄ ̄/     \\
      /ヘ〈_/ ヽl |   //  /     ヽ
21創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 23:59:33 ID:g0MHij+n
トトロが仲間を呼ぶとこんなのが召還されるのかwww
22宇宙人つながりで:2009/06/26(金) 12:15:35 ID:FC+zE1hm
                       ,----、
                          / /^ヽヽ
                     ___/ . /   | |ヽ__
                    ∩ __ ヽ<(。)ヽ |..|.<ヽ_ |
                    .U_ ̄   ヽ   | |  .|__.|  >>1乙だよ長門ー
                       `---,l  ヽ  .|/ ./
                         ヽ   \____/
                         / /\  ./
                         // | / `、/
                          ̄~ |/   |
                         /⌒/  /⌒\
                    _/⌒/ (/___//  ´ ̄ ̄ ̄\
                ,--´ ̄ /   ___          \
               /    ./  /\ ヽ /\     /\  〈
             /     /  /ー/ ̄ ̄ヽ  ヽ     |  \ \
            ./   /⌒.|  〈ー〈     \ 〉    |    \ \
            ./  /   .|   \ヽ     /    ヽ    \ \
          //  /_____,--´ヽ    ヽ------´      ヽ/\  .\ \
         / ./  ./       ヽ                ,--´\  \ \
        ./  /  /        ヽ  _______  / /⌒l\  \ \
       /  /  /    /⌒\  ヽ/|  |  |  |  |\//   ヽ ヽ  ヽ  ヽ
       〈  〈  /   /    \  ヽ.|  |  |  |  | /      |   ヽ  ヽ  ヽ
       |  .|_/   /       \//  /  /  /  ./〈       |    |   |   |
     // ./     〈       ,--´\  /  /  /  //       〉    |   |  ..|
23創る名無しに見る名無し:2009/06/26(金) 13:42:35 ID:cYh9Jp/p
>>22
おま……トトロ以外の参加者に乙宣言することはカヲル君が認めてないんだぞ……
(どうやらモフモフは別格らしい)
イデとかの大変なことになっても知らんぞ……
24創る名無しに見る名無し:2009/06/26(金) 17:11:36 ID:IBI9ipok
久しぶりに来たらなんだこの流れwwwww
25創る名無しに見る名無し:2009/06/26(金) 17:21:12 ID:w9EkwrSY
トトロの力を思い知るがいい
26創る名無しに見る名無し:2009/06/26(金) 18:34:18 ID:HQGDgAhS
トトロが優勝を目指したらおしまいだなw
27じゃあもふもふ:2009/06/26(金) 18:37:15 ID:FC+zE1hm
 、,,--,,,__            ,,,.. -ー┬‐ァ   .,,'i
  ゙''-,!,. ~~゙゙''゙''゙~ ̄ ̄ ̄~゙''゙''゙゙   ,,-''゙~  ,,-''゙ |
     ~゙''-,,'          ,,-''゙~  _,,-''゙   ,!
       ,',.c、    ,c..、  ヽ、  r''゙  _,;=‐''゙~
      ,!ヒ;;ノ _   ヒ;;_ノ    |  \ ゙ヽ、   >>1乙だよトトロー
      {D 、_,__,,   ○    ゙|   / /
      ゙ヽ、         ‐==ニ| /,/
       ,! ゙''ー         ,   |ヾ''\
         {  i       / ノ-=ニ|/ /
       },,,,}       〉,,,}   |' <゙
       !、        ,   //
        ヽ、      (  .ノ゙~
        f゙' ,,‐〜ー-- f゙ i゙~
        ~''゙       '゙'゙'
28創る名無しに見る名無し:2009/06/26(金) 18:59:06 ID:/pGxoF30
          __               ,....-─-、
       /::::::::::::::::::::ヽ、            /:::::::::::::::::::::::ヽ
       /:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ         /::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
     /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l           l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
    l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l        l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
     l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/_,.......-;,==-...ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
    l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::/     `ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
      ヽ::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::/   / ̄  ヽ/⌒ヽ:::::::::::::::::/
      ヽ、:::::::::::::_/::::::::::::/   /        ⌒ ヽ¬−'´
          ̄ /:::::::::::::::::l      /⌒ヽ         l:|
           l::::::::::::::::::l      ■■■■■■■l:l
           l::::::::::::::::::l     ■■■■■■■l:l    
           l::;, -ー 、::l      ■■■■■■■.l:l     
           /     ヽ    ■■■■■■■ l::l     >>1乙だよトトロー
          l       _       /`フ::::: ̄`ヽ< ∠く
            l    ̄|          〈:::::::::::......:::/ _   l
            ヽ    ヽ       `ー-─ ´ ,/) ./
             \    \、          /  /
              >. .、_、 ヽ.ー-....____/  /
              ヽ: : : : :ヽ  ヽ ̄ヽ丶//.イ
                 ヽ、: :__ヽ `ー- ´/: : : イ
29創る名無しに見る名無し:2009/06/26(金) 19:33:22 ID:2snqwrvV
   | | ',       | | ',
    | |  ',_____  j  ! \__
    | |     ,イ゙ー´ィl |__  __]===、
    r| | >‐t//_/ij |...ノ | |  `ヽ. ノl
    |.! |¨|´ | //| ̄i /i |  / i! !  r‐'/ ',
   i| | |i | j/テ| | l .| | j! | | ,イ/   ',
   !| | |! | 〈ー〈 /| | i .| | /  | レ'∠    i|
   || | | || | | | | | | .| ||  j {`ヽ.     |  
   f'レ|_. | || |‐'! | il || | || /レ!: : : ヽ.    l|  
   |: :.\! || | | | | | レ'!: : :!: i: : : : :|    |
   |: :!: :i!ヽ| ! i | | ,イ: !: i: : :i: :!: : : : :! _,..-' ノ
   !: :i: :!i: : ヽ'、 | | /,:':!: :i: :!: : !: :i: : : : :i {_,.イ|
   ',: !: :i:!: : : : Yi |f: : :|: ::!: |: : i: ::!: : : : |    l
   Vi: :!:i: : : : :|| ||、: ::!: ::l: !: : l: : i: : :∨   /  /^ヽ──---..  >>1乙だトトロ
__
    ',!: l: !: : : :ノ! ||ゝ、:!: ::i: !: : !: : !: : /──-'..__〈   ノL───----... ̄`ヽ.
    ',::!: i: :/! i i  \: !::!: : i: : l: ∧      Yゝ='_  ``ヽ─----.....¨ ̄ ̄\
.     ',-K'! l .| | |  | |`|¨|k─‐''_>-,ィ´ ̄ ̄!i ̄`ヽ | .∨      ̄ ̄ ̄`|
      ゝt| .! | | |  | | | `メ、    /´}    ij___ノ | |´ ̄ ̄ ̄`ヽ..   !
       Lj、j .| |  i | レ' ̄   /77 ̄ ̄i¨| ̄ ̄`ヽ.! |       ∨.  |
        \ L_j  L_j 、' _r──‐' ゝ__人___ノリ .!        ',  |
          ゝ‐r‐`ーソ-'/ / / /ヽ.._/  ̄||   / ,イ |        ',. j
          r‐'   // //〈 / / /| ̄`ー'j___// ノ|         ',||
          | ,. ',. './ //   V / / \`ー----‐' / `>、      iリ
        _,..ィ / / / /´_,,.....  / /  / \___,イ    ',  \     レ
     __,..∠  ,.'  ,.'./ /-‐' __j/.| /   / _/}   ||       ',.  \   /
30創る名無しに見る名無し:2009/06/26(金) 20:08:16 ID:d0atfiyz
まだ来ない・・・・・・・
31創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 13:02:52 ID:Qn+m2SH7
>>28
念力で通報した
32創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 19:15:13 ID:MtnYDuTZ
>>1
乙だよ、トトロー

今、初代スレを読んでいるところだけど
kskロワ開始の経緯がわかってすごく面白い。
33 ◆igHRJuEN0s :2009/06/27(土) 19:49:40 ID:ej3QnWB6
予約から一週間以上またせて心の底から申し訳ありません。
SSは完成しましたが、諸事情により今夜中には投下できません。
明日の夜9時頃には必ず投下する予定ですが、いかがでしょうか?
34創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 19:58:48 ID:mPoOK3L1
おkおk
35創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 20:42:35 ID:mPoOK3L1
自分は構いません。お待ちしてます
36創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 21:33:54 ID:ZXvMLcUW
いいよ
37創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 00:16:26 ID:1B/s1sIT
お待ちしますよー

ところでみんなモンスターファームの把握どうしてる?
つべには英語しかなくてなぁ…
38創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 09:17:29 ID:nHjlwATY
おぼろげな記憶と、話の内容を説明したサイトを頼りに。
ゲンキ・モッチー・ホリィ・スエゾーの声は脳内で再生できる程度には覚えてる。
ナーガは覚えてない。
39創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 14:21:42 ID:S8q7bqGn
>>37
うろ覚えの記憶とメインの話を数話だけ↓で観なおした。有料だけど。

http://www.tms-e.com/online/index.html?x=64&y=14

40創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 17:57:00 ID:DYdjwhz6
モンスターファームのDVDBOX出てるけど、今まだ売ってるかなぁ。
俺は持ってるけどね。
41 ◆igHRJuEN0s :2009/06/28(日) 18:39:54 ID:+JsESysP
また現実世界の方の予定が狂ったアッーーー!!
度々恐縮ですか、夜九時を予定していましたが、諸都合で夜0時まで投下できそうにありません。
本当の本当に申し訳ありません・・・・・・(涙)
42創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 20:29:49 ID:rDCSabGq
>>41
書き手の一番の敵はリアル…!
末永くお待ちしておりますよー
43創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 20:30:11 ID:ejB+wB51
はぁ……もういいよ…
(涙)とかつける暇あるんならさっさと投下しろよって話だ
44創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 20:45:56 ID:WwTU4Is5
待つよ〜待つよ〜
45創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 22:04:00 ID:WBpUNx81
全然おkです!楽しみにしてます!

5x氏もよろしければ報告お願いしますー
46 ◆5xPP7aGpCE :2009/06/28(日) 22:21:16 ID:r8ScDjUi
申し訳ないです、私も今夜中の投下を目指しているのですがig氏の投下にぶつかるかもしれません。
47創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 23:02:48 ID:Ncs040UH
いや、そう簡単にぶつからないよ
ぶつかったら・・・・・事故だと割り切れw
とりあえず書くのに集中を
48 ◆igHRJuEN0s :2009/06/28(日) 23:56:12 ID:+JsESysP
これより仮投下スレに投下いたします。
49創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 01:29:45 ID:ER54Bzkl
前半部分だけですが仮投下乙です
後半も楽しみにしてます
50創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 01:35:02 ID:OCHtZGJi
議論スレにも来てるがこれは破棄だろ…
どんだけ自分勝手なんだよ
51創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 01:56:11 ID:xNNaC6Gc
予約の期限をテンプレに加えるべきだな
一週間過ぎても投下できないようなら一旦破棄してください、って
52創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 02:07:07 ID:jA9t7yby
んな……
そういうのゆるいのがkskロワだったじゃん。
体調悪いって言ってるんだから信じてやれよ……
53創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 02:10:29 ID:h4u2ZY+h
まぁとりあえず明日まで待ってみようや
本当に体調不良なら長時間の携帯投下はツラいだろうし

>>48
前半投下乙です
明日の続きをお待ちしてます
54創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 02:41:22 ID:M5hxM3Ly
体調不良なら尚更破棄すべきだろ
まさか治るまで予約延長し続けろとでも?
常識ある人なら一旦破棄して、他の人の予約ないのを確認してからまた予約する
それがマナー
55創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 03:03:21 ID:2PD+GPru
マナー(笑)はともかくとして、前半だけで一本のSSにまとめて投下するくらいの知恵はないのか
繋ぎにくいところで切っとけばそうそうリレーが来ることもないだろうし、
体調回復してから別酉自己リレーで後半分を別SSにして投下すれば角も立たないだろうに
56創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 03:20:55 ID:hTjqyOD/
いや、わざと繋ぎにくくして自己リレー狙いってのもどうかと思うw
57創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 10:59:34 ID:xbtiuMZN
とりあえずSSの内容外が原因で厳しく見られるのは覚悟したほうがいい。
本当はどうかしらないがリアル事情や体調不良だとかいわれても言い訳にしか見えないしな
58創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 11:41:02 ID:jA9t7yby
まあ本当に今日投下されるならおkじゃないか?
別に予約ラッシュで他の書き手の予約がつぶれたわけでもないし。
59 ◆igHRJuEN0s :2009/06/29(月) 12:36:44 ID:zoECt+So
昨夜は私の都合で住人の皆様に迷惑をかけてしまい、誠に申し訳ありませんでした。
ゆっくり連打で長く待たせたあげく、自己管理の甘さからSS投下を途中で投げ出してしまう失態を犯してしまいました。
自分でもリレー企画をやる上では最低の行為をしたと思っています。
kskアニロワの書き手を続けたい私ですが、もしもの場合は、このロワのためにアク禁にしてもらう覚悟です。

また、それとは別に、
リレーできないのならSSを破棄すべきだという意見の方々と、作品投下をお待ちしている方々がいます。
個人的には投下したいのですが、破棄すべきか、投下すべきかは、皆様の意見に流れに従います。
ちなみに、体調不良は一過性のもので今夜投下する分には問題無いと思われます。
60創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 12:37:40 ID:xbtiuMZN
内容としては三回ちょっと待ってしたといえるから許容範囲。
その申請時の言い訳が印象を悪くしている。

しかし本来は延長をするべきじゃないのに延長がデフォになってる今の環境が異常なんじゃないか?
61創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 12:49:17 ID:jA9t7yby
自分は全然大丈夫です、むしろあそこで破棄されたら気になって眠れないw

それに氏は荒らしをしたわけでもないし、アク禁にする必要はないかと。
62創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 14:12:23 ID:APMs/yGS
>>60
同感

緩いのはいいよ、まったく問題ない
だけど初めっからちょっと待って前提で予約するとかさ、それは違うだろって言いたい事がどんどん増えてきてる気がする
63創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 14:39:37 ID:blmXPpcN
ゲリラ投下しろとは言わんが、あらかじめ時間がかかることがわかってるならある程度書いてから予約してほしいよな
ここ最近予約した話ってちょっとまってしてないところがないんじゃないか?
64創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 14:48:41 ID:dZYAV/kq
一ヶ月でも二ヶ月でも待ってるぜ!
65創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 17:12:19 ID:UKiI4zku
アク禁とまでは言わんが、今後はこんな事の無いようにして欲しいな
もちろん他の書き手も
66創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 17:12:30 ID:7se53gbL
>>59
作品を投下するor破棄する

これはあんた自身があんたの責任で判断すべきことだ
「皆様の意見に従う」と言えば聞こえはいいが、やろうとしていることは責任の丸投げ
でも投下するまでの作品の扱いは書き手の一存で決まるんだから、他人に責任を投げることはできないぞ
だったら独断の方が後腐れなくていい

投下したいと思ったなら投下しろ
破棄したいと思ったなら破棄しろ
どっちを選んでも全責任はあんたにある
67創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 17:13:49 ID:jA9t7yby
そだな、さすがに一週間延長が当たり前は困る。

今回の氏は仕方ないってことで投下待って、次からはルールに加えてもいいかも。
68創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 19:19:46 ID:OCHtZGJi
アク禁覚悟だの書き手続けたいだの…言い方悪いが構ってちゃんの誘い受け臭がぷんぷんする
皆様の判断に任せますとか責任逃れも良いところ
 
どうせ擁護されるだれうって打算も透けて見えるし…
実際反省してるのかすら疑わしいよ
 
本当に事態を重く見てるなら破棄すべき
69創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 19:40:24 ID:l+uQXa97
まったく問題ない。
つか、行動が問題〜って言うなら、もっと早くにアクション起こすべきじゃないの?
きちんと完成までまって、投下できるようになってから不満とか、SSを潰したいだけに勘ぐっちゃうぜ―
70創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 19:53:32 ID:kBl9Xnud
全く問題ないって言うのは間違えてるでしょ……
延長に継ぐ延長を容認していたのは、書き手さんを信用していたからでしょ?
みんなが怒っているのは、書き手さんがその信用を裏切ったと感じた人が居るからじゃないのかな。

何はともあれ、既に起こっちゃったことだし。
kskロワにとっていい方向へ進むよう選択をして欲しいな。
71創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 20:43:15 ID:OCHtZGJi
>>69
はい?
実際投下できてないでしょ?
 
これで中断なんてしなかったら文句なんて誰も言ってない
中断した上に言い訳がましいからこんだけ文句言われてるんだよ
72創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 20:46:52 ID:aR4u21Y6
ここまできて皆さんの流れに従いますとかどこまで人を馬鹿にすれば気が済むの?
書きたいけどアク禁になっても仕方ないとか書いてるのもそうだし…
作品以外の所が最低すぎるよ
 
その作品すら質が低くてチラホラ文句も出てるけどね
73創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 21:24:16 ID:hTjqyOD/
いや、本人は反省を示すつもりで判断を委ねたように見えるし、あんまり追い詰めるのも空気悪くするからその辺にしとこうぜ。

今までゆるかったのにいきなり厳正な処分を求めて破棄させるってのはちょっと性急すぎる気がするから、
今予約してる◆igHRJuEN0s氏と◆5xPP7aGpCE氏に関しては今日までに仮投下があればよしとする事にしたら?
今日中に間に合わないなら今回は破棄とさせてもらって、再予約は2週間ぐらい間を置いてまだ予約がなければ許可するとか。

もちろん本人が今すぐ破棄するというならそれはそれでいいけど。

しかし2人とも予約したのが21日の0時頃か。
確かに長いな〜
74 ◆igHRJuEN0s :2009/06/29(月) 21:24:25 ID:zoECt+So
皆様の意見とお叱り、ありがとうございました。
これより仮投下スレに続きのSSを投下しようと思います。
75創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 21:34:27 ID:OCHtZGJi
結局破棄するつもりはなかったわけね…
76創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 21:41:21 ID:jA9t7yby
>>74
楽しみにしてます
77創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 22:34:24 ID:Hti51W7S
ID:OCHtZGJi
書き手叩きもいい加減にしろ
読み手様乙

後半投下されたが感想は本スレ投下後に
キョンが半ばオリキャラ化に近いが俺的には問題なしだと思う
78創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 22:43:34 ID:yMPjWw6C
DNAスナックに時間制限はされていない(スナック登場話を参照。書かれていない)
ガイバーの殖装解除ができることをスバル達は知らないはず
ガイバーは単純な鎧ではなく、融合したみたいになってるから涙とか鼻水出せないのでは?
キョンからみくるの話は聞いていない(これは前回の話がキョンの情報交換だったことからそれを参照)
元の世界からの知り合いの話はしていないし、朝倉とみくるのことは知らないはず。
ガイバーのコアメタル破壊されてから会話を聞けるだけの精神的余裕はあるのか
はたまた、その間に何秒も余裕はあるのか。wikiの資料を見る限りそんな余裕はない。
リインがしんがりを務めた時、リインの行動制限からはみ出しているのではないか。
ジュエルシードに人の生命を吸う力なんてあったのか?
ギュオーが自分にはなったダメージが低すぎないか?
N2地雷の威力は次任せでいいのではないか。

気になったのはこんなところ。
こちらの勘違いも含まれてると思うので他の人の意見が聞きたい。
キョンに関しては俺もありだと思うがこれも他の意見が聞きたいな。
79創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 23:03:39 ID:UKiI4zku
少々突然だとは感じたが個人的には中々良いと思う。
細かい指摘は出来ないが、展開としては問題無いんじゃないか?
80創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 23:07:36 ID:yAKPvEu4
仮投下乙です!
感想は控えますが気になったのはN2爆雷についてです。
手で持てるカプセル状の物体とありますが、エヴァ19話では巨大な零号機がなんとか掴める程のサイズです。
威力が変わっているからとしてもあまりにも無理のある大きさなのではないでしょうか?
手のひらサイズの遺跡宇宙船や聖王のゆりかごが出てきたようなものだと思います。
81 ◆igHRJuEN0s :2009/06/29(月) 23:08:22 ID:zoECt+So
>>78
ご指摘ありがとうございます。
修正時の参考に致します。
82創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 23:14:59 ID:xbtiuMZN
>>78
最初の奴はおまえがそのままでいてほしいだけだろwwww
だが俺からも言いたい。
そのままでいいんじゃないかw?

あとメタ視点になるけどこのままスバルが川を流されたらなのは達と合流するんじゃないか?
それは少しつまらない。
83 ◆igHRJuEN0s :2009/06/29(月) 23:20:52 ID:zoECt+So
>>80
人間が手で持てるサイズまで縮小されたN2地雷です。
または爆弾の種類として同じN2地雷です。
84創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 23:26:05 ID:yMPjWw6C
>>80
これぐらいなら問題はないと思うよ。ようするにすっごい爆弾なわけだし。
問題があるようなら現実出展の爆発物で代用すればいいだろうし。

>>82
トトロがいるぞー。
85創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 23:33:02 ID:hTjqyOD/
(仮投下スレ299)
>『スバル! 山の向こうで物凄い煙りが上がってるですぅ!!』
「煙り」ではまるで動詞みたいなので「煙」の方がいいかも。


(仮投下スレ300)
>まだ、ゼロスや悪魔将軍のような強敵が生き残っている可能性は十分にある。
ゼロスの名前が出ていますが、ウォーズマンはゼロスの名前を知りませんので、
「紫の髪の男」とした方がいいような気がします。

>できれば、被害を出さないためにも、殺し合いに乗ってる者は早々に叩いて起きたい。
誤字「叩いて起きたい」→「叩いておきたい」


(仮投下スレ303)
>その神社の境内に座りながら放送を聞いている赤いスーツを纏った男・ギュオー。
ギュオーは前回の話で着替えており、今はネルフの制服を着ているはずです。

>もっとも、問題は草壁自身ではなく、草壁サツキの死によって招かれるかもしれない不祥事である。
「不祥事」というのは微妙に言葉がおかしい気がします。
「不祥事」というのは、一定以上の社会的な立場を持つ者または組織・団体が起こした、
社会の信頼を損なわせるような出来事・醜聞を指す言葉のようですが、
ここではそういう意味で使ったわけではないようなので。
もっといい言葉があるかもしれませんが、例を上げるとしたら「事態」ぐらいでいいのではないでしょうか。


(仮投下スレ306)
>北方向には、単体で接触するには危険が伴いそうなゼロスや筋肉スグルがいるため、やはり戦力が必要になる。
私の見落としかもしれませんが、ギュオーにはゼロスたちが現在北にいると確信する理由がないような。
もし理由があるなら付け加えていただけると読む側として状況の理解の助けになるのですが。

>人間形態ではろくに進めないと思ったギュオーはプラグスーツを脱いで獣神変をし、その姿を魔人のごときものへと変える。
繰り返しになりますが、ギュオーはネルフの制服を着ています。


(仮投下スレ308)
>友達と彼の妹の名前が放送で流れたからだろうか、あれからノーリアクションで立ち尽くす姿は返って不気味である。
「返って」ではなく却って・反って・あるいはひらがなで「かえって」とした方がいいかも。
86創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 23:33:46 ID:hTjqyOD/
(仮投下スレ313)
>「あなたが本当に泣いていないのなら、素顔を見せて」
>「な、何言ってんだ!
>そのためだけに、俺に殖装を解除しろっていうのか?
>俺の身体はまだボロボロなんだぞ!」
スバルたちはガイバーが脱げないというキョンの言い訳を一度は真に受けています。
脱げるのでは?と思い直したなら何かそういう経緯を書いた方がいいと思います。
また、キョンのセリフは暗に殖装を解除できる事を認めてしまっているので、
もし「うっかり言ってしまった」とするならばそういう補足も欲しい所です。

>「なら、顔の部分の装甲だけ剥がしてみてよ。
>顔は見たところ無傷だから、剥がして問題無いと思うよ」
>「オイ待て!
>それじゃあ顔の部分が無防備になって、殺し合いに乗った奴に襲われた時にフリになるじゃねーか!!」
繰り返しになりますが、キョンはガイバーの脱ぎ方がわからないというスタンスでした。
また、ガイバーは肉体の中深くまで融合する鎧です。
例えば本来肺がある場所はまるごとメガスマッシャーに置き換えられてしまいます。
装甲を剥がせば中に元の肉体があるというわけではないのです。
そもそも着ていた服とかも殖装時には吸収されちゃってるみたいですし。
強殖細胞は肉体にしみこんで融合しており、殖装を解除する以外の物理的な方法で引きはがすのは
困難かと思うのですがどうでしょう?


(仮投下スレ322)
>しかし・・・・・・生成されたバインドは逃げるキョン君を捕らえきる前に断ち消えてしまった。
スバルのバインドが失敗した理由はわかりますが、あれだけ警戒していたリインが
バインドを使わないのは不自然に思います。
リインフォースは確かリングバインドという捕縛魔法を使えるはずですし。
使ったけど失敗した、あるいは何かの理由で使えなかった等の描写が欲しい所です。


(仮投下スレ324)
>一瞬でも優勝を諦める方に浮気しかけた俺を許してくれよ・・・・・・もうしないから。
ここまでも何度か疑問に思った部分はあったのですが、ここでまとめます。
少し前までキョンは必ずしも優勝しなくても殺し合いが終わったら長門は全員を生き返らせると思っていました。
優勝を狙うのは「念のため」という保険的な理由からだったと思います。
少なくとも前回の話ラストの状態ではまだそう思っていたはずです。
(状態表の記述がそうなっています)
それを考え直す事自体は何も問題ないのですが、考え直した部分がどこなのかよくわかりません。
現実にはなんとなく考えを変えるという事もあるでしょうが、
物語ですしリレー企画なので重要な心理変化ははっきりさせた方がいい気がします。


(仮投下スレ330)
>ギュオーの拳はキョンの顔面に直撃する事は無く、額を霞め、金属製のパーツが外れて地面に落ちる。
>パキンッと地面に金属の澄んだ音が立つ。
細かい事ですが、コントロールメタルがガイバーから引きはがされるとしたら、
「外れる」というより「えぐり取られる」とか「引き抜かれる」という感じの方がしっくり来ます。
ガイバーにとってあれは最重要パーツですし、脳髄と何かの線で繋がっている設定画も見た事ありますし。
単純にコントロールメタルをぐしゃりと破壊してしまった事にした方がわかりやすい気がします。
87創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 23:35:12 ID:hTjqyOD/
(仮投下スレ346)
>もっと詳しく追求すると、殖装者はガイバーという装甲を『纏って』いるのが普通であるが、今のキョンの場合は装甲と『一体化』しているのである。
繰り返しになりますが、ガイバーは元々装甲と殖装者が融合した状態です。
殖装中は内蔵などの組織すら移動したり消滅しているわけですから。


(仮投下スレ350)
>「(あたしがバインドを仕掛けます。
>今の魔力じゃ一瞬で消えてしまいますが、一瞬だけ隙ができるハズです。
>そこを突いてください)」
繰り返しになりますが、リインもバインドは使えますので、使わない理由が欲しいところです。


(仮投下スレ353)
>『しかし、スバルは消耗が激しく、Msリインフォースではパワー不足。
(仮投下スレ372)
>『自信を持ってくださいリインフォース。
レイジングハートのリインに対する呼び方が変わっています。
状況から考えて意図的に Ms を外したのかとも思いましたが、一応気になったので。
ちなみにこのロワで初対面の時は「リインフォース空曹長」と呼んで居ましたね。


(仮投下スレ360)
>※ゲームが終わったら長門が全部元通りにすると思っていますが、考え直すかもしれません。
>※ハルヒは死んでも消えておらず、だから殺し合いが続いていると思っています。
繰り返しになりますが、キョンの状態表から上記の2行が消えましたが、キョンが前回まで考えていたこれらの事を
どうして放り出してしまったのか説明がなく、突然上の2行をなかった事にしたかのように見えます。
88創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 23:52:07 ID:oQfDPYxK
おいィ?
誤字脱字まで指摘とか、さすがにちょっとねちっこ過ぎだろ
89創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 23:52:58 ID:Hti51W7S
リインの胸の件は俺もそのままがいいかもw
90創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 23:53:18 ID:hpedbxaE
三行で
91創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 23:55:37 ID:jiiADBjR
指摘しようとしてたこと全部言われてた
92創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 23:55:56 ID:yMPjWw6C
まあどれも正論ではあるし、
問題点の見直しになると前向きに考えよう。
幸い、話を変えざるをえない問題点ではないし、修正で済むしね。
93創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 23:56:18 ID:mjWfXooG
でもそれだけ粗があった証拠なんじゃ>指摘たくさん
94創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 23:56:38 ID:hTjqyOD/
なんとなく指摘する事をかいてたらすごい量になっていたが、とりあえず貼った。
いまは反省している。ごめん。
95創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 23:59:17 ID:oQfDPYxK
いや、指摘はいいが誤字脱字まで指摘するのはやりすぎだと思う
…まあガイバー関係は確かに修正が必要だとは思うけど
96創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 00:19:12 ID:wIH/4kWZ
…え?
誤字脱字は普通に指摘するだろ
擁護するのはいいけどちゃんと物事を考えようぜ 
 
んで、件の作品だけど粗が多すぎだろ
5x氏の時は散々叩いて破棄に追い込んだりしときながら今回は随分甘いんですね
97創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 00:23:49 ID:swvxEYQE
>>96
そんなの住人の好みだろ
98 ◆igHRJuEN0s :2009/06/30(火) 00:27:07 ID:HzVUnaSH
>>94
いえ、修正すべき点がはっきりとわかって助かります。
99創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 00:27:51 ID:wIH/4kWZ
なんでこんな下手糞に書かれたのやら…
だから皆離れていくんだっつーの
100創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 00:29:49 ID:wIH/4kWZ
>>98
正直粗が多すぎると思うのですが
やっつけ感が透けて見えて正直がっかりです
 
と、言うか否定意見が多いのに何故破棄しなかったんですか?
101創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 00:30:07 ID:UB+ZhyHc
>>96
いや?こんな感じの誤字脱字の指摘ははじめて見たよ
要は重箱の隅まで叩きすぎって事
…ちなみにその他の指摘は特に問題ない
102創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 00:33:22 ID:UB+ZhyHc
>>100
まずは議論スレに行け
話はそれからだ
103sage:2009/06/30(火) 00:41:29 ID:fpoeeZ3c
誤字脱字に重箱もなにもねーよ
てかこうしたほうがいいんじゃないかって代わる言葉まで出してる丁寧な指摘だろ
104創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 00:43:03 ID:O3JnK6Zr
>>99が書き手デビューすると聞いて(ry
105創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 00:43:42 ID:wIH/4kWZ
んで、また逃げると…
今度も体調不良かな?
 
文句多いのに破棄しないなら、流れに任せますとか言うなよな
106創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 00:45:57 ID:r5Zbl+On
 とりあえず本スレでやるな、議論スレで決着つけなさい。
どんな結果になろうとも、前へ前へ行く気持ちが大切だということ忘れないで欲しい。
107創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 01:11:10 ID:zvB+JvUw
ID:wIH/4kWZ
粘着乙
108創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 01:13:48 ID:r5Zbl+On
 仕方ない、朝倉さんのおっぱいは俺のものだ。
デクにして服を脱がしてヒャッハーしてやる。
109創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 01:16:54 ID:frwhE6/K
そろそろお父さんがオーバーボディ脱いでパワーアップする話投下していいですか?
110創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 01:17:10 ID:YjupGQkx
貧乳になった朝倉さんをだっちゃ氏がもらっていくんですねわかります。
111創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 01:23:00 ID:E2c8RXJB
>>108
kyonで我慢しなさい
112創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 01:24:08 ID:j3lffmK/
>>237
戦隊ロボの歌ならビクトリーマーズが最高だろ常識的に考えて……

重力を振り切り成層圏突ん裂き星団越え弾けろ とか、
真空も震える 宇宙意思もひれふす 究極のレベルへ とか、とにかく規模がでかい。
しかも、戦う神 だの、雄々しき神とか、とにかくカッコイイ。

子供の時、厨二病的心にこれは来たものw
ビクトリーマーズ!戦う神 青い命の星 守れ!とか、そこの部分がまたかっこいいんだよ……
タイムレンジャーのVレックスロボの歌もそれはそれで好きだが、歌詞のでかさ的にこっちがお勧め。

つべのほうにあったから置いておく。
http://www.youtube.com/watch?v=t_MVTfzoQ-4&feature=related

ビィークトゥリーマァーズ! 戦う神! 青い命の 星 守れ!
  ビィークトゥリーマァーズ! 射止める槍
  
113創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 01:24:55 ID:j3lffmK/
ごめんね、誤爆ごめんねorz
114創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 01:28:54 ID:cTZJPUTY
このkskロワでロリももふも余っているだとぉ!?
よろしい、小トトロの腹毛は私のものだ
115創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 01:30:36 ID:CvkU9uBP
朝倉さんと言えば、朝倉さんや長門は夢成長促進銃を使ったらちっこくなれるんだろうか。
生まれた時からあの姿なら変化ないかな。
116創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 01:43:28 ID:E2c8RXJB
にょろん化するんじゃね?
117創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 01:54:08 ID:YjupGQkx
ハルヒちゃんの朝倉みたいになるんじゃないかな?

>>114
フリードとライガーは誰にも譲れない。
118創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 02:00:39 ID:L4BohtWT
>>117
貴様、ゲリラ氏だな……!
ならばトトロに飛び込むのは俺だ。
119 ◆5xPP7aGpCE :2009/06/30(火) 02:00:42 ID:CziJvG/1
大変お待たせいたしました、今から仮投下いたします。
120 ◆5xPP7aGpCE :2009/06/30(火) 02:13:44 ID:CziJvG/1
投下終了いたしました。
問題点や意見などありましたらお願いします。
大変お待たせしました事本当に申し訳ありませんでした。
121創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 07:22:16 ID:k5wsN+WX
仮投下乙ですー
特に問題無いように思いました
122創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 07:56:57 ID:Gpvk0GLt
仮投下乙です
自分は問題ないと思います
123創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 09:15:46 ID:j3lffmK/
投下GJ!
全然問題ないと思います
本投下が楽しみだw
124創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 09:27:52 ID:cTZJPUTY
仮投下乙ですー
自分も大丈夫だと思います!
本投下お待ちしてますー
125創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 09:36:52 ID:YG/e/2sT
仮投下乙です。
問題ないです、読んでてハラハラしたぜw
本投下お待ちしています。
126創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 12:56:20 ID:L4BohtWT
仮投下乙。
問題は見当たらなかった。
ただ最後に備考でミサイルで飛んでいった道具の中身を書いておくといいと思う。
127創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 19:31:40 ID:vclOu2qD

◆5xPP7aGpCE氏が本投下するまでの間の余興として、煽り文を投下します!

106 第一印象がいい奴にロクな奴はいない
皆さんは、大切な人や守りたい人が死んでいませんか?
その人の埋葬を誰かに任せていませんか?
そのままにしていると死体が大変なことになりますよ

107 俺達はとんでもない思い違いをしていたのかもしれない
そいつは、初めて考える
このゲームの黒幕を自分の固定概念を捨てて
そいつの名は、ガイバーTこと深町晶!!!!!

108 舌は踊り、血は騒ぐ
砂坊主よ
お前は、機械ではない
よって、その毛一本で、人物を判断する
その行為自体が、愚の骨頂だ!!
128創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 20:10:20 ID:CvkU9uBP
仮投下乙です。

最初のところでネブラがズーマが死んだって言ってるけど、
ネブラはズーマの本名知ってるんだっけ?

あとゼクトールの上司の名前、「バルガス」になってるけど「バルカス」ですね。
129創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 20:24:51 ID:vl0zmiSZ
>>127
106って「本当は怖い家庭の医学」?
130 ◆5xPP7aGpCE :2009/06/30(火) 20:42:43 ID:CziJvG/1
>>128

確かに彼がネブラに本名を教えるとは考えにくいですね。
ズーマについての言及は削除しようと思います。
131創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 00:23:52 ID:N8rkfpJo
>>127に触発された!

109 っていうか、疑心暗鬼で呉越同舟?(前編)(後編) のこされるもの
おまえがあ・や・し・いちゅーとるんじゃ!
おんどりゃきっちり話つけたろうやないか、あぁん?
うたるぞっぬしゃ〜!

110 走り続けてこそ人生
焦がれて、求めて、取り戻したくて止まない日常
そのために這いずり回ってんだからさぁ、なぁ、俺はまちがってないだろう?

111 祈る者、猛る者の心知らず
こんにちはっ!夢は凄腕魔法少女か凄腕美人の小砂だよ☆
大変!放送を聞いて師匠の様子がおかしくなっちゃった!これはもしかして、アスカ死亡フラグ!?
次回リリカル☆こすな第7話「祈る者、猛る者の心知らず」
見ないと頭、冷やしちゃうぞっ☆
132 ◆5xPP7aGpCE :2009/07/02(木) 01:05:51 ID:goBNHEhA
大変お待たせいたしました、今より本投下いたします。
133決着! 復讐の終わり ◆5xPP7aGpCE :2009/07/02(木) 01:06:51 ID:goBNHEhA



『この勢いで最後まで頑張ってくれたまえ! 六時間後にまた会おう!』

激励の言葉と共に数えて三度目の放送が終わる。
響き渡った声はとても弾んでいた、聞いた者全てが草壁タツヲの歓喜に満ちた表情を容易く思い浮かべられる程に。
理不尽な催しに招かれた参加者は殆どが憤るであろうが動揺しない者もここに居た。

アプトムは冷静にメモを取り終えると椅子を軽く傾けた。
体重を預けられたオフィスチェアの背もたれがギギィと軋む。
人を人とも思わない扱いをされるなど損傷実験体の男には慣れきっている。
憤りを感じぬ訳ではないが無駄に頭に血を上らせる気など更々無い。

「ギュオー閣下は無事か。そしてやはり深町晶も生き延びている」

新たな禁止エリア、前回に倍する死者、そして最後に草壁が言っていた事よりも先にアプトムが考えたのがそれだった。
合流を目指す上司と自ら手を下したいと望む相手、両者の名が呼ばれなかった事に軽く安堵する。
二人に比べれば他に誰が死のうと些細な事に過ぎない。

『あのアスカという少女は死んだか。それに小砂君とは協力を続けられると思ったのに残念な事だ』

アプトムの頭上で参加者ならぬ暗黒生物も感想を述べる。
残念と言うにも関わらずその口調は淡白だ、かっての所有者とはいえ偶然自分を手にしたにすぎない相手など悼むつもりはないらしい。
気付いてはいないが二番目の所有者となったズーマも死んでいる、しかし知ったとしても反応は小砂と似たものだったに違いない。
彼が本当に情を注ぐのは娘のみだ、もし現パートナーのアプトムが斃れたとしても同じく何ら感じる事は無い。
アプトムとてネブラに仲間意識など持ってはいない、あくまで利害が一致しただけの関係に過ぎない。

「口だけで役に立たん小娘だったな。まあいい、いくらか情報を得られただけでもマシというものだ」

砂漠の便利屋などと大層な肩書きを名乗っていた割にあっけなく死んだ小砂をアプトムは吐き捨てた。
予想してなかった訳ではない、彼女が追った筈のアスカがあの場所に現れた時から可能性として頭に有った。
期待を裏切られたのは残念だがアプトムは早々と思考を切り替える。哀れな少女の事など頭から追い出して物言う道具に今すべき事を言い放つ。

「今回も禁止エリアは遠い、主催者が姿を現したとしても勝ち目の無い限り戦う気など無い、まずはこいつと話をつける」

クイと顎で示した先に在ったのは壁一面を埋めるモニター、そこに映し出されていたのはこの建物の各所にある監視カメラの映像。
無論アプトムが設置したものではない、これは元々備わっていた設備。
ここは市街地でも一際目立つデパート内部の保安室、本来防災とセキュリティを担う筈の部屋に居るのはその対極、破壊と殺人を目的として創られし獣化兵。

地階を映す一画面をアプトムは見ていた、デパートお馴染みの食品売り場がガラスの向こうに存在している。
その中の惣菜を調理する厨房の一つ、カメラを操作してズームすると異形の存在が画面に広がった。
134決着! 復讐の終わり ◆5xPP7aGpCE :2009/07/02(木) 01:08:53 ID:goBNHEhA

『ちょうど彼が目を覚ましたようだぞ。さて、君の目論見道理に事が運ぶのかね?』

ネブラの言うとおり囚われの甲虫は動き始めていた。
存在については小砂より聞いた、しかしエリートたる超獣化兵と損傷実験体の自分では接触したところでいい様に使われるのが明らかな為会う気は無かった。
―――そのエリートが弱者が多く居たあの場で何故自分に狙いを定めたのか?

アプトムはそれが疑問だった。しかし彼は答えを知りたくて殺さなかったのでは無い。
ましてや同じクロノスに属する者だからでも無い、敵視された以上殺す事に躊躇いは無かった。
狙いはこの甲虫、ネオ・ゼクトールを自分に協力させる事。

「試す価値は有ると言った筈だネブラ。決裂も想定してわざわざこの場所まで運んだのだからな」

アプトムの目的は生存だ。
悪魔将軍を筆頭に自分を軽くあしらう強者の存在に対抗するには何としても力が欲しい。
だからこそ危険を承知でゼクトールを生かしたのだ。

デパートという場所を選んだのも交渉のアドバンテージを握る為。
アプトムはネオ・ゼクトールの能力を全ては知らぬ、ネブラの拘束と大鎌が有っても直接の対峙はリスクが大き過ぎる。
生存を第一とする男にとってその方法は選べない、下手すれば会話すら成立せずに逆襲されるやもしれぬ。

危険を可能な限り避ける方法を考慮して訪れたのがこのデパート。
相手を一方的に観察し姿を見せずに対話が出来る。その設備が整っている。
交渉が不調に終わったとしても地階と上層階の保安室は隔たっている、戦闘するにも待避するにも時間を稼げる。

特にネブラがデパートを知っていると助言した事が大きかった。
家具売り場で小砂によって取り出されのがネブラのスタート。彼女との接触の中で内部構造や設備についても観察し覚えていたという。
そのお陰で短時間で準備を整えられたのだ、これも彼等の持つアドバンテージの一つ。

『ふむ、現状ではこれがベターか。それにしても彼の持ち物に大した物が無かったのが残念だ』
「幻覚を見せるマスクが脅かしに使える程度だな、後は壊れた腕時計に拘束具。お前やユニット程のものはさすがに希少らしいな」

モニターではゼクトールが全身の拘束を外そうと足掻いている。
時空管理局が犯罪者拘束に用いるものらしいが最強の超獣化兵相手は荷が重い、見る間に形が歪んでゆく。
長くは持たないだろうが準備が整うまで動きを止めておければ良いのだ、十分役に立ったといえるだろう。

「頃合だな、始めるぞネブラ」

全ての拘束が破壊されたのはすぐだった、遂にゼクトールは己の自由を取り戻す。
それを見て取ったアプトムもまた動く、内線電話を手に取って地階の番号をプッシュした。

コールは長く続かない、数回で目当ての相手が応対する。
地階では苛立ったゼクトールが乱雑に受話器を取っていた、その様子は監視カメラで筒抜けだった。
情報で優位に立っている事を実感してアプトムは口元を歪める。

だが勝負はここからだ、猛獣を手懐けて初めて成功と呼べる。
一度は殺されかけた恨みを胸に仕舞ってアプトムは喋りだす。
135決着! 復讐の終わり ◆5xPP7aGpCE :2009/07/02(木) 01:12:08 ID:goBNHEhA

ここに二人の復讐者はホットラインで繋がれた、しかし両者の隔たりはあまりに大きい。
同じ世界から来たにも関わらずアプトムもゼクトールも相手に不可解な点を感じていた。

コンタクトは疑問を解きほぐす糸口となるかもしれない。
しかし、絡まった糸に触れる事がどのような結果をもたらすのかはわからないのだ。



               ※       



ゼクトールは久しぶりに仲間の夢を見た。

エレゲン、ダーゼルブ、ザンクルス、ガスター……

クロノスを知り、激しい選抜試験を潜り抜け、幹部候補生となって超獣化兵への調整。
それから十二神将が一人、バルガスの部下としての数々の功績を上げた。

(俺の傍らにはいつもあいつ等が居てくれた)

彼等との出会いは時期も場所もバラバラであったが深い絆で結ばれるまでに時間は掛からなかった。
苦楽を共にした彼等と共に将来クロノスが治める世界を支えるつもりであった。

思い出すのは自らの黄金時代と胸を張って言える過去の日々。
未来への道は開けている筈だった、だがその夢は一瞬で黒く塗り潰された。

―――アプトム

自らを調整したバルカス最大の失敗、仲間を次々と捕食された光景、そして脚を奪われた悔しさが蘇る。
結果奴はガイバーと並ぶクロノス最大の敵とされるまでになった。

(クソッ! あの時仕留めておけば―――)

タールを満たしたような漆黒の中、浮かび上がるように何かがゼクトールの眼前に現れる。
それは薄笑いするアプトムの顔、忽ち怒りは頂点に達した。
殴りかかろうとしたが身体は何故か動かない、見れば黒いスライムが水飴の様に絡み付いている。

ゼクトールは唐突に喫茶店の出来事を思い出した、
女と直立する兎を追い詰めた筈が隠れ潜んでいたアプトムによって不覚を取った。
その時に自分を拘束・攻撃したのが今絡み付いているものと似た黒い触手。
だとすればこれは奴の一部か。

(おのれ、二度と失敗を繰り返してたまるか―――)

更なる力を四肢に込めた瞬間にゼクトールは覚醒した。
そこはやはり暗かった、しかしアプトムの憎らしい面構えは何処にも無かった。
136決着! 復讐の終わり ◆5xPP7aGpCE :2009/07/02(木) 01:14:14 ID:goBNHEhA

(夢を見ていたのか、俺は)

気絶してる間捕食されなかった事は不思議ではない。
再調整によってゼクトールの体内にはアプトムの捕食を阻む抗体と代謝を狂わせるウイルスが存在しているのだ。
だが捕食に失敗したとしても何故殺さずこんな場所に放置したのか?

「何を考えているアプトム……」

見渡せば建物の中らしいが照明は切られ、非常灯だけがぼんやりと闇の中を照らしている。
意識を取り戻すに従い強い異臭が鼻を突いた、腐った野菜を思わせる不愉快な臭いだ。
そして感じる息苦しさと何処かから聞こえてくる警報音、何が起こっているのか明らかだった―――

ガス漏れ、それも既にかなりの量がフロアに満ちている。
すぐさま動こうとしたが身体を締め付ける拘束具に阻まれた、複数のリングが腕と脚を縛り付けていたのだ。
何を考えてか知らないが、こんな姑息な方法で俺を殺せるかとゼクトールは怒る。

フンッ、と気合と共に力を込めるとミチミチと拘束具が悲鳴を上げた。
右腕は未だ再生途上だが引き千切るのに不都合は無い、結果数分と持たずに時空管理局の官給品は不燃ゴミと化す。
予想通りというべきか荷物は何処にも見当たらない。奴は何処だと考えた直後に闇の中でプルルルルと赤いランプが点滅した。

それは電話だった、わざわざここに掛けてくるような奴は一人しか居ない。
耳障りな呼び出し音を続かせずに左手で受話器を取る、すぐに神経を逆撫でする不敵な声が聞こえてきた。

『グッドモーニング、エリートさんのお目覚めは随分遅いな』

危うく受話器を握り潰しかける、ぬけめけとよくそんな事が言えるものだ。
だが奴がこの建物に居るのがわかったのは大きい、電話機にはしっかり『ナイセン』と表示されているからな。

『単刀直入に言わせて貰う、俺と手を組まないか?』

奴は何を言っている? 手を組もうだと?
どの口でそんな事を言えるのかと憤る俺に奴は更に続けた。

『貴様が何の為に俺を狙ったのかは知らん。だが生き残りたいと思うなら悪い話ではない筈だ。
 ギュオー閣下とも合流すれば生存の確率は更に上がる、深町晶と戦うにも有利だ』

俺は一言も返さずに奴の言葉を聞き続けた、内容は返事をする気にもなれん。
奴とギュオー、裏切り者同士が組むのはお似合いだが俺も仲間に加われだと!?
これ程の厚顔無恥とはな、怒りが突き抜けると案外に冷静になれるらしい。
返事せず黙っていると勘違いした奴がまた喋りだす。

『迷うのも無理も無い、だがお前は荷物を失った上に放送を聞き逃した。
 近くには誰も居ない、しかし承諾すれば荷物は戻り死者と禁止エリアの情報も手に入る』

そんなものに釣られるか! どれだけ人を舐めるつもりだアプトムめ。
このガスは脅しの手段という訳か、だが俺は命など惜しいとは思わん。
137決着! 復讐の終わり ◆5xPP7aGpCE :2009/07/02(木) 01:17:59 ID:goBNHEhA

『罠と思うか? 安心しろ、殺すつもりならとっくに殺している。
 頭を冷やせゼクトール、信じるかは自由だがこの島には閣下並みの実力者も存在する。
 全身銀色の男だ、万全で無い貴様では危うい。ここで俺を殺して何が変わる、後の事を考えれば今は組むのが最善だ』

悪魔将軍を知っている事からして声を偽った他者でもない。
俺を怒らせるのが目的でもない、奴は―――本気でこの俺を仲間にしようと考えている!!

『今すぐ返事できんならそれでも良い、だが情報を交換する程度はお前も支障は無いだろう?』
「ほう、お前は何が知りたいというのだ?」
『まずお前は何故俺を感情剥き出しで襲った? 俺には何一つ心当たりが無いのだが』

その瞬間、俺の中で何かが切れた。

「……アプトム、これが俺の返事だ!」

どこまでふざけた奴だ、エレゲン達の恨みを忘れるとでも思ったか。
これ以上の話は無意味だ、俺は奴が見てるであろ監視カメラに向け受話器を握り潰す。
すぐさま天井を見上げた。どうやらここは地下、ならば奴が居るのは間違いなく上。

「心当たりが無いだと? ならば直接身体で解らせてやる!」

復讐者の心が燃え滾る。
今度こそアプトムを葬らんとゼクトールは三度目の戦いに挑む。

二人の間には重大な齟齬があった。
アプトムの問いかけは彼にしてみれば当然の事。
しかしゼクトールはアプトムの無知を侮辱と捉え、結果―――逆鱗に触れたのだ。

アプトムは知らなかった。
ゼクトールが生存に全く興味が無い事を。
その命全てを仇と狙う自分の為に使うつもりである事を。

アプローチの仕方は悪くは無かった、ただ両者の目的は決して相容れなかった。
その事に気付けなかったのがアプトムの過ちであった。



               ※       



「チッ、損得勘定一つ出来ないのか奴は。どう考えても俺と組む方がマシだろうが!」

モニターを見ていたアプトムが罵声を吐きながら受話器を捨てる。
決裂だ、しかも情報は何一つ引き出せていないという最悪の結果ともなれば彼ならずとも罵りたくなるものだ。
138決着! 復讐の終わり ◆5xPP7aGpCE :2009/07/02(木) 01:21:19 ID:goBNHEhA

『やはり失敗か、君の言葉がよほど腹に据えかねたらしいな。本気で心当たりが無いのかね?』
「無い。そもそも実験体の俺と奴では顔を合わせてすらいないんだぞ! もういい、やれ」

ネブラに苛立った声がぶつけられる、承知したとばかりに触手が配電パネルに伸びる。
落とされていた地階のブレーカーが全て上げられた、これが決裂への備えであった。

ゼクトールが目覚める前に地階の照明と電気機器の配線は故意の損傷が付けられていた。
そこに電子の流れが再開する、銅線を伝わった電流は忽ち同時多発的な漏電と短絡が発生される。
地階に満ちていたのは適度な混合比で空気と交じり合ったLPガス、即席の点火プラグを種火として音速を超えて燃焼した―――

それは爆弾並みの爆発だった。
落雷の様な轟音と同時に鉄骨鉄筋コンクリートのデパートが突き上げる様に揺さぶられる。
地階防犯カメラの映像は全てが砂嵐に変わり監視パネル一面に赤いランプが点灯した。
その色とりどりの光景はまるでクリスマスツリー、建物全体に及ぶ非常事態発生が示される。

『こちらはまあまあ上手くいったな、彼はタフだから安心は出来ないがね』

アプトムとネブラは単純に元栓を開放しただけではない、爆発を発生させその威力を高める為にいくつかの工作を行っていた。
空調の停止はガスが排気を防ぎ、シャッターの閉鎖は地階をより密閉し爆発に好適な環境を作り出した。
それでも爆発の規模は大き過ぎる、これは途中調達したガスボンベを転がしておいた成果であった。

結果大量のガスが短時間で充満した、そして消火設備も働かない以上階層全域が燃え続ける。
全てのスプリンクラーは止めてある、後は炎にこの建物を明け渡すのみ。

一回の爆発だけでゼクトールが死ぬとはアプトムも思ってはいない、しかし無傷とはいかないだろうと考えていた。
爆発、熱、酸欠、有毒ガスの災害コンプレックスと呼ぶべき大火災を作り出して包み込む。
結果死なずとも体力を削り弱体化させられれば御の字だ、煙に紛れて隙を付く。
今度は躊躇無くゼクトールの命を奪う。

「出るぞネブラ、この建物はもう終わりだ」

アプトムは荷物を持って立ち上がる。
地階以外の防犯カメラには既に炎と煙で充満する各階が映し出されていた。
これもまた決裂への備えだった、放送前に着火した衣料品売り場の火災は既に上階の家具売り場まで及んでいた。
目的は煙と炎のバリケード、化学繊維の燃焼は大量の有毒ガスをフロア一面に撒き散らしていた。

だが上階の保安室にまでその煙は届かない。
何枚もの防火防犯シャッターで侵入を阻み、予め開放しておいた窓が煙突の役目を担って保安室を避ける排煙ルートを確保していた。
もちろん限界はある、建物全体が煙に包まれればやがて全ての空間に有毒ガスが侵入する。

だからその前に脱出するのだ、アプトムが保安室を出るとすぐ屋上に向かう階段が目の前に現れる。
このデパートは最上階が従業員の更衣室や休憩室、、機械室、保安室に割り当てられていたのだ、これもまたネブラに教えられた事だった。
しかし客向けの案内図をいくら眺めてもそのような情報は載っていない、ゼクトールが迷っている間にアプトムは遠くへと逃げられる。

屋上に出た途端ムンとした熱気がアプトムの全身を包む。
今しがた発生した火災によるものだけでてはない、市街地の大火も既にデパートに到達する寸前であったのだ。
時間が無いと見て取るやネブラが翼を広げ大きく羽ばたきだす。

火災の副産物ともいえる上昇気流に乗ってアプトムが空の人となったその時だった。
炎の全身を侵食され猛烈に煙を噴き出すデパートの奥底、爆炎に隅々まで舐め尽された筈の地階。
そこから、超高エネルギー粒子が空へ向け真っ直ぐ建物を貫いた―――

139決着! 復讐の終わり ◆5xPP7aGpCE :2009/07/02(木) 01:22:06 ID:goBNHEhA

               ※       



爆発に見舞われた地階食品売り場は大釜の底さながらに燃えていた。
爆風はシャッターを吹き飛ばし、そこからは猛烈に煙が流れ込んでいる。
消火設備は作動せず、難燃材も抗する事を諦めて次々に炎に屈していた。

彼の能力が本来のままであったら無傷とはいかなくても軽傷で終わっていたかもしれない。
この舞台、弱体化された肉体は本来耐えられる筈の爆発から容易にダメージを受けてしまう。

それでもゼクトールは生きていた。
爆発の衝撃で内臓を叩かれ、全方向から襲い来る熱に装甲を焼かれ、充満する煙は容赦無く呼吸器官を苦しめる。
既に常人なら酸欠で倒れているだろう場所で何も感じてないかのように立っている。
元々地中はおろか成層圏すら行動範囲とする能力の持ち主、酸素が欠けようがある程度は耐えられるのだ。

顔面を保護していた左腕を下ろし飛び散った破片を踏みしめる。
ゼクトールはこれより上を目指す、しかし闇雲に突っ込むつもりは無かった。
先程は喫茶店で女と獣に気を引かれた隙を付かれた、今回も同じ事が起こりえる。
それにこの煙の勢いと火の回りの早さ、恐らく他の階にも火は回っている。

(何があろうが吹き飛ばすまで、ここで奴を逃がす訳にはいかん!)

ゼクトールは燃える地階で羽を広げた。
辛うじて飛ぶ事ができる程度の損傷した羽、しかし今は飛ぶのが目的ではない。

―――ブラスター・テンペスト、ゼクトールの切り札

急速に周囲の熱が奪われてゆく、温度差が空気の流れを変えてゆく。
アプトムが放った炎が形を変えてゼクトールの体内に蓄積する、何時の間にか周囲にはダイヤモンドダストが舞っていた。
あれ程激しかった火災が今やくすぶる程度に治まっていた。

そして腹部の生体熱線砲発射器官が露出する、喫茶店で使わなかったそれは無傷。
そこに全てのエネルギーが集束される、敵より来たものは敵へと戻す。

(―――ッ!)

僅かに目が霞み、足が揺らいだ。
ダメージによるものか制限か、その両方かもしれない。
フロア全体を焼いていたエネルギーをその身体に蓄積したのだ、それは肉体に過度の負荷をもたらした。
しかしゼクトールは止めようとはしなかった、どれ程自らの命を縮める行為かを知りながら迷う事は無い。
羽が万全ならファイナル・ブラスター・テンペストさえ撃っていたかもしれない、だがそれは仮定の話、語る価値は無い。

「食らえアプトムゥゥゥッッ!!! ブラスター・テンペストォーーーーーーーッッッ!!」

遂にそれが放たれる、地下の炎も惨状も全ての景色が恒星の表面並みの光によって塗り潰される。
全獣化兵最強、ガイバーのメガスマッシャーにも匹敵する威力の粒子の奔流。

そこから全ては一秒にも見たぬ時間に起こった。
地下から屋上に至る十数枚の床と天井が紙の様に光のランスが貫いたのだ。
140決着! 復讐の終わり ◆5xPP7aGpCE :2009/07/02(木) 01:22:47 ID:goBNHEhA

だがその射線の延長にアプトムはいない、ゼクトールもそこまで期待した訳ではない。
建物全体は不可能としても罠を粉砕し最短距離での追撃ルートを開削するのがその狙い。
それのみでも十分成功した、そしてゼクトールも予想しなかった効果をもたらした。

断熱材とコンクリートを粒子と化したエネルギーが行き着いた先に有ったのは屋上の貯水タンク。
ステンレスの皮に蓄えられた数千リットルの水道水、それが全てのエネルギーを受け止めた。
原子の全てが加速する、数千度に熱せられた水は液体の姿を保てず数百倍以上に膨張した。

単純な水蒸気爆発では無い、到達したあまりの高温の為に分子の結合は断ち切られ水は水素と酸素に分解した。
超高熱の金属蒸気を纏ったガスの雲が屋上の半分程度に広がった時、水素と酸素が再結合し大規模な二次爆発が発生した。
これらは全て超獣化兵ですら認識できぬ刹那の間の出来事である。

アプトムとネブラは空中で爆発に巻き込まれた。
彼等の感覚では何が起こったのか理解できなかった、爆風は二人を飲み込み尽くし更に周囲へと拡大した。
衝撃波が建物を伝わる、上階から下へ全ての窓ガラスを粉々に砕きながらデパートを揺るがせる。

地下のゼクトールにもその異変は伝わった。
建物が崩壊するかと思う程の激しい揺れと流れ込む爆風、そして穿たれた穴を大小の破片が落下する。
原因を考えるのは無意味、ここに追撃の道は拓けた。

羽をコンパクトに畳みゼクトールは垂直上昇する。
デパートを貫通した大穴は巨大煙突となり炎と煙を噴き出していた。
上がるたびに羽が炎と瓦礫の破片で削られる、それでもゼクトールは飛び続ける。

そして視界が一気に開ける、炎に飲み込まれる市街地がそこにあった。
眼下には巨大なハンマーで万遍無く叩いたような屋上の光景、パンケーキの如く階が圧縮されて瓦礫の山と化している。
着地するとそれだけで足元に亀裂が走った、それが爆発の威力を物語る。

(アプトムは何処だ? 間違いなく奴は近くに居る筈だ)

空には姿が無い、先程上空から見回した限りでは人影も見当たらなかった。
かといって焼け落ちる建物の中に留まり続けているとも考え難い。
ゆっくりと爆発で陥没した跡地を歩いてゆく、パキリと何かを踏んで足を上げる。
砕けたそれはアプトムのサングラスであった、確かに奴はここに居た。

風の為時折煙が流れて視界を奪う、警戒を怠り無く歩を進める。
ジャリ、と踏み出したその時だった、煙の向こうで何かが動いた。
布切れの身間違いではない、確かに生物の動きで瓦礫の影から影に走っている。

「そこかっッ!!」

躊躇わずにミサイルを撃ち込んだ、寸分違わず狙った位置に着弾する。
ゼクトールの意識がそこに集中したその瞬間、真横の瓦礫から黒い触手が飛び出した。

それは、腕の無い右側から襲い掛かってきた。
それは、爆煙に紛れて一直線に首輪に狙いを定めていた。
煙の中でシルエットが交錯する、槍となった触手は確かに甲虫の影に突き立った。
141決着! 復讐の終わり ◆5xPP7aGpCE :2009/07/02(木) 01:24:14 ID:goBNHEhA
『馬鹿な……』

槍の先端は確かに首輪に触れていた、しかし表面を削ったのみだった。
外れた槍はそのまま装甲を突き破って肉体の奥深くに届いていた、だが彼を絶命させるには至らなかった。
勝負を決めたのは些細な事、ゼクトールの足元が窪んでネブラの狙いが僅かにズレたという事実のみ。

即座にゼクトールが反撃する、体内に深く喰い込んだ触手を電撃が焼く。
そして自らが巻き込まれるのも構わず触手の根元に向けてミサイルを連射する。
更なる屋上の爆発と破壊、遂に仇の姿が現れた。

鉄筋の残骸の中にアプトムは潜んでいた、その状態は酷かった。
一糸纏わぬ肉体は全身の火傷で爛れ、叩き付けられた際の裂傷であちこちでベロリと皮膚が剥けている。
それでもあれだけの爆発に巻き込まれて生きている事自体が脅威だった、ネブラスーツは立派にその役割を果たしたのだ。

しかし代償は大きかった、傷ついたネブラは飛ぶ事が適わず一本の触手を出すのが精一杯だったのだ。
あの影のタネも知れた。アプトムの手元に有ったのは黄金のマスク、幻覚を囮に逆転の一撃を狙ったのだろう。
もはや同じ手は通用しない、引き抜かれたネブラは三番目の主人から離れ餅状の姿で転がっていた。

それを見下ろすゼクトールもまた酷い姿だった。
自慢の装甲は焼け爛れて歪み、先程の傷口からは黒い液体がただ漏れとなっている。
全身から立ち上る水蒸気は彼が自らの肉体を限界以上に酷使した事を示していた。
あのブラスター・テンペストは彼の内臓までも焼いたのだ。

お互い命は尽きる寸前、ならその前に決着を付けるのみ。

「なぜ、だ……」

何故そうまでして自分を追うのか最後までアプトムには解らなかった。
命乞いしようが恐らくゼクトールは自分の生存を許さない。
問いかけは時間稼ぎの狙いもあった、しかし返ってきたのは膨れ上がる殺気。

「うおおおおおぉぉぉぉっっっっーーーーーー!!!」

望みは消えたとみるやアプトムは起死回生の反撃を試みた、背を向けるよりはその方が蜘蛛の糸が太かった。
狙いはただ一点、傷付いた首輪のみ。
体液を撒き散らしながら獣化すると同時に黄金のマスクを起動、周囲の瓦礫が一斉にワニと化す。
アプトムにとってもここで死ぬ訳にはいかないのだ、損傷実験体の仲間を殺された仇を取る為に。

伸ばした腕は届かなかった。
ゼクトールの拳がそれを迎え撃ちアプトムの手首は砕かれた。
それでも腕はもう一本残っている、顎で噛みつく事も出来る。

次は蹴りがアプトムの脚をガラス瓶の様に壊してゆく、だが上半身は勢いのまま懐へと飛び込んでゆく。
今迄味わってきた拷問紛いの実験が彼に痛みへの耐性をもたらしていた、遂に片手が首輪に掛かる。
142創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 02:31:32 ID:66I8nBfv
ksk
143創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 02:33:35 ID:66I8nBfv
ksk
144創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 02:36:11 ID:66I8nBfv
ksk
145創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 02:43:58 ID:afwodDQx
KSK
146決着! 復讐の終わり ◆5xPP7aGpCE :2009/07/02(木) 03:05:21 ID:goBNHEhA
(ソムルム、ダイム、必ずお前達の仇を―――)

それがアプトムの最後の意識であった。
大顎が頭を捕らえ、そのままスイカを割る様に挟み潰した。
力を失った胴体を高周波ブレードが分かつ、臓物を撒き散らして仇の男はずり落ちる。
それでも首輪を握り締めていた手首だけは落ちなかった、引き剥がした時には首輪が指の形に凹んでいた。

もはやそこに有るのは血まみれの肉塊、それを誰も生きているなどは思うまい。
―――ただ一人を除き。

ブチャリ! グチュッ! ブバッ!

