1 :
名無氏物語:
2 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 02:14:30 ID:xH+1a3xK
3 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 02:16:17 ID:xH+1a3xK
4 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 02:18:09 ID:xH+1a3xK
5 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 02:20:18 ID:xH+1a3xK
6 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 02:22:23 ID:xH+1a3xK
7 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 02:23:14 ID:xH+1a3xK
8 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 02:55:35 ID:xH+1a3xK
したひくる恋のやつこのたびにても身のくせなれや夕とどろきは(源俊頼[千載])
9 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 02:57:15 ID:DCOfhqzw
山のはに豊旗雲をさしあげて恋のやつこのせめくるをみよ(正徹)
10 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 07:59:18 ID:DCOfhqzw
あしひきの山のしづくに立ちぬれぬしかまちあかす夏の夜すがら(藤原良経)
11 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 08:00:00 ID:DCOfhqzw
都人たのめぬものをまつち山夕こえかねて独りかも寝ん(藤原有家)
12 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 08:00:59 ID:DCOfhqzw
まつち山今朝こえ来れば霧こめて隅田川原は見れどわかぬかも(田安宗武)
13 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 08:01:49 ID:DCOfhqzw
あさもよし木人ともしきま土山夕越行けばさをしか啼くも(田安宗武)
14 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 08:04:25 ID:xH+1a3xK
誰にかもやどりをとはんまつち山夕こえゆけば逢ふ人もなし(藤原定宗[新千載])
15 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 15:31:13 ID:DCOfhqzw
月影によもの島辺を見渡せば潮もかなひぬ舟出せよ君(藤原基俊)
16 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 15:32:01 ID:DCOfhqzw
月待ちて船乗りすべき夕庭のしづけき海に春雨ぞふる(中島広足)
17 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 15:35:06 ID:DCOfhqzw
白浪の寄する渚に大御輿御立たせりけむ古思ほゆ(大倉鷲夫)
18 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 15:36:10 ID:DCOfhqzw
妹が門かへり見すれば赤駒の足掻くを惜しといたたせり見ゆ(和田厳足)
19 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 15:38:04 ID:DCOfhqzw
あかず見し千種の花もうつりゆきて紅葉になげく秋の暮かな(荷田蒼生子)
20 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 15:39:14 ID:DCOfhqzw
青きをばおきてなげかん陰もなしそむる千入の岡のもみぢ葉(村田春海)
21 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 15:47:03 ID:DCOfhqzw
山見れば雪もけなくになかざりし鳥こそきなけ春来たるらし(本居宣長)
22 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 15:47:51 ID:DCOfhqzw
そめざらんものとはなしに秋山の青きをおきてなげくころかな(加納諸平)
23 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 15:48:53 ID:DCOfhqzw
春日山峰にも尾にも声はしてしかもかくすか秋の夕霧(澄覚法親王)
24 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 15:49:45 ID:DCOfhqzw
三輪山をしかもてらせる月影にかくさふべしや杉たてる門(荷田蒼生子)
25 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 15:50:33 ID:DCOfhqzw
そなたぞと見つつしのばん山の端をしかもかくすかあま雲の空(鵜殿余野子)
26 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 15:53:18 ID:DCOfhqzw
蒲生野の標野の原のをみなへし野守に見すな妹が袖ふる(大江匡房)
27 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 15:54:22 ID:DCOfhqzw
いざや君袖ふりはへてすみれ草むらさきのゆきしめの雪みん(藤原家隆)
28 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 15:55:44 ID:DCOfhqzw
消えやらぬ紫野ゆき標野ゆきそれかとまがふ春の夕暮(藤原為家)
29 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 15:55:48 ID:69BQEj45
三輪山をしかもかくすか春霞人に知られぬ花や咲くらむ(紀貫之[古今])
30 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 15:57:36 ID:69BQEj45
寝られずや妻を恋ふらん標野ゆき紫野ゆき鹿ぞ鳴くなる(後嵯峨院[続古今])
31 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:12:51 ID:DCOfhqzw
そめざらんものとはなしに秋山の青きをおきてなげくころかな(加納諸平)
32 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:13:42 ID:DCOfhqzw
標野ゆき紫野ゆき秋萩の花にしほるる袖ぞ色こき(宗良親王)
33 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:14:27 ID:DCOfhqzw
袖ふりし昔もかくや標野ゆき紫の野の春のまどゐは(豊原統秋)
34 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:15:23 ID:DCOfhqzw
春がすみ真袖にわけてしめの行き紫野ゆき子日するかも(橘千蔭)
35 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:16:29 ID:DCOfhqzw
夕涼みあだ寝の床の明け方にすだれうごかし秋は来にけり(殷富門院大輔)
36 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:17:25 ID:DCOfhqzw
軒は荒れて簾うごかし吹く風に閨のおくまで月ぞいざよふ(後崇光院)
37 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:21:20 ID:69BQEj45
たそかれに物思ひをれば我が宿の荻の葉そよぎ秋風ぞ吹く(源実朝[玉葉])
38 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:31:25 ID:DCOfhqzw
古に恋ふらむ鳥の声待ちて花橘は花咲きにけり(加納諸平)
39 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:32:24 ID:DCOfhqzw
鶯も言の葉そへてみ吉野の玉松が枝のはしき春かな(千種有功)
40 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:34:02 ID:DCOfhqzw
ほととぎすいたくな鳴きそ独りゐていの寝らえぬに聞けば苦しも(大伴坂上郎女)
41 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:35:23 ID:DCOfhqzw
見渡せば天の香具山畝火山あらそひたてる春霞かな(賀茂真淵)
42 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:36:03 ID:DCOfhqzw
時鳥とよはた雲に過ぎぬなり今宵の月に又や待たれむ(頓阿)
43 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:36:56 ID:DCOfhqzw
月もげにすめる今宵かわたつ海や豊はた雲の跡の浦風(二条為重)
44 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:40:02 ID:69BQEj45
神なびの磐瀬の森の初時雨しのびし色は秋風ぞ吹く(順徳院[続古今])
45 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:41:16 ID:69BQEj45
入日さすとよはた雲に分きかねつ高間の山の嶺の紅葉ば(崇徳院[新拾遺])
46 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:42:42 ID:69BQEj45
はては又とよはた雲の跡もなしこよひの月の秋の浦風(津守国冬[続千載])
47 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:43:50 ID:69BQEj45
入日さす塩瀬もとほしわたつ海やとよはた雲の末のしら波(藤原経宣[新千載])
48 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:45:20 ID:69BQEj45
待つ人は今夜もいさや入日さすとよはた雲の夕ぐれの空(大江忠幸[新拾遺])
49 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:45:56 ID:DCOfhqzw
入日さす豊はた雲の色暮れてうす雲なびく秋の海原(中島広足)
50 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:47:09 ID:DCOfhqzw
露だにもおけばたまらぬ秋の田のかりほの庵に時雨降るなり(藤原家隆)
51 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:50:16 ID:DCOfhqzw
唐衣かりいほのとこの露寒み萩のにしきを重ねてぞ着る(藤原定家)
52 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:53:22 ID:DCOfhqzw
秋の田のかりほの庵に露おきてひまもあらはに月ぞもりくる(後鳥羽院)
53 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:55:09 ID:DCOfhqzw
苫をあらみ露は袂におきゐつつかりほの庵に月をみしかな(後鳥羽院)
54 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:55:57 ID:DCOfhqzw
足引の山田もるいほの苫をあらみ木の下露や袖にもるらむ(後鳥羽院)
55 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:56:43 ID:DCOfhqzw
旅寝するあまの苫屋のとまをあらみ寒き嵐に千鳥さへなく(後鳥羽院)
56 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:00:34 ID:69BQEj45
秋の田の庵に葺ける苫を荒みもりくる露のいやは寝らるる(和泉式部[続後撰])
57 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:03:59 ID:69BQEj45
草の庵なに露けしと思ひけむもらぬ岩屋も袖はぬれけり(行尊[金葉])
58 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:05:12 ID:69BQEj45
秋の田に庵さすしづの苫をあらみ月と友にや守りあかすらん(藤原顕輔[新古今])
59 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:07:45 ID:DCOfhqzw
小山田のかりほのいほのとことはに我が衣手は秋の白露(順徳院)
60 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:09:11 ID:DCOfhqzw
秋の田のかり庵の露はおきながら月にぞしぼる夜はの衣手(藤原為家)
61 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:10:21 ID:DCOfhqzw
ことわりに過ぎてぞぬるる秋の田のかりほの庵の露のやどりは(藤原為家)
62 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:11:52 ID:DCOfhqzw
秋の田のかりほの苫にふく稲のほの上渡る軒の月かげ(正徹)
63 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:15:01 ID:DCOfhqzw
苫をあらみ小田もる老の心にはなほたへかねて露はらふらん(東常縁)
64 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:16:45 ID:DCOfhqzw
晴るる間の雨にかりほのとまをあらみ漏りにし程は漏らぬ月影(藤原惺窩)
65 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:18:50 ID:DCOfhqzw
思へ世は玉しくとても秋の田の仮庵ならぬ宿りやはある(後水尾院)
66 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:19:45 ID:DCOfhqzw
橘の木の丸殿にかをる香はとはぬに名乗るものにぞありける(源俊頼)
67 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:21:26 ID:69BQEj45
ひとりのみ木の丸殿にあらませば名のらで闇に迷はましやは(藤原実方[後拾遺])
68 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:23:14 ID:69BQEj45
名のりせば人知りぬべし名のらずは木の丸殿をいかで過ぎまし(赤染衛門[後拾遺])
69 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:27:37 ID:69BQEj45
さ夜ふかみ山時鳥なのりして木のまろ殿を今ぞすぐなる(藤原公行[新勅撰])
70 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:43:21 ID:DCOfhqzw
かるかやの関路になのる時鳥木の丸殿の昔をや思ふ(冷泉為村)
71 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:45:08 ID:DCOfhqzw
磐代の岸の松が枝結びけむ人は還りてまた見けむかも(長意吉麻呂)
72 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:46:34 ID:DCOfhqzw
磐代の野中に立てる結び松心も解けずいにしへ思ほゆ(長意吉麻呂)
73 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:48:33 ID:DCOfhqzw
鳥翔成あり通ひつつ見らめども人こそ知らね松は知るらむ(山上憶良)
74 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:49:19 ID:DCOfhqzw
月も見よ旅にしあれば椎の葉にもるいひしらぬ宿にかりねて(上冷泉為広)
75 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:50:33 ID:DCOfhqzw
椎の葉にかれ飯もるとやすらへば山風そへて雨こぼれ来ぬ(加納諸平)
76 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:51:38 ID:DCOfhqzw
山藤の花序の昏れゆく車窓にぞ師のみいのちは天垂らしたり(山中智恵子)
77 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:54:24 ID:DCOfhqzw
その問ひを負へよ夕日は降ちゆき幻日のごと青旗なびく(山中智恵子)
78 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 23:39:00 ID:DCOfhqzw
かたらばや吉野よくみてかへりこむ人にもけふの花の夕を(三条西実隆)
79 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 23:40:52 ID:DCOfhqzw
よしの山雪か雲かのけぢめをもよく見てきませよき人よ君(加藤美樹)
80 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 23:41:57 ID:DCOfhqzw
よき人のよしといひつる吉野山よく見て行きてよしとかたらむ(本居宣長)
81 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 23:43:17 ID:DCOfhqzw
よき人をよしとよく見し夕べより吉野の花の面影にたつ(香川景樹)
82 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 23:44:12 ID:DCOfhqzw
淑き人のよく見と言ひし芳野山よく見て行かな淑き人のため(鹿持雅澄)
83 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 23:45:16 ID:DCOfhqzw
淑き人のよしとよく見て住みよしと云ひし吉野に住めるよき人(平賀元義)
84 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 23:46:40 ID:DCOfhqzw
かしましと面伏せには言ひしかどこの頃見ねばさびしかりけり(良寛)
85 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 00:13:12 ID:8g7rWqSO
又さらに折り焚く柴のしひがたりさすがに夜さへあくべくはなし(加納諸平)
86 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 00:14:17 ID:8g7rWqSO
飛ぶ鳥の明日香の里のきりぎりす君があたりの秋や恋ふらむ(後鳥羽院)
87 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 00:15:18 ID:8g7rWqSO
風かよふ明日香の里の梅が香に君があたりは春ぞ過ぎ憂き(二条為重)
88 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 00:16:22 ID:8g7rWqSO
いつしかと衣ほすめりかげろふの夏きにけらし天のかご山(藤原隆季)
89 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 00:17:34 ID:FoIAU9jy
白妙にゆふかけてけり榊葉に桜さきそふ天のかぐ山(藤原俊成[続拾遺])
90 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 05:59:20 ID:8g7rWqSO
白妙の衣ほすてふ夏の来て垣根もたわに咲ける卯の花(藤原定家)
91 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:02:44 ID:8g7rWqSO
大井川かはらぬゐぜきおのれさへ夏きにけりと衣ほすなり(藤原定家)
92 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:03:40 ID:8g7rWqSO
花ざかり霞の衣ほころびてみねしろたへの天のかご山(藤原定家)
93 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:04:27 ID:8g7rWqSO
雲晴るる雪の光や白妙の衣干すてふ天のかぐ山(藤原良経)
94 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:05:31 ID:8g7rWqSO
白雲の衣ほすてふ山がつの垣ほの谷は日影やはさす(藤原家隆)
95 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:06:47 ID:8g7rWqSO
白妙の衣ほすなり郭公天のかぐ山おりはへてなけ(藤原家隆)
96 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:08:07 ID:8g7rWqSO
春ををしみ天の香具山袖ぬれてあすは卯月の衣ほすとも(藤原家隆)
97 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:11:07 ID:FoIAU9jy
名に高き天のかぐ山けふしこそ雲ゐにかすめ春やきぬらん(藤原定家[続古今])
98 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:13:06 ID:FoIAU9jy
春霞しのに衣をおりかけていくかほすらん天のかご山(藤原良経[続後撰])
99 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:14:29 ID:FoIAU9jy
白妙の衣ふきほす木枯しのやがて時雨るる天のかぐ山(藤原雅経[続古今])
100 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:16:25 ID:FoIAU9jy
朝あけの霞の衣ほしそめて春たちなるる天のかぐ山(土御門院[続古今])
101 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:20:01 ID:FoIAU9jy
冬きては衣ほすてふひまもなく時雨るる空の天のかぐ山(後嵯峨院[続後撰])
102 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:21:13 ID:FoIAU9jy
佐保姫の衣ほすらし春の日のひかりに霞む天のかぐ山(宗尊親王[続後拾遺])
103 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:29:18 ID:FoIAU9jy
佐保姫の霞の衣をりかけてほす空たかき天のかぐ山(二条為重[新後拾遺])
104 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:31:12 ID:8g7rWqSO
いまよりの秋風たちぬしろたへの衣吹きほすあまのかぐ山(藤原家隆)
105 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:32:35 ID:8g7rWqSO
みねたかき天のかご山しろたへのたが衣手を雲にほすらん(藤原信実)
106 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:33:59 ID:8g7rWqSO
かぐ山のあまぢのかすみおりはへて神もやむかし衣ほしけむ(藤原基家)
107 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:35:27 ID:8g7rWqSO
五月雨は雲のおりはへ夏衣ほさでいくかぞあまのかご山(藤原為家)
108 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:36:55 ID:8g7rWqSO
香久山やあまぎる雪の朝がすみそれとも見えずほす衣かな(正徹)
109 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:37:57 ID:8g7rWqSO
さくら花よそめは雲になりはてて衣はほさじ天の香久山(木下長嘯子)
110 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:39:00 ID:8g7rWqSO
水無月のテラス手負のラガー出て白妙の裂帛を干したり(塚本邦雄)
111 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:46:22 ID:FoIAU9jy
世の中は常にもがもな渚こぐ海人の小舟の綱手かなしも(源実朝[新勅撰])
112 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:51:54 ID:8g7rWqSO
さざ浪や志賀の都はあれにしを昔ながらの山ざくらかな(平忠度)
113 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:53:28 ID:8g7rWqSO
霧はるる紅葉にまがふ山本のあけのそほ舟こがれてぞ行く(藤原家隆)
114 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:56:14 ID:8g7rWqSO
山もとのあけのそほ船ほのぼのとこぎいづる沖は霧こめてけり(藤原良経)
115 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:57:43 ID:8g7rWqSO
山もとのあけのそほ舟紅葉ばに色わかれゆく秋のうらかぜ(心敬)
116 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:59:23 ID:8g7rWqSO
若の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして鶴鳴きわたる(山部赤人)
117 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 07:01:02 ID:8g7rWqSO
見わたせば穂の上にきらふさくら田へ雁なきわたる秋の夕暮(賀茂真淵)
118 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 07:03:03 ID:8g7rWqSO
行末も知られざりけり高島や勝野の原の雪の曙(藤原季経)
119 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 07:04:47 ID:FoIAU9jy
さざなみや国つ御神のうらさえて古き都に月ひとりすむ(藤原忠通[千載])
120 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 07:06:39 ID:FoIAU9jy
春の夜のあけのそほ船ほのぼのといく山もとをかすみきぬらん(藤原良平[新古今])
121 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 07:08:41 ID:FoIAU9jy
ちりまがふ紅葉の色に山本のあけのそほ舟猶こがるらし(亀山院[続千載])
122 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 07:12:47 ID:FoIAU9jy
追風に山本とほく漕出でてほのかになりぬあけのそほ舟(源頼春[新千載])
123 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 07:19:45 ID:FoIAU9jy
高島の勝野の原に宿とへば今日やはゆかむ遠の白雲(藤原家隆[続後撰])
124 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 08:38:19 ID:8g7rWqSO
旅衣露のけわぶる夏草にかちのの原は日もくれにけり(藤原為家)
125 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 08:39:44 ID:8g7rWqSO
朝まだき霞みにけりな武庫の浦に出づる友舟かずかくれゆく(源師光)
