これからも主人公とミーティア姫を応援していきましょう!
私たち 純真無垢のドラクエ幼馴染みカプオクテット
ゆりかごからお墓まで いつまでもラブラブし続けますわ!
+  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
. _ . ,; =:ー、、 love love
. ,'´ .__ _ヽ _ _. + 〃,;:三三) +
i /メ))ヘゝ´, -、ヽ , ' ,.⌒;ヽ卅゙卅! )ヽ.〃二 、.⊆⊇. ∠,  ̄ 丶、 ;.'ニニヽ +
+ .(ソゞ(.^ヮ^ノ.川―゚ー!| ! ノノ"ヾ)ヮ^ノ )ノ;>O<,'.==、.ヽ / ,,、=y、,i ハ( )从ハ
. K゙ヽY/ス|!(|^ヮ^ノl ゞ ,リ゚.ー^どミ) 彡ン(,.゚.ヮ〈ノハヾ、i.l ヾ/ ;´(フノ! (’n.’;リノ、
U〉-l=ト!m)|ト-チiつ(y)ブ(つ-cE! + "K丶-"从ー^.iフi. "(つ∀,!つと)'i:l"《つ))
love /エ_iイi_〉ソリ゙/iヾi! (y)ソ_i_」,〉ヾ、;,ゝ. 〈仁∪=0=iJ⊂)゙ノリ /__Å_ゝ / |;|_ ヾ''
|-/|-| んレ';_!_リゝ ’".(_ノノ=/|=l Lヽ_ゞ. i.__ゞ. し'.!_ノ ~じじ~´ +
 ̄  ̄ +  ̄  ̄ し'`J じヽ.) love
さて、新スレ記念に切ないSSを一つ…
長いです。
ではドゾー↓
「…ふぅ」
エイトは短く溜め息をついた。
今エイト達は、呪いを解く水の湧き出る不思議な泉のほとりにいた。
最後の戦いを前に、僅かばかりの休息を取ろう…
珍しくエイトが強情なまでに発した意見に、皆はただ従った。
本来の理由は休息などではない。皆わかっていた。
トロデ王はこっそり皆に耳打ちし、その場からゆっくり、かつ自然に離れていった。
哀れにも馬にされた姿のミーティアに、エイトは泉の水を飲ませてやる。
ミーティアは一瞬躊躇いながら…泉の水を飲んでいく。
しばらくすると、泉の水が効力を発揮し始めたのだろう。
ミーティアの体を光が包み込んでいく。
「エイト…」
「姫様…僕はこれから仲間達と、全ての元凶を断ちに行って参ります」
エイトは相変わらずキチンとしている。
立て膝で、兵士が姫にする態度。
やっぱり…嫌だ。
「姫様?」
「あのね…えっと…」
下を向いてモジモジ。
言いたいことはあるけれど…言ってしまう事は許されない。
何だか…叱られて秘密にしている事を問われているような…そんな雰囲気。
「姫様?どうかなさいましたか?」
…嫌だ。やっぱり嫌だ。
「んんっ!」
咳払いを一つ。
「ひ、姫様?」
ふふ、エイトったらビックリしてる♪
「エイト…今この周りに誰かいるかしら?」
腰に手を当てて、ぐっと下からエイトの顔を覗き込む。
…エイト、いつの間にこんなに背が高くなったのかしら?
普通に見上げる位に身長が離れちゃったのですわね…。
「ま、周りには誰も…おりませんが」
あ、エイトったら慌ててる。
…もうちょっとだけ意地悪しちゃおうかな♪
「ならば…敬語はやめて。昔みたいに呼んでほいしわ…」
「え、あ、いや、あ…っと…」
むぅ…頑固ですわね、エイトったら!
「エイト!」
「はいぃ!」
「トロデーン王国の姫、ミーティアとして命じます!」
は、初めてこんな風に誰かに命令したりしますわ…。
何だか緊張する…それに嫌な感じ…もう絶対しませんわ。
「はっ!」
エイトがビシッと敬礼する。
よく訓練されている証拠なのですね。
トロデーンの為に兵士になり、元来の生真面目さで一生懸命尽くしてくれている。
トロデーンの姫としては喜ぶべきことなのだけれど…
何だかより一層距離が開いてしまった気がいたします…。
「こほん!…えっと、近衛兵エイト!
