113 :
名無し象は鼻がウナギだ! :
02/02/25 04:22 >>112 古典日本語に Bloch 式分析が適用できるとお思いなら、やってみてください。おそらくうまくいかないでしょう。
なぜなら、古典日本語は音節が最小の単位で、音素というものをもっていないからです。
脱グの第II語幹 (連用形) はヌギ/ヌイ、抜クのそれはヌキ/ヌイとなりますが、両者のヌイは同じではなく、前者には次に来る音節を濁音化するはたらきがあると考えられます。
よって、前者のヌイはヌイ゛とでも表わしておいてはどうでしょうか。イ゛は古い鼻音に溯るもので、このように記述するのが、歴史的事実ともネイティヴの直観ともいちばん合うはずです。
nug-ta > nuida, nuk-ta > nuita という Bloch 式分析は、音節が一つ増える点が決定的にまずいと思います。
>>113 >古典日本語に Bloch 式分析が適用できるとお思いなら、やってみてください。おそらくうまくいかないでしょう。
私もそれには同意ですね。おそらく、アメリカの学者は現代日本語しか
相手にする必要がなかったので、思い切りった便法が取れたのでしょう。
それにたいして、日本の学者が残念がるほどコンプレックスを感じる必要も
ないと思います。
>nug-ta > nuida, nuk-ta > nuita という Bloch 式分析は、音節が一つ増える点が決定的にまずいと思います。
うーん、日本語では、促音、撥音という単子音音節(厳密には拍ですか)も
あるので、特に不都合はないと思います。もちろん、私の考えも便法の一つなので
別にこだわりはありません。ただ、すべて母音脱落で考えれば、
kak-ta -> kai-ta
kag-ta -> kai-da
kat-ta -> kat-ta
sin-ta -> sin-da
ukab-ta -> ukan-da
kam-ta -> kan-da
kar-ta -> kat-ta
kaw-ta -> kat-ta
非常に体系的になるもので。(kaw は kaf のほうがいいのでしょうが)
>よって、前者のヌイはヌイ゛とでも表わしておいてはどうでしょうか。イ゛は古い鼻音に溯るもので、このように記述するのが
これには同意ですね。バ行五段が撥音便化するのも説明できます。
115 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/02/28 16:17
>>113 >>114 あの、突然横やり入れて申し訳ないんですが、古語では無理っていう実例を一つ二つ教えていただけませんか?
「自分で分析すればすぐわかる」ってのはごもっともなんですけど、素人なものでやり方がどうもわからなくて。
116 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/02/28 17:22
┌ー ̄::::::::::::ヽ::|:::..-^ ̄ ^ ヽ、:::::::::\ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ::::::::::::::::::::::::::::/ \::::::::ヽ < ど・・・どうぞ ヽ:::::::::::::::::::::::/ :::: \:::::ヽ \ おつかいください ヽ::::::::::::::::::/ :::::::: \::::|_ \_________ ):::::::::::::::| ::::*::::: ヽ:|::::ヽ /::::::::::::::::| ::;;;;: l::::::::ヽ /::::::::::::::::::| ノ::ii:ヽ:: l::::::::::| |::::::::::::::::::::| /::::;リ:::l:::: |::::::::::::| |:::::::::::::::::::::l ...l::::;リ:::/:: /:::::::::::::| .|::::::::::::::::::::::l . /:ア/::: /:::::::::::::::i l:::::::::::::::::::::::::l ./::`^::::: /:::::::::::::::::/ ヽ::::::::::::::::::::::::l /:::::::::: /:::::::::::::::::::/ /:::::::::::::::::::::::l /::::::::::::: /::::::::::::::::::::::/ /::::::::::::::::::::::::i __-ー--=;;;:::::::::::::: ....::::/:::::::::::::::::::::::/ ./:::::::::::::::::::::::::::i"::::::::::::::: ヾ─ 、/"ヽ:/::::::::::::::::::::::::::::l ヽ::::::::::::::::::::::丶:::::::::: / il .ヽ:::::::::::::::::::::::::::/
117 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/02/28 17:28
>>115 動詞「欠ける」「欠く」がある場合、
口語だと、連結子音、連結母音の後続音脱落により、
未然形[kake + anai --> [kakenai], [kak + anai] --> [kakanai]
連用形[kake + imasu --> [kakemasu], [ka + imasu] --> [kakimasu]
終止形[kake + ru] --> [kakeru], [kak + ru] --> [kaku]
仮定形[kake + reba] --> [kakereba], [kak + reba] --> [kakebe]
と(命令形を除き)体系だって説明できるが、文語だと
未然形[kake + azu] --> [kakezu], [kak azu] --> [kakazu]
連用形[kake + tari] --> [kaketari], [kak itari] --> [kakitari]
終止形[kake + xu] --> [kaku(?)], [kak + xu] --> [kaku]
連体形[kake + xuru] --> [kakuru(?)], [kak + xru] --> [kaku]
已然形[kake + xureba] --> [kakureba(?)], [kak + xureba] --> [kakeba(?)]
となり、どうしても連結子音、連結母音以外の法則が必要になる。
(例えば、仮想子音 x は子音結合では後続母音を削除し、母音に挟まれると
前出母音を削除する・・・それでも、苦しいね。)
よって二段活用と四段活用の全活用形を統一的に説明することが
複雑になる。もともと、語源意識を無視した便宜法であるだけに、
ここまで複雑になった時点で、この作業はお終い。
あとは、大野晋に任せるしかない。
(でも、大野晋の「活用形の起源」説も結局二段活用と四段活用の
未然形が説明できないんだよね。たまたま已然形と命令形が
甲乙母音に『偶然』ヒットしたいうレベル。)
>>117 >>118 どうもありがとうございます。
現代語と同じ法則を適用しただけでは説明が終わらず、仕方なく法則を追加すると複雑になって便利でもわかりやすくもなくなり、さらには語源まで考慮するとトンデモになる、という理解でいいでしょうか。
120 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/02 14:35
>>118 >原型がkakruだった
これは誤解ですね。kakにruがくっつくときは必ずrが脱落すると
言っているわけであって、いかなる意味においても、kakruなどと
いう語形が存在するというような主張をしているわけではないわけ
です。
それから、Blochを、まぐれ当たりした素人みたいに思っている人が
いるようですが、彼は、チョムスキー登場直前の米国の言語学界に
おける最も優秀な研究者の一人だったのです。別に、だからと言って
彼の理論が正しいはずだと言っているわけではありませんが。
121 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/02 14:46
もう一つ補足しておきます。 幼児が言語を習得する際に接するのは、当該言語の現在の状態だけです。 例えば、日本語を習得する幼児は、現代日本語に接することを通じて 現代日本語を習得するのであって、古典日本語に接する機会は(通常は) ありません。したがって、古典日本語がどのような規則性を持っているか という問題は、現代日本語の文法体系を考える際には無視して構わない はずです。と言うか、無視すべきです。そうしないことの方がトンデモ です。国語学系の「活用」理論自体をトンデモ呼ばわりする気はあり ませんが。
122 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/02 17:05
123 :
オッカムの剃刀 :02/03/02 20:33
>>120 >これは誤解ですね。kakにruがくっつくときは必ずrが脱落すると
>言っているわけであって、
必ず脱落するものをナゼわざわざくっつけるのか。
初めからkak+uにすればよいだけのこと。
無理にkake+ruと平仄を合せようとするから不自然になる。
よけいな存在物を増やしてはいけません。
124 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/02 20:42
>>122 >'akë: + asu → 'akësasu
>'aki + asu → 'akasu
>ki: + asu → kisasu
(リンク先より引用)
これは、sが加わるものとそうでないものがありますが、何故なんでしょうか。
発音のしやすさだけならsは加えない方がたぶん自然ですよね。活用の型同士を区別するため?
>'akënanu → 'akënnu → 'akënu となり「な」が脱落する。
>tukïnanu → tukïnnu → tukïnu となり「な」が脱落する。
>'okïnanu → 'okïnnu → 'okïnu となり「な」が脱落する。
で、こっちはsの時のようにnがいったん加わって、その後で「な」が脱落してますが、上で「さ」が脱落せずにこっちで「な」が脱落するのは何故なんでしょうか。
いちゃもんつけるのが本意ではなくて、純粋に興味を持っただけなので、もしよろしければ教えてください。
>'akë: + asu → 'akësasu >'aki + asu → 'akasu >ki: + asu → kisasu これは、表記に残らない長音を仮定しているみたいです。 長音の後ろでは、子音が加わり、短音の後ろでは、母音が短縮する。 >'akënanu → 'akënnu → 'akënu となり「な」が脱落する。 >tukïnanu → tukïnnu → tukïnu となり「な」が脱落する。 >'okïnanu → 'okïnnu → 'okïnu となり「な」が脱落する。 na は、sa, ra と違い、撥音便化しやすいという こじつけも できなくないですが、 それでは、助動詞の「む」など他の未然形接続の付属語まで 全部このルールを適用するの?という疑問が湧いてきます。 結局、どの学者も、未然形の扱いで破綻しているんじゃないですかね。
126 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/03 17:12
>>これは誤解ですね。kakにruがくっつくときは必ずrが脱落すると >>言っているわけであって、 >必ず脱落するものをナゼわざわざくっつけるのか。 >初めからkak+uにすればよいだけのこと。 >無理にkake+ruと平仄を合せようとするから不自然になる。 >よけいな存在物を増やしてはいけません。 構造主義の用語で言えば、現在時制を表す接尾辞には「ru」・「u」という 2つの異形態があって、母音語幹の直後では前者、子音語幹の直後では 後者が使われる、という言い方になります。子音語幹の直後では ruのrが脱落する、と言うのと結果的には同じ事ですが、こういう言い回しの 方がお好きなのでしたら、もちろんそれでも構いません。Blochの論文を 確かめていませんが、彼が書いているのは、多分、この、「現在時制を表す 形態素には2つの異形態があって」式の理論なのではないかと推測します。
127 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/03 17:26
昔、インチキ宗教家が 朝だから「アッサム」 昼間だから「ビルマ」 晩だから「バンコク」 って神からのお言葉を 涙を流して聞いたつーことだ 因みに 火を伝えたのは「ヒッタイト」だってさ。 う〜ん、ソースがないから話半分って事で。
128 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/03 18:35
/ / / / ,-,. | ヽ, ` / \ `ヾ-`'./ / _.....-−''' ー、 ヽ ヽ.l _..../_ヘヘ....---−−'' ̄ ... . \ ヽ-----.i.it-''..-ミ ` ::::: :::: ヽ _ __ヽ===`it''____三....---....、 ::::: .| //'/>ゝ,..-'''' ̄:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、 ::: :| _..ノ' /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`.、-...t | _.-' /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::-、:::::、:::::::::::::::::::`.、.l .| _..-' ./:::::/:::::::::::i::::::;;;;;;;;;;;;;;:::、::`::、`:、:::::::::::::::::l'. | _.-' ./:::::/:::::::::l::::l::::;;::::l;;;;;;::::;;;;`:、:::::、:`:、;;;;:::::::l | . _.-' ./::::::i::::::::l:::l:::::l:::::;;::::i:::::;;;;:`:、::`:、:::::、:`:.、;;;:l } _..-' :::::::.... /,./::::::::::::l::::l:l::::l::::l、::::l、::::、;;;;:`:、::`、:::::、`、-!__ .l' l' :: ........:::::::: _../'' ,l::::::::::::::l::::l::l::::::l::::l.、::ヾ、:::、、;;;;`.、:ヾ `、:`.._. | ヽ.:: { ' i::::l.l:::::::::l::::ll;l l:::::l、::l`'、:`\``. 、`、、;l``.、、`ー- : ,l `.、 :: `ー .|:::l |:::::::::|:::l l_l..!::::l`、l ``ー─''、、-' l`:.i;;```. :: ,l `.、 :: `.l:l'_.l.l:::'::::l l~~'!..._`、l,``、 `.'_..--'.、 `|''!::l:l. :::: ,l ` 、 ::::: `| 'l:/l::::l ! /'i.;;;;;;l. l;;;;;;;;l ).l::::::l::| :::::: ,l:'、 `ー.. ::::: / |:::::`.` 、;;;;..! ー ┘.l::::::||::| :::: ,l:::::.l `ー.. ::::: l::::::::`、 、 . /::::::| |::| イ::::::::l `ー._ ::::: .l:::::::``ー..._ 丶 > _../:::::::| |:| :: |::::::::::`、 `''>,_ ::: :::`、::::: ヽ;;;;;`、..._ _..ー'' ./::::::::l .|:| :: |::::::::::::`、 ././ ヽ, :::: ::i:::`'、::::::`ー `_.. ̄..!--/::::::::::l .// :::._/':::::::l、:::::::`..、