126 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 08:41:08 ID:8g7rWqSO
はしきやしわがせの君はいは国のあらき山路をけふかこゆらむ(本居宣長)
127 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 08:43:41 ID:8g7rWqSO
日は暮れぬ山も見わかずなりにけり別れし人はいづくゆくらむ(橘曙覧)
128 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 08:46:32 ID:8g7rWqSO
まきのむらつらつら椿つらつらに思へばひさし君が八千代は(大江匡房)
129 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 08:47:42 ID:8g7rWqSO
こせ山のつらつら椿つらからば逢ふにはかへぬ身をやつくさん(飛鳥井雅有)
130 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 08:48:48 ID:8g7rWqSO
めもはるに袖うちふりてこせの野のつらつら椿あかなくにみん(烏丸光広)
131 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 08:49:28 ID:8g7rWqSO
雁がねのつらつらつばき川上に咲くをみすつるこせの春山(契沖)
132 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 08:49:55 ID:FoIAU9jy
いづくにかしばしすぐさん高島の勝野にかかる夕立の空(藤原為道[新千載])
133 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 08:50:48 ID:FoIAU9jy
いづくにか今宵はさ寝ん印南野の浅茅が上も雪降りにけり(藤原為定[新後拾遺])
134 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 08:53:36 ID:FoIAU9jy
いざ子ども香椎の潟に白妙の袖さへ濡れて朝菜つみてむ(大伴旅人[万葉])
135 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 08:54:57 ID:FoIAU9jy
いざ子ども早く大和へ大伴の御津の浜松待ち恋ひぬらむ(山上憶良[万葉])
136 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 08:57:54 ID:8g7rWqSO
月てればつらつら椿その葉さへみなしらたまと見ゆるよはかな(香川景樹)
137 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 08:58:53 ID:8g7rWqSO
自らを頼まず同じ花あまたつらぬる椿つらつらつばき(与謝野晶子)
138 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 08:59:47 ID:8g7rWqSO
雙生の椿咲く丘はしきよし花はつらつら樹さへつらつら(長塚節)
139 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 09:05:21 ID:8g7rWqSO
麓より風吹き起り椿山椿つらつら輝き照るも(若山牧水)
140 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 09:11:18 ID:8g7rWqSO
雲もゐず秋の月夜はてらせれどやまとは見えず国とほみかも(本居宣長)
141 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 09:12:46 ID:8g7rWqSO
山吹のにほひし山の清水をば汲みにゆかんと道のしらなく(高市皇子)
142 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 09:13:40 ID:8g7rWqSO
浪あらふ浜松が枝の手向草年ふる恋に袖ぞかわかぬ(藤原長方)
143 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 09:14:38 ID:8g7rWqSO
秋といへば浜松が枝の手向草わりなき露もやどる月かな(藤原家隆)
144 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 09:14:41 ID:FoIAU9jy
逢ふことをけふ松が枝の手向草いくよしほるる袖とかは知る(式子内親王[新古今])
145 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 09:15:42 ID:FoIAU9jy
風吹けば浜松が枝の手向草つゆばかりこそ幣と散るらめ(寂蓮[新勅撰])
146 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 23:38:11 ID:+ESWT07d
147 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 01:13:23 ID:/mzXiqIK
風わたる浜松が枝の手向草なびくにつけて夏やすぎぬる(藤原定家)
148 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 01:14:38 ID:/mzXiqIK
年へたる浜松が枝の手向草かはらぬ色も春は見えけり(後鳥羽院)
149 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 01:15:37 ID:/mzXiqIK
年ふりて花も咲きけり手向ぐさ浜松が枝の冬の白雪(伏見院)
150 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 01:16:36 ID:/mzXiqIK
いはけなくいかなるさまにたどりてか死出の山路をひとりこゆらん(土岐筑波子)
151 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 01:17:23 ID:/mzXiqIK
潮みちぬ 常世の雁の風の書を見すべききみがありといはなくに(山中智恵子)
152 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 09:06:03 ID:/mzXiqIK
しぐれふる紅葉の錦たてもなくぬきもさだめぬ玉ぞこぼるる(藤原為家)
153 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 09:06:52 ID:/mzXiqIK
いかにせん我たちぬれぬわぎもこにあはでの森のこの下露に(藤原顕季)
154 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 09:07:46 ID:/mzXiqIK
妹まつと人やみるらむかりそめにやすらふほどの山のしづくも(橘千蔭)
155 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 09:08:48 ID:/mzXiqIK
妹まつと人やみるらむかりそめにやすらふほどの山のしづくも(橘千蔭)
156 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 09:10:04 ID:/mzXiqIK
あづさゆみいる円方にみつ汐の昼はありがたみ夜をこそまて(凡河内躬恒)
157 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 09:11:02 ID:/mzXiqIK
梓弓いる円方はとほくとも末にこたふるちぎりともがな(藤原隆祐)
158 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 09:14:05 ID:/mzXiqIK
かへす田にまかする水も住よしの岸のはにふににほふ春風(三条西実隆)
159 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:10:50 ID:/mzXiqIK
住の江の岸の埴生にけふもかも袂匂ひて君が行くらん(鵜殿余野子)
160 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:11:53 ID:/mzXiqIK
住の江の松の緑の春は来ぬはにに匂はせ妹が衣を(千種有功)
161 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:12:42 ID:/mzXiqIK
みよしのの山した風のさむき夜をたれ故郷に衣うつらん(源実朝)
162 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:13:37 ID:/mzXiqIK
みよしのの山下風の故郷を花よりぞもる春の夜の月(順徳院)
163 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:15:10 ID:/mzXiqIK
はげしさはこの比よりもたつた山松の嵐に紅葉みだれて(藤原定家)
164 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:16:34 ID:/mzXiqIK
たつた山あらしや嶺によわるらんわたらぬ水も錦たえけり(宮内卿)
165 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:19:42 ID:5Z9p+MPl
白浪の千重に来よする住吉の岸の黄土ににほひてゆかな(車持千年[万葉])
166 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:24:00 ID:5Z9p+MPl
馬の歩み押へ止めよ住吉の岸の黄土ににほひてゆかむ(安倍朝臣豊継[万葉])
167 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:25:21 ID:5Z9p+MPl
涙川枕ながるるうき寝には夢もさだかに見えずぞありける(よみ人しらず[古今])
168 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:26:47 ID:5Z9p+MPl
うちわたすをち方人に物申す我そのそこに白く咲けるはなにの花ぞも(よみ人しらず[古今])
169 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:27:24 ID:/mzXiqIK
是も又都の秋の紅葉ばをわたらば錦中川の水(正徹)
170 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:28:36 ID:/mzXiqIK
から錦もみぢみだれてうづむらんわたらぬ橋の中はたえけり(後柏原天皇)
171 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:29:31 ID:/mzXiqIK
うぢま山なほ春さむき朝風にかさねてこほる去年のしら雪(中臣祐臣)
172 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:30:33 ID:/mzXiqIK
春もなほあさ風さむみうぢま山霞の衣かりぞなくなる(花山院師兼)
173 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:32:17 ID:/mzXiqIK
いく里もおなじながめのうぢま山朝かぜさむし雪の川なみ(正徹)
174 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:33:12 ID:/mzXiqIK
花の香の別をしるもうぢま山衣はかへし袖のあさかぜ(正広)
175 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:34:29 ID:/mzXiqIK
浦さぶるあまの時雨の音たてて磯のしほやに冬は来にけり(日野俊光)
176 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:37:36 ID:/mzXiqIK
沫雪のながらふみれば息つめて身命の琴鳴りいづるなり(山中智恵子)
177 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:43:01 ID:5Z9p+MPl
うぢま山けさこえゆけば旅人の衣手さむし雪はふりつつ(能円[続千載])
178 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:44:50 ID:5Z9p+MPl
風吹けば沖つ白波たつた山よはにや君がひとり越ゆらむ(よみ人しらず[古今])
179 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:56:02 ID:/mzXiqIK
月かげにみがきておつる滝のうへのみふねの山は雲もかからず(伏見院)
180 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:56:44 ID:/mzXiqIK
五月雨ににごりておつる滝の上の御船の山は雲ぞかかれる(洞院公泰)
181 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:57:37 ID:/mzXiqIK
さわらびのもえ出づる春の夕暮は霞のうへに煙立ちけり(小式部内侍)
182 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:58:22 ID:/mzXiqIK
岩そそぐ清水も春の声たててうちや出でつる谷のさわらび(藤原定家)
183 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:59:36 ID:/mzXiqIK
さわらびの萌え出づる春になりぬれば野辺の霞もたなびきにけり(源実朝)
184 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 23:00:38 ID:/mzXiqIK
雪きゆる垂水のうへはもえ初めてまだ春しらぬ谷のさわらび(堯孝)
185 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 23:01:30 ID:/mzXiqIK
草枕都をとほみいたづらにゆききの月のやどる白露(藤原定家)
186 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 23:02:16 ID:/mzXiqIK
わぎもこが袖吹きかへす秋風のまだうらなれぬ涙とふらむ(後鳥羽院)
187 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 23:05:44 ID:5Z9p+MPl
我が君は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで(よみ人しらず[古今])
188 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 23:09:03 ID:5Z9p+MPl
玉藻かるかたやいづくぞ霞たつあさかの浦の春の明ぼの(冷泉為相[新千載])
189 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 23:09:56 ID:5Z9p+MPl
たづのすむ沢べの蘆の下根とけ汀もえいづる春は来にけり(大中臣能宣[後拾遺])
190 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 23:10:36 ID:5Z9p+MPl
焼きすてし煙の末の立ちかへり春もえ出づる野べのさわらび(亀山院[新千載])
191 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 23:11:04 ID:/mzXiqIK
明日香風袖吹きかへす夕暮に都へだつる佐保の川霧(藤原秀能)
192 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 23:12:53 ID:/mzXiqIK
飛鳥川桜吹きかへす春の風なほたをやめの袖の香ぞする(藤原為家)
193 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 23:14:16 ID:/mzXiqIK
穂に出でて招く薄のあすか風袖吹き返す秋の夕暮(藤原為家)
194 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 23:16:37 ID:/mzXiqIK
明日香風かは音ふけてたをやめの袖にかすめる春の夜の月(宗尊親王)
195 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 23:24:53 ID:/mzXiqIK
明日香風いたづらにちる紅葉かな都を遠み見る人やなき(二条為忠)
196 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 00:07:43 ID:Fbewrd0z
たわやめの袖吹き返す夕風に涼しくすめる鈴の音のよさ(鹿持雅澄)
197 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 00:10:18 ID:Fbewrd0z
たをやめの袖吹きかへす夕風に湯の香つたふる山中の里(橘曙覧)
198 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 00:33:04 ID:Fbewrd0z
葦辺ゆく鴨の羽がひの夕霜をよそには鳴かぬさよ千鳥かな(藤原家隆)
199 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 00:34:19 ID:Fbewrd0z
葦辺ゆく鴨の羽風もさむき夜にまづかげこほる三島江の月(藤原雅経)
200 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 00:35:46 ID:Fbewrd0z
嘆きつつ独りやさねむ葦辺ゆく鴨の羽がひも霜さゆる夜に(花山院長親)
201 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 00:37:29 ID:Fbewrd0z
さ夜更けて鴨が音寒し差し交はす羽交の霜やいたく置きにけむ(横井千秋)
202 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 00:38:21 ID:Fbewrd0z
暮れゆけばさしてぞ恋ふるひのもとのみつの浜松いつとわきける(藤原家隆)
203 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 00:41:56 ID:sYoxr49l
待ち恋ひしむかしは今も忍ばれてかたみ久しきみつの浜松(藤原定家[新拾遺])
204 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 00:43:06 ID:sYoxr49l
大伴の御津の浜松かすむなりはや日の本に春やきぬらん(宗尊親王[続古今])
205 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 02:11:23 ID:Fbewrd0z
大伴の御津の浜風吹きはらへまつとも見えじうづむ白雪(藤原定家)
206 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 02:15:46 ID:Fbewrd0z
梅が枝の花も氷やとぢつらむ鶯の涙いまだひなくに(亀山院)
207 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 02:17:00 ID:Fbewrd0z
大野山ふもとのうらは霧はれておきその風は月ぞさやけき(藤原信実)
208 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 02:18:05 ID:Fbewrd0z
そめしより散らまく惜しむ世の人のおきその霧や山かくすらむ(加藤枝直)
209 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 02:19:53 ID:Fbewrd0z
我が嘆くおきその霧もはれぬべし君が袖ふる心しるくば(本居宣長)
210 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 02:20:47 ID:Fbewrd0z
別れ惜しむおきその風に霧たたばせめてやすらへ天の河舟(村田春海)
211 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 02:23:45 ID:sYoxr49l
かからむとかねて知りせば越の海の有磯の波も見せましものを(大伴家持[万葉])
212 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 02:27:13 ID:sYoxr49l
妹が見し屋戸に花咲き時は経ぬ我が泣く涙いまだひなくに(大伴家持[万葉])
213 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 08:27:32 ID:Fbewrd0z
白金も金も玉も天地の賜はる国ぞなにかなげかん(楫取魚彦)
214 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 08:28:36 ID:Fbewrd0z
銀も金も玉もよしゑやし飲みての後は欲しけくもなし(鹿持雅澄)
215 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 08:29:31 ID:Fbewrd0z
雉食へばましてしのばゆ再た娶りあかあかと冬も半裸のピカソ(塚本邦雄)
216 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 08:31:36 ID:Fbewrd0z
香をとめて人も見に来ぬ梅の花待ちくらしつつ独りをるかな(壬生忠見)
217 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 08:33:15 ID:Fbewrd0z
春来ればまづ咲く宿の梅の花香をなつかしみ鶯ぞ鳴く(源実朝)
218 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 08:33:58 ID:Fbewrd0z
春来てはまづ咲く花の都ぞと思ひなしにも空ぞのどけき(正徹)
219 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 08:35:50 ID:Fbewrd0z
春来ればまづ咲く梅にききそめて藤にもかかる鶯の声(大国隆正)
220 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 08:39:55 ID:sYoxr49l
春来れば宿にまづさく梅の花きみがちとせのかざしとぞみる(紀貫之[古今])
221 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 02:45:50 ID:nbxR5b9/
天の川浪たつなゆめ彦ぼしのつまむかへ舟岸によすなり(藤原基俊)
222 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 02:48:02 ID:nbxR5b9/
むかへ舟八十瀬をかけてこぎ出でぬと妻にはつげよ天の河風(下河辺長流)
223 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 02:51:22 ID:nbxR5b9/
七草とかぞへし昔おもひいでて数へてぞみる秋の花野を(大国隆正)
224 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 03:01:21 ID:AwHyHBwF
天の川うきつの波に彦星の妻むかへ舟いまやこぐらし(藤原敦仲[新勅撰])
225 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 03:03:29 ID:AwHyHBwF
天の川川音すみて彦星の妻迎へ舟まつや久しき(土御門院小宰相[新続古今])
226 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 03:06:26 ID:AwHyHBwF
天の川かはべの霧のふかき夜に妻むかへ舟いまか出づらし(花園院[新千載])
227 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 03:16:16 ID:nbxR5b9/
野べにいでて見れどもあかず萩が花をばな葛花いまさかりなり(藤原光俊)
228 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 03:18:19 ID:nbxR5b9/
せりなづなごぎやうはこべら仏のざすずなすずしろ是は七種(梵灯)
229 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 03:23:16 ID:nbxR5b9/
まとひあひて尾花くず花なでしこの花にもさける朝がほの花(大隈言道)
230 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 03:24:03 ID:nbxR5b9/
風まじり涙の雨のあめまじりかしらの雪のくるるとしかな(藤原惺窩)
231 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 03:25:35 ID:nbxR5b9/
世の中を思ひはてなば放ち鳥とびたちぬべき心ちこそすれ(源俊頼)
232 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 03:28:14 ID:nbxR5b9/
しづたまき数にもあらぬ身なれども恋はうとまぬ物にぞ有りける(待賢門院安芸)
233 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 03:31:31 ID:nbxR5b9/
山ふかみ寝覚めのともとしづたまき数にもあらぬすまひなれども(後鳥羽院)
234 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 03:34:57 ID:AwHyHBwF
しなざかる越に五年住み住みて立ち別れまく惜しき宵かも(大伴家持[万葉])
235 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 03:40:39 ID:AwHyHBwF
かへりこむ程もさだめぬ別れぢは都のてぶり思ひいでにせよ(藤原公実[千載])
236 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 03:46:19 ID:AwHyHBwF
しづたまき数にもあらぬ身なれどもつかへし道は忘れしもせず(藤原秀能[風雅])
237 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 03:48:24 ID:nbxR5b9/
丈夫や命死ぬとも万代に名は朽ちめやも波頭迦志美思倍(楫取魚彦)
238 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 04:33:22 ID:nbxR5b9/
磯のうへは心してゆけ真砂ぢや根這ふつままに駒ぞつまづく(藤原信実)
239 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 04:34:19 ID:nbxR5b9/
秋風に雲のかけはし吹き断えて駒ぞ跌く家思ふかも(岡倉天心)
240 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 04:35:06 ID:nbxR5b9/
故郷のもとあらの小萩いたづらに見る人なしみ咲きか散りなむ(源実朝)
241 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 04:36:00 ID:nbxR5b9/
山深み年をふる木の桜花さてや散りなむ見る人なしに(小沢蘆庵)
242 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 04:36:52 ID:nbxR5b9/
うづら鳴くふりにし里の桜花見る人なしに散りかすぎなむ(本居宣長)
243 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 05:22:38 ID:nbxR5b9/
いにしへの人がいひたる如くにし萩が花散る見る人なしに(斎藤茂吉)
244 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 05:28:15 ID:nbxR5b9/
さくら花さきゆくみればわが身のみ春にはうときものにぞありける(伏見院)
245 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 05:30:33 ID:nbxR5b9/
一むらの雲こそかかれ山のはの遠き梢の花や咲くらむ(小沢蘆庵)
246 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 05:31:31 ID:nbxR5b9/
