クラナドSS専用スレッド

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1名無しさんだよもん
クラナドのSSスレです
ネタばれが含まれるSSもあるかも知れないのでコンプ前のひとは注意
それでは職人の皆さんお願いします。

このスレと住人に幸あれ・・・・
2名無しさんだよもん:04/05/08 17:16 ID:y7DjLHZ4
3名無しさんだよもん:04/05/08 17:16 ID:8AO6DybR
【CLANNAD】エロ小説【クラナド】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1083717308/
4名無しさんだよもん:04/05/08 17:20 ID:6xXYRHhg
5名無しさんだよもん:04/05/08 17:20 ID:/mZz/IhQ
…終了?(汗
6名無しさんだよもん:04/05/08 17:21 ID:BmzUsU4z
エロ無し小説をこっちでやればいいんじゃないの?
7:04/05/08 17:22 ID:wC2TTMNX
エロじゃない普通のSSスレのつもりで立てたんだけど・・・ダメ?
8名無しさんだよもん:04/05/08 17:22 ID:8AO6DybR
オレは終了とは一言もいってない
9名無しさんだよもん:04/05/08 17:23 ID:6xXYRHhg
エロ無しSSきぼん
10名無しさんだよもん:04/05/08 17:49 ID:NcWEaGYk
ttp://strawberry.atnifty.com/cgi/up/src/up3396.zip.html
ttp://noomiso.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/2jisobbs/sbbs.cgi?mode=view&no=37&page=
よく分かりませんがたまたまクラナドSS見つけたので晒しておきますね
11名無しさんだよもん:04/05/08 18:20 ID:XBxKH2yY
職人期待アゲ

でも普通は対応するキャラスレに落とすよな…
12名無しさんだよもん:04/05/08 22:04 ID:zPvc0a4j
   
13名無しさんだよもん:04/05/09 00:52 ID:hLCmePp2
クラナド本スレパート90 レス186と193の改変+続き

「今日はうちに遊びに来てくださいっ」
それは、古河のこの一言で始まった。
いつもの、演劇部の部室(いちおう)で遊んだ俺たちだったが、
帰り際、古河が俺たちを家に招待したのだ。
しかし、藤林姉妹は用事があるということで帰ってしまい、
(杏のほうは、なんだか企んでいそうな表情だったが)
さらに、当の本人は家の道だけ俺たちに教えると、
「今日は、まだ晩御飯の買い物してないので、先に行っててください」
と、そそくさと買い物に出かけてしまった。
で、古河の家に向かう道中、残ったのは
「…朋也くん」
俺の名前をつぶやくように小さい声で呼ぶ少女、ことみと二人っきりである。
「なんだ?」
別に二人っきりになるのは、これが初めてではないが、
最近は、藤林姉妹や古河がいて、賑やかだったためか、緊張していないわけでもない。
(かーっ、杏のやつ、まさかこのことがわかってたんじゃないのか?)
こういうことが好きなあいつのやりそうなことである。
俺は、あいつの策略にはまったのかもしれない。
14名無しさんだよもん:04/05/09 00:53 ID:hLCmePp2
「…朋也くん」
さっきよりも小さい声が俺の後ろでする。
「だから、なんだ?」
名前を呼ばれるのも、返事をするのもなんだか恥ずかしい。
「…着いたの」
慌てて振り返る。
振り向いた少し先で、ことみが公園のそばでちょこんと行儀よく立っていた。
夕日が彼女のうしろにあったが、5月のその光は、ことみを優しく照らし、
いつも不思議な印象を与える彼女の表情を美しく引き立てており、
二人っきりを意識していたせいもあるのか、思わずドキッとしてしまう。
「???」
しかし、当の本人は俺の気持ちなど、まったくわかっていないだろう。
不思議そうにこっちを見ている。
「朋也くん?」
ことみの一言で、ようやく我にかえる。
ふと、公園の向かいにある家に目を向ける
古河パン。
たしかに、少々さび付いてはいたものの、そう書かれていた看板が出ていた。
俺はあわてて、ことみのいるところまで戻る。
そして、古河の家らしきパン屋の中を正面のガラス越しに覗いてみる。
こじんまりとした店内。パンのいい匂いはするものの、店内に客のいる様子はなく、
地味な内装もあってか、正直、寂れた感じの強い印象がした。
俺が客なら、遠くても別の店を探しているだろう。
(まぁ、今日は客で来たわけじゃないし)
俺たちは、ここに招待されたのだ。
ここの店の娘に。
だから
「ことみ、入るか」
俺は、ことみを誘った。
ことみは笑顔で黙って頷いた。
15名無しさんだよもん:04/05/09 00:54 ID:hLCmePp2
「ちはーっす」
俺がまず、表から挨拶しながら入る。
が、反応はない。
「…こんにちは、なの」
続いて、ことみが初めて来る場所なためか(って、俺もだが)、
ちょっと体を縮みこませて、小さな声で挨拶して入ってくる。
だが、やはり反応はない。
(留守か? 怠慢だな。これじゃ、盗んでくれ、と言ってるようなもんだな)
現に、目の前で売り物を手にしている少女がひとり―――――
「ここ曲がる」
「って、お前かよ! しかも、フランスパンは硬くて曲がらねえだろ!」
「…なんでやねん」
「…って、突っ込まれてるの俺だし!!」
ふと、よく漫画である「ひゅー」って感じの風が吹いた気がした。
(なにやってんだ、俺は)
思わず、自己嫌悪してしまう。
(ああ、こういうときこそ、あの馬鹿がいればいいんだけどな)
普段はどうでもいいやつだが、今だけはとても頼もしく思えた。
喜べ、春原!
…今だけだけどな
「…朋也くん」
ともみの声で我にかえる。
「はんぶんこ」
気づくと、ともみが俺にちぎったパンを握った手を差し出していた。
「って、これ、売り物だろ?」
本のじょきじょき事件といい、こいつは売り物を大事にするという心はないのか?
「大丈夫」
そんな考えとは反対に、ことみは笑顔でレジのほうを指差す。
「お金、置いておいたの」
たしかに、レジのあるテーブルに小銭が置いてあるのが見えた。
この少女に対して、あんなことを考えてしまった自分を振り返ると、
我ながら、情けなくなる。
16名無しさんだよもん:04/05/09 00:56 ID:hLCmePp2
「わりいな」
パンをはんぶんこしてくれたこと、そして今こいつに対して思ってしまったこと。
感謝と謝罪の両方を、俺はことみに返した。
「…はんぶんこだと、とてもおいしいの」
ことみはとても上機嫌だった。
俺もそんなことみの表情を見て、思わず笑顔になってしまった。
「よし、じゃあ食べるか」
「いただきます、なの」
俺は、もらったパンを口に運ぼうとする。
そして、口に入れる寸前で気づいてしまった。
(な、何だこのパン…)
今まで気づかなかったが、ことみが買ったパンは不気味に七色のしたパンだった。
(どうすれば、こんな色が…。てか、これ、食えるのか?)
正直、食える気がしない。
俺の中で、最大級の警報が鳴り響いている。
ふと、ことみのほうを見ると、じーっとこっちを見ている。
「お前は、食べないのか?」
「朋也くんに先に食べてほしいの」
ことみは笑顔で答えていた。
…その表情から悪意は見えなかった。
それと同時に、この表情をされると、食わざるを得なくなってしまった。
(く、くそ! まさか、パンで死ぬことはないだろ)
とりあえず、自分にそう言い聞かせて、呼吸を整える。
パンでここまで必死になるのはとても馬鹿馬鹿しいが、
「じーっ」
…ことみの期待のまなざしが俺を逃がしてくれなかった。
俺はしばらく、その不気味なパンの形をした代物と対峙したのち、
「うぉぉぉぉぉおぉおおおお!」
自分が春原になってしまったかのような、声をあげ、それを口の中に押し込んだ。

―――お前に、レインボー
最後に、見知らぬオッサンの声が頭の中で響いたかと思うと、俺の意識は遠のいた。
17名無しさんだよもん:04/05/09 00:58 ID:hLCmePp2
とりあえず、今日はここまで。
ひさしぶりにSS書いて疲れた(;´Д`)

少し前までエロパロでも書いてたけど、
クラナドのエロパロはまだ書けそうもないな。
いや、智代や杏のエロは書いてみたいけど。

しばらくは、エロじゃないSS書いてみようかと思いまふ
18名無しさんだよもん:04/05/09 01:04 ID:hLCmePp2
ついでに、IDが日にちが変わったために、本スレのほうと違ってますが、
元のSS書いた本人ですので。

ついでに、他の人も書いてくれないかなぁ、ということでage
19名無しさんだよもん:04/05/09 14:42 ID:JBWWwzby
本スレに誘導でアドレス貼っとくか?
20名無しさんだよもん:04/05/09 15:18 ID:jo9mHMjN
>>18
イイ(・∀・)  
続きも期待してまっせ
21名無しさんだよもん:04/05/09 15:41 ID:JX4oY4RM
本家を凌ぐこわれっぷりを見せる春原SSが見たい
22名無しさんだよもん:04/05/09 16:44 ID:G60rAFzW
クラナド本スレpart88 859追加+改変

ちなみに本人でつ。

ことみ VS すのはら 「出会い」
朋也「じゃあ、今日は俺の――」
――友達……
春原相手だと思うとイヤな響きだ。
朋也「下僕を紹介するな」
ことみ「……いじめる?」
朋也「ああ、俺がいじめる」
正直、男を紹介するのは不安があったが、やはり気軽に頼める。
ことみ「朋也くんいじめっこ?」
朋也「超局所限定的にな」
朋也「今呼んでくるからな、ちょっと待ってろよ」

春原「で、何だよ」
朋也「これが俺の下僕だ」
春原「それって僕のことですかねぇ!!」
その声にビビってことみは俺の背中に隠れてしまった。
朋也「春原、お前ちょっとテンション下げろ」
春原「お前に上げられてるんですけどねぇ!!」
朋也「ことみ、ほら、挨拶」
俺は体を少し横にずらして、ことみの背中を押した。
ことみ「朋也くん、こんにちわ」
朋也「よし、そのセリフの後に『春原くん便座カバー』って付けてくれ」
ことみ「朋也くん、こんにちわ、春原くん、便座カバー」
春原「僕って何者なんですかねぇ!!」
ことみはまた引っ込んでしまった……。
やっぱり人選誤ったかもしれない。
23名無しさんだよもん:04/05/09 16:46 ID:G60rAFzW
朋也「ほら、ことみ」
俺はまた体を横に少しずらして、ことみの背中を押す。
ことみは少しだけおびえながらも、一歩前に出て
ことみ「ことみ」
ことみ「ひらがなみっつで、ことみ」
ことみ「呼ぶ時は、ことみちゃん」
春原「…………」
春原「なあ、この子たしか前に図書室に居た子だよな」
朋也「ああ、そうだ」
春原「すんげー初対面っぽい挨拶されたんですけどねぇ!」
ことみ「???」
朋也「ああ、こいつ本に集中してると、地球が滅亡しても気づかないから」
春原「マジかよっ!」
朋也「しかも、お前がアンドロイドになっても目に入らない」
春原「人間じゃないですよねぇ!」
朋也「さらに地球を守る為に妖怪変化してケェーーーーーって突っ走っていっても一人芝居で終わる」
朋也「さ、だから安心して変形していいぞ」
春原「滅亡は確定なんですかねぇ! って俺は妖怪なんですかねぇ! しかも気づかれないってありえないですよねぇ!」
朋也「見たか、これが春原流三連ツッコミだ」
ことみ「妖怪?」
春原「ケェーーーーーーーーー!」
お前やっぱ人間じゃないだろ。
ことみ「いじめる? いじめる」
案の定ことみが涙目で怯えている……。
朋也「大丈夫、こいつはこう見えて妖怪に偽装した人間だから害はない」
春原「そのネタいつまで引っ張るつもりなんですかねぇ! っていうか結局人間ですか!」
24名無しさんだよもん:04/05/09 16:48 ID:G60rAFzW
春原「……で、本当のところどうなんだよ」
朋也「何が」
春原「本読むと気づかないってやつ」
ことみ「???」
朋也「ああ、本当だ……、ただしパスワードを言えば封印は解けるから安心しろ」
春原「マジかよっ!」
ことみ「私封印なんてされてないの」
朋也「お前自覚無いのな……」
春原「なぁ、岡崎、パスワードって難しいか?」
朋也「いや、もうお前パスワード教えてもらってるぞ」
春原「マジかよっ!」
春原「……」
春原「もょもと!」
朋也「人間の声帯じゃねぇな、やっぱり」
春原「あ、あれ? 違った?」
朋也「いや、もういい、俺がバカだった……」
朋也「行くぞ、ことみ、これに付き合ってたら話がすすまねぇ」
ことみ「う、うん」
春原「あんたが呼び出したんですよねぇ!」
朋也「悔しかったら、コイツの封印解いてみろって」
春原「くっそー、覚えてろー! 絶対解いてやるー!」
どうしようもないくらいザコな捨てセリフを残して行ってしまった……。
ことみ「……友達?」
朋也「いや、妖怪だ」



どっちかっていうとDNMLのノリですけど……、とりあえず投下
25名無しさんだよもん:04/05/09 17:34 ID:f+VtmX8b
DNML化キボン
26名無しさんだよもん:04/05/09 17:44 ID:Yy2e6F0X
期待あげ
27名無しさんだよもん:04/05/09 17:48 ID:JX4oY4RM
最近下火のDNMLだけど、CLANNADでまた活性化するといいなあ。
(ふっとばされる春原とかは機能的に無理か?)
28名無しさんだよもん:04/05/09 19:10 ID:tOi+tdui
DNMLの練習にやってみるか・・・
2922:04/05/09 19:20 ID:G60rAFzW
(´・ω・`)ノ いま作ってまーす
30名無しさんだよもん:04/05/09 20:13 ID:tOi+tdui
自分で作ってたのかよっ! つーか、出来ちゃったよ!
31名無しさんだよもん:04/05/09 20:50 ID:tOi+tdui
32名無しさんだよもん:04/05/09 20:53 ID:tOi+tdui
3322:04/05/09 20:53 ID:G60rAFzW
ttp://maichy.s1.x-beat.com/up/data/oo2041.zip

(´・ω・`)ノ DNMLの投下!
ことみルート、友達紹介、春原紹介の場合
本編でも語られてたけど、後に続きそうになかったので後に続きそうなものを作ってみますた。

本スレでも上げておきましたけど、こっちで作ったものだからこっちで上げたほうがいいかなと思いまして
34名無しさんだよもん:04/05/09 21:38 ID:w/nYVaK9
>>33
乙。
話自体もSSの時より膨らんでいい感じ。
ただ春原のツッコミの時はテンプレートのsampleみたいに
EFFECT="EF_NONE"
がついてた方がいいかも。
35名無しさんだよもん:04/05/09 21:46 ID:5+gFylEI
>32
3652って、もう消えてる?
36名無しさんだよもん:04/05/09 21:49 ID:QBL46x/5
>>35
22さんのが出たら消すって書いてあるからね。
>>33のショートバージョンみたいなものだから、無理して見なくてもいいかな。
37名無しさんだよもん:04/05/09 22:48 ID:jSzAuov4
もっと〜もっと〜DNMLくれ〜
38名無しさんだよもん:04/05/09 23:38 ID:QBL46x/5
SSをDNMLに直すんならいくらでも出来るけど、SSを書くことが出来ない俺orz
39名無しさんだよもん:04/05/09 23:41 ID:UXwLD4e4
◆28s26Q7ss2氏降臨マダー?
40名無しさんだよもん:04/05/10 00:19 ID:bDKnykfC
ちと投下させてもらいます│Д`)
テーマは椋恋人AFTERデス
まだ完成していませんが、ながくなりそうなので分割して投下させてもらいますネ
41椋恋人AFTER:04/05/10 00:20 ID:bDKnykfC
朋也「で、俺たちはこんなとこでなにしてるんだ?」
春原「こっちが聞きたいよっ!」
ある夏休みの暑い日俺たちはみんなで海へいくことになっていた
カンカンと照りつける太陽の下でたちつくす俺と春原
春原「ほんとなら僕のこの鍛え抜かれた肉体と運動神経のよさに女の子たちはメロメロだったんだけどねぇ…」
春原がなにかほざいてるが相手にしないことにする
スポーツタオルをとりだし汗をぬぐう
朋也「はぁ…」
朋也(まさかこんなことになっちまうとはなあ…)

事の起こりは椋の一本の電話からはじまった
椋「あの…朋也くん、海にいきましょう…」
朋也「む、いきなりどうしたんだ?」
俺と椋がつきあいだしてから数ヶ月が経過していた
付き合い始めた当時はかなり微妙な雰囲気だった俺たちだったが、最近はかなりいい感じになってきた…と思う
それでも椋のほうからなにかいいだすことは稀だったのでちょっととまどう
椋「えっとですね…その…あの…」
俺は椋の言葉をまった
しかし電話のうしろのほうからドタドタとした音が鳴り響いたかとおもうと電話の声の主が変わる
杏「朋也〜明日海いくからねー朝十時に駅前集合だから、じゃあねぇ〜」
といきなり早口でまくしたてられた
椋「えっと…あの…そういうことです」
「おい」という暇もなくいつのまにか椋にかわっていた
朋也「だいたいわかった…で、あいつも一緒にいくのか?」
椋「…いいだしたのがお姉ちゃんなんです」
朋也「そっか…まあ別にいいけどな」
椋「…あ…朋也くん…占いをしようとおもうので三枚ひいてください」
俺は『はあ?』という顔をする
朋也「というか、電話じゃひけるわけないだろ…」
椋「あ…いわれてみればそうですね…」
42名無しさんだよもん:04/05/10 00:20 ID:LlT5ftCZ
期待あげ
43椋恋人AFTER:04/05/10 00:22 ID:bDKnykfC
あいかわらずしっかりしてるようでどっか抜けてるな…俺の彼女は
椋「えっと…じゃあ右から何番目というふうに選んでください」
朋也「1・3・5」
言われたとおりに番号を言う
椋「…では…あっ…」
電話越しにバラバラとカードが床におちる音がした
椋「…」
朋也「…」
椋「…明日のわたしたちの運命は…」
朋也「ちょっとまて、おい!」
椋「…え?」
朋也「おまえいま床にタロットおとしたんじゃないのか?」
椋「そ、そんなことないです…わたしそんなドジじゃないですから…」
朋也「そっか…ならいいけどな」
あえてこれ以上はつっこまないことにする
椋「…では占います…一枚目のカードは正位置の戦車、これは積極性や行動や味方を表すカードですから、誰かほかの方を誘ったほうがいいみたいですね」
朋也(ふむ…誰も誘わないほうがいいのか)
椋「2枚目のカードは正位置の太陽、カードの意味からとりますと馴染みがある人、気が置けない人を誘うのがいいみたいです」
朋也(あのバカか…まあ誘わんけど)
椋「3枚目のカードは正位置の運命の輪、これは幸運や楽しさをあらわします」
朋也「ふむ…」
椋「以上のことから朋也くんの親友である春原くんを誘えば海への旅行がより楽しいものになるでしょう…という結果になりました」
朋也「…」
椋「…朋也くん?」
朋也「ああ、すまん。考え事してた」
なんちゅうわかりやすい結果だと思った
とりあえず春原を誘わなければ万事OKってわけだ
朋也「椋、じつはな…春原は流行り病でかえらぬひとに…」
春原「生きてるよっ!」
44椋恋人AFTER:04/05/10 00:23 ID:bDKnykfC
後ろから春原の怒声が聞こえる
そういや今俺、春原の部屋にいるんだった…すっかり忘れてた
朋也(はぁ…アホな子か…俺は…)
春原「いま椋ちゃんと話してんの?」
朋也「ああ」
俺は椋とつきあうようになってから、携帯を持ち歩くようになっていた。もちろん椋もだ
春原「僕の名前が出てきたみたいだけど?」
朋也「気のせいだ」
春原「気のせいで人をころすなよっ!」
しっかり聴こえていたようだ
春原「で、椋ちゃん僕になんかようでもあるの?ま、まさか岡崎から僕にのりかえるんじゃ…」
朋也「彼氏の目の前でそんなこというわけないだろ!」
春原「まあそれもそうだね…ふたりラブラブだもんねぇ」
ラブラブなんてはずかしい表現つかうなよな…
椋「あの…朋也くん?」
すっかり椋の存在を忘れてた
朋也「ああ、わりぃ…さっきのは嘘でほんとは春原は生きてるんだ」
椋「あ…やっぱり朋也くんの冗談でしたか…」
椋が電話ごしにホッとしたのを感じた…春原ごときミジンコの心配をしてやるなんてなんて優しいんだ
春原「だれがミジンコだよっ!」
朋也「だからおまえは人の心をよむんじゃねえよ!」
気をとりなおして電話にむかう
椋「ああ、椋。春原忙しくって明日無理だって。じゃあな」
早口でまくしたてて電話を切る
朋也「さてと…」
春原「『さてと』じゃなーい!」
春原が大声をあげる
春原「やっぱ僕に用があるんじゃないか…それに明日僕無茶苦茶ヒマなんだけど?」
朋也「いや、だっておまえ明日茶碗一杯にご飯粒いくつあるか数えるんだろ?」
春原「んなことしないよっ!」
45椋恋人AFTER:04/05/10 00:23 ID:bDKnykfC
朋也「しょうがないやつだな…じゃあ丼一杯でいいや」
春原「って増えてるじゃん!」
俺はため息をつきながら春原のほうへ向き直る
朋也「なあ春原…この際だからはっきりいうわ」
春原「…なに?」
朋也「おまえ邪魔」
春原「うわぁぁぁああああああん!!」
春原が泣きながら部屋をでていく
朋也(これで部屋がすっきりしたな…)
邪魔者がいなくなった俺は漫画を読み直す
しばらくすると春原が満面の笑みをうかべながら戻ってきた
春原「たっだいまー♪」
普段から立ち直りが早いヤツだが今日はやけに早い
朋也(妙だな…)
春原「いやー椋ちゃんってほんといい子だねぇ」
いやな予感がした
春原「明日十時に駅前集合かぁ…早起きしなきゃね」
と、春原は含み笑いで俺に語りかける
朋也(最悪だ…)
俺は期待と不安な気持ちを抱きながら翌日を迎えた
もちろん春原対策を忘れずに
46椋恋人AFTER:04/05/10 00:25 ID:bDKnykfC
ここまでデス│Д`)
続きは出来次第投下していくのでマターリおまちください
47名無しさんだよもん:04/05/10 00:33 ID:Syx2HffL
お疲れ様。
今何かと評判の悪い椋(というか魁シナリオ)を使うのは重荷になるでしょうけど、頑張ってください。
さて、DNML化挑戦してみようかな・・・
48名無しさんだよもん:04/05/10 00:35 ID:Syx2HffL
つーか、水着立ち絵とかが無いから、続きを考えるとやめたほうが良いか。
.自分のローカル用にしておくかな。
49名無しさんだよもん:04/05/10 00:50 ID:mwVEilU6
普通DNML作るときは、それを考えてSSを起こすからな。
無理して変換すると、面白さが半減するから、やり時は考えた方が良い。
50椋恋人AFTER:04/05/10 00:56 ID:bDKnykfC
>>47
DNML化ですか│Д`)
正直つくってもらえたらかなりうれしいデスネ
もしDNMLをつくるならやらせてくださいネ
しかしこのSS変な文もあるなあil||li _| ̄|○ il||liソノヘンハオサッシクダサイ
51名無しさんだよもん:04/05/10 00:58 ID:pAba0W6H
そういえばオフィシャルにSS掲示板なんて物があったけど
そっちには書かないの?

52名無しさんだよもん:04/05/10 01:14 ID:mwVEilU6
>>46
ちょっと突っ込んで申し訳ないんだけど、
春原の部屋に電話あったっけ?
53名無しさんだよもん:04/05/10 01:19 ID:0LINIIbP
>>52 部屋にはないと思われ。
でないと、芽衣の電話をいちいち美佐枝が教えに来ない。
5452:04/05/10 01:21 ID:mwVEilU6
いや、申し訳ない。携帯買ったって書いてあった。
しかし、それはそれで何かひっかかるよな・・・
55名無しさんだよもん:04/05/10 01:22 ID:NahQ0k3N
ちょっと聞くけど、自作CGをDNMLで使用することって可能?
56名無しさんだよもん:04/05/10 01:23 ID:dzXiYlW9
>>55
可能
57名無しさんだよもん:04/05/10 01:32 ID:NahQ0k3N
さんくす
58ここの18改め、ともみ ◆tWj4RUmeHI :04/05/10 01:55 ID:RjA4x1m0
ttp://cgi.2chan.net/up2/src/f54709.zip

本スレ87に書いた、春原がことみにギャグを教えるというSSを
さらに少し長めにして、DNMLにしました。
みてやってくだちい(´・ω・`)
59名無しさんだよもん:04/05/10 02:06 ID:0LINIIbP
>>58 おもしろかったよ
でもDNMLじゃ、智代の蹴りに迫力ないね・・・
しょうがいないか。
どんどんDNML作ってくだせえ 期待
60名無しさんだよもん:04/05/10 02:18 ID:gwA3d4N8
>>58
GJ!

で、ちょっと暇だったので>40さんのSSをぱっとDNML化してみました。
1時間で作ったのと、DNML2作目なので出来は良くありません。>>47氏に期待して下さいw
ttp://strawberry.atnifty.com/cgi/up/src/up3681.zip.html
61名無しさんだよもん:04/05/10 03:29 ID:zExuKM8i
初めてDNMLを作ってみました。
秋夫と早苗の話です。一瞬で終わりますが。

ttp://strawberry.atnifty.com/cgi/up/src/up3684.zip.html
62名無しさんだよもん:04/05/10 03:31 ID:xtnHPiZr
>>61
本当に一瞬で終わるっていうか何も表示されないまま終わるんだが…
俺だけ? ちなみに他のは見れてる
63名無しさんだよもん:04/05/10 03:39 ID:zExuKM8i
>>62
あらら、なんでだろう。
確認してみます。
6461:04/05/10 03:50 ID:zExuKM8i
ちょっといじってうpし直しました。表示されるでしょうか。

ttp://strawberry.atnifty.com/cgi/up/src/up3685.zip.html
65名無しさんだよもん:04/05/10 03:56 ID:0LINIIbP
>>64 見れました。でも正直、おもしろ(ry
アッキーに便座カバーは・・・
6661:04/05/10 03:58 ID:zExuKM8i
>>65
でなおしてきます。
67名無しさんだよもん:04/05/10 07:53 ID:Jn/zq8RY
>>58
もう消えた?
68ともみ ◆tWj4RUmeHI :04/05/10 08:20 ID:RjA4x1m0
ttp://strawberry.atnifty.com/cgi/up/src/up3690.zip.html

双葉にあげてたやつが消えたようなので、苺に再うpしてきました(´・ω・`)ノ
中身は>>58と同じものです。
6922=710 ◇G60rAFzW:04/05/10 13:07 ID:iBVBmNCL
ttp://maichy.s1.x-beat.com/up/data/oo2062.zip

風子 VS 美佐枝 DNMLやってみました。
もし、風子が美佐枝にヒトデを渡して、公子先生の事を伝えたらどうなるだろう、という所からスタート
(´・ω・`)ノ 完全にifストーリーなので、4月31日以降の事は考えてません。

orz DNML化面白いけど時間かかりますね……
70名無しさんだよもん:04/05/10 13:48 ID:0LINIIbP
>>69 おもしろかった〜〜
マジ続きが気になります。期待してますよ
71名無しさんだよもん:04/05/10 17:12 ID:pPbtJfRw
>>69
(*^ー゚)b グッジョブ!!
途中からDNMLだって忘れるほど面白かったよ
72名無しさんだよもん:04/05/10 22:11 ID:qfTZcpRp
>>58
〇ょ〇〇メチャワロタ
GJです

でもDNML別スレ立てたほうがいい気がするよ
7322=710 ◇G60rAFzW:04/05/10 22:21 ID:iBVBmNCL
ども、レス下さった方ありがとうございます。
(*´Д`)一言一言が制作の糧になりまするー

んで、今風子VS美佐枝の続きのDNMLを作ってるんですけど(ほぼ完成済み)
やっぱDNMLはDNMLスレ作ってそっちに避難のほうがいいんですかねぇ……
orz まあどっちにしろスレ立てられない体なのでどうしようもないんですが
7472:04/05/10 22:37 ID:qfTZcpRp
DNMLスレ立てました
よろしければ使って下さい
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1084196072/
75名無しさんだよもん:04/05/10 22:57 ID:eLson60P
番外編ということなら、本編ではついにかなわなかった
渚の演劇部再建ネタが見たいなあ。
春原やらヒロイン達がことみシナリオみたいに賑やかに
盛り上げていくようなほのぼのしたやつ。
7622=710 ◇G60rAFzW:04/05/10 23:12 ID:iBVBmNCL
ttp://maichy.s1.x-beat.com/up/data/oo2106.zip

上で上げた風子ルート4/30のifシナリオの続編です。
あの4/30の後、5/7芳野さんとの再会、美佐枝さんとの事が気になる朋也は……
という発想からスタート

orz 今までのギャグ寄りシナリオではなく、思い出補完シナリオですからあまり期待なさらずに
7722=710 ◇G60rAFzW:04/05/10 23:14 ID:iBVBmNCL
orz DNMLスレ立ててくださってたんですね。
こっちに上げてしまってスマソ……。
そっちに移動してきます。
78ともみ ◆tWj4RUmeHI :04/05/11 02:43 ID:N1SBn7Xn
ttp://strawberry.atnifty.com/cgi/up/src/up3762.zip.html

DNMLスレにも出しましたけど、いちお、こっちにも投下。
まだ、統一するかしないか、意見が分かれてるみたいだし、
それが決まるまでは両方に投下します。
79名無しさんだよもん:04/05/11 03:12 ID:sDePYvTL
>>76>>78
     \        n                n        /∩
       \     (ヨ )    グッジョブ!!     ( E)     /  ( ⌒)     ∩_ _
  _n     \   / |    _、_     _、_    | ヽ   /   /,. ノ      i .,,E)
 ( l    _、_ \  \ \/( ,_ノ` )/( <_,` )ヽ/ /  /    / /"     / /"
  \ \ ( <_,` )\  \(uu     /     uu)/  /     / / _、_   / ノ'
   ヽ___ ̄ ̄  )  \  |      ∧     /  /      / / ,_ノ` )/ /
     /    /     ∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧ グッジョブ!!(       /
 グッジョブ!!       <                >      ヽ     |
─────────<  GOOD JOB の予感! >─────────
   ノノノノ    n   <                >
  ( ゚∋゚)   ( E)   ∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨    グッジョブ!!
 /⌒\/⌒ヽ_//  /     グッジョブ!!     \       _、_
| ̄⌒\   _  /       _n n_         \    ( ,_ノ` )     n
|_________\_|__ /   _、_  .(  ll  )    _、_      \  ̄     \   ( E)
_____________\ /   ( ,_ノ` )  `/ /ヽ  ( <_,` )     \フ    /ヽ ヽ_//
‖     /     (    ̄ ̄___/ ヽ___ ̄ ̄   )      \
     /       \   丶      /     /         \


8022=710 ◇G60rAFzW:04/05/11 10:35 ID:h0RYCy6w
>>78
GJ〜〜〜!
すげー面白かったです!
(*´Д`)自分も古河家族絡ませたものを作りたくなってきますた。
81名無しさんだよもん:04/05/11 18:48 ID:jS5EY7Kh
>>78
今読み終わりました。

SSとして読んだときは、普通かなぁと思ってたけど
DNMLとして読むと凄く良いですね〜
古河家族とくに秋生が最高にイイ!
ぶっちゃけ本編に入っててもあんまり違和感無いんじゃないかってぐらい

一言で言うと
GodJobキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!

今後に期待してますw
82ともみ ◆tWj4RUmeHI :04/05/11 19:02 ID:N1SBn7Xn
感想ありです。・゚・(ノД`)・゚・。

今、読み返すと、まだまだ詰めの甘いところはありますが、
これから少しずつ、上手く中身も仕掛けもできればなぁ、と思います。

そして、新作投下。

ttp://strawberry.atnifty.com/cgi/up/src/up3806.zip.html

SSと呼べるものかどうかは代物ですが、
激しくネタバレ要素満載の、クラナドを某CM風に表現してみました。
ちなみに、次回作は、選択肢も入れた、お遊び要素のあるものを作ってみたいと思います。
83名無しさんだよもん:04/05/11 19:17 ID:Mi4FF/3O
>>82
面白すぎです。
つーか、もう二度とclannadで泣けないかもw

あと、細かいようですが誤字報告です。
[86行目]大事”の”人の〜
ここの助詞は「の」ではなく「な」ですね。
全体で文字自体が少ない分、すごく気になりました。
84名無しさんだよもん:04/05/11 19:25 ID:jS5EY7Kh
>>82
発想が凄すぎる…
DNMLじゃないと確かにできないなぁ、これは

GJでした!
85名無しさんだよもん:04/05/11 22:45 ID:Hhcsdsg8
それは楽しい思い出となるはずの草野球の試合中の出来事だった。
美佐枝さんのドロップキックが春原に炸裂。
春原はそれは美しい放物線を描いた。
あまりにも人間離れした奴の、あまりにもあっけない最期だった。

「死んじゃうのもある意味終止符よね」
それは誰の言葉だったろう。

「たいした傷もないのに、ただちょっと打ちどころが悪かっただけで
 …もう動かないんだぜ。 ウソみたいだろ」
ああ、もう俺はあの馬鹿と過ごすことはできないんだ。
86コテとトリップ:04/05/11 22:56 ID:IZIOkgVs
>>85

このスレ読んでて初めておもしろいと思った
87名無しさんだよもん:04/05/11 23:52 ID:iqjpMd+x
>>85
上手い
88名無しさんだよもん:04/05/12 10:43 ID:E0NistkL
アフターに組み込まれてたら泣きそうだな。
89名無しさんだよもん:04/05/12 11:22 ID:gQ4F+0cS
苺は直リンすると、負荷で落ちるかも知れないから気をつけなよ
90名無しさんだよもん:04/05/12 14:54 ID:HrPx5rpI
はやくCLANNAD(くらなど)SS-Links出来ませんかねぇっ!
かのんSS-Links風なところなら検索とかしやすくて良いんですが…
91名無しさんだよもん:04/05/12 16:31 ID:4tbdwBNK
http://d.hatena.ne.jp/jizou/20000101

SSなのかどうかは知りませんが
92名無しさんだよもん:04/05/12 20:18 ID:XAkiEQFG
>>91
GJ
萌え死んできた
93名無しさんだよもん:04/05/12 20:40 ID:tkQIClZy
>>91
GJ!!
DNML版も最新の日記にあるみたい。
94名無しさんだよもん:04/05/12 22:37 ID:Z9uDHV9M
>>91
いいねぇ。
まぁ、ちょっとした短い話と言った感じになるかな?
もう少し説明文を足すと良くなるかも知れない。
95名無しさんだよもん:04/05/12 23:20 ID:aMS6prKy
>>90
はげしく同意
96名無しさんだよもん:04/05/12 23:33 ID:1g+8xXkP
ことみin古河家の中の「レインボーパン」は、ゲームでは「レインボーブレッド」
ただし、その後出てくる「ネオレインボー」の方は「ネオレインボーパン」

オッサンもどうでもよくなってるのかもしれないw
97710 ◇G60rAFzW:04/05/13 12:41 ID:7aw+ViFU
ttp://p-alpha-ro.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/no-up/data/up0134.zip

>>69>>76からの続き物です。
続き物としてはこれで完結のつもり。
>>69>>76のDNMLも同封(背景の修正だけ行なわれています)

風子ルートでの追加イベントということで、お楽しみ下さい。
98名無しさんだよもん:04/05/13 16:27 ID:Q7vsHcAA
>>97
(*^ー゚)b GJ!!

連載乙でしたー
99名無しさんだよもん:04/05/13 16:57 ID:L30vO85B
>>97
おもしろかった〜
100ともみ ◆tWj4RUmeHI :04/05/13 23:24 ID:r7tL4Rfy
(;´Д`)<やっべ、美佐枝さんかわいい! 

710さん、芳野と美佐枝さんがキャラうまくできていてよかったです。

で、こっちも投下。こちらも連載物第1弾です。
いちお、連載物なのにエンディング2種類あり。
正規のエンディングよりも、別のエンディングのほうがいいと思う人がいるかもしれない…。

://strawberry.atnifty.com/cgi/up/src/up4014.zip.html

直リンはダメだということで、「http」抜いてます。
落とす場合は、「http」の記入よろしくお願いします
101名無しさんだよもん:04/05/13 23:32 ID:L30vO85B
落ちてないか・・・・
102 ◆VKA58viC8M :04/05/13 23:43 ID:QyTQ7v6O
103名無しさんだよもん:04/05/13 23:49 ID:+9c49lL0
>>102
俺だけかも知れんが、ハングした
104名無しさんだよもん:04/05/13 23:51 ID:JvaUf2V0
>>102
ガクガクブルブル
でもワロタ
105名無しさんだよもん:04/05/13 23:53 ID:5ComrWCB
>>102
春原Afterキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
ゲキワロタ
106名無しさんだよもん:04/05/14 00:19 ID:zWTECFnQ
>>102
スゲー!
なんかもう、笑いすぎて呼吸困難になったよ!
朋也の台詞が自然でいいね!!


春原かわいそう。


107ともみ ◆tWj4RUmeHI :04/05/14 00:19 ID:Rqpf87ad
ttp://cgi.2chan.net/up2/src/f54948.zip

サバ不安定+エンディングの1つが完全でなかったので、
修正も兼ねて最up。
双葉は早めに落ちるのが欠点(´・ω・`)

だれか、いいあぷろだ知らないかなぁ?
108名無しさんだよもん:04/05/14 00:40 ID:aMqJpwU5
>>107
分岐でBADもあるんだね、(・∀・)コッテルネ!!
BAD……?
続き、楽しみにしてまつ
109名無しさんだよもん:04/05/14 00:42 ID:mZIw0FRm
二次創作ってのがこんなに面白いとは思わなかったよ
110名無しさんだよもん:04/05/14 01:36 ID:iCMYO7mZ
>>107
あのBADてある意味HAPPYだよな・・・
早くゾリオン大会やりたい(・∀・)
続きまってまつ☆
111名無しさんだよもん:04/05/14 05:46 ID:shWooP+J
どなたか蔵で百合系作ってくれる勇者はおらんものか…
112名無しさんだよもん:04/05/14 05:46 ID:V3jfTCgt
みんなGJ!だがそれだけではあれなんで個別に感想を
>>97
芳野のキャラがたってていい感じだね!
>>102
まさにあのルートの続きってかんじでかなりよかったよ!
>>107
これはまたすごいボリュームですな…
全体的にテンポよくまとめられいいかんじ。
ただ渚の朋也への一人称は正確には「岡崎君」じゃなくて「岡崎さん」なんでチョット違和感カンジターヨ
続きもがんばってくれYO!
113名無しさんだよもん:04/05/14 06:21 ID:idmRRDe8
ここはいつからSS専用じゃなくなったの
まずSSを書いてあげろYO!
114コテとトリップ:04/05/14 06:52 ID:gBtMqEry
禿同。DNMLなんか興味ねえからキリキリへっぽこSSでも書きやがれ
なんのために隔離スレまで建てたのか。アホちゃうか
115名無しさんだよもん:04/05/14 06:54 ID:uocyk8kq
まあそう言うな。DNMLもSSも手法が多少違ってもほぼ変わらない。
DNMLの方がオフィシャルっぽくて、読み手としては楽しいのは事実だしな。
自分でDNML化できないSS職人がここにネタ投下して作ってもらうのもありだろうし。
116コテとトリップ:04/05/14 06:59 ID:gBtMqEry
そのSSも落とさねえで本末転倒なことしてんじゃねーよといっとるんだが
まあいい、チミがそういうならおとなしくしてるよ。邪魔したね
117名無しさんだよもん:04/05/14 07:26 ID:cloEFQWX
DNMLもSSの一つの形だからいーんじゃね?

と、釣られてみる
118名無しさんだよもん:04/05/14 07:40 ID:HPlypHIo
つーか、114と116が見れない。
こんな所までコテトリ来たのか?
119コテとトリップ:04/05/14 07:47 ID:gBtMqEry
こういうところに書き込んじゃうからうざがられてんじゃないか
なにをいっとるんだねチミは。あほうか
120名無しさんだよもん:04/05/14 08:05 ID:881twQXr
コテトリは放置しろって言ってるのがわからんのか。
放置できないのは無視ワードしる
121名無しさんだよもん:04/05/14 08:07 ID:uocyk8kq
うわ最悪なタイミングでレスしちまったな、NG来てるし
何書いてるか知らんが、どうせまたなんかぐだぐだ言ってるんだろ

ここの住人には詫びておくよ、雰囲気悪くなってるだろうから
スマンカッタ…
122名無しさんだよもん:04/05/14 08:11 ID:cloEFQWX
113にレスしたつもりなんだけど、
変なのが混じってたみたいね。
マジですまんかった。
123コテとトリップ:04/05/14 08:24 ID:gBtMqEry
・・・こいつらまじで歳いくつくれえなんだろう
すげえ不安になってきちゃったよ・・・
124名無しさんだよもん:04/05/14 08:31 ID:bhkzML3J
>>123
俺はお前の脳みそが心配だよ・・・
知恵遅れだと色々辛い事もあるだろうけど頑張れよ
125コテとトリップ:04/05/14 08:32 ID:gBtMqEry
うんありがとう、自分なりに精一杯がんばってみるよ
126名無しさんだよもん:04/05/14 12:44 ID:yTf/g8fg
放課後。
演劇部部室では毎度の如くボケの応酬が繰り広げられていた。
だが、いつもなら高速のツッコミを見せる杏の様子がどことなくおかしい。
時折独り言をつぶやきながら窓の外を睨みつけている。
正直言って怖い。

杏「ちょっと話があるんだけど」
一瞬、ボケが途切れた所に凛とした声が響く。
いつになく真剣な表情に、俺たちは期待の眼差しで見守った。

杏「あたし達さ……もしかして留年してない?」

渚「それがオチですか…」
椋「お姉ちゃんのネタ好きだったのに…」
ことみ「面白くないの…」
…どうやら期待の方向性が違ったようだ。

杏「ね、ネタじゃないわよ!おかしいと思わなかった!?
 あたし達3年になってから出会ったのに何でまた桜が咲いてるのよ!」
ことみ「幻覚を見る薬物は依存性があるからやめたほうが良いと思うの」
杏「クスリなんてやってないわよっ!
  ちょっと朋也!あんたは気がついてるわよね?」
朋也「あ、ああ…そういや何か留年した気がしないでもないような…
   確かにおかしいとは思ってたんだ…隣の席に智代座ってるし…」
って、そんなの考えるまでもねぇじゃんか…
いつの間にか俺もアホな子になってたのか…
渚「それでもちょっと半信半疑です」
ことみ「疑わしいことこの上ないの」
いや…こいつらとは違う。絶対。
杏「もういいわ!こうなったら直接確かめに行くわよ!」
127名無しさんだよもん:04/05/14 12:44 ID:yTf/g8fg
幸村「ふむ…間違いなく留年だの…」
偶然見かけた幸村からズバリの一言。
杏「ど、どうしてなんですか!」
幸村「ふむ…わしはお前等の行動を常に見守っていたが…
   その…なんだ…すっごいダメダメとしか形容できん…
   進化の見えないボケにタイミングの合わないツッコミ…」
あんたいつの間に見てたんだ…
幸村「そんな事で何を卒業したと言えるのかの…」
それらしい台詞に聞こえない事も無いが、どう考えても理不尽だ。
朋也「だからって留年は…」
椋「せ、先生…私…感動しました」
渚「なんだかよく分からないけど分かった気がしますっ」
いや、お前等絶対騙されてるぞ…って古河お前2度目じゃないのか…

朋也「なぁ、じいさん。一つ気になってたんだが」
幸村「ふむ…なんじゃな」
朋也「あんた、定年じゃなかったのか?」
幸村「ふむ…その…なんだ…わしも留年したからの…」
ぺちっ
ことみ「なんでやねん」
幸村「素晴らしいツッコミだの…どれ…ツッコミ初段に認定しよう…」
渚「ことみちゃん、凄いです。初段おめでとうございますっ」
ことみ「ありがとうなの…留年して本当に良かったの」
椋「留年ってカッコイイんですね…」

俺と杏はぼぉ〜っと、アホのようにその光景をで見つめていた。
杏「ねぇ…失った物については考えないの?」
朋也「………」
この日より演劇部の通り名が留年部になったのは言うまでもない。
128名無しさんだよもん:04/05/14 12:45 ID:HPlypHIo
セクシーコマンドーかよ。
懐かしいな、おい
129名無しさんだよもん:04/05/14 13:44 ID:4z1EA1WA
>>128
そうだ、何か見たことあるなと想ったらマサルさんか
懐かしいな
130名無しさんだよもん:04/05/14 17:11 ID:ZRjaQoDG
取り敢えず、乙
DNMLよりいいよ、DNMLだと見るの('A`)
131名無しさんだよもん:04/05/14 17:28 ID:zWWAIU0E
やっぱりDNMLの方が良いな
132名無しさんだよもん:04/05/14 17:45 ID:riFT8x0W
DNMLだと、パソコンないと読めないんだよね。
せめてテキスト版を同時投下して欲しい。
133名無しさんだよもん:04/05/14 17:45 ID:cloEFQWX
結構好みが別れるもんなんだね。
俺はDNML好きだけど、確かに導入めんどくさいしなぁ。
でも、魅せる手法が全然違うから、一概にどっちがいいとはいえないと思うけど。

で、何が言いたいかって言うと、
DNML職人さんもがんばってください。
いつも楽しく見ています。
134名無しさんだよもん:04/05/14 18:13 ID:4z1EA1WA
>>91
のDMNL何かは個人的にSSのが好き
135名無しさんだよもん:04/05/14 18:28 ID:HPlypHIo
>>41-45の続きマダー?
136名無しさんだよもん:04/05/14 20:13 ID:JZIiDZLk
>>126-127
名作認定。
137名無しさんだよもん:04/05/14 21:23 ID:dNm0sNLI
SSも好きだがDNMLも好きだな
ただより多くの人に見てもらうならSSが良いんじゃないか?
正直DNMLを見れる環境を用意するのはだるい…
よっぽど好きな人じゃないと見ないよ

どっちかというとSS派とだけ言っておく
138名無しさんだよもん:04/05/14 21:30 ID:OOGZRSoZ
DNMLは、あの風情のない終了の仕方と、フォントのジャギを改善してくれれば
もっといいのにな。本家の更新止まってるようだし、無理か…
139名無しさんだよもん:04/05/14 21:30 ID:q9uSOWuq
DNMLでしか表現出来ない事ってあるからなぁ……
後、DNMLをSS化するのは止めといた方が良いぞ大抵表現不足になるから
140名無しさんだよもん:04/05/14 21:41 ID:Wp04CBJe
DNML屋はDNMLスレ行けばいいんじゃないの?
ここSSスレだし。
141名無しさんだよもん:04/05/14 21:43 ID:lYOl3qP9
同意
142ともみ ◆tWj4RUmeHI :04/05/14 22:07 ID:Rqpf87ad
DNMLスレにも一応行ったけど、
SSスレの消費具合考えたら、SSスレだけで十分だという意見が多かったので、
こっちに投下させてもらってますが、
それでも、あくまでSSスレはSSのみだけだ、というのであれば、あちらに移動します。
もともと、SS書きだったんだけど、
クラナドはグラフィックで表現したほうが面白いかな?
と思って、DNML作成してたんだけどね(´・ω・`)
143名無しさんだよもん:04/05/14 22:43 ID:OOGZRSoZ
DNMLはどうしても作業に時間かかるし、なかなかうpも増えないのが難しいところ。
SS&DNMLスレで統合すればいちばんいいんだろけど、このスレ見る限りじゃDNML嫌いの
SSファンも結構いるみたいだな。どっちもそれぞれ好きな漏れ的には(´・ω・`)ショボーンなカンジ
144名無しさんだよもん:04/05/14 22:49 ID:cloEFQWX
べつにDNMLは邪魔にならないからいいと思うんだけど・・・
というか、DNMLってSSとは認識されてないの?
派生の一つだとばっかり思ってたんだが。
145名無しさんだよもん:04/05/14 22:54 ID:5P6SDhcd
DMNLでもいいんですけどすぐ消えるうpろーだにうpされるのはやめていただきたいです。。
146710 ◇G60rAFzW:04/05/14 23:03 ID:KXzXt6Qg
最初SS投稿してDNMLの魅力にはまった者です。
言いたかったことはほとんど>>153さんが代弁してくれましたw
自分もSSの発展系がDNMLだと思ってるクチなので、このままSSスレでやらせていただけると嬉しかったりします…。
DNMLスレでやってもまあそれはそれで良いんですけどね。

>>145
できるだけ保存期間の長い物を選んでうpしますね。
幸い↑で上げたブツはまだDL可能なようで一安心…。

では、私は引き続き「ことみルートでの古河家交流」を書いてきます。
無意味な予告を置いていきます

秋生「よっしゃー! 小僧! 焼きそば一皿勝負だぁ!」
朋也「いやだ」
杏「あたしやるー!」

杏はボタンを掴み、オッサンの背中の上に乗っけた。
杏「ボタン、マッサージよっ」
ボタン「ぷひ♪」

秋生「まあ、たまにはダークプリンセス今日子先生以外の占いも甘んじて信じてみるか」
椋「え…えっと、それでは」
椋はどこからかトランプを取り出し、それをくり始めた。


さーて、登場人物(ボタンも含めて)7人のDNML頑張ってきます。
orz 7人キツー…
147名無しさんだよもん:04/05/14 23:10 ID:N0ilPbsG
DNMLは導入が面倒
148名無しさんだよもん:04/05/14 23:14 ID:yuINys9C
>>146
ガンガレ
漏れは期待して待ってる
149名無しさんだよもん:04/05/14 23:25 ID:Wa3UDAtk
>>107を再うpきぼん。
150名無しさんだよもん:04/05/14 23:57 ID:pK1reZH9
取り敢えずDNMLやるんなら
CLANNADの画像表示するプラグインと
本体を上げてくれ。

自分で落しにいくの('A`)
151名無しさんだよもん:04/05/15 00:00 ID:1gff+h6w
>>150
コピペだがほれ
DNML
ttp://hp.vector.co.jp/authors/VA015183/

またCLANNADテンプレート
ttp://homepage1.nifty.com/mas-sasa/CLANNAD.lzh

ネタバレスレ515さんからの引用ですが
☆とりあえずDNMLをみたい人へ☆
ttp://hp.vector.co.jp/authors/VA015183/dnml/arc/dnml224n.exe
↑をダウソ。インスコする。
ttp://homepage3.nifty.com/hiro-inoue/SPKNN150.LZH
次に↑をダウソ。解凍して、IFPDT10.SPIをDNMLをインスコしたフォルダにコピーする。
ttp://homepage1.nifty.com/mas-sasa/CLANNAD.lzh
最後に↑をダウソ。
解凍してでてきた、CLANNADフォルダをDNML内のフォルダにコピーしておく。
DNMLフォルダ内のseekgame.exeを起動。自動検索する。
なんかいっぱいゲーム名がでてくるけど、とりあえずOK押しまくり。
CLANNADのとこまできたら、CLANNAD本体がインストールされたパスが正しいことを確認して、OK。
(感知しねぇよってひとへ。大方CLANNADテンプレートの場所が\DNML\CLANNAD\CLANNADとなってる場合がほとんどだと思いますので、
\DNML\CLANNADにして、ひとつ上のフォルダにすべてのテンプレートファイルをおきましょう。)
ttp://www.ne.jp/asahi/etc/qed/Archive/nwatowav.exe
仕上げに↑をダウソして、CLANNAD本体のBDMフォルダにコピーする。
CLANNADテンプレートに入っているbgm.batをまたCLANNAD本体のBDMフォルダにコピー。
そうしたら、コピーした、bgm.batを起動。
wav化作業がはじまるはずです。mp3化はお好みで。
152名無しさんだよもん:04/05/15 00:05 ID:iAGZHPjk
一応susie本体も

Susie
ttp://www.digitalpad.co.jp/~takechin/

153名無しさんだよもん :04/05/15 00:34 ID:u6ramHYM
DNMLに初チャレンジなんだが
それ通りにやったつもりが起動しないよ・・・_| ̄|○
154名無しさんだよもん:04/05/15 00:36 ID:S4f8AWdL
てか、DNMLスレあるんだし、そっちでやらんのかねぇ。
SSとは別物っしょ。
155名無しさんだよもん:04/05/15 00:45 ID:iAGZHPjk
>>153
ちゃんと設定したなら*.dnmlを実行すればいいだけなんだけど・・・
DNML/CLANNAD/sample.dnml
をダブルクリックしても起動しないなら、設定方法が間違っている。

>>154
いいかげん、職人さんのやる気をそぐような発言やめて。
SSだろうがDNMLだろうが作ってくれるなら何でもいい。
楽しみにしている人間がいるのに、何もせずに文句ばかりいって雰囲気悪くするな。
156コテとトリップ:04/05/15 00:48 ID:N4VyoM5Z
せっかくスレあんだからそっち使えいったくらいでやる気削がれるやつなんてどうでもよくね?
こういうのって周りが勝手に暴発していくからたまらんなw
157名無しさんだよもん:04/05/15 00:55 ID:JVVPpqWb
たらい回しな状況だな
158名無しさんだよもん:04/05/15 00:57 ID:fphwQBWD
>>155
おまえが楽しみにしてればスレ違いでもなんでもありかよ。
スレ違いを指摘されただけでやる気が失せるエセ職人なんていらねぇよ。
コテトリはうざいと思っていたが今回のは同意。
159名無しさんだよもん:04/05/15 01:03 ID:iAGZHPjk
>>158
いや、そんなにうざいのか?
DNMLくらい大目に見てもらいたいんだけど。
DNMLスレは過疎化しているし、
このスレもDNMLが邪魔になるほど活発にSSが落とされているわけでもないので、
とりあえず合同でいくのがお互いのためかと。
160名無しさんだよもん:04/05/15 01:08 ID:490oebvR
うざいです
161コテとトリップ:04/05/15 01:11 ID:N4VyoM5Z
>>159

過疎化つうか、こっちでD・N・M・L!D・N・M・L!いってるやつそっちいってやれば過疎化もしねえと思うんだが
おれはせっかく建てたんだから有効に使おうぜ、
使えないなら思いつきでぽこぽこ建てんなよバカチンめ、って思ってるだけだからさ
合同なら合同でも一向にかまわんがな。行き当たりばったりでみぐるしいやつらだなと思うだけで
なんつうか、スレの使いかたへたね。特に外野。邪魔しかしてねえw
162153:04/05/15 01:26 ID:u6ramHYM
ごめんな、みんな!
両方のスレ見てどっちに書き込めば良いのか迷ったんだけど
とりあえずDNMLの話はDNMLスレで書き込む事にするよ。
とにかく >>155 教えてくれてさんくす!
163名無しさんだよもん:04/05/15 01:30 ID:s4hC99kb
いうほどめんどくなかったよDNMLいれるの。
ただ音はでないけど。(ファイル名を曲名にかえたため?)
まあうpないよりあるほうがいいからがんがんうpしてください
164名無しさんだよもん:04/05/15 02:29 ID:+x69f2u3
>>91
の人の新作が出てたよ
また杏だった
DNML用のSSっぽいね
165名無しさんだよもん:04/05/15 04:04 ID:jdy8kjDq
DNMLなんてどこがめんどいんだ。容量増えるだけだろ
こんなのも設定できない厨房はカエレよ
16672:04/05/15 04:09 ID:+kgDRFhZ
早寝早起きしたらなんかレスが増えてると思ったらスレそのものについてですか
漏れまくりのうえ確認もとらずにスレを立てたことに関して謝罪します
俺はSSでもDNMLでも面白いものが読めればよかったんですが
かねての勢いではSSを投下しにくいと思ったのでスレの分割を試みましたが
この後はやはりDNMLはあちらのスレに誘導すべきですかね
悪い雰囲気になってしまったことについても謝罪します
いい作品がSS、DNMLを共に活性化することを期待しています

