仮投下乙
これで連帯責任になったらその場にいる人間は何をどうしてもペナルティを受けなくちゃいけないってことにならないだろうか。
白々しいけど雨蜘蛛は無関係を主張してたんだし。
小トトロの変身に関しては既に他の人がいってるように、気になります。
エンザイムを召喚じゃ駄目なんでしょうか。
仮投下乙!
感想は本投下の時に置いときますね
小トトロがエンザイムになるのは問題ないと思います
ガイバーの世界では人間は降臨者が獣化兵に調整した際に
最も強くなるように遺伝子操作を繰り返した結果の種です
ということは人間が誕生するまでに
ほかの動物にも調整を施していたということで、
獣化兵への調整は人間の特権ではありません
情報統合思念体が調整の仕組みさえ知っていれば
情報改変能力でトトロを獣化するのは容易いかと思います
気になる人が多いようなら人間Verのエンザイムと
見た目などの変化をつけたらいかがでしょう?
>>778 でも実際原作には人間以外の獣化兵は存在しないわけだし。
それに調製されたのは晶の世界の人類であって
別次元のトトロ種(?)をそう簡単に調整できるとは思えないんだが。
>>779 そこは長門の凄さって事で十分納得できるよ
んな事いい始めたらキリがないし
そもそも、トトロ自体が普通の動物ではないからなぁ……
幻獣とか妖怪とかそんな感じな存在に分類されるだろうし。
ていうか長門なら何でもあり!で思考停止するとkyonになるぞw
便利すぎる主催も考えものだな。
思考停止っつーか
まぁ実際原作からして何でもありだからなw
ガッツ使ったテレポートって物理的な転移じゃなくて魔法的ななにかだろうし
再構築に失敗して云々は科学的ななにかだよな?
ということはなのはの魔法でも同じことがおこりうるんだろうか。
まあ、見解の相異って奴だから矛盾や不満ではないけど気になった
魔法的でも科学的でもテレポートの原理って同じじゃないの?
理解、分解、再構築な錬金術的な何かでいいじゃない。
魔法の方も制限を無視して無茶したら同じことは起こると思うよ。
そ の と き イ デ が 起 こ っ た
紹介MADに続き組曲MADでもLCL化させたのがお気に召さなかったカヲルのぱぅわー
及び老朽化によりイデが発生した模様です
執筆・投下に使ってるPCの電源コードが火を噴いたぜorz
物理的イデなのでデータは無事なのですが残り10分なバッテリではにんともかんとも…
たいへん申し訳ありませんが一旦予約を破棄させてください
もしPCとネット環境を調達できた時に予約無しだったら
推敲済み部分だけでも投下したいなぁ…
把握しました
イデならしかたがないw
加持に……じゃない、火事にならなくてよかったw
しかし久しぶりに出たなカヲル君w
カヲル君またお前かwww
残念ですがイデなら仕方ないですね、予約がないようならまた投下してくださいね。
把握しましたー
久しぶりのイデの発現。
そんなに組曲のLCL化がお気にめさなかったのかカヲル君www
ちょwwカヲル君、ついに発火現象まで起こすかwwww
つかマジで大丈夫ですか?火を噴くって…
まったり環境整えてくださいー
791 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 11:59:26 ID:NXucvK9d
カヲル君がイデを発動させたか。そーとたまってたんだろうな。
数年前の話だが、俺もコードが火を吹いた事あるなぁw
あの焦げ臭いにおいが忘れられん…
う〜ん、ここまでトラブルが神がかっているとこのロワに恐ろしい何かを感じるな・・・・・・
Wiki編集者様は漫画ロワみたいにWikiのデータまでがイデる可能性があるかもしれないので警戒を!
書き手の方々は体調とパソコンの環境にお気をつけて!
