ファンタジーっぽい作品を創作するスレ

このエントリーをはてなブックマークに追加
1創る名無しに見る名無し
ファンタジーっぽい作品を創作するスレです。
古代・近代から現代・近未来、ライトから本格派、
SS・小説からイラスト・漫画まで、ファンタジー風味ならなんでもどうぞ。
2創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 00:52:57 ID:hFC/7hLJ
関連スレッド:
古代・中世的ファンタジーを創作するスレ(古代・中世特化)
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1219872396/
獣人総合スレ 3もふもふ(ケモノ系)
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1227489989/
亜人総合スレ(デミヒューマン系)
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220443082/
異世界召還・トリップスレ(召喚もの)
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1219992281/
魔女っ子系創作スレ(魔女っ子・魔法少女・戦うヒロイン)
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1224577849/
自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた(ミリタリー・自衛隊)
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220184382/
学園島戦争 開始24年目(ミリタリー・WWU)
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1221219453/
シェアード・ワールドを作ってみよう part3(シェアード創作)
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1224991514/
3創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 00:55:01 ID:hFC/7hLJ
>>1
代行ありがとうございます
需要があるといいな
4創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 00:58:03 ID:gw1ZtBDN
新スレおめ!
5 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 00:59:47 ID:fiTBI2yi
スレ立て乙
6創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 01:01:00 ID:J2sPozQM
発案・スレ立て、共に乙!
需要はきっとあるよ!
7創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 01:01:47 ID:WnSmQobY
スレ立て乙です! いいスレタイだと思うんだぜw
8創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 01:09:54 ID:S55BKSOp
新スレ乙
9創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 01:09:59 ID:0DLc6Vr0
っぽいものっていいよな
10創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 01:11:47 ID:uNpkcVki
SFとかファンタジーは定義論になると大体荒れるしな
もうぽければなんでもいいじゃん
11創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 01:25:05 ID:gw1ZtBDN
あなたがファンタージーと思ったものがファンタジーです。くらいのノリで
12創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 01:26:40 ID:0DLc6Vr0
ただし他人の同意を得られるとは限りません。ですね、わかります。
13 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 01:27:16 ID:fiTBI2yi
セカイ系やラノベは皆ファンタジーって誰か言ってたお
14創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 03:38:52 ID:hU6/aj9Z
統合前のSF板だとファンタジーはSFの一部門って吹聴されてたw
15創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 03:48:47 ID:WnSmQobY
wwそれは確か逆だったと思うぞw
16 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 03:52:06 ID:fiTBI2yi
実際嘘ではないかな、ハヤカワSFの初期辺りを覗くと結構そんな感じ
もうファンタジーで一つのジャンルみたいだけれど
童話系列とSF系列の2系列あるよね

ま、ジャンル分けより大事なのはハルトシュラー精神!
修羅になれー♪
17創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 08:44:18 ID:UXDp4WcT
極度に発達した科学は魔法と区別がつかないだもんなー


雑談で中世以外のファンタジーの話出てたけど、ここはそういうのの話し合いもいいの?
18創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 11:49:18 ID:ZX0OdYm0
S(少しor凄く)F(ファンタジー)
19創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 12:05:05 ID:4NaP2bH7
SFがスペースファンタジーの略だと思ってた人間は
俺以外にも絶対にいるはずだ。
20 ◆91wbDksrrE :2008/12/11(木) 13:25:44 ID:4NaP2bH7
ファンタジーと言えば魔法だろうという事で、
一つ考えてみました。投下します。
21 ◆91wbDksrrE :2008/12/11(木) 13:26:23 ID:4NaP2bH7
 ――高度に発達した科学は、魔法と区別がつかない――
 こんな言葉を残したのは誰だったか。言葉は知っていても、どういった
人間がその言葉を口にしたのかはよく知らない。世の中には、そういった
言葉が沢山あると、俺は常々思っている。まあ、俺が中途半端に無知な
だけなのかもしれなくて、実際は皆、言葉と発言者はセットで覚えている
ものなのかもしれないが。
 まあ、そんなのはどっちでもいい事だ。問題になるのは、言葉を口にし
た人間ではなく、その言葉の内容なのだから。
 かくして、現代という時代の中において、人は魔法に囲まれて生活して
いるに等しい状況にある。いや、魔法に囲まれて、という言い方は正しく
無いだろう。より正確に言えば――
「高度に発達した科学は、魔法と区別がつかない、か」
 ――魔法を超える力に囲まれて、だ。
「区別がつかないどころじゃないよな」
 自嘲気味の笑みを浮かべながら、俺は指先に念を込めた。
 ぽう、と、その指先に灯りが、小さく揺らぐ炎が点る。
 陽が沈んだ、薄暗闇に包まれた街の中でも、その光は余りに小さく、儚い。
「高度に発達した科学は、魔法を超える……正しくは、こうだ」
 その灯火は、小さく、余りにも小さく、風が吹けばすぐに消えてしまい
そうで……だけれども、それを灯す為にさえ、体力が少しずつ削られていく。
 この程度なら、すぐに疲労困憊になって肩で息をする、なんて羽目に
は陥らずに済むが、それでも多少なりとも疲れる事に変わりは無い。
 マッチやライターがあれば、疲労を感じる事なく、多少の風では揺らぐ
事の無い炎が灯せると言うのに。
 魔法とは、斯様な力だ。疲れるし、メンドくさいし、効率が悪い。科学に
よって生み出される力が、どうしてここまで発達してきたのか。どうして
魔法は発達せず、置いていかれ、過去の遺物とし、幻想の世界の中で
しか語られなくなったのか。答えは如実に示されていると言える。
 だが、それでも。
「……面倒だけどなぁ」
 やらなくてはならないことは、ある。魔法の力にしかできない事は。
 例えば、魔法の力によってしか撃退できない“敵”が現れた時。
 ……とんでもなく都合のいい話だが、そういった事態は、実際にあるのだ。
だからこそ、魔法は廃れきってしまわず、現代の、この科学万能の時代に
生き残っている。
 そしてその“敵”は、今、この瞬間にも存在しているのだ――!
22 ◆91wbDksrrE :2008/12/11(木) 13:29:05 ID:4NaP2bH7
「なぁにをやってんだにゃぁ、おにゃしは」
 知らず、どこか遠くへと飛んでいた俺の視線が、横合いから聞こえた間の
抜けた声によって引き戻される。
「リリか。いや、まあ、なに、現状の再確認って奴をだな……」
 声は俺の肩から……肩にちょこんと鎮座した、小さな黒猫から聞こえた。
 使い魔。式神。使役動物……こいつはまあ、そんなようなものだ。
 リリという名前からわかる通り、雌猫のはずなんだが……慎みとかそうい
ったものが一切無い。本当にメスなのか、こいつは?
「そんなもん確認してる暇があったら、さっさと行くにゃ」
「出たのか」
「うにゃ」
 頷くリリ。
 そう、“敵”は、今この瞬間にも存在している。
 そして、“敵”が存在するからには、それを倒す必要がある。
 そして、倒す為には――戦わなければならない。
「三丁目の交差点に、澱みが生じてるにゃ。生まれ出たばかりにゃから、
 さっさと行けばさっさと倒せるにゃ」
「……まったく、人使いの粗い猫だな」
 俺は、リリの首根っこを引っつかんで、肩口から引き剥がす。
「にゃ……! おにゃしは猫使いが粗いにゃっ!」
「黙ってろ。翔ぶぞ!」
 全身を包み込むようなイメージ。
 軽い、羽毛が空を舞うようなイメージ。
 空を駆ける……翔けるイメージ!
 意識が一本の針のように研ぎ澄まされていく。
 黄金の光放つ一本の針が、空に輝きの道を描く。
「……っ!」
 身体から徐々に力が抜けていく感覚は、いつまでたっても慣れない。
 ましてや、先ほどの灯火とは、魔法の規模が違う。疲労のレベルは段違いだ。
 だが、慣れずとも、レベルが違おうとも、意志の力でそれを無理やり抑えつけ
る事はできる。精神で肉体を御する事が可能なだけの精神力――それが、
魔法使いとして必要な、唯一にして最大の資格。
「いくぞ!」
 そして、俺は飛んだ。脳裏に描いた黄金の軌跡に沿って。
「さっさと倒して、家でコタツだ!」
「文明の利器バンザイにゃん!」
 高崎祐太、16歳。そんなこんなで、まあ……魔法少年、やってます。
23 ◆91wbDksrrE :2008/12/11(木) 13:29:25 ID:4NaP2bH7
ここまで投下です。
24創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 13:41:48 ID:LSYd2Sg9
これはいい予告編
25創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 18:08:31 ID:ZX0OdYm0
S(サイキック)F(ファンタジー)
26創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 19:26:31 ID:bdDhPKsq
なぜ二文字めをとる
27 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 20:10:42 ID:fiTBI2yi
psy
28創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 20:43:06 ID:0DLc6Vr0
魔法少女ならぬ魔法少年かw
29創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 21:38:13 ID:gw1ZtBDN
FFの二次創作とかもありなのかな
30創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 22:10:21 ID:0DLc6Vr0
ファンタジーっぽいからおkおk
3129:2008/12/12(金) 01:07:54 ID:lY1VfWqf
現代世界をベースに異世界と繋がる感じで
武器とか魔法とか幻獣とかFFから借りよう
多分カオスになるよ
32創る名無しに見る名無し:2008/12/12(金) 01:29:14 ID:I3lqIcY/
聖剣LOM風にすれば獣人スレ住人さん達とか来るかもよ
33創る名無しに見る名無し:2008/12/12(金) 17:34:07 ID:Tuclgw8Q
もう見てるよ!
34創る名無しに見る名無し:2008/12/12(金) 18:38:03 ID:WP5Nfbr2
俺もいるよ!
3532:2008/12/12(金) 19:41:52 ID:I3lqIcY/
実は俺も!
36創る名無しに見る名無し:2008/12/12(金) 21:05:30 ID:EPMv6oJz
おれもおれも!
37創る名無しに見る名無し:2008/12/12(金) 21:06:15 ID:NhMinR80
最近流行っている詐欺師の集団がいると聞いて
38創る名無しに見る名無し:2008/12/12(金) 21:08:34 ID:Tuclgw8Q
獣人ってファンタジー要素強いし住人被るのも良くあることか
39 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/12(金) 21:09:00 ID:MfJm7PMy
ここか!
もしもしばぁちゃん?
俺々、串だけどー獣人見てないんですよorz
こっちは見てますよ-
400/10:2008/12/13(土) 22:38:52 ID:yLz7vrcz
仮想科学風味なファンタジーっぽいの投下します。
某スレの設定にインスパイアされて書いたもの。
全10レス分。以下の文中<>内は直前部分のフリガナとして読んでください。

タイトル「魔導機関士<ウィザードリィ・エンジニア>は語る」
411/10:2008/12/13(土) 22:40:00 ID:yLz7vrcz
 こんにちは、みなさん。
 僕の仕事は、魔導機関<ウィザードリィ・エンジン>の整備。今日はみなさんにその
魔導機関の説明をしようと思います。ヘルメットはきちんと被って、お話はよく聞いて
くださいね。設備には勝手に触らないこと。はい、先生も、今日はよろしくお願いしま
す。ええと、僕もこういう仕事は初めてなので、どうかお手柔らかに……。
 え、もっとくだけた口調で? はあ……わかりました、それでは……。
 ……こほん。
422/10:2008/12/13(土) 22:40:39 ID:yLz7vrcz
 ええと、魔導機関の説明をする前に、みんなはジェット・エンジンというものを知っ
ているかな。そう、昔の飛行機が積んでたやつだね。あれは乱暴にまとめてしまえば、
エンジンの外から空気を取り込んで、それを燃焼させることで得られる排気ガス、その
反動を利用して推力を得るものなんだ。魔導機関もそれと似たようなもの……というの
は、やっぱり乱暴かな?
 そこで、魔導機関の場合、空気にあたるものは、魔素<マナ>ということになる。
 いまや世界の大気の中をただよっている非活性魔素は、それ自体は反元素としての性
質を顕わさずに存在している。もちろん、体内に多量に取り込んでしまえば、元素で出
来た人間の身体にとても悪い影響をなすことはきみたちも知っての通り。魔導術<ウィ
ザードリィ>とはつまり、ある種の混沌状物体……要は元素と反元素の性質を併せ持っ
た物体を制御することで、その周囲の魔素を制導<ウィザード>する技術だ。その混沌
状物体の代表が、銀分子と魔素の混合物質である魔銀<ミスリル>で、その純粋な結晶
<クリスタル>というわけさ。
 話が難しくなってきた? ウーン、要するに、魔法使いが魔法を使うには、魔力を持
った杖が必要だろう? その杖にはめこまれているのが結晶。おとぎ話の絵本かなにか
で見たことないかな? うん、そう、あんなやつだ。
 魔導機関はどこへいったって? ああ、そうそう、その話だ。魔導機関は、その魔導
技術を応用した機関<エンジン>なのさ。
433/10:2008/12/13(土) 22:41:58 ID:yLz7vrcz
 あっ、そうだ、一つ大事なことを忘れていたな。魔銀は元素と反元素の混合物質って
いうことはさっき説明したけれど、どうしてそんなものがこの世界に存在できると思う
? うん、そもそもからして、反元素である魔素が存在できること自体、おかしいんじ
ゃないかって思うよね。あれはね、この世界に本来存在する物質ってのは、すべて元素
の属性と魔素の属性を併せ持ってるんだよ。ほら、月を思い浮かべてくれるかな。あれ
は、一方の顔だけこっちに向けてるけど、見えないだけで向こう側の顔もあるだろう? 
あれと同じさ。物質ってのは、僕たちが見ることのできる元素の面と、見ることのでき
ない純情報的な側面である魔素の面を併せもってるのさ。この世界における魔素っての
は、その状態が逆転してしまった物質なわけだ。なんでそうなったかってのは、そりゃ、
歴史の先生に聞きなさい。でも、大崩壊<グレートコラプス>って言葉くらいは聞いた
ことあるだろう?
 いい加減、話が逸れてきたな。こほん。
 で、魔銀だ。魔素は根源情報的に異なる元素とは分子結合しないはずなんだけど、魔
銀はそれを魔導術的な方法で実現したシロモノなんだ。ある特殊な魔導操作を行うこと
で、魔素を一時的に元素の状態へ変換することができる。その状態で、銀との化学合成
を行って、そののちに含有された元素状態の魔素を再び魔素の状態に戻したのが魔銀っ
てわけだ。もちろん、その状態はとても不安定になる。その制御のために必要なのが、
そう、人間さまってわけだよ。しかもきみたちみたいな若い子だ。
 魔銀は、専門的にいえば情報的に混沌な状態にある。一方、人間、特に若い人間は、
情報的に非常に安定している。まだひとつの存在として、情報力学的なエントロピーが
放散していない状態にあるんだ。だから、魔銀の混沌状態を中和して、情報的に安定し
た状態にすることができる……。
 要は、ってずいぶん言ってるけれども、要はきみたちの生命エネルギーみたいなもの
で、魔銀の持つ魔力的な力を相殺してるんだって思えばいい。三原色を混ぜれば白にな
るように、人間と魔銀が揃えば魔力的に安定になるのさ。
444/10:2008/12/13(土) 22:43:41 ID:yLz7vrcz
 ……そう、今度こそ、いよいよ魔導機関の話。ああもう、ずいぶん回り道になったな。
魔導術<ウィザードリィ>の説明といっしょにしちゃおうか。魔導術ってのは、魔素<
マナ>を制導<ウィザード>する技術ってのは言ったね。どうするかって言うと、魔銀
を微妙に不安定な状態にすることで、周囲の魔素に影響を与えるんだ。これによって、
元素における化学反応みたいな現象が起こって、いろいろなことに応用できる。でも、
その魔銀を制御するのは誰だと思う? そう、人間なんだよ。人間がいなければ、魔銀
をヘタに不安定状態にしようものなら、途端に連鎖反応が起こって……
 ドカン!……さ。
 ははは、驚かないでくれよ。でも、これは本当の話だ。この大大陸<パンゲア>が生
まれた原因、そしてこの世界に魔素が蔓延した原因である大崩壊は、その連鎖魔素反応
のせいだと言われている。もちろん、その頃には魔銀なんて無かったから、何か別の理
由だとは言われてるけれどね。錬金術師<アルケミスト>? はは、あれは、それこそ
おとぎ話だよ。ま、本当にいるなら、魔導科学上の諸問題にぜひとも答えてもらいたい
ものだけどね。
 ともかく、今は制御方法もわかって、安全に魔素エネルギーを利用することができる
ようになった。でもね、その中心にいるのはやっぱり人間なのさ。魔銀の制御は、今は
機械式でやってるけれど、そのうちコンピュータ制御が……え、コンピュータが何かっ
て? ウーン、物理あたりの先生に聞いてみなよ。ええと、そう、それはともかく、魔
銀の制御自体はおおむね自動で出来る。要は熱エネルギーを発生させればいいんだから、
複雑な制御は不要なのさ。あれだ、魔導兵とかいうのはね、空を飛んだり弾を撃たなき
ゃいけないから、詠唱<スペリング>やら何やら、面倒なことをしなきゃいけないけれ
どね。魔導機関はだいたいのとこ、自動でなんとかなる。でも。
 でも、それでもやっぱり、人間が必要なんだ……。機関がエネルギーを生産し続けて
いる間は、ずっとね。
 さて、ご託はこんなものかな。ずいぶん長くなってしまったけどね。何事も実際に見
てみるのがいちばんだろう。
 みんな、ついてきてくれ。案内するよ、魔導機関へ。
455/10:2008/12/13(土) 22:44:58 ID:yLz7vrcz
 ……さあ、着いた。ごらん。これが、魔導機関<ウィザードリィ・エンジン>……こ
の閉鎖都市<シティ>のエネルギーのほぼ全てを担っているエンジンさ。
 ……魔素<マナ>濃度計チェック、オーライ。おーい、管理室、隔壁とハッチを開け
てくれ! 隔壁は第四まで、セキュリティレベルはレッド! ああ、オーケー、対魔導
防壁作動確認した、やってくれ!
 よし、みんな、見ていてくれ……。
 …………。
 ……ああ……そうだ。
 これが魔導機関の中身さ。見えるかい、あれが。
 そう、あそこにいるのは、きみたちと同じ人間さ。
 きみたちと同じ閉鎖都市で生まれ、その情報的安定性が高いゆえに選抜された子供だ。
年齢は……そう、それもきみたちと同じくらいだろう。彼女は生まれたときからここに
いる。生まれたときから、この魔導機関の中にいるのさ、エネルギーを産み出すために
……。
 彼女はほとんどの時間は眠っている。人間の自由意思というのは、情報的には不確定
要素だからね。彼女は夢も見ない深い眠りで、一日のほとんどを過ごす。そして、閉鎖
都市が眠るころ……真夜中の三十分だけ、つかのま、目覚める。きみたちがベッドで寝
ているころ。あるいは、試験のために必死に机に向かっているころかな。彼女には家も
学校も試験も無い。その代わりに、この生活がある。
 彼女の周りにあるのが、そう、結晶<クリスタル>だ。大きいだろう。普通の人じゃ、
あの中に入っただけで一瞬で死んでしまう。難しく言えば、エントロピーの放散によっ
て物体が固有情報を保てなくなり、分子結合が崩壊してしまうんだ。あの子はそんな中
で眠っている。大丈夫、ここには魔素は届かないよ。あれ自体の魔導平衡で魔素の流れ
を抑えて、平衡が崩壊したら結晶自体が物理的に破壊されるしくみになっているからね。
もちろん、あの子にとっても魔銀<ミスリル>や魔素は有害な物質だ。彼女は人より少
し丈夫なだけでね。魔銀の制御を間違えば、あの子もただでは済まない。だから僕みた
いな機関士<エンジニア>がいるんだ。
 ああ……怖いだろうね。きっと。少なくとも僕はそうだろうと思う。
 でも、彼女はああしてここに居るんだ。自分の意思で。
46創る名無しに見る名無し:2008/12/13(土) 22:47:40 ID:yN77aA0r
しえん
476/10:2008/12/13(土) 22:48:23 ID:yLz7vrcz

 あの子は小さいときにここに連れてこられて、まだ自分で何も決められないうちに機
関の中に放り込まれた。あの頃は、生活のためのエネルギーを得るためならどんな酷い
ことも許された時代だ。けど、今は違う。そう望めば、こんな生活をやめて、普通の生
活を送ることだってできたんだよ。そういう権利が認められてる。でもね、彼女はいま、
望んであそこにいるんだ。なぜだと思う?
 ……この閉鎖都市を、守るためさ。
 この魔導機関が無ければ、閉鎖都市は三日と持たずに崩壊してしまう。電力は止まっ
て、空調やその他の機械設備も止まる。きみたちは知らないかもしれないけど、電気の
無い都市ってのは真っ暗で、とても寒いんだよ。そして閉鎖都市の外は、普通の人間が
生きていくことのできない、人を蝕む魔素の渦巻く世界だ。魔導機関があればこそ、閉
鎖都市は存在できて……そして、きみたちや、きみたちの家族や友達は、生きていられ
るんだ。
 そのために、彼女は生きている。きみたちを守るために。
 彼女は自分の意思でものごとを決められるようになった後も、そうすることを選んだ。
彼女が辞めたら、別の誰かが機関の中に入ることになる。そうなることを、彼女は拒ん
だのさ。赤ちゃんの頃から、親とも他の子とも離れ離れで大きくなる子供は、自分だけ
でいい、って言ってね。
 ……彼女は夜、目が覚めたとき、何をすると思う?
 街を見るのさ。きみたちの眠る街を。自分が守っている街をね。
 そこでは、子供や大人、男の人や女の人、親や子……そういった人が暮らしている。
そういった人を守ってるんだって思うことで、また眠り続ける生活もやっていくことが
できる。そうだよ、決まっているじゃないか、辛いに決まっているんだよ……そんな生
活が辛くないはずがないじゃないか。想像してごらん。一日に三十分だけ、それも真夜
中に起きて、それ以外はずっと眠り続ける日々。出会う人間といえば、僕たちみたいな
むさくるしい機関士や、研究部<ラボ>のインテリ連中ばっかり。同じ年代の子なんて
ここにはいないし、お父さんやお母さんさえ自由に会えない。好きなこともいやなこと
もほとんどできないし、いい夢も悪い夢も見られない。彼女はその人生の四十八分の四
十七までを暗い眠りの中で過ごしている。笑うことも、泣くことも、怒ることも許され
ない眠りの中で。
48 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/13(土) 22:48:37 ID:m3Jd6Vqu
ksks
49創る名無しに見る名無し:2008/12/13(土) 22:48:39 ID:WPtLu5Hh
50創る名無しに見る名無し:2008/12/13(土) 22:48:57 ID:WPtLu5Hh
517/10:2008/12/13(土) 22:49:22 ID:yLz7vrcz
 でも、彼女はそうしているんだ。自らの意思で。
 立派だと思うよ、僕は……。
 彼女の親御さんも、きっとそう思っているはずだ。ご両親はね、毎日必ず、二人でこ
こにいらっしゃるんだ。あの子がいいって言っても、真夜中の二時半に、必ずだよ。き
れいな服や飾り物をね、たった三十分しか会えない娘のために買ってくるんだ。帰ると
きは寂しそうだけれどね、それでもやっぱり、誇らしげなんだよ。ああいう子が、自分
たちの子供なんだって。
 きみたちは、どう思う?
 ……うん。わからないかもしれないね。今はそれでいい。でも……。
 でも、これだけは覚えておいてほしい。
 きみたちがこの世界で生きていられるのは、この子のおかげだってことを。これは誇
張でもなんでもなくて、その通りなんだよ。軍隊が無くなっても、法律が無くなっても、
国家が無くなりすらしても……。それでも人は、まがりなりにも生きていけるだろう。
けれど、この魔導機関の炎が消えたら、人は生きてはいけない。閉鎖都市に生きる人も、
こっそり電気を貰って都市の外で生きている人もね。人が人としてそのままで生きてい
くには、今の世界は少し荒れすぎているんだ、悲しいことだけれど……。
 ……それでね、だから、ひとつだけお願いがある。夜眠る前に、ほんの少しの間だけ
でいいから思いだしてほしいんだ、この子のことを……。
 誰だって、ひとりぼっちじゃ寂しいだろう? 夜、ひとりで街を眺めるだけじゃ、彼
女だってやっぱり寂しいと思う。だから、せめて……彼女のことを忘れないでほしい。
きみたちの記憶の中に、その存在を留めておいてほしいんだ。そして、できることなら
こう願ってほしい……ありがとう、おやすみ、って。眠る前に、ただひとこと。それだ
けでいい。せめて彼女の眠りが、少しでも暖かなものになるように……。
 これだけ、ひとつだけなんて言って、たくさん言っちゃったけれど……やっぱり、そ
れくらいしてあげるべきだと思うんだ、僕は。もらってばかりじゃ、悪いからね。お返
しをしてあげないと。せめて、これくらいは……。
 …………。
 ……長くなってしまったね。そろそろ、戻ろうか。
 え? ああ、そうか……。ありがとう、そうだね、今お礼を言ってもらえれば、きっ
とこの子にも聞こえているはずだよ。
 ああ……ありがとう。ありがとう、本当に。僕にはこんなことしか言えないけれど…
…。
 ……ありがとう。
528/10:2008/12/13(土) 22:50:16 ID:yLz7vrcz
 ……そうだね。魔導兵の人は、二十歳を過ぎたあたりで、魔導<ウィザードリィ>能
力が低下するから、魔導兵としては退役することになる。かく言う僕も退役軍人なのさ。
これでも空軍のエースだったんだよ。そうは見えない? はは、彼女にもそう言われた
ことがあるよ。この顔の傷がなければ、軍人さんには見えないってね。これは敵にやら
れたんじゃなくてね、自分で落っこちちゃって……痛かったよ。格好悪いだろう?……
おかげで戦争からはおさらばできたわけだけどね。
 でもね、魔導機関<ウィザードリィ・エンジン>の核<コア>となった人は、そうは
いかないんだ。一定以上の魔素<マナ>を体内に取り込んでしまうと、逆に魔素の無い
世界で生きる方が危険になってしまう。だいたい、七、八歳くらいまでが社会復帰でき
る限界だと言われている。……そう、あの子はもう、十二になる。あの子が日に三十分
しか外に出られないのは、そういう理由もあるんだ。魔導能力が限界に達すれば、あと
は、もう……。
 でも、あの子はそれを含めて決めたんだ。まだ八つの時だよ。その頃、きみたちはど
うしてたかな……そうだね、幼年学校に入るくらいか。そういうときに、街のみんなを
守るために犠牲になるかどうかって選択をしたのさ、あの子は……。
 彼女のご両親はね、ここにきて、やっぱり泣いてしまうこともあるんだよ。立派だけ
れど、それは小さな子には、あまりに辛くて重い選択だったはずだ。誰かのために犠牲
になるだなんて、子供がしなくちゃいけない決断じゃないはずなのに。自分たちは、そ
んな酷いことを子供に押しつけてしまったんじゃないかって……あの子がいないところ
で、泣いているんだ。
 でもね、違う、そうじゃない。犠牲じゃないんだ。
 そう、あの子が言っていた。
 あの子は、自分の意思で生きている。みんなのために。あの子はあの子の人生を生き
ているんだ。きみたちと、僕と、同じように……。そう言っていたんだ。微笑みながら。
自己犠牲だけじゃ、生きていけないって。自分はこの生き方に満足してるって。生まれ
変わってもまた同じ自分になりたいって、誇らしげな、けれどどこかさびしそうな顔で
……。
 どうかな、きみたちは。満足して生きているかい?
 どうかな、ああ、僕は……。いや、満足は、してないだろうな……。もし生まれ変わ
れることを許されるのなら、僕は……。
 …………。
 ……やっぱり、あの子は立派だよ。僕なんかよりずっと。
53 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/13(土) 22:50:19 ID:m3Jd6Vqu
ksks
54創る名無しに見る名無し:2008/12/13(土) 22:50:31 ID:NlMiROLP
支援
559/10:2008/12/13(土) 22:51:06 ID:yLz7vrcz
 …………。
 はは、少し湿っぽい話だったかな……。場所柄かもしれないね。
 まあ、だからね、あの子のために電気を節約してあげようとか、そういうことは考え
ないでいい。あの子はどうしたって、その時まではあの場所で暮らさなければいけない
んだ。今の状態で発電量はいっぱいだから、どっちにしろこれ以上苦労をかけられるこ
とはない。需要が増えても、あとは都市の方で調節するしかないんだ。きみたちがどれ
だけ電気を使おうとしても、これ以上、彼女が無理をすることは無いってこと。きみた
ちの方に何かしわよせがくることはあるかもしれないけどね、そう、停電とか。
 ああ、そうだ、ときどき停電か何かあっても、彼女の顔に免じて許してほしいね、は
は。ああいうのはたいがい、機械的な故障だから、彼女のせいじゃ決してないんだけど
ね。彼女はほんと、がんばってるよ。まじめで、しっかりもので、ほんとうにいい子な
んだよ。笑うとえくぼが可愛くってね……っと、いやいや、これは関係ないな。
 ……うん、彼女はがんばってる、そうだよ。
 だから、きみたちも、きみたちの人生を、がんばって生きなさい。
 世界は今、こんなだけれども、いつか人間は、誰も犠牲にしなくてもいいような世界、
そんな世界に変えていくことができると思う。この世に魔法があるとすれば、それはき
っと、人の英知と勇気なんだ……受け売りだけどね。でも、それこそが、きみたちこそ
が、誰も信じられないようなすばらしい未来をつくってゆく……魔法のような未来を。
 そんな未来を、信じてるから、あの子も、……。
 …………。
 ……さあ、もう外だ。
56 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/13(土) 22:51:45 ID:m3Jd6Vqu
ksks
5710/10:2008/12/13(土) 22:51:54 ID:yLz7vrcz
 こほん。
 今日はおとなしくついてきてくれてありがとう。先生役は本業じゃないけれど、これ
ならなってもいいかなって思ったよ。少なくとも軍人稼業よりは楽しかった! はは、
まあ、機関士<エンジニア>よりも、ひょっとしたらね。
 じゃあ、これ、記念にね。もちろん模造品だけど、結晶<クリスタル>のキーホルダ
ー。人数分はあるので、先生、あとで配ってください。いちおう念のため、この結晶じ
ゃ魔導術<ウィザードリィ>は使えないからね! まあ、僕の説明をちゃんと聞いてい
た人なら、大丈夫だろうけれど。ははは。
 うん? あ、そちらからも……。ええ、僕が代表ですからね。ありがたく頂きます。
 ああ、どうもありがとう。でも、ウーン、花束なんて貰っても、僕の職場じゃ飾ると
ころなんて……。嬉しくないわけじゃないんだけど、こんなきれいな花、もったいない
なあ……。
 ……ああ、そうか、そうだね。
 飾っておこう、彼女のところに。うん、話しておいてあげるよ。今日、きみのもとを
訪ねた人たちのことを。この花束をくれた人たちのことを。きみのことを知って、きみ
にありがとうって言ってくれる人たちのことを。
 きみはひとりじゃない。きみといっしょに生きている人がいる、ってね。
 もちろん、僕もそのひとりさ!……ありがとう、みんな。
58創る名無しに見る名無し:2008/12/13(土) 22:52:29 ID:yLz7vrcz
以上です。支援ありがとうございました。
59 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/13(土) 22:52:46 ID:m3Jd6Vqu
投下乙〜
60創る名無しに見る名無し:2008/12/13(土) 23:04:19 ID:ciGax2qU
乙!
女の子の決心がせつねえ…
この雰囲気好きです
61創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 00:04:47 ID:y5NSeauW
乙!
しかし用語にマナを先に使われて涙目
使いたかった…
62創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 00:17:29 ID:haxDK0tF
普通につかったらよくないか?
63創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 00:20:44 ID:pWnQxDi4
だね
64創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 00:25:53 ID:Y4TjAUVS
使ってイインダヨ!
65創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 00:33:24 ID:y5NSeauW
グリーンダヨ!

使うのに抵抗は無いんだけど、あんまり似ちゃったりするとアレだし
用語が一番個性出しやすいじゃん?
66創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 00:36:49 ID:haxDK0tF
ファンタジー界隈ならありふれてる単語だと思うな>マナ
魔法とか魔術とかそういうのの同類じゃないかな
67創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 00:40:31 ID:Y4TjAUVS
用語の類似なんて気にしてたら何も書けないぜ!
マナとかミスリルなんて>>66の言うようにありふれてる語だし
68創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 00:50:35 ID:dFI6vI6A
いい話だったぜ
思わずグッときちまっじゃねぇか……
69創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 04:49:13 ID:0tPuDXdd
片カナでマナとな
70創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 04:50:15 ID:DBMJsJdz
まあな
71 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 05:16:46 ID:bKIvX8s9
っていうかマナは普通の用語でしょ?
俺はマナって言われると古代イスラエルが先に浮かぶ口だけど
ちゃんとマナは超自然のエネルギーとして解釈が辞書に載ってる
72創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 05:37:53 ID:ayK7EYXe
呪術信仰の中心で霊力であり
人間の祖霊の象徴とか本には書いてあるなあ

ゲームでやったのとはちょっと違う
73 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 05:39:42 ID:bKIvX8s9
ゲームってのがワカラソ……
トレカかな?
74創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 05:40:42 ID:9mDaCtta
ゲームでは色々出てくるよね
聖剣伝説なんかは割と有名どころか
75創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 05:46:38 ID:ayK7EYXe
やっぱそこらへんだよなあ
自分の世代であったのは聖剣伝説とかテイルズとかだし

マナ=魔法の源ぐらいにしか認識してなかった
76 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 05:49:12 ID:bKIvX8s9
テレビゲームかぁ
知らんはずだ……
77創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 05:54:41 ID:9mDaCtta
俺の好きなゲームでいくならディスガイアにも出てきてたり
作品によって解釈の違う便利な言葉という認識でいいのではないかと
78創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 05:57:38 ID:haxDK0tF
聖書に出てくるマナはあれなんで出来てるんだろうね
空から降ってきて積もって白くてうまくて
水とそれだけ食ってりゃいくらでも生きていけるってそりゃなんぞ
79 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 06:01:03 ID:bKIvX8s9
あれはいわゆる神秘主義のマナとは違うからなー

描写によると蜜のように甘かったのは確かだが
80創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 06:08:50 ID:haxDK0tF
子供の頃日曜学校通ってたから聖書はだいたい読んでたんだけど
子供心にあれうまそうで憧れたよ
81 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 06:13:25 ID:bKIvX8s9
俺はエサウがヤコブに譲ってもらった平豆の煮物とか、
エリの息子たちが祭壇からくすねてたお肉とかがやたらうまそうで困ったw
82創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 06:20:46 ID:haxDK0tF
あの煮豆は憧れたww
相続権と交換してもいいくらいってどんだけうまそうなんだよ
83創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 09:05:59 ID:y5NSeauW
話ズレ過ぎだろう
せっかく投下あったんだからもうちょい感想付けたほうがいいとオモ
840/4:2008/12/14(日) 09:12:43 ID:5kWm5IIn
戦闘描写やら厨二を久しく書いてなかった
練習がてらヤマだけオチなしの戦闘描写練習を投下してみる

厨二病発症中注意
851/4:2008/12/14(日) 09:13:35 ID:5kWm5IIn
 灼熱。
 燃え盛る炎が、不自然な球体となって隕石のように飛来する。
 爆発。
 黒い人の形をした何かが、それを辛うじて避ける。

 業火の塊を浴びせるのは、見上げるばかりの巨大な龍。
 ドラゴンと呼ばれる爬虫類に似た、けれども、それではない種族。
 黒い人は、機械と魔術と技術とを継ぎ接ぎして作った鎧、強化スーツのようなものだった。
 見るからに異様で、不恰好に大きな拳である。だが、確かにそれは人間であった。

 鎧を纏った男は、迫る爪を尾をブレスを巧みにかわす。 
 城壁のすぐ近く、まるで踊るように、けれど可憐な印象はなく、ただただ、力強く。
 髪の毛も通らぬ至近に攻撃を受けようと、男は慌てることもない。

 過剰な運動に耐えるよう、黒尽くめが足を踏みしめる都度、ガスが靴から噴き出す。
 まるで、投手がサインを送るように、指を立てては形を変える。
 それは内蔵されたコンピューターへの暗号。
「おらよっ!」
 男は即座に構え、避けた爪に叩きつけるような大振りのストレートを放つ。

――Unit003-Impact Bunker

 瞬間、右の腕が爆ぜたように光を放った。
862/4:2008/12/14(日) 09:14:18 ID:5kWm5IIn
 男が振るった拳と同時、腕から大量の蒸気が溢れ、ドラゴンの爪がもげた。
 怒りとも苦痛ともつかない、激しい咆哮。蒸気で悪くなった視界から逃れるように、男がすばやく転がり出る。
 右腕が放ったのは、俗にパイルバンカーと呼ばれる兵器。
 防御結界を杭状に形成し、ドラゴンのブレスを模した火焔の魔法で砲身を走らせる代物だ。
 追加の暗号サインを受け取り、強化スーツの損傷報告がフルフェイス形モニタに表示される。

――右腕部、ミスリルフレーム……警告、損害レベルC。戦闘可能。回復魔法の発動を要請。
――左脚部、生体補助筋肉……損傷軽微。戦闘可能。
――放熱機関部……熱量上昇。予備回路を作動させます。戦闘可能。
――精霊動力源、サラマンダ……パワー:74% オールグリーン。

 男は報告をわき目に見て、簡易詠唱方式の法術回路に魔力を流す。
 わずかに歪んだ龍の甲殻とミスリルで出来た腕部が、そのゆがみを直していった。
 同時、肩の放熱リアクターが開き、蒸気を噴出する。
 ドラゴンブレスの威力は、見た目以上に高いようだ。
 耐熱性に優れる龍闘衣を纏っても、火に焦がされた空気は熱く、男は鎧の中で汗を吹く。

――通信、オメガ5からデルタ2へ。接続します。

「こちらオメガ5。後続部隊投入まで、あと3分です。堪えて下さい」
「デルタ2から各員へ! なめんな! ケツの穴ふんじ張ってあと1分できやがれ!」

 炎弾を飛んで交わし、舌を噛まないようにがなり立てる。
 男と龍の攻防は続く。
 時に左の腕からレールガンを放ち、必殺のパイルバンカーを打ち込む隙を窺う。
873/4:2008/12/14(日) 09:14:58 ID:5kWm5IIn
 全ての生き物を畏怖させるような、禍々しい咆哮。
 それに怯むことなく、果敢にも男は突撃する。
 爪、炎、長い尾、レールガンの閃光、恫喝するような龍の声、爪、ブレス、閃光。

 戦況は、動いた。

 爪を避けた男に向かい、甲殻と鱗に包まれた丸太のような尾が飛来する。
 無茶なステップを踏んで、皮一枚避ける。男は風圧を装甲越しに感じる錯覚を覚えた。
 ブレスの熱さからではない冷たい汗が溢れる感覚と共に、続く爪の一撃を受けた。

 城壁に叩きつけられる体。矢のような損害報告。

――駆動系統、骨格系統に異常発生。左腕部、背面部、全損。
――警告。腕部装甲・フレーム・生体補助筋肉・Unit002、003破損。左腕部損害レベルA。右腕部損害レベルB

 続き、ドラゴンの口から赤く炎が漏れる。

――腕部代用神経・放熱系・マナ供給系・電気回路系・断絶。戦闘続行不可能。

 回避行動を取ろうにも、身体は思うように動かない。

――放熱系統に異常発生。第一、第二冷却ユニット機能低下。
――電気系統に異常発生。ジェネレータ出力低下。動力レベルをアクティブからアイドルへ変更。

 激痛の中、手が震える。駆動系統の死んだ腕部は、恐ろしく重たい。
 そして、灼熱の衝撃。

――精霊動力炉、外部拘束破損。サラマンダー活性化の兆候を確認。
――自動修復機能を起動……起動失敗。手動による回復魔法を要請。
884/4:2008/12/14(日) 09:15:34 ID:5kWm5IIn
 黒い鎧は城壁を崩して鉄を溶かす煉獄に埋もれた。苦痛から回復魔法を発動させる余裕はない。
 うめくような声が漏れるが、しかし体は何をすることもなく、ただ震える。

――通信、オメガ5からデルタ2へ。接続します。
 
「デルタ2! 応答せよ! 損害報告を! デルタ2!」
「くそっ……大丈夫っだ。かはっ……生き、てる。ド、ドラゴン……は?」
 相手が自分にトドメを差さなかった幸運に感謝しつつ、応答する。
 そのまま、精霊動力炉の出力を調整した。それから外れかけた精霊の拘束魔法を掛け直す。
 暴走の危険が去ると次に、本式法術回路を周囲に展開、起動し自らの体を含めた修復に取り掛かる。
 PCMS(Personal Circuit Memory System:携帯型魔法円記憶装置)が生きていることは、全く僥倖だった。
「よかった。無事なのね? 目標は、現在エリアC-2の城壁を破り、エリアB-3へ移動中」
「B-3? しまった、居住区域じゃないか!」
 男はまだ回復の途中であるにもかかわらず、機能を取り戻しつつある右腕で瓦礫を押しのける。
 ゆらりと立ち上がり、左右に首を振ってドラゴンの痕跡を探す。ブレスでえぐられた地面に足跡を見つける。
 直撃を受けた左腕部のフレームがへし曲がり、尺骨が巻き込まれ折れてる。
 打撲は主に背中が酷く、肋骨の付け根が何本か逝っていた。内臓にも突き刺さって居るだろう。
 装甲と耐震材が衝撃を吸収してくれたとはいえ、強く頭を打ち、視界がぐらつく。
 幸い、反射的に両の腕で庇ったことが功を奏したようだ。即死していない。神のくそったれに感謝しよう。

「現在、後続部隊が応戦中ですが、支援特化の部隊です。長く持たないでしょう」
 回復が本格的に始まり、呼吸が幾分か楽になる。
「デルタ2から各員へ。作戦を変更。目標をエリアB-2へ誘導する。魔導部隊は配置へ急げ」
 龍の鱗で出来た装甲が、黒光りする塗装を取り戻す。
「了解。戦略魔法部隊、B-2に配置された魔法陣『パニッシャー』起動の許可が下りました。マナ補填位置へ急いでください」
 もう、体は動く。
「さあ、反撃だ」
 男は黒い風になった。
89創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 09:16:58 ID:5kWm5IIn
終わり
近未来ファンタジーってのをイメージするとこんな感じかなぁ
90創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 10:29:37 ID:NeP9rY9+
なかなか素晴らしいオナニーですね。濃厚な白濁液、お見事でした。
91創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 13:04:44 ID:ZCuazrNG
「さて、昨今、ファンタジーブームが来る来ると言われて来ていない訳だが」
「うむ」
「なぜ、日本では欧米製ファンタジーのウケが悪いのだろうか?」
「悪くはなかろ。ドラクエから始まった中世的ファンタジー物も一応、受けておろ?」
「・・・うーん。なんか違うんだよな。アレは、ゲームだから受けたというか」
「まぁ、ロジックの固まりであるコンピュータゲームとファンタジーという感性的な素材は
相性が良いというところはあるかも知れぬ」
「んー。確かに、SF物はロジックを重視する訳だけど、SF物のRPGってあまりないしな〜。
というか、結局、日本人はバランスが好きなのかも知れない」
「というと?」
「言わば、ロジックとマジックの境界。現実と虚構の境界。自分と他人の境界。その境界が
好きだということなのかも知れない。そこに面白みを見いだしているのかも知れない」
「近松門左衛門的ではあるな」
「欧米製ゲームは一人称視点か、神の視点か、割とハッキリとした物が多いけれど、
日本のゲームはその辺がちょっと曖昧な物が多い。プレイヤー=主人公という訳ではないし
、詰まるところ、プレイヤーが主人公という他人にどれくらい感情移入できるかという点が
問題になってくる」
「なるほど。話がずれているような気もするが。・・・さて、敵が来た」

異界の女神はそう言うと、立ち上がった。
彼女は、俺の脳の中のオタ知識を"ググりながら"、俺とオタ談義していた訳だが、
彼女の言う"敵"とは何なんだろうか?
俺には彼女の脳をググれないので、その辺は追々明らかにしていきたい所存であった。
92創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 13:37:17 ID:NeP9rY9+
>>91
いいね!話を練ればかなりの良作ができそうだ
93創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 17:15:59 ID:7JHqfMEz
SFのRPGというとスターオーシャンがある訳ですけど、
あれも結局は現実と虚構の境界がアレだったしねぇ

なかなか、いい所をついてくる話よね
94創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 21:31:36 ID:haxDK0tF
頭の中をぐぐりながらその知識をつかって会話するとは
なんという新発想
95創る名無しに見る名無し:2008/12/15(月) 01:22:43 ID:b7sPbZTs
常時ネットに繋がってて検索しながら会話ってだけなら攻殻にあったよね
96創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 13:41:01 ID:l7R30nR4
>>78
マナってアイスクリームだったんですね!
たまには雪じゃなくてマナ降ってこないかな。
http://up2.viploader.net/pic2d/src/viploader2d502217.jpg
97創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 16:06:24 ID:VdAAU7qY
>>96
マナだるまか……新発想だな
98創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 16:44:37 ID:+L4XAP+b
マナだるまw
99創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 19:07:46 ID:FfREw7eb
純度の高いマナだるまを魔法的軍事転用しようと
企む、悪の秘密結社の奮闘。
100創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 19:11:21 ID:+L4XAP+b
しかしマナというのは日持ちしないんだぜ
蓄えて独り占めしようとしても腐る仕様
その日その日で集めて分かちあわなくてはいけない代物なのさ
101創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 19:15:35 ID:FfREw7eb
「ああっ、マナだるまが! マナだるまが溶ける!」
「何をしておるのだっ! 早急にマナ凍庫に入れぬからこのような事に――」

自分で書いといてなんだが、マナ凍庫ってなんだ?
102創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 19:20:50 ID:EvYT7z2l
マナをそのままの状態に凝結させるための装置で
ここに入れておけば一定時間その形を形成させていられる
ただし、純度は落ちていく
103創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 19:23:08 ID:VdAAU7qY
マナ凍庫の動力がマナだったりしたら笑いものよね
104創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 19:24:17 ID:FfREw7eb
凄いマナだるまからただのマナだるまになっていくのか。
見た目変わらないなら、それに気づかず高笑いした挙句、
いざという時に使おうとして愕然とする秘密結社の首領という
ギャグな展開が見れそうだな。
105創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 19:29:58 ID:FfREw7eb
>>103
マナ凍庫の動力の為に集めたマナを普通に使ってた方が、
まだしも色んなことができた、ってかw
106創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 19:34:15 ID:VdAAU7qY
博士「出来たぞ!! マナ凍庫じゃ!!」

助手「どんな発明なんですか?」

博士「これはマナを長期間保存できる装置なんじゃ!!」

助手「凄いですね! これでマナ不足に困ることはなくなりますね!」

博士「うむ、ノーベル魔導賞はわしのもんじゃな!」

助手「で、どうやって使うんです?」

博士「試運転も兼ねて動かしてみるか……、すまんがマナを取ってきてくれんかね?」

助手「それ意味なくないですか?」

博士「――あ」
107創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 19:39:48 ID:FfREw7eb
あるあ・・・あるあるwwww
108創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 21:23:22 ID:9BZJoGI6
>>100
マナーを守らなきゃな
109創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 21:24:19 ID:EvYT7z2l
    _, ._
  ( ・ω・)
  ( つ旦O
  と_)_)
    _, ._
  ( ・ω・)   ガシャ
  ( つ O. __
  と_)_) (__()、;.o:。
          ゚*・:.。
110創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 21:26:44 ID:KF+ye4ZI
これがマナの力だ!空間歪曲!!

  非マナー非マナー非マナー非マナー非マナー非マナー
  非マナー非マナー非マナー非マナー非マナー非マナー
 非マナー非マナー非マナー非マナー非マナー非マナー
  ーナマ非ーナマ非ーナマ非ーナマ非ーナマ非ーナマ非
   ーナマ非ーナマ非ーナマ非ーナマ非ーナマ非ーナマ非
   ーナマ非ーナマ非ーナマ非ーナマ非ーナマ非ーナマ非
  非マナー非マナー非マナー非マナー非マナー非マナー
  非マナー非マナー非マナー非マナー非マナー非マナー
 非マナー非マナー非マナー非マナー非マナー非マナー
  ーナマ非ーナマ非ーナマ非ーナマ非ーナマ非ーナマ非
   ーナマ非ーナマ非ーナマ非ーナマ非ーナマ非ーナマ非
   ーナマ非ーナマ非ーナマ非ーナマ非ーナマ非ーナマ非
  非マナー非マナー非マナー非マナー非マナー非マナー
  非マナー非マナー非マナー非マナー非マナー非マナー
 非マナー非マナー非マナー非マナー非マナー非マナー
111 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 21:26:50 ID:0sli2HJs
オリジナルのマナは腐って臭くなるんだぜ
その日のうちに食べなくてはいけなかった
112創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 22:35:43 ID:+L4XAP+b
そうやって神様は分かち合うことの大切さ
余分な富を持つことの罪悪を教えていたらしいな
113創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 23:52:10 ID:l7R30nR4
空から降ってきて積もるのに、勝手に腐って臭くなられたらたまらんですな。
むしろ独り占めとかよりも、みんなで協力して食べきるために
チームワークが生まれそうw
114創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 23:55:15 ID:d9wySWt4
>>113
それが神のねらいだったんかなw
115創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 23:55:44 ID:+L4XAP+b
なんかそのままにしておいたら消えるだけだけど
ツボとかに集めたら1日で腐るらしいよ
116創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 23:57:59 ID:KF+ye4ZI
毎日降ってくるならそもそも集める意味がないな
117 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 00:00:12 ID:qI2fP5Hw
安息日は集められなかったんだよ
前日に集めて置いていたんだ
118創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 00:00:19 ID:EvYT7z2l
ある程度集まるとキングスライムみたいになって
別のものになってしまうのか
119創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 00:02:02 ID:U5WNuLPa
九個集めるとサルディアの巨像が出来るんだよ
120創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 20:01:17 ID:opTwMejA
その後巨大化×4ですね
121創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:07:15 ID:eb+xEO56
しかし変な方向に話弾みすぎだろw
そういえば俺ファンタジー系のラノベ好きなんだけど
5〜10年ぐらい前はラノベといえばファンタジーだったのに
最近萌え系が多くてすこし寂しい
122創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:08:37 ID:+DEA3kp1
むしろ最近のラノベこそファンタジー「っぽい」が多いんじゃないだろうか
123創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:12:36 ID:9uReG+7Z
最近のラノベわかんないです><
124創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:14:41 ID:eb+xEO56
そう?
俺的に思う
ファンタジーラノベってスレイヤーズとかオーフェンとかそんなあたりなんだけど
最近のはファンタジーが下火で学園物とかが多いような
125創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:16:22 ID:1BH0ZFbD
何がファンタジーかだよな。
禁書とかもファンタジー?
126創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:16:59 ID:+DEA3kp1
禁書とかはまさにファンタジーっぽいだと思うんだ
127創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:17:14 ID:9uReG+7Z
それはあれだね、RPGありきでお話がつくられてたのが、
ギャルゲ/エロゲありきでお話が作られるようになったからじゃないカナ
読者層のバックボーンが変化したからそれにあわせたってわけさ

と、ラノベがわかんない者が申し上げます
128創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:17:41 ID:eb+xEO56
卵王子カイルロッドの苦難とか流血女神伝とかよかったなー
129創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:17:53 ID:hK4X06so
今風の萌え要素が強調されたファンタジーが多いんだよね。
古くてマイナーだけど、俺は月蝕記列伝とか好き。
130創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:19:11 ID:ag7v9raN
ファンタジーが昨今復権を成し遂げつつあるという話題をどっかで見た気もする
ラノベかどうかは覚えてないが
131創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:21:31 ID:eb+xEO56
一度下火になって復権しつつあるところなのかな
ていっても俺も最近のラノベは作者買いしてる一部以外読んでないんだけど
132創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:35:24 ID:hK4X06so
TRPGも下火なのかな。
リプレイ系のはもうあまり見ないね。
133創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:37:10 ID:3QzHSw9c
禁書、狼と香辛料、黄昏色の詠使い、ゼロ魔、キノ旅、シャナ、
人類は衰退しました、バッカーノ、ブラックブラッドブラザーズ、され竜、

このラノの上位30位までのファンタジーっぽいものを抜き出してみた
結構ファンタジーっぽいもの売れてるんじゃないか?
134創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:40:13 ID:eb+xEO56
バッカーノってファンタジーか?
135創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:40:24 ID:hK4X06so
あー、剣と魔法の世界っていうのが少ないのか?
禁書とシャナは良い中二だと思ってる。面白い。
136創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:41:40 ID:9uReG+7Z
>剣と魔法の世界っていうのが少ないのか?

いえす、いぐざくとりぃ
137創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:43:06 ID:eb+xEO56
そうそうそう
古き良き剣と魔法の世界の話が読みたい
138創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:45:44 ID:+DEA3kp1
っぽいじゃなくて
ファンタジーど真ん中か
139創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:46:32 ID:1BH0ZFbD
>>133で言う黄昏とかゼロ魔みたいなのか
確かにRPG的な、変にヒネってないのはあんまり無いかもね
140創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:47:54 ID:+DEA3kp1
なんつーのかな
最近って王道が逆に新しくなってるよね
141創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:49:28 ID:hK4X06so
剣と魔法の世界が貴重になっちゃったのかなあ。
でも意外と児童書には残ってたりする。

>>139
黄昏ってそんなのなのか。
機会があったら読んでみよう
142創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:52:23 ID:eb+xEO56
>>138
あくまでラノベのライトなファンタジーでの話だけどねw
デルフィニア戦記とかーキノの旅とかールナルサーガとかー
143創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:54:15 ID:3QzHSw9c
ばいばいアースがなかなか好きだったなぁ

ハイファンタジーは指輪物語エラゴンナルニアなんかの本場ものが流行しちゃったから、
正統派ど真ん中をラノベ書きが書いても勝てる作品にならないんだよ
144創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:56:01 ID:9uReG+7Z
ああ、なるほど
そういう流れから廃れるってこともあるわねえ
145創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:56:02 ID:hK4X06so
B級っぽくて古臭くてやたらゲームっぽいファンタジーが読みたいのぜ。
古本屋で探すとあるけど…
146創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 22:01:39 ID:Xv9TgcmV
読みたい?ならば書くといい。ここはそういう場だ。

とか言ってみたり。
147創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 22:01:50 ID:eb+xEO56
いやハイファンタジーじゃなくてあくまでラノベっぽい剣と魔法の物語がすきなの
代表的なのはスレイヤーズとかさ
148創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 22:01:53 ID:+DEA3kp1
理想を現実に変える力を俺たちは持ってるよな!
149創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 22:03:30 ID:9uReG+7Z
ああ、でも時々現実が理想に遠のいていくことg
150 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 22:10:51 ID:qI2fP5Hw
ムアコックは俺のど真ん中
151創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 22:32:30 ID:TE/dmdl6
ファファード&グレイ・マウザーシリーズ
あとロードス島とかクリスタニアとかかな?

最近のは読んでないので古いのしか知らない
152創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 22:48:48 ID:3ePTZNgz
>>132
TRPGの、特にリプレイは、今何度目かの黄金期であるとすら言える。

氷河期は辛かった・・・。


最近は、現実的な世界観に、プラスして剣やら
魔法やら、ってのが多いよね。
153創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 22:50:16 ID:+DEA3kp1
LUNARとかポポロクロイスとかグランディアとか
まさに王道的な作品は大好きだ
154創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 23:38:19 ID:eb+xEO56
俺は剣と魔法の世界という世界観はまさに王道で
でも内容は少しひねってるのが好き
155創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 23:39:02 ID:hK4X06so
王道って安定感があるよね。
あんまり構えず楽しめる。
156創る名無しに見る名無し:2008/12/18(木) 00:40:36 ID:DxkgbNs0
>>152
でも、売れてるリプレイでファンタジーしてるのは、ARAとSW2.0、砦シリーズくらいじゃない?
現代異能物が増えて、ファンタジーは減少ぎみ
157創る名無しに見る名無し:2008/12/18(木) 00:42:22 ID:kyjMxFIE
それも退魔ギャルゲの影響、と性懲りもなく言ってみる
158創る名無しに見る名無し:2008/12/18(木) 01:09:38 ID:LO9jyQfY
ブギポのせいだよ多分
159創る名無しに見る名無し:2008/12/18(木) 01:14:30 ID:G9z1GWmn
異能もファンタジーっぽいの範疇だな
現代異能が増えてファンタジーが減るってことは
書き手や読者の層がある程度重複してたってことか
160創る名無しに見る名無し:2008/12/19(金) 16:14:43 ID:06hzCcZD
チラ裏です。

個人的な印象を書くと、日常と異世界(異要素)をどのように混ぜ合わせるかが
一つのポイントになっているような。

ファンタジー世界の日常をベースに描くARIAや狼と香辛料(両方ともちと違うか)
現代世界をベースに異能的(ファンタジー的)要素を入れたPCノベルゲ的流れ。

そういう意味では、ひぐらしの時代設定は新鮮で面白かったかも。
あまりない設定だと思う。現在日本から多少時空をずらすことで、
異世界風味になる部分はあるかも知れない。

パンプキンシザーズや戦場のヴァルキリアの、時空のずらし方と
フィクション風味の塩梅はちょっと面白いと思ったし(あまり、日常系では
ないけど。設定が現代に近い分、意図的に日常成分を減らしているかも
知れない)

新鮮な時空のずらし方と、日常と異要素の混ぜ合わせ方に一工夫
あると個人的には好印象。まあ、ハンターとか、ドラゴンボールとか
時代考証がグチャグチャ(のような気がする)でも面白い物は面白い
んだが。チャンプルーの仕方が天才的というか。元々、日本人は
いろいろ混ぜるのが好きだとは言え。

関係ないけど、個人的には、剣と魔法の王道作品に関しては、
”生々しさ”がポイントのような気がするね。「お約束」に縛られすぎて
一般人がついて行けなくなった訳で(どのジャンルも末期にはそうなる
のかも知れないけど)。スレイヤーズやフォーチュンクエストはほとんど
極北で、末期状態→氷河期になっていったと思うんだよなあ。
161創る名無しに見る名無し:2008/12/19(金) 18:31:05 ID:4P3DeKIQ
スレイヤーズやフォーチュンクエストはお約束の裏をうまくいって
新しいものを作り出した例だよね
162創る名無しに見る名無し:2008/12/19(金) 20:40:37 ID:nhMYLYRg
WIKIのベストセラーの項目にスレイヤーズあった
1000万部以上売れてるんだねぇ
163創る名無しに見る名無し:2008/12/19(金) 20:42:27 ID:4P3DeKIQ
いっとき神坂一は長者番付にも入ってたよ
164創る名無しに見る名無し:2008/12/19(金) 21:27:15 ID:x1+IJ8d9
ということは、一般人もスレイヤーズを買っていたということだな。
一種のブームとして消費されて、焼け野原になった、みたいな感じかな。
(小室哲哉ブームのように)
元々、スレイヤーズはアニメ・漫画っぽいファンタジーである訳で、アニメ・漫画の
新しい味付けとして受けて、日本のアニメ・漫画文化に吸収されたという面もあるかも。
あかほりさとるの黄金期を思い出す。
165創る名無しに見る名無し:2008/12/19(金) 21:32:15 ID:4P3DeKIQ
別に焼け野原にはなってないと思うけどねー
スレイヤーズは今でも人気で番外編の連載が続いてるし
新しいラノベという道筋を築き上げたし

ただ単にあっちもこっちもファンタジーだらけになったから
目新しさを出すために違うジャンルに流れただけでしょ
166創る名無しに見る名無し:2008/12/19(金) 21:48:44 ID:x1+IJ8d9
まあ、それならそれで良いし、結構なことだと思うけどね。
(俺の周りでは)結構好き嫌いの分かれた作品だったが、
個人的にはあまり魅力を感じていなかったので、主観が
入ったかもね。ただ、自分にはああいう作品は想像も
出来ないので、凄いとは思う。
167創る名無しに見る名無し:2008/12/20(土) 08:51:19 ID:Pf40Cy+X
ドクロちゃんが売れてた理由が分からない
全巻よんだけどわからない
168創る名無しに見る名無し:2008/12/20(土) 12:46:10 ID:Pf40Cy+X
ICOとかワンダと巨像は良質ファンタジーだった気がする
169創る名無しに見る名無し:2008/12/20(土) 20:02:42 ID:yqfUl2Qj
正統派ファンタジーという言葉に、ふとファイアーエムブレムを思い出した。

箱田真紀復活ばんじゃーい!(AA略
170創る名無しに見る名無し:2008/12/22(月) 11:49:49 ID:ZFPiB+Zo
人によって、ファンタジーというジャンルに何を求めるか違ってくるので、
なかなか難しいよなあ、と。
新しい感覚を求める人もいれば、ベタベタな設定が好きな人もいる訳で。
ファンタジーというジャンルに何を求めているのか、教えていただけると
ありがたいです。
171創る名無しに見る名無し:2008/12/22(月) 12:29:27 ID:y/01wEcm
俺は世界観
ぶっちゃけ魔法っぽいものとか亜人モンスター精霊みたいなものとか剣で身を立てる騎士傭兵冒険者みたいな
とりあえずファンタジーぽいものがなにか含まれていて現実と異なればそれでいい
172創る名無しに見る名無し:2008/12/22(月) 16:56:56 ID:H8C7Vk/8
ファンタジーなら超常的要素が欲しい。
たまにリアルなファンタジーがあるけど、あんまり好きじゃないな。
173創る名無しに見る名無し:2008/12/24(水) 04:19:58 ID:4g42arfF
神々が殺した巨人、ユミル。
ユミルの屍はあまりに大きく、それは蛆に食まれ、いつしか大地となった。
ユミルの腐肉を食み大地を創製した蛆に、神々は人の形を与えた。
齢三つで大人となり、齢七つで老人になる、その珍奇な種族は個々の名前を持たず、全員まとめてドゥワウフと呼ばれる事を好んだ。
ドゥワ(耕す)・ウフ(人)とはよく言ったものだ。彼らは大地を愛し、地下に住む事を好んだ。
彼らは、何故か一切の神秘術を使えなかった。身体自体が神に与えられた神秘術の結晶であることが原因だ、そう彼らは考えている。
矮矯な体長と頑健で強靱な体を持つ彼らは、神秘術が使えない替わりに、異常なまでの剛力と叡智の種族・エルフを凌ぐ手先の器用さを得た。
やがてドゥワウフは大地の深く昏い底から、先祖が食べ残したユミルの血溜りを見つけた。
大地に流れる黒い血を、ドゥワウフはOILと呼び、神秘術をも凌ぐような不可思議な練成術を編み出した。
鉄より硬く樫より軽い武具。腱より切れず髪より細いロープ。絶対に割れない器。
ドゥワウフが造るそれらは、エルフが神秘術を駆使して造り上げる品々にも匹敵した。
エルフは元々、ドゥワウフが大地を成し地球を形作った時に、神々が監理者として措置した種であり、地球とその記憶を同じくしていた。
地球と同じだけの知識を持つエルフ達だが、ドゥワウフの練成術をユミルの血液の色にちなんで黒魔術と呼び畏怖した。
地球の知識に於いても、地球に成り損なったユミルの血を知る理りは無かったのだ。
エルフはドゥワウフに黒魔術の使用を止めるように勧告したが、ドゥワウフは応じなかった。
エルフは神秘術を使い、ドゥワウフに制裁を与えた。
剛雷が打ち鳴り、大雨が郷を沈め、地割れが大地ごとドゥワウフを埋ずめた。
ドゥワウフは激憤し、エルフに、最強の猛毒を持った鉱物を投げ付けた。
ドゥワウフは、神の設計図を狂わす、恐るべき鉱物を見つけていたのだ。
地球の知識にも或るその鉱物は、エルフにも充分過ぎるほど恐ろしさがわかった。
ドゥワウフはその鉱物を砕いては投げ、掴んでは投げた。
鉱物に一度でも触れたドゥワウフは、激しい眩暈に襲われ、ざばざばと嘔吐し、それでも鉱物を投げて、命が尽きるまでエルフに鉱物を投げ続けた。
鉱物に一度でも触れたエルフは、激しい眩暈に襲われ、ざばざばと嘔吐し、それでもドゥワウフに神秘術を使い、命が尽きるまでドゥワウフを殺し続けた。
エルフもドゥワウフも戦いの果てにヴァルハラへとエイルヘリアルとして招かれ、とこしえに殺しあい続けた。
片目欠きのオーディンに、ドゥワウフは猛毒の鉱物で造ったグングニルを献上した。
生き残った者達の間にも戦いは何千年も続き、エルフにもドゥワウフにも、神の設計図が狂った者が多数生まれた。
エルフは狂った者を排斥した。
ドゥワウフは狂った者を排斥した。
設計図の狂ったエルフの女を、設計図の狂ったドゥワウフの男が襲った。
教育も何も成されていない狂ったドゥワウフは、始め、狂ったエルフの女を殺して食べようとした。
狂ったエルフの女は、断片なりとも地球の知識を持っていたので、男と女の営みについてしっていた。
狂ったドゥワウフをなだめ、誘ない、彼等は営みの快楽を知った。
狂ったエルフは狂ったドゥワウフの子を身籠もった。
狂いに狂った設計図は神の手を完全に離れ、監理はもはや不可能となった。
ドゥワウフは狂い、禁断の果実を食べてしまった。
楽園は快楽の瞬間だけあらわれ、追い出されるどころか、一秒か二秒、瞼に写るだけであった。
もっとも、一秒か二秒のために、今も、営みは続いているのだが。
174創る名無しに見る名無し:2008/12/24(水) 11:26:58 ID:Of+EGRGW
北欧か
175創る名無しに見る名無し:2008/12/24(水) 17:24:06 ID:4g42arfF
はわわわわ

なんで設定のほう書き込んじゃってんの俺
無かった事にしてくれ
176創る名無しに見る名無し:2008/12/24(水) 17:41:05 ID:Of+EGRGW
バッチリ見させていただきましたン
177 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/24(水) 17:44:35 ID:GJPvVNzE
へへ、見ちゃった
178創る名無しに見る名無し:2008/12/24(水) 18:37:25 ID:4g42arfF
止めろ、見んな!
こっち見んな////
179創る名無しに見る名無し:2008/12/24(水) 19:04:04 ID:OgLvI6IT
これ設定だったのかw
180創る名無しに見る名無し:2008/12/25(木) 06:44:31 ID:MXnFQfeR
よーし、ちょうどクリスマスだしドゥワウフをパクるか
181創る名無しに見る名無し:2008/12/26(金) 22:58:12 ID:rTo4chIa
ファンタジーっぽいロボもの書いてるんだけれどここでいいんだろうかw
182 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/26(金) 23:01:15 ID:noGtWcyQ
良いんじゃないかな
183創る名無しに見る名無し:2008/12/26(金) 23:01:30 ID:79dhue1d
ぽいからおkおk
184創る名無しに見る名無し:2008/12/27(土) 19:51:41 ID:huWw6Qux
確かにあまりファンタジーさにこだわりすぎるのもアレだな。
好きにやりたまえ、というか多様性が必要なのかも知れない。
雰囲気が大事なのかもな。
185創る名無しに見る名無し:2008/12/27(土) 19:54:45 ID:MDSWnevh
例えばファンタジーだけれど魔法は禁止するみたいなノリだといいのかなーと思う事はある(無論超能力も含めて)
超人的な身体能力とか普通にやるけれど
186創る名無しに見る名無し:2008/12/27(土) 22:43:25 ID:JpQsw+LT
ヒーロー物ですね、わかります
187創る名無しに見る名無し:2008/12/27(土) 22:52:36 ID:7aMJOqub
魔法禁止はいやー

いろんなものがあっていい
あなたがそうだと思うものがファンタジーっぽいものですでいいじゃない
たくさんいろんな種類のものを読みたいな
188創る名無しに見る名無し:2008/12/28(日) 02:15:50 ID:adBHcg5l
あらすじだけ聞いてるとみるのも嫌になるようなダークで欝なお話を見やすく軽く見せたいなぁー
189 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/28(日) 02:19:34 ID:S4zYkI9s
贅沢なw
空虚な明るさになりそうで困るね
190創る名無しに見る名無し:2008/12/28(日) 02:32:44 ID:f+GkyYa8
主人公の性格と軽い文体にすることでいけないかな
そういう作品いくつか思いつくよ

例を挙げるとスレイヤーズとか流血女神伝とか
191創る名無しに見る名無し:2008/12/28(日) 02:49:50 ID:adBHcg5l
空虚というか
読んでる時は別に対して暗くないんだけれど
あとでよくよく考えると真っ黒だなという風になるのが理想

俺が書くと基本的にキャラクターになんらかの重荷背負わせちゃうから
気のままに書くとブラックな話になっちゃうからいつもそこで必死こいて巻き返してる


例えばさ

両親に恵まれなず育った少年がいた。
少年は思った、人には絶対自分のような思いをさせないようにしようと…。
そして10年がたち、少年は独り立ちした。
とある日、街を見渡した時、街は貧困で飢えていた人が多かった。
当時は国が圧政を敷いていて民衆たちは苦しんでいた。
男(少年)はそれを見て不憫に思い、なんとか彼らの心だけでも救ってやりたいと思って、神様を捏造して宗教を作り上げる
色々な厳しい戒律をつくり、それを守れば必ず人は救われると説く(戒律は痛みゆえにその信仰が本当に正しいのだと信じさせる為のモノ)
男は教祖となり、宗教は少しづつ浸透していき信者は増え、数万を抱え込む大きな宗教団体となる
流石にそこまで大きくなると国はそれを見かねて弾圧しようとする(ちなみに教えには反国的な要素も含まれていた、これも同意を得て信者を増やす為)
最初に人の心に安らぎをと思って作られた宗教は男の制御できる範囲を超えて、暴走し始める
そして一つの紛争にまで発展する。
そういったものの中で宗徒達が死んでいくのを見かねた男は新天地のお告げを得たと信者たちに言い(無論嘘)
二万の信者を連れてありもしない新天地を目指し始める。
だが、続々とその旅の中で死んでいく信徒達(しかも信徒達は皆、嬉しそうな顔をして死んでいく)
そんな現状ゆえに男はどんどん心が病んでいくことになる。
そして、その全てを抱えきれなくなった時、自殺を考えるが、その時とあるモノを見る。
それはまるで妖精のように美しい生物で、追い詰められた男の心はそれに完全に絡め取られた。
それ以降、男はその妖精の事ばかり考えるようになる。
男は考える、どうすればまたあの妖精と出会う事が出来るのだろうと…。
それから信徒達と新天地を目指すたびは、男が妖精と再び出会う為の旅になる。(信徒達は男が何も言わず行動してるので神託を受けたのだと勘違いしている)
そして男は全てを知る者といわれる妖魔が住む、山にたどりつく。
信徒達を山のふもとに残して、一人山を登り始める。
そして全てを知る者に出会い、その妖精がなんだったのかを知る。
その妖精は妖魔だった。
あらゆるものを魅了する力を持つこの世でもっとも美しい妖魔セイレーン。
男はどうすればもう一度それに会えるのかと全てを知る者に聞く。
だが全てを知る者も妖魔セイレーンの居場所までは知らなかった。
そして男は考える。
自分は所詮人間に過ぎないのだと。
ならば妖魔であるセイレーンと自分では不釣合いなのではないかと?
どうすればいいのか?
答えは簡単だった。
男は全てを知る者に自分が人間から妖魔になるにはどうすればいいのかと聞く。
全てを知る者は教える。
万単位の人間を生け贄に捧げてその魂を自身に取り込めば、人という器に内包できる魂の許容量を大きく超え
器はその魂を内包できるように進化し、人間は妖魔に転生する事が出来るのだと…。
男は自分についてきた信徒達を生け贄に捧げ、妖魔となった(しかもこれを神のお告げが降りたとして宣言する)
そして妖魔となった男は未だ、セイレーンを求めてこの世を彷徨っている

というのが一つのキャラクターの設定だったりするんだけれど
なんつーか引かれるかねぇw・・・
192 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/28(日) 02:57:50 ID:S4zYkI9s
なんか設定いきなりすごいんだがw
方向性は理解できたが力になれる気がしないw
193創る名無しに見る名無し:2008/12/28(日) 03:01:26 ID:f+GkyYa8
おおこれは大作
主人公はどんな性格なのかな
読者に好かれるタイプの自己中心的な性格にして
その男からの一元的な視点でのみ語ったらそういう感じにならないかな

194創る名無しに見る名無し:2008/12/28(日) 03:15:59 ID:adBHcg5l
>>192
ありw
現状では一番過激な設定だから、今のところはこれより酷いのは無いよ
俺の主観だから他の人からすれば・・・ってのはあるかもしれないけれど…

>>193
これが関わる物語の大筋と世界観作ってるところだから
まだ主人公の設定までは踏み込んでない(というか同一世界でいくつかの物語を転がす形式にしたい)
だから世界観形成に使われてる設定の一つみたいなものかな…

なるほどー、一元的な視点かー色々その手の作品リサーチしてみるかな
195創る名無しに見る名無し:2008/12/28(日) 04:08:11 ID:MMtAycxk
ひとつ難点がある
あとでよくよく考えなくても、聞いた瞬間に真っ黒だそれw
196創る名無しに見る名無し:2008/12/28(日) 10:24:53 ID:Z/EMhjap
ファンタジー考えると設定厨になっちゃうんだよなぁ
197創る名無しに見る名無し:2008/12/28(日) 12:21:11 ID:f+GkyYa8
>>195
そこは一元的な視点で書かれてるせいでぱっと見は軽いけど
少し考えるとめちゃくちゃ欝でダークじゃんって感じにならないかな
198創る名無しに見る名無し:2008/12/28(日) 12:35:56 ID:mybMKbhC
設定厨になるのが楽しいと思う。

>>197
凄くおもしろそうで読んでみたいが、書く人は難しそうだw
とりあえずwktkしてみよう。
199創る名無しに見る名無し:2008/12/29(月) 17:27:59 ID:G6DAuBDP
>>191
その男を主人公に据えるのを止めて、その男に近い位置に居る人間を主人公据え、そいつに語らせたら?
男の設定を表に出さず、男の振る舞いや持ち物、言葉や周囲の人間のセリフで、少し考えてみればああなるほど、みたいに読者になんとなく掴ませるような感じで。
200創る名無しに見る名無し:2008/12/29(月) 20:19:26 ID:8Wnawrtm
ダンジョン探索中に、部屋の隅でガタガタ震えている妖魔を冒険者が見つける。
かつて人間だった妖魔が語る、聞くも涙、語るも涙の話の内容とは?
そして、冒険者達が取った行動とは?


