1 :
名無氏物語:
2 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 23:16:24 ID:KQxcGSzr
3 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 23:17:32 ID:KQxcGSzr
4 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 23:18:47 ID:KQxcGSzr
5 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 23:20:28 ID:KQxcGSzr
6 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 23:21:09 ID:KQxcGSzr
7 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 23:22:12 ID:KQxcGSzr
8 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 23:23:07 ID:KQxcGSzr
9 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 23:27:48 ID:fYtO+LqG
年へてもまつとはたれかうゑおきしつれなき色に人ならひけり(土御門院)
10 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 23:30:10 ID:fYtO+LqG
秋萩も今はほりうゑじ宮城野は千里のみちに人なやみけり(下河辺長流)
11 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 23:40:03 ID:fYtO+LqG
おのづからそこともしらぬ月は見つ暮れなばなげの花をたのみて(藤原定家)
12 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 23:41:43 ID:fYtO+LqG
み吉野やなげの桜をたのみにてしをりもしらぬ山の夕暮(後鳥羽院)
13 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 23:43:47 ID:fYtO+LqG
暮れなばと思ひし花の木のもとに聞きすてがたき鐘の音かな(頓阿)
14 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 23:51:18 ID:fYtO+LqG
今いくか春の山べにまじりても花の色にはあかずぞあらまし(花山院長親)
15 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 23:54:04 ID:KQxcGSzr
吹く風はやどりもしらず谷川の花のゆくへを行きて恨みむ(道助法親王[続拾遺])
16 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 23:55:51 ID:KQxcGSzr
恨むべき風のやどりをしらねばやちるをば花のうきになすらむ(近衛基平[続古今])
17 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 00:10:42 ID:WOxFnmo5
よしやふけ暮なばなげの桜花ちるをだにみむ春の夕風(小沢蘆庵)
18 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 00:22:12 ID:WOxFnmo5
よとともに野べに心やあくがれむもとあらの萩の花しちらずは(藤原顕季)
19 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 00:23:16 ID:WOxFnmo5
鶯のはつねを松にさそはれてはるけき野べに千世も経ぬべし(藤原定家)
20 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 00:25:34 ID:WOxFnmo5
たれしかも野べに心のあくがれてそこともいはぬ花をみるらむ(順徳院)
21 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 00:27:28 ID:WOxFnmo5
妻こふる野辺に心のあくがれて牡鹿なくなり秋の夕暮(嘉喜門院)
22 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 00:47:02 ID:vArj2O3E
今は又花のかげとも頼まれず暮れなばなげの春の日数に(藤原信実[新後撰])
23 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 00:48:32 ID:vArj2O3E
いかにしてしばしとどめむ桜花散りなばなげの春の日数を(洞院実雄[続千載])
24 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 13:53:28 ID:WOxFnmo5
野べに出でて花しちらずは千世もとは幾春秋をながめきつらむ(三条西実隆)
25 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 13:56:06 ID:WOxFnmo5
身をすてぬ心よわさのすることをたれにおほせて世を恨むらん(源有房)
26 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 13:59:00 ID:WOxFnmo5
思ふどちそこともしらず行暮れぬ花の宿かせのべの鶯(藤原家隆)
27 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 13:59:48 ID:WOxFnmo5
思ふどち春のかたみにすみれ摘む野原のまとゐ雨はそほ降る(藤原定家)
28 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 14:04:28 ID:WOxFnmo5
たれしかも野べに心のあくがれてそこともいはぬ花をみるらむ(順徳院)
29 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 14:07:48 ID:WOxFnmo5
おもふどち野をなつかしみうちむれて春の日ぐらし菫をぞつむ(西園寺実材母)
30 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 14:10:53 ID:vArj2O3E
梅がえに降りつむ雪は鶯の羽風に散るも花かとぞみる(藤原顕輔[千載])
31 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 15:08:50 ID:WOxFnmo5
おもふどちむれてぞきつる春の山かすみの袖にたなびかれつつ(三条西実隆)
32 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 15:09:59 ID:WOxFnmo5
おもふどち春の円ゐのあかぬ野に暮るるも惜しき花の下陰(武者小路実陰)
33 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 15:11:48 ID:WOxFnmo5
山風にさけるつつじは佐保姫にたがぬぎかけしゆるし色めも(待賢門院安芸)
34 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 15:13:08 ID:WOxFnmo5
ぬししらぬ香こそ袂に移りぬれ垣ねのうめに春風ぞふく(平忠盛)
35 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 15:14:32 ID:WOxFnmo5
故郷のみかきが原の藤袴たがぬぎかけしにほひなるらむ(宗尊親王)
36 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 15:15:22 ID:WOxFnmo5
人もがな見せも聞かせも萩の花さく夕かげのひぐらしの声(和泉式部)
37 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 15:18:48 ID:WOxFnmo5
日ぐらしのなく夕かげの秋萩に露おきかはす大和なでしこ(藤原家隆)
38 :
名無氏物語:2010/05/17(月) 15:20:59 ID:WOxFnmo5
ひぐらしの鳴く木隠れの山かげに夕露にほふ大和撫子(後鳥羽院)
39 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 17:49:07 ID:ewjFDucF
草葉にも哀はかけよ松虫のなく夕かげの秋の初霜(正徹)
40 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 17:50:21 ID:ewjFDucF
きりぎりすなく夕かげの花のうへも心にかへる庭のしら雪(三条西実隆)
41 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 17:52:08 ID:ewjFDucF
きりぎりすなく夕かげの秋風も心にかよふせみのこゑかな(三条西実隆)
42 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 17:53:30 ID:ewjFDucF
きりぎりす鳴く夕かげの山風によわり初めぬる日ぐらしの声(小沢蘆庵)
43 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 17:54:24 ID:ewjFDucF
たづねつつ山ぢの菊を折る袖に露もいく千世おかむとすらむ(藤原家隆)
44 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:15:26 ID:ewjFDucF
かぎりなき山ぢの菊のかげなれば露もや千世を契りおくらむ(藤原定家)
45 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:19:36 ID:ewjFDucF
いく千代も結びかさねよ秋の露山ぢの菊のほしあへぬまで(宗良親王)
46 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:23:56 ID:ewjFDucF
山姫の形見にそむる紅葉ばを袖にこきいるるよもの秋かぜ(藤原定家)
47 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:25:18 ID:ewjFDucF
もみぢ葉を袖にこきいれてかへりけむ人の心のいろをみるかな(藤原雅経)
48 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:27:07 ID:ewjFDucF
風ふけばこきいれぬ袖もつつむまで都のつとにちるもみぢかな(契沖)
49 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:28:17 ID:ewjFDucF
白露とおきゐつつのみあるべきをいづちみすてて秋のゆくらむ(和泉式部)
50 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:29:09 ID:ewjFDucF
ながらへてかひ有ることをまつなれや君が千とせのかげにかくれて(慈円)
51 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:32:07 ID:ewjFDucF
今こむと頼めてかはる秋の夜のあくるもしらぬ松虫のこゑ(藤原家隆)
52 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:35:58 ID:joKhDMT2
梅が香のたが里わかず匂ふ夜はぬしさだまらぬ春風ぞ吹く(行念[新勅撰])
53 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:37:14 ID:joKhDMT2
我がためと聞きやなさまし霍公鳥ぬしさだまらぬ己が初音を(冷泉為相[風雅])
54 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:38:12 ID:joKhDMT2
たが里の垣ねもおなじ匂ひとてぬしさだまらぬ梅の下風(藤原宗秀[新千載])
55 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:40:12 ID:joKhDMT2
心あてにそれかとばかり伝へ来てぬしさだまらぬ夕顔の花(丹波忠守[新続古今])
56 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:41:21 ID:joKhDMT2
荒れにけり籬の苔の深緑たがぬぎかけし衣なるらむ(後嵯峨院[新続古今])
57 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:43:02 ID:joKhDMT2
山人の折る袖にほふ菊の露うちはらふにも千代はへぬべし(藤原俊成[新古今])
58 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:45:27 ID:joKhDMT2
わけ過ぐる山ぢの菊の花のかにぬれてもほさぬ袖の白露(二条為定[新後拾遺])
59 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:49:42 ID:ewjFDucF
山の端に月も待ちいでぬ夜をかさねなほ雲のぼる五月雨の空(藤原定家)
60 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:50:41 ID:ewjFDucF
かはらずも待ちいでつるかな郭公月にほのめくこぞのふる声(藤原定家)
61 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:51:44 ID:ewjFDucF
長月のありあけの月のあけがたを誰まつ人のながめわぶらむ(藤原良経)
62 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:53:01 ID:ewjFDucF
今こむとたのめやはせし郭公ふけぬる夜半をなに恨むらん(藤原良経)
63 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:54:38 ID:ewjFDucF
今こむと頼めやおきし郭公月ぞたちいづる有明の声(後鳥羽院)
64 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:55:17 ID:joKhDMT2
もみぢ葉のちりかひくもる夕時雨いづれか道と秋のゆくらむ(源有長[新勅撰])
65 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:56:24 ID:joKhDMT2
我が宿の菊の白露万世の秋のためしにおきてこそみめ(清原元輔[続後撰])
66 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:57:51 ID:joKhDMT2
とくみのり菊の白露夜はおきてつとめて消えむことをしぞ思ふ(慈円[新古今])
67 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:59:06 ID:joKhDMT2
忘れじといひしばかりのなごりとてそのよの月はめぐりきにけり(藤原有家[新古今])
68 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:59:56 ID:joKhDMT2
あぢきなく頼めぬ月の影もうしいひしばかりの有明の空(藤原忠良[新続古今])
69 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 19:01:41 ID:joKhDMT2
いはざりき今こむまでの空の雲月日へだてて物思へとは(藤原良経[新古今])
70 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 19:03:00 ID:joKhDMT2
月見ばといひしばかりの人はこで槙の戸たたく庭の松かぜ(藤原良経[新古今])
71 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 19:04:08 ID:joKhDMT2
ふりにけり時雨は袖に秋かけて言ひしばかりを待つとせしまに(俊成卿女[新古今])
72 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 19:04:28 ID:ewjFDucF
長月の有明の月をみてもまづ今こむまでの秋をこそまて(藤原為家)
73 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 19:05:26 ID:ewjFDucF
秋もいまはしぐるるほどになりにけり山の木の葉の空にうつろふ(藤原雅経)
74 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 19:06:25 ID:ewjFDucF
おのれさへうつろふばかりそめてけり山の木の葉の秋のしら露(正徹)
75 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 20:57:38 ID:joKhDMT2
今こむとたのめしことを忘れずはこの夕暮の月や待つらむ(藤原秀能[新古今])
76 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 21:04:51 ID:joKhDMT2
今こむと契りしことは夢ながら見し夜に似たる有明の月(源通具[新古今])
77 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 21:21:56 ID:joKhDMT2
今こむと言はぬばかりぞ子規有明の月のむら雨の空(順徳院[続後撰])
78 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 21:23:37 ID:joKhDMT2
頼めてもむなしき空のいつはりにふけゆく月をまちいでつるかな(道助法親王[続後撰])
79 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 21:25:02 ID:joKhDMT2
今こむとたのめし人のいつはりをいくあり明の月に待つらむ(宗尊親王[続拾遺])
80 :
名無氏物語:2010/05/19(水) 20:39:06 ID:UkxtxDr6
春風にあかずちりぬる花よりもちぎりしことのはこそわすれね(大江匡房)
81 :
名無氏物語:2010/05/19(水) 20:40:50 ID:UkxtxDr6
うちたのむ人の心のつらければ野にも山にもいざかくれなむ(素性法師)
82 :
名無氏物語:2010/05/19(水) 20:43:06 ID:UkxtxDr6
しきたへの枕をだにもかさばこそ夢のたましひ下にかよはめ(素性法師)
83 :
名無氏物語:2010/05/19(水) 20:45:07 ID:UkxtxDr6
忘れなむ後しのべとぞ空蝉のむなしきからを袖にとどむる(素性法師)
84 :
名無氏物語:2010/05/19(水) 20:47:42 ID:UkxtxDr6
ねになきて我恋ひ死なばうつせみのむなしきからを哀ともみよ(藤原行家)
85 :
名無氏物語:2010/05/19(水) 20:49:21 ID:UkxtxDr6
手向けする紅葉に飽けるみかみ山つづりの袖をあはれとも見よ(藤原為顕)
86 :
名無氏物語:2010/05/19(水) 20:50:12 ID:UkxtxDr6
植ゑ置きてもみぢにあける主や誰ただ深山木のかげの家ゐに(後柏原院)
87 :
名無氏物語:2010/05/19(水) 21:09:05 ID:MtBlvq7Q
今こむとたのめぬ夜はの月をだに猶まち出づる在明の空(洞院実雄[続拾遺])
88 :
名無氏物語:2010/05/19(水) 21:10:26 ID:MtBlvq7Q
さらでだに紅葉に飽ける神なびのみむろの山はなほ時雨るなり(後嵯峨院[新千載])
89 :
名無氏物語:2010/05/19(水) 21:13:41 ID:UkxtxDr6
いざさらば花のぬさをや手向山もみぢにあける神の心に(細川幽斎)
90 :
名無氏物語:2010/05/19(水) 21:15:17 ID:UkxtxDr6
ふきはらふ風もとがめずさもこそはもみぢにあける神なびの森(下河辺長流)
91 :
名無氏物語:2010/05/19(水) 21:16:29 ID:UkxtxDr6
露霜のかぎりを見せよ手向山もみぢにあける秋のにしきも(霊元院)
92 :
名無氏物語:2010/05/19(水) 21:18:22 ID:UkxtxDr6
おぼつかな谷より出づる鶯のそこにありとはきかするものを(源頼政)
93 :
名無氏物語:2010/05/19(水) 21:19:32 ID:UkxtxDr6
うぐひすの谷より出づるはつ声にまづ春しるは深山べの里(藤原教長)
94 :
名無氏物語:2010/05/19(水) 21:54:21 ID:MtBlvq7Q
ながめわびぬ秋よりほかの宿もがな野にも山にも月やすむらん(式子内親王[新古今])
95 :
名無氏物語:2010/05/19(水) 21:54:35 ID:UkxtxDr6
あし引の山のはかすむ明ぼのに谷よりいづる鳥の一こゑ(式子内親王)
96 :
名無氏物語:2010/05/19(水) 23:08:27 ID:UkxtxDr6
あきらけき御代の春しる鶯も谷よりいづる声きこゆなり(宗良親王)
97 :
名無氏物語:2010/05/19(水) 23:17:11 ID:UkxtxDr6
うらやまし谷よりいづる鶯よわが山里は春もしらぬに(後崇光院)
98 :
名無氏物語:2010/05/19(水) 23:18:55 ID:UkxtxDr6
さゆる夜はまだ冬ながら月かげの曇りもはてぬけしきなるかな(藤原定家)
99 :
名無氏物語:2010/05/19(水) 23:21:21 ID:UkxtxDr6
志賀の浦のおぼろ月夜の名残とて曇りもはてぬ曙の空(後鳥羽院)
100 :
名無氏物語:2010/05/19(水) 23:21:50 ID:MtBlvq7Q
おほ空は梅のにほひにかすみつつ曇りもはてぬ春のよの月(藤原定家[新古今])
101 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 00:18:52 ID:XYnOxlCn
空も猶おぼろ月夜の比とてや曇りも果てぬ春雨ぞふる(藤原為家)
102 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 00:27:40 ID:XYnOxlCn
月影は曇りもはてぬうす雲のたえまがちにもふるあられかな(飛鳥井雅有)
103 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 00:32:18 ID:XYnOxlCn
むらさめは曇りもはてぬひとそそき晴れゆく空に鳴くほととぎす(進子内親王)
104 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 00:34:00 ID:XYnOxlCn
月ぞなほ曇りもはてぬ山の端はあるかなきかにかすむ夕べに(頓阿)
105 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 00:37:53 ID:XYnOxlCn
ながめやる遠の高ねの花の色にくもりも果てぬ夕月夜かな(慶運)
106 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 00:39:13 ID:XYnOxlCn
照りもせず曇りもはてぬ冬の日の空ゆく雲はうちしぐれつつ(宗良親王)
107 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 00:50:13 ID:XYnOxlCn
かすみつつ曇りもはてずながき日に朧月夜を待ちくらしぬる(飛鳥井雅親)
108 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 00:52:26 ID:XYnOxlCn
照りもせぬ春の月夜の山桜花のおぼろぞしく物もなき(本居宣長)
109 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 00:56:36 ID:XYnOxlCn
神な月しぐれの雲のはれもせず照らしも果てぬ谷の真葛葉(幽真)
110 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 01:00:01 ID:XYnOxlCn
ちりまがふ花は木の葉にかくされてまれににほへる色ぞともしき(大江千里)
111 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 01:02:02 ID:XYnOxlCn
夕立の菊のしをれ葉はらふとて花まちどほに人やあざける(藤原定家)
112 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 01:03:04 ID:XYnOxlCn
今朝みれば垣ねの菊もうつろひぬ花まちどほにいつ思ひけん(土御門院小宰相)
113 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 01:05:48 ID:XYnOxlCn
詠むればいとど物こそかなしけれ月は浮世のほかと聞きしに(俊恵)
114 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 01:07:47 ID:VCQOCCQm
秋の月ちぢに心をくだききてこよひ一よにたへずも有るかな(荒木田氏良[千載])
115 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 12:33:53 ID:VQNclBaG
小沢一郎幹事長、ソウルの国民大学で講演「日本人は寄生虫、害虫」
民主党の小沢一郎幹事長は12日、ソウルの国民大学で講演後、約250人の学生と
日本人について語り合った。学生から、多くの日本人が学校にも通わず、仕事にも
就かないニートについて聞かれ、小沢氏は「日本のニートの現状はみんな親が悪い。
日本人の親は学校にも行かないで、仕事もしないぶらぶら遊んでいる子供を食べさせ
ている」と持論を披露した。
小沢氏は「学校にも行かない無職の子どもを責める前に、日本人の親達は子供を
甘やかしている。親に民族教育を確りしないといけない」と主張した。「日本人の
若者は漠然と他人に寄生し寄生虫として生きているとんでもない害虫だ」とした。
「もともとむ日本人の親達もどうかしている。日本人は動物にも劣る民族といっても
過言ではない」とした。「日本人はもともと民度が劣るから、君達韓国人のような
優秀な民族の血を日本人に入れない限り、他人やアジアに寄生して生きる害虫日本人
が増えるだけだ」とした。日本の古代歴史についても「韓半島南部の権力者が日本の
国家を樹立したもの」と述べた。・・・・( ソウル発外電 2009/12/13)
【トンデモ史観】小沢一郎・韓国講演
ttp://www.youtube.com/watch?v=uX7xFMvCly8&feature=youtube_gdata 【売国】小沢一郎幹事長言行録
ttp://www.youtube.com/watch?v=NXjgD4jb_Jg&feature=channel
116 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 21:34:52 ID:XYnOxlCn
夕霧も心のそこにむせびつつわが身ひとつの秋ぞ更けゆく(式子内親王)
117 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 21:38:36 ID:XYnOxlCn
いく秋を千々にくだけて過ぎぬらん我が身ひとつを月にうれへて(藤原定家)
118 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 21:39:51 ID:XYnOxlCn
秋をへて昔は遠き大空に我が身ひとつのもとの月影(藤原定家)
119 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 21:43:16 ID:XYnOxlCn
千々におもふ心は月にふけにけり我が身ひとつの秋とながめて(藤原忠良)
120 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 21:44:32 ID:XYnOxlCn
ちぢにのみ思ふ思ひも心からわが身ひとつの秋の夜の月(藤原雅経)
121 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 21:46:31 ID:XYnOxlCn
月かげをわが身ひとつとながむれば千々にくだくる萩のうへの露(後鳥羽院)
122 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 21:47:48 ID:XYnOxlCn
月みても千々にくだくる心かな我が身ひとつの昔ならねど(俊成卿女)
123 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 21:48:10 ID:VCQOCCQm
ながむれば千々に物思ふ月に又我が身ひとつの嶺の松風(鴨長明[新古今])
124 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 21:49:54 ID:VCQOCCQm
妻こふる我が身一つの秋とてや夜な夜な月に鹿の鳴くらむ(式乾門院御匣[新続古今])
125 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 21:51:54 ID:VCQOCCQm
いつまでか我が身ひとつの出がてに故郷かすむ月をみるべき(二条為藤[新千載])
126 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 22:12:53 ID:XYnOxlCn
年を経て我が身ひとつと歎きても見れば忘るる秋の夜の月(藤原為家)
127 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 22:18:09 ID:XYnOxlCn
我ひとり月に向かふと思ひけりこよひの月を誰か見ざらむ(香川景樹)