読み手はひたすらカヲル君の怒りを沈めるべくkskだ!
ksk
ksk
ksk
ksk
ksk
ようやく復帰できました、多くの意見ありがとうございます。
問題としてあげられている部分について私の意見を述べさせていただきます。
・晶と雨蜘蛛はルール違反をしてないのに悪夢を見るのはおかしい
これはスエゾーの連帯責任だがより軽い懲罰として精神的なものに留めたつもりでした。
しかし指摘された通り明白な違反行為をしてませんので修正いたします。
・小トトロがエンザイムに変身するのは出展からしておかしい、長門の召還では駄目なのか
これは小トトロが支給された理由の一つとしてトトロ勢に対する人質、そして主催者のジョーカーとしての役目を与える為でした。
小トトロがスパイではないかという仮説が前になされており伏線として活用できるのと思ったのと、晶はエンザイムに因縁が有る為、
小トトロ自身すら知らない役目を与えて後に生かそうと思ったのでずか獣化兵はガイバー世界の人間から生まれないと不自然という点は見落としてました。
狙いがそこにある以上、召還では意味が無く、長門の説明で説得力を持たせようにも慎重な意見が多い以上ナシにしようと思います。
・スエゾーが死ぬと円盤石になるはず
これは完全にこちらのミスでした、修正いたします。
ただ上記の修正でスエゾーが死なない可能性も出てくると思います。
・状態表について
こちらも修正いたします。
ksk
え、スエゾー死ぬのか……MF勢の減りっぷりがキン肉勢に比べて酷過ぎるwwww
>>799 了解しました、修正がんばってください
本投下楽しみにしています
>>802 なんだかんだで参加者ももう半分近くが死んじゃったからねえ
現状生き残っている肉の五人も、何時死ぬか解らないし……やっぱりロワは地獄だぜ
>>799 了解ですー。
スエゾーが円盤石になる件については、アニメでは円盤石に変わるまでに
ちょっと間があったから、そこらへんの描写かと思ってたぜww
修正頑張ってください!酷な描写が細かくて面白かったんで、楽しみにしてます!
>>802 仮投下読んで、トトロ勢に続いてMF勢もついに残り1体になっちまうのかと思ったわw
しかしライガ―とピクシーもいるんだよなw
正確にはアニメキャラじゃないけどw
加えてもう一匹12時間ゲストが出てくる可能性があるんだよな。
っと、そろそろライガーが消えちゃうころか……
早いうちに合成して人懐っこい小悪魔を作ってくれ!
むしろいたずらっ子な桃色犬で……
アニメでは普通にオスだったけどね桃色犬…w
でも青白い毛皮をまとったもふもふピクシーは見てみたいが、これ完全にアニメ出典でなくゲーム出典になるんじゃというジレンマが
>>808 アニメ未登場らしい「ソンナバナナ」が出たくらいだ。
大丈夫でしょ。
>>808 お前……!
もふもふに性別なんざ関係ねえよ!
やんちゃにいたずらをして
いたずらを叱った時にちょっと耳とかが垂れたら最高じゃないか……!
つーか合成してほしいのは桃色犬なのに名前憶えてるのはミントのほうだという……orz
ちょっと魔物牧場にいってもふもふを愛でてくる。
名前は確かデトナクリスだったかな
アニメ版ではライガーの舎弟で、デトナレックス(ライガー×ディノ)とコンビだったっけ
デトナクリスとナーガ様の声の人、同じだったなw
スタッフロール見るまで気付かなかった。子供心に、声優の七色の声に感心したもんだ。
まぁナーガ様の声は全部エコーかかってるから分かりにくいっちゃ分かりにくいわなw
当時デトナレックスの見た目がなんか怖かった
>>812 本当にキャラによって全く違った声を出すから、声優は凄いよなあ……
そういやkskロワでは参加者に声優被りってあったっけ
カヲルとゼロス
スバルとHと小砂(まあなのは二人は原作からだが)
なのはさんに小砂が弟子入りした時は声繋がりで何か反応あると思ったんだけどなあ
気がついたら、ロワ参加率がやたら高い釘宮キャラがいない
死人と、未参加でも良ければフェイトちゃんとガイバーの瑞紀
一瞬瑞紀が釘宮ボイスなのかと思ったw
参戦作品見ても釘宮さんが声当ててるキャラが出てるのが無いような気がする
冬月さんの夢に出てきたクルル=青葉シゲル=子安も入るかな?