ゼクトールは渾身の力で肉塊を踏みつけた、足で磨り潰し繰り返し拳を叩きつけた。
物言わぬ骸を砕き、引き千切り、赤黒い液体へと変えてゆく。
ここまでせねばアプトムは何度でも蘇る、肉片一つあれば再生する事をゼクトールは知っていた。

それは言い訳でもあった、肉体を滅失させるのが目的ならばもっと手っ取り早い方法がいくらでもある。
こうせねば気が済まなかった、それ程憎んでいた相手であった。

肉塊が肉片に変わる頃、汚れきったゼクトールはアプトムの首輪を掴む。
この島では首輪が壊されれば誰であろうと死ぬルール、握り潰せばアプトムが再生する可能性はゼロになる。
最初からそれをしなかったのはゼクトールの気持ちの問題、少しでも仲間の苦しみを味わわせたかった。
その願いも果たせた、焼け落ちる寸前の屋上にやがて金属がひしゃげる音が響く。
それが復讐は終わりを告げる鐘の音であった。


147それはきっと未来へと繋がる行動 ◆5xPP7aGpCE :2009/07/02(木) 03:06:28 ID:goBNHEhA



燃え続ける大火は既にデパートをその勢力図に治め尚も先を目指していた。
焼け落ちるのを待つばかりのその屋上、沈み行く夕日を眺めながらゼクトールは思う。


―――終わった


悲願を果たした男の胸に在ったのはそれだけだった。
滾っていた情熱の炎は今や湖水の様に穏やかになっている。
支えてきたものを失った肉体は立つ事さえ許してくれなかった、先の傷も相当な深手だったが来るべき時が少しだけ早まったに過ぎない。
間も無くこのデパートは全焼するだろう、だが苦しむ事は無い。
―――その前に彼は死んでいるだろうから。

僅かな猶予の中で考える、悪魔将軍は果たして待ち人に会えたのだろうかと。
かって同行していた少女の顔も思い出す、再戦を望まれていたが果たせそうも無い。

(フッ……俺の名が放送で呼ばれたら腹を立てるだろうな)

このまま朽ち果てた所で悔いは無いと思ったがそうでもないらしい。
アプトムを討ち果たせたのは将軍の情報があったからこそ、借り一つ返さずに逝くというのは男として不本意だ。
そんな事を思っていると突然語りかける声が聞こえた。

『気は済んだかね? ネオ・ゼクトール君』

驚いたゼクトールが首を動かして見た物は黒い餅を思わせる闇の住民ネブラだった。
一瞬アプトムの分体かと警戒するが首輪を破壊した事を思い出す。

「何者だ……?」
『初めましてと言うべきだな、私はネブラ。アプトム君の支給品だったものだ』

自己紹介しながらもネブラは目を出しただけで全く動かなかった。
他人の頭に乗せられて初めて本領を発揮できるものだという事をゼクトールに説明する。
爆発と電撃のダメージからようやく立ち直りかけたので口を開いたとの事だ。

『君は生きたいと思わないのかね? 飛べんというなら私が力を貸そう、ここで消し炭になりたくないのでね』

それは新たなる主人への誘いであった。
小砂、ズーマ、アプトム……以前の主人は皆死んだ、そして今度はゼクトールに使われたいとネブラは望んでいるのだ。

「蝙蝠め」

ゼクトールは唾棄同然に言い放つ。
彼は忘れてはいない、ネブラがどれ程障害になったのかを。
アプトムだけならば喫茶店で終わっていた、ここまで手間取ったのはこの支給品が邪魔をしたからなのだ。
なのにアプトムが死んだ直後にぬけぬけと協力を申し出る変わり身の早さ、一つの組織に忠誠を誓っていた彼には不愉快でしかない。

『私は君達と違って恥を感じないのでね。第一動けない私にはそうするしか無いのだ、どんな手を使っても娘の元へと帰らねばならん』
「利用したあげく俺が死ねば次の主に取り入るつもりか? 生憎お前の様な死神はここで焼け死ねとしか言いようが無いな」

血塗れの拳を黒い塊に叩きつける。
飛び散りはしなかったが餅の様に粘るそれは潰れて大きく変形した。
148それはきっと未来へと繋がる行動 ◆5xPP7aGpCE :2009/07/02(木) 03:08:01 ID:goBNHEhA

『う……止めてくれたまえ、せめて話ぐらいはさせてくれんかね?』
「いいだろう、最後に話すのが貴様の様な蝙蝠とは残念だがな!」

助けを求める気は更々無いし助かるとも思っていない、かといって死を待つ状態で他にする事も無い。
一方のネブラにとっては会話を繋ぐことが生存の鍵、冷静な口調だが内心薄氷を踏む思いであった。
屋上は既に煙と炎に包まれて灼熱地獄と化している。
ガス爆発に始まって、ブラスター・テンペストと屋上の水素爆発と続いた災厄はいつ建物が倒壊してもおかしくない程のダメージを与えていた。
何としてもゼクトールを変心させ、生存の糸口を掴まねばならなかった。

『では聞くが君は何故あれ程までにアプトム君を狙ったのだね? 手を組んでいれば今の状態は無かっただろうに』

ネブラもそこが気になっていた、誘いに乗らなかった気持ちはわからぬでも無い。
しかし死さえ恐れずに追ってくるのは理解できなかった、結果相打ち同然になろうとも満足げな彼を見て疑問は更に膨らんだ。
その質問はゼクトールの気分を悪くした、あの時の苛立ちを思い出したらしい。

「奴は俺の大切な仲間を殺した、最後に残された俺は復讐を誓って全てを捨てた。手を組むなど考えられるか!」
『それは本当かね? アプトム君は君と顔を合わせた事も無いと言っていたが』
「間違いなどあるか! 奴は笑いながら俺の脚を奪ったのだぞ!」

声を荒げるゼクトールに嘘の気配など感じられなかった。
ネブラは信じざるを得ない、それなら交渉が決裂したのも当然だ。
この街の有様もただアプトム一人を追い詰める為、ここに到って助かろうとしない理由をネブラは察した。

しかし―――この話には明らかに矛盾がある。
アプトムの言っていた事も恐らくは正しい、彼によれば何一つ心当たりが無い筈なのだ。
どう考えるべきかと困惑するネブラは似た事があったのを思い出す、接触が無い筈の黒い蛙は恥をかかされたと襲ってきた。
あの時の自分とアプトム、考えれば考える程酷似している。

『一つ訊ねるが……君はアプトム君に何かおかしな点を感じなかったのかね? どんな違和感でも構わない』
「奴は弱かった、俺を襲った時の奴とは比べ物にならん程弱体化していた。だがそれがどうした!? 奴は間違いなく本物のアプトムだった」

ゼクトールは素直に違和感を述べた、悪魔将軍から話を聞いた時から感じていた疑問。
しかし目的は謎解きではなく殺す事、だから本物と確信した以上考える事はしなかった。
―――奴は確かに仲間を殺したのだ!

『話を聞いて欲しい、私もこの島でとある参加者に身に覚えの無い恨みをぶつけられた。知ってはいるが会ってない相手にだよ。
 実に奇妙だ、君に私にアプトム君、皆が同じ違和感を抱いていた。原因は解らんがまるで記憶を抜き取られたようなものではないか』
「つまり奴は俺の記憶を失っていたとでも言うのか? 何の為にそんな事を……」

ネブラも同じ体験をしたと聞いてゼクトールも話に興味が湧いた。
馬鹿馬鹿しいと切り捨てないのは彼もまた納得出来ないものがあったからだろう。
妥当な仮説かどうか考えてすぐ、ゼクトールはそれが成り立たず更に不可解な事実が在った事を思い出す。

「いや待て、記憶がどうのこうのでは違和感の全てを説明できん。俺は開始直後にギュオーという男に会っているが奴は確かに死んだ筈。それに何故かゾアクリスタルを持っていた」
『ほう……? 是非とも詳しい話を聞かせてくれ』
149それはきっと未来へと繋がる行動 ◆5xPP7aGpCE :2009/07/02(木) 03:09:47 ID:goBNHEhA
裏切り者の事を教えるのに躊躇う理由は無かった、簡単にギュオーが失脚した顛末を伝えるとネブラは再び考え込む。
ギュオーについてはアプトムから合流を目指す相手として聞いていたがそんな話は初耳である。
死んだと思われた人間が生きていた事はありえなくも無いが、ゾアクリスタルは非常に希少でクロノス以外の者が持っている事は在り得ないという。

全ての矛盾を解決できる仮説―――やがてネブラはそこに辿り着いた。
しかし確証は無い、あくまで矛盾が無いというだけで材料一つで覆るかもしれない。

『ゼクトール君、残酷な質問かもしれないが聞こう。君は……アプトム君が本当に君の仲間を殺してないとしたらどう思うかね?』

ネブラは仮説そのものを口にする事は避けた、代わりに仮定の質問という形でゼクトールにそれを告げる。
ゼクトールもエリートとしての教養がある男、ネブラの言いたい事を直ぐに察した。

「満足だ。俺の考え通りならここでアプトムを殺した事で未来は変わる、犠牲になる筈だった奴は生きられる」

その声は晴れやかだった、復讐という後ろ向きの行いでは無く未来に繋がる行いなら素晴らしいとゼクトールは思った。
ネブラも考えが一致した事に満足する、間違い無いとは言い聞けないが可能性は高い。
二人共疑問が解けた所で話は続く、ゼクトールも仮説を誰にも伝えないまま終わるのは惜しいという気持ちが生まれていた。

「俺からも聞こう、放送でキン肉マン、ウォーズマン、高町なのはという名は呼ばれたか?」

今度はゼクトールが気になっていた事を質問した。
探し人が既に死んでいたのではこれからの話が無意味になる。
ネブラそのものは好きになれんが利用する価値はあると割り切ろう。

『呼ばれてはいないな、今回の死者は次の十人だ。それに気になる事を言っていたな』

ネブラが上げた名前はいずれも知らぬ人間だった、悪魔将軍やその探し人が一人も呼ばれなかった事に安堵する。
どうやら俺はまだ役に立てそうだった。
そしてもう一つ、放送で彼等自身が言っていた事によると『主催者は時々会場に姿を見せている』
心当たりが有ると告げるとネブラは目を丸くした。

「巨大カナブンを追っていた俺は草壁を見た、奴は裏切り者がカナブンをバックに入れたと言っていたぞ」

俺はその時の光景や草壁の言動を出来るだけ思い出してネブラに話す。
”情報統合思念体の科学の結晶”、”島全体を監視するのは流石に無理だから”、気になるキーワードはいくつか有る。
奴が裏切り者候補として挙げていた名前については最後の一人がよく聞こえなかったのは残念だ。
この情報が悪魔将軍に伝われば恩を返せた事になるやもしれん、蝙蝠が生存を目指すのなら確立を高められる。

「教えてやろう、俺の見たところ優勝にも脱出にも一番近いのが悪魔将軍だ。娘の元へ帰りたいのなら将軍に取り入るのだな」

そして俺は悪魔将軍とノーヴェの特徴、二人が湖でキン肉マン達三人を待っていた事を伝える。
聡い蝙蝠の事だ、情報とその三人を手土産にすれば将軍が喜ぶと気付いただろう。

『期待に沿えるかはわからんが会えば必ず伝えると約束しよう、早く私を頭に乗せてくれたまえ』

奴が急かす、俺が生きていなければ頭に乗っても力を発揮できないらしい。
ここでのんびり死ぬのも悪くないと思ったが手間を掛ける奴だ、止む無く掴んで頭に乗せる。
だが出来た翼は歪なうえに羽ばたきも弱弱しい。
150それはきっと未来へと繋がる行動 ◆5xPP7aGpCE :2009/07/02(木) 03:11:32 ID:goBNHEhA

「どうした、まるで飛び立つ気配が無いぞ?」
『まだダメージが抜け切れていない……それに君の体重は重過ぎる』

一言多いな、ここで獣化を解除した時点で焼死するだろうが。
俺は蝙蝠を頭から降ろすと焼け焦げたバックに詰めた。

「俺に考えがある、お前は次に開けられるまで中で待ってるがいい」

本当に世話が焼ける奴だ、俺は入っていたピアノ線の一方をバックに結ぶ。
片方はこっちだ、生体ミサイルを炸薬無しの長射程モードに調整して結びつける。
湖まで飛ぶか解らんが火災の範囲からは逃れられるだろう。

もはや使う事の無い残りのミサイルはバックに入れる、アプトムの首輪も将軍への土産になるだろう。
俺の残したものが後で役に立ってくれれば気分良く眠れるというものだ。
時間は残されてなかった、足元に立て続けに伝わる揺れは建物の崩落が始まった事を伝えている。
それに次第に目の前が薄れてきた、体力の限界も近いか。

「将軍に会ったらゼクトールはアプトムを討ち満足して死んだと伝えろ! ノーヴェが怒ったら悪かったとでも言っておけ!」

最後にそう告げてバックを閉める。
直ちに推力と射程の調整が終わったミサイルを南に向けて発射した。
やや遅れてピアノ線に曳航されたバックがその後を追っていく。
高度良し、方向良し、速度良し、これで思い残す事は何も無い。

熱さは既に感じなくなっていた、ゆっくりとその場に横たわる。
殆ど煙が埋める視界だったが風が吹く度に星か見えた。

(フッ、星を眺めるなど何年ぶりの事だろうな)

サバイバル訓練で方向を知る手掛かりにした時以来か、何もかも懐かしいものだ。
地鳴りの様に建物全体が震え始めた、そろそろ眠らせてもらうとしよう。
俺は睡魔に抵抗する事を止めた、こんなにも気持ちの良い眠りにつけるのは久しぶりだった。


エレゲン、ダーゼルブ、ザンクルス、ガスター、今そちらにゆくぞ……





【アプトム@強殖装甲ガイバー 死亡確認】
【ネオ・ゼクトール@強殖装甲ガイバー 死亡確認】
【残り26人】



151それはきっと未来へと繋がる行動 ◆5xPP7aGpCE :2009/07/02(木) 03:14:55 ID:goBNHEhA


※バックには以下の荷物が入っています。
ネブラ=サザンクロス@ケロロ軍曹、 光の剣(レプリカ、刀身折損)@スレイヤーズREVORUSION、金貨一万枚@スレイヤーズREVORUSION
ヴィヴィオのデイパック、デイパック×3(支給品一式入り、水・食糧が増量)、、ウィンチェスターM1897(1/5)@砂ぼうず
ナイフ×12、包丁×3、大型テレビ液晶の破片が多数入ったビニール袋、スーツ(下着同梱)×3、高校で集めた消火器、砲丸投げの砲丸、喫茶店に書かれていた文面のメモ
黄金のマスク型ブロジェクター@キン肉マン、ストラーダ(修復中)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ゼクトールの生体ミサイル(10/10)、首輪の残骸(アプトムのもの)



【拘束具@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
管理局員が用いる物理拘束具。対象の動作と魔力発動を阻害して行動を封じる。
普段は薄いボックス状で、使用の際に金具とベルトに展開させる。
第12話でルーテシアとアギトの拘束に使用したものと同型。


※B−7のデパートは全焼しました。
※碇指令のサングラス@新世紀エヴァンゲリオンは失われました。
※拘束具@魔法少女リリカルなのはStrikerSは失われました。
※ミサイルは南方向に向かいました。どこに着弾するのかは次の方にお任せします。

152 ◆5xPP7aGpCE :2009/07/02(木) 03:15:56 ID:goBNHEhA
以上で投下終了となります。
途中さるさんに巻き込まれてしまいました。
長期間にわたりお待たせしてしまった事をお詫びいたします。
153創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 03:49:37 ID:66I8nBfv
投下乙です!
ついにゼクトールが復讐を達成。でもここで力尽きるか……
本当にアプトムを殺した事で歴史が変わるのかどうかはわからないけど、今はとにかく安らかに眠って欲しい。
154創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 08:25:53 ID:67uly18O
投下乙!
まさか両者共死ぬとは…
155創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 12:16:27 ID:iKm9cXdg
投下乙
そうか、結局アプトムだけでなくゼクトールも死んだか
ある意味、時間が違うから無益な戦いだったが・・・・・・
そして蝙蝠野郎のネブラは南へ。こいつクール過ぎるんだよな・・・・
さて、どう転ぶかな?
156創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 22:55:53 ID:9XuiGy9L
投下乙!
ゼクトオォォォォォル!!
157創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 23:05:46 ID:YUmaGYpW
◆5xPP7aGpCE氏へ
wikiに収録しようとしたら少々容量オーバーしたんでどこで区切りましょうか?
158 ◆5xPP7aGpCE :2009/07/02(木) 23:09:10 ID:goBNHEhA
二分割しているのですが……
前半がオーバーしたのでしょうか?
159創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 23:14:52 ID:YUmaGYpW
>>158
すいません! 分割見落としてました!
160創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 15:26:33 ID:m8td2vaj
予約来ないな・・・・・・
161創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 19:16:26 ID:e/ViHQNO
遅れましたが投下乙ですー
アプトムもゼクトールも死んだか……二人の決着にふさわしい、素晴らしいバトルでした
多くの情報とアイテムを抱えたネブラは、今後の展開の鍵になりそうですね
162創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 19:28:25 ID:J6ENEYRS
>>160
高校生・大学生は夏休み前のテスト期間。
社会人はこの時期が、夏のボーナス査定などで頑張らなきゃいけない時期だからね。
163創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 19:31:36 ID:e/ViHQNO
たしか一月辺りにも予約入らない時期があったしなー
まだ慌てるような時間じゃない
164創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 21:24:35 ID:J6ENEYRS
現在 地上波で新劇場エヴァ放送中! 皆で冬月さんの活躍を見よう!
165創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 22:55:22 ID:JFPbvYQx
カヲル君出てたねー
166創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 23:43:28 ID:fPK9XvBo
カヲル君金曜ロードショー出演おめ
いやむしろシンジおめ
167創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 08:39:39 ID:vnnE96RJ
誰も触れないから敢えて書くけど原作で閣下復活おめ
168 ◆5xPP7aGpCE :2009/07/04(土) 09:14:53 ID:vsESyAtd
一部自己リレーとなりますが、
朝倉涼子、ヴィヴィオ、ドロロ兵長、リナ=インバース、深町晶、スエゾー、雨蜘蛛、水野灌太(砂ぼうず)を予約いたします。
169創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 09:19:56 ID:fD42PSD9
予約キター
170創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 12:35:48 ID:f3IO+LOM
おお、大量チャット組の予約が!
書くの大変そうだなとは思ってたんだが、ここでは何か動きはあるかな?
楽しみにお待ちしてます〜
171創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 13:59:39 ID:2LthtUfZ
>>168
楽しみにしています。
間もなく八方ふさがりになる、遊園地組の運命が気になります。
172創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 18:29:14 ID:IClY7Zyg
予約ktkr!
楽しみにしていますー
173創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 23:52:43 ID:y+o85YiU
>>171
まあ場所が遊園地ですし、海側にウォータークルーズ的アトラクションとかあってもおかしくないから、
それで脱出とかもありだと思う。
174創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 10:23:10 ID:wUOxhp6e
前回、5x氏が投下した作品のなかで損「傷」実験体になってたけど正しくは損「種」実験体じゃね?
175創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 18:41:59 ID:IFcdXlFT
>>173
いや、封鎖までけっこう時間あるから焦る必要ないんだよな・・・・・
ヴィヴィオが居ても大丈夫なぐらい時間はある
176創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 21:08:33 ID:TIrcGozt
某所に触発されて4番煎じクロスワード

@A□B■C
■□■□■□
■□■DE□
F□G■□■
□■□■■H
□■I□□□

タテのカギ
A第100話「○○○○・搾取・虎の巻」
B碇シンジの支給品、SOS団のマスコットの服
Cみんな大好きなもふもふ
Eこの○○コンどもめ!!
F崖の上の○○○
Gゼロスやなのはさんが埋葬した
H○○ン。ノーヴェの番号、もしくはボインの反対

ヨコのカギ
@ロワで最初に死ぬ人、このロワではカヲル君
D影の薄いケロン人。名前がCとちょっと似てる
F朝倉涼子の支給品、○○○ナイフ
I第152話「10個の○○○○」
177創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 22:11:43 ID:Eial/yJU
>>176
同じこと考えてたら先越されたww乙!
178創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 02:27:49 ID:UOjBfYyK
>>176
kskクロスワード乙!
179創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 20:54:11 ID:bpTAUwgR
死者スレになんか来てるwww
180 ◆igHRJuEN0s :2009/07/07(火) 00:58:57 ID:04D5Id6h
キョン、スバル・ナカジマ、ウォーズマン、閣下で再予約しても良いでしょうか?
181 ◆5xPP7aGpCE :2009/07/07(火) 01:25:03 ID:vcc/Oe9L
申し訳ありせん、延長お願いいたします。
182創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 06:34:29 ID:GUIaq4cz
>>180
自分は良いと思います

>>181
ゆっくり書いていってね!!
183 ◆igHRJuEN0s :2009/07/07(火) 12:22:56 ID:04D5Id6h
それでは、SS自体はできているので、今夜10時頃に仮投下スレに投下いたします。
184創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 13:54:35 ID:24Wua8YZ
>>183

いい加減にしてもらえないだろうか
流石に空気が読めてないにも程があるよ
 
大体、深夜に聞いてもう投下決定とか…
最低一日――どんだけ礼儀知らずでも夜まではは待つべきでしょう
なんつーか、あざとさが透けて見えるよ
185創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 14:23:13 ID:pvHCBs/Q
完成してるならいいと思うけどな
186創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 14:37:35 ID:24Wua8YZ
完成してるとかじゃなくてさ
 
作品以前の問題だよね
前はだらだら延長したあげくに中断やらで散々指摘受けて
今回はわざわざ深夜に投下してもいいかなんて聞いといて一日と待たずに投下決定とか
何にも学習してないだろ
前回も同じ事して叩かれてるんだよ?
 
マジでいい加減にしてほしい
187創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 14:45:53 ID:NDhNDdkX
仮投下だし別に良いと思うけどな。
人の少ない時期だし、書いてくれる事はそれだけで有り難い。
勿論展開に無理があれば修正ないし破棄になるが。
188創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 16:10:13 ID:D7YyB+E6
作品ができてるならささっと投下してくれた方がありがたいね、俺は
189創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 19:17:22 ID:+lzjrEoa
あ、レス183のigHRJuEN0s ID:04D5Id6hの人って、
前に滅茶苦茶叩かれてた人と同一人物?

とりあえず作品読みたいね
190創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 19:55:20 ID:blfnFfkm
口汚く罵る輩とかどこにでもいるね
荒らしだろうけどさ
191創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 19:56:00 ID:QxPK4KlT
何ヶ月でも待てるからなんら問題は無い
192創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 20:08:40 ID:sQTjDV9D
何ヶ月は言いすぎw
193創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 21:16:01 ID:mOUyDiZq
まだ中盤ってとこで2週間越えたらさすがにキレていい
194創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 21:35:42 ID:NDhNDdkX
お前達は全ての過疎ロワ住民を敵に回した!
いやここは盛況だし、楽しんで読んでるけどさ。
195創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 21:41:11 ID:HznnLmR8
盛…況?
かなり前から過疎に片足突っ込んでる気がするんだが
196 ◆igHRJuEN0s :2009/07/07(火) 21:58:08 ID:04D5Id6h
これより仮投下スレにSSを投下いたします。
197創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 21:58:19 ID:/JPGhRtH
>>195
お前は過疎ロワを嘗めた。
過疎ロワは月1回投下あるかないか、2回あったら多いぐらいだぞ。
198創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 21:59:34 ID:oVwIfGj2
>>195
これぐらいで過疎とか……
それは高望みすぎるぞ
199創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 22:09:17 ID:HznnLmR8
>>197-198
その…なんかスマン
過疎を甘く見てたようだ

>>196
乙!
仮投下スレいってくる
200創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 22:14:57 ID:24Wua8YZ
相変わらず文章の方が…
201創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 22:54:23 ID:MBQUqjjE
超高クオリティな文章をお望み?
このロワで新人を育てて美味しく頂くのも一興じゃないか

とりあえず投下終了を待とうぜ
202創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 22:56:56 ID:24Wua8YZ
向上心もないやつが伸びるわけないだろ?
少なくともこんな空気が読めないやつが伸びるわけがない
203創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 23:05:21 ID:PvMnqc0O
とりあえず皆ID:24Wua8YZはスルーで。
204創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 23:10:33 ID:/JPGhRtH
ID:24Wua8YZは明らかに荒らしじゃん。スルースルー
205創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 23:23:07 ID:mOUyDiZq
スルーしようって呼びかけてる奴こそが自覚の無い荒らしの法則が発動した
206創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 23:37:30 ID:1p8nop+c
それじゃあドサクサにまぎれて朝倉さんをいただいて
60分間なのはさんに挑戦
207創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 23:46:24 ID:6lTcr0KP
しかし阻止
朝倉さんは渡さん
208創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 23:48:03 ID:xVMIhtlU
>>206
それ何か違うw
209創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 23:52:28 ID:3mOvgBdi
トグサにまぎれて見えた
210 ◆NIKUcB1AGw :2009/07/09(木) 00:11:32 ID:QECEp08f
キン肉万太郎予約します
211創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 05:15:14 ID:ULdgQbjG
予約ktkr
212 ◆5xPP7aGpCE :2009/07/09(木) 07:02:37 ID:pd0V7Unw
予約期限をまたしても超過して申し訳ありません。
再延長したとしても期限内に完成するか厳しいのでひとまず今回の予約を破棄いたします。
目処が付いたら再予約するかもしれませんが他の方の予約が入ればお譲りします。
213創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 11:24:43 ID:hJtS+uZ/
>>210
予約キター!!!
wkskしながらお待ちしていますっ
 
>>212
了解しました…
多分予約は無いでしょうし、じっくりと書いてください!
 
賢明な判断乙です!
最予約楽しみにお待ちしています!!
214創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 17:04:55 ID:BiSfLxez
あ、予約来てるw
キン肉万太郎単独か
将軍を追うか、それとも・・・

予約破棄か
最近、延長し過ぎたら叩きまくる人が多いからそれでいいと思うよ
目途が立つまで再予約待ってます
215創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 17:31:43 ID:1L5yhW58
延長しすぎたら不満を持たれるのは当然だろう。
216創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 17:37:38 ID:ufaumHq4
まあ他ロワじゃ一週間以上も予約可能なんてありえないからなー
kskのそういう自由なとこ好きではあるけど、さすがにもうきっちりしないといかん時期かもね
217創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 19:55:39 ID:JPvagBbu
さすがにそろそろ3日じゃきついのかな
218創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 20:06:32 ID:r59Szt9f
あらかじめ長くなるなら長くなるで、申告してくれると物凄く助かる
219創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 20:49:52 ID:eVshZJpB
いや、延長前提の予約ってものについても「それってどうよ?」という疑問の声はあった。
だって1週間くれたら書きますって誰かが予約したとして、他にすでに書いていてあと3日で書けるって人がもし居たら悲惨じゃないか。
伸ばすならもれなく全員一律伸ばさないとダメだろう。
220 ◆NIKUcB1AGw :2009/07/09(木) 21:50:02 ID:9f27+NiE
キン肉万太郎、投下します
観客で埋め尽くされた競技場。その中心に、リングが設置されていた。
リングの中で、二人の青年がぶつかり合う。
一人は「最強の遺伝子を継ぐ男」。もう一人は「鉄面の鬼公子」。

「さあ、超人オリンピック決勝戦もいよいよ大詰め! 日本代表・キン肉万太郎がイギリス代表・ケビンマスクを追いつめております!
 万太郎、このまま勝負を決めるか! それとも、ケビンが鮮やかな逆転劇を見せるのかー!!」

実況を背に受けながら、万太郎は打撃のラッシュをケビンに浴びせる。
強固な鎧に身を包んだケビンだが、万太郎のラッシュは確実に彼の体力を削り取っていた。

「おりゃあっ!!」

気合いの叫びと共に放った万太郎の回し蹴りが、ケビンの側頭部にクリーンヒット。
ケビンはそのまま倒れ込み、キャンバスに膝をつく。

(よし、いける!)

今のケビンなら、マッスル・ミレニアムで一気にK.Oまで持っていける。
そう確信した万太郎は、おのれの必殺技を炸裂させるべくケビンに駆け寄った。
だが、ボロボロのはずのケビンの手が恐るべき速さで動く。その手は万太郎の頭部をつかみ、万力のごとき圧力で締め上げた。

「バ、バカな……! ケビンにまだこれだけのパワーが残っていたなんて……」
「ケビン? 誰だ、それは」
「え?」

指の隙間から、万太郎は自分の頭を握り潰さんとする相手の姿を見る。
彼が見たのはケビンの青い鎧ではなく、禍々しい銀色の鎧であった。

「ゲェーッ! 悪魔将軍!」
「死ねい、キン肉万太郎!」

悪魔将軍がその手に込める力は、どんどんと強くなっていく。程なくして、万太郎の頭は木っ端微塵に砕け――


◇ ◇ ◇


「うあああああああああ!!」

絶叫と共に、キン肉万太郎は目を覚ました。

「い、今のは……。夢……か」

気の抜けた声で呟くと、万太郎は溜め息を漏らす。彼は疲れ果てた状態で川辺にたどり着き、そのまま眠ってしまったのだ。
寝ている間に、ずいぶん汗をかいたのだろう。
川の水に濡れたボディースーツが、さらに別の水分を吸って体にまとわりついてくる。
その気持ち悪さに顔をしかめつつも、万太郎は体をほぐすべく軽いストレッチを始めた。
そうこうしているうちに、彼の耳に何度か聞いたことのある声が届く。

『全員聞こえているかな? まずは君達におめでとうと言ってあげるよ』
「この声……。そうか、いつの間にか放送の時間になってたのか!」

若干慌てつつも、万太郎は放送の内容を聞くことに集中する。

『話が長くなったけどこの勢いで最後まで頑張ってくれたまえ! 六時間後にまた会おう!』

長いようで短い放送が、終わりを告げる。それと同時に、万太郎は拳を地面に叩きつけた。
「くそおおおおおおお!!」

感情のままに、万太郎は叫ぶ。悔しくて、悲しくて仕方がなかった。
朝比奈みくると、碇シンジ。このバトルロワイアルで出会った二人の人間の名前が、放送で呼ばれてしまった。
二人とも本来なら自分が守らなければいけない、無力な存在だったのに。
それだけではない。万太郎の知らない人間が八人も、この六時間で命を落としてしまった。
その中には、殺し合いに乗ってしまった人間もいたかもしれない。だが、そんなことは万太郎にとってどうでもいい。
善人だろうが悪人だろうが死なせない。それが正義超人の使命であり、信念だ。
なのに、今の状態はどうだ。悪魔将軍やオメガマンのような悪の超人を野放しにし、守るべき人間たちをみすみす死なせている。

「何をやっているんだ、僕は……! うわああああああ!!」

万太郎は、今一度叫ぶ。その胸の内には、ふがいない自分に対する怒りと、殺人者や主催者への憎しみが黒い炎となって渦巻いていた。
肉体こそ頑強ではあっても、万太郎はまだ人間ならば中学校に通っているような年齢である。
その未熟な精神に、この状況はあまりに辛すぎた。たとえばミートのように支えてくれる存在が近くにいれば、話はまた違ってくるのだろう。
だが、今の彼は孤独だった。励ましてくれる友も、導いてくれる大人も側にはいない。
万太郎は、一人で全ての重圧を背負わなければならなかったのだ。
この過酷な状況が続けば、彼の精神は暴走しあらぬ方向へと突き進んでしまったかもしれない。

そう、「かもしれない」。これはあくまで仮定の話。事実は、そうはならなかった。
分岐点は、一陣の風。その風を呼んだのは万太郎の強運か、あるいはとある老兵の遺志か。
とにかく、風は万太郎の元へある物を届けた。

「ん? あれって……」

風に舞って自分の近くまでやってきた何かに気づき、万太郎は急いでそれに駆け寄った。
そして、それをつかみあげる。

「やっぱり。これ、ニンジャのおっさんの襟巻きだ。そういえば、オメガマンと戦ってる途中でなくしちゃったんだっけ……」

手にした布を広げながら、万太郎は呟く。
そう、その布は彼がオメガマンとの戦いで手放してしまったザ・ニンジャの襟巻きであった。

「考えてみれば、モールとここってあんまり離れてないからなあ。あそこに落としたのが、風に乗ってここまで飛んできたのか……」

独白を続けながら、万太郎は襟巻きを見つめ続ける。むろん、考えもなしの行動ではない。
何かが思い出せそうな気がするのだ。今の自分が見失っている何かが。

(何だろう……。何か思い出さなくちゃいけない、大事なことが……)

ふと、彼の目の前にザ・ニンジャの顔が幻として浮き上がる。

「!!」

その瞬間、万太郎の脳内に電流のごとき衝撃が走った。それと同時に、彼は自分が思い出すべきことを理解する。
まだ記憶に新しい、火事場のクソ力修練。
あの中でザ・ニンジャが、おのれの命を賭けてまで万太郎に伝えたかったことは何か。
その後のハンゾウとの戦いで得たものは何か。
それは、「無我」の心。
どんなに憎い相手でも、リングの上では私怨を忘れ純粋に強さのみを比べ合う。
火事場のクソ力の使い手……すなわちキン肉族王家には、そんなおのれの感情の制御が求められるのだ。

「…………」

無言で、万太郎は自分の行動を反省する。思い返してみれば、オメガマンと戦った時はアシュラマンを殺された怒りに満ちていた。
それ自体は悪いことではない。だが、それだけでは駄目なのだ。
怒りは制御できなければ、心を濁らせる。それは正義超人にとって致命的だ。
その制御のために必要なのが、「無我」の心。
それを欠いた万太郎があと一歩まで追いつめながらオメガマンを倒せなかったのは、ある意味当然と言えるだろう。
223創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 21:53:31 ID:T9dBTejR
ksk
「そういえば、ハムにもそんな感じで注意された気がするなあ。悪に対して怒りを感じることは、間違いじゃない。
 けど、怒りに任せて行動するんじゃなくて、上手くそれをいなさなきゃいけないんだ」

先程までの様子からは想像もつかぬほど静かな声で、万太郎は呟く。

「そうだ。みくるさんとシンジくんは死んでしまったけど、ハムと夏子さんはまだ生きている。
 急いで合流した方がいいのかもしれない。けど……」

仲間たちの元へ、一刻も早く駆けつけたいという想いはある。だが万太郎の脳裏には、銀色の悪魔の顔が焼き付いて離れない。
自分の味方にすら、平然と攻撃を加える冷徹極まりない超人。あいつを、このまま放っておくわけにはいかない。
キン肉万太郎としてではなく、正義超人の一人として。

「ごめん、ハム、それに夏子さん。もうちょっと二人で頑張ってもらうね。
 これ以上あの男を放っておいたら、どんどんと悲劇が生まれてしまう。
 一秒でも早く倒さなくちゃいけないんだ……。あの男を……悪魔将軍を!」

改めて襟巻きを首に巻き付け、万太郎は歩き出す。目指すは先程まで自分がいた場所、湖上リング。
目的はただ一つ。そこにいるであろう悪魔を倒すことだ。


今、万太郎を支えてくれる存在は誰もいない。だが彼の心の中には、今まで彼を支えてくれた仲間たちの思いが残っている。
それを思い出した万太郎の目は、今まで以上に輝いていた。

「へのつっぱりは……いらんですよ!」

敢えて父の言葉を借り、万太郎は戦場へと向かう。


【E-09 川のほとり/一日目・夜】

【キン肉万太郎@キン肉マンシリーズ】
【状態】ダメージ(大)、疲労(大)
【持ち物】ザ・ニンジャの襟巻き@キン肉マンシリーズ
【思考】
1.悪魔将軍を倒し、ガイバーを解放する。
2.危険人物の撃退と弱者の保護。
3.夏子たちと合流する。
4.頼りになる仲間をスカウトしたい。
  父上(キン肉マン)にはそんなに期待していない。 会いたいけど。
【備考】
※超人オリンピック決勝直前からの参戦です。

225 ◆NIKUcB1AGw :2009/07/09(木) 21:54:41 ID:9f27+NiE
短いですが、以上で投下終了となります
誤字脱字・矛盾等ありましたら指摘お願いします
226創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 21:55:04 ID:T9dBTejR
k s k
227創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 21:56:06 ID:T9dBTejR
ksk
228創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 22:17:52 ID:T9dBTejR
投下乙です!
ここでおっさんの襟巻きとは…うまいなぁ
万太郎が立ち直れたみたいで良かった
 
ただ、将軍の所に向かうのは吉とでるか凶とでるか
先に期待!
229創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 22:23:55 ID:lnYes9rx
投下乙です!
最初すわ湖のリングで戦闘か!?と騙されましたw
やっぱりヒーローを救うのは仲間にもらった言葉ですよね!
じんとくる話でした!

へのつっぱりはいらんですよ!
230創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 22:25:50 ID:W3P0jyGJ
マンターロ!マンターロ!
231創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 23:40:58 ID:eVshZJpB
投下乙です!
万太郎が勝利へつながる何かを掴んだか?
でも満身創痍には違いないし、この先どうなるか、続きが気になる展開ですね。
232創る名無しに見る名無し:2009/07/10(金) 00:27:03 ID:c9m+rcqC
投下乙!
ダメージは大きいけど、それでもこの万太郎なら何かしてくれるような気がするぜ!

マンターロ!マンターロ!
233創る名無しに見る名無し:2009/07/10(金) 10:01:44 ID:P86hD/tm
今のハルヒを見てるとここの長門はエンドレスエイトの途中で主催になったんじゃない?と思える。
今ならハルヒを殺し合いに放り込んでも違和感がないww
234創る名無しに見る名無し:2009/07/10(金) 12:18:04 ID:D3byyD9B
投下乙!
この状態で悪魔将軍に立ち向かうとは…さすが正義超人!
マンタがんばれー!
でも一人で立ち向かうのは自殺行為だぞーw
235創る名無しに見る名無し:2009/07/10(金) 21:34:09 ID:MMlGYZZh
投下乙!
マンタかっけぇ!
襟巻きの活かし方にテンションが上がりました。
しかし、スタンスの見えないハムとタママ次第では夏子さんがピンチになるかも。
今後に期待です!
236 ◆5xPP7aGpCE :2009/07/11(土) 00:14:01 ID:PH21lQ9t
質問なのですがウォーズマン、スバル、キョン(+ギュオー)を自己リレーで書く事はできるでしょうか?
237創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 00:36:59 ID:tlexTBAy
まだ他の放送後も投下されてないし、早いんじゃないかな?
そこが目に見えて遅れるようならありだけど、そうじゃないなら完全自己リレーはなるべくするものじゃない。
そこだと75%自己リレーになるしな。
238創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 09:35:12 ID:uKukcLZY
>>236
>>237の意見も兼ねて、今はまだやめておくべきってことで
239 ◆5xPP7aGpCE :2009/07/11(土) 09:37:16 ID:PH21lQ9t
難しいみたいですね、意見ありがとうございました。
240創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 09:43:09 ID:uQ9Wzx6s
自分は良いと思いますよ。
確かに5xPP7aGpCE氏の自己リレー率が高いですが、すでに二回も破棄がかかっているパートですし
ネタがあり状況が変わる様であるなら、いっそ自己リレーでも書いてもらった方が今後がスムーズに進めると思います。

そんなわけでむしろお願いします。
241創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 10:00:44 ID:fXBjp9l5
全然おkですよー
ぶっちゃけ、こんな過疎一歩手前の状況で自己リレー禁止とか言ってる余裕は無いですし
しかも破棄されまくりで書きにくいパートなので尚更です
 
予約お待ちしています
242創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 10:20:44 ID:Tcr6HZi/
俺もいいと思う。予約が全然入ってないんだし少しでも書いてもらった方がいい
243創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 10:22:22 ID:JoDAvjmZ
自分も予約して構わないと思います
あれだけハードルが上がってるパートなので書いていただけるなら本当にありがたい
この状況で自己リレー禁止とか言ってられる状況じゃありません
お待ちしていますね
244創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 12:07:33 ID:vVTZDzgI
ハードルがあがってるというが、その原因は5x氏にもあるんだぞ?
過疎なのも時期が時期なんだし、焦るようなものじゃない。
それに5x氏は散々キョン贔屓と言われる話を書きまくってる。
今回もまた予約して、それがまたキョン優位な話だったらキツイ意見は避けられないぞ。

つーかこのひと、チャット組の話はどうしたんだ?
245創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 12:13:55 ID:Br1wn++K
問題なしに一票だな。
これだけの期間空いてるパートだ。
時期の問題じゃなく、根本的に「書ける」人が殆どいない状況と考えるべき。
246創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 12:23:30 ID:fXBjp9l5
流れ的に問題ないみたいだね
 
て事でお待ちしています!
247創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 12:31:53 ID:wKqxqbRH
一応まだもう少し待ってみるべきでは?
248創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 12:35:09 ID:kYHjaGM3
自己リレー自体は結構時間経ってるしありだと思うけど
評価がほかの人より厳しくなることは確定的に明らか
つか破棄されまくりというが、3回あった破棄のうち
1つは5x氏だし2つは実質一つだしでいうほど破棄はされてないぞ
なんにせよまだ焦る必要はないし危機感を煽るな
249創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 16:05:00 ID:mN+nTLBq
>>245
その可能性はあるけど、それは全体的に書き手が忙しい時期だって可能性を否定する材料にはなってないよ。

別に急がなくてもあと1週間ほど待ってもらえば予約解禁から1ヶ月経つから、
そしたらキリもいいから全体的に自己リレー解禁って事にすればいいんじゃない?
250創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 16:43:04 ID:8C9oe48Z
他の書かれてないパートがある以上まだ自己リレーは早い気も。

つかまだここは全然過疎じゃない。本当の過疎ロワは数週間雑談さえないんだぞ?
251創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 17:00:17 ID:SyJ2vbAn
下と比べても仕方がないじゃん。
不幸な人に「もっと不幸な人だって居るんだから我慢しなよ」
って言っても、その人が不幸だと感じている時点でそれはもう不幸な訳で。

それでもここは全然過疎じゃないと思うよ、作品一つに結構感想ついてるじゃないかさ。
252創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 17:00:53 ID:npY1mOms
反対に一票。
破棄されたとはいえ、ついこの間書かれたばかりのパートだし自己リレーはまだ早いと思う。
253創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 17:33:43 ID:JoDAvjmZ
あーあ、折角流れが戻りかけてんのに自分らで潰すんだもんね
254創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 17:34:24 ID:JoDAvjmZ
>>252
つーかそれ理由になってなくね?
255創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 17:41:38 ID:8rRFqx1t
議論は議論スレでやることに一票
256創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 18:03:20 ID:wKqxqbRH
>>251
理屈は分かるが、その言い分って過疎ロワを貶しているようにも見えるぞ
257創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 18:43:38 ID:rLWLR4kN
実際、過疎とか死にかけとかでは全くないよな
前回だって月報上位だったし、今回だってしばらく凍結されてたから減るとは思うけど二桁はいくと思うしな
258創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 21:02:48 ID:SyJ2vbAn
>>256
そんなつもりは無かったんだけど、確かにそう読めるね……。
ごめんよ。
ここはここ、他所は他所なんだから比べる必要は無いって言いたかったんだ。
259創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 22:31:59 ID:yBwXCOXU
とりあえずしばらく様子見でいいと思う
本当に予約が付かないなら自己リレーもありだが
260創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 23:15:45 ID:fXBjp9l5
予約が付いてないから言ってるんだけどね
261創る名無しに見る名無し:2009/07/12(日) 13:56:58 ID:ws/vlUo0
月報上位ってすげーな。見てないから全然知らなかった。
さすがロリともふもふとksk…
262創る名無しに見る名無し:2009/07/12(日) 15:25:21 ID:xuboaiyn
そういえばもうすぐ月報だなー
263創る名無しに見る名無し:2009/07/12(日) 15:31:42 ID:IuKnL/S6
さて、今回はどこまで下がってるやら
264創る名無しに見る名無し:2009/07/12(日) 22:21:07 ID:WrUXnG08
>>261
たしか前回は7位かそこらだった気がする



しかしいつの間にやら参加者も半分近くが死んだんだなあ……
265創る名無しに見る名無し:2009/07/12(日) 23:02:45 ID:lRuX+QNs
今確かめたらマルチと同着で五位だったよ
266創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 00:30:30 ID:9jfTOCgf
マルチは放送跨いでも順調なのにな……。
書き手方の都合が付くまでは我慢だ我慢。
267創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 09:32:06 ID:V5bW+vTX
というか5x氏はどうしたんだ?
延長長すぎだろ。
268創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 11:11:27 ID:5Nb0nhE4
え?今どこにも予約入ってないと思うけど…
269創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 13:46:02 ID:V5bW+vTX
あ、ごめん。見間違いだった……orz
270創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 20:16:38 ID:nLAZR8xE
なんとなく雑談のネタを振ってみる

お前らキャラの死に様で一番印象深いのは誰だい?
今のところナーガ様の信念を貫いた上での死亡が一番好きだ
271創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 20:45:47 ID:8xYBc9Xm
印象深いのは複数あるけどあえてサツキをあげる。
タママにボコボコにされアスカに滅茶苦茶に蹴られて死亡。
死んだ後もゼクトールに打たれて最後は黒焦げになって焼失。
とことん哀れな子だったなと思う。

没ネタを含めていいのなら古泉も。
272創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 20:46:38 ID:uQrPGTeW
ナーガ様は俺も好きだ。なんかアニメの最後を思い出したんだよなぁ。
しかし、ナーガ様はいつから「様」付けがデフォになったんだろう?
273創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 20:50:18 ID:RaYSuPgS
キョンがパシリになってからじゃね
274創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 20:59:38 ID:FwQGUHI/
最初のkyonとのバトルが格好良すぎたからじゃね?
275創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 22:21:24 ID:5Nb0nhE4
>>270
自分はハルヒの死亡話かなー
あのあっけない感じで死んでそのあとに残る欝はひどかった(誉め言葉
死に様とはちょっと違うがkyonが戻れなくなった話だし

あとシンジの死に様は忘れられないなー
もう可哀想としか!
276創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 23:02:11 ID:r6TuAKLm
あれは……史上まれに見る死に方だよな。
ナニがちぎれてショック死なんてこれが最初で最後じゃなかろうか。

俺もナーガ様が一番かな。
マーダーという点ではいまいちだったけどその貫禄はすごすぎる。
277創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 00:15:45 ID:OjZJOTFc
アスカはアスカで印象深いんだけどね
ロワで受けた不幸や不運を負の方向に成長させて化け物と化した彼女は怖いけど哀れだった
278創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 00:28:17 ID:FiH2vxPf
アスカはとにかく負の方向へ突き進んでたからな。それに運も悪かった
279創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 00:29:40 ID:OjZJOTFc
ただ同情出来る点もあるけど自業自得な部分も多いんだよな
それに敵に回したらムカつくしw
280創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 00:42:22 ID:4tAghPmV
エヴァ勢はシンジくんじゃなくてシンジさんだったら多分熱血対主催だったなw
そして、惣流じゃなくて式波だったら正ヒロインになれたに違いない
281創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 00:45:02 ID:v4B4syyA
そんな彼女を助けても、まったく報われないゲンキって・・・・・・
ちなみにインパクトでシンジに勝る者無し。異論は認める。
282創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 18:48:08 ID:4tAghPmV
>>276
とあるロワでは男性器が潰されたが空飛ぶ箒に乗って、強力マーダーと空中戦繰り広げている魔法元少年てのがいたなw
283創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 19:57:50 ID:05ggtKdO
俺もナーガ様だなぁ…様付けせずにはいられない格好良さだ。
だがナーガ様とは別方向でシンジの死に様も凄まじいインパクトだった
284創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 20:10:10 ID:cjk8tpRy
>>282
それって英雄の息子かい?
285創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 23:12:35 ID:Kjrlj2UV
自分のイメージは、

ハルヒ勢→死亡そのものはあっさりだが、その前後の荒れっぷりが凄まじい
シンジやナーガ様→影響はさほどないが、死亡時のインパクトが強すぎる
286創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 23:16:03 ID:FiH2vxPf
シンジくんは参戦時期によってはシンジさんになる道もあったかもしれない
287創る名無しに見る名無し:2009/07/15(水) 10:11:10 ID:3dTLVvDs
おまいらガルル中尉を忘れるとはどういうことだ!

当たりどころの良かった弾など存在しない
のあたりは号泣もんだったなぁ
288創る名無しに見る名無し:2009/07/15(水) 12:00:19 ID:3P58U6a2
あー、確かに
ガルルとアシュラマンとガルルの死に様は格好よすぎた
289創る名無しに見る名無し:2009/07/15(水) 20:17:40 ID:QuAUWBNt
そういえば第三回投票やってないな
290創る名無しに見る名無し:2009/07/15(水) 20:20:34 ID:8O96XvNu
>>286
シンジさんって新劇場版のことなら
ロワ中で仲良くなったヤツのために奉仕マーダー化もあり得そう
291創る名無しに見る名無し:2009/07/15(水) 20:55:49 ID:yii578Zx
>>289
人気投票やりたいなぁ
俺が集計人になろうにも10レスずつしか表示されない携帯じゃ、集計するのに根気がいるし

>>290
新劇場版のシンジ君は、さんづけされるぐらいに凄いのか
292創る名無しに見る名無し:2009/07/15(水) 21:22:19 ID:aFiMnj+J
>>291
ネタバレになるから詳しくは伏せるが、とにかく漢だったな。特にラストが



たしかに人気投票はやりたいね。集計くらいなら俺やろうか?
前二回みたいな凝った結果発表まではできるかわからないけど。
293創る名無しに見る名無し:2009/07/15(水) 23:57:41 ID:OAoc2fhR
人気投票、俺も気になる。毎回同じ人が告知、集計してたからどうしようか迷ってたが…
予告で、第2回の必要な部分だけ書き換えて載せるってんならやるよー。
部門はアレ以上は要らんかなぁとは思うから、ホント話数とかの書き換えだけだけど。
集計はお頼み申したい>>292
294292:2009/07/16(木) 00:25:44 ID:+s+72vnX
>>293
了解、集計は任されたー
投票日時は読み直しの時間も踏まえて次の月曜から一週間とかがいいと思ったんだけどどうだろう。急過ぎてもなんだし
295293:2009/07/16(木) 00:32:10 ID:I5Vt+htV
おお、じゃあ言いだしっぺの俺が告知やるぜ!
大して意見出てない中で悪いけども…何かある?追加して欲しい部門とか。いやこれは集計さんが大変か。

セリフ部門は前回の通りだと0話から第3回放送までだが、すっげー多くて集計にならないかもしれないから、
第2回放送後の作品〜第3回放送にしようかなと思ってる。これだけは前回告知と変えるわー。

開始は月曜か。いいかもね。
じゃあ日曜の夜中、避難所のイベントスレに人気投票告知出すよー
296創る名無しに見る名無し:2009/07/16(木) 00:59:47 ID:ngjZbZfz
お二方頼んだ。
何か盛り上がるようなネタ思いついたら微力ながら手伝うよ。
297創る名無しに見る名無し:2009/07/16(木) 08:56:58 ID:d9z2zXnX
ログ見たら氏は投票終了後たった数時間であれを書き上げてたのか
結果出るまでネタの考えようもないのにすげぇな
298創る名無しに見る名無し:2009/07/16(木) 15:29:44 ID:ijz5h8+3
>>295

日曜の夜中に告知して月曜開始って…告知期間短すぎない?
299293:2009/07/16(木) 15:54:29 ID:5Q4030K9
>>298
ごめん、俺告知ってあんまよく分かってないのかな。
投票開始しますっていう合図みたいなもんかなーと思ってて。

月曜からやるってことここで話しちゃってるから、月曜から始まるのは
皆分かってるんだろうし、投票開始の月曜に間に合うように告知を出せば、
いつ出しても同じかなとか思っちゃってた。
だもんで、月曜一歩手前までになんかアイデア出たら嬉しいなーと。

じゃあ今日の夜にでも告知書き込みます。教えてくれてdクス>>298
300293:2009/07/16(木) 21:02:11 ID:5Q4030K9
ってわけで書き込んできました人気投票告知。
「KSKロワイベントスレ」です。
何度も読み返したけど、大丈夫かな?あんまりこういう事やらんから凄く心配だ…
301創る名無しに見る名無し:2009/07/16(木) 22:46:42 ID:kVnB5xa3
そういやキン肉マン2世って二期もあるんだな
302創る名無しに見る名無し:2009/07/16(木) 23:39:57 ID:Fs+NIbip
てか、万太郎はケビン戦直前からの参戦だから二期のじゃないか?
まあ二期ってニコにもまったく上がってなかったりで凄い知名度低いが
303創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 15:48:34 ID:GTyfu+pd
304創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 16:31:02 ID:Wioa1+XA
>>303
おお、地図乙ですー
こうして見ると、大分減ったなあ・・・
305創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 19:15:20 ID:iyJHy+Gi
キン肉勢つえーな
306創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 19:33:08 ID:z76aChbS
地図乙です!
ホント、ぱっと見て減ったなーと思う。半分ぐらいまで来たってとこか?
307創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 21:04:15 ID:GKCCIKjA
wikiが見れないんだが……落ちてる?
308創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 21:06:54 ID:Wr6YYRGO
落ちてるね
309創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 21:24:36 ID:GKCCIKjA
入れた。
けど過去ログが見れない……
310創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 16:16:15 ID:IQ/IGtGy
ううむ…投票に備えて読み返してるんだが、とても五つに絞れそうにないぜ
311創る名無しに見る名無し:2009/07/19(日) 00:00:44 ID:aTUFKr8J
俺も絞るの大変……特にキャラが。
把握作品トトロだけなのに読んでったら、どのキャラも原作知らないのに魅力的に見えちゃって困るぜw
これも書き手さんがハイレベルなおかげだな
312創る名無しに見る名無し:2009/07/19(日) 00:21:29 ID:2YvP38kZ
トトロしか知らないでこういう企画見てるのも凄いなw
313創る名無しに見る名無し:2009/07/19(日) 10:18:22 ID:l6qWYFZo
ガイバーなんて、このロワ踏み入る前はガンダムみたいなロボットものかと思ってた。
仮面ライダーやテッカマンと同列のヒーローものとは知らなかった。
314創る名無しに見る名無し:2009/07/19(日) 12:18:48 ID:MLNBkD/C
砂ぼうずがこんなに面白いとは思わなかったなぁ
コミカルで外道なんて反則だw
315創る名無しに見る名無し:2009/07/19(日) 19:32:08 ID:Ip2x80Sj
このロワに出なかったら多分一生見なかったって作品が多いな
kskロワのおかげで、ガイバーや砂ぼうずに出会えた
316創る名無しに見る名無し:2009/07/19(日) 19:57:26 ID:mhQe662c
俺もガイバーとかモンファ見たことなかったが、ガイバーもモンファもアニメ見て相当好きになった。
あの黒光りする重厚な姿、ゼクトール大好きだ。モンファもギンギライガーかっこいいし……
クリーチャー関係好きにはガイバーはマジたまらんw
317創る名無しに見る名無し:2009/07/19(日) 20:19:05 ID:vzTyg+PX
ガイバーやなのはや砂ぼうずはタイトルすら知らなかった……
安価神は素晴らしい出会いの場を用意してくれたw
318創る名無しに見る名無し:2009/07/19(日) 21:04:45 ID:LMdKuL1f
逆に言えば安価神次第では、今頃チャージマン研がボッチ扱いされてたり、マージョ様が朝倉さんポジションだったり、コンボイとヒカリ超一郎がチャット組組んだり、サンダーガイストがマスコットだったりした可能性もあるわけか
319創る名無しに見る名無し:2009/07/19(日) 22:46:24 ID:Ip2x80Sj
ksk最初の安価も、一歩間違えたらスレイヤーズじゃなくてはだしのゲンが取ってたしなw
320創る名無しに見る名無し:2009/07/19(日) 23:04:36 ID:l6qWYFZo
はだしのゲンやチャー研とか入ったら更にカオスなことになってただろうなww
しかし、一歩間違えればそれ以上に酷いアニメまで入ってたろうに。
やっぱり、このロワの存在は奇跡だな。
321創る名無しに見る名無し:2009/07/20(月) 00:16:27 ID:wvM9XDdG
第三回人気投票が始まりますた
322創る名無しに見る名無し:2009/07/20(月) 00:22:16 ID:fpKqEQ5D
まだ全然5位まで決めた部門ないぞ…順位付けるの難しいわw
323創る名無しに見る名無し:2009/07/20(月) 00:23:45 ID:F/AsDBR3
どうせなら全部門投票したいしね
しかし投票って範囲内のSS読み込むからフラグ確認とかもできるな
324 ◆YsjGn8smIk :2009/07/20(月) 18:44:43 ID:omdbq7oT
予約させてもらいます。

キョン、スバル・ナカジマ、ウォーズマン、リヒャルト・ギュオー、トトロを予約します。
ちょっと待った前提の五日間の予約でお願いします。
325創る名無しに見る名無し:2009/07/20(月) 18:47:41 ID:gZKc3t2o
のこり生存者数少ない作品が結構あるのにはだしのゲン勢は未だに一人も死んでないな
326創る名無しに見る名無し:2009/07/20(月) 19:00:51 ID:kYXuON7s
お前は何を言っているんだ?
327創る名無しに見る名無し:2009/07/20(月) 19:14:40 ID:wvM9XDdG
>>325
誤爆・・・なのか?

>>324
期待してお待ちしております!
328創る名無しに見る名無し:2009/07/20(月) 19:17:37 ID:EjkRGXnI
いいや違うな
きっとどこかの平行世界では、安価神の気まぐれではだしのゲンが出てる世界があって、
おそらくそこのスレと混線したんだろう。

つまりこのスレは異世界につながっているんだよ!
329創る名無しに見る名無し:2009/07/20(月) 19:22:44 ID:zr48CL5m
       ,,、,、、,,,';i;'i,}、,、  
       ヾ、'i,';||i !} 'i, ゙〃
        ゙、';|i,!  'i i"i,       、__人_从_人__/し、_人_入
         `、||i |i i l|,      、_)
          ',||i }i | ;,〃,,     _)  なんだってー
          .}.|||| | ! l-'~、ミ    `)
         ,<.}||| il/,‐'liヾ;;ミ   '´⌒V^'^Y⌒V^V⌒W^Y⌒
        .{/゙'、}|||//  .i| };;;ミ
        Y,;-   ー、  .i|,];;彡
        iil|||||liill||||||||li!=H;;;ミミ
        {  く;ァソ  '';;,;'' ゙};;彡ミ
         ゙i [`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ   _,,__
          ゙i }~~ } ';;:;li, ゙iミミミ=三=-;;;;;;;;;''
,,,,-‐‐''''''} ̄~フハ,“二゙´ ,;/;;'_,;,7''~~,-''::;;;;;;;;;;;;;'',,=''
 ;;;;;;;;''''/_  / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';;:;;;;;;;, '';;;-'''
'''''  ,r'~ `V ヽニニニ二、-'{ 十 )__;;;;/ 
330創る名無しに見る名無し:2009/07/20(月) 19:30:09 ID:q1qWBi2B
>>324
予約キター

>>325
ワロタwww
331創る名無しに見る名無し:2009/07/20(月) 20:37:37 ID:FG+xEpzT
あ、予約来てる
この組にトトロまで来たか
332創る名無しに見る名無し:2009/07/20(月) 21:26:45 ID:mtJ8gJzj
実際ゲンが参戦したらどうなるんや……ギギギ……
333創る名無しに見る名無し:2009/07/20(月) 21:32:24 ID:kYXuON7s
>>332
支給品に原爆が支給される
334創る名無しに見る名無し:2009/07/20(月) 21:36:22 ID:lPffH1gT
>>332
タツオさんじゃなくて闇市の帝王こと朴さんが主催になる
335創る名無しに見る名無し:2009/07/20(月) 22:17:16 ID:yF2yqIB1
>>332
ガイバーユニットの代わりにヒロポン
336 ◆5xPP7aGpCE :2009/07/21(火) 00:03:52 ID:mzrF2e1w
川口夏子、ハムを予約します。
337 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/21(火) 00:38:42 ID:Mg6I8tqP
高町なのは、冬月コウゾウ、ケロロを予約させて下さい。
338創る名無しに見る名無し:2009/07/21(火) 00:47:44 ID:fKXb78if
ウェーーーブキター!!

>>318
ところで携帯だから過去ログを見れないんだけど、あと一歩で安価に入りそうだった参加作品って何があるの?
339創る名無しに見る名無し:2009/07/21(火) 00:49:27 ID:fKXb78if
sage損ねた
340創る名無しに見る名無し:2009/07/21(火) 01:16:20 ID:1biHJRzo
予約がまったくなかったのに一気にウェーブで来たー!
期待して待ってるぜ!
341創る名無しに見る名無し:2009/07/21(火) 05:04:15 ID:tMHDIPLS
久々にウェーブキター!!!
お三方、楽しみに待っております!
342創る名無しに見る名無し:2009/07/21(火) 11:12:47 ID:879ubkuD
ウェーブキター。待ったかいがあったぜ
343創る名無しに見る名無し:2009/07/21(火) 15:27:28 ID:XLQ3hM3A
>>338
作品と言うよりカヲル君は凄かったよ……
344創る名無しに見る名無し:2009/07/21(火) 20:33:33 ID:W5OkwTmD
ゲンドウも結構惜しかったな
まぁカヲル君には負けるけどw
345創る名無しに見る名無し:2009/07/21(火) 21:31:31 ID:gm05QKjE
最後の方は皆してカヲル君狙ってたのになww
346創る名無しに見る名無し:2009/07/21(火) 22:11:19 ID:Bsr2TrdT
カヲル君はこれで良かったんだよ
正直出ても持て余されそうだし
347創る名無しに見る名無し:2009/07/21(火) 22:20:32 ID:Cszo4jXn
そっちの方が面白いしなw
 
つか、投票こないな…
348創る名無しに見る名無し:2009/07/21(火) 22:50:09 ID:dCjVpUak
やっと投票できた!!物凄い悩んだwww
週末辺りに投票ラッシュが来ないかとwkskしてみる
349創る名無しに見る名無し:2009/07/21(火) 23:14:16 ID:fKXb78if
>>345
できればその辺りをリアルタイムで見たかったwww
350創る名無しに見る名無し:2009/07/21(火) 23:16:54 ID:6iBgM/tQ
そっか、投票始まってたんだ。
どれに投票するか悩むな…。
351創る名無しに見る名無し:2009/07/22(水) 12:01:31 ID:Pcs4H+NW
第一、第二、第三放送終了後の地図を載せたいんだが、
wiki管理人さんいますかー……?

いないんだろうなぁ……
352創る名無しに見る名無し:2009/07/22(水) 20:44:31 ID:KwU+S+Kq
やったー!管理人はなくしたパスの書いてあったファイルを掘りだしたぞー!


