kskアニメキャラバトルロワイアル Part28

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1創る名無しに見る名無し
            _,-ー'´           `'´<._
            >           \  l    \
         _∠´            >Nレ'     ヽ_      __________________________
         /                       1‐-   /
         /.:::  ..:                      ',   .| ここは、安価で決定されたアニメ作品のキャラクターによる
        /::::.: .:/   ...::  ..:/    l: l:.        ヘ、  | バトルロワイアルパロディの企画スレさ。
        /イ:::: .::/   ..::::/ /l    / ノ \ヽ::..:. :. :. l:. l`  | 
         l.::イ  .:::::::/:/  レi   /:: /_.. -ー\‐、l:: l:. ∧!  .| この企画はその性質上、版権キャラの残酷描写や死亡描写が
         j:::::l .:: .::://ナこニ;ミl:: /:/l::/7Z=サナ‐ャ.〉l:: |:リ '  | 登場する可能性がある。苦手な人は注意してくれ。
         ノ:::::|.::リ l.::/<'ヘ::リ..`,l:/l´ l/  " ヾ-' " /f`|! |'    .| 
       /-イl::i:l´リl/X   ̄ /         /)ソ:l::リ..    .| なお、本企画は他板に存在する同様の企画とは一切関係ない。
          l:/::|::::|、Kヘ      〈L      /-'/|/    < 混同しないように気をつけて欲しいところだね。
          /´l/ヽ:l::::::::::\   ー- - -一'  , '::/        |
             ノノl/V|::::`-、,.      /l |/′        | それから、僕と目が合ったそこのキミ。
                 l´  |:::`' -、_,/ .|           |         好意に値するよ……『好き』ってことさ♪
                    |::       |           \__________________________
                 _-ー」:::..      ト、__
                /i7:::ノ:::::..      ',l  l、
               ../::: `ー、_::::::..    ..::r'´  ト、
             _/´レ:::: /`ー`):::-、:. -‐十⌒〉 \ `ー、 
            /∠´-ー┘::::「{...____.. -‐|! く.___\  `ヽ、
        _,.-''´     .了 / |::三=ー ̄:|:\  ` ̄、    `ヽ、
     _,.-'´     _,-'´   `ヽ、l、::::::::::::::::::::/:/     ``-、   `ヽ
前スレ
kskアニメキャラバトルロワイアル Part27
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1245766157/


避難所したらば
http://jbbs.livedoor.jp/anime/7056/


まとめwiki
http://www39.atwiki.jp/kskani/


過去スレや参加者は>>2以降に
2創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 01:04:58 ID:nO2Ca+O3
過去スレ
kskアニメキャラバトルロワイアル Part26
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1243065623/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part25
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1241620804/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part24
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1240388302/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part23
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1237377384/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part22
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1235397738/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part21
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1233661828/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part20
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1231683608/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part19
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1230679406/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part18
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1229845601/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part17
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1229267673/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part16
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1228743088/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part15
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1227535172/
kskアニメキャラバトルロワイアル(実質14)
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1226591287/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part13
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1225463936/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part12
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1224586241/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part11
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1223734166
kskアニメキャラバトルロワイアル Part10
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1223212911/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part9
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1222568380/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part8
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1222005228/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part7
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1221486079/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part6
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220958994/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part5
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220615940/
kskアニメキャラバトルロワイアル Part4
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220359994/
kskアニメキャラバトルロワイアル part3
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220120311/
アニメキャラバトルロワイアルin創作発表part2
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220104445/
アニメキャラ・バトルロワイアルin創作発表
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220012845/
3創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 01:06:47 ID:nO2Ca+O3
よろしいならば参加者だ


3/6【涼宮ハルヒの憂鬱】
○キョン/●涼宮ハルヒ/○朝倉涼子/●キョンの妹/○古泉一樹/●朝比奈みくる
5/6【キン肉マンシリーズ】
○キン肉スグル/○キン肉万太郎/○悪魔将軍/○ウォーズマン/●アシュラマン/○ジ・オメガマン
2/6【モンスターファーム〜円盤石の秘密〜】
●佐倉ゲンキ/●モッチー/○スエゾー/●ホリィ/○ハム/●ナーガ
4/6【魔法少女リリカルなのはStrikerS】
○高町なのは/○スバル・ナカジマ/●フェイト・T・ハラオウン/●セイン/○ノーヴェ/○ヴィヴィオ
3/5【ケロロ軍曹】
○ケロロ軍曹/●日向冬樹/○タママ二等兵/○ドロロ兵長/●ガルル中尉
2/4【スレイヤーズREVOLUTION】
○リナ=インバース/●ゼルガディス=グレイワーズ/○ゼロス/●ラドック=ランザード
1/4【新世紀エヴァンゲリオン】
●碇シンジ/●加持リョウジ/●惣流・アスカ・ラングレー/○冬月コウゾウ
2/4【強殖装甲ガイバー】
○深町晶/●アプトム/●ネオ・ゼクトール/○リヒャルト・ギュオー
3/4【砂ぼうず】
○水野灌太(砂ぼうず)/●小泉太湖(小砂)/○川口夏子/○雨蜘蛛
1/3【となりのトトロ】
○トトロ/●草壁サツキ/●草壁メイ


26/48


地図はこれだよ!
http://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/free_uploader/src/up0258.png


こちらは現在位置だよ!
http://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/free_uploader/src/up0253.png
4創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 01:08:29 ID:nO2Ca+O3
【――カヲル君からのお願い――】


            ___,,,.................,,___    \                  / キャラクターの状態を把握しやすくするために、
           ´  >'"¨'''ー- ...,,__¨`\  ヽ\                |  SSの最後に以下のテンプレを挿入してくれ。
           _/_,,.... -─-- ..,,_\ \ i  ヽ               | 
          /   `>          \  \  i\  i            |  【場所/時間帯】
       /-‐ァ /  ___        \ヽ    i  /           |   【名前】
      / /// /    _,,..二ニ=        ',i  //           |   【状態】
       //,.7'" _,,.. -‐'''"、‐-..__.... -──- 、  レ   、 ̄`\         |   【持ち物】
        /,..イ/   「¨,ゝ、=ニ二             \¨、`\       |   【思考】
       //// Z ヽマラ''"  -‐‐-        、  \ \    __ | 
         //    _=ニ二__....   _二ニ= ,     il   ',   ',/ ̄    |  時間帯の区分は以下の通りだ。
     ___,イ,'      、_ノ _,.-‐ニ二、-‐ニイ      ll \. i  ',. ',    / |  0〜3時:未明
   /  フ ,   、  '"、    -.、、\. /i ∧   /l  ∨   ',_',  ,.イ   |  3〜6時:明け方
"\'-─- //!,'    丶       ヽ,仏、 / レ' ',  /| l __,,... -‐ム''"    <  6〜9時:朝
   \‐-、  ,'       \    Z ヾ-イ .//  /',/ /レ'''"/ /        |  9〜12時:昼前
        //ヽ      `     Z `>ソ /  /_/ ,.イ /          |  12〜15時:昼過ぎ
、 ,. ‐‐--‐'''"_,.! \     _,,.. -‐- ..,,__,,.. -‐'''"      /   .         |  15〜18時:夕方
/   / ̄       ̄>'''"     /          /  .          |  18〜21時:夜
__/__........___/  -‐==- イ           /  .           |  21〜24時:夜中
             /   /          ,.-‐''"              |
                                              \ 三時間区切りだから、割とアバウトでいいと思うよ。



【放送】
6時間に一度ゲームマスターからの放送があり、死亡者と禁止エリアを発表します。
禁止エリアは>>101>>102>>103……という形で書いてもらい、安価で決定されます。
キャラクターの時間を進めるのは自由です。
しかし、放送時間までたどり着いたら一度ストップ、他のキャラ達が追い付くのを待ってください。
ほとんどのキャラが放送時間にたどり着き、放送がされたら再び時間を進められます。


次の放送は24時です。
5創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 01:10:58 ID:nO2Ca+O3
【予約】
予約はこのスレ内で行います。
トリップをつけて「○○(キャラ名)と××を予約します」と宣言して下さい。
予約期限は原則として3日ですが、「ちょっと待って」で2日ほど延長が可能です。
さらに事情があったりするときは追加の延長もできます。
ただし連発は出来る限り避けましょう。
延長したい場合は、再び予約時と同じトリップをつけて延長を申請して下さい。
何らかの理由で破棄する場合も同様です。キャラ追加予約も可能です。



 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 |  あーーーーーっと!!!ここでお願いが入ったぁぁぁぁ!!!                   |
 |  次スレは>>950を踏んだ人が立てて下さい!                                   |
 |  そしてテンプレもhttp://www39.atwiki.jp/kskani/pages/290.htmlに置かれております!!  |
 |_______________________________________|
     ∧ | ∧  
    ,i  |_,! i、  
   i .。 |_ 。, `i 
    i -ー、―-、 | 
   i ,/"^ヘ^i i 
   i i'       | | 
   i ヽ_,._,/ ,' 
    ゙ー---―' 
6創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 01:15:52 ID:psUftoVc
      /| ,/|          ヽ_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ノ
      く K 」    m        )                   (
 ? _r'"    `ヽ  ノ        )  >>1乙だよトトロー!     (
 ミ(~ ゜-‐    ミ    ズボォ   )                   (
  ,i'" ''ヾ`ヽ    ミ       __Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
 i'^ ヘ  `l    ミ⌒`⊃ ==--- ̄ ̄
 |   ^       "ミ
            _ヽ
     "'"'゛''""''''゛""´
7創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 01:18:56 ID:KFYZHCdd
      /| ,/|          ヽ_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ノ
      く K 」    m        )                   (
 ? _r'"    `ヽ  ノ        )  >>1乙だよトトロー!     (
 ミ(~ ゜-‐    ミ    ズボォ   )                   (
  ,i'" ''ヾ`ヽ    ミ       __Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
 i'^ ヘ  `l    ミ⌒`⊃ ==--- ̄ ̄
 |   ^       "ミ
            _ヽ
     "'"'゛''""''''゛""´
8創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 01:44:06 ID:psUftoVc
規制されているようなので0O6axtEvXI氏の作品を代理投下します!
「これは……」

切り替わったノートパソコンの画面を見て、その場の全員が息をのむ。
そこに表示されているのは、この殺し合いの会場となっている島の地図。
その各所にいくつもの名前と時刻が記入されている。
そして、記入されている全ての名前に三人は覚えがあった。

「フェイト、ちゃん……」
「ゲロ……冬樹殿、ガルル中尉……」
「……死亡した者たちの位置と、その時刻か」

『第三回放送までの死亡位置・時刻』と地図の横に書かれているのが冬月の目に入る。
時間に関しては「朝」や「夕方」等かなりアバウトであったが、死亡した順番も書かれておりそれを考慮すればかなり有利となり得る情報だ。

例えば学校近辺を見てみる。
殺し合いの開始からそれほど経たない内にケロロの知り合いでもある日向冬樹が殺され、別所のフェイト・モッチーを挟んで明け方には涼宮ハルヒという人物が殺されている。
つまり朝方あの付近には危険人物が潜んでいたはずだ、同じころなのはがズーマと名乗る男と交戦している、小砂を殺そうとしていたということも考えると、二人を殺したのもこの男である可能性が高い。
冬月も同じころには市街地の東に入っていたがその男とは出会っていない、このことから恐らくは南下したか、学校に潜んだかと予測が立つ。
更に昼頃なのはが再びズーマと交戦した、そしてその後の夕方、小砂と佐倉ゲンキの二人が近辺にて殺害されている、一連はズーマの犯行と見て間違いないだろう。
……これにより、ズーマという男の殺し合い開始からつい先ほどまでの行動ルートが特定できた、上手く使えば大きなアドバンテージとなる。

他に目を引くのは加持とキョンの妹の死亡位置。
そこに記された加持の名前にわずかに目を伏せるが、悔むだけではそれこそ彼の死は無駄となってしまう。
彼らと自分達が別れたのは昼前だった、そして加持が死亡したのが昼過ぎ。
あの部屋にあった転移装置でH-4まで飛ばされ、そこで何者かの襲撃を受けたといったところか。
近くの死者を見れば、掲示板で危険な相手と書かれていたナーガが夕方に死亡している。加持がナーガに殺され、そのナーガをタママが殺した……という図式も一応は成り立つ。

(しかし、やはりこの件に関しては決め手に欠けるな)

せめてもう少し詳しく時間が出ていればよかったのだが、と思うが無いものねだりをしても始まらない。
続けてキョンの妹へと目を移す。
彼女に関して自分たちが知っていることは何もないに等しい、気になったのは死亡位置だ。

「やっぱり、ただ脱出するだけじゃダメみたいですね」
「ゲロ、用意周到でありますな……」

二人の声に頷き同意する。
彼女が死亡したのは海上……それも地図の外のようだ。
なのはのような魔法で空を飛んでいったか、それともイカダのようなものでも用意したのか、何らかの方法で島からの脱出を試みたのだろう。
だが、草壁タツオ達は脱出しようとする彼女を殺害した、共に脱出しようとした他の参加者に殺されたという可能性もあるが、この島から脱出したというのに殺す理由は少ない、可能性は低いと思われる。
ただ脱出するだけでは草壁タツオ達の手から逃れられない、そのことを認識させられ思わず表情を顰めてしまう。

「そういえば……」
「何かね?」
「いえ、この位置や時刻って、どうやって調べてるのかなって」

なのはの言葉にハッとし周囲を見渡す。
その程度では目当ての物は見つからない。

「冬月殿、どうしたのでありますか?」
「監視されているとは思っていたが、具体的にその監視方法に考えを回していなかった事に気づいてね、このままでは脱出方法を見つけたところで向こうに筒抜けになってしまうかもしれん」
「あ……!?」
「げ、ゲロッ!?」

わずかに焦りの感情を出しながら首輪に触れる。
自分たちは殺し合いを望む草壁タツオ達にとって面白くない会話を繰り返している。
そんなこと不可能だと思われているから見逃されているのだろうが、実際に脱出できそうになったらこの首輪によってLCLとされかねない。
脱出に関する情報については筆談を……とも考えたが音声だけの監視なはずがない、焼け石に水だろう。
二人もどれだけ危険な状況か理解できたのだろう、顔を青くしている。
「……とにかく、今はそのことを悩んでも打つ手はない。今後はより慎重に行動をすることとしよう」
「わかりました……」
「りょ、了解であります」

些か気落ちしているが、それは仕方のないことだろう。
一先ずこの先どう動くかを話そうとし、

「……? 今何か聞こえませんでしたか?」
「ゲロ? 吾輩は何も……」
「念のため静かにして様子を見よう、高町君、何が聞こえたのかね?」
「えっと、何か木が折れるような、めきっって音が……」

『うわああああああああ!?』

「悲鳴!? 二人はここで待っててください!」
「ゲロ! 高町殿、一人では危険であります!」
「二人とも待ちたまえ――ぐっ……」

聞こえてきた悲鳴になのはが駆け出し、ケロロがそれを追いかける。
冬月は二人を止めようとするが、老いた身体に戻ったことにより腹の傷が痛みだしその場に蹲ってしまう。





……俺は何やってんだ。
何度も踏み止まるチャンスはあったはずだ、何度も何度もうざったくなるほど色んな奴が一線越えちまった俺を引き戻そうとしてたじゃないか。
それを全て無視して、みんな振り払って、それでいて結局俺は元の場所に戻りたがってやがる。
なぁ『俺』、お前が言いたかったのはこう言うことなんだろ? 
俺はただ強がってるだけ、偽善者だのなんだの言って突き放してるくせに、まだ諦めずに引き止めてくれなんて情けないことを願ってる大馬鹿野郎。

…………

ははっ、ハルヒどころか『俺』すらでてこないなんてな、自分にも見限られるとはいよいよもって危ないな。
……もう止めにするか? 長門が生き返らせてくれるのは一人だけ、他のみんなは……
それよりもスバルやウォーズマンと一緒に長門に反抗して……

「はっ」

馬鹿げてる、そんな事は不可能だとナーガのおっさんが身を持って教えてくれたじゃないか。
それに、長門に勝ったところでみんなを生き返らせてくれるとは思えない。
もう朝比奈さんも死んだ、『あいつ』も死んだ、ハルヒも……死んだ。
俺の知り合いは三人も死んだ、しかもこの全員が俺のせいで死んだも同然なんだぞ。
今更あの日常に戻ってどうしろっていうんだ? 長門をどうにかしたところで、古泉と俺の二人だけのSOS団なんて……

ああ、どうしてこうなっちまったんだろうな。
ガイバーになろうと根本的な疲労まではどうにもならない、もう体も心も限界に達してる、何も考えずにぐっすりと眠りたい。
この殺し合いに参加させられてからもうすぐ丸一日、ゆっくり眠れたことなんてありやしない。この島で気絶すると決まって『俺』が出てくるしな……

『――ヴォ』

噂をすれば、って奴か? 随分遅かったじゃないか『俺』。
……いや待て、「ヴォ」って何だよ? 『俺』は獣になった覚えは――




「ヴォ」
「…………………うわああああああああ!?」

今俺のことを情けないとか思った奴は考えてみるがいい。
心身ともにボロボロな状態で気絶して、次に目を開けたら何故か全身ずぶ濡れで目の前にどでかい化け物がいるんだぞ!?
化け物自体はナーガのおっさんやらギュオーとかいう奴やらで見なれたとはいえ、心構え抜きにドアップで迫られたらそりゃあ怖い。
しかも視線をずらせば明らかに普通の生物ではない方々が揃って俺のことを見ていやがる。

「な、なんだ、俺を食ってもうまくないぞ!」

ガイバーは相変わらずどれだけ念じても来てくれない、今こいつらに襲いかかられたら俺は数秒でおいしく頂かれてしまうだろう。
それ以前に俺は今どうなっているんだ? お湯に入れられているみたいだが、もしや煮込まれているのだろうか? なんてこった、料理ができる獣がいるなんて。
ちくしょう、こうなりゃ素手でもやれるだけやってやる、まだ全身は痛いし気を抜いたらまたぶっ倒れちまいそうだが、このまま黙って獣の餌なんて絶対にごめんだ。

『落ちついてください、こちらに危害を加える気はありません…………恐らく』

な、何だ今の逆に不安になる声は!?
いや、落ち着け俺、似たような響きの声を聞いた覚えがあるぞ?

『できれば彼らを刺激しないようにしてください、私と話していただけると嬉しいです』
「……わ、わかった、あんたを信用する」
『ありがとうございます』

そうだ、この機械音声、スバルが持ってたあれと同じ感じだ。
それならきっと俺に危害を加えるような思考はしないだろう、スバルの仲間っぽかったし、あいつの仲間なら他人を傷つけるような真似はしないだろうしな。
交渉次第では俺が体を休める間、この獣たちに守ってもらえるかもしれん、何とかしてガイバーを戻さないと今の俺は自衛手段すら乏しいからな。

『そうですね、何から話せば……まずはここにおける状況を』
「止まりなさい! その人から離れて!」
「ゲロ―!? なんでありますかこの動物たちはー!」

……ほんと、休む暇ぐらい欲しいもんだぜ。





『やはりここは殺し合いの場なのですね……Ms.高町と合流できて助かりました』
「ううん、ケリュケイオンも大変だったね」
「キュルー」
「ん、フリードもね」

「無事だったからよかったが、あまり無茶な行動は控えてもらいたい」
「げ、ゲロ、申し訳ないであります」

「ガウ……」
「ヴォ」

何ともカオスな光景が俺の前に広がっている。
羽の生えたごついトカゲのような生き物の足についた宝石と会話する少女、カエルを人間っぽくデフォルメしたような生物を諌めるおっさん、何だか落ちつきのない狼をなだめるどでかい化け物。ついでに俺はずぶ濡れになった服を脱いで浴衣を着ている。
……頭が痛くなってきそうだ、俺自身ガイバーなんかになったり性悪妖精なんかと会話したりもしたが、まだ常識ってやつを捨て切れていなかったらしい。

「それで、キョン君だったかね?」
「あ、はい……」
状況を解説すると俺は煮込まれていたわけではなく温泉に入れられていたらしい、動物なりに俺を助けようとしたのだろうか? その気持ちは感謝するが気絶した人間をお湯にぶち込んだら溺死しかねないぞ。
俺に話しかけていたのはケリュケイオンというデバイスって奴だそうだ、俺を助けようと勇敢にも化け物に向かっていったなのはちゃんと知り合いだとか。
……そのなのはちゃんが首にかけているマッハキャリバーとかいうのはスバルの相棒だと言っている、やっぱりあいつの知り合いだったんだな。
それはともかく、なのはちゃんとケリュケイオンが知り合いだったおかげでこの獣たちと戦うはめにならずに事態は収まり、なのはちゃん達の仲間である冬月さんのとこまで連れてこられたってわけだ。
勿論俺が殺し合いに乗っているなんてことは伏せている、ガイバーがない今これだけの数の相手と戦うなんて不可能だしな。
それに……どうにもなのはちゃんと話しているとやりにくい、今の俺には『あいつ』を思い出す年頃の女の子の相手は無理がある。
話がずれた。殺し合いのことを伏せているとはいえ、それまで何やってたかを聞かれると面倒だ、適当に嘘をついて後々ばれるとやっかいだし、こんな短時間で筋の通った嘘を思いつくほど俺の頭は回らない。
ならどうしたかって? 聞いて驚け、画期的な方法だ。

「記憶がない、ということだが……」
「記憶っていうか、覚えてないのはここの事だけですけどね……殺し合いなんて冗談でしょう?」

…………笑いたきゃ笑えよ、咄嗟に浮かんだのはこれぐらいだったんだ。
だがこんな自分でも笑いたくなるようなアイデアは意外と効果があるようだ、三人とも俺を同情するような目で見てくる……やめてくれ、そんな顔したって俺はもう戻れない。

『外傷がいくつか見受けられます、恐らく何者かに襲われ、そのショックで一時的な記憶障害を引き起こしているのでしょう』
「そうだよね、突然こんな場所で殺し合いなんてさせられて、大丈夫なわけないよ」
「ゲロ、ですが安心してくださいキョン殿! 必ず我々がお守りするであります!」
「はあ、どうも……」

こっちが言い訳する間もなく勝手に納得してくれる。
その上守ってくれるっていうんだから俺にとっては願ってもないことだ、こいつらはスバルと同じような根っからの善人らしい。
注意するべきは何考えてるのかわからないこの獣たちと冬月さんか、疑ってるってわけじゃなさそうだが、一人だけ俺の事を見ては何かを考えこむ素振りを見せてやがる。

「……二人とも、相談がある」
「ゲロ?」
「何ですか?」
「彼にこれを見せたいと思うのだが……」

彼、ってのは俺のことだろう、置かれているノートパソコンを見ながら冬月さんが言い、その言葉に二人は表情を強張らせる。
パソコンか……なるほど、掲示板を見れば俺の知り合いである朝比奈さんや古泉に関することが書いてあるしな。
大丈夫だ、前もって覚悟しておけばそのぐらいで何かボロを出しちまうこともないだろう。

「冬月さん、でも……」
「いずれは分かることだ、手荒い方法ではあるが、これによって記憶が戻る可能性もある」
「げ、ゲロ……」

おいおい、確かに知り合いのことを悪く書かれてるってのは気分がいいもんじゃないだろうが、そこまで渋るものか?

「あの、何かは知らないですけど俺なら構いませんよ」

このまま押し問答を続けられても面倒だ、自分からパソコンの前に移動する。
画面には二匹のもふもふとしか形容しがたい生き物が映し出されている……ん? こいつら、この化け物と似ているような……いや、それ以前にこの小さい方はガイバーショウと一緒にいた奴じゃないか!?

「……」
「うぉ!?」

思わず化け物に視線を移そうと思ったら、いつの間にかすぐ横まで来て画面を覗きこんでいやがった、この巨体でどうやったら気づかれないように動けるんだ。
画面に穴が空くんじゃないかと思うぐらいじっくりと見つめ、とても悲しそうに目を伏せた、気のせいか周りの獣たちも悲しげに見える。
やはり何か関係があるようだが、あいにく俺はこいつの言葉など解りはしない、迂闊な行動をしちまうより先にとっとと話を進めたい。
「えっと、見せたいのってこの画面ですか?」
「いや、その先だ……君にとってかなりつらいものだが、本当にいいんだね?」

頷いて答える。そんなこと言われたって、記憶のない人間の選択肢なんざ一つしかないだろう。
何、大丈夫だ。朝比奈さんたちの名前を見て、ちょっとショックを受けたようにしながら「はは、ネットなんて根も葉もない悪口ばっかですよ」とでも返してやればいい。

「わかった……ケロロ君、頼む」
「了解であります」
ネットを開き、そのまま掲示板へ行くのかと思いきやカーソルは掲示板の文字を通り過ぎてkskと書かれた項目をクリックする。
そういえばこんなのもあったな、確かまったく答えの解らない質問ばかりでてきて結局先に進めなかったはず。
こいつらはあの問題を解いたっていうのか。

「『ケロロ小隊の中で赤い体をした者の名前は?』 ギ・ロ・ロ、と……」

……確かケロロ軍曹とか名乗ってたな、こいつにしか解けない問題ってわけか。
そういう仕組みなんだと理解しても、何だか理不尽に感じてしまう。自分の仲間の名前なんて考えなくてもわかるじゃないか。
まあそれは置いておこう、この先に何が書いてあるのかはちょっと気になるしな。
俺は画面に目を移すが、そこに出ていたのは何度も見たこの島の地図だ、ただ何人かの名前が書き込まれて……

「っ―――――」

『その名前』が何を意味するかを悟り、俺は突然襲ってきた吐き気を堪えるように口元を抑える。
ダメだ、見るな、考えるな! くそっ! 何でぶっ倒れたい気分だってのに俺の目は動かない!?

「う―――あ……!」
「大丈夫かね!?」

冬月さんが俺の肩に手をかけたようだが、それを感じる感覚すらないみたいだ、しっかりと床を踏みしめているはずなのに足元が頼りなく、まるで宙に浮かんでるような気分になる。
こんなになってもまだ俺の目は動かない、地図に記された『キョンの妹』という文字から目を逸らせない。
ハルヒは、俺が殺した、朝比奈さんは、位置から考えて雨蜘蛛のおっさんに殺されたんだろう、そこまではわかる。
なら、『あいつ』を殺したのは誰だ!? 何で死亡位置が地図の外なんだよ!?
朝比奈さんが死んだのが夕方、『あいつ』が死んだのも夕方、雨蜘蛛のおっさんの仕業とは考えにくい。
違う、考えにくいのは雨蜘蛛のおっさんだけじゃない、参加者全員だ。
だって地図の外ってことは、この島から逃げだしたってことだろ? そこで誰に殺されるっていうんだよ? そんなことする奴、あいつらしかいないじゃないか。

「あ、ああ……!」
「いかん、ケロロ君どこか寝れる場所を探してくれ、休ませた方がいい」
「ゲロ!」

長門が、『あいつ』を殺した……!?
そりゃあ、殺し合いをしないのは困ると草壁のおっさんも言っていた、だけど逃げ出した奴まで……
いや、何を言ってるんだ俺は、逃げだしたら殺されるのは当たり前だろう、だから空を飛べる奴だってこの島に残っているんだ。
違う、俺が言いたいのはそんなことじゃない、『あいつ』が、長門が……

「う……が――」
「キョンさん! しっかりしてください!」
――やめろ。
その眼で、その姿で俺を呼ばないでくれ。
スバルと同じ眼で、『あいつ』と同じ背格好で。

『何を今更動揺してるんだ?』

――っ! 声だけで出てくるとは器用な真似だな、『俺』!

『あいつが死んだことを悲しんでるのか? あいつを殺してほしいと頼んだくせに?』

――うるせぇ……!

『長門があいつを殺すのがそんなに意外だったのか? とっくにわかってたことじゃないか』

――黙れよ……俺が悲しむなんてふざけたことだってことぐらい、わかってんだよ!

『……ああ、そうだよな。それでも』

――そうだよ、それでも……!

「ふぇ!? きょ、キョンさん!?」

あいつは、たった一人の……

「う……」

俺の、妹だったんだよ――――!

「うわああああああああああああああああああああああああああああ!!!」



【G-2 温泉内部/一日目・夜】

【名前】キョン@涼宮ハルヒの憂鬱
【状態】ダメージ(中)、疲労(大)
【持ち物】デイパック(支給品一式入り)
【思考】
0:ちくしょう……!
1:手段を選ばず優勝を目指す。参加者にはなるべく早く死んでもらおう。
2:ガイバーが戻るまで記憶喪失のふりをして冬月達に守ってもらう。
3:採掘場に行ってみる?
4:ナーガが発見した殺人者と接触する。
5:ハルヒの死体がどうなったか気になる。
6:妹やハルヒ達の記憶は長門に消してもらう。

※ゲームが終わったら長門が全部元通りにすると思っていますが、考え直すかもしれません。
※ハルヒは死んでも消えておらず、だから殺し合いが続いていると思っています。
※みくると妹の死に責任を感じて無意識のうちに殺し合いを否定しています。
 殺す事を躊躇っている間はガイバーを呼び出せません。
【高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】9歳の容姿、疲労(中)、魔力消費(中)、温泉でほこほこ、小さな決意、はいてない
【服装】浴衣+羽織(子供用)
【持ち物】マッハキャリバー@魔法少女リリカルなのはStrikerS
     リボルバーナックル(左)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
     ハンティングナイフ@現実、女性用下着上下、浴衣(大人用)
【思考】
0、キョンさん……
1、冬月、ケロロと行動する。
2、一人の大人として、ゲームを止めるために動く。
3、ヴィヴィオ、朝倉、キョンの妹(名前は知らない)、タママ、ドロロたちを探す。
4、掲示板に暗号を書き込んでヴィヴィオ達と合流?


※「ズーマ」「深町晶」を危険人物と認識しました。ただしズーマの本名は知りません。
※「ギュオー」「ゼロス」を危険人物と認識しました。
※マッハキャリバーから、タママと加持の顛末についてある程度聞きました。
※夢成長促進銃を使用し、9歳まで若返りました。


【冬月コウゾウ@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】元の老人の姿、疲労(大)、ダメージ(大)、腹部に刺し傷(傷は一応塞がっている)、決意
【服装】短袖短パン風の姿
【持ち物】基本セット(名簿紛失)、ディパック、コマ@となりのトトロ、白い厚手のカーテン、ハサミ
     スタンガン&催涙スプレー@現実、ジェロニモのナイフ@キン肉マン
     SOS団創作DVD@涼宮ハルヒの憂鬱、ノートパソコン、夢成長促進銃@ケロロ軍曹
【思考】
0、むう……
1、ゲームを止め、草壁達を打ち倒す。
2、仲間たちの助力になるべく、生き抜く。
3、夏子、ドロロ、タママを探し、導く。
4、タママとケロロとなのはを信頼。
5、首輪を解除する方法を模索する。
6、後でDVDも確認しておかねば。


※現状況を補完後の世界だと考えていましたが、小砂やタママのこともあり矛盾を感じています
※「深町晶」「ズーマ」を危険人物だと認識しました。ただしズーマの本名は知りません。
※「ギュオー」「ゼロス」を危険人物と認識しました。
※マッハキャリバーから、タママと加持の顛末についてある程度聞きました。
※夢については、断片的に覚えています。


【ケロロ軍曹@ケロロ軍曹】
【状態】疲労(大)、ダメージ(大)、身体全体に火傷
【持ち物】ジェロニモのナイフ@キン肉マン、
【思考】
0、休憩場所の確保であります!
1、なのはとヴィヴィオを無事に再開させたい。
2、タママやドロロと合流したい。
3、加持となのはに対し強い信頼と感謝。何かあったら絶対に助けたい。
4、冬樹とメイと加持の仇は、必ず探しだして償わせる。
5、協力者を探す。
6、ゲームに乗った者、企画した者には容赦しない。
7、掲示板に暗号を書き込んでドロロ達と合流?
8、後でDVDも確認したい。
9、で、結局トトロって誰よ?

※漫画等の知識に制限がかかっています。自分の見たことのある作品の知識は曖昧になっているようです
【トトロ@となりのトトロ】
【状態】腹部に小ダメージ
【持ち物】ディパック(支給品一式)、スイカ×5@新世紀エヴァンゲリオン
     フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS
     ライガー@モンスターファーム〜円盤石の秘密〜、ピクシー(疲労・大)@モンスターファーム〜円盤石の秘密〜
     円盤石(1/3)+αセット@モンスターファーム〜円盤石の秘密〜、デイバッグにはいった大量の水
【思考】
1.自然の破壊に深い悲しみ
2.誰にも傷ついてほしくない
3.????????????????

【備考】
※ケリュケイオンは現在の状況が殺し合いの場であることだけ理解しました。
※ケリュケイオンは古泉の手紙を読みました。
※大量の水がデイバッグに注ぎ込まれました。中の荷物がどうなったかは想像に任せます
※男露天風呂の垣根が破壊されました。外から丸見えです。
※G-3の温泉裏に再生の神殿が隠れていました。ただしこれ以上は合体しか行えません。
※少なくともあと一つ、どこかに再生の神殿が隠されているようです。


[備考]
ノートパソコンから"ksk"に接続するとケロロ世界のキーワードが尋ねられるようです。
ノートパソコンのkskコンテンツから得られる情報は『死亡者の位置と時刻』。
更新は放送毎、放送時に死亡していた参加者の死亡位置と、その時刻が地図に書きこまれます。
地図の画像は>>3の物と同じで、右側のロゴが「第n回放送までの死亡位置・時刻」と書かれ、その下に死亡順が表となっている。
18代理投下:2009/08/12(水) 01:57:26 ID:psUftoVc
590 名前: ◆0O6axtEvXI 投稿日:2009/08/12(水) 00:11:52 [ kTlD9VdQ ]
投下終了です。
どなたか代理投下していただけたらありがたいです。

疑問点、矛盾、指摘、感想等ありましたらお願いします。
19創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 02:11:05 ID:psUftoVc
代理投下終了。

そして感想ですが投下GJ!
というか目覚めたら獣の集団に煮込まれてるとかどんな状況w
でもそうだよな…トトロ一向は傍目にはどう見ても肉食にしか見えないんだよな。

そしてキョンの苦難は続くのか…精神ズタボロでどこまでいけるのか、この先楽しみ。
20創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 02:29:43 ID:q/gAKq5O
投下乙です!

あああ…キョンフルボッコすぎるぜ…
まぁまわりの人間が皆いい人、悪く言えば甘い人だらけなのが幸か不幸か
しかしこいつ、本当にマーダー続けられるのか? 色々と先が気になります
ところでキョンよ、お前「なのはちゃん」言ってるけどその人は実は朝比奈さん(大)ぐらいの外見年齢をしてるんだぞw

ついでにようやくまともな人間と合流できたトトロ&ケリュケイオンもどうなる事やら
そういえばケロロとトトロもサツキ繋がりで色々あるしなぁ
21創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 03:20:20 ID:yg/G+N7X
投下乙です!

キョンはもう色々とフルボッコすぎて、どこへ向かうのか楽しみだ。
それにしても一気にすごい大所帯になったな。
初期からずっとあったケロロの「で、結局トトロって誰よ?」はついに解決されるのだろうかw
22創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 09:19:16 ID:PSoBu9dz
>>11の「羽の生えたごついトカゲのような生き物の足についた宝石と会話する少女」
細かいことだけど、ケリュケイオンって、ピクシーが首につけ直したんじゃなかったっけ?
23創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 10:03:54 ID:nO2Ca+O3
投下乙!
目が覚めたら獣軍団に煮込まれてましたww
トトロ達は煮込み料理を覚えていたとはw
キョンは良い人たちに会って精神的に大丈夫だろうか。
普通は色々と利用価値があったりするけど、キョンにとっては逆効果になりかねん。
しかしこれ、こういう誤解をされてるとなのはを元に戻したくなくなるなw

ケリュケイオンは状況を把握しましたよ。ようやくw
それからキョン視点でピクシーがいないw
24創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 12:59:41 ID:3rwS+bW7
投下乙!
そりゃキョンもびびるわなwww
そして実はなのはさんはお前より年上なんだよ!
この五人の今後が気になる。
25創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 15:21:33 ID:B0WmUX9h
投下&代理投下乙!
なのはちゃんとかすごい久しぶりに聞いた気がするぞ!w
周りは優しく強い人ばかりなのにぐらぐらのキョンはどこへ行くんだろう
トトロもわかってるんだよな、悲しいよな
そしてやっっとコミュニケーションとれる人と出会えたケリュケイオン、おめでとう!
26創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 17:35:25 ID:mFbv8lEt
投下&代理投下乙
周りが善人だからキョンにとっては好都合なんだが利用する所じゃないな
そしてロワでは多人数になるとロクなことが起こりそうな予感がするな
ケリュケイオンも人と合流出来てよかったなw

ところでみんなkyonがキョンになってるがガイバー出せない状態はキョンで統一?
27創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 18:02:58 ID:3rwS+bW7
そういえば皆『キョン』だなw今気付いたwww

そういえば5x氏はどうなったんだ?さすがに長い気がするが……
28創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 18:17:08 ID:wsH8w2RN
>>27
避難所で報告があったよ
29避難所から転載:2009/08/12(水) 18:24:14 ID:0UPedYft
153 名前: ◆5xPP7aGpCE 投稿日: 2009/08/12(水) 07:05:55 ID:HUBhMMTs
規制中ですのでこちらで。

期限の大幅な延長、本当に申し訳ありません。
現在の執筆ペースと使える時間ではあと一日や二日で完成しそうにないのでいったん予約を破棄いたします。
目処が立ちまだ手がつけられていなけば再予約すると思います。
30創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 18:31:50 ID:bIZEHozu
>>29
5x氏、気にせずゆっくり書いていってね!
またの予約お待ちしておりますー

キョンはkyonになりGyonになった挙げ句またキョンに戻ったのか…w
次は一体なんになるんだ、僕らのヘタレマーダー!
……そういやそもそもなんでkyonなんて呼称になったんだっけ?


あ、後ついでに質問
温泉組が持ってるDVD、朝比奈ミクルの冒険はわかるけど後二つの詳細ってなに?
どっちもアニメ第一話のアレで放映された奴で、ただ三分割されてるだけ?
31創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 18:41:56 ID:aANsh+uW
どなたかSSの代理投下をお願いいたします。
仮投下スレ2
>551〜560
>572〜579(後半の修正したもの)
が該当レスです。
32 ◆igHRJuEN0s :2009/08/12(水) 19:02:25 ID:aANsh+uW
トリを忘れてたorz
>31は私です。

北に顕在していた市街地郡、その東側。
そこはB‐6を中心にした大火災により、地獄と化していた。
炎の勢いは尚も止まらず、轟々と燃え続けている。
さらに、炎が建物を焼くことによって発生した煙で地獄の中の様子は、高い場所でも無い限りほとんど伺えない。
この中にいたとしたら、火炎に対する消火手段も防御手段も持たなければ、炎や煙によって命が危ないだろう。
それぐらいのことは、若きケロン軍の兵士・タママ二等兵もわかっている。
彼はケロロ・草壁サツキ・冬月コウゾウが無事に火災地帯から移動していることを祈り、そして一秒でも早く合流または救出のために、火災地帯を東に遠回りすることを決めた。
そして今、C‐6の境界を抜けて、だいたいC‐7に入った辺りだ。

「ハァハァ・・・・・・軍曹さん、サッキー、フッキー・・・・・・!」

時間が過ぎる度にタママの心に焦りが募っていく。
仲間たちが無事であることを強くは信じているが、一瞬でも気を緩ませば最悪のケースが頭に浮かんでくる不安に押し潰されそうだ。
おまけに距離はそれなりに離れているとはいえ、火災地帯からの熱気がタママをイライラさせる。
ケロン人は体質的に湿気を好み、乾燥が天敵なのだ。
つまり、地球人以上に乾燥に敏感であり、乾燥に対するストレスも地球人より大きい。
僅かながらも熱気に曝されている現状は、タママのストレスを加速させるには十分だった。

「早く・・・・・・早く!
はやぐうううぅぅぅ!!」

タママは不安からくるストレスに対し、足をできるだけ早く動かすことで発散させようとする。
不安を忘れるために眼を血走らせ、恐持ての顔で唸りをあげる。
結果、土煙をあげて地面を蹴れるほど走るスピードが速くなり、狂気じみた表情で走る彼はまるで走る獣のようだった。
それだけタママが必死であることを理解してほしい。


そして、走る彼がC‐7の真ん中ぐらいに差し掛かった辺りだろうか、タママが第三回放送を耳にしたのは。

『全員聞こえているかな? まずは君たちにおめでとうと言ってあげるよ−−』
「放送・・・・・・ゴクッ」

主催者・タツヲの声が流れる放送に、タママは心臓の鼓動が早くなり、唾を飲んだ。
今までは放送一つでこれほど緊張することはなかった。
最初の放送はケロロやサツキたちが目の届く距離にいたため、親しき者だけは死なない安心感があった。
二回目の放送は加持の一方的な折檻(本人いわく仲間のため)をしていて、聞いた後はともかく、聞く前はそれほどの実感もなかった。
三回目にあたるこの放送を聞くのは、今までと状況が違う。
仲間たちとは離ればなれになり、いまだに合流は果たされていない。
つまり、自分の眼の届かない内に仲間たちが死んでいる可能性は大いに有り得る。
仲間たちがいたと思わしき公民館とその周辺が火事になっているのが、タママの不安を誘う。

(いいや、軍曹さんたちはきっと無事ですぅ。
僕はそれを信じるだけですぅ)

不安も弱気も振り払い、ただ愚直に仲間の生存を信じてタママは走り続けることを選んだ。
悠長に記録している暇があるくらいなら、ケロロたちとできるだけ早く捜した方が良いと思い、メモは取らずに走りながら聞き耳を立てることにした。


禁止エリアは、F-5・D-3・E-6。
いずれも気にするほど近場にできるわけでもなく、市街地にいるハズの仲間たちが困るような配置でもないだろうと安堵する。

問題はここからだ。
禁止エリアの発表の次は、死者の発表になる。
タママの胸の高鳴りがいっそう速くなる。

(神様、仏様、ご先祖様・・・・・・一生のお願いですぅ、軍曹さんやサッキーとフッキーが無事でいるようにお願いしますですぅ)

死者の名前が呼ばれ始める前にタママは不安に押し潰されないように強く神頼みをした。

そして、いよいよ死者の名前が発表される。
これが一生の中で最も長い数分間になりそうだと、タママは予感していた。


『朝比奈みくる』

−−知らない、どうでも良い、他に死人がいるならとっとと言ってくれ。
それが面識の無い朝比奈女史への、タママの感想である。

『加持リョウジ』

「ターマタマタマタマ!
ざまぁみやがれですぅ!!」
加持の死はわかっていたため、放送を聞かなくとも知っている。
しかし、加持は気にいらない奴もといサツキを殺そうとした人物。
それが死んだという喜びを思い出し、口に出して笑いたくなったのだ。
本人にその笑いを抑える気はまったくなく、なおもケロン人独特の笑い声を発しながら笑い続けるが・・・・・・

「ターマタマタマタマ−−」
『草壁サツキ』
「−−タマタマ・・・・・・タマ?」

・・・・・・サツキの名前が呼ばれた瞬間、タママから笑い声が消え失せ、足を動かすスピードは急減速し、やがてゼロになった。
一気に突き飛ばされたような感覚を覚え、思考が覚束なくなる。

放送は、そんなタママのことを尻目に続けている。

いちおうの仲間だった小砂、冬月が保護したいと言っていた碇シンジ、加持の手下であるアスカ、彼らが死んだことも知る。
他の名前も聞いたことが無い連中に関してはどうでもよかった。
呼ばれていない所からして、ケロロと冬月がまだ生きているのは僥倖である、僥倖ではあるのだが今のタママはそれを素直に喜べない。

最後にタツヲからの警告、要約するなら「自分たちに刃向かおうとして死んだ者がいたので、同じことはしないように」ということを言っていたが、ほとんどタママの耳に入ることはなかった。
それらのことよりも、もっと大きなショックによってタママは動けずにいるのだ。


放送が終わると同時に思考が回復して現状を理解できるようになったタママは、その場で両腕と両膝を地面につけ、嗚咽を漏らしだした。

「うわああぁああぁん!
なんで死んじゃったんですかサッキーーーッ!!」


付き合った時間は短けれど、確かにサツキはタママにとっての掛け替えの無い友達であった。
ケロロに関する嫉妬で一方的な暴力な奮った愚かな自分を許してくれた優しい少女だった。
心の強さと広さを兼ね備え、妹思いの良い女の子だった。

しかし、その少女に会うことはもう二度と、ない。
放送をデタラメだと思いたくとも、死んだ加持も放送された所からして、嘘でも無いようだ。
以上のことを頭では理解しつつも、若輩の兵士タママの心は友の喪失を受け入れきれるほど強くはなかった。
彼はただただ泣き喚いた。

「サッキーーーッ!!」



−−−−−−−−−−−

放送が終わって、泣きだしてからどれほど時間が経っただろう。
涙を流す度に体内の水分が失われていったため、身体がだいぶ乾いているのがわかる。
サツキ喪失のショックによるものか、今までの疲れがどっと押し寄せ、再び立ち上がる気力が湧かない。
知り合いの冬樹やガルルが死のうとも、たいした感情は抱かなかったが、ここにきて初めて『大切な友』を失ったがために大きな精神的ダメージを負った。
共に泣く者も慰める者も叱る者もいない中では、心の痛みを和らげることもできない。


そのように彼が弱っている中で突如、二つの聞き覚えのある声が聞こえてきた。
それらはうなだれるタママを嗤う。

『守りたかった女の子を守りきれなくて残念でした。トンだお笑い草ね、あははははははははは』

一つはアスカ。
放送で死を告げられたハズなのだが、何故かタママの耳には、彼女が気に障る言葉で嘲笑ってくるのがわかった。

『俺を引き離したからあの子は安全だとでも思ったか?
 殺し合いに乗ったのは俺一人とは限らないんだぜ?』

もう一つは加持。
間違い無く死んだ男だが、口調こそ涼しいが腹の中は真っ黒であり、タママを責めてくる。
それ以前に死人が語りかけてくるなどありえないことだが、今のタママには、そんな細かいことを気にしていられるほどの心の余裕はなかった。

「黙れ・・・・・・黙りやがれですぅ」
『あはははははは』
『ハハハハハハハ』

普段から高い声であるタママにしては低い声で言葉を吐き出し、血走った眼を涙の染みた地面から二つの声がする方向へギロリと向ける。
彼の放つ言葉にも眼力にも、激しい怒りと憎悪が宿っている。
しかし、タママの怒りなど知ったことかと言わんばかりに、加持とアスカは嘲笑い続ける。
それが余計にタママのハラワタを煮え繰り返させ、虫酸を走らせる。
まず、怒りを叩きつけるようにタママは言い放った。

「おめーらのような奴らのせいでサッキーが死んだんですぅ!」
『それは違うんじゃないか?
 俺らのような殺し合いに乗った奴らからサツキ君を守れなかったのは君のせいだろ?』
「僕は、サッキーを守ろうとしてたですぅ!!」
『言い訳がましく「自分は頑張ったから仕方ないんだ」みたいなことをほざいてんじゃないわよ』

「むぐっ・・・・・・」
『せめて俺を連れ込むなら、例の部屋に何かしら仕掛けがあることぐらい調べておけばよかったのにな。
 君がそれを怠ったから、仲間と離ればなれになっちまって、サツキは命を落としたんだ。
 しかもその後の、正義の味方気取りでメイの仇討ちなんか考えているから、その間にサツキは死んだんだろうな』
「・・・・・・うるさい」

加持たちが言ったことは、尤もかもしれない。
今さら、取り返しのつかないミスに自分の行動を正当化するようなことを言っても虚しいだけだ。
加持の企てに気づき、仲間から一時的に引き離して腹の中を暴こうとしたものの、部屋にどこかへワープする仕掛けがあることに気づけなかったために、サツキたちとは遠くに引き離された。
彼女を守る者が減った分、サツキの生存率を引き下げられたのだろう。
一方のタママは離れた後も合流を考えず、メイの仇捜しに時間を費やしてしまった。
見方によればタママの過失だろう。
それでも、タママは加持たちにだけはミスの指摘をされたくなかったのだ。

『守りたい者は守れない、守れなかったら過失を認めず言い訳をする惨めな奴。
 君は所詮その程度だってことだ』
『本当よね〜。
 果たして、こんな奴にサツキの死の責任なんて取れるのかしら?』
「黙れって言ってるんですよ、聞こえねーんですかこのゴミめらども・・・・・・!」

自分を笑う二つの声に対して、タママは立ち上がり、血が出るほど拳を握りしめ、顔中にマスクメロンばりのあおすじを作る。

『まったく、こんな情けない奴に殺されたのなら、俺を殺した責任も取ってほしいぐらいだぜ、なぁタママ君?』

プッチーン

加持の煽り文句が、とうとうタママの怒髪天をついてしまった。
タママの口から放たれる、大地を揺るがしそうな怒声。

『おめーみてぇなウジムシどもの命と、サッキーの命を同じにするんじゃねぇ!!
 おめーらのような不愉快な奴らは全員地獄に落ちればいいんだよぉ!!
 さっさと消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ、消えろぉぉぉーーーッ!!』
轟く重機関銃のように言葉が放たれるが、それだけでタママの気は納まらない。
加持たちの声がした方へトドメにタママインパクトまで放とうとする。
止めてくれる者はこの場に誰一人いない。

煮えたぎる憎悪共にタママインパクトが放たれようとした、その時。


ドォーーーーーン


空気を震わせるほどの爆音。


爆音による驚きが憎悪を上回ったタママは、その場で仰向けに倒れた。

「なんですぅ!? 何が起こったんですぅ!!?」

身を起こしたタママが周囲を確認すると、火災地帯の中のある場所が一際激しく黒煙を吐いて場所があるのを発見した。
位置関係的にはデパートの辺り、この場所である者たちが因縁に決着をつけようとしていたのだが、それはまた別の話。
ともかくとして、皮肉にもデパートの大爆発によってタママは我に返り、多少なりとも精神も安定してきた。

「ただのガス爆発ですかね?
 それとも、あそこで殺し合いが・・・・・・」

あそこで何が起きているのかを冷静に考えようとする。
事故なら気にすることも無いが、殺し合いが起きているのなら大変だ。
ケロロと冬月が巻き込まれている可能性があるからだ。
それを確かめるべく、中の様子を伺いたいのだが、かなりの距離がある上に炎と煙が邪魔でよく見えない。

しばらくすると、何かの飛翔体がタママの直上数10mを通っていった。

「流れ弾!?」

夜の暗さも手伝って、それをあまり視界に捉えられなかったタママは、飛翔体をただの流れ弾だと思うことにした。
実際は、ミサイルにディパックがぶら下がっているのだが、タママをそれらを確認しきれなかった。
例の飛翔体は湖の方へ飛んでいったことだけを確認して、タママは再び自分の置かれてる状況の確認に移る。


「・・・・・・あれは幻だったんですか?」

先程まで語りかけてきた加持たちの声はいつの間にか消えていた。辺りに誰かがいる気配も無い。
常識的に考えれば、もう死んでいる二人が話し掛けてくること事態ありえない、死人に口なしだ。

「ハァ・・・・・・何をやってんたんですかね僕は・・・・・・」

幻に惑わされ、幻相手にトサカにきていたさっきの自分に馬鹿馬鹿しさを感じ、ため息を吐く。
おそらく、サツキを失ったショックと疲れで幻聴でも聞いたのだろう・・・・・・タママはそう処理することにした。

あの声が幻聴だとわかるようになった点でも、タママは落ち着きを取り戻している証拠だろう。
しかし、落ち着きは取り戻せても、サツキを失った悲しみはどうにもならない。

「くぅ、サッキー・・・・・・妹まで失った上にあの幼さで死んじゃうなんて、かわいそうに・・・・・・」

前の放送を聞いて、妹が死んだことを知った彼女はどんなに悲しい顔をしたか。
死ぬ時はどんなに痛かっただろうか・・・・・・
考えれば考えるほど、タママの胸が苦しくなってくる。
また涙を流したい気分になってきた・・・・・・

そこへ(幻聴だったが)加持たちの言葉がのしかかってくる。
−−守りたい者は守れない、守れなかったら過失を認めたがらず言い訳をする惨めな奴。
 君は所詮その程度だってことだ
−−こんな奴にサツキの死の責任なんて取れるのかしら?

「うう、奴らは勘に障るんですけど、サッキーを守れなかったのは事実だし、僕にサッキーを死なせてしまった責任を背負うことができるかと言うと何も言えないですぅ・・・・・・」

加持たちの幻の前では強く否定したが、本当はサツキが死んだ可能性の一つとして自分のミスが絡んでいると思い、強く責任も感じている。
そして、自分がサツキが生存できるを可能性を大なり小なり殺したことに、必要以上の重圧を感じていた。

「僕のせいで・・・・・・やっぱり僕のせいでサッキーはもう戻らない・・・・・・うぐぐっ」


サツキの微笑む顔を、声をもう一度聞きたいと思っていた。
彼女が死んだ今、それはもはや叶わぬ。
・・・・・・ふと、タママは思う。
それは本当に叶わないことなのか?

「いっそのこと、優勝を目指してみる?」

この殺し合いで優勝すれば、サツキを生き返すことができるかもしれない。
だが、その考えはすぐに切って捨てた。

「それは無理ですぅ、僕に愛する軍曹さんを殺せるわけがないですぅ・・・・・・」

仮に、サツキと共にケロロが生き返る前提で殺し合いに乗るにしろ、タママにはケロロを殺せる自信・心構えはありはしない。
例え、自分が手を下さず、知らないどこかでケロロが死んでしまうことも、タママには許容できない。
さらに優勝者には願いを叶えると言った主催者の技術力も不確かな物であり、信頼できるかどうかは怪しいものだ。
よって、殺し合いに乗る意思は生まれなかった。

「・・・・・・だけど、サッキーには生きて欲しかったですぅ。
 もっともっとお話がしたかったですぅ・・・・・・」

それでもまだ、サツキとの再開を諦められない、死を認めたくない。
なら、どうする?
普通なら、死んだ以上、その者と生きて再開することは諦めざるおえないのだ・・・・・・普通なら。





「ああーーーっ! 閃いたですぅ!!」





そうして悩んでいたタママは一つの答えを見つけ出したのだ。
「根暗カレー・・・・・・じゃなくてクルル曹長の存在をポッキリ忘れていたですぅ」

急にケロン軍屈指の技術者・クルル曹長の名前を口にしだしたタママの目を輝いていた。
その理由とは、

「ケロボールとタイムマシンは作れないくせに、それ以外はどんなマシンでも作れる技術力を持っているクルル曹長なら、きっと死人を生き返らせるマシンだって作れるかもしれないですぅ!」

タママの言う通り、クルルは悪戯目的のアイテムから星一つをまとめて消せる大量破壊兵器まで作れるトンでもない技術者だ。
クルルの作った物を実際に何度も使ったことがあり、時にはそれらの犠牲になったケロロ小隊員だからこそわかる話である。
これで万能アイテム・ケロボールやタイムマシンまで作れたのなら、神の領域すら侵せる男になっているかもしれない。
だからこそ、夢の話のような死人を生き返らせるマシンが作れると言っても、驚異的なテクノロジーをもつクルルなら説得力があるのだ。
そして、タママはそれを思い至ったわけである。

「クルル曹長ならできるかもしれない・・いや、できなくても『作らせる』!
 そのためなら、カレー百年分を奢ってでも、半殺しにしてでも・・・・・・!!」

サツキを生き返すためなら、多大な代価を支払っても、小隊の仲間に暴力を振るうことも厭わない。
それだけ、タママの想いと期待は強いのだ。

「サッキーだけじゃない、フッキーやメイちゃんも生き返すことができれば、軍曹もサッキーも泣いて喜んでくれるです、ふふふふふ」

まだクルルが死人を生き返す装置が作れるわけでも、ましてやその過程に必要な殺し合いからの脱出もしていないのにも関わらず、タママには、ケロロとサツキが大喜びで自分を褒めてくれる明るい未来が見えていた。
サツキを蘇生できる方法を見つけたタママは、その考えに酔い、既に先程までの自己嫌悪と責任の重圧から解放されていた。

「ついでにコサッチやフッキーUが大事にしていたシンジって子も生き返してやりますか。
 カジオーのようなゴミはもう一度生き返して、殺すのも面白そうですねぇ・・・・・・タマタマタマタマ」
やがて、タママの中では『死』の概念は永遠の別れというイメージが薄れつつあった。
生き返すことが前提ならば、サツキの死も一時の別れのように思えるからであろう。
その妄想自体が『捕らぬ狸の皮算用』かもしれない可能性もあるが、タママはそんなことを考えたくはなかった。
少なくとも幸いだったのは、そういった妄想で沈んでいた気持ちを持ち直せたという所か。

「おっとっと、考えだけにフケっている場合じゃない。
 サッキーは生き返せる希望が見えてきたからともかく、これからどうするかも考えなきゃ!」

ようやく、脱出後の希望から、現状について考えることに頭を切り替え、ニヤついた顔は真剣なものへと変わる。
なんとかグラついていた気分は落ち着き、物事を冷静に考えられるようになった。

手始めに、放送から状況に関する考察を張り巡らす。

まず、死者に関して。
いちおう、サツキたち以外の、朝比奈みくるを初めとする面識も無い死者たちの名前も覚えていたが、特に思うところは無いだろうと、考えないことにした。


次にコサッチこと小砂もサツキ同様に死んでしまったらしい。
サツキと比べれば愛着も無く、同盟を組んだ当初はいずれ殺す気もあった。
サツキと会ったことで殺す予定は立ち消え、殺意もどこかへ失せたのかもしれない。
だからこそ死んでしまったことが、今となってはちょっとだけ可哀相に思えた。
ついでに彼女の頭に引っ付いていたネブラはどうなったのか?
こっちは個人的な恨みがあるとはいえ、やはり生死は気になる。
小砂と一緒に果てたか、それともどこかでまだ生きているのか・・・・・・参加者では無いネブラは死んでも放送で呼ばれないため、直接会わない限りタママには知る由も無い。

・・・・・・実はついさっき、そのネブラ知らぬ内にタママの頭上を通っていったのは、余談である。


続いてアスカ、(タママから見れば)加持の手先である彼女も死んだようだ。
放送こそ同時に言われたが、死ぬ前にサツキを殺した可能性は十分にある。
もしそうなら、先の考えで生き返した後にもう一度殺すくらいの憎しみをタママは抱いている。
何にせよ、加持の手先は死に絶え、自分やケロロたちに降り懸かる火の粉は一つでも消えたと考えれば良いニュースにも聞こえる。
44 ◆igHRJuEN0s :2009/08/12(水) 20:06:51 ID:aANsh+uW
>33様、ここまでありがとうございました。
お手数ですが、どなたか代理投下の続きをお願いいたします。
45創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 20:16:23 ID:wsH8w2RN
では続きの代理投下やってみます

次にサツキ。
ケロロの次か同じくらいに守りたかった少女。
もし彼女を殺した犯人がまだ生きているとしたら、メイを殺したマスクの男同様、必ず見つけだしてこの手で殺してやるつもりだ。
そしてサツキは絶対に生き返してやろうと強く望んでいる。
タママにとっては、仇討ちと蘇生こそ、サツキへの責任の取り方だと思っているようだ。


最後に、ケロロ軍曹と冬月コウゾウ、ウォーズマンとスバル、そしてギュオー。
放送で呼ばれていないということは現時点では彼らが無事である証拠。
ウォーズマンも無事にスバルを助けられたようだ。
特にケロロが生きていたことは、それだけでタママの心の救いになった。
「軍曹まで死んじゃってたら僕はどうなってたことか・・・・・・サッキーを失った時のような思いはコリゴリだから早めに合流したいですぅ」

ケロロたちが生きているとはいえ、まだまだ予断は許せない。
詳しい場所がわからない今は、二人が火災から逃れたのを信じつつ、できるだけ早く捜し出す必要がある。

「それに軍曹さんには、サッキーたちを生き返せるかもしれない方法を教えなきゃならないですね。
 きっと軍曹さんもそれを聞けば、喜んでこの聞いてくれると思うですぅ」

ケロロと合流できた暁には、自分が思いついた死者を助けられる可能性を教えるつもりだ。
それは単純にケロロに褒められたいだけではなく、サツキを失って落ち込んでるかもしれないケロロに希望を持たせようと、タママなりの気遣いもあるのだ。

「しかし、今回だけで10人も死人が出た。
 殺し合いに乗った連中がかなりいるみたいなのが厄介ですねぇ・・・・・・」

殺し合いに乗った者である加地とアスカは死んだが、それでもまだまだ殺戮者はいる。

「僕や軍曹さんたちが生き残るためには、やっぱり殺し合いに乗った奴らを叩いておく必要があるみたいですぅ。
 でも・・・・・・」

メイを殺したらしいマスクの男、湖にいた見るからに危なそうな連中、そういった者たちは一目で殺し合いに乗っているかわかるので対処のしようがある、しかし・・・・・・

「カジオーの時はなんとか尻尾を掴めましたけど、また似たような奴に出会ったら厄介この上ないですぅ・・・・・・」

全て殺戮者が、公に殺し合いに乗っていることを言い張ってるとは限らない。
中には加地のようにコソコソと人の中に紛れて、裏で何かを企んでいる者だっている。
これで厄介なのが、人を上手く騙して仲間からの信頼を勝ち得ている場合もあること。
そのせいで、冬月に加持が怪しいことを告白しても、まともに取り合ってはもらえなかった。

「きっと今回死んだ人たちの中には、カジオーのような奴に騙されて殺された人だっているですぅ。
 だからと言って、カジオーと同じく殺し合いに乗っている証拠を見つけられるとは限らないし・・・・・・証拠が無かったら流石にやりづらいし・・・・・・」

殺し合いに反対する集団の中に紛れ込み、チャンスがあれば襲いかかってくる。
さらに上手く立ち回られると、仕掛けられた罠により集団が一瞬で壊滅したり、疑心暗鬼を振り撒かれて仲間同士での争いに発展させられる危険がある。
その鱗片を味わったタママには、そういった『隠れた殺戮者』の怖さがわかる。
しかし、殺し合いに乗っていると証明できるものが無ければ、その者を殺せる大義名分が立たない。
何より、疑いだけが先行し、本当に殺し合いに乗ってなかった者を殺してしまったら眼も当てられない。
このように、積極的に殺し合いに乗っている者よりも、陰でコソコソやる者の方が遥かにやりづらいのだ。
そして、いくらなんでも直感などのような根拠の無い理由で殺戮者と決めつけるわけにもいかない。
されど、タママの結論は早かった。

「ま、いいや。
 少しでも疑いのある奴は片っ端から叩いてしまえば良いですぅ」

・・・・・・なんとも単純かつ短絡的な答えなのだろう。
ただ、タママとしても投げやりにこの答えを出したわけではない。

「ふっふっふ。
 どうせ誤って殺し合いに乗ってない人を殺したとしても、根暗カレーが『生き返してくれる』、だからノープログレムですぅ。
 それよりも大事に到る前に潰す、迷うぐらいなら斬るべきですぅ」

疑しきは皆殺し、中には殺し合いに乗ってなかった者が混じっていても後で生き返せば良い。
それが先の答えを出せた理由である。

確かに、合理的な面から見れば、疑いが少しでもある者は全て消した方が生き残る確率は高くなるだろう。
だが、脱出後に生き返すにしろ、罪の無い者まで巻き込み兼ねないこの考えは、人道面には大いに問題がある。

「僕は誰よりも早く、カジオーが悪い奴だと気づけたですぅ。
 きっと僕の判断は間違えないハズですぅ、だから僕に疑われる方が悪いんですぅ」

タママは加持が殺し合いに乗っていたことを見抜けたことから、自分の判断に自信を持っていた。
それは過信と言ってもいいが、いちおうタママなりに、判断ミスを起こした時の対処は考えている。

「まぁ、仮に間違えちゃっても後で証拠をでっちあげちゃえば良いんですぅ。
 大義名分さえ立てば、軍曹さんに言い訳ができるですぅ、ぬっふっふっふっふ」

一際、黒く笑うタママ。
自身の正義を証明できるものがあれば、誤殺も正義の行いになるのだ。
自分に不都合な事実は、揉み消して改竄でもしてしまえば良い。
それでもタママは仲間たちを守るため、脱出のため=正義と言い張れるのだろう。
その正義は限り無く黒かろうとも・・・・・・

「僕は正しいんだ!
 アイ アム ジャスティ〜ス!」

ちなみに自分と同じ腹黒属性があるギュオーについてタママはこう語る。

「ギュギュッチも怪しいっちゃ怪しいですけど、カジオーの首輪を狙っていたところからして、どっちかっつーと脱出を目指してるかもしれないですね。
 もちろん、警戒はするし殺し合いに乗ってたら叩くけど、そうでなければ戦いたくないなぁ」

同じ腹黒であり、気にいっているギュオーに関しては、できるだけ敵対したくないようである。
警戒は怠らない様子であるが、強まりもしていない。
簡潔に言うなら、ギュオーへの対応は今までと変わらないようだ。



以上でタママの行動方針はまとまった。
このゲームから脱出した後、クルルにサツキたちを生き返せる装置を作らせること。
脱出の過程で、障害になる者だけでなく疑いのある者もまとめて消すこと。
仮に罪無き者を誤殺しても、後で生き返らせる前提なので気にしてはならない。

それは別として、今やらなくてはならないことはケロロたちとの合流。
詳しい居場所はわからないので、火災地帯の周りを東に回り込んで捜し続けること、これは今まで通りである。

「よし、行くですぅ!」

考えがまとまった所で、タママは再び東へと駆け出した。

−−−−−−−−−−−


走るタママの表情は、放送前や放送を聞いた直後よりも清々しいものになっている。
殺し合いが行われているこの場所においては不釣り合いなぐらいの輝く笑顔だ。

「なんだか身体がさっきよりも軽く感じるですぅー!」

放送によってケロロたちの生存が確認され、サツキと再開できる可能性を見つけたために、抱えていた緊張と悲壮感がほとんど抜け落ち、肩の荷が軽くなったのである。

「それになんだろう、心が高ぶってくる・・・・・・」

死んだサツキを救えることへの希望によるものか、精神が高揚していくのがわかる。
さらに心は、サツキとケロロへの一途な思い、サツキを生き返すことへの使命感で胸が高鳴る。

「そうか、きっと−−」

タママいわく、これすなわち。



「−−この気持ち、まさしく 愛 ですぅ!!」



気持ち高ぶったタママは、どこぞのパイロットの如く『愛』を力強く叫んだのだった。



やがて、タママの視界にまだ火の手があまり回っていないB‐8が見えてきた。
タママはそこに仲間たちがいると信じて向かっていく。
胸の内に秘めた、サツキやケロロたちと笑いあえる明るい未来−−理想を現実に近づけるために、悲しみから立ち上がったタママは走り続けるのだ。

−−−−−−−−−−−


しかし、彼は前だけしか見てないのではないか?
サツキを失った動揺と絶望の中で、慰める者も叱る者もいないまま、思いついた希望はいかほどのものか?


