1 :
名無氏物語:
2 :
名無氏物語:2006/02/11(土) 14:03:35 ID:wsYPycyC
このたびは幣もとりあへず手向山もみぢの錦神のまにまに(古今420)
3 :
名無氏物語:2006/02/11(土) 14:43:35 ID:JI96N9os
草葉には玉とみえつつわび人の袖の涙の秋のしら露(新古461)
4 :
大沼ユミ:2006/02/11(土) 18:32:50 ID:6hf2c3jc
月やらぬ 春や昔の春ならぬ 我が身一つは元の身にして[伊勢物語、梅の花盛りに]
5 :
名無氏物語:2006/02/11(土) 21:27:44 ID:w2d7YEws
働けど 働けど なお我暮らし 楽にならざり じっと手を見る
6 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 01:46:48 ID:0TNfGLAd
秋風の吹き上げにたてる白菊は花かあらぬか浪のよするか(古今272)
7 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 02:06:25 ID:v8HcuQtB
水ひきの白糸はへておる機は旅の衣にたちやかさねん(後撰1356)
8 :
定家厨:2006/02/12(日) 02:09:58 ID:HDzbj1oD
いづくにか今宵は宿をかり衣日もゆふぐれの峰の嵐に
9 :
定家厨:2006/02/12(日) 02:11:05 ID:HDzbj1oD
こととへよ思ひ興津の浜千鳥なくなく出でし跡の月影
10 :
定家厨:2006/02/12(日) 02:11:36 ID:HDzbj1oD
関の戸をさそひし人は出でやらで有明の月のさやの中山
11 :
定家厨:2006/02/12(日) 02:12:11 ID:HDzbj1oD
都出でて朝たつ山の手向より露置きとめぬ秋風ぞ吹く
12 :
定家厨:2006/02/12(日) 02:12:53 ID:HDzbj1oD
旅人の袖吹きかへす秋風に夕日さびしき山の 梯
13 :
定家厨:2006/02/12(日) 02:14:00 ID:HDzbj1oD
世の中を思ふ軒端の忍ぶ草いく代の宿と荒れかはてなん
14 :
定家厨:2006/02/12(日) 02:14:30 ID:HDzbj1oD
たまゆらの露も涙もとどまらず亡き人こふる宿の秋風
15 :
定家厨:2006/02/12(日) 02:15:17 ID:HDzbj1oD
見し人のなき数まさる秋の暮わかれ馴れたる心地こそせね
16 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 02:20:55 ID:az6t15dX
をみなへし秋の野風にうちなびき心ひとつをたれによすらむ(古今230)
17 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 02:21:39 ID:az6t15dX
ひたすらにいとひはてぬる物ならば吉野の山にゆくへしられじ(後撰808)
18 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 02:29:12 ID:HyAPBAXl
とにかくに晴れぬ思ひにむき初めて憂きよりさきに物のかなしき
19 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 02:30:04 ID:HyAPBAXl
うれしとも一かたにやはながめらるる待つ夜にむかふ夕ぐれの空
20 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 02:30:45 ID:HyAPBAXl
暮れにけり天とぶ雲のゆききにも今宵いかにと伝へてしがな
21 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 02:31:42 ID:HyAPBAXl
槙の戸を風のならすもあぢきなし人しれぬ夜のやや更くるほど
22 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 02:34:11 ID:HyAPBAXl
この暮の心も知らでいたづらによそにもあるか我が思ふ人
23 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 02:34:55 ID:HyAPBAXl
音せぬが嬉しき折もありけるよ頼みさだめて後の夕暮
24 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 02:39:24 ID:LN7rrBzU
ひぐらしの山路をくらみ小夜ふけて木の末ごとに紅葉てらせる(後撰1357)
25 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 09:51:49 ID:Dx/GxlK0
ながれゆく我は水屑となりはてぬ君しがらみとなりてとどめよ(大鏡)
26 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 09:54:21 ID:Dx/GxlK0
夕されば野にも山にも立つけぶり歎きよりこそ燃えまさりけれ(大鏡)
27 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 10:02:57 ID:2IeKtyQS
山ざとは秋のすゑにぞ思ひしるかなしかりけり木がらしの風[新勅撰338]
28 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 10:19:59 ID:W8NKEEZD
心あらば匂ひを添へよ桜花のちの春をばいつか見るべき(千載)
29 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 10:20:39 ID:W8NKEEZD
つねよりもむつましきかな時鳥しでの山路の友とおもへば(千載)
30 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 10:31:32 ID:OrwcGyS4
千歳まで折りて見るべき桜花梢はるかに咲きそめにけり(千載)
31 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 10:32:22 ID:OrwcGyS4
敷島や高山の雲間より光さしそふ弓はりの月(新古)
32 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 14:39:23 ID:ghxdR4xM
敷島の大和心を人問はば朝露に香る山桜(宣長)
33 :
大沼ユミ:2006/02/12(日) 16:53:29 ID:3xTovIKb
谷風にとくる氷のひまごとに 打ち出づる波や 春の初花[源当純・古今集12]
34 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 17:36:00 ID:DDgxiGt9
山桜たづぬと聞くにさそはれぬ老の心のあくがるるかな(千載43)
35 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 17:39:21 ID:DDgxiGt9
しら雲のたなびく山のやま桜いづれを花と行きてをらまし(新古102)
36 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 17:40:14 ID:DDgxiGt9
ちはやぶるいつきの宮のありす川松とともにぞ影はすむべき(千載619)
37 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 17:47:56 ID:qauZSnG5
雪ふれば木毎に花ぞ咲きにけるいづれを梅とわきて折らまし(紀友則「古今集」)
38 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 17:48:39 ID:qauZSnG5
白雲のたつたの山の八重ざくらいづれを花とわきてをりけん(道命法師「新古今集」)
39 :
定家厨:2006/02/12(日) 17:55:32 ID:HDzbj1oD
たのまれぬ夢てふもののうき世には恋しき人のえやは見えける
40 :
定家厨:2006/02/12(日) 17:56:09 ID:HDzbj1oD
あらし吹く月の主は我ひとり花こそ宿と人も尋ぬれ
41 :
定家厨:2006/02/12(日) 17:56:45 ID:HDzbj1oD
憂きよりは住みよかりけりとばかりよ跡なき霜に杉たてる庭
42 :
定家厨:2006/02/12(日) 17:57:15 ID:HDzbj1oD
和歌の浦や凪ぎたる朝のみをつくし朽ちねかひなき名だに残らで
43 :
定家厨:2006/02/12(日) 17:57:46 ID:HDzbj1oD
思ひかね我が夕暮の秋の日に三笠の山はさし離れにき
44 :
定家厨:2006/02/12(日) 17:58:43 ID:HDzbj1oD
なきかげの親のいさめは背きにき子を思ふ道の心よわさに
45 :
定家厨:2006/02/12(日) 17:59:18 ID:HDzbj1oD
つひに又いかにうき名のとどまらむ心ひとつの世をば慙づれど
46 :
定家厨:2006/02/12(日) 17:59:51 ID:HDzbj1oD
君が世にあはずは何を玉の緒のながくとまでは惜しまれじ身を
47 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 18:06:44 ID:Eq8lLf4+
松の色は西ふく風やそめつらん海のみどりを初入にして(続古今690)
48 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 18:12:59 ID:4wjVEo1W
あめの下のがるる人のなければやきてし濡衣ひるよしもなき(拾遺1216)
49 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 18:19:37 ID:DngtbsLM
花すすき我こそしたに思ひしかほに出でて人にむすばれにけり(古今748)
50 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 18:22:48 ID:DngtbsLM
をみなへし折りけむ枝のふしごとにすぎにし君を思ひいでやせし(後撰349)
51 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 18:40:05 ID:4OI6Qqbi
小倉山今一度もしぐれなばみゆきまつまの色やまさらん(藤原光俊[続古今])
52 :
名無氏物語:2006/02/12(日) 18:40:36 ID:4OI6Qqbi
いにしへのあとをたづねて小倉山みねのもみぢや行きてをらまし(後嵯峨院[続後撰])
53 :
大沼ユミ:2006/02/12(日) 20:06:13 ID:3xTovIKb
霞立つ春の山辺は遠けれど吹きくる風は花の香ぞする[在原元方・古今集103]
54 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 08:39:16 ID:B3XHy7Ue
いたづらに今は染めけりをぐら山いつの秋まで行幸待ちけむ(姉小路基綱)
55 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 08:40:04 ID:B3XHy7Ue
をぐら山もみぢにとめし小車も跡こそたゆれみゆき降りつつ(契沖)
56 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 08:52:35 ID:hkSasdqM
をぐら山峰の木の葉や色にいでてふりにしみゆき今もまつらむ(藤原忠定)
57 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 08:53:17 ID:hkSasdqM
をぐら山峰のもみぢはなく鹿の涙にそめて色にいづらし(藤原為家)
58 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 08:58:34 ID:56hXgr4m
今朝のなごりはれぬ夕べのながめより今宵もさてや思ひ明かさん
59 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 08:59:19 ID:56hXgr4m
今日はもし人もや我を思ひ出づる我も常より人の恋しき
60 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 09:00:09 ID:56hXgr4m
憂きも契りつらきも契るよしさらば皆あはれにや思ひなさまし
61 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 09:01:22 ID:56hXgr4m
鳥の声さへづりつくす春日影くらしがたみに物をこそ思へ
62 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 09:02:15 ID:56hXgr4m
弱りはつる今はのきはの思ひには憂さもあはれになるにぞありける
63 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 09:02:54 ID:56hXgr4m
今しもあれ人のながめもかからじを消ゆるもをしき雲の一むら
64 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 09:06:32 ID:ZfsZmPcC
よし野山岸のもみぢし心あらばまれのみゆきを色かへでまて(藤原忠房「古今和歌六帖」)
65 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 09:07:14 ID:ZfsZmPcC
をぐら山みねのもみぢばなにを糸にへてか織りけむしるやしらずや(作者不明「亭子院女郎花合」)
66 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 09:19:40 ID:aa6j2nKl
谷ふかみ春のひかりのおそければ雪につつめる鶯の声(新古1441)
67 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 09:20:57 ID:aa6j2nKl
ふる雪に色まどはせる梅の花鶯のみやわきてしのばん(新古1442)
68 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 09:21:54 ID:aa6j2nKl
みちのべの朽ち木の柳春くればあはれ昔と偲ばれぞする(新古1449)
69 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 09:39:15 ID:rcDZa4kO
君がすむ宿のこずゑのゆくゆくと隠るるまでにかへりみしやは(拾遺351)
70 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 09:40:03 ID:rcDZa4kO
久方の月の桂もをるばかり家の風をもふかせてしがな(拾遺473)
71 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 09:42:47 ID:5/prcz8M
あしびきのこなたかなたに道はあれど都へいざといふ人ぞなき(新古1690)
72 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 09:43:22 ID:5/prcz8M
天の原あかねさし出づる光にはいづれの沼かさえのこるべき(新古1691)
73 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 09:43:54 ID:5/prcz8M
月ごとにながると思ひしますかがみ西の海にもとまらざりけり(新古1692)
74 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 09:45:29 ID:5/prcz8M
霧たちて照る日のもとは見えずとも身はまどはれじ寄る辺ありやと(新古1694)
75 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 09:47:15 ID:5/prcz8M
花とちり玉とみえつつあざむけば雪ふる里ぞ夢にみえける(新古1695)
76 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 09:47:51 ID:5/prcz8M
老いぬとて松はみどりぞまさりける我が黒髪の雪のさむさに(新古1696)
77 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 17:36:49 ID:9t/+Zqlq
夜のつる都のうちにこめられて子を恋ひつつもなきあかすかな(詞花340)
78 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 17:45:22 ID:ouJb4d9D
月もいかにあはれとや思ふわれ昔桂をりてし一もとゆゑに(藤原範光)
79 :
定家厨:2006/02/13(月) 17:53:20 ID:reMYjAAa
思ふことむなしき夢の中空に絶ゆとも絶ゆなつらき玉の緒
80 :
定家厨:2006/02/13(月) 17:54:04 ID:reMYjAAa
踏みまよふ山梨の花道たえて行くさき深き八重の白雲
81 :
定家厨:2006/02/13(月) 17:54:41 ID:reMYjAAa
はし鷹のとかへる山路越えかねてつれなき色の限りをぞ見る
82 :
定家厨:2006/02/13(月) 17:55:26 ID:reMYjAAa
海渡る浦こぐ舟のいたづらに磯路を過ぎてぬれし浪かな
83 :
定家厨:2006/02/13(月) 17:56:02 ID:reMYjAAa
荒れまくや伏見の里の出でがてに憂きを知らでぞ今日にあひぬる
84 :
定家厨:2006/02/13(月) 17:56:41 ID:reMYjAAa
大井河まれの御幸に年へぬる紅葉の船路跡はありけり
85 :
定家厨:2006/02/13(月) 17:57:16 ID:reMYjAAa
たらちめや又もろこしに松浦舟今年も暮れぬ心づくしに
86 :
定家厨:2006/02/13(月) 17:57:48 ID:reMYjAAa
をさまれる民のつかさの調物ふたたび聴くも命なりけり
87 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 18:00:52 ID:7XTPhR9E
世にしげき言の葉ぐさを吹きわけて家の風をも伝へてしがな(荷田春満)
88 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 18:23:06 ID:9t/+Zqlq
はるばると野中にみゆる忘れ水たえまたえまをなげく頃かな(後拾遺735)
89 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 18:37:28 ID:9t/+Zqlq
恋しさを忍びもあへぬ空蝉のうつし心もなくなりにけり(後拾遺809)
90 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 18:37:58 ID:9t/+Zqlq
もろともに山めぐりする時雨かなふるにかひなき身とはしらずや(詞花149)
91 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 18:41:19 ID:9t/+Zqlq
逢坂はあづま路とこそききしかど心づくしの関にぞありける(後拾遺748)
92 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 18:41:54 ID:9t/+Zqlq
榊葉のゆふしでかけしそのかみにおしかへしてもにたる頃かな(後拾遺749)
93 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 18:42:25 ID:9t/+Zqlq
今はただ思ひ絶えなんとばかりを人づてならで言ふよしもがな(後拾遺750)
94 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 18:43:34 ID:9t/+Zqlq
みちのくの緒絶の橋やこれならんふみみふまずみ心まどはす(後拾遺751)
95 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 18:44:07 ID:9t/+Zqlq
涙やはまたも逢ふべきつまならん泣くよりほかのなぐさめぞなき(後拾遺742)
96 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 18:44:37 ID:9t/+Zqlq
思ひやれ霞こめたる山里の花まつほどの春のつれづれ(後拾遺66)
97 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 18:47:40 ID:d9i6JbSQ
世をすつる我がすみぞめの袖ふれてをるもやさしき女郎花かな(慈円)
98 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 18:50:44 ID:d9i6JbSQ
遥かなる生駒の山のほととぎす人伝ならで聞くよしもなし(熊谷直好)
99 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 18:51:24 ID:d9i6JbSQ
おなじくは思ひ絶えなむ言の葉を人づてならでいふにかへばや(藤原助連)
100 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 18:54:13 ID:d9i6JbSQ
もろともに山辺をめぐる村時雨さても憂き世にふるぞ悲しき(聖覚)
101 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 18:54:52 ID:d9i6JbSQ
夕暮のひとむら雲の山めぐり時雨はつれば軒端もる月(九条良経)
102 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 18:55:35 ID:d9i6JbSQ
逢ひみむの行末まではかた糸のよりよりかこつ中のうきふし(堯孝)
103 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 18:56:12 ID:d9i6JbSQ
忘れじのゆく末かはるけふまでもあればあふよを猶たのみつつ(藤原家隆)
104 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 18:58:46 ID:d9i6JbSQ
暁のかねて物うきあらしかな月も霜よの道のささ原(藤原家隆)
105 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 18:59:26 ID:d9i6JbSQ
みじか夜のかねて物うき暁にやまほととぎす一声ぞきく(後鳥羽院)
106 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 19:02:02 ID:d9i6JbSQ
うちきらし雪はふりきぬ高円の山の桜に風やふくらむ(雅成親王)
107 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 19:02:31 ID:d9i6JbSQ
三日月に紅にほふ桃の花ひかりもいとどまされとぞ思ふ(大江匡房)
108 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 19:03:03 ID:d9i6JbSQ
おのが妻こひわびにけり春の野にあさるきぎすの朝な朝ななく(実朝)
109 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 19:04:01 ID:d9i6JbSQ
春日野やいづくみむろの梅がえに霞たなびき鶯ぞなく(藤原家隆)
110 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 19:05:15 ID:d9i6JbSQ
風ふけばいささむら竹うちそよぎさしも秋めく夜半のけしきよ(惟方)
111 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 19:09:54 ID:D7DbLo8H
窓近きいささむら竹風ふけば秋におどろく夏の夜の夢(公継[新古今])
112 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 19:10:33 ID:D7DbLo8H
音にたてぬかり庭の雉さのみやはおのがありかを忍びはつべき(実甚[新続古今])
113 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 19:11:03 ID:D7DbLo8H
萩原も霜枯れにけり御狩野はあさるきぎすのかくれなきまで(長済[後拾遺])
114 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 19:11:54 ID:D7DbLo8H
梅の花くれなゐにほふ夕暮に柳なびきて春雨ぞふる(為兼[玉葉])
115 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 19:13:57 ID:D7DbLo8H
家の風吹き伝へずはこのもとにあたら紅葉のくちやはてまし(藤原顕輔[玉葉])
116 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 19:17:37 ID:D7DbLo8H
かたみとてかへすも世々の家の風吹き伝へよと思ふとをしれ(後二条院[玉葉])
117 :
名無氏物語:2006/02/13(月) 19:32:56 ID:voYWrs/M
家の風ふきぞつたへん春日山末葉の藤もかげなびくまで(三条公秀[新拾遺])
118 :
大沼ユミ:2006/02/13(月) 20:00:24 ID:lQyxUtIJ
夏虫の身をいたづらになす事も ひとつ思ひによりて なりけり
[古今集544]
119 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 02:43:25 ID://ME27TW
月もいかにあはれとや思ふわれ昔桂をりてし一もとゆゑに(藤原範光)
120 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 03:08:51 ID:bpy48wN0
121 :
定家厨:2006/02/14(火) 03:18:09 ID:LnRCTbRM
百敷の外の重を出づる宵々は待たぬに向かふ山の端の月
122 :
定家厨:2006/02/14(火) 03:18:42 ID:LnRCTbRM
我が道をまもらば君をまもるらんよはひはゆづれ住吉の松
123 :
定家厨:2006/02/14(火) 03:19:40 ID:LnRCTbRM
契りありて今日宮河のゆふかづら永き世までにかけてたのまむ
124 :
定家厨:2006/02/14(火) 03:20:13 ID:LnRCTbRM
我が君の常盤のかげは秋もあらじ月の桂の千世にあふとも
125 :
定家厨:2006/02/14(火) 03:21:41 ID:LnRCTbRM
散りもせじ衣にすれるささ竹の大宮人のかざす桜は
126 :
定家厨:2006/02/14(火) 03:23:33 ID:LnRCTbRM
忘れめや花にたちまよふ春霞それかとばかり見えし明ぼの
127 :
定家厨:2006/02/14(火) 03:24:26 ID:LnRCTbRM
郭公空につたへよ恋ひわびてなくや五月のあやめわかずと
128 :
定家厨:2006/02/14(火) 03:25:12 ID:LnRCTbRM
今宵しも月やはあらぬ大かたの秋はならひを人ぞつれなき
129 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 03:30:58 ID:xU6UBax5
春たてど花もにほはぬ山里は物うかるねに鶯ぞなく(古今15)
130 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 03:41:20 ID:+hFgwNZL
常よりも涙かきくらす折しもあれ草木をみるも雨の夕暮
131 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 03:41:58 ID:+hFgwNZL
玉章にただ一筆とむかへども思ふ心をとどめかねぬる
132 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 03:42:54 ID:+hFgwNZL
大かたの世はやすけなし人は憂し我が身いづくにしばし置かまし
133 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 03:43:54 ID:+hFgwNZL
はれずのみ心に物を思ふまに萩の花さく秋もきにけり
134 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 03:45:57 ID:+hFgwNZL
契りけり待ちけりあはれその時のことのは残る水茎の跡
135 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 03:46:36 ID:+hFgwNZL
人のすてしあはれをひとり身にとめてなげき残れる果てぞ悲しき
136 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 09:26:40 ID:vbZxmIKs
穂に出でてまねくとならば花薄過ぎ行く秋をえやは止めぬ(教長[風雅])
137 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 10:23:09 ID:dP8f1Cxu
うぐひすの物うかるねに鳴くなるは春にしられぬ宿の印か(俊恵)