マジごめん
353創る名無しに見る名無し:2009/07/22(水) 22:54:26 ID:fQAvqVYH
ちょwwwおまwww
354創る名無しに見る名無し:2009/07/22(水) 23:10:25 ID:RQlPxVwx
      /| ,/|          ヽ_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ノ
      く K 」    m       )                   (
 !! _r'"    `ヽ  ノ    r 、  )   第三回投票告知!!   (
  ミ(~ ゚-‐   、∧_∧ /    )                   (
  ,i'" ''ヾ`ヽ   ミ,    )   __Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
 i'^ ヘ  `l    と, 皆 ヽ ==--- ̄ ̄
 |   ^       "ミ__>  ====----
           _ヽ_)_)
     "'"'゙''""''''゙""´
 
 涙あり笑いありの人気投票がかえってきた!
 第三回放送記念、人気投票拡大版でございます
 前回同様各部門につき一人五票(一位〜五位)、結果はポイント集計で行います
 投票会場はしたらば内「KSKロワイベントスレ」の予定です

KSKロワイベントスレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/anime/7056/1229220886/

 ≪開催期間≫ 07/20(月)0:00〜07/27(月)0:00
 ≪対象≫ 【122 異世界人の考察】〜【181 第三回放送】までの計60話
       (【セリフ部門】の対象も上と同じです)

 ≪部門≫
 ・あの話がおもしろい怖い楽しい大好きだ! 【SS部門】
 ・このキャラが好きだ可愛い気になる気に入った! 【キャラクター部門】
 ・その台詞に燃えた泣いた震えた惚れ込んだ!【セリフ部門】

 以上三部門で投票を行います。各部門につき五票までどうぞ

 ≪おまけ≫
 書き手さんへのラブコール(一言でも可)も引き続き募集中。人数制限はありません
 「この話がイイ!」「この描写にぐっときた!」「変態だけど愛してる!」など何でも可
 どしどしお寄せください


まだこっちにないっぽいので持ってきた
355創る名無しに見る名無し:2009/07/22(水) 23:25:30 ID:Pcs4H+NW
>>352
それではアップロードにログインが必要ないように変更できますか?
そうすれば3つともリンクが張れるので。
356創る名無しに見る名無し:2009/07/23(木) 00:00:33 ID:KwU+S+Kq
設定しました
357293:2009/07/23(木) 00:32:17 ID:MKTscIgk
>>354
ごめん…こっちにも貼っておくべきだったか。
持ってきてくださってありがとうございます。
358創る名無しに見る名無し:2009/07/23(木) 01:18:30 ID:XsF22Hma
よし、地図UP完了。
359創る名無しに見る名無し:2009/07/23(木) 02:22:46 ID:FYgz73my
>>352
なん…だと…!?
って地図が更新されてる!?
ネタかと思ったがマジだったのかw

ついでにミスって作ったページの削除もお願いー!
360創る名無しに見る名無し:2009/07/23(木) 03:48:01 ID:jxBe5eC3
さて、延長が無いのなら最初の予約が来るけどどうなるかな
361創る名無しに見る名無し:2009/07/23(木) 06:45:34 ID:AVjXpA9k
エンドレスエイトを見るたびにこう思う
黒幕いらなくね?と
362創る名無しに見る名無し:2009/07/23(木) 08:34:47 ID:XRBo9Q0P
その理論だと真の黒幕はハルヒだなw
363創る名無しに見る名無し:2009/07/23(木) 09:41:09 ID:DJGMrOj5
>>360
Ys氏は予約時に延長前提って書き込んでいたよ
364創る名無しに見る名無し:2009/07/23(木) 12:44:22 ID:hdYF0AYf
つまりエンドレスエイトでハルヒにぶち切れた長門がハルヒ氏ね!的な意味で自分の意思で主催してる、と。
それなら将軍の考えてたハルヒ黒幕説が当たることになるなww
365創る名無しに見る名無し:2009/07/23(木) 12:56:05 ID:XsF22Hma
ハルヒの巻き添えにケロロやトトロが巻き込まれてるわけか……!
366 ◆5xPP7aGpCE :2009/07/23(木) 22:52:29 ID:+zxQjWbe
申し訳ありません、延長を申請します。
367創る名無しに見る名無し:2009/07/23(木) 23:35:18 ID:Mz1j2/hV
延長了解です
ゆっくり書いていってね!
368 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/23(木) 23:35:27 ID:eiZ9X8Ds
仮投下スレに仮投下させていただきました。
また分量が長くなってしまいましたが、ガリガリ修正するつもりでいますので、
ご面倒かとは思いますが、問題点の指摘をお願いします。
369創る名無しに見る名無し:2009/07/24(金) 00:40:11 ID:qwtEZiNi
kskコンテンツの状態表が……
ダメージの度合いなどは私達視点でダメージ(大)とかにされてますが、
それを実際に参加者に見せてしまうと……
そのあたりの状態はそれぞれの書き手の裁量に任せてるのもありますし、
別のものに差し替えたほうがいいと思います。
どうもノートパソコンは全部共通のkskのようですし、
もっと思いきったものにするのもありかと。

あとは問題というほど気にすることではないのですが、
炎や煙まみれだったであろう対岸の朝倉達のバリアが見えたり、
ケロロ達が最初の会場にいたトトロのことをちゃんと覚えていたり、
登場人物達の覚えが良すぎる印象を受けます。
◆O4LqeZ6.Qs氏の作品はそう言う傾向が強いようなので、
そのあたりも気にしてくれたらな、と思いました。
370創る名無しに見る名無し:2009/07/24(金) 00:53:32 ID:oQ9RbFfY
俺は状態表はもう少し内容を暈したらOKだと思う
覚えが良すぎる件は確かに覚え過ぎなように思える
371創る名無しに見る名無し:2009/07/24(金) 00:57:45 ID:d5f3H/Gx
仮投下乙です。
俺は状態表の内容より全員見れるってのが気になった。
半径何メートル以内の人の、とかならともかく、遠くにいる朝倉やドロロ、更には会ってもいないスバルや閣下、古泉まで見れるのはさすがにまずい。

察しが良いのはケロロがトトロに気付いてたこと以外はまあいいんじゃないかなーと。
372 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/24(金) 01:04:58 ID:0A2FiGST
他にkskコンテンツのネタが思いつかなくてあのようにしたのですが、
状態表を持ってくるのはまずかったかもしれませんね。

あちらでも書きましたが、我ながら欲張って進めすぎたなという感じはしていたので、
短くまとめるという意味でもやはり前編に話を絞った方がいいかな……?

>覚えが良すぎる
どうもこのへんの加減が私は苦手なようですね。
あと、誤解させるとかトラブルを起こすとかそういう話の作り方というのが。
そう言った意味でも今回は短く終わらせて次回以降の自分の課題とした方がいいかなと思ったり。
373創る名無しに見る名無し:2009/07/24(金) 01:17:09 ID:oQ9RbFfY
いや長くてもいいよ
前中後の三部でいいですよ
変に絞るのもアレですし
374創る名無しに見る名無し:2009/07/24(金) 01:24:47 ID:oQ9RbFfY
二度書きだが他にもキャラがある程度行動したり考察してくれないと話が進まないし
なのは組が茶したり温泉で体を休めるとかあり得る行動だと思う
急な行動が無い限りそうしてたと思うよ
375創る名無しに見る名無し:2009/07/24(金) 01:27:12 ID:qwtEZiNi
kskのネタがないということなのでこっちから振ってみよう。

そのノートパソコンのあった場所に訪れた人の名前がでるとかどうでしょう。
温泉のなら持ち運んでどこにいっても温泉に訪れた人がわかる。
普通より少しだけ参加者の行動の把握がしやすくなるというメリットがある。
376創る名無しに見る名無し:2009/07/24(金) 06:03:37 ID:OyhK4J7m
仮投下、大作乙です。
自分も状態表の内容をもう少し曖昧にすればOKだと思う。
トトロやスエゾーぐらい目立つ外見なら気付いても問題ないと思うし。
377 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/24(金) 22:29:34 ID:69J7uvOl
それでは、おおまかな流れは維持したまま、状態表の情報を、ダメージと肉体・精神の疲労と
若返り効果消滅とか火傷とか右腕欠損といった状態異常に限定すれば大丈夫でしょうか?
ちょっと情報として寂しい気もしますけど……加減が難しいですね。

あとは登場人物の覚えが良すぎるというのもちょっと手直ししてみようと思います。

>>375
アイデアありがとうございます。
ただ、今回はなるべく上記のような修正を行う方向で考えたいと思っています。
378創る名無しに見る名無し:2009/07/24(金) 23:18:54 ID:qhDbymrW
そうですね、疲労の具合を書かずに疲労してますよーってだけ書くとか、
火傷や怪我ぐらいなら大丈夫だと思います。
379創る名無しに見る名無し:2009/07/24(金) 23:29:16 ID:qwtEZiNi
ふと気付いたがそれでも無理があると思う。
この状態って放送後に更新されるようになってるってことだから、
放送後の話でも多少放送前に行動した場合それが反映されてないといけない。
kskだと俺達視点ではいけないからね。
例えばゼクトールなんて放送時にはネブラじゃなく拘束具に縛られてる。
細かいと言われそうだけど別のなにかにしたほうがいい。
380 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/25(土) 00:08:29 ID:bFunPlVw
うーん。それではやはりkskコンテンツに入る直前までで止める事にしようと思います。
期限を過ぎてあまり引っ張るのもどうかと思いますし、
そこを大胆に変更すると時間がかかりそうなので。

なんというか丸投げという気もしますが、今回はリレー形式に甘えさせていただきたく。
381創る名無しに見る名無し:2009/07/25(土) 01:50:30 ID:NiuZSmTg
了解
まぁ、でもある程度は行動してくれないと話が進まないのでその辺は書いてもらえると助かります
382 ◆YsjGn8smIk :2009/07/25(土) 15:13:05 ID:6XUGVGRe
申し訳ない、もう一度だけちょっと待ってさせてください。
383創る名無しに見る名無し:2009/07/25(土) 17:05:33 ID:+onCS0MX
ゆっくり書いていってね!
384創る名無しに見る名無し:2009/07/25(土) 17:08:22 ID:x7EwIoW5
ゆっくり書いていってね!
385 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/25(土) 18:25:44 ID:bFunPlVw
修正版を仮投下しました。
微修正を除けば、中編の途中でばっさり終わらせて状態を調節しただけですが、いかがでしょう……?
386創る名無しに見る名無し:2009/07/25(土) 20:04:21 ID:K+9tg1Lh
仮投下乙です!
さらっと読んでみましたが、問題ないと思います。
387創る名無しに見る名無し:2009/07/25(土) 20:45:18 ID:r2rm33vv
仮投下乙です
俺も問題ないと思います
388創る名無しに見る名無し:2009/07/26(日) 20:06:47 ID:Tji4vtGG
仮投下乙!
すこしもったいない気もしますが問題はないと思います
389創る名無しに見る名無し:2009/07/26(日) 21:09:59 ID:iGRGSxy9
YS氏と5x氏、最後の延長申請から大分経っているので連絡求みます。
390 ◆5xPP7aGpCE :2009/07/26(日) 21:19:01 ID:JFXKSZYu
申し訳ありません、今書いている最中なのですが……
今夜中完成できるように努力いたします。
391創る名無しに見る名無し:2009/07/26(日) 21:20:19 ID:HyezsJzk
>>389
つ「>>382
392創る名無しに見る名無し:2009/07/26(日) 21:38:29 ID:HyezsJzk
>>390
ゆっくり書いていってね!
393 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/26(日) 22:48:06 ID:d+yw1/Xk
問題ないというご意見が多いようですので、
高町なのは、冬月コウゾウ、ケロロのパートを投下させていただきます。
394打ち込まれた鍵 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/26(日) 22:49:40 ID:d+yw1/Xk


「こ……子供になっちゃった……?」
「ケロ〜! 高町殿〜!!」

 ここはG−2エリアにある温泉の施設の中。
 ちょっとしたトラブルから、夢成長促進銃によってなのはは子供の姿になってしまった。
 そんな彼女を前にして呆然とするケロロ。
 そしてさすがの冬月もこの異常事態に驚きを隠せなかったが、今はそれどころではない。
 放送はもう始まっているのだ。

「高町君、ケロロ君。とにかく放送を聞くんだ。
 私は要点をメモしておくが、君たちもよく聞いておいて後で確認してくれ」

 冬月は2人にそう言って手に持っていた3枚のDVDを手近な机の上に置き、デイパックを開いた。
 そして支給されている基本セットの中にある紙と鉛筆を取り出し、メモを取る準備をする。

「あ、はいっ。わかりました」
「わ、わかったであります、冬月殿!
 マッハキャリバー殿もよろしくであります」
『了解です。放送の内容を記録します』

 なのはとケロロが、そしてマッハキャリバーが冬月にそう答えて放送に耳を傾ける。
 なのはは9歳の頃の姿になって夢成長促進銃を持ったまま。
 ケロロは濡れた床で滑って転んだあと、立ち上がろうと起き上がった所だ。

 ちなみになのはは子供になったせいで浴衣がだぶだぶになっていて、とっさに胸元を押さえている。
 ここには老人と宇宙人ガエルしかいないので、誰も気にしていないのだが、乙女のたしなみと言った所だろうか。

 放送では草壁タツオがなにやら前置きを語っていたが、3人はあまりそれを聞く事はできなかった。
 だが、重要な事は言っていなかったようなので、3人は禁止エリアの発表に意識を集中する。

「19時、F−5。
 21時、D−3。
 23時、E−6か……」

 そうつぶやきながら冬月はメモを取っていく。
 今回はかなり島の中央が指定されたようで少し気になったが、今はそれを確認する暇はない。
 放送はまだ続いており、次は死亡者が発表されるはずだったからだ。

『次はいよいよ脱落者の発表だ、探し人や友人が呼ばれないかよく聞いておいた方がいいよ。
 後悔しない為には会いたい人には早く会っておく事だよ―――せっかくご褒美を用意してあげたんだから、ね?』

 そんな草壁タツオの前置きには耳を貸さず、冬月は死亡者の名前だけを聞き逃さないように集中する。
 なのはとケロロも思う所はあるのだろうが、今は黙って耳を傾けていた。

 だが、なのはの幼い顔には悲痛な表情がはっきりと浮かんでいる。
 何しろ、あの火事の中からヴィヴィオという少女とその仲間が生きて逃げ出せたかがこれでわかるはずなのだ。
 無理もない事だと思いつつ、冬月もまた、加持やアスカ、シンジ、タママ、小砂らの無事を祈る。

 そして、死亡者の名前が次々に発表されていく。
395打ち込まれた鍵 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/26(日) 22:50:46 ID:d+yw1/Xk

『朝比奈みくる』

「ん? この名前は……」

 そうつぶやいた冬月になのはとケロロがどうしたのかと視線を送る。
 冬月は掲示板に目を通していたため、この名前を知っていたのだが、今は放送の最中である。
 説明は後でいいだろうと判断し、黙って首を振っておく。

『加持リョウジ』

「加持君が……?」
「ケ、ケロ〜〜! 加持殿っ……!!」
「加持さんっ……!!」

 加持の名前があげられ、3人が全員思わず声を上げる。

『草壁サツキ』

「…………」

 知っていたとは言え、サツキの名前を聞くと3人の間に重苦しい空気が流れた。

『小泉太湖』

「この名前、小砂君か!?」
「そんな。小砂ちゃんまで……」

 冬月となのはがつぶやく。
 貴重な協力者だった。守るべき人の1人だった。
 あの小さくともたくましい少女にはもう会う事はできないのか。

『佐倉ゲンキ』

 3人は反応しない。
 誰も知らない人物だったようだ。

『碇シンジ』

「シンジ君もか……!」

 冬月が再び小さく声を上げる。
 とうとうシンジと冬月はこの島で会えないまま、永遠の別れを迎えてしまった。

(碇……すまない。お前とユイ君の息子を守ってやれなかった……)

 冬月は心の中でそうつぶやき、無念そうに顔を伏せる。

『ラドック=ランザード』

『ナーガ』

 この2名は続けて誰の知り合いでもなかったようだ。
396打ち込まれた鍵 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/26(日) 22:51:32 ID:d+yw1/Xk

『惣流・アスカ・ラングレー』

「そうか……アスカ君も……」
「アスカ殿が……」
「アスカ……」

 3人ともアスカには複雑な思いがあるが、死を望んではいなかった。
 むしろ冬月やなのはにとってはいまだにアスカは保護すべき対象ですらあったのだ。
 だが、そのアスカもどこかで命を落とした。また救えなかったのだ。

『キョンの妹』

 その名前には誰も反応しない。
 そして、その名を最後に今回の死亡者発表は終わったようだった。

『以上十名だ、いやあ素晴らしい!
 前回の倍じゃないか、これなら半分を切るのもすぐだと期待しているよ。
 ペースが上がればそれだけ早く帰れるんだ、君達だってどうせなら自分の家で寝たいよね?』

「なんという言いぐさでありますか……!」
「ケロロ君。気持ちはわかるが放送が続いているから今はこらえてくれ……」
「ケ、ケロ〜……」

 その後の草壁タツオの話は、主催者に反抗して命を落とした参加者が居たというものだった。

『念の為言っておくけど僕達のかわいい部下も対象だよ?
 あと逆らった人が敵だから自分は無関係というのも無し、その場に居た人は全員連帯責任さ。
 勝手な一人の所為でとばっちりを食らうなんて君達も嫌だろう?
 愚かな犠牲者が二度と出ない事を切に願うよ。』

『話が長くなったけどこの勢いで最後まで頑張ってくれたまえ! 六時間後にまた会おう!』

 こうして第3回、18時の放送は終了した。







「加持さん、サツキちゃん、小砂ちゃん、アスカ……」

 風呂場の脱衣所で、なのはが死んでしまった知り合いの名前をつぶやく。

 放送の後すぐに禁止エリアや死亡者の確認をしてから、彼女は改めて小さい浴衣に着替えに来たのだ。
 さっきまで着ていた浴衣は大きすぎて体に合わず、万が一の場合にも邪魔になるからだ。
397打ち込まれた鍵 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/26(日) 22:52:42 ID:d+yw1/Xk

 だが、着替えに来た理由はもう一つある。
 少しだけ落ち着いて考える時間が欲しかったのだ。
 あまりにも多くの死亡者。守れなかった人たち。
 それらを受け入れ、気持ちと考えを整理する時間がなのはには必要だった。

「ヴィヴィオや朝倉さんやスバルが生きていた事は嬉しいけど、喜ぶわけにはいかないよね。
 あんなにたくさんの人が亡くなっているんだから。
 それに、あの小砂ちゃんまでが……」

 だぶだぶの浴衣を脱いで小さいサイズの浴衣に袖を通しながら、なのはは悲痛な面持ちでつぶやく。
 自分の腕の短さに少し違和感を感じたが、今はそれよりも死んでしまった人たちの事に意識が向かっていた。

 例えば、なのはを師匠と呼んで慕ってくれた小砂。 
 サツキが冬月を刺した場所で別れてから行方が知れなかったが、あの後一体何があったのか。
 一体どんな死に方をしたのだろう。
 やはり誰かに殺されたのか。
 自分の居ない所で起こった事はわからない。
 側にいない人は守れない。何もできない。後から結果を知って後悔するだけ。

 これからもこんな事を繰り返すのか。
 知らない所で死んでいく人の名前を放送で告げられて後悔して。
 目の届く場所にいる人を守ろうと必死になって、守れなくて後悔して。
 でも事態は何も変わっていなくて。
 それどころか悪くなっていく一方で。

「このままじゃ……いけないんだ。
 ちっとも前に進んでない。
 時間が流れて死ぬ人は確実に増えていくのに、事件の解決には少しも近づいてない。
 ただみんなを守るだけじゃ足りないんだ。
 ここからみんなで生きて元の世界に帰るには、あの主催者たちを何とかしなきゃ。
 でも、一体どうすればいいのかな、マッハキャリバー……」

 浴衣の前をあわせながら、なのはは胸元にぶら下がっている青いクリスタルのペンダントに話しかける。
 なのはが風呂から上がったので、マッハキャリバーは再びなのはが持つ事になったのだ。

 なお、夢成長促進銃は冬月に預け、代わりになのははケロロからリボルバーナックルを預かっている。
 左手用のリボルバーナックルは、右手用と一緒にマッハキャリバーの中に収納する事ができたからである。

 そして、なのはの問いかけに冷静な声で答えるマッハキャリバー。

『主催者を打倒するには我々の状況はあまりにも不利と言えます。
 しかし、それでもなお戦う事を選ぶのであれば、
 まず首輪を外すか無力化する方法を考える事が先決ではないでしょうか』
「そう……だね。
 この首輪がある限り、私たちは逆らえない。
 戦うどころか逃げる事さえできないし、逆らったらあの男の子みたいに液体に……」
398打ち込まれた鍵 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/26(日) 22:53:39 ID:d+yw1/Xk

 首輪に触りながらなのはは小さくため息をつく。

『まだ道が断たれたと決まったわけではありません。
 及ばずながら私も微力を尽くします。
 元気を出して下さい。Ms.高町』
「マッハキャリバー……ありがとう。
 うん。私、諦めたりしない。絶対ヴィヴィオを、みんなを守って、ここから助け出してみせるよ」

 そう言いながらなのはは浴衣の腰ひもを結び、その上に温泉に置いてあった紺色の羽織を着る。
 しばらくはこの格好で居る事になりそうなので、浴衣一枚ではさすがに体を冷やすからだ。

 そして、着替えを終えたなのはは改めて鏡を見る。
 そこに写っているのは温泉備え付けの浴衣を着た小さな女の子。
 エースオブエースと呼ばれた自分ではない。
 なのはな思わずくすりと小さく笑ってしまった。

「こんな時に、こんな事で笑ってたら不謹慎かな。
 でも、なんだか変な感じ。私ってこんなに小さかったんだね」

 そうつぶやいてなのはは鏡の前でくるっと回ってみたりポーズを取ってみたりする。

 しかし、動いてみて実感したのだが、腰のあたりに微妙に違和感がある。
 体が小さくなったせいで相対的にショーツがかなり大きくなっており、ぶかぶかなのだ。

 ――ちなみに、胸がぺったんこになっているので、すでにブラジャーは外している。

「……ずり落ちて来そうでいやだな。
 いっそ履かない方がいいのかな?
 万が一戦闘中にずり落ちてきてそれが元で死んじゃったりしたら冗談にもならないし」
『バリアジャケットをズボン型に変更すれば対応できるとは思いますが……』
「そうだけど、ずっとバリアジャケットを装着してもいられないし……」
『休息を取ろうという時には特にそうですね。
 Ms.高町が気になさらないのであれば、私としてもこの状況で大きすぎる下着は履かない事を推奨しますが』
「う〜〜ん……」

 乙女の羞恥心と現実の板挟みになってなのはは少し迷ったが、しばらくうなった末に決断する。

「決めた! 脱いじゃう!
 浴衣の時は下着つけないって聞いた事あるし、こんな状況で気にする人いないよね、きっと!」

 そう言ってなのはは一旦羽織を脱ぐと、腰ひもをほどいて浴衣をはだけてショーツを脱ぎ捨てる。
 下着を履かなくても別に害は無いのだが、心理的に違和感は拭えない。
 しかし、万が一にもパンツがずり落ちたせいで死ぬのは嫌だし、せいぜい大人に戻るまでの辛抱だ。
 なのははそう考えて、顔を少々赤くしつつ、また浴衣の前を合わせて腰ひもを締め直す。
 そして、最後にまた羽織を着て着替えは完成だ。

「うん。大丈夫。たぶん一見しただけじゃわからない……よね?」
『そうですね。それに、子供の体型であればさほど気にする必要はないかと思われます』
「うん。ただ、元に戻る時は気をつけないとね……」
399創る名無しに見る名無し:2009/07/26(日) 22:54:07 ID:kFN4SrI4
ksk
400打ち込まれた鍵 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/26(日) 22:55:00 ID:d+yw1/Xk

 なのははそうつぶやきながら改めて自分の姿を鏡で確認する。
 戦闘などで動き回ればひどく危険な状態になりそうだが、戦闘になればバリアジャケットに着替えるはずだ。
 バリアジャケットになるのなら、その際に下着もジャケットの一部として構築すればいい。
 つまり、問題があるのはバリアジャケットに着替えていない時だけなのだ。
 だからこそなのはも思い切って下着を脱ぐ事ができたのだ。



 そして、ひとしきり自分の姿をチェックして一息つくと、なのははまっすぐに立って鏡に写る自分の姿を見つめる。

 そうやって幼い頃の自分の姿を見ていると、その頃に出会った幼いフェイトの姿が自分の横に見えるような気がした。
 あれだけ泣いたのに、死んでしまった親友の事を思うとまた目頭が熱くなって涙が出そうになる。
 だが、なのははそんな感情を振り払うようにぶんぶんと首を振り、ぐっと両拳を握って気合いを入れた。

「よしっ! 戻ろう!
 まだまだ、私は元気なんだもん。くよくよしてる場合じゃないよ。
 行こう、マッハキャリバー!」
『はい。Ms.高町』

 そう言ってなのはは脱いだ下着の上下と大人用の浴衣を抱えて脱衣所を出た。
 なんとなく口調が子供っぽくなっているのは鏡で今の自分の姿を確認したせいかもしれない。
 しかし、そのおかげでこれまでの自分と今の自分を切り替える事ができたとも言える。
 温泉でいくらか回復できた事もいい方向に作用したのかもしれない。
 いずれにせよ、子供になってしまった事は、なのはにとって悪い事ばかりでもなかったようだ。

(フェイトちゃんも、きっと私に頑晴れって言ってくれる)

(ヴィヴィオを。スバルを。この島に連れてこられた人たちみんなを助けて欲しいって願ってる)

(だから行くよ私。負けない。絶対諦めない。最後までくじけない)

(フェイトちゃん。だから、ヴィヴィオを、みんなを、……そして、私を見守っていて下さい――)

 そんな思いを胸に、冬月とケロロの元に向かうなのはの背を、窓から入った夜風が優しく押す。
 その風から自分を励ますフェイトの想いを感じたような気がして、小さな少女は少し表情を和らげた。







「加持殿……さぞや無念だったでありましょう。一体どこの誰が加持殿を!
 しかし、我輩きっと犯人を見つけて償わせるであります。
 冬樹殿やメイ殿を殺したヤツらと同じように……
 だから、草葉の陰から見ていて欲しいであります!!
 ああ、だけど一緒にいたタママは無事なんでありましょうか。心配であります」
401打ち込まれた鍵 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/26(日) 22:55:52 ID:d+yw1/Xk

 なのはが着替えに行った後、温泉施設のロビーでケロロが無念そうにつぶやいた。
 ケロロが命の恩人とも思っている加持が死んだのだ。
 その怒りは冬樹やメイを殺した犯人へのそれと比べても勝るとも劣らぬものなのだろう。

 そんなケロロを少し心配そうに冬月が見ている。

(ケロロ君は気付いていないのか? タママ君が加持君を殺したという可能性に……)

 ケロロもタママと加持の間がうまく行っていない事は知っていた。
 だからこそ彼らを二人っきりにして話し合わせ、仲良くなってくれる事を期待していたのだ。
 だが、その後2人は転移装置によって共にどこかへ消えてしまった。
 そして加持の死。

 もし2人の事をよく知らない人ならば、タママが加持を殺したと考えたかもしれない。
 だがケロロは、2人が喧嘩をしていたとしても殺し合う事はないと信じて疑っていないのだろう。

 あるいは冬月のようにマッハキャリバーから2人が消える直前まで争っていた事を聞いていれば違ったかもしれない。
 でも、冬月はまだその事をケロロには伝えていないのだ。

(仮に、犯人がタママ君だったとすると、タママ君への対応は難しくなる)

(しかし、タママ君はタママ君なりにケロロ君やサツキ君を守ろうとしていたのだろうな……)

 タママが思い違いからそんな行動を取ったのなら説得して罪を理解させる事が正しい道だろう。
 だが、冬月にも加持が何かを企んでいた可能性は否定できないのだ。
 彼は基本的には頼れる男だったが、有能であるがゆえに信用ならないという面も確かにあった。
 加持がサツキの支給品を盗んだというタママの言葉も嘘や見間違いとは限らない。
 だとすれば、充分疑う余地はある。

(だが、たとえそうだったとしても、加持君を殺して決着をつけるという方法を選ぶべきではない)

(少なくとも私にとってはそれが正しい。だが、味方に害が及ぶ前に何とかしようという考えもひとつの正解だろう)

 だから冬月はもしタママが犯人でもタママを罰する事には気が進まなかった。
 たとえ考えが違っても、タママは大事な仲間なのだ。
 やり方に問題があるとしても、望みは同じだったはずだ。
 今冬月達に必要なのは固く結びついた絆である。
 冷たいようだが、たとえ加持の死が原因であっても、できる事なら仲間同士で争う事は避けたいのだ。

(絆か。タママ君が加持君を殺したとして、それを隠して絆を結ぶなどとは。ただの欺瞞なのではないか……)

(いかんいかん。いつの間にかタママ君が加持君を殺したと決めつけている。私とした事が、軽率だな)

 何もタママが加持を殺したと決まったわけではないのだ。
 ならば今はタママが殺したのではないと信じてやるべきだろう。
 もしも再開できてその時に何か明確に疑わしい事があったならその時に考えればいい。
 今からタママを擁護する事を考えるなど、タママに対しても失礼だ。



「冬月殿。何か考え事でありますか?」

 冬月がタママについての考えに区切りをつけようとしていると、ケロロが声をかけてきた。
 どうやら難しい顔をして考えていたので心配されてしまったようだ。
402打ち込まれた鍵 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/26(日) 22:57:01 ID:d+yw1/Xk

(いかんな。顔に出てしまっていたようだ。なるべくケロロ君には余計な心配をさせないほうがいい)

 冬月はそう考えて、とっさに平静を装ってケロロに答えた。

「……いや、たいしたことではないんだ。
 これから考えねばならない情報の事を頭の中で整理していただけだよ」
「そうでありますか。
 確かにこれからどうするべきか。考える事は多いでありますなあ」

 どうやらケロロにはそんな冬月の考えは気取られなかったようだ。
 冬月は長年の人生経験から身につけた厚い面の皮を今はありがたく感じつつ、言葉を続ける。

「ああ。だが、何とかせねばならない。
 このままあの草壁という男の思い通りになどさせられるものか」
「もちろんであります!
 力を合わせて、必ずあの男ともう1人の主催の娘っこをギャフンという目にあわせるでありますよ、冬月殿!」

 ケロロのそんな言葉に冬月は心からの肯定の意を込めて頷いた。

(そうだ。このまま皆の命を、そして私の命をあいつらの好きになどさせてはならんのだ……)

(そのためにできる事は。やらねばならない事はなんだ。考えろ、冬月コウゾウ)

 打倒主催者を叫び気合いを入れるケロロとはまた別のベクトルで冬月も気を引き締めていた。

 戦う力を持たず、特殊な能力もない自分にできる事は考える事だけだ。
 ならばそこに全力を尽くさねばならない。
 冬月はそんな思いを胸に、静かに闘志を燃やすのだった。







 その後、着替えを終えたなのはが温泉施設のロビーに戻り、3人は再びロビーに集合した。
 そこで冬月は、まず2人にノートパソコンの説明を始める。
 ケロロが発見したDVDの事も気にはなったが、内容を見るには時間がかかりそうだった。
 だから一旦その3枚のDVDはデイパックにしまっておき、パソコンの方を優先する事になったのだ。
403打ち込まれた鍵 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/26(日) 22:57:56 ID:d+yw1/Xk

 ロビーのソファーに座り、パソコンを立ち上げた冬月がまず最初に2人に見せたのは掲示板だった。

「掲示板? こんなものがあったなんて……」
「すでにいくつか書き込みがあるようでありますな」
「うむ。それで、まずこの最初の書き込みを見て欲しい。
 この朝比奈みくるという人物は先ほど死亡者として名前があがっていただろう」

 冬月にそう言われて2人は掲示板の最初の書き込みを読んでみる。
 そこには『朝比奈みくるは主催者の仲間です。あの女を殺してください』と書かれていた。
 ちなみにこの書き込みはシンジによるものだが、冬月たちがそれを知る術は無い。

「この掲示板を見ていたから冬月さんは彼女の名前を知っていたんですね?」
「そういう事だ。ただ、この書き込みが真実かどうかは何とも言えない所だ。
 そもそも主催者の仲間だから殺してくれというのが短絡的すぎる。
 私としては、いささか感情的すぎるという印象を受けるな」
「そうでありますなあ。
 しかし、その朝比奈という方も亡くなってしまったわけであります。
 もしやこの書き込みを読んだ参加者に殺されたのでありましょうか?」
「それもわからないな。
 わからないが、そういう可能性もある。
 掲示板に書き込む時はそういう事も考えておかないと無用の衝突を生みかねないという事だな」
「そう言えば、朝比奈みくるっていう名前はさっきのDVDにもありましたね。
 長門ユキ、朝比奈ミクル、古泉イツキの3人……なぜこの3人なんでしょうか?」
「この3人に何らかの繋がりがあると見る事もできるな。
 そうするとこの書き込みもあながち嘘ではないという事になるが……
 しかし、はっきりした事はあのDVDを見てみない事にはなんとも言えないだろう。
 このパソコンでも見られるかもしれないが……まあ、それは後にしようか」

 冬月の言葉に2人は頷き、さらに掲示板の書き込みを読み進めていった。

「おっ? この書き込みは……ドロロのやつでありましょうか?」
「む? 知っているのかねケロロ君?」

 次の書き込みを見たケロロは、『東谷小雪の居候』という名前にすぐに気付いた。
 東谷小雪というのはドロロが一緒に生活している地球人の少女の名前である。

「この名前からして、ほぼ間違いないでありますよ。
 ドロロは我輩の仲間の中でも特に真面目な男でありますから、
 この書き込みは信用していいと思うであります」
「ふむ。となると、このギュオー、ゼロス、ナーガという3人は危険人物に間違いないというわけか。
 しかし、ナーガはすでに死亡したと先ほどの放送で言っていた。
 となると、我々が知る危険人物は、深町晶・ズーマ・ギュオー・ゼロスの4人。
 それにあの空を飛びミサイルを撃ってきたカブト虫の怪人を加えて5人という事になるか」

 冬月はそう言って、自分をミサイルで攻撃してきた異形の怪人の姿を思い出す。

(あの時はうまく逃げる事ができたが、できれば二度と会いたくはないな……)
404打ち込まれた鍵 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/26(日) 23:00:24 ID:d+yw1/Xk

「我輩も少しだけその怪人の姿を見たであります。
 体から高熱を放射して森に火を放ったのもそいつでありますよ」
「市街地で激しい攻撃を加えてきた上空の敵も、そのカブト虫の怪人ですよね?」
「状況からすればそうだと考えて間違いないだろうな。
 残念ながら名前はわからないが。
 そう言えば彼は何人かの参加者の事を私に尋ねてきたな。
 あの後色々あったせいで聞かれた名前は忘れてしまったが、確か高町君の事を聞かれたのは覚えている。
 もちろん私は何も教えなかったがね」

 そこで自分の名前が出された事になのはは少し驚く。

「どうして私を……?
 聞かれた他の参加者というのはスバルやヴィヴィオやフェイトちゃんではないですよね?」
「ああ。少なくともそれはなかったな。
 それに、彼の目的を聞き出す事はできなかったが、殺し合いそのものとは違う目的があったように思う。
 とは言ってもそれも私の憶測にすぎないがね。
 結局そこから何かを読み取るのは難しいと言わざるを得ないだろう」
「気になりますけど、今は何もわかりませんね……」

 仕方がないのでとりあえずこの話はここまでにして、3人は掲示板を読み進めていった。

「中・高等学校内に危険人物……これもドロロが言うのでありますから、気をつけた方がいいでありますな。
 と言っても、この書き込みはお昼前のものでありますから、今どうなっているかはわからないでありますが」
「あんな大火事があったからね。
 ところで、ドロロっていう人は生け花が趣味なの?」

 なのはがケロロに尋ねる。
 掲示板の名前の欄に『生け花が趣味の両きき』と書いてあったからだ。

「やつはペコポンですっかり日本の文化に染まってしまったのであります。
 元々暗殺兵だったでありますが、ペコポンに来て忍者にクラスチェンジしてしまったでありますからなあ」
「に……忍者? 忍者ってあの手裏剣を投げたりどこかに忍び込んだりする忍者?」
「そうであります。
 この東谷小雪というのが忍者の少女で、小雪殿に会った事が忍者になったきっかけのようであります。
 あ、誤解の無いように言っておくでありますが、
 暗殺兵だったと言ってもドロロはまったく危険な人物ではないでありますよ?
 自然を愛し、ペコポンを愛し、正座して茶をすするのがお似合いの温厚なヤツであります。
 その上戦闘能力は武装したケロロ小隊の他の隊員4名を一度に相手にできるほどであります。
 もしドロロが一緒に居てくれればかなり心強いでありますなあ」

 『……時々存在を忘れるけど』と心の中でケロロは思ったが、あえて口にはしなかった。
405打ち込まれた鍵 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/26(日) 23:01:15 ID:d+yw1/Xk

 そして、その後の書き込みは1つだけ。
 古泉という学生服を着た茶髪の男が危険人物だという内容だった。
 古泉イツキもDVDに名前があった1人だが、DVDを見ていないのでそれが意味する所は不明である。
 また、この書き込みも誰が書いたかわからないので、一応心にとめておくだけにしようと言う事で意見が一致した。







「これで一通り読み終わったでありますな。
 しかし、せっかく掲示板があるのなら我輩たちからもドロロに何か伝えたい所であります。
 我輩たちしか知らない言葉を使って暗号を作れば、
 危険人物にバレないように合流する事だってできるかもしれないであります」

 そのケロロの言葉を聞いて、なのはも真剣に考え始める。
 ヴィヴィオと一刻も早く合流したいなのはにしてみれば、わずかな望みも見過ごせないという心境なのだろう。

「そうだね……
 もしヴィヴィオ達がどこかで掲示板の存在を知っていてくれればヴィヴィオ達とも合流できるかもしれない。
 それだけじゃない。スバルとだって……
 でも、ヴィヴィオにも解読できて、危険人物には絶対わからないような暗号が作れるかな?」

 スバルなら多少難しい暗号でも解読してくれるかもしれないが、ヴィヴィオはそうは行かない。
 そのため考え込んでいるなのはに、冬月がアドバイスをする。

「暗号なら、喫茶店で使ったサツキ君の『狸の伝言』を使うという手はあるな。
 ヴィヴィオ君にも解読できるようにとなると、ヒントはなるべくわかりやすくせねばならないが、
 朝倉君も一緒にいるなら気付いてくれるかもしれん」
「おお、その手がありましたな!
 ドロロならばその暗号、気付いてくれそうであります。
 あとは誰の名前を暗号に使うかでありますなあ……
 小雪殿は掲示板に名前が書かれているでありますからやめておくとして、桃華殿かサブロー殿か……」

 ケロロは冬月の提案に賛成らしく、暗号で使う名前を考え始める。
 だが、喫茶店の暗号を知らないなのはは話が飲み込めず、冬月に質問する。

「その『狸の伝言』って、どういうものですか?」
「ある特定の文字を抜くと意味が通じるようにした文章の事だよ。
 喫茶店では『仲間の事は気にしないで』とヒントをつけ、
 私とタママ君の名前の文字を抜くと意味が通じるようにしておいた」
「なるほど。『た』だけを抜くような簡単な暗号なら気付かれやすくても、
 それだけたくさん字を抜くのは見抜かれにくいですね。
 ヴィヴィオやスバルが知っている人なら……はやてちゃんかアイナさんあたりかな?」
406打ち込まれた鍵 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/26(日) 23:02:10 ID:d+yw1/Xk

 狸の伝言の説明を受けてなのはも納得したらしく、暗号を考え始める。
 だが、冬月は少し申し訳なさそうにそれを遮って言う。

「確かに掲示板に暗号を書き込んで合流を目指すのは悪くないのだが、
 うまい暗号を考えるには少し時間がかかるだろう。
 だからそれは後回しにして欲しいんだ。
 もう一つ、検討したい事があるのでね」







 冬月はそう言ってタッチパッドを操作し、掲示板から画面をトップページに戻してkskコンテンツをクリックする。
 そうするとディスプレイにキーワード入力の画面が表示される。
 そして、その画面の下の方には小さくヒントが表示されていた。

「冬月さん。これは……?」

 冬月が開いた画面を見て、なのはが尋ねる。

「この画面から先に進むにはキーワードを入力しなければならないようなんだ。
 キーワードのヒントはここに小さく、背景に近い色で表示されているんだが、私にはさっぱりわからなくてね」
「どれどれ。『ケロロを慕うアンゴル一族の少女の名前(フルネームで)』
 ……って、なぜ我輩の事がヒントになっているでありますか?」
「それは私にもわからない。
 だが、わざわざキーワードを入力させるのだから、君たちにだけ公開されている情報があるのかもしれないな」
「我輩たちにだけ、でありますか?
 一体なんでありましょうか。まあ、とにかく入れてみるであります」

 ケロロはそう言って考えを打ち切り、キーワードを入力してみる事にした。
 案ずるより産むが易し。やってみればわかる事を考えていても仕方がない。

「えー、ア・ン・ゴ・ル・点・モ・アっと。
 ゲロゲロリ。何が出てくるか見てのお楽しみでありますな。
 あ、それポチっとな」

 答えを入力し終わったケロロがエンターキーを押し、画面が切り替わる。
 そして、そこに現れたものとは――



407創る名無しに見る名無し:2009/07/26(日) 23:02:25 ID:3P/Wmr/2
ksk
408打ち込まれた鍵 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/26(日) 23:03:15 ID:d+yw1/Xk

【G-2 温泉内部/一日目・夜】

【高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】9歳の容姿、疲労(中)、魔力消費(中)、温泉でほこほこ、小さな決意
【服装】浴衣+羽織(子供用)
【持ち物】マッハキャリバー@魔法少女リリカルなのはStrikerS
     リボルバーナックル(左)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
     ハンティングナイフ@現実、女性用下着上下、浴衣(大人用)
【思考】
0、役に立つ情報だといいけど……
1、冬月、ケロロと行動する。
2、一人の大人として、ゲームを止めるために動く。
3、ヴィヴィオ、朝倉、キョンの妹(名前は知らない)、タママ、ドロロたちを探す。
4、掲示板に暗号を書き込んでヴィヴィオ達と合流?


※「ズーマ」「深町晶」を危険人物と認識しました。ただしズーマの本名は知りません。
※「ギュオー」「ゼロス」を危険人物と認識しました。
※マッハキャリバーから、タママと加持の顛末についてある程度聞きました。
※夢成長促進銃を使用し、9歳まで若返りました。




【冬月コウゾウ@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】元の老人の姿、疲労(大)、ダメージ(大)、腹部に刺し傷(傷は一応塞がっている)、決意
【服装】短袖短パン風の姿
【持ち物】基本セット(名簿紛失)、ディパック、コマ@となりのトトロ、白い厚手のカーテン、ハサミ
     スタンガン&催涙スプレー@現実、ジェロニモのナイフ@キン肉マン
     SOS団創作DVD@涼宮ハルヒの憂鬱、ノートパソコン、夢成長促進銃@ケロロ軍曹
【思考】
0、果たして何が出てくるかな。
1、ゲームを止め、草壁達を打ち倒す。
2、仲間たちの助力になるべく、生き抜く。
3、夏子、ドロロ、タママを探し、導く。
4、タママとケロロとなのはを信頼。
5、首輪を解除する方法を模索する。
6、後でDVDも確認しておかねば。


※現状況を補完後の世界だと考えていましたが、小砂やタママのこともあり矛盾を感じています
※「深町晶」「ズーマ」を危険人物だと認識しました。ただしズーマの本名は知りません。
※「ギュオー」「ゼロス」を危険人物と認識しました。
※マッハキャリバーから、タママと加持の顛末についてある程度聞きました。
※夢については、断片的に覚えています。

409打ち込まれた鍵 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/26(日) 23:04:02 ID:d+yw1/Xk


【ケロロ軍曹@ケロロ軍曹】
【状態】疲労(大)、ダメージ(大)、身体全体に火傷
【持ち物】ジェロニモのナイフ@キン肉マン、
【思考】
0、一体何が見られるんでありましょうか?
1、なのはとヴィヴィオを無事に再開させたい。
2、タママやドロロと合流したい。
3、加持となのはに対し強い信頼と感謝。何かあったら絶対に助けたい。
4、冬樹とメイと加持の仇は、必ず探しだして償わせる。
5、協力者を探す。
6、ゲームに乗った者、企画した者には容赦しない。
7、掲示板に暗号を書き込んでドロロ達と合流?
8、後でDVDも確認したい。
9、で、結局トトロって誰よ?


※漫画等の知識に制限がかかっています。自分の見たことのある作品の知識は曖昧になっているようです


410 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/07/26(日) 23:07:33 ID:d+yw1/Xk
以上で終了です。支援ありがとうございました。

修正に時間をかけてしまってすいませんでした。
あと、次に書いて下さる方。こんな終わり方ですがよろしくお願いします……
411創る名無しに見る名無し:2009/07/26(日) 23:18:59 ID:kFN4SrI4
投下乙
前のはもったいない気がしたけどこれはこれでいいな。
大分親しい人が死んでも頑張る三人はかっこいいな。期待だ。
そしてどんな情報があるのかwktk
あとなのはさん……パンツはいryけしからん!実にけしからん!
412創る名無しに見る名無し:2009/07/27(月) 00:05:34 ID:Wn+ufD+H
投下、修正乙でした
ぜひともこの三人には頑張ってほしい……
それにしてもなのはさんがけしからんww
413創る名無しに見る名無し:2009/07/27(月) 00:18:08 ID:yhEsz+t2
投下、修正乙です
正統派対主催って感じが強く出てていいですね
しかしケロロは真実知ったらどうなるやら
そしてなのはさんは新境地開拓かなw
414創る名無しに見る名無し:2009/07/27(月) 01:50:35 ID:GkmVs/yw
投下乙ですー
なのはさんはいてない!
今回死亡が発表されたのはこのチームの知り合いが多いんだよな…
そこでも崩れないのはさすが軍人チーム
しかし幼女にカエルに老人と絵面を考えるとすごいメンツだw
415創る名無しに見る名無し:2009/07/27(月) 10:53:48 ID:TSzvfy1/
なのはの状態に「はいてない」って入れ忘れてるぞwwww

しかし軍人ばかりのチームなのに不安ばかりなのはどうしてなんだぜ?
416創る名無しに見る名無し:2009/07/27(月) 13:27:05 ID:Aem7ssV/
投下乙!
この三人、知人の死にも挫けない固い決意といい
応援したい対主催グループ…なんだけどボロボロなんだよな。
しかも肝心のなのはが「はいてない」!
大丈夫かこのチームw
417創る名無しに見る名無し:2009/07/27(月) 14:55:53 ID:Wpf1Jc1K
       ,,、,、、,,,';i;'i,}、,、
       ヾ、'i,';||i !} 'i, ゙〃
        ゙、';|i,!  'i i"i,       、__人_从_人__/し、_人_入
         `、||i |i i l|,      、_)
          ',||i }i | ;,〃,,     _)  結果発表だよトトロ〜!
          .}.|||| | ! l-'~、ミ    `)
         ,<.}||| il/,‐'liヾ;;ミ   '´⌒V^'^Y⌒V^V⌒W^Y⌒
        .{/゙'、}|||//  .i| };;;ミ
        Y,;-   ー、  .i|,];;彡
        iil|||||liill||||||||li!=H;;;ミミ
        {  く;ァソ  '';;,;'' ゙};;彡ミ
         ゙i [`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ   _,,__
          ゙i }~~ } ';;:;li, ゙iミミミ=三=-;;;;;;;;;''
,,,,-‐‐''''''} ̄~フハ,“二゙´ ,;/;;'_,;,7''~~,-''::;;;;;;;;;;;;;'',,=''
 ;;;;;;;;''''/_  / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';;:;;;;;;;, '';;;-'''
'''''  ,r'~ `V ヽニニニ二、-'{ 十 )__;;;;/ 


お待たせしました、第三回人気投票の結果発表です
まずは、SS部門の発表から

22位 127話
Sand Mission

18位 130話
蜘蛛は水を求め、水を恐れる

18位 136話
Dies irae / まいご

18位 161話
嵐が渦巻くリングに / See you again,hero!

18位 171話
勝利か? 土下座か?(前編)(中編)(後編)

16位 133話
黒は一人でたくさんだ!(前編)(後編)

16位 146話
歪め↓スペクタクル / 阿修羅姫

418創る名無しに見る名無し:2009/07/27(月) 14:56:45 ID:Wpf1Jc1K
12位 129話
古泉一樹の戸惑

12位 137話
ななついろ☆デンジャラス(前編)(後編)/ 残酷な『彼女』のテーゼ

12位 160話
Another Age

12位 178話
囚われ人は嘘をつく / まずは相手を知る事から始めましょう

9位 141話
逃れられぬ蛇の視線 / 我が銃よ、俺の決意を示せ / 嗚呼、素晴らしき人生哉!

9位 152話
10個の異世界 / 炎の記録(前編)(後編)

9位 159話
saturated with fear

8位 174話
魔族は嘘をつきません

5位 144話
不屈の心は…

5位 151話
Scars of the war(前編)(中編)(後編)(終結)

5位 172話
レフェリー不在のファイヤー・デスマッチ

4位 175話
笑って、笑って、君の笑顔が―――

3位 163話 22P
本当の敵 / 勝者と敗者

2位 169話 25P
Nord stream Pipeline −on stream− / Nord stream Pipeline −blow out− / Nord stream Pipeline −Disaster−

1位 128話 33P
彼の心乱せ魔将(前編)(後編)
419創る名無しに見る名無し:2009/07/27(月) 14:57:38 ID:Wpf1Jc1K
続いて、キャラクター部門の結果発表です

16位 1P 雨蜘蛛

13位 2P ノーヴェ

13位 2P 冬月コウゾウ

13位 2P 水野灌太(砂ぼうず)

12位 3P キン肉スグル

11位 5P ゼロス

10位 7P 佐倉ゲンキ

9位 7P 朝倉涼子

8位 10P スバル・ナカジマ

7位 11P ヴィヴィオ

6位 12P 悪魔将軍

5位 13P トトロ

4位 18P ナーガ様

3位 19P 古泉一樹 (一姫票も含んだ場合22P)

2位 24P kyon(キョン)

1位 25P キョンの妹
420創る名無しに見る名無し:2009/07/27(月) 14:59:02 ID:Wpf1Jc1K
最後に、台詞部門の結果発表です。
スペースの都合上、台詞部門のみ上位10台詞のみの発表となります。

9位 彼の心乱せ魔将(後編) より悪魔将軍

「涼宮ハルヒはもういない。いたとしても、この私が消してやる。私にとっては涼宮某などどうでもいい存在よ。
 お前の方がよほど、価値のある人間だ。それを思い知れ。思い知らせろ。一皮……剥けてみろ、古泉。
 涼宮と決別するのだ! 私が、お前の新しい神になってやろうではないか! 」


9位 彼の心乱せ魔将(後編) より悪魔将軍

「悪魔ではないか。ならばお前はなんだ。 そんな顔をする今のお前は、確かに悪魔ではないだろう。
 死者の為に生きるのか。死者を想って生きるのか。そんなお前は亡霊だ。何度でも言ってやる、亡霊なのだ。
 お前は亡霊だ。死者に縛られ、死者を振り返り、死者の意を汲む。KSK団々長? いいや違う。お前は、唯の――――」


8位 Another Age より冬月コウゾウ

「だいたいの事情は把握した。 この命に変えても、仲間を護ってみせよう」


5位 古泉一樹の戸惑 より古泉一樹

「一度しか言いませんから、よく聞いていてください。あなたは――『俺』が殺す」


5位 笑って、笑って、君の笑顔が――― よりキョンの妹

そうだね。
ありがとう、ゲンキ君―――

―――絶対、だからね。約束♪


5位 彼の心乱せ魔将(前編) より悪魔将軍

「朝比奈みくるを、殺せ」


4位 阿修羅姫 より古泉一樹

「本名は―――もはや要りませんので」


3位 びっくりした? より朝倉涼子

「なーんちゃって! びっくりした?」


2位 勝者と敗者 よりナーガ

「お前達の手助けなど何も要らぬ! ただ見ておけ、ここに屈せぬ者がいるという事を!」


1位 勝者と敗者 よりナーガ

―――ふん、俺の命はお前などとは釣り合わんわ!
421創る名無しに見る名無し:2009/07/27(月) 15:01:24 ID:Wpf1Jc1K
以上、結果発表でした。

台詞部門でワンツーフィニッシュ、キャラクター部門も死亡話もともに上位と、ナーガ様の大人気っぷりが伺えます。

確認は念入りにしましたが、もしミスなどがあれば指摘をお願いします。
SS、キャラクター、台詞の三部門だと投票が大変との声も聞こえてきましたので、次回以降は投票前に多少検討が必要かもしれません。

最後に、投票に協力していただいた皆様、本当にありがとうございました。
422 ◆YsjGn8smIk :2009/07/27(月) 18:35:39 ID:Aem7ssV/
大変お待たせしました。
今から仮投下スレに投下します。
423 ◆YsjGn8smIk :2009/07/27(月) 18:54:53 ID:Aem7ssV/
仮投下終了しました。
問題があったら指摘をお願いします!

なければ明日ぐらいには本投下させてもらいます。
424創る名無しに見る名無し:2009/07/27(月) 18:57:17 ID:gWxeDpZj
読みました、仮投下乙です
問題はないと思います。早く感想が書きたいww
425創る名無しに見る名無し:2009/07/27(月) 19:34:13 ID:fCr4Eii5
仮投下乙。
問題はみあたりませんでした。
しいて言うならリイン、胸のことは気付いてないんじゃないかw?
426創る名無しに見る名無し:2009/07/27(月) 20:33:07 ID:D6JLshGy
>>421
集計乙!さすがナーガ様だ

>>423
仮投下乙です
自分も問題は見当たりませんでした
427創る名無しに見る名無し:2009/07/27(月) 20:44:22 ID:sWxSq7Rp
集計早っ!!!乙です!!
ナーガ様のあの男前っぷりが皆の胸に刻まれたということか…。
セリフ1位、2位の両方獲得とか予想だにしなかった!すごいキャラだ。
妹もキャラ部門1位おめでとう!kyonも2位か。兄妹が1,2位占めたww
428創る名無しに見る名無し:2009/07/27(月) 21:11:31 ID:gWxeDpZj
三位も古泉だしベスト3は全部ハルヒか。
そしてナーガ様つええwwかっこよかったもんなあ。
429創る名無しに見る名無し:2009/07/27(月) 21:23:17 ID:4ewU1J5U
>>421
集計乙! 姫一にkyonと妹ちゃんでベスト3かw 強いな
そしてナーガ様つええw

>>423
仮投下乙です
俺も問題ないと思います
430創る名無しに見る名無し:2009/07/27(月) 23:05:29 ID:UIcKHQ7X
>>423
仮投下乙です。
問題は無いと思いました。本投下を楽しみにしています。
431創る名無しに見る名無し:2009/07/28(火) 16:00:47 ID:IyPg6I1S
仮投下乙です。
自分としては
>(というなるとこの島にはかなりの数のガイバーが居る事になる。ならば主催者たちはユニットに手を加え……た?)
の一文が少々意味不明でした。
恐らく後ろの文章から、ガイバーの再生能力に細工されていることをひらめいたということなんでしょうが。
それ以外は特に問題なかったと思います。
432 ◆YsjGn8smIk :2009/07/28(火) 17:49:10 ID:CSfmwnp5
>>431
指摘感謝です。
誤字部分を修正します。

ついでにその他の誤字脱字も直せるだけ直しておきました。
では、本投下行きます。

『スバル! 山の向こうで凄い煙が上がってるですぅ!』

偵察から戻ってきた性悪妖精ことリインフォースのその言葉でその場にいる全員に緊張が走った。
まっくろくろすけことウォーズマンが声を投げかける。

「リインよ、何処が燃えていたかは判るか?」
『ここからじゃ煙しか見えなかったです。……山頂の神社からならもっとよく見えると思いますけどぉ』
「フウム……その山頂の神社は見えたか?」
『はい、少し行った所に階段があって、その上にそんな感じの建物が建ってました』

性悪妖精のその報告を聞き終えるとウォーズマンが勢いよく俺たちの方へと振り向いた。元気な事だ。

「聞いてのとおり、神社はもうすぐだ。スバル、そしてキョンよ。歩けるな?」
「はい!」

と、力強く答えるスバルだが、その動きはどうにも鈍い。
まあ……動きが鈍いのは俺も一緒なのだが。

俺たちは疲労していた。

ウォーズマンに痛めつけられた俺と、ボコボコにされ(まあ半分は俺のせいなんだが)疲労しているスバル。
そんな身体での山登りなので、俺たちの移動速度はどうしても鈍かった。

そんなこんなで結局、俺たちは放送までに神社にたどり着く事が出来なかった。
性悪妖精が戻ってきてから数分も歩かないうちに、辺りには草壁のおっさんの声が響いたのだ。

☆ ☆ ☆ 

「グ……な、なんて事だ〜〜っ。草壁サツキとゲンキが死んでしまったと言うのか……」

がっくりとうなだれるウォーズマンの姿を見て、フリーズしていた俺の思考もようやく再起動する。
そしてその頃になって俺の頭にもようやく事態が飲み込め始めた。
そうだ、いま確かに草壁のおっさんは朝比奈さんと俺の妹の名前を呼んだんだ。
つまりこれは……朝比奈さんと妹が死んだという事なのだろうか?
ハルヒの時のように、あっさりと。

原因はなんだろうか。二人はどんな風に死んでしまったのだろうか?
……いや待て、朝比奈さんと妹が死んだ理由? 
俺は理由を知っている気がする。
なんだっけな。確か、ああそうだ――俺が二人の殺害を頼んだんじゃないか。

『だから、雨蜘蛛さん…もしこの二人に出会ったら……二人を…』
『みなまで言うな――お前さんの望み、この雨蜘蛛様が叶えてやろう』

そうだ、あの時の約束通りに雨蜘蛛のおっさんが二人を殺してくれたのだ。
ははは……運良く雨蜘蛛のおっさんは二人に出会えたんだのだろう。
俺自身が立て続けに妹・ハルヒ・古泉と出会えたんだ。そんな偶然が起こっても今更驚かないぞ。

「…………」

眩暈がする。

「キョン君!?」

ああ……俺をそう呼ぶのは誰だ?
朝比奈さん? それともあいつか?
いやいや、どうした俺? 冷静になれ。二人はもう死んだんだ。
草壁のおっさんがそう言ったんだから間違いない。
もう俺がそんな風に呼ばれる事はないはずなんだ……二度と。

眩暈が――する。

なんだ、これは?
まるで、まるで混乱しているみたいじゃないか。
馬鹿げている。二人を殺してくれと頼んだのは俺だ。
自分で頼んだ事が実現してショックを受けるなんてどうかしている。
俺はこう思うべきだ。
『雨蜘蛛のおっさんのお陰で二人を殺さなくて済んでよかった』ってな。
なあ、そうだろ? あとはもう生き返るだけで、二人はこれ以上苦しまないで済むんだ。
喜べよ俺。なんでこんなに胸が苦しいんだ。

これじゃあまるで――。

【ああ、そうさ。後悔してるんだよ】

唐突に聞こえたその声に俺は凍りついた。視線だけを動かして声の方向を見やると。
……そこには『俺』が居た。

【だから言ったんだ。今のお前じゃ悪魔になんてなれないって】
「なんで、お前が……」

思わず呻いてしまう。
二度と見たくなかった顔がそこにはあった。

目の前には俺そっくりな『俺』が俺を見下ろしていた。

おいおい。なんなんだよこれは。俺はいつの間に眠っちまったんだ?
よりによってなんでこいつがここに居る?

「なんでお前がここに居る。大体、悪魔になれないだって?
 はっ、お前も知ってるだろ? 俺はあれから古泉を罠に嵌めて、ナーガのおっさんを殺した。
 もう十分悪魔なんだよ。……そんな俺がいまさら何を後悔するって言うんだよ」
【よりによってあの雨蜘蛛のおっさんなんかに殺人を依頼しちまった。それを後悔している……違うか?】

その言葉に――胸が、軋む。

「そ、そんな事は――」

ない。
と……どうしても口に出しては言えなかった。
理性はそう言い切りたかったのだが、感情が、口がついてこない。
そう、感情。
俺は初めて理解する。さっきからこの胸をギリギリと締め付けるような痛みの正体を。

「そんな馬鹿な……なんで今更」

こいつの言葉を肯定なんてしたくなかったが、今回ばかりは正しいのかもしれない。
くやしいがそんな風に内心で認めてしまった。
胸を締め付け、俺を苦しめているこの感情は恐らく――――後悔。
いくら後で生き返るとは言っても、あの拷問狂な雨蜘蛛のおっさんに朝比奈さんと妹の殺害を依頼しちまったのだ。
後悔……しているのかもしれない。
あのおっさんはきっと俺の時のように朝比奈さんを――妹を――拷問したのだ。
有刺鉄線で体を縛り、眉間に銃を突きつけながら、枝切りハサミで徐々に指を切る。
顔を殴られ、腹を貫かれ、そしてあの少年のように徐々にミンチにされ、「キョン君」と俺の名を呼びながら事切れ――。

「うげえっ!」

喉の奥に熱いものが込み上げくる。

ああ――吐き気がする。

そしてそんな嘔吐感の中で、俺は何故かスバルの言葉を思い出した。
『君が殺した男の子にもいっぱいいっぱい大切なものがあった筈だよ』
ああ、そうかよ。つまりこういう事なんだな。
癪だが認めてやるよ……いや、認めざるをえない。

【な、後悔してるんだろ?】
「……ああ。そうなのかもな」

俺は静かに認めた。認めちまった。
殺し合いが終われば生き帰って記憶が無くなるとはいえ、俺は朝比奈さんや妹に苦しんでほしくはなかったんだ。
そして俺が殺したあの子供やナーガのおっさんにも、そう思う人間がいるのかもしれない。
今更そんな事に気付いちまった。

最悪だ――俺は全然悪魔になんてなれてない。
そんな偽善めいた良心みたいなモノがまだ残っていたんだ。

【なあ、もうこんなバカな事は止めにしないか?】

『俺』が呆れたように肩をすくめる。
その言葉に、俺は流されたくなった。
だってそうだろ? 俺が殺さなくても雨蜘蛛のおっさんあたりがきっと殺し尽くしてくれる筈だ。
俺はこのままスバルたちと一緒に殺し合いを止めるなんていう無駄な足掻きをしてればいい。
どうせ長門の計画を止める事なんて出来っこないんだしな。

【どうした? 気味が悪いぐらいまともな事を考えてるじゃないか。ついでにもう一つの方も誤魔化すのは止めないか?】
「急になんだ。俺がいったい何を誤魔化してるっていうんだよ?」
【終われば元通りになるっていう、その現実逃避をだよ】

……またそれか、しつこい奴だな。
後悔は確かにしてるみたいだが、それは現実逃避でもなんでもない。

「あのな、長門の目的は観察なんだ。観察が終われば生きかえらせてくれるに決まってるだろう」
【アホか。仮に観察が目的だったとしても観察対象はハルヒだけだろ? 
 なら長門、いや――情報統合思念体はハルヒだけしか生き返らせないんじゃないか?】

鼓動が早くなる。何を言ってるんだこいつは? 
理解できない。いや理解したくない。

【こんな事にも気付けないのは単にお前が目を――】
「ぐああああああああああああああああああああああああ!!」

俺は絶叫する。その先は聞きたくなかった。理解したくなかった。
だと言うのに『俺』はしつこく言い続ける。俺は再び叫び。

「キョン君!」

叫んだ瞬間、頬をはたかれたような衝撃が俺を襲い、視界が真っ白になった。
頬が痛え……だけど俺は痛みと同時に安堵を覚えていた。
その痛みのお陰で『俺』の声がまったく聞こえなくなっていたからだ。
真っ白な視界が明けると、目の前にいつの間にか青い髪の女が――スバルが居た。

「よかった、気が付いた?」
「……気が付いたって、何の話だ?」

俺は見下ろすスバルに向かって憮然と尋ねる。
……というか俺はいつのまにか地面に横たわっていた。一体何がどうなってるんだ?
俺のその疑問が分かったのかスバルが説明した。

「放送を聴いてキョン君は倒れたんだよ、覚えてない?」

情けない事に……どうやら俺は気絶していたらしい。
道理で『俺』が現れる筈だ。しっかりしろ俺。情けないぞ。

「フムウ……」

頭を振りながら立ち上がると、何故かウォーズマンがじっと俺を見ていた。
俺はその視線に嫌な感じを受けて目を逸らしながら尋ねる。

「なんだよ?」
「いや。……歩けるようならもういくぜ。早くギュオーたちと合流し、このエリアから離れねばならないからな」
『そうです、あと一時間でここが禁止エリアになっちゃうんですから、キリキリ歩いてください』

そんな憎まれ口を叩く陰険妖精すら何処となく心配そうな顔で俺を見てやがる。
くそ、それだけ無様に気絶しちまったって事か。

「わかった、わかりましたよ」

俺はため息をつきながら歩き始める。
……なんとか歩けそうだが、妙に足がふらついていた。

「キョン君、大丈夫?」

うしろからスバルがそんな事を聞いてくるが、俺はそれを無視して歩き続けた。
こいつの言葉を――キョン君というその呼び名を――聞いてると、胸が軋む。
理由は知らん。たぶん疲労のせいで心が弱っているのさ。だから俺はスバルを無視する。
疲労。疲労なんだ。
胸が軋むのも、気絶したのも、あの悪夢も全部疲労のせいだ。

疲れていた。
酷く疲れきっていた。

今だけは何も考えたくない。殺し合いの事も、死んでしまった――の事も。
何も考えず、ただ重い足を前へと動かす事だけに集中する。
だというのに。

なんで身体の震えが止まらないんだ。

☆ ☆ ☆ 

リヒャルト・ギュオーはそれを聞いたとき、その金色の瞳に驚愕と疑惑を浮かべた。
主催者が放送を通して告げてきたその言葉は彼にとってそれほど予想外だったのだ。
437創る名無しに見る名無し:2009/07/28(火) 17:53:40 ID:4TkYJ3Dn
ksk

「何故よりによってここを禁止エリアにする……!」

彼は苛立ち紛れに床を蹴破りながらそう叫ばずにはいられなかった。
前回といい今回といい、まるで主催者は狙ったかのようにギュオーがいる場所を禁止エリアにしていた。
そう、あたかもギュオー個人に悪意があるかのように。

(いや――もしやあるのか?)

