【ウメコ】菊地美香&木下あゆ美スレ【ジャスミン】

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1名無しさん@秘密の花園
「特捜戦隊デカレンジャー」のデカピンク・ウメコ(菊地美香)と
デカイエロー・ジャスミン(木下あゆ美)のコンビ『ツインカムエンジェル』が大好きな方、
この二人が萌えて萌えて仕方ない方、ついよからぬ妄想をしてしまう方が集まるスレです。


派生元スレ
特撮@百合 第二話
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1148479926/l50


菊地美香
ttp://ogipro.com/talent/kikuchi/
木下あゆ美
ttp://www.stardust.co.jp/file/profile/kinoshita.html

特捜戦隊デカレンジャー
東映公式 ttp://www.toei.co.jp/tv/dekaren/
テレ朝公式 ttp://www.tv-asahi.co.jp/dekaren/

関連URLは>>2
2名無しさん@秘密の花園:2006/08/23(水) 19:38:20 ID:IwRzRYum
3名無しさん@秘密の花園:2006/08/23(水) 19:43:32 ID:C0/1gkE4
\(^O^)/
サンキューです!!
4名無しさん@秘密の花園:2006/08/23(水) 19:53:06 ID:ssfrkRgq
>>1
激しく乙!!!
5名無しさん@秘密の花園:2006/08/23(水) 20:34:49 ID:XkDXzela
>>1
乙!GJ!!(girls in trouble! DEKARANGER聴きつつ)
6名無しさん@秘密の花園:2006/08/23(水) 20:55:31 ID:ErpCS0+g

7名無しさん@秘密の花園:2006/08/23(水) 22:03:28 ID:mrSAV4GU
>>1
乙っ!
8名無しさん@秘密の花園:2006/08/23(水) 22:06:04 ID:C0/1gkE4
ジャス&ウメ
あゆ美&美香
怨み屋&美香(ウメコ)
何でもOKなんだね〜
嬉しいでつ!
9名無しさん@秘密の花園:2006/08/23(水) 23:04:18 ID:xk3CH8PB
 彼女の体からは少し強い花の香りがした。
 なじみのある香り。花と言うより、もっと他のところでと考えてすぐ糸が繋がった。
 そうだ、ジャスミンティーだ。
 確かめるように首元に顔を近付けると、彼女は少しうざったそうに体をよじった。
「……くすぐったい」
それでも彼女はどこか甘えるように腕に触れてくる。首筋に息と髪が当たるように角度を変えながら言葉を続ける。
「お茶の匂いがする」
「お茶?」
わざとムードの無い言い方をした私に彼女は無邪気に笑った。
「花の香りだよ。バスオイル」
「よくそんな強い匂いのお風呂に浸かっていられるわね」
「そう?」
「香りでむせそう」
「そうでもないよ」
彼女が私の首に腕を回す。顔が近付いて、また匂いがキツくなる。
 柔らかい二の腕が頬に触れて、髪が目元に触れる。くすぐったさに目を細めて、視界が狭くなると、香りは一段ときつくなった気がした。
10名無しさん@秘密の花園:2006/08/23(水) 23:18:13 ID:xk3CH8PB
「この香り、嫌い?」
「好きでもないし、嫌いでもないけど」
ただ、彼女にはあまり合っていないような気はした。
「ホント言うと、私もそうなんだ」
ゆっくり私の肩から胸元へと指でラインをたどりながら、彼女は静かにそう言った。
「『あゆ美』って子の、影響?」
ちょっとしたカマかけだった。
 初めて会ったとき、彼女が呟いた名前。
 図星だった。ゆったりとした滑らかな動きをみせていた彼女の指がぴくっと震えて動きを止めた。そして彼女はそれを隠そうともしなかった。
「……あゆ美ちゃんの影響っていえば、影響なのかなぁ。別にあゆ美ちゃんもこの香りが特別好きだったわけじゃないんだけど」
「そうなの?」
「うん。でもジャスミンだから」
そう言って彼女は笑った。
 はぐらかそうとしているのはすぐにわかった。
 それならそれでかまわない。言葉での深追いは性に合わない。
 深追いしたくなるような言葉を口にする人は、言いにくいと思いながらも言ってしまえる誰かを待っている。
 それならば意味深な表情を少し見せてただ待っていればいい。他の誰にも横取りされないように、それだけに注意を払って。
 熟した果実が、落ちるのを待っていればいい。
11名無しさん@秘密の花園:2006/08/23(水) 23:33:13 ID:xk3CH8PB
 広めの1DKのインテリアの中に、小さな小物や友達との写真がコラージュされた写真立てがあったが『あゆ美』らしき人物はいなかった。
 もちろん私は『あゆ美』を見たこともないけれど、自分の顔は知っている。私に似た子はどこにもいなかった。
 彼女の体のバスオイルの残り香が、さっきシャワーを浴びたバスルームの中に残っていた同じ香りを思い出させる。たしかにその香りはそこにあった。
 彼女の中。
 バスルーム。
 『あゆ美』の存在は一度気が付くとそれを感じずにいられなかった。
 それは、まるで残り香のようで。  
「……ねぇ、怨み屋さん?」
鎖骨に唇が触れる。思考が、奪われるように彼女へ向かう。
「名前、なんて言うの?」
私よりも小さく柔らかな手の平が、腰から背中へ、肌をゆっくりと撫でていく。
「……好きに、呼べばいいわ」

 ── 悲しい香りがする。
 私を惹きつける香り。
 人の心の闇や傷が、── 私を誘う。
12名無しさん@秘密の花園:2006/08/23(水) 23:43:38 ID:xk3CH8PB
>>1
乙です。すげぇ、ホントに立った。嬉しい(w

このまま続きを書いていくと、あゆ美ちゃんか美香ちゃんがえっらい酷い目に遭ってる方向に進む気がすんですけど、いいのかなぁ
13名無しさん@秘密の花園:2006/08/23(水) 23:58:32 ID:C0/1gkE4
続けて下さい
14名無しさん@秘密の花園:2006/08/24(木) 08:52:54 ID:gAzcMkQc
できるだけ酷い目に遭わない方向で・・
15名無しさん@秘密の花園:2006/08/24(木) 14:23:33 ID:YxebiadW
>>1
にゃはは(^∀^)v乙
16名無しさん@秘密の花園:2006/08/24(木) 23:47:06 ID:tOXwb2/0
「もう少し、腰をあげて?」
「……」
素直に戸惑いの表情を見せながらも、彼女は膝をついて腰を上げる。
 小さな子供にするみたいに脇へ手を滑らせて膝の上へと導く。膝の上へ座らせようとしたけれど、彼女は私を跨くポーズのまま膝立ちを崩さなかった。
「……やだ」
「どうして?」
「だって……」
そのまま言葉を濁す。そのまま腰を下ろせば、私の太股に直接どこか触れるのか、彼女も私もわかっている。
「じゃあそのままでもいいわよ?」
腰に手を回して軽く抱き寄せる。肩に軽くキスをすると、顔を見られなくなったことで照れが軽減されたのか、包み込むように両手で私の耳に手をあて、そのまま髪をすくようにして抱きしめてきた。
 急接近した白い肌。舌を尖らせて、そのなだらかな曲線をなぞる。
17名無しさん@秘密の花園:2006/08/24(木) 23:48:17 ID:tOXwb2/0
「跡、つけないでね?」
「そういうの嫌い?」
「好き嫌いじゃなくて、仕事柄なの」
「仕事、ね」
「うん。……ぅんっ……」
後ろから手を足の間に滑らせると、びくんと彼女の体がしなった。足を閉じようとしたのはわかったけれど、私の足が邪魔をする。
「……濡れてる」
汗とは違う液体を塗り広げていく。
「ん、んんっ……」
柔らかな花弁とその奥のしこりのような突起を単調にゆっくりと撫でる。指先が突起をなぞるたび、彼女は苦しそうに吐息を漏らした。
「気持ちいい?」
「……や……」
頭を抱きしめる腕の力がしがみつくための力に変わる。体をよじる彼女にあげるのは、指ではなく、意地悪な言葉。
「嫌ならやめるけど?」
「……や、じゃない……」
はぁ、と彼女が大きく息をつく。
「……もっと、ちゃんとして……?」
その言葉を聞いて、笑みが漏れた。ぎゅっと私にしがみついたままの彼女には見えるわけもないけれど。
「……しかるべく」
顔をずらせて、白い胸の中央の突起を口に含む。もうすでに固くなった突起を軽く唇で挟んで舌でつつくと、彼女の体がびくんと震えた。
18名無しさん@秘密の花園:2006/08/24(木) 23:49:19 ID:tOXwb2/0
 指で花弁の割れ目をなぞる。そこからトロリと液が溢れ出す。
「簡単に入りそう」
「……そん…なこ……、ん、んんっ……!」
言い終わる前に、ほんの入口に指を沈めた。彼女の息遣いが不規則になり始める。
 強張った体を、背中を、抱きしめて、ゆっくり指を沈めていく。指を締め付けてくる中が熱い。
「……ちょ、っと、待って」
背中を丸めて彼女が私の肩に額を押しつける。
「……ちょっと、痛い……」
「まだ中指しか入れてないわよ?」
「だって痛いんだもん……」
すねたような声をだして、彼女がゆっくり息を吐く。そして膝を曲げてぺたんと座り込んだ。
 彼女と自分の足に挟まれた手は動かせなくて、私はそのまま彼女の動きを待った。
19名無しさん@秘密の花園:2006/08/24(木) 23:49:54 ID:tOXwb2/0
 小さな体。そして、あたたかい手。
 初めて会った時と変わらない。
 あの時、彼女は泣いていたんだろうか。そんなことを考え始めたとき、彼女が「ん」と小さく呟いて、顔を上げた。
「……ん、大丈夫。……動かしても平気」
「どうせなら『動かして?』っておねだりしたら?」
「……意地悪だなぁ、もぅ」
「そぅ?」
拗ねたような、照れているような顔が可愛くて、軽く鼻にキスをした。
 周りを撫でながら、指をもう一本増やす。少しキツいかと思ったけれど、十分に濡れたそこは私をたやすく受け入れた。
「……んぅ……」
指を動かしながら、彼女の肩をつかんでシーツの上へと押し倒す。
「……そんなに、見ない、で」
その注文に応えて、私もその体に覆い被さるように横になる。
 胸に手を添えて、突起を指先で捕らえる。指の腹で転がすと、彼女の締め付ける力が強くなった。
「……あっ……や、あ、ぁん……」
汗ばんだ体から、花の香りがする。
「……ジャスミン」
つい呟いた私の声を聞き取って、彼女は薄く目を開けた。
「……ジャス、ミン……?」
ぼぉっとした目をして、ゆっくりと瞬きをして、彼女の体から、力が抜けた。
20名無しさん@秘密の花園:2006/08/25(金) 00:39:08 ID:Lwjcnhcl
…あゆ美ちゃんはもう…
…この世の人ではないのか?(;_;)
21名無しさん@秘密の花園:2006/08/25(金) 09:58:35 ID:Lwjcnhcl
怨み屋の冷徹で意地悪だけど、ちょっと優しい…
雰囲気がよく出てますね。続きも楽しみ!
22名無しさん@秘密の花園:2006/08/25(金) 15:16:01 ID:rxSWQaVm
四六時中二人の妄想が止まらない!テラヤバス!
という訳で長編を準備中なのですが、怨み屋の話を書いている方、
もうすぐで完結しますでしょうか?
話の間に長文投下するのは悪いので…。
23名無しさん@秘密の花園:2006/08/25(金) 19:39:57 ID:Lwjcnhcl
私はいろいろ読みたい人です
24怨み屋の話を書いている人:2006/08/25(金) 23:15:03 ID:2gBj/wbD
行き当たりばったりなのでどうなることやら…。
ちょっと怨み屋本舗を見ながらあゆ美ちゃんの状態を考えてみる。

その1.保険金目当てで殺されている。
→誰にだよ。
その2.H中のビデオを撮られて揺すられた。
→その相手、美香ちゃん……?
その3.妬まれて隣人から嫌がらせを受けている。
→そのまま美香ちゃんトコに転がり込みそうだなぁ。
その4.継父から性的暴力を受けて自殺未遂。
→あゆ美ちゃんは愛知出身の一人暮らしでつよ。
その5.少年グループに拉致されて美香ちゃんの目の前で陵辱され、自殺に見せかけて殺される。
→話になりそうだが嫌だ。
その6.前世で結ばれていたと信じているヲタから逃げて失踪。
→5とは違う意味で嫌だ。
その7.愛人に結婚相手を殺させて、愛人を怨み屋に殺人依頼。
→美香ちゃん、逃げてーー!!!

結論。先延ばし。
25名無しさん@秘密の花園:2006/08/25(金) 23:18:27 ID:2gBj/wbD
 朝、彼女のキスで目が覚めた。
 気怠い朝。
 最初、キスをされたと認識するまで時間がかかった。
「……」
触れるだけの柔らかいキスだった。
「……起きた?」
「……ええ」
呟いた声をちゃんと聞いたのか疑問に思うくらいのタイミングで唇が触れる。
 また行為を始めたいのかと思うくらい、彼女は手で唇で、私に触れた。
 頬、額、髪、首、肩。
 彼女の視線は自分の手で触れた箇所を追う。
 そして満足したら、印のようにキスをする。
 目を細めて、どこか切ない笑顔をみせて。
「……どうしたの?」
「……『ウメコ』って言ってみて?」
「『ウメコ』?」
今度は誰なの、と素直に思った。
 昨日の夜「『あゆ美』って呼びたかったら呼んでもかまわない」と私は言った。彼女はごまかすみたいに笑っただけで、一度もその名前を口にはしなかったけれど。けれど、他の子の名前を呼んで、と言われるなんて思ってもみなかった。そんな話、聞いたこともない。
「お願い」
「……」
包み込むように私の頬に両手を添えて、まっすぐに私を見下ろす。
 その視線が、単なる戯れではないことを私に伝えていた。
26名無しさん@秘密の花園:2006/08/25(金) 23:19:10 ID:2gBj/wbD
 理由はわからない。けれど、私が他の子の名前を口にすることが、彼女の中で大切な意味を持っているようだ。
 私は起きたばかりの乾いた喉を唾液でなじませて、ゆっくり声を出した。
「……ウメコ」
「……うん」
「ウメコ」
「うん」
彼女の指が震えて、そして私に覆い被さるように崩れた。
 そして、ぎゅっとシーツを握りしめて、もう片方の手で私にしがみついて、彼女は泣き出した。
「……っく、う……」
はっきりと嗚咽が聞こえ、肩が濡れるのを感じた。彼女の涙が私の肩を伝わり、シーツに落ちていく。
 腕を伸ばし、彼女の体を抱きしめる。
 彼女の気の済むまでこのままでいるのも悪くないと思った。
 もし彼女が泣き疲れて眠ってしまうのなら、彼女が目を覚ましたとき、今度は私からキスをしてみよう。
 ゆっくり髪を撫でながら、どちらの名前を呼んだ方がいいだろうと少し悩んでから、私は彼女の名を選んだ。
「……美香」
どちらがいいのかわからなかった。だから私は私の呼びたい名を選んだ。
27名無しさん@秘密の花園:2006/08/25(金) 23:19:40 ID:2gBj/wbD
 やっぱり似ている、と、彼女は卵焼きをフォークでつつきながら言った。
「寝顔とか、そっくり」
そしてどこか照れくさそうに笑って「Hの時はそうでもないけど」と付け加えた。
 彼女の煎れてくれたコーヒーを飲みながら、彼女の言葉を拾っていった。
 説明しているわけではない。「あゆ美ちゃんは寝起き悪かったな」とか「卵は半熟がいいんだって」とかそんな断片にもならない、欠片のような話。
「その子は、今、どうしてるの?」とストレートに聞いてみたら、「教えない」と笑顔で返された。
 それ以上聞けない、迫力に似た雰囲気がそこにあった。

 彼女からは、悲しい香りがした。
 肉体的にしろ精神的にしろ、理不尽な暴力を受けて傷ついた者と同じ香りがする。
 なにがあったのかはわからないが、なにかがあった。勘、と言ってしまえばそれまでだけれど、私は自分のその勘を信用している。
 その香りを嗅ぎ分けて、その香りに誘われて、私は仕事を請け負っているのだ。
28名無しさん@秘密の花園:2006/08/25(金) 23:20:29 ID:2gBj/wbD
「まだ、私の名刺は持っている?」
「うん。持ってる」
「もし怨みをはらしたい相手がいるなら、名刺の携帯に連絡して。格安で請け負うわよ?」
彼女は少しきょとんとした顔を見せて、それから小さく笑った。
「それ以外のときは名刺の裏の携帯?」
「そうね」
「ロジャー」
彼女はそう言って笑うと、軽くウインクして見せた。
「怨み屋さん」
玄関のドアを開けたところで呼び止められて振り返る。
「なに?」
「……ありがと」
「どういたしまして?」
彼女が笑って小さく手を振ったから、同じように手を振り返した。そして、彼女の部屋を後にする。
 エレベーターホールに入る前に振り返ったが、扉はあたりまえだけれど閉まっていた。
 息をついて、エレベーターのボタンを押した。

 ……私を誘っているのは、本当に悲しい香りなんだろうか?

 不意に疑問が浮かぶ。
 私を誘っているのは……。
 思考をわざと止める。あまり考えない方がいい気がした。
 ため息をついて、肩にかけた鞄をかけ直す。
 その時、かすかに、ジャスミンの香りがした。

 END.
29名無しさん@秘密の花園:2006/08/26(土) 07:22:31 ID:VFy7gUP7
さすがに怨み屋さんが登場すると、今までよりグッとアダルトな雰囲気になりますね。…そこがまた良かったですよ!
>>22さん
もう出来上がってるんですか?
お待ちしてます。
30名無しさん@秘密の花園:2006/08/26(土) 10:23:29 ID:SoFdxFBj
>>29
妄想が爆発して2作作ってしまいましたw
片方が出来ているので今から投下します。

http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1148479926/213-218
派生元スレの鹿児島イベント話の続きになります。完結編です。
31シーン1 美香の部屋:2006/08/26(土) 10:26:51 ID:SoFdxFBj
『件名:あゆ美ちゃんへ
本文:ミカは、あゆ美ちゃんが大大大スキです♪♪
私と付き合ってください(^O^)』

携帯の下書きBOXに入りっぱなしのメールは、今日も送信できなかった。

鹿児島でのイベントでの夜、あゆ美ちゃんと1回だけしたキスの感触が、いまだ口から離れない。
抱き合ったときの体温。掛けてくれた言葉一つ一つ。やさしさ。

デカレンジャーファイナルライブも終盤間近で、私は現場と自宅で泣いてばっかりだ。
みんなと別れること、デカレンジャーが終わってしまう事の寂しさはもちろんだけど、加えてあゆ美ちゃんへの気持ちが日に日に強くなり、抑えきれなくなっていることへの戸惑いも手伝った。

あゆ美ちゃんには、今まで何度か面と向かって「好き」と言っている。
ホームページのコメントにも書いたことがあった。
毎回、あゆ美ちゃんは「ありがとう」とにこにこしてくれた。

あゆ美ちゃんと付き合いたいって、どういうことだろう?
あゆ美ちゃんは、かっこよくてやさしい男の人のお嫁さんになって、幸せな家庭を築くのを望んでいるはずだ。
告白したら、どうなるっていうの?付き合い始めたら、どうなるっていうの?
肉体関係にまでなりたいってこと?お友達の関係のままなら、ダメなの?
わかんないよ。どうしたいの私。

デカレンジャーの仕事に行くのが、とても楽しみで、とても辛い。
私は真っ赤になった目をティッシュで一度抑えてから、家を出た。

32シーン2 駅:2006/08/26(土) 10:29:45 ID:SoFdxFBj
「みなさん、本当にお疲れ様でしたー!」
デカレンジャーファイナルライブツアー千秋楽から戻り、メンバーとスタッフさんとは駅で解散した。
本番、打ち上げ、移動。とてもじゃないけど、あゆ美ちゃんに告白する雰囲気とタイミングはなかった。

散り散りになっていくみんなの後姿。また泣きそうになってきた。
「みんなぁ〜、ありがとー!!また絶対集まろうねー!!」
私は人目を気にせず、駅で大声を出した。みんなが振り返り、笑顔で手を振り返した。

駅でタクシーを拾い、自宅に向かう。
千秋楽から今までずっと周りに誰か居たけど、やっとここでひとりぼっちになった。
デカレンジャーの思い出が、次々と浮かんでくる。

オーディション。顔合わせ。制作発表。稽古。アフレコ。京都ロケ。地方ライブ。打ち上げ。最終回。
『じゃあな、ウメコ』『元気でいろよ』『また会おうな』『辛い事があっても泣くんじゃないぞ』
メンバーが一人一人私の周りから遠くへ離れては消えていく。

『…美香ちゃん、今までどうもありがとう。さようなら』
最後はあゆ美ちゃんだ。
…嫌だ。行かないであゆ美ちゃん。
私の側に居て。

「お客さん、大丈夫ですか。何かあったんですか」
運転手さんの声で、我に帰った。
また、泣いていた。
「大丈夫です。すみません…」
33シーン3 美香の部屋:2006/08/26(土) 10:31:22 ID:SoFdxFBj
私は携帯を手にし、メールの下書きBOXを起動していた。
あゆ美ちゃんに気持ちを伝えたい。送信ボタンに手をかけた。

急に、「付き合ってください」の部分が不安になった。
削除して、「また遊んでください」に変えた。
この文でいいのかどうかわからない。自分でも何をしたいのかもわからない。
手紙が飛ぶアニメーションが終わり、「送信完了しました」の文字。

自宅に戻って、ベットに倒れこむ。
タクシーでメールを送ってから、ずっと携帯を握り締めたままだ。
早く返事が欲しい。待っている間の一分一秒がいつもよりずっと長い。
疲れているのに、携帯が気になって寝付けない。

うとうとして眠りかけてたころ、携帯の着信音が鳴り響き、はっと目を覚ました。
返事が来た。

『件名:私も!
本文:美香ちゃんのこと大好きだよ\(^O^)/ また遊ぼ〜☆』

私はすぐに返信を書いた。

『件名:Re:私も!
本文:やったぁ! じゃあ早速しつもーん♪ いつ暇?p(^^)q』

次はいつ会えるかわからない。
気が早過ぎるかもしれないが、今すぐにでも会いたかった。
34シーン4 あゆ美の部屋:2006/08/26(土) 10:32:32 ID:SoFdxFBj
私は、あゆ美ちゃんの自宅へ向かっている。
数回のメールのやり取りの後、あゆ美ちゃんの家で宅飲みをすることになった。
と言っても、企画の大部分は私のリクエストだ。あゆ美ちゃんの家に遊びに行きたかった。

今夜、思い切って告白する。
その先どうなるかはわからない。嫌われてしまうかもしれない。でも、こんな辛い気持ちのままなのは、もう我慢できない。
デカレンジャー関係の仕事はほとんど終わり、あゆ美ちゃんと共演することはほぼ無くなる。
もっと前、撮影期間中に告白して、もし振られたら、仕事中ずっと気まずい思いすることになっただろう。
でも、たとえ変に思われても、振られてたとしても、今日告白してから離れ離れになって時間を置けば、いつか笑って話せる時が来るに違いない。
チャンスは、今夜しかない。

玄関のチャイムを鳴らすと、中からエプロン姿のあゆ美ちゃんが現れた。
「今、晩御飯作ってたとこなの。さあ、上がって上がって」

さま〜ずの番組で公開されていた通り、あゆ美ちゃんの自宅は庶民的で生活感に溢れていた。
「何作ってるの?」
台所に向かっているあゆ美ちゃんの横から覗き込んだ。
「ハヤシライス。得意なんだ。出来るまで向こうで待ってて」
鍋の中からいい臭いが立ち込める。
うぅ、おいしそう。
かわいい上に料理が上手いなんて、女の子として完璧じゃないか。ずるい。
35名無しさん@秘密の花園:2006/08/26(土) 10:33:13 ID:SoFdxFBj
料理ができる間、何となく私は部屋を見回した。
スノーボード、エレキギター、英会話の本、小説、映画のDVD、プレステ…何だか多趣味っぽい。

とんとんとん、と、何かを刻む音。
エプロン後ろ姿のあゆ美ちゃんが見える。長い髪が掛からない様後ろに縛っている。セクシーだ。
料理の手つきは滑らかで、いつも自炊をしていることがわかる。
旦那さんだったら、毎日あゆ美ちゃんの手料理が食べられるんだ。
私は、誰かもわからない男に嫉妬した。私が代わりに旦那になりたい。あゆ美ちゃんなら、絶対いいお嫁さんになる。

あゆ美ちゃんと、結婚、かぁ…。
女同士って、できるものなのかな。
告白することに怖気づきそうになり、あわてて気を持ち直す。

おいしいハヤシライスをご馳走になった後、録画していたデカレンジャーを見ながら、しばらく思い出話に花を咲かせる。
話しながらも、どうやって告白に持って行くか脇で考えてしまい、たびたび会話が上の空になった。

お酒を飲む。いつもよりペースが速い。
お酒の力を借りて、酔いの勢いに任せようとしている自分に嫌気が刺した。
私の弱虫。
36名無しさん@秘密の花園:2006/08/26(土) 10:34:56 ID:SoFdxFBj
身体が、熱くなってきた。

座ったまま、お尻を使ってすりすりとあゆ美ちゃんの隣へ移動して行く。
酔うといつもべたべたしたくなる。
相手があゆ美ちゃんなら、尚更。

「あゆ美ちゃ〜ん」
あゆ美ちゃんの肩に頭を乗せる。細い腰に手を回す。
「まーた飲みすぎちゃって。フフ」
あゆ美ちゃんが私に微笑む。顔の距離が、近い。

「あ…」
あゆ美ちゃんの口から声が漏れる。
ちゅっと一瞬だけキスをした。
今度は、私の方から行った。

きょとんとしているあゆ美ちゃんの言葉を待たずに、二回目。

…5秒。10秒…。

「…んっ、んっ…」

ばたん!

キスをしながら、私があゆ美ちゃんを押し倒す形になった。
足がテーブルにぶつかり、グラスが倒れた。こぼれ出たお酒が、絨毯に染みを作っていく。
37名無しさん@秘密の花園:2006/08/26(土) 10:36:18 ID:SoFdxFBj
「はぁっ…、はぁっ…」
私の息づかいが荒くなっていた。
いつも明るく振りまっている私の姿は、そこには無くなっていた。
「え、え、美香ちゃん…?」
言葉をかけずに、三回目。

強い抵抗こそしていなかったものの、
キスの秒数が長くなるにしたがって、あゆ美ちゃんが身体を強張らせているのが伝わった。

「今日の美香ちゃん、変だよ…。どうしたの…?」
「あゆ美ちゃん…。あゆ美ちゃん…」

むらむらしてキスして押し倒してしまったけど、これから、どうしていいかわからない。頭の中は真っ白になっていた。

私の手が、あゆ美ちゃんの胸に延びていた。服の上から膨らみを触る。
「…痛っ。痛いよ。痛いよ、美香ちゃん」
焦っていたのか、思った以上に力が入っていた。
あゆ美ちゃんの手が私の腕を掴む。
「やめて…」
あゆ美ちゃんが小さな声で呟いた。

「……!」
38名無しさん@秘密の花園:2006/08/26(土) 10:37:00 ID:SoFdxFBj
慌てて私はあゆ美ちゃんから身体を離した。
あゆ美ちゃんが嫌がっている。
自分への嫌悪感と罪悪感でいっぱいになった。

一年半みんなとがんばって作り上げたデカレンジャー。
作り上げたチームワーク。
辛かったけど、振り返るとかけがいの無い思い出。
私とあゆ美ちゃんとの仲。
そのすべてを、私の今の行動でぶち壊した気がした。
取り返しのつかないことをした。

「うぁぁぁぁぁ! あゆ美ちゃん、ごめんなさい!ごめんなさい!!」
大粒の涙が溢れ出た。「ごめん」を連発していた。

「…あゆ美ちゃん、私は、私は…。
…あゆ美ちゃんが、好きで、好きで、しょうがなくなってきて…、
…だから、だから……」

言葉が続かない。
「付き合う」「恋人」「結婚」というフレーズが浮かんで来て、すぐに打ち消す。
そんな言葉かけられる訳が無い。
39名無しさん@秘密の花園:2006/08/26(土) 10:37:48 ID:SoFdxFBj
あゆ美ちゃんは、ずっと心配そうな顔をしながら、黙って私の言葉に耳を傾けている。

「だから…。……だ か  ら……」

ダメだ。
自分の気持ちがうまく説明できない。言葉で出てこない。

あゆ美ちゃん、ジャスミンみたく、私の気持ちをエスパーで読み取ってよ。お願い。


「美香ちゃん!」

あゆ美ちゃんは、私を抱きしめた。

「かわいい。…美香ちゃんかわいいよ。
美香ちゃんだったら、絶対素敵な男の人が現れて、美香ちゃんを幸せにしてくれるよ。
私も近くに居るから。寂しくなんかないよ」
「えっ…?」

本当に、あゆ美ちゃんがエスパー能力を使ったのかと錯覚した。

「…あゆ美ちゃん、…私、私…、あゆ美ちゃんとずっと一緒に、居たい…」

「…気持ち、すっごく嬉しいよ。
…でも、私、美香ちゃんの気持ちに応えられそうにない。
ずっとずっと、いいお友達でいよう?
…ごめん」

40名無しさん@秘密の花園:2006/08/26(土) 10:38:30 ID:SoFdxFBj
振られた。


全身の力が抜けた。

気持ちをきちんと伝えられたからかもしれない。結果が出たからかもしれない。
まとわり付いていた不安が、すーっと抜けていった。
私の不埒な行動と、しどろもどろの告白を拒絶することなく受け止めてくれた事が、何より嬉しかった。

「あゆ美ちゃん、あゆ美ちゃん…」
私はあゆ美ちゃんの胸の中で、泣きながらありがとうとごめんなさいの言葉を繰り返す事しかできなかった。
41シーン5 朝:2006/08/26(土) 10:39:43 ID:SoFdxFBj
鳥のさえずりが聞こえる。窓から光が差し込んでいる。
外は朝になっていた。いつの間にか寝てしまったのだろうか?

すぐ横にあゆ美ちゃんの寝顔があった。
…くやしいぐらいかわいい。
同じベットに同じ布団。眠りながら、あゆ美ちゃんの手は私の手をしっかりと握ってくれていた。
酔っ払った私を、また寝かしつけてくれたのだろうか?
あゆ美ちゃん、いい子過ぎるってば。
もう、忘れることなんて、無理だ。

キスしたい。あゆ美ちゃんの寝顔に。
…いけない。
私は衝動をぐっと堪えた。
もう、終わったんだ。デカレンジャーも、私の恋も。
私は寝たふりをしながら、あゆ美ちゃんが起きるまで添い寝を楽しんだ。

42ラストシーン 玄関:2006/08/26(土) 10:40:38 ID:SoFdxFBj
「じゃあ、そろそろ行くね」
荷物をまとめて、私は玄関に向かった。

ちょっと、気まずい。
あゆ美ちゃんが作ってくれた朝ごはんを二人で食べているときも、沈黙の時間が多かった気がする。
恥ずかしくて、顔をまともに見ることができない。
告白なんてしない方がよかったんだろうか?

「次は、映画の「VS」の撮影の時かな。それまで元気でね!」
恥ずかしさを押し殺して、私は明るい声を出す。

「美香ちゃん」
ドアを手にかけたとき、あゆ美ちゃんが私を呼び止めた。
「ん?」
43名無しさん@秘密の花園:2006/08/26(土) 10:41:27 ID:SoFdxFBj
「また、遊びに来てね。
仕事で辛い事があったら、いつでも連絡して。
たくさん、お話しようね」

「…あゆ美ちゃん…。


…最後に、私のお願いを聞いて。


…もう1回だけ、キス、したいな」


自分でも何を言ってるんだろうと思った。


「…えぇ!? もう。 ほんとにこれが最後だよ?」


唇と唇が重なる。



…やっぱり、また好きになってきちゃった。


   おわり
44名無しさん@秘密の花園:2006/08/26(土) 12:26:28 ID:SoFdxFBj
補足。
美香ちゃんがメール送ってからあゆ美ちゃんの家に遊びに行ったのは数日後という設定です。
読み直してみたら、ツアー終わったその日に遊びに行ってるように取れるorz
45名無しさん@秘密の花園:2006/08/26(土) 15:36:34 ID:VFy7gUP7
ラストの美香ちゃんの切ない気持ち、分かります。
私もあゆ美ちゃんの事、死ぬ程好きですから‥
でも明るく生きなくっちゃ、頑張ろう!って気持ちになりました。
次も期待です!
46名無しさん@秘密の花園:2006/08/26(土) 22:20:40 ID:86NDo2bM
ここや元スレの作品に触発されて、ツインカムのネタを妄想しながら仕事してました(w

ちなみにネタも思い浮かんだんですが、長すぎるんで少しまとめてから投下してみます。
47名無しさん@秘密の花園:2006/08/27(日) 01:52:53 ID:L9k7F3lW
>>46
特撮百合スレに誘導され、やってきましたが、妄想がこんなに楽しいとは思いませんでした(^∀^)
短篇書く練習してみよっかな〜なんて気になってしまいました。
ツインカムの長編、楽しみにしてます!
48名無しさん@秘密の花園:2006/08/27(日) 16:39:16 ID:Y4fc9JoA
少し探すけど、菊地美香&木下あゆ美ちゃん などアイドルの激やばエロ動画・画像・無料でDLできました!
http://tool-7.net/?7fuji
49名無しさん@秘密の花園:2006/08/27(日) 16:58:04 ID:GlMynQGg
(´・ω・`) やあ
あゆみタソには、ある日突然パイパイがもげる呪いをかけた。
だが君達は運がいい。
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/car/1156428104/
 ↑
このスレに
あゆみタソの、横パイと谷間とおしりのどれが好きかを書き込めば呪いは解ける。
但しマンコと書いた場合は呪いは解けないので注意してもらいたい
後で結果発表するかもしれないよ
50名無しさん@秘密の花園:2006/08/27(日) 23:28:51 ID:poPc4IA9
191名無しより愛をこめてsage2006/08/27(日) 20:35:23 ID:Ug4nuPXB0
俺、あゆ美タンと美香タンの官能小説はハァハァできるのに、
どうしてあゆ美タンと男の官能小説はすげー白けるんだろう。

192名無しより愛をこめてsage2006/08/27(日) 22:23:44 ID:+/J5RDNzO
>>191
それはズバリこの二人が、デカのツアー中、
本当にレズっぽく見えた‥という人が多いからです。
51名無しさん@秘密の花園:2006/08/28(月) 01:22:31 ID:fV445JG+
>>50
この二人がレズっぽく見えたのはツアー中に限らない気がするんですけど。

こっぱずかしいのを書きたくなったので、こっぱずかしく書いてみました。投下。
52名無しさん@秘密の花園:2006/08/28(月) 01:24:11 ID:fV445JG+
 ちっちゃくてちょこちょこしたとことか、わりと感動屋で泣き虫なとことか、可愛いし。
 けっこう面倒見のいいとことか、年下なのにお姉さんっぽいとことかも好き。
 屈託のない笑顔とか、真剣な横顔とかも。
 一緒にいると楽しい。
 会わない時間が長いと「どうしてるかな」って気になる。

 でも、この気持ちが「恋」かと聞かれたら、それはちょっとどうなんだ?

「あゆ美ちゃん、大好き」って言われると嬉しい。何回言われても同じように嬉しい。
 嬉しいんだけど、でも、その美香ちゃんの言葉が「愛の告白」かと問われたら、それはどうなのよ?

『ウメコは無条件にジャスミンのことを大好きなんだけど、ジャスミンはどうなの?』っていう美香ちゃんの疑問は両思いだって答えを出してもらえたけど、私の気持ちの答えは自分で感じなきゃ出てこない。
53名無しさん@秘密の花園:2006/08/28(月) 01:25:47 ID:fV445JG+
「うーむ」
「なにうなってんの?」
「いやいや、独り言」
「失敗でもしたのかと思った」
「だいじょうぶい」
トントンとフライパンの柄を叩いて整える。
「アサリのボンゴレ、出来上がり」
「うん、おいしそう!」
私の肩に手を置いてフライパンを覗きこんだ美香ちゃんが笑顔を見せる。
 可愛いなぁとは思うけど、ドキドキしない。
 こんなにそばにいても、触れられても、ドキドキはしない。
 これって「恋愛の好き」とは違うってことじゃないのかな。
 じゃれてるのは楽しいし、近くにいると安心する。
 ……美香ちゃんとするキスも、嫌いじゃない。
54名無しさん@秘密の花園:2006/08/28(月) 01:26:18 ID:fV445JG+
「早く食べよー?」
テーブルにフォークとスプーンを2人分用意して、お皿を2枚。
 そこにいるのは、一緒にデカレンジャーをやっていたときと同じ美香ちゃん。
 これって、仲のいい友達関係とは違うのかな。
 キスも、まぁ人によるけど、女の子同士ならスキンシップの範囲だし。
 ……もしかして、美香ちゃんは、そのつもりだったのかな。
「……ぉ」
考え事をしながら食べていたら、ぼろぼろアサリをテーブルの上にこぼしていた。こっそり指で拾い上げていると、美香ちゃんにティッシュを箱ごと差し出された。
「ちゃんと拭いたほーがいいよ」
……やっぱり見られていたか。
「相変わらずだなぁ」って、美香ちゃんは笑った。
「なにか考え事?」
「……うーん……」
考え事には違いないんだけど。
 思わず苦笑いする。夕ご飯中の会話としては不適切な気がするな。
55名無しさん@秘密の花園:2006/08/28(月) 01:28:05 ID:fV445JG+
「あゆ美ちゃん?」
美香ちゃんの声と重なるように携帯が鳴った。
 美香ちゃんの携帯だ。テーブルの上で携帯のライトが何度か光った。
「メールだ」と小さく呟いて、美香ちゃんが携帯を手にする。
 メールかと思って、ボンゴレを口に運ぶ。
 別に携帯を手にしたからって何とも思わなかった。けれど、美香ちゃんが携帯の画面を見ながら笑ったとき、ちょっとむっとした。
 ……あれ?
 眉間に。
「眉間にシワよってる?」
つんと人差し指で眉間をつつかれた。
「……む」
「あゆ美ちゃん?」
「……」
眉間にシワ、よってるなぁ……。
 笑うとシワよっちゃうことは知ってるけど、明らかにこれは違う。
 もしかしてヤキモチやいてるのか、私。
 別に携帯のメール見るくらい気にならないけれど、そんなに嬉しそうに見るのがむっとくる。 
 これはもしかしなくてもヤキモチかな?
 ……好きでもない相手にヤキモチって、独占欲強すぎないか、私。
56名無しさん@秘密の花園:2006/08/28(月) 01:29:07 ID:fV445JG+
「どーした、あゆ美ちゃん」
「……美香ちゃん、私のことが好きって言ってたのに」
「うん、好きだよ」
「でも他の人との方が嬉しそうだよね」
「え?」
「声優さんたちとも仲良しだし」
美香ちゃんのきょとんとした顔に我に返った。
「……」
「……」
テーブル越しに向かい合って座っていた美香ちゃんがフォークを置いて、四つん這いで私の隣に来る。
「あゆ美ちゃん」
「……ごめん」
なに言ってるんだろう、私は。
 私にだって他にも好きな友達がいる。美香ちゃんにだっていてあたりまえだし。仕事をこなしていく上で仲がいい人が増えていっても当然なのに。
「なんで謝られてるのかわからないよ?」
「……うん、ごめん」
なんだか自分が情けない。この雰囲気をなんとかしたくて笑ってみる。
57名無しさん@秘密の花園:2006/08/28(月) 01:30:13 ID:fV445JG+
「あゆ美ちゃんの悪い癖だよ」
「え」
「あゆ美ちゃん、大事なことはひとりで抱え込んじゃうんだもんね」
「……」
それ、前にも言われたことがある、と思った。
 美香ちゃんに、言われた。
 『思ったことはばーっと言うくせに、ホントに大事なことは胸に秘めちゃう』って。『だから心配なんだよ』って。
 そう言われたときはそうかな?って思ったけど、そうなのかもしれない。
「……美香ちゃんの『好き』ってよくわからない」
「え?」
「他の人にも『好き』って普通に言ってそうだし」
「ええ!?」
「……」
美香ちゃんが、ホントに驚いたみたいに、何度か口をぱくぱくさせた。
「え、えーと」
まるで自分を落ち着けようとしてるみたいに、手を上下に振って。
 それから、私をまっすぐにみた。
「……私、あゆ美ちゃんに『大好き』って言ったよね?」
「言われた」
「……キスもしたよね?」
「したけど」
「……あゆ美ちゃんは……」
美香ちゃんの言葉が、消え入るように途切れた。
 視線が不安げに揺れる。
 その目を見て、心臓がどくんと音を立てた。
58名無しさん@秘密の花園:2006/08/28(月) 01:30:47 ID:fV445JG+
 ……なんだぁ、と、思った。
 どんなにそばにいても、触れられても、それが普通だったから、ドキドキしなかったんだ。
 まだ互いの名を呼ぶことさえぎこちなかったときから、そばにいた。
 まだ好きになる前に、私達は手をつないでいた。
 友達以上の気持ちを持つ前に「大好き」って言葉を使っていたからうまくわからなかっただけなんだ。
「美香ちゃん」
ちょんと、軽く頬をつつく。そしてその頬にキスをした。
 あ、やっぱりそうだ。
 私、今、すごくドキドキしている。
 そのことがなんだか嬉しかった。
「……あゆ美ちゃん、また眉間にシワよってる」
「あー、うん。そうかも」
だって顔が緩む。美香ちゃんも当然わかってるみたいで、吹き出すみたいに笑った。
 美香ちゃんが私の眉間を軽くつついて、頬に手を添えた。
 視線を交わしてから、目を閉じる。
 今までで一番照れくさいキスだった。
「あゆ美ちゃん、大好きだよ?」
「……うん。私も大好きだよ」
美香ちゃんも一番、照れくさい顔をしていたような気がした。

END.
59名無しさん@秘密の花園:2006/08/28(月) 01:52:26 ID:F0noL8oE
いやーこのスレ最高!
純愛系が投下される辺りガチで愛されてるんだなぁ。
60名無しさん@秘密の花園:2006/08/28(月) 03:19:44 ID:L8qtO5P1
>>51
二人の性格とか良く掴んでますね‐
本当可愛いね‥この二人(゚_゚)(。_。)…
いろんな作品が投下されてきて、嬉しい限りでつ!
61名無しさん@秘密の花園:2006/08/29(火) 02:39:35 ID:R/UyJu4h
たまらん(;´Д`)
62名無しさん@秘密の花園:2006/08/29(火) 07:23:38 ID:LattqBC2
GJ!
ふと思ったがメール送ってきた相手は誰だろ?
笑えるメールってことは・・・・・・小清水かw
63名無しさん@秘密の花園:2006/08/29(火) 19:59:21 ID:ViluGPYf
今日のあゆ美ちゃんの日記に美香ちゃんの事、ちょこっと書いてあったね。
二人一緒に水着で巻頭グラビアとかやってくんないかなぁ? 
とにかくツーショットで見たいんです・・・
64名無しさん@秘密の花園:2006/08/29(火) 21:09:06 ID:R/UyJu4h
>>63
美香の件詳しく!!
65名無しさん@秘密の花園:2006/08/29(火) 21:50:34 ID:JP+mAypw
>>63
「HOLIC」が怨み屋っぽいって聞いて読み始めてハマったって。
作者つながりで「ツバサクロニクルは友達の菊地美香ちゃんがモコナの声をあてるってきいたから何冊か持ってたんだけど、みたいな話。
66名無しさん@秘密の花園:2006/08/29(火) 21:55:52 ID:ViluGPYf
>>64
美香ちゃんが「ツバサクロニクル」のモコナをやってたので、原作本読んでますよ‐みたいな内容だった。
やっばりお互いの仕事も気になるんだろね。
67名無しさん@秘密の花園:2006/08/29(火) 22:29:36 ID:p7aZKYwz
美香もあゆ美も、お互いに気になるんだったら、いっそのこと付き合えばいいのに…と普通に考えちゃう(w
そのくらいこの二人は、一緒にいると画になるんだよね〜。

チラ裏ながら、美香の看護士とあゆ美の女医での百合妄想して萌え(w

ドジっ娘の美香にお仕置きする、白衣のあゆ美先生…(*´Д`)ハァハァ
68名無しさん@秘密の花園:2006/08/29(火) 22:45:53 ID:ViluGPYf
>>67
それいいね〜!
いろんな役柄設定をしていくと、もっと面白くなりそうだね。
女医と看護士の、って聞いただけでエロい!
小説キボン♪
6967:2006/08/30(水) 00:08:20 ID:G587lErj
>>68
一応役柄の設定として

美香@看護士

・小児科勤務。まだ看護学校卒業後間もない新米。

・せっかち故にドジが多いが、持ち前の明るい性格で周りを和ます。

・でも内心は引っ込み思案で、男女の付き合いに関しては奥手で受け身的。

・一応彼氏はいるが、それが元の悩みが多く頭痛の種になってる。
7067:2006/08/30(水) 00:24:53 ID:G587lErj
あゆ美@女医

・美香と同じく小児科勤務。

・ややクールな面がありつつも、気さくで患者である子供たちと一緒に遊んだりするため、
子供から大人まで、幅広く人気のある先生。

・バリバリ仕事をこなしながらも、実は家庭的。
たまに看護士のみんなにクッキーを焼いて持ってきたりする。

・美香とは病院内では、一番の仲良し。

・美香同様に彼氏はいるが、正直冷めてきてる。
71名無しさん@秘密の花園:2006/08/30(水) 00:45:29 ID:XfLa4OUy
>>70
役柄はいい感じだけど
あゆ美ちゃんはショートヘアでしょうか?
女医ならロングがいいな‐なんて、個人的希望ですいません…
72名無しさん@秘密の花園:2006/08/30(水) 04:00:52 ID:YwgAsRAh
女医と看護婦ハァhァ…
やっぱりスレ独立して正解だったなw
73名無しさん@秘密の花園:2006/08/30(水) 06:54:24 ID:XfLa4OUy
おはよー
一晩明けてみると、あゆ美女医の髪型は、どっちでもいい気がしてきた。
おまかせします♪
7467:2006/08/30(水) 07:31:49 ID:G587lErj
>>72->>73
ジャスウメでキャラを作ってしまってるんで、
あゆ美先生の髪はロングです。

仮にもし美香が看護士さんだったら、男女両方から襲われる可能性高そう(w

夜になってしまいますが、あゆ美先生と美香の出会いのシーン投入予定です。
75名無しさん@秘密の花園:2006/08/30(水) 08:11:23 ID:XfLa4OUy
>>74
今夜お待ちしています♪♪
76名無しさん@秘密の花園:2006/08/30(水) 15:51:55 ID:YwgAsRAh
携帯サイトの日記で、細かいところだが、
「"友達の"菊地美香ちゃん」と、「友達」って修飾語がきちんと付いている所が
ツインカムファンとしても嬉しかったというか安心した。
関係はしっかり続いているみたいだね。妄想は尽きる事が無いw

>>74
美香看護士が勤務開始から半年後くらいの一シーンをちょうど妄想していたので、
じゃあ出会い場面の後に投下させて頂きますw
77名無しさん@秘密の花園:2006/08/30(水) 20:30:01 ID:XfLa4OUy
今、「怨み屋」で美香ちゃん視点の話考えてる所なんですが、携帯のみなので投下して良いものかどうか迷ってます。
間隔が開きすぎるといけない様な気もするし…
誰かアドバイス下さい。
78名無しさん@秘密の花園:2006/08/30(水) 20:46:24 ID:oh52PPwJ
どうぞ
79名無しさん@秘密の花園:2006/08/30(水) 21:09:12 ID:XfLa4OUy
それでは間隔が開いても分かりやすい様、タイトルつけるとかしてみます。

完成したら投下しますね。
80名無しさん@秘密の花園:2006/08/30(水) 23:54:15 ID:YwgAsRAh
美香ちゃんファンの方に聞きたいのだが、美香ちゃんは家族と同居かね?

だったら、美香ちゃんの部屋にあゆ美ちゃんを呼んでいちゃつく設定は使えないなぁと思って。
81名無しさん@秘密の花園:2006/08/31(木) 00:06:00 ID:rXYkAmL8
>>80
最初は実家だったけど、デカやってる途中で一人暮らしを始めたって噂あったけど、よくわからない。
どっかのインタビューで「美香ちゃんは実家が近いからすぐ帰っちゃう」ってあゆ美ちゃんが言ってた気がする。
家族と同居してる相手に「実家」って言うかな、って思ったんだけど……どうだろう
82名無しさん@秘密の花園:2006/08/31(木) 00:20:09 ID:Qfx0QVuD
>>81
あくまで噂でしかないんだなあ。
この辺↓のラジオ?の実況とか
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1156022714/24-34
05年10月24日のブログでは「菊地家引っ越し」「ブログの更新は自分の部屋のPCで」ってあるし、
その後母親と弟の存在が頻繁に出ているから、
美香スレをふまえて母・弟・美香の3人で住んでるのではないかと結論。
83名無しさん@秘密の花園:2006/08/31(木) 00:22:04 ID:+lStsmdd
デカやってた時は一人暮らししてたよ。
今は実家で美香ママと弟さんの三人暮らしだと思う。
84名無しさん@秘密の花園:2006/08/31(木) 00:28:22 ID:Qfx0QVuD
>>83
あ、撮影期間中は一人暮らししてたんだね。d。
85名無しさん@秘密の花園:2006/08/31(木) 16:09:18 ID:pXZrRgFB
>>69-70
最上蒼太みたいな男性医師キボン
86名無しさん@秘密の花園:2006/08/31(木) 23:32:31 ID:rXYkAmL8
>>85
イラネ
87名無しさん@秘密の花園:2006/09/01(金) 00:56:32 ID:M8jH0+vf
あゆ美ちゃんの話題がでるとすごく嬉しそうな美香ちゃん
8867:2006/09/01(金) 01:04:28 ID:Ug+rgV4+
すいません。
昨晩に投下する予定が、予想以上に話が長くなって
まとめ切れずにいます…

少し長めでも可能でしょうか?
89名無しさん@秘密の花園:2006/09/01(金) 01:14:56 ID:eYerOIOq
>>88
首を長くしてお待ちしております
90名無しさん@秘密の花園:2006/09/01(金) 01:30:31 ID:CMPmecPq
>>87
ブロードバンドニッポンにゲストで美香ちゃんが出てる回だよね。
あゆ美ちゃんの名前が出たら声のトーンが上がって「あぁ〜!」って。
91名無しさん@秘密の花園:2006/09/01(金) 03:57:03 ID:IpoJ99Io
>>88
俺も待ってます
92名無しさん@秘密の花園:2006/09/01(金) 06:07:14 ID:fK5MvnVG
歴代戦隊ガールズの中ではずば抜けて人気の高い二人だったから(たぶんナンバーワン?)
お互いの事を仕事仲間とか友達とか‥以上の気持ち絶対持ってると思う。
でも意識的に会わない様にしてるのか、忙しくて会えないのか‥ 
という感じかな?
93名無しさん@秘密の花園:2006/09/01(金) 20:34:24 ID:fK5MvnVG
怨み屋の話、投下します。
携帯からなので間隔開きますが、御了承下さい。
94名無しさん@秘密の花園:2006/09/01(金) 21:20:22 ID:fK5MvnVG
ごめんなさい。
今日は無理そうでした・・はぁ・・バソコンほしいよ〜〜
95名無しさん@秘密の花園:2006/09/02(土) 02:12:57 ID:76HQHC5O
デカvsマジのVシネのメイキングで、
ナイメアのコスプレをした2人のリアクションに
萌えたのは俺だけかw
特にあゆ美タンが美香タンを見て、「萌え萌えだよ〜」と
言っていたのはワロタな
やっぱりこの2人は(・∀・)イイ!! と再認識したよ、俺は
96名無しさん@秘密の花園:2006/09/02(土) 02:37:10 ID:9acwMAxA
>>94
大丈夫です、お待ちしています。がんばってください!
97名無しさん@秘密の花園:2006/09/02(土) 04:16:59 ID:yIxroLOf
>>96
はい、めげずに頑張ります!!
来週の怨み屋で手術ミスで亡くなる少女の名前が、
「美香」だって!
これ偶然じゃないよね?
98名無しさん@秘密の花園:2006/09/02(土) 06:04:46 ID:svuXeF0A
スタッフにジャスウメ好きが居るな
99名無しさん@秘密の花園:2006/09/02(土) 07:13:15 ID:ZTHqVqlY
スタッフにツインカムファソがいるなら本人出してくれ〜ヽ(`Д´)ノ
100名無しさん@秘密の花園:2006/09/02(土) 09:47:54 ID:xIMFmPD1
あゆ美先生と美香先生まだー?
101名無しさん@秘密の花園:2006/09/02(土) 11:38:28 ID:yIxroLOf
>>97
手術ミス訂正
医療ミスだった。
102名無しさん@秘密の花園:2006/09/02(土) 12:21:24 ID:8b7Yf2gj
美香ちゃんは教育番組のお姉さんだから怨み屋は無理なのかな
前にやってた着信アリも全然目立ってなかったし
103名無しさん@秘密の花園:2006/09/02(土) 20:22:45 ID:yIxroLOf
ここ数日投下なしで、なんとなく寂しい・・
どなたか出来てる方いませんか?
104名無しさん@秘密の花園:2006/09/02(土) 23:59:27 ID:yUchUYRX
携帯の日記に美香ちゃんの名前が出た記念に一本投下。

怨み屋の美香ちゃん視点とか先生とか、すごい待ってるっス。
105名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 00:02:35 ID:yUchUYRX
「……私が侑子役やりたかったなぁ」
マンガを広げたままごろりと寝返りを打って、あゆ美ちゃんが呟いた。
「『ゆーこ』?」
「これー」
ブックカバーを捲ってみせてくれた本のタイトルは『HOLIC』だった。
「あー。その侑子さん」
『HOLIC』は読んだことがある。真剣な顔でけっこう夢中になって読んでるなぁと思ったら『HOLIC』だったのか。
「今、何巻?」
「まだ2巻ー」
「先は長いねぇ」
「長いねぇー」
間延びした声を出して答えてくれてはいるが、目はマンガから離れない。
 ……よっぽどハマったんだなぁ。
106名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 00:04:32 ID:a7e/K1hF
「あゆ美ちゃんの声、合ってるかもね、侑子さん」
「そう思う!?」
ぱっと嬉しそうなとびきりの笑顔が私の方を向く。
「……ジャスミンとか怨み屋さんの役に入ってる時の声ならね」
「役者ですからー」
にゃはははーとあゆ美ちゃんが眉間に皺を寄せて笑う。
 本気で笑うとあゆ美ちゃんは眉間に皺がよる。怒ったときはあまり寄らないのに不思議。
「侑子役だったら、また一緒に仕事出来たのにねぇ」
「あー……。そうだね……」
確かにそうだ。
 一度だけ、ツバサクロニクルの現場で一緒になった。でも、それは共演なんて言えないくらいのものだった。一度だって、一緒にマイクの前に立たなかった。
 一緒にいるのはプライベートでも楽しい。
 ……けど、仕事仲間にもなりたい。
 きっとプライベートだけじゃ足りないんだ。
 同じものを見て時間を過ごすのもいいけど、一緒に何かを作り出す大変さと楽しさを、最初に知ってしまったから。
107名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 00:05:33 ID:a7e/K1hF
「……私も『怨み屋』出たいなぁ。っていうか、なんで『マスター・オブ・サンダー』のミカ役、私じゃないの?」
自分で言ってて、ちょっとむっとしてしまった。
「だってあの映画、スターダストだもん」
「それはそうだけど〜」
ぼふ、と、寝転がったあゆ美ちゃんの上に乗っかる。
「美香ちゃん、重〜い」
「太ってないよっ」
「私も太ってないよ〜」
「そんなこと言ってなぁいっ。あゆ美ちゃん、痩せたでしょ」
前会った時より浮き出た鎖骨を指でなぞる。
「くすぐったい、くすぐったい」
「痩せすぎもよくないよー」
「映画の撮影、ハードだったからねぇ」
「お疲れさま」
「はいな」
手にしていたマンガを置いて、あゆ美ちゃんが私の背中に腕をまわした。
「やっぱり一緒に仕事出来たらいいよね」
「美香ちゃん、『怨み屋』出ちゃいなよ」
「あゆ美ちゃん、主演のコネで役取ってきてよ」
「3秒で殺される役でもいい?」
笑い声が重なる。
「……いつか、一緒に仕事しようね」
まっすぐ前を見てそう呟いたあゆ美ちゃんに「うん」と丁寧に頷いた。

END.
108名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 01:03:05 ID:ETcU/Jdc
>>107
たま‐に会うと、たぶんこんな風にじゃれあったりしてんだろうな〜。
もうこの二人が、可愛くって仕方ないです!
特にスレ独立してからホントに二人を愛する人が集まってきてるのを感じてます。 
投下される文章からも伝わってきますよ!
10967:2006/09/03(日) 05:16:39 ID:RxZPVVua
遅れて申し訳ないです。
美香の心理描写を描きながら書くと、やはり長くなってしまいます。
が、これ以上待たせるのもイヤなんで投下します。
反応次第で続きも書きますので、判断のほどヨロシクです。
110看護士美香:2006/09/03(日) 05:25:22 ID:RxZPVVua
私が看護学校卒業後、この病院に勤務して2ヶ月になる。
新米の私は、その時まで今勤めてる小児科の中に溶け込むのに、まだ戸惑いのようなものがあった。

でも、今は違う。
私を支えになる人がいるから頑張れる。


『おはよ〜美香ちゃん♪今日も元気?』

いつも元気に挨拶してくれる、同じ小児科にいるあゆ美先生だ。
私が来て間もない頃、一番最初に声を掛けてくれた先生で、
今では『もちろん!!』と答えるのが日常の一コマとなってる。

私たち看護士にも優しく接してくれるし、
患者である子供たちからそのご家族にまで信頼を寄せられてる、
今では小児科の看板みたいな存在。実は私自身も憧れてる女性だ。
実家は代々医者の家系で、しかも綺麗な大人の雰囲気を持つ、正に才色兼備。
男性の同僚からすれば、高嶺の花の存在。
女性からすれば嫉妬の対象にもなり兼ねないけど、人柄と人望がある分、陰口を叩く人もほぼ皆無だ。
111名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 05:26:25 ID:RxZPVVua
ある日、私のケータイに彼氏からメールが着た。

今の彼氏とは、看護学校時代に合コンで知り合って、それから付き合ってる。
当初はラブラブだったけど、今は私の方が冷めてきてる部分が多い…。
メールの内容は、
『今晩時間があるなら話がしたいので会えないか?』とのこと。
私は日勤だから、夜に会いに行くのを約束するメールを勤務の合間に送った。

直後、肩をポンポンと叩かれた。『ヤバい…看護士長だったら怒られる…』そう思って恐る恐る振り向くと、
そこに立ってたのはニコニコと笑顔のあゆ美先生だった。
『勤務中にメールするなんて、相手は彼氏かしら?』
私は少し安堵の表情を浮かべ『はい』と頷いた。
『な〜んか嬉しそうだね、美香ちゃん。
そんな笑顔にしちゃう彼氏さんに、私ヤキモチ妬いちゃうかも〜』
『そんなことないですよ。私が冷めてきてる部分もあるし…。』
112名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 05:31:09 ID:RxZPVVua
『じゃあ、私が彼氏さんから美香ちゃん奪っちゃおうかな?』
あゆ美先生はいたずらっぽい笑みを浮かべ、少し舌先を出しながら言ったその言葉に、
私は何故か胸が高鳴る思いがした。
『またまた〜あゆ美先生ったら〜』
私はその場でごまかしたが、それからもずっと胸の奥に
何か残るものを感じたまま、定時まで勤務を続けた。

勤務を終え、一度寮に戻った私は、
化粧直しと着替えをして、待ち合わせ場所に向かう。
向かってる間、昼間あゆ美先生に言われた言葉が何度も頭をよぎる。
「冗談に決まってる…。彼氏にすら言われたことのない言葉にびっくりしただけだ!」
とひたすら自分に言い聞かせる。

待ち合わせ場所には既に彼氏がいて、しばらく一緒にブラついた。
その後、ファミレスで食事を取ることになり、それぞれ注文する。注文を待つ間に話をする。

相手と私の仕事の話、他愛もない会話。しかしそんな時でも、あゆ美先生のことが頭に浮かんでしまう。

『…おい、聞いてるのかよ?』
彼からの呼びかけが耳に入った。
『ん?何だっけ?ゴメン。』
『もういいよ。大した話じゃないし。』

悪い空気が流れ出す中、二人で注文した料理を食べる。その間会話は無かった
113名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 05:49:50 ID:RxZPVVua
先生に促されるまま車に乗り、私たちはドライブに出掛けた。
見晴らしの良い高台に車を止め、車内で会話する。

『美香ちゃん、彼氏さんとケンカしたの?』
『…今日相手から振られました』
『そっか…』
あゆ美先生が力なく答える。その後一呼吸置いて
『私もね、彼氏いたけど、さっき別れてきちゃったんだ。私が振ったんだけど』

驚いた。先生に彼氏がいたなんて。
『どうして別れたんですか?』
『私に他に好きな人ができたから、なんだ』

『先生が他に好きになった人って誰ですか?』
私は気になって聞いてみた。でも先生は『内緒だよ〜』とおどけて答える。
でもその表情は大人ではなく少女じみた、病院では絶対見せない表情だ。

以後話の流れで「二人の新しい門出を祝うために飲もう」となり、
途中コンビニで酒とおつまみ類を買い、車はあゆ美先生の自宅へ向かう。

先生の住むマンションは広かった。
話によると、つい最近まで彼と同棲してたらしい。でもその痕跡を示すのは、今のテーブルに乗ったガラスの灰皿くらいだ。
灰皿を見てる私に先生が後ろから抱きつく。
先生がいつも着ける香水と髪からのシャンプーの香りが私の周りに漂う。
『こらこらチミ、さぼってないで手伝いなさい』
おどけた口調でそういうことをするなんて思いも寄らなかったから、面食らった表情で先生の顔を覗き込む。先生は満面の笑みを浮かべながら
『そんな顔するなんて、美香ちゃんらしくないよ』
『は〜い』
笑顔に元気付けられた私も、おどけた表情と声で応えた。
114名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 06:09:02 ID:ETcU/Jdc
もうドキドキしちゃってるよ♪
続き出来てるんなら早く読みたい!
115名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 06:36:19 ID:RxZPVVua
準備を終え、飲み始める。次第に日付が変わったが、私たちはお互いの恋愛の話をした。
元カレに対しての愚痴や思い出。今となってはもう過去の話だ。

話は私のから先生のに移る。
先生の元カレはご両親の勧めで紹介された、大病院に勤務する、いわばエリート医師だったらしい。
『そんな人振っちゃうなんて、勿体ない気がするなぁ』
私がそう言うと
『やっぱ、一番好きな人が一緒じゃないとね〜』
先生はさらりと言って除けた。


話をしてる最中、次第に眠気が襲ってくる。どうやら酔いが回ってきたようだ。
私は後ろにごろんと寝そべる。
『美香ちゃん大丈夫?』
先生が私に寄る。普段は透き通るほど白い頬が酔って薄紅色になって色っぽい。
酔った勢いに任せ、先生の膝の上に頭を乗せる。
『あゆ美先生の膝枕、気持ちいい〜♪』
『ありゃま?美香ちゃんは甘え上戸なのね』
微笑みながら膝枕した私の頭を撫でる先生が、何故か愛おしく見える。

先生の声、しぐさ、長い髪、香水の匂い…
今はその全てが私には媚薬だ。

沸き上がる感情を抑えきれず、私は体を起こした。

あゆ美先生の顔を見つめる。先生は何がなんだか分からないようでキョトンとしてる。
116名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 07:02:28 ID:RxZPVVua
そんな先生に私は軽くキスをした。
『こらこらチミ…』先生が言い終える前にまたキスする。今度は舌を絡ませる。

先生の息遣いが荒くなるのが分かる。
それに興奮した私は、ソファの上に先生を押し倒し、手足を押さえながら唇を貪った。
途中『美香ちゃん、やめて…』と抵抗する先生の言葉を無視して、何度も何度も貪った。


どのくらい経ったんだろう。何度キスしたんだろう…。
酔いが覚めてきた私は、自分のしでかしたことに驚き、すぐに先生から離れた。

ソファの下に座り込み、俯くことしか出来ない。
どうしよう。先生に嫌われた。もう病院にはいられない。先生の顔も見られない。
そう考えてる私に先生が向かい合うように座る。
先生は『美香ちゃんは強引だね〜』と、予想に反して明るい声をかけ、私の顔を両手で持ち上げる。
恥ずかしさと酔いから顔を赤らめた私の唇に、先生がキスをする。

『私が好きな人はね、今キスした人なんだよ』
いきなりの言葉に驚く私に先生がまたキスをする。
『初めて美香ちゃんに会った時から、私はずっと美香ちゃんしか見てなかったの、知らなかったでしょ?』

状況が理解出来ず、戸惑う私を先生が抱き寄せる。
先生の胸の高鳴りを感じる。嘘じゃない。
それに先生に抱かれてると、すごく落ち着く。元カレに抱かれた時なんかとは比べられないくらい…。
117名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 10:32:19 ID:ETcU/Jdc
あゆ美先生の、ジャスミンと怨み屋とあゆ美ちゃんをひとつにした様なキャラが素敵ですね―。
続き待ってますよ!
118名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 12:47:25 ID:UHttliTe
>>110-113
>>115-116
(・∀・)イイ!!
119名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 12:54:31 ID:kNYkqYZA
すごくいい
120名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 13:48:03 ID:RxZPVVua
抱きしめながら先生は
『奪っちゃおうかな?って言葉、実は本音だったんだよ。』
と呟いた。
『先生は…』そう言うと、先生は私の唇を指で軽く押さえながら
『「先生」、ってのは病院とか仕事の時だけにして♪』
『じゃあ…あゆ美?』
私が少し照れくさそうに言うと、先生は
『はい、良くできました』とニッコリ笑い、
ご褒美代わりにディープキスをしてくれた。

先生と私の舌が絡み合い、仔猫がミルクを飲むような音が、広い部屋に響く。
少し恥ずかしいかな?と思ったら、先生が
『美香は誰にも渡さないよ』と耳元で囁く。
嬉しかった。誰かにここまで強く言われたことも無かったけど、
何より言ってくれた人があゆ美だったから…。
『じゃあ、あゆ美も私だけのものだよ』


それから私たちは裸になり、お互いの気持ちと、愛を確かめるように、
いや、そんな理由は建前で、ただ互いに体を貪り合いたかった。


あゆ美の白い肌がうっすらと赤みを帯びている。
『美香…』と呟くような、囁くような声でキスをする。
それから耳、首筋、と舐められる際、体がビクンと反応する。
『美香は感じやすいんだね〜。可愛い♪』
あゆ美はそう言うと、胸、腹と舌を這わせる。
121名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 14:08:58 ID:RxZPVVua
頭の中が真っ白になりそうなくらい、快楽の波が押し寄せてくる。
「こんな、元カレの時なんかより何倍も気持ちいい」
そう思った私に
『今、元カレのこと考えてたでしょ?』とあゆ美が尋ね
『不埒者』と言うのと同時に、濡れ始めてる私の部分を責め始める。
あゆ美のしなやかな指が私のを弄んでる。
『あん…いやぁ…』
思わず声が漏れる。蜜が溢れ始め、後ろの蕾からソファに落ちるのが分かる。
次第にあゆ美は私のを広げ、舐め始める。
『ダメ…汚いよ…』私が力なく言うと
『美香のなら汚くないよ』と言い、舌を遣い始める。
今まで経験したことのない快楽が、私の体を突き抜ける。
私のを舐めてるあゆ美の顔は、より綺麗に見える。と同時に、その姿に羞恥心を覚える。
でもそれすら、今の私にはより快楽を増す薬となり、止めどなく押し寄せる波となる。

そしてその波が高さを増した時、私は果てた。
122名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 14:28:22 ID:RxZPVVua
少し放心状態になった。
正直今まで、こんな風に感じたことは無かったから。

そんな私にあゆ美が
『美香ばっかりイッちゃつまんないよ〜』
とふてくされた顔で見つめる。
『ゴメン』私がそう言って謝ると、あゆ美が
『次は私の番だよ』と言って軽くキスをする。
何度キスしたか、もう分からない。
でもあゆ美とのキスは何度でもしたくなるくらい好きだ。
キスを重ねる度、自身に沸き上がる気持ちと、あゆ美の思いが分かる。

私は自分が責められたのと同じように責めた。
声を押し殺すように悶え、体を捻らせるあゆ美の姿が、たまらなく愛おしい。
もっと声を出させたくなった私は、あゆ美のを舐めてる間に蕾を指で責め始めた。
『ダメ…』と哀願するあゆ美の表情が、私の劣情を、指の動きを加速させる。
まるで堰を切ったかのように、あゆ美の声が部屋にこだまする。その声も表情も可愛い…。

私はあゆ美を四つん這いにさせ、蕾を舌で、下部を指で責めた。
あゆ美のから蜜が滴り落ちる。声が大きくなったと思ったら、体を震わせ、あゆ美の体が崩れた。
あゆ美も果てた。でもまだ二人ともそれだけでは満足せず、朝まで互いで互いを責め合った。

何度も相手の名前と『好き』と言う言葉を言いながら…
123名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 14:54:44 ID:RxZPVVua
気が付くと、二人とも果ててた。私の隣には、大好きなあゆ美が寝てる。
外を見るといつの間にか、空が白んできてる。もう夜明けだ。
体を起こすとあゆ美も目覚めたらしく、私を見つめながら
『おはよ』と言う。
私はその言葉と一緒にキスで返事をした。

『一緒にシャワー浴びない?』
あゆ美がそう言うと、私も即賛成し、一緒にシャワーを浴びる。
互いに体や髪を洗いながら、ずっと他愛のない話をする。
話自体に意味は無いかも知れない。でも、あゆ美といる時間は、私に元気をくれる。

シャワーを浴び終え、借りたバスローブを着てベランダを眺める。
空にはもう太陽が顔を覗かせ、陽の光が差している。

あゆ美が私の方に来る。コーヒーを淹れてくれたのだ。
『恋人同士の夜明けには、これが必要でしょ』
と照れ笑いしながら、私にマグカップを渡す。
受け取ったコーヒーを飲みつつ、私はあゆ美の顔を見つめる。