…んっと…これより一時の間、ミーティアと話す時は…
敬語も敬礼も使ってはいけません!」
あ、エイトがポカーンとしてる。
でも続けなきゃ。納得させないと、絶対エイトは敬語のままですもの。
「よ、よろしいですねっ!?」
ビシッと右手でエイトを指差す。
うふふ♪ミーティア、結構サマになっているでしょ?
「わかりました。近衛兵エイト、姫様のお言葉のままに」
エイトがサッと敬礼をした。
…んもう!本当に分かっているのかしらっ!
「………ぷっ」
ん?エイト、どうしたのかしら?
「あっはっはっは!」
き、急に笑い出しましたわ…どうなさったのかしら…
「あ〜、おかしい…姫さ…っと、ミーティア…何だか命令口調は似合わないよ…」
まぁ!ミーティアだって一生懸命やったのに!
「笑うなんて酷いわ!…もう!」
プイッとそっぽを向いてやる。
エイトが意地悪するなら、ミーティアも意地悪しちゃうんだから!
「あ…ご、ごめん…」
うふ♪慌ててる慌ててる♪
あんまり意地悪したら可哀想だわ。
クルッと振り返って笑顔を見せる。
「ふふ♪許してあげます♪」
あっ、ホッとしているわ♪
「良かった…本当にごめん。いきなりだったし、初めて見たから…」
「構いませんわ♪…そういえば…」
「ん?」
「夢の中では普通に喋っておりますのに…」
ふと思い出した事をエイトに言ってみた。
「う〜ん…どうしてかなぁ…」
エイトが泉のほとりに腰掛けて、ぼんやり呟いた。
ミーティアも腰掛けようとしたら、エイトがハンカチをサッと引いてくれましたわ。
何だか…エイトのこういうさり気ない優しさが好き。
飾らない、わざとらしくない。
ただ相手を思いやる純粋な優しさ。
「ありがとう」
一言お礼を言って、腰掛ける。
「夢は…」
エイトが切り出した。
「夢は…さ、夢の中なら、自由な感覚だからなのかもしれない」
エイトは湖面を眺めながら、ポツリ、ポツリと、まるで独り言のように呟く。
言葉を選んでいるのかしら?
ううん、とても色々考えながら喋っているみたいだわ。
「それは…」
「多分、立場を意識しないから…だと思う」
…むう。
何だかその答えは嫌ですわ。
…そう言ってやろうと思ったけど、やめておきましょう。
言ってはいけないような気がしたから。
言ったらきっとエイトが困ってしまうわ。
「ねぇエイト…」
「うん?」
「ミーティアは…この旅が終わったら…世界が平和になったら…」
「………きっと…元に戻れるさ」
そうじゃないの…エイト、違うの。
ミーティアはそんな事が言いたいんじゃないの!
「…ええ、そうですわね。
きっと元に戻れる…トロデーンも、お父様も、ミーティアも…元通りに」
…ミーティアは意気地無しですわ…。
「その為にも…僕はラプソーンを倒す。
正直…世界を救うなんて感覚は無いんだよね…」
ははは、と苦笑いでエイトは言った。
言わなきゃ…今言わなきゃダメ…
「ねぇエイト」
「ミーティア」
ミーティアの言葉をエイトが遮った。
「僕は…僕の成すべき事をする」
エイトの言葉の意味がわからない。
ううん、きっと分かってる。
けれど分かりたくない。
分かってしまえば…きっと今のミーティアの心は潰れてしまうかもしれない。
「エイト、ミーティアは…ミーティアはこの姿のままでいいのです!」
エイトは黙って湖面を見ている。
それでも…一度走り出した言葉は止められない。
「ミーティアは…この姿のまま、エイトとずっと一緒にいられるならこの姿のままで…」
「ミーティア」
また遮られてしまう。
エイトがミーティアを見つめている。
とても優しくて、とても寂しそうで…
きっと残酷な言葉を言わなきゃならないのに苦しんでいる。
お願い…言わないで…。
「僕は必ずラプソーンを倒す。
世界の平和を守り、トロデーンや陛下、そしてミーティアを元に戻す」
それは絶対な意志。
分かっている。
このままラプソーンを放っておくような人じゃない。
でも…でも…元に戻るという事は…ミーティアは嫁がなくてはならない。
それは逆らえない未来。
それに唯一逆らうには…ミーティア自身がこの呪われた姿でいること。
いくら何でも、お馬さんだったら結婚なんて出来ないもの。
「エイト…ミーティアは」
「ミーティア、それ以上言ってはダメだよ…」
エイトが悲しそうにミーティアを見る。
でも…ごめんなさい、止まらないの。
止められないの…言わなきゃならないの!
