1 :
名無氏物語:
2 :
名無氏物語:2006/06/07(水) 17:34:20 ID:ZSYzkcFG
朽ち残る板田の橋もかよふなりたえにし中を何にかけまし(二条満基[新続古今])
3 :
名無氏物語:2006/06/07(水) 18:26:53 ID:c5SbVFK3
名にたてる吉田の里の杖なればつくともつきじ君がよろづ世(平兼盛[拾遺])
4 :
名無氏物語:2006/06/07(水) 18:34:07 ID:c5SbVFK3
小倉山今一度もしぐれなばみゆきまつまの色やまさらん(藤原光俊[続古今])
5 :
名無氏物語:2006/06/07(水) 18:35:12 ID:c5SbVFK3
いにしへのあとをたづねて小倉山みねのもみぢや行きてをらまし(後嵯峨院[続後撰])
6 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 07:30:50 ID:V1ezg/kZ
をぐら山峰の木の葉や色にいでてふりにしみゆき今もまつらむ(藤原忠定)
7 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 07:32:16 ID:V1ezg/kZ
をぐら山峰のもみぢはなく鹿の涙にそめて色にいづらし(藤原為家)
8 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 07:40:55 ID:BH3Xceyw
いたづらに今は染めけりをぐら山いつの秋まで行幸待ちけむ(姉小路基綱)
9 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 07:41:56 ID:BH3Xceyw
をぐら山もみぢにとめし小車も跡こそたゆれみゆき降りつつ(契沖)
10 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 07:50:01 ID:2OYynRXk
菊の花思ひのほかに移ろへばいとど昔の秋ぞ恋しき(弁乳母[栄花物語])
11 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 07:50:32 ID:2OYynRXk
あるじなき宿の軒端に匂ふ梅いとど昔の春ぞ恋しき(近衛基通北政所[平家物語])
12 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 07:56:57 ID:scBWP8ro
なれなれて見しは名残の春ぞともなどしら河のはなのしたかげ
13 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 07:57:42 ID:scBWP8ro
秋の夜の月にいくたびね覚して物思ふことの身につもるかな
14 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 07:58:23 ID:scBWP8ro
谷河のうち出づるなみもこゑたてつうぐひすさそへはるの山風
15 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 07:59:09 ID:scBWP8ro
いかにせむこぬ夜あまたのほととぎすまたじと思へばむら雨の空
16 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 07:59:57 ID:scBWP8ro
おもひ出でよたがかねごとの末ならん昨日の雲のあとのやまかぜ
17 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 08:01:10 ID:scBWP8ro
ことしよりはなさきそむるたち花のいかでむかしの香ににほふらむ
18 :
定家厨:2006/06/08(木) 08:03:48 ID:IwZW5u6z
難波なる身をつくしてもかひぞなき短き蘆の一夜ばかりは
19 :
定家厨:2006/06/08(木) 08:04:24 ID:IwZW5u6z
身をつくしいざ身にかへて沈みみむおなじ難波の浦の浪かぜ
20 :
定家厨:2006/06/08(木) 08:04:54 ID:IwZW5u6z
せきわびぬいまはたおなじ名とり川あらはれはてぬせぜの埋木
21 :
定家厨:2006/06/08(木) 08:05:25 ID:IwZW5u6z
み山路はもみぢもふかき心あれや嵐のよそにみゆきまちける
22 :
定家厨:2006/06/08(木) 08:07:18 ID:IwZW5u6z
声たてぬあらしもふかき心あれやみやまのもみぢみゆきまちけり
23 :
定家厨:2006/06/08(木) 08:07:55 ID:IwZW5u6z
我が道をまもらば君をまもるらむよはひはゆづれ住吉の松
24 :
定家厨:2006/06/08(木) 08:08:40 ID:IwZW5u6z
すがのねや日影もながく成るままにむすぶばかりにしげる夏草
25 :
定家厨:2006/06/08(木) 08:09:21 ID:IwZW5u6z
けふそゑに冬の風とは思へどもたえずこきおろすよもの木の葉か
26 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 08:13:07 ID:WODlGiL4
ここのへにかはらぬ梅の花見てぞいとど昔の春はこひしき(源通親[新勅撰])
27 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 08:22:13 ID:1jOPIB+C
物思ひなしとは言はじ花みればいとどむかしの恋しさぞます(頓阿)
28 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 08:22:49 ID:1jOPIB+C
あしたづの雲のうへよりおりゐるをよはひを君にゆづるとぞきく(慈円)
29 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 08:23:33 ID:1jOPIB+C
君になほ千世のよはひを松が枝のときはの色をゆづれとぞ思ふ(後崇光院)
30 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 08:24:11 ID:1jOPIB+C
風ふけば河ぞひ柳おきふしにみだれてなびく春の水かげ(平親清四女)
31 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 14:07:32 ID:7mV6oLFy
鶯のやどの花だに色こくは風にしらせでしばしまたなむ(新千載56)
32 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 14:16:49 ID:weJHNyKX
春風の霞吹きとくたえまよりみだれてなびく青柳の糸(殷富門院大輔[新古今])
33 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 14:42:44 ID:31abuBFr
さくら花ちらさで千世も見てしがなあかぬ心はさてもありやと(詞花35)
34 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 14:48:12 ID:OUh2skrx
夏草はむすぶばかりになりにけり野がひし駒やあくがれぬらん(源重之)
35 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 14:48:57 ID:OUh2skrx
夏ふかき野中の清水うづもれて結ぶばかりに草ぞしげれる(頓阿)
36 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 14:49:30 ID:OUh2skrx
庭のおもは結ぶばかりにしげりあふ草のふもとに匂ふ橘(正徹)
37 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 14:57:40 ID:izOL6daA
涙川おなじ身よりは流るれど恋をば消たぬものにぞありける(和泉式部)
38 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 15:12:13 ID:CuubZ7rC
身のうさも人のつらさもしりぬるをこは誰が誰を恋ふるなるらん(和泉式部[玉葉])
39 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 15:13:31 ID:CuubZ7rC
大かたは頼むべくしもなき人のうからぬにこそ思ひわびぬれ(永福門院[風雅])
40 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 15:36:09 ID:OIlr+h45
世のうきも人のつらさも思はねば老の末こそのどかなりけれ(肖柏)
41 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 15:50:32 ID:OIlr+h45
時鳥うきにかたらふ声ならば物思ふ宿を過ぎがてになけ(宗尊親王)
42 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 15:51:54 ID:OIlr+h45
暁のかねて物うきあらしかな月も霜よの道のささ原(藤原家隆)
43 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 15:52:24 ID:OIlr+h45
みじか夜のかねて物うき暁にやまほととぎす一声ぞきく(後鳥羽院)
44 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 15:53:41 ID:OIlr+h45
あしたづのさはべの声はとほくともなどか雲ゐにきこえざるべき(信西)
45 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 15:55:24 ID:OIlr+h45
夏の夜の月まつほどは子規わが宿ばかりすぎがてになけ(藤原清正)
46 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 15:56:29 ID:sw9pXqq2
(^ω^)VIPクオリティ
47 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 15:56:43 ID:OIlr+h45
いかでなほ恋ひ死ぬばかりこふる身を人づてにだにさぞときかれん(藤原家良)
48 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 15:57:40 ID:OIlr+h45
今までに昔は物をとばかりもうらみぬ身をば恨みやはせぬ(後水尾院)
49 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 15:58:41 ID:OIlr+h45
いかにせん昔はものをとばかりの歎きしらるるけさのおもひを(後西院)
50 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 15:59:26 ID:OIlr+h45
うつそみのよのはかなさにくらぶれば桜は猶もひさしかりけり(鵜殿余野子)
51 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 16:00:06 ID:OIlr+h45
あいみてののちの心の夕まぐれ君だけがいる風景である(俵万智)
52 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 16:01:03 ID:OIlr+h45
をらざりし時よりにほふ花なればわがためふかき色とやはみる(雅子内親王)
53 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 16:10:59 ID:0/aBPxB1
世の中をいとふ宿にはうゑおきて身をうの花のかげにかくさん(慶融[続千載])
54 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 16:11:39 ID:0/aBPxB1
今はただ思ひたえなんとばかりを人づてならでいふよしもがな(藤原道雅[後拾遺])
55 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 16:17:34 ID:8qQISiVZ
雲ゐにて雲ゐにみゆるかささぎの橋をわたると夢に見しかな(新勅撰636)
56 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 16:20:47 ID:8qQISiVZ
夢なれば見ゆるなるらんかささぎはこの世の人のこゆる橋かは(新勅撰637)
57 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 16:30:40 ID:2OYynRXk
あひみてののちこそ恋はまさりけれつれなき人をいまはうらみじ(永源[後拾遺])
58 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 16:31:40 ID:2OYynRXk
あだなりし人の心にくらぶれば花もときはのものとこそみれ(藤原忠通[金葉])
59 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 16:37:17 ID:FRvYGX9j
思ひ出づるその慰めもありなまし逢ひ見て後のつらさ思へば(藤原季経[千載])
60 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 16:38:10 ID:FRvYGX9j
うたたねの夢に逢ひ見て後よりは人もたのめぬ暮ぞ待たるる(源慶[千載])
61 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 16:43:28 ID:sxXoTCX0
恨み慕ふ人いかなれやそれはなほ逢ひ見て後の憂へなるらん(京極為兼[玉葉])
62 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 16:44:14 ID:sxXoTCX0
我が恋は庭のむら萩うらがれて人をも身をも秋の夕ぐれ(慈円[新古今])
63 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 16:45:04 ID:sxXoTCX0
たへてやは人をも身をも恨むべき木の葉しぐるる秋の山里(光西[続後撰])
64 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 16:46:05 ID:sxXoTCX0
忍び音の絶えてしなくは時鳥五月待つまを恨みざらまし(今出川院近衛[続後拾遺])
65 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 16:55:45 ID:8qQISiVZ
夢かとぞわびては思ふたまさかにとふ人あれや又やさむると(続古今1396)
66 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 16:56:42 ID:8qQISiVZ
世の中はただ今日のごとおもほえてあはれ昔になりもゆくかな(続千載1944)
67 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 17:03:34 ID:/CeEb0XM
思ひしる人に見せばや山ざとの秋のよふかきありあけの月([更級日記])
68 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 17:14:03 ID:GMdmgNCP
ながれてと契りしことは行末の涙の川をいふにぞありける(新後拾遺1451)
69 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 17:31:06 ID:C2V+G3i2
沢にのみ年は経ぬれど葦鶴の心は雲の上にのみこそ(藤原師輔)
70 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 17:37:38 ID:mkkwU8/B
かなしきもあはれもたぐひ多かるを人にふるさぬ言の葉もがな(新勅撰789)
71 :
定家厨:2006/06/08(木) 17:44:51 ID:IwZW5u6z
逢ひ見てののちの心を先づ知ればつれなしとだにえこそ恨みね
72 :
定家厨:2006/06/08(木) 17:45:29 ID:IwZW5u6z
思ひいづる後の心にくらぶ山よそなる花の色はいろかは
73 :
定家厨:2006/06/08(木) 17:46:27 ID:IwZW5u6z
うくつらき人をも身をもよししらじただ時のまの逢ふこともがな
74 :
定家厨:2006/06/08(木) 17:47:09 ID:IwZW5u6z
身をしれば人をも世をもうらみねどくちにし袖のかわく日ぞなき
75 :
定家厨:2006/06/08(木) 17:47:44 ID:IwZW5u6z
おほかたの嵐も雲もすみはてて空のなかなる秋の夜の月
76 :
定家厨:2006/06/08(木) 17:48:34 ID:IwZW5u6z
身をすてて人の命を惜しむともありし誓ひのおぼえやはせん
77 :
定家厨:2006/06/08(木) 17:49:16 ID:IwZW5u6z
契りありてけふみや河のゆふかづら永き世までにかけてたのまむ
78 :
定家厨:2006/06/08(木) 17:49:48 ID:IwZW5u6z
ももしきのとのへを出づる宵々は待たぬに向かふ山のはの月
79 :
定家厨:2006/06/08(木) 17:54:31 ID:BH3Xceyw
葦たづの雲ゐにかかる心あらば世をへて沢に住まずぞあらまし(勤子内親王)
80 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 18:00:12 ID:h6UXPwBc
いくたびかあはれ昔と思ひいでて身のいたづらに月をみるらん(二条良実[続古今])
81 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 18:00:57 ID:h6UXPwBc
恋ひしなむ身をもあはれと誰かいはんいふべき人はつらき世なれば(西園寺実衡女[風雅])
82 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 18:06:56 ID:UYWAXX8k
哀ともいふべき人はさき立ちて残る我が身ぞありてかひなき(永陽門院左京大夫[新拾遺])
83 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 18:08:37 ID:UYWAXX8k
わかれてはわびしきものを彦星のきのふけふこそおもひやらるれ(作者不詳[亭子院殿上人歌合])
84 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 18:09:21 ID:UYWAXX8k
つつめども袖にたまらぬ白玉は人を見ぬめの涙なりけり(安倍清行[古今集])
85 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 18:19:08 ID:Ki8IyWPh
ながき世につきぬなげきのたえざらば何に命をかけてわすれん(一条摂政御集)
86 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 18:23:29 ID:Y474GiQV
このごろの風のにほひになしはてて花にはうすき四方の梅が香
87 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 18:24:40 ID:Y474GiQV
恨みじなおのが心の天つ雁よそに都の春のわかれも
88 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 18:25:26 ID:Y474GiQV
はなに花なびきかさねて八重桜しづえをわきてにほふ比かな
89 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 18:26:08 ID:Y474GiQV
けさよりは袂もうすく立ちかへて花の香とほき夏ごろもかな
90 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 18:27:09 ID:Y474GiQV
月も今み山出づらしほととぎすふけゆく空に声のきこゆる
91 :
名無氏物語:2006/06/08(木) 18:27:49 ID:Y474GiQV
くだけちる千々のこがねの波なれや岩根にかかる磯の月かげ
92 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 10:46:04 ID:WRZbnLrf
きのふこそ春はくれしにぬぎかへて花の香とほき夏ごろもかな(足利尊氏「等持院百首」)
93 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:06:08 ID:aOc4eiKC
桜花にほふにつけて物ぞ思ふ風の心のうしろめたさに(藤原顕季[新後拾遺])
94 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:06:42 ID:aOc4eiKC
手折りもて宿にぞかざす桜花梢は風のうしろめたさに(源国信[新千載])
95 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:11:53 ID:uNJUFggY
袖ぬらすほどだにもなし朝顔の花をかごとのあけぼのの露
96 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:12:36 ID:uNJUFggY
おちそひてあはれのこさぬ涙かな寝覚や恋のかぎりなるらん
97 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:13:23 ID:uNJUFggY
たのまめやことのははそのうす紅葉あだに散り来るなげのなさけは
98 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:14:02 ID:uNJUFggY
松ばらの嵐やよわるほの見てし尾上の緑またかすむなり
99 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:14:52 ID:uNJUFggY
思へただ空にひとつの日のもとに又たぐひなく生れこし身を
100 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:16:11 ID:uNJUFggY
ほのかにも軒端の荻を結ばずは露のかごとを何にかけまし
101 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:23:28 ID:T7NvA6U/
夢にだに見で明かしつる暁の恋こそ恋のかぎりなりけれ(和泉式部「新勅撰集」)
102 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:24:25 ID:T7NvA6U/
うつりきて軒端の花に成りにけり嵐にふかきよもの梅が香(正徹「草根集」)
103 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:39:15 ID:H6A/zDiy
ながめてもあはれと思へおほかたの空だにかなし秋の夕ぐれ(鴨長明[新古今])
104 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:45:14 ID:Y2FofK5G
大方の空も涙もかきあへぬ月かげぬらす秋のむらさめ(後鳥羽院)
105 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:45:54 ID:Y2FofK5G
おほかたの秋てふ秋のながき夜をこよひともがな星合の空(光厳院)
106 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:46:38 ID:Y2FofK5G
程もなく消えぬる雪はかひもなし身をつみてこそあはれと思はめ(中務)
107 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:47:18 ID:Y2FofK5G
忘らるる身をば思はで龍田山心にかかる沖つ白波(寂蓮)
108 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:49:27 ID:uNJUFggY
とけのこる石間の春の朝氷影みし水の月かあらぬか
109 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:50:14 ID:uNJUFggY
すみれ草つみつつかへる春の野にたがためとなく袖ぬらしけり
110 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:50:57 ID:uNJUFggY
山里にすむ身となれば帰るさを忘れし花の春ぞ恋しき
111 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:51:45 ID:uNJUFggY
夜もすがら咲きちる花の下陰に木の間さだめず月ぞもりくる
112 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:52:17 ID:uNJUFggY
さだかにぞ寝覚のとこに残りけるかすみて暮れし花の面影
113 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:52:48 ID:uNJUFggY
ほととぎす鳴く一声のなみだにはあまりおほかる村雨の空
114 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:53:23 ID:uNJUFggY
月みつつぬればや袖の露の間もみえぬ夢野の秋のたまくら
115 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 11:53:57 ID:uNJUFggY
へだて行くおのがすがたは薄霧の籬にちかきはつかりの声
116 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 12:04:07 ID:sMQWS4dx
風そよぐならの小河の夕ぐれは御祓ぞなつのしるしなりける
117 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 12:04:51 ID:sMQWS4dx
下紅葉かつちる山のゆふしぐれぬれてや鹿のひとり啼くらむ
118 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 12:05:29 ID:sMQWS4dx
ながめつつおもふもさびし久かたの月のみやこの明がたのそら
119 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 12:06:23 ID:sMQWS4dx
又やみむまたやみざらむしら露の玉おきしけるあきはぎのはな
120 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 12:07:32 ID:sMQWS4dx
和歌の浦やおきつ塩あひにうかび出づるあはれわが身のよるべしらせよ
121 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 12:08:16 ID:sMQWS4dx
すまのあまのまどほの衣よや寒き浦風ながら月もたまらず
122 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 12:14:54 ID:tonYn+bV
誓ひてし人の命を嘆くとてわがたのまぬになしてこそみれ(藤原為家)
123 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 12:21:46 ID:DtwhxdGO
しほたるる身をば思はずこと浦に立つ名くるしき夕烟かな(少将内侍[新拾遺])
124 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 12:22:26 ID:DtwhxdGO
埋もるる身をば歎かずなべて世の曇るぞつらき今朝の初雪(後醍醐院[新葉])
125 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 12:23:11 ID:DtwhxdGO
恋ひしなん身をば思はず同じ世にあはぬためしの名こそ惜しけれ(寂昌[新千載])
126 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 12:24:53 ID:DtwhxdGO
しづむべき身をば思はず涙川ながれて後の名こそをしけれ(崇光院[新千載])
127 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 18:39:09 ID:7FrRnseO
わが身にもあらぬわが身のかなしきに心もことになりやしにけん(後撰1200)
128 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 18:45:49 ID:hMYUogU3
吹き過ぐる行へもとはぬ荻の葉に待つ宵ふけし秋風の声(俊成女)
129 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 18:51:54 ID:hMYUogU3
吹きしをる荻の葉ならばいかにぞとかたしく袖に思ふ秋風(後柏原天皇)
130 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 18:58:33 ID:23LRV4iL
さえかへる月はおぼろげなくなくも雁ぞわかるる如月の空(下河辺長流)
131 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 19:04:45 ID:IhQ+EW1v
さやかにも人はみるらんわがめには涙にくもるよひの月かげ(和泉式部)