花見むとねこじて植ゑし若桜咲きにけらしな風ふかぬまに(藤原顕季)
247 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 05:35:53 ID:nbxR5b9/
うぐひすの声も若木の梅がえをねこじてうゑし人ぞふりゆく(藤原家隆)
248 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 05:37:13 ID:nbxR5b9/
同じくは千とせもゆづれ山路よりねこじてうゑし宿の白菊(後二条院)
249 :
名無氏物語:2010/04/20(火) 08:23:58 ID:FWeZxDSa
きぎす鳴くすだ野に君がくちすゑて朝踏ますらむいざ行きてみむ(源俊頼)
250 :
名無氏物語:2010/04/20(火) 08:24:46 ID:FWeZxDSa
朝狩りにいまたつらしも 拠点いくつふかい朝から狩りいだすべく(岡井隆)
251 :
名無氏物語:2010/04/20(火) 08:27:41 ID:FWeZxDSa
ひるがへりひるがへしゆく歌ありて来む世も風の朝踏ますらむ(山中智恵子)
252 :
名無氏物語:2010/04/20(火) 08:29:46 ID:FWeZxDSa
うちいでて国見をすれば大和路やさとも村山いくへともなし(正徹)
253 :
名無氏物語:2010/04/20(火) 08:32:38 ID:FWeZxDSa
冬の来て降りみ降らずみ大和にはむら山ありて行く時雨かな(正広)
254 :
名無氏物語:2010/04/21(水) 08:53:42 ID:QC3rIx/E
打出でて国見をすれば山霞うらなみなぎて春は来にけり(細川幽斎)
255 :
名無氏物語:2010/04/21(水) 08:57:06 ID:QC3rIx/E
飛火もり見かもとがめむ蚊遣火のけむり立ちたつ遠かたの里(田安宗武)
256 :
名無氏物語:2010/04/21(水) 08:58:28 ID:QC3rIx/E
高見山ことにし有りけりのぼりたちかへり見すれど国見えなくに(本居宣長)
257 :
名無氏物語:2010/04/21(水) 08:59:11 ID:QC3rIx/E
倭には村山あれどたふときは畝火耳なし天の香具やま(大橋長広)
258 :
名無氏物語:2010/04/21(水) 09:01:29 ID:QC3rIx/E
鹿のねは近くすれども山田守おどろかさぬはいねにけらしも(藤原行家)
259 :
名無氏物語:2010/04/21(水) 09:02:20 ID:QC3rIx/E
桜ゆゑ片岡山にふせる身も思ひしとけばあはれ親なし(鴨長明)
260 :
名無氏物語:2010/04/21(水) 09:16:44 ID:QC3rIx/E
しなてるや片岡山に鳴くきぎす片恋ならしなれも妻なし(熊谷直好)
261 :
名無氏物語:2010/04/21(水) 09:18:06 ID:QC3rIx/E
今も世にいまされざらむ齢にもあらざるものをあはれ親なし(橘曙覧)
262 :
名無氏物語:2010/04/21(水) 09:20:34 ID:QC3rIx/E
瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末にあはむとぞ思ふ(崇徳院)
263 :
名無氏物語:2010/04/21(水) 09:29:16 ID:QC3rIx/E
水下経魚も侘ぶらむ磐床と池の冰いたく凝る此の夜は(鹿持雅澄)
264 :
名無氏物語:2010/04/21(水) 09:30:00 ID:QC3rIx/E
ささがにの蜘蛛のいがきの絶えしより来べき宵とも君は知らじな(藤原実方)
265 :
名無氏物語:2010/04/21(水) 09:31:11 ID:QC3rIx/E
時鳥くべき宵なりささがにのくものけしきもむらさめの空(木下長嘯子)
266 :
名無氏物語:2010/04/21(水) 09:32:09 ID:QC3rIx/E
かねてよりくもの振舞しるくして降り来る閨の夜半の雨かな(大国隆正)
267 :
名無氏物語:2010/04/21(水) 09:33:10 ID:fdRUC4ZR
別れにし人は来べくもあらなくにいかに振舞ふ細蟹ぞこは(源師房女[後拾遺])
268 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 15:50:08 ID:4BMS6Kjk
花の色は移りにけりないたづらに我が身よにふる詠めせしまに(小野小町)
269 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 15:51:43 ID:4BMS6Kjk
思ひつつぬればや人のみえつらん夢としりせばさめざらましを(小野小町)
270 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 15:53:24 ID:4BMS6Kjk
いとせめて恋しき時はむば玉のよるの衣を返してぞきる(小野小町)
271 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 15:54:23 ID:4BMS6Kjk
ながむれば衣手すずし久方の天の河原の秋のはつかぜ(式子内親王)
272 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 15:56:03 ID:4BMS6Kjk
玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることのよわりもぞする(式子内親王)
273 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 15:59:50 ID:4BMS6Kjk
山ふかみ春ともみえぬ松の戸にたえだえかかる雪の玉水(式子内親王)
274 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 16:01:00 ID:4BMS6Kjk
としをへて花の鏡となる水は散りかかるをや曇るといふらん(伊勢)
275 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 16:36:46 ID:4BMS6Kjk
あひにあひて物思ふ頃の我が袖はやどる月さへぬるるかほなる(伊勢)
276 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 16:39:14 ID:4BMS6Kjk
おもひ川絶えずながるる水の泡のうたがた人にあはで消えめや(伊勢)
277 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 17:00:14 ID:4BMS6Kjk
うすくこき野辺の緑のわか草に跡までみゆる雪のむらぎえ(宮内卿)
278 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 17:01:21 ID:4BMS6Kjk
心あるをじまのあまの袂かな月やどれとはぬれぬものから(宮内卿)
279 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 17:17:50 ID:4BMS6Kjk
聞くやいかにうはの空なる風だにもまつに音するならひありとは(宮内卿)
280 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 17:19:13 ID:4BMS6Kjk
鶯の声なかりせば雪消えぬ山里いかで春を知らまし(中務)
281 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 17:21:00 ID:4BMS6Kjk
秋風の吹くにつけてもとはぬかな荻の葉ならば音はしてまし(中務)
282 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 17:22:47 ID:4BMS6Kjk
ありしだにうかりし物をあはずしていづくにそふる辛さなるらん(中務)
283 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 17:23:37 ID:4BMS6Kjk
夜をかさね待ちかね山の郭公雲ゐのよそに一声ぞきく(周防内侍)
284 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 17:24:54 ID:4BMS6Kjk
契りしにあらぬつらさも逢ふことのなきにはえこそ恨みざりけれ(周防内侍)
285 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 17:28:10 ID:4BMS6Kjk
春の夜の夢ばかりなる手枕にかひなくたたん名こそ惜しけれ(周防内侍)
286 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 17:33:57 ID:4BMS6Kjk
袖にさへ秋の夕べはしられけり消えし浅茅が露をかけつつ(斎宮女御)
287 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 18:21:26 ID:4BMS6Kjk
なれゆくも浮世なればや須磨の海士のしほやき衣まどほなるらん(斎宮女御)
288 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 18:23:27 ID:4BMS6Kjk
ぬる夢にうつつのうさも忘られて思ひなぐさむ程ぞはかなき(斎宮女御)
289 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 18:26:32 ID:4BMS6Kjk
梅の花あかぬ色香も昔にておなじかたみの春の夜の月(俊成卿女)
290 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 18:27:59 ID:4BMS6Kjk
露はらふねざめは秋の昔にてみはてぬ夢に残る面影(俊成卿女)
291 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 18:29:02 ID:4BMS6Kjk
夢かとよみし面影も契りしも忘れずながらうつつならねば(俊成卿女)
292 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 18:30:07 ID:4BMS6Kjk
大かたの秋の空だに悲しきに物思ひそふきのふけふかな(右近)
293 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 18:32:50 ID:4BMS6Kjk
逢ふことをまつに月日はこゆるぎの磯に出でてや今はうらみむ(右近)
294 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 18:34:19 ID:4BMS6Kjk
忘らるるみをば思はずちかひてし人の命の惜しくもあるかな(右近)
295 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 19:29:03 ID:4BMS6Kjk
雪深き岩のかけ道跡たゆる吉野の里も春は来にけり(待賢門院堀河)
296 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 20:05:48 ID:4BMS6Kjk
うき人を忍ぶべしとは思ひきや我が心さへなどかはるらん(待賢門院堀河)
297 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 20:10:16 ID:4BMS6Kjk
ながからん心も知らず黒髪の乱れてけさは物をこそ思へ(待賢門院堀河)
298 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 20:27:39 ID:4BMS6Kjk
都人ねてまつらめやほととぎす今は山辺をなきていづなり(藤原道綱母)
299 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 20:31:16 ID:4BMS6Kjk
吹く風につけてもとはんささがにの通ひし道は空に絶ゆとも(藤原道綱母)
300 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 20:32:26 ID:4BMS6Kjk
絶えぬるか影だにみえばとふべきをかたみの水はみくさゐにけり(藤原道綱母)
301 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 20:34:09 ID:4BMS6Kjk
吹き払ふ嵐の後の高嶺より木の葉くもらで月や出づらん(宜秋門院丹後)
302 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 20:35:36 ID:4BMS6Kjk
忘れじのことの葉いかになりぬらんたのめし暮は秋風ぞ吹く(宜秋門院丹後)
303 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 20:43:54 ID:4BMS6Kjk
何となくきけば涙ぞこぼれける苔の袂にかよふ松風(宜秋門院丹後)
304 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 21:56:27 ID:4BMS6Kjk
時鳥しのぶるものをかしは木のもりても声の聞えぬるかな(馬内侍)
305 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 21:59:22 ID:4BMS6Kjk
逢ふことはこれやかぎりの旅ならん草の枕も霜枯れにけり(馬内侍)
306 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 22:00:48 ID:4BMS6Kjk
こよひ君いかなる里の月をみて都にたれを思ひ出づらん(馬内侍)
307 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 22:03:23 ID:4BMS6Kjk
沖つ風夜寒になれや田子の浦の海士のもしほ火焼きまさるらん(嘉陽門院越前)
308 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 22:04:49 ID:4BMS6Kjk
夏引の手びきの糸の年をへて絶えぬ思ひにむすぼほれつつ(嘉陽門院越前)
309 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 22:07:45 ID:4BMS6Kjk
いく夜かは月を哀れとながめきて浪に折りしく伊勢の浜荻(嘉陽門院越前)
310 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 22:09:34 ID:4BMS6Kjk
神な月有明の空のしぐるるをまた我ならぬ人やみるらん(赤染衛門)
311 :
名無氏物語:2010/04/22(木) 22:12:07 ID:4BMS6Kjk
移ろはでしばし信太の杜をみよかへりもぞするくずのうら風(赤染衛門)
312 :
名無氏物語:2010/04/23(金) 08:08:34 ID:0ncgGzkq
いかにねてみえしなるらんうたたねの夢より後は物をこそ思へ(赤染衛門)
313 :
名無氏物語:2010/04/23(金) 08:09:58 ID:0ncgGzkq
よにふるは苦しきものを槙の屋にやすくも過ぐるむら時雨かな(二条院讃岐)
314 :
名無氏物語:2010/04/23(金) 08:12:11 ID:0ncgGzkq
一夜とてよかれし床のを筵にやがても塵のつもりぬるかな(二条院讃岐)
315 :
名無氏物語:2010/04/23(金) 08:26:09 ID:0ncgGzkq
散りかかる紅葉の色はふかけれどわたればにごる山川の水(二条院讃岐)
316 :
名無氏物語:2010/04/23(金) 08:27:51 ID:0ncgGzkq
桜色にそめし衣をぬぎかへてやま郭公けふよりぞ待つ(和泉式部)
317 :
名無氏物語:2010/04/23(金) 08:29:29 ID:0ncgGzkq
物思へば沢の蛍も我が身よりあくがれいづる魂かとぞみる(和泉式部)
318 :
名無氏物語:2010/04/23(金) 08:31:41 ID:0ncgGzkq
くらきよりくらき道にぞ入りぬべき遥かに照らせ山の端の月(和泉式部)
319 :
名無氏物語:2010/04/23(金) 08:34:33 ID:0ncgGzkq
いくめぐり過ぎぬる秋に逢ひぬらむかはらぬ月の影をながめて(小侍従)
320 :
名無氏物語:2010/04/23(金) 08:35:31 ID:0ncgGzkq
つらきをも恨みぬ我にならふなよ憂き身をしらぬ人もこそあれ(小侍従)
321 :
名無氏物語:2010/04/23(金) 08:36:33 ID:0ncgGzkq
待つ宵に更けゆく鐘の声きけばあかぬ別れの鳥はものかは(小侍従)
322 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 19:40:19 ID:iC32QAVa
大井川杣山かぜの寒ければたつ岩浪を雪かとぞみる(左近)
323 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 19:42:51 ID:iC32QAVa
七夕に貸しつと思ひし逢ふことのその夜なき名の立ちにけるかな(左近)
324 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 19:43:44 ID:iC32QAVa
浪ごとに袖ぞぬれけるあやめ草心ににたるねを求むとて(左近)
325 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 19:44:48 ID:iC32QAVa
あふ人にとへど変はらぬおなじ名のいくかになりぬ武蔵野の原(後鳥羽院下野)
326 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 19:46:14 ID:iC32QAVa
行く末もうき世の中に何をかは昔はとては人にかたらむ(後鳥羽院下野)
327 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 19:47:35 ID:iC32QAVa
心していたくななきそきりぎりすかごとがましき老いの寝覚に(後鳥羽院下野)
328 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 19:48:32 ID:iC32QAVa
みよし野は春のけしきに霞めどもむすぼほれたる雪の下草(紫式部)
329 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 19:49:31 ID:iC32QAVa
めぐり逢ひてみしやそれとも分かぬまに雲がくれにし夜半の月かな(紫式部)
330 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 19:57:36 ID:iC32QAVa
みし人の煙となりし夕べよりなぞむつまじきしほかまの浦(紫式部)
331 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 19:58:33 ID:iC32QAVa
小山田にまかする水の浅みこそ袖はひづらめ早苗とるとて(弁内侍)
332 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 20:00:22 ID:iC32QAVa
逢ふまでの命を人にちぎらずはうきに堪へても得やは忍ばん(弁内侍)
333 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 20:01:07 ID:iC32QAVa
置く露は草葉の上と思ひしを袖さへぬれて秋は来にけり(弁内侍)
334 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 20:02:09 ID:iC32QAVa
大江山いくのの道の遠ければまだふみもみず天の橋立(小式部内侍)
335 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 20:03:17 ID:iC32QAVa
しぬばかり歎きにこそは歎きしかいきて逢ふべき君にしあらねば(小式部内侍)
336 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 20:05:49 ID:iC32QAVa
思ひ出でて誰をか人の尋ねましうきに堪へたる命ならずは(小式部内侍)
337 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 20:17:07 ID:iC32QAVa
吹く風ものどけき花の都鳥をさまれる代のことやとはまし(少将内侍)
338 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 20:19:49 ID:iC32QAVa
しらせばやとばかり物を思ふこそならはぬ恋のはじめなりけれ(少将内侍)
339 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 20:24:09 ID:iC32QAVa
恨みても泣きてもいかがかこたまし見し夜の月の辛さならでは(少将内侍)
340 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 20:25:32 ID:iC32QAVa
いにしへの奈良の都の八重桜けふ九重に匂ひぬるかな(伊勢大輔)
341 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 20:26:34 ID:iC32QAVa
別れにしその日ばかりはめぐりきて又もかへらぬ人ぞかなしき(伊勢大輔)
342 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 20:27:24 ID:iC32QAVa
はやくみし山井の水の薄氷うちとけさまはかはらざりけり(伊勢大輔)
343 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 20:51:12 ID:iC32QAVa
もらさばや思ふ心をさてのみはえぞ山城の井手のしがらみ(殷富門院大輔)
344 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 20:54:01 ID:iC32QAVa
何か厭ふよもながらへじさのみやはうきに堪へたる命なるべき(殷富門院大輔)
345 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 21:04:51 ID:iC32QAVa
今はとてみざらん秋の末までも思へばかなし夜半の月かげ(殷富門院大輔)
346 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 21:12:32 ID:iC32QAVa
たよりある風も吹くやと松島によせて久しき天の橋立(清少納言)
347 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 21:15:17 ID:iC32QAVa
忘らるる身はことわりと知りながら思ひあへぬは涙なりけり(清少納言)
348 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 21:17:17 ID:iC32QAVa
よしさらばつらきは我に習ひけり頼めてこぬは誰かをしへし(清少納言)
349 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 21:19:15 ID:iC32QAVa
春はなほ霞むにつけてふかき夜の哀れをみする月の影かな(土御門院小宰相)
350 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 21:30:12 ID:iC32QAVa
いかでまた逢はでやみにし奥山の岩かき清水かげをだに見ん(土御門院小宰相)
351 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 21:31:33 ID:iC32QAVa
ながき夜の寝覚に思ふほどばかり浮世をいとふ心ありせば(土御門院小宰相)
352 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 21:34:38 ID:iC32QAVa
はるかなるもろこしまでも行くものは秋の寝覚の心なりけり(大弐三位)
353 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 21:36:40 ID:iC32QAVa
有馬山いなのささ原かぜふけばいでそよ人を忘れやはする(大弐三位)
354 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 21:39:09 ID:iC32QAVa
うたがひし命ばかりはありながら契りし中の絶えぬべきかな(大弐三位)
355 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 22:00:02 ID:iC32QAVa
一声はおもひぞあへぬ時鳥たそかれ時の雲のまよひに(八条院高倉)
356 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 22:01:02 ID:iC32QAVa
いかが吹く身にしむ色のかはるらんたのむる暮の松原の声(八条院高倉)
357 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 22:01:58 ID:iC32QAVa
我が宿は小倉の山し近ければうきよをしかとなかぬ日ぞなき(八条院高倉)
358 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 22:03:01 ID:iC32QAVa
暁の露は枕に置きけるを草葉の上となにおもひけむ(儀同三司母)
359 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 22:04:10 ID:iC32QAVa
独りぬる人やしるらん秋の夜をながしと誰かきみにつげけむ(儀同三司母)
360 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 22:05:06 ID:iC32QAVa
忘れじの行くすゑまではかたければ今日をかぎりの命ともがな(儀同三司母)
361 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 22:11:17 ID:iC32QAVa
秋の夜をことぞともなく明けぬとは七夕つめや思ひしるらん(後嵯峨院中納言典侍)
362 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 22:13:03 ID:iC32QAVa
いつはりと思はで人も契りけむ変はるならひの世こそつらけれ(後嵯峨院中納言典侍)
363 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 22:33:54 ID:iC32QAVa
人にのみつらさはみえて吹く風の心にかなふ山ざくらかな(後嵯峨院中納言典侍)
364 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 22:35:34 ID:iC32QAVa
浦かぜに吹あげの浜のはま千鳥浪たちくらし夜半に鳴くなり(一宮紀伊)
365 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 22:37:51 ID:iC32QAVa
置く露もしづごころなく秋風にみだれて咲けるまのの萩原(一宮紀伊)
366 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 22:40:14 ID:iC32QAVa
音に聞く高師の浜のあだ浪はかけじや袖のぬれもこそすれ(一宮紀伊)
367 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 22:43:17 ID:iC32QAVa
忘られぬ昔の秋を思ひ寝の夢をばのこせ庭の松風(式乾門院御匣)
368 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 23:00:07 ID:iC32QAVa
みをさらにおなじ浮世と思はずは岩ほの中も尋ねみてまし(式乾門院御匣)
369 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 23:01:24 ID:iC32QAVa
同じ世にたのむ契りの空しくばうきみにかへて逢ふこともがな(式乾門院御匣)
370 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 23:03:43 ID:iC32QAVa
みわたせば浪のしがらみかけてけり卯の花さける玉川の水(相模)
371 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 23:25:25 ID:iC32QAVa
うらみ侘びほさぬ袖だにあるものを恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ(相模)
372 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 23:26:38 ID:iC32QAVa
もろともにいつかとくべき逢ふことのかた結びなる夜半の下紐(相模)
373 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 23:28:21 ID:iC32QAVa