「ミーティアは…!」
ミーティアの目の前を淡い光が遮る。
そんな!待って!もう少しなの!これを言わなきゃいけないの!
淡い光は全身を包み込む…。
エイトの悲しそうな瞳を見つめながら、ミーティアは最後に伝えたい言葉を呟いた。
聞こえたかな…?
ちゃんとミーティアの声だったかな…?
わからないけれど…もうミーティアは人の言葉が話せない。
ただの馬としての鳴き声しか出せない。
泣きたい。大声で、子供のように泣き出してしまいたい。
スッ…とエイトの手がミーティアの首に触れた。
暖かい…とても暖かい。
「ごめん…ごめんね…ミーティア…僕が、僕が王族だったなら…
ミーティア、君の言葉に喜んで答えたのに…」
…ずるいわ。エイトはずるい…。
何故ミーティアが人の姿の時に言ってくれないの?
抱き締めてもらうことも出来ないじゃない…!
「ミーティア…僕は…この先は言ってはいけないんだろうけれど…僕は…」
「エイト…話は終わったか?」
ククールがいつの間にか近くの木に寄りかかっていた。
「ああ、もう大丈夫。ありがとう…」
「なぁに、気にすんな。男女の事は他の奴らにゃ経験不足だろうしな」
ククールがニヤリと笑った。
「何か勘違いしていないか?」
「ふっ、冗談だよ、冗談。さぁ行こうぜ、皆待ってる」
ククールが僕を促す。
…行こう、この戦いで、全てを終わらせる。
呪われたトロデーンの悲しみも
あの杖の呪縛に捕らわれた人々の悲しみも
世界の人々が感じている恐怖も
…そして、僕が抱き続けてきた思いも。
ミーティアが言ってくれた言葉は、僕の決心を固めてくれた。
離れても、例え結ばれなくても…僕達は同じ思い。
本当に…ただ一つ、身分が全く違う、絶対に繋がる事の無い僕達が、
ただ一つだけ繋がっている事。
「僕は」
「私は」
「あなたを愛している」
「行こう…全てを終わらせるために」
その日、世界は四人の勇者に救われる。
その中の一人は、一筋だけ涙を流した。
それは歓喜か、悲しみか…
仲間ですらその意味はわからなかった。
以上。
泉の呪いを解く効力が切れるタイミングは、絶対狙いすましたように切れる…そういう仕様なんですよ、うん
>1
>15
乙です!
ストック放出二発目いきます。
切なくはありません、オチは…怪しいもんです。
ではドゾー↓
とある日の朝。
「う〜ん…」
エイトは困っていた。
「…どうしよう…本当に困った」
困っていたのには、勿論ちゃんと理由がある訳で。
で、その困っている理由ってぇのが…
「エイトォ…んにゅぅ」
隣でぐっすり寝ているお姫様の件。
いびきが酷い?まさか。
歯軋り?んな訳ないでしょ。
じゃあ…寝相がよろしくない?
はい半分正解。
寝相はいい。だがしかし…
「…起きれないな、こりゃ」
何故か必ずエイトに抱きついている。しかもやけに幸せそうに。
で、いつもの事なのに何故今日は困っているのか?
理由は簡単、いつもとは抱きつくレベルが違う。
わかりやすく言うと、コアラ。
エイトが抱き枕扱い。完全に身動き取れず。
「どうしよう…早く行かないとなぁ」
とか何とか言いながら、すっげぇ嬉しそうにしてやがる。
少しずつ体を動かして、向かい合わせになる。
「むに〜…みゅう…」
どこか異世界の言語か?