最初は戸惑いがあった。でも今は違う。私にはあゆ美が必要なんだ。いつも一緒にいたい…。
でも寮からあゆ美のマンションとは、かなり距離があるし…。
私の給料じゃ正直限界あるしなぁ。
124名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 15:10:07 ID:RxZPVVua
「あ〜ぁ、仕事と休みの日以外は会えないか…切ないなぁ」

そう考えてると
『美香が良かったらでいいんだけど…』
あゆ美が私に呟く。
『どうしたの?』
『私の今の部屋、ちょっと広すぎるんだよね…一人じゃ。』

最初は分からなかったけど、意味を理解して嬉しかった。迷わず私は
『荷物はいつ頃持ってきていいの?』と尋ねた。

あゆ美が嬉しさから私に抱きつき、キスをしてくる。

たった一晩で、これほど深く愛し合えることは、勿論無かった。
でも今は互いに互いが必要とし合える関係になった。

失恋から一晩で立ち直った自分の太さに苦笑いしながらも、
今私はあゆ美と一緒に、前へと進み出した。

それを祝福するように、空には青空が広がっていた。


FIN.
125名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 15:13:42 ID:0w8yJQ4R
すさまじくGJ
いーもの読ませていただきました
126補足:2006/09/03(日) 15:17:04 ID:RxZPVVua
>>112>>113の間の、彼氏との別れと
帰り道でのあゆ美先生と会うシーンが抜けてしまいましたorz

本来なら
食事後ドライブ→美香を寮の近くの公園で降ろす

→その際彼氏が別れを告げ、車を発車→帰る途中で車を運転するあゆ美先生に会う


と言う流れでした。
セリフ等は脳内補完でお願いします。


以上。
スレ汚し失礼しました。
127名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 15:36:49 ID:FrrrNoIg
オナニー乙
128名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 15:37:54 ID:RxZPVVua
>>127
すいません
129名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 15:46:53 ID:ETcU/Jdc
>>126さん、もう心理描写が素晴らしくて、ドキドキしっぱなしでした♪
あゆ美先生の顔はやっぱり怨み屋さんの顔を想像しながら読んじゃいましたよ!
「怨み屋の美香ちゃん視点」の話、代わりに書いてもらえませんか?
是非お願いしたいのですが、ダメかなぁ‥?
130名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 19:08:48 ID:UHttliTe
お疲れ様。
素晴らしい作品をありがとう。
13167:2006/09/03(日) 19:42:41 ID:RxZPVVua
拙い文章で申し訳ないとは思いながらも、
褒めてくれた皆様に感謝感激雨あられです。
本当にありがとうございます。

>>129
う〜ん…実は恨み屋のキャラは、何となく掴みづらいってか。
ちょいと把握しきれない部分があるんで。

時間をもらえれば、書かせていただきます。
132名無しさん@秘密の花園:2006/09/03(日) 20:15:28 ID:GnDlr4Br
怨み屋の9巻を読んだが、
怨み屋と女子高生工作員が仲良さ気に将棋してたり、
「大好き」って言って抱きついたり、胸の中で泣いてるシーンが非常に萌えた。
この工作員側が美香ちゃんだったら…(ry
13367:2006/09/04(月) 01:37:00 ID:w89JtiqW
>>76さんへ
今更ながら遅れてごめんなさい。
良かったら半年後の二人の姿を描いて下さい。
134名無しさん@秘密の花園:2006/09/04(月) 02:33:38 ID:8AYhqJHs
>>131
どうもありがと。
あなたの表現が、ツボにハマッてしまったんで、その文章で読んでみたいです。
また書く気になったらお願いしますね!
135名無しさん@秘密の花園:2006/09/04(月) 07:29:01 ID:yYAfFZbN
結局ジャスウメもこっち?
136名無しさん@秘密の花園:2006/09/04(月) 09:50:06 ID:8AYhqJHs
>>135
元スレでは、どちらでもOKと言う意見と、ここへまとめた方がいいと言う意見と両方あったね。
私はここへまとめてほしいと思うんだけど…    いかがでしょうか?
137名無しさん@秘密の花園:2006/09/04(月) 11:25:30 ID:QoF8tZVQ
>>136
俺もここでまとめたほうがいいと思う
138名無しさん@秘密の花園:2006/09/04(月) 13:11:03 ID:bAgYGejQ
135です。悩みましたがジャスミン×ウメコ、近日こっちに投下します。
お世話になります。m(__)m
139名無しさん@秘密の花園:2006/09/04(月) 13:26:23 ID:w89JtiqW
>>138
楽しみにしてます。



美香@看護士とあゆ美@女医の話でまた一つ。
昨日書いた物語から3週間後の話を投下します。
季節は春近くの3月という設定です。
140看護士美香のその後:2006/09/04(月) 13:47:27 ID:w89JtiqW
私とあゆ美が初めて愛し合ってから、今日で3週間が経った。
付き合った当初、職場では『先生』『美香ちゃん』と互いに呼ばねばならないのに、
うっかり『あゆ美』『美香』と呼びそうになり、お互いヒヤヒヤしたことが何度もあった。
今はもうそんな間違いは無く、職場とプライベートでの呼び合いも分けられるようになった。


そして今日、私は寮を出る。あゆ美のマンションに引っ越すためだ。
本来ならば、非常にめでたい日なのだが…一転して暗雲が立ちこめる。


話は1週間前に遡る。

引っ越すことを決め、私の荷物をいつ動かすか?
ということで、あゆ美とスケジュールを調整して、今日この日に決めた。
そして退寮し、「普段から仲のいいあゆ美先生」の家に越す旨を
看護士長に報告、承諾を得て手続きを済ませた。

ここまでは問題なかった。
141名無しさん@秘密の花園:2006/09/04(月) 14:11:38 ID:w89JtiqW
問題は、どこからか情報を聞きつけた同僚が、
あっと言う間に私が引っ越す情報を広めてしまったことだ。

あゆ美は元々小児科の看板女医なので、ここぞとばかりに飲み会を開き、
それを機に少しでもお近付きになろうとする、不埒な同僚たちが策を巡らせる。


本来なら、当日はすぐに作業が終わらせ、後はのんびりと勤務明けの一日を二人で過ごす予定だった…。
それに初めての夜は、あゆ美と久々にしたいから、
この日のために一人でするのも我慢してたのに…。


結局当日は、引っ越し作業の時間を午後に遅らせて、
夕方までに終わらせてから、病院とマンションの中間にある居酒屋で飲み会をやる。
ということになってしまった。


当のあゆ美本人は
『まぁ、みんなの好意は無駄にしちゃいけないし。仕方ないよ』
と、あっさり言い切ってる。
「二人っきりで祝いたいって気持ちはないの!?」
と言いたかったが、彼女の立場を考えれば仕方ないか…と諦める。
142名無しさん@秘密の花園:2006/09/04(月) 14:41:04 ID:w89JtiqW
引っ越し作業自体は、いらない物を予め処分してたため、あまり時間が掛からなかった。
古い思い出の品々を捨て、服や身の回りの物だけ持ち、あゆ美の車に荷物を載せる。

車を走らせるあゆ美の横顔が、心なしか嬉しそうだ。

『あゆ美、なんか嬉しそうな顔してるね?』
『そう?そりゃね…待ちに待った今日だもん♪美香とこれから毎日一緒にいられるから嬉しいんだ♪』

赤信号で待つ間に、彼女は満面の笑みをたたえながら答えた。

マンションに着いて、荷物を解く。
服をクローゼットにしまい、身の回りの品をそれぞれの位置に置いた。
引っ越しは終わった。夕方まで少し余裕があるんで、
二人でシャワーを浴びる。

『あ〜ぁ、こうして二人っきりなのに、これから飲み会なんてチョー最悪〜』
『まあまあ』
『ホントはあゆ美と二人だけで祝いたかったのに〜』
『う〜ん…』
愚痴る私を彼女が宥める。
『今日だけは我慢しなきゃ。みんな祝ってくれるんだし』
『ん〜だってぇ』
『機嫌直して、美香』
そういうと私の額に軽くキスをした。
これ以上困らせちゃダメだな…と私は思った。
143名無しさん@秘密の花園:2006/09/04(月) 15:03:58 ID:w89JtiqW
夕方になり、飲み会の会場に向かう。
二人とも普段着ながら、呼び合うのは病院と同じく
『先生』『美香ちゃん』となるのがややこしい。

会場に着くと、非番の看護士仲間と他の科の人たちもいた。
総勢30名近くの大所帯。しかも大半は男性だ…。

始まると同時に、あゆ美の周りには男性が我先にと群がる。
「あ〜ぁ、あゆ美の隣も取られたぁ」と思ってると
あゆ美に対しての質問攻めが私に来る。
『先生に彼氏はいるのか?』『どんな男がタイプなんだ?』などなど、いろんな質問が飛び交う。
私は全ての質問に答えてホッとしてたら、今度は私自身に対してのが飛び交う。
一難去ってまた一難、とは正にこのこと。

ずっとお互いに近付ける状況になれず、会がお開きになったのは、もう夜10時過ぎだった。
私たちは二次会に誘われ、カラオケボックスに向かう。
誰かが歌ってる間に、また互いの元に男性が群がる。正直ウンザリ。

互いに化粧直しへパウダールームに行く。
あゆ美も既にグッタリ気味。私も限界が近い。
たまらず私たちはその場を逃げた。

裏口からこっそり出て、車に乗り込み脱出。
『あ〜もうイヤ!』
『私も限界だよ〜』
車の中で互いに不満を漏らしながら帰る。
144名無しさん@秘密の花園:2006/09/04(月) 15:28:12 ID:w89JtiqW
マンションに着いた私たちは即シャワーを浴び、ソファに座る。
やっと静かに過ごせる。それが嬉しくて、あゆ美にくっつく。
私が
『今日は大変だったね』
と言うと
『ホント、今が一番落ち着くよ』
そう言いながら、あゆ美が私の手を握り、目を瞑り私にキスをする。

『そうだ!!』あゆ美が思い出したように、急に立ち上がる。
『美香が引っ越す記念に、ベッド買い換えたんだ♪』
私の手を引きながら、寝室まで連れていく。
そこには真新しい、ダブルベッドが置かれていた。
『どうしてわざわざ買い換えたの?』と聞く。
『前のベッドには、元カレも寝たことあったから…匂いが残っててイヤだったんだ。それに』
『それに?』
『お互いにすれ違うことがあっても、このベッドに互いの匂いが残ってれば
寂しさとかも少しは薄れるかな?ってね♪』

私のことをそんなに思ってくれたことが嬉しかった。
私はベッドに座っていたあゆ美に抱きつき、押し倒した。
以前のように唇を貪る。あゆ美は背中に手を回し、舌と舌を絡ませる。
3週間ぶりのキス。甘く温かいキスに私の体が反応する。
145名無しさん@秘密の花園:2006/09/04(月) 20:25:24 ID:0BPRcCkp
(*゚∀゚)=3
146名無しさん@秘密の花園:2006/09/04(月) 21:52:49 ID:8AYhqJHs
あゆ美先生〜!大好きだよ〜!続きもヨロシク〜!
147名無しさん@秘密の花園:2006/09/04(月) 22:56:28 ID:7ZtvTHMu
あゆ美先生かっこいい
続きもがんばって
148>>144の続き:2006/09/05(火) 01:43:49 ID:HaoSKqnI
何度もキスをし、あゆ美から体を離した瞬間、その隙に彼女が体勢を変え、
私の上になった。彼女はいたずらな笑みを浮かべ
『今度は私から美香を責めるね』
と言った。私以外には見せないその表情に、背中に電流が走るのを覚える。

彼女はキスをしながら、一枚一枚服と下着を脱がせていく。
耳や首筋、鎖骨…舌を這わせながら丁寧に私を生まれたままの姿にしていく。

今度は胸元に這わせた舌で乳首を執拗に責める。
舐めるだけではなく、吸ったり甘噛みしたり…様々な刺激を与える。
『ん…ぁん…』
私がたまらず声を上げると、あゆ美は
『美香、可愛いよ。もっと気持ちよくしてあげる』と、指で胸をさすりながら、甘い声で耳元に囁く。

舌を腹部に這わせたら、足の方に滑らせ太股を責める。
もう私のは濡れて蜜が溢れているのに、未だに責めない。

太股から膝、臑、足の指の一本一本まで舐める。
『あゆ美…お願い…早く舐めて』
私が懇願するとあゆ美は
『甘えん坊さんなんだから』
と、初めて私の下部を責め始めた。

洪水のように溢れた愛液を舌で掬い、秘唇に舌を這わせ中に食い込ませる。
シーツを掴みよがると、彼女はより責める度合いを増す。

私は体が痙攣するのを覚え、それから頭の中が真っ白になってしまった。
149名無しさん@秘密の花園:2006/09/05(火) 09:23:49 ID:j40T1BIM
キス責めシーンが堪りませんね〜
Hは好きじゃなくても出来るけど、キスは好きじゃないと出来ないって、誰かが言ってたな‐
と納得してみる(^∀^)
150名無しさん@秘密の花園:2006/09/05(火) 10:41:20 ID:HaoSKqnI
気が付くと私の視界には部屋の天井と、心配そうに覗き込むあゆ美がいた。
絶頂に達した際、また放心状態になったようだ。

私は起き上がり、彼女に『ごめん』と手を合わせて謝った。
『そのまま寝ちゃったかと思ったよ〜』と冗談混じりに言う。
責めてた時の、妖しい大人びた艶っぽい表情とは違う。
今はまるで子供のようなあどけない笑顔だ。
そんな彼女の不思議な魅力が、私をより夢中にさせるのかも知れない。


今度は私が責める番だが、あゆ美が私の右手を取る。
『美香は私とこうするまでに、一人でしたりした?』
『うぅん。ずっと我慢してたよ。あゆ美とするまでずっと』
『私もね、同じように我慢してたんだよ』
そう言って私の手を彼女自身の下部に触れさせる。
既に濡れていた。いや、もう愛液が太股から膝を伝ってる。
『美香に舐めてもらうまで我慢してたんだから…ご褒美にいっぱい愛して』

さっきは自分が「甘えん坊」なんて言ってたくせに…。
でもおねだりする彼女の姿が愛おしく思える。

彼女を仰向けに横たわらせ、キスの後に首筋や耳、胸元に舌を這わせつつ、指で陰核をいじる。
透明な愛液が白く濁り始める。指に付いたそれをあゆ美の目の前でしゃぶる。
151名無しさん@秘密の花園:2006/09/05(火) 11:30:55 ID:HaoSKqnI
『いやぁ…美香の意地悪ぅ…』
恥ずかしそうに目を反らす態度が子供っぽい。
反抗したお仕置きとばかりに、乳首を指で弄びながら、あゆ美のを舐める。
溢れ出る蜜は止めどなく、後ろの蕾の方まで滴り落ちる。
舌でそれを舐め取りながら、あることを思いつく。

『ねぇ、お尻責められるの好き?』
『えっ!?美香以外に責められたこと無いから。よく分かんない』
『じゃあ、ご褒美の一つに指入れてあげる』
そういうと私は、右の人差し指を鮮やかなピンクの蕾の真ん中に入れる。

『はぁ…ん…ダメ…』
力無く言うも、体を捩らせ、蜜が今まで以上に溢れる。
キツく狭い蕾の中へ、第一関節まで入れて動かす。

『あっ…はぁっ…ん…いやぁ…』
蕾と同時に陰核を舐めたり甘噛みしたりする。
『ぁん…らめぇ…』
呂律が回ってない、子供のような声で哀願する彼女は、
例えようのないくらいに可愛い。

更に左手の指を秘唇の奥に入れかき回す。
『あっ…あっ……っん〜…』

彼女が絶頂に達した瞬間だった。
152名無しさん@秘密の花園:2006/09/05(火) 11:52:30 ID:HaoSKqnI
こんなあゆ美の姿を見たのは初めてだった。

彼女は焦点が合ってないような、遠くを見るような眼差しで天井を見てる。
しばらくすると、視線を天井に据えたまま、私の手を握ってくる。

『…美香のバカぁ』
『あゆ美があんなに乱れるなんて、私知らなかったわ♪』
『もう…こんな風になったの、美香のせいだよ』
『これで浮気する気は無くなったでしょ?』
『バカ…美香以外の人なんかにこんな姿見せるわけないよ』

普段は主導権を握ってる彼女が、こんなに可愛い面もあるなんて。
それが分かっただけでも今日は良い日だと思えた。

でもお互い、溜めすぎたせいか、一度達したら満足しちゃった。
今晩はもう寝ることになった。

一緒に裸で布団にくるまりながら、
『今度はあたしが美香に今日されたことと、同じことしようっと♪』
『あら?それなら、私もお返しにまたしちゃうよ』
『えぇ〜!?美香はやっぱり意地悪だぁ』
『好きだからいじめたくなるんだよ』
『美香のバカぁ…でも、あたしはそんな美香が大好きだよ♪』
『私もあゆ美が大好き♪』
電気を消し、手を繋ぎながら、「おやすみ」と言って寝る。

こうしていつまでも、仲良く一緒にいようね。
そう心の中で呟き、眠りに入った。

FIN.
153名無しさん@秘密の花園:2006/09/05(火) 12:35:44 ID:j40T1BIM
>>152素敵でした!このまま映画化してほしいぐらいです。
このスレ見つけて間もないけど、この二人のレズ萌えの人がこんなに居るのを知って驚きでした。    あ〜私一人じゃなかったんだ〜って、
デカの中では手を繋ぐぐらいで(ツアーは見てないので分からないけど)   精神的レズみたいなのをずっと感じてました。
デカ終わって一年半、そろそろ共演してもいい頃だし、
リクエストに答えてレズっぽいシーン入れたDVD発売してくれたら売れると思うんだけど…事務所違うからムリかな?
と切実に願う今日この頃です… 長文失礼しました。
154名無しさん@秘密の花園:2006/09/05(火) 13:06:08 ID:muMrsWsW
大変いかったです!萌える〜〜、萌える〜〜!!

ツインカムエンジェル、投下します。
ttp://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1148479926/142-164
の続きです。
一気に逝きます。
長くて色んなキャラ出ますが、どうか・・・m(__)m
scene 1  「dream of you」

日付が変わって何分か経った。
『眠れぬ夜』を過ごしている。
誰でも一度は経験するそんな夜の理由は人それぞれで十人十色、胸を裂くような悲しみだったり、どうしようもない寂しさだったり。

でも今の私はそうではなかった。
浮かれてしまうのは私らしくないけど、ベッドの中で遠足の前夜の子供みたいな気持ちで隣に寝ている彼女の寝顔を見てる。


私はもう既にチョコレートを既に拵えている。
甘い甘い、ちょっぴりレモンの薫りのするホワイトチョコレートだ。

「そういう関係」になった私と彼女はあれ以来、合鍵を作って部屋を行き来し合っている。
ラバーズデーのこの日はお互いのシフトがずれてしまって、昨夜から泊まりに来た非番の彼女は勤務の私にチョコレートを作るといって張り切っていた。

威勢だけは良かったけど、まだまだ料理はピカピカの一年生。
今晩の夕食に作ってくれた物は、外は必要以上にこんがりで中は生焼け、砂糖と塩を間違えたせいで胸焼けしそうに甘いホワイトソースのドリアだった。
「一体どんなチョコレートを食べさせられるんだろう・・・・・・」と内心不安になっていると、夢の中に居るはずの彼女はそっと手を握ってきた。

――――美味しいの作ったげるね!・・・ジャスミン、大好きだよ――――

ウメコ、焦がしてない?
砂糖と塩間違えてない?
手伝ってあげようか?
今すぐ夢の中に入って抱き締めて唇も頬にもいっぱいキスしたかったけど、そんな気持ちを押し留めて前髪をかきわけて、そっとおでこに口付けた。

私の中に注がれた優しくて温かい想いは、睡魔に転化していった。
scene 2  「heavy gauge」

バンは少しだけ落ち着いてた。

赤の特キョウ『ファイヤースクワッド』に引き抜かれて地球を離れてから、いろいろな事があったのだろう。
彼には今恋人がいて、その影響なのかどうかは分からないが活火山のようだった以前の髪型はソフトな感じにまとめられていた。
でも中身は相変わらずのファイヤーボール。

「ファイヤースクワッドではどう?ああ、あとマリーとも上手くいってるの?」
「ああ、両方ともな。ジャスミンも髪切ったんだな」
「ま、ね。私、ずっとしてた片想いが報われたんだよ。心機一転、その人と向き合いたいから」

バンはそう言った私にふ〜ん、という感じで腕組みした。


「ところで、さ・・・」
「は?何じゃらほい?」

「ウメコ大丈夫なのか?センちゃんと別れたって聞いたけど・・・」

彼は突然、真剣な表情で話し掛けてきた。

・・・呆れた。
本当に鈍い!
私達がこの前送ったメール見てくれたのかな?
ウメコと一緒に写った画像貼り付けて、「ラブラブで幸せだよ」ってそれとなく書いたのに・・・。
私と彼女はスワンさんの他にも、真実一路で実直で、友情を絶対に裏切らないバンにも『秘め事』を打ち明けてもいいかなと思っていた。
というか、現に打ち明けてるつもりだったのにこの通り鈍感だから、ちゃんと一から説明するのに骨が折れる。
はてさて、どうしたものか・・・。


「ジャスミン、ダメよ!バンは何にも分かってないわ。もう言っちゃいなさい。コレ飲んで、まずは喉を潤して・・・ね?」

わずかに鼻を擽る、甘くて優しい香りと共にブリーフィングルームの自動ドアの開く無機質な音がした。
困り果てた私と鈍感君を見るに見兼ねたのか、スワンさんはココアを二つ持ってやって来てくれた。
いつもならコーヒーなのにココアとはこれ如何に・・・バレンタインデーだから?
とにかく私はスワンさんが持ってきてくれたココアを口にした。
喉を潤すというより、緊張で乾いた口の中を湿らせるような感じだった。
フーフーいいながら美味しそうに飲むバンに深呼吸して、腰を据えて口を開いた。
「ほんじゃまぁ、びっくりしないで聞いてミソ。・・・私の恋人って、前に送ったメールに添付した画像に一緒に写ってた人。ずっとずっと好きだったの。彼氏じゃなくて彼女だけど。・・・ああ、もっと言うと、その人はバンや他の皆もよ〜〜く知ってる・・・」

・・・・・・ようやく気付いたようだ。
全てを言い終わらない私の横で、彼はココアを思い切り噴き出して自分の顔やデスクを茶色くした後、ブリーフィングルームを、いやデカベースを破壊してしまいそうな勢いで大声を上げた。

『まぁ驚くのもムリないか。でもそんなに驚かなくってもいいのに。前に私たちが一緒に遊んでたの見て「恋人同士みたい」って皆で言ってたでしょ?「みたい」って余計な言葉が外れただけなんだけどなぁ・・・アジャパ、話さなきゃ良かったかな』

スワンさんから差し出されたハンカチで、顔に付いたココアを拭う姿が何か情けなく映って、私は思わず外国人みたいなジェスチャーを取ってた。

けど、私たちの目に狂いは無かった。
彼は暫く黙った後ニッと笑ってから、何も言わないで握手を求めてきた。
私も手袋を外してからそれに応える。
痛いほどにがっちりと握手を交わした手からは気持ちがこもってくる。
彼らしい、言葉に出来ない義理堅い熱い気持ちだった。

そのまま私達を呼び寄せるように、SPライセンスが鳴り響く。
私達二人の肩を、スワンさんは強く叩いた。
「なぁ」
「はいな。何じゃらほい?」
「・・・余計なお世話、かもだけどさ・・・」
「何?」

バンに手伝ってもらってアリエナイザーを逮捕して、帰りの車中で彼は口を開いた。
私は、変わっていく外の風景を見ながら、適当に相槌を打つ。
一緒にマシンドーベルマンに乗り込むのは久しぶりだった。
彼が地球署を離れてから、正式な『相棒』になったウメコが助手席に座ってる。
その代わりマシンブルにはセンちゃんとテツの男寡婦だ。

「まさかジャスミン、センちゃんに『負い目』とか感じてないよ・・・な?」

真剣な表情で言った彼に対してとぼける。
さらに続けた。

「だってさ、あんだけ長かった髪の毛バッサリ切ったら誰だっておかしいって思うだろ?俺一応地球署メンバーだったんだぜ?」

私はジロリ、という感じでちょっとだけバンを見た。
言い当てられてた。
悔しいけど、憎たらしいけどその通りだった。
ふん、乙女心が解るようになったんだね?アタシから心を読むたぁ大したもんだ!
『負い目』って程のモンじゃない。
ウメコが私を選んでくれて、私もウメコが大好きだった。
その上で恋人同士になったからそれでいいのだ、でも・・・
あの時頬を打った後の、センちゃんの背中を思い出すたびに奪うような形になってしまったんじゃないかと。
センちゃんの気持ちはどうだったのか、と。
「新しい気持ちでウメコと向き合いたい」それもあったけど、センちゃんに対する私なりの『落とし前』を付けたかった、これが本心だ。
髪を切った後は皆驚いてた。
でもそれはどうあれ『落とし前』を付けた事で色んな意味でさっぱりして、ウメコも私もセンちゃんとはギクシャクしないで接する事が出来ている。
「やっぱ図星なのか?」
「ま・・・ちょっちゅね」

「・・・どうしようもねぇな、全く!!!!」

ちょっと黙ってから答えた私に、バンは突然鼻息が荒くなった。
地球で皆と一緒に居た頃の勢いで更に捲し立てる。

「そういうのナルシストって言うんだぜ。何で負い目感じて悲劇のヒロイン気取るんだよ?ウメコが選んだのはセンちゃんじゃなくてジャスミンなんだろ?ウメコはジャスミンが居たから乗り越えられたんだろ?ウメコだけ見てろよ。なんて言うか、上手く言えないけど・・・」

彼はまた黙った後、まるで自分自身に言い聞かせるように口を開いた。

「誰かを好きになったり、付き合いだしたりしたら、・・・一蓮托生なんだぞ。俺とマリーだって、その・・・一蓮托生だから、さ。」
乱暴な感じの言動に癒されていくのが解った。

『一蓮托生、か・・・・・・』

ちらっと、運転席のバンを見た。

赤い顔で笑っていた。
赤い顔で、ただ優しく笑っていた。
照れ臭そうに、ただ優しく笑っていた。
愛し合ってるんだね、マリーと。

私も早くウメコを愛したい。
ウメコに愛されたい。
ウメコと愛し合いたい。

静かに目を閉じたら、解れた心の中に彼女の顔が浮かび上がる。

『今頃、四苦八苦だろうな〜。』

キッチンの惨状を想像しながら、なぜか可笑しくて微笑んだ。
scene 3  「nice & slow」

「じゃあな」
「うん。お疲れ様。サンキュ」
「いいって。明日楽しくやろうぜ」
「アイアイサー」

バンとの再会を祝して、明日は地球署の皆でパーティーをしようという事になった。
レポートをまとめて勤務を全て終えた私は帰路に付いていた。
とはいっても地球署スタッフの居住空間はデカベースの中にあって、実際には部屋まで一分も掛からない。
でもそれはエレベーターやエスカレーターを使っての話。

わざわざ階段を使って、部屋までの道を一歩ずつ、一歩ずつ踏みしめる。

次第に私の中で『二月十四日』という日を、大切な人と一緒に過ごしているという事を実感して胸が高鳴り始めていく。

たどり着いた自室のドアを開ける前に、大きく二度深呼吸。
そして三度目を噛み殺してから扉を開けると、甘い匂いと声がしてきた。
「あっもう、ちょっと待って!」と、慌てたようにそう言う彼女は既にめかし込んでた。
ポニーテールはそのままにタートルネックのニットにデニムのミニスカート、ダウンジャケットにクロスのチョーカー・・・ギャル?

「お帰り、作り終わったよ!」
「ただいま・・・やっぱり〜。」
「何よ?あたしが作ったの、目一杯おいしいんだよ。散らかってるのは今から片付けるの!!」

(ちゃんと出来る人はキレイな仕事するんだよ)と言いたかったけど、リスみたいに動き回るウメコの幸せそうな顔を見てたらどうでも良くなった。

「ちょっと、見てないで手伝って!」

はいはい、仕方ない、片付けるの手伝ってあげよっか。
この後は予約したレストランで食事をする予定で、チョコはそこで交換し合う。
ウメコのが冷えて固まるまでは少し時間がある。
滅茶苦茶に散らかったキッチンを片付けた後、冷蔵庫からオレンジジュースを出して二つのグラスに注いで、片方を彼女に渡した。

「ねぇねぇ、バン元気だった?どうせ気付いてなかったんでしょ、アタシ達のこと」
「うん。な〜〜〜〜んにも気付いてなかった。呆れカエルのひっくりカエル!でも大人になってた。私たちのこと話したら、応援するって」
「そっか!よかったね!!」

ジュースを一気に喉に流し込んで、嬉々として彼女は言った。

とても喜んでた。
私も同じ気持ちだった。
そのままウメコと話し込んだ。
今日一日がどうだった、ああだった、お昼ご飯は何を食べた・・・とりとめの無い話だった。
「ちょっと、何がおかしいの?ねえ、ねえってば!!」

頬杖をついて子供みたいに話す彼女の顔を見て、私は急に笑いが込み上げてた。
顔・・トレードマークのエクボのあたりにチョコレートの飛沫をくっ付けたまま一生懸命話をしていたのが可愛くて可笑しい。


――ウメコだけ見てろよ!一蓮托生なんだぞ――


ムッツリした顔を見ながら、バンの言葉が頭の中で再生されていく。
溢れるような愛しさになって、私の心を充たしていく。

「笑わないでヨ、ジャスミンなんて大嫌い!!アッカンベーっだ!!!!」

彼女の「嫌い」は「好き」、解ってる。
だからこそ、今すぐに愛し合いたかった。

「あ・・・・・・やだ、ちょっと、冗談だよ。ウソだよ、大嫌いなんてウソだってば、ごめんね、あの・・・」

彼女の困った顔を見たくなってた私はわざと悲しい顔をした。

でも長く続けるつもりなんて無い。
顔を覆うような動作をしてからちょっと間をおいて、泣き声になりかかってるウメコに舌を出して仕返しみたいに顔を近づけた。

「あっ、からかったの!?ばか、ばか!!」

やりたいことを、もう一つ。
膨れ上がった彼女のエクボのチョコを唇で拭った。
悪態をついてた尖った口は半開きになって、頬から顔全体がみるみる赤く染まっていく。
勤務が終わった後で意識的にしてる頬っぺたへのキスはいつになく甘い。
たまらなくなって抱き締めた。
SPDのロゴが入った壁時計の秒針だけが静かに鳴る。
ウメコは私の手袋をゆっくり外しはじめる。
細い指が私の掌に絡まっていった。

「チョコ付いてたよ・・・笑ってごめん」
「・・・ありがと」
「もう固まったかな」
「ねぇ、ジャスミンあたし・・・」

伝わってるよ?
私も食べたいな。

愛しむように唇を重ねた。
胸の奥に当たる、彼女の吐息。

――茉莉花だけだよ――

軽く触れる唇に込められる七つの文字、私の名前。
今日一日考えてたことを見透かされてるようだった。
「何で・・・?」
「何が?」
「何で、さ・・・考えてたこと解っちゃったの?」
「へ?何それ」
「いや、あの・・・なんて言うか・・・ウメコもエスパー?」
「・・ぷっ!アハハハハ、バカみたい!」

・・・嗚呼、ホントバカみたい!!
難しく考えるの、バカらしくなってきた。
センちゃんがどうだ、ああだ、そんなのは関係ない。
私がウメコを愛するのは、センちゃんへの負い目でも引け目でも何でもない。
私がウメコを愛するのは、私がウメコを愛してるから。
今あるのは、目の前に居るウメコとキスしてることだけ。

ただ、それだけ。

「ベッド行こっか?それともお風呂場がいい?」
「やだ。あたしここでいいよ。」
甘えた声でそう言って身体を預けてくる彼女を抱き寄せて、絨毯の布かれたフローリングに座り込んで唇を押し付けた。
触れるキスから、舐めるキス。
私がグロスリップを剥すように口付けて、彼女は唾液をたっぷり絡ませた舌を私の咥内に挿し込ませてヌルヌルと動かす。
オレンジジュース、チョコレート、ウメコ。
色んな味のする甘くてつるつるした舌を絡め取って、千切ってしまいそうに吸い付く。
キスを解いて、間を持たせるように見つめあった。

「オレンジの味する?」
「ううん、ウメコの味」

声が、震えてる。
考えることは同じ。
肌の温もりが、考えてることを教えてくれる。
ちょっとだけ黙ってから再び唇を押し付けあったり、舌を絡めながらお互いの服を脱がせていった。
下着だけの姿になってから彼女の胸元に顔を埋めて、口を使ってブラジャーのフロントホックを外した。
無機質な音がしてから、黒い布切れはスルリと落ちていく。
大人びた感じの下着は、子供みたいな体型の彼女曰く「勝負下着」として用意してたもの。
アンバランスさがかえって淫らな気持ちを膨らませていく。

「おやまぁ、かわいいパイパイ」
「ジャスミンのエッチ。」
「あれあれ?今から何するの?」
「・・・ジャスミンとエッチ。」
「宜しい。・・・ウメコも脱がせて」

同じフロントホック。
乳房に、荒くなった彼女の吐息が掛かる。
彼女の頭に鼻先を押し当てて抱き締めながらポニーテールを形作ってたバンドを外した後、後ろ側がTの字になってるショーツを剥ぎ取った。
覆い被さって耳たぶを甘く噛んで、指を這わせる。
胸元からゆっくり、ゆっくりと滑らせて、そっと彼女の中に指を挿し入れた。
そのまま尖った珠を指で挟みながら内側を擦ると、ヌルリと蜜で溢れた場所がきつくなる。

「あ・・・ん、んっ、ん・・・んあっ」

指を動かしながら、キスの雨を降らせた。
唇に。
顎に。
首筋に。
肩に。
胸に。
お腹に、唾液を纏わせるとキュッと抱きついてきた。
声に混ざりながら指を抜き挿しする淫靡な音と、漏れる吐息の甘い匂いが更に私を乱れさせた。

「まりか、やあぁっ、あっ・・・ああぁん、あん、あっ、だめぇ、っ・・・!」

首に巻き付けられた腕は一瞬だけ強張った後、ゆらゆらと朽ちていった。
「喉、渇いた・・・?」
ちょっとだけ間を置いて顔を上げたウメコは立ち上がって、テーブルに置かれたグラスを手にして飲みかけのジュースを含んで、私に口移ししてきた。
コクン、コクンと音が何度か鳴って、甘いオレンジ色の液体が喉の奥を通っていく。
唇を被せたまま音を立てて唾液を啜り合うと、蕩けそうな感覚が全身に伝わった。

「今度はあたしだよ・・・いい?」
「・・・ウメコ」
「なに?」
「・・ううん、何でもないよ」
「何よぉ」
「・・・・・・」
「そういえばあたしさ、さっきジャスミンの事『茉莉花』って呼んだよね?」

「抱いて」って一言が言えなくて目を逸らした私に、ウメコは微笑んで言った。
頷く私に続けた。

「あたしの事、名前で呼んで・・・ね?じゃないとしてあげないよ?」

悪戯小僧。
でもウメコは・・・初めて私を名前で呼んでくれたんだ。

「小梅・・・抱いて。」

リモコンを使って部屋の灯りを消した後、彼女の名前を呼んだ私は全てを委ねた。
耳の中に舌が這い回る。
唾液の泡立つ音と囁きが私を責め立てる。
首筋から胸元に、ゆるゆると湿った感覚が襲い掛かってきた。
くるくると回りから舐られて固くなった胸の赤い突起に歯を立てられた後、いたずらに舌先で弄られた。
甘い疼きに耐え切れなくなって、キュッと閉じた目尻から涙が落ちる。
ウメコの手を、力いっぱい握った。
いつもはウメコから握ってくるけど、今は私から。
ウメコの全てを感じたい。
彼女は横たわった私の下半身に顔を沈めてから、パンティ越しに湿った部分を愛撫しはじめた。
鼻を当てて匂いを嗅がれた後で、目に沿って舌でなぞられた。
妙に動物的な愛撫。
「ね、立って?あたしに任せて、茉莉花・・・」

ウメコの言われるままに膝で立つと、パンティのサイドに付いていた紐を口でゆっくりと解いてきた。
そのまま、露わになってる部分を押し付けるように下になった彼女の顔のあたりにゆっくりと腰を沈める。
息を吹きかけられてからほんの一瞬唇が触れて、ディープキスみたいに彼女が入り込んできた。
無意識に身体が捩れて仰け反るけど、固く握った手がそれを許さない。
包皮で包まれた珠を唇で露わにされて、強く吸い付かれた。

「きゃん・・・っ、きたない・・・」
(汚いトコなんてないよ。可愛い・・・)
後ろ側にもヌラリ、ヌラリと、なめくじのように動き回る彼女の舌。

「小梅、こう、め・・・あんっ、もうやだ、やだぁぁ、いっ、くぅ・・・」

快感を貪りながら、何度もウメコの名前を呼んだ。
掠れ始める、私の声。
愛されている証を授けられた私は、静かに上り詰めた。
溶けるほど愛した部分に再び指を運ばせ合った。

汗ばんだ身体を寄せ合って、舌を絡めて蜜の味がするキスを交わしながら、お互いの敏感な場所を探り当てていく。
それに抗うわけでなく、お互いに身を任せていった。
私の肌の中で「ダメ」と言う彼女に口付ける。
彼女は「イヤ」という私を強く抱き寄せる。
言葉にならない言葉の中に、うわ言のような甘い言葉。

どっちからでもなく再び手を握り合った瞬間、流線型になって暗闇に跳ね上がった。
ぼんやりと浮かび上がるウメコの顔は、穏やかな笑顔。
抱き合ったまま、私の鼻に自分の鼻の頭を子猫みたいにツンツン当ててくる。

「こら甘えんぼ、いい加減離れて。動けないよ・・・?」
「やだ。あたし離れないもん。・・・こうしてたい」
「一蓮托生、だよ」
「何?それ」
「うん。えっとね・・・」

口を開こうとすると・・・暗い部屋の中でお腹が、鳴った。

「・・・ちょっと!!」
「どっち?ウメコでしょ?」
「あたしじゃないモン!!」

アジャパ、ムードぶち壊し!
でも耽美な余韻を壊してしまう間の抜けた音も、今の私達には最高のBGM。
灯りを点けて時計を見ると、もうすぐレストランの予約時間。
「シャワー浴びよ。」
「よござんすよ。それまでにチョコ固まるよ」

笑い合った後、私とウメコは裸のままバスルームに向かった。
epilogue 「your love song」

「Bistro la Salle」。

予約した上で訪れたそのレストランは、思い切り変だった。
別にレストラン自体は変ではない。
店員が皆風変わりで、かなり面白い。

愛想が悪いけどやたら気の利くウエイトレス。
愛想がとても良いけど気の利かないウエイター。
そして、やたら自信家でナルシストなシェフ。

しかし何故か何だかこのシェフが作り出す料理は絶品で、そんな事は問題にならないほど。

柔らかくなるまで煮込んだ玉葱の丸ごと煮から始まって、麻婆豆腐にポトフ、卵がたっぷりのまろやかな味わいのカルボナーラ、昆布の風味の和風ステーキ、マグロの漬け丼・・・。

メニューは和洋中バラバラだったけどとても美味しかったし、一緒に出てきたスパークリングワインで舌も滑らかになって上機嫌、私も彼女も笑顔と笑い声が絶えなかった。

でもそれぞれを一人前ずつ頼んで分け合ったとはいえ、女二人の食欲って恐ろしい。
デザート以外の食事を全部残さず平らげて、いよいよお互いのチョコレートを食べようとしてラッピングされた箱を開けた時、厨房から突然シェフが現れた。

「おおう、アンビリーバボー」
「あっ!何するの?」

彼は突然、私の持っていた箱からウメコの作ったチョコを一つ取って口に入れた。
「天道・・お前何してんだよ!!お客様、申し訳ございません!ひより、お前も謝れよ」
むっつり顔のウエイトレスと一緒に、まるで米搗きバッタのように平謝りするするウエイターをよそに、「天道」と呼ばれたそのシェフはチョコを味わった後、口を開いた。

「旨いものに愛情が加われば、さらに何倍も旨くなる。おばぁちゃんはこう言っていた、『どんな調味料にも食材にも勝るものがある。それは料理を作る人の愛情だ』と・・・。旨いチョコレートだった。これはサービスだ。食べてくれ。」

彼はその後、デザートの盛り付けられたディッシュと造花を二つ、置いた。

百合のペーパークラフトと、木苺のソースがかかったチョコレートムース、か。
最高のおもてなしだよ。
洒落てる。

でもどうやら私の彼女は納得いかない御様子。
ウエイターとウエイトレスを足止めしてマシンガンのように文句を羅列させてる。
「仕方ないな」と言うのが早いか、チョコレートムースをスプーンで掬ってウメコの口に運んだ。

・・・・・・文句はどうしたの?
明日のパーティーの予約もここで取って、帰り道に海の見える公園に立ち寄った。
「満足満足!美味しかった」
「さっきまで文句言ってたくせに。チョコ食べよ」
ブランコに座って、手袋を取ってから再び箱を開ける。

「お先にどうぞ」

片方の手を、優しく握られる。
少しだけ笑ってから、一つ、頬張った。

・・・美味しい。
昨日の甘いドリアを作った人が作った物とは思えないほど、美味しい。

食べながら、そっと注がれた『調味料』。
手を握られた理由、解ったよ。

「おばぁちゃんはこう言っていた、『どんな調味料にも食材にも勝るものがある。それは料理を作る人の愛情だ』・・・ってね。自分でも上手に出来たって思ったんだよ?」
「調子乗らないの。でもまぁ・・・よく出来ました、マルっと。」


会話が途切れた。
ブランコの軋む音だけが聞こえる。
立ち上がってから包み込むような笑顔を浮かべた後で、白い息を吐いてるウメコの唇に、磁石のように吸い寄せられていく。
冷たい。
彼女の唇の感触とは違う、小さく刺すような冷たさがキスを邪魔した。

「あ・・・・・・」
「・・・・雪だよ」

夜空を、見上げた。
キスを邪魔した粉雪。
クリスマスの時には降らなかったそれは、私達を妬いてるみたい。

――――白く、染めてください。
私達を、白く染めてください。
ただ白く、白く染めてください。
ウメコを・・・小梅を、愛させてください。
昨日より、明日より、今、愛させてください、もっと、ずっと――――

肩を抱きながら、彼女にありったけの想いを注ぐように、クリスチャンみたいに祈る。
雪の舞い散る『音の無い音』は、静かな空気の中で賛美歌のように響き渡るように感じた。
「寒いから、帰ろ。いっぱいいっぱい温めてあげる」
「ん・・・さっきの『一蓮何とか』って何?」
さっき、教えられなかったバンからの四字熟語の意味を教えよう・・・でも言葉で説明するの、面倒だな。

「こういうこと!!」

力いっぱい、痛いほどギュッと抱き締めてウメコに教えた。


Fin
177名無しさん@秘密の花園:2006/09/05(火) 13:37:27 ID:8V80ZhjA
立ち上げ直して投下しました。
長くなって申し訳ありません。
178名無しさん@秘密の花園:2006/09/05(火) 17:21:29 ID:HaoSKqnI
>>177
激しくGJ!!
ツインカムエンジェルはやはりいい。

天道、加賀美、ひよりのゲストもいい味出してて良かったッスよ。



>>177さんのを読んでて思うのが、この二人は愛し合うほどにピュアになっていくこと。
エッチは確かに不埒なんだけど(w イヤらしさだけじゃなく
二人の愛が深まるほどに互いに雪のように綺麗で真っ白になる、
一種の禊ぎのように感じちゃうんですよ。
まぁ、自分で書いた際にも、そんな感じにしちゃったけど(w


ちなみに、拙作のあゆ美先生のベッド買い換えイベントは
「彼女ならこうしそう」と考えて書きました。
二人で歩き始めるため、互いにゼロにするのに何かしそうな気がしたんで。


もうしばらくしたら、また続きを書こうかな?と考えております。

最後に、自分の作品が途切れ途切れになってしまい、申し訳ありませんでした。
以後気を付けますm(__)m
17976:2006/09/05(火) 21:57:13 ID:v0dqn78x
>>133
病院編の、出会いから一年後くらいの短編投下します。
書き手が違うので辻褄が合わないかもしれませんがご容赦ください。

なんか蛇足話かもしれませんが、私の母親が看護士なもので、
こういう場面も描いておきたいという感じで妄想していました。
180名無しさん@秘密の花園:2006/09/05(火) 21:58:08 ID:v0dqn78x
「辞…める?」
本日の診察が終わり、カルテを整理しているあゆ美先生のところへ行き、私は思い切って言った。
「はい…。もう、限界なんです…」
本当だった。看護士の業務は想像以上の激務だった。人の命に関わるから、毎日気が抜けない。
不規則な生活、慢性的に続く寝不足、体調不良。
これからも看護士としてやっていくか考えれば考えるほど、ますます寝られない日々。
加えて、仕事でミスをすることも増えてきた。お局先輩看護士からの説教タイムも激しさを増す。
休日も頭がぼーっとするばかりで、何もする気になれない。
あゆ美先生とラブラブだったのも最初のころだけだった。
同じ部屋に住んでいるのにもかかわらず、シフトが合わずにすれ違いばかり。
たまに一緒の時間があったも、いつも私がぐったりして横になってばかりだった。

「辞めた後は、どうするつもりなの?」
あゆ美先生が当然の質問をした。
「えっ、と…」
言葉に詰まった。辞めると口にしてしまったのも発作的なものがあり、その後はまったく何も考えていなかった。
他の病院に移ったところで、忙しさなんて変わらないだろう。あゆ美先生とも職場が離れてしまう。
私が辞めることになったら、あゆ美先生は私を部屋から追い出すのだろうか?
181名無しさん@秘密の花園:2006/09/05(火) 21:58:43 ID:v0dqn78x
「看護士の仕事を楽だと思ってやってる人なんていないわ。辛いのはみな同じよ。それに、まだ一年ぐらいしか経っていないわ。三ヶ月とか一年目とかが誰でも辞めたくなる節目って言うじゃない?もう少し頑張ってみれば慣れてくるって」
「でも…。私向いていないと思ったんです。おっちょこちょいでみんなの足引っ張ってばっかりだし。なんか、役立たずのようにも思えてきちゃって…。それに、体力的にも、キツイし…」
「そう…」
あゆ美先生が、悲しそうな顔をしたように見えた。
仕事を辞めたいと告げたに過ぎないのに、あゆ美先生にお別れの言葉を言ったような気分になった。
切ない気持ちが急にこみ上げる。私が病院を離れたって、あゆ美先生に会いたいときに会えばいいのだ。

「私は、止める権利なんてない。けどこれだけは言わせて。美香は役立たずなんかじゃないわ。今入院している子どもたちが知ったら、どう思うかしら」

私は、同棲し始めたころ、ベットの中であゆ美先生に話した夢を思い出していた。


『私ね、たくさんの子どもを元気にさせたいの。そして、たくさんの笑顔を見たいの』
『へぇ。いいねそれって。小児科を志した昔の私とおんなじ。それなら、たくさん見るためにも、ずっとがんばっていかなくっちゃね』

『おかあさん、帰っちゃったけど、泣かないのね』『みかちゃんがいるから、さびしくないよ』

『今日で退院よ。元気になって良かったね!』
『いやだいやだ、みかちゃんとはなれたくない!』『この子にいつもやさしくして頂いたようで…。本当にありがとうございます』

182名無しさん@秘密の花園:2006/09/05(火) 22:00:30 ID:v0dqn78x
自分のしんどさだけが専攻して、周りを見失っていた。私を必要としてくれている人がいるんだ。
「…あなたが辞めて、寂しく思う人もいるのよ。…それに、私だって」
あゆ美先生が私に近づき、そっと頭を撫でる。
「ここ最近、ずっと美香辛そうで…。心配だったんだから」
辞めるなんて弱音吐いた私を冷たくあしらってくれていたら、心置きなく辞めれたのに。
こんなときに限ってやさしいなんて。あゆ美先生の馬鹿。
「私…。もう少しだけ、頑張ってみます」
あゆ美先生がほっとしたような顔になった。
きついけど、もう少し続けてみようと思う。子どもたちと、あゆ美先生がいる限り。

「今日帰ったらさ、久しぶりに、しよっか?」
あゆ美先生が、いたずらな顔で言った。
「うん!」
泣き顔から一転、私はくしゃくしゃの笑顔をあゆ美先生に返した。

END
183名無しさん@秘密の花園:2006/09/05(火) 23:12:14 ID:QIvSyLwZ
>>180-182
イイ!!
184名無しさん@秘密の花園:2006/09/06(水) 00:39:42 ID:4G5hYqzg
今夜もあゆ美と美香の夢見そうです。可愛いなぁ〜〜
しかしこのスレも奥が深くなってきましたね♪
185名無しさん@秘密の花園:2006/09/06(水) 01:14:27 ID:WNceEPq9
美香@看護士の元ネタ提供者です(w

>>180-182
完璧です!!自分も准看護士の友達がいますが
やはり身近にいる方が書いてくださると、すごくありがたいです。


チラ裏的妄想から始まったネタもここまでくると、
ちょっとしたパラレルストーリーになるもんですね〜♪
186名無しさん@秘密の花園:2006/09/06(水) 01:58:36 ID:4G5hYqzg
>>185
軽い気持ちで小説キボンした者ですが、本当に書いて頂いて嬉しく思ってます。
これマジで映画化してほしいくらいいい話になってますよ〜!
他の百合スレではありえないって感じですね!
187名無しさん@秘密の花園:2006/09/06(水) 07:56:21 ID:tLKNBBsf
>>180-182
いい、リアルで。うん。
ツインカム書いた者ですが、ここのSS見たら美香ちゃんとあゆ美先生の書きたくなったw
書いたら投函していいですか?
188名無しさん@秘密の花園:2006/09/06(水) 16:46:23 ID:WNceEPq9
>>187
構いませんよ。というより、お願いします。
189名無しさん@秘密の花園:2006/09/06(水) 23:26:00 ID:4G5hYqzg
昔、安田成美と中森明菜の「素顔のままで」というドラマがあったんだけど、

成美が子供を出産後亡くなり、その子を明菜が育ててゆく…というラストで死ぬ程泣いた記憶が蘇ってきました。
何となくあゆ美先生と美香も、行きつく所はこういう感じになりそう…?

私の勝手な妄想でした。
190名無しさん@秘密の花園:2006/09/06(水) 23:41:21 ID:dHZmb6jk
死ネタはやだ。かわいそう
191名無しさん@秘密の花園:2006/09/07(木) 00:18:47 ID:4Tv+Em88
確かに。
じゃ死なない方向で、あゆ美先生の続編お待ちしております♪
192名無しさん@秘密の花園:2006/09/07(木) 01:35:41 ID:JHqhpj8n
このスレ的には、どんな作品であろうとも、
美香とあゆ美の仲の良さは普遍であって欲しいですね。
193名無しさん@秘密の花園:2006/09/07(木) 08:35:05 ID:eWXBKiib
病院の中で悲しい事があって、そして・・・みたいな感じのお話ですが宜しいですか?
どうしても「大きな病院で避けきれない事」がテーマになりますが・・・。
二人はラブラブです、はい。
194名無しさん@秘密の花園:2006/09/07(木) 08:41:32 ID:4Tv+Em88
ですね!
一部の不仲説もぶっとばしちゃいましょう!!
195名無しさん@秘密の花園:2006/09/07(木) 08:48:33 ID:4Tv+Em88
>>193
ちょっと悲しい話も好きなんで、ぜひヨロシク。
196名無しさん@秘密の花園:2006/09/07(木) 17:20:48 ID:TYZFwXBx
木下あゆみがでている映画って、どういう映画だっけ?
197名無しさん@秘密の花園:2006/09/07(木) 18:29:48 ID:JHqhpj8n
>>193
お願いします

>>196
つ 映画『マスター・オブ・サンダー 決戦!!封魔龍虎伝』公式
ttp://www.m-thunder.com/
198名無しさん@秘密の花園:2006/09/08(金) 09:07:46 ID:5nyn6i8O
美香ちゃんのブログっていうのを初めてざっと読んでみたけど、あゆ美ちゃんの事書いてあるのは鹿児島のイベントぐらいだね。

う〜ん実際二人の思い出とか無いのかな〜?
もっと書いてほしいですね……
199名無しさん@秘密の花園:2006/09/08(金) 17:28:56 ID:toBr84JS
指きりげんまん

病院の食堂で夕飯を済ませてから、帰りに愛想の悪い酒屋に寄って二人で部屋に戻る。
イーグルスのベストアルバムをかけてみたけど元気なんて出ない。

私も美香も、缶ビールに少しだけ口を付けて黙りこんだ。

「大丈夫?」
「はい、じゃなくって、うん。あゆ美センセ・・・あゆ美は?」
「大丈夫だよ。」

しばらくして取り繕うように、吐き出すような会話をする。
私は、何回か似たようなことを経験してる。
でも半年経ったとはいえ新人の彼女にとっては、この上なく大きな絶望。

泣き腫らした眼だけで彼女は作り笑いを浮かべた。

「あたし・・・」
「うん」
「はじめてだったんだ、約束したんだよ、あたし。さよならも、まだ言ってないんだよ、それなのにひどいよ・・・。」

美香は午前中の出来事を思い出すように唇を噛み締めた。

200名無しさん@秘密の花園:2006/09/08(金) 17:29:44 ID:toBr84JS
同棲し始めて、新人だった美香に色んな意味で「余裕」が生まれた。

梅雨の明けた夏のある日、他所の病院から転院してきた一人の男の子と知り合った。
目がクリクリしてハキハキした、抱き締めたくなるくらい可愛い男の子。

「晶君って言うんだ。あたしは美香で、こっちはあゆ美先生だよ、よろしくね」
「うん、はじめまして、よろしくお願いします!」
「晶クン、それなあに?」
晶君の手には、絵本と六体の人形が入った手提げ袋が握られていた。

「これね、デカレンジャーって言うの!」

デカレンジャー・・・聞いたことはある。
ちょっと前にやってた、テレビヒーロー番組だ。
入院してる子達の中にも、好きな子いたな。
「晶、美香ちゃんに読んでもらう?」と、お父さんとお母さんは申し訳なさそうに美香に絵本を差し出してきた。

「私も読ませてください、ね?」
「あゆ美先生、優しいしすっごく面白いんだよ〜」

変身願望・・・なんてものはないけど、ヒーローって好きだし、面白そうだから私もついつい仲間に入った。
晶君は絵本を使ってやる「ごっこ遊び」が大好きだった。
201名無しさん@秘密の花園:2006/09/08(金) 17:30:26 ID:toBr84JS
レッドは晶君。
ブルーとグリーン、デカブレイクはお父さん。
イエローは私、ピンクは美香。
お母さんは劇中で登場する「白鳥スワン」という女性科学者。
「僕も混ぜてくれないかな?」
低くて優しい声の主は、小児科部長の稲田先生。
気さくで優しくて腕の立つ私達のボスだ。
「じゃ、稲田先生はボスお願いします。じゃ、いくよ!!」

「あゆ美先生と美香ちゃん、ジャスミンとウメコみたい」
朗読劇のように役柄になりきって、皆で絵本を読み終えて、晶君は言った。
「ジャスミンと・・・」「ウメコ?」
私達が口をそろえて言うと、晶君は絵本の裏表紙を見せてくれた。
「ジャスミン」はデカイエローに変身するエスパー刑事、「ウメコ」はデカピンクに変身する行動派刑事。

なるほど、確かに似てる。
しかも美香は「ウメコ」と同じポニーテール、私は「ジャスミン」と同じ二つ分けのロングヘア。
「あきらくん、スペシャルポリスになるの。皆と一緒に戦うんだ!」
「じゃ、早く良くなろう!あゆ美先生とあたしと、指きりだ!」

202名無しさん@秘密の花園:2006/09/08(金) 17:31:08 ID:toBr84JS
プ二プ二したほっぺたを触って、彼女は言ってた。
ちょっとだけ彼女に目配せしたら、晶君に負けないくらいのキラキラした笑顔だった。
でも、目元がちょっと光ってた。
私の心の内側が、震えるように感じた。

私も美香も、受け入れの引継ぎで知ってたから。

全部、知ってたから。

だからこそ美香は笑顔で居たかったんだと思う。
晶君の為に。

「指きりげんまん、うそついたら針千本の〜ます!指切った!!」

三人で交わした、最初で最後の指きりげんまん。
指の感触は、今でも残ってる。
夏休みが終わった日、晶君は笑顔のまま、天国に旅立った。


それから一週間。
美香は前にも増して笑顔で私にも子供達にも接するようになってた。
だけど私には分かってた、美香がかなりムリしてた事。
いや、一緒に居て分からない筈が無い。
私も私で、悲しい気持ちを拭い去る事が出来ずにいた。
そして今日、晶君のことで軽はずみな言動をしたスタッフの先生と衝突してしまい、一日ずっと落ち込みっぱなしになってしまった。
203名無しさん@秘密の花園:2006/09/08(金) 17:32:08 ID:toBr84JS
「あ〜〜っ、美香、私お腹空いた!おにぎり食べよ」
別にお腹が空いていたわけじゃなかったけど、何とかして重い空気から抜け出したかった。
「は?あゆ美・・・よくこんな時にゴハンなんて言ってられるね」と、彼女は案の定突っ掛かってくる。
それでも私はそんな美香に背を向けてキッチンに向かって、材料を出す。

「悲しくたって、お腹空くよ。さ、作るよ」
「あゆ美、解ってなさ過ぎだよ、あんまりだよ、ヒドイ!そんなに冷たいなんて思わなかった。それでもドクターなの?晶君のこと考えたら・・・」

耐えられなくなった私は、美香を引っ叩く代わりにキッチンのホーローを思い切り叩いた。


「私だって解ってるよ、悲しいよ。こんなのってないよ、何で・・・」

視界が滲んだ。

スペシャルポリスになる、という晶君の言葉。
笑いながら泣いてた美香。
色んな事が頭の中に浮かんで消えた。

そっか、泣きたかったんだ。
いっぱい泣きたかったんだ、私も。

「やだ、・・・ごめん、美香・・・」
悲しい気持ちに素直になれなくて、彼女に謝るけど嗚咽が漏れて言葉にならない。
「あゆ美、ごめんね、あたしも、あたしもごめんね・・・」
泣き声の美香は、私に近付いて背中に濡れた頬と水っ洟をくっ付けてた。

「take it easy」が流れる部屋の中に、すすり泣く声が響いた。
204名無しさん@秘密の花園:2006/09/08(金) 17:32:44 ID:toBr84JS
泣き止んでから私達はでっかいおにぎりを一つ作って、それを半分こにして食べた。
「ばくだんむすび」というやつだ。
食べ終わってから晶君の話をして、自分が昔した『似たような経験』を話した。
たくさん泣いたから、私も美香も身振り手振りを交えながら、時折笑顔で話が出来てる。
「ね、美香、いい看護士さんに慣れるよ」
「でもあたし、ドジだし怒られてばっかだよぉ」
「大丈夫!だって美香には優しい心があるよ。美香、よしよししてあげる〜、大好き!!」

ちっちゃい子供をあやすみたく抱き締めて、美香の口に自分の口を軽くタッチさせた。
美香の涙腺がまた決壊した。
私に強く抱きついてくる。

「思い出した?泣いていいよ・・・ん?」
「・・・あゆ美、ありがと。あゆ美が居なかったら、絶対あたし乗り越えられそうにないよ・・・優しすぎるよ、ばか・・・ば、か」

そっと彼女の横を見たら、晶君のお父さんとお母さんに頂いた「デカレンジャー」の絵本が目に入った。

「そういえばね、ジャスミンってエスパーなんだよね」
「うん」
「私、ジャスミンみたいに美香の事、いっぱい感じたいな。こうして触れるだけで、嬉しい事も、悲しい気持ちも。誰よりもいっぱい・・・」

まだ消毒の匂いがする髪を撫でながら抱き締め返した。
205名無しさん@秘密の花園:2006/09/08(金) 17:33:21 ID:toBr84JS
それから私達は、泣きながら愛し合った。
ありきたりの慰めの言葉で慰めあえるのなら、もうとっくに元気になってる。
現実逃避、それでもいいって思ってる。
今はそうでも、この苦しみから必ず乗り越えられる事は私が一番解ってるから。

それに傷ついた心を癒せるのは、お互いの存在しかないっていうのも。
美香にとっては私の存在で、私にとっては美香の存在。

慈しむように、慰めあうように身体中にキスし合って舐め合って、手を握り合って重なり合って、何度も何度も愛し合った。
「確かジャスミンとウメコって、仲良しなんだよね」
「うん。晶君『ツインカムエンジェル』っていうんだって言ってた。」

泣き止むまで求め合って、美香は腕枕の上でぽつんと言った。
「明日休みだから、デカレンジャーのDVD借りて観てみようよ」
「・・・そうだ!!」
美香の一言で、私は思い付いたように口を開いてた。

「あのね、今度のお祭りさ――――――――」


206名無しさん@秘密の花園:2006/09/08(金) 17:34:15 ID:toBr84JS
お祭り。
ウチの病院では毎年四回、患者さんと職員のコミュニケーションを深めるために入院している患者さんをホールに集めて科別に職員が一芸を披露する、通称「お祭り」をやっている。
今日はその日。
そして小児科はトリをつとめた。

「最後は、小児科スタッフによるユニット名『ツインカムエンジェル』です、どうぞ!!」


私たちの出し物の内容は・・・そう、デカレンジャーのジャスミンとウメコのコンビ「ツインカムエンジェル」!
仕事の合間に衣装を作って、ギターが弾ける私は美香にコードを教えて、ダンスが得意な美香は私に振り付けを教えてくれた。
他に楽器が出来る人がいないから、他のスタッフは皆バックダンサー。
スポットライトの下で、唄って踊る。

―いつも緊急 ラブコール―
―プライベートなのに アリエナイザー―

小児科の子供達は勿論、お年寄りの患者さんもハッスルしてくれて小児科は最優秀賞を獲得でき、秋のお祭りは大盛況のうちに幕を閉じた。
207名無しさん@秘密の花園:2006/09/08(金) 17:35:03 ID:toBr84JS
舞台の上で、美香はみんなに笑顔で手を振ってた。
今すぐキスしたくなるくらいの、飛び切り可愛い笑顔だった。

すごい。
やっぱりすごいな、美香は。
美香と出逢えて、美香を好きになって、本当によかった。
私は後ろから、美香の左手の小指に自分の右手の小指を絡ませた。

「あゆ美先生、だめですよ!・・・手袋、取らないと」

美香は私に笑ってみせる。

晶君、見てる?私たち、ジャスミンとウメコみたい?

「ふたりとも、エマージェンシーして!!」
子供達のリーダー格の悟だ。彼は三日後に退院する。

「じゃ・・・チェンジスタンバイ!」
「ロジャー!」
ジャスミンとウメコになりきって、私と美香は声をそろえた。

「エマージェンシー!!」


FIN
208名無しさん@秘密の花園:2006/09/08(金) 18:26:40 ID:5nyn6i8O
今帰ってきて早速読ませて頂きました。
あゆ美先生の聖母の様な優しさに包まれて、美香も大人になっていくんですね♪
こっちまで優しい気持ち分けてもらいました。
ありがとう!
209名無しさん@秘密の花園:2006/09/08(金) 20:41:55 ID:nV1G1EB9
>>199-207
いい話でした。GJ!!
こういう風にデカとリンクさせるのは秀逸。
言い出しっぺのくせに気付きませんでした(w


明日の夜あたり、少し投下します。
210名無しさん@秘密の花園:2006/09/08(金) 23:36:10 ID:f3i05usQ
良かったッス!
何かこのまま1本ドラマ作れそうですね。
やっぱりあゆ美&美香コンビは最強ッス!
211名無しさん@秘密の花園:2006/09/09(土) 07:47:51 ID:wSfLzzCU
関係ないかもだけど・・

また美香スレ荒れてんな〜〜
あゆ美スレはマターリしてんのにこの差は何だろうと思ってしまう。
212名無しさん@秘密の花園:2006/09/09(土) 18:06:52 ID:upCe7okx
>>211
ね。本当に関係ない
213名無しさん@秘密の花園:2006/09/09(土) 22:12:51 ID:wSfLzzCU
失礼しました!

>>209さん
もう出来ていましたらお願いします。       楽しみにしてます。
214名無しさん@秘密の花園:2006/09/10(日) 16:31:58 ID:VRWzfqP3
ここはまだ怨み屋始まって間もないんだけど、怨み屋と里奈ってレズっぽく見えた。
9話までの中でそれっぽいシーンは無かったのかな?
215名無しさん@秘密の花園:2006/09/10(日) 22:37:16 ID:21IlmKaX
>>214
ドラマ4話では怨み屋の胸の中で泣くシーンがある。
漫画では、「怨み屋さんだーいすき」と抱きつくシーンがある。
216名無しさん@秘密の花園:2006/09/10(日) 22:56:54 ID:VRWzfqP3
ありがと
第四話が楽しみです!
里奈も可愛いから結構この二人にも萌える…

でも美香を忘れちゃダメか…
217名無しさん@秘密の花園:2006/09/11(月) 07:29:47 ID:6ka3u/Py
時間掛かるかもしれませんがまたジャスウメ投下します。
単純にヤラシイやつでも。また変なゲスト出るかもw
とにかく忙しいからあまり長くない割に時間掛かるかも知れませんが・・・。
218名無しさん@秘密の花園:2006/09/11(月) 09:15:51 ID:RStGseK/
>>217
ゆっくりいい作品書いて下さい。
楽しみにしてます♪
219名無しさん@秘密の花園:2006/09/11(月) 20:48:12 ID:oGecie0y
美香スレでレズ萌えの女性ファンがここに誘導されててちょっとびっくり。
ここの妄想見てハァハァしてるのは野朗ばっかってイメージだった。
220名無しさん@秘密の花園:2006/09/11(月) 21:04:36 ID:sNPX8wIh
いや、ほとんどが女だろ
あゆ美って女に人気じゃん
221名無しさん@秘密の花園:2006/09/12(火) 04:05:21 ID:RkuZyT+b
怨み屋役で女性ファン増えたんじゃない?
私も女だけど、もう本気であゆ美ちゃん愛してるよ。
ジャスミン時代からだからかれこれ二年…あゆ美ちゃんの事考えない日は無いくらい好きです。
私みたいな人まだまだいると思うよ。
222名無しさん@秘密の花園:2006/09/12(火) 19:03:44 ID:RkuZyT+b
連投失礼します。
どなたかお話出来てませんか‐?
223名無しさん@秘密の花園:2006/09/12(火) 20:50:59 ID:HYBIv4Q7
>あゆ美ちゃんの事考えない日は無いくらい好きです。
どういう意味の「好き」なのかな
やっぱこういう板だけに・・・
224>>209:2006/09/12(火) 21:26:47 ID:KPzcQft0
申し訳ないです。
仕事の都合でなかなか書けませんが
休暇前日の木曜の夜あたりに投下する予定です。

>>221-222
自分も>>223さんと同じく気になります。
良かったら答えてもらえませんか?
225名無しさん@秘密の花園:2006/09/12(火) 21:57:19 ID:RkuZyT+b
>>223>>224
どういう好きか…って聞かれると、
このスレで描かれてる美香の気持ち、そのまんまの気持ちですね…。
だからこのスレ大好きなんです。
226名無しさん@秘密の花園:2006/09/12(火) 22:29:35 ID:KPzcQft0
>>225さん、質問に答えていただいてTHXです。

自分もあゆ美ちゃんが好きなんで
大抵は美香を自己に投影して書いてるんです(w
227名無しさん@秘密の花園:2006/09/12(火) 22:51:56 ID:RkuZyT+b
>>226さん
失礼ですが、男性でしょうか?
ちょっと文面から分からないので‥
228名無しさん@秘密の花園:2006/09/12(火) 22:53:48 ID:KPzcQft0
>>227
う〜ん…その質問のパスは不可?
229名無しさん@秘密の花園:2006/09/12(火) 23:10:15 ID:RkuZyT+b
>>228
分かりました。
どちらにしてもあゆ美ちゃんを愛する気持ちは同じですね。
そうじゃないとこれだけの心理描写出来ないですよね
またツボにはまる様な話書いて下さいね!
230名無しさん@秘密の花園:2006/09/13(水) 00:12:19 ID:khsmut9t
>>229
ありがとうございます。

今後も書く予定なんで、良かったら読んでやって下さいm(__)m
231名無しさん@秘密の花園:2006/09/13(水) 00:51:31 ID:KhP9s7r9
>>230
はい、よろしくお願いします♪
232名無しさん@秘密の花園:2006/09/13(水) 14:43:39 ID:gcOO0aQd
美香って本当にレズ疑惑があるぐらいだから、最高だぜ
233名無しさん@秘密の花園:2006/09/13(水) 20:07:12 ID:rbQeGKI2
原点回帰でジャスウメをキボンしたい
234名無しさん@秘密の花園:2006/09/13(水) 22:06:06 ID:KhP9s7r9
芸能界でもレズ疑惑のある女優いっぱいいるけど、
誰も「私は女性が好きです!」な〜んて言わないよね。
仕事に影響するから言えないだけで、実は結構いるはずだよ・・
235名無しさん@秘密の花園:2006/09/13(水) 22:13:13 ID:1bhfbq5b
特撮美香スレでツインカムコンビが改めて絶賛されてるな
236名無しさん@秘密の花園:2006/09/13(水) 22:29:46 ID:KhP9s7r9
例えば、ウメコは好きだけどジャスミンは大嫌い!
とかいう人はほとんどいないんだ…良かった。
皆ツインカムを愛してくれてて、
このスレの住人としても嬉しい!
237名無しさん@秘密の花園:2006/09/14(木) 15:25:16 ID:TJV4oAhZ
なんつーか美香はもうあのオーラが罪。自分で私はレズですと自白して歩いているようなもの、
238名無しさん@秘密の花園:2006/09/14(木) 21:22:47 ID:8qcY51nc

    ∧_∧
    ( ・∀・) ワクワク
  oノ∧つ⊂)
  ( ( ・∀・) ドキドキ
  ∪( ∪ ∪
    と__)__)
239名無しさん@秘密の花園:2006/09/15(金) 09:14:22 ID:VMSbyNRB
>>237
デカ以外の美香ちゃんをあまり見た事ないんだけど、そんなにレズオーラ出してんの?
240名無しさん@秘密の花園:2006/09/15(金) 17:43:40 ID:VMSbyNRB
>>224さん
お待ちしてますよ。。
241名無しさん@秘密の花園:2006/09/15(金) 22:35:59 ID:8i/1JRQ0 BE:37845432-2BP(200)
242名無しさん@秘密の花園:2006/09/15(金) 23:45:47 ID:rjyqDjcG
>>241
キター
243名無しさん@秘密の花園:2006/09/16(土) 07:12:43 ID:tUQFrOIk
じゃこのノリでジャスウメ少しずつ投下。まだだからw
終始エロのはずがヘタクソ描写のアクションシーンとゲスト・・・。
244名無しさん@秘密の花園:2006/09/16(土) 07:13:34 ID:tUQFrOIk
Episode−ex「セクシャル・ヒーリング」


ボブカットの彼女の髪は少しずつ伸びてきてた。
今までロングだったから違和感があったけど、見慣れたらとっても可愛い。
最近は彼女の言うとおり「うなじにキスしやすい」からわたし自身もお気に入り。
どんな髪型でも、ジャスミンに変わりはない。


勤務を終えて部屋に戻ってから熱いコーヒーを飲み干したわたし達は、制服も下着も全部脱ぎ捨てて裸になってキスした。
「戻る」っていうより、今日はジャスミンがわたしの部屋に泊まりに来てる。
何度か彼女の唇を舌で舐ったあと口を付けて舌を入れて、口の中を舐め回す。

「ん・・・んっ」

部屋に聞こえるのは、低く潜った吐息と唾液と舌が絡まるぴちゃ、ぴちゃ・・・という濡れた音だけ。

彼女の吐息はエスプレッソの匂い。
唇を離したら、今度はジャスミンがわたしの口に吸い付いてくる。

いつもなら、セックスの合図は軽いキス。
明日が完全オフだからってわけじゃないけど、浮かれてる今日はいきなりディープキスからはじめてた。
245名無しさん@秘密の花園:2006/09/16(土) 07:15:31 ID:tUQFrOIk
「お疲れさま」
「うん、お疲れ様でした」
「ねウメコ、今日私疲れちゃってて、キスだけでいいかな〜?」
「ダ〜〜メ!っていうかジャスミン、そっちだってキスだけで止められるわけ?あたしだってキスだけで止めたっていいんだよ?」

もちろんお互いそんな気なんてさらさらなくて、変なこと考えてる。
付き合いが深まったわたし達は非番や休みの前日になったら、決まってどっちかがどっちかの部屋に泊まって身体を重ねてる。
好きだから、理由なんてないし恋人同士だからあたり前。

「先にいい?」
ギシッ、とベッドの軋む音が何回か聞こえる。
ジャスミンに抱かれながらわたしは言った。
「うん。よござんすよ。ウメコ今日よく頑張ったもんね・・・?」
口元で囁かれる。
わたしはまたキスして舌を絡ませて身体をジャスミンに重ねながら、昼間の捕物を思い出した。

ジャスミンの冗談に、わたしも冗談で返す。
笑いながらベッドに倒れこんだ。
246ウメコの回想。:2006/09/16(土) 07:19:04 ID:tUQFrOIk
「あ〜〜、もうっ!何処いっちゃったのよ」

今日、逮捕に手間取っちゃった。
アリエナイザーの名前はメレオン星人フラカモ。
本部からの指令は、「フラカモをデリートしてはいけない」ということ。
なんでも他所の星で起こった事件の重要参考人らしくて、地球署にデリートの権限がないらしい。

カメレオンみたいに身を隠す能力を持ってて、張り込んで負い掛けてたまでは良かったけど途中でプツリと足取りが途絶えてしまった。

やがてわたし達が辿り着いたのは工場の跡地。
錆びた鉄とオイルの臭いが鼻につく、まるっきりの廃墟だ。

「慌てない慌てない。ウメコ、任せてチョ。私の出番だがね〜。」

ジャスミンはカリカリするわたしの頭を撫でてから手袋を外す。
落とした視線の先は地面、見慣れない足跡がある。
目を閉じながらしゃがみ込んでそっと触れた。
247ウメコの回想。:2006/09/16(土) 07:20:26 ID:tUQFrOIk
わたしは彼女が集中できるように静かに見守る。
彼女の額に、うっすらと汗が滲みはじめた。

こんな時、昔だったら痺れを切らして突撃しちゃうけど今は違う。
ジャスミンと付き合い出して随分と落ち着きが身に付いた。
センさんと一緒に居たときよりも、ずっと。

何分経ったかわからない。
狂った時計の秒針だけが鳴ってる空気の中、ジャスミンは薄目を開けてわたしに目配せしてきた。

「ウメコ、あの手すりだよ。あの位置に撃って・・・よろし?」
わたしは頷いてからライセンスをチェンジモードにして、ディーショットを握り締めて、一回だけ深呼吸した。

「今よ!」
ジャスミンがそう言うのと、わたしがディーショットのトリガーを引いたのはほぼ同じタイミング。
パルスレーザーの閃光が階段の手すりに当たって、火花が一瞬だけそいつの姿を映し出した。
248ウメコの回想終了:2006/09/16(土) 07:21:41 ID:tUQFrOIk
「逃がさない!!」
叫びながら飛び上がって回し蹴り、そしてそのまま乱打戦。
接近戦は大得意だけど、一人じゃちょっと押され気味になってしまう。
「助太刀いたす!」
すぐにチェンジしたジャスミンが助けに入ってくれる。
そうなるともうわたし達のペースで、接近して霍乱させて、彼女が射撃で確実にダメージを与える。
そのうちホージーさんやセンさん、テツも来てくれて皆で取り押さえる事が出来た。


「お黙り!いいかげん大人しくしなさい!」
ジャスミンは暴れるフラカモの頭を掴んで一喝した。
マスクの下の顔、どんな感じなんだろ・・・?