  DNMLスレ
 http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1084196072/
16772:04/05/15 04:18 ID:+kgDRFhZ
うわすげぇ変な文だ寝起きは駄目だSS書きってすげーな
自分も投下できるよう頑張ってみるかね
168名無しさんだよもん:04/05/15 04:18 ID:IekOSD5g
一々スレを二つ回るのも面倒くさい。
このスレをSS&DNMLスレでOK。
見たくない奴は見なければ良いだけの話。
169名無しさんだよもん:04/05/15 04:43 ID:jjgR3e0l
>>91の新作DNMLって見てたらハングしねえ?
音とか抜けてたりするし。もしかして漏れだけですか?
170名無しさんだよもん:04/05/15 09:44 ID:CpqP8fIf
そもそもなぜに今更DNMLが流行りだしたのかが謎。
とうの昔に廃れて消えたものとばかり思っていた。

とりあえずDNML導入が面倒だけどSSは読んでみたいという人は、
DLしたDNMLファイルの拡張子をtxtに変換した後に
適当なテキストエディタでタグを除去すれば、普通のSSとして読めるはず。

名前「台詞」
ばかりで情景描写少なめなのはどうにもならんが。
171名無しさんだよもん:04/05/15 09:47 ID:lxq9T5Q5
既にDNMLスレがあるんだから、使い分けりゃいいだろ。
こんなことで面倒くさがってんな。
172名無しさんだよもん:04/05/15 09:52 ID:IekOSD5g
つーか、何でそこまでDNMLを敵視してるのかがわからん。
173名無しさんだよもん:04/05/15 10:00 ID:b2lTQq2V
>>165
スレ違いなんだよ。
こんな程度も分からない厨房はキエロよ
174名無しさんだよもん:04/05/15 10:03 ID:P9YuTV3H
tWj4RUmeHI氏
ことみin古河家の再うぷお願いできないでしょうか?
175名無しさんだよもん:04/05/15 10:03 ID:Ow+9ni1N
スレ分割・統合議論ばかりで、肝心の作品はちっともうpされない罠。
下手すりゃ共倒れってことでw
176名無しさんだよもん:04/05/15 10:05 ID:lxq9T5Q5
既にDNML用のスレが立ってるんだから
そっちでDNMLの話題をするのが当然だろう。
177名無しさんだよもん:04/05/15 10:08 ID:IekOSD5g
誰も立ててくれなんて頼んでないし。
あまり違いがない二つを、別々に分けることに必要性を感じない。
178名無しさんだよもん:04/05/15 10:17 ID:lxq9T5Q5
昔からDNMLとSSのスレッドは分かれていたんだけどな。
それにここも隔離スレだし。全員に望まれて立てられるスレなんて無い。

特にDNMLは2chで発表する場合、外部のアプロダに頼らざるを得ないため、
それを鬱陶しく思う奴も居るんだ。
179名無しさんだよもん:04/05/15 11:05 ID:S4f8AWdL
過去の履歴を何も知らないで話してる連中がいるからしょうがないな。

>>177
>誰も立ててくれなんて頼んでないし。
過去ログ読めない半島の人ですか?
180壊れかけのレディオ:04/05/15 16:36 ID:d4L3i0Ce
 白緑色のカビがコーヒーカップの内側を隙間なく覆っていた。割り箸を持ち出しその中をゆっくり
かき混ぜてみると、ヨーグルトをすくっているようなヌラリとした感触が手の平に残った。顔を寄せ
てみる。夏のワキガに蜂蜜を垂らしたような匂いだ。それは即ち死の香り。
 うーむ。少し腕を組んで考えたあと、
「おい、春原」
 ベッドで惰眠をむさぼる男に向かって声をかけた。
「……ん〜もう朝ぁ〜?」
 たるんだゴム紐のような返事が返ってくる。
「おう朝だ。眠そうなオマエのためにコーヒーを入れておいてやったぞ」
 喋りながら布団を引っぺがす。奇妙な金髪が朝日を受けてランランと輝いている。
「オマエが僕に……? どういう風の吹き回しだよ」
「俺気づいたんだよ」
 落ち着いた声で返す。
「は? 何に?」
「……今まではさ、オマエのこと手足のついたダンゴムシくらいにしか思ってなかったけど」
「爬虫類あつかいですか!!」
「けどさ、コタツの中で色々考えているうちに思ったんだ、やっぱりこいつはかけがえの無い親友なんだ
って」
「岡崎……」
「そんな俺がオマエのために淹れた初めてのコーヒー」
 そう言って俺はカップを差し出す。
「いや……嬉しいんだけど……この表面に浮いてる毛玉みたいなのなに?」
「クリープだ」
「いやクリープって緑じゃねえと思うんだけど……」
 一応コイツにも危機感知能力が微弱ながらも備わっているようだ。
「春原、オマエまじイケてる」
 俺は突然に切り出した。
「え、やっぱり?僕も前々からそうじゃないかと思ってたんだけどさ」
「ああ、この間なんかB組の女の子に噂されてたぞ。『春原くんって支離滅裂よね!!』ってな」
「マジかよ!!なんかよくわかんないけど僕モテモテじゃん!!」
181壊れかけのレディオ:04/05/15 16:37 ID:d4L3i0Ce
「ああ、そしてその子はこう言ったんだ。『春原くんがコーヒー一気してる姿が見たいわ!!』って
な。オマエが嫌じゃなければこのカメラで現場を激写して見せてやりたいんだが」
 都合よくテレビの横に置かれたカメラを構えてみる。
「僕飲むよ!! 僕を待ってるファンのために!!」
 ……これほど扱いやすい奴が日本にいるだろうか?
「よし、それじゃ撮るからイッキに飲み干してくれ」
「おう!!」
 奴はなんのためらいもなく口元にカップを持っていった。
 ゴキュ……ゴキュ……ゴキュ…
「ぷはぁ〜、ごちそうさま。ねえ、いい写真撮れた?」
「ああ、田代まさしも驚くほどに完璧だ」
「よし!!それじゃ写真を渡すときには僕も一緒に……」
 台詞を言い終わらないうちに春原の顔が青くなり始めた。
「な、なんか急に吐き気が……ブハァッ!!」
 口からなにかを吹き出して奴は倒れた。吐き出されたコーヒーのところどころに赤いラインが入っている。
「……母親思いのいい奴だった……」
 俺は物言わぬ肉塊となった彼に向かって手を合わせた。
「って勝手に殺さないでもらえますかねえ!!」
「あ、動いた」
 つまらん。
「ほ、ほんとに死ぬかと思った……岡崎……友達相手とはいえ冗談でもやっちゃいけないことってのがある
だろ!!」
「わりぃ。友達っつーかそもそも人間だとみなしてねーや」
「これからはみなしましょうネ!!」


「てゆーかさ」
 唐突にマジな顔になる春原。
「なんだよ」
「明日って……卒業式だよな」
182壊れかけのレディオ:04/05/15 16:37 ID:d4L3i0Ce
「ああ、頑張れよ」
「アンタもですよ!!」
「ああ、そう言えばそうだな。んで、それがなに?」
「なんつーかさ……虚しくならないか?」
 思わず耳を疑った。こいつからアンニュイな台詞が飛び出すとは予想していなかった。
「僕達ってさ、就職にも失敗したし、学校もお情けで卒業させてもらったみたいだし、なんつーかさ、このま
まじゃ負け犬みたいじゃん」
「いや、俺彼女いて十分幸せだし。負けてんのオマエだけな」
「そこだよ!!そこ!!なんっで同じような人生辿っているはずなのにオマエだけ渚ちゃんとラブラブショー
で僕は一人身なんだよ!!納得いかねーっつーの」
 理由は明らかである。
「オマエ気持ち悪いからな」
「そんな非道いこと笑顔で言うなよ!!」
「くっ……まあ軽いジョークは置いといてさ。僕が何を言いたいかっていうとだ………」
 春原はベッドから跳ね起きると俺に向かって三つ指を立てた。
「僕に彼女作ってください━━━━ヽ(゚皿゚)ノ━━━━!!」
「それ人に頼むあたりからしてオマエ駄目な」
「プライドより大事なもんだって世の中あるだろーが!!」
「この場合それ決めゼリフになんないからな」
 ふう。改めてこの男が人より優れている点について考えてみる。

【春原陽平データ】
 髪:金色で気持ち悪い
 顔:いつもにやけてて気持ち悪い(歯ぐきを出すな)
 行動:いつも空回り
 人望:皆無(つーか友達すらいねえ)
 性格:痛くてなにも語れない
 知能:可哀想である
 足:臭い
 ワキ:臭い
 口:臭い
183壊れかけのレディオ:04/05/15 16:38 ID:d4L3i0Ce

 ……よし、データはそろった。
【結論】E:志望校を変更しましょう

「オマエ彼女作る前に人に嫌われない努力しろな」
「あんた剥き出しの直球投げすぎですよ!!」
 すでに半ベソである。
「いや……だってさ、彼女作るっていってもなんのアテも無いじゃんオマエ。言っとくけどナンパとか無理だ
からな。前みたいに恐がられるのがオチだ」
 はっきり言って見た目以前の問題としてコイツはナンパに向いていない。馬鹿だからだ。それも話してみて
アホっぷりが分かるというのではなく、半径2m以内に入ってきただけで辺りの空気を支配してしまうほどの
馬鹿だ。はっきりいってどうしようもない。
「そのことなんだけど……」
 にやけているのか悩んでいるのか微妙な表情で春原が口を開いた。
「僕、好きな娘いるんだよね」
184名無しさんだよもん:04/05/15 17:34 ID:5JQb7qqN
次は〜?
連続投稿か?
185名無しさんだよもん:04/05/15 17:35 ID:+3VxD6O0
ぶっちゃけDNMLの方が読んでて楽しい。
>>151の通りにすれば導入も簡単だぞ。
186名無しさんだよもん:04/05/15 17:43 ID:+5DjqKbD
>>185
DNML厨うぜーんだよ。
だったらDNMLスレ行ってろよクズめが。
187126:04/05/15 17:48 ID:xn3CI4CC
それは、いつか見た風景。かもしれない。

風子「はぁ…」
風子「どうしてヒトデはこんなにも愛らしいんでしょう…」
風子「ヒトデ…」


「お姉ちゃんはね…いつか必ず日本一のヒトデ師になるの…」
「いちばんえらいひとー?」

「ふぅちゃん…お姉ちゃんは今でも夢を持っているの…
 いつかきっと、伝説のヒトデを探したいという夢を…」
「伝説のヒトデ?何ですかそれは?」
「それは…見つけてのお楽しみね」
「おねぇちゃん…というか、もう、ヒトデですね…」

「聞こえる…?ふぅちゃん…一つ言わないといけない事があるの…」
「はい…」
「お姉ちゃんね…間違ったヒトデの愛し方をしてたみたい…」
「はい…見れば分かります…」
「そう…やっぱりふぅちゃんにはヒトデ師の才能があるね…」
『泣かないでふぅちゃん』
『伝説のヒトデは』
『く ま 』
「おねぇちゃん…!?くまって何さーー!?」
188126:04/05/15 17:48 ID:xn3CI4CC
公子「あの、ふぅちゃん、勝手に過去を捏造しないでくれる?」
風子「あ、おねぇちゃん。いたんですか」
公子「1時間前からここにいるんだけど」
風子「それにしても不思議です、おねぇちゃんは風子の心が読めるんですか」
公子「全部口に出てたよ…それより急がなくていいの?」
風子「はっ…!妄言に付き合っていたらこんな時間になってしまいました。
   初日から遅刻なんであり得ません!そういう訳で行ってきますっ」

そう言うと、ヒトデを撒き散らしながらばびゅーんと飛び出していった。

公子「どうかこんな子でも、たくさん友達が出来ますように…」
公子「…無理かな」



朋也「暇だな…」
杏「暇ね…」
ことみ「暇なの…」
渚「暇ですね…」
今日も俺たちは部活に励んでいた
と言っても何をするわけでもなく、ぼ〜っと茶を啜るだけだが。
まぁ留年部の活動内容には相応しいとは言えが。
…しかし、この呼び名なんとかならんのかなぁ。
椋「あ、あの…そういえば、今日変な噂を聞いたんですけど…」
珍しく藤林が話を切り出した。
確かに偶には自分から喋らないとキャラが埋没…ゲフンゲフン
杏「変な噂?」
椋「何でも、校舎内に呪いのアイテムを配って回ってる女の子が出没するとか…」
渚「呪い…ですか」
椋「それを受け取ると健忘症に、受け取らないと健忘症になるらしいです」
朋也「って、どっちにしても健忘症かよ」
189126:04/05/15 17:49 ID:xn3CI4CC
『失礼しますっ!』

突如、小柄な女子生徒が姿を現した。
校章の色からして1年のようだ。
懐から何かを取り出したかと思うと、それを、一番近くにいた古河に向かって差し出した。
風子「これを受け取ってください!」
これは…星?いや、手裏剣か?
ともかく木材を削って作られた何かだ。
渚「………」
当の古河は固まってしまっている。
そりゃいきなりこんなもの渡されても困るよな…
渚「……凄いですっ!こんな見事なヒトデは初めて見ましたっ!」
感激していた!
そもそもヒトデだったのかこれは…
風子「ようやく…ようやく、ヒトデの魅力を分かってくれる人に会えました」
渚「このヒトデは貴方が作ったんですか?」
風子「そうです。風子渾身の一品です」
渚「素晴らしいですっ。ソウルフルですっ。だんご大家族ですっ」
朋也「いや、だんご大家族は関係ないからな」
渚「それくらいこのヒトデは凄いんですっ」
朋也「そ、そうか…」
190126:04/05/15 17:49 ID:xn3CI4CC
古河は改めてその女生徒に向き直ると、ぺこりとお辞儀をした。
渚「こんにちわ。はじめまして。3年D組の古河渚です。趣味は留年です。
  もしよかったら、友達になってくれると、うれしいです」
あ、始まった。
人数増えたから長いだろうな。
趣味に関しては突っ込まないでおこう。余計長くなる。

………

風子「…はい、よろこんで」
…ん、終わったか。
渚「ええと、それでですね、ついでという訳では無いんですが
  りゅ…私達の部に入ってみませんか?」
…何故に勧誘?
そもそもこの部活は正式活動していたのか?
…考えるだけ無駄なんだろうな。
風子「こちらこそ、是非入らせてもらいたいですっ」
手を重ねる5人娘。
ああ、感動的な光景…

風子「ヒトデ部に!!」

…になるわけないんだよな。

演劇部→留年部→ヒトデ部  部員1名追加
191名無しさんだよもん:04/05/15 18:11 ID:IBi0aSOE
DNML読もうとやってたらBGMが流れない
この形式はサポートされてません
('A`)……!?
192191:04/05/15 18:12 ID:IBi0aSOE
わり、書く場所間違えた。
DNMLスレに書きこんでくる、スマソ。
193名無しさんだよもん:04/05/15 18:29 ID:Mwu40BAb
短いのはSSが良いけど
長いのはDNMLのが良いな。
読んでる途中で飽きる
194名無しさんだよもん:04/05/15 18:38 ID:iAGZHPjk
>>180
ためしにDNML化してみたんですけど、UPしてもいいでしょうか?
OKならDNMLスレでうpします。
195名無しさんだよもん:04/05/15 19:21 ID:9xGnrBlM
>180
おれが許す、UPしてくれ
196名無しさんだよもん:04/05/15 20:08 ID:iAGZHPjk
>>195
い、いいのかな?
それじゃあ、DNMLスレにアップしときます。
197名無しさんだよもん:04/05/15 20:28 ID:ZBPk2mCv
「やれやれ、昨日はどうなる事かと思った…」
寝覚めは最悪だったけど、僕はいつものように朝食を食べた後、コーヒーを入れて部屋に戻ってきた。
朝の穏やかな一時。この時間が一番幸せを感じる時だ。
僕はいつものように、ラジカセの再生ボタンを押して、コーヒーを飲み始める。
BGMは、お気に入りのヒップホップ。
「いやあ、優雅だねぇ…」

『春原…俺は、男だけど…でも、春原の側にいることだけはできる』
『約束する』
『春原が、悲しい時には、俺がなぐさめてやる。楽しいときには、一緒に笑ってやる』
『白い雪に覆われる冬も…街中に桜の舞う春も…静かな夏も…目の覚めるような紅葉に囲まれた秋も…』
『そして、また、雪が降り始めても…俺は、ずっとここにいる。もう、どこにも行かない』
『俺は…春原のことが、本当に好きみたいだから』

ぶぅーーーーーーっ!コーヒーを噴出す。
「僕、イチゴ好きないとこの少女なんすかねぇ!」
そして、いきなりコタツの中から手が出てきて足を掴まれる。
「春原っ、俺、今日からここに住むから。ずっと一緒だからなっ…!」
(; ゚皿゚ )ひっ、ひぃーーーーっ!!

春原TRUE BAD エピローグ ―完―
198名無しさんだよもん:04/05/15 21:17 ID:qSCblYzd
>壊れかけのレディオ

久々にSSスレらしいのが投稿されて嬉しい。会話のテンポもイイ感じだし……って、続きは後日かな?
199名無しさんだよもん:04/05/15 21:37 ID:fs70cWL5
やっぱりDNMLじゃないと萌えないね。
きょうびテキストオンリーのSSなんて時代錯誤でしょ。
200名無しさんだよもん:04/05/15 21:39 ID:SMIFQhBW
>>197
不覚にもワロテしまたw
201710 ◇G60rAFzW:04/05/15 21:41 ID:pJBAfffp
>>197
漏れもワロタw
コタツに潜るというのが、こういう場面で使われるとはっw
202名無しさんだよもん:04/05/15 23:52 ID:cegC7i5Z
>>199
時代錯誤とは思わんが
DNMLの方が萌えやすいというのは同意。
特に蔵のようにキャラ表情の豊かなゲームは。
203sage:04/05/16 01:19 ID:bdUiqVSh
杏&椋―a Ferris wheel―



「小さい頃はさ、あんた怖がってこういうの乗ろうとしなかったよね」

つとめて明るく言った杏の言葉に、椋は応えずにいた。ゴンドラの中はさして広く無かったが、彼女は自然と姉から対角線上に離れた場所に座っていた。頑なに口を閉ざし、しかしまっすぐ姉を見る事などとてもできずにうつむいたままで。

「………」

妹のそんな様子を見るのは初めてではなかった。いくら仲がいいとは言え生まれた時から一緒だったのだ。喧嘩だってする。
椋の分のお菓子をついつまんでしまってお姉さんだからとかおないどしなのにとか、引っ込み思案な性格の椋に友達を紹介しようと近所でも評判の悪がき連中の中へ引っ張っていって泣かせてしまったりとか。
ただ、今回のがいつもと違うのは、あっけらかんと笑って妹のぽかぽか殴りかかってくるのを受けていれば済むような問題ではなかった事だった。

にこやかになろうとする自分の頬が引きつるのを、彼女は悲しい自覚とともに感じ取っていた。

「ね、椋」

「……」

やはり返事は無い。その代わりにぎゅっと握り締められて白くなった彼女の手を見ながら、姉は噛んで含めるように妹に言った。

「岡崎の事なんだけどさ」

あえて苗字で言ったのは何故だったんだろう。聞きなれない響きに違和感を感じ顔をあげる椋の目を見て、彼女は言葉を続けた。

「アタシ、やっぱり好きだわ。ごめんね」

「…!」

何のフォローもクッションも無しに直球で来るとは思っていなかったのか、妹が目を丸くする。そんな様子を半ば伏せ目で見ながら、だが口調はどこか楽しげに杏は続けた。
204sage:04/05/16 01:22 ID:bdUiqVSh
「いやー何であんなの好きになる? て思ってたけど何? 隣りの芝生は青いって奴かなぁ、とにかく好きになっちゃったのよね」

呆然とする妹に、つらつらと自分の思いを聞かせる。

「……」

「最初はあんたに勧めてたし今更悪いは悪いんだけどさ、やっぱり人間我慢してちゃ体に悪いしね。これからはアタシが岡崎の彼女になるわ。
文句無いでしょ? もともとあんたとあいつじゃつりあうはず無いもの。引っ込み思案でどんくさい彼女に鈍くて気のきかない彼氏じゃねぇ」

「………っ」

そんな事無い、と言おうとしたが、喉がしびれたように動かなかった。代わりに頬にこぼれ落ちる涙。
杏は、椋の姉は、今日だけはそれを拭おうとしなかった。
目の前で泣き出す妹の様子など一向構わずに言い述べた。へらへらした軽い口調が椋の心をささくれだたせていく。

「いいでしょ? どーせこの頃あんた達上手く行ってなかったんだし、嫌な思いする前にすっぱり別れさせてあげるわよ。あんたは可愛いんだから心配しなくてもまた次の男見つかるって」

「っ!!」

もう聞いていたくなかった。気がついた時には、椋の手は杏の頬を鈍い音がするぐらい思いっきり張り飛ばしていた。

「?」

じんじんとしびれる指先に冷たいものを感じ、椋は自分の手のひらと、そして姉のうつむいた顔を見た。徐々に赤くなりはじめる頬の上を、幾本も伝う筋。
なぜ気づかなかったのだろう。姉の身体は細かく震えていた。前髪に隠れた下で、その顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた。
205sage:04/05/16 01:24 ID:bdUiqVSh
「おねえちゃん………」

わけがわからずに、ぽつりと呟いた言葉で、何かが崩れた。杏はぺたりとゴンドラの床にしりもちをついて。そして、まるで小さな子供のように、火がついたように泣き出した。
ずきりと胸に何かが刺さるような感覚があった。
いつも気丈で弱みなんて見せなかった姉、いたずらがばれてひどく親に叱られても、それで泣きべそをかいていても、妹の前では絶対に強がっていた姉。その彼女が、こんなに無防備に泣き伏すなんて。

知らず知らずのうちに手が伸びていた。嗚咽を繰り返す肩に触れた。びっくりするぐらい冷たい涙に濡れた頬を、胸に抱いた。

くぐもった泣き声が落ち着くまで、椋はずっと、杏を抱いてやっていた。





夕闇が迫る園内のベンチに座り、レンガが敷かれた大通りを一日の思い出を楽しげに話し合いながら帰っていく親子を見送る。
まだ時おり鼻をぐずらせる姉にハンカチを渡して、椋は星の出はじめた空を見上げた。まだじんわりとしびれている手のひらをきゅ、と握り締める。
何だろう。これまで胸にずっとつかえていた思いが、どこかに抜け落ちてしまったような気がしていた。自分は今まで、何に対してこんなにも頑なだったのだろう。
彼女の隣りにいたのは、いつも明るくて、強くて、人気があって、それに、大好きな人を事も無げに奪い去っていく、そんな人だったはずなのに。

隣りで鼻をすする横顔には、それまで彼女が抱いてきた姉のイメージと似ても似つかぬ弱々しさが漂っていた。いや、違う。多分、自分は同じ日に生まれたこの姉の事を、そうした色眼鏡で見ていたのだろう。



『あたしは泣いてなんかないんだからねっ』

小さい頃、両親のいない間に出したばかりのストーブの上に乗って遊んでいて、父親に拳固をもらった時の、目じりに涙をためながら自分に向き直った姉の顔が、唐突に思い浮かんだ。
拳固はもらわなかったものの同じように怒られ、泣き出しそうになっていた椋は、姉のそんな表情で泣かずに済んだのだ。強いと思ったからではない、そんな遠い視点ではなかった。

隣りにいつもいた人だから、いつも見ていた人だから。
206sage:04/05/16 01:26 ID:bdUiqVSh
こんな時なのに、知らず知らず頬がゆるむのを、彼女は自分でも不思議に思っていた。

「おねえちゃん」

「……?」

「もう一回、観覧車乗ろう?」

「………」

杏はきょとんとしたまま、椋が差し出した手のひらを見つめていた。

「ね?」

重ねて言う椋のすすめに、ぎこちなく手を握り返す。えいっと力を込めて、自分よりやや大柄な姉をベンチから立たせると、椋はにっこりと笑って言った。

「朋也くんの事、よろしくお願いします」

「………」

ぽろ、と新たな涙が姉の頬に伝う。その手を引いて、平気だと思いながらも自分の顔にも涙が伝うのを我慢しながら、椋は観覧車の乗り場まで走った。杏もたどたどしくだがついてきた。二人で走った。通り過ぎる風に、涙は吹き散らされていった。
207sage:04/05/16 01:28 ID:bdUiqVSh
観覧車の乗り口に立つ二人は、もう泣いていなかった。

肩を寄せ合って、二人並んでゴンドラに座った。

そして、何周も何周も、観覧車に乗り続けていた。



END
208名無しさんだよもん:04/05/16 01:29 ID:DW+jMSKc
>>203-207
GJ!!
209名無しさんだよもん:04/05/16 01:33 ID:nvpkfjFn
>>203-207
うわー、いい話じゃ〜!
GJ!!
210名無しさんだよもん:04/05/16 01:37 ID:GzUt9KXs
無粋だとは思うが、
>自分は同じ日に生まれたこの姉の事を
211名無しさんだよもん:04/05/16 01:38 ID:8HTOp35t
>>210
無粋です
212名無しさんだよもん:04/05/16 01:43 ID:SoNXiaEU
杏が主人公に告白する直前かな
いい姉妹だことで(つд`;)
213名無しさんだよもん:04/05/16 01:47 ID:8HTOp35t
しかしあの椋があの杏に手を上げるって言うのも
かなりレアなシチュエーションですな…

いや、だから何だと言われても困るんですがw
214名無しさんだよもん:04/05/16 03:07 ID:dPAR+g3X
>>203-207
ヨカタよ
215名無しさんだよもん:04/05/16 03:15 ID:WyQ/aEZg
ttp://imiju.hp.infoseek.co.jp/newpage2.htm

ここのクラナ丼最高!
マジで笑い転げた
216名無しさんだよもん:04/05/16 03:20 ID:SoNXiaEU
>>215
確かにイイかも
217ともみ ◆tWj4RUmeHI :04/05/16 03:46 ID:Qu+xPs5F
シュッ、シュッ!
木を削る。
シュッ、シュッ!
たとえ、チャイムが鳴ろうと、放課後に、文化部の生徒たちがわいわいと騒ごうと、
彼女の耳には何も聞こえない。
ただただ、木をひたすら自分の思うように削っていく。
「んっ!!」
ちくっというより、ざくっと切り裂いたような痛みが彼女を襲う。
彼女が自分の手を見る。
包帯まみれの手。
その真っ白い布地に、赤い鮮血がにじみ出てきた。
しかし、この程度の傷で作業をやめるわけにはいかない。
彼女には、大事にはやらなければいけないことがあったからだ。
218名無しさんだよもん:04/05/16 03:49 ID:Qu+xPs5F
はじめは、どうすればいいか悩んだ。
なにをすれば、あの人は、彼女の大事な人は喜んでくれるのだろう?
どうすれば、彼女はあの人を祝福できたと感じることが出来るだろう?
必死で考えた。
過去をさかのぼって見れば、いいアイデアが浮かぶかもしれない。
彼女は目を瞑って、あの人とすごしてきた日々を思い出す。
一番覚えているのは、ある夏の日。
暑い夏らしい一日だった。
あの人と一緒に来た初めての海。
周りに自分と同じくらいの子供たちもいたけど、彼らと遊ぶことはしなかった。
それよりも、浜辺でうねうねとちょっと風変わりの動きをする生き物のほうが興味があった。
海に来る前は見ることも出来なかった生き物たち。
(かわいい…)
彼女はそう思った。
彼女は特に星型の生き物に興味を引かれた。
のっそりのっそりと波打ち際を歩くその生き物をじっと目で追いかけた。
ざざーんと、大きな波が、その生き物を沖に連れ去ったときは悲しかった。
でも、その生き物はたくさんいた。
だから、日が暮れるまでその観察に夢中になれた。
「ふぅちゃんは、ヒトデがすきなんだね」
「ヒトデ?」
「今日、ふぅちゃんがずっと見てた生き物の名前よ」
手をつないで帰った帰り道。彼女は、あの人にその生き物の名前を教えてもらった。
219ともみ ◆tWj4RUmeHI :04/05/16 03:49 ID:Qu+xPs5F
思いついたら、体が勝手に動き出していた。
人がいない時間を見計らって、美術室から木を削るためのナイフと木材を拝借した。
そして、だれもいない旧校舎の空き教室を発見して、ひたすら削り始めた。
自分がもっともかわいいと思っているあの星型の生き物をイメージして。
だが、思ったより彫り物というものは難しかった。
自分は器用なほうだと思っていたけれど、なかなかイメージどおりには削れてくれない。
しかも…
「ぐ…」
ナイフが木に引っかかり、ちょっと力を入れてみたらいきおいあまって自分の手まで引っかいてしまう。
引っかいた場所からじわじわと血が流れ出て、さすがに彼女は慌てた。
あわてて保健室に駆け込み、だれもいないのを確認して、包帯を例のごとく拝借していく。
包帯を巻いて、作業を再開するも、何度も何度も自分の手を傷つけてしまう。
すべてを終えたとき、彼女の手は女の子とは思えないような状態になっているかもしれない。
だが、彼女はそんなこともお構いなしにひたすら、ひたすら彫り続ける。
何度も、失敗した。
何個もかわいらしくなりそこねたヒトデを作ってしまった。
何箇所も傷を手に作ってしまった。
そして、彼女自身が何度目の挑戦か、というより、最初から彫った回数など気にしてなかったかもしれないが、
長い時間をかけて、ようやく「完成品」らしきものができた。
それが出来た瞬間、彼女の目は輝いた。
初めての彼女の作品を天井に掲げては、その完成に満足し、胸にぎゅーっと抱きしめる。
まだあちこりにささくれていたり、左右のバランスが不完全とはいえ、
彼女は自分で「ヒトデ」を作れたことがとてもうれしかった。
(やはり、風子はお姉ちゃんの妹です。風子のヒトデはレオナルド・デ○プリオの作品を超えますっ!)
彼女は得意げに胸をはる。
しかし、まだ終わりではない。
あと、これと同じものを699個作らなくてはならない。
つまり、この彼女の学校にいる生徒の分である。
これをプレゼントして、あの人の結婚を祝ってもらうのだ。
自分の代わりがお祝いできない代わりに、
大勢の人に囲まれて、お祝いされて、あの人が幸せだと思ってもらいたい。
220ともみ ◆tWj4RUmeHI :04/05/16 03:52 ID:Qu+xPs5F
シュッ、シュッ!
今日もひたすら木を彫る。
まだまだ、手に傷は作ってしまうけれど、だいぶこの作業も慣れてきた。
ヒトデも、さらにかわいいと思えるものができるようになった。
しかし、まだまだ彼女のやるべきことは終わらない。
さらに、残された時間はあとわずかであるということも彼女は理解していた。
だから、彫らなければいけない。
シュッ、シュッ…。
シュッ、シュッ…。
黙々と、丁寧に心を込めて木を削る。
しかし、今日はいつもと様子が違った。
彼女の製作部屋に他の気配を感じたのだ。
作業をやめて、気配のするほうを見る。
「あ…」
だれかいた。
見たこともない男子生徒だった。
しばらくその男子生徒を見ていた。
「どうした?」
その男子生徒に話しかけられる。
「わっ…」
思わず逃げ出してしまった。
(この人は、怪しい人です! 風子をさらって食べてしまうに違いありません!)
彼女はとっさに彼が危険人物だと判断した。
勘には絶対の自信があったので、間違いないと彼女は思った。
彼女は部屋の隅にかくれ、彼の様子を伺った。
その男子生徒は隠れている彼女がまるで見えるかのように、
隠れている場所のほうを見て、くすくす笑っていた。
「あのさ、ここ、美術部の部室?」
これが彼女の―風子の運命的な出会いだということは、まだ彼女は知る由もなかった。
風子とヒトデと彼…岡崎朋也の話は、この一言から始まったのだった。
<終>
221名無しさんだよもん:04/05/16 03:57 ID:Qu+xPs5F
以上です。
イメージとしては、風子シナリオの前という感じです。
あー、ひさびさにSS書いたけど、クラナドは難しい(´・ω・`)
風子シナリオのあの明るめの流れ(途中まで)と対照的に、
セリフを極端に減らして、表現しようと思ったのですが、なかなかうまくいかないね(;´Д`)

>>207さん、姉妹SSいいですね…。
正直、魁よりもいry…。
こういう描写を、あのシナリオにほしかっただけに、とても楽しめました。

>>197
最高ですw
最後の春原の顔で、コーヒー吹いた
222コテとトリップ:04/05/16 06:34 ID:o48eCMEq
>>203-207

綺麗にまとめようとした分だけ説得力が薄くなっちまったな
まあそういうとこが主題なんじゃねえんだろうからあんまり気にならんが
それともうちょっと改行に気を遣ってみてくれ。にちゃんのスレッドで読むのを前提に
そのほうがぐっと読みやすくなって、こういう話だともっと小綺麗になるはずだ

すんなり読めました。それなりにおもしろかったです
223名無しさんだよもん:04/05/16 10:09 ID:3V/dgaPt
>>203さん
本編のカバーストーリーとして申し分ない出来だと思います。
強いけれど脆い杏や、ここぞというところで押しが弱いけれど優しい椋のテイストが出てたと思います。

ハァ……魁もせめてこれ(ry

>>217
風子ですね。どこからどう見ても。
台詞を減らした表現が上手くいってない、と言ってますがそんな事はないです。
健気さが伝わってきてとってもよさげ。

ただ、219の
>自分の代わりがお祝いできない代わりに、
ってのはシンプルに自分がお祝いできない代わりに、でよかった気が。
本編の風子が幽霊で、自分の代わりってことなんでしょうけどちとくどい。

ま、何はともあれお二人ともGJ!
224名無しさんだよもん:04/05/16 11:44 ID:utt817jw
CLANNAD SS-Linksまだ〜?

というわけで、蔵SSを公開してるサイトを教えて下さいおまいら。
作者さんの宣伝も大歓迎。
225名無しさんだよもん:04/05/17 07:18 ID:sCmt4JBO
>>46
続きマダー?(AAry
22646:04/05/17 08:10 ID:J1gLcF+B
>>60
おそくなりましたが、DNML制作ありがとうございますデス│Д`)
>>225
まだできてないんじゃ(゚Д゚)ゴルァ!!
…ってすいませんデス il||li _| ̄|○ il||li ナカナカカンセイシネエ
制作の気分転換に、つくったSSがあるんで、それでもみててくださいナ↓
22746:04/05/17 08:11 ID:J1gLcF+B
朋也「よう、藤林。カッペイは元気か?」
椋「…カッペイ?…誰ですかその人?」
朋也「誰って…おまえの彼氏だろうが」
椋「…ええっ!?」
朋也「なにびっくりしてるんだよ…」
椋「わ、わたし、まだ誰ともつきあったことないです…そ、それにわたしの好きな人は(ゴニョゴニョ)」
杏「あんたたち、なにはなしてるのよ?」
朋也「お、杏。いいところにきたな。聞いてくれよ。藤林がカッペイのこと知らないっていうんだぜ」
杏「カッペイ?誰よそいつ?」
朋也「おまえもか…おまえが数日前バイクではねたヤツだよ!」
杏「人聞きの悪いこと言わないでよね!バイクで人をはねるなんて非人道的な行為をあたしがするわけないでしょうが!」
朋也「…」
杏「で、そのカッペイがどうしたのよ?」
朋也「いや…たしかカッペイと藤林が一目ぼれして付き合いはじめたと思ったんだが…」
杏「そんなことあるわけないでしょうが!椋はねぇ…」
椋「お、お姉ちゃん…」
杏「椋はねぇ、あんたのことが好きなのよっ!」
朋也「ええっ!?」
椋「……」
杏「やっぱ気づいてなかったみたいね…」
朋也「だ、だって俺、藤林とカッペイが一目ぼれして付き合ったって思ってたからさ…」
杏「うわ…朋也あんた最悪…」
杏「考えてもごらんなさいよ。仮にそのカッペイってヤツがいたとしても、好きな人の前でほかの男に一目ぼれするなんてあると思う?」
朋也「そういわれてみればそうだな…」
杏「それに椋ってば、あたしに、『朋也とくっつけてほしい』っていってきたのよ?」
杏「それなのに、別の男に一目ぼれして付き合いはじめちゃうような恥知らずを、妹にもった覚えはないわよ!」
椋「そ、そうです…わたしそんなヒドイことしないです…」
杏「で、カッペイってどんなヤツだったのか、話してみてよ」
朋也「ああ…」
俺は二人にカッペイがどんなヤツか話した。
22846:04/05/17 08:12 ID:J1gLcF+B
杏「やっぱ夢でもみてたのね…出会いからして不自然だし。仮にあたしがバイクで人をはねたにしても、そのままにしていくわけないじゃない。そんなことすればただの犯罪者よ」
朋也「おまえ、俺をはねたことあるだろ…」
杏「まあ、あのときはあんただったしね。知らない人ひいたら止まるわよ。普通」
杏「それに、旅人で、履歴書の書き方もわからなくて、自己中で、男らしくないんでしょ?顔以外最悪じゃない。そんなヤツいねーよって感じよね」
杏「ねえ、椋。あんた、そんな得体の知れないヤツと付き合いたいとおもう?」
椋「……」
藤林がブンブンと首をふる。
椋「わ、わたしが好き人は、お、岡崎くんですから…」
耳まで真っ赤にして、藤林はそう言った。
朋也「藤林…」
杏「あーもう、あんたたちお似合いよ。どうせならつきあっちゃえば?」
椋「…」
朋也「そうだな…そうしてみるか?」
椋「えっ?」
朋也「俺がそんな夢をみたのも、何かの啓示かもしれないしな」
椋「岡崎くん…」
俺たちは歩き始める。カッペイのいないこの道を。
229名無しさんだよもん:04/05/17 08:23 ID:sCmt4JBO
>>46
滅茶苦茶イイ!!
脳内本編に追加されますた。椋萌えへの救済ルートとして、これ以上の物は無い。
230名無しさんだよもん:04/05/17 08:25 ID:5cm0i47Y
>>46さん
ペイを無かったことにしたい、気持ちはわからんでもないさ…。
ま、ダムでも聞いて元気だそうや。ほら、春原の顔が変形していくぞ、HAHAHA。














(;゚皿゚)魁のバカー!
231名無しさんだよもん:04/05/17 09:04 ID:V2DlwuLV
>>46
ワラタw
このまま歩み始めて下さい。いや真面目に
232名無しさんだよもん:04/05/17 11:22 ID:khsQxKv5
46氏よ、感謝する。
椋萌えの俺にとっては、一服の清涼剤だ…
233名無しさんだよもん:04/05/17 12:41 ID:nsFfmkM/
そうか、かっペイは夢だったんだな・・・
234名無しさんだよもん:04/05/17 12:42 ID:upwHLjjZ
>>227-228

あんた最高
235名無しさんだよもん:04/05/17 12:52 ID:LB2kiM4Q
なんつーか胸が晴れた
236名無しさんだよもん:04/05/17 13:51 ID:dh/pNRG5
椋スキーども必 死 だ なw
237名無しさんだよもん:04/05/17 13:57 ID:8yBJvU67
理想的な終わり方だ
238名無しさんだよもん:04/05/17 14:55 ID:PFesWJaM
椋好きはゴミしかいないな。
239名無しさんだよもん:04/05/17 16:14 ID:oHMnrTHB
こいつはいいなっ!
 マジか…… 
 俺は言葉を失う。この馬鹿が恋? 無謀だ、いや、無謀というよりもこれは明らかな謀略である。9回2ア
ウト3塁1点差の状況で代打カツノリを投入するに等しい。
 それにしても……相手は誰だ? 高校生活の中で一番多く春原と時間を共有してきたのは間違いなく俺だ(
つーか他の奴は誰も相手にしていなかった)。そんな俺ですらコイツの浮いた話など聞いたことは無いし、そ
もそも女子とまともな会話を交わしているところを見たことすら無い。
「相手誰だよ。俺知ってるやつか?」
「ふふ、聞きたいか?」
「は?」
「参ったなあ。一応コレ誰にもまだ話してない極秘プロブレムなんだよね。まあ岡崎がどうしても聞きたいっ
て言うなら話してあげないこともないけどさ」
「別にいいや」
 冷静に考えてみたら興味ねえし。
「え、マジ? 『究極の秘密』って書いて極秘だよ? 凄くないコレって?」
「どうでもいいや」
「…………」
「…………」
 沈黙が続く。
「……ごめんなさい!!ちょっともったいぶってみたかっただけっす!!聞いてください!!」
「わかったから、まず相手の名前言えな」
 そう言うと、春原はうつむいて軽く顔を紅くする。気色悪いことこの上無かった。
「……そのさ……智代……なんだ……」
 ためらいがちにボソッと呟いた。
「いや、ネタいらないからな。空気読めよ」
 と、返事が来ない。見るとまだ顔を下げたまま何か言いたそうに口をもごもごさせている。
「もしかして……マジなのか」
 またも返事は無い。代わりに奴はコクンと、一度だけ大きくうなずいた。
「いつからだ」
「うーん……秋……ぐらいかなあ。」
「なんかきっかけでもあんのかよ」
「んなもん特にねえよ。ただ、なんつーかさ、アイツ生徒会長じゃん? 仕事で走り回ってる場面に出くわした
ことが何度かあってさ」
 懸命に頑張る姿に惚れてしまったとでも言うのだろうか?
「そういう時にちょっかい出したりするとさ、必ず蹴られるんだよね。廊下の端から端まで吹っ飛ぶくらい。で、
何回もそんなこと繰り返してる内にさ、その、気がついたら好きに……」
「いやそれ恋って言うより覚醒だからな」
 キッパリと言った。
 まあ、それはいいとして……マジなのか……よりによって智代……?
 無理。なんつーかすね毛むっちゃ濃いオッサンが短パン履いてるくらい無理。
 客観的に見て二人の相性は最悪だ。つーか智代にとって春原など夏のやぶ蚊みたいなものだろう。
「んで、結局オマエは俺に何をしてほしいんだよ」                                        
「なんつーかそれもよくわかんねえんだよ……なんにしてもさ、普通に告白したって撃沈するのは目に見えてる
じゃん。けど岡崎ならなにかいいアイディア捻り出してくれるんじゃないかと思って」
 この状況を解決するアイディア……
 まあ……無いことも無いな。
「じゃあまずは紙と鉛筆を用意してくれ」
「ラブレターかよ……結構古い手だな」
「出だしはこうだ、『お父さんお母さん』」
「ふむふむ」
「『お二人に育ててもらったこと、とても感謝しています』」
「うんうん」
「『思えば色々なことがありました。楽しいことも悲しいことも』」
「ほうほう」
「『でも、それも終わりです。僕は永遠の旅に出ます』」
「なるほど……ってこれ遺書ですよねえっ━━━━ヽ(゚皿゚)ノ━━━━!!」
「これを俺が智代に渡すんだ。インパクト抜群だぞ。もちろんオマエが実行した後な」
「死んでちゃ意味ないでしょ!!」
「大丈夫。智代の記憶の中で、お前は永遠に生き続けるんだ……」
「そんなカッコイイ台詞使っても誤魔化されません!!」
 駄目か……
「岡崎……明日で最後なんだぜ、学生生活」
 なかば悲痛な声で語りだす。
「やっぱりさ、最後くらいかっこいいことやりたいじゃん。無謀な考えかもしれないけど、明日智代にはっきりと
告白したいんだ」
 春原は水を被った猫のようにシュンとしている。
 ……はあ。
 俺は覚悟を決めた。
「分かった。俺が舞台を整えてやる」
「え……マジ?」
「ああ、これ以上鬱々とした顔を見せられたんじゃこっちが参っちまうからな」
「岡崎いぃぃぃぃぃぃっ!!」
 突然抱きつかれる。うなじに触れる手がこの上なく気色悪かった。
「ははっ。やっぱ友達っていいもんだなっ!!」
 ……いや……
「わりぃ。俺オマエのこと友達だと思ってねえや」
「卒業してからも仲良くしましょうネ(゚皿゚)ッ!!」
 ……だってよ、友達と親友って違うもんだろ。
243父と子 ◆28s26Q7ss2 :04/05/17 22:28 ID:sc54MJ+N
私と朋也が『他人』になったのはいつからだっただろうか。
朋也が物心ついた頃には、母親がいない反動か、よく言い争いをした。
それでもその頃はまだよかった。
まだ『家族』だったのだから。
決定的に『他人』になったのは朋也がスポーツ推薦で高校に進学を決めた頃だろう。
今でも覚えている。
きっかけは些細なものだった。
それがだんだん2人とも頭に血が上り、ついに取っ組み合いにった。
私が勢い余って突き飛ばすと、朋也は肩をぶつけた。
それから朋也は部屋にひきこもってしまった。
無理にでも部屋から出して、医者に診せたときには、もう手遅れだった。
―――息子さんの肩は一生上がらないでしょう。
その一言が朋也をどれだけ傷つけただろう。
朋也は中学時代、勉強はできなかったが、バスケットボール部の部長をしていた。
朋也の学校のチームは、連戦連勝を重た。
バスケットボールこそが朋也の生きがいだっただろう。
利き腕の肩が上がらないということは、バスケットボールはできないも同然である。
244父と子 ◆28s26Q7ss2 :04/05/17 22:29 ID:sc54MJ+N
朋也は、自分の夢を、生きがいを、棄(す)てざるを得なかった。
それがどれだけ朋也を苦しめただろう。
どれだけ私を、自分自身の運命を、呪ったことだろう。
私はもう、何が正しくて、何が正しくないのか、わからなくなってしまった。
自分の諦めざるを得ない状況を作った父親。
そんな父親が父親たることが果たして、正しいのだろうか。
何日も、何週間も、何ヶ月も私は自分自身を呪い続けた。
そうしているうちに、私はもう、朋也の父親である自信がなくなってしまった。
『朋也くん』
他人行儀な呼び方。
私は朋也に迷惑をかけないように生きよう。
そうして、罪を償うのだ。
決して、償うことの出来ない罪を。
息子の夢を潰したのだ。
これくらいはどうということはない。
そう決めた。

そうして、私と朋也は『他人』になった。
245父と子 ◆28s26Q7ss2 :04/05/17 22:30 ID:sc54MJ+N
妻が事故で死んだとき、私は朋也を育てきり、幸せにしてみせる、と誓った。
それこそが、私に残された義務だと信じた。
ただ、ただ、それまで以上にがむしゃらに頑張った。
いろいろなものを犠牲にした。
それでも、朋也だけは手放すものか、そう思い、頑張ってきた。
あれから月日は経った。
その誓いが、今になって自分を責め立てる。
何と愚かなことだろう。
自分の力で幸せにしてみせると誓った朋也は私のせいで、生きる自信を無くしたのだから。
私は酒に溺れた。
それでも朋也にだけは迷惑をかけないように、できるだけ親しげな友人のように、
まるで『他人』のようにふるまった。
朋也から見れば、私の選択こそ、最悪のものだっただろう。
父親としての権利を放棄し、ひたすら現実から逃避する。
どれだけ朋也は私を見損なっただろう。
それでも私には再び朋也に『家族』としてふるまえる自信はなかった。
246父と子 ◆28s26Q7ss2 :04/05/17 22:31 ID:sc54MJ+N
高校に進学してから、朋也はしだいに家に姿を見せなくなった。
学校から帰るとすぐに、私に会わないように友人のところへ行き、深夜に家に帰ってくる。
すれちがいの生活。
全く『家族』と呼べるには程遠いもの。
たまに居合わせても、会話などはほとんどしない。
しかし、この生活は私が望んだものではなかったのか。
私は酒の量が多くなった。
酒で紛らわせるものではないと、わかってはいたが、飲まずにはいられなかった。
ある日、朋也は家を出て行く、と私に言った。
予想はしていたものだった。
それでもいざ言われていると、もの悲しいものがあった。
愛想を尽かされて当然のことをしておいて、全く愚かだ、と私は自嘲した。
247父と子 ◆28s26Q7ss2 :04/05/17 22:31 ID:sc54MJ+N
月日は流れた。
私はもとの仕事を辞めさせられ、怪しげな古物取引の仕事をしていた。
自分でもあぶない仕事をしていたのはわかっていた。
それでも仕事仲間と話せるのが嬉しかったので、辞めれずにいた。
ある日、昼寝をしていると、不意に誰かに起こされた。
朋也が帰ってきていた。
しかし、身一つではなく、女の子を連れ立っていた。
話をしてみると、二人は一緒に同棲しているらしい。
朋也の彼女―渚さんというらしい―と、朋也が台所で料理を作っていると、
例の仕事仲間の人が来た。
話をしていると、朋也がやって来て、追い払った。
朋也は怒った。
朋也は言う。
―――俺には全くその気は無いけどな、俺はあんたの家族なんだよ!
朋也の言葉が胸に突き刺さる。
その場限りのどうでもいい言い訳をしてしまう。
朋也はさらに怒りを露わにし、殴りかかろうとした。
殴られても仕方がない。
そう覚悟したが―――
248父と子 ◆28s26Q7ss2 :04/05/17 22:32 ID:sc54MJ+N
拳が私に向けられることはなかった。
その手に添えられていたのは渚さんの手。
昔の朋也では考えられないことだった。
人は変わり続ける。
それは朋也にも言える事だった。
それから朋也は帰るまで一言も話さなかったが、渚さんは私と必死に話をしようとしていた。
いい子だった。
この子が一緒なら朋也は頑張っていけるかもしれない。
そう思った。
そしてなにより私には、朋也が立派に生きていることが嬉しかった。
立派に生きていることが判って、なぜ私はこの家に縛られているのだろう。
故郷には年老いた母が一人で暮らしている。
帰るべきではないのか。
しかし、帰れないでいる自分がいた。
何を躊躇うことがあるのか。
自問してみたが、わからなかった。
249父と子 ◆28s26Q7ss2 :04/05/17 22:33 ID:sc54MJ+N
また月日が流れた。
私はついに、警察に逮捕された。
悪いことをしていたのだ。
当然のことだ、とは思った。
しかし、気にかかることが一つあった。
―――朋也のことだった。
迷惑がかかっていなければいいが・・・
そう思っていた。
それだけが気がかりだった。
しかし、私の微かな希望は朋也の来訪で打ち崩された。
なにかあったのは、表情から見て一目瞭然である。
私が朋也が面会に来ても、謝りもせず、いつもの態度でいた。
そうしなければ自身の精神を保てそうになかった。
黙っていると、朋也に罵声を浴びせられた。
当然だろう。
謝ろうにも、どう謝っていいのかわからなかった。
ただ、自分自身を呪う。
―――そのまま一生不自由な生活してろっ
そう吐き捨てて、朋也はいってしまった。
一緒に来ていた渚さんも一礼すると、すぐ朋也の後を追いかけていった。
また、朋也に迷惑をかけてしまった。
あれだけ、かけまいとしていたのに。
独房に戻ると、自分の情けなさに涙が出た。
そのまましばらく声を出さずに泣いていた。
250父と子 ◆28s26Q7ss2 :04/05/17 22:33 ID:sc54MJ+N
季節は流れる。
冬が過ぎ、春が来た。
あれから朋也が面会に来ることはなかった。
とうぜんだろう、もう自分は見棄てられたのだから。
―――もう?とっくに見棄てられていたではないか。
そう自嘲する。
そんなある日、朋也が面会にやって来た。
来るはずの無い面会。
私は看守に連れられ、面会室に赴いた。
面会室には朋也と渚さんがいた。
朋也は向かい合うと、一息ついて言った。
―――おれ、こいつと一緒になる。
そうか、朋也も人並みの幸せを手に入れたのか。
簡単な祝いの言葉を言った。
余計なことを言うと、迷惑になりそうだったから。
しかし一言どうしても、言わなければならないことがあった。
―――渚さん、と言ったっけか、朋也くんを、よろしく。
そう伝えた。
それが全てだった。
この子と一緒なら朋也はきっとまっすぐに生きてゆける。
そう、私のようにならず、まっすぐに・・・
251父と子 ◆28s26Q7ss2 :04/05/17 22:34 ID:sc54MJ+N
何年か過ぎた。
私は刑務所から釈放され、家で仕事もせずに過ごしていた。
私はなぜ、この家に拘っているのか。
わからなかった。
ある日、家でテレビを見ていると、戸が開いた音がした。
振り向くと、朋也がいた。
「ただいま」
何年かぶりに聞くその一言。
気持ちが昂ぶる。
黙っていると、朋也がテレビを消し、再び言った。
「ただいま」
「うむ・・・おかえり」
それから朋也は語り始めた。
この夏にあったことを。
家族で私の東北の故郷に行ったことを。
私の母親に出会ったことを。
思いがけないことに、思わず素っ気無い返事をしてしまう。
「・・・大変だったんだな、って思ったよ。
 なぁ親父・・・
 疲れたろ。
 もう、疲れただろ」
252父と子 ◆28s26Q7ss2 :04/05/17 22:35 ID:sc54MJ+N
「そろそろ休んでもいいんじゃないのかな・・・
 そう、思うよ、俺は・・・
 田舎に帰ったら、どうかな・・・」
まさか、朋也からそんなことを言われるとは思っていなかった。
黙って話を聞く。
「あんたの母さんがさ、そこで待ってる。
 あの場所だよ・・・
 あんたが幼い俺の手を取って・・・
 こいつは自分ひとりの手で育ててみせる、って誓った場所だよ・・・」
「ああ・・・」
遠くを見る。
そこには、あの日の光景が。
「あんた、もう十分頑張った。
 だからさ、もう休めよ・・・
 田舎に帰ってさ・・・
 それで・・・母親と暮らしてやれよ・・・
 ・・・な?」
そう言った。
253父と子 ◆28s26Q7ss2 :04/05/17 22:36 ID:sc54MJ+N
私は、私は・・・
「もう、いいのだろうか・・・」
「何が?」
「もう・・・おれはやり終えたのだろうか・・・」
私はあの日の誓いを思い出す。
朋也を自分ひとりの手で育てること。
そのことが頭を駆ける。
「あんた・・・何もかも犠牲にして、俺をこうして、育ててくれたじゃないか・・・
 もう十分だよ・・・
 もう・・・」
最後のほうはかすれて聞こえなかった。
「・・・そうか。いつの間にか・・・やり終えていたのか・・・」
そうだったのか。
「それは・・・よかった」
本当に、そう思えた。
私がこの家に縛られていたのはなんのことはない、
朋也と過ごした思い出が消え去るのが嫌だったからだった。
けれども、もう悩むことは無い。
思い出は、これから作ることが出来るのだから・・・
254父と子 ◆28s26Q7ss2 :04/05/17 22:36 ID:sc54MJ+N
その晩はふたりで過ごした。
一緒に、風呂に入り、背中も流してもらった。
朋也の背中は昔見たときよりずっと、広く、たくましくなっていた。
翌朝、私は着替えだけを詰めたバックを手に、家を出た。
妻との、朋也との思い出が沢山詰まった一軒家。
玄関を出ると、朋也と渚さんと見知らぬ小さな女の子がいた。
「ん・・・渚さんと、その子は」
「あんたの孫だ」
そう、あれから何年も経ったのだ。
子供が生まれていないはずがない。
「かわいい子だ、名前は?」
「うしお」
「そうか、うしおちゃんか」
私はしゃがみ込み、初めての孫の頭に手を乗せた。
そして、にっこり笑った。
こんなに自然に微笑んだのは本当に久しぶりだった。
汐は私のほうをじっと見つめていた。
そして、私は最後にその頭を撫でて、立ち上がった。
「じゃぁ、いくよ」
そう、言った。
255父と子 ◆28s26Q7ss2 :04/05/17 22:37 ID:sc54MJ+N
「親父、健康には気をつけろよ・・・
 酒、飲みすぎるのなよ・・・
 タバコも、吸い過ぎるなよ・・・
 長生き、してく・・・」
もう朋也の声はかすれてしまっていた。
「絶対に、絶対に恩返しに行くから!」
そう言って、ぽろぽろ泣き始めた。
こんな親父でもこいつはこんなにも感謝してくれている。
「はっ・・・あ・・・」
子供のようにしゃくり上げて泣いていた。
「どうした、朋也、どうして泣いている・・・」
それでも朋也は泣き止むことはなかった。
そして、汐が朋也のズボンの裾を引っ張ると、意を決したように、涙をぬぐい、
「今日まで、ありがとう、父さん」
そう、言った。
時間が止まる。
私はこの時の為に今まで生きてきたのかもしれない。
確信できた。
私は、朋也にとって、素晴らしい『家族』でいられたようだった。
背を向ける。
「朋也も・・・元気で」
涙が頬を伝っていた。
これからは、いままで心配してくれた母親に精一杯恩返ししよう、そう決めた。
青空が綺麗な日だった。
256 ◆28s26Q7ss2 :04/05/17 22:39 ID:sc54MJ+N
以上です。
お久しぶりです。
いかがでしたでしょうか。
ちょっと長過ぎたでしょうか^^;
感想お待ちしております。
257名無しさんだよもん:04/05/17 22:45 ID:vN3ZB4IH
   n                n
 (ヨ )              ( E)
 / |    _、_     _、_    | ヽ
 \ \/( ,_ノ` )/( <_,` )ヽ/ / > ◆28s26Q7ss2 氏 good job!!
   \(uu     /     uu)/
    |      ∧     /

いい話ですた…。普通に汐EDの親父視点かと思ったら渚TrueEDなのね。
「壊れかけのレディオ」の続編にも期待してます。
258名無しさんだよもん:04/05/17 22:50 ID:sLAzJTrO
>>◆28s26Q7ss2 氏
GJだよ・・・・゚・(ノД`)・゚・
渚がいるよぅ・・・・゚・(ノД`)・゚・
259名無しさんだよもん:04/05/17 22:57 ID:WmdBINAg
>>256
やべ、まじ、泣けてきた・・・
俺の中で名作認定。
260名無しさんだよもん:04/05/17 23:04 ID:xVaDrLyL
>>◆28s26Q7ss2氏

。・゚・(ノд`)・゚・。あれ?視界がボヤけて…。
激しくGJ。
261名無しさんだよもん:04/05/17 23:12 ID:OKYGqFt5
>>◆28s26Q7ss2氏
やべ、涙出てきた・・・。・゚・(ノд`)・゚・。
とにかく、自分的に神作品認定
262コテとトリップ:04/05/17 23:22 ID:iP9AScM9
>>240-242

「ヽ(゚皿゚)ノ」これ出るたびにちょっと醒める
それいがいはまあ、まあまあおもしろい。予定調和に頑張って
263名無しさんだよもん:04/05/17 23:36 ID:r8EA6XQG
>壊れかけのレディオ

前回も好きだったが、今回も面白い。と言うか、これからが面白くなりそう。
智代とか出て登場キャラが増える事を期待。杏とか。ことみとか。
264名無しさんだよもん:04/05/17 23:59 ID:kijd/IKw
>>◆28s26Q7ss2氏
感動した!・゚・(ノД`)・゚・
265名無しさんだよもん:04/05/18 00:04 ID:laLH/ACL
>>◆28s26Q7ss2氏

激しくGJ!!です。・゚・(ノД`)・゚・。
親父ヨカータ。
266名無しさんだよもん:04/05/18 00:07 ID:g44gfNgI
誰か、ここのSS収集サイト作ってくれないかな…このまま
埋もれさせてしまうにはあまりに惜しい。
267コテとトリップ:04/05/18 00:14 ID:2Vv7e3jp
それほどいいSSばっかってわけでもねえしなあ・・・
ID変えて3、4回くらい同じこといってたら勘違いした出しゃばりが作ってくれんじゃねえ?
それかおまえ
268名無しさんだよもん:04/05/18 00:21 ID:v0u06q3a
>>◆28s26Q7ss2氏
TureED後か・・・GJ!
269名無しさんだよもん:04/05/18 00:55 ID:WhXe/Ru/
ちゅあー
270名無しさんだよもん:04/05/18 01:14 ID:/TsJw7K9
>>◆28s26Q7ss2
あ、俺そのSS好き。
次投下したらキスするからな。
271名無しさんだよもん:04/05/18 01:31 ID:BlXEJrOu
>>256

ぐはっ、見事……
誰か父の思いを表してくれぇいっ、て思ってた箇所にピンポイントでした。GJ!
272名無しさんだよもん:04/05/18 05:34 ID:0O57j8Xk
>>◆28s26Q7ss2
やっべ、題材被っちゃったよ。どうするよ、俺の渚True後親父和解SS。
こんなのの後じゃとても投下できない。・゚・(ノД`)・゚・。イイハナシスギル
273名無しさんだよもん:04/05/18 05:49 ID:pUw2Yyow
>256
畜生!
涙でかすんで前が見えないじゃないか!
274名無しさんだよもん:04/05/18 08:24 ID:ss944hMq
>>◆28s26Q7ss2氏
神!こんないいSS見たの久しぶりだ!