132 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 19:11:33 ID:3nK9hf0k
難波がたうきふししげき蘆の葉におきたる露のあはれ世の中(源実朝)
133 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 19:12:23 ID:3nK9hf0k
風ふけばおつる桜のあだにのみとまらぬ色のあはれ世の中(伏見院)
134 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 19:13:10 ID:3nK9hf0k
ながらへてつひにすむべき都かは此世はよしやとてもかくても(西行)
135 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 19:13:41 ID:3nK9hf0k
世の中はとてもかくてもありぬべしといひし人の心をぞしる(慈円)
136 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 19:14:30 ID:3nK9hf0k
世の中にとてもかくてもあられぬはとてもかくても有るにぞありける(慈円)
137 :
定家厨:2006/06/09(金) 19:17:12 ID:05LlP3Ax
しのぶらん涙にくもる影ながらさやかにてらせ有明の月
138 :
定家厨:2006/06/09(金) 19:17:45 ID:05LlP3Ax
けふといへばよもぎのわか葉かりそへて宮もわら屋もあやめふくなり
139 :
定家厨:2006/06/09(金) 19:18:28 ID:05LlP3Ax
なげかれずおもふ心にそむかねば宮もわら屋もおのがさまざま
140 :
定家厨:2006/06/09(金) 19:19:06 ID:05LlP3Ax
知る知らぬ相坂山のかひもなし霞にすぐる関のよそめは
141 :
定家厨:2006/06/09(金) 19:19:46 ID:05LlP3Ax
山ざくら花のせきもる逢坂はゆくもかへるもわかれかねつつ
142 :
定家厨:2006/06/09(金) 19:20:18 ID:05LlP3Ax
あぢきなくつらき嵐の声もうしなど夕暮に待ちならひけん
143 :
定家厨:2006/06/09(金) 19:21:16 ID:05LlP3Ax
あぢきなくつらき嵐の声もうしなど夕ぐれにまちならひけん
144 :
定家厨:2006/06/09(金) 19:21:54 ID:05LlP3Ax
たらちめや又もろこしに松浦舟今年も暮れぬ心づくしに
145 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 19:25:00 ID:+H4k8eC+
はかなさをほかにもいはじ桜花さきては散りぬあはれ世の中(藤原実定[新古今])
146 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 19:25:49 ID:+H4k8eC+
何事のかはるとなしにかはり行く人の心のあはれ世の中(遊義門院[玉葉])
147 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 19:26:36 ID:+H4k8eC+
山のはに思ひもいらじ世の中はとてもかくても有明の月(藤原盛方[新古今])
148 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 20:09:57 ID:kGTy9okI
世説新語の口語訳お願いします
149 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 01:56:58 ID:Vvm0hkaB
世の中よとてもかくてもありはてぬ命まつまをなになげくらん(藤原雅経)
150 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 02:00:05 ID:Vvm0hkaB
さとからの秋とはことにながむとも宮もわら屋もおなじ夕暮(後鳥羽院)
151 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 02:08:49 ID:RsyyJ17/
しるしらず行くも帰るも逢坂の関の清水に影はみゆらん(順徳院[新後拾遺])
152 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 02:13:45 ID:NUoOGu29
ちらばまた思ひや出でむ身のうさをみるにわするる花ざくらかな
153 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 02:15:03 ID:NUoOGu29
此春のわかれやかぎりとまる身の老いてひさしき命ならねば
154 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 02:15:53 ID:NUoOGu29
ながむればみしまの春もわすられず月にむかしのかげやそふらむ
155 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 02:16:30 ID:NUoOGu29
いかさまに秋の夕をなぐさまむ世をそむけどももとの身にして
156 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 02:17:21 ID:NUoOGu29
神無月しぐるるころといふことはまなく木の葉のちればなりけり
157 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 02:19:00 ID:NUoOGu29
時雨にはぬれぬこのはもなかりけりやまはみかさのなのみなるらむ
158 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 02:21:58 ID:iQllUk/a
はげしさをききしにそへて秋よりもつらき嵐の夕暮の声
159 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 02:23:08 ID:iQllUk/a
夢かとも雪よりさきにとひてみよ小野の千種の霜枯の色
160 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 02:24:04 ID:iQllUk/a
おくもまたふかくは見えず山人の薪におへるけさの薄雪
161 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 02:24:45 ID:iQllUk/a
分けそむる小篠が露の一ふしもしらぬさきより袖ぬらすかな
162 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 02:25:23 ID:iQllUk/a
涙よりかすむとならば我ぞげに春の名だての袖の月影
163 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 02:26:04 ID:iQllUk/a
きかじただそのかねごとは昔にてつらきかたみの夕暮の声
164 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 02:58:32 ID:p/gmTPm2
これや此のしるもしらぬも君が代の春の光にあふ坂の関(藤原有家)
165 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 03:00:30 ID:p/gmTPm2
逢坂や関の杉群かすむめりゆくもかへるも春の道とて(後鳥羽院)
166 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 03:01:04 ID:p/gmTPm2
けふはまた知るも知らぬもあふ坂の秋のわかれや思ひわかれん(藤原為家)
167 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 03:09:59 ID:U/GnV8Ea
人めもる心のうちの関なれは行もかへるも誰かいさめん(西園寺実氏[新続古今])
168 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 03:10:51 ID:U/GnV8Ea
心とやゆくもかへるも歎くらん人やりならぬ鄙の別れぢ(後嵯峨院[新後撰])
169 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 03:11:37 ID:U/GnV8Ea
こえじただ行くも帰るもとどまらぬ別れの道の逢坂の関(二条為定[新千載])
170 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 03:12:30 ID:U/GnV8Ea
帰るべき身にしあらねば是や此の行くをかぎりの相坂の関(源具行[新千載])
171 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 03:30:45 ID:hEiiRYaA
かけてのみ思ひぞわたるあづまぢや月すむ比のさのの舟橋(順徳院)
172 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 03:31:41 ID:hEiiRYaA
浅茅生の小野のしのはら霜枯れていづくを秋の形見とか見む(藤原俊成女)
173 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 03:40:56 ID:RR2upcHB
浅茅生の小野の篠原なく虫の涙にあまる秋の夕露(藤原為理[続後拾遺])
174 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 03:41:59 ID:RR2upcHB
浅茅生の小野の篠原風そよぎ人しるらめや秋たちぬとは(宗良親王[新葉])
175 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 08:48:44 ID:dryQhrIm
夕されば玉ゐる蓮の広葉にもあまりてなどか露のこぼるる(木下長嘯子)
176 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 08:50:08 ID:dryQhrIm
青柳のなびく下枝にはきてけり吹く春風やとものみやつこ(二条院讃岐)
177 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 08:53:09 ID:hQoEQXcS
春くれば玉のみぎりをはらひけり柳の糸や伴のみやつこ(藤原俊成[玉葉])
178 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 08:54:27 ID:hQoEQXcS
わすれずよ朝ぎよめするとのもりの袖にうつりし秋萩の花(後嵯峨院[続後撰])
179 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 08:55:25 ID:hQoEQXcS
ももしきの御はしの桜ちらぬまに朝ぎよめせよともの宮つこ(三条実重[新千載])
180 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 08:56:40 ID:hQoEQXcS
神もさぞあかずみるらむ桜ちるしめの宮もり朝ぎよめすな(荒木田延季[新拾遺])
181 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 09:11:13 ID:/fqMPJpX
塵もゐぬ天つ雲井のかすめるを朝ぎよめする春の風かな(正徹)
182 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 09:12:17 ID:/fqMPJpX
をりふせてのちさへにほふ山桜あはれしれらん人にみせばや(行尊)
183 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 09:13:13 ID:/fqMPJpX
おもふ事いはせの杜のよぶこ鳥あはれ知れらん人のきけかし(藤原俊成)
184 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 09:13:53 ID:/fqMPJpX
おなじくはあはれしれらん人もがな鹿とむしとの秋の夕暮(後鳥羽院)
185 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 09:14:42 ID:/fqMPJpX
心なき身にだにあかぬ花ゆゑにあはれしれらむ人ぞまたるる(中臣祐臣)
186 :
名無氏物語:2006/06/10(土) 09:16:36 ID:/fqMPJpX
あくる夜の月と花とのあはれをもただおしこめて霞む春かな(正徹)
187 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 01:48:26 ID:OT4FBoUl
思ふことなくてぞみましほのぼのと有明の月の志賀のうら波(花山院師賢)
188 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 01:56:50 ID:SlTDKchi
有明の月はくもらで山おろしにもみぢ吹きおろす音ぞしぐるる(宗良親王)
189 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 01:57:26 ID:SlTDKchi
かれて立つ垣ねのすすきほのぼのと有明の月の霜しろき庭(冷泉為村)
190 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 02:03:56 ID:ya0SPSve
思ひきやあひ見ぬほどの年月をかぞふばかりにならむものとは(伊勢[拾遺])
191 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 02:11:07 ID:tB+Ka0Lk
年くるるかがみのかげもしら雪のつもれる人の身さへふりつつ
192 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 02:11:49 ID:tB+Ka0Lk
むかしおもふたかのの山のふかきよにあかつきとほしすめる月かげ
193 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 02:12:37 ID:tB+Ka0Lk
あふさかの夕付鳥もわがごとやこえ行く人のあとになくらむ
194 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 02:13:16 ID:tB+Ka0Lk
これも又ながきわかれになりやせむ暮をまつべき命ならねば
195 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 02:14:01 ID:tB+Ka0Lk
朝日影にほへるやまのさくらばなつれなくきえぬ雪かとぞ見る
196 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 02:14:48 ID:tB+Ka0Lk
久かたのあまつ乙女のなつごろも雲井にさらす布引のたき
197 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 02:18:02 ID:RD+G+zeu
しるべとや越の白根にむかふらんかすめど雁の行すゑの空
198 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 02:18:44 ID:RD+G+zeu
おもかげはくらき軒端にみゆれども花に月まつ春のうたたね
199 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 02:20:40 ID:RD+G+zeu
木をめぐりねぐらにさわぐ夕烏すずしきかたの枝やあらそふ
200 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 02:22:04 ID:RD+G+zeu
一葉ちる桐の立枝に秋をはや見せも聞かせもわたる朝風
201 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 02:24:52 ID:RD+G+zeu
みだれあふ花より花に露ちりて野原のまはぎ秋風ぞふく
202 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 02:25:40 ID:RD+G+zeu
風わたる野べの千草におく露のいくたび花の色にちるらん
203 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 02:40:14 ID:0wh72szs
春ふかみ井手の川波たちかへり見てこそゆかめ山吹の花(拾遺68)
204 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 02:54:59 ID:yaX+BeJ1
山吹よ井手の川浪たちかへる春のかたみにしばしとどまれ(慈円)
205 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 02:55:34 ID:yaX+BeJ1
春ふかみ井手の川浪をりをえて盛りににほふ山吹の花(宜秋門院丹後)
206 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 02:56:08 ID:yaX+BeJ1
たちかへり又はみずとも山吹の花になかけそ井手の川波(二条為重)
207 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 07:19:07 ID:7oB1zUau
山吹のはながみばかり金いれにみのひとつだになきぞかなしき(四方赤良)
208 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 07:19:56 ID:7oB1zUau
山吹のみの一つだに無き宿はかさも二つはもたぬなりけり(橘曙覧)
209 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 07:27:57 ID:t7h4SCrH
思ひ出は同じ空とは月を見よ程は雲ゐにめぐりあふまで(後三条院[新古今])
210 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 07:28:29 ID:t7h4SCrH
別れ路は雲井のよそになりぬともそなたの風のたよりすぐすな(行宗[新古今])
211 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 07:29:06 ID:t7h4SCrH
めぐりあはん空行く月のゆく末もまだ遥かなる武蔵野の原(定家[新千載])
212 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 07:29:38 ID:t7h4SCrH
おなじ世の別れはなほぞ忍ばるる空行く月のよその形見に(順徳院[新拾遺])
213 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 07:30:15 ID:t7h4SCrH
思ひたつ程は雲ゐに行く雁の故郷とほくかすむ空かな(知家[新後撰])
214 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 07:30:50 ID:t7h4SCrH
たが里の梅のたち枝をすぎつらん思ひのほかににほふ春風(西園寺実氏[続古今])
215 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 07:39:46 ID:c0Pwr4gS
はるばると荻の焼原かき分けてみちのゆくてにわらびをぞをる(藤原家隆)
216 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 07:40:45 ID:c0Pwr4gS
むさしのの荻の焼はらかき分けて遠かた人の霞行くらん(藤原家隆)
217 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 07:41:22 ID:c0Pwr4gS
軒ちかき梅の立えやしるからん思ひの外にきなく鶯(宮内卿)
218 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 07:41:56 ID:c0Pwr4gS
いざけふはをぎのやけ原かき分けて手折りてを来む春のさわらび(賀茂真淵)
219 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 07:42:49 ID:c0Pwr4gS
山里も月の夜ごろは心せむおもひのほかに人もとひけり(飛鳥井雅有)
220 :
名無氏物語:2006/06/11(日) 07:43:36 ID:c0Pwr4gS
月のかたの思ひの外ににほひしやむめのたち枝の春のさよ風(三条西実隆)
221 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 06:42:55 ID:BRkNKIuu
梅の花おもひの外にさくやどは人まちかまへするほどぞなき(木下長嘯子)
222 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 06:44:27 ID:BRkNKIuu
朝霞たち枝もみえぬ垣ねより思ひの外に匂ふ梅が香(後水尾院)
223 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 06:52:33 ID:iRf+BUJO
心ある軒ばの風の匂ひかな花ちるべくもふかぬものから(嘉陽門院越前)
224 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 07:01:02 ID:6q9vkgkV
春風は花ちるべくもふかぬ日におのれうつろふ山桜かな(藤原雅経[続千載])
225 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 07:10:11 ID:YbVadK8h
さらでだにうらみむととふわぎも子がころものすそに秋風ぞふく
226 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 07:11:12 ID:YbVadK8h
大淀の月にうらみてかへるなみまつはつらくもあらしふくなり
227 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 07:11:53 ID:YbVadK8h
花をのみをしみなれたるみよしのの木末に落つる有明の月
228 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 07:12:39 ID:YbVadK8h
物おもはでただ大方の露にだにぬるればぬるる秋の袂を
229 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 07:13:19 ID:YbVadK8h
行く年ををじまの海士のぬれ衣かさねて袖に波や立つらん
230 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 07:13:58 ID:YbVadK8h
岩がねの床にあらしをかたしきてひとりやねなむさ夜の中山
231 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 07:26:43 ID:IvNVGq24
消えもあへずけさやは桜雪とのみ思へばかをる春の山風(宗祇集)
232 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 07:27:29 ID:IvNVGq24
かすめただ咲きも咲かずも春の山ただおしこめて桜とをみむ(宗祇集)
233 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 07:28:13 ID:IvNVGq24
おもかげはかすめる花もとほからでこずゑにまよふ春の山ごえ(宗祇集)
234 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 07:29:00 ID:IvNVGq24
思ひすてぬ草のやどりのはかなさもうき身ににたる夕雲雀かな(宗祇集)
235 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 07:29:35 ID:IvNVGq24
さびしさも身になれはてて山里は秋ふく風の夕暮もなし(宗祇集)
236 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 07:30:04 ID:IvNVGq24
身は老いぬ何の思ひの露にてもかからじとすれば秋の夕暮(宗祇集)
237 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 07:34:20 ID:C/PqzqRP
おもかげに花のすがたをさきだてていくへこえきぬ峰の白雲(藤原俊成「新勅撰集」)
238 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 07:36:03 ID:C/PqzqRP
明くる夜の月と花との哀をもただおしこめてかすむ春かな(正徹「草根集」)
239 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 07:42:29 ID:4ZMfaTEf
世にあれば今年の春の花も見つうれしきものは命なりけり(本居宣長)
240 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 07:43:08 ID:4ZMfaTEf
杜鵑あかつきかけて鳴く声を片みみに聞く枕つらしな(桜井基佐)
241 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 07:43:44 ID:4ZMfaTEf
都へとなにいそぐらむほととぎす暁かけて山ぢいづなり(藤原秀能)
242 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 07:49:02 ID:4+7ByoMm
笹竹のよはにや来つる閨ちかき朝けの窓に鶯のなく(西園寺実兼[風雅])
243 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 07:49:51 ID:4+7ByoMm
月も今み山いづらし時鳥ふけゆく空に声のきこゆる(後花園天皇[新続古今])
244 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 18:28:15 ID:dwWSkN76
をぐら山鹿のたちどのみゆるかな峰の紅葉やちりまさるらん(藤原高遠)
245 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 18:28:47 ID:dwWSkN76
小倉山鹿のたちどのしるべだにたえてかげみぬ五月雨の空(藤原家隆)
246 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 18:34:59 ID:LTCXd/pO
もち月の駒ひきわたす音すなり瀬田の長道橋もとどろに(麗花集)
247 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 18:57:53 ID:/2ztOFEK
今年みる我が元結の初霜にみそぢあまりの秋ぞふけぬる(藤原良経[新後拾遺])
248 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 18:58:43 ID:/2ztOFEK
ふりにけりわが元結のそのかみに見ざりし色の秋の初霜(源兼康[続古今])
249 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 19:03:59 ID:uJcXq6xV
春をまつ袖にはいつか濃紫わがもとゆひの霜ぞふりぬる(藤原雅経)
250 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 19:04:38 ID:uJcXq6xV
夜夜はわがもとゆひの霜ならでむすびもおかぬ契りをぞまつ(二条為定)
251 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 19:05:24 ID:uJcXq6xV
ながめつつ更行く月の影なれやわがもとゆひの秋のよの霜(宗良親王)
252 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 19:10:40 ID:qDtX8Q5L
芳野山松の葉しろき雪のうへに落ちてさやけき有明の月(家隆)
253 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 19:11:22 ID:qDtX8Q5L
若菜つむ都の野べも松の雪いく世つもれる年とかはしる(慈円)
254 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 19:11:58 ID:qDtX8Q5L
かすめども芳野の雪の猶さえて松の葉しろきふるさとの春(後鳥羽院)
255 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 19:12:36 ID:qDtX8Q5L
みよし野の松の葉しろき山のはにかかりもやらぬうす霞かな(後鳥羽院)
256 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 19:13:19 ID:qDtX8Q5L
都人契りしものをはつ雪に松の葉しろき夕暮の雨(藤原基家)
257 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 19:17:45 ID:DfA936e0