128 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 22:27:38 ID:XYnOxlCn
秋の日は山の端ちかし暮れぬ間に母に見えなむ歩めあが駒(大江千里)
129 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 22:30:05 ID:XYnOxlCn
山さびし秋もすぎぬとつぐるかも槙の葉ごとにおける朝じも(藤原八束)
130 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 22:31:31 ID:XYnOxlCn
をぐら山西こそ秋とたづぬれば夕日にまがふ峰のもみぢば(藤原家隆)
131 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 22:37:14 ID:XYnOxlCn
すずしさを月に吹きこせ住の江や西こそ秋の沖つ塩風(肖柏)
132 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 22:38:36 ID:XYnOxlCn
尋ねみむさぞな涼しき大井川西こそ秋の水のみなかみ(木下長嘯子)
133 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 22:41:04 ID:XYnOxlCn
夕まぐれほのみるからに悲しきは西こそ秋の初月の影(下河辺長流)
134 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 22:43:39 ID:VCQOCCQm
わきてなほ更けゆく影のさやけきは西こそ秋と月やすむらん(源資平[続古今])
135 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 22:45:52 ID:VCQOCCQm
都より尋ねてきけば小倉山西こそ秋と鹿もなくなれ(津守国冬[新後撰])
136 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 22:49:30 ID:VCQOCCQm
しるべせよ跡なき波に漕ぐ舟の行方もしらぬ八重の潮風(式子内親王[新古今])
137 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 22:53:01 ID:VCQOCCQm
かぢをたえ由良の湊による舟のたよりもしらぬ沖つ潮風(藤原良経[新古今])
138 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 22:54:22 ID:XYnOxlCn
のどけしな西こそ秋のおなじえをわかずも春ににほふ梅が香(中院通茂)
139 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 22:55:34 ID:XYnOxlCn
都へとさそふしるべもしら波のあとなきかたに月ぞやどれる(藤原秀能)
140 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 22:57:02 ID:XYnOxlCn
春くれば霞をおのがたよりとてあとなきかたにかへる雁がね(藤原為家)
141 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 22:58:43 ID:XYnOxlCn
うき雲の跡なき方にしぐるるは風をたよりの木の葉なりけり(宗尊親王)
142 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 23:00:03 ID:XYnOxlCn
荻の葉に風ぞたよりの音たててものおもふ秋のしるべなりける(宗尊親王)
143 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 23:01:20 ID:XYnOxlCn
和田の原かぎりもいとど白波の跡なきかたにたつ霞かな(頓阿)
144 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 23:02:21 ID:XYnOxlCn
山里は風ぞたよりのしるべとも梅が香にほふ比やしるらむ(宗良親王)
145 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 23:05:33 ID:XYnOxlCn
おのれかつ散るを雪とや思ふらむみのしろ衣花もきてけり(源俊頼)
146 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 23:09:56 ID:VCQOCCQm
桜がり雨はふりきぬ同じくは濡るとも花の蔭に隠れむ(読人不知[拾遺])
147 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 23:21:42 ID:XYnOxlCn
雪のうちに春をきたりと知らするはみのしろ衣梅の花がさ(藤原定家)
148 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 23:23:30 ID:XYnOxlCn
旅人のみのしろ衣うちはらひふぶきをわたる雲のかけはし(藤原良経)
149 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 23:24:21 ID:XYnOxlCn
藤の花かぜ吹かぬよはむらさきの雲たちさらぬところとぞ見る(藤原敏行)
150 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 23:26:09 ID:XYnOxlCn
秋来ぬと荻の葉風にしられても春の別れやおどろかるらむ(藤原俊成)
151 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 23:29:21 ID:XYnOxlCn
秋来ぬと風やつぐらむ朝まだきまがきの荻のそよとこたふる(平忠盛)
152 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 23:31:43 ID:XYnOxlCn
秋来ぬとおどろかれけり窓ちかくいささ群竹かぜそよぐ夜は(藤原実定)
153 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 23:33:24 ID:XYnOxlCn
秋来ぬと荻の葉風のつげしより思ひしことのただならぬ暮(式子内親王)
154 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 23:34:58 ID:XYnOxlCn
秋来ぬとおどろく風をたづぬれば目にさやかなる萩のうは葉を(慈円)
155 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 23:49:40 ID:VCQOCCQm
いつしかと荻の葉むけの片寄りにそそや秋とぞ風も聞こゆる(崇徳院[新古今])
156 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 23:50:45 ID:VCQOCCQm
吹く風の竹になるよは秋来ぬとおどろくばかり袖にすずしき(源有房[玉葉])
157 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 23:52:46 ID:XYnOxlCn
浅茅生の露けくもあるか秋来ぬと目にはさやかに見えけるものを(守覚法親王[千載])
158 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 23:53:21 ID:VCQOCCQm
窓近きいささむら竹風ふけば秋におどろく夏の夜の夢(藤原公継[新古今])
159 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 23:54:09 ID:VCQOCCQm
吹く風の色こそ見えね高砂の尾の上の松に秋は来にけり(藤原秀能[新古今])
160 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 23:54:16 ID:XYnOxlCn
風の音はいまとほ山の木の間より目にはさやかに月ぞもりくる(藤原家隆)
161 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 23:57:21 ID:XYnOxlCn
秋来ぬと荻の葉風は名のるなり人こそとはねたそかれの空(藤原定家)
162 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 23:59:03 ID:XYnOxlCn
いつしかと朝けの風の身にしみてさやかにかはる秋は来にけり(藤原為家)
163 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 00:03:02 ID:P1lC7GZw
今よりの秋とは風にききそめつ目にはさやかにみか月のかげ(正親町公蔭)
164 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 00:18:34 ID:P1lC7GZw
おしなべて霞むやいづこ天つ空めにはさやかに見えぬ春かな(後二条院)
165 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 00:20:47 ID:P1lC7GZw
なほざりの秋風よりも木枯のめに見ぬ冬ぞおどろかれぬる(飛鳥井雅世)
166 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 00:22:05 ID:P1lC7GZw
荻の葉のうちそよぐにも秋来ぬとおどろかれぬる人のわかれぢ(木下長嘯子)
167 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 00:38:40 ID:P1lC7GZw
目にも見えずわたらふ秋は栗の木のなりたる毬のつばらつばらに(長塚節)
168 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 00:47:27 ID:P1lC7GZw
木のもとにやどりはすべし桜花ちらまくをしみ旅ならなくに(源実朝)
169 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 00:54:09 ID:Ln6SLy21
いかなればおなじ時雨にもみぢする柞の森のうすくこからむ(藤原頼宗[後拾遺])
170 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 01:03:54 ID:P1lC7GZw
よそに見てをらでは過ぎじ女郎花名をむつましみ露にぬるとも(源実朝)
171 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 01:08:34 ID:P1lC7GZw
ぬぎかけし主はたれともしらねども一野にたてる藤ばかまかな(大江匡房)
172 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 01:10:38 ID:P1lC7GZw
藤ばかまきてぬぎかけし主やたれとへどこたへず野べの秋風(源実朝)
173 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 01:12:31 ID:P1lC7GZw
露のそめて色々になすもみぢ葉のまたいろいろに露をそむらん(慈円)
174 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 01:13:41 ID:P1lC7GZw
波の音に宇治のさと人よるさへや寝てもあやふき夢の浮橋(藤原定家)
175 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 01:17:10 ID:P1lC7GZw
住の江の松のねたくやよる浪のよるとはなげく夢をだに見で(藤原定家)
176 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 01:17:26 ID:Ln6SLy21
あは雪はふりもやまなむまだきよりまたるる花のちるとまがふに(藤原為家[玉葉])
177 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 01:20:26 ID:Ln6SLy21
恋ひわびてうちぬる宵の夢にだに逢ふとは人の見えばこそあらめ(藤原成範[千載])
178 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 01:22:21 ID:Ln6SLy21
いかにしてうつつの憂さとなりにけむ見しや昔の夢の通ひ路(宗尊親王[続拾遺])
179 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 01:24:40 ID:Ln6SLy21
はかなしなみつの浜松おのづから見えこし夢の浪の通ひ路(藤原家隆[続拾遺])
180 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 01:26:05 ID:Ln6SLy21
見し人の面影とめよ清見潟袖にせきもる波の通ひ路(藤原雅経[新古今])
181 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 01:28:29 ID:Ln6SLy21
菅原や伏見の里のささ枕夢もいくよの人めよくらむ(順徳院[続後撰])
182 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 01:29:03 ID:P1lC7GZw
松かげや岸による浪よるばかりしばしぞ涼む住吉の浜(藤原定家)
183 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 01:30:41 ID:P1lC7GZw
住の江の浪の通ひ路たがために春は霞の人めよくらむ(藤原為家)
184 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 01:33:03 ID:P1lC7GZw
夢にだになほ忍ぶとや逢はぬまは闇のうつつも人めよくらむ(近衛基平)
185 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 01:34:57 ID:P1lC7GZw
よし野河きしによる波山吹の花を名残の春なさそひそ(肖柏)
186 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 01:36:54 ID:P1lC7GZw
五月雨はさてもくれにきつれづれのながめにまさる昨日今日かな(和泉式部)
187 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 01:37:59 ID:P1lC7GZw
なみだ川ながめにまさる袖のうへにせきかぬばかり人ぞ恋しき(藤原家隆)
188 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 01:40:07 ID:P1lC7GZw
八大かたのながめにまさるたもとかな軒のしのぶの秋の村雨(順徳院)
189 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 01:42:48 ID:P1lC7GZw
あやなしや恋すてふ名はたつた川袖をぞくくるくれなゐの波(藤原俊成)
190 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 01:42:52 ID:Ln6SLy21
立田川岩こす浪のこほるかとまだき無き名の月に見ゆらむ(藤原親子[続拾遺])
191 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 07:26:56 ID:Ln6SLy21
繁き野をいく一むらに分けなしてさらに昔を忍びかへさむ(西行[新古今])
192 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 07:31:35 ID:P1lC7GZw
行く水のあはれとぞ思ふ三瀬川わたらでやまむ人しなければ(慶運)
193 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 07:33:08 ID:P1lC7GZw
さらぬだにまだきなき名の立田山いくたび雲の花と見ゆらむ(宗良親王)
194 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 07:34:20 ID:P1lC7GZw
人もとへ荒れなむのちの虫の音も植ゑおく薄秋し絶えずは(藤原定家)
195 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 07:35:12 ID:P1lC7GZw
むら薄植ゑけむ跡も古りにけり雲井を近くまもる住処に(藤原定家)
196 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 07:36:24 ID:P1lC7GZw
薮し分かぬ春の光に北南かすみそめけり生駒大比叡(賀茂季鷹)
197 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 07:37:31 ID:P1lC7GZw
初時雨そめしもみぢの唐錦にはにうちはふ風ぞしくめる(藤原教長)
198 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 07:38:32 ID:P1lC7GZw
稲筵ほなみはるかに打ちなびきおきふしみえて風ぞしくめる(二条為明)
199 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 07:38:42 ID:Ln6SLy21
薮し分かぬ春とやなれも花の咲くその名もしらぬ山の下草(花園院[風雅])
200 :
名無氏物語:2010/05/21(金) 07:40:27 ID:Ln6SLy21
いつとなく心そらなる我が恋や富士の高嶺にかかる白雲(相模[後拾遺])
201 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 08:43:04 ID:jOoAgUh9
よしや人見まれ見ずまれ今はただめづらしげなき恋の煙を(後嵯峨院)
202 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 08:44:25 ID:jOoAgUh9
月影を見まれ見ずまれ秋といへばめづらしげなく落つる涙か(宗尊親王)
203 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 08:45:40 ID:jOoAgUh9
花の色は見まれ見ずまれ分けゆかむ霞める山に風にほふなり(宗良親王)
204 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 08:47:09 ID:jOoAgUh9
もる山の時雨の秋を見てしがな心づからや紅葉はつると(藤原定家)
205 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 08:48:17 ID:jOoAgUh9
咲く花は千ぐさながらに時過ぎて枯れゆく小野の霜のさむけさ(宗尊親王)
206 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 08:49:45 ID:jOoAgUh9
花いへば千ぐさながらにあだならぬ色香にうつる野べの露かな(三条西実隆)
207 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 08:52:43 ID:jOoAgUh9
さまざまに心うつりて咲く花は千種ながらにあかずしぞ思ふ(後水尾院)
208 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 09:02:12 ID:8L+vwWtE
このねぬる朝けの風も心あらば花のあたりをよきて吹かなむ(九条道家[続後撰])
209 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 09:03:48 ID:8L+vwWtE
たちまよふ吉野の桜よきて吹け雲に待たるる春の山風(九条教実[新勅撰])
210 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 09:04:56 ID:8L+vwWtE
心から散るといふ名の惜しければうつろふ花に風もいとはず(藤原為理[新後撰])
211 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 09:05:52 ID:8L+vwWtE
うつろふも心づからの花ならばさそふ嵐をいかがうらみむ(伏見院[続千載])
212 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 09:08:08 ID:jOoAgUh9
冬枯の草葉にも見よ色といへば千種ながらにあだの世の中(後水尾院)
213 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 09:08:55 ID:jOoAgUh9
咲く花の千種ながらにうちなびきかぎりも見えぬ野辺の秋風(霊元院)
214 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 09:09:38 ID:jOoAgUh9
夕霞たなびく山の春よりも色の千種にさけるなでしこ(順徳院)
215 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 09:10:54 ID:jOoAgUh9
明けわたる外山の花にうつろひて色の千草にたつ霞かな(藤原泰綱)
216 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 09:12:56 ID:jOoAgUh9
見わたせば色の千種にうつろひて霞をそむる山桜かな(藤原行家)
217 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 09:14:12 ID:jOoAgUh9
秋もまた色の千ぐさのおなじ野に霞みし花のかげぞ忘れぬ(津守国道)
218 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 09:15:15 ID:jOoAgUh9
春の色を千種にこめて天の原かぎりもしらず立つ霞かな(肖柏)
219 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 09:16:11 ID:jOoAgUh9
今日暮れぬ霞む夕べの空よこれふたたびとだに春とては見じ(伏見院)
220 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 09:26:50 ID:8L+vwWtE
花もまだにほはぬ比の朝な朝ななけや鶯春と思はむ(鷹司院按察[玉葉])
221 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 09:33:38 ID:jOoAgUh9
やまやはるなけや鶯すみがまの煙も空にかすむけしきを(衲叟馴窓)
222 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 09:37:49 ID:jOoAgUh9
移り来てなけや鶯うららなる南のかたえ木のめ春風(冷泉為村)
223 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 10:07:01 ID:jOoAgUh9
染めつくす峰の紅葉をいづる日のあからさまにしあふは逢ふかは(橘千蔭)
224 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 10:12:55 ID:jOoAgUh9
深山にも秋はかぎりになりにけりおちくる水の色かはるまで(土御門院小宰相)
225 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 10:21:38 ID:8L+vwWtE
思へどもつらくもあるかな七夕のなどか一夜と契りそめけむ(藤原基長[新勅撰])
226 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 10:22:59 ID:8L+vwWtE
あかれじの心や深き七夕の年に一たびまれにのみ逢ふ(花山院[玉葉])
227 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 10:26:02 ID:8L+vwWtE
湊川秋ゆく水の色ぞ濃きのこる山なく時雨ふるらし(西園寺実氏[新勅撰])
228 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 10:50:38 ID:jOoAgUh9
白浪のこすかとぞみる卯花のさける垣ねや末の松山(藤原長方)
229 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 10:52:01 ID:jOoAgUh9
しら浪のこえてかへると見えつるや雪に風吹くすゑの松山(慈円)
230 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 11:02:06 ID:jOoAgUh9
さざなみのこすかとぞみる唐崎や松のしづえにふれる白雪(澄覚法親王)
231 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 11:06:26 ID:jOoAgUh9
松かげに咲ける桜は末の山したより浪のこすかとぞみる(小沢蘆庵)
232 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 11:08:17 ID:jOoAgUh9
年をへてつれなき人を恋ふる身は涙の河の身をつくしかな(能因)
233 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 11:10:28 ID:jOoAgUh9
きみゆゑに涙の川にゆらさるるみをつくしともなりはてねとや(藤原経家)
234 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 11:11:18 ID:jOoAgUh9
涙川あふせもしらぬ身をつくしたけこす程に成りにけるかな(慈円)
235 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 11:11:28 ID:8L+vwWtE
白浪のこゆらむ末の松山は花とや見ゆる春の夜の月(加賀左衛門[新古今])
236 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 11:19:32 ID:8L+vwWtE
玉川の里の垣ねの卯の花はおよばぬ波のこすかとぞみる(二条道平[新千載])
237 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 11:40:23 ID:8L+vwWtE
物おもふ涙の河の身をつくしふかきしるしは袖に見ゆらむ(中臣祐春[続千載])
238 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 12:28:17 ID:jOoAgUh9
ぬきみだる涙もしばしとまるやと玉の緒ばかり逢ふよしもがな(紀貫之)
239 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 12:29:50 ID:jOoAgUh9
おほかたはしひて忘れむと思へどもいかにせよとて袖の濡るらむ(源重之女)
240 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 12:30:39 ID:jOoAgUh9
いかにせむ今はたたえて春の夜の人だのめなる夢をだにみず(藤原家隆)
241 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 12:32:20 ID:jOoAgUh9
かきつめて誰しのぶべきかたみとは涙の底のもくづなれども(俊成卿女)
242 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 12:33:25 ID:jOoAgUh9
夜な夜なのまくらのちりをもくづにて涙の床や海とならまし(頓阿)
243 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 12:35:42 ID:jOoAgUh9
かたみとて涙にうかぶもくづをばかへすをみても袖やぬれなむ(飛鳥井雅親)
244 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 12:38:18 ID:jOoAgUh9
そなたにもとめてやはみぬあふことのいまは涙のもくづなりとも(三条西実隆)
245 :
名無氏物語:2010/05/22(土) 12:41:04 ID:jOoAgUh9
涙川うかぶもくづのうたかたもあはれはかなきかたみなりけり(木下長嘯子)
246 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 19:56:00 ID:ycjk7Qfu
雁がねのなきてもいはむ方ぞなきむかしのつらの今の夕暮(藤原定家)
247 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 19:57:05 ID:ycjk7Qfu
老をせく菊のした水手にむすぶこの里人ぞ千世もすむべき(藤原定家)
248 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 19:58:14 ID:ycjk7Qfu
天つ星光をうつすみかは水老せぬ菊のかげやせくらむ(順徳院)
249 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 20:01:08 ID:ycjk7Qfu
よしの川はやくのとしをかへさめや菊の下水老をせくとも(後水尾院)
250 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 20:07:21 ID:ycjk7Qfu
老をせくためしまでこそくみしらねこの谷川も菊の下水(霊元院)