クルルに死者を蘇生させる装置を作らせ、道徳や倫理を無視すれば、それによって死者を救おうとする考えは、確かに良いことなのかもしれない。
だが実際にクルルがそんな装置を作ったところなどタママは見たことが無い。
つまり、タママが求める蘇生はできない可能性だってあるのだ。
子供のような甘えのためか、動揺がまだ残っているためか、タママはそこまで深く考えられない。
仮にそうなった時に、タママはどんなに悲しい思いをするだろうか・・・・・・希望しか見たがらないタママは考えられない。


前を向いて進むことは大事だが、進むのに足元を見ないのは問題だ。
転べば大惨事になりかねない。
足元を注意してくれる者がいない今、未熟な兵士の先行きはとてつも無く不安だ・・・・・・



【C-7 森林地帯(北東)/一日目・夜】

【タママ二等兵@ケロロ軍曹】
【状態】疲労(大)、全身裂傷(処置済み)、肩に引っ掻き傷、頬に擦り傷、精神高揚
【持ち物】ディパック(水消費)、基本セット、グロック26(残弾0/11)と予備マガジン二つ@現実
【思考】
0、軍曹さんを守り、ゲームを止める。
 妨害者及び殺し合いに乗っている疑いが少しでもある者を排除。
1、東回りに火事を避けて市街地に向かい、ケロロたちを捜す。
2、その後はギュオーやウォーズマンの下へ向かう?
3、草壁メイ・草壁サツキの仇を探し出し、殺す。
4、ウォーズマン、ギュオーに一目置く。
5、ギュオーを気に入っているが、警戒を怠らない。
6、脱出の後、クルルに頼んでサツキや親しき者を生き返させる装置でも作らせる。
7、6の案をケロロに伝える。

※色々あってドロロの存在をすっかり忘れています(色々なくても忘れたかもしれません)。
※加持がサツキから盗んだものをグロック26だと思っています。
※ネブラ入りディパックのミサイルを流れ弾だと思っています。
※少しでも疑いのある者を殺す過程で、誤殺してしまっても、証拠の捏造・隠滅+クルルによって生き返せるハズなので、問題無いと考えています。
52創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 20:24:37 ID:wsH8w2RN
以上、代理投下終了です。
◆igHRJuEN0s氏、乙でした。
53 ◆igHRJuEN0s :2009/08/12(水) 20:37:36 ID:aANsh+uW
>33様、>52様、代理投下乙でした。
ありがとうございます!
54創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 23:11:46 ID:Qd1FEacE
投下、代理投下乙でした!
タママのスタンスの変化が怖いな……
疲労やダメージもあるとはいえ、タママも結構な実力者ではあるし、一波乱起こしそうだ
55創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 23:24:47 ID:MOp0nUFu
投下乙&代理投下です!
タママが体色のごとく真っ黒になっていくなぁ
このまま足下を見ないでタママがどこまで走っていってしまうのかが気になります!
56 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/13(木) 04:19:47 ID:Vt0oB9sx
ig氏投下乙、加えて代理投下のお二方も乙です!
ああ、タママがますます危険思考に染まっていく…w
段々見境がなくなって行ってる所を見るに、こいつ一番危険な危険対主催じゃなかろうか
ついでに現時点ではマーダーとしてかなり危険な部類に入る閣下を放置っていうのがなぁ…w

さて、ここで予約を。
スグル、ゼロス、タママ、ハム、夏子で予約!
五日間予約でお願いしますー延長二日は、多分いらないとは思いますが…
57創る名無しに見る名無し:2009/08/13(木) 05:33:02 ID:y5qsW3hR
予約wksk!!!
58創る名無しに見る名無し:2009/08/13(木) 12:19:04 ID:yynGhCQJ
俺達のウェーブは止まらない!
59創る名無しに見る名無し:2009/08/13(木) 13:20:23 ID:abQcanBQ
予約楽しみだw
 
それと、予約に関してある程度まとまったようなので転載しておきますー

199 : ◆YsjGn8smIk:2009/08/11(火) 20:32:58 ID:G4ZToWd.
延長賛成派が多いようなのでとりあえずの修正案を考えてみた。
延長時の連絡を徹底するべき…という意見があったので少し追加してみたのですが、こんな感じでどうでしょうか。


【予約】
予約はこのスレ内で行います。
トリップをつけて「○○(キャラ名)と××を予約します」と宣言して下さい。
予約期限は原則として5日ですが、「ちょっと待って」で2日ほど延長が可能です。
さらに事情があったりするときは追加の延長もできます。
ただし連発は出来る限り避けましょう。
延長したい場合は、再び予約時と同じトリップをつけて延長を申請して下さい。
何らかの理由で破棄する場合も同様です。キャラ追加予約も可能です。

予約期限を過ぎても投下されなかった場合、その予約は一旦破棄されます。
その時点で他の人がそのキャラを予約する事が出来るようになります。
また、前予約者も投下は可能ですが、新たな予約が入った場合はそちらが優先されます。
60創る名無しに見る名無し:2009/08/13(木) 14:28:33 ID:wQIbfmlh
議論が終了してないのに転載するのはまずいんじゃない?
61創る名無しに見る名無し:2009/08/13(木) 15:59:48 ID:ACEOZVPn
62創る名無しに見る名無し:2009/08/13(木) 16:07:26 ID:NAi3B1Yq
地図乙です。
なんかしらんがスエゾーにワロタw
63創る名無しに見る名無し:2009/08/13(木) 17:33:53 ID:Vt0oB9sx
地図乙ですー
なんか参加者が大分纏まってきた印象…そしてスエゾーはどこに登場する事やらw
64創る名無しに見る名無し:2009/08/13(木) 19:36:43 ID:vHB5dUFQ
              ¨  ¨  ¨  ¨
              ______   ¨
         :  / __玉__ ヽ
        : / _= 、:::::::::::::::::::::二`、:
         /:. r¨    ヽ``````./   ヽ\ :
      : /:: /|   ・   |:::三::|  ・ || \
    :  /:::. /::ゞ、    /:::::二:::ヾ  .λ::: ヽ
       /::: /   ` ─´::::::::──::::`ー´ |::  | :
   :  /:::  ハ.       :::::::::::::::::::    l:  | : <あの女―――ッ!
      |:::  〈:::::::....    | ̄| ̄| ̄| ̄|  /.  |:
     :ゞ... : : ゝ:::.   匚 匚 匚.匚.| /  /
     :\   ノ  ゞ、:::::::::..................../ゞ_/
        ゝ´      ̄ /へ ̄ ̄  :
          :    /:::::::::\ :
        : (⌒二 ̄::::::::::::::::::::::\ /⌒ヽ:
          :   ̄/ ヽ:::::::::::::::::::ゞ⊃  〉:
              〈  〉::::::::::::::丿ヽ_ノ:
             : ゝ/::::::::::::::ノ :
             :  /:::::::::/
                 〈::::::::〈
                ヽ\:ヽ
                 ゝ::\\ :
                ゝ'   レ         _∠二 ̄`ヽ \__
             {、_,  ´          ―ヽ
            >―   _、}         、\
              / /  /     、  \    ``ヽ
            ,レ !__/       ヽ ヽ   ヽ      ,
         辷彡 人_,       ,}   、  '、  |   |
             ア  l | /   ,  //{ ! |  ヽ  ヽヽ! i |
            / 、___l W!  / // l八l\ i  iヽl、 ゞミ、
             { { ¬ | !l l/l/ ,xャラア∧l  !┬≧=-
           ヽハ {ヾ、lへl  ∠二二/ } / /ノ /  若人よ!そなたの悩み私が断ち切る!
           ` jノヽ 「 厂   ―――ノル'r ト{
               V    ___    {/|川z┐
                ヽ匸二.‐-、ヽ  丿 レ /∧
                 弋__\ く __// 〃 ハ
                 /{⌒ヽヽ彡≪  /   ∧
                 ,l∧__ン   》_〃     ` ‐- 、__
              __/ !!`ー―― ´ {{           ` − 、_
         _ -‐    /ll          ||                `ヽ、
      ,   ´           ||、______/||  /                丶、

65創る名無しに見る名無し:2009/08/13(木) 19:37:25 ID:vHB5dUFQ
誤爆
66創る名無しに見る名無し:2009/08/13(木) 20:53:02 ID:BptSeiu9
地図乙です!
これがあると本当に助かります。
67創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 01:12:07 ID:0/SPEIKK
しかしなんつーか…雑談もめっきり減っちゃったねえ
そもそも住人自体が減ってしまったと言うことなんだろうか
なんだか無性に寂しい……
68創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 02:23:02 ID:YIpy+CRx
>>67
こんだけ予約も投下もある状態で、そんなに住人が減ることもないと思うけどな。
雑談がなくて寂しいなら、話題を振ってみればいいさ。
とりあえず前スレ埋めで色々叫んでる。
69創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 02:31:58 ID:iM8wSldf
嘆く前に努力をしろ。
70創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 03:01:02 ID:iM8wSldf
考えた上で、死にかけてるとか言ってる奴がいるから、ネガキャンに近いことは書かないでくれ。
71 ◆9L.gxDzakI :2009/08/14(金) 09:18:24 ID:mEKu7sGq
こちらでは始めまして。
スバル・ナカジマ、ケロロ軍曹、高町なのは、トトロで予約します。

……いまいちよく分からないんだけど、予約ってこのスレでいいんだよね?
72創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 09:31:33 ID:ysW6xBLy
新書き手キター。予約も延長もこのスレで報告していただければおkです
73創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 09:41:20 ID:oKAm3bkc
予約キター!しかもどこかで見たことがあるトリだーっ!
ついにスバルがなのはと再会するのか!?

それと予約されなかった二人も気になってたまらん。
キョンと冬月さんが二人っきりとかw
74創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 09:47:24 ID:I/DcEbj0
予約ktkr! 楽しみにしています!

最近定期的に予約入って嬉しい
75創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 10:07:16 ID:EKItpDR2
どこかで見たと思ったら、某所のスバル大好きな人じゃないかww
76創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 10:28:36 ID:IQfhGbnl
予約楽しみにしてます。
ところで、キョンと冬月さんがいないのは展開上ですか?それなら構いませんが……
77創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 11:00:10 ID:0/SPEIKK
やたー予約キター!
しかしこうやってみると、大分グループも纏まってきたねぇ…
温泉組に遊園地・博物館組、湖の将軍一家に今予約されてる街組とか
それでいてどこのグループにも火種があって一筋縄では行きそうに無いのがまた…w
際どい神社リングで戦っているまっくろくろすけと閣下、それにどこに出てもおかしくないチャット情報組のスエゾーも気になるねー
中々面白い状況を書き手さん達がどう料理するかwksk!
78創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 11:38:48 ID:yK9us1g5
どこ見てもwkskする状況だねww
個人的に遊園地組が楽しみ
79創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 12:03:40 ID:d7vssGOD
ロワは人が集まるとロクなことが無いから何とも言えない
怖いんだよな
80創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 12:10:46 ID:pZx6gNL1
>>76
確かにあの展開の後でその2人が居ないのは不思議だな。
単に書き忘れたのかも。
81創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 12:46:39 ID:0/SPEIKK
そういや一つ質問
キョンは今「僅かにギガンティックのエネルギーが残ってる」らしいけど、それを使ってもう一度だけギガンティックになれたりすんの?
それともガイバーのままでちょっとだけ技の威力を上げられたりとか?
82創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 14:55:10 ID:pZx6gNL1
ギガンティックのエネルギーはギガンティック固有のもの。
ギガンティックになっていない時はキョンには影響ないです。
83創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 20:40:51 ID:2VtNal/V
すごい、すごい。このkskウェーブは最大級だ。w
書き手のみなさん、がんばれ&愛してる。
84創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 22:19:15 ID:7i3taaJ3
しかし気付いたが、
なのはとスバルがあっちゃったらデバイスが正規の所持者にどちらも渡っちゃうじゃんw!
85創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:00:56 ID:AcXYd++a
うわ、本当だ。
ていうか原作キャラ合流は余程のことがない限りそのままチーム組むし、
うまい具合によけてほしいな。
86創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:03:31 ID:OCK0NOm3
…そのままチームを組んだ原作キャラって誰かいたっけ?
なんか原作キャラが出会うたびにろくな事がおきてなかった気がするんだがw
87創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:09:10 ID:ysW6xBLy
ガイバー勢は戦闘で二人死亡
ハルヒ勢も二人死亡
肉勢は一人死亡などなど出会うと死ぬ確立が高いな
88創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:10:41 ID:Ax5tNoMM
ちょ…怖いw
89創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:12:32 ID:7i3taaJ3
原作キャラ合流自体は問題ないと思うけどな。
ケロタマみたいに同行者が作用して別れる羽目にはできるだろうし。
幸いキョンていう問題児がいるしw

ただデバイスはよほどのことがあっても別れることがなくなるから、
これからずっとスバル+マッキャリ、なのは+レイハ姉さんということになると思う。

……ケリュケイオンにはぜひとも今後もトトロとフリードと一緒にいて欲しいw
喋れないトトロのメッセンジャー的な役割としてw
90創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:13:47 ID:7i3taaJ3
そういえばみくると古泉も合流してたなw
合流しても死んでないのってケロタマぐらい……?
91創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:14:28 ID:I/DcEbj0
というかハルヒキャラ同士が出会った場合、

kyonとハルヒ→ハルヒ死亡
kyonと妹→ゲンキ重傷
kyonと古泉→古泉が黒化する一因に
古泉とみくる→みくる死亡
朝倉さんと妹→妹が黒化


本気でロクなことが起きてないww
92創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:15:54 ID:IQfhGbnl
>>87
妹も面識こそないが朝倉と会っている。

……あとは分かるな?
ハルヒ生き残り組が疫病神に見えてきたw
93創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:16:15 ID:U3BA78T1
キョンと妹→妹殺害未遂
キョンとハルヒ→ハルヒ殺害
キョンと古泉→古泉殺害未遂
古泉とみくる→みくる死亡

悪魔将軍と万太郎→万太郎負傷
アシュラマンとオメガマン→アシュラマン殺害
オメガマンと悪魔将軍→尋問されるが、今のところは友好的

スエゾーとハム→チャットで間接的に接触しただけでお互いに気づいていないせいか、特に無し

ケロロとタママ→同行者のサツキが負傷

リナとゼロス→元々の関係上戦闘に
ゼルディガスとズーマ→ゼガルディス殺害
リナとズーマ→ズーマ死亡

加持さんと冬月→加持さん腹黒フラグ強化
加持さんとアスカ→サツキ死亡

アプトムとネコ・ゼクトール→元々の関係上言わずもがな、ついでにデパートとばっちり

夏子と雨蜘蛛→小競り合い、シンジに疑心暗鬼フラグ


……これはひどいwww
一部に元々敵対関係の場合とかはあるが、本当にロクな事になってねぇぞ!!
プラスで終わってるのがオメガマン&将軍と微妙なハム&スエゾーだけとか……w
特になんだハルヒ勢の殺伐っぷりは!?
94創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:18:48 ID:U3BA78T1
ハルヒ勢と言えばな……ちょうど、今まで見てなかった涼宮ハルヒちゃんの憂鬱を見てたんだよ
そしたらあちゃくらさんの可愛さに癒されると同時になんだか泣けてきたんだよ
いや……もうkyonとか一姫とか、このドタバタで幸せな空間に戻れないんだろうなぁと思うとなんかね……もうね……
ハルヒちゃんとハルヒ本編は似て非なる物だとは思うがそこに付随するSOS団の楽しさは変わらないと思うからさ………
95創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:18:50 ID:I/DcEbj0
>>93
これは酷すぎるww
96創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:20:46 ID:U3BA78T1
デバイスに関しては、それぐらいの強化ならまぁアリじゃね?と思わなくもない
話も中盤だし、そういうめぐりあわせがあってもおかしくないしなー
それに制限とかあるし、元々デバイス持ってた事を考えればそれほど変化はない気もするし
97創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:23:31 ID:U3BA78T1
>>92
実際、キョンは言わずもがな、朝倉もやや感情的になりつつあるし、古泉も復讐姫だしで単体で見てもロクな事にならなそうな…w
しかしこのメンバーの中で一番対主催として活躍して、その上で一番頼れるキャラが朝倉ってロワ開始時には思いもよらなかったなー
……おい男ども、お前らもうちょっと頑張れww
98創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:29:29 ID:I/DcEbj0
まあ、その辺りがどうなるかを含めて投下を楽しみに待とうぜー

俺としては、今の幼なのはにスバルとレイハがどんな反応をするかが楽しみでしょうがないw
99創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:30:07 ID:IQfhGbnl
キョンは一般人対主催として活躍してくれる……登場話を見るまではそう思っていた頃が私にもありました。
古泉は団長として熱血対主催してくれる……三回放送まではそう思っていたry
朝倉さんはまたマーダーだろう……そうry

だめだキリがない。
100創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:33:41 ID:U3BA78T1
レイハ姐さんにとっては懐かしい姿だから驚いた後で微妙に和むかもしれんなw
101創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:36:52 ID:jUXicmZ+
まぁ待てお前ら。同時に予約されたからといって遭遇するとは限らんだろ!

>>93を見ると遭遇しないでくれと思うわw
102創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:37:59 ID:7i3taaJ3
>>93
なのはとヴィヴィオ→朝倉とヴィヴィオの絆強化
が一応ある。
妹死亡は関係ないし。

>>96
んー、まあ話としては強くなったりで問題ないんだろうけど、
本来のものとは違う獲物を使っての戦いに新鮮さを感じたりするからさ。
とくになのはなんて、運動音痴なのにローラーブーツって大丈夫なのかwwって思うし。
レイハさん使ったら普通に戦えてしまうし。

>>98
って、そういえばケリュケイオンはそれに反応してないぞw
103創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:41:03 ID:U3BA78T1
>>102
スバルなんか杖でドツいてる訳で…杖を鈍器として有効活用しすぎとるわ!w
104創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:41:45 ID:7i3taaJ3
>>99みて用語集の「涼宮ハルヒの法則」を更新しようとwiki見に行ったんだが……

死亡者情報に誤情報が入ってるぞwwwww
105創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:45:13 ID:7i3taaJ3
>>93で片方がマーダーだったり危険だったり危なかったりを整理したら、
実は悲惨な目に会ってるのはそうおかしくなかったりする。
古泉とみくるぐらいだし。どちらも安全なのって。
しかもこの場合も古泉の同行者が危険人物だったわけだしw

とはいえ、色々なロワを見る限り原作キャラ合流は確実に死亡フラグw
106創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:47:47 ID:IQfhGbnl
>>104
見てきた
スエゾー!!!!!!!!!wwww
107創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:48:10 ID:Ax5tNoMM
ここに挙げられたのは偶然起こったことだから恐ろしい
108創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:48:32 ID:ysW6xBLy
おいいいい誰だよスエゾーを殺したのは!!www
109創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:49:30 ID:U3BA78T1
そうか…つまりスエゾーは死者スレにテレポートしていたんだよ!!www
110創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:53:08 ID:0/SPEIKK
日付変更ギリギリで発覚したし、正に【スエゾーの、今日の目玉!】という訳だなwww
111創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:54:21 ID:7i3taaJ3
これ次のスエゾーの話が投下されるまでそのままにしておこうぜwwww
112創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:55:20 ID:U3BA78T1
いや、だがスエゾーと一緒に小トトロまでテレポートしているんだぞ!?
そっちはどうなるんだww
113創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:55:59 ID:Ax5tNoMM
スwwエwwwwゾwーwwww
114創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:56:08 ID:I/DcEbj0
いやいやいやいやwww
それにしてもなんてひどいミスだw
115創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:58:44 ID:U3BA78T1
しかしアレだけ気合い十分でテレポートしたのにそれで消滅とか言ったらもうボッチ涙目レベルじゃねーぞw
某ロワのみっともない張りに突き抜けたりしないだろうな…w
116創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 00:31:08 ID:mCbMh6dw
これはひどいwwwwスwwwwエwwwwwwゾwwwwwwー
117創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 00:36:44 ID:AzT8nxS5
きっとスエゾーは小トトロとイデの呪縛から逃れて、ゲッター線と共に宇宙の彼方へ旅だったんだな。
今頃、流龍馬と友達にでもなってる
118創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 00:38:28 ID:AzT8nxS5
>>117訂正
きっとスエゾーと小トトロはイデの呪縛から逃れて、ゲッター線と共に宇宙の彼方へ旅だったんだよ。
今頃、流龍馬と友達にでもなってるんだろうか・・・・・・
119創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 00:59:48 ID:ANKZoklA
むしろ外見的にゲッターの敵側じゃないかスエゾーw
120創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 06:30:53 ID:MVtqSRGy
舞台メモのMAPバージョンをつくってみた
とりあえず8/14の時点まで補完
更新はあんまり期待しないでほしいんだぜ!

http://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/free_uploader/src/up0276.png
121創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 09:07:59 ID:cJgKtNzg
スエゾーwww
主催者をどつきに行って脱出できたなんて嬉しくないだろw

>>120
これはわかりやすい!GJです!
122 ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 12:15:06 ID:/DkpYqMN
えっと、冬月とキョンに関してはカットする予定だったんですが……やっぱ書かないと後続の方にも不親切ですよね。
というわけで、いまさらですが、キョンと冬月コウゾウを追加予約します。

ちょちょいと冬月パートを追加して、今夜頃には投下予定
123創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 14:50:42 ID:zDKywika
了解しましたー
投下楽しみに待ってます
124創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 20:20:10 ID:03OP9yaF
wkskしつつお待ちしております!!!
125 ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 21:36:18 ID:/DkpYqMN
お待たせしました。
スバル・ナカジマ、高町なのは、ケロロ軍曹、冬月コウゾウ、キョン、トトロ分を投下します。
126揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 21:37:37 ID:/DkpYqMN
 微かに肌に感じた熱は、あの日の記憶の残滓だったか。
 瞳の奥で燃え盛る光は、あの日に我が身を蝕んだ炎か。





 行く手を遮る森の木々が、いつから減少したかなど分からない。
 全速力で走っていた身体が、いつから減速したかも分からない。
 時間の感覚は当の昔に、ごっそりと身体から喪失していた。


 身体が動かない。
 四肢に力が入らない。思うように動かせない。
 ここに至るまでに随分と、血を流しすぎてしまったらしい。
 いつしか私の両足は、走ることをやめていた。
 ただ霞のようにぼやけた視界を、ふらふらと不様に歩くだけ。
 ぶらぶらと力なく揺れる両腕は、肘から先の神経が断ち切られたようだ。
 ぐにゃりぐにゃりと歪む風景を、ぐにゃりぐにゃりと歪みながら、牛歩のごとき速度で進んでいく。
 どれほど離れてしまっただろうか。どれほど差をつけられてしまったか。
 気がかりがあるとするならそれくらいだ。
 頭の上と左手では、リイン曹長とレイジングハートが、何事かを叫んでいるようにも思える。
 しかし最早その声さえも、上手く耳には入らない。
 いいやあるいは、聞きたくなかったのかもしれなかった。
 もう無理だ。身体は限界に達している。これ以上先に進んではいけない。
 その現実を直視することを、頑なに拒んでいたのかもしれない。
 そのくせ戦闘機人の身体は、戦場での生命維持に関しては、随分と都合よく作られているらしい。
 否応なしに、理解させられる。
 自分の身体がいかなる状態にあるか、無駄に鮮明に認識させられる。
 血が足りない。体力が足りない。
 人体全てを見渡してみても、無事である箇所が圧倒的に少ない。
 とっくに限界は超えていた。
 このまま放置し無理を続ければ。
 程なくして。
 間違いなく。
 死ぬ。


 うすのろになった頭脳の中で、蘇るのはかつての記憶だ。
 あの日あの時あの場所にいた私は、どうしようもないほどに無力だった。
 4年前の空港火災で、私にできたことは何一つなかった。
 轟々と燃え盛る灼熱の中、ただひたすらに逃げ惑うだけ。
 恐怖と絶望に震えながら、父と姉の名前を叫び、みっともなく這いずり回っただけだ。
 あの頃の自分と比較して、今の自分はどうだろう。
 憧れのあの人に救われて、果たして何か変われただろうか。
 あの日拾われた惰弱な命は、少しでも前に進めただろうか。
 誰かを救える人になりたかった。
 何もできない弱い自分を、あの時初めて嫌いだと思った。
 戦うこと。守ること。
 力を振りかざすことから逃げていた自分を、救急車の中で初めて呪った。
 強くなろう。
 あの人のようになろう。
 私の命の恩人のように、誰かを守れる私になろう、と。
127創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 21:38:35 ID:AYvGBbHr
ksk
128揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 21:38:44 ID:/DkpYqMN
 それでも。
 歩むこの足はあまりにも遅い。
 弱い子供だったあの頃と、しかしあまりにも変わらない。
 不様だ。
 格好の悪いことこの上なかった。
 ただ、人を救いたいだけなのに。
 憧れのあの人がそうしたように、彼を助けたいだけなのに。
 これほどの傷を背負わなければ、たった1人を追いかけることもできない。
 これほどボロボロになってもなお、彼の背に追いつくこともできない。
 嗚呼。
 エース・オブ・エースの名を冠する英雄に比べて。
 こうありたいと心から願った、強く優しいあの人に比べて。
 私はあまりにも、弱い。


 そろそろ、彼女が出てくる頃だ。
 痛めつけられて敗北した時は、いつでも彼女がやって来た。
 冷徹な少女に完膚なきまでに叩き潰され、何もできないままに中トトロを奪われた時。
 悪意の鎧甲を身に纏った彼に、灼熱の閃光をぶつけられ、建物ごと吹き飛ばされかけた時。
 いつだって絶望の淵に立たされた時には、彼女が傍にいてくれた。
 いつだって敗北の痛みに震えた時には、彼女がその背中を押してくれた。
 鮮やかなオレンジの髪が綺麗な彼女。
 青い真っ直ぐな視線で私を見る彼女。
 ずっと傍にいてくれた、私の一番大切な友達。
 だけど、今、彼女は私の傍にいない。
 これほど傷ついた今になっても、未だに姿を現してくれない。


 否。


 姿を現してくれないのではなく。


 姿を現すことを望んでいなかった。


 そうだ。


 背中を押すことなど必要としていない。


 私はまだ、絶望の中にいない。


 私は。





 私はまだ――負けていない!




129創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 21:39:34 ID:AYvGBbHr
ksk
130揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 21:39:52 ID:/DkpYqMN
 キョン君。
 彼は私と同じなんだ。
 こうして歩き続ける中、ようやく理解し始めてきた。
 何故自分がこれほどまでに、あの殺人者を救おうとしているのか。
 今の彼のその姿は、かつての私の写し身なんだ。
 強すぎる力を手にしながら、しかし心は震えている。
 優しく他人を思いやる心が、冷たく他人を切り捨てる力を、どうしようもないほどに怖れている。
 誰かを傷つけることが、怖くてつらくてたまらない。
 だからこそ、キョン君はまだやり直せる。
 その優しい心がある限り、いくらでもやり直すことができる。
 それが可能か不可能か。
 私が背負っているものが、それだ。
「る……お゛……ぉお……ッ」
 ぐっ、と。
 獣のような唸りと共に、全身に力を込め直す。
 腑抜けになったこの身体に、残された力の全てを注ぐ。
 猫背になった己が背筋を、しゃんと立たせようと持ち上げる。
 身体中の節々が痛んだ。
 全身に張り巡らされたフレームが、みしみしという音と共に軋むようだ。
 姿勢を正そうとすればするほど、逆に四肢の全てがへし折れそうになる。
「――――っ」
 ごぽ、と。
 次いで込み上げる、鉄の味。
 内側より沸き上がる血の泉が、いよいよ大規模な濁流を吐き出した。
 耐えきれず、口がこじ開けられる。
 食いしばった歯の隙間から、膨大な真紅が噴き出された。
 これがとどめだったのかもしれない。
 吐血の瞬間、身体中を、これまでにない脱力感が襲った。
 もういいじゃないか。
 お前は十分に頑張った。
 これ以上苦しむことはない。
 だから安らかに眠るんだ。
 そんな悪魔の囁きが、心臓から指先に至るまで、あらゆる箇所から響いてくる。
「……ぉ……ぁ……あああ……」
 ああ、それでも。
 まだ立ち止まるわけにはいかないのだ。
 たとえ頑張ったとしても、ただそれだけではいけないのだ。
 まだ私はこの舞台で、何一つ成し遂げてはいない。
 何もできないまま力尽き、屍を晒すわけにはいくものか。
131揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 21:40:44 ID:/DkpYqMN
と、順番間違えたorz こっちが先です。

///////////////////////////////////////////

 そうだ。
 そうだとも。
 これくらいの怪我がなんだ。まだ死ぬ寸前でしかないんだ。
 私はまだ死んでいない。
 私に出せる全ての力を、丸ごと使い果たしてすらいないんだ。
 これだけボロボロになってもなお、人っ子1人救えていない?
 それがどうした。
 代償が足りないというのなら、極限まで我が身を削ってやろうじゃないか。
 私はあの人に並べていない。憧れのエース・オブ・エースのように、スマートに全てを解決できる域には達していない。
 何を今更。
 そんなこと、言われずとも分かりきっている。
 あの人に並び立てるなどという、自意識過剰極まりない考えなど、ハナから持ち合わせてはいないのだ。
 あの人自身から直接教えを受けている私が、あの人の強さを目の前で見続けた私が、そのような傲岸不遜な考えを抱くと思うか。
 私は弱い。
 未だこの手の力はあまりにも弱い。
 それがどうした。
 上等だ。
 ならばその弱いなりの力で、精一杯に足掻ききってやる。
 傷ついたみっともない姿を晒さねばならないのなら、この身などいくらでも捧げてやる。
 恥も外聞も命の火にくべろ。
 いい加減なプライドなど灰になれ。
 必要な対価は全て差し出そう。
 この脆くも儚い人の身で、皆の命が救えるのなら。
 白い地図を赤く染めても、ただひたすらに前へと進もう。
 理想を追い続けてもいい、と。
 私の青臭い理想を認め、道を指し示してくれたガルル中尉の、その喪われた命に報いるために。
 お前の優しい心があれば、彼を正道へ導けるかもしれないと。
 私の突き進む道を認め、その命を賭けて背を押してくれた、ウォーズマンさんに報いるために。
 悲しき今を、撃ち抜く力を。
 己自身の胸に誓い、皆が支えてくれたこの道と理想を、堂々と貫き前へ進むために。
 もう何一つ、取りこぼすつもりはない。
 たとえこの手がちっぽけでも。
 たとえこの手に連なる指が、今この瞬間にちぎれ飛ぼうとも。
 なのはさんを。
 ヴィヴィオを。
 中トトロを。
 この殺し合いの舞台の中、死の恐怖に震える全ての人を。
 冷たい甲冑と仮面の裏に、優しい心を隠していた、あのキョンと名乗った少年を。
 誰一人として喪うことなく、この手で守り抜いてみせる。
 そう。


 掴め。


 全て。


 心に。


 この先何が起ころうとも、決して屈したりはしない。
 たとえこの身を傷つけたとしても。
 百万の絶望と失望が、この身を打ちのめさんと迫ろうとも。
 一寸の迷いも躊躇いもなく、真っ向から立ち向かってやる。
 五体全てが砕け散ろうと、キョン君の元へとたどり着き、彼を魔道から救い出す。
132創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 21:42:12 ID:AYvGBbHr
ksk
133創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 21:42:14 ID:tqbb6ipS
kskするぜ
134揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 21:43:09 ID:/DkpYqMN
 キョン君。
 彼は私と同じなんだ。
 こうして歩き続ける中、ようやく理解し始めてきた。
 何故自分がこれほどまでに、あの殺人者を救おうとしているのか。
 今の彼のその姿は、かつての私の写し身なんだ。
 強すぎる力を手にしながら、しかし心は震えている。
 優しく他人を思いやる心が、冷たく他人を切り捨てる力を、どうしようもないほどに怖れている。
 誰かを傷つけることが、怖くてつらくてたまらない。
 だからこそ、キョン君はまだやり直せる。
 その優しい心がある限り、いくらでもやり直すことができる。
 それが可能か不可能か。
 私が背負っているものが、それだ。
「る……お゛……ぉお……ッ」
 ぐっ、と。
 獣のような唸りと共に、全身に力を込め直す。
 腑抜けになったこの身体に、残された力の全てを注ぐ。
 猫背になった己が背筋を、しゃんと立たせようと持ち上げる。
 身体中の節々が痛んだ。
 全身に張り巡らされたフレームが、みしみしという音と共に軋むようだ。
 姿勢を正そうとすればするほど、逆に四肢の全てがへし折れそうになる。
「――――っ」
 ごぽ、と。
 次いで込み上げる、鉄の味。
 内側より沸き上がる血の泉が、いよいよ大規模な濁流を吐き出した。
 耐えきれず、口がこじ開けられる。
 食いしばった歯の隙間から、膨大な真紅が噴き出された。
 これがとどめだったのかもしれない。
 吐血の瞬間、身体中を、これまでにない脱力感が襲った。
 もういいじゃないか。
 お前は十分に頑張った。
 これ以上苦しむことはない。
 だから安らかに眠るんだ。
 そんな悪魔の囁きが、心臓から指先に至るまで、あらゆる箇所から響いてくる。
「……ぉ……ぁ……あああ……」
 ああ、それでも。
 まだ立ち止まるわけにはいかないのだ。
 たとえ頑張ったとしても、ただそれだけではいけないのだ。
 まだ私はこの舞台で、何一つ成し遂げてはいない。
 何もできないまま力尽き、屍を晒すわけにはいくものか。
135創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 21:43:13 ID:7Weda58I
ksk
136創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 21:43:37 ID:AYvGBbHr
ksk
137創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 21:45:01 ID:AYvGBbHr
ksk
138揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 21:45:25 ID:/DkpYqMN
 ざく、と。
 レイジングハートを支え棒代わりに大地に突き刺す。
 まだだ。
 まだ倒れるな。
 命を燃やせ。
 魂に火を点けろ。
 こんなものじゃないだろう。
 まだ力は残されているだろう。
 この身に燃料が残っている限り、たとえ最後の一滴であろうと、その篝火に注ぎ込め。
 ありったけの力を乗せて。
 大地をその足で踏み締める。
 天を仰いだ。
 夜空を見上げた。
 これが私の反逆の狼煙だ。
 長門有希。
 草壁タツオ。
 お前達が何を企もうと、決して思い通りにさせはしない。
 中トトロは返してもらう。
 キョン君もこちら側へと引きずり戻す。
 誰一人として死なせることなく、安全な場所へと一直線に。
 たとえ彼らが歩む未来に、私の姿がなかったとしても。
 たとえ私の命が潰え、この孤島の土となろうとも。
 それが散っていった命へと、私ができる弔いだ。
 それが私の抱く正義――揺らぐことなき力と意志。
 天を震わす唸りを上げろ。
 大地を揺るがす怒号を上げろ。
 この魂の炎の熱の、全てを込めた雄叫びを。





「……あ゛あああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――ッッッ!!!!!!」





 さぁ――勝負だ。




139創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 21:45:44 ID:KP5FpmiJ
ksg
140揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 21:47:38 ID:/DkpYqMN


 スバル・ナカジマの放った叫びは、真に天を震わせ地を揺らした。
 満身創痍の半死人のものとは、到底思えぬ大絶叫。
 耳をつんざくほどの大声は、広大なフィールド中に響き渡る。
 極限まで燃え上がった命の炎。
 これをそう呼ばずして何と呼ぶのか。
 スバルの燃やしたその炎は、無謀な炎であったかもしれない。
 今にも砕け散りそうな身体では、奴ら主催者に挑むことなど、到底不可能かもしれない。
 それどころか、キョンと再会することすらかなわず、声を聞きつけた殺人者の牙に、その身を貫かれるかもしれない。
 それでも。
 スバルの魂の雄叫びを、ちゃんと聞き届けた者はいる。
 彼女の目指した不屈の英雄。
 彼女の憧れ求めたもの。
 スバル・ナカジマの力と意志は、確かにその耳に届いていた。



 高町なのはがその声を聞いた時、彼女はケロロ軍曹と共に、温泉の入り口付近に立っていた。
 錯乱したキョンなる少年の側には、今は冬月がついている。
 布団のある部屋まで案内して様子を伺い、記憶が戻るようなら話を聞くのが彼の役目だ。
 亀の甲より年の功。
 人生経験豊富な冬月の方が、未だ若いなのはやケロロよりも、この手の仕事には向いていた。
 そうしてDVD絡みの話が一時中断となり、あぶれた彼女ら2人が入り口へとたどり着いた時、微かに耳に届いたのが例の叫びだ。
「今の声は、夏美殿……ではないでありますな。夏美殿はここに呼ばれてはいないでありますし……」
 2本の足で立つカエルが、器用に首を傾げながら呟く。
 どうやら彼の知り合いの中に、よく似た声の持ち主がいたらしい。一瞬、その声と勘違いしたようだ。
 だが、なのはの反応はまるで違う。
 彼女はこの声を知っている。
 似ているだけでない。本人をだ。
 そしてその人間は、この殺し合いに呼ばれている、大事な部下であり教え子だった。
「スバルの声だ」
「ゲロ? お知り合いでありましたか」
 呟く声に、ケロロが言った。
 間違いない。
 あれはスターズ03――スバル・ナカジマの放った声だ。
 4人の新人達の中でも、誰よりも勇敢な心を持ち、同時に他者を傷つける痛みを、誰よりも理解していた優しい少女。
 自分なんかを憧れ慕い、目標にしてくれた娘の発した叫び。
「しかし、となると今の尋常ではない絶叫は……何かあったのかもしれないでありますな」
 ケロロの言う通りだった。
 距離が離れているだけに、耳にしたボリュームは小さかったが、その語気の異常性までは消し去れない。
 平穏無事でいる人間に、あんな大声を張り上げる必要などあるものか。
 さながら虎かはたまた獅子か。
 百獣の王の咆哮のような、凄まじい気迫の乗せられた声だ。正直な話、あまりの迫力に一瞬身が震えた。
 攻撃時の気合いの叫びか、敵に襲われた際の悲鳴か。
 いずれにせよ、戦闘ないしはそれに準ずる異常事態にあることは間違いないだろう。
「私が行ってくる。ケロロはここに残って、冬月さんに事情を説明して」
 故に、なのははそう提案した。
「ゲロ!? そんな、1人では危ないでありますよ! 行くなら吾輩も一緒……」
「私なら大丈夫。それにケロロの方が怪我はひどいんだよ?」
「しかし……!」
 なのはとケロロ。
 地球人とケロン人。
 進もうとする者と止めようとする者。
 やはり両者の意見は対立し平行線をたどる。
141創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 21:47:42 ID:AYvGBbHr
ksk
142創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 21:48:07 ID:7Weda58I
k s k
143創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 21:49:16 ID:7Weda58I
ksk
144創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 21:49:43 ID:tqbb6ipS
ksks
145揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 21:50:11 ID:/DkpYqMN
 分かっていたことだ。それでも引き下がることなどできなかった。
 こうしている間にも、愛すべき部下の命が消えようとしているのかもしれない。
 この殺し合いが始まってすぐに、手の届かぬ所で命を散らせた、唯一無二の親友のように。
 不安が。焦りが。
 9歳の少女の姿となった、小さな胸の中で渦を巻く。
『――私からもお願いします』
 続いて口を開いたのは、しかしなのはでもケロロでもなかった。
 無機質な合成音声。
 スピーカーを通したような、独特な響きと共に発せられる機械音声。
 音の出所はなのはの首に、首輪と共にかけられたネックレス。
「マッハキャリバー殿?」
 ローラーブレード型インテリジェント・デバイス――マッハキャリバーの声だった。
『彼女は私の相棒です……どうか私と、Ms.高町の手で救わせてください』
 何てことのない無感情な声。
 そこに微かな揺らぎを感じたのは、気のせいでも思い込みでもないはずだ。
 感情なき管制人格であるはずの彼女の語気が、ほんの僅かに強くなっている。
 この音速の名を冠する具足は、元々はスバルの扱っていたデバイスだった。
 シャーリーの改良によってこの世に生を受けた瞬間から、彼女らは常に共に戦ってきた。
 あらゆる苦境や困難を、最も近くで潜り抜けてきた仲間。
 特にスバルと彼女の絆は、他の魔導師とデバイスの間に生まれるそれとは、一線を画したものとなっている。
 なのはとレイジングハートですら、恐らく彼女らには及ばない。
 共に死線を潜りながら、それでもどこかで機械と見なし、主従の関係に留まっている自分達に対し。
 心ある一個の人格として接し、心なきAIを揺り動かした末に、一心同体の対等な相棒となったのがスバル達だ。
 故に、マッハキャリバーはそれを求めた。
 自分に彼女を救わせてほしいと。
 人工知能に要求される、冷静かつ合理的思考をかなぐり捨ててでも。
「まぁ、分からんでもないでありますが……
 しかし、吾輩がついて行くにも、あの得体の知れない毛玉オバケを野放しにしておくのは……」
 その真摯な願いに折れたのか、ケロロの態度は幾分か軟化した。
 だがしかし、彼の気がかりが消えたわけではない。
 そして同時になのはもまた、現状の危険性を改めて認識した。
 冬月とキョンだけだったならまだいい。彼も伊達にここまで生き延びていない。
 たとえキョンが暴れ出したとしても、今の精神状況なら、上手いこと口八丁でかわしてくれるだろう。
 だが1つだけ問題があった。
 少年をここまで運んできた、あの巨大な灰色の獣の率いる軍団だ。
 ケリュケイオンの様子からして、危険な連中ではないのだろう。
 しかし、彼らは人ならぬ獣。人間の常識など通用しない。
 あわや気絶していたキョンを溺れかけさせた時のように、また何か妙なことをしでかすかもしれない。
 そしてもしそんな状況になった時、果たして冬月1人で止められるかどうか――?
「……?」
 と。
 その時。
 のしっ、と。
 重厚な足音が、横合いから鳴った。
「おわァッ!? いいいいるならいるって言ってくれでありますよ!」
 狼狽も露わなケロロの声。
 その大きな目玉の先に現れたなら、それよりも遥かに巨大な獣の体躯。
 噂をすれば何とやら。
 キョンを運んできた、毛むくじゃらの怪物だ。
 フリードや狼といった仲間達も、当然全員集合している。
 毛玉オバケなどという、あまりにあまりな呼び名をつけたがために。
 一転して窮地へと陥った(と本人は思っている)ケロロは、ただただ口をパクパクさせるのみだ。
 しかし一方の怪物はというと、特に気にした様子もなかったらしい。
 むしろ巨体の割につぶらな瞳を、じっとなのはの方へと向けている。
146創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 21:51:41 ID:7Weda58I
k s k
147揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 21:52:04 ID:/DkpYqMN
「ひょっとして……今の話を聞いてたの?」
 両目をぱちくりさせる灰色の野獣へと、恐る恐る問いかけた。
 返事はない。この獣は言葉を話せない。
 代わりににかっと笑顔を浮かべた。
 口裂け女か何かのような、馬鹿でかい口の端を吊り上げ、にいっと笑みの形を取ったのだ。
『こういう顔をした時は、肯定の意思を示しているようです』
 フリードの首にかかったケリュケイオンが、すかさずなのはにフォローを入れる。
「分かるの?」
『何となくですが。彼らの思考を推測するのにも、さすがに慣れてきました』
 答えるブーストデバイスの声からは、微かに哀愁が漂っている気がした。
 何せこれだけの非人間の類の中に、たった1機で放り込まれたのだ。
 会話も行動予測も不可能な相手に、散々振り回されたのだから、デバイスといえど疲れるだろう。
「ヴォ」
「ガウ」
 そうこう考えているうちに、灰色の怪物と青い狼が、短く鳴き声を交わし合った。
 ついで怪物の目が妖精の方へと向けられると、妖精もまた軽く頷く。
 そうした一連のやり取りを終えると、今度は灰色の獣が歩きだした。
 のっし、のっしと言った擬音が似合うような、小山のごとき巨体の移動。
 ややあって数歩進んだところで獣は制止し、ちょうどなのはに背中を向けるような形となる。
 軽く視線を振り向かせると、またしてもにいっと笑顔を浮かべた。
「えと……乗れって、言ってるの……?」
 要するに、こういうことか。
 なのははどうしてもスバルなる人物の所へ行きたいが、ケロロはなのはを1人で行かせたくない。
 だからケロロもついて行きたいのだが、冬月と自分を2人きりにはさせたくないし、なのはもケロロに無茶をさせたくない。
 なら自分がなのはを背負い、スバルの所まで連れていけば、全て問題はないだろう、と。
「……そうなのでありますか?」
 続いてケロロが尋ねる。
 にんまり、と。
 元から笑顔だったので、微妙な差異でしかなかったが。
 どことなく、もっといい笑顔になったような気がした。
「キュクー」
 それに合わせるようにして、フリードが獣の傍から飛び去る。
 翼を羽ばたかせて飛んだ先は、ちょうどケロロの右隣だ。
『どうやら私とフリードは、Mr.ケロロと共に留守番のようです』
「ゲッゲーロ……カエルに爬虫類とは、また奇妙な取り合わせでありますな」
 若干冷や汗を流しながら、ケロロが呟く。
 飛竜であるフリードの容姿は、一見すれば羽の生えたトカゲのようだ。
 彼女らにとっては知る由もないが、実際にキョンもフリードを見て、似たような感想を浮かべている。
 そしてトカゲとカエルといえば、自然界では食う者食われる者の関係だ。
 大体そんなことを連想したのだろう。もっとも、ケロロは小さな飛竜が食べるには、少々大きすぎるのだが。
 それが何だかおかしくて、くすりとなのはが苦笑した。
「まぁ何にせよ、これで全ての条件はクリアーであります」
 言いながら、ぽんとなのはの背を叩くもの。
 小さな背中を押すように、ケロロの右手が触れていた。
「彼らがついてくれているのなら、吾輩に止める理由はないであります。
 部下を守るのも立派な軍人の責務! 頑張るでありますよ、高町一尉殿!」
「……了解しました、ケロロ軍曹殿!」
 にっこりと。
 満面の笑みを浮かべる小さななのはが、ケロロの方を向いて返礼する。
 かつての小さな子供の頃に、そのまま戻ったかのような光景だ。
 最上の感謝を込めた笑顔は、弾けるような輝きを放っていた。
148創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 21:52:29 ID:tqbb6ipS
ksk
149揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 21:53:14 ID:/DkpYqMN
 何故ロビーや入り口を避けたのかというと、キョンに要らぬ情報を与えぬためという配慮が働いたためだった。
 何せ自身の妹の死を受け、あれほどまでに取り乱したのだ。
 何が彼に影響を及ぼすか分からない。うっかり核心に触れでもすれば、またしても混乱させてしまうかもしれない。
 情報を伝えるなら伝えるで、先に自身の中で整理する必要があった。
 キョンから遠ざかったのはそのためだ。
 心の準備もままならぬままに暴れられて、一体どうして適切な対処ができようものか。
 また、冬月が顔を出した時には、ケロロは何やら妙に唖然としており、
 心ここに在らずといった状況だったため、ひとまずはそのまま放置してある。
 我に返ったとしても、キョンのことは冬月に一任してあるのだ。口を滑らせることもないだろう。
「キョン君が拾われてきた矢先に、今度はナカジマ君とやらだ……
 あるいは2人は、我々と合流する以前に、顔を合わせていたのかもしれんな」
『Ms.スバルの声が聞こえてきた方角は、我々がMr.キョンを見つけた場所と一致しています。
 何故ばらばらだったのかは気になりますが、その可能性もゼロではないでしょう』
 結果的に、冬月の配慮は幸いしたといえよう。
 これまでの状況を整理すると、キョンとスバルには何らかの接点がある可能性が見えてきたのだ。
 これでもし本当に顔見知りになっていたとして、うっかり彼の前で彼女の名を出そうものなら、不要な刺激を与えかねなかった。
『Mr.キョンといえば、1つ思い出したことが』
「何かね?」
 不意にケリュケイオンが発した言葉に、冬月が尋ねる。
『トトロという、あの灰色の獣が所持していた手紙の中に、彼のことが書かれていたのです』
「……詳しく聞かせてくれたまえ」
 彼女が口にした手紙とは、ここにはいない古泉一樹という男が、トトロに持たせたものである。
 原文そのものは温泉で濡れてしまい、解読は不可能となっていたものの、ケリュケイオンがその内容を記録していたのだ。
 手紙の差出し相手は件のキョンと、それから涼宮ハルヒなる少女の2名。
 内容は言葉を話せぬ獣の代わりに、トトロ味方であるということを記したもの。
 そしてトトロにキョンとハルヒを捜索するよう依頼してある、と記したものだ。
 更にその後の追伸の中には、朝比奈みくる、キョンの妹、朝倉涼子の名前が記載されている。
 恐らく古泉を含めた6名は、元の世界で面識のある仲間達なのだろう。
 もっとも彼が探し求めた仲間のうち、キョンと朝倉以外の3名は、既に死亡が確認されているのだが。
 またその丁寧な言葉遣いの割に、文字は妙に下手くそだったが、これは今は関係ないので伏せられている。
 見て見ぬふり、というやつだ。武士の情けとも言う。
「朝倉君とも知り合いだったとはな」
 一連の説明を受けた後に、小さく冬月が呟いた。
 これまでに得た情報を纏めると、大体以下の通りになる。

 ・先ほどの声の主はスバル・ナカジマで、今はなのはとトトロが合流に向かっている。
 ・スバルとキョンのいた方向は同じ。ひょっとすると、既に接触済みかもしれない。
 ・キョンの顔見知りだと断定できる生存者は、古泉一樹と朝倉涼子の2名。
 ・死亡済みの参加者の中では、キョンの妹、涼宮ハルヒ、朝比奈みくるの3名と知り合いだった。
150創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 21:54:03 ID:AYvGBbHr
ksk
151創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 21:54:25 ID:tqbb6ipS
ksk
152揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 21:54:29 ID:/DkpYqMN
『これからどうされますか?』
 伝えるべき内容を伝え終えたケリュケイオンが、冬月へと問いかけた。
「ひとまずは彼の知り合いである5人と、それから何か思い出しているようなら、ナカジマ君についても聞いてみるべきだろう。
 ……ただし、ナカジマ君がこちらに来ることは、今のところは伏せておこうと思う」
『何故ですか?』
「あまり考えたくないことだが、彼の記憶喪失が演技である可能性もあるからな。
 過去の行動を隠したいということは、我々とは対立するスタンスを取る存在――殺し合いに乗った人間だという可能性もある。
 もしも彼の語る内容が、ナカジマ君の記憶と食い違うならば、それが証明になるだろう」
 分かりやすく説明すると、こういうことだ。
 まず大前提として、キョンがスバルと顔見知りであったと仮定する。
 もしもキョンの記憶喪失が演技だった場合、その目的は保身と見て間違いないはずだ。
 わざわざ保身を考えなければならないということは、彼にとって自分達は危険な存在ということになる。
 主催に反旗を翻す立場の人間の敵ということは、主催に従いゲームに乗った人間ということ。
 そんな人間が、なのはの仲間であるスバルについて問われれば、いかなる答えを返すだろうか?
 十中八九、「彼女と共に殺し合いを止めようとしていた」という嘘をつくだろう。
 馬鹿正直に「敵対関係にあった」と答え、立場を悪くするとは考えがたい。
 それが真実であった場合は、後から来るスバルの発言とも一致するはず。その時は晴れて無罪放免だ。
 だがそれがスバルの発言と一致しなければ、逆にキョンが嘘つきであることの証明になる。
 こうした手に引っ掛けるには、やはりスバルが近くにいることは、隠していた方がやりやすいだろう。
 仮にスバルを知らないと答えた場合でも、その真偽を見分けられるだけの自信はある。
 もちろん、キョンがスバルをも騙し、殺し合いを止めようと振る舞っていた可能性を考えると、確実な見分け方とは言えない。
 だが少なくとも、効果が全くないというわけではないはずだ。
『……私見ですが、この手紙からは、この古泉なる人間が殺し合いに乗っているとは考えられません。
 そしてMr.キョンもまた、そのMr.古泉の仲間である以上、こちら側の人間であると信じたいのですが……』
「残念ながら、前例がいるのでな……おいそれとは信じられんのだよ」
 軽く肩を竦めながら、冬月が苦笑した。
 前例とは一体誰なのか。
 言うまでもない。
 既にどこかでその命を散らせた、惣流・アスカ・ラングレーだ。
 そのプライド故に強い正義感を持った彼女は、本来なら殺し合いに乗るはずもない人間だった。
 だが彼女は、恐らく憧れの人・加持リョウジを守らんとし、殺人者となる道を選んでしまった。
 キョンが同じでないという保障など、どこにもありはしないのだ。
 古泉や朝倉といった仲間を生かすために、やむなく殺し合いに乗ったとしても。
 決して不自然では、ない。
「……まぁ、確かに私も、彼を信じたいとは思うがな」
 ふぅ、と。
 溜め息をつきながら、呟く。
 本心だ。
 できれば考えすぎであってほしい。思い違いの冤罪であってほしいとは思う。
 あの哀れな少年の素振りが、演技であってほしくはないと。
 これ以上、アスカのような子供を見るのは真っ平御免だ。
 未だ年若く未来のある彼らの手が、血に染められていてほしくはない。
「……何にせよ、実際に聞いてみなければ始まらんな」
 腰を持ち上げる。
 椅子から立ち上がる。
 こうして話す内容や、仕掛ける罠の目処は立った。
 後は実際にキョンと向き合い、その真意を問いただすのみだ。
 さあ、果たして。
 鬼が出るか、蛇が出るか。
153揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 21:56:04 ID:/DkpYqMN
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【G-2 温泉内部・スタッフルーム/一日目・夜】
【冬月コウゾウ@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】元の老人の姿、疲労(中)、ダメージ(大)、腹部に刺し傷(傷は一応塞がっている)、決意
【服装】短袖短パン風の姿
【持ち物】基本セット(名簿紛失)、ディパック、コマ@となりのトトロ、白い厚手のカーテン、ハサミ
     スタンガン&催涙スプレー@現実、ジェロニモのナイフ@キン肉マン
     SOS団創作DVD@涼宮ハルヒの憂鬱、ノートパソコン、夢成長促進銃@ケロロ軍曹、
     フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
0、キョンと対話を行う。古泉、朝倉、キョンの妹、ハルヒ、みくる、スバルについてそれとなく聞いてみる。
1、ゲームを止め、草壁達を打ち倒す。
2、仲間たちの助力になるべく、生き抜く。
3、夏子、ドロロ、タママを探し、導く。
4、タママとケロロとなのはを信頼。
5、首輪を解除する方法を模索する。
6、後でDVDも確認しておかねば。
7、スバルを迎えに行ったことは、今はまだキョンには伏せておこう。
※現状況を補完後の世界だと考えていましたが、小砂やタママのこともあり矛盾を感じています
※「深町晶」「ズーマ」を危険人物だと認識しました。ただしズーマの本名は知りません。
※「ギュオー」「ゼロス」を危険人物と認識しました。
※マッハキャリバーから、タママと加持の顛末についてある程度聞きました。
※夢については、断片的に覚えています。
※古泉がキョンとハルヒに宛てた手紙の内容を把握しました。
※スバルとキョンが同じ方角から来たことから、一度接触している可能性もあると考えています。
※キョンの記憶喪失については、一応嘘の可能性を考慮していますが、極力信じたいと思っています。


【G-2 温泉入り口/一日目・夜】
【ケロロ軍曹@ケロロ軍曹】
【状態】疲労(中)、ダメージ(大)、身体全体に火傷、唖然
【持ち物】ジェロニモのナイフ@キン肉マン
【思考】
0、あれがトトロ……ねぇ……
1、冬月とキョンの対話が終わるまで待つ。
2、なのはとヴィヴィオを無事に再開させたい。
3、タママやドロロと合流したい。
4、加持となのはに対し強い信頼と感謝。何かあったら絶対に助けたい。
5、冬樹とメイと加持の仇は、必ず探しだして償わせる。
6、協力者を探す。
7、ゲームに乗った者、企画した者には容赦しない。
8、掲示板に暗号を書き込んでドロロ達と合流?
9、後でDVDも確認したい。
※漫画等の知識に制限がかかっています。自分の見たことのある作品の知識は曖昧になっているようです
154創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 21:56:26 ID:tqbb6ipS
ksksksk
155揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 21:57:18 ID:/DkpYqMN
【G-2 温泉内部・ロビー/一日目・夜】
【名前】キョン@涼宮ハルヒの憂鬱
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)
【持ち物】デイパック(支給品一式入り)
【思考】
1:手段を選ばず優勝を目指す。参加者にはなるべく早く死んでもらおう。
2:ガイバーが戻るまで記憶喪失のふりをして冬月達に守ってもらう。
3:採掘場に行ってみる?
4:ナーガが発見した殺人者と接触する。
5:ハルヒの死体がどうなったか気になる。
6:妹やハルヒ達の記憶は長門に消してもらう。
※ゲームが終わったら長門が全部元通りにすると思っていますが、考え直すかもしれません。
※ハルヒは死んでも消えておらず、だから殺し合いが続いていると思っています。
※みくると妹の死に責任を感じて無意識のうちに殺し合いを否定しています。
 殺す事を躊躇っている間はガイバーを呼び出せません。
※スバルの声を聞き逃しました。



 巨獣トトロの足は速い。
 いかにも鈍重そうな外見に似合わず、その走る速度はまさしく駿足。
 重量感たっぷりの巨体が疾走する様は、バッファローの突進にもよく似ている。
 並走する狼が疾風ならば、トトロはまさに猛進する竜巻だ。
 道を遮るあらゆる障壁を、真っ向から粉微塵に吹き飛ばさんばかりの暴風雨だ。
 もちろん、自然を愛する森の主が、いたずらに環境破壊行為に走るはずもない。
 ひゅん、ひゅん、ひゅん、と。
 目の前に木々が立ちはだかれば、すり抜けるようにして避けて進む。
 巨大な身体を苦にも感じさせることなく、紙一重で見事にかわしていく。
 この速度でこの制御だ。大したものと言うほかない。
 どことなく間の抜けた印象だったが、少なくとも走るという点においては、これほどの実力を有していたとは。
 グレーの背中で揺られながら、なのははトトロに対する評価を改めていた。
『生体反応を捕捉しました』
 首にぶら下げたマッハキャリバーが、遂にスバルの所在を察知する。
 ひくひく、と動く鼻。
 青色の毛並みを持った狼――ライガーもまた、彼女の匂いを嗅ぎ付けたようだ。
 ばっ、と。
 スピードを上げ、トトロの前へと躍り出る。
 デバイスの指示を聞くまでもなく、さながら先導するかのように、勢いよく加速し先行した。
 やがてトトロの鼻もまた、その匂いを感知したらしい。
 ライガーにならうかのように、その黒い鼻をひくつかせた。
 だが、しかし。
 それと同時に。
「どうしたの?」
 不意に、トトロの表情が曇った。
 先ほどの笑顔が嘘のように、どこか悲しげに目を伏せる。
 一体何がどうしたのか。
 何か匂いを嗅ぐと同時に、妙な気配でも察したか。
 あるいは薄々予感していたように、スバルが危険な状態にあるということか。
 疑問の答えは、すぐに呈示されることになる。
「ガウッ!」
『うわわわっ!? ななな、何ですかぁ!?』
 前方から2つの声が響いた。
 1つはトトロを先導していたライガーのもの。
 付かず離れずの距離を保っていた青き狼が、一足先に目的地に到達したのだ。
156創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 21:58:17 ID:AYvGBbHr
ksk
157創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 21:58:40 ID:7Weda58I
ksk
158揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 21:58:44 ID:/DkpYqMN
 そしてもう1つの声が、その場所でライガーを待ち受けていたもの。
 この慌てふためく幼い声には聞き覚えがある。
 一瞬遅れてたどり着いた先にいたのは、予想通りの人物だった。
「リイン! それと……レイジングハートも!?」
『なのはさん!』
 名を呼ばれるのを耳にしながら、急ブレーキをかけ静止するトトロの背より飛び降りる。
 高い少女の声の持ち主は、やはりユニゾンデバイス・リインフォースUだ。
 水色がかった銀髪に、特徴的な十字の髪留め。
 何より30センチ程度しかない、さながらお伽噺の妖精のような身長が、それが彼女であると何より雄弁に物語っている。
 何やらボディバランスに違和感を感じたが、しかし次の瞬間には吹き飛んだ。
 そこにリインのみならず、予想外の存在が待ち受けていたからだ。
『マスター!』
 機械的な合成音声が響く。
 エース・オブ・エースが愛用する、杖型インテリジェントデバイス――レイジングハート・エクセリオン。
 幾多の戦場を共に駆け抜け、幾多の敵を蹴散らしてきた、なのはの最も信頼する得物だ。
 黄金と桃色に彩られた杖が、目の前の地面に突き立てている。
 いずれ見つけなければとは思っていた。だが、まさかこんなタイミングで再会するとは。
『ってなのはさん、どうしたんですかそのちっちゃい身体は!?』
「説明は後! それよりスバルは――」
 それが気になるのは分かる。通常の人間であるならば、このように10歳も若返ることはあり得ない。
 だが、今はそんなことを論じている暇はない。
 ここまで来た最大の理由はスバルだ。
 あの快活な部下の姿を確認するまで、安心することはできないのだ。
 リインとレイジングハートの向こうへと、半ば焦りながら視線を飛ばす。
「――っ」
 そして。
 見てしまった。
 その先にいた尋ね人を。
 捜し求めたスバルの姿を。
 見るも無惨な姿と成り果て、地面にうつ伏せに倒れた己の部下を。
『相棒!』
 首元のマッハキャリバーが叫んだ。
 思わずそうさせるほどの、ひどい有り様だ。
 純白のバリアジャケットは、至るところに血が滲み、真紅の斑点を浮かび上がらせている。
 ショートパンツから剥き出しになった両足には、おびただしいまでの傷痕が刻まれていた。
 重傷の2文字すら生ぬるい。誰がどう見ても満身創痍。
 さながら打ち捨てられた襤褸雑巾のごとく、ぼろぼろになって倒れ伏すスバルがそこにいた。
「っ……スバル!」
 一瞬の後、我に返った。
 その名を呼びながら駆け寄ると、倒れたスバルの上半身を抱き上げた。
 さながらかつて撃墜された日に、戦友・ヴィータに抱き抱えられた時のよう。
 あの時抱かれる側にあったなのはは、今は抱き止める側にいた。
 今この時抱かれる側にいたのは、自分を慕ってくれた後輩だ。
 重い。さすがにこの体格差はきつい。
 何しろ今は身体が小さい。平時ならこちらが4つ歳上だが、今は逆に6つも負けているのだから。
 それでも、そうせずにはいられなかった。
「スバル! スバル、目を開けてっ!」
 ぐったりと身を預けるスバルを、そのまま抱き止めずにはいられなかった。
 先ほどは後頭部しか見えなかったが、その顔面も相当にひどい。
 体育会系の元気な顔は、目に見えて蒼白になっている。
 おまけに口回りに至っては、大量の血液でべっとりと汚れていた。
 この出血はまずい。下手すれば、失血死ギリギリの状態かもしれない。
159揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 22:00:12 ID:/DkpYqMN
「お願い……目を開けてよ……!」
 こんな馬鹿な。
 こんなことがあってたまるか。
 ようやく再会できたのに。
 フェイトを救えなかった時と違って、こんなに近くまでたどり着いたのに。
 今この手に抱えている命が、今にも消えてしまいそうだなんて。
 どれだけ近くで掴み取っても、指先から砂のように零れ落ちるだけ。
 限りなくゼロに近い距離にいるのに、その手はあまりにも遠い。
 一歩一歩と迫り来る死神が、2人を強引に引き裂かんとする。
 刻一刻と消えゆく命を、ただ黙って見ていることしかできない。
 何という無力か。
 何という無情か。
 これでは同じだ。
 進歩がない。
 最愛の友を喪った時と、何一つ変わらないじゃないか。
「スバル……スバル……!」
 そんなのは――嫌だ。
「スバルぅ……っ!」



 ………………


 ………………


 ……あたしは……どうなったんだっけ……
 あれから一体、何があったんだっけ……


 ……ああ、そうだ。
 あたしはあの後で倒れたんだ。
 最後に大声を張り上げた直後に、そのまま気絶しちゃったんだ。
 無理もないよね。
 これだけボロボロになった身体に鞭打って、強引に走らせようとしたんだから。
 死ぬつもりはなかった。
 実際、死ななかった。
 それでも、最低限こうなることは、予測できたはずだったのにね。


 勇猛なのは良いが、注意力が無ければそれは唯の蛮勇に過ぎん。
 周囲をよく見ずに進むのは無用心すぎる。
 一人で抱え込むな。自分の役割を果たし、その上で理想を叶えられるよう邁進しろ。
 全てガルル中尉の言葉だ。
 偉大な軍人だった中尉が、その命を落としてしまうまでに、あたしに伝えてくれた言葉。
 まだまだドジで未熟なあたしに、中尉はたくさんのことを教えてくれた。
 中尉の言葉を忘れかけた時には、ティアが思い出させてくれたっけ。
 もちろん今になっても、その教えを遵守できているわけじゃない。
 キョン君の罠に嵌まったのは、あたしに注意力がなかったから。
 自分の身体に目を背けたから、今まで意識を失っていた。
 1人で何もかも抱え込んだから、そんな不注意を招いてしまった。
 何度言われてもこればっかりは、全く直る気配がない。
 駄目だな、あたしは。
 中尉の説いた軍人の心得、3つも破っちゃった。
160創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:01:00 ID:tqbb6ipS
ksk
161揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 22:01:47 ID:/DkpYqMN
.

 ああ――それでも。


 何もかも破ったわけじゃない。
 何一つ守れなかったわけじゃ、絶対ない。


 自分の役割を果たすこと。


 最後の最後の心得だけは――決して破っていなかった。


 あの四角いリングに立った時、あたしは気付いてしまったんだ。
 あたしの中の死の恐怖を察してくれたウォーズマンさんが、自ら死地に飛び込もうとした時、あたしは自覚してしまったんだ。
 あたしにはまだ、この生き方しかできないって。
 理性よりも、本能に従う。
 教え込まれた理論より、溢れ出す感情こそを選ぶ。
 死に行く正義超人の背中を、あたしは黙って見ていられなかった。
 それが無謀だって分かっていても、死なせたくないという想いのままに、あたしはキョン君達と向かい合った。
 誰かを危険に晒すくらいなら、あたしが戦うことを選ぶ。
 たとえボロボロの身体だとしても、何の計算もない蛮勇だとしても。
 誰かを助けたいという願いに、理性で蓋をすることなんてできない。
 冷静沈着に状況を把握し、確かな理性で戦術を構築し、自己の生存を最優先とする。
 正しいサバイバルの姿勢とは、真逆に位置する戦い方だ。
 軍人や管理局員としては、落第ものの姿勢かもしれない。
 それでも今のあたしには、この性分を曲げることはできない。
 あたしの最初の戦いの先生――ギン姉はこう教えてくれた。
 打撃型のスタイルとは一撃必倒。
 刹那の隙に必殺の一撃。ただ一点、相手の急所に叩き込むこと。狙うのはただそれだけでいい。
 出力も射程も速度も防御力も。
 自分と相手の実力差さえも、そんなことは全部関係ない。
 ならあたしは、それでいい。
 今のあたしはそれでいい。
 余計な理屈は考えない。無理に本心を否定したりはしない。
 たったひとつの意志と力を、叩き込むだけの鉄砲玉でいい。
 慣れないことに手を出して、結果的に自滅するよりは、ずっといいと思うから。


 そしてもし叶うなら、せめて一緒に戦う仲間がほしい。
 あたしの貫く無茶や無謀に、中身をくれる仲間がほしい。
 チームがそれぞれに強い部分を持ち寄れば、より万全になる。
 ティアが思い出させてくれた、もう1つのこと。
 悲しいけど、あたしの選んだこの道は、きっと1人では貫けない。
 弾丸は前に進めても、横や後ろには曲がれない。
 そのくせ加速を失えば、後はただ地面に落ちるだけ。
 だから銃には狙いを定めて、引き金を引くガンナーが必要なんだ。
 あのティアのように的確な指示を出して、あたしの力を引き出してくれる誰かが――
162創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:02:28 ID:AYvGBbHr
ksk
163揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 22:03:44 ID:/DkpYqMN
.