白雲のかかる高ねになるほどは幾世つもれる塵にかあるらん(肥後[堀河百首])
258 :
名無氏物語:2006/06/12(月) 19:18:24 ID:DfA936e0
芳野山今年も雪のふる郷に松の葉しろき春の曙(良経[新後拾遺])
259 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 00:04:55 ID:n3hz1F3o
くるかたもかへる所もなき春を送りむかふと何おもふらん(正徹)
260 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 00:14:36 ID:qw6uEaZu
哀また物や思ふととふ程の人にしられぬ夕ぐれもがな(順徳院)
261 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 00:19:49 ID:G+cVYYlx
とふ人は忍ぶ中とや思ふらむこたへかねたる袖のけしきを(良経)
262 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 00:20:32 ID:G+cVYYlx
ふく風もものや思ふととひがほにうちながむれば松のひと声(良経)
263 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 00:21:29 ID:G+cVYYlx
うつせみの鳴く音やよそにもりの露ほしあへぬ袖を人のとふまで(良経)
264 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 00:22:08 ID:G+cVYYlx
おのれだに言問ひこなんさ夜千鳥須磨のうきねに物や思ふと(良経)
265 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 00:26:28 ID:lvGbfnx8
人はみな送り迎ふといそぐよをしめのうちにてあかしつるかな(藤原忠良[玉葉])
266 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 00:27:05 ID:lvGbfnx8
しのぶれど涙ぞしるき紅に物おもふ袖はそむべかりけり(源道済[詞花])
267 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 00:27:37 ID:lvGbfnx8
忍ぶれど思ふ思ひのあまりには色に出でぬる物にぞありける(大江嘉言[風雅])
268 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 00:38:22 ID:EX/gmgqC
色にいでていはぬ思ひのなぐさめは人のつらさを知らぬばかりぞ(家隆)
269 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 00:38:54 ID:EX/gmgqC
いかにして忍びならはむ程だにも物や思ふと人にとはれじ(家隆)
270 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 00:44:10 ID:0CwnuOB6
我ながらおもふか物をとばかりにそでにしぐるる庭のまつ風
271 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 00:44:54 ID:0CwnuOB6
春の雨のあまねき御代をたのむかなしもにかれゆく草葉もらすな
272 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 00:45:32 ID:0CwnuOB6
むめのはなさけるをみれば我が宿に朝かぜかをり鶯ぞなく
273 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 00:46:11 ID:0CwnuOB6
あふさかは人のわかるるみちなれば夕つけどりのなかぬ夜もなし
274 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 00:46:44 ID:0CwnuOB6
かかる身を何かはとこそ思ひしにしたがふものはなみだなりけり
275 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 00:47:17 ID:0CwnuOB6
おもひやれなべて世にある人だにも涙おつといふ秋のはつかぜ
276 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 00:57:34 ID:WVSnwYM3
老はなほ夕かげまたぬ露ながらうつろふ花をはかなくやみん(宗祇集)
277 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 00:58:28 ID:WVSnwYM3
道たえてはらふ人なき谷の戸の夕日がくれにちる木の葉かな(宗祇集)
278 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 00:59:12 ID:WVSnwYM3
妹が島ちぎりなくとも折からの夕なみ千鳥おとづれてゆけ(宗祇集)
279 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:00:23 ID:WVSnwYM3
を笹原ひろはば袖にはかなさもわするばかりの玉あられかな(宗祇集)
280 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:00:57 ID:WVSnwYM3
つもるかとおき出でてみれば冴えし夜の月よりうすき峰のはつ雪(宗祇集)
281 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:01:31 ID:WVSnwYM3
庭はまだ浜木綿ばかりふる雪にいくへ高嶺の遠のしら雲(宗祇集)
282 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:04:08 ID:kVjbVMFU
妹が島かたみのうらのさ夜千鳥おも影そへて妻や恋ふらむ(よみ人しらず「新続古今集」)
283 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:07:11 ID:kVjbVMFU
はまゆふもいく重かしたに成りぬらん雪ふりしける三熊野の浦(藤原俊成「五社百首」)
284 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:17:49 ID:EX/gmgqC
しのぶれど色にやいづるをみなへし物やおもふと露のおくまで(源具親)
285 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:26:32 ID:Jenz/lMB
286 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:31:13 ID:uGlsSA/s
うき身にはたえぬ歎きにおもなれて物や思ふと問ふ人もなし(鴨長明[新後撰])
287 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:32:18 ID:uGlsSA/s
とはばやなみぬめの浦に住むあまも心のうちに物や思ふと(西園寺公経[新後撰])
288 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:32:51 ID:uGlsSA/s
露けさの袖にかはらぬ草葉までとはばや秋は物やおもふと(鷹司基忠[玉葉])
289 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:33:22 ID:uGlsSA/s
宿ごとの夕暮とはん秋といへば我にかぎらず物や思ふと(後二条院[続千載])
290 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:34:14 ID:uGlsSA/s
恋すてふなき名やたたん郭公まつにねぬよの数しつもれば(源有仁[金葉])
291 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:34:48 ID:uGlsSA/s
はかなくも人に心をつくすかな身のためにこそおもひ初めしか(源有仁[千載])
292 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:37:41 ID:x4STquvI
梢ふく風のたえまかかすむよの月よりうすき庭のうめが香(本居宣長)
293 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:39:08 ID:x4STquvI
ほととぎすねざめざりせばとばかりも思ひもあへずすぐる一声(藤原雅経)
294 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:39:57 ID:x4STquvI
さ夜中にねざめざりせば初雪のふりにけりともあすぞしらまし(飛鳥井雅有)
295 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:40:52 ID:x4STquvI
さ夜ふかく寝覚めざりせばきかましや人よりさきの秋の初風(宗良親王)
296 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:41:32 ID:x4STquvI
暮ごとにおなじ道にもまどふかな身のうちにのみ恋のもえつつ(壬生忠見)
297 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:44:55 ID:32ZIvkeb
恋すてふ名をだにながせ涙河つれなき人も聞きやわたると(読人不知[金葉])
298 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:46:12 ID:32ZIvkeb
人しれずしのぶの浦に焼く塩のわが名はまだき立つ煙かな(藤原家隆[新勅撰])
299 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:47:50 ID:32ZIvkeb
恋すてふうき名は空に立つ雲のかかるつらさに消えや果てなん(花山院師継[続千載])
300 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:48:41 ID:32ZIvkeb
恋すてふみほの杣人朝夕に立つ名ばかりはやむ時もなし(西園寺実兼[続千載])
301 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:49:17 ID:32ZIvkeb
もらさじとなに忍ぶらん数ならぬ身をしらでこそ思ひそめしか(則祐[新拾遺])
302 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 01:55:02 ID:nvQBt64B
音に聞く田子の浦波それならで恋すてふ名のたたぬ日ぞなき(静仁法親王[新続古今])
303 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 02:03:09 ID:bTCmimaI
我が君をいのるにつけて神ぢ山千代松むしの声ぞ聞ゆる(藤原為家)
304 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 02:03:53 ID:bTCmimaI
君ぞみむ千世まつむしのねにたてて秋をかぎらぬやどの月かげ(九条隆博)
305 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 02:16:26 ID:L3qZsdHl
みなせ山松にすむつるいく千代か月のうはげに冬をかさねむ(藤原家隆)
306 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 02:17:22 ID:L3qZsdHl
高砂の松にすむ鶴あらはれて月にぞ千世のためしをもみる(藤原範宗)
307 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 02:18:06 ID:L3qZsdHl
色かへぬ松にすむ鶴わがきみの千代にちとせをかさねてやなく(藤原為家)
308 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 20:50:54 ID:f+DxV0p8
おとなしの名をやからまし人しれずいはでものおもふ袖のたきつせ(宗尊親王)
309 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 21:00:14 ID:UvMAZyFQ
ちぎりきなさてやはたのむ末の松まつにいく夜の波はこえつつ(藤原雅経)
310 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 21:01:07 ID:UvMAZyFQ
ちぎりきな有明の空をかたみにて月見むことにおもひでよとは(飛鳥井雅有)
311 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 21:01:45 ID:UvMAZyFQ
たちわかれけぶりの末もあふことはかたみに袖をしほがまの浦(木下長嘯子)
312 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 21:22:33 ID:sSuvhcUt
代々かけて波こさじとは契るともいさや心の末の松山(二条為氏[新後撰])
313 :
名無氏物語:2006/06/13(火) 21:31:49 ID:S/7aMfEi
君はよし行末とほしとまる身のまつほどいかがあらむとすらん(満仲)
314 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 01:59:59 ID:j0Wkw9tP
ほのかにぞ鳴きわたるなる郭公み山をいづるけさのはつ声(拾遺100)
315 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 02:08:56 ID:KnRoN/OU
琴の音はむべ松風にかよひけり千年をふべき君にひかれて(二条太皇太后宮大弐[玉葉])
316 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 02:19:19 ID:0l18/Q6j
今日よりは君にひかれてあふひ草二葉の松の千よに八千世に(細川幽斎)
317 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 02:19:57 ID:0l18/Q6j
まもれ猶君にひかれて住吉のまつのちとせは万世の春(北条氏政)
318 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 02:26:31 ID:imXYUTOp
人しれぬきははおよびも中空にかからできえよ夕ぐれの雲(宗祇集)
319 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 02:27:13 ID:imXYUTOp
なにか思ふたとへば君がおもかげも鏡のうちのかりのかたちを(宗祇集)
320 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 02:28:48 ID:imXYUTOp
いづくとか又もながめむ古里のかたみの雲は山風ぞふく(宗祇集)
321 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 02:29:51 ID:imXYUTOp
しらぬ野べあらぬ庵もやどるまの契り思へば古里もなし(宗祇集)
322 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 02:30:44 ID:imXYUTOp
ことのはの道こそ憂けれさらでやは心のきはを人にしられん(宗祇集)
323 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 02:32:56 ID:imXYUTOp
春の色の碧にうかぶ富士のねは高天の原も雪かとぞみる(北国紀行)
324 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 02:35:33 ID:X9ULBbap
いかにせむしなばともにとおもふ身のおなじかぎりのいのちならずは
325 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 02:36:09 ID:X9ULBbap
露ふかきをざさまじりの下わらびさも折ふしにぬるる袖かな
326 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 02:36:50 ID:X9ULBbap
見てもうしはなのわかれのつらければやよひの月の有明の空
327 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 02:37:40 ID:X9ULBbap
みえぬらむこころのうちのかなしさもくちぬるそでの苔のみだれに
328 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 02:38:13 ID:X9ULBbap
ながむるに苔のたもとのしをるるは月や浮世のなみだなるらむ
329 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 02:38:51 ID:X9ULBbap
むかしにはあはれこころのかはるかな老いて今みる秋の夜の月
330 :
定家厨:2006/06/14(水) 02:41:39 ID:ar+txM4f
霜うづむ小野の篠原しのぶとてしばしもおかぬ秋のかたみを
331 :
定家厨:2006/06/14(水) 02:42:25 ID:ar+txM4f
夕ぐれは小野の篠原しのばれぬ秋きにけるとうづらなくなり
332 :
定家厨:2006/06/14(水) 02:43:04 ID:ar+txM4f
あさぢふのをののしらつゆ袖のうへにあまる涙のふかさくらべよ
333 :
定家厨:2006/06/14(水) 02:43:38 ID:ar+txM4f
なほざりのをののあさぢにおく露も草葉にあまる秋の夕暮
334 :
定家厨:2006/06/14(水) 02:44:30 ID:ar+txM4f
めぐりあはん空行く月のゆく末もまだ遥かなる武蔵野の原
335 :
定家厨:2006/06/14(水) 02:45:07 ID:ar+txM4f
あふひ草かりねののべに時鳥暁かけてたれをとふらん
336 :
定家厨:2006/06/14(水) 02:45:42 ID:ar+txM4f
置きそめていくよつもれる匂ひともいさしら菊の花のした露
337 :
定家厨:2006/06/14(水) 02:46:32 ID:ar+txM4f
いかがする網代にひをのよるよるは風さへはやきうぢの川せを
338 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 02:54:31 ID:ovz4aS30
朝な朝なおのれ鳴きてや鶯のとしたちかへる春をしるらん(二条為氏[新千載])
339 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 02:55:58 ID:ovz4aS30
我が恋は初元結のこむらさきいつしかふかき色に見えつつ(後醍醐院[風雅])
340 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 03:10:20 ID:5zHH7l/e
いつしかと初元結のこむらさき色に出でつつうちとけねかし(宗良親王)
341 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 03:10:59 ID:5zHH7l/e
袖にみん初元結のこむらさきそめます色は千世もかはらじ(木下長嘯子)
342 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 03:16:45 ID:uYc4htJ+
はかなさの命もしらぬ別れぢはまてどもえこそちぎらざりけれ(藤原知家[続後撰])
343 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 03:17:38 ID:uYc4htJ+
暮るる夜は衛士のたく火をそれと見よ室の八島も都ならねば(藤原定家[新勅撰])
344 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 03:20:03 ID:uYc4htJ+
あしのやに蛍やまがふ海人やたく思ひも恋もよるはもえつつ(藤原定家[続後撰])
345 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 03:20:51 ID:uYc4htJ+
夜はもえ昼はをりはへなきくらし蛍も蝉も身をばはなれず(源家長[続後撰])
346 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 03:21:29 ID:uYc4htJ+
我が恋はあまのいさり火よるはもえ昼はくるしき浦の網なは(藤原家良[続古今])
347 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 03:23:32 ID:CIwI7FCH
みかきもり衛士のたく火の夜はもえ昼はきえつつ物をこそ思へ(詞花225)
348 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 03:32:40 ID:UkYyGPV0
君がもる衛士のたく火の昼はたえ夜はもえつつ物をこそ思へ(作者不明記「古今和歌六帖」)
349 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 03:33:38 ID:UkYyGPV0
みかきもる衛士のたく火の我なれやたぐひ又なき物おもふらん(村上天皇「御集」)
350 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 03:34:21 ID:UkYyGPV0
みかきもる衛士のたく火にあらねども我も心のうちにこそ思へ(作者不明記「和漢朗詠集」)
351 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 03:35:20 ID:UkYyGPV0
みかきもり衛士のたく火の夜はもえ昼はきえつつ物をこそ思へ(大中臣能宣「百人一首」)
352 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 03:40:52 ID:JptY7UOF
みかきもり衛士のたく火はよそなれどとへかし人のもゆる思ひを(後鳥羽院)
353 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 03:42:08 ID:JptY7UOF
夜もすがら雲ゐの庭をてらすなる衛士のたく火は有明のころ(後鳥羽院)
354 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 03:42:41 ID:JptY7UOF
みかきもり衛士のたく火の数そひて玉しく庭に飛ぶほたるかな(宗尊親王)
355 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 03:43:24 ID:JptY7UOF
しれかしな衛士のたく火のなにならでよる昼わかずもゆる思ひを(冷泉為村)
356 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 03:44:04 ID:JptY7UOF
ひるはきえ夜は寒えつつふる雪に衛士のたくひを頼むころかな(松永貞徳)
357 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 03:44:57 ID:JptY7UOF
みかきもる花はいくとせ咲きちりてよしのの春にもの思ふらん(加納諸平)
358 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 09:47:27 ID:j0Wkw9tP
我が恋はあまのいさり火よるはもえ昼はくるしき浦の網なは(藤原家良[続古今])
359 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 09:48:13 ID:j0Wkw9tP
夜はもえ昼は消えゆく蛍かな衛士のたく火にいつならひけん(宗尊親王[続拾遺])
360 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 09:53:25 ID:ntQabEPH
うつつには思ひたえゆく逢ふことをいかにみえつる夢路なるらん(藤原俊成)
361 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 09:55:01 ID:ntQabEPH
朝風に今日おどろきてかぞふれば一夜のほどに秋は来にけり(和泉式部)
362 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 09:57:09 ID:ntQabEPH
蘆の根もつのぐみぬらん三島江の岸の青柳色づきにけり(藤原家隆)
363 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 09:57:44 ID:ntQabEPH
をざさ原一よのほどにくる春やうれしきふしのはじめなるらん(橘千蔭)
364 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 10:07:35 ID:DTp7Fo2g
みしま江や霜もまだひぬ蘆の葉につのぐむ程の春かぜぞふく(源通光[新古今])
365 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 10:20:27 ID:Jx+Mvt3q
春風につのぐみそめし津の国の難波の蘆は今ぞかるらむ(香川景樹)
366 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 10:21:59 ID:Jx+Mvt3q
雪わけてゑぐの若菜もおひにけり今日のためとはいかでしりけん(平忠盛)
367 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 10:23:23 ID:Jx+Mvt3q
かきこもる那智の御山の霜ながら今朝の朝菜に菊やつままし(加納諸平)
368 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 10:24:24 ID:Jx+Mvt3q
この里のならの葉がしはもとつ葉もさびしくもあらず茂る下草(藤原家隆)
369 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 10:25:19 ID:Jx+Mvt3q
山寺のおくのかよひぢきて見れば峰のしきみはもとつ葉もなし(藤原良経)
370 :
名無氏物語:2006/06/14(水) 10:25:59 ID:Jx+Mvt3q
神まつる比にも今はならの葉の月にもれたるもとつ葉もなし(順徳院)
371 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 01:13:47 ID:GDyFFZ9+
早苗とる鳥羽田のおもを見わたせばいくなみあらん田子のをがさよ(藤原俊成)
372 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 01:14:33 ID:GDyFFZ9+
霧はるる鳥羽田のおもを見わたせば行末とほき秋の山里(藤原家隆)
373 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 01:36:57 ID:hJghx4IC
秋はててねをなく虫の霜をおもみよもぎが杣の心ぼそさよ(大江匡房)
374 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 01:37:40 ID:hJghx4IC
なれにしもおとらぬものを我やどせよもぎが杣の虫のあるじよ(慈円)
375 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 01:38:49 ID:hJghx4IC
その下のきりぎりすだに音もせで冬がれ蓬たてるすごしも(源具顕)
376 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 01:39:21 ID:hJghx4IC
秋風にほずゑなみよるかるかやの下葉に虫の声よわるなり(西行)
377 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 01:40:50 ID:hJghx4IC
宿さびて庭に木の葉のつもるより人まつむしも声よわるなり(藤原良経)
378 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 01:43:58 ID:0D6p7CZV
神無月木々の木の葉は散りはてて庭にぞ風の音は聞こゆる(覚忠[新古今])
379 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 01:50:51 ID:OqU2SE7o
よる波のすずしくもあるか敷妙のそでしのうらのあきの初風
380 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 01:51:37 ID:OqU2SE7o
物をのみさもおもはするさきの世のむくいや秋のゆふべなるらむ
381 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 01:52:21 ID:OqU2SE7o
秋風に妻まつやまの夜を寒みさこそ尾上の鹿は鳴くらめ