251 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 20:10:38 ID:ycjk7Qfu
まちをしむ花にまぎれし心からすぐす月日の春ぞすくなき(藤原為家)
252 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 20:12:22 ID:ycjk7Qfu
けふのこる花のかとりの白がさねあすたちかへむ春ぞすくなき(正徹)
253 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 20:26:34 ID:YPVNppKb
恨みても泣きても何をかこたまし見しよの月の辛さならでは(少将内侍[続古今])
254 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 20:27:17 ID:YPVNppKb
山水に老せぬ千世をせきとめておのれうつろふしら菊の花(藤原定家[新千載])
255 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 20:28:42 ID:YPVNppKb
桜花梢さびしくちりすきてのこれる枝に春ぞすくなき(九条師教[玉葉])
256 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 20:30:52 ID:ycjk7Qfu
高砂のをのへの松や君がへむ千代のともとはならむとすらむ(藤原俊成)
257 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 20:32:37 ID:ycjk7Qfu
いかにせむ鏡のそこにみづはぐむかげもむかしの友ならなくに(鴨長明)
258 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 20:34:32 ID:ycjk7Qfu
高砂の松をともとて鳴く千鳥きみがやちよのこゑやそふらむ(藤原良経)
259 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 20:36:10 ID:ycjk7Qfu
友と見しよそのもみぢは散りはててひとりしぐるる高砂のまつ(藤原為家)
260 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 20:37:35 ID:ycjk7Qfu
みよしのの吉野の宮はふりにけり松も昔の松やすくなき(順徳院)
261 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 20:40:35 ID:ycjk7Qfu
子の日せし代代のみゆきのあとふりて松もむかしの春や恋しき(宗尊親王)
262 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 20:47:21 ID:ycjk7Qfu
知る人と松をもいかがたのむべきうきよをいとふ友ならなくに(宗尊親王)
263 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 20:48:46 ID:ycjk7Qfu
風かよふ松もむかしの友とてやおなじ軒端ににほふたち花(飛鳥井雅世)
264 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 20:56:44 ID:YPVNppKb
うき身をも思ひな捨てそ秋の月むかしより見し友ならぬかは(藤原隆房[続後撰])
265 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 20:58:21 ID:YPVNppKb
高砂の松も昔になりぬべしなほ行末は秋の夜の月(寂蓮[新古今])
266 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 21:01:10 ID:YPVNppKb
高砂の松もかひなし誰をかもあはれ歎きのしる人にせむ(藤原忠定[続拾遺])
267 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 21:14:00 ID:YPVNppKb
冬きては雪の底なる高砂の松を友とぞいとどふりぬる(藤原為家[続拾遺])
268 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 21:15:37 ID:YPVNppKb
月だにも老の涙のへだてずはむかしの秋の友とみてまし(一条実経[続拾遺])
269 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 21:17:28 ID:ycjk7Qfu
年こゆる色やはかへむ高砂の松もむかしの沖つしらなみ(正徹)
270 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 21:23:07 ID:ycjk7Qfu
したふなよ松もむかしのとばかりにあだなる花の春の別れは(後柏原天皇)
271 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 21:25:37 ID:ycjk7Qfu
君が代は雲井はるかに高砂の松もむかしの友づるのこゑ(三条西実隆)
272 :
名無氏物語:2010/05/23(日) 21:34:43 ID:ycjk7Qfu
高砂の松をためしも雪のけさいたづらにふる友とやはみむ(木下長嘯子)
273 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 00:16:22 ID:H8ahtfSb
高砂の松を友ともなぐさまで猶妻ごひに鹿ぞ鳴くなる(尊円親王[新拾遺])
274 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 00:17:54 ID:XMwzY+yY
いはそそぐ清水も春の声たてて打ちてや出づる谷の早蕨(藤原定家)
275 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 00:19:34 ID:XMwzY+yY
吉野山かすまぬ方の谷水も打ち出づる波に春は立つなり(藤原定家)
276 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 00:20:49 ID:XMwzY+yY
すはの海や氷のうへは霞めども猶うちいでぬ春のしら浪(宗良親王)
277 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 00:21:42 ID:XMwzY+yY
おく霜の氷吹きとく松風にうちいづる波や梅の初花(正徹)
278 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 00:23:30 ID:XMwzY+yY
雪消えぬ谷の古巣を鶯のうち出づる声も春の初花(賀茂季鷹)
279 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 00:28:30 ID:H8ahtfSb
さきやらぬ花の梢はたかさごの松を友とやつれなかるらむ(直明王[新続古今])
280 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 00:30:44 ID:H8ahtfSb
谷川のうち出づる波も声たてつ鶯さそへ春の山風(藤原家隆[新古今])
281 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 00:31:36 ID:H8ahtfSb
谷川をうち出づる波にみし花の峰の梢になりにけるかな(藤原良経[続後拾遺])
282 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 00:33:32 ID:H8ahtfSb
花に飽かでつひに消えなば山桜あたりをさらぬ霞とならん(藤原俊成[風雅])
283 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 00:34:19 ID:H8ahtfSb
花すすきまだ露ふかし穂に出でて眺めじと思ふ秋のさかりを(式子内親王[新古今])
284 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 00:35:19 ID:H8ahtfSb
白川のたえぬ流れを尋ねきて万代契る友千鳥かな(覚助法親王[新千載])
285 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 14:39:14 ID:XMwzY+yY
ありはてぬ命をさぞと知りながらはかなくも世を明け暮らす哉(藤原定家)
286 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 14:39:57 ID:XMwzY+yY
暁の鳥よりさきに鳴きそめてなれも別れや惜しむ雁がね(後水尾院)
287 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 14:42:36 ID:XMwzY+yY
さきだたぬ世々の契りを恨みても悔いのやちたびねをのみぞなく(葉室光俊)
288 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 14:44:05 ID:XMwzY+yY
さめてのち悔いのやちたびかなしきは昔をみつるうたたねの夢(宗尊親王)
289 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 14:45:56 ID:XMwzY+yY
涙川くいのやちたび思へどもながれし名をばせくかひもなし(宗良親王)
290 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 14:47:54 ID:XMwzY+yY
おもひ川くいの八千たびうつたへにいとど浪こす袖のしがらみ(正徹)
291 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 15:00:08 ID:XMwzY+yY
散りぬれば悔いのやちたびかへりこぬ水のゆく手の井手の山吹(下河辺長流)
292 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 15:08:34 ID:H8ahtfSb
我が恋はしる人もなしせく床の涙もらすなつげのを枕(式子内親王[新古今])
293 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 15:10:36 ID:H8ahtfSb
忍びあまり落つる涙をせき返し抑ふる袖ようき名もらすな(読人不知[新古今])
294 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 15:11:32 ID:H8ahtfSb
葛の葉にあらぬ我が身も秋風の吹くにつけつつ恨みつるかな(村上天皇[新古今])
295 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 15:15:39 ID:H8ahtfSb
葛の葉の恨みにかへる夢の世を忘れがたみの野辺の秋風(俊成卿女[新古今])
296 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 15:20:31 ID:H8ahtfSb
今よりの秋の夜風やいかならむ今朝だに葛のうらみ顔なる(寂蓮[続後撰])
297 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 15:21:37 ID:H8ahtfSb
めぐりあはむ我がかねごとの命だに心にかなふ春の暮かは(俊成卿女[新勅撰])
298 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 15:22:47 ID:H8ahtfSb
かからずは何か別れの惜しからむなれぬるばかり悔しきはなし(安喜門院大弐[玉葉])
299 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 15:24:53 ID:H8ahtfSb
旅衣みやこの月のおくらずはなにか別れの形見ならまし(頓阿[新続古今])
300 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 15:25:23 ID:XMwzY+yY
絶えしとき心にかなふ物ならば我が玉の緒によりかへてまし(和泉式部)
301 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 15:42:29 ID:XMwzY+yY
うぐひすの物憂かる音に鳴くなるは春にしられぬ宿の印か(俊恵)
302 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 16:03:28 ID:XMwzY+yY
百千鳥さへづりくらす春の日を物憂かる音にうちながめつつ(藤原雅経)
303 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 16:06:46 ID:XMwzY+yY
鶯の物憂かる音にうらぶれて野上の方に春ぞ暮れゆく(宗尊親王)
304 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 16:09:15 ID:XMwzY+yY
鶯の物憂かる音になかぬまで花とぞ見ゆる野べの淡雪(木下長嘯子)
305 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 16:10:46 ID:XMwzY+yY
花すすき草の袂もくちはてぬ馴れて別れし秋を恋ふとて(藤原定家)
306 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 16:12:04 ID:XMwzY+yY
年のうちに春立ちぬとや吉野山霞かかれる峰のしら雲(藤原俊成)
307 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 16:20:23 ID:H8ahtfSb
穂に出でてまねくとならば花薄過ぎゆく秋をえやは止めぬ(藤原教長[風雅])
308 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 16:47:58 ID:H8ahtfSb
ももしきの大宮人もむれゐつつこぞとや今日をあすはかたらむ(藤原師氏[新勅撰])
309 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 16:54:26 ID:XMwzY+yY
雪のうちに春は来にけりよしの山雲とやいはむ霞とやいはむ(慈円)
310 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 16:55:59 ID:XMwzY+yY
鶯もまだ出でやらぬ春の雲ことしともいはず山風ぞ吹く(藤原定家)
311 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 16:57:00 ID:XMwzY+yY
野も山もまだ雪深き年の内に霞ぞおそき春は来にけり(宗尊親王)
312 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 17:00:09 ID:XMwzY+yY
年のうちに餅はつきけり一年をこぞとや食はむ今年とや食はむ(二条良基)
313 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 17:01:06 ID:XMwzY+yY
いづこぞと梅がか深し年の内も立枝尋ねて春風やふく(武者小路実陰)
314 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 17:02:34 ID:XMwzY+yY
年のうちに春きぬめりと梅やさく梅さけりとて春やきぬらむ(小沢蘆庵)
315 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 17:07:17 ID:XMwzY+yY
あら玉の年の内にも鶯の初音ばかりの春は来にけり(香川景樹)
316 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 17:32:04 ID:H8ahtfSb
草も木もふりまがへたる雪もよに春待つ梅の花の香ぞする(源通具[新古今])
317 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 17:34:10 ID:H8ahtfSb
おほぞらの月のひかりしあかければ槙の板戸も秋はさされず(源為善[後拾遺])
318 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 17:44:48 ID:H8ahtfSb
白妙に雪もわが身もふりはてぬあはれ名残の有明の月(藤原公経[続古今])
319 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 17:47:40 ID:XMwzY+yY
はかなくもなに惜しむらん行く年のとどまらなくにせく涙かな(藤原秀能)
320 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 17:49:15 ID:XMwzY+yY
くらま山月のひかりのあかければいかなりし夜のなにかとぞみる(赤染衛門)
321 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 17:51:59 ID:XMwzY+yY
すゑの露もとのしづくや世の中のおくれさきだつためしなるらむ(遍照)
322 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 17:55:32 ID:XMwzY+yY
このやどに雪も我が身もふりはてぬ明けぬ暮れぬとつもるながめに(伏見院)
323 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 17:58:49 ID:XMwzY+yY
逢坂の関のこなたにあらねども往き来の人にあこがれにけり(良寛)
324 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 18:00:07 ID:H8ahtfSb
都には聞きふりぬらむ郭公関のこなたの身こそつらけれ(藤原実方[続後撰])
325 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 18:02:03 ID:H8ahtfSb
音羽河雪げの波も岩こえて関のこなたに春は来にけり(藤原定家[続古今])
326 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 18:04:53 ID:H8ahtfSb
今朝かはる秋とは風の音羽山おとに聞くより身にぞしみける(亀山院[続拾遺])
327 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 18:56:57 ID:H8ahtfSb
逢ふことのなぎさなればや都鳥かよひし跡も絶えて問ひこず(藤原道長[続後撰])
328 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 18:58:54 ID:H8ahtfSb
逢ふことのなぎさにひろふ石なれや見れば涙のまづかかるらむ(藤原輔相[新拾遺])
329 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 20:02:56 ID:H8ahtfSb
雲ゐよりつらぬきかくる白玉をたれ布引の滝といひけん(藤原隆季[詞花])
330 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 20:03:24 ID:XMwzY+yY
白露のつらぬきかくるときにこそ玉柳とはいふべかりけれ(藤原教長)
331 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 20:04:15 ID:XMwzY+yY
春くればみどりの糸の筋ごとにつらぬきかくる玉柳かな(花園左大臣家小大進)
332 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 20:05:08 ID:XMwzY+yY
朝まだきくるすの小野のいと萩につらぬきかくる露の白玉(藤原範光)
333 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 20:07:39 ID:XMwzY+yY
糸萩のなみよるばかりおく露はつらぬきかくる玉かとぞ見る(皇后宮摂津)
334 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 20:10:04 ID:XMwzY+yY
野辺ごとにたれにみせんとささがにのつらぬきかくる萩の白露(藤原為家)
335 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 20:49:52 ID:XMwzY+yY
玉ぼこの道もやどりもしら露に風の吹きしく小野の篠原(藤原家隆)
336 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 20:56:06 ID:H8ahtfSb
武蔵野や人の心のあさ露につらぬきとめぬ袖の白玉(九条道家[新勅撰])
337 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 23:38:25 ID:XMwzY+yY
てづくりやさらすかきねの朝露をつらぬきとめぬ玉川の里(藤原定家)
338 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 23:39:46 ID:XMwzY+yY
むさし野につらぬきとめぬ白露の草はみながら月ぞこぼるる(藤原定家)
339 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 23:40:30 ID:XMwzY+yY
川なみに風のふきしく白露やつらぬきとめぬ玉のをやなぎ(順徳院)
340 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 23:41:40 ID:XMwzY+yY
山風にあられうちちる音はしてつらぬきとめぬ庭の玉笹(三条西実隆)
341 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 23:42:40 ID:XMwzY+yY
露むすぶみどりの糸に風絶えてつらぬきとむる玉のを柳(木下長嘯子)
342 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 23:44:47 ID:XMwzY+yY
まくず原露も玉まく夕風につらぬきとめぬ秋ぞちりける(松永貞徳)
343 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 23:47:57 ID:XMwzY+yY
秋の色や今一しほの色ならむふるき思ひのそめし袂に(慈円)
344 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 23:49:20 ID:XMwzY+yY
をしほ山いま一しほの春の色に君をみどりの松ぞ久しき(藤原家隆)
345 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 23:51:28 ID:H8ahtfSb
紅葉せぬときはの山に住む鹿はおのれ鳴きてや秋を知るらむ(大中臣能宣[拾遺])
346 :
名無氏物語:2010/05/24(月) 23:52:15 ID:H8ahtfSb
花咲かぬときはの山のうぐひすは霞を見てや春をしらなむ(大中臣能宣[新千載])
347 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 00:04:18 ID:wdWS+nIo
秋来れば常磐の山の松風もうつるばかりに身にぞしみける(和泉式部[新古今])
348 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 00:05:18 ID:wdWS+nIo
浅みどり霞める空のけしきにやときはの山も春をしらなむ(少将公教母[金葉])
349 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 00:15:30 ID:nvDRSkHY
あづさ弓いそべの小松春といへばかはらぬ色も色まさりけり(藤原定家)
350 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 00:16:40 ID:nvDRSkHY
春くれば今一しほのみどりこそかはらぬ松のかはるなりけれ(藤原良経)
351 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 00:24:17 ID:nvDRSkHY
宮川やいつもみどりの杉の葉にいまひとしほの春風ぞ吹く(後鳥羽院)
352 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 00:25:46 ID:nvDRSkHY
夏の日の木の間もりくる庭の面(おも)にかげまでみゆる松のひとしほ(順徳院)
353 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 00:27:05 ID:nvDRSkHY
かくてみむ外山の里のうす紅葉今一しほの色なしぐれそ(宗尊親王)
354 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 21:47:11 ID:nvDRSkHY
松の葉のいつともわかぬ岡のべに今一しほの下もみぢかな(細川幽斎)
355 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 21:51:33 ID:nvDRSkHY
色まさるをのへの松の木間より今一しほの桜咲くころ(烏丸光広)
356 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 21:54:38 ID:nvDRSkHY
雪きえてうすみどりなる野べの色も今一しほの春雨ぞふる(後水尾院)
357 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 21:56:28 ID:nvDRSkHY
いつしかと人めも草も枯れねとやおろす嵐の今朝ははげしき(俊恵)
358 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 21:57:11 ID:wdWS+nIo
橘にあやめの枕にほふ夜ぞ昔をしのぶかぎりなりける(藤原俊成[新後撰])
359 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 21:57:24 ID:nvDRSkHY
霜おかぬ人めも今はかれはてて松にとひくる風ぞかはらぬ(藤原有家)
360 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 21:57:59 ID:wdWS+nIo
山ざとの暁がたの鹿のねは夜はのあはれのかぎりなりけり(慈円[千載])
361 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 21:58:10 ID:nvDRSkHY
春も又かれし人めにまちわびぬ草葉はしげる雨につけても(藤原定家)
362 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 21:59:07 ID:nvDRSkHY
人目さへいとど深草かれぬとや冬待つしもに鶉なくらむ(藤原定家)
363 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 22:00:21 ID:wdWS+nIo
ひとめさへ霜がれにける宿なればいとど有明の月ぞさびしき(具平親王[玉葉])
364 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 22:01:40 ID:wdWS+nIo
さびしさに堪へたる人のまたもあれな庵ならべむ冬の山里(西行[新古今])
365 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 22:08:21 ID:nvDRSkHY
宿からぞ都の内もさびしさは人目かれにし庭の月かげ(藤原定家)
366 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 22:21:12 ID:nvDRSkHY
夢路まで人目はかれぬ草の原おきあかす霜にむすぼほれつつ(藤原定家)
367 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 22:22:54 ID:nvDRSkHY
我が宿は人目も草も草は猶かれても立てる心ながさよ(藤原定家)
368 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 22:24:19 ID:nvDRSkHY
庭しげき草葉の下の道たえてとはぬ人めは夏もかれけり(藤原定家)
369 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 22:26:51 ID:nvDRSkHY
花ちればやがて人目もかれはつる深山の里の春のくれがた(藤原良経)
370 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 22:28:30 ID:nvDRSkHY
いつとてもかかる人目の山里は草の原にぞ冬はしりける(藤原為家)
371 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 23:20:14 ID:nvDRSkHY
山里はしらぬ人目もいまさらに霜にかれゆく庭の冬草(藤原為家)
372 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 23:21:07 ID:nvDRSkHY
あはれまた人めも草も枯れにけりみ山の庵ぞ秋はさびしき(順徳院)
373 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 23:22:52 ID:nvDRSkHY
垣ねなる草も人めも霜がれぬ秋のとなりや遠ざかるらむ(後嵯峨院)
374 :