いいえ、寝ぼけているミーティア姫様です。
エイトが体を向かい合わせにしたおかげか、
ミーティアはエイトの胸に顔を埋めて幸せそう。
時々顔をぐりぐりと擦り付けては
「ふにゅう♪」
と、姫様特有の鳴き声(?)をあげていた。
エイトは、そんなミーティアのスリスリをくすぐったく感じながらも…何だかニヤニヤ。
ふと、エイトの悪戯心が目を覚ます。
一人『にやっ』と意地の悪そうな笑みを浮かべて、ミッションスタート。
まず最初は、ほっぺたを指でぷにっとしてみる。
ちょっとむずがってる。
「んん…やぁん」
とか言ってます。続けてみると、
「エイトぉだぁめぇ…皆見てるからぁ…」
とか言い出しちゃいました。どんな夢見てるのやら。
つーか普段から何してんだおまいらは。
さてエイトの悪戯心も止まらない。
悪戯心とは他の気分がちょこーっと現れはじめちゃいましたが。
続いて、脇腹をつついてみました。
(つんつん)
「んにゃ…」
(つんつんつん)
「にゃう…」
実験結果:猫化。
いや違う違う、ただ姫様特有の鳴き声(?)なだけ。
続いて、脇腹をつーっと撫でてみました。
「ひゃふ…ひゃ…ひぅ」
鳴き声が、は行に変わるようです。
さらに実験(いつから実験になった)は続く。
(こちょこちょこちょ…)
「きゃふ!ひゃ…きゃははは!」
結果:楽しそう。
だから違うっての。
さらにくすぐる。
「きゃはは♪やぁ…だめですわよぅ…ゼシカさぁん…」
結果:よし、ゼシカにギガブレイクをぶち込もう。
待て待て待て!あかんがな!ただの寝言!
少し落ち着くんだ、エイト君。
で、ふとエイト君気が付いた。
直に触ってみよう、と。
何でそんな事気が付いちゃうかね、君は。
で、思い立ったがハッピーラッキーデイ(何だそりゃ)。
有言実行(有言ではないが)のエイト君は、早速直にお触り作戦開始。
ところがここで一つ問題が。
抱きつかれていては服は脱がせない!
これは諦めるしか…いや、しかし!
既にエイトの欲望が点火(イグニッション)!
ちょっとムキになるあたり、純粋なのか心が童貞という中2病の症状か。
少しずつ、すこーしずつ体を動かしながら、
ラブリーハニーのネグリジェ(透けてはいない、色はピンク)をずらしていく。
そこにはもう英雄の姿も若き王子の姿もない。
あるのは欲望に飢えた一匹の野獣。
いやーん♪姫様が狼さんに食べられちゃう〜♪
「ん…むにゃ…ん〜…ん?」
…残念、食べられませんでした。現実は非情である。
「んに…あ、エイトおはよう♪」
ああ!朝から女神の如き優しき笑み!
欲望に点火(イグニッション)してたエイトの心は浄化されていく…。
つーか罪悪感でぐっさりやられてます、はい。
もう何だか土下座したい程に心が痛い。
「あ、う…おはよう…」
罪悪感に苦しむエイトに、ミーティアは心配そうな顔で
「大丈夫?あまり体調がよくないの?」
またも女神の如き優しき心で接してくる。
ぐっさー。
またエイトの心を深く抉る抉る。
「あ、うん…何でもないんだ…」
そう、今はそう答えるしかない。
「大丈夫なら良いのだけれど…」
心配すればするだけ罪悪感が心を苛む。
が、ふとエイトは気付いた。
更なる罪悪感が己に襲いかかる現象が起きていることに。
(ぷるん…)
『で、出てるーっ!?』
出てる!じゃねーだろ、出てる!じゃ。
捲り上げたのはお前だろうが!
「ん?何か変な感覚です…」
ぐいーっと視線は下へ、そして停止。
固まる姫様、既に固まってるエイト。
「…」
ぐいーっと視線は上がってきて、二人の目が合う。
「…」
「…」
エイトを指差して確認するミーティア、そしてそれに頷くエイト。
「つい」
「つい、じゃありませんわっ!」
「ごめんなさい」
そりゃ怒るわな、いくら夫婦(正式には超ラブラブバカ夫婦)でも。
そりゃ旦那も土下座して謝るわな。
これが一国の主になるそうだ。国民はちょっと不安かな。
その日の朝…ミーティア姫は珍しくエイトと殆ど口を聞かなかったとか。
だが…結局夕方には仲直りしたらしい。
仲睦まじくお風呂に入り、手を繋ぎながら寝室へ入っていったとか。
たま〜に喧嘩するのも新鮮だったのかもね。
まぁ…喧嘩の内容が内容なんだけどさ…。
以上。
日常の風景にプチエロスとボケとツッコミを。
潤いって大事です。
自分で言ってて訳わかりませんが。
萌えたぜ!!