・・・なんか違うか。
201創る名無しに見る名無し:2008/12/29(月) 21:46:09 ID:OkXAUkgm
>>199
確かに、設定を語らせるならば、信者の生き残りとか…のがいいかもしれない
あの人はあの日以来変わってしまった
今、思えばあの出来事が原因だったのかもしれない…な感じで・・・


>>200
むしろ「人の恋路を邪魔する奴は馬にけられて地獄に落ちろ」的な感じで行動してるかとは思うw
202創る名無しに見る名無し:2008/12/31(水) 12:40:05 ID:u4a4DFFI
―――夢と幻の世界。
人は今のこの世界をそう呼んだ。
はるかな未来。
機械魔術が発達した時代。

 【機械魔術概論】
 人の心から発せられる微弱な念を召喚器と呼ばれる特殊な機械を仲介する事によって増幅し、なんらかの現象を起こす技術。
 これを用いた場合その対価として、人はその分の体力を消耗する。
 つまりは起こす現象が大きいほど、その人間に大きな負担がかかるという事である。
 これを用いる者を一般に人は機術師と呼ぶ。
 よりリアルにその現象を念じる事で現象の強さは変わる。
 系統は以下の通りに分ける事が出来る。

 ・自然現象系
 これは自然現象になんらかの変化を及ぼすタイプの機械魔術。
 雨を降らせたり、風を起こしたり、炎を出したりするのがこれ…。
 一般的な魔術と考えてもらえばわかりやすいだろう。

 ・性質変化系
 これは肉体強化や材質の硬化軟化などの性質を変化させる機械魔術。
 ただの紙を鋼鉄のように硬くしたり、肉体を硬化させたりする術。
 ようは何かを変化させると考えてもらえればいいだろう。

 ・干渉系
 対象の深層心理にアクセスし、干渉する機械魔術。
 扱いが最も難しいとされる機械魔術である。
 対象に幻覚や暗示を与えるのが主な使い方とされる。
 自身の深層意識をむき出しにする為に、リスクも最も大きい系統である。 

 そして深層心理を模した魔としてこの世に顕現させる最高位の機械魔術を「大召喚」という…。


 【召喚器】
 サモンデバイス。
 人の念を増幅し現象を召喚する。
 形態としては銃型、剣型、腕輪型等様々なモノがある。
 各機術師ごとにデバイスを機動する「始動キー」が決められている。  


 【大召喚】

 機械魔術の極意。
 自身の深層心理を形として召喚、顕現させる。
 イドから生まれたそれはその人間自身を象徴する。
 また、自身の心を制御できないものは召喚したものを制御できないケースがある。
 召喚される者はモンスターであったり、武器であったり、異形であったりと人により様々。


なんかFFやりながら受信した電波。
MPってのがいまいちピンとこないのでHP=MPでやってみようかなと…。
203創る名無しに見る名無し:2009/01/01(木) 16:42:30 ID:JhPY56EF
そろそろ本編がよみたいです……
204創る名無しに見る名無し:2009/01/02(金) 23:08:20 ID:buGdlygX
「・・・・・・出るぞ、山さんの"アレ"だ」
ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・。
観衆の声がさざ波のように広がっていく。

格闘場の中央には、いにしえのギリシャ彫刻を思わせる肉体を持った二人の男が対峙している。
両者とも、半裸であったが、その肉体美を強調するような意匠を凝らした装甲具のような物を身につけている。
多分、あれが"召喚器"なのだろう。

両者とも、様々な"ポーズ"をとりあっている。二人の体からは、"もうもうと"湯気が立ち上り、最前列の
僕達にも彼らの"うなり声"が聞こえてくる。

「あれが、"機術"ですか?」
僕は師匠に聞いた。

「そうじゃよ。"機術"は"気術"なり。つまり、気合いじゃからな。そして、肉体言語による"記述"であり、
今のところ、"奇術"にすぎん物でもある」
師匠は辛辣に言った。

観衆の言う通り、山さんと呼ばれた男の肉体言語による"記述"が終了しつつあるようだ。
「ウム!!!!!」
山さんは、何かに納得したような声を出しながら、くるりと背後を振り替えってから、背中の筋肉を
強調するように顔だけこちらを向いて元気よくポーズ。

すると、対面にいる"記述"中の対戦相手を中心に、激しい雨が降り出した。
いや、雨だけではない。風が吹き、雷が轟く。

「出たっっっ!山嵐!!!!!」
ワーッと観衆は大歓声を送った。

あまりの激しい雨と風に対戦相手はポージングを取ろうとするが、取れない。
しばらく、雨風と戦っていたものの、やがて、セコンドからタオルが投げられた。

山さんの圧勝である。

−そして、格闘場からの帰り道、師匠がぼそりとつぶやいた。
「しかし、ワシは、"機術"に可能性を感じるのじゃよ」
「・・・僕もです!」
女である僕は機術師になれない。でも、この時から、召喚器職人としての自分を意識し始めたんだと思う。
205204:2009/01/02(金) 23:08:50 ID:buGdlygX
>>202の設定をアレンジして使わせてもらいました。
正月休みの暇つぶしということで。
206創る名無しに見る名無し:2009/01/03(土) 03:07:40 ID:iixt6W4y
ボディビル的なポージングが術印なのかw
山さん=角田、敵=へリントンで再生された
207創る名無しに見る名無し:2009/01/03(土) 10:46:45 ID:FTNvetaN
おもしろいなぁw
オチもよかった
208創る名無しに見る名無し:2009/01/03(土) 11:14:27 ID:2+xYl/eF
肉体言語という言葉にトキメキを感じた
209創る名無しに見る名無し:2009/01/04(日) 16:30:55 ID:VjnDQkqM
キンタマウイルス
210創る名無しに見る名無し:2009/01/04(日) 18:45:39 ID:dw2ArTow
超兄貴の二人が自動的に当てはまった
211創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 02:12:09 ID:fdbauS2v
やっぱりゲーム世界みたいな魔法や世界観て嫌われるの?
創作文芸板のファンタジー世界観考察みたいなスレで
公に魔法使うにはライセンスがいる
エルフは生まれた時から魔法使えるが人間は習得が必要
魔法使うには空気中や自然に含まれる4大元素のマナから精製する
て書いたら厨臭いからやめろって怒られたんだけど
創作文芸板の人達怖いよ
212創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 02:16:27 ID:YQPLI3+R
ファンタジーは厨臭くてなんぼだぜ。魔法とか王道通るなら尚更
でもあんまり設定が凝ってて複雑だとちょっと世界に入り込み辛いかも

ちなみに俺は王道ゲーム系ファンタジー大好きだぜ
厨ニ街道ど真ん中を走る作品って逆になかなか無いから困る
213創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 02:41:01 ID:HWMFbKxz
魔法設定はとっつき悪くなるから
それをどう導入するかが難しいんだよな
逆に言うとそれが出来てる作品は評価高い事が多い
214創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 03:08:09 ID:2pVMVT+3
厨臭さを昇華してこそ名作が生まれるんだぜ?
215創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 11:35:35 ID:mfR2vJoY
個人的には、厨臭い設定でも良いと思うんだな。
ただ、「厨臭い設定」と「陳腐な設定」はニアリーイコールだと思うし、そこは
意識した方が良いかもしれない。

要するに、『「陳腐な設定」で、どう読者に興味を持たせて読んでもらえるか?』と
いうのが問題の本質なのかも知れない。P.K.ディックのように、設定は陳腐だが
読ませる小説家というのはいくらでもいる訳で。

もちろん、「B級テイストをわざと出す」ために使っても良いと思うけど。
216 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 11:48:18 ID:Kut7koTV
隙のない緻密な厨であればいいんじゃないかな
リアリティを増せば一見して厨とは見えないし
217創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 12:08:33 ID:HWMFbKxz
ぶっちゃけると中二=悪いみたいな変な印象があるが
中二事態は悪いどころかそれなしには語れないレベルなので
歓迎するべきもの
あとは頑張ってそれをどう見せるかが大事

これは正直、2chが中二だから糞みたいなダメなネットスラング作ってしまったせいでもあるんだが・・・
218創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 14:23:25 ID:ZyK/52kC
創作文芸板は叩かれに行くところだぞ
219創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 16:31:24 ID:QhXjF+B6
中二中二言ってるのはただ批判したいだけの人間だからあまり気にしなくておk

本当にファンタジーとか好きな人は中二とかそんなの思いもしないと思うよ。
どんな設定でも、実力がある人は読者を楽しませることが出来るし。
220創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 02:04:47 ID:KnhKigUy
微妙にエロい描写入ってるのは辞めた方いい?板的に
221創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 02:07:19 ID:2WkO8gYg
この質問多いね
個人的に物語上の必然性があればいいと思う
微妙というのがどういうレベルなのか解らないけど
222創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 15:25:45 ID:FMb/+KY2
「風の名前」って米のファンタジーを上巻だけ読んだが、
主人公の言動がもはや心地好いくらいまで中ニだぞ
あそこまでゆくと逆にありだな
223創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 10:17:49 ID:pwkjvCkF
DSのすばらしきこのせかいというゲームもかなり突き抜けててかえって格好よかった。
天然でも計算でも、照れたりせずに行くところまで行ってしまえばかえって味になると思うから
俺は今日もロケットでつきぬけようと苦心惨憺して血を吐きながら自作を推敲しております。
224創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 10:43:07 ID:HAnwVuga
野村は史上最強の厨二作家だなw
ここまでやってくれたら、もう付いていくしかないだろw
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5804838
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5804727
225 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 21:59:34 ID:C0I4CfZH
ファンタジーつってもいろいろあるもんな
っぽいとなると一体どれだけあるやら
時代と場所の設定も相当な量あるしこれに内容まで加えれば……
226創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 22:02:58 ID:hxl6Dgcb
とりあえず、ぽければおk!
227創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 09:33:16 ID:Sg/A1FYx
リアルな世界(行政とか人々の生活的な意味で)をベースにしつつも、架空の生物や魔法などの荒唐無稽なものがそこに根付いている作品。
っていうのがファンタジーじゃね?
228創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 18:22:16 ID:BU0n6GPj
貴方がファンタジーだと思った物が(ry
229創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 18:23:45 ID:nQFmedzR
ただし他人の同意を得られるとは限りません、ですなw
230創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 18:35:01 ID:QgScKZgg
まあ、ファンタジーって広義すれば創作全てだしなw
231創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 19:04:09 ID:nQFmedzR
しかしラ板のテンプレは便利だな
さすがあ(ryでも通じるという魔法の言葉
232創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 19:25:36 ID:87i6feoa
誰が発明したんだろうな?
ノーベル賞物だぜ。


それはともかく、俺もそろそろ本腰入れて考えるかなー。
233:創る名無しに見る名無:2009/01/14(水) 22:03:34 ID:ggbziJBQ
女の子が待ってます
234創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 22:24:52 ID:Hz9Pg4Be
「女の子が……?」
「はい、とっても可愛らしい方ですよ。彼女さんでしょうか?」
エアリは、小首を傾げ、修道女らしからぬ小悪魔的な笑みを浮かべた。
「やめてよ」
僕は振り切るように歩を進め、教会の出口に向かう。
女の子……か、誰だろう。
僕には思い当たる節がなかった。期待、というよりかは、得体の知れない不安のようなものが胸の中を覆っている。
入り口の重い扉の取っ手に手をかけて、僕はゆっくりと扉を開けた。
235創る名無しに見る名無し:2009/01/15(木) 00:56:57 ID:qSknt1r3
扉を開けるとそこは赤い炎が暗く揺らめく偉く妖しげな空間だった
煌びやかな装飾が施された額縁には
『本日オススメ!白狐獣人のセツナちゃん!30刻1400ゴールド』
なるほどそういうことか
俺は腰に下げた剣をわざとらしくかけ直すと後ろに佇む客引きの獣人の少女を向いた
「野性的な獣人のオンナノコとたっぷり楽しみましょ〜ん」
彼女は金羊色の猫耳をひくつかせながら喘ぎ混じりに腕に絡みつい
236創る名無しに見る名無し:2009/01/15(木) 01:00:58 ID:+W825orm
ワッフルワッフル
237創る名無しに見る名無し:2009/01/15(木) 02:27:46 ID:UDPxelf3
狐なのに猫耳とはこれいかに
238創る名無しに見る名無し:2009/01/15(木) 03:20:09 ID:t8PeksnK
 1400か……。安いな。
 ストレイ柔金属を一匹倒せば、300刻も楽しめるではないか。
「じゃあ、60刻ほど……」
「んふ、お客さん欲張りねぇん」

 ──♪

 商談成立の直前、エアリの声楽魔法(ゴスペル)が響き渡った。
 教会の門前に現れた、炎の揺らめく妖しい空間──淫魔の巣は見る見る圧縮され、中に
居た俺まで危うくミンチになるところだった。
 術符を使い自分の結界を演繹することで淫魔の巣の崩潰に巻き込まれるのを免れた俺だ
ったが、崩潰に巻き込まれて一立方センチメートルのサイコロステーキの山になった淫魔
を見て、さすがにちょっと……かなり、エアリが怖くなった。
239創る名無しに見る名無し:2009/01/15(木) 04:24:16 ID:qSknt1r3
>>237いっぱいいるの
猫 犬 狼 狐 白狐はレア
ちなみに獣耳で尻尾あって背中毛深くて理性に劣る以外は人間と同じ
240創る名無しに見る名無し:2009/01/15(木) 19:30:52 ID:aSHFYgLK
錬金術はファンタジーの部類に入るんかな?
241創る名無しに見る名無し:2009/01/15(木) 19:32:13 ID:VkVsR3DF
入る入る。余裕で入る。
エーテル理論とかそういうのもオッケー。
242創る名無しに見る名無し:2009/01/15(木) 19:36:47 ID:nc+4Gh88
賢者の石とかもバリバリファンタジーだしな
あの鋼の錬金術師もダークファンタジーだし
243創る名無しに見る名無し:2009/01/15(木) 20:45:46 ID:aSHFYgLK
>>241
即答過ぎ焦るぜ。
だったら平行宇宙論とかもオッケーだよな?だよな?
244創る名無しに見る名無し:2009/01/15(木) 20:48:59 ID:OeLCfbzq
はぅ……だったら、ひぐらしもファンタジーなのかな?かな?
245創る名無しに見る名無し:2009/01/15(木) 21:16:37 ID:Egh8C37b
集団ストーカーについて、音声送信、マインドコントロール、思考盗聴、位置特定、身体攻撃、組織についてのホーム・ページ
思考盗聴は、あり得ない。思考盗聴のからくりを説明.
集団ストーカーの顔写真を掲載。
http://www1.odn.ne.jp/organizedstalker/index.html


246創る名無しに見る名無し:2009/01/15(木) 23:42:03 ID:aSHFYgLK
>>244
いや、平行宇宙(?)がある世界を舞台にしたファンタジーとかさ
247創る名無しに見る名無し:2009/01/15(木) 23:45:01 ID:nc+4Gh88
パラレルワールド?
248創る名無しに見る名無し:2009/01/16(金) 00:06:06 ID:SI3WGu+d
>>247
そんな類・・・って普通にあるな、そういうのってorz
249創る名無しに見る名無し:2009/01/16(金) 09:14:32 ID:C0zg73hK
破壊魔定光とかザ・ワンとか終わりのクロニクルみたいなのかしらん
250創る名無しに見る名無し:2009/01/17(土) 14:10:29 ID:GbBQTaUV
最近、スレイヤーズのアニメやってた
流石にちょっと古臭い感じはあったが、独自の世界観とペースで突っ走れるのは羨ましいなと思った
251創る名無しに見る名無し:2009/01/17(土) 17:44:03 ID:X8F5L91z
ゲームの世界が舞台のファンタジー
252創る名無しに見る名無し:2009/01/17(土) 17:44:45 ID:L1khqVa8
>>251
「moon」とか「ナツノクモ」とか
253創る名無しに見る名無し:2009/01/17(土) 17:49:51 ID:AHQs/kCr
スターオーシャン3とか
254創る名無しに見る名無し:2009/01/17(土) 20:26:21 ID:gZoMB0k0
開発中のゲームなのでバグがありまくるとか
イベント丸々削って消えるキャラがいたり
バランス調整の為に何度もラスボスと戦ったり
そんなファンタジー
255創る名無しに見る名無し:2009/01/17(土) 20:30:27 ID:3fDKiuHZ
クリスクロス?
256創る名無しに見る名無し:2009/01/18(日) 01:13:41 ID:TiCFQph+
挿絵→http://www6.uploader.jp/dl/sousaku/sousaku_uljp00773.jpg.html
というか絵から話がエクスパンドした
----
そっとドアを開けると、ゆるやかな先生の寝息が耳に入ります。毛布をかかえて、
僕はそっと、そぉっと部屋に入り――「ったく、ユークリッドったら、まただらしない
格好で」――先生の寝顔を見ると、フーリエが小声で言いました。
「しょうがないよ、今日はずっと部屋にこもりっぱなしだったもん」僕が言うと、
「それもそうだけど――」フーリエはエーテルの身体で器用に机の上を片付けな
がら応えます。「――仮にも一ツ屋根の下に男の子が住んでるってのにねぇ。
もう、こんなサービスしちゃって、ったく」
 先生のはだけた服を直すフーリエに、僕は首をかしげて、
「サービスって、何が?」
「わかんないならいーの。ほら、クライン、さっさと毛布かける。バカでも風邪は
引くのよ」
 僕はちょっと納得がいかなかったけれど、フーリエがひらひら舞って催促するし、
確かに部屋の外からは冷気が忍び込んできていたので、毛布を広げて先生に
かけました。先生は、うにゅ、と口の中で言うと、毛布の端を引っ張ってその中に
もぐりこみます。フーリエははみ出た顔から眼鏡をはずし、
「幸せそうというか、のんきな寝顔だわね」と呆れたような声で言います。
「うーん、いいんじゃないかな、それで」
 僕が応えると、ため息をついてフーリエは、
「あんた、ホントにユークリッドのことが大好きなのねぇ……」と言いました。
「うん」僕は笑って応えます。「フーリエだってそうでしょ?」
「はいはい」またため息。「好き好き、大好きですよ、まったく……クライン、あん
たが言うと、どんな単語も純情に聞こえそうよね」
「純情?」
「なんでもないの。さ、あんたも早く寝ないと。無邪気だろうが第二次性徴前だろ
うが、風邪は引くんだからね」
「だいにじ……?」
 それにも応えてくれず、フーリエはさっさと部屋から出て行ってしまいます。僕も
慌てて後を追い、扉を閉める間際、エーテルの残り香が漂う部屋に向けてそっと
言いました。
「おやすみなさい……先生」
「おやすみ、クライン」
 暗闇の中から返ってきた声。
 僕はちょっと目をぱちぱちさせて、それからにっこり笑って、もう一度、おやすみ
なさいと言いました。先生が布団の中で微笑むのが見えるようでした。先生はや
っぱり、いつだって、とってもすごい人なんです!
(おしまい)
----
長耳おねーさん→ユークリッド先生 ショタ→クラインくん なんか飛んでる妖精→フーリエさん
です、一応。
257創る名無しに見る名無し:2009/01/18(日) 01:15:21 ID:IRnTMyOo
>>253
あれはゲームというよりは神殺しをSF化しただけだけどなー
なんかネトゲオチとか言われるようになってしまったが
258創る名無しに見る名無し:2009/01/18(日) 01:15:59 ID:0KLMS+75
いいねぇ、こういう少年好きよ
259創る名無しに見る名無し:2009/01/19(月) 06:10:00 ID:JCUotA0K
エーテルとか四元素説とか使って似非魔法科学っぽいの構築するの楽しい
260創る名無しに見る名無し:2009/01/21(水) 00:27:37 ID:TEzXVlLl
そういうのの設定考えるのってやたら楽しいよな
261創る名無しに見る名無し:2009/01/21(水) 02:01:18 ID:6RQ2Ary2
思いつきのネタを書いてるんだが
戦闘が中々上手くいかないというか
どうしても詠唱魔法の概念取り入れちゃうとドラクエ式戦闘になってしまう
Aのターン、Aは魔法を放った
Bのターン、Bは魔法を放った

みたいな感じでもうちょい流れるような戦闘かきたいんだがなー
てか魔法使い同士の戦闘って実際詠唱つぶしになるんだなw
262創る名無しに見る名無し:2009/01/21(水) 03:21:14 ID:6RQ2Ary2
>>261
ちょっと誤解されそうなので追記

>みたいな感じでもうちょい流れるような戦闘かきたいんだがなー
これなんだけれど
ようは上の例に挙げた感じじゃなくて
流れるようないうなればRPGに例えるならばドラクエじゃなくてテイルズ的な戦闘を書きたいという意味
263創る名無しに見る名無し:2009/01/21(水) 03:27:25 ID:XmdxiZ+s
威力が低いけど、詠唱の要らない魔法を導入しつつ
詠唱中断して再開もおkにしてみたらどうだろう?

Aのターン、Aは魔法を放った

Bのターン、Bは魔法を放った
の間に、鍔迫り合いが入るだけだが
264創る名無しに見る名無し:2009/01/21(水) 03:32:34 ID:6RQ2Ary2
>>263
>威力が低いけど、詠唱の要らない魔法を導入しつつ
一応、事前詠唱って事で先に唱えておいた魔法をストックして
トリガーとなる単語で発動するというのは考えてみたけれど
やっぱりそういうのも考えてみるかな

>詠唱中断して再開もおkにしてみたらどうだろう?

おお、これは考え付かなかった
使わせてもらいます
265創る名無しに見る名無し:2009/01/21(水) 09:17:33 ID:Pvke6PBX
アイテムを使うという手もあるな。
266創る名無しに見る名無し:2009/01/21(水) 16:47:33 ID:a5JKlW5f
本屋で理想に近い文章の本を買ってくるという手があるぞ

こうか は バツグン だ!
267創る名無しに見る名無し:2009/01/21(水) 21:21:39 ID:P7MOgdZK
>>262
詠唱描写は最初の数回だけでイーンダヨ!
スレイヤーズで学んだりしたような気がする。
終いにゃドラグスレイブすらノー詠唱。

でも、詠唱が肝になるなら省けないかな?
268創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 14:34:13 ID:j6Rg8qC7
サージングオーラやろうぜ
269創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 20:02:48 ID:ene7KjNg
昔マガジンの読み切りでキルウィザードっていう、魔法使い同士の戦いを描いた漫画があって
それの戦闘描写が、魔法を唱える敵に対して主人公が本をめくりながら反対呪文を唱えるまくるっていう感じだった
呪文詠唱の中に別の呪文の詠唱を混ぜるとか、反対呪文のフェイントとか、魔法使い同士なら確かにこんな風になるかもなって感じだったよ
話自体はアレだったけど
270創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 20:28:22 ID:16T9+ZTz
短期連載後ぱったりいなくなったあれか
厨二だとかオサレだとかって散々に当該スレでたたかれてた気がする
271創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 20:34:06 ID:bLh1Czis
魔法使いの戦闘といえばスレイヤーズ、オーフェンあたりがすぐ浮かぶな
変わったところではされ竜とか
272創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 23:16:43 ID:9KHVk8Wh
この流れをみてて
「高度に発達した科学は魔法と見分けがつかない」
の言葉通りに、ハルヒの長門VS朝倉はSF的な戦闘だけど、魔法使い同士の戦闘に似ていると思ったな
273創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 02:00:04 ID:YcCn7wWM
「ハルヒの長門」ってなんか背徳的な耽美を含んだ響きだな
274創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 23:43:32 ID:zghc9cwi
空の境界では「魔術は、普通科学技術で出来ることをただ単に違う方法で行うもの」とかだったかな。
つか魔術と魔法って一緒にしちゃってOKなんだろうか?
275魔法復讐モノ prat1:2009/01/24(土) 23:50:25 ID:d63j3H6Q
>>261だがとりあえず書いてみたが命題はまったくクリア出来てないなぁー
結構長くなってきたので途中だけど一度投下してみようかと思う





この洞窟を抜ければあの男がいる。
父を、母を殺したあの男が…。
長かった。
ああ、本当にここまで長かった。
光が見える。
出口の光だ。
その先にある祭壇であの男は待っている。
深呼吸する。
冷静さを保たなければならない。
あの男は生半可な相手では無いからだ。
たった一人で第三魔法院にいた人間を皆殺しにした男なのだ。
出口に近づき光がさらに強くなる。
さきほどまで暗闇に慣れていた目が少しづつそれに慣れていくのを感じる。
洞窟を抜けた。
周りに先ほどの岩と土の壁ではなく、森林の緑が広がる。
あまりにも綺麗な緑を放つそれは男の胸にある種の感動を与えるほどのものだった。
だが違和感がある。
生物が存在している感じがしないのだ。
そう、虫一匹すらも存在していない。
これはこの地帯一帯が結界の中にあり隔離されているという事を示していた。
そして辺り一面を木が覆うその中に小さな広場が見えた。
そこに一つの人影がある。
赤髪に黒いコート、そして金色の杖。
それを見て男は確信した。
間違いない、あの男だ。
それを確認したのと同時に自分の中で殺意が弾けた。
抑えていた感情が渦となって、自分を支配しようとする。
――殺したい。
今すぐにでも八つ裂きにしてやりたい…。
2年前のあの時からずっとこの時を待っていた。
合法的にお前を殺せるこの時を…。
赤髪の男は自分の気配に気づいたのかこちらに振り向いてきた。
それで少し考えるような仕草を取った後、
「君は誰だい?そして、ここに何をしに来たのかな?」
と言い放った。
276魔法復讐モノ part2:2009/01/24(土) 23:51:27 ID:d63j3H6Q
誰、誰だと…。
ああ、わかっている、奴にとっては俺なんて小石のごとき存在だ。
怒るな、そのエネルギーはまだ吐き出すべきではない。
落ち着け…。
「王都特務魔法機関所属、第一級魔導師、グレイグ…グレイグ・スクワーマーだ。イシス・マルスター、貴様を大量殺人の容疑で連行する。抵抗する場合は殺害の許可も受けている。今すぐ魔具装備を解除しろ…。」
赤髪の男、イシスはその発言にとぼけたような顔をして、
「スクワーマー?何処かで聞いた名だな…。まあ、良い。そんなどうでもいい事に付き合ってられんから帰ってくれないか?」
心底どうでもよさそうにそう応えた。
どうでもいいだと…俺の両親を殺した事がどうでもいいだと!
グレイグの中で怒りの感情が蠢く。
その感情を必死に押さえつけ、グレイグは唱えた。

“射ね”

光が収束し、矢となってイシスに向けて放たれる。
だが、イシスの体をかすめるだけで、直撃する事は無かった。
「今のは警告だ、今すぐ装備を捨てろ。」
イシスはそれに少し興味を示したような顔をして、
「光の矢(ライトニングアロー)の事前詠唱か、その年でよくやるな…。」
そう言った瞬間、光の矢がイシスの頬をかすめる。
「お前の御託なんてどうでもいいんだよ、今すぐ解除しろ、それ以上無駄口叩くなら次は本当に射る。」
それは投降への最終通告だった。
イシスはそれにあきれたような仕草をして、
「だから君には――」
その瞬間、グレイグの掌から大きな光の矢が三発放たれる。
雷速を上回る速度で対象に向かうそれは、人の身には絶対不可避といえるものだ。
光の矢はそのままイシスの認識外の速度でその体を貫く、そしてイシスは力を失ったように前かがみに倒れこんだ。
「言ったはずだ、無駄口叩いたら殺すと…。」
頭と心臓と肺を打ち貫いた。
誰が見ても即死だろう。
あまりにもあっけない結果だった。
だから、そうこの程度では溜飲が降りない。
徹底的に辱めてやらねば、グレイグはその死体にさらなる攻撃を加える為に近づく。
だが、その時―
「簡単に殺さないでくれよな。」
死体から冷たい声がした。


“弾け”


イシスは事前詠唱のトリガーを引く。
それと同時に大きな破裂音。
グレイグの体は大きな衝撃を受けて吹き飛ばされた。
 「――うぐっ。」
腹ばいに木に突っ込み、腹部に大きな衝撃を受ける。
それと同時に、嫌な亀裂音。
肋骨が2本ほど逝ったか…。
グレイグは腹部を押さえながら自身が吹き飛ばされた方を見る。
そこには先ほど矢に貫かれ死んだ筈のイシスが立っていた。
277魔法復讐モノ part3:2009/01/24(土) 23:57:34 ID:d63j3H6Q
「何故…。」
グレイグは思わずつぶやく。
「あれぇ、今ので粉々にしたつもりだったんだけれどなぁー、あの一瞬で三重防御結界でも張ったのかい?あながち、一級魔導師という肩書きも嘘じゃないのかな。」
イシスはおどけるような仕草を取る。
「そうそう、君の疑問に答えないとね、君ね、実力はともかく、洞察力無さすぎ。」
心底グレイグを馬鹿にするようにイシスは続ける。
「もっと魔導をやる人間なら頭を冷やしてやらないと…。普通さー、なんで俺がこんなに余裕こいてるのか疑問に思ったりするよねー、それに気づかない辺り、君、私を捕らえたいんじゃなくて私を殺したくて頭に血がのぼってたりするんじゃない?あ、図星?」
「黙れ!!“射ね”」
グレイグの腕から光の矢が再び形成され、射出される。
今度こそ…。
グレイグは命中を確信する。
だが、光の矢はイシスに当たる瞬間にその形成を解かれていった。
「なっ…。」
イシスは笑いながらグレイグの方に歩いてくる。
「不思議そうな顔をしているね、なんだ魔力吸収魔法(ドレイン)を知らないのかい?」
「馬鹿な、そんな事できる筈が!!!」
信じられないとグレイグは大声で言う。
それもその筈だった。
魔力吸収魔法は魔法でも最も扱いが難しいとされる魔法だった。
放たれた魔法の概念を理解し、形成を理解し、性質を理解し、その拘束を解き、自身に流れ込ませる。
出来たとしても認識外の術には対応できないとされ、実戦ではとても使えたモノではないとされていた。
だがそのような事を考えているグレイグを見透かしたように…。
「それが出来るからここにいるんだけどな。」
――そのイシスの一言でグレイグは怒り狂いそうなったが、必死に己を理性の鎖で繋ぎ止めた。
冷静になれと自分の中で反復する。
この世にありえない事など無い。
それは魔法を使うモノにとっての常識であったではないか…。
それに、たとえ、イシスが本当にドレインしていてもいなくてもそれで防げない魔法を使えばいいだけの事。
グレイグは立ち上がる。
イシスとの距離は目算で22m。
光の矢の射程内である。
だが、もはや奴には光の矢が通じないのは明白。
ならば事前詠唱を解除する。
そしてもっと強大な魔法を――
“業の炎で鍛えられし刃よ”
詠唱と同時に半径1m程の炎の球が天に形成される。
“汝の裁きの力で敵を穿て”
炎の球は形状を剣へと変化させていく。
「ほう、自然干渉系の魔法も使えるのか…。」
その光景を見てイシスは関心したように言う。
「喰らえ!『炎刃爆砕』(フレアブレイド)」
球は無数の炎の刃の雨となってイシスに振り注ぐ。
辺り一面は炎と草木の燃えた臭いと煙に包まれた。
吸収魔法といっても自然干渉よって発生した魔法は無効化できない。
たとえそれが魔力という性質を失ったとしても、強風が起きる等といった現象まで無力化することは出来ないからだ。
石を投げるのには力いるが、投げた石を手の方に戻ってくるようにする事が出来ないように・・・。
故にたとえイシスが不可能といわれた魔力吸収魔法を実戦レベルで使用可能にしているとしても、自然干渉による魔法は通じる。
たとえこの炎が魔法障壁を発生させてもこの熱の攻撃ならばなんらかの手傷は負わせられる。
グレイグはその考えからこの魔法を使う事を選択した。
フレアブレイドで起こされた煙が少しづつ薄くなっていく。
そして風景が鮮明になる…。
「ば、馬鹿な…そんな事が…。」
グレイグは驚愕する。
だって、そこには一歩たりとも動かずに笑みをあげている無傷のイシス・マルスターの姿が…。
「まったく、ここには私の結界が張ってあるとはいえ、一応森なのだよ?こんなところでそんな魔法を使うのは簡便願いたいところなのだが…。」
そう、呆れたような仕草を取ったあと、イシスはグレイグに掌を向け、

 “弾け”

事前詠唱のトリガーを再び引いた。 空気の破裂音と共に衝撃波がグレイグに襲いかかる。
278創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 23:58:29 ID:X6LD13YU
冒頭はいい感じ
しかし肝心の魔法戦(?)が、酷い

せめてファンタジーなら指輪物語くらい参考にしようよ

あと魔法を書くなら、その世界の魔法原理もしっかり考えてから書かないと
ゲームのノベライズにしか見えないぞ

魔法を描くということが、魔法だと思え
279261:2009/01/25(日) 00:01:12 ID:d63j3H6Q
ととりあえずここまで
なんかテキトーな場つなぎのネタ考えてたら結構な量になってしまった…
続き読みたい?
280創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 00:03:07 ID:Y0VDJe2I
>>278
やっぱりかー(自覚してた)
ただ、魔法設定を掘り進むとそこだけに文量使ってしまいそうで悩んでこんな形に…
とりあえず修行して出直して来ます
281創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 00:27:28 ID:YEHIin2F
オリジナルファンタジーものの、ストーリーの矛盾が無いか見て貰おうと思って来たのだが、タイミングが悪すぎたようだ…

出直して来る
282創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 01:00:38 ID:pZJWzveX
えー、投下しないの?
283創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 02:06:36 ID:YEHIin2F
舞台は二つの星を行き来出来る魔法で繋がったルートが、魔力暴走を引き起こし、その二つの星から星の情報と星の一部が流出し、一つの星が生まれるのだが、その生まれた星がこの物語の舞台になる。


以後史上ではその出来事を二つの星(アークワールド、アースワールド)では「マジックビッグバン」。生まれた星(セントラルワールド)では空白の時代と呼ばれる様になる。

セントラルワールドは、二つの星が重なった様な世界だと思って欲しい。


セントラルワールド(以下セントラル)には沢山の種族が住んでおり暮らしている。
(例:ゴールデンドラゴン種竜人族等)
※アークの「人」の遺伝子情報と丁度その辺りに居たアースの「魔物」の遺伝子情報が混ざった為、沢山の種族が存在していると思われる(逆も然り)。


そこは魔法が発達している世界で、一部の都市では科学技術、魔法科学が発展している。
魔法を発現させる方法は以下4つ。

1、頭に魔法の数式を思い描き発現する『魔法数式法』

2、詠唱により発現する『魔法言語法』

3、指文字により発現する『手書き魔法式法』

4、魔方陣により発現する『魔方陣法』

各魔法についてのメリット&デメリットについてはまた今度で

尚、魔法の源(消費エネルギー)は「気」であり、「気」を「魔力」を通す事により力を増幅させ、自然界の「属性エネルギー」を取り入れて発動させるのが魔法の一連の流れである。
簡潔に式に表すなら、
属性(気×魔力)=魔法

となる(実際はもっと複雑)。

属性エネルギーは基本一定なので、「消費する気を増やす」or「魔力を上げる」により魔法の威力が増加する。

しかし、属性エネルギーは自然界の力なので、環境破壊に比例して属性エネルギーが弱まってしまう。
その為、都市領域の増加、科学の発展による環境汚染等に対しての罰はとてつもなく罪が重い。


また、気を直接利用した「気功」や、魔法を直接武器に注ぎ込み扱う「魔法剣」も存在する。

他に魔法や気功による犯罪対策として、魔法や気功で破壊した建物等からベットリ付着した、指紋ならぬ「気紋」を調査する事によって犯人を特定したり、周辺で魔法が使いにくくなる「避法針」 等、様々な対策が施されているのである。


とりあえず世界観と魔法に関しては多分以上です。
284創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 02:45:20 ID:YEHIin2F
追記:

セントラルの住民は、自分達が星の記憶の中の存在(データ)である事を知らない。
また、星の誕生も知らない。


「空白の歴史」とは当然二つの世界の歴史が存在するので、正確な歴史が見出だせず、それ故に「空白の歴史(不明)」と呼ばれている。

285創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 03:31:52 ID:YEHIin2F
大まかな話の流れは次回で
286創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 20:28:41 ID:Fv8hT+9U
魔法は気だとか気功だとか東洋的なのに、世界とか種族名だけ英語っぽいのはなんか違和感
しかもオサレ臭が突き抜けてないから半端な厨二っぷり

用語にドイツ語を織り交ぜるとかすれば厨二っぷりが飛躍すると思う
287創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 00:59:41 ID:3PZGSjl4
それはセントラルの地方によって呼び方が変わる。

世界の言語は全部で4言語。

例えば気功は「オーラ」や「ラ・アム」と呼ばれる。

しかし、種族や国は統一された共通語なので一通りの名称しかない。

種族や国の他にライセンス(剣士や魔導師等の許可証)も一通り。

これは世界政府により、世界政府直属軍警察部隊、ライセンス協会の協議によって決められた。


…という設定なのだが、それじゃダメかね?
288創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 02:47:34 ID:RTw8qC+v
後出し設定で補間しなきゃならんようじゃダメだろう
てか最後の1行が“どや顔”的で腹立つ
289創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 04:44:11 ID:Ek1OPGAe
>274
亀レスだけど確かTYPEMOONのの世界では

魔術=人間が扱うことができる
魔法=人間には扱うことができない ゆえに奇蹟と言われる

詳しくは知らないが自分で使う分にはあまり気にする必要はないかと
290創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 08:16:19 ID:L8TJnBb1
俺はおもしろそうでいいと思ったけどな
データってところがちょっとわかりづらいかな
291創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 10:19:19 ID:jAilloZ2
ミスリル:錬金術による究極の産物と呼ばれる物質。通常、銀から生成する。別称は不変鉄。
      原子の半数を一時的にマナのある裏界に転移させつつ、分子結合を維持することで生まれる。
      これにより、マナ以外で裏界には影響を与えることが出来ないため、完全剛性を持つ物質となり、質量が半減する。
      これを金属のミスリル加工と呼ぶ。通常、ミスリルと呼んだ場合は、銀をミスリル加工したシルバーミスリルを指す。
      液体金属はミスリル加工できない。

      木刀の表面にコーティングするだけで、鉄さえ斬れる名刀となるので、非常に重宝された。
      しかし、マナそのものは裏界に影響を与えるので、魔法による攻撃の前ではただの金属である。
      そのため、軍事用にはチタンミスリルが使われる。

      バネなど、弾性を求められる場合は例外となるが、金属製品はミスリルによって作られることが多い。
      難易度の違いはあるが、魔法によりほぼ全ての金属が生成可能であり、ミスリルの耐久性が高いため。
      重さを求めた場合、イリジウム。軽さを求めた場合、マグネシウムのミスリルが使われる。
      また扱える錬金術師が少ないが、金属化した水素のミスリルも存在する。
      だが、不安定で起爆する性質があるため、ミスリル加工が難しく、生成できる人間が少ないため貴重。


単分子鞭

 ミスリルの決して変形しない性質を用いた、長さ5mほどの格闘兵器。
 鞭と名付けられているが、刀剣に近い。目に見えないほど細い刀身を持つ。
 刀身は糸や針に近く、原子一つ分を縦に整列したもので、言い換えれば最も切れ味の高い剣とも言える。

 ミスリルの変形しない性質を故、この細さでもしならず、壊れないため、このような運用方法ができる。
 ただし、防御結界など、魔法を使ったものに触れると細すぎる故に自重で砕ける。
 手で触れるだけで、その手が抵抗もなく切れてしまうため、扱いは難しい。通常は外面を防御結界で覆い、対魔法対策をして使用する。
 針のようだが、突き刺しても極めて小さな穴しか開かないので、振るって使う。

 刀身は軽い故に、密度の高い物質。例えば、金属などを切断するには、時間が掛かり、並の腕力では不可能。
 そのため、パワードスーツに搭載される。


ミスリルボム

 水素には非常に高い圧力を掛けると、金属化する性質がある。現実では、この圧力を発生することは出来ない。
 それは、数千万気圧に耐える容器を作成することが出来ないためである。
 この世界では、ミスリルの箱の内部に、火属性の魔法陣を描き、長時間水素を発生させ続けることで生成が可能。
 また、水属性や地属性魔法により、元から金属化した水素を発生させることも可能である。

 そして、電子的に励起状態の水素を金属化した場合、極めて強力な電子励起爆薬になる。
 当然、金属であればミスリル加工することも可能である。
 それを利用し、ミスリル加工した金属化水素を、魔法にぶつけて使用する。
 なんらかの魔法に触れた場合、ミスリルの特性により、ミスリル加工が一時的に解除され、相手魔法の熱などにより起爆する。
 ただし、起爆に足りる魔法、防御結界か光、火の魔法に触れなければならない。

 威力は極めて高く、TNT爆薬の500倍程度。まさに放射能を出さない核爆弾となる。


他に、ミスリルのSF的応用方法が浮かばない
完全剛性物質なら、なんかあると思うんだけどなぁ
292 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 10:29:29 ID:Xo/f7ij9
なあ、完全剛性物質なのになぜ加工化なんだ?
もともとその形のものを→ミスリル化はわかるし、おおむねその文脈で使われているのも理解しているが
そうでない部分がちょこちょこ……
というか矛盾は生じないか?その特性と設定だと
293創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 10:31:32 ID:3PZGSjl4
>>288
そういうつもりで言った訳じゃ無いんだ

「これでどうや」じゃなく
「設定としてこれだとダメ?」という意味だったんだが…
解りづらかったのなら、すまない、謝る。

後だし設定ではなく、
「大まかなストーリーを話すのに不要な設定」と判断した為、あえて入れて無かったんだよ。
「設定」だけだとほぼ終わりなくだらだら書き続ける事になって退屈するかなぁ…と

>>289
セントラルでは
魔法は「魔族」から学んだ「法術」という意味で広められています。(神族は魔族や地上種族を下等と見ている為、
「魔」という言葉を嫌い「神聖魔法」ではなく「神聖術」と呼びます)

基本、「魔術」という言葉は設定として無いのですが、火遁や魔闘拳など魔力を介さず気に直接属性エネルギーを練り込んだものを「術」と言います。


魔法…気×魔力×属性エネルギー

神聖術…気×魔力×信仰心(心の力)

術…気×属性エネルギー

技…気のみもしくは体術による技術


魔法剣は柄の先端に水晶が嵌め込まれ、そこに魔法を封入して剣に魔法を宿します。

イントラス…剣に魔法を封入する事です。イントラス自体は魔法ワードではありません。

ヴァーブル…魔法剣に付与されている魔法を解放します。解放後は魔法剣は空になります。

ディバイン…相手の魔法剣と剣を交えている最中に、使用している剣が空ならば相手の魔法剣から魔法を奪えます。

>>290
セントラルにはたった二人だけアーク&アースから流れて来てしまった者が居ます。
その中の一人が「神」。
神はセントラルの記憶を直接介入出来ます。
勿論、生き物を消す事も…
消されたものは、最初から無かった事になり、誰の記憶にも残りません。

この物語は城から出た事の無い主人公が、
世界を巡った相方に様々な読者と同じ様な疑問を投げ掛けて答えるコンセプトになっています。
そして、神と対決(第二章)する時に相方は解りやすく説明する為、
世界をパソコンの「データ」に例え、魔王を「バグ」、神を「ユーザー」として例えました。

本来ならば、星の記憶は形容し難いものなのですがあえてデータと呼びました。
294創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 10:45:14 ID:3PZGSjl4
>>291
それより何故木刀にミスリルがコーテリング可能なのか教えて欲しい。

その理屈だとコーテリング中に木刀は燃え尽きると思うんだけど…
完全剛性物質なら、延性は無いのだから加工は難しいと思う。

その場合、高熱で溶かすか
ミスリル鑢で削る以外加工する手段は無さそう。
295創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 10:57:31 ID:jAilloZ2
>>292
>>294
加工って言い方が不味かったか
ミスリル化と言い変えた方がよさそう

特定の形に加工した後、魔法で通常金属から、ミスリルに変質させる
ミスリル化した金属は、完全剛性と化学的不変性を手に入れるから、加工できない
296創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 11:06:05 ID:3PZGSjl4
>>295
把握。ミスリル同士による加工も不可能と考えておk?

まぁ、何れにせよ木刀のコーテリングは無理だと思うぞ。
297創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 11:42:53 ID:RTw8qC+v
というか原子の半分を位相化したとしても、
自由電子で結び付いてる金属結合は全く強化されないとおもふ
分子結合ですらないし
298創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 14:01:42 ID:WBSv0ZFB
参考になるか分からないけど、ひとつの感想として。

個人的には、どうも、ゲーム向け設定のような気がする。
もし、そうならば、その設定をどうゲームシステムに組み込むか考えた方が良いと思う。
(ゲームの場合、何通りも魔法体系があった方が面白いので。ただ、例えば、
ビジュアルノベルの異種格闘だと、魔法VS○○みたいした方が良いと思うけど)
小説や漫画ならば、体系をもうちょっと整理した方が良いと思う。

>>283
> 1、頭に魔法の数式を思い描き発現する『魔法数式法』
>
> 2、詠唱により発現する『魔法言語法』
>
> 3、指文字により発現する『手書き魔法式法』
>
> 4、魔方陣により発現する『魔方陣法』

個人的には、この辺は、どれか一本に絞った方が良いと思うんだが。
例えば、4に統一して、「必ず魔法を使うときには魔方陣を使わなければいけない」
という制約を設ければ、物語がまとまりやすい(鋼の錬金術師みたいな感じ)

オリジナリティが欲しいならば、もうちょっとアレンジしてみるとか、方法はあると思う。
例えば、1をアレンジして、「呪文=数学の問題」にして、その「数学の問題」が解けない
限り、呪文が解けないという設定にしてみるとか。
299298:2009/01/27(火) 14:13:42 ID:WBSv0ZFB
蛇足だけど。

> オリジナリティが欲しいならば、もうちょっとアレンジしてみるとか、方法はあると思う。
> 例えば、1をアレンジして、「呪文=数学の問題」にして、その「数学の問題」が解けない
> 限り、呪文が解けないという設定にしてみるとか。

話がずれるけど、我ながら、この設定はSSに使えるかもと思った。

魔術師は、"計算機"を持っていて(あるいは、計算機が巨大すぎて異空間にあるとか)、
その演算能力が魔法使いの実力がイコールになるとか。
魔術師自身が解ける呪文(数学の問題)じゃないと、呪文がかけられないとか。
300創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 14:25:53 ID:5qeXb+CU
演算装置=魔法使いの脳なら某ラノベですな

しかしド文系は魔法使いにはなれない世界か( ´ω`)
ファンタジーの魔法使いってよく科学者風だったりするけど、
魔「法」なんだから法学系の余地も……
301298:2009/01/27(火) 14:48:52 ID:WBSv0ZFB
>>300

> 演算装置=魔法使いの脳なら某ラノベですな

ネタがかぶっていたら、もうしわけない。ラノベ最近読んでないです。
(オッサンなので)

> ファンタジーの魔法使いってよく科学者風だったりするけど、
> 魔「法」なんだから法学系の余地も……

おっしゃるとおり、数学センスが全ての世界ですね。
(一発ネタのSS程度で使えるかなと)

極論すれば、弁論で戦う世界があっても良いし
(異界の神を口先三寸で説得した方の魔法が有効になるとか)、
歌でも、詩でも感動させた方が勝ちとか。その辺は、
作者さんの得意分野に持ち込んだ方が良いと思います。

ただ、くどいですけど、一発ネタなので、読者が世界のルールを
理解するのは楽だけれど、世界観が浅くなるジレンマはあります。
一方、複雑な設定にすると、疑似理論を疑似理論で説明することになり、
ぶっ飛びすぎて感情移入が難しくなると思います。

一般的には、人気が出てくれば、"例外"を設けて、ルールを拡張して、
物語を引き延ばすという手がありますが(もちろん、最初に構想していても
良いと思いますが)。どちらにしろ、メインルールに何を据えるかというのは
重要なポイントだと思います(私の場合ですが)。
302セントラルの人:2009/01/27(火) 15:02:06 ID:uaCg84BA
自分のMixi日記より転載:魔法について

魔法は
初級魔法
低級魔法
中級魔法
上級魔法
最上級魔法
究極魔法
の6つの階級が存在する。
おおよその消費魔力(気)は以下の通りである。
初級魔法:1
低級魔法:5
中級魔法:20
上級魔法:50
最上級魔法:150
究極魔法:500
(初級魔法を1とした場合)


次は最低値の魔力を通した場合の威力値である。
初級魔法:1
低級魔法:3
中級魔法:10
上級魔法:20
最上級魔法:50
究極魔法:120
(初級魔法を1とした場合)

威力に関わるコストを考えると、
初級魔法:1.0倍
低級魔法:1.3倍
中級魔法:2.0倍
上級魔法:2.5倍
最上級魔法:3.0倍
究極魔法:4.1倍
となる。
つまり、ハイクラスの魔法がただ使えれば良いという訳ではないのだ。

しかし、問題は合成魔法だ。
『低コストで高威力』を放てる合成魔法。
単純に

別属性が反発し合う程威力が増す『属性斥力』。

同属性が融合して威力を増す『属性引力』。
属性引力を利用した合成魔法は比較的楽であり、威力値も『加算』といった単純な仕組みである。

しかし、属性斥力は威力値を『乗算』する。
ただし属性斥力の場合、同等の魔法力を同時に発動させなければ、片方の魔法が斥力の競り合いに負け、魔法が破壊されてしまう。
つまり『暴発』するわけだ。
当然一方が暴発すれば、もう一方の魔法も暴発し、合成魔法の威力とまでは行かないが魔法をその身に受ける事になる。
故に、合成魔法を扱う事が許されるのは一部の大魔導師ライセンスを所有している魔導師だけなのだ。
303セントラルの人:2009/01/27(火) 15:03:04 ID:uaCg84BA
自分のMixi日記より転載:魔法の発動

魔法学校では理系魔法学、文系魔法学の二つがあり、何れか一つを選択しなければならない。

1、4が理系魔法学、2、3が文系魔法学で習得出来る。
勿論両方とも履修登録可能だ。

この世界にも一応単位というものは存在するが、成績によって入手出来る単位の量が違う。

つまり優秀であれば優秀な程、少ない科目で卒業出来る……と言う訳だ。

更に、高単位を取得しなければ履修登録すら出来ない科目や、最低単位値を越えてなければ入手出来ないライセンスも存在するので、注意が必要だ。

自分のなりたい魔法部門ライセンスに合わせて、科目を選択するのが良い。

話が逸れたが、最初の解説通り魔法の発動方法は4通りである。

1『魔法数式法』
分類:理系魔法学
方法:数式を頭に浮かべ、気を入力して解を出すだけでよい。
速度:計算速度の増加が条件である。
利点:相手に魔法の詠唱を悟られない。
  気の消費量を微調整出来る。
欠点:最低入力値の不足の場合不発。
  また、計算が失敗した場合も不発する。

2『魔法言語法』
分類:文系魔法学
方法:魔法文字を口頭で唱えるだけでよい。
速度:詠唱破棄が可能な場所を自ら発見し、理由を理解する事、あるいは早口で唱える事が条件である。
利点:極めれば、どの魔法よりも最速で発現可能。
  威力は落ちるが、多少のミスでも魔法が発現する。
欠点:感情の起伏や集中力により威力が左右される。
  相手に何の魔法か察知されてしまう。


3『手書き魔法式法』
分類:文系魔法学
方法:魔法文字を空中に指で気文字を用いてえがくだけでよい。
速度:詠唱破棄が可能な場所を自ら発見し、理由を理解する事、筆記速度の上昇。
利点:気文字が消滅するまで連射が可能。
  文字の大きさにより発射口を自由に作成可能。
欠点:感情の起伏や集中力により威力が左右される。
  相手に何の魔法か察知されてしまう。

4『魔方陣法』
分類:理系魔法学
方法:魔法数式を円式で描けば良い。
速度:筆記速度の上昇のみ。
利点:書き込めれば何処にでも設置が可能。  気文字で書き込み可能。
欠点:最も作成速度が遅い。
  発現ワードが必要。

304セントラルの人:2009/01/27(火) 15:09:36 ID:uaCg84BA
>>298
どうしてもこの4つの存在がないとならない理由がありまして・・・

それがコレなんすよ。

〜五芒星魔法理論について〜

魔法学校教授、ロルフ教授により発表された論文。
論文によれば、『五種類の魔法を同時に発現する事により、最上級魔法を圧倒的に凌ぐ事が可能である』と、されている。

確かに、低級魔法5つつ分の消費程度で、合成魔法相乗値を計算すれば、最上級魔法1/10程度の消費で、最上級魔法の約3倍近い魔法になる。

しかし、現在可能とされている合成魔法は最大3つ同時…しかも一部の大魔導師のライセンスを持つ者がようやく扱えるレベルの魔法なのである。

魔法発現には複数通りある。
1、頭に魔法の数式思い描き発現する『魔法数式法』

2、詠唱により発現する『魔法言語法』

3、指文字により発現する『手書き魔法数式法』

4、魔方陣により発現する『魔方陣法』

ただし、魔方陣法は口答により発現させる為、合成魔法で使用する事は不可能である。

論文によれば、『両の指で描き、両の脳で魔法を描き、詠唱により五つ目の魔法を発現させる』との事。

ここで、合成魔法を発現するに至って重要なのは『詠唱の最後を同時に揃える事』である。僅かにずれようならば、魔法は発現せず暴発するので大変危険である。

故に、何ら訓練無しに合成魔法を扱えば、体に多大なダメージを与えてしまう。それが5つならば、命は無いだろう。

つまり、五芒星魔法理論を成立させるならば、幼少から理論に基づいた育成をしなければならない。
しかしそれは人体実験と言うことになり、法により罰せられるだろう。

この論文が元で、ロルフ教授は学会から追放、更に本として五芒星魔法理論が流出される事件が起き、魔法学校で取得したライセンスは全て剥奪された。
学会が総動員して、流出した本の殆どを回収したが、未だに計6冊が流出しているとされている。
闇市で高値で取引されている恐れがあるが、残りは未だに発見されていない。
305創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 15:21:30 ID:jAilloZ2
膨大になってきてるから、セントラルの人は設定をまとめたtxtをうpすればいいんじゃないかな?
306298:2009/01/27(火) 15:26:18 ID:WBSv0ZFB
>セントラルの人氏

ここまで突き抜けていると、逆にありのような気がしてきました。
(クトゥルー神話のような神話体系に近いような気がしました。ご説明も含めてw)
俺の意見を気にせず、突っ切って下さい。
307創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 15:29:05 ID:5qeXb+CU
>文系魔法学

 *     +    巛 ヽ
            〒 !   +    。     +    。     *     。
      +    。  |  |
   *     +   / /   イヤッッホォォォオオォオウ!
       ∧_∧ / /
308セントラルの人:2009/01/27(火) 16:10:58 ID:uaCg84BA
>>305
それもそうだなぁ・・・
txtうpはオススメの場所ありますか?

>>306
妙にリアルでそれでいてファンタジーな設定を目指して作ったら、こんな感じに・・・
309創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 18:47:06 ID:+1zefj3W
こういう設定作るのって楽しいよなー
310創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 19:02:58 ID:RTw8qC+v
設定作る力と文章書く力は別だって言うけど、
ゲームとか溢れてる今の時代はみんな設定の力高いよな
311創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 21:35:04 ID:j7TiKYFx
楽しいが、積み木方式でどんどん重ねていくとダメだな

空の境界もそうだが、デスノートみたいな簡潔かつインパクトのあるワンアイデアが
求められている時代だよ、今は

生半可なアイデアじゃ、どれも他で見たことあるようなネタの詰め合わせにしかならないからね
312創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 07:41:59 ID:HOXSu6IO
というか、求められるのは突飛な設定ではなく
あくまでもファンタジー設定上で繰り広げられるストーリー展開だろう
まぁこれを言ったら身も蓋も無いが
313セントラルの人:2009/01/29(木) 09:52:30 ID:YRAeTWAQ
それじゃ、そろそろ大まかなストーリーを…

〜第一章〜

とある国の国王が国民をそそのかし、
世界を統一させようと企てる。

主人公の相方(以後ロデオ)がいち早くソレを知り、
暗殺を試みるが、失敗。

上手く逃亡したロデオは、単独では敵わないとして
友(以後ドラム(主人公))のいる国へ、協力を得に向かう。

国王の承諾を得、ドラムと共に謀反国へ向かおうとする。

しかし、ドラムは世界を知らず、地図上で一番北西に位置する自国から、一番南東にある謀反国へ向かおうとする。

ロデオは呆れるも、南西からでは警戒が厳重であると判断し、
しぶしぶ南東から向かう事を同意する。

だが、謀反国の国王も地図の見方を知らず、
北西に向かって刺客を放つ。

世界を旅して回っていたロデオに対し、世間知らずなドラム。
行く先々でトラブルを起こしたり、
ロデオから教わりつつ世界を一つ一つ知り始める。

最初は「獣王ロデオ」という名のみが売れ、
ドラムの名は一切知られていなかった。
しかし街を回り、戦いを重ねる毎に何時しか「竜剣のドラム」と呼ばれる様になる。

旅先で、一人の少女「メルノ」と出会う。
彼女は魔法学校卒業の為、
魔法の盛んな国へ行かなければならないと言う。

最初ロデオは反対していたのだが、メルノが余りにも危なっかしい為、
仕方なく同行を許す事にした。

旅を続ける中、次第にメルノは密かにロデオに好意を寄せる様になる。

それに気付いたロデオは、知らないフリを続けながらも
メルノと途中で別れる事を決意する。

メルノの目的地が近い事を理由にメルノと別れたが、
別れた所を、メルノは刺客に切り裂かれてしまう。

血の匂いを辿り、瀕死のメルノを見つけるが、治癒魔法でも手遅れな為、メルノは息を引き取ってしまう。

メルノが死ぬ間際にロデオに自分の想いを伝えたのに、素っ気ないロデオ。
そのロデオにクールながらも怒りを顕にするドラム。しかし…
「旅をするってのはこう言うこった。もしかしたら死んでたのは俺達かも知れねぇんだよ!」

この言葉にドラムは命の大切さを知ると共に、ロデオの冷徹さを侮蔑する。

一章その2へ
314創る名無しに見る名無し:2009/01/29(木) 14:28:24 ID:Ybz9KKDF
>>274
そこら辺を厳密にわけてるのは、魔術士オーフェンくらいな気が。
アレだと、魔術は魔法を人間にも扱えるようにランクダウンしたもの、
って感じだったかな、たしか。

まあ、作品ごとに定義されてると考えるのが妥当だろう。

>>289
月姫系でもそんな感じか。
315 ◆91wbDksrrE :2009/01/29(木) 17:21:24 ID:Ybz9KKDF
>>21-22の続きっぽい感じです。
他所で投下して、個人的に気にいってた小ネタを
混ぜたりしてみました。

では投下します。
316 ◆91wbDksrrE :2009/01/29(木) 17:22:02 ID:Ybz9KKDF
 普通に殴るだけでは揺らぐ事すらない。それどころか、銃で撃たれたと
しても、反動すら感じさせる事なく、不動。何度打ち込もうと、それは全く
変わる事なく……いや、むしろ徐々に前へ、前へと進んで来すらする。
そんな“非常識”を目の前にして、一体どれくらいの人間が精神の均衡を
保っていられるだろうか。
「ひ……ひぃぃぃ!?」
 そんな人間はまずいない。人間は常識で物事を計る。だから、常識外の
存在、現象には、基本的にそれを無視する事で対応する。では、どうやって
も無視できない“非常識”が目の前に存在していたら?
 その答えが、今俺の目の前で繰り広げられていた。
「くるなっ! くるなよぉぉぉぉぉ!!」
 大の大人が、まるで幼児が駄々をこねるようにわめきちらす様は、それ
だけを切り取ってみれば滑稽という意外には無い。だが、それだけを見て
いられる程に、それをもたらした“原因”は小さくはなかった。
 ゆっくりと、本当にゆっくりと、そいつは腰を抜かせて動けなくなっている
らしい男へ向けて、歩みを進めていく。歩み、なのかどうかすらも定かでは
無いけれど、ゆっくりと、ゆっくりと。まるで、男の恐怖を煽るかのように。
「くるなぁぁぁぁぁあああああ!!!」
 叫びと共に、男の手に握られた拳銃から、乾いた、しかし大きな音が響く。
 それが発砲の音だとは、知る人間にしか判別はつかないだろう。テレビ
ドラマで聞く、演出としてのそれとは明らかに違う、重さを伴わない音。
クラッカーや爆竹の音だといわれた方がまだわかる。だが、それは紛れも
なく、銃器から弾丸が射出される際の、引火した火薬が発生させた音だ。
 男は、目の前の恐怖へと、その恐怖を拭おうと、自身の常識の内にある
恐怖を向け、引き金を引いた。
 手にした銃と同じ、常識の内にある恐怖ならば、そこから発射された弾丸
によって、一撃の下に倒れ付し、男は精神の均衡を取り戻す事ができた
だろう。しかし――
「なんでだよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!??」
 恐怖は、微動だにせず、そこにあり続ける。
 男の目の前にある恐怖は残念ながら“非常識”だった。
 精神の均衡を取り戻す為に放たれた弾丸は、それまでに撃った何発かの
それと同じく、相手を揺らがせる事すらなく弾かれた。跳弾が、近くのビルの
壁を穿ち……それで終わりだ。
 精神の均衡を、より一層手ひどく破壊する役割を、図らずもその弾丸は
担ってしまうことになった。男の意図とは真逆に。
 それでも、男にはすがる物はそれしかなかった。だから、それまで弾かれて
いた事実を無視し、それにすがった。そしてその度に、男の恐怖は深く、暗い、
絶望とも言うべき物へと姿を変えていく。
 負の輪廻に囚われた男が、それから解放される時……それは――
「へ……あ……ああぁあぁあぁあああ!?」
 かちり、かちりと引き金を引く音だけが響く。
 ――弾切れ。
 負の輪廻からの解放。だがそれは、男の精神が完全に破壊される時でも
あった。抗う術……すがる術をなくし、男は呆然と、引きつった笑みすら浮かべ
ながら、目の前の恐怖を見つめた。
「あ……あは……あはは……は……は……」
 精神を破壊され、そしてこれから肉体も破壊されるだろう。その運命から
男を救い出せるものは、もう――
「今にゃ!」
「言われずとも!」
 ――俺達しか、いない!
317 ◆91wbDksrrE :2009/01/29(木) 17:22:40 ID:Ybz9KKDF
 まったく、面倒な話だ。銃の聞かない、ミサイルや、ひょっとすると核ですら
何ら痛撃を与えられないかもしれない存在を殴り倒せるって言うのに、守らなきゃ
いけない人がぶっぱなしてる銃を喰らったら普通に怪我するってんだから。
 物陰で、ギリギリまで弾切れを待っていた俺とリリさんは、ようやくその時を
得て、文字通り飛ぶような速さで男と“非常識”の間に割り込んだ。
 男――警察官のおっちゃんは、そんな俺達の姿を見て、少しだけ我を
取り戻したらしい。驚いた顔で、俺とリリを交互に見ている。
「え? あ……な、なに? 猫、と……男の子……?」
「ちょっと寝てるにゃ。これにゃ悪い夢……そう、どりぃーむにゃ」
「あ……」
 そんなおっちゃんに、リリが魔法をかける……なんて事ができたら楽で
いいんだが、そういう便利な魔法は一気に疲労してしまうんで、裏のルート
で手に入れたらしい睡眠剤をスプレーで噴射し、おっちゃんを眠らせる。
「……お前、そういうのホントにどこで手に入れるんだ?」
「女にゃあ、秘密があるもんにゃ」
「それに、猫なのにスプレーを器用に……」
「猫にゃのに器用度12あるのがあたしゃの自慢にゃ。それより……」
「ああ、わかってる」
 向き直ったその視線の先には、“恐怖”がいた。
 その姿形は、例えるなら宮崎駿のアニメに出てきた妖怪のようだった。
黒と白だけで構成され、その輪郭はまるで彩色時に絵の具が掠れてしまった
かのように、滲んでぼやけている。
 リリが、眠り込んでしまったおっちゃんの首筋を噛んで物陰へと引き込む。
それを確認して、俺は“恐怖”と対峙した。
「ま……俺にとっちゃ、あんたはそう怖くも無いんだがな」
 普通の人間にとっては、“非常識”であり“未知”であり、故に絶大な“恐怖”
となりえるその存在……『澱み』も、その正体を知り、それを倒せる手段を
持ち、何より何度もそれと遭遇し、既に未知でも非常識でも何でもない俺に
とっては、そこまで恐怖を抱く対象にはなりえない。
 何より、こいつはまだ生まれたばかりだ。発生した所にたまたま出くわして
しまった警察官のおっちゃんは運が悪かったが、俺にとっちゃどうって事も無い。
「さて、じゃあさっさと終わらせて帰るぞ。寒いしな」
 その呟きが耳……があるのかどうかは知らんが……に届いたのか、『澱み』は
それまでののっそりとした動きが嘘のようなスピードで、俺に向けて飛びかかって
来た。だが……それでもまだ遅い!
「……っ!」
 俺は身を翻し、『澱み』の突進をかわすと、すぐ様右手にイメージを投影した。
右手を包み込むイメージ。熱い、燃えるようなイメージ。敵を……『澱み』を、
燃やし尽くすイメージ!
 確固たるイメージが、俺の内にある魔力によって形を成し、右手に宿る。
 先に屋上で灯したようなそれとは比べ物にならない、燃え盛る炎。それが
俺の右手を包んでいた。
 『澱み』は生まれてからしばらくの間、人の言葉を発する事はできない。同様に
人のそれと同じような、感情表現もできない。だから、本当にそうだったのか
どうかは、『澱み』自身にしかわからない。
 だが、俺にはその炎を見て、『澱み』がひるんだように見えた。
「……いけるっ!」
 実際にそうであるかどうかではない。魔法に必要なのは、そうであると信じる事――
 俺は相手がひるんだという確信の下に、駆けた。駆け抜けるイメージに
あわせて魔法が発動し、身を翻す事によって開いた相手との距離が、まさしく
一足飛びで零になる。
 全身に力がみなぎり、同時にそのみなぎった力が萎んでいくように抜けて
いく感覚。ともすれば戸惑ってしまいそうなその感覚にも、もう随分慣れた。
精神力でそれを押さえつけ、俺は腰を入れた突きを『澱み』に向けて放った。
「せやぁぁあっ!」
 果たして、俺という“非常識”に、この『澱み』は恐怖したのだろうか。
 言葉を発する事のできない生まれたばかりのその『澱み』は、俺の抜き手を
腹部――と思しき場所――に深々と飲み込み、そして次の瞬間、呆気なく
散りとなって消えた。本当に、呆気なく。
 後には、何も残らない。それが『澱み』という“非常識”の最期だ。
318 ◆91wbDksrrE :2009/01/29(木) 17:22:58 ID:Ybz9KKDF
「……ふぅ」
 俺は小さく息をつくと、背後を振り返った。
「相変わらず、たいしにゃ手並みにゃー」
「そのおっちゃん、大丈夫か?」
「にゃ。今催眠暗示かけておいにゃから、目が覚めたら夢にゃと思ってくれるにゃ」
「……魔法?」
「催眠術にゃ。ほにゃ、こうやって五円玉をぷらーんと」
 ……魔法ってホントに何なんだろう。俺が軽く頭痛を覚えていると、リリは
眠りこけているおっちゃんを見て呟いた。
「けど、このおいちゃんも災難だったにゃー」
「ああ、たまたま生まれた瞬間に出くわすなんてな」
 『澱み』が生まれると、しばらくの間普通の人間は、それを無意識に避ける。
その間に、『澱み』は他の『澱み』と合流したりして、力を増すのだそうだ。
 今回、この警察官のおっちゃんは、たまたま『澱み』が生まれた瞬間に
出くわし、その異形に恐れおののき、思わず発砲してしまったようだった。
「しかし、災難なのはこっちもだぞ、リリ」
「何がにゃ?」
「このおっちゃん、銃撃っちゃってるんだよなぁ」
 警察の仕組みについてはよく知らないが、特に理由もなく発砲などしては
何らかの罰を与えられるのは間違いないだろう。『澱み』の存在は一般には
公になっていない。その公になっていない存在に発砲しました、などという
言い訳は不可能だろう。そもそも、この事は夢だと思うわけだし。
 あとは、弾痕などの後始末もしなきゃならないし、場合によっては銃声が
他の人の耳に入っている可能性もある。
「ああ、それにゃら大丈夫にゃ。裏のルートで何とかしとくにゃ」
「……裏のルートって……何とかなるのか?」
「リリさんにお任せにゃ。おんにゃの秘密でイチコロにゃ」
「言葉の意味はわからんが、とにかく凄い自信だな、おい……」
 まあ、そういう事なら任せて大丈夫だろう。……秘密に関しては気になるが。
「じゃ、帰るか」
「そうするにゃ。帰ってコタツで丸くなるにゃ」
 とにかく、今回の件はこれで終わり……だと思っていた俺は、後日
色々な意味でとんでもない目に遭う事になる。
 この時の俺に言える事があるならただ一つ。
 ――壁に耳あり、障子に魔法少女有り――
319 ◆91wbDksrrE :2009/01/29(木) 17:23:17 ID:Ybz9KKDF