苛立ち紛れに浮かんだその考えが意外と正解なのではないかとギュオーは気付く。
前回のH-5といい今回のF-5といい、ギュオーにとって都合の悪い場所が選ばれていたのだ。
それにより前回は草壁メイの死体をウォーズマンに発見される危険が生まれ、
今回はそのウォーズマンとの合流を阻まれかけている。
偶然というにはあまりに出来すぎていた。

(となると原因はなんだ? ……まさか草壁メイか?)

放送が聞こえてきた空へと視線を投げながら、ギュオーが思いついたのはそれだった。
つまり、娘の死体を粉砕された事に怒った草壁タツオが嫌がらせをしているのではないかと考えたのだ。

(いや、それはありえんな。娘をこのような場所に放りこんだ父親がそんな事で怒りを覚えるはずがない。
 ならばなんだ? 他に主催者たちに恨まれる覚えなどないのだが……)

思考の迷宮へと迷い込みそうになったギュオーだったが、彼はその事ばかりに気を取られているわけにはいかなかった。
主催者により神社から追い出されかけている彼は、早々に移動先を決め、別のエリアへと脱出しなければならないのだ。
恨まれている理由の究明はひとまず横に置き、ギュオーは目前に迫った問題に目を向けた。

(しかし何処へ行ったらいい? 北は大火災がおきている。恐らく今回の死者の多さはあの火災のためだろう。
 となると北は危険だ。行って得られるものがあるとも思えん……ならば南か?)

未だ煙があがっている北の空から平穏そうな南の空へと視線を動かしながらギュオーは頷く。

(ふむ、それがいいような気がするな。上手くすればウォーズマンとも合流出来るだろうしな)

この場で合流予定のウォーズマンは未だに姿を現さない。
放送で呼ばれていないのだから死んではいないのだろうが、何か問題が起きているのは間違いないのだろう。
そんな事を考えながらギュオーが視線を空から山道へと移したのだが――その瞬間、彼の瞳は再び驚愕に染まった。

(あれは! まさか……ガイバー!?)

視線の先、この場へと続く山道――僅か百メートル程度の至近に宿敵ガイバーの姿を発見してしまったのだ。
それを見てギュオーは咄嗟に鳥居の影へと身を潜める。
鳥居の影からそっと窺うと、その横には印象的な黒い男――ウォーズマンと少女――恐らくあれがスバル・ナカジマだろう――が居た。どうやらウォーズマンたちはガイバーと行動を共にしているらしい。

(……まずい、まずいぞ。ガイバーと居るという事はまさか俺の事がばれたのか?)

夕闇のせいではっきりとは見えないがあのガイバーが深町晶ならば全てがばれている可能性もあった。

(いや待て、そう考えるのは早計だ! ユニットを支給されただけの無関係な奴かもしれん……ん?
 待てよ……もしそうならば、これで俺が知らない二つ目のユニットがあったという事になるな)

自身の考えにギュオーは息を呑んだ。
ユニットが量産されている可能性は予想していたが、他にも何かを思いついた気がしたのだ。

(となると、この島にはかなりの数のガイバーが居る事になる。ならば主催者たちはユニットに手を加え……た?)

その瞬間、稲妻に打たれかのようにギュオーの心に衝撃がはしる。

(そうだ! 手を加えなければガイバーは例え一片の細胞片からでも全身を復元してしまう。
 そして細胞から復元したガイバーには首輪が――この殺し合いの要たる首輪がない!
 この殺し合いを成立させているのはこの首輪だ、主催者がそんなミスをするだろうか?)

自身の首にある冷たいそれに触りながらギュオーは今までの主催者の行動を思い浮かべる。

(いや、草壁タツオと長門有希はそこまでマヌケではないだろう。
 となると、ガイバーの復元能力はかなり衰えている可能性が高い。
 最低でも首が切断されたら二度と復元できないレベルまで抑制されているはず。
 ……そうでなければ簡単に首輪を外されてしまうからな)

そしてギュオーは思考の迷宮を走破した末に、自身の未来すら左右する重要な疑問へと遂に到達した。

(……では装着者が殺された場合、ユニットはどうなる?
 本来ならガイバーは細胞の一片からでも復元するが、この島では恐らくそれはない)

ギュオーは自身の思考の先にある希望の香りに、ひどく興奮していた。

(そのまま機能を停止する可能性も否定できんが、もう一つの可能性も考えられる)

そしてにやりと声に出さずに笑いながらギュオーはガイバーを見やる。

(そう、つまりユニット・リムーバーがなくとも、この手にユニットGを手に入れられるという可能性が!)

視界の先では倒れていたそのガイバーがゆっくりと起き上がっていた。
ウォーズマンたちと一緒にこちらへと登ってくるユニットG。
ギュオーにはすでにあれがガイバーではなくユニットに見えていた。

(どうする? ガイバーごとウォーズマンたちを不意打ちで殺してしまうか?)

そっと神社の奥へと身を隠しながらギュオーは思索する。
見ていて判ったのだが奴らの動きはどうも鈍い。戦いでもあったのか酷く消耗していた。
不意をつけば一息で倒す事も可能だろう。

(いや、落ち着けギュオー! ウォーズマンにはまだ使い道がある。
 いま奴らとの信頼関係を失うのは惜しい。……ここはチャンスを待つべきだ)

ギュオーは顔を歪ませながら、そのチャンスをどうやって引き起こすか夢想する。

(そうだな、ガイバーが一人となった所を狙えばいい。
 殺した後は深町辺りが襲いかかってきたとでも言えば単純なウォーズマンは誤魔化せるだろう。
 ……そして獣神将たる俺がガイバーを纏い、世界の王となるのだ!)

口から漏れそうになる笑いを堪えながら、ギュオーはウォーズマンたちを出迎えに階段へと向かった。

☆ ☆ ☆ 

「よく戻ったな、ウォーズマン!」
「おお、ギュオーか! 遅くなって済まない」

ギュオーはウォーズマンとしっかりと握手を交わし、再会を喜んで見せた。
そして初対面の二人へと視線を動かし、怪訝な表情で疑問を投げかける。

「その二人は?」
「ああ、スバルとキョンだ……詳しい話をする前にまずはここから離れよう」
「そうだな、ここが禁止エリアになってしまう前に移動した方がいいだろう」

ウォーズマンの言葉にとりあえず頷きながら、ギュオーはキョンという名前から詳細名簿の内容を思い出そうとした。
印象が薄い為に全ては思い出せなかったが、たしか普通の学生だったはずだ。
殺しても問題ない――そんな事を考えていたのだが、ふとウォーズマンが辺りを見ながら尋ねてきた。

「ところでギュオー、タママはどうしたんだ?」
「ああ、タママ君か……それなのだが実は彼は一人で北へと走り去ってしまったのだよ」
「たった一人でか!?」

驚くウォーズマンにギュオーは肩をすくめて言った。

「私も引き止めはしたのだよ? だが、ケロロ軍曹たちを助けると言って聞かなくてね」
「……ギュオーよ。タママは本当に自ら走り去ったのか?」
「ん、どういう意味だね?」

何故か鋭くなったウォーズマンの口調に眉をしかめながら聞き返す。

「本当にタママは自分の意思で走り去ったのか、と聞いているんだ」
「……なにがいいたい?」

知らず、声に困惑の響きが混ざる。ウォーズマンの口調に珍しく毒のような物を感じたからだ。
そしてウォーズマンは姿勢を正してこちらを見やると決定的な一言を放った。

「単刀直入に聞くぜ。ギュオーよ、俺はお前が殺し合いに乗っていると聞いたんだ」
「……ッ!?」

その時、ギュオーは表情に走った衝撃を隠そうとして失敗した。
そしてウォーズマンの後方にいるスバルも、同じように驚いてウォーズマンを見上げた。

「ウォーズマンさん……?」
「ここはオレに任せろ。この問題はやはり放置するわけにはいかない。
 ……スバル、そしてリイン。お前たちはキョンと一緒にそこで見ていてくれ」

そのウォーズマンの言葉に何かを感じたのか、スバルはその青い髪を僅かに揺らして頷いた。

「わかりました」
『キョンの見張りはお任せです』

そんな会話を横目に、ギュオーは脂汗を浮かべながら必死に打開策を考えていた。

(ええい、俺が殺し合いに乗っている事がどこから漏れた。
 魔法使いの小娘……いやそれとも深町晶か? とにかくここはなんとか誤魔化さなければな)

深くそして深刻な動揺からギュオーはなんとか立ち直り、細心の演技をこらして驚いてみせた。

「なんという事だ……一体誰がそんな嘘を? ウォーズマン、私は殺し合いになど乗ってはいない。
 恐らくこれは私を陥れるための罠なのだろう……」
「そう信じたいところだが、オレはお前に襲われたという人物に話を聞いたのだ」

腕を組みながらウォーズマンは悠然とそんな事を告げてくる。
それを聞いてギュオーの顔から余裕が弾けとび、焦燥が踊った。

(ぬ……う。そういう事か。
 奴らと直接会話をしたというのなら、いくらこのお人よしでも誤魔化しきれんかもしれん)

簡単に誤魔化せると思っていただけに、この予想外の事態にギュオーの背中に冷や汗が流れる。

「ま、待てウォーズマン! そいつらが真実を話しているとは限らない――」
「ギュオー。お前は何故そんなに焦っている?」
441創る名無しに見る名無し:2009/07/28(火) 17:56:31 ID:4TkYJ3Dn
ksk

声を上ずらせたこちらの言葉を遮り、ウォーズマンが鋭く尋ねてくる。
その表情は苛烈といっていいほど引き締められており、その視線は矢のように鋭かった。

「心拍数もひどく上がっているな……そしてその額から流れる大量の汗」

そこで一拍、間を置き――ウォーズマンは言った。

「お前は……嘘をついているな?」

その時になってようやくギュオーはウォーズマンを侮っていた事に気付いた。

(……迂闊だったな。お人よしだと思って甘く見ていたが、こいつはコンピューターの分析力を持つロボ超人。
 そう簡単に誤魔化せるような相手ではなかったという事か……。
 ええい! こうなっては仕方がない。ここでウォーズマンたちを始末し、ユニットGを手に入れてくれるわッ!)

ここまで疑惑が深いのならば、いっそここで始末したほうが後腐れが無くていい。
そんな風にあっさりと方向転換する事を決めると、ギュオーは静かに拳を固めた。

「どうなんだ、ギュオー。お前は殺し合いに乗っていたのだな?」

鋭い視線で詰問してくるウォーズマンを睨み返しながらギュオーはその質問に答えた。

「答えは………… ” Y E S ” だッ!!」
「ぐおっ――!」

一瞬で獣神将へと転じながらギュオーは重力衝撃波でウォーズマンを吹き飛ばす。
だがウォーズマンもそれを予想していたのか、上手く受け流して数メートル後方であっさりと地面に着地した。

「『ウォーズマンさん!』」

遠巻きに見ていたスバルとリインが動きかけるが、それをウォーズマンが軽く手を振って制止する。
そしてウォーズマンはこちらに顔を向けながら何故か深いため息をついてきた。

「なんという事だ……まさか本当にお前が殺し合いに乗っていたとはな――ギュオー!」

その言葉に何か嫌な予感を覚えて思わず問い返す。

「なんだと? ま、まさかウォーズマン今のは!?」
「その通りだ。オレにはお前が殺し合いに乗っているという確信はなかった。見事に馬脚を現したなギュオーよ」

ブラフに――よりによってウォーズマンに騙されてしまったのだ。
目が眩むほどの怒りを覚えながら、ギュオーは言葉を搾り出す。

「ちがう……。私はユニットを手に入れる為に自ら正体を明かしてやったのだ!
 そしてウォーズマン! ユニットさえ手に入れば貴様の力など最早必要ない!」
「おのれ――っ!」

距離を詰めようとウォーズマンが接近してくるが――遅い。
すでにギュオーは重力を制御し終えている。
全身に埋まっている球体――グラビティ・ポイントが煌き光る。そして圧倒的な重力が渦巻く。

「地 獄 へ …… 行 け ッ ー ー ー !」

解放された超重力に囚われてウォーズマンが木の葉のように舞う。
そしてウォーズマンごと周辺の大地十メートルほどを超重力が押し潰す。

「……そ、そんな」
『ウォーズマンさん!?』

大量に舞う土煙の向こうでスバルとリインが再び悲鳴をあげていたが、今度はそれに答えるウォーズマンの姿はなかった。
土煙が収まると、そこにあったのはクレータのみ。
すり鉢上に抉れた地面と欠片も残さず消滅したウォーズマンを見て、ギュオーは大きく笑った。

「はっはっは! 意外とあっけなかったな! ……さて、それではユニットをいただくとするか」

残っているのは時空管理局とやらの新人とガイバーの力を手に入れた、ただの学生。
さっさと殺してユニットを頂こうと腕を前に――出そうとして、腕が動かない事に気付いた。

「……なんだ?」

視線を落とすと獣神将の身体を何か光る鎖のようなものが縛っていた。

『そこまでです!』

すっかり忘れていたリインフォースが声をあげて言った。

『バインドをかけました、大人しく投降するです!』
「小賢しいわ、この羽虫があッ!!」

咆哮と共に噴き出る怒りを重力子に変え、生成した衝撃波をリインに解き放つ。
リインの仕業と判った瞬間、吹き荒れた怒りをそのままぶつけたのだ。

『きゃふ!』
「空曹長!? ……このおっ!」

いつの間にかギュオーの間合いへと接近していたスバルが拳を掲げながら吼えてくる。
だがリインが吹き飛んだ瞬間、ギュオーを縛る魔力の鎖もまた消滅していたのだ。

「その程度で私を止められるかとでも思っていたかッ!!」

拘束が解け、自由となった腕でスバルの拳に合わせるように――ギュオーも拳を放つ。

「がっ……は……!」

クロスカウンター。
自身の突進力に獣神将の腕力が加わったその一撃を喰らい、スバルは激しく跳ね飛び、転げ、地面を滑っていった。
そんなスバルを一顧だにせずギュオーは笑いながらガイバーの元へ――逃げ出そうとしていたキョンへと指を向け。

「おっと、逃がしはしないぞ」

指を弾いた。
いや、正確には重力で出来た弾丸を指で射出したのだが……それは見事にキョンへと炸裂する。

「ぐああああああ!」
「40%の威力の重力指弾(グラビティ・ブレット)だ。まだ死んではいないだろう?」

重力指弾を背中に食らい吹き飛ぶキョンに機嫌よくギュオーは話しかけた。
もうすぐ手に入るとなると、機嫌が悪くなる理由など何もなかった。
その時、キョンが急に起き上がり頭をこちらへと向ける。

「こ、この!」

だが――あまりに遅い。
その攻撃を予測していたギュオーは前方に生み出したバリアであっさりとヘッドビームを防ぐ。
そして動揺したキョンを蹴りとばして、背中を踏みつけた。

「がっ……!」
「もう終わりかガイバー? フフフ、ならばこれでようやく私が世界の王となれるわけだ!」
444創る名無しに見る名無し:2009/07/28(火) 17:59:54 ID:4TkYJ3Dn
ksk

押さえ切れない哄笑が思わず口からこぼれ出す。
それが聞こえたのか、足元で呻くキョンが苦しげに聞いてくる。

「世界の王? い、一体何の話だ……」

その問いにギュオーは機嫌よく答えてやった。

「ふ、よかろう。あと数分の命だ、冥土の土産に教えてやろう」

そして、ユニットガイバーが捕食したものの身体能力を強化・増幅すること。
元から強力なものが――例えば獣神将が殖装すれば限りなく神に近い存在となれることを教えてやる。

「つ、つまりお前はガイバーになりたいって事か。ならガイバーは渡す! だから!」
「まあ、落ち着きたまえ。まだ話には続きがあるのだよ」

キョンを宥めて更に説明する。

「ユニットはな、本来はユニットリムーバーという物を使わねば解除は出来んのだよ。
 だが、私の予想ではこの島では装着者を殺せばユニットが手に入る可能性が高いと睨んでいる」

それを聞いて足元のキョンが驚いたように叫ぶ。

「そ、それって……つ、つまり俺を殺すって事か!?」
「そういう事になるな。さて、理解できたところでそろそろ死んでもらおうか……私の為になッ!」

そしてギュオーはキョンを思いっきり踏みつける。

「ぐあ……ああああああああああああああああああああ!」

ガイバーのせいだろうか、意外にもキョンの背骨はあっさりと折れはしなかった。
絶叫するキョンを踏み抜こうと、ギュオーは更に足に力を込めようとして。

「リボルバーシュート!」
「――ぐぬ!?」

吹き飛んだ。
一瞬、何が起きたのか理解できなかった。
なにしろ気迫に満ちた声が聞こえたかと思えば次の瞬間には身体が吹き飛んでいたのだから。
……とはいえ多少吹き飛びはしたが、それほど大した衝撃ではない。
すぐに体勢を整えて声が聞こえた方に視線を動かすと――そこには青の少女が拳を向けて立っていた。


☆ ☆ ☆ 


「ほう、私の一撃を食らって生きていたとはな。そうか、そういえば貴様も戦闘機人だったな」

ギュオーがそんな言葉を漏らすが、それに返事をする余裕なんてスバルにはなかった。
キョンの悲鳴を聞いて意識を取り戻しのだが、咄嗟に撃った魔法が当ったのは奇跡に近い。
視界が揺れ、ふらつく身体に何とか活を入れる。

(痛っ〜……!)

木の幹に強かに叩きつけられたせいで背中が酷く痛んだ。でも背骨が折れていなかっただけ幸運だったのかもしれない。
それほどギュオーの一撃は凄まじかったのだ。

「く、ちくしょう!」

スバルがギュオーと睨みあって出来たその一瞬の合間を拾い、キョンが駆け出す。
神社の外を目指して一目散に。

「ええい、往生際の悪い! 逃がさんといってるだろうがッ!!」

ギュオーが咄嗟に重力指弾を放とうとしたが、その隙を逃すわけにはいかなかった。

「うおおおおおおおおおっ!」

スバルは残った力を振り絞って真正面から飛びかかった。
そして叫びながら全力で打ち出したスバルの右拳が今度こそギュオーの顔に突き刺さった。

「お……のれッ!」

だがギュオーは顔面を歪ませながら僅かに後退しただけだった。
そしてその巨体から繰り出される拳をなんとか避けながらスバルはうしろへと大きく跳ぶ。
信じられないタフネスだった。
しかしキョンにはそれで十分だったのだろう。
スバルがちらりと視線を動かすと、キョンはすでに神社の境内から姿をくらませていた。

「そんなに先に死にたいのなら、望みどおり貴様から先に殺してくれる!」

獣神将のその殺気に押され、一歩だけ後ずさる。
だけど、なんとかそこで踏み止まる。身体は既に限界に近い。
時間をかければかけるだけ勝率が下がっていく事をスバルは悟っていた。
故に――狙うは一撃必倒。

(接近してバリアブレイク、そのままディバインバスターでノックダウン……それに賭けるしかない)

それにはデバイスの――レイジングハートの協力がどうしても必要だった。
スバルはそっとレイジングハートに問いかける。

「レイジングハート、戦える?」
『はい。ただしリカバリーは60%程度しか終わっていません。
 今の状態では魔法が安定しない可能性がありますので、注意を』
「わかった。レイジングハート……セットアップ!」
『stand by ready.set up.』

刹那の後、スバルの左手には杖状のレイジングハートが、そして身体にはバリアジャケットが現れた。

「ほう、それがベルカ式魔法という奴か?」
「……?」
447創る名無しに見る名無し:2009/07/28(火) 18:01:32 ID:4TkYJ3Dn
ksk

ギュオーのその言葉に僅かに疑問が湧くが、スバルはそれをあえて思考から追い出す。
一点集中、それしか活路はないのだから。

「いっくぞおおお!!」

だんっ! と、地面を踏み抜き前進する。
だがギュオーはスバルの接近を許さず、重力指弾でこちらの接近を阻む。

(これじゃあ、近付けない……!)

間断なく襲い掛かってくる重力の弾丸を避けているうちに、次第にギュオーとの距離が開いていくのを自覚する。
距離が開けば開くだけ不利になる――こちらの切り札は接近しなければ使えないのだ。
ジリジリと追い詰められるスバルにギュオーがじっとこちらを見据えて低く笑った。

「もう接近などさせんよ。IS『振動破砕』だったか? そんなものを使われては堪らないからな」
「……なんで」

それを知っているの?
その言葉にスバルは一瞬、気を逸らされた。――刹那、ギュオーが手を振り上げて衝撃波を放つ。

「――――っ!」

レイジングハートの自動防御が……僅かに間に合わない。
衝撃がバリアジャケットを通り抜けていくのを、スバルは声なき悲鳴をあげながら理解した。
痛みとショックに耐えながら、地面の上を転がり、スバルはその場に倒れこむ。

「貴様の事は全て知っているぞ、スバル・ナカジマ――いや、タイプゼロ・セカンドよ!」

獣神将がにやりと笑った。それを見て、スバルの背筋にぞくりと冷たい物が走る。
圧倒的な力と全てを見通すようなその眼差しにスバルは確かに恐怖を覚えてしまったのだ。

(勝てない……の? あたしの力じゃ……)

膝が震えて立ち上がることは出来ない。目が霞んで視界がぼやける。

「さて、私も忙しい。そろそろ死んでもらうとしよう」

ギュオーの全身に埋まっている球体が発光し、その腕の中に力が渦巻くのを感じた。
ウォーズマンを倒したあの技だと――そう意識した瞬間。

スバルの脳裏に急激にさまざまな思い出が浮かんだ。

ウォーズマンの顔が。
ナーガの顔が。
ガルルの顔が。
アシュラマンの顔が。
フェイトの顔が。

死んでいった人たちの顔が思い浮かぶ。

(これって……走馬灯?)

そして中トトロの顔が。
キョンの顔が。

思い浮かんではまた消えた。

(やだ……まだ、死にたくない。まだ、死ぬわけにはいかない)

まだ助けられてない、まだ何も出来ていない、まだ……まだっ! 
歯を食いしばり、足に力を込める。
その意思に――身体が応えてくれた。

(まだ……立てる。そうだよ、今のあたしは……泣いてるだけのあの頃のあたしじゃないんだから!)

厳しい教導に耐え抜いた身体はまだ動く、動いてくれた。
地面に手をつき、身体を支える、ゆっくりと立ち上がってレイジングハートを構える。
レイジングハートも応えてくれた。魔力がスバルの眼前に障壁を生み出す。

防げないかもしれない――そんな弱気が脳裏に閃くが、負けるもんかと歯を食いしばって弱気を振り払う。
スバルとは逆にギュオーは勝利を確信しているのか――笑みを浮かべていた。そして。

「では、さらばだ――ん?」

と。
収束した力をこちらに向けた瞬間。突如ギュオーの身体がぐらついた。彼の足元が揺れていたのだ。

「……地震か?」
「ギュオオオオオオオオォォォ――――っ!!」

地震――ではなかった。
それはドリル、それは竜巻、それは――螺旋回転する超人だった。
地下から飛び出してきた黒い竜巻は土を吹き飛ばしながらギュオーの身体をも弾き飛ばす。

「なんだとッーーー!?」

叫ぶギュオーと驚くスバルの間にその超人は着地し――呼吸する。

「コーホー」

と、腕を交差させてしっかりと。
そこには確かに彼が居た。死んだと思った黒い伝説超人(レジェンド)が。

「ウォーズマン! 馬鹿な、なぜ貴様が生きている!?」
「簡単な事だ。オレはセンサーが重力異常を感じたその瞬間、
 自ら超人削岩機(マッハ・パルバライザー)で地面の奥へと潜ることで、ダメージを最小限に抑えたのだ」

平然とそんな事を言われてギュオーが絶句する。

「ウォーズマン……さん?」

倒れそうになりながら名前を呼ぶと、黒い伝説超人は大きく頷いてくれた。

「遅れてすまない。固くなった地盤から抜け出すのに時間が掛かってしまった……大丈夫か?」
「はい……なんとか!」

さっきまでは本当に立ってるのがやっとな状態だったが……今は違う。不思議と力が沸いてくるのを感じていた。
自分が決して一人じゃない、その事が挫けかけていたスバルの心に不屈の力を与えてくれていた。

「リインとキョンは?」
「空曹長は……ここです」

すぐ近くで気絶していたリインをそっと手のひらの上に乗せながら、そう答える。
そして少し躊躇しながら、もう一人の行方も告げた。
450創る名無しに見る名無し:2009/07/28(火) 18:02:55 ID:4TkYJ3Dn
ksk

「キョン君は……その、逃げました」
「なんだと!?」

ウォーズマンが驚愕すると同時に、超人の凄まじさに絶句していたギュオーもそこでようやく立ち直ったのか

「ぐううッ、このくたばりぞこないどもがッ!!」

怒鳴りながら猛然と重力指弾を撃ち出してきた。
ウォーズマンはスバルの身体を抱きかかえながら、大きく飛び退き重力指弾の雨から逃れる。
そして追うようにとんできた重力指弾が様々な物を破壊していく。
神木を、鳥居を、そして狛犬を……ギュオーとの射線上にあったあらゆるモノが破壊されていった。

そしてその時、不思議な事が起こった。
急に大地が鳴動し始めたのだ。

「な、なんだ!?」

再度振動する地面に流石に警戒したのかギュオーは空中へと浮かび上がった。
だが、今度はギュオーの足元だけではなく神社全体が鳴動していた。
物陰に隠れながらそれを見ていたウォーズマンが口を開く。

「スバル。ここはオレに任せてお前はキョンを追え」
「え、でも……ウォーズマンさんは?」
「オレは正義超人としてギュオーとの決着をつけなければならない。
 ……だが、このままキョンを放っておくわけにもいかないんだ」

そこまで厳しい表情だったのだがふと、表情を緩めてウォーズマンは続ける。

「元・残虐超人だったオレにはわかる。
 放送時のあの動揺……奴は自らが行った残虐行為を後悔している。
 だが、一人になれば奴はまた罪を犯してしまうだろう。しかし……お前が居れば。
 お前のテンダーハート(優しい心)が隣にあれば……奴は正道へ帰る事が出来るかもしれないぜ!」

そのウォーズマンの言葉に、スバルは嬉しさと不安がない交ぜになる。

「で、でも! いくら何でもウォーズマンさん一人じゃ!」
「行けスバル! これはギュオーを信じたオレの責任。お前はお前が出来る事をするんだ!」

その強い言葉に押されるようにスバルは吹っ切る。

「わかり……ました! ウォーズマンさん、どうか無事で!」
「ああ、お互いやるべき事が済んだら先ほどのリングで合流しようぜ!」
「はい!」

そしてギュオーが振動する神社に気を取られているのを確認するとウォーズマンが叫ぶ。

「いまがチャンスだ。行けっ、スバーーール!」

ギュオーの注意が逸れているその隙に――スバルはキョンが消えた草むらへと飛び込んでいった。


☆ ☆ ☆ 


沈みかけの太陽の光が木々の隙間から僅かに漏れる。
そんな薄暗い山道を俺はひたすら走り続けた。
視界ははっきり言って悪い。何度も木の根に足を取られて転びかけていたぐらいだ。

こういう薄暗い夕暮れ時の事を逢魔時とか言うんだったか。
確か魔物が出るような時間帯って話だったはずだが――現状では洒落にもならない。
いま現在、俺は魔物から命がらがら逃げ出しているんだからな。

逃げる、逃げる、後ろも見ずにひたすら逃げた。
魔物から?

いや、何も考えたくないのに次から次へと襲い掛かってくるこの現実からもだ。
頼むから休ませてくれよ。今だけは何も考えたくないんだ。
だというのに、なんであんな怪物に命を狙われなきゃならないんだ。
ああ、ハルヒの声が聞きたい。……そう思わずにはいられない。
一日前の俺が聞いたら笑っちまうだろうが今だけは真剣にあいつの声を聞きたい……強く、そう思った。
あいつの声が聞こえたら、何も考えずに済むんだ。
ただあいつを生き返らせるために、ゲームを終わらせる事だけを考えてればいい。
あいつの為に殺せばいいんだ。

そしてまた後悔するのか?

胸が軋む。
朝比奈さんと妹が死んだ、たったそれだけの事で俺はおかしくなっちまった。
なんだか知らんが、妙な事ばかり思い浮かぶ。

もう止めようぜ、俺には無理だったんだ。
古泉を殺せるのか? それにたとえば長門を殺せるか?
無理だ。朝比奈さんと妹が死んだと知ったぐらいでこんなに無様に迷っている俺が、殺せるわけがない。
それともまた雨蜘蛛のおっさんにでも頼むか? 殺してくれって。

胸が軋んだ。
そして激しい胸の痛みに思わず足を止めて胸を押さえていたら――バクン、と。
突然、強殖装甲が解除された。

「う……がっ」

殖装が解けて俺の身体に強烈な痛みが襲いかかってくる。
ガイバーじゃなくなったからだ。……気が遠くなる。
なんで……ガイバーが解除されちまったんだ? 
なんだよ、これは……わけがわからねえよ!

「ガイバーーーーー!」

地面に転がりながら俺は力の限りガイバーを呼んだ。
呼んだと言うのに――何も変わらない。
たしか解除されても呼べば次元の狭間から来るはずだろ。なんで来ないんだよ?
説明書に書いてあったあれは嘘だったのか?

くそ、痛みで気が遠くなる。
どうなってるんだ……ガイバーがなければ、殺せない。
ああ、気が遠くなる、だが意識は……失いたくはない。
また『俺』に……会うのはごめんだ、せめて、ハルヒに会わせてくれ。
そうすれば……俺は……。

☆ ☆ ☆ 

何か声の様なものが聞こえて思わず振り向いた。

「?」

そしてトトロが声が聞こえたほうへと歩いていくと、そこには人間が倒れていた。

「ガルッ!」

血の臭いを感じてライガーが唸る。
その人間の体から濃い血の臭いがしたからだ。
びっくりした顔でトトロが見ていると、その横をすり抜けピクシーがその人間に近づく。

「〜〜?」

ピクシーはその人間が動かない事を確認すると、抱き起こした。
その拍子にうつ伏せに倒れていたその人間の顔がトトロにも見えた。

「!」

トトロの目が見開かれる。
その顔が……見た事のある顔だったからだ。

「――ハァ!」

ピクシーがその人間に気合を込めて回復魔法をかける。
トトロはそれを横目に手のひらに僅かに残っていた手紙の切れ端をじっと見つめていた。

「キュクルー?」
『それは……先ほどの手紙。もしかしてこの人物が?』

フリードとその首にかかっているケリュケイオンがトトロに尋ねる。
それにトトロは無言で頷き、倒れている人間に近寄った。
近くで見るとその人間が負っている傷は――深い。

「フ〜〜」

回復魔法を使い続けていたピクシーも、そんな声をあげてへたり込んでしまう。
どうやらこれ以上、回復魔法を使うのは無理みたいだった。
人間の傷は、まだ治りきっていない。

「…………」

トトロはゆっくりとその両腕でそっとその人間を抱え上げた。

『どうするのですか?』

ケリュケイオンの言葉にトトロはにっ、と笑って駆け出した。
風のように、疾風のように。
木々がつくり出す森の抜け道を全力で走り続ける。
トトロは知っていたのだ。

傷ついた動物が温泉で療養するという事を。


【G-3 森/一日目・夜】

【トトロ@となりのトトロ】
【状態】腹部に小ダメージ
【持ち物】ディパック(支給品一式)、スイカ×5@新世紀エヴァンゲリオン
     フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS
     ライガー@モンスターファーム〜円盤石の秘密〜、ピクシー(疲労・大)@モンスターファーム〜円盤石の秘密〜
     円盤石(1/3)+αセット@モンスターファーム〜円盤石の秘密〜、デイバッグにはいった大量の水
【思考】
1.自然の破壊に深い悲しみ
2.誰にも傷ついてほしくない
3.キョンを温泉にいれて療養させる
4.????????????????

【備考】
※ケリュケイオンは現在の状況が殺し合いの場であることだけ理解しました。
※ケリュケイオンは古泉の手紙を読みました。
※大量の水がデイバッグに注ぎ込まれました。中の荷物がどうなったかは想像に任せます
※男露天風呂の垣根が破壊されました。外から丸見えです。
※G-3の温泉裏に再生の神殿が隠れていました。ただしこれ以上は合体しか行えません。
※少なくともあと一つ、どこかに再生の神殿が隠されているようです。


【名前】キョン@涼宮ハルヒの憂鬱
【状態】気絶、ダメージ(中)、疲労(特大)
【持ち物】デイパック(支給品一式入り)
【思考】
0:ハルヒの声が聞きたい。
1:手段を選ばず優勝を目指す。参加者にはなるべく早く死んでもらおう。
2:ギュオーから逃げる。
3:採掘場に行ってみる?
4:ナーガが発見した殺人者と接触する。
5:ハルヒの死体がどうなったか気になる。
6:妹やハルヒ達の記憶は長門に消してもらう。

※ゲームが終わったら長門が全部元通りにすると思っていますが、考え直すかもしれません。
※ハルヒは死んでも消えておらず、だから殺し合いが続いていると思っています。
※みくると妹の死に責任を感じて無意識のうちに殺し合いを否定しています。
 殺す事を躊躇っている間はガイバーを呼び出せません。

☆ ☆ ☆ 

『スバル。対象が移動を開始しました』

エリアサーチでキョンらしき『複数』の反応を捉えていたレイジングハートがそんな報告をしてくる。

『キョンとその人たちが一緒に歩き始めたって事ですかぁ? ……それって危険ですぅ!』

少し前に意識を取り戻したリインが、スバルが頭にしがみ付きながら悲鳴をあげた。
リインの言う通り――危険だった。
キョンと一緒に居るのが殺し合いに乗っている人間だったら、キョンが。
そして乗ってない人間だったら場合は、その人たちの命が。
スバルはふらつく身体をなんとか前進させながら、レイジングハートに問いかける。

「レイジングハート、まだ……見失ってないよね?」
『はい。ですが対象は異常な速度で移動しています。
 このままではあと数十秒ほどでサーチエリアの外へと離脱されてしまいます』
「もっと速度を上げないと……追いつけないって事だね」

萎えた足に力を込める。大丈夫――走れる。
身体も魔力も限界なんてとっくに超えていた。
だけど、それでも――走る。まだ走れた。

闇に覆われ始めた漆黒の森をレイジングハートの誘導に従いスバルは駆け続けた。
足はしっかりと動いてくれていた。だけど。

「ごほっ……ごほっ」

突然、咳が出る。
息が詰まり、流石に立ち止まって手で口を押さえた。

『スバル!?』

頭上からリインの驚いたような悲鳴が聞こえる。
そしてリインが何に驚いているのか、スバルにもすぐに判った。
口に当てた手のひらが――赤く染まっていたのだ。
一瞬、何が起こったのかまったく理解できず、スバルは硬直する。

『危険です、スバル。すでにダメージは危険領域を越えています。休息を進言します』
『ですぅ! 無茶はいけませんよ。もしかしたら内臓にダメージがあるのかも……』

レイジングハートとリインがそう警告してくれたが、スバルは笑って言った。

「大丈夫ですよ。さっきの戦いでちょっと口の中を切っただけですから」
『でもぉ……』
「ここで止まれません。止まるわけには行かないんです!」

ギュッと腕で口を拭いながら、心配そうなリインを安心させるように力強く、宣言するように言った。

『キョンの為ですかあ?』
「それもあります……でも、それだけじゃないんです。これは自分の為でもあるんです。
 今ここで止まったら、今ここで出来る事をやらなかったら、絶対後悔するって思うんです」

理想を信じてくれたウォーズマンやガルルの為にも……止まるわけにはいかなかった。

『スバルの決意はわかりました……。でもキョンを捕まえたら絶対に休んでくださいね?』

心配そうに、だがそれでもリインはそう言って認めてくれた。
それにしっかりと頷いてスバルは再び駆け始める。自身の信じるモノの為に。


【F-4 森/一日目・夜】

【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】ダメージ(特大)、疲労(特大)、魔力消費(特大)、今の状態で身体を酷使すると吐血します
【装備】メリケンサック@キン肉マン、レイジングハート・エクセリオン(修復率60%)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【持ち物】支給品一式×2、 砂漠アイテムセットA(砂漠マント)@砂ぼうず、ガルルの遺文、スリングショットの弾×6、
     ナーガの円盤石、ナーガの首輪、SDカード@現実、カードリーダー
     大キナ物カラ小サナ物マデ銃(残り7回)@ケロロ軍曹、
     リインフォースU(ダメージ(中))@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
0:キョンを追う。殺し合いに戻るようなら絶対に止める。
1:機動六課を再編する。
2:何があっても、理想を貫く。
3:人殺しはしない。なのは、ヴィヴィオと合流する。
4:I-4のリングでウォーズマンと合流したあとは人を探しつつ北の市街地のホテルへ向かう (ケロン人優先)。
5:オメガマンやレストランにいたであろう危険人物(雨蜘蛛)を止めたい。
6:中トトロを長門有希から取り戻す。
7:ノーヴェのことも気がかり。
8:パソコンを見つけたらSDカードの中身とネットを調べてみる。

※大キナ物カラ小サナ物マデ銃で巨大化したとしても魔力の総量は変化しない様です(威力は上がるが消耗は激しい)
※リインフォースUの胸が大きくなってます。
 本人が気付いてるか、大きさがどれぐらいかなどは次の書き手に任せます。


☆ ☆ ☆ 


それはある意味ショッキングな光景だった。
特にギュオーにとっては。

「神社が変形する……だと……!」

ギュオーが呆れたような驚いたような微妙な呻きを漏らした。
そう、ギュオーの言うとおり神社は機械的な動きで変形をしていった。
屋根だけは原型を留めているが、他は壁だろうが床だろうが関係なく、動き、曲がり、合体していく。
そして神社だったものはウォーズマンにとって見慣れたある物へとその姿を変態し終える。
それは。

「……リングか」

思わず呟く。
そう、スポットライトに照らされたそれは――どう見てもリングだった。
屋根とそれを支える柱だけを残して神社の壁や床は変形してリングとなっていたのだ。

「な、なんだこの……ありえん変形は……!」

変形してリングに変わる神社など始めて見たのだろう。ギュオーはその瞬間、完全に戦いを忘れていた。
だが、長い年月様々なリングを見てきたウォーズマンはその驚愕から立ち直るのもまた早かった。

「スクリュー・ドライバー!」

ウォーズマンは大きくジャンプをするとその身を黒い竜巻へと変えて空中で佇むギュオーに襲い掛かった。
しかし、ギュオーはやはり只者ではなかった。
直前でそれに気付くと咄嗟にバリアを張って受け止める――が。

「なにいッ!?」

それでも尚、ギュオーは驚愕の声をあげた。
確かにバリアで受け止めはしたのだが――黒い竜巻はバリアごとギュオーを押し始めたのだ。

「ぬ……!」

荒れ狂う黒の奔流に押しやられるようにギュオーはリングの上へと着地した。
そしてウォーズマンも回転を止め、リング上へと身を躍らせながら宣告する。

「ギュオーよ。このリングで相手をしてやる!」

ウォーズマンは超人レスラーだ。
リングの上でこそ100%の力を発揮できる。故にリングでの決着を望んだ。
ただ、それだけだったのだが――それはウォーズマンにも予想しえない事態を引き起こした。

『警告。シールデスマッチモードの発動を確認。現時点からリング外は全て禁止エリアとなる。繰り返す。警告――』

いきなり首輪からそんな警告が発せられ

「……!」
「なんだとッ!」

図らずも二人の動きが同時に止まった。
そして首輪は数度警告をすると完全に沈黙してしまい、それ以上の情報は何も得られなかった。

「どういう事だ……まさか主催者どもは私達をこのリング上に閉じ込めたのか?」
「首輪の警告を信じるならばそういう事になるな……」

敵同士だというのにギュオーが漏らした独白に思わず返事をしてしまう。
距離を取りながら、思考の迷宮に入りかけていた二人だが……異常事態は止まる事をしらず、更に襲い掛かってきた。

ゴゴゴゴ。

と。
再び地面が鳴動する。

「今度はなんだ?」

ギュオーが呻きながら尋ねてくるがウォーズマンに答えられる筈もない。
そしてしばらくするとリングの中央の床から何かがせり出してきた。



 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 | 僕は実況中トトロ!,|
 |_________|
    .∧ | ∧     
   ,i  |_,! i、    
   i .。 |_ 。, `i    
   i -ー、―-、 |    
   i ,/"^ヘ^i i   
   i i'       | |   
   i ヽ_,._,/ ,'   
    ゙ー---―'  


呆然とした二人が正気に戻るのには数分を要した。
458創る名無しに見る名無し:2009/07/28(火) 18:09:42 ID:4TkYJ3Dn
ksk
459創る名無しに見る名無し:2009/07/28(火) 18:10:26 ID:j2V/Dxk4
ksk
460創る名無しに見る名無し:2009/07/28(火) 18:43:48 ID:x+vbkoRL
ksk

☆ ☆ ☆ 

「そうか、お前がスバルが言っていた中トトロか」
『スバルを知ってるの?』
「ああ。少し前までこの場に居たぜ」
『スバル……元気だった?』
「ええい、関係ない話をしている場合か! 動物ッ! つまり貴様はこの試合のジャッジをするというのだな?」

ウォーズマンが主導となり中トトロから事情を聞きだしていたのだが、話が逸れた事に苛立ったギュオーが割り込んで来た。
その苛立たしげな様子は先ほどの放送で『主催者への攻撃のペナルティ』、『かわいい部下も対象』という
あの警告がなければ中トトロを締め上げていただろう、とウォーズマンが確信するぐらい荒々しかった。

『実況役でもあり、観客でもあるよ』
「なるほど、つまりは先ほど長門がやっていた――」
「貴様の立場は判った。それでシールデスマッチモードとはなんだ? 何故リング外がすべて禁止エリアとなったのだ!」

などと、ウォーズマンを押しのけて、またギュオーが質問をする。
言葉を遮られ、内心で思うところもあったが――その疑問はウォーズマンも持っていたので黙って見守る。

『じゃあ説明するね』

と、二人の視線を浴びた中トトロは軽く頷きながら説明をはじめた。
たどたどしいその説明を簡単に纏めるとこうだ。

・シール(封印)デスマッチモードとはリング上での決着がつくまでリングの外が全て禁止エリアとなり、
 勝負から逃げ出す事が出来ない特殊なデスマッチである。
・ただしリングアウトしたからと言って即座に首輪が発動する事はない、一分間だけ猶予が与えられる。
・勝者がリングの上に設置されている籠の中に敗者を入れることで試合終了。
 その時点でシール・デスマッチモードは解除され、リング外全禁止エリア化は消滅する。

「なるほどな、大体わかった。つまり変則のケージマッチみたいなものだな?」

ウォーズマンは天井から吊るされていた鉄柵で出来た籠の様なものを見ながら尋ねる。
気になってはいたのだが、恐らくあれが敗者を放り込む檻なのだろう。

『その通りだよ! それで、あの……』
「まだ何かあるのか?」

僅かに躊躇ったような中トトロの言葉を聞いてウォーズマンは先を促す。

『今回は少し問題があって、その、あと三十四分以内に勝負がつかなかった場合、二人とも……溶けちゃいます』

あっさりと告げられた、そのとんでもない言葉にギュオーが驚愕したように絶叫する。

「な ん だ と !」
「……! しまった、そういう事か〜〜っ!」
「そういう事とは……どういう事だウォーズマン!?」

接近してくるギュオーに思わず先制攻撃をしそうになったが、
ウォーズマンのフェアプレイ精神がそれを辛うじて押し留める。
それでも流石に冷静ではいられず早口でその事実をギュオーへと伝えた。

「ギュオーよ、先ほどの放送を思い出せ。
 このエリアはあと三十四分……いや、正確にはあと三十三分二十四秒後には禁止エリアになるんだぜ――っ!」
「そうか! つまりそれまでに決着をつけ、このエリアから離れなければ二人して液体化する……そう言う事か!?」

ギュオーの問いかけに中トトロが頷く。

『そういう事です。なので早く試合を開始して決着を――』

そんな中トトロの言葉を最後まで聞くまでもなくギュオーは動いた。

「うおおおおおおおお! いくぞ、ウォーズマンッ!!」
「よかろう、来いギュオーーーっ!!」

カーン、と。高らかに試合開始のゴングが鳴り響いた。
今、主催者すら予測しなかったであろうデスマッチが始ったのだった。

F-5が禁止エリアになるまであと――三十三分。



【F-5/神社/一日目・夜】

【リヒャルト・ギュオー@強殖装甲ガイバー】
【状態】 全身軽い打撲、ダメージ(中)、疲労(中)
【持ち物】参加者詳細名簿&基本セット×2(片方水損失)、首輪(草壁メイ) 首輪(加持リョウジ)、E:アスカのプラグスーツ@新世紀エヴァンゲリオン、
     ガイバーの指3本、空のビール缶(大量・全て水入り)@新世紀エヴァンゲリオン、
     毒入りカプセル×4@現実、博物館のパンフ
     ネルフの制服@新世紀エヴァンゲリオン、北高の男子制服@涼宮ハルヒの憂鬱、クロノス戦闘員の制服@強殖装甲ガイバー
【思考】
1:優勝し、別の世界に行く。そのさい、主催者も殺す。
2:ウォーズマンを倒しこの場から脱出する。その後、キョンを殺してガイバーを手に入れる。
3:自分で戦闘する際は油断なしで全力で全て殺す。
4:首輪を解除できる参加者を探す。
5:ある程度大人数のチームに紛れ込み、食事時に毒を使って皆殺しにする。
6:タママを気に入っているが、時が来れば殺す。

※詳細名簿の「リヒャルト・ギュオー」「深町晶」「アプトム」「ネオ・ゼクトール」「ノーヴェ」「リナ・インバース」「ドロロ兵長」「加持リョウジ」に関する記述部分が破棄されました。
※首輪の内側に彫られた『Mei』『Ryouji』の文字には気付いていません。
※擬似ブラックホールは、力の制限下では制御する自信がないので撃つつもりはないようです。
※ガイバーユニットが多数支給されていると推測しました。
※名簿の裏側に博物館で調べた事がメモされています。
※詳細名簿の内容をかなり詳しく把握しています。

【名前】ウォーズマン @キン肉マンシリーズ
【状態】全身にダメージ(中)、疲労(大)、ゼロスに対しての憎しみ、サツキへの罪悪感
【持ち物】デイパック(支給品一式、不明支給品0〜1) ジュエルシード@魔法少女リリカルなのはStrikerS
     クロエ変身用黒い布、詳細参加者名簿・加持リョウジのページ、タムタムの木の種@キン肉マン
     日向ママDNAスナック×12@ケロロ軍曹
     デイバッグ(支給品一式入り)
【思考】
1:ギュオーを倒し、この場から脱出する。その後はI-4のリングでスバルを待つ。
2:タママの仲間と合流したい。
3:もし雨蜘蛛(名前は知らない)がいた場合、倒す。
4:スエゾーとハムを見つけ次第保護。
5:正義超人ウォーズマンとして、一人でも多くの人間を守り、悪行超人とそれに類する輩を打倒する。
6:超人トレーナーまっくろクロエとして、場合によっては超人でない者も鍛え、力を付けさせる。
7:機会があれば、レストラン西側の海を調査したい
8:紫の髪の男だけは許さない。
9:パソコンを見つけたら調べてみよう。
10:最終的には殺し合いの首謀者たちも打倒、日本に帰りケビンマスク対キン肉万太郎の試合を見届ける。

【備考】
※ゲンキ、スエゾー、ハムの情報(名前のみ)と、サツキ、ケロロ、冬月、小砂、アスカの情報を知りました。
※ゼロス(容姿のみ記憶)を危険視しています。
※加持リョウジを主催者側のスパイだったと思っています。ただしその事を他言する気はないようです。
※状況に応じてまっくろクロエに変身できるようになりました(制限時間なし)。
※タママ達とある程度情報交換をしました。
※DNAスナックのうち一つが、封が開いた状態になってます。

※【シールデスマッチ用特設リング】
神社が変形して出現したリングです。
リング起動用のスイッチは神社にあった狛犬の石像の口の中……だったのですがギュオーの攻撃で破壊され、運悪くスイッチが入ってしまいました。
名前の通りリングの外に逃げられないようにリング外が全て禁止エリアになるというシール(封印)されたリングです。
リングに二人以上の人間が立つとシール(封印)が発動。
リング外禁止エリア化という封印を解除する為には天井付近に設置されている檻に敗者を叩き込むか、あるいはリングアウト等で敗者が死亡した場合のみ解除されます。
敗者を放り込む檻は頑丈で、一旦閉まると簡単には脱出できないようになっています。
464 ◆YsjGn8smIk :2009/07/28(火) 19:08:05 ID:CSfmwnp5
以上で投下終了です。
ksk感謝!
予想以上に色々と長くなってしまって申し訳ないっす。
465創る名無しに見る名無し:2009/07/28(火) 19:21:49 ID:JYFeE0hi
なるんだぜ――っ!に吹いたw
乙です!
466創る名無しに見る名無し:2009/07/28(火) 20:54:40 ID:3E7YbMRz
投下乙です!
新たなリング出現、シールデスマッチで残り33分の攻防とは面白くなってきましたね。
「答えは………… ” Y E S ” だッ!!」の所とか、いろいろ原作ネタが入ってるのも嬉しいw
キョンが精神的理由でガイバー呼べなくなるのも原作で晶が同じようになってたなあ。

文字通りデスマッチの神社組も、なのはたちのいる温泉に向かってるキョン達も
どっちも先が楽しみです。GJでした!
467創る名無しに見る名無し:2009/07/28(火) 21:05:18 ID:eKc5oGO8
投下乙です!
トトロ誘拐犯w
やっぱりうっかりした閣下だけど戦闘力は強いんだよなぁ
コミカルと強さ怖さのバランスが絶妙です!
468創る名無しに見る名無し:2009/07/28(火) 22:06:22 ID:Wa86IK4G
投下乙です。
気になったのですがG-3のトトロをF-4にいるレイジングハートが追跡できるのはサーチ範囲が広すぎないでしょうか?
しかも高速で遠ざかるトトロを数十秒続けて追跡できると強調されてますが性能が良すぎると思います。
学校でクロスミラージュのサーチ範囲が問題になった事もありますので余計気になりました。
469創る名無しに見る名無し:2009/07/28(火) 22:10:52 ID:7qG5y2nF
投下乙!
ウォーズマンと閣下のガチバトルか……とても見物だぜ。
kyonの変身不能やスバルの決意などとても主人公っぽいと思いました!
470創る名無しに見る名無し:2009/07/28(火) 22:56:35 ID:TYKx8tzK
投下乙です
ここでもリングだがシールデスマッチで残り33分とは凶悪だな
ウォーズマンと閣下のガチバトルの行方が気になる
kyonの変身不能はどう転ぶか?
スバルはスバルでヤバい状況だがそれでも折れない決意がいい
そしてトトロキタ!
471創る名無しに見る名無し:2009/07/29(水) 00:45:36 ID:l7txnBrg
投下乙!
トトロ逃げてーーーー!!
そいつ危険だから! めっちゃ危険だから!
まあ血の匂いプンプンだし流石に気付いてるだろうけど。
ケリュケイオンもようやく話のできそうな人の所に行けるかな?

>>468
同意。
選択肢を広げる意味でも途中で完全に見失うことにする方がいいかも。
このままだとトトロもスバルも温泉に行くだろうし、
下手したらなのは達と合流するだろうし。
472創る名無しに見る名無し:2009/07/29(水) 04:37:45 ID:E6l04Fnh
>>318
今更で悪いけれど

グロッキー&ワルサーの死を放送で聞かされる

優勝して二人を蘇らせてもらおうかと一瞬だけ考えるが
「そんな事をグロッキーとワルサーが喜ぶもんかい!!」
とすぐに考え直す

「見てなさいよ!こんな殺し合い、このマージョ様がぶっ壊してやるからね!」と宣言

と熱血対主催モードに突入するマージョを想像してしまった。
で、正反対の道に進んだkyonを諭したり。
473創る名無しに見る名無し:2009/07/29(水) 10:22:03 ID:HtD3eNA8
>>472
元ネタをkwsk
474創る名無しに見る名無し:2009/07/29(水) 10:28:06 ID:/XbNJfBW
5X氏はどうなったんだろう。
連絡頼みます。
475 ◆YsjGn8smIk :2009/07/29(水) 12:23:48 ID:ekRW7ZQL
沢山の感想サンクス!

>>468
指摘どもです。
実際にはちょうど境界線上に居るような感じで、両者の位置はそれほど離れていません。
そしてサーチ範囲の件ですが、
トトロが走り出した時点で、既にスバルはキョンの至近、数十メートルほどまでに追いついていました。
更にスバルもふら付きながらとはいえ早足で移動しているので、
トトロとの速度差は緩くなりサーチできる時間も多少長くなります。

と本文で説明しとくべきでした。
申し訳ない。サーチ時間の微調整と一緒に以下の内容へと加筆修正します。


『スバル。対象が移動を開始しました』

エリアサーチでキョンらしき『複数』の反応を捉えていたレイジングハートがそんな報告をしてくる。
あと数十メートル程度の距離まで追い付いていただけに、その報告はスバルの気勢を僅かに削いだ。
そんなスバルの頭の上から悲鳴があがる。

『キョンとその人たちが一緒に歩き始めたって事ですかぁ? ……それって危険ですぅ!』

それは少し前に意識を取り戻したリインだった。
ダメージが大きく、自力での飛行が困難なためスバルが頭の上に乗せていたのだ。

スバルはふらつく身体をなんとか前進させながらその言葉の意味を考え、ふいに理解した。
確かにリインの言う通り――危険だった。
キョンと一緒に居るのが殺し合いに乗っている人間だったら、キョンが。
そして乗ってない人間だったら場合は、その人たちの命が。
スバルは迷路のような木々の間を、早足ですり抜けながらレイジングハートへと問いかけた。

「レイジングハート、まだ……見失ってないよね?」
『はい。ですが対象は異常な速度で移動をしています。
 現在の速度差ではあと十数秒ほどでサーチエリアの外へと離脱されてしまいます』
「もっと速度を上げないと……追いつけないって事だね」


以上です。それと状態表も↓のように修正します。

【G-3 森(F-4との境界線付近)/一日目・夜】
【トトロ@となりのトトロ】

【F-4 森(G-3との境界線付近)/一日目・夜】
【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】

>>471
追いつけるという可能性も残しておきたいので、そこら辺の修正はどうかご勘弁を。
現在のスバルの状態、トトロとの速度差、夜の視界の悪さなどのせいで追いつくのもかなり難しいと思いますし。
476創る名無しに見る名無し:2009/07/29(水) 18:24:19 ID:VijX+JLE
素早い修正乙です
これなら問題ないと思います
477創る名無しに見る名無し:2009/07/29(水) 22:14:36 ID:yHLq3FXX
>>473
どっこから来たのかごっくろうさんね、タ〜イムボカ〜ン
478創る名無しに見る名無し:2009/07/30(木) 00:23:49 ID:97k6Yh6D
ニコ動のkskMAD見返してたがいいわー。
三回放送記念もできないだろうか。
俺が作りたいくらいだけどそういうの全く駄目なんだよなあ……
479 ◆5xPP7aGpCE :2009/07/30(木) 03:20:47 ID:ewwctZPU
大変お待たせしてしまい申し訳ありません。
先程仮投下いたしました、問題点ありましたら意見お願いいたします。
480創る名無しに見る名無し:2009/07/30(木) 10:32:07 ID:Aaj8baGY
仮投下乙です
特に問題はないと思いますので、本投下お待ちしています!
481創る名無しに見る名無し:2009/07/30(木) 12:07:53 ID:gLkHC27w
仮投下乙ですー
見てみましたが特に問題はないと思われます
482創る名無しに見る名無し:2009/07/30(木) 20:53:02 ID:xewjil4Q
仮投下乙です
見ましたが問題ないと思います
483創る名無しに見る名無し:2009/07/31(金) 16:52:25 ID:Q/NoWcZV
人いねえ・・・
484創る名無しに見る名無し:2009/07/31(金) 20:50:13 ID:DwHJgy9q
仮投下乙です
問題というか単なる脱字ですが、仮投下スレの546
>力の無い者が次々に死んでいる、みくるやシンジは言うに及ばず戦闘経験が豊富とはいえただの人間である砂も死んだ。
「砂」というのは小砂みたいですね。

後は問題ないと思いました。
485 ◆5xPP7aGpCE :2009/08/01(土) 18:07:32 ID:bZ2E1pxC
大変お待たせして申し訳ありません、問題ないとの事ですので今より加筆したものを投下いたします。
486Hard Luck Duo ◆5xPP7aGpCE :2009/08/01(土) 18:09:00 ID:bZ2E1pxC




太陽は今尚海と空を紅く染めていたが既に水平線の彼方に半ば以上没していた。
さほど時間を経ずして完全に沈むだろう、そして日中暖められた気温は心地良い程度にまで下がる。
だが例外もある、島の最北部では最も陽が高かった時の気温を更に更新し続けていた。

街とは人類が生み出した可燃物の集合体でもあった。
強風に煽られて火勢は一向に衰えない、何一つ消火活動が行われない無人の街を飲み込み尽くさんと寧ろ勢いを増している。
既にその尖兵は海岸までを制圧し、東西に前線を押し広げていた。

数十分前まで集っていた者達の姿は既に無い。
脱出手段を見つけた者は早々と去り、戦いを選んだ者は命を失った。
今や炎が主人として闊歩する街に残るのは僅か、その中に敗残兵の様に追い立てられる者が居た。



               ※       



―――遠くへ、化け物と災から出来るだけ遠くへ!

一人と一匹の逃亡者はひたすら走っていた。
人間の川口夏子とモンスターのハム。姿形は異なっても危険を避けるという生物的本能は変わらない、僅かでも安全な場所を求めて東を目指す。
だが走っても走っても熱気からは逃れられなかった、市街地全体がオーブンに放り込まれたと錯覚する程に灼熱地獄と化していた。
汗は忽ち蒸発し呼吸の度に喉が痛んだ、風すらも熱せられ天然のドライヤーとして丸干しにしようと吹き付ける。

シンジの地図に合流場所として記したデパートはとうに過ぎ去っていた。
元々期待薄であった上、来ていたとしてもこの大火の前では逃げ去っているだろうと思うしかない。
今は自分達の身の安全が何より優先なのだ。

川口夏子は今の自分が許せなかった。
強者の争いに巻き込まれたのは運が悪かったと納得できる、結果撤退したとしても何ら恥ずかしくは無い。
しかし過程はどうだ、自分は冷静に対処し最善の道を選べたのか?
―――否
では持てる力を振り絞り納得のいく戦いが出来たのか?
―――それも否

『わかるか? これが力の差というものだ。首をへし折られるか、切り落とされるのが嫌なら俺に逆らわない方が懸命だぞ』

何も出来なかった、化け物に呆然とし交渉すら成立せず単なる囮として利用された。
その上涙目で考えた事は現実逃避とも言える力への渇望、最初から最後まで子供同然の有様だった。

(女だから、弱いからいけないんだ! 無知だからヒドイ目にばかり遭うんだ!)

あの日以来何度も自分に言い聞かせてきた、大事だった家の手伝いも止めて努力し続けて来た。
西オアシス政府の軍人になれたのはそれだけの汗と血を流したからだ、何もせず強くなりたいなど―――自分自身を侮辱するに等しいというのに。
何と無様な事か! これでは糞に塗れたあの時の自分と変わらないではないか。

『だ、だからといってあなたのような危険のある人物を近くに置くわけには――がふっ』

何故あの時の自分はあんなに情け無い声を出した?
危険な連中など灌太を始め幾度も相手して来たではないか、姿形が違うだけであれ程取り乱すなんて!
今迄生きてきた結実がこれか、自分はここまで弱かったというのか!
487Hard Luck Duo ◆5xPP7aGpCE :2009/08/01(土) 18:10:16 ID:bZ2E1pxC

己を取り戻すに従ってまざまざと記憶が蘇る。
とてつもなく耐え難い感情が渦を巻く。
衝動的に壁に頭を叩き付けたくなった、絶対にこのままの気分でいたくない!