382 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 01:53:02 ID:OqU2SE7o
曇れとや老の涙にちぎるらむむかしよりみしあきの夜の月
383 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 01:53:40 ID:OqU2SE7o
はれくもり時雨るる空はしらねどもぬれて千入のあきの紅葉葉
384 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 01:54:20 ID:OqU2SE7o
もみぢばを風にまかする手向やまぬさもとりあへず秋は暮れけり
385 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 01:58:47 ID:pzjgs1OO
浪の上は千里に晴れて汀なる木末にしづむ夕立のそら(下葉集)
386 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 02:00:22 ID:pzjgs1OO
埋れ行く野原の水の声なきもおちてしらする萩の下露(下葉集)
387 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 02:01:34 ID:pzjgs1OO
山ふかみ人もはらはぬ橋の上のあやふき暮に積る雪かな(下葉集)
388 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 02:02:33 ID:pzjgs1OO
われながら昨日にかはる心とはいまだおもはぬ夕暮の空(下葉集)
389 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 02:03:17 ID:pzjgs1OO
君がわたり思ひやれども行きなやむ心の末や峰のかけはし(下葉集)
390 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 02:05:15 ID:pzjgs1OO
浪の上のむかしをとへばすみだ河かすむや白き鳥の涙に(下葉集)
391 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 02:09:54 ID:SvQJmxL2
波のうへは千里のほかに雲きえて月かげかよふ秋のしほ風(俊成卿女「建仁元年八月十五日撰歌合」)
392 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 03:16:01 ID:U8dOsw1K
秋はいぬ風に木の葉は散りはてて山さびしかる冬は来にけり(源実朝)
393 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 03:17:27 ID:U8dOsw1K
むすびおきし雲雀の床も草かれてあらはれわたる武蔵野の原(後鳥羽院)
394 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 03:18:34 ID:U8dOsw1K
川ごしの柴つみ車いかがするこほりのくさび冬はたえせじ(大江匡房)
395 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 03:19:34 ID:U8dOsw1K
山河のこほりのくさびうちとけて石にくだくる水のしらなみ(藤原有家)
396 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 03:20:10 ID:U8dOsw1K
朝ぼらけ霞ながるる山川のこほりのくさびうちやとくらん(如願)
397 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 03:21:17 ID:U8dOsw1K
冬来ては田中にたてる水ぐるま氷のくさびうちそへてけり(藤原為家)
398 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 03:36:39 ID:Wy4kHujh
宇治川や氷のくさびうつたへに水の車ぞ絶えてめぐらぬ(正徹)
399 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 03:37:41 ID:Wy4kHujh
さらに又うすき衣に月さえて冬をやこふるをののすみやき(後鳥羽院)
400 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 03:39:06 ID:Wy4kHujh
梶をたえ行末もしらず由良の戸をわたる舟路の春の霞に(正徹)
401 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 03:40:13 ID:Wy4kHujh
音あらき浪の手玉もゆらの戸をわたる舟人心くだけて(正徹)
402 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 15:39:27 ID:aygFh0/1
契こそゆくへもしらねゆらのとやわたるかぢ緒の又もむすばで(為家)
403 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 15:40:17 ID:aygFh0/1
由良のとに絶えにしかぢもあるものを行へをもしる友千鳥かな(二条為重)
404 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 16:39:30 ID:GDyFFZ9+
秋風にこぬ人よりも夕暮の雲のはたてのはつかりのこゑ(藤原家隆)
405 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 16:40:48 ID:GDyFFZ9+
よをかさね待ちもよわらぬ心こそこぬ人よりも猶つれなけれ(平親清五女)
406 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 16:44:24 ID:8qGZUFY5
かぢをたえ由良の湊による舟のたよりもしらぬ沖つ潮風(良経[新古今])
407 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 16:44:54 ID:8qGZUFY5
由良のとを夜わたる月にさそはれて行衛もしらず出づる舟人(源家長[続後拾遺])
408 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 16:45:41 ID:8qGZUFY5
ゆらのとや波ぢの末ははるかにて有明の月にわたる舟人(北条政村[玉葉])
409 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 17:12:28 ID:HKiT0r3V
花のいろの衣かへうきひとへ山なほしら雲はかたみなれども(藤原家隆)
410 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 17:13:27 ID:HKiT0r3V
もろ人の花のたもとは夏くとも衣かへうき物とやはおもふ(順徳院)
411 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 17:18:22 ID:D0KiHTZv
夏刈の蘆のかり寝もあはれなり玉江の月の明けがたの空(藤原俊成[新古今])
412 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 17:19:01 ID:D0KiHTZv
夏刈の蘆のまろやのけぶりだにたつ空もなき五月雨のころ(九条教実[続古今])
413 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 17:19:35 ID:D0KiHTZv
夏刈の蘆ふみしだく水鳥のよにたつ空もなき身なりけり(静仁法親王[続古今])
414 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 17:33:44 ID:5uwsXVSd
夏刈の蘆のまろやの旅衣返す夢路にたつ空ぞなき(慈円)
415 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 17:35:38 ID:5uwsXVSd
夏刈の鳥羽田のおもは荒れはてて民の煙は立つ空ぞなき(藤原家隆)
416 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 17:43:11 ID:IA/5wX1y
夏刈のあし火の煙したにのみ思ひこがれてたつ空もなし(二条教頼[新葉])
417 :
定家厨:2006/06/15(木) 17:47:09 ID:iF4dFeYc
くちなしのいはで物おもふ秋のよはをみなへしにや色をかこたん
418 :
定家厨:2006/06/15(木) 17:47:47 ID:iF4dFeYc
くちなしのいはで物おもふ秋のよはをみなへしにや色をかこたん
419 :
定家厨:2006/06/15(木) 17:48:26 ID:iF4dFeYc
くまもなきゑじのたく火の影見えて月になれたる秋の宮人
420 :
定家厨:2006/06/15(木) 17:49:15 ID:iF4dFeYc
暮るる夜は衛士のたく火をそれと見よ室の八島も都ならねば
421 :
定家厨:2006/06/15(木) 17:49:51 ID:iF4dFeYc
あしのやに蛍やまがふ海人やたく思ひも恋もよるはもえつつ
422 :
定家厨:2006/06/15(木) 17:50:25 ID:iF4dFeYc
木ずゑより冬の山風はらふらしもとつは残るならの葉がしは
423 :
定家厨:2006/06/15(木) 17:50:58 ID:iF4dFeYc
霜枯るるよもぎが杣のかれまよりゆきげににたる冬の若草
424 :
定家厨:2006/06/15(木) 17:51:28 ID:iF4dFeYc
風さわぐ由良の湊をこぐ舟のうきて物思ふ身ぞ行方なき
425 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 17:54:06 ID:zqXPgN7d
津の国のこやもあらはに霜がれてやへふく軒にしぐれふるなり(後鳥羽院)
426 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 17:54:43 ID:zqXPgN7d
雪にまたかくれてすめる津の国のこやもあらはにたつけぶりかな(越前)
427 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 17:55:16 ID:zqXPgN7d
難波がた入江のかすみはれそめてこやもあらはにくるる春かな(藤原為家)
428 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 17:55:51 ID:zqXPgN7d
冬きてはあらはれぬらん蘆の葉にかくれてすみし水の江の月(順徳院)
429 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 17:56:26 ID:zqXPgN7d
風そよぐ蘆の葉がくれ音たててこやもあらはにうつころもかな(頓阿)
430 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 17:57:00 ID:zqXPgN7d
おのれのみ岩にくだくる波の音に我もありとや磯の松風(九条良経)
431 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 18:00:30 ID:IA/5wX1y
藤ばかまあらしたちぬる色よりもくだけて物は我ぞ悲しき(俊成[続拾遺])
432 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 18:01:05 ID:IA/5wX1y
泊瀬がは井手こす波の岩の上におのれくだけて人ぞつれなき(藤原良経[玉葉])
433 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 18:02:03 ID:IA/5wX1y
夕さればくだけて物や思ふらん岩こす浪に千鳥なく也(京極院内侍[玉葉])
434 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 18:04:05 ID:IA/5wX1y
みせばやなくだけて思ふ涙ともよもしら玉のかかる袂を(伏見院[新後撰])
435 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 18:04:49 ID:IA/5wX1y
逢ふ事は波よる礒のうつせ貝つひにくだけて物思へとや(平通時[続千載])
436 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 18:05:54 ID:IA/5wX1y
思ひ入る道をば安く聞きしかど逢ふにはさはるは山茂山(藤原為家[続後拾遺])
437 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 18:11:55 ID:hvpt4xv2
つくば山はやましげ山たづね見む恋にまされるなげきありやと(藤原経家[新勅撰])
438 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 18:35:59 ID:hJghx4IC
見せばやな雄島のあまの袖だにも濡れにぞ濡れし色は変はらず(殷富門院大輔[千載])
439 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 18:37:06 ID:hJghx4IC
松がねのをじまが礒のさよ枕いたくなぬれそあまの袖かは(式子内親王[新古今])
440 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 18:38:20 ID:hJghx4IC
ゆく年ををじまのあまのぬれ衣かさねて袖に浪やかくらむ(藤原有家[新古今])
441 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 18:38:56 ID:hJghx4IC
心ある雄島のあまの袂かな月やどれとはぬれぬ物から(宮内卿[新古今])
442 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 18:44:02 ID:pzjgs1OO
梅の花にほふ夕べは身を分けて空にこころの春風ぞふく(春夢草)
443 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 18:45:07 ID:pzjgs1OO
ゆきてをる心のかへさいかならん千里にかすむ山ざくらかな(春夢草)
444 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 18:45:46 ID:pzjgs1OO
ゆく春の名残はあれどみる人も遠山なしの花やさびしき(春夢草)
445 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 18:46:59 ID:pzjgs1OO
あすよりは天つ空にや恋ひ佗びん雲のはたてに春はくれにき(春夢草)
446 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 18:50:23 ID:dHIYEhN6
こよろぎの磯うちさらしよる浪の独りくだくる恋もするかな(神山鬼貫)
447 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 18:51:25 ID:dHIYEhN6
思ひ返す道をしらばや恋の山は山しげ山わけいりし身に(建礼門院右京大夫)
448 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 18:52:00 ID:dHIYEhN6
しら波に羽うちかはし浜千鳥かなしきものは夜の一こゑ(重之)
449 :
名無氏物語:2006/06/15(木) 18:52:52 ID:dHIYEhN6
思ひ出のけながきものは人しれぬ心の内のわかれなりけり(重之)
450 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 01:42:32 ID:+L1ryqJS
つれなくも猶あふ事をまつ島やをじまのあまと袖はぬれつつ(遊義門院[新後撰])
451 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 02:10:14 ID:auirLpSs
置くと見る露もありけりはかなくも消えにし人を何にたとへむ(和泉式部)
452 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 02:29:42 ID:fmHmSzSi
我が中のよしなき袖にやどりきてうらみにまじる月の影かな
453 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 02:30:15 ID:fmHmSzSi
今朝よりの時雨は雪に成りにけりさてだに松の色かはれとて
454 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 02:31:04 ID:fmHmSzSi
衣衣のたもとにわけし月かげはたがなみだにかやどりはつらむ
455 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 02:31:40 ID:fmHmSzSi
ふかき夜に先ひとしきり声たててゆふつけ鳥はまたねしてけり
456 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 02:32:20 ID:fmHmSzSi
なにはがたかすまぬ波もかすみけりうつるもくもる朧月夜に
457 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 02:32:59 ID:fmHmSzSi
蘆の葉のまだうらわかき津国のこやのへだてはかすみなりけり
458 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 02:36:58 ID:7w129acC
見るままに露ぞこぼるる後れにし心も知らぬ撫子の花(上東門院[後拾遺])
459 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 02:44:02 ID:3PHzKARS
うつしみよ山はあらしもやはらかにならのわか葉を言の葉の道(春夢草)
460 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 02:45:01 ID:3PHzKARS
放ちかふ夏野の牛もかたよるや水草清き杜の下道(春夢草)
461 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 02:45:39 ID:3PHzKARS
やどりこし野原の小萩露をおきてうつろひゆかん花の心よ(春夢草)
462 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 02:46:24 ID:3PHzKARS
独りすむ市の仮屋の月かげに世わたる人のあはれをぞ知る(春夢草)
463 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 02:47:01 ID:3PHzKARS
さびしきはあるる垣ねの薄紅葉木の下てらす秋の日のかげ(春夢草)
464 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 02:47:37 ID:3PHzKARS
雪はらふ野中の杉の一むらや嵐にやどる夕暮の色(春夢草)
465 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 02:59:31 ID:YqaDCBg0
浦風になびくたくものゆふ煙いかなる海人の思ひなるらん(飛鳥井雅経)
466 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 03:00:17 ID:YqaDCBg0
我がためはつらき心の奥の海にいかなる海人のみるめかるらむ(後鳥羽院)
467 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 03:02:25 ID:YqaDCBg0
夕暮の浦もさだめずなく千鳥いかなる海人の袖ぬらすらん(土御門院)
468 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 03:07:40 ID:ABr7v/fT
とへかしなあやしき程の夕暮のあはれすぐさぬなさけばかりに(二条院皇后宮常陸[新勅撰])
469 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 03:18:25 ID:pt1KWO+9
琴の音はむべ松風にかよひけり千歳を経べき君にひかれて(二条太皇太后宮大弐[玉葉])
470 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 03:19:26 ID:pt1KWO+9
琴の音や松ふく風にかよふらん千代のためしに引きつべきかな(摂津[金葉])
471 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 03:25:28 ID:XB/bVdmf
遠山のいづれのをより出でつらんなかばの月の夜はの面影(源光行)
472 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 03:26:31 ID:XB/bVdmf
さか木とる庭火のかげにひく琴のしらべにかよふみねの松風(小侍従)
473 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 03:27:05 ID:XB/bVdmf
かよふらしむかふる雲のことのねにうへなき山のみねの松風(慈円)
474 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 03:28:48 ID:XB/bVdmf
たまづさのかきあはせたるしらべかな雁のことぢにみねの松風(慈円)
475 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 03:29:22 ID:XB/bVdmf
やまかげぞまだき涼しき松風はいづれの緒より秋と吹くらむ(飛鳥井雅親)
476 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 03:36:27 ID:+L1ryqJS
年たけてまた越ゆべしと思ひきや命なりけりさやの中山(西行[新古今])
477 :
名無氏物語:2006/06/16(金) 04:09:40 ID:lwYTsbJW
琴の音は月の影にもかよへばや空にしらべのすみのぼるらん(越後[金葉])
478 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 07:06:21 ID:57tPihEB
思はじと思ふばかりはかなはねば心のそこよ思はれずなれ(遊義門院[玉葉])
479 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 07:10:19 ID:57tPihEB
まくず原紅葉の色の暁にうらがなしかる風の音かな(源兼昌[永久百首])
480 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 07:15:41 ID:yGoAWeYB
契りおけ玉まく葛に風ふかばうらみもはてじかへる雁がね(藤原定家[新千載])
481 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 07:24:51 ID:fmCWLujY
ふるさとへ行く人あらば言づてむ今日近江路をわれこえにきと(良寛)
482 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 07:25:32 ID:fmCWLujY
夕されば秋のの風にま葛原うらがなしかるさをしかの声(藤原実房)
483 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 07:35:31 ID:ojHHwJ2j
時しもあれ田づらの雁のわかれさへはな散るころのみよしののさと
484 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 07:36:04 ID:ojHHwJ2j
敷妙のまくらのうへに過ぎぬなりつゆをたづぬるあきのはつ風
485 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 07:36:41 ID:ojHHwJ2j
月のよは名のみぞよるのもしほ草かくかきたえて見る夢もなし
486 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 07:37:24 ID:ojHHwJ2j
晴れくもるかげをみやこにさきだててしぐると告ぐる山のはの月
487 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 07:37:55 ID:ojHHwJ2j
ながめよとおもはでしもやかへるらん月待つうらのあまの釣ぶね
488 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 07:38:28 ID:ojHHwJ2j
さ夜千鳥みなと吹きこすしほ風にうらよりをちの友さそふなり
489 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 07:41:26 ID:s19sEzqm
軒ばよりあまりて落つる雪の音に夕暮ふかくなれる宿かな(春夢草)
490 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 07:42:02 ID:s19sEzqm
ほの見しにそのこととなく詠めわびぬこれをや恋の春の夕暮(春夢草)
491 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 07:42:37 ID:s19sEzqm
雲の色風のけしきにながめても心のとはばうき夕べかな(春夢草)
492 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 07:43:27 ID:s19sEzqm
月にさへ物はおもはじ夕暮を限にたのむならひともがな(春夢草)
493 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 07:44:14 ID:s19sEzqm
せめくるはうき身の何ぞつれなきに心あはする秋の夕暮(春夢草)
494 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 07:44:46 ID:s19sEzqm
あやなくもたのむ夜くるし雨の音に心すむべき灯のもと(春夢草)
495 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 08:06:45 ID:uhu6K0ag
月影もおもひあらばともり初めてむぐらの宿に秋は来にけり(俊成卿女)
496 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 08:07:38 ID:uhu6K0ag
八重葎とぢこもりてし宿をしも先づとひけりな秋のはつ風(三条西実隆)
497 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 08:08:19 ID:uhu6K0ag
おきそむる露をよすがに秋は今朝むぐらの門を先づぞ問ひける(村田春海)
498 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 08:12:40 ID:484fUNRU
八重葎しげれる宿のつれづれと問ふ人もなきながめをぞする(藤原定頼[風雅])
499 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 08:13:25 ID:484fUNRU
八重葎しげれる宿は人もなしまばらに月のかげぞすみける(大江匡房[新古今])
500 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 08:14:26 ID:484fUNRU
八重葎しげれる宿は夜もすがら虫の音聞くぞとり所なる(永源[詞花])
501 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 08:15:19 ID:484fUNRU
八重葎さしこもりにし蓬生にいかでか秋の分けて来つらん(藤原俊成[千載])
502 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 08:16:17 ID:484fUNRU
秋こそあれ人は尋ねぬ松の戸を幾重もとぢよ蔦の紅葉葉(式子内親王[新勅撰])
503 :
名無氏物語:2006/06/17(土) 18:22:50 ID:iptqpRaT
人とはぬむぐらの宿の月かげに露こそ見えね秋風ぞふく(宗尊親王[続古今])
504 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 03:56:08 ID:skfNYkMM
すみのえのこほりとみゆる月かげにとけやしぬらむ神の心も(藤原公重)
505 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 03:56:42 ID:skfNYkMM
ながむれば涙も袖にむすぼほれ空さへこほる冬のよの月(藤原家隆)
506 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 03:57:19 ID:skfNYkMM
霜はらふ庭のたまざさあられふり空さへさゆる冬の夜の月(後鳥羽院)