138 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 10:24:32 ID:dP8f1Cxu
ももちどりさへづりくらす春の日を物うかるねにうちながめつつ(雅経)
139 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 10:25:03 ID:dP8f1Cxu
鶯の物うかる音にうらぶれて野上の方に春ぞ暮れ行く(宗尊親王)
140 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 10:25:47 ID:dP8f1Cxu
鶯のものうかるねになかぬまで花とぞみゆる野べの淡雪(長嘯子)
141 :
左衛門督:2006/02/14(火) 10:49:17 ID:Pjq2tYnt
おほ海の磯もとどろに寄する浪 割れて砕けて裂けて散るかも (実朝)
142 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 17:35:27 ID:zhvSRgAK
秋の野の草のたもとか花すすきほにいでてまねく袖とみゆらむ(古今243)
143 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 17:40:36 ID:azEqZcs+
花すすきそよともすれば秋風のふくかとぞきくひとりぬる夜は(後撰353)
144 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 17:41:33 ID:azEqZcs+
しら雪の八重ふりしけるかへる山かへるがへるも老いにけるかな(古今902)
145 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 17:52:14 ID:AUlHoEv1
かりそめのゆきかひ路とぞ思ひこし今はかぎりの門出なりけり(古今862)
146 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 17:52:59 ID:AUlHoEv1
年のうちに春はきにけりひととせをこぞとやいはん今年とやいはん(古今1)
147 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 17:59:08 ID:Q6D6TkPr
年のうちに春立ちぬとや吉野山霞かかれる峰のしら雲(藤原俊成)
148 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 18:10:58 ID:you654fR
ももしきの大宮人もむれゐつつこぞとや今日をあすはかたらん(藤原師氏[新勅撰])
149 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 18:13:29 ID:you654fR
うつせみのうつし心も吾はなし妹を相見ずて年の経ぬれば(作者不明「万葉集」)
150 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 18:36:29 ID:KuhU/eRP
年のうちに餅はつきけり一年をこぞとや食はん今年とや食はん(二条良基)
151 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 18:40:51 ID:KuhU/eRP
いづこぞと梅がか深し年の内も立枝尋ねて春風やふく(武者小路実陰)
152 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 18:41:37 ID:KuhU/eRP
年のうちに春きぬめりと梅やさく梅さけりとて春やきぬらん(小沢蘆庵)
153 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 18:54:00 ID:hV37Y+yg
おほぞらの月のひかりしあかければ槙の板戸も秋はさされず(源為善[後拾遺])
154 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 18:55:42 ID:hV37Y+yg
草も木もふりまがへたる雪もよに春待つ梅の花の香ぞする(通具[新古今])
155 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 18:58:32 ID:hV37Y+yg
白妙に雪もわが身もふりはてぬあはれ名残の有明の月(西園寺公経[続古今])
156 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 18:59:58 ID:hV37Y+yg
都には聞ふりぬらん郭公関のこなたの身こそつらけれ(実方[続後撰])
157 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 19:01:09 ID:hV37Y+yg
音羽河雪げの波も岩こえて関のこなたに春はきにけり(定家[続古今])
158 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 19:01:43 ID:hV37Y+yg
今朝かはる秋とは風の音羽山おとに聞くより身にぞしみける(亀山院[続拾遺])
159 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 19:04:18 ID:S+ZkCing
春の野の若菜つむとて塩法の坂のこなたにこの日暮らしつ(良寛)
160 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 19:05:09 ID:S+ZkCing
このやどに雪も我が身もふりはてぬ明けぬ暮れぬとつもるながめに(伏見院)
161 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 19:05:40 ID:S+ZkCing
くらま山月のひかりのあかければいかなりし夜のなにかとぞみる(赤染衛門)
162 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 19:06:16 ID:S+ZkCing
はかなくもなにをしむらん行く年のとどまらなくにせく涙かな(如願)
163 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 19:11:15 ID:JbP/q1iA
夏衣うすくはさらに思はぬをひとへに人のつらしと言ふらむ(続後拾遺950)
164 :
名無氏物語:2006/02/14(火) 19:13:17 ID:JbP/q1iA
わび人や神な月とはなりにけむ涙のごとくふる時雨かな(新勅撰364)
165 :
大沼ユミ:2006/02/14(火) 19:33:40 ID:NwiZ6Bbh
夕暮れは雲のはたてに物ぞ思ふ あまつそらなる人を恋ふとて
166 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 01:12:03 ID:3j7z4KUj
久方のあまつ空にもすまなくに人はよそにぞ思ふべらなる(古今751)
167 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 01:20:38 ID:AqzjGo3F
逢ふ事のなぎさにし寄る浪なればうらみてのみぞ立ちかへりける(古今626)
168 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 01:23:33 ID:AqzjGo3F
立ちかへりあはれとぞ思ふよそにても人に心をおきつしら波(古今474)
169 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 01:27:01 ID:Arg/dw9s
さ夜ふかき軒端の峯に月は入りて暗き檜原に嵐をぞきく
170 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 01:27:56 ID:Arg/dw9s
見るままに山は消えゆく雨雲のかかりもしける槙の一もと
171 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 01:28:45 ID:Arg/dw9s
くらき夜の山松風はさわげども梢の空に星ぞのどけき
172 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 01:30:23 ID:Arg/dw9s
明かしかね窓くらき夜の雨の音に寝覚の心いくしをれしつ
173 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 01:32:16 ID:Arg/dw9s
濡れまさる草葉の色にしられけりそそくも見えぬ夕暮の雨
174 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 01:33:49 ID:Arg/dw9s
山風の吹きわたるかと聞くほどに檜原に雨のかかるなりけり
175 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 01:35:52 ID:SEw5oXOx
逢ふことのなぎさなればや都鳥かよひし跡も絶えて問ひこず(道長[続後撰])
176 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 01:40:08 ID:SEw5oXOx
逢ふことのなぎさにひろふ石なれや見れば涙のまづかかるらん(輔相[新拾遺])
177 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 01:48:12 ID:c5kFqUGu
影さむみかさねて袖におく霜のしろたへ衣月にうつなり(永享百首)
178 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 02:00:10 ID:byLqZJ0F
のどかなる日影とともに軒ちかき梢にうつる鶯のこゑ(新続古今44)
179 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 02:00:49 ID:byLqZJ0F
夕立の雲の衣はかさねても空に涼しき風のおとかな(新続古今321)
180 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 02:01:31 ID:byLqZJ0F
おなじくは思ふ心のおくの海を人にしらせでしづみはてなん(新続古今1383)
181 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 02:08:45 ID:5GvtjKVu
色まさる松こそ見ゆれ君をいのる春の日吉の山のかひより(拾玉集)
182 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 02:09:36 ID:5GvtjKVu
散りはてて花のかげなき木のもとにたつことやすき夏衣かな(新古今集)
183 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 02:10:18 ID:5GvtjKVu
鵜かひ舟あはれとぞ見るもののふの八十宇治川の夕闇の空(新古今集)
184 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 02:11:17 ID:5GvtjKVu
身にとまる思ひをおきのうは葉にてこの比かなし夕暮のそら(新古今集)
185 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 02:12:10 ID:5GvtjKVu
いつまでか涙くもらで月はみし秋待ちえても秋ぞこひしき(新古今集)
186 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 02:13:04 ID:5GvtjKVu
夕まぐれ鴫たつ沢の忘れ水思ひ出づとも袖はぬれなん(続古今集)
187 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 02:30:41 ID:B5odL9RJ
井上和歌子のオッパイパイ
188 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 13:16:47 ID:z9bfYkXJ
>187
いとわろし うつけ者!!雅の心皆無なりけり
189 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 14:42:10 ID:Q3eH82ul
けふのみと春を思はぬ時だにもたつことやすき花の陰かは(凡河内躬恒「古今集」)
190 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 14:53:33 ID:wJPj2qsy
身のうさの秋はわするる物ならば涙くもらで月はみてまし(藤原頼輔「千載集」)
191 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 14:55:16 ID:wJPj2qsy
紫の庭ものどかにかすむ日の光ともなふ鶯のこゑ(九条良経「秋篠月清集」)
192 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 14:55:51 ID:wJPj2qsy
のどかなる霞の色に春みえてなびく柳にうぐひすのこゑ(二条教良女「風雅集」)
193 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 14:56:32 ID:wJPj2qsy
かさねてもうらみやはれぬ七夕のあふ夜まどほの雲の衣は(正親町忠季「新拾遺集」)
194 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 15:02:23 ID:GbIWGwJX
梅の花あかぬ色香もむかしにておなじかたみの春の夜の月(新古47)
195 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 15:03:08 ID:GbIWGwJX
風かよふねざめの袖の花の香にかをる枕の春の夜の夢(新古112)
196 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 15:04:50 ID:GbIWGwJX
なべて世の花ともいはじ小初瀬の山の桜のあけぼのの色(俊成卿女集)
197 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 15:05:29 ID:GbIWGwJX
うらみずやうき世を花のいとひつつさそふ風あらばと思ひけるをば(新古140)
198 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 15:06:59 ID:GbIWGwJX
にほの海はるは霞のしがの波花に吹きなすひらの山風(俊成卿女集)
199 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 15:07:53 ID:GbIWGwJX
月影もうつろふ花にかはる色の夕べを春もみよしの山(俊成卿女集補遺)
200 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 15:12:52 ID:6SqvHPKE
よそにのみ哀れとぞ見し梅の花あかぬ色香は折りてなりけり(素性法師「古今集」)
201 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 15:13:31 ID:6SqvHPKE
わびぬれば身をうき草の根を絶えて誘ふ水あらばいなむとぞ思ふ(小野小町「古今集」)
202 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 15:36:50 ID:OvB6Nunv
むめの花たが袖ふれしにほひぞと春やむかしの月に問はばや(新古46)
203 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 15:37:30 ID:OvB6Nunv
めぐりあはむわがかねごとの命だに心にかなふ春のくれかは(新勅撰1054)
204 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 15:38:32 ID:OvB6Nunv
ながれての名をさへしのぶ思ひ川あはでもきえね瀬々のうたかた(新勅撰704)
205 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 19:51:49 ID:z9bfYkXJ
佐伯山 卯の花持ちし愛しきが手をし取りてば 花は散るとも[万葉集1263]
206 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 21:56:42 ID:8Lk4bLiJ
いとどしく物思ふ宿の荻の葉に秋と告げつる音のわびしさ(読人不知「後撰集」)
207 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 21:57:38 ID:8Lk4bLiJ
思ひ川たえずながるる水の泡のうたかた人に逢はできえめや(伊勢「後撰集」)
208 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 22:14:35 ID:AFgDSQ0F
たちのぼる煙ならずは炭がまをそこともいさやみねのしら雪
209 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 22:15:05 ID:AFgDSQ0F
よし野山ところせきまでみしひとの散々になるはなのふる郷
210 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 22:16:05 ID:AFgDSQ0F
秋の夜のつゆの玉だれひまをあらみもりくるものは山の端の月
211 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 22:17:04 ID:AFgDSQ0F
青柳のなびくを人のこころにてみちある御代のはるぞのどけき
212 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 22:17:47 ID:AFgDSQ0F
こがれ行くふねながしたるおもひしてよらむ方なき君ぞつれなき
213 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 22:32:33 ID:gbMaAGw/
昨日こそ年はくれしか春霞かすがの山にはや立ちにけり
214 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 22:33:07 ID:gbMaAGw/
あすからは若菜つまむと片岡の朝の原はけふぞやくめる
215 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 22:33:58 ID:gbMaAGw/
梅花其とも見えず久方のあまぎる雪のなべてふれれば
216 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 22:35:40 ID:gbMaAGw/
郭公鳴くやさ月の短夜も独しぬればあかしかねつも
217 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 22:36:18 ID:gbMaAGw/
飛鳥河もみぢば流る葛木の山の秋風吹きぞしくらし
218 :
名無氏物語:2006/02/15(水) 22:37:08 ID:gbMaAGw/
ほのぼのと明石の浦の朝ぎりに島がくれ行く舟をしぞ思ふ
219 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 03:09:53 ID:ou5k9Xqj
龍田川もみぢ葉流る神奈備の御室の山に時雨降るらし
220 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 03:16:42 ID:qcPZyTNY
掬ぶ手の滴に濁る山の井のあかでも人に別れぬるかな
221 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 03:22:09 ID:5HzGM2VB
月も入り鐘も声やむ明ぐれの空しづかなる星の影かな
222 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 03:23:16 ID:5HzGM2VB
聞きしをる寝覚の窓は夜ぶかくて槙の葉くらき暁の雨
223 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 03:23:59 ID:5HzGM2VB
里々の鳥の初音は聞こゆれどまだ月たかき暁の空
224 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 03:25:01 ID:5HzGM2VB
たちみだれ風に浮きゆく雨雲に半ば色こき夕暮の山
225 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 03:25:40 ID:5HzGM2VB
かくしてぞ昨日も暮れし山の端の入日ののちに鐘の声々
226 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 03:26:24 ID:5HzGM2VB
山あひに下りしづまれる白雲のしばしと見ればはや消えにけり
227 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 03:31:40 ID:3PcrzXRt
いその神ふるのの桜たれうゑて春はわすれぬかたみなるらむ(新古96)
228 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 03:32:17 ID:3PcrzXRt
ゆくすゑをたれしのべとて夕風に契りかおかむやどのたちばな(新古239)
229 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 03:32:56 ID:3PcrzXRt
あはれ又いかにしのばむ袖のつゆ野原の風に秋はきにけり(新古294)
230 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 03:33:42 ID:3PcrzXRt
深草のさとの月かげさびしさもすみこしままの野べの秋風(新古374)
231 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 07:03:51 ID:YsKD/W4b
色よりもかこそあはれとおもほゆれたが袖ふれしやどの梅ぞも(よみ人しらず「古今集」)
232 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 07:04:57 ID:YsKD/W4b
月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身ひとつはもとの身にして(在原業平「古今集」)
233 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 07:15:50 ID:9danrhP2
ながむれば我が身ひとつのあらぬ世に昔に似たる春の夜の月(続後撰146)
234 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 07:16:46 ID:9danrhP2
つもりぬる別れは春にならへども慰めかねて暮るる空かな(新後拾遺159)
235 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 07:17:17 ID:9danrhP2
折ふしもうつればかへつ世の中の人のこころの花ぞめの袖(新古179)
236 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 07:18:08 ID:9danrhP2
橘のにほふあたりのうたたねは夢もむかしの袖の香ぞする(新古245)
237 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 07:21:48 ID:9danrhP2
しのばじな我もむかしの夕まぐれ花橘に風はすぐらん(俊成卿女集)
238 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 07:22:19 ID:9danrhP2
秋ちかし雲ゐまでとやゆく蛍沢べの水に影のみだるる(風雅400)
239 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 08:21:28 ID:M//0QFOk
いつしかと汀ちかづく波の音に春風しるき志賀のあけぼの(三百六十番歌合)
240 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 08:22:07 ID:M//0QFOk
ちりぬれば匂ひばかりを梅の花ありとや袖に春かぜの吹く(新古53)
241 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 08:22:42 ID:M//0QFOk
あさ日かげにほへる山の桜花つれなく消えぬ雪かとぞ見る(新古98)
242 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 08:23:50 ID:M//0QFOk
橘の匂ひを風のさそひきて昔にかへす夜はのさ衣(六百番歌合)
243 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 08:24:30 ID:M//0QFOk
夕すずみ閨へもいらぬうたた寝の夢をのこしてあくるしののめ(六百番歌合)
244 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 08:25:11 ID:M//0QFOk
すずしさは秋やかへりて初瀬河ふる河のへの杉の下かげ(新古261)
245 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 08:28:14 ID:/sW4KKpW
春霞はやたちぬれや朝日かげにほへる山の空ぞのどけき(伏見院)
246 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 08:29:05 ID:/sW4KKpW
朝日影にほへる山の春風にふもとのさとは梅が香ぞする(一条兼良)
247 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 08:29:44 ID:/sW4KKpW
吉野山つれなくきえぬ白雪やまだ初春のあり明の月(一条兼良)
248 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 08:30:34 ID:/sW4KKpW
いとはやも花ぞまたるる朝日影にほへる山の峰の桜木(三条西実隆)
249 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 08:31:57 ID:/sW4KKpW
夕にも雨とはならじ朝日かげにほへる山の花のしら雲(松永貞徳)
250 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 08:32:44 ID:/sW4KKpW
花ならで花なるものは朝日かげにほへる山の木木のしら雪(小沢蘆庵)
251 :
名無氏物語:2006/02/16(木) 09:42:51 ID:Q1jyrg7/
朝日影にほへる山の桜花千代とことはに見ともあかめや(本居宣長)
252 :
大沼ユミ:2006/02/16(木) 19:45:55 ID:+OiFf4Wv
はかりなき千尋の底の海松ぶさの 生ひゆく末は我のみぞ見む
[源氏・葵110]
天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも(阿部仲麻呂)
254 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 01:09:25 ID:gEGp7up9
朝日影にほへる山に照る月の飽かざる君を山越しに置きて(田部櫟子「万葉集」巻四)
255 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 01:22:59 ID:GZXcsTOl
折りつれば袖こそ匂へ梅の花ありとやここに鶯の鳴く(読人不知「古今集」)
256 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 01:23:29 ID:GZXcsTOl
さよふくるままに汀や凍るらん遠ざかりゆく志賀の浦波(快覚法師「後拾遺集」)
257 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 01:24:36 ID:GZXcsTOl
氷ゐし志賀の唐崎うちとけてさざ浪よする春風ぞ吹く(大江匡房「詞花集」)
258 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 01:30:10 ID:GZXcsTOl
さ月まつ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする(読人不知「古今集」)
259 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 01:36:06 ID:/0doACRR
沈みはてぬ入日は波のうへにして潮干にきよき礒の松原
260 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 01:36:51 ID:/0doACRR