大変遅くなりました、今より本投下開始いたします。
空気というものはここまで変わるものなのか。
何故人はこうも容易く苛立ちや暴力的衝動に流されるのか。
(それはヒトの宿命、陳腐かつ永遠の課題)
今回のケースも同様だ。
ほんの数十分前、和気藹々とピザを囲んでいた雰囲気は既に無い。
顔ぶれも変わった、二匹の消失とその後の軋轢は大きな負の遺産を生み出した。
きっかけは放送、しかし始まりが何であれ分裂という最悪の結果を選択したのは紛れも無く彼ら自身であった。
先程の結束は砂のお城だったのか、仮初めの形だけの存在だったのか。
だとすれば崩れるのは当然の成り行き、やがては跡形も無く平らに戻る。
しかし時には固く締まりそのまま岩と化す事も起こりえる。
ただ見守ろう、崩れた城の行く末を。
―――残骸は、まだ辛うじて形を保っていた
『第一幕:燻る不安』
重厚な博物館の奥の院、そこにあるのは島を繋ぐ端末の一つ。
残された者はただ黙って画面の動画を眺めていた。
深町晶と雨蜘蛛、生まれも育ちも正逆の二人は先程から一言も言葉を交わしてない。
特に晶は雨蜘蛛の方を見ようともしない、時折肩を震わせるのは尚も感情を抑えきれない為か。
対する雨蜘蛛は静かだった、まるで柳のように向けられる感情を受け流している。
今再生されているのは『森のリング』の記録だった。
されど続くのは森に開けた芝生の光景、時々聞こえてくるのは小鳥のさえずり。
まるで環境ビデオを思わせる癒しの世界、肝心のイベントはまだ先らしい。
早送りするか、と雨蜘蛛がマウスに手を伸ばす。
だがポインタを合わせて後はクリックという状態でその動きが止まる。
代わりに空いている掌が画面の前で上げ下げされた。
―――コイツ、全然前を見てやがらねえな
腕を払いのけも抗議も発しないガイバーの反応に雨蜘蛛は確信する。
これから見るシーンに晶の知識が必要にならないとも限らない、世話を焼かせるなと苛立ちつつマウスから手を離す。
いつまで女みたいにウジウジしてやがんだ、と怒鳴りかけたその瞬間、
「……便利過ぎるんです」
いきなり晶が声を発した。
搾り出されたのは彼の中をずっと駆け巡っていた疑問。
”スエゾーは何故テレポートが出来たのか?”
主催者への苛立ちも含まれていた、もしテレポートが完全禁止されていたのならばスエゾーが死地に向かう事も無かったのだ。
ガイバーの制限に悩み、一方で仲間の能力を制限しろとは何とも虫のいい話だが不満を感じずにはいられない。
「俺のガイバーは空を飛んだり壁を砕いたりと強力に見えますが……本来よりかなり力が抑えられてます。
理由はいろいろ考えられますが、反逆を抑える目的があるだろうって事ぐらいは俺にだって判ります!」
晶は勢いのまま喋り続ける。
この怒りや訳のわからない現象をどうしても胸に溜めておけなかったのだ。
何故か雨蜘蛛は黙ったままだ、好きに吐かせて落ち着かせた方がやり易いという考えだろうか。
「それがさっき喚いてた制限って奴か? 俺にはそんな縛り感じられないがな〜」
いや、雨蜘蛛も何の気まぐれか口を挟む。
一見独り言だが問い掛けに近い、話を早く進める撒き餌の匂いを晶は感じた。
問いの答えは想像できる、恐らくは雨蜘蛛も判っていて言わせようとしているのだろう。
「全員に同じ縛りがあるとは考えられません……ガイバーや恐らくギュオーのように強過ぎる道具、人物に限って制限されているんじゃないでしょうか」
「ま、それなら納得だわな。てぇ事は何だ? スエゾーの奴がテレポート出来たのはおかしいんじゃねえかって思ってんのかよ?」
晶は無言で頷いた、わだかまりは残っているが他の感情がそれを上回る程に強いのだ。
ここにきて雨蜘蛛も晶の焦りを理解する。制限の存在とテレポートへの影響、面白い話じゃねぇかと男は考える。
映像に未だ人影は現れない、視線だけは前を見ながら男達の話は続く。
「確かにね〜、居所のわからない連中の元へ行き来できるような能力が使えるなんざ不自然だわな」