ねぇ、おとなしくした方がいいよ?ジャスミン怒ったら恐いから。
249名無しさん@秘密の花園:2006/09/16(土) 12:55:11 ID:JJTUTHAh
あーキテルー!!
夜帰ってからのお楽しみにしとこー(^∀^)
250名無しさん@秘密の花園:2006/09/16(土) 13:16:57 ID:mPJaTz/E
「でもさ、何であんなことしたの?スワットモード使ったらよかったのに。逮捕だって、ラクだったと思うんだけど」

ベッドに横たわったままキスした後、わたしはジャスミンに聞いてた。
「それでも良かったけど、ウメコがやりにくいかな、って思ったの」
「どういうこと?」
意味が分からないわたしに、悪戯っぽく微笑む。

「だってウメコ、射撃より取っ組み合いの方が強いんだもん。実際そうでしょ?それにスワットモードのジャケット、重いから身軽なウメコに負担掛かりそうだし。だからそうした方が良かったかなって思ったの。悪いけど何でもお見通しだよ、ウメコの事」

・・・失礼だよ!
まるでわたしが射撃ヘタみたいじゃん。
でも・・・「何でもお見通し」って、ちょっと嬉しいかな。
251名無しさん@秘密の花園:2006/09/16(土) 13:17:57 ID:mPJaTz/E
またキスする。
何度目だろ?
今日で何度目だろ?
付き合いはじめて何度目だろ?
息が詰まりそうに吸い付いて、彼女の舌を誘い出してネバネバと唾液をたっぷり絡ませた。

「ウメコ、おいし・・・」

長い口付けの後、エッチな感じで微笑んで唾液まみれの自分の唇を舌なめずりする。
それが何かの合図に見えたわたしはジャスミンのほっぺたを唇で突付いて、キスをゆっくり顎から喉、鎖骨の窪みに落としていって軽く肌に歯を立てる。

「ふっ・・・ん・・・」
左手を取って、指を舐め回した。
細くて綺麗な指を口に含んで舌で触れる。
地面に触れたのも、左手。
思いを込めながら、一本ずつしゃぶり尽くす。

指を舐め終わって腕を持ち上げてから、腋の下に顔を近づけて愛撫しはじめたら、ジャスミンの声は少し大きくなった。

「ああ、あ・・・やん、はぁあ、んぁ・・・」

左の手で胸に触れて、固くなった場所を摘む。
顔を上げて、今度は摘んだ部分にキスする。
白い肌が紅く染まって、うっすらと汗で光ってた。
石鹸の匂いの中に混ざる汗の匂いは、わたしの大好きな匂い。
252名無しさん@秘密の花園:2006/09/16(土) 13:18:44 ID:mPJaTz/E
突然、キュッと抱きついてきた。

「どうしたの?」
「・・・・・・」
「顔見せてよ」
「やだ」
「なんで?」

「・・・恥ずかしいから」

すごく小さな声で囁いた。
いつもはおどけたり、からかわれたりするのに・・・今日アリエナイザーに怒鳴りつけるのを見てるから、素直なのが余計に可笑しかった。
呆気に取られるわたしの首筋に回された腕が緩んで、顔を覗かせた。

「・・・ごめりんこ。いつもより感じ過ぎてるから、私・・・」

切れ長の瞳を潤ませて頬を赤らめながら笑顔を浮かべるのが色っぽくて、可愛くて。
多分わたしだけが知ってる、本当の貴女。

「うん、じゃいいよ。顔見ないからお尻こっち向けて?」
自分でもあまりに直球だって思うけど、ジャスミンの恥ずかしそうな仕草を見てたらすぐに愛したくなる。
253名無しさん@秘密の花園:2006/09/16(土) 13:19:42 ID:mPJaTz/E
一度ベッドから降りた彼女は右ひざをベッドに立てながら立ってお尻をわたしの顔に向けた。
背中からお尻のライン、いつみてもすごくきれい。

横に回ってから身体を抱いて肩口に歯を立てると、そんなに強く噛んでないのにピクン、と軽く跳ねた。
そのままゆっくりゆっくり、背骨にそってお尻まで舌を這わせた。
息遣いがちょっとずつ荒くなっていって、床を踏んでる左足ががくがくしてる。

「見ないで」っていう言葉だけは頭の中に残ってたから、ずっとわたしは目を瞑ったまま、ひざを床に付いてお尻に顔を埋めてから匂いがする、白くなった蜜で潤んでる女の子の部分に口を付けた。

「はぁ、あ・・・ん・・・んくぅ、ん・・・あ、ゃ・・・」

花弁みたいに綺麗な場所。
一つ一つなぞって、蜜が溢れる内側に指先を挿れてかき回しながら充血して膨れた突起を舌先で突付いたり転がすと、離さないでって言ってるみたいにキュンときつくなっていく。
254名無しさん@秘密の花園:2006/09/16(土) 13:20:43 ID:mPJaTz/E
甘い声。
踵と床が擦れる音と指を動かす音。
私の足に落ちる、彼女の蜜。
興奮したわたしは、下から上に舌を走らせる。

「ひんっ・・・やぁん!やだっ、やだぁ・・・ウメコ、ぁ・・・」

ジャスミンが本当は気持ちいいの知ってるから、そんなの、耳に入ってても聞こえない。
お尻を割って広げて、後ろのすぼまりを舐め回した。
焦らすように動かしてから、舐め上げたり舌を尖らせてチュルッという音と共に挿し入れると、キュッと締まる。
両方のお尻に何度もキスして、また薄桃色のヒクヒクした場所を舌で弄って愛しながら、突起を軽く摘んだ。
蜜の匂いで、わたしも両足から力が抜けそうになってく。

「やん、やっ・・・ひあ、あん・・・っ!」
声を上げたジャスミンの肌がブルッと震えて、わたしの舌先と指が締め付けられた。
255名無しさん@秘密の花園:2006/09/16(土) 13:21:34 ID:mPJaTz/E
崩れ落ちたジャスミンの横で、熱くて甘い感覚を堪えるように口を結んで座り込んでた。
「ごめん・・・」
謝りながら近付いてきて、何度もキスする。
噤んだ唇を舌先でこじ開けられて吸い付かれたら、全身が熱くなって疼いてくるのが分かった。

「待たせちゃった?」

口の周りに付いた蜜を舐めとって囁いて、覆い被さってきた。

――わたしの答えだよ。ねえ、お願い――

問いかけに答えるように彼女の手を取って、熱を帯びたところに当てがう。
「んあっ・・・ああっ!ぁ・・・」
「伝わってるよ・・・」
彼女の指が、二つの感覚が、わたしを充たす。
二本の指が入り口をくぐり抜けて奥にゆっくり入ってきて、激しく掻き回してくる。
耳に入ってくるのは濡れた音。
「ぁ、やだ、まだだよ、まだだってばぁ・・・・」
ちょっとだけ間を置いて指を抜いたジャスミンは、尖ったわたしの突起を指で剥き出しにして、蜜を塗り付けるように人差し指と中指で挟んで動かしながら乳首に吸い付いてきた。
256名無しさん@秘密の花園:2006/09/16(土) 13:22:23 ID:mPJaTz/E
「もうっ・・・つれていって、茉莉花・・・」
「んっ・・・一緒にきて、小梅・・・」
震える声のジャスミンに目をやると、瞳を閉じた彼女の顔が涙で揺らいでる。
嬉しくて泣いてた。
いつも、どんな時でも全部、わたしの全部、わたしだけを感じてくれるから。
同じ肌の温度。
さっき愛した時みたいに、それ以上に彼女の肌は熱くなってた。

――あなたがだいすき――

体全体でそう伝えて、強く固く抱き合って彼女の肩に歯を強く立てた。

声を上げて名前を喚び合って、わたし達は上り詰めた。
257名無しさん@秘密の花園:2006/09/16(土) 13:23:51 ID:mPJaTz/E
「・・・何なんでござりましょ」
電話を置いたジャスミンは、ジェスチャーを取った。
お風呂に入ってから汗を流し合った後、晩ご飯の支度をするのも何処かに食べに出かけるのも面倒だったから出前を取る事にした。
デカベースの近所にある、よくお世話になるおそば屋さんに電話して、天ぷらそばと鍋焼きうどん、それと「カツ丼もなしで」というジャスミンのリクエストでカツ丼も一つ注文した・・・はいいけど、彼女曰く『ヘンな喋り方の店員さん』が電話に出る。

「どんな感じだったの?」
「とにかく変。偉そうな感じで喋るけど間が抜けてるっていうか・・・それにお供連れてるみたい」
お供連れの、横柄な出前持ち。
ますます意味がわからない。
258名無しさん@秘密の花園:2006/09/16(土) 13:24:55 ID:mPJaTz/E
出前が来るまで腹ペコに負けそうだったから買い置きしてあったアンぱんを二人で千切って口に運んで待ってると、ライセンスがコールしてくる。
ホージーさんからのコールだったけど、様子がおかしい。
押し問答でもやってるみたいに、二、三人の声がしてる。
状況がはっきりと分からないけど、そこがデカベースの通用口だというのは分かった。

【変なヤツが来てるからちょっと来てくれ。宿舎に入ろうとしてる、アリエナイザーかも知れない】
「え!?変なヤツって・・・どんなヤツなの?」

【タキシードの上に蕎麦屋の半纏着て、意味の分からないフランス語喋るヤツだ。どう見たって怪しい】

・・・・ジャスミンとわたしは苦笑いを浮かべた。


一応制服に着替えて一階に降りると、真っ白なタキシードの男の人がホージーさんと言い争っていた。
怪しい英語とフランス語が飛び交っててヘンテコなやり取り。
面白くてもうちょっと見てたかったけど、内容が物騒になりはじめた。
すぐに割って入ったら、男の人はジャスミンを見るなり持っていた岡持ちを置いてオーバーアクションで挨拶をしてきた。
259名無しさん@秘密の花園:2006/09/16(土) 13:25:49 ID:mPJaTz/E
「おお、その声・・・君はまさか・・・」
「はい。私が天ぷらそば、こっちのコが鍋焼きうどん、それとカツ丼」
「ああ・・・君こそが探し求めていたレディだ!声だけじゃなくて見目麗しい。それにもう一人、美女に出会えるなんて俺はなんて幸運なんだ!」

な〜るへそ、ジャスミンの言うとおりヘンだ。
横に居る燕尾服のおじいさんが制止するように話し掛ける。
たぶんこの人は「お供」。
男の人が得意満面の表情で岡持ちの蓋を開けると、美味しそうな匂いに包まれる。
お腹が空き過ぎて自制心が効かなくって、つい二人きりでいる時のような雰囲気になってしまったわたし達を見て男の人は口を開いた。

「きみたちはベスト・フレンドか?いや、それ以上にも見える。とにかく、君たちを応援する!それが俺の、ノーブレス・オブリージュだ!」

・・・何だろ、一体。
でも、悪い人じゃなさそうだし、ま、いっか。
結構、他の人から見てもわたし達の関係って、分かりやすいのかな?

「この度は、坊ちゃまがご迷惑を御掛けしまして、申し訳御座いません」
横を見ると、『じいや』と呼ばれた人がホージーさんに平謝りしてた。
気苦労、絶えないんだろうな・・・。
260名無しさん@秘密の花園:2006/09/16(土) 13:28:28 ID:mPJaTz/E
というわけで、店員さんはヘンだったけどうどんはいつも通りにおいしい。
天ぷらそばもおいしそうだなぁ。

「あげないよ」
「いらないもん」
「ウメコ、口の中にモノ入れて喋ったら、お行儀悪いよ」
「いいじゃん!二人だけなんだから」

そんな会話をしながら、カツ丼を半分に分ける。
261名無しさん@秘密の花園:2006/09/16(土) 13:29:12 ID:mPJaTz/E
半分こ。
二人で何か食べるとき、いつも一つのものを半分こにして食べるけど、ジャスミンはわたしに多くくれる。
「お腹いっぱいでいいよ」って言っても、自分のよりたくさん。

半分こに出来る人がいるって、わたしすっごく幸せなんだな。
いつもいつも、当たり前みたいに接してるけど。
ジャスミンと全部半分こにしたいな、ハッピーな気持ちも、悲しい気持ちも。
でもジャスミンの悲しい気持ちは、少しでもわたしが・・・・・・

・・・って、何でカツ丼から胸がキュンってなっちゃうの!?

「ウメコ、落ち着いて食べて。喉つっかえちゃうから」
半分に分けられたカツ丼を一気に平らげて、立ち上がって目の前に座ってるジャスミンに抱きついた。
「私まだだよ、待って!」
「ね〜〜ぇ、早く食べて!いっぱいエッチしよ」
「いいよ。でも今度は私からね、私いっつもウメコにめちゃくちゃにされちゃうから」


ボブカットの彼女の髪は少しずつ伸びてきてた。

いまからいっぱい、うなじにキスする。



fin
262名無しさん@秘密の花園:2006/09/16(土) 14:59:32 ID:1MPd6wYg
ウメコ&ジャスミンというキャラで考えると、ウメコ受・ジャスミン攻みたいな感じになるけど

現実のほうは菊地美香のほうがエロそうだもんね。
彼女はおとなしくて清楚だけど、興味ある女の子を見るときの目が尋常じゃなくエロいし、意味深。
263名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 01:45:42 ID:zQINpZw+
今読んだよ。凄い力作でした☆
ジャスミンは両親に愛されなかったゆえに母性本能が強いのかな‥っていう気がする。
なんでも半分こして食べる時、多い方をウメコに、という所‥お母さんと子供みたいで微笑ましいです。

エッチもエロエロでまた良かった! また書いて下さいね〜♪
264名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 01:55:34 ID:TCZ/I+/j
私もデカレンジャー初めて見た時から
2人とも好きだったんだけど
このスレ読んで全く違和感なく受け入れられて
楽しく読ませてもらってます
職人様がた、これからも宜しくお願い致します!
265シーン1 あゆ美の部屋:2006/09/17(日) 06:46:37 ID:/S2HdU74
〜『妄想女』〜

-------------------------------------------------------------------
249 :名無しより愛をこめて :2006/09/03(日) 19:00:01 ID:yUVrJic4O
最近ツインカムの話題が多いのは気のせいか??

250 :名無しより愛をこめて :2006/09/03(日) 19:40:23 ID:D+crIbLJ0
250

251 :名無しより愛をこめて :2006/09/03(日) 19:44:01 ID:hLHRLAfA0
>>249
ttp://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1156329400/
こんなもんの影響だったりとか…

252 :名無しより愛をこめて :2006/09/03(日) 20:31:36 ID:WgOBpw9n0
>>251
あっちはエライことになってるからな

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「菊地美香&木下あゆ美スレ?」
そのURLをコピーして貼り付けて現れた掲示板には、小説を思わせる短い物語がいくつも書き込まれていた。
登場人物は、私と美香ちゃん。もしくは、ジャスミンとウメコ。もしくは、怨み屋と美香ちゃん。
ざっと単語を拾うと、エッチな内容を含んでいることがわかる。
「うー、なんだぁこれは」
長文をじっくりと読んでいる時間も無かったし、少し気味悪さも覚えた私は、×ボタンをクリックしてページを閉じた。
266名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 06:47:12 ID:/S2HdU74
インターネットができるようになってから、デカレンジャーの公式ページのBBSはよくのぞいていた私だったが、もっと色んな意見を参考にしたい、と、「デカレンジャー」と作品名で検索をかけることや、さらには「木下あゆ美」で検索をかけて評判を見て回ることを覚えた。
どこかの誰かが書いたブログを見て回る。私のことを褒めてくれると、やっぱりうれしい。またがんばろうっていう気になる。
それから私は、たびたびメディアに出るたびにインターネットを活用し評判を見て回った。

去年、短編映画のうちの一本で、『経理女』という物語に主演させてもらった。主人公が、掲示板仲間と交流していくうちに事件に巻き込まれていく、という内容のホラーだ。
私は役作りのため、多くの匿名掲示板を見て回った。私のことが書かれた掲示板も探し出せた。純粋に私の容姿や演技を褒めてくれている人もいれば、逆に叩く人もいて、さらには性的対象だけとしか見られていないような下品な書き込みもよく目にした。
私は、人の意見に流されやすい。最初のころは批判を読むたびに堪えて、落ち込んだ。視聴者の素直な意見だし受け止めなければと努力したが、ネットの意見に振り回され、だんだん自分を失いかけているような感覚にも陥った。
それでも、色んな人の意見を参考にしたいという想いから、私は自分のことが書かれた掲示板をチェックするのは止められなかった。

ある日、例の小説が書き込まれているページへのリンクを発見した。
こうして、私はその場所へと出会った。
267シーン2 現場〜あゆ美の部屋(2):2006/09/17(日) 06:48:20 ID:/S2HdU74
現場で出来たぽっかりの空き時間。
私は控え室で一人、あの小説掲示板を思い出していた。
デカレンジャーが終わって一年半。みんなとは連絡は取り合っているが、会う機会は極端に減った。私にとって掛け替えの無い作品だけど、他の仕事をこなしているうちに、徐々にもう過去のものになりつつあるのは確かだった。
一方でインターネットの中では、私と美香ちゃんをずっと好きでいてくれてるファンがいて、ファンの想像上でふたりが大活躍してくれていることがやっぱりうれしい。内容はエッチかもしれないけど。

家に帰って一息ついた後、私はパソコンを起動した。
メールチェックをし、仕事でのブログを書き終えた後、「履歴」からあの掲示板を再び開いてみる。

きちんと読んでみると、どれも設定やキャラの性格を踏まえており、物語として悪いものではなかった。
中には、私がお医者さんで、美香ちゃんが看護婦さんなんていうシチュエーションの小説なんてのもあった。

読んでいくうちに、いつの間にか、私は作中の「ジャスミン」「あゆ美」「怨み屋」に感情移入していた。
エッチな場面になると、私も興奮し、切ないシーンでは、私も切なくなる。思わず泣いてしまいそうになってしまった話もあった。作中の[私]に、現実の[私]が操られてる。不思議な感覚。

その日から、私はパソコンを起動するたびにあの掲示板を覗いた。ファンによる創作話は珍しいものではない。でも、素の「木下あゆ美」までもが登場していることが興味深い。
ファンのみなさんには悪いけど、現実には私は美香ちゃんといちゃいちゃしてキスやエッチをするような関係ではない。会ったら仲良く喋るけど、常に連絡を取り合うほどでもない。
もっとも、最近は私はドラマに忙しかったし、美香ちゃんだって舞台も始まるし、そんな暇じゃないようだ。会う暇が無いのも確かだ。
そんな、ファンの妄想と現実のギャップも踏まえながら、私は掲示板を楽しんだ。
268シーン3 あゆ美の部屋(3):2006/09/17(日) 06:49:42 ID:/S2HdU74
あの掲示板を見始めてから、1ヶ月経った。
読み慣れてきてしまったのか、私は投稿される小説の内容に満足できなくなってきていた。
私だったら、このときこう言うのに。美香ちゃんだったら、こう言うだろう。どうしてこんな展開になる訳?

私は書き込み欄にポインタを置き、キーボードを叩き始めた。
待ち時間に私と美香ちゃんがしていたやりとりを思い出していく。ちょっと脚色を加える。
やっぱり、エッチなシーンがないと駄目なんだろうな。他の掲示板を参考にしつつ、何とか完成させる。
美香ちゃんはひたすらかわいらしく、私はちょっと大胆にしてみた。
「でーきたっ」
[書き込み]ボタンを押すのはちょっとドキドキしたが、どうせばれないだろう、と思い切った。
「『改行が多すぎます!』? ありゃりゃ」
どうやら文が長すぎたらしい。いくつかに分けて小説を書き込んだ。

最初はほんの悪戯心だった。
他の人には無い、私だけが知っている美香ちゃんとの出来事、とでも言おうか。それを自慢したくなったのかもしれない。
269名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 06:51:28 ID:/S2HdU74
次の日、起きてから掲示板をチェックしてみると、新着書き込みがあった。

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530 :名無しさん@秘密の花園:2006/10/07(土) 23:30:32 ID:C6w1gkR47
乙! これ、情景描写や心情描写が今までで一番リアルだな。

531 :名無しさん@秘密の花園:2006/10/08(日) 01:06:42 ID:0ar8OgPE4
キャラが活き活きしてますねー。まるで本物みたい。

--------------------------------------------------------------------

私はくすりと笑った。
当たり前でしょう。だって、本人が書いてるんだもの。
読んで面白がってくれている人がいることが、単純に嬉しい。
昔から小説を読むのは好きだったけど、作ってみるのも面白いじゃないか。
さて、次はどんなお話にしようかな。
頭の中で美香ちゃんをいじくりまわしながら、私はキーボードに向かった。
今までは私が操られる側だけど、今度は私がみんなの想像を操ってやる。


掲示板に私が投稿するようになってからさらに半月ほど。
書き込む自作小説は、最初は実話メインだったが、作っていくにつれ、創作の部分が多くなってきた。そしてはやくも、行き詰まりを感じていた。
細かいところで、美香ちゃん観察が足りない気がした。
まだまだ私の知らない美香ちゃんがあるはずだ。もっともっと知りたい。
そういえば、しばらく会っていない。美香ちゃん、何しているかな。元気だろうか。
私は、携帯を手にしていた。
270シーン4 都内某所:2006/09/17(日) 06:53:08 ID:/S2HdU74
「見て見てこれ!かわいいー!」
「ほんとだー!」
久しぶりに会った美香ちゃんとウインドウショッピング。波長や好みが合って、やっぱり一緒にいて楽しいし、落ち着く。
私の方から、美香ちゃんをデートに誘った。スケジュールがなかなか合わず、調整には苦労した。忙しい中悪いかなとも思ったけど、会えて良かった。

掲示板の中で、私の妄想とファンとの妄想で何度も仲良くいちゃついて、しまいにはエッチまでしちゃってる内に、私は本物の美香ちゃんに会いたくなってしまったみたいだ。
そうだ。私はファンの方たちと違い、美香ちゃんは手の届かない存在ではない。いつでも連絡できて、都合が合えば会える関係。
どうだ、うらやましいだろ。

「あーちょっと待って待って。これ撮りたい」
何か面白いものがあると、美香ちゃんはデジカメを取り出してぱちり。ブログに載せるらしい。
私も、今仕事で「かわいいもの」を紹介するブログを執筆している。私も負けじと携帯でたくさん写真を撮った。

一通り見終わった後は、おしゃれなテラスのカフェへ。席へついたら、顔を近づけてのツーショット写真。
「きれいなところだねー。デート記念デート記念!」
美香ちゃんを激写。激写。激写。いつもに増してかわいいぞ。
「私も撮る!」
こんな外から丸見えのカフェで、変に思われたりしないかな。なんて気にしながらも、出されるメニューやお互いを写真に収めていく。
撮りすぎかとも思ったが、別に全部ブログで使わなくても、画像は思い出としてとっておけばいい。

美香ちゃんと談笑中、いつもに増して私は美香ちゃんの一挙一動を意識していた。まるで小説のネタにするかのように。
「明日って仕事入ってるの?」
私は美香ちゃんに聞いてみた。
「お昼過ぎから現場入りかな」
もっとじっくり話し込みたい。美香ちゃんといると、時間が短く感じる。
「じゃあ、時間あるね。…私の家、来る?」
「行くー!」
271シーン5 近所のスーパー〜あゆ美の部屋(4):2006/09/17(日) 06:54:28 ID:/S2HdU74
街中から電車を乗り継ぎ、自宅まで戻ってきた。ショッピングでの荷物を一旦部屋に置き、近所のスーパーへ買出しをする。
「美香ちゃんは明日仕事だからお酒は無理ね。私はオフだから飲むけど」
「えー?ずるいー!!」
ちょっとふくれた顔もまたかわいらしい。
待った。考えてみれば、お酒止めたら酔った美香ちゃんが見られないじゃないか。
「まー、ちょっとだけならいいんでない?仕事に支障が出ない程度で」

美香ちゃんを部屋に通した後、買ってきた素材と余りもので、私はさっと鍋を用意した。
「かんぱーい!」
出来た鍋をバックに、グラス片手でふたりで写真をぱちり。

「あ、そうだ。忘れないうちにブログを書いておこうっと」
「Aチャンってやつでしょ? 見てるよー」
「ほんと? ありがと。今日もたくさんオシャレなものとかかわいいもの発見したけど…。やっぱ一番は、美香ちゃんかな!」
「何それ!ありなの?」
「ありあり!」
実際、今日見たどんなものよりも美香ちゃんの方がかわいい。ジャケットの下はウメコを思わせるピンクのシャツに、女の子らしいスカート。
「よし、美香ちゃんのかわいいファッションを紹介ってことにしちゃおう。それならばOKでしょ。
え〜と、『今家に友達の菊地美香ちゃんが遊びに来ています。今日の美香ちゃんは、とってもかわいいファッションをしています…』」
デート中や、さっき撮った画像を読み込んで、私はブログを仕上げていった。

「ちょっとインターネット使っていい?」
「いいよ」
ブログを更新し終えた私は、美香ちゃんに場所を譲った。

「…あーっ」
「どうしたの?」
「あゆ美ちゃん、これ見てたんだ?」
272名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 06:55:28 ID:/S2HdU74
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【ウメコ】菊地美香&木下あゆ美スレ【ジャスミン】
1 :名無しさん@秘密の花園:2006/08/23(水) 19:36:40 ID:IwRzRYum
「特捜戦隊デカレンジャー」のデカピンク・ウメコ(菊地美香)と
デカイエロー・ジャスミン(木下あゆ美)のコンビ『ツインカムエンジェル』が大好きな方、
この二人が萌えて萌えて仕方ない方、ついよからぬ妄想をしてしまう方が集まるスレです。

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画面には、あの掲示板のトップが映し出されていた。
美香ちゃんは、Internet Explorerの左にある「お気に入り」の欄からページを読み出したようだ。
まずい。いつでも見られるように、「お気に入り」にあの掲示板を登録していたんだった。これって最も見られてはいけない相手じゃ…。
「あ、いや、あ、あのね、なんか私と美香ちゃん登場していて、読んでたら面白くってはまっちゃってさ!」
突っ込まれてもいないのに、私はエッチじゃないよ、と言い訳をしているみたいで、また恥ずかしくなってきた。
「ふ〜ん」
美香ちゃんはにやにやしている。

そうだ、美香ちゃんもこれを知っている風な言い方だった。矛先を逆に向ける。
「美香ちゃんはこれ見たことあるの?」
「うん、前にちらっとあるよ。どーいう経緯でたどり着いたんだっけなぁ?」
美香ちゃんも、あの掲示板を見ていた?
ということは、私がいくつか投稿した妄想も、美香ちゃん本人が読んでいたことになる。
うわぁ…、恥ずかしい! 顔から火が出そうだった。
いや、大丈夫、私はここに小説を投稿しているなんてばれるはずがない…。

「これとかすごく良く出来てるよね。まるでその場に居たかのように詳しかったり。前にあゆ美ちゃんとこんな話したような気がするなぁ」
美香ちゃんは、私が初めて書き込んだ小説を指差す。
「え、っと、たぶんそれは色んなところでインタビューとか、製作秘話が公開されてるじゃない?そういうの参考にしながら物語作ってる熱心なファンがいるのよきっと!」
「へぇ。そうなのかなぁ。すごいなぁ」
危ない。いきなりばれるところだった。私が書いたものだ、なんて口が裂けても言えない。
273名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 06:56:30 ID:/S2HdU74
美香ちゃんは黙りながら掲示板の小説をじっと読んでいる。
たまに私のものが混じっていて、それを今、目の前で美香ちゃんが読んでいるかと思うと落ち着かない。
見ていられなくなった私は、パソコンから離れ、テーブルの上の片付け物をして気を紛らわす。

「ねぇあゆ美ちゃん…。黙っていたけど…。大事なお話があるの。聞いてくれる?」
美香ちゃんの声が私に近づいて来る。
「…? 大事な、お話?」

片付けの手を止め、私の傍らまで来ていた美香ちゃんの方を見た。
うつむいた美香ちゃんがゆっくりと顔を上げると、目にはうっすらと涙が滲んでいた。
胸がキュンと締め付けられた。まるで子犬のようだった。
そのまましばらく見つめ合う。時が止まったような感覚に陥った。
美香ちゃんは目を瞑り、私の顔に吐息が掛かり合う距離まで顔を近づけていく。
「え、え? 美香、ちゃ…ん?」
唇と唇が重なった。
「あゆ美ちゃん…好き。ずっと、ずっと好きだったよ。」
そしてまた軽く二度、唇を触れ合わせてきた。
「もう自分の気持ちに嘘つけないよ…私」
私の唇に、まるで子供の様に吸い付いていく。
プックリとして形の良い唇は、妄想通り柔らかい。プクプクとした感触が、堪らない。

美香ちゃんが。美香ちゃんが私のことを好きだったなんて。
妄想が、現実のものとなった。
あの掲示板を見始めてから、私は急に美香ちゃんを意識するようになったのは確かだ。
美香ちゃんは、私のことを前から? それとも、美香ちゃんも掲示板を見て?
ううん、そんなの、どっちでもいい。
美香ちゃんだったら、どんなことをされてもすべてを許せる。
やさしいキスから湧き出る快感が私を包む。

274名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 06:57:40 ID:/S2HdU74
突然、美香ちゃんが唇を離し、にっこり微笑む。
「…あゆ美ちゃん、びっくりした? 書き込みにあったシーンを真似してみたの。あはは」
「へっ…? …書き込み? 真似?」
美香ちゃんが言っていることを理解するのに時間がかかった。
掲示板に書かれていた妄想のマネっこをしていたんだ。通りでどこかで聞いたような台詞だと思った。
「読んでいるうちに、ちょっとやってみたくなっちゃって」
「…演技…だったの? …なんだ」
ほっとしたような、残念なような…。

ん? 残念? 美香ちゃんが演技だったことが?
自分の気持ちに驚く。
掲示板の妄想を読んでいるとき、私が妄想しているとき、ずっとくすぶっていた美香ちゃんへの複雑な想い。
やっぱり、好きなのだろうか?

…うん。好きだ。
自分の想いは、素直に認めよう。
私は、この子が、美香ちゃんが好き。
美香ちゃんとのキスが、私の抑えていた感情を紐解いた。
私も、自分の気持ちには嘘つけない。

…もう、ダメだ。
完全に、'その気'になってしまった。
275名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 06:58:15 ID:/S2HdU74
するりと美香ちゃんの後ろに回って抱きつき、首筋をひとなめした。
「ゎっ!」
美香ちゃんが、驚きの声を上げる。とってもかわいらしい。いじめたくなってきた。
私は美香ちゃんの耳元で吐息をかけながら、「怨み屋」を演じていたときのような低い声で囁いた。
「私を騙すなんて…いけない子」
耳の輪郭に沿って、舌を這わせていく。自然と、私が前書き込んだ妄想と流れが似てしまう。
「あっ、…っうっ」
美香ちゃんの体が強張る。
「美香ちゃんって、どんな喘ぎ声してるの…? 聞きたい」
ソファまで美香ちゃんを引き寄せ、前に座らせて私によしかからせるようにした。キスをしながら、両手で美香ちゃんの全身を撫でていく。
「ん…、ぅ…ん」
「もっと。もっと聞かせて。力を抜いて、私に身を任せて」
右手で美香ちゃんの顔をこちらに向かせじっくり見つめた後、またゆっくりとキスをする。
空いた左手は、小ぶりな胸を弄ぶことにした。
「ぁっ…!」
左手の指が胸の中心にあるそれを通過したとき、美香ちゃんはひときわ高い声を上げた。
頬から離れた右手は、今度は美香ちゃんの小さな全身を探っていった。
髪、耳、首、肩、二の腕、腰、おなか、太もも、お尻…。
「「…あっ…、あん…」
美香ちゃんのかわいらしい喘ぎ声をたっぷりと堪能した私は、休むことなく全身を探り終えた右手を、最後に湿り気を帯びた美香ちゃんのスカートの中へと進めていく。
「はぁ、はぁっ…。…だめ…あゆ美、ちゃん…」
276名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 06:59:04 ID:/S2HdU74
がたん!

どこからか大きな物音がした。
私は唇を離し、辺りを見回した。
「何か音がしなかった?」
「…した」
しばらく耳をすませるが、何も聞こえない。
何だったんだ、せっかくいいところで。

「今の音、何だろ?」
「…さあ? いいんじゃない気にしなくて。それよりさ、あゆ美ちゃん、上手だね。いつも彼氏にこうされてるの? いいなぁ」
「え〜? 内 緒」

中断したのを機に、私は改めて掲示板の他の妄想脚本も参照してから「続き」をしようと思った。
「ちょっと休憩ね」
美香ちゃんから身体を離し、私はパソコンに向かってあの掲示板の続きをスクロールさせた。
277名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 07:00:01 ID:/S2HdU74
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741 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 15:23:01 ID:ygUrJ8ic2
おい、さっきジャスミンとウメコが一緒に歩いているの見たぞ!

742 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 15:32:23 ID:kLRg4a2hz
>>741
kwsk!

743 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 15:44:01 ID:ygUrJ8ic2
どっかで買い物してきたのか、袋ぶら下げてるわ。
今喫茶店入って二人で騒いでる。

744 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 15:49:04 ID:yrwEFi6a5
>>743
うp希望

745 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 15:54:37 ID:ygUrJ8ic2
ちょっとまってて

746 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 15:56:33 ID:hLHRLQ2A0
リアルタイム指名手配ktkr!
278名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 07:00:30 ID:/S2HdU74
747 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 16:01:26 ID:ygUrJ8ic2
ほら
http://p.pita.st/?m=w25atycdn

748 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 16:02:49 ID:hLHRLAfA0
>>747
キタ━━━━━━━━━━━━ッ!! (゚∀゚)

749 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 16:06:30 ID:kLRg4a2hz
>>747
志村ー! PC許可!

750 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 16:09:45 ID:PmT6r79a5
>>747
GJ!!!! もっとくれ!!!

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279名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 07:01:40 ID:/S2HdU74
私は、新たに書き込まれた一連の投稿を見て凍りついた。
最初にページを開いたときは、1つ目の書き込みから順に表示されており、700番台という下部にあった新着書き込みにはすぐに気づかなかった。
私たちが今日デートを始めた頃から、明らかに掲示板の流れが変わっている。

ここの人たちに、つけられて、盗撮されていた?
嫌な予感がする。恐る恐る私は画面をスクロールしていく。

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793 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 17:23:01 ID:GtpoSgbg5
あゆ美たんの家の近くに住んでる俺が来ましたよ。

794 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 17:30:23 ID:Q+crI9LJ0
今どの方面向かってる?探したら見つけられるかな。

795 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 17:42:08 ID:ygUrJ8ic2
どうせ暇だししばらく追跡しようかな

796 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 17:56:51 ID:GtpoSgbg5
発見場所随時報告してくれると助かる

797 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 17:59:40 ID:PmT6r79a5
>795
このまま帰るとは言わせねぇ

798 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 18:10:55 ID:yHfiq35yN
先ほど某スーパーで発見
http://p.pita.st/?m=wuahaeif

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私たちの'追跡者'が次々と増えていく。
280名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 07:02:21 ID:/S2HdU74
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843 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 19:45:06 ID:kLRg4a2hz
お前らAチャンのブログ見てみろ!
美香が泊まりに来てるみたいだ。祭り?

844 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 19:57:42 ID:hLHRLAfA0
>>843
本当だ。これで発見報告と本人報告とで繋がったな

845 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 20:00:52 ID:Q+crI9LJ0
家で何するのかなぁ。気になるわあ。

846 :名無しさん@秘密の花園 :2006/09/03(日) 20:02:47 ID:PmT6r79a5
>>793
近いんでしょ? 凸するのか?するのか?

847 :名無しさん@秘密の花園 :2006/09/03(日) 20:07:29 ID:GtpoSgbg5
>>846
ちょっと逝ってくるノシ

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家の方まで、誰かが来ている…?
281名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 07:03:06 ID:/S2HdU74
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863 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 20:46:28 ID:Uy53bm0SH
携帯から実況。
ドアの前をうろうろしつつ、よーく耳をすませてみたんだけど
なんか中から変な声が聞こえる…あえぎ声みたいな

864 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 20:48:10 ID:Q+crI9LJ0
リアルレズキタ─wwヘ√レvv~(゚∀゚)─wwヘ√レvv~─ !!!
やっぱりこの二人って…ハァハァ(*´д`*)

865 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 20:50:01 ID:PmT6r79a5
>>863
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 うp!うp!
 ⊂彡

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まさか…まさか…さっきの物音は…。
さっき音がした玄関の方へ、そっと振り向いた。
282名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 07:03:41 ID:/S2HdU74
アパートの廊下とを隔てる窓。
閉めてあったはずの窓が少し開いている。
そこから、カメラを構えた男の顔が、私たちをじっと見つめていた。

「きゃああっ!!」
「あゆ美ちゃん!?」
「今、誰かが覗いてた…」
「…! どこ!?」
再び窓に目をやると、男の顔はそこには無かった。逃げたのだろうか。
「いない! …多分、ここのやつ」
私は、震えながら掲示板を指差す。
パソコン画面に飛びつく美香ちゃん。驚いた顔で書き込みを追っている。
「なに…これ…信じられない」

まだ他にも覗きに来ているやつがいるかもしれない!
私はすぐさますべての窓を閉め、しっかりと鍵をかけ、カーテンを閉じた。
玄関にはチェーンロックまでし、他の部屋には誰もいないことを確認してすべての電気を消して回る。
「しばらく、じっとこのままで待とう。まだ近くにいるかもしれない」
外から覗かれないようにと電気を消したのだが、暗闇がかえって恐怖を煽っていた。
部屋のあちこちから、カメラを構えた男が飛び出してきそうだった。
「あゆ美ちゃん、怖いよ…」
美香ちゃんが私に抱きつく。
息を潜めて、周りの気配を窺う。美香ちゃんの息遣いが伝わるほど密着しているのだが、暗くて顔がまったく見えない。
廊下から足音がする度、のぞき魔ではないかと心臓が波打つ。
密閉された部屋でじっと小さく固まる私たちは、汗でぐっしょりになっていた。
「美香ちゃん大丈夫よ。いざとなったら、戦う。アクションシーンのために、トレーニングしてたし」
小声で美香ちゃんを不安にさせないよう強がった。
「戦わなきゃいけないなんて、そんなの最悪の状況じゃん! …そうならないのが一番いいんだけど」
逆効果だったようだ。
283名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 07:04:29 ID:/S2HdU74
気配を殺してからどれくらいたっただろうか。
「もう大丈夫…かな」
私は、ベランダと玄関方向、両方に耳をそばだてる。居間の豆電球をそっと点けた。
「掲示板は?」
美香ちゃんがパソコンに近づき、「新着レスの表示」をクリックした。
284名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 07:05:05 ID:/S2HdU74
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888 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 21:33:34 ID:PmT6r79a5
どこいった?>>863

889 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 21:41:23 ID:GtpoSgbg5
お前ら遅くなってスマン、途中で見つかってしもた。今帰ってきた。
とりあえず手土産うpした。
ttp://winered.gazo-ch.net/bbs/13/img/200608/925678.jpg
ttp://winered.gazo-ch.net/bbs/13/img/200608/925680.jpg
ttp://winered.gazo-ch.net/bbs/13/img/200608/926813.jpg

携帯の動画も撮ってて今準備中

890 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 21:43:55 ID:ShskiL01a
>>889
キタァァァァァァ(゚∀゚)ァァ( ゚∀)ァァ(  ゚)ァァ(  )ァァ(`  )ハァ(Д`)ハァ(;´Д`)ハァハァ
285名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 07:06:31 ID:/S2HdU74
891 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 21:44:10 ID:kLRg4a2hz
>>889
    ∩
    ( ⌒)     ∩_ _
   /,. ノ      i .,,E)
  ./ /"      / /"
  ./ / _、_   / ノ'
 / / ,_ノ` )/ /
(       /  good job!
 ヽ     |
  \    \


892 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 21:44:25 ID:Q+crI9LJ0
>>889
これはエロい。エロすぎる

893 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 21:45:30 ID:PmT6r79a5
神!!!!!

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そのURLをクリックすると、画面には私たちが抱き合っていたり、キスしてる写真が大写しされた。
角度から、アパートの廊下から盗撮したものに違いなかった。
私たちは絶句した。
ある意味、私たちを妄想しながら掲示板に集まる人にとってみれば、嬉しい画像だろう。
でも、私たちはファンの見世物として愛し合ってた訳じゃない。
私は怒りがこみ上げてきた。
乱暴にキーボードを走らせる。
286名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 07:07:17 ID:/S2HdU74
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918 :名無しさん@秘密の花園 :2006/09/03(日) 22:03:24 ID:KnSiAYM23
木下です。やめてください!
どうしてこんなことをするんですか!
お願いだからやめてください!

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しかし、掲示板の書き込みは止まるどころか勢いを増すばかり。
私の書き込みが火に油を注いだ形になってしまっていた。
287名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 07:07:48 ID:/S2HdU74
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934 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 22:20:19 ID:HaA8TO1Ah
記念下記子

935 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 22:21:37 ID:YecaOLpJ0
特撮板からジャスミンとウメコのエロ画像があると聞いてとんできますた


936 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 22:22:14 ID:GoAzvBrAW
( ^ω^)VIPから来たお

937 :名無しさん@秘密の花園 :2006/09/03(日) 22:23:01 ID:ShskiL01a
>>902
これ本人?

938 :名無しさん@秘密の花園 :2006/09/03(日) 22:24:38 ID:V98yuJGr0
v即にもスレ立ってるぞ。

939 :名無しさん@秘密の花園 :2006/09/03(日) 22:25:30 ID:CGIQga454
美香の書き込みマダー? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン

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「ど、どうしたらいいの!これ」
「わかんないよ! 私たち、どうなっちゃうの? そんな悪いことしたの?」
「悪いことなんかしてないよ!」
掲示板をどうすることもできない苛立ちから、声を荒げてしまった。
「あゆ美ちゃん…」
「…ごめん」
288名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 07:08:27 ID:/S2HdU74

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995 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 22:40:15 ID:ShskiL01a
流れ早すぎ!

996 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 22:40:30 ID:HaA8TO1Ah
1000ならレズAV発売

997 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 22:40:32 ID:hLHRLAfA0
1000なら美香とあゆ美が結婚

998 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 22:40:45 ID:PmT6r79a5
次スレ立てろボケども

999 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 22:40:53 ID:Q+crI9LJ0
しこるべく

1000 :名無しさん@秘密の花園 :2006/10/29(日) 22:40:59 ID:51DHyAhaj
1000

1001 :1001:Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。

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掲示板の書き込みは1000まで達し、もう書き込めなくなった。
「終わった…のかな?」
289名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 07:09:58 ID:/S2HdU74
「そうだ、あゆ美ちゃん、警察!」
「!」
あまりの恐怖に、すっかり警察の存在を忘れていた。私は携帯で110番をした。

駆けつけた男性の警察官に、見知らぬ男に覗かれた、と事情を説明した。
今夜は、ひとまず周辺をパトロールしてもらうことになった。
掲示板で盗撮された件に関しては、元々書き込まれている内容が内容だけに言えなかった。

「じゃあ、これで」
私の部屋から立ち去る警察官が、にたり、といやらしい笑みをしたように見えた。
私は良からぬ想像をした。
この人も、あの掲示板を覗いていた一員だったとしたら?
何もかも知っていて、知らない振りをしていたのかも?
私は身震いした。
いや、そんなはずは、ない。根拠は、ないけど。
でも、見ていたっていう根拠だってない。気にするだけ無駄だ。

パソコンは電源を落とし、時間も時間だけに危ないとのことで、美香ちゃんは私の部屋に泊まっていった。
次の日、普通に朝がやって来て、元の日常が始まった。
何事もなく、すべてが終わったかに見えた…。
290シーン6 現場(2):2006/09/17(日) 07:13:13 ID:/S2HdU74
「おはようございまーす!」
数日後、ドラマの現場入りした私は、いつもと違う空気を感じた。
スタッフの対応がどことなくそっけない。あまり目を合わせてくれない。
「ん…?」
釈然としないまま、私は控え室に入る。

「聞きましたよ」
さぐりさぐりの様子で、メイクさんが話しかけてきた。
「ストーカー、されたんですって?」
「…誰からそれを?」
「なんか他のスタッフの方がしゃべっていたの聞いたんです」
「え、ええ。まあ…」
美香ちゃんのことについては、知ってか知らずかメイクさんは触れなかった。
あの日の出来事が、いつの間にか周りに広まっている。
どこまで知っているのだろう? みんなあの掲示板を見たんだろうか?
291シーン7 事務所:2006/09/17(日) 08:29:23 ID:/S2HdU74
さらに数週間後。
私は事務所でマネージャーさんに呼び出された。

「これを…」
深刻な顔つきで一冊の雑誌を差し出す。芸能人のスクープ写真がよく掲載されているやつだ。
そこには大きく

『ピンク&イエロー あの大人気戦隊ヒロインコンビは禁断の関係』

と見出しが書かれていた。
ページを開くと、見開きで記事が載っている。あの時盗撮された写真がそのまま載っていた。
誰かが写真を投稿したのだろうか。それとも、編集者が掲示板を見つけたのだろうか。どっちにしたって、私たちの悪戯が『レズビアン疑惑』としてこうして記事となり、全国に駆け巡っているのだ。

「事実、なんだね?」
「…これは、その…」
掲示板のまねっこをしていた、なんて言い訳をしても仕方ないことに気がつき、言うのを止めた。
「…何でもありません」
その後の言葉が出てこなかった。私は認めもしないし、否定もしなかった。

「菊地美香さんと、出来る限りもう会わないようにしてくれないか」
「え?」
マネージャーさんの言っていることが理解できない。
「変なイメージをつけたくないんだ。仕事にも影響するし。あゆ美ちゃんにとっても、菊地さんにとっても、いいことじゃない。わかるね?」
「そんな…」
292エピローグ:2006/09/17(日) 08:30:50 ID:/S2HdU74
すべては、あの掲示板を私がクリックしたことから始まった。
あの掲示板は現在、2つ目が作成され、事件以前よりも盛り上がりをみせていた。
私と美香ちゃんが現実でも妄想と同じようにいちゃついていたという事実が、ますますファンの妄想を加速させていた。

膨らんでいった妄想によって、私には美香ちゃんへの愛情が生まれていった。
しかし同時に、ファンの行動も過激化させた。それが原因で、私と美香ちゃんは事務所的に引き裂かれてしまった。
恐らく、私と美香ちゃんにとっても、そしてファンにとっても'最も望まない結末'となってしまっただろう。

そんな現実の事情などは知らずに、今日もまた、あの掲示板には、私と美香ちゃんの妄想が書き込まれていく。


293名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 08:57:22 ID:YYoXInFF
暗い・・
294名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 09:12:14 ID:zQINpZw+
このスレ大好きですが、後味悪いのって初めてです。
これ書いた方、このスレ好きじゃないのかな…?
295名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 09:16:27 ID:TCZ/I+/j
GJ。すんごーく良くできてて
ある意味新鮮な今までにない感じで楽しかった
がしかーし、ハッピーエンドでもラブラブでもないのが
ひっじょーに残念で悲しい
296名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 09:32:56 ID:qEE4NtWg
GJ!!
文章が上手い!
けど、やっぱりハッピーエンドが良かったなぁ…
297名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 09:39:45 ID:nOtIAukp
いや、これはこれで萌える
298名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 10:02:33 ID:yPOCSYDH
すごい面白くて引き込まれるように読んだ
途中まで
ゲームのBADENDみたいだ
誰か続きで幸せにしてやって
299名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 10:04:29 ID:zQINpZw+
実際このスレを二人が目にする可能性はある訳で、

その時、嫌な気持ちにさせない様な内容であってほしい。。と願います。
300名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 10:31:56 ID:/S2HdU74
「妄想女」を投下した者です。
あぁ、やっぱり賛否ありますね。今までにない感じになったので覚悟はしていましたが。

ちょっと言い訳っぽいのですが書かせてください。
ふたりのことやスレを嫌いではないです。むしろ大好きです。以前にラブラブハッピーエンド小説もいくつか投下したぐらいですし。
このスレを楽しみにしてる人や、もしかしたら見てるかもしれない本人を嫌な気持ちにさせたくて作った話ではないです。
ちょっとありえそうでありえない怖い話なんてのもたまにはあってもいいな、どうかなーという感じで。
文中にある通り、「経理女」みたいなホラーを思いついたのですが、
「経理女」同様、どー考えても終わりのほうを明るい方にもってはいけなかったので、
それならば、と、全体的にダークで暗く妖しいにして、結末もあえてホラーっぽく後味悪くしました。
嫌がる方もいらっしゃるでしょうが、結末に関してはこれでいいと思ってます。
むしろここからハッピーエンドに転じる方が不自然だと思ってます。

しかしながら振り返ってみると、日曜の朝に投下すべき内容ではありませんでした。そこは猛省します。
休日の午前中から気分を悪くされた方がいたらお詫び申し上げます。スレ汚し大変失礼いたしました。
私の拙い長文を読んで頂きお褒めのレスしてくれた方には感謝します。
301名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 11:45:26 ID:zQINpZw+
>>300
このスレが好きと聞いてホッとしました。
何か警告してるのかなぁ‥なんて思ったものですから。
ストーリー展開にはグイグイ引き込まれたのは確か、
スゴいですよ!
今度は、切ない系の話書いてもらえたら嬉しいな…
と期待してます!
302名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 11:51:25 ID:fPXhEn44
こういう路線もよかったです
303名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 11:56:26 ID:JtsDP/4I
>>300
ツインカムの職人です。
いいですよ、いいですよ。好きだと聞いて安心しました。
正直言うと文章力が妬ましかった(笑)
俺も負けんくらいラブラブなの書きます。
またゲスト入れて。ありがとう、ありがとう。

304名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 12:31:06 ID:zQINpZw+
>>300
それと言い忘れましたが、「自分の気持ちに嘘つけないよ‥」の下り。
以前、私があゆ美スレに付け足して投下したものだったんで、凄いビックリしました!
ちゃんと読んでくれてたんですね♪ありがとう。
305名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 13:00:07 ID:/S2HdU74
ありがとうございます。
色んなアイデアをぶち込んでいくうちに話がデカク暴走してしまい、完成するのに時間がかかってしまいました。
好きでないと長編の小説を投下なんてできませんよ…やたら長くなってしまったし。

もしいつか本人様がなんらかのきっかけでここに来て読んでくださったら、本人視点でさらに複雑な読後感を与えてみたいなとも期待して投下しました。
単独スレが立ったことによって、検索などでより本人が来てもおかしくない状態になった訳です。
じゃあそっからどうなるの?とホラーオムニバスの一つぽく展開していきました。
>>298
って訳で、私がこの話の続きを書いてハッピーに治めるつもりは無いです。ちょっと検討はしましたが、どうしても無理があるので。
他の方が続き書くのは止めませんが。
>>301
警告の意味はちょっと含んでますね。
誰かが盗撮画像をここに投下していくのはちょっとありそうだし、自分もここに張り付いてスネークを煽ったりしそうです。
>>304
芸スポや特撮板でよく見かけたコピペを勝手に拝借して、わかる人にはわかるデジャヴ感を狙ったのですが…まさここに改編者がいるとはw


長文レス失礼いたしましたm(_ _)m 潜ります。
306名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 16:38:44 ID:kepNSOgd
>>305
>もしいつか本人様がなんらかのきっかけでここに来て読んでくださったら、本人視点でさらに複雑な読後感を与えてみたいなとも期待して投下しました。

ハァ?エロい妄想だけならともかく
もしが本人これ見たら、ストーカーのシミュレーションなんて
気持ち悪いの通りこして、怖いに決まってんだろ。
人をなんだと思ってるんだ。
女の気持ちなど分かってない身勝手な男の戯言にヘドが出る。
匿名掲示板にいる自称ファンなんて
下劣なクズの集まりでしかないのを思い知るだけだろ。

最悪だ。氏ねよ。
307名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 17:54:28 ID:zQINpZw+
このスレが荒れたりするのは凄く悲しいので、リアルに怖いのは避けた方が…
私含め、女性も結構見ているから基本はラブラブを崩さないでほしい…というのは正直な気持ちです。
308名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 18:25:37 ID:/S2HdU74
>>306
私がこの話を作るにあたっての肝は、
「本人がここに迷い込み、妄想に揉まれて奇妙な体験に陥っていく」ことであって、
ストーカーの部分は、あくまで話を結末へ向かわせるためのものとしか捉えてませんでした。
ですから、その引用部分も、
「本人がさらにこれを見たら奇妙な感覚なんだろうな」という意味であって、
決して本人様に匿名掲示板やストーカーの怖さを植えつけたいというものではありません。
私の発言が説明不足で配慮に欠いていましたのはお詫びします。
後半の流れも、「気持ち悪い」と思われても仕方の無い内容ですし、そこについても反論しません。批判は受け止めます。
リアルな流れにはしたいと思ってましたが、細かく描写しすぎました。不快な気分になった方には申し訳ないです。

私の話と発言によって、このスレが荒れるのは申し訳ないので、これ以上私がこの話に関しての言及はするのは避けたいと思います。
住人の皆様、本当にスレ汚し失礼いたしました。
309名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 21:50:57 ID:E0+FGdAR
ここの人が書かれた、あゆ美先生と美香ちゃんみたいな、この二人をモデルにした話があるんですが。
設定だけ作ってほったらかして、そのままのお話。
時間掛かるかもしれませんが書かせて下さい。もしよければ設定作り直して晒します。
310名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 22:19:32 ID:jX4byQlB
菊地美香ちゃんものの激やばエロ動画・画像・無料で即ダウンロード出来てしかも登録なしでした。
http://www.hamq.jp/i.cfm?i=lifetv
311名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 22:28:31 ID:bXP2pfTw
>>309
正座してお待ちしています
312名無しさん@秘密の花園:2006/09/17(日) 22:56:48 ID:+meffUIn
競馬板に木下あゆ美スレが立ちました
http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/keiba/1158336130/l50
313名無しさん@秘密の花園:2006/09/18(月) 03:40:26 ID:nguQF4So
>>309ラブラブでお願いします。

やっと怨み屋の第四話観たよ。
怨み屋と里奈が抱き合うシーンの怨み屋の表情って、優しさが出てて、スゴくいいな〜と思った。
本当は優しい人なんだろうな…‥このスレ読んだ後だったから余計ドキドキしたよ!
314名無しさん@秘密の花園:2006/09/18(月) 06:42:41 ID:v7+8iSoC
『私だけのヒーロー』

「あっ、ドラえもんだー!かわいいー!」
いつも来ているあゆ美ちゃんの部屋の変化に、私はすぐに気がついた。
っても、私がよく腰掛けているソファにでかでかと置いてあるんだもの。気づかない方がおかしい。
「じゃーん。かわいいでしょ。衝動買いしちゃった」
あゆ美ちゃんは、ソファのドラえもんにんぎょうを拾い上げて抱きつく。
「ぼぉくドラえもんでーす」
私なりのドラえもんをイメージして声を吹き込んだ。
「似てなーい」
「今のは物まねじゃないよっ!」

「ドラえもんえかきうたって知ってる?」
「あ、どんなのだったっけ?」
私は手帳の空いたスペースに、歌いながら描きはじめる。
「まるかいてちょん まるかいてちょん お豆に根が出てうえきばちーぃ うえきばち ♪」
「うまーい! さすがニャンチュウのおえかきおねえさんね!」
「あゆ美ちゃんだってうまいじゃーん。確かデカレンジャーのホームページにもドラえもんの絵書いてたよね。
ていうより、あゆ美ちゃん、絵は何でも上手いでしょ。移動の空き時間によくお絵かき対決やってたなぁ」

「そらをじゆうに とびたいなぁ」
ドラえもんのおにんぎょうを抱いたまま、あゆ美ちゃんはソファに寝転んだ。
「はーい タケコプター!」
あゆ美ちゃんは腕を高くあげて、ドラえもんにんぎょうは空を飛んだ。
なんだかあゆ美ちゃんこどもみたい。
「あゆ美ちゃんがたくさん稼いで、ヘリコプターとか買えば自由に飛べるんじゃない?」
「はーっ? 美香ちゃんきらーい。ドラえもんにタケコプター出してもらうからいいんだぁ」
「冗談だってばー!」
315名無しさん@秘密の花園:2006/09/18(月) 06:44:46 ID:v7+8iSoC
「私ね、昔はのび太くんみたいだったの」
ふたりで笑い疲れた後、あゆ美ちゃんは声のトーンを落として語り始めた。
「目立つタイプじゃなくて、というよりも、自分に自信が無くってね。ドジも多いし。ドラえもんがのび太くんを助けてるの見て、いつもいいなぁって思ってた。ドジは今でも変わってないかな」
「あゆ美ちゃんはぁ、上京してきて一人暮らしして、家事・料理やってさ、お仕事して。すごいと思うよ。立派だよ。のび太くんだって、成長するんだよ」
「…ありがと」

「美香ちゃんさ、もしドラえもんがいたら、何してもらいたい?」
「私? えーとね」
すぐに思いついた。
「男のコになって、あゆ美ちゃんを彼氏にしたいな! もしもボックスとかなんかでさ」
「それって、いっつも言ってるよねー」
「あとね、端と端で持った相手と心が入れ替わる棒あるじゃん。あれであゆ美ちゃんと入れ替わってみたい!」
「ツインカムエンジェルの回みたい! 私周りのことばっかりだね。欲しいものとか無いの?」
あれ、思いつくのは、ひみつ道具とあゆ美ちゃんがセットだ。
私が欲しいものって何だろ? 今は気持ちが満たされているし、特に無いなぁ。
「んー、思いつかない! あゆ美ちゃんは?」
「そうねぇ。まだまだ適えたい夢たくさんあるよ。ドラえもんのアニメにも出てみたい! …声優やってる美香ちゃんの方が可能性高いかもだけど」
「うーん、難しいかもねー。でもさ、私が呼ばれたらさ、あゆ美ちゃんも出すようえらい人にお願いしてあげるよ! コ・ネ!コ・ネ!」
「ほんとー? 約束だよ!」
316名無しさん@秘密の花園:2006/09/18(月) 06:46:57 ID:v7+8iSoC
「あんなこといいな できたらいいな あんなゆめ こんなゆめ いっぱいあるーけど〜♪」
私はいつものクセでドラえもんの歌を口ずさんだ。
「みんなみんなみんな かなえてくれる ふしぎなポッケでかなえてくーれーるー♪」
あゆ美ちゃんも私に続く。

「…あゆ美ちゃんってさぁ、夢ってたくさん叶えてるよね」
私はあゆ美ちゃんの寝そべるソファに近づき、背もたれの向こうから顔を出した。
「そうかな?」
「デカレンジャーで正義の味方になったでしょー。歌もやったり踊りもライブもやって、それからさ…」

――言うのやーめた。
私はあゆ美ちゃんに顔を近づけていく。
「あ…」
軽くキスをした。言わなくたって、分かってるよね? あゆ美ちゃん。
「…美香ちゃんと一緒にいたいって夢も、叶えられたんだ」
「へへっ。だからぁ、あゆ美ちゃんにはドラえもんなんていらないのっ」
あゆ美ちゃんからドラえもんのおにんぎょうを奪い取った。
「やーっ! やっぱりドラえもんも欲しいな…」
「えーっ!! だったら私がドラえもんになるぅー! あゆ美ちゃんのこと何でもして助けるから〜!」
「言ったなぁ〜! 美香ちゃんは今から私のドラえもんねー!!」



「アンアンアン とってもだいすき ドラえもん ♪」



お し ま い
317名無しさん@秘密の花園:2006/09/18(月) 09:06:00 ID:u6qoNvnn
キテルキテル!!幸せになった。
アンアンアン、とっても大好き・・・w
318こんな設定で。:2006/09/18(月) 12:17:03 ID:A8s5Pp6o
あゆ美
漫画家志望だが、投稿する作品を片っ端からボツにされている。
周囲の反対を押し切って漫画家を目指したために両親から勘当を言い渡されている。
現在はアパートで一人暮らしをしており、生活費を稼ぐために町工場の事務員の傍ら執筆活動をしている。
たくましい現代っ子で、一人暮らしが長いために家事全般は得意。
落ち着いた感じの美人だが短気、それゆえ男運がない。
竹を割ったような性格で根は優しく、同性から好かれるタイプ。

美香
ストリートミュージシャンで、愛らしいルックスと相まって人気者。
ボーカルを努めていたバンドが解散してしまい現在はライブハウス等で活動を行っている。アコースティックギターの音色と澄んだ歌声が特徴。
実家は音楽に関わる仕事をしている。
見た目が童顔で低身長のため、実年齢よりも幼く見られる。
笑うととても可愛いのだが、自分自身の良さを解っていない。
極度の人見知り、寂しがりで泣き虫で優しい性格。

ラブラブです。エロ抜きです。が、不穏当な発言や二人の大喧嘩があるかもしれません。
319名無しさん@秘密の花園:2006/09/18(月) 12:30:42 ID:/Sy3LznQ
>>318 投下お待ちしています。
320名無しさん@秘密の花園:2006/09/18(月) 13:07:35 ID:nguQF4So
>>318
エロなし・・?
全くなし・・?
321名無しさん@秘密の花園:2006/09/18(月) 20:50:19 ID:199Tf4iu
>>318
猫耳ヴァンパイアナースの萌え系ラブコメ希望だ
322名無しさん@秘密の花園:2006/09/19(火) 00:05:16 ID:jHjTiIo1
ドラえもんの話ハッピーな気分なりました!