天乙女袖ひるがへす夜な夜なの月を雲ゐに思ひやるかな
261 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 01:37:41 ID:/0doACRR
思はざりし藤の袂の秋の露かかる契りのあはれをぞしる
262 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 01:38:23 ID:/0doACRR
心うつる情けいづれとわきかねぬ花ほととぎす月雪のとき
263 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 01:38:56 ID:/0doACRR
始めなくまよひ初めける長き夜の夢をこのたびいかで覚まさん
264 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 01:39:38 ID:/0doACRR
昔とは遠きをのみは何かいはん近き昨日もけふはむかしを
265 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 01:42:13 ID:NF02IfJX
たのめつつこぬ夜あまたに成りぬればまたじと思ふぞまつにまされる
266 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 01:43:01 ID:NF02IfJX
葦引の山鳥の尾のしだりをのながながし夜をひとりかもねむ
267 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 01:43:41 ID:NF02IfJX
わぎもこがねくたれがみをさるさはの池の玉もと見るぞかなしき
268 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 01:44:27 ID:NF02IfJX
物のふのやそ宇治河のあじろ木にただよふ浪のゆくへしらずも
269 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 01:45:33 ID:NF02IfJX
問ふ人もなきやどなれどくる春はやへむぐらにもさはらざりけり
270 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 01:46:28 ID:NF02IfJX
行きて見ぬ人もしのべと春の野のかたみにつめるわかななりけり
271 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 01:51:47 ID:P0VMqvMs
白露も時雨もいたくもる山は下葉残らず色づきにけり
272 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 01:52:21 ID:P0VMqvMs
吉野川岩波高く行く水の早くぞ人を思ひ初めてし
273 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 02:02:01 ID:mp8fzhny
ききそむる雲井の雁の声よりもおどろかれぬる月のかげかな
274 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 02:02:31 ID:mp8fzhny
しらさぎの雲井遥かに飛びきえておのが羽こぼす雪のあけぼの
275 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 02:03:34 ID:mp8fzhny
鉤簾の外にひとりや月のふけぬらむ夜ごろの袖の涙たづねて
276 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 02:04:21 ID:mp8fzhny
秋ふかくなるをのうらの蜑人はしほたれ衣いまやうつらむ
277 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 02:05:30 ID:mp8fzhny
かり衣すそのの原の花すすきほの見しかげもしもがれにけり
278 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 02:06:09 ID:mp8fzhny
なにはがた入江にわたる風さえてあしの枯葉のおとぞさむけき
279 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 10:54:10 ID:6ahzp6hp
大荒木の杜の木の間をもりかねて人だのめなる秋の夜の月(新古375)
280 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 10:55:01 ID:6ahzp6hp
ことわりの秋にはあへぬ涙かな月の桂もかはる光に(新古391)
281 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 10:55:43 ID:6ahzp6hp
波のうへはちさとのほかに雲さえて月かげかよふ秋のしほ風(俊成卿女集補遺)
282 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 10:56:31 ID:6ahzp6hp
いなば吹く風にまかせてすむ庵は月ぞまことにもり明かしける(新古428)
283 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 10:57:38 ID:6ahzp6hp
すみまさる月ばかりこそ変はりゆくうき世の秋をなほしのびけれ(俊成卿女集)
284 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 10:58:08 ID:6ahzp6hp
吹きまよふ雲ゐをわたる初雁のつばさにならす夜はの秋風(新古505)
285 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 11:01:04 ID:mZ2HJN5c
大荒木の森の下草老いぬれば駒もすさめず刈る人もなし(読人不知「古今集」)
286 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 11:01:49 ID:mZ2HJN5c
久方の月の桂も秋はなほ紅葉すればや照りまさるらむ(読人不知「古今集」)
287 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 11:02:43 ID:mZ2HJN5c
千早ぶる神のいがきにはふ蔦も秋にはあへず移ろひにけり(紀貫之「古今集」)
288 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 11:16:11 ID:3LpuZQLP
こぬ秋のいつ暮れはててうす氷むすぶばかりの山の井の水(雲葉集)
289 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 11:17:03 ID:3LpuZQLP
風わたるあさぢがすゑの露にだにやどりもはてぬよひの稲妻(新古377)
290 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 11:17:48 ID:3LpuZQLP
月みてもわがよはすでに久方のあまねくてらせ秋の心を(建保二年内裏歌合)
291 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 11:18:23 ID:3LpuZQLP
しばの庵まだすみなれぬ明ぼのの苔のたもとよ時雨せずとも(院四十五番歌合)
292 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 11:19:01 ID:3LpuZQLP
夢かよふ道さへたえぬ呉竹のふしみの里の雪の下をれ(新古673)
293 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 11:19:34 ID:3LpuZQLP
忘れじといひしばかりの名残とてその夜の月はめぐりきにけり(新古1277)
294 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 11:25:10 ID:550VWo07
むすぶ手のしづくににごる山の井のあかでも人に別れぬるかな(紀貫之「古今集」)
295 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 11:25:57 ID:550VWo07
初瀬川布留川の辺に二もとある杉 年を経てまたも相見ん二もとある杉(読人不知「古今集」)
296 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 11:26:33 ID:550VWo07
見し秋もあかでやくれしうす氷紅葉をむすぶ山の井の水(寂蓮「正治初度百首」)
297 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 11:50:46 ID:DW1BAqUw
山桜さきそめしより久かたの雲井にみゆる滝の白糸(源俊頼「金葉集」)
298 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 11:52:00 ID:DW1BAqUw
いとせめて恋しき時はむばたまの夜の衣をかへしてぞ着る(小野小町「古今集」)
299 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 11:52:48 ID:DW1BAqUw
くみみてし心ひとつをしるべにて野中の清水わすれやはする(藤原仲実「詞花集」)
300 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 11:53:27 ID:DW1BAqUw
おほかたの露には何のなるならむ袂に置くは涙なりけり(西行「千載集」)
301 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 11:54:10 ID:DW1BAqUw
わがせこが衣のすそを吹き返しうらめづらしき秋の初風(読人不知「古今集」)
302 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 12:03:53 ID:qMJyT849
ことわりの袖の露かな岩木だにぬるればぬるる秋の夕暮(後水尾院)
303 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 12:04:28 ID:qMJyT849
恋ひわたる心ひとつをしるべにて昔にかよふ夢の浮橋(宗尊親王)
304 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 12:15:34 ID:P6tt4aUf
旅ごろもかへす夢路はむなしくて月をぞ見つる有明の空(新勅撰970)
305 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 12:17:12 ID:P6tt4aUf
春くれど野辺の霞につつまれて花のゑまひのくちびるも見ず(永久百首)
306 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 12:17:49 ID:P6tt4aUf
花のちる木の下かげはおのづからそめぬ桜の衣をぞきる(千載85)
307 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 12:18:19 ID:P6tt4aUf
月きよみ明野の原の夕露にささめ分けくる衣さぬれぬ(堀河百首)
308 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 12:18:53 ID:P6tt4aUf
もずのゐる櫨の立枝のうす紅葉たれ我がやどの物と見るらん(金葉243)
309 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 12:27:18 ID:FU1en3xL
よそながらをしき桜のにほひかな誰わがやどの花とみるらん(坂上定茂「後拾遺集」)
310 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 12:27:58 ID:FU1en3xL
矢形尾の真白の鷹を宿に据ゑ掻き撫で見つつ飼はくしよしも(大伴家持「万葉集」)
311 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 12:29:54 ID:FU1en3xL
やかた尾の真白の鷹を引き据ゑて君がみゆきにあはせつるかな(作者不明「古今和歌六帖」)
312 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 14:28:47 ID:tc9Lqi7I
秋のよはやどかる月も露ながら袖に吹きこす荻のうは風(新古424)
313 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 14:29:23 ID:tc9Lqi7I
人はこずはらはぬ庭のきりのはに音なふ雨のおとのさびしさ(建保二年内裏歌合)
314 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 14:29:59 ID:tc9Lqi7I
木の葉ちる時雨やまがふ我が袖にもろき涙の色とみるまで(新古560)
315 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 14:30:51 ID:tc9Lqi7I
霜こほる袖にもかげは残りけり露よりなれし有明の月(新古594)
316 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 14:31:39 ID:tc9Lqi7I
我が恋はあふをかぎりのたのみだにゆくへもしらぬ空のうき雲(新古1135)
317 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 14:33:02 ID:tc9Lqi7I
今こんとちぎりしことは夢ながら見しよににたる有明の月(新古1276)
318 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 14:37:34 ID:Pchl7L9j
今こむと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな(素性法師「古今集」)
319 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 14:38:32 ID:Pchl7L9j
我が恋はゆくへもしらずはてもなし逢ふをかぎりと思ふばかりぞ(凡河内躬恒「古今集」)
320 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 14:39:31 ID:Pchl7L9j
山ふかく又たがかよふ道ならんこれより奥の峯の梯(冬平「玉葉集」)
321 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 17:06:46 ID:64ly50t5
月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身ひとつはもとの身にして(在原業平「古今集」)
322 :
大沼ユミ:2006/02/17(金) 19:49:05 ID:6S6c5Hzk
立ち添ひて消えやしなまし憂き事を思ひ乱るる煙くらべに[女三宮・柏木502]
323 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 21:07:40 ID:550VWo07
わたの原こぎ出でてみれば久方の雲居にまがふ沖つ白波(藤原忠通「詞花集」)
324 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 21:08:37 ID:550VWo07
よりてこそそれかとも見めたそかれにほのぼの見つる花の夕顔(「源氏物語」夕顔)
325 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 21:10:36 ID:550VWo07
五月まつ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする(読人不知「古今集」)
326 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 21:11:14 ID:550VWo07
み狩すと楢の真柴をふみしだき交野の里にけふも暮らしつ(源師頼「堀河百首)
327 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 21:15:31 ID:+Qc2Pr3H
むかひゐて立ちもはなれじ今日よりは花さきそむる窓の梅が枝(公衡集)
328 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 21:16:21 ID:+Qc2Pr3H
へだてつる八重の潮路のうす霞きゆるややがて春の暮れぬる(月詣集)
329 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 21:17:19 ID:+Qc2Pr3H
すぎてゆく秋の日影は朝ごとにうつろふ菊の色に見えけり(公衡集)
330 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 21:18:19 ID:+Qc2Pr3H
昨日みし夢かとぞ思ふ寝ざめして昔をしのぶあかつきの空(新続古今1969)
331 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 21:23:32 ID:wxzwVaAE
契りしにかはる恨みもわすられてその面影はなほとまるかな(新勅撰925)
332 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 21:24:53 ID:wxzwVaAE
思ひ寝のわれのみかよふ夢路にもあひ見てかへる暁ぞなき(新勅撰973)
333 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 21:26:47 ID:wxzwVaAE
夕けぶり野辺にも見えばつひにわが君にかへつる命とを知れ(新勅撰996)
334 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 21:32:42 ID:InhbAHzh
いかばかり思ふと知りてつらからんあはれ涙の色を見せばや(千載721)
335 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 21:33:20 ID:InhbAHzh
はるばるとおまへの沖を見わたせば雲ゐにまがふあまのつり舟(千載1048)
336 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 21:34:30 ID:InhbAHzh
白露のなさけおきける言の葉やほのぼのみえし夕がほの花(新古276)
337 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 21:56:26 ID:/0doACRR
人のうへのはかなき事を聞くにしも身は行く末のよよのかねごと
338 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 21:57:03 ID:/0doACRR
日にそへて憂きふししげみ呉竹の世に経がたくもなりまさるかな
339 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 21:57:52 ID:/0doACRR
手すさびにつけおく墨も行く末は誰かあはれと水茎の跡
340 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 21:58:34 ID:/0doACRR
かりそめに心の宿となれる身をあるもの顔になに思ふらん
341 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 21:59:43 ID:/0doACRR
春きぬと思ひなしぬる朝けより空も霞の色になりゆく
342 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 22:00:58 ID:/0doACRR
のどかにもやがてなり行くけしきかな昨日の日影けふの春雨
343 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 22:04:10 ID:3LpuZQLP
さらでだに恨みんと思ふわぎも子が衣のすそに秋風ぞ吹く(新古1305)
344 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 22:04:41 ID:3LpuZQLP
物思はでただおほかたの露にだにぬるればぬるる秋のたもとを(新古1314)
345 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 22:05:23 ID:3LpuZQLP
思ふことの身にしみまさるながめかな雲のはたての空の秋風(水無瀬恋十五首歌合)
346 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 22:06:06 ID:3LpuZQLP
思ひ寝の心ひとつをしるべにて昔にかへる夢のかよひぢ(三百六十番歌合)
347 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 22:07:49 ID:3LpuZQLP
旅ごろもかへす夢路はむなしくて月をぞ見つる有明の空(新勅撰970)
348 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 22:08:25 ID:3LpuZQLP
春の雨のあまねき御代をたのむかな霜にかれゆく草葉もらすな(新古1478)
349 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 22:11:33 ID:NF02IfJX
花もみなちりぬるやどは行く春の故郷とこそ成りぬべらなれ
350 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 22:12:14 ID:NF02IfJX
夏の夜のふすかとすれば郭公鳴く一声にあくるしののめ
351 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 22:12:46 ID:NF02IfJX
見る人もなくてちりぬるおく山の紅葉はよるの錦なりけり
352 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 22:13:24 ID:NF02IfJX
桜ちるこのした風は寒からでそらにしられぬ雪ぞふりける
353 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 22:14:57 ID:NF02IfJX
こぬ人をしたにまちつつ久方の月をあはれといはぬよぞなき
354 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 22:15:31 ID:NF02IfJX
思ひかね妹がりゆけば冬の夜の河風寒み千鳥なくなり
355 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 22:22:50 ID:gePTpTyP
なごの海のいる日をあらふ浪のうへに春の別れの色をそへつつ(後鳥羽院)
356 :
名無氏物語:2006/02/17(金) 22:23:45 ID:gePTpTyP
見渡せば空のかぎりもなごの海の霞にかかる沖つしら波(頓阿)
357 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:19:25 ID:1r77nop/
なごの海の霞の間よりながむれば入日をあらふ沖つ白波(新古35)
358 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:26:07 ID:1r77nop/
身にしみて花をも何か惜しむべきこれも此の世のすさみと思へば(林下集)
359 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:27:02 ID:1r77nop/
はかなさをほかにもいはじ桜花さきては散りぬあはれ世の中(新古141)
360 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:28:00 ID:1r77nop/
ほととぎす鳴きつる方をながむればただ有明の月ぞのこれる(千載161)
361 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:33:37 ID:YyvcuA5K
時鳥過ぎつる方の雲まより猶ながめよといづる月かげ(宜秋門院丹後[玉葉])
362 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:34:21 ID:YyvcuA5K
ほととぎす鳴きつる雲をかたみにてやがてながむる有明の空(式子内親王[玉葉])
363 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:36:08 ID:4OsSOXf4
恋死なむ後はなにせむ生ける日のためこそ妹を見まくほりけれ
364 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:36:42 ID:NX1EnxrN
沖つ風吹きにけらしな住吉の松のしづ枝をあらふ白波(源経信「後拾遺集」)
365 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:37:26 ID:YyvcuA5K
時鳥いま一こゑをまちえてや鳴きつるかたを思ひさだめん(長舜[新後撰])
366 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:38:18 ID:YyvcuA5K
ほととぎす鳴きて過行く山のはに今一声と月ぞのこれる(浄弁[新拾遺])
367 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:38:49 ID:4OsSOXf4
鳥辺山谷に煙の燃え立たばはかなく見えしわれと知らなむ
368 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:41:11 ID:YyvcuA5K
たづのすむ沢べの葦の下根とけ汀もえいづる春は来にけり(大中臣能宣[後拾遺])
369 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:41:46 ID:YyvcuA5K
焼きすてし煙の末の立かへり春もえ出づる野べのさわらび(亀山院[新千載])
370 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:43:08 ID:YyvcuA5K
飛鳥風いたづらに吹く宵々に秋ぞこととふたをやめの袖(亀山院[新続古今])
371 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:44:50 ID:4OsSOXf4
人はよし思ひやむとも玉鬘影に見えつつ忘らえぬかも
372 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:44:50 ID:YyvcuA5K
大伴の御津の浜松かすむなりはや日の本に春やきぬらん(宗尊親王[続古今])
373 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:45:40 ID:YyvcuA5K
春くれば宿にまづさく梅の花きみがちとせのかざしとぞみる(紀貫之[古今])
374 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:46:15 ID:NX1EnxrN
かぞふれば八とせ経にけりあはれ我がしづみしことは昨日と思ふに(千載1262)
375 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:46:49 ID:YyvcuA5K
天の川川音すみて彦星の妻迎へ舟まつや久しき(土御門院小宰相[新続古今])
376 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:47:22 ID:YyvcuA5K
天の川かはべの霧のふかき夜に妻むかへ舟いまか出づらし(花園院[新千載])
377 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:47:37 ID:4OsSOXf4
今のごと過ぎにし方の恋しくは永らえましやかかる憂き世に(夜半の寝覚め)
378 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:48:02 ID:YyvcuA5K
かへりこむ程もさだめぬ別れぢは都のてぶり思ひいでにせよ(藤原公実[千載])
379 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:49:58 ID:YyvcuA5K
かからむとかねて知りせば越の海の有磯の波も見せましものを(大伴家持[万葉])
380 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:50:35 ID:4OsSOXf4
嘆きわび身をば捨つとも亡き影に憂き名流さむことをこそ思え(源氏物語 浮舟巻)