クリア直後だったから、すげぇ泣けてきたよ・・・
275名無しさんだよもん:04/05/18 11:58 ID:wGGAIVyR
>>272
いや、そっちも見てみたいぞ。
是非投下しるw
276名無しさんだよもん:04/05/18 19:56 ID:4nO2RhtX
みんな、間違っても>>272のSSを袋叩きにしたりするなよ!
277名無しさんだよもん:04/05/18 20:38 ID:HaNTlISV
う?
278名無しさんだよもん:04/05/18 20:56 ID:NpFwI5zR
ふっ
>>277はこういう場所で作品を晒す本当の怖さをわかっていない。
叩かれるならまだまし。
スルーされるとマジでへこむよ…OTL
279名無しさんだよもん:04/05/18 21:32 ID:GwZ8Jxbx
>>267
同意。
何でこんなに騒いでるんだか理解に苦しむよ
280名無しさんだよもん:04/05/18 21:49 ID:Ac32g8kt
ほとんど本編をなぞっただけのSSだな。
直幸の心情の描写もありきたりで、これじゃただの本編のあらすじだ。
ラストも同じく似たような描写で、コピーしただけの言葉が続く。
渚が居るということが全然活かせていない。

はっきり言って、毒にも薬にもならん。
281名無しさんだよもん:04/05/18 22:18 ID:/TsJw7K9
と、内心号泣気味のアンチを装った支持者の方がいるようです。
282名無しさんだよもん:04/05/18 22:28 ID:Ac32g8kt
盲目的なマンセーは作者の為にもならないぞ。
せっかくの匿名掲示板なんだから、忌憚ない意見を述べてもいいだろ。
俺の意見が的外れだというなら、指摘してくれ。
だが、どう見ても本筋と言葉のやり取りが本編のコピーでしかないだろ。
作品のことでもう少し言うと、渚が居るのに汐のことを知らない
(結婚のあいさつから一度会いに行ってない)ってのは、渚の性格からすると
ありえなさそうだ。
283名無しさんだよもん:04/05/18 22:50 ID:vCkDnQGr
ここは隔離スレだからさ、変な煽りが必ず来るんだよ。
普通の感想に噛みつくバカがな。

前から思っているのだが、2chはSSの発表の場には向かないよ。
レスの文字制限があるため流れが阻害されたり、
情景描写をしっかり書いた、数十キロバイトの短編が何十レス分にもなり投稿がためらわれたり。
どうしても会話が主体の軽めのシチュ話しがほとんどになる。
シリアスな話を投稿する奴は大抵が描写不足だ。
284 ◆28s26Q7ss2 :04/05/18 23:05 ID:1sR/TAQr
>>280
や、ご意見もっともです。
渚は生かせてませんし、後半の会話部分はほとんど本編からのコピーですね。
会話部分は本編以上にいい台詞回しが思いつかず、ああいう形になってしまいました。
True後だと、あなたの言うように、渚は一人ででも挨拶に来ている可能性が高いですね。
もっともなご意見ありがとうございます。

>>283
もともと私はオフィシャルのSS投稿掲示板に投稿しようとしてたんですが、
プロバメールじゃないと登録できないことに気付き、2chに投稿してました。。。
描写不足は私も感じました。
まだまだ修行が足りませんね。。。

ゆっくり推敲して、まとまったいい作品を書けるよう、がんばります!
285原点回帰:04/05/18 23:36 ID:/oddUmee
>>227
ああ……
なんだか凄く悪い夢を見ていた気分ですよ……
286名無しさんだよもん:04/05/19 00:26 ID:/T35a8+d
\   ∩─ー、    ====
  \/ ● 、_ `ヽ   ======
  / \( ●  ● |つ
  |   X_入__ノ   ミ    そんな餌で俺様が釣られると思って…クマーーーー
   、 (_/   ノ /⌒l
   /\___ノ゙_/  /  =====
  〈         __ノ  ====
   \ \_    \
    \___)     \   ======   (´⌒
       \   ___ \__  (´⌒;;(´⌒;;
         \___)___)(´;;⌒  (´⌒;;
287名無しさんだよもん:04/05/19 05:47 ID:dFYWzyKI
>272
春原BADでAFTER……
288名無しさんだよもん:04/05/19 14:02 ID:bOZkx2E6
>>287

朋也と春原がマサチューセッツに逝く話でどうだ?
289名無しさんだよもん:04/05/19 16:53 ID:rNZ8ZbzA

290名無しさんだよもん:04/05/19 21:59 ID:P8EH+iZE
しかし、DNMLスレと違って、寂れたスレだな。
SS書きはみんな葉鍵ロワに流れてるのか?
291名無しさんだよもん:04/05/19 22:27 ID:Pna4DSU9
わざわざ2chでSSを発表したい奴がそんなに多いとは思えんがな。
DNMLだと逆にこういうところで発表するしかないわけだが。
292名無しさんだよもん:04/05/20 00:23 ID:eh/9lnPH
キャラのSSなら専用のキャラスレに皆落とすからじゃないのか?
293名無しさんだよもん:04/05/20 15:31 ID:aUg+MlX5
落とすほどの価値のあるスレか?
294SS投下希望:04/05/20 17:22 ID:ViaAFYsP
専用スレもあったんだけど即死か重複かで落ちたのでここで連載させてもらっていいですか?
裏クラナドというか内容かなり別物でつが
295名無しさんだよもん:04/05/20 17:30 ID:5tNzx8va
許可とる必要なし。
ごちゃごちゃうるせー
297名無しさんだよもん:04/05/20 17:51 ID:ViaAFYsP
ではアレコレ言わず始めます

タイトルは《Dannalc》
298名無しさんだよもん:04/05/20 18:12 ID:3GvLXoOy


─ ザ・エンド ─
299Dannalc〜並走世界・1〜:04/05/20 18:20 ID:ViaAFYsP
「僕達は観測者だ」
性別を感じさせない甘い声で彼が言う
ああ そうとも。
叶可、あるいは使者と呼ぶべきか――を観測する事、それが僕らの役目だった。

それはつい最近まで疑うことなかった向うの世界とのかかわり方。
僕らはただ観測だけをしていればよかったし、そのことに何も不満もなかった。

けれど、と僕は思う。
そして思ってしまった時から、それは始まっていたんだ。


――もしも観測者がそれ以上を求めたとき、
どんな罰を受けるのだろうかと・・・
300名無しさんだよもん:04/05/20 18:22 ID:G+0N6/Z7
……もうそこまでにしておいた方がいいんじゃないかな。
君のために。
301名無しさんだよもん:04/05/20 18:23 ID:bceuSrq6
これはひょっとしてギャグで書いてるのか?(AA略
302名無しさんだよもん:04/05/20 18:25 ID:eQ2w8q+O
えっと、U-1の予感・・・!w
ていうか、作者さんよ、もしかして、コピーしないで、手打ちでやってるのか?w
303名無しさんだよもん:04/05/20 18:25 ID:dLyd6wdh
まぁ、待て…
最後まで書かせてみようじゃないか…
304名無しさんだよもん:04/05/20 18:25 ID:dQlbAVN7
悪質なSSですね、重過ぎ
305名無しさんだよもん:04/05/20 18:26 ID:Alv9Mv4K
すげぇ面白そう。続き希望
306壊れかけのレディオ:04/05/20 18:28 ID:dXCSBxsB
なんか凄い逸材がやってきましたね
307名無しさんだよもん:04/05/20 18:29 ID:HzhKnfJK
未曾有の反響だな。
応援する。
308名無しさんだよもん:04/05/20 18:29 ID:eQ2w8q+O
>>306
ID変わってないぞw

ていうか、1ってことは、これで終わりなのか?w
309名無しさんだよもん:04/05/20 18:31 ID:G+0N6/Z7
敏感な野生動物を草むらに隠れて観察してる気分だな
310名無しさんだよもん:04/05/20 18:32 ID:HzhKnfJK
時に専用スレとはどこのことなんだろうな
311名無しさんだよもん:04/05/20 18:32 ID:3GvLXoOy
ttp://www.liar.co.jp/jan_1212.html

↑こいつを思い出した
312名無しさんだよもん:04/05/20 18:33 ID:dXCSBxsB
>>308
間違えちゃった・・・
ナイショね♪
313名無しさんだよもん:04/05/20 18:39 ID:eQ2w8q+O
ttp://know.jugem.cc/?day=20040509

これが、真理だったんだよ!
314名無しさんだよもん:04/05/20 18:54 ID:dLyd6wdh
おまえらのせいでViaが居なくなっちゃったじゃないか!
315名無しさんだよもん:04/05/20 18:58 ID:dXCSBxsB
Via先生!!早く続きを書いてください!!
みんなオカズがなくて困ってます!!
316名無しさんだよもん:04/05/20 19:11 ID:nbnZ1xl3
もうザ・エンドか?
317名無しさんだよもん:04/05/20 19:19 ID:R6tTbFrH
お口直しにこれは如何でしょうか?


 僕は気づいてしまった。
 この世界の真実に。

 ただただ真理を求めて彷徨い、パートナーを得、弛まぬ研鑽を続けた結果、僕たちは真実にまでたどり着いたのだ。

 ああ、ああ。
 この真実を僕たちの胸のうちにとどめておけばよかったのかもしれない。

 ――伝承に曰く、
 天まで届かんと造られた禁断の塔は、神の怒りによって崩される、と。
 太陽まで届かんと飛び立った若者は、その熱によって堕とされる、と。
318名無しさんだよもん:04/05/20 19:21 ID:elKLKywf
>>317
元ネタなんだっけ?
どっかで見た記憶がある

鋼だっけか。
319名無しさんだよもん:04/05/20 19:32 ID:nbnZ1xl3
1.プレイする
   ↓
2.萌える
   ↓
3.なんか頭の中でウネウネしてる                    ( ゚皿゚)
   ↓
4.吐き出そうとメモ帳を開く
   ↓
5.萌え過ぎて冷静に文章が書けない
   ↓
6.煩悩が溜まる
   ↓
7.4に戻る

絵が描ければまた違ったのかもなぁorz
320Dannalc〜4月14日・1:04/05/20 19:39 ID:Ha97uiBd

不思議な夢を見た。内容はよく覚えていない。
けれど何処かなつかしく、そして悲しい夢だった。

夢見が良かったせいか、すっきり目が覚めた。
時計を見ると、登下校にはまだ全然早い時間だが、
「きっと姉さんはもう起きてるんだろうな」
そう思って、寝巻きのまま隣の部屋に足を運ぶ。
今日は彼女にとって大事な日なのだ。

姉さん、といっても実の姉ではない。
と言うより、この家の両親とも血が繋がっていない。
幼い頃に母を亡くし、父親は訳の分からない宗教に走った挙句に現在は

殺人容疑で行方をくらましている。
(もっとも、あの男に人殺しなんて度胸があるとは思えないが)

そんなわけで、ある日突然天涯孤独の身になった俺は、これもまた唐突に

に、幼馴染という接点以外は縁もゆかりもないこの家に家族として厄介に

なることになった。
そして今では俺にとって、血の繋がった実の家族以上の存在になっていた。
321Dannalc〜4月14日・1:04/05/20 19:56 ID:Ha97uiBd
義姉の部屋のドアをノックする。
返事は無い。
胸騒ぎがして勢いよくドアを開くと、既に部屋は片ついていて主は外出した後だった。

「やかましーぞコラ!階段はゆっくり降りて来い」
義父の罵声が聞こえたが、俺にとってはそれどころではなかった。
「あ、朋也くん。おはようございます」
義母が優しく声をかけてきた。
「あっ母さん、おはよう。姉さんは?」
「ああ、もう出かけたようですね」
「・・・どうして起こしてくれなかったんだよ!」
この人を責めてもしかたがないと思いつつ、つい声をあらげてしまう。
けれどそんな理不尽な俺の態度に、
「きっと、あの子なりに色々考えがあるんですよ」
そう言って優しい笑顔を浮かべたのだった。
ああ、本当にこの人はいい人だ。俺はかなり後悔した。
322Dannalcさくーしゃ:04/05/20 20:04 ID:Ha97uiBd
・・・あ、1が二つある。
あと2行抜けますた。

> 「朋也くんを起こさないであげてって頼まれたんです」
>義母は表情一つ変えずに俺の質問に答えて、

という文章を義母の最期の台詞の前に入れてくだつぁい。
何か早速ボロボロですが、思いつくままこのまま突っ走ります。

323名無しさんだよもん:04/05/20 20:05 ID:eQ2w8q+O
え?これでおわりかよ?
324Dannalc〜4月14日・3:04/05/20 20:06 ID:Ha97uiBd
「朋也くん、ご飯はどうしますか?」
今度は義母がそう尋ねてくる。
「悪い、今日はいいから」
素っ気無く俺はそう答える。
それよりも、である。
早く、義姉を追いかけないと。
「おい、馬鹿息子」
「なんだ馬鹿親父?」
義父の声にそう返事すると、何やら袋に入った物が投げつけられた。
「焼きたてだ。行きながらでも食えるだろ」
そう言って義父はにんまりと笑う。

予想外の行動に俺は少し呆然としたが、
「サンキュ、行ってくる」
「おお、行って来い。あいつをよろしくな」
そんな会話を交わして、俺は家を飛び出した。
325名無しさんだよもん:04/05/20 20:09 ID:dLyd6wdh
殺伐としたこのスレにHa97uiBdが光臨!
326名無しさんだよもん:04/05/20 20:09 ID:3GvLXoOy
なんでそんなに、段取り悪いの?
327名無しさんだよもん:04/05/20 20:10 ID:0Pmeh5Qm
>Ha97uiBd
ローカルでテキスト書いて
纏めてうpする事を奨める
328名無しさんだよもん:04/05/20 20:13 ID:1f3SkfUz
傑作の予感
329Dannalc〜4月14日・4:04/05/20 20:15 ID:Ha97uiBd
校舎へ続く長い坂道、その入り口に義姉、古河渚はいた。
特徴のある髪型の短い髪が肩のすぐ上で、
桜の混ざる風になびいていた。

「はぁはぁ…はぁ」
俺は、元運動部とは思えないていたらくで、汗だくで息を切らせていた。
辞めてからずいぶん経ったとはいて、我ながら情けない姿だ。
「朋也…くん?」
義姉は俺の気配に振り返る。
俺が来るとは思っていなかったのだろう、すごく驚いた様子だ。
「まったく…姉さん、どうして先に行ったんだよ」
「この学校は、好きですか」
「え…?」
質問に質問で返された。
「わたしはとってもとっても好きです」
義姉はそう言うと、目を閉じる。
「でも、なにもかも…変わらずにはいられないです」
たどたどしく、ひとり言を続ける。
330名無しさんだよもん:04/05/20 20:17 ID:A/nr4mFJ
朋也くんより開かれましたっ
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ∧_∧   ∧_∧    age
 (・∀・∩)(∩・∀・)    age
 (つ  丿 (   ⊂) age
  ( ヽノ   ヽ/  )   age
  し(_)   (_)J
331Dannalc〜4月14日・5:04/05/20 20:26 ID:Ha97uiBd
「世の中が変わっていくように、
わたしも変わりたいと思うんです。
いえ、変わらないといけないんです」
だから早起きして、一人で学校に行こうと思ったってのか。
病み上がりの久々の学校に
「…馬鹿だな、姉ちゃんは」
「朋也くん、酷いです…」
義理姉はそう言ってうつむいた。
「…焦ることはないだろ」
「えっ…?」
義理は驚いて、俺の顔を見る。
「変わりたいと思うのは悪くないよ。
でも、それは自分のペースでやっていけばいい。違うか?」
「朋也くん」
嬉しそうな表情をする義姉、
それとは対照的に、柄でもない台詞をはいたことで俺自身は
恥ずかしさで顔が熱くなるのを感じた。
「さ、そんなことはいいから…」
そう言いかけた直後。

世界が反転した。
332名無しさんだよもん:04/05/20 20:31 ID:xj7xbinE
流石clannad。
もうダメぽと言われ続けていた葉鍵板に一陣の風を吹かせて下さる。
333名無しさんだよもん:04/05/20 20:32 ID:dLyd6wdh
筆が早くてうらやましいねぇ…
俺は遅くて遅くて…
334317:04/05/20 20:36 ID:R6tTbFrH
あーあ、フィッシュ!!ってやりたかったんだが……
Ha97uiBdが終わってから(一段落したら)投下します
335名無しさんだよもん:04/05/20 20:36 ID:eQ2w8q+O
>>Ha97uiBd
トリップつけてよ。
あとなんでそんなに投稿遅いんだ?
336Dannalc〜4月14日・6:04/05/20 20:39 ID:Ha97uiBd
どうやら背後から思い切り何かに弾き飛ばされたらしい。
背中を中心に全身が痛い。

「あっ、ごっめーん!」
という間延びした暢気な声と
「も、もうお姉ちゃん・・・」
その背後から、困惑した声が聞こえてきた。

起き上がって振り返れば、
横髪に巻いたおそろいの白いレースのリボンをつけた、よく似た顔の姉妹。
彼女たちも俺の幼い頃からの腐れ縁の双子で、藤林姉妹である。
姉妹は、仲良く二人でバイクにまたがっていた。
というか、
「そのバイク二人乗り禁止じゃないのか?」
「細かい事言わないの。こっちは急いできたんだから。ってそんな事より」
姉妹の姉の方でバイクの運転手でもある杏はバイクから降りると、
バランスを崩されて転ぶまいと慌てる妹、椋をそっちのけで
つかつかと俺の義姉の方に歩み寄った。

337名無しさんだよもん:04/05/20 20:39 ID:dLyd6wdh
>>335
今、まさに書いてるんだろ……
338さくーしゃ ◆IxMsYG1EaI :04/05/20 20:42 ID:Ha97uiBd
>>335
えーと、連続カキコ規制防止と、思いつきながらカキコのため、他の人のカキコ待ちながら打ってます。

339名無しさんだよもん:04/05/20 20:44 ID:eQ2w8q+O
>>338
マジかよ、本気で思いつきながら書いてたのか・・・
連投規制は30秒開ければひっかからないぞ。
ていうか、他の香具師のカキコ待ってたって・・・
340名無しさんだよもん:04/05/20 20:46 ID:5tNzx8va
即興かよ。
ある意味斬新だな。
たしかにこういう場でないとできない芸当だ。
341名無しさんだよもん:04/05/20 20:47 ID:1k58jWAP
>>338
おいおい、マジで今考えながら書いてたのかよ
すごいな、おい
342さくーしゃ ◆IxMsYG1EaI :04/05/20 20:48 ID:Ha97uiBd
「水臭いわよ、渚。あたしたちを置いて一人で学校にくるなんて」
おもいっきり不満げに杏が言う。
「お、お姉ちゃん。多分渚ちゃんにも色々考えがあって・・・」

「分かってるわよ、そのくらい」
杏はそういって横を向いた。
「えっ?」
「は?」
「・・・お姉ちゃん?」
「???」
彼女の台詞に、その場にいた一同全部が驚いた。
というか・・・いつのまにか一人増えてないか?


343さくーしゃ ◆IxMsYG1EaI :04/05/20 20:51 ID:Ha97uiBd
あ、>>342にタイトル入れるの忘れた。

あらすじだけ考えて、あとは即興。
それで何処までできるかなーっての挑戦してます。
ちなみに改行が変なのは携帯端末から打ってるのでw

・・・でも読みづらいから、あとでHPで清書したの載せ直す予定。
344名無しさんだよもん:04/05/20 20:52 ID:eQ2w8q+O
>>343
しかも携帯かよ!?
345名無しさんだよもん:04/05/20 20:53 ID:5tNzx8va
内容はともかくとして、やっていること自体は面白すぎw
346Dannalc〜4月14日・7:04/05/20 21:01 ID:Ha97uiBd
「ことみ・・・ちゃん?」
渚姉が驚いたように声をあげた。
「おはようなの」
ぺこりと頭をさげる。
子供っぽい頭飾りが特徴のこの小柄な少女は、
こう見えても学園一の秀才の一ノ瀬ことみであった。

「私も杏ちゃんの真意が知りたいの」
学園一の頭脳でも、この暴力女の言わんとする事は分からないらしい。
「・・・誰が暴力女だって?」
「何で考えてることが分かるんだよ!」
「顔に書いてあるわよ。ってそれより」

347名無しさんだよもん:04/05/20 21:01 ID:IZ8avuTO
今も高速で携帯打ち込んでるところを想像すると面白すぎ
っつか激しくヒマ人だw
348名無しさんだよもん:04/05/20 21:06 ID:Alv9Mv4K
その努力と根性と可能性には
すなおに敬意を評するわ。凄すぎ。
349Dannalc〜4月14日・8:04/05/20 21:08 ID:Ha97uiBd
「ねえ、渚。あたしたちって友達よね」

「はい、そうです。大事な仲間ですっ」
「けれど、そんな仲間に相談なしに一人で学校に来た」
「それは・・・」
「それくらい、自分を変えたかったって事よね。
あなたが学校を休んでる間に周りは変わっていく。
何だか取り残された気分になった」
渚姉は黙って聞いている。
すげえ杏、探偵になれるぞお前。
「いや〜、それほどでも」
「だから心を読むなって!」

350名無しさんだよもん:04/05/20 21:09 ID:Gh0cstaJ
これ全部携帯で打ってるなら。

351さくーしゃ ◆aKQ2SJ2lbM :04/05/20 21:10 ID:Ha97uiBd
今日はあと2スレ(の予定)

352名無しさんだよもん:04/05/20 21:11 ID:1k58jWAP
>>351
マジかよ!?マジで!?ホントに!?信じて良いのか!?
嘘だったら泣くぞ!?期待するぞ!?
353名無しさんだよもん:04/05/20 21:12 ID:fWQehMlg
>>351
やべ、腹抱えて笑ってしまった。
本当だな!?俺も信じちゃうぞ!?
嘘だったら俺もなくからな!!!!!!
354名無しさんだよもん:04/05/20 21:12 ID:y9fmEtd1
>>352
そのへんにしてやれw
355コテとトリップ:04/05/20 21:15 ID:EHNb9s9B
子供の運動会なんかでさ、はしゃいで酔っぱらってる親父とかって引くよね
関係ないけどさ。関係ないけどさ
356名無しさんだよもん:04/05/20 21:16 ID:NsQvRkdp
>>351
2000レス すっごく楽しみだ
357Dannalc〜4月14日・9:04/05/20 21:16 ID:Ha97uiBd
「馬鹿ね」
笑いながら杏が言った。
「杏ちゃん、酷いです・・・」
渚姉がうつむく。
あれ、何か奇妙なデジャブが。
「あんたはね、そのままでいいの。
自分に似合わない背伸びなんてしなくても、
変わりたいと思ったときから、
その人は変わり始めてるんだから」
胸を張って杏が言う。
前向きなかのじょらしい意見だと思った。

「さぁ、行くわよ!」
杏の掛け声で俺たちは登り始める。
長い、長い坂道を。
358名無しさんだよもん:04/05/20 21:17 ID:Gh0cstaJ
>>351
今更気づいた。

気づいた瞬間、眩暈がするほどワラタ
359名無しさんだよもん:04/05/20 21:18 ID:5tNzx8va
さすがだ。
スケールが違うよw
360名無しさんだよもん:04/05/20 21:19 ID:3GvLXoOy
もはや内容はどうでもいいな。
361Dannalc〜並走世界・2〜:04/05/20 21:21 ID:Ha97uiBd
「罰は受けないよ」
彼はそう言った。抑揚の無い、無表情な声で。
「けれど不幸になる。それにきっと後悔する」

本当にそうなのだろうか。
後悔があるのなら、今自分がしたいことを出来なかった時ではないのか。

「それに僕は止めない」
彼はなおもそう言う。
「観測者をやめるなり、使者の側にいくなり好きにしたらいい」

その言葉は透明で無表情だったけれど。
僕の深く心につきささったんだ。
362さくーちゃ ◆IxMsYG1EaI :04/05/20 21:22 ID:Ha97uiBd
今日はここまで。

363名無しさんだよもん:04/05/20 21:25 ID:dLyd6wdh
               /  /     /   |      \ ヽ
               / /  /   / /    ||  |  i  ヽ i
              i /  / /  / / /    ||  ||  |│ |ノス
               |//  / /___, -一ァ|  /! |ト、|│ | | く」
                |,-‐¬  ̄---┘'7 |!  ハ! |,、-┼十|! | | |
          , -‐ ''"  し' '´_ /,ィ二l |ト、/!ヽト、\_ヽ!|!l | ハ |
       ,r/      __   ,イ|リ ヾハ! ヽ!  ,ィ⌒ヾミリノ!/リ  |
      / ||ヽ  -'     / ̄ )` __      |ヒノ:} '` ,イ/ |  |
    ,r '   ヾ、  ,-、____ , イ ̄,r==-      ==-'  レ' /|  |
  / ヽ    `ーソ  ' | |ト、,ヘ ′""          "" / / || |     乙であります!
. /    \_  /  | ハ ヽ`゙'ヘ       ' '__. ィ  / / | |  |
           /   / / |  ヽ 川\    ヾ三ニ‐'′//! |  | |  |
        /    / / 八  \川| |`ト- ..  __ , イ‐ァヘ |  | ||  |!
      /    / / /  \  \ 「`ー- 、    /  .〉  ト、|  ヽ、
     ,イ    /-─=¬ニヘ、_  \   厂\ 厂ヽ /!|   | `ー=ヘ
 -‐  ̄ /─ '  ̄     ├- ヽ\  \ノ\ \ 人 ハ!ヽ ||  |-┤ ヽ
      /          /!‐-- | |\   ト、_`ヽ oヽ  ト、!  ||  |‐┤- ヽ
  // 〉      __ /  ├‐-  ||  | 川-‐  | |  厂7! ハ!  ├:┤  ̄ヽ
  / / ー ─    ̄       ├‐- リ  || ハ!ヘ   | |  ト┤|/′ ヾ,┤   ゙i_
  ‐ '              〉‐-    | / /\ .|o | /ヽ/(′    ∨     \
‐--─ ──-r、___-、    /ー_     {(   '´>、! /ヽ/       |\       \
364名無しさんだよもん:04/05/20 21:25 ID:Wtl0MHzf
>>362
あと1998レス残ってるよ
365名無しさんだよもん:04/05/20 21:28 ID:dLyd6wdh
今、気づいた2スレカヨ!w
366名無しさんだよもん:04/05/20 21:29 ID:Gh0cstaJ
>>362
ヤダヤダヤダ後1998レス書いてくれなきゃヤダヤダヤダ!
 〃∩ _, ,_    /)    〃∩ _, ,_    /)
⊂⌒( `Д´)ミ( ⌒ヽつ⊂⌒( `Д´)ミ( ⌒ヽつ
 `ヽ._つ⊂ノ⊂( ,∀、)つ.`ヽ._つ⊂ノ⊂( ,∀、)つ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|     ミ
                            |    〃 ∩  。
                            |   ⊂⌒从ヽ从゜o ドボン
                            | 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
                            |       東 京 湾
367名無しさんだよもん:04/05/20 21:29 ID:10xLkpl4
・・・一応応援してるよ
368名無しさんだよもん:04/05/20 21:30 ID:7f1dKVbj
やっぱボンバヘッは最高だよな!
369さくーちゃ ◆IxMsYG1EaI :04/05/20 21:31 ID:Ha97uiBd
2レスって書いたつもりが・・・ガクガクブルブル

じゃ、キャラスレ2箇所に別の短編投下します。
それで2スレ
370名無しさんだよもん:04/05/20 21:34 ID:7f1dKVbj
あんたほんと暇人だなw
371名無しさんだよもん:04/05/20 21:35 ID:5PwTWOjQ
『クラナド受賞者発表』

さる5月20日クラナドの各賞受賞者が発表された。
大方の予想通り主演男優賞は岡崎朋也、主演女優賞は古河渚が受賞とあいなった。
表彰時、コメントを求められた古河が「私なんて可愛くありません…」と言ったところ、
岡崎が「卑下するな」と注意するというファンお馴染みの一幕があり会場を多いに沸かせていた。

一方、最後まで審査員を悩ませたのが助演男優賞。
ご存知のように助演男優も粒揃いのクラナド。
誰が受賞してもおかしくない状況なだけに選考も難航したようだ。
しかし副賞が便座カバーだと発表されるやノミネートされてた男優が次々と辞退。
結果、最後まで残った春原陽平が受賞となった。
便座カバーを片手に「これって名誉なんですよねっ!?」とマスコミ陣に聞いてまわってる姿がなんとも印象深かった。

助演女優賞は古河早苗が受賞。
発表時、受賞を逃した岡崎汐が無言でトイレに行くという可愛らしいハプニングがあり会場を沸かせていた。
岡崎汐は子役ながらノミネートされた唯一の女優。
今回は受賞を逃したが今後の活躍を大いに期待できる逸材であることは明白だ。

ちなみにもっとも恥ずべきラズベリー賞には柊勝平が選ばれた。
副賞が無いことを知るや「形あるもので誠意を見せろ!」
と憤慨する姿はある意味ラズベリー賞受賞者に相応しい姿であった。

ロリィーター通信
372名無しさんだよもん:04/05/20 21:35 ID:5tNzx8va
まだ書く気かYO!
すごい根性だな。
またここに現れるのを楽しみに待っているよ。
今日は乙でした。
373名無しさんだよもん:04/05/20 21:36 ID:Alv9Mv4K
>>369
おいおい、他スレにまで迷惑かけるなよ!
やるならここでやれ、ここで。
374名無しさんだよもん:04/05/20 21:37 ID:Wtl0MHzf
>>369
そりゃ残念だ・・・
で、どこのキャラスレにいくの?
375名無しさんだよもん:04/05/20 21:39 ID:A6C/te2H
壊スレ。
376名無しさんだよもん:04/05/20 21:41 ID:isx2+7o2
ことみスレに降臨の模様。
377317:04/05/20 21:42 ID:R6tTbFrH
終わったか。それじゃ、いきまーす。タイトルは『最期の願い』
割り込むなよ、カキコの前はちゃんとリロード汁。

ってかお願いです。一気にいかせてください。
先ずは317の内容をもう一度投稿するけど我慢してくれ(や、微妙に変わってるけどな
378最期の願い・1:04/05/20 21:43 ID:R6tTbFrH
 私は気づいてしまった。
 この世界の真実に。

 ただただ真理を求めて彷徨い、パートナーを得、弛まぬ研鑽を続けた結果、私たちは真実にまでたどり着いたのだ。

 ああ、ああ。
 この真実を私たちの胸のうちにとどめておけばよかったのかもしれない。

 ――伝承に曰く、
 天まで届かんと造られた禁断の塔は、神の怒りによって崩される、と。
 太陽まで届かんと飛び立った若者は、その熱によって堕とされる、と。

379最期の願い・2:04/05/20 21:43 ID:R6tTbFrH
「おい、どうしたんだ、水恵?」
 私は突然立ち止まった彼女に声をかけた。
 搭乗時間も差し迫っているのだ。急がなければいけないというのに、と少し不満げに彼女の視線の先を追う。
「……ああ」
 なるほど、目が留まるのも仕方ない。彼女が見ていたのは私たちの愛娘がはじめて“欲しい”と言ってきたものなのだ。
「ごめんなさい鴻太郎さん。ちょっと待っててもらえませんか?」
「ああ、構わない。一番大きなのを探し出してきてくれ」
 私がそう言うと彼女はまるで出会った頃――まだ私たちが大学に通っていた時だ――のようにぱたぱたと店の中へと駆けていった。
380最期の願い・3:04/05/20 21:44 ID:R6tTbFrH
 窓からみえていたビルがあっという間に消えていって、遠くの町並みが見えて、それすらも視界から消えると代わりに心地よく澄んだ美しい青。
 機内アナウンスが流れて、私たちの所以外でもカチャカチャとベルトを外す音がする。
 もう慣れ親しんだ離陸の儀式だ。
「結局この子は送れませんでしたね」
 水恵さんが心底残念そうに呟いた。
「そうだな。せめてプレゼントだけでも贈っておきたかったのだが……」
 いかんせん時間がなさすぎた。向こうに間に合わせるためにはこの飛行機に乗る以外になく、手荷物として抱えていくしかなかった。
「せめていつも来てくれる彼が来てくれれば、少しは寂しさも紛れるのだろうが」
「きっと来てくれますよ。乱暴そうにみえるけど、とってもやさしい子なんですから」
 確かに。隠れん坊の時もそうだった。……が、父親としては些か複雑な気がする。
381最期の願い・4:04/05/20 21:44 ID:R6tTbFrH
 連日の徹夜と強行軍で疲れていたのだろう、それから間もなくして私たちはあっさりと眠りに落ちてしまった。
 時差ボケ解消のために、フライト中に睡眠をとるのは悪いことではない。が、今回は様子が違っていた。
「ん……?」
 どうも揺れがひどい。乱気流に巻き込まれてひどく機内が揺れる事はあるが、これだけ激しい揺れが続くのはどうもおかしい。
 目覚めたのは水恵も同じようだった。
「あなた……」
「落ち着け。まだ、何も起こってはいない」
 それは私たちにわかる限りのことで、実際にはもう起こっているのかもしれないが。
 そして、得てしてこういう時の予感というのは当たるものだ。
『お客様に連絡します。席にもどってベルトを締めてください。お客様に連絡します……』
 私たちは顔を見合わせた。
382最期の願い・5:04/05/20 21:45 ID:R6tTbFrH
 やることは決まっていた。
 便箋と筆記用具を取り出して水恵に渡す。
 彼女が娘へ宛てた言葉を――最期の言葉を――書いている間に、私はスーツケースの中身を全て放り出した。
「あなたも……」
「わかっている」
 交わす言葉は少ない。もう時間がないことが肌で感じられるからだ。
 この揺れにも、予想される不吉な未来にもかかわらず、彼女の筆跡に乱れはない。
 そのメッセージはぬいぐるみを買ったことと、誕生日を祝う言葉が綴られていた。
 ならば私は少しお説教くさい事を書かねばいけないな、と思いペンを走らせる。
 娘が、私たちの死に挫けてしまわないように願いながら。

 私がたどり着いた『本当の』真実を書き終え、便箋を封筒に納める。そして表に

 If you find this suitcase,pleas take it to our daughter
                        k&M Ich

 と記した。
383最期の願い・6:04/05/20 21:46 ID:R6tTbFrH
 そこ機体が一気に傾いた。
 もう時間がない。
 空になったスーツケースにぬいぐるみとこの封筒を無理やり押し込んで、固く固く蓋を閉じる。
 きっと私たちは死んでしまうだろうけれど、娘よ、どうか負けないでほしい。
 二人でやることをやり終えてシートに身を落ち着かせたら、自然と手が重なり合った。
「……もしかしたら、これは天罰かもしれないな」
「どうしてそう思います?」
「真実に近づきすぎたからだ。バベルの塔やイカロスの神話のごとく、神の怒りに触れた結果……」
「私は違うと思います」
「当たり前だがな」
「いいえ。それも違います。これは天罰ですよ」
「? どういう事だ?」
「あら、わかりませんか?」
 悪戯っぽく微笑む妻が何を言いたいのか、私にはわからなかった。
「簡単なことですよ。今日は私たちの可愛いことみちゃんのお誕生日なのに、こんな所に居るから、神様が罰を与えたんです」
 …………ああ、そうだ。その通りだ。本当に、その通りだ。

 機体が更に傾き、体がベルトに喰い込む。
「水恵」
「何です?」
「君に会えて、よかった」
「……ええ。私もです」

 軽く目をつぶる。
 ことみよ、私たちの大切なことみよ。
 この世にたった一人の、私たちの宝物。
 どうか、どうか幸せに……

 END
384317:04/05/20 21:47 ID:R6tTbFrH
 はー。終わった終わった。
 故・一ノ瀬夫妻の話、簡易版。ちゃんとしたヤツはもっと練ってどこかに投稿します。
 これはことみSSの中で書きたいと思ったシーン1,2を争うものだからHa97uiBd氏の書き出しを見て焦った焦った(苦笑
 観測者・世界との関わり・罰を受ける……その全てがプロット段階のこれとかぶりまくったもので。
 他の香具師に書かれるぐらいならタッチの差で漏れがッ……と思ったけど考えすぎだったみたいね。

 ともあれ、お付き合いいただき恐悦至極。


 なお、ことみの両親の名前は本編のどこかで出てきてます。
 ネタ帳に書き留めているから間違いはない……と思う。
385さくーちゃ ◆IxMsYG1EaI :04/05/20 21:51 ID:Ha97uiBd
>>384
GJ!

・・・あと、お待たせしてごめんなさいでつ。
漏れのDannalcは、元々別の人がスレ立てまでやって作ろうとしてたネタでつ。
スレ自体がなくなったから勝手にさせてもらってるが。
386名無しさんだよもん:04/05/20 21:53 ID:IAGqbSdB
(゚Д゚)ポカーン…
387名無しさんだよもん:04/05/20 21:55 ID:NsQvRkdp
>>384
寒気がとまらない いや、感動という意味で
涙が出てきた
388名無しさんだよもん:04/05/20 21:55 ID:IAGqbSdB
誤爆ったスマソ
389名無しさんだよもん:04/05/20 21:57 ID:1k58jWAP
>>384
GJ!いいよいいよー

>>385
誰のキャラスレに投下したかここに書いてくれな。せめて
390名無しさんだよもん:04/05/20 21:59 ID:Ux1Okx6c
>>389
「ひらがなみっつで、ことみ」一ノ瀬ことみ 5冊め
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1084378331/660-
391名無しさんだよもん:04/05/20 22:00 ID:Jupi98mC
80 名前:名無しさんだよもん[sage] 投稿日:04/05/13 20:52 ID:kJMEx5Jo
>>73
>一ノ瀬一家、なんか呪われてる?いや冗談でなく。
人類が最終理論を手にするのを阻もうとする世界の陰謀ですよ。
って、ネタとしても電波すぎるな。


……。 まあ、何も言うまい。
392名無しさんだよもん:04/05/20 22:04 ID:CcagZkwI
>>384
乙。
だけど、今日投下したのは些かまずかったかもな・・・

393さくーちゃ ◆IxMsYG1EaI :04/05/20 22:19 ID:p2MmcrBP
誰にも迷惑かけないスレに短編投下予定(w

ボタンスレ
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1085059106/
394sage:04/05/20 22:22 ID:EZsze0r1
風子―REchallenge―

「誰とデートするんですか?」
昼飯を食べ終わった生徒たちが教室へぞろぞろと帰って行く中、ふと俺が口にした言葉に、風子がきょとんとした顔を上向ける。その鼻面をぴっと指差して言ってやる。
「お前」
「嫌です」
予想通りというか何と言うか、とりつくしまもない即答だった。
「あのな、俺ら付き合ってるんだからデートぐらいいいだろ」
「毎日学校で会ってます。ご飯も一緒です。それ以上に会いたいなんてヘンな人です」
申し出が気に入らなかったのか、彼女はぷいと前を向いた。そのまま隣で歩く俺を見ようともしない。
「変はお前だっつの。ったく、ほんとにこういうこと欲無いのな」
「風子はつつましやかな子なのでこれで十分です」
「俺は日曜でも風子と会いたいぞ」
「恥ずかしい事廊下で言わないでください」
「言わせてんのは誰だよ」
「自業自得です」
お返しとばかりにぴっと俺の顔を指差して言う。
「……」
二の句が継げない俺の顔をにらみつけて、さらにぐい、と人差し指を鼻面に突きつけて
「明日一時。商店街で」
「へ?」
「岡崎さんの欲求不満解消に付き合ってあげます」
いつもどおりの無愛想な真顔でそう言うと、彼女はぱたぱたと廊下を走って行った。
「……」
ひょっとして、OKと言う事だろうか?
いつもながらリアクションが読めない。まぁ、相手はあの風子だ。承諾してくれただけでもよしとしよう。
「さて」
予行演習だ。あいつが喜びそうな面白い店でもピックアップしに行くか。
「おい、岡崎、本鈴が鳴るぞ」
「すいません先生。腹すっげぇ痛いんで早退するっす」
後ろで何やら怒鳴る声が聞こえたが、俺はそのまま校舎を駆け下りて行った。
395名無しさんだよもん:04/05/20 22:22 ID:dLyd6wdh
一つも読んでないけどみんなスゲーな
読みたくなってきたわ
396さくーちゃ ◆IxMsYG1EaI :04/05/20 22:22 ID:p2MmcrBP
ID氏違うのは、今やっと帰宅したです。

明日も通勤帰りからSS投下予定。
397sage:04/05/20 22:26 ID:EZsze0r1
とはいえ。ランドセルを背負っていた頃から走り回っていた商店街は今更見返してみても目新しいものなどあるはずもなく、どの店もなじみばかりで面白いものなど一件も無かった。
強いて言えば当時俺たちが入るはずもなかった喫茶店や居酒屋が減った分、ファーストフード店が入ってきたぐらいか。
デートにファーストフードで昼飯、定番と言えば定番だがそれは他にどこか目玉のイベントがある場合の事だ。目玉、目玉……アーケードの片隅のゲームセンターを見て、ああ、という気持ちになる。
フロアにすし詰めになった、今更誰もやらないようなクレーンキャッチャーの筐体。あとは、その影に隠れるようにしてある占いやプリクラの筐体。ほんと、これぐらいしか無いんだよな。この町って。
「………」
炎天下の道路に突っ立って、クレーンキャッチャーに挑戦したりプリクラの画面を覗き込む風子を想像してみる。
「……」
自動販売機に潜り込んでるアメリカかどっかのリスの映像を思い出して笑いがこみ上げてくる。人形取れないとか言って下から忍び込もうとしたりなんかしないよな。
いや、ある意味すごくしそうでそれはそれでなんだが。
「うし、まぁここにすっか」
ヒトデのぬいぐるみは無いが、まぁ女の子だし喜びはするだろう。目玉というにはいささか小さいが、何もあてが無いよりはずっとマシだった。あとはまぁ、適当に服だ小物だを見て回ればいいだろう。
「…何か、ほんとにデートみたいだな」
ふと自分の思考回路を巡ってみて、無性に恥ずかしくなる。にやけた顔をしていないか、誰かが見ていないかきょろきょろと見回して、意味も無く咳払い。まぁあれだ。相手が相手だが、少しは恰好にも気合入れてやろう。
398名無しさんだよもん:04/05/20 22:26 ID:CcagZkwI
>>394が投下途中だから邪魔スンナよ
399sage:04/05/20 22:28 ID:EZsze0r1
当日は予報どおりの日本晴れだった。抜けるような青空とさんさんと降り注ぐ日差しの下、休日のアーケードは行き交う人々の活気に満ちていた。のだが。
「…おい」
「何ですか?」
「俺はデートって言ったんだぞ」
「ねぇふうちゃん、次はどこ行こっか?」
いつものようにほわっとした、罪の無い公子さんの笑顔がうらめしい。
「風子、ファンシーショップに行きたいです」
「あ、それならね、この先にいいお店あるんだよ? いこっか」
妹に見せるというよりは、久々に自分が見てみたいという気持ちが強いのか、浮かれた調子で歩いていく公子さんの背中を数歩遅れて追いながら、風子はちょいとこちらを見あげて言った。
「約束どおり、欲求不満の解消です」
これで文句は無いだろうとばかりに胸を張る彼女が着ているのは、年頃の少女らしい色気など微塵もない普段着のパーカーだった。髪を結ぶリボンもいつもの青、穿いているスカートもプリーツで紺で。要はほとんど変わらないわけだ、制服と。
柄にもなく外出着を着て髪まで整えてきた自分が何だか滑稽だった。まぁ、服装はこいつの事だから無頓着なのはしょうがない。しかしだ。普通デートに保護者同伴で来るか?
「満足しましたか?」
「よけいにたまるっつの」
「そんなの風子の知ったことじゃないです」
関心なさそうにぷいと顔をそらす。ああそうだ、こいつはこういう奴だった。
「のヤロ」
あさっての方を向いている風子の顔に手を回して、鼻をむにーっとつまんでやる。
「んーっ」
ガンっと洒落にならない打撲音がして星が視界を舞った。
「ってぇっ! まだ持ってやがったのかっ?」
「護身用です」
護身用のヒトデは足がとんがってるのか? ついでに何やら金製の枠もはまってるのか?
「ふぅちゃ〜ん。どうしたの?」
「何でもないです。早く行きましょうおねぇちゃん」
「………」
ファンシーショップの前で手を振る公子さんに駆け寄っていく風子の後ろ姿をにらみつけながら、でっかいこぶが出来た頭を撫でる。
400sage:04/05/20 22:29 ID:EZsze0r1
何だか無性に悔しくなって、俺はそれきり風子に構ってなんかやるもんかと言う気になっていた。だけどそうなるとますますやることなんて何も無くて。
公子さんと二人で楽しげに笑いあうのを数歩離れたところからじっと見ているだけで。
楽しかったはずのデートの時間は消費されていった。


「あ、そろそろおいとましますね」
バスの時刻が近づいてきたのか、腕時計を見て慌てたように公子さんが言う。
「岡崎さん、今日はありがとうございました」
「あ、いえ、こちらこそ」
不意にこちらに話を振られてしどろもどろになってしまう。不満たらたらの顔を見られなかっただろうか。
「楽しかったね、ふぅちゃん」
「はい」
いつも通り、当たり前ですとでも言いたげな表情に台詞。何故か今日はそれがやけに癪に障って俺はぷいと彼女から目をそらした。
「それじゃぁここで。岡崎さん、ふぅちゃんをお家までお願いしますね」
「…ええ」
返事はしたものの、正直送る気なんてとうに失せていた。それよりも早く家に帰りたかった。
「それでは〜〜」
「バイバイです。おねぇちゃんも気をつけて」
「うんっ。ふぅちゃんもがんばだよっ」
以前古河にしてやっていたような、両手を握り締めてがんばっのポーズと、満面の笑顔をのこして、公子さんはバスに向かって駆けていった。
401sage:04/05/20 22:31 ID:EZsze0r1
「………」
帰り道は、二人とも終始無言のままだった。俺も風子もよく喋る方ではないが、それでも登下校で一緒になると何事かで話題は続いて、今日のような沈黙が続くような事は無かった。
どうしたんだろう、とも思ったが、話しかける気力もつもりも無かったし、正直早く家まで送り付けたい気持ちの方が強かった。普段は合わせてやる歩調も無視して、俺は目一杯の早足で彼女の家を目指した。
大股で歩く俺の隣りに、うつむき加減で必死についてくる風子。前まではそういうのが可愛らしかったが、今は無性に腹立たしかった。何だよ、散々っぱら無視してコケにしたくせによ。
ぶつぶつ文句を言いながら、十字路を渡り、大通りを横切って角を曲がって彼女の家に着く。前までは公子さんもいた、綺麗で可愛らしい家屋。その門の前まで来て、ふと、風子が立ち止まった。ずっと詰めていた息をぷはっと大きく吐いて肩を上下させる。
「どうしたよ?」
とげとげしい口調を直さずに言うと、彼女はうつむいたままで聞いた。
「欲求不満は解消できましたか?」
「…なったと思うか?」
憮然とそう答えると、風子はちょっと笑って顔を上げた。
どんな顔をしてるんだか、そう思ってのぞきこんで、はっとした。街灯に照らされて浮かび上がった彼女の頬は、上気して真っ赤に染まっていた。
「しょうがないですね」
相変わらずの憎まれ口も、どこか語尾が弱々しい。いつもは見ることなんて無い彼女のそんな様子に、拍動が上がるのが分かる。さっきまでの毒気なんて完全に抜かれていた。
「岡崎さんはやっぱりヘンな人です」
そして、ああ、と思った。何で公子さんを一緒に連れてきたか、別れ際に公子さんががんばっのポーズをしたのか、帰り道の無言の意味。
コイツ、これが精一杯なんだって。
「悪かったな」
予想外の表情に動揺しているのを悟られないように口を尖らせると、風子は公子さんがいつも浮かべているような、ほやっとした笑顔を浮かべる。
402sage:04/05/20 22:32 ID:EZsze0r1
「ほんとに、しょうがないですから」
そう言うと、彼女はついと背伸びをして、俺の肩に手を置いて。腕にもたれかかる身体は、びっくりするぐらい熱くて、軽くて。
そして、ふわりと柔らかい感触が唇に触れた。
「特別サービスです」
頬をいっそう赤らめて、口調だけはいつものままで。そうしてかすかに微笑むと、彼女はぱたぱたと家の中に駆け込んでいった。



《ねぇふぅちゃん、ほんとにお姉ちゃんが一緒に行ってもいいの?》
《いいんです》
《岡崎さん怒らないかな?》
《怒りません》
《んー》
《それに、来ないと風子が困ります》
《困るの?》
《はい。だからおねぇちゃんはいつものように風子についてきてください》

−いつものマイペース口調の少女の頬がリンゴのように赤く染まっているのを、少女の姉は優しい微笑を浮かべて見つめていた−


END
403名無しさんだよもん:04/05/20 22:34 ID:dLyd6wdh


しかし、急に賑わいだしたな……
これが、シンクロニシティーってやつか?
404さくーちゃ ◆IxMsYG1EaI :04/05/20 22:34 ID:Ha97uiBd
GJ!
あと邪魔してごめんなさいでつ(さっきも言ったな・・・)

では、おやすみなさいです。
405名無しさんだよもん:04/05/20 22:35 ID:XY/mIh0v
ああ…風子だ…風子がいるよ…。
EZsze0r1さん、GJ!

あと遅くなったけどR6tTbFrHさんもGJ!
かなりじーんときた。
406名無しさんだよもん:04/05/20 22:35 ID:Gh0cstaJ
テレル風子タン(*´д`*)ハァハァ
乙!というかGJ!
407名無しさんだよもん:04/05/20 22:36 ID:Ux1Okx6c
風子可愛い!(>ヮ<)
>>394 GJ!
408名無しさんだよもん:04/05/20 22:37 ID:CcagZkwI
ちょっとまて、1日で100レス以上伸びたなんてすごいな。
これも>>404の努力の賜物だなw

>>402
乙。ほのぼのいいね。
でも個人的にはもうちっといちゃいちゃしてほしかった気もする。
って風子にゃ似合わないかw
409名無しさんだよもん:04/05/20 22:38 ID:5HEWvbQ5
エロスレ落ちたみたいだけど、どうするの?
こっちに非難したらいいのか立て直した方がいいのか。
410名無しさんだよもん:04/05/20 22:39 ID:dg2+17ZW
オチが良いね、GJ!