 一方その頃――


 僕は驚いていた。
 まさか、こんな身近に、僕と同じように、魔法の力を使って戦う魔法……
この場合、あの人は男だから、魔法少年って事になるのかな? とにかく、
魔法の力を使って戦う人がいるなんて!
「あれ……高崎先輩、だよね」
 高崎祐太。一年上の先輩で、校内では結構有名人だ。
 空手を嗜み、繁華街で不良1000人を一人でのしたとか、いや実は物凄く
勉強ができて、県外の有名校からわざわざ誘いが来たのにそれを蹴って
一番近いうちの高校に入ったとか、とかく噂に事欠かない人だ。
 そんな噂が流れる原因は、十六歳という年齢に見合わない、酷く大人びた
雰囲気にあるんじゃないかと思う。見た目も結構いいし、校内にはかなりの
数のファンがいる。……まあ、僕もファンだったりするんだけどさ。
「俺に聞かれても知らないよ」
「別にレンレンには聞いてないって」
「むぅ……レンレンって言うな」
 肩に乗ったレン――パンダのぬいぐるみ。ただし動くし喋るし知性もある、
魔法の国から来たらしい。以上説明終わり――が不服そうにむくれる。
「……ねえ、レンレン」
「だからレンレンって言うな。……なんだよ」
「ああいう戦い方ってできないの、僕は?」
「今のがいいじゃん。安全だし、確実だし」
「だってねえ……はぁ」
 ため息をつきながら、僕は自分の身にまとった衣装を見た。
 黒子。
 それは、どこからどう見ても、そうとしか呼び様のない衣装だった……。
魔法の黒子、マジカルミュー……それが僕の正体だ。
「……背後から魔法のドスでブスって……魔法少女の戦いじゃないよぉ」
 ついでに言えば、衣装も“魔法少女”の衣装じゃない。というか、少女
なのかどうか、この衣装じゃわかんないよね……。
「美由はわがままだなぁ……」
「女の子なら当然の感想です!」
 魔法少女とは名ばかりの、正体不明の黒子姿で、敵の背後から近寄って
一刺しする日々……ああ、さっきの高崎先輩みたいに、変な衣装を身にまとわず、
正面から一撃で敵を粉砕するような戦い方をしてみたいっ!
 とはいえ……それが僕にもできるかどうかは、わかんないんだよね……。
さっきレンも言ってたけど、僕の力の出し方と、先輩の力の出し方はどうやら
違うみたいだったし。
「……高崎先輩って、どうして戦うようになったのかなぁ」
 自然と、僕の興味は先輩の方に向いていった。
 先輩がどうして戦うようになったのか、どうやって力を手に入れたのかを
知ることができれば、僕にだって先輩みたいな戦い方ができるようになるかも!
 そしたらこの冴えない黒子衣装ともおさらばできるかもっ!
「よし! 僕はやるぞ!」
「……なんだか、美由がまたよからぬ決意を」
「うるさいよ、レンレン!」
「レンレンって言うな。……どうなっても知らないからね」
 先輩たちが消えた方角に向けて熱い視線を注ぎながら、僕は明日先輩に
話しかけてみようと決意した。話しかけてどうするかは……まあ、その時の流れだ!
「よーし、そうとなったら今日はさっさと帰って寝るよ、レンレン!」
「はいはい……あと、レンレンって言うな」
 世界は間違ってるかもしれない。
 でも、間違ってるなら、正していく事だってできるはず。
 明日からは、その為の努力をしてみよう。そう決意しながら、僕は家路へとついた。

                             終わり
320 ◆91wbDksrrE :2009/01/29(木) 17:23:42 ID:Ybz9KKDF
ここまで投下です。
321創る名無しに見る名無し:2009/01/29(木) 19:37:27 ID:Wyzodack
…………………(^ω^;)
322創る名無しに見る名無し:2009/01/29(木) 20:02:46 ID:epBO3/5H
僕っ娘だと?
けしからんもっとやれ

少女の方の戦い方がみてみたいね
323創る名無しに見る名無し:2009/01/29(木) 20:04:33 ID:TW/MXUDH
なぜ魔法少女スレでやらなかった!
324創る名無しに見る名無し:2009/01/29(木) 21:47:06 ID:AmzxLMlO
おお!面白い!
325セントラルの人:2009/01/29(木) 23:42:39 ID:YRAeTWAQ
面白いな〜コレ。
小説ってこう書くのだな…
ふむ、いい手本だ
326創る名無しに見る名無し:2009/01/30(金) 01:44:04 ID:rLRtXact
セントラルの人も本編投下したほうがアドバイスなり感想なり貰えるんじゃない?
327セントラルの人:2009/01/30(金) 03:17:17 ID:LHnUmdO5
一話だけでも描いてみる?
328創る名無しに見る名無し:2009/01/30(金) 16:02:09 ID:i5Qy1nC+
魔法使いの主人公が復讐する話を考えてるんだがファンタジーというかなんというかになってしまった
329創る名無しに見る名無し:2009/01/30(金) 20:53:22 ID:rLRtXact
>>275-277みたいな感じ?
330創る名無しに見る名無し:2009/01/30(金) 22:29:58 ID:i5Qy1nC+
うんそんな感じ
331県立魔法専門学校:2009/01/31(土) 04:17:16 ID:u+ZV36LV
 我が校の魔法研究部には天才達がいる。

 原稿用紙にガリガリと文法魔法(グラマー)を書き込んでいるのが、我が校の筆頭文士、字
文章(あざな ふみあき)先輩。
 先の“文法上の戦争”で、当時中学生でありながら、敵方の論客を64人も失語症にまで
追い込んだ“歩く論理爆弾”。

 一方、部室の隅でICレコーダに延々と語りかけている三つ編みの女の子は、演算魔法(
マスマティカ)の産んだ鬼子、数 一二三(かぞえ ひふみ)。
 僕と同じ一年生だけど、彼女の演算魔法は狂気の域に達している。
 彼女の親は、彼女が12歳になるまで完全に監禁し、演算魔法のみを学ばせた。そして
13歳の誕生日、彼女の目を抉った。
 しかし彼女はその常軌を逸した教育のおかげで、喋るように歩くように、呼吸をするよ
うに演算魔法を紡げるようになっていた。
 彼女がICレコーダに吹き込んでいるのは演算式で、あとは再生しながら魔力さえ注げ
ば、魔法が発動する。
 彼女の演算は精緻を極め、先の戦争でも彼女の演算を複製した演算兵器がたくさんつく
られた。

 そして携帯音楽プレイヤーにごっついヘッドセットを繋いで音楽を聞いているのが、響
 呼歌(ひびき こうた)先輩。
 響先輩は言語兵器の中でも特に強力な歌唱兵器の、その中でも頭抜けて優秀な者だけが
成れるソリストとして育てられ、“文法上の戦争”では街を一つ蒸発させたと言われてい
る。
 あまり戦争の話はしたがらないから、あくまで人伝に聞いた話だけど。

 そして僕は機械言語魔法士──スクリプターの機器 大好(きき だいすけ)。
 彼らの生み出した流麗な文章や精緻な数式や優雅な歌を、パソコンで編集して扱う。
 マクロ造りや動画編集くらいしかできない僕は彼らより少し……大分、凡人である。

「完成だあああああっっっ!!!」
 突如、字先輩が雄叫びをあげる。
 先輩が立った勢いでイスが部室の壁までぶっ飛んで跳ね返り、バウンドしながら轟音を
立てる。
 字先輩は力み過ぎて真ん中でへし折れ2本になってしまった鉛筆を器用に2本ともペン
回ししながら叫んだ。
「諸君!只今から魔法律使役訓練を始める!実践形式のガチンコ勝負だ!負ければ全員分
の昼食を奢って貰う!では始め!!」
 字先輩は枡の埋まった原稿用紙を一枚取り上げた。
 それと同時、字先輩によって苛烈に注ぎ込まれたマナが赤熱し、原稿に走る文字を煌々
と輝かせ、紙を焼いた。
 紙という物体の楔(くさび)から解放された文法魔法が一行の帯となり、部室に居た一人
一人に蛇の様に巻き付く。
 誰も抵抗しないのはこれが転送の文法だとわかっているから。
 校内の何処かにランダムに転送し、そこから各人を索敵しながら戦うんだ。
 巻き付いた帯が解け始めると、そこにあったはずの自分の身体が消えている。
 マナで出来た文字の帯がリンゴの皮のようにスルスルと解けるに合わせ、転送先の環境
が肌を通してつたわってくる。
 すごく冷たくて寒い。
 やば、コレもしかすると外かも。


「さっむ!」
 雨雪がぼそぼそ降っている。
 僕の転送先は雪が茣蓙万と積もった屋上だったのだ。
 取りあえず校内に……。

──ガチ

 入れなかった。
332県立魔法専門学校2:2009/01/31(土) 04:17:58 ID:u+ZV36LV
 冬の屋上の扉が開いているわけがない。めんどうだなぁ。
 僕は携帯のメールボックスを開き、下書きのフォルダから《解錠:字式》というタイト
ルのメールを開いた。
 字先輩が書いた解錠の文法魔法をメモしたものだ。
 マナを注げば魔法が発動するのだけど……携帯を燃やすわけにはいかない。
 生徒手帳に文面を書写す。
 雨雪のせいでビチャビチャのよれよれになった手帳の1ページを千切ってマナを注いだ。
 解錠文法特有の持って回った文章は詠み辛く、マナを充てる黙読詠唱(サイレントチャン
ト)が上手くいかない。
 紙に書いた文章がうっすら輝いて動き出す。紙は焦げただけで、全然燃えなかった。
 ミミズくらいのしょぼい文法魔法が今にも消え入りそうに浮遊して鍵穴に入って行った。

──ガチャ……ガチャ……

 頑張れ、負けんな、文法ミミズ。

──ガチャン

 解錠の音と共に鍵穴から、ぽふっ、とマナの残滓が吹き出した。
 よくやったぞミミズくん。



 屋上と階下を結ぶ階段の踊場で悴む手を擦り合わせながら僕は考えた。
 せめてラップトップが無いとチート級魔術師の彼らには敵わない。
 目指すは演習室か魔研部部室かコンピ研部室。
 魔研部部室にあるマイノートが一番勝手は良い。が、あそこに丸腰で向かうのは自殺行
為すぎる。
 別棟の部室棟よりは演習室に向かった方が距離的にも近い。
 僕は演習室に向けて駆け出した。
333創る名無しに見る名無し:2009/02/01(日) 20:43:23 ID:XK71uOiL
眼鏡掛けてて鼻の穴が見えない顔がすぐ赤くなる男はキモイ
334創る名無しに見る名無し:2009/02/02(月) 08:00:04 ID:2WtfrJZ3
>>331-332
設定が重厚な割にギャグっぽいんだなw
まだ導入部分だろうからなんともだけど
335いかいよう:2009/02/03(火) 01:48:18 ID:iDXSOSFF
胃潰瘍で寝たきり生活おくってる中暇潰しにできた産物投下!

導入部なんで読んでも意味不な感じの文ですが、感想貰えたらうれしいっス
↓↓↓
336創る名無しに見る名無し:2009/02/03(火) 01:51:53 ID:y2cS1xcQ
↓↓↓
337いかいよう:2009/02/03(火) 01:55:48 ID:iDXSOSFF
 ある国に一人の旅人が着きました。

いや、正しくいえば旅人ではなくその土地の正確な地図を作るために地形の距離や高低をはかる“測量士”でした。

 測量士のいたんだ黒髪は鳥の巣みたいにボサボサにし、表情もぼーっとしていました。
着ているカーキ色のコートはボロボロ、首に巻き付けているくすんだ赤色の長いマフラーも両端ともに穴があいたり擦り切れたりしながらだらんと肩からずり落ちています。
それに加えて重力を一身に受けているような猫背に不安定な足どりも合間ってか醸し出す全ての雰囲気がなんともくたびれた青年でした。
338創る名無しに見る名無し:2009/02/03(火) 02:43:41 ID:D8+k85PQ
余裕のない旅人だな、若いからか
339創る名無しに見る名無し:2009/02/03(火) 16:58:48 ID:SilF2Yj2
>>337

印象論で。
なんか、丁寧語とかも含めて、童話っぽいね。
ミヒャエル・エンデのモモとか思い出した。
あまり難しい言葉を使わずに、子供に説明するように書けば、
案外良い感じにまとまるような気がする。
340創る名無しに見る名無し:2009/02/03(火) 22:50:05 ID:1kR+Ug1n
魔法に拘ると似通っちゃうよね。よね。
341創る名無しに見る名無し:2009/02/03(火) 23:13:12 ID:aL6ZJ9Z/
>>337
導入部分というか話がまだ始まってもいないから
なんともいえないなあ
342創る名無しに見る名無し:2009/02/03(火) 23:22:10 ID:t7xgNDIf
色々設定はやまほど思いつくんだが名前が決まらん・・・orz
343創る名無しに見る名無し:2009/02/04(水) 23:35:10 ID:nq9VjY7u
キャラにぴったりな名前って迷うよな
地名とか植物の名前みたいなものを適当にいじるとそれっぽい感じになったりするぞ
344創る名無しに見る名無し:2009/02/04(水) 23:39:50 ID:YFnq1s9T
食べ物の名前そのまま流用でもずっと聞いてると
馴染む不思議があるから(ヤムチャとかプロシュートとか)
きっと妙に変な名前じゃなければ何でも違和感なくはまりそう
345創る名無しに見る名無し:2009/02/04(水) 23:40:51 ID:/FNezwhq
ボブでいいだろ
346創る名無しに見る名無し:2009/02/04(水) 23:41:51 ID:EPrd1XrA
そのキャラを表すような漢字を三つぐらい並べて、適当に音訓混ぜてカタカナにするとか。
347創る名無しに見る名無し:2009/02/04(水) 23:46:09 ID:tSdywr2J
兀突骨
ゴーッツ・ツキホ・ネ
348創る名無しに見る名無し:2009/02/05(木) 12:50:48 ID:7UHS8evN
名前考えると必ずラ行が入るんだぜ
349セントラルの人:2009/02/05(木) 14:18:11 ID:Ozq4DLJm
ドラム=アルシェナルファーX世
ラキア=フレデリカ
ロデオ=ガルフォーン
ケラ=ルイヴィドン=フォーランド
ファミリア=コルクス
リューゲン
メルノ=ヘマトリウム
トロン=ボーン=プレリュード
フェンブラム=サン=タコーニャ=トリファゲル
リオン=アールグレイ
カトレア=カミナーシュ
レミリー=フォーレンハイム
バギド=グランツィアーノ
世鬼(セキ)
ロゼリア=T=フォレスト
シリュウ=ウッドホール
ジョーカー=ヘイホローム
乙姫(オトヒメ)
フォーリス=ロゼ
クーガ=イフリドール
ノヴァ=リムエル
エメス=バイアネット
アストラル
マテウス
デミオン
ライカ
コバルト
マッシヴ
アミュレット
ギーア
ロレンツ
チェス
レオナ
セローヌ
ケッセルリンク
プリム
水蓮(スイレン)
シオン
ラッセル
パルフィ
シャボン
クリス
アリス
ルミナス

……マジだ…ラ行の量がハンパねぇ…
350セントラルの人:2009/02/05(木) 14:33:47 ID:Ozq4DLJm
リュウセイ
ハデスサイズ
氷舞水傘(ヒョウブスイサン)
ウィンラルド
ジャガラドバ
フォーマルハウト
モンドベール
アストラルギア
神剣マテウス
魔双剣デミオン
ウジャトラマ
トリックス
ヴィルザラス
ハルキュメント
バグルム
羅棍棒(ラコンボウ)
ルーンアベリア
エベルスティア
ガルフォラグル
ギルタリアム
ミルトーム
湧水源琴(ユウスイゲンキン)
アーメルカーズ
らっせるそーど
リープエーヴェル
ラクリゥム
ラーフォスの魔鏡
エンテルティア


………武器もかよ…
ファンタジーものには何かラ行になるメカニズムでもあるのかね…
351少しSFっぽくなってしまった。:2009/02/05(木) 17:36:02 ID:6HYADT4Q
「そろそろ、お目覚めの時間です」
と、初音ミクのような抑揚と声質の声。
生命感にあふれた緑の匂いがする。
ボクは草むら、感触からすると多分、芝生の上で、仰向けで目をつぶっている
状態らしい。

目を開ける。

あまりまぶしくない。見上げると、巨大な何かがちょうど、ボクの真上の上空に
浮いていて、黒い影を落としていた。

「……気球?」

クウキクジラです、と初音ミク(仮)は答える。
彼女の言葉の意味を掴みかねて、ボクはクウキクジラ、とオウム返しにつぶやいた。

クウキクジラ。つまり、空気鯨?
確かに、クウキクジラはシロナガスクジラのような形をしていて、上空を案外素早い動きで
"泳いで"どこかに行ってしまった。

上半身を持ち上げる。
夕焼けが目に飛び込んでくる。そして、夕焼けをバックに鳥の群れを……いや、魚の群れを
確認する。

「あれは、サンマ?」とボクは問うてみる。
「そうです」初音ミク(仮)は答える。

「驚かないんですか?」と、初音ミク(仮)。
「驚いてるよ」と、ボク。

すみません、そうは見えなかったもので、と謝る初音ミク(仮)をボクはなだめる。
いいよ、ボクは誤解されやすいタイプなんだ。
でも、なんで、空中を魚が泳いでいるの?鯨は魚じゃないとしてもさ。

「そういう設定なんです」
「へぇ。変わった設定だね」
「"シュレーディンガーの猫"をご存じですか?」
「……箱を開けない限り、放射線が放出されて猫が死んでいるか分からないというあれ?」
「そうです。この世界が入っている"箱"はまだ開けられていないのです」
「……ボクという"観測者"がいるよ、"箱"の中に」
「……非常に残念ですが、『"箱"の外の世界が滅んでいないという保証はありません』」
「ボクが"実存"しているかどうかよく分からないというわけ?」
「……残念ですが」

ふーん、とつぶやいて、ボクはようやく初音ミク(仮)の顔を見た。
強制的にこの世界に連れてこられたと思って、ボクはひそかに怒っていたのだ。

初音ミク(仮)は、確かに初音ミクそっくりだった。猫耳以外は。
352創る名無しに見る名無し:2009/02/05(木) 18:26:05 ID:7UHS8evN
>>349-350
メアリー・スーのアレに引っかかってるらしいから要注意。

>>351
初音ミクがわからんとさっぱりイメージがわからんがなw
353351:2009/02/05(木) 19:24:24 ID:+LySna+I
>>352

感想、どうもです。
確かに、初音ミクが分からないと、意味不明かも知れませんね。
(知っていても意味不明になってしまったかも)

"常識"をどこに設定するかというのはなかなか難しいですね。
下手すると、二次創作になってしまう。

エクスキューズになってしまいますが、一応、自分の意図を説明すると、
時代を反映する物を出して、現代性というリアリティを出そうとしたんですが。
(ネット時代の(田中康夫の)なんクリ的な作品がもっとあっても良いのでは
ないかと思ったので)

勉強になりました。
354セントラルの人:2009/02/05(木) 20:07:37 ID:Ozq4DLJm
>>352
流石にそこまで破綻してはいないが…
忠告サンクス
355創る名無しに見る名無し:2009/02/05(木) 20:12:38 ID:7UHS8evN
>>353
言葉での説明と、例えでの説明を並べるといいかもね。
時事ネタは風化するものだから、時事ネタを知ってる人、
知らない人、双方に伝わるようにするのがいいんじゃないかと。

発想というか、アイデア自体は、まあ見るっちゃ見るけど、
やり方によっては面白くなる感じだと思う。

>>354
言っておいてなんだが、そこら辺はあんまり気にしないのが一番だと思うぜw
名前も大事だが、まずは中身だしな。
356創る名無しに見る名無し:2009/02/05(木) 21:51:54 ID:X34quvA9
日本人がかっこよさげなカタカナ名前を考えるとどうしてもラ行が入りやすいらしいぜ

>>353
少し合成音っぽい女の声、とかでいいんじゃね
357 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2009/02/07(土) 10:30:55 ID:CetzBG/J
サ行、カ行が多いかなー
358創る名無しに見る名無し:2009/02/07(土) 18:06:13 ID:/ypVmdmm
設定語りスレになっちゃったな
359創る名無しに見る名無し:2009/02/07(土) 19:32:22 ID:gwaYtsuC
>>358
You、書いちゃいなよ。
360創る名無しに見る名無し:2009/02/08(日) 08:39:13 ID:kfrYn7Xp
じょじょに、こちらのスレの領域にシフトしていってるなw
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220944520/
361セントラルの人「多分プロローグ1/5」:2009/02/08(日) 19:08:09 ID:PwZVTh86
――始まりは何時だって風の噂からさ――

「おい、聞いたかね?城塞都市エメドギア帝国が反乱を企てとるんだと」
「へぇ?ホントかね?俺ぁてっきり貿易の為に力注いでたぁ思ったんだがねぇ…」
人気の無い街道を、二人の農民が話ながら歩いている。
座るのに丁度良さそうな石を見つけると、二人は腰を下ろし、煙草をふかし始めた。
「エメドギアの王様は確か……今はローレス国王だったか?」
「そうだとも、王座に着いてまだ一年もたっとらんでな。若い故の過ちじゃあねぇかなぁ〜と思うだよ」
男は煙草の煙を空に吹き出した。煙は宙を漂いやがて消えた。
「しかし、一年前とはまるで人が変わったかの様になってるそうじゃあないかね?」
「んだぁ。魔法の腕前がめきめき上がっちょるって話だ」
二人は腕を組みながら、考える仕草を始め頷く。
「何でまた魔法をねぇ…」
「そうさねぇ…」
「オイ、さっきからうるせーぞ!」
土手から怒鳴り声が聞こえたかと思うと、草の茂みからぬっと男が立ち上がった。
背丈はそれほど高くは無いが、緋色の瞳は獣の様に鋭く、髪はヘアバンドで上げており、まるでそこらのチンピラの様な格好をしていた。
左の頬に十字傷があるせいか、その雰囲気はより一層チンピラっぽさをかもし出している。
「そんなに話したきゃ酒場にでも行くんだな」
チンピラ風の男は面倒くさそうに農民の前に立つと、札束を放り投げた。
「おぉ!良いのかね?こんなに貰っちまって…」
「今夜はここを寝床にしてぇんだ。一晩中飲んでるが良いさ」
そして男はそのまま草むらに倒れ込み、イビキをかきはじめた。

「ほぇ〜、おったまげた…」
「肝が据わっとるのぉ…」
二人は驚きながらも、邪魔しては悪いと思い、せかせか街道を進んで街へ歩き出した。

(エメドギアの国王が…ね……)
寝返りをうちながら考えを巡らせる。
(魔法が上達し始めたなら、チャーム(無属性:魅了魔法)を習得しててもおかしくねぇ…言霊も併用して国民を操るって寸法か…)
よっと立ち上がり、城壁に囲まれた巨大なエメドギア城をじっと見つめる。

(大事になる前に仕留めるしかねぇな…)
男はエメドギアに向かって歩み始めた。
(それにしても……)

空はドス黒く、今にも雨が降りそうだ。

(ああいう情報の売り方はやめてくんねぇかなぁ…;)
362セントラルの人「多分プロローグ2/5」:2009/02/08(日) 19:18:42 ID:PwZVTh86
〜エメドギア城前の広場〜

ローレス国王陛下の演説為に、上流階級に住む殆どの国民が集められた。


一体何があるのだろうかと、国民達は互いに騒いでいる。

ピーーッ!という、耳をつんざく様な音の後に、静かに王座から声がした。
「静まるが良い」
ローレス王だ。
「すまない、どうやら拡声器の調子が悪い様だ。アーアーテステス…」

ポカーンとする国民達。この国王は何を言ってるんだ?とも思ったであろう。

しかし、それは逆に皆を静まり返らせるには最適であった。

「皆を呼んだのは他でもない…何故、我々選ばれし国の民が、この狭い国一つに収まっているのか…だ」
広場は僅かにざわめく。
「選ばれし民?」
「誰が?」
「我々が…?」

僅かにざわめきが収まった所を見計らい、国王は話を続けた。
「左様、その証拠に我々はより高い地位で暮らしているではないか?」
「つまり…我々選ばれし民はこの世界をまとめ、統一する義務があるのでは無いか?」
「そう!我がエメドギア帝国が世界の頂点に立つべきなのだ!」

ワァァァァァ!!と民衆が腕を上げ叫び始めた。

しかし、ただ一人後方でじっとしている者がいた。先程のチンピラ風の男だ。
(なるほど?「選ばれし民」ってワードに言霊を込めたか…)
(オマケに拡声器に混ざった小さい雑音…ありゃ魔法増幅器を組み込んであるな。こりゃとんでもねぇ洗脳装置だな…)

男は懐からナイフを取り出し、国王の方を見る。
(ビーンズナイフ…全長8.3センチ75グラム、風も無い、毒はストロファンツスで行くか…)
男は国王の方をもう一度見直すと、俊敏にしかし静かにナイフを投げた――――しかし。
363セントラルの人「多分プロローグ3/5」:2009/02/08(日) 19:24:14 ID:PwZVTh86
バチッ!!バリバリバリッ!


まるで鳥が雷に打たれたかの様にナイフに雷が迸り、砕け散った。

(んな――ッ!?)

何が起こったのか解らず、驚いている国王に
「どうやら、私の話を理解していない者がおる様だな?そこだ!捕らえよ!」
国王の一言で国民達はワッと男に群がる。そこから捕まれたフードだけ残し、男は街灯の上に飛び乗った。
「これはこれは……。かの有名な獣王、ロデオではないか。祝いの品にしては随分と物騒な物をくださるな?」
ロデオと呼ばれた男はヘッと鼻で笑った。
「そうでもねぇさ。そのお口で国民たぶらかす様な国王サンがグッスリ眠れるよーな素敵なプレゼントだぜ」
「それは残念だ。しかし、今度プレゼントするときは大臣を通してくれないかね?結界を通してもこの通り…黒コゲになってしまうのでね」

そういうと黒コゲになったナイフの残骸を片手にぶら下げ、満足そうに回して見せた。

「さて獣王君。今後の君の就職先だが……私の右腕として働かないかね?それとも…」

「貴重な剥製にでもなるかね?ウルフェン族最後の生き残りよ」

左手で頭の後ろをボリボリかき、右のポケットから玉を一つ隠しながら取り出すと、ロデオは面倒くさそうに周りを見下ろした。

「貴重な生き物程手に入れるのは難しい…ぜっ!」

バシュッ!

自分の言葉が終わるより早く、右手の中に持っていた玉を握り潰した。
たちまちロデオの周りには煙が立ち込め、晴れたかと思うと既に姿はなく、国王が指示を出して国民達騒動員し探したが、ロデオを捕らえる事はおろか、見つける事すら出来なかった…
364創る名無しに見る名無し:2009/02/08(日) 19:34:48 ID:aLeTlUxX
  
365セントラルの人:2009/02/08(日) 19:34:58 ID:PwZVTh86
他はプロローグじゃなく一話だった…('A`

とりあえずここまでです。
366創る名無しに見る名無し:2009/02/08(日) 19:36:33 ID:aLeTlUxX
うんGJ!!
面白くなりそうだ
367創る名無しに見る名無し:2009/02/08(日) 20:05:29 ID:hS5Kp6r+
都市国家?なのに帝国しかも皇帝じゃなくて王というのはどう突っ込んだらいいのか
判っててあえて設定があるのなら先走りを謝るけど、ここは帝国を削って「城塞都市エメドギア」だけで国の名にした方がいいと思う

それ以外は、うん、次を待ちたいです
368創る名無しに見る名無し:2009/02/08(日) 20:34:26 ID:WnGLbNma
いいね

”帝国になる”予定なんじゃないの?
369創る名無しに見る名無し:2009/02/08(日) 21:01:41 ID:cihu47hO
>>313のあらましを見るに
どうみてもギャグファンタジーなんでマジレスはどうかと迷ったが
一応、続くみたいなんで今後の参考にと一言

とりあえず会話メインで話の展開も早く2ch投下のSSとしては悪くはないが、
せっかく設定を作ったんだから、それらのリアリティアップのためにも歴史の勉強した方がいい

恐らく、ゲームレベルのシナリオだとこの程度でいいんだろうが読み物としては正直辛い
「ブリガンダインGE」系のゲームだと面白そうだけどね
370創る名無しに見る名無し:2009/02/08(日) 22:53:15 ID:kbaZh+GQ
所々、文章の作法的な部分で気に成る所があった・・・と言えるほど
俺もちゃっきりできてるわけじゃないんでアレだけどw
まあ、そんな風に感じた部分があったという事で。

雰囲気は結構いいんじゃないかと思う。
ただ、あらまし通りに進めると、この雰囲気がどうなっていくか、
ってのは、ちょっと現物見てみないと
想像ができない部分があるねw
371セントラルの人:2009/02/08(日) 23:33:41 ID:PwZVTh86
明日辺りに時間見つけて一話掲載したいと思います。
372 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2009/02/08(日) 23:37:43 ID:AF7fV2Ia
おー頑張ってー
373創る名無しに見る名無し:2009/02/08(日) 23:46:49 ID:06mHIkGF
おまいら汗臭いドワーフの物語を読みたくないか?
374 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2009/02/08(日) 23:48:46 ID:AF7fV2Ia
また来たw
375 ◆91wbDksrrE :2009/02/09(月) 00:23:11 ID:QgO6Ls1w
 炭鉱の朝は早い。
 地下に潜り、夜目が効くドワーフ達には夜だろうと昼だろうと関係なくとも、
掘り出した鉱物を運ぶにあたっては、ドワーフ達だけでは手に余る。そこは
人間や馬の手を、足を借りなければならない。
 故に、炭鉱の朝は早いのだ。
「おお、マウナス、今日も取材か? 精が出るな」
「ええ、ご迷惑をおかけしますが……」
「迷惑だなんてとんでもないわい! ワシらの仕事を世間に伝えてもらえば、
 ワシらの仕事はもっと楽になるんじゃからのう! グワッハッハ!」
 誰も彼もが髭もじゃで、人間には一見して区別がつかないような似通った
顔をしているドワーフ達。その性格もまた、誰も彼も豪放で、遠慮がない。
私が挨拶をする度に誰も彼もバシバシと背中を叩きながら挨拶を返してくる
のにも、もう流石に慣れた。……未だにちょっと痛くはあるが。
 親方さん――セグムという名の、この現場における責任者であるドワーフは、
今日掘り進める予定となっている坑道の見取り図を眺めながら、髭を弄っている。
 私は、そんな親方さんの姿を見ていて、ふと思い立った疑問を口にした。
「親方さん」
「ん、なんじゃ?」
「この仕事をするにあたって、甲斐みたいなものって、ありますか?
「おお、取材じゃの。はて、甲斐……やり甲斐か……そんな事、考えた事も
 なかったの……はてさて……」
 親方さんは、思案するような表情を見せた後、私に逆に尋ねた。
「時にマウナスよ、お主は何をやり甲斐として、こんな汗と土の匂いばかりの、
 鉱山になぞやって来て、ワシらの生活を取材しとるんじゃ?」
「……それは……返答に困る質問ですね」
 思わぬ反問だった。言われてみれば、私は一体何を成し遂げようと思って
この地にやってきたのだろうか。そう命じられて、ではあるのだが……別にそれを
嫌と思った事は無い。という事は、私は何かこの仕事に甲斐を感じているという
事にはならないか。
「……うぅん」
「わからんか?」
「いえ、何となく、ですが……そういうのはありますよ」
 ドワーフの生態、生活の様は、伝聞としては知識にある。書物に記されている
のも、そういった伝聞と、ドワーフ自身の自己申告を下にした情報だ。
 逆に言えば、だ……ドワーフの実態を具に調べ、それを事実として記した書物
は、今はまだこの世界に存在しないという事になる。
 私が書こうとしているのは、その、まだこの世界に存在しない書物だ。それを
書き、残す事で、同時に私の名前も世界に遺る。
「虎は死して皮を残し、人は死して名を残す。こんな諺があるんですがね」
「なるほどのう。名を残す……お前さんのやりがいはそれか」
「多分、そうだと思います。今思いついたんですけど」
「ま、そんなもんは深くは考えんもんじゃからの。今思いついたという事は、
 それがお前さんの真情かもしれんな」
「そうですね」
 ニヤリと笑みを浮かべる親方さんに釣られて、私も笑った。
376 ◆91wbDksrrE :2009/02/09(月) 00:23:17 ID:QgO6Ls1w
「では、親方さんの場合はどうなんでしょうか? 聞かせてもらえますか」
「ほほ、ワシの場合か……ま、ワシらの場合はな、そんな甲斐など、ありゃせんよ」
「……やり甲斐が、無い?」
「ワシらドワーフは、穴を掘って鉄を造り、それを打って作品を創る……それが
 本能みたいなもんじゃからの。やり甲斐以前に、そうしていないと、生きとる
 実感が無いわい」
「……なるほど」
 種族的本能か……確かに、人とドワーフとは、種族自体が異なる。伝承に
ある通りだとすれば、その生まれた所以も何もかも、種族ごとに違うのだ。
 であるならば、当然本能の部分も異なって当然。人が本能的に衣食住を
求めるのと同じように、本能的に穴を掘り、本能的に鉄を打ち、本能的に
作品を創るのだとしても、何も不思議は無い。
「ありがとうございます、親方さん。また書に記す話が一つ増えましたよ」
「ほっほっほ、この程度お安い御用じゃ。さて、現場に出るとするかい。
 今日は深く潜るからのう。鳥籠を忘れずに持っていくんじゃぞ」
「はい」
 そういいながら、親方さんは鉢巻――東方の習慣で、額から落ちる汗が目に
入るのを防ぐ為にするものらしいと聞いた――を巻き、頬をはたくと、商売道具
であるつるはしをその肩に担いだ。
 その姿に、私は何故か美を感じる。こういうのも、機能美と言うのだろうか。
 持ち前の怪力と、休むことを知らない体力で、数人のドワーフによって掘り
出される鉱物の量は、同じ数の人間が五倍の時間かけて掘り出すのと等しい。
 そうする為に生まれたからこそ、それがきる――ドワーフが鉱山で働く理由は、
やはりそういう事なのだろう。
「おい、何しとるマウナス。置いていくぞ」
「はい、今行きます!」
 今日も一つ発見があった。まだまだ、私がここで見つけられることは多そうだ。

                                            終わり
377 ◆91wbDksrrE :2009/02/09(月) 00:23:55 ID:QgO6Ls1w
ここまで投下です。

汗臭いかどうかは微妙。

で、続けて投下しようと用意してた分を投下しますね。
378 ◆91wbDksrrE :2009/02/09(月) 00:29:05 ID:QgO6Ls1w
 世界は間違っている――そんな風に想い始めたのはいつの頃からだったか……
僕はもう覚えていない。それどころか、どうしてそんな事を思い始めたんだろう
と、疑問にすら思っていたくらいだ。
 ずっとそんな風に思っていたのは間違い無いんだけど、なんでそんな風に思い
始めたのか、どうしてそんな風に思い続けているのか……それがわからない。
 でも、今は違う。今そんな風に思っているのは、間違いなく"これ"のせいだ。
「……」
 息を殺し、足音を殺し――果たしてそれがどのくらい意味があるのかは定か
じゃなかったけど、とにかく気配を殺して目標に接近する。
 身に纏っているのは、黒一色の装束と頭巾。
 傍から見れば、それはどう見ても――黒子。
 なのに、その黒子が手にしているのは、舞台の小道具でも、大道具を操作する
紐でもなく――その姿には似つかわしくない、黒塗りの短刀。
「……」
 目標は、微動だにしていない。"まだこの段階では微動だにできない"のだと、
そう知ってはいるけど、未だに怖い。何しろ、目標は……目の前にいるのは化物
なんだから。
 人ではない、何らかの既知の動物ですらない、崩れた輪郭の"塊"。それが、
目の前に、いる。顔がどこかも、手足がどこかも判別できない"塊"。その中心に
赤く宝石のような光が怪しく光る。
 これから僕は――この"塊"を滅する。
「……」
 距離は至近。もう後は、手を伸ばすだけで手にした短刀が、"塊"を抉る。
 ……この瞬間は、いつも嫌だ。たとえそれがただの化物だとわかってても、
生きているとか死んでいるとか、そういう次元の存在じゃないとわかってても、
それでも……何だか、嫌だ。
「……っ!」
 でも、やらなきゃいけない。そうしないと、色んな人が困る。だから、僕は
やらなきゃいけない。これは、僕にしかできないんだから。
 いや――
「っぁぁ!」
 ――僕達にしか、できないんだから。
 初めて、"塊"の耳――があるのかどうかはともかく――に届く、僕の声。その
声に"塊"が反応するよりも早く、短刀が"塊"の中心部、赤く光る部分を抉る。
 その瞬間、"塊"は消えた。
 声をあげる事も無く。
 余韻を残す事も無く。
 あっさりと、ただひたすらに呆気なく、消えた。
「……ふぅ」
 生まれたばかりで相手取るのが容易だとは言っても、それでも緊張はする。
その緊張から解放された僕の口からは、自然と溜め息にも似た吐息が漏れた。
 ――空しい。
 どうしてこうも空しいんだろう?
「さくっと殺れたみたいだね。さすが魔法少女マジカルミュー」
「……その名前で呼ばないで、レンレン」
「じゃあレンレンって言うな」
 空しい理由はわかってる。
 パンダのぬいぐるみ――名前はレン。魔法の国からきた存在で、喋ったりとか
色々するけど、基本的に役には立たない――が呼んだその名からわかる通り、
僕は魔法少女だ……一応。
 魔法の国の力を受けて、さっきの"塊"、演場怪異(ステージモンスター、通称
ステモン)と呼ばれる存在を育つ前に滅する。それが僕の仕事だ。
 そうなんだよね……僕は、魔法少女なんだ。一応。仮初にとは言え。
 魔法少女。まあ、昔あったらしい一大ブームはもう終わったとは言え、女の子
だったらその名前には今でも多少なりとも憧れを抱くと思う。……まあ、最近の
女子高生はどうかわかんないけど――と現在今まさに女子高生をやってる僕が
言のもおかしいかもしれないけど――少なくとも僕はその名に憧れみたいな物を
持っていた。テレビの中だけの存在で、実際にはありえないと思っていた昔も。
実際に自分がそうなって、そういう存在が実在するんだと知った今でも。
379 ◆91wbDksrrE :2009/02/09(月) 00:30:01 ID:QgO6Ls1w
 魔法少女。
 魔法少女……なんだよね、僕?
「……レンレン」
「だからレンレンって言うな。……なんだよ」
「僕、魔法少女なんだよね?」
「うん、そうだよ」
 レンは何を言ってるんだと言わんばかりの表情で頷く。見た目はパンダの
ぬいぐるみなのに、こういう所ばかり芸が細かいのがちょっとだけムカつく。
「魔法の力がなければ、美由の身体能力じゃ如何に生まれたばかりとは言え、
 ステモンに気付かれちゃうし、魔力を帯びた短刀じゃないと、ステモンには
 傷一つ付けられない……説明したよね?」
「……うぅ」
 黒子の姿で、敵の背後から忍び寄って、短刀……ドスで一突き。盛り上がりも
何もなく、呆気なく消える敵。はい、おしまい。
 おかしい。僕の憧れた魔法少女は、その戦う姿は、こんなもんじゃないはずだ。これじゃ、"魔法少女"じゃなくて"魔法の黒子なヒットマン"じゃないか!
「また美由のわがままか……しょうがないなぁ」
 何度繰り返されたかわからない僕の愚痴に、うんざり気味といった感じのレン。
でも、僕の言ってる事は間違っていないはず! どこの誰だかわからない誰かも
そう思いませんか!? 間違ってるのは世界の方だ――その思いを、この現状は
抱くに十分だと!
「何虚空をに拳突き上げてんだよ……変なの」
「……い、いや、何かそういう気分に……」
 でも、そんなやるせない毎日にも希望の光が見えた。
 先日見かけた、僕以外の魔法の遣い手が、その光だ。
「……はぁ」
 正面から向かい合い、素早い動きで懐に潜り込み、しかるべき後に燃える拳を
ステモンへ目掛けて叩き込み、華麗なる勝利を得たその姿――今思い出しても
カッコよくて、思わず溜め息が出てしまう程カッコよくて、とにかくとっても
カッコよくて――
「ああいうもんだよね!?」
「……何がだよ」
 しかも、その人は僕の知っている人だった。
 高崎祐太と言う名のその人は、僕と同じ学園に通う、一個上の先輩だ。これは
もう、神のおぼしめしと言う以外無い。うち臨済宗らしいけど、まあそれは置いて
おいて。
「とにかく、明日学校で先輩に話を聞いて、この何かやるせない魔法少女生活
 からもおさらばって寸法なんだから、レンは黙って見てなさい!」
「……ああ、昨日言ってた……別に、好きにすれば」
 今日が祝日だと忘れていたけど、そんな些細な障害じゃ、僕の燃え盛るこの想い
は妨げる事はできない!
「……変な所でドジだよね、美由って」
「放っといてよ!」
 とにかく、全ては明日からだ。
 明日、間違った世界を正す、僕の本当の戦いが始まる――って我ながら大げさ。
 でも、とにかくそんな感じで、僕は決意を改めたのだった。
「待っていてください、高崎先輩!」

                               終わり
380 ◆91wbDksrrE :2009/02/09(月) 00:31:58 ID:QgO6Ls1w
ここまで投下です。PC重い・・・

ちょっと前の投下分と説明とかが被ってる部分がありますが、ご容赦を。
381創る名無しに見る名無し:2009/02/09(月) 00:41:20 ID:sppxbbeO
GJだ
382創る名無しに見る名無し:2009/02/09(月) 01:30:13 ID:sU6rYsCN
キャラが立ってて面白い!
383セントラルの人:2009/02/09(月) 03:26:27 ID:eLc3VEl5
イイネイイネ〜♪
魔法少女イイヨ〜♪

え?ドワーフ?何を言ってるんだ君は?
384セントラルの人一話「導き1/4」:2009/02/09(月) 03:29:42 ID:eLc3VEl5
さて、消えた男はというと…

グランドライナーという高速船(新幹線の様なもの)に乗り込んだ。
(まさか逃亡者が堂々とライナーに乗ってるたぁ、夢にも思わねぇだろうよ)」

一人薄気味悪い笑いをした男を乗せ、グランドライナーは北上して約1日。
鉱山都ウランバートルに到着した。流石に1日経過してしまっては、ライナーロードは全て封鎖されるだろうと見て、ロデオは残りの道のりを自分の足で進むしかなかった。
海底路線であるアクアライナーで海を渡りたかったが貸し切り船に乗り、そのまま海を渡って一週間後…山岳都市ハーバルに着いた。(この世界では国の事を都市と呼ぶ事が多い)


山岳都市ハーバル…民こそ少ないものの、鍛えられたその力は一騎当千と言われる程強く、他国でも一目置いている。ちなみに全国で最も学力の平均が低い国もここだ。

どうやら収穫祭らしく、山一つを丸々飼育小屋として育成した獰猛な「山岳牛」を狩に出掛けている様だ。
扉は開けっ放しでとても不用心である。

(相変わらずだなこの国は…)
軽くため息を着きながらもお城を目指すロデオ。しかし、
「ロデオお兄ちゃ〜ん♪」
「ぐぼぉっ!?」
ロケットブースターの如くロデオに突進し吹っ飛ばした少女は、そのまま倒れたロデオに飛び乗り、甘え始める。
385セントラルの人一話「導き2/4」:2009/02/09(月) 03:34:54 ID:eLc3VEl5
「お兄ちゃん遊んで遊んで遊んで!」

じゃれつかれながらも、ミシミシと骨の軋む音がするこの危機的状況。

――何とかしなければ――

「…そ、そうかぁ!マズは万歳してみようかっ!!ホラ、バンザイ!」
「ばんざ〜い♪」
少女はロデオの声と共に両手を上げ、その隙にロデオはマウントポジションから抜け出した。

――やった…完璧だ…伊達に世界中を旅してる訳じゃねーんだよコンチクショー!――

ぜぇぜぇ言いながらも少女の方を見直し、頭を撫でる。
「げ…元気そうだなホルン」
「うん♪ホルンは元気ぃ♪」
そのホルンと呼ばれた少女の来た方向を見ると、城壁が破壊されていた。

「相変わらず入口と言うモノを知らないのかお前は……。まぁ、いい。ホルン、ドラムは何処に居る?」

ホルンは少しの間きょとんとしていたが、やがて笑顔を取り戻すと
「お兄ちゃんは山でうしごろし〜♪」

子供は残酷だ…だが間違って無い。

「まぁ、そうだろうな…」
大きなため息を一つつくと、山の方を恨めしそうに見つめた。
「でもパパとママは居るよ〜♪」
「…何?収穫祭があるのに?」

パパとママ―――ハーバルの王と王妃である。ホルンはその娘で、その兄がドラム。
俺は「お兄ちゃん」と呼ばれちゃ居るが、全くの他人だ。
しかし、そこは問題では無い。何故祭り好きな国王と王妃が年に一度の収穫祭に参加しなかったのか…?
大きな疑問が残るがそれどころではない。
城に居るならば好都合というものだ。

「判った、じゃあホルン、山へ行ってドラムを連れて来てくれないか?」
「は〜い♪」

そう言うと、ホルンは山へ一直線に走り出した。障害物を全て破壊しながら…

386セントラルの人一話「導き3/4」:2009/02/09(月) 03:40:04 ID:eLc3VEl5
ロデオはそのまま謁見の間に通され、国王と王妃に一礼をした。

「おぉ、ロデオよ。また旅の話を聞かせてくれるのかの?丁度良かった、収穫祭だと言うのに腰を痛めてしまってね…」

俺の巡りに巡らせた思考時間と不安を返せ。
しかし、何事もなくて一安心と言った所か…
悩みの「種」がこれ以上増えても、身(実)が持たないと言うモノだ。
重すぎる果実は地へ落ちるからな。


「お言葉ですが国王、今日は貴方の息子、ドラム王子を頂きたく参上した次第でございます」

「ほぅ!お主にそっちの気があったとはのぅ!構わぬ、連れて行くが良い」

絞め殺してやろうか…

ロデオは己の汚名を晴らす為、ローレス国王の件を一部始終報告した。

流石のアホ国王も事の重大さが判ったらしく、笑顔は消えてやがてため息をついた。

「なんという事だ…まさかローちゃんが…」

やかましいわ。

「しかし困った。このままでは世界は戦乱の世になってしまう…」
「世界政府に報告してはダメなのか…?」

世界政府―――世界各国の代表が一人一人集結し、世界を管理する機関である。
良く言えば「代表」であるが、悪く言えば互いに「人質」である。
確かに、世界政府が動いたならばエメドギアは終りだ。
世界政府直属の軍警察部隊が動いてしまえば、一夜にして廃虚と化するだろうしかし――
387セントラルの人一話「導き4/4」:2009/02/09(月) 03:52:01 ID:eLc3VEl5
流石に自分の息子が危険な目に遭うと理解したようだ

「ほ、ほら!下町におるゴルビックなぞ―」

これ以上は遠回しに言っても無駄だと悟ったロデオは、国王の言葉を遮り話し出した。

「サラマンダーの竜人族である国王様、ブルードラゴンの竜人族である王妃様、
あなた方二人の間に産まれた金色の毛をもつ竜人・ドラムは、伝説のゴールデンドラゴン種なのですぞ」

そう、俺がわざわざ危険を犯してまでハーバルへ来た理由…そしてあくまでドラムに拘る理由はコレなのだ。

竜の末裔とされる竜人族。
その力は強力で、数ある種族の中でも「最強種」と呼ばれる程だ。
その中で架空の存在とされ、究極とまで言われたのがそのゴールデンドラゴン種なのだ。
サラマンダー種とブルードラゴン種の間に稀に産まれるのだが、
この二つの種族は互いにいがみ合い、産まれる事などあり得なかった。
同族嫌悪と言う言葉を知っているだろうか?
自分に似たような遺伝子を持つ相手の匂いを嫌い、本能的に避ける能力の事だ。
二つの竜人族はそれにより、互いに嫌悪し合うのである。

娘が思春期に父親の匂いが臭いと言うのは、そーゆー理由なんでへこまないように全国のお父さん。

しかし、何千年も経てば当然駆け
388セントラルの人一話「導き4/4差分」:2009/02/09(月) 04:03:59 ID:eLc3VEl5
落ちする程にまで愛し合うバカップルが誕生するものだ。
だが、その間に産まれた竜族は父母のそれとは違い、産まれながらにして卓越した能力を持つのだ。
産まれた時点で既に父母の力を上回るそれは、制御出来ぬ力により父母を死なせ、力だけで生き方を子も飢えて死ぬ。

その為竜人族の間では、「忌まわしき種族」と呼ばれている。

だからこそ今回厳重な警戒の中、国王を倒すために運良く育ったその金竜が欲しいのだ。

強大な敵に対して、多少腕が立つ程度の輩を連れて行くだろうか?

強大な敵には強力な力をぶつけるのは、当然じゃないだろうか?


例え「厨設定並の強さ」と言われようが、俺はドラムを連れて行く。
こっちゃ命かかってんだバカヤロー!
プライドとか体裁気にして世界が救えたら、勇者なんて要らねーんだよコノヤロー!文句あっか!?


「むむむ…」

葛藤する国王を他所に、ロデオは立ち上がった。
「ならば本人に伺いましょう、それで本人が承知すれば決まりです」

ロデオはそのまま踵を返し、城を出た。

389創る名無しに見る名無し:2009/02/09(月) 05:17:05 ID:sU6rYsCN
地の文がロデオだったり作者だったりしてすごく気持ち悪いんだが。
括弧もいっしょくたになってて読み難い。
設定は置いといて、キャラの動きとか会話のナチュラルさを高める必要があるんじゃよ。
390創る名無しに見る名無し:2009/02/09(月) 07:20:16 ID:00hPO9Ca
あー、これはないわ。1レスだけ読ませてもらったけど、以降読む気失せたもん。
作者は中学生〜高校生だろ?年齢を推察されるようじゃまだまだ甘ぃよ☆
391セントラルの人:2009/02/09(月) 08:10:07 ID:eLc3VEl5
小説は難しいな〜

>>390
だが落ち着いて聞いてほしい

中高生は卒論書かない
392セントラルの人:2009/02/09(月) 08:17:31 ID:eLc3VEl5
後になってすまない、

文面が…抜けてる…
書き方の面で意見を取り入れて書き直し、修正した上であげ直しても構わないだろうか?
393創る名無しに見る名無し:2009/02/09(月) 11:39:56 ID:qqcp2Obs
>>392
いいと思うけど続きの更新と一緒に投下したほうがいいんじゃないかな

ファンタジースレはなぜか硬派になる傾向があるな
別にちょっとした作法やなんかはこの板ではあまり気にしなくていいと思うけどなあ
394創る名無しに見る名無し:2009/02/09(月) 18:20:46 ID:ZsPKWnvy
まだ今回分は読んでないけど、俺も最初の時に気になるって書いたんよね
気になるって人が結構(?)いるって事は、頭の中に入れておいてもらった方が、
みんなで幸せになれるような気がする

まあ、気にしないでもって考えもわからんではないんだけどね
395創る名無しに見る名無し:2009/02/09(月) 18:57:01 ID:qqcp2Obs
なるほどねえ じゃあそうかな
個人的にはスレが賑わえばそれでいいんじゃないのくらいに思う
まあとりあえず俺は続き期待してるよ
ドラムに会いに行くんだな 一人称か三人称か決めとくといいね
どっちにせよ堂々と書くといいと思うよ
396セントラルの人(1/4):2009/02/09(月) 22:03:04 ID:e7MXsMzI
修正により1話と2話?一挙公開してみます。

さて、消えた男はというと…

グランドライナーという高速船(新幹線の様なもの)に乗り込んだ。
(まさか逃亡者が堂々とライナーに乗ってるたぁ、夢にも思わねぇだろうよ)」

一人薄気味悪い笑いをした男を乗せ、グランドライナーは北上して約1日。
鉱山都ウランバートルに到着した。流石に1日経過してしまっては、ライナーロードは全て封鎖されるだろうと見て、
ロデオは残りの道のりを自分の足で進むしかなかった。
海底路線であるアクアライナーで海を渡りたかったが貸し切り船に乗り、
そのまま海を渡って一週間後…山岳都市ハーバルに着いた。(この世界では国の事を都市と呼ぶ事が多い)


山岳都市ハーバル…民こそ少ないものの、鍛えられたその力は一騎当千と言われる程強く、
他国でも一目置いている。ちなみに全国で最も学力の平均が低い国もここだ。

どうやら収穫祭らしく、山一つを丸々飼育小屋として育成した獰猛な「山岳牛」を狩に出掛けている様だ。
扉は開けっ放しでとても不用心である。

(相変わらずだなこの国は…)
軽くため息を着きながらもお城を目指すロデオ。しかし、
「ロデオお兄ちゃ〜ん♪」
「ぐぼぉっ!?」
ロケットブースターの如くロデオに突進し吹っ飛ばした少女は、そのまま倒れたロデオに飛び乗り、甘え始める。

「お兄ちゃん遊んで遊んで遊んで!」

じゃれつかれながらも、ミシミシと骨の軋む音がするこの危機的状況。

――何とかしなければ――

「…そ、そうかぁ!マズは万歳してみようかっ!!ホラ、バンザイ!」
「ばんざ〜い♪」
少女はロデオの声と共に両手を上げ、その隙にロデオはマウントポジションから抜け出した。

――やった…完璧だ…伊達に世界中を旅してる訳じゃねーんだよコンチクショー!――
397セントラルの人(2/4):2009/02/09(月) 22:04:04 ID:e7MXsMzI
ぜぇぜぇ言いながらも少女の方を見直し、頭を撫でる。
「げ…元気そうだなホルン」
「うん♪ホルンは元気ぃ♪」
そのホルンと呼ばれた少女の来た方向を見ると、城壁が破壊されていた。

「相変わらず入口と言うモノを知らないのかお前は……。まぁ、いい。ホルン、ドラムは何処に居る?」

ホルンは少しの間きょとんとしていたが、やがて笑顔を取り戻すと
「お兄ちゃんは山でうしごろし〜♪」

子供は残酷だ…だが間違って無い。

「まぁ、そうだろうな…」
大きなため息を一つつくと、山の方を恨めしそうに見つめた。
「でもパパとママは居るよ〜♪」
「…何?収穫祭があるのに?」

パパとママ―――ハーバルの王と王妃である。ホルンはその娘で、その兄がドラム。
俺は「お兄ちゃん」と呼ばれちゃ居るが、全くの他人だ。
しかし、そこは問題では無い。何故祭り好きな国王と王妃が年に一度の収穫祭に参加しなかったのか…?
大きな疑問が残るがそれどころではない。
城に居るならば好都合というものだ。

「判った、じゃあホルン、山へ行ってドラムを連れて来てくれないか?」
「は〜い♪」

そう言うと、ホルンは山へ一直線に走り出した。障害物を全て破壊しながら…
398セントラルの人(3/4):2009/02/09(月) 22:06:08 ID:e7MXsMzI
ロデオはそのまま謁見の間に通され、国王と王妃に一礼をした。
「おぉ、ロデオよ。また旅の話を聞かせてくれるのかの?丁度良かった、
収穫祭だと言うのに腰を痛めてしまってね…」

―――俺の巡りに巡らせた思考時間を返せ・・・。

「お言葉ですが国王、今日は貴方の息子、ドラム王子を頂きたく参上した次第でございます」
「ほぅ!お主にそっちの気があったとはのぅ!構わぬ、連れて行くが良い」

――絞め殺してやろうか…――

ロデオは己の汚名を晴らす為、ローレス国王の件を一部始終報告した。
流石のアホ国王も事の重大さが判ったらしく、笑顔は消えてやがてため息をついた。
「なんという事だ…まさかローちゃんが…」

――やかましいわ。
「しかし困った。このままでは世界は戦乱の世になってしまう…」
「世界政府に報告してはダメなのか…?」

世界政府―――世界各国の代表が一人一人集結し、世界を管理する機関である。
良く言えば「代表」であるが、悪く言えば互いに「人質」である。
互いに牽制し合えば、大規模な争いは起こるまい。全く良く出来たシステムだ。

確かに、世界政府が動いたならばエメドギアは終りだ。
世界政府直属の軍警察部隊が動いてしまえば、一夜にして廃虚と化するだろうしかし――

「お言葉ですが国王、罪亡き民の命までお奪いになるつもりですか?」
城塞都市エメドギア…いや、今はエメドギア帝国と言うべきか。
そこには巨万の富と権力を得た上流階級と、明日食う飯にも困る程貧しい下流階級が存在する。
城塞都市…その名の示す通り、都市は巨大な円筒の壁に囲まれた国である。
上流階級は円筒の内側…下流階級は円筒の外側で暮らしており、
貧しく内側の反乱を全く知らない可哀想な民は真っ先に命を落とすだろう。

「私は戦争を起こす為に報告しに来たのではないのです、戦争を止める為に報告しに来たのです」

「しかし…何もドラムで無くとも良かろう…」

流石に自分の息子が危険な目に遭うと理解したようだ

「ほ、ほら!下町におるゴルビックなぞ―」
399創る名無しに見る名無し:2009/02/09(月) 22:07:10 ID:sppxbbeO
 
400セントラルの人(4/4):2009/02/09(月) 22:10:26 ID:e7MXsMzI
これ以上は遠回しに言っても無駄だと悟ったロデオは、国王の言葉を遮り話し出した。

「サラマンダーの竜人族である国王様、ブルードラゴンの竜人族である王妃様、
あなた方二人の間に産まれた金色の毛をもつ竜人・ドラムは、伝説のゴールデンドラゴン種なのですぞ」

そう、ロデオがわざわざ危険を犯してまでハーバルへ来た理由…そしてあくまでドラムに拘る理由はコレなのだ。
竜の末裔とされる竜人族。その力は強力で、数ある種族の中でも「最強種」と呼ばれる程だ。
その中で架空の存在とされ、究極とまで言われたのがそのゴールデンドラゴン種なのだ。
サラマンダー種とブルードラゴン種の間に稀に産まれるのだが、この二つの種族は互いにいがみ合い、産まれる事などあり得なかった。

同族嫌悪と言う言葉を知っているだろうか?
自分に似たような遺伝子を持つ相手の匂いを嫌い、本能的に避ける能力の事だ。
二つの竜人族はそれにより、互いに嫌悪し合うのである。
娘が思春期に父親の匂いが臭いと言うのは、そーゆー理由なんでへこまないように全国のお父さん。

しかし、何千年も経てば当然駆け落ちする程にまで愛し合うバカップルが誕生するものだ。
だが、その間に産まれた竜族は父母のそれとは違い、産まれながらにして卓越した能力を持つのだ。
産まれた時点で既に父母の力を上回るそれは、制御出来ぬ力により父母を死なせ、力だけで生き方を子も飢えて死ぬ。
その為竜人族の間では、「忌まわしき種族」と呼ばれている。

強大な敵に対して、多少腕が立つ程度の輩を連れて行くだろうか?

強大な敵には強力な力をぶつけるのは、当然じゃないだろうか?

例え「厨設定並の強さ」と言われようが、彼はドラムを連れて行くだろう。
命運のかかった戦いに、プライドや体裁を気にして世界が救えたら苦労しない。

「むむむ…」

葛藤する国王を他所に、ロデオは立ち上がった。
「ならば本人に伺いましょう、それで本人が承知すれば決まりです」

ロデオはそのまま踵を返し、城を出た。
401セントラルの人:2話(1/4):2009/02/09(月) 22:13:36 ID:e7MXsMzI
夏とは言え、ハーバルの日没は早い。

城を出た時には既に辺りは暗くなっていた。
それにしても…「遅い…」 もうとっくに収穫祭は終わりを迎え、
山岳牛を肴に宴が始まっているだろう。

本来ならば既にロデオは、ホルンによって連れて来られたドラムに会っていてもおかしくない頃合いなのだ。
ホルンはゴールデンドラゴン種では無いとは言え、
借りにもグレートドラゴン種と言う強力な種族。
そう易々と連れ去られたり、命を落とす事はないだろう。

オツムの方は別として…

間違いなくホルンはドラムを呼びにいくと言う任務を忘れている。
「…はぁ、仕方ねぇ…」
力なくため息を着きながらも、宴をしているであろう明かりを目指すのであった。


「……やっぱりな」

宴は絶頂を迎え、その中に果物を夢中になり頬張っている先程の少女ホルンと、
ジョッキを片手に一際目立つ男を見つけた。
金の輝きをもつ髪にエメラルドグリーンの瞳。
頬も赤く紅潮し…あ、ダメだ酔ってる。

これでは話を持ちかける事も叶わない。
仕方なくロデオは山を降りる事にした…
しかし、「おお、ロデオではないか」 バレた。
この声の主はは間違いなく…

「やっぱり…」

ジョッキを持った金髪の男が手招きをしている。
そう、この男が―
「ったく、いい御身分だな?ドラム。山狩りの次はキャンプファイアか?え?」
「うむ、良い気分だ」
「身分じゃバカタレ」
「あ!ロデオお兄ちゃん!いつこの国来たの?」

頼み事所かロデオと会った事さえ忘れていた。
『大きくなったらロデオお兄ちゃんと結婚する〜♪』
とか言ってたクセにこのザマだ。
402セントラルの人:2話(2/4):2009/02/09(月) 22:15:58 ID:e7MXsMzI
こうなってしまっては仕方がない。
旅の話を持ちかけてイエスと言わせるしかない。

「なぁ、ドラム」

隣に座り込み、酒を貰う。
注がれた酒は葡萄酒で、決して高いモノでは無いが、
日頃酒を飲む機会の無いロデオにとっては、またとない贅沢な飲み物であった。

「どうした。ロリオ?」

呂律が回らないのか、もしくは嫌味かは知らないが、
ロデオは無視してはなしを続けた。

「俺と一緒に旅をする気は無いか?」

ぐいっと葡萄酒を飲み干し、次を注ぐ。
既に月明かりが見え、酒の中に満月が映る。

「旅?」

「決して楽な旅じゃぁない。死ぬかもしれないし、メリットもねぇ。ただ、あるとしたら…」

ロデオは顔を上げる。ハーバルの民が牛肉を食べ、酒を振る舞い火の回りで踊っている。

「世界中のヤツの笑顔が消えずに済むかもな」

炎は弱まり、数人が後片付けを始め出した。
大半はその辺に転がり、イビキをかいている。
その様子を見ながら酒樽が空なのを確認し、ゆっくり立ち上がった。
ロデオが最後に口を開いてからずっと黙って酒を飲み、座り込んでいたドラムがやがて…

「ロデオよ」
「あん?」
「酒に酔い、転がったコイツ等を見て微笑ましく思うか?」
「滑稽だな」
「…貴様の話に乗ろう」
最後の肉を口に放り込み、ロデオはニヤリと笑った。

「・・・後悔するなよ?」
「和の国ジパンジアに伝わる大技でな…」

ドラムも立ち上がり、ロデオの方を見た。

「『航海先に着かず』と言う大技がある」

「やっぱさっきの話ナシの方向で」
403セントラルの人:2話(3/4):2009/02/09(月) 22:20:26 ID:e7MXsMzI
翌朝、旅立つ為に荷物を纏めさせ、ドラムの部屋でソレをチェックする事になった。
「こんなこったろうと思った…」
何が入っているのか、ロデオの身長をゆうに越えた巨大な荷物が幾つも置かれていた。
「うむ、旅に必要なものは全て揃えた」
「察するに着替えやらなんやらか…ンなもん替えの服一着で良いんだよ!」

ロデオ一人で不必要なモノを組分け、終わった頃には既に日は高く昇っていた。
「ロデオよ」
「あんだよ?」
「目的地は確かエメドギアだったな?」
地図をまじまじと見ながらロデオに問いかける。
「あぁ、全ライナー無しだぜ?路線は見張られてるハズだからな」
そう、グランドライナー、アクアライナー、スカイライナーの3つの路線はての駅に手配書を貼る1日もあれば全事が出来る。
故にライナーを利用したならば、たちまち位置が知られ、
次の駅に辿り着く前にお縄を頂戴してしまうのだ。

「ハーバルの位置は…」
「地図上じゃ北西の一番端だ。エメドギアは南東の一番端っこだがな」
書物を漁りながら生返事に答える。
「……『世界のパスタ』…」
「かなり遠いな…良く一週間そこらで来れたものだ」
「何々…和の国ジパンジアで開発されたナポリタンにはピーマン、
ソーセージ、玉ねぎ……何だって?」
「地図を見る限り、我が国とエメドギアは一番遠い様だぞ」

顔を上げ、本を棚に戻して地図の前に移動する。

「何言ってんだよ。ココからこう来た―――」
「そこは地図から外では無いか」

―…コイツ、ひょっとして…―

「…お前、何処か旅行に出掛けた事無いのか?」
「無いな」

(最悪だ。コイツ、地図の見方も知らないのか…)

流石に地図の見方も知らないとなると、世間知らずさは尋常ではないだろう。

(…だが待てよ?)

相手は頭の回るローレス王だ。俺がハーバルへ行き、誰の力を借りに行ったのかお見通しだろう。
だとしたら、このまま南西へ向かうエメドギアの道のりでは、
山ほどの敵が待ち受けているのでは無いか?