「――ル……バル……」


 ……あれ……?
 誰だろう、この声は……?
 ティアや中トトロの声じゃない。夢の中のものじゃなく、現実のものだって分かる声。
 あたしを呼ぶのは誰?
 あたしを揺り起こしたのは、一体誰?
 鉛のように重い瞼を、ぐっと力を込めてこじ開ける。
 霧の中のようにぼやけた視界に、映ったその誰かの顔は。


「スバル……!」


 ああ、そっか。
 この人だったのか。


「なの、は……さん……」


 なのはさんが、そこにいた。
 サイドポニーにまとめられた、綺麗な栗毛の髪も。
 きらきらと輝くようなその瞳も。
 あたしがこうなりたいって憧れた、強く優しいエース・オブ・エース。
 あたしの命を救ってくれた。戦う意味を教えてくれた。
 その高町なのはさんが、あたしの所へ来てくれた。
 よかった。また、会えた。
 嬉しくて、嬉しくて。
 身体中が痛むのに、自然と笑みが浮かんでいた。


「よかった……! 気をしっかり持って、スバル……今、安全な所に連れて行くから」


 今にも泣き出しそうな声が、なのはさんの口から紡がれる。
 心配してくれてるんだ。
 心配、かけさせちゃったんだ。
 こんななのはさんの声、今まで聞いたことがなかった。
 いつも凛とした姿のなのはさんの涙なんて、今まで一度も見たことがなかった。


「なのは、さん……」


 口を開く。
 言葉を口にする。
 消え入りそうな意識の中、血の味を感じながら声を発した。
 まだだ。
 まだ気を失っちゃいけない。まだ気を引き締めてなきゃ。
 どうしても確認しなきゃいけないことがあるんだ。
164創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:04:51 ID:AYvGBbHr
ksk
165揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 22:05:33 ID:/DkpYqMN
.

「キョン、君……という、少年に……会いました……か……?」


 それを聞くまでは、まだ倒れられない。
 答えをちゃんと聞くまでは、意識を手放すわけにはいかない。
 見失ってしまった彼が、今どうなっているのか知っているのか。
 それを聞き届けるまでは、倒れるわけにはいかなかった。


「……うん……会ったよ。今は、私の仲間と一緒にいる」


 それを聞いて、安心した。
 よかった。
 まだ、手の届く場所にいてくれたんだ。
 なら、次に口にする言葉は1つ。
 願うべきことは、たった1つ。


「おね、がいっ……します……力を……貸して、くだ……さい……キョ、ン、君を……彼を……助けて……あげ、て……」


 ああ、やっと言えた。
 大丈夫。
 きっと、これで大丈夫だ。
 なのはさんなら間違いなく、これ以上ないほどの強力な味方になってくれる。
 彼を暗闇から救い出すために、きっと力になってくれる。
 誰よりも強い、不屈のエースで。
 誰よりも優しい、あたしの先生。
 そのなのはさんと、肩を並べて戦えるんだ。
 見ていますか、ガルル中尉。あたしはようやく、なのはさんと再会できました。
 待っていてください、ウォーズマンさん。なのはさんと一緒に、必ず加勢に駆けつけます。
 そして、キョン君。
 大丈夫。キョン君は必ずやり直せる。
 あたし達の助けが必要なら、いくらでも力になってあげるから。
 あたし達が……必ず――
166創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:07:45 ID:AYvGBbHr
ksk
167揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 22:08:20 ID:/DkpYqMN


 再び意識を喪失したスバルの上半身を、なのはは静かに抱えていた。
 瞳を閉じて眠る彼女へと、じっと視線を向けている。
 見れば見るほど、ひどい怪我だ。
 骨折こそしていないものの、打撲や裂傷の数は数十箇所。吐血していたということは、内臓にもダメージがあるということか。
 いかに強靭な戦闘機人といえど、平気でいられるはずもない。明らかに死の一歩手前。
 こんなボロボロになってまで、スバルは戦い続けていたということか。
 あのキョンという少年を救うために、こんな身体で歩みを進めていたということか。
 自分のダメージも決して少ない方ではない。だが彼女に比べれば、ずっと綺麗な身体じゃないか。
 自分よりも弱い部下が、自分よりも遥かに身を削って、誰かのために戦っていた。
 思い出せ。
 スバルが自分に向けた顔を。
 極大の苦痛を抱えたその身で、彼女が浮かべた表情は何だ。
 笑顔だ。
 スバルは笑っていた。
 喜んでくれていたのだ。
 こんな自分なんかとの再会を、心の底から喜んでいたのだ。
「……レイジングハート」
 ぽつり、と。
 傍らに突き刺されたデバイスへ、口を開く。
「スバルは今まで、どうしてた……?」
 その戦いを。
 その行動を。
 その信念を。
 問いかける。
『幾度となく傷つき、挫折しそうにもなりましたが……その度に確たる意志を抱いて立ち上がり、戦い続けていました』
『殺し合いに乗ったキョンを、スバルはずっと助けようとしてたです……
 まだやり直せるって……望んでない殺人に、手を染める必要なんてないんだって……』
 レイジングハートの返答に、浮遊するリインの声が続いた。
 記憶を失う以前のキョンは、この殺し合いに乗っていた。それはそれで驚愕の事実だったが、今重要なのはそこではない。
 スバルはやはり戦っていた。
 幾度となく傷つけられようとも、たとえ立ち止まりそうになろうとも。
 その度に強く踏み留まり、決意を新たに立ち上がってきたのだ。
 自分はどうだろう。
 そのスバルに慕われた、高町なのははどうだっただろう。
 スバルが強固な決意のもとに、戦いの最中にあった時、自分は果たして何をしていた?
 自信を失い迷い続けた。何度も何度も泣き叫んだ。
 挙げ句あの時の自分はどうだ。
 サツキを救えなかったあの時、一体自分は何をしていた?
 失意。そして絶望。
 それは自分自身への猜疑となり。
 エース・オブ・エースの名を――捨てかけた。
 こんなにもなるまで抱き続けた、スバルの尊敬をも否定しようとした。
 あの時ケロロがいなければ。
 あの時自分が独りだったならば。
 間違いなく自分は、スバルの憧憬を踏みにじっていた。
 夢に向かって駆け抜ける少女の、その一歩を踏み出した理由を粉々に打ち砕く、最低の人間に成り下がっていた。
 このままじゃ駄目だ。
 これ以上醜態を晒していては駄目だ。
 改めて痛感した。
 ならば、どうする。
 自分はスバルのために何ができる。
 この一途な少女のために、果たして自分には何ができる。
 覚悟を、決める時だ。
 あの時胸に誓った決意を、再び強固に固め直す時だ。
168創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:08:21 ID:7Weda58I
k s k
169創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:09:12 ID:tqbb6ipS
ksk
170揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 22:10:46 ID:/DkpYqMN
「レイジングハート・モードリリース」
 紡いだのは号令。
 一瞬、魔導師の杖が光を放った。
 レイジングハートの先端にある、真紅の宝珠が発光する。
 黄金と桜色の外装が解かれ、待機モードへと移行。
 同時にスバルのバリアジャケットが解除され、元の服装へと戻っていく。
 血と泥にまみれた白装束は消え、現れたのは管理局の制服。
 されどその陸士服すらも、決して清潔なものではなかった。
 通常なら戦闘には使わないようなものですら、所々薄汚れ、戦闘の跡を主張していた。
 これまでスバルの歩んできた道が、決して平坦なものではなかったことを、改めて理解させられる。
 ふわふわと浮遊するレイジングハートが、なのはの手元へと納められた。
 そしてその両手を首元へと伸ばすと、マッハキャリバーをそこから下ろす。
「スバルをお願い、マッハキャリバー」
『All right.』
 茶色い首紐が通るのは、短く切り揃えられた青色の髪だ。
 本来の持ち主であるスバルの胸元で、蒼穹色の結晶が煌く。
 音速の具足・マッハキャリバーは、あるべき場所へと遂に帰還した。
 すた、すた、と。
 そこへ歩み寄る四足獣。
 蒼天のたてがみをたなびかせる狼は、トトロの連れてきたライガーだ。
 準備ができたら背中に乗れ、と言いたいらしい。
 既に妖精型のモンスター・ピクシーが乗っているトトロの背中に、
 スバルまでも乗せてしまえば、なのはが乗るスペースがなくなってしまう。
 そこでライガーの出番というわけだ。
 灰の巨獣がこの狼を連れてきたのには、なるほどこういう意味があったのか。
 ひょい、と。
 今度はトトロの太い両腕が、スバルの身体を持ち上げた。
「――助けるよ」
 呟く。
 怪物の背中へと乗せられる、愛すべき教え子へと。
 少女の双眸には既に、一片たりとも迷いはない。
 宿したものは、決意。
 意志を。
 スバルと再会したことによって、より強靭さを増した覚悟を。
 かつて高町なのはという少女は、気弱なスバル・ナカジマに、戦う意志を与えた存在だった。
 今は、その逆だ。
 静かに目を閉じるスバル・ナカジマが、高町なのはの力となった。
「いつだって……どんな人だって」
 力がないのがつらかった。
 魔導師としての力を奪われ、ただの少女へと貶められ。
 故に何を為す自信も喪失し、何かを為す力もないままに、何度も迷い続けてきた。
 しかし、今は違う。
 力なら今まさに取り戻した。
 最強のエースの力の源泉――レイジングハート・エクセリオンは、スバルがここまで運んできてくれた。
 ならば、何を迷うことがある。
 もう立ち止まらない。
 決して迷うことはしない。
 たとえいかなる困難が立ちはだかろうと、信じた道を貫き通す。
 この殺し合いに終止符を打ち、全ての人々を救い出す。
 この手に受け取ったレイジングハートと共に。
 不屈の心は、この胸に。
171創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:11:49 ID:tqbb6ipS
ksk
172創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:11:50 ID:7Weda58I
ksk
173創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:12:20 ID:AYvGBbHr
ksk
174揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 22:13:00 ID:/DkpYqMN
「レイジングハート――セットアップ!」
 高らかに、叫んだ。
 10年来の愛機の名を、突き上げた左手と共に言い放った。
『Stand by Ready.』
 刹那、世界は激変する。
 湧き上がるのは眩い極光。
 目も眩むほどの魔力の光が、世界を桃色一色へと描き換える。
 光の中心に立つ高町なのはは、さながら宇宙に爆裂する超新星。
 桜花の色に染まる極光の中、その衣服が分解された。
 浴衣も、帯も。髪を留めていたヘアバンドも。
 一糸纏わぬ裸体の中で、左手に持った宝珠が真紅に映えた。
 口づけをする。
 幼い少女の唇が、赤き球体へとそっと触れる。
 ビッグバンの次に待ち受けるのは、新たな銀河の誕生だ。
 全身を覆い尽くす魔力光。薄くまとわりついたオーラが、次第にその姿を変えていく。
 服だ。スカートだ。赤いリボンだ。
 白と青に彩られた、ドレスのごとき華麗な装飾。
 グローブの左手に収まるのは、先ほどは地面に刺さっていた魔導師の杖。
 バリアジャケット、装着完了。
 レイジングハート、戦闘態勢。
 全ての行程は一瞬にして実行される。
 まばたきを終えたその頃には、既に高町なのはの姿は、魔法使いのそれへと変わっていた。
「ありがとう……スバル」
 再び頭上のスバルを仰ぎ、そっと呟く。
 バリアジャケットを纏った彼女の姿は、弱冠9歳でAAAランク認定を受けた、かつての天才少女そのままのようだ。
 否。
 正確には、そのままではない。
 所々に変化が見られるのだ。
 最大の変化は、スカートにある。
 かつて魔導師になったばかりのなのはは、当時通っていた母校の制服と同じ、ロングスカートを身に付けていた。
 しかし今彼女が履いているのは、膝丈にも満たぬミニスカート。
 外気に晒される両足は、代わりにニーソックスによって覆われていた。
 そう。
 なのはが身に纏っているものは、かつてのバリアジャケットではない。
 ほんの9歳の子供であった、かつてのなのはとは違う。
 今その身体を包んでいるのは、管理局のトップエースとしての、19歳の彼女の纏うジャケットだ。
「私はもう迷わない」
 エース・オブ・エース。
 稀代の天才と謳われたなのはに、いつしかついていた称号。
 最強の戦士たるエースの中でも、一際秀でた英雄の名だ。
 時空管理局の魔導師の中でも、最強として認められた勇者の名だ。
 元々派手な肩書きを嫌う、よく言えば謙虚な性分のなのはは、この名を好んではいなかった。
 だが、今は違う。
 管理局最強の称号を、今は胸を張って背負う。
 名を名乗るということは、同時に責任を負うということだ。
 その名に恥じぬ人間となることを、自らに義務付けるということだ。
 最強を名乗るということは、最強の責任を果たすということ。
 常勝無敗を約束し、何物にも屈さぬことを決意すること。
 英雄を名乗るということは、英雄の責任を果たすということ。
 正義の味方として君臨し、自分より弱い者の全てを、命懸けで守ることを誓うこと。
 故に最強の英雄とは、世界全土の者の命を、その身に背負う者を指す言葉だ。
 それがなのはが背負うと決めた、エース・オブ・エースの名の意味だ。
 有言実行の存在だ。
175創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:13:03 ID:7Weda58I
k s k
176揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 22:15:07 ID:/DkpYqMN
「ちゃんと前を向いて、戦ってみせる」
 全てこの身に背負ってみせよう。
 フェイトが果たせなかった遺志も。
 スバルの抱いた憧れも。
 キョンを救うという役目も。
 ヴィヴィオという最愛の娘の命も。
 この殺戮の舞台に集められた、全ての人々の想いを背負うと。
 固く、決意した。
 敢えてその名を名乗ることを。
 迷いも逃げ道も捨て去ることを。
 この身の全てを捧げてでも、皆を守り抜いてみせる、と。
 愛すべき者達の期待に応えるために。
 スバルの憧れた高町なのはは。
 ヴィヴィオが母と慕う高町なのはは。
 エース・オブ・エースの名に恥じぬ、強くてかっこいい人なんだと、胸を張って名乗れるように。
「行くよ――レイジングハート!」
 高町なのは一等空尉が、真にエースとなった瞬間だった。


【G-3 森/一日目・夜】
【高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】9歳の容姿、疲労(小)、魔力消費(中)、決意、はいてない
【装備】レイジングハート・エクセリオン(修復率70%)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【服装】浴衣+羽織(子供用)
【持ち物】ハンティングナイフ@現実、女性用下着上下、浴衣(大人用)、
     ライガー@モンスターファーム〜円盤石の秘密〜
【思考】
0、もう迷わない。必ずこのゲームを止めてみせる!
1、温泉へと戻り、スバルを治療する
2、冬月、ケロロと行動する。
3、一人の大人として、ゲームを止めるために動く。
4、ヴィヴィオ、朝倉、キョンの妹(名前は知らない)、タママ、ドロロたちを探す。
5、掲示板に暗号を書き込んでヴィヴィオ達と合流?
※「ズーマ」「深町晶」を危険人物と認識しました。ただしズーマの本名は知りません。
※「ギュオー」「ゼロス」を危険人物と認識しました。
※マッハキャリバーから、タママと加持の顛末についてある程度聞きました。
※夢成長促進銃を使用し、9歳まで若返りました。
※リインからキョンが殺し合いに乗っていることを聞きました。
177創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:15:17 ID:7Weda58I
ksk
178創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:16:34 ID:AYvGBbHr
ksk
179揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 22:16:44 ID:/DkpYqMN
【トトロ@となりのトトロ】
【状態】腹部に小ダメージ
【持ち物】ディパック(支給品一式)、スイカ×5@新世紀エヴァンゲリオン
     フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS
     ピクシー(疲労・中)@モンスターファーム〜円盤石の秘密〜
     円盤石(1/3)+αセット@モンスターファーム〜円盤石の秘密〜、デイバッグにはいった大量の水
【思考】
1.自然の破壊に深い悲しみ
2.誰にも傷ついてほしくない
3.なのはとスバルを温泉に連れて行く
4.ピクシーにスバルの回復をさせる
5.????????????????
【備考】
※ケリュケイオンは現在の状況が殺し合いの場であることだけ理解しました。
※ケリュケイオンは古泉の手紙を読みました。
※大量の水がデイバッグに注ぎ込まれました。中の荷物がどうなったかは想像に任せます
※男露天風呂の垣根が破壊されました。外から丸見えです。
※G-3の温泉裏に再生の神殿が隠れていました。ただしこれ以上は合体しか行えません。
※少なくともあと一つ、どこかに再生の神殿が隠されているようです。



 戦うことは好きじゃない。
 誰かを傷つけるのが怖かった。
 この拳を振るうのが、本当はとても怖ろしくて、いつも手が震えていた。


 だけど――この手の力は、壊すための力じゃない。


 大切なものを守る力。


 悲しい今を打ち抜く力。


 この拳は、そのためのものだ――
180創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:17:35 ID:7Weda58I
k s k
181揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 22:18:12 ID:/DkpYqMN


【G-3 森/一日目・夜】
【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】ダメージ(瀕死)、疲労(瀕死)、魔力消費(特大)、気絶、覚悟完了
【装備】マッハキャリバー@魔法少女リリカルなのはStrikerS、
    リボルバーナックル(左)@魔法少女リリカルなのはStrikerS メリケンサック@キン肉マン、
【持ち物】支給品一式×2、 砂漠アイテムセットA(砂漠マント)@砂ぼうず、ガルルの遺文、スリングショットの弾×6、
     ナーガの円盤石、ナーガの首輪、SDカード@現実、カードリーダー
     大キナ物カラ小サナ物マデ銃(残り7回)@ケロロ軍曹、
     リインフォースU(ダメージ(中))@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
0:………………。
1:キョンが殺し合いに戻るようなら絶対に止める。
2:なのはと共に機動六課を再編する。
3:何があっても、理想を貫く。
4:人殺しはしない。ヴィヴィオと合流する。
5:I-4のリングでウォーズマンと合流したあとは人を探しつつ北の市街地のホテルへ向かう (ケロン人優先)。
6:オメガマンやレストランにいたであろう危険人物(雨蜘蛛)を止めたい。
7:中トトロを長門有希から取り戻す。
8:ノーヴェのことも気がかり。
9:パソコンを見つけたらSDカードの中身とネットを調べてみる。
※大キナ物カラ小サナ物マデ銃で巨大化したとしても魔力の総量は変化しない様です(威力は上がるが消耗は激しい)
※リインフォースUの胸が大きくなってます。
 本人が気付いてるか、大きさがどれぐらいかなどは次の書き手に任せます。


【備考】
※G-3を中心に、スバルの絶叫が響き渡りました。
 どれだけの範囲に聞こえたかは、後続の書き手さんにお任せしますが、少なくともG-2温泉外部にはギリギリ聞こえています。
182創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:18:48 ID:tqbb6ipS
ksk
183創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:19:14 ID:7Weda58I
ksk
184揺るぎない力と意志貫くように ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 22:19:29 ID:/DkpYqMN
というわけで投下終了。
このロワはスバルがえらい愛されてますねー。
なのはファンの中でも少数派であるスバルスキーとしては、これだけ彼女が魅力的に描かれているのは、非常に喜ばしく思います。
皆様スバルを愛してくれて、本当にありがとうございます。
185創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:21:15 ID:a8dqvPtz
はいはいお疲れ様
矛盾も問題もなにもないよ
186創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:21:18 ID:7Weda58I
k s k
187創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:23:23 ID:XorToOTx
>>147>>149の間に幾つか投下が抜けてませんか?
188 ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 22:24:35 ID:/DkpYqMN
あ、本当だorz
///

 ほどなくして巨獣の方を向き、軽くその背へと飛び乗るなのは。
 それに合わせるようにして、妖精もまた怪物の背へと掴まる。
 両手で身体にしがみつくと、ふわふわの毛並みが出迎えた。
 思った以上にいい肌触りだ。巨体と色合いからして、もう少しごわごわしているとも思っていたが、予想以上に心地よい。
 今にもぎゅっと頬を埋めたくなるような、高級布団にも匹敵する感触。
 今ここでヴィヴィオと再会できたなら、彼女もきっと大喜びするだろう。
「ご協力感謝するであります! ……えーっと……」
 と、眼下から聞こえる声に、我に返った。
 よくよく思い返してもみれば、なのは達はまだこの獣の名前を知らないのだ。
 協力者の名前を知らないというのも、失礼に当たるだろう。たとえ相手が獣だったとしても、だ。
「ケリュケイオン、この子の名前って知ってる?」
『持っていた手紙には、トトロと記されていました』
「トトロ、か……可愛らしい名前だね」
 ケリュケイオンから聞き出した名前を反芻しながら、そっと灰色の毛並みを撫でる。
 ぽっ、と。
 少しばかり、微笑む頬に赤みが差した。
 どうやらこの獣改めトトロは、柄にもなく少々照れているらしい。
 可愛い、という言葉を認識したことを考えると、思ったよりも高い知能を持っているようだ。
「それじゃ……行くよ、トトロっ!」
 そんなことを考えながら、前を見据えて号令を飛ばす。
 そこはそこ、たとえ10年若返ったとしても、中身は不屈のエース・オブ・エースだ。
 あどけなさの残る少女の笑顔は、毅然とした戦士のそれへと変わる。
「ヴォオ!」
「ガウッ!」
 その凛と響く声を聞き届けると、灰の巨獣と青き狼は、ほとんど同時に駆け出した。
 びゅん、と風を切る音が鳴る。
 スタートダッシュから既に驚異的な加速。
 まるで弾丸かロケットエンジンだ。
 一瞬にして爆発的な速度を発揮した両者は、あっという間に見えなくなった。
「今のが、トトロ……」
 そして、温泉旅館に残されたケロロはというと。
「……マジかよ」
 信じられないといった様子で、1人ぽつりと呟いていた。



「そうか……高町君は部下を助けに行ったか」
『止めるべきだったでしょうか?』
「いや、構わんよ。幸い距離はそう離れていないし、戦力が増えるのも願ってもないことだ。
 何より、それが一番高町君のためになるだろう」
 白髪痩躯の老人が、傍らで飛ぶフリードへと言う。
 正確には人語を話さぬ飛竜にではなく、首にかかったケリュケイオンにだ。
 温泉のスタッフルームの椅子に腰かけるのは、ネルフ副司令・冬月コウゾウ。
 厳格かつ聡明な老紳士、といった印象を受ける風貌には、その半袖半ズボンのルックスはあまりにも不釣り合いだが、
 訳を語ると色々とややこしいことになるので、ここでは敢えて伏せておこう。
 そもそも、論点とすべきは別にある。
 ケロロと共に見張りに残ったケリュケイオンが、何故室内の冬月と共にいるのか。
 直接の原因となったのは、やはり例のスバルの声だ。
 冬月もまた、錯乱していたキョンを宥めたり、ちょうどいいソファのあるロビーへ彼を運んだりしている間に、
 微かに響いてきた彼女の声を聞いていたのである。
 聞き覚えのない第三者の声だ。用心深いこの老人が、訝しがらぬはずがない。
 何事かと思った冬月は、キョンの身体をソファに預け、やっと落ち着いたのを見計らうと、入り口へと足を運んだのである。
 そしてケリュケイオンを身につけたフリードをここに連れ込み、今に至るというわけだ。
189創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:25:31 ID:tqbb6ipS
>>184
投下乙!
スバルやべーな、死んじゃうのかと思っちゃった。温泉にいったらリインたちによるキョンの尋問が目に浮かぶw
とうとうケロロのトトロについての疑問が解消されたな、ケロロはどんなのを想像してたんだろうかw
なのはさんはいてないのにミニスカとか危険すぎるwww

ところで途中の////////////////////も本文ですかね?
190 ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 22:25:53 ID:/DkpYqMN
間にこの部分が入ります。
それから容量的に前後編に分けなければいけないと思いますので、



 巨獣トトロの足は速い。
 いかにも鈍重そうな外見に似合わず、その走る速度はまさしく駿足。
 重量感たっぷりの巨体が疾走する様は、バッファローの突進にもよく似ている。
 並走する狼が疾風ならば、トトロはまさに猛進する竜巻だ。
 道を遮るあらゆる障壁を、真っ向から粉微塵に吹き飛ばさんばかりの暴風雨だ。


Wiki収録の際には、この部分から後編でお願いします
191 ◆9L.gxDzakI :2009/08/15(土) 22:27:38 ID:/DkpYqMN
>>189
いえ、違います。

と、「はいてない」に関しては、ちょっと誤解招く表現かもしれなかったので、なのはの状態表を、


【状態】9歳の容姿、疲労(小)、魔力消費(中)、決意
【装備】レイジングハート・エクセリオン(修復率70%)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【服装】浴衣+羽織(子供用・下着なし)


以上のように変更お願いします
192創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:29:55 ID:AYvGBbHr
投下乙でした!

とうとうスバルとなのは合流成功か。
デバイスも本来の持ち主の手に渡って、これでようやく本調子で戦えるかな。
色々課題も多いけど、ここからなんとか踏ん張って欲しいね。

>>189
バリアジャケットになって下着も作ったかと思ったら、なのはさんの状態表がはいてないまんまだったw
気合い入りすぎて忘れてたのかなw
193創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:30:22 ID:GIryUzW9
投下乙!
スバルが危ないww
満身創痍で走り続けるとか自殺行為以外の何物でもねえww
スバルらしいっちゃスバルらしいけど中尉が泣くぞw
あとロワ的に原作キャラ合流は死亡フラグ!
キョンが一体どうする気なのかというのも気になるし、一体どうなる事やら……
デバイスはそれぞれの持ち主に行っちゃったかぁ。
まあこれで戦力に関しては申し分なくなったしいいのかな?

>>185
不満があるならちゃんと形にするか毒吐きへ行こうね。
194創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:35:59 ID:AYvGBbHr
192と思ったら違ったw

服装はバリアジャケットって書いた方が現在の状態としてわかりやすい気もするけど、どうなんだろう?
195創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:40:14 ID:UWy6WUek
投下乙!これは熱い!さすが熱血には定評があるスバルだぜ!!
とりあえず旅館に帰ったら早く回復魔法かけてやらんとまずいねこれは。

本調子に近付いたのはいいけど…将軍に目をつけられてるあたりがやっぱり怖えぇ
196創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 22:54:08 ID:0JiCuDxf
投下乙です!
 
スバルもなのはもカッケェェェェェェェェェェェェェェェ!!!
なんつーか、氏の愛情がビンビン伝わってきて、ゾクゾクしちまったぜw
 
ただ、状況は悪くなったのやら良くなったのやら
スバルが死んじまったらなのはもダメージ大きいだろうし
生きてても今度はキョンと色々有りそうだし…
 
いい意味で先が怖いw
 
そして履いてないwwwww
 
 
改めて、GJでした!!!
197創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 23:07:14 ID:sJq5HRE/
投下乙ですー

スバルがもう死んでしまうかと思った!
熱い展開にwkskでした!
けど今燃えた分、このあと一気に鬱まで転げ落ちて行きそうで怖くもあるな

あとケリュケイオンが立派な通訳してたなw
198創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 23:09:41 ID:7Weda58I
投下乙!
 
スバル…そうだよな、それでこそスバルだよ
ボロボロになっても走り続けるスバルに思わず鳥肌が…
 
なのはさんもエースオブエースとしての自覚出たし
次が楽しみな作品GJです!
ってはいてないのかよwww
199創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 23:13:57 ID:mCbMh6dw
投下乙!
スバル、どんだけ無茶するんだお前は……丁度拾って貰えたから良かったものの……。
なのはさん、いやなのはちゃんも覚悟を新たに得物もゲットか。
とんとん拍子はロワでは怖いが、出来る限り頑張って欲しいな。
てかキョン、気絶してる間に包囲網どころか檻の中だぞww
200創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 23:17:04 ID:AYvGBbHr
いや、俺は>>191で◆9L.gxDzakI氏が状態を修正したから、
バリアジャケットの間ははいているが、元に戻るとはいてない状態なんだと思ったんだが。

いや、個人的にはどっちでもOKなんだがw
201創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 23:21:33 ID:AzT8nxS5
投下乙!

とにかく熱かった。
スバルらしい、でも苦難を乗り越えて磨かれた熱さに感動を覚えた。
その後の熱血ロリママエースなのはの描写も秀逸。
とにかく熱く、面白かった!
202創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 23:33:20 ID:cJgKtNzg
投下乙です!

輸血輸血!走り続けて死にかけとかスバル頑張りすぎだ!
たしか輸血パックを誰かがもって……よりによって砂ぼうずかw
スバル愛が伝わってきました、GJ!
203創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 23:52:38 ID:mCbMh6dw
温泉にある手ぬぐいを使えば下着代わりになるんじゃね!?
と思ったらリナが全部掻っ払っていってたんだな。GJ。
204創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 00:08:12 ID:tZ2O58ya
まさかリナは全て読んでいたというのか…っ
205創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 00:24:18 ID:J1UxksPE
いやいや!補充されてるから!!
きちんと補充されてるって補足あったから!!

なんでみんなノーパンのままでいさせたがるんだww
妹みたいなとんでもないことが起こる前にはやく誰かパンツをww
206創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 00:34:34 ID:tZRHJHy6
そういえばスバルも色々ボロボロだし着替えさせる必要がある気がする
しかしてそこに下着は……

うーん、一歩間違えたらリナの所為で二人の年端もいかない乙女が大変な目に合うところだったんだなぁw
しかもその内の一人は同行者の母親だと言うw
207 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/16(日) 07:55:53 ID:tZRHJHy6
スグル・ゼロス・タママ・ハム・夏子組を予約していた物です。
どうにか作品は完成したのですが一部に際どいネタ・フラグを作ってしまったので、ひとまず当該部分だけを仮投下スレに投下してみたいと思います。
他部分に関しては大して大胆なフラグもなく、全部を仮投下するのも多少手間取ってしまうので…
今回も5分割になってしまいましたが、前作に比べれば短いです。
仮投下で問題がなければ、今夜の21時頃にでも投下したいと思います。
208創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 08:28:36 ID:y5CJ1VNT
仮投下乙です。
SOSマークの新たなフラグについては今後どうにでもなるので個人的にあまり問題には感じませんでした。
別の部分で気になったのですが、

>飛びだした先が、B-8とそれほど遠く離れてはいないA-6では無かった物の、これがもっと遠い、たとえば島の南部だったりしたら目も当てられない。

とありますが”A-6で良かったものの”の誤りでしょうか?

また、A-6は火災現場からそれ程離れておらず、直接炎が届かなくても煙と熱でハムが平然としていられない環境ではないかと気になりました。
ハムの今後についても火災エリアに囲まれた状況では動かし辛いと思います。
209 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/16(日) 08:31:03 ID:tZRHJHy6
>>208
ご意見ありがとうございます。

はい、そこは『良かったものの』の誤りですね…

ハムの出現場所については、とりあえずこの後の展開で救済処置を用意してあります。
210創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 09:11:35 ID:bDXZkdi4
仮投下乙です!
これは…アレか?アレなのか!?
なんかドキドキしてきたw

問題はないと思います。
211 ◆NIKUcB1AGw :2009/08/16(日) 09:22:48 ID:e4dI+kA7
仮投下乙です
自分も特に問題はないかと思います

そして悪魔将軍、オメガマン、古泉一樹、ノーヴェを予約します

ついでに支援絵のようなものを……
綾倉さん(綾波のプラグスーツを着た朝倉さんの略)です、いちおう
ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/a5/b782156b0bc5a9390ab968c0d771a02a.png
212創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 09:33:58 ID:bDXZkdi4
予約と支援絵キターーー!
朝倉さんのプラグスーツ姿はなんだかちょっぴり微エロw
213創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 09:54:51 ID:J1UxksPE
仮投下乙!
なるほど、うまい具合に処理したなと思いました。
問題は見当たりませんでした。
メタな視点で言うと移動先にも何か欲しいかなと思いましたが。
ゼロスの時は楽譜が見つかりましたし。

あ、SOSマークに比べてどうでもいいですが、
ハムはデイバックを持っていません。
今はシンジ→砂ぼうずといどうしてるはず。
214創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 10:21:07 ID:phKwrsvN
仮投下乙です!
個人的に問題はないと思いますー
 
そして予約&支援絵キター!!!
朝倉さんはぁはぁwww
215創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 10:51:15 ID:/NuAClYe
仮投下乙です。
問題はないかと。他のパートが楽しみすぎるw

そして肉氏の予約きたー!楽しみに待ってます。
216創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 14:09:39 ID:tZ2O58ya
仮投下乙ですー
問題はないと思いますが、こんな風に焦らされるとまちきれなくなるw
 
でもってプラグスーツ朝倉さんキターーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
217創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 19:38:52 ID:U0XCUGlb
対主催側に頼りになる奴多いな。
218 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/16(日) 19:40:52 ID:tZRHJHy6
皆様の貴重なご意見、ありがとうございます。
展開事態に問題はなさそうなので、ハムのディパックについての部分の修正や推敲を行ってから、予定通り21時から投下したいと思います。

>>211
NIKU氏予約キター!
遂に魔の将軍一家に予約が…シンジ死亡やマンタ生存の一報が彼等に何をもたらすかが気になる所
そして綾倉さんありがとうございますw
元々は安価リクとは言え、自分が作中で登場させたコスプレを再現してもらえるのは嬉しいようなこそばゆいような…w
219創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 20:48:18 ID:/NuAClYe
そういやもう放送後予約入ってないキャラはいないのか?
いいペースだな
220創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 20:50:39 ID:/NuAClYe
あと今26/48だし、四回放送までに間違いなく半数切るな。
投下が楽しみだ。
221 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/16(日) 21:00:49 ID:tZRHJHy6
では、そろそろスグル・ゼロス・タママ・ハム・夏子 投下します
222炎のキン肉マン  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/16(日) 21:01:59 ID:tZRHJHy6
『話が長くなったけどこの勢いで最後まで頑張ってくれたまえ! 六時間後にまた会おう!』
「そ、そんな……シンジ君以外にも、九人もの参加者が命を落としたと言うのか……!!」

酷く愉しげで残酷な悪魔の放送が終わった直後、正義超人ことキン肉マン、キン肉スグルは怒りと絶望でその身を震わせた。
不可抗力とは言え、ある意味でこの手で命を奪ってしまった少年、碇シンジ以外に彼の知る人物の名は呼ばれはしなかったが、そんな事は関係ない。
正義の心を持つ優しき超人は、ただ『多くの命が失われた』という事実に苦しみ、打ち震えながら涙を流す。
そして、その隣にもう一人、僅かに顔を歪めながら放送を聞いていた人物(正確には『人』ではないが)がいた。
通称、謎の神官(プリースト)、ゼロス。いついかなる時でもその顔に不敵に浮かんでいた微笑みは、この時ばかりはその色を潜めていた。
いつもと違うゼロスの様子に気づいたスグルは、恐る恐ると言った様子で声を掛ける。

「ゼ、ゼロス君……まさか、君の知り合いの名前も呼ばれてしまったのか…?」

まるで我が事のようにワナワナと体を震わせているスグルに、ゼロスはゆっくりとうなずく事で答えた。

「……ええ。この会場で初めて知り合って、更に同行していた時間も遥かに少ないのですが……ゲンキさんと、キョンの妹という少女が…亡くなられたようですね」
「お、おぉぉぉ……!! なんと、何と残酷な……くぅぅぅ、許さんぞ草壁タツオ!! この私が、必ずこんなくだらん殺し合いを止めてやるからなーっ!!」

ゼロスの言葉を聞き、より一層の闘志を燃やすセイギノミカタを見つめながら、ゼロスは心の中で嘆息する。
彼が放送によりある人物の死を知った事で、僅かにネガティブになっている事は事実だ。もっとも、その感情はスグルが想像している物とはかなりギャップがあるのだが。

(ゲンキさんは死んでしまいましたか…結局、あの力の詳細は分からずじまいでしたね。セイギノミカタとしての活躍も期待していたのですが、所詮子供には荷が重かったという事でしょうか)

ゼロスが惜しく感じているのは、興味深い力を持っていたゲンキを失ってしまった、と言う事だけ。
しかも、それを『この殺し合いという状況では仕方のない事』と割り切るだけの冷酷さも、魔の眷属たるこの男は持ち合わせている。
最も、彼にとってはスグルにこのまま勘違いさせておいた方が都合がいいので、それはおくびにも出さないが。

一人闘志に燃えているスグルの存在はさておき、ゼロスは先ほどの放送で得られた情報を纏める。
禁止エリアについて気になる事は二つ。一つは、現在自分達がいるエリアからすぐ東に二つ行った場所が指定されている事。
と言っても、これは今から五時間も先のことであるし、さらに高い山を登ってまで東に移動するというのは体力的な面からも避けたいので、重要度は低い。
もう一つは、ここから北西の方角に指定された禁止エリアの事。
これにより、数時間後には遊園地が閉鎖されてしまうというのは僅かに気になるが、元々ゼロスはこの禁止エリア配置を『主催者のお遊び』と考察している。
三回続いて遊園地周辺のエリア封鎖、という現象を目の当たりにしても、その考えは変わらない。ただ、1の目が三回続けて出たというだけだ。珍しいとは思うが、ありえない確率では無い。
最も、『遊び』という観点ならば『二回連続で遊園地周辺を選び出した事に面白がって、三回目はわざと選んだ』という可能性も考えられる。が、こんな考察自体が無意味極まりない行為だろう。

ゼロスが気になるのは、その次に主催者が話していた内容の方だ。
それを要約してみれば、以下の二つになる。
一つは、『主催者はそれなりの頻度で会場に現れている』という事。
もう一つは、『主催者はその場で参加者と遭遇する事に対して抵抗はないが、襲撃される事に関しては難色を示している』と言う事。

(後者に関しては…この首輪や能力の制限などの計り知れない技術を持っている主催者側が、参加者の攻撃で致命的なダメージを受けるとも思えませんねぇ。
ただ単に、『面倒くさいから手を出すな』、という事でしょうか。耳元でプンプンと蚊に飛び回られる程、ウンザリする事もありませんしね)

主催者の感情を嫌な例えで想像しながら、ゼロスは更に考察する。
ならば、危険度は限りなく低いとはいえリスクを冒してまで彼等が会場に現れる理由は何か?

(………もしかしたら、主催者は『僕と同じ』なのかも知れませんね?)

223炎のキン肉マン  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/16(日) 21:02:39 ID:tZRHJHy6
こうは言ってみたが、ゼロス自身、主催者が自分と同じ『魔族』であるとは毛程も考えてはいない。
彼等と顔を合わせたのは、この殺し合い開始直前のほんの僅かな間ではあるが、もしもあの二人が魔族なのであればその時点で気付いているハズだ。
ゼロスが予想しているのは、主催者が『魔族と同じように負の感情を食らう特性』があるのではないか、という点。
精神生命体である魔族は、人間が放つ憎しみや悲しみ、絶望などを食らう事によって力を貯え、またそれを味わう事で楽しむ事も出来る。
ゼロス自身、ゲーム開始時からホリィやキン肉スグルと接触し、その負の感情を何度も美味しく頂いているのだ。
参加者全員がお互いに命を奪いあうこのデスゲームの会場では、負の感情はより一層に溢れかえっている。
彼のような魔の存在にとってはパラダイスとも言えるべき場所だ。この邪魔な首輪さえなければ。
そして、当たり前の事だが主催者には首輪は嵌められていない。

(彼等は、僕と同じように参加者の負の感情を食らうためにこの会場に現れている? もしそうだとすれば、彼等が好き好んで現れようとするのは、死が最も近くなる場所……)

すなわち――――『戦場』。
ひとつの結論にたどり着いたゼロスは、にっこりとほほ笑みながらこれから自分が取るべき行動を選択する。

(もしそうだとすれば、この先僕が取るべき行動は決まったような物ですね)

意図的に多くの命が失われるであろう戦場を作り出してやれば、主催者達をおびき寄せる事も不可能ではないだろう。
反逆の意を示すかどうかは別にして、少しでも主催者の情報を得るために彼等と間近で接触する事は無駄ではないだろう。
が、ゼロスは『まだ』それを良しとしない。
自分の身を拘束している首輪の対処が出来る人間を見つけ出すまでは、無暗に争いの火種を巻く事はしない。
その結果、貴重な技術を持つ無力な参加者が死んでしまっては元も子もないからだ。

だが、今ゼロスは『無駄な命を散らさずとも激しい戦場を作り出す方法』を持っている。

「おのれ、草壁タツオ、それに長門有希めぇぇ〜〜〜っ……! ………あれ? そういえば…ゲンキとキョンの妹、という名には私も聞き覚えがあるような……」

シンジの死に際して抱いていた罪悪感やショックを、主催者への激しい怒りへと転化していたスグルは(その感情はゼロスが美味しく頂きました)、やがてある違和感に気づいてふと頭を捻る。
本当に一瞬だが、どこかでその二つの名前を聞いた記憶があったのだ。
そしてその様子を見たゼロスが、事もなげにスグルに種明かしを行う。

「それはそうでしょう。本来ならば、朝倉さん達と一緒にいたの学校で合流していた筈の人たちですからねぇ」
「ああ、そう言う事か…それは納得………ってなんだとーーーっ!?」

ゼロスの一言で悩みが解決してしばらく頷いていたスグルだが、すぐにその表情が驚愕へと染まる。
それはつまり、自分が奇妙なパソコンを弄るなど軽率なマネをしなければ、あの学校からワープしてしまうという事件が無ければ、二人の命を救えていたのかもしれないという事。
碇シンジだけでなく、間接的に別の少年少女の命すらも奪っていたという事。
転化されていた怒りが、再び罪悪感へと還元されていくのを感じながら、スグルはゆっくりと地面に蹲る。

「私はっ…私は一体何をやっているんだ…っ!! こんな事で、こんな体たらくで、正義超人などと名乗れる物かーっ!!」

握り拳を作り、くやし涙を流しながら激しく地面を叩いていたスグルだが、やがてある一つの事実に気づいてハッと頭を上げる。
その脳裏に浮かぶのは二つの顔。その可愛らしい顔を恐怖に歪め、涙を流していた幼い子供と、お淑やかそうな見た目とは裏腹に厳しい毒舌を持っているが、悪人には見えない少女の姿。

「が、学校にいたゲンキくんと妹ちゃんが死んでしまったと言う事は…ヴィヴィオちゃんとリョーコちゃんの身にも危険が迫っているという事ではないのか!?」

ほんの僅かな時間とは言え、行動を共にした二人が今この瞬間にも命の危機に晒されているかも知れない。
そして、その最悪の想像は、この手で引き起こしてしまった一つの地獄絵図と徐々にオーバーラップしていく。
目の前で、無残に苦しみながら死んでいった、碇シンジという少年。
彼が受けたような壮絶な痛みが、もしかしたら彼女達にも――――――
224炎のキン肉マン  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/16(日) 21:03:27 ID:tZRHJHy6

「そんな事は……そんな事は、私がさせん! あんな悲劇は、もう二度と起こしてはならないんだ………!!」

ぶるぶると体を震わせながら、スグルは頭の中の惨たらしい光景を振り払おうと頭を振る。
そして、今からでも少女達を救出に向かおうと学校方面に向かって全力で駆け出そうとして、

「あ、すいませんちょっと待っていただけますか?」
「グムーーーーっ!?」

背負っているディパックを強引につかまれて、強制的にブレーキを掛けられた。

「な、何をするんじゃゼロスくん! 今こうしている間にもリョーコちゃんやヴィヴィオちゃんが、シンジくんのように酷い目に合わされているのかも知れないんだぞ!?」
「まぁまぁ。確かにその心配もありますが、リョーコさんはああ見えてかなりの実力者のようですし、大丈夫じゃないですか? それよりも、もう一つ気になる情報を手に入れていまして…」

無理に引きとめられた事によって発生した痛みに耐えながら、スグルは怒りに目を向いてゼロスに詰め寄る。
笑顔の神官はやや焦らすような物言いでそれを宥めながら、僅かに(少しばかり罪悪感を植え付けすぎましたかね…?)などと考えを巡らしたりもしたが、ともかく本命の情報を語り始めた。

「ええい、だったらそれを早く言わんか!!」
「ある人が、ここから東の巨大な湖にいるという話です。なんでも、そこには『リング』と言う物が隠されていたそうで、その中でとある超人が英気を養っていると」
「超人……そうか、ウォーズマンか!! なるほど、ウォーズマンと私が手を組めば確かにどんな敵だろうと…い、いや、確かにあのまっくろくろすけとは合流したいが今は二人を助ける方が先ではないか!?」

今となってはもう懐かしくすら感じられる旧友の所在が分かったのかと予測し、一瞬だけスグルの顔が明るくなるが、すぐにそれを思い直してドタドタと足踏みを始める。
合図があれば、すぐに学校に向かって全速力で走りだすだろう。
だが、ゼロスは相変わらずの笑顔のままで黙って首を振るのみ。

「む、ウォーズマンでは無いのか? とすると…キン肉万太郎かーっ!? ええいゼロスくん、悪いが今は私の偽超人など相手にしている場合では無いぞ!! 早くしなければ、二人が!」

今度は、殺し合いの始まりからずっと探し続けていた小憎たらしい偽物の情報かと見当を付け、今度は怒りの形相のままでゼロスに喰ってかかってみせる。
だが、やはりゼロスは首を横に振った。

「グ、グムーっ…君はふざけとるのか!? もういい、私は勝手に行かせてもらうぞーっ!!」

ついに業を煮やしたセイギノミカタが、ディパックをつかんでいる腕を外して見せようとじたばたともがき始めたのを見て、謎の神官はより一層の笑顔を浮かべながら答えを示す。

「湖で待っているのは、悪魔将軍だそうです」
「――――――――!!」

その言葉を聞いた瞬間、それまで忙しなく暴れていたスグルの動きが止まる。
そのまま、まるで時間を止められてしまったかのように、正義超人は何一つ動きを見せなくなった。
てっきり、『なにーっ、悪魔将軍だとーっ!! この私が成敗してくれるわーっ!!』というセイギノミカタらしい反応が返ってくるかと思っていたゼロスは、思わず眉を寄せる。
そして数十秒ほど時間が経ってから、疑問を抱くゼロスの前でようやくスグルが身動きを取り始めた。
油の切れたゼンマイのように、ギチギチと顔をこちらに向ける。

「あ……悪魔……将軍が……?」

その顔は、ついさっきまで人命救助に向かおうとしていた男の物には見えなかった。
先ほど、碇シンジの死に際していた時のような……いや、そのとき以上に真っ青な顔色。
そこに浮かんでいる感情は、魔族であるゼロスが判断するまでもなく、『恐怖』であった。
予想外の出来事に、久々にゼロスの顔から真の意味で笑顔が消える。

「あ…あわわ……あわわわわ………」

そんなゼロスの表情の変化にも気付かずに、スグルはヘナヘナとその地面にへたり込んだ。
さらに、その体がまるで臆病な幼子か何かのように激しく震えだす。
筋肉質の大男がぶるぶると震え、怯えきっているのは一種異様な光景であり、またその恐怖は極上の味ではあったが今はそれを楽しんでいる場合では無い。

「スグルさん? どうしたんですか?」
「あぁ……ああぁぁぁ〜〜〜っ………!」
225炎のキン肉マン  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/16(日) 21:04:18 ID:tZRHJHy6
流石に不安になってきたゼロスがスグルに呼びかけて見せても、正義に燃えていたはずの超人は頭を両手で押えながら呻くのみだ。
余りにも突然の変貌を前にして、ゼロスはどうにかしてその理由を探ろうと頭を働かせる。
悪魔将軍という人物は、超人であるらしいという情報はすでに聞いている。ウォーズマンを探していたというのも、超人同士顔見知りであり、何かしらの因縁があってのことだろう。
そして、ウォーズマンと顔見知りであるという事は必然的に目の前の超人、キン肉スグルとも顔見知りと言う事になる。
『悪魔』の『将軍』。キング・オブ・デビルとも言い換えられるその名前の語感から見ても、正義超人であるキン肉スグルやウォーズマンとは敵対している超人と見て間違いない。
頭の中でまとめたこれらの情報を、目の前で繰り広げられるスグルの混乱と重ね合わせ、ゼロスは一つの結論を出した。

「スグルさん…貴方は、元の世界で悪魔将軍と既に戦い、負けていたのですか?」

悪魔将軍がウォーズマンを探していたというのも、既に自分が下していたキン肉スグルには興味がなく、また新たな強敵を求めていた、という事か。
だが、ゼロスの予想は他でもない目の前の超人によって否定される。

「ち、違う……私は…確かに悪魔将軍と戦ったが、奴に勝つ事は出来たんだ……」

地べたに座り込んだまま、俯いた状態で答える姿を前にしては、その言葉には信憑性の欠片もない。
しかし、ゼロスはスグルがこんな状態でも見苦しい虚栄を張る人間では無い事は理解している。それならば、『悪魔将軍に勝った』という話は本当なのだろう。
それでも、彼のこの怯えようはとても一度勝った相手に対する物には見えない。
そしてその疑問は、スグル自身がぽつりぽつりと語り始めた過去の回想で明らかになっていく。

「悪魔将軍…奴は……私が今まで闘ってきた超人の中でも、最も恐ろしい男だ……!
 奴に勝つ事が出来たのは、私の火事場のクソ力や、他の多くの正義超人の仲間たち、バッファローマンの協力があったから…そ、それでもギリギリの勝利だったんだっ…!!」

ダイヤモンドのリングの上で繰り広げられた、過去の辛く苦しい戦いを思い出して、スグルの体がより一層の恐怖に震える。
気がつけば、その両目からは大量の涙があふれ、地面を濡らしている。そして、右手は自然とその太い首へと伸ばされ、過去の古傷をなぞっていた。

「悪魔将軍が放つ、最強の必殺技…地獄の断頭台を、私は何度となくこの身に受けた…
どうにか命を繋ぐことは出来たが、奴との戦闘が終わった後でも、これが原因で高熱に襲われ一カ月も寝込むほどに私の体は消耗していた……。
 あ、あれをもう一度味わうのではないかと思うだけで、私は、私は、もう……」

悪魔将軍との戦闘からしばらく経った後、トーナメントマウンテンでの超人タッグマッチの際、スグルはある意味で再び悪魔将軍と対峙する事になった。
将軍の体を形成していた悪魔六騎士の内の二人、アシュラマンとサンシャインが合体し、悪魔将軍の下半身となりスグルへと襲いかかったのだ。
ただの下半身でしかないその姿を見ても、スグルは恐慌状態に陥りリングの上で逃げ回る失態を見せてしまった。
その戦闘では、将軍の体が下半身だけだった為に体重が減り、地獄の断頭台の威力も下がっていた為にどうにか凌ぐ事が出来たが、今この会場にいるのは間違いなく悪魔将軍本人。
それを考えるだけで、過去のトラウマがスグルの精神を攻撃し始める。

「わ、私は…怖い……悪魔将軍が、どうしようもなく怖いんだ〜〜〜っ!」

遂に耐えきれなくなったスグルは、頭を抱えたまま地面に蹲った。
恥も外聞もかなぐり捨て、泣き声までも上げ始める。それ程までに、キン肉マンが悪魔将軍から受けた心の傷は深い。

だが、それを気遣うような感情など、魔族は持ち合わせていない。

微笑みを浮かべ続けていた謎の神官は、今は氷のように冷たい瞳で足元のスグルを見つめていた。
その胸の内にあるのは確かな失望。あれだけ『セイギノミカタ』としての役割を期待していたというのに、この体たらくとは。
思わずこの場でこの筋肉男を始末してしまいたい衝動にも駆られたが、それはまだ時期尚早だとどうにか抑え込む。
自分にはまだ、最後の『切り札』が残っているのだ。
心の内を何重にも覆い隠して、再びゼロスは笑顔を作ると、『切り札』をスグルに向かって切り始める。
226創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:05:48 ID:0QpVSCMT
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227炎のキン肉マン  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/16(日) 21:05:56 ID:tZRHJHy6
「ねぇ、スグルさん。何故僕がこんな情報を持っているかわかりますか?」
「う、うぅぅ…どうせ、あの目つきの悪い男に聞いたんじゃろ……ぐすっ…」

ゼロスの質問を聞いても、スグルは地面に蹲ったままで顔を上げようとすらしない。
それを一層の笑顔で見つめた後で、笑顔の魔族は恐怖に負けた超人にあるカンフル剤を注入する。

「うーん、半分正解ですが半分ハズレですねー。確かにこの情報を教えてくれたのはその人ですが、悪魔将軍と実際に会っているのは実はシンジさんなんですよ」

その名が出た途端、彼の体の震えがピタリと治まった。
ゼロスは確かに感じた手応えに会心の微笑みを浮かべつつ、更に言葉を続ける。

「酷い拷問を受けていたシンジさんですけど、アレはアレをするだけの理由があったそうですよ?
 なんでも酷い混乱と恐慌状態に陥っていたとかで…ああ、我々が見た時と同じぐらい怯えていたんではないでしょうか?
 で、なぜそれだけ彼が怯えていたのかと言うと、なんでも悪魔将軍に酷い目に合わされていたそうで。『私に殺されたくなければ、ウォーズマンを始末しろ』、と命令されていたらしいですよ」

一気にそこまで語ってみせた所で言葉を切り、しばらく足元のセイギノミカタの様子を観察する。
先ほどまで溢れるほどだった身を切るような恐怖の感情は、もうそのほとんどが消え去っていた。
そして、それと置き換わる形で彼の中に溢れているのは……『怒り』。

「………シンジくんが……悪魔将軍に……だと……」

呆然と呟きながら思い出すのは、あまりにも無惨すぎる少年の最期の断末魔。
未だにスグルの耳の奥に残っている、あの痛々しい叫び声が、再び超人の心を苛み始める。

―――ヴァ! ア゛ア゛ア゛アッ゛ッ゛ッ゛ッ!!!! ヴァァーーーーッッ!!!!

回想だというのに、耳を塞ぎたくなる衝動に駆られながらも、スグルはその叫びを正面から受け止める。
彼の心の中の『恐怖』を溢れさせてしまったのは、確かに自分だ。その事実は変えようがないし、この十字架を一生背負って行くだけの心構えも、自分の中に存在している。
では、少年の心に崩壊寸前まで『恐怖』を貯め込んでいたのは誰だ?

「……悪魔……将軍……!!!」

その名前を口に出すのは、これが何度目だったか。
だが、そこに込められている感情はそれまでとは百八十度意味合いが違った。
心を抉るような『恐怖』ではなく、心を燃やすような『怒り』。
まだ明るい未来の存在している少年の命を奪い取る原因を作った男への、強い『怒り』がそこにあった。

それまで地面に伏せていたスグルが、ゆっくりと体を起こす。
俯いていた頭を挙げ、正面からもう一度ゼロスと向き合ってみれば、涙で濡れた瞳の奥に強い輝きが溢れているのがわかる。
太い腕で強引に涙をぬぐい、やや下品に鼻をすすると、正義超人は己の頬を己で打って萎えた気合いを入れ直す。

「ゼロスくん、すまなかったな……私はまた情けない姿を君に見せてしまった」

まず最初に口をついたのは、同行者に対する謝罪の言葉だった。
もう既に長い付き合いと言って差し支えない笑顔の男は、やはり『気になさらないでください』とばかりに微笑みを浮かべたままだった。

「私は……私は、悪魔将軍をこの手で倒す!! 火事場のクソ力が今の私に無くとも、正義超人達の手助けが無くとも、私は奴を倒してみせる!!
 それが…それが私が命を奪ってしまった、シンジくんへ出来るたった一つの贖罪だ!!」

拳を固め、ファイティングポーズを取りながらの決意表明。
そこには、つい先ほどまで無様に怯えていたブタ超人の面影はない。
ただ、熱い正義に燃えるセイギノミカタの姿だけがゼロスの目に映っていた。
それを目の当たりにして、ゼロスはよりその微笑みを深くさせる。

「ええ。期待していますよ、セイギノミカタのキン肉マンさん♪」

―――ほんっと、こういう人って扱いやすくていいですよね〜♪

闇に生きる男は、心底嬉しそうに胸の奥で呟いていた。
228創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:07:13 ID:DCoWRxCA
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229創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:07:39 ID:tZ2O58ya
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230創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:07:55 ID:DCoWRxCA
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それから、しばらくの時間が経った後。
地図上で示すならばC-7に当たる地点、山の裾野付近を東に向かい駆ける二つの人影があった。
一人は、正義に燃える正義超人、キン肉マンことキン肉スグル。
もう一人は、笑顔の奥にドス黒い心を隠す魔族、謎の神官ことゼロス。

「ゼロスくん!! 悪魔将軍が湖のリングにいるというのは確かな情報なのかー!?」
「ええ。彼はシンジさんにウォーズマン殺害を命令した後、『第三放送まではリングの中で待つ』と言っていたそうです。
先の放送でシンジさんの名前が呼ばれたのでそろそろ移動している頃とは思いますが、それでもそう遠くには行っていないでしょう」

簡単な確認を行いながら、二人はより一層足を速めて東へ向かう。
もともと彼等がいたE-4から一直線に湖に向かうのではなく、遠回りのルートを選んだのはゼロスの説得によるものだ。
スグル自身良く分かっている事だが、悪魔将軍は強敵だ。
彼に勝とうというのであれば、そのコンディションは少しでもいい状態に保っておきたい。
そのために、体力の消耗が激しい山道を登るよりは、とこちらのルートを選択したのだ。

(と言っても、それも無駄だったような気もしてきましたが…)

スグルに体力の温存をしてもらいたい、というのは間違う事なきゼロスの本音である。
かの悪魔将軍によって、結果的にLCLやATフィールドなどの首輪解除に役立つと思える情報を持っていた碇シンジの死がもたらされてしまったのは、正直痛かった。
どうにかして彼を止める為にも、セイギノミカタであるキン肉マンにはしっかりと頑張ってもらわなくては困る。
もちろん、キン肉マンの言動から見て、この男が悪魔将軍に敗北する可能性もしっかりと予測はしている。
が、負けて死ぬにしてもせめて悪魔将軍の持つ能力を把握できるぐらいには戦ってほしいところだ。
そのために、ヘトヘトに疲れていたので一発でKOされてしまった、という惨めすぎる最期だけは避けたかった。

しかし、目の前のセイギノミカタは碇シンジの仇打ちに燃え、全速力でその足を動かしている。
遠回りルートを選んだ事もあって、気が急いているのもその理由の一つだろう。
これでは、体力の消耗度は山を越えた時と変わらないかもしれない。

「スグルさん、そんなに急がなくても大丈夫だと思いますよー? 僕としては今は少しでも体力を温存してほしい所なのですが…」
「ええい、そんな悠長な事をいっとる場合じゃないじゃろうがー! 今こうしている間にも、悪魔将軍はシンジくんのような犠牲者を生みだしているかもしれん!」

相変わらずの微笑みを浮かべながら、それとなく提案してみても返ってくるのは芳しくない反応ばかり。
まぁやる気になってくれている事ですし、ここはこれで妥協しますかねぇ…とやれやれと溜息を付きながらふと視線を北の方向へと向ける。
自分達が北上したことにより、島の北部、灰色の街部分の惨状が徐々に明らかになってきていた。
一番最初にゼロスが煙を確認してから、もう二時間程経っている事もあってか多少は火勢も弱まっている部分もあるようだが、あちこちに垣間見える黒焦げの建物から感じられる災害の爪痕は深い。
中でも、ひと際目を引くのが、周辺の物に比べてやや高い灰色の建物…スグルの話と地図によれば『デパート』というらしいその場所が、長い体のすべてを赤く染めあげている事。
あの場所でいかなる惨劇が起きたのか、そしてそこに主催者の介入があったのかどうかをゼロス達は知る由もないが、それらがすべて『終わった事』であるのはそれとなく予測が付いた。
前を行くセイギノミカタも、考えは同じらしい。時折ちらりと心配そうな視線を炎の街へと向けているが、その度に頭を振ってより一層足に力を込めている。
今もあるかどうかも分からない惨劇よりは、確実に目の前にいる悪を叩き潰すという合理的な思考が出来るぐらいには頭が回るらしい。ゼロスはそんな評価を下す。
最も、それをさせているのは未だに彼の中に巣くっている、『碇シンジへの罪悪感』という悪魔なのかもしれないが。
閑話休題、ともかく今自分達がするべきは湖のリングに巣くう、本当の『悪魔』の対処をする事。
ゼロス自身はそれほど深入りするつもりはないが、それでも参加者の情報を得られるチャンスを不意にするつもりもない。
山沿いの道も徐々に右に逸れはじめている。禁止エリアの都合上、島の東部にある街道は使えないので、そろそろ進路を北から南東に変えて直接湖の岸を目指すべき頃合いか。
そして相変わらず前を行くスグルにそう声をかけようとした時、それは起きた。
232創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:08:53 ID:DCoWRxCA
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233創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:09:07 ID:tZ2O58ya
k s k

北の方からの、鈍い爆発音。
ほんの僅かな地面の揺れと共にやってきたそれに、思わず二人は足を止めた。
先ほどまで火の手が上がっていた町の方を見てみれば、そこで何らかの破壊があった事を示す土煙りが上がっている。

「ば、爆発じゃと……!? いや、ガス爆発という可能性もあるが……!?」
「ガス、ですか? それは一体―――」

スグルが呟いた聞き慣れぬ単語に反応したゼロスの言葉を遮るように、再び爆発音が二人の間を駆け抜けた。
立ち上っていた煙はもう一つ増え、それに連鎖するように爆発音も幾重にも増殖し始める。
間違いないだろう。あの炎の海の中で、再び何らかの『争い』が起きている。
これはどうした物でしょうか、と相談しようとした瞬間にはもうセイギノミカタは走り出していた。

「スマン、ゼロスくん!! 確かに悪魔将軍の事も大事だが、それでも私の目の前で誰かが誰かの命を奪おうとしているのは見逃せん!!
 もちろん奴の所に行くのをやめる気はないが、その前に少しだけ寄り道をさせてくれーっ!!」

そう叫びながら、キン肉マンはゼロスの返事も聞かずに灼熱の街へと全速力で駆けて行った。
あまつさえ、スピードを挙げるのに邪魔だとでも言わんばかりに背負っていたディパックを投げ捨てるオマケ付きだ。
しばらくの間は呆然と、それでも相変わらずの微笑みのままでそれを見守っていたゼロスだが、やがてやれやれと肩をすくめた。

「本当に、弱者を守るセイギノミカタの鑑のような人ですねぇスグルさんは…扱いやすいような、扱いにくいような」

そんな事を零しながら、ゼロスもまた街へ向かって足を進める。
悪魔将軍は気になるが、かと言って目の前の争いを見逃せないのは彼も同じ事だ。
と言っても、そこに燃えるような正義感などあろう筈もない。彼にとって見逃せないのは、主催者が興味を示すかもしれない『戦場』だけである。

「それにしても、貴重な荷物を投げ捨てる事はないですよねー? 僕が勝手に持っていってしまったらどうする気だったんでしょうあの人」

ま、そこまで考えてなかったというのが正解でしょうか――心の中だけで毒舌を飛ばしつつ、魔族の神官は地面に落ちたディパックへと近づく。
乱暴に打ち捨てられた所為だろう、その口が中途半端に開き、今にも中の食糧などがこぼれ落ちそうになっている。
やれやれと今度は口に出して呟きながら、もう一度荷物を簡単に詰め直そうと手を伸ばした所で、ゼロスの動きが止まった。

「……………これは?」



「軍曹さー……ゲホッ…んっ! フッキ……ガホッ…ーU…!! どこで…ゲホガホッ……あ〜〜〜ウッゼぇんだよぉモクモクモクモクとぉぉぉぉぉ!!!」

街の北東部、B-8。中心部に比べれば大分火の手が弱まっているこの場所で、それでもしぶとく燃え盛っている炎の中に向かって叫んでいる黒く小さい人影があった。
その影、タママ二等兵は、仲間の所在を知ろうと叫ぶ自分の喉を攻撃する煙に怒りを爆発させ、地面に拳を叩きつける。
あまりに多くの煙を吸いすぎる事で一酸化炭素中毒になり、最終的に死を迎えてしまう事ぐらいは仮にも軍人であるタママも理解していた。
だが、だからと言って悠長に鎮火を待っていられるほど、彼に精神の余裕と言う物は存在していない。
放送で名前が呼ばれていなかったとは言え、彼ら二人が無傷である証拠など無いのだ。
むしろ同行者である草壁サツキが死んでしまった事を思えば、彼等も何らかの怪我を負っていると考えるのも自然。
幾ら『もし死んでしまっても蘇らせる事が出来る』方法を思いついたとはいえ、二人が死ななければ死なないに越した事は無い。
だからこそ早く合流したいとは考えているものの、この煙の海の中では思うように身動きを取る事が出来ない。
かと言って、ちょっとでも弱い炎の裂け目を見つけてそこを進もうとしても、

「うぅぅぅぅあっちゃぁぁぁぁ〜〜!? ボクの軍曹さんに対する愛並に熱いですぅぅぅ〜〜〜!?」

ただでさえ乾燥に弱いケロン人の体では、その熱気に耐える事が出来ない。
それでなくともタママの体色は、その腹の内と同じぐらいの黒。カエル一倍熱を吸収しやすいその体色もまた、彼の道のりを阻む一因となっていた。
炎の海からゴロゴロと転がりながら生還したタママは、幽鬼のような表情で目の前の赤い悪魔を睨みつける。
235創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:09:34 ID:DCoWRxCA
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236創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:10:06 ID:tZ2O58ya
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237創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:10:18 ID:DCoWRxCA
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238創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:10:52 ID:bDXZkdi4
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239創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:10:59 ID:DCoWRxCA
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240創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:11:09 ID:tZ2O58ya
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241 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/16(日) 21:11:37 ID:0QpVSCMT
さるさんを受けてしまいました…すみません、残りは仮投下スレに投下します
242創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:11:39 ID:DCoWRxCA
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243創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:11:49 ID:tZ2O58ya
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244創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:13:08 ID:bDXZkdi4
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「くぅぅぅ〜〜こんの赤くて憎いあんちくしょうめぇぇ〜〜……ああ、なんだか頭もぼうっとしてきたですぅ……」

なぜか一瞬だけ脳裏をかすめた赤ダルマをスルーしつつ、タママはぐりぐりと自分の頭を撫でつける。
島の中央部から全力でここまで駆け抜けてきたことによる体力の消耗、加えて炎の熱による体表の乾燥など、あらゆる要素がタママの体を苛んでいた。
ともすればこのまま気絶してしまいそうな意識を、自分で自分の頬を打つ事でどうにかしゃんとさせようとするが、それも上手くいかない。

「あ〜、なんか耳鳴りまでしてきたです……」

ゴゴゴゴゴゴ、と重い何かが突き進んでくるような音がタママの耳を打つ。

「それに加えて、なんだか足元までフラついてるですぅ〜…」

ズズズズズズ、と重い何かが突き進んでくるような振動がタママの足を襲う。

「オマケにぼんやりとした幻覚まで……うう、お菓子の食べすぎですかねぇ〜…?」

ドドドドドド、と大きい何かが煙の向こうからやってくるようなシルエットまでがタママの目に入る。

「………………………?」

しばし、思考。状況、整理。結果、発表。

「って本当に何か向こうから突っ込んでくるですー!?」

あわあわあわとその場で大混乱に陥るタママの前で、巨大な物体は猛然とスピードを上げながら煙と炎の中を突っ切り、その姿を現す。

意外ッ! それは救急車ッ!!