381 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:51:47 ID:YyvcuA5K
妹がみし屋戸に花さき時はへぬ我が泣く涙いまだひなくに(大伴家持[万葉])
382 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 01:52:05 ID:4OsSOXf4
山吹の立ち装いたる山清水汲みに行かめど道の知らなく
383 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:04:00 ID:J3ccb51+
天の川うきつの波に彦星の妻むかへ舟いまやこぐらし(藤原敦仲[新勅撰])
384 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:05:08 ID:J3ccb51+
しなざかる越に五年住み住みて立ち別れまく惜しき宵かも(家持[万葉])
385 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:13:38 ID:XuVaOez7
日かげみぬ深山がくれにながれきて雪げの水の又こほりぬる(千五百番歌合)
386 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:14:31 ID:XuVaOez7
いまさらに花ゆゑなにか思ひ出でむわするる時のあらばこそあらめ(三百六十番歌合)
387 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:15:46 ID:XuVaOez7
まどちかきいささむら竹風ふけば秋におどろく夏の夜の夢(新古257)
388 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:16:53 ID:XuVaOez7
よそにては軒の橘かをる夜にむかし語りをしのぶとやみむ(水無瀬恋十五首歌合)
389 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:17:29 ID:XuVaOez7
なにかその心の外にしをりせん立ちかへるべき恋路ならねば(新続古今1024)
390 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:23:03 ID:FLGghKBK
まとひあひて尾花くず花なでしこの花にもさける朝がほのはな(大隈言道)
391 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:23:57 ID:FLGghKBK
せりなづなごぎやうはこべら仏のざすずなすずしろ是は七種(梵灯)
392 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:24:59 ID:FLGghKBK
野べにいでて見れどもあかず萩が花をばな葛花いまさかりなり(藤原光俊)
393 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:25:44 ID:FLGghKBK
雉食へばましてしのばゆ再た娶りあかあかと冬も半裸のピカソ(塚本邦雄)
394 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:31:52 ID:Q3873jle
白金も金も玉も天地の賜はる国ぞなにかなげかん(楫取魚彦)
395 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:32:34 ID:Q3873jle
銀も金も玉もよしゑやし飲みての後は欲しけくもなし(鹿持雅澄)
396 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:33:21 ID:NX1EnxrN
ももちどり声のどかにて遠近の山はかすめる春の日ぐらし(玉葉25)
397 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:33:44 ID:Q3873jle
暮れゆけばさしてぞ恋ふるひのもとのみつの浜松いつとわきける(藤原家隆)
398 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:34:52 ID:Q3873jle
梅がえの花も氷やとぢつらんうぐひすの涙いまだひなくに(亀山院)
399 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:36:34 ID:Q3873jle
香をとめて人も見に来ぬ梅の花待ちくらしつつ独りをるかな(壬生忠見)
400 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:41:02 ID:V3Vm6Se6
山の端も消えていくへの夕霞かすめるはては雨になりぬる
401 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:41:48 ID:V3Vm6Se6
いつはとも心に時はわかなくに遠の柳の春になる色
402 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:42:30 ID:V3Vm6Se6
かすみゆく波路の舟もほのかなりまつらが沖の春の明けぼの
403 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:43:26 ID:V3Vm6Se6
知られずも心のそこや春になる時なる頃と花の待たるる
404 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:43:57 ID:V3Vm6Se6
花よいかに春日うららに世はなりて山の霞に鳥の声々
405 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 02:45:11 ID:V3Vm6Se6
山桜この夜のまにや咲きぬらし朝けの霞色にたなびく
406 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 07:17:28 ID:kAVnt+Pd
ひたぶるに恨みつるかな恋ひそめし心のとがを人に負ほせて(正治初度百首)
407 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 07:25:09 ID:kAVnt+Pd
風のおとにわきぞかねまし松が根の枕にもらぬ時雨なりせば(千載525)
408 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 07:33:53 ID:TNTPdklc
春霞かすみなれたるけしきかな睦月もあさき日数と思ふに(玉葉6)
409 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 07:45:18 ID:gx5JGP74
風まぜにあられたばしるささ枕ゆめもむすばぬ旅寝わびしき
410 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 07:45:56 ID:gx5JGP74
ささずとて誰かは越えむあふ坂の関の戸うづむ夜半のしら雪
411 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 07:47:04 ID:gx5JGP74
誰が袖に匂ひをふれて散り残る色香すくなきにはの梅がえ
412 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 07:47:42 ID:gx5JGP74
をちかたにゆふつけ鳥の声すなりいざそのさとに宿りとらまし
413 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 07:48:22 ID:gx5JGP74
よし野山はなまつ頃の朝な朝な心にかかるみねのしら雲
414 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 07:49:25 ID:gx5JGP74
やま賤の朝けの煙うちしめりしぐれしそらにふゆはきにけり
415 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 07:53:14 ID:jMhbHcpQ
ながむればわが身ひとつのあらぬ世に昔に似たる春の夜の月(藤原俊成女「続後撰集」)
416 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 07:53:52 ID:jMhbHcpQ
さらでだにかわかぬ袖ぞ清見がたしばしなかけそ浪の関守(源俊頼「新後撰集」)
417 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 07:54:40 ID:jMhbHcpQ
花さそふ嵐や峰をわたるらん桜なみよる谷川の水(源雅兼「金葉集」)
418 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 07:56:18 ID:jMhbHcpQ
我が宿の花みがてらにくる人は散りなん後ぞ恋しかるべき(凡河内躬恒「古今集」)
419 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 07:57:22 ID:jMhbHcpQ
奥山に紅葉ふみわけ鳴く鹿のこゑきく時ぞ秋はかなしき(読人不知「古今」)
420 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 08:01:01 ID:2Vz8F6Ux
あだに散る露の枕にふしわびて鶉なくなりとこの山風(新古514)
421 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 08:01:51 ID:2Vz8F6Ux
とふ人も嵐吹きそふ秋はきて木の葉にうづむ宿の道芝(新古515)
422 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 08:02:39 ID:2Vz8F6Ux
色かはる露をば袖に置きまよひうらがれてゆく野辺の秋風(新古516)
423 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 08:03:11 ID:2Vz8F6Ux
真木の屋のあられ降る夜の夢よりもうき世をさませ四方の木枯し(俊成卿女集)
424 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 08:03:51 ID:2Vz8F6Ux
さえわびてさむる枕に影みれば霜ふかき夜の有明の月(新古608)
425 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 08:04:38 ID:2Vz8F6Ux
霜枯れはそことも見えぬ草の原たれにとはまし秋のなごりを(新古617)
426 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 08:28:09 ID:6Jw6d4OV
尋ぬべき草の原さへ霜枯れて誰に問はまし道芝の露(狭衣物語)
427 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 08:28:47 ID:6Jw6d4OV
うき身世にやがて消えなば尋ねても草の原をば問はじとや思ふ(源氏物語)
428 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 10:33:25 ID:4OsSOXf4
今日来ずは明日は雪とぞ降りなまし消えずはありとも花とみましや(古今集)
429 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 16:32:01 ID:8u64vVTc
消え果てて煙は空にかすむとも雲のけしきをわれと知らじな(「狭衣物語」巻四)
430 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 16:32:40 ID:8u64vVTc
かすめよな思ひ消えなむ煙にも立ち遅れてはくゆらざらまし(狭衣物語」巻四)
431 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 16:48:24 ID:kAVnt+Pd
あかなくに袖につつめば散る花をうれしと思ふになりぬべきかな(千載91)
432 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 16:48:57 ID:kAVnt+Pd
恋ひ死なば我ゆゑとだに思ひ出でよさこそはつらき心なりとも(千載774)
433 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 17:03:22 ID:bWVrIq/U
野辺の色はみな薄墨になりにけりしばしとみつる夕霧の空(元久本家集)
434 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 17:04:15 ID:bWVrIq/U
うき寝するゐなのみなとに聞こゆなり鹿のねおろす峰の松風(千載313)
435 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 17:04:56 ID:bWVrIq/U
くもりなく月すむ峰にきてみれば千里は山のふもとなりけり(寿永本家集)
436 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 17:05:58 ID:bWVrIq/U
たれすみて宿の梢とながむらん時雨にくもる遠の山もと(正治初度百首)
437 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 17:07:42 ID:bWVrIq/U
うたたねの夢やうつつにかよふらむさめてもおなじ時雨をぞきく(千載407)
438 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 17:08:51 ID:bWVrIq/U
雲はれてのちもしぐるる柴の戸や山風はらふ松のした露(新古573)
439 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 17:19:58 ID:0xjOs0x1
恋ひ死なむのちのうき世はしらねども生きてかひなき物は思はじ(新勅撰838)
440 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 17:21:28 ID:0xjOs0x1
わするなよなれし雲ゐのさくら花うき身は春のよそになるとも(新勅撰1044)
441 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 17:33:21 ID:AxVGQtOo
あさ日山いつしか春の景色にて霞をながす宇治の河浪(正治初度百首)
442 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 17:34:41 ID:AxVGQtOo
いづかたの梅の立ち枝に風ふれて思はぬ袖に香をとどむらん(正治初度百首)
443 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 17:39:53 ID:AxVGQtOo
をる袖にしまざりけりな梅の花思ふこころのふかさばかりは(小侍従集)
444 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 17:40:27 ID:AxVGQtOo
いかなればそのかみ山のあふひ草年はふれども双葉なるらん(新古183)
445 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 17:41:17 ID:AxVGQtOo
おり立ちてつむべきなぎの葉もみえず田中の井戸に五月雨のころ(正治初度百首)
446 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 17:42:03 ID:AxVGQtOo
まれにあふ秋の七日のくれはとりあやなくやがて明けぬこの夜は(玉葉
447 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 17:42:10 ID:hgBcdBYW
こえかぬる岩根の道に宿とへば猶山ふかき鐘のおとかな(為藤[新続古今集])
448 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 17:45:55 ID:RuiUq2D8
たのみこしそのかみ山の葵草思へばかけぬ年のなきかな(二条院讃岐)
449 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 17:46:50 ID:RuiUq2D8
滝川や浪も氷のひま出でて霞をながす春の山風(一条冬良)
450 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 17:47:25 ID:RuiUq2D8
すみとげむ我が世ぞしらぬ秋ごとにかはらぬ月のかげをみるにも(伏見院)
451 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 17:48:59 ID:RuiUq2D8
待つよひの更行くかねのうさまでは恨みもあへぬほととぎすかな(花山院師兼)
452 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 17:53:51 ID:RuiUq2D8
あなこひし恋しやこひしこひしさをいかにやいかにいかにせんせん(隆房)
453 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 17:54:55 ID:RuiUq2D8
あさからぬこの世ひとつのなげきかは夢よりのちの罪のふかさよ(隆房)
454 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 18:24:32 ID:NX1EnxrN
そむく身はさすがにやすきあらましに猶山ふかき宿もいそがず(兼好)
455 :
大沼ユミ:2006/02/18(土) 19:28:35 ID:Y8yZw/Rr
深草の野辺の桜し心あらばことしばかりは墨染めに咲け[上野峰雄・古今集832]
456 :
名無氏物語:2006/02/18(土) 21:18:23 ID:4OsSOXf4
朝顔をなにはかなしと思ひけむ人をん花はいかが見るらむ
457 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 01:23:30 ID:eaubg6td
富士の高嶺に 降る雪も
京都先斗町に 降る雪も
雪に変りは ないじゃなし
とけて流れりゃ 皆同じ
458 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 02:36:50 ID:01xi8bta
たまさかに秋のひと夜を待ち得ても明くる程なき星合の空(新勅撰220)
459 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 02:38:59 ID:01xi8bta
人しれぬうき身にしげき思ひ草おもへば君ぞ種はまきける(新勅撰774)
460 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 02:55:28 ID:p0/cY/DT
君ゆゑにしらぬ山路にまよひつつうきねの床に旅寝をぞする(小督)
461 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 02:58:04 ID:bCNGSOK1
雲となり雨となりても身にそはばむなしき空を形見とやみん(新勅撰830)
462 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 02:59:45 ID:bCNGSOK1
いかなりし時ぞや夢に見しことはそれさへにこそ忘られにけれ(新勅撰831)
463 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:08:38 ID:36deJwdH
春をうくる時のこころはひとしきを柳桜のおのがいろいろ
464 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:09:36 ID:36deJwdH
ひととせはみな春ながら過ぎななむのどかに花の色もみるべく
465 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:10:54 ID:36deJwdH
枝もなく咲きかさなれる花の色に梢もおもき春の曙
466 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:11:58 ID:36deJwdH
花のうへの暮れゆく空にひびき来て声に色ある入相の鐘
467 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:12:53 ID:36deJwdH
道の辺や木の下ごとのやすらひに待つらん花の宿や暮れなん
468 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:13:40 ID:36deJwdH
飛ぶ鳥の送りのつばさしをるらし雲路雨なる春の別れに
469 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:20:48 ID:7cUarkFZ
恋ひ死なばうかれん魂よしばしだに我が思ふ人のつまにとどまれ(艶詞)
470 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:28:44 ID:LV+BZV6A
君まさで煙たえにししほがまのうらさびしくも見え渡るかな
471 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:29:24 ID:LV+BZV6A
逢坂の関のし水に影見えて今や引くらんもち月の駒
472 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:30:06 ID:LV+BZV6A
春立つとききつるからに春日山きえあへぬ雪の花と見ゆらむ
473 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:30:53 ID:LV+BZV6A
香をとめて誰をらざらむ梅花あやなしかすみたちなかくしそ
474 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:31:44 ID:LV+BZV6A
山たかみ雲井に見ゆるさくら花心の行きてをらぬ日ぞなき
475 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:32:27 ID:LV+BZV6A
わがやどの花見がてらにくる人はちりなむのちぞこひしかるべき
476 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:35:21 ID:+SwTLPR9
今日のみと春をおもはぬ時だにも立つ事やすき花のかげかは
477 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:35:57 ID:+SwTLPR9
郭公夜深き声は月まつといもねであかす人ぞききける
478 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:36:49 ID:+SwTLPR9
立ちとまり見てをわたらむもみぢばは雨とふるとも水はまさらじ
479 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:37:33 ID:+SwTLPR9
心あてにをらばやをらむはつしものおきまどはせるしらぎくのはな
480 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:38:15 ID:+SwTLPR9
わがこひはゆくへもしらずはてもなしあふをかぎりとおもふばかりぞ
481 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:38:51 ID:+SwTLPR9
ひきうゑし人はむべこそおいにけれまつのこだかくなりにけるかな
482 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:41:58 ID:aDLdLU1u
世々の人の月はながめしかたみぞとおもへばおもへばぬるる袖かな
483 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:42:39 ID:aDLdLU1u
清見がたまだ明けやらぬ関の戸を誰がゆるせばか月のこゆらん
484 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:43:10 ID:aDLdLU1u
こしかたも帰るところもしらぬ身をおもへばそらにみする月かな
485 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:43:51 ID:aDLdLU1u
さびしさの種をぞうゑし宵々にゆめおどろかす庭の荻原
486 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:44:25 ID:aDLdLU1u
おもふらし桜かざししみや人のかつらををらぬ月のうらみは
487 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 03:44:57 ID:aDLdLU1u
くれてこそ人すむ庵もしられけれかた山かげのまどのともし火
488 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 06:22:04 ID:i8k1xXnE
花の色はうつりにけりないたづらに我が身世にふるながめせしまに
489 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 16:29:59 ID:O+efKIr3
ことの葉の露におもひをかけし人身こそはきゆれ心きえめや(玉葉2464)
490 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 16:42:00 ID:fSE1ck52
花をみし秋の嵯峨野の露の色も枯葉の霜にかはる月影(俊成卿女集補遺)
491 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 16:42:45 ID:fSE1ck52
かきくらし日数ふるやの軒とぢて空には深き雪の白雲(俊成卿女集)
492 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 16:44:47 ID:fSE1ck52
まがへ来し月と花とのあはれまで雪にこもれるみ吉野の山(俊成卿女集)
493 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 16:47:33 ID:fSE1ck52
へだて行くよよの面かげかきくらし雪とふりぬるとしの暮かな(新古693)
494 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 16:48:26 ID:fSE1ck52
下もえに思ひ消えなむ煙だに跡なき雲のはてぞかなしき(新古1081)
495 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 16:49:04 ID:fSE1ck52
しられじな夕べの雲をそれとだにいはで思ひの下に消えなば(続後撰674)
496 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 16:58:27 ID:7yaxrAcU
色にのみそめし心のくやしきをむなしととける法のうれしさ(新古1936)
497 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 17:28:00 ID:xmIbH8eE
心にも袖にもとまる移り香を枕にのみや契りおくべき(建礼門院右京大夫集)
498 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 17:37:18 ID:JMI5Y7Ue
をののえもかくてや人はくたしけむ山路おぼゆる春の空かな(新勅撰118)
499 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 17:38:40 ID:JMI5Y7Ue
しのびづまかへるなごりのうつりがを袖にあらそふ窓の梅がえ(玉葉1860)
500 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 17:44:01 ID:JMI5Y7Ue
みよしののかすみのうちに雪ちりて行すゑとほき花のおくかな(正治初度百首)
501 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 17:50:22 ID:7cUarkFZ
思ひかね心は空にみちのくのちかの塩竃ちかきかひなし(艶詞)
502 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 17:51:11 ID:7cUarkFZ
ふる袖は涙にぬれてくちにしをいかにたちまふわが身なるらん(艶詞)
503 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 18:05:25 ID:IebDz61N
風わたる夕草かげに涼みきてただ一ときの秋ぞうれしき(正治初度百首)