507 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:05:14 ID:cSnl4EYc
すだきけん昔の人は影たえて宿もるものは有明の月(平忠盛[新古今])
508 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:05:46 ID:cSnl4EYc
とほざかる音はせねども月きよみ氷とみゆるしがのうら浪(藤原重家[千載])
509 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:34:44 ID:Z0gGlPq1
今よりは木の葉がくれもなきものを時雨にのこるむら雲の月
510 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:35:30 ID:Z0gGlPq1
何とかは人は分くべきおくやまの入りなばとぢよ苔のしたみち
511 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:36:03 ID:Z0gGlPq1
くれなゐのこぞめの糸の村時雨山のにしきをおらぬ日ぞなき
512 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:36:41 ID:Z0gGlPq1
世中になほ有明のうき身をやつれなき物と月はみるらむ
513 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:37:16 ID:Z0gGlPq1
いかにせむくれを待つべき命だに猶たのまれぬ身をたのみつつ
514 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:37:57 ID:Z0gGlPq1
水上はこほりをくぐるしかま河うみに出でてや浪はたつらむ
515 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:46:31 ID:mlDe4kjq
言の葉にのこす心を折りそへし野分の跡の花とだにみよ(春夢草)
516 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:47:07 ID:mlDe4kjq
山里は心づくしもなぐさみもひとつ木の間の秋の夜の月(素純百番自歌合)
517 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:47:43 ID:mlDe4kjq
村時雨くもりみ晴れみ秋の日のうす花薄袖ほさぬころ(素純百番自歌合)
518 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:48:16 ID:mlDe4kjq
重ねてもあかでやあけん独り寝に長かりし比の夜半のいくよを(素純百番自歌合)
519 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:48:50 ID:mlDe4kjq
月はしづみにほひはうかぶ江の水を梅さく庭にせきもとめばや(玄誉法師聞書)
520 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:49:30 ID:mlDe4kjq
花みずはうごかむものか我が心さしもしづけき春の夕べに(玄誉法師聞書)
521 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:54:47 ID:SvQmcmtZ
村霞くもりみはれみ行く月に見し世の事もつづきやはする(正徹「草根集」)
522 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 05:00:10 ID:qTNh/L9M
春をあさみ旅の枕にむすぶべき草葉もわかきころにもあるかな(新続古今921)
523 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 05:02:47 ID:qTNh/L9M
月のいる山のあなたの里人とこよひばかりは身をやなさまし(続千載518)
524 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 05:21:52 ID:p6kF6Ph9
古郷の苔の岩橋いかばかりおのれあらでも恋ひわたるらん(後鳥羽院)
525 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 05:24:56 ID:p6kF6Ph9
夜もすがら物思ふ頃は明けやらで閨のひまさへつれなかりけり(俊恵)
526 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 05:25:53 ID:p6kF6Ph9
秋の夜のしづかにくらきまどの雨打ちなげかれてひましらむらん(式子内親王)
527 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 05:26:34 ID:p6kF6Ph9
袖の上もいくたびばかりしめるらん物おもふ宿の有明の月(順徳院)
528 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 05:32:41 ID:7dB8TL73
いまはとて古巣にかへる鶯よ都の春の物語りせよ(藤原実房)
529 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 07:57:28 ID:l1lUSv87
いとどしくなげかしき世を神な月旅の空にもふる時雨かな(新続古今929)
530 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 14:13:47 ID:jpTgWi8M
かきくらす床の涙の水鏡われさへ我にとほざかりゆく(大内政弘)
531 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 14:21:58 ID:gX4wpVjN
昨日だにとはむと思ひし津の国の生田の森に秋は来にけり(藤原家隆[新古今])
532 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 14:22:28 ID:gX4wpVjN
時雨ゆく生田の森の秋の色をとはでぞよそにみるべかりける(藤原俊成女[続後拾遺])
533 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 14:23:00 ID:gX4wpVjN
秋風にまたこそとはめ津の国の生田のもりの春の明ぼの(順徳院[続古今])
534 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 14:23:33 ID:gX4wpVjN
津の国の生田の杜の初時雨あすさへふらば紅葉しぬべし(藤原教実[続千載])
535 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 15:02:26 ID:yzNUMEVF
岩の上のたねにまかせてまつ程はいかに久しき物とかはしる(和泉式部)
536 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 15:03:19 ID:yzNUMEVF
まどろまであかすとおもへばみじか夜もいかにくるしき物とかはしる(和泉式部)
537 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 15:08:23 ID:65f5zQhn
うらみつつひとりぬる夜の秋風に身にしむものといかでしらせむ(藤原秀能)
538 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 15:08:55 ID:65f5zQhn
秋の田の庵もるよはのあくるまはいかに露けき月とかはしる(弁内侍)
539 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 15:09:37 ID:65f5zQhn
ね覚して松のとぼそのあくるまは花にひさしきをはつせの山(木下長嘯子)
540 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 15:10:27 ID:65f5zQhn
高砂の尾上ならでも時鳥まつは久しき物とかはしる(後水尾院)
541 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 15:14:09 ID:Pm45F/04
のどけしな豊葦原のけさの春風のすがたも水のこころも(梶の葉)
542 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 15:14:59 ID:Pm45F/04
みる人もなぎさの花はおもひいづやたえて桜といひしことの葉(梶の葉)
543 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 15:15:45 ID:Pm45F/04
逢ふことははかなき春の夢路かなやがてうつろふ花のおもかげ(梶の葉)
544 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 15:16:46 ID:Pm45F/04
ちぎりあれば夢にも逢ふと思ふにぞさめしうつつのたのみなりける(梶の葉)
545 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 15:17:43 ID:Pm45F/04
みる人のあはれと思ひつらしとも心のままに月やすむらん(梶の葉)
546 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 15:18:17 ID:Pm45F/04
世々たえぬ星のちぎりにたぐへてよ一夜ばかりの中はたのまじ(梶の葉)
547 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 15:23:50 ID:h7xiaY4+
ながめつつ哀と思ひつらしとも人のままにや月はすむらん(正徹「草根集」)
548 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 15:30:40 ID:LDVlgpqe
けふまではみやこもちかしあふ坂の関のあなたに知る人もなき
549 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 15:31:17 ID:LDVlgpqe
此世にはよしこととはじ角田がはすみえぬかたの鳥の音もうし
550 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 15:31:48 ID:LDVlgpqe
限あればかすまぬ浦の波間よりこころときゆるあまの釣舟
551 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 15:32:30 ID:LDVlgpqe
吹く風にけぶりやとほくなびくらむ里なきうらももしほやくなり
552 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 15:33:17 ID:LDVlgpqe
かるもかくゐなの野原の草まくらさてもねられぬ月をみるかな
553 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 15:34:15 ID:LDVlgpqe
行く月の御舟ながるるあまのがは山よりにしやみなとなるらむ
554 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 16:54:19 ID:dxpQJ+Pz
暮るるまのいかに久しき影ならん独ぬるよにあらぬ春日も(武者小路実陰)
555 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 17:06:17 ID:ByBacscS
はては又わがねをそへて笛の名のこまかに物を思ふ夜半かな(大内政弘)
556 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 17:13:15 ID:5UVdX5DT
袖のうへにふりこそまされはるの雨のこまかに物を思ひくだけば(三条西実隆)
557 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 17:25:48 ID:/OHFIlRB
かりの世をしらぬにおふる菖蒲草けふこそいとふねをばかけつれ(寂然)
558 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 17:26:22 ID:/OHFIlRB
みし人をしらぬにおふる白菅のしげるや恋のこころなるらむ(藤原公重)
559 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 17:51:37 ID:40BmXbWg
こよひ君しでの山ぢの月をみてくものうへをやおもひいづらん(西行)
560 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 17:52:09 ID:40BmXbWg
こよひ君みやこにたれとながむらんなれし名残は有明の月(藤原隆信)
561 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 17:58:41 ID:dV6CW2y6
かづらきやたかまの嶺に雲はれてあくるわびしき在明の月(藤原雅経[新千載])
562 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 17:59:18 ID:dV6CW2y6
起き別れ明くる侘しき槙の戸をさしも思はで出でにけるかな(藻壁門院但馬[続後拾遺])
563 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 18:11:47 ID:I8piAIgS
かくばかりあくるわびしきみじか夜になどかくめぢの夢の浮橋(尭孝)
564 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 18:12:25 ID:I8piAIgS
かづらきの神のすがたや是ならんあくるわびしき朝がほの花(木下長嘯子)
565 :
名無氏物語:2006/06/19(月) 18:24:35 ID:CzqiFoYN
いはばしの夜の契りもたえぬべし明くるわびしきかづらきの神(拾遺1201)
566 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 00:31:14 ID:Km/JOuZB
たなばたにゆかしきほどのあふことは待つもかへすも物をこそ思へ(相模)
567 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 00:42:58 ID:dqRtn1Jd
かづらきの神ならねども天の川あくるわびしきかささぎの橋(後嵯峨院[新千載])
568 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 00:43:50 ID:dqRtn1Jd
たなばたに心をかしてなげくかな明方ちかき天の川風(後嵯峨院[風雅])
569 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 00:44:21 ID:dqRtn1Jd
逢ふことは七夕つめに貸しつれど渡らまほしき鵲の橋(後冷泉天皇[後拾遺])
570 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 01:18:07 ID:LpurV77B
春雨に野沢の水はまさらねどもえ出づる草ぞふかくなり行く
571 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 01:18:51 ID:LpurV77B
あづさ弓いそべのうらの春の月あまのたくなはよるも引くなり
572 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 01:19:35 ID:LpurV77B
秋の月しのに宿かるかげたけてをざさが原に露ふけにけり
573 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 01:20:11 ID:LpurV77B
秋の月ながめながめて老が世も山のはちかくかたぶきにけり
574 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 01:20:48 ID:LpurV77B
紅葉葉の散りかひくもる夕しぐれいづれか道とあきのゆくらむ
575 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 01:21:22 ID:LpurV77B
今日も又しらぬ野原に行暮れていづれの山か月はいづらむ
576 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 01:33:53 ID:oeVcpnNJ
なげけとてなきは数そふ浮世にもあるわかれこそ身はまさりけれ(藤原家隆)
577 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 01:34:40 ID:oeVcpnNJ
遠からぬ身の古にかぞへてもなきは数そふ人のおもかげ(武者小路実陰)
578 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 01:39:11 ID:K3Cp31k0
かすみつつ空には見えぬ春雨のこまかにそそく水の面かな(閑塵集)
579 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 01:39:48 ID:K3Cp31k0
日をふれば海をたたへて中々に河音たゆるさみだれの比(閑塵集)
580 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 01:40:26 ID:K3Cp31k0
荻の葉を時々風の露ふけば夜半の枕の夢のむらぎえ(閑塵集)
581 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 01:41:37 ID:K3Cp31k0
たて残す槙の戸口のさむしろにひとすぢうつる月の影かな(閑塵集)
582 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 01:42:39 ID:K3Cp31k0
ふかき夜の雨にかへりし君ゆゑに残る袖までしほれつるかな(閑塵集)
583 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 01:43:16 ID:K3Cp31k0
影さむみかさねて袖におく霜のしろたへ衣月にうつなり(永享百首)
584 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 02:04:01 ID:GThEHUbs
あさき瀬にせかれし波は岩こえて川音たゆる五月雨の比(藤原経高「南朝五百番歌合」)
585 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 02:05:17 ID:GThEHUbs
たちそむる霧かとみれば秋の雨のこまかにそそく夕ぐれの空(冷泉為秀「風雅集」)
586 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 07:19:41 ID:yuBDBWls
見し人もなきが数そふ露の世にあらましかばの秋の夕暮(俊成女[続後撰])
587 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 07:44:16 ID:DbfdmusK
忘れじのゆく末かはるけふまでもあればあふよを猶たのみつつ(藤原家隆)
588 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 07:44:57 ID:DbfdmusK
逢ひみむの行末まではかた糸のよりよりかこつ中のうきふし(堯孝)
589 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 07:50:47 ID:J5h8HTWM
あすならば忘らるる身になりぬべし今日をすぐさぬ命ともがな(赤染衛門[後拾遺])
590 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 07:52:09 ID:J5h8HTWM
春霞かすみし空の名残さへけふをかぎりの別れなりけり(九条良経[新古今])
591 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 07:53:04 ID:J5h8HTWM
忘れじのゆくすゑかたき世の中にむそぢなれぬる袖の月かげ(源家長[新勅撰])
592 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 13:29:28 ID:7HPpTkk4
手もたゆくならす扇のおきどころ忘るばかりに秋風ぞふく(相模[新古今])
593 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 13:30:08 ID:7HPpTkk4
うたたねの朝けの袖にかはるなりならす扇の秋のはつ風(式子内親王[新古今])
594 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 13:31:00 ID:7HPpTkk4
手にならす扇の風も忘られて閨もる月の影ぞ涼しき(藻壁門院但馬[続拾遺])
595 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 13:32:03 ID:7HPpTkk4
いつしかとならす扇を荻の葉にやがて涼しき秋の初風(藤原基家[新後撰])
596 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 14:01:51 ID:ZYYw7mzJ
我もいつぞあらましかばとみし人を忍ぶとすればいとどそひ行く(慈円[新古今])
597 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 14:02:39 ID:ZYYw7mzJ
見し人もなきが数そふ露の世にあらましかばの秋の夕暮(俊成女[続後撰])
598 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 14:03:26 ID:ZYYw7mzJ
たらちねのあらましかばと思ふにぞ身のためまでもねは泣かれける(藤原光俊[続古今])
599 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 14:05:47 ID:ZYYw7mzJ
見し人のなきがうちには数ふともあらましかばと誰かしのばん(長舜[新千載])
600 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 14:23:02 ID:LWbgTckn
親しきは亡きがあまたになりぬれど惜しとは君を思ひけるかな(香川景樹)
601 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 14:24:07 ID:LWbgTckn
今夜より万代めぐれもちながら光さしそふ秋のさかづき(藤原為家)
602 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 14:25:03 ID:LWbgTckn
菊のうへにけさおく露をもちながら千世もめぐらん花のさかづき(三条西公条)
603 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 14:37:25 ID:G94IYT1s
世の中にあらましかばと思ふ人なきが多くもなりにけるかな
604 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 14:38:39 ID:G94IYT1s
あるはなくなきは数そふ世の中にあはれいつまであらんとすらん
605 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 14:41:45 ID:G94IYT1s
数ならぬ身ははしたかのすずか山とはぬに何の音をかはせん
606 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 14:53:20 ID:LWbgTckn
夕まぐれ霧立ちわたるとりべ山そこはかとなく物ぞ悲しき(藤原俊成)
607 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 14:54:15 ID:LWbgTckn
いつまでかへがたくみゆる世にすみて羨しとも月をかこたん(宗尊親王)
608 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 15:39:42 ID:ynEy4a4G
めづらしき光さし添ふさかづきはもちながらこそ千世をめぐらめ(紫式部[後拾遺])
609 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 15:40:29 ID:ynEy4a4G
春の夜の月にまがへる梅の花ただ香ばかりぞしるべなりける(源顕仲[堀河百首])
610 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 15:41:41 ID:ynEy4a4G
もろともに同じ浮世にすむ月の羨しくも西へゆくかな(中原長国妻[後拾遺])
611 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 15:47:11 ID:XBmLldMW
かた時もわすれやはするつらかりし心の更にたぐひなければ(新勅撰930)
612 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 03:11:38 ID:oODpr8yi
恋しさにぬる夜なけれど世の中のはかなき時は夢とこそみれ(後拾遺577)
613 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 03:22:27 ID:ST887lLu
紅の木の葉吹きわけ行く駒の影ふみならす岩のかけ道(範光[正治後度百首])
614 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 03:24:34 ID:ST887lLu
立ちつづく桐原の駒越ゆれども音は隠れぬ関の岩かど(定家[拾遺愚草])
615 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 03:25:13 ID:ST887lLu
逢坂の関ふみならすかち人のわたれどぬれぬ花の白波(良経[新勅撰])
616 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 03:33:06 ID:B+hQsCJt
思ひやる心も空になりにけり独り有明の月をながめて(新勅撰957)
617 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 03:52:21 ID:Lk60wGMi
身にかへて惜しむにとまる花ならばけふや我が世の限りならまし(源俊頼[詞花])
618 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 03:53:01 ID:Lk60wGMi
身にかへてつらきと何に思ふらん生けらばなびく人もこそあれ(藤原実家[月詣集])
619 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 03:53:39 ID:Lk60wGMi
桜花うき身にかふるためしあらば生きて散るをば惜しまざらまし(源通親[千載])
620 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 03:54:33 ID:Lk60wGMi
身にかへて何歎くらむ大方は今年のみやは春にわかるる(殷富門院大輔[風雅])
621 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 04:05:47 ID:qxTgNd/e
きぬぎぬのつらきためしに誰なれて袖のわかれをゆるしそめけむ
622 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 04:06:45 ID:qxTgNd/e
いづくにもふりさけ今やみかさやまもろこしかけて出づる月かげ
623 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 04:07:20 ID:qxTgNd/e
もしほ草かくともつきじ君が代の数によみおく和歌の浦なみ
624 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 04:07:53 ID:qxTgNd/e
生駒山よそになるをの沖に出でてめにもかからぬ峰のしら雲
625 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 04:08:36 ID:qxTgNd/e
ながむれば千千に物思ふ月に又わが身ひとつの峰の松かぜ
626 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 04:09:16 ID:qxTgNd/e
ながめてもあはれとおもへ大かたの空だにかなしあきの夕ぐれ
627 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 04:13:19 ID:r1IjhzWT
稲荷山ほがらほがらとあくる夜を名のるからすの声も春なる(春葉集)
628 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 04:13:58 ID:r1IjhzWT