スエゾーや小トトロの生死など雨蜘蛛にとってはどうでも良い、しかし主催者がそのような抜け道を許すかどうかについては関心がある。
晶のガス抜きも兼ねて男は更なる撒き餌を投下する。
「考えられるケースは二つ……狙い通り主催者の元へ飛べたか、失敗してそれ以外の場所に行ってしまったかです」
「前者なら成功だがまず帰ってこれねえわな、後者なら何処まで飛んだのかって問題だわな〜。禁止エリアなんつー可能性もあるんだよな〜」
心から心配そうに語る晶に雨蜘蛛は茶化す。
晶は雨蜘蛛がそんな人間だと知ってる以上突っかかる気にもなれない、心配の余りギュッと拳を握り締める。
「閑話休題だ。こっちもようやくお出ましだぜ〜、見れば懐かしい顔じゃねえか」
ここにきて画面にも変化が訪れた、初めて見る蛇の怪物と二人にも見覚えのある0号ガイバーが現れたのだ。
その指が揃っているのを見て雨蜘蛛は一人ほくそ笑む。
(空を飛び指まで再生しちまう、全くガイバーって奴はとんでもなく便利な代物だわな〜)
ならば制限されているというのも無理も無い、関東大砂漠に有れば所有権を巡る戦争が起こっても驚かない。
残念なのは引き剥がす方法が解らない事だ、ここで晶に聞いても警戒を招くだけだろう。
(まぁ、晶も使い出があるしそっちは後回しだ。今はコイツを見るのが先決だからな〜)
蛇の化け物の名はナーガという事もすぐに解った、キョンが様付けで呼ぶところからして彼らは仲間というより主従関係らしい。
晶も少し落ち着いたのかちゃんと画面を見ているようだ、因縁有る相手の出現に身を乗り出している。
「このナーガって人は放送で名前を呼ばれてました……これから一体何が起こるんでしょうか?」
「俺から見てもキョンの小僧に裏切るような気概は見られねぇしなあ、やっぱ相手は違うんじゃねぇのか〜?」
真っ先に考えられるのは仲間割れ、だがどう見てもキョンはヘコヘコするだけでナーガも相手にしていない。
では、この後リングが出現するとしてナーガは何が原因で命を落とすのか?
暫く様子を見る事として話の続きが行われる。
「ま、普通に考えりゃ連中がよっぽどのマヌケでも無い限り懐に入り込むのを許す筈が無いよなぁ。今頃はどっかで悔しがってるんじゃねぇのか〜」
「……むしろその方が良いです、少しでもスエゾー達が無事でいられる可能性が有るのなら」
雨蜘蛛の言う通りだ、贔屓目に見てもスエゾーが本当に敵の本拠地に飛び込めた可能性は低いだろうと晶も思う。
それがどれ程無念だろうが生きててさえくれればきっとチャンスは来る、そう信じている。
―――だとすればスエゾーは何処に行ってしまったのか?
それが解れば苦労はしない。
ここで座ってなどおらず全力で駆け出しているだろう。
腕を組むが手掛かり無しの状態で晶に出せなかった。
「全くお前は頭を使う事を知らねぇ奴だな〜、ヒントはてめえのガイバーにあるだろうが。
テレポートの制限がわからねぇってんならまずそいつの例を挙げてみろ」
「……あ! やってみます!!」
思考のループに陥りかけた晶に助け舟を出したのは雨蜘蛛だった。
既知の例があるなら比較すればいい、考えるまでも無い事だ。
すぐに晶はガイバーに掛かっているそれを思い出す。
「攻撃手段の威力制限、傷の回復速度、消耗具合の悪化は身をもって経験してます。
それにガイバー同士はテレパシーって言う無線機みたいにお互い通信できるんですがそれも全く使えません」
「随分とガチガチじゃねえか。テレポートに当て嵌めりゃあ、どうなる?}
ガイバーの弱みを自然な流れで聞けたとは雨蜘蛛はおくびにも出さない。
一発で死ぬようなウィークポイントで無ければ意味が無い。
男の内心を知らずに晶は難問を解いた生徒のように夢中で喋る。
「移動距離の制限に 疲労が酷くなるだろう事、最後は……居場所の解らない相手にはワープ出来ないって事になりますね!」
「ピンポンピンポ〜ン♪ で、その距離が問題って訳だ。当然端から端までってのは贔屓過ぎるよな〜?」
画面では地面が割れ、地響きと共に四角いリングがせり上がっていた。