書かれた方にひとつ質問なんですが、>>315の中の、「男のコになって、あゆ美ちゃんを彼氏にしたいな!」の所、このまま読んでいいでしょうか?
彼女の間違いかなぁ、なんて思ったんですが・・
私の勘違いならお許し下さい。
323名無しさん@秘密の花園:2006/09/19(火) 00:15:03 ID:Sb1vJIgO
>>322
作者です。
ご指摘のところ、完全に私の間違いです。言われて気づきました;

×「男のコになって、あゆ美ちゃんを彼氏にしたいな!」
○「男のコになって、あゆ美ちゃんを彼女にしたいな!」


修正して読んでください。失礼しました。
324名無しさん@秘密の花園:2006/09/19(火) 00:23:31 ID:jHjTiIo1
>>323
速答ありがとうございます。
もしかしたら美香ちゃんは男同士で付き合いたいのかな?…なんて考え過ぎちゃいました(*^_^*)

これでゆっくり寝られそうです。。。
325名無しさん@秘密の花園:2006/09/19(火) 03:51:12 ID:qF9/Z8Xm
特撮百合スレからここまでザッとスレ読んで来ましたが、
ジャスウメはいいとして、
菊地美香木下あゆ美両名本人の小説はどうかなって思う

ジャスウメはデカレンジャーでキャラ付けがあるから入りこみやすいけど
現実では絡みもないし、接点もなく無理があるかと。

326名無しさん@秘密の花園:2006/09/19(火) 05:22:14 ID:nc3FiOJ+
>>325
じゃぁ見んなよ
それでいいじゃん ハイ終了。
スレタイ見てみそ?両名載ってんじゃん
嫌なら見んな読むな
もしくは読みたいがイメージ沸かないなら妄想力の修行しろ!
327名無しさん@秘密の花園:2006/09/19(火) 05:52:02 ID:H46nh4Un
アレマセ(‐人‐)ンヨウニ
328名無しさん@秘密の花園:2006/09/19(火) 06:28:30 ID:jHjTiIo1
木下あゆ美と菊地美香の
実名でリアルな小説ほど好きだし、萌えるんですが、だからこそ内容には配慮が必要かな?と思うんです。
妄想のまま、心理的に怖くなったり気持ち悪くなるものは避けるべき、というのはそこにあります。
本人達がもしこのスレを見た時、どう思うだろう?
と想定しながら書き込む様にしています。
329318:2006/09/19(火) 07:38:52 ID:fKcj2bX8
>>328それはある。
書き手ですけど、それだけは気をつけて書くようにしてます。
ラブラブ前提でジャスウメのハードなヤツ書いても、実名でハードなの書けません(苦笑)
「もしこの二人が映画で競演でもしたら」という感じ、とでもいえばいいのか?
書き込みしたりするときに色々考えて、「書かなきゃ良かった」って思うこともあるし。

私事すいません
330名無しさん@秘密の花園:2006/09/19(火) 08:13:55 ID:jHjTiIo1
このスレ最近ちょっと知られてきてるから、いろんな意味合いも含めて、

読み手の立場で失礼かとは思いますが、書き手の皆様には、切実にそうお願いしたい気持ちでいっぱいです。
331名無しさん@秘密の花園:2006/09/19(火) 10:33:42 ID:/35dFwjz
仕事と私用でなかなか来れなかったけど

自分は美香@看護士書いてる者ですが
同姓同名の人物のパラレルワールド的な感じで書いてます。
これが詭弁だと言われれば反論のしようはありませんが
最低限、(現実世界と妄想世界の)二人には幸せになって欲しいなぁ…と思って書いてます。

そんな訳で新作投下は、ここの住民の方々に判断を仰ぎたい次第ですが…
332名無しさん@秘密の花園:2006/09/19(火) 11:53:22 ID:B7a9SlEQ
いいんじゃないですか?それならいいと思う。
333名無しさん@秘密の花園:2006/09/19(火) 11:57:33 ID:/35dFwjz
334名無しさん@秘密の花園:2006/09/19(火) 12:02:26 ID:/35dFwjz
間違えたorz
>>332
いや、とりあえず最近の流れから見るに、
なんか荒れ要素を作るような気がしてならない訳ですよ。
実はこのネタの言い出しっぺなんですが、今更ながら
実名キャラで書いたのは間違いだったのかな?とか考えちゃったもんで。

本人さん達が読んでる保証はないけど、読まない保証がないのもまた事実だし…
今頭の中でいろんな思考が交錯してます。

長文スマソ
335名無しさん@秘密の花園:2006/09/19(火) 12:32:44 ID:cvpYDVOE
よくわかんないけど本人は読まないだろう
その可能性を考える方が病的だと思うんだけど、、、
336名無しさん@秘密の花園:2006/09/19(火) 12:35:20 ID:/35dFwjz
>>335
うは(w

そんじゃ、しばらくしたら新作投下します。
337名無しさん@秘密の花園:2006/09/19(火) 13:50:50 ID:IVIBmZoI
美香って流石に一時グレていただけあって、歯茎が汚れてるな。そこがまた可愛いんだが。
338名無しさん@秘密の花園:2006/09/19(火) 16:54:04 ID:jHjTiIo1
>>336よっぽどダークな内容でなければ、いろんな作品があった方が楽しい訳で・・ただ後味悪いのは嫌かなぁ・・と思うだけ。

お待ちしてますよ!!
339名無しさん@秘密の花園:2006/09/19(火) 19:54:18 ID:rmLLNsOV
読後にこんな感じの2人を連想できるような小説をぜひ!

ttp://vista.undo.jp/img/vi5866249082.jpg
340名無しさん@秘密の花園:2006/09/19(火) 20:06:23 ID:sKOIitrO
>>339
とてもいい
341名無しさん@秘密の花園:2006/09/19(火) 21:13:08 ID:Sb1vJIgO
>>265-292の話の続き、もし作って完成したらここに受け入れてもらえる感じでしょうか。
ホラーぽくてこれでいいと思ってましたが、流れ的には相応しくなかったというか、後味悪く残しすぎたというか、
投下してからもずっと気になっていて、色々思い直しています。
342名無しさん@秘密の花園:2006/09/19(火) 22:14:03 ID:MH5JhqJQ
>>341
ウゼェ。いらねえよ。
あんなゴミなんて二度と見たくもない。
二人の芸能活動をめちゃめちゃにする展開を
しゃあしゃあと書きながら、本人に読ませるだぁ?
アンタのそういうドス黒い、精神的強姦の欲求を垂れ流しにする根性に呆れる。

>誰かが盗撮画像をここに投下していくのはちょっとありそうだし、自分もここに張り付いてスネークを煽ったりしそうです。

ストーカーを扇るなんて最低の行為をするというところからも
アンタのドス黒さが分かる。
ストーキングがどれだけ怖いか分ってないだろ。いいからもう氏ね。
343名無しさん@秘密の花園:2006/09/19(火) 23:00:06 ID:jHjTiIo1
>>341
どういうふうに思い直したのかな?
聞かせて下さい。
344名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 00:07:49 ID:kjXWxOQ+
>>341この話は封印して、また別の話を書いて頂きたい。
345名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 00:46:00 ID:Vrj1mLfc
やっぱりジャス&ウメ、あゆ&美香コンビは濃厚かつ爽やかな描写が似合うと思いまつ
346名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 00:50:19 ID:qUfeRCe3
俺は作者さんが書いてくれるだけで嬉しいよ
347名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 01:02:35 ID:B3zG9ftO
>>345
同意。

「妄想女」は物語として面白いと思った。
このスレを好きだからこそ書ける話だとも思ったから、あれはあれでよかったと思うけど、
そーいうのばっかりになるのはちょっと違うんじゃないかと思う。

言葉で説明するのは苦手なので、妄想投下。
濃厚じゃないけど、爽やかとも違うかもしれないけど(苦笑
348名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 01:03:12 ID:B3zG9ftO
 春が来れば、もう仕事で会うことはない。
 事務所も違うし。
 仕事のジャンルも、多分違う。
 秋に、恒例のビデオ用のVSを撮るときに「お久しぶり。元気だった?」なんて会話を交わすのかな。

 ずっと一緒にいた。
 一緒にいることがあたりまえみたいに。
 去年の今頃は、知らない人だったのにね。

 ウメコとジャスミンみたいに、一緒にいれたらいいのに。
 バンじゃないけど、相棒って言えるくらいに。
 『いなくなるなんて考えられないんだから』なんて、言って貰えるウメコがちょっと羨ましかった。
 いや、ウメコも私なんだけど。
349名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 01:04:06 ID:B3zG9ftO
 なんて思っていた春を通り過ぎて、明日はマジVSデカの撮影日。
 そして、久しぶりにあゆ美ちゃんに会う。
「あ、美香ちゃん。おはよー」
「おはよ」
お、と、心の中で呟く。
 あゆ美ちゃんはもう黄色い隊員服を着ていた。
「もう着替え済んだんだ」
「うん。なんかねぇ、やっぱり気が引き締まるね」
背筋を伸ばして、制服の胸元に手を当てる。
 その姿が懐かしいというより少し違和感を感じてしまうのは、多分短くなった髪のせいだ。
 あゆ美ちゃん自身気になっているのか、短くなった襟足をいじっている。
「髪切るの、もうちょっと待ったほうが良かったかなぁ〜」
「いいんじゃない? 逆に時間の経過した感じでいいかも。それに短くてもジャスミンはジャスミンだし」
「そ?」
にゃはは、と、あゆ美ちゃんが安心したように笑った。
「なんか前も美香ちゃん、そー言ったよね」
「あー。言ったかも」
かも、なんて言ったけど、ちゃんと覚えてる。
350名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 01:05:20 ID:B3zG9ftO
 ニャンちゅうの収録の後にメールしたら、あゆ美ちゃんも『今ちょうど渋谷にいるよ』ってメールくれて『じゃあ一緒にご飯食べよっか』って、待ち合わせした。
 待ち合わせた場所に来たのは、長かった髪をばっさり切ったあゆ美ちゃんだった。
「いたいた」って屈託のない笑顔で駆け寄ってくるあゆ美ちゃんは、綺麗なおねーさんというよりあどけない少年みたいな顔した可愛い女の子で。
 思わずぽかんとした顔で出迎えてしまって、挙げ句「なんか私より年下に見える」って呟いてしまった私に、あゆ美ちゃんはちょっと寂しそうな顔をした。
「ショートにしてみたかったんだけど、変かなぁ」
「そんなことないよ!」
ちょっと、いや、かなりびっくりしたけど。
「すっごく、すーーーっごく可愛い!」
「ホントぉ?」
「ホントだって! 美香ねーさんを信じなさい!!」
「だって美香ねーさん、絵、下手なんだも〜ん」
「関係ないでしょ!!」
「痛い、痛い」
背中を叩いた私にあゆ美ちゃんは大口開けてにゃははと笑った。
351名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 01:09:48 ID:B3zG9ftO
「さ〜て、ドコ食べに行こっか?」
「お酒、ちょっと飲む?」
「お、いいね」
なんとなく大通りの方へと歩き出したあゆ美ちゃんの腕を掴んで並んで歩く。
 下を向いたときにしか見えなかったあゆ美ちゃんの毛先が鼻先で揺れている。
 なんとなく変な感じ。
 見上げた先には、いつもより子供っぽく見える笑顔。
「……でもやっぱりあゆ美ちゃんはあゆ美ちゃんだね」
「え?」
「髪、短くてもあゆ美ちゃんだなぁ、と思って」
「あったりまえじゃん」
手を伸ばして、短くなった髪を掴む。軽く引っ張ると予定通りにあゆ美ちゃんは少し体を屈ませた。近づいた耳元に顔を近づけて、あゆ美ちゃん以外の誰にも聞こえないような声で小さく囁く。
「ちゃんと私の好きなあゆ美ちゃんだ」
「……『ちゃんと』?」
「そこ? 気にかかるの、そこなの?」
「え、えー?」
困ったように笑ったあゆ美ちゃんの耳を引っ張ると「いたたた」と言いながら、またあゆ美ちゃんは笑った。
352名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 01:17:14 ID:B3zG9ftO
「ね、ね」
「ん?」
軽く屈んで、あゆ美ちゃんの顔が近づく。
「今度は言ってくれないの?」
「なに」
なに、なんて言ったけど、ちゃんとわかった。
 でも制服着てても、全然ジャスミンじゃないんだもん。すっかりきっぱり100%『木下あゆ美』モード。
 ボスなら「すっかりお茶目になったな、ジャスミン」ってところだろうけど、お茶目にもほどがあります。
 ……でも、まぁいいか。
 ぐいっと少し強引に肩を掴んで、耳に顔を寄せる。
「……ちゃんと私の好きなジャスミンだよ?」
私は同じ台詞を言ったけれど、あゆ美ちゃんは違った。
 いつものにゃははって笑顔じゃなくて、ふっと私の目を見て微笑んでみせた。
「早く、ウメコになっておいでよ」
普段より少しトーンの低い声に、思わず息を飲んだ。
353名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 01:17:45 ID:B3zG9ftO
「……ずっるい」
ホントに憑依されたみたいにジャスミンになるんだから侮れない。
「今日はジャスミンですから」
でもそう言って笑った顔はもうあゆ美ちゃんの顔だった。
「あゆ美ちゃんに戻ってる」
「おっと」
しまったと言いたげに口に手を当てて肩をすくめる。
 久しぶりに間近で見たジャスミンにときめいちゃったのは内緒にしておこう。 

「お、ウメコ、来たねー」
「あ、お久しぶりです!」
1年間お世話になっていた懐かしいスタッフさん達と挨拶を交わす。
 こっちにはまだ気付いていないみたいだけれど、すこし離れた場所で楽しそうにはしゃいでいるみんなの姿も見えた。
354名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 01:18:38 ID:B3zG9ftO
 ── 懐かしい空気。

 ずっと一緒にいた。
 一緒にいることがあたりまえだった。 

「あゆ美ちゃん」
「ん?」
「ずっと一緒にいようね」
「ん?」
きょとんとしたあゆ美ちゃんに笑ってみせる。

 事務所も違うし。
 仕事のジャンルも、ちょっと違うけど。
 でも一緒にいるよ。
 一緒に過ごせる時間はウメコとジャスミンに負けちゃうかもしれないけど、気持ちは負けない。
 ……まぁ、ウメコとジャスミンも私達なんだけど。

END.
355名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 01:25:13 ID:2C8os8+C
>>348-354
爽やか過ぎます(w
でも萌えるし、なんか悶えてます(w

美香@看護士の新作、明朝に投下しますm(__)m
356名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 01:33:12 ID:NM7eFHy/
>>348-354
上手い!
少し冷めてて、どこか寂しげなトーンが美香ちゃんぽくて好きですね
あと、微妙に攻撃的なところとかw

>>355
おぉ〜、楽しみに待ってます!
357341:2006/09/20(水) 03:20:11 ID:zBl21AP7
>>343
「妄想女」の元ネタは、あゆ美ちゃん主演の短編映画「経理女」です。
あゆ美ちゃんが匿名掲示板の住人にストーカーや嫌がらせを受けるという話で、「妄想女」の後半と結末もこの映画をなぞっています。

私が「妄想女」で面白くて読んでもらいたいと思ってる箇所は、前半の本人がここに迷い込むという「世にも奇妙な物語」のような部分で、
後半は「経理女」を真似ただけで、それほど重きを置いている訳ではありませんでした。
映画同様、結末は後味を悪くしましたが、前半の奇妙さが薄れ、不気味な印象だけが残ってしまったと思いました。
書いた本人でさえもっと何とかならなかったかなぁと後悔するほど。
「経理女」の展開に縛られすぎてて、このスレに投下するのであれば、もっと相応しい展開や結末があったように思うし、
極端な話、ストーカー部分は無くても成立させれたのではなかったのかと。
スレの住人を登場させるにしても、たまに垣間見せる匿名掲示板のいい部分をもっと描けばよかったです。悪いところばっかりとは思ってませんから。
話の流れ上2chによくあるような祭りを構築しましたが、元々ここのスレにはそんな流れになるような雰囲気あんまないですし。

あの後、二人が幸せになるような展開を思いつきかけていたのですが、反対意見があるままそれを押し切って投下する必要は無いですしこの話は封印します。
ハッピーエンドを望んでいた方は脳内補充してください。
358名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 05:54:16 ID:u3odGrP3
>>326
そんな一言で片付けられたらわざわざ>325のようなレスはしない
喧嘩越しに言わずに柔らかく意見を述べることができないなんでまるで厨房だな

ジャスウメはデカレンの中でのキャラクターで、2次元的要素があるから問題ないが
役名はともかく実名はまずいんじゃないかと。
今はネットなんて簡単にできるんだし、本人は見ないだろなんて言い切れないだろうが
359名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 07:13:56 ID:uhuUzUxK
>>348-354
おお、きてるぞwこれはいいものだ。
360名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 08:52:00 ID:kjXWxOQ+
>>357
ありがとうございます。
この作品だけを取り上げていろいろ言うのは止めときます。
今まで投下された別の作品も読み返してみたいんですが、もし差し支えなければ教えて頂けないですか?
361名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 10:48:32 ID:FBiTQBT1
そろそろsageたほうがいい雰囲気じゃありませんか?sageている方もたくさんいらっしゃいますが、やはりあがってきているし。

前にいたスレがこんな流れから荒らされてしまって…

どうでしょう?
362名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 11:50:24 ID:A4WPQgrx
>>361賛成
363名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 12:33:00 ID:O4aqOXNZ
>>361
いやな予感がビンビンするよネー(*´・ω・)(・ω・`*)ネー
364名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 12:56:29 ID:kjXWxOQ+
ぼちぼち下げますか?
365名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 21:36:30 ID:RfEaATwg
マッタリ、ラブラブでいきましょうや
366名無しさん@秘密の花園:2006/09/20(水) 22:07:57 ID:kjXWxOQ+
>>355あれ?あゆ美先生の話今日じゃなかった?
楽しみにしてたんだけど。
367名無しさん@秘密の花園:2006/09/21(木) 04:30:21 ID:uKTh5Uhi
だいぶsageられてきた。
お願いだから荒れませんように……( ̄人 ̄)
368名無しさん@秘密の花園:2006/09/21(木) 11:00:35 ID:uJ6dzrjY
え?どしたのどしたの?
369名無しさん@秘密の花園:2006/09/21(木) 11:43:28 ID:Dtwz5Bf6
(´・ω・`)・・・
370名無しさん@秘密の花園:2006/09/21(木) 11:51:24 ID:kos8r1bv
>>368

|書き込む| 名前:|            | E-mail(省略可): |sage           |
 ̄ ̄ ̄ ̄       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄              ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                            ∧ ∧  。  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                            (゜Д゜) / <  ここに「sage」(半角)と
                           ⊂   つ    | 入れるとスレがあがらない。
                          | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  \___________
                          |          |
                          |          |
                      | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
371名無しさん@秘密の花園:2006/09/21(木) 12:16:11 ID:ltXdqQo0
なるほどー
372名無しさん@秘密の花園:2006/09/21(木) 12:21:05 ID:eFxPYZu7
すげー
373名無しさん@秘密の花園:2006/09/21(木) 13:05:02 ID:uJ6dzrjY
勉強になるな
374名無しさん@秘密の花園:2006/09/21(木) 13:44:51 ID:uKTh5Uhi
また上がってる。
ちゃんとsageてますか?
375名無しさん@秘密の花園:2006/09/21(木) 14:20:37 ID:eFxPYZu7
うん
376名無しさん@秘密の花園:2006/09/21(木) 19:34:36 ID:uJ6dzrjY
先生にいわれたとおりにさげてます
377名無しさん@秘密の花園:2006/09/21(木) 21:24:34 ID:uKTh5Uhi
よしよし、いい子だね。
378名無しさん@秘密の花園:2006/09/21(木) 23:16:27 ID:uKTh5Uhi
先生といえば…
そろそろあゆ美先生に会いたくなってきたよ‐!
379名無しさん@秘密の花園:2006/09/21(木) 23:24:16 ID:s7mD9OYP
ここはひとつ濃厚なあゆ美センセイが読みたいでつ
380名無しさん@秘密の花園:2006/09/22(金) 00:12:29 ID:2fg3/xsm
いいかお前らよく聞け。
読んだすべての人が、もちろんアンチも
「このスレもなかなかやるなっ!」っていうような爽やかで素敵な話を作るから!
だからお前ら、マッタリ指くわえて待ってろ! このふたりが好きなもの同士、仲良くやろうぜ!
いいか、約束だからな!


そんな感じでよろしくお願いしますよ…荒れないで つωT`)
381名無しさん@秘密の花園:2006/09/22(金) 00:22:00 ID:CAzajAJ2
あゆ美先生、まだぁ?
と、待ってる時間つぶしに、違うあゆ美先生書いてみた(苦笑。
382名無しさん@秘密の花園:2006/09/22(金) 00:22:39 ID:CAzajAJ2
「せんせー! あゆみせんせー! みかちゃんとともかずくんが〜〜」
ばたばたと音を立てて、お昼寝をしていたはずの子供たちが教室へ飛び込んでくる。
「あーはいはい、なになに、どうしたの〜?」
やれやれと思いながら重い腰をあげる。休憩もこれで終わりだ。
「どーしたぁ?」
「りゅーじせんせい、あのね、ともかずくんとみかちゃんがケンカしてるのー」
またかぁと、載寧先生は苦笑いしながらじゃれついてくる子供たちの頭を撫でる。
「しょーがねーなぁ」
「先に行ってますね」
「おうっ」
「おまえらも布団に戻れ、戻れ」という載寧先生の声を背中に、遊戯室へ急ぐ。
「あのねあのね、みかちゃんがね、あゆみせんせーにてぇだすなーって」
「はぁ?」
「ともかずくん、だしてないって、わんわん泣いてる〜」
「……おいおい」
383名無しさん@秘密の花園:2006/09/22(金) 00:23:50 ID:CAzajAJ2
子供達が寝ているはずの遊戯室の扉を開けると、並べられた布団の真ん中で仁王立ちしているポニーテールの美香ちゃんと肩を大きく上下させてべそをかいている背の高い友一くんが見えた。
 我関せずで寝ている子もいたが、大半の子供たちはびっくりした顔で2人を取り囲んでいる。
「もう、どうしたの〜」
子供たちの輪を抜けて、2人のそばへいく。
 とりあえず入口に背を向けて立っていた美香ちゃんの肩に後ろから手で押さえる。
「わっ」
「あ、あゆみせんせぇ〜」
私に気付いて、目を真っ赤にした友一くんが駆け寄ってくる。
「こらぁっ!!」
「あっ」
友一くんは私に手を伸ばす前にどんっと美香ちゃんに押されて尻餅をついた。
「……ぅ、ふ、ぅ、うぇええええんっ〜〜」
「あゆ美せんせーに手ぇだすなっていったでしょぉ!?」
「こらっ! だめでしょ、美香ちゃん!」
「だって!」
キッと強い視線で私を見上げてきた。
「だってともかず、お昼寝の前にぽんぽんしてもらってた!」
思わずくらりと目眩がする。
384名無しさん@秘密の花園:2006/09/22(金) 00:25:40 ID:CAzajAJ2
 したかな。
 ……したな。確か、友一くんがあんまり眠くないとか言ってくずっていたから、ぽんぽんお腹を叩いて寝かしつけた。
 っていうか、そんななんでもないことで。
「あゆ美せんせいは美香のなのに!」
「おーい……」
思わずため息をついた私の横を「じゃあしょうがないなっ」なんて言いながら、載寧先生が通っていった。
「友一ー。お前もそんなびーびー泣いてんなよなぁ」
ひょいと友一くんを抱き上げて背中をぽんぽんと軽く叩いて、くるりと周りを見渡した。
「ほら、みんな、寝ろ。ちゃんと寝ねーとおっきくなれないぞ」
まるで体操のお兄さんだ。載寧先生の言葉に「はーい」と元気な返事が返ってきて、わらわらと子供たちは自分の布団に戻っていく。
「おやすみなさぁい」
「はい、おやすみ」
ひっくひっくとしばらくしゃくりあげていた友一くんも載寧先生に促されて布団に入る。
「俺、先戻ってるぞ」
「うん」
載寧先生も出て、一転、静かになった遊戯室の中で、美香ちゃんだけが少し拗ねた顔で私の体にもたれるように立っていた。
385名無しさん@秘密の花園:2006/09/22(金) 00:26:13 ID:CAzajAJ2
「……美香ちゃんも寝よっか?」
軽く頭を撫でると、美香ちゃんはこくりと頷いて、自分の布団にもぞもぞと入った。
 ちゃんと布団に入ったことを確認して、傍らに腰を下ろす。
「……あゆ美せんせぇ?」
さっきとはうって変わって、不安そうな目が私を見上げる。
「怒ってないよ」
「……うん」
それでもまだ不安げな目に、微笑んでそっと頭を撫でる。
「美香ちゃんはヤキモチやきだねぇ」
「……だって、あゆ美せんせぇ、モテるんだもん……」
「そう?」
「うん。かわいいし、やさしいし」
「それはどうも。でも美香ちゃんもかわいいよ?」
「ホント?」
「だからもっとやさしい子になってね?」
「……はぁい」
「もうケンカしない?」
「……うん。ごめんなさい」
「わかればよろしい」
ご褒美、と言ってまた頭を撫でると、美香ちゃんはえへへと少し照れくさそうに、そして嬉しそうに笑った。
386名無しさん@秘密の花園:2006/09/22(金) 00:27:03 ID:CAzajAJ2
「あのね、美香ね、将来はセレブになって、せんせいと結婚するからね」
「セレブぅ?」
「うん! せんせーのことしあわせにするの!」
「あー。そうだねぇ。期待しないで待ってるよ」
「期待してていいよ!」
「はいはい」
今でも充分幸せだけどね。
「……んー」
「せんせ?」
「これから、美香ちゃんだけに特別なことしてあげる。もうヤキモチやかないって約束出来る?」
「……なに?」
「みんなには内緒だよ?」
「……うん」
にっこり笑ってみせて、緊張した美香ちゃんの前髪をそっとかき上げる。そしておでこに軽くキスをした。
「……」
大きな目をぱちくりさせて、美香ちゃんの顔が真っ赤に染まる。
「約束出来る?」
美香ちゃんは首が痛くなるんじゃないかと思うくらい、こくこくと頷いた。
「じゃあ、おやすみなさい」
「……お、おやすみなさ、い」
恥ずかしいのか、沈むようにかけ布団に顔を半分隠す。
 お腹のあたりをぽんぽんと叩いて、もう一度「おやすみ」と言ってから立ち上がる。
 うーん、やっぱりまだまだ子供だなぁ。
 遊戯室を出た後、思わずくくくと声を殺して笑ってしまった。

END.
387名無しさん@秘密の花園:2006/09/22(金) 00:56:17 ID:8BSCvpep
あゆ美先生 鼻血が止まりません
388名無しさん@秘密の花園:2006/09/22(金) 01:43:29 ID:lmdiKVT3
あゆ美先生、犯罪並の小悪魔っぷりです。
389名無しさん@秘密の花園:2006/09/22(金) 04:39:58 ID:khH7aPBF
あゆ美ちゃんって、どんな先生役でもハマる‥

保健室の先生だったら、
わざと怪我してでも毎日通うな…きっと。
390名無しさん@秘密の花園:2006/09/22(金) 07:08:23 ID:piF8ay8e
>>381-386
ものすごい甘えん坊の美香ちゃんもいいなw
友一、災難だったな・・・w
391名無しさん@秘密の花園:2006/09/22(金) 11:25:12 ID:l0mgkb63
むず痒くて、こっぱずかしくて…最高
もっともっと!
392名無しさん@秘密の花園:2006/09/22(金) 13:24:50 ID:neAkCDsF
美香ちゃんに嫉妬するあゆ美先生も見てみたい
393名無しさん@秘密の花園:2006/09/22(金) 16:54:52 ID:khH7aPBF
私立高校3年、美香18才と保健室の養護教諭、あゆ美23才の日記風ショート投下します。

今日5時限目の家庭科は私の苦手なお裁縫だった。
友達とお喋りしながら縫い物をしていた私は、ドジって針を左手の中指に差し込んでしまい、慌てて保健室へと駆け込んだ。
「あゆ美先生〜やっちゃったよ〜」
「美香ちゃん、見せてごらん」
振り向いたあゆ美先生の長い髪がふわっと揺れる。
あゆ美先生は私の左手を両手で握り、傷口に顔を近付けた。
私の指からジワジワと鮮血が溢れだす。
「まったく、美香ちゃんはドジね…」
あゆ美先生はそう言ったかと思うと、私の中指をそっと自分の口に含ませた。
394名無しさん@秘密の花園:2006/09/22(金) 17:15:12 ID:khH7aPBF
その瞬間、私の心臓がドキンドキンと高鳴り始める。
私の血が止まるまで、あゆ美先生は優しく舌先を動かして、私の中指を愛撫するようにしゃぶってくれた。
私はその心地よい感触に、ただ身を委ねていた。
(気持ちいい‥あゆ美先生…)
と心の中で繰り返しながら…。

キンコーンカンコーン♪
と5時限目終了のチャイムと共に、私は八ッと我に返る。
395名無しさん@秘密の花園:2006/09/22(金) 17:30:13 ID:khH7aPBF
あゆ美先生はニッコリ笑って、指に絆創膏をはってくれた。
「もう大丈夫…授業に戻りなさい」

私はぺコリとお辞儀だけすると、それからどうやって教室に戻ったのか、覚えていない。
6時限目はうわの空だったのは言うまでもない。

9月…
私が恋に落ちた瞬間だった。
 
  おわり
396名無しさん@秘密の花園:2006/09/22(金) 17:57:06 ID:khH7aPBF
保健の先生もいいかな〜と思ってちょっと書いてみました。
ありがちなストーリーですみません。
397名無しさん@秘密の花園:2006/09/22(金) 20:38:21 ID:YJ0WK4mv
>>393-396
萌えますね〜♪
こりゃまたいい感じな話です。


話は変わって、一昨日あたりに美香@看護士を投下しようと思ったんですが
ちょっと二人の関係が揺らぐ話を考えてたら、まとめるのに時間掛かってしまってます…

もうしばらく時間下さい。
明日の晩までには投下しますのでm(__)m
398名無しさん@秘密の花園:2006/09/22(金) 21:22:55 ID:khH7aPBF
>>397
ありがとうございます!
携帯なのでショートでもかなり必死でした(*_*)

あゆ美先生と看護士美香の話が大好きなので、かなり影響受けてます。

投下お待ちしてます♪
399名無しさん@秘密の花園:2006/09/23(土) 01:52:37 ID:7a10h7xn
自分はあえてジャス&ウメの設定にこだわってみました。


 今日は久々のオフタイム、天気も良いし午後から2人揃って川崎にあるシネチッタに出かけた。
 ユイルワ−星人の事件も一段落し、以前からウメコと「今度絶対に食べようね!」と約束していた
 ここのカフェの名物トリプルアイスを2人して味わうのが主な目的だった。
 途中ウメコが私の頬やジャケットにアイスを擦り付けてしまうアクシデントがあったけどね(怒)

 その騒ぎも何とか収まり2人でぶらりとウインドゥショッピングを楽しんだ。
 時折雑貨屋で可愛い小物を手に取りながら互いにふざけ合ったり、
 ちょっと洒落た洋服やアクセサリーを見つけたけどその値段を見て愕然としたり、
 ゲ−ムセンターでUFOキャッチャーに挑戦したら「うまか棒」30本入りが1回で取れてしまったり、
 ちなみにそれはバン達へのお土産となった、随分と安く上がったものだ(笑)
400名無しさん@秘密の花園:2006/09/23(土) 01:54:59 ID:7a10h7xn
 という感じでわたしたちは楽しい時間を満喫していた。
 その間2人して歩く際は手を繋いでいた、
 それは別にどちらからともなくごく自然だった。
 時折ウメコが猫みたいにじゃれついて私の腕に頬をこすり付けて来る。
 命懸けの任務を無事完了した後だけに
 こうしている事が楽しくてしょうがないのだろう。
 勿論わたしも同感だ、わたしはそんなウメコの仕草が何だか可愛くて仕方なかった。
 気が付けばわたしもウメコと肩を組んでみたり人さし指で頬をツンツンしたりしていた。
 そんなベタベタな雰囲気の私達にすれ違うカップルや女子校生たちは
 時折振り向いて遠目から何やら耳打ちしていたりする。
 まあ言ってる内容はだいたい想像ができるけどわたしは全く気にならなかった。
 ウメコもそうだと思う。
 仲の良い女の子同志がデートして何が悪いのだ?余計なお世話である。
401名無しさん@秘密の花園:2006/09/23(土) 01:56:45 ID:7a10h7xn
 そこでひと通り楽しんだ後、ウメコの提案で横浜まで行ってみようという事になり
 電車に乗って横浜方面まで移動し山下公園まで足を運んだ。
 そこはあまりにも有名なデートスポット、気が付けばもう日が暮れようとしていた。
 お約束である男女のカップルが公園内の至る所で2人だけの時間を過ごしていた。
 すぐ目の前は横浜港が見渡せ少し向こうには氷川丸、
 さらにその向こう側には横浜ベイブリッジが見える。
 わたしとウメコはベンチに腰を掛けた、
 よく見たらここにあるベンチはすべてが海側に向って設置されているのに気づいた。
 しばらくウメコと海を眺めながらあれやこれやを談笑する。
 今日はもう何時間も一緒に居るのにまだ話し足り無いくらい話題には事欠かなかった。
402名無しさん@秘密の花園:2006/09/23(土) 01:59:33 ID:7a10h7xn
「ねぇジャスミン!見て!見て!あれっ!」
 そう言いながら突然ウメコが私の腕を掴んだ、
 ウメコがはしやぎながら指差す方向を見る。
「うっわぁ〜!きれ〜ぃっ!」私も思わず叫んでしまった。
 横浜ベイブリッジがライトアップされたのだ。
 話に夢中だったせいか、人の顔も判らない位に辺りはもうとっぷりと暮れていた。
 さらに横浜港から川崎の工業地帯にかけてまばゆい光の情景が目に入ってくる。

「素敵な夜景ね・・・」

「うん・・・」

 ウメコはそう言うと私の肩に顔を横たえた。
 わたしもウメコの肩を左手でしっかりと抱きとめた。
403名無しさん@秘密の花園:2006/09/23(土) 02:01:42 ID:7a10h7xn

  そこから先は自然な流れだった。

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
 
  優しく・・・そして長いキスだった・・・・。
 
  唇がようやく離れた、今の私たちに余計な言葉は要らなかった。
  互いに肩を抱き合いながらしばらく夜景を見つめていた。

  結局私たちは外出の門限時間ギリギリにデカベースへと戻った。


  スペシャルポリスの任務は常に危険と隣り合わせの激務だ。
  そんな中でウメコは束の間の安らぎを一緒に分かち合える仲間、
  いや・・・親友?
  いいえ・・・今はハッキリと言える・・・わたしの大切な恋人だと・・・。


  F I N
404名無しさん@秘密の花園:2006/09/23(土) 10:09:30 ID:THyaEgRC
ジャスウメは何といっても二人の基本。
これからも大事にしていきたいですよね!

またいろいろ役柄設定できて、書き手の方によって微妙にニュアンスが違うのも楽しめます。
やっぱいいですね、この二人。。
405名無しさん@秘密の花園:2006/09/23(土) 10:51:27 ID:/JCLC6IU
ここの作家さんはジャスミン受けのシチュが多いね。
ジャス「ほらほら甘えさせてあげるー」
ウメ「わーい」

みたいな。
406名無しさん@秘密の花園:2006/09/23(土) 11:34:01 ID:Hufa7REv
美香先生に小学校低学年のあゆ美ちゃんもいいと思うんだ。
ほっぺに絆創膏貼って「傷なんか作って、も〜〜!」とか。
あゆ美ちゃん、子供の頃はお兄ちゃんに勝手にくっついて遊んでて男の子みたいだったっていうし。
407名無しさん@秘密の花園:2006/09/23(土) 11:36:28 ID:THyaEgRC
そういえばそうかも。
たまには逆に、酔っ払ったジャスミンが異常にウメコに甘える・・
なんてシーンも萌えそう!
408名無しさん@秘密の花園:2006/09/23(土) 18:18:38 ID:xiG2Jm9U
つーか現実じゃ美香のほうが優位に立ちそうなもんだが
409名無しさん@秘密の花園:2006/09/24(日) 03:51:30 ID:auk9eebo
TVステーションの怨み屋の記事で
第六話の鈴木砂羽サンと顔近付けるシーンで「あんまりキレイでくらくらしちゃいました(笑)」
と本音を語るあゆ美ちゃんって可愛いすぎるよ。
410名無しさん@秘密の花園:2006/09/24(日) 04:14:16 ID:XJE+tiR/
甘えんぼう美香ちゃんがもっと見たいです
411名無しさん@秘密の花園:2006/09/24(日) 04:43:37 ID:auk9eebo
リクエストいろんなのあるね。
本格的な小説にするのは難しいけど、思いついたワンカットだけを短篇で…とかでもOKなんですかね?
412名無しさん@秘密の花園:2006/09/24(日) 06:52:03 ID:ltsJszpr
>>411
はい。日常でも何でも。
413名無しさん@秘密の花園:2006/09/24(日) 07:35:19 ID:auk9eebo
>>412了解!
でわ、ちょっと考えてみます。
414名無しさん@秘密の花園:2006/09/24(日) 10:47:28 ID:auk9eebo
それでは、小学校二年生のあゆ美ちゃん&担任美香先生という設定でひとつ

「美香先生〜これ借りてきたよ〜」
と息を弾ませて、あゆ美ちゃんが教室へ戻ってきた。その手には図書室で借りてきた本が一冊握られていた。
みんなが帰った後、あゆ美ちゃんのランドセルだけが残っていたので、そうだろうな〜とは思ってたが。
「何の本借りたの?」
「は‐い」
とあゆ美ちゃんは、机の横に来て本を見せてくれる。
「どうぶつの本だよ!あゆ美ねぇ、動物大好きなんだ」
「そう、先生も好きよ。ミニチュアダックスっていうワンちゃんかってるんだよ」
「あゆ美んちはね〜ネコかってるんだ。ネコがいちば〜んすき」

あゆ美ちゃんは切れ長の目のちょっぴり大人びた顔立ちの女の子だ。でも笑うとあどけなくて可愛い。
なんとなくネコっぽいかな?
本が好きで、毎日借りてくる。シャーロックホームズとか少し難しい本も読んでるけど、今日は二年生らしく「どうぶつの本」を借りてきた。
415名無しさん@秘密の花園:2006/09/24(日) 11:23:15 ID:auk9eebo
まぁ本ばかり読んでいる訳でもなく、昼休み時間は、男の子たちとドッヂボールをしたりする活発な一面もあるので、安心しているが。
二つ結びにした髪が乱れていたので結びなおしてあげながら、話を続けた。
「じゃあ、あゆ美ちゃんは嫌いな動物はいないの?」「う〜ん…」
と眉間にしわを寄せて真剣に考え込む顔がまた可愛い。
「ヘビが嫌い!絶対ダメ!ってゆうか、生理的にダメ!」
どこでそんな言葉を覚えたのか、可笑しくなって私はプッと吹き出した。
「そうだね、誰だってひとつくらいは苦手なものあるよね。…でも先生は動物やお花のお世話をすすんでやってくれる、あゆ美ちゃんのやさしいところがいちば〜ん好きだよ」
「ほんと?嬉しい〜!!」あゆ美ちゃんはとびっきりの笑顔で私にギューっと抱きついてきた。

「あゆ美ちゃん、ずっとずっとやさしい子でいてね…」
私はあゆ美ちゃんの髪を撫でる。
「うん‥あゆ美ねぇ、ほんとうは美香先生が、いちば〜ん好きだよ」

う〜んやっぱり子供って可愛い。
贔屓するつもりはないけど特にあゆ美ちゃんは可愛いなぁ…
私はあゆ美ちゃんの小さな肩をもう一度ぎゅっと抱き締めた。

END
416名無しさん@秘密の花園:2006/09/24(日) 11:34:13 ID:auk9eebo
>>406さんの書き込みでイメージしてみました。

小学校の頃のあゆ美ちゃんはこんな感じかな?
と勝手に想像しました。
417名無しさん@秘密の花園:2006/09/24(日) 17:26:55 ID:OfQwnmH5
なんか段々メルヘンぽくなってきましたねw
私はオーソドックスに二人のカラミが読みたいです(^_^;
どなたか力作お願いします。
418名無しさん@秘密の花園:2006/09/24(日) 19:24:28 ID:auk9eebo
まぁ、ほんの場つなぎ程度に読んで頂けたら…と思っています(^-^)

じゃあ次はジャスウメのハードエロでも。。。
419名無しさん@秘密の花園:2006/09/24(日) 19:48:45 ID:/xOIt5cb
みんなエロなしとエロありはどっちが好みなん?
話的に大して必要じゃないときは入れるかどうか迷う。
420417:2006/09/24(日) 19:53:43 ID:OfQwnmH5
>>418
わ〜い♪
楽しみにしてます。

>>419
私はエケベなもんで、エロあり大歓迎です。
421名無しさん@秘密の花園:2006/09/24(日) 20:22:10 ID:MuM0HR2K
(^_^;とか♪とか使うなよキモい
422名無しさん@秘密の花園:2006/09/24(日) 20:46:22 ID:Ifvn7Xrr
エロいらない
423名無しさん@秘密の花園:2006/09/24(日) 21:09:16 ID:XJE+tiR/
エッチなのはいいけど
>>420みたいなおっさんはいらない
424名無しさん@秘密の花園:2006/09/24(日) 21:40:51 ID:+Qqr9SZ5
要望がいろいろあって、書き手としてはありがたいんですが…
今書いてるの、エロありだからどうしよう…
425名無しさん@秘密の花園:2006/09/24(日) 22:26:58 ID:Unh0FZEq
>>424
エロありもなしもどちらも需要はありますよ、意見が分かれるだけで。
今までもエロありはたくさん投下されてるし、エロありが投下されただけで
荒れるようなことはさすがにないと思うので完成したら是非投下してください。
426名無しさん@秘密の花園:2006/09/24(日) 22:35:34 ID:auk9eebo
全く絡み無し(例えば手もつながないとか)はちょっと淋しいけど、
何らかの絡みがあればハードでもソフトでもOKだと思う。
いろいろあっていいんじゃない?
427名無しさん@秘密の花園:2006/09/25(月) 00:55:32 ID:JJYIerpj
エロ全くなし  ジャス&ウメと怨み屋が同じ世界観とすればの妄想です


「ねえっ、ジャスミン知ってる?あの噂?」
「噂って?何なの?いきなり。」
「ほらっ、ここ最近都内で謎の事故死とか理由なき自殺とかがやたら増えてるじゃない。」
「知ってるわ、でもそれらは地球警察の調査で事件性は無いって判断されてるんでしょ?」
「うん・・確かにそうなんだけど・・・・、
 でね、この間警視庁の婦人警官との懇親会の時にその件でちらっと小耳に挟んだんだけど。」
「えっ?何をはさんだの?」
「あのね、その当事者の身元を調べてみたら以前に発生した殺人事件や詐欺事件などで
 過去に証拠不十分で釈放された参考人が大部分を占めていたんだって。」
「えっ!それって・・本当っ?」
「うんっ、だから当時それらの事件に関わった人の間ではそれらは事故や自殺なんかじゃなくて
 実はそれらに見せかけた殺人じゃないか?って噂なの。
428名無しさん@秘密の花園:2006/09/25(月) 00:56:47 ID:JJYIerpj
「え〜っ!まさか?」
「でも周りの状況証拠から他殺だって根拠は全く見当たらないんだって。」
「それって変ね? ひょっとして裏で誰かが完全犯罪でもやってるのかしら?」
「さすがジャスミン!するどいなぁ〜!」
「えっ!それって・・いったい?」
「それがね・・・これはあくまで噂としてなんで信憑性は薄いらしいんだけど
 その死の影には「怨み屋」が暗躍しているらしいんだって。」
「えっ!怨み屋?」
「うん、何でも周りに気づかれずに完全犯罪を実行するプロの殺し屋の通称らしいの。」
「そんな・・・それってよくあるただの都市伝説じゃないの?」
「私もそう思ったけど実際にその怨み屋を見かけたって人もいるんだって。」
「ふ〜ん、その怨み屋ってどんな奴なの?」
「それがね・・・若い女性らしいの・・・。」
429名無しさん@秘密の花園:2006/09/25(月) 00:57:44 ID:JJYIerpj
「えっ!女性?」
「そう、年齢は20代前半、長い黒髪で体型はスリム、そして切れ長の目が特徴だって・・・。」
「で・・これが絶対に口外しないって約束でこっそり手に入れた怨み屋の似顔絵のコピー。」
「ウメコ・・・あんたいつからそんな情報屋になったの?」
「へへっ・・これでも小梅ちゃんのネットワークはちょっとしたものなのよ!」と胸を張る。
「ったく・・・あんまり感心しないネットワークだ事、もしボスに知れたら大目玉喰らうよ。」
 と半ば呆れながらウメコから受け取ったそのコピーを見る。

「これが・・・怨み屋?」 

 その似顔絵を見た時、わたしにある記憶が浮かんできた。
430名無しさん@秘密の花園:2006/09/25(月) 01:00:19 ID:JJYIerpj
「ねぇ、この顔ってジャスミンに似てない?」
「な・・何でわたしが出て来るのよ?」
「だって顔立ちといい切れ長の目といい長い髪といいこれで黒髪にしたらソックリじゃん!」
「じゃあウメコは私がその怨み屋だとでも言いたいの?」
「あははっ!冗談!冗談っ!そんな事あるわけないじゃん!、
 まぁっどちらにせよ私たち宇宙警察の管轄外の事だからあくまでも噂、う・わ・さ!。」

「どうしたの?ジャスミン、そんなに恐い顔しないでよぉ〜。」
「あっ!・・ゴメン、ゴメン、何でもないわ。さぁ、これからパトロールよ!」

 その時、私は数週間前に秋葉原界隈をパトロールしていた事を思い出していた。
 大ガード下の信号を渡る際に私と反対側からこの似顔絵に良く似た女性が歩いて来たのだ。
 その時は確かに「私に似ている女性だな」と思った。
 でも思ったのはそれだけじゃなかった、
 私のエスパーの直感なのだろうか?彼女とすれ違う際にとてつもなく強い念を感じ取ったのだ。
 その直後私は胸に何かもやもやとした重さを感じたのを覚えている。

 まさか彼女が怨み屋?・・・そんな馬鹿な・・・それは単なる噂じゃない。

 
 次の休暇の日、わたしは秋葉原駅に降り立った。


F I N
431名無しさん@秘密の花園:2006/09/25(月) 09:32:21 ID:osd7qfGo
怨み屋=ジャスミンに限らず、木下あゆ美に似ている人って多いような‥

素の彼女は顔も派手じゃないし、長身でもないから
ぱっと人目を引くタイプではないと思うが、
見れば見るほど綺麗に見えてくるのが不思議…
そこが彼女や友達にしたいって思わせる魅力なのかなぁ?
432名無しさん@秘密の花園:2006/09/25(月) 18:42:15 ID:2p36YeHh
乙です。
また新しい展開っスね。
ジャスミンと恨み屋の夢の共演というか狂宴読みたいっス。
433名無しさん@秘密の花園:2006/09/26(火) 07:36:54 ID:AtSHaLGX
>>318です。
ジャスウメと美香あゆ美の話を同時に書いてるから、中々進みません、ごめんなさいorz
多分先にジャスウメの話から投下します。
甘えんぼジャスミンというよりウメコの誘い受けみたいになるかもw
434名無しさん@秘密の花園:2006/09/26(火) 08:44:26 ID:RS9CfOFV
>>433
ジャスウメ読みたい!

自分も今、従順で可愛いジャスミンの話書いてるところなんで、参考にさせて下さい!
出来たらその後にでも投下します。
435名無しさん@秘密の花園:2006/09/26(火) 20:41:17 ID:RgEDyiYd
最近流れが大人しいと思ったら、皆執筆中なのか
436名無しさん@秘密の花園:2006/09/27(水) 06:39:33 ID:GXyGzDXr
百合スレにも実名女優スレ多数あるが
現在トップに立ってる。

つくづくこの二人は百合要素有りすぎ。
最大の要因は、ジャスミンがエスパーである、のは大きいと思う。
そこからいくらでも妄想が膨らませるから・・。
437名無しさん@秘密の花園:2006/09/27(水) 12:55:49 ID:g3LZmxUI
それほど2人のキャラが突出してるって事ですね。
書き手さんとしても書き甲斐があるのではないでしょうか?
438名無しさん@秘密の花園:2006/09/27(水) 13:51:23 ID:GXyGzDXr
正直単独スレ立った時は過疎化を心配したが、余計な心配だったようだね。
でも上がってきてるから
取りあえずsage続けてはいますが。
伸び率がいいとどうしても上がってしまうんですかね?
439名無しさん@秘密の花園:2006/09/27(水) 17:24:09 ID:qgjfjjRg
この二人は見た目が最強
440名無しさん@秘密の花園:2006/09/27(水) 17:30:14 ID:5Hw24iDB
ルックスはボウケンもマジレンも悪くないだろ
でもなんか違うんだよデカレンは。それは俺も思う
441名無しさん@秘密の花園:2006/09/27(水) 18:51:27 ID:4pIwAw3U
菊地美香ちゃんなどの激やば動画・画像・無料でウンロードできました!
http://tool-7.net/?fuji
442名無しさん@秘密の花園:2006/09/27(水) 19:50:19 ID:n8BTRp/V
派生元スレがジャスミンとウメコの話題になって、さらに画像がうpまでされてる件。


撮影の合間にやってた『「牡丹と薔薇」ごっこ』って、何でしょうなぁ…
443名無しさん@秘密の花園:2006/09/27(水) 20:55:21 ID:JKAoegi5
ジャス&ウメ百合として分離独立させてから僅か1ヶ月あまり、
元スレをとっくに追い抜いている件について。
444名無しさん@秘密の花園:2006/09/27(水) 21:20:55 ID:VqlUe/vC
だって、2人がこれだもん
ttp://vista.undo.jp/img/vi5935942110.jpg
445名無しさん@秘密の花園:2006/09/27(水) 22:48:09 ID:DjDR34UA
>>444
GJ!!
446名無しさん@秘密の花園:2006/09/27(水) 22:49:29 ID:i4oVfxP5
一番右下の凄いな
こりゃ妄想もしたくなるなw
下段左二番目のウメコの動きもよい
447名無しさん@秘密の花園:2006/09/27(水) 23:02:44 ID:n8BTRp/V
さて、このイベントに行った勝ち組は詳しく聞かせてもらおうか。
448名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 00:14:24 ID:Ro0I8AkC
>>>447
「ジャスミン! さっきはごめんなさい!」
「あらあら」
「ホントはね、ジャスミン、頭いいし、エスパー使えるし、ちょっとヤキモチ妬いちゃって。
休暇なんてどうでもよかったの。ホントはすごく、憧れてるんだよ」
「私も同じ気持ちだよ。ウメコの意外性には、ほんと驚かされるし。
それに、自分を犠牲にしてみんなを救おうとするなんて。ウメコがいなくなるなんて考えられないんだから。
これからもツインカムエンジェルで、頑張っていきましょ」
「うん!」
449名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 00:18:36 ID:Ro0I8AkC
「ウメコ。今日のシャンプーいい香り!」
「でっしょー」
「スキあり!」
「ジャスミン、ずる〜い」
450名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 01:45:48 ID:wgzAfzUB
ジャスウメの何がすごいって、
デカレンが始まってすぐの頃にでたインタビュー。
確かボムとプレイボーイだったと思うけど、
もうその頃からラブラブなコメントばっかいっていたんだよな。
ジャスミンはソフトクリームを舐めるとコスチュームを汚しちゃうから
いつもウメコがきづいて拭いたりしてるとか、
ジャスミンは朝弱いので、ウメコにモーニングコールしているとか。
もっといろいろ言っていたと思うけど、忘れた。
覚えている人いたら、補完してくれ。
451名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 04:22:14 ID:EIuVho91
デカのホームページ直筆で書かれたメッセージで、
『あゆ美ちゃんが居てくれて本当に良かった。
私が男の子だったらあゆ美ちゃんを彼女にしたい。
…好みなんです…』
って書いてあるの見た時
あゆ美ちゃんの事、スゴく好きなんだな〜と直感! しかし正直者だな、美香ちゃんは…。
452名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 07:38:50 ID:l2mv1z2U
>>450
ヤバス 妄想が広がる(*´д`*)
これも詳しく知りたい…
453名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 07:57:47 ID:AvofpLUp
ジャスウメの話を投下します。エロ注意。
454名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 07:59:26 ID:AvofpLUp
Episode−ex「ベッドタイム・シンドローム」


「ちょっともう起きてよ、ジャスミン、起きて!起〜き〜ろ〜〜!!」

私は寝たふりをしてた。
本当は先に目が覚めてたけど、狸寝入り。
ベッドの中でウメコは私の頬っぺたを抓ったり、おでこを突っついたりしてる。

今何時だろ?
少し薄目を開けたらちょとだけ西陽が射し込んでくるから、夕方かな?
いくら私がエスパーでも、時計を見ないで時間を当てることなんてムリ。

私達の夜勤明けはいつもこんな感じで、どっちかの部屋に戻ってシャワーを浴びて、簡単な食事をしてから夕方まで爆睡。
かなりだらしない感じだけど、刑事という仕事柄、不規則なのは仕方ない。

「おなかすいたよ、もう・・・ジャスミンの作ったゴハン食べた〜い!」
子供みたいに甘えた声が聞こえてくる。
料理を教えてるから、少なくとも昔よりは出来るようになってるし今すぐ起きて作ってもいいけど・・・私も彼女みたいにおねだり。

甘え上手の彼女と、甘えられ上手な私。

それもいいし大好きだけど、私だって女の子。
たまにウメコに猫撫で声で甘えたくなる時があるけど、素直に口に出せなくて恥ずかしいし「ねぇウメコ〜〜、だぁ〜〜いすき」なんて・・・。

寝たふりは、キスして欲しい為のカマかけだけど・・・解ってくれるかな?
455名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 08:00:24 ID:AvofpLUp
「・・・しょうがないなぁ」

声が聞こえた後、唇に一回だけ指が触れてから大好きな『温度』と『匂い』がゆっくり近付いてくる。
私が心の中で呟いた『早くして』と、「おはよ」っていう彼女の囁きは、ほぼ同時だった。

二、三度軽くキスされて、唇の横をペロンと舐められると、胸が高鳴っていく。
「きゃんっ!」
私は目を開けてウメコを抱き寄せながら、ベッドの中に引きずり込んだ。

「・・・おは」
「痛い」
ウメコは膨れるわけでなく、私に言う。
鼻に掛かる髪から漂うシャンプーの匂いに、溺れそうになる。

・・・どうしよう。
この先の言葉、何て言おう。
好きな気持ちが爆発しそうなのに抱いてとか、愛してとか、言い出しにくい。
でも苦しくない。
胸の奥を締め付けるのが、なぜか楽しくてワクワクして仕方ない。
もどかしい思いをぶつけるように、ウメコをきつく抱く。
456名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 08:01:50 ID:AvofpLUp
「ジャスミン、寝たふりしてたんでしょ?」
「・・ううん」
「ウソついたってダメだよ?あたしお見通しなんだから。エスパーじゃなくっても、ジャスミンの事・・・何でも分かるもん。大好きだから」

彼女は得意そうな表情になってた。
・・・な〜にがお見通しよ、エッチな事考えてるのも伝わってるよ?
私たちはシャワーを浴びてから裸のまま眠ってしまって、火照った肌が触れ合ってて・・・エスパーじゃなくっても、分かるなこりゃ。


「・・・ちょうだい」
そう言い切らないうちから、私の頬はじわじわ赤くなっていく。
もっと甘えたいけど・・・これが私の精一杯。
こんな言い方しか出来ない。
このコみたいに甘えた声でおねだりって、ムリかな。

457名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 08:02:52 ID:AvofpLUp
「イチゴみた〜い、まっかっかだよ、可愛い!」
私の憧れる『甘い声』で言って、抱きかかえた私の頭をギュッと胸元に押し当てた。
ちっちゃくて、筋肉質で、それでも柔らかくて、ミルクみたいに甘い肌の匂いに溢れそうな愛しさが込み上げて、胸に顔を埋めたまま抱き締め返す。
そのまま転がりながら、彼女の身体の上に自分の身体を重ねた。

「ねえ、もう一回だけ」
「ん?」
「あのね・・・もう一回・・・言ってミソ」
「何?イチゴ?」

・・・意地悪。

もう一回「可愛い」って言って欲しい。
私はいつのまにか、その一言をせがむように寝起きでかさついた唇を重ねて貪ってた。
ウメコはまるで喉の渇きを潤すように私の唾液を啜って、私も喉を鳴らしながら彼女の唾液を啜る。
舌が絡まる淫靡な音が部屋に響いた。
458名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 08:04:05 ID:AvofpLUp
唇を離して、おでこにキスしてから自分のおでこを押し当てる。
「やん、熱いよぉ」
彼女の掌が熱い頬に触れて、唇が再びゼロの距離まで近付く。

またキス。
濡れて光った唇に軽くタッチさせて、ぷっくりした頬っぺた、耳たぶ。

「あん・・・あっ」

シーツを頭から被ってキスを落とすたびに、私の腕の中で小さな身体が跳ねる。
耳たぶを口に含んで舌で転がしながら、彼女の乳房に手を伸ばした。
立ち上がった部分を抓むようにして小ぶりな胸を揉みながら、糸を引かせるように舌の絡め合いを楽しんだ。
その後乳房にキスして、胸の谷間に舌を上下に往復させるように這わせる。
ウメコに愛撫するときいつもからかったりするけど、そんな余裕ない。
無我夢中になりながら、彼女の肌を貪ってた。
下に降りていくほどに、蜜の匂いが鼻についてくる。
459名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 08:05:16 ID:AvofpLUp
「足・・広げていい?」
足に手を掛けようとしたら、誘うような声で彼女が言った。
私が頷いたら、ゆっくりと足を開く。
たまらなくて、顔を近づけた。

「あっ・・・はぁっ・・・んっ、あぁぁん・・・ふあぁぁん・・・」

入り口のまわりに付いてた蜜を舐め取ってから、唇を被せて舌を挿し入れて掻き回すと、ウメコはシーツを握りながら鼻に掛かるような声を上げた。
舌と唇から彼女の感度や羞恥が伝わってきて、興奮しながらそこを舐め回す。
四つん這いになりながら愛してる私は虚脱感を覚えてて、敏感な場所から蜜がトロリと垂れて太腿を伝っていくのが分かった。

濡れた舌先を押し当てるようにして、淫らに尖った核を突付いて指を激しく動かしていくと、粘り気を帯びて白濁した蜜がどんどん溢れてくる。

「はぁっ、はぁあん・・・やん、ああん・・・!」
指の締め付けと一緒に、ウメコは私の頭を押さえつけた。
460名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 08:06:25 ID:AvofpLUp
余韻に浸る時間だって、惜しい。
私は擦り寄りながらウメコに抱きついて、さっきされたみたいに三回唇を重ねてから口元をペロッと舐めた。
「ジャスミン・・・?」
目を合わせるのが恥ずかしくなって、また胸に顔を埋める。

「・・・今日、すっごく可愛い・・・」

よしよし、と、子猫みたいに頭を撫でられてた。
上目遣いで見てる私に、ウメコは優しく微笑んで鼻の頭にキスしてくれた。

「可愛い?ホントに可愛い?ねぇ、可愛い?」
「大丈夫だよ、可愛いよ、大好きだよ・・・?どしたの?」

私の、私なりの甘え方で・・・いいんだ、そっか。

妙に納得した後、ちょっとだけ笑ってキスした。
ウメコが私の舌に吸い付いて、私は彼女の指に自分の指を絡ませて握る。
「いくね・・・?」
ウメコは熱い吐息を漏らしながらキスを解いて、私の上になった。
頬に何度も唇を当てられた後、首筋に舌が這う。
「あ・・・ウメコ・・・あんゃ・・・」
胸と胸を合わせて左右に動くと、汗がうっすらと滲む。
握ってた彼女の手を口元にあてがったら、ウメコは顔を近づけてきた。
461名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 08:07:35 ID:AvofpLUp
「舐めあいっこしよ?」
そう言ってクスッと笑って、ウメコは私の指を舐めはじめた。
私も彼女と一緒に、自分の指を一本ずつ舐める。
指を舐めてるっていうより、ディープキスの間に指が挟まってるみたい。
縺れる舌の感触と唾液で濡れていく指は、キュンと身体の中心を熱く、甘く昂ぶらせていく。
指を舐め終わって仰向けに寝かされたまま胸の膨らみの中心に吸い付かれた後、握られてた手が解かれた。
彼女は内股になってる私の足を割り広げる。
「やん、やだ・・・」
「いや?」
私は泣きそうな顔になって、首を横に振るだけの返事をした。

「んっ、ん・・・あん、いあ、はあっ、あぁん・・・」
彼女は赤くなった核を唇で挟んでから、私の一つ一つを味わい尽くすように舌を這わせる。手で顔を覆ったまま、身体を仰け反らせて声を上げた。
ウメコの頭を太腿で何度も挟みそうになる。
舌先から私の中に、断片的に「カワイイ」「ダイスキ」が注がれてくる。
「あ、あ・・・こう、め、小梅・・・あん、くふぅ、もうだめ、やだぁ・・・」
「まだ、もうちょっと待って・・・」
彼女はプルプル震える私の太腿を少し持ち上げて、後ろ側にもキスしてくれた。
全部愛されていく。

『溺れる』って、こういう事を言うのかな・・・?
シーツの海に溺れながら、ウメコの愛撫・・・いや、ウメコに溺れていく。

泣きながらあられもない声を上げて、意識が遠のいて頭が真っ白になった。
462名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 08:09:00 ID:AvofpLUp
「ぷっ!」
行為の後、ベッドの上で雑誌の占いコーナーに目を落としたウメコは噴き出した。
「ジャスミン、これ・・・」
何ざましょ、と私はうつ伏せに寝そべった彼女の上に乗っかって、顎を肩の上に乗せる。
・・・何じゃらほい?

☆☆12月生まれの貴女・・・変人出現でドラマチックになるかも!ラッキーアイテム・化粧☆☆

私たちは同じ誕生月。
多分「恋人出現」って書きたかったんだろうけど、『恋人』と『変人』を間違えちゃったんだと思う。
ちょっとした間違いだけど可笑しい事この上ない。
「明後日休みだから、外に出てみよっか?フリーマーケットあるし」
「もしかして・・・変人探しに行くの?」
「ご名答、よく出来ました!」
訝しそうな彼女をヨソに、私は胸を躍らせていた。
463名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 08:09:54 ID:AvofpLUp
ウメコを連れて街に出てみると・・・占いに間違いは無かった。

「美しい二人よ、お待ちなさい」
美しいって言われて、誰も悪い気はしない。返事をして振り返った。

「わたし達の事?」
「他に誰がいるというんですか?お二人共、とても美しい。貴女達こそ、まさに愛と美の化身」
「は?」

ねぇ、新手のナンパ?それともこの人が変人?とウメコは私に耳打ちしてくるけど・・・彼は小さな女の子を連れてるけど、親子でも兄弟でもなさそう。
とにかく、子連れのナンパなんて聞いたことない。

[メイクアップします お値段は時価ですが 美しい方ならタダでして差し上げます]

女の子が首に提げてたプラカードの文字だった。
男の人は抱えてたギターケースを開く。
中には化粧品や化粧道具、香水の類がギッシリ・・・何となく腕の立ちそうな雰囲気がする。
人懐っこい女の子の笑顔に釣られるように、テントに案内されて用意された椅子に座らされた。
464名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 08:10:57 ID:AvofpLUp
メイクしてもらってる間、私はずっと目を閉じてた。
目を閉じてるから、隣のウメコはどうか分からない。
生まれ変わった・・・ってのは大袈裟だけど、今まで見たことの無い彼女、そして私自身に驚いてみたいから。
それが吉と出るか、凶と出るかは分からないけど・・・。


「さぁ、終わりましたよ」
男の人の一言に、恐る恐る目を開けて横を向く。

「ジャスミン・・・可愛い!!」

私はウメコを見るのも忘れて「可愛い」の一言に即座に反応した。
得意そうな表情で男の人は私に、女の子はウメコに鏡を差し出した。

・・・・・・え?ホントに私!?

今まで「綺麗」って言われても、「可愛い」って言われたことはなかった。
でも鏡に映ってる今の私は、自分で言うのもアレだけど・・・可愛い。
「ジャ〜〜スミン!あたしの事もちゃんと見てよね?」
ヌッと、彼女は目の前に顔を突き出してきた。
ウメコはとても大人びて綺麗になってる。
465名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 08:11:42 ID:AvofpLUp
「お二人とも、お似合いですよ・・・まるで・・・・・・」
顔を見合わせて笑う私達に、男の人はまた独特の言い回しで褒めてくれる。
こんなに綺麗に、可愛くしてもらって「お金はいらない」って・・・確かに変人。
でもそれじゃやっぱり申し訳ないから、ウメコが持ってたお菓子を女の子にプレゼントした。
「大介の『お似合い』って意味分かる?」
無邪気すぎる笑顔でクッキーを頬張りながら女の子は言って、さらに続けた。

「たぶん『特別な関係』だって知ってるよ?またきてね」

去り際。
ウメコは化粧とは別の『頬紅』を付けた私の腕に力いっぱいしがみついて、嬉しそうに『変人』に手を振った。
466名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 08:12:35 ID:AvofpLUp
それから、ウメコと私は手を繋ぎながら歩く。
何だか回りの風景が、今までと違って見えるような気がする。
化粧一つでこんなに変わるなんて・・・たいしたたまげた!

「やっぱ変人だったね」
「うん、凄い変人だった!でもジャスミンさぁ・・・」
「何じゃらほい?」
「うん。何かね、今までと違う気がするもん。この前の時も可愛かったし・・・もっと好きになったっていうか、あの、何だろ・・・」
大人っぽいメイクの彼女が、子供っぽくニッと笑う。
足が、止まった。

人が見てるけど、いいか。「ドラマチック」は夜まで取っておこうと思ったけど・・・今日は、占いの言うとおりにしてみよう・・・。

そっと、唇を重ねた。


fin
467名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 11:51:42 ID:EIuVho91
すご〜〜く萌えました!
ハードエロなのに、切ない感じで、ハッピーで…言うことなしです。

毎度の事ですが、読みながらウメコに成り切ってしまい、ジャスミンをどんどん好きになってしまいます。
これ以上好きになったらまじヤバいです、がやっぱりこのスレ止められません‥
468名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 22:35:08 ID:xkuy5mhb
>>454-466
いや〜、やっぱりウメジャスは堪らないですね。GJです!
エピローグで風間が出てきた時は、アルティメット・メイクアップで
大変なことになるんじゃないかと一瞬焦りましたが(笑
甘えたいけど恥ずかしくてなかなかできないジャスミンに (*´д`*)
469名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 23:18:27 ID:UMtkSRJ3
>>467
kも
470名無しさん@秘密の花園:2006/09/28(木) 23:31:15 ID:g/vBvAoI
ID:EIuVho91キモすぎ
471名無しさん@秘密の花園:2006/09/29(金) 00:01:58 ID:l2mv1z2U
好きなのはわかるが入れ込み杉
472名無しさん@秘密の花園:2006/09/29(金) 00:05:36 ID:/sL27lcs
ファンスレで入れ込むなとかいわれても
473名無しさん@秘密の花園:2006/09/29(金) 00:12:43 ID:QRJNxUcE
そのやりとり、どっかで見たぞw
474名無しさん@秘密の花園:2006/09/29(金) 00:16:11 ID:+obdIi5C
>>471-473
吹いたw
>>471は悩みでもあるのかい?
475名無しさん@秘密の花園:2006/09/29(金) 00:53:04 ID:PQ9oV2kD
ちょww


怨み屋の11話さっきやってたんだけども、怨み屋女王様の格好似合いすぎだろ!
476名無しさん@秘密の花園:2006/09/29(金) 01:55:10 ID:sIhbWaqZ
木下スレで言えよ
477名無しさん@秘密の花園:2006/09/29(金) 05:25:18 ID:fs0K6QhY
まぁ、書き手から言わせてもらうと、登場人物に自己を投影させて書いている場合が多いわけです。

自分の場合は、書く時もそうですが、やはり読む時もそうなってしまいますが・・・
他の作家さんはいかがなものでしょうか?
478名無しさん@秘密の花園:2006/09/29(金) 07:39:13 ID:+wdWWBnP
私は違うな。自己投影よりあの2人がこう動いたら面白いなとか。
書く人それぞれだろうけど。
479名無しさん@秘密の花園:2006/09/29(金) 12:51:29 ID:WV9hs5aY
自分も書き手ですが、だいたいは>>478さんと同じ感じですかね。

書き方が何であれ、いい作品が書けるなら自分は構わないと思いますが…
480名無しさん@秘密の花園:2006/09/29(金) 13:33:48 ID:Je/IZJ0y
>>454-466
エロくていちゃいちゃしてて最高だ
二人とももっと溺れてもいいぞ
481名無しさん@秘密の花園:2006/09/29(金) 17:14:03 ID:kH9DMMpl
私は読み手だけど、読むときには二人の事をあれこれ想像しながら読むから自己投影はないです。
逆に「読みながらウメコに成り切ってしまい、ジャスミンをどんどん好きに…」とかのカキコを読むと萎えてしまう。
まぁ、こういう考えの人もいるという事で…
482名無しさん@秘密の花園:2006/09/29(金) 17:28:52 ID:dKBLFVQt
>>477
書き手ですがほとんどが直感とイマジネーションです。
思い立ったら一気にイってしまいます。
483名無しさん@秘密の花園:2006/09/29(金) 18:04:28 ID:fs0K6QhY
なるほど、イメージの仕方も人それぞれですね。

ご意見聞けて良かったですありがとうございました。
484名無しさん@秘密の花園:2006/09/29(金) 21:20:59 ID:HjL3w0+p
>>471-473
これ、何のことかまったくわからなかったが、声優個人板の美香スレかw
485名無しさん@秘密の花園:2006/09/30(土) 10:30:43 ID:H3oxe3MW
もっともっとこのお二人に溺れて、入れ込んじゃっていいと思いますよ。
どうぞご遠慮なく!

ところでスレ独立のきっかけにもなった『怨み屋と美香』の新作を書いて下さる方いませんか?