504 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 18:33:46 ID:P+AFwaa1
忍び妻おきゆく床に匂ひきて軒ばの梅ぞ名残がほなる(寂然「玄玉集」)
505 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 18:52:57 ID:4rYWwb//
あさぢ原春雨すがるわか葉よりみどりをうつす玉ぞこぼるる(老若五十首歌合)
506 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 18:53:27 ID:4rYWwb//
折にあへばこれもさすがにあはれなり小田のかはづの夕暮の声(新古1477)
507 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 18:54:09 ID:4rYWwb//
花になれし名残を雲にながむればやよひの暮の春雨の空(千五百番歌合)
508 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 18:55:07 ID:4rYWwb//
桜色の花のたもとをたちかへてふたたび春のなごりをぞ思ふ(玉葉295)
509 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 18:56:40 ID:4rYWwb//
あふちさくそとものこかげ露おちて五月雨はるる風わたるなり(新古234)
510 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 18:57:24 ID:4rYWwb//
たちばなの花ちる軒のしのぶぐさ昔をかけて露ぞこぼるる(新古241)
511 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 19:02:57 ID:5HNTMTbF
さくら色に染めし衣をぬぎかへて山ほととぎす今日よりぞ待つ(和泉式部「後拾遺集」)
512 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 19:04:09 ID:5HNTMTbF
あふちさく梢に雨はややはれて軒のあやめにのこる玉水(平経親「風雅集」)
513 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 19:14:00 ID:pd2yfQTB
あふちさく山田の木蔭風すぎてみるもすずしくとる早苗かな(飛鳥井雅有)
514 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 19:15:17 ID:pd2yfQTB
露はらふ風ぞ涼しきあふち開く外面のかげの夏の夕暮(二条為親)
515 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 22:59:17 ID:u544exjz
ひたぶるに死なば何かはさもあらばあれ生きてかひなき物思ふ身は(読人不知「拾遺集」)
あひ見しもまだ見ぬ恋も ほととぎす月に鳴く夜ぞ世に似ざりける
517 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 01:44:29 ID:tfF8Kodz
ひぐらしのこゑばかりするしばのとはいり日のさすにまかせてぞみる(藤原顕季「金葉集」)
518 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 01:57:56 ID:FTwnJEvy
秋かけていひしながらもあらなくに木の葉ふりしくえにこそありけれ(「伊勢物語」第九十六段)
519 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 02:10:59 ID:eDj66gKH
春とてや山郭公なかざらん青葉の木々のむらさめの宿
520 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 02:14:30 ID:eDj66gKH
鳴きぬべき夕暮ごとのあらましに聞かでなれぬる郭公かな
521 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 02:15:14 ID:eDj66gKH
こぼれ落つる池のはちすの白露はうき葉の玉と又なりにけり
522 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 02:16:01 ID:eDj66gKH
風はやみ雲の一むら峰こえて山見えそむる夕立の跡
523 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 02:17:19 ID:eDj66gKH
月や出づる星の光のかはるかな涼しき風の夕やみの空
524 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 02:19:31 ID:eDj66gKH
涼みつるあまたの宿もしづまりて夜更けてしろき道の辺の月
525 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 02:24:44 ID:55JMGR/3
青柳の枝にかかれる春雨はいともてぬける玉かとぞ見る
526 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 02:25:26 ID:55JMGR/3
千とせふる松といへどもうゑて見る人ぞかぞへてしるべかりける
527 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 02:26:11 ID:55JMGR/3
春ごとに花の鏡となる水はちりかかるをやくもるといふらん
528 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 02:27:20 ID:55JMGR/3
ちりちらずきかまほしきをふるさとの花見てかへる人もあはなむ
529 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 02:28:35 ID:55JMGR/3
いづくまで春はいぬらんくれはててあかれしほどはよるになりにき
530 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 02:29:22 ID:55JMGR/3
ふたこゑときくとはなしに郭公夜深くめをもさましつるかな
531 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 02:34:48 ID:owGymCki
うたふ夜のあか月ふかく声さえて神代ながらのすずの音かな
532 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 02:35:53 ID:owGymCki
夕々ほとけのみなをとなへつつつみもきえ行く衣手のつゆ
533 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 02:37:13 ID:owGymCki
けふつひに秋の時雨のあらましをそらごとにせぬ冬は来にけり
534 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 02:37:58 ID:owGymCki
さすがまた小田もる賤も鹿の音の遠ざかるをばしたひてや聞く
535 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 02:38:41 ID:owGymCki
かへりみるあとの山風ふきしよりやがて時雨のみちいそぐらし
536 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 02:39:13 ID:owGymCki
あをやぎのいとくり返すそのかみはたが小手巻のはじめ成るらむ
537 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 02:45:18 ID:sLx52aN0
くれなゐに木のはの色のなりぬれば時雨をそむるもみぢなりけり(慈円「拾玉集」)
538 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 02:54:23 ID:sLx52aN0
さざ浪や志賀の都はあれにしを昔ながらの山ざくらかな(平忠度「千載集」)
539 :
五木元太郎:2006/02/20(月) 06:46:01 ID:FCul2Dsj
山水を汲んで立てたる茶の湯気も空にのぼらば雲になりける 羽澄不一
540 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 09:36:12 ID:20PGZ/LO
駿河なる宇津の山べのうつつにも夢にも人にあはぬなりけり(「伊勢物語」第九段)
541 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 09:42:12 ID:Dwp+x0Pr
いかなりし風のたよりに聞きそめて身にしむ恋のつまとなりけん(新千載1036)
542 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 09:42:54 ID:Dwp+x0Pr
面影のかすめる月ぞやどりける春やむかしの袖の涙に(新古1136)
543 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 09:43:36 ID:Dwp+x0Pr
露はらふ寝覚は秋の昔にて見はてぬ夢にのこる面影(新古1326)
544 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 09:44:21 ID:Dwp+x0Pr
ふりにけり時雨は袖に秋かけていひしばかりを待つとせしまに(新古1334)
545 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 09:45:25 ID:Dwp+x0Pr
かよひこし宿の道芝かれがれに跡なき霜のむすぼほれつつ(新古1335)
546 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 09:46:11 ID:Dwp+x0Pr
夢かとよ見し面影も契りしも忘れずながらうつつならねば(新古1391)
547 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 09:49:28 ID:ajEb1K8y
夏深き杜のした陰風すぎて梢をわたる日ぐらしの声(正治初度百首)
548 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 09:51:59 ID:ajEb1K8y
夕づく日さすやいほりのしばのとにさびしくもあるかひぐらしの声(新古269)
549 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 09:52:42 ID:ajEb1K8y
たのめおきしあさぢが露に秋かけて木の葉ふりしく宿のかよひぢ(新古1128)
550 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 09:53:51 ID:ajEb1K8y
さらにまた時雨をそむるもみぢかな散りしく上の露のいろいろ(正治初度百首)
551 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 09:54:45 ID:ajEb1K8y
露霜にまがきの萩はかれはてて木の葉の底にのこる虫のね(正治初度百首)
552 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 16:46:52 ID:YaMB2k3a
虫のねのよわりはてぬる庭のおもに荻の枯葉の音ぞのこれる(殷富門院大輔)
553 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 17:04:25 ID:HXq//rQx
たづねばや誰がすむ里の一むらぞ主おぼほゆる花のおくかな(良経)
554 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 17:12:02 ID:KVqKHEki
むめの花たが袖ふれしにほひぞと春やむかしの月に問はばや(新古46)
555 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 17:12:34 ID:KVqKHEki
いその神ふるのの桜たれうゑて春はわすれぬかたみなるらむ(新古96)
556 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 17:13:06 ID:KVqKHEki
ゆくすゑをたれしのべとて夕風に契りかおかむやどのたちばな(新古239)
557 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 17:13:47 ID:KVqKHEki
あはれ又いかにしのばむ袖のつゆ野原の風に秋はきにけり(新古294)
558 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 17:14:26 ID:KVqKHEki
深草のさとの月かげさびしさもすみこしままの野べの秋風(新古374)
559 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 17:15:05 ID:KVqKHEki
秋のよはやどかる月も露ながら袖に吹きこす荻のうは風(新古424)
560 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 17:17:50 ID:/mnWCAbC
春雨に野沢の水はまさらねどもえ出づる草ぞふかくなりゆく(新後拾遺61)
561 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 17:18:33 ID:/mnWCAbC
宿もがな佐野のわたりのさのみやはぬれてもゆかん春雨の比(新拾遺811)
562 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 17:19:22 ID:/mnWCAbC
いづこにもふりさけいまやみかさ山もろこしかけていづる月かげ(新勅撰1277)
563 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 17:20:06 ID:/mnWCAbC
秋の月しのに宿かるかげたけて小笹がはらに露ふけにけり(新古425)
564 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 17:20:45 ID:/mnWCAbC
かぞふれば四十あまりの秋の霜身のふりゆかむはてをしらばや(続拾遺617)
565 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 17:21:22 ID:/mnWCAbC
もみぢ葉のちりかひくもる夕しぐれいづれか道と秋のゆくらん(新勅撰1099)
566 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 17:26:58 ID:iNlwkSHM
けふは又しらぬ野原に行きくれぬいづれの山か月はいづらん(新古956)
567 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 17:27:43 ID:iNlwkSHM
もしほぐさかくともつきじ君が代の数によみおくわかの浦なみ(新古741)
568 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 17:47:08 ID:iNlwkSHM
難波がたかすまぬ浪もかすみけりうつるもくもるおぼろ月夜に(新古57)
569 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 17:48:07 ID:iNlwkSHM
時しもあれたのむの雁のわかれさへ花ちる比のみよしのの里(新古121)
570 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 17:48:49 ID:iNlwkSHM
しきたへの枕のうへにすぎぬなり露をたづぬる秋の初かぜ(新古295)
571 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 17:49:34 ID:iNlwkSHM
木がらしやいかにまちみんみわの山つれなき杉の雪折れのこゑ(千五百番歌合)
572 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 17:50:29 ID:iNlwkSHM
いまはとて思ひたゆべき槙の戸をささぬやまちしならひなるらん(続後撰956)
573 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 17:59:23 ID:cRN3n9Ae
わが庵は三輪の山もと恋しくはとぶらひきませ杉たてる門(よみ人しらず「古今集」)
574 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:01:13 ID:cRN3n9Ae
みわの山いかにまち見む年ふともたづぬる人もあらじと思へば(伊勢「古今集」)
575 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:11:38 ID:cRN3n9Ae
しきたへの枕の下に海はあれど人をみるめは生ひずぞありける(紀友則「古今集)
576 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:12:37 ID:cRN3n9Ae
みよし野のたのむの雁もひたぶるに君がかたにぞよると鳴くなる(「伊勢物語」第十段)
577 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:17:46 ID:cRN3n9Ae
けふごとに天つ星あひをかぞふればよそぢあまりの秋ぞへにける(能因法師「能因集」)
578 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:18:38 ID:cRN3n9Ae
天の原ふりさけみれば春日なる三笠の山に出でし月かも(安倍仲麿「古今集」)
579 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:19:19 ID:cRN3n9Ae
朽ちはつる尾花が本の思ひ草はかなの野べの露のよすがや(俊成卿女「俊成卿女集」)
580 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:19:52 ID:cRN3n9Ae
道の辺の尾花がもとの思ひ草今更になど物か思はむ(「万葉集」巻十)
581 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:21:31 ID:cRN3n9Ae
今こむと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな(素性法師「古今集」)
582 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:24:01 ID:cRN3n9Ae
我が恋はゆくへもしらずはてもなし逢ふをかぎりと思ふばかりぞ(凡河内躬恒「古今集」)
583 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:25:03 ID:cRN3n9Ae
夕されば野べの秋風身にしみてうづら鳴くなりふか草のさと(藤原俊成「久安百首」)
584 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:25:33 ID:cRN3n9Ae
年をへてすみこし里を出でていなばいとど深草野とやなりなむ(在原業平「古今集」)
585 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:26:26 ID:cRN3n9Ae
夕されば野べの秋風身にしみてうづら鳴くなりふか草のさと(藤原俊成「千載集」)
586 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:28:51 ID:cRN3n9Ae
年をへてすみこし里を出でていなばいとど深草野とやなりなむ(在原業平「伊勢物語」百二十三段)
587 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:30:00 ID:cRN3n9Ae
月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身ひとつはもとの身にして(在原業平「古今集」)
588 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:31:20 ID:cRN3n9Ae
色よりもかこそあはれとおもほゆれたが袖ふれしやどの梅ぞも(よみ人しらず「古今集」)
589 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:37:02 ID:cRN3n9Ae
こづたへばおのが羽風に散る花をたれにおほせてここらなくらん(素性法師「古今集」)
590 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:37:38 ID:cRN3n9Ae
よそにのみ見てややみなむ葛城や高間の山の嶺の白雲(読人不知「和漢朗詠集)
591 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:38:51 ID:cRN3n9Ae
秋の田の仮廬の庵の苫をあらみ我が衣手は露にぬれつつ(天智天皇「後撰集」)
592 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:39:35 ID:cRN3n9Ae
立田姫たむくる神のあればこそ秋の木の葉の幣と散るらめ(兼覧王「古今集」)
593 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:40:13 ID:cRN3n9Ae
淡路の野島が崎の浜風に妹が結びし紐吹き返す(柿本人麻呂「万葉集」)
594 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:42:45 ID:cRN3n9Ae
真葛原靡く秋風吹くごとに阿太の大野の萩の花散る(作者不詳「万葉集」)
595 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:46:02 ID:cRN3n9Ae
み吉野は山もかすみて白雪のふりにし里に春はきにけり(藤原良経「新古今集」)
596 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:49:22 ID:cRN3n9Ae
ぬば玉の夜の更けゆけば久木生ふる清き川原に千鳥しば鳴く(山部赤人「万葉集」)
597 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:50:35 ID:cRN3n9Ae
うち靡く春さり来ればしののうれに尾羽打ち触れて鴬鳴くも(作者不明記「万葉集」)
598 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:52:19 ID:cRN3n9Ae
みづのえの吉野の宮はかみさびてよはひたけたるうらの松風(藤原季能「千五百番歌合」)
599 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:52:58 ID:cRN3n9Ae
秋立ちて幾日もあらねばこのねぬる朝けの風は手本寒しも(安貴王「万葉集」)
600 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 18:56:02 ID:cRN3n9Ae
散らねどもかねてぞをしき紅葉ばはいまはかぎりの色とみつれば(よみ人しらず「古今集」)
601 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 19:02:48 ID:cRN3n9Ae
かづらきや高間の山の桜花雲ゐのよそに見てや過ぎなん(藤原顕輔「千載集」)
602 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 19:03:21 ID:cRN3n9Ae
かづらきや高間の桜さきにけり立田のおくにかかる白雲(寂蓮「新古今集」)
603 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 19:04:07 ID:cRN3n9Ae
木のもとを栖とすればおのづから花見る人となりぬべきかな(花山院「詞花集」)
604 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 19:04:38 ID:cRN3n9Ae
秋の野にやどりをすれは蛬かたしく袖の下に鳴くなり(源兼昌「永久百首」)
605 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 19:05:09 ID:cRN3n9Ae
春ふかみゐでのかは浪たちかへり見てこそゆかめ山吹の花(源順「拾遺集」)
606 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 19:05:40 ID:cRN3n9Ae
沼水にかはづ鳴くなりむべしこそ岸の山ぶきさかりなりけれ(藤原高遠「後拾遺集」)
607 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 19:06:11 ID:cRN3n9Ae
詠むれば思ひやるべきかたぞなき春のかぎりの夕暮の空(式子内親王「千載集」)
608 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 19:06:54 ID:cRN3n9Ae
ながめつつ思ふもさびし久方の月の都の明け方の空(藤原家隆「新古今集」)
609 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 19:07:28 ID:cRN3n9Ae
あぢきなくうつし心のかへりこでゆくらんかたの夕暮の空(藤原雅経「明日香井和歌集」)
610 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 19:08:15 ID:cRN3n9Ae
吹く風にあつらへつくる物ならばこの一本はよきよといはまし(よみ人しらず「古今集」)
611 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 19:08:50 ID:cRN3n9Ae
わが宿の池の藤波さきにけり山時鳥いつかきなかむ(よみ人しらず「古今集」)
612 :
名無氏物語:2006/02/20(月) 19:15:08 ID:0dABdz+x
玉もかる井手のしがらみ春かけて咲くや川瀬のやまぶきの花〔新勅撰〕
色も香も昔のこさににほへども うゑけん人のかげぞ恋しき[貴之・古今集851]
614 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:11:13 ID:8YqUZFuW
しめゆひしそのかみならば桜花をしまれつつや今日は散らまし(後拾遺)
615 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:27:25 ID:v69+TEMj
つれづれとふる五月雨に日は暮れぬ軒のしづくの音ばかりして(続後拾遺)
616 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:32:18 ID:YxJe7yPx
ほかにのみ夏をば知るや滝つ瀬のあたりは秋のむら雨のこゑ
617 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:33:06 ID:YxJe7yPx
あしの葉にひと夜の秋を吹きこして今日より涼し池の夕風
618 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:33:49 ID:YxJe7yPx
我もかなし草木も心いたむらし秋風ふれて露くだるころ
619 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:34:53 ID:YxJe7yPx
山風にもろき一葉はかつおちて梢秋なる日ぐらしのこゑ
620 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:36:09 ID:YxJe7yPx
秋よ今のこりのあはれ措かじとや雲と風との夕暮の時
621 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:37:09 ID:YxJe7yPx
なびきかへる花の末より露ちりて萩の葉白き庭の秋風
622 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:41:10 ID:oonzoXeR
三輪の山いかにまち見む年ふともたづぬる人もあらじとおもへば
623 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:42:32 ID:oonzoXeR
うつろはむことだにをしき秋はぎにをれぬばかりもおけるつゆかな
624 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:44:59 ID:oonzoXeR
人しれずたえなましかばわびつつもなきなぞとだにいふべきものを