「…だとしたら全く反対側から行けば手薄…か?」

ライナーが使えないとは言え、何事も無ければたかだか三ヶ月で着くだろう。
何時来るとも知れぬ男を来ぬはずの道で待ち続け、気付いた時には時既に遅し。
ついでに『戦い方』を知らぬ原石を磨くのにも時間は必要である。
「道順も決まったし、とっとと行くか?」
「うむ」

扉を開き、二人は城の外へ向かった。
404セントラルの人:2話(4/4):2009/02/09(月) 22:24:37 ID:e7MXsMzI
一方、まんまとロデオに逃げおおせられたローレス王は、
大臣と共にロデオがどう仕掛けて来るかを相談していた。

「獣王が向かった先は間違いなく山岳都市ハーバルだ。
恐らく伝説の金竜を引き連れるつもりだろう」

「お噂には聞いております。かなり卓越した力の持ち主とか…」
「ハーバルから来る…と判っていれば問題無い。スグに刺客を放ち北西へ向かわせるのだ!」
「…は?ですが、ハーバルへは北東からが一番近いのでは…?」
「ソコは地図から外では無いか」
「え?いや、しかし国王…」
「グズグズするな!奴は既にハーバルへ向かっている!グランドライナーを利用して先回りするのだ!」
「は、はぁ…かしこまりました」

何か言いかけた大臣だったが、スグに諦め外へ出ていった。

「獣王よ…後悔するがいい…!!」
405セントラルの人:2009/02/09(月) 22:27:21 ID:e7MXsMzI
以上で投下終了です。
406創る名無しに見る名無し:2009/02/09(月) 23:06:30 ID:QgO6Ls1w
以下の内容を俺が言えたもんかどうかはさておいておいてくれると嬉しいw

()内の注釈とか、色々な説明を、上手く物語的に説明する工夫をすると、
もっといいんじゃないかと思う。
よくありがちな、設定が頭の中にある作者と、頭の中に無い
読み手の齟齬が生じてしまうんじゃないかなぁ、という懸念を感じる。
説明だけに文章を割いちゃうと、これまた不味いんだけど、
説明の情報量が足りていない部分が散見されるんだよね。
設定の説明をしようという意志は伺える。でも、その説明が、
作者である貴方の理解を前提とした物になってやいないか、って事。

ついでに言うと、ファンタジーである以上、現実の○○がこの世界では××にあたる、
的な説明のしかたは、読む人を萎えさせちゃうんじゃないかな?
作中にあるような、メタなギャグを織り交ぜていくつもりなら、
もう少しそれを読み手に理解してもらう為のエクスキューズが必要になるように思う。

それから、主人公になるはずの存在が、どの程度主人公たりえる素養を
持っているのか、というのは、何らかのイベントでもって描いた方が
いいと思うよ。強力な力、とだけ書かれても、読み手にゃ実感できない。
生まれの特別さとかを書いても、やっぱり目に見える(この場合は目に浮かぶ、か)
描写でもって書かれてないと、主人公への感情移入はし辛い。

全体的に、まず設定ありきである事の弊害が出ているように思えるね。
物語を読む事で設定が頭に入ってこないと意味が無い・・・とまでは言い切れないけど、
そうであった方が望ましいとは思うよ。


あとは、これは個人的な趣味嗜好の部類に入るかもしれないから、参考までに
聞いて欲しいんだけど、全体的にちょっと伏線のまき方が薄いように思うかな。
あるいは、全部をすぐに説明しようとしすぎている、と言うべきか。
説明が必要になったから説明する、というやり方は出来るだけ避けた方がいい、
と俺個人は思う。その説明が必要だというのはわかるけど、読み手としては
情報が単体でぽんと出てきても、それに感慨を抱く事は難しいもんだから。

三つくらい手法はあると思うけど、
・説明を先んじて伏線として行っておく
・説明をせずに事象だけ描写し、後からそれを解説させる
・説明する事自体が物語になっている
のどれかをもっと意識して組み込んだら、読み手に
もっとスムーズに世界観を受け入れてもらえるんじゃないかな、と思う。
キャラクターに語らせるってのはよく使われる手法だけど、
ロデオの独白、ないしは地の文でやってる説明を、キャラクターの
語りで行うように意識するだけで、随分違ってくるんじゃないかと思うよ。

もちろん、ただ説明するだけ、ってのも必要な時もあるんだけどね。
それを多用しすぎるのはよくないと思う。これは一番目の指摘、作者の設定把握と
読者の設定把握の差の部分にも通じてくる事だったりするんだけど。


とりあえず、解消して欲しい部分として第1に挙げられるのは、
作者と読者の設定に対する理解について認識して欲しい、って事かな。
伏線とかについては、まあそうした方がいいんじゃないか、程度の提案だと
思ってくれれば。そうとは取れないような書き方になってるかもしれないけど、
そこは勘弁してくださいw
人称とか、作法とかの問題は、俺は一先ず置いておくね。

最後に一つだけ。ホルンのキャラはもっと活かすべきだ!(力説
いいじゃないか、アホの子幼女!

って書いてたら1レス限界ギリギリだよ・・・あはは。
407セントラルの人:2009/02/09(月) 23:29:02 ID:eLc3VEl5
了解。なるべく指摘されたアドバイスに則って次の話を書き出してみます。

主人公の卓越した力…は、まだ公開する機会が無いのでもうしばらくお待ちを…
408創る名無しに見る名無し:2009/02/09(月) 23:40:08 ID:QgO6Ls1w
まあ、自分で譲れない部分は大事にしていいと思う。
その結果駄目ならそれじゃ駄目だと言うし。

一番大事なのは、最後までやり通す事だと思うから、
色々厳しい事も言われる(言う)かもしれないけど、頑張って。
409創る名無しに見る名無し:2009/02/10(火) 00:37:36 ID:X4Zi61VU
>>375-376
グッッッッヂョヴ!!!!!!!!!!
だがもっともぉーっとドワーフの汚れた魂の物語が読みたい。
ドワーフの血に黒ずんだ斧で魔法少女とレンレンをぶっっっっった斬りゃあーーーー!!!!!!!
410創る名無しに見る名無し:2009/02/10(火) 12:03:12 ID:ZrMjwHlN
え、六人のあすか伊央?
411創る名無しに見る名無し:2009/02/10(火) 12:20:17 ID:uXYFem1T
食事は手づかみで糞尿を窓から投げ捨てる文化でトイレすらなく
お風呂も入らないで香水で誤魔化す。

似非中世じゃなくリアル中世な世界を描いたファンタジーがあってもいいと思う。
412創る名無しに見る名無し:2009/02/10(火) 12:39:10 ID:H50ELwnZ
それファンタジーより中世要素の方が強くね?
ていうか古代・中世ファンタジースレ向きじゃね?
413創る名無しに見る名無し:2009/02/10(火) 21:16:54 ID:szFgEM21
>>407
投下乙 よくなってると思うよ
焦らず続き書いていってください
414創る名無しに見る名無し:2009/02/11(水) 03:33:25 ID:PgksbIkH
なんだこの投下ラッシュwww
415創る名無しに見る名無し:2009/02/11(水) 07:51:13 ID:V6Yvu4/5
ふむ……わずかながら上達しておる
良い感じじゃの
416セントラルの人・三話(1/4):2009/02/11(水) 10:15:03 ID:UgiN0qYb
山岳都市ハーバルから出発し、既に回りは薄暗くなっていた。
発った時間が時間だから仕方の無い事だが、
それでも今日中に運河まで辿り着いておきたいロデオの足は、少し小走りになっていた。

「してロデオ、これからどうするのだ?」

黙って付いてきていたドラムだったが、長い沈黙に流石に飽きたのか、ロデオに尋ねた。

「ん?あぁ、このままでけぇ川まで歩いて運河まで行くんだ…って、何だその大剣は…」

旅立った時には無かったのに、ドラムいつの間にか身の丈程はあろうかという巨大なブレードを背負っている。

「見てわかるだろ。剣だ」
「…いや、そういうんじゃなくて…」
「お前、『ブレイカー』だったのか?」

しかし、ドラムは一切反応せずに聞き返した。
「ブレイカーって何だ?」
「は?『ライセンス』だろ?」
「ライセンス?何だそれは?」

…この男、本当に世界を何も知らないらしい。
417セントラルの人・三話(2/4):2009/02/11(水) 10:16:31 ID:UgiN0qYb
面倒だから教えたくも無いのだが、今後の事も考えると、質問に答えるのが懸命だと判断したようだ。

「『ライセンス』っつーのはな、いわゆる職業の免許証ってヤツだ。
コイツがなけりゃ、自分の身分を証明する事も出来ねぇ」

ロデオはポケットから一枚の少し厚めのカードを取り出して見せた。
エメラルドグリーンの宝石が埋め込まれ、輝いている。
「このカードのライセンスは『盗賊』。つまり、俺の今の職業は盗賊って事だな」

「ライセンスには適した行動をすると、
経験を蓄積する効果があってな、
これが上限まで溜まればレベルアップ…実力が上がったと言う事だ」

ロデオ宝石の部分を指差して見せた。

「基本的にクリスタルの色を見りゃぁ、現在何の職業かが判る。
だが、ライセンスはあくまでも目安だ。
別に今このカードを『剣士』にクラスチェンジしても
盗賊の技が使えなくなる訳じゃねぇしな」

カードをしまい、素振りをして見せた。
「ライセンスは一つしか持てないのか?」

「いーや?コイツは免許証なんだ。いくつライセンスとったって構やしねぇさ。ただな…」
418セントラルの人・三話(3/4):2009/02/11(水) 10:18:40 ID:UgiN0qYb
「習得したライセンスは、そのまま一枚のライセンスカードに組み込まれる。
つまり、ライセンスのレベルを上げられるのは一度に一枚まで。
現在の職業だけだ」

「よくわからんな」

「ま、ライセンスは免許証と身分証明書とだけ思ってくれりゃいい」

「そうか…」
「因みにさっき俺が言ったブレイカーってのは、技術部門のライセンスで、大剣を扱う職業の事さ」
「その剣から生み出される破壊力はライセンス一で、由来もトンナー語の『破壊(ブレイク)』からだそうだ」

「つまり、これはブレイカーが使う剣と言う訳だな?」

「一概にそうとは言えねーけどな、おっと見ろよ」

ロデオが指差した方向を見ると、見事な巨大な川が流れていた。
「こっから川に乗って運河まで直行だ」

しかし、ドラムが幾ら見渡しても船らしき物は見当たらない。
「船着き場すら無い様だが?」

「船?…あぁ、船ね…」
419セントラルの人・三話(4/4):2009/02/11(水) 10:22:35 ID:UgiN0qYb
「コレだから素人は…」とでも言う様に肩をすくめ、
流木の一つを見つけると川辺に置いた。
「コイツにしがみついて川を下るのさ」

ドラムは正気か?と言わんばかりに呆れ、
「服が濡れてしまうではないか」
「服なんざスグ乾く」

「冗談じゃない。断る」
「だが、川を下らないと今夜は野宿だぜ?」
「川を下れば良いのだろう?」
ドラムは鞘無き背中の大剣を抜き、無造作に放り投げた。

「……何するつもりだよ?」

ドラムはそのまま大剣の腹に乗った。その途端、足元がエメラルドに輝き始め、やがて………

「マジかよ…」

信じられない事に、ドラムの乗った大剣は地面から10センチ程宙に浮いたかと思うと、やがてスノーボードの様に滑走し始めた。

「先に行くぞ?」
「ちょ……ま……!」
ロデオが止めようとするも、時既に遅し。
ドラムはそのまま大剣に乗り川を下って行ってしまった…

「あいつ…メチャクチャだ…」
とてもじゃないが、川に流されるだけでは追い付きそうもない。

だが離れる訳にも行かない。仕方なくロデオは川沿いを走り、ドラムの後を追った。

420セントラルの人:2009/02/11(水) 10:26:35 ID:UgiN0qYb
三話終了です
421創る名無しに見る名無し:2009/02/11(水) 11:45:35 ID:waQI41vi
乙です ゲームっぽいね
いいんじゃないかな
俺も何か書きたいけどネタがないな…
422創る名無しに見る名無し:2009/02/11(水) 15:42:07 ID:PgksbIkH
世界設定がいい感じー
423創る名無しに見る名無し:2009/02/11(水) 17:06:06 ID:tFeKY0N4
いい世界だなー
424創る名無しに見る名無し:2009/02/11(水) 18:04:18 ID:2YCI9GV5
もしかして盛り上げるために無理に下手に書いてた?w
425セントラルの人:2009/02/11(水) 20:01:18 ID:UgiN0qYb
>>424
何 故 ば れ た し!

いやウソだけど。


自分を高める為に、
素直に人のアドバイスを取り入れてるだけさ。

上達してるならば、それは皆のお陰です。
426創る名無しに見る名無し:2009/02/11(水) 20:09:37 ID:yyLTukDM
うん、いい感じにキャラクターの無知が説明に繋がって、
設定を物語の中で解消できてると思う。

これを頻発させすぎると、今度は説明臭くなって
キャラクターが生きないから気をつけてね。

良くなってると思うよ。
この調子で頑張って。
ようやく運河の近くの街に辿り着いたロデオは、真夜中と言う暗闇の中でドラムを探さねばならなかった。
やはり見失ってしまったのだ。

「……ったく、あのバカ王子め…」
キョロキョロと周りを見ながら、しきりに鼻を動かしている。

「…こっちか」
独り言を呟くと、近くの酒場へ足を運んだ。

「はぁ…居た居た」
「遅かったな」

ビールを口に運び、椅子に腰掛けているドラムを見つけると、安心したかの様に隣へ座った。

「あのなぁ…ああいうのあるんだったら早く言えよナァ…」
「ああいうの?どういうのだ?」

「あのホラ…、剣に乗ったヤツだ」

「普通だろう?」
「異常だよ!」
テーブルを拳固で叩き声を大きく張り上げた。
「俺が見た限りじゃアレは『気』だ!だが気は本来光黄色に輝くが、アレはエメラルドグリーンだった!」

「ほー」

「気の色がエメラルドグリーンなら間違いなく竜人族特有の気、『竜気』だ!」

「なら竜気だろう」

「だから!それだとオカシイんだっつーの!」
更に声を張り上げるロデオ。
幸い、この二人以外客が一人も居なかったが、酒場のマスターは顔をしかめた。
428セントラルの人第4話(2/4):2009/02/12(木) 01:20:15 ID:DjdZPUx+
「いいか!『気』を細胞から練り上げた『気功』は射出する事は確かに出来る!だがな…」

更にビールを飲もうとするドラムのジョッキを取り上げ、熱弁を振るった。

「物をあんな長時間浮遊させる力は無ぇんだ!
しかもテメェの体重プラス大剣の重さだった!
普通なら浮遊させる事すら不可能なんだよ!」

「浮いたではないか」
その通り。浮いた。

「テメェは『気孔エネルギーの絶対浮遊率』の最大理想値を遥かに超えたんだぞ!」

この男、どうやら論理的に物事を考えるタイプの様だ。
卓越した力を持っている事は充分承知のハズだった。

しかし、先程の『アレ』は予想したレベルを遥かに越えている。

そして…これが更に最悪の状況を招く事態になってしまうのだった。

「知らん。俺は俺だ」
さらりと言い返すと、ビールを取り返しまた飲み始めた。

「チッ…」
この男に理屈は通じないと判ると、諦めた様にマスターに話しかける。
429セントラルの人第4話(3/4):2009/02/12(木) 01:23:39 ID:DjdZPUx+
「二階は宿屋か?」
「はい、そうですよ」
「部屋一つ頼む。…ドラム、先行くぜ」

「うむ」

階段を登り、ロデオは二階へ消えていった。
軋む音がやがて聞こえなくなり、辺りは静寂に包まれていた。

〜宿屋の宿泊部屋にて〜

「ええと、ドラムの体重プラス大剣に、絶対浮遊率をかけて…ええい、理想値じゃ全く役に立たん!」

一人羊皮紙に書きながら、何やら呻いている。
どうやら、先程の件に関する計算の様だ。

「川を下った距離と走った時間から考えて時速は…この位だな…」
羊皮紙は既にビッシリ、計算式が書き込まれており、はたから見れば真っ黒に塗り潰しているだけにしか見えない。

「あの時速からして気の放出量は秒速……これ位か、
竜気の射出角度にもよるが…一番最小限に抑えたとしよう」

ロデオはコンパスを取り出し、幅を測ると地図に円を描いた。
どうやら計算の結果が出た様だ。

「……最悪だ」

一人頭を抱え、地図を睨んだ。

「コレじゃあ、歩く発信器だぜ…」
円は地図上約1/100を占めており、その円の中心には現在自分達が居る街があった。
430セントラルの人第4話(4/4):2009/02/12(木) 01:26:32 ID:DjdZPUx+
「少なくとも、気を探知出来るヤツには気付かれたな……早けりゃ朝には仕掛けて来る…か」

気は肉体を強化したり、魔法や術を使うのには必要不可欠だ。
しかし、気には二つの痕跡が残る。

一つは気を使用すると残る『気紋』。
魔法や術が触れた場所には、一週間の間所構わず後が残る。

それに薄めたルミノールを吹き掛けると気紋はゼリー状に固まる。
普段、軍警察はその塊を採取して容疑者を特定するのだ。


もう一つは『気跡』。
気や魔法の質量が大きければ大きい程回りに放射状に広がり、
一部の気に敏感な者には感知されてしまう。
気跡は数秒で消滅するが、感知した者は大まかの方向を特定する事が出来てしまうのだ。

今回はドラムによる膨大な気功の放出による『気跡』が、とてつもない範囲まで及んでしまい、
確実に誰かに感知されてしまった可能性があるのだ。

「…いきなり崖っぷちに立たされちまったなぁ…」

ぼんやりと上を見上げ、一人呟いた。
蝋燭の火が静かに地図を照らしている。

…行く先を案ずるかの様に…
431セントラルの人:2009/02/12(木) 01:28:17 ID:DjdZPUx+
投下終了です。
今回は旅が一気に難航し始める為の布石の為、少々面白く無いかもしれません。
432創る名無しに見る名無し:2009/02/12(木) 01:34:46 ID:7nAPv1OA
キャラがどんどん立ってきたなー
433セントラルの人第五話1/5):2009/02/12(木) 19:36:51 ID:DjdZPUx+
…旅立ち初日の朝…

「…起きたか」
「…あ〜、ロデオ、ここは何処だ?」
「寝ボケてんじゃねーよ、ハーバル南外れの街だ」

腕を組み、扉に寄りかかっているロデオは常に階段の下を見ていた。
「あぁ、そうだったな」

「判ったらさっさと―――」

「朝食を食べに行くぞ」

「そう、朝食を食べに……は?」
一刻も早くこの街を発ちたいロデオを尻目に、ドラムはさっさと酒場を出てしまった。

「ロデオ、あそこなんか良さそうだぞ」

見ると、白いテーブルや椅子が幾つも置かれたわりかし綺麗なレストランが建っていた。

「…まぁ、良いか。どうせこの先マトモな飯にゃありつけねーしな…」

二人は椅子に座り、メニューを見た。

パタパタと金髪のツインテールをしたウェイトレスが出てきた。

「ご注文はお決まりでしょうか?」

「…ミートボールサラダ、ペペロンチーノ、グラタン、チキンスープ、メロンクリームソーダを頼む。ロデオは?」
「いや…、俺はいいよ」

ドラムのメニューで既に気持ち悪くなったロデオであった。

「朝食を食べなければ力は出ぬぞ?」
434セントラルの人第五話2/5):2009/02/12(木) 19:39:31 ID:DjdZPUx+
「…じゃあカツサンド頼むわ。この2コセットのヤツな」

「ご注文を繰り返します♪カツサンド、ミートボールサラダ、ペペロンチーノ、グラタン、チキンスープ、メロンクリームソーダ…以上で宜しいでしょうか?」

「…?あぁ、あってる」
「かしこまりました♪」
ウェイトレスはそのまま来たときと同じ様に、パタパタと店の中に入っていった。

「どうした?ロデオ?」
「…いや、別に?」
テーブルに置かれた水を一口含むと、そのまま黙り込んでしまった。

暫くして、先程のウェイトレスが料理を運んで来た。
置かれるや否やドラムはさっさと料理を口に運び始める。

「ご注文は以上で宜しいでしょうか?」
「あ〜、悪ィ…カツサンドもう一つ頼むわ」
「…え?」
「聞こえなかったか?カツサンドもう一つ注文してンだよ」

「か、かしこまりました」
ウェイトレスは慌てて店の中へ駆け込み、ロデオはカツサンドをじっと見つめていた。

「食べないのか?」
「ん?あぁ…。遅すぎるカツサンドは油がパンに染み込んでてな、あんまりウマくねぇんだ」

「そうか?なら貰うぞ」
そう言うとドラムはカツサンドに手を出したが、それをロデオは静止した。
435セントラルの人第五話3/5):2009/02/12(木) 19:41:28 ID:DjdZPUx+
「まぁ待て。先に手元モン食っちまいな」
「それもそうだな」

やがてウェイトレスがもう一品カツサンドを持って、テーブルに置いた。
「ご注文は以上で宜しいでしょうか?」
「あぁ、悪ィな」
「それではごゆっくり…」
そう言うと、後ろを振り向き店の中へ戻ろうとした。しかし―――

「待ちな」
戻ろうとするウェイトレスを一言で呼び止める。

「…ココにカツサンドが2皿ある。早朝から仕事なんざ大変だろ?一つやるよ」

「で、ですが仕事中ですので…。それに、お客様の物を戴く訳には…」

「その客が良いって言ってんだ。どっち食う?手前の皿か?それとも奥のか?」

「…………」
仕方なくウェイトレスはカツサンドを口にする事に決めた様だ。
一番手前のサンドイッチを一つ手に取り、口に運ぶ。

「…うっ!」

突然、ウェイトレスは苦しそうに倒れ込んだ。
その様をドラムは目を丸くして見ていたが、口からパスタが途絶える事は無かった。

「さーて、質問タイムだ。何の薬を盛った?」
「!?」

椅子に座ったまま、ウェイトレスを見下ろし、胸元から小さなケースを取り出し、開けた。
436セントラルの人第五話4/5):2009/02/12(木) 19:42:37 ID:DjdZPUx+
「…る…、ルオロミウム…」

「ほ〜ぉ、神経麻痺の金属毒か…良くできました」

苦しそうにもがく女には目を向けず、ケースの中から小さな薬瓶を幾つか取り出し、それを水に垂らした。

「飲めよ。解毒剤だ」
動けぬ女に無理矢理飲ませ、椅子に座らせる。
グッタリした表情で女はロデオを睨み付けた。
「…何故…判った…」
「お前がメニューを繰り返した時、カツサンドを真っ先に言ったからさ。
書き込まれたメニューを読み上げるのに、ワザワザ一番下だけ最初に読まねーよ。
つまり、俺を仕留めるのに急いた訳だな」

「おいロデオ、まさかこの中にも毒が入っているんじゃ無かろうな?」

「それは無ぇよ。そもそも薬は即効性だし、
お前が先に食って異常アリじゃ俺はカツサンドを食べねぇだろ?」
ひょいとカツサンドを一つ掴み、自分の口へ運んだ。

「毒は一皿目のカツサンドに盛られてた。二皿目に毒が無かったのは、
毒味の為に自分が食べさせられる可能性があったからだ。違うか?」

女は苦しそうに咳き込み、黙って居た。
「ま、お前はどちらの皿を選んでも、
毒入りサンドイッチを食べるハメだったがな」
437セントラルの人第五話5/5):2009/02/12(木) 19:44:25 ID:DjdZPUx+
「…どういう…意味だ…?」

「アンタから見て手前側のサンドイッチを一つすり替えた。
つまり、手前側からしかサンドイッチを手に取る事が出来ないアンタは確実に毒を喰うハメになったのさ」

毒の無いカツサンドを平らげると、立ち上がって女の肩を叩いた。
「支払いはアンタに頼むぜ?致死毒なら真っ先に殺してやったトコだ、感謝しろよ」

そういうとロデオは歩いて立ち去った。

「……チッ、化物め…」

「…まぁ、その何だ?」
口を仕切りに動かし、黙々と食事を続けていたドラムがまだ女と一緒に座っていた。

「ウェイトレス、メロンソーダとペペロンチーノ、それからグラタンお代わり追加で」

「話聞いてた!?って言うかまだ食うの!?」

瀕死ながらも女はドラムに渾身ツッコミを入れたが、流石に今ので気を失った様だ。

「…おい。全く、仕事中だろうに。困ったヤツだ」

カラの器を暫く見つめていたが、仕方なくドラムはロデオの後を追って行った。
438セントラルの人:2009/02/12(木) 19:46:31 ID:DjdZPUx+
投下終了。
今回はロデオのみの戦闘です。

439創る名無しに見る名無し:2009/02/12(木) 20:04:00 ID:4lr07nwW
なんで手前のサンドイッチしか取れないの?バカなの?
440創る名無しに見る名無し:2009/02/12(木) 20:05:43 ID:B+ipTRQA
ファンタジー世界に一般世界の食べ物がそのままの名前で出てくるとガクッと萎えるぞ
441セントラルの人:2009/02/12(木) 21:02:01 ID:DjdZPUx+
>>439
そこが理解出来るか心配だったんですよね…表現がちょっと難しくて…
わざわざ一皿2個と入れてみたのですが、やはり無理だった様ですね。

┌───────┐
│       │
│       │
│       │
│       │
│       │
│  ▲▲   │
└───────┘
黒い三角が毒入りサンドイッチ、白いサンドイッチが毒ナシだとします。
┌───────┐
│       │
│       │
│       │
│△△     │
│       │
│  ▲▲   │
└───────┘
二皿目には毒が入っておらず、ウェイトレスが振り向いた瞬間すり替えます
┌───────┐
│       │
│       │
│↓      │
│▲△     │
│   ↓   │
│  ▲△   │
└───────┘
こうすると、ウェイトレスの取るサンドイッチは手前側なので、どちらを取っても毒になります。
逆に、あり得ない事ですが奥のサンドイッチを取ると不自然なので、そこで終了という事になります。

>>440
それは、霞の国ミスティルと言う国でネタにしたかったのですが……すみません。
442創る名無しに見る名無し:2009/02/12(木) 21:12:41 ID:ukogC1Cz
ちょっと根拠としては弱い気もする。>奥を取ったら不自然

素直に一皿頼んで、それをウェイトレスが食べられずに・・・って
した方がいいんじゃないかと思ったな。
ちょっとトリック仕立てにしようとして失敗してるかも。
443セントラルの人:2009/02/12(木) 21:51:07 ID:DjdZPUx+
そちらの設定の方が無難でしたね…


心理学でコレと同じ様な実験(カラシ入り)をしたビデオがありまして…その結果が全員引っかかってたので、
完全に調子に乗ってましたすみません。

「どちらの皿を〜」
と言うのがコツの様です。

444創る名無しに見る名無し:2009/02/12(木) 21:55:40 ID:ukogC1Cz
まあ、わかるっちゃわかるけどね、心理的にそうなるだろうってのは。
ただ、説明しないとわからないような取り回しは、そうする意味が
あるかどうか、って所を検討するのが結構重要。
削って簡素な形にした方がすんなり行く事もあるから。
445セントラルの人:2009/02/12(木) 21:58:21 ID:DjdZPUx+
そうですね…
お詫びになるか分かりませんが、もう一話投下しますね。

暫くお待ちください。
446セントラルの人第六話(1/5):2009/02/12(木) 21:59:47 ID:DjdZPUx+
運河近くの街を発ち、のどかな一本道を歩く二人。
先に口を開いたのはロデオの方だった。

「今、この街を出た時点で山岳都市ハーバルから出た」

「知っているぞ。城跡都市パレスチナだな?」

「地図あっても方向オンチかこのアホ王子、マドレルーパだマドレルーパ。魔導都市マドレルーパ!パレスチナは東だがこっちは南!」

「確か、魔法や魔導石が盛んな国だったな」
「そ、マドレルーパの街と言う街には『魔法学校』があってな。ソコで普通は魔法を学ぶのさ」

そう言いながら、ロデオは指先から炎を出して見せた。
小さな炎がメラメラと燃えている。
「所でロデオ」
「あん?」
「それ、どうやるんだ?」
「は?」
「それだそれ。指から火を出すヤツだ」
「え?何?まさか魔法が使えないのか?義務教育だぞ?」

そうなのだ。最低でも小学校、中学校までは義務教育で一般の授業と同じ様に、
魔法を学ばなければならない。
マドレルーパの国土はとても広く、それ故他国から学びに来ても快適に暮らせるよう、
寮や施設が数多く存在する。
447セントラルの人第六話(2/5):2009/02/12(木) 22:01:04 ID:DjdZPUx+
「良くわからんが、その魔法とやらは俺は使えんのか?」
「…無理だな…流石に今から小学校通わす訳にもいかねーし…
第一、魔法は『理屈』だからお前にゃ不可能」

「むぅ…」
「ま、仕方ねーさ。一朝一夕で覚えられたら、学校なんか要らねーしな。

やれやれと肩をすくめ、道を歩み続ける。ドラムも魔法が使えないとなると同じ様に歩み始めた。
「……まぁ、魔法が使えなくとも、魔法が使える事は使えるがな」
「馬鹿か貴様。魔法が使えないのに魔法が使える訳無かろう」

「お前だけには言われたくねーよ!…ったく、この話はやめだや〜め!」

片手を上に挙げ、手を左右に振りながら面倒事を避けるように話を切った。


二人の後を追うかの様に、一人の女が着いてきていた。金髪の長いツインテールに緑の瞳…どうやら先程のウェイトレスの様だ。

「きぃぃ!見てらっしゃい…ロデオ=ガルフォーン!必ず捕まえてやるわ…」
一人奮起する彼女、ハンカチを手に持ち…引き裂いた。
448セントラルの人第六話(3/5):2009/02/12(木) 22:02:24 ID:DjdZPUx+
「…それにしても、生け捕りは20億、始末は200万ピヨだなんてまるで捕獲しろって言ってる様なモノよね?
S級シーフの一人である『獣王ロデオ』が相手だし、妥当と言えば妥当だけど…」

後を追いつつ、独り言を言うと今更の様にロデオともう一人一緒に居る男に気が付いた。

「はぅあ!?獣王と一緒に居たのはまさか…ハーバル国の王子様!?
大変!きっと誘拐されたんだわ!!だからアイツ裏ギルド内で指名手配喰らったのね!」

事情は全く違うのだが、状況を見ると彼女の言う通りである。これもローレス国王の策略なのだろうか?

「ロデオを生け捕りにして、王子を救出したとなると…上手く行けばお姫様!?」



「ふふふ、ロデオ!とうとう捕まえたわっ!」
「クソッ!流石は毒術師のパルフィ……お前に狙われたのが運の尽きだったか…」
「オホホホホ!さぁドラム様!この意地汚い男をとっとと背負っ引きましょう!」
「流石は毒術師パルフィだ。どうだ?お前さえ良ければ我が国の姫に…」
「私の事はパルフィと呼んでくださいましドラム様…」
「パルフィ…」
「ドラム様…」

「…………ハッ」
449セントラルの人第六話(4/5):2009/02/12(木) 22:03:12 ID:DjdZPUx+
気が付くと二人の姿は何処にも無かった。
どうやら見失ってしまった様だ。
「ああああ!!」

パルフィは慌てて二人が向かった方向へ走り出した。

一方二人はと言うと、マドレルーパの街の一つに辿り着き、市場を見物していた。
「…うーむ…」
「どうした?ロデオ」「さっき、尾行されてたと思ったんだが…」
「撒いたのでは無いのか?」
「人ゴミに紛れただけで見失うなんざ、よっぽどのド素人か間抜けだな」
「ふむ…」
「それより、荷物を買い揃えておかないとな…この先は最低三日は野宿だ」
「三日もか…歩かないで剣に乗れば良いでは無いか」
「あぁ、言い忘れてたな」
「アレはいざって時以外使うな。アレを使うだけで位置がバレちまうからな」
「むぅ…」
「それともう一つ、どんな時でも俺の指示に従え。
基本、敵が現れた時はお前だけ戦う事になるからそのつもりでな」
450セントラルの人第六話(5/5):2009/02/12(木) 22:03:34 ID:DjdZPUx+
「面倒だな」
「面倒で良いのさ」

ロデオは必要な道具や食料を買い揃えると、ドラムを連れて宿を探す事にした。
「ロデオ、まだ昼間だぞ?もう泊まるのか?」
「あぁ、もう泊まるんだ。出発は野宿を少なくする為早朝からって決まってる。
今日みたく店で朝食を取るのもナシでさっさと行かなきゃならねぇ」

「横暴だ」
「俺の指示に従えと言ったばかりだだろーが…」

「むぅ」
「ま、悪い様にはしねーさ」
そう促すと、近くの宿屋へ入っていったが、スグに戻ってきた。
「満室だとよ」
「むぅ」
「あっちの宿に行ってみようぜ」

しかし、次の宿も満室であり、二人が部屋を取れたのは四件目であった。
451セントラルの人:2009/02/12(木) 22:05:07 ID:DjdZPUx+
六話目投下終了です。
五話目が解りづらい内容ですみませんでした。
452創る名無しに見る名無し:2009/02/12(木) 22:16:48 ID:ukogC1Cz
間抜けな刺客っていいよねw
好きだw
453創る名無しに見る名無し:2009/02/12(木) 22:47:55 ID:4lr07nwW
>>441
いや言いたいことは分かってたんだけどね。
実験に基づいてるって言ってもそれは素人相手の実験でしょ?

彼女について全てが語られてるわけじゃないから推測になるけど、ウェイトレスの口調からして、ただもの(素人)ではないんだよね?
相手が相手なんだし多少なりとも腕に自信もあるだろう。

そこに、
・お尋ね者相手とはいえ人間相手に毒を盛った。
・今自分がそれを口にすることになるかもしれない状況におかれている。
・相手は世界でも名の知れた男。
という状況からくる緊張が加わっているのに、安易に手前のサンドイッチを取るだろうか?

今まで毒を扱ったこともない素人ではないんだし、この場合焦って頭が真っ白になるのでなく、むしろ疑心が強くなり全ての行動に慎重になりそう。
裏の裏を書いて失敗とかはあっても、単純に相手の思うままに動いちゃうとは思えない。

まぁ間抜けな刺客ってことで片付かなくもないけどね。


やっぱり心理戦や知能戦は、格闘戦よりも難しいよね。
次回以降の格闘戦に期待します。
454 ◆91wbDksrrE :2009/02/12(木) 23:16:53 ID:ukogC1Cz
ちょっともう寝なきゃいけないので、
申し訳ないですが投下させてもらいます。

>>21-22
>>316-319
>>378-379
(及び魔法の黒子の初出は三題スレ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1219901189/460-461

の続きです。
455 ◆91wbDksrrE :2009/02/12(木) 23:17:47 ID:ukogC1Cz
「まいったなぁ……」
 物事とは、なかなかにままならない物であるという事を、僕は思い知らされて
いた。まあ、黒子のカッコとか、背後からドスで一突きとかがどうにもできない
事で、十二分に思い知らされていたという話もないではないけど……。
 でも、せっかくそれが何とかできるかもという光明が見えてきたのに、まさか
こんな壁が存在するなんて……。
「もう木曜日なのに……一回も先輩とコンタクト取れないよぉ」
 学園生活における一年違いの壁というのが、これ程までに大きいとは!
「おはよー、美由ちゃん」
「あ、おはよ、明日香」
「浮かない顔してるけど、どうしたのー?」
 話し掛けてきたのは、友達の神乃明日香(じんのあすか)。地毛が茶髪なせい
で何かと軽い娘に見られがちだけど、その実態は超がつく普通さを誇る真面目な
いい娘で、僕の事も何かと助けてくれる、親友とも言える存在だ――とか、改めて
思うと、何か照れくさいな、へへ……。
「あんまり悩んでると、白髪が増えますよー?」
「この髪は白髪ちゃうっての!」
 僕の銀髪を冗談のネタにしてくれるのも、親友の気安さ故だと思う。多分。き
……そうだよね? …………。ま、まあ、あんまり深く考えないようにしよっと。
「明日香はさあ、一個上の先輩に用事がある時ってどうする?」
「先輩に用事、ですかー? それは、教室に訪ねるんじゃないでしょうかー」
「だよねー。でも、全然面識のない先輩とかだと、尋ねて行きにくくない?」
「そうですねー。確かにそうかもしれませんー」
「何かきっかけとかがあればいいかもしれないんだけどね……」
 そう。僕が直面している問題はそれだった。正直行って、いきなり先輩を訪ねて
いって、なんと話を切り出していいものやら。有名人な先輩……高崎先輩と違って
僕はごく普通の一生徒だし、話を聞いてもらえるかどうかもわからない。
 ましてや、いきなり僕みたいなのが『僕も魔法使えるんですけど、どうやったら
先輩みたいにカッコよく使えますか!?』なんて言って、まともに取り合って
もらえるかどうか……。
「何方か、先輩に御用なんですかー?」
「あ、うん……ちょっとした野暮用なんだけどね」
「何方にですー?」
「えっと……高崎先輩って知ってる? あの人に、ちょっと話があって……」
「あらまあ、高崎祐太先輩ですかー」
 当然、明日香も高崎先輩については知っている。その破天荒な噂も、結構な
イケメンである事も含めて。
「それで先日から二年生の教室の前で、何やら様子を伺ってたんですねー。
 告白でもするつもりですかー、美由ちゃん?」
「ち、違うよっ! なんでそうなるの!?」
 いきなりとんでもない事を言い出すなぁ、明日香は……。思わぬ事を言われて
しまったから、慌てて否定しちゃったけど、案の定その僕の様子を見て、明日香は
ニヤニヤしている。うぅ……。
「高崎先輩は人気のある方ですからねー」
「だから違うって……ちょっと先輩の、そうだなぁ……技術っていうか、
 そういうので、話を聞きたい事があるだけなんだよ」
「へえ……まあ、そういう事にしておいてあげますー」
「ああ、もう、だから違うんだってばー!」
456 ◆91wbDksrrE :2009/02/12(木) 23:17:59 ID:ukogC1Cz
 そんな事を話している内に、あっという間に時間は経ち、始業時間が間もなく
であることを報せる予鈴が鳴った。
「ああ、もう授業始まっちゃう……明日香、休み時間は真面目に話聞いてよ!」
「ふふふ、ごめんなさい、美由ちゃん。でもですねー」
「何?」
「あれこれ考えるよりも、思い切って当たってしまった方が、物事は案外上手く
 行くものだとわたしは思いますよー。案ずるより産むがメガネメガネ」
 ……案ずるより産むがやすし。そのギャグはわかりにくいよ、明日香……。
「……まあ、ギャグの評価はさておいておいて」
「酷いですー、美由ちゃん」
「確かに、明日香の言う通りかもしれないなぁ……ちょっとあれこれ考え過ぎて、
 不安になっちゃってたかも」
 そうだ。僕は決意したじゃないか。世界が間違ってると思うなら、それを正す
努力をしていけばいいじゃないか、って。
「うん、ありがと、明日香。今日、昼休みにでも、思い切って先輩訪ねてみるよ」
「大丈夫ですよー。美由ちゃんは、同姓のわたしから見ても魅力的な女の子です
 からー。きっと高崎先輩も美由ちゃんの事を気にいると思いますよー」
「だーかーらー!」
「うふふ、冗談ですよー」
 どこまで冗談なのかさっぱりわからないよ、明日香……。
「あ、先生来ましたよー、美由ちゃん」
 言われてみると、教室の扉が開き、担任の吉原先生が入ってくる所だった。
「とにかく、昼休み……行ってみるね」
「頑張ってくださいー」
 やっぱり、持つべき物は友達だ。背中を押してくれて、ありがとう、明日香。
 一度はしぼみかけていた決意が、また膨らんでいくのを僕は感じていた。

                                続く


(……滝野美由。……高崎祐太は……渡さない……)

                                終わり
457 ◆91wbDksrrE :2009/02/12(木) 23:18:16 ID:ukogC1Cz
ここまで投下です。
458創る名無しに見る名無し:2009/02/12(木) 23:29:57 ID:4lr07nwW
お疲れ様です。

個人的には祐太側の展開の方が好きなんだけど、当分は魔女っ子側かな?

祐太側のなんとなーく緊迫感が漂う感じが好き。
魔女っ子側はなんとなーくほんわかした感じで、その対比も一つの魅力になり得ると思うんだけどね。

ところで、この文章の空気に馴染みがあるような気がするんだけどもしかして個人サイトで似たような設定のも書いたことある?
勘違いだったらすいません。
459 ◆91wbDksrrE :2009/02/12(木) 23:32:18 ID:ukogC1Cz
無いっす。

いつか自分用に、自分のSSを小ネタ含めて集めた
サイトを作るのが、ささやかながら自分の夢です(ぉぃ
460セントラルの人:2009/02/12(木) 23:49:02 ID:DjdZPUx+
まさかの銀髪!もしかしてアルビノかな?

同じく祐太サイドが気になる所
461創る名無しに見る名無し:2009/02/13(金) 08:59:05 ID:vJTo5KM0
えらい伸びとるな・・・正直読むのがメンドイ

サイト立てるなら簡単に、立てられるんだから是非頼む
ちなみに、自分はBLOGでオリジナルやってるがホント人こねぇぞ
まあ、興味があったらso-net系で検索してくれ
462創る名無しに見る名無し:2009/02/13(金) 15:18:25 ID:m8bpiUY6
そりゃ宣伝しないと誰も来ないだろ…

読むのが面倒なのは本人の自由だから知ったこっちゃ無いけど、

創作するスレなんだから、別にサイトまで立てて貰う必要は無いんじゃないかな?
463創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 01:33:50 ID:p0sR4n5r
>>462
同意
464創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 10:03:48 ID:Trc/mNmn
デモンズソウルのリプレイ小説書きたい
需要ある? そもそもスレチかw

こういうダークなファンタジーって最近あんまないよね
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6071775
465セントラルの人第七話(1/3):2009/02/14(土) 22:10:58 ID:KfeZk0xI
「流石に国境付近のせいか満室が多かったな…」
「うむ、部屋が運良く一つ空いていて助かったな」
「確かに」

荷を下ろしながら、溜め息を着くロデオ。
「やれやれ、四人部屋かよ…相部屋になる可能性もあるな…」
「宿泊に相部屋とかあるのか?」

「当たり前だろ?スイートルームじゃあるまいし…、持ちつ持たれつってのが旅人のルールさ。…稀だがな」

ロデオは武器を取り出し、手入れを始めた。
「だが、今回は無理だな。危険すぎる」

武器の手入れを早々と済ますと、荷物を角に置き、横になった。

「で、まさかもう寝るのか?」
退屈そうにドラムはベッドに乗り靴を脱ぎ捨てる。
「そのまさかさ。良いか?明日早朝に南口からさっさと街を出るんだ」
「面倒事はゴメンだしな」

そういうと、さっさと布団にくるまってしまった。
「…ふむ」
観念した様に仰向けになり天井を見上げると、ドラムは天井のしみで迷路をし始めた。
466セントラルの人第七話(2/3):2009/02/14(土) 22:12:45 ID:KfeZk0xI
―――一方こちら、毒術師パルフィ。

「ここも満室なの!?」
どうやら、彼女も同じ街で宿を探している様だ。
「七件目も満室だなんて…ついてないわ…」
溜め息を着き、カウンター前で頭を屈める。
朝から毒を飲まされ、散々二人を探し回り、挙げ句の果てに宿が見つからない…
半分は自業自得なのだが、彼女の疲労はピークに達していた。

「あの…お客様」
流石に心痛たまれなくなったのだろう。店員から声をかけてきた。
「相部屋ならその…何とかなるかと…」

(相部屋…?まだうら若き乙女に相部屋を勧めるとは、なんと言う失礼な…)
そうは思いつつも疲労には勝てず、承諾する事にした。

「ええ、そうして頂戴…」
「それでは伺って参りますので、少々お待ちください」

そういうと店員は階段をかけ上がって行った。


「うーむ…また行き止まりか…」
一人天井を見ながら『しみ天井迷路』をしんていた。
そこにノックの音がし、ドラムは自分の居た位置を見失ってしまった。

「お休み中申し訳ございません」
「何の用だ?」
467セントラルの人第七話(3/3):2009/02/14(土) 22:14:35 ID:KfeZk0xI
「生憎、宿が満室で…一名様が泊まれる終いでして…お客様に相部屋をと、お願いをしに来たのですが…」

「あん?他当たれよ」
いつの間にかロデオは起き上がり、面倒くさそうに手をブラブラさせた。

「ですが、宿屋が他六件満室の様でして…」
「六件満室だって?……そりゃ流石に可哀想だな。ま、運が無かったっつー事で…」
「ロデオ」
「わーったよ、旦那、ソイツにOKっつっときな」
「ありがとうございます」


店員は直ぐ様彼女に報告する為、階段を駆け降りていった。
468セントラルの人第七話:2009/02/14(土) 22:15:46 ID:KfeZk0xI
投下終了です。
469創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 22:31:16 ID:XVzxZk6b
乙です
470創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 01:20:55 ID:6QQaVIiS
相部屋…とな
果たしてこれからどうなるか
471創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 11:35:51 ID:nz34Lv+F
きたなーw
472セントラルの人第八話(1/4):2009/02/15(日) 18:29:58 ID:MtRSPuHQ
「本当に!?」
疲れきったパルフィは水を得た魚の様に立ち上がり、カウンターに身を乗り出した。
「はい、三階の305号室でございます」
「まぁ、なんて素敵な方なのかしら…助かるわ!」
「305号室ね、判ったわ」

パルフィは階段を登り、305号室の前に立ちノックをした。
中から声がする。

「入りな」

パルフィは扉を開け、そのままベッドに流れ込んだ
「助かったわ〜…何処行っても満室なんだもの。感謝する……わ……」
「へ〜…、ソイツは良かったな。まぁ、お互い苦労したし遠慮するこたぁね……ぇ…」

互いに固まり、ドラムはその様子に気付き二人を交互に見合わせた。

「む?どうした?」

「あ、ああああアンタじゅ、獣王!?」
「て…テメェは今朝のウェイトレスじゃねーかっ!」
(最悪だわっ!ターゲットと相部屋!?しかも一回対峙してるじゃない…!)
「相部屋なんか止めだ止め!今すぐ出てけ!」

「じょ、冗談じゃないわ!もうお金払ってあるのよ!!そういう、アンタが出ていきなさいよっ!」

「なにおぅ!?」
「何よっ!」

「…うるさいな」
至近距離でにらみ合い、互いに拮抗する二人をよそに、ドラムは外へ出ていった。
473セントラルの人第八話(1/4):2009/02/15(日) 18:31:19 ID:MtRSPuHQ
「疲れてるって言ってたな、何ならグッスリ寝かせてやろーか!?永遠になっ!」

「やってご覧なさいよ!その前に大声出してやるんだから!
サイレント(無属性:沈黙化魔法)対策だってあるんだからねっ!」

「ドラムっ!テメーも何か言ってやれ!ドラ…ム…?」
ようやくドラムが消えた事に気が付いたロデオ。
「……ドラム?あれ?」
「お、オイ。ドラム知らねぇか?」
「し、知らないわよ!騒がしいから出掛けたんじゃないの!?」
「騒がしくしたのはテメーだろうが!…クソッ!」
ロデオはそのまま扉を開き飛び出そうとした。

「させないわ!」
扉の前に輝く糸が舞い、扉を固定した。

「な!テメェ…武神器使いかっ!」

「…ふふん、武神器『リープエーヴェル』!十の指輪から放たれる十の鉄線は…そう易々と引き千切れないわっ!!

「…テメェと争ってる場合じゃねーんだがな…」
三節棍の様な物を取り出し棒状に組み立て、槍の頭部を取り付けた。
「クスッ…あらあら、とうとう本気になったわね。この…誘拐魔っ!!」
「ゆ…誘拐魔だぁ〜!?」
予想外の発言にバランスを崩しかけたが、うまく踏ん張った。
474セントラルの人第八話(3/4):2009/02/15(日) 18:32:32 ID:MtRSPuHQ
「貴方の首に賞金が懸かってるわ。生け捕りで20億、始末で200万よ!
王子誘拐でもなけりゃ、こんな額にはならないわっ!」

唖然とするロデオ

「例え貴方に殺されようとも王子は逃がすわ!覚悟なさい!!」

「バ…バカヤローッ!!」
大声を張り上げ鉄線を掻い潜り、窓を開いた。
「あのバカ王子はナァ!!超方向オンチなんだよ!」

「は?」

「ココは人混みが多い、離れちまったら流石に『匂い』では探し出せねぇ!!」

「え…えぇ〜っ!?どういう事!?」

ロデオ舌打ちをし、そのまま窓から飛び出した。
「なっ…ココは三階よ!?正気!?」

ロデオは窓に槍の柄を引っ掻けると、宿屋の屋根へと軽やかに飛び乗った。
「……あり得ないわ」
鉄線を指輪に吸い込ませ、後を追おうとしたパルフィだったが、

「あ……無理、疲れたわ…」

ピークだった疲労にプラスアルファしてしまい、ベッドへと横になってそのまま眠ってしまった。
475セントラルの人第八話(4/4):2009/02/15(日) 18:33:45 ID:MtRSPuHQ
「ほほう、フリッジペンネではないか」
一方のバカ王子は、どうやらパスタにご執心の様子。
フリッジを手に取り形を見る。
「見事なものだ。左右対称に作られたフリッジは初めてだ」

関心している所に、小さな男の子がドラムの服を引っ張った。
「む?」
「お兄ちゃん、あそこの人達がお兄ちゃんにお手紙だって…」

「ほぅ?」
ドラムが手紙を受けとると、少年はそのまま元来た道を走り出した。

殴り書きしたかの様に、手紙にはこう書かれていた。

――獣王、早朝南外れ入口に来い。貴様の最期だ――

「獣王…?あぁ」
そう言えばロデオが『獣王』と呼ばれている事を思い出し、一人納得した。
「なるほど、ラブレターと言うヤツか」
「俺にソッチの趣味はねーがな」

後ろからロデオが突如現れ、そのままドラムから手紙を奪い取った。

「ケッ…大層なラブレターだぜ。全く…運良く鴨見つけたはいいが、ネギじゃなくイモ背負って来るとはな…」
指先から炎を出して手紙を燃やし、放り投げた。
「…だが、マッシュポテト作るにゃ丁度良い…」

そのままドラムの腕を掴むと宿屋へ連れていった。
476セントラルの人第八話:2009/02/15(日) 18:34:19 ID:MtRSPuHQ
投下終了です。
477創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 21:02:57 ID:nz34Lv+F
()説明は要らないと思う。
サイレントって言われて、ファンタジーなら、
ある程度は皆わかるだろうし。

それ以外はイイヨーイイヨー
っていうか疲れて諦めるなよ刺客w
せっかくのお約束展開をもっと広げて欲しかったというのは
流石にわがままかw
478 ◆91wbDksrrE :2009/02/16(月) 00:16:05 ID:nACkizgp
投下しまっす。
>>454-456の続きでっす。
479 ◆91wbDksrrE :2009/02/16(月) 00:17:29 ID:nACkizgp
「べっくしっ!」
 盛大なくしゃみが、青空に響く。
「風邪でもひいたのかにゃ?」
「いや、別にそういうわけじゃ……」
 誰かに噂でもされてんのかな。
「屋上でサボったりしてるから風邪ひくにゃ」
「だから風邪じゃないって。サボってもいないし」
 今は昼休み。俺は一人のんびり休み時間を楽しんでいた。だから、別にサボり
ってわけじゃない。……まあ、ちょっと早めかつ自主的に昼休みに突入したりは
したけれども。具体的には一時間分。
「それをサボりって言うんにゃ」
「うるへー。って言うか心の声を読むな」
 最近、『澱み』の発生率が上がっているような気がする。
 放課後や休みもお構い無しに発生する奴らのせいで、何かと忙しい毎日を送って
いる俺にも、休息の時は必要だ。うん、言い訳完了。
「誰に対しての言い訳にゃ?」
「だから心の声を読むなって。……しかし……なあ、リリ」
「なんにゃ?」
「あいつらって、一体何なんだろうな?」
 あいつら……『澱み』と俺達が呼んでいる存在の正体は、今もってわからない
ままだ。ただはっきりしている事は――
「わたしにゃの敵にゃ。それで十分にゃ」
「ま、そりゃそうなんだけどな」
 そう。はっきりしている事は、あいつらが俺達人間に害を為す存在であるという
事くらい。そして俺達は、それを妨げる為に戦っているという事くらいだ。
 何の為にかはわからないが、今まで相対してきた『澱み』は、例外無く人間に
害意を持って動いていた。
「……何の為に、か」
 物事には、何事にも理由があって然るべきである……それは、人間の価値観、
理屈であって、人ならぬ存在には通じないのかもしれない。だが、それがもしも
存在し、それを理解する事ができれば、今よりもっと効率良く、今よりもっと
先んじて、『澱み』と対する事ができるんじゃなかろうか。俺はそんあ事を
考えたりしているのだった。
「……うーん」
 魔法しか通じず、通常兵器では一切打撃すら与える事ができない。
 時間経過と共に成長し、徐々に知能のような物を得ていく。
 それと共に戦いにも適応し、手ごわくなる。
 同時に、最初は単なる塊のような形態を、徐々に人のそれへと近づけていく。
 発生するのは逢魔が時と言える夕刻のみ。
 発生原因、目的共に全く不明。
 推察できる材料も、今の所なし、と。
 それが俺の『澱み』について知る全てだった。
480 ◆91wbDksrrE :2009/02/16(月) 00:17:53 ID:nACkizgp
「……さっぱりわからん」
「わからん事を無理に考えようとしても、あんまりいい事は無いにゃ」
「まあ、そりゃそうなんだろうが」
 そもそも、わからないと言えば、俺自身が遣っているこの力だってそうだ。
「リリは……自分の生まれとか、わかんないんだよな?」
「またその質問かにゃ。女の生い立ちを語らせるとにゃ、無粋の極みにゃ」
「……そういう台詞は大股開いて毛づくろいしながら言うなよ」
「見られたにゃー。恥ずかしいにゃー」
「棒読みかい」
 魔法とは、一体何なのか。『澱み』に抗する武器であり、俺だけにしか使えない
技であり、通常の物理法則とは一線を画する現象を生み出す超常の力だ。
 リリの正体も含め、俺は俺が遣うこの力の起源を知らない。いや……知らされて
いないと言うのが正確か。
「高度に発展した科学は、魔法をも超える……」
 呟いたその言葉が、唯一俺が"あの人"から受け継いだ言葉。力と、その言葉だけ
を、まだ物心ついて間もなかった頃の俺に残し、"あの人"は……先生は、何処かへ
消えた。代わりに現れたのが、一匹の喋る黒猫、リリだ。だが、現れたタイミング
とかを考えると、色々と知ってそうなリリは、多くを語ってはくれない。
 というか、あんまり知ってそうな雰囲気が無い。
「失礼にゃ」
「じゃあ、知ってる事話してくれよ」
「女にゃ秘密があるにゃ」
 毎回こんなやり取りではぐらかされるわけだが、多分、リリも詳しい所は
知らないのだろう。知っていて、秘密にする理由は無いはずだから。
「はぁ……先生に、もっと詳しく色々聞いておけばよかったなぁ」
 後悔先に立たずとはこういう事を言うのだろうか。あの頃の俺は、力の遣い方を
覚えるのに精一杯だったし、実際にその力を何の為に遣えばいいかもわかって
いなかった。それがわかったのは、何年かして実際に『澱み』と対峙し、殴って
も蹴ってもどうにもならなかった『澱み』を、魔法の力で何とか退けた時に
なって、漸くだ。だから、今考えてるような、様々な疑問を問おうという考えを、
当時の俺は一切持っていなかった。
 先生に色々と教わるのが楽しかった。
 ……ただ、それだけが、当時の俺の"理由"だったんだ。
「先生、今頃何してんのかなぁ」
 思えば、先生は謎の多い人だった。というか、謎しかなかったような気もする。
長い髪と、丸みを帯びた体つきから女性だと思ってはいるが、それとても本当に
そうであったかと問われれば自信が無い。ハスキーな声だったし、言動は男っぽい
感じだったような気もするし。住んでる場所とか、普段何してる人なのかとか
そういった話をした事は一度も無く、プライベートも謎だ。
「……なんで、俺だったんだろ」
 疑問は、青空を流れ、時折陽の光を遮る雲のように、次から次へとわいてくる。
『澱み』についての疑問。魔法についての疑問。教えてくれた先生への疑問。
 ……だが、そのどれにも、答えは出ない。太陽を遮る雲を流す風は、俺の中の
空には吹いていないようだった。
「……ま、考えてもしゃーないか」
 チャイムの音が、そんな俺の思考を現実へと引き戻す。もう昼休みも終わりだ。
「結局、なるようにしかならんしな」
「そうにゃそうにゃ」
 リリも横で頷いている。
「せっかく、先生から貰った力だ……活かさなきゃ損だもんな」
 少なくとも、俺のこの力は、大なり小なり、誰かの為にはなっているはずだ。
 そう考えるだけで、何か気力が湧いてくるような気がする。それは気のせいかも
しれなかったが、魔法で大事なのはそうだと思い込む事だ。そして、それは魔法に
おいてだけの話じゃない。
「よし、じゃあ、気合入れて午後の授業頑張るぞ!」
「その意気にゃー!」
 そう。
 信じる力は、いつだって何かの助けになる。
 良い事だけじゃなく……悪いことにだって、助けとなってしまう。
 それを俺が実感させられるのは、その日の放課後の事だった。
481 ◆91wbDksrrE :2009/02/16(月) 00:19:14 ID:nACkizgp
 


 ―― 一方その頃 ――



「え、えっと……すいませーん」
 僕は勇気を振り絞って先輩の教室を訪ねていた。きっと、多分、恐らく、魔法の
事について話だと言えば、先輩は察してくれるはず!
「はーい」
 僕の声に応じて出て来たのは、女の先輩だった。うわ、なんか綺麗な人だ……。
 黒い髪が長くて綺麗で、相当手入れとかしてんだろうなぁ、って感じ。
 ナチュラルなお化粧が上手だし……大人の女って雰囲気だなぁ。
「あれ、貴方一年の滝野さんよね? うちのクラスに何か用?」
 思わず見惚れてしまいそうになってた僕は、その人の声で我に返った。
 そうだよ、見惚れてる場合じゃないじゃないか!
「あ、えっと……はい、そうです」
 あれれ? なんで僕の事知ってるんだろう? ……まあいいや。とにかく今は
先輩を呼び出してもらって、話をするのが先決だ。
「えっと……その……高崎先輩、いらっしゃいますか?」
「祐太に用なの? そりゃ残念だったわねー。あいつ前の時間からドロップアウト
 してて、まだ帰って来てないわよ」
 ……まさか、そんな想定はしてなかった。ドロップアウト。要するにサボり。
 ええええええっ!? そんなぁあぁあ!
「まあ、多分昼休み終わる頃には帰ってくるだろうけど……どんな用なの?」
「……えと、えと……その、ちょっと他の人には言い辛い、かなぁ、って」
「ははぁ……なるほど、そういう事か。あいつモテるもんねぇ。何でかはさっぱり
 わかんないけど」
「え、あ、いや、違います! そういう話じゃないんです!」
「はいはい、そういう事にしといたげる。伝言とか、しておいてあげようか?」
 優しい先輩だなぁ……。
「あ……いいえ、またちょっと出直してきます……えっと」
 僕はお礼を言おうと思って、その先輩の名前を知らない事に気付いた。
「芳原叶(よしはらかなえ)よ。滝野美由さん」
「あ、ありがとうございます、芳原先輩……」
 あれ、やっぱり僕のこと知ってるんだ。何でだろう?
「僕のこと、知ってるんですか?」
「そりゃもちろん。滝野さん有名人だもの」
 ……僕が有名人? そんな馬鹿な。
「それに、一昨日くらいから、ちょこちょこうちの教室の方伺ってたでしょ?
 何か用でもあるのかなぁ、ってずっと思ってたの。まさかあいつに用とは
 思ってなかったけど」
 ああ、なるほど、それでか……って見られてたんだ。恥ずかしい……。
「すいません……」
「別に謝らなくていいわよ。ま、放課後とかになら、普通にあいつも
 いると思うから、授業終わってから来たらいいと思うよ。一応、あなた
 が来たって事は伝えて、待ったげるように言っておいてあげるから」
「あ、ありがとうございます!」
 うぅ……いい人だぁ。何だか、上級生の教室に来るのを躊躇してた自分が
馬鹿みたいに思えてきちゃうよ……あはは。
「ホントにありがとうございました。じゃあ、放課後に出直して来ます!」
「いいっていいって。んじゃね」
「はい!」
 あー、ホントに案ずるより産むが怒るでしかしだったよ、明日香。
 いい先輩とも会えたし、ホントに思い切って良かった!
 ……なんて事を考えながら、ランラン気分で自分の教室へと帰っていく僕は、
この出会いがきっかけで、学校で一騒動起こる事になるなんて、思いもして
いなかったのだった――
                                        続く
482 ◆91wbDksrrE :2009/02/16(月) 00:19:27 ID:nACkizgp
ここまで投下です。
483創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 00:45:29 ID:YDyOXQsJ
魔法少女の一人称が「僕」なのにはちゃんと意味があるのかな?

現段階では一人称「僕」の割には男を感じさせる言動は微塵もなく、むしろ女の子らしさ全開なのにかなり違和感がある。

もともと俺が僕っ子嫌いってのもあるけど、特に理由もなく作者の趣味でってことじゃなきゃいいなぁ…
484創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 01:44:01 ID:ScxTbx7P
そんなくだらない事に意味など求めて難癖つけるお前に違和感だよ。
485セントラルの人:2009/02/16(月) 02:26:46 ID:5uEj0cx4
>>483
その評価は流石に論外じゃないか・・・?;
キャラクターの一人称や口調の過去があるってのは人によるし、
大抵無い場合が多かろう?
486創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 02:43:02 ID:cbcpHiT5
僕っ子最高だろ
487創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 06:55:42 ID:V9OcSK9G
まったくだ、僕っ子はすばらしい
488創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 07:08:36 ID:zvZmQLzM
こういうイチャモンつける奴って何なんだろうねホント
489創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 08:10:46 ID:vYdAwiGh
血みどろのドワーフの物語を読みたくないか?
490創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 08:12:22 ID:V9OcSK9G
またかwwww
491セントラルの人:2009/02/16(月) 11:57:16 ID:IgmeXydu
おっと、トラップカード発動!
ドワーフの物語を魔法少女へ変換!
このカードが場に出ている間はドワーフの話より魔法少女の話が優先されるっ!
492創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 15:28:48 ID:NPbE8hgI
>>491
つまらん氏ね


493セントラルの人:2009/02/16(月) 19:13:09 ID:IgmeXydu
氏ねまで言う必要無いじゃまいか(´・ω・`)
494創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 19:20:17 ID:VrEYxXSR
投下のとき以外はコテつけんでいいよ
理由は馴れ合い臭く見えるから
495創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 19:22:48 ID:IgmeXydu
すっかり忘れていた(´・ω・`)
496創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 23:10:46 ID:NPbE8hgI
>>493
ごめんね、言い過ぎた
497創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 09:36:29 ID:RNeB85BF

おい、おまえら

おい、おまえら!!

朗報だ
血みどろのドワーフ物語がドイツにあってしまった・・・

『怒矮夫風雲録』


498創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 09:50:51 ID:30DOIGG8
>映画化決定!! 2009年クランクイン!