129 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/03 18:35
//_..-.' `ー、:l::: `.:::::`、l~ヽ_ー--/:::::::::::/ /,/ ..../::::::::::::`、:::::`、'、ー_ __.... --'''_...,/:::::::::::/ l::::::)}::lー-.'':,.'::::::::::::_'...-' /,::::::::::::::::::、 :::`ー..:`、ヽ ._....--'' --─' ' ' '7'/_/:::::::::::_ノ' /:::/_ノ_""/::/://::/| :: `l:::::::::::::::::::l i::::l ` 、、'i:ヽ ...'., ,,/'' _.!::'~::::::::::::::::l ..ノ::-''' `.,':.,/:i.l l::l l :::::::::::: l::::::/:::::l:::::l l:::::l ):l.l::l l'::l' l'' ...-./::::::::::::::::/: ./-i::/ i:/l:::l:`|::lー'.| ::::: |:::/:::::::/:::::V::ノ ノ:ノ::ノ '、::、_ , '::、':::::::::::::::/ .: ! /l | |:| !、l`、::`、 .l ::: |/::::::/ l:::::::/ //__ `ー-=...- ... //`/::::::::.'//l .: / `ー l:| ``-`ー`,\ . /:::/ノ::/_'ノ=--,, ̄.....-''' `)::).|:l |::::::..',`ノ .'l.: _./ \ ....)' .)\ /l:::/..- '' ' ' '' _ ,.., ' ' .l:l '、::(/ /_/ | ' l \ ./, `( _,. - ' ' '-、 _.. -'' ` ー .._"-.....== ``、、 、、 `ー,、 .| . .l /:::/::三 _.-' `-, i' `- .. `ー-ー- 彡l : .l (: 三./ .| .l ` --─'''\ `~ / ; l `ーミ/ : | | . `'ー.:_:::\ ./ .! _.l---─/ i' | .| i ー:::\/───────---.....___..-'' _..-/ ./ | .l i .`、:: `.、.......,.......,................,、.___,...__,-:'l::::,-'.-'' ./ l .l ..ゝ `.::::.. `:::-....:::、 ..-..:::::::::::ノ _../:::l': ::l'' / .l .l _....-'' l l、 ::::::...:::::::::. `'''.ノ~`'',、'' _../: / / ./ ヾ'''' '^ l `、:::::::::::::::::::/.........,::' '. ヽ::::::/ ./ / . i l `ーi-__l:: :: :: ' _../、:./ / /
130 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/03 18:35
.i l !--------- ' :..:..:..: / / l l、 丶 ,, , , / / . l l.、 `. ,;、 / ,l`-. ./ . l l.ヽ ::. .i;i.. :: /,l `ー...__ / l | ヽ、. : ..i;! /l' 、  ̄/ .l |. ヽ. ~ ./ /、. ._ / l | `ー ....._____...... . .*..._ _.-' >、` 、ー ..../ .l | `''ー ..._ _... -' .iヽ、` . ,-' l .|  ̄ _..)..丶`、 / .l | ').: `` 、 / | | {.、、 ゝ l | i'、` ー /' l `'i _//丶 、 l _l__ ノ l、 ,イ | ....... l' . ヽ ..: ト | |. | | . ) ...... :::::`、 | | | | . `i /\ | | |_______ { | / ヽ | |  ̄ヾ ノ ./ | .| | .l─''''−,! ノ / ,;、 | |. └-- ..._| . / ̄ ー-' /;/' .| | `l '─--, .// | l、 .| / / .// ヽヽ .l
>>121 > 古典日本語がどのような規則性を持っているか
> という問題は、現代日本語の文法体系を考える際には無視して構わない
> はずです。と言うか、無視すべきです。
これは確かにそのとおりです。古典語も現代語も、音韻上の最小の単位は
単音ではなく音節 (拍) であって、一貫しているというべきでした。
以前、「マジカル頭脳パワー」という TV 番組で、「一文字クイズ」という
ものをやっていました。
アタマ (頭) という字を一文字変えて、アンマ (按摩)。
アンマという字を一文字変えて、アンコ (餡子)。
アンコという字を一文字変えて、キンコ (金庫)。
……
といったことを順々に続けていき、つまった人から負けになるゲームです。
他愛ないものですが、日本人の音韻観をよく表わしているといえます。つ
まり、日本人にとっては、カ (ka) とキ (ki) の違いも、カ (ka) と
ア (a) の違いも、カ (ka) とシ (si) の違いも、カ (ka) とン (N) の
違いも、すべて同じ距離の違いとしかとらえられないのです。
ある言語に見られる特徴が通時的に一貫している場合、歴史的背景を無視
した説明は、結局ネイティヴの直観に合わないということになりがちです。
132 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/04 15:30
>これは確かにそのとおりです。古典語も現代語も、音韻上の最小の単位は >単音ではなく音節 (拍) であって、一貫しているというべきでした。 連濁はどうなるの? かさ -> あまがさ であって、「あまぎさ」、「あまんさ」、「あまぽさ」でないというのは 50分の1の単なる偶然? 「ネイティブの直観」の意味を、なにか取り違えているような。
>>132 > 連濁はどうなるの?
> かさ -> あまがさ
> であって、「あまぎさ」、「あまんさ」、「あまぽさ」でないというのは
> 50分の1の単なる偶然?
日本語が現在知りうる姿になって以降は、偶然です。連濁こそ語源論の問題でしょう。
連濁が子音の無声/有声の対立であるなら、
はこ [hako] > ほんばこ [*hoNγako]
となるはずですが、本箱は [hombako] です。そこに認められるのは [ha] と [ba] の対立だけです。
>132 ハァ?
135 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/05 19:32
>となるはずですが、本箱は [hombako] です。 >そこに認められるのは [ha] と [ba] の対立だけです。 それはどう考えてもhとbの対立だと思うけど。母音が変わる連濁なんてないでしょう。 それにhとγは音声学的な対立であって、現代日本語ではhとbが音韻論的な対立を 持っているというだけのこと。 広い視野で見れば kとg, sとz, など、子音単位、もっと言えばさらに小さい「有声/無声」という 単位が日本語の音韻体系において何らかの機能(連濁など)を果たしていることは 明らか。
>>135 > それにhとγは音声学的な対立であって、現代日本語ではhとbが音韻論的な対立を
> 持っているというだけのこと。
> kとg, sとz, など、子音単位、もっと言えばさらに小さい「有声/無声」という
> 単位が
有声/無声は音声学的対立だと思いますが。それが音韻論的対立としても使われているか否かが問題なわけですが、日本語の場合、証明できないでしょう。
> 広い視野で見れば
先入観で見れば
> 日本語の音韻体系において何らかの機能(連濁など)を果たしていることは
> 明らか。
何も明らかではありません。連濁のほかに何がありますか?
連濁現象は、史前日本語においては子音の有声/無声が音韻論的対立として使われていたことの、名残りではあるといえるでしょう。だから母音の変わる連濁はないのです。
しかし、歴史時代以降の日本語を見るかぎり、カ対ガ、シ対ジ……といった清濁の組が決まっているだけですから、それぞれの音価が相手と関係なく変遷しても、問題が起こりません。
[ha][h'i][φu][he][ho] 対 [ba][bi][bu][be][bo] のような音声的に不釣り合いな対立や、いわゆる四つ仮名の混同は、音節 (拍) を単位として考えてはじめて説明されます。
バカは ほっとこーよ
どのような立場をとるにせよ、連濁が子音の有声/無声の対立だけで説明できるような単純な現象でないことは、日本語学の常識ですよ。さらに半濁音というのもある。
あぁそうか。ここはトンデモ言語学のスレだったな。なるほど
140 :
解答きぼん :02/03/08 06:48
日本語には、連濁と呼ばれる現象にかかわる、子音の音韻的対立が認められる。 /k/ - /g/ : かさ (傘) /kasa/ - あまがさ (雨傘) /amagasa/ /s/ - /z/ : した (舌) /sita/ - ねこじた (猫舌) /nekozita/ /t/ - /d/ : てら (寺) /tera/ - あまでら (尼寺) /amadera/ /t/ - /z/ : つり (釣) /turi/ - うみづり (海釣) /umizuri/ /h/ - /b/ : はし (橋) /hasi/ - さんばし (桟橋) /saNbasi/ /h/ - /p/ : ほん (本) /hoN/ - はんぽん (版本) /haNpoN/ これらの子音の対立に共通する示差的音声特徴を述べよ。
141 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/10 19:44
黙っちゃったね…「本物」を装ったネタだったのかな。
142 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/10 21:35
黙っちゃったのはそちらでしょう。で、
>>140 の答えは?
143 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/11 13:26
>>140 こんなのは問いの立て方自体が間違ってるから、答えられないよ。
144 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/11 15:26
>>143 > こんなのは問いの立て方自体が間違ってるから
はい、それにお気づきになっただけで、70/100 点です。
145 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/12 06:45
\ ∧_∧ / \ /( ´Д` ) / ./ \ ⊂/\__〕 ヽ / ./ \ ./丶2 |Σノ /┌(;゚Д゚ ) ./ /\ / //7ゝ〇 ノ\ /≡/\丿>/ ∧_∧ / /.\ ///⌒γノ/___)./ ≡\/≡/ __ ○ /⌒(;´Д` )/ /○ .\/ ///ノ / / / ./ 巛 \ \ / / /ヘ∇ヘ_|. // \/// / ./ | |[]-[]| | \,ヘ .l⌒l⌒l, ヘ/ |\/\/\// / \| Д |/ l二/\!, '⌒ヽ|,.'\二l > 糞 〈 / / ̄`-==-' ̄\ (人Ξ ノ) < ス > / ,イ/ ̄ ̄\ト \ ○巛巛○ > 予 レ < (m / ̄ ̄ ̄ ̄.\m  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄< の > ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノノノノ > 感 < .\ d_b ( ゚∋゚) < !! \ \ (゚皿゚ ) /⌒\/⌒ヽ_______ //\/\/ ̄ \ / ⌒〇二\⌒⌒ | ̄⌒\ 彡ノ_ | /__ | \ ─) ⌒ヘ◎>) ─ 彡 |_________\_|__ 丿____| ./_|__|_ | ∧_∧\// \=(_) // /_____________\彡ノ________ / ( ::)゚∀⊇ .| ( ´ε `) .\\ |(○|(γ⌒ゝ´ ‖ \ヽ ./ /(⌒───| (∧∧)⊂) \| ──二(◎) |l ヽミ / | ` ̄| ̄ ̄ .| .|ΘΘ| ノ \ ゝ_ノ ./ \ |ニ二{] | (_|; /_) \ ./ \! ̄ ̄i ∨__ ̄ヽ/| ヘД/ヽ .\ / /二二\( iii iii>\ \ |( )
146 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/12 15:45
弁別的対立を述べるのに連濁を使ってる時点でまぬけだよ... /kasa/と雨傘の/-gasa/は同じ記号の記号表現の変異体でしょう. だから意味の差異をもたらす音的対立(示差的対立でもなんでもいい)を語るのに,少なくともこの場合は[k]と[g」〜[ŋ]の音的対立を用いることはできないよ. 最初から勉強しなおせば...