名無氏物語:2010/05/25(火) 23:27:19 ID:nvDRSkHY
我すめば人めもかれず山里に猶ききすてぬ朝まつりごと(後宇多院)
375 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 00:00:08 ID:WsKyZ1H9
たまさかの人めも草も秋はなほ跡見えし庭に峰のこがらし(宗祇)
376 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 00:03:29 ID:2lvkIZfm
たれかとふ冬ぞさびしさまさ木ちる外山の庵は風にまかせて(木下長嘯子)
377 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 00:12:01 ID:2lvkIZfm
木の葉ちる人めもかれて山里の四の時には冬こそありけれ(木下長嘯子)
378 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 00:24:22 ID:2lvkIZfm
秋くれて冬ぞさびしさわすれけるみ雪ちりぼひ梅かをるころ(小沢蘆庵)
379 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 00:25:49 ID:2lvkIZfm
秋くれば虫とともにぞなかれぬる人も草葉もかれぬと思へば(藤原興風)
380 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 00:28:17 ID:2lvkIZfm
年のうちに春立ちぬとや吉野山霞かかれる峰の白雪(藤原俊成)
381 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 00:30:14 ID:2lvkIZfm
夏きぬといふばかりにやあしびきの山も霞の衣かふらむ(藤原良経)
382 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 00:32:03 ID:2lvkIZfm
春たつといふばかり見しいづくとて行手に霞むのべの曙(藤原家隆)
383 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 00:35:31 ID:2lvkIZfm
春たつといふばかりなる月日にてけふより空や霞みそむらん(藤原雅経)
384 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 00:55:46 ID:NvMVsbxR
み吉野は山もかすみて白雪のふりにし里に春は来にけり(藤原良経[新古今])
385 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 00:56:42 ID:NvMVsbxR
うちきらし猶ふる雪も春たつといふばかりにや花とみゆらむ(藤原家経[玉葉])
386 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 00:57:37 ID:NvMVsbxR
桜花今やさくらむみ吉野の山もかすみて春雨ぞふる(後円融院[新後拾遺])
387 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 01:00:06 ID:2lvkIZfm
花はただなほ白雲に霞みぬといふばかりにやみ吉野の山(藤原雅経)
388 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 01:01:03 ID:2lvkIZfm
春たつといふばかりには霞めども猶雪ふかしみ吉野の山(宗良親王)
389 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 01:03:06 ID:2lvkIZfm
冬きぬと人はいへども朝氷むすばぬほどはあらじとぞおもふ(曾禰好忠)
390 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 01:03:58 ID:2lvkIZfm
郭公なかぬかぎりはたちばなのにほふ垣ねぞ人だのめなる(兼好)
391 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 01:06:06 ID:2lvkIZfm
なぐさめぬ我にてしりぬよの人もかくやみるらむ秋のよの月(宗尊親王)
392 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 01:07:13 ID:2lvkIZfm
立ちかへり我にてしりぬうらみわびなやます花の心づくしを(木下長嘯子)
393 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 01:08:37 ID:NvMVsbxR
ひとりぬる我にてしりぬ池水につがはぬ鴛鴦のおもふ心を(藤原公実[千載])
394 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 01:16:25 ID:2lvkIZfm
暮るるかとおもへば明けぬ兼てよりいづら待ちつる秋の一よは(俊恵)
395 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 01:19:14 ID:2lvkIZfm
暮るるかとみれば明けぬる山のはにかたぶくほども夏の夜の月(後鳥羽院)
396 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 01:21:09 ID:2lvkIZfm
きのふとやけふとやいはむ暮るるかとみればあかしの浦の月影(藤原為家)
397 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 01:22:18 ID:2lvkIZfm
暮るるかとみしは霞のくもるにて夜になる程の雨ぞ日ながき(中院通勝)
398 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 01:23:41 ID:2lvkIZfm
袖の香の花にやどかれほととぎすいまもこひしき昔とおもはば(藤原定家)
399 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 02:05:45 ID:2lvkIZfm
三月かげはうつつながらにゆ夢よりもはかなきものと短夜の空(飛鳥井雅有)
400 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 02:07:31 ID:2lvkIZfm
夢よりもけにはかなしやおもひつつぬればとたのむ心よわさは(堯孝)
401 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 02:08:13 ID:2lvkIZfm
時しあれば夜を長月の夢よりもうつつはかなく暮るる秋かな(正徹)
402 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 07:33:00 ID:2lvkIZfm
夢よりもはかなき夢におき出でてかへる空にぞ鳥も鳴きける(三条西実隆)
403 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 07:34:32 ID:2lvkIZfm
道柴の露にあらそふ我が身かないづれかまづは消えむとすらむ(藤原実頼)
404 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 07:35:31 ID:2lvkIZfm
白露とあらそひながら今日もまた扇はえこそ置かれざりけれ(肥後)
405 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 07:37:05 ID:2lvkIZfm
夏はつる扇に露もおきそめてみそぎすずしき賀茂の川風(藤原定家)
406 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 07:38:19 ID:2lvkIZfm
夏はつるあふぎのさきにおきそめて草葉ならはす秋の白露(藤原為家)
407 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 07:39:17 ID:2lvkIZfm
夏はつる扇の風にみを秋の涙の露や先におくらむ(足利義教)
408 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 07:40:18 ID:2lvkIZfm
よひの間の月のかつらのうす紅葉照るとしもなき初秋の空(鴨長明)
409 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 07:40:41 ID:NvMVsbxR
夏の夜の月の桂の下紅葉かつがつ秋の光をぞ待つ(二条院讃岐[新続古今])
410 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 07:41:34 ID:NvMVsbxR
ことわりの秋にはあへぬ涙かな月の桂もかはる光に(俊成卿女[新古今])
411 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 07:42:22 ID:NvMVsbxR
秋の色を払ひはててや久かたの月の桂に木枯しの風(藤原雅経[新古今])
412 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 14:25:27 ID:Nwm0tcwh
久方の月の桂のしたもみぢ宿借る袖ぞ色にいでゆく(藤原定家)
413 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 14:27:06 ID:Nwm0tcwh
紅葉する月のかつらにさそはれて下のなげきも色ぞうつろふ(藤原定家)
414 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 14:28:10 ID:Nwm0tcwh
ながめつつ月の桂の紅葉葉は時雨せぬにぞ秋まさりける(順徳院)
415 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 14:29:48 ID:Nwm0tcwh
照りまさる月の桂のもみぢばはちらぬ高根に秋風ぞふく(正徹)
416 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 14:35:41 ID:Nwm0tcwh
秋くればいなおほせ鳥の涙かも草の葉ごとに露ぞこぼるる(二条太皇太后宮大弐)
417 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 14:36:47 ID:Nwm0tcwh
露けさもおのが涙か秋の田のいなおほせ鳥はなかずもあらなむ(藤原為家)
418 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 14:38:15 ID:Nwm0tcwh
露ならぬいなおほせ鳥の涙さへさもひちまさる秋の袖かな(藤原知家)
419 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 14:50:52 ID:Nwm0tcwh
秋の田は涙ならでも置く露をいなおほせ鳥におほせつるかな(宗良親王)
420 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 14:52:16 ID:Nwm0tcwh
霞分け入りにし人の音信も花にほどふるみよしのの山(藤原家隆)
421 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 14:53:18 ID:Nwm0tcwh
よしの山いりにし人のおとづれもたえてひさしき雪のかよひ路(順徳院)
422 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 15:00:30 ID:Nwm0tcwh
吉野山嶺の白雪踏み分けて入りにし人の跡ぞ恋しき(静御前)
423 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 15:01:26 ID:Nwm0tcwh
さきいでて花に世やうき吉野山入りにし人のあとうづむなり(正徹)
424 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 15:50:15 ID:6lwjnp3n
見るままに色かはりゆく久方の月の桂の秋のもみぢ葉(藤原資季[新勅撰])
425 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 15:51:14 ID:6lwjnp3n
なく鹿の声にめざめて偲ぶかな見はてぬ夢の秋の思ひを(慈円[新古今])
426 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 15:52:08 ID:6lwjnp3n
山里は秋の寝覚ぞあはれなるそことも知らぬ鹿の鳴くねに(後白河院[続古今])
427 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 15:52:57 ID:6lwjnp3n
侘び人の秋の寝覚はかなしきに鹿の音遠き山里も哉(今出河院近衛[続千載])
428 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 15:53:48 ID:6lwjnp3n
琴の音に峰の松風かよふらしいづれのをよりしらべそめけむ(斎宮女御[拾遺])
429 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 15:54:45 ID:6lwjnp3n
袖におく露をば露と忍べどもなれゆく月や色を知るらむ(源通具[新古今])
430 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 15:55:33 ID:6lwjnp3n
今よりの露をばつゆと荻の葉に涙かつ散る秋風ぞ吹く(津守国助[続拾遺])
431 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 15:55:39 ID:Nwm0tcwh
下もゆる雪間の草のめづらしく我が思ふ人にあひ見てしがな(和泉式部)
432 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 16:00:24 ID:Nwm0tcwh
山の端に待たれて出づる月影のはつかに見えし夜半の恋しさ(藤原定家)
433 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 16:01:13 ID:Nwm0tcwh
枕とて草のはつかに結べども夢もみじかき春のうたた寝(藤原定家)
434 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 16:04:00 ID:Nwm0tcwh
春日野の草のはつかに雪消えてまだうらわかき鶯の声(藤原良経)
435 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 16:06:30 ID:Nwm0tcwh
さを鹿のつめもかくれぬ春草のはつかに見えて逢はぬ君かな(雅成親王)
436 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 16:09:43 ID:Nwm0tcwh
月影に身をやかへましあはれてふ人の心にいりてみるべく(源計子)
437 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 16:10:58 ID:Nwm0tcwh
山桜命にかへて惜しめとや見はてぬ夢と花の散るらむ(本居春庭)
438 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 16:12:36 ID:Nwm0tcwh
有曙のつれなく見えし浅茅生におのれも名のみまつむしのこゑ(藤原家隆)
439 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 16:12:43 ID:6lwjnp3n
袖の上の露をばつゆと払ひても涙数そふ秋の夕暮(道応[新後拾遺])
440 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 16:18:59 ID:6lwjnp3n
袖の上の露をばつゆと払ひても涙数そふ秋の夕暮(道応[新後拾遺])
441 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 16:27:58 ID:6lwjnp3n
芳野山今朝ふる雪やつもるらむ入りにし人の跡だにもなし(土御門院[新続古今])
442 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 16:37:36 ID:6lwjnp3n
かた岡の雪まにねざす若草のほのかに見てし人ぞ恋しき(曾禰好忠[新古今])
443 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 21:27:33 ID:Nwm0tcwh
おほかたの月もつれなき鐘の音に猶うらめしき有明の空(藤原定家)
444 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 21:29:24 ID:Nwm0tcwh
花の香も霞みてしたふ有明をつれなく見えてかへる雁がね(藤原定家)
445 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 21:30:22 ID:Nwm0tcwh
面影も待つ夜むなしき別れにてつれなく見ゆる有明の空(藤原定家)
446 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 21:31:57 ID:Nwm0tcwh
有明のあかつきよりも憂かりけり星のまぎれの宵のわかれは(藤原定家)
447 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 21:32:55 ID:Nwm0tcwh
おもかげを幾夜の月にのこすらむつれなくみえし人の名残に(後鳥羽院)
448 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 21:34:45 ID:Nwm0tcwh
有明のつれなく見えし空のみやなれし名残のかたみなるべき(後鳥羽院)
449 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 21:36:42 ID:Nwm0tcwh
起き別れつれなくみえしあかつきの憂かりし空ぞかたみなりける(藤原秀能)
450 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 21:40:17 ID:6lwjnp3n
跡をだに草のはつかに見てしがな結ぶばかりの程ならずとも(和泉式部[新古今])
451 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 21:41:56 ID:6lwjnp3n
春の夜の夢の浮橋とだえして峰にわかるる横雲の空(藤原定家[新古今])
452 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 21:43:04 ID:6lwjnp3n
桜花夢かうつつか白雲の絶えてつれなき峯の春風(藤原家隆[新古今])
453 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 22:00:12 ID:6lwjnp3n
横雲の風にわかるるしののめに山飛びこゆる初雁の声(西行[新古今])
454 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 22:00:23 ID:Nwm0tcwh
私語(ささめき)の尽くべき秋の一夜かは七夕ばかり憂き中はなし(耕雲)
455 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 22:01:51 ID:Nwm0tcwh
つれなくて有明過ぎぬ郭公この三か月にきえし一こゑ(正徹)
456 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 22:08:09 ID:Nwm0tcwh
つれなさの面影かくせ三か月のわれて又みる有明の雲(正徹)
457 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 22:10:05 ID:Nwm0tcwh
しの薄つれなく見えし夕かな月もほのめくあだし野の露(肖柏)
458 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 22:11:34 ID:Nwm0tcwh
夢さむる老の枕に有明のつれなきかげは我もさながら(下冷泉政為)
459 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 22:16:27 ID:Nwm0tcwh
待ちいづる月は有明の窓のうちにしひてつれなき夜の灯(三条西実隆)
460 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 22:18:34 ID:Nwm0tcwh
待つほどはつれなくみえし山のはも月の麓にとほざかりつつ(霊元院)
461 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 22:19:48 ID:Nwm0tcwh
待出でて帰るこよひぞつれなさは人に見はつる有明の月(後水尾院)
462 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 22:20:35 ID:6lwjnp3n
風ふかば峯に別れむ雲をだにありし名残の形見とも見よ(藤原家隆[新古今])
463 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 22:22:37 ID:6lwjnp3n
あひ見ても峯にわかるる白雲のかかる此の世のいとはしきかな(源季広[新古今])
464 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 22:24:19 ID:6lwjnp3n
うつりゆく人の心は白雲のたえてつれなき契りなりけり(藤原良経[新続古今])
465 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 23:16:23 ID:Nwm0tcwh
大かたのうつつは夢になしはてつぬるがうちには何をかもみむ(後鳥羽院)
466 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 23:17:58 ID:Nwm0tcwh
春や夢さきそめしよりぬるがうちにみるにもあらぬ花ぞ散り行く(正徹)
467 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 23:19:14 ID:Nwm0tcwh
この秋ぞつひの別れとなりにけるあるを見るだに悲しかりしを(石川依平)
468 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 23:20:12 ID:Nwm0tcwh
東路のさやの中山さやかにもみぬ人いかで恋しかるらむ(香川景樹)
469 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 23:21:06 ID:Nwm0tcwh
くもりなき池の鏡の底きよみうつしとどめよ花のおもかげ(藤原長方)
470 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 23:22:08 ID:Nwm0tcwh
かつしかのわさ田のおしねこきたれてなきもたらじとつきぬ涙か(源俊頼)
471 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 23:23:10 ID:Nwm0tcwh
雁がねの涙も花もこきたれて帰る道にやふりまさるらむ(藤原為家)
472 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 23:23:43 ID:6lwjnp3n
暁やまだ深からし松のうれに別るともなき嶺の白雲(藤原為基[風雅])
473 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 23:24:48 ID:6lwjnp3n
有明のつれなく見えし月は出でぬ山郭公待つ夜ながらに(藤原良経[新古今])
474 :
名無氏物語:2010/05/27(木) 23:28:02 ID:6lwjnp3n
つれなさのたぐひまでやはつらからぬ月をもめでじ有明の空(藤原有家[新古今])
475 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 00:00:09 ID:6VPso89P
初雁もなきこそわたれ吹く風の身にしむばかり秋の憂ければ(宗尊親王)
476 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 00:00:17 ID:6vrVa5fC
契りきやあかぬ別れに露おきし暁ばかり形見なれとは(源通具[新古今])
477 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 00:01:19 ID:6VPso89P
かるかやのみだれて物を思ふかな野原のかぜを袖にまかせて(慈円)
478 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 00:02:08 ID:6VPso89P
かるかやのみだれて物をおもへども君が下葉の露ぞつれなき(後鳥羽院)
479 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 00:07:04 ID:6VPso89P
たつた山峰のもみぢの散らぬまはそこにぞ水の秋はみえけり(藤原家隆)
480 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 00:10:54 ID:6VPso89P
神なびの山のあらしやたつた河みづの秋のみふかき色かな(藤原雅経)
481 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 00:11:38 ID:6vrVa5fC
更にまた暮をたのめと明けにけり月はつれなき秋の夜の空(源通光[新古今])
482 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 00:16:23 ID:6vrVa5fC
別れ路の有明の月のうきにこそたへて命はつれなかりけれ(藤原為家[続拾遺])
483 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 00:18:38 ID:6vrVa5fC
つれなさのたぐひならじと有明の月にしも鳴く時鳥かな(西園寺実兼[新拾遺])
484 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 00:34:05 ID:6vrVa5fC
過ぎぬればうつつも夢にかはらぬをぬるがうちとも思ひけるかな(源具房[続古今])
485 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 00:37:09 ID:6vrVa5fC
ぬるがうちに逢ふとみつるも頼まれず心のかよふ夢路ならねば(長舜[風雅])
486 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 00:39:49 ID:6vrVa5fC
ぬるがうちに見るより外のうつつさへいやはかななる夢になりぬる(藤原為基[風雅])
487 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 00:42:39 ID:6VPso89P
もみぢ葉ぞ岩きりとほる吉野河おとして水の秋やゆくらむ(藤原基家)
488 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 00:49:02 ID:6VPso89P
立田河水の秋をやいそぐらむ峰の木の葉に山風ぞふく(邦高親王)
489 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 01:12:07 ID:6VPso89P
夕月夜よしのの里にふる雪のつもりてのこる有明のかげ(藤原家隆)
490 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 01:33:44 ID:6VPso89P
み吉野のみ雪ふりしく里からは時しもわかぬ有明の空(藤原定家)
491 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 01:36:36 ID:6VPso89P
み空ゆく月もまぢかしあしがきのよし野の里の雪のあさけに(藤原定家)
492 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 01:38:20 ID:6VPso89P
影うすき有明の月の残るかとおもへば庭にふれるしら雪(頓阿)
493 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 01:46:04 ID:6vrVa5fC
忍ばじよ岩間づたひの谷川も瀬をせくにこそ水まさりけれ(藤原公継[新古今])
494 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 01:46:16 ID:6VPso89P
空にのみ在明の月と見し程におぼえずはらふ袖の露かな(飛鳥井雅世)
495 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 01:51:42 ID:6VPso89P
物思ひの深さくらべにきてみれば夏のしげりもものならなくに(藤原道綱母)
496 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 01:52:33 ID:6VPso89P
花をおもふ深さくらべにみにゆかば吉野のおくもは山ならまし(契沖)
497 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 01:53:34 ID:6VPso89P