まとめサイトをどうすっべか…
前スレ落ちた?
980超えてたからねぇ。
こちらは落とさないようにしないと。
で、まずはまとめサイトの問題だね。
管理してくださった方、今までありがとうございました。
ストック放出三発目行きます。
ではドゾー↓
「にゃあ」
猫だ。どっからどう見ても、猫。
城に迷い込んできてしまったらしい。
「エイト…」
姫様だ。何だかつまらなそうだけど。
「どうしたの?ミーティア」
エイトが不思議そうに尋ねる。
膝の上にいる猫を撫でながら。
「むぅ…何でもありません!」
拗ねちゃった。
どうしたってぇのよ、一体。
何かむすーっとしたまま寝室に行っちゃいました。
「うーん…」
エイト君、困り顔。まぁ何だかわかんないんだから仕方ない。
「…参ったな、こりゃ…」
女心と秋の空ってな。取り敢えず外の兵士に猫を渡し、本を読むことにした。
男にゃなかなかわからん問題さ。
翌日。
エイトは本を読んでいたらそのままソファーで寝てしまったようだ。体の節々が痛い。
「ベッドに寝慣れちゃうと…ソファーでもダメなのか…」
などとブツクサ言いながら起き上がり、寝室に服を着替えに向かう。
(こんこん)
「ミーティア〜、朝だよ〜」
返事がない。
(がちゃっ)
「…あれ?もう起きたのか」
そこにミーティアの姿は無く、いつものようにきちんと寝間着が畳んでおいてあった。
まぁ家出は無いから安心しなされ、エイト君。
「…う〜ん…」
何だか唸りながら、エイトは自身の支度を済ませた。
「さて…今日も1日頑張るか」
そして部屋を出ようとして、一瞬立ち止まる。
両手で顔を挟むように軽くピシャン!と叩き、気合いを入れ直した。
部屋を出た時には既に優しい青年ではなく、若き指導者の顔つきに変わっていた。
朝からいなくなっていたミーティアだったが、
実はただお付きのメイドと花に水をやったりしていただけだった。
ただ、どうも元気がないミーティアを心配したメイドが何気なく聞くと、
ミーティアはポツリポツリと理由を語った。
理由を聞いたメイドは、ある事を閃いた。
そして、ちょっとした作戦を立てる。
「…と、いう作戦でございます」
「えぇっ!は、恥ずかしいですわ…」
「姫様!姫様がやらねば誰がやるのです!」
「そ、そうですわね!頑張りますわっ!!!」
…何かやる気になってんのはいいんだが、不安になるのは何故でせう。
夜。
「ふぅ〜…」
ようやく1日の仕事を終え、エイトは風呂に浸かって疲れを癒やしていた。
ついつい溜め息が出てしまうのは人としての仕様です。
王族も市民も変わらない。
疲れたら風呂、そして寝る。
これが疲れを取る最良の手段。
『そういえば…ミーティアは今日1日中何処に行っているんだろう…』
不安にかられる。
自ら出ていったのならまだ良いが…もし誘拐だとしたら?
(ざばっ!)
勢いよく浴槽からエイトが立ち上がる。
『…くっ』
エイトは浴槽から出ると、すぐに風呂場を出た。
◆
「あ、エイト様…どうなさいました?何かありましたか?」
見回りの兵士が声をかけてきた。
どうかしたのか、と聞かれるほどに、エイトの表情は固かったのだろう。
「ミーティアを…見なかったかい?」
「姫様?…はて、そういえば今日は朝方にお庭でお見かけしたっきりですな」
「…一人だったのか?」
「いえ、お付きのメイドと花に水をやりながら談笑しておられました」
「…わかった、ありがとう」
エイトは短く礼を言うと、早足で歩き去っていった。
『ミーティア…!ミーティア…!』
自室はもちろん、既に城のほぼ全てを探し尽くしていた。
本当に誘拐されてしまったのだろうか?