「……殴って」
「ムハッ、何を言っているのですか夏子さん?」

それは罰。
それは二度と同じ事を繰り返さぬ為の誓い。
身に塗れた弱さを打ち払う為の夏子の選択。

「いいから殴って! これはケジメよ!」

ハムは急にそんな事を言われ戸惑いの表情を浮かべる。
だがすぐに夏子の顔を見て合点が行ったらしい、走るのを止めてブンブンとシャドーボクシングをしてみせる。

「言っておきますが我輩の拳は痛いですよ、本当に良いのですかな?」
「ええ手加減は無用よ、ガツンとして頂戴!」

目を閉じた夏子が横を向く、それは頬を殴れという意思表示。
夏子が立ち直ってくれるのはハムにとっても歓迎だ、女性を理由に断れば恐らく更に夏子を怒らせる。
ならやるべき事は只一つ、ハムは躊躇無くそれを実行した。

跳躍力に優れる兎の後脚が大地を蹴る。
更に屈めた身体がバネを効かせて上体を加速、固く握り締められた拳はフック気味の軌道を描いて夏子の顔面に激突した。

”ガゼルパンチ”

野生の獣が放ったそれを受けて夏子は3メートル余りも吹き飛んだ。
言われた通り手加減無しの本気の一撃、道路をマネキンの様に転がる彼女を見てハムの表情に不安が浮かぶ。
駆け寄ろうとした矢先、ヨロヨロと夏子が立ち上がった。

「いいパンチだったわ……、あんたウチの隊でも十分やっていけるんじゃない?」
「お褒めに預かり光栄です、正直立ち上がれないのかと思いましたよ」

鼻血と口元の血を袖で拭いながらも夏子は笑う、酷い顔だが憑き物が落ちたように目は光を取り戻していた。
これでいい、弱い自分とは決別しなければならないと彼女は自分に言い聞かせる。
砂漠で弱気になれば絶望を呼び込む、ここから新しいスタートを切れるかどうかが生死を分ける。
ぱん、と自分でも頬を叩いて気合を入れる。激痛が走るが死ぬ事と比べたらどうという事は無い。

「ハム、こんな頼りない同行者を見捨てたくなった? だとしても文句一つ言わないわよ」

夏子はここで改めて自分が認められているのかを問う。
さっきといい今迄といい本当に情け無い所を見せてしまった、賢い兎が別れを望むならば止めはしない。
信頼を失った相手と同行を続けたところでその末路は知れている。

「我輩を見くびらないで下さい夏子さん、先程の夏子さんならともかく今の貴方とは寧ろこちらから同行をお願いしたい程ですよ。
 第一ここで夏子さんを見限ったところで何一つ我輩の有利にならないじゃないですか」
488Hard Luck Duo ◆5xPP7aGpCE :2009/08/01(土) 18:11:35 ID:bZ2E1pxC

ハムは当然のように首を振る。
確かに夏子は弱さを見せたがそれは彼とて同じ事。
悪魔将軍、アプトム、ゼクトールといった力の及ばない強者を知った、その上で別れるなど彼ならずとも愚策と判断するだろう。
幸い夏子は自ら立ち直った、彼女の気概を見せられてハムは自ら頬を出す。

「次は夏子さんがお願いします、私にとっても先の事は失態でしたし報いを受ける理由はあります」
「そして信頼も得たいという所かしら? まあいいわ、お互い貸し借り無しでやりましょう!」

言うが早いか夏子が動く、腰を軸に上体を捻り反作用が脚を勢い良く加速する。
横薙ぎの踵が先程のお返しとばかりハムの横っ面を猛打した、踏ん張りも効かずに二足兎は体操選手の様に回転する。
それでも受身はキッチリとこなすのはさすがモンスターという所か。

「イタタタ……、夏子さんも本当に手加減しないんですから危うく気を失うかと思いましたよ」
「それはお互い様じゃないの? さて、貴方のこれからの考えを聞かせて貰えないかしら」

頬を押さえるハムを夏子は助け起こした、今は早急に行動方針を決めなくてはならない。
策士として警戒していたが今や一蓮托生といっていい状況である事はハムとて解っている筈だ。

「我輩達の選択肢は限られてます、逃げるか引き返してあの人達に取り入るかです」

強者を味方に付けるのは街に来た目的の一つだった、頭を下げてでも仲間になるメリットはある。
あの時は先に夏子が断ってしまったが話し合いの余地は十分に有るとハムは睨んでいた。

「後者は反対ね、私達の感情を抜きに考えても決着が付いた後で仲間にしろというのは今更過ぎるわ」
「同意見です。それに夏子さんは感情的に申し出を受け付けなかったみたいですが合わないと思う勘は案外当たるものです。
 あの人達とたとえ組めても長続きしなかったと割り切りましょう」

こぼれた水は戻らない、ハムとて一度決裂した以上望みは薄いと思っている。
二人以外の他人は所在が知れない、なら逃げるしかない。言葉を交わすまでも無く頷き合う。
逃げ道についても選択の余地は無い、西側は完全に塞がれた、北や東は海に追い詰められるだけ。
火災の鎮火を期待するのは砂漠で雨乞いをするも同然、夏子とハムは既に市街地の運命を見限っている。

風が急速に強くなっていた。
偶然の追い討ちでは無い、火災の高熱が猛烈な上昇気流を生み出して周囲の空気を引き寄せているのだ。
それは新たな酸素を供給し、個々の火災を集束させ、巨大な塊となって渦を巻く。

”火災旋風”

大火や山火事で非常に恐れられる現象が起こり始めていた。
数百度の高温ガスが荒れ狂う炎の嵐、パゴダの様に立ち上るそれは今遠くともやがて襲い来る地獄。
危険を承知で南下する以外に道は無かった、もはや悪魔将軍を恐れてはいられない。

「急ぐべきです、下手すると南に火が回ってしまいます」

ハムが促す。ここからでは良く見えないが南の山腹でも盛んに煙が立ち昇っていた。
燃え方次第では炎に囲まれてしまう、ハムはそれを心配しているのだ。
夏子もそれは解っている、だが目の前の建物に気付いて立ち止まる。
ハムもすぐにそれに気付いた、看板に書かれた文字がはっきりと建物の役目を教えていた。

「診療所ですか、こんな街外れに在ったんですねね。まさかあそこに立ち寄りたいと!?」
「ええ、傷の手当てに使えるものが残っていれば是非回収しておきたいわ」
489Hard Luck Duo ◆5xPP7aGpCE :2009/08/01(土) 18:14:01 ID:bZ2E1pxC

ハムはもう一度振り返って炎が到達する時間を推し量る、多少の品を持ち出す程度の余裕は有りそうだ。
これは不幸続きの一人と一匹に与えられた果実なのかもしれない。
ここまで来て何も得ずに引き返すのかという気持ちはハムにも有る、程無くして失われるとわかっているだけに一層美味として瞳に映る。

「異論はありません、ですが夏子さんはそれらの品を使えるのですか? 宝の持ち腐れというのは勘弁いただきたいのですが」
「当然よ、応急措置程度なら実務経験を何年も重ねてるわ」

録に医者が居ない関東大砂漠では自分で怪我の措置をするのは当たり前だった。
既に走り出した夏子を追いながらハムはやはり別れなくて正解だったという思いを新たにした。

(それにしても―――何故この施設は地図に載ってなかったのでしょうかね?)

ハムの疑問は尤もであった、確かに目立つ建物ではないが命のやり取りが行われる舞台では海の家や廃屋などよりよっほど重要度が高い筈。
なのはに朝倉、リナの様に治癒の技能を持つ存在が居る故か? だとしても医療施設としての価値を減じるとは思えない。
だがそれを言うのならこの島そのものが不可解なのだ、一施設の不記載などそれに比べればほんの些細な事に事に過ぎない。



               ※       



一般に離島の診療所は設備が充実しているとは言い難い、重病の患者は本土の基幹病院へ搬送するのが基本であるからだ。
それ故に市街地の外れなのだろう、ヘリポートを併設する診療所となればどうしても立地が限られる。
この島はレジャー施設が多いリゾート地という理由からか、離島としては充実した診療所であった。

「包帯、消毒薬、手術道具に医薬品各種、白衣まで有るわね。出来る限りの物は持っていくわよ!」
「ムハ〜、では我輩は病室を見回るついでに毛布やシーツでも集めるとします」

奇妙な言い方だがここは誰一人として訪れた事の無い処女地であった。
全ての物が手付かずのまま残っている、棚には整然と薬品の瓶が並び、掃き清められた室内にはゴミ一つ落ちていない。
手分けして有用と思われるものをバッグに詰めた、特に縫合糸や鎮痛剤など外傷の治療に役立つものは真っ先に確保した。

彼女らの貪欲さはこれまでの失ったものを少しでも埋め合わせようとしているかに見えた。
仲間とは離散し戦力も不足、せめて道具をと思うのは自然かもしれない。
それらが役立つ時が来るのかはわからない、それでも、賽の河原だとしても希望は積み上げていかねばならないのだ。

夏子が腕を止めた時、収納が全て開け放たれ台風や地震の被災地さながらの光景がそこに在った。
薬品はあらかたバッグに詰めた、急いだ為に高血圧や糖尿病の薬といった役に立ちそう無いものも混じっているだろうが元の世界の土産にはなる。
医学書までも回収したがさすがに手術台やレントゲンを持っていく事は諦めた。

時計に目を遣ればあと少しで放送が始まる、一通りの物は手に入れた事だしハムと合流して一緒に聞くべきだろう。
廊下に出るとムンとした熱気を感じた、窓から熱線が入り込んできているのだ。
見渡せばまだ手付かずの扉が並んでいる、この時夏子は取りこぼしが無いかと気になった。

中を覗く程度ならと手近なドアノブに手を掛ける。
第一目的の医療品は集め終えた、他に何か有れば僥倖だ。
そこは診察室か医師の詰め所なのだろうか、整然とした室内には大きな机が置かれていた。

薄暗いその中に夏子は足を踏み入れる、探すまでも無くそれはあった。
机に設置されていたのはモールとゴルフ場でも見かけたアイボリーの箱、即ちパソコン。
だが夏子の瞳は険しかった。

「S、O、S? こんな文字は前見たパソコンには無かったわね……」
490Hard Luck Duo ◆5xPP7aGpCE :2009/08/01(土) 18:15:51 ID:bZ2E1pxC

そのパソコンは奇妙であった。
モールのパソコンもゴルフ場のパソコンも最初は電源が入っておらず当然画面も消えていた。
なのにこのパソコンは点いている、三文字のアルファベットが浮かんでいる―――となれば。

まさか他に誰かが入り込んだのか!? 夏子は銃を取り出して警戒を強める。
しかし気配は何処にも無い、不審に思いながらも夏子は銃を下ろさない。

もう一度室内の状況を観察する。
引き出しに荒らされた形跡は無い、椅子も丁寧に収まっている。
丁寧に掃除されているらしく髪の毛一つ落ちてない、机にはパソコン、そして電話。
壁に連絡先の一覧が有った、大文字で記された番号は島外へ患者の搬送を依頼する為のものらしい。

半開きのブラインド越し外を見やればそこは広々としたヘリポート。
着陸の邪魔とならぬよう視界は非常に開けていた、遠くでキラキラと輝く海が見えた。

(あれは……まさか全て水だというの!?)

一瞬気が遠くなりかける、あれ程の大量の水は初めて見る。
ここは生まれ育った砂漠とは隔絶している、まるで御伽噺の中の世界だ。
だが首を振って余計な考えを振り払う、今はいくら水が在ろうが意味が無い。

離れた位置に駐車場が在った、ポツンと一台の車が置いてある。
殆ど白の車体に横に引かれた赤いライン、一般的に救急車と呼ばれるものだが夏子は知らない。
今迄車は一台も見かけなかった、こんな町外れに在ったとは。

しかし衝撃に流される訳にはいかない、今は室内を調べるのが先決だ。
改めて壁の連絡先を確かめる、そこには島内各地の電話番号が載っている。
繋がれば安全に他者と接触ができるかもしれないがそれよりも異常なパソコンだ。

今直ぐ調べる? いや時間が無さ過ぎる、ここは一旦ハムと相談して―――

「夏子さん」

―――!!!

突然背後から声が掛けられた。
一瞬で振り向くと部屋の入り口に見慣れた兎が立っていた、危うく発砲しかけた指先が脱力する。

「何よ、脅かさないで。本気で焦ったわよ」
「それはこちらの台詞ですよ夏子さん、放送が近いから来てみたのですが……何かあったのですか?」

夏子が銃口を下げると共にハムも思わず上げた両手を下ろす。
視線だけで夏子が示す、ハムも視線を追って文字の浮かんだパソコンに気付く。

「言っておくけど私は何もしてないわよ、最初に見たときからあの状態だったの」

ここには誰も来てない筈、奇妙だと言いたげな声で夏子は語った。
薄暗い部屋に浮かぶSOSの文字、得体の知れないそれは確かに不気味な雰囲気を放っている。
ハムは一瞬目を細めたもののすぐ夏子に視線を戻した、夏子も理解して頷く。
今構ってる暇は無い、パソコンはひとまず放置してその場で地図と名簿を広げるると直後に放送が始まった。

『全員聞こえているかな? まずは君達におめでとうと言ってあげるよ。
 辛く厳しい戦いを乗り越えてここまで生き残っているなんてそれだけで褒められるものだしね』

夏子もハムも一言も発しなかった。
一語一句を聞き逃すまいと集中する、夏子達にとって放送は数少ない情報源だ。
特に今回は繰り広げられる動乱を目撃しただけに敏感にならざるを得ない、ペンを構えながら聞き続ける。
491Hard Luck Duo ◆5xPP7aGpCE :2009/08/01(土) 18:19:37 ID:bZ2E1pxC

(炎上する市街地といい、この言い方といい、よほど今回は動きがあったらしいわね……)

どれだけの死者が出たのかはすぐに解る、今は覚悟だけを決めておく。
そんな夏子達に向かって男は楽しげな声で語りかける。

『だからといって油断しちゃ駄目だよ? 友達が出来た人も多いみたいだけどその人は隙を伺ってるだけかもしれないんだからね。
 できれば堂々と戦って死んでくれる方がいいなあ。
 あ、これはあくまで僕の好みの話だよ? 油断させて仲間を裏切るのは賢い方法だし大いに結構さ』

チラリ、と顔を上げたハムと目が合った。
ただそれだけ、お互い何も感情を表す事無く視線を戻す。
夏子にとってハムに限らず他人全てが警戒対象だ、ハムとて似たようなものだろう。
しかし今は利害が一致している、仲違いしたところで得るものが無いと解っているからこそ隙を見せられる。
わざわざタツヲがそんな事を言うという事は参加者の結束は思った以上に固いのかもしれない、一瞬だけそんな可能性を考える。

『さて、皆が気になる禁止エリアを発表するよ。九箇所にもなるとさすがに危ないから聞き逃さないようにね。
 暗くなってきたけどしっかりメモしておく事を薦めるよ』

そんな事は彼に言われるまでも無い、自然とペンを握る手に力が篭る。
一粒の汗が地図の脇にポトリと落ちる。

『午後19:00からF-5』

最初に指定されたのは島の山頂だった。
遠くてまず影響は無い。

『午後21:00からD-3』

遊園地を包囲する禁止エリアに追加の一箇所、これも遠い。
一見何かありそうな配置だが調べるのは時間からして難しい。

『午後23:00からE-6』

またしても島の中央部、今回は海は一箇所も指定されなかった。
そして気付く、この配置が意味するものを。

『覚えてくれたかな? 近い人は危ない場所に入り込まないようによく考えて行動すべきだよ。
 そんな死に方も僕にとっては面白くないからね』

(島が分断されかけているわね、通れる場所が狭まっている)

すぐに塞がれる訳ではないが意識しない訳にはいかないだろう。
待ち伏せする者にとっては有利な状況、逆に言えば人探しにも都合が良い。
だが今は深く考えている暇は無い。

『次はいよいよ脱落者の発表だ、探し人や友人が呼ばれないかよく聞いておいた方がいいよ。
後悔しない為には会いたい人には早く会っておく事だよ―――せっかくご褒美を用意してあげたんだから、ね?』

いよいよだ。
仲間の生死がこれで解る、みくる、万太郎、そして―――シンジ。
他にも知った名前が呼ばれる可能性がある、息を吸い込んで言葉を待つ。

『朝比奈みくる』

いきなりその名前は呼ばれた。
だが夏子もハムも表情を厳しくしたものの驚きはしなかった。
492Hard Luck Duo ◆5xPP7aGpCE :2009/08/01(土) 18:23:30 ID:bZ2E1pxC
―――やはり

それが共通の認識であった。
悪魔将軍の元に置き去りにした時から半ば予想していた結末。
重い空気の中で生前の彼女を想いながら名簿に横線を引く。

『加持リョウジ、草壁サツキ、小泉太湖 ……』

続けて何人もの名前が呼ばれた。
加持はシンジから知り合いと聞いていた、サツキは全員にとって見知らぬ他者、そして夏子は一人前を目指していた少女の死を知らされる。
砂漠の住民にとって死は隣り合わせ、夏子もそうだか師匠の灌太も悲しむ事すらないだろう。

『佐倉ゲンキ、碇シンジ』

前者には誰も反応しなかった、だが後者は一時は仲間として行動した少年だ。
みくるを死に追いやったのは彼の責、再び合うような事があれば夏子はケジメをつけさせるつもりだった。
何が原因で死んだか解らない、悪魔将軍かその一味である古泉やノーヴェの手によるものか。
それを知ったところで無意味だろう、いずれにせよ彼は報いを受けたのだ。

『ラドック=ランザード、ナーガ、惣流・アスカ・ラングレー、キョンの妹』

放送は続き更に四人もの名前が呼ばれた、ラドックとやらは知らないが危険人物の可能性が高いナーガが死んだ事は唯一の朗報か。
既に無意味となったがシンジを説得可能な人物として目星を付けていた少女も命を落としていた。
最後に呼ばれたキョンの妹。直接の面識は無いが夏子にとってみくるから保護して欲しいと頼まれた対象の一人。
果たして彼女の兄は何を思うか、そしてみくるが

『以上十名だ、いやあ素晴らしい!
 前回の倍じゃないか、これなら半分を切るのもすぐだと期待しているよ。
 ペースが上がればそれだけ早く帰れるんだ、君達だってどうせなら自分の家で寝たいよね?』

重い空気の中でタツヲの機嫌良い声が響く。
これで終わりかと思われたが放送は尚も続いた。

『ただ―――残念なお知らせというか、改めて君達全員肝に銘じてほしい事があるんだ。
最初の説明で言ったよね? 僕達に逆らっちゃいけないってさ』

(残念? 何があったというのかしら)

一転して声のトーンが変わった事に夏子もハムも怪訝な表情を浮かべる。
どうやらタツヲが望まない何かが起こったらしい。

『さっき呼ばれた人の中にはね、実際に反抗して命を落とした人が含まれているんだよ。
 僕だって不本意だったけどどうしても態度を改めてくれなかったんでこの有様という訳さ』

本当に詰まらなそうなタツヲの声。
嘘や脅しの類では無いだろう、絶望を与えたいのならもっとマシな方法がいくらでも有る。
誰かは知らないが立ち向かう者が死んだのは残念だ、と彼女らは思う。

『話が長くなったけどこの勢いで最後まで頑張ってくれたまえ! 六時間後にまた会おう!』

励ましの言葉で放送が終わる。
主催者への怒りなど時間の無駄とばかりに軍人と詐欺師はすぐさま与えられた情報を整理する。

「状況は悪くなるばかりです。死者の多さといい大火といい、ここまで殺し合いが激しくなるとは……」
「ええ、私も認識が甘かった事を認めるわ。方針を見直さない限り追い詰められるだけでしょう」
493Hard Luck Duo ◆5xPP7aGpCE :2009/08/01(土) 18:26:54 ID:bZ2E1pxC

厳しい視線と声が交わされる。
18時間で参加者が半減する程の勢い、しかし今尚脱出の目処は立っていない。
加えて常識外の強者の存在、更に厄介な事に悪魔将軍の様に徒党を組む者も中にはいる。

「マンタさんが生きていてくれた事は喜ぶべきですが今頃何処で何をしているやら、オメガマンに捕まってしまったのか追いかけっこでもしているのか……」

ハムが手を広げてわからないとジェスチャーした。
そうなのだ、戦力として最も期待できる万太郎は八時間以上前に別れたきり。彼の脚力ならばとうに追いついても良さそうなのに未だ姿を現さない。
オメガマンが尚も生存している事に関わりが有るのかもしれないが幾ら推測したところで答えは出ない、確かなのは合流場所を失ったという事実のみ。

「もはや早期の再開は望めないでしょう、よって今後は彼に拘らず行動します」
「止むを得ませんね、マンタさんを探しに戻って悪魔将軍やオメガマンに出遭ったら元も子もありませんし」

切り捨てる訳ではないがこの状況で彼一人ばかりを探してもいられない。
合流は成り行きに任せる事とし、呼ばれた死者と現在の生存者を改めて検討する。

残り28人となった名簿をざっと眺めて解るのは参加者が急速に淘汰されているという事実。
力の無い者が次々に死んでいる、みくるやシンジは言うに及ばず戦闘経験が豊富とはいえただの人間である小砂も死んだ。
加持、アスカ、キョンの妹については面識が無いものの力無き一般人と聞いている、強者も何人か混じっているかもしれないが弱者が多い事に変わりない。

「ムハー! これは厳しいですね」
「全くだわ。頭数、装備、情報の全てで私達は劣っている。水無しで砂漠に放り出されたも同然の厄介な状況よ」

このままでは強者や化け物ばかりが残る、ますます弱い自分達の立場は悪くなる。
例え万太郎のような正義感の強い人物が含まれているとしても力の差がある者に囲まれるという事実は非常に重い。
天秤が傾く前に取れる手段は取らねばならない。彼らに並ぶ戦力を得るか、脱出の手掛かりをいち早く掴むか。

他者と接触せず徹底的に逃げ回り強者の共倒れを待つという方法もある、しかしそんな砂漠で宝石を拾うような幸運を夏子もハムも期待していない。
モールのパソコンでは参加者の位置が知れた、似たような情報が敵に渡らないとは限らないのだ。

それに後になればなる程既存のグループに加わるのが難しくなる。
特殊技能や情報の持ち主ならともかく唯逃げ回るしかしなかった人物など歓迎される筈が無い。
晶の様なお人好しはそこまで生き延びているか怪しいものだ、それが夏子の認識だった。

「もはや悠長にしてる訳にはいかないわ。一刻も早く戦力を整える為に今後は積極的に他者との接触を試みます」
「我輩も止むを得ないと思います、このままでは確実にジリ貧ですからな」

慎重は拙速に勝るとした方針をついに夏子は翻した、言いながら遅すぎた決断だったと彼女は思う。
生き延びるためには仲間、情報、有用な支給品を集めなければならない、安全を意識し過ぎていかに多くの機会を失った事か。
リスクを恐れてはリターンは無い、もっと早く公民館を目指していれば他グループとの接触も可能だったろう。

後悔したところで意味が無い、代わりに名簿から安全そうな人物を探してみる。
情報を整理しておけばいきなり他者と出会った時にスムーズな対応が可能になる。

「まずオメガマン、悪魔将軍、古泉、ノーヴェ、アプトム、ゼクトール、雨蜘蛛は危険人物として候補から除外します。
 加えてパソコンで名前が挙がっていたギュオーとゼロスも警戒すべきでしょう」
「逆に信頼できそうなのはマンタさんが言っていた正義超人の方々……キン肉スグルさんにウォーズマンさん、そして博物館に居た深町さんぐらいですな。
 シンジさんの知り合い冬月さんは静かな人と聞きましたが乗っていないかどうかはわかりません、あの人達の名前が解れば良かったのですが」

喫茶店から目撃した再開と別離の光景、恐らく自分達と同じく徒党を組んだ弱者だろう。
離れすぎていた為に人相や声が解らなかったのが惜しまれる、服装や体型から判断するに女性や子供が多かった様だが特殊な才能を持っていないとも限らない。
だが直後の激しい攻撃と火災だ、何人かは放送で呼ばれたのかもしれないと過剰な期待を押し留める。
494創る名無しに見る名無し:2009/08/01(土) 18:30:19 ID:UWuxywGZ
ksk
495Hard Luck Duo ◆5xPP7aGpCE :2009/08/01(土) 19:00:54 ID:bZ2E1pxC

残った名前も検証する。
まず水野灌太は限りなく黒に近いグレーだ、下手すると強者に差し出される事にもなりかねない。危険人物に分類した方が良さそうだ。
ケロロ軍曹、タママ二等兵、ドロロ兵長の三名は階級で軍人とだけ解る。能力は未知数だが探す価値は有りそうだ。
スエゾー、ハムにも夏子にも心当たりの無い名前、名前から男性とだけ知れる。
高町なのは、リナ。女性らしいという事以外は解らない。
スバル、ヴィヴィオ、トトロ。この三名は性別すらはっきりしない。

そして―――朝倉涼子、キョン。
夏子だけには心当たりが有った、ハムにはまだ伝えていないがみくるに手渡されたメモに書かれていた名前。

掌に取り出して確かめる、
朝倉については簡単な容姿の説明の後に『長門有紀のバックアップ。急進派に属し、『キョン』を殺そうとした為、消去されたはずの存在』と書かれていた。
死んだと思っていたが生きていたという部分については夏子も灌太で経験済みの為に驚かない、それよりバックアップとはどういう事か。
肝心な事を聞く前にみくるは殺されてしまった、本人に会うとしても『どのようなスタンスを取るのかは残念ながら解りません』と書かれている。
接触してみたいが安全には気を使うべきだろう。

次はキョンについて。
一般人だという事は直接みくるから伝えられた、ここには保護して欲しい理由が書いてある。
『涼宮さんは彼の死を一番望みません……でも彼が生きていてくれれば涼宮さんが復活する可能性が―――あるかもしれません』

読み終えて夏子は少し考え込む、みくるはキョンという少年ではなくむしろ死者として呼ばれた涼宮ハルヒに期待していたらしい。
『神に匹敵する力の持ち主』、話半分に聞くとしてもキョンが復活の鍵となりえるのなら確かに保護する理由にはなる。

だとすれば優先して探すべきかもしれない、機を見てハムにも説明した方がいいだろう。
そのハムに纏まった分類を示すと疑問の声が返ってくる。

「考える対象が一匹抜けていますぞ夏子さん、我輩とマンタさんが巨大なモンスターを見たとお話したでしょう?」

ハムが告げたのは街道で出会った巨体の獣。
夏子も決して忘れていた訳では無い、考えようにも名前がわからないので後回しとなったていただけだ。

「シンジ君を運んでいたという動物ね、万太郎君はいい奴じゃないかと言っていたけど名前も目的がわからない以上敵とも味方とも言えないわ」

元より万太郎の判断を当てにするつもりは夏子には無かった、考えの判らない強者など警戒対象以外の何者でもない。
そしてそれはハムとて同じの筈、一体何が言いたいのか?
そんな夏子にハムは自分の考えを打ち明けた。

「我輩には気になる事があのです。ゴルフ場のパソコン画面にあのモンスターが映っていたのを覚えておいででしょうか?」

確かに画面には大、中、小の三匹の獣が映っていた。
言われてみれば万太郎がもふもふと呼んだ獣と大きな獣は良く似ている。

「その動物ならモールのパソコンにも出てきたわよ。特定の参加者を画面に登場させるなんて確かに奇妙ね」

夏子も疑問に気付いて考え込む。
モールとゴルフ場で同じ画面を見ている以上、他のパソコンも同様だという可能性はそれなりに有る。

些細な事ではあるが―――あのモンスターは特別扱いされている。
ハムは夏子がこの事実を共通認識として受け入れた事を確認して話を続けた。

496Turning point ◆5xPP7aGpCE :2009/08/01(土) 19:03:14 ID:bZ2E1pxC


「これから語る事は我輩の考え過ぎかもしれません……ですが思い至った以上夏子さんには話しておくべきだと思ったのです。
 そもそも我輩達がここまで追い詰められたのは全てがそのせいではありませんが……シンジさんが引き起こした災害が大きいのは夏子さんもご存知と思います」

慎重に前置きしながらハムは語る。
内容は正しいと言える、シンジの対応でモールに長時間足止めにされた末がオメガマンの襲来と逃亡劇。
シンジが逃げ出したりしなければ万太郎と別れる事も、その後の悲劇も避けられたかもしれない。

「そのシンジさんを我輩達に押し付けたのがあのモンスターなのですぞ、あの時山小屋にモンスターが居座っていましたがおかげで動くことは出来ませんでした」

放送直前に集音機で知ったのは山小屋方面に何者かが居るという事。
偵察に行った夏子が見たのはモールで一度見かけた巨大な獣だった、直後に湖方面でも爆音が聞こえ慎重を期してその留まり続けた。
途中何度も動こうとした、しかし獣は夏子達を見張ってるかの様に離れず時間だけが過ぎた。
その結果シンジが手引きした悪魔将軍に追いつかれた、という経過口に出すまでも無く解ってる。
夏子はハムの言いたい事を悟って反論した。

「つまり、あの獣は私達を不利になるように導いたという事? 結果論過ぎるわ、シンジ君をモールに運んだのは貴方達だし動かないと決めたのも私達自身よ?」

確かに二度の転換点にあの獣は現れた。
が、それによって自分達が都合よく操られたとはさすがに納得しかねる結論だ。

「その通りです、しかし我輩にはどうしても気になるのですよ。あのモンスターは近くに居たにも関わらず悪魔将軍から我輩達を助けてはくれませんでした。
 それにシンジさんの時は偶然ではないのです、我輩とマンタさんが北へ向かう事を決めた直後にモンスターが現れたのですよ」

頬をかきながらハムが淡々と事実を述べる。
聞きながら夏子は闇に紛れ込んでゆくような錯覚を感じた。

もし会話が主催者に漏れていたとすれば、主催者からモンスターに情報が伝わったとすれば―――確かに偶然とも片付けられない。
山小屋の時もそうだ、主催者は当然自分達の動きを知っていたはず。獣に先回りさせる事は難しくない。
パソコン画面に登場したというだけで主催者との関係を疑うのは早計かもしれない、だからこそハムも慎重な物言いなのだろう。

「……」

言葉が発せられる事なく沈黙が続く。
ハムもまた自分と同じく盗聴の可能性に気付いていたのだ。
そして筆談という方法を取らないのは先程の放送を聞いたからだろう、反抗の末の死を残念と語る草壁ならこの程度で罰するとは思えまい。
いやそれ以前の問題だ、もし喋っただけで罰せられれば正解と教えるようなものだ。

有り得なくは無い、そういった殺し合いをコントロールするゲームマスター的存在が参加者に混じっていても不自然では無い。
だとすれば―――あの獣は、敵だ。

ギリッと夏子は歯を軋ませた。
今迄の屈辱と無念を思い出す、自然と銃に手が伸びる。

「ま、あくまで可能性が有るいうだけですよ。とにかく今後あのモンスターには特に注意を払うべきでしょう。その上で提案なのですが」

ハムは夏子を宥めつつ内容を語り始る。
此処までは前置き、主催者が作為を入れてまでゲームを動かそうとしている可能性に触れるのが目的。
497創る名無しに見る名無し:2009/08/01(土) 19:04:47 ID:wCpW5vXc
ksk
498創る名無しに見る名無し:2009/08/01(土) 19:05:11 ID:MOPygLlv
ksk
499Turning point ◆5xPP7aGpCE :2009/08/01(土) 19:06:14 ID:bZ2E1pxC

「我輩達も主催者に接触してみませんか? 放送の通り何度も会場に来ているのなら会う機会はあると思うのですよ」

夏子は言われた意味を一瞬遅れて理解した。
正体を現したわね、とこれまで以上に厳しい顔でハムを睨む。

「成る程、弱い者なりの逆転の手段ね……下手すると引き返せなくなるわよ?」
「我輩は其処まで言っておりませんが……夏子さんの考えはきっと当たってますよ」

何ともいえない空気がその場に漂う中でハムはノホホンと済ましている。
夏子も薄笑いを浮かべつつ異議は何も唱えなかった。

ハムの提案、それは主催者に協力者として自分達を売り込む事。
上手くすれば力と情報が手に入る、失敗したとしても主催者との接触はそれだけで価値が有る。
得るものを得てから裏切るのか、そのまま手先となってゲームの進行に協力するのかはその時次第。

選択肢が増えるのは悪くない、具体的な手段は今後の課題としてミーティングを終える。
方針を確認すれば以下の様になる。

・万太郎との合流には拘らない、無理をする事無く成り行きに任せる。
・接触すべき相手は正義超人と深町晶、それにキョンと朝倉涼子。
・軍人の肩書きを持つ三人は戦力として期待できそうなのでこちらも探す。
・今後は他者と積極的に交渉する。安全に接触できるパソコンは活用できる。
・有用な支給品を手に入れる、特に武器を優先する。

加えてもう一つ確認する、それは今後シンジの様な行動を乱す足手まといをどう扱うか。
議題を出したのはハムだった。

「夏子さんは冷静な判断が出来ると我輩は買っているのですが……もし今後シンジさんみたいに混乱した人、でなくても後々で問題になりそうな人が現れたらどうなさいますか?」

聞かれるまでも無く夏子は既に答えを決めていた。
弟と重ねて甘やかした結果がこの有様だ、誓った以上二度と過ちを犯す積りは無い。

「殺すわ。そんな弱い奴なんか生かしたところでロクな事にならないってこれ以上無い程良く解ったからね」

自嘲的に笑いながら銃を構える、そして撃つ真似をしてみせる。
それはシンジを射殺するイメージ、二発、三発と弾丸は仮想の少年に撃ち込まれる。
放置した結果第二第三のみくるが出ないとも限らない、芽は早いうちに摘まねばならない。

「仕方無いですな、我輩も本当にそんな事をしなければならないのが残念で仕方無く思いますよ」

ハムも止むを得ないと繰り返し強調しながら仮想のシンジに哀悼を述べる。
彼が最初からその答えを望んでいたのかは夏子にはどうでもいい事だ、これで互いに考えが一致した。

「これでますますマンタさんとは合流しづらくなりましたね、まあ今の私達にはその方が動き易いですが」
「フン、女の胸ばかり見てる奴なんか考えが合わなくて当然よ」

外道の幼馴染を思い出したのか更に一発空撃ちする。
地図や名簿を仕舞って外を見やれば炎は一段と近付いていた。
パソコンを調べるなら急ぎましょうと動き出したその瞬間だった、部屋がフラッシュを焚かれた様に白色に染まった。

一瞬の後で窓が一斉に飛び散った、同時に凄まじい轟音と衝撃が診療所全体を振るわせる。
夏子とハムは直ちに伏せた、窓から離れていたのが幸いだった。
500創る名無しに見る名無し:2009/08/01(土) 19:07:16 ID:wCpW5vXc
ksk
501Turning point ◆5xPP7aGpCE :2009/08/01(土) 19:09:45 ID:bZ2E1pxC

「ムハーッ! 何という反則技!」

何が起こったのか予想は出来る、化け物同士の戦いが再開したのだろう。
ハムが戦力の不公平を嘆く中、夏子は割れた窓から慎重に外の様子を窺った。
立ち上る煙の中でも一際目立つ建物がある、窓という窓から黒煙を吹き上げる高層建築―――デパートだ。

遠目でも屋上が大破したと解るデパートが爆発の中心地に間違いなかった。
黒い影が空を飛んでいる、喫茶店の失敗を繰り返すまいと頭を下げる。

そのまま動かずにいると爆竹の様な連続音が数秒続き、そして静かになった。
今のうちに退避すべきかもしれないが何も調べもせずにを去るのも惜しい、とにかく状況を見極めようともう一度外を眺めてみる。

「ムハッ、何ですかあの光跡は?」

夏子もハムが指し示すものにすぐ気付いた。
燃えるデパートの屋上を空高く飛び出す何かが見える。
怪物にしては小さすぎる、ロケットだとすぐに気付く。
恐らく決着が付いたのだろう、ただの勘だがきっと外れてはいない。

「何かを曳いているわ……南の方に向かっている。どうする、ハム?」

一方のハムはロケットなど初めて見る。
最初は驚いていたが夏子からそれが物を飛ばす道具だと教えられて考え込む。

あれを追うか、ここに留まってパソコンを調べるか。
二兎を追うもの一兎を得ず、だが二手に別れる方法も有る。
いずれにせよここが焼けるのも時間の問題、すぐに決めなければならない。

そんな彼等の悩みを他所にロケットは尚も飛び続ける。
夕日を浴びて輝きながら一人の男の想いを込めて。
繋がっているのは一つのバッグ、遺志を託されたものがその中に入っている。


更に高く。
更に速く。
更に遠くへ。


下界の喧騒を見下ろしながらロケットは南に向かって飛んでゆく―――







【B-08 市街地診療所/一日目・夜】

502Turning point ◆5xPP7aGpCE :2009/08/01(土) 19:12:11 ID:bZ2E1pxC

【川口夏子@砂ぼうず】
【状態】顔にダメージ、強い決意。
【持ち物】ディパック、基本セット(水、食料を2食分消費)、ビニール紐@現実(少し消費)、
 コルトSAA(5/6)@現実、45ACL弾(18/18)、夏子とみくるのメモ、チャットに関する夏子のメモ
 各種医療道具、医薬品、医学書
【思考】
0、何をしてでも生き残る。終盤までは徒党を組みたい。
1、診療所をもう少し調べる? 光跡を追う?
2、怪物(アプトム、ゼクトール)と火災から逃げる。
3、キン肉スグル、ウォーズマン、深町晶、キョン、朝倉涼子を探してみる。
4、万太郎と合流したいが難しいと思っている。
5、ハムは油断ならないと思っているが今は自分を見放せないとも判っている。
6、生き残る為に邪魔となる存在は始末する。
7、水野灌太と会ったら――――



【備考】
※主催者が監視している事に気がつきました。
※みくるの持っている情報を教えられましたが、全て理解できてはいません。
※悪魔将軍、古泉、ノーヴェ、ゼロス、オメガマン、ギュオー、0号ガイバー、怪物(ゼクトール、アプトム)を危険人物と認識しています。
※深町晶を味方になりうる人物と認識しました。
※トトロ(名前は知らない)は主催と繋がりがあるかもしれないと疑いを持っています。
※診療所の外に救急車が停まっているのを発見しました。



【ハム@モンスターファーム〜円盤石の秘密〜】
【状態】顔にダメージ
【持ち物】基本セット(ペットボトル一本、食料半分消費)、
 ジェットエッジ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、チャットに関するハムのメモ、大量のシーツと毛布類
【思考】
0、頼りになる仲間をスカウトしたい。
1、診療所をもう少し調べる? 光跡を追う?
2、万太郎と合流したいが難しいと思っている。
3、キン肉スグル、ウォーズマン、深町晶、キョン、朝倉涼子を探してみる。
4、殺し合いについては乗るという選択肢も排除しない。
5. 機会があれば主催者と接触したい。


【備考】
※ゲンキたちと会う前の時代から来たようです。
※アシュラマンをキン肉万太郎と同じ時代から来ていたと勘違いしています。
※悪魔将軍、古泉、ノーヴェ、ゼロス、オメガマン、ギュオー、0号ガイバー、怪物(ゼクトール、アプトム)を危険人物と認識しています。
※トトロ(名前は知らない)は主催と繋がりがあるかもしれないと疑いを持っています。
※深町晶を味方になりうる人物と認識しました。
※現在スタンスは対主催ですが状況を見極めて判断するつもりのようです。


503 ◆5xPP7aGpCE :2009/08/01(土) 19:14:38 ID:bZ2E1pxC
以上で投下終了となります。
本投下まで時間がかかってしまい大変申し訳ありませんでした。
504創る名無しに見る名無し:2009/08/01(土) 19:29:01 ID:WPLPRMQw
投下乙です
夏子さんは良くも悪くも元の世界の影響受けた人間の答えですね
シンジの暴走の影響も受けてるだろうけどそれは誤解フラグや内紛フラグだぞ
なのはさん辺りとは衝突しそう
これは危険だ。先が気になるな
505創る名無しに見る名無し:2009/08/01(土) 19:31:40 ID:kqwxYmun
投下乙です!
この二人、逆転方法をそっちにも見出したか。
他のグループとは一味違う見どころがあるな…。

そういえば砂ぼはこっちでも死んだと思ってたけど実は生きていたって扱いなんだな…
さすがに協力する気はなさそうだなー。

>478
その…なんだ。構想はあったのだけど素材集めに絶望した。
506創る名無しに見る名無し:2009/08/01(土) 20:51:32 ID:yYfdwqif
投下乙です。
夏子はどうにか普段の調子に戻ってきたのかな?
異常な環境や異常な参加者に遭遇して混乱してしまうのも当然だけど、
さすがというか、自力で立ち直りつつあるのは立派。
ハムとも互いに牽制しつつも同じ方針で動く仲間にはなってきているっぽいな。

しかしハムがゲンキの死に何も感じてないのは(今のハムにとってそれが当然のこととは言え)寂しいなあ。
507創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 01:13:55 ID:hKZkEEPW
投下乙でしたー
やはりこの二人は他のチームとは空気が違うな・・・
弱者切り捨ての方針が今後どう影響するのかが楽しみです
508創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 11:02:44 ID:e4YtRylD
だが今現在生存してる人でこの二人より弱いのって……
ケロロやスエゾーぐらいしかいないんじゃないか?
ヴィヴィオは一応魔法使えるし。
509創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 12:27:58 ID:85wNtbKQ
ハムは本気出せば結構強いし、スエゾーもケロロもそれなりに強いぞ?
ヴィヴィオは魔法使えるといっても大したこと出来ないし
コウゾウさんと並んで最弱だとおもう。
この二人は戦力以外のところで重要だからなーエヴァ生き残りと純ロリ生き残りで。
510創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 12:36:20 ID:zT7swVX1
ガイバー使えないkyonも最弱候補だろう
511創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 12:59:24 ID:i5FVU/Gy
特にkyonが危ないな。
シンジの一件で錯乱状態の奴には変なトラウマができてるし。
512創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 13:12:43 ID:kUa8yGYj
なんで一人っきりの砂ぼうずが話題に上がらないんだ・・・w
513創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 13:15:45 ID:0bjrILRR
砂ぼと会ったら果たしてどうするのだろうか
危険人物として始末するか利用しようとするのか
514創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 13:33:30 ID:e4YtRylD
元々いないいない言われてた一般人が能力的にも完全にいなくなっちゃったな。
皆どこか秀でてたりするし、能力一般人はkyonしかいねえ。
515創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 13:37:51 ID:e4YtRylD
能力者
朝倉、古泉、リリカル勢、リナ、ゼロス、ギュオー

戦闘経験あり
キン肉勢、タママ、ドロロ、ハム、ボッチ、砂ぼ勢

クリーチャー
ケロロ、スエゾー、トトロ

知識もち
フッキーU

当たり支給品持ち一般人
kyon

大体こんな感じ。
516創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 13:48:26 ID:kUa8yGYj
マーダーなのに最弱なのかkyonは・・・
でも足りない戦闘力は知恵と勇気で補うって信じてるZE!
517創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 13:54:50 ID:BMKYhTbl
でも実はキョンはラッキーなんだよな。
温泉には自分の正体を知らない、純正対主催(なのは達)しかいない。
もしトトロが逆方向に向かったら将軍たちのとこに連れていかれたかもしれんからなww
518創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 14:09:03 ID:iBcT66yC
>>515
タママとドロロが「戦闘経験あり」で、ケロロが「クリーチャー」に入ってる基準はなんだw
519創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 15:14:12 ID:wiS/4yJf
ケロロもスエゾーも戦闘経験ありに入れていいはず。
ケロロが戦ってた時の事はあまりわかっていないが、「あの頃」はすごかったらしいし、
スエゾーもゲンキやホリィたちと一緒に戦ってたし。
オメガマン倒した実績もあるしなw

戦闘経験は無いかもしれないけど、体力、タフネス、跳躍力、体重などで通常人を圧倒できるという意味で
トトロは「クリーチャー」に入れておけばいいと思うけど。
520創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 15:14:52 ID:e4YtRylD
いや、一応仮にもケロロは軍人だけどタママ達と対等にしたら失礼だろう。
521創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 15:33:08 ID:y2DIYPd/
そういえばちょっと前に第3放送MADの話題が出てた みたいだけど
もしMADが作られるとしたらおまいら何の曲がいい?

kskロワ読むときのオススメBGMとかもあったら知りたいなぁ

おいらは欝話のときにバクホンの君の名前聞くぜ!
522創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 15:33:42 ID:BMKYhTbl
よし、人いるな。
七色のksk動画の歌詞を考えてたんだが、二、三パート誰の歌詞にするか決まってない。
このキャラいれてくれ!ってのがあったら教えてくれ。
ちなみに三回投票で人気上位キャラはほとんどいる……はず
523創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 16:23:35 ID:0bjrILRR
ヴィヴィオ、妹、草壁姉妹
524創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 16:30:30 ID:8zPoedqp
閣下(笑)
525創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 16:54:13 ID:ltj9GLRi
kyon
526創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 17:17:03 ID:GyO1UiHI
>>521
アニメですらないが、STGの「ぐわんげ」アレンジの「夜叉桜」
俺はこれを勝手にパロロワのED曲と脳内設定してる

ただ、MADの材料としては少し尺が短いかな?
527創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 18:07:15 ID:ru7UDZMd
>>522
誤爆したモヒカン「乙だよトトロー!」
528創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 19:02:01 ID:Rl/0HYyD
ケロロ、コウゾウ、なのは
529創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 19:10:15 ID:KRdYopbD
ヴィヴィオ、幼なのは、キョンの妹
530創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 20:48:40 ID:G/qw7CZS
>>521
個人的にはナムコクロスカプコンというゲームのOPで使われた「すばらしき新世界」
参加作品や参加者が投票で決まる普通のロワでは生まれなかった新しいパロロワがあるというイメージで
531創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 21:25:55 ID:CQtVcIEL
個人的にkyonのテーマはサンホラの「恋人を射ち堕とした日」
532創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 22:06:44 ID:BMKYhTbl
なのはのprayはロワ的に万能。
あと個人的に坂本真綾のヘミソフィアがとてもkyonっぽいと思う。
533創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 22:37:15 ID:ltj9GLRi
prayは確かにロワっぽいね
534創る名無しに見る名無し:2009/08/03(月) 10:19:28 ID:Qny4JpM3
そう言えば後一ヶ月ほどで一周年か……
535創る名無しに見る名無し:2009/08/03(月) 10:25:13 ID:HOD1wpbh
そういやそうだな
それまでに一作はかきたい
536創る名無しに見る名無し:2009/08/03(月) 10:31:31 ID:3iKzk/F9
まだ遊園地組とボッチ組と砂ぼと将軍組が残ってるな
537創る名無しに見る名無し:2009/08/03(月) 10:34:36 ID:YAHphuw8
やっぱり色々決めたっていうチャットのログを読まないと書いちゃいけないのだろうか
538創る名無しに見る名無し:2009/08/03(月) 10:41:45 ID:amdLeuU4
>>537
主催に触れないなら見なくてもいいんじゃない?
少しでも主催書くなら見た方がいいと思うけど。

俺……テスト終わったら予約するんだ……
539創る名無しに見る名無し:2009/08/03(月) 12:45:38 ID:0aI8Zmir
一周年記念に何かしらサプライズがあるかな?
ちょっと気になったことがあるんだけど、このロワのオリジナルキャラに近い若返った冬月さんこと若月さんについて
新しいSSでは修正されて惜しくも再登場できなかったけど、もしもこの若月さんに声優を当てるとしたら誰が似合うと思う?
540創る名無しに見る名無し:2009/08/03(月) 13:18:57 ID:LNhflCtp
>>530
あれは確かに名曲だ……
俺、本編もサントラも持ってるよ

ただ、あまりロワってイメージは無いんだよな

>>539
ちとずれてるかも知れんが、井上和彦氏(ガンダムの真紅の稲妻ジョニー・ライデン、コナンでのテレビ以降の白鳥警部など)
体は若返っても、大人として落ち着いた雰囲気ってのを両立させると井上さんかな、と
541創る名無しに見る名無し:2009/08/03(月) 13:43:10 ID:amdLeuU4
斎賀みつきさんとか?
シンジと同じくらいの少年と言われたら女性の方がいいのかなーと>若月
542創る名無しに見る名無し:2009/08/03(月) 13:52:14 ID:moZi3091
>>539
釘宮
543創る名無しに見る名無し:2009/08/03(月) 22:25:57 ID:JAwnRIZe
0号ガイバーって何話に出てきたっけ?
知ってる人いたら教えてほすぃ
544創る名無しに見る名無し:2009/08/03(月) 22:38:25 ID:np8UqjUc
晶が遺跡船とリンクしてる時の回想に出てたんだっけ。大分後半だったと思う
545創る名無しに見る名無し:2009/08/03(月) 22:42:36 ID:Snjgs4oE
原作コミック初登場は7巻で43話だけど、ずっと後にもアルカンフェルの回想でもう一度出てたと思う。
……もしかしたら聞きたい事とは違う事答えてるかもしれないけど。
546創る名無しに見る名無し:2009/08/03(月) 22:58:26 ID:JAwnRIZe
情報ありがとう!
もしやアニメだと出てきてない?
それともアニメの後半にはでてくるのかな
547創る名無しに見る名無し:2009/08/03(月) 23:22:50 ID:JvSjFQPW
アニメでも出てるよ
つーか、君が期待しているような使われ方はしてないと思うぞ
548創る名無しに見る名無し:2009/08/04(火) 00:00:12 ID:JAwnRIZe
ちょっとしか出てこないのは知っとるよ
カラーの容姿が見たくてさ
漫画版の話が出てきたからちょっと自分の記憶違いか心配になったんだ
教えてくれてサンクス
549 ◆5xPP7aGpCE :2009/08/04(火) 00:22:27 ID:afgWv9QH
悪魔将軍、ノーヴェ、ジ・オメガマン、古泉一樹、キン肉万太郎、草壁タツヲで予約いたします。
550創る名無しに見る名無し:2009/08/04(火) 00:35:46 ID:IRpefy+a
予約ktkr
551創る名無しに見る名無し:2009/08/04(火) 00:49:04 ID:VfC+/h/C
予約kskr

タツオ……だと……?
万太郎おおおお!
552創る名無しに見る名無し:2009/08/04(火) 01:16:14 ID:njd2hnBO
状況的にリング戦かな……?
仮にそうだとしてタツヲが実況って言うのは無理あるからねー
既に対応策は考えられてるだろうし。

別の展開かもしれないけど念のため。
553創る名無しに見る名無し:2009/08/04(火) 01:18:52 ID:IRpefy+a
また縛り厨か…
そんなに思う通りにしたいなら自分で書いてくれよ
554創る名無しに見る名無し:2009/08/04(火) 02:43:45 ID:AeWcgLTs
ちょっと質問だけど、雨蜘蛛って夏子の名前を知ってたっけ?
「時間の謎」でチャットの中でボッチが夏子の名前を出しても対して反応してなかったし
「Spider that entered museum」でも「オアシス政府の女」って言ってるだけで特に名前の言及がないから良くわからん…
555創る名無しに見る名無し:2009/08/04(火) 03:13:55 ID:F2jZmPVH
予約kskr!
うおお、かなり楽しみな面子だ
556創る名無しに見る名無し:2009/08/04(火) 03:57:04 ID:pj+2xG25
>>554
難しいな…。
カレー事件で一度は戦ってるわけだし、敵の指揮官として名前を調べててもおかしくないとは思うけど…基本は知らない、かな。
557創る名無しに見る名無し:2009/08/04(火) 11:54:30 ID:jHG6CKrE
予約キター。定期的に予約が入るのは嬉しいね
558創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 11:34:22 ID:TtOPlj14
あと一月でkskも一周年か……早いもんだ
559創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 13:24:33 ID:NpdQMTqe
月に15作の投下速度だったわけか……
だいたい2日に1回だと……?
560 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/05(水) 15:17:15 ID:CQ4jwEET
ボッチ・スエゾー・雨蜘蛛・リナ・ドロロ・朝倉・ヴィヴィオ・砂ぼうずで予約します
561創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 15:18:42 ID:EzcUO8tv
なんか一周年記念イベントしたいなー。
書き手読み手問わず参加できそうな奴。
562創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 15:19:38 ID:EzcUO8tv
って、予約きたー!
563創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 15:23:15 ID:DqdmwX4/
おおお!情報組がまとめてキターーー!
期待して待ってます!
564創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 19:19:11 ID:TtOPlj14
おお、予約きた!
投下楽しみにしてます!
565創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 19:21:18 ID:divVesLV
予約wkskwksk
566創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 19:30:20 ID:hx48vO8w
予約くるなんて、こんなに嬉しいことはない
567 ◆h6KpN01cDg :2009/08/05(水) 19:37:00 ID:EzcUO8tv
せっかくなんで。
なのは、冬月、ケロロ予約します。

あとO4L氏が没にしたとある箇所(チャット内容以外で)を気に入ったので是非その展開を使いたいのですが大丈夫でしょうか?
勝手に加えるとパクりになるかもしれないと思いましたので……
もちろん文章は自分で書きます。
568創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 20:28:36 ID:xFfsambe
返答してくれるならいいけど忙しくてここを見てるかどうか不明な場合はどうする?
しばらく待って連絡なかった場合は事後報告ってことでOK?
569創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 20:32:24 ID:EzcUO8tv
>>568
そうですね……返事が来なかった場合事後報告ですね。
そんなに重要なことではないと思いますが。
570創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 20:40:46 ID:cp3ZVEc5
kskウェーブ多発中だ。
571創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 20:43:22 ID:k3NYWEVv
ウェーブ来たーーー!
572創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 21:11:26 ID:3LAfnVE5
ゼロスとスグル、それにタママが全く話題に上がってないが忘れられているのか?
573創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 21:11:27 ID:divVesLV
wkskwksk
574 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/08/05(水) 21:46:38 ID:xsMSI+K2
>>567
日の目を見なかった部分の中に気に入って下さった箇所があって、
そのネタを活用していただけるのならありがたい事だと思います。
どうぞ使ってやって下さい。
575創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 21:58:59 ID:jX8mj8Qe
kskウェーブじゃあー!
576 ◆h6KpN01cDg :2009/08/05(水) 22:58:53 ID:EzcUO8tv
>>574
ありがとうございます!
使わせていただきます。

今頃エヴァ破が見れました……な、何だこれはry
577創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 23:34:07 ID:TtOPlj14
また予約きたー! 期待してます
578創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 23:39:34 ID:a4TXPhM/
kskウェーブきたー!!!

ゼロスとスグル、それにタママは自分は気になる。
特にタママはロワ開始から現在までの空回りっぷりがなんか好きだw
579創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 23:49:06 ID:vAoHfVOr
タママのやったことっていうと

冬月さんに餌付けされる→嫉妬に狂ってサツキを半殺し→許されて改心→サツキラブのあまり加地さんを半殺し→
閣下と意気投合→しまったあああ軍曹さんたちの事をすっかり忘れていたぜえ!→一人で走り出す

こんな感じか。
空回りって言うか…何やってるんだこいつはw
580 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/05(水) 23:51:00 ID:CQ4jwEET
えーと、人いらっしゃいますでしょうか?
情報組を予約した者です。

現在鋭意執筆中なのですが、たった一か所どうしても埋まらないネタがありまして。
困っていたのですが、この時このロワには欠かせない例の神からのお告げが降臨しました。

「困った時は安価をすればいいじゃない!」

という訳でちょっと安価をしてみたいのですが…これってすぐに始めちゃ不味いでしょうか?
とりあえず12時半ごろまで待ってみて、人がいないようであれば明日の夜に行おうかと思っています。

お題はズバリコレ!


k こんな服
s (あ)さくらさんに
k 着せたい

ヤンデレ太眉熱血対主催ランクAA+の朝倉さんに「この衣装を着せてくれッ!!」という熱い滾りをぶつけてください。
参戦作品出典の物でも、現実にある衣装でも大体なんでもオッケーです。
ただしあんまりにもあんまりなのは『うん、それ無理♪』 (俺たちゃ裸がユニフォーム!とか、年齢制限が掛かりそうな奴とか)
581創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 23:59:45 ID:vAoHfVOr
いますよー!
でもこれは明日の方が盛り上がりそうな予感がw
582 ◆igHRJuEN0s :2009/08/06(木) 00:05:27 ID:0T1YhyBu
タママで予約いたします。

ついでに自分なら朝倉さんに何を着せようか・・・・・・
583 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/06(木) 00:26:10 ID:yJgEtIQb
やっぱりちょっとばかり人がいなさそうですね…
では明日の22時ごろに、改めて安価を行ってみたいと思います。
584創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 01:48:01 ID:h6kZKoM8
また予約がキターーー!
波だ、大波が来てる!
585創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 02:05:43 ID:LriPxWJr
kskウェーブすげー!

>>583
おお、明日の安価を楽しみにしてますww
586創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 02:16:12 ID:DTfq+dwc
俺も安価楽しみにしてますっw
587創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 16:02:58 ID:iwFWp1ne
今更だけど、用語集にエンドレスksk追加したの誰だw
588創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 16:46:31 ID:3RNV1SxD
これって金曜の22時?
589創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 19:26:16 ID:yauGKuTf
>>588
水曜日に>>580
>人がいないようであれば明日の夜に行おうかと思っています。
って書いてるから、木曜日じゃないか?
つまり今日。
590創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 19:59:15 ID:R2sxZmFj
はやく22時になんないかなぁ
591創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 21:04:14 ID:4ZznJTyj
>>587
ちょw本当だwwww気付かんかった…
いつもながら素早い…
592創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 21:44:46 ID:HVX63tn0
あと15分か、なに着せるかよく考えなければw

>>587
最初にネタ書いて人はさぞかし驚いているんだろうな
593 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/06(木) 22:02:06 ID:yJgEtIQb
ほいだば、時間になりましたんでそろそろ安価初めてみましょうか

とりあえずちょっと遠めで、>>610
594創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:02:28 ID:eb0XJhAn
ksk
595創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:03:25 ID:4OC9sxzk
ksk
596創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:03:36 ID:8aV8Vl3L
チャイナ
597創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:03:39 ID:h6kZKoM8
待ってたよ!ksk!
598創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:03:41 ID:yJgEtIQb
ksk
599創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:03:45 ID:eb0XJhAn
ksk 
600創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:03:49 ID:HVX63tn0
ロワ内とは無関係だが今の季節から浴衣と言ってみるksk
601創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:04:20 ID:0V5qKGvj
ぶるま
602創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:04:22 ID:yJgEtIQb
ksk
603創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:04:25 ID:h6kZKoM8
ガイバースーツ@現実

ええ、子供に大人気であろうガイバーの着ぐるみですw
604創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:04:39 ID:eb0XJhAn
プラグスーツ
605創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:04:42 ID:8aV8Vl3L
チャイナ
606創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:04:48 ID:0T1YhyBu
ライダースーツ。
ナンバーズ的なものを希望!
607創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:05:00 ID:R2sxZmFj
ナース
608創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:05:03 ID:0V5qKGvj
ブルマ
609創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:05:06 ID:Di6sQv6r
遊園地サービススタッフの作業用ツナギ
610創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:05:10 ID:xc0pmaMK
綾波のプラグスーツ
611創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:05:10 ID:HVX63tn0
北校の制服
612創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:05:18 ID:0QcpEkMS
ナーガの服@スレイヤーズ

これは流石に無理かもね
613創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:05:21 ID:h6kZKoM8
トトロの着ぐるみ@現実

こっちも子供に大人気なトトロの着ぐるみw
614創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:06:23 ID:eb0XJhAn
プラグスーツktkr
615創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:06:31 ID:R2sxZmFj
プラグスーツキター!!!
616創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:06:32 ID:HVX63tn0
くっ、秒数まで一緒だったのにw
617創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:06:36 ID:h6kZKoM8
プラグスーツとかwww
微エロw
618創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:06:52 ID:0V5qKGvj
プラグスーツktkr!
619創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:07:52 ID:xc0pmaMK
やった、このロワで初めて安価取ったぜー!
620 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/06(木) 22:08:19 ID:yJgEtIQb
はいそこまで!
「綾波のプラグスーツ」に決定!

うーん、正直水着とか来たらどうしようかなとか思ってたんですが中々真面目な所に着地しましたね
それではそろそろ執筆に戻ります、皆さんのkskに感謝、そしてkskロワに安価神のご加護あれ…


……ここだけの話、ちょっとだけガイバーの着ぐるみもいいかなと思ってしまったw
621創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:10:02 ID:0T1YhyBu
速ぇww
10分足らずで終わってしまったww
622創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:10:27 ID:h6kZKoM8
乙です!
ガイバースーツは子供はともかくヴィヴィオが確実に泣いちゃうから、外れてよかったのかもしれないw
623創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:11:20 ID:0V5qKGvj
>>620
乙なのです!
wkskしつつ楽しみにお待ちしておりますw
624創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:13:44 ID:eb0XJhAn
>>620
乙でした
投下楽しみにしてます
625創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:16:00 ID:iwFWp1ne
参加できなかった……
乙です! プラグスーツwksk

そーいやヴィヴィオはトラウマ持ちだったなー>ガイバー
626創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:16:30 ID:0QcpEkMS
>>620
乙でしたー
安価神の選択がどんな展開を産むのか楽しみにしてます。
627創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:18:42 ID:R2sxZmFj
>>620
乙でしたー
プラグスーツ楽しみにしてますww
628創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:19:46 ID:HVX63tn0
>>627
乙ですー
629創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 22:20:28 ID:HVX63tn0
しまった、>>627>>620のミス
630創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 23:54:10 ID:7eJreA0q
しかしチャット組は情報が多すぎて大変だな……
パッと思いつくだけでも

遊園地
kskの参加者詳細情報(仮)
それによる朝倉のプロフィールばれ
朝倉とドロリナの情報交換
ヴィヴィオの夢の話
なのは達との合流の検討?

ボッチ組
将軍一家の情報とkyonとか主催側の話
そろそろ南西へ調査に行かないといけない

砂ぼうず
死亡者情報。
性格的に素直に情報を教えるとは思えない

しかもこれを新しく来た信用できるかわからない砂ぼうずをけん制しながらはなさいといけないし……
うわ、ハードルたけえw
631創る名無しに見る名無し:2009/08/07(金) 00:03:13 ID:KZEM4Z61
安価タイムに帰ってこれなかった…残念だ。

>>620
乙です!
投下楽しみにしてますー
632 ◆5xPP7aGpCE :2009/08/07(金) 00:53:13 ID:4JCX+4ai
申し訳ありません、延長お願いいたします。
633創る名無しに見る名無し:2009/08/07(金) 01:11:28 ID:8GIb34dD
延長了解です
ゆっくり書いていってね!
634創る名無しに見る名無し:2009/08/07(金) 01:18:04 ID:o1giFM2a
ゆっくり書いていってね!!!
635創る名無しに見る名無し:2009/08/07(金) 01:59:19 ID:XQvCEoGQ
延長了解ですー
ゆっくり書いていってね!!!
636 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/08(土) 10:59:29 ID:Zq5r5baJ
すいません、予約延長お願いします
637創る名無しに見る名無し:2009/08/08(土) 11:18:25 ID:CHVIRgHT
ゆっくり書いていってね!
638創る名無しに見る名無し:2009/08/08(土) 12:40:45 ID:kMrlLc+7
>>636
了解です!
ゆっくり書いていってね!!!
639創る名無しに見る名無し:2009/08/08(土) 16:53:59 ID:DLWebzXK
ゆっくり書いていってね!


……そろそろ正式に予約期間延ばしてもいいんじゃないかな
中盤に入って、今まで以上に一つ一つの話にかかる労力も時間も増えるだろうし、
今までみたいな三日+延長より、最初から五日七日とって書いてもらった方が、無理なく書けるような気がするんだ
読み手がどうこう言うことじゃないかもしれないけど、
このままでいいのか、それとも期限が延びた方がいいのか、書き手さん達の意見が聞きたい
640創る名無しに見る名無し:2009/08/08(土) 19:00:00 ID:5MZ3TB3O
確かに中盤に入ったからそろそろ三日+延長ではきついかもしれない
641創る名無しに見る名無し:2009/08/08(土) 19:08:13 ID:JmbZqNYX
議論スレでやった方がいいんじゃない?
642 ◆h6KpN01cDg :2009/08/08(土) 19:51:36 ID:+g0pdR0r
すみません延長お願いします。
643 ◆igHRJuEN0s :2009/08/08(土) 19:54:38 ID:f1Eoq/sf
>>642
了解です、ゆっくりしていってね。

それでは20時30分前後にSSを仮投下スレに投下いたします。
644 ◆igHRJuEN0s :2009/08/08(土) 20:32:17 ID:f1Eoq/sf
これより仮投下スレに作品を投下いたします。
645創る名無しに見る名無し:2009/08/08(土) 21:41:25 ID:nA9cvJxv
仮投下乙です。
問題はないと思います。
646創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 01:43:39 ID:HDyzwcPt
仮投下乙です!
自分も問題ないと思います。
647創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 01:51:20 ID:3OuMX1UL
仮投下乙。
でもなんだか無理やり感を感じる。
クルルなら何でもできると本気で信じてるのがどうも違和感をぬぐえない。

その部分を抜きにして、純粋に仲間を守るために危険対主催化ってできないだろうか。
648創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 06:00:46 ID:HDyzwcPt
>>647
う〜ん…
原作じゃ記憶改変もクローン製造も普通にできてるから、ケロロ世界じゃ「肉体再生」は出来ると思う。
人格ごと再生させて「生き返させる」のはできなくても、タママがクルルならできると思うのもアリだと思う。
タママは思慮が浅かったり空回ったりするキャラなとこもあるし。

本気で出来ると信じる→可能性は薄いが出来るかもと希望を持つ、くらいなら違和感がないかな?
649創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 07:20:26 ID:DLVQrlrU
そっちのほうが違和感は薄いかもね。
クローンは所詮クローンなわけで、クルルでも時間移動と同じで死者の蘇生なんて不可能だろうし。
650創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 10:54:05 ID:F20m9c4R
クルルはタイムスリップは無理っぽいことを言ってたな
一度ジンセイガニドアレバガンの事故で世界がまるごと効力を被って実質的にそうなったことがあったけど
651 ◆igHRJuEN0s :2009/08/09(日) 11:11:40 ID:I/jg2Llb
やっと繋がった。
リロードする度の短パンマンはイデの導きなのか・・・・・・

修正としてはタママの意識的に、
クルルなら絶対にできる→クルルならできる可能性はある、または、できないとしてもやらせる
というのはいかがでしょうか?
駄目そうならば、>647の方の意見を参考にしたものに修正します。
652 ◆h6KpN01cDg :2009/08/09(日) 12:32:33 ID:NhhC63P1
用事ができ、締め切りまでに書けそうにないので一旦破棄します。申し訳ありません。
時間があって予約が入っていなければ再度予約・投下をしたいと思います。
他にプロット立ててる書き手氏は予約して構いません。

>>651
問題ないかと。
今のタママはサツキの死を放送で聞き動揺していますし、更にサツキが死んだのは自分が離れたからでは?とも考えていると思うので、そんな思いからクルルなら何とかしてくれる!と考えてもおかしくはないかと。
近いうちに冷静になるという可能性もありますしね。
653創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 13:58:48 ID:2uY98f8N
>>652
残念…最予約お待ちしてますね!!!
654創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 15:54:59 ID:L7F0fpsi
またの予約お待ちしてますねー
655 ◆igHRJuEN0s :2009/08/09(日) 19:32:20 ID:I/jg2Llb
>652
ご意見ありがとうございました。
またの予約をお持ちしております!