147 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/12 16:35
同じ記号? でも「ガサをさす」とは決して言わないよね?
>>146 > /kasa/と雨傘の/-gasa/は同じ記号の記号表現の変異体でしょう.
/kasa/ と /-gasa/ とが異形態の関係にあるという点は正解ですが、
ここで問題になっているのは、意味の差異をもたらすかどうかではな
くて、異形態の交替をもたらすのが /k/ と /g/ という子音の交替
であり、他の行の連濁=異形態交替も、一貫した同じ原理で説明され
る子音の交替によって引き起こされる、ということができるかどうか
です。
65/100 点ぐらいですね。
>>140 >/h/ - /p/ : ほん (本) /hoN/ - はんぽん (版本) /haNpoN/
これは連濁じゃないだろ。
>>149 > これは連濁じゃないだろ
フフフ、だから
>>140 で「連濁にかかわる」と言ったのですよ。
ハ行−パ行交替も視野に入れないと、この現象の本質はわかりません。
151 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/19 16:34
規則はないとしても、シラブルの先頭の子音だけに関わる現象であることは 疑いない。したがって、シラブルをそれ以上細かい単位に分解する必要は、 やっぱり、ある。
ぶっ殺してー>出題者 現象の本質というからには、例外もうまく説明できるんだろうな? 「四本(よんほん)」とか。 次のように、意味的な差がでることもある。 「物書き(かき)」(物=目的語)/「手書き(がき)」(手=副詞相当) 「魚釣り(つり)」(魚=目的語)/「海釣り(づり)」(海=副詞相当) 「竹取(とり)」(竹=目的語)/「総取り(どり)」(総=副詞相当) 地域差も大きい。 「誤解」をまちがって「ごがい」と入力したら、「五階」と変換されたこともある。 知ったかぶるのやめれ。
>>152 >「誤解」をまちがって「ごがい」と入力したら、「五階」と変換されたこともある。
MS-IMEだと思いますが、それは単に「がい 階」を助数詞で登録してあるだけでは・・・
なんかあがっていたので書き込んでみる。
連濁について言えば、各対立に共通する音声特徴は、
片方が無声子音でもう一方が有声子音であるということが挙げられる。
/h/-/b/のように、共時的には対立の必然性が見られない例もあるが、
それでも一方が無声、もう一方が有声であることは共通している。
それに対し、連濁ではない/h/-/p/という対立を加えた上で、
>>140 >これらの子音の対立に共通する示差的音声特徴を述べよ。
などと言う出題には疑問を感じる。
なぜ、連濁ではない/h/-/p/にまで共通性を見つけなくてはいけないのか?
それに、出題から10日以上たった今、もう解答を出していてもいいのではないか。
共通する示差的音声特徴なんてないよ、なんてオチでないことを願う。
結論から言うと、連濁という異形態交替が、すべての行において、一貫した同じ原理で説明される子音の交替によって引き起こされる、と記述することは、不可能です。 私が拙い解説をするよりは、次の著書を御参照いただくほうがいいでしょう。 小松英雄『日本語の世界 7 日本語の音韻』中央公論社, 1981: pp.101-130 (第四章 清濁のしくみ), pp.249-283 (第九章 ハ行音の変遷). ただし、同書 p.274 に、 「音素は語の識別に役立つ音の単位である。たとえば「滝」 [taki] と「柿」 [kaki] とは [t] と [k] との対立によって識別され、/t/ と /k/ とが、それぞれ音素として設定される」 とあるのは、誤りです。日本語の [t] [k] はあとの母音と結合した姿でしか現れませんから、最小の音韻的単位は /ta/ /ka/ ととらえるべきです。 /t/ /k/ を設定するためには、例えば英語の bat と back、try と cry に見られるような、音声的環境に拘束されない子音の振る舞いが指摘されなければなりません。
156 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/20 10:56
[taki] [toki] [kaki] [kiki] 関東地方の話者ではしばしば母音脱落がおこります。 [tstanai] [ktanai]
>>156 で、音声[tstanai] と[tsutanai] とでは示差的対立があるのですか。
なければやはり音素は/tsu/としていいのでは。
>>155 >日本語の [t] [k] はあとの母音と結合した姿でしか現れませんから、最小の音韻的単位は /ta/ /ka/ ととらえるべきです。
英語の[h]は、あとに母音が必ず来る。英語の[h]は音素とは言えないのか?
英語の[ŋ](ng)は、前に母音が必ず来る。[ŋ]は音素とは言えないのか?
>>158 それ、いちゃもんつけてるの? それとも本気で訊いてるの?
以前外国人が書いた本を見たのを思い出した。 日本語とアメリカの言葉の共通性が書かれてあった。 アメリカのアーカンソーは日本語の「関西」と同じ語源なんだってさ。 まじめに書かれていただけに・・・。
162 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/21 11:54
五段活用の存在は、日本語に、拍よりも細かい音素という単位が存在するという 生き証人なのだが・・・・。
>>162 ……??? ゴメン、わからないや。マジで説明希望。
(すっかりスレッドの本旨と違ってきたけどまあいいか)
kak-a,kak-i,kak-u,... kas-a,kas-i,kas-u,... kat-a,kat-i,kat-u,... というような分析をいっておるのでわ?
165 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/21 13:16
>本書では、あらゆる事象の動的変化を、アカサタナハマヤラワで解釈しようとする。 >そして人間の文明はアの時代から始まり、カサタナハマヤと移り変わり、 >現在はラの時代であり、乱、不確定の時代である >これを克服しなければ、真の平和の時代は訪れない。 >この乱の時代をいかに耐え、徒に暴走することなく、 >負を最小限に押さえてスム−ズに平和なワの新時代に移行させるかが現代人の役目であろう、 >というのが著者の立場である。 こいつの頭の中身がラララという可能性もある。
>>158 > 英語の[h]は、あとに母音が必ず来る。英語の[h]は音素とは言えないのか?
> 英語の[ŋ](ng)は、前に母音が必ず来る。[ŋ]は音素とは言えないのか?
これはよくある議論ですが、一つの音素 /hg/ を設定しておいて、母音の前では [h]、それ以外の環境では [ŋ] として表れる (異音)、と処理すればいいのです。
朝鮮語の [r] と [l] も同じような振る舞いをします。
natural class、、、
>>161 > おれも
>>155 、
>>157 に対して反論しようと思ったが、
> ここはトンデモ言語学スレなのだった……。
どんどん反論してください。トンデモの一人や二人退治できないようでは……
>>162 > 五段活用の存在は、日本語に、拍よりも細かい音素という単位が存在するという
> 生き証人なのだが・・・・。
生き証人とはまた大げさな。遺跡であるだろうことは認めますが。
例えば英語には、sing - sang - sung や foot - feet 等の屈折が残っていますが、だからといって、それをゲルマン語的母音交替の生き証人と呼ぶ人はいないでしょう。せいぜい遺跡です。
まして、ゲルマン祖語がある程度再構可能なのに対して、日本祖語は全く不明ですから、問題になりません。
>>158 > 英語の[h]は、あとに母音が必ず来る。英語の[h]は音素とは言えないのか?
> 英語の[ŋ](ng)は、前に母音が必ず来る。[ŋ]は音素とは言えないのか?
確かに、音声的環境に拘束されないとはいっても、(その言語で用いる)
すべての単音を全く均等に使っている言語はないでしょう。英語におけ
る細かい制約としては、r が語末に来ない、tl; dl が語頭にたたない
等、ほかにも挙げることができます。
しかし、それらの小さな制約と、日本語の
・子音は原則としてあとの母音と結合した形でしか現れない。例外の場
合は撥音、促音という特殊拍を形成する。
という粗大で規則的な制約とを、同一スケール上の程度の差、形態論と
はかかわりのないものと見なしてよいものでしょうか。現時点では、構
わないとする立場が言語学的にマトモで、問題があるとする立場はトン
デモだということになっているわけですが、将来はきっと逆転するでしょ
う。For the times, they are a-changing.
170 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/22 20:16
>同一スケール上の程度の差、形態論と >はかかわりのないものと見なしてよいものでしょうか。 同一スケール上の程度の差かどうかはわからないが、形態論とかかわりの ないものと見なすのは構わないのでは。構う理由は何?
171 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/22 20:42
>生き証人とはまた大げさな。遺跡であるだろうことは認めますが。 英語の不規則活用とは違うよ。新出動詞...テンパる、スタンバる... みんなちゃんと五段活用でしょ? あと、子音レベル、母音レベルの共通性を話者がわかっているというのは、 詩作とか歌の文句とかあと駄洒落に反映されてるんじゃないかな...詩には詳しくないけど、 あるコミックソングで ささやかな 感謝 オートバイ 単車 風邪ひいた 患者 お祭りは 三社 ていう一節があるんだけど、これなんか子音だけを抽出する 能力がなければつくれないし、理解できないよね...「患者」と「三社」は「○ansha」じゃなくて 「jya」になってるけど、これは素性単位での「近さ」を認識してるってことでさ。 まあこの一つの例に関しては偶然だとかいえるだろうけど、この手のコトバ遊びの 「できのよさ」(もちろん音節単位でのコトバ遊びもできるけど、子音単位のものにくらべて いまいちに聞こえる)を判断する能力はどの日本語話者にでも...というかどんな言語の話者 にでも、あると思うわけさ。 >同一スケール上の程度の差、形態論とはかかわりのないものと >見なしてよいものでしょうか。 いや、いいんじゃないかな...一般に、 「子音Cは、C+Vなら許されるけど単独や音節末で現れるということはない」 という原則があって、どのCがその原則に従うかは言語によって違う...英語ではh,ngなど 一部の子音がこの原則に従う、他の言語ではそのほかに...のような子音が該当する...と考えたら、 すべての子音がその原則に従う言語があったって、別におかしくない...そのスケールが連続したもの である以上、途中に明確な線(つまり、いわゆる開音節型と閉音節型の境界)をひくことが できないのが、決定的な問題かと。どこまでを「細かい」制約とみなすか、その基準がない。 反例は、例外だ、遺跡だ、などと片付けて、それは説得力に欠けるよ。
>>171 >これなんか子音だけを抽出する
>能力がなければつくれないし、理解できないよね
とも限らないのでは。母音・子音云々は理解できず判別できずとも、
五十音図みたいな行列が頭に入ってれば十分作れるし、理解できませんか。
173 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/22 21:33
音素が拍単位だと50音図はそもそも作れるんでしょうか?
>>166 は、相補分布だけで音素を確定できないという有名な例ですね。
本気で言っているわけではないと思いますが、念のため。
>>169 北京語では、n ng r 以外の子音は音節尾に来ませんね。
ということは、北京語でも日本語と同じように /t/ や /k/ の後には
必ず母音が来るわけです。そうすると、北京語の場合も、/t/ /k/ ではなく
/ta/ /ka/ を音素と捉えたほうがよいのでしょうか?
175 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/22 22:01
はあ?
176 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/22 22:40
>>170 > 同一スケール上の程度の差かどうかはわからないが、形態論とかかわりの
> ないものと見なすのは構わないのでは。構う理由は何?