「ふぉぉぉぉぉぉぉぉーー!?」

丁度道路の真ん中に突っ立っていたタママは、カエル由来の跳躍力で歩道へと飛び込んだ。
緊急回避行動に出た軍人カエルに目もくれず、謎の救急車は南へ向かって一直線に進んでいく。

「てぇんめぇぇ〜〜!! どこ見て運転してやがる!! 僕を轢いてたらどうする気だったてんだゴラァァァ!!!」

煙による喉のイガイガしさも忘れて、事故と言う形で自分の命を奪いかけた鋼鉄の箱に向かって叫ぶ。
が、対する救急車はブレーキをかける様子を見せずに、むしろスピードアップしながらタママから逃げるように去っていく。
距離から行って、全く聞こえていないという事は無いはずだ。幾ら救急車とはいえ運転席まで防音設備が整っている訳はないだろう。

「くぅぅぅ〜〜〜間違いねぇ!! あの車僕を轢き殺そうとしてやがったですぅ!! つまり殺し合いに乗ってる奴が運転しているという事!!
 次見かけた時はただじゃおかっ―――――熱ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

どんどん小さくなっていく救急車に向かって強烈な『Fuck You』ポーズを取っていたタママだったが、やがてその尻尾に強烈な熱さと痛みを覚えてごろごろと地面を転がる。
いつの間にか自分の真後ろまで来ていた火の手が、タママのトレードマークとも言える尻尾の先を炙ったのだ。
しばらくそのまま地面を転がる事で痛みに耐えていたタママだったが、やがてその動きをピタリと止めるとゆっくりと起き上がる。

「…………………………」

無言で目の前の火の海を睨みつけているその顔は、それこそ火を見るよりも明らかに、ブチ切れていた。
直前まで高揚しきっていった精神がそのまま熱い怒りへと変換され、大量のそれは余すところなく一つの対象へとぶつけられる。
すなわち、目の前の火事へと。

「てめぇぇ〜〜…あんまり調子ブッこいてんじゃねぇぞぉぉぉぉーーーー!!」

恨みつらみの籠った絶叫とともに、その口から巨大な衝撃波が放たれる。
タママの得意技・タママインパクト。
今さっきのムカツク救急車からもらったストレスすら八つ当たり気味に込められた(それでなくとも既に八つ当たりだが)その黄色い光線が、周辺の建造物やコンクリートの地面ごと炎をなぎ払う。

「ターマタマタマタマタマ!! ざまぁみやがれですぅ! 思い知ったかよこの赤ダルマがぁ!! アンタの時代はもう終わったんだよぉ!!」

やや錯乱しているのか、途中から罵倒している人物がこのバトルロワイヤルには関係ないまったく別の存在にシフトしている気もするが、それを突っ込んでやれる存在はこの場にはいない。
ともかく、思う存分自分を弄んでくれた憎たらしい炎に一矢報いた事に高笑いしていたタママは、やがてある事に気づいた。

「ターマタマタマタマタマタマ……タマ? ……もしかして、こうやって周りの建物ごと炎を吹っ飛ばしてやれば簡単に軍曹さん達を探せるんじゃないですか?」

事実、先ほどのタママインパクトの影響で炎が寄生している対象であった建造物等は砕け散り、周辺の火事は僅かにその勢いを弱めていた。
かなり強引な方法ではあるが、一定以上の効果が見られるのは間違いない。
その答えにたどり着いたタママは、ニマァという効果音が似合う顔で笑う。

「丁度いいですぅ!! 火事も消えるし、軍曹さん達も探せるし、何より僕のストレス解消にもなるです!! サイッコーじゃないですかぁ!!」

ひとしきり嬉しそうに叫んだ後で、早速タママはあらゆる感情を込めながらあちこちの炎に向かって攻撃をしかけ始める。
『自分の攻撃によって、まだこの周辺にいるかもしれないケロロ達が負傷するかもしれない』という考えには至らない。
ただでさえブチキレモードのタママには、正常な判断を下せるほどの思考能力は残っていなかった。
ただただ、その黒く煮えたぎるストレスを解消させようと、宇宙二重人格者は破壊光線をを恨みの言葉と共に吐き散らす。

「メラメラメラメラうるっせぇんだよぉ〜〜〜〜!!」

タママインパクト!

「メイちゃんを殺した変態黒マントォ!! お前は僕がぶっ殺してやるですぅ!!」

タママインパクト!

「カジオー!! お前はもう一度甦らして僕が引導を渡してやるですよぉ!!」

タママインパクト!

「カーカッカッカッカ! 今の僕は阿修羅すら凌駕する存在ですぅ!!」

タママインパクト!

「ターマタマタマタマ! 薙ぎ払えぇぇーーーーー!!」

タママインパク――――――――

「待てぇーい!! そこのオタマの超人よ!! これ以上の悪行はこのキン肉マンが許さーん!!」
「タマ?」

しゅうしゅうと口から煙を吐きながら、タママがゆっくりと声のした背後を振り向く。
何十回とタママインパクトを発射していく内に大分気分がノッてきたというのに、それに水を差すのは誰だ……そんな思いを込めながら後ろを見てみれば、
そこにいたのは、ブタのような顔をしたブッサイクな筋肉男だった。
何故かその顔を怒りにゆがめたブタ男は、ファイティングポーズを取りながらタママへとゆっくり近づいてくる。

「なんだぁテメェは〜…? 今僕はいろいろあって気が立ってるし忙しいんですぅ〜…邪魔するんならタダじゃおかねぇぞゴラァ!?」

対するタママもまた、怒りの形相を浮かべたままで謎のブタ男を睨みつける。
が、そこに込められている怒りは『軍曹さんを探すのを邪魔された事』よりも『せっかくストレス解消をしていたのにそれを邪魔された事』を原因とした物の割合の方が高かった。
恨みつらみが籠った真黒な醜い表情を前にしても、その男、キン肉スグルは一歩も引こうとしない。

「ええい、忙しいのは私も一緒じゃい!! それよりもオタマ超人よ、お前はなぜこんな事をしているのだ!? 誰かの命を奪おうとしているのかーっ!?」
「あぁ!? 僕がぶっ殺すのは怪しい奴だけですぅ!! いいから軍曹さん達を探す邪魔するんじゃね〜ぞこのブタ野郎!!」
「ブ、ブタだとぉ〜〜!? …ま、まぁそれはどうでもいい! それで、なぜその軍曹とやらを探すのに街を焼き払う必要があるんだーっ!?」
「あ〜〜〜〜〜〜次から次へとごちゃごちゃうっせぇ奴ですぅ〜〜〜!!」

(仕方のない事だが)自分が解説しても一向に理解する様子を見せないスグルに対して、タママが抱くストレスが加速度的に上昇していく。
それでなくても、久々のストレス解消タイムに水を差された事でこの筋肉ブタに対しての心証は最悪に近いのだ。
そんな相手に対して落ち着いて会話ができるほど、タママの今の精神は落ち着いていない。

(こいつ、僕に軍曹さんを捜させまいとしてるんですかぁ…? だとしたら、こいつもやっぱり怪しい奴ですぅ……ま、もしそうじゃなくてもあの根暗カレーに蘇らせりゃいい事ですぅ!)

遂に我慢の限界を迎えたタママは、勝手極まりない思考の末に『目の前のブタ男=怪しい奴』と認定し、殺し合いに乗っている参加者だと決めつける。
ここまで簡単に相手が殺人者だと決めつけるのも、先ほどの考察によりタママにとっての死のイメージが大分軽い物となっているからだ。
もし間違っていたとしても、すべてが終わった後にあの性悪メガネに蘇らせてもらえば無・問・題。
心の中でそう結論づけたタママは、謎のブタ男に向かって躊躇なくその牙をむく。

「これ以上僕の邪魔するってんなら!! お前もただじゃ置かねぇですぅ!! 喰らえ、タママインパクトォォォーーーーーー!!」
「ぐおぉーっ!?」

突然問答無用で放たれた衝撃波を、間一髪で回避するスグル。
意味も分からないままに襲い掛かってきた所を見るに、やはりこのオタマの超人も殺し合いに乗っていると見ていいのか…しばしの苦悩の後、スグルは体勢を立て直すと再度タママへと向き直る。

「お前にどんな考えがあってこんな行動をしているのかはわからんが、かと言って見過ごす訳にもいかん! 何があっても、そのバカなマネを止めてやろうーっ!」
「てめぇにバカなんざ言われたかねぇですぅ〜!! こっちは止められる訳にはいかねぇ〜んですよ、てめぇはやっぱり僕の敵ですぅ!!」

余りにも言葉足らずの会話の結果、二人の認識は修復不可能なまでに食い違う。
互いが、互いをこのデスゲームに乗った愚かな参加者であると認識した上で、二人の格闘士は無駄な争いを繰り広げようとしていた。

「悪いけど、お前みたいなブタ男にグダグダ構ってるヒマはないんですぅ! 一発で沈めてやるぜぇぇ〜〜〜……!!」

そう言うや否や、タママはその両手を上空に掲げて一つの『感情』を集め出す。
続々とタママの手に集まりつつある物、それは『嫉妬』という闇よりも暗くねっとりとした負の感情だ。
そして、人が人の命を奪いあうこの会場の中では、『嫉妬』をはじめとするあらゆるネガティブな感情は掃いて捨てるほどに漂っている。
タママが『僕に嫉妬を分けてくれぇ〜』とお決まりのセリフを言う必要すらないほどに負の感情が彼の手元へと集まり、ドス黒いエネルギー球が形成されていく。
そこにさらに、タママ自身の『嫉妬』…なぜ優しいサッキーが死んでお前のようなブタ男が生きているのか、という薄暗く燃える情念までもを籠める。
より高密度に、より重い質量へと変化していく黒い玉はますます成長していき、もはや1.5m程の大きさと成っていた。
自分が知るなかでも最高の出来栄えとなった必殺技、『嫉妬玉』を目の当たりにして、タママは激しく狂笑する。

「こ、こいつはすげぇ〜…! 最高にネガティブって奴だぜぇぇ〜〜〜!! ターマタマタマタマタマ!!」

一しきり笑い終わったところで、再び目の前の憎むべき敵、ブタ男を睨みつけるタママ。
哀れブタ男は、突然の強力な必殺技の発現に脂汗をかきながらその顔を強張らせている。
が、それでも尚ファイティングポーズを解かず一歩も引こうともしていないのは敵ながら天晴れと言った所か。
しかし、それを目の当たりにしてもタママは殺意を弱めようともしない。
248創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:15:51 ID:DCoWRxCA
ksk
249創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:16:08 ID:0QpVSCMT
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250創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:16:21 ID:tZ2O58ya
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251創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:16:31 ID:DCoWRxCA
ksk

「逃げねぇのは見上げた根性ですが、だからって見逃してやる気はさらさらねぇですよぉ〜…!! これで終わりですぅ〜!!」

その顔に狂った笑顔を張り付けたまま、タママはカエルの跳躍力でスグルの頭上高くへと飛ぶ。
スグルはそこまで来てもなお一歩も引く様子を見せない。見上げた根性ではあるが、勇気と無謀を履き違えてもいるですぅ…もしかしてビビって腰が抜けたんですかぁ、とタママはより一層嘲笑を深くした。

「『嫉妬玉』だぁ!! ぶっ潰れよおぉぉぉぉ〜〜〜〜!!」
「ぐ、グムーッ……!!」

キン肉マンは、深く歯噛みしながらも正面からタママの姿を受け止めた。
彼が逃げたり回避行動を取ろうとしない理由はただ一つ。それは、タママが予測したように恐怖という感情からでは無い。
今自分の目の前に迫っている『嫉妬玉』なる必殺技は、確かにまともに食らえば大ダメージを受けるのは必至だろう。
だが、それは悪魔将軍の最強の必殺技、地獄の断頭台には遠く及ばない物だとキン肉スグルは予測する。

「この一撃に耐えられずに、悪魔将軍とまともに戦える物か……!! 来るなら来てみるがいい!! 正義超人キン肉マンの名に懸けて、見事耐えきってみせるぜーっ!!」

体に強い力を込めて、誰よりも正義を愛する男は来るべき大ダメージに耐えようとする。
その眼が見ているのは、自分に襲い来る謎のオタマ超人ではなく、その先にいる存在……自分の最強の宿敵である、悪魔の名を冠する男。

そして、二人の男の意地と意地がぶつかり合うバトルの行方は―――――――


「えい♪」

ポチッ。

ズバシャァ!!

「ほげらぁぁぁ〜〜〜〜!?」

ドサッ。


突如としてタママを襲った謎の怪光線によって、あっさりと中断された。

「……………………」

黒い小悪魔はあっさりとその意識を手放し、それと同時に集められていた『嫉妬玉』も風によって散り散りとなる。
それを目をパチクリとしながら眺めていたスグルが意識を取り戻すのには、それなりの時間がかかった。

「………はっ! な、なんだーっ!? 今一体何が起こったんだーっ!? 新手の悪魔超人の攻撃かーっ!?」

ようやく現状を認識したスグルが慌てた様子で、光線が放たれた方向を確認してみれば。

「はぁ〜…まさかこんなに便利な物だとは。凄い支給品もあったものですね〜♪」

いつも以上に上機嫌そうな笑顔を浮かべて、奇妙な触覚の生えた黒いボールを手に持った謎の神官が、そこに立っていた。
253創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:17:12 ID:DCoWRxCA
ksk
254創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:17:13 ID:tZ2O58ya
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255創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:17:47 ID:bDXZkdi4
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256創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:17:52 ID:DCoWRxCA
ksk
257創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:18:06 ID:tZ2O58ya
k s k
「ケロボール、というアイテムだそうですよ。
 これを使って出来る事は、先ほど見せたショック光線に加えて、物体転移光線に、瞬間移動、さらに手に持って操作する事で飛行能力を得る事も出来るとか」
「……言葉の意味はわからんが、凄い自信だ」

竜頭蛇尾な戦いから数分後、スグルはようやく自分に追いついたゼロスから、自分が持っていたディパックから発見したという謎の支給品についての解説を聞いていた。
ついさっきまではそれなりの火勢が周辺を襲っていたのだが、謎のオタマ超人が周辺の破壊活動を行っていたお陰でその炎のほとんどは消えうせている。
その為に、ゼロスは落ち着いてこの便利アイテムの説明ができている訳だが、そこは元より頭のあまりよろしくないスグルの事。
複雑なケロボールの機能を理解できるわけもなく、ただただ唸って首を捻ってみせるだけだ。
そんな筋肉男の様子はさておき、ゼロスは自分の確認の意味も含めてさらに機能解説を行う。

「えーと…物体転移光線というのは、使用者の半径20Mにいる物体に当てる事でそれを同じく半径20Mの別の場所へ移動させる事が出来るそうです。
 僕もそれのお陰で、燃えている瓦礫なんかを別の場所へ移す事でスムーズにスグルさんに追いつく事ができたわけで…
 ああ、でもどこに移動させるかの設定はできずにランダムなようですね」
「グ、グムーっ……」
「瞬間移動に関しては、悪魔将軍の元にたどり着くのに使えるのではと思ったのですが…
 どうやらこれが使えるのは放送毎に一度だけな上に、どこにワープできるかはわからないという物のようで。
 いささかギャンブル性が強すぎて使えませんよねぇ?」
「……………」
「スグルさん、起きてますかー?」
「う、うむ! 寝てはおらんぞ!」

ゼロスがそれなりに心のこもった(?)解説を行ってみても、超体育会系の正義超人相手には暖簾に腕押し。
これが氷の精神を持つファイティングコンピューターだったならばまた別の結果が待っていただろうが、
超人連中のなかでも特に頭の出来がよろしくないキン肉マン相手ではそれも無理もない事か。
一瞬だけ溜息をついたゼロスを見て流石に悪いと感じたのか、スグルは自分からもこの黒いボールに関する話題を振ってきた。

「それにしてもそんな便利そうな物が支給されているとは、驚いたのう」
「僕としては、こんな便利な支給品を手に入れていたのに使っていないどころか存在自体に気づいていなかったスグルさんの方に驚きましたよ」
「いや、そう言われてもな…私の元々の支給品はもう調べてしまった後だったし、それを支給されていたディパックもヴィヴィオちゃんと出会った時に近くに置いてあっただけだったしのう」

スグルが回想するのは、第一回放送直前、高等学校にてヴィヴィオと初めて遭遇した時の事だ。
スグルが持っていたディパックの内訳は元々自分が持っていた一つに加え、その時に物言わぬ死体と化した涼宮ハルヒというらしい少女が持っていた物が一つと、その場に放置されていたもう一つの三つ。
話を聞くに、どうやら自分が見かけた新手の悪魔超人『キョン』(正確には超人ですらない一般人の高校生らしいが)が、涼宮ハルヒに手を掛けた後で忘れていった物らしい。
自分の知り合いの命を奪ってしまった殺人者がどんな心境であったか、などはスグルの知る由もない。
とりあえず置いてあるのならばと回収した後で、中に入っている基本支給品が二つあった事に気づき、あの悪魔超人はすでにもう一人の参加者に手を掛けていたのでは…と怒りに震えたのを覚えている。
ディパックだけを幾つも持っていてもしょうがないので、中身だけ一つに纏めて適当に突っ込んでおいたのだが、その時にまだ確認していない支給品が混じったのであろう。
これが元々誰の物であったのかはわからないが、無理に考える必要もない。
ともかく、そんな微妙に言い訳じみた正義超人の話を聞いてもゼロスが浮かべる苦笑の色は変わらなかった。
259創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:18:37 ID:DCoWRxCA
ksk
260創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:18:52 ID:bDXZkdi4
ksk
261創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:19:08 ID:tZ2O58ya
ksk

「……だからと言って支給品を調べようともしなかったんですか貴方は」
「うむ、我々超人には元々武器など不要だからな…そこまで考えが回らなかったわい」

言葉と同時に何度か腕を折り曲げ力瘤を作って見せるも、ゼロスは呆れたような視線と笑顔を浴びせてくるだけだ。
そのまま何ともいえぬ空気を流しているばかりでもいられない、とスグルは別の話題を振ってみせる。

「そ、それよりじゃゼロスくん。そこの、オタマ超人の事なのだが……」

そう云いながら指さすのは、先ほど自分に襲い掛かりゼロスの一撃であっさりと気絶した謎の人物(仮)。
幾らなんでもあのまま地面に寝かしておく訳にもいかないだろう、とすぐ傍の建物の壁にもたれ掛かからせているが、未だに目を覚ます様子は無かった。

「ああ、そうですね…ですがほとんど情報交換もしないままに襲い掛かってきたんでしょう? 僕としては、この魔物はすでにゲームに乗っているとみて間違いないと思うのですが」
「う、うむ。確かにこのオタマ超人には怪しい部分が多いが、それでもいくつか気になる事があっての……
 しかしゼロスくん、その超人は全く目を覚ます様子を見せないが…まさか先ほどの光線で死んでしまったんじゃないのか?」

そんな事を聞くスグルの顔は、僅かに青ざめている。
碇シンジの死に触れた事で人の生死に敏感になっているのだろうか、と考えたゼロスだが、ひとまずは笑顔を浮かべて彼を安心させる事に努めた。
実際、スグルの心配しているようなことは何一つ起こっていないのだ。

「いえ、息もしていますし心臓も問題なく動いていますからね。ただ気絶しているだけですよ」
「そ、そうか…ならいいんじゃが…しかしそのショック光線というのは凄い威力だな。こうもあっさり超人を気絶させてしまうとは…」
「うーん、それならいいんですが、どうもそうじゃないみたいなんですよねぇ。
 解説書が入っていたので一通り目を通してみたのですが、これに搭載されているショック光線は、せいぜい相手を痺れさせる効果しかないようなんです。
 ま、ただでさえ色々な機能があって便利な支給品ですからね。攻撃にまで有用となるのは不公平でしょうし」
「む? じゃがゼロスくん、実際にこのオタマ超人は痺れるどころか気絶しているではないか?」
「ああ、それなんですが…」

頭を捻っているスグルに答えながら、ゼロスは気絶している謎のオタマに近づいてその体を検分する。
体についている傷は、既に処置済みである全身の裂傷、肩や頬に僅かな傷がある程度で軽傷極まりないが、この場合の問題は別にあるのだろう。
意識を失ったまま浅い呼吸を繰り返しているその様子は、『気絶』というよりは『睡眠』に近かった。

「おそらく彼、スグルさんと会うまでに物凄く体力を消耗していたんじゃないでしょうか? 足も酷く汚れていますし、休まずに走り続けたのか、それともどこかで戦い続けていたのかはわかりませんが…」
「むぅ…疲労が溜まりに溜まっていたために、簡単な衝撃で意識を失ってそのまま眠ってしまった、と見るのが正しいという訳か」
「ええ。殺し合いに乗っていた彼が、一体何をそんなに必死になっていた事やら…」
「………その事なんじゃがな、ゼロスくん。どうやらこのオタマは、『軍曹』という人を探していたらしい」

本当に疑問を持っているのか疑わしい微笑みを浮かべながら首をかしげるゼロスに、スグルはこのオタマから聞いた一つの情報を話す。

『あぁ!? 僕がぶっ殺すのは怪しい奴だけですぅ!! いいから軍曹さん達を探す邪魔するんじゃね〜ぞこのブタ野郎!!』

破壊行動を繰り返す事と人を探す事がどう結び付くのかは中々理解が及ばなかったが、
自分が駆け付けた事を思えば、ひと騒動を起こす事で周りの注目を集め、目当ての人間が来るのを待ち構えていたのかもしれない。
ともかく、このオタマ超人はなりふり構わない程にその人物と会う事を求めていたのだろう。

「『軍曹』、ですか? ……そういえば、そんな名前が名簿に載っていましたね。確か『ケロロ軍曹』とか……」

それを聞いたゼロスはしばらく考える素振りを見せた後で、一つの事実に気づいてポンと手を打った。

「なるほど、大体わかってきました。このオタマさんですが、おそらく名前は『タママ二等兵』というのでしょう」
「な、なにーっ!? なぜそんな事がわかるんじゃゼロスくん!?」
「いえいえ、簡単な推理ですよ♪」

驚きの表情のスグルに対して、ゼロスがその結論に至るまでの過程を丁寧に説明しだす。
263創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:19:20 ID:DCoWRxCA
ksk
264創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:20:00 ID:DCoWRxCA
ksk
265創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:20:04 ID:tZ2O58ya
k s k
「実は僕、この殺し合いが始まってから『ドロロ兵長』という人物に会っているんです。彼もこのタママさんと似た姿をしていましてねー。
彼もまたスグルさんに似て、正義感にあふれたセイギノミカタのようだったんですが、結局その後に第三者の来襲があった事もあって別れてしまい…」

ゼロスの言う事に、何一つ嘘は無い。ただ、いつものようにいくつか『言っていない』事があるだけだ。

「そしてもう一人、似た名前を持った『ガルル中尉』という人物は、既に第二回放送にて死亡が確認されています。
 残る二つの名前は、『ケロロ軍曹』に『タママ二等兵』。そしてこちらのオタマジャクシさんは『軍曹』という人物を探していたとなれば、もう答えは一目瞭然でしょう」
「ふ、ふーむ…なるほどのぅ」

まるで数学の授業で出された証明問題を解くかのように、ゼロスのスラスラと流れる解説を聞いて思わずスグルが呻いた。
そこまで分かっているのなら、このオタマ超人が『タママ二等兵』という名なのは確定したような物だろう。
だが、それがわかった所でここではさほどの意味もない。
そう結論付けたゼロスは、気絶しているオタマジャクシ改めタママへとその指を向ける。

「じゃあ、とりあえず目を覚まされる前に始末して置きましょうか」
「ああ、始末じゃな……って待て待て待てぇーーいっ!? い、いくらなんでもそれはひど過ぎないかゼロスくん!?」

余りにも何でもない事のように飛び出した物騒な単語を思わず一度は聞き流したスグルだが、その意味を正確に理解すると慌てて過激な事をやろうとしている神官を引きとめる。
対するゼロスは、微妙に眉をひそめながらも相変わらず張り付いた笑顔のままでセイギノミカタに尋ねた。

「おや、どうして引きとめるんですか? さっきまでの言動を見ても、このタママさんがゲームに乗って、他人を殺そうとしているのは確実でしょう。
 だったら、新たな犠牲者を生まないうちに始末しておくのがいいと思いますが」
「そ、それは確かにそうだが……だが何も問答無用で殺す事はないだろう!? そ、それでは、君もまるで、殺し合いに乗っているような物ではないかーっ!」

わなわなと震えながらのスグルの一言を聞いて、ゼロスは思わず声を出して笑うのを抑えた。
今となっては自分の知り合いはリナしかいないが、彼女はおそらく自分がこのゲームに乗っていると認識しているだろう。
もう早くに退場してしまった人物ではあるが、ゼルガディスもまた自分に対して同じ評価を下している筈だ。
なによりゼロス自身、こんな無駄な『首輪』などがなければゲームに乗る事自体に決して否定的では無かっただろう。最も、自分をこんな空間に押し込めた主催者を許す気がないのは同じだが。
だというのに、目の前のセイギノミカタは自分が殺し合いに否定的だと思い込んでいる。
元々意識してそう思い込ませるようにしていたとはいえ、魔族であるゼロスに本来の性質とは正反対の評価を抱いているスグルの様子が妙に滑稽に映った。
閑話休題、いくらなんでもこの場で笑いだす訳には行かない。
それでも平常時の微笑みを消すことのないままに、ゼロスは逆にスグルへと質問する。
267創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:20:17 ID:bDXZkdi4
ksk
268創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:20:49 ID:DCoWRxCA
ksk
269創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:21:02 ID:tZ2O58ya
ksk
「では、スグルさんはタママさんをどうしたいのですか? このまま生かしておいても、間違いなく彼は他の誰かを殺そうとするでしょうし」
「そ、それは……殺し合いを止めるように説得すればいいではないか!!」
「僕達が、ですか? しかし出会ったばかりで、彼について何一つ知らない僕らがどう説得できるというんです?」

いかにも正義の味方らしい、綺麗で理想的なスグルの考え方に別種の笑いを浮かべながら、さらに追及を続ける。
そろそろこのセイギノミカタも『グムーッ…』と口を噤む頃合いだろう。
だが、ゼロスの予想に反して、正義超人キン肉マンは、尚も決意の表情を浮かべたままでこう言った。

「確かに、我々には不可能な事だろう! だが、それを出来るかもしれない人物がいるではないか!!」

目の前のゼロスの肩を掴んで、熱い心を抱いたままスグルはゼロスの説得を続ける。
真剣な光を宿した瞳で、僅かにたじろいだ様子の神官を見つめたキン肉マンは、やがて気絶しているタママを指さすと高らかに叫んだ。

「このタママとやらが探していた、ケロロ軍曹ならば…タママが何かしらの執着を抱いている様子のケロロ軍曹という者ならば、考えを改めさせる事が出来るかもしれないだろう!?」

スグルは、錯乱していたタママの様子とゼロスの解説を聞きながら一つの事を考えていた。
それは、このタママ二等兵というオタマ超人は、ケロロ軍曹を守るために殺し合いに乗っているのではないか、という仮説。
『街を破壊して探し人を探す』というなりふりの構わなさから見ても、タママはケロロという人物、いやおそらくは名前や彼等の姿から見てカエルの超人に対して何かしら強い思いを抱いているのだろう。
自分たちなら無理でも、おそらくタママ二等兵というオタマの事をよく知っているであろうケロロ軍曹ならば、頑なな決意を崩すことが出来るのではないか?
スグルはそう予想したのだ。

「タママの行動を見るに、この炎の町の中にケロロ軍曹という人物がいた可能性は高い!
 私は今からこの町の中を回ってケロロ軍曹を探す!! ゼロスくん、もう少しだけ、私がケロロ軍曹を探してくるまでの間だけでいい!! タママ二等兵の命を奪うのは、もう少し待ってくれないか!?」

そう言うや否や、スグルはゼロスの肩から手を離すと、未だに火の手が上がっている遠くの街並みを見つめる。
デパート周辺から西、街の中心部は未だに炎の海の灼熱地獄といって差し支えない惨状だ。
だが、そんな地獄を前にしても正義超人キン肉マンは足をゆっくりと進める。

「頼んだぞゼロスくん! 私は、何としてでもケロロ軍曹を見つけ出してくるからなーっ!!」

その叫びを合図にして、スグルは足に力を込め、炎の街へ向かって全速力で駆けだしていく。
走りながら、脳裏に一瞬浮かんだのは一人の少年の姿。
目の前で残酷な死の舞踏を踊った彼の姿は、セイギノミカタの頭から離れる事がない。
キン肉マンは、もうどんな人間だろうと、死に行く人間を見たくはなかった。
だからこそ、正義超人はこの身を焼く灼熱の炎の中でも、この喉を焦がす灰色の煙の中でも、苦しみに耐えながら動き続ける。

「おーーーいっ!! ケロロ軍曹とやらーーっ!! いたら返事をしてくれーーっ!!」

探し人の名を全力で叫びながら、キン肉スグルは躊躇うことなく死地へとその身を投じていった。



「………やれやれ。スグルさんにも、困ったものですねぇ」

事態の成り行きを呆然と見ている事しか出来なかったゼロスは、ようやくどうにか思考力を取り戻すと、彼と共にいる内に何度付いたかしれない溜息を付く。
その顔に浮かんでいる笑顔も苦笑の色合いが強くなっていたが、やがてそれもいつもの胡散臭い物へと変わると、視線を落として足元にいる人物を見やる。
適当な壁に上半身を乗せているオタマジャクシは、未だに目を覚ます気配を見せない。
その様子をじっと観察しながら、ゼロスは顎に手を当ててこの先『自分がすべき事』を考える。
271創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:21:29 ID:DCoWRxCA
ksk
272創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:21:44 ID:bDXZkdi4
ksk
273創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:22:05 ID:tZ2O58ya
k s k
274創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:22:20 ID:DCoWRxCA
ksk
(スグルさんは『すぐに戻ってくる』などと言っていましたが、これだけ広い街の中ですからねぇ…戻ってくるまでにかなり時間がかかるのは間違いないでしょう。
 その上で、目当てのケロロ軍曹が見つかってくれるかというと…これもかなり微妙な所ですねぇ。
 火事からはもう長い時間は経っていますし、タママさんがどう考えたのかは置いておいて、もうここからは離脱していると考えるのが正しいでしょうね。
 つまり、残念ながらスグルさんの決意は無駄になる可能性が高い。それでも諦めずにあの人は、炎の町の中で人探しを続けるでしょうが…ま、死にはしないでしょう)

そこまで一気に思考したゼロスは、一旦脳をクールダウンさせて、大分暗くなってきた空を見上げる。
もういくつかの星を確認できるほどになったそこをニコニコと見つめながら、ゼロスは冷たい心で更に思考を進めた。

(考えてみれば、これは『チャンス』かもしれませんね。良くも悪くもセイギノミカタなスグルさんは、もうしばらくはここに戻ってはこない。
 その間に……目覚めたタママさんを『取り逃がして』しまったり、『正当防衛の結果』その命が失われてしまう『事故』が起こる可能性も大いにあり得る)

表面上に浮かべるものはあくまで友好的な微笑みでありながら、その頭の中で構築されている予定はどこまでもドス黒く、残酷だ。
首輪の解除が行える参加者を探しているゼロスにとって、無軌道に参加者達の命を奪っていくタママの存在は邪魔でしかない。
自分の障害となる者の命を奪う事に、魔族は何の抵抗も抱かない。
だが、目の前のタママが無残に死んでいく様子を楽しげに想像しながらも、ゼロスは『まだ』その命を奪い取る気は無かった。

(こういう状況では、情報が何よりも貴重ですからね……そうですねぇ。セイギノミカタのいない間に、『僕なりの方法』でお話を聞かせてもらいましょうか)

一つの結論を出したゼロスは、ニコニコ笑顔を浮かべながら再びタママを見下ろす。
哀れな犠牲者は、先ほど見た時と変わらぬままの姿で眠っていた。
その小さな体を苦もなく抱き上げると、ゼロスはきょろきょろと辺りを見回して彼と『お話』出来そうな施設を探す。
やがて、すぐ傍に建っていた『診療所』を見つけると、ゼロスの笑みはさらに深みと黒さを増した。

表向きでは友好的な笑顔を浮かべながら、腹の内ではドス黒い思考を巡らせる。
こんな人物を、人はこう評するだろう。

そう、『腹黒』と。



【B-8 診療所付近/一日目・夜】

【ゼロス@スレイヤーズREVOLUTION】
【状態】絶好調
【持ち物】デイパック(支給品一式(地図一枚紛失))×2、草壁タツオの原稿@となりのトトロ、ケロボール@ケロロ軍曹)
【思考】
0:首輪を手に入れ解析するとともに、解除に役立つ人材を探す
1:スグルが帰ってくるまでの間、診療所でタママから『自分なりの方法』で情報を聞く。その結果タママがどうなったとしても――――
2:A.T.フィールドやLCLなどの言葉に詳しい人を見つけたい。
3:悪魔将軍の元へ向かい、スグルとの勝負を見届ける。自分が積極的に戦闘に参加する気はない。
4: 主催者が興味を抱きそうな『戦場』に赴き、彼等と接触を図りたい。
5:ヴィヴィオとスグルの力に興味。
6:セイギノミカタを増やす。 
276創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:23:13 ID:bDXZkdi4
ksk
277創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:23:16 ID:DCoWRxCA
ksk
【タママ二等兵@ケロロ軍曹】
【状態】疲労(大)、全身裂傷(処置済み)、肩に引っ掻き傷、頬に擦り傷、気絶中
【持ち物】ディパック(水消費)、基本セット、グロック26(残弾0/11)と予備マガジン二つ@現実
【思考】
0、軍曹さんを守り、ゲームを止める。
 妨害者及び殺し合いに乗っている疑いが少しでもある者を排除。
1、東回りに火事を避けて市街地に向かい、ケロロたちを捜す。
2、その後はギュオーやウォーズマンの下へ向かう?
3、草壁メイ・草壁サツキの仇を探し出し、殺す。
4、ウォーズマン、ギュオーに一目置く。
5、ギュオーを気に入っているが、警戒を怠らない。
6、自分の妨害をしたブタ男(キン肉スグル)に強い怒り。
7、救急車を運転していた参加者を殺す。
8、脱出の後、クルルに頼んでサツキや親しき者を生き返させる装置でも作らせる。
9、8の案をケロロに伝える。

※色々あってドロロの存在をすっかり忘れています(色々なくても忘れたかもしれません)。
※加持がサツキから盗んだものをグロック26だと思っています。
※ネブラ入りディパックのミサイルを流れ弾だと思っています。
※少しでも疑いのある者を殺す過程で、誤殺してしまっても、証拠の捏造・隠滅+クルルによって生き返せるハズなので、問題無いと考えています。
※街で自分を轢きかけた救急車の運転手(姿は見ていない)を殺し合いに乗った人物と判断しました。


【補足説明】
【ケロボール@ケロロ軍曹】
ケロン星驚異の科学力の全てが詰まった、最強の侵略兵器の一つ。
本来ならば、ケロン人の緊急信号をキャッチする、チリやゴミなどからパソコンやベッドなどを精製するなどなど不可能な事は無いと思われるほど多種多様な機能を搭載している。
やろうと思えば一瞬で地球を消滅させる事も出来るとか。
しかし、本ロワではその機能が著しく制限され、使用できるのは以下の四つのみとされている。

・ショック光線
相手を痺れさせる光線を発射する。殺傷能力はほとんど無く、あくまで体が痺れる程のビームしか撃てない。
ただし威力はそれなりにあるので、酷く消耗しきっている相手に使用すれば気絶させる事も出来る。

・物体転位光線
この光線を浴びた対象は、使用者から半径20M以内の別の場所まで一瞬で転位させられる。
殺傷能力は皆無で、これを受けてもダメージを負う事は無い。光線の射程距離も半径20Mまでとなっている。

・瞬間移動能力
使用者及びその周辺にいる人物を会場内の別の場所へワープさせる。
放送から次の放送までの6時間の間に、一度だけしか利用できない。さらに、会場内のどの場所に出るかは完全なランダムとなる。

・飛行能力
使用者が手に持っているときのみ、飛行能力を得る事が出来る。速度は生身で走るよりも少し速い程度。
もしも飛行中にケロボールが手を離れたら、その時点で飛行能力は失われ落下する。
279創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:23:59 ID:DCoWRxCA
ksk
280創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:24:06 ID:tZ2O58ya
ksk
走る、走る。
炎に燃える街の中で、焼け落ちる建物や足もとの瓦礫を避けながら、正義超人キン肉マンは走り続ける。
途中、なんども躓き、危うく炎の中に飛び込みそうになっても、その足は止まろうとせずにただ前へ進もうと動く。

「おーい!! ケロロ軍曹とやらー!! いないのかー!?」

片手を口元にあて、少しでも声を遠くに届くようにしながら、声を枯らして叫ぶ。
帰ってくる声が無い事に、徐々に自分の胸の内に絶望が湧いてくるのを感じながらも、強引にそれを叩き潰してなおも叫ぶ。

一人の殺人者を止めるために。
これ以上、無駄な血をこの島で流させないために。
もう二度と、あんな悲劇をおこさせないために。

『少年の死』という呪縛に囚われたまま、セイギノミカタはその身が焼かれるのも厭わずに無心に一匹のカエルの姿を探す。

やがて、正義超人は炎の地獄の中で一人の姿を見つけ出した。
最も、大きな爆発が起こったと感じさせる、無残に崩れ落ちた美容院らしき建物の傍にいた……いや、『あった』それは、幸か不幸か彼が探しているものでは無かったが。

それは、おそらくその『少女だったモノ』は、恐ろしくグロテスクな姿をしていた。
ここで起きたと思われる大爆発に巻き込まれたのだろう。全身は焼けただれ、片足などは炭化して真っ黒に染まっていた。
グズグズに崩れてしまっている顔からは、元々の面影は欠片も感じられない。ただ、その体に僅かながら纏わりついていた衣服によって、その死体が少女だったのであろうと見当がついた。
そして、何よりも悲惨だったのが少女の頭部。
ぱっくりと二つに裂け、中身すら見えそうなその傷は、紛れもなく彼女の命を奪い去った原因となったのだろう。

「お……おおぉぉぉ……!」

ともすれば、碇シンジ以上に無残な姿となっている少女の死体を目の当たりにして、スグルはその場にヘナヘナとへたり込んだ。
それはもちろん恐怖による物では無い。彼が今感じているのは、紛れもない『怒り』であり、『悔しさ』だ。
自分の与り知らぬ所で、自分が何も出来ぬままに、一人の人間の命が何者かに奪われてしまった事を、正義超人キン肉マンは何よりも悲しんだ。
よくよく見てみれば、この少女の背格好もあの碇シンジとそう変わらない。未来ある一人の少女が、この忌まわしいゲーム会場の中でその輝かしい『未来』を奪われてしまったのだ。
一度だけ地面に拳を叩きつけると、スグルは立ち上がり少女の死体に近づこうとした。
ただでさえ無残な姿の屍を、これ以上炎の中に曝しておきたくはなかったのだ。

だが、その手が少女の体を掴みかけた瞬間に、崩れかけていた美容院らしき建物が崩壊し、彼女は瓦礫の下敷きとなった。
まるで、正義超人の優しさをあざ笑うかのように。
瓦礫の雪崩から飛びのいたスグルは、歯を食いしばりながらそれを見つめ、しばらくすると傍に落ちていた少女の物らしきディパックを手に取った。

「すまん、名も知らぬ少女よ…!! 私は、君に何もしてやる事が出来なかった……!! せめて、せめて君の道具を、この殺し合いの打倒に役立てる事を誓おう!!
 …今はそれだけしか出来ない私を、許してくれ……!!」

流れ出る涙をごしごしと拭い、僅かな間を少女の冥福を祈る事に使った後で、スグルは自分の物と少女の物、二つのディパックを抱えて再び炎の街へと走り出す。
その胸の中に、より一層の『決意』を燃やしながら、正義超人は人探しを続ける。
この行動が、一人でも多くの人間を救えると信じて。

「おーーーい!! ケロロ軍曹ーー!! 私の名はキン肉スグル!! 怪しい者では無−い!! いたら返事をしてくれーーー!!」

そして、少女の最期を見届けてから、更に北へ北へと向かった先で。
スグルは遂に、その耳に自分の呼びかけに応える声を聞きつけた。

「ムハーーーっ!! 誰か、誰か助けてくださいーーー!! 我輩まだ死にたくありませんぞーーー!!」
「……………っ!!」

正義の味方の耳に届いた、助けを求める悲痛な叫び。
その声の持ち主が探し人である『ケロロ軍曹』なのか、そうでないのか…その事実はこの瞬間だけスグルに取ってはどうでも良かった。
助けを求める声がする。
自分は、ようやく人を助ける事が出来るかも知れない。
やっと、正義超人として命を救う事が出来るかもしれない。
喜びを胸に、そしてまた何があってもこの声の主を助けねばならないという決意が、スグルの足を速める。
282創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:24:48 ID:bDXZkdi4
ksk
283創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:24:55 ID:DCoWRxCA
ksk
「助けに来たぞーーー!! もう少しだけ頑張るんだーーー!! どこにいるのかを教えてくれーーーー!!」
「海ー!! 海ですーー!! そこの、砂浜、………ホッ、……ガッ……」
「………っ!! わかった!! もう無理に叫ばなくてもいい!! 今すぐそこに行くからなーー!!」

突然途切れた叫び声を聞き、スグルの表情が強張り冷汗が流れる。
無理もないだろう、これだけの火事が起きているのだ。砂浜という事は周囲に火の手が上がっている事はないだろうが、それに付随して発生する大量の煙がそこを襲っている可能性が大いにあり得る。
そんな場所で大声を叫べば、喉にダメージが行き体力を激しく消耗するのは自明の理だ。
こんな簡単な事にも気付けなかった自分の頭に一撃を加えた後で、スグルは一直線に北、海のある方向を目指す。
多少の障害物、そして炎の障壁すらも強引にくぐり抜ける。正義超人として鍛え抜かれた肉体を持つスグルだからこそ出来る荒技だ。
幾重もの赤い壁を超えるたびにスグルを襲う痛みや熱さも、そのスピードを緩める原因にはなりはしない。
そして、何枚目かの炎をくぐり抜けた先の地面に違和感が生じる。
それまで硬かった物が、柔らかく。足の裏から伝わるのは、間違い無く砂の感触だ。さらに、鼻を付くのは特徴的な潮の香り。目の前に広がっているのは、巨大な水たまり。
ついに目的地へと到着した事を実感したスグルは、盛んに首を動かして周囲を確認し、要救助者の姿を探す。
自分のいる場所から10Mほど先に、何故か驚いたような表情でへたり込んでいるウサギ超人の姿を見つけるのには、それほど長い時間は掛からなかった。

そしてその姿を見た瞬間、正義超人キン肉マンの心に冷たい衝撃が走った。



これから語られるのは、彼等が出会う前と、彼等が出会った後の物語。
その時刻は18時35分。その場所は、未だ炎に囲まれていた診療所の駐車場、救急車の中から。

川口夏子は、診療所の事務所の中から見つけ出したキーを差し込み、祈るような気持ちでそれを回した。
程なくして、救急車の心臓部が唸りを上げる。それを聞いた夏子は思わず安堵して息を吐くが、すぐにその表情は厳しい物へと変わった。

(もう一度確認するわよ、川口夏子。私とハムはこれから二手に別れて別行動を取る)

数分前に、自分たちの頭上を飛び去って行った謎のロケット。それを前にして夏子達が下した判断は、『二手に分かれて一つでも多くの物を手に入れる』という物であった。
今は、どんな物だろうと貪欲に手に入れたい。ただでさえ物資・情報・その他もろもろが足りないのだ、ここは欲望に忠実に行動する。
そしてまた、あのロケットを目撃して動くのは自分たちだけでは無いだろうと夏子達は予想した。積極的に他の参加者と接触を図ろうとしている夏子達には願ってもないチャンスだ。
もちろんそこにはこの殺し合いに乗っている『出来れば接触したくない参加者』もいるだろうが、今は贅沢を言っていられる場合では無い。
二手に分かれて単独行動となる事もかなりのリスクにはなるだろうが、リスクなくしてリターンは得られない状況だ。背に腹は代えられない。

(ハムとの待ち合わせ時刻は19時半を目安に。場所は、深町晶とチャットをしたゴルフ場の事務室。
ただし、20時までに相手が現れない場合は……そのまま単独行動を敢行する。………そうはなってほしくないわね、本当に)

何も、それなりに長い付き合いとなっているウサギの事を気にかけている訳ではない。
殺し合いに乗っている訳ではない以上、単独行動のリスクは何を持っても避けたいだけだ。
もしも単独行動になった場合、参加者と接触するのと主催と接触と図るのとどちらが有効的なのかしら、というゾッとしない考えが思い浮かび、苦笑する。
そんな事は、そうなった時に考えればいい。今は今の事だけを考えろ、川口夏子。
自分にそう言い聞かせながら、夏子はアクセルを踏み込むと速度を上げて駐車場から脱出する。
ふと、自分たちがさっきまでいた診療所の方を見てみれば、入口の辺りから相棒が固い表情でこちらを見ていた。
目が合ったのは一瞬。すぐに人型のウサギの姿は自分の遥か後方へと移動していった。彼には、はたして自分がどんな表情をしているように見えたのだろうか。
不敵に笑おうと心掛けたが、はたして上手く出来たかどうか。
――――あの最低な幼馴染だったら、どんな表情をしただろう。
そんな夏子の夢想は、ある叫びに一瞬で打ち砕かれた。
285創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:25:37 ID:DCoWRxCA
ksk

「ふぉぉぉぉぉぉぉぉーー!?」

素っ頓狂な叫び声が、前方から右へと移動していく。
慌ててサイドミラーを確認してみれば、小さな黒い影が横っとびで歩道に突っ込むのが見えた。

「不味い、轢きかけた!?」

原因は煙によって前が見えづらかった事、そしてまた考え事をしていた事だろう。
思わずアクセルから足を外しかけたが、一瞬の逡巡の末に夏子は再びそれを踏み込んだ。
今の黒い影、サイズと聞こえた声から言って間違いなく子供だ。車道の真ん中から歩道まで一気に飛ぶ跳躍力は大した物だが、力無い参加者である事に間違いはないだろう。
単独行動をしている子供が生き残れているのは不思議ではあったが、ただ単にはぐれていただけかもしれない。
ともかく、今はそんな足手まといに構っている暇は無い。そう結論づけた夏子は、ただ前方を、徐々にその姿を消しつつあるロケットを見つめる。

「てぇんめぇぇ〜〜!! どこ見て運転してやがる!! 僕を轢いてたらどうする気だったてんだゴラァァァ!!!」

口汚い罵りの声は、既に砂漠の女軍曹には届いていなかった。
彼女が見つめているのはただ一つ、自分に何かをもたらしてくれるであろう空飛ぶディパックだけ。
ただ一心に夜空を見つめ続ける彼女が行く先に待ち受けるもの、それは砂漠のような地獄が、はたまた水辺のような天国か。

行先はただ、ロケットのみぞ知る。



【B-08 南東部/一日目・夜】

【川口夏子@砂ぼうず】
【状態】顔にダメージ、強い決意。
【持ち物】ディパック、基本セット(水、食料を2食分消費)、ビニール紐@現実(少し消費)、
 コルトSAA(5/6)@現実、45ACL弾(18/18)、夏子とみくるのメモ、チャットに関する夏子のメモ
 各種医療道具、医薬品、医学書
【思考】
0、何をしてでも生き残る。終盤までは徒党を組みたい。
1、救急車を使って光跡を追う。
2、19時半を目安に、ゴルフ場の事務室でハムと待ち合わせ。20時までに来なければ、単独行動を行う。
3、キン肉スグル、ウォーズマン、深町晶、キョン、朝倉涼子を探してみる。
4、万太郎と合流したいが難しいと思っている。
5、ハムは油断ならないと思っているが今は自分を見放せないとも判っている。
6、生き残る為に邪魔となる存在は始末する。
7、水野灌太と会ったら――――


【備考】
※主催者が監視している事に気がつきました。
※みくるの持っている情報を教えられましたが、全て理解できてはいません。
※悪魔将軍、古泉、ノーヴェ、ゼロス、オメガマン、ギュオー、0号ガイバー、怪物(ゼクトール、アプトム)を危険人物と認識しています。
※深町晶を味方になりうる人物と認識しました。
※トトロ(名前は知らない)は主催と繋がりがあるかもしれないと疑いを持っています。
※診療所の外に救急車が停まっているのを発見しました。



287創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:26:03 ID:tZ2O58ya
k s k
288創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:26:14 ID:6Y9ZeAAE
ksk
289創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:26:17 ID:DCoWRxCA
ksk
「ムハ〜、行きましたな……夏子さん、そちらの事は貴女に任せましたからね」

診療所の前にて、猛スピードで走り去っていく救急車を見送った後でハムが呟く。
コキコキと首を流して診療所の中へと戻りながら、ハムは川口夏子について僅かに考えを巡らす。
彼女は、とてもタフな女性だ。逆境であってもそれにへこたれずに、何くそと歯を食いしばれる強さを持っている。
そんな彼女であれば、一時的に単独行動をしたとしても不安は無いとは思うが、この会場では何が起こるかわからないのも事実。
貴重な『仲間』(敢えてこう呼称する)を無くしたくないのはハムも同じ事だ。彼女の無事を強く祈った後で、ハムは思考を切り替え自分のなすべき事を考える。

「『貴女の事が心配で調査も手に付きませんでした〜』でもいい訳にもならないでしょうなぁ…やれやれ、気の強い女性は苦手ですぞ」

そんな事を云いながらも、ハムの表情からは不敵な笑みが消えてはいなかった。
仮にも詐欺師としてその生計を立ててきたこのウサギだ。実質、世界を支配しているワルモン達相手に一杯食わせたのも一度や二度では無い。
度胸がなくて、詐欺師が務まる物か。と言っても、度胸試しの為だけに鬼軍曹に喧嘩を売る気など毛頭ない。

「実際、あのパソコンに関しては我輩も気になる事だらけですからな…」

何の変哲もない診察室の中に設置されていた、一台のパソコン。
パソコンなる機械に触れたのはこの会場で初めてだが、一度だけしか見た事がないそれと比べてみても、この診療所のそれは異質であった。
サイケデリックに彩られ、奇妙に歪んだSOSのマーク。それが意味するものは一体何なのか。
ゴルフ場にてパソコンを操作している時も思ったが、どうもこの殺し合いの主催者は自分たち参加者に情報を残すのが好きらしい。
それが彼等の気まぐれである物なのか、殺し合いの促進の為であるのかはハムの知る由もないが、利用できる物は利用させてもらうだけだ。
診療所の周りを覆う炎の海も、徐々にその範囲を広げている。
急がなくてはそれこそ冗談でなく『ムハ〜何も出来ませんでした〜』と言うオチが待っているだろう。それでGAME OVERなどとは考えたくもない。
そうならない為にも、急いでパソコンの調査を――――――ハムが僅かに足を速めた、その時だった。

「てめぇぇ〜〜…あんまり調子ブッこいてんじゃねぇぞぉぉぉぉーーーー!!」
「ムハーーーーッ!?」

突如外から聞こえてきた怒声、そしてその直後に室内を襲った衝撃をまともに受け、ハムの体は診療所の床の上に転がった。
衝撃により、デパートの爆発の余波からもかろうじて生き残っていた窓ガラス達が次々と脱落していく音を聞きながら、ハムは慌てて立ち上がって窓の外を窺う。

「ターマタマタマタマタマ!! ざまぁみやがれですぅ! 思い知ったかよこの赤ダルマがぁ!! アンタの時代はもう終わったんだよぉ!!」

診療所の目と鼻の先、元の世界でも見覚えのない、カエルともオタマジャクシともつかないモンスターが狂笑を挙げている。
意味不明な言動に加え、奇妙な笑いまでも発しているその姿は、どう見ても危険人物だ。『積極的に参加者達に接触する』という方針は決めてはいたが、アレはどう見ても許容範囲外だろう。
冷や汗をかきながらハムが観察を続けている前で、黒い怪物は何やら奇妙な声を上げながらさらに周囲へと攻撃を加え始めた。
怪物の口から吐かれるビームがあちこちへと命中するたびに、診療所もまた鈍い音を立てながら振動する。

(ムハ〜〜っ…これは何と言う逆境……! ひ、ひとまずあの黒い怪物が私に気づく前にさっさとパソコンの調査を行わねば!!)

明らかに錯乱した様子の怪物に見つかって、因縁をつけられた挙句死亡、など笑い話にもならない。
ゆっくりと窓から離れ、身を掲げてちょこちょこと小走りしながら、目的地の診察室を目指す。
しかしアレが陣取ってるとなると入口から脱出は出来ない、はてこの建物に裏口はあっただろうか、そんな事を考えながら診察室のドアを開け中へと滑りこんだ瞬間。


異変が、起きた。

291創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:27:00 ID:DCoWRxCA
ksk
292創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:27:07 ID:tZ2O58ya
ksk
音が、消えた。
視界から、色が消えた。
断続的に自分の体を襲っていた、振動が消えた。
先ほど夏子と話していた時と全く違う、灰色の空間がハムの事を出迎えた。

「こ……これは……いったい……!?」

扉を開ける直前まで、あれほど良く聞こえていたあの怪物の挙げていた奇声すらもこの部屋の中では一向に聞こえない。
まさか良く出来た防音、と言う事もないだろう。なぜならば、窓ガラスは先のデパートの爆発以来そのほとんどが割れている。
明らかに、異常な空間が診察室の中を覆っていた。
しばし混乱しながら周囲を見渡していたハムだったが、やがてその視線は一か所に固定される。
見つめているのは、今から自分が調査するハズだったパソコンの画面。
なぜかほとんどの物が灰色に覆われているこの空間の中で、唯一そこで輝く『SOS』マークのみがサイケデリックな輝きを放っていた。
ゴクリ、と自分が唾を飲み込む音がやけに大きく聞こえる。
ドクンドクン、と自分の中の鼓動が速くなっているのが感じられる。
だが、いつまでもそうしてぼーっと立っている訳にも行かない。
ハムはゆっくりとパソコンの前に近づくと、マウスを手に取った。

何が起こったのかはさっぱりわからない。だが、この原因、もしくは解除法はこのパソコンにあると見て間違いないはずだ。

半ば祈るような気持ちでしばらく画面のマウスカーソルを移動させる。
が、ゴルフ場のパソコンを操作した時のように、kskネットにアクセスする事が出来ない。
そもそも、アクセスする為にクリックするアイコン自体が見つからない。
デスクトップに映っているのは、目に悪く気味も悪いマークのみ。スタートボタンすら、そこには存在していなかった。
ムハ〜、と弄りながら当て所も無くカーソルを動かしていたハムだったが、事態の解決は意外に早く訪れた。

ピコン、というアラームと共に突然画面にダイアログが表示されたのだ。
kskネットでkskにアクセスしようとした時、夏子が言っていたようなキーワード入力画面にそれは酷似していた。
だが、それはハムの知る物とは決定的な違いがいくつか存在している。
その中の一つ、見なれぬ文章の幾つかを思わず読み上げる。

「プログラム……それに、鍵、ですと……?」

そこにはこんな文章が書かれていた。


<!-プログラム起動条件・鍵をそろえよ-->
鍵1…複数回の訪問  Clear
鍵2…一定時間の操作 Clear
鍵3…SOS団の正式名称  ?


最後の文章、『鍵3』と書かれたそれの下には、文章が入力できるフォームが存在していた。
試しにそこをクリックし、適当な文章を入れてみるがなんの問題もない。
とりあえず、この設問に答える権利はあるようだと結論づけた所で、ハムは渋い顔で顎に手をあてた。
294創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:27:43 ID:DCoWRxCA
ksk
295創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:27:44 ID:bDXZkdi4
ksk

「ムハ〜〜〜……正直言って、何がなんだかさっぱりですな…そもそもプログラムとは何なのかが……」

元々、パソコンが一般的に普及していない世界からやってきたハムにとっては、基礎用語自体を理解する事が出来ない。
それでも、分かる範囲で一つ一つの要素について考察していく事にする。
まず、『プログラムの起動条件』とは何か。
プログラムと言う物が何かはわからないが、ともかくその条件を満たせば『何か』が起こるという事。
現在進行形で自分を覆っているこの灰色の空間がそのプログラムではないかと一瞬だけ予想するが、未だに『鍵』の入力についてが終わっていないのでそれも違うだろう。
次に、『鍵1…複数回の訪問』について。
読んで字のごとく、『何回かこのパソコンの前に訪れる事』、だろうか。
実際、ハムは夏子との会話をこの部屋で行い、その後で見送りに行くためにこの部屋を退室したため、ここを訪問したのはこれで二度目だ。
そういう意味では、確かに条件は満たされているといえる。
次に、『鍵2…一定時間の操作』について。
これはパソコンの操作の事だろう。なんのアイコンも存在せず、クリックする場所もない画面上ではあるが、諦めずにマウスを動かし続けろという事か。
特に操作の指定がない所を見れば、キーボードを適当に打ち続けていても条件を満たせるのかもしれない。
そして最後に『鍵3…SOS団の正式名称』。
これが最大の関門であると同時に、最大の謎でもある。
この文章のすぐ下に入力フォームがある所をみれば、質問文である事はわかるのだがその質問自体の意味がわからないのでは意味がない。

しばらくの間、頭を捻りながら自分の中で『SOS団』という単語に思い当たる節がないかと悩むが、結果は惨敗。
ひとまずそこで考えるのを諦めたハムは、適当な文字を入力して様子を見る事にした。

(まぁ、虎穴に入らずんば虎児を得ずとも言いますし…試した所でまさか命を奪われるような羽目にはならないでしょうしねぇ?)

そんな事を考えながら適当な文字列を入力し、エンター。
すぐに、画面のダイアログに変化が現れる。


<!-プログラム起動条件・鍵をそろえよ-->
鍵1…複数回の訪問  Clear
鍵2…一定時間の操作 Clear
鍵3…SOS団の正式名称  Error
<!-プログラム起動失敗。転移を開始する-->


その文章を確認した刹那、画面の中のSOSマークが強烈に光り輝き、ハムの視界を塗りつぶした。
297創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:28:24 ID:6Y9ZeAAE
ksk
ぼんやりと意識が覚醒するのを感じながら、まず最初に感じたのは潮騒の音。
ウサギならではの発達した両耳をぴくぴくと動かしながら、ハムを半分寝ぼけたままの状態でゆっくりと顔を上げる。

「ムハッ!?」

そして、次の瞬間にその顔面を焼けつくような熱風が直撃して、彼の意識は半強制的に覚醒した。
思わず顔を背け、熱風のしない反対方向を向いてからゆっくりと目を開ける。
目の前に広がっていたのは、青くどこまでも広がる海の光景。
ピクピクと耳を動かして更に聞こえる音に注意して見れば、パチパチと何かが燃える音がする。
今度は熱風を覚悟した上で、再び逆の陸方向を向いてみれば、そこに広がっていたのは先ほどまでの間に見なれた赤い炎の海。
大々的に燃えている街部分の手前側、砂浜の中にぽつんと立っている一軒家には『海の家・ksk』という立て看板が掛かっていた。

「こ、ここは……もしやA-6? そんな、我輩は確かにさっきまでB-8の診療所の中にいましたぞ!?」

突然起きた不可思議な事態にあたふたと周囲を見渡して見ても、目の中に映り込む光景から言って自分が今A-6の砂浜周辺にいる事は確かな事実。
一旦深呼吸して、何度か海の水で顔を洗って心を落ち着かせてから、一先ず現状を把握する。
砂浜から見える街の中は、先ほど脱出した時と比べれば多少落ち付いてはいるとは言え未だに炎の中にある。
が、現在ハムがいた場所が砂浜であった事もあって炎の魔の手はここまで寄って来る様子がない。
時折波が足を撫でるような、波打ち際ギリギリに立っている為でもあるのか熱気や煙も耐えきれない程では無かった。
脱出ルートをどうしようか、という考えが浮かぶがそれもすぐに解決した。
砂浜はかなり東の方、A-7のギリギリ端まで伸びている。火事の心配のない砂浜を移動していけばどうにか火勢からも抜け出す事が出来るだろう。
そこまでの情報をまとめた所で、ハムは次に一体何が原因でこうなったのか、何が起きているのかを考察し始める。

「我輩が適当な文字を入力した瞬間、あのマークが光り輝いたのは覚えています……そしてその後、気が付いた時にはここにいた……つまり、あのマークは転位装置の一種と言う事ですかな…?」

顎に手を当て、うーんと唸りながらそこまで状況を整理するが、たった一つだけ腑に落ちない事があった。
先ほどのマークが光り輝いた瞬間、眩い白に視界が塗りつぶされていく中で、確かにハムは一つの文章が新たに表示されるのを見たのだ。

『<!-次回転移場所・B-1-->』と。

しかし、自分がこうして現れているのは、間違いなくA-6の海の家のすぐそば。パソコンに表示されていたB-1とは似ても似つかない場所だ。

「つまり、B-1には我輩では無い何かが転移されたという事……? ハッ、もしや我輩の荷物!! ……は、ちゃーんと持っておりますな……ムハ?」

もしや裸一巻で砂浜まで飛ばされたのかと慌てて手元を確認してみるが、そこにはしっかりと棒にビニール紐で括りつけられた荷物が存在していた。
一先ずの心配が杞憂に終わった事に安堵の息を吐いたハムは、ふと自分の足もとに何かがある事に気づく。
今の今まで気付かなかったが、自分が立っている地点は砂浜とは思えぬほどに硬い地面をしていた。
てっきり岩の上にでも乗っていたのかと思ったが、自分の足の下に目をやればそこにあったのは砂でも岩でもない、まっ平らに整備された地面。
周りを見渡してみるが、自分が立っている場所はちゃんと砂浜らしく砂が敷き詰められている。
いぶかしがりながらその場所からゆっくりと後ずさったハムは、今の今まで自分が乗っていた地面に書かれていた物をみて絶句する。

さっきまでパソコンで見ていたマークが、いやそれを中途半端に反転させたような…『ZOZ』マークとも言うべき物が、そのつるつるとした硬い地面に彫られていた。

「………なるほど……これが、SOSマークの出口と言うわけですかな?……いや、しかし……?」

単純に、ワープ地点として現れているだけのマークかと結論づけそうになったが、たった一つだけハムの中で引っかかったある事がそれを引き留める。
先ほど、自分は『プログラム』の起動に失敗した筈だ。
だというのに自分はこうしてワープに成功し、SOSマークからZOZマークへとたどり着いている。

「…いや、その表現は正しくありませんな。正確には『罰としてこの場所に飛ばされた』というのが正しいのでしょう」

そもそも、この突然の転移はハムにとって予想外の事だ。
飛びだした先が、B-8とそれほど遠く離れてはいないA-6だから良かった物の、これがもっと遠い、たとえば島の南部だったりしたら目も当てられない。
夏子との待ち合わせ時間である19時半はおろか、20時にも間に合わずに、自分は失意の中で危険な単独行動をしなければならなかっただろう。
一体ワープ後にどこに飛び出すのかわからない事を考えれば、確かにこれは罰ゲームとも言える。
しかし、だとしたら。

「もしも、プログラムの起動に成功していたら……いったい何が起こっていたんでしょうか?」

ピクンピクンとハムの耳が動く。
詐欺師として生きてきた彼の勘が、痛いほどに反応しているのがわかる。
今まで幾度となく嗅ぎつけてきた金づるの臭い……それとは別種だが、確かに自分に利益をもたらす何かの臭いに、詐欺師兎は盛んに反応する。

「ムッハ〜! これは見逃せないですなぁ…しかし、SOS団とは一体? そもそも、B-1には何が転移されているというのです? あーわからない事だらけですぞーー!!」

いまいちピンとこないパソコンの情報に苛立ち、波打ち際でジャバジャバと飛び跳ねる。
しばらくはウサギらしく軽快に水の上をジャンプしていたハムだが、やがて脚にコツンと何かが当たったのに気付くと動きを止めた。
波に流されたゴミにでもぶつかったのか、と何とはなしに足元に目を落としたハムだったが、突然その体の動きが止まり、またしばらくしてからその眼が大きく見開かれる。

ハムの脚にぶつかったのは、一つのディパックだ。
それ自体はどうと言う事でもない、どこかの誰かが海に落としたのが流れ着いたか、もしくま誰かがここに置いて行ったか、理由は何とでも思いつく。
彼が驚いているのは、波にもてあそばれているそれの傍にある、もう一つの物。
そこには、ゴムでできた布が浮かんでいた。ハムにとってみれば『水着のようなもの』程度の認識であり、その詳細はわからない。わかる気もない。
今何よりも気になるのは、その水着の周辺に漂っているものの事。
同じ液体でありながら、決して海水とは混じらずに、どこかで見覚えのあるオレンジの液体が浮いていた。

そう。この殺し合いが始まる直前、謎の少年がその身を変えた液体と同じ物が、海水の上を漂っていた。

「こ、こ、こ、ここ、これっ、は……!!」

これには、流石のハムも度肝を抜かれた。
舌っ足らずになった口で、ハム自身にも良く分からない単語を呟きながら、ギチギチと目を動かして水着と液体の傍にあるであろう『ある物体』を探す。
はたして、それは見つかった。
水着の頭部分に当たる場所の近くでぷかぷかと、一つの鉄の首輪が浮いている。

一人の人物を『LCL』なる謎の液体に変えた元凶が、そこにあった。

震える手で、ハムが波に遊ばれている首輪を持ち上げる。
その際、僅かにLCLなるオレンジの液体に触れた時には思わず情けない声をあげてしまったが、幸いこれは毒を持っているわけでもないらしい。
だからと言って触っていて気持ちのいいものではないが。
ゆっくりと首輪を自分の顔の傍までもっていき、観察する。ハム自身、誰かの首についていた首輪を手にするのは初めての事だ。
その所為もあって、この首輪と死体から手に入る首輪の違いを察する事は出来ない。
だがそれでも、これが普通の物とは比べ物にならない程に貴重な存在である事はわかっていた。

この首輪は、一度確かに『起動』しているのだ。死体の首を切り取るなどして手に入れたそれとは、おそらく何かが一線を画しているはず。
300創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:30:00 ID:bDXZkdi4
ksk

「ムハ、ハ、ハハハハ、ハ………」

ヒクヒクと顔を引きつらせながら、ハムは波間を漂っているディパックを引きよせ、その首輪を収納しようとする。
余りにもいろいろな事が起きすぎていて、頭の回転が付いていかない。
もしかしたら、今自分は限りなくこの殺し合いの脱出に近い場所にいるのではなかろうか。
つい十数分前まで間違いなく情報弱者であった詐欺師兎は、そんな突拍子もない事すら考えた。
そして、その奇妙な笑顔は、拾ったディパックを覗き込んだ瞬間により一層歪んだ奇妙な物になった。
そこの中には、12,3歳程の少年の物と思われる衣服が残っていた。それと同時に、首輪も一つ入っている。
それを取り出して確認してみれば、彫られている名前は『Genki Sakura』。ついでに、海に漂っていた方の首輪には『Kyon no imouto』とあった。
この二人の人物に、いかなる関係があったのかはハムの知る由もない。
ただ分かるのは、このゲンキという人物の首輪も微妙にオレンジの液体で濡れていた事。
おそらく、ディパックの中にあった首輪が反応したのだろう。だが、参加者がディパックの中に入れる物か? その疑問は、一つの仮説で解決された。
試している暇はないが、参加者が入る事は不可能と見て間違いないはずだ。そんな事が許可されていれば、殺し合いというシステムにどうしようもない不備が生じる。
ほとぼりが冷めるまでディパックの中に隠れていよう、などという甘い考えを主催者が許すはずもない。
ならば、中に入っていたのはおそらく、死体。
なぜキョンの妹なる人物がゲンキなる少年の死体を運んでいたのかはわからないが、ともかくたとえ死んでいたとしてもこの首輪が反応する事はわかった。
おそらく、彼女は何らかの理由で島からの脱出を試みたのだろう。
漂っている水着を見るに、このキョンの妹という少女もゲンキという少年と同じぐらいの年だという事が予測できる。
まだ幼い身の上では、殺し合いという残酷な悲劇に耐えられなかったのか。もしくは、ゲンキという少年が死んだ事に何か関係があるのか。
そこに付随する理由はハムにはわからない。ともかく、少女は島の外側へと泳いで渡り、禁止エリアに抵触して、LCLへと姿を変えた。
海には潮の流れと言う物がある。彼女がどこの端に到達したのかはわからないが、潮の流れにのった彼女だったモノと彼女の持ち物は、こうして砂浜に打ち上げられたのだろう。

ハムは、二つの首輪をディパックの中に入れると、代わりに一本のペットボトルを取り出した。
その中身、水を惜しげもなく捨てると、相変わらず水着の傍を漂っているオレンジの液体へとペットボトルの口を近づけ、その幾ばくかを掬う。
気味の悪い事に、全く海水と混じり合う様子の無いLCLは容易にペットボトルの中へと組みあげられていき、ボトルの三分の二ほどの量が貯まった所でハムは手を止めた。
正直な話、元々は人の体だった事を考えれば生理的嫌悪感が非常に強い。だからと言って、貴重な情報及びなんらかの手がかりになる可能性も捨てきれない。
このウサギは、情よりも実を取る性格だっただけの事だ。
ついでにもう一つ、あちこちに焦げ目のついた板きれも海の上を漂っていた。どうやら支給品のようだが、なんに使う物なのかはわからない。
それでもないよりはマシだと、とりあえず同じディパックの中に入れておく。
そして、それを入れる時にディパックの中に分厚い書類があるのが見えた。いったん取り出してみてそれを確認するが、表紙に書かれていた自分の見知らぬ文字に思わず眉を顰める。
この会場に来てから、『自分の知らない文字も普通に読める』という不思議な体験をしてきたのだが、ここにきてそれが通用していないのだ。
そこから考えて重要アイテムな気がするが、自分ではどうしようもないので置いておく。夏子ならばどうにかできるだろうか。

そこまでの行動を終えた事で、ハムは海の中から上がる。
多少の事故はあったが、収穫は上々。むしろ最高と言ってもいい。ここまでに手に入れた大量の情報は、おそらく他の参加者との交渉の際に強い武器となる。
これさえあれば、大集団に潜り込む事も不可能では無い筈だ。
そして、ニヤリと不敵に微笑むハムの耳に一つの叫び声が飛びこんでくる。

「おーーーい!! ケロロ軍曹ーー!! 私の名はキン肉スグル!! 怪しい者では無ーい!! いたら返事をしてくれーーー!!」
「……! キン肉スグル!!」

それは、自分達が探していた人物の名だ。
一番最初にこの会場で遭遇し、随分と長い間一緒に行動していた気がする正義超人、キン肉万太郎の実の父親。
弱きを助け強気を挫くという、典型的な正義の味方体質のその人物は、自分のような人間を助けてもらうのに非常にうってつけのタイプだ。
逆にその正義感が生む行動が同行している自分たちの仇になってしまう事もあるが、この際四の五の言ってはいられない。
争点はただ一つ、自分に協力してくれるかどうかという事だけだ。
そしてハムは、この手の正義感にどうやって取り入ればいいかをよく心得ている。
一旦息を深く吸い、咳払いをして声を整え、万全の状態を作った後で、キン肉スグルがいたであろう方向に向かって叫ぶ。

「ムハーーーっ!! 誰か、誰か助けてくださいーーー!! 吾輩まだ死にたくありませんぞーーー!!」

出来るだけ情けなく、弱弱しく、へたれた声で。自分は弱い、何者かの助けが必要と思わせるようなそんな悲痛な叫びで。

「助けに来たぞーーー!! もう少しだけ頑張るんだーーー!! どこにいるのかを教えてくれーーーー!!」

しっかりと律儀に返ってきた叫びを聞いて、ハムの顔に会心の笑みが浮かぶ。
が、それは一瞬の事。詐欺師兎はすぐに今にも死にかけた人畜無害の貧弱兎の表情を作り、もう一度正義の味方に助けを呼んだ。

「海ー!! 海ですーー!! そこの、砂浜、………ゴホッ、……ガハッ……」
「………っ!! わかった!! もう無理に叫ばなくてもいい!! 今すぐそこに行くからなーー!!」

いつその場に現れてもおかしくないように、身ぶり手ぶりも付けてみせる。砂浜にバタリと倒れ伏し、手だけを宙にむかってグンと伸ばす。プルプルと体を震わせるオマケ付きだ。
情けない叫びやポーズをする事に抵抗はない。あるはずもない。なぜなら自分は、間抜けな奴らを騙して儲ける詐欺師なのだから。

やがて、炎の海を強引に突破して、『救世主』と書いて『カモ』と読む正義超人が現れる。
その姿を目の当たりにした詐欺師兎は、思わず驚きの表情を浮かべてしまった。
かつての同行者、キン肉万太郎から聞いたキン肉スグルの詳細は、それは酷い物であった。年齢は五十過ぎの爺さんで、体はヨボヨボ、キン肉はフニャフニャ。
力を必要としないサブミッション技に付いてはかなりの実力を持っているものの、豪快なパワーを必要とする大技はもう撃てないであろう大ベテラン超人。
しかし、今ハムの前に立っているキン肉スグルなる人物はその条件の全てと相反している。
年の頃は二十代ほどか、体力や肉体の全盛期とも言える時期にあるのだろう。鍛え抜かれた物であろう厚い筋肉は、年齢の差もあってか万太郎に比べると倍以上の物と言っても差支えない。
情報と真実のギャップにしばらく茫然としていたハムだったが、当のキン肉スグルがなんともいえない表情をしているのを目の当たりにして、慌てて演技を続ける。

「ムッハ〜〜…おお、天の助け〜…吾輩の救世主様〜! どうか、どうかこの哀れな子ウサギめを御救いください〜!」

ズリズリと砂浜の上を這いずりながら、自分を見下ろしているキン肉スグルの足もとへと近づく。
その顔に浮かべる表情として府抜けた笑顔に加え、惜しむことなく涙まで流してみせる。
しかし、肝心の正義超人の表情は芳しくない。

「あ…あぁ……あぁ〜〜……」

何事か呻き声をあげながら、何故か青ざめた顔でハムの事をじっと見下ろしている。
そんな表情を見て、詐欺師兎もまた心の内の素顔を青くする。
303創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:31:29 ID:bDXZkdi4
ksk
304創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:31:41 ID:tZ2O58ya
k s k
305創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:31:46 ID:DCoWRxCA
ksk

(こ、この反応は一体…!? まさかこの人、吾輩の本性を知っているのですか!?
 し、しかしこの会場に吾輩の知り合いはいないはず…またこの殺し合いが始まってから、吾輩何一つ悪い事はしていませんし…)

脳内のソロバンを全速力で弾きながら、ハムはキン肉スグルの奇妙な反応の理由を探る。
しかしそれらしい答えは何一つ出てこない。
考えていてもわからないならば、ただ行動あるのみだ。貧弱の仮面をかぶった兎は、ダメ押しとばかりにキン肉マンに熱烈なアプローチを掛ける。

「吾輩、もう殺し合いなんてごめんですぞ〜…やっぱり皆仲良く、手に手を取り合ってが一番なんですよ〜! 殺し合い、戦いなんてそんな野蛮な事をしてはダメなんです…」

言いながらさらにズリズリと這いつくばって移動したハムは、ついにスグルの右手に自分の両手を伸ばしてがっちり掴む。
手をつかんだ瞬間にスグルの体がびくりと震えたのが一瞬気にはなったが、構わず演技を続けた。

「ほら! 吾輩達も手に手を取って!! これでもうお友達、仲良しと言う奴です!! だからもう吾輩をいじめないでください〜!!」

ボロボロと嘘の涙を流しながら、縋りつくような眼差しで正義の味方の目を正面から見つめる。
ここまで来たらもう行くところまで行くしかない。これでだめならいっそ抱きついてやるしか―――そこまで考えた所で、突然ハムの体が強い力で引っ張られた。

「ああ……ああ!! 君は私が助ける!! だから安心してくれていい…何があっても、この正義超人キン肉マンが君の助けになるからなーっ!!」
「ムハッ!?」

聞こえてくるのは、何故か妙に鼻声になった嬉しそうな叫び。
それをBGMにしながら、ハムは分厚い肉の胸板に顔面を衝突させられ、さらにぎちぎちと両手でその体を締め付けられた。
それが攻撃でなくあくまで親愛表現なのだとしばらく自分を納得させた後で、ハムはスグルの死角で会心の笑みを浮かべた。

( 計 画 通 り ! ムハ〜本日は晴天なり〜吾輩は天才な〜り〜♪)


スグルが、哀れに自分に助けを求めるハムの姿を見た時、手酷い拷問を受けていた碇シンジの姿がオーバーラップしていた事を、詐欺師兎は知る由もない。
必死に救いを求める姿を見ても、自分の存在がこのウサギの命を奪ってしまうのではないかと思い悩んでいた事を、詐欺師兎は知る由もない。
彼の方から手を握ってきた時初めて、自分の存在が彼を追い詰めることなく、確かにその命を救ってやれると実感した事を、詐欺師兎は知る由もない。

砂漠の妖怪、そして微笑みを浮かべる魔族に深く深く付けられた心の中の傷が僅かにだが癒された事など、狡猾な詐欺師兎は知る由もない。


(………ってぇ…この人凄くニンニクくっさぁ〜!?)