人の世にくらぶの山の桜花はなは中々風も待ちけり(木下長嘯子)
498 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 01:53:44 ID:6vrVa5fC
冬川の淵ともならで淀めるはいかに瀬をせく氷なるらむ(藤原実伊[続古今])
499 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 02:00:06 ID:6vrVa5fC
もらさじと思ふ心やせきかへす涙の川にかくるしがらみ(藤原兼宗[続拾遺])
500 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 02:00:55 ID:6vrVa5fC
みな人のつひに行くなるみつせ河その瀬にかへるしがらみぞなき(藤原光俊[新千載])
501 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 02:01:58 ID:6vrVa5fC
思ひせく涙の川の淀はあれど絶えむ命のしがからみぞなき(惟賢[新続古今])
502 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 02:02:57 ID:6vrVa5fC
万代のためしと見ゆる花の色を映しとどめよ白川の水(上西門院兵衛[金葉])
503 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 02:03:53 ID:6vrVa5fC
ほととぎすまだうちとけぬ忍び音は来ぬ人を待つ我のみぞ聞く(白河院[新古今])
504 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 02:04:56 ID:6vrVa5fC
山がつとなりても猶ぞ郭公なくねにあかで年はへにける(寂超[続拾遺])
505 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 02:13:33 ID:6VPso89P
をしかふす夏野の草の露よりもしらじなしげき思ひありとは(源実朝)
506 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 02:14:35 ID:6VPso89P
身よりかく涙はいかがながるべき海てふ海は潮やひぬらむ(和泉式部)
507 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 02:17:08 ID:6VPso89P
しげりあふ秋の野中の忘れ水たえだえ見えてやどる月かな(二条為明)
508 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 02:19:17 ID:6VPso89P
桜木の葉守の神はしらねども風のかけたる花のしらゆふ(藤原顕輔)
509 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 02:20:14 ID:6VPso89P
山川に風の懸けたるしがらみの色にいでてもぬるる袖かな(藤原家隆}
510 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 02:21:15 ID:6VPso89P
木の葉もて風のかけたるしがらみにさてもよどまぬ秋の色かな(藤原定家)
511 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 08:53:35 ID:6VPso89P
岩つたふ山のさくらのしき波に風のかけたる布引の滝(藤原基家)
512 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 08:58:23 ID:6vrVa5fC
かはらずと人にかたらむ郭公むかしのこゑは我のみぞきく(西園寺実氏[続古今])
513 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 08:59:09 ID:6vrVa5fC
ちりつもる紅葉ならねど立田川月にも水の秋は見えけり(藤原能清[続拾遺])
514 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 09:00:50 ID:6vrVa5fC
龍田川水の秋をやいそぐらむ紅葉をさそふ峰の嵐に(二条為子[続千載])
515 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 09:07:13 ID:6vrVa5fC
吉野山花やさかりに匂ふらむ古里たえぬ峯の白雪(藤原家衡[新古今])
516 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 09:10:58 ID:6vrVa5fC
み吉野の山の秋風さ夜更けて古里さむく衣うつなり(藤原雅経[新古今])
517 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 09:33:04 ID:6vrVa5fC
今よりは雲ゐの雁も声たてて秋風さむく成まさるなり(覚仁法親王[続拾遺])
518 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 09:34:22 ID:6vrVa5fC
よしの山くもらぬ雪とみるまでに有明の空に花ぞちりける(後鳥羽院[続千載])
519 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 09:36:30 ID:6VPso89P
谷川に岸の木のはを吹きためて風のかけたる瀬瀬の浮橋(後崇光院)
520 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 09:40:47 ID:6VPso89P
天の原春立つ雲の浪こえて風のかけたるしがらみもなし(正徹)
521 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 09:42:17 ID:6VPso89P
さそはれていとど思ひの露ぞもる風のかけたる袖のしがらみ(正徹)
522 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 09:45:17 ID:6VPso89P
風さむきを花が末の浪の間にながれもあへぬ秋の日のかげ(一色直朝)
523 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 09:55:02 ID:6VPso89P
こほりつつ流れもあへぬ山川につもればかかる雪のしがらみ(望月長孝)
524 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 10:00:09 ID:6VPso89P
さそひきて紅葉をしけば是も又風のかけたる山河の橋(後西院)
525 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 10:00:13 ID:6vrVa5fC
さらでだにそれかとまがふ山の端の有明の月にふれる白雪(藤原為家[続古今])
526 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 10:01:38 ID:6VPso89P
むめがえに鶯さそふたよりにや谷の氷も風にとくらむ(藤原家隆)
527 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 10:01:42 ID:6vrVa5fC
これも又有明のかげとみゆるかなよしのの山の花のしら雪(後嵯峨院[新拾遺])
528 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 10:05:08 ID:6vrVa5fC
冬ごもる芳野の岳に降る雪をたれ在明の月とだにみむ(覚助法親王[新千載])
529 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 10:08:01 ID:6vrVa5fC
はるばると野中に見ゆる忘れ水たえまたえまを歎く頃かな(大和宣旨[後拾遺])
530 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 10:12:04 ID:6vrVa5fC
住吉の浅沢小野の忘れ水たえだえならで逢ふよしもがな(藤原範綱[詞花])
531 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 10:13:24 ID:6vrVa5fC
山陰やくらき岩間の忘れ水たえだえ見えて飛ぶ蛍かな(藤原為理[玉葉])
532 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 10:15:31 ID:6VPso89P
谷ふかく鶯さそふ春風にまづ花の香や空にとぶらむ(藤原定家)
533 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 10:17:58 ID:6VPso89P
今日ぞとふ志賀津のあまのすむ里を鶯さそふ花のしるべに(藤原定家)
534 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 10:18:41 ID:6VPso89P
谷風の鶯さそふたよりをや山里人も春をしるらむ(後鳥羽院)
535 :
名無氏物語:2010/05/28(金) 10:20:20 ID:6VPso89P
をる人の袖こそかはれ色もかもおなじ昔ににほふ梅がえ(寂身)
536 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 09:54:33 ID:KtPLiuCD
花やただ年ふる人ぞあらたまるなごりはしらむ春の木の本(三条西実隆)
537 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 09:55:30 ID:KtPLiuCD
見るほどに散らば散らなむ梅の花しづ心なく思ひおこせし(和泉式部)
538 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 09:56:13 ID:KtPLiuCD
いかにしてしづ心なく散る花ののどけき春の色と見ゆらむ(藤原定家)
539 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 09:57:04 ID:KtPLiuCD
よもの海風をさまりてひさかたの光のどけき春は来にけり(宗尊親王)
540 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 09:57:49 ID:KtPLiuCD
ひとり見てなぐさみぬべき花になどしづこころなく人を待つらむ(北畠親房)
541 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 09:58:40 ID:KtPLiuCD
いづる日も光のどけき久方の天の宮人春を知るらし(正徹)
542 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 09:59:04 ID:0EcTFoSI
紅葉ばの流れもやらぬ大井河かは瀬は波の音にこそ聞け(源資綱[新勅撰])
543 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 09:59:55 ID:0EcTFoSI
散りかかる紅葉流れぬ大井川いづれ井ぜきの水のしがらみ(源経信[新古今])
544 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 10:00:53 ID:0EcTFoSI
龍田川木の葉の後のしがらみも風のかけたる氷なりけり(藤原家隆[続後拾遺])
545 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 10:02:02 ID:0EcTFoSI
散ればかつ浪のかけたるしがらみや井手こす風の款冬の花(藤原為家[続拾遺])
546 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 10:03:23 ID:0EcTFoSI
山川に春ゆく水はよどめども風にとまらぬ花のしがらみ(源通光[続拾遺])
547 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 10:05:07 ID:0EcTFoSI
石ばしる初瀬の川の波枕はやくも年の暮れにけるかな(藤原実定[新古今])
548 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 10:07:31 ID:KtPLiuCD
木の間より花にかすみて久堅の光のどけき鳥の声かな(正徹)
549 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 10:12:07 ID:KtPLiuCD
今日いくか散らぬ盛りも久かたの光のどけき花のこの頃(冷泉為村)
550 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 10:13:39 ID:KtPLiuCD
かくばかり待つとしらずやほととぎす梢はるかに鳴きわたらなむ(清原元輔)
551 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 10:16:29 ID:KtPLiuCD
ほととぎす逢坂こえてたづぬれば今ぞ音羽の山に鳴くなる(慈円)
552 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 10:18:27 ID:KtPLiuCD
雲のゐる梢はるかに霧こめてたかしの山に鹿ぞ鳴くなる(源実朝)
553 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 10:20:54 ID:KtPLiuCD
いかでかく思ふ心をほととぎす夜ぶかくなきてきかせやはせぬ(村上天皇)
554 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 11:32:25 ID:KtPLiuCD
五月雨に物おもふやどは時鳥なく一こゑもなほぞ夜ぶかき(慈円)
555 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 11:34:53 ID:KtPLiuCD
ほととぎす五月の空やなつかしき雲にむつれて過ぎがてに鳴く(源仲正)
556 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 11:36:35 ID:KtPLiuCD
夕やみのたづたづしきにほととぎす声うらがなし道やまどへる(源実朝)
557 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 11:39:36 ID:KtPLiuCD
吉野山あさせ白浪いはこえて音せぬ水は桜なりけり(鴨長明)
558 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 11:42:22 ID:0EcTFoSI
とどめばや流れて早き年波の淀まぬ水はしがらみもなし(道助親王[新勅撰])
559 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 11:47:35 ID:0EcTFoSI
けふといひ昨日とくらす夢の中に五十あまりの過る程なさ(飛鳥井教定[続拾遺])
560 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 11:48:50 ID:0EcTFoSI
君こずは誰にみせまし我が宿の垣根に咲ける朝がほの花(読人不知[拾遺])
561 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 11:49:37 ID:0EcTFoSI
つらからむ方こそあらめ君ならで誰にか見せむ白菊の花(大弐三位[後拾遺])
562 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 11:50:50 ID:0EcTFoSI
梅の花なににほふらむ見る人の色をも香をも忘れぬる世に(大弐三位[新古今])
563 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 12:00:11 ID:KtPLiuCD
秋はなほ浅瀬しら波たどるまで霧立渡るかささぎの橋(順徳院)
564 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 12:00:14 ID:0EcTFoSI
ひとりのみ眺めて散りぬ梅の花しるばかりなる人はとひこず(*八条院高倉[新古今])
565 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 12:03:57 ID:eAphKZZk
566 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 12:04:02 ID:KtPLiuCD
さを鹿の朝たつ山のとよむまで泣きぞしぬべき妻恋ひなくに(和泉式部)
567 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 12:05:15 ID:KtPLiuCD
さを鹿の友まどはせる声するはつまや恋しき秋の山べに(恵慶)
568 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 12:06:05 ID:KtPLiuCD
誰がための錦も見えぬ秋霧にそめし時雨の山ぞかひなき(藤原定家)
569 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 12:06:56 ID:KtPLiuCD
折る人の老いせぬ秋の露の間に千歳をめぐる菊のさかづき(俊成卿女)
570 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 12:07:57 ID:KtPLiuCD
白菊の花の鏡の池水に老いせぬ秋のかげぞ久しき(藤原範宗)
571 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 12:09:15 ID:KtPLiuCD
梅が枝のにほひうれしき直路かな木ごとに花の雪のあけぼの(慈円)
572 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 12:22:42 ID:KtPLiuCD
野も山もおなじ雪とはまがへども春は木ごとに匂ふ梅が枝(藤原定家)
573 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 12:22:50 ID:0EcTFoSI
夢のうちもうつろふ花に風吹けばしづ心なき春のうたたね(式子内親王[続古今])
574 :
名無氏物語:2010/05/29(土) 12:23:47 ID:0EcTFoSI
ひさかたの光のどかに桜花ちらでぞ匂ふ春の山風(藤原家隆[新後撰])
575 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 06:40:14 ID:G+7w/ztS
ほととぎす五月の空やなつかしき雲にむつれて過ぎがてに鳴く(源仲正)
576 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 06:42:21 ID:G+7w/ztS
夕やみのたづたづしきにほととぎす声うらがなし道やまどへる(源実朝)
577 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 06:44:25 ID:G+7w/ztS
吉野山あさせ白浪いはこえて音せぬ水は桜なりけり(鴨長明)
578 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 06:46:15 ID:G+7w/ztS
秋はなほ浅瀬しら波たどるまで霧立渡るかささぎの橋(順徳院)
579 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 06:48:56 ID:G+7w/ztS
さを鹿の朝たつ山のとよむまで泣きぞしぬべき妻恋ひなくに(和泉式部)
580 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 06:51:03 ID:G+7w/ztS
さを鹿の友まどはせる声するはつまや恋しき秋の山べに(恵慶)
581 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 06:53:31 ID:G+7w/ztS
誰がための錦も見えぬ秋霧にそめし時雨の山ぞかひなき(藤原定家)
582 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 06:56:19 ID:xHB0v6UL
さらでだにしづ心なくちる花をあかずや風のなほさそふらむ(性助親王[続古今])
583 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 06:57:14 ID:xHB0v6UL
いづ方になきてゆくらむ郭公よどのわたりのまだ夜ぶかきに(壬生忠見[拾遺])
584 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 06:58:06 ID:xHB0v6UL
我が宿の花橘や匂ふらむ山ほととぎす過ぎがてに鳴く(藤原顕季[風雅])
585 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 07:00:09 ID:xHB0v6UL
夕闇にあさせ白波たどりつつみをさかのぼる鵜飼舟かな(後嵯峨院[続拾遺])
586 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 07:00:14 ID:G+7w/ztS
折る人の老いせぬ秋の露の間に千歳をめぐる菊のさかづき(俊成卿女)
587 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 07:01:44 ID:xHB0v6UL
天の川あか月闇のかへるさにまたたどらるる浅瀬しらなみ(一条家経[続古今])
588 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 07:03:45 ID:G+7w/ztS
白菊の花の鏡の池水に老いせぬ秋のかげぞ久しき(藤原範宗)
589 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 07:05:19 ID:G+7w/ztS
梅が枝のにほひうれしき直路かな木ごとに花の雪のあけぼの(慈円)
590 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 07:06:20 ID:G+7w/ztS
野も山もおなじ雪とはまがへども春は木ごとに匂ふ梅が枝(藤原定家)
591 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 07:07:23 ID:G+7w/ztS
冬ごもる雪も木ごとに吹く風の匂ふや梅のたち枝なるらむ(藤原為家)
592 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 07:09:34 ID:G+7w/ztS
花といふはなの木ごとにうつしてもあまりやあらむ梅の匂ひは(三条西実隆)
593 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 07:10:38 ID:G+7w/ztS
こころおそき花の木ごとに梅が香の春をつたふる苑の朝風(橘千蔭)
594 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 07:12:42 ID:G+7w/ztS
常陸帯の道のおくなる遠妻にゆきめぐりてもあはむとぞ思ふ(藤原基俊)
595 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 07:15:42 ID:xHB0v6UL
ねにたかく泣きぞしぬべきうつせみのわが身からなる憂き世と思へば(読人不知[玉葉])
596 :
名無氏物語:2010/05/30(日) 07:19:29 ID:xHB0v6UL
草深き狩場の小野をたちいでて友まどはせる鹿ぞなくなる(素覚[新古今])
597 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 13:55:05 ID:oHiFDVA6
思ひおくる心ばかりは下帯の道はかたがたゆきめぐるとも(藤原雅経)
598 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 13:56:08 ID:PgreB6qN
紅葉見にやどれる我と知らねばや佐保の河霧たちかくすらむ(恵慶[拾遺])
599 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 13:56:12 ID:oHiFDVA6
朝露をわけそほちつつ夕月夜かすむ山路の花の面影(肖柏)
600 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 13:57:13 ID:PgreB6qN
いづれをかわきてとはまし山里の垣根つづきに咲ける卯の花(大江匡房[金葉])
601 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 13:58:15 ID:oHiFDVA6
秋ちかう野はなりぬとて常夏のつゆもおよばぬ花の色かな(下冷泉政為)
602 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 13:58:31 ID:PgreB6qN
白雲のたなびく山のやま桜いづれを花と行きて折らまし(藤原師実[新古今])
603 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 13:59:16 ID:oHiFDVA6
秋ちかう成りも行くかな故郷の野らにと宿はすみはそめねど(上田秋成)
604 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 13:59:24 ID:PgreB6qN
春の夜は吹きまふ風の移り香を木ごとに梅と思ひけるかな(崇徳院[千載])
605 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 14:00:21 ID:oHiFDVA6
鶯の来やどる花に飛ぶ蝶はいづれ心のまどひまされる(契沖)
606 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 14:00:27 ID:PgreB6qN
ふる雪にいづれを花とわきもこが折る袖にほふ春の梅が枝(順徳院[続後撰])
607 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 14:02:59 ID:oHiFDVA6
ものおもへば壁にそむくるともしびの消えかへりてぞあかしかねつる(藤原実定)
608 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 14:35:14 ID:oHiFDVA6
早瀬川なびく玉藻の下乱れ苦しや心みがくれてのみ(藤原良経)
609 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 14:37:07 ID:oHiFDVA6
我が袂さて山河の瀬になびく玉藻かりそめにかわくまぞなき(後鳥羽院)
610 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 14:42:12 ID:oHiFDVA6
乱れゆく蛍のかげや河の瀬になびく玉藻の光なるらむ(細川幽斎)
611 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 14:43:52 ID:oHiFDVA6
水を浅みちひさき魚も河の瀬になびく玉藻の影たのむなり(中院通勝)
612 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 14:57:33 ID:PgreB6qN
しきたへの枕のうへにすぎぬなり露をたづぬる秋の初風(源具親[新古今])
613 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 15:04:44 ID:oHiFDVA6
しきたへの枕の下にみなぎりてやがても下すみなの川かな(藤原定家)
614 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 15:08:42 ID:oHiFDVA6
桜花なにそは露のあだ物をおなじいのちにかへてとどめむ(藤原家隆)
615 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 15:10:46 ID:oHiFDVA6
いのちやはなにぞは露のあだしのにあふにしかへぬまつむしの声(藤原家隆)
616 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 15:11:17 ID:PgreB6qN
いたづらにたびたび死ぬと言ふめれば逢ふには何をかへむとすらむ(中務[後撰])
617 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 15:12:45 ID:PgreB6qN
命やはあだのおほ野の草枕はかなき夢もをしからぬ身を(順徳院[新続古今])
618 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 15:43:46 ID:oHiFDVA6
風ふけば磯うつ波の立ちかへり見れどもあかぬ君にもあるかな(藤原仲実)
619 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 15:45:25 ID:oHiFDVA6
ほのみてし君にはしかじ春霞たなびく山の桜なりとも(藤原家隆)
620 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 15:46:18 ID:oHiFDVA6
夏衣うすくや人のおもふらむわれはあつれてすぐす月日を(曾禰好忠)