わかりにくい書き方で失礼しました。もし両者の間に本質的な違いがあると
すれば、音素というもののとらえ方も異なってきて、ひいては形態素の立て
方ともかかわりをもつだろうということです。例えば日本語の動詞をどう分
析するか、活用という現象をどう記述するかは、最も重要な問題でしょう。
>>171 > 新出動詞...テンパる、スタンバる...
> みんなちゃんと五段活用でしょ?
それは単に五段動詞ではなくて、「ラ行」五段動詞、ラリルレロ動詞です。む
しろ平安時代のほうが、装束 > サウゾク、独言 > ヒトリゴツのように、ま
だいくらか子音だけを認識できたのかもしれません。このような造語法はそ
の後完全に失われました。
> この手のコトバ遊びの
> 「できのよさ」(もちろん音節単位でのコトバ遊びもできるけど、子音単位のものにくらべて
> いまいちに聞こえる)を判断する能力はどの日本語話者にでも...というかどんな言語の話者
> にでも、あると思うわけさ。
面白いと思いますが、お挙げになった例は西洋語的で、特に音感の優れた日
本人にしか作れない類のものに見えます。詩人の谷川俊太郎が同様の試みを
多く残しており、それの真似のような気もします。
他方、英語では他愛ないポップスの歌詞でもきれいに押韻します。日本人な
らほぼだれでも、上手下手を問わなければ、俳句や川柳が詠めるのに近いの
ではないでしょうか。
> そのスケールが連続したもの
> である以上、途中に明確な線(つまり、いわゆる開音節型と閉音節型の境界)をひくことが
> できないのが、決定的な問題かと。どこまでを「細かい」制約とみなすか、その基準がない。
おっしゃるとおり、明確な線を引くことはできません。
視覚的にたとえて言えば、ダルメシアン犬やホルスタイン牛の模様と、チェ
ス板やサッカーボールの模様とを、同じ種類の連続したものととらえるか、
全く違う種類ととらえるか、のようなものでしょう。違う種類の模様と感じ
る人が、その根拠を示せと言われても、なかなか答えられません。
177 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/23 01:45
>>176 >>173 で言われていることを、違う言い方で言いかえてみる。「ラリルレロ
動詞」という言い回しから判断するに、あなたも、「ラリルレロ」がある
意味で一まとまりになるものであることを認めている。一体、どういう
意味で一まとまりになっているのか。それを説明していない点で、あなた
の理論は、各モーラを更に子音と母音に分解する理論に比べて劣っている
のではないかな。
それから、あなたの理論では、口語で、「行けばいい」が「行きゃあいい」
になったり「読めばいい」が「読みゃあいい」になったりする、という
現象を説明できないのではありませんか。子音と母音に分けて考える理論
においては簡単に説明できる現象ですが。
178 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/23 03:35
177の勝ち! もうそれ以上言うことなし! モーラがそれ以上分析不可能な単位なんて,分析のオリジナリティ(って,そんなものないけど)を前面に出したい阿呆が言ってるんでしょ?
楔形文字や古代ヘブライ文字が日本の土器に書かれてるとか・・・・・・
>>177 > あなたも、「ラリルレロ」がある
> 意味で一まとまりになるものであることを認めている。一体、どういう
> 意味で一まとまりになっているのか。
動詞の活用と呼ばれる現象について論ずるのは大変ですが、大雑把に言え
ば、異形態のセットです。
> 口語で、「行けばいい」が「行きゃあいい」
> になったり「読めばいい」が「読みゃあいい」になったりする、という
> 現象を説明できないのではありませんか。
音声レヴェルの変化についてまで、子音と母音に分析することを否定する
つもりはもちろんありませんが。
>>174 >
>>166 は、相補分布だけで音素を確定できないという有名な例ですね。
> 本気で言っているわけではないと思いますが、念のため。
ええ、そうなんですが、朝鮮語のほうは OK のはずです。
> 北京語では、n ng r 以外の子音は音節尾に来ませんね。
> ということは、北京語でも日本語と同じように /t/ や /k/ の後には
> 必ず母音が来るわけです。そうすると、北京語の場合も、/t/ /k/ ではなく
> /ta/ /ka/ を音素と捉えたほうがよいのでしょうか?
次は中国語が来ると思ってましたよ。
日本語の場合、/t/ /k/ がというのではなく、「原則としてすべての子
音が」という点が重要なのだと思います。
>>173 > 音素が拍単位だと50音図はそもそも作れるんでしょうか?
作れません。五十音図はサンスクリットを勉強して、印欧語の立場から日本語を見られるようになった日本人にしか作れませんでした。
中国の韻書についても同様でしょう。
>>178 すべての言語に音韻論的要素として認められるとあなたが考えるものは、以下のうちのどれですか。
1. 単音
2. ストレス (強弱) アクセント
3. ピッチ (高低) アクセント
4. トーン (声調)
5. 音量
6. (ソノリティに基づく) シラブル (音節)
7. (発音の長さに基づく) モーラ (拍)
>>180 うーん、その「異形態のセット」に何で「ラリルレロ」が一まとまりに
現れるのか? というのが
>>177 の内容だと思ったんですけど…‥
>>182 「印欧語の立場から」の分析が、結局日本語の活用(とか色々)を
うまく説明できたわけですよね?
日本人に単音の意識がないか、稀だとしても、
ある動詞が「ラ行、あるいはラリルレロに活用する」と日本人が考えるとき、
それは動詞の「語幹が r で終わる」という一般言語学的な分析と
要するに同じことといえないでしょうか。
>>181 北京語でも「原則としてすべての子音が」音節尾に現れない。
つまり、あとに母音が来る環境でのみ現れる。例外は、n, ng, rだけ。
しかし、北京語の場合は、日本語と違って頭子音と母音の結合が強くない。
逆に、母音と尾子音の結合のほうが強い。
>>155 に、
>/t/ /k/ を設定するためには、例えば英語の bat と back、try と cry に見られるような、音声的環境に拘束されない子音の振る舞いが指摘されなければなりません。
とあるが、北京語の場合、音声的環境に拘束されるにもかかわらず、音素 /t/ や
/k/ が設定できる。
186 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/23 15:00
「ネイティブ研究者は自国語に盲信的である」ーホシュール 「ネイティブ研究者が語る自国語に固有な特徴は、固有でもなんでもない」ーヘムスキー
187 :
うんち◇ ◆OVxb5UoA :02/03/23 15:04
あの−、うんこ漏らしたんですけど・・・・
ホシュール?? あ〜、ホーショールくいて〜
189 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/23 23:31
>>180 >> 口語で、「行けばいい」が「行きゃあいい」
>> になったり「読めばいい」が「読みゃあいい」になったりする、という
>> 現象を説明できないのではありませんか。
>音声レヴェルの変化についてまで、子音と母音に分析することを否定する
>つもりはもちろんありませんが。
「eba」という音の列がいつでも「yaa」に変換可能なわけではありません。
例えば、「えばりやがって」は決して「やありやがって」にはならない。
したがってこれは音声レヴェルではなく音韻レヴェルの現象であると考え
られます。音韻レヴェルでも子音と母音を分けて考える理由があることに
なります。
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/gengo/1013347411/29-32 「アルタイ語屋さん、清瀬義三郎則府について 」
29 :名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/22 11:34
やはり納得がゆかん。
日本語はモーラ言語だっての無視してないかい?
30 :名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/22 12:53
>>29 英語では、シラブルの切れ目と形態素の切れ目は一致していません。
例えば、hiker。形態素の切れ目はk音と後続の母音の間にあるが、
シラブルの切れ目はk音の前にある(と思われる)。
日本語の場合も、同様に、モーラの切れ目と形態素の切れ目は一致しない、
ということでしょう。
31 :名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/22 15:40
>>30 英語では、シラブルと形態素の切れ目の不一致が、品詞・語類を問わず起こるのに対して、日本語ではいわゆる五段活用の動詞にのみ集中して現れる (ということになる)。
それが納得いかない理由ではないかな。
191 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/24 13:26
朴炳植『日本語の悲劇』が学研の文庫から出てるらしい。
>>184 > うーん、その「異形態のセット」に何で「ラリルレロ」が一まとまりに
> 現れるのか? というのが
>>177 の内容だと思ったんですけど…‥
形態的に規定される異形態=補充形の交替について、その根拠を考えることは普通ありません。
考えてもいいんですが、それは語源論の問題になります。
> 日本人に単音の意識がないか、稀だとしても、
> ある動詞が「ラ行、あるいはラリルレロに活用する」と日本人が考えるとき、
> それは動詞の「語幹が r で終わる」という一般言語学的な分析と
> 要するに同じことといえないでしょうか。
「語幹が r で終わる」という記述は、日本語の音素が単音であるということを前提にしています。
ですから、日本語の音素が単音だと考えられることの理由として、「五段活用動詞の語幹が子音で終わる」ことを挙げるのは、「論点の先取り」になります。
>>185 > 北京語でも「原則としてすべての子音が」音節尾に現れない。
> つまり、あとに母音が来る環境でのみ現れる。例外は、n, ng, rだけ。
これはかなりつらい説明でしょう。
現代北京語には、36種類の韻母が認められます。それらのうち、r で終わるものは er だけですから、例外として扱ってよいと思いますが、n, ng で終わるものは、合わせて16種類もあります。
>>189 >>> 口語で、「行けばいい」が「行きゃあいい」
>>> になったり「読めばいい」が「読みゃあいい」になったりする、という
>>> 現象を説明できないのではありませんか。
>> 音声レヴェルの変化についてまで、子音と母音に分析することを否定する
>> つもりはもちろんありませんが。
>
> 「eba」という音の列がいつでも「yaa」に変換可能なわけではありません。
> 例えば、「えばりやがって」は決して「やありやがって」にはならない。
> したがってこれは音声レヴェルではなく音韻レヴェルの現象であると考え
> られます。音韻レヴェルでも子音と母音を分けて考える理由があることに
> なります。
「eba」という音の列がいつでも「yaa」に変換可能なわけではないという事実は、それが音韻レヴェルの現象であることを意味しません。
「eba」という音の列が「yaa」に変換されうるのは、「ba」が文法語バ〜レバ (の一部) である場合に限られ、それは統語論の問題です。
そして、この現象がもし音韻レヴェルのものであったなら、「行きゃあ」「読みゃあ」から「行けば」「読めば」に回帰することはもはやできないでしょう。
例えば、古典日本語の音便現象は音声レヴェルでしたから、「書いて」「読うだり」は「書きて」「読みたり」に回帰できたはずですが、現代語の「書いて」「読んだ」は音韻レヴェルの形なので、「*書きて」「*読みた」に回帰することはできません。
今ここで討論されていることを「トンデモ」と考えていいのですね。
> 形態的に規定される異形態=補充形の交替について、その根拠を考えることは普通ありません。 それは、拍を最小単位としたのでは、それ以上考えられないということなのでは? > 「語幹が r で終わる」という記述は、日本語の音素が > 単音であるということを前提にしています。 > ですから、日本語の音素が単音だと考えられることの理由として、 > 「五段活用動詞の語幹が子音で終わる」ことを挙げるのは、 > 「論点の先取り」になります。 拍に立脚した「ラ行五段活用」の存在は認めるのですよね? 一般言語学で、つまり単音の概念を踏まえていう「語幹末が r 」とは、 それと等価の分析であり、したがって単音の概念を日本語の分析に導入することは できる(すでに導入されている、というべきか)と言っているのです。 論点先取でしょうか? あ、そもそも日本語を単音の概念で分析すること自体が論点先取だと、 もしいってるんだったら困りますよ。 単音や拍などというものはどうせ便宜的な概念ですから、言語の実態にとにかく あてがってみて、うまくいけば使えばいいし、うまくいかなければ使わなければいい。 そして単音の概念は、行や段の概念を完全に含むことができる、要するに上位互換といえます。 したがって行や段を用いて行える記述は、単音でも必ず行えます (そしてその逆は必ずしも成り立たないでしょう)。 ならない、なります、なる、なるとき、なれば、なれ、なろう <=> 語尾がラリルレロに活用(語尾の拍を抽出) <=> 行はラ行に固定、段は全段にわたって動く(行と段による分析:ラ行五段活用) <=> 頭子音が r に固定、後続母音は不定(単音による、↑と等価の分析) <=> 一般言語学的には r までを語幹と見なしてよい
レス先を書いてなかった。
>>192 ですね。
しかも長すぎて省略…‥(憂)
重ね重ね補足スマソ 誤 : <=> 語尾がラリルレロに活用(語尾の拍を抽出) 正 : ==> 語尾がラリルレロに活用(語尾の拍を抽出)
すっかり「トンデモ」から遠ざかったが、タメになるのでアゲ。
200 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/27 14:21
200げっとあげ
>>193 何で、韻母の数で比較するの?