いひしらぬ神代の春の面かげを見せてかすむや天のかぐ山(春葉集)
629 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 04:14:52 ID:r1IjhzWT
山はみなかをりし花の雲きえて青葉が上を風わたるなり(春葉集)
630 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 04:16:10 ID:r1IjhzWT
水上は夕立すらし見るがうちに一すぢにごる里のなか川(春葉集)
631 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 04:17:09 ID:r1IjhzWT
ほのかにもあけゆく星の林まで秋の光と見れば身にしむ(春葉集)
632 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 04:17:53 ID:r1IjhzWT
来る秋は目に見えぬ風や幾千里あまはせ使おとに告ぐらむ(春葉集)
633 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 04:21:56 ID:UFDmJ04q
身にかへていざさは秋を惜しみ見んさらでも脆き露の命を(守覚法親王[新古今])
634 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 04:22:53 ID:UFDmJ04q
身にかへて花も惜しまじ君が代にみるべき春の限りなければ(参河内侍[新古今])
635 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 09:30:41 ID:a7z7qhr5
さばへなすあらぶる神にみそぎして民しづかにと祈るけふかな(後嵯峨院)
636 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 09:32:05 ID:a7z7qhr5
さいたづままだうら若きみ吉野の霞がくれにきぎすなくなり(平忠度)
637 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 10:01:07 ID:Ug+JggPZ
春日野にまだうら若きさいたづま妻こもるともいふ人やなき(西園寺実氏[玉葉])
638 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 11:02:23 ID:gYAV3PJU
あけぬとて名のる烏の声の中に山際かすみ春はきにけり(荷田蒼生子)
639 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 15:35:23 ID:S+yzZLt5
秋きぬと荻のうは風うたがひて萩のした露こころおかるな(源通親)
640 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 15:36:47 ID:S+yzZLt5
霧のまも荻のうは風おとたかししらねば野べの萩のしたつゆ(覚性法親王)
641 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 15:37:49 ID:S+yzZLt5
夕まぐれ木の葉みだれて荻の上にきかぬ嵐もただならぬかな(貞常親王)
642 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 16:21:45 ID:UFDmJ04q
をしからぬ命も今はながらへておなじ世をだに別れずもがな(藤原定家[玉葉])
643 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 16:27:18 ID:HbbP5GHk
あへば先づをしからざりし命よりながくもがなとおもふ夜半かな(松永貞徳)
644 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 16:44:10 ID:gNtJ1fXb
人しれぬ心ひとつに歎きつつ黄楊の小櫛ぞさす空もなき(新勅撰集)
645 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 17:07:02 ID:Ug+JggPZ
天つ風雲の通ひ路ふきとぢよ乙女の姿しばしとどめむ(遍昭[古今])
646 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 17:17:08 ID:6JDuBzhY
み吉野の山よりおちし滝の糸のたえて久しくこほるころかな(吉田兼好)
647 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 17:18:11 ID:6JDuBzhY
今宵なほ名こそ流れて滝の糸のたえぬ光も月にそひけり(三条西実隆)
648 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 17:18:50 ID:6JDuBzhY
ここにきえかしこにもゆる夏虫のひかりはかなき夕やみの空(契沖)
649 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 17:19:37 ID:6JDuBzhY
秋の月影のどけくも見ゆるかなこや長きよの契りなるらむ(藤原公任)
650 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 17:44:38 ID:5HrdkGri
明けぬればくるるはやすくしぐるれどなほうらめしき神無月かな(藤原家隆)
651 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 17:45:48 ID:5HrdkGri
花の色もくるるものとはしら雲の嶺のわかれは猶恨みつつ(藤原隆祐)
652 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 17:47:13 ID:5HrdkGri
待ちかぬるさ夜のねざめの床にさへなほうらめしき風の音かな(後鳥羽院)
653 :
名無氏物語:2006/06/21(水) 18:04:11 ID:5uBiplDg
ありし夜を見はてぬ夢の枕にも猶うらめしき鐘の音かな(源通親[新続古今])
654 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 00:24:16 ID:iNhEJQuN
明けぬれば暮るるものとはしりながらなほ恨めしき朝ぼらけかな(後拾遺672)
655 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 00:27:55 ID:iNhEJQuN
かへるさの道やは変はる変はらねどとくるにまどふ今朝の淡雪(後拾遺671)
656 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 00:33:51 ID:iNhEJQuN
秋はつるさよふけがたの月みれば袖ものこらず露ぞおきける(新古486)
657 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 00:35:21 ID:iNhEJQuN
ちりのこる花もやあるとうちむれて深山がくれを尋ねてしがな(新古167)
658 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 00:36:34 ID:iNhEJQuN
ゆきかへる旅に年ふる雁がねはいくその春をよそに見るらむ(後拾遺69)
659 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 00:37:40 ID:iNhEJQuN
つれづれと思へばながき春の日にたのむこととはながめをぞする(後拾遺798)
660 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 00:44:25 ID:+tZMlocN
咲きぬればかつちる花と知りながら猶うらめしき春の山風(藤原忠家[続後撰])
661 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 01:15:38 ID:PLmkxUxE
松島やしほくむあまの秋のそで月は物思ふならひのみかは
662 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 01:16:21 ID:PLmkxUxE
初瀬山かねのひびきにおどろけばすみける月の有明の空
663 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 01:17:07 ID:PLmkxUxE
夜もすがらひとりみ山の槙のはにくもるもすめる有明の月
664 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 01:17:56 ID:PLmkxUxE
たのめおく人もながらの山にだにさ夜更けぬればまつ風のこゑ
665 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 01:18:32 ID:PLmkxUxE
袖にしも月かかれとは契りおかずなみだはしるやうつの山越
666 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 01:19:32 ID:PLmkxUxE
見れば又いとどなみだのもろかづらいかにちぎりてかけはなれけむ
667 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 01:22:46 ID:/nzx97sK
松杉もうゑばや家の北おもて雪みむためと人はしらじな(春葉集)
668 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 01:23:26 ID:/nzx97sK
ふる雨と照る日の恵みまちまちに高田くぼ田も神のまにまに(春葉集)
669 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 01:24:43 ID:/nzx97sK
紫も朱の衣もはえはあれど清き神路の山あゐの袖(春葉集)
670 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 01:26:45 ID:/nzx97sK
青海原霞みわたりてちはやぶる神代のままの春を見るかな(杉のしづ枝)
671 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 01:27:52 ID:/nzx97sK
春なれや白浪わけてかづきする海人も霞の衣きてけり(杉のしづ枝)
672 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 01:29:18 ID:/nzx97sK
誰が袖もうべこそ薫れ行きかひの大路にたてる梅さきてけり(杉のしづ枝)
673 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 01:43:37 ID:PWYH4n7j
うつろふは心のほかの秋なれば今はよそにぞ菊の上のつゆ(冷泉院「新古今集」)
674 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 07:28:26 ID:s+qUlAGJ
いかにせん室の八島に宿もがな恋のけぶりを空にまがへん(藤原俊成[千載])
675 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 07:29:04 ID:s+qUlAGJ
恋ひ死なば室の八島にあらずとも思ひの程は煙にも見よ(藤原忠定[続後撰])
676 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 07:29:37 ID:s+qUlAGJ
けふも又かくや伊吹のさしも草さらば我のみ燃えや渡らん(和泉式部[新古今])
677 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 07:30:09 ID:s+qUlAGJ
あふことはいつと伊吹の峰におふるさしもたえせぬ思ひなりけり(藤原家房[新古今])
678 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 07:31:07 ID:s+qUlAGJ
さしも草もゆる伊吹の山の端のいつともわかぬ思ひなりけり(藤原頼氏[新勅撰])
679 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 07:35:29 ID:A8PMo8qq
さしも草さしもしのびぬ中ならば思ひありともいはましものを(藤原俊成)
680 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 07:36:22 ID:A8PMo8qq
あさましやなどか思ひのさしも草つゆもおきあへず果ては燃ゆらん(寂蓮)
681 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 07:37:39 ID:A8PMo8qq
さしも草さしももゆてふ春にあひてえやはいぶきの山のしら雪(藤原為家)
682 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 15:01:42 ID:FjzDiTXC
葉をしげみと山の影やまがふらん明くるもしらぬ日ぐらしのこゑ(新勅撰187)
683 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 15:15:48 ID:PWYH4n7j
さしも草さしもひまなき五月雨に伊吹のたけの猶や燃ゆらん(藤原家良[新拾遺])
684 :
名無氏物語:2006/06/22(木) 15:17:25 ID:PWYH4n7j
見し人もすみあらしてしふる郷にひとり露けき女郎花かな(崇徳院[玉葉])
685 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 06:23:38 ID:TIUbrbdF
庭のおものつちさへさくる夏の日にひとり露けきひめゆりの花(土御門院)
686 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 06:46:25 ID:y38e2DWa
山の端に入るまで月をながむとも知らでや人の有明の空(藤原雅経[新後撰])
687 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 06:51:53 ID:RKZvWz70
みかり野や雪はふりきぬこれもまたぬるとも花の春のおもかげ(藤原雅経)
688 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 06:52:44 ID:RKZvWz70
桜がりふりこし雨のやどりよりぬれていくかの花の下陰(二条為重)
689 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 06:53:37 ID:RKZvWz70
立ちよらむぬるとも花の色になほそめよなべての山のしづくも(三条西実隆)
690 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 06:54:15 ID:RKZvWz70
桜がり雨はいとはぬ木のもとにうたて雪ふる花のあらしよ(下河辺長流)
691 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 07:06:48 ID:oGfQw8XO
いかにせむつひの煙のすゑならで立ちのぼるべき道しなければ
692 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 07:07:28 ID:oGfQw8XO
住みわびぬいざさはこえんしでの山さてだに親のあとをふむやと
693 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 07:08:36 ID:oGfQw8XO
夕月夜塩みちくらし難波江の蘆のわか葉をこゆるしら波
694 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 07:09:16 ID:oGfQw8XO
あし引の山路の苔の露のうへにね覚夜ぶかき月をみるかな
695 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 07:10:05 ID:oGfQw8XO
草枕ゆふべの空をひととはば鳴きてもつげよ初かりのこゑ
696 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 07:10:37 ID:oGfQw8XO
山里の風すさまじき夕ぐれにこのはみだれて物ぞかなしき
697 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 07:15:07 ID:ydxDk0gG
みだれつつ物思ふ頃は常よりもうちまもらるる青柳の糸(杉のしづ枝)
698 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 07:15:56 ID:ydxDk0gG
夜もすがらふるともよしや五月雨のしめやかにだに語りあかさば(杉のしづ枝)
699 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 07:16:40 ID:ydxDk0gG
ながむれば心の外のあはれさへ空に数そふ秋のゆふぐれ(杉のしづ枝)
700 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 07:17:44 ID:ydxDk0gG
まちをしむ心々を夜もすがら月に言ひつつめで明かすかな(杉のしづ枝)
701 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 07:18:36 ID:ydxDk0gG
あかず見し千種の花もうつりゆきて紅葉になげく秋の暮かな(杉のしづ枝)
702 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 07:19:16 ID:ydxDk0gG
ほのにだに逢ひ見ぬ程は三日月のわれやまめやは片恋にして(杉のしづ枝)
703 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 07:22:56 ID:twZXXdNT
いづれをかわきて折るべき月影に色みえまがふ白菊の花(大弐三位[新勅撰])
704 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 07:23:40 ID:twZXXdNT
いづれをかわきて折るべき月影に色みえまがふ白菊の花(大弐三位[新勅撰])
705 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 07:25:37 ID:twZXXdNT
いづれをかわきて折らまし山里の垣ねつづきに咲ける卯の花(大江匡房[金葉])
706 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 08:45:51 ID:d5UfhaCi
郭公あさくら山の明ぼのにとふ人もなきなのりすらしも(祝部成仲)
707 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 08:46:42 ID:d5UfhaCi
尋ねこししらぬ旅ねはさとなれて山時鳥一こゑぞきく(藤原家隆)
708 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 08:47:24 ID:d5UfhaCi
ほととぎすねざめににほふ橘のかはたれどきに名のりすらしも(藤原為家)
709 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 09:53:03 ID:uSgI7Xe4
古郷は浅茅がすゑに成りはてて月にのこれる人の面影(九条良経[新古今])
710 :
名無氏物語:2006/06/23(金) 09:53:54 ID:uSgI7Xe4
くちにける長柄の橋を来てみれば葦の枯葉に秋風ぞふく(藤原実定[新古今])
711 :
名無氏物語:2006/06/24(土) 04:14:06 ID:hGL9Y2Ig
あけばきてなほ狩りゆかむ小塩山小松が原の雪の夕暮(藤原家隆)
712 :
名無氏物語:2006/06/24(土) 04:14:36 ID:hGL9Y2Ig
ぬれつつもなほ狩りゆかん桜花春もいくかの夕ぐれの雨(太田道灌)
713 :
名無氏物語:2006/06/24(土) 04:15:47 ID:hGL9Y2Ig
そなたにと猶かりゆかん箸鷹の外山に移る村鳥の声(武者小路実陰)
714 :
名無氏物語:2006/06/24(土) 04:23:14 ID:beMEUlZ6
紅の色にでにけり梅の花こんとたのめし人のとふまで(藤原親子[新拾遺])
715 :
名無氏物語:2006/06/24(土) 04:33:36 ID:G7iRy8mT
人またぬ時だに物のかなしきにこんとたのめし秋のゆふぐれ(宗尊親王)
716 :
名無氏物語:2006/06/24(土) 04:34:32 ID:G7iRy8mT
ながむればいとど物こそ悲しけれ月は憂き世の外と聞きしに(俊恵)
717 :
名無氏物語:2006/06/24(土) 04:35:09 ID:G7iRy8mT
よそながら外よりゆかぬ我が宿の月も憂き世の道芝の露(藤原家隆)
718 :
名無氏物語:2006/06/24(土) 04:40:28 ID:fAczM5fJ
月すめば四方の浮雲空に消えてみやまがくれをゆくあらしかな
719 :
名無氏物語:2006/06/24(土) 04:41:25 ID:fAczM5fJ
下もみぢうつろひゆけば玉ぼこの道の山かぜさむくふくらし
720 :
名無氏物語:2006/06/24(土) 04:42:04 ID:fAczM5fJ
もしほやくあまの磯屋のゆふ煙立つ名もくるしおもひきえなで
721 :
名無氏物語:2006/06/24(土) 04:42:38 ID:fAczM5fJ
袖のうへに誰ゆゑ月はやどるぞとよそになしても人のとへかし
722 :
名無氏物語:2006/06/24(土) 04:43:12 ID:fAczM5fJ
今こむと契りしことをわすれずはこの夕ぐれの月やまつらむ
723 :
名無氏物語:2006/06/24(土) 04:43:46 ID:fAczM5fJ
つゆをだに今はかた見のふぢごろもあだにも袖をふくあらしかな
724 :
名無氏物語:2006/06/24(土) 05:14:24 ID:iAxU21a+
かへるかり空にもおもへ月花のふりすてがたき春のなごりを(香玉詠藻)
725 :
名無氏物語:2006/06/24(土) 05:15:00 ID:iAxU21a+
おもふまじ思ふかひなき思ひぞとおもへばおもへばいとど恋しき(香玉詠藻)
726 :
名無氏物語:2006/06/24(土) 05:15:32 ID:iAxU21a+
今日はとひ明日はとはるる夢の世になき人しのぶ我もいつまで(香玉詠藻)
727 :
名無氏物語:2006/06/24(土) 05:16:07 ID:iAxU21a+
ころころとよべどかへらず引く綱は死出の山路や引きまさるらん(香玉詠藻)
728 :
名無氏物語:2006/06/24(土) 05:16:43 ID:iAxU21a+
何をこれと思ふことだにあらなくてひとよの夢ははやさめにけり(香玉詠藻)
729 :
名無氏物語:2006/06/24(土) 05:17:29 ID:iAxU21a+
梢よりあらそひ落つるもみぢ葉のもろくなりゆく我が身なりけり(香玉詠藻)
730 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 04:23:51 ID:cqOSYtzT
人またぬ時だに物のかなしきにこんとたのめし秋のゆふぐれ(宗尊親王)
731 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 04:29:50 ID:Gzm5fYQJ
わが物といかなる人の惜しむらん春は憂き身の外よりぞ行く(慈円[続後撰])
732 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:12:47 ID:wJCOrncx
日の本の光を見せてはるかなる唐土までも春や立つらむ(衆妙集)
733 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:13:27 ID:wJCOrncx
明けわたるとほ山かづらそのままにかすみをかけて春や立つらむ(衆妙集)
734 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:14:15 ID:wJCOrncx
鶯のきなくみぎりの夕日影むらむらなびく窓のくれ竹(衆妙集)
735 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:14:47 ID:wJCOrncx
軒ちかき梅が香ながら玉すだれひまもとめ入る春の夕風(衆妙集)
736 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:16:17 ID:wJCOrncx
吉野山すず吹く秋のかり寝より花ぞ身にしむ木々の下風(衆妙集)
737 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:17:22 ID:wJCOrncx
植ゑわたすふもとの早苗一かたになびくと見れば山風ぞふく(衆妙集)
738 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:20:50 ID:5pbIiTBX
雲のゐるとほ山姫の花かづら霞をかけてふくあらしかな(源通光「建保四年内裏百番歌合」)
739 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:22:08 ID:5pbIiTBX
明けわたるとほ山かづらおのづからいまやかくらむ里のをとめご(正徹「草根集」)
740 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:23:05 ID:5pbIiTBX
今日といへば唐土までも行く春を都にのみと思ひけるかな(藤原俊成「新古今集」)
741 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:24:12 ID:5pbIiTBX
山あらしの杉の葉はらふ曙にむらむらなびく雪のしら雲(伏見院「玉葉集」)
742 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:25:18 ID:5pbIiTBX
うかりける人の契の浅茅原なびくと見れば秋風ぞふく(正徹「草根集」)
743 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:25:57 ID:5pbIiTBX
うゑわたす早苗の末葉うちなびき田面すずしき夏の夕かぜ(大内政弘「拾塵集」)
744 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:30:50 ID:IEiiXhYD
さしいづるこの日の本の光より高麗唐土も春を知るらむ(本居宣長)
745 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:31:37 ID:IEiiXhYD
玉すだれひまもとめ入る春風はいづくなりけんあやし梅が香(後水尾院)
746 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:32:13 ID:IEiiXhYD
あはれにも衣うつなりふしみ山松風さむき秋のねざめに(慈円)
747 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:32:54 ID:IEiiXhYD
いつのまにもみぢしぬらむ昨日こそ時雨そめしか神なびのもり(衣笠家良)
748 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:33:25 ID:IEiiXhYD
秋風の木葉の色にうつりきぬ昨日か花のはるの山水(三条西実隆)
749 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:34:04 ID:IEiiXhYD
ちりぬともなにをしみけん卯花のかきねの春の色ならぬかは(寂蓮)
750 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:36:43 ID:YST+EDYx
くもりなく目にこそ見えね春雨のふるか朝けの風の露けき(晩花集)
751 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:37:24 ID:YST+EDYx
たらちねのこがひはじむる初春に柳ぞはやくまゆ籠りする(林葉累塵集)
752 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:38:09 ID:YST+EDYx
よも山にあくがれぬべき此ごろの心おちゐる家桜かな(晩花集)
753 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:38:47 ID:YST+EDYx
花も根にかへるを見てぞ木のもとにわれも家路は思ひいでける(晩花集)
754 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:39:41 ID:YST+EDYx
おもふ人すむとはなしに早蕨のをりなつかしき山のべの里(晩花集)
755 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 05:40:42 ID:YST+EDYx
花の色にまだ染めざりし白妙のはじめにかへす夏衣かな(晩花集)