しかし朋也、そこは両手に花で楽しめよ!
いや、そういう気分の切り替え本編でも下手だったっけ……
411名無しさんだよもん:04/05/20 22:44 ID:4kmJHuyS
序盤から中盤までの風子描写が巧い。
ラストも、これはこれで、という感じでよかった。
そして、実は公子さんがすげーいいっ。

>404
おやすみ。頑張って完結させてね。応援してる。
412名無しさんだよもん:04/05/20 22:47 ID:1k58jWAP
風子GJ!
良スレ度が40くらい上がったきがす
413コテとトリップ:04/05/20 22:47 ID:EHNb9s9B
>>409

いらねえんじゃん?
SSスレ無駄に多すぎ
414名無しさんだよもん:04/05/20 22:49 ID:5tNzx8va
今日の一件でネタ度も40くらい上がった気がするが。
415名無しさんだよもん:04/05/20 23:43 ID:4vl5NKpL
各SSはテキストやHTML.zipにしてどっかにあげる作業を完結とします。
よろしく。
416名無しさんだよもん:04/05/20 23:47 ID:CcagZkwI
>>415
意味不明だからな。
417名無しさんだよもん:04/05/20 23:49 ID:5uhg+Awt
エロスレ死んだ?
「次にその顔したらキスするからな」
「ひいいぃぃぃーー!」
「あ、した。ぶちゅっ」
「ひいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーーっ・・・・・」
バーーーン!
扉が急に開く。
ラグビー部員がずかずか入ってきた。
「ひぃひぃうるせーぞ!ってえ・・・・?」
ちっ、いいとこなのに・・・
「あぁ・・・?邪魔してんじゃねーぞ、コラ」
「岡崎・・・?お前そんな気(け)が・・・」
春原は生きる屍と化して転がっている。
「俺と春原の愛の巣を犯す奴は何人たりとも許さん」
その辺にあるゲーム機のコードを引き抜く。
「開発してやろうか・・・?あぁ!?」
「ひ、ひいぃぃーーーーーっ!」
ものすごい勢いで隣の部屋に退散していく。
「ちっ、根性のない奴だ」
さて、春原との愛の営みを再開せねば。
「おい、春原。起きろ」
春原の頭を蹴っ飛ばしてやる。
「う、うーん・・・お尻だけ・・・お尻だけは勘弁してくださいぃ・・・」
まだねぼけてやがる。
ここは一つ一気に目が覚めるジョークでも言ってやるか。
「そうか。尻はいやか。んじゃ口でいいか。歯立てるなよ」
ジィィー・・・・
「ちょっと待て、岡崎!お前、正気かよ!?」
「あ、起きた」
思ったより、早かったな。
「お前なんでチャック下ろしかけてるんだよ!」
「はっはっは。さすがに冗談だって」
「本当かよ・・・」
「ジョークだよ、ジョーク」
あながち冗談でもなかったけどな。
その日は春原はなかなかガードを緩めてくれず、夜は襲えなかった。
くそっ・・・
翌朝。
俺は春原より早く起きた。
時刻は午前10時。
もう既に2時間目は始まっている。
ベッドを見てみると、春原は気持ちよさそうに寝息を立てていた。
俺は春原と一緒に寝たかったのだが、春原がどうしても嫌がるので、
俺はしょうがなくこたつで寝ることにしたのだった。
全く、いずれ俺が掘ってやるっつーのに・・・
人の気も知らず、春原はかわいい寝顔をしていた。
その寝顔に、かつてないほど興奮してしまう。
今ならキスしてもばれないな・・・
意を決し、俺は春原に近づいた。
起きる気配はない。
遠慮なくベッドに手を置き、唇を近づけようとすると・・・
ベッドに体重をかけた手の下に硬い感触。
なんだこれ?
ビーーーーーーー!!!
「警報装置!?どっからこんなもん出したんだよ!?」
春原が光の速度で俺から離れる。
「うおぉぉぉーーーーーー、あっぶねぇーーーー!」
「・・・ちっ」
「ちっ、じゃないよ!お前、なにしようとしてたんだよ!」
ここまでされて、わからんのかこいつは。
「いや、かわいい恋人におはようのキスをしようと・・・」
「ひいぃぃぃーーーーー!」
俺と春原は並んで学校へ続く道を歩いていた。
「俺とお前が同棲して初めての登校だなっ」
「ど、同棲って・・・僕ら、性別違うでしょ」
「同性だからって、同棲じゃないなんて、おかしいぜ!
 二人はこんなにも愛し合ってるんだ!」
同性だからって、同棲。
お、ちょっとおもしろいかも。
「国語辞典にも同棲は『結婚していない男女が一緒に暮らすこと』って書いてるんだし・・・」
「はははっ、さすが春原は博識だなっ」
「いや、そこ笑うとこじゃないでしょ!?
 そもそも、僕は岡崎のこと愛してなんてな・・・」
「ああっ!?」
空間が凍りつく。
「春原、お前言っていい冗談と悪い冗談があるぞ」
「ひぃ!?お、岡崎くん・・・?すごく目が据わってるんですけど」
「もう一度言ってみろ。
 返答次第では俺はお前を抹殺しなければならない」
「ひぃーーー!」
「さぁ言え。春原陽平は岡崎朋也のことを・・・?」
「ぼ、僕、春原陽平は岡崎朋也を、あ、愛しています・・・・」
もはや涙目である。
「春原は素直でかわいいなっ」
「岡崎・・・早くもとの岡崎に戻ってくれよ・・・」
教室に着いた。
時間は既に昼休みになっていた。
学食でパンを買ってきて、春原と食べていた。
「岡崎くん・・・?その、無言で僕のことじっと見つめないでくれるかな・・・?」
「なんでだよ」
「その・・・周りの奴に勘違いされるじゃん」
「勘違いって・・・俺とお前は付き合ってるわけだ・・・むぐっ!?」
春原が俺の口を手で塞ぐ。
「岡崎くーん?そういうことはあんまり大声で言わないでくれるかなー?」
「ちっ・・・わかったよ」
「わかればよろしい」
春原が俺から離れる。
が、それくらいで、へこたれる俺ではない。
「俺と春原って一緒に暮らしてるんだしなっ!」
今度は春原に阻止されないように、早口で、かつ、大声でしゃべった。
春原の手が伸びていたが、もう遅い。
「やっぱりあの二人でデキてたんだな・・・」
「えー、マジキモいんだけどぉ・・・」
「よっ!お二人さん、末永くお幸せに!」
「あぁぁぁ・・・」
打ち崩れる春原。
「どうしてくれるんだよ!僕、もう彼女はおろか、友達さえ、できないよ!」
「俺がいるじゃん。っていうか、お前の友達なんて、もともと俺くらいしか、いないから安心しろ」
「もういいです」
春原はそのままふて寝をしてしまった。
―――作戦成功である。
これで、春原に近づく余計な虫はいなくなるだろう。
ふっ、春原は誰にも渡さん。
「ちょっと朋也!」
ん?誰だ?
「朋也ってば!」
体を揺すられる。
妄想を打ち切り、顔を上げた。
そこには杏がいた。
「なんだ、杏か。なんか用か?」
「なんか用か?じゃないわよ!なんなのよ、さっきのカミングアウトは!」
「なんか、おかしいこと言ったか?俺」
「あんたじゃなくて、陽平が言ったことよ!
 その、あんたと陽平が一緒に暮らしてるとかなんとか・・・」
「ああ、そのことか」
わかったようなことを聞く奴だな。
「あれでしょ?いつもの恒例のたちの悪い冗談なんでしょ?」
「・・・いや?」
「・・・マジなの?」
「ああ。昨日から一緒に暮らしてる」
「・・・ああ、そうだ、家出でしょ!?
 あんた、あんまり親父さんに迷惑かけちゃだめなんだからね」
「いや、違う。親父は関係ない」
「まさか・・・あんた・・・」
杏の目が蔑んでいる。
「その通りだ。俺は春原が好きだ」
・・・
凍る空間。
「あたし、冗談で言ったんだけどな・・・?」
「俺は本気だ」
沈黙。
不意に杏が英和辞典を出して、寝ている春原に投げつけようとする。
まずい。
俺は咄嗟に腕を伸ばし、その腕を掴んだ。
「やめろ。例え杏といえど、春原を傷つける奴は許さん」
「・・・」
杏は何も言わず、じっとこちらを見ていた。
「俺は本気なんだ・・・辞書下ろしてく・・・」
「なんでなのよ!」
おれの発言は杏の悲鳴にも似た叫びに掻き消された。
「杏・・・?」
「なんで、よりにもよって、男なのよ!
 そりゃ、女ならまだ、私や椋も諦めはつくわ。
 でも、男なんて!しかも陽平!
 こんなヘタレのどこがいいっていうのよ!」
朋也「人を好きになるのに理由なんてないだろ」
杏はもう何も言わず、走り去ってしまった。
泣いていたような気がした。
しかし、あのニュアンスからいくと、藤林と杏は俺に惚れてたってことになるのか?
・・・考えすぎか。
大体俺には春原がいるしな。
と、春原がようやく目を覚ました。
「ん・・・?なんかあったの?やけに教室が静かなんだけど」
「・・・なんにもないよ」
おれはそれ以上何も言わず、机につっぷした。
そう、ただ、気の合う大事な隣のクラスの委員長である友人が俺たちと決別しただけのことだった。
それが少し、寂しかった。
がばっ!
「そんな話あってたまるか!」
え・・・?
ゆ、夢・・・?
あ、あっぶねぇーーーー!!!
とんでもない内容の夢を見ていた。
人間としての道を大きく踏み外した夢を。
「俺もあんな夢見るなんて、相当病んでんな・・・」
ひとり、つぶやく。
時刻は朝6時。
俺にしては早起き過ぎる時間だった。
が、2度寝できるような精神状態ではなかった。
「起きるか・・・」
久しぶりに早めに学校に行くかな。
んで、春原の奴は殴っておいて。
「杏には・・・謝っておくか」
不思議に思われるかもしれないけどな。
「そうと決まったら、朝飯だ」
さぁ、今日も楽しい一日が―――
426 ◆28s26Q7ss2 :04/05/21 00:29 ID:2E3cr4vV
以上です。
春原BADを軸にした、ギャグ主体の話でしたが、いかがでしたでしょうか?
あ、ちなみに作者にはそっちの気(け)はありませんのであしからずw
感想お待ちしてます。
427名無しさんだよもん:04/05/21 00:29 ID:yLkdVx3x
ユメオチー(´∀`)

普通にワラタ
GJ
428名無しさんだよもん:04/05/21 00:29 ID:pz8tHM64
ワロタw
あんたやっぱいいね(゚Д゚)b
429名無しさんだよもん:04/05/21 00:31 ID:6s35YkUV
個人的に夢オチは辞めた方が良いと思った
極々個人的にだが
430名無しさんだよもん:04/05/21 00:31 ID:ggM8Tmr3
ごめん、俺笑えなかった…
むしろ杏がものすごくかわいそうだった…
431名無しさんだよもん:04/05/21 00:31 ID:un3PHtoD
ワロタよ
夢落ちで正直ヨカタ
432名無しさんだよもん:04/05/21 00:33 ID:c7cBozOQ
ワラタ
夢落ちだけどいいな。
433名無しさんだよもん:04/05/21 00:33 ID:FJ7kysWR
夢オチって好きじゃないんだけどこれはよかったな
つか、夢オチじゃなかったら杏がかわいそう過ぎるw
434名無しさんだよもん:04/05/21 00:34 ID:d0sPkRir
「歯立てるなよ」

って、怖!!
435 ◆28s26Q7ss2 :04/05/21 00:44 ID:2E3cr4vV
ああ、杏はちょっとかわいそうですかね・・・
私も杏萌えの一人なんですが、本編で杏が雨に打たれて、朋也に告白するとこはかなりグッっときました。
そんなわけで、杏にはちょっと不運な役に回って頂いたんですが、まぁ夢オチってことで勘弁・・・
じゃないと杏があまりにもかわいそうでしょ。・゚・(ノД`)・゚・。
436名無しさんだよもん:04/05/21 00:46 ID:/LTSg5hq
夢オチだったかw GJ。
杏がちと可哀想だったけど夢に免じて許す。
437名無しさんだよもん:04/05/21 02:46 ID:ELQBvF3L
面白かったです。
激しくGJ!
そして
激しくDNML化キボン…・・
438名無しさんだよもん:04/05/21 03:57 ID:OCX0xXpg
本編は笑いました。
夢落ちは、まあ夢落ちですね。
夢落ち以外で落とそうとすると、二話三話じゃ終わりそうにないですがw
43946:04/05/21 06:52 ID:8IBCG/Hw
│Д`)いまから実験作を投下させてもらいます。
それとは別に椋恋人AFTERですが、まだ完成しません!
…ってすごいダメじゃんil||li _| ̄|○ il||li アトスコシナンデスガ
それと前回のSSにレス下さった方、ありがとうございますデス。
それでは、ごらんください↓
44046:04/05/21 06:53 ID:8IBCG/Hw
「杏、椋、パパだよ。よろしくね」
わたしの名前は椋。パパからあたえられた名前だ。
「杏はかわいいなあ…僕の愛を全てつぎこんであげよう!」
今思えば、わたしはこの時から既にパパには相手にされていなかったのかもしれない。
わたしとお姉ちゃんは、成長して幼稚園に行くことになった。
そこではいろいろと”ヒロイン”として大事なことを学んでいくのだ。
「はい、みなさんよく覚えておいてね。この子が主人公の岡崎朋也くん。あなたたちはこの子と結ばれて幸せになるのよ」
先生が、朋也くんの写真をみせてくれた。かっこいいなぁ。わたしも朋也くんに選ばれるようにがんばらないと。
きょう、幼稚園で先生がいってた。”ヒロイン”は光なんだって。その光をもってないとだめなんだって。
渚ちゃん、ことみちゃん、お姉ちゃん、智代ちゃん、風子ちゃん、有紀寧ちゃん、みんなみんなもってた。
わたしだけもってない…先生にきいたら、お父さんにつくってもらいなさいっていわれた。
おうちにかえったあとパパにきいてみる。
「ねえ、わたしも光がほしいなあ」
「だめだめ、椋には光はあげられないね」
「どうして?」
「それはおまえが”おまけ”だからだよ」
「おまけ?」
「ああ、おまえは僕の杏の付属品だからね」
「うう…わたしっておまけだったんだ」
悲しかった。自分が必要とされてないってわかったから。
誕生日の日にはパパからプレゼントをもらった。
「ほうら、おまえたちプレゼントだぞぉ」
「わーい」
「杏には朋也を。椋にはカッペイをあげよう」
「ねえパパ…なんでわたしはカッペイくんなの?」
「それはおまえがヒロインじゃないからだよ」
「わたしも朋也くんがいい…」
「わがままいうな!カッペイとくっついてパパの役に立つんだ!おまえはどうでもいい子なのだからね」
「うえーん…」
楽しいはずの誕生日なのに、とっても悲しかった。
44146:04/05/21 06:54 ID:8IBCG/Hw
ある日、パパが事故にあって、病院に入院することになった。
渚ちゃんのパパが、お見舞いに来てくれた。
「怪我して大変だったな…杏と椋の面倒を、わたしがみてあげようか?」
「いや、この子たちの面倒は僕がみるよ」
「そうか…無理するなよ」
そういって、おじさんは帰っていった。
わたしは、おじさんのところにいけたら幸せかなあと思った。だってパパはお姉ちゃんのことしか考えていないんだもん…。
ある日、ことみちゃんの家に遊びに行った。渚ちゃんとお姉ちゃんも一緒だ。ことみちゃんのパパはとても優しかった。
わたしにも、みんなと分け隔てなく接してくれた。
うちのパパもこれぐらい優しければいいのに…。パパが優しいのはお姉ちゃんに対してだけだもの。
ある日、パパは荒れていた。
どうやらお仕事で失敗してひどい目にあったみたいだ。
「おい!椋!」
「なに?パパ?」
「僕はおまえなんかどうでもいいのに、世間はそうじゃないらしい。おかげで僕は叩かれまくったよ!」
「わたし、パパのいうとおりにやったよ。カッペイくんに一目ぼれしたし、お姉ちゃんの恋の邪魔までしたのに…」
「うるさい!おまえなんかうちの子じゃない!でていけ!」
「うわ〜ん!!」
「そうさ…僕には杏さえいればいいのさ…フハハハハハ」
44246:04/05/21 06:54 ID:8IBCG/Hw
家を飛び出したわたしはずっと泣いていた。そんなわたしに、はなしかけてくる人がいた。
「椋くん…」
「?」
「わたしは君の父上とは関係のない人間だ。だが、これだけはいっておく」
「…」
「たしかに親に愛されなかったことは不幸だ。だが、世の中には君を誰よりも思っている人もいるんだ。だから、この世に生まれたことを後悔しないでほしい…」
「わたし、必要とされてるの?」
「ああ」
「渚ちゃんやお姉ちゃんよりも?」
「もちろんだ」
「なら、わたしがんばる。もっともっとみんなに好きになってもらいたいもの」
「いい子だな。君は」
わたしはおじさんに頭を撫でられる。そういえば、パパにはこんなことしてもらわなかったな…。

朋也「どうした、椋?」
椋「えっと…夢をみていました」
朋也「どんな夢なんだ?」
椋「夢の中でわたしは小さな女の子になっていました。そこでのわたしは、孤独で、親にも愛されていなくて、頼るべき人もいないんです」
朋也「それは、寂しい夢だな…」
椋「でも、最後に優しい人に会うんです。わたしはその人によって救われるんです」
朋也「そっか…」
朋也くんが、わたしの頭を撫でてくれる。
椋「あっ」
朋也「どうした?」
椋「いえ、なんでもないです…」
あのおじさんの声が、聞こえた気がした。今のわたしが、朋也くんとこうしていられるのも、あの人のおかげなのかも知れない。
だからわたしは、心の中でこう言った。
選んでくれてありがとうって…。
443名無しさんだよもん:04/05/21 07:44 ID:xGdMNWyo
キモすぎ……サブイボたった
444名無しさんだよもん:04/05/21 07:49 ID:ELY8GBuh
>>426
笑いましたw
面白かったよ。
しかし、夢オチじゃなかったら、あんたを殺していたかもしれんw

>>49
さすがに2連続で夢オチネタ書かれると、ちょっとな。
それなりにおもしろい作品だったんで、時期をみてUPしたほうがよかったかもね。
445名無しさんだよもん:04/05/21 07:55 ID:ELY8GBuh
>>49じゃなくて、>>46だったorz
446名無しさんだよもん:04/05/21 08:13 ID:xGdMNWyo
>>426
地の文の描写が足らないような気もするが、ギャグとしての
テンポを崩さない為には、これで正解なのかもな。
やはり全体から見てラストの夢オチが弱すぎるね。
ラストにもう一つさっぱり目の弱いオチでもつけて、
二段オチにすればバランス取れたかもしれん。
これ、DNMLにすれば描写不足を補えてテンポも崩れないな。

>>46
さっきはキモイとか言ってすまなかったが、こういう話しは生理的に
ダメなんだ。おじさんって言うのがユーザかお前自身なんだろ。
突然現れて薄っぺらい一言で女を救って去っていく。まるでU-1だ。

あと、発言の前に名前を書くのどうにかならないか。誰の発言
なのかは地の文で表現してくれ。どうしてもと言うなら止めないが、
せめてどちらかに統一を。
447名無しさんだよもん:04/05/21 10:12 ID:YckVhR7O
>>371
SS?
448名無しさんだよもん:04/05/21 10:57 ID:AN/080mx
>>446
気持ちは分からんでもないが、なにもU-1を持ち出さなくても…
まあ生理的に駄目なら仕方ないだろうけどさ
449名無しさんだよもん:04/05/21 11:30 ID:pugqH9xY
ライターの皮肉ってのはよくわかったよ。そこらへんはちょいウケた。
450名無しさんだよもん:04/05/21 13:07 ID:ELQBvF3L
>>446
いかにも論評するばかりしか能がない「評論家」気取りの言い草だな(プププ
てめーが何か書いてみせろやクズ野郎
451名無しさんだよもん:04/05/21 13:22 ID:TrbL9TKg
意見に異論があるなら、人格攻撃に出る前にそこを指摘すればいいのに。
率直な感想は貴重だと思うがなぁ。
452名無しさんだよもん:04/05/21 13:27 ID:3NvwJ6UW
率直な感想どころか、>>446のは俺様の生理的嗜好に合わせろ!って感じじゃん。
453名無しさんだよもん:04/05/21 13:41 ID:TrbL9TKg
感想ってのは自分の好みを元にしか書けないもんだろ。
愛想を浮かべて職人を持ち上げるより、やほど為になる。
それに、薄っぺらい一言で悩みが解決ってのはその通りだと俺も思った。
454名無しさんだよもん:04/05/21 13:44 ID:DjaWL5tU
>>446の意見に全く共感できないってんならともかく、俺も>>446と似たようなこと思ったしな…
455名無しさんだよもん:04/05/21 13:50 ID:/85cftZE
>>453
同意なんだが、>>446の言い方は評論家気取りの臭いが鼻につくというのもわかる。
2ちゃんとはいえ、まともにコミュニケーションするつもりなら言い方は考えないとね。
特にここ、文章綴るスレだし。
普通に、

薄っぺらい一言だけで救われてしまう部分は違和感がある。

の一言でいいじゃん(>>453みたいにね)。
456名無しさんだよもん:04/05/21 15:27 ID:jgSvjELZ
446の何処が駄目なのか素でわからん漏れ。
叩いてもないし、ちゃんと読んでるし。
主観として割り切った感想書いてると思うんだがなあ。
457名無しさんだよもん:04/05/21 16:21 ID:Zd592Hjl
>>46
GJ!
壊スレ見た後だったから笑いまくったw
458名無しさんだよもん:04/05/21 16:43 ID:2husXqz9
淡々といこうぜ。
459名無しさんだよもん:04/05/21 16:43 ID:nZJRdU8d
>>46
面白かったよ。こういうネタは笑えるな。
460 ◆28s26Q7ss2 :04/05/21 17:47 ID:4yDFMU3n
>>446
なるほど、地の文の描写不足ですか・・・
でも、こういう話になると、どうしても会話が主体になってしまうので、地の文は疎かになりがちになってしまうんですよね。
まぁ、私の修行不足かもしれませんが・・・
ラストのオチがやや弱い、という指摘は大変参考になりました。
2段オチというのはいいですね。
ご指摘、ありがとうございました。
今後とも精進します!

あと、誰も言ってないようなので、言ってみますが、
>>46さんのSSの「おじさん」はユーザーなどではなく、ことみシナリオで出てきたことみの後見人の老紳士ではないでしょうか?
名前のあとに「くん」をつけているし、言ってることもなんとなく、本編の台詞に似ているような・・・
間違ってたらすいません。
461さくーちゃ ◆IxMsYG1EaI :04/05/21 18:53 ID:7G8OBdY9
今日も作品投下(というか漏れの場合溜めなしに打つから襲撃に近いが)しようと思うのでつが、
他に投下される予定の方いまつか?

思いつくまま書いてくこのスタイルが妙に気に入ってしまって。
何かライブ演奏みたいな一発勝負のドキドキ感が良い。
逆に書き溜めて清書してからUPするとモチベーション下がりそうな・・・読む側は迷惑だろうけど
(あるていど書き溜めたら清書してHP予定でつが)

つか迷惑かかるようなら別スレ作った方がいいのかなー。


462名無しさんだよもん:04/05/21 18:55 ID:q1krouse
>>461
でたな。告知age
463名無しさんだよもん:04/05/21 18:58 ID:uzIYTwh9
>>461
特に投下予定も書かれてないし、好きに書くと良いよw
464名無しさんだよもん:04/05/21 19:02 ID:q1krouse
つーか、誰でもいいから保管庫作ってくれよー
465名無しさんだよもん:04/05/21 19:11 ID:jyc0JAm1
>>461
期待age!!
466コテとトリップ:04/05/21 19:14 ID:xux3oGlH
>>440-442

うん、狙いはありきたりっぽいけどなかなかおもしろかった
うまくないぶん丁寧に書こうとしていてよろしい
実験作なんて弱気に先回りで宣言しないでだな、「これは実験作なんですよー」ってバカでもわかるような
内容にできていたなら、客を選ぶかもしれんがもっと「楽しい」話になっていたかもね
467さくーちゃ ◆IxMsYG1EaI :04/05/21 19:34 ID:7G8OBdY9
今プロット練ってるので8時から投下予定。
おまいら、今夜は寝かさないぜっ!(嘘

今さらながら、Dannalcのあらすじというかコンセプト。

蔵本編では幼馴染はことみだけだったけれど、それ以外のキャラ(藤林姉妹・渚)も顔見知りだったらどうなるか、
という設定で話を考えてます。
それと便座カバー、ではなくて本編より幻想色を強めた内容にしてます。
ネタバレぽいので詳しくは言えませんがAIRとかONEに近いのかな。
あとは読んでからのお楽しみ。観測者とは何者なのか、そして主人公との関係は?
それと便座カバー(しつこい)
468名無しさんだよもん:04/05/21 19:50 ID:VynbBmlB
>>467
ごめん。何か興ざめ。
469名無しさんだよもん:04/05/21 20:15 ID:DaMdIl6k
そもそも連続投稿が面白いだけで内容読んでないし。
470名無しさんだよもん:04/05/21 20:24 ID:7G8OBdY9
自然の恵みそのままの色を楽しめる押し花の会、ふしぎな花倶楽部。
あなたのまわりの自然をアートにしませんか?


女性の間で根強い人気の押し花アートを名古屋 松坂屋本店で堂々展示!! 好きな作品に投票したり、押し花が体験できるコーナーなど参加型の展覧会です。
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471名無しさんだよもん:04/05/21 20:25 ID:7G8OBdY9
GWも終わり、待ち遠しいのは夏! 今年のサマーメイクは、なんといっても“アイメイク”が主役。
なかでも、とびきり鮮やかなブルーやまばゆいばかりのゴールド、みずみずしいグリーンといったリゾートカラーが流行です。
春夏の新色や魅惑の限定カラーにも、注目3色が続々登場。誰よりも早く手に入れたら、スタンバイOK。
太陽の輝く季節に向けて、夏気分を加速させて!
472名無しさんだよもん:04/05/21 20:26 ID:7G8OBdY9


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Un cd rom permette di tradurre automaticamente schede di valutazione e giudizi... (Portale Regione Lombardia)

I minori in rete? Pollicini da seguire
Senza genitori sono allo sbando. Presentata la ricerca promossa da Symantec e Polizia Postale con il patrocinio del Ministero delle Comunicazioni e dell'UNICEF, per capire come gli 8-13enni italiani utilizzano internet... (Punto Informatico)

Internet, la Carta dei Minori
Dignita e riservatezza, liberta di espressione, socializzazione e gioco, educazione: questi alcuni dei principi ispiratori del documento messo a punto dal Consiglio nazionale degli utenti in seno all'Autorita TLC... (Punto Informatico)

Internet@Minori, i nuovi bollini italiani
Autoregolamentazione regolata: cosi viene descritto il nuovo Codice che dovra ispirare l'industria, pena le bacchettate di un organismo pubblico di controllo... (Punto Informatico)

473さくーちゃ ◆IxMsYG1EaI :04/05/21 20:27 ID:7G8OBdY9
・・・さて、本番いきます。
474さくーちゃ ◆IxMsYG1EaI :04/05/21 20:35 ID:7G8OBdY9
「おい、起きろ岡崎」

そんな声に目を覚ますと、目の前に金髪の男子生徒が立っていた。
「ん、誰だお前?」
「僕だよ、春原(すのはら)だよっ!」

「そう、彼の名前は春原文左衛門・・・」
「陽平だよっ!っていうか、誰にはなしてんの!?」
「人ならざるその外見から、宇宙人ではないかと誰もが噂するが」
「どっからどうみても人間なんですけどっ!」
「・・・わかったわかった。で、何の用だ?」
「用も何も、もう昼なんだけどね」

彼に言われて時計を見る。
なるほど、確かに午前中の授業は終わった時間だ。
「今日からお前の義姉が登校してるんだろ?
楽しみにしてるんだからな」
嬉しそうに春原が言う。
ああ、そういえばこいつ渚姉とは初対面だっけ。
475名無しさんだよもん:04/05/21 20:40 ID:TrbL9TKg
>>470-472はいったい何だよ・・・
476名無しさんだよもん:04/05/21 20:43 ID:XVTS52gk
もういいよ無理に書かなくて

昨日は怒濤のカキコに驚いたけど内容なんて見てないし レス消化しるだけで意味ないじゃん
自前ホムペで勝手にオナニーしてれば?
477名無しさんだよもん:04/05/21 20:48 ID:+BEKsdLj
>>474
内容はいいから、>>470-472までの詳細をおしえれ
「そっか、わざわざありがとな」
俺は礼を言った。
「じゃお前、帰っていいから」
「今来たばっかりだよっ!しかも一緒に行く気まんまんなんですけどっ!」
「いや、それはちょっと困るから」
「何が困るんだよ」
「だってせっかく病気が治って登校したのに、また寝込まれでもしたら・・・」
「僕は新種の病原菌か何かなんですかねっ!」

「・・・あのっ」
ふいにそんな声がして俺は振り返る。
「ね、姉さん?」
噂をすれば何とやら、渚姉の姿がそこにあった。
「朋也くんがなかなか来なかったので、迎えに来ました」
「えっ、この人が渚さん?」
春原が目を丸くして、
「へへへ、はじめまして。僕、春原って言います」
鼻の下伸びまくってるぞ、お前。
「ごめんな、姉さん。じゃあ行こうか」
「僕のことまるで無視っすか!?」
479名無しさんだよもん:04/05/21 20:52 ID:HCq2InRj
最近このスレ盛り上がってるな。
480さくーちゃ ◆WOifCuHRf6 :04/05/21 20:53 ID:7G8OBdY9
>>470-472
マイクテストw
・・・じゃなくて誤爆なんだけど。
481コテとトリップ:04/05/21 20:57 ID:xux3oGlH
>>480

頼むからこっちいってやってくんねえか?

隔離されるべきSSスレ
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1080227915/l50
482Dannalc〜4月14日・12:04/05/21 21:02 ID:7G8OBdY9
「おそーい!」

中庭に出ると、ふくれた顔をした藤林姉がいた。
彼女の妹と、ことみも一緒だ。
地面にレジャーシートを広げ、鍋料理とその具を並べて。
「って何故に鍋!?」
俺は思わず驚きの声をあげてしまう。
「今日はめでたい日なの」
ことみが口を開く。
「だから奮発してふぐ鍋にしたの」

それ奮発しすぎです、ことみさん。
っていうか、
「何か、ここでことみのウンチクが炸裂したら
違う学園の姉とキャラがかぶるよな」
「???」
「いやなんでもない、忘れてくれ」

483Dannalc〜4月14日・13:04/05/21 21:13 ID:7G8OBdY9
「ほらほら、主賓は早くここに座って」
杏に手を引かれて、渚がシート中央に座る。
「しかし、よくふぐなんて用意できたな」
俺が感心したように声をあげる。
「近所の海から取ってきて自分でさばいたの」
「え、たしかアレって毒があって、
免許持ってない人が勝手にやると、その・・・」
「春原くんは面白いから、からかいがいがあるの」
「すいぶん物騒な冗談すねっ!」

「本当はふぐと見せかけて、アンコウ鍋なの」
「でも美味しそうです。ことみちゃん、ありがとうです」
「感謝ならあたしたちにもしてよね。
ふぐほどではないけど高価な食材、みんなでお金出し合って食材買い揃えたんだから」
「そうなんですかっ?わたしなんかのために、有難うございます!」
「あ、それは禁止」
俺は思わず口を挟んでしまった。
「えっ?」
「姉さん今、わたしなんかって言ったろ?
そういうのからさ、変えていったほうがいいんじゃないか?」
「まあまあ、いいじゃないですか朋也くん」
藤林妹がふいに口を開く。
というより。
「あれ椋、いたんだ」
「朋也くんものすごく失礼です・・・」
いや、だって全然さっきから台詞なかったし。
484Dannalc〜4月14日・14:04/05/21 21:27 ID:7G8OBdY9
「いやー、しかし話には聞いてたけど本当に渚ちゃんは可愛いよね」
春原がご満悦といった表情でそう言う。
「そ、そんな事ないです。
ここにいる他の方のほうがもっと可愛いですっ」
真っ赤になって照れてしまう。
「そんなことないって、少なくとも僕の隣の凶暴な人より・・・ぐわっ!」
「あらごめんねー、ちょっと手が滑ったみたい」
どう手が滑ったら奴の顔面に広○苑が炸裂するんだ。
というか、何処から出したそんなもん。
「い、いやぁでも僕って岡崎ともいい友達なんだけどさ」
むっくりとおきあがる春原、今日の彼は打たれ強い。
その男気に免じて、今回は突っ込むのを免じてやることにした。

「僕と君ならいい友達、さらにそれ以上の存在になれると思わない?」
春原、ど直球。打たれ強さの源はそれかい。
「あっあのっ、確かに春原さんはとても良い人だと聞いています!」
渚姉は真っ赤になって声をあげた。
「でも、あたしよりもっとお似合いの方が現れると思いますっ」
そして直球を思い切り投げ返す。
「振られたな」
「振られたわね」
「振られましたか・・・」
「空振り三振でバッターアウトなの」

「見事にハモったすねっ!」
485Dannalc〜4月14日・15:04/05/21 21:37 ID:7G8OBdY9
「ねえねえ、ところでさ」
杏が明るく口を開く。
玉砕して隅のほうでノの字を書いている春原を尻目に、
俺たちは世間話でもりあがっていた。
「聞いた話なんだけど最近、校内に出るんだって」
「出るって・・・お姉ちゃん、まさか」
おそるおそる尋ねる椋。
「だんご大家族ですかっ」
渚が口を挟む。
「そう、可愛いでしょう・・・ってそんなモンが出るかぁ!」
「杏ちゃん、見事なノリツッコミなの」
感心したようにことみが口を開く。

「はい、だんご大家族は可愛いです」
・・・母さん、ここに空気を読めない子がいます。
「出るって、幽霊か?」
このままでは話が進まないので、俺が助け舟を出してやる。
「ええ、それもうちの生徒の制服を着た若い女の子なんだって」
ばかばかしい、と俺は思ったが、
とりあえず話だけでも聞いてみることにした。
486名無しさんだよもん:04/05/21 21:38 ID:3nFDez6B
>>470-472
こういう手で来るとはw
あの手この手で楽しませてくれるな。
ID見た瞬間吹いたわ。

でもそろそろ消えてもいいよぅ。
487Dannalc〜4月14日・16:04/05/21 21:48 ID:7G8OBdY9
自然の恵みそのままの色を楽しめる押し花の会、ふしぎな花倶楽部。
あなたのまわりの自然をアートにしませんか?

「・・・あ、ごめん間違えた。
これうちの母親の趣味のチラシだわ」
何か不思議なデジャブを感じるのは俺だけか。

「本当はこっち」
そう言って彼女が取り出したのは、校内の新聞部が配っている瓦版だった。
とりあえず目に付いた大きな文字だけを呼んでいる。

また出現か?謎の幽霊美少女。
木彫りの星を渡す行為に隠された意味は?

「今日び、東○ポでももすこしまともな見出し書くぞ」
そのチープさに呆れる俺だったが
「美少女!?」
その言葉に反応して声をあげた者がいた。
「どうした、金色の怪しげな物体H」
「俺、人間なんですけどねぇ!」
488名無しさんだよもん:04/05/21 21:54 ID:iPl/U3vT
なんで叩かれてるのん?
489Dannalc〜4月14日・17:04/05/21 22:00 ID:7G8OBdY9
とりあえず何やらうめいている物体をほおって置くとして。
何時の間にやら、俺以外のその場にいた者たちもその記事に読みふけっていた。
「ことみ先生、こういうのって科学的にどうなんでしょうか?」
「んー椋くん、これはとっても難しい問題だお」
・・・すいません、あんたら突っ込みどころありすぎて何を言っていいか分かりません。

「ま、とにかく」
杏が立ち上がって一同を見回した。
「これだけ話題になってる女の子に、
一度会ってみたいと思わない?」
「会ってどうするんですか?」
渚が尋ねる。
「幽霊ってのは、この世に未練を残した者が彷徨っている姿だと言われてるの。
だったら、願いを叶えて成仏させてやるのが本人のためだと思わない?」
「杏なら拳で成仏させられそ・・・ごばぉ」
命知らずな金髪の体が、その拳で吹っ飛ぶ。
「あんた、肉体はおろか魂ごと消滅させて欲しい?」
鬼のような形相で杏が言う。ああ、きっとこの女ならそれが可能だろう。
490名無しさんだよもん:04/05/21 22:05 ID:XVTS52gk
〉〉488
叩いてるっつーか面白がってるつーか

ちなみに今何人くらいROMってるんだ?少なくとも5人はいそう
491名無しさんだよもん:04/05/21 22:12 ID:2husXqz9
ネタとしてみんなで面白がっているだけだろ。
この隔離スレで本気でうざがっている奴なんているのか?
492名無しさんだよもん:04/05/21 22:13 ID:uzIYTwh9
活性化するならむしろ大歓迎かとw
493Dannalc〜4月14日・18:04/05/21 22:24 ID:7G8OBdY9
「渚はどう?会ってみたい?」
「はい、会ってみたいですっ」
「椋は?」
「少し怖いですけど・・・興味はあります」
「ことみは?」
「もちろんだお」
って言うか誰ですか、あんた?
「春原・・・は、この際どうでもいいとして」
「オンドルルラギッタンディスカー!!」
奴は意味不明の奇声を発した。
「・・・じゃなくて、聞けよ!」
「って言うか、美少女に反応してる時点で
返答は分かりきってるんだけど」
「え、いやそれは・・・へへへ」
「その笑いやめなさいよ、可愛くないから。
で、朋也は?」
え、俺?
「俺は・・・そうだな、お前らほどじゃないけど
少しは興味あるかな?」
「よし、じゃあ決まりね」
「な、何がだよ」
「決まってるじゃない、幽霊探索同好会の発足よ!」

「「「「な、なんだってー」」」」(AA略)

かくして、幽霊探索同好?会なる怪しげな部活が
その活動を開始することになったのだった。
494さくーしゃ ◆IxMsYG1EaI :04/05/21 22:25 ID:7G8OBdY9
ここで一旦CM,もとい休憩です。
0時から再開します。
495名無しさんだよもん:04/05/21 22:26 ID:WVERrW7R
正直、隔離SSスレでやってほしいんだが。
49685:04/05/21 22:30 ID:EU2nJa6k
 久々にカキコします。休憩中の暇つぶしにでもなればと。
 あいかわらずツマランのはご愛嬌。

春原と早苗さんの恋人ごっこ(?)が終わり一週間が経った。
芽衣ちゃんは実家に戻り、俺もいつもと変わらない日々に戻った。
ただ、当の春原は……

「岡崎、助けてくれっ!」
奴の部屋につくなり、哀れな声が飛んできた。相変わらず騒がしい奴だ。
俺はその原因が何であるかを知っているため、さして驚きはしない。
「も、もう恐ろしいパンにおびえながら生きるのは限界だー!」

古川パンを訪れた日以来、春原はオッサンの格好のターゲットになっていた。
(お前、早苗のことが好きなら当然早苗の作ったパン買ってくよなァ!?
 レインボーブレッドもおせんべいパンもヒトデパンも食って食って食いまくるよなァ!?)
(ひいぃぃぃぃーーーーーー!!!)
もっともオッサンの性格からして、早苗さんに近づいたことを本気で怒っているのではなく、
単に売れ残りのパンを減らすついでに、春原をいじるのを楽しんでいるだけなのだろう。
面白いので俺は傍観を決め込んでいた。
(朋也くんとお父さんってなんだかちょっと似ています。)
いつかの古川の言葉が思い出されて軽くショックを受けた。
49785:04/05/21 22:31 ID:EU2nJa6k
「岡崎、僕このままじゃあの人のパンに殺されるよっ!」
「大丈夫だ。お前はメイド・イン・チャイナだからな。
 そうなったら中国で大量生産されているお前たちがきっとお前の遺志を継いでくれる」
「…って意味不明っスね! ……ああー、今日はいったいどんな忌まわしいパンが届くのやら…、
 全部食べ切るまであの人帰ってくれないんだもんな」

(お父さん、今日はきなこパンを届けてやるって言って楽しそうでした。
 まるでいたずら好きな小学生の男の子みたいです。)
そういえば古川の話によると、今日はきなこパンだったな。
きなこパン…、爆発して煙幕がわりになったアレか…。南無三。
「春原、短い間だったけどお前と馬鹿やって過ごした日々はそれなりに楽しかったよ」
最後は笑顔で送ってやろう。それが強さだ。
死にゆく春原に…どうか、幸せな記憶を。
「最後にお前にふさわしい戒名を与えてやろう。……張作霖。」
「僕、爆殺されるみたいですねっ!」
「お、よく知ってたな」
世界史に限らず赤点以外とったことのないこいつのことだ。絶対知らないと思ったんだが。
「ああ、『こちらときめき☆学園』中国編にでてきたからね」
あのゲームブックのことか。
「昨日は雪野さんが蒋介石の亡霊と手を組むところまで読んだよ。
 これからどうなるのかと思うとドキドキハラハラして眠れないよね」
「ちなみにそいつ一番最初に殺されてたからな」
どんなストーリーだ。

…そうしてどれだけ時間が経っただろうか。
オッサンがあらわれた。大量のきなこパンを携えて。
「このパンに、未来を」
498嘘予告w(さくーしゃ ◆CAK.c5e62A :04/05/21 22:31 ID:7G8OBdY9
「さよなら・・・か」

また一人、消えていく命。
「いやぁーーー!」

その日、学園が血の海に沈む。

闇の世界、そこに隠された謎とは
「わかった」
「・・・」
「だから、早く冗談だと言ってくれ」

そして、銃声。
「たまには男らしい部分を見せる時もあるんだよっ!」

そして・・・

「そう、僕が・・・観測者だよ」

学園青春サスペンスドラマ、Dannalc。
葉鍵板にて好評連載中。
49985:04/05/21 22:32 ID:EU2nJa6k
いつしか俺たち二人は卒業し、離ればなれになった。
そうして、離ればなれになっても…
たまに思い出すのは、一度だけ春原に食わせた、パンだった。
自然に顔がにやけてしまう。
心地よかった。
爆発とか、そんなの関係なしに。
少し笑った後は、気分が休まっていた。
そうして、英気を養う。
またこれから過ごしていく日々の分の。
行こう。
俺はまた、立ち上がった。
ぼむっ!
黄煙が舞う。
「ひいいぃぃぃぃーーーー!!」
断末魔がきこえる。
そして、きなこの匂い。
500さくーしゃ ◆IxMsYG1EaI :04/05/21 22:32 ID:7G8OBdY9
あ、またやっちゃったスマゾ・・・
501コテとトリップ:04/05/21 22:40 ID:xux3oGlH
>>496-497>>499

前より密度薄くなっちゃってるけど、おまえなかなかおもしろいやつだな
502名無しさんだよもん:04/05/21 22:45 ID:cQPJosvu
>>500
おまえ、もうどっか逝けよ。
0時に再び来るって言ったから、>>85さんは投下し始めたんだろうが。
それを、またなんかつまんねぇもん書いてるし。
正直、お前のSSの内容なんてどうでもいいんだよ。
自サイトでも隔離スレでもどっか逝きやがれ。
503名無しさんだよもん:04/05/21 22:48 ID:2husXqz9
ここの更に隔離スレがあるのかよ。
排他的だな、おいw
504名無しさんだよもん:04/05/21 22:51 ID:jtBDdb1p
>>494
下書きレベルのものをダラダラと読まされても
苦痛なんですが。書いてる方は楽しいかもしれんが。
ちゃんとリファインしてからアップしてもらえませんか?
ライブでやりたいなら隔離スレでやって欲しいです。
505名無しさんだよもん:04/05/21 22:52 ID:cQPJosvu
506コテとトリップ:04/05/21 22:56 ID:xux3oGlH
手の平返しも楽しいのはわかるが、じゃまだからおまえらもいい加減にしてどっかいってな
507名無しさんだよもん:04/05/21 22:57 ID:2husXqz9
>>505
ほんとにあるし…
ここも隔離スレじゃなかったっけ?
508さry ◆IxMsYG1EaI :04/05/21 23:01 ID:XVTS52gk
要望どおり隔離いきますね♪本当はもすこしいてスレうめてから移動の予定でしたが
509名無しさんだよもん:04/05/21 23:05 ID:lUFp+NtY
>>508
どうでもいいが、ID変え忘れててるぞw
おまえ、自分で自分を煽ってたのなw
510名無しさんだよもん:04/05/21 23:15 ID:NL0fvvz9
よりによって、自作自演かよw
511名無しさんだよもん:04/05/21 23:26 ID:noUw+Ca2
偶々ID重なっただけでは?
良くある事だし

それはさて置き
ssスレでリロード出来ん奴は消えて欲しいのは確かだね
512名無しさんだよもん:04/05/21 23:27 ID:noUw+Ca2
下げ忘れた

質問だがここはsage推奨?
513名無しさんだよもん:04/05/21 23:29 ID:GmhjqbZI
もういいよ
514名無しさんだよもん:04/05/21 23:33 ID:z9QEJPXN
なんか俺今「ふふふ」って笑ってた。自然に。キモッ
515名無しさんだよもん:04/05/21 23:47 ID:EU2nJa6k
亀レスで申し訳ないが
>>◆28s26Q7ss2 氏 父と子
>>384 氏 最期の願い

個人的に超名作。
・゚・(ノД`)・゚・
早急に水分を補給せねば。

「最後の」でなくて
「最期の」願いだったのか。



516名無しさんだよもん:04/05/21 23:53 ID:UPxaWuIL
>>496
「古河」だからな。
517名無しさんだよもん:04/05/22 00:01 ID:vjo+c3Go
>>516
ぐはっ、やっちまった!
ご指摘感謝

518名無しさんだよもん:04/05/22 15:09 ID:bZqj1lzw
さすがに15時間もカキコがないのは寂しいな
519名無しさんだよもん:04/05/22 15:11 ID:jPJj6JSo
そうだな
520名無しさんだよもん:04/05/22 15:11 ID:eACKP3Ai
>>518
キャラスレに投入されてるのが多いのかね。
5211:04/05/22 15:15 ID:wHq2sC9H
ある日の放課後…
杏は朋也を探していた……そして……ドンドン…ガチャ…
部屋の中には春原がいた。朋也は…いない…そして…テレビ画面に何か写っていた。
春原「お、おぃっ……」
春原は杏を見ながら唖然としていた……下半身が裸のままで……
杏「あ、あんた何……!!っ…」
最初はなんて悪いタイミングで部屋に入ってしまったのだろうと後悔しそうになった
が、何かに気づくように春原の局部に目がいってしまう。
杏(……でかっ……)
杏は目の前にいる男のたくましい局部に驚くと同時に、少しだけいやらしい気分にな
ってしまった。
普段から杏と朋也は頻繁に行為をしていた。しかし、朋也の控えめなサイズのナニに
杏はいささか欲求不満を感じていた。
そして…バタン…ドアを閉める音…
春原「な、なんで入ってくるんだよっ」
杏「ねぇ…あんたってさ…ヘタレだと思ってたんだけどさ…というかヘタレなのは間
違いないんだけどさ…」
春原「あん?」
杏「少しは長所もあるのね」
顔を少し赤くして言う。春原のたくましいナニはちょうどヒクヒクしていた。
春原「おまえ…まさか…」
5222:04/05/22 15:16 ID:wHq2sC9H
杏「ねえ…せっかくだからいいでしょ…あたしがそれを慰めてあげる。」
杏は慣れた手つきで上着とシャツを脱ぎ、春原の前で膝をつく。
春原「なあ、ブラジャーも取って…オ、オッパイも見せてくれよ。」
杏「あ、う、うん」
ほんの少しだけ躊躇ってブラジャーをはずし、杏の少し大きめのオッパイが露になった。
春原「…わあ…あんたって結構大胆だったんすね。」
杏「…もう!…するわよ」
少しだけ顔を赤くして春原のものを咥えた。
杏「………ん…」
春原「うっ……きもちいいっす…」
杏「…うん……ふー…」
杏は初めて食べるご馳走を味わうかのように春原のナニにしゃぶりついている。
春原も突然の杏の奉仕と気持ちのよさで、すでに欲望が理性をまさっていた。
「………」
春原「俺…もう、出そうなんだけど……」
同時に杏は大切に咥えていたものを口から離し、顔を上げた。
杏「今度は、あたしを気持ちよくさせて…」
杏は下着を脱ぎ、春原の前で仰向けになった。
春原「…よし、いくぜ…」
5233:04/05/22 15:17 ID:wHq2sC9H
ずぶずぶ…
杏「…あ……ん…」
春原のナニが杏の膣を埋め尽くした。
杏「陽平、動かして…」
春原「ああ、言われなくても激しく昇天させてやるよっ」
春原の腰が素早く動き出す。
杏「ああ!…ん!あ…あん…」
春原は元々サッカー部で体力があった。腰の動きに激しさが増していく。
杏「ああっああっあっあっうんっあ」
杏の身体がのけぞり、快楽に満たされていく
いつもヘタレだと馬鹿にしていた陽平だが、今は朋也以上に頼もしさを感じていた。
杏「陽平っ!いいっ!もっと来て〜〜〜〜!」
春原は激しくリズミカルに腰を打ち付けている。
そして、快楽の波がだんだん押し寄せて来た。
杏は少しずつ頭に中が真っ白になっていき、もはや陽平のことしか考えられなくなっていた。
春原「はぁはぁ…俺…もう限界……」
杏「出してっ…陽平の精液…一番奥で、出して!」
杏は心から陽平を求めるかのようにして懇願しながら、春原のを強く締め付ける。
春原「…うっ……」
快楽が絶頂に達し、杏の一番奥に勢いよく放出した。
「………」
5244:04/05/22 15:18 ID:wHq2sC9H
春原「…はあ…はあ……」
杏「……」
二人は体を密着させたまましばらく余韻に浸り…
春原「…今日は、いつも以上に出ちまったぜ…」
杏「ねえ、実はね…今日、安全日かわからないの…」
春原「安全日?……え!マ、マジ?」
杏「ごめんなさい…あたし、頭の中が陽平のことでいっぱいになって…それで、陽平のこと、
すごく感じたくなっちゃったの…」
春原「……」
春原は杏の言葉に少し呆気にとられていた。
杏「ねぇ、もし、陽平の赤ちゃんができたら、あたし産むね」
春原「な、なにぃ〜〜〜〜〜」
いつもと少し違う杏の様子とその言葉に驚きを隠せずにいる。
杏「…フッ…嘘よ。…今日はちゃんと安全日だから…」
春原「そ、そうなんだ…はぁ〜」
春原は安心すると共に、ほんの少しだけがっかりしている感じだった。
杏「陽平、またしてね」
春原「……ああ…」
そして二人は抱き合ったままキスをした…。
その後、二度と朋也と杏が体を重ねることはなかった。
525名無しさんだよもん:04/05/22 15:25 ID:/L6sVVVe
朋也。・゚・(ノД`)・゚・。
526名無しさんだよもん:04/05/22 15:32 ID:ufhTfmau
>>521-524は春原
 
 
 
 
と思わせて実は椋。
527名無しさんだよもん:04/05/22 15:46 ID:wHq2sC9H
せっかくだからキャラスレにも貼っとくか
528名無しさんだよもん:04/05/22 15:51 ID:bZqj1lzw
杏はあんな尻軽じゃないやい
529名無しさんだよもん:04/05/22 15:53 ID:zCk5DsGQ
何でエロがあるのかと思ったら、エロスレ落ちてたんだ。
530名無しさんだよもん:04/05/22 15:53 ID:VwEgeuGc
ネタ以前に文章構成が酷すぎ
531名無しさんだよもん:04/05/22 15:57 ID:p975cLew
エロSSスレでなら歓迎されてたかもしれないけど、ここじゃぁちょっとなぁ。
もうちょっとドラマを設けてほしかった。
っていうか、台詞の前に名前かくのはほんとやめてくれ。
532名無しさんだよもん:04/05/22 16:03 ID:hhDWTBL+
DNML前提ならmそっちのがかなり楽だけどね。
533名無しさんだよもん:04/05/22 16:06 ID:Gpvl6jVH
534名無しさんだよもん:04/05/22 16:12 ID:wHq2sC9H
初めて書いたからな無理もない
535名無しさんだよもん:04/05/22 16:12 ID:VwEgeuGc
投下したからには言い訳すんな。
536コテとトリップ:04/05/22 16:12 ID:dBeaT0bj
>>521-524

結構笑えた

「…」使いすぎ。「、」で十分
「〜た。」多すぎ。演出を狙ってるわけでもなさそうだし、もう少し考えれ
総じて読みづらくて読むのに精神力が必要だった
でも笑ったw
537名無しさんだよもん:04/05/22 16:20 ID:wHq2sC9H
>>535
SSくらいでムキにならんでも。

てか、文章構成なんてどうやって勉強するんだろうか。専門学校でも行くんか
538名無しさんだよもん:04/05/22 16:21 ID:jPJj6JSo
うん。
結構叩かれてるようだが、俺も最近読んだSSの中では楽しめた方。
539名無しさんだよもん:04/05/22 16:30 ID:Rb3XgWgJ
>>531
>っていうか、台詞の前に名前かくのはほんとやめてくれ。

これ、なんで?
下手に名前消されて、識別のためにやたら口癖入れられるよりは、
名前ありで自然な会話を混乱なく追えるほうがいいけどね。
もちろん名前なしでもちゃんと追えるのが理想だけど、多人数の会話が錯綜すると
結局混乱するし、それを防ぐとなるといちいち発話者の説明文が会話の間に
挿入されてテンポが悪くなる。

結局好みの問題なんだからやめろとか言うのもどうかと思うよ。
540コテとトリップ:04/05/22 16:34 ID:dBeaT0bj
>>539

あほうの相手するなって。調子に乗ってイタタな反論してきたらどうすんのよ
541名無しさんだよもん:04/05/22 16:53 ID:HPoUmXny
>>537
別にそんな大掛かりなことをしなくても、
本を買うなり、ネットで検索してみれば結構出てくるよ。
それにプロの文章を模倣するだけでもかなり違うし、
要は学ぶ気があるかどうかじゃない?
別にSSって小説とは違うんだから名前入れたけりゃ入れてもいいだろ
ただ俺は文章力がないんだなーって思っちまうから嫌いですけど
オチには笑えたw
つーかさ、コテ出しちまったついでに言わせてもらうけどよ
◆28s26Q7ss2 の 父と子 ってなにがいんだ?
本文引っ張ってきて適当に味付けしてるだけじゃん
オリジナリティのかけらもないただの安っぽいメロドラマだろ
こんなもん絶賛してるあたり読み手のレヴェルの低下が伺えて鬱いよマジ
544名無しさんだよもん:04/05/22 17:12 ID:/L6sVVVe
>>543
あれ自演じゃなかったのか?
俺もお前と同意見だから自演と思ってスルーしてたが
545名無しさんだよもん:04/05/22 17:20 ID:xbuv07xO
>>543
True End後のことの次第がが分かった気がしてよかったが。
まあオリジナリティーを求めてSS読んでる訳じゃないんで。
安っぽいメロドラマでも感動できるんなら安上がりでいいじゃんか。

と、つられてみる。

確かに本文丸写しが多いのは気がついたが、話の展開上
どうしてもこうなるわけで、仕方がないと割り切ってしまったから
別に気にならんのです。
自演じゃない気がするわ
つーかさ、感想書いてくれるのはありがたいんだがなんでもマンセーすりゃいいって
もんじゃねえだろ
GJ,GJ言ってりゃいいってもんじゃねえだろ
もう少し葉鍵板らしい(単に悪口を言えって意味じゃねえぞ)批評的な意見も聞きたいもんだよ
>>545
珍しく釣りじゃないレスのつもりだったんだが
まあオリジナリティー求めないのは勝手だけどさ、本文の焼き直しがあんなに絶賛されるって
のはどうかと思うよ
主観的なこと言わせてもらえば、親父の心情なんか普通にプレイしてれば分かることじゃん
それをわざわざ語りなおして悦に入ってるのかと思うとやっぱ腹立つわけよ
548コテとトリップ:04/05/22 17:29 ID:dBeaT0bj
他人の感想にまでケチつけてんじゃねえよ・・・
自己顕示の場所くれえは選んでやってくれよ
なんでも自己顕示の一言で片付けるあたりオマエってボキャブラ少ないのな
俺は単にクラナド出てから板全体が盲目的になってる、出てきた作品をなんでも絶賛する流れ
が気に入らないってことを言ってるだけ
550名無しさんだよもん:04/05/22 17:38 ID:hhDWTBL+
あぼーん多杉
551コテとトリップ:04/05/22 17:39 ID:dBeaT0bj
そうですか、わかりました、よそでやってください。お願いします、人生ブラフ@智代タソ(;´Д`)ハアハアさん
てゆーか別にここのスレ君が仕切ってるわけじゃないでしょ
勝手にリーダー気取られても困るんですよ
目立ちたがりの小学生委員長みたいなレスやめてな
553名無しさんだよもん:04/05/22 17:44 ID:4TSEsHh+
寝取られだったらもう少し裏切る事への葛藤が欲しい。
背徳感がないのでエロがいまいちに見えてしまう。
554コテとトリップ:04/05/22 17:46 ID:dBeaT0bj
>>552

だからお願いしているわけなのですが。駄目でしょうか?
555名無しさんだよもん:04/05/22 17:57 ID:/L6sVVVe
てーかブラフも智代タン好きなら熱くなるな。わかったな?