さびしさの真柴の烟そのままに霞をたのむ春の山里(藻壁門院少将)
374 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 23:29:27 ID:iC32QAVa
それをだに心のままの命とてやすくや恋にみをもかへてむ(藻壁門院少将)
375 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 23:31:37 ID:iC32QAVa
おのが音につらき別れのありとだに思ひもしらで鳥やなくらむ(藻壁門院少将)
376 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 23:32:44 ID:iC32QAVa
春霞たつやおそきと山川の岩間をくぐる音聞こゆなり(和泉式部)
377 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 23:33:57 ID:iC32QAVa
さびしさに煙をだにもたえじとて柴折りくぶる冬の山里(和泉式部)
378 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 23:35:05 ID:iC32QAVa
津の国のこやとも人をみるべきにひまこそなけれ蘆の八重ぶき(和泉式部)
379 :
名無氏物語:2010/04/24(土) 23:43:42 ID:iC32QAVa
黒髪のみだれもしらず打ちふせばまづかきやりし人ぞ恋しき(和泉式部)
380 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 00:01:04 ID:CdUV4afF
かるもかき臥す猪の床もいを安みさこそねざらめかからずもがな(和泉式部)
381 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 00:02:56 ID:CdUV4afF
捨てはてむと思ふさへこそ悲しけれ君になれにし我が身と思へば(和泉式部)
382 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 00:04:12 ID:CdUV4afF
ものをのみ思ひし程に悲しくてあさぢが原によは成りにけり(和泉式部)
383 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 00:06:19 ID:CdUV4afF
もの思へば沢の蛍も我が身よりあくがれ出づる玉かとぞ見る(和泉式部)
384 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 00:08:09 ID:CdUV4afF
もろ共に苔の下にはくちずして埋れぬ名をきくぞかなしき(和泉式部)
385 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 00:16:06 ID:CdUV4afF
くらきよりくらき道にぞ入りぬべき遥かにてらせ山のはの月(和泉式部)
386 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 00:17:27 ID:CdUV4afF
見わたせば波のしがらみかけてけりうのはな咲ける玉川の里(相模)
387 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 00:18:47 ID:CdUV4afF
五月雨の空なつかしく匂ふなり花橘に風やふくらむ(相模)
388 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 00:20:56 ID:CdUV4afF
五月雨はみづの御牧のまこも草かりほす程もあらじとぞ思ふ(相模)
389 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 00:24:07 ID:CdUV4afF
都には初雪ふれば小野山にまきのすみがまたきまさるらん(相模)
390 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 22:54:37 ID:CdUV4afF
難波がたあさみつしほに立つ千鳥浦伝ひする声聞こゆなり(相模)
391 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 22:57:22 ID:CdUV4afF
逢ふ事のなきよりかねて辛ければさぞあらましにぬるる袖かな(相模)
392 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 22:59:07 ID:CdUV4afF
あやしくも現れぬべき袂かな忍びねにのみぬらすと思ふに(相模)
393 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 23:00:11 ID:CdUV4afF
眺めつつ事ありがほに暮してもかならず夢にみえばこそあらめ(相模)
394 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 23:05:24 ID:CdUV4afF
昨日けふ歎くばかりの心地せばあすに我が身やあはじとすらん(相模)
395 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 23:06:36 ID:CdUV4afF
恨みわびほさぬ袖だにあるものを恋にくちなむ名こそをしけれ(相模)
396 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 23:13:43 ID:CdUV4afF
あさぢ原ぬしなき宿の桜花心やすくや風にちるらむ(恵慶法師)
397 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 23:14:39 ID:CdUV4afF
山吹の花のさかりにゐでにきて此里人に成りぬべきかな(恵慶法師)
398 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 23:23:04 ID:CdUV4afF
松風のいはゐの水をむすびあげて夏なき年と思ひけるかな(恵慶法師)
399 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 23:24:20 ID:CdUV4afF
八重葎しげれるやどのさびしきに人こそとはね秋は来にけり(恵慶法師)
400 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 23:34:55 ID:CdUV4afF
徒にすぐる月日を七夕のあふ夜のかずとおもはましかば(恵慶法師)
401 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 23:36:41 ID:CdUV4afF
荻の葉もややうちそよぐ程なるをなど鹿のねのおとなかるらん(恵慶法師)
402 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 23:37:50 ID:CdUV4afF
すだきけんむかしの人もなき宿もただ影するは秋のよの月(恵慶法師)
403 :
名無氏物語:2010/04/25(日) 23:40:37 ID:CdUV4afF
天のはら空さへさえやわたるらむ氷とみゆる冬のよの月(恵慶法師)
404 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 00:10:38 ID:jJfyqugV
むらさきの袖をつらねてきたるかな春立つことはこれぞうれしき(赤染衛門)
405 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 00:17:54 ID:jJfyqugV
帰る雁雲井はるかになりぬなり又こむ秋もとほしと思ふに(赤染衛門)
406 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 00:21:37 ID:jJfyqugV
なかぬ夜もなく夜もさらに郭公まつとてやすきいやはねらるる(赤染衛門)
407 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 00:23:05 ID:jJfyqugV
こよひこそ世にある人はゆかしけれいづこもかくや月をみるらん(赤染衛門)
408 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 00:33:23 ID:jJfyqugV
越えはてばみやこも遠く成りぬべし関の夕風しばしすずまん(赤染衛門)
409 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 00:34:04 ID:jJfyqugV
恨むとも今はみえじと思ふこそせめてつらさのまさるなりけれ(赤染衛門)
410 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 00:35:11 ID:jJfyqugV
かはらんと祈る命はをしからでさても別れん事ぞかなしき(赤染衛門)
411 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 00:36:15 ID:jJfyqugV
我ばかりながらのはしもくちにけりなにはの事も深く悲しき(赤染衛門)
412 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 00:37:54 ID:jJfyqugV
心あらん人にみせばやつのくにの難波わたりの春の景色を(能因法師)
413 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 00:41:33 ID:jJfyqugV
世の中をおもひ捨ててし身なれども心かへしと花にみえつる(能因法師)
414 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 20:49:42 ID:jJfyqugV
わがやどの梢の夏になる時はいこまの山ぞみえずなり行く(能因法師)
415 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 20:50:50 ID:jJfyqugV
時鳥来なかぬよひのしるからばぬるよも一夜あらましものを(能因法師)
416 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 20:51:53 ID:jJfyqugV
いかならん今宵の雨にとこなつのけさだに露のおもげなりつる(能因法師)
417 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 20:52:49 ID:jJfyqugV
あらし吹くみ室の山のもみぢ葉はたつたの川のにしきなりけり(能因法師)
418 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 20:53:38 ID:jJfyqugV
主なしとこたふる人はなけれども宿の景色ぞいふにまされる(能因法師)
419 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 20:54:31 ID:jJfyqugV
都をば霞とともに出でしかど秋かぜぞ吹くしら川の関(能因法師)
420 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 20:55:41 ID:jJfyqugV
いにしへの奈良の都の八重桜けふここのへににほひぬるかな(伊勢大輔)
421 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 20:56:34 ID:jJfyqugV
聞きつともきかずともなし郭公心まどはすさよのひとこゑ(伊勢大輔)
422 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 21:47:58 ID:jJfyqugV
小夜更けて衣しでうつ声きけばいそがぬ人もねられざりけり(伊勢大輔)
423 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 21:49:16 ID:jJfyqugV
めもかれずみつつくらさむ白菊の花より後の花しなければ(伊勢大輔)
424 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 21:50:15 ID:jJfyqugV
けふくるる程まつだにも久しきにいかで心をかけてすぎけん(伊勢大輔)
425 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 21:51:37 ID:jJfyqugV
みるめこそあふみの海にかたからめ吹きだにかよへしがの浦風(伊勢大輔)
426 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 21:52:45 ID:jJfyqugV
いにしへにふり行く身こそ哀なれ昔ながらの橋をみるにも(伊勢大輔)
427 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 21:54:24 ID:jJfyqugV
なき数を思ひなしてやとはざらんまだ有明の月まつものを(伊勢大輔)
428 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 21:55:56 ID:jJfyqugV
みしま江につのぐみ渡るあしのねの一夜の程に春は来にけり(曾禰好忠)
429 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 21:57:24 ID:jJfyqugV
榊とる卯月になれば神山の楢の葉がしはもとつはもなし(曾禰好忠)
430 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 22:41:16 ID:jJfyqugV
みたやもりけふは五月に成りにけり急げや早苗おいもこそすれ(曾禰好忠)
431 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 22:42:21 ID:jJfyqugV
なけやなけ蓬がもとのきりぎりす過ぎ行く秋はげにぞかなしき(曾禰好忠)
432 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 22:43:59 ID:jJfyqugV
我がせこがきまさぬよひの秋風はこぬ人よりもうらめしきかな(曾禰好忠)
433 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 22:49:59 ID:jJfyqugV
あぢきなし我が身に優る物やあると恋せし人をもどきしものを(曾禰好忠)
434 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 22:51:19 ID:jJfyqugV
花みると人は山辺に入りはてて春は都ぞさびしかりける(道命阿闍梨)
435 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 22:52:53 ID:jJfyqugV
あし引の山ほととぎすのみならず大かた鳥の声もきこえず(道命阿闍梨)
436 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 22:53:52 ID:jJfyqugV
郭公まつほどとこそ思ひつれ聞きての後もねられざりけり(道命阿闍梨)
437 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 22:54:48 ID:jJfyqugV
古郷は浅ぢが原と成りはてて夜すがら虫の音をのみぞ鳴く(道命阿闍梨)
438 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 22:55:46 ID:jJfyqugV
思ひ余りいひ出づる程に数ならぬ身をさへ人にしられぬるかな(道命阿闍梨)
439 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 22:56:44 ID:jJfyqugV
忘るなよわするときかば三熊野の浦のはまゆふ恨みかさねん(道命阿闍梨)
440 :
名無氏物語:2010/04/26(月) 23:00:43 ID:jJfyqugV
五月やみくらはし山のほととぎす覚つかなくも鳴きわたるかな(藤原実方)
441 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 21:36:59 ID:e1eBaTwy
なにせんに命をかけて誓ひけんいかばやと思ふ折もこそあれ(藤原実方)
442 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 21:38:33 ID:e1eBaTwy
契りありて此の世に又は生るともおもがはりしてみもや忘れん(藤原実方)
443 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 21:39:36 ID:e1eBaTwy
うら風に靡きにけりな里の海人のたくもの烟心よわさは(藤原実方)
444 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 21:40:58 ID:e1eBaTwy
忘れずよ又わすれずもかはら屋の下たく煙したむせびつつ(藤原実方)
445 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 21:43:14 ID:e1eBaTwy
近江にか有りといふなるみくりくる人苦しめのつくまえの沼(藤原道信)
446 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 21:44:17 ID:e1eBaTwy
帰るさの道やはかはる変はらねどとくるはまどふけさの朝雪(藤原道信)
447 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 21:46:29 ID:e1eBaTwy
明けぬればくるるものとはしりながら猶恨めしき朝ぼらけかな(藤原道信)
448 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 21:55:05 ID:e1eBaTwy
朝顔を何はかなしと思ひけん人をも花はさこそ見るらめ(藤原道信)
449 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 21:56:17 ID:e1eBaTwy
限りあればけふぬぎ捨てつ藤衣はてなき物はなみだなりけり(藤原道信)
450 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 21:57:51 ID:e1eBaTwy
今よりはうゑてだにみじ花すすきほに出づる秋は侘しかりけり(平貞文)
451 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 22:00:27 ID:e1eBaTwy
秋風の吹きうらがへすくずの葉のうらみてもなほ恨めしきかな(平貞文)
452 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 22:05:04 ID:e1eBaTwy
ありはてぬ命まつまのほどばかり憂き事しげく歎かずもがな(平貞文)
453 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 22:10:12 ID:e1eBaTwy
夏の夜のまだ宵ながら明けぬるを雲のいづくに月宿るらん(清原深養父)
454 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 22:17:15 ID:e1eBaTwy
雲ゐにも深き心のおくれねばわかると人にみゆるばかりぞ(清原深養父)
455 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 22:35:22 ID:e1eBaTwy
心をぞわりなきものと思ひぬるみるものからや恋しかるべき(清原深養父)
456 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 22:36:11 ID:e1eBaTwy
恋ひしなばたが名はたたじ世の中の常なきものといひはなすとも(清原深養父)
457 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 22:37:55 ID:e1eBaTwy
梅が香を夜はの嵐の吹きためて槙の板戸の明くる待ちけり(大江嘉言)
458 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 22:38:50 ID:e1eBaTwy
いづかたと聞きだにわかず郭公ただ一こゑの心まどひに(大江嘉言)
459 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 22:43:00 ID:e1eBaTwy
忍びつつやみなんよりは思ふ事ありけりとだに人にしらせん(大江嘉言)
460 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 22:46:11 ID:e1eBaTwy
君が代は千世に一たびゐるちりの白雲かかる山となるまで(大江嘉言)
461 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 22:47:15 ID:e1eBaTwy
いとどしくなぐさめ難き夕暮に秋とおぼゆる風ぞ吹くなる(源道済)
462 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 23:39:18 ID:e1eBaTwy
あさぼらけ雪ふるさとを見わたせば山のはごとに月ぞ残れる(源道済)
463 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 23:40:40 ID:e1eBaTwy
ぬれぬれも猶かりゆかむはし鷹のうはげの雪を打ち払ひつつ(源道済)
464 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 23:41:36 ID:e1eBaTwy
行末のしるしばかりに残るべき松さへいたく老いにけるかな(源道済)
465 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 23:43:03 ID:e1eBaTwy
柳葉のゆふしでかけてそのかみにおしかへしてもにたる比かな(藤原道雅)
466 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 23:44:19 ID:e1eBaTwy
あふさかは東路とこそ聞きしかど心つくしの関にぞ有りける(藤原道雅)
467 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 23:45:59 ID:e1eBaTwy
いまはただ思ひたえなむとばかりを人伝ならで云ふよしもがな(藤原道雅)
468 :
名無氏物語:2010/04/27(火) 23:47:26 ID:e1eBaTwy
涙やは又もあふべきつまならんなくよりほかの慰めぞなき(藤原道雅)
469 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 07:51:11 ID:c2zkbGVu
冬の夜に幾たびばかりね覚してもの思ふ宿のひましらむらん(増基法師)
470 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 07:53:02 ID:c2zkbGVu
都のみかへりみられて東路を駒のこころにまかせてぞ行く(増基法師)
471 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 07:54:37 ID:c2zkbGVu
山がらす頭もしろく成りにけり我がかへるべき時やしるらん(増基法師)
472 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 07:56:13 ID:c2zkbGVu
ともすればかりの山辺にあくがれし心に身をもまかせつるかな(増基法師)
473 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 07:57:05 ID:c2zkbGVu
年の内に春は来にけり一年をこぞとやいはん今年とやいはむ(在原元方)
474 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 07:58:01 ID:c2zkbGVu
たちかへり哀とぞ思ふよそにても人に心をおきつしら波(在原元方)
475 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 07:58:57 ID:c2zkbGVu
人はいさ我はなき名の惜しければ昔も今もしらずとをいはん(在原元方)
476 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 07:59:46 ID:c2zkbGVu
月みればちぢに物こそ悲しけれ我が身ひとつの秋にはあらねど(大江千里)
477 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 08:35:41 ID:c2zkbGVu
芦田鶴のひとりおくれて啼くこゑは雲のうへまで聞えつがなむ(大江千里)
478 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 08:38:12 ID:c2zkbGVu
うゑし時花待ちどほにありし菊うつろふ秋にあはむとやみし(大江千里)
479 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 08:40:15 ID:c2zkbGVu
春きてぞ人もとひける山里は花こそ宿のあるじなりけれ(藤原公任)
480 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 08:41:37 ID:c2zkbGVu
朝まだき嵐のかぜのさむければ散るもみぢ葉をきぬ人ぞなき(藤原公任)
481 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 19:56:15 ID:c2zkbGVu
霜おかぬ袖だにさゆる冬の夜の鴨のうは毛を思ひこそやれ(藤原公任)
482 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 19:57:16 ID:c2zkbGVu
いづれをかわきてをらまし山桜心うつらぬ枝しなければ(大中臣輔親)
483 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 19:58:14 ID:c2zkbGVu
あし曳の山郭公さとなれてたそかれ時になのりすらしも(大中臣輔親)
484 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 19:59:12 ID:c2zkbGVu
いかでいかでこふる心を慰めて後の世までにものを思はじ(大中臣輔親)
485 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 20:00:12 ID:c2zkbGVu
沼水にかはづ鳴くなりむべしこそ岸の山吹さかりなりけれ(藤原高遠)
486 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 20:01:07 ID:c2zkbGVu
逢坂の関のいはかどふみならし山たちいづる霧はらの駒(藤原高遠)
487 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 20:02:20 ID:c2zkbGVu
恋しくは夢にも人をみるべきに窓うつ雨ぞめをさましつつ(藤原高遠)
488 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 20:38:54 ID:c2zkbGVu
とどまらぬ心ぞみえむかりがねは花の盛りを人にかたるな(馬内侍)
489 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 20:41:26 ID:c2zkbGVu
こよひ君いかなる里の月をみて都に誰をおもひ出づらん(馬内侍)
490 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 20:45:03 ID:c2zkbGVu
かきくもれ時雨とならば神無月心そらなる人やとまると(馬内侍)
491 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 20:47:09 ID:c2zkbGVu
つらからば人に語らんしきたへの枕かはして一夜ねてきと(藤原義孝)
492 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 20:48:11 ID:c2zkbGVu
君がためをしからざりし命さへながくもがなと思ひけるかな(藤原義孝)
493 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 20:49:24 ID:c2zkbGVu
今はとてとびわかるめる村鳥のふるすにひとり眺むべきかな(藤原義孝)
494 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 20:50:29 ID:c2zkbGVu
みよし野は春のけしきにかすめどもむすぼほれたる雪の下草(紫式部)