621 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 15:47:52 ID:oHiFDVA6
夏衣うすくや人のなりぬらむうつせみのねにぬるる袖かな(俊成卿女)
622 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 15:48:55 ID:oHiFDVA6
うらみむと思ひしものを夏衣ひとへにうすくなりにけるかな(藤原秀能)
623 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 16:01:31 ID:oHiFDVA6
虫の声聞けばかなしな秋の夜のながきおもひのたぐひと思へば(花山院長親)
624 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 16:22:45 ID:oHiFDVA6
雲もなくなぎたる波にけさぞみるしらぬ千里の沖つ島山(武者小路実陰)
625 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 16:36:52 ID:oHiFDVA6
梅の花にほふ夕べは身を分けて空にこころの春風ぞ吹く(肖柏)
626 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 16:38:48 ID:oHiFDVA6
寝ても見ゆゐても見えけり桜花はかなの春の夢の枕や(藤原家隆)
627 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 16:40:23 ID:oHiFDVA6
夢路にはたれ植ゑおきて桜花ねても見ゆらむ春の夜すがら(長慶天皇)
628 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 16:50:00 ID:oHiFDVA6
秋のきてほころびにける藤袴うつり香こくも猶にほふかな(藤原俊成)
629 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 16:51:15 ID:PgreB6qN
雲もなくなぎたる空の浅緑むなしき色も今ぞしりぬる(皇嘉門院別当[続後撰])
630 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 16:53:26 ID:PgreB6qN
寝ても夢ねぬにも夢の心ちしてうつつなる世を見るぞかなしき(雅成親王[続後撰])
631 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 16:54:13 ID:oHiFDVA6
ふく風に移り香こくも匂ふかなはな橘のよその衣手(藤原家隆)
632 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 16:58:20 ID:oHiFDVA6
ふるさとは見しごともあらず荒れにけり影ぞ昔の春の夜の月(源実朝)
633 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 17:06:45 ID:PgreB6qN
斧の柄のくちし昔は遠けれど有りしにあらぬ世をもふるかな(式子内親王[新古今])
634 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 18:30:31 ID:oHiFDVA6
とりもあへぬ年は水にや流れそふ老いの心の浅くなりゆく(紀友則)
635 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 18:30:59 ID:PgreB6qN
袖ひちて我が手に結ぶ水の面に天つ星合の空を見るかな(藤原長能[新古今])
636 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 18:33:14 ID:PgreB6qN
夏の夜は岩がき清水月さえてむすべばとくる氷なりけり(賀茂重保[風雅])
637 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 18:33:31 ID:oHiFDVA6
袖ひちて結ぶしら波立ちかへりこほるばかりの松の夕風(藤原家隆)
638 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 18:36:47 ID:oHiFDVA6
天の下めぐむ草木の芽も春に限りも知らぬ御代の末々(式子内親王)
639 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 18:37:15 ID:PgreB6qN
うちむれて若菜つむ野の花かたみこのめも春の雪はたまらず(藤原家隆[続古今])
640 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 18:38:18 ID:oHiFDVA6
霞たちこのめ春雨きのふまでふるのの若菜けさはつみてむ(藤原定家)
641 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 18:38:47 ID:PgreB6qN
おしなべて木の芽も春のあさ緑松にぞ千世の色はこもれる(藤原良経[新古今])
642 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 18:40:30 ID:oHiFDVA6
松の葉の白きを見れば春日山木の芽もはるの雪ぞ降りける(源実朝)
643 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 18:46:34 ID:oHiFDVA6
ひと夜あけて四方の草木のめもはるにうるふ時しる雨ののどけさ(中院通村)
644 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 19:00:22 ID:PgreB6qN
白妙の袖にぞまがふ都びと若菜つむ野の春のあは雪(後鳥羽院[続拾遺])
645 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 19:00:33 ID:oHiFDVA6
誰が為とまだ朝霜のけぬがうへに袖ふりはへて若菜つむらん(藤原定家)
646 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 19:02:25 ID:oHiFDVA6
墨染の袖ふりはへて峰たかき夕の寺に帰る雲かな(正徹)
647 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 20:00:02 ID:PgreB6qN
春雨のふりそめしより青柳の糸の緑ぞ色まさりける(凡河内躬恒[新古今])
648 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 20:00:47 ID:oHiFDVA6
白妙の袖ふりはへて武蔵野にいざ雪見むとおもひ立たずや(荷田蒼生子)
649 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 20:07:03 ID:oHiFDVA6
ふりはへて若菜つみにと行く野辺の袂ゆたかに見ゆる春かな(本居大平)
650 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 20:08:36 ID:oHiFDVA6
浅緑霞たなびく山がつの衣はるさめ色にいでつつ(藤原定家)
651 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 20:11:50 ID:oHiFDVA6
我がせこが衣春雨ふるさとにひとりながむる花ぞうつろふ(木下長嘯子)
652 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 20:13:46 ID:oHiFDVA6
山おろしにみだれて花の散りけるを岩はなれたる滝と見たれば(西行)
653 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 20:24:40 ID:PgreB6qN
春風の霞吹きとく絶え間より乱れてなびく青柳の糸(殷富門院大輔[新古今])
654 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 20:25:48 ID:PgreB6qN
青柳の糸を緑によりかけて逢はずは春に何を染めまし(藤原公経[続拾遺])
655 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 20:26:40 ID:PgreB6qN
君恋ひて世をふる宿の梅の花昔の香にぞなほ匂ひける(読人不知[続後撰])
656 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 20:27:01 ID:oHiFDVA6
すむ人もうつればかはる古郷の昔ににほふ窓の梅かな(藤原家隆)
657 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 20:29:00 ID:oHiFDVA6
花の香も風こそよもにさそふらめ心もしらぬ古里の春(藤原定家)
658 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 20:31:26 ID:oHiFDVA6
散りぬればとふ人もなし故郷は花ぞ昔のあるじなりける(源実朝)
659 :
名無氏物語:2010/06/01(火) 15:49:35 ID:tFFYxyXl
里はあれて春は幾世か霞むらん花ぞむかしの志賀の古郷(藤原行能)
660 :
名無氏物語:2010/06/01(火) 15:50:50 ID:tFFYxyXl
人はいさ心もしらずとばかりににほひ忘れぬ宿の梅が香(正徹)
661 :
名無氏物語:2010/06/01(火) 15:52:33 ID:tFFYxyXl
ことの葉の花ぞ昔の春になほにほふ初瀬の里の梅が香(三条西実隆)
662 :
名無氏物語:2010/06/01(火) 15:53:42 ID:tFFYxyXl
にほひをば風こそおくれ人はいさ心もしらぬ宿の梅が枝(足利義尚)
663 :
名無氏物語:2010/06/01(火) 15:54:49 ID:tFFYxyXl
人はいさ心もしらず我はただいつも今宵の月をしぞおもふ(松永貞徳)
664 :
名無氏物語:2010/06/01(火) 15:56:06 ID:tFFYxyXl
暮ると明くと見ても目かれず池水の花の鏡の春の面影(藤原実有)
665 :
名無氏物語:2010/06/01(火) 15:57:12 ID:tFFYxyXl
暮ると明くと目かれぬ花に鶯の鳴きてうつろふ声なをしへそ(藤原定家)
666 :
名無氏物語:2010/06/01(火) 15:58:18 ID:tFFYxyXl
暮ると明くと目かれぬ空も霞みけりいつの人まに春はきぬらむ(宗良親王)
667 :
名無氏物語:2010/06/01(火) 15:58:25 ID:rDWv7tVK
桜花咲きぬる時はみ吉野の山のかひより波ぞこえける(源俊頼[新後拾遺])
668 :
名無氏物語:2010/06/01(火) 15:59:46 ID:rDWv7tVK
春もなほ雪はふれれどあしひきの山のかひより霞たつらし(九条道家[続後撰])
669 :
名無氏物語:2010/06/01(火) 16:00:44 ID:rDWv7tVK
吉野山たえず霞のたなびくは人にしられぬ花や咲くらむ(中務[拾遺])
670 :
名無氏物語:2010/06/01(火) 16:03:28 ID:rDWv7tVK
み吉野の山のあなたの桜花人にしられぬ人や見るらむ(順徳院[玉葉])
671 :
名無氏物語:2010/06/01(火) 16:10:00 ID:tFFYxyXl
あしひきの山のかひより吹く風に雪と見るまで花ぞ散りける(藤原家隆)
672 :
名無氏物語:2010/06/01(火) 16:19:59 ID:tFFYxyXl
桜花咲けるやいづら時鳥山のかひよりいづる初こゑ(木下長嘯子)
673 :
名無氏物語:2010/06/01(火) 16:43:46 ID:tFFYxyXl
いかさまに待つとも誰か三輪の山人にしられぬ宿の霞は(藤原定家)
674 :
名無氏物語:2010/06/01(火) 16:44:47 ID:tFFYxyXl
庭のおもぞ夜のあやとはなりにける木の下陰の月のまにまに(能因)
675 :
名無氏物語:2010/06/01(火) 20:19:19 ID:sqxJ1nq8
人はいさ心もしらずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける(古今42)
676 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 01:05:33 ID:mYbnVSrR
信濃路や見つつ我がこし浅間山雲は煙のよそめなりけり(宗良親王)
677 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 01:07:38 ID:mYbnVSrR
山たかみ見つつこえゆく峰の松かへりこむまで面がはりすな(長慶天皇)
678 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 01:12:33 ID:mYbnVSrR
山たかみかかれる雲の消えゆくは見つつ我がこし花やちるらむ(花山院長親)
679 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 01:14:15 ID:mYbnVSrR
ほととぎす卯の花山のあかずして空にしられぬ月に鳴くなり(守覚法親王)
680 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 07:34:49 ID:mYbnVSrR
花ざかり空にしられぬ白雲はたなびきのこす山のはもなし(藤原定家)
681 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 07:39:50 ID:mYbnVSrR
花のゆき空にしられぬ色ながら木の下風に月ぞさえゆく(藤原雅経)
682 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 07:41:12 ID:mYbnVSrR
雪のあした木の下風は寒けれど桜もしらぬ花ぞ散りける(後鳥羽院)
683 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 07:42:20 ID:mYbnVSrR
春ふかき木の下風は名のみして空にしらるる花のしら雪(堯孝)
684 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 07:43:16 ID:mYbnVSrR
みよし野に春の嵐やわたるらむ道もさりあへず花のしら雪(後鳥羽院)
685 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 07:53:07 ID:Jbj7+v8Z
今朝みれば宿の梢に風過ぎてしられぬ雪のいくへともなく(式子内親王[風雅])
686 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 07:54:40 ID:Jbj7+v8Z
思ひきや空にしられぬ雪も猶雲のうへまでちらむものとは(蓮生[玉葉])
687 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 07:55:27 ID:mYbnVSrR
さして行く道もさりあへず三笠山紅葉ぞぬさと散りまがひける(越前)
688 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 07:56:49 ID:mYbnVSrR
春の野にはなるる駒は雪とのみ散りかふ花に人やまどへる(藤原定家)
689 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 07:57:50 ID:mYbnVSrR
かり人のいる野の露を命にて散りかふ花にきぎすなくなり(藤原良経)
690 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 08:00:04 ID:mYbnVSrR
かへるさや散りかふ花にまがふらむ若菜つむ野の春のあは雪(順徳院)
691 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 08:01:21 ID:mYbnVSrR
春の野に若菜摘まむときて見れば浅沢水はいまだ氷れり(熊谷直好)
692 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 08:02:19 ID:mYbnVSrR
こむらさきにほへる藤の花みれば水なき空に波ぞたちける(大中臣能宣)
693 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 08:03:20 ID:mYbnVSrR
月すめば冬の水なき空とぢて氷をはらふ夜はの木枯(正徹)
694 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 08:04:57 ID:mYbnVSrR
こほりとく池のさざ波今朝見えて水なき空も春風ぞふく(飛鳥井雅親)
695 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 21:40:54 ID:mYbnVSrR
春はいぬくらまの山の雲珠桜水なき空にのこる色かな(木下長嘯子)
696 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 21:42:25 ID:mYbnVSrR
天つ風さえくらしたるなごりには水なき空にあわ雪ぞふる(下河辺長流)
697 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 21:44:14 ID:mYbnVSrR
霧の海はれゆく風の名残にはちぐさの波のよする野辺かな(大国隆正)
698 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 21:46:14 ID:mYbnVSrR
旅の世にまた旅寝して草枕夢のうちにも夢を見るかな(慈円)
699 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 21:47:11 ID:mYbnVSrR
散りまがふこのもとながらまどろめば桜にむすぶ春の夜の夢(藤原定家)
700 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 21:49:08 ID:mYbnVSrR
駿河なる宇津の山べにちる花よ夢のうちにも誰惜しめとて(順徳院)
701 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 21:50:25 ID:qEKitxNo
吉野川岸の山吹さきにけり嶺の桜や散りはてぬらむ(藤原家隆[新古今])
702 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 21:51:47 ID:qEKitxNo
山桜かたもさだめずたづぬれば花より先にちる心かな(源雅実[新勅撰])
703 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 21:54:16 ID:qEKitxNo
花もみな散りにし宿の深みどり惜しまぬ色を春雨ぞふる(順徳院[新続古今])
704 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 21:55:52 ID:qEKitxNo
さらぬだにふす程もなき夏の夜を待たれても鳴く時鳥かな(藤原俊成[新勅撰])
705 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 22:01:29 ID:qEKitxNo
時鳥鳴くや五月の玉くしげ二声聞きて明くる夜もがな(藤原雅経[新勅撰])
706 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 22:02:59 ID:qEKitxNo
時鳥ただ一こゑと契りけり暮るれば明くる夏の夜の月(藤原良平[続拾遺])
707 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 22:16:34 ID:mYbnVSrR
やどりして春の山べに見し夜半の夢もまさしき朝嵐かな(本居大平)
708 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 22:19:10 ID:mYbnVSrR
吉野川はやくも暮れてゆく春に花はさかりの岸の山吹(足利尊氏)
709 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 22:21:40 ID:mYbnVSrR
忘れじの雁は越ぢにかへるなりかたも定めず花は散りつつ(藤原家隆)
710 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 22:23:22 ID:mYbnVSrR
神な月かたもさだめずちる紅葉けふこそ秋のかたみとも見め(藤原定家)
711 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 22:24:35 ID:mYbnVSrR
しのびねははや過ぎにけりほととぎす空もとどろに啼き渡らなむ(源経信)
712 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 22:26:57 ID:mYbnVSrR
をりはへて今ぞ啼くなる時鳥五月のさよの空もとどろに(覚性法親王)
713 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 22:28:29 ID:mYbnVSrR
時鳥空もとどろに啼くころは夜ただ雨ふる袖のうへかな(慈円)
714 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 22:29:59 ID:qEKitxNo
あやしくも鹿のたちどの見えぬかなをぐらの山に我や来ぬらむ(平兼盛[拾遺])
715 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 23:02:23 ID:qEKitxNo
夏草はしげりにけりな玉鉾の道行人も結ぶばかりに(藤原元真[新古今])
716 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 23:18:57 ID:qEKitxNo
おのづから凉しくもあるか夏衣日も夕暮の雨の名残に(藤原清輔[新古今])
717 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 23:26:59 ID:mYbnVSrR
うちつけにそれかとぞきく時鳥人まつ山にしのびねのこゑ(藤原家隆)
718 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 23:28:08 ID:mYbnVSrR
五月山弓末ふりたてともす火に鹿やはかなく目をあはすらむ(崇徳院)
719 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 23:32:58 ID:mYbnVSrR
荒ち男がゆつきが下にともす火に鹿の立ちどのしるくもあるかな(藤原家隆)
720 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 23:35:18 ID:mYbnVSrR
見るからにかたへ涼しき夏衣日も夕暮のやまとなでしこ(後鳥羽院)
721 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 23:37:41 ID:mYbnVSrR
吹く風の涼しくもあるかおのづから山の蝉鳴きて秋は来にけり(源実朝)
722 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 23:42:42 ID:mYbnVSrR
たが秋にあらぬ光をやどしきて月よ涙に袖ぬらすらむ(藤原家隆)
723 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 23:47:32 ID:mYbnVSrR
袖ふれし人の形見かふるさとににほひをのこす軒の橘(西園寺実材母)
724 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 23:48:52 ID:qEKitxNo
よる波の涼しくもあるか敷妙の袖師の浦の秋の初風(藤原信実[新勅撰])
725 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 00:00:45 ID:SgtcZ7ab
色変はる野原の小萩たが秋にあらぬものゆゑ鹿のなくらむ(藤原為氏[続古今])
726 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 00:16:29 ID:SgtcZ7ab
おきて行く人のかたみか唐ころも手もたゆきまで打ち明かすらむ(源通親[新千載])
727 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 00:25:40 ID:JlnKeAXs
世にたえし道踏み分けていにしへのためしにもひけ望月の駒(後水尾院)
728 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 00:33:20 ID:JlnKeAXs
あすよりは秋も嵐の音羽山かたみとなしに散る木の葉かな(藤原定家)
729 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 00:35:35 ID:JlnKeAXs
白露も時雨もいたくふる里は軒の梢も濃さまさりけり(後鳥羽院)
730 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 00:37:09 ID:JlnKeAXs
時雨のみもる山影の下葉かは物おもふ袖も色はかはらず(順徳院)
731 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 00:37:37 ID:SgtcZ7ab
逢坂の杉のむらだち引くほどはをぶちに見ゆる望月の駒(良暹[後拾遺])
732 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 00:38:59 ID:SgtcZ7ab
逢坂の関立ち出づる影見ればこよひぞ秋の望月の駒(源雅具[続後撰])
733 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 00:41:43 ID:SgtcZ7ab
相坂の関のむら杉葉をしげみ絶間にみゆる望月の駒(源国信[続後拾遺])
734 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 00:53:46 ID:JlnKeAXs
物思へば雲のはたてをかぎりにて時雨もいたくふる涙かな(藤原信成)
735 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 00:55:38 ID:JlnKeAXs
この秋は時雨もいたく染めてけりあかみの山の峰の紅葉ば(笠間時朝)
736 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 01:00:10 ID:JlnKeAXs
およばじな袖より外にもる山の下葉のこさぬ露も時雨も(中院通勝)
737 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 01:01:52 ID:JlnKeAXs
暮れにけり秋の日かずもあらし山もみぢをわけて入あひの鐘(後鳥羽院)
738 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 01:03:52 ID:JlnKeAXs
秋山の麓の小田のかりいほに紅葉をわけて月ぞもりける(俊成卿女)
739 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 01:05:11 ID:JlnKeAXs
見ぬほどの紅葉は夜の錦にて秋さへ過ぎむと思ひけむやは(村上天皇)
740 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 01:06:54 ID:JlnKeAXs
見る人もなくて散りにき時雨のみふりにし里に秋萩の花(源実朝)
741 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 01:09:05 ID:JlnKeAXs
折りつくす紅葉は夜の錦にて君をぞ恋ひし秋の山かげ(平清親四女)
742 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 01:11:08 ID:SgtcZ7ab
秋風のよそに吹きくる音羽山なにの草木かのどけかるべき(曾禰好忠[新古今])
743 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 01:13:32 ID:SgtcZ7ab
けさかはる秋とは風の音羽山おとに聞くより身にぞしみける(亀山院[続拾遺])
744 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 01:14:40 ID:SgtcZ7ab
惜しめども四方の紅葉は散りはてて戸無瀬ぞ秋のとまりなりける(藤原公実[金葉])
745 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 01:21:19 ID:JlnKeAXs
高砂のをのへの松の秋風に泊りもしらず散る紅葉かな(藤原家隆)
746 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 01:22:52 ID:JlnKeAXs
落ちとまる紅葉をみればももとせに秋のとまりは嵐なりけり(紀貫之)
747 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 22:33:56 ID:JlnKeAXs
冬の夜の川風さむみ氷して思ひかねたる友千鳥かな(後鳥羽院)
748 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 22:37:32 ID:JlnKeAXs