そもそも他の人の感情にまで意見するな。
お前が面白いと思っても全員が面白いと思うわけでも無し
お前がつまらんと思っても全ての人がつまらんと思うけでもなし
だから一緒に智代タンにはぁはぁしてようぜ
556名無しさんだよもん:04/05/22 17:57 ID:qSF9kwFW
エロがあるのは全部だめってわけどもないけど、エロSSだとどうしてもエロの方がメインになっていてストーリーの流れとか構成が疎かになってるんだよな。
557名無しさんだよもん:04/05/22 18:03 ID:4TSEsHh+
ブラフもいたのか。
NG指定してるからコテトリが一人で暴れまくってるのかと思ったぞ。
558名無しさんだよもん:04/05/22 18:05 ID:cW/1jV5D
ああ、どうりで俺もあぼーんが連続してると思った。
559名無しさんだよもん:04/05/22 18:16 ID:NpBZswoc
>>556
おまえさん、エロビデオでストーリーまでじっくり見て批評するタイプ?
あーやっべーコテ出したのいってーな
暇だからSS書きますね♪
もう超のりのりで
562名無しさんだよもん:04/05/22 18:45 ID:qSF9kwFW
>>559
それ以前に俺はエロビデオやエロ本とかって見ない。
俺が愛するのは二次元だけ。
563ただいまセフレ募集中:04/05/22 18:51 ID:WmtIOTY2
 智代がフランスへ行ってしまった。なんでも卒業論文に書いたサルトルの思想についての考察が向こうの大学
に認められたらしい。困った。俺はどこに精液を吐き出せばいいんだ。
 ぶっちゃけた話、俺は智代意外の女とセックスかました経験がない。
 以前春原と試したことはあるがあれはいかんかった。春原の奴ろくに風呂にも入らないもんだから射精したあと
俺の男根は糞まみれ。むかついたからそのまま春原の口につっこんできれいにしゃぶりとらせたが二度とやりた
くねえ。
 こうなったら昔の知り合いを片っ端からあたってみるしかない。俺の今の職場には男しかいないから新しい出会
いなんか期待できんし。
 俺はさっそく市民図書館へと足を運んだ。
564名無しさんだよもん:04/05/22 18:53 ID:cQzztbkb
>162
或る意味漢だ、、、
565ただいまセフレ募集中:04/05/22 18:57 ID:WmtIOTY2
「いらっしゃいなの」
 ことみは受付で本を読んでいた。ガキどもがやかましく走り回っていたが気にならないらしい。
「ことみ、話がある」
「?」
「一発やらせてくれ」
 少し考えた後、ことみはコクリとうなずいた。
 流石に図書館の中で全裸になるのはまずいので、ストッキングと下着だけをおろす。
 なんかしらんがことみの膣口はすでに湿度200%って感じに濡れていた。
「・・・おっぱい舐めてほしいの」
「駄目だ」
 めんどくさいので俺はいきりたった男根をそのままことみの秘部に突き刺した。
「アウッ!!」
 前後に動き始める。大声は出せないので息遣いだけが荒くなる。それが楽しくてますます腰の動きを早める。 
566名無しさんだよもん:04/05/22 19:00 ID:1XPBmyDJ
すっかりネタスレになっちまったなw
567ただいまセフレ募集中:04/05/22 19:09 ID:WmtIOTY2
「おにいちゃんたちなにしてるの〜?」
 ガキの一人が興味深そうに俺たちの側へ寄ってくる。
「これは大人の遊びだ。おまえも混ざりたいか?」
「うん!!やりたい!!」
 騎上位の状態から体を反転させバックの姿勢をとらせる。
「おらガキ、ズボンぬげ」
「う、うん」
 こいつも成熟してないとはいえ立派なオスだ。俺達の行為を見て反応したのだろう。未熟なペニスは天を仰いでいた。
「ほら・・・くわえろよ」
 俺は腰の動きを弱めることなく、ことみの口を小僧のペニスへと押しやった。
「う、うわ・・・なにコレ・・・なんかおちんちんが変だよう・・・」
「小僧そのまま腰を前後に動かしてみろ」
「う、うん・・・うわ!!なんか・・・溶けちゃう感じだあ・・・」
 上下両方の口をペニスで塞がれながらことみは必死で鼻で荒く呼吸している。
 膣がキツく締め上げられた。
 ・・・そろそろ限界か。
「ことみ、イクぞ」
 コクコクと首を縦にふることみ。
「小僧、なんか飛び出そうだろ?そのまま出しちまいな」
「う、うん」
 ドピュッ!!
 俺と小僧は同時に白濁色の液体をことみの身体にぶちまけた。
 何匹ものなめくじがことみの身体を這いずり回っているように見えた。
 小僧は放心状態である。
「小僧、とっとと去れ。お母さんには内緒だぞ」
 小僧はすっきりした顔で駆けていった。
 ・・・さてと
「オマエそこのティッシュで自分の身体拭いとけな」
 コクンとうなずく。
「んじゃ俺行くから」
「またのご利用お待ちしてますなの」
568ただいまセフレ募集中:04/05/22 19:11 ID:WmtIOTY2
ちょっとメシ食うから休憩な
569名無しさんだよもん:04/05/22 19:13 ID:e7J6yzE+
>>537
いや、文章構成は悪くないと思うぞ。ちゃんと起承転結があったし。
問題なのは地の文の少なさだと思う。
葛藤とか情景描写とかは地の文のカバーする範囲だから、それが少ないと薄っぺらく感じる人が多い。
台本形式なんかは好みにもよるが、三点リーダーはできる限り排除してここぞと言うときに使うとかするとよりよさげ。

ま、何はともあれSSなんて書いた量で上手さが変わるからな。これにめげずガンガレ
570コテとトリップ:04/05/22 19:21 ID:dBeaT0bj
>書いた量で上手さが変わるからな

そうでもないやつもいるけどな・・・
うまいやつは初めてでもうまい。嫉妬したくなるほどに
んで書くごとに下手になっていく。同情したくなるほどにw
571コテとトリップ:04/05/22 19:22 ID:dBeaT0bj
すまん、討論スレと間違えた。忘れてくれろ
572名無しさんだよもん:04/05/22 19:28 ID:wHq2sC9H
>>569
三点リーダーとはなんでしょうか?
573564:04/05/22 19:29 ID:GGyAbDPJ
>WmtIOTY2
すまん
邪魔したな

結構辛口が多いな
筆が遅いから投下は先になるが
それによってスレの雰囲気が悪くなるのは嫌だな
出だしで長いから相当の長文になりそう orz
風子ss書いた人みたいに気持ち良く納められれば良いのだが
574名無しさんだよもん:04/05/22 19:30 ID:hn/WcbmD
なんか伸びてると思ったら荒れてるのな
575名無しさんだよもん:04/05/22 19:37 ID:cW/1jV5D
誰かエロSSスレ立ててやってくれ・・・
576名無しさんだよもん:04/05/22 19:39 ID:e7J6yzE+
三点リーダー→…… これのこと。
ちなみに文法的には……と二つ一セットで使うのな。
…とかはルール違反。
まぁそんなに口やかましく言うやつは少ないけど、覚えておいて損はない。
>>569
かなり胴衣。三点リーダの使い方って難しいよな
使いすぎるとうざいって言われるけど、便利だからついつい多用しちまう
地の文が少ないって俺もこないだ注意された
だから最近は多めにして投下してる
>>572
・・・
真剣ヤベッ……
579名無しさんだよもん:04/05/22 19:47 ID:hn/WcbmD
クラナドでも・・・ってよく使われてるこれは文法的に間違いなのかな?
……が正しいってこと?
580名無しさんだよもん:04/05/22 19:50 ID:SuOXhbUk
エロなら、コトに至るまでの過程や本編との整合性など、
そこら辺りの細かい事は気にしないが、せめて心理描写と
状況描写を増やすべきである。
体勢、感触、顔の表情を描写することによって圧倒的に
エロさが増す。会話だけでエロ書く奴が多いが、それはなんとも
気が抜ける。
581名無しさんだよもん:04/05/22 19:51 ID:HPoUmXny
WmtIOTY2
なんつーか、チャレンジャーだな。
他人のものをこき下ろした後に投下とは。
582名無しさんだよもん:04/05/22 19:57 ID:cPLON1sN
>>569
評論では偉そうなこと言って自分では何一つ実践できない評論屋って感じだな、おまえ。
583名無しさんだよもん:04/05/22 19:58 ID:720jaOQe
おまえら、ちょっとは落ち着けw
584名無しさんだよもん:04/05/22 20:01 ID:SuOXhbUk
居るよな。感想に対し、それならお前が書いてみろっていう奴。
585名無しさんだよもん:04/05/22 20:10 ID:FOFuh339
>>584
居るよな。感想と評論の意味がごっちゃになってて、的外れのこという奴。

いいなあこの雰囲気
なんかひさしぶりだなあ
もっと殺伐としろよてめーら
587名無しさんだよもん:04/05/22 20:12 ID:SuOXhbUk
>>585
感想と評論の意味をご教授ください。
588名無しさんだよもん:04/05/22 20:15 ID:zd1rs1pT
>>587
プッ
自分で辞書も引けない低能はガタガタ言うなよ
589固定名と一人キャップ:04/05/22 20:15 ID:dBeaT0bj
葉鍵板的SS討論スレッド Ver.24
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1078241263/l50
590名無しさんだよもん:04/05/22 20:16 ID:9C/AWM+Z
>>587
反応がガキそのもので楽しい奴だな、あんた
591名無しさんだよもん:04/05/22 20:20 ID:DqmFeR5Y
>>586
おめーも早く殺伐としろよ。
さっきコテトリに撃破された時みたいにな。
592名無しさんだよもん:04/05/22 20:20 ID:6r1T1+VW
プハハ
593名無しさんだよもん:04/05/22 20:20 ID:SuOXhbUk
前から言っているが、感想(評論?)が的外れだったり、意味不明なら
そこを指摘すればいいのに。本人には実践できないだろうと踏んでの
人格攻撃ってなんか意味あるの。

何が気に喰わないのか言ってみろよ。
>>591
コテトリってさっき俺がボコボコにした奴のことか?
>>593
頭の弱いアホな子は死んでクダさいってこったww
そんな泣きそうな声出すなよ(プ
596名無しさんだよもん:04/05/22 20:31 ID:+L6n/86H
>593
キショ・・・プゲラッチョ

>595
お前も臭いから近寄らないで
597名無しさんだよもん:04/05/22 20:34 ID:+L6n/86H
てか、このスレ臭すぎ。
お前らは素直にマンセーだけしてりゃいいんだよ。
意見たれようなんざ100年はええ。
文句あるなら自分で書いてみろよ糞
598名無しさんだよもん:04/05/22 20:37 ID:6r1T1+VW
イイ(・∀・)!!
599名無しさんだよもん:04/05/22 20:39 ID:RzAV3uAI
まんせー
600名無しさんだよもん:04/05/22 20:42 ID:720jaOQe
まんせー
601名無しさんだよもん:04/05/22 20:43 ID:+L6n/86H
なんだよジサクジエンばっかりじゃねえか、このスレ・・・・・・キショ
602名無しさんだよもん:04/05/22 20:45 ID:YJ3Mr3xb
GJ!!・゚・(ノД`)・゚・。
603名無しさんだよもん:04/05/22 20:46 ID:720jaOQe
>>601
僕は君が書いたSSが見たいな。
604名無しさんだよもん:04/05/22 21:17 ID:0SgdUtgC
僕も>601さんが書いたSSを読んでみたいな。(おめめをキラキラさせながら







( ´,_ゝ`)プッ
605老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 22:57 ID:RRFlgCQw
卒業式を控えた土曜の午後。
俺と春原は桜吹雪の舞う、坂の途中に立っていた。
「もうすぐ卒業、だな」
「僕、この学校を無事に卒業できるなんて思って無かったよ」
「俺だってそうだ」
成績最悪、遅刻常習者、
授業にもろくにでなかった俺たちがこの学校を卒業できるなんて、信じられないことだった。
俺と春原が無事卒業できた理由の一つとして、この学校の老教師、幸村のおかげだと俺は思った。
幸村は1年の頃の俺の担任だった。
俺が1年のころ真面目に授業にも出ず、ただ怠惰に過ごしていたとき、俺と春原を巡りあわせてくれた。
俺と春原は似た境遇だったからか、すぐに意気投合した。
俺は春原とバカをできるのがただ楽しくて、学校にだけは来るようになった。
それから3年間、俺と春原は一緒にバカをやって過ごしてきた。
俺にとって春原と過ごす時間は、他人にとってはバカらしくても、かけがえのないものだった。
黙っていたら不意に、春原が口を開いた。
「なぁ、岡崎」
「なんだよ」
「僕さ、いま幸村のこと考えてたんだ」
俺とこいつが同じことを考えていたなんて、珍しかった。
ましてや、春原が男のことを考えていること自体、珍しいことだった。
606老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 22:58 ID:RRFlgCQw
「奇遇だな、俺も考えてた」
「えっ、ほんと?」
「ああ」
「岡崎と僕ってさ、ほら親友じゃん?」
「俺はそう思ってないけどな」
「思いましょうねぇ!」
口に出すのは恥ずかしかったが、俺と春原が親友なのは自信を持って言えることだった。
まぁ、口に出すことなんて一生ないと思うが。
「・・・まぁいいや。僕は一生そう思ってますからね。
 それでさ、僕と岡崎が出会えたのってさ、幸村のおかげじゃん?」
「まぁな」
「僕さ、いままで他人を尊敬したことなんて一度もなかったけど、
 考えてみると幸村にだけはずっと世話になったなぁ、って感じるんだ」
「俺もだ。教師で尊敬したのは、幸村だけかもしれない」
そう思えたのは3年前、この学校で美術の教師をしていた伊吹公子さんから聞いた、幸村のことだった。
幸村はこの学校に来るまで近くの悪名高い工業高校で生活指導をしていたらしい。
607老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 22:58 ID:RRFlgCQw
そして6年前、幸村がこの学校に転勤した。
しかし、ここの学校の生徒は指導する必要がないほど、真面目だった。
もともと定年が近かった幸村は段々と窓際族となっていった。
そこで出会ったのが、俺と春原だった。
進学校ではあり得ない、不良という異質な存在。
俺たちに感ずるものがあったのか、幸村は俺たちによくしてくれた。
公子さんは言った。
「幸村先生、今年度で退職されるんです。
 岡崎さんとそのお友達の方が、幸村先生の最後の教え子になるんじゃないかと思ったんです」
もちろん、最後の教え子というのは、担任を請け負っているとか、そういう意味ではない。
第一、俺の3年の担任は幸村とは別人だった。
最後に世話を焼いた、という意味だった。
その幸村が教員生活をしていて、貫いたこと。
―――決して、学校を辞めさせない。
学校は人生の縮図。
その学校を途中で諦めたり、挫折してしまったら、人生に挫折したも同じ。
幸村は、生きることに挫折する一歩手前だった俺たちを、
『友達』という大きなきっかけを作ることによってレールに戻してくれたのだ。
たぶん、俺も春原も、互いに出会ってなかったら、退学していただろう。
俺はその日のうちにそのことを春原に話した。
春原は感慨深げな顔をして、考え込んでしまっていた。
608老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 22:59 ID:RRFlgCQw
「俺が公子さんから聞いた話、覚えてるよな」
「もちろんさ」
「俺たちがさ、最後の教え子だったんだな・・・」
「うん・・・」
ここまで話して、俺にはある『思い』が浮かんだ。
「なぁ、春原。俺、完全に卒業する前にどうしてもやりたいことができたんだが」
「奇遇だね。僕もだ」
「そうか?んじゃお前から言えよ」
「いえいえ、岡崎くんからどうぞ」
嫌な間が空いてしまう。
「んじゃ一緒に言うか」
「いいよ。んじゃいっせーのーで」

「「じぃさんに恩返しがしたい」」

顔を見合わせる。
「あははははっ!春原、お前柄にもないのな」
「ははははっ!岡崎、お前こそそんな柄じゃないっつーの」
「まったくだ、あはははっ!よし、いっちょ、やってやるか!」
「よし、岡崎、お前とやる最後のバカだ。派手にいこうぜ!」
こうして、俺と春原での卒業式での最後の大花火の決行がきまった。
609老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 22:59 ID:RRFlgCQw
しかし、『恩返し』と一言に言ってもいろいろある。
さて、何をするべきか・・・
「ところでさ、岡崎」
「ん、なんだよ?」
「『恩返し』ってなにすりゃいいのかな」
先生、ここにアホな子がいます。
呆れた目で見ていると、春原が弁解した。
「いや、僕さ、今まで親にも『恩返し』ってしたことないからさ、どうしていいのかわからなくて」
それは俺も同じだった。
いままで尊敬できる人なんていなかったし、ましてや親父に『恩返し』なんて考えただけで寒気がした。
ふたりで考え込んでいると、聞きなれた声がした。
「何してるの、こんなとこでぼーっとしちゃって」
杏だった。
「げっ、藤林杏」
「げっ、じゃないわよ、失礼ね」
「杏、いいとこに来た。実は相談がある」
「な、なによ。改まって」
杏は面倒見がいい。
俺たちの相談にもきっとのってくれるはずだ。
610老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 23:00 ID:RRFlgCQw
俺はこれまでのあらましを杏に説明した。
「なるほどねぇ・・・しかし、あんたたちが『恩返し』なんて、柄にもないわねぇ」
「大きなお世話だ。んで、いい考えあるか?」
「そうねぇ・・・歌を歌うなんて、どうかな」
「歌ぁ?」
春原が怪訝な顔をする。
「なにが悲しくて歌なんか歌わなきゃいけないんだよ」
「まぁ落ち着け。最後まで聞いてみよう。
 んで、杏、お前はどんな歌がいいと思う?」
「そうね、『仰げば尊し』なんてどうかな?」
「あおげばとうとしぃー?」
速攻で嫌そうな顔をする春原。
「んな古臭い歌、歌ってられっかよ。岡崎、ここはボンバヘッでいこうぜ!」
いや、ボンバヘッののほうがよっぽど合わないと思うが。
「あぁ!?」
睨みを利かせる杏。
「おまえ、ちょっと黙ってろ」
「は、はい・・・」
すぐに萎縮する春原。
チキンである。
611老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 23:01 ID:RRFlgCQw
「『仰げば尊し』か・・・中学生の時、卒業式で歌ったような気がするな。
 でもさ、あの歌ってさ、今はあんま歌われてないよな。昔は定番だったみたいだけど」
「そうね・・・でも幸村先生は昔からの先生だし、そのほうが喜ぶと思うわよ。
 それにさ、他の誰かが歌ってないからこそ、こころに染み入ると思わない?
 別にみんなで歌うわけでもあるまいし、あんなたちが好き勝手にやることなんでしょ?」
「まぁ、そうだな」
しかし、2人きりで歌歌うのもちょっとな・・・
あ、そうだ!
「杏、おまえも歌ってくれないか?」
「えぇ!?あたし!?」
いきなりの頼みにうろたえる杏。
「頼むよ。俺たち2人だけだとなんか心細い」
「だって、あんたと陽平の恩返しなんでしょ?」
「そりゃ、そうだが、お前だって、少なからず幸村に世話になってるだろ?」
「そりゃ、まぁ・・・そうだけど」
「頼む。この通りだ」
頭を下げる。
612老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 23:01 ID:RRFlgCQw
「はぁ・・・わかったわよ。でもあたし1人だと嫌だから椋も誘うけど、いい?」
「もちろん。人数は多いほどいい」
と、いうか、杏に頼んだ時点で、藤林が来るのは目に見えていたが。
「オーケー。んじゃ決行はいつなの?」
「卒業式の日。式が終わったら、在校生と教員に囲まれて、坂を下るだろ?
 そこで、幸村の前でやる」
「わかったわ。ちゃんと歌詞覚えておきなさいね」
「ああ。ありがとな、杏」
手をひらひらさせて、杏は坂を下っていった。
「おい、春原、もういいぞ」
隅っこのほうで縮こまっていた春原を呼ぶ。
「ん、もういいの?で、どうなった?」
「『仰げば尊し』を歌う。杏と藤林も一緒に歌ってくれることになった」
「杏はまだしも、委員長も?まぁ、いいけどね」
「ところで、春原、お前、『仰げば尊し』って知ってるか?」
「はっはっは!知るわけないじゃん」
前途多難であった。
613老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 23:02 ID:RRFlgCQw
卒業式の日になった。
今日まで俺は必死に『仰げば尊し』を練習した。
春原はなんだかんだ言いながらも、完璧に歌詞を覚えていた。
多分、俺がいない間も練習していたのだろう。
練習用の伴奏のテープは杏が用意してくれた。
音楽の教師に内緒で弾いてもらったのを、録音したらしい。
本番はアカペラで歌うのだが、うろ覚えだった俺や、
全くメロディーを知らなかった春原にはすごくありがたかった。
滞りなく卒業式は終わった。
クラスの連中との別れを済ませて、俺と春原は中庭にいた。
「なんかあっという間だったな」
「僕、拍子抜けしちゃったよ」
卒業式に出ても、何の感慨も浮かばなかった。
ただ、もうこいつとバカができないのが少し寂しかった。
しかし、俺たちにはまだ最後の大仕事が残っていた。
「杏と委員長、遅いね」
「あいつらは普通の奴らだからな。
 泣きあったり、アルバムに何か書きあったりするんだろ」
「ふーん、そんなもんですかねぇ」
それ以上は何も言わず、黙っていた。
もともと俺たちはそんなに友人は多いほうじゃなかったし、
いたとしても、そんなことはしないだろう。
614老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 23:02 ID:RRFlgCQw
しばらく歌詞の確認を頭の中でしていると、
「ごっめーん!遅くなっちゃった!」
「す、すいません・・・ま、またせちゃ、て・・・」
息を切らしながら、藤林姉妹がやって来た。
「別に急いで来なくてもよかったのに」
「ま、気にしないの。あたしたちがそうしたかっただけなんだから。ね?椋」
「そうです。岡崎くんが心配すること、ありません」
そう言ってくれると、正直ほっとした。
無理に俺が2人で頼んでしまっていたので、迷惑に思っていたか心配だったが、杞憂だったようだ。
「よし、行くか」
「あぁ、僕、なんか卒業式の本番より緊張してきちゃったよ」
緊張している春原は珍しい。
普段マイペースにしているせいか、その落差は如実に態度に現れていた。
「オッケー、今までで最高の歌にしてあげましょ!」
杏は気合十分だ。
これなら頼りになりそうだ。
「えと・・・わ、わたしも頑張ります」
多少頼りない感じもしたが、藤林も気合が入っているようだった。
そして、俺たちは桜吹雪のまう桜並木の坂へ向かった。
615老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 23:03 ID:RRFlgCQw
校門前には人だかりができていた。
下級生と教員たちが拍手で俺たちを迎えている。
校門は祝福する声と、拍手で賑わっていた。
部活の後輩、顧問や担任の教師、手を振り、振られる。
幸村は・・・いた。
少しはなれた場所にぽつんと立っていた。
誰も、幸村の元に寄っていく者はいなかった。
まるで、忘れ去られた銅像のようだった。
俺たちは顔を見合わせ、頷き合い、駆け寄った。
4人横一列に並び、一礼をする。
そして、誰にも聞こえるような大きな声で喋る。
「3−D、岡崎朋也!」
「同じく3−D、春原陽平!」
「3−E、藤林杏!」
「3−D、藤林椋!」


「「「「歌います!」」」」

616老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 23:04 ID:RRFlgCQw
『仰げば尊し我が師の恩』
周りががしん、と静まる。
しかし、俺たちには周りを気にしている暇などなかった。
『教えの庭にもはや幾年(いくとて)』
俺たちに触発されたのか、誰かが一緒に歌い始めた。
『思えばいと疾(と)しこの年月』
それにならって他の誰かも歌いだす。
『いまこそ分かれめ いざさらば』
教員たちも歌い始めた。
だんだん人が集まりだす。
『互いに睦(むつ)みし日頃の恩
 別るる後にもやよ忘るな
 身を立て名をあげ やよ励めよ
 今こそ分かれめ いざさらば』
もう、俺たちを笑うものなど誰もいなかった。
幸村を中心として、たくさんの生徒、教員が半円を作っていた。
そしてみんなが一つになり、『仰げば尊し』を歌っていた。
『朝夕なれにし学びの窓
 蛍のともしび つむ白雪
 忘れるるまぞなき ゆく年月
 いまこそ分かれめ いざさらば』
617老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 23:04 ID:RRFlgCQw
歌が終わった。
同時に湧く、大歓声。
俺たちはそれに負けない声で
「「「「ありがとうございましたっ!」」」」
この3年間の感謝の言葉を。
そして、幸村に礼をした。
抜けるような青空に響いた別れの歌。
去り行く老教師には、この歌がどう聞こえたのだろうか。
幸村は俺たちをぐるりと見渡した。
「ふむ・・・教員生活をしていて、幾度となく『仰げば尊し』は聞いてきたが・・・
 今日ほど素晴らしいものはなかった。
 ・・・ありがとう」
俺たちはその言葉に安堵し、笑い合う。
周りでは、沢山の生徒や教員が幸村に感謝の言葉をなげかけていた。
618老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 23:05 ID:RRFlgCQw
「岡崎、春原」
幸村が俺たちに話し掛けた。
「なんだよ、じぃさん」
「お前らは今日から社会人として、社会にでる。
 今まで過ごしていた世界とは全く違う世界がお前らを待っているじゃろう。
 しかしな、決して、諦めるな。
 学校は社会の縮図。
 お前らはこの学校で3年間頑張ってこれた。
 だから、きっとつらいことがあってもがんばっていけるはずじゃ。
 最後に・・・お前らの面倒を見れて、本当によかった。
 頑張りなさい・・・」
その言葉は俺と春原の言葉にどう響いたのか。
「あははは、春原、お前、泣いてんのな」
「岡崎、てめぇこそそんなぼろぼろ泣きやがって。子供かっての」
俺たちは子供のように泣いていた。
「じぃさん、俺たち、頑張るよ。
 だから、じぃさんも長生きしろな」
「僕らより、長生きしろよっ!」
そう言って俺たちは坂を下った。
人生において、本当の『師』と呼べる人間に俺たちは何人出会えるだろうか。
人によっては1人も出会えない人だっているだろう。
俺たちはこうして、はっきり尊敬できる『師』に出合えたことを感謝せねばなるまい。
桜が舞う坂の中、俺たちは小さくなる幸村にいつまでも手を振り続けていた。
619老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 23:06 ID:RRFlgCQw
いかがでしたでしょうか。
幸村エンド、アナザーって感じで作ってみました。
やっぱり、シリアスは長くなりますね^^;
感想お待ちしてます。
620名無しさんだよもん:04/05/22 23:06 ID:o7HWrUW4
涙が止まらねぇっす 。・゚・(ノД`)・゚・。
621名無しさんだよもん:04/05/22 23:06 ID:O86+vhOs
あー俺こういうの弱いんだよ畜生てめーグッジョブ



・・・は……にしとけ。
622名無しさんだよもん:04/05/22 23:08 ID:cW/1jV5D
>>621
お前雰囲気ぶち壊しすぎ
623名無しさんだよもん:04/05/22 23:11 ID:O86+vhOs
_| ̄|Σ  −=≡≡≡○

超ごめん
624名無しさんだよもん:04/05/22 23:11 ID:967KDUma
DNMLきぼん…切実に
625名無しさんだよもん:04/05/22 23:12 ID:EW9FJfss
こういう素朴なのいいんだよな。クラナドならではだな。
626名無しさんだよもん:04/05/22 23:35 ID:YYC+r5tN
エロスレ立てれなかった…
誰か立ててきて。こんな感じで。



クラナドエロSS専用スレッド


エロいSS投下の専用のスレです。

エロくないSSは、こちら
クラナドSS専用スレッド
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1084004163/
627名無しさんだよもん:04/05/22 23:37 ID:HPoUmXny
628名無しさんだよもん:04/05/22 23:38 ID:YYC+r5tN
>>627
サンクス

今書いてる奴仕上げて投下するよ〜。
629名無しさんだよもん:04/05/22 23:45 ID:65+OiPdr
>>619
原作の幸村エンドは唐突な感じなんで、こういう感じのも(・∀・)イイネ!!

でもこれは2chより公式のSS掲示板に投稿したほうが良い希ガス。
630名無しさんだよもん:04/05/23 00:37 ID:Xtq4GWoM
SSに小説作法を強要しようとしてるやつ、ウザいからやめとけ。
631名無しさんだよもん:04/05/23 00:48 ID:umt3bBEc
ゲームで……が使われるのは滅多にない。
そこだけ浮くから。
632名無しさんだよもん:04/05/23 00:54 ID:urRzMorO
>>619
俺こういうSS好きだなぁ。
俺的には原作より、こっちのほう好きだな。
あっちだと、幸村がみんなに感謝されないで辞めちゃうからね・・・
みんなに祝福されてた幸村はヨカッタ。・゚・(ノД`)・゚・。
633名無しさんだよもん:04/05/23 08:14 ID:q5hkfSaf
>>619>>624
んじゃ、漏れ作ってみるわ。>DNML

それよか誰か杏AfterのSS書くひといない?
DNMLスレでも杏ファンが切望のようだし(いや、漏れもなんだが)
既にどこかにうpされてたらスマソ・・・
634名無しさんだよもん:04/05/23 08:18 ID:Emp20+rL
>>633
がんがれ。蝶がんがれ。
最近、SSがDNMLに押され気味で、寂しいな。
635名無しさんだよもん:04/05/23 08:22 ID:IEf2KMaS
杏Afterって杏と朋也が再婚っていうかくっつくSSの事?
それを書こうと思ったら朋也の心境の変化に相当の理由付けが必要だよな。じゃなきゃ恐ろしく薄っぺらい話になる
そうすると必然的に長くなってここに投下出来るようなモノは書きづらいと思う
そのうち公式や誰かのサイトで出てくるのを期待したほうがいいんじゃない?
636名無しさんだよもん:04/05/23 08:25 ID:XPNzpHX+
なかなか簡単には書けなさそう>杏After
なんの障害もなくラブラブ話にするには、いろんなものを「なかったこと」に
しなければならないし(渚とか椋とか)、それではご都合主義のそしりを免れない。
かといって逃げずに真正面から書こうとすると、際限なく泥沼になっていきそうな悪寒。

ある意味SS書きの力量がもっとも問われる題材かも。我こそはという神職人の方、
がんがってください(ひとごとかよっ!)。
637名無しさんだよもん:04/05/23 08:27 ID:Emp20+rL
>>635
俺はTrue後、って意味でとったんだけど、そういう意味だったのか・・・
杏は一番好きだけど、正直再婚SSはあんま見たくないな。
素直に、True後の方、バカップルっぽくて、いいと思うんだけどな
638名無しさんだよもん:04/05/23 08:33 ID:IEf2KMaS
>>637
あ、ごめん。もしかしてそっちが合ってるかも
杏スレ覗いた事無かったんで本スレで時々言われてた再婚話の方かと思ったんだが
改めて>>633を見ると杏ファンの総意みたいだから>>637の方が正解っぽいな、スマソ

で、それなら結構書きやすいかも。特に障害も無いわけだから普通にその後を想像して書けるしね


まぁ俺は渚(;´Д`)ハァハァなんで他の職人に期待するだけだがw
639名無しさんだよもん:04/05/23 08:36 ID:Emp20+rL
>>638さんにはDNMLに是非「仰げば尊し」のmidiかなんかつけて、
一緒に演奏してもらいたいな。
俺、「仰げば尊し」って歌ったことないから、どんな歌か知らなかったけど、
いい歌だな。
640名無しさんだよもん:04/05/23 08:47 ID:q5hkfSaf
おお、朝食してる間にいぱーいレスが。
>>639
既にMIDのMP3化を済ませ組み込む気満々でつw

あと、杏Afterは再婚話じゃないほうでつ(いや、そっちも見たいけど)
ちなみに漏れは杏も好きだけど、一番はことみだったりw
641名無しさんだよもん:04/05/23 08:55 ID:Emp20+rL
>>640
おお、流石ですねw
やっぱり歌は話のキモですからねぇ。
期待してます!
642名無しさんだよもん:04/05/23 10:51 ID:umt3bBEc
今時の20台前半は、仰げば尊し知らんのか・・・
643名無しさんだよもん:04/05/23 11:11 ID:ASE+n70/
参照ttp://tamagoya.ne.jp/potechi/20030322.htm
俺が通っていた学校は小中高ずっとは公立だったけど、君が代は歌ったな。
仰げば尊しは小中高一度も歌わなかった・・・
俺、思うんだけど尊敬する教師にこういう歌を歌うことは悪いことじゃないと思う。
644名無しさんだよもん:04/05/23 12:39 ID:EPadhaMU
スレ違いだとは思うが、何で歌わなくなったんだ?
君が代と違って問題になるようなことはないと思うんだが。

それはそうと
>>633
がんばってください。
DNMLスレで待ってます。
645名無しさんだよもん:04/05/23 13:15 ID:XPNzpHX+
>>644
尊敬できるような教師がいなくなったからじゃね?w
646名無しさんだよもん:04/05/23 13:16 ID:4wAyWF/N
>>645
確かに最近キティなのが多いからな
647sage:04/05/23 15:36 ID:l+qVA8UZ
ことみ―THE WORLD IS BEAUTIFUL―


「あーもう、ちょっとは落ち着きなさいよアンタたちっ」
新しい遊具で遊べるのがよほど嬉しいのか、園児たちはきゃらきゃら騒ぎながら杏の制止も聞かずに広場を走り回る。
みんなで仲良く遊ぼうね、と教えたのにやっぱりきかん坊な子はいて、一人でその遊具を乗り回そうとして他の子と喧嘩になったり、とろい子はそれをしょんぼりと指をくわえて眺めていたり、そのうち喧嘩をしてた一人がきかん坊にぽかんと頭を殴られて泣きだしてまた大騒ぎ。
「ひっく、せんせ〜」
泣きべそをかきながら膝にかじりつく子供の頭を撫でてやり、とりあえず騒動の大本になっている遊具をきかん坊の手から取り上げる。
「あー、かえせよー」
生意気な口を利くきかん坊の帽子をぐいっと鼻あたりまで引きずり下す。急に目の前が暗くなってびっくりして走り出して派手にすっ転んだその子を立たせてやりながら、杏は遊具をぶんぶんと振って園児たちに号令をかけた。
「はーい、みんなちゃんと集まって」
一番騒いでいたきかん坊がおとなしくなったからか、園児たちはぞろぞろと杏の前に集まってきた。
「お車に乗る前に、先生からいくつか注意。よく聞くように、ね?」
「はーい」
「よし、それじゃまずはこのうさぎさんのお車なんだけど」
手押し用のバーがついた車の遊具を掲げながら説明をしようとした、その手がくいと引かれる。
「こぉら、これ以上先生こまらせないでね?」
例のきかん坊がまたいたずらをしようとしたんだろう、そう思って杏は少し怒り顔を作って後ろを振り返った。そこには。
「…うさぎさんなの」
初めて見るオモチャに目を輝かせる子供のような、彼女の同窓生の姿があった。
648sage:04/05/23 15:37 ID:l+qVA8UZ
「んしょ」
狭い台の上に腰を下ろし、パンプスの足裏で窮屈そうに地面を蹴る。ころころころ、と坂を緩やかに転げる車の上で、彼女は幸せそうに笑う。
「ほんと変わんないわねぇあんた」
スピードの出しすぎでひっくり返って泣き出す子の服の泥をぱんぱんと払ってやりながら、杏は苦笑いを浮かべる。
「乗ったこと無いから、楽しいの」
代わって代わってと騒ぐ園児に車を譲り、今度は後ろからそれを押してやる。華奢とはいえ大人の力は強く、園児たちが登ろう登ろうとして失敗ばかりしていた砂山の頂上まであっという間に登りきってしまう。
「おねーちゃんすげー」
「かいじんだー」
「かいじゅー」
「私、怪獣じゃないの」
園児たちの賛美に困ったような表情を浮かべる彼女の様子に、ぷっと吹き出しそうになる。
「? どうしたの、杏ちゃん」
「ううん、安心しただけ。あんたもう何年も向こう行ったっきりだったじゃない? すっかり変わっちゃってるかなって思ってたから」
「???」
変わる、という意味が取れなかったのか、小首を傾げる。
外見は確かに変わった。
背は伸びて、ますます体型も顔つきも大人っぽくなって、髪飾りを外した黒髪をきっちりとまとめて瀟洒なサマードレスを着た彼女は、まるで良家の子女のような趣きで杏の前に現れた。
だけど、こうやって幼稚園児たちと違和感なく戯れられる幼いところは、一緒に登下校をしていたあの頃のままで。
「かいじゅーおねーちゃん、ぼくのもおしてー」
「ほんとに、怪獣じゃ、ないの」
相変わらず困ったような表情を浮かべながら、それでも園児の乗った車を押してやる。その脇に何人も子供たちが寄ってきて、一緒によいしょよいしょと頂上まで押し上げる。
「しんじくんおもいー」
「でぶー」
「うるせー」
「ほんとに重いの」
頬を赤くして力をこめて押し上げ、ふぅと息をつく彼女の横で、園児たちが歓声をあげる。
「やっぱねーちゃんすげー」
「だいかいじゅー」
「………」
とっても不満そうな顔をする彼女の様子に、彼らは朗らかな笑い声をあげた。
649sage:04/05/23 15:39 ID:l+qVA8UZ
『理解しがたいな』
『ああ』
昼下がりの幼稚園には不似合いなダークグレーのスーツを着た彼らは、ラボの同僚の様子を面白くなさそうに見やっていた。
「一ノ瀬の同僚の方ですか?」
目ざとくこちらを見つけたのか、野暮ったいジーンズ姿の保母がこちらに愛想笑いをして寄ってくる。まるで乞食でも見るかのように眉をひそませて、彼らは彼女に吐き捨てた。
『失礼だが、あんたはコトミの知人かね?』
「?」
英語が理解できないのか首を傾げる保母に心底落胆したような表情をしてみせる。
『ますます理解しがたいな。あのコトミがこんなレベルの人間と付き合うとは』
『しかも何の役にも立たぬ才も持ち合わせぬ人間の幼生と時間をつぶすなど、およそ科学者としてありえん態度だ』
『なぁ、君もそう思うだろう?』
「あ、えーと、その」
あちゃー、と言う顔をして困ったように頭をかく。言葉が通じない客の相手は苦手だった。とりあえずイエスと言っておくべきか迷ったが、何を聞かれたのかわからなければそれも失礼と言えば失礼だし。
「キャ、キャンユースピークジャパニーズ?」
もろにカタカナ英語になってしまう言葉に、二人の客は小ばかにしたように鼻で笑いを返すだけだった。
「と、とりあえず立ち話もなんですし、こちらへどうぞ」
遊び場の隅にしつらえられたベンチに案内して、とりあえず座ってもらう。くだんのことみはまだ園児たちに混じって遊んでいた。
「ちょっと待っててくださいね。お茶をお持ちしますから」
ぺこりと頭を下げて給湯室へ駆けて行く保母の後ろ姿を見送り、彼らは憮然とした表情を浮かべていた。
『痴呆的状況とでも言うべきか? いや、ある意味のユートピアなのかな?』
『まぁそう言うな。現に彼女の弁論には誰一人太刀打ちできていないではないか。その理由を知りたくてここに来たのだろう?』
『人生経験が学術に影響を与えるなど、何の確証も無い俗説だというのが良く分かるな。思えばドクター・イチノセも最後の最後に科学者である事を放棄した人間だった』
『ああ。よりにもよって遺した血族があれではな』
650sage:04/05/23 15:41 ID:l+qVA8UZ
言葉が通じていれば、おそらく杏は髪を逆立てて激怒していたであろう内容の事を好き勝手話しながら、二人は彼女が持ってきたお茶を礼も述べずにすすり、熱さに顔をしかめてまた何事か文句を言っていた。
そもそも彼らに日本への同行を進めたのはことみの後見人である紳士だったが、彼は理由がわからず首をひねる二人に真顔でこう言ったものだった。
《世界の美しさを知りなさい》
『教授。これが美だと言うなら、貴方の目もいよいよ怪しくなってきたと言う事ですかな』
再び車にまたがって、膝の上に園児を乗せて笑いあうことみを汚いものでも見るかのような目で見ながら、彼らは恩師とも言うべき紳士に冷笑を送った。


「何よあいつら、ことみの知り合いだからってお茶とか出したのににこりともしないのよ?」
「う〜ん、お茶が熱かったとかじゃないのかな」
夜勤明けの仮眠から起きたばかりの椋は、姉の剣幕にいつもの控えめな笑顔を浮かべて頷いた。
「しかも日本語ひとっことも喋んないし。そのくせこっちが話す事にいちいちいや〜な笑い方すんのよ、絶対根性ひん曲がってるわよもう」
「お、お姉ちゃん」
久々と言うべきか、高校時代そのままの杏節に圧倒されつつも、頬には笑みが浮かんでしまう。何だか、不思議と懐かしい。
「うっげー、まっじー」
「おなかいたくなるー」
「そ、そんな事無いです。ちゃんとしたパンの味しますっ」
折りしもおやつ時となった広場ではパンを山ほど抱えてきた渚が園児たちにそれを配り、まぁ何と言うか、予想通りの評価を受けていた。
「やほ。今日は何持ってきたの?」
「あ、はい。ことみちゃんの大好物と聞いていたので」
そうやって見せられたのは、アップルパイだった。いや、かろうじてアップルパイとは言えるものだった。
「あんたんとこのパンって、ほんとオリジナリティに溢れてるわよねぇ」
一口食べてみて、杏は何ともいえない表情を浮かべた。皮付きのままのザク切りで生地に練りこんで焼いたものだから、火の回りが不均一で皮の部分は焦げていた。
しかしその下の生地は生のままで、隠し味のつもりなのか下に敷かれたリンゴ飴のような赤い水あめの層がガチガチに固まって全体のサクサク感を台無しにしている。
651sage:04/05/23 15:42 ID:l+qVA8UZ
「早苗さんが張り切るのは分かるんだけどね」
「あぅぅ」
友達が久しぶりに帰ってくると聞いて、多分娘以上に喜んだんだろう。凝りに凝りまくったパイ表面の飾りつけを見るだけでもそれはありありと分かった。
「ま、いいじゃない。こういうのは気持ちが大切よ。それにことみだったら」
「とってもおいしいの」
不平を言う園児たちの輪の中でアップルパイをもぐもぐしながらぽつりと言うことみの様子にみんな一瞬あっけに取られ、そしてあまりと言えばあまりなタイミングの良さに大笑いしていた。


「せんせー、さよーなら〜」
「かいじゅーねーちゃん、またね〜」
「さよ〜なら〜」
母親に手を引かれて帰っていきながら、ぶんぶんと手を振る子供たちにこちらも手を振りかえす。徐々に色濃くなっていく夕焼けの中、広場は昼間のにぎやかさを無くしてどこかがらんとしていた。
「みんなとってもとってもいい子」
彼らの後ろ姿をじっと見送っていたことみは、そう呟いて一人頷くと、ね? と同意を求めるかのように杏たちの方へ顔を向ける。
「当たり前じゃない。あたしが先生やってんのよ?」
砂埃にまみれた頬をタオルで拭きながら力強く頷き返す杏に、嬉しそうに笑みを浮かべ、彼女はベンチで二人話しこんでいる同僚の方へ呼びかけた。
『あの、これから同窓会をするんです。良かったら貴方方もご一緒しませんか?』
折りしも宇宙論について熱く語り合っていた二人は、その申し出に目を丸くした。
『これ以上貴重な時間を浪費するつもりですか、ドクター』
『そんな茶番よりも早くドクター・イチノセの遺稿を拝見したいのですがね』
『……』
ことみの笑顔が少し引きつった気がした。言葉はわからなかったが、彼女がひどい事を言われたらしいのは杏たちにも伝わった。
「ちょっとアンタたちっ」
「お、お姉ちゃん」
血相を変えてくってかかろうとする杏を、慌てて椋と渚が止める。
「杏ちゃん、大丈夫なの」
穏やかで落ち着いた声で、ことみは言った。どこかさびしげな表情で首を振って。その仕草に、三人とも言葉を無くす。
ああそうだ。彼女は今学界と言う別世界で生きているんだ。高校時代と変わらないあの笑顔の裏で、やはり辛い思いはあったんだ。でも昔のように涙はこぼさずに、毅然として、少しさみしげな、そんな表情で。
652sage:04/05/23 15:43 ID:l+qVA8UZ
「………」
「よ、どうしたよみんな黙りこくって」
押し黙ったままの三人の後ろから、声がかかった。その声音に、ことみがぴくっと身を震わせた。
「遅いじゃない。待ち合わせ時間忘れてたんじゃないでしょうね」
気まずくなった雰囲気をまぎらわすように髪を乱暴にかきあげながらの杏の言葉に、作業着姿の男は口を尖らせた。
「残業が入ったんだよ。それに今日は同窓会だろ? 手ぶらもどうかと思ってさ」
言いながら両手に提げていたビニール袋いっぱいのお菓子やらお酒やらを見せる。
「あ、しくったな。お菓子は古河ん家のパンがあったか」
「いえ、多いに越した事は無いです」
「ええ」
「よっし、そいじゃぱぱっと片付けていっちゃおっか」
笑顔を浮かべて宣言すると、杏は忙しく広場に散らばったゴミやら遊具やらを片付け始めようとして、そしてふと立ち止まった。
「ことみー」
「…」
ぴくりとも動かない彼女をくい、と肩を持って半回転させてやり、真正面に立たせてあげて、ぽんと背中を押す。
「はい、これでよし」
ウィンクを残して広場へ駆けて行く杏の様子に苦笑いを浮かべて、男はかすかにうつむいたままのことみをじっと見やっていた。
「……」
何か言おうと口が動く、閉じる。唇が軽く噛みしめられる。何を言おうとしているのか、どう言おうとしているのか、自分でも良く分かっていないような。頬が紅潮してくる。久しぶりに見た気がする、そんないっぱいいっぱいなことみ。
「ことみ……ちゃん」
だから開けてあげる。はっと顔をあげる彼女。かすかにうるんだ目で男を見上げて、たどたどしく、でもはっきりと。
「ただいま……朋也くん」
「おかえり、ことみ」
こぼれるような笑みが、彼女の頬に浮かんだ。
653sage:04/05/23 15:44 ID:l+qVA8UZ
「えーでは、みなさんお待たせしました。これより一ノ瀬ことみwith元演劇部アンサンブルをおこないまーす。カスタネット、渚、トライアングルは椋です〜」
ぱちぱちぱちぱち。
「拍手ちっちゃいわよそこぉっ!」
「んなこと言ったって一人しかいねーんだからしゃーねーだろ」
「あのね朋也。この演奏の意味分かってる? これはもう三年もアメリカ行っちゃって帰ってこなかったことみがただいま〜ってアンタだけに演奏するラブソングなのよ? 血走るぐらいな拍手と白目むくぐらいの絶叫で応えてあげるのが筋ってもんでしょうが」
楽器演奏がラブソングというのかどうかいやそれ以前に血走ったり白目むかれるのはいいことなのか?という疑問が朋也の頭に浮かぶが聞かない事にした。
「いい? 肝に銘じて聞くよーに」
「わかったからさっさと始めろ」
演奏はともかくとして、杏のマイクパフォーマンスで近所から苦情が来たら笑えない事態になりそうだった。
庭に設えられた特設ステージの上で緊張の面持ちで楽器を構える三人の前に座る。耳栓持ってくるべきだったかな、などとちらと思ったが、久しぶりの彼女の演奏は良いにしろ悪いにしろ、聞いておいてやりたい気もしていた。
「それではどうぞ〜」
杏の合図で、演奏は始まった。きぃ、と硬質の音が弦から漏れる。そして。
『な、何だこの音は?』
『地鳴りか?』
同窓会をする、という家主の誘いを断って博士の書斎で論文を繰っていた二人も慌てて辺りを見回すような怪音が響き渡った。
654sage:04/05/23 15:45 ID:l+qVA8UZ
「お前、ほんと演奏も変わらないのな」
「………」
正直な感想だったが、とっても不満そうだった。
「いいじゃない、下手に小器用な演奏よりずっと心に残るわよ」
「そう言う台詞は耳栓外してから言えよな」
「つけてないわよ?」
「その握り締めた手は何だ」
「何のことかしら?」
あさっての方を向く杏の様子にこれ見よがしにため息をつきながら、朋也はヴァイオリンを大切にケースに仕舞うことみの様子を眺めた。手つきや仕草は本当に昔のままだが、確かに、本当に、綺麗になった彼女。
「もう、三年になるんだよな」
「アンタも早く迎えに行ってやりなさいよ」
感慨深げにつぶやく言葉に、杏が突っ込みを入れる。だが、それに対して朋也は複雑な表情を浮かべた。
「まぁ、迎えに行ってやりたいのはやまやまなんだけどな」
「? 煮え切らない事言うわね、外国だからって尻込みする気?」
「いや、そうじゃなくて」
そう言いながら、綺麗に刈り揃えられた芝生の上を素足で歩くことみの姿を見やる。
「約束したんだよ。この庭は俺が守るって」
ああ、と杏は得心がいったように頷いた。
「家政婦さんでも管理人さんでも置いとけば、てわけにはいかないわよね」
同じようにことみの様子を見ながらつぶやく。
世間的には一ノ瀬ことみといえば理論物理学界を騒がせ続ける俊英、らしいのだが、こうしてくまのぬいぐるみを抱いて芝生に座って、椋やら渚やらと談笑する姿は本当に柔らかで頼りなさげな、一人の少女にしか見えなかった。
それこそ戻ってくるこの庭が無くなってしまったら、そのまま消えていってしまいそうな。
秘密の花園。児童文学か何かで読んだ物語を、杏は思い出していた。
「それにさ」
少しトーンが上がった隣りの声に、杏はん? と首をかしげた。
「あいつも約束してくれたんだ」
絶対、ただいまって言いに来るから。
我慢しようとする端から涙が溢れてこぼれて、今すぐにでも朋也の胸に飛び込んでしまいたい弱い自分と必死で戦いながら、ことみはそう言った。そして、まだ泣きっぱなしの顔でにっこりと笑ってゲートをくぐっていった。あの時の彼女の決意を、朋也は今でも信じている。
「ふーん」
気の無い返事をしながら、もう一度ことみの方を見やる杏の頬には、安心したような優しい微笑が浮かんでいた。
655sage:04/05/23 15:47 ID:l+qVA8UZ
カルアミルクを二つ提げて隣りに座った朋也に、ことみはほわ、とした表情を浮かべた。
「おうちも、お庭も、綺麗にしてくれて、ありがとう」
芝生に放り出した素足をぱたぱたと動かして、本当に幸せそうに笑う。
「仕事の合間だからあんま丁寧にゃできないけどな」
ううん、と首を振る。
「とってもとってもうれしいの」
くぴ、と一口すすって、アルコールに少しむせて、そして頬をぽっと赤らめる。
そんな彼女の体温を肩に感じながら、夜空を見上げる朋也の目に映るのは、いつもと変わり映えしない、町の明かりに少し煙った星空で。
でも、そんな空を、素直に美しいと思った。
「〜♪」
ほろ酔い加減の彼女がメロディーを口ずさむ、さっきの演奏会のナンバー。調子が合っているようでどこか外れているそれに合わせて朋也も口ずさむ。
音譜なんて分からないからそれは意味なんてない単語の羅列で、だけどその二つのメロディーは綺麗に一つに合わさって、静かに、しっかりと夜空へと吸い込まれていった。


“The world is beautiful”
『証明の無い言葉だ。何の確証も無い』
『気安くもある。我らは気安くあってはならないはずだ』
書斎では一ノ瀬博士の論文を前に、まだ二人が言い合いを続けていた。ほんのそこにある、見える、美しい世界からは目をそらしたままで。
「しっかし、お酒の一杯ぐらい飲んできなさいよね、あいつらは」
頑迷な科学者たちのいる書斎を見上げ、ついで酔っ払って何やら口ずさんでいる朋也たちを見やって、杏はやれやれと首を振った。
その隣りの椋と渚は、本当に微笑ましい光景を見ているように、二人の後ろ姿に目を細めていた。


end
656名無しさんだよもん:04/05/23 16:35 ID:4G2Ki1+y
科学者UZEEEEEEEEEEEEEEEE
657名無しさんだよもん:04/05/23 16:36 ID:CFTxicd1
あぁ、いいな。
というか、杏主人公だな。カコイイ。
658名無しさんだよもん:04/05/23 16:55 ID:pbePKl5K
ことみシナリオは、ことみが権力ある頭脳集団に飼われてると深読みして、
後半の展開に怯えながらプレイした記憶があるな。上のSS読んで思い出した。
659名無しさんだよもん:04/05/23 17:15 ID:2OpJ41Ih
>>655
いいね。
けどちょっとごちゃごちゃしてるかな。
登場人物多いんで、誰が喋ったのかよく把握できない。
会話の間にもう少し地の文を入れたらもっとよくなった希ガス。
なんにしても、ようできてるんじゃないか。
Good Job
660名無しさんだよもん:04/05/23 17:22 ID:2OpJ41Ih
あと改行が少ないような希ガス。
行を取らない様に工夫したんだろうけど、ちょっと読みにくいかな。
すいません、気になったもんで。orz
661名無しさんだよもん:04/05/23 18:16 ID:umt3bBEc
最近、批評とマンセーの割合が逆転してるな・・・
悪いわけじゃないんだが、作者のモチベーションの維持が大変そうだ。
662Psy10(633):04/05/23 18:23 ID:q5hkfSaf
DNMLスレに投下しました。

漏れ文才ないのでSS書ける人うらやましいわ。
(もっぱら作曲とプログラミング)
気に入った作品はまたDNML作るので、皆さんがむばってくだされ。

663名無しさんだよもん:04/05/23 18:47 ID:JrGgHnBr
>sage氏
ナイスジョブ!
良い物を読ませていただきました
物語として完結して無いような気もしましたが

自らを高尚な者としている愚な輩には
ことみの居る美しい世界は永劫理解出来無い

と思う事にします


気になった点は先に言われてますが
改行が足りない ですね
上手く改行して読み易い文章にするのが良いかと
レス移動で切れるのを場面や時間の移り変わりに
使うのも良いかと思います
会話に関しては特に気になる物は無かったですね

これからの活躍を応援します
664sage:04/05/23 20:20 ID:l+qVA8UZ
拙作をお読みくださった方々、ありがとうございました。返信が遅れて申し訳ありません。
双子の時も風子の時も、皆様のレス拝見させていただき、大変励みになりました。
改行について、文章のごちゃごちゃについて、改善していかねばならぬ点が多いなと改めて確認させていただいております。重ね重ねありがとうございます。
665名無しさんだよもん:04/05/23 21:12 ID:+PSdz66V
sage氏グッジョブ
謙虚な姿勢で更にグッジョブ
666624:04/05/23 21:41 ID:XukLuxEg
>sage氏
わがまま聞いていただき感謝です
667名無しさんだよもん:04/05/23 23:32 ID:9JBaRWdI
プルルル・・・プルルル・・・ ・・・

「はいよ、今日も繁盛 古河パン屋とはうちのことだぁー」
『〜〜〜。』
「なんだ、お前か・・・久しぶりだな、どうかしたか?」
『〜〜〜。』
「あぁ、みんな元気にやっているぞ」
『〜〜〜、〜〜。』
「・・・いや・・・うちはもともとパン屋だから間に合っているぞ。」
『〜〜〜。』
「新作の自信作だと言われてもな、うちには早苗の〜」
『・・・。』
「なにぃ早苗宛てにもう送ってある?」
『〜〜〜。』
「・・・そうかよ・・・。・・・・・・ありがとよ・・・」
『ツー。ツー。・・・』

妻のパンと妹のジャム・・・
俺はパン屋としてなにか間違いを犯しているのではないか?
そう思うときがある。

あの空の向こうに行ってきたいぜ。・・・ちくしょう。
668名無しさんだよもん:04/05/23 23:38 ID:W4oZ93R+
>>667
ワロタ

どっちもまともに食えないってことで共通だな。
669二人の思い:04/05/23 23:44 ID:+PSdz66V
「もう2ヶ月だ」
「何が?」
「渚が倒れてから」
「ああ、もうそんなに経つんだ…」
そう、もうそんなにも時は過ぎていた
渚のいない学園生活がこんなにも退屈で、意味の無いものに思えてしまうなんて知らなかった。
こうして春原と毎日を惰性に過ごしていたら、知らず知らず時は流れていた。
「でも、毎日会ってるんだろ?」
「まぁな…様態はあまり思わしくないが」
「お前が渚ちゃんのことどれだけ好きなのかはわかってるつもりだけどさ…」
「焦っても何も解決しないぜ?」
「誰が焦ってるなんて言ったよ」
「お前の態度見てればわかるよ、どうせ授業中も渚ちゃんの事考えてるんだろうし。」
正直、図星だ。
「お前の心配が、逆に重荷になってるのかもしれないんだし」
「まぁこれ以上は二人の事だから言わないけどさ…」
「………」
俺の心配が渚を早く治そうと焦らせているとでも言いたいのだろうか、こいつは
だとしたら、俺は何をすればいい?寝込んでいる渚をただ傍観していろとでも言うのか?
これ以上、何も出来ないのはまっぴらだ
俺はチャイムが鳴る前に席を立った
「おい岡崎!どこ行くんだよ」
「フケる、じゃあな」
670名無しさんだよもん:04/05/23 23:46 ID:+PSdz66V
教室を出ると春原の声が聞こえたが聞き流した
「渚…」
そして俺は足早に学校を出た。
特に目的は無かった、じっとしていたくなかっただけだ。
だから俺はあても無く歩いていた。止まると色々と考えてしまいそうだったから立ち止まらなかった。
(何をやってんだろうな…俺は)
少しして信号に差し掛かった、赤信号なので嫌でも足を止めなければならない。
当然のことなのに、今は酷く苦痛だった。
早く変わってくれと顔を上げると、見慣れた顔が車の窓越しに映った。
渚だった

「な…渚!?」
口よりも先に足が動いていた、赤だろうが関係ない。
クラクションの騒音が交錯する中俺は無我夢中に走った、周りは見えなかった。

やっとたどり着いた時見た渚の顔は…笑っていた。
「朋也君、信号無視はだめです…」
そして、苦痛の入り混じった笑みでいつものように俺を諭した
「馬鹿…それよりも早く帰るんだ、顔赤いじゃないか…」
渚がここにいる理由は後にでも聞けばいい、とにかくすぐにでも寝かせなければ。
「まだ…だめです」
「これじゃ昨日と…変わりません」
「昨日?」
何を言ってるのかわからなかった
「せめて…この信号は渡りきらないと…だめです」
「せっかくここまで来たんですからっ」
渚は前進しようとする、がそのまま崩れ落ちた。
「渚っ!」
671二人の思い:04/05/23 23:48 ID:+PSdz66V
すぐに抱きとめてやると、渚の体温がそのまま伝わってきた
(熱い…)
この熱さはいつもの比ではない、そう思ったが途中で気が付いた
「渚…まさか最近体調が悪くなってきてるのは…」
「ちょっと無理しすぎました…えへへ」
「馬鹿っ!」
ビクッと渚が肩を震わせる
「何で…何でこんな事するんだ!自分の体の事は渚、お前が一番わかってるはずだろ?」
「朋也君と…また学校に通いたいからです…」
「え?」
「私、毎日朋也君にお見舞いに来てもらっています…」
「毎日、朋也君に勇気付けられています…」
「なのに私は何も出来なくて…迷惑かけてばっかりで…」
「だから朋也君にもう心配をかけないように、毎日練習してたんです…」
「一昨日は、あの交差点まで行きました」
「昨日はこの場所まで来ました」
「だから今日は、この信号のむこうまで…」
「行くつもりだったんですけど…だめでした、えへへ…」
「何も出来ないのは俺のほうだよ…」
「え?」
自分が恥ずかしかった
春原の言う通り、俺は渚を焦らせていただけで…渚を追い詰めていただけだった。
俺は抱きしめる力を更に込めて言った
「ごめん…渚」
「え…どうして朋也君が謝るんですか?」
「俺さ…渚のいない学校生活がつまらなくてさ、毎日渚の事考えてたよ」
「だから早く元気になって、一緒に坂を上りたいって思ってた」
「とにかく早く、とにかく早くって自分の事ばっかでさ…渚の立場考えてなかった」
「だけど、違うんだよな幸せって」
672二人の思い:04/05/23 23:49 ID:+PSdz66V
「幸せ…ですか?」
幸せ…俺は渚と出会うまでこんな言葉を真剣に口にしたことがあっただろうか
「落し物と同じで焦っても見つからない、落ち着いて時間をかけないと見つからないんだ」
「焦ってもだめなんだ…時間はあるんだから」
何で俺は早く気が付かなかったんだろう
俺はいつだってよかったんだ…渚はここにいるんだから
「私…間違ってました…」
「いや、元々は俺が悪いんだ。だからおあいこだな」
「はい…」
渚はそう言うと力を抜いて、俺に体重を預けてきた
「寝てていいぞ、おぶってやる」
「え…恥ずかしいですっ」
「俺も恥ずかしい、だからおあいこだっ」
返答を待たずして俺は渚をおぶった。初めてだったが、驚くほど軽かった。
「太ったか?」
「そんなことないですっ」

しばらくして寝息が聞こえてきた
「あんなことしてたら疲れるのも当然か…」
もう二度と、渚の重荷にはならない
渚の荷を軽くしてやる事が俺の役目なんだ
俺たちはうまくやっていける、そう感じた
673 ◆RcEKPgumPM :04/05/23 23:55 ID:+PSdz66V
◆28s26Q7ss2 さん、sageさんに触発されてSS書いてみました
朋也の心の葛藤をメインにしたんですが…難しいですね
批判を含め感想を頂けると嬉しい次第です
674名無しさんだよもん:04/05/24 00:06 ID:iJSigMGA
いやー佐藤自爆しちゃったよ
あれはメカニックの不手際だな
675名無しさんだよもん:04/05/24 00:10 ID:n4TL3ssB
>>673
ちょっと三点リーダを使いすぎじゃないかな。
後、アッキーや早苗さんがいるのに渚が外出できるのはちょっと無理があると思うんだけど。
676 ◆28s26Q7ss2 :04/05/24 00:19 ID:0tt7NZKQ
>>673
前半の心理描写は上手いと思います。
後半に差し掛かって、地の文が少なめになった気がします。
2人の独白ですから、こう、ならざるを得ない感じもしますが・・・
3点リーダの代わりに「、」を代用してもよかった箇所がいくつかあったように思います。

でもそれ以上に温かい、感じのする文でした。
こういう、渚の健気さが伝わるのには弱いんですよねぇ。
Good Job!