756 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 06:02:33 ID:0EWhxvwj
今宵たれすず吹く風を身にしめて吉野の嶽の月を見るらむ(源頼政「新古今集」)
757 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 06:03:20 ID:0EWhxvwj
草のすゑに花こそみえね雲かぜも野分ににたる夕ぐれの雨(永福門院「風雅集」)
758 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 06:04:13 ID:0EWhxvwj
かささぎのわたすやいづこ夕霜の雲井にしろき峰のかけ橋(藤原家隆「冬題歌合」)
759 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 06:05:00 ID:0EWhxvwj
むら雨のなかばはれゆく雲霧に秋の日きよき松ばらの山(花園院「風雅集」)
760 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 06:05:45 ID:0EWhxvwj
いまさらにしきしのぶかな敷島の道のをしへにのこす言の葉(三条西実隆「雪玉集」)
761 :
名無氏物語:2006/06/25(日) 06:06:59 ID:0EWhxvwj
秋はなほ木の下かげもくらかりき月は冬こそみるべかりけれ(読人不知「詞花集)
762 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 07:33:23 ID:QeXCHGZU
暮れぬとて何をしみけむ秋の色は梢にのこる神無月かな(加藤千蔭)
763 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 07:39:03 ID:T2zv+0wO
こぞの春ちりにし花も咲きにけりあはれ別れのかからましかば(赤染衛門[詞花])
764 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 08:08:52 ID:y31mGgvh
かぜの音むら雲ながらきほひきて野分に似たる夕立の空(衆妙集)
765 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 08:10:26 ID:y31mGgvh
なき人の面かげそへて月のかほそぞろに寒き秋の風かな(衆妙集)
766 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 08:11:40 ID:y31mGgvh
めのまへに海をなしつつ朝霧のあらぬところに沖つ島山(衆妙集)
767 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 08:12:18 ID:y31mGgvh
かぜ渡る洲崎のよもぎ冬がれて夕霜しろきをちの川なみ(衆妙集)
768 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 08:16:14 ID:fwgYHAdA
時鳥こゑのひびきにゆく雲のとまるとみれば村雨の空(晩花集)
769 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 08:16:59 ID:fwgYHAdA
秋と聞く風のつかひはけふたちぬ今いくかあらば初雁の声(晩花集)
770 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 08:17:37 ID:fwgYHAdA
たましひの入野のすすき初尾花わがあかざりし袖と見しより(晩花集)
771 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 08:18:12 ID:fwgYHAdA
ふく風の身にしむ秋はこもりつつ見ぬものかなし此の頃の空(晩花集)
772 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 08:18:49 ID:fwgYHAdA
身にしむもあまりになればふく風のあはれさめゆく冬の夕ぐれ(晩花集)
773 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 08:19:34 ID:fwgYHAdA
御狩人かへる夕日の落草ぞ野べのきぎすの命なりける(晩花集)
774 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 15:26:35 ID:ul7zfbbE
つれづれと思ひぞ出づるみし人をあはで幾月眺めしつらん(橘俊宗女[金葉])
775 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 15:27:49 ID:ul7zfbbE
秋の夜の月に幾度ながめして物思ふことの身に積もるらん(藤原雅経[続千載])
776 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 15:40:34 ID:TrhG8VAs
世にふればしづのをだまきはては又月にいくたび衣うつらむ(藤原家隆)
777 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 15:41:06 ID:TrhG8VAs
秋をへて物思ふことはなけれども月にいくたび袖ぬらすらむ(後鳥羽院)
778 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 15:41:57 ID:TrhG8VAs
風の音身にしむ色はかはらねど月にいく度秋を待つらん(順徳院)
779 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 16:08:04 ID:eTATDBhp
木のもとの住処も今は荒れぬべし春し暮れなば誰かとひこむ(行尊)
780 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 16:08:35 ID:eTATDBhp
おのづから花の下にしやすらへば逢はばやと思ふ人も来にけり(源頼政)
781 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 16:09:14 ID:eTATDBhp
木のもとに住みけむ跡をみつるかな那智の高嶺の花を尋ねて(西行)
782 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 16:09:56 ID:eTATDBhp
木のもとにやどりをすれば片しきの我が衣手に花は散りつつ(源実朝)
783 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 16:31:13 ID:kjvSPybO
尋ねきてうきをのがるる木のもとも棲とすればまつ風ぞ吹く(頓阿)
784 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 16:31:58 ID:kjvSPybO
今はとてそむくうき世をかりの庵に秋はくもらぬ月のみぞすむ(藤原俊成女)
785 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 16:32:30 ID:kjvSPybO
来ん世にはあはんあはじもしら露のきえてかなしき野辺の秋風(木下長嘯子)
786 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 16:33:25 ID:kjvSPybO
うきしづみあはんあはじもしらぬ身をみつのかしはに定めてもみん(武者小路実陰)
787 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 16:48:50 ID:V8gqfg6Q
秋もいなば恋しかるべき今夜かなたのめかおきし有明の月(後鳥羽院)
788 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 16:49:31 ID:V8gqfg6Q
定めなき世にも我が身のながらへば幾たび春の別したはむ(衣笠家良)
789 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 16:50:53 ID:V8gqfg6Q
心にもあらでこよひの月を見てふけぬさきにとたれをまつらん(少将内侍)
790 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 16:51:41 ID:V8gqfg6Q
心にもあらでうき世の老の波身はすてぶねのすゑの浦風(三条西実隆)
791 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 17:00:14 ID:Ylk0SB5I
おほかたの恋する人にききなれて世のつねのとや君おもふらん(藤原公能[千載])
792 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 17:33:15 ID:V8gqfg6Q
紫の袖をつらねし面かげの霞もいくへけふのはつ春(崇光院)
793 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 18:03:57 ID:jqfZFIHX
九重や玉しく庭にむらさきの袖をつらぬる千代のはつ春(藤原俊成[風雅])
794 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 18:04:56 ID:jqfZFIHX
むらさきにつらぬる袖やうつるらん雲のうへまで匂ふしら菊(西園寺実氏[玉葉])
795 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 18:38:50 ID:EZZGK0PW
琴のねの春のしらべにきこゆれば霞たなびく空かとぞ思ふ(新勅撰1116)
796 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 18:48:52 ID:nDt0Vkes
御狩する片山かげのおち草にかくれもあへずたつきぎすかな(洞院公泰「風雅集」)
797 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 18:50:09 ID:nDt0Vkes
さ牡鹿の入野のすすき初尾花いづれの時か妹が手まかむ(作者未詳「万葉集」巻十)
798 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 18:52:31 ID:nDt0Vkes
あとたえてかすみにかへるかりがねの今いくかあらば故郷の空(九条教実「続拾遺集」)
799 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 18:53:45 ID:nDt0Vkes
鶯のこゑのひびきに散る花のしづかに落つる春のゆふぐれ(木下長嘯子「挙白集」)
800 :
名無氏物語:2006/06/26(月) 18:55:30 ID:nDt0Vkes
かずたらぬ歎きになきてわれはただかへりわびたる雁の一つら(宗良親王「新葉集」)
801 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 00:56:03 ID:zhp6tquw
つむもをしつまであせなむ色もうし芝生の菫あかぬ夕露(三条西実隆)
802 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 01:04:09 ID:oEBMlWYx
ふめばをしふまでは人もとひがたみ風ふきわけよ花の白雪(西園寺公経[続後撰])
803 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 01:23:52 ID:eRo52FoE
やすらはでねなましものを梅の花こぬ人の香に匂はざりせば(土御門院小宰相)
804 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 01:38:33 ID:cMpf53fB
夜といへばねられぬ恋も故やあると夢殿にこそきかまほしけれ(晩花集)
805 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 01:39:05 ID:cMpf53fB
わが為はつむもひろふもしるしなき恋わすれ草恋わすれ貝(晩花集)
806 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 01:39:39 ID:cMpf53fB
みだるべき世は誰々も遁るらん治まる時をひとりすてばや(晩花集)
807 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 01:40:10 ID:cMpf53fB
月かげに夜わたる雁のつらみても我が数たらぬ友ぞかなしき(晩花集)
808 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 01:40:42 ID:cMpf53fB
いつかその雲をしのぎしあととめて我も高まのやまと言の葉(晩花集)
809 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 01:41:14 ID:cMpf53fB
つひにわがきてもかへらぬ唐錦たつ田や何のふるさとの空(晩花集)
810 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 01:53:06 ID:FL7IVkBn
花紅葉ちるあととほき木の間より月は冬こそさかりなりけれ(衆妙集)
811 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 01:53:56 ID:FL7IVkBn
更けにけりゆききたえたる夜の雨くらはし川の波も音して(衆妙集)
812 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 01:54:51 ID:FL7IVkBn
山を我がたのしむ身にはあらねどもただ静けさをたよりにぞ住む(衆妙集)
813 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 01:55:44 ID:FL7IVkBn
仙人の住家とやいはむみだれ碁の音してふくるともし火の影(衆妙集)
814 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 01:56:36 ID:FL7IVkBn
明石潟かたぶく月もゆく舟もあかぬ眺めに島がくれつつ(衆妙集)
815 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 01:57:20 ID:FL7IVkBn
海原やしほぢはるかに吹く風の香椎のわたり浪立つらしも(衆妙集)
816 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 08:04:54 ID:joCbAwmj
やすらはで寝なましものをさ夜更けてかたぶくまでの月を見しかな(後拾遺680)
817 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 15:39:00 ID:6PLgqykp
やすらはで寝なんものかは山の端にいさよふ月を花に待ちつつ(九条良経[続古今])
818 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 15:39:40 ID:6PLgqykp
誰故かかたぶくまでの月影にねなまし人の衣うつらん(源邦長[続千載])
819 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 17:39:56 ID:gM+8OSwG
むら雨のなかばはれゆく雲霧に秋の日きよき松ばらの山(花園院「風雅集」)
820 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 17:40:46 ID:gM+8OSwG
いまさらにしきしのぶかな敷島の道のをしへにのこす言の葉(三条西実隆「雪玉集」)
821 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:06:43 ID:/gJ1p1HG
思ふことなくてぞみましほのぼのと有明の月の志賀の浦波(花山院師賢[新葉])
822 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:11:10 ID:NqLlNEqG
思ふことなくてぞみまし紅葉ばを嵐の山の麓ならずは(藤原輔尹)
823 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:11:45 ID:NqLlNEqG
よさのうら松の中なるいそ清水都なりせば君もくみみむ(細川幽斎)
824 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:12:40 ID:NqLlNEqG
関の戸は鳥の空音に明けつれどふままくをしき雪ぞふりぬる(俊恵)
825 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:13:15 ID:NqLlNEqG
鳥のねを聞くよりやがて相坂のせきとめがたききぬぎぬの空(飛鳥井雅親)
826 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:13:53 ID:NqLlNEqG
まれにきてあふさか山のかひもなく鳥の空ねにはかられにける(三条西実隆)
827 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:14:30 ID:NqLlNEqG
草ふかみさしもあれたる宿なるを露をかたみに尋ねこしかな(源実朝)
828 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:27:43 ID:oPnJXsAO
あさぢふの露をかたみにのこしおきてよそにわかるる夕立の雲(飛鳥井雅有)
829 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:32:18 ID:oPnJXsAO
てる月のかくるるにつけて思ふかな雲がくれにしよはのかなしさ(源通親)
830 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:32:55 ID:oPnJXsAO
月影のそれかあらぬかかげろふのほのかにみえて雲がくれにし(源実朝)
831 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:34:32 ID:oPnJXsAO
たづねても人ぞたどらん面影をみしや其ともおぼえざりせば(下冷泉持為)
832 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:36:12 ID:oPnJXsAO
あやしくもむすぼふれぬる心かなみしやそれともまだわかぬまに(烏丸光広)
833 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:37:46 ID:oPnJXsAO
いかにして思ひ出づらん俤のみしやそれともわかぬ契りを(武者小路実陰)
834 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:39:28 ID:oPnJXsAO
めぐりこし月にとはばやこぞのけふ雲がくれにし人のゆくへを(本居宣長)
835 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:40:03 ID:oPnJXsAO
めぐりあひて見し夜の空もみづぐきに月かげながらうつしとめけむ(加納諸平)
836 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:40:35 ID:oPnJXsAO
たそかれにほのぼのみえし夕顔の花の露にや光そへけん(西園寺実材母)
837 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:41:09 ID:oPnJXsAO
むらさめの露けき花の夕顔に光そへてもゆく蛍かな(飛鳥井雅有)
838 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:42:11 ID:oPnJXsAO
心あてに見し夕顔の花散りて尋ねぞ迷ふたそがれの宿(松平定信)
839 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:42:58 ID:oPnJXsAO
思へただ逢ふ夜稀なるあけくれに露きえわびし人の面影(後鳥羽院)
840 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:43:39 ID:oPnJXsAO
見てもまた程なくあくるしののめにやがてまぎるる村雲の月(長慶天皇)
841 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:44:27 ID:oPnJXsAO
咲けばちる夜のまの花の夢のうちにやがてまぎれぬ嶺の白雲(正徹)
842 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:45:06 ID:oPnJXsAO
思ひかね草の原とてわけきても心をくだく苔の下かな(藤原俊成)
843 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:46:00 ID:oPnJXsAO
消えはてん草の原までとはずとも露の哀れはかけむとすらむ(藤原実定)
844 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:49:17 ID:oPnJXsAO
よしさらばきえなばきえねうき身世にとはれんものか草の原まで(藻壁門院但馬)
845 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:49:50 ID:oPnJXsAO
秋風やさてもとはまし草の原露の旅寝におもひきえなば(後崇光院)
846 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:50:24 ID:oPnJXsAO
おきの海をひとりやきつるさよ千鳥なく音にまがふ磯の松風(後鳥羽院)
847 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:51:04 ID:oPnJXsAO
袖ぬれていくよあかしのうら風におもふ方より月も出でにけり(後鳥羽院)
848 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:51:43 ID:oPnJXsAO
恋ひわびてなくねにまがへ友千鳥思ふかたよりせめてかよはば(宗良親王)
849 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:52:18 ID:oPnJXsAO
河浪のよる瀬にわたる村千鳥なくねにまがふ水の音かな(後崇光院)
850 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:53:10 ID:oPnJXsAO
思ひいづることは現かおぼつかな見はてでさめし明暮の夢(弁乳母)
851 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:53:46 ID:oPnJXsAO
さめやする今はとみえし秋の夜の夢路かたしくさよの手枕(藤原家隆)
852 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:54:24 ID:oPnJXsAO
消えはつる夕べも悲し明け暮の夢にまよひし春の故郷(俊成女)
853 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:54:57 ID:oPnJXsAO
浪風に吹上の千鳥打佗びて鳴く音悲しき暁の空(源通光)
854 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:55:30 ID:oPnJXsAO
夕づく夜沢辺にたてるあしたづの鳴くね悲しき冬はきにけり(源実朝)
855 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:56:09 ID:oPnJXsAO
はま千鳥なくねかなしき明暮にたが衣々の袖のうら人(正徹)
856 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:56:42 ID:oPnJXsAO
けさ見れば岩間をくぐる山川のよどむともなき薄氷かな(飛鳥井雅経)
857 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:57:14 ID:oPnJXsAO
さくら色にそめし衣を卯の花のしらがさねにぞたちかへてける(平忠盛)
858 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:58:17 ID:oPnJXsAO
桜色のかたみのころもぬぎかへてふたたび春に別れぬるかな(雅成親王)
859 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:58:55 ID:oPnJXsAO
なれ行くもあだなる花のうき世とや染めし衣を今朝かふるらん(花山院長親)
860 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 18:59:28 ID:oPnJXsAO
あさの葉にゆふしでかけて思ふことみなつきねとてはらひつるかな(但馬)
861 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 19:01:39 ID:oPnJXsAO
一葉ちる桐の立枝に秋をはやみせもきかせもわたる朝風(飛鳥井雅親)
862 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 19:02:19 ID:oPnJXsAO
行く秋の末ののあさぢ霜がれてまだきに冬の色ぞみえける(頓阿)
863 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 19:02:51 ID:oPnJXsAO
思ひかね柴をりくぶる山里を猶さびしとやひたきなくなり(寂蓮)
864 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 19:03:57 ID:oPnJXsAO
朝夕に柴をりくぶるけぶりさへ猶ぞさびしき冬の山里(慈円)
865 :
名無氏物語:2006/06/27(火) 19:04:40 ID:oPnJXsAO
雪の中に柴をりくぶる夕煙さびしき色の空にみえぬる(慈円)
866 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 07:41:54 ID:LEUcuwSf
さびしさに柴をりくぶる山ざとにおもひしりける小野の炭やき(藤原家隆)
867 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 07:43:00 ID:LEUcuwSf
さびしさに柴折りくぶる夕煙さとのしるべとみやはとがめぬ(飛鳥井雅有)
868 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 07:50:48 ID:hlAcwOg6
つれづれとながめのみする此の頃は空も人こそ恋しかるらし(藤原定頼[風雅])
869 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 08:02:59 ID:TkP0MPOy
曙やふもとをめぐる雲霧に弥高山のすがたをぞ見る(衆妙集)
870 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 08:03:37 ID:TkP0MPOy
水上に幾むらさめか飾磨河にごりは海に出でて来にけり(衆妙集)
871 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 08:04:12 ID:TkP0MPOy
はるばると山をめぐりの夕月夜西に入江のかげを見るかな(衆妙集)
872 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 08:04:55 ID:TkP0MPOy
君がため花の錦をしきしまや大和しまねもなびく霞に(衆妙集)
873 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 08:05:29 ID:TkP0MPOy
月にちる花とや見まし吹く風もをさまる庭の初雪の空(衆妙集)
874 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 08:06:00 ID:TkP0MPOy
古へも今もかはらぬ世の中に心の種をのこす言の葉(衆妙集)
875 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 08:09:38 ID:n1yfLqdC
富士の嶺にのぼりてみれば天地はまだいくほどもわかれざりけり(晩花集)
876 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 08:10:32 ID:n1yfLqdC
夕立の風にきほひて鳴る神のふみとどろかす雲のかけ橋(常山詠草)
877 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 08:11:24 ID:n1yfLqdC
荒磯の岩にくだけてちる月を一つになしてかへる波かな(常山詠草)
878 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 08:12:11 ID:n1yfLqdC
