「魏志倭人伝」等を読む(邪馬台国はどこですか10)
少しふるいが、新しい情報はより正しいのかと言う話があった。
これをちょっと考えてみる。
資料としては、前に上げた
A 古今華夷区域ソウ要図 『歴代地理指掌図』所収 宋・税安礼 / 1100年頃成立 1135年頃の改訂版
B 輿地図 拓本 東福寺栗棘庵所蔵 1270年頃
と
C 東震旦地理図 『仏祖統紀』所載 南宋・志磐 / 1271年初刊 1614年刊
Aでは日本の位置は、揚子江河口の東にあるが、
Cではそれよりも南へと移動している。
これのどちらが正確かというのはちょっと難しく、
現実の地理と比較すればAの方がまだましということになるが、
『会稽東冶の東』という文献上の事実と比較すると、より正しくなったともいえる。
しかし、『情報の正確さ』を現実との比較において普通は考えるだろうから、
この場合は、新しい地図のほうがより不正確である、ということになる。
(またーりと続く)