正気ですか><
しかもマジモンの商業タイトルでその題名ですか><
499創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 11:29:08 ID:3G1xGj76
隱ュ繧薙□縺薙→縺ゅk
險ウ閠?縺ョ鬆ュ縺後が繧ォ繧キ繧、
500創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 11:32:07 ID:69wmg4C+
日本語で
501創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 12:05:41 ID:ITZ7dr9u
展開早いと褒めたが、どうでもいい会話の垂れ流しになってきたな

まあ、ノリノリみたいだからお好きにがんばれ
502創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 12:38:09 ID:NUWfFiFJ
設定厨とか言われたりここも大変だな
503創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 12:51:03 ID:Y1UdBoOM
なんか批評家気取りが増えたな
そういうのは初心者スレだけで十分なんだが
504創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 16:01:11 ID:4ul+rQbf
そんなに批評してる人いなくね?
批評したらしたでイチャモンとか言われるだけだろうし。

むしろ気持ちの悪い馴れ合いの流れになってる。
コテが調子づき始めてるし。
505創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 16:09:33 ID:ch88D9CK
2ちゃんなんだからそら批評する奴も中にはいるだろうな
そういうのが嫌ならまさに自分のサイトで黙々と書けばいい

自分は好きな風に書き散らし、こちらはただただマンセーしろとか厨某かよ

・・・ちなみに、いったいこのスレのどれが批評なんだ?
506創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 17:39:45 ID:NdP8gHNm
気持ち悪い馴れ合いはどうか知らねえ
ただ気持ち悪い単発の流れにいつもなるよな、「ファンタジー」とスレタイがつくスレだけよ
クソの臭いで解るんだよお前、自演したって無駄だよw
507創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 17:48:52 ID:z+0Z5mL2
ドワーーーーーーフwwww
508セントラルの人第九話(1/4):2009/02/17(火) 17:51:52 ID:z+0Z5mL2
「いいか?明日の朝、戦いになる…。その時はお前一人でやるんだ」
ドラムのベッドに座り込み、指を指して強く念を押した。

「それは構わん。だが待ち合わせの時間が早朝では確かな時間はわからんぞ?」

「早朝?早朝ね、ウン…」
ヘラヘラと同じ言葉を繰り返し、すやすやと幸せそうに眠る愛すべきバカを小突いた。
「むにゃむにゃ……ランチは食べられない…」

「………コイツ本当に賞金稼ぎか……?起きろっ!」


「ひゃわい!?」
ロデオの怒声にピョンと跳ね起き、正座して着地する。

「ふぁぃ?」
完全に寝ボケている…
「おい、盗賊が同業者に対して送る脅迫文で、必ず書き記すモノは何だ?」

「…とーちょーしたないよ〜をかくこと…れす」
それが言い終わると同時に、ぽてんと横になりまた眠ってしまった。

「ま、要するにこりゃ盗賊流の脅迫文ってヤツだ。つまり『この戦いは避けられないぞ』って事さ」

「丁寧だな」
509セントラルの人第九話(2/4):2009/02/17(火) 17:52:28 ID:z+0Z5mL2
「『気付かれずに盗聴したんだぞ』という、単なる技術アピールさ」

「お前が盗聴に気づかなかったと言う事は…かなりの手練れと言う事か?」

「そうだな〜…」
ニヤニヤ笑いながら、部屋を隅々までチェックしている。
「何をしているんだ?」

「ん〜?まぁ、一応レディも居る事だし?部屋くらい綺麗にしておこうかな〜って思ってサ。お、あったあった」

楽しそうにベッドの下から小さな固まりを取り出すと、それを手の平に乗せて見せた。

「それは何だ?」
「盗聴機さ。コイツで俺達の話を盗み聞いてたって事だな」
「ほう?」
ロデオは盗聴機を机に置くと分解し始め、何やら取り出して取り付けた。
「今度は何だ?」
「ジャミング装置…この部屋に盗聴機が無いとも限らないしな」

「ジャミング?」
「要するにノイズを発して、雑音で盗聴出来なくするのさ」

「盗聴機の波長は限られてる。一個が雑音放ちゃぁぜーんぶオジャンさ」
510セントラルの人第九話(3/4):2009/02/17(火) 17:53:01 ID:z+0Z5mL2
ジャミング装置と化した盗聴機をそのままにし、パルフィの寝顔をそっと撫でた。
「しかし、参ったな…この部屋に盗聴機があるっつーコトは、宿屋もグルか…」

「それがどうかしたのか?」
「考えてもみろよ。この部屋以外満室。他の宿屋だって満室だった。
この女だって六件も満室だったって言ってたろ?」

「貴様のくだらん言い回しには飽きた。さっさと言え」

「つまり…だ。全員とは言わねーが、この街全ての宿泊者は敵。
少なくとも、この宿屋に宿泊してる奴は全て敵だと言っても良いだろう…」

日が傾き、やがて夜を迎えようとする最中、現在の事態がより最悪なものへと近付いていく。

「…仕掛けて来るのか?」
「さぁな。仕掛けて来無かったら逆に手強いぜ?なんせ、統率している奴が居るって事になるからなー…」

「何時襲って来るかもしれないのならば、眠れぬではないか」
「いや?お前は寝てればいいさ」
「日の当たる場所はお前に任せる。その代わり、俺が闇を受け持とう」
511セントラルの人第九話(4/4):2009/02/17(火) 17:53:39 ID:z+0Z5mL2
くっくと笑い声をあげながら、ドアノブに手を触れる。

バチバチッ!と小さな火花が迸ったかと思うと、何やら扉の向こうで大きな音がした。
「コレでも役不足か?」
「十分だ」
「んじゃ、いい夜を…」
ロデオは部屋から出て、足元に転がっている情けない男を拾い上げると、首根っこを掴んで睨み付けた。
「手加減してやったんだ…口ぐらい動かせるよなぁ…?ちょっとツラ貸せや…」
普段ヘラヘラしていた姿からは想像も出来ない顔付き…
その緋い瞳からは残忍さしか見て取れなかった。
「テメェに指示を出した奴の場所へ案内しろや……」
裏拳が男の顔面を掠れる。掠れた際にペキッと嫌な音を立て、男の顔が歪んでしまった。
「そう……早く…だ」
512セントラルの人第九話:2009/02/17(火) 17:54:23 ID:z+0Z5mL2
投下終了しましたですぞ〜
513創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 19:52:52 ID:z+0Z5mL2
しかし、批判は必要じゃないか?
だが個人的な理由で批判するのは頂けない。

良い点悪い点が解らなきゃ成長出来ないしさ、俺はもっともっと上へ行きたい。
514創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 23:33:05 ID:4ul+rQbf
もっともっと上って具体的にどこ?
515創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 01:52:05 ID:JKqm7C+b
批判にも上手下手があるんだよ。受け取る作者にもよるけどな。
516創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 02:08:58 ID:NQWrgFU3
そこまで目に付くようであれば
具体的にここは、こうした方がいいのではと
さりげなく提案しておくのは言うまでもない
517創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 03:14:21 ID:M5KpDvbD
俺は絵書ける人が触発されて絵書く気になるレベルの文章かけるようになりたい
発表とか賞より自分で抜けるか
まさにオナニー

サキュバスのファンタジーだお
518創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 09:50:09 ID:y8rXpbxP
よしよし
エロパロ板のサキュバススレ行こうね
519創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 10:14:39 ID:2gfT+Tfl
やはり読み手が『飽きない』事と『続きが気になる』事が
出来たら小説として上に行ったと見て良いと思う。

『世界観を楽しまれる』事と『キャラクターを気に入られる』事が
プラスしたら、更に上へ達したと言えるんじゃないかな?
520創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 11:34:23 ID:Dz6ntM/C
その粋に達したらどうするの?
521創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 12:13:03 ID:NylzgwL8
出たよwww
トコトン質問攻めして追い詰めようって考えてる馬鹿がwww
522創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 13:26:17 ID:SEom5Iu5
主人公が二人いて片方空気になりすぎた場合ってどうすればいい?
523創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 14:42:11 ID:y8rXpbxP
ここで聞くことではない
524創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 16:22:51 ID:JKqm7C+b
質問攻めっていうか質問になってないよね。
525創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 16:38:40 ID:2gfT+Tfl
>>520
その域に達したら作品として売り出せる…と言う事になるから、

やっぱり作品出したいな〜と…
526創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 16:39:20 ID:NylzgwL8
「どうするの?」だから疑問だろ
527創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 17:18:56 ID:Dz6ntM/C
そっかそーなんだ(納得)
528創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 18:18:14 ID:MHcWZI7I
>>522
空気になってしまった事を活かす展開を創る

一応答えたが、ファンタジー的な質問じゃない、
一般的な作法や技法の質問なら、相談スレとかで
した方が良いかもしれない。そっちの方が
沢山の人が見てるしね。

とことんやる気があるなら創文に(ry
529創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 11:10:26 ID:/epJk7Ue
PCの画面に英文が走る。
その内容は凡そこのようなものであった。
『魔法生物(マギカ・デミ・ヒューマン)を御存じだろうか。
魔法を仮の生命のきっかけとした生物──機関、または現象とも呼べるかもしれない。
古くは昭和の時代からそのアイデアが考案され、
隕鉄を依代としたアンパン頭のキャラクターが子供達の人気をはくした。
今やその漫画は魔法生物のアイデアの起源と目され、魔法生物学の入門書とされている。
理論化には長い年月がかかったが、技術的な課題は非常に少なく、
中世ヨーロッパあたりでも魔法生物の実例が見られたと言う記述が発見されている。
特に古くから確認されている魔法生物を古代種と呼ぶ。
なかでもプリンは別格の存在であり、
パラケルススのホムンクルスこそ魔法生物のプリンだ、という説もある。
パラケルススの死後もプリンは幾度も再生を繰り返し、現在も街にときおり姿を表す。
サンジェルマン伯爵や不死伝説の起源を辿るなら、それはきっとプリンに帰着するであろう。
ハーメルンの笛吹き、ヘンゼルとグレーテル、まんじゅう怖い、
今あげた童話も皆、魔法生物絡みの実話に関連していると思しい』
「ふぅ……」
PCにプリンの概要を打ち込ちこんでいた学者風の男は、手を休めて、目頭を揉んだ。
魔法生物の危険性を説く論文はいままで読んだことがない。
この学者風の男は、掲載率7.8%のネイチャー誌に寄稿する論文を書いているのだ。
「ふふふ、面白い内容だね」
「!」
男は肝を冷やした。
学者風の男の隣りに、いつの間にか誰かが立っていた。
色白くがっちりとした体躯はマネキンのようにツルリとしていて、頭は──プリンだった。
「ふふ、君は少し知り過ぎたようだ。ふふ、ふふふ」
「あ、や、やめっ、ゆるしてっ、……う、うわああああarrrr!!!!」

ネイチャーに論文は寄稿されず、学者風の男は失踪してしまった。
ただ、学者風の男のいた部屋を後で調べると、黒い色の卵──ピータンの魔法生物が黙って佇んでいたという。
530創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 11:13:45 ID:buRKk3y/
まさかのプリンwwww
亜人スレ以外にもお客さん来てほしいね
531創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 13:17:40 ID:AKxFtIGd
頭はプリンって単語で吹いたww
532創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 14:34:01 ID:NIkrdgac
プリン怖いwww
533創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 15:45:28 ID:i9ZQ6HTf
学者は甘く煮付けられて逝ってしまったかw
プリン怖いよプリンw
534創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 17:07:22 ID:mmClJ2Kh
学者+プリン=銃夢
と瞬速で浮かんだ俺はどうすればいいのだろうか。
535 ◆91wbDksrrE :2009/02/19(木) 18:08:25 ID:NIkrdgac
投下します。
>>478-481の続きです。
536創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 18:08:51 ID:buRKk3y/
こいー
537 ◆91wbDksrrE :2009/02/19(木) 18:09:13 ID:NIkrdgac
 妙な視線を背後から感じ始めたのは、昼休みが終わると同時に教室に駆け込んで
すぐの事。その正体に俺が気づいたのは、五時間目の休み時間の事だった。
「……ねえ、高崎君」
「ん、あ? ああ、芳原か。なんか用……か?」
 俺の後ろの席に座る、芳原叶が話しかけてきた俺は、振り返ると同時に彼女の
視線と、それが五時間目の間ずっと俺に注がれ続けていたという事に、気づいた。
 そこにあったのは、半眼。あるいは、ジト目。なんだか、今にも俺を責め始め
そうな、そんな視線が、俺を捉えていた。……俺、なんかしたっけか?
「用があるのはわたしじゃなかったんだけどね……昼休み、っていうか、四時間目
 の始めから、どこ行ってたの?」
「い、いつもの所だけど?」
 言葉にも心なしか怒気を感じる。普段の、世話好きで優しい芳原の面影はどこ
にも無い。何故かクラスでは微妙に距離を持って接される俺にとって、気安く
話せる数少ない女友達の一人で、たいがい俺がサボったらフォローしてくれるのは
こいつなんだが……しかし、一体何なんだ?
「昼休みね、滝野さんがうちに来たの。何かあんたに用だって」
「……滝野?」
「滝野美由ちゃん。一年の」
「ああ、あの有名人の」
「……あんたも大概でしょ」
 銀髪に近い髪の色で目立つ上、性格も明るくて人懐っこく、尚且つ見た目も可憐
な小動物系で、同性異性問わずに人気があるらしいと、彼女については聞き及んで
いた。実際に見た事もあるが、確かに人気があるのもわかる気がした。
 言ってみれば、わが学園における有名人の一人だ。……俺も大概、という芳原の
言葉の意味はよくわからないが。
 しかし、そんな娘が……
「……何の用で、俺に?」
「こっちが聞きたいわよ! あの娘、なんか『他の人には言い辛い話がある』とか
 言ってたわよ!? あんた、あの娘になんかしたんじゃないでしょうね!」
 ……な、なんなんだ、一体……なんで俺怒られてるんだ?
「何もしてねえよ。つか、なんでうちに来たのかわからないのに、そんな心当たり
 があるわけねえだろ!」
「どうかしら……」
 ……なんでなんだ、ホントに。誰か教えてくれ。
 芳原の視線は、半眼のジト目から、刺す様に睨み付けるそれに変わっている。
 一体俺が何をしたって言うんだ!?
「とにかく、放課後ならあんたがいるって伝えてあるから、放課後、ここで
 彼女待ってる事。いいわね?」
「あ、ああ……そりゃ構わないけどさ」
 まあ、彼女みたいな有名人が、俺に何のようなのかというのは、確かに気になる
所ではあるし、会って話をしてみたいとも思うのは事実だ。
「変な事しようなんて思わないのよ?」
「思わねえよ!?」
 ふんっ、と鼻息荒く、芳原は自分の席へと帰っていく。
 まったくもって、理不尽としか言いようが無いな、おい……などと思っていた、
その時だった。
「えっ?」
 その背中に、一瞬ありえないものを見て、俺は自分の目を疑った。
 陽炎のようなゆらめきが、彼女の背に宿っていた――そう、見えたのだ。
「なによ?」
 だが、俺の驚きの声に振り返った芳原には、既にそれは見えなかった。
「い、いや……なんでもない」
 陽炎のような揺らめき……それは、色を持っていた。
 黒い、どこまでも黒い、漆黒よりも尚黒い、無を想起させる、黒を。
538 ◆91wbDksrrE :2009/02/19(木) 18:09:32 ID:NIkrdgac
 
          ――――――――――――

 その感情を、芳原叶は持て余していた。
「まったく……何なのよ」
 目の前の席に座る男は、自分がどうして怒鳴られたのかわからない為か、頭を
掻きながら首を捻っている。しかし、それも当然の話だ。何故自分が彼を怒鳴って
しまったのか……それは、彼女自身にもわかっていなかったのだから。
「……何なのよ、一体」
 昼休み、あの一年生と出会ってから、心に細波が立ち続けていた。
 滝野美由。彼女は、普通ではない。その外見も無論だが、性格的にも彼女は人の
目を惹いてやまない。普通なら、特異な外見――その銀にも似た色の頭髪だ――が
理由となって、性格に歪みをきたしそうなものだが、彼女にはそれが無い。
 今日実際に会って、話してみて思った。彼女は真っ直ぐだ。そうあろうとせず
ともそうなのか、それともそうあろうとしてそうなったのかはわからないが。
 過去においては揶揄の対象ともなったであろう髪の色を隠そうともせず、ただ、
ごくごく普通に真っ直ぐでいられるという事――それが、普通ではない。
 そして、高崎祐太だ。彼は、何故か異性にモテる。それもまた、彼が普通では
無い人間だからなのだと、そう叶は考えていた。
 彼は、目付きがやや悪く、服装がズボラである事を除けば、それなりに整った
容姿を持っているが、それだけでは他の学校でまで噂になる事は無いだろう。
 彼もまた、真っ直ぐなのだ。信じる、という行為に疑いを持つ事が無い。だから、
何か事が起こった時に、真っ先に飛び込んでいく。流石に、噂にあるような、不良
百人を一人で伸したとか、有名高校から誘いがあったのに蹴ったとか、そういった
事実は無いようだが――本人から聞いた――、例えば不良に絡まれてる人がいれば
彼はすぐ様助けに行くだろう。勉学に問題が生じれば、すぐ様それを取り戻そうと
励み、学年で十番には入ってみせるだろう。
 その“信じる力”は、有体にいって普通ではない。とても、普通とは言えない。
 だからこそ、彼は異性に好意を抱かれるのだろう。そう、叶は考えていた。
 女子として抱くそれではないと自覚しながらも、彼女自身、彼を好ましく思って
いた。でなければ、一年の折に同じクラスとなって一年余を、友人として過ごす事
は難しかっただろう。
 だが、それはあくまで友人としての好意だ。そのはずだった。
 実際、彼に告白をしようという女子の仲立ちをしたことは、何度もあった。彼が
それを受けたことは、一度も無かったけれど、別にどうと思う事もなかった。喜ぶ
事もなければ、ねたましく思う事も、また。
「……何なのよ、ホントに」
 だが、今回は違う。滝野美由という一年生は、違うとは言っていたが、恐らく
祐太へと告白したくて上級生の教室に来たのだろう。他に『他人にはできない話』
というのは、彼女には想像がつかなかった。
 そう思ってから、彼女の心には、細波が立ち続けている。その細波は、先程
当人相手に感情をぶちまけても尚静まることは無かった。何故と問うても、何と
問うても、答えが満足に出せない自らの心は揺れ続け、細波は徐々にその大きさを
増して行き、大きくなった波は、済んでいた水面(みなも)を覆い、水の中まで
照らしていた陽の光を遮り、影を落とす。
 『澱み』と言う名の影が、今まさに彼女の中に生まれようとしていた――

                                             続く
539 ◆91wbDksrrE :2009/02/19(木) 18:10:06 ID:NIkrdgac
ここまで投下です。

プリン怖い
540創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 19:02:05 ID:buRKk3y/
GJです
541創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 22:37:04 ID:/epJk7Ue
叙情的な地の文がいいね。ふふふ
542セントラルの人:2009/02/19(木) 23:08:02 ID:EbyJW56z
この話の次に投下出来ねぇ様な内容だから明日にしますねww
543セントラルの人第十話(1/3):2009/02/22(日) 15:06:38 ID:CQKKnc8a
案内人は締め上げられながらも、一つの部屋にロデオを案内し。用が済むと同時に気を失ってしまった。

「さぁて…鬼が出るか蛇が出るか…」
扉を開き、中へ入る。
部屋は同じ四人部屋…違う所と言えば、屈強そうな男が三人とスマートで青いチャイナドレスで着飾った女が一人居た。

驚きもせずロデオの方を見ると、静かに口を開いた。
「レディの部屋にノックもせずに入るなんて、失礼なヒトね」

「紳士の部屋にはイイ女をサービスするこったな。ヤロー相手じゃ楽しめるもんか」

そのまま椅子に座り、女の方を睨み付けた。
「あら、私は男が楽しめるけど?」
「利害が一致したな。今夜は俺と楽しむか?え?アンジェリカよ」
「お誘いに乗せて貰うわロデオ」

「相変わらず見事なモンだな。パフュームによるチャーム…男は奴隷ってか?この三人はモノがデカイって訳か?」
「モノが大きければ良いってものじゃなくて?」

「じゃあ何だ?蛸入道らしく、下の足が八本あるのか?」
流石に怒りが抑えきれなくなったのか、三人の男が斧を右手に一斉に飛び掛かった!
544セントラルの人第十話(2/3):2009/02/22(日) 15:09:47 ID:CQKKnc8a
「全く…躾がなってねーな」
既に椅子には姿がなく、斧は互いの斧同士でぶつかり合い、男達の首は180度回転していた。少しばかりジタバタ動いていたが、スグに動かなくなった…

「次の飼うならもっと大人しいヤツでも飼うんだな」

「肝に銘じておくわ」

アンジェリカは手元のワインに口を付け、何事も無かったかの様に話を続けた。
「それで…捕まりたく無いから、私に懇願しに来た訳?確かにアナタ程なら20億でも安すぎるけどねぇ…」

「へっ、ローレス王もお前も買い被りさ。全てを失った俺にゃ一銭の価値もねーよ」
「どうかしら?ねぇ?ロルフ教授?」
「!?」

急に目付きが変わった――
それを察してか、アンジェリカは愉快そうにワイングラスを回す。
「……それとも、元サルト部隊隊長ルディオ様とでも言って欲しい?」
「……どこまで調べた?好奇心は命を落とすぜ?」
「怖いわねぇ…ターゲットの素性を調べるのは常識じゃなくて?」
薄ら笑いを浮かべながらも相変わらず挑発するアンジェリカ。
果たしてドコまで知っているのかと言う疑問が残りつつも、
普段通りの落ち着いた顔つきを取り戻し見下ろした。
545セントラルの人第十話(3/3):2009/02/22(日) 15:13:17 ID:CQKKnc8a
「気が変わった。ココでゲームセットだ」

目にも止まらぬ早さでアンジェリカに掴みかかり、ナイフを首筋に寄せる。
僅かに反応出来たものの、アンジェリカの鉄扇は、既に天井の飾りと化していた。

「…出来るかしら?」

「ヘッ…この状況を覆すネタでも?」

「そうねぇ…武神器の…『怨鬼童(エンキドウ)』の居場所…なんてどう?」

怨鬼童の名にまたもや僅かに反応するロデオ。
知っているのだ…
間違いなくロデオが怨鬼童とやらを探している事を…
そしてその居場所を知っているかもしれないのだ…それにしても武神器とは一体……

ナイフをしまい、ドカッとベッドに押し倒す。
「明日のゲームに乗れってか…?」
「そうして貰えると助かるわ」
艶やかな太股に右手を這わせ、二人は濃厚なキスを繰り返す。
「前夜祭といくか?」
「どっちが神輿かしら?」
「担いでやるよ」
そう言うと、蝋燭の火は消え、部屋は真っ暗になった。
546セントラルの人:2009/02/22(日) 15:14:40 ID:CQKKnc8a
投下終了って…

何書いてるんだ俺は\(^o^)/
547創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 13:48:18 ID:Fp/Fg+f4
レスつかないね。可哀想に……可哀想に……
548創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 17:35:56 ID:EGuOp1BM
ロデオの過去とかまだ謎が多いのでレスしにくいんでしょう
俺自身の反省だけど長い話よりアンパンマンみたいな一話完結のほうが
この板には向いてるのかもなあ
549創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 21:41:50 ID:d/O1orql
べ、別に悲しくなんて無いんだからねっ!

まぁ、それはさておき、レスが無きゃ文体の良悪すら判らないからなぁ…

こっちはストーリー自体決まってるから何とも出来ないからな…


気晴らしに、同じ世界観の別キャラメンバーで一話完結している話でも載せるかね?


…ところで、>>1にイラストとあるが、ロダはどこなんだろう…
550創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 21:52:44 ID:oM/1tNdT
ttp://www6.uploader.jp/home/sousaku/

これが創発のロダだね
時間によっちゃ重いけど
551創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 21:59:00 ID:UV69mwlk
>怨鬼童の名にまたもや僅かに反応するロデオ。
>知っているのだ…
>間違いなくロデオが怨鬼童とやらを探している事を…
>そしてその居場所を知っているかもしれないのだ…それにしても武神器とは一体……

ここら辺、日本語ちょっとおかしいかな。
他にも、主語とか目的語とかが必要な部分で抜けてたりとか、色々。
演出的にわざとやってるんだとは思うけど、違和感の方が
先に立っちゃうところが結構あったかな。

シリアス展開よりも、ギャグ展開の方が好きかな。
とはいえ、色々書いてみてこそだと思うので、チャレンジチャレンジ。
552創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 22:21:20 ID:d/O1orql
>>550
ありがとう、明日にでも読み切り編のキャスト絵を載せておくよ。

>>551
再投稿はしませんが、テキストは修正してみます。

次回に生かしてみせるよ。
553セントラルの人:2009/02/25(水) 14:41:56 ID:AG+psdYn
554創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 14:54:34 ID:8++fZbp8
絵うまいなー
「…もう一度言ってくれねーかな?」
白髪……と言うより銀髪の男が一人、これまた金髪と言うよりレモン色の毛をした女性に問いかけ直した。

「ですからシリュウ、貴方の提出なさった辞表は私には届いておりません♪」
「ふざけるのも大概にしろよっ!」
笑顔で返事を返す彼女に更に苛立ちを顕にするシリュウ。
無理もない、これで249回目の辞表紛失である。
理由は判っている。この女も含め、世界政府の元老共はこの俺を手放したく無いのだ。

世界政府直属軍警察部隊……世界中誰もが憧れ、絶対正義の名の元に世界の平和を守る最高のライセンスだ。
その中で俺はたった七名しか選ばれない、上層部と呼ばれる部所に居る。言わばエリート中のエリートだ。

……まぁ、ぶっちゃけ強ければ上層部に選ばれるんだが…
そんな強くてエリートのエリートが何で辞表出してるかって?

…スグにわかるさ。
「シッ♪リュッ♪ウッ♪おっはよ〜♪」
「……痛っっっ……でーーーッ!!」

「や、やぁねぇ…そんなに強くしたつもりは―…」
驚き、おろおろして背中をさするが、それもまた体に激痛を走らせる促進剤でしかない。
「…まだ体が完治してねぇんだよ!触ンな!」
手を払いのけるも、その動作一つ一つが骨身にしみる……あ、ヤベ…涙出てきた…

「相変わらず仲が宜しいですねジョーカ、妬いちゃいますよ?」
「えへ?えへへ…ンもぅ♪ノヴァったら〜♪」
ジョーカー(呼ぶ時はジョーカだが)は顔を真っ赤にしてシリュウの背中に指で『のの字』を重ね書きする。
…やめてくれ、これ以上俺に触らないでくれ…
声を張上げたいが、最早口を開いたら絶叫しか出ないだろう。

痛みに耐えながらも自分の席に座る他無い。
辞表の件はとりあえずお預けだ。
とにかく今は体を休めたい……だが、そんな小さな願いですら叶わなかった。
「ZZZ……」
俺の席は隣の席の男により、寝床と化していた。
「オイ、フォーリス…起きろよオイ!」

駄目だ、軽く小突いた程度じゃ起きやしねぇ…
「起きろっつってんだよ!!」
声は段々と大きくなり荒くなる一方で、それが耳障りになったのだろう。
小さな灰色の肌をした少女が、冷たい視線を向けた。
「いい加減黙れ、五月蝿い」
「うるせークソガキ、テメーが黙れ」
苛立っていたせいもあり、そのクソガキの性格をすっかり忘れていた。
言い終わった後にハッとなったが時既に遅し、…完全にキレている。
「…ボクを馬鹿にするな」
両の手てから石が出現し、俺目掛けて乱射した。
「バッ……やめろエメス!オイッ!!乙姫も止めるよう言ってくれ!!」
乙姫と呼ばれた長くそして美しい碧髪を持った女は、魔法を乱射するエメスの隣で何事も無いかの様に雑誌を読みふけっている。
完全にエメスの攻撃にしか注意を向けていなかった…しかしそれがいけなかった。大本命の存在に気付かなかったのだ。

「ハッハッハ!シリュウ元気か!?」

突然背中を叩かれ、俺は壁に激突した。
「……く……クーガァァァァ!!」

「毎回毎っ回……その馬鹿力で俺を叩くな!」
もう何度同じ台詞を繰り返した事か…
「いいか!?俺はテメー等みたいな化物と違って人間なんだ!脆いんだよっ!!」

「ハッハッハ、いやぁ、スマンスマン。次からは気を付けるよ!」
もう気が付いたか?いや、クーガの事じゃなくてだな。
そう、こいつ等全員…


『化物なんだ』


俺をぶっ飛ばしたこの赤毛のマッチョは、『イフリート』と呼ばれる精霊界フォッフォシルの炎の民だし、さっき石の魔法で俺を襲ったエメスと言うガキは、種族図鑑にこそ無いがゴーレムと呼ばれている。
その隣で何事も無く雑誌を読んでいる美女も、リヴァイアサンとか言う海の支配者だとさ。ジパンジアの海底にある竜宮城出身だ。

勿論、俺の席を占領してるこの昼寝野郎も化物で、絶滅種でも知られている風の龍、『疾風龍ロゼ』と言う。

ん?最初の女二人は何の種族かって?
驚くなかれ、レモン毛の幼さが残る女の方は本名ノヴァ=リムエル、天使だ。
そして最後の一人…ジョーカーは、なんと魔王の娘だから困ったもんだ。

そんな化物集団の中に何を間違えたのか、俺だけ人間が居る。
戦闘力は勝るとも劣らないのだろうが、肉体はどう気で強化しても所詮人間。化物同士じゃスキンシップでも、俺の体はもたない。

流石に体はボロボロ、心はズタズタ。
故に辞表を提出したまでだ。
だが辞表は毎回処分される。だったらせめてコイツ等とモニター越しに会議させてくれ。
「ホレ、もう会議の時間じゃ。お主等も席に着きなさい。エメス、お主もじゃ。妾(わらわ)の手を煩わせるでない」
唯一エメスが命令を聞く女、乙姫。どうもエメスは幼い頃、乙姫に拾われたかららしい。
「チッ、後で覚えとけよタレ目」
その呼び名で呼ぶな。
「クーガ、この居眠り王子を叩き起こせ」
「こらこら、フォーリス起きろ」
クーガは軽く頭を叩いたつもりだろう。
だが俺の席は地面にめり込み、フォーリスの野郎は寝返りでソレを回避した。
つまり、俺の座る場所が無くなっただけという結果になった。

「…………」


俺は250回目の辞表を書き上げた。
560創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 14:22:01 ID:f9435NV+
下手すぎて読む気がしないんですけど……(^ω^;)
もっと本を読んで、「流れ」というものを感じとりながら創作できるようにしましょう
561創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 16:57:54 ID:wBPmOUcF
その何処が下手か教えられなきゃダメなんじゃね?

読んだ感じだと説明が多すぎて、大して内容が無いって事
位しか判らなかった俺が言うべきじゃないんだろうけどさ
562創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 17:10:31 ID:EDfwDuIM
別に下手だとは思わないけど、説明だらけの導入部だから評価しようがないかなぁ。
563創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 19:30:24 ID:0OZl8zbZ
登場人物増やしすぎると色々と辛くなるぞ。
まだまだ自分なりの形が定まってないみたいだし、そういう間は
登場人物は2〜3人に留めるようにしておいた方がいい。
564皇帝陛下と墓職人(1/8):2009/03/01(日) 20:34:36 ID:Lz6IQJCA
 大昔、アジパタという大きな帝国があった。
 若きセラムスは皇帝の座に即位すると、臣下に最初に命じたのは墓作りだっ
た。これは歴代の皇帝も行ってきたので、珍しい事ではない。
「しかし、私の墓は誰のモノよりも大きく、かつ立派でなければならぬ。どれ
だけ金と奴隷を使っても構わん。よいモノを作れ」
 玉座でこういうと、国の蔵を司る臣下が進言する。
「陛下、お言葉ですが……」
「何だ」
「金の方はともかく、人手が足りません。三代前のストメット陛下の墓ですら、
まだ未完成なのです。如何いたしましょうか」
「ふむ、それは問題だな」
 臣下の言う通り、アジパタの各地で先祖の墓が建造中だ。とはいえ、それを
セラムス自身の墓のために、中止する訳にはいかなかった。
「先祖をないがしろには出来ぬからな。だが、私の墓は作らねばならぬ。誰か、
よい案はないか」
 すると、今度は建設を司る臣下が進み出た。
「陛下、私に妙案があります」
「申してみよ」
「ちょうど先ほど、優れた墓を作る職人が城まで売り込みに参りました。彼に
頼んでみては如何でしょうか」
 セラムスは銀の杯に入ったワインを傾けながら、眉をしかめた。
 中の赤い液体を、臣下にぶちまける。
「ふざけた事を申すな。平民の墓ならともかく、皇の墓だぞ。職人一人雇った
ところで、どうにかなるモノか」
 臣下は絹の布で顔のワインを拭きながら、セラムスの問いに答えた。
「それが、そのたった一人の職人ですが、これまであちこちの国で幾つもの大
きな墓を作って来たとの事です。東のアッシルペの王の墓をご存じでしょうか」
「ふむ、噂は聞いている。どのような盗掘家も寄せ付けぬ、難攻不落の墓だな。
星の形をしている、面白い墓だと聞く。……待て。あの墓を、お前が言う職人
が作ったのか」
「そう、聞いております」
 セラムスは、唇を笑いの形に歪めた。
「よかろう。その職人を雇い呼べ。金はいくら掛けても構わん。どのような妖
術で墓を作っているのか興味がある。ただし、もしも嘘ならば首を刎ねよう」
「かしこまりました」

 謁見の間に現れたのは、簡素な服に身を包んだ小柄な少年だった。いや、あ
るいは少女なのかもしれないが、顔立ちからはよく分からない。
「シェセプと申します」
 愛想がいいのか悪いのかもよく分からない、不思議な雰囲気の人物だった。
「思った以上に若いな」
「それはボクも同じ思いですよ、陛下」
 ふん、とセラムスは鼻で笑った。
 確かにセラムスは皇帝としては若い。生まれた日から数えると、まだ九千日
を超えた程度だ。
 もっともそれを言うなら、シェセプは六千日に満ちているかどうかも、怪し
い顔立ちではあるが。あるいは恐ろしく若作りなのかもしれない。
「貴様が話に聞く墓職人か」
「はい、シェセプと申します」
「ふん、報酬なら弾もう。人手は何人いる」
565皇帝陛下と墓職人(2/8):2009/03/01(日) 20:35:54 ID:Lz6IQJCA
 シェセプは首を振った。
「必要ありません。ボク一人で充分です」
 その言葉に、周囲の臣下達がざわめいた。
 セラムスが玉座の肘掛けを叩くと、部屋がしんと静まりかえった。
「ふざけた事を申すな。たった一人で私の墓が造れるはずがないだろう」
 墓として用意された土地は、町一つをまるまる飲み込むほどの大きさだ。そ
して高さは山ほどになる予定でもある。
「それが出来るんですよ。設計の方はありますか」
「今、建設に携わる職人達が、線を引いている」
「出来れば、それもボクがしたいのですが」
「構わんが、私が死ぬまでには完成するのだろうな」
「そうですね。……太陽が百回昇るまでには何とか、でしょうか」
 指折り数え、シェセプが言う。
 再び、臣下達がざわめいた。馬鹿な。大言壮語もいい加減にするべきだ。出
来るはずがない。
 主君であるセラムスは、鋭い視線でシェセプを射貫いた。
「よかろう。もしも出来なかった場合、そのよく動く舌をちょん切ってやる。
しっかりと務めを果たせ」
 皇帝の視線にもまったく怯む様子なく、シェセプは頷いた。
「はい。では、報酬の方、よろしくお願いしますね」

 シェセプが去った後、セラムスは臣下の一人に視線をやった。
「おい」
「は」
 屈強な肉体を持つ将軍が、跪いた。
「奴の仕事ぶりを見張り、私に報告するようにしろ」
「かしこまりました」

 それから数日後。
「どうだ」
 セラムスの前に、将軍が跪いた。
「すごい速度で図面を引いています」
「墓を作るのだから、当然だな。それ以外は」
「特に何もございません。朝と夜の二食、食後の散歩以外は工房にこもってお
ります。いつ眠っているのかも分からないほど、夜も灯りがともりっぱなしで
す。あとは、石切場を頻繁に訪れるぐらいでしょうか」
「そうか。図面はどれぐらいで出来そうだ」
「おそらく、数日中には」
「よかろう」

 更に数日後、再びシェセプは謁見の間に現れた。
「図面が出来ましたよ、陛下」
 セラムスは頷き、草を編んだ紙に描かれた墓を見た。
 たてがみも立派な、二つの首を持つ猛獣を象った立派な墓だ。
「……大したモノだ。しかしこの規模の墓を作るには、一万の奴隷が三代続い
て働いても時間が足りぬのではないか? それぐらい、私にも分かるぞ」
「しかし、陛下の希望はこのような墓なのでしょう?」
「む……その通りだ。このような墓が出来るならば、言う事はない」
 セラムスは図面を丸め、シェセプに放り投げた。
 それを受け取ると、シェセプはその図面を懐に収めた。
566皇帝陛下と墓職人(3/8):2009/03/01(日) 20:37:34 ID:Lz6IQJCA
「では、これより墓の建造に取りかかります」
「太陽の残りは三十回だぞ」
「充分です」
 そしてシェセプは部屋を出て行った。

「しかし、たった一人でどうするつもりだ……?」
 引き続き将軍に監視を命じているが、やはりシェセプの事が気になった。
 執務室での仕事にも、身が入りにくい。
 このままではいかん。一度、仕事ぶりを見に行くか、などと思っていると…
…。
「へ、へ、陛下!」
 屈強な将軍が、部屋に飛び込んできた。
「何だ騒々しい。首を刎ねるぞ」
「た、たた、大変です。石が、石が……」
 慌てふためき、将軍はセラムスと出口を交互に見る。
「何だ、石が喋りでもしたのか」
「い、いえ、そうではなく……石が、勝手に動いて……墓を作っています」
「何だと……?」
 セラムスは席を立った。

 セラムスが馬車から降りると、そこは墓の建設予定地だった。
 青空には高く、太陽が昇っている。
 その真下には、胴体まで出来たセラムスの墓があった。その墓を、岩を固め
た巨大な人形が何体もよじ登っていく。
 岩人形の一体が頂上まで登ると、その場に崩れ落ちた。
 崩れた岩を、他の岩人形が組み立て、まだ出来ていない墓の部分を造ってい
く。
 墓の麓に、帽子をかぶり図面を広げたシェセプがいた。
「おや、陛下。これはようこそ」
「これは一体何だ……」
 自分たちの目の前を、おそらく石切場から来たのだろう、新たな岩人形が重
い足音を立てながら横切っていった。
「魔術の類です、陛下。別にこの国では禁じてはいませんよね」
「あ、ああ、うむ……まあな。この国の呪術には、このような術はないので、
少々驚いた」
 アジパタの呪術は、主に人間に作用するモノだ。肉体を活性化させたり、逆
に呪殺に掛けたりする。
 こんな大がかりな術は、セラムスも初めて見た。
「安心しました。故郷では、ヲロク……魔導師しか使ってはならないモノで」
 そこで、セラムスはピンと来た。
「……貴様、もしや八大国の生まれか」
「はい」
 八大国とは、このアジパタから遠く東にある、厳格な身分制度で知られる国
家群だ。その中でも王族を越えて頂点に立つ特権階級がヲロクと呼ばれている。
 彼らは不思議な術を使うという話を、セラムスも聞いた事があった。
「別に処刑はせぬ。詳しく話せ」
「大した話ではありませんよ。故郷である八大国には、このような――」
 ズシンズシン、と次の岩人形が地響きを立て、墓へと向かっていく。
 それをシェセプは指さした。
「――魔術がれっきとして存在します。ただし、扱っていいのは第一位の魔導
師階級だけで、それ以外の身分の者が身につけると死罪とされます」
567皇帝陛下と墓職人(4/8):2009/03/01(日) 20:38:54 ID:Lz6IQJCA
「なるほど。他の身分の者が使えるのでは、魔導師という階級そのものが瓦解
してしまうのだな」
「お察しの通りです。ボクの身分は家や墓といった建築を扱う第三位階級のメ
ストラ、いわゆる職人階級だったのですが、当時のボクには不満がありました。
ボクは設計が好きなのです。しかし理想の建物を造るのに、どうしても人手と
時間が掛かりすぎます。頭の中には、造りたいモノは山のようにあるのに。そ
こで、こっそり森に住む妖精からこの術を学びました。最初は魔導師の屋敷か
ら巻物を盗もうかと思ったんですけどね」
「他の術は使えないのか」
 シェセプは首を振り、苦笑した。
「必要がありませんから。この術を使う事により、石材の運搬の手間を省き、
かつ建造も容易となりました。まあ、それと引き替えに故郷を追われる事とな
りましたが」
「これが、お前一人で墓を建てられている秘密という訳か」
「秘密という訳ではありませんけどね」
 確かに、これだけ大がかりな術、秘密にしようとしても出来ないだろう。
 だが、実際に見でもしない限り、にわかに信じがたい。シェセプの名が知ら
れていないのは、この術の事を周囲の人間が話しても誰も信じないからではな
かろうか。
「シェセプ、この術を私に売るつもりはないか。金なら払うぞ」
「残念ですけど、精霊の力を借りるこの術を覚えるには森の奥深くにある妖精
郷に赴く以外、手段はありません。人間が教えられるモノではないらしいので
すよ」
「そうか、それは残念だ……しかしなるほど。これならば、期限までに墓は出
来るだろう」
 セラムスの見たところ、彼の墓はもう半分以上出来つつあるようだった。
「ええ、大丈夫ですよ」
「ならば、励め」
「はい。それでは作業に戻ります」
 セラムスは頷き、馬車に戻ろうとした。
 そこに、再び将軍が焦った様子で駆け寄ってきた。
「陛下、少しお話がございます」
「何だ。急ぎの用か」
「南の隣国シャベロニアが攻め込んで参りました。おそらく陛下が先代から皇
位が継承され、国が完全に安定しきる前を狙った侵攻でしょう」
 セラムスは表情を引き締めた。
「何だと……舐めた事をしてくれる。急ぎ兵を出せ。迎撃し、完膚無きまでに
叩き潰せ。私自身も出る」
「は……」
「よかろう。この国の力を思い知らせてくれる。十倍返しだ」
 不敵に笑っていると、不意に後ろから視線を感じた。
 振り返ると、シェセプが将軍とのやりとりを見ていたようだった。
「お前は自分の務めを果たせ。さらばだ」
「はい」

 そして戦争が始まった。
 不意を突かれたアジパタ国だったが、皇帝であるセラムス自身が軍を進め、
次第にシャベロニアを押し返していった。
 そしてそのままアジパタ軍は、逆にシャベロニア国内へと侵攻を進めていっ
た。
568皇帝陛下と墓職人(5/8):2009/03/01(日) 20:40:29 ID:Lz6IQJCA
 しかし、すべてが順調という訳にはいかなかった。

「戦況はどうだ」
 天幕の中での軍会議。
 セラムスの問いに、将軍の一人が汗を掻いた。
「我が軍が不利です。さすがに地の利は向こうにあるようです。中でも王都を
攻めるには、間にあるオドスルという大きな山が邪魔になっております。あの
山さえなければ……」
 机の上に広げられた地図では、アジパタ軍とシャベロニア王都の間に、巨大
な山がそびえ立っていた。
 ふん、とセラムスは水を飲みつつ、つまらなさそうにその山を指さした。
「ならば、この山を退けよ」
「へ、陛下、さすがにそれは……」
「冗談だ。ならば、この山を逆に利用するまで。山の頂上に城砦を築くのだ。
そこを拠点に一気に王都を攻める」
 おお、と将軍達の間から、ざわめきが漏れた。
 だが、問題がない訳でもなかった。
「お言葉ですが、敵もそれは想定の内に入っているでしょう。妨害される可能
性が高いのですが……如何いたしましょう」
 将軍の一人の問いに、セラムスは頷いた。
「当然だ。築城は迅速に行わなければならぬ。そこで……」

「ボクの出番、という訳ですか」
 数日後、わざわざシャベロニアまで呼び出されたシェセプは、天幕の中でセ
ラムスから話を聞き、目を瞬かせた。
「出来るか」
 セラムスの策とは、シェセプの岩人形を用いて山の上に城砦を建造するとい
うモノだった。
「もちろん可能ですけど、墓の完成が遅れますよ」
「構わん。こちらを優先させろ。どれぐらいで出来る」
「砦というのは初めてですからね。設計が四、造るのに一……太陽が五回昇る
ぐらいで如何でしょう」
 指折り数え、シェセプは答えた。
 奴隷を用いた築城よりも圧倒的に早いのは、この場にいる誰もが分かってい
た。
「ふっ……それぐらいなら、充分待てる。よかろう。励め」
「はい」

 ……シェセプが造ったオドスル城砦を拠点に、アジパタ軍がシャベロニアを
制圧したのはそれからすぐ後の事だった。

 皇都に戻ったセラムスは、臣下達を前にこう宣言した。
「このような事が二度とあってはならぬ。よって、各地の拠点を強化、国の四
方に新たな難攻不落の城砦を築く事にする。そしてこの皇都には呪力を集める
ための、巨大な塔を建造する。設計はシェセプ、お前に一任しよう」
 その言葉に、シェセプは小さく首を傾げた。
「また、墓の建造が遅れますけど、いいんでしょうか」
「私が許す。そちらは国が安定してから築け」
「はい。数が多いので、こちらも墓造りと同じぐらいの日が掛かると思います
けど、よろしいですか」
569皇帝陛下と墓職人(6/8):2009/03/01(日) 20:42:02 ID:Lz6IQJCA
「いいだろう。それから三代前から滞っている、先代の墓の建造も任せよう。
その代わりと言っては何だが、お前に新たな報酬をやろうと思う」
「何でしょう」
「この宮殿もそれなりの歴史があるが、いささか疲労が目立ちつつある。造り
直す事は可能か」
「宮殿ですか……」
 興味が沸いたらしく、シェセプは微笑んだ。
「ボクに設計を一任してもらえるのなら」
「無論だ。好きにするがよい」

 シェセプが去って後、臣下の一人が不安そうな表情で進み出た。
「陛下、よろしいでしょうか」
「何だ」
「シェセプの腕が確かな事は分かります。しかし、流れの平民にここまで国策
に携わらせるのは、如何なものかと」
「ふん、何だそんな事を心配しているのか。問題はない」
「と、申されますと……?」
 セラムスはそれには答えず、軽く手を振って彼を退けた。

 シェセプはよく働いた。
 セラムスの命令通り、国の各地の砦を整え、四方に立派な城砦を築城した。
 呪力塔に加え、宮殿も造り直された。
 そして、ついにセラムスの巨大な墓も完成した。

 晴天の下、凛々しい双頭獣の像がそびえ立っていた。
「おお」
 セラムス以下、アジパタの臣下団も思わず声を漏らしていた。
「如何でしょう」
「素晴らしい墓だ。よくやってくれた」
 セラムスは力強い笑みを浮かべると、シェセプの手を握った。
「ありがとうございます」
「では、最後の一働きをしてもらおうか」
 セラムスは手を離すと、指を鳴らした。
 二人の間を、兵が割って入る。
 そして、シェセプは槍を構えた兵達に取り囲まれた。
「これは、どういう事でしょう?」
 慌てるでもなく、シェセプはセラムスに尋ねた。
「お前はよくやってくれた。しかし、国の機密は守らねばならぬ。お前の口か
ら情報が漏れ、私の死後、墓が荒らされては困る」
「そんな事、しませんよ」
「許せ。皇として万が一もあってはならぬ。案ずるな。貴様にも私ほどとは言
わぬが、平民として最高の墓を用意してやろう」
「後悔しますよ」
 シェセプの言葉を、セラムスは鼻で笑った。
「それは、お前が悩む問題ではないな。――やれ」
 シェセプは無数の槍に全身を貫かれ、その場に倒れた。

 部下達にシェセプの死体の処理を任せ、セラムスは馬車に乗り込んだ。
 皇都に向かい揺れ動く馬車の中で、一人呟く。
「さて、これで国は盤石。墓作りに費やしていた奴隷達の労働力も確保出来た
事だし、これからは内政に力を注ぐ事にするぞ」
570皇帝陛下と墓職人(7/8):2009/03/01(日) 20:43:36 ID:Lz6IQJCA
 馬の駆ける音が外から響き、セラムスは窓を開いた。
 騎馬で馬車に併走しているのは、将軍の一人だった。確か辺境を警備してい
る軍の指揮官のはずだ。
「へ、陛下!」
「何だ、騒々しい。また、どこかの国が攻めてきたか」
「そ、それが……か、各地の城砦が……」
「何……!?」
 嫌な予感にセラムスは、馬車から身を乗り出した。

「逃げろ! みんな逃げるんだ!」
 石壁が崩れていく。
 兵達が駆け抜ける石の廊下も、もうグラグラと不安定だ。
 その廊下のあちこちが、下へと抜け落ちていく。
 そうなると、崩壊はあっという間だ。
 アジパタの兵達もろとも、砦は瓦礫へと変わり果てていく。
 それは一つだけではない。
 もしも天からアジパタの国を見られる者がいるなら、国のあちこちで膨大な
土埃が発生しているのが見て取れただろう。
 その中でも特に目立つ土埃は、四方にあるシャセプが一から造った大城砦だ。
 やがて崩壊が一段落すると、瓦礫は自動的に蠢き始めた。岩が徐々に積み重
なり、それは見上げるほど大きな人の形を取った。
 各地で新たに生まれた元城砦の巨大岩人形は、アジパタの国内の蹂躙を開始
した。

 ガン、とセラムスは馬車の窓枠を拳で叩いた。
「……おのれシェセプ、やってくれたな。これが、奴の言っていた、後悔か」
 そこで、ふとセラムスは気がついた。
「……待て。という事はもしや」
 彼が造ったのは、城砦だけではない。
「陛下、前方をご覧下さい! 城が! 巨大な石人形に!」
 セラムスは、馬車から大きく身を乗り出した。
 馬車の進行方向、皇都では、既に白亜の巨大岩人形が発生し、塔を槍のよう
に振り回して都市の破壊を始めていた。
「シェセプ……!!」
 セラムスは、ギリ……と歯を食いしばった。
 だが、このまま白亜の岩人形が暴れる皇都に向かう訳にもいかない。
 セラムスを護衛していた将軍の一人が、いち早く御者に向かって叫んだ。
「引き返せ! 陛下を安全な場所に逃がすのだ!」
 その言葉に、馬車は即座に反転した。
 そして、セラムスは見た。
 遠くで、四肢を踏みしめ双頭の獣が起き上がっていた。四つの鋭い瞳と、セ
ラムスの目があった。
「はっ……」
 引きつった笑いが自然に浮かぶ。
 双頭の獣は跳躍すると、大きな影が地面に生じた。
 セラムスが最後に見たのは、太陽を背に自分に飛びかかる獣の前足の裏だっ
た。
 悲鳴を上げる暇もなく、セラムスは臣下もろとも自分の墓に押しつぶされた。

 地面から、手が突き出る。
571皇帝陛下と墓職人(8/8):2009/03/01(日) 20:44:59 ID:Lz6IQJCA
 やがて、土まみれになったシェセプは地面から出ると、自分の身体の汚れを
叩いた。血が一滴も出ていない穴だらけになった身体を、幾つもの石が埋めて
いく。
 シェセプはセラムスの墓の跡地を眺め、それから皇都の方角で大暴れしてい
る白亜の岩人形を見た。
 日が暮れ、もう一度日が昇る頃には、アジパタという国は滅んでいるだろう。
 シェセプは、頭の中にアジパタの地図を思い浮かべて微笑んだ。
「さて、国一つ造り直す仕事か。腕が鳴るなぁ」

<終わり>
572創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 20:46:58 ID:Lz6IQJCA
投下終了です。
ダンジョンを造る人、という発想から一つ。
573創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 20:52:13 ID:0OZl8zbZ
クリエイトジャンキーかw

すんなり読めて面白かったよ。
574創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 22:39:47 ID:jro5dovc
ダンジョンをつくる人っていう発想面白いね
575創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 23:16:44 ID:5Znaisxr
クリエイトジャンキーww

これは面白いなー
576創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 00:01:02 ID:YqjdWhBB
感想どうもです。
あと、建設に取りかかるまでの日数がうっかりおかしな事になっているのに
(皇帝が監視を命じてから、数日しか経っていないのに、何故か太陽の残りは三十回分)
投下してから気付きましたが、これは脳内修正の方向でお願いします。(汗
577何となく世界政府後日談:2009/03/02(月) 19:29:12 ID:TqBEpFD6
シリュウ「説明ばっかりだとよ」
乙姫「ふむ、まぁ仕方なかろう?前提の説明をせなんだ作者が悪いのじゃ」
クーガ「ハッハッハ!この後日談で性格を知ってもらおうって事か!?浅馬鹿だな!」
シリュウ「それを言うなら浅はかだ!…そもそも、本編はどうしたんだよ!」
エメス「フン、大方逃げたんだろ?」
ジョーカー「続きの文章を自力で見直してるそうよ?『皇帝陛下と墓職人』の作品の文章を見習って修正してるみたい」
乙姫「ほぅ?」
フォーリス「無為」
シリュウ「フォーリス…、お前…さらりと酷い事言ったな…」
フォーリス「風だけに」
乙姫「穏やかに言った故、妾も気付かなんだ」
フォーリス「風だけに」
エメス「だったらボクを主役にして、反乱軍をボクが皆殺しする話を書いた方がウケるぜ」
シリュウ「防衛局局長の台詞じゃねーよそれ…」
乙姫「ならば『シリュウ初めてのおつかい』等どうじゃ?たこ焼を頼むぞ」
ジョーカー「アタシ魔界名物目玉饅頭ね!」
エメス「ボクはポテトな」
シリュウ「何で俺が!」
フォーリス「出前とるぞ」
シリュウ「お前は空気読め」
フォーリス「風だけに」
クーガ「まぁ良いじゃないか!初めてでも!」
シリュウ「初めてじゃねーよ!」
フォーリス「ま、それは置いといて出前とるぞ」
シリュウ「流すな!」
フォーリス「風だけに」
乙姫「ホレ、良いからとっとと行ってくるのじゃ」

シリュウ「…覚えとけよコノヤロー…」
ジョーカー「あ〜ん、アタシも行く〜♪」

バタン

乙姫「人が良いと言うか何と言うか…」
エメス「ただのヘタレだろ」

〜世界政府直属特殊軍警察部隊上層部総合経理・執務総責任者、ノヴァ=リムエル会議報告書〜

何時も通りでした。
578創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 20:45:10 ID:TqBEpFD6
翻訳すると…
「すみません、もうちょい待ってください」
です
579創る名無しに見る名無し:2009/03/07(土) 20:32:45 ID:7MSIi4fA
ご遠慮下さい
580創る名無しに見る名無し:2009/03/07(土) 20:54:45 ID:DQyhls9o
放置されて、それでも書きたいと思えるかどうか、
というのが一つの指標だよ。

何の指標か、とか聞かない。
581創る名無しに見る名無し:2009/03/07(土) 22:21:49 ID:L3PMG2yl
書かなきゃ上達しない。
書いて誰も見向きしなくなったら、それは己の未熟さ故よ。
582創る名無しに見る名無し:2009/03/08(日) 05:32:20 ID:5ovD3TnW
こういうファンタジーが読みたい
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6344258
583創る名無しに見る名無し:2009/03/08(日) 09:53:46 ID:7U3gS8Lu
その怪異なる情報の渦を人々はこう呼んだ。
弐個爾子導臥(にこにこどうが)、と。
たった二つの数字からなる天文学的桁数の羅列が織成す絢爛は個を一揃えの均一に臥しつけるべく導きを示した。
それは交易を営む護送船団のように知的下位に位する人々を標準とした煽動にも似た潮流であった。
爾子導の道を拡げる者は職人と呼ばれた。
『導画情報、受像完了。反映ニハ時間ガ掛ル場合有』
職人が指先ひとつを動かすと情報の奔流は光走線に飲み込まれるように走りだし、
大深度を縦横に濁走する線に乗って翔び去った。
光の速度は凄まじく、職人の指が決定鍵を落込んだその時にはもう世界に情報が伝播し始めるのだった。
「ははは……皆、楽しんでくれよ。俺の朱が掛ってんだから、な……」
職人の虚ろな眼が捉える情報写像面には、本来は脱法として閲覧削除される情報が累々と流れていた。
導臥の道にのめることは即ち、職人自らも渦に飛び込むことを意味していた。
個が全を求め、全は個を拒まない。
渦と個の共依存、とでもいうべきか。

弐個────彼らの視界を紡ぐもの。
爾子────彼ら自身、つまりは神の贄。


波久礼物が帰属する集合体。
最大の勢力に多少なりとも反故剥こうとする窮鼠の一矢。
結局はその程度ものなのだ。
584創る名無しに見る名無し:2009/03/08(日) 17:54:37 ID:h3j4WZzW
>>583
待てwww色々な意味でちょっと待てwww
何一つとして嘘をついていないが、だがそれでも待てwww
585創る名無しに見る名無し:2009/03/08(日) 19:45:58 ID:SW7XpptK
>>584
その発想は無かったwww
586創る名無しに見る名無し:2009/03/09(月) 13:33:10 ID:37o1uQF2
>>583
吹いたwwwww
何故か岡野玲子(陰陽師のマンガ描いてる人)の画風で脳内再生されたwwww
587創る名無しに見る名無し:2009/03/09(月) 19:21:52 ID:SPXtPLxE
>>529
>黒い色の卵──ピータン
w
588創る名無しに見る名無し:2009/03/09(月) 22:02:34 ID:A6yluTCm
 職人がいつもどおり爾子導への線を接続しようとしたとき──

「ふふふ……」

──その怪異は現れた。

「え、うわ!だ、誰だよお前!警察呼ぶぞぉ!ほ、本気だからな」
「ふふふ。そう怖がらなくても良い。ただ、PCを借りに来ただけさ」
「はぁ?」

 職人が混乱するのも全く意に着せず、その“黄色い頭”の“プリン”は、優雅に鍵盤を
叩いた。プリンが爾子導の検索窓に入力した文字列はこうだった。

 “作ってみた 巨大プリン”

 表示された検索結果のうち、一際再生数の多いものを二度打鍵。バケツ大のプリンを見
事に作り上げた製作課程の導臥が再生される。
 それを見てプリンは一際口角を持ち上げた。

「良い腕だ。彼こそ私の作り手に相応しい。見つけた、見つけたぞ、ふふ、ふふふふふ」

 恐れをなした職人が携帯を手に取った瞬間。プリンの笑顔と目が合った。それが職人の
見た最後の光景だった。
 職人は姿を消し、プリンを作る導臥のみが延々と再生されていた。
589創る名無しに見る名無し:2009/03/09(月) 22:04:34 ID:KFzO5/eK
だからプリン怖いっつってんだろwww
590創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 01:52:43 ID:tNMaGTFx
怖いwww
591世界の果ての中で(1/2):2009/03/10(火) 20:37:28 ID:o/Z190ys
何も無い無色な空間。世界の中心と呼ばれる場所。
「そうだ、これは取引だ…。」
そこには二つの人影があった。
一つは白であり、もう一つは黒だった。
「取引?」
白い人影は頭をかしげるように疑問を口にする。
それに答えるように血の通っていないような冷たい口調で黒い人影は言った。
「そう、取引だ、お前の願いを叶える代わりにお前の全てを貰う。」
「全て?」
「そう、いかなる幸福の中でも、いかなる苦痛の中でも、いかなる夢の中でも、いなかる罪悪の中でも、いかなる恐怖の中でも、
いかなる戦いの中でも、いかなる平穏の中でも、いかなる時代の中でも、いかなる環境の中でも、いかなる次元でも、いかなる空間でも、いかなる事象の中でも、お前は死ねない。
私が全てを奪う。お前からの安息も平穏も…。感じたものを永遠にする事を許さない。幸せを永久にする事は許さない。不幸を永久にする事も許さない。永遠にその流れの中でお前はそこに存在していなければならない。」
黒い人影は静かに、それでいいて畳み掛けるように続ける。
「わかるか?これはそういう取引なのだ。それでもお前はその願いを叶える事を望むか?
お前の願いの為にお前はこの世界から離れる事を許されず磔にされるのだ。それでもお前は願うのか?望みが叶ったところで結局その望みは結末を迎えてしまう。
それは所詮、有限なるモノだからな。それでもお前は本当にそれを求めるのか?」
白い人影はそれに悩むようような仕草を取る。
そうして一刻ほどの時間が流れた後、ぽつりと
「最後は泣いてたんだ。」
そう、呟いた。
その後、白い人影は少し恥ずかしそうに頭を掻いて、
「なんでだろうなぁーと今でも思う事はある。ああ、1月前に死んだ奴の事なんだけどな。口癖は『私は死ぬときゃ笑う』だったんだ。
でも、あいつは死ぬとき、死にたくないって泣きじゃくってた。なんだかんだで、やっぱり、あいつは死ぬのが怖かったんじゃないかなって思うんだ。そんなのを見ちゃうとな…。」
「だからこのような願いを望むと?」
「人が誰かのために何かしてあげたいって、思う時はきっと心の中でなんらかの見返りを求めてると思うんだ。別に形あるものじゃなくてもいい。
心の一時の安息でも良い。きっとそんなものを求めてる。俺が欲しいのもきっとその類の事なんだろうなぁーなんて、なんとなく思うよ。もしかすると俺がやろうとしてる事は押し付けで、迷惑千万なだけかもしれない。
でも俺はそれをやろうと思う。馬鹿だからなぁーそれ以外の方法が思いつかないんだ、これが…。」
白い人影は遠くを見るように言う。少し嬉しそうに、少し悲しそうに…。
黒い人影は静かにそれを見つめた後、
「そうか、決意は固いのだな。」
そう告げた。
この者の意思が固い事を黒い人影は理解したのだ。
いや、そんな事は当たり前か…自身がここにいるという事は生半可な覚悟では行える事では無い。
「いいだろう、ならばお前の願いを叶えてやろう。」
黒い人影は言う。
それに白い人影は静かに
「ありがとう。」
と言った。
592世界の果ての中で(2/2):2009/03/10(火) 20:39:28 ID:o/Z190ys
黒い人影はその礼に対して声を荒げた。
「言うな、君にこれから降りかかるのは永遠に続く暗黒だ。今は私に感謝の意を感じてもその内、君は後悔と失意の中で私を恨むだろう。
否定はしない。必要ならば恨めばいい。私が行うのはそういう事なのだ。人はあらゆる物事を有限だからこそ楽しむ事が出来る。無限などなんの面白みも無い。
それはただ、そこにいるだけの無限の傀儡に成り果てる事を意味する。だから、君に恨み言を言われる筋合いはあっても感謝を言われる筋合いは一つも無い。」
そこには黒い人影にさきほどまであった機械のような黒く冷たいものは無かった。
声が色を帯びている。
白い人影はそれを意外に思って、くすりと笑う。
「それなら、なおさらだ。今しかいえないならば、心から言っておきたい。ありがとうって…。」
黒い人影は白い人影を眩しいものを見るように見つめた。
「君は優しいのだな、きっと…。」
「あんたもきっと優しいんだと思うよ。俺にこの道を歩ませたくなくて諭そうとしてくれていたんだろう?」
黒い影は何かを考えるようなそぶりを見せた後、穏やかな声で言った。
「そうだな、昔を思い出した。だがな、この道を歩もうとするものは困ったことに頑固者が多くてなぁ…必ず後悔するというのに…まったく…。」
黒い影は両手を挙げ、呆れたというジェスチャーを取る。
その黒い人影の仕草に白い人影は笑った。
なんでだろう、黒い人影がこんな砕けた事を言うなんて思ってもいなかったからだろうか…。
「そうだな、たぶん後悔する、でもやっぱりさ、このままやらずにいっても後悔すると思うんだ。だから、やって後悔する事にするよ。」
「なるほど、君は確かに大馬鹿だ。」
「自覚してるけど、人に言われるとヘコムなぁー。」
そう言った後、二つの人影は笑った。
大笑いした。
まるで何も無かった無色のその空間が暖かい色で色づけされていくような感覚を二人は覚えた。
そうして二人は笑い終えた後、少し息をついて――
「では儀式に取り掛かる事にしようか…少し痛むが我慢してくれ。」
黒い人影の声は再び黒く冷たい声に戻っていた。
白い人影は表情を硬くし、深呼吸をする。
これから自分の身に起こることを想像しているのだろう。
「ああ、頼む。」
そう白い人影が言った後、黒い人影の指先から赤い光が放たれる。
その赤い光は白い人影の両手足首を貫いた。
白い人影から激痛を堪えるような嗚咽が漏れる。
黒い人影はそれ見届けた後、振り返り
「さようなら、二度と会うことも無いだろう。」
そういって、そこから姿を消した。
「ああ、さようなら。」
白い人影は痛みを堪えるようしてそう言った。
そして白い人影はその身を赤く染めていく。
契約の聖杭が白い人影の体を蝕む。
そして白い人影を中心に天に赤き光の柱を立てた。
赤き光の柱は天で二手に分かれ世界へと広がっていく…。

そしてその光の柱から人は知った。
それは世界を変革すら可能な力すら持つモノだったからだ。
そして、人は恐れた。
世界の法則を歪めることすら可能とされるその力。
禁呪とされる魔王との契約。
だが、それから100年の時が経っても世界には何も起こらなかった。
今までと同じように時が流れた。
魔王を呼び出した者は一体、何を願ったのだろうか?
呼び出した者は何処に行ったのだろうか?
それを知る者は誰もいない。
593創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 20:48:55 ID:o/Z190ys
いや、自分は話を考えると前置きがアホみたいに長くなっちゃうので、そういうのを省いてこんな物語を書きたいなーと思って、完全に思うまま書きなぐってみた感じです
自分なりに設定は用意してみたんですが、それを出来る限り明かさずに謎にして想像任せにするように書いてみました
ここからさらに膨らませて続ける案も色々あるのですが、掛け持ちやっててちょっと手を出せないのでここまでで…(ダイジェストでいいのならば公開しますが…)

こういうのはこのスレでありなんだろうか?w
594創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 21:45:36 ID:GC2RhtH9
有り有り有り有り有り有り有り有り有り・・・なんだったっけ?

ジョジョネタしようと思ったのに、実はジョジョ知らないから
忘れちゃったよw 

閑話休題。

有りだと思います! 続きも読みたいです!
ただまあ、ダイジェストよりはまとまった形での方が
望ましいと思うんで、首を長くしようとして脱臼して入院しながら
待ってようと、俺個人は思ったりしています。
595創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 23:04:12 ID:+WxZfmC0
才能0だな
596創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 23:43:31 ID:o/Z190ys
>>594
ダイジェストよりかー、時間かかると思いますが頑張ってみますw
ちなみにアリアリアリアリ、アリーデヴェルチ

>>595
よければ、どんなところが駄目か指摘していただけると
こちらも意識して直せるのでお願いしたいです
597創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 00:58:19 ID:E2/0OCvL
正しくはアリーヴェデルチなんだぜ!
とてもいい引きだから続きが気になるんだぜ!
598創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 20:54:57 ID:IngHUULc
>>593
やっと規制解除orz

パッと見、中々見ないような感じでイイと思うぜ
599創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 19:16:06 ID:0W3pAAlE
遠くに聞こえる潮騒の響き、陽光に照らし出され浮かび上がる海の藍。
大陸の最西端に位置する貿易都市、世話しなく行きかう交易船から荷を卸した商品が
細部まで張り巡らされた交易路を伝い奥地へと運ばれていく。
いわば経済の心臓部である。

「たった……176枚って、け、計算間違いじゃないのか?」
「鑑定料を差っ引いてるし、品物の保存状態も悪いもの、金貨176枚でも多いくらいよ?」

買取商は溜め息混じりに眼鏡の位置を直すと、厚ぼったい唇を指でつまみ明細書を差し出す。

「この短剣なんて、斬った物が燃えるエンチャントが付いてる貴重品だぞ?」
「まぁ、普通の武具なら、鍬や鎌、馬の蹄鉄の材料にするんだけど。
そ・も・そ・も、そんな御大層な武具なんて、今の平和な世の中じゃ役には立たないわよ」
「き、強力なモンスターと戦う時に必要だろ……」
「大陸の隅々まで踏破されちゃった昨今、冒険者なんて廃業よ、廃業。
古代遺跡も今や単なる観光名所、あなたも早いとこ”遺跡荒らし”なんてやめて本業に力入れなさい」

男が”トレジャーハンター”だと訂正する間もなく、屋外へと放り出されると
売れ残った武具の束を担ぎ、人々の雑踏が行きかう市街の中をとぼとぼと歩き出す。
分厚い布地の野暮ったい服装に身を包み、無精髭をガリガリと掻いている、男の名はマシュー。
夢と希望の冒険ファンタジー(笑)に憧れる、夢見がちな青年である。

マシューは自宅に辿りつき荷物を降ろすと、併設された馬小屋で
馬の爪を削り、蹄鉄をつけようと悪戦苦闘している鍛冶屋の少年に声をかけた。

「あっ、あと1つ着けたら終わりですよ、どうでした? 売り上げの方は?」
「旅糧を積み込んで荷台の修繕費払ったらカラッケツだよ、また客拾わないと……」
「商売の手を広げて”郵便馬車”なんていかがです?
ルドルフは優秀な馬ですから、荷台を広げてもまだ走れますよ」
「信用がない個人の馬車馬に荷を積める奴なんていないさ、
幌の張替えが終わったら表に出しといてくれ」

少年が手を上げながらマシューの声に答えると、マシューは母屋の扉をくぐり、
閑散とした屋内の脇に立てかけられた愛剣を手に取り、腰に帯剣した。
マシューは窓から差し込む光に埃が反射し揺らめくと壁に立てかけられた絵画の一文に目を留める。

”冒険を探求せよ”

かの”大冒険時代”から行く年月、過ぎ去った過去の御伽噺。
マシューは一文を口の中で二度復唱しながら母屋から自宅から表に出る。
馬屋から出された2頭立て4輪馬車(キャリッジ)には、後部にある木製の貨物荷台に幌を被せてあり
5人は余裕で乗れる積載量がある。

「出しておきましたよ」
「悪いな、ついでだから送っていこう。日もちょうど真上だし、まだ客が拾えるかもしれない」

馬車はたかたかと土埃を巻き上げ、交易都市の出入り口へと到着。
最も人の出入りが激しい地域の為、大小様々な露天も立ち並び、慌しく人が行きかっている。

「では私はこの辺で、これからも御贔屓に!」
「あぁ、親父さんに宜しくな」

鍛冶屋の少年が馬車から飛び降り、走り去るのを見届けると
マシューは”乗合馬車”の集まる一角へと馬車を止め、周囲を見渡した。
その時、不意にガラスのように透き通った声が耳に響き、
マシューはゆっくりと声の主の下へと振り向くと……

そこには桃色のドレスに身を包み、マシューを睨み付けるように
メンチを切っている。一人の少女の姿があったのだった。
600創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 15:34:18 ID:2x7ZpcPc

こちらをガン見している少女と目が合い、気まずくなった様子を見せたマシューだったが
ぺこりと頭を下げ会釈をするなり、少女は慌てふためいた様子で頭を下げた。

「こちらの馬車はどちらまで行かれるのですか?」

横から歳が30程の女中が姿を見せ、両者の間に分け入り垂れ目がちな目をマシューヘと向けると
先程の声で語りかけてくる。

「え? えぇ、港までは1人1枚、郊外へは……」
「駅馬車のように他の街までは?」
「隣町までですか? うーんそれなら荷重によりますけど、
半日は掛かる距離ですよ……行き先はどちらですか?」
「イーストエンドです」
「は、はい?」

婦人の声にマシューの思考が一瞬硬直する、現在地の港は大陸の最西端、
イーストエンドは最東端、つまり大陸の真逆に存在する村である。少女が着るには過ぎた高価なドレス。
血色よくふくよかな女中、大陸を横断すると言う無理難題。危険な裏が見え隠れする申し出に
マシューは咄嗟に思いついた嘘を並べ立てた。

「あ!? そういえば、荷車のサスが駄目になってまして、
舗装路以外を走ると揺れが酷いんですよ。それに……ん?」
「どけ、どけィ!! アンナッ! 馬車は見つかったか? 追っ手が来るぞ!!」

軽装の鎧に身を包んだ女騎士が焼き魚を咥えた少女を脇に抱えながら
露天の上を飛び越えこちらへと走りくると、あとを追うように現れた暴漢達が
商品を蹴散らしながらマシューの方角へ迫ってくる。

「な、何なんだあんた等ッ! ちょ、勝手に乗らないで!」
「つべこべ言うなッ!」
「……(もぐもぐ)」

マシューの馬車に有無を言わさず乗り込んできた、女騎士が切れ長の瞳で怒鳴ると
脇に抱えた少女はもさもさと焼き魚を口にほおばり、器用に骨だけを口から出す。

「おしゃかな、ほねになった てじな?」
「……余裕」
「あらあら御嬢様、はしたない」
「馬車を出せーッ!!」
「チクショーッ!! 家でジッとしてりゃよかったッ!!」

マシューが馬を促し馬車を走らせると、乗合馬車を無理矢理強奪した追っ手が1台後ろから迫ってくる。

「追ってくるぞッ! もっと飛ばせ!」
「無茶言うな、荷車が転倒したら元も子もない!」
「……ここは私の出番」

やる気のない目付きをしていた魚少女が手に妖しげなステッキを握り、ゆっくりと
荷台の上で仁王立ちすると、手に持った帽子をトントンと二度叩く。

「な、何をやってるんだ?」
「エリザベス様は、かの大賢者ラシドルス様より
魔術の師事を受けた大魔術師なのだ――さぁ、あの悪漢どもに然るべき裁きを!」
「……鳩が出ますよ」(ボトッ)

ナマコが現れた。
601創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 15:35:09 ID:2x7ZpcPc

「エーッ!!?」
「ナマコーッ! 何でナマコッ!!」

帽子から放り出されたナマコが地面に投げ出されると、迫る悪漢の馬車馬がナマコを踏みつけバランスを崩し
大きくもんどりうちながらその場で転倒した。

「……予後不良です」
「さ、流石はエリザベス様、私は貴女様なら必ずやってくれると信じておりました!」
「さっき思いっきり驚いてたろ、あんた」

道沿いにしばらく走り、追っ手が追ってないことを確認すると、緊張の糸が切れたマシューは
安堵の溜め息を漏らした。半ば巻き込まれる形で乗り込んできた4人の女達は
荷車に積まれた食料を手に取り合い、和気藹々と雑談に勤しんでいる。
不意にこちらへと歩み寄ってきた、ガン見少女は瓶詰めのお菓子から飴玉を取り出し
マシューヘと手渡すと、マシューにお礼の言葉をかけた。

「おにいちゃんにおれいのあめ」
「あ、ありがとう」

栗色の髪を揺らし、にっこりと微笑む少女はマシューの隣に座ると
荷物からびっしりと活字の並んだ難解な学術書を取り出し、足をプラプラさせながら読み始める。

(目付きが悪いのは目が弱いせいなのか?
そ、それにしても、何語で書かれてるんだ、この本)
「いあ、いあ、ふんぐるい、むぐるうなふ、くとぅぐあ」
(突っ込んだら負け、突っ込んだら負けだぞ、マシュー!)
「男、メイ御嬢様に失礼の無いようにな」

声をかけられた方角を振り向くと、先ほどの女騎士が抜き身の剣を手に持ち、こちらを警戒していた。

「言っておくが、私はこう見えて雷光の異名を賜る程の腕前
私達が女ばかりだからといって、妙な気は起こさないことだ」
「そんなに強いなら、馬車で逃げずにさっさと倒してくれればよかったのに……」
「……ルイスは雷が落ちた時、特に早い」
「あぁ、逃げ足が? 合点がいった」
「エリザベス様! 余計なことは言わなくてもッ!」

ぼそぼそと女騎士の赤裸々な秘密を語るエリザベスの口を、女騎士が慌てて手で塞ぐと
赤毛の女騎士の顔が真っ赤に染まった。

「申し訳ありませんマシュー様、結局このような形で貴方まで危険な目に」
「いえいえ、こうなったら乗りかかった船ですよ。
まさかここで皆さんを降ろして帰るわけにも行きませんから」
「本当になんとお礼を申し上げたらいいのか……」

アンナの潤んだ瞳に見つめられ、マシューはたじろぎながら後ずさると
はちきれんばかりに溢れるフェロモンと肉感的な肢体をくねらせ、アンナは執拗に胸元を強調し擦り寄る。

「いや、わ、わかりましたから、顔が近い、顔が近いです」
「そう意地悪なことをおっしゃらないで」
『……ルイスは未だに子供ブラ』
「口を塞いでいるのに何故ベス様の声がッ!?」
『……腹話術』
「いあ、いあ、はすたぁ」

「前言撤回、お前ら全員降りろーッ!!」

のどかな平原にマシューの悲鳴が木霊する、遥か東の果てに何が待ち受けているのか?
彼自身、未だ知る由もないのであった。
602創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 20:27:46 ID:eKd2SzMm
ツッコミ所は面白い所も文章的な所も含めて多々あるが、
キャラは面白そうだなーって思った。