そして、自分の胸の内で思わず顔を歪めた者がいる事を、喜びの中にいる正義超人は知る由もない。



【A-06 砂浜/一日目・夜】
307創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:32:26 ID:DCoWRxCA
ksk
【キン肉スグル@キン肉マン】
【状態】脇腹に小程度の傷(処置済み) 、強い罪悪感と精神的ショック、助けを求めている人に対するトラウマ、悪魔将軍を倒すという強い決意
【持ち物】ディパック(支給品一式)×4、タリスマン@スレイヤーズREVOLUTION、 首輪(碇シンジ)
     ホリィの短剣@モンスターファーム〜円盤石の秘密〜、金属バット@現実、100円玉@現実
アスカのディパック[予備カートリッジ×12@リリカルなのはStrikerS、基本セット、モッチーの首輪、モッチーの円盤石
                  砂ぼうずの特殊ショットシェル用ポーチ(煙幕弾(2/3)、閃光弾(3/3)、ガス弾(1/3))@砂ぼうず、ホテル外壁のメモ用紙]
【思考】
0:悪を倒して一般人を守る
1:ゼロスと協力する。
2:ひとまずこのウサギ超人(ハム)を何としても保護したい。
3:街の中でどうにかしてケロロ軍曹を探し、タママ二等兵を止める。
4:湖のリングに向かい、何としてでも悪魔将軍を倒して碇シンジの仇を取る。
5:学校へ行って朝倉とヴィヴィオと合流する。
6:ウォーズマンと再会したい
7:キン肉万太郎を探し出してとっちめる
8:一般人を守る。
9:シンジのことは忘れない

※砂ぼうずの名前をまだ知りません。
※アスカのディパックの中身をまだ確認していません。
※自分の手助けの所為でシンジが無残に死んでしまった事で、助けを求める人間を助ける事にトラウマを感じています。


【ハム@モンスターファーム〜円盤石の秘密〜】
【状態】顔にダメージ
【持ち物】基本セット(ペットボトル一本、食料半分消費)、
 ジェットエッジ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、チャットに関するハムのメモ、大量のシーツと毛布類
キョンの妹のディパック[『人類補完計画』計画書、地球人専用専守防衛型強化服(待機中・状態不明)@ケロロ軍曹、
                 基本セット一式×2(ペットボトルの一本には水の代わりにキョンの妹のLCLが入っている)
                 佐倉ゲンキの首輪(起動済み)、キョンの妹の首輪(起動済み)、佐倉ゲンキの衣服(LCLが僅かに染み込んでいる)]
【思考】
0、頼りになる仲間をスカウトしたい。
1、ひとまずはキン肉スグルに取り入る。
2、19時半を目安にゴルフ場で夏子と合流。20時までにこなければ単独行動。
3、『SOS団の正式名称』を何としても知って、もう一度診療所のパソコンを調べたい。
4、B-1に何が転移したのかが気になる。
5、自分が手に入れたパソコンの情報、首輪などを使って大集団などに取り入りたい。
6、謎の書類(『人類補完計画』計画書)を解読できる人間を探す。とりあえずは夏子に頼む。
7、万太郎と合流したいが難しいと思っている。
8、ウォーズマン、深町晶、キョン、朝倉涼子を探してみる。
9、殺し合いについては乗るという選択肢も排除しない。
10. 機会があれば主催者と接触したい。

【備考】
※ゲンキたちと会う前の時代から来たようです。
※アシュラマンをキン肉万太郎と同じ時代から来ていたと勘違いしています。
※悪魔将軍、古泉、ノーヴェ、ゼロス、オメガマン、ギュオー、0号ガイバー、怪物(ゼクトール、アプトム)を危険人物と認識しています。
※トトロ(名前は知らない)は主催と繋がりがあるかもしれないと疑いを持っています。
※深町晶を味方になりうる人物と認識しました。
※現在スタンスは対主催ですが状況を見極めて判断するつもりのようです。
※長時間炎と高熱にさらされ、さらに海を漂っていた地球人専用専守防衛型強化服が故障しているかどうかは次回以降の書き手さんに任せます。



309創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:32:51 ID:bDXZkdi4
ksk
310創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:33:07 ID:DCoWRxCA
ksk
311創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:33:18 ID:tZ2O58ya
ksk
312創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:33:47 ID:DCoWRxCA
ksk
313創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:34:08 ID:tZ2O58ya
k s k

潮の香りが漂う、島の北西部にて。
とある施設の中で、三度パソコンに奇妙なマークが浮かぶ。
それは、『神』とも呼ばれた少女が作り上げたミステリックサイン。
明らかな『意味』を持ってその場に存在している『SOS』が、次に起動されるのは果たして―――――



※パソコンに表示された『SOSのマーク』は、三つの条件を満たすことで何らかのプログラムが起動するようです。
※一度でも『その部屋にあるパソコンでSOSマークを確認した者』が、『もう一度部屋に入る』事によって疑似閉鎖空間が発生します。
※次に、『条件は問わず、ただ僅かな間パソコンを操作し続ける』事によって、キーワード入力のダイアログが開きます。
※最後に、入力フォームに『SOS団の正式名称』を入力する事によってプログラムが起動します。
※条件をミスした場合、起動しているパソコン毎に指定されている場所(ZOZマークのある場所)へと強制的にワープさせられ、『SOSマーク』も別のパソコンへ転移します。
※『SOSマーク』が次にどこに現れるかの情報は、ワープの瞬間に僅かの間だけパソコンの画面に表示されます。

※現在、『SOSマーク』はB-1の何処か、地図には載っていない施設の中のパソコンに浮かび上がっています。
315創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:34:25 ID:bDXZkdi4
ksk
316創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 21:34:28 ID:DCoWRxCA
ksk
317 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/16(日) 21:35:29 ID:tZRHJHy6
以上、投下終了です。
途中でさるさんを出して混乱するなどの失態を見せてしまい、すいませんでした…


小砂に始まり加持さん、ギュオー、そしてゼロスに間接的にハム。
これで砂ぼうずと雨蜘蛛とも遭遇したら腹黒キャラコンプリートなタママさんは類友のスペシャリストだと思う。
318創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 22:15:51 ID:bDXZkdi4
投下乙です!
ゼロスたちわりぃ…ある意味マーダーより始末におえない腹黒さを見た気がする。
タママは…自業自得とはいえこの先を思うと哀れ…w

そしてまさかハムが最初に脱出の鍵を見つけるとか予想外!
この鍵ってまさか長門…なのか。この先どうなるか楽しみです!
319創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 22:19:20 ID:DCoWRxCA
投下乙です!
 
スグル…ゼロスから離れたかと思ったら今度はハムと接触か
なんつーか、どっちもタチ悪いww
ハムも利用する気満々だし、今後が不安だ…
 
タママはもうドンマイとしか言いようが無いw
よりにもよってゼロスと二人っきりだもんなぁ
なんか体よく利用されるか、殺されるかの二択しか想像できねえw
320創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 22:21:44 ID:zPpLr8t9
投下乙です!
タママが危険過ぎるw
下手したら死人が出てる所だったな

そして、単独行動をとった夏子やカモを手に入れたハムと今後が気になる奴が多すぎるw
321創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 22:32:16 ID:tZ2O58ya
投下乙ですー
おぉ…地味にハムが情報を溜めていってんなぁ
ボッチ組&ドロリナ組といい、少しずつ情報が集まっていってるね
これがどう生かされていくか楽しみだw
ただ、いくら車に乗ってるとはいえ夏子は単独行動して大丈夫なのか…?
一番戦力的に低い気が…
 
タママは…自業自得だろww
ゼロスはどうするんだろ
 
改めて、乙でした!
322創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 22:35:38 ID:Ze7FWimQ
投下乙でした!
このままではタママはゼロスにどんな方法で「質問」される事やら。
今まで結構やりたい放題だったのにここに来てとうとう追い詰められたなあ。

ハムは妹のアイテム、スグルはアスカのアイテム、そしてこのまま行けば夏子はゼクトールのアイテムを手に入れるか。
SOSマークに新たな謎が追加されて、コンビの組み合わせも変化し、続きが楽しみですね。
323創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 23:01:45 ID:J1UxksPE
投下乙!
タママがもっとも危険な対主催と接触したようです。
超危険対主催グループが完成するか、はたまた殺されるか……

既存のメンバーがうまい具合にシャッフルされた感がありますね。
はたしてこれが一体どう作用するやら。
324創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 00:00:59 ID:l1gTyclH
投下乙!
たしかにうまいこと長期コンビがシャッフルしたなぁ
新生真っ黒組も気になるし単騎になった夏子も心配だ!
スグル…そうだよなぁ、必要とされないことが悲しかったもんなぁ
新たな情報倉庫になったハムにも期待!

あと意外ッ! それは救急車ッ!! にうっかり笑ってしまったw
325創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 00:22:06 ID:jXhdjoV1
326創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 00:26:43 ID:rynR7rsH
>>325
乙!やっぱり地図があるとわかりやすいね。

ところで少し前にwikiのキョンを編集してきたんだけど、2,3話放置するだけで編集がすごく大変になるなwちゃんと日本語になってるといいんだけど
327創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 00:27:26 ID:3oz93MAA
ふと思ったんだが
これって言い換えれば
『ハムは【キョンの妹のお汁】を手に入れた!
ハムは【ゲンキの生下着】を手に入れた!』
って事になるんだな……ゴクリ
328創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 00:35:29 ID:4ml/Xa2K
>>327
思いついたおまえは変態賢者という名の天才紳士だwww
そう書くとハムが砂ぼうず以上の変態に見えてきたwww
329創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 00:42:55 ID:I6Q3EhUB
>>325
地図乙です!
うーん、北東部の町では上手い事人がバラケちゃったし、これからどういう集団が形成されていく事やら…
舞台メモの方も非常に乙です! 
やっぱりこういうのがあると分かりやすい…しかし前にも言われた気がするけど、ここまで会場にギミックがあるロワってkskぐらいじゃねw
ニコロワもそれなりに多かったが、ここに比べたら二番手だろうか
330創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 00:44:11 ID:I6Q3EhUB
>>327
しかしその理論で行くと『ハムは【キョンの妹の脱ぎたて水着】をあきらめた!』という事にもなるぞ
奴の性癖が読めねぇ……!!w
331創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 00:58:44 ID:I6Q3EhUB
ふと気になったので、現在の各参加者が持っている首輪の内訳を張る


【ボッチ組(ボッチ・雨蜘蛛)】
アシュラマンの首輪(ボッチ)

【遊園地組(リナ・ドロロ・朝倉・ヴィヴィオ)】
小砂の首輪(朝倉)

【砂ぼうず】
フェイトの首輪

【温泉組(なのは・冬月・ケロロ・スバル・キョン・トトロ)】
ナーガの首輪(スバル)

【将軍一家(悪魔将軍・古泉・ノーヴェ・オメガマン)】
みくるの首輪(古泉)

【超腹黒組(ゼロス・タママ)】
無し

【元祖ハム肉コンビ二世(ハム・スグル)】
ゲンキの首輪、妹の首輪(ハム・起動済み)

【神社の決闘組(ウォーズマン・ギュオー)】
メイの首輪、加持さんの首輪(ギュオー)

【一人ボッチ組(スエゾー・万太郎・夏子)】
無し


うん、お前ら綺麗な顔して死体に鞭打ち過ぎだw
こうやってみるとほとんどのグループが最低一個首輪持ってるねぇ
超腹黒組もこの先の展開次第では……ヒィッ!
332創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 01:10:30 ID:bsUuyiRT
>>331
首輪まとめ乙!

けどハム肉んとこからシンジの首輪がぬけてるぞー
何気に最多首輪持ちだな
333創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 01:18:47 ID:I6Q3EhUB
>>332
おおっと、いけない忘れてた
しかし首輪の量も多い&SOSマークの情報持ち&LCLやATフィールドの情報が載った計画書持ちと、ハム肉コンビ2が一気に重要な場所に来たような…w
ゼロスは計画書が読めないしスグルは読めても無理だろうけど、もしも遊園地・ボッチ組とか砂ぼうずとかと合流出来たら話が凄い進んじゃいそうだな
334創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 15:32:18 ID:h0Z3Yv/N
修正報告ー
アスカの基本支給品とキョンの妹のもっていたボウイナイフが回収されていません。
勝手ながらwikiを修正させてもらいました。
335創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 15:39:19 ID:eZeYWG0p
………は?
いや、流石にそれは駄目だろう
勝手に修正とか荒らしと変わらんぞ
 
 
 
Wiki管理人氏
もし見ていらしたら、アク禁にしていただけないでしょうかー?
336創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 15:45:08 ID:h0Z3Yv/N
あー。わかりました。元に戻しておきます。
あとアスカの所持品にアーミーナイフも行方不明になっています。
修正をするのが問題あるというのならこの話を書いた書き手さんが対応してください。
337創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 15:54:07 ID:h0Z3Yv/N
揺るぎない力と意志貫くように(後編)のトトロも修正要望です。
所持品にケリュケイオンとフリードリヒが残ったままです。
◆9L.gxDzakI氏はwikiのこの話を修正するか、修正の許可を。
338創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 16:07:10 ID:XG5/eWaW
>>335
言い方が悪いよ。
勝手にやるのはまずいけど好意からだし、アク禁とか言うのはよくない。

>>336>>337
報告乙です。
339 ◆9L.gxDzakI :2009/08/17(月) 16:13:27 ID:S3eIpjvN
>>337
あい、了解しました。修正します
340 ◆9L.gxDzakI :2009/08/17(月) 16:16:24 ID:S3eIpjvN
修正完了。
ついでにスバルの声に関する備考に修正忘れがあったので、

温泉外部にはギリギリ聞こえた→温泉にはギリギリ聞こえた

としておきました。

……キョンがスバルの声を聞き逃したことについて、「錯乱していたので」とか、状態表で言及しておいた方がよかったですかね?
341創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 16:24:45 ID:FFxHK3nJ
しておいた方がいいかもね
342 ◆9L.gxDzakI :2009/08/17(月) 16:31:20 ID:S3eIpjvN
書き足しておきました
343創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 18:09:16 ID:2UXWASVq
修正乙ですー
344創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 20:12:56 ID:8ZI5D41G
修正乙です!

そして議論スレでも予約延長の結論が出たっぽいので報告します。
基本5日+ちょっと待ってで延長2日へと変更という事になりました。
また延長時の連絡を徹底するべき、という事でルールが少し増えています。
具体的に↓のようになります。



【予約】
予約はこのスレ内で行います。
トリップをつけて「○○(キャラ名)と××を予約します」と宣言して下さい。
予約期限は原則として5日ですが、「ちょっと待って」で2日ほど延長が可能です。
さらに事情があったりするときは追加の延長もできます。
ただし連発は出来る限り避けましょう。
延長したい場合は、再び予約時と同じトリップをつけて延長を申請して下さい。
何らかの理由で破棄する場合も同様です。キャラ追加予約も可能です。

予約期限を過ぎても投下されなかった場合、その予約は一旦破棄されます。
その時点で他の人がそのキャラを予約する事が出来るようになります。
また、前予約者も投下は可能ですが、新たな予約が入った場合はそちらが優先されます。
345創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 22:52:39 ID:t5tVzEyz
彼等彼女等の行動を読んで疑問に思った事を質問されてください。

晶はサツキがタツヲの実の娘だと言い切っていますが、苗字が同じだという他に材料が無いのに何故親子関係と確信したのですか?
雨蜘蛛は晶に拷問で聞き出した事を話してなかったですよね?
346創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 23:11:41 ID:t5tVzEyz
質問させてください、でした……

晶は前回までの話でドロロがサツキの事を調べられるかもしれないと伝えられて現在その結果待ちの状態だったと思います。
晶が思い込みの激しいキャラだと解釈するのが自然なのでしょうか?
347創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 23:36:23 ID:eZeYWG0p
その認識でいいと思うよ
348創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 23:51:49 ID:amZ7VTNg
まあ、晶は登場話からたいした根拠もなく肉親だって確信してたからなw

晶がそんな風に思い込みが激しくなったのは…きっとクロノスの仕業だ!
349創る名無しに見る名無し:2009/08/17(月) 23:56:11 ID:t5tVzEyz
つまり、こういう事ですか?

1.晶、名簿を見て草壁姉妹とタツヲの関係を疑う。(お、目の付け所が良い)

             ↓

2.くすぶっていた疑問をドロロに伝えたところ調べられる可能性が。(これは情報面で一気に進展か?)


             ↓

3.調査結果を待っているうちに晶の中でタツヲとサツキの親子関係を真実と思い込んでしまう。(あれ?)

             ↓

4.自分で作り上げた結論を疑わず放送を聞いて大いに怒る。(おーい、晶さん答えはまだ届いてませんよ)
350 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/18(火) 00:31:10 ID:iJ8CYdoJ
反応が遅くなってしまってすいません。

>>334
支給品について。
キョンの妹が持っていたボウイナイフ、及びアスカが持っていたアーミーナイフはアスカの死体の傍に落ちていて、
死体が瓦礫に埋もれるのと同時に回収不能に…という流れにするつもりだったんですが、それを書くのを忘れていました。すいません。
最後の備考欄にこの文章を追加すれば大丈夫でしょうか?

※アスカのアーミーナイフ、キョンの妹のボウイナイフは瓦礫の崩落に巻き込まれました。

アスカの基本支給品については単純にミスです、状態表に追加しておきますね。


>>345,346
これはこちらの読み込み不足です、すいません…
修正についてですが、まず晶がサツキの名に僅かに反応して、関係を疑っていた草壁タツオの事を思うのはまだおかしくはないと思うのでそのままで。
次の怒りの描写を『サツキの死を喜ぶ主催者への怒り』から『十人もの人間が死んだ事を喜ぶ主催者への怒り』へと変更します。
351創る名無しに見る名無し:2009/08/18(火) 08:09:20 ID:fwFXN+fn
>>350
修正はそんな感じで良いと思いますよー。



ついでに煽り文作ってみました。

【112話:蛇男症候群】

傷ついた蛇はコテージという名の藪で休むことにした。
全てを殺して生き残るため、最後には気に入らないゲームの主催者たちを殺すために悪の蛇は休むことにした。

おや? 蛇が仕留め損ねた獲物がすぐ近くにいるようだ。
藪を突かれて蛇が飛び出すのか。
蛇が藪からでて噛みつくのか。
お互いに何もしないし、何も起こらないのか。
果たしてどうなることやら・・・・・・
352創る名無しに見る名無し:2009/08/18(火) 15:10:20 ID:bP9fcg51
久々にお絵かき板を見てみたらイラストがw
353創る名無しに見る名無し:2009/08/18(火) 15:59:22 ID:oRaoiMds
ちょwww
なにやってんだ反目氏wwwww
354創る名無しに見る名無し:2009/08/18(火) 18:41:56 ID:g1wCGnvA
反目氏wwww
イラスト乙です!
355創る名無しに見る名無し:2009/08/18(火) 19:22:59 ID:WqS1KHVu
イラスト乙www
356創る名無しに見る名無し:2009/08/18(火) 20:56:05 ID:oolq9xGg
最近ちょっと時間が出来たんで、テレビ放映分(10巻まで)までしか読んでなかったガイバーの続きに手を出してみたんだ
で、そしたら15巻にアルカンフェルと戦う0号ガイバーの話とか載ってたんだが
……もしかして0号ガイバーってガイバーの中では一番強いとか言うんじゃないよな、と思ってしまったw
だってあっさりティラノっぽい恐竜倒すし半分だけのスマッシャーで降臨者の円盤破壊するし
結局負けたけどアルカンフェルをちょっとだけ圧倒したりするし
なのに中の人は平凡な原始人だったし…kyonのせいでヘタレなイメージしか無かったけど考えが一変しちまったwww
357創る名無しに見る名無し:2009/08/18(火) 21:23:01 ID:GMsF/wCL
便乗してアオリ文を作ってみた。

【113:迷走失意 されどこの不運は連鎖のごとく (◆NIKUcB1AGw)】

泣(な)き面(つら)に蜂(はち)

泣いている顔をさらに蜂が刺す。不運や不幸が重なることのたとえ。(大辞林)

いいことはそんなに起こらないのに、嫌なことほどどんどん起こるのはなんでだろう?

【114:少年少女よ大志を抱け (◆h6KpN01cDg)】

少年は想う。絶対に少女を守ってみせる、と。
少女は想う。 大好きな兄を助けたい、と。
そして、ナビのうち1つは想うー
「ああ、もう!見せつけてんじゃないですう!!」
……と。

【115:キングもふもふはなかまをよんだ! (◆U85ZpF.SRY)】

不思議な島で繰り広げられる笑いあり涙あり熱血ありもふもふありの壮大?な物語
kskクエスト〜星空のもふもふ〜
全国のゲームショップにて発売決定……したらイイナ!?

なんか顔がいろいろな意味で熱い。w
358創る名無しに見る名無し:2009/08/18(火) 22:04:52 ID:J3FXhLbx
煽り文乙!
星空のもふもふ吹いたw
359創る名無しに見る名無し:2009/08/19(水) 01:05:16 ID:B+N+VH/n
また煽り文を作ってみた。

【116 採掘場のヒロイン】
心優しい主人公が可愛いヒロインといっぱいお話して、そして温かく抱きしめる話。
可愛いヒロインが見たかったらとにかく読め。
AA付きの豪華仕様SSだぞ。
これは釣りじゃないんだからね!
360創る名無しに見る名無し:2009/08/19(水) 06:44:02 ID:yutJ31zq
>>351,>>357,>>359
皆さん煽り文乙です!
見せ付けられるナビwww
ロリショタコンビ、良かったなぁ……
361創る名無しに見る名無し:2009/08/19(水) 16:13:36 ID:yalXwfL+
ロリショタコンビは本当にいいコンビだったと思う
何と言うか、どっちも幼い所為で恋愛フラグとも言い切れない初々しさが非常に良かった
見てて一服の清涼剤だったんだが……ウウッ

しかし最終的にまだ中盤なのに『私と一つになろう?それはとても気持ちのいい事なんだよ』になるとは思わなかったなぁ……
362創る名無しに見る名無し:2009/08/19(水) 19:43:58 ID:grOvcJzr
>>361
なんという誤解を招く言い方w

たしかにいいコンビだったよなぁ…数少ない癒しチームだったんだが…
363創る名無しに見る名無し:2009/08/19(水) 20:01:55 ID:K5selpQG
どこかの言葉を借りると、
「これがバトロワというものだ」
熱血コンビだろうと、ほんわかバカップルだろうと、容赦なく死んでいく……。
けどそんなパロロワが好きです。ksk!ksk!
364創る名無しに見る名無し:2009/08/19(水) 20:11:28 ID:oTaIKACc
wikiの過去ログが見れなくなってる?
365創る名無しに見る名無し:2009/08/19(水) 21:37:59 ID:c9yFuDKb
ふと思ったがここのハルヒ勢に二期アニメの知識を反映していいの?
例えば一姫がエンドレスエイトが長門の暴走要因の一つと考えるとか
366創る名無しに見る名無し:2009/08/19(水) 21:39:57 ID:BF6wybGe
以前没になった作品に小説にしか登場してないキャラを出したときの議論で1期のみにならなかったっけ
367創る名無しに見る名無し:2009/08/19(水) 21:52:24 ID:vboHH7c1
あれは原作でも正体が謎だから没になったんじゃなかったっけ。
時系列的にエンドレスエイトの事を知らないほうがおかしいと思うが。
368創る名無しに見る名無し:2009/08/19(水) 22:34:02 ID:FtE4j+If
そも、ハルヒ一期自体がいくつかのエピソード省いてるからな。
射手座の日が秋なのにエンドレスエイト入ってないし。
こればっかりは小説を参考にするしかないだろう。
消失あたりもセーフなんじゃないか?

没になった話はキャラの正体が不明な佐々木団のキャラを使ったからだったと思うし。
369創る名無しに見る名無し:2009/08/19(水) 22:40:32 ID:tT0CLPAf
書き手さん次第だけど、ありだと思う
370 ◆NIKUcB1AGw :2009/08/19(水) 22:53:15 ID:jEYZws1R
悪魔将軍、オメガマン、古泉、ノーヴェ、投下します
371止マラナイ! ◆NIKUcB1AGw :2009/08/19(水) 22:54:13 ID:jEYZws1R
『全員聞こえているかな? まずは君達におめでとうと言ってあげるよ』

午後6時ちょうど。一秒のずれもなく予定時間ぴったりに、放送は始まった。
マイクを通した主催者の声は、当然湖のリングにいる四人の参加者にも届く。
悪魔超人・悪魔将軍。完璧超人・オメガマン。戦闘機人・ノーヴェ。そして「元」人間の超能力者・古泉一樹。
四人はそれぞれ胸中に異なる思いを抱きつつ、放送に耳を傾けていた。
ちなみに、メモを取る用意をしているのはノーヴェだけだ。古泉の右腕はあらかた再生したとはいえ、まだ指先が揃っていない。ペンを握るのには不都合だ。
悪魔将軍とオメガマンは、端からメモを取ろうという意志が感じられない。
共にノーヴェがメモを取っているのに、なぜわざわざ自分まで、と思っているのが傍目からもよくわかる。

(なんか理不尽だ……)

心の内に不満を抱くノーヴェだったが、そんなことはお構いなしで放送は進行していく。
まず告げられる重要項目は、禁止エリア。だがこれは、彼らの現在地である湖の近くが指定されることはなかった。
長期的に見た場合はともかく、今すぐ脅威になることはない。
とりあえずの安堵を抱くノーヴェだったが、それもほんのわずかな間のこと。
放送はすぐさま次の重要項目、死者の発表に移る。

『朝比奈みくる』

最初に呼ばれたのは、この場の参加者のうちオメガマン以外の三人がその死に大きく関わった女性の名前。
その名を聞かされて特に大きな反応を見せたのは、やはり古泉だった。
すでに死んでいるのはわかっているからといって、衝撃が小さくなることはない。
むしろ彼女の死に様が脳裏に蘇り、古泉の心にどす黒い何かが溜まっていく。
対照的に彼女を殺害した張本人である悪魔将軍は、もとより無表情であることを差し引いても涼しい顔である。

『加持リョウジ
 草壁サツキ
 小泉太湖
 佐倉ゲンキ』

そこから数名、彼らとは縁の無かった名前が並ぶ。
強いて挙げるなら、主催者との接点になるかと思われていた草壁サツキの名前が呼ばれた程度だ。

『碇シンジ』

二人目の知った名前は、悪魔将軍が与えた恐怖に心を蹂躙された少年。
彼の死を告げられたノーヴェは顔をしかめ、悪魔将軍は「ふん」とつまらなさそうに鼻を鳴らす。

『ラドック=ランザード
 ナーガ
 惣流・アスカ・ラングレー』

続く三人は、やはり一同が関わらなかった参加者たちの名前。

『キョンの妹』

(彼女も……亡くなられてしまいましたか……)

十人目に名を連ねたのは、古泉の知る少女だった。知っているとはいっても、古泉から見た彼女は単なる「友人の妹」。
合宿などである程度長い時間は共有しているが、たいして深い関係ではない。
それでも、知り合いが死ぬというのは堪えるものだ。

(せめて兄が変わり果ててしまったことを知らずにいられたのが、幸いといえば幸いでしょうか……)

そんなことを考えながら、郷愁に浸る古泉。だが彼のそんな思考は、次の瞬間木っ端微塵に砕け散る。

『以上十名だ』
372止マラナイ! ◆NIKUcB1AGw :2009/08/19(水) 22:55:18 ID:jEYZws1R
「え?」

古泉は、思わず声に出して叫んでいた。死者の発表がこれで終わりなはずがない。
まだ一人、あと一人呼ばれていない男がいるではないか。

(なぜ……キン肉万太郎の名前が呼ばれないのですか!)

自分が殺したはずの男が、死者として発表されない。その現実に、古泉は大いに混乱する。
そこへ、さらに追い打ちをかけるような情報が主催者から告げられた。

『ただ―――残念なお知らせというか、改めて君達全員肝に銘じてほしい事があるんだ。
 最初の説明で言ったよね? 僕達に逆らっちゃいけないってさ。』

草壁タツオの声は言う。自分たちは何度か会場に出向いていると。
そのことは悪魔将軍たちもよく知っている。何せ、ついさっき会場へ降り立った長門有希と接触したばかりなのだから。
だが、彼らの興味をひいたのはその次の発言だ。何でも今回の死者には、主催者に反抗したことによって死亡した者が含まれているらしい。

(我々はあの小動物を拷問しようとしたが、制裁と呼べるほどのものは受けなかった。
 となると、主催者に殺されたという奴はそれ以上のことをしたのだろうな。
 そうだな……。主催者に問答無用で襲いかかるぐらいのことはしたか)

悪魔将軍が思考を巡らしている間に、放送は終わりを告げる。それに合わせて、将軍はいったん思考を打ち切った。
考えるべきことはいくらでもある。だが、それは後回しでもいい。今は、それよりも優先すべきことがある。
将軍は巨体をゆっくりと進め、古泉の眼前に移動した。

「古泉、私の言いたいことはわかっているな」
「ええ。キン肉万太郎の件、ですね」
「そのとおりだ。今回の放送で、奴の名前は呼ばれなかった。私は、主催者の連中の監視はかなりの高レベルだと考えている。
 先程の我々に対する素早い行動を見ても、それが裏付けられよう。つまり、キン肉万太郎が死んでいないことは確実。
 古泉、お前はしくじったのだ」

将軍の重厚な声を聞きながら、古泉は焦りを募らせる。敗北という失態を万太郎を殺すことで帳消しにしたはずが、それができていなかったのだ。
悪魔将軍の性格を考えれば、どんな罰が与えられてもおかしくない。それこそ、命を奪われることすら十分に考えられる。

(まずいですね……。ここで死ぬわけにはいきません。かといって、口先でごまかせるような状況でもありませんし……)

必死に頭脳をフル回転させる古泉だが、そう都合よく妙案は浮かばない。
ガイバーという鎧の上からでもうかがえるほどに、古泉は狼狽していた。
だが悪魔将軍が次に放った言葉は、古泉が予想だにしないものだった。

「そう不安がるな、古泉よ。何も取って喰おうというわけではない。
 今回は奴の死亡を疑わず、確認を怠った私にも責任がある」
「え?」

将軍から放たれた思いも寄らぬ言葉に、古泉の緊張は一瞬緩む。
だがそれは、本当に一瞬のことだった。

「だから……一撃で勘弁してやろう!」
「なっ!」

悪魔将軍は再生したての古泉の右腕をつかみ、砲丸投げの如く回転をつけて彼の体を宙に放り投げる。
わずかに気を抜いた瞬間を突かれ、古泉は混乱していた。ガイバーの能力を使って飛行するという考えにもいたらない。
だがたとえ古泉がそれに気づいていたとしても、この技を防げたかどうか。
それほどまでに、将軍の行動は迅速だった。
古泉の体を空中へ放り投げた将軍は、自らもそれを追うように跳躍する。
そして、落下する古泉の体に飛び乗るという離れ業を見せた。
さらに将軍は、古泉の頭部と足を掴む。
そして162sの体重を古泉の胴体に集中させ、キャンバスへと落下した。
373止マラナイ! ◆NIKUcB1AGw :2009/08/19(水) 22:56:17 ID:jEYZws1R
「地獄の九所封じNo.1! 大雪山落とし!」
「うあああああ!!」

将軍の宣告と、古泉の悲鳴がほぼ同時に湖に響く。

「古泉! うわ、なんだよこれ!」

すぐさま古泉に駆け寄ったノーヴェは、古泉の状態を目の当たりにして驚愕する。
もともと黒いガイバーVの装甲だが、その背中の部分がさらにどす黒く変色していたのである。

「将軍! 古泉に何をしたんだよ!」
「地獄の九所封じ……。九つの急所を順に破壊していく、私のとっておきだ。
 何、心配するな。ガイバーである古泉なら、その内回復する」

将軍に詰め寄るノーヴェだが、将軍はまるで相手にしない。
事実、彼の言うとおりに古泉の背中は徐々に再生を始めていた。
だがそれは、彼に新たな苦痛をもたらすことになる。

「う……うあああああ!!」

古泉の口から、再び苦悶の声が漏れる。
地獄の九所封じとは、攻撃した部位を完璧に破壊する技だ。
破壊された部位は完全に感覚を失い、何も感じ取ることができなくなる。
では、その破壊された部位が再生されればどうなるか。当然、感覚も戻ってくる。
そしてその感覚には、「痛覚」も含まれているのだ。

「が……あああああ……!!」

古泉とて、このバトルロワイアルに参加させられてからというもの様々な痛みを味わわされてきた。
だが、「回復することによって生じる痛み」など異常なことこの上ない。
未知の感覚に古泉は苦しみ、恥も外聞もなくわめき散らす。

「ひどいじゃないか、将軍! たしかに今回のことは古泉のミスかもしれないけど、あそこまですることは……!」
「ひどい? 笑わせるな、ノーヴェよ。悪魔がひどいことをして、何の問題があるというのだ?」
「なっ……!」
「将軍の言うとおりだな。それとも、優しい言葉で慰めてでも欲しかったのか?
 グオッフォッフォッフォ!」

将軍の言葉に、反論できないノーヴェ。そこにオメガマンの嘲笑が追い打ちをかける。

「ちっ……!」

ノーヴェはただ舌打ちをし、奇妙な痛みに苦しみ続ける古泉を見つめることしかできなかった。


◇ ◇ ◇


数分後。一同は回復したノーヴェのウイングロードで橋を作り、湖の南・F-9の岸に移動していた。
古泉は自力で歩ける程度には回復したものの、まだ苦しいらしく断続的に肩を上下させていた。

「さて、古泉にノーヴェよ。貴様らに新たな指令を与える」

二人の配下の前に仁王立ちしながら、悪魔将軍は言う。

「水の流れから考えて、キン肉万太郎が生きているならばここから東の川岸に流れ着いた可能性が高い。
 貴様らにはこれよりそこへ赴き、今度こそ確実に奴を殺してきてもらう」
「ちょっと待ってくれよ、将軍」

将軍から下された指令に、ノーヴェはすぐさま異を唱えた。
374止マラナイ! ◆NIKUcB1AGw :2009/08/19(水) 22:57:48 ID:jEYZws1R
「湖からそのまま川に流されたら、禁止エリアになってるE-10に突っ込む可能性があるだろ?
 もしあいつがそうなってたらどうするんだよ」
「少しは頭を使え、ノーヴェ。その可能性はないに等しい」
「なんでそう言えるんだよ?」
「だから頭を使えといっているだろう。主催者どもは最初のルール説明の時、首輪が発動する条件として禁止エリアへの侵入を挙げていた。
 つまり禁止エリアに入っていたのなら、キン肉万太郎は死亡しているはずなのだ」
「いや、だからさ。もう死んでたらあたしたちが殺すなんてできないじゃないか」
「やれやれ、ここまで言われてまだわからんとはな」

まだ頭上に疑問符を浮かべているノーヴェに対し、オメガマンが失笑を漏らす。

「うるさいな! お前は黙ってろ!」

思わず怒鳴りつけるノーヴェだったが、それでオメガマンが黙るはずもない。

「いいか、今は放送直後なんだぜ? あいつが湖に落ちた時間を考えると、順調に川を流された場合放送前に禁止エリアに到達しているはずなんだ。
 そうしたらどうなる? さっきの放送で名前を呼ばれるはずだろう」
「あっ!」
「ようやくわかったか。あいつの名前が放送で呼ばれなかったってことは、イコールどこかで陸に上がったってことなんだよ」
「そうか、そうだよなあ。あー、なんでこんな簡単なことがすぐに理解できなかったんだ!」
「まったくだ」
「うるさい! 自分で言うのはいいけど、他人に言われると腹立つんだよ!」
「さて、そろそろいいか?」

問答を続けるノーヴェとオメガマンの間に、将軍の声が割って入る。

「貴様らに与える時間は、次の放送までだ。次の放送でもキン肉万太郎の名前が呼ばれなかった場合……私の我慢もそれまでだ。
 貴様らには、役立たずとして死んでもらう」
「そ、そんな! いくらなんでもそりゃないだろう!」
「黙れ!!」

たまらず抗議の声をあげるノーヴェ。だが将軍は、それを一喝する。

「少し目をかけてやったぐらいで調子に乗るな。悪魔超人にとっては実力こそが全て。
 役立たずの部下など、この悪魔将軍には必要ないのだ! すでに貴様らには、十分に情けをかけてやった。
 それでも結果が出せぬと言うのなら、命で償うのが当然のこと。
 人間界には『仏の顔も三度まで』という言葉があるそうだが、悪魔に仏と同じレベルの慈悲を期待されてもらっても困るのだ」
「ぐっ……!」

将軍の放つ、圧倒的な威圧感。それを目の当たりにして、ノーヴェは一切の反論ができなくなってしまう。
一方それとは対照的に、これまで沈黙していた古泉がここで口を開く。

「任務の件は了承しました、将軍。ですが、俺からも一つ質問させてください」
「なんだ?」
「俺たちがキン肉万太郎討伐に言っている間、将軍たちはどうなさるおつもりですか?」
「そのことか。ちょうど今から説明しようと思っていたところよ」

そう言うと、将軍は自分の荷物から地図を取り出す。

「私とオメガマンは、ここに向かうつもりだ」

悪魔将軍が指さした地点。そこは、G-7の採掘場だった。
375止マラナイ! ◆NIKUcB1AGw :2009/08/19(水) 22:58:42 ID:jEYZws1R
「採掘場、ですか。そこは……」
「うむ、貴様とキョンとやらが待ち合わせをしていた場所だ。すでに待ち合わせの時刻は過ぎているが、この環境では予定通り行動できる可能性は低い。
 現にこうして、貴様は待ち合わせの時間になっても指定した場所に行けていないのだからな」
「つまり、彼も遅れてやって来る可能性がある……ということですね」
「そういうことだ。奴が来たのなら、私の部下として使えるかどうか見極めさせてもらう。
 来ないようなら、そのまま周辺の探索に移る」
「んー、でも……。古泉との待ち合わせなのに将軍たちが行ったら、そのキョンって奴は警戒するんじゃないのか?」
「別に問題はない。目的は奴を仲間にすることではなく、配下に置くことだ。
 抵抗するようなら、力ずくで言うことを聞かせてやればいい」
「だな」

悪魔将軍の発言に、さも当然とばかりにうなずくオメガマン。そのやりとりに、ノーヴェは額にうっすらと汗を浮かべてしまう。

「何か異論はあるか、古泉」
「いえ、ありません」

その返答は、偽らざる古泉の本心だった。
もはや「彼」は、自分にとって敵なのだ。悪魔将軍にどのような扱いをされようと、良心が痛むことはない。
むしろ、将軍に逆らって腕の一本でも潰してくれれば万々歳だ。
とはいっても、自分同様ガイバーとはいえ本来ただの高校生である「彼」がそこまで出来る可能性は低いが。
宝くじで一等が当たる確率といい勝負だろうか。

「それでは……そうだな、集合場所は博物館としておくか。時間は放送ギリギリまでは待つが、出来れば一時間前には来られるようにしておけ。
 時間が余るようであれば、貴様らで判断してするべきことを決めろ。私の指示がなければ動けないわけではないだろうからな」
「了解しました」

将軍の指示に、古泉は素直にうなずいてみせる。

「では、これより別行動に移る。吉報を期待しているぞ」

古泉とノーヴェは東へ。悪魔将軍とオメガマンは西へ。それぞれ歩き始める。
だが、将軍はふいにその足を止めた。

「おお、そうだ。私としたことが忘れるところだった。ノーヴェ、こちらへ来い」
「ん? なんだよ」

いざ出発と気合いを入れたところで呼び止められ、ノーヴェはいかにも不満そうな顔で将軍に駆け寄る。

「とっておきのアドバイスを、貴様にくれてやろう。耳を貸せ」
「本当か!」

一転、明るい表情に切り替わるノーヴェ。

「いいか、よく聞け」


◇ ◇ ◇


夜の闇に包まれた森の中、二人の超人が無言で進んでゆく。

(全く、悪魔将軍と二人きりとはな……。今のコンディションでは1対1で戦っても勝てん。
 あっちもそれがわかっているから、平気で俺に背中を見せていやがる。くそっ、忌々しいったらないぜーっ!)

苛立ちをそらそうと、オメガマンは意味もなく夜空を見上げた。すると彼の視界に、空を突き進む何かが映る。
376創る名無しに見る名無し:2009/08/19(水) 22:59:27 ID:c9yFuDKb
ksk
377止マラナイ! ◆NIKUcB1AGw :2009/08/19(水) 22:59:33 ID:jEYZws1R
「将軍殿、何かが飛んで来るみたいだぜ。すぐ近くってわけじゃあないが、それなりに近い場所には落ちそうだ。
 どうする、見に行くか?」
「放っておけ。ここは戦場だぞ? 飛び道具が外れて、あさっての方向に飛んでいくことも十分にあり得る。
 そんなものをいちいち気にしていたらきりがないわ」
「それもそうだな」

オメガマンの提案を、悪魔書軍は一蹴。オメガマンの方も将軍の言い分に納得したらしく、それ以上話を広げることはなかった。

「それよりもオメガマンよ、貴様には聞きたいことがあったのだった。いい機会だ、道すがら聞かせてもらうぞ」
「聞きたいこと? 俺が持っている情報は、さっき全部まとめて話したぜ? 今更何を……」
「いや、まだ聞かせてもらっていないことがある」

それは、オメガマンにとって話すまでもない些細なこと。だが悪魔将軍にとっては、おのれの世界観すら揺るがす重大なこと。

「貴様、なぜ悪魔騎士の亡骸をその身に宿しているのだ?」


【F-8 森/一日目・夜】

【悪魔将軍@キン肉マン】
【状態】健康
【持ち物】 ユニット・リムーバー@強殖装甲ガイバー、ワルサーWA2000(6/6)、ワルサーWA2000用箱型弾倉×3、
     ディパック(支給品一式、食料ゼロ)、朝比奈みくるの死体(一部)入りデイパック
【思考】
0.他の「マップに記載されていない施設・特設リング・仕掛け」を探しに、主に島の南側を中心に回ってみる。
1.古泉とノーヴェを立派な悪魔超人にする。
2.強い奴は利用、弱い奴は殺害、正義超人は自分の手で殺す(キン肉マンは特に念入りに殺す)、但し主催者に迫る者は殺すとは限らない。
3.殺し合いに主催者達も混ぜ、更に発展させる。
4.強者であるなのはに興味
5.採掘場に向かい、キョンとの接触を試みる。


【ジ・オメガマン@キン肉マンシリーズ】
【状態】ダメージ(中)、疲労(小)、アシュラマンの顔を指に蒐集
【持ち物】デイパック(支給品一式入り)×3、不明支給品1〜3、5.56mm NATO弾x60、マシンガンの予備弾倉×3、夏子のメモ
【思考】
1:皆殺し。
2:今は悪魔将軍に従う。だが、いつか機を見つけて殺す。
3:完璧超人としての誇りを取り戻す。
4:スエゾーは必ず殺す。
5:スバルナカジマンにも雪辱する。
※バトルロワイアルを、自分にきた依頼と勘違いしています。 皆殺しをした後は報酬をもらうつもりでいます。
※Ωメタモルフォーゼは首輪の制限により参加者には効きません。


◇ ◇ ◇


悪魔将軍とオメガマンが言葉を交わし始めたのと、ほぼ同時刻。
古泉一樹とノーヴェは、湖の畔を北上していた。

「古泉、本当に大丈夫か? なんなら肩貸すぞ?」
「いえ、お気遣いなく。本当に大丈夫ですので」

後ろを歩く古泉のことを、心配そうに見つめるノーヴェ。だが古泉は、彼女の手助けを丁重に断る。

「そうか。無理はするなよ」
「ええ。お気遣いは素直に受け取っていきます」
378止マラナイ! ◆NIKUcB1AGw :2009/08/19(水) 23:00:27 ID:jEYZws1R
なおも古泉に声をかけるノーヴェの顔は、いかに夜といえども妙に暗い。
それは決して、古泉の体調に対する不安だけが原因というわけではなかった。
もっとも、もう一つの不安も古泉に関するものではあるのだが。

「…………」
「どうかしましたか、ノーヴェさん」
「いや、なんでもない」

今度は逆に、古泉がノーヴェを心配する。しかし、ノーヴェは素っ気ない言葉でそれをはねのける。
今、彼女の頭の中には、別れる直前に将軍に言われた言葉が渦巻いていた。


◇ ◇ ◇


「古泉に対して、警戒を怠るな」

耳元で将軍がささやいたその言葉は、刃物の如くノーヴェの心を深く切り裂いた。

「い、いや、ちょっと待ってくれよ。なんだよそれ。なんで古泉のことを……」
「奴はお前と違い、積極的に私の元についたわけではない。今のところは恐怖でつなぎ止めてはいるが……。
 いつか反旗を翻すかもしれぬ。警戒しておくに越したことはない」
「……考え過ぎじゃないのか? 今更あいつがあたしたちを裏切るわけ……」
「他人を信じるな、ノーヴェよ」

納得がいかない様子を隠そうともしないノーヴェに、将軍はきっぱりと言い放つ。

「悪魔とは孤独なもの。仲間を作るなとは言わぬが、信じすぎてはならん。
 他人などというものは、いつ裏切るかわからぬからな。最後に信じられるのは、自分だけよ」
「……いくら将軍でも、今度ばかりは言うこと聞けないよ。あたしは古泉を信じる!」

いやなものから目を背ける子供のように、ノーヴェはがむしゃらな走りで将軍の前から立ち去る。
将軍はその後ろ姿に、苦々しい視線を送っていた。

「愚か者が……。足をすくわれても知らぬぞ……!」


◇ ◇ ◇


(たしかに古泉は、あたしと違って強さを求めて将軍の下についてるわけじゃない。
 目の前で友達を殺されたり、ひどいこともされてる。けど……将軍はともかく、あたしを古泉が裏切るとはどうしても考えられない。
 あたしたちはもう、仲間なんだから。ああもう、こんなぐちぐち悩むなんてあたしらしくないな……。
 そうだよ、悩むくらいなら直接本人に確かめればいいんだよ! きっと古泉なら、あたしの望む答えを返してくれる!)

考え抜いた末に、ノーヴェは一つの結論にたどり着いた。そしてそれを、即座に実行に移す。

「古泉!」
「ノーヴェさん」

だが、発言のタイミングが古泉とかぶってしまう。数秒の気まずい沈黙のあと、改めて古泉が口を開いた。

「お先にどうぞ、ノーヴェさん」
「い、いや、いいよ。先に古泉が話してくれ」
「ですが、俺の話は少々伺いづらいことについてなので……。そちらの話を先に済ませてしまった方がいいと思うのですが」
「いや、それはこっちも同じなんだ。だから先に話していいぞ、古泉」
「わかりました、では失礼して……」

咳払いを一つ挟むと、古泉は単刀直入に話題を切り出した。
379止マラナイ! ◆NIKUcB1AGw :2009/08/19(水) 23:01:11 ID:jEYZws1R
「ノーヴェさん。あなたはこのまま、悪魔将軍の下にいるつもりですか?」
「!!」

古泉のその言葉に、ノーヴェは金槌で殴られたかのような衝撃を受けていた。
それでも極力冷静を装い、ノーヴェは言葉を返す。

「どういう意味だよ」
「どうもこうも、そのままの意味ですが」
「……なあ、古泉」

じわじわとこみ上げてくるいやな予感を抑え込みつつ、ノーヴェは古泉に語りかける。

「お前が将軍を気に入らないってのは、わからないでもない。ひどいこともたくさんされたしな。
 だけど、それはあたしたちに力がなかったからだ。もっと強くなれば、将軍を見返してやることも出来る。
 だから今は変なことを考えずに……」
「俺はあなたのことについて聞いたんです、ノーヴェさん。俺の話は聞いていない」

冷徹さが入り交じった声が、ノーヴェの言葉を遮る。
ノーヴェは、周囲の気温が急に下がったかのような錯覚さえ感じていた。

「あたしは強くなりたい。これ以上大切なものを失わないために。これ以上悔しい想いをしないために。
 だから強くなるために、今は将軍に従う。それだけだ」
「そうですか……」

古泉が、一歩距離を詰める。

「本当に、残念です」

その刹那、古泉は迷うことなくノーヴェに回し蹴りを叩き込んだ。

「ぐっ!」

回し蹴りを、腕でガードするノーヴェ。だが直撃を避けた代わりに、大きくバランスを崩してしまう。

「古泉、てめえ……。まさか本気で裏切るかよ!」
「……」

吠えるノーヴェだが、古泉はそれに応えない。ただ、黙々とノーヴェに対する攻撃を続ける。

「ふざけるなよ! あたしとお前は仲間だろう! なんで戦わなきゃいけないんだよ!」

なおもノーヴェは、古泉に訴えかける。だが、やはり古泉は応えない。
そしてその直後、ガードをかいくぐり古泉のアッパーカットがノーヴェの顎を捉えた。

「……っ!」

ノーヴェの体が、わずかに宙を舞う。そのまま、彼女は地面に叩きつけられた。

「殺すべき敵に従うことを選んだ人間を、仲間と認めるわけにはいきません」

薄れゆく意識の中で、ノーヴェは古泉のそんな言葉をたしかに聞いていた。

380止マラナイ! ◆NIKUcB1AGw :2009/08/19(水) 23:02:03 ID:jEYZws1R
◇ ◇ ◇


古泉一樹は、苦しんでいた。
心臓が痛いほどの頻度で脈動している。
ガイバーになって消滅しているはずの消化器系が、嘔吐感を訴えてくる。
頭がインフルエンザにでもかかったかのように熱い。

「ぐ……あ……あ……」

古泉の口からは、意味のない言葉が漏れる。本当に何の意味もない行為だが、それでも何らかの行動をしなければ気が狂ってしまいそうなのだ。

自分を仲間と呼び、信頼してくれた相手を裏切った。そして、気絶するまで痛めつけた。
その事実は、古泉の心に多大なストレスをもたらしていた。

こうするのがベストだった。今後また、悪魔将軍が自分に別行動を許してくれるとは限らない。
彼の監視下から逃れるには、今やるしかなかったのだ。
ましてやこれは、一度は死んだと思ったキン肉万太郎と改めて接触できるチャンス。
是が非でも、彼と接触して協力を取り付けたい。
そのためには、ノーヴェの存在は邪魔にしかならない。だから倒した。
だがいくら理屈で納得しようとしても、罪悪感は消えてくれない。

ノーヴェは、自分が襲われても本気で戦おうとはしなかった。
もし彼女が本気だったのなら、こんなに早く決着はついていなかっただろう。
それ以前に、古泉が勝てていたかどうかも怪しい。
ノーヴェは、心の底から古泉を仲間と認めていたのだ。だから、仲間と戦うことをよしとしなかった。
そこまで自分を信頼してくれた相手を裏切った。説得に耳を貸さず、一方的に叩きのめした。

なぜだ。なぜこんなことになってしまった。

「悪魔……将軍……!!」

やり場のない感情を憎悪に変え、古泉は絞り出すように憎き男の名を口にする。
悪魔という言葉すら生ぬるい、他者に害しかもたらさない邪悪の権化。
あの男との接触が、自分の全てを狂わせた。あいつさえいなければ、自分がこんなに苦しむことはなかった。
あふれ出す憎しみに全身を焼かれ、古泉は関節がきしむほどに拳を握る。

(後悔させてあげますよ、今一度俺を自分の目の届かぬところに置いたことをね……。
 必ずや、いずれあなたを地獄に送ってさしあげます……)

激しく燃えさかる憎悪の炎を胸に、古泉はゆっくりと歩き出した。
当面の目的は、キン肉万太郎を見つけ出すこと。
殺すためではない。悪魔将軍に立ち向かう同志として手を組むためだ。
ノーヴェは、そのまま放置しておく。
彼女を生かしておけば、いずれ悪魔将軍に自分の裏切りが伝えられてしまうだろう。
それを考えれば、本来はここで彼女を殺していくのがベストだ。
だが、出来ない。今の古泉には、これ以上彼女を傷つけられない。
可能ならば自分の叛意を悟られぬまま、不意打ちの一撃で気絶させたかった。
だがノーヴェも、わずかながら古泉の裏切りを予想していたらしい。それ故に、不意打ちというわけにはいかなかった。
彼女の古泉に対する信頼を考えると、悪魔将軍の入れ知恵だろうか。
後悔は残るが、すでにやってしまったことをどうこう言ってもどうしようもない。

(出来ればもう、あなたと会わないことを祈りますよ。特に、敵同士としてはね)

袂を分かった少女への複雑な思いを胸に、ガイバーVの漆黒の体は夜の闇に溶けていった。

381止マラナイ! ◆NIKUcB1AGw :2009/08/19(水) 23:02:51 ID:jEYZws1R
古泉は気づいていない。
悪魔将軍への憎しみを募らせるほど、自分の心が憎き相手に近づいていっていることに。
自分の行為が仲間の信頼を裏切るという点で、自分を激怒させたキョンの行動と同質であることに。

古泉は知らない。
皮肉にも彼が捜す相手である万太郎は、ちょうど同じ頃に憎しみへのこだわりを捨てたことを。
今の彼と万太郎の精神が、相容れないものとなっていることを。


だが彼には、もう後退も停止も許されてない。
もはや古泉一樹は――





止マラナイ
382止マラナイ! ◆NIKUcB1AGw :2009/08/19(水) 23:04:07 ID:jEYZws1R
【E-09 湖畔/一日目・夜】

【古泉一樹@涼宮ハルヒの憂鬱】
【状態】疲労(中)、ダメージ(中)、悪魔の精神、キョンに対する激しい怒り
【装備】 ガイバーユニットV
【持ち物】ロビンマスクの仮面(歪んでいる)@キン肉マン、ロビンマスクの鎧@キン肉マン、デジタルカメラ@涼宮ハルヒの憂鬱(壊れている?)、
     ケーブル10本セット@現実、 ハルヒのギター@涼宮ハルヒの憂鬱、デイパック、基本セット一式、考察を書き記したメモ用紙
     基本セット(食料を三人分消費) 、スタームルガー レッドホーク(4/6)@砂ぼうず、.44マグナム弾30発、
     コンバットナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱、七色煙玉セット@砂ぼうず(赤・黄・青消費、残り四個)
     高性能指向性マイク@現実、みくるの首輪、ノートパソコン@現実?
【思考】
0.復讐のために、生きる。
1.悪魔将軍と長門を殺す。手段は選ばない。目的を妨げるなら、他の人物を殺すことも厭わない。
2.キン肉万太郎を見つけ、仲間になってもらう
3.時が来るまで悪魔将軍に叛意を悟られなくないが……。
4.使える仲間を増やす。特にキン肉スグル、朝倉涼子を優先。
5.地図中央部分に主催につながる「何か」があるのではないかと推測。機を見て探索したい。
6.デジタルカメラの中身をよく確かめたい。


【ノーヴェ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】 気絶、疲労(小)、ダメージ(中)
【持ち物】 ディパック(支給品一式)、小説『k君とs君のkみそテクニック』、不明支給品0〜2
【思考】
0.もっともっと強くなって脱出方法を探し、主催者を蹴っ飛ばしに行く。
1.悪魔将軍の命令に従い、キン肉万太郎を殺す?
2.ヴィヴィオは見つけたら捕まえる。
3.親友を裏切り、妹を殺そうとしたキョンを蹴り飛ばしたい。
4.タイプゼロセカンドと会ったら蹴っ飛ばす。
5.強くなったらゼクトール、悪魔将軍も蹴っ飛ばす?
6.ジェットエッジが欲しい。
383 ◆NIKUcB1AGw :2009/08/19(水) 23:04:53 ID:jEYZws1R
以上で投下終了です
誤字脱字、矛盾などありましたら指摘お願いします
384創る名無しに見る名無し:2009/08/19(水) 23:08:37 ID:c9yFuDKb
投下乙!
いつかやるとは思ったがやはりやったか古泉……
悪魔将軍を憎めば憎むほど将軍に近付くのは皮肉としか言い様がない。
ノーヴェも古泉に裏切られてどうなってしまうのか……
そしてオメガマン逃げてええええ!
385創る名無しに見る名無し:2009/08/19(水) 23:09:26 ID:th6VsMMc
キタ!ksk
386創る名無しに見る名無し:2009/08/19(水) 23:10:51 ID:th6VsMMc
ksk
387創る名無しに見る名無し:2009/08/19(水) 23:22:16 ID:0+YgEMNA
投下乙です
古泉は復讐の為に行動を開始したか
ノーヴェ、お前は考えが甘いぞw 
将軍について行くと表明したらこうなることは予想出来てたろうが
そしてオメガマン逃げて逃げて
しかし安価でキャラ選んだのに重要な局面を迎えたな
388創る名無しに見る名無し:2009/08/19(水) 23:33:06 ID:DWLG0rif
投下乙です。
氏は万太郎をリングに向かわせたのが盛大なフェィク、肩透かしだったとは……
てっきり万太郎の為に見せ場を用意するのかと思いましたが意外な結末に驚かされてました。
特に驚いたのが古泉が万太郎を死んだものと思っていたこと。
氏は古泉に手加減させたのかと思ってましたが古泉は本気で万太郎を殺すつもりだったとは……

最後に同行するノーヴェと仲違いした場面には古泉の焦りを感じました。
普段の古泉にとってはノーヴェをコントロールしつつ自分の都合の良い結果を求めるかと思ったのですが
将軍への発覚も考えられるのにここで行動に踏み切らせるとは……本当に意外続きでした。
389創る名無しに見る名無し:2009/08/19(水) 23:35:43 ID:th6VsMMc
投下乙!
ついに古泉が動き出したか…しかも悪魔的に。
将軍に従っているノーヴェのほうが良心的ってどういうことだw
そして将軍は採掘場へか…いったい誰が来るのか来ないのか。
390創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 00:01:25 ID:tT0CLPAf
投下乙です!!!
おぉ…古泉はここで行動を起こしたか
将軍を倒そうとすればするほど近付いていってるってのも皮肉なもんだなぁ
一方ノーヴェは悪魔よりも正義超人に近い感じがする
最後まで(まだ最後じゃないがw)古泉を信じてたんだもんな…
目を覚ました時どうするのか、楽しみだ!
 
そしてオメガマンは死亡フラグw
将軍の逆鱗に触れなきゃいいがどうなることやら…
ほんとGJでした!!!
391創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 00:18:22 ID:oMRs4d5o
投下乙ですー
 
将軍はやっぱ怖いなぁ…
まぁ確かに、何回も失敗したら怒るわな
つか、オメガマン逃げてーw
古泉とノーヴェはなんか切ないな
すれ違った二人だがまたいつか道が交わることを信じて、wkskwksk
392 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/20(木) 04:38:11 ID:mQ16x6qT
NIKU氏投下乙です!
ああ、遂に将軍一家が崩壊したかぁ…しかしそれでも古泉という危険分子の動きが気になる所。
マンタは古泉に悪印象は持ってないみたいだけど、今の状態でアプローチ迫ってもきっと冷たくかわされちゃうんじゃないのかーw
そして残されたノーヴェは何を思うのか…師匠とも呼べる悪魔将軍を取るのか、そして兄弟弟子とも呼べる古泉を取るのか…先が気になるw


そしてここで早速予約ー
悪魔将軍、ジ・オメガマン予約します

さらに、それに加えてもう一つ安価神からのご神託も報告!
朝倉さんコスプレショーに引き続き、もう一度展開を皆さんに安価で決めて貰おうかと…微妙にネタバレてしまいますが

k こんな
s (モビル)スーツをオメガマンに贈りたいぜ〜っ!
k クォークォクォクォ!