625 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:45:47 ID:oonzoXeR
なにはなるながらのはしもつくるなりいまはわが身をなににたとへむ
626 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:46:33 ID:oonzoXeR
あらたまのとしゆきかへる春たたばまづわがやどにうぐひすはなけ
627 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:49:54 ID:oonzoXeR
さをしかのあさたつをのの秋はぎにたまとみるまでおけるしらつゆ
628 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:52:15 ID:oonzoXeR
春ののにあさるきぎすのつまごひにおのがありかを人にしれつつ
629 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:52:45 ID:oonzoXeR
あすからはわかなつまむとしめしのに昨日もけふもゆきはふりつつ
630 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:53:28 ID:oonzoXeR
わがせこにみせむとおもひしむめのはなそれともみえずゆきのふれれば
631 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:54:19 ID:oonzoXeR
わかのうらにしほみちくればかたをなみあしべをさしてたづなきわたる
632 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:54:55 ID:oonzoXeR
世中にたえてさくらのなかりせば春の心はのどけからまし
633 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:55:30 ID:oonzoXeR
たのめつつあはでとしふるいつはりにこりぬ心を人はしらなむ
634 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:56:04 ID:oonzoXeR
いまぞしるくるしき物と人またむさとをばかれずとふべかりける
635 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 01:57:06 ID:oonzoXeR
すゑのつゆもとのしづくや世中のおくれさきだつためしなるらむ
636 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 02:01:38 ID:lM9w0n5R
中々にきよめぬ庭はちりもなしかぜにまかする山の下庵
637 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 02:02:28 ID:lM9w0n5R
立ちならぶかひこそなけれやまざくら松に千とせの色はならはで
638 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 02:03:26 ID:lM9w0n5R
守れ猶君にひかれてすみよしのまつのちとせもよろづ代の春
639 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 02:05:25 ID:lM9w0n5R
よし野川瀬々のしら浪岩越えてこずゑにかかる五月雨の雲
640 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 02:06:34 ID:lM9w0n5R
あはれともうしとも今はなれをしもしる人にせむ小夜の手枕
641 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 02:07:16 ID:lM9w0n5R
かぜさえてよせ来るなみのあともなし氷る入江のふゆの夜の月
642 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 02:26:35 ID:mx9vKJ+n
雲と見えばこよひの月にうからましよしや吉のの桜なりとも(松永貞徳)
643 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 09:52:11 ID:GIX1IyOV
このねぬるあさけの風にかをるなり軒ばの梅の春のはつ花〔新勅撰〕
644 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 10:13:53 ID:1oYSLHiz
いかなりし風のたよりに聞きそめて身にしむ恋のつまとなりけん(新千載1036)
645 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 10:14:36 ID:1oYSLHiz
面影のかすめる月ぞやどりける春やむかしの袖の涙に(新古1136)
646 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 10:15:17 ID:1oYSLHiz
露はらふ寝覚は秋の昔にて見はてぬ夢にのこる面影(新古1326)
647 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 10:16:09 ID:1oYSLHiz
ふりにけり時雨は袖に秋かけていひしばかりを待つとせしまに(新古1334)
648 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 10:16:46 ID:1oYSLHiz
かよひこし宿の道芝かれがれに跡なき霜のむすぼほれつつ(新古1335)
649 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 10:17:22 ID:1oYSLHiz
夢かとよ見し面影も契りしも忘れずながらうつつならねば(新古1391)
650 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 10:20:00 ID:xxtSOISM
ふきすぐる夕べもとはぬ荻の葉に待つ宵ふけし秋風の声(俊成卿女集)
651 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 10:20:32 ID:xxtSOISM
いかにせんしのぶの山に道たえて思ひいれども露のふかさを(続後撰667)
652 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 10:21:18 ID:xxtSOISM
ながれての名をさへしのぶ思ひ川あはでもきえね瀬々のうたかた(新勅撰704)
653 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 10:22:42 ID:xxtSOISM
くれはつる尾花がもとの思ひ草はかなの野辺の露のよすがや(俊成卿女集)
654 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 10:23:39 ID:xxtSOISM
さきにけり君がみるべき行末は遠里小野の秋萩の花(新後撰1587)
655 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 10:25:07 ID:xxtSOISM
今はさはうき世のさがの野辺をこそ露きえはてし跡としのばめ(新古787)
656 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 16:23:32 ID:5LAzWDdU
君が代は遠里小野の秋萩も散らさぬほどの風ぞ吹きける(藤原俊成「長秋詠藻」)
657 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 16:38:24 ID:GUnZiPcv
たちそむる霞の衣うすけれどはるきて見ゆるよもの山のは(続後撰13)
658 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 16:39:07 ID:GUnZiPcv
高瀬さすむつだの淀の柳原みどりもふかく霞む春かな(新古72)
659 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 16:39:44 ID:GUnZiPcv
ほのぼのと花のよこ雲あけそめて桜にしらむみよしのの山(玉葉194)
660 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 16:40:20 ID:GUnZiPcv
うらむべき方こそなけれ春風のやどりさだめぬ花のふるさと(新勅撰116)
661 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 16:40:59 ID:GUnZiPcv
今はとて桜ながるる芳野河水の春さへせくかたもなし(玉葉274)
662 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 16:41:34 ID:GUnZiPcv
山桜みねにもをにもうゑおかむ見ぬ世の春を人やしのぶと(新勅撰1040)
663 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 16:44:30 ID:9BgjgFNZ
真葛はふ阿太の大野の白露を吹きなみだりそ秋のはつ風(金葉157)
664 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 16:51:36 ID:roJE7Pxx
浪の花おきからさきてちりくめり水の春とは風やなるらむ(伊勢『古今集』)
665 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 17:01:01 ID:5LAzWDdU
みよし野やむつだのよどの川柳みどりをくくる春の岩なみ(後鳥羽院「建保四年二月御百首」)
666 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 17:07:43 ID:5LAzWDdU
我がやどに花たちばなをうゑおかむなからんあとの忘れがたみに(慈円「堀河題百首」)
667 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 17:26:41 ID:77kO9H4Q
吹きさそふ嵐の庭の花よりもわが身世にふる春ぞつもれる(正徹)
668 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 17:28:20 ID:77kO9H4Q
一とせの残る日数は雪ならでつもりもあへず年ぞくれける(後柏原天皇)
669 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 17:34:04 ID:77kO9H4Q
ながめわびて今はと思ふ山里の有明の月に衣うつなり(慈円)
670 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 17:34:40 ID:77kO9H4Q
わたつ海のかざしの浪の花かづら霞をかけて浦風ぞ吹く(正徹)
671 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 17:35:15 ID:77kO9H4Q
明けわたるとほ山かづらそのままにかすみをかけて春や立つらむ(幽斎)
672 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 17:36:16 ID:77kO9H4Q
花なれや遠山かづら白妙に霞をかけて明くるひかりは(後水尾院)
673 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 17:40:13 ID:qsadgawd
人はこずはらはぬ庭のきりのはに音なふ雨のおとのさびしさ(建保二年内裏歌合)
674 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 17:40:57 ID:qsadgawd
木の葉ちる時雨やまがふ我が袖にもろき涙の色とみるまで(新古560)
675 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 17:42:11 ID:qsadgawd
霜こほる袖にもかげは残りけり露よりなれし有明の月(新古594)
676 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 17:43:16 ID:qsadgawd
我が恋はあふをかぎりのたのみだにゆくへもしらぬ空のうき雲(新古1135)
677 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 17:47:49 ID:qsadgawd
今こんとちぎりしことは夢ながら見しよににたる有明の月(新古1276)
678 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 17:48:23 ID:qsadgawd
とへかしな尾花がもとの思ひぐさしをるる野べの露はいかにと(新古1340)
679 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 17:51:42 ID:v5L0AG0v
我が恋はゆくへもしらずはてもなし逢ふをかぎりと思ふばかりぞ(凡河内躬恒「古今集」)
680 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 18:12:15 ID:v5L0AG0v
今こむと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな(素性法師「古今集」)
681 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 18:13:32 ID:v5L0AG0v
身にかへてあやなく花を惜しむかな生けらば後の春もこそあれ(藤原長能「拾遺集」)
682 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 18:14:10 ID:v5L0AG0v
身にかへて惜しむにとまる花ならばけふや我が世のかぎりならまし(源俊頼「詞花集」)
683 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 18:15:09 ID:v5L0AG0v
峰の雪みぎはの氷ふみわけて君にぞまどふ道はまどはず(源氏物語「浮舟」)
684 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 18:16:37 ID:v5L0AG0v
三島江につのぐみわたる蘆の根のひとよのほどに春めきにけり(曾禰好忠「後拾遺集」)
685 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 18:17:48 ID:v5L0AG0v
今はとてうつりはてにし菊の花かへる色をばたれかみるべき(よみ人しらず「後撰集」)
686 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 18:18:22 ID:v5L0AG0v
風ふけばおきつ白浪たつた山よはにや君がひとりこゆらむ(よみ人しらず「古今集」)
687 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 18:18:56 ID:v5L0AG0v
秋風のふきとふきぬるむさしのはなべて草ばの色かはりけり(よみ人しらず「古今集」)
688 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 18:19:47 ID:v5L0AG0v
有明のつれなく見えし別れより暁ばかり憂き物はなし(壬生忠岑「古今集」)
689 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 18:26:53 ID:v5L0AG0v
夕されば野べのあきかぜ身にしみてうづら鳴くなりふか草のさと(藤原俊成「千載集」)
690 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 18:27:45 ID:v5L0AG0v
夕ぐれは雲のはたてに物ぞ思ふあまつそらなる人をこふとて(よみ人しらず「古今集」)
691 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 18:28:51 ID:v5L0AG0v
秋をあきと思ひ入れてぞながめつる雲のはたての夕ぐれの空(藤原良経「老若五十首歌合」)
692 :
名無氏物語:2006/02/21(火) 19:25:03 ID:5NEOaK0/
橘の寺の長屋にわが寝ねし
うないはなりは髪上げつらむか(万)
(俺が寺に連れ込んで犯してやったあの幼女はよぉーゲッへへへ
今頃イイ女になってるべなぁ〜?キヒヒヒ)
693 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 01:43:09 ID:4DjXMaYS
君やこむ我やゆかむのいさよひにまきのいたどもささずねにけり(よみ人しらず「古今集」)
694 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 01:56:58 ID:4DjXMaYS
うつろはでしばし信田の杜を見よかへりもぞする葛のうら風(赤染衛門「新古今集」)
695 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:00:54 ID:8ftXLt+C
めぐりあはむわがかねごとの命だに心にかなふ春のくれかは(新勅撰1054)
696 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:08:37 ID:6EDkRsFz
うら若み寝よげに見ゆる若草の人の結ばむこと惜しぞ思ふ(伊勢物語)
697 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:12:48 ID:GRF07+Nz
秋風は遠き草葉をわたるなり夕日の影は野辺はるかにて
698 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:13:22 ID:GRF07+Nz
秋風のさむくしなれば朝霧の八重山こえて雁も来にけり
699 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:14:10 ID:GRF07+Nz
うちむれて天飛ぶ雁のつばさまで夕べにむかふ色ぞかなしき
700 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:14:47 ID:GRF07+Nz
つれて飛ぶあまたのつばさ横切りて月の下ゆく夜半の雁がね
701 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:15:20 ID:GRF07+Nz
更けゆくは虫の声のみ草にみちて分くる人なき秋の夜の野辺
702 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:15:52 ID:GRF07+Nz
にほひしらみ月の近づく山の端の光によわる稲妻のかげ
703 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:17:16 ID:6EDkRsFz
いにしへもかくやは人のまどひけむ我がまだ知らぬ東雲の道(源氏物語)
704 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:19:57 ID:6EDkRsFz
二日酔ひの無念きはまる僕のためもつと電車よ真面目に走れ
705 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:21:03 ID:ASsqDVbe
わがやどはみちもなきまであれにけりつれなき人をまつとせしまに
706 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:21:40 ID:ASsqDVbe
たらちねはかかれとてしもうばたまのわがくろかみをなでずやありけむ
707 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:22:18 ID:ASsqDVbe
いまこむといひしばかりになが月のありあけの月をまちでつるかな
708 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:23:51 ID:ASsqDVbe
みてのみや人にかたらむ山ざくらてごとにをりていへづとにせむ
709 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:24:49 ID:ASsqDVbe
みわたせばやなぎさくらをこきまぜてみやこぞ春のにしきなりける
710 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:26:18 ID:ASsqDVbe
ゆふさればさほのかはらのかはぎりにともまどはせるちどりなくなり
711 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:28:43 ID:6EDkRsFz
恋ふること慰めかねて出でゆけば山をも川も知らず来にけり(万2414)
712 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:29:22 ID:yUpVx5CL
ほのぼのと春こそ空にきにけらしあまのかぐ山霞たなびく
713 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:30:14 ID:yUpVx5CL
桜さく遠山どりのしだり尾のながながし日もあかぬ色かな
714 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:30:51 ID:yUpVx5CL
みよしのの高根のさくら散りにけりあらしもしろき春のあけぼの
715 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:31:32 ID:yUpVx5CL
秋の露やたもとにいたくむすぶらん長き夜あかずやどる月かな
716 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:32:21 ID:yUpVx5CL
よしの山さくらにかかるうすがすみ花もおぼろの色はみえけり
717 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:33:02 ID:yUpVx5CL
つゆは袖にものおもふ比はさぞなおくかならず秋のならひならねど
718 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:33:13 ID:6EDkRsFz
父母も花にもがもや草枕旅は行くともさきごて行かむ(万4325)
719 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:36:20 ID:6EDkRsFz
父母がかしら掻き撫でさきくあれて言ひしケトバぜ忘れかねつる(万4346)
720 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 02:42:18 ID:6EDkRsFz
いざ子どもたはわざなせそ天地(アメツチ)の固めし国ぞ大和島根は(万4487)
721 :
名無氏物語:2006/02/22(水) 23:46:12 ID:ujH0XrbP
恋しくば尋ね来て見よ和泉なる信太の森のうらみ葛の葉
722 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 00:06:27 ID:y7sBTjOp
恋しくは来ても見よかしちはやぶる神のいさむる道ならなくに(伊勢物語)
723 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 00:20:35 ID:IN7+yvwS
おしなべて霞みにけりな海山もみなわが国と春やたつらん
724 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 00:37:00 ID:IN7+yvwS
春来てはまづ咲く花の都ぞと思ひなしにも空ぞのどけき
725 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 00:38:02 ID:IN7+yvwS
風やしるいづくにさける梅ならんただ香ばかりの春のよの闇
726 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 00:38:52 ID:IN7+yvwS
天の原春のみどりの色にすむ月の光はかすむともなし
727 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 00:41:15 ID:IN7+yvwS
霞み行く光ぞうつる春の夜の月のかつらの花染の袖
728 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 00:42:47 ID:IN7+yvwS
春の夜にくもると見つつまどろめば夢ぢかすめる在明の月
729 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 00:45:00 ID:IN7+yvwS
いくさとの花鳥の音もかすむ日の光のうちに籠る春かな
730 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 00:46:13 ID:IN7+yvwS
夕まぐれ野がひの牛は歩みきてかすめる道に逢ふ人もなし
731 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 00:49:51 ID:IN7+yvwS
山おろし初瀬の霞吹きまよひこもりもはてぬ花の色々
732 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 00:59:33 ID:pxD5vsEE
あさぼらけ浜名の橋はとだえして霞をわたる春の旅人(衣笠家良[続後撰])
733 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 01:11:05 ID:IN7+yvwS
しら雲の八重山遠く匂ふなり逢ふをかぎりの花の春風
734 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 01:13:31 ID:IN7+yvwS
おくれ猶まだ花の香もとどまらぬ山路暮れ行く袖の月影
735 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 01:14:27 ID:IN7+yvwS
朝露はかかれとてしも消えざりし夕の風に散るさくらかな
736 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 01:16:17 ID:IN7+yvwS
高ねこす木のまの夕日影消えて桜にかへる花の色かな
737 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 01:18:50 ID:IN7+yvwS
まぎるべき風さへふかで散りかかる花の音きく窓のうちかな
738 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 01:38:27 ID:IN7+yvwS
咲けばちる夜のまの花の夢のうちにやがてまぎれぬ嶺の白雲
739 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 01:50:14 ID:IN7+yvwS
さくら花ちりかひかくす高ねより嵐をこえていづる月かげ
740 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 01:52:03 ID:IN7+yvwS
山ざくら苔の莚にちりぞしく夢はふたたびかへる枕を
741 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 01:57:51 ID:u96Et1bm
八重葎しげれる宿のさびしきに人こそ見えね秋は来にけり(恵慶法師[拾遺])
---------------------------------------------------------------------------
742 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 02:01:36 ID:IN7+yvwS
光もて卯月の月のしらがさねかさねようすし夜はのさ衣
743 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 02:05:37 ID:IN7+yvwS
涼しさはま清水あさみさざれ石もながるる月の有明のこゑ
744 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 02:06:34 ID:IN7+yvwS
いづれうき入りぬる磯の夏の夜はみらくすくなき月と夢とに
745 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 02:14:43 ID:IN7+yvwS
小百合葉のしられぬし水くみたえて野中の草を結ぶ山風
746 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 02:16:18 ID:IN7+yvwS
風さそふ花橘をそらにしておほふも雲の袖の香やせん