隔離SSスレにU-1SSを投下してみました。
ネタと割り切って見れる方、どうぞ。
677名無しさんだよもん:04/05/24 00:26 ID:VTvd9SeK
>>673
こういう展開はありそうですね。
>>675さんの言うように、シチュ的には無理があるかもしれませんが。

あと、個人的には最後の文はいらないように思います。
朋也が自分の心にケリをつけてしまったようで、やや不自然かなと。
678名無しさんだよもん:04/05/24 00:26 ID:wWv66R3Y
>>676 見たよ。激しくワロタ。ちゃんと文章の下手糞さも再現されてたしw
微妙に続きが読みたいぞ。
679名無しさんだよもん:04/05/24 00:34 ID:VTvd9SeK
>>676
見ました。ハゲシクワロタ。
期待してはいけないんですが、微妙に続きが気になるっ…!
680名無しさんだよもん:04/05/24 00:42 ID:9Wp8HS7X
やっぱは駄目だ・・・まったく肌に合わん・・・滅茶苦茶鬱
681名無しさんだよもん:04/05/24 01:14 ID:W8DVyswI
>>676
腹が痛いw
ごめん、続きが気になるわw
682名無しさんだよもん:04/05/24 01:29 ID:QxzgP03+
>>676
ワラタ
激しく続きをキボンヌw
683名無しさんだよもん:04/05/24 01:35 ID:33WqJ5mC
隔離SSスレってどこだ?
684名無しさんだよもん:04/05/24 01:44 ID:BevD+Jkn
つか何で苺にageるのよ? そのままスレに貼って良かったんじゃねぇの?>676
685原点回帰:04/05/24 02:24 ID:pr12ARVM
>>667
まて、「秋」生の妹ってのはひょっとして謎のジャム作る人のことか……?
微妙にありそうでタノシイな。
686名無しさんだよもん:04/05/24 03:28 ID:SYxu/paN
あの人は姉が居るとはいっても2人姉妹とは名言されてないからなぁ…
687 ◆28s26Q7ss2 :04/05/24 07:56 ID:5nINIYCc
おはようございます。
えっと、意外なことになかなか好評のようですが、続きませんよw
あくまで一発ネタですから。

>>684
スレに貼るとU-1特有の無駄な空行が行数を増やして邪魔なだけだし、
ルビ振りもズレてしまうんで。
なにより、うpろだだと流れるのでw
やっぱり書いてあげといてなんですけど、恥ずかしいんですよね・・・orz
688 ◆RcEKPgumPM :04/05/24 13:32 ID:4wUkntAw
遅くなりましたが感想ありがとうございました

>>675
やっぱりそこが不自然ですよね…あの二人が外出を許すとは思えませんし
3点リーダが多い、というのも気になりますよね。どうも癖と言うか使ってしまうので今後気をつけます。

>>676
>後半に差し掛かって、地の文が少なめになった気がします。
そこは完全に見落としていました…セリフばかりに気をとられて失敗しました。
それでも渚の健気さが少しでも伝わったのなら嬉しく思います

>>677
最後の一文、確かに蛇足ですね。きれいにまとめようとしたのが失敗でした

どうも不自然で読みにくいSSになってしましました_| ̄|○
これからはちゃんと自然に読めるSSを目指します。
689名無しさんだよもん:04/05/24 14:02 ID:isBywiXp
>>676
すいません、そのSSが素直に面白いと感じてしまった僕はやはり精神病院へ行ったほうがいいでしょうか?orz
690名無しさんだよもん:04/05/24 19:06 ID:SYxu/paN
ネタで描いてると解ってるから笑えるけど

本気で描いてるあの方々は正直…
691名無しさんだよもん:04/05/24 23:42 ID:xS0Yiqz2
かつて、自分が書いたSSを読み返すと死にたくなる…
692名無しさんだよもん:04/05/24 23:44 ID:76Uj8d7w
>>691
安心汁。それが成長の証だ
693名無しさんだよもん:04/05/25 01:01 ID:L2Imuvoq
>>543
テレビでだろ?
もっぺんやってみ
694名無しさんだよもん:04/05/25 01:02 ID:BkVLo2pa
>>693
DMMLスレに行ってらっしゃい
695名無しさんだよもん:04/05/25 01:03 ID:L2Imuvoq
誤爆(´∀`)
696694:04/05/25 01:04 ID:BkVLo2pa
ちくしょう、誤爆指摘したつもりだったのに自分も間違えてやがる
697名無しさんだよもん:04/05/25 01:41 ID:5+ffC7qR
君達はことみちゃんと一緒にツッコミのお勉強でもしてなさい。
698名無しさんだよもん:04/05/25 01:43 ID:LoqAH/9p
>>697
・・・
なんでやねん
699名無しさんだよもん:04/05/25 02:19 ID:Tl91Wg9F
朝目が覚めて、今日も一日が始まる。
寝起きの悪いお姉ちゃんを起こした後朝食をとる。
3年生になって間もない一日。今日はあの人に話しかけられればいいな
私のあこがれの人。昨年お姉ちゃんと一緒のクラスだった岡崎君。
お姉ちゃんに話を聞いていた時からどんな人か興味があったけど、実際にクラスが一緒になって
遠巻きに彼を見る機会ができてから、彼の不器用な優しさを知ることができた
でも全然話しかけることができないで……今日もそんな日になるのかもしれないと思うと少し憂鬱になる
「いってきます」
普段より少し遅く家を出る。お姉ちゃんもちゃんと起きてきたみたい。秘密兵器のあるお姉ちゃんと違って
私はそろそろ出かけないと間に合わない

「今日こそ勇気を出してみようかな」
バスを降りて、私はそっと自分に言い聞かせるように言葉を発する。もっともここのところ毎日こんな感じだけど
とぼとぼと歩いていると後ろから聞き覚えのある音が聞こえてきた
ぺっぺっぺっぺっぺっぺ……
不思議な音のするスクーター。お姉ちゃんだ
「椋〜おさきに〜」
お姉ちゃんが通り過ぎざまに私に声をかけていった。するとその時、いきなり前を歩いていた人が歩道にふらっと出てきた
「あ、危ない!」
その人に思いっきりぶつかりそうになったお姉ちゃんに向かって私は慌てて叫んだ
700名無しさんだよもん:04/05/25 02:19 ID:pLRqK2zZ
>>698
あーもう気が散るからもっと静かに練習してっ!
701名無しさんだよもん:04/05/25 02:20 ID:Tl91Wg9F
「くっ」
お姉ちゃんは必死でハンドルを切る。なんとか正面衝突は回避できたみたい。でも、持っていた荷物にぶつかったらしく
衝撃でその人が倒れた
「あっぶないわねー。椋、そんな奴放っておいていいわよ」
お姉ちゃんが怒りながら去っていく。さすがに心配なので様子を見に行くことにした
近づいてみるとその人はちょっと女の子っぽい感じのする男の子だった。旅をしてるのか荷物が大きい
とりあえず私は……

     その人を介抱してハンカチを貸してあげる
    →見なかったことにする

見上げれば青い空。今日もいい天気だ
「なんだが今日は岡崎君に話しかけられそうな気がするな」
温かな春の日。今日はいつもと違う私になれそうな気がする♪


とりあえず勝平シナリオをクリアして、あまりの絶望感からこんなのを作ってしまいました
フラグを消しておこうかと思いまして……
見苦しいものをお見せして申し訳ございませんでした
702名無しさんだよもん:04/05/25 02:21 ID:pLRqK2zZ
スマソ糞レスで割り込んじまったorz
703名無しさんだよもん:04/05/25 02:54 ID:geQPxKw7
「とりあえず」? まさか1人めなんて言わないよな・・・。
704名無しさんだよもん:04/05/25 03:04 ID:zpmcP8KH
>>703
それぞれのシナリオがリンクしているってわけでもないし、
別に一人しかクリアしてなくてもいいと思うけど。
705名無しさんだよもん:04/05/25 03:12 ID:F17/+sXi
>>704
一人目がカッペだったら憐れだぞと>>703はいいたいのではなかろうか
706697:04/05/25 03:23 ID:5+ffC7qR
>>700
ツッコミはタイミングが命です。
20点。もっと頑張りましょう。
707名無しさんだよもん:04/05/25 03:34 ID:oFXGdAiN
>>701
GJ。
漏れもこのままカッペは脳内あぼーんしますわw

ついでにこのまま椋ルートのSSでもw
708名無しさんだよもん:04/05/25 07:56 ID:+mGwVfes
◆28s26Q7ss2氏、音声化スレでも台本書いてるね。
つか、あのスレキモすぎ。
早苗さんの声・・・( ゚皿゚)ひぃぃぃーーーー!!!
709名無しさんだよもん:04/05/25 19:11 ID:+DGns1Gp
このスレってほんとSS投下されないとがらがらだよな
710名無しさんだよもん:04/05/25 19:44 ID:8BZWFMPL
>>699
ワロタw
711名無しさんだよもん:04/05/25 20:32 ID:zpmcP8KH
>>706
雑談でもしろと?
712711:04/05/25 21:39 ID:RlljqHpb
スマソ、間違えた
>>706>>709
713名無しさんだよもん:04/05/25 21:58 ID:hP6LQ3BC
ツッコミの才能無ければ雑談するしか無いと言ってるのかと思ったよ

ボケで生きてけばいいじゃない
714はつお:04/05/25 23:42 ID:zgKLhxdv
初めてSS書きます
長文なんでカンベンしてください

「おい、岡崎」
下から芳野さんの呼ぶ声が聞こえた
「なんすか?とりあえずココ繋げるだけなんで少し待ってください」
「急ぐ気持ちはわかるが、ケガをしてからでは遅いんだ
もう少し落ち着いて作業しろ」
「あ、はい、そうっすね」

「よし、コレで終わりだな」
「そうっすね」
「岡崎は今日はどうするんだ?」
「オレは汐や早苗さんたちと家でパーティですよ」
「ほう」
芳野さんがすこし笑んだ顔で相槌を打つ
「そいつはいいなっ」
やはり今日はこの人も上機嫌だ
「芳野さんは公子さん達と過ごすんですか?」
「ああ」
照れてるのだろうか、顔を少ししかめた様に相槌を打つ
「そんな照れなくても...」
プルルルルルッ
芳野さんの携帯から音が鳴った
715名無しさんだよもん:04/05/25 23:44 ID:zgKLhxdv
「もしもし...」
『ああ、芳野くん?そっちは作業終わったかい?』
「ええ、今終わったところです」
どうやら相手は親方らしい
わざわざ確認の電話を入れてくれたとは思えないが...
『本当に悪いんだけどさ、ジョニーが柱から足を滑らせちゃってさ』
「えっ?大丈夫なんですか?ジョニーさん」
ジョニーさんに何かあったのだろうか
『途中で柱につかんで、大きな事故にはならなかったんだけどさ
右腕を脱臼しちゃったみたいなんだよね だから、悪いんだけどジョニーのやり残した所
あと2箇所あるんだけど、悪いけど頼まれてくれないかな?』
何か嫌な予感がする...
716名無しさんだよもん:04/05/25 23:45 ID:zgKLhxdv
「解りました、これから向かいます場所はどこですか?」
「ジョニーさんどうかしたんですか?」
『えっと、場所はね...』
芳野さんが地図に何か印をつけていってる
「あのっ!」
芳野さんが静かにしろと動作で伝えてくる
そうされると慌てていた自分が少し恥ずかしい
「はい解りました、***丁目の***通りですね」
まさかっ...
「岡崎、行くぞ」
「えっ?」
芳野さんが心なしかむすっとしている様にも見える
それ以前に「行くぞ」って?
「ジョニーさんが腕を脱臼して終えれなかった場所を俺たちがやるんだ」
「えっ?今からですか?」
「工期は待っちゃくれないんだ、いいか岡崎」
うっ!このパターンは...
「いかに周りが俺たちの愛を必要としていても...」
やっぱこの人はクサイ事を堂々と言える人だ
「解りました、急いで終わらせに行きましょう!」
まだ愛について語る芳野さんをトラックに押し込み俺たちは次の現場へ向かった
717714=はつお:04/05/25 23:46 ID:zgKLhxdv
「ほれっ」
「ん?」
芳野さんが携帯を俺に投げてきた
「家族に電話位しておけ」
「芳野さんはもう掛けたんですか?」
「オレは後でで良い」
公子さんとの会話を聞かれるのが恥ずかしいのだろう
「風子ちゃんの方だ」
読まれていた...
「ソレ解るっす」
とりあえず今日は家には早苗さんがいるはずだ
今日は帰りが遅くなることを伝えるのが
心に重くのしかかる...
718はつお:04/05/25 23:47 ID:zgKLhxdv
「はい、おかざきです」
「汐か よくお電話に出れたな、えらいぞー」
「えへへ パパ、あのねっ...」
「汐、悪いけど早苗さんに代わってくれないか」
「...うん」
受話器の向こうで汐が早苗さんを呼ぶ声が聞こえる
その明るい声がさらに重くのしかかるようだ
「はい、お電話代わりました」
「あ、朋也っす」
そしてオレは今日は帰りが遅くなる事
クリスマスパーティに出るのが遅くなると言うことを伝えた
「んだとっ!」
「うわっ!」
早苗さんが瞬時に秋生さんに変わってた...
「おまえ、今日と言う日を楽しまないとはいったいどういう了見だぁっ
チン○チョンぎっちまうぞっ!」
「いや、同僚がケガしてさ、その穴埋めなんだ
コレだけはどうしようもないんだ、オレも早めに終わらせるように頑張るからさ」
「ふんっまぁ早苗のパンを全部食うなら許してやるよ」
またこの人は早苗さんが聞いたら泣き出しそうなことを...
719はつお:04/05/25 23:48 ID:zgKLhxdv
「ん?早苗さん近くにいるんじゃないのか?」
「ふっ甘めぇな、早苗の両耳は既にオレが塞いでいるぜっ」
アンタは一体どういう姿勢で電話をしてるんだ...
「とりあえず、早苗さんのパンはカンベンしてくれ」
「っ!」
???
「私のパンは、カンベンして欲しい代物だったんですねぇっー」
またもや入れ替わってた!
「ふっどうだ、オレと早苗の見事なコンビネーション!」
そのコンビの片方は泣いていますが...
「ってか早苗さんを追いかけなくていいのかよ」
「汐が既に追いかけに行ったぞ」
汐...
そこはオレの血筋なのか...
「とりあえずなるべく早く帰るから、汐にも伝えておいてくれ!じゃっ」

芳野さんに携帯を返して
俺たちは次の現場へと向かった
720はつお:04/05/25 23:48 ID:zgKLhxdv
結局仕事が終わり
プレゼントを買って家に着いたのは
10時を過ぎてからだった

「汐ちゃんはついさっき寝付いたところですよ」
「本当に申し訳ないです」
「いいんですよっ仕事先のお友達のためなんですから 仕方のないことです
しおちゃんも解ってくれてますよ」
「後で自分のほうからも汐に謝っておきますよ」
「ちゃんと埋め合せはしてあげてくださいね」
「もちろんです」
洗面所から秋生さんが現れる
「くっそ、オレの顔面マジックでもうけないとは
オイ汐にちゃんとギャグも教えてるのかっ!」
「秋生さん口のところにマジックが残ってますよ」
「ぬおっマジか」
水性と油性を間違えたらしい
良く見ると口だけでなく顔全体に跡がうっすらと残っている
早苗さんの優しさから来るゆるい指摘なのか
気づかなければ、明日は秋生さんは皆の笑いものだ
「アリだな...」
「何か言いましたか?朋也さん」
「い、いえ何でもないです」
こういうところの勘の鋭さも渚に通じるものがある
721はつお:04/05/25 23:49 ID:zgKLhxdv
「まぁ、早苗のパン100個食べてピンピンしてたら汐も笑って許してくれるだろう」
秋生さんがまた無茶なことを言う
あ、やばいっ
「私のパンはアルカリ性だったんですねぇっー」
「早苗のパンなら死んでも良いぜぇー」
いつものパターンだったが
とりあえず玄関に体をずらして
早苗さんが家から飛び出るのを防ぐ

すると...
図らずとも早苗さんが俺の胸に飛び込んでくる形となった
いや、ちょっとは狙ってたけど
「てめぇ、人のスケに手を出すとは良い度胸じゃねーか」
それは死語だ
「いえ、朋也さんに止めてもらってちょっと嬉しかったんで
コレでおあいこですねっ」
それはフォローになってません
「ノオォッジェラシィィ!」
「私たちは今日はコレで帰りますけど
汐ちゃんはやっぱりパパがいないと寂しいんですから
ちゃんとフォローしてあげてくださいね
秋生さんじゃフォローしきれなかったようですから」
え?
考えてみれば当然のことだった
秋生さんは顔面マジック以外にも色々な事をして
汐にオレが不在のクリスマスを
少しでも楽しめるように頑張ってくれたに違いない
722はつお:04/05/25 23:50 ID:zgKLhxdv
「ちっ」
余計なことをと言った顔で
顔を逸らしている
「オッサン」
「あ?」
「今日は助かった」
「家族なら当然のことだ」
その言葉は今日のオレは家族失格だったと言われているような気がして
辛かった
「汐のほうが辛かったに決まってんだろ」
「え?」
「お前は思ってる事が顔に出るからな」
そんな顔をしてたのか...
「だが、仲間をほうっておいて自分だけ楽しみにノコノコ戻ってきたら
オレがケツを蹴ってでも追い返したけどな」
...
「そういう意味じゃ今日のお前は良くやったよ」
「立派でしたっ」
早苗さんも続いてくれる
ああ、やっぱりこの二人には永久にかなわない
「オレ達はそろそろ帰るぜ」
二人が靴を履き家を出て行く
「オッサン」
「なんだよ?」
ドアを開けたところでオッサンが振り返る
「...帰ったらちゃんと顔洗えよ」
「フンッ」と言いドアが閉められる
723はつお:04/05/25 23:51 ID:zgKLhxdv
部屋には俺と汐だけが残された
「 パパ」
汐だ 起きてたのだろうか?
「起こしちゃったか?」
「ううん、さっきからおきてた」
「そっか」
しばらくの間沈黙が部屋を支配する
「...今日は悪かった、一緒にパーティできなくて」
「ううん、さなえさんとあっきーがいたから さびしくなかった」
コイツは昔の名残なのかオレへの負担を減らそうとしているのか
こんな父親でも思いやってくれる
「一日違うけど、明日パパと汐だけでまたパーティやりなおそうな」
「うんっ」
喜んでくれるその顔が渚を思い出させる
そう、今日は渚の誕生日でもあったんだ
「久しぶり歌でも歌おうか」
「うん」
「だんごっだんごっ...」
「だんごっだんごっ...」

汐が眠っている
元々この時間はおきていなかったから
当然ともいえる
だが、どんなに疲れて帰ってきても
汐の笑顔やこの寝顔を見るだけで
一生頑張れる
渚、オマエの分まで頑張って俺は汐を育てるから
心配しないでいいからな
724はつお:04/05/25 23:54 ID:zgKLhxdv
一応はコレで終わりです
とりあえず汐です
(このSSでは汐は健康体という設定になっています)

本当はまだ続きも考えてたんですけど
椋と勝平のカップルが絡んでくるので
嫌な気分を味わう人が出てくることを考慮して
やめておきます

流れも結構むちゃくちゃっぽいんで

長文+駄文に目を通してくれてありがとうございます
725名無しさんだよもん:04/05/25 23:56 ID:cuLFa6XE
話は悪くないというか俺は好きだし努力もわかるが句読点は付けるべきだな。
すげぇ読み辛い(;´Д`)
726読まずに。:04/05/25 23:57 ID:5+ffC7qR
「長文なんで勘弁して下さい」って
出だしからして日本語が変だぞ?
727名無しさんだよもん:04/05/26 00:00 ID:2aEBygTq
>>724
推敲、キャラのそれぞれの呼び方の確認をお薦めする。
地の文が少ない。
誰が喋ってるのかよくわからない。
「。」がない。
3点リーダが変だ。
ついでにストーリーもだらだらだった。
もっとメリハリをつけたほうがよい。

初投稿だからと言って、他人に見てもらうものだから、
最低限のことには気をつけるべきだ。
728はつお:04/05/26 00:07 ID:xGew/SNL
初SSってことで浮かれてました
もうしわけない
OTL
729711(本物):04/05/26 00:10 ID:0XN8TI/V
>>712
誰かは知らないけど、訂正サンクスです。

>>はつおさん
ちょっと情景描写が少なくて状況がわかりにくいかも。特に電話するあたりが。

それと、細かいことかもしれないけど「...」を使うのはやめたほうがいいと思う。.
730名無しさんだよもん:04/05/26 00:12 ID:LvBXk6P0
>>728
次から頑張ってくださいな。
期待しております
731コテとトリップ:04/05/26 00:15 ID:ERixGiqe
つうかさあ、初めての人にうだうだいいすぎだって

>>728

いっぱい書いて、いっぱい楽しみな。そうすりゃそのうち勝手に読みやすい文章書けるようになっから
732名無しさんだよもん:04/05/26 00:18 ID:VkgrwXN8
>>731
てめーが一番うだうだ言い過ぎ。
うざい。
733名無しさんだよもん:04/05/26 00:19 ID:U1aEm0kz
>>731
コテトリが慰めてる!?
今日はちょっと疲れてるのかな
734名無しさんだよもん:04/05/26 00:25 ID:moUNQ/o1
>>733
実ははつおはコテトリなんだよ。
コテトリはチキンなヘタレだから偽名で別PCからダイヤルアップしてんのさ。
735コテとトリップ:04/05/26 00:28 ID:ERixGiqe
>>733

別になぐさめてなんていないが
楽しんでいっぱい書いてりゃそれなりに見れる文章にはなるっていってるだけで

それとおもしろいかどうかは別もんだけどなw
736名無しさんだよもん:04/05/26 00:32 ID:PisajQYa
それよか消えろよ、ぐだぐだ言っているやつは。
真面目な職人様が投稿しなくなるだろ?
737名無しさんだよもん:04/05/26 00:32 ID:Kdgey4lI
>>735
プププ、自分のSSに突っ込まれてムキになってるおまえがかわいいよ
738名無しさんだよもん:04/05/26 00:32 ID:0XN8TI/V
淡々といこうぜ。
739名無しさんだよもん:04/05/26 00:33 ID:ANzVzVg8
>>724
クリスマスであることをもう少し早めに描写したほうがいいと思った

話の流れは結構好きだよ
740名無しさんだよもん:04/05/26 00:34 ID:5LsbA8vr
コテトリが書くとか言ってたSSってこれなの?
741名無しさんだよもん:04/05/26 00:34 ID:yIK1AotH
煽るな、煽るな
下手だろうとコテトリだろうと成長するやもしれんSS書きの芽を無理に摘むことなかろう
742名無しさんだよもん:04/05/26 00:37 ID:tDhpfVUj
コテトリはパラノイアだから、10行程度までしか意味のそこそこ通る文章は書けないよ。
SSなんて絶対無理。
実際、コテトリのレスって短文で頭悪いことしか書いて無いじゃん。
743名無しさんだよもん:04/05/26 00:39 ID:Ia4Uk1bK
幸村「ほわちゃ!」
朋也「嘘だろッ!?」
コンボが繋がった!
クマ「死にたいようだな!」
どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!
クマ「ふんっ」
どぐしっ!
渾身の蹴りにより、春原の体が吹き飛ぶ。
少女「うぐぅ〜! どいてどいて〜!!」
そこへ通りがかった羽の生えた少女にぶつかる。
小さな体で春原を吹っ飛ばす。
バキッ!
コンボが繋がった!
744名無しさんだよもん:04/05/26 00:40 ID:1eJaLseG
コテトリ、図星をさされて沈黙、かw
745名無しさんだよもん:04/05/26 00:40 ID:Ia4Uk1bK
クマ「ほんとに死ぬぞ?」
どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!
クマ「ふんっ」
どぐしっ!
渾身の蹴りにより、春原の体が吹き飛ぶ。
少女「観鈴ちん、ぴんちっ!」
男「任せろ」
そこへ通りがかった、他校の少女とガラの悪い長身の男。
男が春原に手をかざす。その手に触れる前に春原が吹っ飛ぶ。
朋也「何が起こったんだ?」
コンボが繋がった!
クマ「終わりだっ」
どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!
クマ「ふんっ」
どぐしっ!
渾身の蹴りにより、春原の体が吹き飛ぶ。
すざーーーーーーーーーーーーーっ…ごんっ!
廊下を滑っていって、突き当たりの壁で頭を打っていた。
80HIT!
746名無しさんだよもん:04/05/26 00:43 ID:U1aEm0kz
>>745
ワロタ
747名無しさんだよもん:04/05/26 00:44 ID:w7pKwzpK
往人は、手で触れないと動かせないだろとマジレス。
748名無しさんだよもん:04/05/26 00:46 ID:0XN8TI/V
>>745
かわいそうな春原……
だれか、こいつが幸せになるSSを書いてくれ…OTL

あ、もしかして、いじられるのが春原の幸せなのか?
749745:04/05/26 00:52 ID:Ia4Uk1bK
>>747
そういえばそうだったな。
今、DNML化してるから参考になったわ。
750名無しさんだよもん:04/05/26 00:53 ID:4Jw+Gam4
>>749
じゃあ「ガラの悪い」も「目つきの悪い」あたりに変更しといてくれ

誰だかわからんかたよ
751名無しさんだよもん:04/05/26 00:54 ID:4Jw+Gam4
sage忘れスマソ_| ̄|○
752745:04/05/26 00:56 ID:Ia4Uk1bK
>>750
なるふぉど、参考になります
753名無しさんだよもん:04/05/26 00:58 ID:U1aEm0kz
>>752
「目つきの悪い」にするとオッサンとかぶるからやめたほういいぞ
754名無しさんだよもん:04/05/26 01:00 ID:t47sFuRY
銀髪って加えてみれば?
755名無しさんだよもん:04/05/26 01:03 ID:fY2e6hJz
いや、観鈴とセットって時点で結構わかる気が・・・・
あと往人を晴子に変えても観鈴の場合はアリだな。
756名無しさんだよもん:04/05/26 01:07 ID:w7pKwzpK
黒シャツで良いじゃん
757名無しさんだよもん:04/05/26 01:09 ID:t47sFuRY
黒シャツにする位なら恐竜のプリントされたTシャツで
758名無しさんだよもん:04/05/26 01:15 ID:w7pKwzpK
ソレダ
759745:04/05/26 01:22 ID:Ia4Uk1bK
これ思ったよりも大変だ・・・。

みなさん、アドバイスサンクスです。
7601/7:04/05/26 02:03 ID:MS/R2wky
「ちっ、しけた田舎町だな。夏なのに海の家一つ見つからないなんてな」
「岡崎さんの下調べがいいかげんなんです」
「だけど町のホームページじゃ広大な自然浜って謳ってたんだぞ。ヒトデの写真とかも沢山出てたぞ」
「堤防が立派すぎます。きっと大潮とかがすごいはずです。そんな危険なところは海水浴場にはならないです」
夏休み、俺は風子を連れて海に遊びにきていた。過ぎてはいるが、海の日にも風子の誕生日も近い。
何よりこいつのヒトデ好きを考えればいいデート先だと思ったのだが…。
せめて海水浴場として開いているかどうかぐらい調べるべきだった。今になって後悔する。
「仕方ない。磯遊びでもするか? ヒトデと戯れるぐらいなら可能だぞ」
「海にきたら泳ぎたいです。……もちろんヒトデとも戯れますっ」
「しかし着替えるところがなぁ。人に聞くにも人通りがないし」
「あっ。あそこに人がいますっ」
「おっ、確かに。姉妹かな」
「不審な岡崎さんが近づいたら逃げられてしまいますから、風子が聞いてきますっ」
「誰が不審だっ」
駆けていく風子。以前に比べると積極的になったものだった。
海水浴の楽しさをすべて逃したくない、そんな欲張りな願望が風子を積極的にしているのかもしれない。
あいつは子供っぽいから、それだけ楽しいことには敏感なはずなのだ。
「あのっ…、これどうぞっ」
言って木彫りのヒトデを取り出す風子。未だにあいつ流の「初めまして」はあれか。
7612/7:04/05/26 02:04 ID:MS/R2wky
「んに? なにこれ。お星さまかな〜?」
「まあ、かわいいお星さま」
しごくまっとうな反応を示す姉妹(?)
「違います。実はこれは……ヒトデですっ」
余計なことにムキになる風子。言わなきゃいいと思うんだが。
「にょわ〜、ヒトデだったんだ。可愛いねぇ、美凪」
「はい。かわいいヒトデです。みちるがこんないいものを貰ったのですからお返しを進呈しちゃいます」
「えぇっ!? よろしいのですかっ」
美凪というらしい少女から何やら封筒を受け取る風子。そしてそのまま駆け戻ってくる…って
着替え場所探しはどうなったんだ?
「岡崎さんっ。いただいてしまいました」
風子の持っている封筒の中には全国共通おこめ券と書いてあった。
「……よかったな。旅行先から20キロの米を持ち帰るのはまたとない思い出になりそうだ」
「この町で交換しないといけませんか?」
「ていうか本来の目的を忘れるなよ……」
「あっ、そうでした」
言って風子は二人のもとに戻っていく。
「あのっ、風子っていいます」
「わたしは美凪、こっちがみちるです」
「よろしく〜」
7623/7:04/05/26 02:05 ID:MS/R2wky
「それでですね、この辺りで水着に着替えられる場所はないでしょうか」
「すいません。この浜は海水浴場ではないのでそういう施設は無いようです」
「あ、あそこなら着替えられるよ」
「心当たりあるの? みちる」
「うんっ、ついてきて」
言って歩き出すみちる。風子が手を振ったので俺もついていくことにする。
話しながら暫く町を歩いて辿り付いたのは何年も使用された形跡の無い駅舎だった。
そしてそのベンチに寝る男が一人。
みちるはその男のところに駆けていくと
「国崎往人ーっ、起きろーっ」
「ぐわぁっ」
智代ばりの見事なキックに春原ばりの見事なリアクションで転倒する国崎という男。
「おいおい、遠野さん。これはいったい…」
「かわいい……」
……みちるのキックに見惚れているらしい。よくわからんが身近な誰かのトリップに似ている気もする。
結局、みちると国崎のじゃれ合いを遠野が止めて場が治まった。その間数分、俺と風子は呆然と見守っていた。
7634/7:04/05/26 02:06 ID:MS/R2wky
「で、着替えることができるのってここか?」
「ん、そうだよ。みちるはいつもここで着替えて海にいくぞ」
「みちるちゃんには申し訳ありませんが、ここで着替えて商店街を抜けて海に行くのは大人の風子には
 恥ずかしすぎます」
「んにゅ。そうなの?」
「ガキが迷惑かけたってとこだな。まあここは水と電気が生きてるから好きに使っていいぞ」
「ここは国崎往人の家じゃないっ!」
ズゴッ
「ぐぁっ」
また始まってしまったようだった。遠野が俺達に話しかける。
「すいません。お役に立てなくて」
「いえ、しかたありません。もともと岡崎さんの調査不足が悪いんです」
「まだ言うかよ」
「それでお詫びといっては何ですが、これからお昼ご飯を作ります。よろしければ食べていってください」
「え、いいの? どうする、風子」
俺の問いにやけに真剣な眼差しで
「メニューは……」
と呟く風子。
「ハンバーグを作ります。みちるの大好物なんです」
「ハンバーグですかっ。風子も大好物ですっ」
はしゃぐ風子。何歳だ、お前は。
7645/7:04/05/26 02:06 ID:MS/R2wky
結局昼食をご馳走になることになった。
………。
……。
…。
食事の後、国崎が特別な芸を見せてくれることになった。
何も使わずに人形を動かしていた。
とても不思議だがネタとしてはあまり面白くなかった。
しかし風子と遠野、みちるは見入っていて妙な疎外感が寂しかった。
次に女性三人の水着ショーが行われた。
風子の新調した水着は可愛かった。微妙に大胆なデザインで、公子さんのアドバイスがあったのだろう。
みちるの水着は、別の意味で可愛かった。劣情とは無縁だが。
そして何より、二人はこの人には逆立ちしても勝てそうもない。たっぱもあり、肉付きもいいモデルのようなスタイル。
『一強、二番外地といったところか』
俺と国崎の台詞がハモる。
つづけて怒声、破壊音、悲鳴がハモることになった。
………。
……。
…。
7656/7:04/05/26 02:07 ID:MS/R2wky
やがて遠野が口を開く。
「もう六時を回りました。そろそろ暗くなります」
もう今日という日は終わりだ。海にデートに来たのに泳いでもいないし、ヒトデを見つけてもいない。
今日会ったばかりなのに、こんなにも時間を忘れて楽しんでいたことに驚いた。
「風子、そろそろ帰らないとな」
「はい、特急がなくなってしまいます」
「んにゅ〜、残念」
「名残惜しいです」
「また来いよ」
三人は別れを惜しんでくれた。
「ああ、また」
俺もまた会いたいと思ったから、そう答えた。
「あのっ」
突然風子が声をあげた。そして三人に話し掛ける。
「風子達の町は素敵で優しい町です。もし、本当にどうしようもなく困ったことがあったら、
 是非尋ねてきてください。きっとお力になれるはずです。あの町はみんなが幸せになれる町です」
7667/7:04/05/26 02:07 ID:MS/R2wky
俺は帰りの電車で風子に尋ねた。
「最後のあれ、どういう意味なんだよ。町がどうとか」
「よくわかりません。なんとなくです」
「俺の方がよくわかりません、なんだが」
「自分たちの力でどうにもならないときに、人に助けてもらうのは悪いことではないと思います」
「あの三人がそんな困難にあって俺達の町の助けをひつようとするってのかよ」
「わからないです。でもあの時、そう言うべきだって思いました」
「わからない尽くしだな」
「はい」
「でも、そうだな。町に守られてるというか、見守られてるって感じたことはあるかもしれない」
「はい…」
「ああ。風子と、ありえない出会いを果たして、再開できて、こうして付き合ってる。
 それは町のおかげかもしれないな。すべてが優しくて、いい方向に向かってる」
「は…ぃ…」
急に風子の声が細くなり、一瞬過去を思い出して不安になった。
慌てて横を見たら何のことは無い、風子は疲れて眠っていた。
俺は風子の体を引き寄せて持たれかけさせてその肩を抱き、
なんとなく町のことを考えながら残りの帰路を過ごした。
767名無しさんだよもん:04/05/26 02:14 ID:4uCTuFeP
>>766
クロスにしちゃ、普通だな。
盛り上がるとこもないし、そのまま淡々と続くって感じだね。
ほのぼの路線を狙っているのか、メッセージを伝えたかったのか、
単にクロスさせたかったのか、微妙なとこだ。
まぁ、普通には読めた。
768名無しさんだよもん:04/05/26 03:35 ID:jYYhOSGv
>>とても不思議だがネタとしてはあまり面白くなかった。
吹いた。

ノーマルEDで町を出た二人の行き先、ということかな。
769名無しさんだよもん:04/05/26 04:31 ID:FgIaDceZ
もしかしてナギーより風子のほうが年上?
770名無しさんだよもん:04/05/26 07:07 ID:6W7rofjU
>769
多分そうだよ。
風子はあれでも初登場時は18だしな
美凪は17ぐらいだろ
771名無しさんだよもん:04/05/26 10:26 ID:zaCRnq90
美凪・観鈴同級生

観鈴ちんアフォな子

高校逝ける訳がない

つー事は厨房

って事で自動的に美凪はオレ脳内で15歳なんだが
772名無しさんだよもん:04/05/26 10:28 ID:W2FXk7uZ
田舎の高校なら生徒間に差があるのは日常茶飯事だぜ!
773名無しさんだよもん:04/05/26 12:03 ID:w+3qcbas
ま、エロある限りは18歳以上なんだが
774名無しさんだよもん:04/05/26 12:57 ID:SSe74Mlb
IDがSSだったので記念に書き込んどきますよ
775名無しさんだよもん:04/05/26 16:56 ID:VvQrgEHZ
ぼく、幻想世界から来た人形。
椋と結婚した君の子孫の女の子に頼まれてやってきたんだ。
世界は椋の作った料理によって滅んでしまった。
女の子だけは、耐性をもっていて大丈夫だったんだ。
そんな未来にならないよう、君を他の女の子と
結婚させるためやってきた。

朋也「だからバッドエンドだったんだ!」
776745:04/05/26 20:52 ID:Ia4Uk1bK
おまけも付けてDNML化しました。
DNMLスレのほうにうpしてあります。
777760-766:04/05/26 22:31 ID:MS/R2wky
>>767-768
またーりを狙いました。

>>769
風子は3年、美凪は…観鈴のクラスメイトが旅行に行ってるから3年ではなく2年かもなー。
778決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 17:57 ID:ISZQmOWE
汐が死んだ。
神様と言うものがいるのなら、その人は俺にそっぽを向いているを通り越し、
嫌っているとしか思えない。
俺は大切なものを、守るべきものを2度も亡くしてしまった。
運命というものに無力な自分が情けない。
俺はもう生きる意味を失ってしまった。
渚が死んだ時は汐がいたから、頑張れた。
汐の笑顔が、何より俺の励みになった。
母がいないという逆境を越えて、明るく、そして強い子に育てたかった。
けれど汐はもういない。
あっちの世界では生前与えられなかった母の愛に包まれて、幸せな生活を送っているのだろうか。
そんなことをぼんやり考える。
―――いっそ、俺もそちらに行こうか。
汐と渚のいない世界になど、価値を感じなかった。
しかし、それは許されなかった。
死は一種の逃避だ。
汐と渚は間違いなく、その人生をまっとうできなかっただろう。
あまりに短すぎる人生。
その果てに見出したものとは何だったのだろうか。
俺は2人の死を受け止め、2人が短すぎた分、生きてゆかねばならない。
そう、理性の上では解っていたが、体は動くことを拒んでいた。
―――お前はもう十分頑張った。もういいじゃないか。このまま2人のところに行こう。
俺の中の生きることを拒んだ悪魔―それは天使かもしれない―が囁く。
こんなことは、ここのところしょっちゅうであった。
仕事にも行かず、ただ家で暗く過ごすだけの日々。
精神的に参るのも当然だった。
779決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 17:58 ID:ISZQmOWE
日に2回は早苗さんが家に来る。
俺に飯を作りに来てくれるのだ。
塾やパン屋の仕事が忙しいだろうに、合間を縫って毎日来てくれている。
そして、毎回のように励ましの言葉を投げかけてくれる。
早苗さんは強い。
娘と、孫まで亡くしたというのに、俺のようにダメにならずに、生きている。
以前、こんなことを問い掛けたことがあった。
「人は、なぜ死んではいけないんでしょうか」
早苗さんはちょっと考えて、いつもの笑顔で言った。
「悲しむ人がいるからですよ」
「悲しむ人がいない人はどうなるんでしょうか」
早苗さんは一瞬悲しそうな顔をしたが、すぐにいつもの笑顔に戻って、
「朋也さんが死んだら悲しむ人はたくさんいます。
 春原さんや、朋也さんのお父さま、おばあさま、私や秋生さんだって悲しみます。
 その他にも仕事場の人や、学生時代の旧友の方だって悲しむでしょう。
 ですから、そんなこと言わないで下さい」
そう言った。
けれども、立ち直れなかった。
抜け落ちてしまった空白を埋めれるものは恐らくはないだろうから・・・
780決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 17:58 ID:ISZQmOWE
人は沢山の『想い』を背負う。
夢、願い、理想。
無数の『想い』が人を動かす原動力になるのだろう。
今の俺を動かしているのは渚と汐の『想い』だけであった。
自分から発せられるものはない。
汐は俺に自分の分まで生きてくれ、とは言わなかった。
だが、その『想い』が伝わる、ある形見があった。
それは薄いスケッチブックだった。
そこには汐の『想い』がニュートラルに表れていた。
俺に買ってもらった古いロボット。
オッサンと一緒に遊んだ野球の様子。
早苗さんと一緒に作ったへんてこなパン。
幼稚園で優しくしてもらった杏先生。
一緒に遊んだ友達。
そして、写真でしか見たことの無い母の肖像。
全てがなにも通してなくて、ありのままだった。
それが、俺を悲しくさせた。
しかし、それだけではなかった。
最後のページに覚えたてのひらがなで、一言だけの俺へのあまりに拙い手紙があった。

『ぱぱごめんなさい』

クレヨンの赤で書かれた、読めないような字だった。
汐は自らの死期を悟っていたのだ。
あんなに小さな体で、あまりに短い人生の終わりの予期していたのだ。
それが、どうしようもなく泣けた。
781決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 17:59 ID:ISZQmOWE
追憶の日々の中、俺はある日、親父のいる東北の故郷への旅を決めた。
俺が汐を育てると決心した場所。
親父が俺を育てる、と決めた場所。
俺たち親子のルーツがそこにある。
あそこに行けば、何かわかるような気がした。
俺は思うが早いか、すぐに支度を始めた。
手早く着替えを詰め込み、いつも持ち歩いている2人の形見を入れた。
今までの俺からは考えられない行動力だった。
早苗さんに出かけることを電話で伝え、俺は駅へ急いだ。
残り少ない貯金で切符を買い、座席に落ち着く。
電車はがらがらだった。
俺の近くには3人家族が座っていた。
しばしば聞こえる家族の談笑。
俺が夢見た家族水入らずの旅行がだぶる。
俺は、2人がいてさえくれれば、よかった。
それなのに。
嫌な事を考えて、再び鬱になるのは嫌だったので、俺は眠りについた。
782決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:00 ID:ISZQmOWE
夢を見た。
俺と渚が初めて会った坂の下のこと。
渚が俺に何か喋った。
あれ?
あのとき、渚は俺になんて言ったんだっけ・・・?

「お客さん」
意識が覚醒する。
「終点ですよ」
駅員が迷惑そうに告げた。
「すいません、すぐ降ります」
俺は鞄を持ってホームに降りた。
ここの景色は変わらない。
一面の花畑。
日は暮れかけている。
俺はそれを横目に見ながら親父の実家へ急いだ。
783決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:00 ID:ISZQmOWE
俺は古びた木造の家へに着いた。
表札は『岡崎』。
親父が生まれた家。
俺は渋い引き戸をがらがらと空けた。
「ただいま」
俺の記憶で言えば、ここに来たことは一度もないような気がしたが、自然と声が出ていた。
奥から親父の母、つまりおれの祖母にあたる史乃さんがやって来た。
「まぁ、まぁ、朋也さん。遠いところをよく来ました。
 話は早苗さんから聞いてますよ。
 さ、お上がりなさい。直幸も待ってますよ」
俺は促されるまま廊下を進んで、ふと感じた。
この家は温かい、と。
居間にあがると、親父がいた。
「やぁ、よく来たな、朋也」
「ただいま、父さん」
「積もる話もあるだろうが、もうすぐ夕飯だ。話はその時に」
「ああ。わかったよ」
「朋也さんが久しぶりに帰って来たんですからね、腕によりをかけて作りましたよ」
「楽しみです」
史乃さんはちゃっちゃと料理を並べ始めた。
実にうまそうである。
しばらく、ぼんやりとその光景を眺めていた。
784決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:01 ID:ISZQmOWE
料理はとてもおいしかった。
お袋の味、と言うべきか。
史乃さんは台所で食器洗いをしている。
俺と親父は酒を飲み交わしていた。
「父さん。話、聞いてるんだろ」
「ああ・・・汐のことは、不幸としか言いようがない」
暫く黙って飲んでいた。
「俺、どうするべきなのかな」
「なんでおれに聞くんだ?」
「父さんなら、なにかわかるんじゃないかな、って思ったんだ」
男で一つで俺と育てきった親父。
その親父に聞けば俺の道が見えるような気がした。
「おれと朋也は別の人生を歩んでる。
 確かにおれが敦子を事故で亡くしたのも、おまえが渚さんを亡くしたのも、境遇が似ているがな」
ぐいっと酒を飲み干して、親父は話を続けた。
「決定的に違うのはおれはお前を死なせていない。
 おまえは汐を病気で亡くしてしまった。
 それが最大の違いだ。
 朋也、お前は守るべきものを失ってしまった。
 だから、生きる気力も欲も無くなってしまったんだよな?」
「そう、だね・・・」
この人はどれだけ俺のことを理解してくれているのだろう。
全て図星だった。
785決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:01 ID:ISZQmOWE
「生きる目的を失ってしまった人間が再び前に進むには何かを棄ててしまわなければいけない。
 おれはそう思うよ。
 おれは敦子を失って、お前と同じように途方に暮れた。
 けど、まだお前がいたんだ。
 俺は決めたよ。お前だけは、おれの手で育てきってみせるって。
 そのためには、いろんなものを棄てなきゃならなかった。
 お金、運、仕事・・・敦子への想い。
 でもな、朋也。なにも本当に棄てろと言ってるわけじゃない。
 敦子のことだっておれは今でも愛している。
 ちょっとだけ、忘れるんだよ」
「わす、れる・・・?」
「ああ。おれもお前もそんなに器用な人間じゃない。
 でもな、不器用は不器用なりにできることがあるんじゃないか。
 お前は今でも汐の死を引きずっている。
 渚さんのことだってお前のことだからずっと枷になってるんだろう。
 だから、忘れる。前に進むために」
息を呑む。
なぜこんなに親父は俺のことをわかっているのか。
「汐と渚さんだって、お前が生きてるのが一番幸せだろう。
 自殺なんかしてみろ、それこそ浮かばれない」
それを少しでも考えていた自分が情けない。
「時間が解決してくれることもあるだろう。
 渚さんのときはそれでよかった。
 けど、今回は違う。お前は決定的に壊れてしまった」
786決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:02 ID:ISZQmOWE
その言葉が胸に突き刺さる。
「これから前に進むか、このまま殻に閉じこもるか。
 それは朋也の自由だ。
 けどな、これだけは言える。
 お前は何かを棄てなければ進めない」
そう言って親父は立ち上がった。
「酒が回ってきたよ。もう寝るな」
「父さん・・・!」
「朋也、あとは自分で考えるんだ」
そう言って寝室に行ってしまった。
「俺は・・・」
頃合を待っていたのか、史乃さんがやって来た。
「全く、直幸も一丁前に説教できるほど偉くないでしょうに」
「史乃さん、俺は、どうするべきなんでしょうか・・・」
史乃さん優しく笑って、
「朋也さん、それを決めるのはあなた自身ですよ。
 ですが、わたしに言えるのは、忘れる、ということは悪いことではないと思います」
「忘れることは、悪くない・・・?」
「ええ。人は変わり続けるものです。人は全ての記憶を憶えてはいられません。
 だから、忘れます。もちろん、愛した女性や娘を忘れないのは素晴らしいことだと思います。
 ですが、朋也さん、渚さんと汐は何を望んでいるのか。
 それをよく考えて下さい」
「渚と汐が、望むこと・・・」
「わたしに言えるのはこれくらいです。
 さて、明日は早いんでしょう?早めに寝なさいな」
俺は釈然としない気持ちのまま、寝室に促された。
787決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:03 ID:ISZQmOWE
俺は布団の中で考えていた。
「渚と、汐の、望むこと・・・」
考えれば考えるほど頭がこんがらがる。
あと少しで答えは出そうなのに。
その少しを導き出す決定的な『何か』が欠けていた。
考えろ。
答えはきっと出るはず。
・・・
しまった、酒が回ってきた。
考えなきゃ、考えなきゃ、だ、めなのに・・・
俺の意識は遠のいた。
788決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:04 ID:ISZQmOWE
夢を見た。
俺と渚が出会った坂の夢。
昨日も見たような気がする。
『この学校は、好きですか』
『えっ?』
俺に言ってるのではなかった。
『わたしはとってもとっても好きです。
 でも、なにもかも・・・変わらずにはいられないです。
 楽しいこととか、うれしいこととか、ぜんぶ。
 ・・・ぜんぶ、変わらずにはいられないです』
待て、なんと言った?
『おい、渚、いまなんて・・・』
渚は振り返って微笑んで、
『朋也くんは、変わらずにあり続けるんですか?』
『・・・』
『朋也くん、つまらない日常が好きですか?』
『好きなはず無い』
『なら、答えは出てるはずです。大丈夫、わたしもしおちゃんも朋也くんのこと見守ってます。
 だから、次の楽しこ・・・』
・・・
目が覚めた。
答えは、既にあったんだ。
789決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:05 ID:ISZQmOWE
俺は史乃さんからと親父の過去を聞いたあの景色のいい崖に来ていた。
決意は固まっていた。
一息ついて、誰もいない崖の上で俺はここにはいない2人に語り始めた。
「渚、汐。
 俺さ、決めたよ。
 もうちょっとさ、頑張ってみる。
 お前たちがいない世界はさ、つまんないけど、俺は前に進まなきゃだめなんだよな」
返答はない。
「わかってた。
 自分の世界に閉じこもって日々を過ごしてもお前たちは帰ってこないって。
 でもさ、俺、お前らがいないと、頑張れなかった。
 生きがいを見つけれなかった」
独白は続く。
「けどなにも、なにもかも・・・変わらずにはいられないんだよな。
 渚、お前と初めて会ったときに答えはもう出てたんだ。
 今まで気付かなかったなんか皮肉なもんだよな」
次の一言を言ってしまえば・・・
いや、もう決めたことだ。
790決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:06 ID:ISZQmOWE
「みつければよかったんだよな」
言った。
「次の楽しいこととか、うれしいことを見つければいいだけだったんだな。
 俺の楽しいことや、うれしいことはひとつだけじゃなかった。
 今まで以上の楽しいことや、うれしいことを見つけるのは大変かもしれない。
 けど、俺、頑張ってみつけてみるよ」
答えは出会いにあった。
俺と渚の出会いは素晴らしいものだと誇れるように。
「だから・・・」
俺はこれから、2人に背く。
「俺、お前たちのことちょっとだけ、忘れるな。
 俺馬鹿だからお前たちのこと背負ってると生きていけそうもない。
 だから、ちょっとだけ、そう、また俺がこの場所に来て、気持ちの整理が出来るようになるまで。
 落ち着いたら、きっと、きっと来るからさ。
 いい・・・かな?」
風が吹いた。
「そう、か・・・ありがとう」
そう言って俺は鞄の中から2人の形見である、汐の帽子と渚の髪を束ねていたリボンを取り出した。
そして、それを海に投げた。
不思議と涙は出なかった。
791決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:07 ID:ISZQmOWE
俺は昇り始める。
長い、長い坂道を。
792決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:07 ID:ISZQmOWE
以上です。
汐エンドで、朋也が幻想世界に行かずに、そのまま残った場合、どうなるか。
朋也の苦悩と成長を書いてみました。
このSSに関して言えば、賛否は分かれると思いますが、
作者なりの答えと解釈して頂ければ幸いです。
直幸パパが妙に父親らしくなったのは、作者がこうなったらいいなぁー、という妄想です。勘弁。
このSSを読んで、なにか感じて下さったなら、嬉しいです。
感想お待ちしてます。
793名無しさんだよもん:04/05/27 18:09 ID:SBDuYC3g
そして、杏先生と再婚。
今に至る。
794名無しさんだよもん:04/05/27 18:45 ID:I0gsuEoO
>>793 (・∀・)bグゥレイトォ!!!
795名無しさんだよもん:04/05/27 18:48 ID:0sE6OXOs
いやいや、智代と再会し付き合いだして結婚。





といってみるテスト
796名無しさんだよもん:04/05/27 18:50 ID:fNltFAls
一言物申す!