そんなこと言ったら、日本語だって韻母のうち半数がnで終わる。
a, i, u, e, o, an, in, un, en, on
>>201 日本語に an, in... といった「韻母」はありません。これらはみな撥音 /N/ で終わるのです。
中国語に撥音がありますか。
>>202 「韻母」と「撥音」の定義を出してもらわないとなんとも言えない。
音節の母音と尾子音という意味で「韻母」という語を使うなら、日本語にも
韻母はある。
言葉の使い方は別にしても、音節内の構成として日本語のan, inと
中国語のan, inとに差はあるの?
>>196 > それは、拍を最小単位としたのでは、それ以上考えられないということなのでは?
そういうことになります。日本語では、拍より小さい形について考える
ことは、「ローマ字でやる音義説」に陥る危険をはらんでいると思います。
> 拍に立脚した「ラ行五段活用」の存在は認めるのですよね?
> 一般言語学で、つまり単音の概念を踏まえていう「語幹末が r 」とは、
> それと等価の分析であり、したがって単音の概念を日本語の分析に導入することは
> できる(すでに導入されている、というべきか)と言っているのです。
むむむ... 私も学校文法に毒されていますから、便宜的に「ラ行五段」な
どと言ってしまいますが、これは五十音図になぞらえた「異形態整理術」
とでも呼ぶべきもので、言語学的には意味がありません。
江戸時代の国学者たちにとっては、「古典文法暗記術」だったでしょう。
彼らは古文が読み書きできればよかったわけで、音声と音韻の違いなど
には関心がありませんでした。
> そして単音の概念は、行や段の概念を完全に含むことができる、要するに上位互換といえます。
> したがって行や段を用いて行える記述は、単音でも必ず行えます
> (そしてその逆は必ずしも成り立たないでしょう)。
この方向の議論は、結局「活用とは何か」という問題にぶち当たって、大
変なことになりそうですが、あえて一つお教えを請いたく思います。
現代日本語の指定詞は、単音=音素説の立場では、どのように分析・記
述できるのでしょうか?
日本人ダロウ 変ダロウ
日本人デはない 変デはない
日本人ダ 変ダ
日本人ダッタ 変ダッタ
変ナ男
なお、
(帰化して) 日本人ニなる 変ニなる
日本人ノ太郎
のニやノはどうなさいますか? 指定詞としますか? 格助詞としますか?
>>203 >「韻母」と「撥音」の定義を出してもらわないとなんとも言えない。
中国語には拍構造がありませんから、当然、撥音もありません。
> 言葉の使い方は別にしても、音節内の構成として日本語のan, inと
> 中国語のan, inとに差はあるの?
あります。ソノリティの極大に基づくシラブル (音節) を、中国語は
音韻として使っていますが、日本語は (基本的に) 使っていません。
逆に、発音の一定の長さに基づくモーラ (拍) を、日本語は音韻とし
て使っていますが、中国語は使っていません。ちなみに、ソノリティ
の極大も発音の一定の長さも、音声としてはすべての言語に認められ
るでしょう (機械で測定すればわかる)。
「音声」と「音韻」の違い、日本語と中国語の音韻論について、もう一度
勉強しなおして来てください。私は通説以上のことは何も言っており
ません。
206 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/27 23:59
一人「革新トンデモ」恐怖症にかかって「保守トンデモ」に 陥ったひとがいるけど、さまざまな日本語の事象を説明するのに 単音素分解すると便利なことが多いのに、なんで、モーラとか拍とか 連呼しているの?方程式を否定して鶴亀算に固執しているようなものだね。 ちなみに、外来語表記まで含めると、 「タティトゥテト」と「ツァチツツェツォ」が意味をなすのに、 「マメィモゥメモ」と「ムァミムムェムォ」では意味をなさない。 ということは、日本には、[t]と[ts]という単音素が存在する 証拠なんじゃないの。 日本人は、「たちつてと」を無関係の並びと表層では認識しても 深層では「t,ts」x「a,i,u,e,o」と分解して関連付ける能力があるんだよ。
>>204 追加
日本人ナので 変ナので
日本人ナラ 変ナラ
日本人ダッタラ 変ダッタラ
208 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/28 00:10
>>204 断定の助動詞「だ」は英語でいえば、be動詞にあたるもので、
不規則動詞を一般論に持ち出すのは不可。
be動詞は、3つの語源からひとつに統合されたヒドラ。
ちなみに、「だ」も、「にあり」系と「である」系が統合されたヒドラ。
というか、単音素まで分解してちょっとでも例外がでると、
モーラまでもどるところが、思考停止していないか?
モーラで文法を説明するときの例外数と、
単音素まで分解して説明するときの例外数では、前者のほうがはるかに多い。
ちなみに、動詞で言えば、モーラ論だと無語幹動詞の存在を
認める必要があるが、単音素だと、すべての動詞に語幹が存在することになる。
どっちが例外が多い?
>>206 > さまざまな日本語の事象を説明するのに
> 単音素分解すると便利なことが多いのに
それはどんなことですか? 「多い」と言う以上、既出事項はだめですよ。
> 日本人は、「たちつてと」を無関係の並びと表層では認識しても
> 深層では「t,ts」x「a,i,u,e,o」と分解して関連付ける能力があるんだよ。
で、それが日本語の音韻論とどういうかかわりがあるのですか?
>>208 > 断定の助動詞「だ」は英語でいえば、be動詞にあたるもので、
> 不規則動詞を一般論に持ち出すのは不可。
> be動詞は、3つの語源からひとつに統合されたヒドラ。
> ちなみに、「だ」も、「にあり」系と「である」系が統合されたヒドラ。
「活用」らしい「活用」とは、不規則なもののことを言うのでしょう。
規則的なら文法形態素が分析できますから、もはや「活用」ではありません。
しかし、「日本語には活用はない」などとおっしゃらないなら、結構です。
さて、
> ちなみに、動詞で言えば、モーラ論だと無語幹動詞の存在を
> 認める必要があるが、単音素だと、すべての動詞に語幹が存在することになる。
これはどんな動詞を指しているのかよくわかりませんが、ひょっとして、スル、クルのことでしょうか?
単音素なら、s-, k- がそれぞれ語幹としてたてられる、ということでしょうか?
(モーラ論でも「無語幹」ということにはなりませんが、それはひとまずおきます)
>>205 だから、音節内の構成って言ったでしょ。
モーラを持ち出した時点で、音節とは別の話になるじゃん。
ちなみに
>>155 =205?
>>211 > だから、音節内の構成って言ったでしょ。
> モーラを持ち出した時点で、音節とは別の話になるじゃん。
その「音節」とは、音声的なものですか? 私は音声学を論ずるつもりはありません。
お願いですから、特に日本語の音声と音韻について、もう一度勉強して来てください。
>>212 音声的なものなしで音韻論を語るの?
俺は
>>155 の音素の設定方法に反論してるのだが。
北京語の t や k は、尾子音として現れないという「音声的環境に拘束」される
のに音素となる。つまり、「音声的環境に拘束」されるか否かは音素設定とは
関係ないし、母音・子音の結合度にも関係しない。
205≠155ってこと?
215 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/28 03:55
>>210 >「活用」らしい「活用」とは、不規則なもののことを言うのでしょう。
>規則的なら文法形態素が分析できますから、もはや「活用」ではありません。
>しかし、「日本語には活用はない」などとおっしゃらないなら、結構です。
はぁーー、なんで勝手に活用の定義を決めているの?
いやぁ、私の説明は、am, was の例を出して、
look, looked の英語の規則動詞を語っても意味ないよというだけ。
言語における不規則部分は本当に不規則なんだし、
まして、「だ」と「be」は誰もが認める部分、
そういうのを一般的な文法事項まで適用してもらってはこまる。
それこそ、あなたの好きな異形体でいいんじゃないの。
その他の異形体の例として、「ある」と「ない」、
「する」と「できる」があるけどね。
しかし、「だ」なんて、あんた、語源的にも統語的にも一語とみなせない例は
いっぱいあるんだよ。用言の連用形につく「なら(仮定形)」とかね。
まぁ、あんまり深入りしないけど。
それを五段活用と同じレベルで論じてもらっちゃぁ困る。
216 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/28 04:01
>>210 >(モーラ論でも「無語幹」ということにはなりませんが、それはひとまずおきます)
矛盾のない説明希望。
>>215 意味不明。失礼ながら読むに堪えません。
これまでのところ、いちばん筋の通った反論は、
>>171 の後半でしょう。
私は少し疲れたのでしばらく ROM 「り」ます。
>>216 > >(モーラ論でも「無語幹」ということにはなりませんが、それはひとまずおきます)
>
> 矛盾のない説明希望。
スルの語幹: 異形態 /サ/〜/シ/〜/ス/〜/セ/、形態素 {為}
クルの語幹: 異形態 /キ/〜/ク/〜/コ/、形態素 {来}
>>215 >しかし、「だ」なんて、あんた、語源的にも統語的にも一語とみなせない例は
>いっぱいあるんだよ。
「形態素=語」ではないはずですが? 「形態素∈語」ではあってもね。
間違ってたらご指摘下さい。
/⌒ヾ⌒ヽ. / 丿 ..ヾ / 。 人 ) (。...。_ .ノ 。ヾ。...丿 ( _ . .. ノ ) / / / ノ し / 三 ̄ ̄ ̄ ̄\ / ) と / / ____| . / / / > | / / / / ⌒ ⌒ | / / |_/---(・)--(・) | / / | (6 つ | / .. / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ___ |/ . / < 抜けねーよ、俺ら。 \ \_/ / / / \_________ シコ \___/ / / / \ / . / シコ ( ) ゚ ゚/\ゝ 丿.../ \ ヽ、 ( / ⊂// \ ヽ / ⊂// ( \つ / | |O○ノ \ | | \ \ | ) | ) / / / / / / ∪ ∪
221 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/29 08:59
>>217 >私は少し疲れたのでしばらく ROM 「り」ます。
そんなことおっしゃらんで再登場して下さいナ。ここ勉強になります。
222 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/29 09:11
>スルの語幹: 異形態 /サ/〜/シ/〜/ス/〜/セ/、形態素 {為} >クルの語幹: 異形態 /キ/〜/ク/〜/コ/、形態素 {来} はぁ。やっぱり思考停止している。 しかもなんで漢字なんか使っているの? ちなみに、モーラ・モーラとやたらに話言葉の「音韻」に こだわっているわりには、なんで書き言葉の範疇の「漢字」を使って 例示しているの。 だいたい、 「為れる」「為せる」「為ない」 「為た」「為る」「為れば」「為ろ」 こんな誰も使わない漢字表記が説得ある説明なのか? >私は少し疲れたのでしばらく ROM 「り」ます。 はい、モーラと心中してください。
>>222 私も違和感あったけど、でもよくよく考慮してみたら、
なんで漢字を形態素に使ったらいけないの?