747 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 02:17:07 ID:IN7+yvwS
樗さく雲一村のきえしよりむらさき野ゆく風ぞ色こき
748 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 02:25:37 ID:IN7+yvwS
五月雨はむら雲いでてくらき夜の北にながるる星のかげかな
749 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 02:30:36 ID:IN7+yvwS
吹きしをり野分をならす夕立の風の上なる雲よ木の葉よ
750 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 02:31:06 ID:IN7+yvwS
草も木もぬれて色こき山なれや見しより近き夕立のあと
751 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 02:31:37 ID:IN7+yvwS
山づたひ夕立うつる風さきに木の葉も鳥もふかれてぞ行く
752 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 02:32:36 ID:IN7+yvwS
時のまに明くるは五月さまざまに見えてのこらぬ夢は秋の夜
753 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 02:33:15 ID:IN7+yvwS
学びえよこひねがはしきみな月の風のすがたを大和ことのは
754 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 03:09:09 ID:u96Et1bm
天つ風雲の通ひ路ふきとぢよ乙女の姿しばしとどめむ(遍昭[古今])
755 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 03:24:18 ID:QKMbeqRw
時雨れつるみねの村雲たえだえにあらはれわたる冬の夜の月(藤原信実)
756 :
真貴人(まきひと) ◆uoeCB.pYtA :2006/02/23(木) 03:33:02 ID:u96Et1bm
はるかすみ−たてるをみれは−あらたまの−としはやまより−こゆるなりけり
757 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 04:39:00 ID:IN7+yvwS
沖つ風西ふく浪ぞ音かはる海の宮古も秋やたつらん
758 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 04:39:44 ID:IN7+yvwS
友ぞなき四十余のこの山に初風なれし秋もわすれず
759 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 04:42:22 ID:IN7+yvwS
みるままにむなしき空の秋の風さはる声なき雲ぞ身にしむ
760 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 04:42:57 ID:IN7+yvwS
秋草の露とこたふる風もなしただしら玉をみがく月かげ
761 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 04:45:00 ID:IN7+yvwS
露霜にあへずかれ行く秋草の糸よりよわき虫のこゑかな
762 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 07:27:22 ID:IN7+yvwS
夕暮はそれしもかなし秋の色のかくれかねたる山のうす霧
763 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 07:28:29 ID:IN7+yvwS
うしとてもよもいとはれじわが身世にあらむ限の秋の夕暮
764 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 07:29:51 ID:IN7+yvwS
うかびきぬうきを心にかさぬれば去年の夕の秋の面かげ
765 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 07:30:41 ID:IN7+yvwS
身のうさも今いくほどとなぐさめて思ひすつれば秋の夕ぐれ
766 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 07:32:35 ID:IN7+yvwS
さそふともいなばにさむき初霜よからずは何の夢の秋かぜ
767 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 07:46:15 ID:IN7+yvwS
友ぞなきさらむ此世も生れしもよしや独と月をのみみて
768 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 07:46:49 ID:IN7+yvwS
すみのぼる心にすめる月をみて月をわするる秋のさ夜中
769 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 07:47:42 ID:IN7+yvwS
にほの海の霧ふきたつる程ばかり月に見えたる秋のしほかぜ
770 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 07:48:26 ID:IN7+yvwS
窓の月にいとまありともむかはめやおのれにくらき文字の関守
771 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 07:49:39 ID:IN7+yvwS
むかしよりいく世の人かあかずしてながめすてけん故郷の月
772 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 07:50:45 ID:IN7+yvwS
しろたへの色とも見えず朝ぼらけ音ゆく水のあやの河霧
773 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 07:52:12 ID:IN7+yvwS
白玉かなにぞととへば荻のうへの影はこたへずふるさとの月
774 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 07:53:14 ID:IN7+yvwS
水無川秋のかたみをおきの海に開きうつろはぬしら菊の花
775 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 07:58:38 ID:IN7+yvwS
秋やときはじめは雨をしぐれとも思はぬ月のはれくもり行く
776 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 07:59:13 ID:IN7+yvwS
したふとや翅はやめて行く秋のみねの入日にくもる雁がね
777 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 07:59:45 ID:IN7+yvwS
まどろまでさ夜もはるかに竹のはの霜にさえたる風の音かな
778 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 08:15:31 ID:IN7+yvwS
嵐ふく空は木の葉の村立にこの比雲のゆききをも見ず
779 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 08:16:27 ID:IN7+yvwS
山嵐峰の白雲ふきまぜてくれなゐうすく行くもみぢかな
780 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 08:17:50 ID:IN7+yvwS
風きけば峰の木の葉の中空に吹きすてられて落つるこゑごゑ
781 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 08:18:48 ID:IN7+yvwS
月のうちにひびきのぼると思ふまで霜夜の鐘に影ぞさえ行く
782 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 08:19:23 ID:IN7+yvwS
月すめば冬の水なき空とぢて氷をはらふ夜はの木枯
783 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 08:59:48 ID:dFEVvAu0
紅の木の葉吹きわけ行く駒の影ふみならす岩のかけ道(範光[正治後度百首])
784 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 16:28:00 ID:QKMbeqRw
日影さす嶺のかけ橋たえだえにあらはれわたる秋の夕霧(九条行家)
さと人のことは夏野のしげくとも かれゆく君に逢はざらめやは[古今集704]
786 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 23:07:59 ID:IN7+yvwS
やきはつるまきの炭がまぬりこめて煙たえ行く山のさびしさ
787 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 23:14:35 ID:IN7+yvwS
風まぜにあらく落ちしはしづまりてこまかにつもる庭の白雪
788 :
名無氏物語:2006/02/23(木) 23:57:30 ID:pxD5vsEE
春日野にまだうら若きさいたづま妻こもるともいふ人やなき(西園寺実氏[玉葉])
789 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 00:17:37 ID:03XXj0GZ
梢もる入日の影は消えながらゆふぐれとほきみねのしら雪
790 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 00:19:56 ID:hywDs9MG
ありし夜を見はてぬ夢の枕にも猶うらめしき鐘の音かな(源通親[新続古今])
791 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 00:20:22 ID:rjlQ7Con
さいたづままだうら若きみ吉野の霞がくれにきぎすなくなり(平忠度)
792 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 00:23:52 ID:03XXj0GZ
わたりかね雲も夕を猶たどる跡なき雪の嶺のかけはし
793 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 00:24:35 ID:03XXj0GZ
時雨までくもりてふかくみし山の雪におくなき木々の下折
794 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 00:33:57 ID:hywDs9MG
咲きぬればかつちる花と知りながら猶うらめしき春の山風(藤原忠家[続後撰])
795 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 00:35:50 ID:03XXj0GZ
しら鷺の雲ゐはるかに飛びきえておのが羽こぼす雪のあけぼの
796 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:07:28 ID:03XXj0GZ
くる人のむかふふぶきに物いはで雪ふむ音のさゆる道のべ
797 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:19:18 ID:03XXj0GZ
さ夜風はただ一足にしづまりてをち方きけば雪折の声
798 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:24:44 ID:03XXj0GZ
黒髪もさやけかりきやたく櫛のほかげにみえし夜はの乙女子
799 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:25:22 ID:03XXj0GZ
しらざりき緑の空にあふぎても遠きを冬といへる心を
800 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:27:24 ID:03XXj0GZ
となふてふ三世の仏の道はあれどくる春もなくさる年もなし
801 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:28:04 ID:03XXj0GZ
くるるまの花のおもかげ身にそはばねても別れじ春のよの夢
802 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:29:19 ID:03XXj0GZ
ゆふしでも我になびかぬ露ぞちるたがねぎごとの末の秋風
803 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:29:57 ID:03XXj0GZ
宿りかる一村雨を契にて行くへもしほる袖の別路
804 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:30:34 ID:03XXj0GZ
きぬぎぬのちかきかたみはねし床の涙もいまだあたたかにして
805 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:31:25 ID:03XXj0GZ
ゆきて我が心のおくをかたらばやたとへばえぞが千島なりとも
806 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:38:52 ID:03XXj0GZ
おもひねの夢路を遠み覚めゆけば分けこしむねにさわぐささはら
807 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:39:26 ID:03XXj0GZ
よりあはん契とまではかけざりきまだあげまきの年の思ひを
808 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:41:27 ID:03XXj0GZ
夕ま暮それかと見えし面影も霞むぞかたみ在明の月
809 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:42:09 ID:03XXj0GZ
二たびの名残もかなしおき出でて別ると見しは夢に別れて
810 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:43:17 ID:03XXj0GZ
しののめの道のべ遠く行きつれて衣々よりもうき別かな
811 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:43:48 ID:03XXj0GZ
花の香もうつろふ月の手枕に覚めざらましの春のよの夢
812 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:44:53 ID:03XXj0GZ
わたつ海の雲のはたてに消えかへる心よせなむ遠の夕浪
813 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:45:35 ID:03XXj0GZ
身にぞしむむなしき雲の塵ばかりはらふたよりの床のあき風
814 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:46:14 ID:03XXj0GZ
はらへ風ゆるさぬ中のゆかりうきははその森のあらき言の葉
815 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:47:18 ID:03XXj0GZ
人ぞうき待つと別の二道にうらみられても月ぞ残れる
816 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:48:08 ID:03XXj0GZ
おくれ風花さくら戸のやすらひに出で行く袖のあかぬ匂を
817 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:49:11 ID:03XXj0GZ
人心うつろふ花に遠ざかるうき身や風の姿なるらん
818 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:49:55 ID:03XXj0GZ
哀にも鳥のしづまる林かな夕とどろきの里はのこりて
819 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:50:43 ID:03XXj0GZ
むら雨のふる江をよそに飛ぶさぎの跡まで白きおもだかの花
820 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:51:45 ID:03XXj0GZ
月くもる千里しづかに音もせず明くるさかひや人もまどろむ
821 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:54:43 ID:03XXj0GZ
おもひ入る心の色も暮ごとに遠ざかるなり山はうごかで
822 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:55:13 ID:03XXj0GZ
住みすててのこる庵もかたぶきぬかり田さびしき四方の嵐に
823 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:55:52 ID:03XXj0GZ
物毎に心をとめし山里の岩木もしるや人のはかなさ
824 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:56:23 ID:03XXj0GZ
ひとり立つ波やのどけき世の中をはなれ小島の松の心は
825 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 04:59:10 ID:03XXj0GZ
あふげとてむなしき空にさす指をまもりて月をみる人もなし
826 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 05:00:28 ID:03XXj0GZ
こゑぞせぬ三世の仏の名をとへばたれぞ心のおくにこたふる
827 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 05:13:16 ID:03XXj0GZ
かつみゆる月にこの手をあはせても先づ立ちむかへ出づる山のは
828 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 05:13:53 ID:03XXj0GZ
中空の月まちえてぞ四方の人匂へる花の光をもみる
829 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 05:19:41 ID:03XXj0GZ
おもひつつかたりいださぬ古(いにしへ)をひとりしのぶとしる人もなし
830 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 05:20:20 ID:03XXj0GZ
ことのはをえらぶ数にはいらず共只かばかりを哀ともみよ
831 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 05:42:35 ID:03XXj0GZ
世々を見し夢の面影たつちりのいそぢの床をはらふ松かぜ
832 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 05:56:32 ID:03XXj0GZ
あととめてさむるか夢の中空に孤の雲の残るをぞ見る
833 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 05:57:05 ID:03XXj0GZ
くもりなきただ大空にむかひても君を八千代と祈るばかりぞ
834 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 05:59:03 ID:03XXj0GZ
けさはまだかすまぬ山も昨日より遠きばかりを春の色かな
835 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 05:59:33 ID:03XXj0GZ
ふかき夜の梅のにほひに夢さめてこす巻きあへぬ軒の春風
836 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 06:00:05 ID:03XXj0GZ
面影は春やむかしの空ながらわが身ひとつにかすむ月かな
837 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 06:00:39 ID:03XXj0GZ
さほひめの霞の袖に髪すぢをみだすばかりの春雨のそら
838 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 06:01:11 ID:03XXj0GZ
花ならぬ身をもいづちにさそふらん乱れたる世の末の春風
839 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 06:03:08 ID:03XXj0GZ
なき玉やふりにし宿にかへるらん花たちばなに夕風ぞふく
840 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 06:03:43 ID:03XXj0GZ
月のみぞ形見にうかぶ紀の河や沈みし人の跡のしら浪
841 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 06:04:20 ID:03XXj0GZ
世は色におとろへぞゆく天人のうれへやくだる秋の夕ぐれ
842 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 06:36:26 ID:03XXj0GZ
夕ぐれは遠ざかりゆく山のはを軒ばにかへすさをしかのこゑ
843 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 06:38:22 ID:03XXj0GZ
絶まなくさそふ風よりただ一葉心とおつる庭ぞさびしき
844 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 06:40:18 ID:03XXj0GZ
山里はやもめ烏の鳴くこゑに霜夜の月の影をしるかな
845 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 06:49:58 ID:03XXj0GZ
ふけにけりかたぶく月も遠き江の氷におつる雁の一こゑ
846 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 06:50:33 ID:03XXj0GZ
から崎や夕なみ千鳥ひとつ立つ洲崎の松も友なしにして
847 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 06:51:10 ID:03XXj0GZ
山もとの杉の一むらうづみかね嵐も青くおつる雪かな
848 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 06:52:01 ID:03XXj0GZ
思ひたえまたじとすれば鳥だにも声せぬ雪の夕暮の山
849 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 10:34:07 ID:rjlQ7Con
秋きぬと荻のうは風うたがひて萩のした露こころおかるな(源通親)
850 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 18:35:02 ID:x8Lsaog+
霧のまも荻のうは風おとたかししらねば野べの萩のしたつゆ(覚性法親王)
851 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 18:35:43 ID:x8Lsaog+
夕まぐれ木の葉みだれて荻の上にきかぬ嵐もただならぬかな(貞常親王)
852 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 18:40:02 ID:3aeuR6Sk
野べみればやよひの月のはつるまでまだうら若きさいたづまかな(後拾遺149)
853 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 18:41:01 ID:3aeuR6Sk
秋はなほ夕まぐれこそただならね荻のうは風はぎのした露(義孝集)
854 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 18:41:40 ID:3aeuR6Sk
露くだる星合の空をながめつついかで今年の秋をくらさむ(義孝集)
855 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 18:42:16 ID:3aeuR6Sk
わびぬればつれなし顔はつくれども袂にかかる雨のわびしさ(義孝集)
856 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 18:43:51 ID:3aeuR6Sk
君がため惜しからざりし命さへ長くもがなと思ひぬるかな(後拾遺669)
857 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 18:44:40 ID:3aeuR6Sk
人しれぬ心ひとつをなげきつつ黄楊の小櫛をさすかひぞなき(義孝集)
858 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 18:49:55 ID:wyJsDAQ9
宵の間のむら雲つたひ影見えて山の端めぐる秋のいなづま
859 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 18:50:36 ID:wyJsDAQ9
まだ暮れぬ空の光と見る程にしられで月の影になりぬる
860 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 18:51:42 ID:wyJsDAQ9
露をみがく浅茅が月はしづかにて虫の声のみさ夜ふかき宿
861 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 18:52:33 ID:wyJsDAQ9
明けぬるか分けつる跡に露しろし月のかへさの野辺の道芝
862 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 18:53:15 ID:wyJsDAQ9
山風も時雨になれる秋の日にころもやうすき遠の旅人
863 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 18:53:45 ID:wyJsDAQ9
夕暮の雲とびみだれ荒れて吹く嵐のうちに時雨をぞ聞く
864 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 18:57:21 ID:FB+k2p6s
夕暮の雲とびみだれ荒れて吹く嵐のうちに時雨をぞ聞く
865 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 19:07:20 ID:AgFgQ7Vd
きのふかも霰ふりしは信楽の外山の霞春めきにけり(詞花2)
866 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 19:14:07 ID:whxTKlQb
ゆきふれば木ごとにはなぞさきにけるいづれをむめとわきてをらまし
867 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 19:14:45 ID:whxTKlQb
秋風にはつかりがねぞきこゆなるたがたまづさをかけてきつらむ
868 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 19:15:23 ID:whxTKlQb
をちこちのたつきもしらぬ山中におぼつかなくもよぶこどりかな
869 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 19:16:16 ID:whxTKlQb
ひぐらしのなきつるなへに日はくれぬとみしは山のかげにざりける
870 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 19:17:23 ID:whxTKlQb
おくやまのもみぢふみわけなくしかのこゑきく時ぞ秋はかなしき
871 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 19:18:09 ID:whxTKlQb
はなのいろはうつりにけりないたづらにわがみよにふるながめせしまに
それとなく紅き花みな友にゆづりそむきて泣きて忘れ草つむ[山川登美子]
873 :
名無氏物語:2006/02/24(金) 21:46:05 ID:UQPFuDxU
思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを
874 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 07:09:00 ID:ILoOJgHE
人しれずおつる涙のつもりつつ数かくばかりなりにけるかな(拾遺878)
875 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 07:10:46 ID:ILoOJgHE
風ふけば室の八島の夕煙心の空にたちにけるかな(新古1010)