とりあえず、クっちゃん関係の本は取り上げておけw
603 ◆91wbDksrrE :2009/03/16(月) 21:53:01 ID:EoOt3Ke8
投下します。
>>478-481の続きです。
604 ◆91wbDksrrE :2009/03/16(月) 21:53:37 ID:EoOt3Ke8
 未知という感覚は、感情を強く揺さぶり、動かす。それは情動を持つ人間ならば、
誰一人として例外なく、だ。
「あれ?」
 細波が立った心。その所以は未知。だが、未知は未だ知らぬ事故に、それを所以とする
と気付ける事も、また少ない。知らないが故の情動を、知らないが故にそれと気付かず、
心の細波は苛立ちとなって募る。
 彼女が先程高崎祐太一人を残し出て来たはずの教室の前に、我知らぬ内に立っていた
のは、無意識の結果だ。だが、無意識はその名に反して、全くの無から発生し、なにがし
かの現実をもたらすことは無い。心の細波が、未知の情動に揺さぶられた心が、彼女を
この教室に向かわせた。
 その情動を、もしも他人が目にする事ができたならば、彼らは残らずそれをこう呼び
称すだろう――嫉妬、と。
 時には大きな原動力となり、世界を展開させる大いなる力となる事すらもある感情の
名は、だがしかし一般的に好まれてはいない。何故ならば、嫉妬という情動は、その多く
が発展の方向には向かわず、破滅の方向へと向かうからだ。
 だが、彼女はその情動が嫉妬と呼ばれるものである事に気付いていない。気付く為の
切っ掛けすらも、彼女にはない。
 高崎祐太と滝野美由。普通ではない二人に、普通の自分。だがしかし、それだけでは
嫉妬する必要はどこにも無い。普通である事を、苦痛に思った事は、彼女にはなかった。
才能を持った人間を羨む事はあっても、そのステージに無い自分を悔やむ気持ちを、
彼女は持った事がなかった。生まれてこの方一度も。
 ある意味、それは普通とは言い難い特質なのかもしれないが、彼女にとってはそれが
普通であり、内面の問題であるが故に、それが普通ではない可能性を考えるに至る機会が、
彼女には今までなく――よって、それは彼女にとっては普通だった。どうしようもなく。
 つまり、この嫉妬は、普通ではない二人へ対する焦がれや妬みではない。彼女の内面に
沿う限り、そういう事になる。つまりは――
「……なんで、教室の前に? 今から、高崎君と滝野さんが会って……それで……」
 告白。
 その言葉が脳裏をよぎった時、彼女は胸に小さな痛みを覚えた。
「わたしは……ここにいちゃ、邪魔に……な……る……」
 ――違う。邪魔になるのは違わないが、違う。
「……お似合い、だよね、二人。普通じゃない男の子と、普通じゃない女の子」
 ――そして、自分は普通の女の子だ。普通じゃない男の子を、ただ側で見ているだけで
満足してしまっていたほどに、普通の。
「だから、上手く……きっと上手く行って……それで……」
 今までと違うのは、そこだった。
 彼が……高崎祐太が女子から告白を受けるのは、何もこれが初めてではない。この二年
の間、両手で余る程に告白を受け――そして、その尽くを断ってきた。
 ――相手が普通の女の子だったからだ。
 そう、彼女は思っていた。そして、普通でない女の子など、彼の周りにいるはずが無い、
とも。普通でない人間が、そうそういてたまるか、と。
 何故そんな風に考えていたのだろうと、何故そんな風に安心していたのだろうと、彼女
は心を揺らしながら思う。
 その考えが正しいという事は……つまり、普通でない人間が現れたら、その時彼は、
その人を受け入れてしまうという事なのに。
「……滝野、美由」
 彼女は、彼とお似合いだと、そう叶も考えている。それはつまり、彼女が普通ではない
という点で、彼に似つかわしいという意味だ。
 ――ああ、そうか。
 その瞬間、叶の心から曇りが消え、一色に染まった。
 情動の正体が嫉妬である事に気付き、未知が一つ消え――
 何故自分がここに立っているのかに気付き、未知が一つ消え――
 自分が彼を好きだと思い、そして自分が普通だからと諦めていたのに気付き――
 道を、一つ見出した。一つの色に染まった空を駆ける道を。
「普通じゃなくなれば、わたしでもいいのよね?」
 空が一色に染まる時。それは、晴天に晴れ渡った時と、もう一つある。
 闇夜が空を覆い尽くした時だ。曇っていようが雨が降っていようが、暗闇は全てを覆い
尽くし、ただ一つの色へと染め上げる。ただひたすらの、漆黒へと。
605 ◆91wbDksrrE :2009/03/16(月) 21:53:55 ID:EoOt3Ke8

         ――――――――――――――

「……いつ来るのかは言ってなかったからなぁ」
 高崎祐太はそう呟き、教室の窓の向こうに見える空を見上げた。
 時刻は夕方。既に空の大部分は朱に染まり終え、薄紫の夜闇の気配を漂わせ始めている。
 逢魔が刻と呼ばれるこの時刻は『澱み』が最も活性化する時刻であるという。確かに、
今まで彼が『澱み』と対峙し、そして退治してきたのは、例外なくこの時刻だった。
 だが、今日の所はその気配は無さそうだった。彼自身の感覚――微弱な物だが――に
かかる気配もなく、そして彼の使い魔――のようなもの――である、彼とは比べ物に
ならない程鋭敏な感覚を持つ黒猫、リリからの知らせもない。基本的に祐太といつも一緒
にいるリリだが、流石に教室内にまでついてくるわけにはいかず、今も屋上でダラダラと
暇つぶしをしているはずだ。
「……しかし……いつ来るんだろ」
 既に、一時間余を待ったが、待ち人――滝野美由は来る気配すらも無い。
 部活が盛んなわけでも無いので、校庭から聞こえる声もまばらだ。皆家路に着き、校舎
からは段々人の気配自体が消えていく。
「滝野、美由か」
 この一時間余で三度程考えた事を、再び彼は考え始めた。
 彼女は、一体自分に何の用なのだろうか、と。
 彼女はこの学校において、よく名を知られている。その特異な外見と、その特異な外見
を全く意に介しもしない自然体故に。容姿もそれなり以上のレベルであり、性格も明るい
らしいという。だから、この学校において彼女の事を知らない人間はおらず、また、彼女
の事を悪しざまに言う人間も、ほとんどいなかった。
 そんな人間が、一体自分に何のようなのだろうか。
 その自問の答えを彼が掴むには、切っ掛けとなる情報があまりに無さ過ぎる。故に、
数分の時間を経て、彼は四度目の思索も、これまでの三度と同じく短い時間で打ち切った。
 次に考えるのは別の事だ。
 先程、どうして芳原叶はあれ程までに怒っていたのであろうか、と。
 こちらの自問は、この一時間の間に初めて浮かんできた問いだ。こちらもまた、答えを
掴むきっかけは無さそうな自問であったが……だがしかし、と彼は思う。
「こっち先に考えないとな……」
 彼女と祐太は、一年余の付き合いになる。切っ掛けは単純なものだ。たまたま一年の
時にクラスが同じとなり、たまたま席が後ろになり、話してみたらたまたま気が合い、
それ以降貴重な友人としての付き合いが続いている。偶然がもたらした縁ではあったが、
二年次にクラスがまた一緒になったと知って、それなりに嬉しかったりもした。
 何故か他の人間が自分と距離を置きたがる中――もっとも、邪険に扱われているというわけでも無いのだが――、彼女のように分け隔てなく接してくれる友人は、彼にとって
は非常にありがたかった。
 彼女が怒っていた理由はさっぱりわからないが、その怒りを静めてもらわない事には、
今後の学校生活に支障が出かねない。
「……うーん」
 だが、やはりその原因は皆目見当がつかない。きっかけすらも思い当たらない。それに
関しては、滝野美由の呼び出しについてと同じだ。
「別にここの所、何か迷惑かけた事はなかったはずだしなー……」
 彼女に迷惑をかけた事も、この一年余何度かあったが、あそこまでの剣幕で当たられる
ようなことをした覚えは、最近に限って言えば祐太にはなかった。
「……うーん」
 まだ見ぬ学校の人気者とは違い、直接学校生活の利便性に関ってくる問題だ。あっさり
思索を打ち切ってしまうことはせず、首を捻って唸り始める。
「そういえば……」
 と、五時間目の休み時間において彼女と交わした会話を彼は思い出した。彼女はやたら
と、滝野美由と自分が会うという事に拘っていなかったか。
「ファン、だとか?」
 ふと思いついた推論だったが、それもありえるかもしれない。二年生の間でも、あの
滝野美由と言えば『妹にしたい女子、人気ナンバーワン』『小動物的な所が可愛い女子、
人気ナンバーワン』『あの銀髪神秘的でいいんじゃね、人気ナンバーワン』などの種々の
ランキングで常にトップを取っている。
606 ◆91wbDksrrE :2009/03/16(月) 21:54:16 ID:EoOt3Ke8
「……最後の奴の意味はよくわからんが」
 もしかしたら、叶も彼女のファンであり、呼び出された自分に嫉妬していたのではないのか――そんな推論に、だが彼は首を横に振る。
「あいつが、そんな嫉妬したりする奴なわけないし、な」
 嫉妬という感情と、芳原叶という少女とは、彼の中では全く結びつかなかった。彼女が
そういう人間であるという事を――嫉妬という感情に縁遠い存在であるという事を、彼は
よく知っていたからだ。
「……うーん……うーん……」
 ようやく掴んだ自問の答えへに至るきっかけは、だがしかし、これまでの彼女とは全く
そぐわないものであり――彼はただただ首を捻るばかりだ。
「明日、会った時に聞いた方が……早い、よな?」
 そして、とうとう考える事をやめようかと思い立った、その時だった。
 ガラリという、教室のドアが開く音。
「……あら、高崎君。いたのね」
 音に顔を上げた祐太が見たのは、入り口に立っている芳原叶の姿だった。
「ああ、芳原か。丁度いいと、こ……ろ?」
 正確に言えば――入り口に立っている"漆黒の何かを全身に帯びた芳原叶"の姿を、だ。
「……お前、それ……何だよ?」
 問いはしたが、答えはもうわかっていた。微弱とは言え、それの気配を感じる力は、
彼もまた持っているのだから。
「聞いて、高崎君……私、普通じゃなくなったの」
 『澱み』――それが、彼女の、芳原叶の全身を覆うように、纏わりついていた。まるで
仮面のように顔の半分を覆い、そして胸当てのように上半身を覆い、マントのように全身
を覆っている。休み時間に見たように思った黒い揺らぎ。その正体はこれだったのだと
今更ながらに気付き、祐太は歯がみした。既にそれは揺らぎどころか、確固たる実存を得てそこに在る。――漆黒の鎧として。
「普通じゃなくなれば……高崎君と一緒に、ずっと、居られる……そうでしょう?」
 『澱み』が人に憑く――その可能性自体は、祐太も考えた事があった。
 『澱み』とは、文字通り世界の澱んでいる場所に発生する物だから、人の心の、身体の
澱みに『澱み』が発生しても、何らおかしくないという推論だ。その推論の大元なった
のは、この手の化物を取り扱ったフィクションにおいて、化物が人に憑かないはずがない
という、ややメタな推測だったりもしたのだが――果たして、その推論は正しかった。
「……すまんが、何言ってるのかわかんねえ」
 彼女の半分覗いた頬には、朱が差している。瞳は潤み、まるで愛の告白でもせんが如き様相だ。そして、実際口にしているのは――
「私、ずっと好きだったんだって、やっとわかったの。高崎君の事」
 ――紛う事無き、告白の台詞だ。
「……それが、お前の心の澱みか、芳原」
 友人だと思っていた少女。だが、彼女は密かに恋心を抱いていて、それを自分自身で
すらそれに気付いていなかった――それが心の隙間を、心の澱みを生まないわけが無い。
 嫉妬という感情に縁遠い生き方をしてきたからこそ、初めて囚われた反動は、大きい。
「私の質問……はいかイエスで答えて?」
「どっかの世界の守護者みたいな事言うなよな……」
「ふふ……ごめんね、いいえもノーも要らないの、私は」
 笑みを浮かべた彼女の掌に、輝きが宿る。
「っ……おま、それ……っ!?」
 漆黒の鎧が脈動し、彼女の掌に集まった輝き――魔力を更に高めていく。
 本来ならば、修練によってのみ人の身で使う事が可能になる、魔法という力。それを
彼女はまったく修練無しに使おうとしていた。
「凄いでしょ? こんな力使えるようになっちゃった。これが当たったら、高崎君なんか
 一発で消し飛んじゃうよ?」
 楽しそうな口調とは裏腹に、その言葉は物騒極まりない。だが、それが事実であろうと
言う事は、祐太にはわかった。彼女がその掌中に集約している力は、地に属する魔力だ。
恐らくは、重さをひたすらに増す類いの術だろうと、彼は当たりをつけていた。教室内の
埃が、魔力の余波によって吸い寄せられていくのがその根拠だ。もしも喰らえば、十トン
トラックに轢かれたように、全身がバラバラになるだろう。
「『澱み』に憑かれた人間は、魔法をも使いこなすってか……」
「聞かせて、高崎君……」
607 ◆91wbDksrrE :2009/03/16(月) 21:54:38 ID:EoOt3Ke8
 彼の呟きなど意に介する事もなく、彼女は彼に尋ねた。
「私のこと、好き? 普通じゃなくなった私のこと……好きになってくれた?」
 答えなければ……あるいは、否定したならば、その時はあの掌中に集めた力を、彼女は
揮ってくるだろう。はいかイエスで答えろという言葉は、紛う事無き彼女の本気。
 彼は自らの足元に意識を向け、イメージを創り上げながら、答えた。
「……そりゃあ、好きだよ。一年前からずっと好きだ」
 誤魔化す事無く、今彼が持っている、本当の気持ちを。
「友達として、な」
 一瞬歓喜の花を咲かせた彼女の表情が、すぐに落胆に歪む。そして、その歪みはすぐに
別の形へと……諦観と、憎しみの笑みへと、その姿を変えていった。
「そう……やっぱり、私より滝野さんの方がいいんだ……やっぱりそうなんだ。あは、
 あはは……そうよね、やっぱりそうなるわよね……あはははははははははははははは」
 その笑い声に狂気を感じた瞬間、
「じゃあ、死んで」
 祐太はその場を跳び退いた。
 炸裂音と共に、一瞬前まで彼がいた場所にあった椅子と机が粉々になる。その光景を
視界の隅で確認しながら、彼は魔力によって強化された脚力で、叶との距離を取った。
「あら、外れちゃった……残念」
「……すげえ威力だな、おい」
 見れば、椅子と机を粉砕するだけでは飽き足らなかったのか、彼女の拳はリノリウムの
床を突き破り、その下のコンクリートを破砕して、肘の辺りまで突き立っていた。
 今まで対峙した、どんな『澱み』との戦いでも、ここまでの破壊力にお目にかかった
事はなく、思わず素直な感嘆の声を漏らしてしまう祐太。
「やだ、褒めないでよ……これから、この力が貴方を穿つんだから、ね?」
 そう言って笑う彼女の頬は、まるで何日も絶食したかのように、扱け始めていた。
「……やめろ、芳原。そんな風に力を使い続けてたら、お前の身体がもたない」
 魔法とは、面倒な力だ。使えば使う程、身体の中に内在するエネルギーを消費する。
その結果としての痛みや苦しみは、精神力で抑えられるが、エネルギーそのものを補う
事は、精神力ではできない。そしてその消費の割合は、身体能力の強化や事象の操作より
も、無からの創造の方が大きい。例えば今叶が使っているような、重力場をその手に発生
させるような使い方だ。
 祐太ですら、無からの創造――己の拳に炎をまとわせるのは、『澱み』を一撃する
その一瞬だけなのに、今叶がしているような、ずっと力を発生させ続けるような使い方を
していては身体がもたなくなって当然。
 だが、そんな言葉に彼女はその顔に浮かべた笑みを深くする。
「あら、忠告? それは友人としての? だったら聞けないわね。恋人としてのなら、
 聞いてあげてもいいんだけど。それに……」
 彼女の身体がゆらりと揺れるようにして近づいてくる。その動作があまりにゆったりと
していた為、距離を詰められたのだと認識した時には、彼女は祐太の目の前にいた。
 認識よりも先に身体の方が反応し、咄嗟に回避行動をとる。
 制服の胸を掠め、再び教室の床を粉砕する、叶の拳。
「……多分、私がどうにかなるより、高崎君がバラバラになっちゃう方が、早いよ?」
 扱けた頬に、しかし笑みは変わらず、彼女はめり込んだ床から腕を引き抜いた。
「……お前にヤンデレの素質があったとは、思いもしなかったな」
「手に入らないなら壊しちゃえ。当然の話じゃない? ホントは、滝野さんの方を
 バラバラにしてあげようかと思ったんだけど、今後滝野さんじゃなくても、私じゃない、 誰か違う人と、高崎君が付き合っちゃうかもしれないって思ったら………………選択肢
 は一つよね? うん、やっぱり当然の話ね」
「そういうのを病んでるって言うんだよっ!」
 祐太が跳ぶ。今度は、逃げる為にではなく、攻撃する為に。
 こういった場合、物語の通例に則って考えれば、普段『澱み』に対してしているような
攻撃をすれば、宿主である叶ごと殺してしまいかねない。そして、普通の人間にならば
効くはずの攻撃は、彼女がまとった『澱み』の鎧によって弾かれる事になるだろう。
 では、どうすればいいか。
 魔力で高めた脚力でフェイントを交えて跳ぶ。途中自分に向けて振われた叶の拳を
紙一重でかわし、背後へと回り込む。叶の動きを見る限り、彼女の身体能力自体は多少
『澱み』の力で強化されているのかもしれなかったが、身体の捌き方などはごく普通の
少女と変わる所は無い。祐太が付けこもうとしたのは、そこだった。
608 ◆91wbDksrrE :2009/03/16(月) 21:54:56 ID:EoOt3Ke8
「……ぐっ」
 『澱み』の鎧に覆われていない部分……上半身が胸当てのように覆われているからこそ
露になっていた場所――首だ。
 そこを狙い、祐太は腕を絡みつかせる。
「すまん、芳原っ!」
 スリーパーホールドと言われるその技は、一般に誤解されているような首を絞めて
息をさせなくさせる為の技ではない。顎の下の部分、頚動脈を絞める事で、脳に酸素を
送る事ができなくさせ、気絶させる為の技だ。
 かつて、魔法と同じく先生から習った体術。専門家には遠く及ばない技量しかない、
未熟な体術ではあったが、魔力による強化と、相手がそういった技術に全くの無知である
という条件が揃えば……
「通じる、はず……っ!」
「……うぅ……ぐぅぅ!」
 背後から絞め上げられる状況に、叶は対処ができないはず。
 宿主の意識を失わせれば、まとわりついている『澱み』も離れるはず。
 この二つの推測は、だが、その二つ目を確認できないまま、一つ目の段階で破綻した。
「ぐぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!」
「なっ……!?」
 叫びと共に、彼女の全身から力が放出される。
 一瞬のタイムラグに、祐太は咄嗟の判断で彼女の首を諦め、身を固め――
「ぐはっ!?」
 その姿勢のまま、教室の壁まで吹飛ばされ、打ち付けられた。
 崩れ落ち、立ち上がろうとして気付く。打ち付けられた背から、全身に痺れにも似た
痛みが広がり、身体が上手く動かない事に。
「……はぁ……はぁ……なるほど、ね……私が気を失えば、この力を引き剥がせる……
 大方、そんな風に考えたんでしょうけど……でも、無駄よ」
 全身から魔力を放出する事で、無理矢理祐太の身体を吹飛ばしたのだろう。その代償と
して、最早眼窩まで窪ませ、肌を土気色にしながら、それでも叶は笑みを浮かべていた。
顔の半面を覆う漆黒の仮面と同じく、もう半面もまた仮面であるかのように。
「私が気を失っちゃえば……あとはもう、この子が好き勝手にするだけ……私の中の、
 全ての力を使って、ね。私も死んじゃうだろうけど、高崎君も死ぬわ。でもね」
 凄絶ささえ漂わせながら、ゆっくりと、ゆっくりと彼女は歩みを進める。
 祐太は、膝をついて立ち上がれないまま、顔を上げて彼女の歩む様を見た。
「でも、それじゃ駄目。高崎君は、私の手で殺すの。じゃないと駄目」
「……なんでだよ、芳原」
「何故と問われれば、答えは一つかしら。……わがまま、よ」
 殺す。
 殺される。
 『澱み』との……異形の化物との対峙においては意識する事のなかった言葉が、そんな
言葉とは全く縁も所縁も無かったはずのクラスメイトの口から紡がれる。
 ギリッと握った祐太の拳には、微かに光が宿る。反撃の光。だが……殺の一文字をもたらす光。それを揮えば、体術において長じている自分は、彼女を倒す事はできるだろう。
 だが、同時に彼女を殺してしまう事にも、なる。そうなってしまうだろう。
 判断は妥当なものと言える。
 彼は、負ける事は無い。
 彼女を、殺す覚悟があれば。
「さあ、私に殺される覚悟は出来た?」
「そんな覚悟……できるわけねえだろ……」
 痛みは残ったままだ。だが、立たなければならない。だから、彼は立った。
 立って為すべき事は一つ。ただ一つだ。
「……俺がしなきゃいけねえ覚悟は……お前を元に戻すという覚悟だけだ!」
 吠える声と共に、彼の腕に宿りつつあった魔力の光が、その瞳に移ったかのように、
彼の瞳に輝きが宿った。
 どうすればそれが叶うか、彼は知らない。
 だが、何をしてでも、芳原叶から『澱み』を引き剥がし、彼女を元の明るく気さくな
普通の少女に戻すという覚悟を、彼は心に決めた。
「……もう、元には、戻れないわ……だから――」
 冷たく言い放つ叶の声にも、その覚悟は揺るがない。
609 ◆91wbDksrrE :2009/03/16(月) 21:55:22 ID:EoOt3Ke8
「――死んでちょうだいっ!」
 振り下ろされる、叶の拳。
 回避動作を取ろうとして、祐太はそれが間に合うか微妙だという事に気付く。先の衝撃
によって受けたダメージの為だ。だが、それでも彼は諦めず、その拳を輝く瞳で見据え、
何とか活路を見出そうとした。覚悟した以上、諦めることはできない。自分が諦めると
いう事は、それはつまり、自分だけではなく、叶をも死なせてしまうという事だから。
「おぉぉぉぉぉぉっ!」
 覚悟し、諦めないという形で、彼は自分自身を信じぬく。
 実際には、もうどうにもならない、そんな状況がそこにはあった。
 彼は全身にダメージを負い、満足に動く事すらできない。これ以上戦う事は、難しいと
言わざるを得ず、それどころか、叶の振うこの一撃すらも、避けられるかどうかは怪しい
ものだった。
 だが、それでも彼は信じた。
 それは単なる思い込みだったかもしれないが、それでも彼は信じた。
 自分が彼女を助けられると。その上で、自分も生きられると。殺す事も、殺される事も
無く、またいつものような叶との他愛も無い話ができる日々が、戻ってくると。
 それは、信じる力。
 信じる力とは、魔法の源となる力であり、信じる力によって行使される魔法とは、面倒
で使い勝手の悪い、だが、奇跡の力である。
 故に、自分自身を疑わず、信じ抜いた彼に、世界は奇跡という名の支援を行なった。
 小さな奇跡――
「させないっ!」
 ――"彼女"が辛うじて間に合うという、そんな奇跡を。
 声と共に、黒尽くめの小さな影が間に割って入ってくるのを、祐太は見た。祐太に振り
おろされる直前だった叶の拳を、その影は手に持った武器――短刀で受け止め、重力の塊と化した拳を受けきり、そして弾き飛ばした。
「き……君は……っ」
 短刀は、黒く輝く光を放っていた。見覚えのある、だが見覚えの無いその光は、間違い
なく魔法によって宿った光だ。
 そして、その短刀を持つ影は、有体に言って――黒子だった。
「く、黒子?」
「ぐさっ……は、話は後です、先輩!」
 黒子は何やら精神的ダメージを負ったようだったが、崩れそうになる身体を持ち直し、
体勢を整え直した叶の方を見ながら、祐太に告げた。
「結界張ったんで、もう芳原先輩ぶん殴っちゃって大丈夫です!」
「……け、結界? 殴って大丈夫って……どういう事だよ、おい?」
 突然の乱入者。その乱入によって、恐らくは助かったのだという事は理解できたが、
口にする言葉には理解が追いついていかない。
「説明は後で。早くしないと芳原先輩がもちません!」
 理解が追いつかないのならば、ひとまずうっちゃるのは彼の流儀だ。ましてや、黒子が
言う通り、状況は切迫している。相変わらず叶はその手に魔力を宿し続けている。この
ままでは、確かに命に関る程消耗してしまうだろう。
 だが、突然の乱入者を信じていいものかどうかという迷いを心に浮かべる直前に、
その迷いの種は砕かれた。
「祐太、この人の言う通りにしたら大丈夫にゃ!」
「リリ……!」
 聞きなれた声に教室の入り口に目をやれば、見慣れた黒猫の姿がそこにあった。何故か
背にパンダのぬいぐるみなど背負っていたが、その事を問う必要も余裕も今は無い。
 ただわかるのは、ならば、迷う事は何も無いという事だ。
「わかった……」
 実際に、理解している事はほとんどないに等しかったが、応えとしてはそう答え、彼は
自らの目の前に己の掌をかざした。
「……」
 痛む身体とは裏腹に、心は研ぎ澄まされている。それは覚悟故か、それとも――
 己の手に宿る光が、炎の形を取る。
「……芳原」
 呼びかける声に、答えはない。
610 ◆91wbDksrrE :2009/03/16(月) 21:56:42 ID:EoOt3Ke8
 見やれば、仮面のように顔の半面に張り付いていた笑みは、既になく、代わりにある
のは黒い、黒い憎悪。歪んだ望みそのままに、彼の命を奪えたはずの一撃を妨げられた
ことで、その顔は醜く歪んでいた。だがしかし、それは彼女が本来持っている表情では
無いはずだと、それは彼女が本来持っている望みでは無いはずだと、そう祐太は自らの
心を叱咤する。
 拳に宿る力に、既に殺の一文字は無い。
 今あるのは、救の一文字のみ――そう、信じる。
「芳原ぁっ!」
 身体は重い。だが、心は軽い。その心の軽さが、身体の重さをかきけし、彼の足を軽くする。
 叫びと共に踏み込んだ一歩……いや、一跳びで、祐太は一気に叶の懐にもぐりこんだ。
 その速さに、彼女の反応はついてこず――
「えっ?」
 ――彼女が驚きを得るのと、自らの腹部にめり込んだ彼の拳を知覚するのと、どちらが
早かったかは、彼女自身にもわからなかっただろう。あるいは、それは全くの同時だった
のかもしれない。
 彼の拳は、彼女の身に纏っていた漆黒の鎧を穿ち、砕き、燃やし――だが、同じように
穿たれ、砕かれ、燃やされてしまう運命にあったはずの彼女の身体には、紙一重で届いて
おらず、何一つとして傷をつける事はなかった。
 結界。その言葉の意味を、祐太は理解する。
 漆黒の『澱み』の鎧は、他の『澱み』がそうであるように、燃えた灰のように、塵となって
消えた。後には、呆然とした表情で立ち尽くす叶が残されるのみ。
「……芳原、無事か?」
 祐太の言葉に、しかし、彼女からの返事はなかった。
 『澱み』は滅した。
 だが、その『澱み』が彼女に与えた影響ががそれで消えてなくなるわけもなく――
「……あ……ふ……」
 ――小さく漏らした声を合図に、糸が切れたように、叶の身体は崩れ落ちた。
「芳原っ!」
 彼女の身体を抱きとめた祐太は、その軽さに寒気を覚える。もしかして、彼女は……と
いう、最悪の想像が心をよぎるが――
「大丈夫です」
 ――その想像は、幸いにも即座に否定された。
「レンレン!」
 背後で、戦いの決着を見守っていた黒子が、教室の入り口の方に声を飛ばす。
「レンレンって言うな……わかってるよ」
 その声に、リリの背中に背負われていたパンダのぬいぐるみが答える。
「……パンダのぬいぐるみが、喋った?」
「黒猫が喋るんだから、パンダが喋ったっていいだろ」
「世話をかけるにゃー」
「まったくだよ……やれやれ」
 背負ったまま、リリがこちらにやってきて、パンダのぬいぐるみが叶の側に降り立つ。
「んじゃ、治療するね……面倒だけど」
「大丈夫……なんだよな?」
「……大丈夫だって言ってんだろ……ん」
 パンダのぬいぐるみが叶の身体に手をかざすと、白い清浄な光がそこに宿る。
「安心してください、先輩。僕も何度か治してもらった事ありますけど、レンレンの
 腕は確かですから!」
「……あ、えっと……」
 祐太の傍らに、黒子がやってきた。
 余裕の出て来た今ならばわかる。その声色、そして小さな体躯で、黒子が女――それも
自分とさして変わらぬ年齢の、少女であるという事が。
 そして、その言葉の中にある、先輩という言葉に、ある一つの予想が浮かぶ。
「もしかして、だけど……」
「はい。お待たせしてしまってごめんなさい! まさか、こんな形でお会いする事になる
 とは思わなかったですけど……」
 予想を口にする前に、彼女は頷く。
「初めまして、高崎先輩。僕……滝野美由って言います!」
 そんな挨拶と共に取られた頭巾の下から現れたのは、銀色の髪と、その髪の持ち主で
ある少女の、人懐っこい笑顔だった――
                                続く
611 ◆91wbDksrrE :2009/03/16(月) 21:57:45 ID:EoOt3Ke8
ここまで投下です。

プリン
うま
612創る名無しに見る名無し:2009/03/18(水) 19:14:14 ID:ynKhU1/r
レンレンシリーズは何気に読んでる
ガンガレー
613創る名無しに見る名無し:2009/03/19(木) 13:15:04 ID:J6AL4p9s
ひねこびた妬心と煮たりきった怒りに支配されたクソったれなドワーフの物語が読みたいぜ
614 ◆91wbDksrrE :2009/03/26(木) 17:31:39 ID:iNpQeZnx
だが今回は断る

投下します。
>>603-610の続きです。
615 ◆91wbDksrrE :2009/03/26(木) 17:33:33 ID:iNpQeZnx
 力があり、それが技術として体系だてられていれば、そこに自然と発生するものがある。
 その発生した存在を、人はこう呼称する。――組織、と。
「……さて、事態は動く、されど踊らず、となるかね?」
「なぁにを意味不明な事呟いてやがるよ」
 二人の男がそこにいた。青年と言っていい、まだ若さを信じられるだけの歳を経た男と、壮年と言っていい、もう若さを遠い目と苦笑を以って見つめるだけの歳を得た男だ。
 二人の前には、液晶を使って作られた巨大なモニターが在り、画面上に三人の少年
少女と一匹の黒猫と一つのぬいぐるみを写していた。
 あちこちにデジタルとアナログでそれぞれ表示された計器類が付属した、複雑な操作
機構をもつと思しき機器のコンソールを、青年の手は滑らかに操作する。画面の表示は
切り替わり、一人の少年の驚いた顔と、その表情をもたらす所以となった、黒い装束に
身を包んだ少女の姿を大きく映しだした。
「……マイクロマシンによる高感度映像撮影技術、か。全く、高度に発達した科学は、
 魔法を 超えているとは、よく言ったものだと思わないか? 彼らを見ろ。こうして
 撮られて いるということに全く気付く様子すらない」
「んなもんオレに聞くなよ。……だいたい、そりゃあの魔女の言葉だろ」
 青年の丁寧な言葉に対して、壮年は伝法な口調で応えた。
 気にする事も無く、彼は画面に映し出された二人の少年少女を見た。
「稀代の魔女が残した、二つの忘れ形見か」
 呟きは、続けて答えの出る事の無い自問を紡ぐ。
「一体彼女は何を考えていたのだろうね?」
 答えは出ないが、応えはやってくる。隣にいる壮年から。
「オレに聞くなって。さっさとくたばっちまって、あの世で聞きゃいいじゃねえか」
「……彼女の消滅は、まだ確認されていない。死んだと断じるのは早計というものだ」
「へっ……相変わらずご執心、ってか」
「"戦車"(チャリオット)……」
「言葉に"気"が篭るのは、図星当てられた証拠だぜ?」
「……もうこの話はやめよう」
 青年は、そう言って会話を打ち切った。
 ただ無言で、同じく無言のまま見つめあう、画面の中の二人を見る。
 ――高度に発達した科学は、魔法を超えている、か。
 内心で思うのは、過去の事だ。過去の、今も尚心に留まり消える事の無い言葉。彼女が
口癖のように言っていた言葉だ。まるで、組織を、そしてそこに身を置く自分達を否定
してしまうかのような言葉だ。
 ――彼女は何を考えていたのだろうか。
 稀代と称されるに足るだけの力を持ち、組織内は無論、世界を見渡しても、その魔法の
力に敵う存在はいないと誰もが信じて疑わないだけの実力を有していた、若き天才。
 その彼女が、どうしてこのような言葉を口癖としていたのか。自分自身の否定とすら、
その言葉はなりうるというのに。自分をも含めた、組織の全てが……いや、我々が揮って
いるこの力そのものが、あるいは間違いであると考えていたというのか。
 彼女の口癖の、その続きを思い出しながら、彼は知らず呟いていた。
「――それでこそ、世界は正しい、と」
「あ? なんだ?」
「なんでもない。気にするな」
 自身の呟きを得て、彼の無言の思考は終わりを告げた。過去へと沈んでいた時間は
僅かなものだったようだ。彼は再び自身が今身を置く現在へと思考を戻し、現実を動かす
為の言葉を口にした。
「それよりも"戦車"、この二人の試験、準備は出来ているのか?」
「おうよ。うちの秘蔵っ子を送ってやるからな。こいつらも、自分達が今までどんだけ
 温い戦いしてたか、思い知る事になるんじゃねえか」
「返り討ちに遭わなければいいがね? この二人……技術としてはともかく、素養は
 かなりのものだぞ。そして……それだけの素質を持ちながら、尚歪んでいない。これは
 我々のような存在においては稀有な事だ」
「なぁに、そんだけぬるま湯にしかつかってこなかったってこった。歪みもせずに、
 戦えるって事は、そういうこったぜ」
「……事態は動く、そして、踊る……か」
 未だ見詰め合ったままの二人の姿を見ながら、彼は自分の心に久方振りに浮かんだ感情
の名前を思い出していた。
 その名は――期待――
616 ◆91wbDksrrE :2009/03/26(木) 17:35:16 ID:iNpQeZnx
         ★                   ★          

 目を覚ませば、そこには彼がいて、私の顔を覗き込んでいた。
 彼は酷く心配そうな、しかし嬉しそうな顔で、大丈夫か、と声をかけてくれた。
 私はどう答えたかな……よく覚えていない。何となく頷いたんだっけ? 大丈夫、と、
そう声に出して答えられたんだっけ?
 それとも……彼がこうして自分の事を気にかけてくれてるのも含めて……全部……夢、だったりするのかな。だったら……だったら嫌だな。そんなの、嫌だな。
 彼の想いがどこにあっても、今、こうして彼は私のことを気にかけてくれている。
それがずっと続くことじゃなくても……それでも、嬉しいから。だから、これが夢じゃ
なければいいと、そう私は思う。
 そう思って、そこで……私の意識は覚醒した。

「……あれ?」
 気付けば、そこは見慣れた天井。いつも起きてすぐに目に入る、私の部屋の。
「……夢、だったのかな」
 夢……何が、夢だったんだろう? 自分の呟きに自分で疑問を浮かべ、私は首を傾げた。
 意識をはっきりさせようと目をこすると、濡れた感触した。
「あれ?」
 涙が、こぼれていた。堰を切った堤のように、とめどなく。
「あれ……あれれ?」
 涙を流した記憶なんて、ここ何年か無い。泣きたいと思う事も。なのに、今、私の瞳
からは、とめどなく涙が溢れて止まらない。パジャマの裾で拭った先から、次々と。
 怖い夢でも見てたのかな。それとも、凄くいい夢でも見てたのかな。
 起きた時に惜しむような気持ちがあったから、多分、いい夢だったんだと思う。悲しい
けど、嬉しくて、それで涙が止まらなくなっちゃうくらい、いい夢。
 叶、と階下から呼ぶおかあさんの声が聞こえても、しばらく私は声をあげず、ただ涙を
流し続けた。心の中の澱んだ何かを、全て押し流してしまおうとするかのように――
617 ◆91wbDksrrE :2009/03/26(木) 17:36:01 ID:iNpQeZnx

         ★                   ★          

「……はぁ」
 口を吐いて出るのは溜め息だ。
 結局、あの後滝野美由としっかり話をする事はできなかった。『澱み』の特性によって
遠ざけられていた先生や職員の人たちが戻って来たからだ。慌てて最低限の修復だけを
レンレン――あのパンダのぬいぐるみだ――が施し、慌てて俺達は帰路に着いた。詳しい
話はまた今度という約束だけして。ちなみに、芳原は一度目を覚ましてすぐにまた眠って
しまったので、こっそり彼女の部屋へ忍び込んで寝かせておいた。
 一日経って、今俺は学校へ向けて歩いているが、十歩歩く度に口を吐いて溜め息が出る。
 何故にそんなに溜め息が出るかというと、驚くべき事が沢山あったからだ。
 ……というか、ありすぎだろ。
 まず、魔法の遣い手が俺だけではなかったという事だ。『澱み』に憑かれた芳原は無論、
滝野も魔法を使っていた。まあ、別に自分だけが選ばれた存在だと思っていたわけでは
なかったが、こんな身近に同じような遣い手がいるとは思わなかった。
 それに、『澱み』が人に憑くという事にも驚かされた。今までは『澱み』を相手に
何も考えずにただ殴り飛ばしていればいいだけだったが、今後今回と同じような状況に
陥った場合には、何らかの対処方法を考える必要があるだろう。結界とか言ってたあの
『澱み』と人間を切り離す方法、習っておく必要があるな。
 さらには、その『澱み』に憑かれたのが芳原で……その原因が、俺への恋心だった、
という事実にも驚かされた。今後、あいつと会う時にどういう顔したらいいもんか……。
 そして、一番驚いたのは――
「おはようございます、高崎先輩!」
「うおっ!?」
 ――背中から突然かけられた、元気いっぱいの挨拶――ではなく。
「……おお、滝野か。おはよう」
 ――振り返った先にある、彼女、滝野美由の浮かべる、その人懐っこい笑顔に、だ。
「おはようございますっ! ……って、何で鳩が豆鉄砲喰らったような顔してるんですか、
 先輩? 僕何か変なことしました?」
「……いや、何と言うか、だな……強いて言えば、お前のそのテンションの高さに?」
「あれ? 僕そんなにテンション高いですか? 参ったなぁ、もう、あはは」
 そんな事を言いながらも、彼女の顔には尚満面の笑みが浮かんでいる。それは昨夜、
俺が見て驚いたものと同じ笑みだ。
 彼女のこの笑みに、何故俺が驚く必要があるのか。
「……うーん」
 驚いたのは事実としてある。だがその驚いた理由がさっぱりわからない。自分でも、だ。
必死で考え、ようやく一つの言葉が浮かんできたが、その言葉が当てはまるような要因が、
俺と滝野の間には存在しない。
 だって……滝野の笑顔を見て、どうして俺が"懐かしい"なんて思うんだ?
 昨夜、うっかり「俺達、前会った事ないか?」と確認しそうになったが、それは寸前で
思い留まった。どんな下手糞なナンパだよ……。
618 ◆91wbDksrrE :2009/03/26(木) 17:36:14 ID:iNpQeZnx
「しかしお前、なんでこんな朝っぱらからそんなハイテンションなんだ?」
「え? だって、そりゃ嬉しいですよ! 昨日、真正面から攻撃受け止めて、ちょっと
 手が痺れちゃったけど、それでも何か戦ってるんだ、って実感がしまして!」
「……よくわからんが、とりあえず良かったな」
「はい!」
 よくわからんが、まあ何かいい事があったのなら良かった。
「とりあえずまあ……詳しい話とかは、今日放課後にしような」
「そうですね。そもそも僕が高崎先輩としたかった話、昨日は全然できなかったですし」
 とにかくまあ、色々と聞きたい話もある。それは向こうも同様なようだった。リリと
レンレンも、互いに色々と話がしたそうだったしな。幸い天気もいいし、屋上ででも――
「おはよー、美由ちゃん。……そちらは……高崎先輩、ですかー?」
 と、色々考えていた俺の思考は、どこか間延びした声で遮られた。
「あ、おはよう、明日香!」
「……ああ、滝野の友達か。俺の事知ってるの?」
「はい、それはもうー。高崎先輩は有名人ですからー」
 ……何だか、俺が有名人であるという誤解を抱いている人は、俺が思っている以上に
多いのかもしれない。
「神乃明日香と申しますー。お見知りおきをー」
 見た目は何だかコギャルっぽいというか何と言うかな感じだが、口調と雰囲気に、その
外見に合っていない古風なほんわかさを感じる。何と言うか……不思議な娘だな。校内の
有名人である滝野と友達なのも、何か納得できるような気がした。
「うん、よろしく」
「お二人で何を話されてたのですかー? 逢引の相談とかー?」
「ちょ……明日香、まだそんな事言ってるのっ!? 違うって言ったじゃん!」
 ……俺は誤解を抱かれすぎではないか。
「滝野の名誉の為に言っておくが、別にそういう話はしてないぞ、神乃」
「そうなんですかー?」
「というか、俺はどういう話をするのかも知らない。まだ詳細聞いてないからな」
「どういう話するんですかー、美由ちゃん?」
「い、言えないよ! 明日香がいたら言えないって!」
 おい、そこは誤魔化すところじゃないのか! 何で直球勝負っ!?
「あらあらまあまあー」
「……滝野、放課後はまず説教から入るか? ん?」
「な、なんでー!?」
 滝野が悲痛な叫びをあげた、その時だった。
「……おはよう」
 背後から、何かを押し殺したような、芳原叶の声が聞こえたのは。

                                 続く
619 ◆91wbDksrrE :2009/03/26(木) 17:36:24 ID:iNpQeZnx
ここまで投下です。
620創る名無しに見る名無し:2009/04/03(金) 12:51:25 ID:O/MWZBOD
age
621創る名無しに見る名無し:2009/04/11(土) 16:06:21 ID:A6hDlC87
カツラの妖精
622創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 11:41:26 ID:PS/RtTTA
あげ
623 ◆91wbDksrrE :2009/05/17(日) 20:35:58 ID:eePM9/Oy
ドラクエ3の地図南西端にある島のごとく。

投下します。

>>615-618の続きです。

624 ◆91wbDksrrE :2009/05/17(日) 20:36:05 ID:eePM9/Oy
 彼女に『澱み』に憑かれている間の記憶は無い。そう、祐太はレンから聞いていた。
魔法を使うという経験の記憶を、全く破壊されないまま彼女の中に在り続けた常識という
壁が阻害し、あの一連の騒動は一切彼女の記憶には残っていないだろう、と。
 リリの見立ても同様で、身体的負傷を癒しておけば、彼女が何らかの後遺症を残すと
いう事はないだろう、という事だった。
 だが――
「おはよう、滝野さん。それと、滝野さんのお友達?」
「おはようございます、芳原先輩。えっと、こっちは友達の明日香です」
「おはようございますー」
「おはよう。……皆には悪いんだけど、少し話をさせてもらえるかな?」
「話……って……」
「うん……高崎君と、ね」
 ――その思いつめた表情と、何かを押し殺したような声は、普段の彼女のそれとは比べ
ようもない。
「お、おう……」
「……昨日ね、何か変な夢見たんだ」
 夢。それは人が自らの内に常識の外にある物を構築する為の方法の一つだ。
「よく覚えていないんだけど……何かね、凄かった」
「そ、そうなんだ……はは」
 夢。夢か、と祐太は思った。昨日の出来事が、記憶――意識の内に無くとも、無意識に
はそれが残るという可能性は、レンとも話した事だった。もしそうなったとしても、夢の
ようなものだと認識してしまえば、あんな荒唐無稽な出来事が事実であるとは誰も考え
ないだろう、という事で結論していた。
 だが、彼女のひどく真剣な表情と声色は、その推測が楽観的な物である可能性を感じ
させるには十分なものだった。
 ――一体、芳原は何を言いたいんだ?
 愛想笑いを浮かべながら、祐太はその内心で戦々恐々としていた。
「そこで、わかった事があるんだ」
 彼女の瞳は、祐太の瞳を射抜くように見据える。
 ごくり、とつばを飲み込む音が聞こえる程に、辺りは静寂に包まれていた。
 つい先ほどまで聞こえていた朝の喧騒も、周りにいるはずの美由達の呼気の音も、祐太
の耳には入ってこない。
「……な、何が?」
 魔法の力という物は、別にその力を持たない人間にばれてはいけないと定められている
わけではない。普通の人にばれたら使えなくなるなどの、ありがちな制限は一切無い。
魔法は単なる技術であり、鍛錬によって誰にでも使えるようになるのだから、当然だ。
 だが、だからと言って、おいそれとその存在を公にしていいものではないという事は、
祐太にもわかっていた。誰にでも使えはするが、誰にでも使いこなせるわけではなく、
使い方を誤れば、昨日叶がそうなりかけたように、命の危険すらある技術なのだから。
 だから、祐太は尋ねた。わかった、とは何をわかったのか、と。返答によっては、
しっかり叶と話をし、魔法について説明した上で、理解を求める必要がある。
 ――そうなったらめんどくせえよなぁ……。
 などと思いながら問うた言葉に、思いもしない反応が返ってきて、彼は目を丸くした。
「あの……ね」
 その問いかけを合図とするかのように、それまで叶が浮かべていた真剣な、思いつめた
表情が一転し、頬を赤く染めた恥ずかしそうな表情へと変わったのだ。
「……私が……あなたの事が好き、って事」
「……え、あ……はい?」
 思わず祐太があげた素っ頓狂な声に、叶はその赤く染めた頬を膨らませた。
「なに、その返事。私があなたの事好きなのが、そんなにおかしい?」
 昨日、彼女が言っていた言葉を、祐太は思い出していた。やはり、『澱み』に憑かれた
事がきっかけとなっただけで、あの言葉は、彼女の本心……本気であったのだ、と。
「私は……あなたとずっと一緒にいられる? イエスか……ノーかで答えて」
 ただ、肯定だけを求めない点だけが違った。
 そこだけが、『澱み』によって歪められていた部分で……だからこそ、この彼女が今
放っている言葉は、まぎれようも無い、正真正銘、まじりっけの無い“本物”だ。
「……芳原」
「ごめん、突然こんな話して……変な奴よね、私。でも……でもね、これだけはちゃんと、
 聞いておきたくて……“私”が、聞かなきゃいけない事だから……お願い高崎君……」
625 ◆91wbDksrrE :2009/05/17(日) 20:36:27 ID:eePM9/Oy
 彼女の瞳は潤み、頬は赤く上気し、祐太はそんな彼女を見て、可愛いな、と思った。
 だが、だからと言って、昨日彼が返した、彼の本気の答えが変わるわけでは、なかった。
「すまん、芳原……友達としてならイエスだけど……恋人としては、ノーだ」
「……うん……そうだよね……あなたがそう答える事、私、知ってた」
「知って……た?」
「……夢で見たの。だから、正夢じゃなきゃいいな、って思ったんだけど、でも……
 駄目だったね」
 そう言って、彼女は笑う。その目の端に光る物を浮かべながら。
「芳原、お前……」
「ごめん、高崎君! 私今日学校サボタージュするから、先生に上手く言っておいて!
 ……明日から、また元の私に……戻るから!」
 その表情を見られたくなかったのか、彼女は祐太に背を向け、
「……滝野さん、こいつ変な奴だけど……いい奴だから、安心してね?」
 そう言い残すと、走り始めた。
「……」
 祐太は、呆然とそれを見送るしかなかった。
 突然言葉を投げかけられた美由も、横にいた明日香も同様だ。
 彼女が立ち去ってからも、三人はしばらく立ち尽くしていた。
「……どうしたら、よかったんだろうな?」
「僕に聞かないでくださいよ……」
「私にもですー」
 嵐のように巻き起こった事態に、祐太の後ろにいた二人も呆然としていた。
「……誤解は、解いた方がいいよな?」
「ですよね……」
「誤解なんですかー?」
「だぁかぁらぁ! 明日香はどうしてそう……もう!」
 頬を膨らませる美由の顔に、祐太は思わず吹き出していた。
 それを合図とするかのように、三人は歩き始める。
「さて、急がないと遅刻だな」
「そうですね」
「ですねー」
 歩き始めるその先には、昨日祐太と美由が二人で守った日常が――確かに、在る。

 こうして、一つの事件は終わった。
 だが、『澱み』は遂に日常へとその魔の手を伸ばし始めた。
 それに立ち向かう魔法使い高崎祐太と滝野美由。
 二人の戦いがまだ始まったばかりだという事を、当の二人は知る由もなかった――

                                  第一部 完
626 ◆91wbDksrrE :2009/05/17(日) 20:38:06 ID:eePM9/Oy
ここまで投下です。

まあ、とりあえず第一部完という事で。
第二部があるかどうかはゴッド・ミソ・スープです。
627創る名無しに見る名無し:2009/05/22(金) 08:40:53 ID:7zJF3GXc
628創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 03:26:38 ID:mk6Vy9wH
A国
複数の国家が合体して成立している国。一枚岩ではない。
住人は善良ではあるが、知恵がない。
B国の工作員が大量に内部に入っており、互いに仲間意識が芽生え、
結束し合わないように魔女狩りのようなムードにされている。
自らの手で、自らの王や元老院を叩くべく、敵国の工作員に調教されている。
とある国では、敵が可哀そうだからと言ってみすみす城門を開き、敵を迎え入れ皆殺しにされる。
また、英雄を工作によって自ら殺してしまう。

B国
大金持ち。本国は大陸にある。深淵と接続し世界を影から操る魔法を持つ。
とにかく、国民の一人一人のつま先から頭のてっぺんまで徹底してA国を憎んでいることで一貫している。
恐ろしく強固な同族意識を持ち、A国の人間が互いに笑いあうことさえ許さない。
彼らがA国の仲の良い二人の人間をみたら、することは一つ。工作し介入し、その中を断ち互いに憎しみ合わせる。
それこそが、彼らの至福の喜びであり、A国は見事にそれに翻弄される。
629創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 08:16:48 ID:ir8Se0mw
>>628
普通は貧乏な方が金持ってる方を憎んでるもんじゃね?
630創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 17:55:32 ID:vDMYmGpY
A国内部で、B国の批判をすることは絶対に許されない

既にA国にはB国の工作員が大挙して侵入し世論も抑えられている
A国の人間が、A国の根も葉もない批判やネガキャンをしてもむしろ正義とされるが、
B国への批判は、魔女狩りの対象となる

こうやって、英雄を殺す風土が工作によって作られていくのである
631創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 17:58:38 ID:rrA0tkWQ
それでなんでB国がA国を滅ぼさないのかな。
632創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 18:09:33 ID:vDMYmGpY
基本的にA国の人間は自分の頭で物事を考えない
流されるだけの集団である

B国の人間が○○は裏切るといえば、A国の人間はそいつを処刑してしまう
A国の人間が、一致団結してB国にあたろうと言えば、B国はそいつを処刑するよう工作する
すべてにおいて、A国の人間同士が一致団結しないよう、ひいては国に愛情がもてないように仕向ける
633創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 18:16:27 ID:vDMYmGpY
A国の内情

民衆はことあるごとに政体を批判し、重箱の隅をつつくように
国を自らを叩くことを喜び、それがむしろ国をよくする正義の行いだと信じて疑わない
しかし、当然この世論の裏にはB国の工作が介在している

もしもA国を無意味に叩くのは止めよう。敵の思うつぼじゃないかというような奴がいれば、
そいつの顔をふれに出し、A国民自らの手でリンチにかける

それを見た、他の同様の想いを抱く人間は以後、A国批判に反論はしなくなるわけである
このようなA国を腐敗させる工作は、100年近くに渡り続いている
今では、正確な意味でA国というものは存在しない

それはただ、その領土にすむ享楽的で猜疑心に富んだ人々の群れ、というだけにすぎない
634創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 18:21:26 ID:rrA0tkWQ
憎しみがあるが故に、即座に滅ぼすような事はせず、
じわじわとなぶり殺しにしてくれるわぁぁぁ!!!!って事?

それがB国全国民の一致した考えであり、
誰も滅ぼすような事をA国国民に吹き込まないから滅びない、って事なのかな。
635創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 18:24:55 ID:vDMYmGpY
とある事例

A国が新たな施政は富めるものの既得権益を下げ、
貧しい者たちに還元するものであった
だが、すでにA国で高い地位についているB国の工作員たちはそれを断じてゆるさなかった

彼らは群衆を煽り、この新たな政策は国を弱体化せしめる愚策であると断定
A国の有能な政治家は、彼らが救おうとした貧しい者たち自身の手によって殴りころされてしまう
剣であれば、すぐに死に苦しみは長く続かなかっただろう
だが、彼らは剣を買う金すら当然なく、3時間以上に渡り殴打され、その死体は人型とも見分けがつかない惨状だったという

彼らの死体は、町中に放置されそれを引き取るものもなかった
636創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 18:34:48 ID:vDMYmGpY
なお、A国の批判を注意する人間への対応

次の日、街のいたるところにそいつの顔を書いた手配書が張られまくる
何の文字もない。ただ顔だけが書いてある

自部の顔を流布された本人は、なんだこれは、程度に気にも留めない
だが、他の民衆たちは「あ、あれあの人」というように反応する
そして、絶妙な距離感が生まれる

それ以後、彼がA国批判にどんな正論をぶつけても、「あのふれの人だ」的先入観が
彼の説を、民衆の心に届けなくさせてしまう。壁を作ってしまうのだ

やがて、ふれの顔の下に「売国奴」などという悪戯書きがされる
本人と無関係の陰口の世界で、あだ名が売国奴となる

そして、みんながA国を批判しているのに、それに異議を唱えるもの――異物として
やがて、男はネガキャンへの反対意見という、むしろネガキャンを加速させる装置として機能する

A国への批判ではなく、その男をやりこめようと言うためだけにA国を批判する
637創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 18:39:11 ID:vDMYmGpY
世論を乗っ取る、ではなく支配する
流れも彼らの意思しだいで自由に作り出せる

それが、B国の恐怖
同時に、A国の人間の愚かさである

後世の歴史家はけっしてA国の滅亡を残念だと思わないだろう
確かにA国は多くのすぐれた文化を生み、大陸を大いに繁栄に導いた
だが、繁栄の裏にはそれを妬み恨むものが現れる

彼らの不幸は、そんな負の感情へのあまりの免疫のなさである
638創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 21:02:44 ID:EcIqU3dw
アーグとオーグ

この世で最も醜い悪鬼の2匹組。
639創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 21:11:28 ID:OXPMnrZA
イデオロギーで戦争する奴は存在しないよ
存在するとしたらただのキチガイ集団

キチガイ集団はそいつ以外の全ての集団・組織・国家から危険視・異端視されて孤立する
また、繁栄している少数を大多数が妬んで悪評を捏造し陥れる(歴史上の事例だとテンプル騎士団)事はあっても逆はない
大多数側が繁栄できてるなら、繁栄にこぎつけるまでに一定の賢さがないと成り立たないからだ
というか、国民が愚か者ばかりになったら大国としてのまとまりも、国同士の連合も瓦解するので
愚かな大きな国なんてのはやはり成立しない

繁栄した上でだんだんと愚かになってゆくことはあるが、それまでに築き上げた社会システムが
それを維持するから、機能しなくなるまでに数十年、長い場合で百数十年かかる


また、他国の工作で国内の人間が陰口などで互いに反目しあうなんて事も起こりえない
それよりは同じ国内での一定の数を持つ少数派が国内で内乱を起こす目的で工作する方が容易い
640創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 21:15:49 ID:EcIqU3dw
習性・・・徒党を組んで居座る
どんな場違いであっても他者から望まれなくともアーグには問題ない

そしてその外見は、その心を表すかのように醜く悪臭が漂う
間違いなく、もっとも嫌われている生物である

しかし、そんな連中にも取り巻きがいるので事態はややこしくなってしまう
641創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 21:19:14 ID:rrA0tkWQ
言われた事を何でも信じるなら、迂遠な方法採る必要ないじゃん、って思った。

迂遠だから意味があるんだ、という事なのかもしれないけど、
例えば>>635のような話だと、そもそもその施政を執らせるに
至った時点で、色々工作失敗しちゃってるじゃん、という。
それすらも計算の内だという事ならどうにもいえないけど。

世界を影から操る魔法とか持ってるって設定なんだし、
もうちょっと直接的でいいんじゃないかと思うよ。

っていうかちゃちゃっと滅ぼしとけよとw
642創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 21:20:23 ID:+yCgvXI/
そもそもB国はお金があるんだったら工作なんかしないで
そのお金で強力な軍隊を養って、それで愚かなおそらく軍備もろくにそろえていないんだろう
A国を征服してしまえばいいんであって…

それをやらないってのは、B国がお金持ちなんてのは単なるB国の思い込み・妄想であって、
複数国家連合によるA国に参加させてもらえないのを恨んで嫌がらせに工作員送り込んでるって事になるね

あるいはもっとはるかに強力な力を持つC国D国E国等が存在し、B国はそいつらに嫌われ孤立しているので
大きな動きができないというのも考えられるけど、その場合C〜E国もA国をいいカモだと判断して
侵略や工作活動を行うだろうから、同じ事を考えるB国には「手出しすんじゃねえボケが」って脅しをかけてくるだろうし
B国がバレないようにやろうとしても、自分たちがやったのでない工作活動が起きてれば
気が付かないはずはないし、自分らの思い通りや予定にない事をされて引っ掻き回されても困るから
当然B国の工作員は邪魔されるか、A国内から排除されるだろうね
643創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 22:54:15 ID:+yCgvXI/
設定的にまだ未完成な所が多いけど何時までたっても終わりそうにないからちょっと投下してみる

注意・この作品は某フリーゲームのローグライクゲームと、
商業製品のFPSゲームの世界観や用語・設定などをベース・拝借して
ファンタジー世界を構築しています
644創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 22:58:06 ID:+yCgvXI/
1/5


その国との国境である町の酒場のカウンター席に腰を下ろし、ウォトカ酒を傾けながら自分は歌姫の声に耳を傾けていた。
尖った耳と美しい白い肌を持つ人種、エレアの歌姫は彼女らの、生物の体を蝕むエーテルの嵐の吹き荒れる故郷の物語を旋律にのせて紡ぐ。
悲しげで哀愁の漂うその歌声に聴衆は心を奪われたように聞き入る。
行商人、荒くれ者、お尋ね者、貧乏人、山師、それらが集まるこの町の酒場では誰もがこの酒場に足を運び、歌姫の声を聴くという噂だった。

『クラースナエリェース、かつて輝く森と言われた我らエレアの故郷
悲しみの襲ったその日、エーテル嵐と怪物に襲われ醜く人の住めない赤い森と化した
空は夕日よりも鮮やかな血の色に染まり、大地は揺れ動き、エーテルが屋根や壁を吹き飛ばし、我らは逃げ惑った
そして我らは故郷を離れ、帰る家を持たない流浪の日々が始まった
我らに安住の地はなく、ただ祖先の棲んだ輝く森の美しい姿を思い起こすのみ
そしてわずかに残った我らの兄弟は、故郷を取り戻すべく今もあの森で戦い続けている…』

歌が終わり、聴衆の割れんばかりの大喝采がこだまする。
エレアの歌姫は賞賛の拍手に深々とお辞儀をして答えた。
それを見ながらカウンターに硬貨を置き、重い荷物を背負っているかのようにゆっくりと席を立つ。
確かに美しく、物悲しく、そして素晴らしい歌声だったが、悲壮感が演出的に過ぎる。
肌は包帯に覆われ、フードを目深に被って人目をはばかるように歩くこの体からすれば、悲喜劇を歌ったようにしか思えなかった。

645創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 22:58:56 ID:+yCgvXI/
2/5

酒場を出れば、通りを歩く人々は聴衆たちと同様の職業の人々に加え、乞食、難民、敗残の脱走兵、病人、老人などが多く目立つ。
みな、周辺の国々からその国を目指して集まってきたのだ。
町の中にある、大きな市壁と門をくぐれば国境を越えてあの国側に入ることが出来る。
その国は入国者を拒まない。 だが、その国を出るのは容易ではない。
その国側が特に禁止はしていないが、国境を接するこの国がそれを許さない。
エーテルの吹き荒れるその国に一歩でも足を踏み入れたならば、エーテルに汚染される。
エーテルに汚染されたものが持ち込まれれば、汚染されていないこの国にもエーテルの毒がばら撒かれる。
エーテルの毒は生物を蝕むのだ。 だが、それでもその国に入ろうとする人間は後を断たない。
自分もそのつもりで来たのだ。 動かない足を引きずり、時に這いずりながら。

門の前まで来ると、人の流れは二つに分かれる。
この国とその国の間で生産物を交換する貿易商の列と、入国を希望する者たちの列だ。
人は入って戻る事を許されないから、物品は別のゲートを通じて持ち運びされる。
この場所では物だけが取引・交換されるのだ。
もちろん、その国の産物はエーテルが外に漏れ出ないように厳重に封印を施された上でだ。
エーテルに汚染されていない物もあるが、それはそれで貴重品なので丁重に護衛つきで扱われる。
代わりに、その国では生産出来ない種類の食品や嗜好品が向こう側に代価として運び込まれる。
門を警備している両国の兵士と役人が仲介ブローカーという訳だ。

門をくぐるのに通行証は必要ない。
武器を携帯していようと、何を持ち込もうと検査すらされない。
あくまでも、入るのは自由なのだ。 出ることだけが許されない。
だが、エーテルの毒と怪物の跋扈する地獄の様なこの国に入るために門をくぐる人々の顔はむしろ安堵と希望が浮かんでいる。
エーテルの毒は生物を蝕み、恐ろしい病や奇形を発生させると言うが、誰もそれを恐れない。
自分もその一人だ。 そのためにここまでやって来たのだ。
列の一つ前を行く細身で肩幅の狭さから女性だとわかる、ローブを纏った人影がゴホゴホと咳き込む。
首だけ振り返ると一つ後ろを歩いているのはおそらく、包帯で顔を覆っている事かららい病の患者だ。
皆お仲間だ。 同じ目的のために、病身を押してその国に来たのだ。
646創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 22:59:51 ID:+yCgvXI/
3/5

門をくぐりおえれば、もうその国だ。
踏みしめる足の感触に何も変わりはない。
ただ景色だけが荒涼とした風景と、曇り空と、北へと続く長い道が、ついにこの国へ来たのだという事を告げた。
だが旅の終わりは歓喜や感動を沸き立たせるものではなかった。
北の空の方向が赤く染まり始め、にわかに地響きの様な音と、雷鳴が耳に届く。

「エーテル嵐だ!」

誰かが叫んだ。 門のこの国側の警備をしている兵士が、シェルターへの避難を促す。
しかし、みすぼらしい入国者達の群れは叫んで空に向かって両手を挙げたり、どこへとも付かぬ方向に走り出したりし始める。
兵士と、何人かの入国者たちが地下避難壕への扉を開け、または建物の中へと逃げ込む。

「ばかやろう、そんなに『変異』がしたいのか! 変異できたとしても、その前にエーテル汚染で死んじまうぞ!!」

風が強くなり始め、地面がさらに揺れる。 空がついに血の色の様な赤に染まった。
腹の底から響いてくる恐怖を覚え、さすがに自分も避難をしようとした次の瞬間、それはやって来た。
ゴウという凄まじい突風に押し倒され、地面に叩きつけられる。
耳の中でガリガリという音がして激しい眩暈に襲われた。 立つ事もままならない。
強い吐き気がするし、体中が熱風に晒されているかのような暑さを感じた。
誰かの叫び声が聞こえた。 視界の端に、さっき後ろにいたらい病患者が自分と同じように蹲っているのが見える。
647創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 23:00:50 ID:+yCgvXI/
4/5

いつまでそうしていたのだろうか…やがて風も地鳴りも収まり、空の色も灰色に戻っていた。
雷鳴は過ぎ去り、エーテル嵐は収まっていた。
地下のシェルターや建物の中から人々や兵士が顔を出し始める。
目の前でらい病患者が全身の包帯を取ると、その下からは美しい腕と顔が現われ、彼女は信じられないという表情をしていた。
自分の体にも変異が感じられた。
萎縮し貧弱だった腕や足はは引き締まり、鍛え上げられたかのように力に満ちていた。
素肌は鉄のように固く、刃物も通さないように思われた。
かすむ目は今ははっきりと物を写していた。

フードをとり、見違えたような自分の手の様子を見る。
その手で顔を触り、どこも爛れていないのを確認する。
エーテルは生物の体を蝕み、毒で汚染し、『変異』を起こさせる。
だがその全てが悪いものではない。 変異によって恩恵を受ける事もある。
事に病人、不治の病を抱えたものはその病気が治り、健常な体を手に入れることができるとも言われる。
そしてその変異を得た瞬間、これまでの苦難の旅と人生の全てが報われたと感じた。
しかし、幸福なことばかりはもたらさない。 変異には危険な代償も付きまとう。

「うあああああああぁ!! おごおおおおお!!」

くぐもった叫び声とともに周囲が騒然となる。
見れば、変異を起こしたらしい、ボロ布を纏った小柄な老人が口から液体を迸らせ、苦悶の表情で身をよじっている。
その両腕は膝の下までという異様な長さにまで伸び、指先からは人間のものとは思えない鋭利な爪が伸びていた。
これも、変異だ。 エーテル汚染による変異はその多くが人間や動物を怪物へと変える。
そうして怪物へと変わったものを、この国では「狩猟者」と呼んでいた。
その老人は不運にも変異の恩恵には授かれなかったようだ。
口から滴る液体は毒か酸であるのか、老人自体の体に降りかかって火傷の様な傷を負わせ続けている。
648創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 23:01:34 ID:+yCgvXI/
5/5

兵士達が号令一下、武器を構えて狩猟者と化した老人へと向ける。
乾いた破裂音とともに武器の先端から炎が噴出し、老人の体に見えない矢が突き刺さって穴を開けた。
流れ出す血とともに倒れ付す老人だった死骸。
静まり返る空気の中、人々の視線がその死骸へと向けられていた。

よく見れば、倒れているのは老人の死骸だけではなかった。
変異を起こしかけた途中でエーテルの毒に耐え切れずに死んでしまった者や、元の姿のままで事切れている者もいる。
その中には咳き込んでいた細身の女性の姿もあった。
自分と、老人や彼女らと分けたのは単なる幸運の結果でしかないと思い知る。
兵士たちはいつもの事であるかのように、それらの死骸を片付け始めた。
穴でも掘って埋めるのだろう。

「さあ、エーテルの嵐は過ぎ去った。 次に吹き荒れるだろう一月後までは、何の心配もない。
この地に足を踏み入れたからには、諸君らはこの国の国民だ。 好きなように暮らすがいい。
ようこそチェルヌヴィリヤへ、呪われた国へ! ここでの法は二つだけだ! 殺人者と盗人はその場で死刑、それだけだ!」

兵士達の隊長が、まだ呆然としている新たな国民達へと大声で告げる。
こうして、チェルヌヴィリヤ国での自分の新たな人生が始まった。
649創る名無しに見る名無し:2009/06/16(火) 02:07:27 ID:JtGVATLq
おお!すげぇおもしろい!
1レスだけ見るつもりが全部みてまった
650創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 07:19:53 ID:yTMhDaoe
だいぶ上の方の話題だけど、個人的には神話とか古典をモチーフにしたような剣と魔法モノより
ほぼオリジナル設定のメルヘン童話の方が正統派なファンタジーだと思うわ
651ラノベっぽく書いてみた:2009/06/23(火) 16:01:11 ID:fRmmG1qA
簡易机に乗った女の生首がやけにはっきりと発音した。
「第203ドラゴン大隊第3中隊、出撃準備完了いたしました」
その頭はスキンヘッド。目は縫い付けてある。

それに答えるのも、女の声だった。若い女の甘い声。
「うん。思ったよりも早かったわね。トロル部隊は?」

しばし沈黙。

「到着目標地点まであと20分ほどかかると、ゾガル族長はおっしゃっています」

「じゃあ待つわ」

そう答える女の顔を見ると、天使のように美しかった。
いや、まさに天使そのもの。
プラチナブロンドの髪、サファイアブルーの瞳、そして背中の羽。

違和感を感じるとすれば、背中の羽が真っ白でなく、真っ黒なこと。

「相変わらず、お美しい」
と彼女の美を称える不死の参謀に、血よ、と娘は答える。
元天使の子孫である彼女には自明の話だ。自惚れはない。
しかし、それを説明することで自分の立ち位置を再確認出来る。

「しかし、今回はドラゴンによる航空支援があるとはいえ、森は奴らのエリア。森のエルフは神出鬼没ですぞ」

「しかし、夜は我々の時間。対ゲリラ線のノウハウも掴んできている。そして何よりも、連中が"抜け道"として利用している人間の王国は我々が滅ぼした」

「それほどあの古代遺跡の力が欲しいのですか?」

「茶化しているつもり?私が欲しいのは平和。人間は異常気象を我々のせいにしたし、我々の話を聞くにはエルフは頑固すぎたということよ。原因がアレだって、何回説明したのやら。全く、コミュニケーション不全の独善主義者たちに魔王の呪いあれ、だわ!」