中国語ならそれもアリですよね。日本語だって……。
わかんなくなっちゃった。誰かこんがらがった頭を解いてください。
224 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/03/29 09:20
>>210 のいうサ変動詞「する」に語幹が存在するという答え(オチ?)が、
「為」という漢字の読み替えによる表記の統一だったとは、
ドンデモ言語学スレにふさわしい結末だったなあ。
>>223 いやいや、私は別に漢字を形態素に使うことは自体否定しないけど、
モーラ・モーラって叫んだ人が、いきなり表意文字の漢字で
説明し出したのが、なんか滑稽だなって思ったまでですね。
モーラで筋を通すなら、最後まで平仮名で通すべき。
>中国語ならそれもアリですよね。
そりゃ、中国語では漢字は基本的に表音文字でもあるからですよ。
ちなみに、形態素「止」は「とめる」であり、「やめる」であったりするんだね。これが。
「とめる」と「やめる」も異形態の範疇なのかな。
片方は他動詞でもう一方は自動詞で助詞の受け方も違うのに。
しまった。勘違い。 >片方は他動詞でもう一方は自動詞で助詞の受け方も違うのに。 両方とも他動詞。蛇足だったね。
>>225 >モーラで筋を通すなら、最後まで平仮名で通すべき。
いや、別にカナでなくたってCV(母音+子音)のセットになってれば
ラテン・アルファベット表記でもいいわけでしょ?
で、異形態って奴ですが……。かつてハリスが
wifeは単数形は/wayf/だが複数形は/wayv-z/なので/f/〜/v/に該当する
形態音素として{F}を立てて、これら異形態を{wayF}としてまとめた例が
あったとか。この{F}はたまたまラテン・アルファベットの或る一字を選んだに
過ぎず、他の記号(ギリシア文字とか数字とか)だってよいはず。
同様に、サ行変格活用の語幹の形態音素を表示するの{為}としても、或いは
{SU}としても、いっそ{す゜}とかしてもいいのではないかと思ったのですが……。
>>227 > 同様に、サ行変格活用の語幹の形態音素を表示する{為}としても、或いは
> {SU}としても、いっそ{す゜}とかしてもいいのではないかと思ったのですが……。
「徳不孤、必有隣」 (論語)
「徳」は大げさだね。でも、頭の柔らかい人にはちゃんとわかるんですよ。
230 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/04/01 02:43
日本の古代の書物は全部朝鮮語で解読できるって本当ですよね? 僕の知人に疑ってる人がいるんです。
いつの時代の兆銭語でしょうか・・ まさか現代の・・
>>222 > 「為れる」「為せる」「為ない」
> 「為た」「為る」「為れば」「為ろ」
> こんな誰も使わない漢字表記が
使いますよ。明治時代の小説でも読んでごらんなさい。
確かに今は使わなくなったけれど、無理にこう書いたとしても、間違えずに読めるのはなぜ?
「来ない」「来た」「来る」が現代でも通用しているのはどうしてですか?
相補分布をなしていて、オートマチックに形が決まるからでしょ?
234 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/04/01 14:12
俺も、ちょっと感情的になった面はあるが・・・
別に、日本語におけるモーラの重要性を否定しているわけではないが。
「為れる」→??、「為せる」→なせる、「為ない」 →??、
「為た」→??、「為る」→する、「為れば」→??、「為ろ」 →??
というところではないか。全活用形で認識できるとは思わないね。
それとも、明治時代の小説では全活用形において、「為」を「する」の意味で使っていたのかな?
前後の文脈がなければ「為る」は「なる」でラ行五段活用と解釈するのだが。
>「来ない」「来た」「来る」が現代でも通用しているのはどうしてですか?
まあ、これは、別に教育による認識の問題で、
「来」が音韻的に「こ」「き」「く」をまとめて形態素になるとは思えないね。
あとで 227 に対する反論でいうけど、「来」をまとめる共通項は
モーラより細かい分解を否定すると音素的には空集合なわけだ。
書き言葉の解釈なら、それは意味をなすけど、話し言葉において空集合は空集合だ。
まさか、「来ない」「来た」「来る」を発話する前に、
話し手は「来」に相当する共通のジェスチャでもするのかな?
>>227 >同様に、サ行変格活用の語幹の形態音素を表示するの{為}としても、或いは
>{SU}としても、いっそ{す゜}とかしてもいいのではないかと思ったのですが……。
空集合+{こ、き、く} = 来
k + {o, i ,u} = kV ( V = vowel )
では大違いだと思うが。しかし、k という共通項を認めた時点で、
モーラより分解できる単位が存在してることになる。
繰り返すが、私は最初からモーラが日本人の音韻認識構造において
重要な要素であることは否定していないが、ただ、
モーラより分解できる要素がないという考えはおかしいといっているだけ。
>>235 >モーラより分解できる要素がないという考えはおかしいといっているだけ。
別に分解できることは誰も否定してないのでは。
問題は、そのモーラを更に分解して抽出された要素が、
日本語にとっては音声なのか音韻(音素)なのか、ではなかったか?
237 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/04/01 20:06
旧約聖書時代のヘブライ語が 日本語を形成したと言うのは本当ですよね!? なぜか僕知ってるんです!
239 :
237(≠230) :02/04/01 20:28
>>236 > 問題は、そのモーラを更に分解して抽出された要素が、
> 日本語にとっては音声なのか音韻(音素)なのか、ではなかったか?
はい、たいへんよくわかってらっしゃいますね。
>>235 > それとも、明治時代の小説では全活用形において、「為」を「する」の意味で使っていたのかな?
> 前後の文脈がなければ「為る」は「なる」でラ行五段活用と解釈するのだが。
探せば全部あるかもしれませんが、ナルと紛らわしいためにこの表記がすたれた蓋然性が大きいことは、私も認めます。
>
>>227 > >同様に、サ行変格活用の語幹の形態音素を表示するの{為}としても、或いは
> >{SU}としても、いっそ{す゜}とかしてもいいのではないかと思ったのですが……。
>
> 空集合+{こ、き、く} = 来
> k + {o, i ,u} = kV ( V = vowel )
> では大違いだと思うが。しかし、k という共通項を認めた時点で、
> モーラより分解できる単位が存在してることになる。
子音 [k] を共有し、音声的な類似性があるということで、終わりではないでしょうか。
形態素はあくまで抽象的な概念です。形態素の具体的な表れが異形態です。
大部分の形態素は複数の異形態を持ちませんから、唯一の異形態を { } で囲んでそのまま形態素とします。
ある形態素が複数の異形態を持つ場合、それら相互の間に音韻的、音声的共通性、類似性が認められることも多いのですが、なくても構いません。
例えば、朝鮮語の主格助詞は、母音のあとでは /ka/、子音のあとでは /i/ という相補分布を示し、両形の間には何の類似点もありません。
複数異形態 /ka/〜/i/ についてどんな形態素をたてればいいのかちょっと困りますが、一方で代表させて、{ka} のようにすることが多いようです。
242 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/04/02 00:42
>238 残念でした〜。237は230を真似ることで230を皮肉っただけですよん。 237と230は全くの別人ですよん。
>>241 形態素の定義ならそうでしょ。もともとそうなんだから。
ただ、形態素の区切り=モーラの区切りなんて型にはめるの苦しくない。
日本語では、たまたま書き言葉の最小単位がモーラだっただけで、
それを絶対視する必然性はない。素直に「来る」の形態素は [k]でいいじゃん。
>例えば、朝鮮語の主格助詞は、母音のあとでは /ka/、子音のあとでは /i/ という相補分布を示し、両形の間には何の類似点もありません。
だから、それは、単音素まで分解して共通項ができなかったときに
初めて、意味的形態素が出現するのであって、わざわざ、音声的に
共通項があるものを上書きしてまで前面に出すものではない。
ちなみに、音素=音韻っていうのやめてくれない。
集合的にいえば、「シラブル>モーラ」何だけどなぁ。
もちろん、無母音シラブルの存在ぐらい知っているよね。
なんか、海外の研究書とかでは、よほど音声や音韻を専門に扱うもので
ないとモーラなんて言及しないし、たまにモーラに言及している
論文があってもそれは、書いているのは日本人だったりするんだよね。
まして、形態素解析の範疇でモーラにこだわるなんて普通じゃないよ。
まあ、これも日本語特殊論の一派として、モーラでどこまで
やれるか暖かく見守ってあげるけどね。がんばってください。
>>243 >ちなみに、音素=音韻っていうのやめてくれない。
↑ごめん、間違って書き込んだ。やり直し。
>>243 >ちなみに、音素=音韻っていうのやめてくれない。
そんな同定はどこに見られるの?
むしろモーラ重視派は音声≠音韻って言ってるわけでしょ?
で、音素てのは音韻の最小単位でいいんですよね?
ところで222さんは、音韻論においてメンタリズムを完全に否定できるとする立場なのですか。
246 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/04/02 10:49
ところで、別の話だけど(このスレは初参加)、 笠/kasa/と花笠/hanagasa/で共通している形態素を抽出しようと したら、どうなるんだろうね。 形態素は{kasa}で、異形態としてkasaとgasaがあるのか。 それとも、形態素は{kasa}で、gasaってのは、/濁音音素/+/kasa/ なのであって、花笠の音素表記は、/hana濁kasa/とするのが いいのか。 濁音音素ってのを設定しちゃいけない理由があるとしたら、 なんだろう。 そもそも形態素境界と音素境界が一致していなければならないのか、 というか、形態論と音韻論って、同じ単位で考察すべきものなのか? もちろん、それでできれば幸福なんだけどね。
>>243 > 日本語では、たまたま書き言葉の最小単位がモーラだっただけで、
> それを絶対視する必然性はない。素直に「来る」の形態素は [k]でいいじゃん。
書き言葉は関係ありません。音韻上の最小単位がモーラではないかと言っているのです。
クルの語幹形態素を {k} とするのなら、スルの語幹は {s}、指定詞ダの語幹は複数異形態 /d/〜/n/ としてもいいのではないでしょうか。
しかし、それでは一種の音義説でしょう。
> ちなみに、音素=音韻っていうのやめてくれない。
言語学、音韻論の基本ですから、断じてやめられません。
> 集合的にいえば、「シラブル>モーラ」何だけどなぁ。
両者は集合的にいえる関係にはありません。
>>205 を見てください。
> なんか、海外の研究書とかでは、よほど音声や音韻を専門に扱うもので
> ないとモーラなんて言及しないし
...専門家の立場に立つべきだと思いますが。
>>246 > 濁音音素ってのを設定しちゃいけない理由があるとしたら、
> なんだろう。
「濁音音素」の機能が定義できないでしょう。
>>140 〜
>>155 をごらんください。
>>243 > 日本語特殊論の一派として
特殊論ではありません。構造主義言語学の基本から導かれる自然な帰結です。
250 :
189(だったかな?) :02/04/02 15:03
自称構造主義言語学者さん、
>
>>189 >>>> 口語で、「行けばいい」が「行きゃあいい」
>>>> になったり「読めばいい」が「読みゃあいい」になったりする、という
>>>> 現象を説明できないのではありませんか。
>>> 音声レヴェルの変化についてまで、子音と母音に分析することを否定する
>>> つもりはもちろんありませんが。
>>
>> 「eba」という音の列がいつでも「yaa」に変換可能なわけではありません。
>> 例えば、「えばりやがって」は決して「やありやがって」にはならない。
>> したがってこれは音声レヴェルではなく音韻レヴェルの現象であると考え
>> られます。音韻レヴェルでも子音と母音を分けて考える理由があることに
>> なります。
>「eba」という音の列がいつでも「yaa」に変換可能なわけではないという事実は、
>それが音韻レヴェルの現象であることを意味しません。
>「eba」という音の列が「yaa」に変換されうるのは、「ba」が文法語バ〜レバ
>(の一部) である場合に限られ、それは統語論の問題です。
私も統語論の問題だと思っています。私の考えでは、「行きゃあ(いい)」・
「読みゃあ」は、それぞれ、「ik」・「yom」という語幹に「yaa」
が統語的にくっついたものです。(また、母音語幹のケースの例を挙げて
おきますと、「見りゃあ(いい)」は、語幹「mi」に「ryaa」が(やはり
統語的に)くっついたものであると考えます。)あなたの理論では
これらの形はどのように分析されるのか、ご説明願えますか?