とりあえず>651の形で修正をしようと思います。
出来上がり次第仮投下スレに投下いたします。
656創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 12:31:40 ID:BkfozwNv
「アスカもカジオーも悪い奴だったです。
 僕の善悪の判断に間違いなんてなかったんですーーー!」

って感じに自分の善悪の判断に自信を持たせれば結果は同じになるかと。
657創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 14:04:02 ID:tcQQAUvs
5x氏、予約期間過ぎてますので連絡ください。

>>655
ゆっくり修正していってね!

>>639
そっちのほうが面倒じゃなくていいかもね。
その案に賛成します。
658 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/10(月) 14:34:45 ID:TzS1Udk1
えーと、後三十分ほどもしたら延長期限の48時間を過ぎてしまうのですが、完成にはもうちょっとだけ時間がかかりそうです…
どんなに遅くなっても今日中、夜の22時までには投下できると思うので、もう少しだけ延長してしまっても大丈夫でしょうか…?
こんな体たらくですいません…
659創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 15:24:58 ID:HVipS0IS
>>658
大丈夫ですよー
楽しみにお待ちしております!!!
660創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 15:42:42 ID:LzlGC1b7
俺は予約期限は今まで通りでいいと思うがなー。
ここってちょっと待ってである程度融通効くし。
遅れる連絡さえしてくれればいいよ。

……あとあまり期間が長いとつい甘えてしまうからなあ、と一書き手として意見してみる。
661創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 17:34:25 ID:snMjDfvW
同じく今のままでいいと思う。
ていうかなんで予約する人はある程度話がまとまって完成のめどがたってから予約しないんだ?
毎回の如く延長するのならある程度書いてから予約すればいいのに。
662創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 17:55:24 ID:HVipS0IS
>>661
ならお前が書けとしか言いようが無い
663創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 18:03:47 ID:G8FhoZfX
実際に作品を書くのは書き手さん達なんだから、予約期限について読み手が意見を言ってもしょうがないんじゃないのかな
期限が延びた方がいい作品を作れる、と書き手さん達が言うのなら、期限を延ばした方がいいと思う
そんなわけだから、俺は書き手さん達がどうしたいのか聞きたい
664創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 18:05:44 ID:G8FhoZfX
おっと、書き忘れてた

>>658
了解しました
投下楽しみにしています
665創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 18:37:59 ID:XrJRwqlh
ここはある程度融通効くぐらいの大らかさが売りだと思うからあまり文句言って雰囲気壊したくないな
666創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 19:56:16 ID:0CDhzA7V
書き手だが個人的には予約期限延ばしてもらえると嬉しい。
ある程度書いてから予約しろとかいうが、
20KBほど書いた後で予約がかぶったらマジへこむ。
というかへこんだ。

>>658
楽しみにしてます。ごゆるりと。
667創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 19:57:31 ID:ZuUXEuUN
>>658
全然大丈夫ですよー。
ゆっくり書いていってね!


予約延長に関しては、本スレで話してると時期的に妙な連中が沸く可能性があるから、
書き手さん達が議論スレで鳥出して話し合った方がいいと思う。
668創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 20:36:20 ID:O7zaastq
>>667
同意。
ここで鳥なしで話しても、本当に書き手・読み手なのか、住人なのかさえ分かんないし、
いたずらに雰囲気が悪くなるだけと思う。
669 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/10(月) 21:43:42 ID:TzS1Udk1
ぐぁぁ、ダメだ、間に合わない……!!
すいません、22時までに投下は無理そうです…本当にスイマセン!
その代り、24時までならば絶対に出来るハズ…本当に申し訳ありませんが、もうしばらくだけ待っては頂けないでしょうか…

これだけではあまりには申し訳ないので、タイトルと現在のkbだけでもお伝えしておきます。

タイトルは『彼等彼女等の行動』。現在90.4kbまで書きあげております。
現時点で完成率は90%強です。

グダグダと長引かせて、本当にごめんなさい…
670創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 21:53:10 ID:TWslzPc4
>>669
おぉ…
あと少しではないですか!
 
お待ちしておりますので
ラストスパート頑張ってください!!!
671創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 21:55:41 ID:0CDhzA7V
90kbオーバーだと…!?
お待ちしております。というか投下だけで1時間はかかるんじゃ!?w
672創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 22:07:17 ID:ed3j9B9U
90kbオーバーとなると4話構成にしないとwikiに収まらないかも……w
でもそれだけの分量となると大変そうですね。
どうか完成まで頑張って下さい。
673創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 22:08:12 ID:F3QyuTcL
wktkしながらお待ちしております
頑張れ雑食ロリコンフェニックス!!
負けるな雑食ロリコンフェニックス!!
674創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 22:24:21 ID:9PV684DS
>>669
お待ちしてますよ

>>673
クソ!笑っちまった
675創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 22:31:20 ID:KMzCFciz
>>669
ゆっくり仕上げて行ってね!
いやマジでw
もう一回ちょっと待ってで延長してもおkだと思いますよ。
676創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 22:31:29 ID:G8FhoZfX
>>669
90KBオーバー……だと……? 投下楽しみに待ってます!
とは言え無理はしないでくださいねー
677創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 23:17:36 ID:LeeE8DHp
90KBオーバー!?
焦らなくていいからじっくり書いてほしいんだぜ!
そんだけ量あったら推敲もすごい時間かかるだろうし
678 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:04:36 ID:tNPT2muN
諸事情によりIDは違いますが、雑食ロリコンです
投下ですが、12時半から行いたいと思います
結局ギリギリ期限をオーバーしてしまってすいません…
679創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:07:50 ID:06Bc7DNt
0時半っすねー
ksk用意して待っときます!!!
680 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:31:00 ID:ErtcF+8V
そろそろ投下します。
最終的な容量は112kb、全部で5分割という物凄い長さになってしまったので、こんな時間ですが多めのkskをお願いします
681創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:32:17 ID:mjnGNn9+
すっげー!!
ksk!ksk!
682彼等彼女等の行動 (01〜02)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:32:24 ID:ErtcF+8V
【01.取立人の出題】

それはやはり、予定道理に始まった。

『全員聞こえているかな? まずは君達におめでとうと言ってあげるよ』

時刻は18:00丁度。壁にかかった時計の秒針が真上に掛かると同時に、室内に誂えたスピーカーから、聞き慣れてしまった声が流れる。
島の南東に位置する博物館、そこの『学習室』と呼ばれる部屋の中で、ガイバーTこと深町晶は身を固くした。
その様子を見て、肩を竦める影が一つ。黒いマントに黒いマスク、そして黒い帽子。
全身を黒のファッションで覆った、胡散臭さというものが爆発しているこの男の名を、雨蜘蛛と言う。

「おいおい晶くんよぉ〜、お前が緊張してどうするんだってばぁよ」

粘っこく、そしてまた妙に渋い声で晶に話しかけながら、やれやれと言った様子で首を横に振った。

「…すいません雨蜘蛛さん。でも、やっぱり俺は…」
「おーっとお喋りはそこまでだ。そろそろ大事な情報源がお尻フ〜リフ〜リモンガモンガとやってくる頃合いだぜ?」

一度は反論しかけた晶だが、道理の通った雨蜘蛛の言葉を聞き押し黙る。
もう一度手に持ったペンとマップを確認しながら、晶は横目で『今最も心配な友人』を確認した。
晶の視線に気づいたその人物……もとい、モンスターは、彼を安心しようと笑顔を浮かべる。
と、言ってもそれはただの引きつった表情にしか見えなかったのだが。

「せ、せやで、晶。おまえは、ドーンと男らしく構えとったらええんや…」

励ましが必要そうな消え入りそうな声で晶を励ましているのは、巨大な目玉に尻尾が生えたような奇妙なモンスター。
スエゾーという名の彼は、冷や汗をかきながら小刻みに震えるという非常に不審な挙動を繰り返していた。

「スエゾー……」

明らかに精神的に参っている様子のスエゾーに心配そうに声を掛けた後で、晶は憎むべき敵の声が流れるスピーカーへと視線を向けた。

『ゴーレムの友>それはこちらの探している仲間に何かあったという情報ですか?
 泥団子先輩R>その通りでござる。聞きたくないかもしれぬが、知ってしまった以上は伝えるべきかと迷ったのでござる。
 ゴーレムの友>それはこちらの探している仲間が死んだという情報ですか?
 泥団子先輩R>その通りでござる。どうするでござるか? 』

ほんの数十分前に、今は晶のすぐ斜め前に存在するパソコンを介して行われた一つの会話。
文字に起こせばたった数行にすぎないその情報は、着実にスエゾーの精神を削り取っていた。

(スエゾーの仲間がまた…死んでしまうなんて)

やりきれない思いを胸に、ガイバー晶は手に持ったペンに僅かに力を込める。
欲していた情報がスピーカーから流れ出したのは、その直後だった。
683創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:33:03 ID:3s9Tvdhm
キタ!ksk!
684彼等彼女等の行動 (01〜02)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:33:12 ID:ErtcF+8V

『午後19:00からF-5
 午後21:00からD-3
 午後23:00からE-6』

その放送を聞くと同時に、手早くマップの方眼へと情報を書き込んでいく。
二番目の禁止エリアを書き込んだ瞬間に、ある一つの事柄が思い浮かぶが、一先ずそれは保留する。

『覚えてくれたかな? 近い人は危ない場所に入り込まないようによく考えて行動すべきだよ。
 そんな死に方も僕にとっては面白くないからね。

 次はいよいよ脱落者の発表だ、探し人や友人が呼ばれないかよく聞いておいた方がいいよ。
 後悔しない為には会いたい人には早く会っておく事だよ―――せっかくご褒美を用意してあげたんだから、ね?』

「勝手な事を……!!」

思わず晶の口から漏れた言葉を聞き、雨蜘蛛が彼の方を見やる。
だが、ただ視線を寄こしただけでその口を開こうとはしない。
スエゾーはまるで魅入られたかのようにスピーカーだけを見つめている。
その足元にチョコンと立ちながら、白いもふもふのケモノ、小トトロが心配そうにスエゾーを見上げていた。

そして、死者の発表が始まる。

『朝比奈みくる』
三人は動かない。だが、乾いた砂漠の心に僅かに風が吹いた。

『加持リョウジ』
三人は、反応しない。

『草壁サツキ』
緑色の鎧がピクリと震えた。彼の脳裏に浮かぶのは、今まさにこの声を発している男の事。

『小泉 太湖』
黒い帽子がわずかに持ち上がる。だが、その心は凪の砂漠のように静かだった。

『佐倉ゲンキ』
「ゲンキ……!!」
大きな目玉が、より一層面積を広げる。本日三度目の、雷に打たれたような衝撃。

『碇シンジ』
三人の様子は、変わらない。

『ラドック=ランザード』
「…多い」
呼ばれた名は心当たりの無い物であっても、正義の心を持つ少年は、思わず呻いた。

『ナーガ』
「ナーガ…ナーガやて!?」
大きく広がっていた目玉が複雑に形を変える。その内に秘めているものもまた複雑。

『惣流・アスカ・ラングレー』
「…なんや……何がどうなってんねや…!」
目玉が苦しげに呟く。彼の耳には、もう人名は入ってきていない。

『キョンの妹』
「キョンだって……!」
初めて、ひと際大きく少年の心がざわめく。
…自分と戦った彼は、今頃何を感じているのだろうか。
そのすぐ傍で黒いマスクが僅かに動いたことに、彼は気づかなかった。
685創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:33:53 ID:3s9Tvdhm
ksk
686彼等彼女等の行動 (01〜02)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:34:00 ID:ErtcF+8V
『以上十名だ、いやあ素晴らしい!』

続いて聞こえてきたのは、真新しいおもちゃを前にした子供のような弾んだ声。
この声を聞けば十人中十人がこう思うだろう。
この男は、心の底からこの事態を楽しんでいる、と。

「何がっ………何が素晴らしいやこのドアホがぁ!!」

スエゾーは思わず叫んでいた。
大切な親友を奪われた悲しみが、一瞬で全ての発端である男への憎しみへと変化する。
歯を食いしばり、殺気の籠った目でスピーカーを見つめるその表情に、足元の小トトロが寂しそうに震える。
そしてその隣にももう一人、怒りに満ちた男がいた。

「どうして……どうしてそんなに楽しそうに笑っていられるんだ…!
 実の娘が、死んだんだぞ…!!」

ボキリと音を立てて、手の中に持っていたペンが真っ二つになる。
晶には、草壁タツオという男が理解できなかった。
『血のつながった肉親を手に掛ける』というある種共通の経験をした人物に共感する事が出来なかった。

ただ一人、雨蜘蛛だけが静かにスピーカーを見つめ、その言葉に耳を傾けていた。

(あのチビジャリンコはおっ死にやがったかぁ…むしろ良く持ったもんだなぁオイ。
 朝比奈みくると妹については…残念だねぇ〜せっかくのチャンスを無駄にしちまったズラ)

怒りに震える一人と一匹とは正反対に、その心は酷く落ち着いている。
ただ、ほんの少しだけ、折角の御馳走を逃してしまった事に対する悲しみが水滴一本ほどに存在していた。

『ただ―――残念なお知らせというか、改めて君達全員肝に銘じてほしい事があるんだ。
 最初の説明で言ったよね? 僕達に逆らっちゃいけないってさ。』

ここにきて、初めてスピーカーからの口調が変わる。
ほんの少しだけ残念そうに、それでもその裏に何らかの楽しみを感じさせて。

「………なんだぁ?」

ただ一人、最も精神的に落ち着いている男だけが冷静にそれに答える。

『わかる人にはわかると思うけど僕達は何度か会場に出向いているんだ。
 理由は色々だけどそういう時は黙って見ていてくれないかな、襲い掛かってくるなんてもっての他だよ。

 ここまで言えば勘のいい人は気付いたかな? わざわざこんな事を伝えるのは何かあったんじゃないかって思うのは当然だよね。
 正解だよ。さっき呼ばれた人の中にはね、実際に反抗して命を落とした人が含まれているんだよ。』

「なんやと…このアホ共、こっちに来とるんか!?」
「主催者側が危険を冒してまで、この会場に…!? 何を考えてるんだ!?」
「ふぅむ………」

怒りの形相のままで驚きの声を上げる一人と一匹を差し置いて、雨蜘蛛は顎に手を当てながら息を付く。

放送の主はそのまましばらく『自分達に手を出すな、もしそうすればその場にいる全員に責任を負ってもらう』という趣旨の発言を行った後、
マイクの電源OFFを思わせるわずかな破裂音と共に再びフェードアウトしていった。

「手ぇ出すなやとぉ…! んな事知るかい!! 俺はあの二人を絶対ゆるさへん!! もしもノコノコやってきおったら、オレがボッコボコにしたるわ!!」

悪魔の放送が終了してもなお、スエゾーの怒りは留まる所を知らなかった。
悪鬼のように歪んだ表情のまま、自分たちの命を弄んでいる主催者達に対する憎悪を吐き出し続ける。
自分の足に、涙を流してブルブル震えながらも必死にすり寄っている心優しい小動物がいる事にも気付いている様子は無い。
雨蜘蛛はそれを冷めた目でしばらく見つめた後に、傍らに座っていた少年へと視線を動かす。
687創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:34:01 ID:mjnGNn9+
ksk
688創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:34:14 ID:06Bc7DNt
ksk
689創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:34:41 ID:0qfddmzL
kskksk
690創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:34:53 ID:3s9Tvdhm
ksk
691創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:34:55 ID:06Bc7DNt
ksk
692彼等彼女等の行動 (01〜02)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:34:54 ID:ErtcF+8V

「スエゾー…今そんな事を云ったってしょうがない。一先ず、落ち着こう」

さっきまで静かに怒り続けていた晶は、多少落着きを取り戻した様子でスエゾーに語りかけた。
その変わり身が滑稽で、黒いマスクの奥の素顔が醜く歪む。
なんということはない、『人を落ち着かせるには、その人よりも更に情緒不安定な人を連れて来い』という奴だ。
厳しい環境である関東大砂漠では幾度となく見てきたその光景をわずかに懐かしく感じながら、雨蜘蛛は声を出さずに笑う。

「これが落ち着いていられる訳無いやろ!? 面白いやないか!! やれるもんならやってみぃや!!」

だが、予想以上のスエゾーの怨みの根は深かったらしい。
晶の制止の声にも止まる様子を見せず、むしろヒートアップしているようにすら思える。
次の瞬間には、すぐ傍にいた小トトロをはじき飛ばしながら部屋中を駆け回り、主催者達を口汚く罵り始めた。

「ほら、このドアホウ共!! この天下無敵のスエゾー様が相手になったるわ!! どうした、おじけついたんかぁ!?」
「やめろ、スエゾー!! 落ち着くんだ!!」

見るに見かねた晶が席から飛び出し、スエゾーの体を床に押さえつける。

「ぐあっ、こらっ、晶!! 離さんかい!! 俺の邪魔する気なんかぁ!?」
「そんな事したってどうにもならないだろ!? それに忘れたのか、俺たちの首には首輪が嵌まってるんだぞ!!」

ガイバーの強靭な腕力をその身に受けてもなお、スエゾーはじたばたと暴れて拘束から逃れようとする。
晶はそれでも諦めずにスエゾーを止めようと、自分たちの命を握っている首輪の存在を示唆するが、それも焼け石に水だ。

「それがどうしたんやぁ! 首輪だろうがなんだろうが、発動するっちゅーんならしてみぃ!! 色水になろうが噛み付いたるからなぁ!!」
「スエゾー!!」
「ふぅー……はいはい、もーお腹いっぱいだよおじちゃんは」

二人の怒声を遮るように、さっきまで晶が座っていた椅子の辺りから深い深いため息とうんざりした呟きが流れる。
面白い出し物だとしばらくは静観を決め込んでいた雨蜘蛛だったが、流石にいつまでも膠着状態な現状に嫌気がさし始めていた。
やれやれよーっこいしょぉ、と妙に芝居がかった口調で椅子から立ち上がると、未だガイバーの腕から抜け出そうとするスエゾーに近づき、しゃがみ込む。

「目玉よ目玉よ目玉ちゃ〜ん、と。面白いお話はいかがだい?」
「なんやぁ雨蜘蛛!! 今オレは忙しいんや!! あのアホ共に痛い目見せん事には気ぃすまんわ!!」
「そーのパッパラパーのアホ共についてのお話なんだがなぁ…興味無い?」
「……なんやて?」

雨蜘蛛の言葉を聞いた瞬間に、それまで盛んに動き回っていたスエゾーの体が止まる。
晶もまた、驚いたような顔で(ガイバーにより表情は伺えないが)雨蜘蛛を見ていた。
首尾よく一人の一匹の注目を集められた事に満足げな笑いを浮かべながら、雨蜘蛛は続ける。

「そのアホの言ってた事だが…ちょ〜っとばかしおかしいんじゃねぇかい? と思うわけよおじちゃんは」
「あいつらがおかしいの初めっからやないのか?」
「いや、多分そういう意味のおかしいじゃないと思うぞ」

微妙に力の抜ける漫才的やりとりを聞き流し、雨蜘蛛はスッと立ち上がる。
それに合わせるように晶はスエゾーの体を放して、スエゾーもまた静かに立ち上がった。
また、スエゾーが大人しくなったのを見て小トトロがちょこちょこと彼に近づき、大きな頭の上にちょこんと陣取ってみせる。
693創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:35:11 ID:t+fd2r1N
ksk
694創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:35:16 ID:mjnGNn9+
ksk
695創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:35:36 ID:06Bc7DNt
ksk
696彼等彼女等の行動 (01〜02)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:35:41 ID:ErtcF+8V
「あのアホンダラはこう言ってたよなぁ…自分たちに逆らって、『実際に反抗して命を落とした人』がいるってよ」
「それの、どこがおかしいんですか?」
「んー、例えばだぜ? 俺があのアホと同じ事を考えて、何人か人間を集めて不思議な首輪を付けて殺し合わせたとする。
 が、首輪をつけたとしても心までは堕とせねぇ。奴ら集団で俺に襲いかかってきやがって…そんな時どうすると思うよ?」

雨蜘蛛の言葉に質問した晶が、逆に質問される結果となった。
多少理不尽な展開に面喰いながらも、晶は当たり前のようにこう答えた。

「それは、首輪を発動させる…ですよね?」
「ぴんぽんぱんぽ〜んっとくりゃぁ! それしかねぇよなぁ〜誰だってそうするし俺だってそうする」
「俺だってそうするで…考えたくあらへんけどな」

冗談めかした雨蜘蛛のファンファーレを聞きながら、吐き捨てるようにスエゾーが呟く。
と、次の瞬間巨大な目玉の顔面の黒衣の変態が躍り出た。

「どわぁぁ!? な、なんやねん雨蜘蛛!?」
「さて、こっからが本題だ。これから俺は放送を行う。その場で反乱が二度と起きねぇように奴らに釘を刺す。さぁ、なんて言うでしょ〜かっとな?」

驚くスエゾーを尻目に、ずずずいっと更に前ににじり寄りながら雨蜘蛛が再度問題を出す。
後ろにつんのめりながらも、スエゾーは一つの答えを出した。

「そら、お前…『次やったら首輪使ったるぞ』とでも………あぁ! って、うおぉー!?」

プルプルと震えながら一つの答えを出した瞬間にスエゾーの目が大きく見開かれ、また同時に完全にバランスを崩して後ろにこけた。
頭の上の小トトロは、見事なジャンプで隣の晶の肩へと着地していた。

「スエゾー!? 大丈夫か!?」
「あったたたた〜…ケツ…ケツ打ってもうた……」
「ケ……え?」
「とりあえずまー俺が言いたいのはそういう事だ。わかったかい目玉ちゃぁん?」

そういう雨蜘蛛はすでに後ろを向き、さっきまで座っていた椅子へと歩き出していた。
再び奇妙なやりとりを行いながら晶はスエゾーの体を抱き起こす。
丸く重い頭を支えてやりながら、少年は黒衣の男に今の問題の真意を訪ねた。
小トトロは晶の肩を伝って、再びスエゾーの頭部にのっかってみせる。

「つまり、雨蜘蛛さんが言いたいのは…今回の主催者側の制裁は、首輪によるものでは無いと?」
「おっそらく間違いねぇだろうな〜。もし首輪を使ったんだったらわざわざ言わない理由がねぇ」
「っちゅ、ちゅー事はや、この首輪ってただのお飾りっちゅー事やないんか!?」

今度はスエゾーがバネ仕掛けの玩具のように飛び出し、雨蜘蛛の傍へ現れる。

「うわっ、とっ、ツバ飛ばすんじゃねぇよぃ!! 確かに首輪で殺されたわけじゃねぇのは間違いねぇだろうが、だからって飾りって訳でもねぇだろ!」
「だったらなんの為に首輪があるんや? 反逆防止の意味がなかったら付ける必要あらへんやろ?」
「……いや、それ以外にも首輪の使い道はあるだろ、スエゾー」
「晶?」

雨蜘蛛の代わりにスエゾーの質問に答えた晶は、机の上に置いてあったMAPを手に取る。
それを拡げて見せられることで、スエゾーもようやく合点が行ったようだ。
697創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:35:41 ID:3s9Tvdhm
ksk
698創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:36:02 ID:t+fd2r1N
k s k
699創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:36:18 ID:06Bc7DNt
ksk
700彼等彼女等の行動 (01〜02)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:36:23 ID:ErtcF+8V
「そうか、禁止エリアがあったんや…!」
「首輪がお飾りだってんなら、禁止エリアなんてわっかりやすい大嘘こくわけもねぇって事だ〜べさ」
「それ以外にも、俺達の脱出を禁止する為にこれが存在していることは間違いないと思う。
 二人には言いそびれていたけど、俺はこの殺し合いが始まったばかりの頃に空を飛んでマップの端まで移動してみたんだ。
 この境界線の辺りに近付いた瞬間に、首輪から警告の音声が鳴り始めたしね」

晶の言葉に、分厚いマスクの下で雨蜘蛛の目が僅かに細められる。
思い出すのは数時間前、自分がボートで島の周りを囲む大量の水たまり、『海』へと繰り出した時のことだ。
海の上では潮の流れに流され、単純な構造のボートでは思うように身動きを取ることが出来なかった。
『海には潮の流れというものがあります、特にこの島の周りの流れは海底地形の影響で複雑ですので十分な注意を』
『潮の流れに逆らわず利用する事です、潮流の横に逃げて近くの別の流れに乗りましょう』
どちらもボートの中にあった解説書に書いてあった言葉だ。
最初に読んだ時は親切な事だ、と思ったがこれは暗に『海路では島の外に脱出できない』という事を表していたのだろう。
その際には雨蜘蛛も意図せずマップの境界線近くまで漂着しかけ、危うく色水となる所であった。

「少なくとも、文字通り俺達をこの島にくくりつけとく首輪としての効果はあるってぇ事だな」
「けっ…ほんま胸糞悪い奴らやで!」
「…でも、やっぱり気になる事はあります」
「おぉ?」
「なんや、どうしたんや晶?」

二人の声を聞きながら晶が脳裏に浮かべているのは、この殺し合いが始まる直前の事だ。
あの長門という少女は、デモンストレーションとして少年を色水に変えた後、首輪についてをこう解説していた。

『首輪の作動条件は三つ。一つは私達への反逆。二つは私達が指定する禁止エリアへの侵入。三つは無理に外そうとする。これをしなければ、作動はしない』

「あの長門という子は、確かに首輪の作動条件の一つとして『自分たちへの反逆』という物を挙げていた。
 もしも今回の雨蜘蛛さんの仮説の通りに、自分達に逆らった参加者を前にしても首輪を作動させなかったというのは…一体どうしてなんだろう」

晶の言葉を聞いた雨蜘蛛はしばし顎の上に手を当て考え込む。
ひとしきり唸り声をあげた所で、男はふと思い浮かんだ事を呟いてみせた。

「……使いたくても使ぇねぇ…もしくはできれば使いたくねぇ、か」
「それも良うわからへんな…結局いったいどういう訳やねん」
「俺に聞くんじゃねぇよ、俺が言ったのもあくまで予想にすぎねぇんだからな〜」

パッと手を離すと、黒衣の男はお手上げとばかりにヒラヒラと両手を動かす。
スエゾーは、結局また振り出しみたいなもんやな…と深いため息を付いた。
そんな中、晶は雨蜘蛛へ自分の疑問をぶつけてみる。

「あの、雨蜘蛛さん。なんでこんな事に気づけたんですか?」
「あぁん?」

放送というのは一回こっきりの物だ。その中のたった一言に目をつけ、そこからここまでの仮説を打ち立てるのは、並大抵の事ではない。
不思議でたまらない、といった雰囲気の晶に対して雨蜘蛛は……どこか遠い眼をしている、気がする。
やがて、一つ深い息をついた雨蜘蛛がぽつりと零した。

「ま……生まれ育った環境のお陰かねぇ」

雨蜘蛛が育った環境。すなわち、関東大砂漠。
治安はマイナス、ついでに衛生環境もマイナス。
欲が欲を呼び、人が自分の為だけに容赦なく他人を蹴落とす、過酷すぎる世界。
ありとあらゆる嘘に満ち溢れた砂漠では、ただ盲目的に何かを信じているだけでは生き残れない。
ケツの毛までむしられて、最後の一滴まで搾り取られて死んでいく…一瞬の油断さえ、命取りの世界。
雨蜘蛛は、そんな世界で、魂さえも取り立てる地獄の取立人として名を馳せていたのだ。
701創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:36:26 ID:mjnGNn9+
ksk
702創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:37:00 ID:06Bc7DNt
ksk
703創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:37:01 ID:3s9Tvdhm
ksk
704創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:37:06 ID:t+fd2r1N
ksk
705彼等彼女等の行動 (01〜02)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:37:11 ID:ErtcF+8V
【02.目玉怪物の慟哭】


「………ま、そーんな事は置いといてだ。そろそろ四角い箱入りお嬢ちゃんがぴぃぴぃ泣いちまってるんじゃねぇかぃ?」

一瞬漂ったアンニュイな雰囲気を、両手をパンと打ち鳴らすことで吹き飛ばした雨蜘蛛は、放送前から起動しているパソコンを指さす。
その画面の中では、複数の赤い点が随所にちりばめられ、三つの青い点が輝く地図が表示されていた。

「そうだ、リングを調べないと! ドロロさん達も待ちくたびれてる頃だ!」

先ほどチャット相手であるドロロ達から聞き出したキーワードを入力し、地図を更新した直後に今回の放送が始まったのだ。
あまりにも都合の悪いタイミングだった為に対して中身もチェック出来ないまま、随分と長い時間を過ごしてしまった。
ふと視線を動かして壁にかかった時計を見つめてみれば、時計は18時15分近くを指している。
再度、視線を動かして画面の中を見つめる。
変化が見られたのは二か所、E-8、E-9に跨る巨大な湖に位置する点と、I-4の森の中にある点が『作動中』を表す青色になっていた。

「少しゴタゴタしすぎちゃったな…映像を確認するのは後にして、一先ずドロロさん達に連絡を取ろう」

マウスを数回カチカチとクリックして、地図と別窓で開いていたチャットの画面を呼び出す。
接続は行われたままだ。

泥団子先輩R>晶殿、どうされたでござるか?

チャットの中では、ドロロが自分たちを心配する旨の書き込みを行っていた。
わざわざ心配をかけてしまった事を少し申し訳なく感じながら、晶はそれに答える。

ゴーレムの友>すいません、少しゴタゴタがあって書き込むのが遅れてしまいました。今はもう大丈夫です。

やや時間がたち、ドロロ達からの返信がやってくる。

泥団子先輩R>なに、仕方なきことでござる。大事がないのであれば、それに越したことはないでござるよ。
ゴーレムの友>ありがとうございます。では、早速ですがこちらのリングの状態についてお伝えします。
ゴーレムの友>新たに作動しているリングは二つありました。E-8,9周辺の巨大な湖の中と、I-4の森の中です。
ゴーレムの友>残念ながらまだ動画は確認していませんが、この情報交換が終わったら見てみるつもりです。
泥団子先輩R>情報提供感謝するでござる。
泥団子先輩R>こちらも、今からキーワードを使ってkskを調べようとしていた所でござる。

「なんでぇ、あちらさんも随分動きがトロいじゃないの」
「放送があったんです、何かがあっても仕方ないでしょう。もしかしたらドロロさん達の知り合いの誰かが死んでしまったのかも…」

そんな会話を交わしながら、晶はひとつ気になっていた事を質問する。
先の放送にて、禁止エリアの発表があった時から少し気がかりだった事だ。

ゴーレムの友>一ついいでしょうか?禁止エリアのことなんですが、そちらは大丈夫ですか?
ゴーレムの友>三時間後にはもう遊園地への入口が閉鎖されてしまうようですが…。
泥団子先輩R>その事については心配ござらん。拙者達の中に空を飛べる物がおるので、海側から迂回して脱出できるでござる。
泥団子先輩R>それでなくても三時間も先のこと、飛べぬ者だけで今から移動すれば十分に間に合う距離でござる。

「こっちの方については心配しなくても大丈夫みたいだな…」
「にしても空を飛べる奴ぅ?おいおい、ここの参加者の中にはそんなに空を飛べるのがいるってー事なのか?」
「確かに、俺の元の世界から来たクロノスの構成員達は、全員空を飛ぶことが出来るな…偶然なんでしょうか?」
「………さぁなー?」

口ではそう答えながらも、雨蜘蛛は例の岬の洞窟に思いを巡らす。
アレを見た時は『そう簡単に入れる場所ではない』と予測したが、案外そうでもないのかもしれない。

(こいつは、ちょーっと出発をはやめねぇといけねぇかもなぁ…取立人が横取りされちまっちゃぁ、商売上がったりだぜ)
706創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:37:44 ID:3s9Tvdhm
ksk
707創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:37:56 ID:06Bc7DNt
ksk
708創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:38:06 ID:t+fd2r1N
k s k
709創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:38:40 ID:mjnGNn9+
ksk
710創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:38:42 ID:3s9Tvdhm
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711創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:38:45 ID:06Bc7DNt
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712創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:39:06 ID:t+fd2r1N
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713創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:39:25 ID:06Bc7DNt
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714創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:39:41 ID:3s9Tvdhm
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715創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:40:05 ID:t+fd2r1N
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716創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:40:07 ID:06Bc7DNt
ksk
717彼等彼女等の行動 (01〜02)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:40:11 ID:ErtcF+8V
雨蜘蛛がそんな考えを巡らせているとも知らずに、晶はいったん画面から目を離して部屋を見回す。
ついさっきから、まったくスエゾーが姿を見せず、口をはさまないのが気になったのだ。
放送後の騒動の事もあり不安が募ったが、部屋の隅の窓からじっと外を見つめている姿を発見して安心する。
頭の上には相変わらず小トトロが乗っかり、一緒に沈みゆく夕陽を見つめていた。
そんな事をしているうちに、チャットの中に新たな文章が出現する。

泥団子先輩R>ところで、こちらからも一つ聞きたいことがあるのでござる。
泥団子先輩R>先の放送で、死者の発表が終わった後に草壁タツオが長々と何かをしゃべっていたようでござるが、何と言っておったのでござるか?
泥団子先輩R>こちらでも多少のトラブルがあったため、詳しく聞くことができなかったのでござる。
泥団子先輩R>そのトラブルについては無事に解決したので、心配は御無用でござる。

「やっぱり、何かあったんだ…こうは言ってるけど、大丈夫だろうか」
「心配すんなっつってんだから別にいいだろ?いーからさっさと話を進めろぃ」

ゴーレムの友>放送の内容ですが、かいつまんで言えば「主催者からの警告」です。
ゴーレムの友>どうやら、主催者達はそれなりの頻度でこの会場に現れ、参加者に介入しているそうです。
ゴーレムの友>しかし参加者と接触するたびに抵抗を受けたようで、「これからは手出しをしないように」という内容でした。
ゴーレムの友>なお、主催者の話では「今回の死者には自分たちに逆らったために命を落とした物がいる」という話でしたが、
ゴーレムの友>その口ぶりから察するに、参加者の制裁は首輪以外の何かで行われたと思われます。

「…っておいおい、それそんな簡単に教えちまうのかよぉ〜?」
「相手からも色々な情報をもらってるんです、ちゃんと恩は返さないといけないでしょう?」
「ったくよぉ…それだからお前はアマちゃんだってんだぜぇ…」

正反対の性格の二人によって所々の口論が起こりながらも、どうにか順調に情報交換は進んでいく。
途中で、リング観戦用の動画を再生するためのキーワードをドロロに尋ね、動画をいつでも再生できる状態に待機した所で会話も一段落着いてきた。

泥団子先輩R>では、これからわれわれはそれぞれのkskを調査する事になるでござるな。
ゴーレムの友>はい。しばらく時間をおいてからPCから得た情報をまとめて、再びチャットを行うのがいいと思いますが…。
泥団子先輩R>了解したでござる。では、チャットを切断してから1時間後に再び落ち合うというのはどうでござろう?

はい、それでは――――とキーボードを叩きかけた瞬間に、晶の指をさえぎる声があった。

「ちょっとまったぁ!! まだチャット、終わってへんよなぁ!?」

スエゾーである。
慌てた様子でピョンピョンと跳ねてきたスエゾーは雨蜘蛛の逆方向に陣取ると、画面をのぞき込みひとつ息をついた。

「ふぅ、良かった、間におうたか…このまま無視されてまう所やった」
「スエゾー…何をやってたんだ?」
「ん、いや……ちょっと、考え事や」

今までずっと物思いにふけっていたらしいスエゾーに対して晶が疑惑の目を向けるが、対するスエゾーはバツが悪そうに眼をそらすのみ。

「まぁそんな事はどうでもええんや……晶。例の話、俺に聞かせてくれるように頼んでもらってええか」

例の話。
その単語を持ち出された晶の体が、少し強張る。
何の話についてかは、今更もう一度確認するまでもない。
既に察した様子の雨蜘蛛は、付き合ってらんねぇぜぇ〜とばかりに席から離脱している。

「……ああ、わかった。ちょっと待っていてくれ」
718創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:40:53 ID:06Bc7DNt
ksk
719創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:40:58 ID:3s9Tvdhm
ksk
720創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:41:06 ID:t+fd2r1N
ksk
721彼等彼女等の行動 (01〜02)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:41:16 ID:ErtcF+8V
真剣な表情で自分を見つめるスエゾーに、少し硬い声で答える。
再びキーボードに向かいなおった晶は、ゆっくりとチャットへと書き込んでいく。

ゴーレムの友>すいません、少しお待たせしました。最後にもう一つだけいいでしょうか。
ゴーレムの友>スエゾーが、ゲンキさんの死について教えてほしいと言っています。

送信が終わった後の、なんともいえぬ重苦しい空気が漂う。
ちらりと横目で確認すれば、スエゾーは真剣な表情でディスプレイを見つめていた。

返事は、数十秒ほど遅れて帰ってきた。

泥団子先輩R>承知したでござる。しかし、実際にゲンキ殿の死をみとった朝倉殿とヴィヴィオ殿は現在席を外しておられる。
泥団子先輩R>いつ頃戻ってこられるかはわからないでござるが、少なくとも1時間後には戻ってきているはずでござる。
泥団子先輩R>ただし、最期の概要だけは拙者も話を聞いているでござる。
泥団子先輩R>今、又聞きでもいいから話を聞くか、それとも1時間後に改めて朝倉殿達から話を聞くか。スエゾー殿、選んでほしいでござる。

晶は、ディスプレイから視線を外し、ゆっくりと傍らの目玉の友人の姿を見た。
スエゾーの表情は先ほどと変わらなかった。ただ、その巨大な瞳の奥に何かしらの強い意志が宿っているかのように見えた。

「…今でええ。聞きたいのはたった一つだけや」

晶の顔をまっすぐに見つめながら、スエゾーはゆっくりと語る。

「ゲンキは……闘っとったんか?」

それを聞いた晶は、キーボードを叩き、ドロロ達に言葉を贈る。

ゴーレムの友>スエゾーは、今話を聞きたいと言っています。そして、聞きたい事は一つだけだそうです。
ゴーレムの友>「ゲンキは、闘っとったんか?」

しばしの重い沈黙が、再び流れる。
晶もスエゾーも、ディスプレイから目を離さなかった。
722創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:41:35 ID:06Bc7DNt
ksk
723彼等彼女等の行動 (01〜02)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:42:05 ID:ErtcF+8V
泥団子先輩R>ゲンキ殿は、勇敢で優しい少年であったと聞いたでござる。
泥団子先輩R>戦い、自分たちを殺そうとした者の命を奪うことなく引き止め…
泥団子先輩R>その者を庇って散っていったそうでござる。

―――――ぽたり、ぽたり。

水滴が、床に落ちる音がする。

「ああ……そうなんやなぁ……やっぱり…あいつはいつもと変わらんわ…」

もう聞きなれた、聞き慣れてしまった、普段以上にしゃがれたスエゾーの声。

「いっつもそうなんや…俺らが危ないっちゅーても聞きもせんで…無理して闘って…そんで大ケガしてホリィに怒られて…」

涙で溢れた巨大な目玉が、輝くディスプレイを反射する。
だが、その眼が見つめているのはパソコンの画面ではなく、もっと別の物だった。

「全く…あいつらしいわ……あの、ドアホウが……!」

色々な場所に行った。街にも行った。森にも行った。谷を越えた。海を越えた。遺跡にも潜った。敵の牙城にも乗り込んだ。
一緒に戦った。仲間同士で喧嘩をした事もあった。その分仲直りもした。苦しく辛い戦いもあった。
初めての四天王、ピクシーとの戦いも、ホリィが突如現れたムーにさらわれた時も、ガッツを振り絞り、皆で力を合わせて乗り越えた。
ホリィも、モッチーも、ライガーも、ハムも、ゴーレムも、ゲンキも、大切な仲間達だった。
―――――なのに。

「ゲンキのドアホゥ!! お前もモッチーもホリィもいなくなってもうて、そんでまた楽しく旅が出来る訳ないやろうがぁ!!」

そう叫んだ後、スエゾーは声を立てて泣き叫び始める。
自分の中の悲しみ、怒りを全てぶちまけるかのように。
スエゾーを心配したように寄り添う小トトロの姿もまた、深い悲しみを誘った。
724創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:42:05 ID:t+fd2r1N
k s k
725創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:42:13 ID:3s9Tvdhm
ksk
726創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:42:16 ID:06Bc7DNt
ksk
727創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:42:59 ID:06Bc7DNt
ksk
728創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:43:04 ID:t+fd2r1N
ksk
729創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:43:31 ID:x0oaCcth
ksk
730創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:43:35 ID:3s9Tvdhm
ksk
731彼等彼女等の行動 (01〜02)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:43:47 ID:ErtcF+8V
晶は、何も言う事が出来なかった。知り合ってからの時間は短いとはいえ、自分を支えてくれた友人に何を言えばいいのかわからなかった。
ただ、強く拳を握り締める。ガイバーである自分の拳を。秘密結社クロノスが、血眼になって手に入れようとしている強殖装甲、ガイバー。

その力で、必ずこの殺し合いを潰してみせる。

そう、心の中で固く誓った。


雨蜘蛛は、目前で繰り広げられている光景に何の興味も無かった。
あえて言うならば、『自分以外の誰かの死』という物でここまで激しく感情を表すのを見るのは珍しくはあったが、それだけだった。

だが、無言で拳を握りしめているガイバー・晶の姿を見て目の色が変わった。
数十分前、自分に力強く立ちはだかった時と似たオーラが溢れている。

先ほどの晶を見て雨蜘蛛がこの少年に下した評価は、『いざという時の爆発力は一流』という物であった。
そして今、スエゾーの悲しみに触れた晶の力は爆発寸前なまでに漲っている。
これがカンフル剤となって、後々の『主催者打倒』に生きてくるとすれば……

(こいつは…ちょっとばかし面白い事になってるかもしれねぇな)

ま、そう上手くいけばの話だがねぇ…危なくなったら俺ァまっさきにトンズラこかせてもらうぜぇ。
そんな感情も秘めながら、じっと二人の様子を観察していた。


やがて、スエゾーの慟哭だけが流れていた部屋の中に数秒間だけキーボードの叩く音が響く。

ゴーレムの友>ありがとうございました

たった一言の感謝の言葉。それだけを残して、ひとまず深町晶はチャットルームから退室した。
732創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:43:57 ID:06Bc7DNt
ksk
733創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:44:10 ID:t+fd2r1N
k s k
734創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:44:14 ID:x0oaCcth
ksk
735彼等彼女等の行動 (03〜04)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:44:32 ID:ErtcF+8V
【03.忍者蛙の想念】


『さて、皆が気になる禁止エリアを発表するよ。九箇所にもなるとさすがに危ないから聞き逃さないようにね。
 暗くなってきたけどしっかりメモしておく事を薦めるよ。


 午後19:00からF-5
 午後21:00からD-3
 午後23:00からE-6』

北西の遊園地、スタッフルーム。
スピーカーからの主催者の声を聞き、禁止エリアをペンでマーキングしながら、ドロロ兵長は顔をしかめた。
これはちょっとあからさまなような…逆にどうでもいいような……それは兎も角として、多少厄介な…という複雑な心境を表した表情で、
この殺し合いが始まって以来の相棒の少女魔道士、リナ=インバースと視線を合わせる。
交差された視線で大体の事を察したリナは、さほど深刻そうな表情も見せずに答える。

「ま、心配しないでも大丈夫よ。いざって時は私が何人か抱えて飛ぶし、時間もあるしね」
「しかしこれが意図する事というのも多少気になるでござるな」
「っつってもねぇ、ここにもう何があるもんでも…」
「…二人とも何の話をしてるの?」

突然始まった彼女たちの会話に、奇妙な物を見る目を向けているのは朝倉涼子。
さらさらとしたストレートの長髪に、メイド服という非常に目立つ格好をしている少女だ。

「ま、長い付き合いって奴よ。そこまで気にしないでいいから」
「といっても、拙者とリナ殿はまだ出会ってから18時間足らずしか経っていない気がするでござるが…」
「細かい事は気にしないでいーの!」

突如始まった掛け合い漫才を微妙な視線で見つめた後で、朝倉は咳払いを一つして気を取り直す。
これから配信される情報を聞き逃すわけには行かないからだ。自分の為にも、そして同行者の少女の為にも。

「とりあえず、もう死者の放送に移るわよ。しっかりと聞いて置きましょう?」
「わかってるわよ」
「御意」

二つの特徴的な返事にまた応えるように、この殺し合いのゲームマスターである草壁タツオの声が続いて流される。

『次はいよいよ脱落者の発表だ、探し人や友人が呼ばれないかよく聞いておいた方がいいよ。
 後悔しない為には会いたい人には早く会っておく事だよ―――せっかくご褒美を用意してあげたんだから、ね?』

何を言うか…!人道に外れた、あまりにも外道な男よ――――ドロロ兵長は怒りを覚える。
良く言うわよ、自分で殺し合いさせといて――――リナ=インバースは嘆息する。
…あの子が生き残れる確率、計算しなくて良かったかもしれない――――朝倉涼子は身構える。

そして、運命の死者発表が告げられる。
736創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:44:38 ID:06Bc7DNt
ksk
737創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:44:59 ID:3s9Tvdhm
ksk
738創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:45:10 ID:t+fd2r1N
ksk
739彼等彼女等の行動 (03〜04)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:45:17 ID:ErtcF+8V
『朝比奈みくる』
朝倉涼子が、わずかに体を動かした。しかしそれは一瞬のこと。

『加持リョウジ』
誰一人反応するものはいない。

『草壁サツキ』
目立って反応するものはいない。だが、三人の顔には少なからず影が刺す。

『小泉太湖』
メイドの少女の目が動く。だが、それだけ。

『佐倉ゲンキ』
特徴的な眉が見える眉間が、僅かに寄せられる。

『碇シンジ』
小休止、だろうか。

『ラドック=ランザード』
答える者はいない。

『ナーガ』
あいつじゃ、ないのよね。
確認するまでもない事が、なぜか心に浮かんだ。

『惣流・アスカ・ラングレー』
ここにきて、彼女が強く反応する。だがその顔からは納得と安心の色が強く見える。
それでもまだ気は抜けない。

『キョンの妹』
そして、懸念事項を的中させてしまった少女が歯噛みするのと、彼女たち三人から離れた場所にあるソファーから物音がしたのはほぼ同時であった。

三人、正確には二人と一匹の顔が一斉にソファーへと向けられ、上体を起こし呆然としている幼い少女の存在を認めた。
つい先ほどまで、少女の傍に寄り添うように置かれていた逆三角形のブローチが床に落下している。
今さっきの物音が、彼女が体を起こしたのに付随して落下したのだ、という事は容易に想像が付いた。

「………うそ……アスカお姉ちゃん……妹さん………」

可愛らしい色違いの両目を大きく見開いたまま、呆然と少女――ヴィヴィオが呟いた。
その瞳の中に見えるのは虚無、そしてあまりにも深すぎる悲しみ。

(このような幼い子供が、何という……!)

まだ僅か数年しか生きていないであろう子供が背負うには大きすぎるその色を見て、心優しき忍者蛙が歯噛みする。
しかし、だからと言ってこの少女に自分が何をしてやれるのか? 
まだ知り合ってから1時間も経っていない、そもそも顔を合わせたのも今この瞬間が初めてなドロロには、ヴィヴィオに関して持っている情報が少なすぎる。
傍らに立つリナもまた同じような思いを抱いているのだろう。苦虫を噛み潰したような表情をしたままで、身動きを取ることが出来ていない。
そして、この中では最も長い時間を彼女と過ごしているであろう朝倉涼子は………?

『僕だって不本意だったけどどうしても態度を改めてくれなかったんでこの有様という訳さ。
 普段の生活でも困るよね、そんな人。』

スピーカーからは尚も草壁タツオからのメッセージが送られてくるが、それをまともに聞いていられる人物はここにはいない。
時間が止まったように動けない三人の前で、ただヴィヴィオだけが呆然と二人の少女の名前を呼んでいる。
740創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:45:44 ID:06Bc7DNt
ksk
741彼等彼女等の行動 (03〜04)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:46:02 ID:ErtcF+8V
やがて、一番最初に時間の流れを取り戻したのは朝倉涼子であった。
早歩きほどのスピードでソファのヴィヴィオに近づくと、床に落ちていたバルディッシュを拾って少女の体を優しく抱きしめる。

「涼子…おねえちゃ……?」

今まで存在しない相手を見つめていた目が、ここで初めて確かに存在する相手を捉える。
だが、そこに浮かぶ光はまだ余りにも虚ろだった。
大丈夫よ、と小さく呼びかけた様子の朝倉は、ヴィヴィオを抱きしめたままでその頭を撫でてやる。
ふらふらと虚空をさまよっているだけだった小さい両手も、ここに来てようやく自分を支えてくれる相手に縋りついた。

その時朝倉涼子の顔に、僅かながら安心したような笑顔が浮かぶのをドロロは見た。
だが、それも一瞬で消えうせると、朝倉はヴィヴィオを抱き上げてゆっくりと立ち上がる。

「…ごめんなさい、少しだけ席を外すわ。遠くには行かないから安心して」

視線は自分の胸に顔を埋めているヴィヴィオに注いだまま、顔だけをわずかにこちらへ向けて朝倉が言う。
そして、ドロロが御意、という間もなく彼女たちはスタッフルームから退出した。
ドロロ達は、それをただ見守るしかできない。
気が付いた時には放送も終わり、痛いほどの沈黙が部屋の中を支配していた。

「……考えてみたら、こういうのを見るのって初めてよね」
「……そうでござるな」

短い受け答えの中で、ドロロは今までの放送直後の事を回想する。
ドロロもリナも、この会場にいる参加者達の中では精神的に『強い』部分に入るのだろう。
ドロロの知り合いである冬樹やガルル、リナの知り合いであるゼルガディスの死を知ったときでも、動揺こそしたがすぐにそれを乗り越える事が出来た。
この殺し合いが始まって早18時間、画面の向こうの『深町晶』と言う人物以外には敵対関係にある者ぐらいにしか遭遇していなかったドロロ達は、
初めて他の参加者の深い悲しみを前にして、酷く意気消沈した。

「あの子の事は、アサクラに任せましょう。私たちがここで鬱になってても何の意味もないわ」

やや強い言葉を選んだのは、リナ本人の性分あっての事であるのと同時に自分を鼓舞するためでもあったのだろう。
それを察したドロロはうなずくと、再び起動中のパソコンの前へと陣取った。

「拙者達は、拙者達が出来る事をするべきでござるな。時にリナ殿、禁止エリアの事についてはどう思われるか?」

気分を切り替えるためにも、先ほどの放送で気になっていた事をリナに伝える。
二番目に禁止エリアとして指定されたのはD-3。あと三時間もしてここが閉鎖されれば、今自分たちがいる遊園地へと侵入するのは困難になるだろう。
それは裏を返せば『ここに侵入されたくない』という主催者の考えが浮かびあがるようでもあるが………

「正直さっぱりわっかんないわよねぇ…あたしら二人で色々調べたけど、ここには何にも無さそうだったし」
「うむ…それに加えて、わざわざ三時間後に指定するのも不可解でござる。もしも本当にここの調査を阻止したいのであれば、19時の禁止エリアに指定すればいいハズ」
「ま、もしそうなってもD-2とC-2の海をあたしの『翔封界』で飛んで脱出すれば大丈夫だし…そういやアサクラって飛べるのかしら?」
「奇妙な術を扱えるようでござったが、そればっかりはわからないでござるな」
「ドロロやヴィヴィオぐらいだったらいいんだけど、流石にアサクラまで抱えるとなるとねぇ…ま、最悪の場合21時までにあの二人だけ脱出してもらえばいいだけね」

二人の心配はさておき、朝倉は元々飛行能力は無いとは言え、支給品によって飛行することは出来るのであるが、それについてはここで置いておく。

「アサクラの事は後にしとくとして…結局これは、あくまで『主催者のブラフ』って事になるのかしらね…」
「拙者達に対する強制力がほぼ無い事を考えれば、おそらくは…しかし、それでは何の意図で禁止エリアを指定しているのやら」
「もしかして適当にぽいぽい配置してるだけだったりしてねー?」
「い、幾らなんでもそれは考えたくないでござるな…」

ぶっちゃけたリナの仮説を聞いてドロロが苦笑しながら答えるが、こればかりは予想するしか無い。
主催者の思惑はともかくとして、少なくとも二人の共通認識としては『この遊園地に隠されているものは無い』という事で固まりつつあった。
742創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:46:06 ID:t+fd2r1N
k s k
743創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:46:11 ID:3s9Tvdhm
ksk
744創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:46:25 ID:06Bc7DNt
ksk
745彼等彼女等の行動 (03〜04)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:47:00 ID:ErtcF+8V
「そういや、あのオッサンなんかどーたらこーたら言ってなかった?『困る』とかなんとか…あたしとしてはそういう弱みになるような情報はほっとけないんだけど」
「拙者もそれについては聞き逃してしまったでござるな。まぁ、晶殿に尋ねてみればすぐに…っと、そういえば晶殿達を待たせっぱなしでござった」
「丁度キーワードを伝えた所で放送に突入したからねぇ…おかげでこっちもkskに付いて調べられ――――うぅん…」

PCを操作し、チャットの画面を出していたドロロを見ていたリナの言葉が突然不自然に途切れる。
慌ててドロロが視線を向けてみれば、頭を片手で押えながら覚束ない足取りでふらふらと揺れているリナの姿があった。
その顔は苦痛に耐えるように僅かに歪んでいる。

「リナ殿!? どうされた!?」
「あぁ、そんなに心配しないで大丈夫…予想以上に疲れてて、ちょっと立ちくらみしただけだから。やっぱ景気よく魔法使いすぎたのかしらねぇ…」

いつもはこんな事ぐらいでどうにかなんないんだけど――やや悔しそうに呟くリナを見て、ドロロは一つ提案する。

「リナ殿、晶殿達との情報交換やキーワードの調査は拙者がやっておくでござる。リナ殿は無理せず休んでいてくだされ」
「そう? じゃあそうさせてもらうわ…ひと段落したら、すぐ戻るから」

ドロロの提案にそう答えると、リナはややふらつく足取りのままソファーへと向かい座り込む。
そして自分のディパックから赤い宝石を取り出して何やら精神の集中を行っているのを見届けた後で、ドロロはようやくチャットの画面へと注目した。
だが、もう既に十数分も時間が経っているというのに、先ほど中断されたままで晶達からの発言は届いていなかった。

泥団子先輩R>晶殿、どうされたでござるか?

彼等の安否を気遣う書き込みをした後で、ドロロはその理由にはたと気が付いた。
先ほど自分がこの口で、もといこの手で伝えた情報の事だ。晶と共にいる人物(この呼称が正しいかどうかはとりあえず置いておく)、スエゾーの友人ゲンキの死亡。
既にその事実は知っていたとは言え、やはり何かしらのトラブルがあったのかも知れない…
先ほどのヴィヴィオの様子を思い出しながらそんな事を考えていると、晶からの返事が来た。

ゴーレムの友>すいません、少しゴタゴタがあって書き込むのが遅れてしまいました。今はもう大丈夫です。

(やはり、ひと騒動あったのでござるな……)

画面の向こうで何かがあった事にやや心を痛めつつも、しばらく考えてドロロはそれに答える。

泥団子先輩R>なに、仕方なきことでござる。大事がないのであれば、それに越したことはないでござるよ。
ゴーレムの友>ありがとうございます。では、早速ですがこちらのリングの状態についてお伝えします。
ゴーレムの友>新たに作動しているリングは二つありました。E-8,9周辺の巨大な湖の中と、I-4の森の中です。
ゴーレムの友>残念ながらまだ動画は確認していませんが、この情報交換が終わったら見てみるつもりです。
泥団子先輩R>情報提供感謝するでござる。
泥団子先輩R>こちらも、今からキーワードを使ってkskを調べようとしていた所でござる。

それからしばらくの情報交換が行われ、ドロロは先ほど聞き逃した放送についての詳細を知る事が出来た。
曰く、『主催者達は何度かこの会場へ訪れており、その場に居合わせても手出しをしないように』と警告を発していたとの事。
既に今回の死亡者の中には、主催者への反逆行為によるペナルティによってその命を奪われているらしい事。
これからもそのような反逆行為があれば、その場にいる全員に制裁を加えるという事。
そしてここからは雨蜘蛛による仮説だが、主催者によるペナルティは首輪を用いること無く行われたのではないか、という事。

(これは少し気になるでござるな)

この殺し合いの説明の場にて、クルル曹長のパートナーに似た雰囲気の少年が始末された時には確かに首輪が発動しているようだった。
その時の事を思い出してみても、主催者の二人は一瞬でそれを実行し、そして実行したことによる疲労などの何かしらのデメリットも負っていないように見えた。
少なくとも、合理的に考えてみれば首輪の使用を躊躇する理由は無いはずだ。
この事については色々と考察してみる必要がありそうだ。

そして一通りの情報交換が終わり、1時間後の再会を約束してこのチャットを切り上げようとしたとき、晶側から一つの質問があった。
746創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:47:04 ID:t+fd2r1N
ksk
747創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:47:14 ID:06Bc7DNt
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748創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:47:20 ID:3s9Tvdhm
ksk
749彼等彼女等の行動 (03〜04)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:47:52 ID:ErtcF+8V
ゴーレムの友>すいません、少しお待たせしました。最後にもう一つだけいいでしょうか。
ゴーレムの友>スエゾーが、ゲンキさんの死について教えてほしいと言っています。

ドロロは、思わず息を飲んだ。
この提案自体に不自然な事は何もない。先ほど、その事実を伝えた時にも『その詳細は放送後に知らせる』という流れになっていたのだ。
だが、今ここにゲンキ少年の死に居合わせた人物、朝倉涼子はいない。かといって先ほどの様子では呼び戻すのも憚られるだろう。
しばし思考した後、ドロロはチャットにてこう発言した。

泥団子先輩R>承知したでござる。しかし、実際にゲンキ殿の死をみとった朝倉殿とヴィヴィオ殿は現在席を外しておられる。
泥団子先輩R>いつ頃戻ってこられるかはわからないでござるが、少なくとも1時間後には戻ってきているはずでござる。
泥団子先輩R>ただし、最期の概要だけは拙者も話を聞いているでござる。
泥団子先輩R>今、又聞きでもいいから話を聞くか、それとも1時間後に改めて朝倉殿達から話を聞くか。スエゾー殿、選んでほしいでござる。

返事が返ってくるのに、そう時間は掛からなかった。

ゴーレムの友>スエゾーは、今話を聞きたいと言っています。そして、聞きたい事は一つだけだそうです。
ゴーレムの友>「ゲンキは、闘っとったんか?」

様々な想いが込められているであろうその質問を深く噛みしめながら、ドロロはゆっくりとタイピングしていく。
ゲンキの事についてドロロが知りえているのは、朝倉から聞いた僅かな情報だけだ。
だがそれでも、自分の知りうる限りの事全てをこの画面の向こうにいる相手に伝えてやりたいと思った。

泥団子先輩R>ゲンキ殿は、勇敢で優しい少年であったと聞いたでござる。
泥団子先輩R>戦い、自分たちを殺そうとした者の命を奪うことなく引き止め…
泥団子先輩R>その者を庇って散っていったそうでござる。

一分、経過。
………二分、経過。
それからさらに数分が過ぎた所で、ようやく彼等の答えが返ってくる。

ゴーレムの友>ありがとうございました

たったのそれだけ。文字数にしてみればたった11文字のそれだが、ドロロには何よりも重い一言に見えた。
これだけの時間をかけ、さらに今まで欠かす事の無かった句読点も打ち忘れる程である晶の気持ちはいかばかりか。
そして、誰よりもゲンキの死を強く受け止めているスエゾーの気持ちは。

(晶殿、スエゾー殿…貴方達の怒り、悲しみはは、拙者が決して無駄にはしないでござる)

『ゴーレムの友さんが退出しました』と表示された画面を見ながら強くそう決心すると、ドロロは先ほど出していた名簿の画面を出す。
まず手始めに、名簿の一番最初の人物である『キョン』の項目をクリックし、キーワード入力画面を呼び出した。

『キーワード:プロジェクトFの正式名称は?』
「今回はサービス問題でござるな……」

チラリとPCの傍に置いてある『プロジェクトF 〜挑戦者たち〜』を一瞥する。
その中に幾度となく登場するこの単語を、ドロロはゆっくりと入力した。

『プロジェクト・フェイト』、そして、エンター。

正しいキーワードが入力された事でロックされていたページが解禁され、ディスプレイの中に表示されたのは―――
750創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:48:04 ID:06Bc7DNt
ksk
751創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:48:07 ID:t+fd2r1N
k s k
752彼等彼女等の行動 (03〜04)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:48:36 ID:ErtcF+8V
【04.幼き聖王の決意】

「これは………」

ヴィヴィオを抱きかかえたままスタッフルームから退出し、外へと移動した朝倉涼子がまず最初に挙げたのは驚きの声だった。
ひとまず、すぐ傍に設置されていたベンチの上にヴィヴィオを座らせた後で、朝倉はゆっくりと周囲を確認する。

夕闇の中に浮かぶ遊園地は、先ほどとは全く違う様相を映し出していた。
さっきまで薄暗かったここは綺麗にライトアップされ、幻想的な風景を生み出している。
先の戦闘による生々しい破壊跡こそあちこちに残っているものの、それを差し引いても尚美しいと思わせる光景が、朝倉の目の前に広がっていた。
もしも観覧車が今もまだ存在していたとすれば、さぞかしロマンチックな物に見えたであろう。

(ほんのついさっきまでは、ライトアップなんか施されてはいなかった。
時間から見ても、第三回放送開始時…つまり、18時から自動的に照明が作動するように設定されているのかしら)

ふとそんな事を考察しながら朝倉はしばらく遊園地を観察し、やがてそこから視線を外した。
流れ続けている軽快な音楽と相まって、楽しげな雰囲気の遊園地。
だが、今はそんな物に現を抜かしていられるような状況ではないだろう。
そして、本来ならばこの光景に心を奪われ、癒されそうである少女もまた別の事に囚われ続けていた。

「アスカお姉ちゃん……妹さん……」

ベンチの上に座り、俯いて自分の膝を見つめたままでヴィヴィオが小さく呻いた。
その脳裏に浮かんでいるのは、自分が救う事の出来なかった二人の人物。


惣流・アスカ・ラングレー。
この殺し合いが始まってから、一番最初にヴィヴィオが出会った女の人。
第一印象は、決して良くはなかった。
『凄くイライラしていて、怖い人』。
ママ達のような優しい人たちに囲まれていたヴィヴィオにとって、自分の大切な人たちとは正反対な性質を持つアスカは恐怖の対象ですらあった。

それでも、『頼まれたから』などと言いながらヴィヴィオの元に戻ってきてくれた時。
疲れていた自分を見かねて、ぶっきら棒で乱暴な口調でありながらも、荷物を持ってくれようとした時。
ヴィヴィオは、多少の戸惑いを覚えながらも、確かにアスカに感謝していた。
そしてヴィヴィオの印象が、『不器用だけど、本当はいい人』に切り替わりつつあった所で、その事件は起こった。
突然の、岩のような奇妙な肌を持った男の来襲。そこでアスカを含む仲間たちと散り散りになったヴィヴィオ。
それから、様々な悲しい出来事を乗り越えた後で、学校にてようやく再会できたアスカは……全くの別人の様になっていた。

『やっと見つけたわ。
 捜したのよヴィヴィオぉ?』

邪悪な笑顔を浮かべながら、マシンガンを手に持ち自分に話しかけるアスカ。

『決まってるじゃない、化け物を殺すのよ』

どう見てもただの人間、それもまだ年端もいかない少年少女に対して、殺気をむき出しにするアスカ。

『邪魔をするなぁ!
 ヴィヴィオォォォォ!!』

第三者からの襲撃による一瞬の隙をついて他人に襲い掛かり、それを妨害したヴィヴィオに向かってさえも殺意を向けるアスカ。

醜い悪鬼のような形相で、常軌を逸した支離滅裂な考えで他人を殺そうとしているアスカを目の当たりにしても、
それでも尚ヴィヴィオは彼女を見捨てることが出来なかった。
自分たちと逸れた後で、アスカの身に何が起こったのかは知る由もない。だが、きっととても辛い目にあったんだろうとヴィヴィオは考えた。
辛い目にあって、酷い目にあって、それで他人を信じられなくなって、普通の人間でも『化け物』だと思い込む事で自分を守ろうとして……
だが、様々な悲劇を身をもって体験したのはヴィヴィオも同じ事だ。そして、ヴィヴィオはその度に優しい人々に救われ、精神を持ち直してきた。
キン肉スグルこと、キン肉マン。モッチー。フェイト。そして、涼宮ハルヒ。
自分が彼等に救われたように、今度は自分がアスカを救ってやりたかった。
753創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:48:56 ID:06Bc7DNt
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754創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:49:10 ID:3s9Tvdhm
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755創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:49:11 ID:t+fd2r1N
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756彼等彼女等の行動 (03〜04)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:49:20 ID:ErtcF+8V
キョンの妹。
彼女とヴィヴィオが共に過ごした時間は、限りなく少ない。
だがそれでも、ヴィヴィオは彼女がとても優しく可愛らしい女の子である事がすぐわかった。
もしもこんな状況でなければ、大の友達になれたかもしれない。