「我々も彼らのことは言えませんが」

「全くね。理解したくても出来ない。考えてみれば哀れなものね、彼らも我々も。"坊や"は?」

そりゃもう良くお休みですよ、と参謀は言って、パチンと指を鳴らした。

中空に映像が浮かび上がる。
豪奢なベッドにスヤスヤと少年が寝ていた。本を腕に抱いている。
表紙には大きく、「戦略シミュレーションゲーム!ダークプリンセス攻略本」という文字が日本語が見えた。
652創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 12:22:55 ID:MM6GD9C2
日本語でおk
653創る名無しに見る名無し:2009/08/04(火) 21:57:20 ID:1069b8os
復活を願ってアゲ
654縺サ縺励e:2009/08/15(土) 05:56:36 ID:z4V56O6F
螟懊b譖エ縺代◆繧雁壕蜑搾シ墓凾縲?
螟懊↑縺ョ縺区悃縺ェ縺ョ縺倶サ頑律縺ェ縺ョ縺区乖譌・縺ェ縺ョ縺九?
螟丈シ代∩縺ィ縺ッ諱舌m縺励>繧ゅ?ョ縺�縲√≠繧後⊇縺ゥ蜈ア縺ォ蜿区ュ繧偵?ッ縺舌¥繧薙□隕ェ蜿九′繧上◆縺励r螂ウ縺ィ縺励※縺ソ縺ヲ縺?縺溘→縺ッ縲?
隕ェ蜿九?ョ驛ィ螻九°繧峨≠繧上※縺ヲ蜃コ縺溘b縺ョ縺�縺九i縲∫。晏ュ舌Μ繝ウ繝峨え縺ョ阡ヲ縺ァ邱ィ繧薙□繧ー繝ゥ繝?繧」繧ィ繝シ繧ソ繧オ繝ウ繝繝ォ縺ョ鮠サ邱偵′蜊?蛻?繧後※縺励∪縺」縺溘?
螟ァ讀ソ縺ョ闃ア繧貞刈蟾・縺励◆荳轤ケ迚ゥ繝槭く繧キ荳医Ρ繝ウ繝斐b陬セ縺檎�エ繧後※縺励∪縺」縺溘?
縺上◎縺」縲?
陦励〒霆滓エセ縺励※縺阪◆逕キ繧剃ク譌・縺ゅ◎繧薙□縺�縺代〒隕ェ蜿玖ェ榊ョ壹@縺溘o縺溘@縺後い繝帙□縺」縺溘?ョ縺九?
繧「繝帙□縺」縺溘?ョ縺�縲?
縺上◎縺」縲?
豺ア螟懊b縺励¥縺ッ譌ゥ譛昴?ョ陦励↓縺ッ譁ー閨槭r驕九?カ豐「螻ア縺ョ繝上す繝薙Ο繧ウ繧ヲ縺碁」帙s縺ァ縺?縺溘?
荳驛ィ雋キ縺翫≧縺九?
縲後♀縺ッ繧医≧縲∵眠閨槫ア九&繧薙ゅ?イ縺ィ縺、縺上□縺輔>縺ェ縲?
縲後d縺√d縺√♀縺ッ繧医≧縺雁ャ「縺輔s縲ゅ%繧薙↑譌ゥ縺上↓縺ゥ縺?縺励∪縺励◆縺具シ?
縺ッ縺ッ縺ゅ√″縺」縺ィ繝ゥ繧ク繧ェ菴捺桃縺�縺ェ縲ゅ%縺薙?ョ縺ク繧薙□縺ィ豌ク蜴溘&繧薙→縺薙?ョ繝。繧ソ繧サ繧ウ繧、繧「縺ョ荳翫↑繧薙°縺碁崕豕「縺瑚憶縺丞ア翫″縺セ縺吶h縲?
驩ア遏ウ繝ゥ繧ク繧ェ縺ッ遨コ縺九i謾セ騾√&繧後∪縺吶°繧峨?
豌ク蜴溘&繧薙#蟄倥§縺ァ縺吶h縺ュ?シ滄聞閠ウ譌上〒縺企≡謖√■縺ョ縲?
縲後Λ繧ク繧ェ菴捺桃縺ッ縺励∪縺帙s縲よ眠閨槭r縺上□縺輔>縲?
縲後≠縺ゅ√#繧√s縺ェ縺輔>縲ゆサ翫♀貂。縺励@縺セ縺吶?
繝上す繝薙Ο繧ウ繧ヲ縺ッ鬥悶°繧我ク九£縺滓眠閨樣?埼#逕ィ繝舌ャ繧ー縺九i縲∝勣逕ィ縺ォ荳驛ィ繧貞徴縺医√o縺溘@縺ョ謇九?ョ縺イ繧峨↓荵励○縺溘?
縲後♀縺?縺上i縺ァ縺吶°縲?
縲碁≡雋ィ縺ェ繧会シ托シ擾シ疲椢縲?驫雋ィ縺ェ繧会シ第椢縲?驫?雋ィ縺ェ繧会シ墓椢縲√い繝ォ繝溘↑繧会シ托シ先椢縲∝粋驥代↑繧会シ俶椢縺ァ縺吶ゅし繧、繧コ縺ォ繧医j縺セ縺吶′縺ュ縲?
繝√ぉ繝ェ繝シ縺ョ讓ケ逧ョ縺ァ邱ィ縺セ繧後◆濶ッ縺?鬥吶j縺ョ縺吶k雋。蟶?縺九i縲∬イィ蟷」繧貞叙繧雁?コ縺吶?
譌・譛ャ縺ョ驫?雋ィ縺ィ繧「繝。繝ェ繧ォ縺ョ驫?雋ィ縺後≠縺」縺溘¢縺ゥ縲√い繝。繝ェ繧ォ縺ョ驫?雋ィ縺ョ譁ケ縺悟ー上&縺九▲縺溘?ョ縺ァ縲√◎縺。繧峨r?シ墓椢貂。縺励◆縲?
繝上す繝薙Ο繧ウ繧ヲ縺ッ繧上◆縺励→繧サ繝ウ繝育。ャ雋ィ繧剃コ、莠偵↓隕九※縲∝膚螢イ荳頑焔縺ァ縺吶?ュ縺?縲√→縺玖ィ縺」縺ヲ縺?繧九?
閨槭%縺医↑縺?縺オ繧翫r縺励※縲√ル繝?繧ウ繝ェ縺サ縺サ隨代∩縲?
繝上す繝薙Ο繧ウ繧ヲ縺檎。ャ雋ィ繧貞女縺大叙繧企?埼#縺ォ縺セ縺滄」帙?ウ蜴サ縺」縺溘?
蜈?髮サ隧ア繝懊ャ繧ッ繧ケ縺ョ繧ェ繝ォ繧エ繝シ繝ォ繝懊ャ繧ッ繧ケ縺ォ蠎翫?ョ闃ア繧定ク上∪縺ェ縺?繧医≧縺ォ蜈・繧翫?
髟キ縺?繝代Φ繝√き繝シ繝峨↓縺ェ縺」縺ヲ縺?繧区眠閨槭r蜈ャ陦?闢?髻ウ讖溘↓蟾ョ縺苓セシ繧縲?
繝上Φ繝峨Ν繧貞屓縺帙?ー縲√ヴ繝ウ繝斐Φ繝昴Ο繝ェ繝ウ縲√→讌ス縺励£縺ェ髻ウ讌ス縺悟・上〒繧峨l繧九?
髻ウ讌ス縺碁ウエ繧顔オゅo繧九?ョ繧貞粋蝗ウ縺ォ縲√?懊ャ繧ッ繧ケ縺ョ蠎翫↓逕溘∴縺ヲ縺?縺滄桶遏ウ闃ア縺悟幕繧雁?コ縺励◆縲?
髻ウ讌ス縺ョ縺顔、シ縺ォ繝弱?シ繝�縺梧ュ蝣ア繧剃シ晄眺縺励※縺上l縺ヲ縺?繧九√i縺励>縲?
隧ウ縺励>莉慕オ?縺ソ縺ェ繧薙※縺励i縺ェ縺?縺後√↑縺九↑縺倶セソ蛻ゥ縺�縲?
蜈ィ蝗ス繝九Η繝シ繧ケ縲∝慍譁ケ繝九Η繝シ繧ケ繧定?エ縺阪∵帆豐サ髱「繧偵→縺ー縺励※縲∫オ梧ク域ャ?繧定?エ縺阪∝、ゥ豌嶺コ亥�ア縲√Λ繧ク繧ェ逋コ菫。莠亥ョ壹r閨エ縺上?
髱「逋ス縺?繝ゥ繧ク繧ェ縺ッ辟。縺輔◎縺?縺�縺」縺溘?
縺?縺」縺溘s蟶ー繧阪≧縺九↑縲?
縺昴≧諤昴▲縺ヲ蠎ァ縺」縺滄ヲャ霆雁●縺ョ繝吶Φ繝√°繧峨?ッ縲∽ク譎る俣縺ォ荳譛ャ縺励°縺ェ縺?驕玖。瑚。ィ縺瑚憶縺剰ヲ九∴縺溘?
655創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 05:58:29 ID:z4V56O6F
やべ
ほしゅ
656創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 21:48:05 ID:w/8Wib7b
「毎度思うんですがね。こうやって私がわざわざ訪ねてきたっていうのに、
挨拶もそこそこに食べ物に飛びつくのはどうかと思うんですよ」
まったく失礼なジジイである。花盛りの少女よりも安物のハンバーガー
の方に興味を示すなんて。だいたい、古風な身なりで立派な白い髭なんか
伸ばしてたりするお爺ちゃんが夢中になってジャンクフードにかぶりつい
てるのを見ていると悲しくなってくる。じっとしていれば威厳もあるだろ
うに。
「腹減ってたからしょうがないアルヨー」
「一応、仙人なんでしょ? 欲とか煩悩とかがあったらダメじゃないです
か」
「仙人だっておいしいもの食べたいアル」
中国のナントカ山を下りてこっちに渡ってきたのが千年前と言っていた
だろうか。いい加減、まともな日本語を覚えてもらいたいものである。
「そう思うなら働いてくださいよ。いい歳をした大人がうら若い乙女のバ
イト代にタカっていてどうするんですか」
「今時、ビザもない外人、仕事ないアルヨ」
「仙人なんだから特殊能力とかあるんでしょう?」
「空を飛ぶなら飛行機速い。分身したら食費も増える。仙術なんて時代遅
れアル」
仙人も就職難か。まったく世知辛い世の中である。
657創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 21:50:29 ID:ui4cdKZs
妙に生々しいですね、笑いましたw
658創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 21:57:04 ID:OymfSrJA
それでもこの少女なら・・・この少女なら(この駄目仙人を)なんとかしてくれる!
659創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 01:41:49 ID:afPn13hX
誰かエルフを皆殺しにするゴブリンの英雄物語を書いてくれ
660創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 16:25:50 ID:emMuHJIV
鬼が人間より上の世界で、殺されて奪われた鬼姫の首を取り返す話なら考えた
貴族が鬼族とか今読み直すと恥ずかしい設定だらけ
661創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 19:33:43 ID:jLDIwPkY
さあ、その設定を元に書き上げる作業に戻るんだ
662創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 20:26:00 ID:zMTVuTS9
我が神はこう仰っておられる。

汝の書きたきように書くがよいよいよいよい(残響音含む
663創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 20:53:46 ID:emMuHJIV
ちょっとだけ書いてみた。
言葉遣いが難しい・・・。

「なあ、鬼様は不老不死なんだろ。
 何で首なんかいるんだい? 」
「それは違うぞ。
 我らは不老でも不死でもない。
 米粒ほどうぬ等と違うだけだ」
「でもずっと若いままだ、って
 おいら父ちゃんから聞いたぜ」
「ふむ、お前の父は物知りだな。
 だが不老とは違う、再生するのだよ」
「さいせいって何だい?」
「生まれ変わるのさ」
「それって不死じゃないの?」
「本当に口の回る童だな、お前は。
 人間にしておくのは惜しいくらいだぞ」
664創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 21:57:24 ID:jLDIwPkY
続きマダァ-?
(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
665創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 22:39:14 ID:emMuHJIV
「だが違いが分からぬなら、分かるまで考えるがよい」
「なんだか良くわかんないけどわかったよ。
 それじゃあさ、なんで首が必要なのさ」
「それはだな、あれだ、魂の拠り所だからだ」
「へぇ、じゃあおいらも首があれば
 さい・・・さいせいできるのかい? 」
「いや、鬼として生まれなければ無理だ。
 それが我々の業でもある」
「ちぇっ、つまんねぇの」
「だが、我々とて死はある。
 それが生ける者全ての定めなのだよ」

・・・とまあこんな感じでやってます
勢いで書いて反省してる
でも後悔もしてる
666創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 23:10:59 ID:jLDIwPkY
台詞形式の特殊型みたいなやつだな
この雰囲気は嫌いじゃないからできれば続き書いてほしい
667創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 23:42:05 ID:emMuHJIV
実はゲーム中のセリフだったんで色々すまんかった
説明くさいし文章は難しいですなぁ
668創る名無しに見る名無し:2009/09/10(木) 22:29:58 ID:O/wLS48D
現代に場面を変えてみた
ふぁんたじぃじゃなく伝奇くさくなってきた
-------------------------------------------------------

真っ青な空に黒い髪をたなびかせた女の子。
僕は小さな手を伸ばす。
その子は不思議な笑顔を浮かべて
頭から倒れるように踊り場から消えた。

「・・・まただ・・・」

もう何十回も見た、あの夢。

僕は小学生になるお祝いに、母と行ったデパートの屋上で
飛び降り自殺の現場を目撃してしまった。

高校を卒業した今では、たまに夢でしか思い出さないけど
あの笑顔は何だったのか、今でも分からない。

そして大学受験も終わり、僕は卒業旅行を計画していた。
行き先を決めない気ままな一人旅だ。
今はあちこちで春祭りが行われているらしく、
どこにしようか集めてきたパンフレットを見ていた。

あの笑顔だ!
それは鬼の面だったが、あの女の子と同じで
怒ってるようにも見える、口もとだけの笑顔。

祭りが明日なのを確認して、パンフレットと
着替えを鞄に詰め込み電車に乗り込んだ。

昼過ぎに人に聞きながら着いたその神社は
何だか老人ばかりで、僕一人が場違いな気がした。

境内では何人かの白装束の人が、頭飾りと
あのお面をつけて拍子に合わせて踊っていて、
それを観客が遠巻きに見ている。
669創る名無しに見る名無し:2009/09/10(木) 22:30:49 ID:O/wLS48D

「あの〜お婆さん、こんにちは」
「おや、見かけん顔じゃな。
 どこん家の子じゃったかね? 」

「僕、観光に来たんです。
 あの人たち、何をしてるんですか? 」
「ああ、ありゃ鬼神さまに豊作の舞を奉納しとるんじゃ」

「へぇ〜、変わったお面ですね」
「ありゃ退魔の面とゆうてな。
 この辺りに代々伝わるものじゃ」

「何だか歌舞伎っぽいなぁ」
「あんれ、若い者にはそう見えるんかいのぅ。
 鬼神様が土にお戻りになって
 作物の恵みを下さる前に、この世の悪疫や禍いに
 睨みを利かせておるのじゃ。
 ありがたやありがたや・・・ 」

「面白い伝説ですね。
 でも、なんで笑ってるんでしょう? 」
「さてのう、わしゃ詳しく知らんで
 神主様にお聞きなされ」

そのお婆さんは、白い頭巾をつけた男を指差した。
やはり鬼のお面をつけている。

白装束の踊りが終わると、一斉に拍手が起こり
彼らはお面を外した。
中学生か高校生だ。
たぶん地元の子だろう。

神主もお面を外したが意外に若い男だ。
何となく僕と同じくらいの歳じゃないかな。
あの年で神主なんて大変だ、きっと。

白装束の子供たちが、お酒を振舞って回っている。
それが無礼講の合図なのか、老人たちが騒ぎはじめた。
ここでは普通かも知れないけど、
とても老人とは思えない騒ぎ方だ。
670創る名無しに見る名無し:2009/09/10(木) 22:31:32 ID:O/wLS48D
僕の前に、白い杯が差し出された。

「あなたも一杯いかが?」

びっくりしたのを見られて、クスクス笑われてしまった。
化粧をしているせいか印象的な目の女の子だ。
きっと美人になるんだろうな。

「ええっと〜僕、未成年だから」
「まあ、今日はお祭りよ。
 楽しまなきゃ」
「そうかな?
 じゃあ、一杯だけ」

あれ?
日本酒って、こんな色だっけ?
何だか白いなぁ。

「ささ、どうぞ」
「じゃあ、いただきます」

お酒は隠れて飲んだビールしか知らないけど、
これは美味しいのかな?
きっとそうだ、だって地球が回ってるのが分かるんだから。
さっきの女の子が心配そうに回転しながら見ている。

「真っ赤なんだけど大丈夫?」
「らいじょうぶ、らいじょうぶ。
 こんなのいっぷぁいのんだくらいで」

そのまま記憶が無くなった。
---------------------------------------------------------------------
続くのかな・・・
671創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 19:22:33 ID:lKknyNXT
世界を構築しています
672創る名無しに見る名無し:2009/10/20(火) 02:48:27 ID:3X5c/XuT
設定ばかりが思いつく
連続ものではなく同一世界の群像劇てか短編集みたいなの
いい?
673創る名無しに見る名無し:2009/10/20(火) 02:56:26 ID:IbYy486r
いいと思う
674創る名無しに見る名無し:2009/10/20(火) 07:45:36 ID:Bb2H/sdM
誘い受けを行った時点でだめ
675創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 03:35:22 ID:qw9Jiqln
(本は血と泥に塗れてほとんど読めなくなっている。
 あなたは血糊を剥がしつつ頁を捲る。)
"……神よ、我らを助け給え、
我らと全ての善き人々を助け給え、
そして全ての悪しき者共をこの地上から滅し給え、
我ら汝を信ずる、されば汝我らを助け給え、
大なる者よ、始原の鳥よ、混沌より生まれ出でし玉よ、
我ら汝を信ずる、されば汝我らを助け給え、
神よ、我らを助け給え、
神よ、我らを助け給え、
我らと全ての善き人々を助け給え、
そして全ての悪しき者共をこの地上から滅し給え、
神よ、我らを助け給え、
神よ、
神よ。"
"Praise be to God."
"Praise be to God."
……
(これ以降には血に黒く塗れていて読めない。
 あなたは本の裏表紙に見覚えのある紋章を見つける。)
676創る名無しに見る名無し:2009/12/09(水) 01:16:31 ID:pZ9YVKIj
オーケス王の王妃、ラーレルは黒鳥の森に独りで入り込んだ。白いドレスの裾が
森の土にあたっていることは気にもしなかった。
20歳になる今まで三回ぐらいしか足を踏み入れたことがない、不思議な森。
樹齢1000年を超える幾千の巨木が若き王妃を出迎えているようだった。
森の奥にある、一番好きな場所にたどりついたときには、高貴な王妃の額にも汗が光っていた。まったく波がたたない湖。
と、そのときラーレルの左足に何かが巻き付いた。「邪悪な蛇め」と巻き付いたものを腰の短剣で斬りつけようとしたが簡単にはね
返されてしまった。しかもそれは蛇ではなく粘膜でおおわれた太い触手であった。森の地面から伸びる怪力の触手に
格闘していると、数え切れない触手がものすごい速さで王妃の体に巻付いてきた。
「な、何よ、これ?」
幾千のぬめり光る触手ともみあっているうちに純白のドレスはラーレルからはぎとられ、彼女は白い肢体を触手にさらしていた。
首と胴体に巻き付いた触手は脈打ちながら、締め付ける力を強めていった。
「殺すなら、さっさと殺してぇ」
整った乳房をあらわにされたラーレルは絶望と戦いながらうめいた。
677創る名無しに見る名無し:2009/12/09(水) 02:55:16 ID:pZ9YVKIj
>>676の続き
と、そのとき森の彼方から声が聞こえてきた。
「殺すよ。そのいつわりの性格をね。高貴な王妃のお前が勝つかオンナのお前が勝つか見せてもらうよ。魔獣よ、
情けはいらん。そのオンナの全て穴にお前の素晴らしさを教えておやり!」
その声は十年前、王家を追放されたセルナ姉さん?なぜこんなこんなことを?!聞き覚えのある声に驚く暇もなく、両の乳房に
巻き付いた触手が乱暴に動き始めた。太ももを撫で回していた左右の触手がラーレルの秘部ともうひとつの穴を撫で回しはじめた。
触手が潰されるかと思うくらい彼女の乳房を絞めつけたかと思うと、また放す卑猥な動きで彼女の理性はかき消され呼吸が乱れて
いるようだった。
678創る名無しに見る名無し:2009/12/09(水) 04:28:49 ID:pZ9YVKIj
>>677の続き
「ね、姉さんやめて・・ううっ!」
このままだといけないと、かすかに残る理性を振り絞ってラーレルはうめいた瞬間だった。先端を硬くした触手がブチュブチュと
不気味な音をたてて彼女の秘部に割り込んできた。王妃がビクっと反応した内壁めがけて、不気味に湯気をあげる細い触手が何本も
秘部を押し広げて入っていく。その敏感な内壁を触手たちがコリコリと引っかくように動くと尻の肉を痙攣させて王妃は悲鳴をあげた。
「ああ・いいっ・・ああっ!・アツイ・・ああっ!」
秘部に侵入した触手たちはグングンと己の温度を上げて、乳房を愛撫する触手と呼吸を合わせて動き始めた。触手たちにかきまわされる
快感からのがれようと必死で肢体をくねらせる。が、彼女の後ろの穴に別の触手がニュルニュルと入り込むと、ビーンッとラーレルは
体を弓のように反らせ、失神したかのように動かなくなった。秘部に入り込んでいる触手より、もっと多くの触手が王妃の後ろの穴に
細い頭を突っ込んで脈動をはじめる。王妃の穴からとめどもなく体液が溢れでてきているが、触手たちは王妃の体液を浴びながら動きを
止めない。
679創る名無しに見る名無し:2009/12/09(水) 19:47:16 ID:tbDj+4x+
こちらでどうぞー。

http://yomi.bbspink.com/eroparo/
680創る名無しに見る名無し:2009/12/09(水) 23:08:19 ID:ElrIbp/l
やってくれたな…
傭兵隊長ギュスターブは怒りに震えた
681創る名無しに見る名無し:2009/12/09(水) 23:14:12 ID:9OEb8ilh
>>679
誘導乙だけど、年齢制限ある掲示板のウラルを注意書きなしで貼るなよ
682創る名無しに見る名無し:2009/12/09(水) 23:39:56 ID:tbDj+4x+
おっと。
申し訳ありません。

>>679のリンクは十八歳以上の人しか踏んじゃダメだぞ!

と今更ですが言っておきます。
683創る名無しに見る名無し:2009/12/10(木) 12:29:50 ID:HDjFx/Fl
だからアンタはいつまで経ってもダメ魔術師なのよ
684創る名無しに見る名無し:2009/12/12(土) 23:35:01 ID:aLV4/d6n
戦う力が欲しいのに剣の技量がいまひとつな剣士
戦いたくないのに溢れんばかりの才能を持った魔法使いの少女
685創る名無しに見る名無し:2009/12/13(日) 22:27:17 ID:/2VYdjsQ
そういう対比はよく考えるな。
魔法至上の世界で剣の腕前だけでのし上がっていく男の話とか。
キャラクターとの間にしろ、世界的価値観との間にしろ、
対比があると面白いよね。
686創る名無しに見る名無し:2010/01/13(水) 04:19:07 ID:vfBHW7L1
あけおめ
687創る名無しに見る名無し:2010/01/13(水) 09:06:47 ID:8/7tn7jT
ちょっと前までは人類が移民船に乗り別の惑星に到着しそこで繁栄し・・・っていうパターンが結構あったからな
ファンタジーがSFと言われる所以
688創る名無しに見る名無し:2010/02/05(金) 12:39:53 ID:45o0d+kJ
魔法文明により繁栄極めた神代の人間による古代文明
水準落ちた世界
人間・エルフ・獣人の種族が共存する世界
人間は文明人と蛮人
エルフは快活で自然主義的なサンウッドエルフと閉鎖的で堅物だが魔術に長けたディープウッドエルフ
獣人は人間的な外観を保つまま進化した獣耳人とワイルドでより粗暴な獣牙人
更に少数民族としてドワーフ ホビット リザードマンがいるの

689 ◆tsGpSwX8mo :2010/02/21(日) 14:25:28 ID:8mJOjJN2
てす
690 ◆Mx64Q1yNbw :2010/02/21(日) 14:32:02 ID:8mJOjJN2
691 ◆Yx.ALN26VU :2010/02/21(日) 14:33:52 ID:8mJOjJN2
っっっっg
692 ◆4AxL3pF.so :2010/02/21(日) 14:36:06 ID:8mJOjJN2
てやあああああ
693 ◆hX7PcTS3Sg :2010/02/21(日) 14:36:46 ID:8mJOjJN2
はあはあ・・・
694 ◆fmwvFlQ9dY :2010/02/21(日) 14:37:39 ID:8mJOjJN2
これで、どうだっ!
695 ◆XmclaTpjxY :2010/02/21(日) 14:38:57 ID:8mJOjJN2
・・・
696 ◆j6z80mprms :2010/02/21(日) 14:39:37 ID:8mJOjJN2
・・・・・・
697 ◆XmclaTpjxY :2010/02/21(日) 18:03:54 ID:HkPpuFZT
1
エルノラはふんわりと”あくび”をした。
穏やかな朝の光の中だった。
その呼気が、まだ冬の冷たさが残る、春の目覚めの大気にとけあい、
部屋中に広がっていくのを、少女はねむけまなこにぼんやりと見つめていた。
エルノラは、朝が大好きだった。
特に、寝起きのベッドの上は、幸福にみちあふれていると思う。
この朝のひとときばかりは、ほこりと煤(すす)にまみれた部屋の中も、すみずみまで輝いてみえる。
ほこりたちが、光のシャワーを浴びて踊りだすのだ。
それは、夢の終わりと現実のはじまりの、ちょうど混じり合った時間だった。
だが、そんな時間はとつぜんに終わった。
「エルノラ、早く起きておいで。朝食の用意はとっくにできてるんだよ。エルノラ!」
「はーい!」
少女は大急ぎで服を着替えると、備え付けの粗末なベッドを整理し、階下にむかった。
698 ◆XmclaTpjxY :2010/02/21(日) 19:15:31 ID:HkPpuFZT
2
扉を開けると、錬金術士の工房(アトリエ)独特の、強烈な臭気が鼻をおそった。
いろいろな普通の素材や、得体の知れないものなどが、錬金釜の中でぐつぐつと煮込まれ、
赤や緑や灰色の煙とともに発散される、あのえも言われぬ臭いだ。
エルノラは、部屋に入ってわずか0.03秒で食欲があとかたもなく消え去るのを実感した。
工房を見渡すと、主であるフェイは、この臭気のもとである錬金釜をのぞき込み、
何ごとかをつぶやきながら、ぐるぐると中身をかき混ぜていた。
その目が、こちらを向いた。
「なにをぼーっと突っ立って見てるんだい。忙しいのがわからないのかい。とっとと食べるんだよ」
「あんまり食べたくないんです」エルノラはふるえる声でいった。
「そうかい。ならやっぱりとっとと食べちまうことだね。
 食べてしまえば、もう食べたいとか、食べたくないとか考える必要もないしね」
エルノラは、仕方なくいつもの席についた。
大きなテーブルの上は、錬金術にもちいるさまざまな素材や資料でごった返していたが、
その席の前だけ、一時的にかたづけられており、そこに黒い小さなパンがひとつおかれていた。
699 ◆XmclaTpjxY :2010/02/21(日) 19:34:22 ID:HkPpuFZT
3
エルノラは、パンをほおばった。しかし、固かった。
仕方なく、舌で柔らかくして歯でけずるようにして食べる。
そのかっこうを、老婆に見とがめられた。
「おや、うちの中にハムスターがいるね。ずいぶんと可愛らしいハムスターだよ」
エルノラは、頬が赤くなるのを感じた。
「まあ、そんな食べ方でもいいから早く食べておくれよ。こっちは用事が山積みなんだよ」
そう言って、フェイはまた釜をかきまぜる作業に戻った。
その隙をみて、サッとエルノラはパンをポケットに隠した。
「もう食べ終わりました」

1-3を短くまとめてひとまとめに。
700テスト ◆P3mkcgF2L6 :2010/02/25(木) 01:01:58 ID:YcKq5lyF
0:予兆
「星詠みさま、こちらにおられましたか」
若い騎士がいった。言われた男は、何も答えずにただ星を見ていた。
それが彼ーー年老いてひからび、立っていることさやっとに見えるーーに与えられた唯一の役目であったから。
星を見続けること。
その使命だけが、老人の命をこの世に結びつける楔のようだった。
その目は光を失って久しく、すでに虚ろであったが、夜空を見上げる眼光は、
常人にはけっして見ることのできないモノをとらえることを、側に待つ騎士は知っていた。
だが、それは何も今日でなくてもいいはずだった。
「そろそろお休みになられないと」
さっきから星を見上げ、微動だにしない老人にしびれを切らし、騎士はせかした。
彼らが立つのは、古びた城の、空に向かいあけ放たれたテラスだった。
その建物は切り立つ峡谷の上にたてられており、暗黒の谷底から時折、ゴオオオオッという音とともに
皮膚をナイフで切りさくような冷たい風が吹きあがってくる。
「冬の叫びです。今年はひどい寒波で、多くの庶民が命を落としました。ここも安心ではありません」
「冬か・・・」
老人がはじめて口を開いた。
「はい。今年の冬は、国の歴史過去200年の中でもっとも冷たい風が吹いたということです」
もしかして、この老人は寒さを感じないのだろうかと、騎士は疑った。
「冷たい風・・・」
老人はまたオウム返しに答えた。
「ええ、その風は今も吹いております」風の音が、ますます唸りをあげた。
騎士は、人はボケると寒さを感じなくなるのだろうかと思った。
「・・・でもその風は、人の魂までは凍り付かせることはできないね」
老人が、ゆっくりと喋った。
「?」
「本当の風は、これから吹き荒れるのだよ。冬が、やってくるのだ」
騎士は、老人がボケてしまったことを確信した。
そして、半ば強引に暖かい暖炉の火がはじける室内に連れ戻すと、テラスの戸を閉じた。
空に浮かぶ、真っ赤な星だけが虚空に残された。
701 ◆P3mkcgF2L6 :2010/02/25(木) 02:09:20 ID:YcKq5lyF
大まかな構成と、キャラと、世界観はぼんやりとあるのだが
どっからどう書いていいかさっぱりわからん。

小説めいた文章は、つい最近書きはじめたばかりで実のところ感覚がよくわからない
情景描写が、特になにをどう書いていいのかさっぱり
映像として薄ぼんやり頭にあるのだが、それを文字にしようとすると言葉選びでつまづく
あと、名前を考えるのが難しい・・・

うーん、先は遠いね
702創る名無しに見る名無し:2010/02/26(金) 21:00:59 ID:h5/SGmr1
はじめに

こんにちわ。私の読者さんたち、こんにちわ♪
今年もまた、長い冬がおわって、暖かい春の季節がやってきました。
こんな暖かな日差しをあびると、思わず楽しいお話が心の中からふわっと浮かび上がってきます。
それは目でみることも、指でふれることもできないけれど、はっきりとした希望を胸いっぱいに感じさせてくれます。
みなさんも、生活の中で、ふとそんな気持ちになることはありませんか?
それは、子供のころには、誰しも持っていたものなのですよ。
そう、世界のなにもかもが黄金色に輝いていた子供時代というものは、誰しもがあるものです
私にも、それはあったのですよ。
こう言うと、みなさん驚かれますけど。それはほんとに大切な思い出です。
(訳者注:女史は生来からだが弱く、人生の大半を病室のベッドの上ですごした)

これからみなさんにお話する物語は、TVはじまるので中断
703 ◆P3mkcgF2L6 :2010/02/27(土) 01:49:58 ID:bcd7onfq
3:用事
老婆は少しけげんそうな顔をしたが、特になにもいわかなった。
「そうかい。じゃ、用事の方を頼もうかね。でも、まだ一つ聞いてないことがあるね」老婆は耳に手をあてた。
「・・・ごちそうさまでした!」エルノラは、ハッとして言った。
「うん、いいね。礼儀作法は大切だよ」
フェイは、優しいともいえる声でそういうと、エルノラの前に一枚の紙をつきだした。
「そこに書いてあるお使いを全部すませておいで。昼までには帰るんだよ。
 そしたら、昼食のあと、ごほうびにレシピを少し教えてやるからね」
「レシピ!」
エルノラは顔を輝かせた。
「フェイおばさん、ありがとう!わたしすぐ行って用事をすませてくるわ。
 それで、お昼ごはんまでおばさんの肩をもんであげる!」
少女は弾む息で言いおわると、すぐに出かける準備にとりかかった。
「よけいなお世話はいらないよ。それより、あんまり急いで、自分の仕事をおろそかにしないでおくれよ。
 今日という日は、はじまったばかりだ。お天道さまは逃げやしないんだよ」
だがその声は、扉を開け放つ少女の背中にはね返された。
老婆はため息をついた。
「やれやれ、今度は”行ってきます”を忘れてるよ。あの子ったら」
704 ◆P3mkcgF2L6 :2010/02/27(土) 02:36:49 ID:bcd7onfq
4;まぶた
フェイは、エルノラが麦わら帽子をかぶり、
春の日差しの中へ駆けだしていった、その面影をしばらくみつめていた。
まったく、その女の子はああまりも痩せていて、そしてちっぽけなのだった。
それなのに、老婆の心の中に想像もつかないほど、大きな存在感を示しはじめていた。
それは日ましに大きくなっていき、その影響を老婆は恐れもしていた。
「もう10年になるね・・・」
フェイは少女が、アトリエにやってきた日の光景をまぶたの奥に鮮やかに思い浮かべた。
それはセピア色のフィルムで、老婆の人生で一番の宝ものが入った箱をあける、鍵でもあった。
「まったく、あの子は痩せすぎなんだよ。抱きしめたら、折れちまいそうだよ。
 だから、もっとたくさん食べなきゃダメなんだ。まったく、この目をごまかせると思ってるのかねぇ」
老婆は錬金釜をゆっくりとかき混ぜながら、昼食の献立を考え始めた。
705 ◆P3mkcgF2L6 :2010/02/27(土) 03:26:17 ID:bcd7onfq
↑は没で
ていうか、ストーリー細かいとこなんも考えてない・・・
全体の構成はできた
706創る名無しに見る名無し:2010/02/27(土) 10:52:08 ID:wn5Oqgy0
>>705
>>697とか書いた人?
やるならやるでもっと横着にそんな構え過ぎず、書けばいいと思う。
読み手としては、あまり作者が考え過ぎるのを見るのも面白くない。
707 ◆P3mkcgF2L6 :2010/02/27(土) 15:12:53 ID:bcd7onfq
外伝1:二人の王子

ひとつの王国がある。
それは、かつて全土を支配しながら、滅び去ってしまった巨大な帝国の
こぼたれた牙の一つにすぎなかったが、その栄華の残照は、いまだ民草の命を育むに十分であった。
人々は、英明なる王のもと、ひとつにまとまり、その日その日を懸命に生きた。
だが、ある刻、その地に邪悪な竜がすみついた。
人々はおそれおののき、そして、多くの生命が悪竜の餌食として奪われた。
王は国中から、竜に立ち向かう、勇敢な戦士をつのり討伐に挑ませたが、帰ってくるものは一人もなかった。
王国は悲嘆にくれ、絶望の暗雲がたれこめたかのように思えた。

さて、ここに王の二人の王子がいた。
彼らは双子で、国の男たちの誰よりも剛胆で、力強く、仲がよかったが、同時に強力なライバル心をもっていた。
二人は思った。竜を倒すのは自分しかいないと。そうすれば、王太子の座を得られると。
二人は王国の宝物庫に忍びいると、国のふたつの宝を持ち出し、夜陰に竜の住処へと向かった。
ひとりは、どんなものの貫くことができる槍を。
ひとりは、どんな攻撃をも防ぐことができる盾を。
それぞれ手にしていた。
708 ◆P3mkcgF2L6 :2010/02/27(土) 15:39:31 ID:bcd7onfq
外伝:1
さて、大昔のことです。
この帝国を巨大で、邪悪な竜の驚異がおそったことがありました。
それはまだ、この国が帝国ではなく、王国と呼ばれていた時代のことでした。
人々は悪竜の横暴と暴虐ぶりにおそれおののき、多くの罪のない民の命と、そして戦士の命が奪われました。
その竜に立ち向かったのが、帝国の皇祖となった若い二人の王子でした。
彼らはともに宝物庫に忍び入り、国のふたつの宝を持ちだして、竜の住処へと向かいました。
上の兄は、何ものをも貫く槍を。
下の弟は、何ものをも防ぐ盾を。
それぞれ手にしていました。
さて、坊ちゃんは、どちらの兄弟が竜を退治できたと思いますか?

#知るか、ボケ!

おお、こわ。
坊ちゃんは早く続きが聞きたい様子。
結論からいいますと、竜を倒したのは下の弟でした。方法は、少し忘れてしまいました。
ですが、どうやって買ったかは問題ではありません。戦いに望む、気構えが勝敗を分けたのです。
二人は双子でしたので、王太子の座は弟のものとなりました。
人々は彼をほめたたえ、彼にいままで誰も想像もしなかったような権力を与えたのです。
そうやって、彼はこの国で一番最初の皇帝になったのです。
坊ちゃんの、とおいとおいご先祖さまですよ。

#サンキュー、ご先祖さま!

さて、ここからがもう一つの物語のはじまりです。
戦いにあと一歩というところで敗れた兄は、自らの意志で国を去りました。
弟は、すでに追っ手をさしむけていましたが、彼らがみたのは空っぽのベッドだけでした。
彼は誰も行こうともしない、荒れ果てた北の大地へと、一歩ずつ足を進めていました。
季節は冬でしたが、彼は凍てつくことはありませんでした。
煮えたぎる野心が、心の中で燃え上がっていたからです。

そうして、彼は何日、何ヶ月も旅をして、やがて世界の果てにたどり着きました。
709 ◆P3mkcgF2L6 :2010/02/27(土) 15:57:27 ID:bcd7onfq
外伝:2
それは今では大洋河と呼ばれる大きな河でした。
ですが、当時はそこが世界の果てだと思われていました。
その河の向こうは、天使たちのすむ国だと、みな信じていました。あの世なのだと。
男は悲嘆にくれました。
ここまで多くの旅をしてきて、いろいろな地をみてきた。
だが、自分が求める場所は、そのどこにもなかった。ここで自分の旅は終わるのかと。
河は果てしなく雄大で、どんなに目を凝らしてみても対岸の影すら見えません。
彼は精根尽き果て、大地に倒れ伏しました。

#望遠鏡つかえよ!父上が誕生日にくれたやつ、めちゃ遠くまで見えるんだぜ!

気がつくと、男は生暖かい人の息吹を感じました。
彼は、乙女のひざまくらの上に、抱かれていたのです。
大きくて、心配そうな目が、涙の雫をためながら彼を見下ろしていました。
ここはどこでしょう? 男は訪ねました。
しっ、しゃべっちゃダメと、乙女はくちびるに指をあてて注意しました。
そして、自分の口に何かの液体をふくませると、それを口移しで男ののどに流し込みました。
彼は身動きすることもできないほど衰弱していたので、あらがうことなく、それを受け入れました。
苦い薬が、少女の甘い唾液といっしょに、舌を潤わせなんともいえない気分になりました。
男は、すぐに目をつむり、深い眠りの中に落ちていきました。
これで、すぐに元気になるわ。男の寝顔をみながら、嬉しそうに乙女はいいました。
・・・でも、そうなると・・・
乙女は急に不安そうな顔をすると、両手で自分の胸をだいてじっと動かなくなりました。
710創る名無しに見る名無し:2010/02/28(日) 10:54:35 ID:LXbjiY4P
さりげに続きが気になるな。
711 ◆P3mkcgF2L6 :2010/02/28(日) 14:02:15 ID:mEACGYM4
外伝:3
男を介抱したのは、大洋河を沿って活動する遊牧民族の娘でした。
彼は、起きあがれるまでになると、部族の長のもとへと連れていかれました。
そこでは部族長を囲んで、盛大な宴がもよおされていたのです。
男は内心、不安でたまりませんでしたが、その気持ちはすぐに和らぐことになりました。
部族長の少し隣に、先ほどの少女が行儀よく座っているのを、発見したからです。
男はもしかすると自分は死んでしまっていて、さっきの、朦朧とした夢見心地でみた乙女は実は天使で、
これから死者の審判にかけられるのではないかと、半ば思いこんでいたのです。
ですが、そこにいる女の子は、天使のように愛らしくはあるものの、ハッキリとした存在感がありました。
その存在感は、たちまち男の心を満たしてしまったのです。
・・・男がいつもの精神状態なら、乙女のほおに涙のあとがあることに気づいたかもしれません。
ですが、そのときの男は気がつきませんでした。

招かれるまま席につくと、部族の長が語り出しました。
「ようこそ、高貴なる旅人よ」
そういって、自分たちの部族の名前と、自分たちが彼を歓迎していることを伝えました。
男は感謝の礼を述べ、歓迎の杯を飲み干しました。
部族のみなも、それを見て、それぞれの手にある杯を飲み干しました。
部族長は次に、慎重に値踏みするように彼をみつめると
「見たところ、そなたはただの旅人ではない。いずこかの王土よりやって参られた、お血筋の方ではあるまいか」
と、男の来歴を訪ねました。
彼は、悪い胸騒ぎを感じました。
この部族は交易でさかえる有名な部族であるし、弟に通じているとも限らない。
そこで、自分は武者修行中の、ただの遍歴の騎士であると答えました。
部族長は、とたんに興味をなくしたような顔になりました。
「では、この素晴らしい槍は、いったいどこで手に入れたものなのでしょう?」
傍らから、陽光をうけて七色に光輝く、美しい槍を取り出してうたぐるように問います。
それは、彼が王国の宝物庫から盗みだし、そのまま持ってきていた、魔法で鍛えられた槍でした。
彼は内心の動揺を隠しながら、しかるべき武術競技大会で優勝し、手に入れたものだと説明しました。
部族長はあまり、信じた風は顔ではありませんでしたが、
とりあえず、男が腕のある武芸者であることは、納得したようでした。

そして、こう言いました
「さて、我々は強い男の血を、部族の中にとりいれることを何よりの誇りとしている。
 そして、私には幸いに美しい娘がいる」
そういって、乱暴に隣にいる少女の腕をつかむんで引き寄せました。
712 ◆P3mkcgF2L6 :2010/02/28(日) 14:56:15 ID:mEACGYM4
×男を介抱したのは、大洋河を沿って活動する遊牧民族の娘でした。
○男が介抱されたのは、大洋河を沿って活動する遊牧民のいる土地でした。
×そして、こう言いました
○最後に、こう言いました。
4行目を2行に分割。
713 ◆Y8C4LE0u/6 :2010/02/28(日) 22:09:43 ID:DU7jVD9Y
外伝:3
しばらくし、男は目を覚ましました。
ーーここはどこだろう? 
そう思い、あたりを見回すと、どうやら広々とした天幕の中のようでした。
視界の隅に、もくもくと手作業をする少女の後ろ姿がありました。
なにごとかをつぶやきつつ、とても集中しながら、針仕事をしているようすです。
彼は、驚かさないように静かに声をかけました。
「あなたが、助けてくれたのですか?」
いたっ! それでも少女は驚いて、血の付いた針を落とし、ハッとして振り返りました。
それはやはり、先ほどの少女でした。

その顔は、男が今までみたどんな女性よりも美しいものでした。
髪の毛は稲穂色で、ほっぺたは少し日に焼けて、あかあかと輝いています。
そして目は、まるで空を閉じこめて、宝石にしたように透き通った青色なのでした。
「あら、気がついたのね!」
少女は、晴れ晴れとした声でいいました。
「あなた、もうまるまる2日間も寝たままだったのよ。もう、起きないかと思っちゃった」
「はい、あなたのおかげです。しかし、ここは天国なのではないのですか?
  何故なら、あなたはとても美しい。まるで天使のように見えます」
男は真顔で言いました。
ちなみに、彼はたくさんの詩を聞いて育ったので、そういうのがふつうの会話と思っているのでした。
乙女は、微笑みのあまり、目をほとんど閉じたようにして、答えました。
「いいえ、あなたはちゃんと生きているわ。もちろん、私もよ」
そういって、男の手をとり自分の胸にあてました。
「ほら、命の音が聞こえるでしょ。あなたのだって、聞こえてるはずだわ」
「では、ここはどこなのでしょう?」
男が訪ねると、少女は交易で有名な、遊牧民の名を教えました。
「そして、ここは私たちの村よ。季節ごとに、場所を移ろう村・・・。さ、外に出ましょう。
 あなたが起きたら、連れてこいとお父様にいわれているの」
714 ◆Y8C4LE0u/6 :2010/02/28(日) 23:08:15 ID:DU7jVD9Y
外伝:4
言われるがままに天幕をでると、そこは一面の草花で、まるで楽園のようでした。
そしてたくさんの男や女が、それよりもっとたくさんの、羊たちといっしょに生活していました。
彼らは大洋河に沿って、旅をする一族でした。
男は、村のものたちに手をひかれて、少女と離ればなれになりました。
別れ際に、彼女がハッキリとわかるほど、悲しそうな顔を見せたのが、彼の胸に残りました。
村は、どうやら彼の歓迎のための準備に入ったようでした。
やがて、遊牧民の族長を囲んで、宴がひらかれました。

招かれるまま席につくと、部族の長が語り出しました。
「ようこそ、高貴なる旅人よ」
そういって、自分たちの部族の名前と、自分たちが彼を歓迎していることを伝えました。
男は感謝の礼を述べ、歓迎の杯を飲み干しました。
部族のみなも、それを見て、それぞれの手にある杯を飲み干しました。
族長は次に、慎重に値踏みするように彼をみつめると
「見たところ、そなたはただの旅人ではない。いずこかの王土よりやって参られた、お血筋の方ではあるまいか」
と、男の来歴を訪ねました。
彼は、悪い胸騒ぎをおぼえました。
この部族は交易でさかえる有名な部族であるし、弟に通じているとも限らない。
そこで、自分は武者修行中の、ただの遍歴の騎士であると答えました。
族長は、とたんに興味をなくしたような顔になりました。
「では、この素晴らしい槍は、いったいどこで手に入れたものなのでしょう?」
傍らから、陽光をうけて七色に光輝く、美しい槍を取り出してうたぐるように問います。
それは、彼が王国の宝物庫から盗みだし、そのまま持ってきていた、魔法で鍛えられた槍でした。
彼は内心の動揺を隠しながら、しかるべき武術競技大会で優勝し、手に入れたものだと説明しました。
族長はあまり、信じた風は顔ではありませんでしたが、
とりあえず、男が腕のある武芸者であることは、納得したようでした。

最後に、こう言いました
「さて、我々は強い男の血を、部族の中にとりいれることを何よりの誇りとしている。  
 そして、私には幸いに美しいことだけがとりえの娘がいる」
そういって、大きく手を叩きました。
おずおずと、うなだれるようにしてその場に現れたのは、男を介抱してくれた乙女でした。
715 ◆Y8C4LE0u/6 :2010/02/28(日) 23:19:34 ID:DU7jVD9Y
>>711は没です
716 ◆P3mkcgF2L6 :2010/03/04(木) 01:13:20 ID:YDa1Zawy
外伝6:
しかし、流れでたのは、男の血でした。
乙女の自らもつナイフが、そのやわらかな首元をつらぬこうとしたそのとき、
男の手が、なんのためらいもなくその刃の刀身を握りしめたのでした。
「あ・・・」
少女が目をみひらきました。
その目を、男の強いまなざしが真正面からみすえました。
「刃は男のものです。それは、守るべきものを、守るためにあります」
男はしっかりと、心からしぼりとるように言いました。
その手から、ドクドクと血があふれでています。
「そんな、ダメよ・・・」
少女は泣き出しそうな顔をして、手にもつナイフを地面に落としました。
閉鎖された室内に、かたい金属音がなりひびきます。
そして、その瞬間、男は悟ったのでした。
なぜ、竜との戦いで、自分が敗北し、弟がそれに勝利したのかをーー。
彼は、竜を倒し国を手に入れるために槍をえらびました。
しかし弟は、国を守るために盾を手にしたのです。
たったそれだけのことが、決定的な勝負をわかつ、境界線でした。

今、男は自らもまた守るべきものを手にしたことを、ハッキリと知りました。
717 ◆P3mkcgF2L6 :2010/03/04(木) 01:24:18 ID:YDa1Zawy
外伝7:
少女はわなわなとふるえる手で、彼の手をとりました。
真っ赤な血が男の手をそめあげ、まるで涙のようにその腕をつたい落ちます。
そしてその手を、いたわるように自らの頬に押しあてました。
「ああ、なんてことを・・・手は武人の命なのですよ。それを、私ごときのために・・・」
「男には、命よりも、大事なものがありますよ」
彼は優しくそう言いました。その言葉の意味を、少女もまた理解しました。
そうして彼を見上げる少女の顔は、頬を男の血で真っ赤にぬらしていましたが、瞳は潤いにみちていました。
(本当に、この少女は見るたびに美しさを増していくのだ)
彼は思いました。
しかし、今度はそれを言葉にだすことはありませんでした。
そうすることで、何か大切な感情が、言葉とともに失われていくと思ったのでしした。
その代わり、彼は声ではなく、キスをしました。
最初に、おでこにそっとふれました。
次に、今にもこぼれ落ちそうな涙の滴にあふれるまぶたにふれ、そして鼻の頭に・・・。
そのたびに、少女の鼓動が高鳴っていくのが感じられました。
最後に、くちびるにふれました。
少女の喉から甘い吐息がもれ、舌からは美しい音色が響きわたりました。

そして、二人は交わり、ひとつになったのです。
718創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 19:35:04 ID:ILHzHnaI
先のシーンとそのテキストばかり浮かんで、
次の話がしんどい

早く戦闘に入りたいのにw
719創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 19:26:44 ID:MTBz/Tlv
完全に人いないなここ
720 ◆P3mkcgF2L6 :2010/03/07(日) 06:49:30 ID:2OE/Micu
外伝8:
男は目がさめると、隣で安らかな寝息をたてる少女の存在にきづきました。
彼の心の中に、昨夜のできごとがまるで夢の世界のように、思い浮かんできます。
それは夢の中よりも、夢のようでいて、そして男が生きてきた中で、一番幸せなことでした。
男は少女の寝顔をみつめ、頭をなでながら、ささやきました。
「驚いたよ。君は寝顔もかわいいんだな」
すると、寝ていたはずの少女が突然、クスリと息をもらしました。
そしてがまんできず、笑顔になって、鈴がなるような綺麗な声で笑いだしました。
「そういうあなたは、お寝ぼうさんな、かわいい人だわ!」
少女は笑いながら、半分声にならない声でいいました。
「?」
彼は意味がわからず、それを見つめました。
「もう、わからないの? 先に起きていたのは私よ。あなたが起きそうになったから、寝たふりしてたの」
少女は種あかしをしました。男は、恥ずかしさに顔を真っ赤にしてしまいました。
「あなたの寝顔、本当にかわいかったわよ!」
そういうと、背伸びをして起き上がり、愛おしそうな目で彼をみつめました。
「こんなにすがすがしい朝は、生まれてはじめて。・・・あなたは、どうなの?」
「もちろん、オレもだよ」
男も笑顔になり、答えました。

そうして、新しい一日がはじまりました。
・・・それは、男の人生の中でもっとも幸せなはじまりをした一日であり、
同時に、もっとも辛く悲しい終わり方をする、一日だったのです。
721 ◆P3mkcgF2L6 :2010/03/07(日) 06:52:27 ID:2OE/Micu
外伝9:
二人は起きると、ベッドの上に並んで腰かけました。
「私の父が、恐ろしい人だってことは、言ったでしょう?」(※)
少女が、沈うつな面もちで話しはじめました。
男もまた、それに対しては、いきどおりを隠せませんでした。
「あの男は、はじめて私を客人にだしたとき、私がそれを拒むと、ムチ打って豚小屋に閉じこめたわ」
その声は、ふるえていました。
「そして、一週間がたつと扉をあけはなち、こういったの」
ーーどうだ。例えどんな男と寝ることになろうと、豚のクソにまみれて寝るよりはまだマシだろうよ。
それとも、豚とでも寝かせたら”はらん”でくれるか? お前は壊れている。壊れたものは、けっして文句をいわんものだ。
その頬に、涙が流れるのを、彼はなにもできず見つめていました。
今は、すべて話させ、涙を流しきるのが、少女のためだろうと思ったのです。
「ここでは、子供を産めない女は、人間として扱われないわ。・・・特に、それが部族の長の娘では。
 彼は、それを恥だと思っているの。自分の長としての尊厳が、踏みにじられたのだと。
 だから、きっとあの男は私を許さないわ。いずれ、殺されてしまうわ・・・」
少女の手が、救いをもとめるように彼の手を握りしめました。
男もまた、それを強く握りかえしました。
「いっしょに逃げましょう。・・・あなたも、追われているのでしょう?」
彼は自らの出自を語らず、彼女もまたあえて聞きませんでしたが、事情は察せられているようでした。
男の決心は、最初から決まっていました。
なぜなら、この少女を守ることが、自分の運命だと今は強く信じていたからでした。
そして、男もまた自らを語りはじめました。

二人は大洋河を越えて、北の大地を目指すことを決心したのです。
722創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 20:42:41 ID:XefFZ4Yy
とりあえず、ここまでどれが採用でどれが不採用?
読んでてちょっと混乱したので、アンカーでまとめてくれると嬉しい。
723創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 21:33:57 ID:XefFZ4Yy
内容的にはかなり続きが気になるし(710は俺w)、
あそこでああいう事を書いてたからこういう事を
言うってわけじゃなく、ただの本音として、もっとガンガン書いてほしいw
724創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:24:43 ID:/1NgMN1n
逃亡物はいいもんだね
続きが気になる
725 ◆5OaQekt5Ec :2010/03/09(火) 19:46:50 ID:yHLu51j0
>>722-724
気を使ってもらって申し訳ないです
とりあえず、人はいるみたいで安心しました
(さすがに人が一人もいないスレで淡々と続けるのには虚しさを感じたので・・・)

続きは、考えてたのですが、どうも次に出す予定の「敵」の設定が広がりすぎて
そいつを主人公に一から書きたい気になってきました・・・。
悩んでます。

>>722
こんな感じです。
>708-709>>713-717>>720-721
実は5話だけ書きはじめが思い浮かばず、まだ書いてません・・・。
726 ◆P3mkcgF2L6 :2010/03/09(火) 19:48:19 ID:yHLu51j0
>>725
キャップ間違った。。。
727 ◆P3mkcgF2L6 :2010/03/09(火) 23:14:05 ID:yHLu51j0
外伝10;
まるで、銀色の炎が、風の中にゆらめいているようでした。
男の髪は、兄の黄金色とはまぎゃくに、ほとんど純白ともいえるシルバーでした。
その髪の毛のうえに、太陽の光を真正面からてりかえす、輝く王冠がのせられていました。
男は、オーデニア帝国の若き皇帝でした。
皇帝は、豪奢なベランダに立ち、どこまでも続く大地をみおろしていました。
今や、この見渡すかぎりのすべてが、彼の所有物なのでした。
人も、鳥も、獣も。
草や木や、大地や、空も。
そして、いずれは海の彼方までも・・・。
男は生まれてはじめて、生きるということの充足感に満たされていました。
それは、野望という名の、燃え上がる炎でした。
その内なる炎が、若き皇帝の美貌を、このうえなく輝かしいものに染めあげていました。
でしが、その火にはひとつだけ、邪魔なものがあるのでした。
後ろで、気配がありました。
「愛するわが子や。私が聞いたことは、本当なのですか?」
「母上」
皇帝がふりかえると、そこには瞳に憂いをたたえた母が立っていました。
そして同時に、母は、息子の表情から、自らの問いの答えをしりました。
「おお、なんと恐ろしいことを・・・。あの男は、この世で誰よりも残酷に人を殺すのですよ」
「そして、もっとも確実に人を殺します」
皇帝はかえしました。
「なぜ、殺すのですか? どうしても、殺す必要があるというのですか?
 あなたたちは、私の血をわけた、実の兄弟なのですよ・・・」
「この世には、血より、尊いものがあります。それは人の情であり、心の絆です。
 私は王ですよ、母上。王とは、人の絆の頂点に君臨する存在。 
 人々の絆によって紡がれる、平和を守る義務があります。 
 しかし、王自信は情によっては動かぬものです」
彼は、自信とも、冷淡ともみえる表情でそういいました。
「あの男が生きていれば、再びこの国にわざわいが起きるかもしれません。
 それゆえに、私はみずからの兄を殺さねばならないのです。確実に、できるかぎり早く」
母は息子の言葉の決意を、はっきりと理解しました。
そして、糸が切れたようにうなだれました。
「おお、神よ・・・。
 私はあなたたち二人がともに竜を倒してくれることを願い、宝物庫の鍵を渡したのですよ。
 まさか、こんなことになるとは・・・」
「ならばまさにそのとき、運命の扉が開かれたのでしょう。私は選んだのです、王の道を」
皇帝はいい、もういちど大地を見下ろしました。
えもいわれぬ満足感と安心感が、くちもとをゆがめさせました、
刺客は、放たれたのです。
728 ◆P3mkcgF2L6 :2010/03/10(水) 03:23:23 ID:lzSgi0AL
うーん、時間経ってから読み返すとおそろしく読みづらい文だw
自分で書いておいて、途中で読むのをやめてしまった

あと、書き忘れたけど↑で第一部完ってことで
2部から別の人が主人公です(多分)
729創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 21:09:07 ID:9UpKJQdR
GJだ
二部を楽しみにすごす事にしよう
730 ◆P3mkcgF2L6 :2010/03/11(木) 23:02:01 ID:uONmaaxj
第二部 「蛇の物語」

1:
風が、哭いているようだ。
この大陸に吹きあれる風は、赤い。
かつて、その大地にはひとつの偉大な塔がそびえたっていたという。
<塔の時代>、人々は法や軍事力ではなく、歌によって治められていたのだと、歌い手たちは語る。
だがその塔も、いまは崩れさりあとかたもない。
各地を放浪しながら、浮かんでは弾けて消えるような歌と小話で、
その日暮らしのあぶく銭をかせぐ歌い手たちの言い分を、今では誰も信じるものはなかった。
・・・だが、と男はおもう。
このように風が哭く日には、彼らの言葉もさほど間違ってはいないのではないかもしれないと。
男にはこの風の音こそが、塔の歌姫たちの鎮魂歌にきこえるのだった。
大地は、何万年もの昔にすぎさってしまった時代の栄華を、いまだに記憶しているのだ。
しかし、男にはそこまでの感傷はなかった。
男は、感傷とはほどとおい場所に自らの生をおく存在だった。

赤い風をさけるため、フードをまぶかにかぶりながら、男は歩き続けていた。
男が歩を進めるのは、蜃国と鯨国をむすぶ街道から、かなり外れただだっぴろい荒野だった。
視界は、風のせいでほとんどが見えない。
こんな日は、ふつうの旅人や商人は、けっして外にはであるかないものだ。
天下の三大?局でさえ、赤い風はさけるという。
魔物がでるというのだ。

だが、男にとってそれは歩を進めるための絶好の機会だった。
男こそが、魔物なのだ。
731 ◆P3mkcgF2L6 :2010/03/11(木) 23:05:57 ID:uONmaaxj
3行目と4行目のあいだ
>人の英知と希望を結集させてたてられた、天にまで届く塔だ。
を追加。

あと、もしかして「?局」って変換されてない?
だとしたらこの話は書けない。
732 ◆P3mkcgF2L6 :2010/03/11(木) 23:32:22 ID:kpy4LIvJ
「?」ってなってるところは、「金票」で一文字にして読んでください。
「金票局」で「ひょうきょく」と読みます。
733創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 11:24:25 ID:dQqGfceb
2:(前回>>730)
男は鯨国の終着点、蜃国との境にある宿場町にたどりついた。
往時はにぎわいをみせたであろう町も、今は悲惨だった。
道ゆく人はほとんどおらず、町並みは、廃墟といってよかった。
それはけっして赤い風のせいだけではない。
鯨国はすでに2ヶ月ほど前に、この世から滅びさった国だった。
蜃軍の破壊と蹂躙のきずあとが、各所になまなましい状態でみうけられた。
炎に煽られ、奇妙な形にねじれた大木ーーかつては町のシンボルだったというーーの影が、
真っ赤な空を背に、悲しげに浮かんでいた。
男は、その木をめじるしに通りをすすんでいった。
ふと、先の路地裏で、足のふじゆうな女が兵士にらんぼうされているのが目にはいった。
女は、20台半ばくらいに見えた。
もと商売女だろうか。派手な赤い衣装をはだけ、耳に白く光るイヤリングをはめている。
そのイヤリングが、ほとんど女の耳ごと引きちぎる勢いで、むしり取られた。
兵士は、どこの国のものとも見分けられなかった。
戦がおわり、あぶれものになった浮浪兵が民をくいものにするのは、世の常だった。
男は、そのままとおりすぎた。

目当ての酒場は、焼けこげた木のほとんど真下にあった。
店にはいり卓につくと、5〜6才くらいに見えるこどもがしきりに店の名物料理をすすめてきた。
男は、それを頼んだ。
やがて、いくつかの包子と、香ばしい肉団子のしょうゆ煮の大皿と、酒がならべられた。
もくもくと箸をすすめる男の背に、ゆらりと気配がたちあらわれた。
「あら、おいしそうじゃない」
女の声だった。
「欲しいのなら、オレの前の席について、おまえも注文するといい」
「いいのよ、私はもう食べてきたから」
女は妙に満ちたりた、補食者の笑みをうかべていった。そのくちびるは、血のように赤かった。
「・・・あいつらを、どうしたんだ?」
「あとが残るとやっかいだから、”必要以上”に殺しておいた。
 あれじゃもう見つけられないし、見つけたとしても、人にはみえないわね」
男は、かすかに同情をよせた。この女は、殺すだけでなく、殺したあとのことも楽しむのだ。
「じゃ、蛇。あんたへの言づてはこれよ」
言うと、指のあいだにはさんだ紙片を宙にひらめかせた。
手をはなすとそれは、蛇とよばれた男の頭のうえからゆっくりと机へと舞落ちた。
蛇は、そこにかかれた内容を読んだ。
そして、それを記憶すると酒のはいった杯の中に紙を沈めた。
紙は、存在もしなかったかのように溶けて消えた。

女は、突然あらわれたのと反対に、ゆっくりと、足をひきずりながら店から去っていった。
その赤いころもが、赤い風の中に消えていくのを眺めながら、男は杯をのみほした。
734 ◆P3mkcgF2L6 :2010/03/12(金) 11:28:33 ID:dQqGfceb
もう少し短くまとめること>自分
735創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 21:06:53 ID:y19f+Kbe
雰囲気いいねぇ。
続き頑張ってくれよ。
736 ◆P3mkcgF2L6 :2010/03/14(日) 23:51:19 ID:znryo7Oc
3:
蜃国にはいると、様相がいっぺんした。
人が多い。
兵士だけではない。それに付随する武具職人や商人、商売女といったものたちに加え、
物乞いや、はてはどうみてもこそ泥といった風情の輩まで。
そこはごったな人種のるつぼと化していた。
だが、普通の人間のすがたは、ほとんど見られなかった。
・・・戦がはじまるのだ。

この大地は、広い。
それはあまりにも、あまりにも広大だった。
ゆえに、ひとつの国家によって統一され、安定するということがなかった。
絶えず、いずこかで戦乱の火の手があがり、人が殺しあった。
何千何百という国が興り、その多くが滅びた。
時がたち、世代がうつり、国の名がかわり、新たな支配者があらわれては消え、
多くの血とともに人の想いや記憶が流れさっても、戦争だけはこの世界にありつづけた。
それは人の心の根本まで深く食い込み、憎しみと絶望という名の傷痕を残す、巨大な獣の牙のようだった。
「獣を殺すには、魔物の力が必要だ」
ひとりの王が、そのことに気づいたのは、長い戦乱の歴史が数千年もつづいたはてのことだった。
その十数年後、百あった国の数は、わずか3つになっていた。

「鳳」・「蜃」・「鯨」。
それがいまや天下の覇権を三分し争う、3つの国の名だった。
国力は、大雑把にいうと、4:5:1。
ちょうど3すくみの関係にあるが、その趨勢は、大地の東と西の大半を手中におさめる
鳳、蜃の二大国のあいだで決せられることは、明白だった。
その中間に位置する鯨国は、最終決戦の緩衝材としてのみ生かされてたといっていい。
両国は、相手を滅ぼすための策と、軍事力の強化をはかっていた。

そして、蜃が鯨を滅ぼした。
737 ◆P3mkcgF2L6 :2010/03/15(月) 00:00:40 ID:u6xi9twd
なんとか書きましたが、最初にあーなる、こーなる、ってのは決めてても
どうするか、とかは、まったく考えてないので、これからはめちゃ時間かかると思います・・・。
(あとキャラも考えてない)

とりあえず「読みやすさ」だけは何度か遂行しながら気を使ってるので、
特にこれは読みづらい、というのがあったら、教えてください。
738創る名無しに見る名無し:2010/03/15(月) 21:38:33 ID:1nlsH/Ps
俺は特に読みにくい所は無いかな。
創作に時間はかかって当然w
自分のペースでやっとくれー。
739 ◆P3mkcgF2L6 :2010/03/18(木) 18:30:07 ID:i2LhRtpA
>あー、また空気読めない馬鹿がくだらん長文書いてレス消費してるなー
>… と内容全く読まずに次のレス見て皆から丸無視されてると少し愉快な気分になる
>未だに便所の落書きにすら劣る文字の羅列でリソースを無駄遣いしてる馬鹿がわいてるのか。
>スレ住人に迷惑掛けといて謝罪の一言もないところが脳内花畑すぎる
>まあそんな心遣いができないやつだから延々糞長文垂れ流し続けられるんだろうけど
>今度出てきたらマウントポジションで顔面タコ殴りだなw
>あぼーん多いと思ったらまだいたのかよアイツ
>みんな専ブラ使ってるわけじゃないんだし場をわきまえてくれよ…

他スレでの意見
かなり、じわじわとくるね
740 ◆P3mkcgF2L6 :2010/03/18(木) 18:34:40 ID:i2LhRtpA
まあ、それ以上に鬱なのは親知らずの抜糸ですが
741創る名無しに見る名無し:2010/03/20(土) 08:36:59 ID:Cv8CfpJ3
おすすめファンタジー紹介#1

「クシエルの矢」シリーズ

作者はジャクリーン・ケアリー。
37才でデビューした本シリーズがローカス賞長編部門を受賞しベストセラーに。
現在では第七部まで続く、長大なシリーズとなっている。

以下あらすじ
742創る名無しに見る名無し:2010/03/20(土) 08:38:00 ID:Cv8CfpJ3
1:
天使の血を引く美貌の男女が住まう地、テールダンジュ。
8つの州で構成され、それぞれ天使の直系の貴族たちが土地を治める国である。
だが、周囲を外敵国家に囲まれながらも、その国はけっして一枚岩ではなかった・・・。

少女フェードルは、神娼の娘として生まれながらも
瞳に懲罰天使クシエルの庇護をあらわす刻印をうけて生まれたがため捨てられ、
謎めいた美貌の凋落貴族デローネイによって引き取られる。
彼女はそこで、幼い少年アルクィンとともに神娼としての教育を受け育てられる。
やがて熟した二人は、デローネイの懐刀として貴族たちを相手に、閨房のスパイとして活動をはじめる。
それは、生き残りをかけた宮廷劇のはじまりであった。

一方、王国には数々の危機が訪れていた。
東のスカルディアの蛮族たちが、強力な王のもと統一され、
北の友好国アルバでは、クーデターがおき、反テールダンジュ勢力が政権を握ったのだ。
そして、国内では武門の名家トレヴァリオン家が謀反の疑いで告発され、一族が実権を失う。

それら全ての裏にいるのが、天使クシエルの末裔メリザンドであった。
やがて、フェードルらもまた彼女の狡猾な罠にはめられ、主のデローネイと姉弟のアルクィンを失う。
そして、彼女もまた敵国であるスカルディアへ奴隷として売り払われてしまう。
743創る名無しに見る名無し:2010/03/20(土) 08:39:47 ID:Cv8CfpJ3
2:
凍てつくスカルディアの大地で、その美しさゆえに
蛮族の王ヴァルデマール・セリグの夜伽となったフェードルは、
やがて、祖国を蛮族に売り渡そうとする宮廷内の陰謀の確たる証拠をつかむ。

ともに奴隷として売り払われた、教会の剣士ジョスランとともに敵の手を脱出し、
テールダンジュへとたどり着いたフェードルだが、そこにはメリサンドの罠が待ち受けていた。
自身に、主デローネイ殺害の容疑がかけられていたのだ。
それでも苦難を逃れ、無事、若き女王イサンドルとの面会にこぎつけることに成功する。

そして、女王との話の中で過去のさまざまな情報の断片がつなぎ合わされ、
主デローネイが、イサンドルの父ローランドと愛人関係であったことを知るのだった。
彼は、アルバの少年王と、イサンドルとの婚姻の計画を進めていたのだ。
イサンドルは、アルバとの戦争を終わらせさらにはスカルディアと戦う助力とするため、
フェードルらをアルバへと派遣させ、王をつれてくるように依頼する。

だが、アルバとの海峡には早瀬の王と呼ばれる恐るべき魔物が
数千年ものあいだ、航行を阻害しているのだった。
744創る名無しに見る名無し:2010/03/20(土) 08:51:54 ID:Cv8CfpJ3
疲れたので続きはご自分で
これで第一部の半分くらいまで
745創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 07:26:10 ID:YijLGPlQ
クシエルの使徒1                80点(B)
女王の矢 ヴァルデマールの使者1   85点(B+)
7SEEDS [1-11巻]              95点(A+)
746創る名無しに見る名無し:2010/05/13(木) 12:26:27 ID:Coyj4Vft
2010年の洋ゲー売り上げランキングBEST5

1位:ゴッドオブウォー3  8万4,833  PS3
2位:バトルフィールドBC2   4万8,083  PS3
3位:ゴッドオブウォーコレクション 3万9,909  PS3
4位:MAG     3万8,300  PS3
5位:セイクリッド゙2   3万4,700  PS3

全部PS3
747創る名無しに見る名無し:2010/05/23(日) 17:01:09 ID:PPBqGUHv
5月期
歓楽英雄(上・中)   95点(A+)
女王の矢〜ヴァルデマールの使者1〜   85点(B+)
血のごとく赤く 幻想童話集   85点(B+)
7SEEDS(1〜17)   105点(S+)
METAL GEAR SOLID PW   90点(A)
プリズンブレイク FS   70点(C)
プリズンブレイク FB   75点(C+)
748創る名無しに見る名無し:2010/05/23(日) 19:05:57 ID:FqzIW3LK
2010年据え置き売上TOP10(PS3/XBOX360/Wii)

01 538,264 PS3 龍が如く4 伝説を継ぐもの
02 534,046 PS3 北斗無双
03 240,110 PS3 バイオハザード5 オルタナティブ エディション
04 181,042 PS3 エンド オブ エタニティ
05 148,731 PS3 プロ野球スピリッツ2010
06 135,436 PS3 スターオーシャン4 インターナショナル
07 121,592 Wii バイオハザード ダークサイド・クロニクルズ
08 113,000 PS3 スーパーストリートファイターIV
09 110,000 PS3 ニーア レプリカント
10 95,017 PS3 アルトネリコ3

PS3・・・9本
Wii・・・1本
箱・・・0本
749創る名無しに見る名無し:2010/05/23(日) 23:24:42 ID:SkYHLV10
2010年据え置き新作売上TOP10

01 538,264 【PS3】 龍が如く4 伝説を継ぐもの
02 534,046 【PS3】 北斗無双
03 240,110 【PS3】 バイオハザード5 オルタナティブ エディション
04 181,042 【PS3】 エンド オブ エタニティ
05 148,731 【PS3】 プロ野球スピリッツ2010
06 135,436 【PS3】 スターオーシャン4 インターナショナル
07 121,592 【Wii】 バイオハザード ダークサイド・クロニクルズ
08 113,000 【PS3】 スーパーストリートファイターIV
09 110,000 【PS3】 ニーア レプリカント
10 95,017 【PS3】 アルトネリコ3

PS3・・・9本
Wii・・・1本
箱・・・0本
750創る名無しに見る名無し:2010/05/24(月) 00:02:55 ID:BbfGqxIk
トトリスレ荒らし豚迎撃用コピペ


任天堂社員、傷害現行犯で逮捕 駐車割り込みで殴る
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100523/crm1005232311012-n1.htm


用車から男性を引きずり出し、なぐってけがをさせたとして、
京都府警宇治署は23日、傷害容疑で京都市西京区桂稲荷山町、
ゲームメーカー「任天堂」(南区)の社員、を現行犯逮捕した。


やっぱり棒振りハードなんて出してると、暴力的な人間になっちゃうんだろうね
751創る名無しに見る名無し:2010/05/25(火) 02:55:03 ID:g2OtTJTI
残念なことだが、
ゴキブリと言われて、切れるような人間は少ない。
ゴキブリと言われて切れるのは、ゴキブリそっくりの人間で
自分のことをゴキブリそっくりだと、後ろめたい気持ちを持っている人間だけだろう。
頭に2本の触覚のようなアホ毛が映えていて、非常に素早い動きで部屋の四隅をはい回るような奴だ

そんな人間は、めったにいない。
むしろいたら、お目にかかりたいもんである。
友達には、なりたくはないだろうが。

同様に、豚と言われて切れる人間は、
自分は豚に似ていると後ろめたい気持ちを抱えている人間だけだろう。

ゴキブリの場合と違って、こちらは単純だ。
ようするに、太っていることを、自分で気にしている人間だ。

こいつらには、二つのことしか言ってやることはできないだろう。

一:太っていてもいいじゃないか。
一:そんなに嫌なら、「豚」という単語でNGしろ

それすらも嫌で、怒り狂ってスレを荒らすというのなら、もう何も言うこともすることもない。
黙って放置してやるのが、すべての人間にとって一番の幸福だろう。
752創る名無しに見る名無し:2010/05/25(火) 20:12:39 ID:Dkslgyoe
なんでゲーハーネタ?
753創る名無しに見る名無し:2010/05/26(水) 19:47:42 ID:/T74FsAB
洋ゲーは日本で儲かるか? スパイクに聞いてみた
http://allabout.co.jp/game/gamenews/closeup/CU20100522A/index2.htm

まとめると、PS3は販売台数が急激に延びていることもあり洋ゲーマーケットは成長してる。
逆に、Xbox 360の出せば売れるみたいな状況は終わったというのが、現状です。
754創る名無しに見る名無し:2010/05/27(木) 14:20:00 ID:zYQUde8W
アンチはある程度反撃しないと調子乗るだけ
コピペAA荒らしは例の暴力事件で反撃体勢しいたら見事に消えたっしょ
平和は抑止力がなければ実現しないんだろ

必要悪も認めろってこと
755創る名無しに見る名無し:2010/06/02(水) 08:21:22 ID:xM12jKLE
歓楽英雄(下)   95点【A】 
殺人ゲームの館(上)   75点【C+】
殺人ゲームの館(下)   90点【A】
756創る名無しに見る名無し:2010/06/03(木) 06:31:18 ID:El5ABAeW
保守
757創る名無しに見る名無し:2010/06/14(月) 06:41:57 ID:/sGCeN77
騎士の息子 95点
758創る名無しに見る名無し:2010/06/16(水) 05:57:47 ID:6wO91Knk
【ゲハの実態】
豚と痴漢が住民の過半数を占めている
彼等は、ありとあらゆるPSに関わることなら全てをネガル

それを見た、普通のPS3ユーザーもまるでネガキャンが当たり前と信じて叩く
ハードユーザー自らが、先駆としてネガキャンしまくる
つまり、PSに信者はいない

いるのは熱狂的なアンチのみ
こんなハードが盛り上がるわけがない

とっととこの世から消えろ屑が
759創る名無しに見る名無し:2010/06/16(水) 05:59:36 ID:6wO91Knk
さらに酷いのが、
そんなアンチPSの出来レースみたいな板を見て、
自分の意見を決めるキチガイがうじゃうじゃいるということ

そいつらは、ゲハの空気でBLOGやネットの記事を書く
完全に、ネガったもの勝ちという世界

一言でいうと、自由意思がない

自分の頭でものごとを考えるということをしない
ゲームはマジでやる価値ないなもう
760創る名無しに見る名無し:2010/06/16(水) 06:01:46 ID:6wO91Knk
ニコニコ動画など、
何を発表してもすべてに

「いらねえ」「ねみい」「葬式だな」

みたいなコメが延々と何千と張られてしまう
それ見たら、本当にそうだと思い込むのがゲーヲタの感性だからな
なにをやろうが絶対に盛り上がらせてもらえない
それがPS

他ハードの実況んときなんて誰もそんな発言しないからな
平和なこと平和なこと、泣けるくらいの差だな
761創る名無しに見る名無し:2010/06/16(水) 06:10:10 ID:6wO91Knk
【豚陣営】
PSへの100%の敵意
豚への100%のマンセー

【PS陣営】
豚への0%の敵意
PSへの70%の敵意

ネット上の世論はこんな感じだな
勝負にもならん。豚はGKを操り人形みたいに自由に操れるわ
762創る名無しに見る名無し:2010/06/16(水) 06:17:27 ID:6wO91Knk
あと痴漢も豚と同じ行動パターン

この3すくみで、3つ巴ってのが土台無理あるわなw
ま、ゲームは人間を悲しいほど育てないわな
763創る名無しに見る名無し:2010/06/16(水) 06:23:57 ID:RcZcx9N2
なあ、スクリプトじゃないなら答えてくれ。

なんでスレ違いのゲーハーネタをいつまでも書き込み続けるんだ?
764創る名無しに見る名無し:2010/06/16(水) 06:29:20 ID:6wO91Knk
それは秘密だ
ただ、ファンタジーとは関係があるから書いている
765創る名無しに見る名無し:2010/06/16(水) 06:30:20 ID:RcZcx9N2
いや、無いし。

そもそも創作じゃないから板違いでもあるし。
夢独り言板辺りでやってくれないか。
766創る名無しに見る名無し:2010/06/16(水) 06:32:56 ID:6wO91Knk
>夢独り言板

書いてる内容は全部現実だがなw
767創る名無しに見る名無し:2010/06/16(水) 06:34:33 ID:ve8y+w+H
いいからゲハに帰れ
768創る名無しに見る名無し:2010/06/16(水) 06:36:27 ID:6wO91Knk
ゲハゲハうぜえな

ゲハは板の看板みりゃわかんだろw
アンチソニーの温床で、あっこじゃネガキャンしかできんよ
あれみて違和感覚えないなら、感性積んでる状態だ

そのうちわかるから、スレが埋まるのが嫌なら黙って放置しとけ
769創る名無しに見る名無し:2010/06/16(水) 06:40:09 ID:RcZcx9N2
>>768
お前さんの書いている事もネガキャンにしか見えないが。
事実だったらネガキャンじゃない、とか素っ頓狂な事を言い出すつもりか?