>そして、この現象がもし音韻レヴェルのものであったなら、「行きゃあ」
>「読みゃあ」から「行けば」「読めば」に回帰することはもはやできないでしょう。
>例えば、古典日本語の音便現象は音声レヴェルでしたから、「書いて」「読うだり」
>は「書きて」「読みたり」に回帰できたはずですが、現代語の「書いて」「読んだ」は
>音韻レヴェルの形なので、「*書きて」「*読みた」に回帰することはできません
「回帰する」という言葉で何を意味していらっしゃるのですか?
>>250 > 私の考えでは、「行きゃあ(いい)」・
> 「読みゃあ」は、それぞれ、「ik」・「yom」という語幹に「yaa」
> が統語的にくっついたものです。(また、母音語幹のケースの例を挙げて
> おきますと、「見りゃあ(いい)」は、語幹「mi」に「ryaa」が(やはり
> 統語的に)くっついたものであると考えます。)あなたの理論では
> これらの形はどのように分析されるのか、ご説明願えますか?
「行けば」「見れば」の臨時的に崩れた形です。
「行けば」はイクの語幹異形態の一つ /イケ/ に文法語 /バ/ の付いたもの、
「見れば」はミルの語幹 {ミ} に文法語 /レバ/ の付いたもので、
/バ/〜/レバ/ は異形態の関係にあります。
> 「回帰する」という言葉で何を意味していらっしゃるのですか?
「行けば」 > 「行きゃあ」、「見れば」 > 「見りゃあ」は通時的変化ですが、
現時点ではまだ音声レヴェルなので、それぞれの後者は前者の
「崩れた」「訛った」形であると認識され、いつでも前者に戻すことが
できる、という意味です。
この通時的変化は、将来は、あるいは現在でもきわめて無教養な
人にとっては、音韻レヴェルのものになる (である) かもしれません。
その場合は、「行きゃあ」「見りゃあ」だけが使われ、「行けば」「見れば」
は古語、あるいは聞いたことのない形と認識されるでしょう。
音声レヴェルの通時的変化によって出来た形を分析することは、
共時論にとっては無意味です。例えば、(「ぼくは」 >) 「ぼかあ」、
(「わたしは」 >) 「わたしゃ (あ)」、(「それは」 >) 「そりゃ (あ)」を
それぞれ「bok」 + 「aa」、「watas」 + 「ya(a)」、「sor」 + 「ya(a)」
などと分析して、子音終りの名詞 ?bok, ?watas, ?sor を取り出す
ようなものです。
252 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/04/02 23:05
>>248 ん? 音素の「機能」って何? 濁音形態素じゃなくて、濁音音素
ですよー。
/t/なり/タ/なりに固有の「機能」があったら、それは「音義説」
でしょう。
>>251 >「行けば」「見れば」の臨時的に崩れた形です。
この場合の音の崩れ方に見られる規則性をあなたは音韻論的ではなく
音声学的なものと分析されるのだそうですが、具体的には
どのように分析されるのですか? というのが元の質問の意味です。
>「行けば」 > 「行きゃあ」、「見れば」 > 「見りゃあ」は通時的変化ですが、
>現時点ではまだ音声レヴェルなので、それぞれの後者は前者の
>「崩れた」「訛った」形であると認識され、いつでも前者に戻すことが
>できる、という意味です。
「崩れた」形であると認識される形を生み出すのは常に(音韻論的な
規則ではなく)音声学的な規則であると仮定されているようですが、
その(非標準的な)仮定の根拠は何ですか?
>例えば、(「ぼくは」 >) 「ぼかあ」、
>(「わたしは」 >) 「わたしゃ (あ)」、(「それは」 >) 「そりゃ (あ)」を
>それぞれ「bok」 + 「aa」、「watas」 + 「ya(a)」、「sor」 + 「ya(a)」
>などと分析して、子音終りの名詞 ?bok, ?watas, ?sor を取り出す
>ようなものです。
私は、上記の現象を、「ik」等の形態素を切り出すための根拠として
提示しているのではありません。音韻論においてもモーラを更に
母音と子音とに分解する必要があるということの根拠として提示
しているのです。
最後に、質問ですが、あなたの理論では説明できて、標準的な理論では
説明できない現象は存在しますか?
>>253 > この場合の音の崩れ方に見られる規則性をあなたは音韻論的ではなく
> 音声学的なものと分析されるのだそうですが、具体的には
> どのように分析されるのですか? というのが元の質問の意味です。
具体的に跡付けられる変化は、[ikeba] > [ikja:]、[mireba] > [mirja:]
ですが。
> 「崩れた」形であると認識される形を生み出すのは常に(音韻論的な
> 規則ではなく)音声学的な規則であると仮定されているようですが、
> その(非標準的な)仮定の根拠は何ですか?
通時的変化は音声レヴェルから始まり、古形が生きている間は新形は
「崩れた」形に甘んじ、古形が滅びると通時的変化は音韻レヴェルに至っ
て、新しい形態素や語が認定される、というのは、標準的な仮説です。
もっとも、実際の変化はそれほど順序よく進まない場合もあります。
あなたは、「行きゃあ」「見りゃあ」から /jaa/〜/rjaa/ という形態素
をもう認定してよいとのことですから、「わたしゃあ」「そりゃあ」から
形態素 {jaa} を認定しても構わないのではありませんか。
> 私は、上記の現象を、「ik」等の形態素を切り出すための根拠として
> 提示しているのではありません。音韻論においてもモーラを更に
> 母音と子音とに分解する必要があるということの根拠として提示
> しているのです。
どの点で根拠となるのでしょうか?
> 最後に、質問ですが、あなたの理論では説明できて、標準的な理論では
> 説明できない現象は存在しますか?
まず、モーラという音韻的単位を認めていただけるなら、存在します。
「標準的な理論」にはモーラなどない、ということでしたら、オシマイです。
「一辺の長さが 24cm のチェス板における、黒い部分の総面積は何平方 cm か」
「標準的な」もとめ方: 一つ一つの黒い部分の面積を測り、加算する。
チェス板に即したもとめ方: 24 x 24 x 1/2 (= 288 平方 cm)
>どの点で根拠となるのでしょうか? 「行きゃあ」、「見りゃあ」などの形を規則的に導出することが可能な 理論は、これらの形をすべて一つ一つリストアップせざるを得ない(かつ、 この種の現象は音韻論的現象ではなく音声学的現象であると恣意的に仮定 せざるを得ない)理論よりも優れていると考えられるという点において、 です。 >あなたは、「行きゃあ」「見りゃあ」から /jaa/〜/rjaa/ という形態素 >をもう認定してよいとのことですから、「わたしゃあ」「そりゃあ」から >形態素 {jaa} を認定しても構わないのではありませんか。 私が「jaa」、「ryaa」を形態素と認定するのは、単に「行きゃあ」等の 形が存在するためではありません。 >> 最後に、質問ですが、あなたの理論では説明できて、標準的な理論では >> 説明できない現象は存在しますか? >まず、モーラという音韻的単位を認めていただけるなら、存在します。 >「標準的な理論」にはモーラなどない、ということでしたら、オシマイです。 私が「標準的」とみなす理論においてももちろんモーラという単位の存在は 認められています。あなたの理論では説明できて、標準的な理論では 説明できない現象は、何ですか?
補足ですが、 >通時的変化は音声レヴェルから始まり、古形が生きている間は新形は >「崩れた」形に甘んじ、古形が滅びると通時的変化は音韻レヴェルに至っ >て、新しい形態素や語が認定される、というのは、標準的な仮説です。 それは標準的な仮説ではありません。例えば、「want to」の崩れた形である 「wanna」を導出するのは音韻論的規則であって音声学的規則ではない、 というのが普通の考え方です。この考え方が間違っていると考える理由が 示されない限り、あなたの説はトンデモと言われる運命にあります。(です から、この議論がこのスレッドの本旨に反しているとは私は思わないん ですけどね。)
>>256 > 「行きゃあ」、「見りゃあ」などの形を規則的に導出することが可能な
> 理論
> 私が「jaa」、「ryaa」を形態素と認定するのは、単に「行きゃあ」等の
> 形が存在するためではありません。
うん、それは (真面目な話) たいへんおもしろそうですね。
もう少し詳しくお聞かせ願えますか。
> 私が「標準的」とみなす理論においてももちろんモーラという単位の存在は
> 認められています。あなたの理論では説明できて、標準的な理論では
> 説明できない現象は、何ですか?
わかりました。では下準備として、次の 1 〜 3 の前提のうち、あなたが受け入れられるものと受け入れられないものとをお教えください。
1. どの言語にも、韻律上の単位が存在する。
2. 一般に、ある言語における形態素は、その言語の韻律上の最小単位より小さい形ではない。
3. 日本語における韻律上の最小単位は、モーラである。
>>257 > 「want to」の崩れた形である
> 「wanna」を導出するのは音韻論的規則であって音声学的規則ではない、
> というのが普通の考え方です。
私は英語学のことはよくわかりませんが、現在は両形がともに使われている通時的段階にあるということではだめなのでしょうか。
また、「wanna」からどのような形態素が取り出せるのでしょうか。
前のレスと合わせてご説明願います。
>>258 にあらかじめしつもーん。
「韻律上の単位」って、例えば英語で the two theories の
場合、何単位になるの? 2? 4? 10ぐらい?