MSなんて言いましたが、正確には『ガンプラ@ケロロ軍曹』です。
実際に発売してない&…アニメに登場したっけ? って奴でも多分オーケー!
こんなガンプラをオメガマンに渡したい、という熱い思いをぶつけてください。
それをどう使うかは…もうこの時点でわかっちゃうかな〜、オメガマンだし……

それと、安価希望なんて言いましたが、その特性上『参戦作品以外とも言える物を支給してしまう』というのも結構グレーゾーンだと思うので、それがアリかナシかの調査も行いたいです。
反対意見が多ければ、この展開をボツにしても構わないプロットになっていますので…
安価はとりあえず明日の21時を予定しています。皆さんの意見をお待ちしております。
393創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 05:57:49 ID:N+aLrwV7
ガンプラ登場の是非はともかく一つ疑問があるのですが……

氏は恐らくオメガマンにオメガ・メタモルフォーゼを使わせようとしているのかもしれませんが
本物ならともかく、プラスチックの模型から本物の能力&パワーが得られるとしたらオメガマンの能力が便利すぎませんか?
制限無しの状態でもそこまで出来るかどうか……

私の考え過ぎでしたら申し訳ありません。
394創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 08:44:04 ID:txDYLu4U
ガンプラの登場自体は何の問題も無いと思うよー。ケロロといえばガンプラだし、実際俺もガンプラ使ったネタとかも考えてたし
あとは実際に話を読まないと何とも言えないけど
395創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 11:31:19 ID:o32/8cuS
だいじょぶだと思いますよー
396創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 12:50:41 ID:m68xRvBn
大丈夫かと。
予約wksk
397創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 12:52:41 ID:oMRs4d5o
俺も大丈夫だと思うよ
予約&安価楽しみにお待ちしています
398 ◆aCfYpcY.NE :2009/08/20(木) 13:14:57 ID:6W39gRRf
投下、乙です!
これからもwktkです!

そして、ゼロス、タママを予約させてください!
よろしくお願いします〜!
399創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 13:17:25 ID:m68xRvBn
予約きたー!

……俺も明日になったら予約できる……だから明日まであのパートが残っているといいなあ……

いやもちろん他の書き手氏の予約は大歓迎ですよ!
400 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/20(木) 14:14:41 ID:mQ16x6qT
皆さんの貴重なご意見、ありがとうございます。
ですが、改めて自分のレスを読み返してみれば、説明不足な点があったように思えるのと、
一つ鋭い意見がありましたので、少し補足説明を。

白状してしまえば、>>393さんの仰っている方向性のネタです。
この場合の問題点は、>>393さんの挙げた物に加えて、『能力把握のために多少別の媒体に手を出さなければならない』事だと思っています。
個人的には、後者に関してが非常に微妙な所かと…

補足が遅れてしまい、説明が十分では無くて申し訳ありません。
改めて、皆さんの意見を伺いたいです。
401創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 14:31:14 ID:m68xRvBn
んー……別媒体はきついかもね。
昨日ハルヒ云々の話もあったけど、やっぱりアニメロワである以上アニメ以外の把握を必要とするのはいかんと思うの。
402創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 14:42:30 ID:XgZY1fKm
ハルヒに関してはテレビでやったサムデイインザレインくらいの時期までなら原作の分も入れていいと思うけどな
403創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 16:09:34 ID:f6RoCDub
ハルヒは賛否両方あるっぽいねー。
俺は今回の長門の暴走(朝倉の推測)の件が消失とかぶるし、
消失はセーフだと思うんだが。
404創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 16:26:55 ID:Fi8z1y2L
でもここって一応ksk『アニメ』キャラバトルロワイアルだからアニメ化されていないのは…って今更な気もするしなー
405創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 16:31:32 ID:C/OZg/RB
前に同じような事を話さなかった?
406創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 17:02:33 ID:oMRs4d5o
面白くて説得力あればそれでいいよ
407創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 17:31:34 ID:wJ2mhf7L
>>398
新人さんキター!wksk!

>>400
面白いし機体性能だけならいいと思いますよー。
「グフォ〜フォフォ、俺がガンダムだぜ〜っ!」とか言い出したら把握面で難易度が跳ね上がるけどw

それとただのガンプラで問題があるなら、たしかケロロが戦闘力を持ったガンプラの製造機を小隊の予算で作った事があったはず。
あのドロロすら倒したガンプラ(?)を吸収すればオメガマン・デンドロビウムになってもおkだと思う。
408創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 18:07:29 ID:oFWLHLUk
ハルヒに関して言えば、例えばサムデイにも出ているカエルの着ぐるみ。
これは当然一期に登場しているのだけど、手に入れた経緯が分かるのは二期なわけだ。
映画自体は一期だが撮影の話は二期っていうのもある。
そう考えるとアニメのエピソードではないからといって、
存在しないものとして扱ってしまうのはおかしいと思う。
まあ、消失まで入れてしまうと大分ややこしくなるというか
キョンが出ている話については全て書き直しが必要なレベルになってしまうだろうが、
サムデイまでならエンドレスエイトと溜息ぐらい把握しておけば問題ないし、
上手く書けば触れなくてもいいと思う。
409創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 18:09:33 ID:llK4Y6b4
ハルヒ時系列ぐちゃぐちゃで原作進むからほんとにややこしいなw
410創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 18:18:44 ID:m68xRvBn
消失はさすがにきついかもな。アニメやるかすら不明だし。
エンドレスと溜息までにすべきかも。
411 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/20(木) 21:06:05 ID:mQ16x6qT
えー、約束の21時になってしまいましたが……うーんなんか賛否両論な感じでなんとも言えず。
いっその事、やるかやらないか自体も安価で決めてしまおうか…

と、とりあえず意見も聞いてみたいんで遠めの安価、>>430
安価する、安価しないのどちらかで答えちゃってください
412創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 21:08:50 ID:BWhaxInA
ksk
413創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 21:13:55 ID:HlC94fAd
ksk
414創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 21:14:22 ID:oMRs4d5o
ksk
415創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 21:16:28 ID:BWhaxInA
ksk
416 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/20(木) 21:17:29 ID:mQ16x6qT
これは…そもそも人がいないようだ…安価どころじゃないと言うかなんと言うか

色々考えましたが、今回の安価ネタは中止にしようかと思います。お騒がせして申し訳ありませんでした。
ただ、SS自体はしっかりと書きあげますのでご心配なく。

そろそろ執筆に戻ります…kskしてくださった皆様に最大限の感謝と、謝罪を。本当にお騒がせしました…
417創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 21:23:29 ID:BWhaxInA
あー、中止とは残念
投下をwkskしながら待ってますよー
418創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 21:27:35 ID:oMRs4d5o
なんか不甲斐ない…
投下楽しみにお待ちしていますね
419創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 21:58:26 ID:h9yMdtfB
ガンプラじゃなくてガンガルだったら問題なかったかもw
把握とかいらないし
420創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 22:05:29 ID:Fi8z1y2L
>>419
逆に大変なんじゃw
421 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/20(木) 22:41:17 ID:mQ16x6qT
それでは、そろそろ悪魔将軍・オメガマンを投下したいと思います。
422将軍様へのGE・KO・KU・ZYO  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/20(木) 22:41:59 ID:mQ16x6qT
エリアF-8の深い森の中に、二人の男が立っている。
彼等はどちらも二メートルは越しているであろう高い身長を持ち、そしてまたその姿形も一般人からは一線を画していた。
片や、銀色の鎧を全身に身にまとった、悪魔のオーラを纏った男。片や、ホッケーマスクのような仮面を被り、巨大な腕を全身に纏わりつかせている男。
彼等の名は、『超人』。人類を遥かに越えた力を持ち、時に物理法則すらも捻じ曲げ、リングの上で数々の奇跡を生み出してきた存在。
銀色の鎧の超人、悪魔の長たる恐怖の将、悪魔将軍はそのままゆっくりと振り向き、正面からホッケーマスクの超人を見据える。
その瞳は、悪魔らしい冷徹な感情で溢れていた。

「もう一度聞くぞ、ジ・オメガマンよ。何故貴様は、悪魔騎士達の亡骸をその身に宿している?」

悪のカリスマに相対している者の名は、ジ・オメガマン。
ありとあらゆる感情を超越した精神を持つと言われ、最も神に近いとされる超人種族、『完璧超人』にその名を連ねる者。
このバトルロワイヤルの会場において、幾度となく辛酸を、そして幾度となく勝利を味わってもいる男は、悪魔の眼差しを前にしても冷静に質問に答える。

「フォーッフォフォ…悪魔騎士の亡骸というのは、こいつらの事ですかい、将軍殿」

そう云いながら、右腕を横に移動するのを合図として、彼の体を包んでいる巨大な拳がゆっくりと開く。
やがて開ききったその拳の指先が、虚ろな瞳を持つ五つの生首へと転じた。

アシュラマン、スニゲーター、アトランティス、サンシャイン、ジャンクマン。

ザ・ニンジャを除いた、悪魔六騎士五人の首が、生気を宿さない死人の相を悪魔将軍へと向ける。
それを受けた悪魔将軍の瞳が、僅かに見開かれた。
と言っても、かつての部下たちの変わり果てた姿に衝撃を受けたわけでは無い。
氷のような心を持つ悪魔の化身は、さざ波ほどの悲しみも感じる事は無い。
その感情の揺れは、悲しみでは無く驚き。
今現在も『自分の体を構成している』悪魔六騎士の首が、こうして目の前に存在しているという、摩訶不思議な現象に対する疑問だった。

彼等の内の一人、アシュラマンは自分と同じバトルロワイヤルの参加者だ。
ならば、自分と遭遇する前にオメガマンがアシュラマンを殺害し、その首を収集したと見るのが正しいだろう。
だが、それならば、この殺し合いとは無関係である他の悪魔六騎士については?

じっと考え込んでいる悪魔将軍を前にして、オメガマンはスッと一本指を立てると、彼等の首を手に入れた経緯についての解説を始める。
彼にとっては、それは大したことのない情報だからだ。

「さて、将軍殿。俺がこの悪魔六騎士達の首を手に入れた経緯について話す前に、あんたに一つだけ確認しておきたいことがある」
「なんだ、言ってみるがいい」

ともすれば不遜とも取れるオメガマンの言動を前にしても、将軍は取り乱すこと無く続きの情報を引き出そうとする。
キング・オブ・デビルは、これしきの事では揺るがない。
貫禄すら漂わせる悪魔将軍の態度を前にして、オメガマンは僅かにフォッと笑うと、彼への質問を口にする。

「我々超人がリングの中で命を落とした場合、その魂は一体どこへ向かうのか…それを知っていますかな?」
「………超人墓場、か」
「クォークォクォ、流石は将軍殿、良くご存じですな」

納得のいく答えを手に入れたオメガマンは、満足げに笑いながら悪魔将軍を褒めたたえる。

超人墓場。それは、リングで散った超人達が行きつくといわれる、摩訶不思議な空間である。
『あの世』とも言い換えられるその場所では、恐ろしい鬼たちが鞭を振るい、死を経験した超人達は過酷な労働を強いられる。
ある意味では、地獄と表現できるような場所だろう。
423将軍様へのGE・KO・KU・ZYO  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/20(木) 22:42:39 ID:mQ16x6qT
「キン肉マン達正義超人と戦い、そしてリングに沈んで行った悪魔六騎士達の魂もまた超人墓場へと落ちて行きました……
 だが、この悪魔六騎士共は、そのままそこで働く事を良しとしなかった」

悪魔将軍にそう解説しながら、オメガマンは自分の頭上を見上げて五つの生首を目に入れる。
既に光を宿していないその虚ろな眼は、彼等を宿しているオメガマンでさえもどこを映しているかはわからない。

「本来ならば、超人墓場での働きに応じて支給される生命の玉さえ集めれば、超人は再び生を受ける事が出来る。
が、それは短くても半年、長ければ100年以上もの時間が掛かる…その事に反発した悪魔六騎士は、超人墓場からの脱走を図り――」
「それを良しとしない貴様によって、再びその命を奪われたという事か」
「フォーッフォフォフォ!! 察しが良いですな、将軍!」

自分の言葉をフォローする将軍のセリフを聞き、オメガマンが楽しげに笑う。
だが、その笑いは将軍への称賛だけが含められているのではない。
多くの犯罪超人を狩り、報酬を得る超人ハンター・オメガマン。彼にとって、犯罪超人を追い詰め、殺し、そしてコレクションとしてその首を収集する事は、至上の喜びであった。
かつての超人墓場にて、悪魔六騎士達を葬り去った戦いを思い出しながら、オメガマンはしばし笑い続ける。

自分の部下を侮辱するようなその笑いを受けても、悪魔将軍の顔色は何一つ変わらない。
悪魔は、敗者にかける言葉などを持っていない。
そして今は、無残な死を遂げた部下たちを想うよりも、遥かに重要な事があった。

「悪魔六騎士が、キン肉マン達正義超人に敗れたと…そう言ったな」
「ああ、それが何か問題でもあるんですかい?」
「いや、その事自体に問題は無い。奴らが敗北する瞬間は、この私も見届けている」

悪魔将軍の本体でもある黄金のマスク、それを争奪する為の悪魔六騎士と正義超人の戦い。
自分は、この殺し合いに呼ばれる直前まで特等席でそれを鑑賞していたのだ。
そう、本当に直前まで。

「奴らは死後超人墓場に落ち、そこからの脱走を企てた。オメガマンよ、それが『いつ』なのかを、覚えているか?」
「はぁ……?」

悪魔将軍が抱いた疑問は一つ。それは、悪魔六騎士がその命を落として『すぐ』に、超人墓場からの脱走を企てたのか、という物。
彼等がリングの上で命を落としてから経過した時間は、決して長くはない。むしろ、悪魔将軍が知る限りではたった数時間前の出来事だ。
ならば、悪魔六騎士達は死後すぐに復活を求めて、無謀な脱走を求めたというのか。
オメガマンは、悪魔将軍の質問の意図が読めないと表情で思わず間の抜けた声を上げる。
だが、それを見据える将軍の表情は真剣そのものだ。もしも適当な事を云えば、その場で悪魔の制裁がくだされるであろう事は間違いない。
無駄な体力の消耗を避ける為にも、オメガマンは頭を捻らせながら答えを示そうとする。

「さて……少なくとも、将軍殿がキン肉マンに敗れ、トーナメントマウンテンでのタッグマッチが開催されている最中の……」

ふと、オメガマンが漏らした呟きの一つに反応して、悪魔将軍の顔色が即座に変化する。

「待て。今、貴様は何と言った?」
「は? いや、トーナメントマウンテンでのタッグマッチと……」
「違う、その前だ。……私が、キン肉マンに敗れた、だと?」

一言一言を噛みしめるような悪魔将軍の声を聞いて、ホッケーマスクの奥の素顔がサーッと青ざめる。
悪魔将軍は、その名の通り悪魔超人の頂点に立っている者。荒くれ者揃いの彼等を率いているこの男は、紛れもない悪のカリスマと言える。
そんな人物であるからこそ、例えかつての『敗北』という苦い思い出でさえも、自分と同じく糧に変えられるだろうと踏んでいたが、流石に早計だったか。
思わず制裁を覚悟し、冷や汗を流すオメガマンであったが、悪魔将軍を見ている内に徐々にその恐怖も消えていく。

悪魔将軍は、自分の失言に対して怒っている様子がないのだ。
彼から今発せられているのは、明らかな『戸惑い』であった。
424将軍様へのGE・KO・KU・ZYO  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/20(木) 22:43:26 ID:mQ16x6qT
「…………オメガマンよ」
「は、はい!」
「お前に嘘を言っている様子はない。そもそも、こんな所で嘘をついた所でお前にメリットがあるとも思えん。
 つまり、お前が言っている『私がキン肉マンに敗れた』というのは、紛れもない事実なのだろう。だがな……私はそもそも、『まだキン肉マンと闘ってすらいない』のだ」
「は………はぁ〜〜〜〜〜〜っ!?」

恐らく、あまりにも予想外の一言だったのだろう。オメガマンが挙げた素っ頓狂な叫びを聞きながら、悪魔将軍もまた予想外の事実を頭の中で受け入れる。
キング・オブ・デビルは、目を細めながらゆっくりと自分の記憶をたどる。この殺し合いに巻き込まれる前、リングサイドで自分が見ていた光景を。
すなわち、悪魔超人バッファローマンを脇に従え、悪魔六騎士アシュラマンと正義超人キン肉マンのデスマッチを観戦していた、あの瞬間を。
キン肉マンから起死回生の一撃、ツームストン・ドライバーをその身に受け、リングに沈んだアシュラマンを、悪魔将軍は悪魔の掟に従いその場で処刑した。
そして、アシュラマンの死体をその身に取り込み、最高のコンディションとなった瞬間に、彼はこの殺し合いの始まりの場へと飛ばされたのだ。
ほんの直前に一体となったはずの、アシュラマンと共に。

「それに、お前は他にも気になる事を言っていたな…トーナメントマウンテンでのタッグマッチとはなんだ?
 私とキン肉マンの決着がついてから、どれだけの時間が経っているというのだ?」
「そ、それは……軽く半年以上の月日が流れておりますぜ〜っ!
 タッグマッチというのは、将軍殿がキン肉マンに敗れた後でトーナメントマウンテンにて繰り広げられた戦いの事!
 そして俺は、その後に開催された、キン肉マンを含めた5人の王子達によるキン肉星王位争奪戦の真っ最中にこの殺し合いに巻き込まれたんだ!!」

悪魔将軍の質問に答えながら、オメガマンもまた驚きに目を白黒させている。
このバトルロワイヤルの会場に、既に死した筈の悪魔将軍がいる事自体は不思議では無かった。
この男ほどの実力者ならば、超人墓場にて生命の玉を集め、再び現世に舞い戻る事など容易いだろうと予測していたからだ。
悪魔将軍と、ジ・オメガマン。悪魔超人と、完璧超人。二人の間に流れる、『時間』という大きなギャップが徐々に明らかになって行く。

混乱しているオメガマンに対して、悪魔将軍はここで得られた情報を一つ一つ統合していく。
思い返すのは、自分の新たな部下、古泉の発言…キン肉スグルそっくりの謎の超人、キン肉万太郎と初めて相対した時の言葉だ。

『この人は貴方が狙うキン肉スグルではありません、彼は『キン肉万太郎』、スグルの息子と僕に名乗りました!』
(成程……ハッタリや戯言でもなければ、『並行世界』でも無かったという訳か)

マスクの奥で満足げな笑みを浮かべながら、将軍は遂に結論を出す。

(間違いない。このバトルロワイヤルの参加者は、『幾つかの並行世界』だけではなく、『幾つかの時間軸』からも集められているのだな!)

悪魔将軍の存在した、悪魔六騎士と正義超人との激闘の最中。
ジ・オメガマンの存在した、キン肉星王位争奪戦と呼ばれる戦いの最中。
そして、そこから更に未来、キン肉マンの息子、『キン肉万太郎』が存在し、新たな正義超人として活躍しているであろう時間。
ここに至るまでで、悪魔将軍は少なくとも三つの時間軸から現れた参加者を見ている。
同じ事が、自分達の知り得ない参加者達の間で起こっているのは想像に難くないだろう。

そして、それはつまりこの殺し合いの黒幕が、『並行世界』という『空間』だけでなく、『時間』すらも手玉に取るだけの実力を持っているという事。
言うなれば、さしづめ『時空超人』とでも呼称するべきか。
最も、その力を持っているのが長門有希に草壁タツオという二人の男女なのか、既に死した筈の涼宮ハルヒという少女なのかは、この悪魔将軍にも予測のつかない事ではあるが。

そこまで悪魔将軍が考えた所で、目の前でただ茫然としているだけだったジ・オメガマンが動きを見せた。
背負っていたディパックを下ろし、突然中をあさり始めたのだ。
行動の意図がつかみ切れず、将軍の目が冷徹に細められる。
425将軍様へのGE・KO・KU・ZYO  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/20(木) 22:44:09 ID:mQ16x6qT

「ジ・オメガマンよ。貴様、一体何をしようとしている?」
「クォークォックォッ…なに、将軍殿に一つ見せたい物がありましてな〜っ!」

射抜くような視線を受けても、オメガマンは笑い声を上げながら更にディパックの中を探る。
やがてディパックの探索を止め、その中から厳かな動きで現れたオメガマンの手に存在していたのは、謎の黒い腕輪だった。
悪魔将軍はそれをじっと見つめた後で、組んでいた腕を解くとオメガマンへと近づき始める。

「その腕輪が、一体どうしたというのだ? オメガマンよ…貴様の返答次第では、このまま―――」

静かな怒気を孕んでこちらへと歩を進める将軍を前にしても、超人ハンターは動きを見せない。
ただ、ホッケーマスクのから覗く赤い瞳が、ほんの僅かに揺らめいた。
それが表わすものは、喜悦。自分の策が成功した事への喜び。

「この腕輪はですなぁ……こうするのよ〜〜〜〜〜〜っ!!」

高らかな叫びと共に、オメガマンが謎の腕輪を自分の腕へと嵌めた瞬間、異変が起きる。
島一帯を覆い始めていた夕闇を切り裂く、閃光。強烈な光が、腕輪を中心として放たれたのだ。

「むうっ…!?」

流石の悪魔将軍も、突然の事態に対応出来ずに両腕で顔を庇うのみ。
初手の不覚を取ってしまった事に一瞬歯噛みするが、後悔するのは後回しだ。
こうしている間にも、光は徐々に弱まってきている。数秒もすれば視力も回復し、即座にオメガマンに制裁を与える事も出来よう。
それまでに一撃が加えられる可能性も高いが、そこはむしろ好都合と考える。
この身に攻撃を仕掛けられるのならば、それによって相手の位置を把握し、即座に強烈なカウンターを掛けてやるのみ。

そして、悪魔の制裁をその身に味あわせてやろうと身構える悪魔将軍だったが、その予想に反していつまで待とうとオメガマンが攻撃をしかけて来る様子は無い。
そうこうしている内に光も消えていき、視界が回復したと見るや即座に腕を下ろして周囲を見回す。
そこには最早、将軍への謀反を働いた愚か者の姿は無かった。
いつどこから襲撃が来ようと即時対応出来るように、細心の注意を込めながらぐるりと辺り一面を見渡すが、先ほどまでそこにいた筈のオメガマンの気配はどこからも感じられない。
数刻程逡巡した後に、悪魔将軍は何が起きたのかを把握する。

「奴め、この悪魔将軍から逃げ出しおったか……」

先ほど、オメガマンが取り出した腕輪。アレがこの逃走の何らかのキーになったと見て間違いない。
ワープ装置の一種だったか、はたまた別の何かなのか。が、今それは重要では無い。

オメガマンが自分に反旗を翻す事自体は予想の範囲内だ。
表面上は自分に従順な様子ではあったが、その言動の裏には明らかに不平不満、憎悪の感情が存在していた。
それでも、いつ牙を剥こうと返り討ちに出来る確信があったからこそ放置していたのだが。
しかし、超人ハンター・オメガマンが選択したのは『復讐』ではなく『逃走』であった。

(最も、そう簡単に私への憎しみが消えるとは思えん…体勢を立て直した後は、改めてこの私に挑戦してくるかもしれんな。
 その時は、容赦なく屠らせて貰おう。その気が無かったとしても、この悪魔将軍をコケにした報いは受けてもらわねばな)
426将軍様へのGE・KO・KU・ZYO  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/20(木) 22:44:52 ID:mQ16x6qT
オメガマンへの対応を検討した後、悪魔将軍は何事も無かったかの様に歩き出した。
先から抱いていた疑問も解消された以上、奴から得られるものはもう何もないだろう。
尻尾を撒いて逃げ出した負け犬になど、深入りする気も起きない。
ただ、恐怖の将は先を急ぎ、当初の目的を完遂させるのみ。

果たして目的の地、採掘場に『キョン』というもう一人のガイバーは表れるのか。
現れたとして、その男は悪魔の心を満たすだけの素質を持っているのか。

まだ見ぬ哀れな生贄に対して笑みを浮かべつつ、悪魔の男は先へと進む。


【F-8 森/一日目・夜】

【悪魔将軍@キン肉マン】
【状態】健康
【持ち物】 ユニット・リムーバー@強殖装甲ガイバー、ワルサーWA2000(6/6)、ワルサーWA2000用箱型弾倉×3、
     ディパック(支給品一式、食料ゼロ)、朝比奈みくるの死体(一部)入りデイパック
【思考】
0.他の「マップに記載されていない施設・特設リング・仕掛け」を探しに、主に島の南側を中心に回ってみる。
1.古泉とノーヴェを立派な悪魔超人にする。
2.強い奴は利用、弱い奴は殺害、正義超人は自分の手で殺す(キン肉マンは特に念入りに殺す)、但し主催者に迫る者は殺すとは限らない。
3.殺し合いに主催者達も混ぜ、更に発展させる。
4.強者であるなのはに興味
5.採掘場に向かい、キョンとの接触を試みる。
6.もしもオメガマンに再会したら、悪魔の制裁を施す。

※参加者が別の世界、また同じ世界からでも別の時間軸から集められてきた事に気付きました。







エリアE-07を南北に隔てる川には、申し訳程度の丸太橋が掛かっている。
掛けられてから対して月日は経ってないであろうその橋は、しかし随所に無残な皹が入り、今にも崩れ落ちそうであった。

と、突然橋がミシリと音を立てて揺れる。周囲には人影は無く、橋を渡る者の姿は無い。
だが、それでも断続的なミシミシという音は続き、パラパラと木片が川に向かって落ちて行く。
やがて、音が対岸へと移動した瞬間に丸太橋の耐久力は限界を迎え、耳障りな破壊音と共にその寿命を終えた。
ドボドボと川へ落下し、湖方面へと流れて行く光景を『見ていた男』は、そこで自分の腕から先ほどとよく似た罅割れの音が発せられているに気づく。
パキンという小さな破壊音と共に黒い欠片が地面へと落ち、『男』、ジ・オメガマンの姿が何もなかった空間から浮かび上がる。
427将軍様へのGE・KO・KU・ZYO  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/20(木) 22:45:55 ID:mQ16x6qT
「チッ、もうバッテリーが切れやがったか…まぁ性能を考えれば妥当な所かもな〜っ」

不満の声を零しつつ、オメガマンは先ほどまで自分が嵌めていた腕輪と同種の物をディパックから取り出す。
それは、元々はキン肉万太郎に支給されていた支給品の一つだ。
『スーパーアンチバリア発生装置』という名のそれは、腕に身に付ける事によって凄まじいステルス能力が得る事が出来るという物。
体が不可視性になる事はおろか、発する声も第三者に聞こえなくなり、センサーの観測すらくぐり抜けるという優れものだ。
だが、多大なエネルギーを消耗するこの発生装置は15分ほどしか機能せず、バッテリーが切れると同時に装置自体も破壊される使い捨てとなっている。
さらに、一度腕に嵌めて発動させてしまえばバッテリーが切れるまでは自分でも外すことが出来ない。
とりあえず五個セットで支給されていたのは救いではあるが、使いどころはよくよく考えねばならないだろう。
それともう一つ、この腕輪を使用する際に『スーパーアンチバリア』の出力を最大限まで上げれば別の効果が発動するのだが、
ただ参加者を皆殺しにする事だけを考えているオメガマンにはどうでもいい機能であった。

ともかく、オメガマンはこの支給品を使う事によって自分の存在を隠蔽し、忌々しい悪魔将軍の元からの脱出に成功した。
これは、一種の賭けであった。彼が今現在持っている不明支給品は、万太郎が持っていた一つに加えてアシュラマンが持っていた幾つかと、かなり多い部類に入る。
自分が見知らぬ支給品の中に、悪魔からの脱出に使える物があるのではないかと思い立ったのが、この作戦を実行した理由であった。
悪魔将軍の目の前で支給品の調査を行った時には流石に肝が冷えたが、どうやら運は自分に向いていたらしい。

悪魔将軍への憎しみをその内に秘め、彼の命を奪う事を狙っていた筈のオメガマンが、正反対の脱走と言う手段を取ったのには理由がある。
しばしの間悪魔の軍団と一緒に行動して分かった事だが、かの将軍は厳格な成果主義者だ。部下には一切のミスを許さず、一度失敗すれば即座に肉体的な厳罰が下される。
こんな超人と行動していたのでは、とてもコンディションを最良に保つどころでは無い。
将軍の隙をついてその命を奪う事など、夢のまた夢だろう。
だからこそ、オメガマンは一度距離を取る事を選んだ。もはや、悪魔将軍は自分に容赦しないだろう。
追いかけては来ていないようだが、それでも何らかの弾みで再会すればその時点でリターン・マッチのゴングが鳴り響くのは想像に難くない。
今は英気を養い、一人でも多くの参加者を殺すのを優先するべき。憎き悪魔の化身へとリベンジするのはその後…オメガマンはそう結論づけたのだ。

「フォーフォフォフォ……だが、流石に今は休息が必要か……」

そう呟くオメガマンの顔色は悪い。F-08から全力疾走でE-07へと移動したのだ、無理もない事だろう。
15分という短い時間ながら、それだけの距離を駆け抜けられたのは超人ならではと言えるが、やはり消耗した体力は大きい。
荒い息を付きながら北へと視線を移動させてみれば、ぽつんと小屋が建っているのが見えた。
地図にも記されている、山小屋という施設と見て間違いないだろう。
幸か不幸か、人がいる気配はない。今はこの中で休息し、体力を回復させるのが最良の一手か。
足を引きずるようにして山小屋へと向かいながら、オメガマンはこの後どう行動すべきかを考える。
まず、もうしばらくは島の南方面へは向かえないだろう。採掘場やその周辺の調査とすると言っていた悪魔将軍と鉢合わせる可能性が非常に高い。
いつかはこの手で殺す相手、と決めてはいるが今はその時ではない。それよりも、他の参加者を殺すのが先決だ。
次に、湖のリング方面。悪魔将軍の部下たる古泉、ノーヴェがいるあちらへ向かうのも出来れば避けたい。

となれば、残っているのは北の町方面、及び島の西側。
オメガマンの視線が、山小屋の向こう、僅かに見える煙へと注がれる。
街の火事が観測されてからはかなりの時間が掛かっているためか、煙はリングで見た時に比べると随分と弱くなっているようにも見える。
ここで自分が休息し終わったころにはどうなっているだろうか。
ともかく、火事に引き寄せられた参加者、もしくは火勢が弱まっている為に街の調査を開始する参加者が来る公算は高い。
428将軍様へのGE・KO・KU・ZYO  ◆qYuVhwC7l. :2009/08/20(木) 22:46:39 ID:mQ16x6qT

「クォークォクォクォ……次の目的地は決まったな…」

ホッケーマスクの奥で、超人ハンターは邪悪に笑う。
黙々と牙を研ぎながら、狙うのは何も知らない呑気な参加者達。

今はただ、雌伏の時。
じっくりと英気を養いながら、ジ・オメガマンは闇夜に笑う。


【E-7 川付近・北側/一日目・夜】

【ジ・オメガマン@キン肉マンシリーズ】
【状態】ダメージ(中)、疲労(大)、アシュラマンの顔を指に蒐集
【持ち物】デイパック(支給品一式入り)×3、不明支給品1〜2、5.56mm NATO弾x60、マシンガンの予備弾倉×3、夏子のメモ、スーパーアンチバリア発生装置@ケロロ軍曹×4
【思考】
1:皆殺し。
2:ひとまず、山小屋で休息して体力の回復を待つ。
3:街及び島の西方面を探索して参加者を探し、殺す。
4:完璧超人としての誇りを取り戻す。
5:スエゾーは必ず殺す。
6:スバルナカジマンにも雪辱する。
7:悪魔将軍にも復讐する。
※バトルロワイアルを、自分にきた依頼と勘違いしています。 皆殺しをした後は報酬をもらうつもりでいます。
※Ωメタモルフォーゼは首輪の制限により参加者には効きません。


※E-7の川に掛かっていた、115話『キングもふもふはなかまをよんだ!』にてトトロ達が使用した丸太橋は崩壊しました。


【スーパーアンチバリア発生装置@ケロロ軍曹】
超劇場版3にて、ダークケロロ達がケロロ達を分断させるために使用した腕輪。
アンチバリアを強化したスーパーアンチバリアを発動させ、装着された者の姿・声などを認識できないようにする。ロワ内ではデバイス等のエリアサーチすらも無効化する。
ただし、使い捨てで15分しか使えない上に、バッテリーが切れるのと同時に装置が自壊する。
なお、姿が見えないだけであくまでそこには存在しているので、行動次第によっては居場所がバレる事もある。
劇中では、スーパーアンチバリア発動中のケロロ達がガンプラを組み立てている際にガンプラだけが浮かび上がるという現象が発生していた。
また、スーパーアンチバリアの出力を最大まであげる事で、装着者に『傍にいる仲間が、自分に敵意を持ち襲い掛かってくる』という幻覚を見せる事が出来る。
429 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/20(木) 22:47:23 ID:mQ16x6qT
以上、投下終了です。
430創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 23:01:11 ID:VrTRCI4L
乙です!
なんか、悪魔将軍が少しづつ揺らぎ始めてるな……
けど、まだまだ将軍的には余裕なんだろうなぁwww
431創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 23:11:37 ID:I8+13Ky4
オメガマン迷いがねえな。
即逃走か。
432創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 23:17:54 ID:4l+sCjFF
投下乙です!
スーパーアンチバリアの最大出力こわっ!
そして将軍一家はみごとにばらけたな…というか、崩壊寸前?
433創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 23:22:45 ID:oMRs4d5o
投下乙です!
将軍はあくまでも冷静だなぁ
情報もきっちり考察しながら進展していってるし…
流石は悪のカリスマといったところかな
 
オメガマンもオメガマンで何だかんだ完璧超人なんだよな
まさか将軍から逃げれるとは
トップクラスの実力を持ったこの二人がどうなるのか楽しみだw
 
改めて、乙でした
434創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 00:08:46 ID:lNIun3xR
投下乙です
オメガマン逃走かー、将軍があっという間にひとりぼっちにw
しかし考察の冴えは見事だ

ただ、一つ指摘したい点が

>アシュラマン、スニゲーター、アトランティス、サンシャイン、ジャンクマン。

>ザ・ニンジャを除いた、悪魔六騎士五人の首が、生気を宿さない死人の相を悪魔将軍へと向ける。

アトランティスは「七人の悪魔超人」であって、「悪魔六騎士」のメンバーではないですよー
悪魔騎士の残り一人はプラネットマンです
435 ◆qYuVhwC7l. :2009/08/21(金) 00:50:30 ID:inp9PeR9
ありゃ、すいません。こちらの記憶違いだったようです…
wiki収録の際、該当部分を以下に置き換えたいと思います。

>アシュラマン、スニゲーター、アトランティス、サンシャイン、ジャンクマン。

>ザ・ニンジャを除いた、悪魔六騎士五人の首が、生気を宿さない死人の相を悪魔将軍へと向ける。



>アシュラマン、スニゲーター、サンシャイン、ジャンクマン。

>ザ・ニンジャとプラネットマンを除いた、悪魔六騎士のうち四人の首が、生気を宿さない死人の相を悪魔将軍へと向ける。


また、
>悪魔将軍にそう解説しながら、オメガマンは自分の頭上を見上げて五つの生首を目に入れる。
の部分を『四つの生首』にも差し替えておきます。
436 ◆aCfYpcY.NE :2009/08/21(金) 08:21:19 ID:jA1PFQHG
それでは、ゼロス、タママを投下します。
437かくて黒は笑いき  ◆aCfYpcY.NE :2009/08/21(金) 08:24:18 ID:jA1PFQHG
 「う〜ん、ここは……」

 診療所に入り、適当なベッドにタママを寝かせて幾分か。
 タママは目覚めた。
 元々、ショック光線が切っ掛けで浅い眠りについていたが、熟睡するには至らなかったのだろう。

 「おや、気づかれましたか」

 友好的に見える笑みを浮かべながら、ゼロスはそう言う。

 「ここは……!あの、ブタ男……!次、見つけたら必ず殺してやるですぅ〜!」

 暫く、呆然としていたが、起きるや否や言う言葉がそれである。
 どうやら、本気で『死』というものが軽く感じているようだ。

 「いやぁ、それはよかったら控えていただきたいんですけどね」
 「ああぁ〜!?貴様も僕の邪魔するですかぁ〜!?」

 ものすごい形相のタママに睨まれても、ゼロスは軽く息をつくだけ。


 (それにしても見事な『負』の感情のかたまりですねぇ)

438かくて黒は笑いき  ◆aCfYpcY.NE :2009/08/21(金) 08:27:03 ID:jA1PFQHG
 心の内で苦笑しながら、ゼロスが言葉を紡ごうとした瞬間。
 タママの表情が変わった。

 「ケロボール……」

 ゼロスの手に握られているのは、ケロボールだった。
 ケロロ小隊率いるケロロ軍曹が持つ、最強の侵略兵器。
 そして、それは……。

 「それは、軍曹さんのものですぅ……!」

 腹の底から絞り出すような声が、辺りに響く。

 「軍曹さんだけが持っていい、軍曹さんのものですぅ!!」

 タママは、怒りに任せてタママインパクトを放とうとする。
 「……じゃあ、『取引』しませんか?」
 「悪党のいう言葉なんて聞く耳もたねぇですぅ〜!」
 タママにとって、ケロボールはケロロのものである。
 そして、同時に頭に血がのぼっているせいもあり、本当に聞く耳を持たない状態である。
 その時点で、『支給品』という存在はタママの中ですっかり抜け落ちている。
 それらを総合すると、タママがゼロスの存在を『悪』と判じるのは、無理なからぬことかもしれない。
 ……まあ、ゼロスが『悪』というのは、あながち嘘ではないのだが。



 「……わかってませんねぇ」



 ゼロスの声のトーンが下がる。



 「火炎球」



 ――ドガアアァアァアアッ!!



 タママの向こうの壁が砕け、爆音が轟いた。



 「…………!」

 タママの頭に上っていた血がひき、かわりに油断なくゼロスを見つめる。
439かくて黒は笑いき  ◆aCfYpcY.NE :2009/08/21(金) 08:29:08 ID:jA1PFQHG
 「一つだけ……いいことを教えて差し上げましょう。
僕にとって、貴方の存在は取るに足らないものです。
……少なくとも、戦力的には。
貴方がここで死のうと……全然、問題ないんですよね♪」
 タママの身のこなしを見ていたが、確かにホリィなどとは比べるまでもないが、ドロロやスグルには及ばない。
 (そう考えると、いきなりドロロさんに攻撃してしまったのは、少し失敗だったかもしれませんねぇ)

 無論、それほど後悔はしていない。
 足手纏いはいらない。
 だから、試したのは当然だ。
 まあ、多少、度は過ぎていたかもしれないが。
 それに、あそこにはリナもいた。
 それでは、交渉などできなかっただろう。
 「僕は、貴方から情報が欲しいんですね。
貴方の世界……もしくは、こちらでA.T.フィールドやLCLといった言葉を聞いたことはありませんか?」
 相も変わらず人のいい笑みを浮かべながら言うゼロス。
 「……知っていたとしてもぉ、お前にいう言葉は『死ね』だけですぅ!!」

 ――タママインパクト!!

 光が放たれ、しかしゼロスはあっさり空間を渡り、タママの背後に立つ。
 タママは振り向けない。
 殺気など、全然ないというのに。

 「チェックメイトです」
440かくて黒は笑いき  ◆aCfYpcY.NE :2009/08/21(金) 08:31:30 ID:jA1PFQHG
 ゼロスはそう言うものの、内心、悩んでいた。
 それは、タママを殺すか、生かすかという問題ではない。
 『今』、殺すか、否かだ。
 (そういえば、ホリィさんでできなかった実験とか……ありましたねぇ)
 口の端を吊り上げ、邪悪な笑みを浮かべる。
 だが、次の瞬間には、また元の『謎の神官』の表情になっていた。
 「う〜ん、じゃあ、僕からも譲歩しましょう。
実は、僕の連れも『ケロロ軍曹』を捜しているんです。
……他ならぬ、貴方のために」
 「……!!」
 タママは、ゼロスの言うその連れがあのブタ男……スグルだという考えには至らない。
 「ですから、僕も貴方と共に『ケロロ軍曹』を捜しましょう。
次の放送までに見つかればそれでよし、ついでにこのケロボールも『ケロロ軍曹』にお返しいたします」
 ちょっと惜しいのですけれどねぇ、とゼロスは溜息をつきながら言う。
 「しかし、見つからなければ……」
 「見つからなければ……何ですかぁ?」
 タママは冷や汗をかきながら聞く。
 しかし、返ってきたのは……。

 「それは秘密です♪」

 いつもの、ゼロスお得意の言葉と笑顔だった。

 タママは、そのゼロスの態度に、はらわたが煮えくり返っていた。

 (この野郎ぉ〜、言うに事欠いて秘密だとぉ〜?
軍曹さんのケロボールまで奪いやがった挙句……ただじゃおかねぇです〜)

 だが、軍曹さんを捜す『駒』は多い方がいい。
 隙を見て、殺せばいいのだから。
 また頭に血が上ったタママは、ゼロスの力など既に忘却の彼方だった。

 タママは果たして気づいているだろうか?
 ゼロスが何故譲歩したか。
 ゼロスはもちろん気づいていた。
 タママが自分に向ける、凄まじい敵意に。
441かくて黒は笑いき  ◆aCfYpcY.NE :2009/08/21(金) 08:32:42 ID:jA1PFQHG
【B-8 診療所/一日目・夜】

【ゼロス@スレイヤーズREVOLUTION】
【状態】絶好調
【持ち物】デイパック(支給品一式(地図一枚紛失))×2、草壁タツオの原稿@となりのトトロ、ケロボール@ケロロ軍曹)
【思考】
0:首輪を手に入れ解析するとともに、解除に役立つ人材を探す
1:A.T.フィールドやLCLなどの言葉に詳しい人を見つけたい。
2:とりあえず、ケロロを捜す(少なくとも、フリはする)。タママを禁止エリアに放り込み、どうなるかを見たい。
3:可能ならば、タママから情報を聞きだしたい。
4:悪魔将軍の元へ向かい、スグルとの勝負を見届ける。自分が積極的に戦闘に参加する気はない。
5: 主催者が興味を抱きそうな『戦場』に赴き、彼等と接触を図りたい。
6:ヴィヴィオとスグルの力に興味。
7:セイギノミカタを増やす。 
442かくて黒は笑いき  ◆aCfYpcY.NE :2009/08/21(金) 08:33:45 ID:jA1PFQHG
【タママ二等兵@ケロロ軍曹】
【状態】疲労(大)、全身裂傷(処置済み)、肩に引っ掻き傷、頬に擦り傷、ゼロスに対して敵意
【持ち物】デイパック(水消費)、基本セット、グロック26(残弾0/11)と予備マガジン二つ@現実
【思考】
0、軍曹さんを守り、ゲームを止める。
 妨害者及び殺し合いに乗っている疑いが少しでもある者を排除。
1、東回りに火事を避けて市街地に向かい、ケロロたちを捜す。
2、ひとまずは、ゼロスと共に行動するが、隙を見て殺す。
3、その後はギュオーやウォーズマンの下へ向かう?
4、草壁メイ・草壁サツキの仇を探し出し、殺す。
5、ウォーズマン、ギュオーに一目置く。
6、ギュオーを気に入っているが、警戒を怠らない。
7、自分の妨害をしたブタ男(キン肉スグル)に強い怒り。
8、救急車を運転していた参加者を殺す。
9、脱出の後、クルルに頼んでサツキや親しき者を生き返させる装置でも作らせる。
10、9の案をケロロに伝える。

※色々あってドロロの存在をすっかり忘れています(色々なくても忘れたかもしれません)。
※加持がサツキから盗んだものをグロック26だと思っています。
※ネブラ入りディパックのミサイルを流れ弾だと思っています。
※少しでも疑いのある者を殺す過程で、誤殺してしまっても、証拠の捏造・隠滅+クルルによって生き返せるハズなので、問題無いと考えています。
※街で自分を轢きかけた救急車の運転手(姿は見ていない)を殺し合いに乗った人物と判断しました。
※ゼロスのケロボールを、ケロロから奪ったと思い込んでいます。
※混乱しているせいか、ゼロスの連れがブタ男(キン肉スグル)とは思っていません。
443 ◆aCfYpcY.NE :2009/08/21(金) 08:34:48 ID:jA1PFQHG
以上で投下を終了します。
444創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 08:48:52 ID:BQKF0HL+
投下乙。
最終的にタママを見逃すのはいいんだけどさ。
前話で手荒い事をしてでも情報を聞き出すと言った割には、ゼロスがあっさり引き下がり過ぎじゃないか?
445 ◆aCfYpcY.NE :2009/08/21(金) 08:51:22 ID:jA1PFQHG
>>444
えっと、禁止エリアに連れ込む気ですので、殺す気満々です。
もちろん、それでも無理がある場合、破棄でもよろしいですが……。
446創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 10:34:44 ID:BQKF0HL+
確かに問題無いですね。
変な事言って申し訳無いです。

と言うか俺読解力無さすぎだろ……。
447創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 22:37:58 ID:xWvtswuI
投下乙ー
タママが完全に手玉に取られてるな
なんか利用されるだけ利用されて、ボロ雑巾のように捨てられる末路が見えるよ
448創る名無しに見る名無し:2009/08/22(土) 05:21:39 ID:ePXRY3Kz
投下乙でした
やっぱゼロス相手じゃタママには分が悪いな
本当にいいように利用されて終わりそうだ
449創る名無しに見る名無し:2009/08/22(土) 09:02:51 ID:cfaL5L6m
そういや今気付いたけど、スグルってある意味ケロロを探すのに成功してね?
夏実スーツのナビの中にケロロの人格あるしついでにタママの人格もあったりw
まぁ、でも所詮ナビ相手じゃなぁ…って気もしないでも無いのが微妙だがwww
そもそも故障してる恐れもあるからなー…
450創る名無しに見る名無し:2009/08/22(土) 09:55:00 ID:L049ShEk
なぜかスク水を着るキン肉マンの姿が浮かんだお
451創る名無しに見る名無し:2009/08/22(土) 09:59:34 ID:cfaL5L6m
誰得すぎるわ!www
そういや、肉のコスチュームといや超人オリンピックでのキン肉族伝統のバトルコスチュームも王位継承者戦でのディフェンシブアーマーもまだ出てないな
特に前者はあの口元を覆い隠すマスクがかっこ良すぎるので見てみたい物だ…
452創る名無しに見る名無し:2009/08/22(土) 10:40:36 ID:twV+in8m
それを閣下が装備します
453創る名無しに見る名無し:2009/08/22(土) 12:23:35 ID:aaOs1D63
スク水キン肉マン……
あれ? 普段の服装とどう違うんだ?
454創る名無しに見る名無し:2009/08/22(土) 12:42:40 ID:xcvt1Pz8
「これ、レスリングスタイルだから」と言い張ればみんな納得してくれそうだな
455創る名無しに見る名無し:2009/08/22(土) 23:40:52 ID:H7S8cuJE
ふと疑問…悪魔将軍って「オメガマンのいた未来では自分はキン肉マンに負けていた」
って知ったけれど「今の自分ではキン肉マンに勝てないかも」とか
考えたりしないんだろうか。

いや、将軍っぽくないと言われるかも知れないけれど
「私は今までに存在していた全ての技に耐えられるのだから、
 キン肉マンは今までに存在しなかった技で私を倒したのだろう。
 ならばその技に対抗する技を私も手に入れねばキン肉マンには勝てん!」
と新技習得とかそういうのも見てみたいな、と。
456創る名無しに見る名無し:2009/08/22(土) 23:42:09 ID:UGSHt7sV
早く続き書けカス
457創る名無しに見る名無し:2009/08/22(土) 23:54:23 ID:kJXoX58H
>>453
>>454
アマレス型のタイツってスク水みたいだし
レスラー自身は実際いろんな格好しているかもなんの違和感ないかもな。

ttp://kissho.xii.jp/1/src/1jyou88852.jpg
ttp://kissho.xii.jp/1/src/1jyou88853.jpg
ttp://kissho.xii.jp/1/src/1jyou88854.jpg
458創る名無しに見る名無し:2009/08/23(日) 00:09:10 ID:Q+O89yZx
三つ目は試合用のコスチュームじゃないだろw
まあスグルも万太郎も、アホなコスプレいろいろやってるがw
459創る名無しに見る名無し:2009/08/23(日) 00:16:40 ID:WQFdUigo
確かスグルはミートくんと一緒にバニー姿にもなってたはずw
いつものコスチューム、バニーなどのコスプレ、とか思いだすとスク大丈夫かもしれんw
460創る名無しに見る名無し:2009/08/23(日) 00:38:50 ID:/pavCiSU
しかし冷静に考えてみてほしい
誰 が 喜 ぶ ん だ そ れ は w


……そう言えばほんの一瞬ですけどスク水ネコミミ姿になったお兄さんがいたなぁ
461創る名無しに見る名無し:2009/08/23(日) 01:18:51 ID:KB0I3FhH
誰も喜ばねえwwww
正に誰得w
462創る名無しに見る名無し:2009/08/23(日) 02:21:13 ID:gecYmP8/
バニーだったら朝倉さんがいるじゃあないか!
コスプレ衣装も幾つか回収してるし、見れる可能性もあるぞ!

……朝倉さん自身がバニー服を選んだかどうかは謎だが
463創る名無しに見る名無し:2009/08/23(日) 11:47:03 ID:1m1W4aYn
>>455
キン肉マンの一族には「火事場のクソ力」という一発逆転の特殊能力がある。
これがあるから、どんなに超人パワーに差があってもスグルは勝利してた。
将軍なら「こ、これが友情パワーか」か「こ、これが火事場のクソ力か」でビビって終わりだと思う。
火事場のクソ力の習得はほぼ不可能だし。
ちなみに将軍以外の超人もそれを充分知った上で試合している。
力の吸収に失敗したバッファローマンの醜態も将軍は多分知ってる。
464創る名無しに見る名無し:2009/08/23(日) 15:06:26 ID:fZQ7eF08
未知の技っつーかドライバー狙いは既に見破ってたよな
負けたのは弱点である頭部を破壊されたっつーことはわかってるはず
つーかそれ以外に負ける要因ないし

問題はなぜドライバーなんてくらっちまったのかと言う事だが、そこは↑の説明で
説明が付くと思う
465創る名無しに見る名無し:2009/08/23(日) 15:25:26 ID:gecYmP8/
そして今キン肉マンは火事場のクソ力は使えないと言う…
これはやっぱりヤバイかもわからんね
466創る名無しに見る名無し:2009/08/23(日) 17:28:28 ID:7RQ9pFbr
大丈夫、ウォーズマンが使えるよ!
…すぐに煙噴くけどw
467創る名無しに見る名無し:2009/08/23(日) 18:14:43 ID:/pavCiSU
そういえば、閣下との対決の制限時間ってぎりぎり三十分ちょっとだったな…
果たしてどうなる事やら
468創る名無しに見る名無し:2009/08/23(日) 20:28:53 ID:WQFdUigo
将軍は原作でもカリスマ性あったな。
パイプ椅子で攻撃したり、ゴールドマン(顔出し)状態になると一気に小物臭がしたり、初代とU世で設定が違ってたりするがw
原作からして、キャラのブレさえ「ゆでだから」で解決されるのがw
469創る名無しに見る名無し:2009/08/23(日) 21:01:00 ID:/pavCiSU
キャラのブレと言えば、将軍を書く上で困る事がある
「バゴアバゴアバゴア!」って笑い声はアリなのか!?無しなのか!?どっちなんだー!?
いや、最新の公式情報ではあるんだけどね…kskロワのカリスマ溢れる将軍がこんな笑いするのぶち壊しじゃねww
悪魔の種子編の将軍は凄い小物臭と無駄な強キャラ臭が共存してる凄いキャラだった気がする
470創る名無しに見る名無し:2009/08/23(日) 21:20:25 ID:eaS1Ecrz
公式設定ではないが、初代の悪魔将軍は神であるゴールドマンがベースだったからカリスマ性が高かったが、
U世ではベースになる超人がいなかったから悪魔の本性がむき出しになってたんじゃないかという考察を昔どこかで読んだな

何が言いたいのかというと、「バゴアバゴアバゴア!」は止めといた方がいいんじゃないかということだw
あくまでここの将軍様は初代からの参戦だし
471 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/23(日) 23:02:47 ID:ea7LV8hn
高町なのは、スバル・ナカジマ、トトロ、キョン、ケロロ軍曹、冬月コウゾウ予約させていただきます。
472創る名無しに見る名無し:2009/08/23(日) 23:08:16 ID:MPW8uzfq
予約wksk!ゆっくり書いていってね!
473創る名無しに見る名無し:2009/08/24(月) 00:12:35 ID:9rlwpdQU
予約キタ!
wkskしてお待ちしてます
474創る名無しに見る名無し:2009/08/24(月) 00:22:58 ID:sLdvPo9i
予約wksk!
お待ちしてます!

初代の将軍は「サタン」+「ゴールドマン」=「悪魔将軍」というブレンドでカリスマ性がある気がする。
ゴールドマンな将軍もバゴアな将軍もちょっと違うんだよなw
475創る名無しに見る名無し:2009/08/24(月) 02:09:32 ID:ufzjfKdg
うおおお、温泉組の予約にwksk!!
難しいパートだと思うし、ゆっくり無理せず書いて行ってね!!


>>474
二つが絶妙に組み合わさってカリスマ性を生んでいるという事か…
サタンも最近のU世で微妙な姿を見せたばっかりだしなぁw
あんなにあっさり時間超人に撃退されるなよ!
476創る名無しに見る名無し:2009/08/24(月) 02:41:11 ID:XzKgdp6v
ぎゃあ、かぶった!けど取られちまったらしょうがあんめぇ
wkskして投下お待ちしてますー
477 ◆5xPP7aGpCE :2009/08/24(月) 21:55:01 ID:gOU+n4Ka
古泉一樹、キン肉万太郎を予約します。
478創る名無しに見る名無し:2009/08/24(月) 22:02:15 ID:AdxBSbVI
予約wksk!ゆっくり書いていってね!
479創る名無しに見る名無し:2009/08/24(月) 23:52:13 ID:1P1cRm45
また予約きた!
投下楽しみにしてます!
480創る名無しに見る名無し:2009/08/25(火) 11:04:56 ID:8HIB0HeS
予約ktkr
481創る名無しに見る名無し:2009/08/25(火) 17:19:54 ID:H4cScdJR
主催関連って前にチャットで話し合ってたんだっけ?
……じゃあ書いちゃだめか、今まで以上に深くなるような話は
482創る名無しに見る名無し:2009/08/25(火) 17:33:33 ID:g+hqDbsR
とにかく、今はスエゾー&小トトロがどこに飛ばされるのかが気になる。
483創る名無しに見る名無し:2009/08/25(火) 18:53:35 ID:ELxkSLQB
>>481
別にいいんじゃない?
そこまで気にしなくても
484創る名無しに見る名無し:2009/08/25(火) 18:59:09 ID:1X9fekij
したらばに鳥出して書き込めばチャットのログは貰えるよー
やっぱり矛盾が出ちゃうと困るし、どんな会話があったかは知ってもらえるとありがたい
485創る名無しに見る名無し:2009/08/25(火) 19:21:05 ID:3J9gmqJ4
主催関連も気になるなw
アイデア出し合って煮詰めたら何が出来るかな?
そろそろ主催側の情報も出てくる時期だし
486創る名無しに見る名無し:2009/08/25(火) 19:52:03 ID:utfV0m1B
話し会って主催設定決めたなら決めた人たちでそろそろ本編で反映してほしい
設定だけで本編にない情報前提でわざわざログ貰って書くのが嫌、というかSS以外でネタバレ喰らうのが嫌な書き手もいるだろうし(てか俺もそう)
せっかく決めて確定したなら早めに反映してくれれば以後の主催ネタも浮かびやすいんだが
487創る名無しに見る名無し:2009/08/25(火) 19:58:47 ID:N+LR6Dbd
次の放送の時にはっきり決めると言ってなかったか?
488創る名無しに見る名無し:2009/08/25(火) 20:05:50 ID:SlgsIeQr
議論スレでやってくれ
489創る名無しに見る名無し:2009/08/25(火) 20:40:52 ID:q66t8COy
というかまだチャットで主催設定確定させたってわけでもないんじゃね
SS本編で出てくるまではあくまで"意見の出し合いの結果"の域は出んだろ
参加できなかった人もいるはずだし、チャット厳守に拘りすぎるとろくな事がないのは目に見えてる
490創る名無しに見る名無し:2009/08/25(火) 20:47:58 ID:90t+jXRg
>>489
普通のSSスレならそうかもしれんが、ここはリレースレだから
この手のリレースレでは談合的なことで決まった事は守るべきだろ
参加してなかった人が悪いんだよ
491創る名無しに見る名無し:2009/08/25(火) 20:54:32 ID:nRdW3uPy
>>490
落ち着け、参加してなかった人が悪いは言い過ぎだ
人には都合ってものがあるんだから

ただ>>489も、一応チャットは展開に矛盾が起きないように、多くの書き手さんが知恵を絞って話をまとめた結果なわけで、
安易にその結果をないがしろにするわけにもいかない。とりあえずこれ以上何か意見があるのなら議論スレがふさわしいと思う
492創る名無しに見る名無し:2009/08/25(火) 20:55:29 ID:WMrzZXaB
いや何も決まってないよ
チャットはただの話し合いで強制力とかないから、チャット参加してないと主催のネタ書いちゃ駄目って事もないはず
まあ時期的に次回放送までには誰かが決定的な主催側のネタを書くと思う
逆に言えばロワ全体の展開を決めるのに今が一番重要な時期だから、
書き手さんはみんな主催周りには慎重にならざるを得ないんじゃないかな
493創る名無しに見る名無し:2009/08/25(火) 21:04:01 ID:Lv/bAZb+
主催〜黒幕は下手なネタを出すとロワが詰みかねないからな
てか無節操に各書き手がネタを出しまくって混乱することを避けるためのチャットだったんだろ?
だから主催側に関してはチャット不参加書き手はしばらく、
せめてチャット組が内で決めたことを出し切るまではその辺のリレーへの参加自体を自重して欲しい
どうしても参加したいならイベントスレに言ってログもらえばいいんだから
494創る名無しに見る名無し:2009/08/25(火) 21:33:22 ID:N+LR6Dbd
わかってるだけで
一、他に主催がいるっぽい
二、長門は不満っぽい
ってのがあるからなー。
それにタツヲや長門だとロワ開催の理由がどうにも思い付かないし、
黒幕がいたほうがすっきりするよな
495創る名無しに見る名無し:2009/08/25(火) 21:40:08 ID:mqqDzvdJ
タツヲさんが登場するだけで吹くようになってしまった
496創る名無しに見る名無し:2009/08/25(火) 22:46:45 ID:ELxkSLQB
チャット書き手が言ってるなら最低だし
読み手が言ってるなら余計な口出しするな、だ
 
リレーに参加するなとか馬鹿じゃないの?
497創る名無しに見る名無し:2009/08/25(火) 22:47:50 ID:7TDtGYGh
本スレで話してると投下も予約もしづらくなるから、
本当に書き手なら、これ以上は議論スレでトリ出してやっとくれ。
498創る名無しに見る名無し:2009/08/25(火) 23:22:35 ID:/a0o7qo8
早く続き書け糞ども
499創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 00:55:21 ID:kpC7Ogdi
なぁにこの流れ。
別に主催者の事情なんて知らなくてもロワは書けるし。

だいたいどっちを無視しても敵を生むだけだろ…ノリと勢いはどうしたw
500 ◆5xPP7aGpCE :2009/08/26(水) 01:45:53 ID:pq8pWETF
先程仮投下いたしました、意見ありましたらお願いいたします。
501創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 02:03:31 ID:vg2m5B/4
>>500
却下
502創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 02:14:53 ID:+H1x1kNv
うーん…仮投下って事なので言わせてもらうけど
スイッチ壊す→沈む→カナズチだから死ぬって流れがどうも、ね
万太郎を殺すための展開にしか見えないし、あまりにも万太郎がマヌケ過ぎる
いくらカナズチでも必死にもがけばボートにたどり着けないわけもないし
503創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 04:04:11 ID:JMeG/veB
万太郎の死に方がないわ
504創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 07:51:05 ID:D6hf0KjD
そもそもあれって、万太郎が反応できない様な速さで沈むものだっただろうか?
流石に万太郎でも、沈み出したらボートにとって返して逃げ切れる気もします。
その辺りをもっと説得力を持たせないと、通すのは難しいと思います。
505創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 07:55:03 ID:jAKgQWrS
クリオネ戦じゃカナヅチでも
ペットボトルまでたどり着く。タコを海底から捕まえてきてまた浮上する。リングまでたどり着く。
とかやってるから、ボートにくらいたどり着けそうな気もする。
沖縄でバナナボートに浮き輪つきで乗ったり、悪魔の種子編でバタ足で泳いだりしてたしなあ。
506創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 08:22:55 ID:w0FJmYxQ
リングが沈む勢いに巻き込まれたのなら多少泳げる人でも脱出は無理でしょ。
実際船が沈む時とかそうらしいし。

まあ「リングが沈んだから水の流れが激しくなって〜」とかいう描写と
リングが沈む前にボートに戻れない理由、
後、万太郎がボートでリングに向かってる途中で
リング上に誰も居ない事に気付かない理由は有った方が良いとは思う。
507創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 08:34:20 ID:SgqRht2g
主催ねぇ…どうせタツヲはオーバーボディで中身はネプチューンキングなんだろ
508 ◆MADuPlCzP6 :2009/08/26(水) 11:17:23 ID:QUOiEZRx
ノーヴェを予約します
509創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 11:17:41 ID:swzz87/I
ktkr
510創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 15:41:09 ID:vg2m5B/4
>>506
普通の人は無理でも超人なら可能
バタ足でガソリンプールの火を進行させないくらいの脚力だしな
511創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 16:04:28 ID:HES69xNW
要点をまとめて議論スレに持っていった方がいいんじゃないかな?