昨夜の最終回のSM嬢もかなりの反響でしたね。う〜ん見たかったな〜
486名無しさん@秘密の花園:2006/09/30(土) 17:57:50 ID:2BZL7v3y
誰だよ特撮板あゆ美スレにエロ小説投下した奴はw
487名無しさん@秘密の花園:2006/09/30(土) 18:38:08 ID:H3oxe3MW
また思い切った事を・・・
488名無しさん@秘密の花園:2006/09/30(土) 21:23:16 ID:wfE7mD4L
誤爆?それとも確信犯?
489名無しさん@秘密の花園:2006/09/30(土) 21:34:35 ID:Vl7x6s2A
>>488
わざわざアンカーまで入れてるから
間違いなく確信犯。

でも少し触れられただけで、後はスルーされてますな。


美香スレと違い、あまり波風立たないのが、あゆ美スレの特徴。
490名無しさん@秘密の花園:2006/09/30(土) 22:21:43 ID:DqVegd5M
http://www5.tok2.com/home/umeko177418/member/room/0.htm

なんかいい画像あったら提供してー
491名無しさん@秘密の花園:2006/10/01(日) 19:05:43 ID:O9+2IRfw
何か読みたい・・・
492名無しさん@秘密の花園:2006/10/01(日) 20:55:02 ID:FBotJje+
>>491
じゃあ投下のタイミング逃してそのままだった幼稚園ひとつ…。
怨み屋も書きたいんだけど、うまく行かない。
493名無しさん@秘密の花園:2006/10/01(日) 20:56:04 ID:FBotJje+
「あゆ美せんせー、とりっくあっとりー!」
「ん?」
掲示板に貼る10月のポスターの内容を決めかねてクリーム色の画用紙とにらめっこしていた私に、美香ちゃんが満面の笑みで両手を広げてそう言った。
「トリック、あ、鳥?」
自分で真似して口にしてから、美香ちゃんが言った意味に気付いた。
「ああ、ハロウィンね」
「うん!」
「発音いいねぇ。でも今、お菓子持ってないなぁ」
「おかし?」
首を傾げてきょとんとした美香ちゃんに「おや?」と思った。
「もしかして美香ちゃん、ハロウィンよくわかってない?」
「しってるよぉー。かそぉしてあそぶカボチャのおまつり!」
「仮装なんて、難しい言葉よく知ってるねぇ」
へへって少し得意げに美香ちゃんは笑ったけれど、「とりっくあっとりー」の意味はわかっていないらしい。
494名無しさん@秘密の花園:2006/10/01(日) 20:58:51 ID:FBotJje+
 運動場では載寧先生が子供たちと一緒にサッカーをしている。美香ちゃんが入ってくるまで私一人しか居なかった教室にもはしゃぐ声が届いていた。
 この時間、保育園に残っているのは色々な事情でまだお迎えが来ない数人の居残りの子供達で、美香ちゃんもその一人だ。
「美香ちゃんはみんなとサッカーしないの?」
お遊戯の時間ではないから、先生の目の届く範囲にいてくれれば問題はないのだけれど。
「うん。あゆ美せんせーといっしょがいい」
うーん、かわいいこと言ってくれるなぁ。
 おいで、と手招きして、美香ちゃんを膝の上に乗せる。
 ちょうどいいか、と思って、画用紙に大きく『Trick or treat!』とクレヨンで書いた。
495名無しさん@秘密の花園:2006/10/01(日) 20:59:31 ID:FBotJje+
「綴り、これで合ってると思うんだけどなぁ」
「えいごだ」
「お、ホントによく知ってるね」
「いい子いい子」と頭を撫でてから、「トリック、オア、トリート」と単語を指さしながらゆっくり読んだ。
「とりっく、おあ、とりーと?」
「そう。『いたずらか、お菓子か』」
「いたずらかおかしぃ?」
「『お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞー!』って意味。仮装した子供が大人にそう言ってお菓子を貰うの」
10月の行事はバザーがあるから予定はしていなかったけれど、お遊戯でハロウィンやるのも悪くないな、と考え始めたとき、美香ちゃんがおっきな声で
「とりっくぉあとりー!」
とまた叫んだ。
496名無しさん@秘密の花園:2006/10/01(日) 21:01:12 ID:FBotJje+
「わぁっ! ……びっくりしたぁ。でも今、先生、お菓子持ってないよ?」
「じゃあいたずらする!」
「え」
「え〜いっ」
「わっ!」
小さな手がいきなり脇の下に伸びて思い切りくすぐられる。
「ちょ、ストップストップ!」
「だぁめ!」
「や、こらっ!」
無意識に体をよじって逃げようとしてバランスを崩し、椅子ごと後ろにひっくり返ってしまった。
 ガタンという大きな音とと美香ちゃんの「わあ!」という叫び声が教室に響いた。
「はー……」
収まったくすぐり攻撃にほっとして息を吐く。子供ってホントに容赦なくくすぐってくるからなぁ。
「降参、降参」
「……あゆ美せんせい、だいじょうぶ?」
床に寝る形になった私のお腹の上に座った美香ちゃんが、不安そうに顔を覗き込んでくる。
 椅子は幼児用の小さな椅子だし、美香ちゃんもそんなに重くないし、全然平気だけど。
497名無しさん@秘密の花園:2006/10/01(日) 21:02:29 ID:FBotJje+
「大丈夫じゃないよー。美香ちゃん、意地悪するんだもん」
「いじわるじゃないもん、いたずらだもん」
「痛いよー」
両手を目の上に当てて「えーん」と泣く振りをしたら、その手の上に小さな手が乗った。
「せ、せんせい、ごめんなさい、ごめんなさい」
それがちょっと泣き出しそうな声だったので、片手をはずして表情を伺う。
「いたい? いたい?」
「痛いー」
「じゃ、じゃあ、美香がいたくなくなるおまじないする! せんせい、どこがいたいの?」
「んーとねぇ、頭かなぁ」
「いたいのいたいの、とんでけー!」
私の頭に手を当てて、そして「飛んでけー!」と両手を上に上げる。
 その必死な姿にあははと笑った。
「飛んでったー」
「ホント? もういたくない?」
「うん、もう痛くない」
よいしょと小さくかけ声を自分にかけて、上半身を起こす。
498名無しさん@秘密の花園:2006/10/01(日) 21:03:40 ID:FBotJje+
 膝に乗せた美香ちゃんを向き合って、こつんとおでことおでこをくっつける。
「ありがと」
私がそう言うと、美香ちゃんはえへへと笑った。
 うーん、かわいいなぁ。
「木下先生、大丈夫かぁ?」
声をした方に顔をむけると、窓の外に載寧先生が微妙な顔で立っていた。
「すっげぇ音したけど」
どうやら椅子ごと倒れた音を運動場で聞いて、心配して来てくれたらしい。
「大丈夫。ちょっと転んだだけだから」
「事故には気をつけてくれよー?」
「わかってるって」
笑って手をあげて見せると、載寧先生は納得したようにうなずいて、子供たちのサッカー相手に戻っていった。
 この体制はあまり転んだだけのようには見えなかったかもしれないな、と思ったけれど、まぁいいか。見えなくても実際転んだだけだし。
499名無しさん@秘密の花園:2006/10/01(日) 21:08:09 ID:FBotJje+
「あしたは、いたくないいたずら、かんがえてくるね!」
「……や、そうじゃなくてね」
とびきりの笑顔とその言葉に脱力してしまった。
「あのね、美香ちゃん」
ここは痛くなくても悪戯はしちゃいけないんだよと言うべきか。
 でも、美香ちゃんがどんな悪戯を考えてくるのかは興味あるなぁ。
「ハロウィンは10月31日だけなんだよ」
「ええ!?」
好奇心に負けてしまった。……っていかん、いかん。
「えっとね、その日はちゃんと先生がお菓子用意しておくから、いたずらは考えなくていいからね?」
「ええ〜〜!?」
「『ええ〜〜!?』じゃないの」
おもいっきり不満そうな顔をした美香ちゃんのほっぺを軽くつまむ。
「だってぇ……」
「それよりどんな仮装するか、考えよう?」
『仮装』に美香ちゃんの顔が興味津々にぱっと輝く。
「うん! あゆ美せんせーもね!」
「はいはい」
その前に、私は掲示板のポスターを描いちゃわないとなぁと思いながら、もう少しくらい美香ちゃんとこうして遊んでても大丈夫かな?なんて思っていた。

END.
500名無しさん@秘密の花園:2006/10/01(日) 21:18:12 ID:uw1lPvqp
>>493-498
(0w0)イイ!!
501名無しさん@秘密の花園:2006/10/01(日) 21:54:42 ID:lYvvhd2c
先生モノ好きなので良かったですよ!
最近このスレも人増えてるのかな?
感想はシンプルにしときます。
502名無しさん@秘密の花園:2006/10/01(日) 21:54:49 ID:OFKW4Z65
>>493-498
いい、501オンドゥルw
こそばゆい、可愛い!(*´д`*)
あゆ美先生も美香ちゃんも・・・w


503名無しさん@秘密の花園:2006/10/01(日) 22:00:30 ID:G2hPnoMa
自分の友達に3年前に寿退職した保育士の友人(もちろん♀)がいるんだけど
同じような話を聞いたことありますよ(w

ちなみに恋愛については、仕事柄出会いはあまりなく
実は保護者の人と不倫関係になっちゃう同僚も何人かいたそうです…。
もちろんバレたら即退職。家庭崩壊に至るケースもあったとか…
504名無しさん@秘密の花園:2006/10/01(日) 23:45:10 ID:kBN4Nsyr
よかった。おかわり
505名無しさん@秘密の花園:2006/10/02(月) 00:51:55 ID:v6IQioGC
>>493-499より成長した設定で、調子に乗ってもういっこ。
もうちょっと無邪気なほうがよかったかもしれないけど(苦笑)。
506名無しさん@秘密の花園:2006/10/02(月) 00:53:28 ID:v6IQioGC
 窓を開けると、風に乗ってふわりと甘い香りがした。
 くん、と鼻で息をして香りを嗅ぐ。
 その正体に気付いて、思わず笑みを漏らす。保育園の裏に咲いている金木犀だ。
「もう秋かぁ……」
そう言えばずいぶん涼しくなった。お昼寝の時、タオルケットだけだった子供たちもそろそろ毛布が必要な時期だ。
 ガラとドアが開く。園長先生か載寧先生だと思ったら美香ちゃんだった。
「あれ?」
たしかさっきお迎えが来て帰ったはずなのに。
 なにかあったんだろうかと思って、早足で駆け寄った。
「どうしたの?」
「あのね、せんせい」
小さな手がエプロンを掴む。美香ちゃんの視線に合わせてしゃがみ込むと、美香ちゃんは少し照れくさそうに「あのね」ともう一度呟いた。
507名無しさん@秘密の花園:2006/10/02(月) 00:55:56 ID:v6IQioGC
「なに?」
「これ、あげる」
「え?」
「ひろってきたの。きれいなのえらんできたよ?」
エプロンを掴む手と逆の手を私の前に出す。ぎゅっと握りしめられていた拳がそっと開いて、その手の平に乗っていたのは、甘い香りの小さなオレンジの花だった。
「……金木犀?」
「きんもくせい?」
きょとんとして、美香ちゃんは目をぱちぱちさせた。花の名前は知らずに香りに誘われて拾ってきたんだろう。
「うん。金木犀っていう名前のお花」
「……きんもくせいかぁ」
嬉しそうに美香ちゃんが自分の手の中の花びらを見つめた。そして、顔を上げて私を見ると
「せんせいにあげる」
と言って、にっこり笑った。
「……うん。ありがとう」
手を上に向けて出すと、美香ちゃんは手の平の上にぱらぱらとオレンジの花びらを落とした。
 甘い香りがした。
508名無しさん@秘密の花園:2006/10/02(月) 00:57:08 ID:v6IQioGC
「せんせい、もうだいじょうぶ?」
「え?」
「きょう、せんせい、すこしゲンキなかったから」
「……」
正直に驚いた。
 季節の変わり目のせいか、今朝は少し体調が悪かった。昼過ぎには落ち着いて、自分でも忘れてかけていたのに。
「……うん。大丈夫」
「ホント?」
「うん。先生、もうゲンキになったよ」
笑ってみせてから頭を撫でると、美香ちゃんは本当に嬉しそうに笑った。
「よかった。あしたはおやすみだからちゃんとねむれるよね?」
「うん、そうだね。ありがとう」
「じゃあ、美香、かえるね」
「あ、送っていこうか?」
「へいき! おかーさん、待ってるし」
「じゃあ玄関まで送って行くね」
「……うん!」
立ち上がって、美香ちゃんと手を繋いで歩き出す。
509名無しさん@秘密の花園:2006/10/02(月) 00:58:46 ID:v6IQioGC
 今日の夕ご飯はカレーライスなんだとか、明日は楽しみにしているTV番組があるとか、他愛のない話をききながら廊下を並んで歩いていった。
 玄関で「さよーなら!」と元気に手を振って走っていく背中を見送って、小さくため息をついた。
苦笑いして、貰った金木犀の花びらを見る。
 もう茶色く変色しかけたそれは、すぐに枯れてしまうだろうけれど。
「ドライフラワーにでもしてみよっかな」
正直、やられた、と思った。
 相手は保育園児だぞ。保育園児に心配されて、元気づけられて。
 一番困るのは、それがちょっと嬉しい自分自身。
「……週末が寂しいと感じるなんて、ちょっとやだなぁ」
ちょっとにやけてしまう顔を押さえながら、独り言を呟いた。

END.
510名無しさん@秘密の花園:2006/10/02(月) 07:14:46 ID:ZM9RnhE4
ああ、なんて優しい気持ちにさせられるのか・・・
511名無しさん@秘密の花園:2006/10/02(月) 07:35:49 ID:VJdnn2Af
す、素敵……。

朝から優しい気持ちになれますた(*´Д`)
512名無しさん@秘密の花園:2006/10/02(月) 10:27:18 ID:DP6CC/Ve
やっぱり怨み屋は最後まで謎に包まれたイメージだったから、二次創作は難しいんでしょうね。
自分も挑戦してみたけど
途中で断念しました・・
513名無しさん@秘密の花園:2006/10/02(月) 23:24:44 ID:v6IQioGC
まだ怨み屋&美香ちゃん書くのあきらめてないよ。
最後まで謎に包まれるからこそ勝手に妄想できるとも言える(w
もうちょっと時間、かかりそうだけど。
514名無しさん@秘密の花園:2006/10/02(月) 23:40:35 ID:yZUZaXWv
拾った画像でさ、ツインカムのコスプレ画像寄せ集めになってるんだけど、
そのうちの一つがさ、よく見たら美香ちゃんがあゆ美ちゃんの上着の胸の辺りに手を突っ込んでるやつがあるんだけど、
これは何かね? この雑誌?が出回った当時は話題になったのかな?
515名無しさん@秘密の花園:2006/10/02(月) 23:53:24 ID:muzWQ87b
ツインカムのコスプレw
516名無しさん@秘密の花園:2006/10/02(月) 23:56:05 ID:kqa8I4ho
>>514
とりあえずうpして
517名無しさん@秘密の花園:2006/10/03(火) 00:08:14 ID:24ig5pQ9
>>515
'ツインカムエンジェルの回'のコスプレ画像寄せ集め って意味ですた。
ttp://www.uploda.org/uporg535606.jpg.html
518名無しさん@秘密の花園:2006/10/03(火) 00:08:45 ID:UwQ066dI
>>513ありがとう
本当に書いてくれるの?
嬉しいです!

何度となくリクエストしてきたけどなかなか投下が無くて諦め気味だったんですが・・よろしくお願いします!
519名無しさん@秘密の花園:2006/10/03(火) 00:18:53 ID:JQHDbCpA
ほんとうだ
なにこれ
なんで手をいれたんだろう
萌え
520名無しさん@秘密の花園:2006/10/03(火) 00:27:04 ID:UwQ066dI
あゆ美ちゃん見ると、どーしても触りたくなるんだね
521名無しさん@秘密の花園:2006/10/03(火) 00:31:48 ID:jBm1Xy8B
美香ちゃんはガチレズだからね
522名無しさん@秘密の花園:2006/10/03(火) 17:40:30 ID:UwQ066dI
あゆ美ちゃんもまんざらでもなさそうだし‥
523名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 07:23:49 ID:oDkNeGFe
>>318の設定で書いてみました。書くうちに設定から離れましたw
524名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 07:25:03 ID:oDkNeGFe
守ってあげたい


何でこんなことになっちゃったんだろ。
もう夏が終わって、鈴虫の鳴いてる季節。
あたしはため息を吐きながら、悲しそうに泣く女の子の手を引っ張って夜の港町を歩いてた。
あたしは、このコについて何も知らない。
分かってるのはこのコが弾き語りをやってること。
ギターも歌も物凄く上手なこと。
とっても泣き虫だってこと。

そして名前が「美香」だって事。

それ以外は何にも分からない。
それにしてもそんなに泣いて、よく涙が枯れないな。皮が突っ張っちゃうよ?
525名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 07:25:47 ID:oDkNeGFe
「あ〜〜〜〜、イライラするからビービー泣かないでヨ!!」
「ごめんなしゃい、ごめんなさい、あゆ美しゃん・・・ひんっ・・・」

・・・バカな事しちゃった、このコを叩いちゃったのはあたしなのに。
ピリピリしてて、つい怒鳴りつけたら彼女はアコースティックギターの入ったケースを肩に提げたまま小さな身体を震わせて、子供みたいに大声で泣きじゃくった。

「やだなぁ、泣かないでってば・・・人が見てるよ?美香ちゃんおかしいって笑ってるよ?」

顔を引き攣らせながら、美香ちゃんの頭を撫でた。
回りで見ているバカップルや酔っ払いのオジさん達は、あたし達を見て指を指しながらヒソヒソ話をしてる。

冗談じゃないわよ!!
526名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 07:26:42 ID:oDkNeGFe
「ニャハハハ〜、あ〜〜酔っ払っちった〜〜〜!」
「あゆ美、いい加減にしなさいよ」
「ダメだって、今コイツ何言ったって聞かないよ」
「あによ!?あたしはちゃ〜〜んと聞いてます!ほらぁ、カワイイ耳らって二つ、ちゃ〜〜んとあるんらから」

何時間か前、荒れてた。
今日は給料日で花の金曜日、あたしは職場の友達何人かと上司とで、勤めてる工場の近所にある居酒屋に居た。
給料日ってのは普通楽しいはずなのに、今日・・・いや、今日に限らずこの何日かは全然楽しくない。

数週間ほど前、あたしは付き合ってた彼氏に振られた。
恋愛の二つ三つ、失恋の五つ六つは当たり前に経験してる。
あたしが荒れてる原因はそんなのじゃなくて、別れを突きつけられた手段がよりにもよって携帯のメールでの簡単な一言という、簡単な手段だったから。
あたしから言わせれば「それでも男?」って感じ。
ただ面と向かって、顔をつき合わせて「ほかに好きな女が出来た、別れよう、もう疲れた」と言ってくれたら納得したかと言われれば・・・正直のところ、今でも未練があった。
527名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 07:27:29 ID:oDkNeGFe
「で、でもねあゆ美くん・・・君やっぱりお酒に逃げるのは良くないんじゃないかと・・・」「ハ?へ?え?ろうゆう事れすか、ぶちょ〜〜。」
焼酎のお湯割りの中に梅干を入れて割り箸でぐちゃぐちゃ潰すあたしに、部長はさらに言葉を返す。
「いや、なんと言うかその、他の人を好きになったりしたら、すぐにでも立ち直れたりして・・・凄く好きだったのは分かるけど、いつまでも引きずってても・・・」
しどろもどろで答える社長の言ってる事はまさにその通り。

「ぶちょ、何言ってるんれすか?あんなばかたれの事なんて一つも好きじゃありませんよ!あんな○○野郎なんて!おまけに××で・・・」

「あっ、もうバカ!」と、友達の一人に一瞬で口を塞がれた。
それまで穏やかだった店員さんやお客の視線は、一瞬で冷たくなる。
『時限バカ弾』・・・酔っ払うと前後の見境がつかなくなってとんでもない事を大声で口走ってしまうあたしは、こんな不名誉なあだ名を付けられている。
528名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 07:28:34 ID:oDkNeGFe
半ば締め出しを食うように店を後にしたあたし達は部長と別れて友達の真子、龍二と酔い醒ましに公園を散歩していた。
港に面した工場地帯の一角にある公園。
景色も良くて、金曜の夜だからカップルで溢れかえってる。

「あたしもさぁ〜、あの中に居るはずだったのにさぁ〜〜。」
「お前なぁ」

ヤサグレ気味に口を尖らせるあたしに、龍二は軽く頭を指で小突く。
ま、そうは言っても皆と飲んで騒いで、かなり心の傷は癒えたような気がする。
あたしをもっと陽気にさせてくれるのは愉しげなざわめきと、その中に聞こえるギターの音色と女の子の澄んだ歌声。

ストリートライブかな?

人が群がるその方向におもむろに近付いてみると、やっぱり路上ライブ。
歌ってたのは女の人・・・いや、まだあどけなさの残る女の子。
529ユーミンの歌は:2006/10/04(水) 07:29:51 ID:oDkNeGFe
あちこちが破けたジーンズにウォレットチェーンの付いたベルト。
スラングが殴り書きされたシャツの上に羽織った、ジーンズと同じ色のデニムジャケットにウエスタンブーツ。
小さな背と前髪を下ろした髪型の、子供みたいな可愛い顔立ちに不釣合いな、男っぽい服装がかえって目を引いた。

アコースティックギターとブルースハープの音色と彼女の綺麗な歌声に反した、全く聴き覚えのない重たい内容の歌詞の羅列は多分オリジナル。
周りのお客を見たら、若い人、年配の人、男女様々。
ストリートミュージシャンの・・・というより、アイドルのイベントみたい。

「ふ〜ん、美香ちゃんって言うんだ・・・。」
隣の人が発した声で、彼女の名前を知った。
やがて演奏が終わると、拍手が起こる。
凄い人気があるみたい。

「皆さん、ありがとうございます。最後は、私の好きな曲を・・・」
530意味はありません:2006/10/04(水) 07:30:40 ID:oDkNeGFe
美香ちゃんは一旦立ち上がって、えくぼを作ってはにかみながら軽く会釈してチューニングをしてから、ハープフォルダを再び首に掛けた。
さっきまでの激しいアタックのピッキングじゃない、静かなメロディ。

――はじめて言葉を 交わした日の その瞳を 忘れないで――

えっと・・・これ何だっけ?

――You don‘t have to worry worry 守ってあげたい あなたを苦しめる 全ての物から cause T love you――

サビの部分でやっと分かった。
ユーミンの「守ってあげたい」。
年配のお客さんは喜んで一緒に歌いはじめて、若い子達も拍手する。
美香ちゃんは嬉しそうに、すっごく楽しそうな表情で歌ってる。
可愛くも見えるし、カッコよくも見える。
その場の空気って面白くて、あたしまで幸せな気持ちになって、一緒に手拍子をとってた。
531意味はありません:2006/10/04(水) 07:31:14 ID:oDkNeGFe
「こらっ、あゆ美!!」
お酒の力も働いてて、乗りに乗ってたあたしは手を叩きながら彼女の居る場所に駆け出した。

「一緒に歌いましょ・・・ん?」

顔を綻ばせてウインクして、そっと小声であたしにそう言った。
周りからも口笛と歓声と拍手が起こってる。
その後、美香ちゃんとあたしとのセッションは五分ほど続く。
カラオケとは、やっぱ全然違うな〜。


歌い終わった頃、あたし達二人は汗まみれで拍手を受けてた。
532名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 07:32:23 ID:oDkNeGFe
「ふ〜〜、いい汗かいた!皆も前に出たらよかったのに」
「あんたね、ムチャクチャよ!エアロビクスなんかじゃないのよ」
ライブが終わると、人だかりは一斉に散らばっていく。

「ねぇ、さっきありがとう。楽しかったよ!」
後片付けをしてる美香ちゃんの所に皆と一緒に駆け寄る。
あたしはあまり人見知りをしないし、自分で言うのもなんだけど結構誰とでも仲良くなれる自信がある。
それに彼女には、楽しい時間を過ごさせてくれた『お礼』がしたかった。

「あたしあゆ美って言うんだ。美香ちゃんって言うんだ?今からあたし達飲みに行くけど、一緒にどう?」
「・・・どうも。」
人見知りっぽい彼女はギターをケースに収めながら返事する。
さっきまでの楽しそうな彼女とは別人みたいにテンションが低い。
でもなぜかそのギャップがあたしにはとても魅力的で、ますます彼女の事を知りたくなる。
533名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 07:33:17 ID:oDkNeGFe
「ねぇ、奢らせてよ、ダメ?」
「あ、あの・・・ごめんなさい。私、今からやりたい事があって・・・」
視線をそらして、なぜか頬を真っ赤にしながら口を開く。

ちょっと、と真子はあたしの肩を指で叩いて小さく耳打ちしてきた。
「あゆ美、もう止めなさい。未成年かも知れないでしょ?それに何かこのコ感じ悪いわよ」

不機嫌になりながら真子と龍二を見た後、もう一回話し掛ける。

「美香ちゃん、いつもここで歌ってるの?」
「はい・・・でもここは今日はじめてだから・・・」
「優しくしてね、ってか?じゃまた聴きに来ていい?あたし美香ちゃんのこと、すっごく気に入っちゃった。応援するからね!」
「あ、あ、はい!・・・ありがとうございます。どうぞ・・・」

彼女は軽く頭を下げた。

「何だろね、あのコ顔がまっかっかになってたね。」
「龍二に気があるんじゃない?結構可愛かったよ」
「ばっか。俺彼女居るっつーの」

彼女が顔を赤くしたワケ・・・それは龍二に一目惚れしたんだと思ってた、この時までは。
534名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 07:45:54 ID:oDkNeGFe
二次会の話はいつの間にか立ち消えになってて、みんなと別れたあたしはさっき歌った「守ってあげたい」を口ずさみながら海沿いの歩道を歩いて自分のアパートに戻る。
潮の香りがする夜風が、火照った顔に当たって気持ちいい。

「あれ・・・?」
ふっと横を見たら、コンクリートの防波堤に誰かが立ってる。
ちっちゃな身体に大きなギターのシルエット、あのコだ。

「ねぇ、ねえってば!美香ちゃんだっけ?」
また逢えた嬉しさで近寄ったあたしの呼びかけに応じるように振り向いた・・・までは良かった。

・・・おかしい。
多分、誰がどう見たって、様子がおかしい。

彼女の顔は月の光に照らされて青白く光ってた。そのせいなのか表情が目で訴えかけるように悲しそうで、何か思い詰めたような感じに見える。
頬に見えるのは、涙の跡なの・・・?
535名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 07:47:09 ID:oDkNeGFe
酔いが、醒めていく。
嫌な予感に少しずつ支配されていく。
心臓の音がどんどん早く激しくなって、口の中が乾いていく。

『・・・やばい』

美香ちゃんが一歩踏み出しながら何かを言おうとした次の瞬間、あたしは防波堤によじ登って彼女にしがみ付くように後ろから抱きついた。

「だめっ!!止めなさい、やめてください、お願い!!」
「ちょっと、何すんのよ、離してよ!」

目の前で死なれちゃたまったモンじゃない。
もう必死だった。
思い留まらせるために取り押さえようとしても小さな身体は思ってるより力が強くて、何度も振り解かれそうになる。
そんなやりとりを暫く続けた後、業を煮やしたあたしは美香ちゃんの肩を掴んでこっちに振り向かせてから柔らかいほっぺたに思い切り平手打ちをかまして大声を張り上げた。

「・・・!」
「いいかげんにしなさいよ!!!!・・・分かったわよ、じゃ飛び込むの見ててあげる、海で泳いで頭冷やしてきなさい!!さあ、どうしたの!?飛び込まないの?早く飛び込みなさいよ、飛び込め!!!!」
536続きは夜に・・・:2006/10/04(水) 07:48:18 ID:oDkNeGFe
怒鳴って何秒か経った。

「何なの・・・?何で叩くの?」
「は??」
数秒は、気まずい事この上ない。
彼女は泣き声で口を開いてさらに続けた。

「わたし海見てただけだよ、それなのに何で引っ叩くの?何で『飛び込め』なんてひどい事言うの!?痛いよぉ・・・・・・」

嗚呼、早とちり。
嗚呼、勘違い。
あたしが打った左の頬を擦りながら大粒の涙を流した後、子供みたいにしゃくり上げる美香ちゃんの横でヘナヘナと力が抜けていく。

「泣かないでよ・・・もう、泣かないでよ・・・だいたい紛らわしい事するアンタがいけないのよ、死ぬかと思ったんだから!!あたしだって泣きたいわよ、もう・・・」

釣られて目の前が潤んでいく。
振られた事もなぜか思い出した。

暗い海岸にあたし達の泣き声と、コンテナを運ぶクレーンの音だけが響いた。
537名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 10:33:05 ID:TLlKJhD+
>>523-536
面白い話だねこれ
あゆ美ちゃんのハチャメチャさが素敵!
贅沢言わせてもらうとチョイエロ入れて欲しいな‐なんて、あっ、気にしないで

続き楽しみにしてます。
538名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 17:54:39 ID:8PyOYIrb
>>523-536
こないだ美香のイベント行って生歌聞いたから
それを思い起こさせてよいな
539あんまエロくないかもorz:2006/10/04(水) 19:26:15 ID:nigaUIQY
どういう形であれ、とりあえず泣かしてしまったのはあたし。
泣いてどうしようもなくて、身の上だとか住んでる所だとか、そんなのが聞けない。
とりあえず、自分の部屋に連れて帰ることにした。
男ならともかく、女同士だから気兼ねする事も無いだろうし。

「さ、入って」
アパートに到着する頃にはもう彼女は泣き止んでた。
あたしはカバンのポケットから鍵を出してからドアを開けて部屋の明かりを点けると、美香ちゃんを部屋に招き入れた。

彼女はパソコンと一緒にペンやスクリーントーン、デッサン人形、そして漫画用原稿用紙が散乱したあたしの作業机を見て、目をパチパチさせる。
「何か描いてるんですか?」
「あ〜〜、今度投稿する原稿」
初めて、マトモに口を利いた。飲み足りないあたしは冷蔵庫からワインを出して、彼女の質問に答える。
540名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 19:27:02 ID:nigaUIQY
「原稿・・・?」
「うん。あたし漫画家になりたいんだ。ずっとちっちゃい時からイラストとか、マンガ描くのが好きなの〜。」
「あゆ美さん、ずっと一人暮らしですか・・・?」
おっ、やっとあたしの名前呼んでくれたね、と嬉しくなる。
「うん、学校卒業してずっと一人暮らし。あたしが『漫画家になりたい』って言ったら、ウチの親に勘当されちゃって。そんでここに越してきたの。近所の工場で事務員やりながら、漫画描いてるってワケ。でも投稿する作品片っ端からボツだから」
美香ちゃんは頷きながら、あたしの目を見て話に聞き入ってくれた。

「美香ちゃん、ところでまだ未成年?」
「いえ、22です。お酒大丈夫だし、結構強いから・・・」
「飲めるの?」
「はい、大好きです!」

22?ちょっと、面食らう。
一個違いであたしが上。
見かけが凄く子供っぽいから、てっきり未成年だと思ってた。
541名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 19:27:54 ID:nigaUIQY
プロセスチーズをおつまみにしてワイングラスを傾けるうちに、あたしは失恋したことを美香ちゃんに打ち明けた。
「お酒が大好き」と言ってたように彼女は強くて、顔色が全然変わらない。

「・・・という訳なのよ。」
「もう大丈夫なんですか?」
「大丈夫、だいじょうV!あゆ美ちゃん、よい子強い子めげない子!!敬語もう止めだよ、止め!美香ちゃんは、好きな人とか居るの?」
「・・・・・・」
見透かすように、それでも優しい眼差しでずっとあたしの話を聞いてた彼女は、突然下を俯いて黙りこくった。

テーブルの上に、ポタリと涙が落ちる。
「美香ちゃん?どうしたの?何で泣いてるの?」
顔を上げた彼女の頬は涙で濡れてて、唇をキュッと噛み締めたままだった。
542名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 19:29:31 ID:nigaUIQY
「あ・・・もしかして、あたしの事可哀相とかって・・・思ってくれてたの?」
黙ったまま、美香ちゃんは潤んだ瞳でこっちを見たまま首を縦に振った。
「あ〜〜ん、もう、やだな、やだなぁ!あたしまで悲しくなっちゃうよ〜」
彼女が泣いてたから、お酒が入ってたから、何より一緒に泣いてくれる人が居てくれる事がありがたくて、あたしは美香ちゃんを抱き締めてた。

ドキッとした。
胸が焼け焦げるような感覚だった。

何だろ、これ・・・?
わけわかんない。
もっと、こうしてたい。
もうちょっと、こうしてたい。
出来ればずっと、こうしてたい

結局、女同士で一つの布団に寄り添って一夜を明かした。
お互いの寝息が掛かりあう距離まで顔が近付いてた。
「・・・・・・」
ちょっとだけ唇を触る。
自分の唇で、彼女の唇に触りたい衝動に駆られて、泣き出しそうになる

・・・アイツに持ってた気持ちと同じような気持ちじゃん、これ。
543名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 19:30:41 ID:nigaUIQY
次の日の朝、あたしと美香ちゃんは近所のグラウンドに散歩に出かけた。
近所の小学生の男の子達に笑顔で話し掛ける。

「ねぇ、サッカーやるの?あたしも混ぜてくれる?」
人見知りだけど子供は好き、運動神経もいいみたいで器用にサッカーボールを操ってる。

あたしはと言うと・・・ベンチに凭れてペットボトルの烏龍茶にちょっとだけ口を付けて、美香ちゃんを見ながら頬杖を突いた。

『多分この後、駅に行くんだろうな・・・何処行くんだろ?もう逢えないのかな・・・』

友達になりたい。
でもホントは・・・美香ちゃんに「友達」とは別の感情を持ちはじめてた。
たった一晩一緒に過ごした見ず知らずの、それも女のあたしが女の子を好きになろうとしてる。
自分の気持ちに素直になれない。

「あゆ美さ〜〜〜〜ん!!」
まったく、アンタの事で胸痛めてるんだよ?無邪気な顔して・・・。
子供たちと別れてあたしの横に座ってきた彼女をチラッと見た。
せめて何処に住んでるかだけでも知りたい。
メールじゃなくても、イラスト入りの手紙でも書ければって。

あたしは深呼吸した。
544名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 19:32:06 ID:nigaUIQY
「あのさ、行くトコとかあるの?無いの?どっち?良かったらあたしの部屋に居たいだけ居ていいよ?っていうか、アンタ泣き虫だからほっとけないんだよね、あたし。ねえ、どう?居なさいよ!?」

顔をリンゴみたいに真っ赤にしながら一方的に捲し立てる。
住所とは全然違う、自分の思いを口走ってた。
口走りながら、美香ちゃんを好きになっていく自分の気持ちに素直を自覚していく。

「あゆ美さん・・・」
彼女の声で、あたしは自分の暴走に気付いた。

「お部屋戻らせてもらっていいですか?ギター取りに行きたいし・・・」

自分の情けなさと、『もうダメだ』という気持ちに泣きそうになるあたしにそう言った後、赤ら顔になって美香ちゃんは口を開いた。
545名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 19:34:40 ID:nigaUIQY
部屋に入って自分のギターを手にして、弦の交換をしながら美香ちゃんはあたしに自分の事を話し始めた。

「私、最近この近所に引っ越してきたんです。」
「?」

彼女の荷物を見てみるとギター一本だけ、着替えや他の荷物が入ったカバンらしいものは一つもない。
気が動転してて彼女とギター以外には全く気が回ってなかった。引っ掛かってたあたしの不安とあたしの体はたちまち崩れていく。
「ケンカが原因で前に居たバンドが解散しちゃって、嫌になって地元離れたんです。アルバイトしながら一人で歌うのがラクかなって。でも・・・」
美香ちゃんはさっきのあたしみたいに深呼吸した後で、さらに続けた。

「昨夜はじめて路上で歌って、あゆ美さんといっしょに歌えてすごく嬉しかった。ほんとはもっと仲良くなりたかったけど、自分の気持ちが分かんなくて。
私、あゆ美さんが好き・・・でもどんな『好き』か分かんない。色んな事があって、寂しさの気まぐれかもしれない、でも女の子同士だからどうとか関係なしに、あゆ美さんが、好きです・・・大好き。
いっぱい知りたいから、昨夜みたいにまた歌ったり、お酒飲んだり、あの・・・一緒に寝たり・・・」
546名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 19:36:07 ID:nigaUIQY
・・・・・・そっか。

震える声で絞り出される言葉を全部聞き取る前に、あたしはそう呟いてた。

「あ、ごめんなさい、えっと」
「先にいいよ?」
「あゆ美さんから、どうぞ・・・」
「・・・あたしが昨日一晩どんな気持ちで寝顔見てたと思うのよ。抱き締めたくなったり、なんて言うか・・・泣きそうになったんだよ?だいたいね・・・」

両想いになったのが嬉しいけどわざと突っ掛かるような物言いをする。
天邪鬼なあたしを窘めるように、ミスチルのシーソーゲームが鳴り響いた。
携帯のディスプレイには真子の名前が表示されてる。
ごめん、と美香ちゃんに言ってから電話に出ると、相も変わらない能天気な声が聞こえてくる。
547名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 19:37:13 ID:nigaUIQY
「あ、あゆ美?昨夜はお疲れ〜、頭痛くない?」
「うん、大丈夫だよ。どしたの?」
「お局が辞めるらしいのよ、たった今部長から連絡があってね〜」

『お局』というのは事務に居座ってる、小姑みたいにうるさい中年のオバちゃん。
あたしの勤めてる工場は弱小企業、景気が悪いわりに忙しくて、人数をそれなりに入れないと仕事が出来ない。
事務や経理も同じで、一人でも欠けたら大変なことになる。

「真子、欠員だったらすぐ埋まると思うんだ。今あたしの部屋に仲のいい友達が来てるんだけど、フリーターなの。働き口探しててさ〜〜・・・」

それまで俯いてた美香ちゃんは、目を真ん丸にして顔を上げる。
「あ、でも・・・私いいんですか・・・?」
あたしは電話を切ってから言葉を返した。
「いいも何も、もう話付けちゃったもん。面接は形だけ、多分無条件で採用だよ。今日、もう一晩泊まっていって。あたし何かご馳走するから」
ふぅっ、と息を吐いて笑いかけて、彼女の『好き』に返事し忘れたのを思い出す。
548名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 19:38:31 ID:nigaUIQY
ちょっと・・・いや、かなりドキドキしながらゆっくりと顔を近づけて、美香ちゃんの頬っぺたにキスした。
凄く熱くて、柔らかい頬っぺた。

本当は自分からこんな事するの、恥ずかしいけど。

美香ちゃんはあたしが口付けた場所をまるで確かめるように、ペタペタ触ってる。

「まだ好きになったばっかりだから、これでいい?」
そんな彼女の反応を窺うように顔を覗き込むと、とろんとした表情であたしを見てた。

「私も・・・素直になっていいですか?」
目を閉じて顔を近づけてくる美香ちゃんに、あたしも素直になりながら全部を預けた。


今度の原稿・・・女の子同士のラブストーリーでもいいか。

タイトルは『守ってあげたい』で。


fin
549名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 19:41:21 ID:nigaUIQY
スレ汚し、失礼致しましたm(__)m

>>544の訂正
>口走りながら、美香ちゃんを好きになっていく自分の気持ちに素直を自覚していく。

自分の気持ちを素直に・・・の間違いです。
550名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 21:44:33 ID:TLlKJhD+
ハードエロも好きだけど、こういう揺れ動く危うい感じも萌えますね〜
サイコーでした!

二人のその後も気になります‥。
551名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 22:49:38 ID:++R2iVtW
>>517
どうしても見てみたいんですが再うpお願いできませんか?
わがまま言ってすいません。
552名無しさん@秘密の花園:2006/10/04(水) 23:03:13 ID:Qxxri3ft
553551:2006/10/04(水) 23:35:43 ID:++R2iVtW
>>552
(;´Д`)はう!補完本当にありがとうございます。
本当だ・・胸元に手を入れてますなw
初めにうpしてくれた人と再うpしてくれた人ありがとうございました。

スレ汚し失礼しました。これからも楽しませてもらいます。

554名無しさん@秘密の花園:2006/10/05(木) 03:25:00 ID:fJOjNwBZ
真夜中…
真っ暗な部屋のベッドの中で、私はフイに美香ちゃんに抱き締められて目を覚ます。         
暗くて表情がよく見えないが
『…あゆ美ちゃん‥あゆ美ちゃん…』
と切なく忍び泣く様な声で私にすがりついてくる。

『…どうした?美香ちゃん…』
『‥夢見てた‥今…あゆ美ちゃんが…どっか、遠くへ行っちゃう夢…』

そう言って美香ちゃんは
私の頬に自分の頬を何度も擦り合わせる。

『…良かった。…ちゃんといた…。』

そう言われて、私の胸の奥がズキンと疼いた。

『バカ…どこにも行くわけないじゃん…』

不覚にも涙が溢れた。

堰を切った様に彼女が愛おしくなり、美香ちゃんの涙に濡れた頬に口付ける。

いつもならここで終わりにするのだが、もう今夜は‥気持ちをセーブ出来そうもない。

私は美香ちゃんの唇にそっと口付けると、美香ちゃんも同じ様に反してきた。


『…愛してる‥あゆ美ちゃん…愛してる…』

美香ちゃんの囁きがまるで媚薬の様に、私の中に注がれてくる。
555名無しさん@秘密の花園:2006/10/05(木) 04:37:07 ID:fJOjNwBZ
大好き…じゃなくて『愛してる』って言われたの初めてだったから、嬉しくて
私も彼女の耳元で囁いてみる。

『あたしも‥愛してるよ…美香ちゃん…』

私たちは溢れる涙と感情をぶつけ合う様に愛し合った。

舌を絡め合わせ、擦り合わせてのキスは何だか新鮮で気恥ずかしい。

でもお互いの温もりや匂いや、愛情を感じるキスは私たちを虜にしていった。


『愛してる…』と囁き合いながら、

優しく‥時折、痛いくらいに激しく…  
唇だけでなく、体中全部
手のひらと唇と舌と、そして心で、確かめ合った…

…何度も、何度も…


そして私たちが気がついた時…

東の空がもう、しらじらと明けはじめていた…。                            終
556名無しさん@秘密の花園:2006/10/05(木) 11:34:05 ID:wTghwo1k
キタ----(゜∀゜)----!!!
わんだほ!
キスっていいよね
切なさも伝わってきてよかったす
557名無しさん@秘密の花園:2006/10/05(木) 14:55:38 ID:fJOjNwBZ
本当にこの二人のキスシーンは美しくて好きです。

そういう訳で短いの書いてみたんですが、
作家の皆様方、素敵なキスシーンお待ちしております…
558名無しさん@秘密の花園:2006/10/05(木) 20:03:34 ID:GXo3EshF
『楽屋にて』

「キスシーンって、これからのお仕事でやったりするのかなぁ」
「あるかもねー。でも恥ずかしいよ」
「あゆ美ちゃん。大女優ってのは役になりきってこそ。監督の注文には何でも応えるの!」
「そーだけどさ」
「じゃあさ、練習しておこうよ。練習。できるうちに」
「えぇーっ?」
「何さぁ、あたしとじゃ嫌なの?」
「そーじゃないよっ、心の準備が…」
「いーじゃんいーじゃん。何事もプロ魂! ん〜」
「…」
「…へへっ。もっかいもっかい」
「んんっ…美香ちゃん何回やるの」
「気持ちよくって。キスって、いいよね」
「うん、いいよね。
…もうそろそろ時間じゃない?」
「んー、まだ余裕あるかな。もちょっとだけ練習してこ?」
「うん」


おわり
559名無しさん@秘密の花園:2006/10/05(木) 21:01:19 ID:ooZAi2KH
PM6:30


もう秋かぁ。
この時間でも、もう真っ暗。
デカベースの屋上のターミナルが不意に眩しくなって、シャトルが降り立つ。

今日はウメコが出張研修から帰ってくる日。
行く前は赤城の山も今宵限り、永遠の別れみたいに寂しそうな顔してたけど、とびっきりの笑顔で流線型の方舟から降りてきた。
いつもベッタリだから、三日顔を見ないだけで寂しい。

「あらぁ、ダーリンお帰りなさ〜い。お風呂になさるの?ご飯になさるの?」
私は『嬉しい気持ち』と『触れたい気持ち』を噛み潰しておどけた。
しまった、「おかえり」を忘れてる。
560名無しさん@秘密の花園:2006/10/05(木) 21:02:19 ID:ooZAi2KH
「ジャスミン、触らせて」
彼女は私の手袋をとって、ギュッと握って屈託の無い笑顔を浮かべながら想いを注いできてくる。

『言葉』という手段では表現できない。
温かくて優しくて無邪気で、愛しすぎる想いは私の心の針を振り切らせた。

シャトルから皆降りたかな・・・?

「ウメコ、触らせて」
私は彼女の口調を真似してチラッと周りを見た後、文字通り『触る』ようにキスした。

「おかえり」

やっと言えたよ。
赤い顔のままポカンとした感じで私を見た後、ニイッ、とエクボを作りながら抱きついてきた。

「ただいま!!おなかペコペコだよ、早く帰ろ」
「おうちへ帰ろ!ウメコ、今日オムライスだよ」
「ロジャー!!」

私は素手のまま、彼女の手を引っ張った。


fin
561名無しさん@秘密の花園:2006/10/05(木) 22:52:52 ID:fJOjNwBZ
どれも素敵ですね〜!

いろんなシチュがあっていい・・・
もっとあったらよろしく!
562名無しさん@秘密の花園:2006/10/05(木) 22:55:27 ID:F0u3Bmj8
>>524-548
最高!!
パソコンに取り込んでる曲調べてたら「守ってあげたい」あったから
最後の方は聞きながら読んじゃった(*´Д`)ハァハァ
563名無しさん@秘密の花園:2006/10/06(金) 10:01:44 ID:8DQcl2nS
今朝、本棚の整理してたら、子供向けのデカレンの本が出てきて、何気なくペラペラめくってると、ここで話題になってた、ツインカムコスプレのあの写真が…
普通こういう写真使わないよね?
特に子供向けの本に…
う〜ん‥謎だな…
564名無しさん@秘密の花園:2006/10/06(金) 22:19:16 ID:J5utooP5
今日はもう怨み屋がないんだと思うと寂しい…。
513で言ってた怨み屋&美香投下。
ちょっと怨み屋のネタバレっぽいところもあるのでこれから観る人、飛ばしてください。
565名無しさん@秘密の花園:2006/10/06(金) 22:22:14 ID:J5utooP5
「見つけたぜ」
煙草の臭いが染みついた部屋のテーブルに、情報屋は茶封筒を放り投げた。
 パサッという乾いた音に被さるように、情報屋は言葉を続ける。
「実物見てないから何とも言えねぇけどな、確かにそっくりだ」
ゆっくり息を吐きながら、茶封筒を手にする。
「……」
中に入っていた書類に書かれていた名前は『木下あゆ美』。
 間違いない。
 私は一緒に入っていた4枚の写真を見て息を詰まらせた。
「な、そっくりだろ? 世の中には自分とそっくりなヤツが3人いるっていうけどなぁ。血縁かなんかか?」
「まさか」
しっぽをぶんぶん振っているリンダちゃんをいつものように撫でながら、
「じゃあ他人の空似ってヤツか。どっちにしろお前みたいのがもうひとりいるなんて怖ぇ怖ぇ。なぁ、リンダちゃん?」
と、情報屋はおどけるように肩をすくめた。
「……もっと、素直ないい子よ、多分」
口元で笑って見せて、写真を書類と一緒に封筒に戻す。そして、代わりに報酬の入った封筒をテーブルの上に置いた。
「ありがとう。また頼むわ」
「おお」
情報屋の棲家であるホキマ研究所を出て、私は封筒から写真を出した。
 隠し撮りにしてはよく撮れている。まるでそれはポートレートのようだった。
「……まさか彼女まで、髪を切っていたなんてね」
ショートカットにTシャツ。無邪気に笑う笑顔の向こうには海が広がっていた。
 ぼんやりと海を眺める横顔の写真は、確かに私に似ている。
 けれど、彼女は、もう私には出来ない笑顔を持っていた。
566名無しさん@秘密の花園:2006/10/06(金) 22:25:03 ID:J5utooP5
 ── 木。草。森。木漏れ日。
 ── 蝶。網。籠。斧。

「……!」
ビクンと体が跳ね上がった。
 目を開けて、薄暗い天井を見て、夢だったと気が付く。
 荒くなった息を落ち着かせようと、一度息を止めて、ゆっくりと吐き出した。
 夢だけれど、夢じゃない。
 ……夢じゃない。
 8年前のあの出来事は、壊れた映写機のように何度も私の夢のスクリーンに流れる。
「……怨み屋さん?」
呼ばれて隣で眠っていた相手のことを思い出す。
 もぞもぞと人の動く気配がして私を覗き込んだその顔が、ちゃんと美香だったことに私はほっとした。
「大丈夫? うなされてたみたいだけど」
美香が心配そうな顔で、私の前髪を撫でるようにかき上げた。
「……ええ」
そう答えてみたものの、嫌な汗をかいているのは自分でもわかる。
「お水、持ってくる」
そう言ってベットから起きあがろうとした美香の手を反射的に掴んだ。
「……待って」
「え?」
「大丈夫だから」
「……う、うん……?」
美香は怪訝そうな顔をしながらも、小さく頷いて私の隣に戻ってきてくれた。
567名無しさん@秘密の花園:2006/10/06(金) 22:27:01 ID:J5utooP5
 私は何か言おうとしたけれど、うまく言葉が出てこなかった。
 美香はしばらく私の言葉を待っていたみたいだったけれど、私が言葉を紡ぐことをあきらめたことに気付いたのか、小さく笑って私の頭を撫でた。
「もうそろそろ、アナタの名前、教えてくれてもいいんじゃない?」
「……『聖美』」
私はぼんやりとした頭で、もう何年も呼ばれていなかったその名前を口にした。
「『キヨミ』? さんずいの清に美しい?」
「セイなるビ、で、聖美」
「……聖美さん、かぁ」
ふふ、と、少し楽しそうに笑って、美香は私の頭をまた撫でた。
「いい名前だね」
「名前はね」
私がそう言うと、美香はくくくと笑って、「似合ってる」と、少しからかうような口調で言った。
568名無しさん@秘密の花園:2006/10/06(金) 22:27:35 ID:J5utooP5
「……ねぇ」
「ん?」
手を伸ばして、彼女の髪を一房掴む。
「今度は美香の秘密、教えて?」
「秘密?」
「寝起き悪くて、卵は半熟がよくて、私に似ている、あの子のこと」
彼女の表情が変わったのがわかった。
 はぐらかすこともシャットダウンする事も間に合わなかったことを、彼女自身が一番知っていた。
 そして、「ま、いっか」と聞き取れるかどうか危ないくらい小さな声呟くと、不意に甘えるように私の肩に顔を埋めた。
「……私はね、あゆ美ちゃんの中にもういないんだ」
「『いない』?」
「うん。もういないんだよ」
これでおしまいと言いたげに、はっきりとした口調で彼女は言った。

 ジャスミンの香りがする。
 変わることのない、甘い香り。

 美香の笑顔を見ながら、私は『あゆ美』の笑顔を思い出していた。
 ……もし。
 もしもあの事件がなかったら、私もあんなふうに笑えていただろうか。
 考えるだけ、馬鹿馬鹿しいけれど。
569名無しさん@秘密の花園:2006/10/06(金) 22:31:02 ID:J5utooP5
 彼女はどこかおそるおそる部屋に足を踏み入れた。
 扉を閉めた後でも入口できょろきょろと辺りを見回している。
「どうしたの?」
私が声をかけると、彼女は照れ臭そうに笑った。
「スイートルームなんて初めてだもん。ほんとにここに住んでるの?」
「ここ一年くらいはね」
「ふぅん……」
部屋に入っても、彼女はぼんやりと辺りを見渡した。
「窓の外、見てもいい?」
「どうぞ」
自分から聞いておいて、彼女は少し意外そうな顔をした。
「何?」
「なんか漠然と隠れた生活してる気がしてた。カーテン締め切って、ルームサービス取ってばかりで『あの部屋の人、見た事ない』って言われてるイメージ」
「まさか。余計目立つわよ、そんなの」
漫画や小説の読みすぎかなぁ、と、笑いながら、彼女はカーテンを開けた。
窓の向こう、絵葉書のようなネオンが広がる。
「何か飲む?」
背中に話しかけると、彼女は振り返って「ジンジャエールがいいな」と言った。
ソファーに並んで腰を降ろして、カクテル用に置いてあったジンジャエールの栓を抜いた。
琥珀を薄めたような黄色味を帯びた液体の小さな泡が、グラスの中で音をたてながら空気の中に溶けていく。
「お酒、飲まないの?」
「今日はいいわ」
2つ並ぶ、アルコールの入っていないシャンパングラスは、大人の真似をしている子供のようで、なんだか少しおかしかった。
570名無しさん@秘密の花園:2006/10/06(金) 22:31:39 ID:J5utooP5
 あゆ美が事故に遭ったのは2年前。
 日本で年に何万件も起きているようなありふれた交通事故だ。交差点の出会い頭の事故で、スピードもあまり出ていなかったし、命に別状はなかった。
 ただ、少し打ち所が悪かった。

「……あゆ美ちゃんはね、忘れちゃったんだ、私のこと」
抱きかかえるようにクッションを顎をつけて、遠くを見るような笑顔で、彼女はそう呟いた。
「私とあゆ美ちゃんが出会って、まだ2年だったんだよ」
「……そう」
「その2年間だけ、あゆ美ちゃんの中には存在しないんだ」
今にも泣き出しそうな笑顔でゆっくりクッションに顔を埋めた。
「美香」
体を寄せ、半分覆い被さるようにして、彼女の耳元へ唇を寄せる。
「会いたいんじゃないの?」
「……会えないよ」
「会いにいけばいいじゃない」
「……会えないよ!」
ぎゅっとクッションを握りしめて、彼女は肩を奮わせた。その肩の輪郭をなぞるようにそっと指を動かす。
「ちゃんと会って言えばいい。『私とあなたは恋人同士だったんだよ』って」
「言えないよ! 言えるわけない!!」
がばっと体を起こし、彼女が噛みつくように叫ぶ。
571名無しさん@秘密の花園:2006/10/06(金) 22:32:56 ID:J5utooP5
「あゆ美ちゃんは私といた時間だけ忘れちゃったんだよ!? そんなの……っ! そんなのって……!!」
彼女の目から、ぼろぼろと大粒の涙が止めどなく流れていく。
 ……綺麗だ、と、素直に思った。
 彼女の涙は、なにより綺麗で、なにより、哀しい。
「……忘れたの? 私は怨み屋よ?」
「……え……」
そっと腕を掴んで、視線を合わす。
「美香が復讐を望むなら、叶えてあげることが出来る」
ひっく、と一度しゃくり上げて、美香は何を言われているのかわからない、といったふうに、目をぱちぱちさせた。
「美香があゆ美に復讐したいなら、請け負ってあげる」
「……あゆ美ちゃんに……?」
「そう」
「……どうして……?」
「美香を傷つけたのは、事故を起こした相手じゃないでしょう?」
「……」
目を見開いて、美香は静止した。
 そして、崩れるように俯くと、首を振った。
「……違う。違うの。あゆ美ちゃんは、全然悪くない」
手の甲で涙を拭い、彼女はゆっくり顔をあげた。
「……逃げ出した私が悪いの」
まっすぐに私を見て、彼女が丁寧に言葉を紡ぐ。
「……私は、あゆ美ちゃんのそばにいたくて、……でも、あゆ美ちゃんが私を忘れてしまったことが辛くて、……結局……逃げ出したの」
また彼女の目が、涙で滲んでいく。
「……だから、……だから、私がホントに怨んでいるのは、自分なの……!」
彼女がまた泣き出す前に、私は我慢出来ずに彼女を抱き寄せた。
 ── 自分の体が覚えている。
 彼女に触れるたび、触れられるたび、そこから心がほどけていく。
 目頭が熱くなって、泣いてしまいそうだった。
「……美香ちゃん」
思わず呟いた名前に、彼女の肩がぴくりと動いた。
572名無しさん@秘密の花園:2006/10/06(金) 22:36:43 ID:J5utooP5
「……聖美さん……?」
肩を押して体を離して、美香ちゃんが私の顔を見る。苦笑いして、少し肩をすくめた。
「怨み屋さんって、『聖美』って言うんだ」
「……え?」
きょとんとした美香ちゃんに「ごめんね」とぽつりと呟く。
「……え、え?」
片手を頬に添えて、反対の頬にそっとキスをする。
 ジャスミンの香りの向こうに美香ちゃんの匂いがする。なんとなく心がくすぐったくなって、笑ってしまった。
「……あ、……あゆ美ちゃん……?」
「うん」
「……え?」
自分で口にした答えを自分が一番信じられていないかのように、美香ちゃんは呆然としていた。
「びっくりした?」
「……え? え、ホントにあゆ美ちゃん……!?」
「うん」
「……ど、どうして……」
「怨み屋さんに依頼した」
「ええ!?」
両手で顔を包み込むようにして、顔を近づける。
「同じ顔だからって浮気はちょっとひどくない?」
「……だ、だって……」
くるくる変わる表情が愛しい。困ったような顔に額をくっつける。
「……忘れちゃってて、ごめんね?」
頬を包んだ手の上に、美香ちゃんの手が重なる。
 ずっと離れていた2年間の距離が溶けるように消えていく。
573名無しさん@秘密の花園:2006/10/06(金) 22:37:14 ID:J5utooP5
「……あゆ美ちゃんだ」
「そうだよ?」
「……すっかり騙された。まさか最初からあゆ美ちゃんだったわけじゃないよね?」
「最初って?」
「新宿のホームで怨み屋さんと初めて会ったとき」
「違うよぅ。さっき、ホテルの駐車場で入れ替わったんだもん」
「……やられた」
ちぇーと言いながらも、美香ちゃんは嬉しそうに笑っていた。私もつられるように笑った。
 笑顔で細められた目尻に涙が滲む。
「……ごめんね……」
涙と一緒に零れた言葉を唇で受け止めた。

 「ごめんね」よりも、聞きたい言葉がある。
 「ごめんね」よりも、伝えたい言葉がある。
 その言葉を伝えられる私は、幸せ者だと思った。
574名無しさん@秘密の花園:2006/10/06(金) 22:38:48 ID:J5utooP5
 彼女は私が姿を現したとき、ドッペルゲンガーを見たかのように驚いた顔をした。
 無理もない。
 もしばったり街であったりしていたら、私も同じような顔をしただろう。
 一度無くした2年間の記憶を、彼女はすでに取り戻していた。
「別に隠してるわけじゃないけど、言う必要もあんまりなかったから」
あっけらかんとして彼女は言った。
 試しに怨み屋本舗の名刺を渡してみた。
 もしも、怨みをはらしたい相手がいるなら、と。あまり趣味のよくない悪ふさげだ。
「……怨みじゃなくても、いいの?」
「怨みのない復讐はやらない主義よ」
「復讐じゃなくて」
名刺を弄ぶようにひらひらと揺らして、はっきりとした声で彼女は言った。
「美香ちゃんに会いたいんだ」
まっすぐで無邪気な彼女の笑顔に、私は私の笑顔で返す。
「……しかるべく」
彼女の笑顔は、写真よりずっと綺麗だった。
575名無しさん@秘密の花園:2006/10/06(金) 22:39:38 ID:J5utooP5
 私が貰った彼女からの報酬は、1週間ほどの私の身代わり。
 神奈川にある病院で生活して貰い、聖美を訪ねてくる人物相手に演技をしてもらう。
「誰が訪ねてくるの?」
「眉間に皺寄せた鼻の効くおじさん」
「なにそれ」
あはは、と、彼女は笑った。
「美香ちゃんに会ってからでいいの?」
「報酬は後払い」
「ロジャー」
「『ロジャー』?」
「了解、って意味」
そう言って彼女は腕を胸の前に掲げたが、そのポーズがどんな意味を持つのか、私にはわからなかった。

 彼女から、悲しい香りはしなかった。
 彼女は無邪気な笑顔と一緒に、たおやかな刃のような意志を持っている気がした。
 青い蝶は幸せを運んでくる。
 彼女はあの子の、青い蝶なんだろうか。

 ── 違う。
 蝶は、何かを運び終えればひらひらと去っていく。
 それは私の選んだ生き方だ。
 一度は花に身を預けても、そこに定住することはない。
 蜘蛛の巣に捕まるまで、舞い続ける。
 その羽が青くはなくても、闇の色に染まっても。

 END.
576名無しさん@秘密の花園:2006/10/07(土) 07:10:18 ID:+LQFFP+o
なななな何か来てる!GJGJ!お疲れ様でした。
577名無しさん@秘密の花園:2006/10/07(土) 08:15:48 ID:ibhVpF7A
怨み屋最終回まだ見てないけど、謎が謎を呼ぶって感じで、こういう展開もありかな‐と…お見事でした!!

怨み屋の演出も憎い、けどラストでまだ美香に未練を残している所に、ほろりとしてしまいました。   
ありがとう、お疲れさまでした。
578名無しさん@秘密の花園:2006/10/07(土) 08:25:27 ID:aEGEbb43
どの方の小説も、二人を取り巻く環境が好きです。色んなキャラクターとの掛け合いが面白いなと思った。
情報屋さん、載寧先生、友一、真子、カブトのライダー達・・・
579名無しさん@秘密の花園:2006/10/07(土) 20:25:41 ID:+86jyN7y
>>565
情報屋があゆ美タンの経歴を調べるなんてワクワクします。
言い回しをよく掴まれているので読んでてイメージし易かったです。

ジャス&ウメVS怨み屋&情報屋って設定も面白そうですね。
一応は警察だし。
580名無しさん@秘密の花園:2006/10/08(日) 05:21:48 ID:kzqHe+Vs
>彼女は無邪気な笑顔と一緒に、たおやかな刄のような意志を持っている気がした。
という比喩気に入りました。
彼女は可愛いだけでは無くしなやかな強さを持ってる人って感じしますよね。

妙に納得しながら読んでしまいました。
581名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 01:23:06 ID:r3ju9Rm8
美香ちゃんがここ3日ほど私と目を合わそうとしてくれない。
 視線を感じて振り向くと美香ちゃんが私をじっと見つめている時が何度もあった。
 するとさっと視線をそらして別の方向へと顔を向けてしまう。
 何か私を避けている様に思えてならなかった。
 お遊技の時間に「みかちゃん、せんせいのおかおになにかついてるの?」
と思いきって聞いてみた。
「ううん・・・なんでもないよ。」とそう言うとお砂場の方へ走って行ってしまった。
 美香ちゃん・・いったいどうしたんだろう? 私は気になってしょうがなかった。 
 
582名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 01:24:46 ID:r3ju9Rm8
 さて今日は私の誕生日である。
 とはいってもこの仕事に就いてからまともに誕生日なんて祝ってもらった事なんてないし
 まして日頃の仕事の忙しさからそんな事を思う余裕さえもなかった。
 午後になりお母さんたちが迎えに来て園児の皆を送りだして戻ろうとしたその時、
「あゆみせんせい!」と帰りかけた美香ちゃんがお母さんと一緒に私の方へやってきた。
「ん?なあに?美香ちゃん?」私は振り替えった。
「これ・・・・。」そう言うと美香ちゃんはわたしに黄色いリボンの付いた筒をくれた。
「ん〜っ?これって何かな〜?せんせいにくれるの?」
 私はそれが何であるのか判らずリボンを解いて紙を広げた。
 すると目の前にクレヨンで書かれた絵が飛び込んできた。
「えっ?これって・・?」私は一瞬言葉を失った。
583名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 01:27:17 ID:r3ju9Rm8
 そこにはクレヨンで大きく書かれた私らしき絵が描かれていた。
 正直幼児の書いた絵だ、顔の輪郭などはまだデッサンといえるレベルではない。
 でも私の長い髪や切れ長の目、それによく着用している黄色い服が特徴を良く捉えている。
 その下の文字をよく読むと あゆみせんせいおたんじょうびおめでとう とあった。
「美香ちゃん・・・。」
 すると後ろにいた美香ちゃんのお母さんが。
「この子ったら今日があゆ美先生の誕生日だからってもう3日も前からお家に帰ると
 先生の似顔絵を画用紙に何枚も書き続けてたんですよ。」
「えっ”3日も前から?」
「ええっ、せんせいにはないしょにするんだ!ってそれはもう張り切ってましたから。」
「じゃあ・・・美香ちゃんがここ最近私をずっと見てたのって・・・。」
「だってかいてるのがみつかるとはずかしかったんだもん。」
「・・・・。」
「あゆみせんせい おたんじょうびおめでとう。」と美香ちゃんは私ににっこりと微笑んだ。
584名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 01:28:18 ID:r3ju9Rm8
「みかちゃん・・・。」感極まった私は美香ちゃんをしっかりと抱きしめた。

「ありがとう・・・ほんとうにありがとう・・・。」それ以上は声が出なかった。
 嬉しかった・・・今まで貰ったどんなプレゼントよりも・・・。
 何よりも美香ちゃんのそんな優しさが私には一番のバースデイプレゼントだった。
「あゆみせんせい、なんでないてるの?ないちゃやだよ!わたしなにかわるいことしたの?」
 美香ちゃんは涙でぐちょぐちょの私の顔を見てそう言った。
「ううん・・・ごめんね・・・せんせい・・・うれしかったんだ・・・ありがと・・。」
 そう言うと私は美香ちゃんの頭をなでてもう一度やさしく抱きしめた。

 今、その絵は私の部屋の一番目立つ一角に飾られている。
585名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 09:29:15 ID:hE35hW51
>>581-584
読んでて心が和みました。
美香ちゃんの意地らしさが可愛い。

自分も短編投下します。
586美香@看護士:2006/10/09(月) 09:42:14 ID:hE35hW51
あゆ美とケンカした。

理由はささいなことだ。
互いの仕事が上でのすれ違い。
ここ最近は外来の患者さんが多くて、一日の疲れが以前よりも濃く重いものになってる。
私たち看護士もだが、先生方も同じだ。

そんな中でのケンカで、互いに顔を合わせても
目を反らすことが多い。家でも職場でも。
587名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 09:55:20 ID:hE35hW51
もうそんなことが、かれこれ3日経った。

「ねぇねぇ、みかちゃんどうかしたの?」
外来に診察に来てる真子ちゃんが、私の顔を見て訊ねる。
「うぅん、何もないよ。どうして?」
「だって今日のみかちゃん、なんかいつもとちがうよ。」
「そうかな?」
真子ちゃんが前に来たのは3日前。図らずもあゆ美とケンカする前だった。
私は真子ちゃんから逃げるように去った。



勤務は日勤だったので、その日はあゆ美と一緒に帰る。
気まずいが仕方がない。
そんな風に考えながら、助手席に乗り込む。
588名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 10:04:08 ID:oJ030cPp
ぎゃああ、キテル〜〜〜〜〜!!
589名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 10:25:01 ID:hE35hW51
ケンカしてから今まで、私たちは一言も話してない。
もちろん仕事以外での話だが…。それも必要最小限の会話のみ。


我慢できなくなった私から口を開く。
「今日ね、外来に来た子から『みかちゃん、どうかしたの?』って訊かれちゃった。
私は普通にしてたつもりだったけど、なんか見透かされた感じがしてさぁ」
「ふ〜ん」
気のない返事をする彼女。寂しい。

「私はね、真子ちゃんから『みかちゃんがげんきないから、あゆみ先生がなおしてあげて』って言われたわ。」
視線を前に向けたまま、淡々と彼女は話を続ける。
「それから他の子にも、美香のこと訊かれたよ。それに、担当してる陽佑クンに
『あゆみせんせい、元気ないならぼくの元気をわけてあげるよ』って言われちゃったし」

一呼吸置いて、あゆ美が口を開く。
「なんかもう疲れちゃった」
「えっ!?何が?」
驚いて訊ねる。
「美香と話さずにいること。
すぐに謝れなくてゴメン」
「私の方こそ、素直になれなくて…」

「美香が素直じゃないのは分かってるよ〜♪」
満面の笑顔で私に言う。
「もぅっ!!あゆ美のバカ!」
「にゃはは〜♪怒らない怒らない♪」
590名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 10:44:36 ID:hE35hW51
帰りに少し遠回りをしてドライブを兼ねて海を見に行った。
既に夕日は落ち、もう辺りは暗くなってる。
灯台の明かりが見える場所に車を止め、しばらく目の前の風景を眺める。

私たちはそこで、喧嘩して過ぎた日々を埋めるように会話した。

もう周りに人気はなく、私たちの車だけしかなかった。
それに気付いた私は
「ねぇ、あゆ美」
と言う。
「ん?!なんじゃらほい」「仲直りの記念にキスしない?」
「あら、普段はキスする際には問答無用でしちゃうのに」
いたずらな笑みを浮かべながら、あゆ美が言った。
恥ずかしいけどしたいから訊いたのに…
「もぅ!!あゆ…」
言葉を遮るように、あゆ美の唇が私の唇に重なる。
591名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 10:56:29 ID:hE35hW51
いきなりなことで、キョトンとしてしまった私。
「一番最初に美香が私にキスした際も、問答無用だったからね〜♪
今のはその時のお返し♪」
Vサインしつつ、笑顔でそうあゆ美は答えた。

「さてと、そろそろ帰ろうか?私たちの家に」
「うん!!」
「あ〜、今晩は何にしよう?考えるの忘れてた…」
「たまには外食も良くない?」
「あ〜、いいね〜♪
美香のおごりで決定!」
「も〜ぅ、あゆ美ズルい〜!あゆ美のおごりでしょ?」


満天の星空の下、私たちの喧嘩は収まった。
そして新しい日々がまた始まる。


FIN.
592名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 12:20:07 ID:cT6B6IIb
久しぶりの美香ちゃんとあゆ美女医!!
GJ!!
593名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 12:58:52 ID:givjtCSe
女医シリーズは良いですね。
リアルなエロを感じます。

幼児シリーズはリアリティーがなくてちょっと…。
全然エロくないし、これだったら別に誰がキャストでも同じ。
594名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 13:12:06 ID:hE35hW51
今回はエロ描写抜きで書きました。
たまにはこういうのもいいかと(w

>>593
自分は好きですよ、保育士あゆ美先生の話。
美香ちゃんの先生に対する気持ちの描写が特に。


話は変わりますが、今晩あたりにもまた投下する予定です。
595名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 13:58:33 ID:JgoBeypM
全部、どの作品も好きです。
>>594さん
楽しみにしております。
596名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 14:08:53 ID:tP+PnVAc
>>593
エロ親父にはこのわびさびは分かるまい。
597名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 15:47:54 ID:VUw1OZMM
キス描写はハードでもソフトでもドキドキです。
絵になるよね〜

あゆ美&美香の右に出るコンビはいない!!
598名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 20:27:58 ID:f+N90fFS
繋ぎ程度にどうぞ。
タイトルはカクテルの名前です。
599名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 20:28:34 ID:f+N90fFS
Between the Sheets


二人で鍋を囲むのは、珍しくも何ともない。
手っ取り早いし、美味しいし、長く食べられるし、困ったら鍋物。

今日はウメコの提案でしゃぶしゃぶ。
お給料も出たし、勤務を終えて買い出しに出て、ちょっと贅沢なお肉を用意して、野菜を切って準備完了!

でも彼女は鍋奉行には向いてないな〜、食べるばっかり!
仕方ないから・・・というか、ウメコが美味しそうに食べるのが嬉しいからどんどん具を入れる。
お酒も進んで、あっという間に一本目が無くなった。
さて二本目は、と・・・

「アジャパ、もうビール無くなった」
「え!?もう無いの?」
「ごめん、私買い忘れてた〜〜、ごめん!」

彼女は不満そうな顔で冷蔵庫の前に立った私を見る。
・・・そんな目で見ないでよ。
600名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 20:29:26 ID:f+N90fFS
「お酒ないとヤダよ、もうっ!」
ホントに、子供みたいな顔して、まったく!・・・

ん?あれ?何だろこれ。

「ウメコ、お酒だったら何でもいい?何か作ってあげよっか」
「作るって、何を?」
「内緒の話はあのねのね〜。秘密だよ」

カクテルのレシピを思いついた私はウメコをチラッと見て、冷蔵庫の隅っこにあった瓶を手にした。
601名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 20:30:31 ID:f+N90fFS
「さ、召し上がれ。キレイな色でしょ?」
「何?・・・これ」
「聞くだけ野暮だよ?」

出来上がったクリアなオレンジ色の液体を二つ注いで一つをウメコに渡すと、彼女は不思議そうにそれを見て、グラスに口を付けた。

感想は、勿論私の予想通り。
ウメコは嬉しそうに、美味しそうに飲んでくれる。

「ね、何なのこれ?どうやって作ったの?」
ねえ?ねえ?と、頬をほんのり染めて好奇心旺盛に聞いてくる彼女がとても可愛い。

「こうやって作ったの。」
彼女に答えるように、私はテーブル越しに彼女の鼻の頭にキスして抱き締めた。

・・・解んないかなぁ?梅酒とジャスミンティー混ぜたんだよ?

作り方、他にどうやって説明するの?
602名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 20:31:34 ID:f+N90fFS
「もっと知りたいよ、あたし・・・」
身体を離すなり、ウメコはそう言った。
「はてさて何じゃらほい?」
「だから、もっと知りたいの!」
「何を?」
「ジャスミンの意地悪!!」

いいよ、明日から夜勤で昼間は時間あるから、今晩教えてあげる。

ベッドに入って、ね?