「 _ 」さん、 >> 私が「jaa」、「ryaa」を形態素と認定するのは、単に「行きゃあ」等の >> 形が存在するためではありません。 >うん、それは (真面目な話) たいへんおもしろそうですね。 >もう少し詳しくお聞かせ願えますか。 話の本筋からずれてしまうので、それは省略させていただきます。 私としては、別に、jaaがebaから派生される形であると仮定しても別に構いません。 ただ、そうであるとしても、その場合に適用されるのは音韻規則であって音声規則 ではない、というのが私の主張です。 >わかりました。では下準備として、次の 1 〜 3 の前提のうち、あなたが >受け入れられるものと受け入れられないものとをお教えください。 >1. どの言語にも、韻律上の単位が存在する。 >2. 一般に、ある言語における形態素は、その言語の韻律上の最小単位より小さい形ではない。 >3. 日本語における韻律上の最小単位は、モーラである。 素直に受け入れられるのは1だけです。2と3は、「韻律上の最小単位」という用語の 定義によります。 (続く)
262 :
261(続き) :02/04/04 15:19
>私は英語学のことはよくわかりませんが、現在は両形がともに使われている通 >時的段階にあるということではだめなのでしょうか。 もちろん、両形がともに使われている通時的段階です。しかし、wannaを (音韻規則ではなく)音声規則で導出するのは誤った分析であると考えられる、 と言っているのです。 英語の「wanna」や日本語の「書きゃあ(いいだろう)」が、音声規則ではなく 音韻規則によって導出される形であると考えられる理由は幾つかありますが、 一番重要なのは、「wanna」も「書きゃあ」も、「普通の音素(の列)の普通の発音」から はずれる音を含んでいないという事実です。「書きゃあ」を例に取ります。 「か」も「きゃ」も「あ」も、「火事」、「客」、「足」といった普通の単語の 語頭などに現れる、「普通の音素(の列)の普通の発音」です。「書きゃあ」は「書けば」 に音韻規則が適用されることによって(あるいはkakの後にyaaがくっつくことに よって)導出される形式であると考える(標準の枠内の)理論においてはこれは全く あたりまえの話です。一方、「書きゃあ」は「書けば」に音声規則が適用される ことによって導出される形式であるという(あなたの)理論においては、 「書きゃあ」という文字に対応する発音が、「か」という音素(の列)、「きゃ」という 音素(の列)、「あ」という音素の3つを順番に並べた際に得られる発音と完全に同一 であるというこの事実は、奇跡的な偶然である、ということになってしまいます。 私は、あなたの理論に対する反例はもちあわせていませんが、「標準的な理論で は説明できているのにあなたの理論では単なる(歴史的な?)偶然と言って すまさざるを得ない現象」が多すぎるように思います。 >また、「wanna」からどのような形態素が取り出せるのでしょうか。 言うまでもなくwantとtoです。正書法で書くなら。
「wanna」を、独立した動詞と見なさず、「want to」から派生される 形式と見なすのは、そう考えないと、wannaが3人称単数の主語と 共起しないこと、wannaの後にed等の接尾辞を付けて過去形を作ることは 不可能であること、などが説明できなくなってしまうためです。 なお、私がwannaの話を持ち出したのは、あくまでも、 「通時的変化は音声レヴェルから始まり、古形が生きている間は新形は 「崩れた」形に甘んじ、古形が滅びると通時的変化は音韻レヴェルに至っ て、新しい形態素や語が認定される、というのは、標準的な仮説です」 というあなたの主張は誤りであることを示すためであったことを 改めて述べておきます。 ではお元気で。
>>252 > ん? 音素の「機能」って何? 濁音形態素じゃなくて、濁音音素
> ですよー。
...どう言えばいいのか難しいが、そもそも、「濁音」とは何だとお考えですか?
>>260 > 「韻律上の単位」って、例えば英語で the two theories の
> 場合、何単位になるの? 2? 4? 10ぐらい?
あなたはアメリカ人で、山で遭難しています。
救助に来たヘリコプターに聞こえるように、力の限り叫んでください。
そうすればわかります。
>>261 > その場合に適用されるのは音韻規則であって音声規則
> ではない、というのが私の主張です。
それがどのような規則なのか、最後まで示されませんでしたから、信憑性がありませんね。
>>262 > 「書きゃあ」を例に取ります。
> 「か」も「きゃ」も「あ」も、「火事」、「客」、「足」といった普通の単語の
> 語頭などに現れる、「普通の音素(の列)の普通の発音」です。「書きゃあ」は「書けば」
> に音韻規則が適用されることによって(あるいはkakの後にyaaがくっつくことに
> よって)導出される形式であると考える(標準の枠内の)理論においてはこれは全く
> あたりまえの話です。一方、「書きゃあ」は「書けば」に音声規則が適用される
> ことによって導出される形式であるという(あなたの)理論においては、
> 「書きゃあ」という文字に対応する発音が、「か」という音素(の列)、「きゃ」という
> 音素(の列)、「あ」という音素の3つを順番に並べた際に得られる発音と完全に同一
> であるというこの事実は、奇跡的な偶然である、ということになってしまいます。
...これでどなたかわかる人がいたら、代わって説明していただけませんか?
この人には、オーディエンスがわかるように書くという姿勢が見られません。
268 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/04/04 20:47
ひひひっひひひひひひっひひいひひひひひひひひいひひひhhっひいいひひひ っひひひひひひひひひひひひひひっひひひひっひひひひっひひひひひhh
>>263 > なお、私がwannaの話を持ち出したのは、あくまでも
次々とボロが出て、話をややこしくしただけでしょう。
270 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/04/04 20:49
>>267 私も、前半はわかるが後半はわからない。
それよりも、この際、音韻規則と音声規則を分別する方法を説いてくれると助かるのですが。
>>264 カキクケコは清音。ガギグゲゴは濁音。
しかし、両者は何か共通性がある。もちろん、母音は共通している
が、それ以外の要素にも共通しているところがありそう。
少なくとも、ガギグゲゴは、サシスセソよりはカキクケコに、
何か非常に近いものがある。それは何だろう。その共通性は、
特に連濁の時に顕著となる。
で、/カ/なり/ka/なりという音韻表記に対して、/ガ/なり/ga/
なりという表記をしてしまうと、この共通性は、音素としての
ものではなく、弁別素性にすぎないということになってしまう。
それでいいのか、というのが、前の書き込みの主旨。
念のため、濁音は濁音でも、連濁の濁音も、連濁とは関係のない
濁音も、音韻論上は同じものとして考えている(246は)。
>>265 今の話では、2単位か4単位かは大きな問題ではないので、
取りあえず、10ぐらいではなさそうだということだけは
わかりました。
となると、260としては、
>2.一般に、ある言語における形態素は、その言語の韻律上の
>最小単位より小さい形ではない。
は、従えないな。
273 :
265ではないが :02/04/05 21:28
>>272 ごめん、なんでその結論になるのかよくわからないんで、
もしよかったら少し解説してくれませんか?
朝鮮語ではしばしば混同するもんなあ。
本来ならば「ま行」に「゛」で「ば行」になると思うが、 なんで「は行」が「ば行」になるのだろう?
>>272 「活用」「曲用」「屈折」と、「派生」「膠着」との関係については、どのようにお考えですか?
>>273 このスレでも話題に出ていた、複数形の-sを形態素と見ると、
韻律上の最小単位より小さい形態素が存在することになるからね。
仮に-sを形態素と見ないにしても、ロシア語には子音だけの
前置詞がいっぱいあるし、いろんな言語にあるだろうと思う。
で、「韻律上の最小単位」を、いわゆる音節じゃなくて、/s/とか
のレベルで考えるなら、話が別になるので、聞いてみたわけだ。
>>277 上記のようなわけなので、その質問にはどう答えてよいのか
わからない。でも
>>258 の2の点が受け入れられなくても、
_さんの理論が成り立たないわけではないと思う。
というか、_さんの理論に反対の立場ではないのだよ。
ロシア語の子音だけの前置詞って、いっぱいって書いたけど、 vとsとkぐらいしかなさそうだな。
ちょいと皆さんとはズレるかも知れませんが 『邪馬台国音韻考』という本ご存じでしょうか? そこに、魏志倭人伝の「固有名詞と思われていた部分には、当時の日本語にない音が多すぎる。 これは、日本語ではなくて(組織名などの)中国語借用語でないのか」 という話が載っていました。 これ、言語学的にはどうなんでしょうか? よければご意見いただきたいのですが。 あ、これ書かれた方は在野の方で、ちょっと後半「ト」入ることお断りします。 (個人的には漢字音読みの「漢音」は「dbの清音化・二重母音処理の癖」からみて 百済訛り=留学生でなく帰化人の持ち込みでは?という指摘が面白かったのですけど)
すみません。 例を書き込もうとしたのですけれど、 発音記号使えないので出来ません出した。
>>278 > このスレでも話題に出ていた、複数形の-sを形態素と見ると、
> 韻律上の最小単位より小さい形態素が存在することになるからね。
検索してみましたが、このスレでは出ていないようです。
それはさておき、
> 上記のようなわけなので、その質問にはどう答えてよいのか
> わからない。でも
>>258 の2の点が受け入れられなくても、
> _さんの理論が成り立たないわけではないと思う。
> というか、_さんの理論に反対の立場ではないのだよ。
「標準的な」理論では説明できないが、私の理論では説明できるという現象が何かありますか?
英語学では、一方で複数の {-s} や 過去の {-ed} や 3 人称単数の {-s} を形態素としながら、一方で複数形や過去形や 3 人称単数形を派生形ではなく屈折形と見るという矛盾を犯していると思います。
これらは英語ネイティヴにとってはおそらく屈折形なのであり、形態素を取り出すべきではないのでしょう。
{-ly} や {-ness} や {un-} は、シラブルを構成しますから、問題なく接辞です。
>>279 > ロシア語の子音だけの前置詞って、いっぱいって書いたけど、
> vとsとkぐらいしかなさそうだな。
それらは、ロシア語の歌謡や定型詩においては、どのような扱いになりますか?
チベット語にも子音だけの形態素がたくさんあるとされますが、歌にのせるときは、すべて母音が入ってシラブルを作るそうです。
284 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/04/06 09:18
>>282 >検索してみましたが、このスレでは出ていないようです。
あ、すまそ。/wayv-z/の話題の時のことを勘違いしたかも。
> 「標準的な」理論では説明できないが、私の理論では説明できると
>いう現象が何かありますか?
私は音韻論には興味はあっても、専門家ではない。で、_さんの方が
私よりいろいろ詳しそうなので、むしろ、こっちの方が聞きたい
くらいだ(笑)
「標準的」な理論では、説明できないというほどではないが、
面倒なことになるという現象なら知ってる。例えば「悔いる」の
「い」はア行かヤ行か、という問題。「標準的」な理論では、
/'i/であるか/yi/であるかを、明示しなければならないが、
_さんの理論では、/イ/は/イ/なんだ、とだけ言って逃げることが
できる(笑)
ちょうど、/d/と/n/、/b/と/m/の対立があるのに、どうして/g/
にはそうした音韻的対立がないのですか、と聞かれても、そうなって
るんだ、としか言えないように。
あ、一応、大ガラスと大鴉の対立があるから、/ng/を認める説も
有力のようだけど。
287 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/04/06 17:07
,、_ __,....,_ _,...、 ,} {`i;:r,;'ニ (;;;;、` , r' . {i' i:.'ー<.・)}:ム ヾi, キタ━━━━━━━ノ // -r /:::ミ ('ーヽ━━━━━━━━━??!! i゙ i:/ /二./ /',=、__ノi/ ヽ ヽ! {:::} //::::''´`'7!/ ヽ、__ヽ!l::i:::::ii;;;;;;;|,ノ `ヽ、`ー""ヽ `'ー-'''"
>>282 ピンカーの『言語を生みだす本能』に、miceを食べる怪物を mice-
eater と言うが、ratsを食べる怪物を rats-eater とは言わず、
rat-eater と言う、という話があって、とても心に残った。
これを読んで、-s は独立した接辞、形態素なんだと確信した次第。
289 :
名無し象は鼻がウナギだ! :02/04/06 17:49
>>284 > もともと
> 形態素が活躍する分野は、コンピュータ言語処理と、語源解析であり、
> どちらとも、音韻だけに縛られる分野ではない。
現状は確かにそうかもしれませんが、「もともと」そうだったというのは、明らかに間違いです。
そもそも、音韻とは形態素のための概念だったはずです。音韻を考慮しない形態論は、technology ではあっても science ではあり得ません。
>>288 > ピンカーの『言語を生みだす本能』に、miceを食べる怪物を mice-
> eater と言うが、ratsを食べる怪物を rats-eater とは言わず、
> rat-eater と言う、という話があって、とても心に残った。
これは、mice-eater のほうが特殊な形でしょう。人食い動物は *men-eater ではなく man-eater、
行火は foot-warmer、歯ブラシは tooth brush です。歯形は teeth marks ですがね。