>>13 派生文法のページ、ちょっと読んだけど、やはり無理を感じるなあ。
特にこの箇所なんか。
>いわゆる終止形「書く」`kak-u'「食べる」`tabe-ru'の場合、接尾辞は
>それぞれ`-u'、`-ru'である。派生文法ではこれを`-(r)u'としてまとめて
>表記する。この括弧内の子音の有無は動詞語幹の末尾に依存して決まる。
>言い換えると、`kak'に`-ru'が後接した場合、子音が連続するため接尾辞
>の先頭のrが欠落するのである。このような子音を連結子音と呼ぶ。
「書く」が元は[karku]と発音したって事実でも発掘されたならともかく。
だいたい日本語の音韻体系では母音と子音を峻別しない。音節内部での母子音結合が原理でしょ。
少なくとも、派生文法流の解析はeticなものでemicなものではない。
日本語ネイティブの内観と合致しないから違和感があるよ。
16 :
名無し象は鼻がウナギだ!:02/02/17 21:15
発掘は永久にされへんやろ。以下はあくまで仮定やけど
当時の中国語に〔kar〕のような音節がなかったので〔r〕が
無視されたまま表記されやがてそのrも脱落、、、、、ちょっと
強引過ぎやな、いわゆるアルタイ語の中では連結子音、連結母音と言うのは
普通に見られるの?
17 :
名無し象は鼻がウナギだ!:02/02/18 00:39
>>13 >もっとも、文語文法を説明するなら、音便もハ行音後退もないから、
>意外といい線ついていると思うよ。
派生文法は文語には全く適応できないよ。
それに、口語でもコンピューター言語処理の分野で、
少し役立つかなというレベル。
だから、
>>15 >「書く」が元は[kakru]と発音したって事実でも発掘されたならともかく。
[kakru]の発掘なんてナンセンスだし、結局は、適用範囲をわきまえないと
派生文法支持者は単なるトンデモの仲間入りになってしまう。
>>16 無視されたまま表記されやがてそのrも脱落、、、、、ちょっと
強引過ぎやな、いわゆるアルタイ語の中では連結子音、連結母音と言うのは
普通に見られるの?
日本語に限れば、「連結母音」を避けるために「子音挿入」なら自然なんだが。
18 :
名無し象は鼻がウナギだ!:02/02/20 01:42
清瀬氏の「派生文法」というのは、Bernard Blochや三上章の説とは異なるもの
なのでしょうか? このスレッドへの書き込みを見た限りでは同一のもので
あって、「派生文法」などという新しい名前をつけるまでもないように思えます。
さて、
>>15、
>>17の方は、この、Bloch系の理論を否定されているようですが、
国語学系の理論において、「書いた」と「嗅いだ」の対立の問題は説明できる
のでしょうか? Bloch系の理論においては、「嗅いだ」の方では語幹(kag-)
が有声子音で終わっているために同化が起きて過去を表す接辞「た」が「だ」に
なる、と説明されるわけですが、国語学系の理論においては、なぜ過去の接辞が
「た」になったり「だ」になったりするのか、説明できないのではありませんか?
19 :
名無し象は鼻がウナギだ!:02/02/20 03:31
>>18 そのとおりです。痛い所を突いて来ますね。
しかし、必ずしも子音終りの語幹を考えなくても説明はできます。
すなわち、いわゆる五段動詞の語幹の一つである kaki- や kagi- は、
-te、-ta、-tari の前ではいずれも kai- となるが、その際に、語幹が
有声子音を含んでいると、-te、-ta、-tari の頭子音が有声化するの
だ、というように、項目配列方式と項目過程方式とを組み合わせて記述
すればいいのです。そのほうが日本語ネイティヴの直観にもよく合うで
しょう。
>>19 -tara も入りますね。
それから、有声子音のなかでも、流音 r は除いておかなければならないでしょう。
これは有声というより、古い鼻音にかかわりのある現象ですから。
えーと、派生文法は適用範囲も限られるし、そんなに取柄が無いって結論でいいんですかぁ。
で、日本語は膠着語だけど活用する、と。
22 :
名無し象は鼻がウナギだ!:02/02/21 16:05
>>19 >そのほうが日本語ネイティヴの直観にもよく合うで
>しょう。
大人の日本語話者の直観には確かに合います。しかし、問題は、日本語を
習得し終わった我々の直観ではなく、日本語の動詞を習得する時点での、
赤ん坊の「直観」です。赤ん坊にとっては、Bloch流の分析の方が自然で
ある、という可能性があるわけです。
>>21 いえ、そういう結論にはならないでしょう。適用範囲がどうかとか、取柄
がどうかとかいうことはわかりませんが、「派生文法」(Bloch流の分析)
が間違っているということを示す証拠は存在していないと思います。
>>22 少なくとも派生文法における次の分析(
>>13のリンク先より)が
退けられることは確かでは。
>言い換えると、`kak'に`-ru'が後接した場合、子音が連続するため接尾辞
>の先頭のrが欠落するのである
「書く=kakru」なんて大人であれ幼児であれ日本語話者の直感に合致しないし
発音の通時的変遷を辿っても無根拠ですし。
ウイグル語・日本語間の機械翻訳みたいな純粋に操作上の一便法として仮定するなら
ともかく、それ以上に適用すべき道理がないと見ますね。