876 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 07:20:24 ID:p/x3FwrA
うれしくも桃の初花みつるかなまたこん春もさだめなき世に(公任集)
877 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 07:27:31 ID:pRTOSI6b
山あらしの杉の葉はらふ明けぼのにむらむらなびく雪のしら雲
878 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 07:28:04 ID:pRTOSI6b
ふりつもる色より月のかげになりて夕暮みえぬ庭の白雪
879 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 07:29:05 ID:pRTOSI6b
星きよき夜半のうす雪空晴れて吹きとほす風を梢にぞ聞く
880 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 07:29:49 ID:pRTOSI6b
年暮るる今日の雪げのうす曇あすの霞やさきだちぬらん
881 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 07:30:19 ID:pRTOSI6b
民やすく国をさまりて天地のうけやはらぐる心をぞ知る
882 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 07:30:52 ID:pRTOSI6b
世々たえずつきて久しく栄えなん豊芦原の国やすくして
883 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 07:35:28 ID:TRno4ePP
世々たえずつきて久しく栄えなん豊芦原の国やすくして(読人不知「古今集」)
884 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 07:41:26 ID:TRno4ePP
春きぬと人はいへども鶯のなかぬかぎりはあらじとぞ思ふ(壬生忠岑「古今集」)
885 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 07:42:20 ID:TRno4ePP
なほざりに秋の山べをこえくればおらぬ錦をきぬ人ぞなき(よみ人しらず「後撰集」)
886 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 07:43:34 ID:TRno4ePP
霜おかぬ袖だにさゆる冬の夜に鴨のうは毛を思ひこそやれ(藤原公任「拾遺集」)
887 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 07:44:41 ID:TRno4ePP
天つ風雲の通ひ路ふきとぢよ乙女の姿しばしとどめむ(遍昭「古今集」)
888 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 07:45:20 ID:TRno4ePP
滝の音はたえて久しくなりぬれど名こそながれてなほきこえけれ(藤原公任「千載集」)
889 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 07:47:58 ID:vbSRUPF4
おもひつつぬればや人のみえつらむゆめとしりせばさめざらましを
890 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 07:48:29 ID:vbSRUPF4
いろみえでうつろふものは世中の人の心のはなにざりける
891 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 07:49:14 ID:vbSRUPF4
あをやぎのまゆにこもれるいとなれば春のくるにぞいろまさりける
892 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 07:49:59 ID:vbSRUPF4
ゆふづくよおぼつかなきにたまくしげふたみのうらはあけてこそみめ
893 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 07:50:35 ID:vbSRUPF4
人のおやの心はやみにあらねどもこをおもふみちにまどひぬるかな
894 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 07:51:23 ID:vbSRUPF4
よろづ世のはじめとけふをいのりおきていまゆくすゑはかみぞしるらむ
895 :
無名:2006/02/25(土) 18:32:50 ID:0OOHyU3M
風ふけば沖つ白波たつた山夜半にはきみがひとり越ゆらむ
896 :
名無氏物語:2006/02/25(土) 20:51:20 ID:nEtbU92q
全部どうでもいいよと言っているような海
897 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 02:46:53 ID:akUQps3G
わすれしのゆくすゑまてのかたけれはけふをかきりのいのちともかな
898 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 03:21:59 ID:hQzwmU1j
み吉野の山よりおちし滝の糸のたえて久しくこほるころかな(吉田兼好)
899 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 03:22:59 ID:hQzwmU1j
今宵なほ名こそ流れて滝の糸のたえぬ光も月にそひけり(三条西実隆)
900 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 03:31:05 ID:fjN5mMe0
ここにきえかしこにもゆる夏虫のひかりはかなき夕やみの空(契沖)
901 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 03:42:32 ID:PYT4Mfim
足引の山松が根をまくらにてさ寝る今宵は家し忍ばる
902 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 03:43:21 ID:PYT4Mfim
舵枕一夜ならぶる友船もあすの泊りやおのが浦々
903 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 03:44:06 ID:PYT4Mfim
立ちかへる月日やいつをまつら船行方もなみの千重に隔てて
904 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 03:44:46 ID:PYT4Mfim
風の音の聞こえて過ぐる夕暮にわびつつあれど問ふ人もなし
905 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 03:45:40 ID:PYT4Mfim
あればある命もさすが限りあれや又ひときはの思ひそふ頃
906 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 03:47:33 ID:PYT4Mfim
なれし世の名残もさすがありけんと忍ばれそめし頃も恋しき
907 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 03:50:39 ID:QqlNkFGz
くらはしの山のかひより春がすみとしをつみてやたちわたるらむ
908 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 03:51:16 ID:QqlNkFGz
あふことのたえてしなくは中中に人をもみをもうらみざらまし
909 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 03:52:18 ID:QqlNkFGz
かりにくときくに心のみえぬればわがたもとにもよせじとぞおもふ
910 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 03:53:22 ID:QqlNkFGz
あひみてののちの心にくらぶればむかしは物もおもはざりけり
911 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 03:54:07 ID:QqlNkFGz
けふそへにくれざらめやはとおもへどもたへぬは人の心なりけり
912 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 03:54:54 ID:QqlNkFGz
春すぎてちりはてにけりむめのはなただかばかりぞえだにのこれる
913 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 03:57:54 ID:XUUkAKJz
雲のゐるとほ山姫の花かづら霞をかけてふく嵐かな(雲葉集)
914 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 03:58:57 ID:XUUkAKJz
みしま江や霜もまだひぬあしの葉につのぐむほどの春風ぞふく(新古25)
915 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 03:59:29 ID:XUUkAKJz
あだにやはふもとの庵にながむべき花より出づる峰の月かげ(新続古今143)
916 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 04:00:04 ID:XUUkAKJz
数ならぬ深山がくれを尋ねてぞ心の末の花も見るべき(遠島御歌合)
917 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 04:00:32 ID:XUUkAKJz
今はとて鶯かへる春雨にぬれてぞ花の跡はみるべき(承久元年内裏百番歌合)
918 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 04:01:21 ID:XUUkAKJz
清見がた月はつれなきあまのとをまたでもしらむ浪の上かな(新古259)
919 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 04:05:34 ID:vFMkIo9E
世の中をいでぬとなどかつげざりしおくれじとおもふ心あるものを(徳大寺実定)
920 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 04:06:05 ID:vFMkIo9E
夕づくよさほの河風身にしみて袖より過ぐる千鳥鳴くなり(源実朝)
921 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 04:07:02 ID:vFMkIo9E
あけぬるか川瀬の霧のたえまよりをちかた人の袖のみゆるは(大納言経信母)
922 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 04:08:16 ID:vFMkIo9E
山のはや桜にこめて見えざらん花より出づる有明の月(順徳院)
923 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 04:09:00 ID:vFMkIo9E
春の夜はおぼろにかすむみよしのの花よりいづる山のはの月(範宗)
924 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 04:09:45 ID:vFMkIo9E
秋をあきと思ひ入れてぞながめつる雲のはたての夕ぐれの空(藤原良経)
925 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 04:20:43 ID:BcnurZY5
926 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 18:34:19 ID:8TjL0x4e
夕ぐれは雲のはたてに物ぞ思ふあまつそらなる人をこふとて(よみ人しらず「古今集」)
927 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 18:47:13 ID:Ykt1PhLT
夕されば野べのあきかぜ身にしみてうづら鳴くなりふか草のさと(藤原俊成「千載集」)
928 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 18:56:23 ID:1odxCsSX
花すすきしげみが中を分けゆけば袂を越えて鶉鳴くなり(俊恵)
929 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 18:57:29 ID:1odxCsSX
から衣すそののいほの旅枕袖よりしぎのたつ心ちする(定家)
930 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 19:35:16 ID:iRGR8lq/
有明の月をこずゑにのこしおきて花よりしらむみ吉野の里(三百六十番歌合)
931 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 19:36:11 ID:iRGR8lq/
月ならぬ花も山路はおくりけり雲ゐをしのぶ旅の空には(三百六十番歌合)
932 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 19:37:12 ID:iRGR8lq/
桜花うき身にかふるためしあらば生きて散るをば惜しまざらまし(千載92)
933 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 19:38:15 ID:iRGR8lq/
をしみかねまどろむ夢のうちにさへ暮れぬとみゆる春ぞはかなき(正治初度百首)
934 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 19:39:20 ID:iRGR8lq/
いましばし空だのめにもなぐさめて思ひ絶えぬる宵の玉づさ(千載777)
935 :
名無氏物語:2006/02/26(日) 19:40:31 ID:iRGR8lq/
あひみしは昔がたりのうつつにてそのかねごとを夢になせとや(新古1299)
色見えでうつろふものは
世の中の人の心の花にぞ
ありける[小町・古今集797]
937 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 08:48:51 ID:LIoPJjrX
泊瀬山をのへの鐘の明がたに花よりしらむ横雲の空
938 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 09:04:00 ID:I8VUlxib
草の庵夏のはじめの衣がへ涼しき簾のかかるばかりぞ(傘松道詠)
939 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 09:04:42 ID:I8VUlxib
山のはにほのめくよひの月影に光もうすくとぶ蛍かな(新後拾遺699)
940 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 09:06:10 ID:I8VUlxib
我が庵は越のしらやま冬こもり凍も雪も雲かかりけり(傘松道詠)
941 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 09:07:07 ID:I8VUlxib
冬草も見えぬ雪野のしらさぎはおのが姿に身をかくしけり(傘松道詠)
942 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 09:10:58 ID:iAEMMBnk
それをだに思ひ醒まさじ恋しさのすすむままなる夕暮の空
943 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 09:11:36 ID:iAEMMBnk
思ふ人こよひの月をいかに見るや常にしもあらぬ色にかなしき
944 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 09:12:09 ID:iAEMMBnk
涙だに思ふが程はこぼれぬよあまりくだくる今の心に
945 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 09:12:45 ID:iAEMMBnk
思ひ思ひ涙とまでになりぬるを浅くも人のなぐさむるかな
946 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 09:13:23 ID:iAEMMBnk
浦がくれ入江に捨つる破舟の我ぞくだけて人は恋しき
947 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 09:14:02 ID:iAEMMBnk
あくがるる魂の行くへよ恋しとも思はぬ夢にいりやかぬらん
948 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 09:19:35 ID:wwcpF0Qb
よろづ代をちぎりそめつるしるしにはかつがつけふの暮ぞ久しき(千載797)
949 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 09:20:54 ID:wwcpF0Qb
思ひきや年のつもるは忘られて恋に命の絶えんものとは(千載866)
950 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 09:24:10 ID:2AxoOu0s
かくばかりへがたくみゆる世中にうらやましくもすめる月かな
951 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 09:25:01 ID:2AxoOu0s
みても又またもみまくのほしかりしはなのさかりはすぎやしぬらむ
952 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 09:25:45 ID:2AxoOu0s
ゆきやらで山ぢくらしつほととぎすいまひとこゑのきかまほしさに
953 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 09:26:26 ID:2AxoOu0s
よろづよもなほこそあかねきみがためおもふ心のかぎりなければ
954 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 09:27:04 ID:2AxoOu0s
たまくしげふたとせあはぬきみが身をあけながらやはあらむとおもひし
955 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 09:27:42 ID:2AxoOu0s
春たつといふばかりにやみよしのの山もかすみてけさはみゆらむ
956 :
薄暮の旅人:2006/02/27(月) 12:38:54 ID:DwzRhv5u
逢ふことのなくて月日はへにけれど心ばかりはあけくれもせず 貫之集
957 :
薄暮の旅人:2006/02/27(月) 12:41:29 ID:DwzRhv5u
さほ姫のいと染めかくる青柳を吹きなみだりそ春のやま風 兼盛 詞花集
958 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 17:27:52 ID:rTplcILz
露の命きえなましかばかくばかりふる白雪をながめましやは(新古1581)
959 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 17:38:41 ID:b+2DHie1
山風の吹きだにやめばとだえけり細谷川の花の浮橋(藤原盛方)
960 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 17:47:31 ID:k87UbsW9
日をさふる真野の若竹影うすしいつまでのこるこぞの雪かも(出観集)
961 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 17:48:15 ID:k87UbsW9
妻木こるしづをにとへば花は見ゆ朝日あたりの峰にとぞ云ふ(出観集)
962 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 17:48:55 ID:k87UbsW9
夜もすがら花のにほひを思ひやる心や峰に旅寝しつらん(千載59)
963 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 17:49:37 ID:k87UbsW9
桜さく峯に嵐やわたるらん細谷川の花のうき橋(出観集)
964 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 17:50:16 ID:k87UbsW9
夕顔のかかる垣ねに木陰とりふせればすずし麦の秋風(出観集)
965 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 17:50:47 ID:k87UbsW9
小簾の外に宵のともしび消えやらでほのめくかげは蛍なりけり(出観集)
966 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 17:54:18 ID:TeBSRUIq
三笠山細谷川に影さしてさやかに見ゆる冬の夜の月(源頼綱)
967 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:10:33 ID:omjhiCPV
天ざかる夷の荒野に君を置きて思ひつつあれば生けるともなし(「万葉集」2-227)
968 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:18:04 ID:hh1tdLdz
大井河くだす筏のみなれざをみなれぬ人も恋しかりけり(読人不知「拾遺集」)
969 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:20:21 ID:hh1tdLdz
970 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:24:16 ID:hh1tdLdz
昨日だにとはむと思ひし津の国の生田の森に秋は来にけり(藤原家隆「新古今集」)
971 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:24:49 ID:hh1tdLdz
時雨ゆく生田の森の秋の色をとはでぞよそにみるべかりける(藤原俊成女「続後拾遺集」)
972 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:27:44 ID:XVew3o/u
かきくらす床の涙の水鏡われさへ我にとほざかりゆく(大内政弘)
973 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:28:19 ID:XVew3o/u
よしや人みまれ見ずまれ今はただめづらしげなき恋の煙を(後嵯峨院)
974 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:29:02 ID:XVew3o/u
月影をみまれみずまれ秋といへばめづらしげなく落つるなみだか(宗尊親王)
975 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:29:38 ID:XVew3o/u
花の色はみまれみずまれ分けゆかんかすめる山に風にほふなり(宗良親王)
976 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:30:14 ID:XVew3o/u
荻の葉に風の音せぬ秋もあらば涙のほかに月は見てまし(道助親王)
977 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:31:16 ID:XVew3o/u
涙だに心にかなふ秋ならばさやけきままの月はみてまし(宗尊親王)
978 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:35:25 ID:J6Jnx84k
秋風にまたこそとはめ津の国の生田のもりの春の明ぼの(順徳院[続古今])
979 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:35:55 ID:J6Jnx84k
津の国の生田の杜の初時雨あすさへふらば紅葉しぬべし(藤原教実[続千載])
980 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:36:30 ID:J6Jnx84k
このねぬる朝けの風も心あらば花のあたりをよきて吹かなん(九条道家[続後撰])
981 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:37:16 ID:J6Jnx84k
たちまよふ吉野の桜よきて吹け雲に待たるる春の山風(九条教実[新勅撰])
982 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:38:12 ID:J6Jnx84k
心から散るといふ名の惜しければうつろふ花に風もいとはず(藤原為理[新後撰])
983 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:38:57 ID:J6Jnx84k
うつろふも心づからの花ならばさそふ嵐をいかがうらみん(伏見院[続千載])
984 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:42:02 ID:pgXMdfWv
くれはつる年をしみかねうちふさば夢みむほどに春はきぬべし(安法法師集)
985 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:42:39 ID:pgXMdfWv
身はとめつ心はおくる山ざくら風のたよりに思ひおこせよ(新古1472)
986 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:43:13 ID:pgXMdfWv
夏衣まだひとへなるうたたねに心してふけ秋のはつ風(拾遺137)
987 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:43:55 ID:pgXMdfWv
紅葉ふる木の下風に夢さめてうらなき鹿の音をもきくかな(安法法師集)
988 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:44:38 ID:pgXMdfWv
あまくだるあら人神のあひおひを思へば久し住吉の松(拾遺589)
989 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:45:15 ID:pgXMdfWv
世をそむく山のみなみの松風に苔の衣や夜さむなるらん(新古1663)
990 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:48:38 ID:8DFqgq4t
朝ごとに汀の氷ふみわけて君につかふる道ぞかしこき(新古1578)
991 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:49:27 ID:8DFqgq4t
あくがれて今はと思ふ山里にすみなれにける夜はの月かな(千五百番歌合)
992 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:50:01 ID:8DFqgq4t
ちりつもる苔の下にも桜花をしむ心やなほのこるらん(千載1155)
993 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:50:33 ID:8DFqgq4t
世にしらぬ秋の別れにうちそへて人やりならず物ぞかなしき(千載949)
994 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:51:16 ID:8DFqgq4t
死ぬとても心をわくるものならば君にのこしてなほや恋ひまし(千載903)
995 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:51:50 ID:8DFqgq4t
陸奥のいはでしのぶはえぞしらぬふみつくしてよ壺の石ぶみ(新古1786)
996 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:55:24 ID:aqKXv1M6
わたの原霞もいくへたつ波のゆたのたゆたに浦風ぞふく(新千載14)
997 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:56:01 ID:aqKXv1M6
よしの川岩もと桜めもはるに波にたちそふ花の面影(道家百首)
998 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:56:47 ID:aqKXv1M6
わけきつるふかき心の色をみよ春はよしのの花ぞめの袖(道家百首)
999 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:57:22 ID:aqKXv1M6
夏の夜は物おもふ人の宿ごとにあらはにもえてとぶ蛍かな(現存和歌六帖)
1000 :
名無氏物語:2006/02/27(月) 18:58:02 ID:aqKXv1M6
さよふかき軒ばの草につゆおちて秋をかけたるうたたねの夢(道家百首)
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。