親父、かっけぇ
797名無しさんだよもん:04/05/27 18:56 ID:T/9TpxMI
一言物申す!













泣けてきた。

798名無しさんだよもん:04/05/27 19:06 ID:fmxch3NR
グッジョブ!!

あれ!?画面がかすんでよく見えないや・・・
799名無しさんだよもん:04/05/27 19:19 ID:jl3dZE1l
おいおい、すげえな、おい
前の直幸の奴はいいと思わなかったがこれはいいと思うぞ
自分的にかなり神。GJ!!次回作期待してます
800名無しさんだよもん:04/05/27 19:54 ID:j7+1cJN+
>28s26Q7ss2氏
       _、_
      ( く_,` ) グッドジョブ!
    /⌒'   ~ `)  
    (  く ノ | イ
    ヽ,_'ァ   , .|
      ノヽ ._λ_ )
     ./   ノ|  ノ
     ( -く  |ー(
     \ └,.| .)
      ,┘/ (__)
801名無しさんだよもん:04/05/27 20:08 ID:hrUORIF8
>>792

個人的にはあのハッピーエンドよりもこういうのの方が好きかも
802名無しさんだよもん:04/05/27 20:25 ID:8TKM/WLi
>792
GJ
うるっときた。(恥
803名無しさんだよもん:04/05/27 20:50 ID:80XZGkrd
そんなSSの後では同じ題材の物は投下しずらい_| ̄|○
804名無しさんだよもん:04/05/27 20:51 ID:80XZGkrd
そんなSSを見せられたら同じ題材の作品は投下し辛い_| ̄|○
805名無しさんだよもん:04/05/27 20:54 ID:Vl2ZoNO2
>>803
>>804
そんなにショックだったのかw
806名無しさんだよもん:04/05/27 20:55 ID:Vl2ZoNO2
>>803
>>804
そんなにショックだったのかw
807名無しさんだよもん:04/05/27 20:59 ID:80XZGkrd
そんなに突っ込まなくても_| ̄|○
808名無しさんだよもん:04/05/27 21:00 ID:R9zCB6ds
でも28s26Q7ss2って前回は大部分がパクリ文章のSS投下した香具師だろ?
今回のもどうだか。
809名無しさんだよもん:04/05/27 22:10 ID:A3kD7AoR
>28s26Q7ss2氏
今回のは私は今までの作品の中で一番好きですね。
親父かっこよすぎ!

>>808
前々回だけどな。
810名無しさんだよもん:04/05/27 22:56 ID:80XZGkrd
渚…。
おまえが俺の目の前からいなくなってからずいぶん経つ。
移り変わるこの街の光景は、おまえの目にはどう映ってるんだろう。
何も変われない俺の姿は、どう映ってたんだろうな。
汐はオッサンと早苗さんが面倒見てくれてたよ。
何も悪く思うことはない、ってオッサンは気遣ってくれた。
子供が好きですから、って早苗さんは言ってくれた。
でも、本当は俺が面倒見なきゃいけなかったんだよな。
わかってるんだけど、なぜかできなかった。
オッサンたちは俺のこと、父親失格って思われてたんだろうな。
でも、優しいから俺には何も言わないでくれた。
俺もその優しさに身を委ねてしまってた。
それじゃ駄目だったんだよな。
811名無しさんだよもん:04/05/27 22:57 ID:80XZGkrd
家に帰ると、いつもおまえの姿を探していた。
いつもおまえの声に耳を傾けようとしていた。
テレビの上にはひとつ増えただんご。
仲良く並んだだんご。
でも、もう増えることはないんだよな。
あの時一緒に誓ったっけ。
いつまでもだんご大家族みたいな仲のいい家庭を作ろうって。
もう、それもできないんだよなって、思ったりもした。
おまえがいなくなった後、俺は仕事をすることだけに熱中した。
何の取り柄もない俺だもんな。
一人娘さえも満足に育てられない駄目な父親だ。
それなら仕事くらい満足にできるようになろう、って決めたんだ。
でも、それさえもできなかったんだ。
俺、何をしてたんだろうな。
時が過ぎれば、みんな受け入れられるような気がしていたんだ。
汐のこと、おまえのこと。
無理だった。解決するのは俺自身だったんだよな。
それに気づいてからは、失った悲しみより残された希望を抱きしめて歩こうと思った。
気づくまでに、あまりにも長い時間がかかってしまったけれど。
渚、ごめんな。
おまえはこんな俺、見たくはなかったよな。
812名無しさんだよもん:04/05/27 22:58 ID:80XZGkrd
「パパ、どうしたの」
「いや、ちょっとママのことを思い出してな…」
「ふーん…」

そうだよな。
俺には汐がいる。オッサンもいる。早苗さんもいる。
いつまでも立ち止まってばかりじゃ駄目なんだよな。
これからは、汐と一緒に前に進もうと思う。
おまえは隣にいないけど、一緒に歩いていこう。
ついてきてくれるよな。
もし俺が十字路で迷ったときは、背中押してくれよ。
な、渚。
813名無しさんだよもん:04/05/27 23:01 ID:80XZGkrd


分かる人には分かると思いますが
元ネタの歌があります。

SSなのかどうかすら怪しい……
814名無しさんだよもん:04/05/27 23:08 ID:D54bdObV
>>813
元ネタ・・・くるみ?
いやなんか、最後のサビと雰囲気が似てたから・・・。
815名無しさんだよもん:04/05/27 23:21 ID:80XZGkrd
>>814
その通りです
816名無しさんだよもん:04/05/27 23:26 ID:Lo9MRYdk
あー、ミスチルのね。
SSみただけじゃ元ネタわかんなかったよw
いい感じに書けてると思うよ。
GJ!

けど、正直あのSSの後だと見劣りはするな・・・
817名無しさんだよもん:04/05/27 23:26 ID:MQrflIQN
投下します。
ことみルートでは、出番の少なかった春原のお話です。
最初はこんなに長くなる予定じゃなかったんだけどなぁ……
マジで長いので、分割で。
818おともだち:04/05/27 23:27 ID:MQrflIQN
ことみと付き合い始めてから2ヶ月。
俺はめっきり訪れる事の少なくなった春原の部屋に、久々に来ていた。

パラ……
春原の部屋に、雑誌を捲る音だけが響いている。
結局、久しぶりにやってきてもすることは以前と変わらなかった。
ベッドに寝転がって雑誌を捲っていた春原が、唐突に動きを止めて、俺の方を向く。
「なぁ、岡崎、最近お前付き合い悪くない?」
「あん?そうか?」
……思い返してみる。
昼飯は大抵部室で食ってるし、そこに春原の姿は無い。
放課後も、ことみに付き合って、本を読んだり、商店街で買い物をしたりしている。
春原の姿を見かけるのは……
「授業中、お前で遊ぶときだけか」
「お前で、って何すかねぇ!それに、すげぇ失礼な思い出し方っすねぇ!」
「まぁまぁ、そうカリカリするなって」
春原は、憮然とした顔つきのまま、
「やっぱり、女と付き合いだすと人間変わるのかなぁ……」
「俺が?変わった?」
「ああ、変わったね。お前が一之瀬ことみと付き合いだしてから、僕は明らかに一人でいることが多くなったよ」
春原にしては、珍しく真面目な声色だった。
819おともだち/2:04/05/27 23:27 ID:MQrflIQN
「なぁ、僕たちって友達だよね?」
「え、そうだったけ?」
「違ったのかよ!そこはイエスって言っておいてくれよ。じゃなきゃ、話終わっちゃうだろっ」
「ああ、すまん。つい脊髄反射で」
「嫌な反射身につけないでくれますかねぇ!」
「ああ、友達だよ。友達。それも強敵と書いて『とも』と呼ぶやつだ」
「え、ほんとかよ……」
「ああ。お前、最初は、それはもう凄い強敵だったんだ。でも、後から出てくるキャラにどんどん立場を追われていき、最終巻あたりでは、お前はただの傍観者になってるんだ」
「それ強敵じゃなくて、明らかに雑魚キャラですよねぇ!そんなヤム○ャみたいなポジションお断りだよっ!」
春原の叫びに呼応して、ドンッと壁が叩かれる。
そして、続くのは
「おらぁ!うるせえぞ!」
ラグビー部の怒声だった。
「ひぃっ!」
「お前、本当に雑魚キャラっぽいのな……」
春原は目を閉じ、俯いて、ぶつぶつと何か言い出す。
「……っ……く……」
「え?何?」
「ちくしょおぉぉぉぉ〜〜〜っ!もうこんな生活嫌だあぁ!」
いきなりキレた春原が、咆哮を上げながら、ドアを開け放つ。
そして、一度だけ振り返り、
「もう、岡崎とは遊んであげないからなーーーっ!」
俺に向かって、まるっきり子供のような捨て台詞を大声で言い残して、春原が部屋を飛び出していった。
その捨て台詞に反応して、今度は、隣の部屋のドアが勢い良く開け放たれた音が聞こえた。
『おい!てめぇ、うるせぇぞって言ってんだろうが』
廊下から怒鳴り声が聞こえる。
『ひぃっ!』
春原がラグビー部と遭遇したのだろう。
『う……うわあぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜……』
春原の断末魔が、フェードアウトしていった。
820おともだち/3:04/05/27 23:28 ID:MQrflIQN
俺と付き合いだしてから間もない頃、俺とことみの妙な噂が広まり始めた。
本当に下らないものから、若干のリアルをまじえたものまで様々なものがあった。
当然、と言えば当然のことなのかもしれない。
何しろ、学年一番の才女と学年一の不良が付き合っているのだから、噂をするには格好の餌だったのだろう。
だが、人ときちんと接するようになり始めたばかりのことみに、そういう噂を聞かせるのに、俺は避けたかった。
だから、俺は出来るだけ、真面目な学生を演じるようにした。
初めのうちこそ、慣れないことが多くて疲れたが、次第とそれも無くなってきた。
今朝も、ことみと共に登校し、始業前には席に着いていたのだった。
隣の春原の席を見ると、いつも通り空席だった。
「ま、昼になれば来るだろ」
そう呟き、頬杖をついて、窓の外を眺める。
ぼうっと窓の外を眺める事、数分。
「朋也、朋也っ!」
突然、名前を呼ばれ振り返ると、そこには隣のクラスの委員長の藤林杏が立っていた。
「何だよ。また、誰か轢いたのか?」
「そんなしょっちゅう轢いてるみたいな言い方しないでよ。まるであたしが、極悪人みたいじゃない!」
「え……自覚無かったのか……?」
「えーと、死ぬ?」
激烈な殺気を纏いながらも、敢えて気軽に聞いてくる杏。
「いえ、すいません」
朝から、デンジャラスな学生生活である。
「で、どうしたんだよ?」
「今朝ね。陽平を見かけたのよ」
「春原を?それがどうかしたのか?」
「それがね、何か、普通じゃなかったのよ」
「まさか、ついに春原家の妖怪の血が目覚めて、『ケェーーーーーッ!』とか叫んでたのか?」
「……」
冗談に何故か黙り込む杏。
821おともだち/4:04/05/27 23:29 ID:MQrflIQN
「おい、どうしたんだよ……まさかマジで叫んでたのか?」
「叫び……そうな雰囲気ではあったわ」
「マジかよっ!」
杏が、朝見た春原の様子を語ってくれる。
それによると、春原は、制服は着ておらず、シャツ一枚。
声をかけても、まるきり反応せず、挙動不審な様子で町をふらふらと歩いていたそうだ。
何より、常に目を見開き、口を開いて歯を露出させていたらしい。
「それ、あいつがひぃって言う時の顔じゃん」
「そう言われれば、あれはその顔ね。でも、今朝の陽平は、ずっとそんな顔のままだったのよ?これって異常じゃない?」
「まぁ、あいつは普段からかなりキてるところがあるが……」
言いながら、杏の言う春原を想像してみる。

……常に、あの表情のままの春原が、
『ケェーーーーーーッ!』
時折奇声を上げながら、町を徘徊する。
その様子を見た者は、恐怖の余り心を病んでしまうのだ。
そして、町から笑顔が……消えた。

「SATとか呼んだ方がいいんじゃないか?」
俺は真面目な声で言った。
「あんた、一体どんな想像したのよ」
「いや、お前の言葉通りの想像をしたんだが」
「はぁ……まぁ、陽平がおかしいのは今に始まったことじゃないし、今度もきっとすぐに普段くらいの異常さにもどるでしょ」
杏が言い終えると同時に、始業開始のチャイムが鳴り始めた。
「あ、やば。それじゃ、またお昼ね」
杏はそう言い残して、足早に自分の教室に戻っていった。
何となく、春原の席に目をやる。
『もう、お前とは遊んでやらないからなーーーっ!』
昨日、最後に見た春原の姿が目に浮かんだ。
822おともだち/5:04/05/27 23:30 ID:MQrflIQN
「そう言えば、今朝春原さんを見かけたのですが」
古河が昼飯中に、そう切り出した。
今日も演劇部の部室で、俺とことみ、古河に藤林姉妹のいつものメンバーが集まっていた。
「え……」
俺は、つい箸を止めて、古河の方を見る。
「陽平、どんなだった?」
杏も箸を止め、古河に尋ねていた。
「ええ、それが……」
古河の語った春原の様子も杏の語った物とそう違っていなかった。
ただ一つ、新情報があった。
「春原さん、時折、『ひぃっ!』て短く叫ぶんです。わたしも、何に驚いているんだろうって周りを見回したのですが、何も見つからなくて」
とのことらしい。
春原は、何かに怯えているのだろうか。
ラグビー部?それとも、工業高校の奴らか?
しかし、そんな奴らがいたら古河にも見えているはずだ。
悩んでいると、横からくいくいと服の裾が引っ張られているのを感じた。
横に向き直ると、頭にはてなを1本立てたことみの顔があった。
「春原さんって、誰?」
「あー、ことみも会ったことはあるはずなんだけどな……覚えていないか?何か頭が金色のやつだよ」
「その人、スーパー○イヤ人?」
「残念、あいつはヤム○ャだ」
「そうなの……」
がっくりと肩を落とすことみ。
そんなに、スーパーサ○ヤ人に興味があったのだろうか……
823おともだち/6:04/05/27 23:31 ID:MQrflIQN
顔を正面に向けると、藤林が弁当を横に置いて、何やら占いはじめていた。
しゅっしゅっしゅっ……
トランプが、手早く繰られていく。
「あっ」
ばらばらばら……
「藤林、何してんの?」
藤林が、失敗を恥じ入るような照れた顔で、
「えと、春原くんに何があったのかを占ってみようと思いまして」
再び、トランプを並べ始める。
藤林が、ん〜〜〜と唸りながら、トランプとにらめっこをしている。
杏は藤林の占いに、別段興味をもった様子も無く、再び箸をすすめている。
古河は、じっと藤林の占いを見つめながら、何事かを小さく呟いている。
(だんごっ……だんごっ?)
訳が分からなかった。
「なぁ、古河、なんでだんごって言ってんの?」
古河が、慌てて俺の方を振り向いて言う。
「あ、あの、占いの成功率が上がればいいなと思いまして……応援を」
すごい応援だった!
「そ、そうか……まぁ頑張れ」
「はい、頑張りますっ!」
まぶしいほどの笑みを俺に向けてから、すぐに真剣な表情へと戻って、だんご、だんごと唱えだす。
824おともだち/7:04/05/27 23:32 ID:MQrflIQN
ふと、俺のすぐ隣からも、か細い声が聞こえてきた。
(ことみも何か唱えてるのか……?)
ことみの声に耳を傾ける。
「……イア!シュブ・ニググラトフ!森の黒山羊に千人の若者の生贄を!……」
「なんでやねんっ!」
ビシッと俺の手刀が、ことみに入った。
「ないすつっこみなの」
言いながら、大きな瞳をこちらに向けた。
「……で、ことみも応援してるのか?」
ことみが、こくん、と首を縦に振る。
「そうか……まぁ、頑張ってくれ」
「うん、がんばるの」
再び、聞くのも恐ろしい呪文が、ことみの口から紡がれだす。
……だんごっ……千人の若者の生贄を……だんごっ……イア!……
「……」
「……」
俺と杏は、黙って顔を見合わせるしかなかった。
だんごと呪詛の狂気のコラボレーション。
楽しいはずの昼飯は、唐突に邪教のミサになってしまった。
825おともだち/8:04/05/27 23:32 ID:MQrflIQN
邪教のミサが2分程続いてから、
「分かりました!」
藤林の元気な声が、部室に響き渡った。
「春原くんは、きっと今生まれ変わりの最中なのだと思います」
顎に手を当てながら、藤林が神妙な声で言う。
「生まれ変わりぃ?どういうことだよ、藤林」
「は、はい。春原くんは、最近不満が溜まっていて、とうとうそれが爆発したんです。だから、今不満を不満とも思わぬ新たな生命へと生まれ変わろうとしているのです」
「あ、新たな生命……?」
眉を歪めながら、杏が唖然と呟く。
「はい、転生です」
「どういう意味なのでしょうか……」
古河は真剣に頭を悩ませている。
そして、俺は春原の『不満』という言葉に、ギクリとしていた。
その言葉に、昨日の春原の様子が思い返されたからだ。
(あいつ、結構マジだったのかもな……)
「朋也くん?どうかしたの?」
いつの間にか深刻な表情になっていたのか、ことみが、俺の顔を覗き込んできた。
「いや、何でもない」
「うん、ならいいの」
(そうだ……何でもない。昨日のやりとりだって、今まで俺と春原の間では何度もあったじゃないか……)
浮かび上がる疑念を押しつぶすようにして、そう自分に言い聞かせた。
826おともだち/9:04/05/27 23:35 ID:MQrflIQN
放課後、ことみに先に帰るように言ってから、俺は寮へと向かった。
春原の部屋のドアを開け、中を覗く。
そこに、求める姿は無かった。
「あら、岡崎じゃないの」
後ろから急に声をかけられる。
「何だ、美佐枝さんっすか。驚かさないでくださいよ」
「驚かしたつもりはないんだけどねぇ……そう言えば、春原どこいったか知らない?」
思わず、え、と短く驚きの声を上げてしまった。
「あいつ、ずっといないんすか?」
「そうなのよ。昼過ぎに、いつまで寝てんだ、と思って起こしにきたらいなかったの。あいつ、朝ご飯食べてなかったし、どうせまた寝てるんだろうと思ってたんだけど……今日、学校行ってないわよね?」
美佐枝さんが、ハンガーにかかったままのブレザー見て、俺に尋ねた。
俺は、黙って首を横に振る。
「そっか……まぁ、お腹が空いたら帰ってくるでしょ」
美佐枝さんは、そう言って、春原の部屋の前から去っていった。
俺は、再び主のいない部屋に目をやった。
部屋は、雑誌や、空きペットボトルで散らかってるくせに、やけに広く見えた。
827817:04/05/27 23:38 ID:MQrflIQN
ちょっとここで一旦切ります。
しかし、なんでこんなに長くなったのか…
828名無しさんだよもん:04/05/27 23:40 ID:gv+N+urU
最後までやっちまえよw
829おともだち/10:04/05/28 00:06 ID:fEBS8KdT
土曜の放課後。
俺たちは、部室で昼食を摂っていた。
土曜は、半日で終わりなのだが、それでもことみが弁当を作ってきてしまって以来、土曜もここで弁当を食べるのが習慣となったのだ。
「え、陽平、今日も来てないの?」
杏が驚きの声を上げる。
「ああ……あいつ寮にも戻ってねぇみたいだ」
放課後、そのまま春原の帰宅を待っていたのだが、あいつは晩飯の時間を過ぎても帰ってくることは無かった。
「春原さん、一体どうしたのでしょうか……?」
古河が、心配そうに呟く。
「春原くんって、あのヤム○ャ?」
ことみが、聞いてくる。
俺は、首を縦に振って、肯定した。
「春原くん、朋也くんのおともだち?」
「ああ……一応な」
慌てて、一応、と付け加える。
「心配?」
「……ああ。もしかしたら、俺のせいかもしれないしな」
ことみが、珍しく頭の上にはてなを出さないまま、真剣に考え込んで、
「じゃあ、探そう?」
当然の様に言ってくる。
「え?」
思わず聞き返していた。
「おともだちは、とってもとっても大切なの。わたし、もし渚ちゃんや、杏ちゃん、椋ちゃんがいなくなったらとても悲しいの」
言いながら、いなくなった事を想像したのだろうか、最後の方の言葉には少し悲しみの音が混じっていた。
830おともだち/11:04/05/28 00:06 ID:fEBS8KdT
……そうか。
ことみは、この間までずっと一人で、誰とも関わらずに生きてきたのだ。
そのことみからすれば、俺の友達がいなくなった事の辛さが、きっと俺自身よりも、強く生々しく想像できるのだろう。
だから、こうもストレートに感情を表せられるのだろう。
俺は自ら春原を探そうだなんて、思いはしなかった。
もし思ったとしても、実際に行動に移すかどうかは、かなり疑わしい。
でも、ことみの純粋な心では、友達を思う、と言うのは当然のことだったのだ。
だから、俺は、ことみのその純粋さに感謝した。
こんな俺にも、友達を思う、と言う気持ちを呼び起こしてくれたのだから。
「ああ……探そう」
俺の言葉に、皆が、
「そうね。陽平、馬鹿だけどいなきゃそれはそれで寂しいものがあるし」
「わたしもお手伝いします。春原くん、うちのクラスの問題児ですから、委員長として放っておくわけにはいきません」
「わたしも、春原さんが心配です……」
暖かく賛同してくれた。
「じゃあ、とりあえず一旦解散して、1時間後にまた校門前に集合ね」
杏がそう言って、俺たちは散会した。
831おともだち/12:04/05/28 00:09 ID:fEBS8KdT
解散してから、1時間後。
太陽は絶好調で、地表にいる俺たちを責め続けていた。
校門前には、私服に着替えた俺、ことみ、藤林姉妹、そして、
「何故、親子連れ?」
ことみと一緒に古河の家を訪れたときに、見たことのある顔が2つあった。
「こんにちわっ!朋也さん、ことみちゃん、それに皆さん」
早苗さんが、両手を胸の前で合わせながら、嬉しそうに挨拶する。
「けっ、どうしてこの俺様が……」
オッサンが、心底だるそうに文句を言う。
「秋生さん、そんな言い方をしては駄目ですよ」
「お父さん、わたしの友達がピンチなんです。助けてください」
古河家の女性陣がオッサンに言う。
「野球やらねぇか?」
オッサンは、女性陣の意見等聞こえていないかのように、ニカっと笑いながら言う。
「やらねぇよ」
「やらないの」
「いやよ、暑いのに……」
「春原くんを探すのが先では……」
4人同時に、オッサンの案を却下した。
「ケッ、分かっちゃいねぇな」
しかし、オッサンは怯む事無く続ける。
「野球してたら、その何だ、春原だっけか?そいつがふらふらと、匂いにひかれてやってくるかもしれねぇだろ」
どんな野球だ。
832おともだち/13:04/05/28 00:10 ID:fEBS8KdT
「秋生さん、あまり我が侭を言っては駄目ですよっ」
「お父さん、恥ずかしいです……」
「くおおぉぉぉぉ!公衆の面前で、娘に嫌われたあぁぁぁぁ!!」
「いえ、嫌ってはいないです」
「マジか……じゃあ、いつものようにキスしてくれ」
「しないです。と言うかいつもしてないです!」
「くおおぉぉぉぉ!公衆の面前で、娘に嫌われたあぁぁぁぁ!!」
「いえ、嫌ってはいないです」
「それじゃあ、いつものように『お父さん、好き。わたし、お父さんと結婚するわ』と、耳元で囁いてくれ」
「言わないです。いつもそんなこと言ってたらわたしヘンな子です」
「くおおぉぉぉぉ!公衆の面前で、娘に嫌われたあぁぁぁぁ!!」
凄まじいループ展開だった。
「あほ家族?」
杏が、冷めた目で古河一家を見ながら、実に的確なコメントをした。
「……てんどん?」
ことみが、若干ずれたコメントをした。
「てんどんは立派な技術よ。この人たちは素だから、微妙に違うわ」
途端、杏がことみにお笑いのABCを語り始める。
俺は、はぁ、と息を吐き、場の空気を変える為に、ぱんっ、と手を叩いてから、
「そろそろ、探し始めよう」
そう切り出した。
「あいつに泊めてくれるほどの友達はいないから、どっかの店の中か、外にいるはずだ」
「見つけても、見つけれなくても、1時間後にまたここに集合なの」
俺とことみ、藤林姉妹、そして古河一家の三組に別れて、春原捜索を開始した。
833おともだち/14:04/05/28 00:11 ID:fEBS8KdT
古河一家が談笑しながら、商店街を歩いている。
古河一家の捜索範囲は、商店街を中心とした町中だった。
「渚、春原さんってどんな格好の人なんですか?」
「頭が金髪で、割と格好良い人です」
「金髪か、ってことは外人だな」
「いえ、違います。染めてるだけです」
「染めてるなら、きっとその春原ってのは、ロックバンドのメンバーだな」
「それは、分からないです……」
「そう見せかけておいて、その正体はギターの弦で、悪徳金融業者をばったばた倒す必殺仕事人だな」
「そうかもしれません……あっ、そうです岡崎さんが、春原さんをヤム○ャだって呼んでいました」
「……随分、よわっちい仕事人になっちまったな。雑魚敵の自爆でやられちまうじゃねえか……」
古河親子が、きょろきょろと周りを見回しながら歩いていると、
すれ違う人も、何事かと周りを見回す。
「あの、古河さん?」
「はい?」
顔馴染みらしい買い物袋を両手にぶら下げた主婦が、早苗に声をかけた。
「どうかしたの?」
「ええ、実はちょっと人探しを」
「どんな人を?」
「金髪で、割と格好良い、仕事人の雑魚のヤム○ャです」
真顔で言う早苗に、主婦が明らかに一歩後ずさった。
「そ、そう。頑張ってね」
そう言い残すと、主婦は、足早に去っていった。
再び、歩みを再開する。
暫くしないうちに、渚がくすくすと笑い始めた。
「お、どうした渚?何か面白い事でもあったか?」
「いえ、こうして皆で歩くのって何だか久しぶりで、とても楽しいです」
「そうですね。三人揃って歩いておでかけと言うのは随分していない気がします」
「わたしたち、だんご大家族です。仲良し家族です、えへへっ」
古河一家は、楽しそうに嬉しそうに、商店街を歩んで行く。
834おともだち/15:04/05/28 00:15 ID:fEBS8KdT
「じゃ、行くか」
「うん」
朋也とことみが歩いていくのを、藤林姉妹は見送った。
藤林姉妹の捜索範囲は、学校の周辺。
昨日、杏が春原を見かけた地点を中心に探し出すつもりである。
探すといっても、植え込みの中を覗いたりはせず、ただ辺りに気をつけながら、歩くだけと言うものだ。
「お、お姉ちゃん」
椋が、おずおずと声をかける。
普段の椋の声より、更に弱気なか細い声だった。
「ん、何?」
「あの、ね。お姉ちゃんは、知ってると思うけど、わたし岡崎くんのことが好きだったの」
「……ええ、知ってたわよ」
返す杏の声は、感情を失っていた。
会話が一旦、途切れる。
椋が、息を深く吸い込み、吐いた。
まるで、勇気を掻き集めるように」
「で、でもね、岡崎くんはことみちゃんと恋人同士になっちゃった」
震える声を、無理に平板にしたような声だった。
「……」
杏は黙ったまま、椋の言葉に耳を傾けている。

835おともだち/16:04/05/28 00:16 ID:fEBS8KdT
「色々な少女マンガだとね、女の子ってこういう時、すごい嫉妬したりするんだけど。わたし、ことみちゃんにそんな気持ち全然持てないんだ」
一息。
「多分、わたしはことみちゃんも大好きだからなんだと思う。それに、さっき二人が並んで歩いていった時『ああ、なんて自然なんだろう』って思えたの。
きっと、あの距離感はことみちゃんでしか作れない。わたしは、完璧に負けちゃってるの……だから、岡崎くんへの気持ちを諦める事が出来た……」
「椋……」
「でもね……」
声に、感情が混じる。
深い悲しみの感情が。
「でも、わたし悲しい。とても悲しいの。ねぇ、お姉ちゃんどうしてなのかなぁ……?」
失恋の悲しみを、恋敵に嫉妬としてぶつけることもできなくて、椋はずっともやもやとした気持ちを抱え続けていたのだ。
今、それが大きな涙となって、椋の目から零れ落ちる。
「椋」
すっと、杏が椋の頭をその胸に抱え込む。
杏の腕の中では、椋が静かにしゃくりを上げている。
「……全く朋也の奴め、こんなに可愛い女の子を二人も泣かせちゃって……」
腕の中にいる椋にも聞こえない程の小さな声で杏が言った。
杏の頬にも、薄らとした涙の軌跡があった。
「もっと奢らさせてやんなきゃ気がすまないわよ……」
同じ顔をした姉妹は、同じ人を好きになり、失恋し、同じ気持ちを抱いていたのだ。
杏と椋は、抱き合って泣いていた。
836おともだち/17:04/05/28 00:20 ID:fEBS8KdT
「こっこ曲がる〜♪」
ご機嫌そうにことみが、俺の前を歩いている。
「おい、ことみ、あんまりはしゃぐなって。今日は暑いから、あんまりはしゃぎすぎると熱射病でばったりいっちまうぞ」
俺は、仕方ないな、と呟きながら、近くに自販機が無いか探す。
数歩歩いたところに、タイミングよく自販機があった。駆け寄り、財布の中をあらためて、
「やべぇ……全然金がねぇ」
わりと情けない事実に気がついた。
ことみと付き合いだしてから、杏が何かにつけ俺に奢らすものだから、俺の財布も随分と軽くなってしまったのだった。
後ろから、白い手が伸び、硬貨を自販機に投入する。
振り向くと、ことみが、手に子供みたいな可愛い財布を手に持っていた。
「朋也くん、何飲むの?」
「あ、いや、俺は別に喉渇いたわけじゃないんだ。お前に買ってやろうかなぁ、と思ったんだが……」
財布の口を傾け、悲しい現状を見せてやった。
「朋也くん、甲斐性なし?」
「!!!」
かなり衝撃的な一言をくれた。ってかマジで凹む……
「冗談なの」
ことみが、俺の顔を横から覗きこんできた。
「わたし、普段朋也くんに一杯奢ってもらってるの。だから、お返ししたいの……」
少し照れたように言うことみ。
「……あ、ああ」
「うん、それじゃあ何にする?」
「え〜と、緑茶」
ことみが、ぴ、とボタンを押すと、がたん、とペットボトル入りのお茶が落ちてきた。
837おともだち/18:04/05/28 00:21 ID:fEBS8KdT
「はい、どうぞなの」
「ありがとな」
ふたを回し、ペットボトルに口をつける。冷たい少し渋めの液体が、喉を通っていく。
「おいしい?」
「ああ、上手いよ。ありがとな、ことみ」
頭にぽんと手を置いて、撫でてやった。
「じゃ、後は、ことみが飲んでくれ」
え、とうろたえることみに、ペットボトルを渡してやる。
強制間接キスである。だが、これは俺なりの「甲斐性なしなの」に対するひそやかな復讐だった。
ことみは、顔を赤らめて困ったようにしてから、でも、うん、と頷いて、ペットボトルに口をつけた。
「とてもとてもおいしいの」
そう言って笑うことみの顔が、可愛いすぎて仕方が無かった。
俺とことみは、町の外れへ出て、山を迂回する道を歩んでいた。
町中の捜索は、残りの2組に任せて、俺たちは一見有り得なさそうな場所へと向かう事にしたのだ。
「でも、まぁ、春原自体が結構ありえない奴だからな……」
「春原くんってどんな人?」
「一言で言えば、スペシャル馬鹿だな」
「すぺしゃるばか……」
ことみが、噛締めるように、発音する。
「とても、趣深いの」
「マジかよ……言っておくが、想像を絶するぞ。子供に指差さされて笑うくらいの馬鹿だ」
「とても、微笑ましいの」
「多分、犬にも笑われるぞ」
「とても、ワンダフルなの」
……
「今のは、犬と、犬の鳴き声のわんを掛けた、とても」
「なんでやねん……」
慌てて説明することみに、ぴしっと突っ込みを入れてやる。
「朋也くん、つっこみが遅いの。杏ちゃんなら、すぐに突っ込み入れてるの」
「今のギャグは恐らく何事もなく流すのがベスト、と普通は判断するぞ。下手に突っ込んで、ドツボにはまることだって有り得るしな」
「とても難しいの……」
838おともだち/19:04/05/28 00:23 ID:fEBS8KdT
そうこうしている内に、道を歩み終え、自然に包まれた場所へと辿り着いた。
辺りを見回してみる。
「やっぱり、こんな所にいるわけ無いか……」
朋也が落胆の声を上げて、息を吐いた時、
ガサガサッ!
茂みの奥で、何か大きなものが動く音がした。
「何かいるの」
ことみが、無防備に、とことこと近づいていく。
慌てて、それを後ろから抱きしめて、静止する。
「ことみ、もしかしたら危険な生き物かもしれない!……俺が様子を見に行く」
ことみが、顔を赤らめて、こくこくと頷きながら、
「朋也くん、離してほしいの……お外では、恥ずかしいの」
言われて俺も、今の自分たちの姿がどんなものであるかに気づき、急いで手を離す。
「と、とにかく、俺が見に行くから、ことみはここにいてくれ」
「うん……朋也くん、気をつけて」
「ああ」
慎重に歩いていく。
ガサガサと言う音は絶えず鳴っている。
何が出てこようと、すぐに反応できるように神経を澄ませる。
そして、その姿を確認しようとした時、
「ひぃっ!」
情けない、誰かの声が聞こえた。
声は目の前から聞こえてきた。
そして、恐らく、その声の主は、俺たちが探していた人物に違いなかった。
839おともだち/20:04/05/28 00:25 ID:fEBS8KdT
息を整え、
5秒後に、目標に対してアクションを起こすべく、全身のリズムを整える。
1、2、3、4、
5!
ざっと茂みの奥に手を突っ込む。
手に、確かな布地の手触りがあった。
恐らくシャツを掴んだのだろう。
それをそのままこちらへと引き寄せる。
「ひぃっ!」
春原が、お約束の顔のまま、引きずり出された。
ひぃっとわめき続ける、春原をずるずると引きずって、ことみの元へと連れて行く。
「春原くん……どうしたの?」
ひぃとわめき続ける春原を見て、ことみが頭にはてなを三本浮かべる。
「分からん……何かひぃっ!しか言えなくなってる」
「野生化してるみたいなの……」
野生化、と言う表現はまさに的確だと思った。
ノラ春原が、俺を見て、ひぃっ!と短く鳴いた。
840おともだち/21:04/05/28 00:27 ID:fEBS8KdT
丁度一時間経って、俺たちは校門前に集合した。
校門前には、出発前のメンバーに加えて、春原がいた。
「ひぃっ!」
春原は、相変わらず表情を変えないまま、ひぃっと鳴き続けている。
全員どうしていいのか、まるで分からない。
まさか、春原が野生化しているとは、夢にも思わなかったからだ。
「……そういやさ、藤林がさ。転生がどうのこうのって言ってたよな。転生ってコレか?」
俺は、野良春原を指差す。
「あ、あはは。そうかもしれません」
「……と言うか何で、野生化なんてしちゃってるのよ……朋也、陽平と何かあったの?」
杏の視線が、野良春原から、俺へと転じられる。
「……実はな、一昨日春原とちょっと喧嘩しちまったんだ……喧嘩って言っても、昔なら別に何でもない程度の事だったんだ。でも、タイミングが悪かったのかもな」
古河も、じっと視線を俺に向けて、先を促していた。
「俺、ことみと付き合い始めるまで、ずっと春原と2人で馬鹿やってたんだ。だから、お互いいるのが当たり前みたいだった。
でも、俺がことみと付き合い始めてから、春原は一人でいる事が多くなったってぼやいたんだよ。
でも、俺はそれがいつもの春原の軽い言葉だと思って、適当に扱っちまった。だから、春原が怒って部屋を飛び出したんだ……」
「なるほどね〜。陽平はつまり寂しかったってことね。でも、あんたはずっとことみと一緒にいたから、そんな事には気づけなかった、と」
腕を組みながら、杏が言った。
「しっかし、何でこのガキは、野生化なんてしちまったんだ……?寂しさの余り、野生化するなんてただもんじゃねえぞ」
オッサンが、春原を見ながら言う。
「きっと、寂しさを忘れようとしたの」
ことみが、平板な声で言った。
「わたしも、朋也くんと出会うまで、ご本をたくさん読んで、おともだちがいないことを誤魔化そうとしていたの。
ずっと、これじゃいけないって思ったのに、わたしは前に進めなかったの。きっと、春原くんも、同じ事なんだと思うの」
「ことみちゃんは、本を読む事によって寂しさを紛らわそうとして、春原さんは野生化することによって寂しさを忘れようとしたんですね
……人で無くなれば、寂しさも何もかも忘れられるから……」
早苗さんが、涙を浮かべながら言う。
841おともだち/22:04/05/28 00:29 ID:fEBS8KdT
「よりによって野生化とは……」
「さすが、陽平ね……やることが違うわ」
「マジかよ……」
俺、杏、そしてオッサンは、ことみと早苗さんの説明に、ぽかんとするしかなかった。
対して、古河と藤林は涙ぐみ始めていた。
「ぐず……すのはらざん……がわいぞうでず……」
「春原くん……ぐすっ」
えらい温度差のある空間だった。
「んで、どうすれば陽平もとに戻るのかしら」
しきりなおしと言わんばかりに、杏が腰を落とし、春原と目線を同じ高さにする。
「ひぃっ!」
「おー、怯えてるぞ。杏に、酷い目にあわされていたことは覚えてるのかもな」
「んー?とりあえずあんたを酷い目にあわせてあげよっか?」
「ごめんなさい、もう言いません」
オッサンが、ごそごそとポケットの中を漁り始める。
そして、カーゴパンツの大きなポケットから袋を取り出す。
「まさか、これが役に立つ日が来るとは……」
オッサンが取り出したのは、極彩色のパンが詰まった袋だった。
「あ、レインボーパンですね、秋生さん。それをどうするんですか?」
早苗さんの声を、敢えて聞かないようにしているのか、無視をして、袋からパンを取り出す。
うんこ座りをして、目線を春原に合わせる。
「ひぃっ!」
目つきの悪さに怯えたのか、はたまた別の危険を野性の本能で感じ取ったのか、春原が鳴き声を上げる。
「オペレーション『おまえに、レインボー』発動……神よ、罪深き俺を許したまえ」
オッサンが、懺悔するように呟いて、春原の口にレインボーパンを突っ込んだ。
……
「ひいぃぃーーーっ!!」
突然、今までのものとは違う真に生命の危機を訴える春原の叫びが上がった。
オッサンが、慌ててレインボーパンを口から抜き取った。
「ショック療法作戦……上手くいったか!?」
842おともだち/23:04/05/28 00:31 ID:fEBS8KdT
しかし、レインボーパンの効果は上がらず、春原は軽めにトリップしていた。
「……毒としてなら最強クラスのこのレインボーでも駄目なのか……じゃあ、ショック療法自体が駄目って事か……」
オッサンが、ぶつぶつ言い出した。
俺には、オッサンの後ろで、みるみる泣き顔に変わりつつある早苗さんの姿が見えていた。
しかし、オッサンは早苗さんに気づく事無く、あれでもないとこれでもないと呟き続けていた。
そして、早苗さんの目に沢山の涙が溜まると、遂に
「わたしの、わたしのパンは、劇薬だったんですねーーーっ!!」
早苗さんが、顔を両手で押さえて走っていった。
オッサンは、あ、と間抜けな声を上げてから、手に持ったままのレインボーパンの袋を実に嫌そうな顔で眺め、
マジかよ……と短く呟いてから、
「俺は大好きだあぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」
レインボーを口に詰め込んだ。
顔がみるみる青ざめ、足元もおぼつかなくなっていったが、オッサンは懸命に早苗さんの後を追って走り出した。
泣いて走り去る妻を、瀕死の夫が、懸命に追いかける。
シチュエーションだけ見たら、感動的な気もするが、そこに至るまでの過程があまりに異常だった。
「……」
全員、余りの異常っぷりに閉口
「渚ちゃんの家族、とても面白いの」
「わたしも、そう思います」
「えへへ、自慢の家族です」
してなかった!
「「なんでやねんっ!」」
俺と杏のつっこみが完璧に同じタイミングで入った。
843おともだち/24:04/05/28 00:36 ID:fEBS8KdT
俺たちは、とりあえず春原を部室に連れて行くことにした。
土曜の午後ということで、校舎の中には大して人も残っておらず、私服のまま進入するのにも苦労は無かった。
(唯一の苦労は、制服じゃないと駄目だと言う古河を説得するくらいのものだった)。
部室で、春原に対して様々なことが行われた。
だが、大した効果は得られなかった。
古河が、真面目にカウンセリング(本人が言うにはだが)を行って、
何故か最終的にだんご大家族を歌っても、春原はひぃっ!としか言わなかった。
藤林が、トランプを広げて、催眠術(本人が言うにはだが)を行っても、意味は無かった。
遂に、杏がやれやれと言った様子で、軽く(本人が言うにはだが)ビンタをしても効果無し。
「なかなか戻らないの……」
ことみが、困ったように言う。
皆の顔にも疲れの色が浮かんでいた。
俺は、よし、と心の中で呟く。
「なぁ、皆、ちょっと部屋の外に出ておいてくれ」
「何か策があるんですか?岡崎さん」
「ああ、でも、ちょっと恥ずかしいからな……あんま、皆に見られたくない」
俺は、頬を掻きながら、言った。
「やおい……?」
杏が顔を赤らめて、どこか確信を得た様子で聞いた。
「そんなファンタジックなことするかっ!」
さぁ、行った、行った、と皆を部室から追い出す。
ことみが、教室から出る直前に振り返り、
「がんばってね、朋也くん」
「ああ」
俺は、そう答えた。
844おともだち/25:04/05/28 00:40 ID:fEBS8KdT
俺は、春原の横に腰を下ろす。
「な、春原ちょっと話しようぜ」
ひぃっ!と鳴く春原にかまわず、一方的に俺は語り始める。
「お前さ、女が出来ると人が変わるって言ってたよな。でもな、俺自身は特に変わったって気分はしないんだ」
言葉は返ってこないけれど、気にしない。
「古河、藤林や杏、それにことみと一緒にいるようになっただけで、結局ずっと馬鹿やって、笑ってるんだ。
……あいつらは、大切なやつだ。でもな、俺と馬鹿を一緒にしてくれるのは、あいつらと、それと『お前』だけしかいないんだ。
俺にとって、お前はすげぇ貴重な存在なのな」
一息。
「高校生活、ずっと一緒にやってきた仲だ。だから、俺、お前に甘えてたのかもな……
こいつは何があっても、俺と一緒に馬鹿な関係を続けてくれるって。
でも、お前だってムカつきもすりゃ、マジで腹立てることだってあるんだよな。
……俺、お前を一人の人間としてでなく、道具か何かみたいに見てた所があるのかもな……悪かった」
言ってから、俺は自嘲的な笑いを浮かべてしまった。
「はは……今、俺すっげぇ勝手な事言ってるな。
お前が、こんなになっちまってから初めてこんな事言うなんて、俺ってやっぱムカつかれる人間なのかもな」
845おともだち/26:04/05/28 00:41 ID:fEBS8KdT
……
やはり、言葉は無い。
しかし、俺は春原の方を見ることもなく、続ける。
「でもな、これは信じておいて欲しい。
俺は、お前の事を今までだって、そしてこれからだって大切な『友達』だと思ってるよ」
……ッ……
隣から、小さな声が聞こえた気がした。
そして、震える声で、
「……岡崎、僕もお前の事、友達だって思ってるよ……」
春原が、人間の言葉を話した。
「ずっと不安だったんだよ……お前は、僕とずっと一緒だって思ってたのに、
お前は彼女も出来て、僕と以外にも面白いと思える関係を築き上げた」
春原が、言葉を切って、一息つく。
「僕は変わらないのに、お前だけ変わっていくことが何かめちゃくちゃイラついてさ……
何だか取り残された気分になってたんだ。
お前のことが段々分からなくなってきてたんだ」
「春原……」
「岡崎、もう一度聞かせてよ。僕は、お前の友達だよね?」
「ああ……当たり前だろ。お前みたいに、馬鹿で面白い奴そうそういねぇからな、友達だよ、俺らは」
その時、がらりとドアが開いて、
「ずのはらざん……」
頬を涙で濡らした古河が立っていた。
「わたしも、その気持ぢ、ぐすっ、よく分かります。
わたしも、変わっていく事が不安で、不安で、仕方なかったんでず
……でも、岡崎さんやことみちゃんに出会えて、少しずつ強くなっていこうと思ったんです。
だから、ぐすっ、春原さんも、一人で寂しがったりしないでください……」
846おともだち/27:04/05/28 00:43 ID:fEBS8KdT
涙を流す古河に、杏がハンカチを渡して、春原の方を向く。
「まったく寂しがり屋なんだから、陽平は。あーもう、ほら、部長も泣かないの」
古河の頭を撫でながら、杏が苦笑する。
「あ、あの春原くん?わたし、た、頼りないけどクラスの委員長だから、相談事とかいつでも乗るから」
次は、椋が照れ笑いを浮かべながら、部室に入ってきた。
残ることみが、ドアを抜け、春原のもとへと歩み寄ってくる。
腰を下ろし、春原と視線を同じ高さにする。
「こんにちは」
挨拶する。
ことみが、右手の人差し指で自分の顔を指差し、
「ことみ」
そう切り出した。
「ひらがなみっつで、ことみ。呼ぶ時はことみちゃん」
にこっと花のように笑みを浮かべてから、
「もしよかったら、おともだちになってくれると、うれしいです」
そう言った。
それは、かつて何度も聞いた懐かしいフレーズだった。
「……ああ、おともだちになろう……」
春原が、泣いているような震えた声で返した。
俺は、何が嬉しいのか良く分からなかったけど、とにかく嬉しさが抑えきれなくて、春原の方を向いた。
「すのは……ッ!」
俺の言葉は途切れる事になる。
凄まじいものを見てしまったからだ。
847おともだち/28:04/05/28 00:45 ID:fEBS8KdT
「え、どうしたの?岡崎」
不審に思って、そう聞き返す春原の顔。
春原は、目を見開き、歯を露出させた、あの「ひぃっ!」の顔のまま、涙を流していたのだった。
「ってお前、顔おかしいぞ!」
「え、何がさ」
そう言って、顔を手でぺしぺしと叩いてみたり、顔の筋肉に力を入れてみたりするのだが、
「……顔が……動かないっ!!」
恐らく、24時間以上も、あの顔のままでいたのだ。
春原の顔の筋肉はかちこちに固まってしまって、あの顔が、通常の状態へとなってしまったのだった!
「ひぃっ!」
春原が、情けない声を上げながら、顔を手でつまんでどうにか直そうとしている。
顔が様々な形に歪んで、変わる。
俺は、次第にそれがおかしくなって、
「はははっ!やっぱり、お前ってすげぇおもしれえよな!」
声を上げて笑ってしまった。
みんなも笑う。
春原も、あの顔のまま泣きながら、しかし、笑うのだ。
今、俺たちは笑いあって、おともだちになったのだった。

Fin.
848名無しさんだよもん:04/05/28 00:47 ID:XIiSWY0P
GJ!
確かに長いけど、その長さを気にさせない読ませっぷりでした。
オチも良かったです。
849817:04/05/28 00:48 ID:fEBS8KdT
すんません、すんません。
予想通りなのですが、異常に長くなりました。
最初は、春原が光に脅える程退化するという話にするつもりだったのですが……
いつの間にやら、こんな話に。
長文&乱文で失礼しました……

……そう言えば、椋って、こんなキャラで合ってましたっけ……?
850名無しさんだよもん:04/05/28 00:49 ID:ntiryyYz
>>847
お疲れ様でした。すげー和みました。
みんな仲良しなのはいいねー。
みんな可愛いねー。

今日こそ早く寝ようと思ったのに、続きが気になって
結局こんな時間になっちまった……。
851名無しさんだよもん:04/05/28 00:49 ID:ZjoZujfv
無駄に長い。
だれて、あんまり面白くなかった。
もっと削れるとこあったはず。
推敲を薦める。
852名無しさんだよもん:04/05/28 00:54 ID:WRkTzFL6
>>847
乙。なかなか良かったと思います。

ただ、やはり長すぎなのは否めないかと。
853名無しさんだよもん:04/05/28 00:59 ID:RuRbyW6S
恐らく、書いてる途中に閃いた事を、無理やり押し込んで行ってるんだと思う。
途中の、杏と椋の恋談義は要らなかったな。いきなりその話題は場違いすぎる。
秋生と早苗も、ことみらの輪に入れてない。浮いてる。
ついでに、パン屋をほっぽり出すのを、渚と早苗が許す訳が無いし。

でも話としては良かったと思うよ。
854名無しさんだよもん:04/05/28 01:01 ID:kD5Ed7pY
こういうまったりとした、そして多くのキャラが絡む話は好きだね、GJ

確かに>>851-852の言うように、少し長いかな?
全28レスじゃなく、20レス以内に収まったら最高かも。
855名無しさんだよもん:04/05/28 01:02 ID:a0UK+9hi
>>817
おもしろかったです。
ネタの使い方とかにセンス感じました。
856817:04/05/28 01:14 ID:fEBS8KdT
批評、有難うございます。
何を書かせても、やけに長くなるのが、俺のダメな癖で……
頑張って、改めようと思います。
SSを書くのは、初めてでしたが、楽しかったので、
ネタが思い浮かべば、また書こうと思います。
857名無しさんだよもん:04/05/28 01:20 ID:ODiwtwpW
ほぼ>853と同じ感想。
ただ、パン屋ほっぽり出すってのはそれほど不自然じゃないかな。
んで、全体としては面白かった。
たまにギャグがスベってる気がしたけど、このあたりは読者の嗜好もあるし。
乙でした。
858名無しさんだよもん:04/05/28 02:13 ID:RuRbyW6S
LUNAR!のSSが更新されてた。
・・・面白すぎなんですけど。
859名無しさんだよもん:04/05/28 07:06 ID:5uRhOkgc
>>858
自演の宣伝、乙ですw
860再婚afterプロローグ:04/05/28 08:14 ID:NFBCzFaf
バイクの排気音が、安アパートの壁を震わせた。
「るせぇな…、汐が眠れねえだろうがっ…」
それは、そんな大きな音ではなかったはずだ。
ただ俺が神経質になっていただけだろう。
今度は廊下に足音が響いた。
足音は部屋の前で止まりノックに変わった。
億劫に思いながら無言でドアを開けると、長い髪の女性がいた。
「やっ」
「杏…」
「汐ちゃんの具合、どう?」
俺はうつむき、小さく首を振った。
「上がれよ」
「汐ちゃん寝てるんじゃないの?」
「ん…、でも、顔見せてやってよ」
「汐ー、先生がお見舞いに来てくれたぞー」
「せんせー?」
汐は頭だけ起こして杏の姿を探した。
「汐ちゃん、こんばんは」
「せんせー、こんばんは」
杏は部屋に上がり、汐の枕元に座った。
そしてバッグから一冊のスケッチブックを取り出し、表紙を汐に見せる。
「今日は、みんなからのお見舞いを持ってきましたぁ」
「わぁ」
汐の顔がパッと輝いた。
こんな表情を見るのは何日ぶりだろう?
861名無しさんだよもん:04/05/28 08:16 ID:NFBCzFaf
「あ、でも、今日はもう夜だから見るのは明日にしようね?」
「えー」
「こら、汐。先生の言うこと聞こうな」
「はーい」
「うん。じゃあ、おやすみなさい」
そう言って、汐の布団をかけ直してくれた。
「おやすみなさぁい」
キッチンでコーヒーを淹れて入れて来ると、杏は汐の隣で横になり、その髪を梳いでやっていた。
その仕草は、まるで母親のようでドキリとさせられた。
「もう寝ちゃったのか」
「うん」
体を起こすと、部屋の隅の机に向き合う。
渚の写真と位牌が置いてあった。
「部長さんっ、どうか汐ちゃんを助けてください。守ってくださいっ
「汐ちゃんの友だちも、みんな待っていますからっ」
両手を合わせ、声を震わせてそうつぶやいた。
杏が汐の担任で良かった。
この巡り合わせに感謝した。
「今日は、ありがとな」
「うん、お大事にね。あと、あんたもね」
「え?」
「疲れ切った表情してるわよ。じゃあ、おやすみなさい」
「おやすみ」
玄関で杏を見送った。
862名無しさんだよもん:04/05/28 08:17 ID:NFBCzFaf
バイクの音が遠ざかる。
名残惜しくなって、杏が置いていったお見舞い帳をめくってみる。
拙い絵とともに、心からのメッセージが。
”しおちゃん、はやくよくなってね”
”しおちゃん、げんきになったらまたあそぼうね”
”しおちゃん、おおきくなったらおよめさんになってね”
ムカッ。
なんだこれは?
お見舞いじゃねぇよ。
一枚くらい無くなっても分かんねぇよな。
「ビリビリビリ…」
口で言ってみただけだ。
フッと息が漏れた。
汐の寝顔を見つめる。
俺、まだ余裕あるじゃん。
まだまだ頑張れるぞ。
こいつのためならな。
もう一度スケッチブックに目を移す。
すると、その表面から光が浮き上がった。
一つ、二つ、三つ……。
何十もの光の玉が部屋を埋め尽くした。
それらは漂いながら、部屋中の影を消していった。
真っ白な世界に、俺と汐の二人だけ。
雪のように真っ白なのに、とても暖かかった。
やがて光の玉は汐の周りに集まり、その体に吸い込まれるようにして消えた。
我に返る。
「汐? 汐!?」
汐はさっきと同じように寝息を立てていた。
ほっとしたら、俺もまた眠りに落ちた。
863名無しさんだよもん:04/05/28 08:18 ID:NFBCzFaf
翌日の汐の体調はだいぶ良く、一日中お見舞いのスケッチブックを見て過ごした。
ちなみに、汐へのラブレターは一枚どころではなかった。
何か釈然としない。
その翌日には、検診に来た医者も驚くほどの回復を見せた。
これはあの光が起こした奇跡なんだろうか?
それとも一時の回復に過ぎないのだろうか?
いや、今は汐の回復を喜ぼう。
たとえ再び病に伏せることがあっても、俺が守ってみせるさ。
数日後、幼稚園の杏に電話をかけた。
「この間は、ありがとな」
「どういたしまして。それより、その後どう?」
「うん、実はお前が来た日からどんどん良くなってさ、来週から幼稚園行っていいってお墨付きもらったよ」
「ホント!? 良かったぁ。うんうん。良かったね、良かったね、朋也ぁ」
涙交じりの声が聞こえてくる。
「うん。ありがとな。でだな、当分の間は運動は控えめにって事でお願いします、先生」
「はい、任せてください、お父さん」
二人で、ハハハと笑いあった。
少しの雑談の後、電話を切った。
ふと、杏とその教え子たちの顔が思い浮かんだ。
俺は彼女らに、ありがとう、と言った。
864860:04/05/28 08:21 ID:NFBCzFaf
渚死亡after、汐まで死ぬのは悲しすぎなのでとりあえず汐は生きさせてみた。
もしかしたら再婚まで行くだろうってことで、プロローグ。
バイクは大型ノーマルかな。
ま、魁先生に軽意をはらっただけで特に意味はないです。
865名無しさんだよもん:04/05/28 12:15 ID:ZpKu8nrj
うーん…。
本編に出てこなかった汐の友達を絡ませる、というネタ自体は悪くないんですが、
ちょっと練り込みが足りないように思えました。
それだけに、非常にもったいなく感じます。
まぁ短編だから仕方がないのかも知れませんが…やっぱりもったいない。
866名無しさんだよもん:04/05/28 13:43 ID:kD5Ed7pY
練り込みというよりは、短編しかもプロローグのみっていう特性かもしれないね。