Fin
603名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 22:16:51 ID:givjtCSe
>>599-602

(;´Д`)ハァハァ
最高っす!
ベッドに入った後の話しも読みたいっす!
604名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 22:35:23 ID:VUw1OZMM
>>603さんと同意
二人が混ざり合う感じを
想像しちゃいました。
続き読みたいです…。
605名無しさん@秘密の花園:2006/10/09(月) 22:59:35 ID:J/WB9K6W
オナニーのおがずに、菊地美香・木下あゆなど有名女優・アイドルのヌードが結構ありました。携帯で見えるのがいいね。
http://8hp.jp/?id=good
606名無しさん@秘密の花園:2006/10/10(火) 10:08:48 ID:ZuxZI/Cd
ジャスウメで一本投下


明日は二人とも休みで、今夜はジャスミンが私の部屋に泊りに来ていた。

私は友人や家族との付き合いもあるが、ジャスミンはエスパーであるがゆえに家族と連絡すら取っていないと言う。
ジャスミンが時々見せる悲しい表情の裏に、そういう理由があったのを話してもらった時から、
私は何とかジャスミンの心の傷を癒してあげたい…と思う様になっていた。

お酒を飲んで、たくさんお喋りして、微酔い気分の頃ベッドに入って、
いつもの様に戯れ合っていた。
子猫の様に戯れてくるジャスミンは、堪らなく可愛い…。

「ねえ…ジャスミン」
「何…?」
「手袋、外していいよ」
「え‥?でも…」
ジャスミンは戸惑いを隠せない。
607名無しさん@秘密の花園:2006/10/10(火) 10:36:32 ID:ZuxZI/Cd
「私はジャスミンに知られて困る事なんて、一つもないよ…だから…ね?」

そっと手袋に手をかける。
「外すよ…いい?」
戸惑いながら、ジャスミンは頷いた。

右手、左手とゆっくり外して枕元に揃えた。
普段日に当たらない白くて綺麗な手…
そっと両手を重ねて、指を絡めて握る。

(こうして、手を握ってみたかったんだ…ずっと前から…)

何故かジャスミンの目から涙がぽろりと零れた。

「私も、こうしたかった‥けど、ウメコといい関係を保つには…やっぱり外さない方が……」

(もういいよ…何も言わなくて…)

涙で言葉にならないジャスミンの唇を、私はキスで塞いだ。
608名無しさん@秘密の花園:2006/10/10(火) 11:04:44 ID:ZuxZI/Cd
私はジャスミンの上になって、唇を貪りながら、頬の涙もキスで吸い取った。

(ジャスミンの心の傷も、吸い取ってあげられたらいいのに…)

言葉では恥ずかしくて言えない事も、素直に伝えられる。
ジャスミンは綺麗な涙をぽろぽろ流した。

(いっぱい泣いていいよ…大好きだよ…愛してるよ……)

私はその想いを伝えた後、さすがに恥ずかしくなってジャスミンの胸に顔を埋めた。
きつく抱き合いながら、今度はジャスミンが囁いた。
「私も大好き…愛してるよ…だから、今夜はいっぱい、愛し合おうよ…」
609名無しさん@秘密の花園:2006/10/10(火) 11:34:40 ID:ZuxZI/Cd
私はジャスミンの服と下着を脱がせて、膝の上に座らせた。
ジャスミンの胸の膨らみはいつ見ても美しい。
両手で揉んで、固くなった桃色の乳首を口に含んで、舐めたり転がしたり、
強く吸ったり…繰り返して愛撫した。

(可愛い、食べちゃいたいくらい…)
また恥ずかしい事考えてる、私…。
そう思った時、
「いいよ…」
とジャスミンがぽつりと言う。
「え?冗談だよ、今のは」私は慌ててごまかした。

「だから…食べてって言うか…噛んでもいいよ…」

ジャスミンが真面目な顔で言うので、その言葉に促されて、乳首を少し噛んでみる。
610名無しさん@秘密の花園:2006/10/10(火) 12:00:15 ID:ZuxZI/Cd
「…あっっ…」
とジャスミンが初めて声をあげる。
「ごめん‥痛かった?」
ジャスミンは首を横に振って、
「気持ちいいから、もっと噛んで」
とおねだりする様に言ってくる。
その甘えた口調に、私は理性を失いそうになりながらジャスミンの可愛い乳首を更に強く甘噛みしたり、
優しく舐めてみたり、いろんな刺激を与えてみた。

「あぁ…ん…ん!」
ジャスミンの喘ぎ声が大きくなる。
(感じる?…こうすると感じるんだ)
「うん…」

ジャスミンは私の想いを読み取るたびに、返事をしてくれる。

暫らくして、唇を離し、ジャスミンの乳首を見ると、桃色だったのが、鮮やかな薔薇色に染まっている。

611名無しさん@秘密の花園:2006/10/10(火) 12:26:21 ID:ZuxZI/Cd
私は指先でそっと撫でながら聞いた。
「本当に痛くなかった?」ジャスミンはこくんと頷く。

その仕草が可愛くなって、そのままベッドにゆっくり押し倒し、
またディープキスをしながら、今度はジャスミンの大事な所に手を伸ばして行った。
(いいかな‥?)
「うん…いいよ…」

中指をあててみると、もうすっかり湿り気を帯びている。
そのまま指を押し入れて、第一関節まで入れた辺りに女性の感じる部分があるのを、私は知っていたので、その部分を探しあて、
ゆっくりと撫で回してみた。
「ああぁ…っ…ん!!」

ジャスミンは急に大きな声で反応した。
(ジャスミンもここ感じる?…私もだよ)
「う…うん…」

その部分が、少しずつ膨らんで、撫で回すたびに蜜が溢れだす。
612名無しさん@秘密の花園:2006/10/10(火) 12:58:53 ID:ZuxZI/Cd
私は指を動かしながら、顔をジャスミンの大事な所へ近付けて、もうひとつの固く尖った突起に吸い付いた。
唇と舌でつついて、舐めて軽く噛む。

「あぁんっ…うん…っ!」凄く感じてる。
そのまま小刻みに甘噛みを続けて、時々チュっと音をたてて吸うと、指がきつく締め付けられ、中から熱い蜜が流れ出す。

私はその蜜をしゃぶって味わう。
(美味しいよ…もっとちょうだい…)
もう一本、人差し指を足して二本の指で、今度は奥の感じる部分を探した。

こりこりとしたあの入り口を見つけると、ゆっくりと指先でこじ開ける様にしてこれ以上入らない所まで、指を差し入れて、奧の奧までくちゅくちゅと掻き回した。

「ああ…っっ!いくっっ…!」
613名無しさん@秘密の花園:2006/10/10(火) 13:31:16 ID:ZuxZI/Cd
ジャスミンの全身が激しく痙攣し、私の指が痛いほど締め付けられ、
次の瞬間、どっと白濁した蜜がいっぱい流れだした。

ジャスミンはイッた後も、何度も身体がビクンビクンと反応し続けているので、抱き起こして、しっかりと抱き締めてあげた。

背中を軽く叩きながら、小さい子をあやす様にして、ジャスミンが落ち着くのを待った。

「もう、大丈夫…」

ジャスミンが息を整える様に呟いた。
「そう…?」
私は少しだけ身体を離した。
ジャスミンは潤んだ目で、私を見てまた呟いた。

「あたし…もう…ウメコに壊されちゃうかと思ったよ…」

私達は顔を見合わせて笑った。
照れ臭さはどっかへ行ってしまった様だ。

「ウメコ、ありがとう… 私の心の傷も…ウメコが吸い取ってくれたみたい…」
(ホントに…?)
614名無しさん@秘密の花園:2006/10/10(火) 14:11:50 ID:ZuxZI/Cd
「うん、ウメコは私にとって初めての親友で…そして初めて愛し合った人…なんだよ…」

思いがけない言葉に、私は身体が震えそうになって、彼女の細い肩を抱き締めて泣いてしまった。


「もう絶対、離さないからね…ジャスミン!」

「約束だよ〜指切りして」
急におどけた感じでジャスミンが言ったので、私は身体をまた離して、
差し出された小指に自分の小指を絡ませて、『指切りげんまん』をした。

ジャスミンは子供みたいな可愛い笑顔で、
「ウメコの前では、もう手袋はしない…そのかわり…嘘ついても、すぐバレちゃうんだからね!」

と私にウインクしてから抱きついてきた。


(離さない…って言うより、たぶん私…ずっと離れられそうも無いよ…。)


漠然と…ではなく、はっきりと、私はジャスミンに、そう伝えていた。


END
615名無しさん@秘密の花園:2006/10/10(火) 14:42:22 ID:ZuxZI/Cd
何せ携帯なので、投下に時間がかかるのはお許し下さい。
書き込みの少ない時間帯に時々お邪魔させて下さい。よろしくお願いします。
616名無しさん@秘密の花園:2006/10/10(火) 16:57:52 ID:Nhfa4wCR
>>606-614
(・∀・)イイ!
個人的に普段ウメコを癒しているジャスミンの心の傷の話は大好きです。
もちろんそれを包み込むウメコの愛があってのことですが。
凄く優しい気持ちになりましたよ。
またの投下を待ってます!
617名無しさん@秘密の花園:2006/10/10(火) 18:41:10 ID:lf+yk3Gp
久々のハードタッチでしたが最後は爽やかに。
ジャス&ウメらしいですね。
ここ数日、投下が続いているので毎日スレを見るのが楽しみです。
618名無しさん@秘密の花園:2006/10/11(水) 00:36:04 ID:EXiwmzVo
>>613
「あたし…もう…ウメコに壊されちゃうかと思ったよ…」

 タ  マ  リ  マ  セ  ン (;´Д`)
619名無しさん@秘密の花園:2006/10/11(水) 04:54:36 ID:K0OoOwSi
>>616-618
こうして具体的な感想を頂けると、励みになります。有難うございます!

次はジャスミンがウメコを責めるのも書いてみます。
620名無しさん@秘密の花園:2006/10/11(水) 13:28:45 ID:0LTJB+Kh
>>619サマ

是非ともよろしくお願いいたす
621名無しさん@秘密の花園:2006/10/11(水) 13:46:41 ID:fwZUMyew
このジャスミンの物語書いた人相当すごいね。女性?
622名無しさん@秘密の花園:2006/10/11(水) 16:41:25 ID:+d4UrENI
おもしろいところ見つけたので、ちょっとすみません〜(*>_<*)
この時期からクリスマス専用のコミュニティができてマス!!
http://e-bonjour.com/k/happy/2c.html
やっぱりこのくらいの時期からクリスマスにむけて
準備しとかなきゃね♪
623名無しさん@秘密の花園:2006/10/11(水) 17:03:35 ID:Fy8AuYJv
こんなので書いてみたくなった。GJでした!
>>524-548の続き、書ければ書いて投下していいですか?
クリスマス話になると、思いますが・・・。
624名無しさん@秘密の花園:2006/10/11(水) 18:14:20 ID:K0OoOwSi
>>621
女性ですよ。書き手の方は男性が多い気がするので、女性視点で微妙な所が表現出来たらいいな、と思ってます。

>>623
お待ちしてます!
625名無しさん@秘密の花園:2006/10/11(水) 21:10:44 ID:OZB3pEIn
>>623
待ってるよ!!
626名無しさん@秘密の花園:2006/10/11(水) 22:01:49 ID:tPpinTgG
>>623
楽しみにしてます。

>>624
良かったら、また作品お願いします。
627名無しさん@秘密の花園:2006/10/11(水) 23:56:23 ID:EXiwmzVo
>>624
おおっ!女性の方でしたか。
「涙で言葉にならないジャスミンの唇を、私はキスで塞いだ」
 との表記が男の自分には全く想像つかなかったんで。

 女性の方が書かれると読み手としては余計リアルさが増しそうです。



628名無しさん@秘密の花園:2006/10/12(木) 19:24:13 ID:GaGjKuK0
役柄設定なしの、あゆ美&美香実名でのハードエロはやっぱりタブーでしょうか?
629名無しさん@秘密の花園:2006/10/12(木) 20:11:04 ID:9TrwJGQE
別にいいんじゃない?
630名無しさん@秘密の花園:2006/10/12(木) 20:12:18 ID:+uAEnDoU
後味が悪くなるようなものでなければ。
631名無しさん@秘密の花園:2006/10/12(木) 20:47:55 ID:GaGjKuK0
前に書き手の方が、「実名でハードなの書けない」
とおっしゃってたので、投下出来ずそのままにしてる話があるのですが、出来る限りラブラブで後味良くしてから、投下しますので宜しくお願いします。
632名無しさん@秘密の花園:2006/10/12(木) 23:15:03 ID:DRwbKaiJ
>>631
おう!
633名無しさん@秘密の花園:2006/10/13(金) 02:29:17 ID:TQtBoXQo
たたた楽しみ
634名無しさん@秘密の花園:2006/10/13(金) 14:07:47 ID:Osdeei2K
>>554-555の続き書いてみました。美香視点です。


『あゆ美ちゃん、元気かな…』
私はベッドに潜り込んで、ふとあの日の事を思い出していた。
あゆ美ちゃんの部屋に泊まった夜。
二人ともハードスケジュールで疲れていたせいもあり、すぐ眠りに着いてしまったのだが、
夜中に私は、あゆ美ちゃんがどこか、手の届かない遠くへ去ってしまう悲しい夢を見て、泣きながら目を覚まし、あゆ美ちゃんにすがりついてしまった。

あゆ美ちゃんは私の気持ちに応えて、あんなに優しくしてくれた。
部屋が暗かったので、顔も身体も見えなかったけれど、唇の柔らかさとか、身体の温かさ、手触りは、私の身体が覚えている。

あんなに『愛してる…』
と囁き合って、気が付くともう、朝になっていたっけ…。
何となくその朝は、照れ臭い様な気まずさがあり、私はすぐ、『さよなら』を言ってあゆ美ちゃんの部屋を後にしてしまってから、
もう一ヵ月が過ぎようとしていた…。
635名無しさん@秘密の花園:2006/10/13(金) 14:39:13 ID:Osdeei2K
あゆ美ちゃんの【怨み屋本舗】の撮影も終盤に差し掛かり、忙しいのは分かっていたから、ずっと連絡を取れずにいた。
でも日に日に、逢いたい気持ちは募るばかりだった。
ピン‐ポーン‐
と、インターホンがなる。
時計に目をやると、午後11時過ぎ。
(誰だろ、こんな時間に)『はい、どなたですか?』『あたし…』

ドア越しに、私の一番逢いたい人の声がした。

『あゆ美ちゃん?』
慌ててドアを開けて、私は一瞬息を飲む。

『怨み屋‥さん?』
そこには怨み屋のウィッグをして、上が赤いキャミソール、下は黒のパンツスタイルのあゆ美ちゃんが立っていた。

『うわっ!ビックリした!』
『そのまま来ちゃった!』あゆ美ちゃんは、いたずらっぽく笑って、肩をすくめた。

『入って!』
私はあゆ美ちゃんの手を引いて、部屋に招き入れた。もう、嬉しくてしょうがない。

636名無しさん@秘密の花園:2006/10/13(金) 15:12:42 ID:Osdeei2K
『どうしたの?その格好』『撮影終わって、スタッフさんとちょっと飲んで、それから…美香ちゃんに逢いたくなって…』
とニコニコしながら話す。

『ごめんね、突然』
『あ〜もう〜その格好で来るなんて、反則だよ〜!』
『あはは!』といつもの笑い声に私はホッとして、彼女を抱き締める。

『逢いたかったよ〜!あゆ美ちゃん!』
『あらら、早速ですか?』

私はあゆ美ちゃんの香水の匂いと、久しぶりの長い髪の毛の感触を確かめた。

『ねぇ、その前にちょっと飲まない?』
『そうだね』
『コンビニで買ってきたんだけど、桃のカクテル、これ好きなんだ〜』

あゆ美ちゃんが買ってきてくれたカクテルは、甘くて飲みやすくて、ついピッチが早くなってしまう。

『美香ちゃんはお酒弱いから、飲みすぎちゃダメだよ〜、私はいいけど』

確かにあゆ美ちゃんはお酒が強い。
今まで飲んで乱れたのを見た事無い。
この怨み屋さんの格好で、酔っ払った姿って色っぽいんだろうな…。     

637名無しさん@秘密の花園:2006/10/13(金) 15:46:05 ID:Osdeei2K
私は無性に彼女を酔わせたくなった。
『じゃあ、あゆ美ちゃん、今日は酔っ払うまで飲んでみてよ』
『うん、そうしよっかな?』

私達は、とりとめのないお喋りをしながら、カクテルを一本、二本と空にしていった。
私は一本半。
あゆ美ちゃんは三本飲んで、かなり酔いが回った様子だ。
立ち上がろうとして、足がもつれて倒れそうになった所を、私が抱きかかえた。

『あ、酔っ払ってる〜』
『ホントだ、足が…』
『気持ち悪くない?』
『ううん、すっごく気持ちいい!』

あゆ美ちゃんの目がとろんとしてきて、どうしようもなく色っぽくて、可愛い…。

私達は、磁石が吸い寄せ合うみたいに、唇を重ねた。

ベッドに行くのももどかしくて、その場に座り込んで、お互いに熱くなった唇と舌を激しく舐め合った。

唾液が溢れてきて、口の中で混ざり合って、どちらかの喉に飲み込まれて行く…

カクテルの後味が甘く残る舌の裏や、歯の一本一本まで味わい尽くしてから、

私達は、お互いの服を脱がせ合った。
638名無しさん@秘密の花園:2006/10/13(金) 16:22:22 ID:Osdeei2K
あゆ美ちゃんは、酔って手元が覚つかないのか、少し乱暴に私の服を脱がす。

ドキドキする。

一糸まとわぬ姿になった私達は、どちらかが責める、というのではなく、
熱くなった身体を、とにかく重ね合いたい一心で、強く抱き合って、素肌を擦り合わせた。

胸と胸の膨らみと、固くなった乳首が触れ合っただけで、
『あんっ…』
と声が漏れてしまうほど、快感がはしる。

『はぁっ…はぁっ…』
思わず、息が荒くなる。

あゆ美ちゃんは私を押し倒し、上に乗って、身体を擦り合わせてきた。

長い黒髪が、私の顔まで掛かってくすぐったいが、
彼女の表情は、ゾクゾクするほど美しい。

(怨み屋さんに抱かれてるみたい…)
と思うと、興奮してしまう。

639名無しさん@秘密の花園:2006/10/13(金) 17:23:38 ID:Osdeei2K
あゆ美ちゃんは、乳首を合わせて、上下に動いたり、左右に動いたりしながら、深いキスを落としてくる。

(ん…ん…もう、堪んないよ…)
私は意識を持っていかれそうになるのを、辛うじて抑えていた。

『じゃあ、いくよ…』
とあゆ美ちゃんは言った後、身体を少し浮かせて、太股を交差するように合わせてきた。
女の子の部分を押しつけながら、ゆっくり重ね合わせると、ぷくんと膨らんだ蕾同士が触れ合った。

『あぁ…っっ!』
と私は声をあげた。

『美香ちゃん…』
あゆ美ちゃんが、私の両手を握って引っ張り、私も引っ張り返す。
二人で引っ張り合う形になって、いっぱい流れ出してくる蜜を潤滑油にして、腰を動かすと、どんどん大きくなる蕾が激しく擦れ合って、クチュクチュと音をたて始める。

『あぁ〜ん、私もうだめぇ〜!』

私が気を失いそうになって哀願すると、あゆ美ちゃんも切ない表情で、
『美香ちゃん…一緒にいこう…ね…いくよ…?』

『うっっん…いくうっっ…!』
『…ん…っっ!!』


640名無しさん@秘密の花園:2006/10/13(金) 17:52:24 ID:Osdeei2K
私は一瞬、意識が遠退いて、身体が、ピクピクと震えて止まらなかった。
あゆ美ちゃんも、私の上でいってしまったらしく、そのまま崩れる様に、私に覆いかぶさった。

私達はきつくきつく抱き合って、押し寄せて消えていった快感の余韻に、随分長い間、浸っていた。

そのままの姿勢で、私達は動けなくなって、お互いの髪や頬をずっと撫で合っていた。

『ずーっと、こうしていたい…あゆ美ちゃん…』
『うん…ずっと、こうしてよう…美香ちゃん…』


朝までまだ時間あるし、このまま寝ちゃおうかな…?

丁度、近くにあったタオルケットに手を伸ばして、私の上で、うとうと眠りに着こうとしているあゆ美ちゃんの背中に、そっと掛けてあげながら、
もう一度その背中に腕を回して、抱き締めた。


『お疲れ様…おやすみ…
あゆ美ちゃん…』

と、大好きな寝顔に囁いた…。


   終
641名無しさん@秘密の花園:2006/10/13(金) 22:07:53 ID:kOksa8mD
>>634-640
ウェ(*0w0*)イイ!!
642名無しさん@秘密の花園:2006/10/14(土) 05:34:02 ID:vYJJvaU+
怨み屋と美香の絡みを書きたかったので、結局こういう形になってしまいました…。
実名でハードなものが今まで無かったので、迷ったのですが、精一杯ラブラブにしたつもりですので御了承下さい。

次はまたジャスウメで…。
643名無しさん@秘密の花園:2006/10/14(土) 07:19:32 ID:ySYhCkXa
保育士あゆ美先生読みたいです。あの照れ臭さとこそばゆさと、優しい気持ちがタマランw
644名無しさん@秘密の花園:2006/10/14(土) 10:43:56 ID:wnKbCAzL
>>634-640
酔ってるあゆ美ちゃん、最高でした(;´Д`)
>どうしようもなく色っぽくて、可愛い…。
まさに。

ジャスウメ、期待してます!
645名無しさん@秘密の花園:2006/10/15(日) 01:06:33 ID:A7mPxIk0
美香スレでもあゆ美スレでも、レズネタで普通に盛り上がっている辺りが・・

この二人は、もう公認のレズなんですね・・
646名無しさん@秘密の花園:2006/10/15(日) 09:38:07 ID:1g4Hwlj1
>>623です。もうちょっと待って下さいm(__)m
二人にとんでもない歌歌わせたりしてますが・・・。
647名無しさん@秘密の花園:2006/10/15(日) 10:14:39 ID:6yJBws9L
>>645
それだけこの二人がお似合いだから、では?

二人が互いに向かい合って座り、
おでこくっつけながら
「あゆ美ちゃん、好きだよ。」
「私も美香ちゃんが好き。」
とか言って溶け合う姿を妄想しちゃいます(w
648名無しさん@秘密の花園:2006/10/15(日) 10:59:11 ID:A7mPxIk0
>>647
いい感じですよ。
その後は是非、短編小説にして投下して下さい。
勿論、長編でも・・・

この二人が仲良くじゃれあってると、こっちまで幸せな気分になるのは何故なんでしょうかね? 
不思議です。
649名無しさん@秘密の花園:2006/10/15(日) 15:44:29 ID:A7mPxIk0
短編でも良いからなんかないですか〜?
作家様……
650名無しさん@秘密の花園:2006/10/15(日) 18:01:47 ID:SDinL4nM
>>646

恋人がs(ry
651名無しさん@秘密の花園:2006/10/15(日) 22:19:26 ID:1d8JOeZ9
美香スレ見て、妄想ちょこっと投下。
652名無しさん@秘密の花園:2006/10/15(日) 22:19:59 ID:1d8JOeZ9
「でね、ここのフルーツタルトがオススメなんだって」
2人の片膝づつに乗せて広げた雑誌を指さしてそう言ったけれど、反応がなかった。
 さっきまで「うんうん」とか「これ、おいしそう」とかあったのに。
 どうしたんだろうと思って、雑誌から顔を上げてあゆ美ちゃんの方を見る。
 疑問はすぐにとけた。
 うつむき加減で雑誌に顔を向けたまま、あゆ美ちゃんは小さな寝息をたてていた。
 よく見るとお腹がゆっくり上下している。
 ……疲れてるんだなぁ。
 程良くあっためられた車内と、ガタンガタンと眠りを誘う揺れ。
 最近忙しそうだったから、眠っちゃうのも無理はないか。
 こういうときは、あゆ美ちゃんがジャスミンみたいにテレパシー能力を持ってなくてよかった、と思う。
 横顔が綺麗だなぁとか甘い匂いがするなぁとか寝顔が子供みたいでかわいいなぁとか、肩が触れているこの距離でも平気で考えられる。
 うーん。まぁ、あゆ美ちゃんになら、知られちゃったら知られちゃったでいいけど。
653名無しさん@秘密の花園:2006/10/15(日) 22:20:38 ID:1d8JOeZ9
 カーブで電車が大きく揺れる。
 その時、かくんとあゆ美ちゃんの体が揺れて、頭が私の頭に乗った。
 ……むぅ、重い。
 人って、どうして意識のあるときとないときで重さが違うんだろう。
 あゆ美ちゃんがいくら細いって言ってもちゃんと人間なわけだから、少なくても40kgはあるハズなのに、その重みが心地良いのはどういうわけなんだろう。
 あゆ美ちゃんを起こさないように気を付けながら、あゆ美ちゃんの肩にそっと頭を預ける。
 そして、私の膝までずり落ちてきた手を雑誌で少し隠すようにして、自分の手を重ねた。
 手があったかい。
 つい、にやけちゃいそうな顔を隠すように、少し俯き加減になって目を閉じる。
 このまま寝た振りしちゃおう。
 あゆ美ちゃんの家まで、あと4駅。
 私までホントに眠っちゃったら乗り過ごしちゃうなぁ。
 今だったら、ちょっと不謹慎だけど事故とか不具合で電車が止まっちゃってもいいや。
 ……でもやっぱり、早くあゆ美ちゃん家で人目を気にせずいちゃいちゃしたいから、ちゃんと起きて、駅に着く少し前にあゆ美ちゃんを起こそう。

終わり。
654名無しさん@秘密の花園:2006/10/15(日) 23:25:45 ID:SDinL4nM
>>652-653
なかなかいいねー
655名無しさん@秘密の花園:2006/10/15(日) 23:36:26 ID:A7mPxIk0
ちょっと美香スレ行ってきます!
656名無しさん@秘密の花園:2006/10/15(日) 23:52:50 ID:A7mPxIk0
ただいま!
今日の美香スレは実に良い流れでした。
ほのぼのしました〜
657名無しさん@秘密の花園:2006/10/16(月) 06:26:49 ID:Hs/cyWtw
思い付きでショートをひとつ。ジャスウメです。


「ねぇ〜ジャスミン、おなかすいたよ〜お菓子持ってない〜?」 
「お菓子?そういえば…キャンディがあったかな?」私は隊員服の内ポケットを探るとレモンのキャンディがひとつ。
「あった!ひとつだけだからウメコにあげるよ」
「え〜?でもひとつだけならジャスミンが食べていいよ〜」
「いいってば…そうだ、じゃあ一緒に食べようか?」ジャスミンはキャンディの包みをあけると、自分の口にポイと入れて、転がす。いたずらっぽい表情で、そのままウメコにキスして、キャンディを口移しする。「ん…おいしい」
「一緒になめようよ」  肩を抱いてキスしたまま、ひとつのキャンディをペロペロなめあう。
甘くて、おいしくて、二人は夢中になって味わう。

何でも半分こ…

キャンディが溶けてなくなっても、二人のキスは終わらない…


END
658名無しさん@秘密の花園:2006/10/16(月) 07:06:39 ID:5oGd/6eh
>>652-653
肩枕GJ
659名無しさん@秘密の花園:2006/10/16(月) 10:25:09 ID:vDWpQAgQ
59 :名無しより愛をこめて :2006/10/16(月) 08:37:13 ID:SPiVligUO
>>58
英語担当の女教師あゆ美。
「菊地さん、次読んで下さい」
「あの、えっと…私読めません…シクシク…」
「しょうがないですね、後で職員室へ来なさい!個人レッスンしてあげます」 「シクシク…はい…」
生徒一同、
「羨ましいな〜菊地〜」
「へへ、どうだ…」   

また妄想してしまった。





誰かこれで書いてくれwwwwwwwwww
660名無しさん@秘密の花園:2006/10/16(月) 12:26:55 ID:Hs/cyWtw
「ドゥユーアンダスターンド?」
「ドゥユーアンダースタ…」
「発音が違います!菊地さん!」
「うわ、相変わらず厳しいな〜木下先生…シクシク」
「泣いてもダメです。菊地さん、来年受験でしょ?このプリントもしっかり覚えないと、帰しませんよ」 「は…い…」
泣く泣く私は英単語のギッシリ書かれたプリントを覚える。
そういえば先生の手書きだな、これ‥。
「先生これ、もしかして私の為に…?」
「そうよ、菊地さん…いえ美香の苦手な単語よ。昨夜徹夜で作ったんだから‥ちゃんと覚えてよ…」
「木下先生…じゃない、あゆ美先生、ありがとう〜!」
二人きりの時の呼び名に戻って、思わず私は先生にギューっと抱き付いた。  「ねえ〜私頑張るから、あゆ美先生〜チューしてよ〜お願い!」
人気のない夕暮れの職員室。
可愛い顔でおねだりする美香をじっと見つめて、あゆ美はしばらく迷っていた。(どうしよう…)


こんな感じでいかがでしょうか?
661名無しさん@秘密の花園:2006/10/16(月) 14:36:34 ID:/gIFSrqf
>>660
おかわり
662名無しさん@秘密の花園:2006/10/16(月) 16:48:07 ID:Hs/cyWtw
>>659-660の続きです。
美香視点からあゆ美視点へ変わります。

「ねぇ、あゆ美先生〜いいでしょ〜」
「うん、でもここ職員室だし…ちょっとね‥どっから見られてるかも分かんないし…また今度ね」 
「ええ〜ヤダヤダ〜!ここでして〜私頑張って覚えるから〜絶対約束するから〜…シクシク…」
「しょうがない子ね、いらっしゃい…」      私は泣きだした美香の手をつかんで机の下へ引っ張り込んだ。
「目、瞑って」
「は、はい!」
そう言って私は、美香のさくら色の唇にそっとキスしてあげた。
美香はほっぺたまでさくら色にして、今度は自分から私にキスしてくる。
「先生〜もっとチューしたい〜チュー」
子猫みたいにスリスリ甘えて私の唇に吸い付いてくる。
(あ〜もうだめ、可愛い)美香に押し倒されそうになった私は、必死に理性を取り戻し美香を振り切った。
「コラ美香!調子にのるんじゃありません!ドゥユーアンダースタンド?」
「はーい、イエスイエス!アイラブユーOK?」
「え?」
「なんでもな〜い!さて続きやりま〜す」     美香はほっぺたを真っ赤にして椅子に座り直した。

まったく、この子にはやられっぱなしだよ…フフ(苦笑)

とりあえず終わります。
663名無しさん@秘密の花園:2006/10/16(月) 17:14:15 ID:vDWpQAgQ
>>660 >>662
I requested it.
Thank you very much.
664名無しさん@秘密の花園:2006/10/16(月) 17:37:45 ID:Hs/cyWtw
>>663
こちらこそ有難うございます。実は英語苦手で(汗

ここの所連投してしまったので暫らくおとなしくしてます。
665名無しさん@秘密の花園:2006/10/17(火) 09:10:27 ID:2N1R/1iC
ここのスレの特徴として、礼儀正しく敬語を使う方が多いのに感心します。
やはり書き手と読み手の関係性もあるんでしょうね。

久々にあゆ美女医のハードタッチの話も読みたいです。
あゆ美女医書いてらっしゃる方、気が向いたらお願いします。
666名無しさん@秘密の花園:2006/10/18(水) 08:28:23 ID:fA7zEiav
さみしいな
新作こないかな―?
667名無しさん@秘密の花園:2006/10/18(水) 14:27:15 ID:dWoNQ9AI
クリスマス限定コミュニティ今年もやってるみたいだぞ。
早めに彼女作っといてクリスマスに初夜なんてのもロマンチッキーだな
ということで一応レポっとく。
HappyMerryChismas2006⇒http://e-bonjour.com/k/happy/2c.html
もまいらも遅れると寂しいことになっちまうぞw
668名無しさん@秘密の花園:2006/10/18(水) 15:34:33 ID:YnwI4GmO
>>646
    ☆ チン     
                       
       ☆ チン  〃 ∧_∧   
        ヽ ___\(\・∀・) 
            \_/⊂ ⊂_ )  
          / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /| 
       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
       | 愛媛みかん  |/
669名無しさん@秘密の花園:2006/10/18(水) 15:56:09 ID:fA7zEiav
あゆ美に、クリスマスで素敵なデートをセッティングしてもらって感激する美香・・・
なんて話も書いてみたくなったりするね。
この季節は・・
670名無しさん@秘密の花園:2006/10/18(水) 17:11:06 ID:If53461N
>>646です。今週末には投下できると思います。
あと、>>650さんのを参考にしました。
もうちょっとお待ちください。
すみません。
671650:2006/10/18(水) 18:14:16 ID:YnwI4GmO
>>670
楽しみに待ってるよ!
672名無しさん@秘密の花園:2006/10/18(水) 18:50:53 ID:fA7zEiav
>>670
個人的にもユーミンの曲は大好きなので、よろしく!
あゆ美美香世代はユーミンの曲を知ってるのかな?
673名無しさん@秘密の花園:2006/10/18(水) 22:57:58 ID:1WB3bn/g
あゆ美ちゃんと同じ1982年生まれです。
ユーミンの歌は知ってますけど、直撃ではないですね。
たまにテレビで耳にするから知ってるって感じでしょうか。
同世代で思春期のころ直撃した女性歌手といったら大黒摩季とか広瀬香美とかZARDとか。
あとは中学生のころには小室バブル全盛期だったと思います。
674名無しさん@秘密の花園:2006/10/18(水) 23:34:29 ID:fA7zEiav
>>673
これはどうも!
「守ってあげたい」はあなたが生まれる前の曲だけど、当時は映画とタイアップしてて、CMでバンバン流れる度に子供ながらに、いい曲だな〜と思いながら聴いてた記憶があります。

今聴いても、色あせない名曲ですよ!
675名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 07:03:52 ID:2zhtbeaN
おはようございます、投下します。
676名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 07:04:29 ID:2zhtbeaN
クリスマスの約束


「・・・動いていいですかぁ?」
「ダメだよ」
「もぅ痺れてきちゃうよ、こんなのだめ・・・」
「お願い、我慢してよもうすぐだから・・・あっ!動いたらダメだって!」

ギターの鳴る音と同時に、集中力が切れるのが分かった。
同じ姿勢なんてあたしも苦手、絶対ラクじゃない。
ギターを構えた姿勢なら、なおさら彼女は音を鳴らしたくなるだろう。
今日は美香ちゃんにデッサンのモデルをやってもらっていた。
『女の子』と『ギター』の組み合わせってのは結構見映えがするモンで、彼女のイラストをもう何枚も描いていた。
愛用のギターをケースに収めて壁に立て掛けて、椅子から立って床に胡座をかいた彼女にコーヒーを煎れる為にあたしはその場を立った。
677名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 07:05:01 ID:2zhtbeaN
あまりに唐突な出会いから三ヶ月、もうすっかり真冬で世間ではクリスマスの時期。
今は同じ職場で事務員として働いて、週末はどっちかがどっちかの部屋に泊まる・・・そんな日々を過ごしている。
彼女が街に出て歌うのについて行ったり、今みたいにあたしが彼女をモデルにして絵を描いたり。
他の人の前での人見知りは変わらないけど、歌ってる時とあたしの前では可愛い笑顔を見せてくれる。
軽めのキスなら遊びみたいな感覚で何度かした事はあるし、じゃれ合ってる時によく彼女から抱き付かれたりする。

「あゆ美さ〜〜ん」
こんなふうに甘ったるい声で、後ろから手を回して左側からちょっと顔を覗かせながらあたしをギュッと強く抱く。
「ちょっと、離れなさい」
「やだ!エスパーみたいにあゆ美さんの考えてること、読み取っちゃおうかな?」
「できないっての!ほら、コーヒー煎れるわよ」

割り込むように火にかけたポットがピーッ、と鳴った。
678名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 07:06:01 ID:2zhtbeaN
十二月二十三日。
小雪が舞い散る寒空の下、いつものようにあの公園で歌ってる。
毎週末歌い続けた甲斐あって、彼女はこの界隈の人気者になっていた。
子供好きな彼女は近所の子供に話し掛けては一緒に遊んだり、歌を聴かせてあげたりしてたから人気が出るのも当然といえば当然だけど。

クリスマスプレゼントの合体ロボットを買い終えた親子連れ。
仲良さそうに大きな犬を散歩させている、おじいさんとおばあさん。
空手の胴着に身を包んで、トレーニングをしてる男の人。

ただし今は夜ではなく、真っ昼間。
そして今日は祝日と土曜日、クリスマスの二日前・・・言うなれば『クリスマスイブ・イブ』が重なったこともあって人の往来が激しい。

美香ちゃんの使ってるギターは「ヘビーゲージ」という種類の弦。
男の人でも弾き熟すのが難しい硬い弦を、いとも簡単に使いこなしてる。
悴むような寒さの公園はシャン、シャンという激しい音色と、それに混ざる可愛くて優しい歌声で暖かくなっていく。
679名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 07:06:47 ID:2zhtbeaN
「・・・すげえ」
「ホントね〜、可愛い顔してあんなギターの弾き方するなんて凄いわよ」
「うん、凄いでしょ?どうですか、部長?」

真子も龍二も部長も、アングリ口を開けて彼女を見てる。
部長はともかく、はじめて見るワケじゃあるまいに!!


でも・・・クリスマス近いからなのかな、見慣れたあたしもやけにドキドキしてる。

いつもの破れジーンズとジャケット。
首からぶら下げた大きめの十字架のペンダントが揺れてる。
寒さで頬を染めた美香ちゃんがピックを動かすたびに、コードを押えるたびに、白い息を吐いて嬉しそうに歌うたびに、まるで笑顔に比例するようにキラキラ光って揺れる。
680名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 07:07:46 ID:2zhtbeaN
「天使みたい」って、芝居掛かっててヘンかな?
でも、あたしにとって彼女は・・・雪の中で歌う美香ちゃんは天使。
ずっと、聴いてたいな。
でも、抱き締めて温めてあげたいな、悴んだ指も、冷たくなってる頬も、ちっちゃな肩も。
神様、お願い。
早く、歌い終えさせて・・・・・・


「・・ゆ美!こらっ、あゆ美!!何してんの、おいっ!!」
「は!???」

真子の声と、「痛い!」というしわがれた声で我に帰る。
メルヘンチックに感極まってたあたしは・・・・・・涙ぐみながらよりにもよって、隣に居たおじいさんの手を力いっぱい握っていた。
681名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 07:08:54 ID:2zhtbeaN
全部歌い終える頃には、夕方の五時半を回っていた。
辺りは冷たい海風が吹いて、もう薄暗い。
後片付けするのを手伝いに出ると、彼女は自分のギターのメンテナンスをはじめる。
それが終わる頃合を見計らって、行きつけの居酒屋に移動する。
今日は会社の忘年会も兼ねてるんだけど・・・あ〜あ、今日みたいな日に忘年会なんてやらなくてもいいのに。

「いつもより凄かったね、よかったよ」
「そうですか?よかった・・・」
あたし達の会話のやり取りを聞いてた真子は、ニタニタしながらこっちを見た。
「ねぇ、あんたたちさぁ」
「何じゃらほい?」
いやらしい感じで微笑んで、さらに続けた。

「デキてんじゃないのぉ?さっきから見てたらすっごく引っ付いてるし、お似合いよ」
「真子、羨ましいから言ってんでしょ?あたし達ラブラブだもん、ね〜〜〜〜」

頬っぺたを染める美香ちゃんの手を強く握ってみせた。
682名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 07:10:18 ID:2zhtbeaN
あたし達の仲はもちろん秘密だけど、ヘンに隠すよりはこうしてたほうが良い。
ま、女同士で手を繋いだりして歩くのを街中でよく見たりするから、あまり不思議には思われてない・・・とは思う。

そうこうするうちに『橙』に到着した。
いつもみたいに暖簾をくぐると・・・社長以下、お偉いさんが勢揃いしてる。
「うわ」と言ったあたしに、真子は口を人差し指で押える動作をして見せた。
・・・見たくない顔がたくさん居る。
美香ちゃんにとっては多分初めて見る顔ばかり。
きょとんとする彼女の手を取って、下座に座った。

社長と専務の無駄に長い挨拶の後、中途半端に堅苦しい宴会が始まった。
一緒にライブを観てた部長は、しきりに上役のご機嫌を伺ってる。
中間管理職って、大変なんだな。

「美香ちゃんお疲れ様」
「あゆ美さんもお疲れ様です!」
部長を尻目に、あたしと彼女はお互いのコップにビールを注いで労い合った。
「ワタシも注がせて」
「俺も」
真子も龍二も、彼女のグラスにちょっとずつビールを注ぐ。
「ねぇ、またやるのかな」
彼女がそれを飲み干すのと同時に、真子は言った。
683名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 07:11:17 ID:2zhtbeaN
うちの会社の忘年会では、新入社員に歌を歌わせるのが恒例。
カラオケだったらいいけどアカペラだから辛い。
かくいうあたし達も歌わされ、音を外して失笑を買った覚えがあってそれから忘年会が嫌だ。
さらに重役達の「してやったり」的な表情が憎たらしい事この上ない。

あたしと真子が簡単にこの事を話し終わると、美香ちゃんはお刺身をつまみながら得意そうに微笑んで見せた。
「仇取ってあげますね。あゆ美さん、一緒に歌いましょ」
「歌うって?」
「練習で一緒に歌ったアレ。多分みんな知ってますよ?」
そのうち「社長命令だから」と、部長が申しわけなさそうに声をかけてくる。
それに応じるように美香ちゃんはギターをハードケースから取り出してブルースハープを首に掛けると、左手であたしの手をそっと取って立ち上がった。

その瞬間、一斉に口笛や拍手が起こった。
彼女が路上で歌ってるのは、重役以外皆知ってる。
前に出てみると、得意げだった四十代〜五十代の頭のお堅い連中は、面食らったような表情であたし達を見てた。
多分彼女がギターを携えてた事すら分からなかったんだと思う。
「・・・じゃ、いきますね・・・?」
深々と一礼した後、あたしにそっと目配せしてから美香ちゃんはギターを弾きはじめた。
美香ちゃんの強いアタックが、甘く激しいメロディを奏でる。
分かる人には分かるのか、前奏だけでざわめきが起こる。
684名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 07:12:09 ID:2zhtbeaN
――昔 となりのおしゃれなおねえさんは クリスマスの日私に云った
今夜8時になれば サンタが家にやってくる――
はじめに、美香ちゃんが歌う。

――ちがうよ それは絵本だけのおはなし そういう私にウインクして
でもね 大人になれば 貴女もわかる そのうちに――
次に、あたしが歌う。

――恋人がサンタクロース 本当はサンタクロース つむじ風追い越して 
恋人がサンタクロース 背の高いサンタクロース 雪の街から来た――
今度は二人でハモって歌う。

「恋人がサンタクロース」。
いつか一緒に歌おうって、教えてもらって練習してた。
ボイストレーニングの仕方も教えてもらってて、ちょっと自信がある。
忘年会の席は一気にクリスマスパーティの雰囲気になる。
曲が終盤に傾れ込むと、手拍子も合唱も、歓喜の声も起こる。
それに比例して、ギターの音色も激しくなっていく。
どうやら彼女は、社長と専務が手拍子を取るまでリピートを続けるつもりだ。

やがて三度目のリピートの後、お偉いさんは一緒に拍手をしてくれていた。
685好き勝手ですいません:2006/10/19(木) 07:14:35 ID:2zhtbeaN
忘年会を終えて、あたし達は通い慣れた路地を歩いてた。
海に面してるからってのもあるけどそれを差し引いても凄く寒い夜で、明日は本格的に雪が降るんだろうと感じさせる冷たさ。
「あ・・・」
専務のしみったれた顔がどうだったとか、あれやこれやと話し掛けてくる真子の話を聞いてたあたしの手を、美香ちゃんは握ってきてた

「おい、やっぱり・・・」
「ホントね!こうしちゃいましょ」
突然、後ろから二人の声がした。真子と龍二はあたしが首に巻いてたマフラーを解いて片方を美香ちゃんの首に巻き付け、もう片方をあたしの首に巻き直した。
686残りは夜に投下します:2006/10/19(木) 07:15:46 ID:2zhtbeaN
「こうしたら寒くないだろ?」龍二は微笑む。
「羨ましい位お似合いよ?」真子も一緒に笑い掛けた。
ちょっと二人とも!と言うあたしを制するように、真子は言う。

「いいのよ!あゆ美も美香ちゃんも、すぐ顔に出るもん。真反対なようで似てるもんね、正直で隠せないトコロ。なんか二人見てたらさ、ワタシ手繋ぎたくなってきちゃった。後は若い二人に任せて、ワタシ達も・・・」
ニカッ、と歯を出して笑うのは龍二の癖で、彼はそのまま真子の手を取った。

・・・なんだ、あたし達の事知ってて・・・ていうか、二人とも付き合ってんの?

「ごちそうさま!明日までとっときなさいよ!?」
あたしは真っ赤になった美香ちゃんの手を繋いだまま、二人の後姿を見ながら大声で叫んで手を振った。
687名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 08:39:02 ID:Q4srz/sd
>>676-686イイね!
二人は声質が似てるから、ハモると凄くキレイなんですよね。
「ガールズイン〜」で証明済みだし。
二人はまだプラトニックなのか…これから楽しみですね!
688名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 18:45:11 ID:GFevdZLv
一つのマフラーを二人で首に巻いたまま、歩いた。

「ごめんなさい・・・」
「いいよ!あたしも握ったしね」

そのまま美香ちゃんは黙ったままあたしの手を強く、固く握った。
言葉に出来ない言葉も、手を握るだけで伝わるような気がした。

あたしのアパートに着く頃、近くにある街灯の明かりに照らされて、そっと、そっと微笑んでくる。
優しい笑顔が恥ずかしくて、少しだけ目を反らして、また目を合わせた。
689名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 18:46:27 ID:GFevdZLv
「あゆ美さん・・・プレゼントありがとう」

部屋の扉を開けるなり、彼女は突然口を開いた。
「ありがとう、って・・・何が?」

「一緒に歌ってくれたことが、最高のプレゼント・・・ありがちだけど・・・」

そこまで言って、電気も点けてない部屋の中を静寂が支配した。

「ねぇ、今思ってること、一緒に言ってみようよ。もし考えてることが同じだったら・・・もう一個プレゼントあげる。一番渡したかったヤツ。」

あたしの前で背中を見せる彼女の大きな深呼吸が二回聞こえるのが分かると、あたしも言葉を返す。
今度はあたしが二回深呼吸して、口を開いた。

――大好きだよ――

殆ど、同時だった。
本当に「ありがち」だった。
でも、あたしも美香ちゃんも、一番欲しかった一言だった。
多分、意識して言ったことは無かったと思う。
電気点いてなくて正解だったかも知れない、嬉しさと切なさで泣き出しそうだから。
690名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 18:47:43 ID:GFevdZLv
振り向こうとする彼女の背中を、強く抱き締めた。
肩に掛けてたギターは放り投げられるように床に落ちていく。
振り向いた美香ちゃんの顔は暗くてよく見えないけど、多分瞳が濡れてる。
ゆっくりと唇を合わせてきた。
彼女の舌が咥内に入り込んできて、あたしの舌を味わう。
全てを任せながら、美香ちゃんの左手に自分の右手を絡ませた。
いつも弦を押えるその指は、皮が厚くなってて硬くなってた。
昼間のライブで思ってた「抱き締めて温めてあげたい」っていう気持ちが湧き上がって、慈しむように指を絡めて握りながら、さっきの言葉を確かめ合うように全部を舐め合った。

「あゆ美さん」
「もうあゆ美ちゃんでいいよ」
「・・・あゆ美ちゃん、恐くない?」
「恐いよ・・・」

唇を解いて、正直な気持ちを口にしてた。
女同士で肌を重ね合わせるなんて、一線を越えるなんて・・・いつかはこうなるんじゃないかな、って思いながらちょっとだけ恐かった。
「恐くないよ。私とあゆ美ちゃんは一緒だよ、ずっと一緒だから・・・」
もう一回美香ちゃんは爪先立ちで背伸びして口付けてきた。
軽いタッチの後、あたしからキスした。
舌を差し出して、唇を舐めていく。
キュッと、小さな身体に抱き締められる。
『恐くないよ、ずっと一緒だから・・・』彼女の言葉は自分の気持ちを言ったんだと思うけど、まるでその言葉があたしに向けられてるようだった。
691名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 18:48:31 ID:GFevdZLv
暗い部屋の中で全部を脱ぎ捨てて、ベッドの隣のスタンドを灯した。
弱い灯に照らされたお互いの身体を見詰め合って、冷たくなってた肌を重ねて温めあいながらベッドに入った。

「あったかい」
「ずっとこうしてたい、私・・・」
下になった彼女は、あたしを抱き寄せながら胸をくっ付けてくる。
ほっぺたに口付けて、首筋にキスしたらあたしの腕の中でビクン、と小さく跳ねた。
こんなに近くにいるのに遠くに行ってしまいそうで恐い。ずっと手を握ったまま、胸元に緊張で乾いた唇を落としていく。
そうしながら右手を離して、蜜で潤んでる入り口に手を伸ばした。

「んあ・・・っ」
彼女の声が変わった。
吐息混じりの声から、泣き出しそうな切ない声に変わる。
女の子の抱き方なんて知らないけど、こうされたら気持ちいいだろうなって思いながら指を動かしてた。
「あゆ美ちゃ・・・ん、あゆ、美ちゃ・・・なまえ、よんで・・・」
濡れた音と、彼女の声があたしを興奮させていく。
蜜に包まれた指の動きを早めていった。
じんと、身体の奥が熱くなって、彼女と同じように濡れていく。
「・・・愛してる、美香ちゃん・・・」

あたしの指を、身体をきつく締め付けて、彼女の身体から力が抜けていった。
692名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 18:49:39 ID:GFevdZLv
好き、という囁きが呪文のように、耳に入ってくる。
今度は彼女があたしにキスしてくれた。
生温かい、つるつるした感触が、まるで文字を描くようにあたしの身体に這い回っていく。
少しずつ尖っていく胸の突起に吸い付いた後、身体を沈めた彼女は舌先と唇で、あたしの熱くなってる場所をさらに溶かしていく。

「あ、ん・・・っ」
堪らなくなって、噤んだ口が開いて声が上がる。
宙を彷徨う手は、彼女の手にしっかり握られてる。
離さないよって、言ってるみたいに、しっかり。
あたしは、愛されてるのを実感してた。

祈るように静かに瞳を閉じて、達した。

それから何回か愛し合った。
「楽しむ」とかそんな余裕はまだない。
三ヶ月前、初めて一緒のベッドで過ごした夜みたいに胸を高鳴らせながら、お互いの知らなかった部分を知るように弄ってキスし合った。
693名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 18:50:35 ID:GFevdZLv
「もうイブかなぁ?」
「うん・・・」と、行為が終わって気怠そうな美香ちゃんの声に相槌を打った後で目覚し時計を見ると、日付が変わるまでにまだ何分かあった。
「ま、いっか」と言って、あたしを見ながら敬語を使わないで続ける。

「あゆ美ちゃん、明日手伝って」
「何を?」
「私達が付き合って、はじめての共同作業。明日早いから、・・・寝よう」

ニコニコ笑う美香ちゃんの顔はとても幸せそうだった。

そっと瞼に口付けして、スタンドを消した。
694名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 18:51:27 ID:GFevdZLv
一夜明けた。

海岸沿いに面した一軒の教会に、二人で訪れてた。
別に結婚式じゃない。
クリスマスイブの今日はあちこちの教会で催し物がある。
ここも例外ではなくて、キャンドル礼拝の後に簡単なコンサートをするというのを美香ちゃんは十日前に広報で見つけていた。

彼女の言った「共同作業」っていうのは・・・コンサートで演奏する事。
勿論、あたしも歌を歌う。
「あゆ美ちゃん、この曲分かる?」
人の良さそうな神父さんとシスターに頼み込んでホールを貸してもらって練習してると、彼女はあたしに楽譜を見せてきた。
どれどれ?

「・・・うん。知ってるよ」
「じゃ、これ演ろう!いいかな?」
「よござんすよ!」
695名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 18:52:36 ID:GFevdZLv
いよいよ、あたし達の番。
暗い礼拝堂でたくさんのお客さんの持ったキャンドルに照らされる中、二人で舞台に上がって美香ちゃんはギターを奏ではじめた。
いつもと違う弾き方だった。
コードを押える左手は変わらないけど、右手はボディと弦を交互に叩く。
叩くっていうより、掌で弾いてるっていった方がいい。
今まで見た中で、最高にカッコ良くて可愛い。

――ハラハラ舞う雪になって あなたのホホを そっと撫でて――

歌うのは、ドリカムの「SNOW DANCE」。
切ないのに、二人で聴きたくなる暖かい曲。
あたしが低音、美香ちゃんが高音。
昨日歌った時と同じように、ハモる。

ずっと歌ってたい気持ちのまま、鳴り止まない拍手の中で演奏を終えたあたし達は顔を見合わせて微笑んだ。
696名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 18:53:50 ID:GFevdZLv
全部終わってから豚汁をご馳走になって、家路についていた。
「大成功だったね、共同作業」
「うん!ホントよかった。また使わせてもらう?」
話し込みながら、空を見上げた。
雪が降るかと思ったけど、満天の星空で冷たい風が頬に心地いい。
それにしても共同作業、か・・・いい響きだな〜。

もっともっと、二人でいっぱい色んなことしようね。
ずっと一緒だよ?

「冬の星空って、綺麗なんだよ」
「知ってるよ」
「ねぇ、美香ちゃん何かお願い事する?」
「でも流れ星無いよ?」
「いいの。神父さん言ってたじゃない、『お祈りしたら願い事は叶います』って」
あたしがそう言うと、「それもそうだね」と、彼女は悪戯っぽく笑って言った。

「ねぇ、今思ってること、一緒に言ってみようよ。もし考えてることが同じだったら・・・」
「そうだね!!せーの・・・」

美香ちゃんとあたしは、手を繋いで声を揃えた。
言うまでもなく、あたし達は唇を重ねた。

――もっと大好きになれますように!!――

fin
697名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 22:55:51 ID:Q4srz/sd
>>688-696
後半も良かったですよ!
「大好き・・愛してる・・」と囁き合うシーンは他の作品でもよくあるけど、何回読んでもいいもんです。また書いてくださいね!
698名無しさん@秘密の花園:2006/10/19(木) 23:35:05 ID:7ofZMmH0
美香ちゃんなどセクシーアイドル・女子高生など画像・動画多かったです。無料なところでした。ここ見てオナッテみたら。携帯でみれました。
http://tool-4.net/?top7
699名無しさん@秘密の花園:2006/10/20(金) 20:21:04 ID:9P/n9cZt
>>676-696書かせて頂きました。
挨拶遅れて、申し訳ございません。
また、何か(刑事黄桃・短編か長編・ゲスト有)書かせていただきます。
スレ汚し失礼致しました。
700名無しさん@秘密の花園:2006/10/20(金) 21:44:20 ID:nVUjJGL2
700
701名無しさん@秘密の花園:2006/10/20(金) 21:52:52 ID:vwstfB5V
>>699お待ちしてます!

あゆ美と美香でひとつ投下します。
702名無しさん@秘密の花園:2006/10/20(金) 22:18:30 ID:vwstfB5V
『夕暮れの海辺』

十月下旬の夕暮れの海辺。

私はあゆ美ちゃんと、南の島へ小旅行に来ていた。
国内だけど、沖縄じゃない。
もっと北寄りの、静かな島。
お忍びデートには最適な所かな?

五日間、休暇をもらい、遅すぎる夏休み。
ひと夏頑張った自分達へのご褒美と、大好きな友達へのささやかなプレゼント…

十月とは思えない暖かさ。ノースリーブの可愛らしいワンピースを、お揃いで着て、海辺を素足で散歩する。
遠くにサーフボードを抱えた若者達が数名見える以外は、誰もいない。

果てしなく広がる海…
さざめく潮騒…

ふとあゆ美ちゃんは立ち止まって、その場にしゃがみ込む。
綺麗な桜貝を見つけて、拾い集める。
五枚拾って、三枚を私に差し出す。
703名無しさん@秘密の花園:2006/10/20(金) 22:43:17 ID:vwstfB5V
「これ、今日の想い出に、持って帰ろう…?」
私も微笑んで頷く。

もう明日の朝には、東京行きの直航便に乗る。

帰りたくない…と言う気持ちが、突然私の胸にわきあがる。
切なさに押し潰されそうになる。

あゆ美ちゃんは心配そうに私を見る。
彼女の背後に、夕陽が反射して、眩しくて、私はまともに、あゆ美ちゃんの顔を見ることが出来ない。

私の目から涙が零れ出す。

そっと彼女は私に歩み寄り、人差し指をちょっと曲げて、私の涙を拭う。

「帰りたくないの?美香ちゃん…私だって同じだよ…」
一生懸命、笑顔を作るあゆ美ちゃんは、どこまでも優しい…

そのまま彼女の両肩を引き寄せて、精一杯の力を込めて、折れそうな程、強く抱き締めた。

704名無しさん@秘密の花園:2006/10/20(金) 23:17:01 ID:vwstfB5V
「痛いよ、美香ちゃん‥」「ごめんね、あゆ美ちゃん‥」
「ううん…いいよ」
あゆ美ちゃんも私の肩に手を回した。

「また、こうしてあゆ美ちゃんと、ここに来たいな……来れるかな…?」
「どうして、そんな事聞くの…?」
「あゆ美ちゃんを、誰かにとられちゃいそうで…何言ってんだろ…私…恋人同士でもないのに…バカみたい…」

あゆ美ちゃんは、ふふっと笑って、私の顔を覗き込む。
「そんな事心配してたの?…私は今、美香ちゃんとこうしていられる事が、幸せだよ!…そうでしょ?」

あゆ美ちゃんは一言一言を紡ぐように、言葉を続ける。
「私達、確かに恋人未満かも知れないけど、このいい関係は、発展こそすれ、崩れる事はないって信じてる…一生このまま崩れないし、どちらかが結婚しても、私達の絆は、このまま…でしょ?」

私はハッとさせられる。
「そうだね…その通りだね…」
「うん、そうだよ!泣き虫だね〜美香ちゃんは」

ホント、私の泣き虫っぷりには自分でも呆れる。
705名無しさん@秘密の花園:2006/10/20(金) 23:41:01 ID:vwstfB5V
いつもは私より子供っぽくて、妹みたいなあゆ美ちゃんは、私が感傷的になった時、急に優しいお姉ちゃんみたいになって、私を諭してくれる。

仕事も別々で、つかず離れずの関係を保ってきたけれど、長い間会わずにいると、不安になってしまう私は、やっぱり彼女より年下の妹だ。

砂浜にたたずんで、傾いてゆく夕陽を見つめながら、「きれい…映画のワンシーンみたいだね」
と問いかけるが、あゆ美ちゃんの返事がない。

横を見ると目頭を押さえた彼女の頬が濡れていた。

「あゆ美ちゃん…」
「ごめんね…美香ちゃんに泣き虫なんて言っておいて、私の方が、よっぽど泣き虫だね…」

私は手を差し出して、あゆ美ちゃんがさっきしてくれた様に、人差し指をちょっと曲げて、涙を拭ってあげた。
706名無しさん@秘密の花園:2006/10/21(土) 00:08:19 ID:cDilK0Dn
いつも強がって、さばさばと振る舞っている彼女が、私の前で弱い部分を見せてくれる様になった事が、何だか凄く嬉しい。

時に親友で、ライバルで、姉妹で、たま‐に恋人だったり…そんないい関係を、ずっとこの先も、続けて行けるよね。

お互いに彼氏が出来て、結婚しても、私達の絆は、
一生崩れないよ…って言ってくれたあゆ美ちゃんの言葉が、私をまたひとつ、強く、大人にしてくれた。

ポケットの中の、三枚の桜貝は、いつまでも大事に取っておこう…

私達は、見つめ合い、手を取り合って、
静かに、お互いをいとおしむ様に、唇を触れ合わせた…

私の、恋人の様に大切な友達と、この三泊四日の短い旅を…

私は、一生、忘れないよ…

END
707名無しさん@秘密の花園:2006/10/21(土) 00:32:19 ID:cDilK0Dn
ここは離島で、よく芸能人がお忍びデートで訪れるので、その辺から想像膨らませて書いてみました。

今の季節は本当に海が静かで、きれいですよ!
708名無しさん@秘密の花園:2006/10/21(土) 15:09:43 ID:Hza+hu8h
GJ
709名無しさん@秘密の花園:2006/10/21(土) 18:51:40 ID:3JA0MwCG
美香ちゃん+アコギ+ブルースハープの組み合わせが面白いと思いました。
710名無しさん@秘密の花園:2006/10/21(土) 20:11:25 ID:sPWVjg0b
新作いっぱいキターー!!
GJですっ!!
711名無しさん@秘密の花園:2006/10/21(土) 23:16:25 ID:7B+ntwGQ
美香@看護士を書いてる者です。

少し過去に書いた物の補完的な話を書いてもよろしいでしょうか?
712名無しさん@秘密の花園:2006/10/21(土) 23:23:58 ID:cDilK0Dn
>>711
是非書いて下さい!
713名無しさん@秘密の花園:2006/10/22(日) 00:29:28 ID:wI4DQMkA
>>712
>>711です。
これから書きたい話をする上で、美香と出会った頃のあゆ美の心情や状況を
少し書き足したかったんで。その意味での補完です。
714名無しさん@秘密の花園:2006/10/22(日) 02:49:29 ID:13KO9dww
>>713
どうぞ。
あゆ美と美香の心情や、揺れ動く気持ちとかを描いてる作品は大好き。

切なくてハードなのも良かったらお願いします!
715名無しさん@秘密の花園:2006/10/23(月) 07:45:42 ID:UX/7PSRo
>>711さん
楽しみにしてます。
つなぎで短編投下していいですか?
716名無しさん@秘密の花園:2006/10/23(月) 07:59:02 ID:gQUn0apg
気軽にいろいろ投下して下さいね〜!
出来るだけ感想書きますので…。
717名無しさん@秘密の花園:2006/10/23(月) 19:47:36 ID:E20f3n0N
投下します。
刑事黄桃+ゲストの短編です。
ゲストは誰でしょう?
718名無しさん@秘密の花園:2006/10/23(月) 19:48:35 ID:E20f3n0N
take your hand


昼下がり。
私とウメコはパトロールの帰りに、銀杏の木に囲まれた公園に立ち寄った。
秋の陽射しが気持ちよくて、絶好の行楽日和。

「ジャスミン、お腹空いたね〜」
「そうだそうだと言いました、マル。ペコがはらはら」
「それをいうなら、腹がペコペコ」

色気より食い気、食欲の秋、花より団子。
いつもならウメコの方から「ねぇ、手繋ごうよ」って言ってくるけど、お昼ご飯も食べないまま捕り物をやってたから甘やかせたり、甘い言葉を囁く元気も出ない。

「ん?いい匂いしない?」
ソースの匂いと焼きたてパンの香ばしい香りが私達の鼻を擽ってくる。

【カツサンドとチーズホットサンド 二つで百円】

匂いの方向へ顔を向けると、可愛い字で書かれた看板とワゴン車が目に入る。
隣からゴクン、と喉を鳴らすのが聞こえた。
心の中のウメコがよだれをだらだら垂らしてる事くらい、手を握らなくっても解る。
ま、私もそうだしね。
719名無しさん@秘密の花園:2006/10/23(月) 19:49:30 ID:E20f3n0N
「喰いしんぼ」
「そっちもでしょ〜。」
「買って帰ろっか」
「うん!反対の賛成!」
まねっこはよくないよ?

二人揃ってお店に近付いた時、SPライセンスが鳴り響く。
アリエナイザー出現のエマージェンシーコールだ。

出現位置は、私たちが居る場所からすぐ近く。
「あと回しだね」
「うん。ウメコ、チェンジスタンバイ!」
「ロジャー!!」

ライセンスのチェンジモードのスイッチを入れようとした瞬間、「ギャアッ!!」という声がしてから物凄い音が二回、立て続けに響いてきた。
まるでボールがバットにクリーンヒットした時のような快音。
はてさて、何じゃらほい?

振り向いたら人がわらわら、騒動の中心に駆け寄ってみると・・・アリエナイザーと思しい宇宙人が大の字にノビてて、そのすぐ横で一人の男の人が申し訳なさそうに頭を掻いてた。

太鼓のバチみたいな棒を二本持ってるけど・・・まさかそれで殴って気絶させちゃったの!?
720名無しさん@秘密の花園:2006/10/23(月) 19:50:41 ID:E20f3n0N
すぐに照合確認してみると、指名手配を受けてたアリエナイザーだった。
連行する為に皆に連絡した後、何となく面白そうだったので彼と話をしてみる。
見た目は私たちよりちょっと年上で、気さくで頼りになりそうな感じの人。
「何かやってらっしゃるんですか?」
「そうだなぁ、人助けと・・・」
彼は口をそろえた私とウメコの問いに男の子みたいな笑顔を作って答えた後、ちょっと間を置いて続けた。

「二人みたいにラブラブな人達の応援をする事、かな・・・?」

ハッとして我に帰る、と・・・知らないうちに手を握られてた。
「離れて」
「やだ」
「こらっ!」
「やぁだぁ」

男の人の一言に気を良くしたのか、少女漫画のヒロインみたいに目をきらきらさせながら腕にしがみ付いてくる。
嬉しい、でも今は勤務中。
耳まで真っ赤にして、彼女を振り解いた。

そんな私たちを尻目に男の人は決め台詞と、手首で目の前を凪ぐようなポーズを取って雑踏の中に消えていった。

「結構、鍛えてます!!」
721名無しさん@秘密の花園:2006/10/23(月) 19:51:39 ID:E20f3n0N
まあ何はともあれ、これにて一件コンプリート!
カツサンドとホットサンドを二つずつ買って遅いお昼を楽しむ。
ソースが染みた厚切りのカツとふかふかのパンがとっても美味しい。

満腹になったら頭がちゃんと働くようになってた。
私はさっきされた事を思い出すのと同時に、今この時に感謝しながら、美味しそうにホットサンドを頬張ってる彼女を見た。

今ウメコは、私の隣に居てくれてるんだ。
一年前はセンちゃんと一緒だった貴女が、今は私の傍に居てくれてるんだね。

ありがとうね。

――さっきじゃれ合えなくてごめんね。大好き!!――

心の中で呟いて、ウメコの腕にしがみ付いた。

「ちょっと、食べれないよ!」
「やだ」
「もう、だめだってば!!」
「やぁだぁ」

陽が落ちはじめて長くなった影が、一つになった。


fin
722名無しさん@秘密の花園:2006/10/23(月) 23:36:23 ID:bT+qEutT
>>718-721
いいね、いいね〜
ここには色々な小説が投下されて全部好きだけど、
やっぱり、めぐりめぐってウメジャスは最高ですね。
1年間実際に映像で見てきたからかなぁ
723名無しさん@秘密の花園:2006/10/24(火) 00:17:59 ID:8+e3Ziqz
ゲストは仮面ライダーの人かな?
ごめん分かんないな…
724名無しさん@秘密の花園:2006/10/24(火) 01:15:10 ID:1jB492w3
ヒビキさーん!!
相も変わらずGJでした
725名無しさん@秘密の花園:2006/10/24(火) 01:54:57 ID:8+e3Ziqz
あ、ヒビキさんだ!
726名無しさん@秘密の花園:2006/10/24(火) 07:16:24 ID:yMl2V4PG
感想、感謝します。
投下する時「他のキャラクターと絡ませてもいいのか」と思いましたが、良かったです。
ジャスウメとカブトのキャラクター達とのやりとりを書くうちに、ヒビキも出してみたくなって書きました。
他の人の作品も楽しみです。
また何か書かせていただきます。
727名無しさん@秘密の花園:2006/10/24(火) 09:18:43 ID:8+e3Ziqz
>>702-706
の話の様にあゆ美ちゃんと美香ちゃん(ジャスミンとウメコ)の心の絆は永遠に不滅であって欲しい!
このスレもずっと続きますように・・・
728名無しさん@秘密の花園:2006/10/25(水) 08:00:59 ID:HN53/6Ap
保育士のあゆ美先生読みたいです。
729名無しさん@秘密の花園:2006/10/25(水) 08:47:51 ID:ME/bCXrJ
看護士美香とあゆ美先生の話も待ってま〜す
730名無しさん@秘密の花園:2006/10/25(水) 17:13:35 ID:VCOTYAM8
今度はアリエナイザーと戦う展開も入れて書いてください!!
ゲスト有りで!!
731名無しさん@秘密の花園:2006/10/25(水) 23:38:54 ID:VNTvMTYe
あのう・・このスレはあくまで美香&あゆ美の百合であって
やたら場違いなゲストが登場する話は本スレに投下した方が適切かと思うんですが?

読み手の立場でナマイキ言ってすみません。
732名無しさん@秘密の花園:2006/10/26(木) 00:10:54 ID:6ZwXVW3U
>>731さんの意見も分かる気がします。

私はあゆ美と美香の百合を出来るだけシンプルに書いて行きたいと思ってるひとりです。
その軸さえ崩さなければ、いろいろあって楽しいとも思いますが…いかがなものでしょうか?
率直なご意見いただけると書き手としても参考にしますが…。
733名無しさん@秘密の花園:2006/10/26(木) 07:02:56 ID:+TYU1AAm
今まで話を書いてた人間ですが、はじめは軽いつもりで書いてました。
ただ主役の二人を引き立てるというか、チョイ役として。
でも短編的なものとして、>>731様の意見も面白いなとも思いました(本気で構想練ってみたりしましたw)。
>>732様の言うように、軸を崩さなければいいんではないかと思いました。
734名無しさん@秘密の花園:2006/10/26(木) 19:08:49 ID:6ZwXVW3U
>>733さんどうも有難う。二人の百合要素があれば、いろんな形があっていいですよね!