だが、余りにも非情な現実を前にして、彼女は血塗られた復讐の道へと歩き出そうとしていた。
目の前で……ヴィヴィオにはまだ幼すぎて理解できない感情を抱いていたであろう少年を殺されて。
彼の死を前にして、ひとしきり泣いたあとで妹は自分の決心を告げてきた。

『ごめんなさい、私……ゲンキ君の仇を討ちます』

その言葉を聞いた時、ヴィヴィオは深い悲しみを感じた。
人を、殺す。それがどれだけの悲劇を生むのかを、今さっき体験したばかりの彼女がこんな決断を下してしまった事が、酷く辛かった。

ヴィヴィオの言葉による説得は、結局何の意味も為さなかった。
だがそれでもヴィヴィオは諦めずに、さらに別の方法で妹の考えを改めようとした。
彼女と硬く手をつなぎ、生きている人の温かさを伝えてあげたかった。

ヴィヴィオが妹の為にそこまでしたのは、彼女本来の優しさもあるが、何よりも彼に頼まれたからだ。

『俺……もう、『  』を守れない。
 これからは……アンタたちに『  』を、守ってほしいんだ……』

自らの死に際していても、自分の同行者を心配していたあの人。
自分を殺そうとした相手に対しても、身を呈して死から庇った、とても優しい心を持つ少年。
ヴィヴィオは、彼の熱い気持ちを無為にしてしまいたくは無かった。
何があっても、妹の復讐を阻止して、ゲンキの分まで長く生きていて欲しいと思っていた。


それでも、その結果は。

『アスカお姉ちゃん、一緒に逃げよう?』

あの焔に包まれた地獄の中で、ヴィヴィオはアスカを見つけてその手を差し伸べた。
しかし、ヴィヴィオの優しさは無残に踏みにじられる。それはアスカにではなく、何者かが放った破壊の光と、他でもない妹によって。

『ヴィヴィオちゃん、それはダメだよ……。そして、残念だけどここでお別れだよ?』

心の籠った説得も空しく、ただ復讐の牙を研ぎ続けていた少女は、憎き仇敵を追って炎の海へと飛び込んで行った。

そして、それがヴィヴィオが見た二人の少女の最後の姿となった。


「わたし……助けられなかった……!! アスカお姉ちゃんも、妹さんも…助けることが出来なかった…!!」

ぶるぶると体を震わせながら、ようやく口をついて出てきたのは悔恨の言葉。
膝の上に乗せた手をぎゅっと握りしめたままで、ヴィヴィオは自分が何も出来なかった事を悔み続ける。

やがて、ヴィヴィオの耳に自分に近づく足音が聞こえてくる。
同時に、地面に伏せたままの視線の先には、可愛らしいメイド服のスカートと足が見えた。
自分の傍に来たのが誰かを察したヴィヴィオは、その人物の名前を挙げながらゆっくりと顔を上げる。
757創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:49:36 ID:06Bc7DNt
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758彼等彼女等の行動 (03〜04)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:50:01 ID:ErtcF+8V

「涼子……お姉ちゃん……?」

そこには、少なからず打算の感情があったのかもしれない。
今までのように、自分の同行者に優しく慰めてもらいたいという気持ちがあった事を、ヴィヴィオは否定しきれない。
だが、自分を見ている朝倉の表情は、酷く冷たい無表情であった。
呆然とそれを見ているヴィヴィオの顔をしばらく無言で観察した後で、彼女はようやく口を開く。


「自惚れるな、小娘」


吐き捨てるような残酷な言葉に、ヴィヴィオは強く息を飲んだ。
まるで、冷たい冷たい氷の手に心臓を鷲掴みにされたような、そのままズタズタに心を引き裂かれてしまうような強い衝撃。
精神的な大ダメージを受けて、悶える事も出来ずに呆然としているヴィヴィオの前で、朝倉はゆっくりと表情を変える。
今度は、それまでと全く正反対の優しげな微笑みを浮かべて。
ころころと変わる朝倉の様子についていけず、ただ見ていることしか出来ないヴィヴィオに彼女は近づくと、優しくその体を抱きしめた。
そのまま、少女の耳に口を寄せて、言い含めるようにゆっくりと語りかけ始める。

「ヴィヴィオちゃん。率直に言わせてもらえば、貴方はただの小さな女の子にすぎない」

朝倉の手が、まるで繊細なガラス細工を扱うかのような穏やかな手つきでヴィヴィオの頭を撫でる。
多少トゲのある言い方がヴィヴィオの心をちくりと刺したが、それは今の朝倉が纏う雰囲気のお陰で大分軽減されていた。

「まだ数年しか生を受けていない子供が、狂気に走り、復讐を狙う人間達を完全に説得できるほど……世界は優しくないの」

数年しか生きていないのは、私もいっしょなんだけどね―――そんな呟きは、彼女の心の中でのみに留められた。
その心境を知る由もなく、幼い少女はただ彼女の言葉を自分の胸に刻みつける。

「私は貴女を評価しているわ。……本当は恥ずかしいから言いたくなかったんだけど、学校でヴィヴィオちゃんが妹ちゃんを説得してくれたのは凄く助かった」

僅かな羞恥心からだろう。朝倉の声に、ほんの少しだけ苦笑の色が混じった。
面と向かって褒められた事は少なからず嬉しくはあったが、依然ヴィヴィオの心の中のほとんどは悲しみが占めている。

「貴女は間違いなく、貴女に出来る最善の手を打っていた。ただ…それでも尚、彼女たちを救うには足りなかった」

頭を撫で続けていた朝倉の手が、止まる。
ヴィヴィオは、朝倉の胸に抱かれたままで顔を上にあげ、彼女の表情を見ようとする。

「……冷たい現実だけれど、そういう事なのよ」

そう言い終わると、朝倉はヴィヴィオから少しだけ体を離し、少女の顔を正面から見つめる。
ヴィヴィオもまた、朝倉の表情を見返す。微笑みを消し、真剣な表情で自分と目を合わせている彼女の瞳の中には、何か強い光が宿っているのが感じられた。

涼子の胸に抱かれながら、ヴィヴィオの心がきゅうきゅうと締め付けられていく。

『世界は、こんなはずじゃなかった事ばっかりだ』

いつか誰かが言っていた気がする言葉。記憶の底から浮かび上がったそれがぐるぐると回りながら、ヴィヴィオをより一層傷つけていく。
それでもなおヴィヴィオは必死で耐えていた。
何度も何度もしゃっくりをあげながらも、必死で涙を流すまいとしていた。
759創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:50:03 ID:t+fd2r1N
k s k
760創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:50:17 ID:06Bc7DNt
ksk
761創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:50:21 ID:3s9Tvdhm
ksk
762創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:50:58 ID:06Bc7DNt
ksk
763創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:51:06 ID:t+fd2r1N
ksk
764創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:51:14 ID:x0oaCcth
ksk
765彼等彼女等の行動 (03〜04)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:51:36 ID:ErtcF+8V
「……どうして、泣こうとしないの?」

眉の根を寄せながら、純粋な疑問とともに朝倉が尋ねる。
ヴィヴィオは、少しでも気を抜けば決壊してしまいそうな涙腺に力を込めながら、たどたどしくそれに答えようとする。

「だ、って…っ…なのはママに、約束したからっ…!ヴィヴィオ、もう泣かないって…やくぞぐしだがらっ……!!」

いつだったかの、楽しかった頃の記憶。
母娘として一緒に生活する中で、なのはがヴィヴィオに求めたのは『強さ』だった。
転んでも、自分で立ち上がれる強さ。痛みを感じても、涙を流さずに歯を食いしばり耐えられる強さ。
そして、先ほどの刹那の邂逅の中でもヴィヴィオは母親に誓っていた。

『ママだいじょうぶ! ヴィヴィオはだいじょうぶだから!! だから泣かないでママ!!』

なのはママに約束した。ヴィヴィオはもう大丈夫だから、心配しないで。
母と別れ、こうして遠くにいる今でも健気にその約束を守ろうとしているヴィヴィオ。
そんなヴィヴィオを、朝倉は無言で抱きしめた。今度は、やや強めに力を込めて。

「お、ねえ…っちゃ……?」
「『泣く』という行為は、有機生命体にとって非常に高度かつ重要なストレスの解消法よ。
 よくテレビなんかでは『泣かない強さ』なんて言葉を聞くけれど、私に言わせてみればそれはナンセンスな事。
 ……泣く事が出来なくなった人間は、容易に心を病み壊れていくんだから」

胸の中の少女が挙げる疑問の声を無視して、朝倉涼子はヒューマノイドインターフェースとして知っていた雑学を語る。
難解な言葉にしばらく目を白黒させたヴィヴィオだったが、やがてそれが『泣く事』を肯定しているのだという事に気づき、心を震わせた。
そんなヴィヴィオを知ってか知らずか、朝倉はさらに言葉を続ける。

「無理はしないで、ヴィヴィオちゃん。今、貴女は泣いていいの…誰も貴女が泣く事を責めたりはしないから。…私が責めさせない、たとえ貴女のママ相手でも」

最後の呟きと同時に、ヴィヴィオと体と心の両方がぎゅぅっと締め付けられる。僅かに痛みと苦しみを伴うそれは、しかし辛いとは思わせない強い力があった。
きゅっと小さな両手で朝倉の服にしがみ付いて、その顔を彼女の胸に押しつけながら、ヴィヴィオの体がぶるぶると震える。

そして、決壊。

「………っ……ふぇ……っく……ぁ…うあぁぁぁぁぁっ…!!」

じくじくと痛む心の赴くままに、ヴィヴィオは泣き声をあげる。
アスカと妹が、血塗られた道を進んでしまった事が辛かった。
二人を、永遠に失ってしまった事が悲しかった。
何よりも、結局何も出来なかった自分が、とてもとても悔しかった。
台風のように荒れ狂う心の中身を、少女は自分が縋りついている存在へとぶちまける
766創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:51:40 ID:06Bc7DNt
ksk
767創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:52:04 ID:x0oaCcth
ksk
768創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:52:06 ID:3s9Tvdhm
ksk
769創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:52:10 ID:t+fd2r1N
k s k
770創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:52:21 ID:06Bc7DNt
ksk
771彼等彼女等の行動 (03〜04)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:52:30 ID:ErtcF+8V

「わだじっ…!!わたし、強くなりたい…!!」
「うん」
「もう…もうこんな気持ち味わいたくない!!」
「うん」


「もう誰も死んだりしないように、強くなりたい!!誰かを守れるように…!なのはママやフェイトママみたいに、強くなりたいよぉ!!」


ヴィヴィオの強い想いを、朝倉は小さく受け答えしてやりながら受け止めた。
自分を受け入れてくれる相手がいる事で、ヴィヴィオの心はどんどん解れていき、泣き声もまた強くなって行く。
ヴィヴィオを抱きしめたままで、朝倉もまた自分の想いを浮かべた。

「うん。貴方はまだ、心も体も成長できる。…これから…ずっとずっと強くなることができるんだから」

―――私も貴方も、強くならなきゃいけない。もっと成長しなきゃいけないのよ。
思い浮かべるのは、今この瞬間も自分達を拘束している忌々しい首輪の事。
この問題を解決するには、自分が更に成長しなくてはならないのだ。
泣きじゃくるヴィヴィオを抱きしめ、頭を優しく撫でてやりながら、朝倉もまた、一つの決意を固める。

『人は挫折を知り、成長する』。
知識としては知っていた言葉の意味を、ヒューマノイドインターフェースは今初めて真に理解できた気がした。
772創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:53:02 ID:06Bc7DNt
ksk
773創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:53:07 ID:t+fd2r1N
ksk
774創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:53:16 ID:x0oaCcth
ksk
775彼等彼女等の行動 (05〜07)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:53:43 ID:ErtcF+8V
【05.反逆者の疑問】

(今度は上手くいったわね…)

大泣きもひと段落し、少しずつしゃっくりの声も小さくなってきたヴィヴィオを優しく宥めてやりながら、朝倉涼子は嘆息した。
思い出すのは、つい数時間前に学校で起きたひと騒動だ。
ゲンキの死から立ち直れないキョンの妹を相手に、どうにか彼女を叱咤激励しようとしたが結果は惨敗。むしろ、復讐への道を後押ししてしまった感も無くもない。
そんな過去のトラウマも、自分の腕の中で段々と落ち着きを取り戻していくヴィヴィオの姿を見ていれば癒されそうだった。
ふと、ここでこの少女が精神の安定を取り戻した事に安心している自分がいる事に気づき、驚く。
どうもこの殺し合いの場へと飛ばされてから、自分の内面の調子に違和感がある気がする。
と言ってもこのノイズ事態は不快なものではないので、特に問題視もしてはいないが。

「……ぐすっ……涼子おねえちゃん……」

自分の胸にしがみついたままで、ヴィヴィオが朝倉の顔を見上げる。
涙や鼻水を強引にごしごしと拭った後とは言え、可愛らしい顔を至近距離で見つめられて悪い気はしない。自然と朝倉の顔に微笑みが浮かぶ。

「どうしたの?」
「ううん…ただ…ありがとうって言いたかったの……」

恥ずかしそうにわずかに目をそらしながらつぶやくヴィヴィオ。
その健気さやいじらしさに心がどんどん癒されるのを感じながら、朝倉は「どういたしまして」と答えようとして、

「………ねぇ…なんでおねえちゃんは、ヴィヴィオの事こんなに助けてくれるの?」

少女の何気ない質問に硬直した。

本当に、ただ気になったから聞いてみただけなのだろう。ヴィヴィオの顔からは純粋な好奇心や疑問しか浮かんでいない。

だが、この質問は朝倉にとって非常に衝撃的だった。

―――どうして、私はここで初めて出会ったばかりの子供をここまで助けようとしている?

今まで行動してきて考えもしなかった疑問が、朝倉の中でむくむくと膨らんでいく。
776創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:53:45 ID:3s9Tvdhm
ksk
777創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:53:59 ID:06Bc7DNt
ksk
778創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:54:10 ID:t+fd2r1N
k s k
779彼等彼女等の行動 (05〜07)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:54:30 ID:ErtcF+8V


朝倉涼子は、情報統合思念体の急進派によって生み出され、穏健派に属する長門有希のバックアップとして涼宮ハルヒの通う北高へと派遣された。
感情表現に乏しく、口数も少ない長門に反して、朝倉は物腰も柔らかく人好きのする性格である。だが、彼女の本質はそうではない。

『死ぬのって怖い?殺されるのは嫌?私には、有機生命体の死の概念が良く分からないのだけど』

かつて、涼宮ハルヒの反応を見るためにキョンを襲った時、朝倉は不思議そうにこう尋ねた。
生物の『死』を理解できない朝倉は、他人の生き死に対して非常に鈍感であり、ドライな反応を返している。
自分自身の死ですらも笑顔で受け入れるほど、彼女の死生観は希薄な物であった。
そして他人の死生に鈍感であるという事は、他人に関する無関心さの表れとも言える。
それはこの『殺し合い』に呼び出された時も変わる様子を見せなかった。
この会場でのルールは『殺し合い』、その事実を純粋に当たり前に受け止めた。
まるで息をするように、特別な感情を抱くこともなく、最初にこの会場で出会った草壁メイという少女をナイフで手に掛けようとした。
それがルールだから、と。
その後、どうにか彼女やウォーズマンと友好関係を築けたが、草壁メイが謎の変態マスクマンに拉致され命の危機に陥った時は、
ウォーズマンに後を任せて早々と彼らに見切りを付けた。
これ以上は自分の身に危険が及ぶ、と。

そんな朝倉に、少しずつノイズが入り始めたのはいつ頃からだっただろうか。

最も印象に残っているのは、第一回の放送直後。
涼宮ハルヒの死というイレギュラーを知った朝倉は、今回の一件を長門有希の暴走であると仮定し、事態の打倒を志した。
なぜならば長門の暴走を止める事が、彼女と同じく情報統合思念体が作り出したヒューマノイドインターフェースとして必要な事だと判断したからだ。
ここまでの事に筋は通っている。だが、たった一つだけ疑問が残った。

『――バックアップを舐めるな、根暗娘』

なぜ、あの時の自分はあそこまで怒りを露わにしたのか?

朝倉涼子は、長門有希のバックアップとしてこの世に生を受けた。バックアップとして長門有希の補佐に回るのが朝倉涼子の最大の存在理由でもある。
だが、だからと言って朝倉はそれに盲目的に従う事を良しとしなかった。涼宮ハルヒの出方を見るために、独断専行でキョンを殺そうとしたのもその現れである。
だからこそ、暴走している長門に対して、まるで彼女に仕える召使か何かのようにただ黙々と言う事を聞け、と言われているような現状に対して強い怒りを現した…
いや、それだけでは無いか。
あの時、重要な観察対象であった涼宮ハルヒの死を知り、初めて朝倉は死という物に強い嫌悪感を覚えたのだ。
柄にもなく手酷い暴言を吐き捨てる程に。
ここで初めて、朝倉は『死とは忌むべき物である』という、生物が持つ最も根源的な思考――――の片鱗に近づくことが出来たのだろう。

『私には有機生命体の死がよく理解できない』。

ほんの一〜二時間前にも、妹のために死地へ向かおうとするヴィヴィオに告げた言葉だ。だがもしかしたら、実際は…?

この島には、『死』が溢れている。ここで過ごす時間が長くなれば長くなるほど、『死』に触れる機会は増えていく。『死』が、身近に迫ってくる。

第一回の放送が終わり、移動した先の学校にてキン肉スグルと初遭遇した時。
かの涼宮ハルヒの死体を、キン肉スグルが抱えていたのを見た瞬間、涼宮ハルヒを殺したのかもしれないこの男を抹殺してやろうとすら思った。
その場は、実際にそうであるという確証がない為に踏みとどまったが、その際に自分の中にそんな激情があった事に驚いたのを覚えている。
思えば、この時朝倉涼子は生まれて初めて死に付随する強い怒りという物をこの身で体験したのでは無いだろうか。
780創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:54:40 ID:06Bc7DNt
ksk
781創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:54:41 ID:3s9Tvdhm
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782創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:55:04 ID:t+fd2r1N
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783彼等彼女等の行動 (05〜07)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:55:13 ID:ErtcF+8V
そしてまた、目の前にいる少女、ヴィヴィオと初めて接触したのも、この時だった。
ヴィヴィオとは、学校での接触から10時間以上の間共に行動している。それは何故かと聞かれたとしても、ただ成り行きで、意図せず自然とそうなった、としか言いようがない。
だがそれでも、朝倉はこのヴィヴィオという少女に好感を持っているのもまた事実だ。
素直で、健気で、人懐っこい。それでいて頑張り屋な面もあり、顔も仕草も可愛らしいとなれば、その評価も当たり前か。
自分にも懐いてくれた様子のヴィヴィオに荒んだ心が癒された経験も、一度や二度ではない。

だから、自分はこのヴィヴィオという、出会ったばかりの少女に気を掛けているのだろうか。

『私は朝倉涼子! ヴィヴィオちゃんの事は必ず守るわなのはさん!』
『必ずもう一度ママに会わせてあげるわ! だから行くわよヴィヴィオッ!』

先の市街地戦にて、荒れ狂う謎の攻撃と炎の中でヴィヴィオ達を助けながら叫んだ台詞を思い出す。
あの時、朝倉は妹と共に障壁を張り、突然の爆発からヴィヴィオを身を呈して庇ったのだ。
草壁メイの時は、自分の身に危険が及びそうと見ればすぐに見捨てる事が出来ていたというのに。

自分の観察対象を殺した長門への強い怒りを覚え、『死』に対して特別な感情を抱いたあの時をきっかけに、朝倉は徐々に―――――「涼子お姉ちゃん?」



ヴィヴィオの不安そうな声を聞いた瞬間、朝倉は深い思考の海から浮かび上がった。
改めて腕の中の少女の顔を見てみれば、酷く心配そうに自分を見上げている。

「涼子お姉ちゃん、難しい顔してた…わたし、悪いこと聞いちゃったの?」

罪悪感に溢れた表情でそんな事を言われて、逆に朝倉の胸が罪悪感でチクリと傷んだ。
慌てて彼女を安心させるために笑顔を作りながら、優しくその頭を撫でてみせる。

「気にしないで、別にヴィヴィオちゃんの所為じゃないわ。……大分時間も経っちゃったし、そろそろ戻りましょう?ドロロさん達も待ってるだろうし」

ひとまず気をそらすために、別の話題を振ってみせる。
しかし、大分長い時間退室してしまったのも事実だ。そろそろ戻る頃合いと見ても間違いは無いだろう。

「ドロロ…さん?…そうだ…私…妹さんを追いかけて…そこで、キョンさん…に似た人を見かけて…頭が真っ白になっちゃって………えーっと…?」

朝倉の言葉を聞き、ここにきて初めてヴィヴィオは現状がどうなっているのかという疑問にぶち当たったらしい。
うーんうーんと唸りながら難しい顔で首をかしげている姿は微笑ましいが、いつまでも放置しておく訳にも行かない。

「あの後何があったのかについては、おいおい話していくわ。ひとまずは行きましょう?」

微笑みながらそう言って、ヴィヴィオの手を握った時だった。
784創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:55:22 ID:06Bc7DNt
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785創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:55:55 ID:3s9Tvdhm
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786彼等彼女等の行動 (05〜07)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:55:55 ID:ErtcF+8V
「あ……涼子お姉ちゃん!」

ヴィヴィオがハッとしたように朝倉の名を呼ぶ。彼女に握られた手も、同時に強く握り返された。

「なぁに? どうかしたの?」

ヴィヴィオの行動に全く心当たりの無い朝倉が、不思議そうな顔でそれを聞き返す。
対するヴィヴィオは、しばらくもじもじと視線を泳がせた後に、朝倉の目をまっすぐ見上げながらこう言った。

「えっと……その……ヴィヴィオは、涼子お姉ちゃんのこと信じてるから!だから、えっと…心配しないでください!」

太陽のような笑顔を浮かべながらの、純真で真っ直ぐな言葉。幼いゆえに単純ながらも、だからこそそこに込められた気持ちはストレートに朝倉の中へと届く。
不思議な感覚が胸に広がっていくのを、朝倉はゆっくりと感じていた。

「……ええ。ありがとう、ヴィヴィオちゃん」

朝倉は今までそのほとんどの時間を笑顔で過ごしてきた。
なぜならば、笑顔である事により円滑に他の有機生命体とコミュニケーションが取れる事を知っていたからだ。
自分自身の情報連結が解除され、その命が消える瞬間になってもなお笑顔を浮かべるほどに、彼女と笑顔とは切り離せない関係にある。

だが、朝倉涼子はこの時、生まれて初めて『笑顔』になれたのかもしれない。



「……あ、そうだ」

微笑ましく、心温まる笑顔の数分後。手を繋ぎながらドロロとリナの待つスタッフルームへと向かっていた朝倉は、突然立ち止まるとこうつぶやいた。

「ふぇ…? どうしたのお姉ちゃん?」
「うん、ちょっと思いついた事があってね…」

ヴィヴィオの疑問の声に答えた後で、朝倉は微笑みながらヴィヴィオに顔を近づける。

「ねぇヴィヴィオちゃん。ちょっと、私と寄り道しちゃいましょうか?」
「寄り……道?」

楽しそうな笑みを浮かべながらの朝倉の一言に、ヴィヴィオは可愛らしく小首を傾げた。
787創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:56:05 ID:06Bc7DNt
ksk
788創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:56:08 ID:t+fd2r1N
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789彼等彼女等の行動 (05〜07)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:56:36 ID:ErtcF+8V
【06.強殖殖装体の激情】

『学習室』と銘打たれた、博物館の一室。
先の放送を期に始まった、酷く重苦しい雰囲気は未だにこの部屋の中を覆っていた。
その中心にいるのは目玉のモンスター、スエゾー。
つい先ほどまで大声を上げながら泣いていた彼は、今はもう涙も流しきった様子でただ俯いているのみだ。
ただ、彼の足もとにいる小トトロだけがチラチラと彼の顔を心配そうに見上げている。
彼とそれなりに長いあいだ交流してきた晶も、未だに掛けてやれる言葉が思いつかないままで、苦しそうに押し黙っている。
停滞しきった空気を強引に打破したのは、やはり雨蜘蛛だった。

「おーい、いつまで黄昏てるつもりだぁ? そのまんまず〜っと1時間なんもせずにボーっとしてる気かよお前ぇらは?」
「……っ…そんな言い方は無いんじゃないですか、雨蜘蛛さん!」

スエゾーに対する思いやりの気持ちなど欠片もない、ただただ面倒臭くだるそうなその声を聞いて、晶は強い口調で雨蜘蛛を咎める。
しかし、対する雨蜘蛛は大して悪く思う素振りもなく、冗談めかして「おお、怖い怖い」と肩を竦めるだけだった。
余りにもあんまりなその態度に、思わず席を立ち雨蜘蛛に喰ってかかろうとする晶。

「……いや、ええ。確かに悪いのはいつまでもへこみ切ってる俺の方やからな。すまんな、晶、雨蜘蛛」

中腰を挙げた姿勢のままで晶の動きが止まる。顔をスエゾーの方へと向けてみれば、本当にすまなそうな顔をした目玉と視線がかちあった。
だが、やはりその表情には色濃い精神的疲労が見え隠れしている。

「スエゾー…大丈夫なのか?」
「ったく、そんな所までは俺は面倒見切れねぇ〜ってんだよ」

心配そうにスエゾーに声をかける晶と、心底迷惑そうに零す雨蜘蛛。
二人の様子をゆっくりと見比べた後で、スエゾーは天井を見上げて呟いた。

「大丈夫、か………いや…たぶん、大丈夫じゃあらへんなぁ、俺は…」
「スエゾー……! 辛いんなら言ってくれ、お前はそれぐらいのワガママを言う権利はあるんだ! 俺達に出来る事なら、なんだって言ってくれていいんだぞ!」
「ってぇおい! 勝手に俺も含めんじゃねぇよ! 先言っとくが、俺はこいつの為になんかしてやる気は砂漠の砂粒一つっぽっちもねぇんだぜぇ!?」
「雨蜘蛛さんは少し黙っていてください!!」
「いや、ええんや晶……これは俺一人の問題なんやからな。雨蜘蛛もそれでええ。俺は、俺のしたい事をやるだけや」

自分の事で言い争いを始めかねない二人を、スエゾーは天井に目を向けたまま、静かな口調で押しとどめる。

「スエゾー…?」

晶は、スエゾーの奇妙な言い方に違和感を覚えた。スエゾーが、したい事?
疑問の声をあげて自分を見つめている晶に、スエゾーがゆっくりと顔を合わせる。
彼は、少しさびしそうな、すまなそうな、悲しい笑顔をしていた。

「悪いなぁ、晶……俺はもう、ここまでみたいやわ…」
「………ここまでって…どういう事だ……?」

スエゾーの言葉を理解しきれない晶が、呆然としながら聞き返す。
いや、頭では漠然と予想をしていた。だがそれは、余りにも哀しく辛すぎる予想だ。だからこそ晶は、その予想に目をつぶり、見えないフリをした。
しかし、傍らにいる地獄の取立人にとってはそんな葛藤など無意味な物だった。
790創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:56:46 ID:06Bc7DNt
ksk
791創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:56:56 ID:t+fd2r1N
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792創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:57:29 ID:3s9Tvdhm
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793創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:57:51 ID:06Bc7DNt
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794彼等彼女等の行動 (05〜07)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:58:00 ID:ErtcF+8V
「なんでぇスエゾー、お前、仲間の死を悲しんで自殺でもするってぇーのかぁ? ま、俺は止めねぇがなぁ〜ライバルが減るんならそれに越した事はねぇ」
「……雨蜘蛛さん! また…あなたって人は!!」

やはり、スエゾーの心中など多少も慮る気配を見せない雨蜘蛛の言葉を聞いて、晶がいきり立つ。
だが、誰よりも雨蜘蛛の言葉に憤ったのは、他でもないスエゾー自身だった。

「俺が自殺やと……! じゃかぁしいわこのドアホ!! 俺が死ねるわけ無いやろうが!! 
あいつらに…あの大バカ野郎共に目に物見せんうちには、死んでも死にきれんわ!!」

それまで穏やかだったスエゾーの豹変に、雨蜘蛛と晶は思わず顔を見合わせた。
今、スエゾーは歯を食いしばり、ここには無い何かを睨みつけるかの様に眼光を振り絞っている。そこにあるのは決して消えることのない怒りと憎しみだ。
自分はもうここまで。自分でやりたい事をやる。あいつらに目に物見せない内には死ねない。
ここまでのスエゾーの言動を纏めた二人が、ようやくこの目玉がやろうとしている事を察した。

「スエゾー、お前…主催者のバカ共に喧嘩売りに行くつもりか?」
「それも…たった一人で行く気なのか!?」

大小の違いこそあれ、確かに驚きを含んだ二人の質問に、スエゾーは歯を食いしばったまま力強く頷いた。

「せや…俺はもう、あいつらを許すことが出来へん!
 皆の死をゲラゲラ笑いおったあいつらに、ゲンキやホリィやモッチーに『すいませんでした』って土下座させへんうちには、俺の気ぃがすまへんのや!!」
「無茶だ! さっきの放送を聞いただろう!?」
「ああ、良ぅ聞いとったわ! あいつら、ノコノコとこの会場をウロついてるそうやないか! 好都合や、アホ共が呑気に顔出した所を見計らってボッコボコにしたる!!」
「違う、そっちの方じゃない!! 主催者に反抗した人間が、始末されたって話の方だ!!」

先ほどの雨蜘蛛の考察によって、『主催者が首輪をそう簡単には作動させない可能性』というのが明らかになった。
だが、だからと言って『主催者に反抗して命を落とした』という情報までもブラフとは考えずらい。
むしろ、微妙な言い回しを使った所を見るに、こちらの方は事実であると予想した方が自然だ。

「そら、返り討ちに会うかもしれへん…やけどなぁ!! 俺はもう、ここでじっとなんてしれられへんのや!!
 ドロロも言うとったやろ!? ゲンキも闘っとったってなぁ!!」
「確かにそうだけど、今スエゾーが闘おうとしている理由とゲンキって子が戦おうとしている理由は全然違うだろう!?
 ゲンキは他人を守るために闘った…けどスエゾー、お前は!」

どうにかしてスエゾーを思いとどまらせようと、晶は必死で説得する。
最早友人とも呼べるほどの間柄になった相手を、みすみす失うような真似は何としても避けたかったのだ。
しかし、スエゾーの決意はどこまでも硬く、強い。

「じゃかぁしいわ!! たとえ晶がなんと言ったところで、俺はもう止まらへんでぇ!!」

どれだけ晶が心をこめた説得を繰り返しても、帰ってくる反応はけんもほろろだ。
困り果てた晶は、半ば祈るような気持ちで雨蜘蛛の方を向く。自分だけでダメでも、二人で説得すれば。
しかし、そんな甘い願いを聞いてやるほど、雨蜘蛛は善良な人間では無い。

「別にいいんじゃねぇのか? 俺は反対しないぜぇ、むしろ行くんならてめぇ一人で行ってもらおうかい」
「雨蜘蛛さん!」

咎めるような晶の叫びに対しても、ふん、とくだらなそうに鼻を鳴らすと、雨蜘蛛は手近な椅子を引いてどっかと座りこんだ。
そのまま足を組み、机に肘を突きながら晶とスエゾーをそれぞれ見つめる。

「さっきの放送でアホゥのオッサンが言ってたろうがよ? 
自分に逆らうものはその場で粛清、そんでもってその場に居合わせた全員纏めて道連れの連帯責任だってなぁ…
 俺ぁたった一人のバカの為に命を捨てるのはゴメンだね」
「ああ、それはわかっとる…これは俺一人のワガママなんや。その為に晶や雨蜘蛛を巻き込むわけにはいかんのは、ちゃーんとわかっとるで」
「でも……それでも!!」
795創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:58:17 ID:t+fd2r1N
k s k
796創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:58:32 ID:06Bc7DNt
ksk
797創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 00:58:33 ID:3s9Tvdhm
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798彼等彼女等の行動 (05〜07)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 00:59:22 ID:ErtcF+8V
あくまで自分の命優先でドライな雨蜘蛛の言葉と、自分達を思いやった上でのスエゾーの拒絶の言葉。
そこに内包された感情は相反する物でも、同じ趣旨を持って語られるそれを聞き、晶の拳が固く握りしめられる。
この殺し合いに巻き込まれる以前から、晶は自分の周りにいる人々を何人も失ってきた。
戦闘の面でも情報の面でも自分達をサポートしてくれた、村上征樹。
クロノス遺跡基地への侵入を補佐し、降臨者とガイバーについての重要な情報を得るきっかけを作ってくれた、小田桐主任。
そして、妻を失っても、自分を男手一つで育ててくれた、大事な父親を。
彼等を失った時に感じた身を裂くような辛い痛みを、もう一度味わいたくは無かった。
それに、スエゾーが命を落とすのを、結局会う事は叶わなかった彼の友人たち…
ゲンキ、モッチー、ホリィ、そしてまだこの会場のどこかで生きているハムは望まないだろう。
その気持ちは、彼等に比べればほんのわずかな時間しかスエゾーと過ごしていない晶も同じだった。
苦しみ、悩みぬいた末に、晶は一つの結論を出す。

「だったら、…俺も、スエゾーと一緒に行かせてくれ! 一人よりも、二人で行った方が奴らに何か出来るに決まってる!」
「ぶるぁぁぁぁぁ!?」

この一言に激しく反応したのは、スエゾーではなく雨蜘蛛の方だった。
ふんぞり返って座っていた椅子から盛大にずり落ちた後に、黒衣の男は慌てて立ち上がると正義の少年に勢い良く詰め寄る。

「おいおいおいおいおいおいおい!! それは幾らなんでも困るってんだよ! お前にはやってもらう事があるっつーただろうが!?」
「だったら、雨蜘蛛さんも一緒に行きましょう!! 三人で行けばもしかしたら何か――!」
「だぁぁかぁぁらぁぁ!! お前ぇはどうしてそうも正義ボケ天然ボケ平和ボケなんだよぉい!!」

雨蜘蛛がここまで反対するのも無理はない。
数時間前に見つけた、あまりにも怪しすぎるあの岬の洞窟。そこの調査をするためには空を飛べる人間、すなわちガイバーT・深町晶の協力が必要不可欠なのだ。
主催に刃向かって勝手に命を落とすことを止めはしないが、かといってやる事をやってもらう前に死なれてはこっちが困る。
関東大砂漠の住人特有の正義アレルギーによって全身に発生した蕁麻疹を掻き毟りながら、雨蜘蛛は晶だけは必死に引きとめようとする。
そしてまた、晶を止めたいという気持ちを持っているのはスエゾーも同じだったようだ。

「せや、雨蜘蛛の言うとおりや!! 晶はここに残っとき!! あいつらに喧嘩売るのは俺一人でええ!!」

そう言うや否や、スエゾーは姿勢を低くして何かの力を貯め始める。
ギリリと歯を食いしばり、唸り声を挙げ、虚空を睨みつける目玉の体から、桜色のオーラが徐々に溢れだしていく。

「スエゾー!? 一体何をする気だ!?」
「来るなぁ! 来たらアカン!!」
「ぐぁっ!?」

突然起きたスエゾーの異変に、思わず晶が駆け寄るが、スエゾーの強靭な舌による殴打『ベロビンタ』によってはじき飛ばされる。
強力な一撃を受けた晶は激しく地面に尻もちを付くが、ガイバーを身に纏っていた事もありその身に受けたダメージは少ない。

「お前にはお前のやる事があるやろ! リングの情報を纏めて、そんでドロロ達としっかり情報交換せい!
 俺はアホやからあんま考えるのは苦手やけど、晶やったらそれが出来る!!」

呆然とこちらを見上げる晶にそう叫んだ後で、突如スエゾーが自分の頭上に視線を動かした。
いつの間にそこに移動したのか、目玉の頭部分には白いもふもふがしがみついている。

「小トトロ、お前もや!! このまま俺にひっついとったら『巻き込まれる』で!?」
「…………!」

それを引きはがそうとスエゾーが強い口調で小トトロに呼びかけるが、可愛らしい小動物は目を閉じたままブルブルと激しく体を振るだけだ。
こっちは何があっても一緒に行く心づもりらしい。

「ちっ、勝手にせぇ!!」

強情な小トトロをすぐに説得するのは不可能と判断したスエゾーはそれを諦め、今度は自分の同行者二人に呼びかける。
799彼等彼女等の行動 (05〜07)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 01:00:03 ID:ErtcF+8V
「晶!! 俺、お前と会えて良かったと思うとる!! お前、お人よしすぎる所とか正義感強すぎる所とかがゲンキの奴にそっくりや! 
 お前やったら色んな奴を仲間にして、みんなで力を合わせて主催のアホ共を倒すことも出来る!!」
「スエゾー…!」

ガイバーTは、その声を震わせながらスエゾーの名を呼ぶ。
ここまで来たら、もう彼を止める事は出来ない―――そう分かっていても、引きとめてやりたかった。

「雨蜘蛛! お前はうっさんくさくて変態チックで酷い奴やけど、その実力や頭のキレは本物や! 晶の奴を、しっかりサポートしてやってくれ!!」
「……………」

地獄の取立人は、何も答えない。
マスクの奥からじっとスエゾーの姿を見つめているその素顔を、窺い知る事は出来ない。

二人の相棒に対して最後の一言を伝えた後で、スエゾーは体により一層の力を込める。
それに比例して、彼の体から立ち上る桜色の光は、その輝きと量を増していく。

「二人とも、良ぅ見ときぃ!! これがスエゾー様の全力全開、最強の必殺技や!!」

そして、力の輝き、『ガッツ』が最高潮に達した瞬間、スエゾーは大きく目を見開いて、叫んだ。


「ガッツ全開! テレポーーーーーーーートッ!!!!」


そして次の瞬間、スエゾーと小トトロの体が激しくぶれて―――その場から消え失せる。

「なっ…………!?」
「き、消えやがっただとぅ!?」

突然起きた予想外の事態に、晶と雨蜘蛛は驚きの声を挙げる。
すぐさま雨蜘蛛が先ほどまでスエゾーの居た地点へと移動し、手を振って見せたり足踏みをして見せるが、そこには何の感触もない。
少なくとも、光学迷彩のような特殊技術を使った訳では無いようだ。スエゾーは、確かにこの場から消え失せていた。

「おいおいおい…何がどうなってやがるんだ……!?」
「テレポート、だって…!? スエゾーにそんな力が合ったなんて……」
「知っているのか晶! あの目玉、一体何やりやがった!?」

砂漠育ちである雨蜘蛛には、スエゾーの残した言葉『テレポート』の意味を理解することが出来なかった。
そんな雨蜘蛛に、晶はゆっくりと『テレポート』とは何なのかを解説してやる。

「『テレポート』、というのはつまり…瞬間移動です。思い描いただけで他の場所へ移動することができる超能力で…クロノスの中でもこんな力を使える奴はいなかった」
「な………なんだってぇーーーーーーー!?」

自分自身、まだ軽い混乱から回復していない晶の解説を聞いて、雨蜘蛛はその場で地団駄を踏む。
テレポート、瞬間移動。そんな力があったならば、空を飛んで移動するよりも遥かに楽に洞窟探索が出来ただろうに。
返す返すも、そんな『使える』奴をあっさり捨ててしまった事が惜しまれる。
800創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:00:08 ID:3s9Tvdhm
ksk
801創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:00:49 ID:3s9Tvdhm
ksk
802彼等彼女等の行動 (05〜07)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 01:00:52 ID:ErtcF+8V
「くぅぅぅ…そういう力が使えるんならさっさと言いやがれってんだよぉう! だったら俺だって必死であの目玉オバケを止めてたぜぇ!? あぁぁ、勿体ねぇ〜〜〜!」

頭を掻きむしりながら悔しがる雨蜘蛛を見ながら、晶もまだぼんやりとした頭で考えている事があった。
テレポート。クロノスの獣化兵はおろか、獣神将にも使えるものがいるかどうかわからないその能力をなぜスエゾーが持っていたかは、この際置いておく。
雨蜘蛛が悔しがるのも無理は無いほどに、それは便利な力だろう。遠く離れた場所への移動時間も遥かに短縮され、敵に追われた時の緊急脱出にも使える。
そしてその力は、どう考えても。

「便利すぎる……!」

晶は、自分の両手を広げじっと見つめる。この会場に来てからずっと身にまとっているガイバーの装甲。そして、そこにある違和感は未だに彼の中に居座っている。
ガイバーの能力の、制限。それが違和感の正体だ。
それ自体の道理は理解できない事もない。ガイバーの力は強力だ。おそらく、制限が無い状況であればそんじょそこらの相手に手間取る事もないのだろう。
だからこそ、ガイバーの力に制限が掛かっているのだと予想出来る。参加者間の不公平という奴を少しでも減らそうという主催の考えだろうか。

そして、その制限が単純な戦闘能力だけでなく、『テレポート』などというある意味反則な特殊能力にもかかっていたとしたら?

「………スエゾーが、危ない!!」

スエゾーの姿が確かに消えていることから見ても、テレポート自体は成功したのだろう。
だが、だからこそ不安は募っていく。もしも失敗したのならば、それはそういう制限なのだと納得できるが、
発動自体が行えるとすればその制限はどこに掛かっているのか。
そして、彼についていった小トトロの安否は?
不安に耐えきれず、晶は勢いよく立ち上がると『学習室』の出入口へと向かっていく。

「あ?お、おい晶、お前どこ行くつもりだってんだぁ?」

未だに悔しがっていた様子だった雨蜘蛛が、晶の動きに反応して声をかける。
そちらを見ようともしないままで、晶は言葉を返した。

「スエゾーを探しに行きます! 一緒についていった小トトロだって危険な目に合うかもしれない!
 テレポートによる制限がどんな物なのかもわからない以上、放っておけないんだ!!」

そのまま、ドアノブに手をかける。
スエゾーがどこに行ったのか、その予測は全くつかない。だが、それでもじっとしてはいられなかった。
ガイバーの力を使って、島の中を全速力で飛びまわれば或いは―――――

そんな思考は、晶の頬を掠めた衝撃と、扉に埋め込まれていたガラスが盛大に破壊される音と映像によって強制的に中断させられた。

「おいガキ。あんまりふざけた事抜かしてんじゃねぇぞ」

氷点下の夜の砂漠のような、冷たい声が背中から聞こえる。
ゆっくりと振り向いた晶の目に入ったのは、硝煙が残るリボルバーを構えたままで、冷徹な瞳で自分を睨みつけている『地獄の取立人』の姿だった。
803創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:01:44 ID:ZNqT2uVT
ksk
804彼等彼女等の行動 (05〜07)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 01:02:00 ID:ErtcF+8V
【07.少女魔道士の選択】

(ふぅ………まぁ、こんなもんかしら)

ソファーに座り、手の中の赤い宝石『レリック』から幾らかの魔力を取り入れた魔道士、リナ=インバースはそんな事を考えながら息をついた。
『レリック』を使用した精神力の回復も、大分板に付いてきた。最初にそれを試みた数時間前から比べても、それに掛かる時間も回復量も目に見えて増加している。
が、それでもやはりこの宝石が回復用に作られた物なのかどうか、というのには疑問が残っていた。

(確かに結構な魔力が詰まった宝石だけど、こんな物見た事も聞いた事もないわよね……あ、そういえば)

しばし眉間に皺をよせ、頭を悩ませていたリナだったが、ある事を思い出してぽんと小さく手をたたく。
すぐ傍に一人、というよりは一個、魔法に関係する知識を持つ存在がいたではないか。
朝倉涼子とヴィヴィオが持っていた金色のブローチ、バルディッシュ。
ここのパソコンのkskのキーワードを知っていた所から見ても、あのデバイスとかいう物体は自分とは別の世界から来た可能性が高い。
その上で、その世界は自分たちと同じく魔法というものが一般的な世界らしい。とすれば、この宝石もまたそちらの世界の産物なのではなかろうか。

(アサクラ達が帰ってきたら、この宝石についても色々聞いてみるべきか。
 もしかしたら想像もつかない物凄い便利な使い方がある、レアなアイテムなのかも…あー早く帰ってこないかなぁあいつら)

レリックの効果でだいぶ回復している事もあって、随分と余裕の出てきたリナがそんな事を呑気に考えている時だった。

「むぅ………」

ふと、自分の背後から聞こえた声に振り向く。
自分が離脱した時と全く同じ姿勢で、パソコンの前に座っていたドロロが何事かを呟いていた。
時計を見てみれば、さっきからはそれなりに時間が経っている。情報交換も終わったころ合いであろう事を思えば、おそらくはkskの調査に入った頃合いか。

「どうしたのドロロ? kskについて何かわかった?」

ドロロにそう呼びかけながら、ソファーから立ち上がり自分もパソコンに近づく。
青い忍者蛙はこちらを振り向いて、少し心配そうな顔をした。

「リナ殿、もう体は大丈夫なのでござるか?」
「うん、もうバッチリ! 『竜破斬』だってオマケ付きで打てるぐらい……って言えれば良かったんだけどねー。
 まぁ、それなりには持ち直したわよ。で、あたしの事はいいからそっちの方はどうなの?」
「うむ、もう晶殿達との情報交換も終わって、kskを調べていたところなのでござるが…これを見てくだされ」

言いながら、ドロロはパソコンのディスプレイを指し示す。
それを受けてリナもドロロの顔からパソコンへと注目して、液晶に映っているものを確認した。

その画面を、最も身近な物に例えるとすれば、(リナ=インバースの知識には無いが)それは『履歴書』だろうか。
液晶の向かって右上部分には、制服を着た、微妙にパッとしない顔をした少年のバストアップ写真が映っている。
反対の左上には『Name』と書かれた欄があり、そこには『キョン』というカタカナが踊っている。
その名前の真下には『備考』の欄が存在しており、続いて『県立北高校1年生』の文章が続いている。
最後に、画面の下半分には次の二つの単語が横書き縦並べで記されていた。

[金属バット]
[コントロールユニット(ガイバー0)]

「これは……」
「見ての通り、参加者の顔写真、及び支給された支給品……それからその人物の肩書きがわかる簡単な備考と言ったところでござろうか」

カーソルをそれぞれの部分に動かし、一つ一つ口に出し確認しながらドロロが解説する。

「肩書きについては完全な補足事項にしかならなそうでござるが、参加者の顔と名前、そして支給品がわかるのは非常な強みになるでござるな」
「そうね………」
「……?リナ殿、どうされた?」

貴重で実用度で高そうな情報が手に入った事に少し喜ぶドロロだが、対するリナの顔は何故か少し暗かった。
少し考えてみても、この情報を前に落ち込む要素はさほど見られない。不思議そうに自分を見つめるドロロにチラリと眼だけを合わせた後で、リナは深いため息を付く。
805創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:02:11 ID:3s9Tvdhm
ksk
806彼等彼女等の行動 (05〜07)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 01:02:46 ID:ErtcF+8V

「いや…あたし、肩書きって言うのにあんましいい思い出無いのよねぇ…」

思い出すのは、長い旅を続ける中で自分が受けてきた数限りない風評被害。
『ドラゴンもまたいで通る、通称ドラまた』ぐらいの肩書ならばまだ良いが、
『魔竜王が、人間の魂を狩り集めるために人の姿に変化しており、ある程度ダメージを与えると、巨大な竜になる』、
『本当の年齢は数百歳、巨城を一撃で粉砕できるほどの呪文を連打できる』、
果ては『額から触角が伸びてハエを捕食する』、『口から怪光線を発射して悪人を一掃する』などイロモノ極まりない噂までが広まり、本気でそれを信じられていた事もあるのだ。
元々の知り合いが数人しかいないこの会場でも、まさかそんな素っ頓狂な噂話を聞く羽目になるとは思………あ、一回だけあった。
まぁともかく、多少うウンザリこそすれそれを理由に調査を取りやめる程にリナも馬鹿では無い。

「まぁいいわ、とにかくさっさと調べときましょ」
「しょ、承知……」

殺し合いが始まったばかりの頃、リナに付いての奇妙な肩書きを聞く羽目になったのはドロロも同じ。
リナの微妙な反応の理由をなんとなく察しはしたが、それにあまり触れすぎるのも悪いという事もあり、改めてkskの調査を開始する。

「晶殿の話では、キョンという人物はガイバーとなっているという話でござったが…この[コントロールユニット]なるものがガイバーに変身するカギなのでござろうな」
「ご丁寧に[ガイバー0]なんて書いちゃってるわね。こんな物騒な物が支給されちゃったから、このキョンって奴は殺し合いに乗った、と…」
「…いささか、やりきれんでござるな。確か、晶殿はガイバーとしてのキョン殿の姿しか知らなかったはずでござる。この素顔をどうにかして伝えてやりたいでござるが…」

そんな事を呟きながら、ドロロはマウスを操作してどうにかキョンの画像を保存し、場合によっては晶のいる博物館へのパソコンへと送信しようと試みるが、どれも不発。
どうやらこのページ自体に何かしらのセキュリティ・ロックがかかっているようであり、印刷という形で外部に打ち出す事も出来ないようである。

「残念ながら、この情報を確認するには逐一このパソコンでアクセスするしか無いようでござる」
「けど、この情報は時間で更新される物じゃないみたいだし、一通り参加者の顔写真に目を通して、めぼしい支給品をメモしておけばいいんじゃないの?」
「うむ、それが良さそうでござるな。周囲が禁止エリアで囲まれている以上、そう何度もここに足を運ぶことは出来そうにないでござろう」

ここのkskについての今後の対応を話しながら、ドロロがマウスのカーソルを下の方に持って行く。
支給品情報が書かれているその下には、黒い「←」のマークと青い「→」のマークが存在していた。

「ここの右の矢印をクリックすれば、名簿一覧に戻らずとも次の参加者の情報を確認することが出来るようでござるな。
 左をクリック出来ないのはこのキョンという人物が名簿の一番最初の人物であるからか…」
「栗……? えーと、まぁいいからとりあえず先に進んでみてよ」
「うむ、承知つかまつった」

まだパソコンに関する用語を理解しきれていないリナに促されて、ドロロが右の矢印をクリックし、次のページに進む。
すると、キーワードの入力画面も現れる事無く、頭にリボンを付けた活発そうな少女の画像が液晶に表示された。

「ふむ、順繰りに参加者を見ていくのならばキーワードの入力もパス出来るようでござるな」
「まぁ適当にピックアップしてみる為にはこの前の名簿一覧から飛んだ方が早いからそうする事になりそうだけど…しかし親切なんだか気が利かないんだかわかんな――え?」

主催者に対する不満をブツブツと呟きながら、何とはなしにこの参加者『涼宮ハルヒ』についての情報を眼で追っていたリナが驚きの声を挙げて固まる。
隣のドロロも、眉根を寄せた悩みの表情で画面を見つめていた。
二人が見ているのは、どちらも同じ部分。先ほどドロロ自身が『あまり使えない情報』と評した、備考部分。
そこには、こう記されていた。


[県立北高校1年、自立進化の鍵]


「…ねぇ、これどういう意味?」

ディスプレイの中の文章の意味を掴み切れずに、表示された文の右半分を指で指しながらリナが尋ねる。
807創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:03:13 ID:3s9Tvdhm
ksk
808創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:03:27 ID:06Bc7DNt
ksk
809彼等彼女等の行動 (05〜07)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 01:03:38 ID:ErtcF+8V

「進化…というのは、ある生物が特異な環境に適応するように変化していく事でござるが…」
「それがこの女の子とどう関係があるわけ?どう見たって普通の子じゃないの」
「…ここで拙者達が考えた所で埒が開くとも思えないでござる。ひとまず詳しいことは朝倉殿が帰ってきてから、皆で考察を進めた方がいいのやも…」
「アサクラ、ね………ん、ちょっと待って」

朝倉の名前が呼ばれた瞬間、ふとある事に気付いたリナがディパックを取り出して中から名簿を取り出す。
確認するのは、その順番だ。
キョン、涼宮ハルヒ、朝倉涼子、キョンの妹……そこまで目を通した所で、リナは名簿を再び仕舞った。

(この並び順……キョンって奴と、キョンの妹っていう奴に挟まれているところから見ても、アサクラは涼宮ハルヒの知り合いである可能性が高い。……それと、もう一つ)

顎に手を当てて、そこまで考察した所でリナは顔をあげて液晶へと視線を移す。
画面の中では、白い矢印が[クロスミラージュ][ホリィの短剣]と書かれた文章の下へ移動しかけ、そのままもう一度上へ上がろうとしていた。
その動きが意味する事は、リナにも大体察しが付く。
だからこそ、彼女はドロロを止めた。

「待って、ドロロ」

リナの声に反応して、画面の中の矢印は動きを止め、それを操作していた蛙がこちらを見る。
バツが悪そうな、咎めるような彼の視線を、リナは真っ向から受け止めた。

このkskの詳細名簿もまた、参加者全員に配布された名簿と同じ順番で並んでいる。つまり、この次に情報が載っている人物は。

「…行ってもいいと思うわよ」
「しかし、リナ殿!」
「チラッと見るだけでもいいでしょ? あのヴィヴィオって子かなりショックを受けてた様子だし、もう少し時間はあるんじゃないかしら」

やや強い口調のドロロを前にしても、リナは一歩も引く様子を見せない。
大げさかもしれないが、自分の命が掛かっている場面なのだ。多少の事でも、妥協は許したくなかった。

「…拙者、いらぬトラブルの種は招きたくないでござる」

頑固な様子の相棒に、少女魔道士はやれやれと言った様子で溜息を一つ。
このドロロというカエルは、良く言えば良い奴、悪く言えばお人よしだ。彼の中では、もう既に朝倉涼子は信頼に足りえる仲間になっているのだろう。
だが、リナに取ってはそうではない。確かに、警戒は幾分か解かれてはいるが、それでも尚得体のしれない相手であるという感覚は消え去ってはいないのだ。

そして二人の間に流れるこのギャップが、僅かに軋みあいながら不協和音を奏で始める。

「ドロロ。こういう状況での情報がどれだけ大事かわかるでしょ?これで疾しい所があの子にないんであれば、逆に安心できるじゃない」

筋は通っている、リナの説得。ドロロは押し黙ったままで、リナとパソコンを見比べている。

沈黙が満ちた部屋の中で「カチリ」という小さなクリック音が聞こえたのは、その数分後だった。
810創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:04:07 ID:06Bc7DNt
ksk
811創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:04:10 ID:t+fd2r1N
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812創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:04:14 ID:3s9Tvdhm
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813創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:04:48 ID:06Bc7DNt
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814創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:05:05 ID:x0oaCcth
ksk
815創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:05:10 ID:3s9Tvdhm
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816創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:05:10 ID:t+fd2r1N
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817創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:05:30 ID:06Bc7DNt
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818彼等彼女等の行動 (08)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 01:05:57 ID:ErtcF+8V
【08.そして、行動の結果】

「んぅっ………」

空気の抜ける小さな噴出音と、それに付随して全身を駆け抜ける微妙な刺激に対して、思わず朝倉涼子は悩ましげな声を上げる。
が、一瞬の後にその刺激は去っていき、彼女は自分の体をピッチリと覆った白いスーツを見下ろした。

「うーん…ちょっと恥ずかしい格好と思わなくもないけど、まぁ及第点かしら」

そう言いながら、目の前にある巨大な姿見で自分の姿を確認する。
自分の体を隙間なく覆う特殊スーツのお陰で、ボディラインがはっきりと表れてしまっているがそこは我慢の子だ。まぁ、体に自信がないわけでもないし。
ともかくも、朝倉はそのまま軽く柔軟運動などをしてみてこのスーツの着心地や運動性を試してみる事にした。

彼女がいるのは、スタッフルームのすぐ隣に位置するライブステージ、その舞台裏の控室だ。
そこには、ステージ用として様々な衣装が展示されていた。朝倉は選んだのは、その中の一つ、『ファースト・チルドレンのプラグスーツ(レプリカ)』なる物だ。
なんだかこれと色違いの同じ物を殺し合いが始まったばかりの頃に見た気がするが、出来れば思い出したくない事なので忘れておく。
アレとペアルックなんて考えたくもない。

「運動性も中々ね…あのメイド服、可愛いとは思うけど流石に戦闘をこなすには荷が重いもの」

コキコキと肩を鳴らしながら、衣装の試運転を完了した朝倉が呟く。
そして、今回の衣装調達にはもう一つ、それをする為に必要な理由があった。
朝倉の脳裏に浮かぶのは、先の放送で告げられた禁止エリアだ。あと3時間もしないうちに、この遊園地のエリアは封鎖されてしまう。
リナ達が話していたように、空を飛べる彼女を頼るという手もあったが、流石にそこまでしてもらうのは相手も心象も良くないだろう。
そもそも、空を飛ぶ方法ならば朝倉自身も持っている。持っているの、だが。

(出来れば使いたくなかった、って言うのが本音ね…)

なんともいえぬ恨めしい視線で見つめるのは、自分のディパックであり、その中に眠っている一つの支給品だ。
飛行能力、及び電撃による攻撃を身につける事が出来る『アレ』は当たり支給品に分類されるだろうが、
『使用するたびにその時点で着ている衣服が消失する』というデメリットは、朝倉に取ってかなり大きい。
それに加えて、恥ずかしい格好。恥ずかしい口調。
とりあえず、もしこれの開発者と接触する機会があったら多少の報復をしても許されるのではないだろうか。許されるわよね。水に流す? うん、それ無理♪

物騒な事を考えながら、ステージ衣装の中で目ぼしい物を何着かディパックの中に入れておく。
考えたくはないが、今現在使える武器が殆ど無い以上、この先の戦闘はあの姿で行わなければならないだろう。
出来る事ならばリナ達から何かしらの武器を譲り受けたいが、それも難しい。
そしてほんのり憂鬱になり掛けている朝倉に、呼びかける者がいた。

「涼子お姉ちゃーん…えっと…」

ちょっとだけ不安そうなその声が聞こえてきた瞬間、朝倉の顔に自然と笑顔が浮かんだ。
その声の主の姿は、朝倉からは見えない。それもそのはずだ、彼女はまだ試着室の中にいるのだから。

「もう着替え終わった?」
「う、うん…でも…これでいいのかな……?」
「間違えていたら私が直してあげるから、出てきて」
819創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:06:05 ID:t+fd2r1N
ksk
820創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:06:19 ID:06Bc7DNt
ksk
821彼等彼女等の行動 (08)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 01:06:43 ID:ErtcF+8V
カーテンの向こうにいる人物の心配を和らげてあげる為にも、優しく声をかけてやる。
数十秒ほどもじもじとしている気配があった後に、ようやく天之岩戸がゆっくりと開きはじめた。

そこにいたのは、美しい少女だった。
外見年齢は、朝倉と同じぐらいの16〜7歳ほど。綺麗な茶色い長髪を、サイドポニーの形で纏めたオッドアイの彼女は、恥ずかしそうにしながら涼子へと話しかける。

「その……このお洋服……変じゃない?」

彼女が今身にまとっているのは、朝倉がさっきまで着用していたメイド服だ。
朝倉に比べれば幾分か育っているその胸元には、彼女の二人目の母親の形見である金色のブローチが輝いている。
それからもうひとつ。その右腕部分には、この場所で知り合った大事な人の形見である赤い腕章が嵌められていた。
メイド服に『団長』と書かれた腕章と言うのは非常にアンバランスであるが、この場にそれを咎める者はいない。
そんな少女の様子をしばらく眺めた後で、朝倉は満足げに微笑みながらうなずく。

「うん。とっても良く似合ってるわよ、ヴィヴィオちゃん」

そう言われると、メイド服の美しい少女―――高町ヴィヴィオは、はにかみながら嬉しそうに笑った。

種明かし、と言うほど上等なトリックが存在するわけではない。
ただ単に、6時間ほど前にキン肉スグルに使われた『新・夢成長促進銃』を今度はヴィヴィオに使用しただけの事だ。
何故そんな事をしたのか、その理由を挙げるとするならばその一つは戦力の増強だろう。
殺し合いの開始から18時間。既に50人程いた参加者達は半分強まで減っている。
今現在生き残っているのは、実力にせよ運にせよ、きちんとした理由と裏付けがある者たちだろう。
そんな彼等と渡り合うためには、足手まといとなる幼い少女の存在に何かしらの対策を立てなくてはならない。その結果が、これだった。
そしてまた、これはヴィヴィオ自身が望んだことでもある。

「いい、ヴィヴィオちゃん」

先ほどまでとは打って変わって、真剣な表情になった朝倉がヴィヴィオに確認する。

「これから先、貴方は自分で自分の身も守れるようになって。
なのはさん達に約束した手前、私も貴方を守る事に手を抜く気はないけれど、それでも自分自身を守れる実力を付けておくに越した事はないわ」

ヴィヴィオは、意志を秘めた瞳で力強く頷く。
その胸の奥に渦巻いているのは、先ほどから変わらず輝いている強い願い。

『誰も死んだりしないように、誰かを守れるように、強くなりたい』という、幼い少女が抱えるには大きすぎる願い。

ヴィヴィオにとって、『聖王形態』とも呼べるこの大人の姿にはいい思い出は無い。
むしろ、頭に浮かぶのは出来れば忘れたい、辛く苦しい思い出ばかりだ。
だがそれでも、この姿を取る事で自分が強くなれる事をヴィヴィオはよく知っていた。
だからこそ、幼き聖王は自ら茨の道へ歩んでいったのだ。

……………が。現時点でも、たった一つだけほんのり乗り越えきれない物があった。
822創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:06:49 ID:3s9Tvdhm
ksk
823創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:07:07 ID:06Bc7DNt
ksk
824創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:07:08 ID:x0oaCcth
ksk
825創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:07:13 ID:t+fd2r1N
k s k
826彼等彼女等の行動 (08)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 01:07:25 ID:ErtcF+8V
「……ねぇ、涼子お姉ちゃん……これ…胸のあたりがちょっと苦しい…」
「……そればっかりは我慢してね?」

ちょっぴり切なげな表情でいきなり大きく育ってしまった胸を撫でるヴィヴィオに、それをなんともいえぬ微妙な表情で慰める朝倉。
体が成長してしまえば、当たり前の事だがそれまで来ていた服は着れない。
とりあえずそれは今ヴィヴィオのディパックにしまってあり、また新しく着る服は朝倉が来ていた物で代用する事となった。
ヴィヴィオならば多少動きにくいメイド服を着ていても、いざという時にはバリアジャケットを展開すれば問題がなくなるからだ。だが、問題は下着だった。
こればかりは流石に、朝倉も自分が来ている物を差し出すわけには行かない。
今身に付けている物だって、思い返すこと12時間近く前、学校に向かう途中の民家にてどうにかこうにか採取した物だ。
ノーパン、ノーブラという極限状態の服装で、いつ襲われるかも知れない街を練り歩くというのはそれはそれは恐怖だった。もう二度と味わいたくない。
かといって、ヴィヴィオにそれを味あわせるわけにも行かないだろう。
しかし、当たり前といえば当たり前だが、ここにはステージ衣装こそ有るものの下着など存在するはずも無かった。
苦肉の策として、まだ下着のような形状をしている『ピクシー種・エンジェルのレオタード』というものを発掘してそれを着せているが、彼女の評判はすこぶる悪い。
どうも胸のサイズが合っていないようだ。
まぁ、それについてどうのこうのと考えていても仕方ない。

「そっちについては、ここを出発した後でちゃんとした下着も一緒に探しましょう? それまでは、残念だけど我慢して頂戴」
「はぁーい……」

とりあえず、長い寄り道もそろそろ切り上げるべきだろう。そう遠くへは行かないと言ってはきたが、ドロロもリナも本格的に心配している頃合いかもしれない。
朝倉は、盛んに胸の辺りを撫でているヴィヴィオを促し、二人揃って足早にスタッフルームへと向かった。





部屋の中で、二人の男が対峙する。
一人は銃を持つ者。もう一人は、銃を突き付けられている者。
つい数分前まではそれなりに友好関係を気付けていた二人の男たちは、今非常に危うい橋の上を渡っていた。

「雨蜘蛛さん……今は、俺達で争ってる場合じゃないでしょう!?」

しばらく茫然自失としていながらも、ようやくはっきりと現状を確認した晶は雨蜘蛛に抗議の声を上げる。

「あぁ、そりゃあ俺も同意見だ。弾も無限じゃねぇしな、出来りゃあ節約したいのは俺も一緒よぉ…ま、それもお前次第だねぇ」

対する雨蜘蛛は、飄々とした態度でそれに答える。
先ほどまで彼を覆っていた底冷えのする雰囲気は消えているが、その銃口は未だに晶へと向けられたままだ。
そして、雨蜘蛛は一瞬だけ視線を動かして壁時計で現在の時刻を確認する。素顔が見えない、マスクを被っているからこそ出来る行動だ。

「おい晶、もう時間はあと40分ぐらいしか残ってねぇんだぜ?
 さっさと調べるもん調べちまって、情報交換済ませちまった方がかしこいんじゃね〜かな〜とおじさんは思うんだけどなぁ」

おどけたような口調。だが、それに油断してはいけない事ぐらい晶にもすぐわかった。
下手な動きをすれば、容赦なく雨蜘蛛は自分を撃つ。
空を飛べる自分を必要としているのは今も変わらないだろうが、逆にいえばそれは『空を飛べさえすればいい』と言う事。
足や腕の一本を失ったとしても、雨蜘蛛にとっては大した問題ではないのだろう。
それが嫌という程に理解できるからこそ、晶は動く事が出来ない。
まるで蜘蛛の糸に絡め取られたように硬直している晶を姿を見ながら、雨蜘蛛はマスクの奥深くで唇を舐めた。
827創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:07:59 ID:06Bc7DNt
ksk
828創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:08:06 ID:t+fd2r1N
ksk
829創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:08:24 ID:3s9Tvdhm
ksk
830創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:08:42 ID:06Bc7DNt
ksk
831創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:09:07 ID:t+fd2r1N
k s k
832彼等彼女等の行動 (08)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 01:09:10 ID:ErtcF+8V
「………じゃあ試しに聞いてみるがよ。お前はどうやってスエゾーを探す気だったってんでい?
 手がかりもねぇ、そもそも本当に移動したのか、この島にいるのかさえもわかんねぇ。そんな相手をどうやって見つけるつもりだったんだよ?」
「それ、は……ガイバーの力を使って、会場内を飛び回れば…」
「甘ぇよ」

雨蜘蛛の尋問に、晶はたどたどしく答えて見せる物の、結果は一刀両断だ。
手を伸ばし、更に晶へと銃口を続けながら砂漠の民は正義の少年の希薄的観測を否定していく。

「外を見てみろ。もう今から数十分もしねぇ内に夜になる。昼間ならまだしも、月明かりしかねぇ闇の中で目玉一匹を見つけ出す? それでなくとも、もしもそいつが屋内にいた場合はどうする気だ?」

雨蜘蛛の理論を聞きながら、晶はガイバーの仮面の奥深くで唇を噛みしめる。
今、この場で正しい事を言っているのは間違いなくこの男の方だ。全く反論する事が出来ないからこそ、晶の胸の内はさらに熱く煮えたぎって行く。

それはつまり、スエゾーと小トトロを見捨てるという事。
この会場で初めて遭遇した、ちょっとお調子物で口が悪いが気のいい目玉を、切り捨てるという事。
素直で優しく、そして可愛らしく自分達を癒してくれた小動物を切り捨てるという事。
その事に強い怒りを覚えると同時に、それとは反対に羨望とも言える感情がむくむくと顔を出す。
元の世界での、パートナーともいえる存在、ガイバーVこと巻島顎人。
彼が時として見せる、非情とも冷酷ともとれる判断は、時として強さとして晶の目に映った。
間違いない。この雨蜘蛛という男は、晶が心の何処かで憧れていた非情の強さという物を持っている。
だが、それは。

「……………っ…!!」

激しい感情に打ち震えながら、晶はゆっくりとドアノブから手を放し、雨蜘蛛へと向き直る。
雨蜘蛛はそれを見ても未だに警戒を解かず、手に持ったリボルバーを下ろそうとしない。
晶が、その右手を顔の高さまで徐々に持ち上げながら、硬く硬く拳を作る。
雨蜘蛛は、何も言わずにリボルバーの撃鉄に指を掛けた。

そして、晶は、その拳を――――――壁に向かって、叩きつけた。

銃弾でガラスが砕かれた時とは反対に、鈍い破壊音がこの場にいる二人の鼓膜を貫く。
ガラガラと崩れ去っていき、中の骨組みが露わになった壁をじっと見つめた後で、雨蜘蛛は鼻を鳴らすとリボルバーを懐にしまった。

「はぁ……はぁ……はぁっ……!」

晶は、まるで全力疾走をした後であるかのように肩で荒い息を付く。
その胸の奥にあるのは、スエゾーと小トトロの笑顔。

(………すまない……スエゾー…小トトロ……!!)