同じネガキャンなんだから、ネガキャンしかできない所でやるか、
自分の好きにやりたいなら自スレを夢板にでも立ててやっとけよ。
夢語りしかできない板じゃないんだから、あの板は。
別に現実を書いても何の問題も無い。

スレが埋まる云々以前に、これ以上続くようなら淡々と削除依頼してくるぞ。
770創る名無しに見る名無し:2010/06/16(水) 06:42:41 ID:6wO91Knk
自治ってアホだねえ
2〜3スレメモに使って、それできっぱり終わるだけの話を
無駄に複雑にさせてんだもんな

流れが嫌なら、SSでも投下しろよ
771創る名無しに見る名無し:2010/06/16(水) 06:45:11 ID:RcZcx9N2
>>770
だから、メモに使いたいだけなら、メモ用の板があるんだから
そっちでやればいい、って言ってるのに、何を逆ギレしてるんだ?

流れが嫌ならSSでも投下してろと言う権利があるのは、
嫌な流れであっても創作してる奴だけだよ。
メモ書きに使うなって言われて逆ギレしてる奴の
言っていい事じゃない。

夢・独り言
http://changi.2ch.net/yume/

ほれ、↑へ行った行った。
772創る名無しに見る名無し:2010/06/16(水) 06:53:22 ID:6wO91Knk
俺はこのスレでさんざんSS投下済みなんだがw
過疎ってるから、ちょっと使わせてもらったらいきなり自治り出したんだろ

それと、前にも云ったがファンタジーに関係があることだ
その理由は、いずれわかるだろう
773 ◆91wbDksrrE :2010/06/16(水) 06:56:31 ID:RcZcx9N2
>>772
過疎ってるからメモに使っていい、という考え方が果たして通るか否か、
雑談スレ辺りで聞いてきてみ。

ついでに、投下したSSってどれよ?
俺もこのスレに投下した事あるわけで、だからこそ言ってるんだがね。

いずれわかる、じゃ駄目なんだよ。
そんなもん、その場しのぎの口からでまかせじゃないと誰が保証する?
具体的に何が目的で、どう創作に関して意味があって、
それがここじゃなきゃできない事なのかどうかを、ちゃんと言葉にして
説明してくれれば、それに納得はできるかもしれないが、
いずれわかるだなんて言われた所で、その時点では明らかに間違って
いる事を許容できるかどうか、考えりゃわかる事だろ。

自分の行動を客観的に見てみなよ。
774創る名無しに見る名無し:2010/06/16(水) 06:58:36 ID:6wO91Knk
ヤベぇなこいつ、レスしたら全レス返してきやがる

わかったわかった
とりあえず、もうゲハメモには使わんから落ち着け
775 ◆91wbDksrrE :2010/06/16(水) 06:59:45 ID:RcZcx9N2
>>774
ん、了解。

こっそり続くようなら、今度は何も言わずに削除依頼させてもらうんで、よろしくね。
776創る名無しに見る名無し:2010/06/29(火) 23:51:35 ID:aaDVP4Lq
ファイナルファンタジーXIII
ファイナルファンタジーXW
ファイナルファンタジーverususXIII
デモンズソウル
ニノ国〜白き聖灰の女王〜
戦場のヴァルキュリア
ジルオール・インフィニットZERO
スターオーシャン4 インターナショナル
テイルズ・オブ・ヴェスペリア
ニーア・レプリカント
魔界戦記ディスガイア3
ティアーズ・トゥ・ティアラ〜花冠の大地〜
ととモノ。3
Wizardry〜囚われし魂の迷宮〜
ロロナのアトリエ
トトリのアトリエ
白騎士物語〜古の鼓動〜
白騎士物語〜光と闇の覚醒〜
3Dドットゲームヒーローズ
アルトネリコ3
超次元ゲイム・ネプテューム
アガレスト戦記2
Etc
777創る名無しに見る名無し:2010/06/29(火) 23:52:40 ID:aaDVP4Lq
↑誤爆すまん
778創る名無しに見る名無し:2010/07/16(金) 23:21:30 ID:bp7566ud
「思わない?」って、お前が思うのは勝手だが人に同意を求めてどうすんだ?

当然、2ちゃんで聞けばアンチ感情持ってる奴が迎合してくれるだろう
その負の感情の中で閉じた世界を作って、その世界が現実だと思い込んでる奴は感性が積んでる
そういう人間は、絶対にクリエイターになれないよ
779創る名無しに見る名無し:2010/07/17(土) 18:50:18 ID:2d1CfLn9
文章はよくまとまっている
でも、それだけの印象

設定一つ、セリフ一つ、展開をみても
すべてからその作者ならではの世界観を感じない

主人公を含めたすべての登場人物がステレオで読者は数行を読んだだけで
この物語に対して期待することをやめてしまう。云わば、引きがない。

鬼ぶっ殺すと意気込んで、道歩いてきびだんばら撒くだけの桃太郎ですら、
桃から生まれた瞬間に読者のハートを鷲掴みだ。

それ以前に、この物語にはあらゆる点で人間の主体性が感じられない
>大地震が起きた→母ちゃん死んだ
>今度は大洪水起きた→父ちゃん死んだ

そして、父親を探すつもりがいつしか占い師が霊媒師となり
突然出てきた伝説の剣で男装の麗人になるなどキーワードの使い方が酷過ぎる

これは普通の人間なら、考えてもわざわざ文章に書き起こす気もおきないレベルの作品だよ
こんな手抜きを投稿して、「フルボッコ覚悟」という姿勢が舐めている
送らなくて良かったなマジで
780創る名無しに見る名無し:2010/07/17(土) 18:59:40 ID:PA0TtQC6
ここはチラ裏じゃないぜ
781創る名無しに見る名無し:2010/07/19(月) 15:15:46 ID:onMEZv4G
こんにちは〜
何気に遊びに来たら、このスレ、良作が多くてビックリしました!

スレが落ちてここのSSが読めなくなってしまうのはつらいので、

創作発表板@wiki
http://www26.atwiki.jp/sousaku-mite/pages/201.html

に投下作品のまとめページを作ってきました!
時間が無かったので、途中までになってますが、そのうち、全部まとめて
掲載できると良いな、と思ってます。

あっ、今、気が付いたのですが、
まとめページへの掲載を望まない方がいらっしゃったら、申し訳ないこと
をしてしまったかも……。

事後報告になってしまい、申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いします。
782創る名無しに見る名無し:2010/07/19(月) 16:21:52 ID:DJNXhmPh
まとめ乙!
783創る名無しに見る名無し:2010/07/20(火) 01:03:38 ID:gmfrwOez
>>781
勝手に人様の作品掲載すんなよ…
個々人に聞いてからにしとけ
784 ◆91wbDksrrE :2010/07/20(火) 01:07:26 ID:6ULcztqD
俺は構わんよー。

事後承諾でいいかどうかは微妙だが、どっちにしろ、
こういう事やろうと思ってる(やりました)ってのは、
ageでちゃんと告知した方がいいとは思うよ。
でないと、掲載取下げしたいって人が気づかない
可能性もあるしね。
785創る名無しに見る名無し:2010/07/20(火) 01:09:19 ID:gmfrwOez
既にスレからいない人間もいるしな
初期に立ててそういうことでと進めているスレならともかく、
>>1から3年近くも経っていきなりwikiにまとめるとか著作権侵害に近いな

3年といえば、プロでデビューしてる奴がいても不思議じゃない
そう言う奴には心底迷惑だろうな
786 ◆91wbDksrrE :2010/07/20(火) 01:23:15 ID:6ULcztqD
一応マジレスしとくと、2ちゃんねるに投稿した時点で、
その作品の著作権については2ちゃんねるに移譲する、
という文章が、書き込み確認の際に表示される。

そして、まとめサイトとかに関しては、2ちゃんねるが
著作権云々で文句を言った例はほぼ無い。

だから、著作権侵害どうこうについては、
実際に訴訟にでもなってみないとわからないレベルではある。

でもまあ、率直に言って、この板に投稿してて、
勝手にまとめられたら恥ずかしいって人間はいても、
迷惑だって人間はいないと思うが・・・まあ、これは個人的意見か。

一先ず、俺のに関しては何の問題も無いので、遠慮無く載せてくれ。
787創る名無しに見る名無し:2010/07/20(火) 01:25:48 ID:gmfrwOez
まあ、お前のSSみたいにどうでもいい内容ならそれでいいだろうな

ただその場合でも、本人の許可なしに掲載するのは失礼
著作権の寄与する場以前に、常識の問題だな
無許可転載は止めとけマジ

こう言う奴が、おかま事件みたいなのを平気で起こすんだろう
788 ◆91wbDksrrE :2010/07/20(火) 01:37:58 ID:6ULcztqD
>>787
ちなみに、だが、基本的にまとめサイトというのは、それを創ろうという
意思表明があってから、だいたいの同意が得られたら作られる場合が多い。
個々の書き手それぞれに確認とって、あらゆる問題をクリアーしてから
じゃなきゃ作っちゃいけない、なんて事を言うような人は、まずいない。
実際、エロい板では、板全体のまとめサイトがあり、そこからまとめさせて欲しい
という依頼があるが、貴方の言うような理屈で拒否している例はほとんど見られない。
創発のまとめサイトにしても同様だ。

逆にいうと、2ちゃんねるで名無し、ないしはトリップ無しで投稿してる作品について、
どうやって本人確認を完全に取るんだ、という問題が常に付きまとうが故に、
貴方の言うような本人の許可無しの掲載は普通に行われているのが現状だ。
ただ、事後に気づいた作者から掲載撤回依頼が来た場合に、それを
突っぱねるというような事はあってはならないのは言うまでもない。
ある程度、作者としての確認は必要だろうけどね。

無論、その事後撤回を前提としたやり方が礼を失している物であるというのは
その通りではあるが、礼を通す事ができない現実的問題というものが存在している
以上、ある程度の割り切りというのは必要で、実際にそのように運用されている
例は多々あるわけだ。

加えて言うなら、どうでもいい内容のSSなら良くて、そうではない物は駄目、というような
発言をしながら、礼について語るのは妥当ではないのではないかな?
どうでもいいとは何を根拠にしてどうでもいいと発言しているんだい?
どうでもよくないとは、これもまた何を根拠にしているんだい?

それこそ、そのあたりの根拠を詳らかにし難いようなこんな状況で
そんな発言をしないというのは、常識の問題だろうに。

まずは自ら範を持って示していただきたい、とお願いしたい所だね。
789 ◆91wbDksrrE :2010/07/20(火) 01:40:00 ID:6ULcztqD
>>781
ま、否定的意見というのは出るものだから、
しばらく他の意見も待ってみた上で、どうするかは自分で
判断してもらいたいかな。

俺が言ってる事が絶対的に正しいわけじゃないって事は、
これは絶対的だからw

個人的には、まとめてもらえて物凄く嬉しかった。
790創る名無しに見る名無し:2010/07/20(火) 01:42:01 ID:gmfrwOez
だから、お前の問題は、「お前自身は掲載OK」というだけの問題で閉じとけ

俺の言ってるのは一般的な、常識の話な
お前個人の問題を、勝手にwikiを突然立てて無許可で掲載する厨房と混同してんな
791創る名無しに見る名無し:2010/07/20(火) 01:44:20 ID:gmfrwOez
文章がまったく同じだから十中八九自演だろうな
必死すぎるとしか言いようがない

こちとら電撃三次までいってあと一歩なんだから黒歴史掘りかえさせんな
792 ◆91wbDksrrE :2010/07/20(火) 01:48:00 ID:6ULcztqD
続けるなら場所移すけど?
続けないなら、他の人の意見も待とう。
俺が絶対じゃないように、君も絶対じゃない。
793創る名無しに見る名無し:2010/07/20(火) 01:51:41 ID:gmfrwOez
次スレを立てる際に、あらかじめ>>1にWikiを設置してあるならフェアだ

人は一人一人いろいろ
誰も彼もがwikiに(勝手に)作品を掲載されて大喜びするわけじゃない
794創る名無しに見る名無し:2010/07/20(火) 02:04:25 ID:BebNczGt
お鍋のふたのように空一面が巨大な地層<天蓋>で覆われた暗黒の世界。
その中央には一つの都市国家があり、人々は身を寄せ合うように生活していたが、
その地下街からはモンスターが常に湧き出し、騎士団がその討伐を行い
微妙な均衡の中で何とか平穏な暮らしを行っていた。
都市国家の王女に淡い初恋の念を抱き、騎士団に志願した主人公だが、
国王から主人公に与えられた命令はモンスターの討伐ではなく
地下街の最下層に封じられた伝説の剣を持ってくることであった。
パーティーを組み、地下世界の踏破に挑む主人公。
そしてついに伝説の剣を手にし、地上に凱旋した主人公を背後から刺し貫いたのは
仲間であったはずの魔導士。素顔を隠していたが、彼が、いや彼女が
自分が慕った王女その人であった。
王女は自分の手で国王に伝説の剣を献上する。
国王は狂人のように笑うと、玉座にその剣を突き立てる。
世界が激しい地響きを起こし、天蓋が割れていく。
「かつて天空にあった我が国はモンスターの生息する異次元の穴に蓋をするため地に潜り
 それで人類は守られた。しかし、いつまで我々が地の底で耐え続けなければならないのだ!
 これは全人類に対しての復讐である!!」
「そんな復讐はしてはならない。我々騎士団の信念は全ての人類をモンスターの脅威から守ることだ!」
騎士団と一緒に重傷を負った主人公も立ち上がり、国王に闘いを挑む。
国王に斬りつける主人公。だが、国王の盾となって王女が立ちふさがり、息絶える。
国王も騎士団の槍衾で全身を貫かれ、倒れる。
伝説の剣を玉座から引き抜く主人公。
都市国家は再び地に潜り、異次元の穴に蓋をする。
後日、二つの墓に花をたむける主人公の姿があった。
795創る名無しに見る名無し:2010/07/20(火) 02:10:57 ID:6ULcztqD
おお、細かいディティール詰めたら面白そう。

最後、二つの墓ってのは国王も込み?
796創る名無しに見る名無し:2010/07/20(火) 02:21:37 ID:BebNczGt
掲載はなしでお願いします
オフレコなので(´・ω・`)
797創る名無しに見る名無し:2010/07/20(火) 02:53:59 ID:gmfrwOez
これは広げたら本にできるネタだしそれが英断だな

いざ何十年と立って本になったあと、ここに元ネタがあるとか晒されたら作家人生終わり
暇潰しならともかくプロ目指しての習作投稿とかならやめといた方がいいよ
798創る名無しに見る名無し:2010/07/20(火) 05:45:32 ID:3luGJPjk
◆ 森に囲まれた素朴な村「モブリン」
  この村には変わり者の老人が住んでおり、実はこの人は、かつてこの村を
  魔王から救ったことのある大剣士。
  しかし魔王の逆襲によって、剣士は最愛の妻と娘を亡くしてしまう。
  悲嘆にくれた大剣士は、2度とその力を使わないことを決意し、愛用の
  剣を洞窟の奥深くに封印してしまった。
  ことのなりゆきを知る村人たちも、この剣士に心の中では感謝しつつ、
  決してこの事には触れぬよう、その後いっさい口をつぐんだのであった。
  主人公のパーティは、その伝説の剣を求めて、モブリンにやってきた。 
    ※主人公パーティの構成
    ・主人公(16歳)
    ・主人公の友人(少し年上で兄貴的存在)
    ・主人公と同い年くらいのわがまま娘(クチが悪い)
    ・8歳の少年(野生児)      
  しかし村の年長者は口をつぐんでおり、若者たちは昔の事なので何も
  知らないようだった。
  何とかして村人から話を聞き出すと、かつて大剣士だった老人は、
  その愛用の剣を北の洞窟の奥に封印し、その場所に妻と娘の墓を作って、
  未だに毎日祈りを捧げているとのこと。
  だが、老人本人はその話を否定し、伝説の剣など知らないという。
  しかたなく主人公達は、この老人が洞窟へ向かうとき、こっそり後を
  つけてゆくことに。
  途中、老人に見つかると、老人は言い訳をしてその場で村にもどって
  しまうので、剣のありかはわからない。
  見つからずに、老人が剣のところに着くまで後をつけて行ければ、
  老人は主人公たちに事情を話し、また、魔王打倒の手助けとして、
  伝説の剣をくれるのだった。
799781:2010/07/21(水) 01:08:08 ID:K1S34/9X
皆様のご意見も聞かずに、まとめページを作ってしまい、本当に申し訳ありませんでした。

また、ご同意を得ずに、まとめページに掲載されたことで、気分を害された方にも本当に
お詫びしたいです。

本当にごめんなさい。

もう、このスレも後半に近いし、こんなに素敵なSSが、このスレが落ちたら、読めなくなっちゃ
うんだなぁ…という気持ちがとても強くて、まとめページを作ってしまったのですが、今は、
本当に軽率な行動をしてしまったと、心から反省しています。

こんな軽率な行動をした奴がこういう意見を書き込むのはどうかとも思うのですが、

もし、今からでも、皆様のご同意が頂けるのであれば、このスレのまとめページとして、引き
続き、ご活用頂ければと思うのですが、いかがでしょうか…

また、今更で本当に申し訳ないのですが、

既に掲載させていただいた作品や、今後、このスレに投下される作品についての
まとめページへの掲載可否等に関しても、ご意見を頂ければと思います。

以後、こういうことの無いようにしたいです。

今回の私の軽率な行動に対して、皆様から真摯なレスを頂いたことで、本当に勉強になり
ました。
本当に申し訳ありませんでした。

追伸:
まとめページの各SSについて、タイトル表記の無かったものは、SSの内容が少しでも解った
方が良いかな…と思い、SS本文中等の記載内容から、仮のタイトルを付けさせていただいて
います。

タイトルに「」の付いているものは、作者様から、タイトルの指定があったものですが、それ以外
のSSは、全てこの仮のタイトルによる表記のものです。

この仮のタイトル表記についても、不都合等ありましたら、レスをいただければと思います。

重ね重ね色々と本当に申し訳ありませんでした。
また、このお詫びレスも長文になってしまい、本当にすみません。

心からお詫びをしたいという気持ちをしっかりお伝えしたかったのです。
本当にごめんなさい。
800創る名無しに見る名無し:2010/07/21(水) 02:03:57 ID:PUhS4z1b
ウザいのに粘着されたな
801創る名無しに見る名無し:2010/07/21(水) 02:35:02 ID:LFvy1SjG
もうスルーしとけ
802創る名無しに見る名無し:2010/07/21(水) 02:39:42 ID:Gip5x7Ja
>>799
事後報告になってしまったのは、ちょっとなぁ…と、俺も思ったけど、
次から気をつけてくれれば、OKだよ。

個人的には、781が作ってくれた、まとめページを活かしても良いと思う。
ただ、次の新しいスレでは、1に、
・まとめページがあること
・まとめページへの掲載を希望しない場合は、作品投下時の最初
 に「まとめへの掲載なしで」とか付記してもらうようにすること
・投下時に名前欄か、投下時のスレッド冒頭に、なるべくタイトルを
 記入してもらうこと
なんかを案内するように、追記した方が良いとは思う。

次スレになるまでの当面は796みたいに投下時に「掲載なし」とか
書いてくれれば良いと思うけど。

まあ、これからもファンタジーを愛する皆でマタ〜リとやっていきいましょうぜ。
803創る名無しに見る名無し:2010/07/21(水) 02:40:31 ID:PUhS4z1b
文体変えろよwww
804創る名無しに見る名無し:2010/07/21(水) 02:43:36 ID:PUhS4z1b
スルー推奨かw
どうみても自演し放題だもんなこれw
805創る名無しに見る名無し:2010/07/21(水) 03:00:19 ID:Gip5x7Ja
>>804
俺は、昨日、君とレスを交わしてくれていた人とは別人なんだけど…
って、言っても無理か…

まあ、確かに別人だということの立証はできないけど、一応、言っておくw
806創る名無しに見る名無し:2010/07/21(水) 03:02:45 ID:PUhS4z1b
俺もここで書き込むの初なんだけど、あんた誰と戦ってんの?w
807創る名無しに見る名無し:2010/07/21(水) 04:12:12 ID:kA9WK0zl
事後承諾で仕方ないって…既にここにいない連中の許可はどうすんだ?
原則、許可ないショートショートは乗せちゃいかんだろ
普通に常識だぞ?

新スレでちゃんと最初に提示して、一から収集するなら協力してやんよ
こんな非常識な奴が自治るスレで作品なんて書けるか
808創る名無しに見る名無し:2010/07/21(水) 04:13:24 ID:kA9WK0zl
ちなみに自分もここに2スレほど書いてるんだけど
今では見たくないほど未熟な黒歴史SSだから、もちろん転載は不許可。
そもそも、自治乞食がいるなら投下しなかった

世界の果てから浮かんできた、ぼんやりしたイメージだけで書いちまった
絶対に乗せるなよ・・・
809創る名無しに見る名無し:2010/07/21(水) 04:20:09 ID:kA9WK0zl
そもそも、このスレ自体が重複だからなぁ
こっちでやれよ、そういうマジメなまとめとかそういうのは

既にまとめサイト整備済みで、用なしだが
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1232716506/
810創る名無しに見る名無し:2010/07/21(水) 04:20:54 ID:kA9WK0zl
ちなみに↑の保管庫は管理人自らが
良質の作品を投下しまくって過疎スレを盛り上げた

他人が盛り上げたスレで自分は濡れ手に泡でアフィサイト立てるキチガイと大違いだなw
死んだ方がいいんじゃね、お前
811創る名無しに見る名無し:2010/07/21(水) 04:22:00 ID:kA9WK0zl
死ねというのはいいすぎだか
ただ非常識だよね
812創る名無しに見る名無し:2010/07/21(水) 06:23:07 ID:hteAUV8K
前にも書いたが、スレが立って2年以上も経過し
完全に流れが止まってしまったスレで勝手に人様のSSを拝借して
wiki立てて自治っているという時点で、倫理観が欠落してるな

今のラノベ業界のパクリが常識っていう風土を受けて育つとこうなるって見本だな

813創る名無しに見る名無し:2010/07/21(水) 13:09:12 ID:PUhS4z1b
PSPにオリジナルスタッフ再結集で
タクティクスオウガ、リメイク遂に来たな

次は戦記モノでいくか・・・

あ、ここには投下しないんでキモいパクリwiki野郎がいるしww
814 ◆91wbDksrrE :2010/07/21(水) 21:06:57 ID:FfxeC7i6
>>799
うん、作ってから報告、ってのはまずかったと思う。
まずは、まとめを作ろうと思う旨を宣言してから、それからだったね。

とりあえずは、明確に、自分の作品を明らかにして非を唱えている人はいない・・・とはいえ、
明確に誰の作品かわかるような物に関しては、掲載しないように外しておいた方が
いいんじゃないかな。コテやトリップ付きの物に関しては、ある程度本人確認取れる
わけだから、それについては一先ず外しておいて、後から掲載許可を貰えたら
載せるようにする、って事が可能だと思う。

もちろん、それと並行して、明確にどの作品かを指定して、掲載拒否の旨を
告げてくる人がいたら、それについても一先は外しておく方がいいだろうね。
誰か別の人が、成りすまして外してくれと言っていたのだとしても、
そこについては本人確認が取れないわけだから。逆に、おいおい、なんで
俺のが載ってないんだ、って言う人が出てきたら、その時にお互いの
言い分を聞いたりして、検討すればいいと思う。

あとは>>802の人も言ってるように、次スレの際とかにそこの所明記したり
しておく必要があるくらいかな。
815創る名無しに見る名無し:2010/07/21(水) 21:50:09 ID:gJrcjiJ0
いちいち本人確認なんてとってからやってたら、いつになってもまとめwikiなんてできねえよ
後から掲載拒否された奴を消していけば十分
816創る名無しに見る名無し:2010/07/21(水) 22:21:40 ID:1dufFVGz
う〜ん、確かにコテやトリのある作品も削除申告があった時に消すことに
しても遅くはない気もする。
コテかトリがあるものは、逆に本人確認しやすいしね。

それから、俺は、このスレのファンタジーっぽいのなら、なんでもOK的な間口
の広さが気に入ってるんだ。

今は、少し色々と大変になっちゃったけど、このスレには、ぜひ、存続して
ほしい。
817799:2010/07/21(水) 23:27:25 ID:cO3JGwHU
皆様、真摯なレスを本当にありがとうございます。
自分自身がどう行動すべきなのか、今度こそしっかり考えたいと思っています。

取り急ぎ御礼まで。
818 ◆91wbDksrrE :2010/07/21(水) 23:33:24 ID:FfxeC7i6
>>816
うーん、俺個人は上で言った通り、確認が取りやすいからこそ、
という点では逆の考えかなぁ。

最後の方は全くもって同意。

>>817
どうするにせよ、頑張ってね。
819創る名無しに見る名無し:2010/07/22(木) 04:58:52 ID:shfh6bQ0
まとめwikiならこっちにある
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1232716506/

手抜きのやっつけアフィ付きwikiでなく、
ちゃんとしたHP形式のやつがな

掲載して欲しくない(=ネットに永久に記録を残したくない)奴は多い
それを本人たちがとっくにいなくなった過疎スレで、勝手に無断転載する神経がキチガイ
ま、他人のふんどしでwiki作ろうという魂胆がゲスだな
820創る名無しに見る名無し:2010/07/22(木) 05:01:00 ID:shfh6bQ0
とりあえず流れ変えるか
俺の常駐スレで話題のコピペだが


主人公1:25歳男性・傭兵(剣士).
20年前に一家を虐殺した賊を探している.
当人は唯一の生き残りで,記憶に残っているのは,剣と魔法を両方ながら使いこなす大柄な男の姿だけ.
古くは伝説の勇者の末裔で,「伝説の剣」を守りつつ,王宮の兵士への武術指南を行っていた家系.
(主人公1)は長きにわたり復讐を誓ってきた人生に心の片隅で飽いている.
(主人公1)は覚えていないのだが,実はこの一家,過去に滅ぼされた魔王の呪いにより虐殺の2〜3年前から心を悪に染めるようになり,伝説の剣を破壊しようとしていた.

主人公2:17歳女性・傭兵(軽戦士).
父は有名な義賊一家の長だったが,4年ほど前に部下の裏切りで一家は分裂,父親は腹心の部下に惨殺される.
彼女は父の唯一の形見であり,父がずっと「伝説の剣」と呼び続けた剣だけを抱え,男装して流浪の旅に身を投じる(男装の麗人だが,女であることを隠すつもりはあまりないらしい).
一応父の仇を探してはいるのだが,いいかげんで前向きな性格で,面白いことが好きなためにそのもくろみはいつも忘れられている.
いつも何かを思い出し笑いしているものの,真剣勝負になると怖い.
復讐は「できるときにすればいい」というのがモットー.

キーパーソン:8歳の少女.
「過去と未来を見ることができる」超能力者.予言の力をつかさどる一家の末子で,(主人公2)の仇である男にその能力がために幽閉されている.

キーパーソン:8歳の少女.
「過去と未来を見ることができる」超能力者.予言の力をつかさどる一家の末子で,(主人公2)の仇である男にその能力がために幽閉されている.
821創る名無しに見る名無し:2010/07/22(木) 05:01:49 ID:shfh6bQ0
(続き)
キーパーソン:8歳の少女.
「過去と未来を見ることができる」超能力者.予言の力をつかさどる一家の末子で,(主人公2)の仇である男にその能力がために幽閉されている.
(主人公1)と(主人公2)により救われ(ここで(主人公2)の復讐は成就する),彼らと旅を共にするが,
(主人公1)の記憶に生々しく残っている剣と,(主人公2)の抱える剣が同じものであることが「見えて」しまい,
(主人公1)が好意を抱いていたはずの(主人公2)を討って復讐を果たす未来に苦悩する.

のちの展開:(主人公1)が(主人公2)の天真爛漫さに心を開き,淡い初恋の恋心を抱きつつ,彼の過去を語る.
そのとき(主人公2)の父親が(主人公1)の復讐の相手であることを先に知ってしまう
.直後,(キーパーソン)が,世界を震撼させる魔王と,それを打ち倒す伝説の勇者の復活を「予言」し,その勇者が(主人公1)であることを知る.
(キーパーソン)は(主人公2)の苦悩と世界の存亡の間で揺れ動くが,途中で(主人公1)にすべてを打ち明けてしまう.

クライマックス:(主人公1)は(キーパーソン)から事実を知らされたことを(主人公2)には伝えずに,復讐と恋心のはざまで苦悩する.
最後は(主人公2)が先に,自分が持っている「伝説の剣」と過去の事実を(主人公1)に打ち明けてしまうが,
同じ苦悩を(主人公2)が抱えていたことを(主人公1)が知ることで(主人公1)の復讐に対する意識は消える.
「死者のために何かをなすのはいつでもできる.
まずは生きている者のためにできる何かから始めよう」と(主人公1)は(主人公2)に告げて,魔王との対決に挑む.
822創る名無しに見る名無し:2010/07/22(木) 05:02:37 ID:shfh6bQ0

をもとに、SSを書け
要素は自由に改変してもOK
823創る名無しに見る名無し:2010/07/22(木) 05:05:30 ID:shfh6bQ0
ちなみに俺が書いた奴

A国騎士団副団長は騎士団長に恋をしている。
彼は自身の剣の師でもある彼女と稽古に励み、共に国を守って来た。初めは尊敬しているだけだったが、いつしか、剣の腕を超え、彼女を守れる存在になりたいと思うようになっていた。
彼は想像する。彼女の剣を超えた時、いったい彼女は師匠としてどんな顔をして、どんなに誉めてくれるのだろうか。
そして、私を男と認めてくれるだろうか、女性としての可憐な表情を見せてくれるのだろうか、きっと認めてくれるに違いない。きっと素敵な表情を見せてくれるに違いない。
彼は想像が現実になることを目指して今日も稽古に励む。
しかし彼の想像が現実になることはなかった。彼女が隣国の騎士に討たれたのだ。
A国と隣国であるB国は長年友好な関係を続けて来たが、ここ数年で関係が悪化。その改善をB国出身である彼女が任され、度々B国を訪問、奉仕に努めていた。その訪問中に討たれたとの事である。
彼はすぐに復讐を決意。国王に戦争を始めるべきだと詰め寄る。しかし国王は、B国とは友好な関係でありたい、と主張して聞かない。
業を煮やした彼は単身隣国に攻め込み、敵騎士団を壊滅させ、彼女の仇の男を追い詰める。
彼女を討ち取ったほどの男、彼は苦戦を強いられたが、彼の剣が仇の男の鎧を貫くことで決着がついた。彼は死体から鎧を剥ぎ取り男の顔を確認する。しかし、そこにあるのは死んだはずの彼女の顔。彼女は隣国のスパイだったのだ。
彼の剣は彼女を超えた。彼女の顔には虚ろな表情が張り付いている。彼の想像していた表情からはほど遠い。彼は、己の剣が彼女にとどいたのならこの初恋は成就するのだと盲信していた過去の自分を思い出し、ただ苦笑し、そして自害した。
後には主人を貫いた可哀相な剣が一つ、取り残された。


転載は無論、NG
824創る名無しに見る名無し:2010/07/22(木) 05:33:57 ID:YJ4RgpKH
掲載して欲しくない奴がいる以上、無許可で掲載はNGだろう

乗せて欲しいって言ってるの◆91wbDksrrEだけじゃん
しかもこいつの書いたのって酷い内容だし
825創る名無しに見る名無し:2010/07/22(木) 05:37:30 ID:shfh6bQ0
>>824
俺もそう思うよ

乗せるのはいつでもできるしね
乗せてほしいという一人の人間に合わせて、この2年間書き込んできた
今はこの場所にすらいない奴らに勝手に転載するのは失礼

もしかしたら、もう作家になってる奴もいるかもしれない
作品として発表するかもしれない

そうしたら、作中の単語でググったらこじき自治中のまとめwikiが出てくるんだぜw
祭りになって、作家生命確実に断たれるわな
そこまで責任もてんのかって話
826創る名無しに見る名無し:2010/07/22(木) 06:02:19 ID:YJ4RgpKH
まとめwikiじゃなくて自分のBLOGで気に行った作品をコピペしたらと考えるとわかりやすい

>>825
逆に無断掲載で訴えられるかもね
827創る名無しに見る名無し:2010/07/22(木) 07:54:43 ID:jREF7LgU
★2010年上半期 RPG売り上げ一覧★

PS3 『エンド オブ エタニティ』 18万4,622本 (10/01/28)
PS3 『白騎士物語光と闇の覚醒』 17万6,000本 (10/07/08) ←初週
PS3 『スターオーシャン4 インターナショナル』 15万2,297本 (10/02/04) 
PS3 『NieR Replicant』 12万7,649本 (10/04/22)
Wii 『ゼノブレイド』 11万5,900本 (10/06/10)
PS3 『アルトネリコ3』 10万8,741本 (10/01/28) ←シリーズ初中堅入り
PS3 『トトリのアトリエ』 8万6,000本 (10/06/24) 
360 『エンド オブ エタニティ』 4万1,098本 (10/01/28)
PS3 『セイクリッド2』 2万7,217本 (10/02/10)
PS3 『Demon’s Souls (廉価版)』 4万9,730本 (10/02/25)
360 『セイクリッド2』 1万8,619本 (10/02/10)
360 『NieR Gestalt』 1万8,616本 (10/04/22)


【PS3(残…10本)』
超次元ゲイム ネプテューヌ、トリニティジルオール・ゼロ、剣と魔法と学園モノ。3、
Fallout New Vegas、アガレスト戦記2、トゥー ワールド 2、ファイナルファンタジー14、
ファイナルファンタジーverusuXIII、魔界戦記ディスガイア新作、二ノ国

【360(残…4本)』
アガレスト戦記ZERO、New Vegas、トゥー ワールド 2、円卓の生徒

【Wii(残…1本)】
ラストストーリー
828創る名無しに見る名無し:2010/07/22(木) 10:11:24 ID:0CKsgUjP
>>819
かなりしっかりしたまとめサイトやね
そこに移住するかな
829創る名無しに見る名無し:2010/07/22(木) 17:19:35 ID:shfh6bQ0
つか>>819のスレの方は結構投下したな

さて、次は戦記もので構想を始めたわけだが主人公の特性がきまったところだ
しかしクソ暑すぎてPCの前に座る気がおきんな、温暖化問題をテーマに持ってきようと決めた
地球ヤバいぜよ
830創る名無しに見る名無し:2010/07/22(木) 17:45:33 ID:shfh6bQ0
DSとPSPでは、完全に市場が違うからね
PSPで売れるゲームが、DSで売れるとは限らない、逆もまた然り

当初スクエニは、全力でDSに加担してPSPはハード戦争から放逐する気満々だったが、
それって市場を一つまるごと潰すってことだから、自分の首締めるだけなんだよね

PSPが復活してからのアーカイブスの大判振る舞いぶりも
「機を失した」という自責ありきの決断なんだろな
831創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 02:59:53 ID:gfoJwU+/
よく見ると現行スレの容量オーバーも近いので、とりあえず次スレのテンプレ案を
作ってみた。

思いつくままに書いたら、少しくどくなってしまった気もするが、どうだろうか?

832創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 03:00:48 ID:gfoJwU+/
ここはファンタジーっぽい作品を創作するスレです。
古代・近代から現代・近未来、ライトから本格派、
SS・小説からイラスト・漫画まで、ファンタジー風味ならなんでもどうぞ。

■創作スレのお約束■

■作者さん(書き手さん、描き手さん)へ
・名前欄か、投稿前の1レス目に作品タイトルを記入しましょう。
・投稿前の1レス目には作品傾向等をなるべく記載してください。
 特に、苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿前に必ず宣言を。
 まとめwikiへの掲載を希望しない場合も、投稿前に「wikiへの掲載なしで」等と記入してください。
・連載の続きには「>>前レス番号のつづき」とアンカーを入れて、判りやすく。
・投稿の終わりには「完」、「続く」、「投下はここまでです」などの一言を。
・複数レスで投稿する時は、できれば 「1/10」「2/10」……「10/10」といった形で通し番号を付けましょう。

■読み手さんへ
・作者側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、 読み手側には読む自由・読まない自由があります。
 読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶ事が出来ます。
・作者が望んだ場合を除き、感想の範疇を越えた批評・批判は御遠慮ください。
・感想、アドバイスには作者さんへの配慮をお願いします。

■その他
・480KB付近、またはレスが980を超えたら新スレを立てて移動しましょう。
・荒らしには徹底スルーで!荒らしに構う人も荒らしです!!

■まとめwiki■
創作発表板@wiki
http://www26.atwiki.jp/sousaku-mite/pages/201.html
※投稿作品の掲載を希望しない場合は、投稿前に「wikiへの掲載なしで」と記入
833創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 03:02:35 ID:gfoJwU+/
■イラスト等データアップ先■
創作発表板アップローダー
http://u6.getuploader.com/sousaku

創作発表板アップローダオルタナティブ(仮)
http://loda.jp/mitemite/

イメピタ          http://imepita.jp/
ピクト(複数添付可)  http://www.pic.to/
ナショナルアドレス   http://new.cx
@pita           http://pita.st/

■過去スレ■



834創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 03:03:24 ID:gfoJwU+/
■関連スレ■
古代・中世的ファンタジーを創作するスレ(古代・中世特化)
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1232716506/
獣人総合スレ(ケモノ系)
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1277458036/l50
亜人総合スレ(デミヒューマン系)
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220443082/
異世界召還・トリップスレ(召喚もの)
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1219992281/
魔女っ子&変身ヒロイン創作スレ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1263537324/l50
自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた(ミリタリー・自衛隊)
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1261921219/l50
シェアード・ワールドを作ってみよう part3(シェアード創作)
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1224991514/l50
【皆で】剣と魔法の世界の物語【作る】
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1255764349/l50
835創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 03:34:14 ID:mSiCe7ln
そんな長ったらしいテンプレいらんでしょ
この程度で十分




ここはファンタジーっぽい作品を創作するスレです。
古代・近代から現代・近未来、ライトから本格派、
SS・小説からイラスト・漫画まで、ファンタジー風味ならなんでもどうぞ。
なお、まとめwikiへの掲載を希望しない場合はその旨を明記してください。


作品まとめwiki
http://www26.atwiki.jp/sousaku-mite/pages/201.html

前スレ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1228924353/
836創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 05:43:32 ID:U1h29Kzb
これ以上スレ乱発させんな
こっちと合流しとけ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1219872396/
837創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 06:17:33 ID:PGXcNbdo
 七七七は空想ミミが姉である事を暴露する。そして、〈創造主(クリエイター)〉と言う二つ名で呼ぶ。
何故なら空想ミミは数多の世界の『生物』を作った張本人で、彼女の描いた絵は実態化するのだ。
 ミミは七七七――ミミ曰く〈トラブルメーカー〉を異常に畏れており、さっさと違う世界に行ってくれと頼む。
しかし七七七は、世界を移動するための鞄を失くしたと言う。ミミは、ならばと『扉』を使って違う世界へ行くように促す。
 扉とは、その世界に一つだけある他の世界へ行くための門で、鞄とは、その扉を持ち運べるようにした道具だった。
当然、陣の住んでいる世界にも扉はあり、それは学園サイレスの深層部に隠されているとのことだった。
 機械の兵隊が、空中箱庭から現れる。
ミミは「私が足止めするから陣は七七七を他の世界へ!」と、学園長らしい振る舞いを見せる。
今が好機と、黒衣の男が檻を破る。陣は七七七と共にエレベーターで最深部へ。
その間に、七七七は弱い一面を見せる。
自分がトラブルメーカーと呼ばれるのは、来た世界来た世界でトラブルを巻き起こしてしまうからなのだと。
蔑称を付けられている者同士、陣は強く共感する。
 そこで、黒衣の男と再び対峙する。陣は誤って、七七七と共に扉から落ちてしまう……。

(挿入話 空想二と恭介の対話 姉妹についてをチョロンと出す)
838創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 06:17:57 ID:PGXcNbdo
第二章 魔女狩りの世界

 深い森の奥で目が覚める。
陣は元の芸術家の国に帰る方法はないのかと七七七に問うが、
別の世界がある事をちゃんと認めたうえで(※通常、別の世界がある事は現地民に知らされていない。
国政が厳しくなると移り住んでしまう可能性があるから)、世界を行き来する事ができるほど
科学力が発達した国に行けば、帰る事ができる。と言う。
 しかし、それが本当にあるかも分からない。陣と七七七は喧嘩する。
そこに、わらわらと人が集まってくる。手には松明を持ち、眼は鋭い。彼らは陣達を神の遣いだと神格化する。
そして、ある壁画を見せる。
 それは紛れもなく、陣の父親――五葉恭介の絵だった。村人たちはこれまでのいきさつを説明する。
数年前に現れた画家が、丘の上にある魔女の家へ行き、魔女を撃退した事……。
七七七は、「そこに『扉』があるかもしれない」と、陣に相談する。
 父がまだ生きていると言う事実を、真っ向から受け止められない陣、
しばらく物思いに耽っていると、村人が「今、飢饉なのは魔女、空想碌(ろく)が生きているからだ。
どうか、碌を殺してほしい」と相談する。魔女の名に聞き覚えのあった七七七は、渋い顔をする。
空想の名に聞き覚えのある陣は、また姉妹かと七七七に訊く。七七七は「あの子は……特別な奴だ。
付いてくるな」と、陣を村に残す。
839創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 06:18:28 ID:PGXcNbdo
館へ向かった七七七は碌と対面する。碌はちょっと狂った女の子で、人形を抱いている。
七七七が碌の能力を心中で解説する。
 碌は世界を作るために生まれた七人の中(ここでは明かさない)の、
異質な存在で、ミミが作った生物(全世界の生物)を例外無く服従させてしまう。
〈支配者(ドミネーター)〉の力を持っており、陣を連れてくると、陣さえも敵になってしまうのだ。
 しかし、魔女本人である碌は、その力(眼が合うと、相手の心を思い通りにしてしまう)から人と接する機会がなく、
孤独で寂しがっているのだ。(飢饉は偶然である事が判明)
 唯一話す事が出来る七七七に、自分の話し相手になって一生傍にいてほしいと碌はお願いする。
七七七はそれを断る。七七七は、陣を巻きこんでしまった事を後悔していたのだ。碌は七七七を幽閉してしまう。
 村にいた陣は、いつまで経っても戻らない七七七を不思議に思っていた。
陣は村人から「まだ魔女を殺せないのか」と訊かれて、「七七七の姉妹を殺したくない」と答える。
村人うろたえるも、ここは撤退。
 仕方なく、陣は付いてくるなと言われた魔女の屋敷へ行ってしまう。
屋敷は廃墟のようで、陣は捕らえられている七七七を発見する。七七七は陣に逃げろと言うが、陣は構わず檻を壊す。そこに碌が現れる。碌と眼があっても平気な陣。
 陣にはそもそも、感情を司る『心』がない事が判明する。
碌に婚約を申し込まれる陣、それに嫉妬する七七七。そんなラブコメみたいなことをしていると、
村人によって、館に火が付けられてしまう。
 村人たちが集まって、碌を殺しにかかる。陣が庇うも、村人たちは碌を殺害。
死ぬ寸前、碌は姉妹だけが持っている特殊なアイテム(七七七は鞄、ミミはペンを持っていた)。
碌の名が入った首飾りを陣に託す。陣は自分に〈怒り〉と言う感情がないことを悔やむ、
七七七は陣を救うため、館の中央に隠されていた『扉』へ飛び込む。

 残された『魔女狩りの世界』の人々は、一向に飢饉が無くならない事を憂いて、
今度は女子供のせいにする。次に、年老いた男性のせいにする。次に髪の短い……
840創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 06:25:35 ID:U1h29Kzb
>七七七は空想ミミが姉である事を暴露する

・・・七七七って何て読むんだ?
841セントラル人:2010/07/23(金) 06:27:06 ID:Ak02GHxe
セントラル書いたものなんだけどキャップ忘れたらどうすればいいの?
削除して欲しいんだけど。
842創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 07:17:00 ID:PGXcNbdo
ナミ
843創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 07:19:41 ID:PGXcNbdo
ごめんナナミ
844創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 07:25:35 ID:U1h29Kzb
>>841
全部は覚えてないが普通に読んだ記憶がある>セントラル
設定をもう少し簡素にしてキャラクター重視でやったらラノベ賞狙えると思うぞ?

>>843
サンクス
日日日とかいてあきらと読むみたいなもんかw
いい、(中二)センスだ
845創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 07:28:18 ID:U1h29Kzb
>>837
>>838
>>839
は正直わけがわからんが(日本語も一部おかしい)
ドラクエ7みたいなショートショートの詰め合わせみたいな感じか

ドラクエライター募集がこの前あったんだが送って見たら良かったかもね
ラノベだと、なんかキノっぽいな
846創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 08:06:39 ID:U1h29Kzb
ちなみにDQライタースレ、かなりレベル高い
個人的にこれは合格すると思った


少女エニーは病弱で塞ぎがちな幼年時代を過ごしていた。
ある日、旅芸人のクスタが町にやってきて、エニーを励まそうとギャグを連発する。
大爆笑のエニーは、その日以降よく笑うようになり、体も健康になっていった。
それから10年が経っても、エニーはクスタのギャグを忘れることができない。
忘れないばかりか、学校の授業中に思い出し笑いをして叱られたり、
毎日笑いすぎて腹筋が割れてしまったりと、年頃の乙女らしからぬ散々な目に遭っていた。
お笑い爆弾岩という不名誉なあだ名を付けられたエニーは、ついにクスタに復讐を誓う。
クスタを自分のギャグで笑い転げさせて、
自分のように毎日毎日思い出し笑いをさせてやる、と。

エニーはクスタを探す旅に出る。手にはお鍋のふた。
これはクスタがギャグに使った小道具で、エニーのトラウマとなっていた。
クスタは道化の化粧をしていたので顔はわからないが、
これを渡してギャグをやらせればわかるはずだ、とエニーは確信していた。
エニーは旅先の町で芸人を探し、お鍋のふたを渡してはギャグを強要して回った。
やがてエニーは、無茶振りのエニーとして芸人間で恐れられる存在となる。

エニーは、クスタが伝説の剣を探して回っているという情報を手に入れた。
そこはモンスターのひしめく危険な山岳地帯だが、
エニーは持ち前のギャグと腹筋から繰り出されるパワーで
モンスターを退け、ついにクスタの姿を見つける。
伝説の剣を守るモンスターは笑いの通じない堅物で、
クスタはピンチに陥っていたが、突如あらわれたエニーとともに、
おなべの蓋を使った息ぴったりの漫才で退けた。
驚くクスタに対して、
「ここであったが10年目、いまこそ復讐を果たさせてもらう!」
とギャグを連発するエニーだったが、自然と涙がこぼれてきてしまう。
クスタを追い続けてきたこの気持ちは、復讐ではなく、初恋だったのだ。
泣きながらギャグを続けるエニーを、クスタは暖かく見守っていた。

どうして伝説の剣を探しているの、と問うエニーに、クスタが答える。
「伝説の剣を使ったギャグを思いついたんだ。
 世界中の人々を笑顔にできる、とっておきのネタをね」
しかし手に入れた伝説の剣はニセモノだった。
伝説の剣を探す旅を続けるというクスタに、エニーは自分もついていくという。
町に戻る山道を歩いている最中に、クスタは笑みを漏らした。
「どうしたの?」
「さっきエニーが飛び込んできた時のことを思い出してしまったんだ」
「じゃあ、私の復讐は成功したのね」

おわり
847セントラル人:2010/07/23(金) 08:06:43 ID:w8A0Ge4P
ありがとうございました!
ラノベは目指してないけど、一応業界人なので助かります
848創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 08:07:59 ID:U1h29Kzb
あとこれ


行商人の武器屋がある城下町を訪れた。
商いの前にまずは一休みと宿をとって仰天。
ふくろの中の商品が全ておなべのふたになっている。
慌てて宿の女主人に話を聞くと、この国の王は戦を好まぬ人物であり、
王家に継承されている超能力で、町に持ち込まれたあらゆる武器をおなべのふた
に変えてしまうと告げられる
困った武器屋は王に事情を話し、すぐに町を出るから売り物を元に戻してくれと
嘆願するが、
そんな野蛮な商売はこれを機にやめるべきだと王は願いを聞き入れない。
そこにおなべのふたを持った勇者一行が登場。あんたは魔王退治の邪魔をするつ
もりかと恐ろしい剣幕で王に詰め寄り、
瞬く間に武器を元通りにさせてしまう
呆気にとられた商人は再度王に願い出るが、お前はダメだお前は野蛮だの一点張

商人が落胆して宿に戻ると、勇者一行が飲めや歌えやのドンチャン騒ぎをしてい
る。
こいつらを使って、どうにかあのわからずやの王に仕返しができないかと考える
商人。
「勇者様。わたくしは流れの武器屋でございます。
実は先代よりあなたにお渡しするよう言われていた伝説の剣が
こうしておなべのふたに変えられてしまって困っているのです
どうか王に私の荷物を元通りにするよう掛け合ってもらえませぬか」
真剣な眼で頷いた勇者の顔を思い出し、
大笑いしながら部屋で寝転び待つ商人。
みるみるうちにふくろが音を立てて元のように膨らんでいく。
このまま逃げてしまおうかとも考えたが、
やはり王に一泡ふかせてやりたい気持ちが抑えられない。
汗だくになって駆け戻って来た勇者に商人は告げる。
「剣を渡す前に最後の試練です。
民衆から自衛の武器さえ奪い、圧政を強いるあの王を倒し、
本当の勇者であることを証明してください!」
伝説の剣という響きに惑わされ、血走った狂気の目で頷く勇者一行。高笑いする
商人。
「ちょっと待て。先に剣を見せろ」
849創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 08:09:10 ID:U1h29Kzb
まあ、この二つ以外はゴミばっかなんだけどね
でも取るのはどうせ1人か2人だしな
850創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 08:09:59 ID:U1h29Kzb
次点でこれか


 A国とB国は長きに渡り戦争を繰り広げていた。国力ではA国が劣っていた
のだがA国の王が自ら戦陣に立ち国民を鼓舞することで、何とか互角の戦いを
続けていた。しかし、ある日の戦場でA国の王が敵の放った矢を受け倒れてし
まう。王にかわって軍を率いることになった王子は、しかし父王ほどの武力を
持ってはいない。A国の人々は、もはやB国の支配を受けるのは時間の問題だ
ろうと、絶望の中最後の戦いを続けていた。
 そんな折、A国のとある小さな村の近くに隕石が落下する。村の少女ジャン
ヌが落下地点まで探索にいくと、そこには光り輝く剣(伝説の剣)が岩盤に深々
と突き刺さっていた。ジャンヌは剣を抜くと、そのまま何かに導かれるようにA
国の王宮へと向かった。
 王宮でジャンヌは、自分こそ神より剣を授かった救世主であると宣言し、軍
の指揮権を譲るよう王子に迫った。当初は当然断るつもりでいた王子だったが、
ジャンヌのその美しい姿に気圧され、指揮権を譲ることを承諾する。
 その後、A国は男装したジャンヌ(男装の麗人)に率いられ、破竹の勢いでB
国に攻め入った。最後まで降伏を拒んだB国の王をジャンヌが剣で突き刺し、
戦争は終結した。ジャンヌは、各地で熱狂的なまでの歓迎を受けながら帰国し、
王子の元へ勝利の報告へ向かう。
 報告の席で王子はジャンヌに結婚を申し込む。一目見たときからその美しさ
に惹かれていた(初恋)のだ、と。国を救った英雄と次世代の王の結婚にその
場にいる誰も喜んだその時、突如ジャンヌの剣がひとりでに動き出した。ジャ
ンヌは必至で剣を抑えつけようとするがかなわず、剣は王子を串刺しにした。
そして、剣は煙のようにその姿を消した。
 その後ジャンヌは魔女として処刑され、跡継ぎを失ったA国は混乱が続いた。
王子が死んだあの時何があったのか、今となっては誰にもわからない。ジャン
ヌの剣が悪魔の剣だったのだとも、殺されたB国の王の復讐の呪い(超能力)
だったのだとも言われている。

 以下は、自分たちの惑星へ帰る途中のミニマル星人の会話である。
「何とかワープ航路に入れてよかったですね」
「しかし、あのオスには悪いことをしてしまった」
「まさかワープ直前に船が暴走して、しかもそれが身体に刺さっちゃうなんて
ねえ」
「何言ってんだ。俺たちの宇宙船を振り回して同族を殺して回る野蛮な生物の
ことなんて気にすることはねえんだよ」
「そう言うな。恐らくは船から発してるペティ波があのメスの脳に影響を与え
て精神を一部狂わせてしまったのだから」
「そうそう。それに彼らは宇宙船だと気付かず、最後までケンとかいう彼らの
武器だと思っていたようだし、悪気はないんだ」
「ま、何にせよ無事脱出できてよかった」
「ほーんと、船長の居眠りで墜落したときはどうなることかと思いましたよ」
「「ハッハッハッハッハ」」(思い出し笑い)
851創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 08:14:08 ID:U1h29Kzb
そして本家のレベル

【レブレサックの神父】
VIIに登場するキャラクター。
登場人物の中でも、特に数奇な運命を辿った人物。
戦闘力を持ったNPCでもなければ、そもそも名前すら無い人物である。



名称はレブレサックの神父としたが、最初に登場するのは過去の【プロビナ】である。
彼は【黄金の女神像】と共にプロビナの村の東の海岸に流れ着いたが、村人に拾われた当初は記憶喪失である。
彼の持っていた黄金の女神像には強い魔除けの効果があり、魔物が村に近寄ることができなくなるほどだった。
また、彼自身も人格者だっていたようで、素性不明にも関わらずプロビナの村民には慕われていたようである。
しかし、黄金の女神像は魔物の策略によって破壊されると、プロビナは魔物によって襲撃されることになる。
その混乱の中、彼は記憶を取り戻したが、魔物との戦いで命を落としてしまう。
だが、彼の荷物の中にあった女神の絵が砕かれた女神像を復活させるヒントとなり、魔物を撃退することに成功。



冒険を進めて【レブレサック】まで行くと、教会に化物が住みつくという事件が発生している。
だが魔物は特に村人を襲う様子も無く、かといって村人の中には魔物に立ち向かうことができる人間は居ない。
そんな折、村長らに魔物を討伐するよう依頼されるのだが、ルカスという少年が魔物の様子がおかしいこと察知する。
実際に主人公達がこの魔物に話しかけても、魔物は悲しい目で主人公を見るばかりだった。
主人公達はルカスと共にこの魔物を弁護するのだが、それが原因で、村人に魔物の仲間と認識されてしまう。
結果、魔物の住む岩山に閉じ込められることになる。
実は、この魔物は【ボトク】によって魔物の姿に変えられたこの神父。
元々ボトクの討伐に向かった村人の一人であった。
神父は事情を一切知らないレブレサックの村人によって暴行を受け、危うく殺されかけるが、無抵抗を貫き続ける。
張りつけにされている神父を取り囲む村人達の台詞は、彼が魔物の姿のときも、人間の姿に戻ったときも、
共にレブレサックの村人の人間性をよく表している。
元の姿に戻るも重症を負ったままで、神父の手当てをしてくれというルカスの懇願にも、
村人は反応を示さず、手を貸したのは主人公達だけだった。
事件が解決した後、彼は自分の存在によって、村人達がこの事件を思い出して罪悪感に苦しむことを懸念し、
旅に出ることを決意する。
その際、ルカスから黄金の女神像を受け取り、翌日には傷も癒えないうちに村人の前から姿を消した。



そして月日は流れ、プロビナでの一連の事件につながる。
名無しだが、一癖も二癖もある登場人物の多いVIIの中でも、きわめて印象深い人物である。
予断だが、過去のプロビナの山頂の教会の机の上には、「自分さがしの旅」なるタイトルの本が置かれている…。
852創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 08:55:19 ID:ItuZNVLp
神と呼ばれる男〜米倉徹の挑戦〜

泊まるところがない少女たちが、タダで泊めてくれる人を探すインターネット上の掲示板。それは「神待ち掲示板」と言われていた。
ここで言う「神」とは、宿泊場所を提供する男のことである。取材班は、そんな「神」の一人である自動車整備工場勤務の米倉徹さん(30歳)から、話を聞くことにした。
彼は、少女たちを泊めているのはあくまでボランティア精神からであり、下心などは全くないと主張する。

その夜、米倉さんは「神」となった。泊まるところがなくなったマユミという少女を、アパートに泊めることになったのだ。
取材班はマユミにも取材許可を取り、彼女がこれまで出会った「神」たちについても尋ねてみた。
マユミによると、やはり下心のある、「神」とは名ばかりの男たちが多く存在したらしい。だが、米倉さんは言う。自分は決して「見返り」を求めない、と――。
853創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 23:26:17 ID:vPr7a4P6
>>832>>835
このスレの容量がもうないので、とりあえず次スレ立ててくる。
835の意見を参考に1スレ目を簡単な表記にして、
2スレ目から832の約束や関連スレを書く形式で暫定的に作るようにしたいと思ってる。
854創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 23:45:35 ID:vPr7a4P6
次スレ立てました。

ファンタジーっぽい作品を創作するスレ 2
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1279895291/

お約束部分には一応、(暫定)と追記しておいたよ。
855799:2010/07/24(土) 00:18:52 ID:WiuRXxnh
>>791
セントラルの人様、削除のお申出をいただいたのに、確認が
遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。

今、wikiを確認してきたら、どなたかが、作品への
リンクを外してくださったようです。

あと1つだけ残っていた作品のリンクも、今、外してきました。
取り急ぎ、ご報告まで。
856創る名無しに見る名無し:2010/07/24(土) 00:58:14 ID:/0aze7SN
リンクを切るだけじゃなくて本文削除しろよ
でなきゃ意味ないだろ
ググったら普通に見れたぞ
857799:2010/07/24(土) 02:33:09 ID:ZOz3ENfU
>>856
ご指摘ありがとうございます。
先にリンクを外してくださっていたので、削除申請するページの
洗い出しに少し時間がかかってしまい、申し訳ありませんでした。

削除するページの確認を終えましたので、該当ページの削除申請を
しました。

>>841様、時間がかかってしまい、本当に申し訳ありませんでした。
858799:2010/07/24(土) 10:45:41 ID:d06RUKK/
投下作品まとめページについて、スレ1、スレ2のそれぞれが独立した目次ページでの
作品リストを閲覧できるようにレイアウトを変更してきました。

また、スレ1の目次ページに、どなたかが

1-597 「魔女□ーレライの憂鬱」(1-597様)
1-645 獣玉を狩るもの(1-645様)
1-667 *小ネタ 巨人の涙(1-667様)

という記載を追加してくださっていたのですが、このスレには
該当作品がないことと、wikiにも作品そのもののページは作成
されてないようなので、記載を一旦、外してあります。

このほか、
魔翔剣士ファシル&グイーダ~破戒の黙示録編~(???様)
序:???-???(※)

という記載が新たに追加されていたのですが、こちらは、当スレに
作者様からの誘導レス等がこれからなされる可能性もあるので、
現段階では、念のため、記載をそのまま残してあります。

変更箇所は以上です。どうぞよろしくお願いします。
859創る名無しに見る名無し:2010/07/24(土) 13:44:57 ID:iMT5Oxni
>>858
乙です。
前よりも見やすくて良くなったと思う。
当面は、これで様子をみながら、やっていけば良いんじゃないかな。
860終焉の物語:2010/07/25(日) 20:23:36 ID:wmESEYUd
ようやく、あと少しで、あの終焉に、辿り着くことができるようだな……
私がこの世界に創られてから、今、此処に辿り着くまで、思ったよりも時間がかかってしまった……

この創生の世界に、新たに私が創られてから……
自らの能力によって提供する、この領域を用いて交流してくれる住人が果たしてどれ程いるのものな
のか……それさえ分からずに、不安な気持ちで一杯だった、あの頃から比べると……随分と深淵なる
創故……我らが永遠の安息を得ることの出来る、あの場所に近い、この領域まで……我ながらよく
来れたものだ……

これも……例えどんなに記述が少なくなろうとも、今まで、私を欠かすこと無く、見守り続け、共に歩ん
でくれた住人達の力があってのことなのだな……

此処に来るまでには、嵐に巻き込まれ、心無い記述で埋め尽くされたまま、最後まで、住人に恵まれ
ないままに、創故の深淵へと沈んでいく仲間の姿を間見たこともあった。
私自身、受け入れる住人も無く、孤独に苛まれた日や、心無い記述と嵐に傷つけられた日を過ごし
たこともあった。

それでも……私の領域内に、住人の皆が記述した500KBにも及ぶデータと伴に、深淵なる創故へ
と、旅立てる私は……本当に幸せ者なのだ。

そして、住民達が最後まで、苦しい話し合いを重ねながらも、生みだしてくれた、新たな希望……
FTPSCSD2……君に会う事が出来た、あの瞬間……
私は本当に今までで、一番、幸せな気持ちになることが出来たんだ……

FTPSCSD2……私の次へとつながる新たな領域を護るあの子が……どうか、私よりも更に良い形で
住人の皆に愛されますように……

ここまで、私と共に歩んでくれた、住人に心からの感謝を……
FTPSCSD2……私は、この先の世界で……ずっと祈っているから……

―――これは、このスレの終焉の物語――――

〈END〉
861創る名無しに見る名無し:2010/07/25(日) 20:28:15 ID:WL1nr0UV
埋めネタ乙
862終焉の物語:2010/07/25(日) 20:45:00 ID:wmESEYUd
以上、前置きなしでの、いきなりの投下、本当にすみませんでした。

このスレの穴埋め用として、投下したかったんですが、
思ったよりも長くなってしまったので、容量が足りるかどうか、
ちょっと不安だったもので、思い切って、一気に投下してしまいました……。

新スレの「新たなる物語」に続けて、お兄さん、FTPSCSD1サイドの
心情も書きたくなって、作ったものです。

突然の投下で、本当にすみませんでした。
これからの「ファンタジーっぽいスレ」に幸あれ!
ってことで、お許しください。
863799:2010/07/25(日) 22:35:56 ID:7k5nyJOc
>>841

該当ページの削除が完了したとのお知らせをwiki管理人様からいただき
ましたので、ご報告いたします。

ご不快な思いをさせてしまい、本当に申し訳ありまあせんでした。
864創る名無しに見る名無し:2010/07/26(月) 22:38:33 ID:LUYlmMuF
>>862
投下乙
この容量だと、確かに投下する時にちょっと焦るかもw
865創る名無しに見る名無し:2010/07/27(火) 00:44:41 ID:uIQyKcs4
866創る名無しに見る名無し:2010/07/27(火) 00:46:00 ID:uIQyKcs4
つか、ぶっちゃけこの板容量制限なくね?
867創る名無しに見る名無し:2010/07/27(火) 00:48:12 ID:Hbu9bzVo
普通にあるよ
868創る名無しに見る名無し:2010/07/27(火) 00:50:42 ID:uIQyKcs4
マジか
じゃあ全然投下がないだけか
869創る名無しに見る名無し:2010/07/27(火) 00:55:34 ID:uIQyKcs4
気を取り直して梅
870創る名無しに見る名無し:2010/07/27(火) 01:00:31 ID:Hbu9bzVo
ちなみにこのままほっといてもそのうち落ちるよ
全部綺麗に埋めちゃいたいなら、のこり5kbだから大型AAでも貼った方が早いよ
871創る名無しに見る名無し:2010/07/27(火) 15:59:23 ID:cy4ihy7a
>>644-648の作者のものだが、自分の作品をwikiに掲載されるのは特に問題ない
というか文句を付けるほうがどうかしている

現在、他のスレでの連載をいくつか抱えているのと
設定の練りこみやストーリー構成に足りない部分があるので中断状態であり
こちらのスレに続編を掲載するのは少し難しいが
次スレが立ち、続きに興味があるという人がいるなら、書ける時間を割いてみようと思う
随分長い事放置してしまって申し訳ない
872創る名無しに見る名無し:2010/07/28(水) 01:42:56 ID:jfRxXHMp
>>871
新スレへの投下乙!
このスレはきっと、いつでも投下を歓迎するぜ!って、感じだと思うので、
これからもマイペースで投下していってね
873創る名無しに見る名無し:2010/07/28(水) 10:39:37 ID:R5b0mxz+
>というか文句を付けるほうがどうかしている

いやあんた、それは個人の都合だろう
実際に嫌がってる人もいるわけで
874創る名無しに見る名無し:2010/07/28(水) 10:45:03 ID:R5b0mxz+
とわざわざ波風たてるのもあれなので
まずはうめてしまおうか
875創る名無しに見る名無し:2010/07/28(水) 10:48:22 ID:R5b0mxz+
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
876創る名無しに見る名無し
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうぬうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