前ウメコがジャスミンを、癒しながらも責めるのを書いたので、
今度は逆パターンで書いてる所ですが、責める描写が似たような表現になったりしてまとまりません。

ハードな描写はどこまで描いていいのかが難しいです…。
出来たら投下させて頂きますのでよろしくお願いします。
735名無しさん@秘密の花園:2006/10/26(木) 19:22:40 ID:yMgjFu+h
>>734
待ってるぞ
736名無しさん@秘密の花園:2006/10/27(金) 00:30:52 ID:Ai6qUTMm
保育士のあゆ美先生と保育園児美香ちゃんの関係はどこまで進めてよいものか(苦笑)。
ほのぼのでくすぐったい感じだといいな、と思いつつ、投下します。
737名無しさん@秘密の花園:2006/10/27(金) 00:31:48 ID:Ai6qUTMm
「あれ?」
繋いだ手が熱い気がした。
「なに?」
目をぱちぱちさせて、美香ちゃんが私を見上げる。
「美香ちゃん、眠い?」
「ううん」
ぷるぷると首を振る。
 そして首を振り終わった後、ほんの少しだけ美香ちゃんがバランスを崩した。
「あ」
すぐに姿勢を立て直して、美香ちゃんはちゃんと立っていたけれど、ようやくそこで私は異変に気付いた。
 美香ちゃんの目線に合わせて、しゃがみこむ。
「美香ちゃん」
繋いでいた手を離して、顔を挟むようにほっぺたに手を当てる。やっぱりいつもより熱い気がする。
「あゆ美せんせぇ?」
前髪をかき上げて、こつんと額を合わせる。やっぱり熱い。
738名無しさん@秘密の花園:2006/10/27(金) 00:32:45 ID:Ai6qUTMm
「美香ちゃん、お熱あるでしょ? いつから?」
「……え……」
いつからだったんだろう。全然気が付かなかった。お弁当もちゃんと食べていたし、お遊戯の時もおかしなところは無かった。
 それとも単に見逃していたのか。
 情けない気持ちでいっぱいになる。帰る間際になって、ようやく気付いてあげられるなんて。
「……あゆ美せんせぇ?」
肩をすくめて、小さな体をさらに小さくして、美香ちゃんが不安そうに私を見ていた。
「気持ち悪くなったりしてない? ……いつからしんどかった?」
「……しんどくないよ? ちょっとぼーっとするけど」
「ぼーっとする?」
多分風邪だろう。ここのところ、気温も安定していなかったし、風邪も流行っている。
739名無しさん@秘密の花園:2006/10/27(金) 00:33:22 ID:Ai6qUTMm
「……ちょ、ちょこっとだけぇ……。へいきだよぉ……」
「ホント?」
「……ごめんなさい……」
「え?」
「……だって、あゆ美せんせい、おこってるー……」
「え」
言われて初めて気付く。……まいったなぁ、ホントにこんなことじゃ駄目だ。
 小さく息を吐いて、ゆっくり笑顔を作る。
「怒ってないよ。心配しただけ」
「……ホント?」
「うん。美香ちゃんが病気になっちゃってたらどうしよう、って心配しただけ」
こつんとおでこをくっつけて、頭を撫でる。
 美香ちゃんはほっとしたように、笑顔をみせてくれたけれど、やっぱりくっつけたおでこはいつもより熱くて、ほっぺたは赤かった。
740名無しさん@秘密の花園:2006/10/27(金) 00:37:07 ID:Ai6qUTMm
「おかーさんのお迎えがくるまで、寝てようね?」
「……」
「なに?」
「……せんせぇ、そばにいてくれる?」
「うん、いいよ。添い寝してあげる」
あと園内に残っているのは居残り組の数人だし、園長先生と載寧先生に一言声をかけておいたら大丈夫だろう。
 「そばにいて」というのが添い寝とは思っていなかったようで、美香ちゃんはすこし驚いた顔をしていたけれど、それには構わずに美香ちゃんの腕の間に手を入れて抱き上げる。
「お熱も計って、お医者さんにも見て貰わないとね」
「……おいしゃさん……」
照れくさそうに笑っていた美香ちゃんの顔がみるみる曇って泣き出しそうな顔になる。ぎゅうと私の肩にしがみついて、顔を押しつけてきた。
「……ちゅうしゃ、やだぁ……」
くぐもった声に、思わず吹き出しそうになった。
741名無しさん@秘密の花園:2006/10/27(金) 00:38:08 ID:Ai6qUTMm
「大丈夫だよー」
「……いたいもん……」
「早めにおねんねしていい子にしてたら、甘いお薬だけですむよ」
「ホント?」
「多分」
「……ぅえ〜〜」
ぽんぽんと背中を叩いて、いつもより熱い体を軽く抱きしめる。
「美香ちゃんが保育園来ないと先生も寂しいから、ちゃんと早く治してね?」
「……うん!」
いつも通りの元気のいい返事。
 そのあとに、ぎゅっと私にしがみついて、美香ちゃんが
「げんきになったら、ちゅーしてもいい?」
と耳元で照れくさそうに囁いた。
 ……おや。おませさんになってきたのかなぁ?
 まぁ美香ちゃんの言う「ちゅー」なんてまだほっぺくらいだろうけど。
 別に今でもいいんだけど、と思ったけれど、病気は早めに治して貰わないと困るのでおあずけにしておこう。
 だから、軽く髪を撫でて、
「元気になったらね」
と、笑って言った。

END.
742名無しさん@秘密の花園:2006/10/27(金) 01:23:28 ID:SeW9ZehF
>>737-741
この何ともいえない感覚が堪らないですな〜
いつの間にか、このシリーズにどっぷりハマッとるw
小さい子は無垢だし、その小さい子相手の優しさもまた無償の優しさだから
読んでいて温かい気持ちになりますよ
743名無しさん@秘密の花園:2006/10/27(金) 02:29:49 ID:L5Eeuef/
ありがとうすごくよかった
744名無しさん@秘密の花園:2006/10/27(金) 07:01:31 ID:mlsakT47
ありがとうございます、凄く読みたかった。
いいんです、この感じが最高にいい!
745名無しさん@秘密の花園:2006/10/27(金) 19:14:33 ID:vXkHez4Z
>>737-741
どうもありがとう。
最高です!!
746名無しさん@秘密の花園:2006/10/28(土) 16:18:22 ID:aww0A8Ki
ピュアな話の次はハードなのも読みたいな‐なんて思ってんのは俺だけかい??
747名無しさん@秘密の花園:2006/10/28(土) 22:38:12 ID:azU9nU5e
何でも投下していいんですよ、後味悪くなるようなものでなければ。
748名無しさん@秘密の花園:2006/10/29(日) 09:20:59 ID:GRyShh7U
刑事黄桃、今書いております。しばらくお待ちください。
ラブラブな長編と短編書いてますが・・・短編、ゲスト有りで投下してよろしいでしょうか?
749名無しさん@秘密の花園:2006/10/29(日) 10:02:41 ID:5o5gY/f8
もちのろん
750名無しさん@秘密の花園:2006/10/29(日) 10:16:35 ID:ZvDaJPZP
>>748
どうぞ!待ってます!  
それから、ここは怨み屋の放送がまだ途中なのでお聞きしたいのですが、
怨み屋=新城聖美で間違いないですか?
怨み屋と美香の話を書く参考にしたいのでどなたか教えて下さい。
751名無しさん@秘密の花園:2006/10/29(日) 10:25:23 ID:HC5jTLhs
>>750
ドラマ板で議論があったが、最終回が曖昧な終わり方をしている以上結論は出ていない。
この点に関してはドラマ制作者に聞くしかないと思われる。
752名無しさん@秘密の花園:2006/10/29(日) 10:54:01 ID:ZvDaJPZP
>>751
有難うございます。
それでは名前を使わない方向で考えてみます。
753名無しさん@秘密の花園:2006/10/29(日) 18:39:19 ID:zdumKN8I
>>748
>>750
お待ちしております
754名無しさん@秘密の花園:2006/10/30(月) 17:12:47 ID:hnc9jQa8
今美香スレの流れ見てたらさみしい〜〜気分になってきたよ。
この二人って今付き合い無いの?
755名無しさん@秘密の花園:2006/10/30(月) 18:45:56 ID:J6Qdx6D/
関係ないでしょ、そんなこと。
向こうは向こう、こっちはこっち!
756名無しさん@秘密の花園:2006/10/30(月) 20:27:57 ID:hnc9jQa8
はい!!分かりました!!寂しがってる時間があったらなんか話でも考えますっ!
757名無しさん@秘密の花園:2006/10/31(火) 18:14:51 ID:uDwLY0Qj
刑事黄桃、投下します。エロ注意。
758名無しさん@秘密の花園:2006/10/31(火) 18:15:52 ID:uDwLY0Qj
Episode−ex「ビリーブ・イン・ラブ」


今日は一緒に休暇。
わたしが彼女の部屋に入って目にしたのは、パジャマのままおはようを言うジャスミンだった。
どうやら季節の変わり目の体調不良。
まったく、なにが大丈Vよ?顔真っ赤だし、足元フラフラじゃん!!

「グッドモ〜ニング!ハウドゥユ〜ドゥ〜〜?」
「おはよ!元気いいよ・・・って声ヘンだよ、風邪?」
「ザッツラ〜〜イト、大丈V」
「ちょっと、何してんの?」
「デート、デート!!私、今日はウメコに話っていうかプレゼントあって・・・」
「寝てなきゃダメだよ!」

パジャマを脱ごうとするジャスミンを制して押さえつける。
たぶん、いつもなら立場が逆。
わたしが無茶をして彼女に窘められるけど今日は違ってた。
なんか、落ち着きが無いっていうか・・・わたしと彼女の中身が入れ替わっちゃったみたい。
759名無しさん@秘密の花園:2006/10/31(火) 18:16:41 ID:uDwLY0Qj
とにもかくにもマーフィーみたいに暴れるジャスミンをベッドに引きずり戻した。布団を目の下まで被った彼女のおでこを触ってみたらちょっぴり熱い。
「熱ある」
「へい、さようで」
「微熱続くのって、思ってる以上に辛いんだよ?」
「でもせっかくのお休み・・・」
わがまま言わないの!!そんなので出かけるなんてムチャクチャだよ。

自分のバッグをフローリングに放り出すと体温計を差し出して、お粥を作る仕度をしながら冷蔵庫から氷を出して氷嚢を作る。
わたしが彼女の「彼女」になってから、色んな事を教えてもらってた。
友達の時も教えてもらってたけど、それよりももっと、ずっと。
おかげさまで、いまでは料理も家事もお手の物、おそらく昔だったら・・・っていうか、ジャスミンと付き合ってなかったらしてなかっただろうな。

「あっ、何で起きたの?」
「美味しそうな匂いしてるからだよ。ウメコ、上達したね。よしよし」
ちゃんちゃんこを羽織って、ジャスミンはわたしの隣にやってきてわたしの頭を撫でる。
760名無しさん@秘密の花園:2006/10/31(火) 18:18:04 ID:uDwLY0Qj
「美味しい?」
「うん、バッチグー!」
彼女の頷きながらの一言に、思わず嬉しくなる。
わたしが作ったのはちょっぴりかつおだしで味付けしたお粥。
早く元気になって欲しいから、卵を落として、梅干しも添えて。

「ほら、もっと食べなきゃダメだよ」
わたしはお粥を平らげたジャスミンのお茶碗を取って、二杯目をよそう。
「ウメコ」
「ん?」
ちょっと間をおいて、恥ずかしそうに、照れくさそうに口を開いた。

「・・・食べさせて」

ちょっとびっくりして、ドキッとする。

「どうしたのよ?一体」
「よかろうもん、食べさせて」
普段は大人っぽくて綺麗な彼女が、まるでちっちゃな女の子みたいにはにかんだ。

どうしようもないなぁ、もう。
いつも甘えるのはわたしだから、たまにはこういうのもいいかな?
「ほらほら、あーんして」
「あーん」
「まりかちゃん、おいちい?」
「おいち・・・こらっ!」
スプーンを取ってフーフー冷ましながらお粥を運ぶと、ジャスミンは嬉しそうに口を動かした。

『・・・お父さんやお母さんにこんなことしてもらった事、なかったのかな・・・』

ジャスミンのイニシャルナンバーと同じ四口目を運びながら、わたしは彼女がいつか話してくれたこと、そして自分自身のことを思い出してた。
761名無しさん@秘密の花園:2006/10/31(火) 18:19:05 ID:uDwLY0Qj
小さな時、生まれ持ったエスパーの力が原因でお父さんとお母さんに捨てられてしまったこと。
友達にも避けられて、自暴自棄になってたこと。
皆と出会って、明るく振る舞えるようになったこと。

そして、わたしを好きになってくれたこと。

だけどわたしはそんな彼女の気持ちも分からなくて・・・センさんと付き合ってた時、たくさん寂しい想いをさせてた。
いつも自分の事ばっかりで、わがままに接して・・・

一人でいっぱい泣いてたのかな?
今もしわたしが居なかったら、一人で寝込んでたのかな?
可哀想な事しちゃってたのかな?

何で、こんな余計なこと考えちゃうんだろ・・・・・・
762名無しさん@秘密の花園:2006/10/31(火) 18:20:23 ID:uDwLY0Qj
「なにゆえ?」
じわっと、視界が滲む。
気が付いたら涙が止まらなくなってた。
「見ないでよぉ、ばか」
彼女の顔をまともに見れないから瞳を伏せるように俯いた。
傍目から見たら理由も無いのにいきなり泣き出しちゃったから、びっくりするの無理ないよね。

ジャスミンは顔を覗かせて頭を撫でる。
わたしは顔を上げて涙の理由を言おうとするけど、嗚咽にかき消されて言葉が出ない。
『涙が止まって』って思えば思うほど溢れて、滴がお茶碗の中に落ちていく。

「目・・・閉じてミソ」
彼女の言葉に従った次の瞬間、右の頬っぺたに感じたのは熱くて柔らかい感触だった。

「ジャスミン・・・」
「何にも言わなくていいよ?」
わたしの涙を拭うように熱を持った頬を擦り付けながら頭を撫でて、心の中を読み取ってくれてた。
優しさが嬉しくて、嬉しくて、閉じた瞼がまた濡れる。
涙と一緒に、もやもやしてた悲しい気持ちが流れていくように感じた。

しゃくり上げるのが止まるまで、頬っぺたを重ね続けてくれた。
763名無しさん@秘密の花園:2006/10/31(火) 18:21:16 ID:uDwLY0Qj
目を開けると、ジャスミンは優しく微笑んでくれた。
涙の理由なんて聞かないで、ただ優しく笑ってる。

「ほらほら、あーんして」
そうだ、わたしもお腹空いてるんだ。
今度は彼女がお粥を運んでくれる。

「こうめちゃん、おいちい?」
「おいしい」って言いたかったけど、まだ何かを言おうとしたら込み上げてきちゃいそうだから首を縦に振るだけの返事をした。
「本当、泣き虫で困ったちゃんだ。どっちが看病してるか分かんないよ、ニンともカンとも!」

それから、二人でお粥を食べた。
一杯ずつ、交代で口に運ばせあって食べた。
たくさん「おいしいね」って言い合って食べた。

幸せだけど・・・もう止めてよ、小さい子供みたいじゃん。
764名無しさん@秘密の花園:2006/10/31(火) 18:22:29 ID:uDwLY0Qj
食事を終えて、片付け終わる頃にはお昼を回ってた。
何もすることがないから、わたしも一緒にベッドに入って寄り添うようにして、ジャスミンの髪の毛を撫でてた。
もう辺りまで伸びてて、優しくわたしの顔に掛かってる。
シャンプーの匂いなんかじゃない、彼女の匂い。

「ねぇ」
「なあに?」
「おかゆさん、ウメコの味がしたよ」
「だってあたしが作ったんだもん、当たり前田の・・・」
彼女のまねっこをしようとしたわたしの唇に、ノンノンと指先を押し当ててから続ける。

「涙の味だよ。私の事、いっつも想ってくれてるウメコの優しさの味。あ〜〜・・・」

彼女が恥ずかしそうに笑った。
照れを隠すように、手を握ってきてくれた。
落ち着いて聞くと、すっごく恥ずかしくて『クサイ』のに、不思議とわたしも嬉しい。
とっても満たされた気持ちになって、ジャスミンを見ると・・・まっかっか。

ほらぁ、また熱いよ?
765名無しさん@秘密の花園:2006/10/31(火) 18:23:54 ID:uDwLY0Qj
「アイムソーリー、ヒゲソーリー。ちょっと待ってね、薬飲んでくるから」

ずっと手を握り締めたまま、わたしを見つめてる。
飲まないの?
早く飲んでおいでよ。
・・・考えてること、わかるよね?

「おくすりになりたい」なんて、恥ずかしくて言えないんだよ。
「わたしに移していいよ」って、恥ずかしくて言えないんだよ。

「・・・よござんすか?」
「よござんすよ。」

彼女の顔がゆっくりゼロまで近付いてくる。
読み取ってくれたんだね。

頷いたわたしの唇に、熱を帯びた唇が重なった。

やっぱり、熱い。
まだ熱は引いてないけど、柔らかな感触と漏れる吐息の甘い匂いは変わらなかった。
今度はジャスミンが唇を押し付けて、離す。

代わる代わるにチュッ、チュッと交わす。
766名無しさん@秘密の花園:2006/10/31(火) 18:24:59 ID:uDwLY0Qj
「にゃ〜〜ん」
いきなりジャスミンは猫の鳴き声を真似した。
「なんか猫とキスしてるみたいだよ?かつおの匂いする・・・」
「ごめん、ちょっと利き過ぎちゃった。」
でもいいもん。
かつおの匂いでも、ニンニクの匂いでも、ジャスミンの事大好きだから。

笑い合って、また唇を合わせた。
今度はお互いを味わう。
ヌルッと舌を挿し込んだら、彼女は前歯を開けてわたしを受け入れてくれた。

薄目がちになって唾液をお互いの喉の奥に注ぎ込ませながら、舌を絡ませたり唇や歯の裏、歯茎を舐め回す。
唾液の糸を引かせて、唇を離した。

「ストリップしよっか?ちょっとだけよ〜。」
濡れた音をさせて二度唇を触れ合わせてから、彼女は笑ってパジャマを脱ぎ始めた。
ストリップという彼女の言葉に操られるように「うん」と頷いて、わたしも服を脱ぐ。
彼女はパジャマの下に何も着けてなくて、すぐにほんのり赤みかかった肌が露わになる。
裸になって一緒にベッドに潜り込むなり、ジャスミンはわたしの後ろから手を伸ばして胸を触りながら耳の穴に舌を入れてきた。
「や、あっ・・・」
耳たぶを甘く噛まれて、耳の裏にヌメヌメした感覚が這い回る。
両方の耳にキスされた後、うなじに唇と歯を押し当てられた。

767名無しさん@秘密の花園:2006/10/31(火) 18:27:01 ID:uDwLY0Qj
「や〜い、ウメコのえっち〜」
「ばかぁ・・・」
からかわれるように言われて、余計に身体が疼いていく。
ビクン、と身体が仰け反るのと同時に、彼女の指に挟まれてた胸の突起が膨らんでいく。
そのまま、人差し指で押されたり軽く抓まれた。
指と掌でわたしの胸を弄った後、ジャスミンは体勢を入れ替えて上に被さってきた。
ぷるん、と音がしそうなほどに柔らかい胸が、乳房にこぼれる。
でもわたしのと同じように、乳首だけは硬く勃ち上がってた。

「そっちだって、えっちじゃん・・・」
「おだまり」
唇を塞がれて、舌を絡ませてくる。
唇を舐め合いながらキスして、彼女は胸を押し当てて左右に動いてきた。
桜色に染まった乳首が擦れ合う度に、吐息混じりの声が漏れる。
「ふあっ、あ・・・あっ・・・ジャスミン、動かないで、動いちゃやだ、ぁ・・・」
そのまま唇から顎、喉、鎖骨の窪みを舐められていく。
胸を離してから、乳房にキスされた。
硬くなった乳首に吸い付かれて口の中で舌を使って転がされたり、歯を立てられたり・・・
飛びそうな意識と痺れそうな感覚の中で、わたしの視界に入ってきたのは宙を彷徨ってた彼女の右手。
768名無しさん@秘密の花園:2006/10/31(火) 18:27:49 ID:uDwLY0Qj
無意識に取ってた。
ギュッと握ってから、細い彼女の指を舐めていく。

(ワタシモシテアゲルネ)
「あ・・・っ・・・・・・」

『大好き』と『淫らな気持ち』を込めるように、親指から順番に口に含んだ。
爪の間も、指の裏も、指の股も、掌も手の甲にも、唾液を塗した。
指を舐められてる彼女もわたしを愛し続けてて、脇腹や腰の回りにキスの雨を落としてる。

「あぁぁん・・・やぁぁ」
身体から力が抜ける。
お臍の中に彼女の舌が入り込んだ時、思わず手を離した。
「おへそ、やだ・・・」
キュンと、女の子の部分が疼いていく。
「・・・やだなんて言っちゃやだ・・・おくすり、おいしい・・・」
ジャスミンは吐息だけで言葉を発して、わたしが膝を合わせようとするのを邪魔するように、濡れた右手を滑り込ませていく。
感じる部分だとか、声が変わる場所だとか・・・そういうのを全部知り尽くしてる触り方でわたしを愛してくれる。
769名無しさん@秘密の花園:2006/10/31(火) 18:28:38 ID:uDwLY0Qj
やがて彼女は、指を這わせてた場所に顔を寄せてきた。

「あんっ・・・あっ・・・ジャスミ・・・んっあ、あ・・・」
ジャスミンは鼻を埋めて、指で広げながら口付けしてきた。
溢れてくる蜜を舐め取るように舌が伸びてくる。
一枚ずつをなぞられて、紅く尖った真珠を唇で挟まれる。

「ひゃんっ!・・・やだ、やだ・・・ぁ」
足を持ち上げられてトロリとした蜜が滴る後ろ側のつぼみも、舌先で触られる。
わたしの拒絶なんてお構いなしに、ペロペロ舐め回された。

「あん・・・・・・ッ」

『愛してる』という単語が瞬間的に浮かんだ時、脱力感と焼かれるような感覚が全身に広がった。
770名無しさん@秘密の花園:2006/10/31(火) 18:29:41 ID:uDwLY0Qj
無言のまま、余韻に浸るわたしに肌を預けてきた。
「ジャスミン、まだ熱いよ・・・大丈夫?」
「うん、何とかね」
「じゃ立てる・・・?今度はわたしがしてあげる。汗かいたほうが治り早いし・・・」
「・・・・・・」

ダメじゃん、読まれてる。
ジャスミンは『うそつき』とでも言いたそうな顔をして笑って、壁にもたれながら立ち上がって正面を向いた。

――我慢できなかったら、座ってね――

口移しでそう伝えた後、甘ったるい汗の匂いに導かれるように首筋を舐め下りていく。
「あぁっ・・・」
強く抱き寄せながら乳房に口付けして、脇腹からお腹に舌を這わせると彼女は身体を捩じらせて、首を横に振った。
「やさしくして・・・シャワー浴びてないから恥ずかしい、よ・・・・・・」
か細くなった声と表情が可愛くて・・・わたしは興奮しながら愛し続けた。
さっきされたみたいにお臍にキスした。
キスだけじゃなくて回りを舐め回したり、強く吸ったりした。
鼻に掛かった甘い声は、どんどん上ずって大きくなっていく。
太腿に滴れてる蜜を舐め取って、膝を付きながら足首と足の指を舐めた。
足元がかくかく震えていって、ねばねばした蜜が床に落ちていく。
771名無しさん@秘密の花園:2006/10/31(火) 18:31:08 ID:uDwLY0Qj
「待たせてごめんね・・・」
足首から太腿を舐め上げてから、濡れた場所に口付けした。
「ひんっ・・・あんっ・・・あ!っ・・・・・・」
入り口に唇を被せて舌を挿し込ませてクチュクチュ掻き回すように舐めながら、ぷっくり勃った突起を指で捉えた。
壁にさばってたジャスミンの身体は、砕けるように崩れていく。

(まだこっち残ってるよ・・・?)
「そこ舐めちゃだめ・・・・・・やぁん・・・」

力の無い声が、耳に入る。
お尻の谷間に、汗が籠もってる。
四つん這いになった彼女の後ろのつぼみにキスすると、蜜の匂いがもっと強くなっていくように感じた。
しつこく舐め回してから舌先を尖らせて内側で動かしたり、唇で触れたりしながら、蜜であふれかえる場所に指を入れて激しく動かした。

仰け反る彼女の身体から、汗が飛び散る。
泣き出しそうな声を上げながら、ジャスミンは肌を震わせて――――――――


その後、何度も愛し合った。
バスルームで汗を洗い流しながらキスして、弄い合って。
またベッドに戻っても、抱き合って舐め合った。

日長一日、ずっとずっと求め合った。
772名無しさん@秘密の花園:2006/10/31(火) 18:32:00 ID:uDwLY0Qj
「下がってる」
「やったね!どう、あたしが治したんだよ?感謝してね」
「おばか!でも、汗かくの手伝ってくれてありがとさん。」

電子体温計に表示された数字は(36.5℃)。
すっかり熱が引いて、顔色も元に戻ってた。
今日は帰るつもりだったけど、結局彼女の部屋に泊まって朝帰りする事にした。
またお粥を作って二人で食べてベッドの中で玉子酒を飲みながら、わたしはジャスミンの言ってた『プレゼント』を思い出した。

「ああ、それは明日までヒ・ミ・ツ!」
「何よ!いいかげん教えてくれてもいいでしょ?」
「だめ!今言ったらたぶんウメコ、寝かせてくれないもん。明日まで・・・ね?」
・・・ま、いっか。

(今日ね、わたしがお布団だよ・・・?)
明日まで待てそうになかったから、彼女にそっと抱きついた。
773名無しさん@秘密の花園:2006/10/31(火) 18:33:19 ID:uDwLY0Qj
一晩経った。
いつものように朝のパトロールに、一緒に出かけた。
管轄区内を一通り巡回し終わってから、彼女はマシンドーベルマンを海辺に走らせた。
誰も居ない海岸線で車から降りて、ちょっとだけ二人で海を眺めた。

「ウメコ、ちょっと待ってて」
ジャスミンは突然後ろを向いて、ポケットから何かをゴソゴソ取り出すとそれを首に結び付けて、わたしの方を向きなおした。
・・・ラッピングリボン?
にこにこしながらわたしを見つめてる。
「プレゼントだよ?はい」
「へ?」
意味を理解できないわたしに、ジャスミンははにかんで続けた。

「分かんない?ウメコ・・・小梅、お部屋半分こにして一緒に暮らそ。プレゼントって・・・わたしだよ?」

少し激しい波の音の中で、ジャスミンの一言がはっきり、聞こえた。
聞いた瞬間、案外素直に受け止められたかな、って思えた。
でも彼女の言葉は少しずつ、少しずつわたしの中で温かく、大きくなっていって。
ちょっと冷たい秋の風が吹いてるのに、熱くなって涙がこみ上げた。
774名無しさん@秘密の花園:2006/10/31(火) 18:34:24 ID:uDwLY0Qj
「あたし・・・お嫁さんになっていい・・・いいの・・・?」

わたしが言葉にならない言葉でしゃくり上げてそう言うと、ジャスミンも泣きそうな顔のまま頷いて手袋を外して、その場に放り出した。
力いっぱい手を握って、わたしは『今すぐにしたいこと』を伝える。

「うん。いいよ。・・・でもウメコ、今からキスしたら・・・もうセンちゃんのトコに戻れないよ。アーユーレディ?」

彼女はいつも、センさんの事を気にかけてた。
気になったりした事もあったけど、いつも包み込んでくれた。
もう大丈V、今度はわたしがジャスミンの寂しさも辛さも、包み込んであげるから。

――余計なこと、言わないで。もう、茉莉花から離れないから――

ジャスミンの手を頬にあてがって、唇を重ねた。
一瞬だけのキスは、最大のキス。

これにて一件コンプリート。
あなたがいれば、強くなれる・・・本当のわたしより、もっと。


fin
775名無しさん@秘密の花園:2006/10/31(火) 18:38:40 ID:uDwLY0Qj
前に書いたものを書き直すような形になりましたm(__)m
次はゲスト短編を投下していきたいと思います。
ほのぼのした話も書きたいと思います、保育士あゆ美先生みたいな。

776名無しさん@秘密の花園:2006/10/31(火) 23:16:04 ID:zp8DOH8O
よかった・・・。
いちいちツボ。
どうしてか涙を噛み締めてしまうよ。

777名無しさん@秘密の花園:2006/10/31(火) 23:45:25 ID:uyP/nHsE
最高
778名無しさん@秘密の花園:2006/11/01(水) 00:28:12 ID:voZBx08C
>>758-774
感動しました!
これってジャスウメの、究極の愛の形じゃないですか?
不覚にも読みながら泣いちゃいました…。

是非この続きも読んでみたいです。
779名無しさん@秘密の花園:2006/11/02(木) 09:16:09 ID:/gaY8nWK
この二人は結婚して一緒に暮らすのが、むしろ自然な事のように思えてくるよ。
このスレ読みはじめてから、そういう偏見が自分の中から消えていくのを感じてる。
ただひたすら、ジャスミンとウメコにハッピーになってほしい。
780775:2006/11/02(木) 18:48:30 ID:5NB6XOrF
>>776-779
有り難うございました。
「お嫁さん」という言い回しがいいかと思って使ってみましたが後で恥ずかしくなりました。
他の職人様の作品も読みたいので、是非お願いします。
あと、出来ればsageていただくと負担が少ないですw
生意気言って申し訳ございません、ではm(__)m
781名無しさん@秘密の花園:2006/11/02(木) 21:10:12 ID:/gaY8nWK
>>780サマ 
リアルな描写での擬態語の使い方など参考にさせて頂いております。
いつも有難うございます。
782名無しさん@秘密の花園:2006/11/03(金) 16:36:46 ID:Z+Cs+xSu
秋の夜長、なんとなーく何か読みたいな〜〜
783名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 00:12:54 ID:u/dyjnSM
なー
784名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 12:23:22 ID:q6BzK79y
書きたい話がありすぎてまとまらないよ〜(´人`)
785名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 18:02:45 ID:EBekNsEw
今、書いてます。短編書くつもりが中編くらいに・・・w
可愛い二人を書いてきましたが、エロなしラブラブでカッコいい二人を書いていいですか?
すいません、もう少しだけお待ちください。
786名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 18:56:53 ID:+ivQPq/3
おっと、今夜辺りできた長編投下しようと思ってたんですが、お先に投下しますか?>>785
こっちは別にいつでもいいですので。
787785:2006/11/04(土) 19:01:21 ID:9pu7qQBq
>>786
当分先ですよ!どうぞ・・てかwktkして待っております、どうか!!
788名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 21:34:27 ID:+ivQPq/3
それでは投下させていただきます!

お話は私が前書いた
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1148479926/213-218
鹿児島イベントの話
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1156329400/31-43
ツアー終了後の話
の続き、数年後のお話となります。ですが、読み返してもらわなくても大丈夫です。
つい続きを思いついて完成させてしまいました。今度こそ完結編です。

一気に書き込んでいきますが、長すぎて連続投稿規制にひっかかって途中で間隔が空くかもしれません…
7891・教会:2006/11/04(土) 21:36:04 ID:+ivQPq/3
純白のドレスに身を包んだあゆ美ちゃん。
"天使"って言葉がぴったり。
いつも明るいあゆ美ちゃんだけど、そんないつもの様子はどこかに消えて、お芝居で見せるような落ち着いた雰囲気をただよわせている。
あたしとあゆ美ちゃんは、ツインカム・エンジェルの回でウエディングドレスの衣装を着たけど、今日はあのときよりもずっとずっときれい。
当然だよね。今日は、ふたりにとって大切な日。

「あゆ美ちゃんと結婚したい!」なんてあたしはよく言ってたけど、半分冗談で、半分本気だった。
大好きなあゆ美ちゃんとずっと一緒になれたら、どんなにいいだろうって。
叶わない夢だってのはわかってたけど、心のどこかでずっと夢見てた。

『それでは、誓いの口づけを…』
牧師役の人に促されてベールアップをすると、きりりと引き締まった顔が現れた。
緊張してるのかな。少し表情がかたいや。
見つめあい、あゆ美ちゃんは遠くからではわからないくらいわずかにうなずいた後、ゆっくりと目を閉じた。


「(あっ、あっ、…あああーっ!!)」
「(うるさいな、静かにしてろよ)」
「(龍二くん、パトストライカーで向こうから突っ込んでじゃましてきて!)」
「(なんだよそれ! 第一話かよ!)」
「(しっ、ほら!)」

くちびるとくちびるが近づいていく。

790名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 21:36:47 ID:+ivQPq/3
「ちょっと待ったあーっ!」
あたしは教会の扉を思い切り開け、大声を上げてあゆ美ちゃんの元へ向かっていく。
「あゆ美ちゃんはあたしのものよ! 誰にも渡さないんだから!」
あたしはあゆ美ちゃんをお姫様抱っこし、窓をぶち破って連れ去っていった…

…頭の中で。


館内が静まりかえった。
みんなと、あゆ美ちゃんにとっては短い瞬間だったかもしれない。
あたしには、やたら長く感じた。

『今ここに一組の夫婦が誕生しました!』
拍手が巻き起こる。
くちびるが離れた後、照れくさいのか、あゆ美ちゃんは新郎から目をそらしてうつむいている。

ずっと夢見てた。想っていれば、いつか夢は叶うって。
自分の気持ちに素直になりすぎてたのかな。
でも、もうわかったんだ。今日こうやって招待されて、やっと実感する。
無理なんだ、って。

ああ、どうして。
今日はこんなにおめでたい日なのに。
どうしてこんなにさびしい気持ちになるの?

7912・披露宴開始前:2006/11/04(土) 21:37:46 ID:+ivQPq/3
〜 THE WEDDING VERSION! DEKARANGER 〜

教会での挙式の後、披露宴は都内ホテルの一会場を貸しきって盛大に行われる。
旦那さんは一般人なんだけど、あゆ美ちゃんの招待はスターダスト所属のタレントさんや、ドラマの共演者・スタッフさんと、芸能関係者も多い。
デカレンジャーの関係者は、もちろん招待されている。
あたしの座るテーブルには、あたしを含めたメンバー5人と、稲田さん、真子さんの7人が座る。
塚田プロデューサーをはじめとしたスタッフの皆さんもいて、別テーブルだ。
懐かしい顔ぶれ。ちょっとした同窓会気分だ。

披露宴が始まるのを待っている間、あたしは入り口で配られたプロフィール表を開いた。
ふたりの簡単な経歴、「お互いのどんなところが好き?」「どっちからプロポーズ?」なんてラブラブQ&Aも載っている。
なんだか、じっくり読みたくない。読むのが、辛い。

「美香ちゃんに紹介したい人がいるの」ってあゆ美ちゃんに言われて、あたしは初めて旦那さんと会った。
「デカレンジャー見てました!」なんてさわやかに言われちゃって。どうやら旦那さんがあたしに会いたがってたみたいなんだけど。
すっごくさわやかでかっこよくて、しかもいい人で。悪いところを見つけようにも見当たらない。それが逆に辛かった。
これがどうしようもないダメ男だったら猛反対できたのに。誰がどう見たってあゆ美ちゃんとはお似合いの美男美女カップル。
そして、紹介と同時に結婚予定だってのも聞かされた。
理想の結婚式プランをしゃべり出すふたり。いつもあたしがあゆ美ちゃんにしてたようなラブラブな雰囲気だった。
とてもじゃないけど、入っていけなかった。
792名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 21:38:49 ID:+ivQPq/3
「はぁ…」
無意識に大きなため息が出ていた。
「なんだよ、元気ないな」
剛史くんがあたしに声をかける。そんなに沈んでいるように見えたのかな?
「ん。いや、なんでもないよ」
「もっと楽しくいこうぜー! なぁ? いつもの美香らしくないぞ」
「そうそう。こんなおめでたい日に、久しぶりにみんなそろったんだし」
陽佑くんもいつもの調子だ。昔から変わっていない。
「いいわよねぇー結婚式。みんなは、結婚のご予定は?」
真子さんがみんなに問いかけると、にぎやかだったテーブルは一斉に黙り込んだ。
みんな予定がないんだな。そして、あたしも…。
「結婚したいですよ! もう少し落ち着いてから考えますね」
友一くんが微妙な言い回しをする。相手がいるの? いないの? どっちなのさ。
「役者ってお仕事は収入が不安定だから、なかなか踏み込めないところはありますよね」
龍二くんが突然現実的なことを言い出す。
うーん、男の人って結婚したら家庭を支えていかなきゃいけないよね。大変だ。
結婚って、人生にとっての一大事なんだな。
「そうねぇー。ま、みんなまだまだ若いんだし、じっくりゆっくり考えるといいわ。相手選びは慎重にね」
そういえば、真子さんって離婚暦があるんだっけ…。どう突っ込んでいいかわかんないよ。

『みなさん、大変長らくお待たせ致しました。ただいまよりしあわせいっぱいの新郎・新婦入場でございます。盛大な拍手でお迎え下さい』
次の会話に困っているちょうとそのとき、司会の女の人がしゃべり始めた。タイミングよく披露宴がスタートするようだ。
7933・新郎新婦入場:2006/11/04(土) 21:40:57 ID:+ivQPq/3
会場に壮大な曲が鳴り響く。
ドアが開いた。旦那さんが黒の袴、あゆ美ちゃんは全身白の和服姿だ。
「わー、すごーい」
「京都で撮影してたときを思い出すなぁ」
「ああ、あったねぇー」
陽佑くんたちは、あゆ美ちゃんと時代劇の仕事をやっている。
ドレス姿のあゆ美ちゃんもいいけど、和服も似合っていて、とっても女らしい。
「あの真っ白な和装はね、「白無垢」と言って、「これからどんな色にでも染まります」って意味があるのよ」
「へぇー!」
真子さんが女性ならではの豆知識を披露した。
「ほぅ。ということは、今日を堺にゆっくりと旦那さん色に染まっていきます、ってことだな!」
うっ…。
稲田さんのねっとりとした解説に、楽しかった気持ちが一気にまたブルーになった。
旦那さん色に染まっていくあゆ美ちゃん…。もうあゆ美ちゃんは旦那さんのものになっていくんだ。
794名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 21:41:49 ID:+ivQPq/3
旦那さんの上司などの挨拶の後、いっせいに乾杯をすると、テーブルには次々と豪華料理が運び込まれた。
「すっげー!」
男の子たちは、勢いよく料理にかぶりつく。
「ちょっとちょっとみんなぁ、あんまり食べ過ぎないでよ! あ、稲田さんも!」
「ん…これは…いける!」
ハイペースで稲田さんの口にはビールが注ぎ込まれている。
もう…本当に大丈夫かなぁ?

あたしは運ばれた料理を少し食べた後、"花より団子"のみんなは放っておいて、カメラを持ってあゆ美ちゃんが座る高砂へと向かう。
「あゆ美ちゃん」
「美香ちゃ〜ん!」
にっこり笑って手を振ってくれる。よかった、いつものあゆ美ちゃんだ。
「あゆ美ちゃん、きれい。きれいだよー。びっくりしちゃった」
「にゃはは、ありがと」
「あゆ美ちゃん、ね、写真撮ろ?」
和服姿のあゆ美ちゃんとツーショット写真が撮りたかったが、撮ってくれる人がいないことに気がついた。
隣に旦那さんがいる。さすがに撮ってもらうのは気が引ける。みんなを呼ぼうか。
「みんなぁ〜写真撮るよー! 集まってー!」
テーブルのみんなに声をかけたつもりだったが、別テーブルのデカレンジャースタッフさんも集まり始めた。高砂が人で溢れていく。
ちょっとの人数で撮るつもりが、これじゃあお疲れ様でしたの集合写真だ。ここだけ切り取ると、本当に同窓会みたい。

一通り撮影が終わったら、周りで新郎新婦と話そうと待っている人たちに場所を明け渡す。
「あゆ美ちゃん、また後でね!」
「うん! がんばろうね!」

7954・お色直し入場〜ケーキ入刀:2006/11/04(土) 21:42:45 ID:+ivQPq/3
『さて皆様、新郎・新婦、お色直しが出来た様でございます。会場入り口をご注目下さい』
新郎新婦が一旦中座した後の衣装チェンジが終わったようだ。
ドアが開くと、白のタキシードの旦那さん、ジャスミンを思わせるイエローのイブニングドレスのあゆ美ちゃんが現れた。
衣装は和装から洋装へと切り替わった。あゆ美ちゃんの大きく背中の開いたドレス姿は、さっきと違って大人っぽくて、とってもセクシーだ。
ホテルの人に誘導され、ふたりはあたしのいるテーブルを横切っていく。
あゆ美ちゃんの細く長い腕は、旦那さんの腕にしっかりと組まれている。
あぁ…ちょっとふたり、くっつきすぎだってば…。
ただ入場で歩いているだけなのに、ふたりの距離とか、そんなことばっかり気になってしまう。
会場を一通り回ってから、ふたりは高砂にたどり着き、一礼した。

『ただいまから、新郎新婦によるウェディングケーキ入刀でございます。カメラをお持ちの方はどうぞご遠慮なくお進み頂いて、おふたりの晴れ姿をお納め下さいませ』
お色直し入場からまもなく、ケーキ入刀が始まった。
みんながケーキの周りに集まっていく。あたしも急いでいい場所を確保しに行く。
高くそびえるケーキを前に、一本の長いナイフをふたりで持っている。
『ウェディングケーキ、ご入刀でございます!』
ふたりでゆっくりナイフを動かして、その一部分をケーキに差し込むと、一気にフラッシュが炊かれた。
あたしも夢中でシャッターを切る。
『夫婦そろっての、記念すべき初めての共同作業でございます』
あたしだって。あたしだってあゆ美ちゃんと一年半もの間「デカレンジャー」という作品で、朝から晩まで共同作業してたんだから!
…あ、でも、ふたりはこれから30年以上も共同生活をしていくんだ。うぅ、負けたぁ…。
7965・ファーストバイト:2006/11/04(土) 21:43:28 ID:+ivQPq/3
『続きまして、ファーストバイトでございます』
写真撮影のための静止状態がしばらく続いた後、ふたりには用意された一口サイズのケーキが乗った皿が渡された。
あゆ美ちゃんと旦那さんでお互いにケーキを口に運ぶと、再びフラッシュが炊かれた。
『お2人が入刀したケーキをお互いに食べさせ合うと、一生食べ物に困らないという言い伝えがございます』
旦那さんは一生稼いであゆ美ちゃんを食べさせ、あゆ美ちゃんは旦那さんに一生おいしい料理を作って食べさせる…。
あゆ美ちゃんって、お料理が上手なんだよなぁ…毎日手料理が食べられる旦那さんがうらやましいや…。
あたしは、ファーストバイトを写真に納めるのをためらった。撮ったこの写真、笑って見れるときは来るのかな。

そんな考え事をしているうちに、シャッターチャンスは終わっていた。
口をもごもごさせているあゆ美ちゃん。白い生クリームが付いている。
「あゆ美ちゃーん! (く・ち! く・ち!)」
あたしは自分の口を指差しジェスチャーをする。
すると、旦那さんがすかさずハンカチを取り出し、あゆ美ちゃんの口を拭き始めた。
おちゃめなハプニングに、また少しフラッシュが光る。
いっしょに食事していて、あゆ美ちゃんがものをこぼしたとき、あたしが拭いてあげてたことを思い出した。
もう、あゆ美ちゃんにはあたしの代わりに拭いてくれる人がいるんだよね。いつも近くに。
食べさせ合って、口まで拭いて…。ふたりの新婚生活が垣間見れたようで、あたしはまたもやブルーな気持ちになった。
ラブラブなやりとりを見せつけられてばっかり。いや、結婚式なんてそんなものなんだろうけど。
でも、ちょっと嫌になってきちゃったな…。

席に戻ってからも、嫉妬心が抑えられない。
そして、素直にふたりを祝福できない自分に嫌気が刺す。
どうして。どうして。 
7976・ブーケプルズ:2006/11/04(土) 21:44:18 ID:+ivQPq/3
『続きまして、「ブーケプルズ」です。今から名前を読み上げます独身女性の方は、前に出てきて下さい。
蒲生麻由さん、菊地美香さん…』
「あっ…あたし?」
「おっ、ブーケのやつだ! 絶対もらって来いよ!美香」
「よぉ〜し!」
勢いよく立ち上がる。あゆ美ちゃんのブーケ、もらえたら絶対いいことがあるに違いない。
「取れなかったら罰ゲームね」
完全に酒の入った稲田さんを無視し、あたしはブーケのある方へ向かう。

あゆ美ちゃんのブーケに取り囲む、10人の独身女性。他の人には、絶っ対に負けない。
『みなさんでいっせいにリボンを引きます。このうちブーケに繋がっているのは一本だけです。残りは外れで、ブーケから抜けてしまいます』
あゆ美ちゃんからのブーケを手にする選ばれし人は、このあたしなのっ!
ブーケが繋がっているリボンは…
そう、リボンから感じるあゆ美ちゃんの"愛"を読み取ればいいんだ。

…んー。わかんない!
あたしはエスパーじゃないっ! うーん、これに決めた!

あたしの横には、デカレンジャーで競演したサキュバス役の蒲生さんが並んでいる。
パーティ用のドレスを着た今日の蒲生さんは、サキュバスのときとは違って清楚さもあり、美しさにさらに磨きがかかっている。
「ブーケはあたしがもらいますよ。負けませんから」
ジャスミンのプレゼントをサキュバスがもらうなんて、ありえない!
「え? はぁ…」
蒲生さんが呆れたようなリアクションを見せる。そんな大人な女性と比べて、あたしは子どもっぽいかも。
でも、あゆ美ちゃんのブーケ欲しいし!
798名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 21:45:30 ID:+ivQPq/3
『それではいっせいにいきますよ。どうぞ!』
「えい!」
ぐいとリボンを引っ張ると…抵抗もなく、するりとブーケから抜け落ちた。
「あれ…?」
「わぁー!」
向こうから聞こえる喜びの声。そこには、唯一ブーケから繋がった一本のリボンを持つ女の子がいた。
あの子は…たしか、「怨み屋本舗」で女子高生役だった子!
あゆ美ちゃんに近づいていって、ブーケを受け取っている。しかも頭なでなでしてもらってるし!
『おめでとうございます! ブーケのプレゼントです! 外れたみなさんも、そのリボンは差し上げますのでどうぞお持ち帰り下さい』
うー、なんなのぉ! リボンなんかより、あゆ美ちゃんの愛が欲しいよぉ!
…あたしには、いつしあわせがやって来るの…?

「残念でしたね、ブーケ」
落ち込みながらテーブルに戻る途中、蒲生さんに声をかけられた。
「…絶対欲しかったんですけど…」
「今度またいいことがありますよ」
あたしと違って、蒲生さんは何も気にしていない様子だった。これがモテる女の余裕ってやつ?
799名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 21:46:01 ID:+ivQPq/3
「外れたねぇ」
テーブルに戻ると、陽佑くんがにやにやしながらあたしに言った。
「外れちゃった…」
「これで結婚はしばらく無いかもな。ひょっとして一生なかったりとかして!」
稲田さんは冗談で言ってるんだろうけど、今のあたしには笑えない冗談だった。
「十分すぎるほどの罰ゲームですね」
何さぁ、友一くんまで…。
「あたしには運命の人って、一生現れないのかな…」
「何本気にしてんだよ!? たかがブーケ取れなかっただけで」
たかがブーケ…そうだよ。何あたしこんなに落ち込んでるの。龍二くんの慰めがますます惨めな気持ちになる。
「そうよ、あんまり気にしないで」
真子さんまでもがあたしを気遣った。
「陽佑、美香と付き合っちゃえば? ウメコとセンちゃんみたくさ」
剛史くんが余計なことを言い出した。
「ああ。考えとくよ」
しかも軽く流されたし…。もう少し検討してくれてもいいんじゃない?

「みなさん、そろそろスタンバイの方を…」
結婚式を仕切るマネージャーが、あたしたちのテーブルまで来て言った。もうそんな時間なのか。
「よし、出番だぞ、元気出していこうぜ」
龍二くんがあたしの肩をぽんと叩く。
「…うん」
800名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 21:47:14 ID:+ivQPq/3
「わーっ、なんだかとっても久しぶり!」
ピンク色のあの制服に着替えたあたしは、更衣室でひとりテンションが高くなっていた。
頭のてっぺんで髪を結ぶ。鏡の前でピースサインを作ってみる。
ふふっ、あたしもまだまだいけるじゃんか。

「みんなー、お待たせー」
着替えを済ませたあたしたちは、婚礼スタッフ通用口の一角で落ち合った。
「遅いぞウメコ」
気難しそうな顔をしたホージーさんがあたしを叱る。男の子たちは準備完了していた。
制服は撮影終了後、しっかりと各自頂いて持ち帰っている。
いつかまた着たいとは思ってたけど、本当にまた着れる日が来るなんて。
「ちょっと制服きつくなったなぁ」
「太ったんじゃないの? またお菓子の食べすぎとか」
「うるっさいなぁ〜」
センちゃんに指摘されてあたしはムキになる。
この制服はタイトに作られていて、体型が変わるとすぐ着れなくなる。たしかに最近お菓子食べ過ぎてたし、今日だって料理も…。
「クリーニング出したんだけどな」
真っ白だったテツの制服が、少しだけくすんでいる。終わってから、結構な時間が経ってるんだな。

「あ、よろしくお願いしまーす!」
バンが挨拶する方向の先には、見たことのないモンスターの着ぐるみと戦闘員たちがいた。
アリエナイザーの着ぐるみはもう解体されてしまってほとんど存在しないらしく、今からちょっと前の戦隊の敵着ぐるみをお借りしてきたのだ。
ちょっと残念だけど、仕方ない。
中に入るのは、デカレンジャー当時でもお世話になったスーツアクターさんたちだ。
8017・余興:2006/11/04(土) 21:48:12 ID:+ivQPq/3
「みんな。気合入れるぞ」
バンが舵を取り、5人で円陣を組む。
「一気にいくぜぇ!」「「「「ロジャー!!!!」」」」

ヘッドマイクがあたしたちに配られ、頭に装着した。準備完了だ。
『カラオケに続きまして、こちらの余興ステージでお楽しみください』
「それではお願いします!」
会場から聞こえてくる司会をきっかけに、婚礼進行スタッフの声がかかる。
アリエナイザーとアーナロイドもどきが、会場にずしずしと入っていく。
あたしたちも続き、仕切り板から登場のタイミングを図る。

会場が暗転し、不気味な曲が流れ始めた。
『ふふふふふ…ここが地球の結婚式会場か…』
この声は稲田さんだ。せっかくなので悪役のアリエナイザー役をやってもらった。
アリエナイザーとアーナロイドは、ゆっくりと高砂に近づく。
『新婦を捕らえろ!』
アーナロイドたちは、いつのまにかヘッドマイクを装着したジャスミンを捕まえ、高砂から余興ステージへと連れ去っていく。
『くっ、離して!』
802名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 21:50:12 ID:+ivQPq/3
『待ちなさーい!』
ジャスミンが捕らえられている余興ステージに突入する。
『アリエナイザー、その花嫁を離しなさい!』
『宇宙警察だ』
センちゃんがSPDライセンスを掲げる。
『俺たちが来たからには好き勝手にはさせないぜ! なあ、相棒?』
『相棒って言うな!』
『結婚式場を襲うなんて…ナンセンスです!』
ああ…これこれ。このやりとり、とっても懐かしい!
厳しい表情をしていなければならないのに、あたしはうれしくて思わず笑顔がこぼれそうになった。
『ぬぅ、何故こんなところに宇宙警察が! ふっ、まあいい。
動くな、デカレンジャー。この美しい花嫁が怪我をしてもいいのかな?』
アリエナイザーは、捕らえられたジャスミンを羽交い絞めにし、刃物のようにとがった手先でほおをつんつんした。
『くっ、ふざけるのもいい加減にしろよ!』
バンが怒りをあらわにする。
『…1000万だ。身代金1000万と交換で、花嫁を解放してやろう』
ん? こういう展開だったっけ? 稲田さんのアドリブだろうか。
『もしくは…そこの花婿!
ここまで聞こえるような大きな声で、花嫁を「愛している」と言え。そうしたら、考えてやってもいい』
稲田さんが、嫌〜な振りをする。
高砂に座っていた旦那さんは戸惑っていたが、意を決して立ち上がった。
「…あゆ美ー!! 愛してるよぉー!!」
会場から「ヒューヒュー」とかけ声が飛ぶ。
照れを隠し切れないジャスミンは、クールさをくずさないように顔を伏せた。
まただ。またあたし嫉妬してる…。
803名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 21:51:17 ID:+ivQPq/3
『ふははははは、ふたりの愛は本物のようだな。それでは。よろこんで身代金を一億円に値上げしてやろう!』
『卑怯よっ!』
あたしは、嫉妬から来たぶつけどころのわからない怒りを、セリフに込めてしまっていた。
"ジャスミンを助けたい。あたしの手で"
一度湧き上がった想いが、どんどん強くなっていく。
『アリエナイザー、捕まえるならこのあたしを捕まえて! その代わり、花嫁は解放するのよ!』
ネゴシエーター・ウメコふっかーつ!
稲田さんもアドリブするなら、あたしだってやっちゃえ。
あたしはSPシューターを腰に戻し、ゆっくりと近づく。
『あたしを人質に捕まえたら…』
勢いで言ってみたものの、説得が思い浮かんでこない。まずい。
『あたしを人質にしたら…そうね。宇宙警察を思いのまま操れるわ! 絶対あたしの方がお得よ!』
自分でも言ってる説得がむちゃくちゃだと思った。
『お金だって…きっともらい放題だし…。犯罪だって、きっとやりたい放題になるわ!』
「旦那さんよりも宇宙警察の方がお金持ち」と言いそうになって、それはとっても失礼だと気づいて止めた。
…あたしはネゴシエーターになれそうにない。
『な、なんだ! 来るな!』
804名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 21:51:56 ID:+ivQPq/3
『はっ!』
戸惑うアリエナイザーの隙を突き、ジャスミンは肘鉄をくらわせた。
『ぐぅっ!』
ひるんだ隙に、腕からすりぬけてパンチを2発叩き込み、続けてハイキック。
あたしも一気にアリエナイザーに駆け寄り、キックを食らわせた。
『やっ!』
『ぐあっ!』
『ジャスミン!』
あたしはジャスミンの手を引き、みんなの元へ駆け戻る。
戻ってからも、ジャスミンの腕にしっかりと手を回して離さなかった。ちょっとだけ花婿気分だ。
『…何者だ!?』
『油断大敵! 迂闊だったなアリエナイザー! お前の捕まえた花嫁も、宇宙警察・デカレンジャーの一員なんだよ!』
『そゆこと』
イエローのドレスを着たジャスミン。SPDの制服じゃないけど、これで6色がそろった。

「デカレンジャーショーがやりたい」って、誰が最初に言い出したんだっけ。
話はどんどん進んでいき、東映さんに衣装や小道具を貸してもらってここまでできた。
集まれるメンバーだけで集まって少し稽古もした。バンは今日のために髪を逆立ててきた。
いくら小さなショーだからって、手は抜かない。あたしたちはいつでも本気モード。
ジャスミンの衣装がイエローの動きやすいイブニングドレスなのも、ショーのために合わせ選んだものだ。
本来は、新婦もゆっくりと余興は見ているものだろう。サプライズにする案もあった。
でも、あたしは「ジャスミンがいないと嫌だ。そんなのデカレンジャーじゃない」と強く主張した。
みんなも納得し、こうやって、新婦自身も余興に参加することになった。

…あたしは、あゆ美ちゃんから聞いていた。
結婚したら、芸能活動を続けるかどうかはわからない、って。
もしかしたら、今日があゆ美ちゃんと競演する最後の日になるかもしれないんだ。
805名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 21:52:30 ID:+ivQPq/3
『くそぅ! やっちまえ!』
『いくぞ!』
オープニングテーマの、ギターのイントロがかかる。
まずはアーナロイドを蹴散らしていく。
当時と比べて、あたしたちの動きは鈍くなっているかもしれない。
その分、スーツアクターさんたちのうまいやられっぷりでカバーしてくれる。

『観念しろアリエナイザー!』
アーナロイドをすべて倒したあたしたちは、バン・ホージーさん・センちゃん・テツと、次々とアリエナイザーにアタックしていく。
『いくわよ、ウメコ!』
『ジャスミン!』
『『はっ!』』
ツインカム・エンジェルのダブルキックが炸裂!
『ぐわぁ!!』
アリエナイザーがふらふらとよろめく。

ジャスミンがSPDライセンスを開き、アリエナイザーに向けた。
『アリエナイザー、あなたを身代金目的誘拐の罪で、ジャッジメント!
…デリート許可!』
『ジャスミン! とどめだ!』
バンは、身に着けていたDマグナムをジャスミンに手渡す。
『ハイブリットマグナム!』
これは本当はジャスミンの武器ではないんだけど…今日のところはご愛嬌。
会場に設置されたムービングライトが派手に光り、アリエナイザーを襲う。
『ぐぎゃあああああああああああああああ!』
アリエナイザーは膝から崩れ落ちていった。稲田さんの声が力みすぎてたのが気になる。

『これにて一件コンプリート! この世にやまない雨はない!』
ジャスミンが決めセリフとポーズ! ばっちり決まってる!
806名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 21:53:21 ID:+ivQPq/3
バンがステージ前方までおどり出て行き、代表してしゃべり始めた。

『えーみなさん、デカレンジャーのステージ、いかがだったでしょうか。
ぼくたちはこの作品で、新婦のジャスミンことあゆ美ちゃんと出会いました。
今日こうやってまた再び同じメンバーでステージをやれたのは、とても楽しい体験でした。
それでは、最後にみんなで一曲歌いますので、聴いてください』

改めて並び直して、歌のフォーメーションにする。
ジャスミンはステージの真ん中。あたしは、その横を場所どる。

曲が切り替わった。おなじみの、あの曲。

『chu chu chu デカデカ chu chu chu デカデカ chu chu chu デカデカ
THE WEDDING VERSION! DEKARANGER』

倒れていたアリエナイザーとアーナロイドたちがむくりと起き上がり、曲に合わせて手拍子を始めた。

『いつも緊急ラブコール 結婚式なのに アリエナイザー!
非常線抜けデッドヒート ちょっとやそっとじゃダイハード

Are you ready? 後悔させてあげる(あげる)
Pink & Yellow プライドかけて逮捕する

無敵のライセンス スペシャルポリス ロマンティックに大追跡!
プロフェッショナル くぎ付けになる
地球署のセレブ It's Judgment time! デカレンジャー』

まずはあたしとジャスミンで歌う。
久しぶりにふたりで歌ったのに、まるで当時の撮影中かのようにパート割りや息がぴったり。
文句なしに楽しい。気分も乗ってくる。
807名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 21:53:56 ID:+ivQPq/3
歌詞の2番からは、映画版の歌詞とでアレンジして、みんなで歌う。

『いつも地球にLove&Peace
邪魔されるなんて アリエナイザー!
恋も仕事も本気モード がっちり ばっちり ストライカー』

オープニングもエンディングもかっこいいけど、私はこの歌の方が好き。
みんなで一緒に歌ったし、今もこうやって歌ってるし、何よりウメコとジャスミンの、思い出深い一曲でもある。
歌いながら、デカレンジャーの撮影一筋でがんばっていたあのころの記憶がよみがえってくる。
長いようで、あっという間だった一年半。

そして、このショーもあっという間だった。
企画が出たときから、ずっと楽しみにしてた。
曲が終われば、ショーも終わっちゃう。
終わるな…終わるなぁ。
ずっとみんなと一緒に歌っていたいよ。

『今日からみんな スペシャルポリス フルブラストに 大正解
また逢えるから 合言葉ほら
みんなで叫ぼう! Its Judgment time! デカレンジャー』

次の、曲が静かになる部分は、今日の主役・ジャスミンのソロにした。

『Are you ready? 危険と隣り合わせ だけど
We are DEKA! 仲間がいれば大丈夫』

ソロをしっかりと歌い終わった直後、ジャスミンの目が一瞬光ったように見えた。
808名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 21:54:41 ID:+ivQPq/3
『うーっ、wow!』
みんなが中心のジャスミンに集まり、掛け声にあわせ、一斉にジャンプした。
『明日もみんな スペシャルポリス フルブラストに 大正解
また逢えるから 合言葉ほら
みんなで叫ぼう! Its Judgment time! デカレンジャー』
最後はみんなで手をつないだり、肩に手を回したりしながら、おだんごみたいになって大合唱だ。
『chu chu chu デカデカ chu chu chu デカデカ chu chu chu デカデカ』

ギターの後奏が終わり、そして、ショーも終わりを告げた。

『ありがとうございましたー! とてもかっこいい余興ステージでしたー!』
拍手に包まれ、みんなも自然とすがすがしい表情になっていく。
久しぶりだ、この感覚。
短いステージ、ほんとあっという間に終わっちゃった。もっとやりたいよ。

[We are DEKA! 仲間がいれば大丈夫] [また逢えるから 合言葉ほら]
歌詞のフレーズが、あたしの頭の中をぐるぐる回っていた。
みんな、また逢えるよね? また一緒に歌えるよね? あたしたち仲間だもんね?
8098・代表スピーチ:2006/11/04(土) 21:55:57 ID:+ivQPq/3
『それでは続きまして、余興を行っていただいた特捜戦隊デカレンジャーのみなさんを代表して、
新婦のあゆ美さんとダブルヒロインを演じました、デカピンク役の菊地美香さんから、一言メッセージを頂きたいと思います』

そうだ、あたしがスピーチすることになっていたんだ。
スポットライトのいくつかがあたしの方に向いた。
あゆ美ちゃんの真横に立ったままその場所で、あたしはゆっくりとしゃべり始める。

『はい…ただいまご紹介に預かりました菊地美香です。本日は、本当におめでとうございます。
…えーと、』
やばい、完全に飛んじゃった。
ショー直後の興奮からだろうか、緊張からだろうか。
会場と、隣のあゆ美ちゃんと、視線があたしに集まる。

あゆ美ちゃんに、「友人代表スピーチしてよ」って言われてから、ずっと何しゃべろうか考えてたのに!
昨日の夜だってずっと考えてて、全然寝られなかったのに! なんだっけー! 何かしゃべらないと!

『あたしは…あたしは、あゆ美ちゃんが大好きです』
また言ってる。こんなときにあたしは何言ってるの。しかも何回目なのさ。

もう、気持ちのまましゃべるしかない。
810名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 21:56:44 ID:+ivQPq/3
『デカレンジャーという作品で、あゆ美ちゃんとは一年半ずっと一緒にいて、色んなこと語って、相談して、本当にあたしにとってなくてはならない存在でした。
あゆ美ちゃんは、とってもきれいでかわいくて、いい子で…。
だから、今日こうやってお嫁に行ってしまうのが、ちょっと…いや、すんごく悔しいです。
だから…あたしの大好きなあゆ美ちゃんを、絶対に、…絶対にしあわせにしてあげてください。
そして、あゆ美ちゃんはいっぱいいっぱいしあわせになって、ずっとずっと元気で笑顔の耐えないあゆ美ちゃんでいてください。

…今日は、本当におめでとうございました』

たどたどしくも、なんとかしゃべりきった。
うまいことしゃべれてただろうか。大丈夫かな。
横にいるあゆ美ちゃんを見る。

忘れられない笑顔が、そこにはあった。

「あゆ美ちゃん…」
あたしはあゆ美ちゃんに抱きついていた。感極まった。
旦那さんに甘えられる前に。最後にもう一回だけ、あたしにも甘えさせてよ。
旦那さんのものにだけになっちゃ嫌だ。ならないで。
「あゆ美ちゃん…あゆ美ちゃん」
ヘッドマイクが拾えないような小さな声で、あたしはあゆ美ちゃんの名前をくりかえす。
「なに…美香ちゃん…はは、こんなに泣いちゃって」
涙でぐしゃぐしゃになったあたしの顔を、指先でそっと撫でてくれた。そんなあゆ美ちゃんも、目が少し赤かった。
ずっとこうやって抱きついていたい。時が止まればいいのに。
811名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 21:57:30 ID:+ivQPq/3
『ありがとうございましたー。特捜戦隊デカレンジャーのみなさんでしたー!』
司会の人の声と会場の大きな拍手で、あたしは我に帰った。
こんなに大勢の人の前で…とたんに恥ずかしくなってきた。
「ごめん…また、変なこと言っちゃったね」
「ううん…すてきなスピーチありがとう。うれしいよ」
会場の空気もあったかい。よかった。
名残惜しみながらあゆ美ちゃんに手を振り、あたしたちはテーブルに戻った。

「よかったわよー、みんな」
真子さんが、拍手であたしたちを出迎える。
「いやー、面白かったです!」
「うん、楽しかった」
友一くんも陽佑くんも満足げだ。
「急にアドリブなんかしないでくれよ…稲田さんも!」
龍二くんはあたしと稲田さんのアドリブに不満のようだ。
「すまんすまん! つい熱くなってしまって! はははは!」
「いや、でもあの告白の強要は良かったですよ! それに比べて誰かさんは…あれはないよな」
熱い男・剛史くんが稲田さんのアドリブを褒め、そしてあたしをちくり。
「うぅっ、ごめんなさぁ〜いー!」
いくらジャスミンを助けたかったとはいえ、あの交渉はむちゃくちゃだった。やっぱ、あたしアドリブに弱いや。

余興が終わってからも、みんなSPDのスーツを脱ごうとしない。
式が終わりに近いからなのもあるけど、みんなデカレンジャーが本当に好きなんだね。
あたしも、この制服はとっても落ち着く。
8129・スライドショー:2006/11/04(土) 21:58:21 ID:+ivQPq/3
『さてみなさま。ここで、新郎新婦の思い出ビデオをご覧頂きます。スクリーンにご注目くださいませ』
会場が暗くなった。
今まで会場の様子を映し出していた巨大スクリーンが切り替わった。

バラード曲と共に、思い出スナップのスライドショー。
最初は旦那さんから。子どものときの写真から始まり、学生時代へと時が進んでいく。
その次はあゆ美ちゃんだ。子どものときの写真。中学時代、高校時代、短大時代…。
学生時代の次は、あたしとのツーショット写真が映し出された。撮影の空き時間にふたりで撮ったものだ。
続いて、みんなで撮った集合写真。
「あー、懐かしい!」
デカレンジャー関係者のテーブルが沸く。

しかし、デカレンジャーの写真は数枚で終わり、やがて新郎新婦ふたりのツーショット写真ばかりになっていく。
当たり前だ。ここはあゆ美ちゃんの結婚式。デカレンジャーの祝賀会じゃない。
…でも、ちょっとさびしいな。

あゆ美ちゃんに、恋人の存在を感じるようになってから、あたしはあゆ美ちゃんから距離を置くようになった。
恥ずかしがり屋のあゆ美ちゃんは、恋人がいるなんてことははっきり言わずに「ごめんその日は用事が」ばっかり。
あたしも聞いてみたらいいのに、聞けなかった。真実を知るのが怖かったのかな。
あたしが距離を置いている間に、こうやってふたりはたくさん思い出を積み重ねていってたんだね。

近づいたふたりの顔のアップに続いて [forever] なんて文字が浮かび、余韻を残して消えた。
スライドショーは終わったようだ。
81310・キャンドルサービス:2006/11/04(土) 21:59:22 ID:+ivQPq/3
『新郎新婦、お気持ちを込められまして各テーブル御点火をなさいます。お席の方にいらっしゃいましたら、拍手でお迎えくださいませ』
スライドショーに続いて、このままキャンドルサービスが始まった。
ふたりでひとつの火を持って、新郎新婦が順にテーブルを回っていく。

あたしのいるテーブルの番だ。
テーブルの長いろうそくに、火が灯る。
くらやみに、オレンジ色のみんなのしあわせそうな顔が浮かび上がった。

あたし、今暗い顔になってないかな? 不安になってきた。
今日一日のあたし、くやしがって、暗くなってばっかり。こんなんじゃだめだ。
もう結婚式は終わりだけど、これからは大好きなあゆ美ちゃんを、笑顔でお祝いしなきゃ。
いつまでもくやしがってちゃだめ。あゆ美ちゃんが選んだんだもの、しっかりした旦那さんに違いない。

すべてのテーブルに火が灯った後、最後に高砂のメインキャンドルに到着した。
根元の辺りに着火すると、ハート型に配置されたキャンドルに次々と火が灯っていき、そして中心の大きなキャンドルへ。
とってもロマンティク。豪華なキャンドルと、その光に照らされるタキシードの旦那さんとドレスのあゆ美ちゃんの姿は、ため息が出るほど絵になっていた。
81411・花束贈呈:2006/11/04(土) 22:00:34 ID:+ivQPq/3
『新郎新婦によりますキャンドルサービスでございました。

さて、今日までの新郎新婦を支えてくれたのは、お父様、お母様の存在がありました。
それぞれのご両親へ感謝の気持ちとして、花束が贈呈されます』

余興をやっていたステージに、新郎新婦の両親が並んでいる。
ホテルの人から花束を手渡された新郎新婦は、高砂から、ゆっくりと両親の元へ向かっていった。
どちらのご両親も、もう泣きそうな顔をしている。
さっきまでにぎやかだった会場が、とたんに静まりかえる。

『それに先立ちまして、新婦・あゆ美さんから、ご両親へ感謝の気持ちを込めたお手紙がございます』
会場に、オルゴールの曲が流れ出した。

『大好きなお父さん。お母さん。あっちをここまで育てて、見守ってくれてどうもありがとう。あっちはここまで大きくなりました』
手紙を読みながら、あゆ美ちゃんの目からは大粒の涙が溢れ出した。旦那さんが、そっとハンカチを手渡す。
『最初私が芸能界に入るって言ったとき、お父さんお母さん、とっても心配してくれたよね。
反対してるのかなって思ったけど、東京に出てお仕事を続けていくうちに、地元ですっごく応援してくれてるってことを聞いて、うれしかったよ』
あゆ美ちゃんのご両親も、それを聞いている旦那さんのご両親も泣いていた。
815名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 22:01:10 ID:+ivQPq/3
あたしはあゆ美ちゃんの手紙を聞きながら、結婚について、家族についてを考えていた。
恋人を作って、結婚すること。結婚式で、晴れ姿を見せること。子どもを作ること。
こうやってご両親を見ていると、それぞれは最高の親孝行じゃないかと思えてきた。
あたしも、いつまでもあゆ美ちゃんばかり想ってちゃいけないんだ。
いい人見つけて、結婚して、子ども生んで。
あたしもしあわせな姿をみんなに見せてあげたい。親孝行したい。

『これから、ふたり力を合わせて、しあわせな家庭を作っていきたいと思います。
今まで、本当にどうもありがとう。そして、これからもよろしくね。 あっちより』
途中何度もつまりながらも、最後まで手紙を読みきった。新郎新婦は両親に花束と、生まれたときの体重と同じ重さのくまのぬいぐるみがプレゼントされた。

『ご両家を代表されまして、新郎のお父様よりお礼のご挨拶がございます』
『本日は、お忙しい中、こんなにたくさんの人たちにお集まりいただき、そして、こんなにすばらしい式を開いていただき、本当にありがとうございました…』
旦那さんのお父さんが、泣いたままスピーチを始める。

結婚式がきっかけで、またみんなに再会できたし、デカレンジャーショーもできた。楽しかった。今日は来てよかった。
新郎新婦だけじゃなく、参加したみんながしあわせになる結婚式。結婚式って、自分たちのためだけじゃなく、お世話になったみんなのためにもするものかもしれないな。
816名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 22:02:07 ID:+ivQPq/3
『かんぱーい!』
『新郎新婦の新たな旅立ちの始まりでございます。みなさま、盛大な拍手でお見送り下さいませ』
閉式のあいさつが終わり、新郎新婦が退場していく。
会場に明るい曲がかかり、一転にぎやかな雰囲気となった。

「みんな、いこうぜ!」
あたしたちはテーブルを離れ、会場の出口付近へと集まった。
男の子たちは色んな人たちを巻き込んで手のアーチを作る。その中を新郎新婦が通過していく。
「あゆ美ちゃんおめでとー!」
あたしと真子さんは、誰かが作った紙ふぶきを受け取り、宙にばらまく。
「わぁみんな…ありがとー!」
あゆ美ちゃんの笑顔。
そしてあたしも、最後はとびっきりの笑顔で。

大勢の人たちに祝福され、紙ふぶきを被りながら、ふたりは扉の向こうへと消えてしまった。


『新郎新婦が出入り口にてお待ちでございます。
皆さまお忘れもののございませんよう、お気を付けてお帰り下さいませ。
本日は誠にありがとうございました…』

817名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 22:02:50 ID:+ivQPq/3
「あーあ、終わっちゃった…」
あたしは帰り支度をしながら、みんなの前でぼそっとつぶやく。
終わっちゃったんだ。結婚式も。そしてあたしの恋も。
「なんか寂しいよね。でも、良かった結婚式って。俺もしたくなっちゃった」
友一くんも残念そうだ。
「みんな、これから結婚したら、結婚式もするよな?」
剛史くんがみんなに問いかける。
「あたし、したい。いい人見つけたい!」
「よし。じゃあ少なくとも、あと5回は余興でデカレンジャーショーができるってことだな」
「いいね! それ!」
剛史くんナイスアイディア! あたしたちの結婚式はこれで終わりじゃないんだ!
またみんなと会えて、ショーやって、みんなで歌えるんだ。あゆ美ちゃんとも会えるんだ!
みんなの表情もまた活き活きしてきた。
「うーん、またやるなら、次はどういう設定にしたらいいかな。また新婦がさらわれるのはおもしろくないし」
陽佑くんがセンちゃんのようなシンキングポーズで、次の余興の企画を練りだした。
「次もやるの? 私もスワン役で出たいわ。楽しそうなみんな見てるとまたやりたくなっちゃった」
「もちろんスワンさんも登場させましょう!」
真子さん自らのオファーを、剛史くんは快諾した。
「スワンも出るなら俺も出たい。ドギーの着ぐるみまだ残ってるかな」
「稲田さんはアリエナイザー役で十分だよ。しかもザコですぐやられちゃうの」
稲田さんがなんかやっても暴走するし、おいしいところ全部持っていくしなぁ…。
「美香! ザコってどういうことだぁ! ザコって!」
「よし、続きは2次会で考えよーぜ!!」
「ロジャァー!」
龍二くんの後思わず飛び出す決めゼリフ。考えるだけで、楽しくなってきた!
あたしたちの一日はまだまだ終わらない!
818ラストシーン・ホワイエ:2006/11/04(土) 22:04:31 ID:+ivQPq/3
ホワイエでは新郎新婦が来訪者を出迎え、ひとりひとりに言葉をかけている。
あたしたちもその列に並んだ。

「美香ちゃん。今日は来てくれてありがとう」
「あゆ美ちゃん。あたし、決めた。あたしも、いい人見つけて、あゆ美ちゃんみたくしあわせになるっ」
「それがいいよ! そのときが来たら、私を結婚式に呼んでね。また一緒に歌お!」
「うん! 絶対呼ぶよ。だから、絶対来てね! 約束だよ!
…じゃあ、おしあわせにね! ばいばい!」
たくさん掛けたい言葉はあったけど、後ろも詰まっていることだし、短くして切り上げた。
819名無しさん@秘密の花園:2006/11/04(土) 22:05:34 ID:+ivQPq/3
「ジャスミン」
後ろに並んでいた酒臭い稲田さんが、ボスの声をして話しかけているのが聞こえてきた。
「これからも夫婦なかよくがんばっていってくれ。…そしてもちろん、今夜もだ!」
げぇーっ、稲田さんここで下ネタ!? しかもベッタベッタな…。
「え…?」
あゆ美ちゃんはきょとんとしている。
「新婚初夜なんて一生に一度しかない。後悔のないようにするんだ。ははははは!」
最後の方はぜんぜんボスになっていなかった。
意味がわかったのか、あゆ美ちゃんの白い肌がみるみる赤くなっていく。
旦那さんは、あゆ美ちゃんの様子を伺いながら苦笑いしていた。

そっかぁ。あゆ美ちゃんにとって、今夜は"はじめての夜"なんだよね。

…。

だめーっ!


