混一彊理歴代国都之図からもう少し下がると面白い地図が出てくる。
『広輿図』 東南海夷図所収 明・羅洪先 1557年初版/1558年版
この図中、中国大陸の東側に倭奴・日本・扶桑・蝦夷・大琉球の名前が見える。
例によって、文字をマルで囲んだだけで、これらが海に浮かんでいる。
これは、前に上げたAの古今華夷区域ソウ要図以来の伝統的記述を踏襲したもの。
ところが、これらに加えて、朝鮮半島の南側に大きな南北にのびた縦長の島三つが
東西方向に並び、周辺のいくつかの島とあわせて全体として東西にのびる列島が存在している。
この島々の中には地名が書かれており、一番西の島から一つづつ書き抜くと、
平渡、太宰、赤関、尾張、のようになっている。
何のことはない、これは日本列島にほかならない。
つまり、この地図には日本が二つ描かれているのである。
そして、朝鮮の南に位置するより正しい場所に位置する
日本列島は東西にのびた島嶼として認識されていることになる。
時代が新しくなり、より正確な情報が入ったのだな・・・・・
と考えて普通は終わりなのだが、この場合はそうはいかない。
>>619 訂正
(誤)
『広輿図』 東南海夷図所収
(正)
『東南海夷図』 広輿図所収