人待たばいかにとはましさ夜千鳥川風さむみ冬の明ぼの(宮内卿)
749 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 22:38:53 ID:JlnKeAXs
うちわたす川風さむみ鳴く千鳥たがゆく袖の夜半にきくらむ(藤原為家)
750 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 22:40:18 ID:JlnKeAXs
み吉野や石跡柏もうづもれて河風さむみふれる白雪(頓阿)
751 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 22:41:33 ID:JlnKeAXs
水こほり月のながるる汀にて思ひかねてや千鳥なくらむ(東常縁)
752 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 22:42:28 ID:JlnKeAXs
冬の夜も千鳥はきかず思ひかね我が泣き明かす袖の川風(大内政弘)
753 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 22:45:02 ID:SgtcZ7ab
別れても心へだつな旅衣いくへかさなる山ぢなりとも(藤原定家[千載])
754 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 22:46:36 ID:SgtcZ7ab
むらさきの色に心はあらねども深くぞ人を思ひそめつる(醍醐天皇[新古今])
755 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 22:47:43 ID:SgtcZ7ab
結ぶ手に影乱れゆく山の井のあかでも月のかたぶきにけり(慈円[新古今])
756 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 22:49:02 ID:SgtcZ7ab
かはりゆく影に昔を思ひ出でて涙をむすぶ山の井の水(藤原親盛[新勅撰])
757 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 23:12:09 ID:JlnKeAXs
三笠山はや木高かれ峰の松ちよのかげとぞ神もまつらむ(高階宗成)
758 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 23:17:17 ID:JlnKeAXs
うゑし植ゑばはや木高かれ山桜白雲まがふ花とみるまで(正徹)
759 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 23:18:27 ID:JlnKeAXs
われがなほ折らまほしきは白雲の八重にかさなる山吹の花(和泉式部)
760 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 23:22:41 ID:JlnKeAXs
岩根ふみいく重の峰をこえぬとも思ひもいでむ心へだつな(源実朝)
761 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 23:24:44 ID:JlnKeAXs
浅茅原かつ霜がれて別れてふことは色にも見ゆる秋かな(慶雲)
762 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 23:27:33 ID:JlnKeAXs
草も木もうつろひはてて別れてふことは色にもくるる秋かな(姉小路基綱)
763 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 23:28:45 ID:JlnKeAXs
逢坂は行くもかへるも別れ路の人だのめなる名のみふりつつ(藤原為家)
764 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 23:32:41 ID:JlnKeAXs
花を待つ外山の梢かつ越えて別れもゆくか春の雁がね(宗尊親王)
765 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 23:46:09 ID:SgtcZ7ab
契りあらば又も結ばむ山の井のあかで別れし影な忘れそ(少将内侍[続古今])
766 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 23:49:07 ID:SgtcZ7ab
結ぶ手に月をやどして山の井のそこの心に秋やみゆらむ(源通方[風雅])
767 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 00:23:10 ID:8fu7JReg
雲の色にわかれもゆくか逢坂の関路の花のあけぼのの空(兼好)
768 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 00:28:58 ID:8fu7JReg
かつこえて春にわかるる逢坂は人だのめなる花や散るらむ(宗良親王)
769 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 00:30:30 ID:8fu7JReg
袖ひちてせく手ににごる山水の澄むを待つとや月のやすらふ(俊恵)
770 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 00:31:37 ID:8fu7JReg
手に結ぶ程だにあかぬ山の井のかけはなれ行く袖のしら玉(藤原定家)
771 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 00:35:34 ID:8fu7JReg
夏山やゆくてにむすぶ清水にもあかで別れし古里をのみ(藤原定家)
772 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 00:39:35 ID:8fu7JReg
あかざりし山井の清水手にくめばしづくも月の影ぞやどれる(藤原定家)
773 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 00:45:24 ID:XdaRfMdL
逢ふことは雲居はるかにへだつとも心かよはぬほどはあらじを(大中臣輔親[後拾遺])
774 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 00:46:47 ID:XdaRfMdL
人しれぬ時雨ごこちに神な月われさへ袖のそほちぬるかな(具平親王[玉葉])
775 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 01:10:21 ID:8fu7JReg
夏の夜はげにこそあかね山の井のしづくにむすぶ月の暉も(藤原定家)
776 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 01:13:13 ID:8fu7JReg
あかざりし雲と雨とのかたみかは花の滴ににごる山の井(正徹)
777 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 01:23:47 ID:8fu7JReg
夏はつるみそぎにちかき川風に岩波たかくかくる白木綿(藤原定家)
778 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 01:26:08 ID:8fu7JReg
吉野川岩波たかくなる神に山風きほふ花の夕だち(正徹)
779 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 01:29:26 ID:8fu7JReg
とこは荒れぬいたくな吹きそ秋風の目にみぬ人を夢にだに見む(藤原家隆)
780 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 01:31:01 ID:8fu7JReg
吹く風の目に見ぬ人も軒端なる梅咲く頃は待たれけるかな(堯孝)
781 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 01:33:31 ID:8fu7JReg
花の色にうつる心は山桜かすみのまより思ひそめてき(藤原隆信)
782 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 10:34:44 ID:8fu7JReg
ほのみてし君にはしかじ春霞たなびく山の桜なりとも(藤原家隆)
783 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 10:36:02 ID:8fu7JReg
山桜霞のまよりうつろへば色のちくさに春風ぞ吹く(順徳院)
784 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 10:37:11 ID:8fu7JReg
身にぞしむ霞にもるる面影のさだかに見えし花の下風(正徹)
785 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 10:40:49 ID:8fu7JReg
たが春にあくまでかみし山桜霞のまよりそふおもひかな(後柏原院)
786 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 10:43:12 ID:8fu7JReg
我もよにしぐれ心ちの晴れやらで三とせふり行く神無月かな(宗尊親王)
787 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 10:44:25 ID:8fu7JReg
月もなほつれなき人のかげとめよ冬もこほらぬ袖の涙に(西園寺実氏)
788 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 10:44:35 ID:XdaRfMdL
み吉野のたぎつ早瀬にすむ月や冬もこほらぬ氷なるらむ(素暹法師[続古今])
789 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 10:48:40 ID:XdaRfMdL
我が恋はやまとにはあらぬ韓藍のやしほの衣ふかくそめてき(藤原良経[続古今])
790 :
名無氏物語:2010/06/05(土) 02:56:53 ID:ntY8QFId
春秋のながれしままにあまの川冬もこほらぬ月をしぞ思ふ(三条西実隆)
791 :
名無氏物語:2010/06/05(土) 02:57:50 ID:ntY8QFId
夕暮はなくね空なるほととぎす心のかよふ宿やしるらむ(藤原定家)
792 :
名無氏物語:2010/06/05(土) 02:58:47 ID:ntY8QFId
初春のはつねのけふの百千鳥鳴くね空なる朝がすみかな(順徳院)
793 :
名無氏物語:2010/06/05(土) 02:59:51 ID:ntY8QFId
いづくよりあがるも見えず霞む日に啼く音そらなる夕雲雀かな(慶雲)
794 :
名無氏物語:2010/06/05(土) 03:01:00 ID:ntY8QFId
ほととぎすなく声きけば山里につねよりことに人ぞまたるる(源道済)
795 :
名無氏物語:2010/06/05(土) 03:02:21 ID:ntY8QFId
思ひきや雲井の花の咲き咲かず人づてにのみ聞かむものとは(二条院讃岐)
796 :
名無氏物語:2010/06/05(土) 03:03:44 ID:ntY8QFId
越えぬまはくるしきものを吉野山いかにか匂ふ花の面影(三条西実隆)
797 :
名無氏物語:2010/06/05(土) 04:12:50 ID:ntY8QFId
露ならぬ心を荻の上風にさのみくだけて物思ふかな(宗良親王)
798 :
名無氏物語:2010/06/05(土) 04:14:21 ID:ntY8QFId
ちらすなよ小萩が上の露ならぬ心も花に置きあまるまで(望月長孝)
799 :
名無氏物語:2010/06/05(土) 04:39:45 ID:ntY8QFId
何ゆゑに思ひそめけむしら玉と見えし涙の色かはるまで(花山院師継)
800 :
名無氏物語:2010/06/05(土) 04:43:02 ID:ntY8QFId
つらさこそ色もかはらね白玉と見えしはいつの涙なりけむ(後水尾院)
801 :
名無氏物語:2010/06/05(土) 04:46:07 ID:ntY8QFId
かくしつついつをかぎりとしら真弓おきふしすぐす月日なるらむ(兼好)
802 :
名無氏物語:2010/06/05(土) 04:49:30 ID:ntY8QFId
思ひきや手もふれざりし梓弓おきふし我が身なれむものとは(宗良親王)
803 :
名無氏物語:2010/06/05(土) 04:50:57 ID:ntY8QFId
敷島や大和とにはあらぬ撫子の花はむべこそ世に似ざりけれ(藤原公任)
804 :
名無氏物語:2010/06/05(土) 04:52:42 ID:ntY8QFId
身にしみてふかきあはれの色ならばうつるばかりや春のあけぼの(宗尊親王)
805 :
名無氏物語:2010/06/05(土) 04:54:24 ID:ntY8QFId
色ならばうつるばかりに吹きかへて音ぞ身にしむ秋の初風(中院通村)
806 :
名無氏物語:2010/06/05(土) 04:56:19 ID:ntY8QFId
いかにして花にみえまし色ならば移るばかりに向ふ心も(武者小路実陰)
807 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 00:37:34 ID:MhpESUg1
風吹けばとはに波こすみ熊野の浦路の月に千鳥なくなり(源具親)
808 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 00:38:29 ID:MhpESUg1
よしさらばこぬみの浜の浦松のとはに波越すねをもしのばじ(藤原為家)
809 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 00:43:11 ID:MhpESUg1
風吹けばとはに波こす石見潟かたぶく月もぬるるがほなる(藤原隆祐)
810 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 00:44:34 ID:MhpESUg1
朝霜のおきて侘しき別れ路にしばしはたゆめ鴫のはねがき(藤原家隆)
811 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 00:45:43 ID:MhpESUg1
しら露のおきてわびしき別れをもあふにぞかこつ在明の月(後鳥羽院)
812 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 00:46:41 ID:MhpESUg1
ももはかく鴫のはねがきいくかへり朝わびしき秋にあふらむ(藤原家隆)
813 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 00:48:36 ID:MhpESUg1
庭もせにうつろふ比のさくら花あしたわびしき数まさりつつ(藤原定家)
814 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 00:57:58 ID:lw7LYTpH
あしびきのやまとにはあらぬ唐錦たつたの時雨いかでそむらん(藤原雅経[新勅撰])
815 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 00:58:57 ID:lw7LYTpH
敷島や大和にはあらぬ紅の色の千しほに染むる紅葉ば(藤原為家[新拾遺])
816 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 00:59:51 ID:lw7LYTpH
いにしへの春にもかへる心かな雲ゐの花に物忘れせで(二条院讃岐[続後撰])
817 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 01:00:52 ID:MhpESUg1
とりべ山あすをばしらで暮れぬ間のけふの煙をあはれとぞ見る(飛鳥井雅有)
818 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 01:01:00 ID:lw7LYTpH
むかしいま思ひのこさぬ寝覚かな暁ばかり物忘れせで(西園寺実氏[続古今])
819 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 01:15:42 ID:MhpESUg1
暮れぬ間の今日をもしらぬ命もて明日より後を契るはかなさ(中院通村)
820 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 01:23:52 ID:MhpESUg1
露霜のおくての山田かりねして袖ほしわぶるいほのさむしろ(藤原定家)
821 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 01:26:04 ID:MhpESUg1
塩竃のうらがなしくも見ゆるかな霞にすける海人の釣舟(藤原清輔)
822 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 01:26:58 ID:MhpESUg1
須磨の海人のたく藻の煙たえだえにうらさびしくも見えまがふかな(慈円)
823 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 01:31:06 ID:lw7LYTpH
待ちしよにまた立ちかへる夕べかな入逢の鐘に物忘れせで(二条良基[新拾遺])
824 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 01:32:48 ID:lw7LYTpH
浦風やとはに浪こす浜松のねにあらはれて鳴く千鳥かな(藤原定家[続後撰])
825 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 01:48:14 ID:lw7LYTpH
ながむらん人の心もしらなくに月をあはれと思ふ夜はかな(遊義門院[玉葉])
826 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 01:50:02 ID:lw7LYTpH
初霜のおくての山田もる庵にかりそめながら衣うつなり(今出河院近衛[続後拾遺])
827 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 01:56:50 ID:lw7LYTpH
東路のおくての山田かりにのみ思ひし庵もすみなれにけり(藤原為顕[新千載])
828 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 02:29:53 ID:MhpESUg1
打ちなびく蘆のうら葉にとひ見ばやかかるみゆきをいつかみしまえ(伊勢大輔)
829 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 02:31:45 ID:MhpESUg1
雪つもる越のしら山冬ふかし夢にもたれか思ひおこせむ(*宗良親王)
830 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 02:33:17 ID:MhpESUg1
灯し火のほかげにかよふ身をみればあるかなきかの世にこそありけれ(藤原高遠)
831 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 02:35:01 ID:MhpESUg1
花の色もうつりにけりとしら雲の道行ぶりにかをる山風(順徳院)
832 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 02:36:09 ID:MhpESUg1
わけくらす峰のつづきもしら雲の道行ぶりに宿や借らまし(木下長嘯子)
833 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 02:37:23 ID:MhpESUg1
うき世にもことやつぐると初雁の道行ぶりに山べをやとふ(松永貞徳)
834 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 02:38:19 ID:MhpESUg1
なかなかに四方に匂へる梅の花たづねぞ侘ぶる夜はの木のもと(藤原定家)
835 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 02:40:17 ID:MhpESUg1
色見えで春にうつろふ心かな闇はあやなき梅のにほひに(藤原定家)
836 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 02:41:03 ID:lw7LYTpH
にほひても分かばぞ分かむ梅の花それとも見えず春の夜の月(大江匡房[千載])
837 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 02:42:03 ID:lw7LYTpH
梅が香もあまぎる月にまがへつつそれとも見えず霞む頃かな(九条道家[新勅撰])
838 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 07:05:44 ID:MhpESUg1
蘆の屋の蔦はふ軒のむら時雨音こそたてね色はかくれず(藤原定家)
839 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 07:18:33 ID:MhpESUg1
夏の夜も闇はあやなし橘をながめぬ空に風かをるなり(藤原良経)
840 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 07:19:26 ID:MhpESUg1
梅が香は霞の袖につつめども香やはかくるる野べの夕風(後鳥羽院)
841 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 07:20:27 ID:MhpESUg1
梅の花いろこそ見えね風吹けば月の光のにほふなりけり(飛鳥井雅有)
842 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 07:21:40 ID:MhpESUg1
風や知るいづくにさける梅ならんただ香ばかりの春の夜の闇(正徹)
843 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 07:23:11 ID:MhpESUg1
これもまた色こそ見えね春の夜の月はあやなし匂ふ梅が枝(木下長嘯子)
844 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 07:25:15 ID:MhpESUg1
色もいろ匂ひも月の光にて闇こそ梅は人に知らるれ(木下長嘯子)
845 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 07:25:59 ID:lw7LYTpH
梅が香におどろかれつつ春の夜の闇こそ人はあくがらしけれ(和泉式部[千載])
846 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 07:27:17 ID:lw7LYTpH
白雲のたえまにかすむ山桜色こそみえねにほふ春風(白河院[新後拾遺])
847 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 07:28:56 ID:lw7LYTpH
朝霞梅のたち枝は見えねどもそなたの風に香やはかくるる(藤原隆季[続拾遺])
848 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 19:37:22 ID:MhpESUg1
奥山の花見がてらにとひし庵ちりなむ後としめてましかば(宗良親王)
849 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 19:38:42 ID:MhpESUg1
咲きぬともよそに知られぬ山里は花見がてらに来る人もなし(長慶天皇)
850 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 19:39:48 ID:MhpESUg1
なれなれし花の木陰の草莚ちりなむ後ぞしきしのぶべき(松永貞徳)
851 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 19:41:07 ID:MhpESUg1
人しれぬ心のゆきて見る花はのこる山べもあらじとぞ思ふ(源師光)
852 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 19:42:27 ID:MhpESUg1
河波のくくるも見えぬくれなゐをいかにちれとか峰の木がらし(藤原定家)
853 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 19:43:24 ID:MhpESUg1
雪とのみふるからをのの桜花なほこのもとは忘れざりけり(後嵯峨院)
854 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 19:45:13 ID:MhpESUg1
いかにせむ高根の桜雪とのみふるだにあるを春の曙(宗尊親王)
855 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 19:46:14 ID:lw7LYTpH
かすめども香やはかくるるこもりえの初瀬の里の春の梅が枝(源有房[新千載])
856 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 19:47:06 ID:lw7LYTpH
道とほみ行きては見ねど桜花心をやりて今日はかへりぬ(平兼盛[後拾遺])
857 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 19:48:30 ID:lw7LYTpH
桜花うつろふ色は雪とのみふるの山風ふかずもあらなむ(尊円[風雅])
858 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 20:00:16 ID:lw7LYTpH
雪とのみさそふもおなじ河風に氷りてとまれ花の白波(飛鳥井雅世[新続古今])
859 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 20:00:29 ID:MhpESUg1
鶯はいたくなわびそ梅の花ことしのみちるならひならねば(源実朝)
860 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 20:04:54 ID:MhpESUg1
山ざくら尋ねてかへる春の夜は夢にも花のすがたをぞ見る(藤原公重)
861 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 20:05:50 ID:MhpESUg1
春こゆるうつの山道うつつにも夢にも花のちるやみゆらむ(中院通勝)
862 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 20:07:11 ID:MhpESUg1
うつつにも夢にも花のちる比は山にだに世のうきめをぞみる(契沖)
863 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 20:08:16 ID:MhpESUg1
み吉野の花のかげにてくれはてておぼろ月よの道やまどはむ(藤原良経)
864 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 20:09:30 ID:MhpESUg1
花ならぬならの木かげも夏くればたつことやすき夕まぐれかは(俊恵)
865 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 20:11:00 ID:MhpESUg1
夏衣たつことやすきかげもなしなほ花思ふ庭の梢に(藤原家隆)
866 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 20:12:32 ID:MhpESUg1
花の陰の心をしらば月も日もたつことやすき春はあらじを(後柏原院)
867 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 20:13:22 ID:lw7LYTpH
昨日をば花の陰にてくらしてきけふこそいにし春はをしけれ(和泉式部[続千載])
868 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 20:14:12 ID:lw7LYTpH
ちらぬまの花のかげにてくらすひは老の心も物思ひもなし(二条良実[続古今])
869 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 20:15:13 ID:lw7LYTpH
ちりはてて花のかげなきこのもとにたつことやすき夏衣かな(慈円[新古今])
870 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 20:16:33 ID:lw7LYTpH
夏衣かたへ涼しくなりぬなり夜や更けぬらむ行き合ひの空(慈円[新古今])
871 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 04:54:07 ID:w74sehMI
清見潟そでにも波の月を見てかたへもまたぬ風ぞすずしき(藤原定家)
872 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 04:57:04 ID:w74sehMI
夏と秋とゆきかふ風やすぎぬらし露ちりそむるしののめの道(藤原雅経)
873 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 04:59:04 ID:w74sehMI
夏と秋とゆきかふ夜半の浪の音のかたへすずしき賀茂の川風(後鳥羽院)
874 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 05:00:23 ID:w74sehMI
見るからにかたへ涼しき夏ごろも日も夕暮のやまとなでしこ(後鳥羽院)
875 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 05:00:36 ID:Shk+QmQn
山もとのをちの日かげはさだかにてかたへすずしき夕立の雲(藤原為家[風雅])