495 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 21:51:35 ID:c2zkbGVu
世の中をなに歎かまし山ざくら花みるほどのこころなりせば(紫式部)
496 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 21:52:27 ID:c2zkbGVu
めづらしき光さしそふ杯はもちながらこそ千世もめぐらめ(紫式部)
497 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 21:53:30 ID:c2zkbGVu
身にかへてあやなく花を惜しむかないけらば後の春もこそあれ(藤原長能)
498 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 21:54:25 ID:c2zkbGVu
さばへなす荒ぶる神とおしなべて今日はなごしの払ひなりけり(藤原長能)
499 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 21:55:14 ID:c2zkbGVu
雪をうすみ垣ねにつめるからなづななづさはまくのほしき君かな(藤原長能)
500 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 21:56:14 ID:c2zkbGVu
桜花さかりになれば古郷のむぐらのかどもさされざりけり(藤原定頼)
501 :
名無氏物語:2010/04/28(水) 21:57:24 ID:c2zkbGVu
水もなく見えこそわたれ大井川きしの紅葉は雨とふれども(藤原定頼)
502 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 00:59:36 ID:WrjYm4K2
かりそめの別れと思へどしら川のせきとめがたき涙なりけり(藤原定頼)
503 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 01:01:02 ID:WrjYm4K2
思ひやれ霞こめたる山里の花まつほどの春のつれづれ(上東門院中将)
504 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 13:53:10 ID:WrjYm4K2
おもひやれとふ人もなきやま里のかけひの水の心ぼそさを(上東門院中将)
505 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 13:53:56 ID:WrjYm4K2
此の頃は木々のこずゑも紅葉して鹿こそは鳴け秋の山ざと(上東門院中将)
506 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 13:54:48 ID:WrjYm4K2
けふよりは荻の焼はらかき分けて若菜つみにと誰をさそはん(兼覧王)
507 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 13:55:43 ID:WrjYm4K2
立田姫たむくる神のあればこそ秋の木の葉のぬさと散るらめ(兼覧王)
508 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 13:56:45 ID:WrjYm4K2
春たてど花もにほはぬわがやどは物うかるねに鶯のなく(在原棟梁)
509 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 13:57:44 ID:WrjYm4K2
秋の野の草のたもとか花すすきほに出でてまねく袖とみゆらん(在原棟梁)
510 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 13:58:37 ID:WrjYm4K2
春の日の光にあたる我なれどかしらの雪となるぞ侘しき(文屋康秀)
511 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 13:59:25 ID:WrjYm4K2
吹くからに野べの草木のしをるればむべ山風を嵐といふらん(文屋康秀)
512 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 14:36:28 ID:WrjYm4K2
きりぎりすいたくな鳴きそ秋の夜の長き思ひは我ぞまされる(藤原忠房)
513 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 14:37:38 ID:WrjYm4K2
しるべなきおきつの浜になくたづのゑをあはれと神はきかなむ(兼好)
514 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 14:38:44 ID:WrjYm4K2
ねにたてて秋の夜かこつきりぎりす長き寝覚の枕にぞ聞く(藤原為家)
515 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 14:40:20 ID:WrjYm4K2
なほざりの涙なりせばから衣忍びに袖のしぼらざらまし(藤原忠房)
516 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 14:41:53 ID:WrjYm4K2
春風はのどけかるべし八重よりもかさねて匂へ山ぶきの花(菅原輔昭)
517 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 14:44:02 ID:WrjYm4K2
まだしらぬ古郷人はけふまでやこむとたのめし我を待つらん(菅原輔昭)
518 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 14:45:21 ID:WrjYm4K2
人待たぬ時だに物のかなしきに来むとたのめし秋の夕暮(宗尊親王)
519 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 20:54:44 ID:WrjYm4K2
逢坂の関のあなたをまだ見ねば東のこともしられざりけり(大江匡衡)
520 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 20:56:27 ID:WrjYm4K2
川舟にのりて心のゆく時はしづめる身ともおぼえざりけり(大江匡衡)
521 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 20:57:15 ID:WrjYm4K2
夏ごろもまだひとへなるうたたねに心してふけ秋の初風(安法法師)
522 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 20:58:00 ID:WrjYm4K2
天くだるあら人神のあひおひを思へばひさし住よしの松(安法法師)
523 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 20:58:48 ID:WrjYm4K2
夜をこめて鳥のそらねははかるとも世に逢坂の関はゆるさじ(清少納言)
524 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 21:00:18 ID:WrjYm4K2
よしさらばつらきは我に習ひけりたのめてこぬは誰か教へし(清少納言)
525 :
名無氏物語:2010/04/29(木) 21:02:51 ID:WrjYm4K2
昨日こそ年はくれしか春霞かすがの山にはや立ちにけり(柿本人麿)
526 :
名無氏物語:2010/04/30(金) 00:52:42 ID:GrJn/kCB
あすからは若菜つまむと片岡の朝の原はけふぞやくめる(柿本人麿)
527 :
名無氏物語:2010/04/30(金) 00:53:54 ID:GrJn/kCB
梅花其とも見えず久方のあまぎる雪のなべてふれれば(柿本人麿)
528 :
名無氏物語:2010/04/30(金) 00:56:53 ID:GrJn/kCB
郭公鳴くやさ月の短夜も独しぬればあかしかねつも(柿本人麿)
529 :
名無氏物語:2010/04/30(金) 00:57:38 ID:GrJn/kCB
飛鳥河もみぢば流る葛木の山の秋風吹きぞしくらし(柿本人麿)
530 :
名無氏物語:2010/04/30(金) 00:58:58 ID:GrJn/kCB
ほのぼのと明石の浦の朝ぎりに島がくれ行く舟をしぞ思ふ(柿本人麿)
531 :
名無氏物語:2010/04/30(金) 01:01:36 ID:GrJn/kCB
たのめつつこぬ夜あまたに成りぬればまたじと思ふぞまつにまされる(柿本人麿)
532 :
名無氏物語:2010/04/30(金) 01:05:24 ID:GrJn/kCB
葦引の山鳥の尾のしだりをのながながし夜をひとりかもねむ(柿本人麿)
533 :
名無氏物語:2010/04/30(金) 01:06:22 ID:GrJn/kCB
わぎもこがねくたれがみをさるさはの池の玉もと見るぞかなしき(柿本人麿)
534 :
名無氏物語:2010/04/30(金) 01:20:03 ID:GrJn/kCB
物のふのやそ宇治河のあじろ木にただよふ浪のゆくへしらずも(柿本人麿)
535 :
名無氏物語:2010/04/30(金) 01:30:05 ID:GrJn/kCB
問ふ人もなきやどなれどくる春はやへむぐらにもさはらざりけり(紀貫之)
536 :
名無氏物語:2010/04/30(金) 01:31:01 ID:GrJn/kCB
行きて見ぬ人もしのべと春の野のかたみにつめるわかななりけり(紀貫之)
537 :
名無氏物語:2010/04/30(金) 09:32:02 ID:GrJn/kCB
花もみなちりぬるやどは行く春の故郷とこそ成りぬべらなれ(紀貫之)
538 :
名無氏物語:2010/04/30(金) 09:33:22 ID:GrJn/kCB
夏の夜のふすかとすれば郭公鳴く一声にあくるしののめ(紀貫之)
539 :
名無氏物語:2010/04/30(金) 09:34:14 ID:GrJn/kCB
見る人もなくてちりぬるおく山の紅葉はよるの錦なりけり(紀貫之)
540 :
名無氏物語:2010/04/30(金) 09:36:58 ID:GrJn/kCB
桜ちるこのした風は寒からでそらにしられぬ雪ぞふりける(紀貫之)
541 :
名無氏物語:2010/04/30(金) 09:38:03 ID:GrJn/kCB
こぬ人をしたにまちつつ久方の月をあはれといはぬよぞなき(紀貫之)
542 :
名無氏物語:2010/04/30(金) 09:41:07 ID:GrJn/kCB
思ひかね妹がりゆけば冬の夜の河風寒み千鳥なくなり(紀貫之)
543 :
名無氏物語:2010/04/30(金) 09:42:10 ID:GrJn/kCB
君まさで煙たえにししほがまのうらさびしくも見え渡るかな(紀貫之)
544 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 21:40:11 ID:QdJVQkGP
逢坂の関のし水に影見えて今や引くらんもち月の駒(紀貫之)
545 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 21:41:03 ID:QdJVQkGP
春立つとききつるからに春日山きえあへぬ雪の花と見ゆらむ(凡河内躬恒)
546 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 21:42:33 ID:QdJVQkGP
香をとめて誰をらざらむ梅花あやなしかすみたちなかくしそ(凡河内躬恒)
547 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 21:45:54 ID:QdJVQkGP
山たかみ雲井に見ゆるさくら花心の行きてをらぬ日ぞなき(凡河内躬恒)
548 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 21:47:57 ID:QdJVQkGP
わがやどの花見がてらにくる人はちりなむのちぞこひしかるべき(凡河内躬恒)
549 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 21:49:12 ID:QdJVQkGP
今日のみと春をおもはぬ時だにも立つ事やすき花のかげかは(凡河内躬恒)
550 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 21:51:04 ID:QdJVQkGP
郭公夜深き声は月まつといもねであかす人ぞききける(凡河内躬恒)
551 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 21:58:35 ID:QdJVQkGP
立ちとまり見てをわたらむもみぢばは雨とふるとも水はまさらじ(凡河内躬恒)
552 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 22:16:00 ID:QdJVQkGP
心あてにをらばやをらむはつしものおきまどはせるしらぎくのはな(凡河内躬恒)
553 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 22:17:37 ID:QdJVQkGP
わがこひはゆくへもしらずはてもなしあふをかぎりとおもふばかりぞ(凡河内躬恒)
554 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 22:19:44 ID:QdJVQkGP
ひきうゑし人はむべこそおいにけれまつのこだかくなりにけるかな(凡河内躬恒)
555 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 22:24:49 ID:QdJVQkGP
青柳の枝にかかれる春雨はいともてぬける玉かとぞ見る(伊勢)
556 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 22:27:27 ID:QdJVQkGP
千とせふる松といへどもうゑて見る人ぞかぞへてしるべかりける(伊勢)
557 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 22:29:34 ID:QdJVQkGP
春ごとに花の鏡となる水はちりかかるをやくもるといふらん(伊勢)
558 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 22:33:34 ID:QdJVQkGP
ちりちらずきかまほしきをふるさとの花見てかへる人もあはなむ(伊勢)
559 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 22:35:33 ID:QdJVQkGP
いづくまで春はいぬらんくれはててあかれしほどはよるになりにき(伊勢)
560 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 22:55:50 ID:QdJVQkGP
ふたこゑときくとはなしに郭公夜深くめをもさましつるかな(伊勢)
561 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 23:00:07 ID:QdJVQkGP
三輪の山いかにまち見む年ふともたづぬる人もあらじとおもへば(伊勢)
562 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 23:11:27 ID:QdJVQkGP
うつろはむことだにをしき秋はぎにをれぬばかりもおけるつゆかな(伊勢)
563 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 23:53:42 ID:QdJVQkGP
人しれずたえなましかばわびつつもなきなぞとだにいふべきものを(伊勢)
564 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 23:56:17 ID:QdJVQkGP
なにはなるながらのはしもつくるなりいまはわが身をなににたとへむ(伊勢)
565 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 23:57:05 ID:QdJVQkGP
あらたまのとしゆきかへる春たたばまづわがやどにうぐひすはなけ(大伴家持)
566 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 23:58:39 ID:QdJVQkGP
さをしかのあさたつをのの秋はぎにたまとみるまでおけるしらつゆ(大伴家持)
567 :
名無氏物語:2010/05/01(土) 23:59:45 ID:QdJVQkGP
春ののにあさるきぎすのつまごひにおのがありかを人にしれつつ(大伴家持)
568 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 00:00:45 ID:QdJVQkGP
あすからはわかなつまむとしめしのに昨日もけふもゆきはふりつつ(山部赤人)
569 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 00:01:33 ID:QdJVQkGP
わがせこにみせむとおもひしむめのはなそれともみえずゆきのふれれば(山部赤人)
570 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 00:02:47 ID:wZ8MQyZC
わかのうらにしほみちくればかたをなみあしべをさしてたづなきわたる(山部赤人)
571 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 01:20:18 ID:wZ8MQyZC
世中にたえてさくらのなかりせば春の心はのどけからまし(在原業平)
572 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 01:59:09 ID:wZ8MQyZC
たのめつつあはでとしふるいつはりにこりぬ心を人はしらなむ(在原業平)
573 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 02:00:03 ID:wZ8MQyZC
いまぞしるくるしき物と人またむさとをばかれずとふべかりける(在原業平)
574 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 17:47:02 ID:wZ8MQyZC
すゑのつゆもとのしづくや世中のおくれさきだつためしなるらむ(遍昭)
575 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 17:48:15 ID:wZ8MQyZC
わがやどはみちもなきまであれにけりつれなき人をまつとせしまに(遍昭)
576 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 17:49:27 ID:wZ8MQyZC
たらちねはかかれとてしもうばたまのわがくろかみをなでずやありけむ(遍昭)
577 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 17:50:43 ID:wZ8MQyZC
いまこむといひしばかりになが月のありあけの月をまちでつるかな(素性)
578 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 17:52:14 ID:wZ8MQyZC
みてのみや人にかたらむ山ざくらてごとにをりていへづとにせむ(素性)
579 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 17:53:35 ID:wZ8MQyZC
みわたせばやなぎさくらをこきまぜてみやこぞ春のにしきなりける(素性)
580 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 17:54:58 ID:wZ8MQyZC
ゆふさればさほのかはらのかはぎりにともまどはせるちどりなくなり(紀友則)
581 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 18:47:16 ID:wZ8MQyZC
ゆきふれば木ごとにはなぞさきにけるいづれをむめとわきてをらまし(紀友則)
582 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 18:49:20 ID:wZ8MQyZC
秋風にはつかりがねぞきこゆなるたがたまづさをかけてきつらむ(紀友則)
583 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 18:50:20 ID:wZ8MQyZC
をちこちのたつきもしらぬ山中におぼつかなくもよぶこどりかな(猿丸大夫)
584 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 18:51:32 ID:wZ8MQyZC
ひぐらしのなきつるなへに日はくれぬとみしは山のかげにざりける (猿丸大夫)
585 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 18:53:11 ID:wZ8MQyZC
おくやまのもみぢふみわけなくしかのこゑきく時ぞ秋はかなしき (猿丸大夫)
586 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 18:53:58 ID:wZ8MQyZC
はなのいろはうつりにけりないたづらにわがみよにふるながめせしまに(小野小町)
587 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 18:54:55 ID:wZ8MQyZC
おもひつつぬればや人のみえつらむゆめとしりせばさめざらましを(小野小町)
588 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 18:56:38 ID:wZ8MQyZC
いろみえでうつろふものは世中の人の心のはなにざりける(小野小町)
589 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 19:38:39 ID:wZ8MQyZC
あをやぎのまゆにこもれるいとなれば春のくるにぞいろまさりける(藤原兼輔)
590 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 19:40:47 ID:wZ8MQyZC
ゆふづくよおぼつかなきにたまくしげふたみのうらはあけてこそみめ(藤原兼輔)
591 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 19:44:04 ID:wZ8MQyZC
人のおやの心はやみにあらねどもこをおもふみちにまどひぬるかな(藤原兼輔)
592 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 19:48:38 ID:wZ8MQyZC
よろづ世のはじめとけふをいのりおきていまゆくすゑはかみぞしるらむ(藤原朝忠)
593 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 19:53:06 ID:wZ8MQyZC
くらはしの山のかひより春がすみとしをつみてやたちわたるらむ(藤原朝忠)
594 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 19:54:01 ID:wZ8MQyZC
あふことのたえてしなくは中中に人をもみをもうらみざらまし(藤原朝忠)
595 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 21:11:36 ID:wZ8MQyZC
かりにくときくに心のみえぬればわがたもとにもよせじとぞおもふ(藤原敦忠)
596 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 21:13:38 ID:wZ8MQyZC
あひみてののちの心にくらぶればむかしは物もおもはざりけり(藤原敦忠)
597 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 21:14:59 ID:wZ8MQyZC
けふそへにくれざらめやはとおもへどもたへぬは人の心なりけり(藤原敦忠)
598 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 21:16:03 ID:wZ8MQyZC
春すぎてちりはてにけりむめのはなただかばかりぞえだにのこれる(藤原高光)
599 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 21:17:23 ID:wZ8MQyZC
かくばかりへがたくみゆる世中にうらやましくもすめる月かな(藤原高光)
600 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 21:18:49 ID:wZ8MQyZC
みても又またもみまくのほしかりしはなのさかりはすぎやしぬらむ(藤原高光)
601 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 21:20:06 ID:wZ8MQyZC
ゆきやらで山ぢくらしつほととぎすいまひとこゑのきかまほしさに(源公忠)
602 :
名無氏物語:2010/05/02(日) 21:21:39 ID:wZ8MQyZC
よろづよもなほこそあかねきみがためおもふ心のかぎりなければ(源公忠)
603 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 17:21:02 ID:AiAUzzYn
たまくしげふたとせあはぬきみが身をあけながらやはあらむとおもひし(源公忠)
604 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 17:22:26 ID:AiAUzzYn
春たつといふばかりにやみよしのの山もかすみてけさはみゆらむ(壬生忠岑)
605 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 17:26:09 ID:AiAUzzYn
ときしもあれ秋やは人にわかるべきあるをみるだにこひしきものを(壬生忠岑)
606 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 17:29:43 ID:AiAUzzYn
春はなほ我にてしりぬはなざかり心のどけき人はあらじな(壬生忠岑)
607 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 17:35:21 ID:AiAUzzYn
ことのねにみねのまつ風かよふらしいづれのをよりしらべそめけむ(斎宮女御)
608 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 17:36:38 ID:AiAUzzYn
かつみつつかげはなれゆくみづのおもにかくかずならぬ身をいかにせむ(斎宮女御)
609 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 17:42:29 ID:AiAUzzYn
あめならでもる人もなきわがやどをあさぢがはらとみるぞかなしき(斎宮女御)
610 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 18:22:07 ID:AiAUzzYn
ひとふしにちよをこめたるつゑなればつくともつきじきみがよはひは(大中臣頼基)
611 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 18:23:22 ID:AiAUzzYn
わかごまとけふにあひくるあやめぐさおひおくるるやまくるなるらむ(大中臣頼基)
612 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 18:24:27 ID:AiAUzzYn
つくば山いとどしげきにもみぢばはみちみえぬまでちりやしぬらむ(大中臣頼基)
613 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 19:49:34 ID:AiAUzzYn
秋きぬとめにはさやかにみえねども風のおとにぞおどろかれぬる(藤原敏行)
614 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 19:51:57 ID:AiAUzzYn
ひさかたのくものうへにてみる菊はあまつほしとぞあやまたれける(藤原敏行)
615 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 19:52:59 ID:AiAUzzYn
心からはなのしづくにそほちつつうくひずとのみとりのなくらむ(藤原敏行)
616 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 19:54:36 ID:AiAUzzYn
よしのやまみねのしらゆきむらぎえてけさはかすみのたちわたるかな(源重之)
617 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 19:55:20 ID:AiAUzzYn
風をいたみいはうつなみのおのれのみくだけてものをおもふころかな(源重之)
618 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 19:56:03 ID:AiAUzzYn
秋くればたれもいろにぞなりにける人の心につゆやおくらむ(源重之)
619 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 19:57:12 ID:AiAUzzYn