ガイバーTのマスクの奥で、晶は固く両目を閉じる。
ガイバーを装着していて良かったかもしれない。今自分がしている表情を、雨蜘蛛にだけは見られたくなかった。
幾度となく二匹に対して謝罪した後で、ゆっくりとした足取りでパソコンの前へと向かい、座る。
0:00秒の時点で停止している二つの動画は、憎たらしい程にそのままだった。
833創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:09:24 ID:06Bc7DNt
ksk
834創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:09:29 ID:3s9Tvdhm
ksk
835彼等彼女等の行動 (08)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 01:10:05 ID:ErtcF+8V

「俺達がここを出るのは22時だ。それまでに、取り立てられるもんは取り立てて置かねぇとな」

いつの間に底に立っていたのか、座った晶の隣で液晶を覗き込むようにしていた雨蜘蛛が言った。
そして、そのまま晶の耳元に顔を近づけて一言だけ呟く。

「恨むんなら、主催者のアホ共を恨みな」
「――――――――ッ!!」

マウスを持っていなくて良かった。もしもこの手に何かを持っていたら、間違いなく怒りで握りつぶしていただろう。

深町晶は、許せなかった。
一人で勝手に死地へと飛び出していったスエゾーが。
どこまでも冷たい態度を取り続ける雨蜘蛛が。
結局何も止めることが出来なかった自分自身が。
そして、こんな馬鹿げた殺し合いを作り出した、主催者が許せなかった。

激しい怒りに胸を焦がしながら、強殖殖装体は喉元まで来ていた叫びを噛み殺した。



雨蜘蛛はそれなりに満足していた。
『テレポート』などという奇妙奇天烈にして便利極まりない力を持つスエゾーを失ってしまったのは確かに痛かったが、そればかりを気にしてはいられない。
一度失った物をいつまでも引きずっているようでは、砂漠では生きていけないのだから。

先ほど、晶がその拳を壁に思い切り叩きつけた時。
ガイバーTの額から、放送前に自分がスエゾーをからかった時と同じ…いや、それ以上の激しい輝きを見せたのを、雨蜘蛛はしっかりとこの目で見た。
なるほど、あれは大した力だ。いざと言う時の爆発力、この目で確かに見せて貰った。
その上で雨蜘蛛は思考する。この深町晶、ガイバーTという凄まじい力をどのように『利用』してやるか。

人が生きていく中で、最も強く激しい感情は『怒り』だ。
身を焦がすような怒りを覚えた時に、人は最強に近い力を出せる。
かの宿敵砂ぼうずが、砂漠最強の戦車、ゴングを仕留めた時のように。
だからこそ雨蜘蛛は思考する。その怒りの矛先を、この殺し合いの主催者に向けてやる方法を。
これだけの力を思いきりぶつけてやれば、仕留める事は出来なくとも時間稼ぎぐらいにはなるだろう。
それでなくても、実行するのは深町晶だけだ。自分は安全な所に逃げ隠れしてやればいい。ノーリスクハイリターンで済むこの方法を実行しない手はない。

(っちゅーても、今回はちょーっとばかしやりすぎたかもしれねぇなぁ?)

晶の怒りはパソコンの前に座った今もなお消える様子を見せない。
そしてまた、その怒りは雨蜘蛛自身にも向けられているのだろう。
最もこの甘ちゃんの事、怒りに任せて雨蜘蛛を殺そうとするような行動にでないであろう事は火を見るよりも明らかだ。
が、だからと言って怒りを買ってばかりいるのも上手いやり方では無い。これからはもう少し考えなくては。

(ま、ひとまずこいつの操作は俺がやっとくかぁ…勢いでこのままぶっ壊しかねねぇもんな〜)

晶の横に手を伸ばし、彼の代わりに備え付けられたマウスを手に取る。
パソコンなどここに来るまで触った経験もなかったが、簡単な操作を覚えるのにそう時間は掛からなかった。

手の中でマウスを弄びながら、雨蜘蛛は次なる一手を思考する。
『魂までも取り立てる』、それが地獄の取立人のやり方なのだから。
836創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:10:06 ID:06Bc7DNt
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837創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:10:12 ID:t+fd2r1N
ksk
838創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:10:14 ID:3s9Tvdhm
ksk
839創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:10:33 ID:x0oaCcth
ksk
840創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:10:47 ID:06Bc7DNt
ksk
841創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:11:02 ID:3s9Tvdhm
ksk
842彼等彼女等の行動 (08)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 01:11:05 ID:ErtcF+8V



「これは一体…どういう事でござるか?」

手にマウスを持ち、脂汗をかきながらドロロが呻く。
ディスプレイの中で踊っている単語は、彼の想像を超えた物だった。

「……まぁ、何となくそんな感じはしていたけどね」

対するリナも驚きこそしていたものの、その色はドロロに比べればまだ小さい。
問題の単語を知りえていないのは同じ、むしろ世界観の違いから言ってリナの方が縁遠いと言えるが、彼女の戦う姿を間近で見ていたからこそ納得できる部分もあった。
ズーマの放った魔法、『虚霊障界』。ほとんどの魔法を無効化してしまうその闇の結界を、苦もなく消し去ってしまった朝倉の姿は今でも目に焼き付いている。

そして、二人の混乱が解消されるのを待たないままに、その時はやって来てしまう。

「ごめんなさい、遅くなったわね」
「えっと…私、皆さんに迷惑かけちゃって…ごめんなさい…」

謝罪の言葉と共にスタッフルームの扉を開けて、乗り込んできた二人の少女。
服装を大きく変えた黒髪の少女と、先ほど呆然としていた時とは大きく様変わりしている茶髪の少女を、魔道士とカエルはハッとした表情で迎え入れた。

ディスプレイに移された情報を、隠す事もしないで。


ドロロ兵長は、自分の行いを後悔した。
あの時、無理にでもリナの事を止めていればこんな状況にはならなかったのだ。
それでなくても、扉が開くのと同時に別のページを開くか、戻るかしておけば、少なくとももう少しまともな事態になっていただろう。
しかし、後悔ばかりしていても仕方ない。覆水盆に返らず、起こってしまった事を今更変える事は出来ない。変えるべきは『これまで』ではなく、『これから』だ。
どうにかして、朝倉殿と拙者達の仲を取り持たねば…忍者蛙はそう誓った。

リナ=インバースは、朝倉の存在を読み取ることが出来なかった。
無知とは恐怖を生む。自分が相手に対する情報をほとんど持っていなければいない程に、相手に対して抱く恐怖は強くなっていく。
と言っても、そこは海千山千ドラまたのリナ=インバースだ。得体の知らない相手だろうが、臆病風もなんのそので喧嘩を売るのがこの女。
だが、勇気と無謀は別物だ。自分の知識の及ばぬ相手に対して、より一層警戒を深めるのは当たり前のこと。
彼女と相対するたびにどうも脳裏に浮かぶニコニコ笑顔の胡散臭い神官の存在をどうにか吹き飛ばしつつ、少女魔道士は朝倉涼子の正体を探ろうとする。
それでなくても、彼女たちには聞きたい事があるのだから。

高町ヴィヴィオは、やはり現状をよく理解していなかった。
何やらパソコンの画面に、自分の良く知る人物の写真が表示されている事は気にはなったが、彼女の興味はすぐに別のものへと注がれた。
朝倉から名前は聞いていた、リナ=インバースという女の人。
その人が持っている赤い宝石『レリック』の存在を見つけたとき、ヴィヴィオの心は激しくざわついた。
少しだけ昔の、忌まわしい記憶。恐ろしい笑顔をした白衣の男と、冷たい笑顔をした眼鏡の女の手で、大好きなあの人と戦った痛く辛い思い出。
だが、そのネガティブな感情を吹き飛ばす程の別の感情が、ヴィヴィオの中を駆け抜けていく。
『あれがあれば、間違いなく自分は強くなれる』
胸元の形見を思わず握りしめたまま、聖王は自分の想いを強くした。

そして、朝倉涼子は。
得体の知れない相手の情報を知る、それは納得の出来る行動だ。
もしも逆の立場だとすれば、朝倉も同じ行動を取っていたという事を否定できない。
だが、それでも。
朝倉はただじっとパソコンの画面を見つめ続けていた。
そこに映っていたのは、見なれた自分の名前に、自分の顔。そして、自分の肩書。

[県立北高校1年、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース]

自分の情報が、自分の知らない間に出会ったばかりの同行者に調べられていた事を知ったとき、反逆者は――――――


【H-8 博物館/一日目・夜】
843創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:11:17 ID:t+fd2r1N
k s k
844創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:11:29 ID:06Bc7DNt
ksk
845彼等彼女等の行動 (08)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 01:12:00 ID:ErtcF+8V
【名前】雨蜘蛛@砂ぼうず
【状態】胸に軽い切り傷 マントやや損傷
【持ち物】S&W M10 ミリタリーポリス@現実、有刺鉄線@現実、枝切りハサミ、レストランの包丁多数に調理機器や食器類、各種調味料(業務用)、魚捕り用の網、
     ゴムボートのマニュアル、スタングレネード(残弾2)@現実、デイパック(支給品一式)×3、RPG-7@現実(残弾三発) 、ホーミングモードの鉄バット@涼宮ハルヒの憂鬱
【思考】
1:生き残る為には手段を選ばない。邪魔な参加者は必要に応じて殺す。
2:パソコンからリングの動画を調べて、19時にドロロ達と情報交換する。
3:晶を利用して洞窟探検を行う(ギリギリまで明かさない)。出発は22時。
4:22時までは博物館で時間を潰す。
5:晶の怒りを上手く主催者側に向ける事で、殺し合いの打開の一手を模索する。
6:水野灌太と決着をつけたい。
7:ゼクトール(名前は知らない)に再会したら共闘を提案する?
8:草壁サツキに会って主催側の情報、及び彼女のいた場所の情報の収集。その後は……。(トトロ?ああ、ついででいいや)
9:キョンを利用する。
10:ボートはよほどの事が無い限り二度と乗りたくない。

【備考】
※第二十話「裏と、便」終了後に参戦。(まだ水野灌太が爆発に巻き込まれていない時期)
※雨蜘蛛が着ている砂漠スーツはあくまでも衣装としてです。
 索敵機能などは制限されています。詳しい事は次の書き手さんにお任せします。
※メイのいた場所が、自分のいた場所とは異なる世界観だと理解しました。
※サツキがメイの姉であること、トトロが正体不明の生命体であること、
 草壁タツオが二人の親だと知りました。サツキとトトロの詳しい容姿についても把握済みです。
※サツキやメイのいた場所に、政府の目が届かないオアシスがある、
 もしくはキョンの世界と同様に関東大砂漠から遠い場所だと思っています。
※長門有希と草壁サツキが関係あるかもしれないと考えています。
※長門有希とキョンの関係を簡単に把握しました。
※朝比奈みくる(小)・キョンの妹・古泉一樹・ガイバーショウの容姿を伝え聞きました。
※蛇の化け物(ナーガ)を危険人物と認識しました。
※有刺鉄線がどれくらいでなくなるかは以降の書き手さんにお任せです。
※『主催者は首輪の作動に積極的ではない』と仮定を立てました。


【深町晶@強殖装甲ガイバー】
【状態】:精神疲労(中)、強い自己嫌悪、主催者への強い怒り、雨蜘蛛に対して…?
【持ち物】 首輪(アシュラマン)、博物館のメモ用紙とボールペン、デイパック(支給品一式)
      手書きの地図(禁止エリアと特設リングの場所が書いてある)
【思考】
0:ゲームを破壊する。
1:スエゾー…小トトロ…無事でいてくれ…!!
2:ひとまずパソコンからリングの動画を調べて、19時にドロロと情報交換。
3:22時に博物館を出発し、雨蜘蛛に同行する?
4:雨蜘蛛を受け入れて仲間にしたいが……
5:やはり、どうにかしてスエゾーと小トトロを探したい。だが……
6:もっと頭を使ったり用心深くなったりしないと……
7:巻島のような非情さがほしい……?
8:スエゾーの仲間(ハム)を探す。
9:クロノスメンバーが他者に危害を加える前に倒す。
10:もう一人のガイバー(キョン)を止めたい。
11:巻き込まれた人たちを守る。
846創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:12:03 ID:x0oaCcth
ksk
847創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:12:13 ID:t+fd2r1N
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848創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:12:15 ID:3s9Tvdhm
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849創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:12:17 ID:06Bc7DNt
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850彼等彼女等の行動 (08)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 01:12:44 ID:ErtcF+8V
【備考】
※ゲームの黒幕をクロノスだと考えていましたが揺らいでいます。
※トトロ、スエゾーを異世界の住人であると信じつつあります。
※小トトロはトトロの関係者だと結論しました。スパイだとは思っていません。
※参戦時期は第25話「胎動の蛹」終了時。
※【巨人殖装(ギガンティック)】が現時点では使用できません。
  以後何らかの要因で使用できるかどうかは後の書き手さんにお任せします。
※ガイバーに課せられた制限に気づきました。
※ナーガ、オメガマンは危険人物だと認識しました。
※放送直後までの掲示板の内容をすべて見ました。
※参加者が10の異世界から集められたという推理を聞きました。おそらく的外れではないと思っています。
※ドロロとリナをほぼ味方であると認識しました。
※ケロロ、タママを味方になりうる人物と認識しました。
※ドロロたちとの間に4個の合言葉を作り、記憶しています。
※川口夏子を信用できる人物と認識しました。
※雨蜘蛛から『主催者は首輪の作動に積極的ではない』と仮定を聞きました。



【?-?? 一日目・夜】

【スエゾー@モンスターファーム〜円盤石の秘密〜】
【状態】:全身に傷(手当済み)、火傷(水で冷やしただけ)、貧血気味、主催者、特に草壁タツオに対する激しい怒り
【持ち物】 小トトロ@となりのトトロ
【思考】
1:何としてでも主催者に一矢報いて、仲間の命を奪った事を謝らせる。
2:ハム、せめてお前だけでも無事でおってくれよ……!
3:オメガマンにあったら……もう、逃げへん。
4:雨蜘蛛はいまいち信用できない。

【備考】
※スエゾーの舐める、キッス、唾にはガッツダウンの効果があるようです。
※ガッツダウン技はくらえばくらうほど、相手は疲れます。スエゾーも疲れます。
※スエゾーが見える範囲は周囲一エリアが限界です。日が昇ったので人影がはっきり見えるかも知れません。
※ギュオー、ゼクトール、アプトムを危険人物と認識しました。
※放送直後までの掲示板の内容をすべて見ました。
※参加者が10の異世界から集められたという推理を聞きました。おそらく的外れではないと思っています。
※ドロロとリナをほぼ味方であると認識しました。
※ケロロ、タママを味方になりうる人物と認識しました。
※ドロロたちとの間に4個の合言葉を作り、記憶しています。
※川口夏子をたぶん信用できる人物と認識しました。
※テレポートによってスエゾーがどの地点に現れるか、またテレポートにどんな制限がかけられているのかは次回以降の書き手さんにお任せします。
851創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:12:58 ID:06Bc7DNt
ksk
852創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:13:02 ID:t+fd2r1N
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853創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:13:30 ID:3s9Tvdhm
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854彼等彼女等の行動 (08)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 01:13:37 ID:ErtcF+8V
【D-02 遊園地/一日目・夜】

【リナ=インバース@スレイヤーズREVOLUTION】
【状態】疲労(小)、精神的疲労(小)
【持ち物】ハサミ@涼宮ハルヒの憂鬱、パイプ椅子@キン肉マン、浴衣五十着、タオル百枚、
     レリック@魔法少女リリカルなのはStrikerS、 遊園地でがめた雑貨や食糧、ペンや紙など各種文房具、
     デイパック、 基本セット一式、『華麗な 書物の 感謝祭』の本10冊、
     ベアークロー(右)(刃先がひとつ欠けている)@キン肉マンシリーズ
【思考】
0.殺し合いには乗らない。絶対に生き残る。
1.ヤバイ所見られちゃったわね……。
2.朝倉の正体が気になる。涼宮ハルヒって…?
3.参加者名簿を調べて、情報を一通りまとめて19時に晶達と情報交換する。
4.当分はドロロと一緒に行動する。
5.ゼロスを警戒。でも状況次第では協力してやってもいい。
6.草壁サツキの事を調べる。
7.後で朝倉と首輪解除の話をする。
8.後で朝倉やバルディッシュと詳しい情報交換をする。特にバルディッシュにはレリックの事を聞きたい。

【備考】
※レリックの魔力を取り込み、精神回復ができるようになりました。
 魔力を取り込むことで、どのような影響が出るかは不明です。
※ガイバーの能力を知りました。
※0号ガイバー、オメガマン、アプトム、ネオ・ゼクトールを危険人物と認識しました。
※ゲンキ、ハムを味方になりうる人物と認識しました。
※深町晶、スエゾー、小トトロをほぼ味方であると認識しました。
※深町晶たちとの間に4個の合言葉を作り、記憶しています。
※参加者が10の異世界から集められたと推測しています。


【ドロロ兵長@ケロロ軍曹】
【状態】切り傷によるダメージ(小)、疲労(大)、左眼球損傷、腹部にわずかな痛み、全身包帯
【持ち物】匕首@現実世界、魚(大量)、デイパック、基本セット一式、遊園地で集めた雑貨や食糧、
【思考】
0.殺し合いを止める。
1.ひとまずこの現状を何とかせねば…
2.参加者名簿を調べて、情報を一通りまとめて19時に晶達と情報交換する。
2.リナとともに行動し、一般人を保護する。
3.ケロロ小隊と合流する。
4.草壁サツキの事を調べる。
5.後で朝倉と首輪解除の話をする。主催者が首輪をあまり作動させたがらない事も気になる。
6.後で朝倉やバルディッシュと詳しい情報交換をする。
7.「KSK」という言葉の意味が気になる。

【備考】
※なのは世界の単語が車に関することだと思っていましたが、違うような気がしてきました。
※ガイバーの能力を知りました。
※0号ガイバー、オメガマン、アプトム、ネオ・ゼクトールを危険人物と認識しました。
※ゲンキ、ハムを味方になりうる人物と認識しました。
※深町晶、スエゾー、小トトロをほぼ味方であると認識しました。
※深町晶たちとの間に4個の合言葉を作り、記憶しています。
※参加者が10の異世界から集められたと推測しています。
※晶達から、『主催者は首輪の発動に積極的ではない』という仮説を聞きました。
855創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:13:38 ID:06Bc7DNt
ksk
856創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:14:06 ID:t+fd2r1N
ksk
857彼等彼女等の行動 (08)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 01:14:17 ID:ErtcF+8V
【朝倉涼子@涼宮ハルヒの憂鬱】
【状態】疲労(特大) 、ダメージ(中)、自分の変質に僅かに疑問、ドロロとリナに対して…?
【持ち物】鬼娘専用変身銃@ケロロ軍曹、小砂の首輪
     綾波のプラグスーツ@新世紀エヴァンゲリオン、ディパック(支給品一式)×2、新・夢成長促進銃@ケロロ軍曹、
     リチウムイオンバッテリー(11/12) 、クロスミラージュの銃身と銃把@リリカルなのはStrikerS、遊園地で回収した衣装(3着)
【思考】
0、ヴィヴィオを必ず守り抜く。
1、勝手に自分の情報を調べていたドロロ達に対して……?
2、武器もないので、気は進まないが鬼娘専用変身銃を使う事も辞さない。
3、キョンを殺す。
4、長門有希を止める。
5、古泉を捜すため北の施設(中学校・図書館・小学校の順)を回る。
6、基本的に殺し合いに乗らない。
7、ゼロスとスグルの行方が気がかり。
8、できればゲーム脱出時、ハルヒの死体を回収したい。

【備考】
※長門有希が暴走していると考えています。
※クロスミラージュを改変しました。元に戻せるかどうかは後の書き手さんにお任せします。
※クロスミラージュは銃身とグリップに切断され、機能停止しています。
 朝倉は自分の力ではくっつけるのが限界で、機能の回復は無理だと思っています。
※制限に気づきました。
 肉体への情報改変は、傷を塞ぐ程度が限界のようです。
 自分もそれに含まれると予測しています。
※遊園地で適当な衣装を回収しました。どんな服を手に入れたかは次回以降の書き手さんにお任せします。


【ヴィヴィオ@リリカルなのはStrikerS】
【状態】疲労(中)、魔力消費(小)、16歳程の姿、腕章を装備、メイド服の下に白いレオタードを着ている。
【持ち物】バルディッシュ・アサルト(6/6)@リリカルなのはStrikerS、SOS団の腕章@涼宮ハルヒの憂鬱  メイド服@涼宮ハルヒの憂鬱 ヴィヴィオが来ていた服一式
【思考】
0、誰かを助けられるように、強くなりたい。
1、リナさんの持ってるレリックがあれば…
2、なのはママが心配、なんとか再開したい。
3、キョンを助けたい。
4、ハルヒの代わりに、SOS団をなんとかしたい。
5、スバル、ノーヴェをさがす。
6、スグルとゼロスの行方が気になる。
7、ゼロスが何となく怖い。
8、涼子お姉ちゃんを信じる。


【備考】
※ヴィヴィオの力の詳細は、次回以降の書き手にお任せします。
※長門とタツヲは悪い人に操られていると思ってます。
※キョンはガイバーになったことで操られたと思っています。
※149話「そして私にできるコト」にて見た夢に影響を与えられている?
※アスカが殺しあいに乗っていると認識。
※ガイバーの姿がトラウマになっているようです。



※遊園地のkskの詳細は、『参加者簡易名簿、支給品一覧』でした。
  参加者の顔写真、及びその参加者の簡単な備考、そして支給された支給品を知る事ができます。
858創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:14:22 ID:3s9Tvdhm
ksk
859創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:14:28 ID:06Bc7DNt
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860創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:15:02 ID:t+fd2r1N
k s k
861彼等彼女等の行動 (裏)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 01:15:03 ID:ErtcF+8V
雨蜘蛛は、同行者の新たな使い道を発見し、ほくそ笑んだ。
スエゾーは、残虐な主催者に怒りを爆発させ、可愛らしい相棒とともに飛び出した。
ドロロ兵長は、自分が同行者を信じ切れなかった事を後悔した。
高町ヴィヴィオは、悲しみの果てにただ『誰かを守れる強さ』を求めた。
朝倉涼子は、自らの変化に僅かな疑問を抱き、そして同行者の勝手な行動にある感情を覚えた。
深町晶は、何も出来なかった自分やこの殺し合いの主催者に激しい怒りを滾らせた。
リナ=インバースは、自分の中の不信感に耐えきれず、危うい一手を打った。


各々の人々が、各々の行動を取った結果、それらは複雑に絡み、軋みあい、不協和音を奏でる。
彼等に関する物語は、ここで一旦中断される。この先に待ち受けるものが何なのかは、まだ何も分からない。



そして、もう一人。
幾度となく行われた、電脳世界での情報交換の陰で、誰にも知られる事の無く行動し続けていた人物が存在していた。
ここから語られるのは、その人物――通称『砂漠の妖怪』についての物語である。



【裏.砂漠の妖怪の裏口】

時は、遥か過去まで遡る。
それは、まだ第三回放送に突入する前の出来事だった。
エリアC-03に位置する中学校、そこの『実習室』の中で気難しい表情でパソコンの画面を眺めている男が一人。
その名を、砂漠の妖怪『砂ぼうず』。本名を水野灌太と言う。
悪党どもがのさばる関東大砂漠の中でも、最もタチの悪い便利屋として名を馳せている男は、手に持った冊子と画面の中を交互に見比べながら小さく呻いた。

「……………で、このチャットってなんだ?」

放送開始までの時間潰しの一つとして何気なくチャットの項目を選んだ灌太は、その後に表示された画面を前にして悩み続ける。

『現在の入室人数:一人』

再度その文章に目を通した灌太は、ひとしきり首をかしげた後に教室の中から適当にガメたパソコンの解説書をペラペラとめくる。
数分後、ようやくチャットという機能の概要を理解した妖怪は、改めて唸り声をあげると今度は別の項目へと目を向けた。

『名前を入力して、入室ボタンを押してください』
「ふぅーむー………」

顎に手を当てながら長く息を吐いた砂漠の妖怪は、ここにきてしばらくぶりにピンクでボインな要素を完全に廃して脳内コンピューターを総動員させた。

つまり、このチャットというのは『文字を使った電話』みたいな物だ。
声という特徴が廃される分、電話に比べて匿名性は強いといえるだろう。
そして、今現在このチャットルームの中には一人(正確には一人では無いかも知れないが)の人物が居座って、話し相手を今か今かと待ち望んでいる、と。

「つまり、情報交換のチャンスってぇ事か……」

全くの未知の文明に対して、ようやくそこまで理解を示した所で、灌太は再び空白の名前欄をねめつける。
ここに名前を入力しない限りはチャットを行う事は出来ないようだ。まぁ、良く考えなくても当たり前の事だろうが。
862創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:15:09 ID:06Bc7DNt
ksk
863創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:15:44 ID:t+fd2r1N
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864彼等彼女等の行動 (裏)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 01:15:45 ID:ErtcF+8V

「名前についてかぁ……どうすっかなぁ〜?」

ボリボリと頭を掻きながら、灌太は『名前』という障害要素について考えを巡らせた。

まず、馬鹿正直に本名を入力すること。幾らなんでもそれはバカすぎるだろう。下手に自分の情報が漏れたらと思えばゾッとしない。
次に、『分かる人間が見れば分かる偽名を使う事』。これも、本来ならば有効な手段だろうが灌太にとっては出来れば避けたい現象である。

「正直、あいつらに会わねぇで済むんならそれに越した事はねぇんだよなぁ〜…」

思い浮かべるのは、元の世界での知り合い三人。まぁそれなりに同盟を組めるのも中にはいるだろうが、出来れば会いたくない奴らばかりだ。
むしろ会ったら命の危険に遭遇する気がしてならない。

「あー、だったらなんて名前にすりゃいいんだよ〜…あからさまな偽名でも、それはそれで怪しまれるだろうしな〜…」

あーーーーーー、と苛立ちの声を上げながら灌太がより一層その頭を掻き毟った時に、それは起こった。
カチリ、という小さな音と共に、それまで矢印だったアイコンが砂時計へと変化したのだ。
その怪現象を目の当たりにして、おお? と声を上げながら灌太の両目が見開く。今、彼の手は両方とも自分の頭の上に置かれている。間違ってもマウスには触れられていない。
これは一体、と頭を悩ませるヒマもないうちに画面が一瞬だけ白くなり、再び元に戻った。

いや、正確には全く元通りでは無い。大きな変化点が二つ存在している事に気付くのにそう時間はかからなかった。
ちなみにこの時発生したのは自動のページ更新だったのだが、それを灌太が知るのはもう少し後の事になる。

画面上の変化点は二つ。
一つは、『現在の入室人数』が『二人』に変化していること。
そしてもうひとつの変化はページ下部、元々何もない空間に発生していた。

「なんじゃこりゃぁ……!?」

灌太が思わずうめき声を挙げる。
先ほどまで真っ白だった空間の一部分で、真っ黒い毛玉に目の付いたような物が四角くぐるぐると回っている。
その回転の中心には、こんなリンクが貼ってあった。

『裏口:名前入力はできません』

「裏口……だぁ?」

オウム返しに呟きながら、灌太は再び手元の解説書に目を落とす。
しかし、チャットの項目を何度見た所で『裏口』などという項目については記されていない。
入室人数が二人になった瞬間に、突然現れた『裏口』なる項目。しばし逡巡した後、灌太はそのリンクへとカーソルを合わせてクリックした。
元々名前の入力がネックとなっていただけで、チャットをすること自体には肯定的だったのだ。むしろ問題が解決して願ったり叶ったりだ…そう思う事にしよう。

そして、クリックした瞬間に画面が全く違うものに切り替わる。
画面の右側、三分の一程のスペースには『ゴーレムの友』『泥団子先輩R』なる名前が並んでいた。
その名前に目を走らせ、しばらく自分の知り合いに当てはまる要素があるのかどうかと悩んだ灌太だったが、やがて画面に左側でチャットが開始されたのを見て思考を切り替えた。

ゴーレムの友>返事が遅れてすいませんでした。
泥団子先輩R>いやいや、こちらこそ待たせて申し訳ないでござる。
  
「お、始まりやがったな……って……あれ?」

ここまで来てようやく自分も会話に参加できる、と思った所でふと違和感に気づく。
無い。
『発言を入力できるフォーム』が、どこにも存在しない。
慌ててクリック出来る箇所を探してアイコンを動かす灌太を余所に、謎の人物二人の会話は続いていく。
865創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:15:49 ID:06Bc7DNt
ksk
866創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:16:05 ID:3s9Tvdhm
ksk
867創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:16:30 ID:06Bc7DNt
ksk
868彼等彼女等の行動 (裏)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 01:16:31 ID:ErtcF+8V
泥団子先輩R>そちらは何事も無かったでござるか?
ゴーレムの友>危険な事は何もありませんでしたが、2人の参加者とコンタクトが取れました。
ゴーレムの友>1人は川口夏子という人で、そちらが退室した後にチャットに参加して来た人です。
ゴーレムの友>もう1人は雨蜘蛛という男の人で、こちらは博物館で直接会った人です。
泥団子先輩R>直接会ったという事は、今も近くにいるでござるか?
ゴーレムの友>はい。
ゴーレムの友>雨蜘蛛さんはその、今は殺し合いには乗っていませんが、生き残ることが最優先という方です。

「夏子! それに……ゲェッ、雨蜘蛛!?」

まぁ会ったなら会ったで仕方ない、と思っていた人物の名と、何があっても会いたくなかった人物の名前が出たのを見て、灌太の動きが思わず硬直した。
とりあえず体を反らしてキーボードから距離をとり、間違っても自分の存在を気取られてはならないと注意した所で、ある事に気づく。

「………おい、待てよ? こりゃあもしかして……」

泥団子先輩R>その雨蜘蛛殿には失礼かもしれぬでござるが、拙者たちが信用しているのは晶殿とスエゾー殿でござる。
泥団子先輩R>よって、こちらの情報はあまり伝えぬようにしていただきたいのでござるが、よろしいでござろうか?
ゴーレムの友>わかりました。合言葉も誰にも教えていません。
ゴーレムの友>そちらに迷惑がかかることだけは無いように注意します。
ゴーレムの友>ただ、そちらの名前や多少の情報は伝わってしまいますが、よろしいでしょうか?
泥団子先輩R>名前程度であれば構わないでござろう。
泥団子先輩R>一緒に行動する以上、ある程度やむを得ない事は理解できるでござるよ。
ゴーレムの友>ありがとうございます。ご心配をかけてすいません。

灌太が見ている前で、平然と謎の人物達によるチャットが行われ、ありとあらゆる情報が取り交わされていく。
それを一つ一つ頭に刻みながら、灌太は自分の仮説が間違っていない事に気づいた。

「間違いねぇな…こいつら、俺がここでチャットを見ている事に気づいてねぇ」

ふっと視線を動かし、右側の名前欄を見る。その下部分には、トップページでも見た青い獣の絵文字と、そいつが持ってるプラカードに文章が書かれていた。

『現在裏口から監視中! ゆっくりもふもふしていってね!!』

言葉の意味はさっぱり分からないが、大体のからくりは見えてきた。
この『裏口』が発動するのは、チャットルームに2人以上の人間が入ってきた時。
そして、チャットを行っている人物は自分たちが『裏口』から監視されている事には気付けない。
『裏口』の存在を知ってさえいれば、第三者が容易に情報を盗み聞きできる、という訳だ。

こんな底意地の悪い機能が存在している理由も、何となく予想が付く。
自分たちだけしか知らないはずの情報が第三者に漏れれば、そこに発生する危険…すなわち命を落とす危険は計り知れないだろう。
そして、情報が漏れた事による仲間内の不和、という二次被害が発生する事も想像に難くない。

「全く、あのオッサンへらへらしながらやる事がえげつねーな」

そんな事を云いつつも、灌太もまた笑みを浮かべていた。
砂漠の民特有の、自分の思い通りに事が運んだ瞬間に発生する、ドス黒い会心の笑みを。
もちろん、この『裏口』の情報をご丁寧に『あなたたち監視されてますよー』と伝えてやるつもりなど毛頭ない。
ノーリスクで情報がバンバン手に入るのならば、利用しない手はないだろう。

泥団子先輩R>こちらも2人の参加者と合流したでござる。
泥団子先輩R>朝倉殿という若い女性と、ヴィヴィオ殿という幼い少女でござる。
泥団子先輩R>どうやら信用に足る相手のようでござるよ。

そして誰よりも探し求めていた、ボインちゃん達の名前を発見した瞬間に、砂漠の妖怪の高笑いが夕闇の学校の中に響き渡った。
869創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:17:07 ID:t+fd2r1N
k s k
870創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:17:17 ID:06Bc7DNt
ksk
871彼等彼女等の行動 (裏)  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 01:17:21 ID:ErtcF+8V



ゴーレムの友>ありがとうございました

長々と勿体ぶって打ち込まれた最後の文章をきっかけにして、灌太もまた『裏口』から強制的に退去させられた。
躊躇する間もなく飛ばされた事には少し驚いたが、収穫はおつりが来るほどにあった。
チャットの間、その中で重要そうな情報だけを選択して取ってあったメモに目を落とす。
ここにきて、自分にも随分と運が向いてきたようだ。
ボッコボコにして殺すはずだった蛇野郎、ナーガが死んでしまった事は残念ではあったが、今はそんな事どうでもいい。
自分の一番弟子、小砂に手を合わせて虫ダンゴを備えてやってもいい気分だ。

次に行われるチャットは一時間後の19時。
それまでの間に手に入れた数々の情報に目を通し、まとめながら、砂漠の妖怪は一つの目標を目指して動き出す。

ボインちゃんをゲットするまで。
ボインちゃんをゲットするまで。
ボインちゃんをゲットするまで!

命をかけて、突っ走る。

「さ〜ぁ待っててくれよぉ〜涼子ちゃんになのはさんについでにノーヴェぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーー!!!」


【C-3 高校実習室/一日目・夜】

【水野灌太(砂ぼうず)@砂ぼうず】
【状態】ダメージ(中)
【持ち物】オカリナ@となりのトトロ、手榴弾×1、朝倉涼子・草壁メイ・ギュオー・ヴィヴィオの髪の毛
     ディパック×2、基本セット×4、レストランの飲食物いろいろ、手書きの契約書、フェイトの首輪、
     ksknetキーワード入りCD、輸血パック@現実×3、護身用トウガラシスプレー@現実、リボン型変声器@ケロロ軍曹
     First Good-Byeの楽譜@涼宮ハルヒの憂鬱、コルトM1917@現実、第二回方法までの殺害者と被害者のメモ、チャットの情報を書いたメモ
【思考】
0、何がなんでも生き残る。脱出・優勝と方法は問わない。
1、チャットにて手に入れた情報や放送、死亡者情報をまとめながら、19時を待つ。
2、遊園地にいる朝倉涼子とヴィヴィオには何が何でも接触したい。
3、首輪を外すにはA.T.フィールドとLCLが鍵と推測。主催者に抗うなら、その情報を優先して手に入れたい。
4、火事が消えた後でホテルに向かう?
5、ノーヴェに接触したい、但し無理はしない。
6、首輪を分析したい。また、分析できる協力者が欲しい。
7、関東大砂漠に帰る場合は、川口夏子の口封じ。あと雨蜘蛛も?

【備考】
※セインから次元世界のことを聞きましたが、あまり理解していません。
※フェイトの首輪の内側に、小さなヒビが入っているのを発見しました。(ヒビの原因はフェイトと悪魔将軍の戦闘←灌太は知りません)
※シンジの地図の裏面には「18時にB−06の公民館で待ち合わせ、無理の場合B−07のデパートへ」と走り書きされています。
※晶達とドロロ達のチャットを盗み見て、一通りの情報を暗記しました。



『チャットの裏口について』

二人以上がチャットルームに入室してチャットを行っている時、名前入力画面に【裏口】へのリンクが貼られます。
そこをクリックすることにより、第三者がチャットの内容を盗み見ることができます。
ただし、入室人数が一人になった瞬間に強制的に名前入力画面へ飛ばされてしまいます。
なお、裏口へのリンクがある状態でも普通に入口からチャットに入室する事は可能です。
872創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:17:39 ID:3s9Tvdhm
ksk
873創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:17:58 ID:06Bc7DNt
ksk
874創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:18:03 ID:t+fd2r1N
ksk
875創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:18:53 ID:06Bc7DNt
ksk
876創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:19:38 ID:06Bc7DNt
ksk
877創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:19:40 ID:3s9Tvdhm
ksk
878 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 01:20:00 ID:ErtcF+8V
以上で投下終了です。
グダグダと予約期限を引き延ばしてしまって本当にすいませんでした…


そして先ほど、予約機嫌云々についての話題が出ていたので、書き手の端くれとして一言だけ。
個人的には、期限の上限を伸ばすのは賛成です。理由は……聞かないでもわかってくれますか……?

最後に、こんな深夜でありながら大量のkskをしてくださった皆様に感謝を。
ありがとうございました!
879創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:20:24 ID:06Bc7DNt
ksk
880創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:21:16 ID:3s9Tvdhm
ksk
881創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:46:44 ID:+2kjmL7L
ksk
882創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:54:15 ID:3s9Tvdhm
大作投下乙です!
すげえ…いやもうすげえGJ!
スエゾーの怒り、ボッチの憤り、そしてコミカルに冷酷な雨蜘蛛。
ヴィヴィオの涙と人を理解していく朝倉、不協和音が生まれそうなドロリナ組との交渉。
そしてなにより…ついにボインちゃんの位置情報を手に入れた砂ぼうず!

たまらんw
ガッツ全開、テレポートとかヴィヴィ朝倉に絆っぽい物が出来るとか実にGJでした!


それとひとつ気になったんですが、支給品一覧って…大丈夫かな。
まだけっこう不明支給品があるんですが。
883創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:55:29 ID:06Bc7DNt
投下乙でした!
 
なんつーか…すげェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!
絡み合う参加者達の思惑と理性だけじゃ測れない感情の台風が丁寧に描写されて、思わず引き込まれてしまいました!!!
もうヴィヴィオと朝倉の所はもうね…涙がじんわりきちゃいましたよ…
二人ともしっかり成長してるんだよなぁ 
そしてプラグスーツ&メイド超GJです!!!
あなたが神か!
ただ、最後の不協和音が気になる… 

ボッチグループはこっちもこっちで大変だなぁ
スエゾー中トトロはどっか行っちゃうし…ボッチはキレるし…
雨蜘蛛は相変わらずだし…

砂ぼは砂ぼで楽しんでんなw
朝倉さん逃げてー!!!
 
 
超大作本当に乙でした!!!
884創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 02:24:41 ID:0qfddmzL
超大作投下乙!

すげえぇぇぇぇ!
あれだけの出来事・情報をまとめていいきれいに使うとはお見事!
ヴィヴィオと朝倉のやりとりめ胸にくるものがあるし、
朝倉が感情を取得していったが故の不穏な空気もまた良し!

ボッチと雨蜘蛛の対比もすごく際立ってぞくりときた
どこへ行ったかわからないスエゾーが心配だ…

何よりこれだけの長文なのにスラスラ読みやすかったのにびっくりした!

あらためて投下乙でした!
885創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 02:48:06 ID:DazRmLfo
投下乙!

超・情報交換話かと思いきやそこに発生するドラマがすげえ!!
ヴィヴィオの決意と朝倉の心地いいノイズがこれからに期待を持たせてくれます。
ただ最後の不穏な空気が……w

ボッチ組もそれなりに長かったスエゾーとの付き合いが切れて、
改めて不安な雨蜘蛛とコンビを組んだようだけど……
やっべえ、期待以上に怖すぎる!
ていうかスエゾー!大丈夫なのか!? 変な所に飛んでないよな!?
具体的には将軍一家の真ん前とかw

そして総どりの砂ぼうずw

二つ気になることが。
一つは不明支給品がある現状での支給品一覧について。
持ってる奴が持ってる奴だし、何が入っていてもおかしくないんだし。
もう一つは砂ぼうずのチャットへはいった時間。
砂ぼうずがチャットを触る頃って、放送直前だしチャットの情報が古くないだろうか。
かなり前のチャットまで見てる気がする。
ログを見れるというのはあまりにも都合がよすぎるし。

裏口という機能自体は面白いと思います。
886創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 02:58:35 ID:t+fd2r1N
投下乙でした!
 
とりあえずプラグスーツキター!!!
そしてメイドヴィヴィオキター!!!
二人とも可愛いよ、うん
 
なんつーか、人間関係を描くのが巧いなぁ
少しずつ成長していってるヴィヴィオと朝倉のコンビにほんわかしたw
ただ、最後の不和が怖い…
 
雨蜘蛛達は揉めてるなぁ
直情型のボッチと雨蜘蛛じゃこうなるのは予想できたけどここまでとは…
そしてスエゾーがヤバい
必然的に小トロもヤバい
 
……誰かスエゾーを助けてあげてぇ!
887 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 04:05:01 ID:ErtcF+8V
こんな深夜だというのに、大量の感想ありがとうございます!
苦労した甲斐があったというか、頑張って良かったというか…とにかく涙がちょちょ切れそうです。

とりあえず、幾つかあった指摘に関して自分なりの解釈を。

まず一つ、支給品について。
現在の不明支給品の数は1〜7個と、確かにそれなりの数は残っています。
ですが、ドロロ・リナ・朝倉・ヴィヴィオが反応、興味を示すような支給品はもう出つくしているのではないかな? という意識がありました。
汎用的に興味を引くであろう物としてはSDカードのような情報媒体も存在していますが、それも大分出揃っているのでは、という認識があります。
これは私一人の考え・価値観であり、『そんな事は無い、これとかこれがあるよ!』という指摘もあると思いますが…
確かに、これによって展開が狭まってしまうのは事実ですが、リレーSSというものは、多少制限された条件の中で話を作り上げるのも楽しみの一つなのでは無いでしょうか。

ついでに、身も蓋も無い事を言ってしまえば、既に詳細名簿という支給品が出てしまった今、名簿の形で提供できる情報が思いつかなかった、という理由もあります。


次に、灌太がチャットにアクセスした時間帯に付いて。
これも個人の価値観なのですが、時間の表記が三時間刻みになっている関係上、『放送直前』とは大体17〜18時ぐらいではないかな? と考えていました。
今回の『彼等彼女等の行動』の描写で、前話『輝く光輪』のラスト・フィブリゾというキーワードを晶達が手に入れたすぐ後に放送があったとして、
『時間の謎』から続くチャットにかかった時間を30分程と仮定しました。
そして、『学校の妖怪』の『第三放送まであと僅か』も、大体放送まで3〜40分を切った17時半辺りと見当をつけた上で、ギリギリ『裏口』解禁の瞬間だろう、と目星を付けていました。

とりあえず自分なりの考えを書いてみましたが、それでも納得できない!という意見があれば受け付けます。
888創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 20:59:38 ID:T1+pihCn
砂ぼうずもシンジを拷問するときから夕方だったしかなり放送に近いと思うんだが。
ていうか放送直前ってそんなに幅広いのか?

まあ情報を得たのが砂ぼうずでイイカンジに引っ掻き回してくれそうだからいいと思うけど。
だけどチャットで現在位置は教えてる人はいないし、朝倉達が遊園地にいることはわからないとおもうぞ。
わざわざ話す必要もないし。
889創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 21:21:02 ID:3s9Tvdhm
俺も直前って十分前ぐらいだと思ってたw
朝倉たちの位置は遊園地が封鎖されて大丈夫かってあたりで判ると思う。
890創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 22:47:47 ID:tNPT2muN
ロワで時間表現が曖昧なのはそこら辺で多少融通聞かせる為だと思うし、別にいいんじゃないかなー
891創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 23:00:46 ID:bRz0O8r5
長門は穏健派じゃなくて主流派
892創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 23:16:52 ID:x0oaCcth
ところで容量そろそろやばいんじゃないでしょうか
893創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 23:18:45 ID:9fSpLdLL
どっちかというと砂ぼうずの放送時の様子などが省略されすぎていてわかりにくいかなーとかそっちの方が気になった。
状態表を見たら砂ぼうずがこのまま19時まで高校で待つつもりなんだとわかったけどね。
あと、放送を聞いて更新された死亡者情報を確認したら、中学のパソコンを調べるというプランもあったような気がしたけどどうなったのかなーとか。


それと、話は変わるけど避難所に温泉組の予約が来てた。wksk
894 ◆igHRJuEN0s :2009/08/11(火) 23:18:58 ID:jaucdJyw
携帯からお邪魔いたします。

pY氏、素晴らしい作品乙でした!
ぐいぐい引き込まれていく面白さがありました!
長い文章+高いクオリティに並々ならぬ努力を感じさせられます。


SS『鬼になるアイツは二等兵』の修正を書き上げました。
これより仮投下スレに投下いたします。
895 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 23:45:28 ID:ErtcF+8V
>>888
朝倉達の所在地の情報に関しては、>>889さんの指摘の通りに冒頭の禁止エリアについての会話などで触れられているので察する事は出来る、と考えました。
ですが確かにここは描写不足ですね…加筆版を1レスだけ投下してみます。

>>891
すいません、これは完全にこちらの不手際です…該当箇所は一か所だけなので、wiki収録の際に修正したいと思います。

>>893
こちらの行動も含めて、加筆版を今から投下しますね。

>>894
ig氏、仮投下乙です!
個人的には、これで大丈夫だと思います。
896 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/11(火) 23:46:10 ID:ErtcF+8V
>>871の差し替え版です。




ゴーレムの友>ありがとうございました

長々と勿体ぶって打ち込まれた最後の文章をきっかけにして、灌太もまた『裏口』から強制的に退去させられた。
躊躇する間もなく飛ばされた事には少し驚いたが、収穫はおつりが来るほどにあった。
チャットの間、その中で重要そうな情報だけを選択して取ってあったメモに目を落とす。

放送直後の禁止エリアに関する会話からみて、現在朝倉達がいるのは遊園地であると見て間違いないだろう。
雨蜘蛛側の所在はいまいち明確には分からなかったが、『博物館で直接会った』という言い回しから博物館か、もしくはその周辺・島の南東部だと見当を付ける。
ついでに、直接会わずにチャットという形で情報交換をしている事から見ても、遊園地から離れた施設にいるのでは、と考察できる。
そして今自分がいる中・高等学校も遊園地付近にあり、それは裏を返せばあの変態黒マントから遠く離れた場所にいる、という事になるだろう。

そこまで位置情報を纏めてみた所で、さらに灌太のドス黒い笑みが深みを増した。
ここにきて、自分にも随分と運が向いてきたようだ。
ボッコボコにして殺すはずだった蛇野郎、ナーガが死んでしまった事は残念ではあったが、今はそんな事どうでもいい。
自分の一番弟子、小砂に手を合わせて虫ダンゴを備えてやってもいい気分だ。

次に行われるチャットは一時間後の19時。
時間潰しの方法は考えるまでもない。
チャットで手に入れた情報の纏め、他にも結局遣りそびれたここの『死亡者情報』の調査、それに加えて中学校のパソコンの調査など、むしろやる事は山積みだ。
ひとまずそれまでの間に手に入れた数々の情報に再び目を通しながら、砂漠の妖怪は一つの目標を目指して動き出す。

ボインちゃんをゲットするまで。
ボインちゃんをゲットするまで。
ボインちゃんをゲットするまで!

命をかけて、突っ走る。

「さ〜ぁ待っててくれよぉ〜涼子ちゃんになのはさんについでにノーヴェぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーー!!!」


【C-3 高校実習室/一日目・夜】

【水野灌太(砂ぼうず)@砂ぼうず】
【状態】ダメージ(中)
【持ち物】オカリナ@となりのトトロ、手榴弾×1、朝倉涼子・草壁メイ・ギュオー・ヴィヴィオの髪の毛
     ディパック×2、基本セット×4、レストランの飲食物いろいろ、手書きの契約書、フェイトの首輪、
     ksknetキーワード入りCD、輸血パック@現実×3、護身用トウガラシスプレー@現実、リボン型変声器@ケロロ軍曹
     First Good-Byeの楽譜@涼宮ハルヒの憂鬱、コルトM1917@現実、第二回方法までの殺害者と被害者のメモ、チャットの情報を書いたメモ
【思考】
0、何がなんでも生き残る。脱出・優勝と方法は問わない。
1、19時を待ち、再び『裏口』からチャットを盗み見る。それまでは情報纏め、kskの死亡者情報調査、中学校のパソコンの調査などをして過ごす。
2、遊園地にいる朝倉涼子とヴィヴィオには何が何でも接触したい。
3、首輪を外すにはA.T.フィールドとLCLが鍵と推測。主催者に抗うなら、その情報を優先して手に入れたい。
4、火事が消えた後でホテルに向かう?
5、ノーヴェに接触したい、但し無理はしない。
6、首輪を分析したい。また、分析できる協力者が欲しい。
7、関東大砂漠に帰る場合は、川口夏子の口封じ。あと雨蜘蛛も?

【備考】
※セインから次元世界のことを聞きましたが、あまり理解していません。
※フェイトの首輪の内側に、小さなヒビが入っているのを発見しました。(ヒビの原因はフェイトと悪魔将軍の戦闘←灌太は知りません)
※シンジの地図の裏面には「18時にB−06の公民館で待ち合わせ、無理の場合B−07のデパートへ」と走り書きされています。
※晶達とドロロ達のチャットを盗み見て、一通りの情報を暗記しました。
897創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 23:55:32 ID:PCsV3bWq
>>894
仮投下乙です。
死者蘇生がタママの思いこみだというのが前より強く出ていて、
前よりもここで出た意見に添う形になったのではないかと思います。

>>895
修正乙です。
私の上げた点に関しては問題ないと思います。お手数をお掛けしました。
898創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 00:11:09 ID:nO2Ca+O3
>>894
修正乙です。
タママの思い込み度が高くなってよいと思います。
感想は本投下後に。

>>895
修正乙です。
問題点は修正されてるか理由付けがされていていいと思いますよ。
時間の問題も許容範囲内でしょうし。

あ、あと細かいですがヴィヴィオはデイバックを持っていませんよ。
今はゼクトールのミサイルにくくりついてるはず。
wiki収録時にヴィヴィオの着ていた服を、
朝倉に持ってもらうか朝倉のデイバックを一つ譲ってもらうかしたらどうでしょう?
899 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/12(水) 00:35:42 ID:q/gAKq5O
>>898
うわぁ、完全に気付かなかった…!
ほんの少しですが、以下のように訂正したいと思います。


>>826
とりあえずそれは今ヴィヴィオのディパックにしまってあり、また新しく着る服は朝倉が来ていた物で代用する事となった。

とりあえずそれは今ヴィヴィオのディパックにしまってあり(彼女の元々のディパックは紛失している為、朝倉が余分に持っていた物を譲った)、
また新しく着る服は朝倉が来ていた物で代用する事となった。



状態表の方も、wiki収録の際に修正しておきます。
900創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 01:01:25 ID:nO2Ca+O3
残り容量的にまずいので新スレ。
こっちは雑談して埋めちゃいましょう。

ttp://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1250006407/l50
901創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 01:22:32 ID:psUftoVc
>>900
スレ立て乙です!
902創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 02:34:16 ID:q/gAKq5O
埋め案として、kskしながら好きな参加者へ応援や魂の叫びでもしてみようかしら


キン肉マーン!
最近鬱になったりゼロスに美味しく頂かれちゃってたり(現在進行形)と逆境ばかりだがそろそろ奇跡の逆転ファイターっぷりを期待してるぜ〜っ!
kskksk!
903創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 02:55:47 ID:THbT7CP/
熱血展開で覚醒して最期は思いっきり鬱な死に様を見せてくれ!ksksksk
904創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 03:11:17 ID:yg/G+N7X
>>900
乙です!

キン肉勢は喋り方がおもしろくて大好きだぜーっ!!
ゲーッ!!だのグムムーッ!!と、こっちが反応するくらい驚かせてくれよな〜っ!
kskksk
905創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 05:19:36 ID:iN7HC8Ry
投票の時以来久々にスレのぞきにきた。
文芸創作板自体が当時の新規創設板で人も少なかったし
キャラも安価決定の勢いロワだから途中で打ち切りになると思ってた。
よく続いたもんだよ本当に。
今更ではあるがまとめ読んであわよくば参加させてもらいたいと思ってるのでよろしくお願いします。
906創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 10:17:16 ID:nO2Ca+O3
始まりこそ安価ではあるが、
そのキャラクター勢に問題が全くなかったのはいまさらながらすごいよなw
ハズレと言える参戦作品はなかったし、
キャラの方もマーダー、考察、熱血、策略とバランスよく揃ってた。
下手に人気投票順とかになるよりもよほどよかったんじゃないかと思える。

……改めて考えると本当に奇跡の元に成り立ってたんだな。
もっとも、話を書く書き手に優秀な人が多かったのが一番の理由だろうけど。
907創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 14:27:49 ID:bIZEHozu
雨蜘蛛ー!
口調や性癖はアレだけどすげーシビアで冷酷な思考のアンタが実は結構気に入ってるんだー!kskksk
でもメイにあんな事したのはまだ忘れてないぞkskksk
908創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 15:14:42 ID:B0WmUX9h
リナー!
今は凄く微妙な空気の状況にいるけど応援してるぞー!
判断は冷静なのに自分の感情はガマンしないドラまたらしさを期待してる
909創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 16:31:27 ID:Pqg+wXRd
トトロー!
もふもふさせてください
910創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 21:01:28 ID:tCIChbsq
なのはさーん!
ぱふぱふさせてくれー!!
911創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 21:04:49 ID:JrgBBpJC
ヴィヴィオー!
ろりろりさせてくれー!!
912創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 21:06:39 ID:6LO83w5q
    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
   /           \
  /             \
 /               \
 | _________    |
 ||      |      |    |
 ||  ⊂⊃ | ⊂⊃  |   |
 ||      |       |    |
 ||      |      |   |   _________
 \       |      | /   /
   \     |      /   < コーホー
    \   |      /     \_________
     \  |    /
913創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 21:50:57 ID:7DgbvIUt
朝倉ー!
大好きだー!!!
914創る名無しに見る名無し:2009/08/13(木) 08:42:08 ID:l2dJ1Eyu
スバルー!
俺の婿になってくれー!!
でもって嫁は一☆姫だー!!
915創る名無しに見る名無し:2009/08/13(木) 20:06:47 ID:4CUJbDNM
つまりはスバルと一姫の夫婦ということに……
新カップル誕生か!?
916創る名無しに見る名無し:2009/08/13(木) 20:29:51 ID:fX5ZgoRG
              ¨  ¨  ¨  ¨
              ______   ¨
         :  / __玉__ ヽ
        : / _= 、:::::::::::::::::::::二`、:
         /:. r¨    ヽ``````./   ヽ\ :
      : /:: /|   ・   |:::三::|  ・ || \
    :  /:::. /::ゞ、    /:::::二:::ヾ  .λ::: ヽ
       /::: /   ` ─´::::::::──::::`ー´ |::  | :
   :  /:::  ハ.       :::::::::::::::::::    l:  | : <あの女―――ッ!
      |:::  〈:::::::....    | ̄| ̄| ̄| ̄|  /.  |:
     :ゞ... : : ゝ:::.   匚 匚 匚.匚.| /  /
     :\   ノ  ゞ、:::::::::..................../ゞ_/
        ゝ´      ̄ /へ ̄ ̄  :
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        : (⌒二 ̄::::::::::::::::::::::\ /⌒ヽ:
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            ,レ !__/       ヽ ヽ   ヽ      ,
         辷彡 人_,       ,}   、  '、  |   |
             ア  l | /   ,  //{ ! |  ヽ  ヽヽ! i |
            / 、___l W!  / // l八l\ i  iヽl、 ゞミ、
             { { ¬ | !l l/l/ ,xャラア∧l  !┬≧=-
           ヽハ {ヾ、lへl  ∠二二/ } / /ノ /  若人よ!そなたの悩み私が断ち切る!
           ` jノヽ 「 厂   ―――ノル'r ト{
               V    ___    {/|川z┐
                ヽ匸二.‐-、ヽ  丿 レ /∧
                 弋__\ く __// 〃 ハ
                 /{⌒ヽヽ彡≪  /   ∧
                 ,l∧__ン   》_〃     ` ‐- 、__
              __/ !!`ー―― ´ {{           ` − 、_
         _ -‐    /ll          ||                `ヽ、
      ,   ´           ||、______/||  /                丶、


ついでだからこっちにも貼ってみた
917創る名無しに見る名無し:2009/08/13(木) 21:09:29 ID:NtcfcpVD
それならばHは俺がもらいますね
あと夏子さんにセクハラして怒られたいです
918創る名無しに見る名無し:2009/08/13(木) 21:29:19 ID:xLpYf2Sy
砂ぼうずが4年2か月ぶりの連載再開だそうな
長かったぜぇ…うすね先生
919創る名無しに見る名無し:2009/08/13(木) 22:15:07 ID:Vt0oB9sx
マジで!?
もうこのまま打ち切りでフェードアウトするんだとずーっと思ってた…良かったー

でも主役の小砂はもう…ちょっとだけ『砂漠の悪魔・てるてる坊主』ネタはやりたかったなぁ
920創る名無しに見る名無し:2009/08/13(木) 22:50:43 ID:mkDgXYmT
連載再開来たのか! これで勝つる!
小砂の代わりに夏子&雨蜘蛛がんばれ
921創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 01:50:44 ID:v6wOsoti
過去に鞭で叩いた人は感触で誰だか分かるネタ
をやりたいとか思ってる俺。
使いどころが全くないのがネックだ。
922創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 02:26:43 ID:YIpy+CRx
タママー!
暴走っぷりと空回りっぷりと嫉妬っぷりと腹黒っぷりが大好きだぜー!


企画時からロムってたけど、色々決める時の流れは神がかってたな
職人・住人の努力とksk神のご加護スゲー
923創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 02:41:36 ID:LBQMBam4
>>918
え?マジで?
もう作者死亡とかそういうレベルかと思ってたわw
ブクオフに売ったコミックスを買い戻さないとww
924創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 03:06:49 ID:iM8wSldf
めでたいね。
925創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 09:46:07 ID:oKAm3bkc
小砂主役の砂ぼうずは永遠に見れないのかと思ってた。
…うれしいけど、ここじゃあ小砂だけが死んでるという、うれくやしさw
926創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 18:28:07 ID:7i3taaJ3
朝倉さん、ヴィヴィオのペアはぜひ応援したい組み合わせ。
人間としてお互いに影響を与えながら成長し続けてるのが本当にいい。
927創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 18:48:16 ID:0/SPEIKK
しかし朝倉には今避けようの無い正体バレフラグが……

と思ったがスバルの正体もなんの抵抗もなく受け入れたなのは世界的には屁でも無いんだろうかw
むしろヴィヴィオ=聖王の器って情報の方がアレかも知れん
ネーミング的にリナが興味を示したりしないだろうか
928創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:47:37 ID:7i3taaJ3
そのうちペア投票とかもしてみたいな。
次放送で1日経過だしちょうどいいからその時に加えてみようかな。
朝倉ヴィヴィオの人造人間年齢一桁コンビ、スバルとガルルの軍人コンビ、kyonとナーガの主従コンビとか面白いのがたくさんあるしw
929創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 07:10:12 ID:DMr5NKr4
そろそろ500キロか
930創る名無しに見る名無し
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