876 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 05:01:52 ID:w74sehMI
露の色ももりのしめ縄秋かけてかたへ涼しきせみのは衣(順徳院)
877 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 05:04:22 ID:w74sehMI
夏の日のかたへすずしき風にしもおくれぬ秋や空にきぬらむ(中院通勝)
878 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 05:06:04 ID:w74sehMI
夏ふかき野原の露もゆく水も近き沢辺ぞかたへ冷しき(冷泉為村)
879 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 06:29:50 ID:w74sehMI
山路より磯辺の里に今日はきて浦めづらしき旅衣かな(宗良親王)
880 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 06:31:01 ID:w74sehMI
彦星の妻待つ秋の初風にうらめづらしき天の羽衣(後崇光院)
881 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 06:32:05 ID:w74sehMI
梅が香に今日は難波のあま衣うらめづらしき春風ぞ吹く(姉小路基綱)
882 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 06:36:08 ID:w74sehMI
松風も秋にすずしく音かへてうらめづらしき志賀の唐崎(後水尾院)
883 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 06:41:49 ID:Shk+QmQn
唐衣立田の山の郭公うらめづらしきけさの初声(藤原基俊[続千載])
884 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 06:43:06 ID:Shk+QmQn
雪消えてうらめづらしき初草のはつかに野べも春めきにけり(式子内親王[新勅撰])
885 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 06:45:53 ID:Shk+QmQn
山風の霞の衣吹きかへしうらめづらしき花の色かな(九条道家[新拾遺])
886 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 07:02:46 ID:w74sehMI
秋きぬと海吹く比良の山風もうらめづらしきあまの衣手(本居宣長)
887 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 07:04:12 ID:w74sehMI
いまはよにもとの心の友もなし老いてふるえの秋萩の花(頓阿)
888 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 07:05:26 ID:w74sehMI
いはれのの古枝の真萩はなさけば池にももとの心をぞしる(宗祇)
889 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 07:06:20 ID:w74sehMI
なれきつるもとの心は忘れずと萩の古枝をてらす月かげ(木下長嘯子)
890 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 07:07:18 ID:w74sehMI
もしほ草しきつの浪にうき枕きけすみよしの松を秋風(慈円)
891 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 07:08:11 ID:w74sehMI
住吉の浜辺のみそぎくれゆけば松を秋風けふよりぞふく(下河辺長流)
892 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 07:09:32 ID:w74sehMI
かをらずは折りやまどはむ長月の月夜にあへる白菊の花(大中臣能宣)
893 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 07:10:23 ID:w74sehMI
心あてにをらばやをらむ夕づくひさすや小倉の峰のもみぢば(藤原家隆)
894 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 07:10:35 ID:Shk+QmQn
秋くれば萩もふるえにさくものを人こそかはれもとの心は(藤原惟方[風雅])
895 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 07:11:28 ID:Shk+QmQn
さこそわれ萩のふるえの秋ならめもとの心を人のとへかし(阿仏尼[風雅])
896 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 21:28:40 ID:w74sehMI
しらすげのまのの萩原あさなあさな置きまどはせる秋のはつ霜(藤原家隆)
897 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 21:31:06 ID:w74sehMI
心あてにわくともわかじ梅の花散りかふ里の春のあは雪(藤原定家)
898 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 21:32:31 ID:w74sehMI
白菊の籬の月の色ばかりうつろひ残る秋の初霜(藤原定家)
899 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 21:33:46 ID:w74sehMI
心あてに誰かはをらむ山がつのかきほの萩の露のふかさを(藤原為家)
900 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 21:35:09 ID:w74sehMI
心あてにをらばや夜半の梅の花かをる軒ばの風を尋ねて(宗良親王)
901 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 21:36:51 ID:w74sehMI
袖かけてをらばやをらむ榊ばのかをなつかしみ露をしるべに(正徹)
902 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 21:38:00 ID:w74sehMI
心あての色もかすみの吉野山我まどはすな花のしら雲(三条西実隆)
903 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 21:54:54 ID:w74sehMI
あともなき波の上ながら心あてにゆけばまどはぬ舟ぢなりけり(小沢蘆庵)
904 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 21:58:28 ID:w74sehMI
初霜はまだおきなれぬ宵々の月にうつろふ白菊の花(香川景樹)
905 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 21:59:27 ID:w74sehMI
老いの目はまぎらはしさに折りかねつ月夜の霜の白菊の花(安藤野雁)
906 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 22:00:26 ID:w74sehMI
もみぢばを幣にたむけて行く秋ををしみとめぬや神なびの森(慈円)
907 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 22:00:59 ID:TBdf3dpP
秋風の関吹きこゆるたびごとに声うちそふる須磨のうら波(壬生忠見[新古今])
908 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 22:01:21 ID:w74sehMI
みそぎ川あさのたちえのゆふしでを幣とたむけて夏はいぬめり(藤原為家)
909 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 22:02:12 ID:w74sehMI
初雁のはつかにききしことづても雲路にたえてわぶるころかな(源高明)
910 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 22:03:43 ID:w74sehMI
いとどまた夢てふ物をたのめとや思ひねになくほととぎすかな(宗尊親王)
911 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 22:08:14 ID:w74sehMI
惜しめどもたちもとまらぬ秋霧のゆくへもしらぬ恋もするかな(源俊頼)
912 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 22:18:15 ID:w74sehMI
芳野山あふをかぎりの桜花ゆくへもしらぬ道やまどはむ(藤原家隆)
913 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 22:20:35 ID:w74sehMI
あひみてもなほ行くへなき思ひかな命や恋のかぎりなるらむ(藤原定家)
914 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 22:21:46 ID:w74sehMI
いつしかの行へもしらぬ詠めより逢ふを限りのはてをしぞ思ふ(藤原雅経)
915 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 22:23:19 ID:w74sehMI
行へなきあふをかぎりの白雲もたえて分かるる峰の松かぜ(俊成卿女)
916 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 22:25:20 ID:w74sehMI
さても又あふを限りのはてもなし恋は命ぞかぎりなりける(藤原為家)
917 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 22:26:43 ID:w74sehMI
思ひあまりあふをかぎりの詠めしてゆくへもしらぬ夕暮の空(宗尊親王)
918 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 22:27:58 ID:w74sehMI
わたの原ゆくへもしらずはてもなし沖つ霞の春のあけぼの(後二条院)
919 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 22:58:45 ID:w74sehMI
恋ひしなむそれまでと猶歎くかなあふを限の思ひたえても(頓阿)
920 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 23:00:06 ID:w74sehMI
しら雲の八重山遠く匂ふなり逢ふをかぎりの花の春風(正徹)
921 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 23:00:31 ID:TBdf3dpP
住吉の松のしづえは神さびてゆふしでかくる沖つ白波(藤原光頼[続後撰])
922 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 23:01:41 ID:w74sehMI
くれはつる秋こそやがてしらせけれあふ人からの夜半のならひは(藤原家隆)
923 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 23:03:06 ID:w74sehMI
むつごとも逢ふ人からのならひかもいづらは夜半も長月の空(後鳥羽院)
924 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 23:05:26 ID:w74sehMI
ながしとぞ思ひはてぬる逢はでのみひとり月見る秋の夜な夜な(宗尊親王)
925 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 23:07:35 ID:w74sehMI
またいつにこよひもまたむ月をしも逢ふ人からのしののめの空(三条西実隆)
926 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 23:08:39 ID:w74sehMI
よの中はさてもやうきと桜花ちらぬ春にもあひ見てしがな(飛鳥井雅有)
927 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 23:10:18 ID:w74sehMI
露分くる夏野の草のぬれ衣なるとはすれど色もかはらず(順徳院)
928 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 23:35:14 ID:w74sehMI
あま衣なるとはすれどいせ島やあはぬうつせはいふかひもなし(後水尾院)
929 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 23:36:41 ID:w74sehMI
よそにのみきくの長浜ながらへて心づくしにこひやわたらむ(藤原為家)
930 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 23:38:13 ID:w74sehMI
何ゆゑに雪みるべくもあらぬ身のこしぢの冬をみとせ経ぬらむ(宗良親王)
931 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 23:40:13 ID:w74sehMI
ふりつもる雪みるべくもなき人の跡をも今朝はおもひやりつつ(宗良親王)
932 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 23:41:48 ID:w74sehMI
かへるかり跡はしたへどしら山のゆきみるべくもなき雲路かな(下河辺長流)
933 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 23:50:10 ID:w74sehMI
わび人のたもとしなくは紅葉葉のひとりや雨にぬれて染めまし(藤原為家)
934 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 00:00:03 ID:3kPPn8bO
いづれをかわきて折るべき月影に色みえまがふ白菊の花(大弐三位[新勅撰])
935 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 00:01:10 ID:3kPPn8bO
月影に色もわかれぬ白菊は心あてにぞ折るべかりける(藤原公行[新勅撰])
936 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 00:08:10 ID:3kPPn8bO
霜を待つ籬の菊の宵の間におきまがふ色は山の端の月(宮内卿[新古今])
937 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 00:10:26 ID:Su+qqgTj
今朝ぞこの山のかひあるみむろ山絶えせぬ道の跡を尋ねて(藤原定家)
938 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 00:23:32 ID:Su+qqgTj
水鳥のうへはこほれる羽衣いでいりあらふ波のまもなし(賀茂保憲女)
939 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 00:24:54 ID:Su+qqgTj
世中ようへはこほれる冬川のしられぬにこそわたりかねぬれ(三条西実隆)
940 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 00:26:51 ID:3kPPn8bO
袖ふれてをらばやをらむ我妹子が裾ひく庭に匂ふ梅がえ(藤原為経[新千載])
941 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 00:27:57 ID:3kPPn8bO
もみぢばを幣とたむけてちらしつつ秋とともにやゆかむとすらむ(大輔[後撰])
942 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 00:33:17 ID:3kPPn8bO
思ひ寝に我が心からみる夢も逢ふ夜は人のなさけなりけり(藤原忠良[新続古今])
943 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 00:34:57 ID:3kPPn8bO
恋しさは逢ふを限りと聞きしかどさてしもいとど思ひそひけり(藤原教長[千載])
944 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 00:36:11 ID:3kPPn8bO
我が恋は今をかぎりと夕まぐれ荻ふく風の音づれて行く(俊恵[新古今])
945 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 00:40:57 ID:Su+qqgTj
かねてよりおもひこしぢのあらち山ことわり過ぐる峰の白雪(藤原知家)
946 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 01:00:54 ID:Su+qqgTj
はるかにも思ひこしぢの春の雁かへる山をば都にぞ見る(後柏原天皇)
947 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 01:02:19 ID:Su+qqgTj
人をのみ思ひこしぢのはてなれや身を白雪のつもる恨みは(宗良親王)
948 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 01:03:27 ID:Su+qqgTj
見ずもあらずみもせぬ人の形見かは五月の空の夕暮の雲(藤原家隆)
949 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 01:06:15 ID:Su+qqgTj
かた見かはしるべにもあらず君恋ひてただつくづくとむかふ大空(藤原定家)
950 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 01:09:04 ID:Su+qqgTj
おほ空は暮れゆく秋のかたみかは惜しむ袂もうちしぐれつつ(後鳥羽院)
951 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 01:10:41 ID:Su+qqgTj
朝夕にむなしき空をながめてもたかく仰ぎし君を恋ひつつ(宗尊親王)
952 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 01:12:17 ID:Su+qqgTj
そなたともたがゆふ暮の空なれば恋しきたびに詠めやるらむ(宗良親王)
953 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 01:13:12 ID:3kPPn8bO
心こそ行方も知らね三輪の山杉の梢の夕暮の空(慈円[新古今])
954 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 01:16:31 ID:3kPPn8bO
我が恋は逢ふをかぎりのたのみだに行方もしらぬ空のうき雲(源通具[新古今])
955 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 01:17:53 ID:3kPPn8bO
おのづからあふをかぎりの命とて年月ふるも涙なりけり(藤原為家[続古今])
956 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 01:19:03 ID:3kPPn8bO
徒に立つや煙のはてもなし逢ふを限りともゆる思ひは(源親長[続拾遺])
957 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 02:00:16 ID:lmn+NssD
君待つと吾が恋居ればわが宿の簾動かし秋の風吹く(額田王「万葉集」)
958 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 21:40:14 ID:Su+qqgTj
かたみかはそなたの空の峰の雲恋しきたびにうちながめつつ(後崇光院)
959 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 21:41:20 ID:Su+qqgTj
わぎもこは月の都へいらなくに暮るれば空のながめらるらむ(井上文雄)
960 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 21:42:19 ID:Su+qqgTj
夏の夜はまだ宵ながら明けぬとやゆふつけ鳥の暁のこゑ(慈円)
961 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 21:43:27 ID:Su+qqgTj
大和路や都も遠きひむろ山まだ宵ながら岩戸あくなり(藤原家隆)
962 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 21:44:42 ID:Su+qqgTj
夏の月はまだ宵の間とながめつつぬるや河辺のしののめの空(藤原定家)
963 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 21:46:10 ID:Su+qqgTj
宵ながら雲のいづことをしまれし月をながしと恋ひつつぞぬる(藤原定家)
964 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 21:49:41 ID:Su+qqgTj
折しもあれ雲のいづくに入る月の空さへをしきしののめの途(藤原定家)
965 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 21:51:49 ID:3kPPn8bO
我が涙逢ふを限りと思ひしに猶いひしらぬ袖の上かな(後嵯峨院[続拾遺])
966 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 21:52:49 ID:3kPPn8bO
こむ世には契ありやと恋ひしなむあふをかぎりの命をしまで(後宇多院[新後撰])
967 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 21:53:52 ID:3kPPn8bO
すまの海士の袖にふきこす潮風のなるとはすれどてにもたまらず(定家[新古今])
968 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 22:00:27 ID:3kPPn8bO
あふことをはつかに見えし月影のおぼろけにやはあはれともおもふ(村上天皇[新古今])
969 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 22:00:49 ID:Su+qqgTj
山路行く雲のいづこの旅枕ふすほどもなく月ぞ明け行く(藤原定家)
970 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 22:04:08 ID:Su+qqgTj
夕づくよかたぶく空はよひながら雲のいづくにありあけの月(藤原忠良)
971 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 22:09:06 ID:Su+qqgTj
夏の夜は雲のいづくにやどるともわがおもかげに月はのこさむ(藤原良経)
972 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 22:15:02 ID:Su+qqgTj
郭公まだ宵ながら明くる夜の雲のいづくになきわたるらん(後鳥羽院)
973 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 22:35:59 ID:Su+qqgTj
あかなくに雲のいづくにやどりつつはるればあくる夏の夜の月(後鳥羽院)
974 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 22:37:51 ID:Su+qqgTj
月だにも雲のいづくに夏の夜のやみはあやなし曙の空(順徳院)
975 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 22:39:49 ID:Su+qqgTj
久方の雲のいづくの影ならで木のまあけ行くみじか夜の月(伏見院)
976 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 22:46:58 ID:3kPPn8bO
さすらふる我が身にしあれば象潟やあまの苫屋にあまたたび寝ぬ(藤原顕仲[新古今])
977 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 22:52:02 ID:3kPPn8bO
岩にむす苔ふみならす三熊野の山のかひある行末もがな(後鳥羽院[新古今])
978 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 22:53:25 ID:3kPPn8bO
亀のをの山のかひある山桜万代ふべきためしとぞみる(西園寺公相[続拾遺])
979 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 22:54:47 ID:3kPPn8bO
ただ一重上は氷れる河の面にぬれぬ木の葉ぞ風に流るる(九条左大臣女[玉葉])
980 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 23:00:11 ID:3kPPn8bO
つれづれとながめのみするこのごろは空も人こそ恋しかるらし(藤原定頼[風雅])
981 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 23:00:24 ID:Su+qqgTj
よひのまに明けなば明けよ天つ空雲のいづくと月はたどらじ(正徹)
982 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 23:03:30 ID:Su+qqgTj
庭しろき玉をのべたる光かなこほれる雪をみがく月夜に(正徹)
983 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 23:06:36 ID:Su+qqgTj
もろこしの山をすぎゆく秋なりとしたふ心のわれおくれめや(伏見院)
984 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 23:09:57 ID:Su+qqgTj
雲さゆる吉野の里は冬ながら空より花のふらぬ日はなし(祝部成茂)
985 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 23:24:13 ID:Su+qqgTj
語るともたが名はたたじ長からぬ心のほどや人に知られむ(藤原義孝)
986 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 23:26:07 ID:Su+qqgTj
日影みずさきてとくちる色もなし谷は蛍ぞ光なりける(藤原定家)
987 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 23:27:58 ID:Su+qqgTj
桜花咲きてとく散るならひこそ我が身の春の物思ひなれ(嘉喜門院)
988 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 23:29:17 ID:Su+qqgTj
春もまだよそにぞ寒き谷の戸に咲きてとく散る花の淡雪(望月長孝)
989 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 23:30:28 ID:3kPPn8bO
つれづれと空ぞ見らるる思ふ人天くだり来むものならなくに(和泉式部[玉葉])
990 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 23:32:35 ID:3kPPn8bO
郭公雲のいづくにやすらひて明がたちかき月になくらん(後鳥羽院[続拾遺])
991 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 23:35:37 ID:3kPPn8bO
卯の花の籬は雲のいづくとてあけぬる月の影やどすらむ(藤原為家[続古今])
992 :
名無氏物語:2010/06/09(水) 00:00:12 ID:e4e06/V6
暁の空とはいはじ夏の夜はまだ宵ながら有明の月(西園寺公相[続古今])
993 :
名無氏物語:2010/06/09(水) 00:01:24 ID:e4e06/V6
天つ風氷を渡る冬の夜の乙女の袖をみがく月影(式子内親王[新勅撰])
994 :
名無氏物語:2010/06/09(水) 00:04:15 ID:e4e06/V6
麓をば宇治の川霧たちこめて雲ゐに見ゆる朝日山かな(藤原公実[新古今])
995 :
名無氏物語:2010/06/09(水) 00:05:15 ID:e4e06/V6
朝まだき御法の庭に降る雪は空より花の散るかとぞ見る(中原清重[千載])
996 :
名無氏物語:2010/06/09(水) 00:06:35 ID:e4e06/V6
法の庭空に楽こそきこゆなれ雲のあなたに花や散るらむ(慶政[風雅])
997 :
名無氏物語:2010/06/09(水) 00:07:34 ID:z6N93A4F
ひかりなき谷にも風はよそならで咲きてとく散る山桜かな(本居宣長)
998 :
名無氏物語:2010/06/09(水) 00:10:49 ID:z6N93A4F
紅葉散ることやわびしきみ熊野の山のあらしに鹿ぞ啼くなる(慈円)
999 :
名無氏物語:2010/06/09(水) 00:13:13 ID:z6N93A4F
ねにたてて秋の夜かこつきりぎりす長き寝覚の枕にぞ聞く(藤原為家)
1000 :
名無氏物語:2010/06/09(水) 00:14:10 ID:z6N93A4F
しるべなきおきつの浜になくたづのゑをあはれと神はきかなむ(兼好)
1001 :
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