だが主と従者はそれを見て会話してるだけで未だ戦いが始まる様子は無い。
「ええ、直線距離で数エリア……いや一エリアに抑えられていたとしても厳しすぎる事は無いと思います」
「それでも連続で使用したら意味が無い、そんな便利な能力なら暫く動けなくてもおかしかねえ」
確かにその通りだと晶も思う、上手く使えばずっと殺し合いを避けて逃げ回る事も可能なのだ。
例えテレボート能力者が好戦的な人物だったとしても場合でもゲームバランスを崩しかねないと当然厳しい縛りがあるだろう。
「ならスエゾーは案外近い場所に居るって事じゃ!? 長距離のテレポートが出来ないなら禁止エリアにも引っ掛からないですし!」
「……てめえ本当にそんな能天気な事思ってんのか?」
希望を見出した晶に対し冷や水のような言葉が浴びせられた。
ちったあ考えろと晶を見もせずに雨蜘蛛は自らも加わった推理を全否定する。
「それでも厄介な能力なんだよ、テレポートつー奴は。少なくとも対抗手段が存在しなきゃあ許される筈がねえ!」
ここで考えられる対抗手段とはワープしても相手を見失わないサーチ能力か当たりをつけて一斉に広範囲を焼き払うような攻撃手段。
前者はデバイス、後者はゼクトールという例が存在するが雨蜘蛛は彼らの能力までは知らない。
だが実際は両者とも大幅に制限されており結果を見れば間違ってはいない。
例え一エリアであろうが回数制限があろうがテレポートを使える者はあまりにも突出し過ぎる、男にはその脅威が解るのだ。
「砂漠みたいな見通しのいい場所ならわからなくもねぇ。けどここは隠れる場所だらけだ、お前が言った通り便利過ぎる!」
「じゃ、じゃあスエゾーは一体!? 未知の制限がかかっていて何か問題が!? まさが本当に連中の元へテレポートを……」
言われて不安が急速に膨れ上がる。
心配のタネは晶自身気付いていた、スエゾーのテレポートに賭ける気合を見てしまったからだ。
万が一制限の枠を超えたのだとしたら考察など何の意味も成さない。
そう考えるとまた居ても立ってもいられない気持ちになってきた、これでは堂々巡りではないか。
「……静かにしろ晶」
その焦りを遮ったのはまたしても地獄の取立て人であった。
突然冷たい声と共に雨蜘蛛が晶の腕を掴む。
まるで氷に触れたように冷え冷えとした感触、感情さえも削ぎ落とされるような―――
意地を張っていたのも忘れ雨蜘蛛に顔を向けてしまう、臨戦態勢の男がそこに居た。
一体何に気付いたというのか?
雨蜘蛛は銃を抜き扉に射抜くような視線を向いていた。
だが今も流れる動画は一時停止もボリュームを絞る事も行われない、相手に気付いた事を知らせない為だという事は晶にも判る。
晶もすぐ扉に向き直り警戒した、背後の音声が空しく二人の間を通り抜ける。
―――スエゾーが帰ってきたのか?
その可能性が真っ先に浮かんだ。
しかしそれなら一声ぐらい有ってもいいはず、落胆してるとしてもオレやぐらいは言うだろう。
だとすれば―――敵が入り込んだか。
もはや二人に動画の事など頭に無い。
雨蜘蛛は銃を、晶はヘッドビームを何時でも撃てるように構えながら無言で入り口を注視する。
(スエゾー……でしょうか雨蜘蛛さん)
(俺に聞くな、ツラを拝めばすぐにわかる)
とん、と僅かに扉が揺れた。
間を置いてもう一度揺れる、先程より力が強くボールがぶつかったような音がした。
―――間違いなくその向こうには何かがいる。
しかし数分経過しても扉は開かない。
襲撃ならとっくに終わっている筈、さすがに雨蜘蛛も不審に思う。
一つの可能性に気付いて晶が動く。
(もしかして誰かが助けを求めに来たのかもしれません、俺が行って開けてみます)
(声も出せない程重傷って訳か〜? まあお前さんの好きにしな)
都合良く自ら先鋒を買って出た晶の背後に雨蜘蛛が続く。
扉の両側にそれぞれが立ち、晶がドアノブに手を掛けて一気に開け放つ。
―――次の瞬間、世界から時が消えた。
またしても空気が変わる。
鉛の様に重かった空気は凍えるように凍りつく。
誰も見ていない映像は尚も空しく流れ続けていた―――