というか予約キター!
512創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 16:24:24 ID:e9dd+3o5
リングってゆっくり少しずつ沈むもんじゃないの?
キン肉マン知らんけどずっとそう思ってた。
513創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 18:14:53 ID:puH1VFok
いや、水上リング自体は原作でも出てくるけど、スイッチで出たり沈んだりするのはこのロワオリジナルのはず
514 ◆5xPP7aGpCE :2009/08/26(水) 18:29:22 ID:pq8pWETF
指摘や意見ありがとうございます。
悪魔の悪戯を思わせる不幸な偶然が死をもたらす事も有り得るのではと思ったのですが難が有ったみたいですね……
展開を変えて書き直しますので悪魔将軍と川口夏子を追加予約させてください。

>>508
ノーヴェの予約楽しみにお待ちいたします。
515創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 18:38:01 ID:HES69xNW
追加予約了解しましたー
大変でしょうが修正頑張ってください!
516創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 18:40:07 ID:HU+7+lKK
追加予約ktkr
517 ◆igHRJuEN0s :2009/08/26(水) 21:04:33 ID:MqwQhF0i
携帯からお邪魔します。
スエゾー、小トトロ、草壁タツヲ、長門有希で予約いたします。
518創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 21:06:27 ID:swzz87/I
これはおもしろい予約w
519創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 21:15:49 ID:+H1x1kNv
はぁ………
520創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 21:23:38 ID:2X4vmvre
あー、予約取られたっ…!
まあいいや、楽しみに待ってますー
521創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 21:52:00 ID:e9dd+3o5
最近は予約数が戻ってきていい感じだな、良かった良かった。
522創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 22:41:25 ID:3xmcRtus
期待大
523創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 23:46:31 ID:HU+7+lKK
予約ktkr
524創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 13:00:45 ID:XLRV6+NV
最近知ったんだが…ガイバーの作者さんってあのゼオライマーを書いた人だったんだな
……道理で瑞希が微妙にエロっちく見えた訳だw
525創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 14:20:47 ID:qcFWiBJv
>>524
な、なんだってー(AA略

言われてみれば確かに画風とか似てるような気がするな、納得
526創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 14:57:59 ID:XLRV6+NV
そしてkskロワではある意味で冥王も出場してる訳で
うーん、ボッチとなのはさんの遭遇も見てみたくなるなーw
どっちも無駄に善人だから気は合いすぎる程に合いそう
527創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 22:48:58 ID:dPmnhDC5
ボッチ、木原マサキ化フラグ
528創る名無しに見る名無し:2009/08/28(金) 00:05:46 ID:Rw6/xnin
確かに今は情緒不安定だが…雨蜘蛛にどう調教されちゃう事やら
529創る名無しに見る名無し:2009/08/28(金) 17:50:17 ID:ZJLwUGqy
そういや漫画エヴァでゲンドウさんがATフィールド出してたみたいね
530創る名無しに見る名無し:2009/08/28(金) 19:37:36 ID:3FRNO8N4
すげー今更だな
531創る名無しに見る名無し:2009/08/28(金) 21:04:01 ID:6XHsWKl/
ゲンドウがアダムを「ウメーウメー」と食べたら「パゴォォォォ!」とATフィールドが出るようになったんだったか
532創る名無しに見る名無し:2009/08/28(金) 22:02:23 ID:bePGL0Tt
いつからゲンドウはマンモスの超人になったw
533 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/28(金) 22:58:52 ID:AXtjvIje
どうにも間に合いそうにありません。
概算であと4時間ほどはかかりそうです。

申し訳ありませんが、延長を申請します。
534創る名無しに見る名無し:2009/08/28(金) 23:49:35 ID:6XHsWKl/
ちょっと待って了解しましたー
無理せずゆっくり書いていってね!
535狼少年の午後 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/29(土) 06:38:39 ID:Q+u8Mp/P
遅くなりました。結局一晩使ってしまいました。
これより投下します。
536狼少年の午後 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/29(土) 06:40:25 ID:Q+u8Mp/P
……と、訂正!
本スレに書き込んでしまいました。
仮投下スレに行ってきます。
537 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/29(土) 07:01:52 ID:Q+u8Mp/P
仮投下終了しました。
向こうにも書きましたが、問題点がありましたら指摘をお願いします。
538創る名無しに見る名無し:2009/08/29(土) 09:35:40 ID:8WvpH+I9
仮投下乙です。
感想は本投下の後としましていくつか気になった部分を書かせていただきます。

1.スバル達が神社に残してきたウォーズマンについて殆ど触れてない事。

ウォーズマンを信じていたからこそで自分の役割であるキョンを止めるという行為を優先したのかもしれませんが
後からでもできる島に来てからの説明よりも現在進行形の出来事を優先して伝えるのがレイジングハートやリインにとっても自然ではないでしょうか。
後僅かな時間で禁止エリアになる為に近づけない、悔しいけど今は無事脱出したと信じるしかないという描写などがあれば良いと思いました。

2.なのは達からスバル達に情報が伝えられた様子が無い。

市街地の火災についてスバル達は気にしてましたし、なのは達が少しだけでも「あの場にいた人達は無事逃げ出せたと思う」と一言二言でも話しておくべきだと思います。
スバル達が市街地を放置するならそれなりに納得できる理由が必要だと感じました。

3.セインの死体について何の反応も無い。

これは仕方ない事かもしれませんが、なのは勢にとって因縁の有る相手が温泉のすぐ近くで死んでいるのに全く気にしてないのは寂しいかなと思いました。
首輪解析を決意した冬月にとっても関心を持つかもしれないですしスバルにとっても一度は手を組んだ相手でしたので。

4.冬月の提案が唐突ではないか。

話の流れを見ますとなのは達が帰還してすぐキョンの話題となり、冬月が記憶喪失は本当だろうと説明した後すぐこれからの行動を提案しています。
しかし、情報交換を行った描写もないのに冬月がそのような事を言い出すのは拙速ではないかという印象を受けました。
簡単な情報交換を済ませた後で、という一言でもあれば大分違うと思います。
539創る名無しに見る名無し:2009/08/29(土) 10:19:10 ID:xXth3ylM
仮投下乙です!
気になった点は口調や呼び方にすこし違和感があったぐらいかな。
というかキョン…どっちに進むにしろ覚悟完了してかっこよく、とか思ってたのに…これはひどいw
予想外でしたw

>>538
セインの死体は温泉の川向こうに置かれてるから、現時点じゃまず気付かないと思うよ。
540創る名無しに見る名無し:2009/08/29(土) 10:38:45 ID:PxQv/uLg
仮投下乙です。
確かに最後の分割の際に情報交換をしたという表記は必要かもしれません。
冬月さんやなのはの性格から考えても。

>>539
そこまで予想外ではないな。
今までのキョンを考えればいつこうなってもおかしくなかった。

しかし今のキョンはぶっちゃけると現実逃避なわけで、キョンと同じくらい辛い現実に立ち会って、それを受け入れなきゃ前に進めない古泉がキョンに会ったらぶち切れそうww
何逃げてんだてめえ、みたいな。
541創る名無しに見る名無し:2009/08/29(土) 10:44:15 ID:8WvpH+I9
>>539

kskコンテンツを見た時点でセインの死体が直ぐ近くにある事は三人にはわかったと思いますよ。
542創る名無しに見る名無し:2009/08/29(土) 12:24:04 ID:VhHAviNQ
仮投下乙です。
キョンの記憶喪失がなー。
今までの悩みながらもマーダーやってたキョンがよかっただけに
「記憶喪失になっちゃいましたー」で対主催になるのがどうにも薄っぺら過ぎて気持ち悪い。

矛盾ではないから通しても問題ないとは思うけど。
543創る名無しに見る名無し:2009/08/29(土) 13:14:21 ID:ByKujxhr
記憶喪失自体が大丈夫なのか?
某所の多重人格発症しかり、
こういう人格に影響を与える効果は不満を残すと後々まで響きかねないし…
544 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/29(土) 14:08:20 ID:Q+u8Mp/P
仮投下スレに修正版を投下してきました。
>>538にて指摘して頂いた点について、

1については提示して頂いた案を概ね流用させて頂きました。
気になるけれど今はいけないという内容ですね。

2については、スバルは前話からずっと気絶中です。
リインフォース達に関してはフォローの文を入れました。

3については、前半は気にする余裕が無く、後半はほぼキョンと冬月の一人称視点ですのでなのは側の思惑は不明ということになります。
冬月にしても、死体が近くにあり、それが仲間の知り合いだったという程度の認識になりますし、死体が近くにあるという事は前々話の時点で知識としてはあったと思います。
生者のことで手一杯だったということに……。
当人たちは気づいてないかもしれませんが、スバルのバックに首輪が入ってましたし。
トトロが持っていきましたけど。

4については情報交換した上で冬月がキョンについて語りだしたという状況を想定していたのですが、描写不足でした。
リインフォースから話を聞いたという一文を挿入しました。

>>542
古泉とかと会って、マーダーであった自分について悩んだり言葉攻めを受けたりするのもありなんじゃないでしょうか。
あとはある程度信頼を得たところで記憶が戻り、マーダーとなってそれまでの仲間を――とかもどうでしょう。
ある意味無自覚なステルスマーダーになりますし。

というか、あの場面でガイバーも使えないとなると、そのままじゃキョンはほぼ詰んでる気が……。

>>543
……どうでしょう。
自分もそこが一番不安だったのですが。
これに関しては皆さんの意見と、通った場合は次以降の話での具体的な影響の描写等にお任せしたいのですが。
545創る名無しに見る名無し:2009/08/29(土) 15:34:20 ID:Nfo8EAyO
元のキョンに戻った状態だからいいんじゃないかな
まったくの別人になったわけじゃないしオリキャラ化でもないし
ある意味で書きやすくはある
546創る名無しに見る名無し:2009/08/29(土) 18:52:59 ID:VhHAviNQ
>>544
古泉の進行方向がキョンと逆。
朝倉あたりもキョンを責めてくれそうだけど温泉に向かう予定はなし。
記憶を戻すのもきっかけを与えないといけないけどそれは一体どうするのか。
まさか突然唐突に記憶を戻らせるわけにもいかないし。

ガイバー使えないと詰みというなら使えるようにする方がいいと思うんだが…
547創る名無しに見る名無し:2009/08/29(土) 19:06:41 ID:fmiO2GB6
意外とどうにでもなると思うけどね、記憶
朝比奈ミクルの冒険とか見せたら多少何かの呼び水にはなるかも知れない(みくるの死にも少なからずショック受けてるし)
それに今のところ誰も気付いて無いが、ケロロの親友である冬樹を殺したのはキョンなんだよね…
なのはさんは冬樹の埋葬してるし冬月もタママ達から情報を聞いて冬樹の捜索をしたりと、間接的だが縁がある

……まさか一話死亡で死者スレで活躍してる冬樹がここに来てこんな立場になるとは
548創る名無しに見る名無し:2009/08/29(土) 20:50:07 ID:4X5ud8W5
そういえばリインの発言に「学校にいた中学生の子」ってあったけど
この部分で誰か冬樹を殺したのキョンだって気付かなかったのかな?
549創る名無しに見る名無し:2009/08/29(土) 21:04:04 ID:8WvpH+I9
確かに。
ケロロやなのははkskコンテンツを見て早朝に学校で死んだのは冬樹だと知ってるんだよな。
550創る名無しに見る名無し:2009/08/29(土) 21:05:03 ID:PxQv/uLg
つか記憶戻る前提で話進めるのおかしくない?
戻らないまま死ぬのもありでしょ。もちろん戻るもありだが。
書き手氏もあまり『こうすれば戻れるのでは?』みたいなことは言わない方が……
551創る名無しに見る名無し:2009/08/30(日) 01:23:40 ID:cUwAxFcY
戻る戻らないは言わない方がいいぞ
通しでいような気がする
552名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 08:18:38 ID:LVrRkImr
なんかキョンに対しての警戒が甘すぎる気が…。
三人も殺した強力マーダーだって知ってるのにこの対応はちょっと。
これが演技だったらガイバーで殲滅されてるぞ。
553 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/30(日) 09:32:56 ID:LcyG6iBv
話を自重せず色々と不用意でした。すみません。
戻る戻らないは後の話に一任させて頂きます。

>>552

そこは、冬月の真偽の判断がキョンがマーダーだと知る前のものだったのと、
実際に倒れた場面を目にした事と、キョンの様子が真に迫っていたという理由で。
一応それなりの警戒はするよう促してますし。


皆さんの意見を伺いますと、矛盾は見つからないので通すという方向のようですが、内容を懸念されているかたも居られるようです。
10時に投下という形にしたいと思いますが、それまでにやめたほうがいいというような意見があるようでしたら投下は撤回します。
554名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:00:23 ID:5pNZ5bf/
>>553
最終的には氏の判断次第だが、ここまでなら撤回するのも一つの手であることは確かかと
一応覚悟はしておいた方がいいですよ
555 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/30(日) 10:00:57 ID:LcyG6iBv
……これより投下します。
556狼少年の午後 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/30(日) 10:04:53 ID:LcyG6iBv
>>553
覚悟は……しておきます。

2人の魔道師を乗せ、木々の合間を縫うように駆ける2頭の獣。
森の主、トトロの背には、傷付きながらも他者を守ろうとした、熱き二等陸士。
青き狼、ライガーの背には、仲間と共に現状の打破を目指す、不屈の一等空尉。
この島でたった2人の分隊は、獣達の背に乗せられ仲間の待つ地へと突き進む。

『――これが、この島に来てからの出来事です』

その背の上で、長い報告を今まさに語り終えたのは、杖型のインテリジェントデバイス、レイジングハート。
聞き手にまわっていたのはその長年にわたる使用者。
身体は子供、頭脳は大人。魔法少女なのはだ。

「そっか。そんな事が……。
 ウォーズマンさんのことも気になるけど、もう――」

『ええ。今からでは間に合いません。
 おそらく神社が禁止エリアになる前に脱出しているでしょうが、それに関しては信じるほかありません』

この島で、最初期からレイジングハートと行動を共にした自分の部下、スバル・ナカジマの身に降りかかった出来事を聞き終え、なのははそんな言葉を漏らす。
スバルと同行していたという男、ウォーズマンについては、今はもうどうしようもない。
時間の関係もある上、現状ではそちらに戦力を割く余裕は無い。
どうしようもないといえば、市街地の火災についても同様だ。
この話題が出たとき、その場になのはがいて、ヴィヴィオも姿を見かけたことをポツリと漏らすと、その様子から察したのかそれ以降は話題に触れないようになった。
なにせ、火災に巻き込まれた者の安否を一番知りたがっているはずなのは、彼女なのだから。

『なのはさんも色々と大変だったみたいですね。……ま、まさかそんな姿になっているとは思わなかったです』

やはり、一番目立つところからツッコミが入る。
融合型デバイス、リインフォースの言葉に、なのはは苦笑いを浮かべる。
リインフォースの前半の言葉は、まさにヴィヴィオのことを指して言ったわけだったのだが、直後に禁句に気付いたリインフォースが話題を強引に軌道修正した結果、一番目立つこの話題に収束する事となった。
その心遣いを察したのかどうか、なのはは暗い話題から離れる。
――まったく、若返ったり巨大化したりと、この島に存在する魔法はとんでもないものがそろっている。
しかも、魔力の有無に係わらず引き金を引くだけで発動すると言うのだから驚きだ。
――いや、そもそもそれは魔法なのだろうか。
高度に発達した科学は魔法と同義であるなどという言葉をどこかで聞いた事があるけど、もしかすると――

(って、今はそんな事考えている場合じゃなかった!
 まずはスバルの治療と――)

脱線しかけた思考を軌道修正し、差し迫った問題に頭を巡らす。
スバルの容態はかなり悪い。体の各所に見える傷跡はもとより、内臓にも吐血するほどのダメージを負っている。
なのはとリインフォースが全力で治療を行ったとしても、快方に向かうかどうかは判断がつかない。
一刻も早く、温泉に着き次第手当てを初めなければならない状態である事は一目瞭然だ。だが――
思案顔で前方を見つめるなのはの横で、リインフォースが呟きを漏らす。

『それにしても……あいつはどこに逃げやがったんですか。変な気を起こさないでくれればいいんですが……』

(――そう。キョン君のことも何とかしなくっちゃ……)

もう一つの問題、危険人物とリインフォースに評され記憶喪失と自らのことを語った男。
0号ガイバー、キョン。
果たして彼は黒か白か――
557狼少年の午後 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/30(日) 10:06:06 ID:LcyG6iBv
『な、なんですってーーーっ!?』

青天の霹靂。
行方を追っていた人物の意外な消息に、リインフォースは思わず驚きの声をあげる。

『た、確かに方向からして温泉に向かっている可能性はあったですが……
 記憶喪失!?
 そんな都合よくタイミングで記憶を無くすなんてできすぎてます!
 あいつを見失ってからそれほど時間が経っている訳ではないんですよ!
 絶対嘘に決まってます!』

もともとキョンの言動に不信感を抱いていたリインフォースからしてみれば、記憶喪失などと言う話は到底信じがたい。
その話は十中八九嘘だと決め付け、キョンの危険性を力強く説く。
『大体あいつは一緒に闘っていた筈の仲間を裏切って殺すわ危険が迫ると見るや一人だけ逃げ出すわで全く信用のならないヤツなんです!
 「反省した」だの「悪い事をした」だの「正直すまんかった」だの「サーセン」だの……
 後の方の言葉は言ってなかったかもしれませんが、とにかくあいつの言葉は何処となく薄っぺらで、どうにも怪しかったです!
 あいつにあったら絶対化けの皮剥いでとっちめてやるです!』

多分に主観の入った発言だが、客観的な事実も確かに含まれている。どう見ても共闘していた相手を殺害したという事実は信用を害する行為に値するだろう。

「だめだよリインフォース。たとえ過去にそんな事をしたとしても、それだけで嘘だと決め付けるのはよくないよ。
 もしかしたら何かの拍子に本当に記憶喪失になったのかもしれない。
 まずはお話しすることから始めないと」

――だがなのはは相手を信じる。対話による解決を望むのは、子供のころから変わらず行ってきた事だ。
その信念を崩さずキョンを疑うよりも話し合う事から進めていく。それが高町なのはのやり方だ。
……尤も、そのやり方で行くとキョンが話を聞こうとしないのであれば強引に“お話する”ことになるのだが。

『……油断しちゃ駄目ですよ? あまり想像したくないですが、最悪の場合既に本性を表して犯行に及んでいる事も――』

一度言い出したら梃子でもきかないというなのはの性格をよく知っているリインフォースは、それ以上制止の言葉をかけようとせず、それでも不安げな表情で警戒の必要性を主張する。
だがその言葉を言い終わる前に、急激な制動がかかりリインフォースは思わず前につんのめる。

『な、何ですかーーー!?』

突然の停止に驚くリインフォース。いち早く理由を察したなのはは前方を見やり解答を告げる。

「着いたよ。温泉に」


558狼少年の午後 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/30(日) 10:07:08 ID:LcyG6iBv
「……これで、後はスバルの頑張りにかけるしかないかな」

脱衣所で横たわるスバルを見つめながら、なのはは硬い表情で呟く。
温泉に到着したなのは達は、すぐさまスバルを運び込み、人を呼ぶと同時に治療に移った。
なのは、リインフォースに加え、ピクシーも行った治療と、冬月、ケロロの手当てを受け、スバルの容態は心なしか回復したように見える。
だが、依然として危険な状態にあるのは変わらず、今尚スバルの目は閉じられたままだ。
……ちなみに何故脱衣所なのかというと、止血などに使える布製品が多くあるという理由もあるのだが、一番の理由は怪我人を背負ったトトロがなぜかダイレクトに温泉に直行したため、そこから一番近い屋内を選んだというものだろう。

「なのは君もリインフォース君も十分に頑張ったよ。
 だが、これ以上の無理はしないほうがいい。でないと君たちが持たないよ。
 あとはスバル君の精神力を信じるんだ」

冬月が諭すように声を掛ける。彼の言葉の通り、なのはとリインフォース、ピクシーは、総力を尽くしてスバルの治療にあたり、限界を超えそうになるのを見かねた冬月達によって止められるまで、手を休めず治療に専念し続けていた。

「ええ。スバルならきっと元気になってくれます。……冬月さん。お話したい事があります」

「――それは、キョン君のことかね?」

唐突な言葉にもかかわらず、冬月は間を置かず質問を投げかける。
胸の内を見透かされたかのような問いに、なのはは若干の驚きと共に答えを返す。

「……ええ。そうです。――どうしてそう思われたんですか?」

「まあ、半分はあてずっぽうだったが……キョン君のやってきた方向からスバル君が現れた。
 そしてスバル君と一緒に帰ってきたなのは君が話があるという。
 なによりリインフォース君は、私とケロロ君と顔をあわせたときに何故か安堵したような表情になり、直後私達がやってきた方向に敵意の混じった視線を向けた。
 何かがあると思ったのはそんな所が原因かな」

なのはの問いに整然と答えた冬月。なのははその考察に素直に感心しながら本題を切り出す。

「鋭いですね。それに観察眼もさすがです。では、冬月さんの目からみてキョン君の状態はどのように見えますか?」

「そうだね……。彼の精神状態は極めて不安定なようだ。状況が状況なだけに仕方ないと言えなくもないが。
 いまはロビーで落ち着くようにと言ってあるよ。
 話してみたのだが、随分混乱しているようでね。落ち着くまで暫く中に入らないほうが――」

唐突に言葉を切って顔を横に向ける冬月。なのはもつられて顔をそちらに向ける。
そこ――冬月達が先程出てきた戸口に立っているのは、他でもない渦中の人物、キョン。
近くにいる冬月達に視線を向け、彼はおもむろに口を開いた。

「すみません冬月さん、手伝えなくて。
 気分の方はだいぶマシになりましたし、何か手伝える事があれば……」

そこまで語ったところで周囲の異様な空気に気付き、口を噤む。

「……あの、出来れば状況を説明して頂けたら――」

いかにも不安げな表情で再度口を開いたキョン。あたりを見回す彼の目前にリインフォースが躍り出た。
559狼少年の午後 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/30(日) 10:09:42 ID:LcyG6iBv
『説明!? そんなの無くてもリインの姿を見ればどんな状況かわかるはずです!
 ここが年貢の納め時ですよ、キョン!』

言葉と共にビシッと人差し指を向けるリインフォース。
対するキョンは不意打ちの登場に目を白黒させる。
むごんで固まるキョンに追い討ちをかけるように、リインフォースは続けざまに言葉を並べ立てる。

『ここでもまたよからぬ事を企んでいたようですが、このリインフォースが来たからにはそうはいきません!
 リインの目の黒い内は――
 って、キョン? ちゃんとリインの話聞いてるですか?
 そんなにリインがここにいる事が信じられないのなら――』

「…………ぅ」

『――え? 何ですか?」

キョンの様子に違和感を覚え、詰問するような口調になったリインフォースだったが、彼が何かを呟いたのを聞きとめ、再度言うよう促す。

「あ、いや……」

『だから、なんて言ってるか聞いてるです!』

「……えーとだな。もしかして俺はとてつもなく間抜けな事を聞いてるのかも知れないが――
 おまえ、なんだ? 人形……な訳無いよな」


『な、なに言ってるですか! ふざけるのもいい加減にするです!
 シラをきろうとしても無駄ですよ! リインは騙されないです!」

キョンの発言をあくまでとぼけようとしているものだと取ったリインフォースは、激しい口調で彼を攻め立てる。

「待ってくれ! 騙すって何だ? 一体俺が何をしたっていうんだ!
 ――またハルヒの仕業か? 今度は何だってんだ!」

声を荒げるキョンの様子に、もはや引っ込みがつかなくなったリインフォースは感情のままに言葉を紡ぐ。

『本当に記憶を無くしたって言いたいんですか!? 
 冗談じゃないです! あれだけの事をしておいて、その全てを忘れてしまったなんて、そんなの……許されるはずが無いです!
 キョンの為に、スバルがどれだけ頑張ったか! キョンのことをどれだけ心配していたか!
 それなのに、自分が何をしたのか覚えていないだなんて、スバルの苦労はどうなるんですか!』

「な……」

「リイン、もう止めよう?」
560狼少年の午後 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/30(日) 10:11:07 ID:LcyG6iBv
“信じられない”てはなく、“信じたくない“。
スバルの行動を間近で見ていたリインフォースだからこそ、キョンの記憶喪失を強く否定してしまう。もはや完全に感情論だ。
キョンとリインフォースのやり取りを呆気に取られながら見ていたなのはも、ここに来てリインフォースを制止に入る。
だが、増幅した憤りは止める事ができず、はけ口たるキョンへと殺到し、ついに臨界点を越え――

『何をしたのか忘れたんだったら思い出させてあげます!
 キョン、これはあなたが言ったんですよ!
 この島に来てすぐの頃、中学生くらいのの子と――』

「リインフォース君、止めるんだ!」

「リイン、それは――!」

キョンの精神が不安定である事を直に目にしている二人はリインフォースを止めようと声を掛ける。
だが、一度出た言葉は止まらず――

『――涼宮ハルヒって人を殺したって!』

「――っ! ぐ、あぁぁーーっ!」

「「キョン君!」」

――どうしてこんな事に――
リインフォースは、頭を押さえ崩れ落ちるキョンを目前にしながら、呆然とした表情でそんな事をふと思った。



――そう、あれは私がケロロ君との会話を終え、再びキョン君の様子を見に行ったときの事だった。
ロビーに入ったとき、彼は横になって、随分と何かにうなされていた。
話しかけようと近寄ると、化け物でも見たかのように飛び跳ね、いきなり後ずさり始めた。
おそらく私を、うなされていた元凶と混同したのだろうな。
私はすぐに近寄って彼をなだめ、ようやく落ち着いたところで彼に話しかけた。
まずは精神状態を尋ねたんだが

「すみません、取り乱してしまって。
 もうだいぶ落ち着きました。
 ――それで、冬月さん……でしたっけ?
 ここは、何処なんですか?」

逆に質問を返されて、私は彼がパソコンの画面を見て錯乱を起こした事、彼を落ち着かせるためにここにつれてきた事を話した。

「パソコン……?
 駄目だ。思い出せない。
 教えてください。そこには何が映っていたんですか?」
561名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:11:23 ID:5Ef4H0dd
ksk
562狼少年の午後 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/30(日) 10:12:10 ID:LcyG6iBv
これには正直迷ったよ。
様子を見る限り、彼があの場面の事を覚えていないのはどうやら本当らしい。
だとすると、原因が他に考えられない以上、パソコンに表示された情報に衝撃を受け、その事を記憶に留めることを頭が拒否したのだろう。
あの情報は彼にとってそれだけショックだったようだ。
もしここで彼に情報を伝えた場合、また錯乱してしまうのは明らかだ。
だが、黙っていたとしても彼は何れその事を知るだろう。

悩んだ末、私は彼に全てを語ることにした。
一からゆっくり説明したおかげか、予想したほど取り乱す事はなかったが、やはり話の内容には大きなショックを受けたようだった。
特に驚いていたのは主催者の名前を出したときで、あの様子ではおそらくどちらかが彼の知る人だったのだろう。
そして説明の最後、あのパソコンの所まで来て、私はためらってしまった。
彼の錯乱する様子を思い出して、本当にこの先を話してもいいのだろうかと自問自答を繰り返したのだ。
私のそんな様子を見て焦れたのだろう。彼は急かすように聞いてきた。

「教えてください。俺が見た画面には、誰の名前があったんですか?」

ここまで来て隠しておける事ではない。
私は覚悟を決めて告げた。
君の妹だと。
錯乱するような事はなかったが、暫くこめかみを押さえて辛そうにしていたところを見ると、ショックは大きかったのだろう。
あるいは、パソコンを覗いた時の記憶がフラッシュバックしたのかもしれない。
しばらくしてようやく顔を上げた彼は、大丈夫かという私の問いかけに首肯すると

「……一つ聞かせてください。
 なぜあいつが俺の“妹”だとわかったんですか?
 冬月さんの話だと、妹と直接会ったわけではないようだ。
 妹の名前だけを知っているなら、あいつが俺の親族だという事ぐらいは想像がつくかもしれないが、妹だと言い切る事はできないはずだ。
 それとも今更、記憶を失う前の俺はそんな事を冬月さんに教えるほどの関係だったって言うんですか?」

私は正直驚いた。
彼の疑問に対する答えは簡単なものだ。
彼の妹は、この島では「キョンの妹」という名詞で呼称されている。ただそれだけの話だ。
どうやっても姉や母と間違えようが無い。
それは、この島にいる全ての者が承知していることだろう。

――では、何故彼はそんな単純な事実に気付かなかったのだろうか。
導き出される答えは一つ。彼がその事を覚えていないからだ。
彼が私を欺いているという可能性は即座に棄てた。
一度でも「キョンの妹」という呼称を見たら、そのような発想など容易には思いつかないだろう。
しかも、私の話を聞いてからの短い時間の間にだ。
実はこのときまで、私は彼の記憶喪失を疑っていたのだが、この言葉を聞いてようやく彼の話が正しいと信じる事ができた。

「そろそろ本当のことを話してください。
 どうせあなたも仕掛け人か何かなんでしょう?
 これはどういう筋書きなんですか?
 またハルヒが何かやらかしたんですか?」

こういってくる彼には悪いが、私は最初の質問に対する答えと、この事態が嘘偽りでは無く現在進行形で実際に行われている事だと重ねて説明した。
ちょうどそんな時だ。なのは君達が帰ってきたのは。

新たな情報に混乱する彼に、気持ちの整理がつくまでここにいるよう告げ、なのは君達の元に向かう前に、一つだけ質問をした。
スバル君のことを知らないかと。

「すばる……? プロジェクト×ですか?」

――そこから先は、君達も知っての通りだよ。


563狼少年の午後 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/30(日) 10:13:19 ID:LcyG6iBv
ゴツい化け物に追いかけられるような、酷い悪夢から目覚めた俺は、目の前の人物と夢の中の化け物とがごっちゃになって思わず取り乱してしまった。
――まあ、仕方ないだろ?
いきなり目の前に、会った事もない人間の顔があったら誰だって驚く物じゃないか?
その老人は、俺をなだめるときに

「落ち着け! 私だ、冬月だ!」

と声を掛けてくれたおかげで名前だけはわかったが、俺の記憶にはサッパリ無かった。
俺は何処にいるのか。彼は何者なのか。何が何だか理解できない。
とりあえず俺のことを心配してくれているらしい彼――冬月さんにそこらへんを聞いてみたのだが、

「ここはロビーだよ。キョン君がパソコンを見てだいぶ混乱していたようなので、落ち着くまでここにつれて来たのだが……」

――全く記憶に無い。
だが、パソコンを見て異変が起こるという状況には心当たりがある。
ハルヒがSOS団のホームページを作ろうとした時の事件だ。
夢で出た化け物は、ひょっとしてあの時出現したヤツと関係があるのだろうか。
それを確かめるためにも、おれはその画面に何が映っていたのかを冬月さんに聞いた。
――結果から言えば、俺の勘違いだった。

「今から話す事は、キョン君にとって衝撃的な話かもしれないが、落ち着いて聞いてくれ。
 何処まで話したかな……。
 そう。ここが殺し合いの場だという所までは話したか。
 まずは私達が最初に集められたときの話からしよう――」

そこから語られた話は、正直冗談としか思えないものだった。
いつの間にか集められた大勢の人獣。
主催者の登場と見せしめと称して液体に姿を変えさせられた少年。
そしてこの島へと送り出され――
おいおい、なんだそりゃ。
いくら俺が(というかハルヒが)天然トラブル巻き込まれ体質だからといって、今回のは異常すぎないか?
しかも主催の片割れはわれらがSOS団の万能少女、長門だって言うんだから――
そんなところで何やってるんですか、長門さん? 情報統合思念体とやらのお達しだとでも?
それともやはりハルヒの火消しですか?
――わからん。
長門の考えをつかめないのはよくある話だが、何だってそんな馬鹿げたことをやってるのか……。
全く、頭が痛いぞ。いや、これ本気で痛いぞ!?
……長門のことだから何らかの意図はあるんだろうが、それがわからないうちから迂闊な事はできん。ここはおとなしくしているべきなのだろうか。
これがもし――映画の撮影か何かだったとしたら、一言でもいいから俺に言ってほしかったんだが……。
それともこれはドッキリカメラとか、そういう趣旨でやっているのか?
だとしたら説明が無い事にも納得がいくんだが……。
そんな考えをまとめているうちに、冬月さんの話は終わりに近付き、ついに俺が話に登場した。
564狼少年の午後 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/30(日) 10:14:22 ID:LcyG6iBv
「――それで、君にパソコンの画面を見せたのだが、君にはショックが強すぎたようで……」

考えながら話を聞いていたせいでいくつか話を聞き逃した気がするが、大筋は掴んでいる。
冬月さんはここで幾度か戦闘に巻き込まれ、傷を負い、爆発や火災も起こったようだ。
――やりすぎだぞ、これ。
ひょっとして、主催者は長門じゃなくて朝倉じゃないのか? これじゃ本気で死人が出るぞ。
――いや、確か話の中に朝倉の名前も出てこなかったか?
何だ、情報統合思念体とやらも随分と大盤振る舞いだな。
……それにしても、話の続きはまだか? どうも俺は画面に出てきた名前に反応したらしいのだが。
その事を冬月さんに急かすと、彼はようやく口を開いた。

「それは……君の妹さんだよ」

何だ? また頭が痛む……。
いや、何とか持ち直した、か?
……しかし、まさかあいつも参加していたとは。今頃、舞台裏ではしゃぎまわってるんだろうな。
それとも、名前だけの登場とかか?
……ん? 名前?
まてよ。何で名前だけであいつが俺の妹だってわかる?
冬月さんは俺と初対面のはずだ。本人も話の中でそのようなことを言っていた。
だとしたら、おかしい事になるんじゃ――?
おれは、そこから急速に湧き上がる疑問「冬月さんは共犯なのか?」を、彼に直接尋ねてみる事にした。

――ああ。勘違いだったさ。
というか、「キョンの妹」はないだろ!?
まあ、そんなわけで冬月さんから説明を受けたわけだが、彼は同時にこの島で行われている事は全て現実だと強く念を押された。
現実? この常識離れした話が、全て現実!?
……駄目だ。超常現象にも大概慣れたが、俺にはこれを信じる事はできない。
かといって冬月さんが嘘を言っているようにも見えない。
俺は一体何を信じればいいんだ?
頭の中を整理できず、混乱していると、不意に外が騒がしくなった。
どうやらなのはって人が帰ってきたらしい。
立ち上がろうとする俺より一瞬早く、冬月さんが俺に声を掛けた。

「私は向こうに行っているよ。キョン君は気持ちの整理がつくまでここにいたほうがいい。
 落ち着いたらまた話そう」

ロビーから去る冬月さんは、最後に一つだけ意味のよくわからない質問をしていった。
あれは一体なんだったのだろうか。
質問の意図するところはわからないが、とにかくもう少しして落ち着いたら、冬月さんの元へ向かおう。
どうやら向こうでは一騒ぎ起こっているようだし、介抱してもらったお礼に何か手伝える事があれば……。
それに、冬月さんには色々話を聞いて、この島で起こっている事を突き止めないと――


565名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:14:53 ID:gWE0s5AN
やべっ支援
566名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:15:35 ID:gWE0s5AN
ksk
567名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:16:23 ID:gWE0s5AN
ksk
568狼少年の午後 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/30(日) 10:16:23 ID:LcyG6iBv
――さて、何処まで話したかな。
そうそう、キョン君との会話を全て語ったところだったかな。
ここから先の話は、私の専門分野ではないのではっきりした事は言えない。
だが、彼の症状は明らかに記憶喪失の症例だ。
原因は心因性なのか外傷性なのかはわからないが、彼の様子から見て心因性のごく短期の記憶障害も併発している。
これが記憶喪失と関係があるとは言い切れないが、ほぼ同時期に発症した以上、因果関係は疑ってしかるべきだろう。
キョン君のやってきた事を聞くに、パソコンを見て錯乱したのは彼が行った凶状が死者の名前として連ねてあったからかもしれないな。

……記憶障害は、頭部に大きなダメージを負ったときや、ストレスや心的外傷を負ったときに発症するケースが多い。
どちらもこの状況では起こりうる事だ。
そして、重度のストレスなどによる記憶喪失の事を、解離性健忘とも呼ぶ。
解離とは、強いショックを受けたときに自己防衛として自己の同一性を失う事などを指す。
平たく言えば、病気としての現実逃避のようなものと思ってもらっていい。
この解離が起こる事によって、記憶を失ったり突如として放浪しだすなどの症状が出る。

それ以外で例を挙げるとすれば、そう――解離性同一性障害、俗に言う多重人格などもこれが原因だ。

キョン君にこれらの症状が現れていたのかはわからないが、彼の動向にはやはり注意が必要なのかもしれない。
彼が悪意を抱いているというわけではない。
ただ、彼の行動は彼の本来の意思と異なる事があるかも知れないという事を心の片隅に留めておいてほしい。

さて、話が長くなってしまったが、本題である私達のこれからの行動について私案を披露させてもらおう。
リインフォース君からこれまでの経緯を聞いて、私なりに考えてみたのだが……。
大前提として、肉体的、精神的に弱っているスバル君、キョン君両名は、ここを移動させるのは極力避けたほうがいいだろう。
だが、この人数で全員がこの場で固まっているのも惜しい。
そこでこのグループを二つに割りたいと思う。
そして一方には島内の探索、特にスバル君たちが待ち合わせを行っていたI-4のリングと、キョン君が待ち合わせを行っていたという採掘場を調べてもらいたい。
また、これだけの施設がある島であれば、どこかに病院ないしは診療所があるはずだ。
出来ればそのような場所を見付けて、スバル君のための医療品を調達できればいいのだが……。
これに関しては高望みはするべきではない。あくまでも発見できれば幸運と考えなければ駄目だ。

具体的な人選については、待ち合わせをしている人物の知人を優先したい。
このほうが合流の際、余計な軋轢を生じずにすむ。
つまり、古泉君と接点があり、足も早いトトロ君、スバル君たちと同行していたリインフォース君、そしてレイジングハートを持つなのは君に探索班を担当してもらいたいと思う。
……話を聞く限りでは、古泉君は危険人物である可能性が高い。
約束していた時間は過ぎてしまっているし、採掘場は余裕が無ければ無視しても構わない。
――伝言の一つでも残っていればいいのだが。
そして、残りの人員でこの温泉を外敵から守る事になる。
これに関しては特に言う事はない。ただ、最悪の場合この場所を放棄する事も視野に入れて行動すべきだろうか。

……どうだろうか。異論があれば遠慮なく言ってもらいたい。


569名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:17:05 ID:gWE0s5AN
ksk
570名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:17:47 ID:gWE0s5AN
ksk
571名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:18:29 ID:gWE0s5AN
ksk
572名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:19:11 ID:gWE0s5AN
ksk
573名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:20:35 ID:gWE0s5AN
ksk
574名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:21:17 ID:gWE0s5AN
ksk
575名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:22:02 ID:gWE0s5AN
ksk
576狼少年の午後 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/30(日) 10:25:58 ID:LcyG6iBv
再び俺が目覚めたとき、ちょうど何人かがここを出て行くところだった。
倒れる前に冬月さんと一緒に会話をしていた女の子(どうもなのはちゃんというらしい)は、

「用事が終わったらすぐに戻ってきます。
 ですから、あとでお話しましょう」

と俺に声を掛けてくれた。
実にいい子だ。よく出来ている。
俺の妹なんかとは――
……今さっき頭がズキンと来たのは気のせいだろうか?

俺が倒れる直前まで口論を繰り広げていたあのちっこい女の子(たしかリインフォースとか呼ばれてたっけ?)は

『……さっきはちょっと言いすぎたですぅ』

と一言残すと外へ行ってしまった。
あいつが言っていた内容からするに、俺が記憶を失った間に、何か致命的な事をしてしまったのだろう。
本来だったら俺が誤るべきだったのかもしれない。
……俺は一体何をやったんだ? あいつとの口論の、最後の言葉だけはどうしても思い出す事ができない。

最後の離脱者は、俺が考え込んでるうちに俺のすぐ真横まで来て俺を眺めていた。
心配して見に来てくれたのかもしれんが、あいにく俺はそいつの姿を見た瞬間再び意識が飛ぶかと思った。
……あいつを見たら、もうそのほかの人ならざるものを見ても大して驚かなくなったのだから、悪いことばかりでもなかったのかもしれない。
だが、無音で間近に寄るのだけは勘弁してくれ。

全員が去った後、俺はさまざまな事を聞くべく冬月さんの後を追った。
まだ混乱は続いているが、それよりも俺は数々の疑問を解消したかった。
たとえば――俺の夢の中に出てきた、ゴツい装甲のようなものをまとった怪物の正体なんかを。



キョンの身に起こった症状。
それは冬月が想像するように己の凶行を再認識したからでは当然無い。
最後の拠り所としていた長門という存在に芽生えた不信と、被害者となった妹に対する感情。
それらがこの島に来てから彼の心に生じたさまざまな傷をついに押し破ったが為に生起したものだ。

この事態は偶然起きた事なのか、何らかの作為が介入していたのか。
キョンが聞いた数々の心の中の声は、全て彼が自己防衛の為に生み出したものだったのか。
それは当人たるキョンにも判断できないだろう。
神と呼ばれた少女。
ガイバーユニット。
不確定要素を数多くその身に寄せる少年は、不完全ながらリセットされたこの状況で、どの道を歩むのだろうか――


577狼少年の午後 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/30(日) 10:27:40 ID:LcyG6iBv
【G-2 森/一日目・夜中】
【高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】9歳の容姿、疲労(中)、魔力消費(大)、決意
【装備】レイジングハート・エクセリオン(修復率70%)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【服装】浴衣+羽織(子供用・下着なし)
【持ち物】ハンティングナイフ@現実、女性用下着上下、浴衣(大人用)、
【思考】
0、もう迷わない。必ずこのゲームを止めてみせる!
1、待ち合わせ場所へ行き、可能であれば相手と合流する。
2、診療所等を見つけたら、医療品を調達する。
3、一人の大人として、ゲームを止めるために動く。
4、ヴィヴィオ、朝倉、キョンの妹(名前は知らない)、タママ、ドロロたちを探す。
5、掲示板に暗号を書き込んでヴィヴィオ達と合流?
6、温泉へ戻ったらキョンと話し合う。
※「ズーマ」「深町晶」を危険人物と認識しました。ただしズーマの本名は知りません。
※「ギュオー」「ゼロス」を危険人物と認識しました。
※マッハキャリバーから、タママと加持の顛末についてある程度聞きました。
※夢成長促進銃を使用し、9歳まで若返りました。
※リインからこれまでのスバルの動向を聞きました。



【トトロ@となりのトトロ】
【状態】腹部に小ダメージ
【持ち物】ディパック(支給品一式)、スイカ×5@新世紀エヴァンゲリオン
     円盤石(1/3)+αセット@モンスターファーム〜円盤石の秘密〜、デイバッグにはいった大量の水
     支給品一式×2、 砂漠アイテムセットA(砂漠マント)@砂ぼうず、ガルルの遺文、スリングショットの弾×6、
     ナーガの円盤石、ナーガの首輪、SDカード@現実、カードリーダー
     大キナ物カラ小サナ物マデ銃(残り7回)@ケロロ軍曹、
     リインフォースU(ダメージ(中)、魔力消費(大))@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
1.自然の破壊に深い悲しみ
2.誰にも傷ついてほしくない
3.なのはと共に島内を探索
4.????????????????
【備考】
※ケリュケイオンは現在の状況が殺し合いの場であることだけ理解しました。
※ケリュケイオンは古泉の手紙を読みました。
※大量の水がデイバッグに注ぎ込まれました。中の荷物がどうなったかは想像に任せます
※男露天風呂の垣根が破壊されました。外から丸見えです。
※G-3の温泉裏に再生の神殿が隠れていました。ただしこれ以上は合体しか行えません。
※少なくともあと一つ、どこかに再生の神殿が隠されているようです。
※スバルを運んだときにスバルの荷物を取得しました。
※大キナ物カラ小サナ物マデ銃で巨大化したとしても魔力の総量は変化しない様です(威力は上がるが消耗は激しい)
※リインフォースUの胸が大きくなってます。
 本人が気付いてるか、大きさがどれぐらいかなどは次の書き手に任せます。


578狼少年の午後 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/30(日) 10:28:29 ID:LcyG6iBv
【G-2 温泉内部/一日目・夜中】
【冬月コウゾウ@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】元の老人の姿、疲労(中)、ダメージ(大)、腹部に刺し傷(傷は一応塞がっている)、決意
【服装】短袖短パン風の姿
【持ち物】基本セット(名簿紛失)、ディパック、コマ@となりのトトロ、白い厚手のカーテン、ハサミ
     スタンガン&催涙スプレー@現実、ジェロニモのナイフ@キン肉マン
     SOS団創作DVD@涼宮ハルヒの憂鬱、ノートパソコン、夢成長促進銃@ケロロ軍曹、
     フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS
     ピクシー(疲労・大)@モンスターファーム〜円盤石の秘密〜
     ライガー@モンスターファーム〜円盤石の秘密〜
【思考】
0、キョンと対話を行う。 話の内容は……。
1、ゲームを止め、草壁達を打ち倒す。
2、仲間たちの助力になるべく、生き抜く。
3、スバル、キョンの状態を快方へ向かわせる。
4、夏子、ドロロ、タママを探し、導く。
5、タママとケロロとなのはを信頼。
6、首輪を解除する方法を模索する。
7、後でDVDも確認しておかねば。
※現状況を補完後の世界だと考えていましたが、小砂やタママのこともあり矛盾を感じています
※「深町晶」「ズーマ」を危険人物だと認識しました。ただしズーマの本名は知りません。
※「ギュオー」「ゼロス」を危険人物と認識しました。
※マッハキャリバーから、タママと加持の顛末についてある程度聞きました。
※夢については、断片的に覚えています。
※古泉がキョンとハルヒに宛てた手紙の内容を把握しました。
※リインフォース、なのはからこれまでのスバルの動向をある程度聞かされました。
※キョンの記憶喪失については、慎重に扱わなければならないと考えています。



【名前】キョン@涼宮ハルヒの憂鬱
【状態】ダメージ(中)、疲労(中) 、部分的記憶喪失
【持ち物】デイパック(支給品一式入り)
【思考】
1: ここで何が起こったのかを知りたい。
2:自分が何をやったかを知りたい。
3:妹は……結局どうなったんだ?
※心因性の記憶喪失を発症しました。開始以降の記憶を失っています。
 回復の可能性は不明です。(次の書き手さんにお任せします)
※みくると妹の死に責任を感じて無意識のうちに殺し合いを否定しています。
 殺す事を躊躇っている間はガイバーを呼び出せません。
※スバルの声は、精神的に不安定な状態にあったため聞き逃しました。


579狼少年の午後 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/30(日) 10:29:42 ID:LcyG6iBv
【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】ダメージ(特大)、疲労(特大)、魔力消費(特大)、気絶、覚悟完了
【装備】マッハキャリバー@魔法少女リリカルなのはStrikerS、
    リボルバーナックル(左)@魔法少女リリカルなのはStrikerS メリケンサック@キン肉マン、
【持ち物】なし
【思考】
0:………………。
1:キョンが殺し合いに戻るようなら絶対に止める。
2:なのはと共に機動六課を再編する。
3:何があっても、理想を貫く。
4:人殺しはしない。ヴィヴィオと合流する。
5:I-4のリングでウォーズマンと合流したあとは人を探しつつ北の市街地のホテルへ向かう (ケロン人優先)。
6:オメガマンやレストランにいたであろう危険人物(雨蜘蛛)を止めたい。
7:中トトロを長門有希から取り戻す。
8:ノーヴェのことも気がかり。
9:パソコンを見つけたらSDカードの中身とネットを調べてみる。
※容態は若干よくなったようですが、このまま快方に向かうかどうかは不明です。


「……なんでだろう。
 何かさびしい気がするのは。
 一応、ケロロ小隊の隊長で、軍曹なんだけどな……」

残念ながら、この場には戦技教導官にして分隊長である士官と、特務機関の副司令が存在していた。
彼等以上の指揮能力を発揮しなければ、相対的に影が薄くなるのである。
あるいはまったく別の方向性を確立するのも一つの手である。

「……はぁ〜」

ため息をつくケロロの背中は、哀愁に満ちていた。



【ケロロ軍曹@ケロロ軍曹】
【状態】疲労(中)、ダメージ(大)、身体全体に火傷
【持ち物】ジェロニモのナイフ@キン肉マン
【思考】
0、自分の存在意義に僅かに疑問。
1、キョンとスバルの容態がよくなるよう尽力する。
2、なのはとヴィヴィオを無事に再開させたい。
3、タママやドロロと合流したい。
4、加持となのはに対し強い信頼と感謝。何かあったら絶対に助けたい。
5、冬樹とメイと加持の仇は、必ず探しだして償わせる。
6、協力者を探す。
7、ゲームに乗った者、企画した者には容赦しない。
8、掲示板に暗号を書き込んでドロロ達と合流?
9、後でDVDも確認したい。
※漫画等の知識に制限がかかっています。自分の見たことのある作品の知識は曖昧になっているようです。
580狼少年の午後 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/30(日) 10:32:36 ID:LcyG6iBv
以上です。
kskありがとうございます。おかげでさるさんから抜け出せました。
581名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:46:23 ID:xFmxgQX6
強行投下乙
白々しい。あんたもキョンも
582名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 11:36:16 ID:rRY7IGh3
投下乙!
ケロロ空気杉w
俺はこれでもいいと思うんだけどなあ
583名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 12:06:15 ID:jsI9ppiy
記憶喪失でリセットってのはあくまで本人だけでネルフ・管理局・ケロン連合軍にとっては何時記憶が戻るか分からない
不発弾扱いだろうし古泉&朝倉からすれば「記憶喪失が言い訳になると思う?」だろうし。
584名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 12:37:54 ID:wDHeOIYC
その二人は再会のめどがついてないしな〜
フラグがへし折られたように見えるのが不満。
そのうち記憶が戻りますよと丸投げしてるようにもみえるし。
585名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 14:38:56 ID:kIDKdfkC
丸投げ云々はこじつけすぎ
リレーしてるって事を理解した上で発言してくれ
586 ◆qa9kJ2E3OY :2009/08/30(日) 16:58:09 ID:LcyG6iBv
考えの浅い点が多く、不愉快な思いをさせてしまい申し訳ありません。
このSSは破棄する事にします。
スレ汚し失礼しました。
587名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 17:32:44 ID:8cIMUVk+
悪人に拷問されるなり薬物中毒にされるなり傷心の隙をつけ込まれるなりって展開じゃないと
人格改造は難しいだろうなあ
588名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 17:32:58 ID:7Kzdu4Lf
>>586
えー! 何故にwhy!?

良かったと思うし、普通に問題なかったのに。
589名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 17:34:45 ID:8cIMUVk+
追記すると超強烈な後遺症があったらいいのかも
まあ、正直リレーなんだしこれくらいはなるようになるだろうけどな
590名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 17:56:24 ID:XoUB8qUX
ごね得で破棄に追い込むとかどうかと思うぞ
591名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 18:08:42 ID:5pNZ5bf/
>>586
いろいろありましたが乙でした。次の作品をお待ちしています。
おそらく>>553でもう少し何か別の手を打てば結果も変わったかも。
もう破棄となったから今更な意見ですが。
592名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 18:25:26 ID:tPJJ2Xdc
最近投下終わったらとりあえず難癖付ける奴がいるよな
593名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 19:00:23 ID:kIDKdfkC
はぁー…またか
何でかは知らないけど投下の度に荒らしが沸いてるし
改めて、要望は議論スレでってことを徹底しないといかんな
594名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 19:19:23 ID:rRY7IGh3
なんてこったい>>586氏の次に期待します
595名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 19:30:21 ID:bRSCopTH
>>581の作品マダー?
矛盾も無い、面白いSSを駄目とか言うんだから
さぞかしすごいのを投下してくれるんだろうな。

…まさか書き手じゃなくて読み手とか言うなよ。

それに文句有るなら10時前に言えや。何のために作者が時間指定したのか判る?
それとも字が読めない馬鹿なの?

ああ、ごめん馬鹿←って『バカ』ってよむんだ。よめる?かんじよめないほどばかだとはしらなかったからごめんよ〜 

ひらがなにしたからよめるでしょ。ようするに『じかんまえにいわないでじかんがすぎてからもんくいうやつは バカ 』ってやつなんだ。わかる?
596名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 19:52:25 ID:XG/Z0GW5
面白い改変を考えようかと思ったけど、面倒だからいいや
597名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 20:00:30 ID:Gpcu3Gnu
またこのチームで破棄か。
投下にしろ破棄にしろ、今ぐらいの時間まで判断を保留してくれてたら…。
キョンが面白かっただけに残念です。次回作、待ってます。

>>595
煽るな。煽る前に感想書け。
598創る名無しに見る名無し:2009/08/30(日) 20:17:03 ID:T+tnB76L
まぁ十時ってのはちょっと早過ぎた感もあった
一番人の居ない時期だし、もうちょっと待って欲しかったな
599創る名無しに見る名無し:2009/08/30(日) 21:03:38 ID:QK/BSzCw
ノリと勢いとkskが荒らしにつぶされまくっている
600創る名無しに見る名無し:2009/08/30(日) 21:11:37 ID:5Ef4H0dd
お前ら落ち着け。
確かに>>581みたいなのは明らかに煽りだし、破棄されて悔しいのも煽った奴に苛立つのも分かるが、作品に否定的な意見を全て荒らし扱いするのもいけない。
賛否両論出そうな話だったのは事実だし。
601 ◆MADuPlCzP6 :2009/08/30(日) 22:04:21 ID:6C8hC7/2
予約期限が明日の11:17:23までですが明日は夜まで帰宅できないので
ちょっと待ってをお願いします。
今はちょっと投下できる雰囲気ではなさそうなので…
602 ◆igHRJuEN0s :2009/08/30(日) 22:58:37 ID:BTzuVqKc
八割ほど書けましたが、期限に間に合う自信がないので、ちょっと待ってを申請します。
603創る名無しに見る名無し:2009/08/30(日) 23:05:14 ID:rRY7IGh3
>>601-602
ちょっと待って了解です
604創る名無しに見る名無し:2009/08/30(日) 23:06:13 ID:Gpcu3Gnu
お二人ともちょっと待って了解です!
ゆっくり書いていってね!
605 ◆5xPP7aGpCE :2009/08/31(月) 03:06:28 ID:8YxY6AVm
お待たせして申し訳ありません。
先程仮投下いたしましたので意見ありましたらお願いします。
606創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 08:20:23 ID:E/3VexRL
仮投下乙です!
何も問題はないと思います。
607創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 15:50:03 ID:BPEjXr6C
仮投下乙です
問題ないと思います
608創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 16:49:54 ID:lyEzoTj7
仮投下乙、問題無し、荒らしが来たら即つぶす。
609 ◆5xPP7aGpCE :2009/08/31(月) 19:32:53 ID:8YxY6AVm
問題ないとの事ですので今より投下開始いたします。
610I returned ◆5xPP7aGpCE :2009/08/31(月) 19:33:42 ID:8YxY6AVm


太陽が姿を隠し、世界は闇に支配される。
スカイブルーに輝いていた湖も表情を変え、まるで墨汁を蓄えたかのように黒く染まっていた。

ゲーゴゲゴゲコ

岸辺で無数の蛙が鳴いている。
人口を更に減らした島内でも小さな命は数多く存在していた。
彼らは島の出来事にも何ら関心も抱く事なく自由気ままに動いている。

その小さな音楽会が無粋な機械音によって邪魔される。
ぱしゃぱしゃと蛙達が慌しく散ってゆき、直後葦の茂みをかき分けて水面に小さな影が現れた。
ボートだ、二人乗り程度の小型艇がゆっくりと沖の方に進み出している。

船尾のモーターを操る影がある、生傷の癒えない超人が独りそこに座っている。
彼は、真っ直ぐに沖を見詰めていた。
その先で自分が成すべき事があると言いたげに。

やがてボートは闇に溶け込むように沖へと消え、余韻として岸に微かな波だけが残る。
それも長くは続かない、何事も無かったかのように蛙が戻って音楽会が再開される。
彼らは歌う、ただ無心に歌い続ける。

まるで―――悲しき魂を慰めるかのように。


               ※       


「ボートが他にも有って助かったよ、ボクには泳ぐなんて無理だからね〜」

自他と共に認めるカナヅチ超人、キン肉万太郎は操船しながら泳がずに済んだことを感謝した。
リングの起動と同時に岸の各所でボートが現れる、運良くその一つを見つける事ができたのだ。

「まるで巌流島の決闘みたいだね、するとボクは宮本武蔵って訳か〜。コスチュームを用意できないのが残念だな〜」

その笑いは常に明るくあろうとする彼なりの流儀、本心は真剣そのものだ。
振り向けばボートは順調に岸から離れている、やがては沖の水上リングも見えてくるだろう。
そして、視界を上げれば遠くに赤々と映える夜空が見える。
それが大火災による照り返しである事は万太郎も乗る前から気付いていた。

先程は大規模な爆発があって湖にまで音が届いた、市街地は非常に危険な状況とみて間違いない。
だが、わかっていながら万太郎に引き返すつもりは無かった。

「ハム、君は言ってくれたよね……仲間を信じて手分けして人助けするのが賢いやり方だって」

遠くでの火災発生、似たような場面は朝にもあった。
居ても立ってもいられなかったその時に賢い兎が助言してくれた、それを万太郎は覚えている。
あれ程目立つ大火だ、父上やウォーズマンがきっと駆けつけてくれていると信じて任せると決める。
611創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 19:34:48 ID:qWoHFC1j
ksk
612I returned ◆5xPP7aGpCE :2009/08/31(月) 19:35:03 ID:8YxY6AVm
「でも悪魔将軍がここにいるって事はボクしか知らない、あいつを止めるのはボクにしか出来ないんだ!」

強い決意を胸に万太郎は叫ぶ、それきり振り返らずに前だけを見る。
今、彼はたった一人で悪魔の将に戦いを挑もうとしていた。
だがコンディションは最悪だ、オメガマンとガイバーV相手の連戦で肉体は悲鳴を上げている。

万全で無い状態での戦いならばノーリスペクト戦を始め過去に幾度もあった。
しかし今は適切なアドバイスで支えてくれるミートは居ない。
劣勢からの逆転を後押しするギャラリーの熱い応援も存在しない。
それがどれ程の不利か、ノーリスペクトが一人、ボーン・コールド戦を思い出せば誰にでもわかるだろう。

数の上でも4VS1、しかも相手は最強の将。
これ程悲観的な条件を突きつけられながら操船する万太郎に迷いは無い。
全てを承知の上でただ決戦の場を目指す。

「ボクは地球で六十億もの人間を守らなくちゃいけない……けど、今生きている二十数人も助けられなくちゃ帰る事なんて出来ないよ!」

全てが自分の責任で無いにしろ、みすみす他人が死んでゆくのを止められなかった。
それが万太郎には堪らなく悔しい、これ以上の後悔は絶対したくなかった

「ミート、凛子ちゃん、農村マン、キッド……そしてケビンマスク。ごめん、もう少し待ってて」

拉致される直前の万太郎は超人オリンピック決勝のケビンマスク戦に向け特訓中であった。
リングから落下するイリューヒンを庇って入院中のミート。
数々の場面で声援を送ってくれる万太郎がホの字のコギャル、二階堂凛子。
ミートの代わりにセコンド、そしてスパーリングパートナーになってくれた農村マン。
友情という固い絆で結ばれた親友、今頃は自らの失踪を逃亡と馬鹿にしているかもしれない対戦相手に一人一人詫びてゆく。

「必ずボクは帰るから。一人でも多くの人を救って帰らなきゃ決勝のリングに上がる資格なんて無いんだから……」

偉大な父親がかって巻いていたチャンピオンベルト、正義超人としての役目を果たさなければ勝っても胸を張って受け取れない。
誰も見ていないからといって逃げるという卑怯なマネはしたくない。
ハンゾウの襟巻きが励ますように風に揺れる、今はそれだけが味方。
だが、万太郎の熱きハートは遠く離れた親友と確かな絆で繋がっている。

「見えてきた、でも妙だな〜。プレッシャーとかが全く伝わってこないんだよね〜」

ぼんやりとリングのシルエットが見えてきた。
進路を修正しつつ万太郎は静か過ぎる事を不審がる。
タッグ戦の最中で一番プレッシャーを感じたのはガイバーでも赤毛の少女でも無かった、セコンドとして控えていた悪魔将軍のオーラが最も万太郎を恐れさせた。
あの威圧感を今は残り香程度にしか感じない、胸中に一つの懸念が芽生えてゆく。
やがてリングの全貌が見えてくるにつれ疑問は確信に変わった。

「遅かったーーーっ!! 既にここはモヌケの空じゃないかーーーーっ!!!」

上陸したそこは抜け殻でしかなかった。
悪魔の将もビームで自らを撃ったガイバーVも消えている、プラカードを掲げた小さな審判は影も形も見当たらない。
さては自分が気絶している間に去ったのかと悔やんだところて後の祭り、これでは宮本武蔵どころか関が原に遅参した徳川秀忠だ。
一瞬戦わずに済んで良かったと安堵しかけたがそれは何とか押し留めた。
613創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 19:35:46 ID:qWoHFC1j
ksk
614I returned ◆5xPP7aGpCE :2009/08/31(月) 19:36:18 ID:8YxY6AVm

「ぐずぐすしてる場合じゃない! 早く奴の後を追わないと大変な事になる!」

悪魔将軍の移動、それは次の犠牲者発生と同義と考えて間違いない。
慌てて対岸を見渡すが夜の帳が落ちた今はすっかり暗くなっていた。
人影はおろか陸地と水の境目さえも見分けが付かない、勘だけで追うのは干草の山から針を探すも同然だ。あまりにも分が悪すぎる。
早々と追跡を諦めた万太郎がとったのは逆転の発想、即ち―――『相手の方から来てもらう』

「悪魔将軍ーーーーーっ! オメガマーーーーンッ!! ガイバーーーーースリィィーーッッッ!!! ノーヴェちゃーーーん!!!! ボクチンはここだよーーーーっっ!!!!!」

万太郎は両手でメガフォンを形作りあらん限りの声で叫んだ。
南にも西にも、四方八方に向け繰り返し絶叫する。

「悪魔将軍ーーっっ!! お前の母ちゃんでーべーそーーっっっ!!! お尻ペンペンしちゃうからねーーーーーっっっ!!!」

コーナーポストの上でペシペシと尻を叩く。
低レベルの挑発だが悪魔将軍が聞いていれば必ず飛んでくると万太郎は思っていた。
ついでに他の三人も思い切り呼びかける。

「オーメーガーマーーンのツルッパゲェェーーーーッッッ!!! 悔しかったらかかってこーーーい!!!」

「ガーーーイバーーーースリィィィィーーーーッッッ!!! ボクを殺せなかったヘタレくーーーーんっっっ!!!」

「ノーーヴェーーーちゃーーーん!!! そんなメタリックで冷たい奴なんかより血の通ったボクの方があったかいよーーーーっっっ!!! あ、ボクは微乳でもOKだからーーーっっっ!!!」

……最後だけ彼の股間が膨らんでいた事は伏せるのが名誉の為だろう。

叫ぶだけ叫んでようやく一息付くが、冷静になるに従いプルプルと身体が震えてきた。
なんとなく寒気を感じて風が強くなったのかなと思わず自分を抱きしめる。

「うう〜、ひょっしてボクとんでもない事しちゃったのかな〜」


……やっぱり万太郎は万太郎であった。




               ※       



この万太郎メッセージというべきものは彼の思惑通り広い範囲に響き渡った。
到達距離囲を正確に求めるのは不可能であるが、少なくとも湖の周辺エリアでは確実に聞くことが出来た。

古泉は川辺に万太郎が流されてないか探している時にメッセージを聞いた。
生存を示す確かなサイン、しかしそれは彼のプランを根底から覆すものであった。

「一体何を考えているんですか! あの人は!!」

どうしても叫ばずにはいられなかった。
直前に万太郎と将軍の技を受けた古泉には解る、今戦った所で勝ち目が殆ど無いという事が。
二人のコンディションには決定的な差がある、将軍は今の万太郎が勝てる程甘くは無い。
素人でも解る事を本職の彼が気付いて無い筈が無い、だからこそ古泉はこれ程怒っている。
615創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 19:37:24 ID:qWoHFC1j
ks
616I returned ◆5xPP7aGpCE :2009/08/31(月) 19:37:26 ID:8YxY6AVm

万太郎と合流の後は体調を万全に整え更に仲間を増やした上で作戦を立て将軍に挑む。それが古泉の計画だった。
なのに計画は最初から躓こうとしていた。
彼がやろうとしている事は匹夫の勇、バンザイアタック、唯の自己満足だ。

将軍が今何処にいるのか不明だがもし聞いていたら確実に引き返してくるだろう、殺したと思った相手に馬鹿にされて黙っているとは思えない。
ぐずぐすしてる暇は無い、一秒でも早く万太郎を黙らせてここから離れる必要がある。
下手するとノーヴェも目を覚ましてしまったかもしれない、だとすればますます厄介だ。

何よりも苦しいのはこちらから呼び掛けられない事だ、下手な事を言えば聞いているかもしれない将軍に裏切りが発覚する。
無難な台詞を叫んでもノーヴェが聞きつければ彼女は間違いなく追ってくる。
つまりは直接相対した上で説得する以外に方法は無い。

誰よりも早く水上リングに辿り着く為に古泉は全力で湖へと引き返し始めた。
だが彼は将軍の技を受けて間もない、すぐさま骨が砕けるような激痛に襲われ膝を突く。
本来ならばガイバーに頼って回復に専念すべきなのだ、未だ右腕の再生も完了していないというのに。

それでも古泉は立ち上がる、無理をして走り続ける。
ゴールは水上リングの万太郎、果たして彼は一着になれるのか。
ここに万太郎を目指すレースが始まった。



               ※       



川口夏子は救急車の運転席でその声を聞いた。
それは一時は行動を共にした仲間の声、だが喜ぶ真似などしなかった。

(つまり危険人物が四人も近くにいるってワケか、せいぜい連中を引き付けて置いてくれれば助かるわ)

彼女もまた万太郎の呼びかけを愚かしいものとして受け止めた。
わざわざ火種の中心に飛び込むつもりは無い。
無理に万太郎を助ける義理は何処にも無い。
むしろ彼の望み通り悪魔将軍や危険人物が集ってくれたほうが探しものをするこちらの身の安全が確保できる。

しかし出来るだけ目立たずにいるのが最善だ、夏子はここで救急車を降りる決意をする。
とはいっても予定が狂ったわけではない、単純に車がこれ以上進めそうにないからだ。
草むらの中に停車し念入りにカムフラージュした上で素早く木と木の間を移動する。

ロケットは予想以上の長距離を飛翔した。
道路事情と無灯火で追わなければならなかったという制約で途中見失ったがこの辺りに落ちたのは間近い無い。
手掛かりは臭いだ、燃焼ガスを辿れれば必ず落下地点に行き着く筈。

慎重に進むうちに林が途切れ、一気に視界が開けてきた。
それを見た瞬間、砂漠の住民として生きてきた彼女を再び驚かせる。

オアシス―――大量の水がそこには有った。


617I returned ◆5xPP7aGpCE :2009/08/31(月) 19:38:19 ID:8YxY6AVm

               ※       



悪魔将軍は暗い森の中でその声を聞いた。
立ち止まり、自らへ叩き付けられた挑戦を無言で受け止める。
声の主は部下に任せた死に損ない、下らぬ挑発になど乗らず採掘場に向かっても良い筈だった―――オメガマンと話す前ならば。

一切の躊躇い無しに悪魔の将は引き返す、もはやキョンの事など頭に無いとばかりに。
何故か―――それは万太郎の真実に気付いたからだ。

先程までは『偽キン肉マン』と認識していた、だからこそどうでも良い相手として古泉達に始末させようとしたのだ。
だが今は違う、万太郎が正真正銘キン肉スグルの息子である可能性が高まった以上自らその命を奪わねば気が済まない。

オメガマンは語った、悪魔の将である自分がキン肉スグルに倒されたと。
万太郎もまた自分の事を知らなかった、奴の生きていた時代で自分は姿すら知られていないらしい。
つまり万太郎の存在は自らを始めとする悪魔超人が敗北し正義超人が栄えた未来に生まれた、それは悪魔が望む未来では―――決して無い。

「そのような未来はここで消える! 万太郎よ、私がお前の全存在を否定する。血一滴、肉片一つ残さずにこの世から消し去ってやろう!!」

真実は悪魔の逆鱗に触れた。
戦う前から負けを告げられるのは悪魔のみならず全ての超人にとって最大の屈辱。
スグルと万太郎、二人を必ず抹殺すると将軍は魂に刻み込む。

憤怒を秘めた魔将が闇の中を闊歩する。
雰囲気の変化は南国から極地に移動したと思わせる程激しく、そして荒々しかった。

凍て付くような禍々しいオーラが将軍の全身から溢れ出る。
森の樹が畏れるように竦んでゆく。
虫すらも鳴くのを止めて縮こまり、将軍の至近では絶命すらしていた。

次第に風が強まってゆく。
舞台となる湖も波だっている。


―――嵐が、近付いていた。





618I returned ◆5xPP7aGpCE :2009/08/31(月) 19:39:13 ID:8YxY6AVm


【E-09 水上リング/一日目・夜】


【キン肉万太郎@キン肉マンシリーズ】
【状態】ダメージ(大)、疲労(大)
【持ち物】ザ・ニンジャの襟巻き@キン肉マンシリーズ
【思考】
1.悪魔将軍を倒し、ガイバーを解放する。
2.危険人物の撃退と弱者の保護。
3.夏子たちと合流する。
4.頼りになる仲間をスカウトしたい。
  父上(キン肉マン)にはそんなに期待していない。 会いたいけど。
【備考】
※超人オリンピック決勝直前からの参戦です。





【E-09 湖畔/一日目・夜】


【古泉一樹@涼宮ハルヒの憂鬱】
【状態】疲労(中)、ダメージ(中)、悪魔の精神、キョンに対する激しい怒り
【装備】 ガイバーユニットV
【持ち物】ロビンマスクの仮面(歪んでいる)@キン肉マン、ロビンマスクの鎧@キン肉マン、デジタルカメラ@涼宮ハルヒの憂鬱(壊れている?)、
     ケーブル10本セット@現実、 ハルヒのギター@涼宮ハルヒの憂鬱、デイパック、基本セット一式、考察を書き記したメモ用紙
     基本セット(食料を三人分消費) 、スタームルガー レッドホーク(4/6)@砂ぼうず、.44マグナム弾30発、
     コンバットナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱、七色煙玉セット@砂ぼうず(赤・黄・青消費、残り四個)
     高性能指向性マイク@現実、みくるの首輪、ノートパソコン@現実?

【思考】
0.復讐のために、生きる。
1.悪魔将軍と長門を殺す。手段は選ばない。目的を妨げるなら、他の人物を殺すことも厭わない。
2.キン肉万太郎と合流し、この場から離れる。
3.時が来るまで悪魔将軍に叛意を悟られなくないが……。
4.使える仲間を増やす。特にキン肉スグル、朝倉涼子を優先。
5.地図中央部分に主催につながる「何か」があるのではないかと推測。機を見て探索したい。
6.デジタルカメラの中身をよく確かめたい。

619I returned ◆5xPP7aGpCE :2009/08/31(月) 19:41:29 ID:8YxY6AVm



【D-09 湖畔/一日目・夜】


【川口夏子@砂ぼうず】
【状態】顔にダメージ、強い決意。
【持ち物】ディパック、基本セット(水、食料を2食分消費)、ビニール紐@現実(少し消費)、
 コルトSAA(5/6)@現実、45ACL弾(18/18)、夏子とみくるのメモ、チャットに関する夏子のメモ
 各種医療道具、医薬品、医学書

【思考】
0、何をしてでも生き残る。終盤までは徒党を組みたい。
1、万太郎が馬鹿やっている間に落下したロケットを見つけ出す。
2、19時半を目安に、ゴルフ場の事務室でハムと待ち合わせ。20時までに来なければ、単独行動を行う。
3、キン肉スグル、ウォーズマン、深町晶、キョン、朝倉涼子を探してみる。
4、万太郎と合流したいが難しいと思っている。
5、ハムは油断ならないと思っているが今は自分を見放せないとも判っている。
6、生き残る為に邪魔となる存在は始末する。
7、水野灌太と会ったら――――



【備考】
※主催者が監視している事に気がつきました。
※みくるの持っている情報を教えられましたが、全て理解できてはいません。
※悪魔将軍、古泉、ノーヴェ、ゼロス、オメガマン、ギュオー、0号ガイバー、怪物(ゼクトール、アプトム)を危険人物と認識しています。
※深町晶を味方になりうる人物と認識しました。
※トトロ(名前は知らない)は主催と繋がりがあるかもしれないと疑いを持っています。
※救急車は湖から遠くない場所に停められています、カムフラージュされている為よく見ないとわかりません。



【F-8 森/一日目・夜】


【悪魔将軍@キン肉マン】
【状態】健康、万太郎への激しい敵意。
【持ち物】 ユニット・リムーバー@強殖装甲ガイバー、ワルサーWA2000(6/6)、ワルサーWA2000用箱型弾倉×3、
     ディパック(支給品一式、食料ゼロ)、朝比奈みくるの死体(一部)入りデイパック
【思考】
0.他の「マップに記載されていない施設・特設リング・仕掛け」を探しに、主に島の南側を中心に回ってみる。
1.万太郎を自らの手で殺す。
2.古泉とノーヴェを立派な悪魔超人にする。
3.強い奴は利用、弱い奴は殺害、正義超人は自分の手で殺す(キン肉マンは特に念入りに殺す)、但し主催者に迫る者は殺すとは限らない。
4.殺し合いに主催者達も混ぜ、更に発展させる。
5.強者であるなのはに興味
6.採掘場に向かい、キョンとの接触を試みる。
7.もしもオメガマンに再会したら、悪魔の制裁を施す。


※参加者が別の世界、また同じ世界からでも別の時間軸から集められてきた事に気付きました。

620創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 19:41:57 ID:qWoHFC1j
ksk
621 ◆5xPP7aGpCE :2009/08/31(月) 19:42:42 ID:8YxY6AVm
以上で投下終了となります、支援ありがとうございました。
お待たせして申し訳ないです。
622創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 19:44:40 ID:qWoHFC1j
投下乙!
万太郎死亡フラグ建て杉w
古泉と将軍どちらが先にリングに着くんだろうか
623創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 20:41:45 ID:J/pC9eXH
投下乙です。
元から戦うつもりだったとは言え、悪魔将軍がせっかく離れてくれたのに呼び戻すなんて……w
このまま悪魔将軍のキルスコアが+1されてしまうのか?
下手すると古泉も……
624創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 21:13:36 ID:lyEzoTj7
もしくは原作どうりに倒すのか?気になりますね。
625 ◆MADuPlCzP6 :2009/08/31(月) 21:15:58 ID:wpjDQ1Dz
投下乙です!
夏子さんドライだ!ひでぇw
ほんとに将軍と古泉どっちが先に着くかで万太郎の運命が決まっちゃうな
なんとも気になる引きです!