ときはなるまつのみどりも春くればいまひとしほのいろまさりけり(源宗于)
620 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 19:58:09 ID:AiAUzzYn
つれもなくなりゆく人のことのはぞ秋よりさきのもみぢなりける(源宗于)
621 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 20:56:10 ID:AiAUzzYn
山ざとはふゆぞさびしさまさりける人めもくさもかれぬとおもへば(源宗于)
622 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 20:57:05 ID:AiAUzzYn
かたきなくおもへるこまにくらぶればみにそふかげはおくれざりけり(源信明)
623 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 21:00:41 ID:AiAUzzYn
こひしさはおなじ心にあらずともこよひの月をきみみざらめや(源信明)
624 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 21:02:29 ID:AiAUzzYn
あたら夜の月とはなとをおなじくはあはれしれらむ人にみせばや(源信明)
625 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 21:06:29 ID:AiAUzzYn
ねの日しにしめつるのべのひめこまつひかでやちよのかげをまたまし(藤原清正)
626 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 21:07:56 ID:AiAUzzYn
あまつかぜふけひのうらにゐるたづのなどかくもゐにかへらざるべき(藤原清正)
627 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 21:11:44 ID:AiAUzzYn
むらながらみゆるにしきは神な月まだ山風のたたぬなりけり(藤原清正)
628 :
名無氏物語:2010/05/03(月) 21:12:53 ID:AiAUzzYn
水のおもにてる月なみをかぞふればこよひぞ秋のもなかなりける(源順)
629 :
名無氏物語:2010/05/04(火) 00:38:14 ID:4kHHPuG3
たれをかもしる人にせむたかさごのまつもむかしのともならなくに(源順)
630 :
名無氏物語:2010/05/04(火) 00:42:50 ID:4kHHPuG3
君こふるなみだのとこにみちぬれば身をつくしとぞわれはなりぬる(源順)
631 :
名無氏物語:2010/05/04(火) 00:44:10 ID:4kHHPuG3
632 :
名無氏物語:2010/05/04(火) 00:49:02 ID:4kHHPuG3
ちはやぶるかものかはぎりきるなかにしるきはすれるころもなりけり(源順)
633 :
名無氏物語:2010/05/04(火) 00:50:22 ID:4kHHPuG3
わがやどのかきねや春をへだつらむなつきにけりとみゆるうのはな(源順)
634 :
名無氏物語:2010/05/04(火) 19:44:49 ID:4kHHPuG3
ちぎりけむ心ぞつらきたなばたのとしにひとたびあふはあふかは(藤原興風)
635 :
名無氏物語:2010/05/04(火) 19:45:39 ID:4kHHPuG3
たれをかもしる人にせむたかさごのまつもむかしのともならなくに(藤原興風)
636 :
名無氏物語:2010/05/04(火) 19:50:47 ID:4kHHPuG3
君こふるなみだのとこにみちぬれば身をつくしとぞわれはなりぬる(藤原興風)
637 :
名無氏物語:2010/05/04(火) 19:52:10 ID:4kHHPuG3
秋のののはぎのにしきをわがやどにしかのねながらうつしてしがな(清原元輔)
638 :
名無氏物語:2010/05/04(火) 19:53:13 ID:4kHHPuG3
うきながらさすがにもののかなしきはいまはかぎりとおもふなりけり(清原元輔)
639 :
名無氏物語:2010/05/04(火) 21:45:43 ID:4kHHPuG3
おとなしのたきとぞつひになりにけるいはでものおもふ人のなみだは(清原元輔)
640 :
名無氏物語:2010/05/04(火) 21:47:05 ID:4kHHPuG3
みよしのの山のしらゆきつもるらしふるさとさむくなりまさるなり(坂上是則)
641 :
名無氏物語:2010/05/04(火) 21:53:11 ID:4kHHPuG3
やまがつと人はいへどもほととぎすまづはつこゑはわれのみぞきく(坂上是則)
642 :
名無氏物語:2010/05/04(火) 21:54:37 ID:4kHHPuG3
ふかみどりときはのまつのかげにゐてうつろふはなをよそにこそみれ(坂上是則)
643 :
名無氏物語:2010/05/04(火) 21:55:56 ID:4kHHPuG3
としごとのはるのわかれをあはれとも人におくるる人ぞしりける(藤原元真)
644 :
名無氏物語:2010/05/04(火) 21:58:04 ID:4kHHPuG3
人ならばまてといふべきをほととぎすまだふたこゑをなかでゆくらむ(藤原元真)
645 :
名無氏物語:2010/05/04(火) 21:58:53 ID:4kHHPuG3
君こふとかつはきえつつふるほどをかくてもいけるみとやなるらむ(藤原元真)
646 :
名無氏物語:2010/05/04(火) 21:59:43 ID:4kHHPuG3
いはばしのよるのちぎりもたえぬべしあくるわびしきかづらきの神(小大君)
647 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 00:36:42 ID:GfyKTTOZ
たなばたにかしつとおもひしあふことをそのよなきなのたちにけるかな(小大君)
648 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 00:38:08 ID:GfyKTTOZ
かぎりなくとくとはすれどさとかはのやまゐのみづはなほぞこほれる(小大君)
649 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 00:57:26 ID:GfyKTTOZ
ありあけの月のひかりをまつほどにわがよのいたくふけにけるかな(藤原仲文)
650 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 00:58:22 ID:GfyKTTOZ
ながれてとたのめしことはゆくすゑのなみだのうへをいふにざりける(藤原仲文)
651 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 01:28:57 ID:GfyKTTOZ
おもひしる人にみせばやよもすがらわがとこなつにおきゐたるつゆ(藤原仲文)
652 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 01:30:51 ID:GfyKTTOZ
ちとせまでかぎれるまつもけふよりは君にひかれてよろづよやへむ(大中臣能宣)
653 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 01:32:12 ID:GfyKTTOZ
もみぢせぬときはのやまにたつしかはおのれなきてや秋をしるらむ(大中臣能宣)
654 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 01:34:16 ID:GfyKTTOZ
きのふまでよそに思ひしあやめぐさけふわがやどのつまとみるかな(大中臣能宣)
655 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 01:35:32 ID:GfyKTTOZ
ねのびするのべにこまつのなかりせばちよのためしになにをひかまし(壬生忠見)
656 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 01:36:41 ID:GfyKTTOZ
さ夜ふけてねざめざりせばほととぎす人づてにこそきくべかりけれ(壬生忠見)
657 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 01:40:18 ID:GfyKTTOZ
やかずともくさはもえなむかすがのはただ春の日にまかせたらなむ(壬生忠見)
658 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 01:41:37 ID:GfyKTTOZ
かぞふればわが身につもるとし月をおくりむかふとなにいそぐらむ(平兼盛)
659 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 21:31:31 ID:GfyKTTOZ
みやまいでてよはにやきつるほととぎすあか月かけてこゑのきこゆる(平兼盛)
660 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 21:32:45 ID:GfyKTTOZ
やまざくらあくまでいろをみつるかな花ちるべくもかぜふかぬよに(平兼盛)
661 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 21:39:33 ID:GfyKTTOZ
もち月のこまひきわたすおとすなりせたの中みちはしもとどろに(平兼盛)
662 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 21:41:58 ID:GfyKTTOZ
くれてゆく秋のかたみにおくものはわがもとゆひのしもにざりける(平兼盛)
663 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 21:50:11 ID:GfyKTTOZ
たよりあらばいかで宮こへつげやらむけふしらかはのせきはこえぬと(平兼盛)
664 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 21:52:45 ID:GfyKTTOZ
あさひさすみねのしらゆきむらぎえて春のかすみはたなびきにけり(平兼盛)
665 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 21:54:20 ID:GfyKTTOZ
わがやどのむめのたちえやみえつらむおもひのほかにきみがきませる(平兼盛)
666 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 23:43:47 ID:GfyKTTOZ
みわたせばまつのはしろきよしの山いくよつもれるゆきにかあるらむ(平兼盛)
667 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 23:44:42 ID:GfyKTTOZ
わすられてしばしまどろむほどもがないつかはきみをゆめならでみむ(平兼盛)
668 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 23:46:08 ID:GfyKTTOZ
わすられてしばしまどろむほどもがないつかはきみをゆめならでみむ(中務)
669 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 23:46:50 ID:GfyKTTOZ
うぐひすのこゑなかりせばゆききえぬ山ざといかではるをしらまし(中務)
670 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 23:47:49 ID:GfyKTTOZ
いそのかみふるきみやこをきてみればむかしかざししはなさきにけり(中務)
671 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 23:49:13 ID:GfyKTTOZ
さらしなにやどりはとらじをばすての山までてらす秋のよの月(中務)
672 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 23:51:11 ID:GfyKTTOZ
さやかにもみるべき月をわれはただなみだにくもるをりぞおほかる(中務)
673 :
名無氏物語:2010/05/05(水) 23:53:50 ID:GfyKTTOZ
まちつらむみやこの人にあふさかのせきまできぬとつげややらまし(中務)
674 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 00:34:17 ID:Zmtdik02
わがやどのきくのしらつゆけふごとにいくよつもりてふちとなるらむ(中務)
675 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 00:43:48 ID:Zmtdik02
したくぐる水にあきこそかよふらしむすぶいづみのてさへすずしき(中務)
676 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 00:53:16 ID:Zmtdik02
さけばちるさかねばこひし山ざくらおもひたえせぬはなのうへかな(中務)
677 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 00:55:00 ID:Zmtdik02
天河河辺涼しき織女に扇の風を猶やかさまし(中務)
678 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 19:22:03 ID:Zmtdik02
龍田川もみぢ葉流る神奈備の御室の山に時雨降るらし(柿本人麿)
679 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 19:23:50 ID:Zmtdik02
少女子(をとめご)が袖ふる山の瑞垣の久しき世より思ひ初めてき(柿本人麿)
680 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 19:24:42 ID:Zmtdik02
白露も時雨もいたくもる山は下葉残らず色づきにけり(紀貫之)
681 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 19:26:00 ID:Zmtdik02
掬ぶ手の滴に濁る山の井のあかでも人に別れぬるかな(紀貫之)
682 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 19:26:45 ID:Zmtdik02
吉野川岩波高く行く水の早くぞ人を思ひ初めてし(紀貫之)
683 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 19:27:53 ID:Zmtdik02
いづくとも春の光は分かなくにまだみ吉野の山は雪降る(凡河内躬恒)
684 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 19:28:35 ID:Zmtdik02
住吉の松を秋風吹くからに声打ち添ふる沖つ白波(凡河内躬恒)
685 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 19:42:30 ID:Zmtdik02
伊勢の海に塩焼く海人の濡れ衣なるとはすれど逢はぬ君かな(凡河内躬恒)
686 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 19:43:42 ID:Zmtdik02
合ひに合ひて物思ふころのわが袖に宿る月さへ濡るる顔なる(伊勢)
687 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 19:44:57 ID:Zmtdik02
思ひ川たえず流るる水の泡のうたかた人に逢はで消えめや(伊勢)
688 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 20:05:42 ID:Zmtdik02
まきもくの檜原もいまだ曇らねば小松が原に泡雪ぞ降る(大伴家持)
689 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 20:07:15 ID:Zmtdik02
かささぎの渡せる橋に置く霜の白きを見れば夜ぞ更けにける(大伴家持)
690 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 20:08:59 ID:Zmtdik02
神奈備の三室の山の葛かづら裏吹き返す秋は来にけり(大伴家持)
691 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 20:45:56 ID:ZQIm0cWb
692 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 22:21:53 ID:Zmtdik02
ももしきの大宮人は暇あれや桜かざして今日も暮らしつ(山部赤人)
693 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 22:25:57 ID:Zmtdik02
花に飽かぬ嘆きはいつもせしかども今日の今宵に似る時はなし(在原業平)
694 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 22:28:40 ID:Zmtdik02
月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身一つは元の身にして(在原業平)
695 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 22:30:06 ID:Zmtdik02
誰が禊ゆふつけ鳥か唐衣たつたの山にをりはへて鳴く(在原業平)
696 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 22:32:29 ID:Zmtdik02
いそのかみ布留の山辺の桜花植ゑけむ時を知る人ぞなき(遍昭)
697 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 22:35:04 ID:Zmtdik02
皆人は花の衣になりぬなり苔の袂よ乾きだにせよ(遍昭)
698 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 22:36:34 ID:Zmtdik02
我のみやあはれと思はむきりぎりす鳴く夕陰の大和撫子(素性)
699 :
名無氏物語:2010/05/06(木) 22:37:38 ID:Zmtdik02
音にのみきくの白露夜はおきて昼は思ひに敢へず消ぬべし(素性)
700 :
名無氏物語:2010/05/07(金) 00:35:01 ID:jBH8p1pw
夕されば蛍よりけに燃ゆれども光見ねばや人のつれなき(紀友則)
701 :
名無氏物語:2010/05/07(金) 00:36:44 ID:jBH8p1pw
東路の小夜の中山なかなかに何しか人を思ひ初めけむ(紀友則)
702 :
名無氏物語:2010/05/07(金) 00:40:44 ID:jBH8p1pw
下にのみ恋ふれば苦し玉の緒の絶えて乱れむ人なとがめそ(紀友則)
703 :
名無氏物語:2010/05/07(金) 00:41:46 ID:jBH8p1pw
海人の住む浦漕ぐ舟の梶を絶え世を倦み渡る我ぞ悲しき(小野小町)
704 :
名無氏物語:2010/05/07(金) 08:18:17 ID:jBH8p1pw
短夜の更け行くままに高砂の峰の松風吹くかとぞ聞く(藤原兼輔)
705 :
名無氏物語:2010/05/07(金) 08:19:34 ID:jBH8p1pw
逢坂の木の下露に濡れしより我が衣手は今も乾かず(藤原兼輔)
706 :
名無氏物語:2010/05/07(金) 08:20:30 ID:jBH8p1pw
みかの原分きて流るる泉川いつ見きとてか恋しかるらむ(藤原兼輔)
707 :
名無氏物語:2010/05/07(金) 08:28:21 ID:jBH8p1pw
物思ふと過ぐる月日も知らぬまに今年も今日に果てぬかと聞く(藤原敦忠)
708 :
名無氏物語:2010/05/07(金) 08:30:16 ID:jBH8p1pw
伊勢の海の千尋の浜に拾ふとも今は何てふかひかあるべき(藤原敦忠)
709 :
名無氏物語:2010/05/07(金) 08:31:33 ID:jBH8p1pw
身にしみて思ふ心の年経れば遂に色にも出でぬべきかな(藤原敦忠)
710 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 01:51:56 ID:W8R+1I0k
とものりのとものみやつこ心あらばこの春ばかり朝清めすな(源公忠)
711 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 01:54:18 ID:W8R+1I0k
夢よりもはかなきものは夏の夜の暁方の別れなりけり(壬生忠岑)
712 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 01:55:04 ID:W8R+1I0k
有明のつれなく見えし別れより暁ばかり憂きものはなし(壬生忠岑)
713 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 01:55:51 ID:W8R+1I0k
袖にさへ秋の夕は知られけり消えし浅茅が露をかけつつ(斎宮女御)
714 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 01:56:46 ID:W8R+1I0k
なれ行くは憂き世なればや須磨の海人の塩焼衣間遠なるらむ(斎宮女御)
715 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 01:57:44 ID:W8R+1I0k
寝る夢に現の憂さも忘られて思ひ慰む程ぞはかなき(斎宮女御)
716 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 01:58:44 ID:W8R+1I0k
鳴く雁は行くか帰るかおぼつかな春の宮にて秋の夜なれば(大中臣頼基)
717 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 02:41:32 ID:W8R+1I0k
子の日する野辺に小松を引き連れて帰る山路に鶯ぞ鳴く(大中臣頼基)
718 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 02:46:39 ID:W8R+1I0k
秋萩の花咲きにけり高砂の尾上の鹿は今や鳴くらむ(藤原敏行)
719 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 02:51:23 ID:W8R+1I0k
夏刈りの玉江の葦を踏みしだき群れゐる鳥の立つ空ぞなき(源重之)
720 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 02:52:15 ID:W8R+1I0k
筑波山端山繁山繁けれど思ひ入るには障らざりけり(源重之)
721 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 02:53:22 ID:W8R+1I0k
ほのぼのと有明けの月の月影に紅葉吹きおろす山颪の風(源信明)
722 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 02:54:12 ID:W8R+1I0k
物をのみ思ひ寝覚の枕には涙かからぬ暁ぞなき(源信明)
723 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 09:12:42 ID:W8R+1I0k
春深み井手の川波立ち返り見てこそ行かめ山吹の花(源順)
724 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 09:13:43 ID:W8R+1I0k
名を聞けば昔ながらの山なれどしぐるる秋は色増さりけり(源順)
725 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 09:15:09 ID:W8R+1I0k
いたづらに過ぐす月日は思ほえで花見て暮らす春ぞ少なき(藤原興風)
726 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 09:16:30 ID:W8R+1I0k
契りきな互に袖を絞りつつ末の松山波越さじとは(清原元輔)
727 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 09:18:28 ID:W8R+1I0k
大井川堰の水のわくらばに今日は頼めし暮ぞ待たるる(清原元輔)
728 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 09:19:42 ID:W8R+1I0k
憂しと言ひて世をひたすらに背かねば物思ひ知らぬ身とやなりなむ(清原元輔)
729 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 09:20:53 ID:W8R+1I0k
朝ぼらけ有明の月と見るまでに吉野の里に降れる白雪(坂上是則)
730 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 09:28:22 ID:W8R+1I0k
牡鹿伏す夏野の草の道をなみ繁き恋路にまどふころかな(坂上是則)
731 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 09:29:20 ID:W8R+1I0k
咲きにけり我が山里の卯の花は垣根に消えぬ雪と見るまで(藤原元真)
732 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 09:30:12 ID:W8R+1I0k
あらたまの年を送りて降る雪に春とも見えぬ今日の空かな(藤原元真)
733 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 11:18:06 ID:W8R+1I0k
恋しさの忘られぬべきものならば何かは生ける身をも恨みむ(藤原元真)
734 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 11:19:28 ID:W8R+1I0k
大井川杣山風の寒ければ立つ岩波を雪かとぞ見る(小大君)
735 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 11:20:17 ID:W8R+1I0k
かくばかりとくとはすれどあしひきの山ゐの水はなほ氷りけり(小大君)
736 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 11:21:20 ID:W8R+1I0k
苔むせる朽ち木の杣の杣人をいかなるくれに思ひ出づらむ(藤原仲文)
737 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 11:22:11 ID:W8R+1I0k
御垣守り衛士のたく火の夜は燃え昼は消えつつ物をこそ思へ(大中臣能宣)
738 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 11:23:09 ID:W8R+1I0k
我ならぬ人に心をつくば山下に通はむ道だにやなき(大中臣能宣)
739 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 23:00:35 ID:W8R+1I0k
恋すてふ我が名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひ初めしか(壬生忠見)
740 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 23:14:24 ID:W8R+1I0k
いづかたに鳴きて行くらむ時鳥淀の渡りのまだ夜深きに(壬生忠見)
741 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 23:15:21 ID:W8R+1I0k
忍ぶれど色に出でにけり我が恋は物や思ふと人の問ふまで(平兼盛)
742 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 23:16:35 ID:W8R+1I0k
はるばると荻の焼け原かき分けて道のゆくてに蕨をぞ折る(藤原家隆)
743 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 23:18:49 ID:W8R+1I0k
武蔵野の荻の焼け原かき分けて遠かた人の霞みゆくらむ(藤原家隆)
744 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 23:37:23 ID:W8R+1I0k
いざ今日は荻の焼け原かき分けて手折りてを来む春のさわらび(賀茂真淵)
745 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 23:38:17 ID:W8R+1I0k
軒ちかき梅の立ち枝やしるからむ思ひの外に来鳴く鶯(宮内卿)
746 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 23:39:17 ID:W8R+1I0k
山里も月の夜ごろは心せむ思ひのほかに人もとひけり(飛鳥井雅有)
747 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 23:40:30 ID:W8R+1I0k
月のかたの思ひの外ににほひしや梅の立ち枝の春のさよ風(三条西実隆)