あぁーん! いいなぁ! やっぱうらやましいよぉ!
あゆ美ちゃ〜ん!


〜おしまい〜
820名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 03:07:30 ID:cgclTWgO
うわ〜〜
あゆ美ちゃ〜〜ん
結婚しちゃだめぇ〜〜
美香ちゃんをおいてかないで〜〜!
821名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 03:14:16 ID:t5isl4vp
うっぜぇ
無駄に長いだけじゃん
ラブラブでもないのにひっぱんな
822名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 03:48:08 ID:Hgw6SH8w
荒れませんように・・・ (´・ω・`)
823名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 04:19:08 ID:cgclTWgO
冷静になってもう一回。
すっごくいい話ですが・・すっごく悲しいです。
なんでだろう・・
824名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 05:26:00 ID:+1RYY4k9
いい最終回だった
825名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 07:16:03 ID:sKbrkDEu
こういう作品だと色々意見が分かれると思うが、俺としてはこんなのもアリだと思う。

書き手がいるだけ全然ましかと
826名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 07:31:46 ID:GnMOrnHS
>>785です。
お疲れ様でした。
多分今日中に、投下します。
本気でゲストと共闘してるという、ぶっ飛んだ話ですがよろしいですか?
一応、確認しておきたいので・・・
827名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 11:14:52 ID:f2zEpTco
>>826
いいよ
828名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 14:13:50 ID:cgclTWgO
>>826
よろしくね
829名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 16:27:34 ID:9iVUOHBM
刑事黄桃、投下します。
ゴチャゴチャです。
830名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 16:28:16 ID:9iVUOHBM
Episode−ex「ハイヌーン・インセクト」


彼女は私の横で、一回大きなあくびをした。
そろそろ、てっぺんに上る。
観覧車の中から、私とウメコは外を見下ろしていた。
射し込む陽射しが眩しい。
高いところって、気持ちいいなぁ。
ところがギッチョン残念無念、デートでもなんでもない。

「どう?釣れますか?」
「ううん、それっぽいの居ないよ。」
こんな事をしてても、私たち二人は捜査の真っ只中。

最近アリエナイザーが何かの宇宙人と手を結んで最近あちこちに出没してて、私たちは捜査の真っ只中に居た。
地球署のメンバーは、この「何かの宇宙人」の調査を命じられてる。
手元の資料での特徴は、何かに擬態して悪事を働くらしい。
身の危険を感じれば、ジャッジメント無しのデリートも許可されてる。
831名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 16:28:59 ID:9iVUOHBM
そんでもって、エマージェンシーコールが知らせてくれた出現位置は、小さな遊園地。
平日だから人も疎ら、捜しやすいかな・・・と思ったら大間違い。
十一月の長閑な空気に支配された敷地の中は思ったより広くて、空から見回しても見つからない。
やっぱり、一箇所ずつ当たっていくべし、か。

――おなかすいたよ――

ふぅ、と深呼吸をした私は手袋を外されてて、彼女に握られてる。
「横着物」
「いいじゃん。最近お休み少なかったから遊ぶ時間、無かったし・・・」
ウメコはにしし、という感じで笑いながら私を見る。
最近の彼女ときたらこんな感じで私の素肌に触れて意思表示してくる。
時計を見たらお昼過ぎ、確かにお腹空いた。
ちょうどゴンドラも地上に降りるし、お昼にしよっか。
832名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 16:30:10 ID:9iVUOHBM
ランチにしようと思って中のレストランに足を運ぼうとした私たちの目に入ってきたのは、真っ赤に染め抜かれた暖簾に映える「味自慢」の文字。
同じように真っ赤な提灯。
そして、色んな素材の混ざり合った、何とも言えないいい薫りと、麺を啜る音。

真昼の遊園地の中でのラーメン屋さんの屋台は、ぶっちゃけ異様な光景だった。
だけどお客さんはレストランよりもはるかに多くて、行列が出来てる。
「え、ちょっと何!?・・・なんで?」
「さぁ、なにゆえ?」
「酔っ払いのオジサン居そうだよ・・・?」
「でも美味しそうな匂いしてるね〜。お昼ここにする?」
オムライス、オムライスとしきりに騒いでいた彼女はうん、と大きく頷いて目を輝かせる。
やたらと回転が良いからたくさんのお客さんは一気に捌けていって、いよいよ私達の番だ。
833名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 16:30:59 ID:9iVUOHBM
「すいませ〜ん、ラーメン二つ」
「大丈夫かなぁ?売り切れちゃわない?」
私が注文すると、ウメコは心配そうに言葉を返す。
「心配しなくていい、ちゃんと行き渡る分はある。・・・おい、早く洗え」
そんな彼女に言葉を返すように、店長らしい若い男の人が麺の湯きりをしながら言う。
「何で俺がこんなことしなくちゃいけないんだよ!!?」
横でどんぶりを洗いながらぼやいてるスーツの男の人の手つきはどことなく危なっかしい。
「もっと笑顔になりなさい。上官の命令は絶対よ」
およそ笑顔を作れてない無愛想な感じの女の人が、ラーメンを運びながら彼をたしなめる。
上官って・・・サル顔の軍曹を思い出しながら、割り箸を取った。

麺が入れられた丼の中にスープが注がれて、煮玉子にチャーシュー、メンマ・・・薬味のネギが振りかけられるのを見てると、突然ライセンスの通信が起動する。

別行動を取ってたセンちゃんがライセンスにコールしてきた。

『ジャスミン、ウメコ。そっちはどう?』
「ダメダメ、見つからないよ。センさんはどう?」
『ダメだねぃ。俺も腹減ったから、そっち行っていい?』
「オッケイオッケイ!でもラーメン美味しそうだから、売り切れちゃってるかもよ?」

そう言って冗談めかして、ウメコは通信を切った。
834名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 16:32:21 ID:9iVUOHBM
センちゃんを振り切る事が出来たウメコは、ギクシャクする事もなく今に至っている。
センちゃんの方もオトナで、いつものペースで接してくれてる。
もちろん、私とウメコがラブラブなのも知ってる。
でも・・・・・・

ただちょっと気になったのは、何だかいつものセンちゃんとは違ってるような気がした事。
そしてもっと気になるのは、『何か』が空中を飛び回ってる事。

「ジャスミン、あれ何じゃらほい?」
「はてさて、何じゃらほい?」
彼女が指差した方向を見てみると・・・赤いカブトムシと、青いクワガタムシ。
まるでそれは私達に身の危険を知らせるように、旋回しながら飛び回ってる。
店員さんの手が止まって、表情が険しくなる。
まるで二匹の飼い主のような眼差しで空を見つめた後、チラリと視線を遠くに投げかけた。
彼等の視線の先を見てみると、見覚えのある人影。
今居る場所からここまでの距離って、随分あるはずだけど・・・?

「二人ともお待たせ。これ買ってきたんだ。」

人ごみの中から、声がする。
センちゃんの声。
笑顔で、手には缶コーヒーが握られてた。
ありがとう、と言って受け取るウメコの横で私はそっと手袋を外して、缶コーヒーを取りながら、指先に触れた。

・・・・・・やっぱりだ。
835名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 16:33:53 ID:9iVUOHBM
「不埒者!!!!!」

次の瞬間、私は・・・受け取った缶コーヒーのプルタブを開けてからセンちゃんに中身をブチまけて、鳩尾に思いっきり横蹴りを入れた。

わざとらしく吹っ飛んでいった後、いつもみたいに茫洋とした感じで立ち上がる。
「ジャスミン!!」
周囲のざわめきの中でそいつを睨み付ける私の身体を押えるようにウメコが割って入る。
彼女から見れば、今の恋人が元の恋人を理由も無いのに蹴り飛ばしちゃったワケだから、びっくりしたと思う。
だけどこいつは偽者のセンちゃん。

多分調査の対象になってる地球外生命体『ワーム』。


「止めてよ、止めて!もういいじゃん、あたしもう立ち直ってるよ!どうしたの、ねぇ?」
彼女を尻目に、私は挑発するようにわざとドスの効いた声で続けた。

「早く正体見せなさい、女の腐ったのみたいだよ?私とウメコがイチャイチャしてるの、そんなに羨ましい?言っとくけど、ウメコに触れていいのは私だけ!!センちゃんなんて端っからお呼びでないわよ。おしりペンペン!」
836名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 16:35:24 ID:9iVUOHBM
啖呵を切った後私はウメコに目配せして、泣きそうな顔の彼女を抱き寄せて後ろを振り向いてからそっと耳打ちした。
「あれびみょ〜に・・・うんにゃ、激しく違うから」
「え?じゃあ・・・」
「ご名答、あれはニセモノ。でも今言った事はホント。ウメコに触れていいのは私だけ。」「だったら今キスして」
「は?」
「見せ付けちゃったら余計にカッカして正体出すかもよ、作戦だからいいじゃん?」

こういう時に彼女の突飛な行動に合わせて間違いが起こったことはない。
それにしても・・・何で?
ウメコ、すごく可愛くて綺麗だよ。
ピンチに晒されてるのに、ドキがムネムネしてる。

「もしかしたら、これが末期のキスかもよ?」
「それも・・・いいかも」

ほっぺにチューだよ、といってから二人でセンちゃんに向き直って、私からウメコに唇で触れた。
今度は、彼女が私に。
一回ずつほっぺたにキスした後、作ったようなトロンとした表情を作って唇を重ねようとしたその時・・・変化が起こり始めた。
837名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 16:37:46 ID:9iVUOHBM
「・・・俺ノモノダ・・・!!」

見慣れた笑顔が消えていって、卑屈な薄ら笑いになっていく。
身体を震わせながら、妖しく赤く眼を光らせていく。
徐々に変わっていく、身体の輪郭。
少しずつ、本性を露わにしていく。
完全に変わった緑色の姿はまるで昆虫の蛹のようだった。

「ウメコ、チェンジスタンバイ!」
「ロジャー!」

私と彼女がSPライセンスのチェンジモードを起動させてデカメタルの飛沫をイエローとピンクのスーツに変換させるのと同時に、地中からヤツと同じ姿の化け物が出現する。
すごい数・・・何体いるんだろ?ひぃふぅみぃ・・・と。
「やぁっ!」
「はぁ!」
まず、目の前の数体をディースティックで思い切り薙ぎ払う。
感触は、あまり硬くない。
一気に爆発させた後、ディーショットを三点バーストに切り替えてから、ざっと二十体はいる敵の真っ只中に斬り込んで行くウメコをサポートする。
ウメコは身体を旋回させながらスピンキック、バックハンドブロー・・・と、連続して出していく。

「ジャスミン、大丈夫、楽勝だよ!皆来なくても・・・」
彼女は思ったより体力があって、大勢を相手にしても息が上がらない。
「油断大敵、火がボーボー!」
私はウメコの後ろから迫ってきたワームに、パルスレーザーを命中させる。
838名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 16:39:04 ID:9iVUOHBM
「へ?」
・・・あれ?なにゆえ?
その時、六体が同時に爆発した。
赤と青の二つの『何か』が動いてる。
スーツのセンサー越しでも、チラホラと確認出来るのがやっと。
そういえば、カブトムシは赤、クワガタムシは青だったっけ・・・・・・


「ぅあっ!」
「きゃあっ!」
嗚呼、言った側から油断してた。
強い衝撃が私たちに襲い掛かる。
マンガみたいに思いっきり弾き飛んでた。
吹っ飛ばしたのは、センちゃんに擬態してたヤツ。
どうやらこのグループのボスらしくて、昆虫の脱皮みたく姿を変えてた。
物凄い速さで動いてくる。
839名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 16:40:38 ID:9iVUOHBM
【clock  up!】

電子音声が聞こえて、フワリと身体が宙を舞う。
壁に叩きつけられる瞬間、一瞬だけ時間が止まったように感じた。
隣に居るウメコも同じ。
何かに抱き抱えられてるような感覚を味わった。
もしかしてさっきワームを倒してた、赤と青の人・・・?
「ありゃま?」
「痛!!・・・く、ない・・・?」
壁から僅かに離れた場所に、私もウメコも安全に着地してた。
着地といってもカッコいいわけじゃなくて、スーツのまま、あからさまな女の子座りになってる。
「ジャスミン、あれ!」
彼女の一言で、ハッとする。
次に私たちが見たのは、縦横無尽に駆け回って攻撃する、赤と青の昆虫。
チョコマカ動き回って、ワームを圧倒してる。
そして二匹のそれは、『飼い主』の許に戻るように飛んでいった。

太陽が輝いてる方向。
日の射す方向。

彼方に居たのは・・・・・・ラーメンの屋台の店員さんだった。

「おばぁちゃんは言っていた、絆とは決して断ち切ることの出来ない深い繋がり。例え引き裂かれても・・・心と心が繋がっている!」
「人と人との信頼を利用して、絆を引き裂くお前達を・・・俺は絶対、許さない!」
840名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 16:41:50 ID:9iVUOHBM
二人は巻いていた大きなベルトに、メカの昆虫をセットした。

「変身!!」

瞬時に光に包まれて、姿が変わる。
・・・類は友を呼ぶ?頑丈そうな姿は、奴らと同じ蛹。
でも違うのは、私達の味方。
根拠は無いけど、直感的にそう信じられた。
ゆっくりと歩を進めながら、圧倒していく。
うろたえる事無く、着実に打撃を打ち込む。

「ジャスミン、わたし達も!」
「合点承知!」

左胸にライセンスをセットした。
センサーとスワットベスト、ディーリボルバーを装着して一気に飛び込む。
841名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 16:43:01 ID:9iVUOHBM
【cast off!】
私とウメコがスワットモードという『鎧』を纏ったのに対して、彼らは『鎧』を脱ぎ捨てた。
「危ない、伏せろ!!」
突然の大声にびっくりして、高くジャンプした。
うひょー、ダイナマイトどんどん。
装着していたアーマーが解除されて、勢いよく弾け飛んでいく。
破片は爆撃機のように、ワームを一気に蹴散らしていった。
脱皮を果たしたその姿は、文字通りメカニカルなカブトムシとクワガタムシ。

店長さんは腰に提げたクナイを、店員さんは肩に提げた双振りの曲刀をそれぞれ抜き放つ。
ジャンプの着地際にディーリボルバーを乱射する私達を援護するように、斬撃を放っていった。

残るは私達の『絆』を引き裂こうとした化け物。
『二人とも、聞こえる?』
スワットモードの通信システムから、センちゃんの声が聞こえてくる。
今度は紛れも無い本物。

「センさん、いいよ。ジャスミンが側に居てくれるから。守ってくれてるから!」

ウメコが言い放つ。
もうお呼びでないわよ、ウメコを守るのは、私だから。
842名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 16:44:02 ID:9iVUOHBM
さっきの音声が、聞こえた。
私は全てのセンサーを、最大出力まで上げる。
ウメコも、同じようにした。

高速の動き・・・とまではいかないけど、何とか目視で付いて行けるようになった。
先に出たウメコと、皿洗いの人が攻撃を仕掛ける。
次は私と店長。
交互に攻撃を加えた後、私達はディーリボルバーにSPライセンスをセットして、構えた。彼等も何かを放とうとしているのか、ベルトにセットされた昆虫のホーンを触る。

ほぼ、同じタイミング。
私達二人が引き金を引くのと、彼等二人の振り上げた右足がディーソードベガのように煌くのは、同時だった。

「私達の絆は・・・」「永遠に不滅です!!」
「ライダー・・・」「キック!!」

聞こえる爆発音、視界に入る炎。

まるで未練を残すような咆哮。


跡形も残すことなく、砕け散った。
843名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 16:45:28 ID:9iVUOHBM
後で知ったことだけど、こいつは私達と遭遇する前にセンちゃんと一戦交えてて、その時に能力をコピーして擬態したらしい。
そういえば、そんなアリエナイザー居たなぁ、顔がないヤツ。
でもヒネくれたことを考えてたってのは・・・ワームオリジナル?

これにて一件コンプリート・・・と、いきたいところだったけど、まだお預け。
とりあえずデカベースに連絡を入れた。
結局、調査の対象になるような物も資料も、何一つ回収することは出来なかった。
『だけど二人とも、無事だったから良かったじゃないの!お疲れ様。お昼まだでしょ、食べて帰ってらっしゃい。お土産、忘れないでね。』
スワンさんの一言を聞いて、ウメコも私も緊張が解けていく。
あ、ちょっと・・・と、通信を切ろうとする私達をスワンさんは制した。
『ラブラブなのは分かるけど、センちゃんにあんまり冷たくしちゃダメよ!』

通信を切って、ウメコは申し訳なさそうに口を開いた。
「酷い事言っちゃったね、あたし。来なくていいよ、って。今ジャスミンと一緒に居られるの、センさんのおかげなのに・・・」
「ん〜?・・・だったら私、もっと尖がってたよ?『お呼びでない』とかって。でも偽者だったし、作戦だからそれはそれ、これはこれ。二人で謝ろうよ。手、繋いで」
「うんっ!そうだね」
私は笑って、ウメコも笑う。

・・・でもよくよく考えてみたら恐ろしいな、女って。
844名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 16:46:49 ID:9iVUOHBM
再び、鼻を擽るラーメンの匂い。
「二人とも、取っておいたぞ。さぁ、食べろ」
「天道、御客さんなんだぞ?もっと口の利き方何とかしろよ!相変わらずだな、お前」
「加賀美君、さっきも言ったわよね。上官の命令は・・・」
「岬さん!」

なんだか分からないけど、楽しくてしっちゃかめっちゃか。
優しい気持ちでいたいな。


私は箸を取って、ウメコの丼に自分のぶんのチャーシューを一枚入れた。
845名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 16:48:46 ID:9iVUOHBM
帰り際に、もう一回観覧車に乗った。
外を見たら、さっきのカブトムシとクワガタムシが楽しそうに飛び回ってる。

意地悪な質問、してみようかな。
「ねぇ、もし私に何かあったらどうしてたの?居なくなったら、どうしてた?」

何言ってるの?と言うような顔で、彼女は答える。
「ん?何かって・・・居なくなるなんて、考えられないよ!だって、未来永劫絶対無敵だもん。ジャスミンがわたしを守ってくれて、わたしがジャスミンを守るんだから!」

嬉しいこと、言ってくれちゃって。
・・・・・・そっか、ありがとね、ウメコ。

「絆・・・。」

私はおまじないみたく唱えて、彼女を抱き締めた。

これにて一件コンプリート。
全ては君を、愛するために。


fin
846名無しさん@秘密の花園:2006/11/05(日) 23:39:38 ID:cgclTWgO
GJでした
847名無しさん@秘密の花園:2006/11/06(月) 07:23:57 ID:qdEEFR9B
>>830-845を書いたものです、後で読み返したら変な話で・・・
今度はエロ短編書いて、お嫁ネタの続きに掛かりたいと思います。
では。
848名無しさん@秘密の花園:2006/11/06(月) 08:22:27 ID:IyjoNadM
>>847 乙です。
そっち、期待してますぜ!
849名無しさん@秘密の花園:2006/11/06(月) 10:11:22 ID:chvQ1a39
>>847
秋らしくちょっとテンションおさえめの大人っぽい二人もいいな、なんて思います。    
もちろんエロありで。
期待してます!
850名無しさん@秘密の花園:2006/11/06(月) 11:51:02 ID:MmhMwRkQ
あゆ美先生!美香ちゃんが採血失敗しましたよ〜!
あゆ美先生!みかちゃんがまたともかずくんとケンカしましたよ〜!

いらしてください、あゆ美先生!!
851名無しさん@秘密の花園:2006/11/08(水) 07:30:12 ID:KM2HBhOQ
エロな短編、投下します。
近日もう一本投下予定。
852名無しさん@秘密の花園:2006/11/08(水) 07:30:53 ID:KM2HBhOQ
You make me wanna・・・


わたしがリップを変えたのにジャスミンが気付いてくれたのは、勤務が終わった夕方近くのロッカールームだった。
今までのものから、ちょっとだけオトナっぽい感じのシックなピンク。
秋だし、イメチェンしたかったし。

「ありゃありゃ、変えたんだ?」
早く気付いて欲しかったのに・・・四六時中顔突き合せてて、一体全体ドコ見てたの!?

「は?どこって・・・ウメコだよ?いっつもウメコの事見てるよ。」
顔を突き出してアッカンベーをするわたしに、彼女はあっけらかんと答えた。
「じゃ何で早く言ってくれないの?」
「なんでって・・・」

着替えようとして制服のジャケットを脱ごうとしたわたしは・・・彼女に唇を奪われてた。
853名無しさん@秘密の花園:2006/11/08(水) 07:31:46 ID:KM2HBhOQ
キスされる。
優しくキスされる。
リップを拭われるように、唇だけで何度も何度も、優しくキスされる。
ぼうっと、キスされた場所から熱が広がって、顔がまっかになる。

「気付いてたよ」
「へ?だったら・・・」
「だって、朝一番で言っちゃったら、ウメコとキス出来ないでしょ?するんだったら、いっぱいチューしたいし」

・・・駆け引きなんてダメだよ。
だけどジャスミンは『ウメコの考えてることなんてお見通しだよ?』とでも言いたそうな表情で、手袋を口で咥えて外してきた。

「でも、でも・・・ロッカールームだよ?いいのかなぁ」

ホントは、嫌じゃない。
唇を重ねただけで、素直に反応しはじめてた。
でも、制服脱いでないから一応まだ勤務中だし、ここじゃ声なんて出せないよ・・・
854名無しさん@秘密の花園:2006/11/08(水) 07:32:48 ID:KM2HBhOQ
「一声掛けて、鍵掛けてっと。閉めたよ?」

切れ長の眼差しで、優しく見つめられた。

――ジャスミンがいけないんだよ?こんなのずるいよ――

手を握って、伝えた。
絡みつくように握り返される。
胸の鼓動が、早くなっていく。

「かわいい。だーいすき」

その一言に導かれるように、背伸びしてキスした。
わたしからのキスも、唇だけ。
できるだけ優しく唇を押し付ける。

「いい?」
「うん、いい、よ・・・」

ジャスミンはロッカーにさばったわたしのジャケットのボタンを外して白いアンダーを捲り上げた後、自分で胸元を露わにする。
首筋に口付けられながら、ブラジャーのホックを外された。
855名無しさん@秘密の花園:2006/11/08(水) 07:33:54 ID:KM2HBhOQ
「ちょっとぉ」
「何じゃらほい?」
「・・・ヘンな顔、しないでよ・・・。」
彼女を見ると・・・エッチな事考えてるオジサンみたいな顔。
「ヘンな顔しちゃいけない?」
また、表情が変わる。
今度はミルクをおねだりする子猫みたいな顔。
・・・しょうがないなぁ。
ううん、と首を横に振って、また身体を預けた。

「先にキスマーク付けてあげる」

裸になった胸に、キスされた。
舌を使わないで、プックリした唇と息遣いが左右交互に伝わっていく。
焦らされてる感じがかえって身体中を熱くしていって、中心が固く膨らんでいく。

「ちょっとパイパイおっきくなった?」

悪戯っぽく微笑んできた。
当ったり前じゃん!!・・・勤務終わって、二人っきりになったらしょっちゅうこんな事してるんだよ?

恥ずかしくなって俯いたわたしの胸に、彼女は自分の膨らみを押し付けてきた。
856名無しさん@秘密の花園:2006/11/08(水) 07:35:30 ID:KM2HBhOQ
「ぅんっ・・・」
「はぁ、ゃ・・・・・・」

ジャスミンの乳首も勃ち上がってた。
肌は熱いのに、粟立ってた。
乳房で乳房を撫でるように擦り合わせると、少しずつ頬に赤みが注して虚ろな表情になっていく。
そのまま、先にわたしが彼女のスカートを下ろして、ショーツのサイドに括られた紐に手を掛けられた。

邪魔な布が、ゆっくり剥がれ落ちていく。
少し指をあてがった。
入り口がもうヌルヌルに滴ってて、それを指で掬って戻すように、熱い内側に塗りこむ。

その手を、取られた。
ジャスミンは目を閉じたまま、蜜が付いたわたしの指を舐める。
その後、下を脱がされていく。
膝の少し上の辺りまで下ろされてから、自分で足を引き抜くように脱いだ。
上は制服のまま、下は裸・・・またエッチな顔してる。

「良いではないか、良いではないか」

冗談めかして腰を下ろしながら、お臍の周りにキスの雨を降らしてきた。
ビクビク震える肌を押えられながら、唇だけを這い落とされていく。
857名無しさん@秘密の花園:2006/11/08(水) 07:36:46 ID:KM2HBhOQ
「あぁ・・・あぅ・・・っん」

女の子の部分からはディープキス。
ジャスミンの舌の感触とチュルチュルという蜜の音が、すごく濡れてるのを知らされてしまってる。
堪らなくて、少しだけ声があがるのを押し殺すように、たくし上げられた白いアンダーを思い切り噛んだ。
舌先で尖った核を突付かれて剥き出しにされて、唇で挟まれて舐め転がされながら彼女を見ると・・・わたしを愛しながら自分を慰めてた。

「限界近し・・・」

肌を離して、目線を合わせるようにしゃがんでから彼女の頭を撫でた。
おどけたって無駄だよ?泣きそうな顔してるし。

「ジャスミン、キスしよ・・・?」
てっきりそうなんだ、と思った彼女は目を瞑って顔を近づけてくる。
「違う・・・こっち」
わたしは彼女を指先で制すると、甘え声を出して身体を密着させながら潤んだ部分同士をくっ付けて、動いた。

身体全体で、肌全体で激しい『キス』を交わす。
858名無しさん@秘密の花園:2006/11/08(水) 07:37:44 ID:KM2HBhOQ
「・・・っ!」
ブルッ、と一瞬肌が強張るのが分かった。
蜜が混ざり合って、プチュプチュとやらしい音がしてる。
入り口も柔らかいところも、硬いところも擦れていくと、追いつかない程の快感に支配される。

「はぁっ、きゃ、ぁ・・・」
「ひぁ・・・ん」
お互いの感じる場所を確かめるように、動いた。
探り当てたら、思い切り激しく腰をくねらせた。
汗ばんだ太腿やお尻が当たる。
握った手が震えて、頭のてっぺんから爪先まで甘い痺れが走る。

「や・・・っ!!」
「んっ・・・ぁ」

キュン、とそこが吸い付けられるような感触の後で、ドロリとお互いの蜜が中に入り合っていくような感覚を味わって・・・抱き合って達した後、少し意識が飛んだ。

気が付いたら、余韻に浸るように舌を絡め合わせていた。
859名無しさん@秘密の花園:2006/11/08(水) 07:38:42 ID:KM2HBhOQ
逃げるようにロッカールームを後にして、わたし達はバスルームにいた。
もっぱら裸の付き合いはどっちかの部屋でするから、ここで一緒にお風呂に入るのは意外と少なかったりする。

「ねぇ、やっぱりずるいよ」
「何が?」

ウメヨ達を撫でながら、振り返った。
だってリップの事言わなかったのって、エッチしたかったからでしょ?
突き詰めて考えたら、そうなるし。
860名無しさん@秘密の花園:2006/11/08(水) 07:39:45 ID:KM2HBhOQ
「それに、いっつも公私のケジメはつけようねって、約束してたのに」
「オフィスラブ、嫌だった?」
「・・・嫌じゃないよ。大好きだから、いっぱいいっぱいしたいもん。」

ジャスミンはクスッと笑って、続けた。

「ウメコだっていけないんだよ?リップ変えただけで食べちゃいたいくらい可愛くなってるんだもん。私も我慢できなかったの。」

かあっと、熱くなる。
もちろんお湯のせいなんかじゃない。

もっと、可愛くなりたいな。
貴女のために。可愛くなりたいな。
可愛い貴女も、もっと見たいな。

そんな事を考えながら、湯舟から上がる。

「さぁ、背中流してあげるから、上がった上がった!!」
ピシャンと、お尻を叩かれた。


fin
861名無しさん@秘密の花園:2006/11/08(水) 09:44:16 ID:bUIOar1Q
>>852-860エロくて素晴らしかったです!

オフィスラブという所が似てしまいますが、
こちらはあゆ美と美香が金融機関のOLという設定で書いた話を投下させて下さい。
あゆ美入社三年目。
美香入社二年目。
年齢も一つ違いです。



私があゆ美ちゃんを初めて意識したのは、入社一年目の夏だった。
朝の通勤ラッシュの電車内でたまたま彼女と一緒になり、背後から押された私はそのままあゆ美ちゃんにぶつかった。       「ごめんなさい!あゆ美先輩!」
「おはよう、でしょ?‥ふふっ」
優しい笑顔と肩まで伸びた髪が、私の前でサラサラと揺れた。

私と彼女は金融機関のOLで一つ違いの先輩と後輩だ。
その頃までは『あゆ美先輩』と呼んでいたんだっけ。
むせ返るような熱気の車内で、同じ吊り革につかまって彼女に寄り添っていた私は、じわじわと後ろから押されて、
彼女の肩口へまた顔がぶつかってしまった。

「あ、ごめんなさい」
「もっとくっ付いていいよ、美香ちゃん‥」    そう囁いてあゆ美ちゃんは、私の肩をもう片方の手でそっと抱き寄せてくれた。
862名無しさん@秘密の花園:2006/11/08(水) 10:13:53 ID:bUIOar1Q
「あ…」
かすかに触れ合う身体からほのかないい香りがして、私はくらくらして、彼女を思い切り抱き締めたい衝動に襲われてしまった。

勿論その時は何とか我慢して、何事もなかったかの様な顔をして二人で会社へ向かったんだけど…。

あの時以来私は彼女に、特別な感情を抱き始めたのは間違いなかった。

それから二ヵ月程過ぎ、季節は秋へと移り変わって行った。

新人の指導係を任せられていたあゆ美ちゃんは、私を含め三人の担当をしていた。
あゆ美ちゃんの教え方は解りやすくて丁寧で、私達は「あゆ美先輩でラッキーだったね!」
なんて給湯室で談笑したものだ。

863名無しさん@秘密の花園:2006/11/08(水) 10:43:09 ID:bUIOar1Q
そんなある日、新人三人の中の一人が、取引先の社長の電話応対でミスしてしまい、先方をひどく怒らせてしまった。
暫らくして支店長が私達の部署へやってきて怒鳴る。「電話応対したのは誰だ!?」

しんと水を打った様な静けさの後、あゆ美ちゃんが立ち上がった。
「私です…」

(え?嘘?‥違うよ!)
私は心の中で叫んでた。

ミスした当の本人はただ黙って俯いている。

「ちょっと応接室へ来なさい!」
あゆ美ちゃんは支店長の言葉に従って応接室へ向かった。

その後、定時の五時まで支店長を含め二、三人の上司にあゆ美ちゃんはひどく責められていた。
お茶を運びながら私は、彼女の様子を伺った。

何を言われても黙って、
「申し訳ありません」
を繰り返していた。

私は応接室を出てからも、胸が張り裂けそうで、その場に立ち尽くしていた。

864名無しさん@秘密の花園:2006/11/08(水) 11:12:54 ID:bUIOar1Q
やがて支店長達が立ち去った応接室へ、お茶の片付けをする為戻った私は、
ぼんやりと座ったままのあゆ美ちゃんの横に腰掛けてゆっくり口を開いた。
「どうして本当の事言わなかったの?」
「半分は…私の責任だから…」
「だからって、責任かぶる事ないよ!」
「いいんだ…これで…指導係は降ろされちゃったけど…」
そう言い終わらない内にあゆ美ちゃんは、ギュッと私に抱き付いてきて堰を切った様に泣きだした…。

「ごめん…今だけ泣かせて…」
彼女の嗚咽が室内に響く。張り詰めていた糸がプツンと切れたのだろう。

私は彼女を抱き締めて一緒に泣いてあげる事しか出来ないけど、その時自分の中にあるはっきりとした感情を確認した。

(私はこの人を、愛してる…)
865名無しさん@秘密の花園:2006/11/08(水) 11:59:17 ID:bUIOar1Q
その後カギ当番だった私は、あゆ美ちゃんに手伝ってもらって片付けを済ませた。
普段はもう一人上司が残っているのだが、用事があるとかで先に帰ってしまった。
社内にはもう誰もいない。ミスした本人もさっさと帰ってしまっていて、私は無性に腹が立つ。
(私はあゆ美ちゃんの様に優しくなれない…)

着替えを済ませた私達は社員か出入りする裏口へ向かった。
ドアに手をかけた彼女は先に電気を消して、私が来るのを待っていたが、
途中で立ち止まったままの私に声をかけた。
「帰るよ、美香ちゃん」
「……」
「どうしたの?」
私の表情が伺えないので、彼女はもう一度電気を薄明かりに切り替えて、私の顔を見る。
「泣いてるの…?」
と心配そうに私に近付いてくる。
「今日の事はもういいんだよ…」
「違うの…そうじゃない…そうじゃなくって…」

言葉を続けられなくなった私は彼女の頬に両手を添えて、唇を重ねていた。
チュッと音がして唇が離れた。
「あっ…」
彼女は驚いたように声をもらした。
「あたし…好きなの…」
彼女をキュッと抱き寄せてもう一回チュッとキスした。
「あゆ美ちゃんの事が本気で好きなの…」

866名無しさん@秘密の花園:2006/11/08(水) 12:39:26 ID:bUIOar1Q
あゆ美ちゃんの返事を聞くのが恐くて、また唇を押し付けた。
彼女の身体は少しこわばっていて、唇も震えているような気がした。
「ん…っ」
彼女は何か言おうとするが、私は唇を離さずに舌先をそっと彼女の唇に差し入れてみた。

ふっとあゆ美ちゃんの身体から力が抜けて、唇が少しだけ開いた。
その隙間から舌先をスッと押し込んで私の舌を絡ませていく。
彼女の舌もそれに応じてきた。
私はすすり込むように彼女の舌を引き込んだ。

強く抱き締めて胸を擦りつけて、彼女の舌を舐めるようにキスを続けた。
唾液をすすって喉を鳴らして呑み込んだ。

ツーと糸を引かせて唇を離すと、あゆ美ちゃんは恥ずかしそうに笑って呟いた。
「キス上手いね…驚いちゃった」         「ごめんね、嫌だった?」
あゆ美ちゃんは首を横に振ると、
「次はあたしがするね」
と言ったかと思うと私の唇に吸い付いてきた。

867名無しさん@秘密の花園:2006/11/08(水) 13:06:41 ID:ClhE/yD+
嫌なんかじゃないスよ!w
オヒスラブ萌え
868名無しさん@秘密の花園:2006/11/08(水) 13:18:07 ID:bUIOar1Q
彼女は指先で私の唇と前歯をこじ開けるようにして、「もっと口開けて…」
と囁く。
言われるまま口を開くと、彼女の舌がスルリと器用に滑り込み、舌を絡めてから勢い良く吸われた。

舌の裏側を突いて刺激されると、私の唾液がほとばしり出てきて、彼女はゴクリと喉を鳴らしながら何度も何度も呑み込んだ。

「あゆ美ちゃんのも、ちょうだい…」 
私は思わずそう言ってた。

彼女は頷くと、自分の唾液を私にそそぎ込んでくれた。
温かくて、甘くて、私は夢中で味わって呑み込んだ。

互いのぬくもりを交換しているような…。
切なくて優しい彼女の全てを、ただ受け入れてあげたかった…。

どれくらい時間が流れたんだろう?

ようやく唇を離して、もう一度抱き合った。
869名無しさん@秘密の花園:2006/11/08(水) 13:56:20 ID:bUIOar1Q
「あゆ美ちゃんこそ…キス上手すぎだよ…」
私がそう言うと、ふたりの笑い声が重なった。


戸締まりを確認して、私達が外へ出た時はもう真っ暗だった。

「あゆ美ちゃん…指導係じゃなくなってもいろいろ教えてね」
「いろいろって、何?」
「仕事の事だよ〜もう」
私はあゆ美ちゃんに甘えて言った。
「はいはい、仕事ね!…私は他の事もいっばい教えてあげたいけど…」
「えっ?」
「何でもないよ〜さっ急ごう!」 

あゆ美ちゃんは私の手を取って駅へ向かう途中、その手に指を絡めてそっと握ってきた。

「今度の土曜日、美香ちゃんの部屋に泊めてくれる…?」

私の胸がドキンと音を立てる。

「も、もちろんいいよ〜お部屋ピカピカにして待ってるからね!」
「うん!」

私達は高鳴る胸の鼓動を押さえ切れずに、駅へ向かって駆け出していた…。


END
870名無しさん@秘密の花園:2006/11/08(水) 14:02:32 ID:bUIOar1Q
少しずつ二人の関係を深めたいと思います。
続き出来たら投下させて下さい。
よろしくお願いします。
871名無しさん@秘密の花園:2006/11/08(水) 15:05:39 ID:bUIOar1Q
それからツインカムの話の後すぐの投下になり申し訳ありませんでした。
携帯からなので今日の午前中しか時間なくて、PCならもっと融通きくんでしょうけど‥。
872851:2006/11/08(水) 19:00:12 ID:xwum+onB
>>871
キスシーンの描写が素晴らしいです。
続きwktkして待っております!
873名無しさん@秘密の花園:2006/11/09(木) 02:56:36 ID:sFpNBKK1
二人のこんなシーン読みたい…。とかリクエストあったら取り入れて書いて行きますが何かありませんか?
874名無しさん@秘密の花園:2006/11/09(木) 07:05:53 ID:wcuxwi0y
とにかく、もうどうしようもない位甘々なヤツをw
875名無しさん@秘密の花園:2006/11/09(木) 07:06:23 ID:wcuxwi0y
ageてスマソorz
876名無しさん@秘密の花園:2006/11/09(木) 07:25:55 ID:+2R5VNXG
アナル攻め
877名無しさん@秘密の花園:2006/11/09(木) 13:01:45 ID:6AF7GpuB
ジャスミンを軽く縛ってみる
無理矢理じゃなく、あくまでラブラブな感じで
878名無しさん@秘密の花園:2006/11/09(木) 13:33:46 ID:TecHV68T
ちょw
書き手さんが迷わないようにな。
879名無しさん@秘密の花園:2006/11/09(木) 14:29:17 ID:sFpNBKK1
まとめると、軽く縛ってラブラブでじゃれながらアナル攻め…って事か。

キャラは、ジャスミンでもあゆ美ちゃんでもいいですか?
880名無しさん@秘密の花園:2006/11/09(木) 17:01:44 ID:BZzdz5JQ
エロならジャスミンがいいな
881名無しさん@秘密の花園:2006/11/09(木) 20:08:23 ID:sFpNBKK1
はい了解!
貴重なご意見有難う。
882名無しさん@秘密の花園:2006/11/10(金) 04:09:03 ID:hEXNDahz
アナルとかアブノーマルはあの2人には合わない感じだし嫌だな
どっちかがすごく嫉妬しちゃう話とか
読んでて切なさとか伝わってくるような
そんなのが読みたいです
宜しくお願いします
883名無しさん@秘密の花園:2006/11/10(金) 07:09:28 ID:jeENAPCy
秋の味覚をテーマにした短編、何か書きますね。
体調崩しちゃって来週になりますがorz
884名無しさん@秘密の花園:2006/11/10(金) 08:12:52 ID:2w5c2KGh
>>882
ここは結構女性多い感じだし、需要もいろいろだからあまり変な方向に走らない様に考えて書いてみますね。
でも、リクエストにあったジャスミンを軽く縛っちゃう話くらいはいいかな〜と思ってますが…
885名無しさん@秘密の花園:2006/11/10(金) 08:17:42 ID:DQtl12Fp
>>883
お大事に
886883:2006/11/10(金) 08:19:55 ID:jeENAPCy
縛り・・・というか、ウメコのポニーテールのゴムバンドて二人で手を括りあって、「もう絶対離さないよ」みたいな・・・
こんなこと考えるから具合も悪くなるw
887名無しさん@秘密の花園:2006/11/10(金) 14:12:24 ID:2w5c2KGh
>>886さん、ホントお大事に。
私も風邪で寝てないといけないのにあれこれネタ考えてしまうんですよ・・
何も考えず寝てりゃ治るのに・・
888名無しさん@秘密の花園:2006/11/10(金) 17:10:47 ID:kM2U6MPK
結局、書き上がりました。刑事黄桃と焼いも。では。
889名無しさん@秘密の花園:2006/11/10(金) 17:11:29 ID:kM2U6MPK
sweet thirteen


今日は、月曜日。

世間様は一週間の始まりで憂鬱だけど、私達は夜勤明けのお休み。
街路樹がざわめいてて枯葉がたくさん散ってる舗道を、二人で手を繋いで歩いてた。
「・・・」
「・・・」
手は繋いでるけど、ウメコも私もムスッとして何にも言わない。
我ながら、ヘンな光景。


捜査の最中、ちょっとだけ別々になった時にボスと一緒に行動した。
その時たまたま何かの弾みで身体が重なってしまった時、キスしちゃったと勘違いしたらしい。
それが気に入らなかったウメコはヤキモチ妬いて膨れあがって、一言も口を利いてくれない。
・・・だいたい捕物やってるときにどうやってキスできるの?
ホントにオッチョコチョイだな〜〜。

ボス曰く「しっかり首に縄つけておけ」だって!
890名無しさん@秘密の花園:2006/11/10(金) 17:12:24 ID:kM2U6MPK
【石焼〜〜きいも〜〜〜〜 おいも〜〜〜〜 九里より旨い十三里・・・】

ノスタルジックは節回しに、思わず足が止まる。
「痛っ」
後ろからくっ付いてた彼女は私の背中にドン、とぶつかる。

こんがり香ばしい紫色の皮に包まれた、鮮やかな黄金色のホクホクの中身。
二つに割ると立ち上る、甘い匂いの湯気。
なりふり構わず、それを一気に皮ごと頬張る。

・・・そんな自分の姿を想像しただけで、よだれが出そうになる。
焼きいもって、何でこんなに女の子(というには憚られるお年頃)の琴線に触れるんだろ?
だけど彼女は機嫌悪そうに私に視線を送る。
手にしているのはスイートポテトの入った箱。
ボスやスワンさんや、他の皆にお土産として買って帰ってたもの。
『さつまいも』を食材にしたものが重なるから・・・それ以前に仲直りしてないままだから憮然としてる。
でもウメコには悪いけど・・・何か言いたそうな、口をキュッと締めた表情が切なくて、可愛くて・・・・・・

・・・って、もうやめやめ!!
仲直りには、いいきっかけかな?

手袋を取って彼女の手を引っ張って、トラックに足を運んだ。
891名無しさん@秘密の花園:2006/11/10(金) 17:13:11 ID:kM2U6MPK
「一つ食べてみない?タダで味見させてあげるよ」
愛想のいいオジサンが、私達に話し掛けてくる。
さっき想像したとおりの形のイイヤツを一つ貰って二つに割った。
クン、と、鼻を鳴らす音が聞こえる。
コマーシャルの犬みたいな表情で私を見てる。

――ごめんね――

一瞥してから右手に持ったいもに齧り付こうとしたとき、彼女が私の中に入ってきた。

「うぐ」
「んんっ!(こらっ!)」
一つの固まりに、一緒にぱく付く。
さらに私の腕にしがみ付きながら、手にした芋にむしゃぶり付いてくる。

「ちょっ・・・ウメコ!!」
「サービスサービス!仲直り仲直り!!」
892名無しさん@秘密の花園:2006/11/10(金) 17:13:55 ID:kM2U6MPK
結局六つ買うはずが、焼いも屋さんのオジサン曰く「二人とも可愛いから」って理由で更にサービスしてもらって、八つ。
七つあれば、皆に行き渡るな。
一つ余ったぶんを、また二人で食べる。
さっきまでのふて腐れた顔はどこへやら、私の顔を見て口を動かしながらニコニコ・・・単純だな〜〜。
ま、ウメコの笑った顔を見て幸せな気持ちになる、私も単純だけど。

「ジャスミン、ごめんね。ヤキモチ」
「よござんすよ!あっしはもう過ぎたことは忘れちまう主義で・・・」
私だっていっぱいヤキモチ妬いてた事、あったんだから。

「それと、ね・・・」
「何じゃらほい?」

「仲直りの証拠・・・あげるね?」

仲直りの、か・・・うん、そうだそうだと言いました、と。
ベンチに座って、鈍い色の空に囲まれながら、唇をゼロまで近付ける。
893名無しさん@秘密の花園:2006/11/10(金) 17:15:19 ID:kM2U6MPK
ゲプッ!!!!

季節外れのカエルが鳴く。
ウメコの口から、空気が漏れた。
暫く黙って見つめて・・・耐えられなくなった私は彼女の顔に思い切り吹き出した。


「あ、ごめ・・・やだ〜〜〜〜!!」
「にゃはは、聞いちゃった、聞いちゃった、ウメコのゲップ!スワンさんに言ってやろ!」
「もうっ、待ってジャスミン!!」
笑いながら、駆け回った。

ゲップする貴女もヤキモチ妬く貴女も、全部大好きだよ。
引っ越したら、いっぱい聞かせてね?


fin
894名無しさん@秘密の花園:2006/11/11(土) 17:43:49 ID:mdGI2WGE
>>888-893
GJです
ウメコがヤキモチ妬いてる姿がありありと目に浮かびますね
ボスとのキス・・・なんか凄そう(w

ttp://022.gamushara.net/imgview.php?board=talents&file=ak_mk.jpg
895名無しさん@秘密の花園:2006/11/11(土) 19:03:10 ID:A0pUVWk6
>>894あなたなんてものを・・・ハァハァ
896名無しさん@秘密の花園:2006/11/11(土) 19:20:25 ID:LYdj2zaW
>>894
コラwww
897名無しさん@秘密の花園:2006/11/11(土) 21:09:55 ID:/MjGMmd4
美香@看護師を書いてる者です。
だいたい日付が変わる前後に、作品を少し投下する予定です。

>>894
思わずため息が出ちゃうくらい。
やはりこの二人は画になりますね
898名無しさん@秘密の花園:2006/11/11(土) 22:08:39 ID:WtaE8OLC
>>897
凄い待ってました!
お願いします!

>>894
何?携帯だから見れないよ〜教えてよ〜
899名無しさん@秘密の花園:2006/11/11(土) 23:42:47 ID:aGjFmNXB
>>894
これ入ってるよね
900名無しさん@秘密の花園:2006/11/12(日) 01:30:49 ID:n7XOiPzf
>>899
うん
ズッコン入ってるね
901名無しさん@秘密の花園:2006/11/12(日) 02:15:32 ID:ZO6Ej3EQ
>>894
こうして見ると、タイプは違えど二人とも本物の美人だと改めて実感するね
902名無しさん@秘密の花園:2006/11/12(日) 06:21:18 ID:SnH80lyX
>>899
みうらじゅんさんですか?w
903名無しさん@秘密の花園:2006/11/12(日) 19:04:34 ID:KI7FCbxl
文章と並行してるから描くかどうか分かんないけど・・・絵もいいのですか?
ヘタクソですけど
904名無しさん@秘密の花園:2006/11/13(月) 11:50:40 ID:BW4fadwV
あれ、あゆ美先生は・・・?
905名無しさん@秘密の花園:2006/11/13(月) 12:30:38 ID:AEPhdlci
>>904          診察中
906名無しさん@秘密の花園:2006/11/13(月) 12:49:40 ID:DrtR+Cvc
>904
すいません。
夜に続きを投下するので、これで我慢をm(__)m

エロは入りますんで要注意です。
907美香@看護師:2006/11/13(月) 12:50:34 ID:DrtR+Cvc
昨夜はあゆ美と愛し合い、朝から上機嫌。
久々と言うほど間隔が空いてた訳ではないが、
やっぱりあゆ美と一緒だと何もかも楽しいし、そして幸せだ。

彼女よりも先に起きた私は、二人分の朝食を作る。

トーストにサニーサイドアップのハムエッグ、サラダ、それにコーヒー。
手際よく作り、互いの好みの味付けをし、テーブルに並べる。
『以前は料理が不得手だった私も成長したもんだ♪』
そう自画自賛しつつ、あゆ美の元に戻る。

まだベッドに横たわる、眠れる美女に目覚めのキスをする。
「…ぅん…、おはよ…」
目を擦りながら起きあがる。
「お姫様、朝食の準備もできましてよ」
「それは結構♪早速いただきましょう」
そんな会話をしながら、私が彼女をリードするように手を引き、キッチンへ誘う。
こんな光景がもう当たり前になってる。

「美香は今日も日勤で、明日夜勤だよね?」
トーストをかじりながら、あゆ美が訊く。
「あゆ美も明日は当直だったね♪」
「そうだよ♪」
ここしばらくは家でしか会えなかったけど、今日も明日もずっと一緒。
ただそれだけなんだけど、私にはすごく嬉しい。

私たちは朝食と身支度を済ませ、一緒に職場である小児科へ向かった。
908名無しさん@秘密の花園:2006/11/13(月) 12:53:28 ID:DrtR+Cvc
車中ではいつものように、他愛もない会話をする。
内容はいろいろだが、大したものではない。
けど、彼女と一緒にいられることが嬉しい。


病院の関係者用駐車場に車を停める。
『姫、しばしのお別れです』
あゆ美がおどけて言う。
『王子様、夕方に迎えに来てくださいませ。
私はそれまでお待ちしてますわ』
今時のメロドラマでも使わない、カビの生えたような台詞に、
彼女は顔をくしゃくしゃにして笑う。

車を降りたら、しばらくは医師と看護師の関係になる。
区切りの挨拶というか、悪あがきみたいなものかな?

あゆ美が笑い終えた後、周囲に誰もいないのを確認し、軽くキスをする。
そして車を降りて、互いに手を振り、それぞれの職場へと向かう。

ロッカーで着替えて、それから申し送りを受け仕事に入る。

小児病棟にいる子たちや、外来で来た子供に声をかけたり、看護師としての仕事(この間は診察してるあゆ美と一緒だったりする)をこなす。
大体いつも通りの勤務だな、とか思ったら、お腹の虫が少し騒ぎだした。
もうすぐお昼の時間だ。
昼前になり、交代で食事をするため、私は他の同僚と一緒に食堂に向かう。
909名無しさん@秘密の花園:2006/11/13(月) 12:54:42 ID:DrtR+Cvc
「美香!?」
後ろで誰かが私の名前を呼んだ。あゆ美の声ではない。
聞き覚えのある男性の声、まさか…
恐る恐る振り返るとそこにいたのは、
あゆ美と一緒になる前に付き合ってた元カレ。
驚いて動揺する私を気にもせず、相手は話しかけてくる。
「お前、ここに勤めてるんだ?」
「どうして?何でこの病院にいるの?」
語気を少し強くして問う。
「友達が事故って入院してるんだよ。それで見舞いに来てた訳。
にしても…」
「ん?何?」
「ナース服の美香も可愛いなぁ。誰か他のオンナ紹介してくれよ。」
「まだ仕事中だから。じゃあね。」
と軽くあしらい、私たちは食堂に再度向かう。

『ホント最悪…なんでアイツがいるの?』
心の中で呟く。
気分が一気に落ち込む。
それを察してか、同僚の亜美が
「さっきの、美香の元カレ?なんか軽そうな人だよね。」
と言う。
「そ〜なんだぁ。元からそういう奴でさぁ…」
自分で少しテンションを上げつつ、会話で気持ちを盛り上げようとする。

食堂に着き、互いに向き合いながら食事をしてる際も、その話題で持ちきりだったが、
亜美と話をしたおかげで、少しは気分が晴れた。
910904:2006/11/13(月) 12:58:33 ID:ouOxU7wn
>>906
せかしてすみませんです。申し訳ありませんm(__)m
911名無しさん@秘密の花園:2006/11/13(月) 13:05:04 ID:ouOxU7wn
連投スイマセン、楽しみにしております!!
もうどうしてもたまんない、この感じ・・・
912名無しさん@秘密の花園:2006/11/13(月) 15:31:01 ID:RJDcOgs7
続き今夜待ってま‐す!
913名無しさん@秘密の花園:2006/11/13(月) 23:26:14 ID:RJDcOgs7
ジャスウメで一つ話出来ました。
二、三日中の午前中でも携帯から少しづつ投下します。

とりあえず、あゆ美先生の後に…
914美香@看護師つづき:2006/11/14(火) 02:04:13 ID:5VDLBIvt
食事を終え、小児科に戻る際にも会話は続いた。
「ありがと。持つべきものは友、だわね♪」
「なら、今度食事おごってよ。」
「それは考えておく。」
「ズル〜い。」


そんな会話をしつつ、各自の持ち場に戻り、引き続き仕事に入る。
あゆ美は入れ替わりで食堂に向かったようだ。

もうすぐ冬に近付いてるからか、インフルエンザの予防接種に来る子供が多い。
『これも季節の風物詩なんだなぁ』と思いながら仕事をしてると、あゆ美が食堂から戻ってきた。

いつもは食事の後は上機嫌なのに、あまり元気がない様子。
少し心配に思いながらも、注射を受ける子に消毒し、泣きそうな顔をしてるので宥めた。

「少し痛いけど、我慢すれば風邪なんて怖くなくなるよ。」――――


無事に仕事を終えて、普段着に着替え、あゆ美と落ち合い車へと向かう。
師走も間もない今の時期、帰る頃はもう外は薄暗く、
車内も冷え込んでる。
キーを差し込み、エンジンを掛ける。

暖房が効いてくるまでの間、昼に元カレに鉢合わせたことを告げる。
きっとそれで、彼女は浮かない表情をしていたのだと思ったから…。

一通り話した後、あゆ美は特に驚くこともなく
「へぇ〜、そうだったんだ」
915名無しさん@秘密の花園:2006/11/14(火) 02:05:02 ID:5VDLBIvt
あまりに素っ気なく答えたので、返って拍子抜けしてしまった。
肩透かしを食らった気分の中、彼女に食事後の表情の理由を訊く。

一呼吸置いた後、彼女が口を開く。
「実はさぁ、昼に父からの着歴があったから、電話したんだ。
そこでは母が代わりに出たんだけど、別れた元カレから、
『もう一度、あゆ美さんとやり直したいので、
何とか話す機会をいただけませんか?』
って連絡が来たんだって。」
「あゆ美はどう答えたの?」
少し不安げに私が訊ねる。

「『今はもう好きな人が居るから無理だから、
お断りします。って伝えておいて』と答えたよ。」
と、きっぱり言い切った。
ホッとした。あゆ美を信じてない訳じゃないけど、
親御さんの顔を立てるために会うんじゃないか?
とか、いろいろ考えてしまい、少し不安になってたから。

「それにしても…」
「ん?」
暖機運転を終え、走る車の中で、あゆ美が呟き、私が答える。
「今日はお互いに、元カレで散々な目に遭っちゃったね。」
「ホント!なんかイヤな気分になっちゃったよ。
でもあゆ美が私を選んでくれたのが分かったから、
それだけで幸せ♪」
シフトレバーの上に置いた彼女の手の上に、私の手を重ねる。
916名無しさん@秘密の花園:2006/11/14(火) 02:08:50 ID:5VDLBIvt
途中で晩ご飯の食材を買い、二人のマンションに帰る。
間もなく駐車場に入る頃、携帯の着信音が車内に響く。
誰かと思い画面を覗き込むと、ふと記憶にある番号。
――元カレからだ――
せっかくイヤな気分も忘れられそうだったのに…。
電話に出ない私を見つめながら、
「誰から?出ないの?」
あゆ美が問いかける。
彼女のつぶらな瞳が、私の心に突き刺さる。

「…元カレから…なんだ…」
「そっかぁ…」
彼女の表情が曇る。
『お願い、そんな顔しないで…切ないよ…』
お互い黙ったまま、しばらく動けなかった。

そんな静寂な、時が止まったかのような空間を再び携帯の着信音がけたたましく鳴り響く。
相手は元カレ。

私は車から降り、電話に出る。
「一体何よ!!私たちもう別れたから、今は関係ないでしょ!?
今更何を話したいの!?」怒りの矛先を元カレに向ける。
「あのさ…」
申し訳なさそうに、元カレが受話器の向こうから語り掛ける。

「何よ?!」
怒りが収まらない私がキツく言葉を放つ。
「昼に美香に会ったじゃん?俺、嬉しかったよ。」
穏やかな口調で続ける。
「でさ、その…もし良かったら、やり直さないか?」
「えっ?!」
917名無しさん@秘密の花園:2006/11/14(火) 02:09:44 ID:5VDLBIvt
「勝手な願いなのは承知だけど、
今から少し会えないか?」
「…少し待ってて。また後で連絡する。」
そう言って、一度通話を切った。

少し後ろに離れた場所で、あゆ美が車にもたれながら待ってる。
私が近付くと
「元カレさんから?」
「…うん。『今から会えないか?』って言われた…」

彼女は少し間を置いてから
「美香、元カレさんに面と向かって話さないとダメだよ。
私も一緒に行くから、会いに行こう。」
「でも…あゆ美は迷惑じゃない?」
「美香一人じゃ、心細いでしょ?
それに…」
「それに?」
「…美香はすぐにムキになるから心配なんだよね〜♪」
おどけながら言うあゆ美の表情で、張りつめてた空気が緩む。

「もぅ、私はそんなに子供じゃないよ!!」
「にゃはは〜♪怒らない怒らない。
これでだいじょ〜V♪」
「古いなぁ。」
私の表情も緩む。

力みが取れた私は、元カレにマンションから少し離れたファミレスで
あゆ美と一緒に行く旨を伝えた。
918名無しさん@秘密の花園:2006/11/14(火) 02:11:41 ID:5VDLBIvt
待ち合わせの10分前、車をファミレスの駐車場に着く。
「美香、ちゃんと気持ちを伝えなきゃダメだからね。
曖昧な答えは、変な期待持たせちゃうから。」
「分かってるよ。ちゃんと伝えるから。
あゆ美は心配性なんだから。」
「だって心配なんだもん。」
あゆ美が少し頬を膨らませる。
「ありがと。」
その頬に私が軽くキスをする。
彼女は少し照れながら「行こうか?」と促す。
私も「うん!」と答えて二人とも車から降りる。

既に店内では元カレが待っていた。
私たちは元カレの正面の席に座る。

「そちらの方は?」
「電話で話した、同じ小児科の木下先生。
今は先生と暮らしてるの。」
「初めまして。」
元カレは彼女に一礼した後、本題を切り出す。
「俺、別れた後になって、どれだけ美香が大事な
存在だったか、初めて気が付いたんだ。」
言葉に詰まる私たちに、
「木下先生は俺の気持ち、分かりますよね?」
と言った。
「分からなくはないけど、でも…」
「でも?」
「自分から別れておいて、今頃になってヨリを戻したい
というのは、勝手すぎると思いますね。」
彼女は平然と答えた。でも少し怒ってる?

「俺も勝手なのは分かってます。」
919名無しさん@秘密の花園:2006/11/14(火) 02:12:54 ID:5VDLBIvt
「俺も勝手な願いだと思います。
けど、俺には美香が必要なんです。」
彼も語気をやや強める。

あゆ美はテーブルを『バンッ』と叩き、立ち上がり
「あなたね、美香があなたと別れて、どれだけ傷ついたと思ってるの?!
どんなに涙を流したか知ってる?!
やっと立ち直って、今幸せなのに、その幸せを放棄して
ヨリを戻させる価値が、今のあなたにあるとは、私には思えない!」
すごい剣幕でまくし立てる彼女に、さすがに元カレも沈黙せざるを得なかった。
店内に響きわたるくらいの怒声のおかげで、周囲から注目されてしまったのもあるが…。

でも、彼女がこれほど怒るのを見たのは、
もちろん初めてだったので、私も驚いた。

しばらくの沈黙の後、私が元カレに気持ちを伝える。
「私ね、今幸せなんだ。
その人の隣にいるのは心地良くて、
いつも安らいだ気持ちになれる。

多分、いやこれからもずっと、私はその人の隣に居たい。
だからあなたの元に戻る気はなれないし、ならない。
ゴメンね。」
「その人のこと、愛してるんか?」
俯きながらの質問に
「愛してるよ。今までも、うぅん、これからもずっと」
無意識にあゆ美の手を強く握り締めながら、はっきりと答えた。
920名無しさん@秘密の花園:2006/11/14(火) 02:15:46 ID:5VDLBIvt
元カレは顔を上げ
「分かったよ。ありがとう。」
と、精一杯の笑顔で答えた。
自然と解散の流れになり、3人とも席を立つ。
会計を済ませ、駐車場で別れの言葉を交わす。

「美香が好きな人ってさ、いい人なんだな。」
「うん。」
「大事にしろよ…木下先生のこと。」
「えっ?!」
「じゃあ、二人で幸せにな。」
彼は車に乗り込み、車を発進させ、街の中に消えていった。

私たちもマンションに帰る。
その途中
「なんで私たちが付き合ってるとバレたのか?」
というのが話題となり話してた。
私があゆ美の手を握ったのを見てたのだろう、との結論が出たのだが…
彼がその瞬間を見てたのかどうかは、
互いに知る由もない。
部屋に戻り、遅い夕ご飯とバスタイムを済ませ、ベッドに二人で寝そべる。
「あゆ美ってさぁ、あんなに怒ると怖いなんて知らなかったよ。」
「う〜ん」
「それに、感情的になりやすいのは、私よりあゆ美の方だったし。」
「それは…」
「?」
「美香を傷つけたのに、自分の都合でヨリを戻そうなんて、絶対許せなくてさ…」
「そっか。」
「美香は私の大事な人だもの。傷つけられて黙ってるなんて、
私には耐えられないよ。」
「あゆ美…」
921名無しさん@秘密の花園:2006/11/14(火) 02:16:38 ID:5VDLBIvt
自然と涙がこぼれた。
今まで気付かなかったけど、
私をそこまで大事にしてくれた彼女の優しさが、
今の私には堪らなく嬉しい。

あゆ美が涙を指で拭いながら
「私ね、ずっと美香の隣に居るね。
そして美香のこと守るよ。」
「私もあゆ美の隣にずっと、ずっと居るよ。
私もあゆ美のこと守りたいよ。」
軽く私の額にキスをして
「ありがと」と言った彼女の瞳にも、涙が滲んでる。
私は唇で涙を拭って
「あゆ美、愛してるよ。」
と言い、軽くキスをする。
彼女も
「私も美香のこと、愛してる。」
と言って、私に唇を重ねる。
甘い吐息、シャンプーの香り、でもそれより「愛してる」という言葉が、
私には最大の媚薬だ。

唇を貪り、次第に舌を絡め、口の中すべてを舐め回し、
唾液が混じり合う。

たまらなくなった私は、耳の裏から首筋、胸元に舌を這わせる。
「ぁん…」と言いながらシーツを掴み、体を捩る。
両方の乳首を責める。
左のを吸いながら、右のを指で弄る。
吸うだけじゃなく、舌を動かしたり、甘噛みしたりを
不規則に繰り返し、左右満遍なく責める。
それから臍から太股に這わせ、
既に濡れ始めた下部を責め始める。
922名無しさん@秘密の花園:2006/11/14(火) 02:17:37 ID:5VDLBIvt
濡らした指で陰核を責めながら、下部に舌を入れ、かき回すように動かす。
「はぁっ……んっ…」
より一層捩らせながら、甘い声を漏らす。
劣情を増幅させた私は、陰核と一緒に、蕾を責め始める。
「いやぁ…美香…ダメぇ…」
ささやかな抵抗の声も聞き入れず、蕾に指を入れ執拗にかき回す。
陰核を舌で責め続けると、次第に白濁の液が溢れ、彼女はそのまま達した。

体をゆっくりと起こした彼女は
「今度は私の番ね♪」
と微笑む。
今度は私が責められる。
まずは濃厚なキス。
舌を絡ませ、歯の裏などを舐め回す。
正直この時点で濡れちゃう…。

舌を頬、耳、首筋と這わせ、胸を揉みしだきながら乳首を責める。
吸ったり、舐めたり、甘噛みしながら、手を次第に下部へ滑らす。

「美香のここ、もう濡れちゃってるね♪」
「言わないでよぉ…」
「口では恥ずかしがってるくせに、こっちは悦んでるみたいだけど」
妖しく微笑み上目遣いしながら、胸と下部を執拗に責める。

あゆ美に体を弄られるのは恥ずかしいけど、
でもそうされることで感じてしまい、何も考えられなくなっていく…

「…ねぇ?」
責められて、意識が飛んでる様な状態の私に
彼女が問いかける。
「美香のここも責めていいよね?」
923名無しさん@秘密の花園:2006/11/14(火) 02:19:34 ID:5VDLBIvt
いつもは私が責める、蕾の部分を軽く指で触れられる。
それだけでも感じてしまい
「ぁん…いやぁ…」
と声を漏らす。

彼女は感づいたらしく、私を無理矢理四つん這いにさせる。
「美香のここ、すごくキレイ…」
そう言って、舌を這わせる。

「ダメ…あゆ美、お願い…」
声にならない声で抵抗しても、彼女は全く聞き入れず
執拗に責め続ける。
蕾の周囲を舐め、蕾の中に舌を入れる。
「ダメ…ダメ……汚いよぉ…」
「美香だって私の舐めてるでしょ?
それに美香に汚い部分なんてないよ。」

あゆ美は舌を蕾に入れながら、右手の中指で下部をかき回す。
左手は私の手を握った状態。
「ん…ん…ぁあん…」
次第に波が大きくなり
「は…っぁん…あ…あっ…」

私も達した瞬間だった。

それからは、69で下部を舐め合い、何度もキスを体を重ね、何度も絶頂に達した。
手を握り合い、互いの名前を呼び…

最後は獣のように貪り合いながら果てた。
互いに「愛してる」と言いながら…
924名無しさん@秘密の花園
互いに目が覚めたのは10時過ぎ。
二人でコーヒーを飲みつつ、のんびりとテレビを見ながら、夜勤までの間まったりと過ごす。

互いに昨日の疲れがあるようで、ソファーに寝そべりながら居る。

「あゆ美♪」
「ん?なんじゃらホイ?」
「私がもし男だったら、あゆ美は私のこと好きにならなかった?」
「ん〜、好きになったと思うよ。」
「なんでそう思うの?」
「何となく、かな?」
「答えになってな〜い」
「じゃあ、美香はどうなの?」
「う〜ん…あゆ美と同じかな?」
「何となく?」
「うん。何となく」
「美香のも答えになってないじゃ〜ん」
「じゃあ、答え出すよ」「どんな風に?」
「こんな風に…」
軽く彼女の唇にキスをする。
「じゃあ、私も答え出すね」
今度は彼女が私に、同じ答えをする。
「あゆ美、愛してるよ」
「美香、愛してるよ」
彼女が立ち上がり「とりあえず、バスタイムにしようか?」と訊く。
私も「うん♪」と答えて立ち上がる。
あゆ美が手を差し伸べ、それを掴む。
――――ずっと一緒にいるからね――――
そう胸に誓い、あゆ美と風呂場に向かった。

fin