ではこちらも投下します
626 ◆MADuPlCzP6 :2009/08/31(月) 21:18:20 ID:wpjDQ1Dz
「ちくしょう、裏切ったな!ゼクトールと同じにあたしを裏切ったな!」
落ちる意識の中でうっすらと聞こえた古泉のことばがあたしの頭の中をぐるぐるまわる。
『殺すべき敵に従うことを選んだ人間を、仲間と認めるわけにはいきません』
古泉はそんな捨て台詞をあたしに叩き付けやがった!
「許さねぇ…許さねぇからなっ!古泉ぃ…!」
思わず唇を噛みしめる。拳を地面に叩き付ける。うつむく。
………あたし達、仲間のはずだったろう?

「よっノーウ゛ェ!何してんの?」
人がへこんでるときに気安く声かけてきやがって…誰だよ、と発生源を睨みつけるように見上げるとそこには…
「セイン…」
姉妹の中でもノーテンキな青い髪の姉が立っていた。

「おー、機嫌悪そうだねー。何かあった?」
「別に…たいしたことじゃねぇよ」
セインが気軽に隣に座って話しかけてくる。
誰かと話したりする気分じゃないんだよ。あっちいけよ。
そんなあたしの考えなんかおかまい無しにセインはしゃべり続けてきやがる。
「んーでもさ、たいしたことありそうな顔してるよー?遠慮しないでおねぇちゃんに話してみな?うん?」

たいしたことじゃねぇって言ってんだろ!ほっといてくれてもいいじゃねぇか!
ずかずか人の考え事に突っ込んでくるんじゃねぇ!何も考えてなさそうなお前なんかにわかんねぇよっ!
お前なんかに話すつもりはねーんだ、お前なんかに…

「わからねぇんだ…」
話すつもりなんかなかったのに口から勝手に声が出てきた。

「古泉が何を考えてるのか、ぜんぜんわからねーんだ。…仲間だと思ってたのに裏切りやがって…」
「ふーん、よくわかんないけどその古泉ってノーウ゛ェがそんなに怒っちゃうほどすっごいヤなヤツなんだ?」
下向いたあたしの顔をのぞき込むようにセインが言う。
627 ◆MADuPlCzP6 :2009/08/31(月) 21:19:01 ID:wpjDQ1Dz

「ヤなヤツ…というより変なヤツだ」
目が合うのがなんか嫌だったから、あたしは視線をそらす。

「頭はずいぶんいいみたいだけど何考えてるのかあたしにはさっぱりわからねぇ。
裏切るんなら裏切るで殺しゃあいいのにあたしを殴りやがったときも全力じゃなかった。
あいつは、古泉は何考えてるのかわからねぇ変なヤツだ。
仲間にならねぇかって誘ったのはあっちのくせに裏切りやがったのも許せねぇし、その理由がわからねぇ。
『殺すべき敵に従うことを選んだ人間を、仲間と認めるわけにはいきません』だって?
将軍は将軍であたしはあたしだ。ついでかおまけみたいに切り捨てんじゃねぇ。
あたしは『あたし』を裏切った理由をまだ聞いてない」

あたしは確認するようにぽつぽつとしゃべる。
セインは黙ってあたしの垂れ流すような話を聞いてくれた。
こんなこと聞かされても困るんじゃねぇかなと思ってたらそう間を置かずにセインが口を開いた。

「それじゃ聞けばいいじゃん」
さもこともなげにこんなことを言ってくれた。
あたしは思わずセインの顔を見ちまう。

「聞けばって!……そんな簡単に言うんじゃねぇよ」
「だってさ、考えてわからないんなら本人に聞いちゃったほうが早いじゃん。それにどーせ考えるのはノーウ゛ェには向いてないよー」
水色の髪を揺らしてからからと笑う。ムカつく。
「人を単細胞かなにかみたいに…」
「だってさ、『許せなくて』わからねぇのが『気にいらねぇ』んでしょ?
『気に入らないことがあればぶっ飛ばす』いつもノーウ゛ェが言ってることじゃん?
どっちも解決できて一石二鳥!」
このバカ、Vサインまでつけてくれた。
「あのなぁ…」
こいつにかかると悩みって名のつくものはなくなるんじゃないか?と脱力する。
まぁ、ちょっと気分が軽くなったというかぐるぐる考えてんのが馬鹿らしくのは確かだ。

セインは「おねぇちゃんはかわいい妹が悩んでるより暴れてる方が安心するぞー」なんて言いながらあたしの頭を撫でくりまわしてる。
文句を言おうと思ったところでセインの手が止まった。
628 ◆MADuPlCzP6 :2009/08/31(月) 21:20:47 ID:wpjDQ1Dz

「じゃっ、あたしはそろそろ行かなきゃ」
そう言って立ち上がった。こっちに背を向けて歩き出す。
「あっおい、どこ行くっていうんだよ」
あたしが話しかけてるってのにセインは戻ってこなかった。
何でだか、あたしは何か言わなくちゃいけない気がする。
言わなきゃ後悔する気がする。
はやく、はやく言わないと行っちまう。
とりあえず、今思ってることを声にする。

「ありがとな、セイン!………おねぇちゃん」
セインがちらっとこっちを振り返って笑った。すごく優しい、全開の笑顔だった。
629 ◆MADuPlCzP6 :2009/08/31(月) 21:21:29 ID:wpjDQ1Dz




なんだかマヌケっぽい声が聞こえたような気がしてハッと目を覚ました。
古泉に殴られる前と違って周りは暗くなってる。
「………せいん」
視界が効きづらくなってる分、森の葉がすれる音が大きく聞こえる気がする。
体に異常がないかを確かめながら地面と仲良くなっていた体を起こした。
「ん…なんかセインとしゃべってたような…」
手を握ったり開いたりする。うん、どこも異常はない。
「けどありゃ夢だな」
だってセインはもう死んでるんだから。

立ち上がって現状を認識する。
あたしは将軍に言われてキン肉万太郎を殺しにいく途中で古泉に殴り倒された。
うん、間違ってねぇな。
「言ったよな…裏切ったりしたら、ゼクトールみたいにタダじゃおかねぇからなって」
地面に目を落とす。そこにあるのは特徴的なガイバーの足跡。

「ぶん殴ってやるからな!待ってろよ、古泉!」
一言吠えてあたしは走り出す。
許さねぇ、一発殴らなきゃ気がすまねぇ!
あたしは考えるのがあまり得意じゃねぇ、だから今のもやもやを古泉ごとぶっ飛ばしてやる!
だから、覚悟してろよ古泉!


ここはどこにでもありそうな島のどこにでもありそうな森の中。
少しすっきりした怒り顔の赤い髪の少女は薄闇を駆けて行ったあと。
水色の髪の残り香が、ふわりと風に溶けて消えた。




【E-09 湖畔/一日目・夜】

【ノーヴェ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】 気絶、疲労(小)、ダメージ(中)
【持ち物】 ディパック(支給品一式)、小説『k君とs君のkみそテクニック』、不明支給品0〜2
【思考】
0.もっともっと強くなって脱出方法を探し、主催者を蹴っ飛ばしに行く。
1.古泉をぶっ飛ばして裏切った理由をしゃべらせる。
2.悪魔将軍の命令に従い、キン肉万太郎を殺す?
3.ヴィヴィオは見つけたら捕まえる。
4.親友を裏切り、妹を殺そうとしたキョンを蹴り飛ばしたい。
5.タイプゼロセカンドと会ったら蹴っ飛ばす。
6.強くなったらゼクトール、悪魔将軍も蹴っ飛ばす?
7.ジェットエッジが欲しい。

※万太郎の声は覚醒直前に響いたためノーウ゛ェは内容を認識していません
※ノーウ゛ェはガイバーのものと思われる足跡を追っていきました。
630 ◆MADuPlCzP6 :2009/08/31(月) 21:23:04 ID:wpjDQ1Dz
以上で投下終了です

題は Grazie mio sorella. です
631創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 21:32:03 ID:qWoHFC1j
投下乙です
これノーヴェもリングに向かうことになるかな、乱戦の予感w
632創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 23:00:41 ID:GIiU5N5v
両氏投下乙です。 

ノーヴェの状態表に気絶って書いてあるんですが、
もう覚醒したから要らないと思うんですが…
何が考えが有っての事なら申し訳ない。
633創る名無しに見る名無し:2009/09/01(火) 02:46:01 ID:hkwYUYbc
両氏とも投下乙です!

>>610
夏子さん、ひでえw
本領発揮しだしたな、というかマンタロー…なんかそれ死亡フラグだぞw
このままだと古泉と将軍が激突しそうでwksk!

>>626
そして更にノーヴェまで乱入しそうだw
これはリングで決着がつくことになるのか!?
しかしセイン…いいおねぇちゃんだ…。
634創る名無しに見る名無し:2009/09/01(火) 20:06:14 ID:KrmHD/Qo
スグルじゃ火事場のクソ力が封印されてるから倒せないな
635創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 04:06:02 ID:uCoP+Oj/
ふと過去ログ見てたら、1年前の今日にOPコンペが始まってたんだな
1年で第三放送ちょっとか…人数は約半分だし、完結までは後1年ぐらいかかるのかしらん?
636創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 08:42:32 ID:NBQbXVsC
そう思っていたら
その3倍は時間がかかり、おまけに終わったと思ったら
アナザールートに突入したロワがありましてね
大切なのは書きやすいキャラ達の状況と勢いだと思う
637創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 09:54:08 ID:pVbNLEw5
かと思えば
1年で完結した上に、ロワ内の時間は1日で終わったというロワがありましてね
長けりゃいいってもんじゃ無いと思う
638創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 10:15:29 ID:NBQbXVsC
>>637
いや別に長ければいいって言ってませんがな
せめて読み手は書き手の方々が書きやすいスレの雰囲気を維持しようじゃありませんか
639創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 10:30:42 ID:NBQbXVsC
>>638
ごめん、喧嘩売ってる風に書いてしまった
言いたいことは、長くなる話だろうがなんだろうが
書き手さんが投稿しやすいように、スレ内の雰囲気は良くしておこうじゃありませんかってこと
640 ◆igHRJuEN0s :2009/09/02(水) 16:03:03 ID:koGUX6DK
SSが完成しました。
夜8時頃に投下予定です。
641 ◆igHRJuEN0s :2009/09/02(水) 16:22:40 ID:koGUX6DK
>>640
訂正します。
仮投下スレに投下予定です。
642 ◆igHRJuEN0s :2009/09/02(水) 19:55:23 ID:koGUX6DK
これより、仮投下スレにSS投下を開始します。
643創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 20:50:24 ID:3C5OGyep
仮投下乙です
えーと、チャットには出ていないのですが一つだけ指摘を
スエゾーの一人称は「ワイ」ではなく「俺」ですよー
644創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 21:05:27 ID:SEQKa7VJ
仮投下乙です。

根本的な問題して、制限があっさり破られすぎという印象が強いので作中で語られている通り『タツヲが楽しむための非合理的な行動』との理由で
『本来テレポートが出来ないところをワザと制限解除して来れるように仕向けた』とした方が良いと思います。
645創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 21:11:08 ID:+x2Gud29
仮投下乙です!
最初の部分だけはちょっと気になるんですが…ガッツという説明だけで納得できるところが怖いw
超チートだしな、ガッツは。

個人的には問題は無いと思います。
646 ◆O4LqeZ6.Qs :2009/09/02(水) 21:15:08 ID:kfQhAHP2
仮投下乙でした!
私もチャットに参加させていただきましたが、チャットで話された内容との矛盾は無いと思います。
制限を突破した事についても、SS中で語られている理由でいいんじゃないかなとも思います。(限界越えたパワー出てたっぽいですし)
でも、>>644さんの言われた通りに修正した方が異論が出ないかもしれませんね。
647創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 21:20:15 ID:08hGwv/I
タツヲ本人が死亡と決めつけるのもどうかなと
もっと言えば力量もないのに踏み込みすぎ
648 ◆igHRJuEN0s :2009/09/02(水) 22:25:45 ID:koGUX6DK
O4氏、皆様、ご意見とご指摘ありがとうございます。
制限に関する展開は、O4氏や>644の方の意見を参考に修正しようと思います。
>643の方の一人称についても同じく。
649創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 22:41:31 ID:08hGwv/I
おいおいスルーかよ
だからいつまでもへたくそなんだっつの
650創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 22:42:16 ID:meZSwF0T
仮投下乙です!
内容は問題無いと思います。早く感想が書きたいw
ただ、そこかしこに誤字があるので、それは修正した方が良いと思います
651創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 22:54:54 ID:6NiTeQpk
>>649
一言多いよ
652創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 23:06:48 ID:qnTg/kgn
一言どころじゃない荒らしだな無視。
653創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 23:07:43 ID:lzM3F4Rk
小トトロの制限に問題あり。
参加者が死んだ以上、20メートルの範囲内に人がいなくなっており、
この状態で生きていることができるということは支給品の自由移動が可能だということを意味している。
最悪殺すのも手かと。

それとスエゾーがワープしたところは島の範囲外と思われるのですが、
どうしてスエゾーの首輪は反応しなかったんでしょうか。
それとも本拠地と思われるところには首輪が反応しないような仕掛けでもあるんですか?

あと>>647ではありませんが、何度かに分けて踏み込むべきところを一気に踏み込んでしまった印象を受けます。
チャットでどういった結論が出たのかは見ていませんが、大体想像できてしまったし。
654創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 23:12:52 ID:SEQKa7VJ
改めて読み返してみたところ個人的に気になる点を。

1.「タツヲの死体」を発見したスエゾーの思考

主催者と同じ顔を持つ死体があったからといって『放送を行った草壁タツヲ』の正体を疑う理由がわかりません。
双子、クローン、草壁タツヲ族の一人……など考えられる可能性はいくらでもある以上タツヲを問い詰めるスエゾーの反応はメタ的な視点が入りすぎではと思いました。
正体の追求までせずに、ただただ混乱するスエゾーの描写で事足りると思います。

2.小トトロの転移場所について

瀕死の重傷で返された小トトロですが、何故ワープした部屋ではなくわざわざ入り口に転移させたのか理由が解りづらいです。
途中で小トトロが絶命する可能性を考えれば直接晶達が居る部屋に送り込むのが合理的ではないでしょうか。
655創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 23:23:22 ID:SEQKa7VJ
>>653

確かに原作なら敵本部のあるエリアは禁止エリアで侵入自体が不可能ですね。
これについてはタツヲから招待した為に制限同様無効化されていたと解釈できるのではないでしょうか。
656創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 23:36:05 ID:ykJrRYDb
この今いるタツヲが偽者だというのは前のチャットで決まったことなんだろうか。
だとしても今まで何の伏線もなかったのにいきなりそういうことがわかっても超展開にしか見えない。

チャットで決めたと判断して言うけど、チャットをみてない読み手をおいてきぼりにしてないか?
少なくとも俺はそう感じた。
657創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 23:42:10 ID:NBQbXVsC
今までのタツオの言動全てが
原作を知るものにとっての伏線として機能していたと思うけれど
658創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 23:43:45 ID:IwLHuLOu
どうでもいいけど、タツヲじゃなくてタツオじゃなかったっけ、名前
659創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 23:46:11 ID:SEQKa7VJ
確かにチャットで決まった事だとすると意識しないうちに書き手と読み手の間に認識の差が出来てしまったのかも……
タツヲが主催者をしている理由はkskロワで最大級の謎だったし、参加者もそれぞれの方法で探ってた秘密を明かす方法が
推理や細かな状況証拠の積み重ねではなく一気に核心に踏み込んだという展開そのものが問題だとしたら各人の好みによるとしか……
660創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 00:08:53 ID:hkgPONi4
けどちょっと前に「内輪でチャットで決めた事があるんならさっさと明らかにしろよ」みたいな批判もあったんだよなぁ…
まぁその批判も色々と微妙ではあったが
661創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 00:27:58 ID:ntj312g4
書き手氏の意見を聞きたいかもね。
662創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 01:07:58 ID:0OOoHBYj
>>657
まあ、普通に考えたらタツオさんが殺し合いの主催って時点で理由としては洗脳、偽者ってのが妥当だよな
となると、長門も……?
663創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 03:22:36 ID:wS6ZdIqp
やっぱりチャットの決定に逆らって微妙な力量と無理がある展開で主催周りに関わってくる書き手が出てきたか
だから主催周りはチャットに参加した投下数上位書き手に任せとけって
無能がロワの根幹に関わるな、分をわきまえろ
664創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 04:07:31 ID:cXUi4Ke0
>>663
お前書いてみろよ雑魚^^
665創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 04:19:53 ID:z1vwWqBL
お前何様だよ
666創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 04:20:35 ID:dJ8ubYRI
見ちゃいけません
667創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 05:58:40 ID:HCEkyZO6
ここはワンピースは参加してないはず……
668創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 06:34:38 ID:ntDWKhee
どうも最近粘着荒らしが頑張ってんなぁ
669創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 06:55:45 ID:aKnph3Z/
まあ例えばいきなり長門が消失の如く暴走してました!ってわかるようなものだよ。
それも参加者の推測とかならともかく、
いきなり主催者の方からバラしてるしな……

タツヲさんが偽物って言うのは俺達視点でほぼ確定してるようなレベルであやしいところだけど、
せめて参加者の視点でそう言う推測をしている人が何人か出てからこういう話を書いてほしかった。

ていうか実際チャットでタツヲは偽物って決定してたのか?
そうじゃないなら書き手の暴走でしかないんだが。
670創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 06:59:47 ID:MCuLedug
>>653
別に主催者の本拠地が島の外だって決まってるわけでもないし、あやふやにしておいても良いと思うよ。
個人的にはカヲル君の首が埋められているって噂の神社の地下が怪しいと思ってるw
671創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 07:35:45 ID:Gon2tGbZ
確かにみんな忘れてるぽいけど重要そう
672創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 08:30:31 ID:0OOoHBYj
なんか書き手さんを中傷したいだけの荒らしも混ざってるみたいだし、意見は議論スレで言った方がいいんじゃないかな


氏もあまり気にしすぎないでくださいねー。俺は氏の作品大好きですぜ
673創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 09:00:17 ID:32eY14Ck
>>696
娘二人が死んでるから
参加者の推測の前でも後でもあんまり変わらんよ
むしろ、偽者と疑わせるように誘導する方が難しい
674創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 09:01:10 ID:wS6ZdIqp
そうやって甘やかすから馬鹿き手は図に乗ってこんなふざけたSS投下すんだよ
後の迷惑も考えずにな
主催っていう重要な要素に実績どころか実力もない書き手に手を出されると今まで頑張ってきた他の書き手がかわいそう
675創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 11:06:04 ID:CkWxiXJH
>>673の意見もあるし
タツヲさんに関してはあってもいいかなとも思う
ただ、作品には説明がない無理展開が目立つからそこは見直して修正すべき
676創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 12:02:55 ID:+11tg+Pp
修正でも正直厳しいと思う
 
メタ的な視点ではわかってるだけであって、タツオさんとかに関してはもっとリレーを重ねた先でしょう
主催者が書かれる度に言われている気がするが、もう少しリレーって事を考えた方が良いかと
それを気にさせないくらいの説得力が文中にあればまだわからないのですが…正直この話では違和感が残ると言うか…
677創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 12:57:33 ID:u98OllUB
作品にたいする意見は議論スレ行こうぜ
678創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 14:31:29 ID:ntDWKhee
議論スレの方で破棄宣言が…
あーあ、またこんな事になっちまったよ…なんか最近こんなんばっかだな
荒らしのせいで雰囲気も最悪だわ
679創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 17:08:47 ID:e6GNWf1M
不満のでる話に文句言う人がいるのは当然じゃないか?
批判意見全部を荒らし扱いするんじゃない。
680創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 17:20:42 ID:+11tg+Pp
荒しが混じってるのは明らかだが、否定意見が多いのも事実
何も考えず全て荒しが悪いで終わらせるのもどうかと思うよ
681創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 18:24:23 ID:0OOoHBYj
>>679
落ち着けよ、批判意見全部を荒らし扱いなんて誰もしていないぜ

>>680
> 全て荒しが悪い
誰もそんなこと言ってない
682創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 18:34:03 ID:+11tg+Pp
>>681
一々つっかかんなよ
つか、少し上のレスくらい見とけ
683創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 18:52:58 ID:Gon2tGbZ
最近荒れてるなこのスレ、破棄しまくりで過疎かしちゃうかも・・・
684創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 19:07:29 ID:cZqeV5il
さすがにこれくらいの騒動で過疎るとか無いだろ
685創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 19:13:09 ID:0OOoHBYj
>>682
荒らしが雰囲気を悪くしている、ってレスがあっただけじゃない
荒らしが雰囲気を悪くしている一因であること自体は間違いないし、全て荒らしが悪い、とは誰も言ってないよ

まあそれはともかく、つっかかったように感じたならすまなかった。
ネガティブな意見が多かったからつい過剰に反応してしまったんだ。気を付けるよ。
686創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 19:24:19 ID:MCuLedug
あーもー!
前回といい今回といい、諦めが良すぎる!

もっと(面の皮)厚くなれよーーーっ!!
687創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 19:25:42 ID:ntDWKhee
>>684
雰囲気が悪いと書き手は容易に離れてくよ
誰だって書きたくなる場所は楽しい所なんだから
688創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 19:31:32 ID:7CU/+wbm
上で空気良くしておこうぜって話が出た途端にコレだよ!
689創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 19:36:15 ID:MCuLedug
そういや一周年なんだよな…その記念がこれか…。
690創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 19:38:05 ID:ntDWKhee
>>689
………なんか言葉も出ないわ
どうしてこうなった
691創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 19:52:56 ID:5FIsgFt/
創発のロワには粘着荒しがいるからなー
ま、いいや。ネガティブな話題はここまでにしよう

一周年だし安価で話題を>>695
692創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 20:02:49 ID:0OOoHBYj
おK

今までで一番意外だったロワ内の出来事
693創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 20:26:19 ID:hkgPONi4
ksk
694創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 20:27:11 ID:ntDWKhee
ksk
695創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 20:36:25 ID:FX9U1zMd
kskロワの素晴らしきもふもふについて語り合い
696創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 20:37:10 ID:FX9U1zMd
さげわすれたごめんなさい
697創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 20:39:15 ID:0OOoHBYj
トトロのお腹のもふもふに背中を預けて西瓜食べたい
ゼクトールがうらやましいぜ畜生
698創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 20:52:01 ID:8q2JTwP6
トトロんと西瓜もいいけど、小トトロと一緒にいたボッチが羨ましすぎる
699創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 21:33:38 ID:hkgPONi4
中トトロは今度こそ無事に実況の役目を終えることが出来るのか
最初はオメガマンに蹴り飛ばされ次は悪魔将軍に拷問されかけと超人相手に酷い目にあってばかりさね…
700創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 21:54:37 ID:0OOoHBYj
あんな可愛い生物を拷問するなんて、将軍は鬼だ! 悪魔だ!
701創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 21:59:49 ID:RSfaEuF+
>>700
だって「悪魔」将軍だもん。

トトロ最高。なのはさんはせっかくコマを持っているんだから
トトロといっしょに夜間飛行しちゃえばいいと思う。
そして私も混ぜて。
702創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 22:28:19 ID:5FIsgFt/
トトロと関わりのある人をまとめて見た

古泉→トトロと別れてから悪いことばかり
アシュラマン→別れた直後に死亡
シンジ→悲惨な最期を遂げる
ゼクトール→別れた後に焼死
ハム→着々と危険対主催に
万太郎→死亡フラグの塊
キョン→?
703創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 22:39:33 ID:Gon2tGbZ
トトロ守護神フラグ立ったな
704創る名無しに見る名無し:2009/09/04(金) 01:01:32 ID:Ia8xc8Kp
むしろ死神じゃ……
そういえばトトロは死神って都市伝説を聞いたな
705 ◆5xPP7aGpCE :2009/09/04(金) 07:09:28 ID:cPORjkeX
深町晶、スエゾー、雨蜘蛛、長門有希、小トトロで予約します。
706創る名無しに見る名無し:2009/09/04(金) 07:36:29 ID:gICn6/Bh
予約キター!今度こそ通りますように!
707創る名無しに見る名無し:2009/09/04(金) 08:04:24 ID:h4WaOlDA
予約ktkr
708創る名無しに見る名無し:2009/09/04(金) 09:58:16 ID:6y+VgM0g
予約wksk
709創る名無しに見る名無し:2009/09/04(金) 16:50:59 ID:PigOeWEs
>>704
あのサンダルは本当にメイのものだったとか、
ラストシーンでサツキとメイの影がないとか
いろいろ言われているあれか……。
710創る名無しに見る名無し:2009/09/04(金) 18:45:52 ID:DXCOY3do
あれは作画ミスなんだ
誰かそうだと言ってくれい!
711創る名無しに見る名無し:2009/09/04(金) 22:59:32 ID:PBFtbPFo
>>704
>>709-710
公式で否定されたよ
712創る名無しに見る名無し:2009/09/05(土) 21:36:07 ID:lARsXJMf
まあ作画ミスにしても出来すぎだわなw初めて聞いたときは納得しちゃったもの

そういえばロワ内のトトロって子供らしい子供と絡んでないね
シンジや古泉、キョンは子供と言うよりは少年だし
713創る名無しに見る名無し:2009/09/05(土) 22:28:05 ID:S/rE8jfj
魔法少女(子持ち)のなのはさんがいるジャマイカ
714 ◆MADuPlCzP6 :2009/09/05(土) 23:34:12 ID:pOx4InPi
でーけーたー!
こつこつ作っていた組曲「kskアニメキャラバトルロワイアル」が完成しました

遅ればせながら一周年記念ということで安価神に供えようと思います
これからもノリと勢いとkskでロワがkskしますように!

http://www.nicovideo.jp/watch/sm8145719

http://www.youtube.com/watch?v=Opw-HZC40Dc
715創る名無しに見る名無し:2009/09/05(土) 23:40:28 ID:YE7ASQFn
すげえ、ちょっとみてくる
716 ◆MADuPlCzP6 :2009/09/05(土) 23:41:33 ID:pOx4InPi
歌詞を作ってくれた人まだいるかな?

編集しながら気づいたんだけど実はこの歌詞すごく凝ってるんだよね
キョンからハルヒまでの間が関係ある人が前後してるし
ケロロがキョンを許さないって言った後にハルヒがキョンを許すって言ったり
ほんとすごく楽しく編集できた

事後承諾になって申し訳ないですが歌詞お借りしました!
717創る名無しに見る名無し:2009/09/05(土) 23:49:23 ID:yLUByrN+
一周年記念…乙です!
本当に乙です!よかった本当に!

ヨーグルトwww
718創る名無しに見る名無し:2009/09/06(日) 00:06:49 ID:aWcig3GE
>>714
ニコ厨とかうざいから帰っていいよ
719創る名無しに見る名無し:2009/09/06(日) 00:08:15 ID:HLbA2Ulb
>>718
毎度毎度ご苦労なこった
720創る名無しに見る名無し:2009/09/06(日) 00:08:20 ID:7H3Mv2Qa
超乙!!!
今から見てくるわw
721創る名無しに見る名無し:2009/09/06(日) 00:09:51 ID:elKSuJea
うおおおお、MAD投下マジ乙です!

朝倉さんが対主催に見えねぇwww
古泉がメインになったMADってのも珍しいよなぁ…綺麗だったころの古泉を見ていると何ともいえぬ感情が
「安価発動!?」の所のカオスっぷりはなんだwww吹いたわwww
なのはさんとヴィヴィオの再開直前シーンの再現っぷりには震えた!うわぁぁまさにこんな感じだよあのシーン!
kyonの「やって見せるさ 皆殺し」の時の目が本気で怖くてヒィッと声が出てしまった…
ヴィヴィオに…ナイフが…アスカ怖ぇ!!
ハルヒがマジでヒロインに見えてきた…kyonもどうなる事やら
ヨーグルトwwwwこれはアウトだよwwwww
まさかダディがメインの部分があるとは…なんかちょっと怖いよダディ、でもこれからどうなるんだダディ

なんか見ながら書いたら感想がへんな箇条書きになってしまった
それにしれも10分以上にも及ぶ超大作MADマジ乙です!しかもアニメ映像だけじゃなくてwikiの書き手紹介が混じってたりとか…すげぇw
722創る名無しに見る名無し:2009/09/06(日) 00:18:05 ID:aWcig3GE
ニコ厨共きめえwwwwwwwwwww
723創る名無しに見る名無し:2009/09/06(日) 00:23:14 ID:alZwIEwx
>>714
MAD投下お疲れ様でした!
笑いあり涙あり、よく探してきたなあという部分ありで…素晴らしい一周年記念でした!
724創る名無しに見る名無し:2009/09/06(日) 00:33:24 ID:KwViH88X
MAD乙です!!
今から見てきます。

なんかやりたいなあと思って某ロワでやってたのに便乗。書き手別好きな作品をあげてみる。
こういうのあったら書き手氏のモチベーションもあがりそうだしね。
一応四作以上書いてる人限定にした。

◆5xPP7aGpCE 本当の敵/勝者と敗者
◆S828SR0enc 静止した闇の中で
◆h6KpN01cDg God Knows……/倦怠ライフ・リターンズ
◆2XEqsKa.CM 彼の心乱せ魔将(前編)(後編)
◆NIKUcB1AGw 0対1〜似て非なる少年たち〜
◆.UMskKYUq6 魔物の群れはいなくなった
◆YsjGn8smIk さらば愛しき中トトロ!! の巻
◆321goTfE72 追撃への序曲/涼宮ハルヒの嘆願
◆Fe3NifTDyM 不屈の心は…
◆mk2mfhdVi2 ハレ晴レフユカイ
◆MUwCM75A2U 少年少女と、変態
◆U85ZpF.SRY 強殖装甲リリカルシスター
◆4etfPW5xU6 びっくりした?
◆0O6axtEvXI とある魔術の超電磁砲
◆qYuVhwC7l. Triple 『C』 〜超人/超能力者/超…生物?〜/優しい隣獣
◆O4LqeZ6.Qs 勝利か? 土下座か?(前編)(中編)(後編)
◆igHRJuEN0s Scars of the War(前編)(中編)(後編)(終結)
◆bD004imcx. 理想と妄想と現実
◆MADuPlCzP6 魔族は嘘をつきません
725創る名無しに見る名無し:2009/09/06(日) 00:45:06 ID:F/toYN8D
>>714
MAD乙! 出来SUGEEEEEEE!

そしてkskロワ開始から一年、色々なことがあったけど、
俺はkskロワが大好きだああああああああ! 一周年おめでとう! これからも完結目指して頑張っていこうぜ!
726創る名無しに見る名無し:2009/09/06(日) 07:36:45 ID:ZbljTLV+
MAD乙。やば、これすげー!
727創る名無しに見る名無し:2009/09/06(日) 23:48:49 ID:xyaONwUZ
>>724
あがるあがる!
乙乙!
728創る名無しに見る名無し:2009/09/07(月) 17:27:50 ID:jI32+D32
>>714
動きがあって非常におもしろいMADでした GJ!!
729創る名無しに見る名無し:2009/09/07(月) 18:44:06 ID:4feY9GVd
こういうMADを作れる人ってすごいなー。あこがれちゃうなー
730創る名無しに見る名無し:2009/09/07(月) 22:45:29 ID:oPLsS6hH
DESTINY OF THE DESERT は異常なほどロワ向きの歌詞だな……
まぁ、関東大砂漠が常にロワ状態だからなんだがw
731創る名無しに見る名無し:2009/09/07(月) 23:44:20 ID:nsb0wUSQ
砂と死のバラードも異常なまでにロワ向きだぜ
死亡話のバックとかに掛かってても違和感0だ
732創る名無しに見る名無し:2009/09/08(火) 00:08:13 ID:vlYSvN4E
砂と死のバラードはガチだが、音源が見つからないから困るw
733創る名無しに見る名無し:2009/09/08(火) 00:44:04 ID:rRNStrmU
とりあえずニコニコには上がってた記憶があるぞ
734 ◆MADuPlCzP6 :2009/09/08(火) 18:52:28 ID:2Hiw/th8
MADにたくさんの感想ありがとうございます!
そんなにほめ殺したって何も出ないんだからネ!

と言おうと思ったらなんか出せそうです

温泉組の高町なのは、冬月コウゾウ、ケロロ軍曹、キョン、トトロを予約します
735 ◆MADuPlCzP6 :2009/09/08(火) 18:58:03 ID:2Hiw/th8
あああああああ!
スバル・ナカジマが抜けてました!
すみません…
736創る名無しに見る名無し:2009/09/08(火) 19:16:00 ID:vMEXKOzc
予約ヒャッホー!
737創る名無しに見る名無し:2009/09/08(火) 19:45:16 ID:fvp4cqIc
予約ktkr!
楽しみにしてますぜー!
738創る名無しに見る名無し:2009/09/08(火) 21:09:43 ID:SgLkDZu8
予約ktkr!今度こそ通れ!
739創る名無しに見る名無し:2009/09/08(火) 22:42:02 ID:S6CZgm7g
遅れましたがMAD乙です!!絵と歌詞が合いすぎて驚きました。
今までの場面を思い起こしつつ、切なくなったり、笑ったりしながら見てました。
あれほどの長い動画、本当に乙です!!
そして予約キター!お待ちしてます!
740 ◆5xPP7aGpCE :2009/09/08(火) 23:56:20 ID:xsIk6yZC
申し訳ありません、まだ時間がかかるので延長お願いいたします。
741創る名無しに見る名無し:2009/09/08(火) 23:59:54 ID:fvp4cqIc
延長了解ですー
742創る名無しに見る名無し:2009/09/09(水) 13:59:28 ID:H5oL2ALP
ゆっくり書いていってね!
743創る名無しに見る名無し:2009/09/09(水) 16:14:50 ID:72QzXdj5
  ブス…  ∫ ;′ ∫  ,;′
   ブス…',. -――-゙、  ;'  ジジジ…
    ;  /      へ `>、'; ∫
   _;'___{.  ,>-/、/=;´イヽ;'_
  /三三j='rー、\_>、)_, >;;〉三'`、ジジ…
 /三三└'゙ー:;‐;;‐;;'`ー;;ヾ'`"´三'三;`、
 囮ヱヱヱヱヱヱヱヱヱヱヱヱ囮
 囮災炎災炎炙災炒炎災灸災炭囮
 ◎┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴◎


744創る名無しに見る名無し:2009/09/09(水) 22:58:14 ID:WyXwRERM
参加者名簿見て思った、ケロロのガンダム知識だけは解禁ってなっているけど
そもそもケロロってガンダムに関してはどれだけの知識を持ってるの?
初代だけ?
それとも00とか最近のものも知ってるの?
さらにクロスボーンやGセイバーのようなマイナーな部類も知っているのか?
745創る名無しに見る名無し:2009/09/09(水) 23:03:56 ID:0UTaVQF1
ケロロは本編で1st以外のプラモを作ったことはないはず
746創る名無しに見る名無し:2009/09/09(水) 23:04:46 ID:AxrFcHsT
多分Vは知ってるな。ナカノヒトテキニ
747創る名無しに見る名無し:2009/09/09(水) 23:04:57 ID:cH46UcM6
はっきりしたことは言えないが、ケロロは重度のガンプラマニアだからプラモ化されてるMSならほぼ知ってると思う
アニメでは出てきたか覚えてないけど、原作ではプラモ雑誌にガンプラのコラム連載してたほどだし
748創る名無しに見る名無し:2009/09/09(水) 23:05:41 ID:cH46UcM6
って、1分で俺含めて3人もレスしてたw
749創る名無しに見る名無し:2009/09/09(水) 23:11:07 ID:AxrFcHsT
シンクロしてるなw
750創る名無しに見る名無し:2009/09/09(水) 23:18:13 ID:lLYNY6v7
アニメっていうか劇場版でデンドロモドキがでとったな。
751創る名無しに見る名無し:2009/09/09(水) 23:49:43 ID:CpIbFmXQ
>>745
サザビーとνガンを何かで貰ってた気がする
752創る名無しに見る名無し:2009/09/10(木) 00:03:36 ID:7jFw9gQz
小説版にはストライプフリーダムなんてパワードスーツが存在する
別に縦縞ってわけでもない
753創る名無しに見る名無し:2009/09/10(木) 00:49:02 ID:N9I9dtkt
そう言えばケロロが作ってるガンプラって確かに1stばっかりだったな。
コスプレとかもアムロとかシャアとかザビ家の連中とかがほとんどで、カミーユとかジュドーになってた覚えがない。
あ、でも「修正してやるー!(Zのネタ)」とかどこかで言ってても不思議はない気もするなw

他を知ってるかどうかはぼやかしつつ1stの知識だけを使うようにした方が無難かもしれないが。
754創る名無しに見る名無し:2009/09/10(木) 01:15:30 ID:aRN/is0z
某所でやっててここでもやりたくなったからやってみた。
kskキャラにGジェネのアビリティを振ってみた

キョン
素人 無謀 不運 悪運 底力

悪魔将軍
ガンダムファイター プレッシャー 統率力 冷徹 威風

スバル
白兵 騎士道 必殺 ハイパーモード 怒れる瞳

トトロ
ポジティブ 気分屋 ムードメーカー 慈愛 ライトニングカウント

悪魔将軍はほぼハマーン様をまねした。
ガンダムファイターは性能的にキン肉勢全員についてるはず。

好きなキャラばかり選んで悪かったな!
755創る名無しに見る名無し:2009/09/10(木) 05:49:10 ID:YhPAo/N/
>>753
アニメでコタツに入ってる冬樹を見て「デンドロビウム!」とか言ってた
756創る名無しに見る名無し:2009/09/10(木) 06:38:20 ID:ru/TnYzP
とっておきのリ・ガズィを完成させようとした瞬間に破壊されて
「お前ら全員アホンダラじゃぁぁ〜〜〜!!」とブチ切れて体にダイナマイト巻きつけて爆発しようとする話があったな
ゲームだと超必殺技扱いになってた
757創る名無しに見る名無し:2009/09/10(木) 12:14:25 ID:krE1q6A4
>>754
トトロがあの仮面をつけてるのを想像してしまったじゃないか。
しかもなんか萌えちまった。どうしてくれる。

スバルは超強気になると機人モードになるんだろうか。
そこからの能力の上昇が半端ねえw
758創る名無しに見る名無し:2009/09/10(木) 13:07:22 ID:Ax059wlE
ケロロのガンダム知識はロワで書くならガンプラまでが無難、他はネタで使う程度ってレベル?


>>754を見て思ったんだが、参加者をガンダムキャラに当てると誰になる?
個人的には
タママ/シン・アスカ
759創る名無しに見る名無し:2009/09/10(木) 13:18:14 ID:gFyQOrRJ
>>758
まあその辺りが無難だね。とはいえガンダム知識をどうすればロワで活かせるのかわからんがw



kyonはどことなくジェリドっぽさがあるな
760創る名無しに見る名無し:2009/09/10(木) 14:29:09 ID:Rb2OckiZ
スバルはリリーナ辺りだろうか。
あのひたむきさがそんな感じがする。
なのははキラかな。
761創る名無しに見る名無し:2009/09/10(木) 18:43:01 ID:CD+S/CU2
>>754
キョンのスキルがひでえ…とか思ったけど
よく見たらガイバーの防御力と再生力のおかげで以外と悪くないや。

攻撃当りまくりで燃費も悪そうだがw
762創る名無しに見る名無し:2009/09/11(金) 00:08:12 ID:ZABgYAvB
俺的には
ケロロ→コウ
なのは→マリュー
アスカ→カテジナ
砂ぼうず→モンシア
アシュラマン→ランバ・ラル
ゼロス→リボンズ
ギュオー→痔悪化
ゲンキ→ジュドー

トトロだけわからん・・・
763創る名無しに見る名無し:2009/09/11(金) 00:14:18 ID:Xliqg362
> なのは→マリュー

おっぱい的な意味でですね、わかります


トトロは……マスコット的な意味でハロ、子供好き的な意味で赤い人じゃないか?
764創る名無しに見る名無し:2009/09/11(金) 12:28:36 ID:o+HU9daZ
どうして皆トトロに仮面をかぶせたがるww
765創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 00:13:52 ID:u8Maytz0
>>764
もふもふだからさ


5x氏の連絡が欲しいな
期限がヤバイ
766創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 00:16:08 ID:jHHb+qUE
延長連絡来たよ
767 ◆5xPP7aGpCE :2009/09/12(土) 10:44:06 ID:Uuca0x2B
大変お待たせして申し訳ありません、先程仮投下いたしました。
今より月曜日までパソコンに触れませんので対応はそれ以降になると思います。
768創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 12:40:38 ID:g0/PZEwt
> 5xPP7aGpCE氏
仮投下乙です!!
矛盾点とかなさそうですし、大丈夫だと思います。
769創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 14:00:51 ID:GUZtNL44
仮投下乙。

小トトロが変身したのは長門のしわざなんでしょうか。
小トトロ自身で変身したというのなら支給品説明と矛盾が生じます。
小トトロはとなりのトトロ出展ですし。
あと雨蜘蛛と晶がみた夢は長門からのペナルティと解釈できますが、
この二人はなんらゲーム違反をしていないと思うのですが。
770創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 14:07:54 ID:eLHygjc2
仮投下乙です。 矛盾ないし文句はないです。
771創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 14:33:45 ID:2refOF7m
仮投下乙です。
このままでも問題ないとは思うけど、>>769が指摘した所はちょっと気になるかな。
あと、状態表が更新されてないみたいなので、そこだけは修正した方がいいと思う。
772創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 16:11:11 ID:u8Maytz0
修正すべき点を挙げると
スエゾーはモンスターなので、死ぬと円盤石になると思います
これと状態表だけ直せば後は良いと思います
773創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 16:37:41 ID:QMyfaq6y
前に連帯責任がどうとか言ってたから長門からのペナルティはありでもいいよ
774創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 17:15:07 ID:Jh6qVRZe
仮投下乙です!とりあえず気になったところを
少トトロが変身した、ではなく長門が別の場所からエンザイムを呼び出した、では駄目なんでしょうか?
変身の場合、備考欄にちょっとした注意書きをあればいいかな?と思いました
(小トトロが今後再び変身するかどうかは〜云々と言った感じに)
変身自体は長門の情報改編能力を考えればあり得ない事じゃないかなー、とは思います
775創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 17:31:26 ID:CdsZnTja
砂ぼうず再開キター!

それはともかくとして、意見は上に同じです。
776創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 20:00:11 ID:bpu8lhEC
>>765-766
ルール上、延長期限が過ぎてたから予約は解除されてたよ。
投下あったから終わった話だが。

>>767
仮投下乙!
基本的に問題ないと思いますが人間以外が獣化兵になるって所が少し気になりました。
しかも元がかなり特殊な生物だし。
777創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 21:30:32 ID:8UwkwME+
仮投下乙
これで連帯責任になったらその場にいる人間は何をどうしてもペナルティを受けなくちゃいけないってことにならないだろうか。
白々しいけど雨蜘蛛は無関係を主張してたんだし。

小トトロの変身に関しては既に他の人がいってるように、気になります。
エンザイムを召喚じゃ駄目なんでしょうか。
778創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 22:15:41 ID:gVMoE49t
仮投下乙!
感想は本投下の時に置いときますね

小トトロがエンザイムになるのは問題ないと思います
ガイバーの世界では人間は降臨者が獣化兵に調整した際に
最も強くなるように遺伝子操作を繰り返した結果の種です

ということは人間が誕生するまでに
ほかの動物にも調整を施していたということで、
獣化兵への調整は人間の特権ではありません

情報統合思念体が調整の仕組みさえ知っていれば
情報改変能力でトトロを獣化するのは容易いかと思います

気になる人が多いようなら人間Verのエンザイムと
見た目などの変化をつけたらいかがでしょう?
779創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 00:51:44 ID:UA5H1am8
>>778
でも実際原作には人間以外の獣化兵は存在しないわけだし。
それに調製されたのは晶の世界の人類であって
別次元のトトロ種(?)をそう簡単に調整できるとは思えないんだが。
780創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 00:59:05 ID:ADZ4UX3n
>>779
そこは長門の凄さって事で十分納得できるよ
んな事いい始めたらキリがないし
781創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 01:31:13 ID:EdVysDm5
そもそも、トトロ自体が普通の動物ではないからなぁ……
幻獣とか妖怪とかそんな感じな存在に分類されるだろうし。

ていうか長門なら何でもあり!で思考停止するとkyonになるぞw
便利すぎる主催も考えものだな。
782創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 01:58:41 ID:ADZ4UX3n
思考停止っつーか
まぁ実際原作からして何でもありだからなw
783創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 02:45:45 ID:AKajs9QE
ガッツ使ったテレポートって物理的な転移じゃなくて魔法的ななにかだろうし
再構築に失敗して云々は科学的ななにかだよな?
ということはなのはの魔法でも同じことがおこりうるんだろうか。

まあ、見解の相異って奴だから矛盾や不満ではないけど気になった
784創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 10:14:59 ID:EdVysDm5
魔法的でも科学的でもテレポートの原理って同じじゃないの?
理解、分解、再構築な錬金術的な何かでいいじゃない。
魔法の方も制限を無視して無茶したら同じことは起こると思うよ。
785 ◆MADuPlCzP6 :2009/09/13(日) 10:56:20 ID:tuR8mcZA
そ の と き イ デ が 起 こ っ た

紹介MADに続き組曲MADでもLCL化させたのがお気に召さなかったカヲルのぱぅわー
及び老朽化によりイデが発生した模様です

執筆・投下に使ってるPCの電源コードが火を噴いたぜorz

物理的イデなのでデータは無事なのですが残り10分なバッテリではにんともかんとも…

たいへん申し訳ありませんが一旦予約を破棄させてください

もしPCとネット環境を調達できた時に予約無しだったら
推敲済み部分だけでも投下したいなぁ…
786創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 11:02:36 ID:zr1heL9l
把握しました
イデならしかたがないw
787創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 11:09:29 ID:GpH1fv4k
加持に……じゃない、火事にならなくてよかったw
しかし久しぶりに出たなカヲル君w
788創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 11:37:24 ID:R/QgxCa3
カヲル君またお前かwww
残念ですがイデなら仕方ないですね、予約がないようならまた投下してくださいね。
789創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 11:54:42 ID:3KPT0hvb
把握しましたー
久しぶりのイデの発現。
そんなに組曲のLCL化がお気にめさなかったのかカヲル君www
790創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 11:55:08 ID:xLK6Rjzh
ちょwwカヲル君、ついに発火現象まで起こすかwwww
つかマジで大丈夫ですか?火を噴くって…
まったり環境整えてくださいー
791創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 11:59:26 ID:NXucvK9d
カヲル君がイデを発動させたか。そーとたまってたんだろうな。
792創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 12:30:27 ID:9fH0KL1z
数年前の話だが、俺もコードが火を吹いた事あるなぁw
あの焦げ臭いにおいが忘れられん…
793創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 16:34:51 ID:wUIZ/53m
う〜ん、ここまでトラブルが神がかっているとこのロワに恐ろしい何かを感じるな・・・・・・
Wiki編集者様は漫画ロワみたいにWikiのデータまでがイデる可能性があるかもしれないので警戒を!
書き手の方々は体調とパソコンの環境にお気をつけて!
読み手はひたすらカヲル君の怒りを沈めるべくkskだ!
794創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 17:03:03 ID:At6TNoG3
ksk
795創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 17:20:07 ID:3/YuzUr1
ksk
796創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 17:27:10 ID:nsZPp8p4
ksk
797創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 17:57:30 ID:H10lxVH3
ksk
798創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 18:04:36 ID:h62Mh7uy
ksk
799 ◆5xPP7aGpCE :2009/09/14(月) 18:28:03 ID:J1N4x0Qi
ようやく復帰できました、多くの意見ありがとうございます。
問題としてあげられている部分について私の意見を述べさせていただきます。

・晶と雨蜘蛛はルール違反をしてないのに悪夢を見るのはおかしい

これはスエゾーの連帯責任だがより軽い懲罰として精神的なものに留めたつもりでした。
しかし指摘された通り明白な違反行為をしてませんので修正いたします。

・小トトロがエンザイムに変身するのは出展からしておかしい、長門の召還では駄目なのか

これは小トトロが支給された理由の一つとしてトトロ勢に対する人質、そして主催者のジョーカーとしての役目を与える為でした。
小トトロがスパイではないかという仮説が前になされており伏線として活用できるのと思ったのと、晶はエンザイムに因縁が有る為、
小トトロ自身すら知らない役目を与えて後に生かそうと思ったのでずか獣化兵はガイバー世界の人間から生まれないと不自然という点は見落としてました。
狙いがそこにある以上、召還では意味が無く、長門の説明で説得力を持たせようにも慎重な意見が多い以上ナシにしようと思います。

・スエゾーが死ぬと円盤石になるはず

これは完全にこちらのミスでした、修正いたします。
ただ上記の修正でスエゾーが死なない可能性も出てくると思います。

・状態表について

こちらも修正いたします。
800創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 18:29:25 ID:46WpsqlA
ksk
801創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 18:36:06 ID:h62Mh7uy
>>799
了解しました。修正がんばってください
802創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 18:57:26 ID:YZvaXQ/E
え、スエゾー死ぬのか……MF勢の減りっぷりがキン肉勢に比べて酷過ぎるwwww
803創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:34:47 ID:H10lxVH3
>>799
了解しました、修正がんばってください
本投下楽しみにしています


>>802
なんだかんだで参加者ももう半分近くが死んじゃったからねえ
現状生き残っている肉の五人も、何時死ぬか解らないし……やっぱりロワは地獄だぜ
804創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 21:48:30 ID:hFUqnCF5
>>799
了解ですー。
スエゾーが円盤石になる件については、アニメでは円盤石に変わるまでに
ちょっと間があったから、そこらへんの描写かと思ってたぜww
修正頑張ってください!酷な描写が細かくて面白かったんで、楽しみにしてます!

>>802
仮投下読んで、トトロ勢に続いてMF勢もついに残り1体になっちまうのかと思ったわw
805創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 21:50:29 ID:5IqWygCL
しかしライガ―とピクシーもいるんだよなw
正確にはアニメキャラじゃないけどw
806創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 23:00:25 ID:aicO8W39
加えてもう一匹12時間ゲストが出てくる可能性があるんだよな。
っと、そろそろライガーが消えちゃうころか……
早いうちに合成して人懐っこい小悪魔を作ってくれ!
807創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 00:17:35 ID:XCVnptpE
むしろいたずらっ子な桃色犬で……
808創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 00:56:32 ID:rfL8KXku
アニメでは普通にオスだったけどね桃色犬…w
でも青白い毛皮をまとったもふもふピクシーは見てみたいが、これ完全にアニメ出典でなくゲーム出典になるんじゃというジレンマが
809創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 01:09:16 ID:BAKNDzcy
>>808
アニメ未登場らしい「ソンナバナナ」が出たくらいだ。
大丈夫でしょ。
810創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 12:09:44 ID:BHBhPunf
>>808
お前……!
もふもふに性別なんざ関係ねえよ!
やんちゃにいたずらをして
いたずらを叱った時にちょっと耳とかが垂れたら最高じゃないか……!

つーか合成してほしいのは桃色犬なのに名前憶えてるのはミントのほうだという……orz
ちょっと魔物牧場にいってもふもふを愛でてくる。
811創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 14:18:40 ID:rfL8KXku
名前は確かデトナクリスだったかな
アニメ版ではライガーの舎弟で、デトナレックス(ライガー×ディノ)とコンビだったっけ
812創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 22:08:27 ID:lmAb5R1V
デトナクリスとナーガ様の声の人、同じだったなw
スタッフロール見るまで気付かなかった。子供心に、声優の七色の声に感心したもんだ。
813創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 02:30:54 ID:7K5QYUFS
まぁナーガ様の声は全部エコーかかってるから分かりにくいっちゃ分かりにくいわなw
814創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 03:58:39 ID:TeHgh4DK
当時デトナレックスの見た目がなんか怖かった
815創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 20:05:46 ID:o5iopl7B
>>812
本当にキャラによって全く違った声を出すから、声優は凄いよなあ……

そういやkskロワでは参加者に声優被りってあったっけ
816創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 20:43:02 ID:C94hRjXn
カヲルとゼロス
スバルとHと小砂(まあなのは二人は原作からだが)
817創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 20:54:24 ID:7nC/ZdYF
なのはさんに小砂が弟子入りした時は声繋がりで何か反応あると思ったんだけどなあ
818創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 23:13:52 ID:AAya2XX+
気がついたら、ロワ参加率がやたら高い釘宮キャラがいない
819創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 23:18:50 ID:AUrS0Y0d
死人と、未参加でも良ければフェイトちゃんとガイバーの瑞紀
820創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 23:34:15 ID:7K5QYUFS
一瞬瑞紀が釘宮ボイスなのかと思ったw
参戦作品見ても釘宮さんが声当ててるキャラが出てるのが無いような気がする
821創る名無しに見る名無し:2009/09/17(木) 00:28:55 ID:FWDchxSv
冬月さんの夢に出てきたクルル=青葉シゲル=子安も入るかな?
822 ◆5xPP7aGpCE :2009/09/17(木) 01:37:09 ID:On/NOXqG
大変遅くなりました、今より本投下開始いたします。
823罪と罰 ◆5xPP7aGpCE :2009/09/17(木) 01:39:01 ID:On/NOXqG



空気というものはここまで変わるものなのか。
何故人はこうも容易く苛立ちや暴力的衝動に流されるのか。

(それはヒトの宿命、陳腐かつ永遠の課題)

今回のケースも同様だ。
ほんの数十分前、和気藹々とピザを囲んでいた雰囲気は既に無い。
顔ぶれも変わった、二匹の消失とその後の軋轢は大きな負の遺産を生み出した。
きっかけは放送、しかし始まりが何であれ分裂という最悪の結果を選択したのは紛れも無く彼ら自身であった。

先程の結束は砂のお城だったのか、仮初めの形だけの存在だったのか。
だとすれば崩れるのは当然の成り行き、やがては跡形も無く平らに戻る。
しかし時には固く締まりそのまま岩と化す事も起こりえる。

ただ見守ろう、崩れた城の行く末を。

―――残骸は、まだ辛うじて形を保っていた



『第一幕:燻る不安』


重厚な博物館の奥の院、そこにあるのは島を繋ぐ端末の一つ。
残された者はただ黙って画面の動画を眺めていた。

深町晶と雨蜘蛛、生まれも育ちも正逆の二人は先程から一言も言葉を交わしてない。
特に晶は雨蜘蛛の方を見ようともしない、時折肩を震わせるのは尚も感情を抑えきれない為か。
対する雨蜘蛛は静かだった、まるで柳のように向けられる感情を受け流している。

今再生されているのは『森のリング』の記録だった。
されど続くのは森に開けた芝生の光景、時々聞こえてくるのは小鳥のさえずり。
まるで環境ビデオを思わせる癒しの世界、肝心のイベントはまだ先らしい。

早送りするか、と雨蜘蛛がマウスに手を伸ばす。
だがポインタを合わせて後はクリックという状態でその動きが止まる。
代わりに空いている掌が画面の前で上げ下げされた。

―――コイツ、全然前を見てやがらねえな

腕を払いのけも抗議も発しないガイバーの反応に雨蜘蛛は確信する。
これから見るシーンに晶の知識が必要にならないとも限らない、世話を焼かせるなと苛立ちつつマウスから手を離す。
いつまで女みたいにウジウジしてやがんだ、と怒鳴りかけたその瞬間、

「……便利過ぎるんです」

いきなり晶が声を発した。
搾り出されたのは彼の中をずっと駆け巡っていた疑問。

”スエゾーは何故テレポートが出来たのか?”

主催者への苛立ちも含まれていた、もしテレポートが完全禁止されていたのならばスエゾーが死地に向かう事も無かったのだ。
ガイバーの制限に悩み、一方で仲間の能力を制限しろとは何とも虫のいい話だが不満を感じずにはいられない。
824罪と罰 ◆5xPP7aGpCE :2009/09/17(木) 01:41:22 ID:On/NOXqG

「俺のガイバーは空を飛んだり壁を砕いたりと強力に見えますが……本来よりかなり力が抑えられてます。
 理由はいろいろ考えられますが、反逆を抑える目的があるだろうって事ぐらいは俺にだって判ります!」

晶は勢いのまま喋り続ける。
この怒りや訳のわからない現象をどうしても胸に溜めておけなかったのだ。
何故か雨蜘蛛は黙ったままだ、好きに吐かせて落ち着かせた方がやり易いという考えだろうか。

「それがさっき喚いてた制限って奴か? 俺にはそんな縛り感じられないがな〜」

いや、雨蜘蛛も何の気まぐれか口を挟む。
一見独り言だが問い掛けに近い、話を早く進める撒き餌の匂いを晶は感じた。
問いの答えは想像できる、恐らくは雨蜘蛛も判っていて言わせようとしているのだろう。

「全員に同じ縛りがあるとは考えられません……ガイバーや恐らくギュオーのように強過ぎる道具、人物に限って制限されているんじゃないでしょうか」
「ま、それなら納得だわな。てぇ事は何だ? スエゾーの奴がテレポート出来たのはおかしいんじゃねえかって思ってんのかよ?」

晶は無言で頷いた、わだかまりは残っているが他の感情がそれを上回る程に強いのだ。
ここにきて雨蜘蛛も晶の焦りを理解する。制限の存在とテレポートへの影響、面白い話じゃねぇかと男は考える。
映像に未だ人影は現れない、視線だけは前を見ながら男達の話は続く。

「確かにね〜、居所のわからない連中の元へ行き来できるような能力が使えるなんざ不自然だわな」

スエゾーや小トトロの生死など雨蜘蛛にとってはどうでも良い、しかし主催者がそのような抜け道を許すかどうかについては関心がある。
晶のガス抜きも兼ねて男は更なる撒き餌を投下する。

「考えられるケースは二つ……狙い通り主催者の元へ飛べたか、失敗してそれ以外の場所に行ってしまったかです」
「前者なら成功だがまず帰ってこれねえわな、後者なら何処まで飛んだのかって問題だわな〜。禁止エリアなんつー可能性もあるんだよな〜」

心から心配そうに語る晶に雨蜘蛛は茶化す。
晶は雨蜘蛛がそんな人間だと知ってる以上突っかかる気にもなれない、心配の余りギュッと拳を握り締める。

「閑話休題だ。こっちもようやくお出ましだぜ〜、見れば懐かしい顔じゃねえか」

ここにきて画面にも変化が訪れた、初めて見る蛇の怪物と二人にも見覚えのある0号ガイバーが現れたのだ。
その指が揃っているのを見て雨蜘蛛は一人ほくそ笑む。

(空を飛び指まで再生しちまう、全くガイバーって奴はとんでもなく便利な代物だわな〜)

ならば制限されているというのも無理も無い、関東大砂漠に有れば所有権を巡る戦争が起こっても驚かない。
残念なのは引き剥がす方法が解らない事だ、ここで晶に聞いても警戒を招くだけだろう。

(まぁ、晶も使い出があるしそっちは後回しだ。今はコイツを見るのが先決だからな〜)

蛇の化け物の名はナーガという事もすぐに解った、キョンが様付けで呼ぶところからして彼らは仲間というより主従関係らしい。
晶も少し落ち着いたのかちゃんと画面を見ているようだ、因縁有る相手の出現に身を乗り出している。

「このナーガって人は放送で名前を呼ばれてました……これから一体何が起こるんでしょうか?」
「俺から見てもキョンの小僧に裏切るような気概は見られねぇしなあ、やっぱ相手は違うんじゃねぇのか〜?」

真っ先に考えられるのは仲間割れ、だがどう見てもキョンはヘコヘコするだけでナーガも相手にしていない。
では、この後リングが出現するとしてナーガは何が原因で命を落とすのか? 
暫く様子を見る事として話の続きが行われる。
825罪と罰 ◆5xPP7aGpCE :2009/09/17(木) 01:42:48 ID:On/NOXqG

「ま、普通に考えりゃ連中がよっぽどのマヌケでも無い限り懐に入り込むのを許す筈が無いよなぁ。今頃はどっかで悔しがってるんじゃねぇのか〜」
「……むしろその方が良いです、少しでもスエゾー達が無事でいられる可能性が有るのなら」

雨蜘蛛の言う通りだ、贔屓目に見てもスエゾーが本当に敵の本拠地に飛び込めた可能性は低いだろうと晶も思う。
それがどれ程無念だろうが生きててさえくれればきっとチャンスは来る、そう信じている。

―――だとすればスエゾーは何処に行ってしまったのか?

それが解れば苦労はしない。
ここで座ってなどおらず全力で駆け出しているだろう。
腕を組むが手掛かり無しの状態で晶に出せなかった。

「全くお前は頭を使う事を知らねぇ奴だな〜、ヒントはてめえのガイバーにあるだろうが。
 テレポートの制限がわからねぇってんならまずそいつの例を挙げてみろ」
「……あ! やってみます!!」

思考のループに陥りかけた晶に助け舟を出したのは雨蜘蛛だった。
既知の例があるなら比較すればいい、考えるまでも無い事だ。
すぐに晶はガイバーに掛かっているそれを思い出す。

「攻撃手段の威力制限、傷の回復速度、消耗具合の悪化は身をもって経験してます。
 それにガイバー同士はテレパシーって言う無線機みたいにお互い通信できるんですがそれも全く使えません」
「随分とガチガチじゃねえか。テレポートに当て嵌めりゃあ、どうなる?}

ガイバーの弱みを自然な流れで聞けたとは雨蜘蛛はおくびにも出さない。
一発で死ぬようなウィークポイントで無ければ意味が無い。
男の内心を知らずに晶は難問を解いた生徒のように夢中で喋る。

「移動距離の制限に 疲労が酷くなるだろう事、最後は……居場所の解らない相手にはワープ出来ないって事になりますね!」
「ピンポンピンポ〜ン♪ で、その距離が問題って訳だ。当然端から端までってのは贔屓過ぎるよな〜?」

画面では地面が割れ、地響きと共に四角いリングがせり上がっていた。
だが主と従者はそれを見て会話してるだけで未だ戦いが始まる様子は無い。

「ええ、直線距離で数エリア……いや一エリアに抑えられていたとしても厳しすぎる事は無いと思います」
「それでも連続で使用したら意味が無い、そんな便利な能力なら暫く動けなくてもおかしかねえ」

確かにその通りだと晶も思う、上手く使えばずっと殺し合いを避けて逃げ回る事も可能なのだ。
例えテレボート能力者が好戦的な人物だったとしても場合でもゲームバランスを崩しかねないと当然厳しい縛りがあるだろう。

「ならスエゾーは案外近い場所に居るって事じゃ!? 長距離のテレポートが出来ないなら禁止エリアにも引っ掛からないですし!」
「……てめえ本当にそんな能天気な事思ってんのか?」

希望を見出した晶に対し冷や水のような言葉が浴びせられた。
ちったあ考えろと晶を見もせずに雨蜘蛛は自らも加わった推理を全否定する。

「それでも厄介な能力なんだよ、テレポートつー奴は。少なくとも対抗手段が存在しなきゃあ許される筈がねえ!」

ここで考えられる対抗手段とはワープしても相手を見失わないサーチ能力か当たりをつけて一斉に広範囲を焼き払うような攻撃手段。
前者はデバイス、後者はゼクトールという例が存在するが雨蜘蛛は彼らの能力までは知らない。
だが実際は両者とも大幅に制限されており結果を見れば間違ってはいない。
例え一エリアであろうが回数制限があろうがテレポートを使える者はあまりにも突出し過ぎる、男にはその脅威が解るのだ。
826罪と罰 ◆5xPP7aGpCE

「砂漠みたいな見通しのいい場所ならわからなくもねぇ。けどここは隠れる場所だらけだ、お前が言った通り便利過ぎる!」
「じゃ、じゃあスエゾーは一体!? 未知の制限がかかっていて何か問題が!? まさが本当に連中の元へテレポートを……」

言われて不安が急速に膨れ上がる。
心配のタネは晶自身気付いていた、スエゾーのテレポートに賭ける気合を見てしまったからだ。
万が一制限の枠を超えたのだとしたら考察など何の意味も成さない。
そう考えるとまた居ても立ってもいられない気持ちになってきた、これでは堂々巡りではないか。

「……静かにしろ晶」

その焦りを遮ったのはまたしても地獄の取立て人であった。
突然冷たい声と共に雨蜘蛛が晶の腕を掴む。
まるで氷に触れたように冷え冷えとした感触、感情さえも削ぎ落とされるような―――
意地を張っていたのも忘れ雨蜘蛛に顔を向けてしまう、臨戦態勢の男がそこに居た。

一体何に気付いたというのか?
雨蜘蛛は銃を抜き扉に射抜くような視線を向いていた。
だが今も流れる動画は一時停止もボリュームを絞る事も行われない、相手に気付いた事を知らせない為だという事は晶にも判る。
晶もすぐ扉に向き直り警戒した、背後の音声が空しく二人の間を通り抜ける。

―――スエゾーが帰ってきたのか?

その可能性が真っ先に浮かんだ。
しかしそれなら一声ぐらい有ってもいいはず、落胆してるとしてもオレやぐらいは言うだろう。
だとすれば―――敵が入り込んだか。

もはや二人に動画の事など頭に無い。
雨蜘蛛は銃を、晶はヘッドビームを何時でも撃てるように構えながら無言で入り口を注視する。

(スエゾー……でしょうか雨蜘蛛さん)
(俺に聞くな、ツラを拝めばすぐにわかる)

とん、と僅かに扉が揺れた。
間を置いてもう一度揺れる、先程より力が強くボールがぶつかったような音がした。
―――間違いなくその向こうには何かがいる。

しかし数分経過しても扉は開かない。
襲撃ならとっくに終わっている筈、さすがに雨蜘蛛も不審に思う。
一つの可能性に気付いて晶が動く。

(もしかして誰かが助けを求めに来たのかもしれません、俺が行って開けてみます)
(声も出せない程重傷って訳か〜? まあお前さんの好きにしな)

都合良く自ら先鋒を買って出た晶の背後に雨蜘蛛が続く。
扉の両側にそれぞれが立ち、晶がドアノブに手を掛けて一気に開け放つ。
―――次の瞬間、世界から時が消えた。

またしても空気が変わる。
鉛の様に重かった空気は凍えるように凍りつく。

誰も見ていない映像は尚も空しく流れ続けていた―――