748 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 23:42:41 ID:W8R+1I0k
梅の花おもひの外にさく宿は人待ちかまへするほどぞなき(木下長嘯子)
749 :
名無氏物語:2010/05/08(土) 23:44:26 ID:W8R+1I0k
朝霞たち枝もみえぬ垣ねより思ひの外に匂ふ梅が香(後水尾院)
750 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 00:06:09 ID:8Z+xNNGv
山風にちらで待ちけり桜花けふぞこぼれてにほふべらなる(藤原高遠)
751 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 00:09:04 ID:8Z+xNNGv
花の色をあかでやけふはかへりなむ人だのめなる風にまかせて(藤原為光)
752 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 00:12:06 ID:8Z+xNNGv
山桜ちよの春々けふよりは色さきまされ君がみにこば(大中臣能宣)
753 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 00:13:07 ID:8Z+xNNGv
ほころぶる霞のまよりちる花は山たかみふる雪かとぞみる(大中臣能宣)
754 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 00:14:25 ID:8Z+xNNGv
心ある軒ばの風の匂ひかな花散るべくも吹かぬものから(嘉陽門院越前)
755 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 00:33:34 ID:8Z+xNNGv
世にあれば今年の春の花も見つうれしきものは命なりけり(本居宣長)
756 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 00:36:43 ID:8Z+xNNGv
世の中にうれしきものは鳥部山かくるる人を見つるなりけり(元良親王)
757 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 00:37:43 ID:8Z+xNNGv
あふひ草かりねののべに時鳥暁かけてたれをとふらむ(藤原定家)
758 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 00:40:27 ID:8Z+xNNGv
都へとなにいそぐらむほととぎす暁かけて山ぢいづなり(藤原秀能)
759 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 02:30:24 ID:OI68ZJCr
なるほど
760 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 14:27:16 ID:8Z+xNNGv
杜鵑あかつきかけて鳴く声を片みみに聞く枕つらしな(桜井基佐)
761 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 14:31:50 ID:8Z+xNNGv
をぐら山鹿のたちどの見ゆるかな峰の紅葉やちりまさるらむ(藤原高遠)
762 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 14:42:21 ID:8Z+xNNGv
小倉山鹿のたちどのしるべだにたえてかげみぬ五月雨の空(藤原家隆)
763 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 14:43:16 ID:8Z+xNNGv
望月の駒ひきわたす音すなり瀬田の長道橋もとどろに(平兼盛)
764 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 14:44:14 ID:8Z+xNNGv
春を待つ袖にはいつか濃紫わが元結の霜ぞふりぬる(藤原雅経)
765 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 14:45:48 ID:8Z+xNNGv
夜々はわが元結の霜ならでむすびもおかぬ契りをぞ待つ(二条為定)
766 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 15:31:45 ID:8Z+xNNGv
ながめつつ更けゆく月の影なれや我が元結の秋のよの霜(宗良親王)
767 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 15:32:43 ID:8Z+xNNGv
白雲のかかる高嶺になるほどは幾世つもれる塵にかあるらむ(肥後)
768 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 15:33:52 ID:8Z+xNNGv
芳野山松の葉しろき雪のうへに落ちてさやけき有明の月(藤原家隆)
769 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 15:40:54 ID:8Z+xNNGv
置きそめていくよつもれる匂ひともいさしら菊の花のした露(藤原定家)
770 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 15:41:45 ID:8Z+xNNGv
若菜つむ都の野べも松の雪いく世つもれる年とかはしる(慈円)
771 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 15:42:48 ID:8Z+xNNGv
かすめども芳野の雪の猶さえて松の葉しろきふるさとの春(後鳥羽院)
772 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 15:48:51 ID:8Z+xNNGv
みよし野の松の葉しろき山のはにかかりもやらぬうす霞かな(後鳥羽院)
773 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 15:49:57 ID:8Z+xNNGv
都人契りしものをはつ雪に松の葉しろき夕暮の雨(藤原基家)
774 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 17:18:06 ID:8Z+xNNGv
山がくれ消えせぬ雪のかなしきは君松の葉にかかるなりけり(平兼盛)
775 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 17:19:02 ID:8Z+xNNGv
くるかたもかへる所もなき春を送りむかふと何おもふらむ(正徹)
776 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 17:20:07 ID:8Z+xNNGv
とふ人は忍ぶ中とや思ふらむこたへかねたる袖のけしきを(藤原良経)
777 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 17:24:39 ID:8Z+xNNGv
ふく風もものや思ふととひがほにうちながむれば松のひと声(藤原良経)
778 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 17:28:39 ID:8Z+xNNGv
うつせみの鳴く音やよそにもりの露ほしあへぬ袖を人のとふまで(藤原良経)
779 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 17:31:12 ID:8Z+xNNGv
おのれだに言問ひこなむさ夜千鳥須磨のうきねに物や思ふと(藤原良経)
780 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 17:32:17 ID:8Z+xNNGv
色にいでていはぬ思ひのなぐさめは人のつらさを知らぬばかりぞ(藤原家隆)
781 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 17:34:50 ID:8Z+xNNGv
いかにして忍びならはむ程だにも物や思ふと人にとはれじ(藤原家隆)
782 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 18:39:00 ID:8Z+xNNGv
しのぶれど色にやいづるをみなへし物やおもふと露のおくまで(源具親)
783 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 18:50:47 ID:8Z+xNNGv
哀また物や思ふととふ程の人にしられぬ夕ぐれもがな(順徳院)
784 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 18:52:53 ID:8Z+xNNGv
君恋ふと消えこそわたれ山河にうづまく水のみなわならねど(平兼盛)
785 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 18:54:37 ID:8Z+xNNGv
たよりあらば都へと思ふ落椎のみのはらはらと雨も降り来ぬ(千種有功)
786 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 18:55:33 ID:8Z+xNNGv
沢水に老いぬる影を見るたづのなくね雲井にきこゆらむやは(平兼盛)
787 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 18:56:47 ID:8Z+xNNGv
秋風の吹くにつけても訪はぬかな荻の葉ならば音はしてまし(中務)
788 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 18:58:04 ID:8Z+xNNGv
ありしだに憂かりしものを飽かずとていづくに添ふるつらさなるらむ(中務)
789 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 17:33:00 ID:MyMHlha/
いそのかみ古きみやこを来てみれば昔かざしし花咲きにけり(中務)
790 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 17:34:31 ID:MyMHlha/
いそのかみ布留野の里を来て見ればひとりすみれの花咲きにけり(小侍従)
791 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 17:35:26 ID:MyMHlha/
いそのかみ布留の山べの桜花こぞ見し花の色や残れる(藤原季方)
792 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 17:37:12 ID:MyMHlha/
いそのかみ布留野の里を来て見ればひとりすみれの花咲きにけり(小侍従)
793 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 17:38:15 ID:MyMHlha/
ももしきや昔かざしし桜花わが身ふりてもなほぞ忘れぬ(藤原為家)
794 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 17:40:30 ID:MyMHlha/
たきの上の御舟の山に宮人の昔かざしし花咲きにけり(加藤千蔭)
795 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 17:41:19 ID:MyMHlha/
桜花散りかふ空は暮れにけり伏見の里に宿や借らまし(中務)
796 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 17:54:08 ID:MyMHlha/
ほととぎす一声にこそ五月雨のよはあはれとも思ひそめしか(中務)
797 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 17:56:20 ID:MyMHlha/
もみぢ葉もおちつもりぬる谷水は秋のふかさぞそこに見えける(中務)
798 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 17:57:10 ID:MyMHlha/
うちすてて別るる秋のつらきよりいとど吹きそふ木枯しの風(中務)
799 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 18:00:49 ID:MyMHlha/
滝の糸はみなとぢつらむ吉野山雪のたかさに音をかへつつ(中務)
800 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 18:01:56 ID:MyMHlha/
君恋ふる心はそらに天の原かひなくてゆく月日なりけり(中務)
801 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 18:03:00 ID:MyMHlha/
むばたまの夜の夢だにまさしくは我が思ふことを人に見せばや(中務)
802 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 18:04:08 ID:MyMHlha/
吹き過ぐる行へもとはぬ荻の葉に待つ宵ふけし秋風の声(俊成卿女)
803 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 18:05:56 ID:MyMHlha/
吹きしをる荻の葉ならばいかにぞとかたしく袖に思ふ秋風(後柏原天皇)
804 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 18:29:51 ID:MyMHlha/
いつとてもあはれと思ふを寝ぬる夜の月はおぼろげなくなくぞ見し(中務)
805 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 18:35:03 ID:MyMHlha/
さえかへる月はおぼろげなくなくも雁ぞわかるる如月の空(下河辺長流)
806 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 18:36:37 ID:MyMHlha/
うつつには心もこころ寝ぬる夜の夢とも夢と人にかたるな(中務)
807 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 18:39:03 ID:MyMHlha/
さやかにも人は見るらむ我が目には涙にくもる宵の月かげ(和泉式部)
808 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 18:46:10 ID:MyMHlha/
たくなはの夏の日ぐらし苦しくてなどかく長き命なるらむ(中務)
809 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 18:47:49 ID:MyMHlha/
はかなくて同じ心になりにしを思ふがごとは思ふらむやぞ(中務)
810 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 19:48:36 ID:MyMHlha/
わびしさを同じ心ときくからに我が身をすてて君ぞ悲しき(源信明)
811 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 19:50:41 ID:MyMHlha/
をりふせてのちさへにほふ山桜あはれしれらむ人にみせばや(行尊)
812 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 19:52:05 ID:MyMHlha/
おもふ事いはせの杜のよぶこ鳥あはれ知れらむ人のきけかし(藤原俊成)
813 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 19:56:08 ID:MyMHlha/
おなじくはあはれしれらむ人もがな鹿とむしとの秋の夕暮(後鳥羽院)
814 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 19:57:03 ID:MyMHlha/
心なき身にだにあかぬ花ゆゑにあはれしれらむ人ぞまたるる(中臣祐臣)
815 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 19:58:06 ID:MyMHlha/
あくる夜の月と花とのあはれをもただおしこめて霞む春かな(正徹)
816 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 19:59:03 ID:MyMHlha/
思ふことなくてぞ見ましほのぼのと有明の月の志賀の浦波(花山院師賢)
817 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 20:29:09 ID:MyMHlha/
有明の月はくもらで山おろしに紅葉吹きおろす音ぞしぐるる(宗良親王)
818 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 20:30:20 ID:MyMHlha/
枯れて立つ垣根のすすきほのぼのと有明の月の霜しろき庭(冷泉為村)
819 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 20:31:39 ID:MyMHlha/
年ふれば忘れやせむと思ふこそ逢ひ見ぬよりも我はわびしき(源信明)
820 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 20:32:39 ID:MyMHlha/
思ひきや逢ひ見ぬことをいつよりと数ふばかりになさむものとは(源信明)
821 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 20:34:43 ID:MyMHlha/
こよひ寝てあふみへゆくと見し夢の悲しと袖にふるは涙か(源信明)
822 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 20:39:50 ID:MyMHlha/
故郷の梢のもみぢ秋はてておのがちりぢりなるがわびしさ(源信明)
823 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 20:41:16 ID:MyMHlha/
山吹よ井手の川浪たちかへる春のかたみにしばしとどまれ(慈円)
824 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 20:45:48 ID:MyMHlha/
春ふかみ井手の川浪をりをえて盛りににほふ山吹の花(宜秋門院丹後)
825 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 22:15:41 ID:MyMHlha/
たちかへり又はみずとも山吹の花になかけそ井手の川波(二条為重)
826 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 22:30:32 ID:MyMHlha/
ほのぼのと山のはのあけ走りいでて木の下陰をすぎてゆくかな(源順)
827 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 22:32:54 ID:MyMHlha/
山のはのあけて朝日のいづるにはまづ木の下のかげぞさきだつ(源順)
828 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 22:34:04 ID:MyMHlha/
紅葉ゆゑ家もわすれて暮らすかな帰らば色やうすくなるとて(源順)
829 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 22:34:49 ID:MyMHlha/
根をふかみまだあらはれぬあやめ草人をこひぢにえこそはなれね(源順)
830 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 22:37:59 ID:MyMHlha/
夕さればいとどわびしき大井川かがり火なれや消えかへりもゆ(源順)
831 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 22:40:15 ID:MyMHlha/
るり草の葉におく露の玉をさへ物思ふときは涙とぞみる(源順)
832 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 16:52:04 ID:B9eVh1yR
ゐても恋ひふしても恋ふるかひもなくかく浅ましくみゆる山の井(源順)
833 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 16:55:39 ID:B9eVh1yR
こよひ寝てあふみへゆくと見し夢のかなしと袖にふるは涙か(源信明)
834 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 16:56:19 ID:B9eVh1yR
あかなくにかへる雲井に春雨のふるは涙か雁ぞなくなる(俊成卿女)
835 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 16:57:08 ID:B9eVh1yR
曇る夜の月を惜しまぬ人はなしふるは涙か秋のむら雨(木下長嘯子)
836 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 16:57:56 ID:B9eVh1yR
おもひいでてなきこそわたれ秋風にちぎりし空の初雁の声(俊成卿女)
837 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 16:58:45 ID:B9eVh1yR
おほしまやをちの塩あひを行く舟のかぢとりあへぬ恋もするかな(恵慶)
838 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 16:59:32 ID:B9eVh1yR
滝つ瀬にねざしとどめぬ浮草のうきたる恋も我はするかな(壬生忠岑)
839 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 17:00:19 ID:B9eVh1yR
桜花おもひつく身のはてはまたなほあぢきなき春の山風(宗尊親王)
840 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 19:49:16 ID:B9eVh1yR
あだなるは花もうらめし契りあれや思ひつくみの思ひはなれぬ(三条西公条)
841 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 19:51:21 ID:B9eVh1yR
花にのみ厭ひなれこし風の名を身にいたづきの春は来にけり(藤原惺窩)
842 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 19:52:31 ID:B9eVh1yR
里人のすそのの雪をふみ分けてただわがためと若菜摘むらん(後鳥羽院)
843 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 19:54:08 ID:B9eVh1yR
君がため出づる野原のかたみにやしひても春の若菜つむらん(順徳院)
844 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 19:55:01 ID:B9eVh1yR
すみれ草つみつつかへる春の野にたがためとなく袖ぬらしけり(貞常親王)
845 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 19:56:08 ID:B9eVh1yR
なみたかみ榜出でぬあまのつりざをのながき夜な夜な恋ひつつぞぬる(光孝天皇)
846 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 19:57:23 ID:B9eVh1yR
人心うつりもゆくか朝顔の花のうへなる露をみしまに(藤原秀能)
847 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 19:58:13 ID:B9eVh1yR
つもる雪のすこしたかきや人のいほ道こそなけれけぶりだにたて(慈円)
848 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 20:54:52 ID:B9eVh1yR
まれにきてかへらむ人をほととぎすとめむとめじは声のまにまに(藤原教長)
849 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 20:55:55 ID:B9eVh1yR
はる風におほふかすみの袖もがなちらさば花のうきにやはあらぬ(細川幽斎)
850 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 20:57:39 ID:B9eVh1yR
おほぞらの雨はわきてもそそがねどうるふ草木はおのがしなじな(源信)
851 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 20:58:55 ID:B9eVh1yR
とはれねばはれぬ雲井にわぶとだに都にたれかおもひしるべき(藤原隆祐)
852 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 21:02:52 ID:B9eVh1yR
今更にわぶともいはじ山高みはれぬ雲ゐにのがれこし身を(頓阿)
853 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 21:04:30 ID:B9eVh1yR
山たかみはれぬ雲井にほととぎす啼くと都の人につげばや(宗良親王)
854 :
名無氏物語:2010/05/12(水) 00:20:48 ID:V34PGCsl
雪とくるけさからことに音そふや春をしらぶる山の滝つせ(後水尾院)
855 :
名無氏物語:2010/05/12(水) 00:22:35 ID:V34PGCsl
よそにだにみぬめの浦にすむあまは袖にたまらぬ玉やひろはん(藤原家隆)
856 :
名無氏物語:2010/05/12(水) 00:23:51 ID:V34PGCsl
あだしののわか葉の草におく露の袖にたまらぬ物をこそおもへ(藤原定家)
857 :
名無氏物語:2010/05/12(水) 00:25:08 ID:V34PGCsl
見ても猶あかぬ匂ひはつつめども袖にたまらぬ梅のした風(兼好)
858 :
名無氏物語:2010/05/12(水) 00:26:47 ID:V34PGCsl
夕立のくもの衣はつつめども袖にたまらぬかぜのしら玉(木下長嘯子)
859 :
名無氏物語:2010/05/12(水) 01:04:47 ID:V34PGCsl
春といへば今はの心つくからに峯をはるかに帰る雁がね(藤原隆信)
860 :
名無氏物語:2010/05/12(水) 01:06:38 ID:V34PGCsl
忘れずよ今はの心つくばねの峯の嵐に有明の月(藤原家隆)
861 :
名無氏物語:2010/05/12(水) 01:43:22 ID:V34PGCsl
しののめも思ひならひぬ暮れぬとていまはの心花につくより(契沖)
862 :
名無氏物語:2010/05/12(水) 01:44:53 ID:V34PGCsl
たづねても故郷人の見ぬ桜をしまぬ花に春風ぞ吹く(藤原家隆)
863 :
名無氏物語:2010/05/12(水) 01:45:49 ID:V34PGCsl
待つ人はこじまのさきの春風に散らば散らなむ山吹の花(藤原為家)
864 :
名無氏物語:2010/05/12(水) 01:47:00 ID:V34PGCsl
桜花散らば散らなむ遠つ神わがおほきみの衣笠の上に(加納諸平)
865 :
名無氏物語:2010/05/12(水) 01:48:20 ID:V34PGCsl
月影もすめばすみけり白雲の絶えずたなびく峰の木枯らし(藤原家隆)
866 :
名無氏物語:2010/05/12(水) 01:50:12 ID:ZOBaXEot
春は花冬は雪とて白雲のたえずたなびくみ吉野の山(藤原公経[新勅撰])
867 :
名無氏物語:2010/05/12(水) 08:47:01 ID:V34PGCsl
夢かとも里の名のみやのこるらむ雪も跡なき小野のあさぢふ(藤原定家)
868 :
名無氏物語:2010/05/12(水) 08:48:45 ID:V34PGCsl
世を憂しと思はざりけむ昔こそ此頃よりもはかなかりけれ(雅成親王)
869 :
名無氏物語:2010/05/12(水) 08:49:57 ID:V34PGCsl
月もいかにあはれとや思ふわれ昔桂をりてし一もとゆゑに(藤原範光)
870 :
名無氏物語:2010/05/12(水) 08:51:51 ID:V34PGCsl
世にしげき言の葉ぐさを吹きわけて家の風をも伝へてしがな(荷田春満)
871 :
名無氏物語:2010/05/12(水) 08:53:25 ID:V34PGCsl
ながめつるけふは昔になりぬとも軒端の梅はわれを忘るな(式子内親王)
872 :
名無氏物語:2010/05/12(水) 08:54:24 ID:V34PGCsl
出でていなば主なき宿となりぬとも軒端の梅よ春を忘るな(源実朝)
873 :
名無氏物語:2010/05/12(水) 08:55:48 ID:V34PGCsl
うす氷けふとけそめつ東風ふかば池のこころも春をしれとや(飛鳥井雅親)
874 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 18:17:42 ID:s7v8XNxV
事業仕分けでやったら,古文・漢文は,
真っ先に廃止!!