ただ、個人的な妄想だと、この続きは杏と再婚というより親友ENDになっているんだがw
867名無しさんだよもん:04/05/29 00:53 ID:+bNB5OHH
↑ スレスト?(w
868名無しさんだよもん:04/05/29 01:00 ID:C9qDdacF
このスレはSS投下されないと盛り上がらないの。
869名無しさんだよもん:04/05/29 01:18 ID:myhVTJRd
DNMLスレに獲って食われてるな。
870名無しさんだよもん:04/05/29 02:08 ID:MoqA+3ND
DNMLスレはオリジナルに加えて他スレのSSをDNML化したのも出てるからなあ
DNML→SSは結構修正しないと駄目だろうから難しいか
871おふろ:04/05/29 13:08 ID:cakr+6da
朋也と渚が一緒に風呂に入ったらどうなるかをSSにしました。
深いことは全く考えていません。
After storyで、結婚してから少ししたくらいという設定です。
872おふろ:04/05/29 13:09 ID:cakr+6da
「朋也君、お風呂わきました。」
「ああ。渚が先に入れよ。俺は後でいいからさ。」
「・・・あの。」
「どうした?」
渚が顔を真っ赤にしている。
「・・・朋也君と一緒に入りたいです。」
「ええ?!」
いきなりの渚の申し出ににびっくりした。
まあ、結婚しているわけだし、やましいことも何もないのだが。
「あの、嫌ですか。」
「そんなことは全然ないんだが、どうしていきなり・・・」
「今まで朋也君と、一緒にいろいろなことをしてきましたけど、」
「一緒にお風呂に入ったことはなかったんです。」
873おふろ:04/05/29 13:10 ID:cakr+6da
「一緒にトイレに入ったこともないぞ」
「それは変態ですっ」
「ごめん。冗談だ。」
確かに今までに、渚と一緒にいろんなことをしてきた。
一緒に暮らしてきたし、同じ布団で寝たりもしたし、
つい先日入籍もした。
俺も渚も、一緒に何かすることに喜びを感じていた。
その中で一緒に風呂に入ることが、足りていなかったことなんだろうと思った。
渚から言い出すには、かなりの勇気が必要だっただろう。
断る理由は何もなかった。
874おふろ:04/05/29 13:10 ID:cakr+6da
「じゃあ、一緒に風呂はいるか。」
「あ、ありがとうございます。」
「着替える場所が狭いから、渚が先に入っていてくれ。」
「俺は後から入るよ。」
「はい。先に入っていますね。」
風呂に入る前から湯気が上がりそうな顔で、渚は風呂に向かった。
渚がカーテンの向こうで服を脱ぎ出すと、俺も顔が熱くなってきた。
「一緒に風呂か・・・ とんでもなく幸せな状況だよな。」
思わずつぶやいてしまった。
下心がないわけではなかったが、大好きな渚と風呂に入れるということを
考えただけで、天にも昇る気持ちになっていた。
875おふろ:04/05/29 13:11 ID:cakr+6da
渚が風呂場に入ったのを見計らって、俺も風呂場の前に来た。
服を脱いで、風呂場に入る。
渚は湯船の中に入っていた。
「やっぱり緊張します。えへへ。」
「安心しろ。俺もすごく緊張してる。」
結婚しているとは言っても、お互いに裸という状況は緊張する。
渚は風呂の中では髪を束ねていたが、それがまた新鮮に映った。
「その髪型もいいな。惚れ直した。」
「ぇ、ぁ・・・」
「どうした?」
「嬉しすぎて言葉が出ませんでした・・・ありがとうございます。」
渚、かわいすぎるぞ。
876おふろ:04/05/29 13:11 ID:cakr+6da
簡単に体を洗って、俺も湯船に入ろうとする。
が、大人二人が入るには、湯船はかなり狭い。
二人とも体を丸めて何とか入るが、ぎゅうぎゅうだ。
これでは二人して入った意味が無い気がする。
「二人で入るには、湯船が狭かったですね・・・ごめんなさいです。」
「そうだ、こうしよう。渚、ちょっとごめんな。」
「え?」
渚の体を反転させ、背中向きで俺の膝上に座らせた。
これならあまり場所をとらない。
877おふろ:04/05/29 13:12 ID:cakr+6da
俺は渚の腰あたりに腕を回し、軽く抱き寄せた。
「ぁ。」
渚が小さく声を漏らした。
俺と渚の体が、全身で直接密着している。
俺は渚を全身で感じていた。
これはもう気持ちがいいと言うレベルの話ではない。
幸福の絶頂とは、このようなものなのだろうかと思わせるものだった。
「朋也君・・・」
「渚・・・」
渚も同じような気持ちらしい。
このまま時間が止まってほしいと思った。
878おふろ:04/05/29 13:12 ID:cakr+6da
ところがものの1分もしないうち、渚が口を開いた。
「朋也君。ごめんなさい。のぼせちゃいました・・・」
「そうか。あがるか?気をつけてな。」
実は俺ものぼせていた。
湯船の温度は普通だったが、中の二人は沸騰した状態だったのだ。
ふらふらと立ち上がり、頼りない足取りで渚は風呂場を出た。
渚が着替えたのを見計らって、俺も風呂場を出ようとした。
足元がおぼつかない。気を抜いたら倒れてしまうだろう。
気力を振り絞って、何とか着替え、居間に戻った。
879おふろ:04/05/29 13:13 ID:cakr+6da
布団の上で渚がふらふらになりながら座っていた。
「あの、えーと・・・おやすみなさいです。」
「おやすみ・・・」
バタン
二人並んで布団の上に倒れ込んでしまった。


おしまいです。
批判をお待ちしています。
880名無しさんだよもん:04/05/29 13:16 ID:vcpCQqqr
>>878で、氷水をぶっかけられた気分。
881名無しさんだよもん:04/05/29 13:23 ID:a5k8vMze
>>879
もっと文章詰め込めたんじゃね?
レス数とりすぎ。
まぁ、ほのぼのした。
882名無しさんだよもん:04/05/29 13:31 ID:jNEldOsk
少年誌のサービスカットそのままというか、ある意味とてつもなく本編準拠ちっくなエロスというか・・・

まあ、確かにエロスレの方じゃなくてこっちに落とされてる時点でいろいろ見破るべきだった
やられたよ
はっはっは
883名無しさんだよもん:04/05/29 13:39 ID:npeEobqb
>>879
まずは細かい点で。
渚が朋也を呼ぶ時は、「朋也君」ではなく「朋也くん」。
あと、風呂(正しくはシャワー)はいつも朋也が先(本編エロ雑誌の部分参照)。

シチュエーションの狙い目はなかなかおいしいところで、需要は大きいと思うw
ただ、ちと単調なまま終わってしまっているかな。

朋也の家にはたぶんシャワーしかなくて、風呂はない。
なので、単調さを解消する狙いもこめて、例えば以下のシチュエーションにする。

渚の実家にいつも通り顔を出したが、その日は成り行きで泊まって行くことになった。
そこで一緒に風呂に入ると言い出す渚。
俺も入れろ、昔は一緒だったと秋生が言い出すも、あっさり拒否られ。早苗さんには聞かれるわでいつもの騒動。
そして風呂に入る。ここはほのぼのラブラブ描写。
のぼせて出てきた二人を見て、秋生が「人様の家の風呂でよろしくやりやがって」。「やらねーよ!」「普通やるだろヘナチンが!」でまたもや騒動に…

あんまり前後の秋生ギャグを長くし過ぎると重点がボケるんで注意が必要だが。
884名無しさんだよもん:04/05/29 13:41 ID:a5k8vMze
>>883
よし、そのシチュでお前が書け。
885コテとトリップ:04/05/29 14:48 ID:4AB0CyQX
こーゆーのはぐだぐだいうだけ不粋なだけなんだよなあ
なんも考えないで垂れ流してるだけだろうから。まったりしてて嫌いではない

>>881

詰め込んだら台無しじゃないか?こーゆーのは
おれはもっとスカスカでも許容範囲だなあ
886860:04/05/29 14:57 ID:jI57AIFo
>>866
再婚afterつーか汐anotherとすれば、それもアリです。
椋との再会も書いてみたので、この後はお好きなようにとって下され。
2ちゃんネタは、魁先生にry

その前に862バッドエンドおいときますね

名残惜しくなって、杏が使ったカップを手に取る。
薄く残った口紅のあとが、妙に艶めかしくて……。
そこに口づけた。
わずかに残ったコーヒーを飲み干し、杏の口紅を自分の唇に移すように擦りつけた。
「パパ…、へんたい。さいてーー」
ハッとして振り返る。
いつの間にか汐が起きあがっていた。
が、それもつかの間、たちまちその場に崩れ落ちた。
「汐っ! 汐ーーー!!」
汐を抱き上げ、大声で名前を呼んだ。
だが、汐は二度と目覚めることはなかった…。
 BAD END
887after863:04/05/29 14:59 ID:jI57AIFo
クリスマスセールまっただ中のショッピングセンターに汐の姿を探す。
「汐ー! 汐ー!」
ちょっと目を離しただけだから、遠くには行ってないはずだ。
……。
いた。
前を行く女性の後をちょこちょこと追いかけていた。
そして追いつくや、その手を捕らえてしまった。
あー、何やってんだか。
「せんせー」
「ん? どうしたのかな? 迷子になっちゃったのかな?」
「…? …せんせーちがう?」
「先生? あ、もしかして…」
「娘が申し訳ありません。汐。パパから離れたらダメじゃないか」
「ごめんなさい」
俺は女性に謝り、汐は俺に謝った。
「岡崎くん?」
なぜかその女性は俺の名を知っていた。
いや、俺もその人を知っていた。
毎朝、汐を出迎えてくれる幼稚園の先生にそっくりな顔。
888名無しさんだよもん:04/05/29 15:00 ID:jI57AIFo
「藤林」
「はい、お久しぶりです。こちら娘さんですか?」
「ああ。汐ってんだ。杏の教え子なんだぜ」
「そうですってね。お姉ちゃんに電話で教えてもらいました」
「良くしてもらって感謝している…。ん? 電話?」
「あ、私実家をでているので」
「あーいいお年ごろだもんな」
「年のことはそろそろタブーです。ちなみに今は、ナースをしているんです」
「看護婦さんかぁ」
「はい」
「ふむ。看護婦と保母、姉妹そろって愛が必要とされる職業選んだんだな」
「ええ?」
「あー、いや。何でもない。職場の元ロックシンガーの戯言ですよ?」
「戯言じゃないです。照れますけど」
俺、芳野さんに洗脳されてますか?
藤林は話題を変えるように、汐の前にしゃがんだ。
「こんにちは、汐ちゃん。私はお父さんのお友だちで、汐ちゃんの先生の妹の涼と言います」
「せんせいのいもうと?」
「はい、そうです。よろしくお願いしますね」
「おかざきしおです。よろしくおねがいします」
「ごあいさつ、よくできました」
「しっかり者でさー。まいっちゃうよ」
「くす、自慢したくてしょうがないって顔ですね」
そう笑う口元を隠す左手に、指輪がキラリと光る。
「あっ結婚してんだ?」
「はい…」
「それはおめで…」
「でも、二年前に亡くなったんです。あの人…」
「えっ…」
言葉が続かなかった。
889名無しさんだよもん:04/05/29 15:01 ID:jI57AIFo
汐の背中を押しておもちゃコーナーにやる。
今度は迷子にならないよう、その姿を目で追いながら。
「岡崎くんも奥さん…、渚さん亡くされたんですよね…」
「ああ、五年前に…。お前も…つら…かったろう?」
「はい…」
「偉いよ。一人で立派にやってるみたいでさ」
「そんなことないです。今でも落ち込むことありますし…。
「それに、こうなることは覚悟の上での結婚だったんです。
「あの人は、出会ったときにはすでに病気、骨肉腫で。
「手術を嫌がって、でも、一番嫌がっていた手術で足を切断して…。
「それでも手遅れで…、肺に転移していて、苦しみながら…、…亡くなりました。
「だから…大丈夫だったんです。ナースの仕事は忙しく、患者さんは私を必要としてくれましたから」
藤林の言葉に、俺と渚の姿を重ねる。
「……。俺もだ。俺も覚悟はあったはずなんだ」
「体の弱い渚と一緒になったとき。そんなあいつが無理してでも子供を産むと言ったとき…。
「でも、だめだった。ふさぎ込んで…、娘だってついこの間までほっぽらかしていたんだ。ずっと俺のこと求めていたのに…」
「それじゃあ、これからは汐ちゃんのために、がんばらないといけませんね」
藤林は俺の手を取って、そう励ましてくれた。
「ああ」
俺は、ただ短い返事を返した。
二人、無言で汐の姿を眺めていた。
「いいなぁ…。私も赤ちゃん欲しかったです」
寂しい言葉だった。
「お前な。まるで何もかもが、終わってしまったみたいな言い方は良くないっ」
「…そうですね。元ロックシンガーさんの元気が出る言葉、何かないですか?」
「よしっ、……。う〜ん」
「……」
「今度CD貸すな。それとも本人紹介するか?」
「じゃよろしければCD貸してください。…さて、と。今日はお話しできて良かったです」
「それは多分、お互い様だ」
「はい、こんな話お姉ちゃんともできません…」
890名無しさんだよもん:04/05/29 15:02 ID:jI57AIFo
手招きして汐を呼び寄せる。
「どうだ、何か欲しいものあったか?」
「んーん」
「サンタさんにお願いしとかないと、クリスマスにプレゼントもらえないぞ?」
「サンタさんはパパだもん。パパがいっしょにいてくれればいい」
「くーっ、お前ってやつはぁっ。よーし、パパ、サンタの格好しちゃうぞー」
汐の頭を、くしゃくしゃになでる。
すると涼が俺の耳元でささやいた。
「やっぱり、羨ましいです」
冗談めかした言い方だったが、胸がチクリと痛んだ。
俺みたいな人間が幸せなのが申し訳なかったのだ。
「すまん藤林、今度三人で飯でも食おう」
「ええっ? それって…デート…ですか?」
しまったあ!
俺とお前ら姉妹の三人のつもりだったのに。
汐の母親になりませんか的にとらわれてない?
「…えーと、じゃ杏も誘って四人で、な?」
無難な言葉で取り繕ったつもり。
「はい」
顔は真っ赤なままでそう答えてくれた。
誤解は解けていないかもしれない。
別れ際。
「それと、私今は柊椋と言いますので」
「そうか…。じゃあまた今度な、柊…、いや椋」
「はい。さようなら。汐ちゃんバイバイ」
「バイバーイ」
教えられたばかりの椋の姓はしっくりとこなかったので名前で呼んだ。
彼女には大切な夫の姓なんだろうけど…。
別に下心があったわけじゃあない。
愛する人を失ったもの同士、励まし合えたらいいと思ったから。
891名無しさんだよもん:04/05/29 16:02 ID:CJXFhWR4
>>890
モーマンタイ
892名無しさんだよもん:04/05/29 16:05 ID:vcpCQqqr
続きを激しくキボンヌ
893名無しさんだよもん:04/05/29 16:25 ID:+bNB5OHH
GJ!! 同様に続きキボンヌ。

でもやっぱり親友ENDになっちゃうよ(w、続きを妄想すると。
全体の雰囲気がそうさせるのかな?
894名無しさんだよもん:04/05/29 16:32 ID:yg6G/4Ym
土日はたくさん投下されていいねぇ
895名無しさんだよもん:04/05/29 16:45 ID:is1PMKsG
なんかいいね
勝平がイイ感じで消去されててw
でも、この後ってやっぱり汐は…

ところで本編でもそうなんだけど、
勝平が入院する場合の費用とかってのは
どういう風に解釈すればいいんでしょうか?
何か説明あったっけ?
896名無しさんだよもん:04/05/29 16:52 ID:VDFUWCun
椋が体で・・・
897名無しさんだよもん:04/05/29 16:52 ID:o0NAVGdm
>>895
せいぜい椋がイメクラやってる立ち絵があったくらい
898名無しさんだよもん:04/05/29 17:06 ID:EQiGgqQr
>>890
メル欄ワラタ。GJ!続きキボンヌ
今日も平和な学園。
気温もぽかぽか。
変わったことなど起こりそうもないのですが…
「ひいぃぃぃーーーーー………」
おやおや?
なにやら中庭の方から断末魔の声が聞こえるようですね。
ちょっと眺めてみましょう。

そこにいたのは数人のガタイのいい男たちと、
地面にへたりこんでしまっている金髪君。
そう、みんなもよく知っているラグビー部員と春原君だね!
じゃぁ、ちょっと彼らの会話を聞いてみよう!
「すんません、ほんの出来心だったんですっ」
泣きながら土下座をする春原君。
君を学園のヘタレ君一号に任命するよっ!
「あぁ!?人の女に勝手に抱きついて、挙句に唇まで奪おうとしたそうじゃねぇか!」
「大体てめぇは寮でも毎晩毎晩うるせぇんだよ!ちっとは静かにしろってんだ」
「もういいって、痛めつけなきゃこいつはわからないんだ。
 とっととやっちまおうぜ!」
「よーし、覚悟しろよ」
あーあ、リンチが始まっちゃうよ。
まぁ、春原君は不死身みたいなもんだから、平気だろうけど。
「ひぃっ!だ、誰か助けてーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
断末魔の声を上げる春原君。
誰も助けるわけないのにね。
頼みの綱の悪友の岡崎君も校舎の窓からにやにやしながら眺めてるし。
絶体絶命とはこのことを言うんだね。
「お困りのようですね」
ん?誰かが来たようですね。
「だ、誰だ!?」
「無抵抗なヘタレを5人がかりでリンチするとはあなたたちはクズの極みですね。
 ここは制裁を加えねば」
「隠れてねぇで出てきやがれ!」
木の上から忍者のように華麗に降りてきたのは女の子。
「ヒトデ星からの使者、ファイナルヒトデ使い☆風子……参上」
唖然とするラグビー部のみなさん。
「……ぷっ」
「あはははははは!!!」
耐えられずに爆笑してしまいました。
だってそうでしょう。
小柄なかわいい女の子が木彫りの彫刻を片手に、正義の味方らしきことをするんですから。
しかも、頭にはパーティー用の三角帽。
てっぺんのふさふさが激プリチー。
いくら笑われても彼女にはどうということはないのか、春原君の方をくるっと向いて言いました。
「もう大丈夫です、春原さん。
 このファイナルヒトデ使い☆風子が来たからには、春原さんには指一本触れさせません」
「風子…ちゃん?なにしてんの?」
さすがの春原君もちょっと引いてる様子。
「風子ちゃんなどではありません!ファイナルヒトデ使い☆風子です!」
「ぷはは!で、ファイナルヒトデ使いちゃん、どうやって俺たちを倒すんだい?」
笑いながらラグビー部員がファイナルヒトデ使い☆風子ちゃんに問い掛けます。
「ふ、笑っていられるのも今のうちですっ!」
ただならぬ雰囲気にちょっとだけ怯むラグビー部のみなさん。
902名無しさんだよもん:04/05/29 18:01 ID:lQcLxj+O
( >ヮ<) 風子…参上
903名無しさんだよもん:04/05/29 18:02 ID:lQcLxj+O
ひぃぃぃぃぃぃぃ(゜皿゜;)
「必殺……ヒトデシューティングスター!
 実は風子、あなたたちが来る前からこうなることを予測して、
 あらかじめ大量のヒトデをこの大木のそこかしこにセットしておいたんです!
 あ、もう逃げたって無駄ですからね。
 風子がちょっとでも合図したら200個を超えるヒトデがあなた達を襲うんですから!」
「な、なにぃ!?」
さすがのラグビー部もびびってしまっていますよ。
と、いうか来るのがわかってたならこうなる前に助ければいいのにね。
「さぁ、裁きの時間です!
 春原さんをいじめたことを後悔するがいいです!」
ファイナルヒトデ使い☆風子ちゃん、ええい、もう言うのめんどい。
もとい風子ちゃんが声をあげ、片手を挙げるあげると同時に、
どういう原理でそうなったのかは不明だけど、大量の星型の彫刻が降り注いできました!
「うわ!い、いてぇ!」
「ぎゃーーーーーす!!!」
「やばい、こんなに、いてっ、あてられると、いてっ、やばいかもしれん、いてぇ!」
ぐちぐち言ってる間にも降り注ぐ大量のヒトデ。
窓から眺めていた岡崎君も唖然としています。
肝心の風子ちゃんはそれを眺めてあっちの世界に飛び立っています。
ついに倒れ始めるラグビー部のみなさん。
ひとり、ふたり、三人、四人。
ついに主将の人も倒れてしまいました。
ラグビー部、全滅。
合掌。
「………はっ」
風子ちゃんはやっとあっちの世界から戻ってようですね。
「どうです!これに懲りてもう春原さんをいじめるのはやめなさいっ!」
そうは言ったものの、返事をしてくれる人は気絶してしまっています。
「全く、寝てちゃ説教ができないですっ。
 …まぁいいでしょう。
 悪は滅びました、さぁ春原さん。
 そんなとこにへたってないで、起き上がりましょう……ってあれ?」
どうやら風子ちゃんは致命的なミスをしたようですねぇ。
ヒトデが木の上から降り注いでいたならラグビー部はもちろんのこと、
そこにいた春原君にも被害が及ぶのは必然。
哀れ、何故か春原君が一番被弾しているようで、人ならざる顔で倒れています。
「わっ、春原さん、誰にこんなに殴られたんですかっ!
 風子が見ている間にそんなこと起こったとは思えません!
 異世界ですかっ、異世界に飛ばされたんですかっ!」
犯人はそこらじゅうに転がっている君が仕掛けたヒトデです。
「酷い、酷すぎますっ!
 …ですが、春原さんの死を風子は無駄にはしませんっ!
 春原さんの敵は風子が必ず取りますっ!
 次の誰かが風子を呼んでいるようですので、失礼しますっ!
 それではっ」
言うが早いかばらまいたヒトデのあと片付けもせずに走り去ってしまいました。
変わり身早いですねぇ。
あとに残ったのは屍になったラグビー部員と、地球外生命体と化した春原君。
事の顛末を最後まで見届けた岡崎君が一言。
「ファイナルヒトデ使い☆風子……新たなるヒーローの誕生だな」

To be continued...
 次 回 予 告

ファイナルヒトデ使い☆風子に新たなる敵が現れた!

そいつは教師共を操り、週休1日制の授業を強要しようとし、

生徒たちに苦痛を与えようとしている教員、乾!

危ない!生徒たちの土曜日が潰される!

次回、「洗脳教師の陰謀を打ち砕け!」

請うご期待!
えっと。
書きたいこと書いた。
たまにはこんなの書かないとやってられないね。
続くかどうかは微妙w
909名無しさんだよもん:04/05/29 18:09 ID:CEaIL0Tm
>>908
>書きたいこと書いた。
>たまにはこんなの書かないとやってられないね。

自分の快楽だけのオナニーは自分のサイトでやってね

>続くかどうかは微妙w

イラネ
910 ◆28s26Q7ss2 :04/05/29 18:13 ID:yVFQwbDM
ごめんorz
911名無しさんだよもん:04/05/29 18:15 ID:lQcLxj+O
真面目に感想言ってやると
ギャグとしてかなり中途半端
笑わせ所がないし、無駄に勢いがあるだけ
912名無しさんだよもん:04/05/29 18:20 ID:LwAGSkDM
俺は普通に面白かったが
913名無しさんだよもん:04/05/29 18:24 ID:+bNB5OHH
別に良いじゃないか、色んな種類のSSある方が見てて面白いし。
>>909みたいな身のない煽りこそイラネ
914名無しさんだよもん:04/05/29 18:25 ID:V4RSJE39
面白いとは言えんがつまらんとも言えない微妙な感じ
915 ◆28s26Q7ss2 :04/05/29 18:28 ID:yVFQwbDM
や、私にはギャグが向いてないってことがわかりました…
素直に時間かけて普通の書くことにします。

こうしてみるとギャグ作家さんの偉大さが身に染みてわかります。
人を笑わせるのってすごく難しいですね…
916名無しさんだよもん:04/05/29 18:37 ID:HWalzr6B
>>915
人には向き不向きがある
これに懲りずにまた投稿してくれ
楽しみにしてるぜ
917名無しさんだよもん:04/05/29 18:37 ID:lQcLxj+O
とりあえず打開策の一つ
岡崎を出して風子の行動にいちいち突っ込み入れさせるだけでもだいぶ違ってくる
918名無しさんだよもん:04/05/29 18:42 ID:EghEJCER
漏れはなかなかに楽しめたよ
919長くて申し訳ない。:04/05/29 18:51 ID:SPuCV/tD
CLANNADは本編のギャグが面白かったから
住人の求める笑いのレベルが高めになっちゃうのかも……。

個人的には、>>899-906はほのぼの出来てよかった。
ゲラゲラ笑ったりはしなかったけど、ふふふ、と思ったよ。


もちろん、笑いのツボは人それぞれなんで、
「CLANNADのギャグのどこがレベル高いって?」
と首をかしげる方がいても当然だと思ってます。
ここを見させてもらうようになってから、
笑いに限らず、多くの人の感情をゆさぶるというのは
大変なことなんだなあ、痛感するようになりました。

自分自身はSSとか全く書けない奴なので、
皆さんのご活躍にはいつも感心致しております。
どうか頑張ってください。これからも楽しみにしています。
920名無しさんだよもん:04/05/29 19:19 ID:CJXFhWR4
>>◆28s26Q7ss2氏

あまりギャグは面白く無かったけど、キャラのセリフとかは違和感が無かったし質の高いSSではあると思うよ。
まじめな話を書けば良い出来になると思う。

次回作ガンガレ。期待してまつ
921コテとトリップ:04/05/29 19:22 ID:4AB0CyQX
>>908
>>915

口調やノリはそれなりには楽しいんだがな
だからギャグが向いてないとは一概にはいえないんだが、今回のはまあ、
ネタがちょっとお子様向けすぎたかなあ
嫌いではないんだが、こういうテンポ
922名無しさんだよもん:04/05/29 21:41 ID:E+FG+WuB
亀レスでスマンが、>>888の汐の自己紹介で
「しお」になってたよ。いい加減「うしお」で固定しようよ
この話題のループは勘弁な
923チュパカブラ:04/05/29 23:13 ID:9Mls7mkc
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
924名無しさんだよもん:04/05/30 05:20 ID:MsJlRJgq
>>887

所々鍵括弧を閉じてないのは癖なのか?
925名無しさんだよもん:04/05/30 09:48 ID:Y0Lfreln
朋也「先生!渚はどうにもならないのでしょうか?」
財前「助かりたければ、手術を受けることです」
朋也「そんな・・・・」
財前「それでは同意書にサインを・・・・」
っていうの☆⌒ 凵\(\・∀・) まだぁ?
926sage:04/05/30 10:37 ID:mb8W/OXi
杏&ことみ―Dear friends―


休日の商店街は買い物客でにぎわっていた。
初夏の日差しが降り注ぐアーケードを無言で背筋を真っ直ぐ伸ばして歩く初老の男性の横をやかましくベルを鳴らしながら青年の乗った自転車が行き過ぎる。
扇子を広げてせわしくあおぎながら話し合うサラリーマンが座るオープンカフェの軒先を、夏服を着た少女たちが何やらきゃらきゃらと笑いあいながら通り抜けて行く。
そんな人々の中に、彼女たちの姿もあった。
「ね、これなんか似合うんじゃない?」
「もう少しおとなしいのがいいの」
「あんたね、花も恥らう女子高生がそんな地味な服装してちゃ年取るの早くなっちゃうわよ?」
「そんな事、無いもん」
つんとそっぽを向いて、ことみは自分が選んだシックな色合いのタンクトップを胸に抱きしめ、
「こういうの、似合うと思うんだけどなぁ」
大きな花柄がプリントされたノースリーブを掲げ、残念そうに杏は笑っている。もう色んなところで買い物をしていたのだろう。二人の手にはいくつも紙バッグがさがっていた。
「これがいいの、お姉さんみたい」
「んー、お姉さんというか、年かさのOLみたいなんだけど?」
「…杏ちゃんのいじめっこ」
目に見えてしゅんとなってしまう彼女。何も落ち込まなくたっていいじゃない。苦笑いを浮かべ、うなだれた黒髪の頭に自分が選んでいたアイボリー地にフリンジ付きのキャスケットをぽんとかぶせてやる。
「?」
髪飾りが邪魔でずり落ちそうになるそれを両手で支えながら顔をあげることみ。そのきょとんとした表情と、可愛らしいデザインの帽子とが何とも言えずよく似合っていて、杏は思わず吹き出してしまう。
「やっぱりいじめっこ」
「まぁまぁ、可愛いんだからいいじゃない」
「私、こんなに子供っぽくないの」
「いいからかぶっときなさいって。絶対似合ってるから」
ぷぅ、と口を尖らせる少女をなだめつつ、彼女は次にのぞく店を楽しげに笑いながら選んでいた。
927sage:04/05/30 10:38 ID:mb8W/OXi
「やー、買った買った。こんだけ買い込んだのって久しぶりだわ」
大漁大漁、と満足そうに頷き、杏は追加注文のハーブティーをついと一口すすった。
「杏ちゃんの方こそおばさんくさいの」
年かさのOL、と言われたのが相当不満だったのか、カフェオレを飲みながらのことみの突っ込み。被せられた帽子は脱いでテーブルに置いてあった。こういう日常会話の突っ込みはできるようになったんだねぇ、と嫌味にもまったくこたえずに杏は微笑む。
「いじめっこー」
「可愛い子はいじめたくなるもんだって朋也から聞いてない?」
「朋也くんはいじめたりしないもん。いつもとってもとっても優しいの」
「……そうやってさらっとノロケられるトコはすごいわね。あんた」
「………」
しばらく言われた意味を取れずにじっとしていた彼女だったが、自分が言った事の意味を反芻し終わったのか、頬が見る見るうちに真っ赤に染まる。
「杏ちゃんのバカっ」
「わ、わっ、こら、危ない事しないっ」
テーブルの向こう側からぽかぽか殴りかかろうとして、ワンピースの袖が危うくケーキを押しつぶしそうになるのを慌てて押さえる。
「食べ物のあるところで暴れないの、もう」
「……」
「むくれないむくれない。ほら、ケーキあげるから」
「……」
そう言いながら目の前に差し出された一口分のかけらを、仕方なしにぱくつくことみ。膨らんでいた頬が自然ゆるんでしまって、それを見てにっこり笑う杏の笑顔が何だかむずがゆくて。
「美味しいでしょ? ここの」
「…」
素直にこくんと頷いた。
928sage:04/05/30 10:39 ID:mb8W/OXi
「………」
ぱら、とページをめくる音が店内に響く。
ひとしきり喋って騒いでケーキを食べたあと、杏は眼鏡を取り出して本屋で手に入れた児童心理学と童話のハードカバーを読み始めた。
普段は見せることの無い真剣な表情でページを繰る彼女を見つめることみ。
カフェオレの甘さを舌にじんわりとしみこませながら、髪飾りをほどいて、脇に置いたままにしていたキャスケットを被ってみる。引っかかるところも無くすぽんと髪が包まれる。
うなじの毛が密着して、何だかこそばゆい。そうして手持ち無沙汰にCDケースを漁って、杏が好きだと言っていた北欧メタルのジャケットを眺める。
真っ青な空に真っ青なピラミッドが浮かんだ絵。どんな音楽なんだろう。イヤホンをつけて、再生ボタン。
いきなり大音響で炸裂するドラムと金切り声をあげるボーカルに目を白黒させて飛び上がる。
「ん?」
珍奇なリアクションが視界に入ったのか、ページから顔をあげて、杏がいたずらっ子をとがめるような目つきをする。
「こぉら」
「〜〜〜〜〜!!」
両こぶしで帽子の上からぐりぐりされて、痛くすぐったさに身をよじらせた。
「気をつけなさいよね、もう」
「…………」
ひりひりするこめかみを涙目で撫でる彼女の額をつんと押してやり、再び本に目を落とす杏。叱られた仔猫のようにしゅんとすることみ。
何だろう。何だかさっきみたいに構いまくるのではなくて、妙に素っ気無くなった気がする。拍子抜けとは違うんだろうけれど、何だかおいてけぼりをくったみたいで。
「………」
じー、と見ると視線を感じたのか目をあげて、どしたの? と聞いてくるけれど、何だか話しかける事も無くて。
だから同じように買ってきた外国の詩集を取り出す。カフェオレをもう一杯頼み、ずれた帽子をかぶりなおしてページを開く。フランス語の原文に目を通すと翻訳していない生の言葉が心の中に躍る。
いくつも浮かび上がる中世近世西欧のイメージ、それを透かせるようにして店内にかかるクラシックのBGM、自分とは違うペースでページを繰る音が聞こえてくる。
何だか不思議。これまでは周りの音なんか、聞こえてこなかったのに。
でも、集中できないわけじゃなくて、何だか嫌でもなくて。
929sage:04/05/30 10:39 ID:mb8W/OXi
ふと目を上げると、窓の外はすっかり暗くなっていた。向かいの席では杏が眼鏡を外してケースに仕舞っていた。
「これ聴くなら貸すけど、どうする?」
「いいの?」
「いいから言ってるの。その代わり今度はことみの聴いてるのも貸してよ」
「…」
うん。
「あ、あとそれライブ盤でアンプの響き具合がすごいから音量気をつけ」
ボンッ
「だーかーら、あんたって子はも〜〜」
お友達と持ち物の貸し借り、という状況がよっぽど嬉しかったのか、不用意に再生ボタンを押してしまっていい具合にヒヨコが舞うことみを、杏は手がかかる子供をあやすように介抱してやっていた。
930sage:04/05/30 10:40 ID:mb8W/OXi
街灯のともりだした町並みを二つの影が歩いて行く。まだキーンとなっている耳を時おり気にしながら、少し斜め前を歩く杏の後ろ姿を見ることみ。
つれづれに今日一日を思い出してみる。初めてのお友達とのお買い物。だけど自分は相変わらず何かやらかしてしまって、それに彼女が突っ込んで、フォローされてばかりだった、そんな一日。
キャスケットをぐい、とひきおろして顔を隠す。疲れちゃったのかな。飽きちゃったのかな。だから、途中から本なんて読み出して、構ってくれなくなって?
「杏ちゃん」
「んー?」
何?と振り返る杏を帽子のつばの下からおずおずと見上げながら、ことみは聞いた。
「ひょっとして、つまらなかった?」
「?……ああ」
きょとんとしていた杏だったが、何か思い当たったように頷くと
「バカね、そんなんじゃないわよ」
と柔らかく微笑んだ。
「ことみの方こそ、どうだったの? つまらなかった?」
ぶんぶん。
そんな事は絶対になかった。楽しみにしていたんだから。
「ね? 別に肩肘張らなくたっていいのよ。喋りたい時はしゃべる。読みたい時は読む。そういうのがいいの。気のおけない仲って言うじゃない」
ちなみに、と杏は付け足した。
「あたしは居心地良かったけど?」
「……」
ほわ、と安心したような笑みを浮かべることみに、彼女も柔らかく包み込むような笑顔で応えた。ずり下げられていたキャスケットをちょいと上にあげてやる。少し頬を赤らめることみ。頭をぽんと撫でてやる。再び歩き出す二人。
少し歩幅を伸ばし、杏の隣りに並びながら、ことみは紫から青へ変わっていく町並みを眺める。
「また、一緒に遊びに来ても、いい?」
「もちろん」
二人分の影が一つになって、街灯に照らされた家路をたどる。深い青に染まった町の上、夜空には星が現れ始めていた。
931sage:04/05/30 10:41 ID:mb8W/OXi
「お、新しいCDか?」
「あ、うん」
「へー、ストラトヴァリウス…? 初めて聞く名前だな。聴いていいか?」
「えーと……」
「?」
「やっぱりダメなの」
首を傾げる朋也にあいまいに笑いかけ、ことみは秘密の手紙でも隠すかのようにCDケースを胸に抱いて、自分の部屋に上がっていった。



END
932名無しさんだよもん:04/05/30 11:04 ID:4gE0K+X0
sage氏グッジョブ!
ほのぼの感が上手く出ていて、非常に読みやすかったです。
933名無しさんだよもん:04/05/30 11:16 ID:+itjh4tx
sage殿
なかなかかわいらしさが出ていて、いいと思います。
934名無しさんだよもん:04/05/30 11:23 ID:OEBYjb7T
面白かった。
ちょっとことみの行動とかしゃべり方が幼すぎて違和感があったけど、読みやすくて
雰囲気もよかった。
935名無しさんだよもん:04/05/30 11:26 ID:yVizfCG/
えと、かなりレベルの高い文章だと思います。
女の子同士の日常をほのぼのと書きつつ、本編後の「ことみの成長」がよく表れてると思いました。
周りの音が聞こえたり、朋也だけに依存しなくなったり。
萌えとか置いといて癒されました。いや正直言うと萌え萌えでした。
心からGJ。
936名無しさんだよもん:04/05/30 12:47 ID:W5dXc6Qs
>926-931
出だしから引き込まれた。描写が生きてるというか目に浮かぶようで。

「ことみの成長」、杏との会話からも伝わってくるんだけど、
ラスト、ことみが朋也に対して秘密の事柄を所有するにいたって、
ああ、朋也の被保護者から、朋也の彼女たる女の子になったのかな、と

あとはレス毎に3/4とか入れてくれて、ラストに>926-931とまとめておくと、
読者(特に非リアルタイムの)が追跡しやすいのですけど。
これに関しては読み手側でもフォローしたほうがいいかも……
937名無しさんだよもん:04/05/30 13:32 ID:L6wFGmiZ
おいおい、まじでSS勢劣勢だぞ…
もっと職人頑張ってくれ。

DNMLなんかに負けるな!
938原点回帰:04/05/30 15:32 ID:q4NYaFQq
別に対抗する必要も無いと思うのだが
939名無しさんだよもん:04/05/30 18:29 ID:bnUINsHH
焦ってもいい作品は出来ないぞ

マターリ待つべし
940名無しさんだよもん:04/05/30 18:36 ID:38LJxcJS
だが、残りがたった60しかないスレに作品を落とす奇特な人はいるのだろうか?
941名無しさんだよもん:04/05/30 18:40 ID:rjPiNt96
いない…だろうなぁw
942名無しさんだよもん:04/05/30 19:13 ID:bnUINsHH
そろそろ次スレたてる時期かな?
テンプレよろ
943名無しさんだよもん:04/05/30 20:11 ID:vZWdzlt2
クラナドのSS専用スレッドです。
このスレでは新人作家さんを随時募集中です。
明日のSS界を背負うのは君だ!

前スレ
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1084004163/
前スレ一時保管
ttp://sphiemya.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/upload/src/up0021.zip

関連スレ
葉鍵作品全般DNMLスレッド その2 DNMLはこちら。
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1085839260/

クラナドエロSS専用スレッド エロいSSはこちら。
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1085236618/l50

葉鍵的 SS コンペスレ 13.2
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1080488308/

隔離されるべきSSスレ その他作品、話題のU-1などはこちら。
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1080227915/
944名無しさんだよもん:04/05/30 20:19 ID:8/V0tSlC
945名無しさんだよもん:04/05/31 01:37 ID:cVntm1Nx
さて、残り55スレあるわけだが・・・
何かに使えませんか?
946名無しさんだよもん:04/05/31 01:39 ID:7nfXVqLx
コテトリでも召喚してみる?
あいつがいれば、あっという間に50スレは稼げる気がする。
947名無しさんだよもん:04/05/31 01:40 ID:cVntm1Nx
呼んでもいいけど、すぐに埋まるスレに来るかな?
948名無しさんだよもん:04/05/31 01:53 ID:7nfXVqLx
ちっ、あいつも肝心なときに使えん奴だな。
949コテとトリップ:04/05/31 02:09 ID:fdZLYe5z
クソ野郎、スレ埋めくらいにしか使い道ねぇんだから、さっさと来いよヴォケ
おいコテトリ、てめぇのことだ。聞いてんのかカス。
あぁ、文盲様には何が書かれているか理解を要するのに3日くらいかかってしまうかな?(ププ
950原点回帰:04/05/31 02:10 ID:QjI88DQg
あまりあからさますぎるのもどうかとおもう
951名無しさんだよもん:04/05/31 02:19 ID:7nfXVqLx
まあ、何はともあれコテトリに総括してもらいたくはあるな。
結構このスレに出没して批評もどきをかましていたことだし。
952名無しさんだよもん:04/05/31 02:26 ID:PpNfppWJ
>948
劇画作家の小林源文氏描くところの中村のような人物だな。
953名無しさんだよもん:04/05/31 07:59 ID:3EbZN/fO
あと47レスもどうやって使えばいいんだよ
954名無しさんだよもん:04/05/31 09:46 ID:L8zK+RFT
しりとりしよう。

955名無しさんだよもん:04/05/31 09:50 ID:kKXdvVa1
。ぽるぬ
956名無しさんだよもん:04/05/31 09:57 ID:qK4XeeB5
ぬるぼ
957名無しさんだよもん:04/05/31 10:23 ID:PsX+Dwza
ぼると
958名無しさんだよもん:04/05/31 12:33 ID:o0yTtz8+
ともや
959名無しさんだよもん:04/05/31 13:39 ID:9aeMjL0x
やりまん
960名無しさんだよもん:04/05/31 13:59 ID:EU1zh7Bs
ンジャメナ
961名無しさんだよもん:04/05/31 14:03 ID:PsX+Dwza
なすてぃーぼーい
962名無しさんだよもん:04/05/31 14:06 ID:cOEVRLC4
いちのせことみ
963名無しさんだよもん:04/05/31 14:15 ID:nhuNgMy+
くだらん言葉で埋めるぐらいなら
一行ずつのリレー小説でもやろうぜ
964名無しさんだよもん:04/05/31 14:34 ID:GQptSTal
>>963
汐「ねぇパパ、きのうの夜ママがアンアン言うまでいぢめてたでしょ?」
965名無しさんだよもん:04/05/31 14:38 ID:kKXdvVa1
朋也は、汐の問いかけに対し終始無言だった。そして、ふらふらと家を出て行きそれ以後彼の姿を見たものは居ない。
966名無しさんだよもん:04/05/31 14:38 ID:2eInpql7
智代「私は地上最強だ。どんなやつがきても0.2秒であの世へおくることができるんだ。武器はもたないカラテだ!」
967名無しさんだよもん:04/05/31 14:56 ID:fTCIw9OW
春原「…天狗のお面付けてそんな事言われても説得力ないよな」
968名無しさんだよもん:04/05/31 15:49 ID:7nfXVqLx
春原「そういや、今日の坂上のパンツは水色のストライプだったな」
969名無しさんだよもん:04/05/31 15:53 ID:LgloQk9J
春原「きのう岡崎がはいていたのと同じじゃんかよっ!」
970名無しさんだよもん:04/05/31 16:26 ID:nhuNgMy+
岡崎「ノリ突っ込みか?」
971インデックス:04/05/31 16:43 ID:rukKaqrY
>13-17  クラナド本スレパート90 レス186と193の改変+続き
>22-24  クラナド本スレpart88 859追加+改変
>41-46  椋恋人AFTER
>85
>91    ttp://d.hatena.ne.jp/jizou/20000101
>126-127  >187-190 無題
>180-183  >240-242  壊れかけのレディオ
>197  春原TRUE BAD エピローグ 
>203-207  杏&椋―a Ferris wheel― (sage)
>217-220  風子シナリオの前(ともみ)
>227-228  無題(46)
>243-255  父と子(28s26Q7ss2 )
>299 >320-336 >342-349 >357-361 >470-493  Dannalc(さくーちゃ)
>378-384  最期の願い(317)
>394-402  風子―REchallenge― (sage)
>418-426  地獄の黙示録―春原BAD END― (28s26Q7ss2 )
>440-442  実験作(46)
>496-499  無題(85)
972インデックス:04/05/31 16:44 ID:rukKaqrY
>521-524  無題
>563-567  無題(ただいまセフレ募集中)
>605-619  老教師に捧げる唄 (28s26Q7ss2 )
>647-655  ことみ―THE WORLD IS BEAUTIFUL― (sage)
>667
>669-672  二人の思い
>699-701  無題
>714-724  無題(はつお)
>743-745  無題
>760-766  無題
>775
>778-792  決別(28s26Q7ss2 )
>810-813  無題
>818-847  おともだち
>860-864 >886-890  再婚afterプロローグ
>872-879  おふろ
>899-907  すたーふぃっしゅひーろー(28s26Q7ss2 )
>926-931  杏&ことみ―Dear friends―(sage)
973名無しさんだよもん:04/05/31 19:39 ID:8k+zbKOr
>>971
まとめ乙ですー。
あと27レスがんばって埋めようー
974名無しさんだよもん:04/05/31 19:41 ID:8k+zbKOr
よっしゃ、あと2時間以内に15レス以上つかなかったら、
俺様がサッカー部諸君と共に杏を輪姦するんで、がんばって阻止したまへ。
975名無しさんだよもん:04/05/31 19:46 ID:v8TmtquR
        ⌒
     ⌒  )  (  ) 人 ヽ
     (⌒    (  `ー'   ) )
    ...( 人| | || | |`ー' ノ
        | | || | |
        | | || | |
      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
    / ノ( アンチkey  \   
   /   ^            ヽ 
    l:::::::::     \,, ,,/       .|  そんなことさせるかー!!
    |::::::::::   (●)     (●)   |  
   |:::::::::::::::::   \___/     |  
    ヽ:::::::::::::::::::.  \/     ノ   
976名無しさんだよもん:04/05/31 19:57 ID:aNZHEnFJ
agaれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええっ!
977名無しさんだよもん:04/05/31 19:58 ID:iw9Ogh7R

その日、杏は一人だった。
 今日はたまたま委員会の都合で遅くなってしまったのだ。
 そしてその機会を懸命に伺っていた一つのグループの姿があった。
 男達は隙を見計らい杏を連れ去る事に成功。悪夢の陵辱が今まさに始まった。
サッカー部員A「ひっひっひっ! いいアレもってんじゃねえか。おい!」
杏「いやッ! やめてよぉッ!」
 男は執拗に杏の胸を揉みしだく。
 杏の反応を楽しむように。
 杏の心を蝕むように。
 右へ左へ…時には乱暴に、時にはやさしく杏の胸を玩具のように弄ぶ。
サッカー部員B「おいおい、乳首がこんなにおっ立ってきやがったぜ!」
杏「い…やぁ……ぁ…んぁ…」
サッカー部員B「全くこの好きモンが…。本当はこうして欲しいんだろ?オラッ!」
 ガブッ!
杏「きゃあぅっ!」
 男の一人が杏の胸に乱暴に噛み付く。
>>974「へっへっへ…! ママァ〜ン、ミルク頂戴〜」
杏「んぁあはぁんっ! やめてぇ!!」
 男は杏の身悶える姿に更なる興奮を覚え、激しく乳首に吸い付いて来る。
杏「あぁっ! 駄目っ! アハァンっ!」
サッカー部員C「全くこんなに感じやがってこの淫乱が…。オラっ観念しな!」
 ギュウウウウ〜〜ッ!
杏「きゃああうううぅぅんっ!!」
978名無しさんだよもん:04/05/31 20:03 ID:DNxnk1zR
俺も混ぜてくれYO
979名無しさんだよもん:04/05/31 20:12 ID:L2gM9qN8
>>978

その日、杏は一人だった。
 今日はたまたま委員会の都合で遅くなってしまったのだ。
 そしてその機会を懸命に伺っていた一つのグループの姿があった。
 男達は隙を見計らい杏を連れ去る事に成功。悪夢の陵辱が今まさに始まった。
>>974「ひっひっひっ! いいアレもってんじゃねえか。おい!」
杏「いやッ! やめてよぉッ!」
 男は執拗に杏の胸を揉みしだく。
 杏の反応を楽しむように。
 杏の心を蝕むように。
 右へ左へ…時には乱暴に、時にはやさしく杏の胸を玩具のように弄ぶ。
サッカー部員A「おいおい、乳首がこんなにおっ立ってきやがったぜ!」
杏「い…やぁ……ぁ…んぁ…」
サッカー部員B「全くこの好きモンが…。本当はこうして欲しいんだろ?オラッ!」
 ガブッ!
杏「きゃあぅっ!」
 男の一人が杏の胸に乱暴に噛み付く。
>>978「へっへっへ…! ママァ〜ン、ミルク頂戴〜」
杏「んぁあはぁんっ! やめてぇ!!」
 男は杏の身悶える姿に更なる興奮を覚え、激しく乳首に吸い付いて来る。
杏「あぁっ! 駄目っ! アハァンっ!」
>>977「全くこんなに感じやがってこの淫乱が…。オラっ観念しな!」
 ギュウウウウ〜〜ッ!
杏「きゃああうううぅぅんっ!!」
980GAME OVER:04/05/31 21:41 ID:8k+zbKOr
2時間経ちますた。
レスをつけなかったおまいらが悪いんでつよ?

「藤林、杏さんですね?」
「そう、ですけど、何か?」
杏が訝しげな表情で俺を見る。
無理も無い。
俺と杏は初対面なんだから。
「すいません、貴方に用があるという人がいますので、ご足労願えませんでしょうか」
「あら、すいませんね、その人に伝えてくれる?
 自分から告れないようなヘタレとは付き合う、ひぎぃ!?」
俺は言い終わる前に腹にパンチを叩き込む。
一発で気絶するなんて、案外やわだな。
俺は急いでサッカー部の部室に杏を連れ込んだ。
981GAME OVER:04/05/31 21:42 ID:8k+zbKOr
ばしゃぁ!
縄で拘束済みの杏に水をぶっかける。
「けほ、けほ。な、なにすんのよ、ってきゃぁぁぁ!!!」
勿論裸である。
「藤林杏さーん、貴方に恨みはないんですけどねぇ」
「恨むんなら、2時間も猶予を与えたのに一向にレスをしなかった名無しを恨むんだな」
「ちょ、ちょっと!あんたたち、意味わかんないわよ!
 縄をほどきなさい!訴えるわよ!」
「ぎゃーぎゃー五月蝿ぇなぁ」
部員が乳房をもみしだく。
「ちょ、ちょっと!…んぅ!ほど…きなさいよぅ…」
「ん?気持ちいいのかな?縛られて、みんなに見られて感じちゃってるのかなぁ?
 エロいなぁ、杏ちゃんは。エロ委員長だ」
乳首と秘部には媚薬が塗ってある。
まぁ本人は気付いてないようだが。
「あれあれ?なんだからここがびちょびちょだなぁ」
「んっ…そんなとこ触んないでぇ」
「毎日毎日岡崎のことばっか考えてオナニーばっかしてるんだぜ、こいつ」
「まじかよ!?正真正銘の淫乱だな」
「そっ…そんなこと、ないって、ばぁ…はぁ!」
抵抗の言葉も空しく響く。
982GAME OVER:04/05/31 21:42 ID:8k+zbKOr
「おら、お口がお留守だぜ、大好きなここをしゃぶりな!」
「ちゅぶっ…うっ…もう…ゆるひてぇ…」
もう秘部はぐちょぐちょだ。
「よーし、俺が開通一号な!」
「や、らめぇ!それだけはぁ…かんべん…んーーーーー!!!」
声にならない叫びが響く。
「おー、絞まってるぅ」
「あぁ…!んっ…くぅ…!」
「俺はこっちの穴を頂きますか」
「や、そっち、違う…あぁぁぁーーーー!!」
訴えも虚しく肉棒が挿入される。
「おらっ!そろそろいくぜ!」
「うっ俺もいく…」
「あぁーーーー膣だけは、膣にだけはぁーーーー!」
ドクン!
ドロドロの精液が杏を汚す。

「ま、恨むんなら、レスをつけなかった名無しを恨むことだな」
部員の響きももう杏には響いていなかった。
983名無しさんだよもん:04/05/31 21:50 ID:22IsP2WW
>>980
稚拙な文章だな。
2時間あったんだからもっと推敲できるはずだが?
984名無しさんだよもん:04/05/31 21:52 ID:hDrCk1JH
こっちのほうがマシだなw

嫌な予感はしていた。
杏の教室を訪ねた時、委員会から戻っているはずの杏が、いなかった。
生徒会室ででもつかまっているのだろう。俺は教室に入り込むと、杏の席に座り戻るのを待つ。
「とも…や……」
弱々しい声。杏だ。様子がおかしい!?
俺は急いで振り返る。
そこには、変わり果てた杏の姿があった。
虚ろな眼で…茫然として。制服はあちこちで引き裂かれ、得体の知れない液体に穢されている。そして、漂ってくる饐えた臭い。
「杏ッ!!どうしたッ」
俺は駆け寄ると、今にも崩れ落ちそうな杏の体を支える。杏の下着は、ことごとく失われていた。
「ごめん…ね、ともや……ごめ…ん……」
「誰なんだ杏ッ!おまえにこんなことをした奴はッ!!!」
杏の唇が弱々しく動く。
>>9…7……4……」
それだけ言うと、杏は気を失った。
俺は杏を支えながら椅子を引き、杏の体を横たえる。少しでも清めてやろうと、濡らしたタオルで杏の体をぬぐってやる。
杏の体は隅々まで穢され、犯されていた。局部は充血して腫れ上がり、太腿まで体液が流れ落ちている。体中に残る擦過傷。胸、腹、顔、背中と、ところ構わず精液がこびりついていた。
それらを丁寧にぬぐい去り、ジャケットを制服の上に羽織らせて、杏を椅子に静かに寝かせる。
……>>974
奴は許せない。心の奥底からどす黒い憎悪が沸き起こる。俺の理性はそれを止める気もなく、むしろ煽り立て、増幅させる。
決まりだ。俺は、やつらを徹底的に痛め付けてやる。地獄の苦痛を、長々と嘗めさせてやる。
俺はその時から、復讐鬼になった……
985名無しさんだよもん:04/05/31 23:03 ID:L8zK+RFT
2時間以内にレスが20なかったら智代輪姦する。
986名無しさんだよもん:04/05/31 23:05 ID:7nfXVqLx
はいはい、埋めますよ〜
987名無しさんだよもん:04/05/31 23:06 ID:rLllugoK
>>985
て言うか、阻止できませんとマジレス
988名無しさんだよもん:04/05/31 23:08 ID:7nfXVqLx
ゲンカイトッパダー
989sage:04/05/31 23:19 ID:MQRMkcyT
ご感想いただいた方、ありがとうございます。
ことみは個人的に一番好きなキャラクターなので
ご好評頂いたのは嬉しい限りです。
3/4等提示したりまとめたり、
至らぬ点申し訳ありませんでした(汗。
新スレッド立てて下さった方、
またインデックス作成してくださった方
ありがとうございます。
ペースは早く無いですがまたちょこちょこと書いて
いければと思っております。
よろしくお願い致します。
990名無しさんだよもん:04/05/31 23:47 ID:V4PtRM7/
>>985
1000までの数を逆算して言えよ、とマジレス
991名無しさんだよもん:04/06/01 00:05 ID:GJV1GlF1
わざとだろ、とマジレス。

>>985
エロSSスレで待ってるぞ。
992名無しさんだよもん:04/06/01 00:06 ID:1JXUYflx
>>991
IDがGJ。
さぁ埋めちまおうぜ。
993名無しさんだよもん:04/06/01 00:07 ID:dpVGs4/X
ん〜埋めます

   ------------- 、____
   /  ̄ ̄ ̄.// ̄ ̄|| |___/\☆☆☆
 ……。 .∧// ∧ ∧.|| |  \\☆☆☆☆
[/_________.(゚//[ ](>ヮ< )|| |    \\☆☆☆☆
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──`--'───`ー'─── `--' `ー' ┐ ☆☆☆☆
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                         │   ☆☆☆☆
                         │ ミ  ☆☆☆☆   〃ザボザボ
                         │  ;:☆☆☆☆; ’〃、、..
                   ザボザボ゙ ミ ミ\☆☆☆☆/ミ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~〜〜〜〜~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
994名無しさんだよもん:04/06/01 00:08 ID:GJV1GlF1
ほんとだ。
995名無しさんだよもん:04/06/01 00:11 ID:1JXUYflx
おいおい、さっさと埋めないと俺が1000取っちゃうぜ?
996名無しさんだよもん:04/06/01 00:16 ID:1JXUYflx
あー人がいねぇと1000取り合戦の意味ねぇー
997名無しさんだよもん:04/06/01 00:17 ID:5JR/lrsL
997
998名無しさんだよもん:04/06/01 00:19 ID:a2ZseyYV
999名無しさんだよもん:04/06/01 00:19 ID:5JR/lrsL
999
1000名無しさんだよもん:04/06/01 00:19 ID:1JXUYflx
あり得ねぇくらい人少ないな。
998get
10011001
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