もろともに見しその人の形見ぞと思へば思へば月もなつかし(常山詠草)
879 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 08:12:44 ID:n1yfLqdC
君があたり思ふ心の通ひ路をふりなうづみそ今朝の初雪(正木のかつら)
880 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 08:13:19 ID:n1yfLqdC
郭公なれも独りはさびしきに我をいざなへ死出の山路に(常山詠草)
881 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 14:09:02 ID:F9TtitQQ
きみがあたり見つつををらむ生駒山雲なかくしそ雨はふるとも(作者不詳「万葉集」)
882 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 14:37:14 ID:qbUV/+hq
夕立のあとはとだえずなる神のふみとどろかす雲のかけはし(飛鳥井雅親「亜槐集」)
883 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 14:37:57 ID:qbUV/+hq
よせかへり千々にくだけて荒磯やひとつもうせぬ波の月影(木下長嘯子「挙白集」)
884 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 14:38:38 ID:qbUV/+hq
めぐりあふ影は昔のかたみぞと思へば月の袖ぬらすらむ(二条為氏「新千載集」)
885 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 14:39:19 ID:qbUV/+hq
なきかへるしでの山ぢのほととぎすうき世にまよふ我をいざなへ(相模「相模集」)
886 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 15:00:01 ID:etpEEbBE
過ぎやすき月日の数も身にとまる老となしてや年の行くらん(正徹「草根集」)
887 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 15:00:53 ID:etpEEbBE
夕霧に梢も見えず初瀬山いりあひの鐘の音ばかりして(源兼昌「詞花集」)
888 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 15:01:30 ID:etpEEbBE
相坂のゆふつけ鳥もわがごとく人やこひしきねのみなくらむ(よみ人しらず「古今集」)
889 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 16:00:26 ID:nTc45H+r
つれづれと思ひぞ出づるみし人をあはで幾月眺めしつらん(橘俊宗女[金葉])
890 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 16:01:24 ID:nTc45H+r
秋の夜の月に幾度ながめして物思ふことの身に積もるらん(藤原雅経[続千載])
891 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 16:03:34 ID:nTc45H+r
めぐりあひておなじ雲井にながめばやあかで別れし九重の月(尊良親王[新葉])
892 :
名無氏物語:2006/06/28(水) 16:04:34 ID:nTc45H+r
夕顔の光をそへし白露の消えにしかげぞ面影にたつ(源通親[高倉院昇霞記])
893 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 13:37:54 ID:8I7WlNss
心あてに露も光やそへつらむ月に色なき夕顔の花(源具親[千五百番歌合])
894 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 13:39:11 ID:8I7WlNss
霜の下にかきこもりなば草の原秋の夕べもとはじとやさは(西園寺公経[千五百番歌合])
895 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 13:46:38 ID:Kqrn+XHg
埋火のおこすともなき冬の夜にねられぬ程のさもぞひさしき(衣笠家良)
896 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 13:47:11 ID:Kqrn+XHg
長からむ心も知らず黒髪のみだれて今朝は物をこそ思へ(待賢門院堀河)
897 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 13:48:09 ID:Kqrn+XHg
雲風のみだれもしらず空にのみたのめし月のゆくへかなしも(三条西実隆)
898 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 13:48:46 ID:Kqrn+XHg
くろ髪の千すぢの髪のみだれ髪おもひ乱れかつおもひ乱るる(与謝野晶子)
899 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 13:52:53 ID:+UoDPamf
夢かなほみだれそめぬる朝寝髪またかきやらん末もしらねば(永福門院右衛門督[風雅])
900 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 14:12:59 ID:DoG/ZU3U
冬はまだくものいづくに有明の月よりふれる春のあは雪
901 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 14:13:50 ID:DoG/ZU3U
春の夜のかぎりなるべしあひにあひて月もおぼろに梅もかをれる
902 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 14:15:07 ID:DoG/ZU3U
鶯のこゑのひびきに散る花のしづかに落つる春のゆふぐれ
903 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 14:15:50 ID:DoG/ZU3U
よもの空はふけしづまりて花の上にただおぼろなる月ひとりのみ
904 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 14:16:59 ID:DoG/ZU3U
なべてよは花咲きぬらし山のはをうすくれなゐに出づる月影
905 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 14:19:13 ID:DoG/ZU3U
誰をまつ花ともなくてしづけさの老にかなへるあさぢふの宿
906 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 14:24:48 ID:C/c50Yfz
一しきり嵐はすぎて桐の葉のしづかにおつる夕ぐれの庭(昭訓門院権大納言「風雅集」)
907 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 14:26:49 ID:C/c50Yfz
誰をまつ宿ともみえぬ浅ぢふにくるれば人のころも打つなり(頓阿「草庵集」)
908 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 14:28:14 ID:C/c50Yfz
たれを待つ誰をさそはむ老が世に独りがための花のかげかな(三条西実隆「雪玉集」)
909 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 14:31:45 ID:C/c50Yfz
常よりもをしき春かな時守のうつやつづみもけふなきかせそ(正徹「草根集」)
910 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 14:36:05 ID:C/c50Yfz
露となる風となりてやなべて世の人わびさする秋はきぬらん(正徹「草根集」)
911 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 14:38:44 ID:C/c50Yfz
暮れかかる伏見の門田うちなびきほなみをわたるうぢの川舟(京極為教「玉葉集」)
912 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 15:34:11 ID:vh7V1m6V
伏見山田面の末を吹く風にほなみをわたる宇治の川舟(藤原光俊「洞院摂政家百首」)
913 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 15:35:04 ID:vh7V1m6V
故郷のあさぢが下のつぼすみれつむ人なしに花やさくらん(中山兼宗「御室五十首」)
914 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 15:45:11 ID:9gCLPEOp
梅の花ものがたりしは夢ならむ香ばかりさそふ春の手枕(しづのや歌集)
915 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 15:46:22 ID:9gCLPEOp
伊吹山いぶく朝風吹きたえてあふみは霧の海となりぬる(しづのや歌集)
916 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 16:14:52 ID:Q5bwY60F
関こえてうち出の浜にけさみればあふみは霧の海にぞ有りける(下河辺長流「晩花集」)
917 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 16:15:45 ID:Q5bwY60F
むかし見しあるじ顔にて梅が枝の花だに我にものがたりせよ(藤原基俊「金葉集」)
918 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 16:22:17 ID:4W/JE1fH
暮れかけて山路の花にたれか来ん入日をつなげささがにの糸(鳥之迹)
919 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 16:23:59 ID:4W/JE1fH
夕霧に谷中の寺は見えずなりて日暮の里にひびく入相(鳥之迹)
920 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 16:24:32 ID:4W/JE1fH
立ちよるもひとりさびしき木の下に花も去年見し人や恋しき(鳥之迹)
921 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 16:25:29 ID:4W/JE1fH
みそら行く光はさらにかはらぬにいつの月日の老となしけん(鳥之迹)
922 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 16:26:08 ID:4W/JE1fH
谷ごしにあなたもさこそながむらん友山住の暮の灯影を(鳥之迹)
923 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 16:26:55 ID:4W/JE1fH
いのらずよ身はかりそめの旅衣袖敷しまの道の外には(鳥之迹)
924 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 16:52:57 ID:vh7V1m6V
見渡せば山もと霞む水無瀬川ゆふべは秋となに思ひけん(後鳥羽院「新古今集」)
925 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 16:53:45 ID:vh7V1m6V
あさぢはらはかなくおきし草のうへの露をかたみと思ひかけきや(周防内侍「新古今集」)
926 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 16:54:19 ID:vh7V1m6V
二人ゆけど行き過ぎかたき秋山をいかにか君が独り越ゆらむ(大伯皇女「万葉集」)
927 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 18:05:46 ID:eLuYhaUg
津の国のこやのあしぶき野分してひまこそあれと人につげばや(藤原光俊[続古今])
928 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 18:13:29 ID:SgNcP15m
よせかへり千々にくだけてあら磯やひとつもうせぬ波の月影(木下長嘯子)
929 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 18:14:08 ID:SgNcP15m
下にのみむせぶ思ひもあるものをあらはにもえてゆく蛍かな(藤原秀能)
930 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 18:15:07 ID:SgNcP15m
夏の夜は物おもふ人の宿ごとにあらはにもえてとぶ蛍かな(九条道家)
931 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 18:15:40 ID:SgNcP15m
まぼろしも夢も久しき逢ふことをいかに名づけてそれと頼まん(木下長嘯子)
932 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 18:16:10 ID:SgNcP15m
ひまなくぞなにはのこともなげかるるこや津の国の葦の八重葺き(相模)
933 :
名無氏物語:2006/06/29(木) 18:16:55 ID:SgNcP15m
津の国の葦のやへぶき五月雨はひまこそなけれ軒の玉水(藤原為家)
934 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 07:27:59 ID:89X5pDh0
津の国のこやのあしぶきうづもれて雪のひまだにみえぬ比かな(覚助法親王[続千載])
935 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 07:28:37 ID:89X5pDh0
人しれず物をぞ思ふつのくにのこやのしの屋や隙もなきまで(後村上院[新葉])
936 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 07:29:22 ID:89X5pDh0
妹もとわれ縹の帯の中なれや色かはるかとみれば絶えぬる(後嵯峨院[続拾遺])
937 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 07:36:36 ID:ysvIcdx3
とぶ蛍ひまこそなけれ五月雨に蘆の八重ぶき朽ちやはつらん(木下長嘯子)
938 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 07:37:13 ID:ysvIcdx3
なげきあまりあくがれ出づる玉なりと君がつまにしむすびとどめば(源通親)
939 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 07:37:48 ID:ysvIcdx3
ものおもへばあくがれいづる玉河のうき瀬にもえてとぶ蛍かな(飛鳥井雅有)
940 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 07:38:26 ID:ysvIcdx3
行く蛍あくがれいづる玉ならばつれなき袖の中にとどまれ(正徹)
941 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 07:38:56 ID:ysvIcdx3
もえわたる沢の蛍をうき人に見せばや身にもあまるおもひと(祇園梶子)
942 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 07:39:29 ID:ysvIcdx3
いかでわれ此の世の外の思ひ出に風をいとはで花をながめむ(西行)
943 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 07:41:56 ID:la+6Nt7M
花ゆゑにあかぬ別れはならひけん思ひしらずもかへる春かな(丹後[新拾遺])
944 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 07:43:02 ID:la+6Nt7M
あらざらん後の世かけし契りこそ恃むにつけて嬉しかりけれ(藤原忠良[新後撰])
945 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 07:43:42 ID:la+6Nt7M
いかにせん今一たびの逢ふことを夢にだに見て寝覚めずもがな(殷富門院大輔[新勅撰])
946 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 07:45:59 ID:la+6Nt7M
あらざらん後の名までは思はねど憂き同じ世になき身ともがな(冷泉為相[新千載])
947 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 07:49:04 ID:nzw7VhOI
しづかなる庭の木の間にかげおちて夜ふかき花に月わたる見ゆ
948 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 07:49:44 ID:nzw7VhOI
山ふかくすめる心は花ぞしるやよいざ桜ものがたりせむ
949 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 07:50:33 ID:nzw7VhOI
ぬしなしと花をや思ふ雨そそぐ桜が枝にかかるみの虫
950 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 07:51:20 ID:nzw7VhOI
古郷のまがきは野らとひろく荒れてつむ人なしになづな花さく
951 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 07:52:18 ID:nzw7VhOI
音もせず春日のどけし時守のつづみや今日はうち忘るらむ
952 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 07:52:56 ID:nzw7VhOI
鳩のなく外面の杉の夕がすみ春のさびしき色は見えけり
953 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 08:55:29 ID:WZE1CqZi
身の憂きを言はばはしたになりぬべし思へば胸のくだけのみする(伊勢「伊勢集」)
954 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 08:56:34 ID:WZE1CqZi
人はゆき霧はまがきに立ちとまりくもりながらぞ我はながめし(作者不明「公任集」)
955 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 08:57:55 ID:WZE1CqZi
荻の葉のそよ其こととなけれども秋風ふけば物ぞかなしき(衣笠家良「家良集」)
956 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 09:44:34 ID:u0lLB1HK
尻の穴おなごになめさせいいきもちあらチンポコもさらにたつなり
957 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 10:00:18 ID:lSUGKd4o
春がすみ霧らふ夕べの春雨に垣内の梅の散りか過ぎなむ
958 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 10:01:08 ID:lSUGKd4o
妹許と夜道を来れば吾が乗れる馬の足掻に桜花散る
959 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 10:01:45 ID:lSUGKd4o
妹が家路近づくらしも天の川川瀬もさやに琴の音きこゆ
960 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 10:02:23 ID:lSUGKd4o
月読の光を清みわたつみの手纏の玉の乱れあへる見ゆ
961 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 10:03:18 ID:lSUGKd4o
夜さへに玉藻刈るべみ鳴門の海うづ潮白く月照りにけり
962 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 10:03:53 ID:lSUGKd4o
小簾巻きて呑めども飽かず孕の海とわたる月の影浮べつつ
963 :
名無氏物語:2006/06/30(金) 10:27:17 ID:XmZc7nUr
白妙の袖の別れに露おちて身にしむ色の秋風ぞ吹く(定家[新古今])
964 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 00:43:54 ID:IzRzXstY
かつきえぬ涙が磯のあはびゆゑ海てふ海はかづきつくしつ(坂上是則「是則集」)
965 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 00:56:07 ID:9Wp3shMY
ながむればすずろにおつる涙かないかなる時ぞ秋のゆふぐれ(西園寺実氏「続古今集」)
966 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:04:21 ID:vbCzzK3V
たまさかにあふことの葉もかれぬれば冬こそ恋の限なりけれ(藤原俊忠[新続古今])
967 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:11:39 ID:4TAXGo2e
すまのあまの身を吹きとほす浦風にもしほの袖やいとどさむけき(後鳥羽院)
968 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:12:29 ID:4TAXGo2e
おちそひてあはれのこさぬ涙かな寝覚や恋のかぎりなるらん(後花園院)
969 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:13:05 ID:4TAXGo2e
あはれあはれ思へばかなしつひの果てしのぶべき人たれとなき身を(式子内親王)
970 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:13:45 ID:4TAXGo2e
生くべくも思ほえぬかな別れにし人の心ぞ命なりける(和泉式部)
971 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:16:10 ID:xb6swMT3
あはれにもうちひかり行くほたるかな雨のなごりのしづかなる夜に
972 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:16:56 ID:xb6swMT3
夕顔のさける軒ばの下涼みをとこはててれ女はふたのもの
973 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:17:45 ID:xb6swMT3
今朝よりはものあぢきなく心ぼそし人わびさする秋や来ぬらん
974 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:18:39 ID:xb6swMT3
里はあれてつばめならびし梁の古巣さやかにてらす月かげ
975 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:19:13 ID:xb6swMT3
さそはれておぼえず月に入る野辺の左は小萩右は松むし
976 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:19:44 ID:xb6swMT3
山こえて入りぬとみえし秋の日のまたいづくよりてらすふもと田
977 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:29:52 ID:21vzEXyD
海中にかがよひ立てり降りそむる今日のみ雪の真白玉島
978 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:30:33 ID:21vzEXyD
見わたせば大海の原に立つ霞奥かも知らに無き人思ほゆ
979 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:31:25 ID:21vzEXyD
勇細鯨寄り来と大海の磯もとどろに船ぞとよめる
980 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:32:14 ID:21vzEXyD
茵花にほへる妹が抑へ挿す小櫛の山は見れど飽かぬかも
981 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:32:51 ID:21vzEXyD
をざかりの時来向かふと初春を待ち歓べる時もありしを
982 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:33:36 ID:21vzEXyD
吾が盛りくだつともよし吾妹子が玉の光儀の旧りずありせば
983 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:36:44 ID:pGbSePih
我が盛りいたく降ちぬ雲に飛ぶ薬はむともまたをちめやも(大伴旅人「万葉集」巻五)
984 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:39:06 ID:pGbSePih
大海の磯もとどろによする波かしこき人に恋ひわたるかも(笠女郎「万葉集」巻四)
985 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:40:19 ID:pGbSePih
家にてもたゆたふ命波の上に浮きてし居れば奥処知らずも(作者不明記「万葉集」巻十七)
986 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:43:51 ID:zj/Sygxx
987 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:44:25 ID:zj/Sygxx
帰り出でて後の闇路を照らさなむ心にやどる山の端の月(慈円[続後撰])
988 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:45:32 ID:zj/Sygxx
今はとて影をかくさん夕べにも我をば送れ山の端の月(式子内親王[玉葉])
989 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:46:23 ID:zj/Sygxx
心をばかねて西にぞ送りぬる我が身をさそへ山の端の月(源親子[風雅])
990 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:47:01 ID:zj/Sygxx
暗きより暗きにまよふ心をもはなれぬ月を待つぞはかなき(足利直義[新千載])
991 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:47:34 ID:zj/Sygxx
くらきよりくらきに猶や迷はまし衣のうらの玉なかりせば(源信[続後撰])
992 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:51:18 ID:Jlz5HoNR
朝ぼらけをちかた人の霧のまに行かたつぐる花すすきかな(藤原家隆)
993 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:52:15 ID:Jlz5HoNR
あさみどり野原の霞ほのぼのとをちかた人の袖ぞきえ行く(後鳥羽院)
994 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:53:17 ID:Jlz5HoNR
明けぬなり遠かた人もあぶくまの河せの霧に袖のみえ行く(兵衛内侍)
995 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:54:48 ID:Jlz5HoNR
ほのかなるをちかた人の袖みえて秋風なびく花すすきかな(二条為氏)
996 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:55:52 ID:Jlz5HoNR
舟よするをちかた人の袖みえて夕霧うすき秋の川浪(宗尊親王)
997 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 01:57:17 ID:Jlz5HoNR
野べの尾花きえもてくれや夕霧にをちかた人の袖ぞちかづく(正徹)
998 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 02:00:34 ID:YJiPcwy0
明けぼのや河瀬の浪の高瀬舟くだすか人の袖の秋霧(源通光[新古今])
999 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 02:02:06 ID:YJiPcwy0
山里に霧のまがきのへだてずはをちかた人の袖も見てまし(曾根好忠[新古今])
1000 :
名無氏物語:2006/07/01(土) 02:02:39 ID:YJiPcwy0
ふる雪に生野の道の末まではいかがふみみん天の橋立(正親町院右京大夫[続後撰])
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