875 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 21:57:14 ID:ZnWSd/3H
沖つ風吹上の浜にたつ千鳥いさしら浪の花かあらぬか(藤原家隆)
876 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 21:58:04 ID:ZnWSd/3H
ゆゑもなし心にぞとふ春きての我が物おもひよ花かあらぬか(木下長嘯子)
877 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 21:59:06 ID:ZnWSd/3H
一こゑは手向の山のほととぎす幣もとりあへずあくる夜はかな(藤原家隆)
878 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 21:59:53 ID:ZnWSd/3H
手向してかひこそなけれ神な月もみぢはぬさと散りまがへども(藤原定家)
879 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 22:05:26 ID:ZnWSd/3H
秋萩のゆくての錦これもまたぬさもとりあへぬ手向にぞをる(藤原定家)
880 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 22:07:24 ID:ZnWSd/3H
たつ嵐いづれの神に手向山花の錦のかたもさだめず(藤原定家)
881 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 22:11:55 ID:ZnWSd/3H
風吹けばさくらの宮の神垣にぬさも取りあへず花や散るらむ(頓阿)
882 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 22:24:42 ID:ZnWSd/3H
神しうけばぬさもとりあへず手向けおく此ことのはも色や見えまし(正徹)
883 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 22:31:13 ID:ZnWSd/3H
とりあへず紅葉をぬさと手向山神のこころを神やうけけむ(契沖)
884 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 22:32:13 ID:ZnWSd/3H
しかりとてなみだの袖やきりたたむむすぶの神にぬさもとりあへず(加納諸平)
885 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 22:33:14 ID:ZnWSd/3H
君が代をたえせずてらせ五十鈴河われはみくづとしづみはつとも(宗良親王)
886 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 22:35:51 ID:ZnWSd/3H
旅の空うきていでにし野山にて道もやどりも月ぞともなふ(藤原為家)
887 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 22:38:23 ID:ZnWSd/3H
天つ空みちもやどりもしら雲の明くるもしらで月を見るかな(順徳院)
888 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 22:40:05 ID:ZnWSd/3H
旅の空うきたつ雲やわれならん道もやどりも嵐ふく比(宗良親王)
889 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 23:00:44 ID:ZnWSd/3H
みちのべの野原の柳したもえぬあはれ歎の煙くらべに(藤原定家)
890 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 23:22:52 ID:ZnWSd/3H
猶さゆる雪につつめるこゑながら梅がえわきてうぐひすぞ鳴く(後鳥羽院)
891 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 23:24:26 ID:ZnWSd/3H
道の辺の野原の柳したもえぬあはれ歎きの煙くらべに(藤原定家)
892 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 23:25:27 ID:ZnWSd/3H
われのみやさてもふりなむ道のべの朽ち木のやなぎ春めきにけり(藤原秀能)
893 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 23:26:47 ID:ZnWSd/3H
昔おもふ朽ち木の柳なにゆゑにみどりの髪をけづるなるらむ(土御門院)
894 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 23:27:45 ID:ZnWSd/3H
故郷の朽ち木の柳冬くればしぐるる色もしのばれぞする(順徳院)
895 :
名無氏物語:2010/05/13(木) 23:29:35 ID:ZnWSd/3H
をかべなる朽ち木の柳さすが猶春とばかりの色は見えけり(伏見院)
896 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 01:19:39 ID:Omlkpv+s
夢枕むすぶ契りのはかなきにみやこへいざといかでさそはん(霊元院)
897 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 01:23:57 ID:Omlkpv+s
さくら花みやこへいざといふ人を野山の末にまちやわびけむ(橘千蔭)
898 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 01:25:13 ID:Omlkpv+s
御涙の外なかりけむ誰ひとり都へいざといはぬあけくれ(橘曙覧)
899 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 01:26:42 ID:Omlkpv+s
ふきそめぬ柳にしるき時つ風なびくを春の初しほにして(後西院)
900 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 01:28:15 ID:Omlkpv+s
草も木も西吹く風にくる秋のみにしむいろを初しほにして(姉小路基綱)
901 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 01:31:11 ID:Omlkpv+s
わが為はつむもひろふもしるしなき恋わすれ草恋わすれ貝(下河辺長流)
902 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 01:32:12 ID:Omlkpv+s
葦鶴の声をほにあげて我が恋はあまの川原に今ぞふなづる(賀茂保憲女)
903 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 01:34:55 ID:Omlkpv+s
初雁も声をほにあげて慕ひきぬ天の戸渡る月のみ舟を(後水尾院)
904 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 01:56:40 ID:Omlkpv+s
行きかへる潮路は八重の霧の中に声を帆にあげてうたふ舟人(武者小路実陰)
905 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 01:58:41 ID:Omlkpv+s
春来ぬとけさ告げ渡る鶯は涙の氷まづやとけぬる(俊恵)
906 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 02:00:21 ID:Omlkpv+s
鶯のこほれる涙とけぬれば花の上にや露とおくらむ(二条院讃岐)
907 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 02:02:52 ID:Omlkpv+s
鶯の涙の氷いつとけて今朝は雪まの梅のはつ花(藤原家隆)
908 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 02:07:33 ID:Omlkpv+s
鶯の氷れる涙とけぬれどなほ我が袖はむすぼほれつつ(藤原良経)
909 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 02:09:38 ID:Omlkpv+s
春きぬと涙ばかりやとけぬらむ谷の雪まをいづる鶯(藤原為家)
910 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 02:13:30 ID:Omlkpv+s
鶯のなみだの雨も紅に落ちそふ梅の花のした露(正徹)
911 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 02:15:37 ID:Omlkpv+s
ときやらで涙の滝もつららゐぬ身を鶯の春の山かぜ(正徹)
912 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 02:47:33 ID:Omlkpv+s
恋ひ恋ひてまた一とせも暮れにけり涙の氷あすやとけなむ(祇園梶子)
913 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 02:49:15 ID:Omlkpv+s
河上の浅篠原の葉ごもりに鶯なくや氷とくらむ(香川景樹)
914 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 02:50:10 ID:Omlkpv+s
果てはただあまの刈る藻を宿りにて枕さだむる宵々ぞなき(藤原定家)
915 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 02:51:11 ID:Omlkpv+s
あまのすむ里のしるべの幾年にわれから絶えて見るめなりけり(藤原定家)
916 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 02:52:13 ID:Omlkpv+s
のがれては山里ならぬ宿もなしただ我からの憂き世なりけり(元政)
917 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 03:00:36 ID:Omlkpv+s
恋ひ死なんむなし煙をせめてただならぬ思ひの果てとだに見よ(頓阿)
918 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 03:03:22 ID:Omlkpv+s
つれなくはそれゆゑになど果てざらむさらで消えむも空しけぶりを(宗祇)
919 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 03:06:34 ID:Omlkpv+s
我のみや燃えてかへらむ世と共に思ひもならぬ富士の嶺のごと(平貞文)
920 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 04:36:13 ID:Omlkpv+s
花ちらむのちもみるべく桜色にそめし衣をぬぎやかふべき(恵慶)
921 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 04:38:09 ID:Omlkpv+s
桜色に染めし袂をぬぎかへて山ほととぎす今日よりぞ待つ(和泉式部)
922 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 04:39:31 ID:Omlkpv+s
桜色の衣にもまた別るるに春をのこせる宿の藤浪(式子内親王)
923 :
名無氏物語:2010/05/14(金) 04:44:11 ID:Omlkpv+s
桜色のかたみのころもぬぎかへてふたたび春に別れぬるかな(雅成親王)
924 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 01:37:48 ID:MuO6aRk2
桜色のころもはうすし心こそ春のかたみよふかくそめてき(大内政弘)
925 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 01:42:19 ID:MuO6aRk2
み吉野の山わけ衣桜色にこころのおくもふかくそめてき(木下長嘯子)
926 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 01:43:07 ID:MuO6aRk2
あはれをもあまたにやらぬ花の香の山もほのかに残る三日月(藤原定家)
927 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 01:45:13 ID:MuO6aRk2
花は春散りにし峰にあはれてふことをあまたにやらぬ白雲(藤原雅経)
928 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 01:47:04 ID:MuO6aRk2
吹き結ぶ嵐も露もあはれてふことをあまたに秋は来にけり(頓阿)
929 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 01:48:40 ID:MuO6aRk2
あはれてふことのちぐさは霜枯れてあまたにやらぬ白菊の花(契沖)
930 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 01:55:15 ID:MuO6aRk2
けふ別れ明日はと人を思ふだに見ぬ間は袖のかわくものかは(宗良親王)
931 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 01:57:06 ID:MuO6aRk2
さだめなき世にや惜しまむ今日別れ明日はあふみの別れなりとも(花山院師兼)
932 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 01:57:55 ID:MuO6aRk2
世にふれど君におくれてをる花はにほひて見えず墨染にして(和泉式部)
933 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 01:59:15 ID:MuO6aRk2
墨染に咲かぬ桜もこの春は心あればや露けかるらむ(惟宗光吉)
934 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 02:00:04 ID:MuO6aRk2
帰る雁こゆべき山やなかるらむ峰もたひらに霞む夕べは(宗良親王)
935 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 02:00:55 ID:MuO6aRk2
飽かなくにまだきも月の隠るるか山の端逃げて入れずもあらなん(在原業平)
936 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 02:36:12 ID:MuO6aRk2
ときは木も嵐に散らば谷をうめ嶺もたひらに山やなりなむ(正広)
937 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 02:38:24 ID:MuO6aRk2
小塩山峰もたひらに降りつめる雪をば入らぬ月とながめよ(木下長嘯子)
938 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 02:39:58 ID:MuO6aRk2
入りぬべき峰もたひらになりにけり霞や惜しむ春の夜の月(松下貞徳)
939 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 02:41:54 ID:MuO6aRk2
我が心めにこそ見えねくもる日の影と君には添へてしものを(俊恵)
940 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 02:43:14 ID:MuO6aRk2
たまさかに逢瀬はなくてみなの川涙の淵に沈む恋かな(肥後)
941 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 02:46:03 ID:MuO6aRk2
袖のうへも恋ぞつもりてふちとなる人をば見ねのよそのたぎつせ(藤原定家)
942 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 02:47:05 ID:MuO6aRk2
みなの河みねよりおつる桜花にほひのふちのえやはせかるる(藤原定家)
943 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 02:48:30 ID:MuO6aRk2
このままに程なき世をやつくばねのみねよりおつるふちぞかなしき(藤原為家)
944 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 11:18:55 ID:MuO6aRk2
みなの河ふちにはよらじつくばねの峰より落つる雁の一つら(正徹)
945 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 11:21:05 ID:MuO6aRk2
筑波嶺やしげればいとどみなの川峯よりおつる音ばかりして(正徹)
946 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 11:28:57 ID:MuO6aRk2
河音はかすみもはてずつくばねのみねより落つる月にすみつつ(三条西実隆)
947 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 11:32:15 ID:MuO6aRk2
つくばねの峰よりおつる時鳥待ちし恨みのふちもせになけ(木下長嘯子)
948 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 11:33:07 ID:MuO6aRk2
唐も夢みぬ程や遠からんこはよるかたの道とこそきけ(藤原公任)
949 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 11:34:10 ID:MuO6aRk2
遥かなるもろこしまでもゆくものは秋の寝覚めの心なりけり(大弐三位)
950 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 11:46:48 ID:MuO6aRk2
もろこしもちかのうらわの夜の夢おもはぬ中に遠つ舟人(藤原家隆)
951 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 11:48:21 ID:MuO6aRk2
もろこしも夢に見しかばとばかりを夜な夜なごとにたのむはかなさ(宗尊親王)
952 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 11:49:13 ID:MuO6aRk2
夢ならでまたもろこしのまぢかきは月みる夜半の心なりけり(二条為子)
953 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 11:50:25 ID:MuO6aRk2
君ぞ憂きわたらずしらぬもろこしも夢に見るよの秋つ島人(正徹)
954 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 12:04:10 ID:MuO6aRk2
いづれとも声きかまほし夢にだにみぬもろこしの山時鳥(肖柏)
955 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 12:05:07 ID:MuO6aRk2
近してふ夢にはあらでもろこしの梅咲く山を壁に見るかな(木下長嘯子)
956 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 12:06:07 ID:MuO6aRk2
憂き目のみ見てこそ過ぐれ一盛りありなば桜散るは何ぞは(大隈言道)
957 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 12:06:12 ID:VE5Lq7He
咲かぬまは花と見よとやみ吉野の山の白雪きえがてにする(二条院讃岐[新勅撰])
958 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 12:07:25 ID:VE5Lq7He
そことなき花の所も春ふかみ空に知られで匂ふ春風(洞院公賢[新拾遺])
959 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 12:08:23 ID:VE5Lq7He
いざ桜散るをつらさに言ひなさで梢のほかの盛りともみむ(藤原基任[新拾遺])
960 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 12:10:40 ID:VE5Lq7He
時ありて花も紅葉も一さかりあはれに月のいつもかはらぬ(京極為子[風雅])
961 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 21:32:36 ID:rEVCU6Ko
destiny6hourr
962 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 15:49:41 ID:fYtO+LqG
紅葉葉の山分衣きよたきの白糸ならぬ色にそめつつ(三条西実隆)
963 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 15:50:38 ID:fYtO+LqG
春霞おもひたちにしあしたよりまたるるものは鴬のこゑ(藤原敦忠)
964 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 15:52:09 ID:fYtO+LqG
ほととぎすなくべき枝とみゆれどもまたるるものは鶯の声(藤原道綱)
965 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 15:53:11 ID:fYtO+LqG
鶯のこゑ聞きそむるあしたより待たるる物は桜なりけり(本居宣長)
966 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 15:54:08 ID:fYtO+LqG
鶯の声を聞きつるあしたより春の心になりにけるかも(良寛)
967 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 15:55:00 ID:fYtO+LqG
鶯の鳴きてつげつるあしたより春の心はさだまりにけり(高橋残夢)
968 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 15:56:01 ID:fYtO+LqG
春ならば花とやみらむ冬ごもりみやまをわけてふれる白雪(藤原長能)
969 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 16:17:03 ID:fYtO+LqG
千年ふる山路のきくも露の間の花とやみらむ秋のよの月(松永貞徳)
970 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 16:18:36 ID:fYtO+LqG
梅の花あかぬ色香もむかしにて同じ形見の春の夜の月(俊成卿女)
971 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 16:29:16 ID:fYtO+LqG
花蓮あかぬ色香は折りてとも思ひぞかけぬ池のもなかに(契沖)
972 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 16:33:55 ID:fYtO+LqG
我が袖ににほひかうつせ梅の花咲きちる岡の春の夕風(飛鳥井雅有)
973 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 16:40:04 ID:fYtO+LqG
梅の花恋しきことの色ぞそふうたてにほひのきえぬ衣に(式子内親王)
974 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 17:02:09 ID:fYtO+LqG
散ると見てあるべき春もなきものをうたて桜を風の吹くらむ(藤原家隆)
975 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 18:27:57 ID:fYtO+LqG
玉桙のゆくてばかりを梅の花うたてにほひの人したふらむ(藤原定家)
976 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 18:30:34 ID:fYtO+LqG
人待たで寝なましものを梅の花うたて匂ひのよはの春風(宗尊親王)
977 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 18:49:19 ID:fYtO+LqG
惜しむなよ誰もうき世の花ざかり散ると見てこそあるべきものを(宗良親王)
978 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 18:50:23 ID:fYtO+LqG
みてのみやけふもすぎなむ白雲の夕ゐる嶺の花の下陰(西園寺公相)
979 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 18:51:36 ID:fYtO+LqG
見てのみや山路に千世を送るべきいざ折りとらむ白菊の花(飛鳥井雅親)
980 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 18:52:26 ID:fYtO+LqG
卯の花を手ごとにをりてかへらまし山郭公聞きししるしに(賀茂真淵)
981 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 18:53:37 ID:fYtO+LqG
山もりもをらばやいはむ高砂のをのへの桜宿しばしかせ(藤原家隆)
982 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 18:54:33 ID:fYtO+LqG
庭の面は柳桜をこきまぜむ春のにしきの数ならずとも(藤原定家)
983 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 20:18:06 ID:fYtO+LqG
みわたせば松に紅葉をこきまぜて山こそ秋の錦なりけれ(藤原良経)
984 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 20:19:15 ID:fYtO+LqG
たつた姫松にもみぢをこきまぜて都の外の錦とぞみる(宗良親王)
985 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 20:21:35 ID:fYtO+LqG
こきまぜし柳さくらの春の夢見わたせばまた雪の初花(正徹)
986 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 20:47:53 ID:fYtO+LqG
こきまぜし柳桜を宮城野の秋の錦ぞ春にまされる(正広)
987 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 20:50:15 ID:fYtO+LqG
秋も又千種の花をこきまぜて都の野べぞ錦なりける(松永貞徳)
988 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 20:50:59 ID:fYtO+LqG
我もまた心そらなり都人やなぎさくらをもてはやすとき(木下長嘯子)
989 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 20:51:55 ID:fYtO+LqG
これも又錦なりけりこきまぜて萩も薄もなびく秋風(後水尾院)
990 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 20:53:15 ID:fYtO+LqG
春ならぬ錦を木々にこきまぜて都の山も紅葉する比(武者小路実陰)
991 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 20:54:35 ID:KQxcGSzr
世々へてもあかぬ色香は残りけり春やむかしの宿の梅が枝(範憲[風雅])
992 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 20:55:49 ID:KQxcGSzr
散る花のあかぬ色香を身にかへてさも慕はるる山桜かな(二条道良[続千載])
993 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 21:02:25 ID:KQxcGSzr
袖のうへにあかぬ色香はとどめおけ暮れなば春の花の形見に(藤原公経[続千載])
994 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 21:04:12 ID:KQxcGSzr
ふく風をいはばいはなむ桜花ちりかふころの春の山守(藤原信実[続後撰])
995 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 21:27:53 ID:fYtO+LqG
都人柳さくらにこきまぜて袖のにしきもかをる春かな(香川景樹)
996 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 21:29:05 ID:fYtO+LqG
吉野山こずゑの空に花さそふ風のやどりは峰のしら雲(藤原範宗)
997 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 21:31:19 ID:fYtO+LqG
秋と吹く風のやどりはうき人のこころなりけり行きてうらみむ(宗良親王)
998 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 21:36:34 ID:fYtO+LqG
しらざりし風のやどりは荻の葉にありとも秋はなにに恨みむ(後崇光院)
999 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 21:37:37 ID:fYtO+LqG
よもしらじ風のやどりは尋ぬとも夕の雲の帰るところを(正徹)
1000 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 21:38:37 ID:fYtO+LqG
ほりうゑて見るはうれしき花の木のうつろふにこそならひわびぬれ(慈円)
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