エイトはただ焦っていた。背中を嫌な汗が伝う。
『くそっ!僕が…僕がふがいないから…ッ!』
奥歯をギリッと噛み締める。
『あれは…!?』
ふと、前方にミーティア付きのメイドを見つけた。
エイトは駆けだしていた。何か知っているはずだ。
「あらエイト様?もうそろそろお休みの…きゃっ!」
駆け寄るエイトを見つけたメイドは挨拶をしようとしたのだが…
凄い勢いで両肩を掴まれてしまった。
「ミーティアを…ミーティアを知らないか!?」
「エ、エイト様…痛い…」
必要以上に力が入っていたようだ。
涙ぐむメイドを見て、エイトは慌てて手を離した。
「ご、ごめん…」
痛そうにするメイドの肩にホイミをかけてやりながら、エイトは頭を下げた。
「あ、エイト様…ありがとうございます…」
「ところで…ミーティアを知らないかな?」
焦る気持ちを抑えつつ、エイトは尋ねる。
するとメイドはキョトンとした顔で
「あら?先程私がお部屋までご一緒しましたよ?」
と、答えた。
「…え?」
「あ、そうだ!エイト様、いくら猫がお好きでも、姫様を放っておくのは…」
「ありがとう!それじゃ!」
話なんざ聞いてない。
エイトはガバッと立ち上がると、身を翻す。
「あ!ちょっとお待ち下さい、まだお話が…って、行っちゃった…。
本当、小間使いだった頃から変わらないわね…」
エイトやミーティアよりもちょっと年上のメイドは、ふぅ…と溜め息をついた。
(どだだだだだだだだだっ!!!)
走る走る。
城の中なのに、いつも綺麗に掃除してるのに、何故か土煙があがる程の爆走。
部屋の前についたエイトは、まさに「キキーッ!」と音がなる程のブレーキで止まった。
見張り兵はあまりの事にフリーズしている。
「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…げほっ!げっほげっほ!」
せき込むほどに無酸素運動でしたか。
「あ、あの…エイト様?お水をお持ちしま」
「ミーティア!」
無視。心配した見張り兵を無視するほど焦りながら、エイトは部屋に飛び込んだ。
「…何も無視しないでも…」
ショボーンとなりなが、兵士はエイトが開けっ放しにしたドアを閉めた。
「ミーティアッ!」
殆ど叫ぶようにエイトはミーティアを呼ぶ。
姿は見当たらない…焦る。とにかく焦ってしまう。
「エイト?どうなさいましたの?」
寝室からだ。
エイトは急いで寝室のドアを開け、室内に飛び込んだ。
「ミーティアッ!!!」
「に、にゃあ…」
「…は?」
…何だ?
「に、にゃおん♪」
ぽかーん…。
エイト君、現在思考停止。
寝室に飛び込んだエイトが見たのは…
【ミーティア】
E:ネコ耳カチューシャ
E:ねこシッポ
だった。
だった、じゃねぇよ。何やってんだ姫様は。
「み、みーてあ?」
エイト君、喋り方おかしいぞ。
「う、うにゃう♪…あぁっ…恥ずかし過ぎますわ…」
じゃあやるなよ…。
「あの…何をしてるのかな?」
「あ、あのね…エイトがずっと猫ばかり可愛がってて…寂しくなって…
それをジェシーに相談したら…」
ジェシーとはお付きのメイドさんの事です、はい。
「…相談したら…?」
「こ、こうなっちゃいましたニャ♪…はぅぅ…」
だから恥ずかしいならやるなっつーに。
エイト、脱力。その場にへたり込んでしまった。
「は…はは…」
「エ、エイト?…やっぱり可愛くない…ニャ?」「…一日中…さ、どこにいたの…?」
「ジェシーと一緒にコレ作ってましたの…ニャ」
コレ、と言いながらねこ耳カチューシャとねこシッポを指さすミーティア。
「…エイトは猫が好きなんだ…と思いまして…
だからジェシーがこれをミーティアに作ってくださいましたのニャ♪」
慣れてきたな、姫様?
「…はは…は…はぁぁぁ…」
エイト、がっくり。
「き、気に入らなかった?やっぱりミーティアじゃダメだったニャ?」
えーかげんに語尾の「ニャ」をやめなさいな…。
いや個人的にはやめなくていいのだがな。
「いや…とっても可愛いよ」
素直な感想だった。
「本当?」
ミーティアがすたすた寄ってくる。
「勿論さ」
エイトは脱力感から立ち直り、ようやく立ち上がった。
そしてミーティア猫(なんだそりゃ)を優しく抱きしめた。
「エ、エイト…」
「姿が見当たらなかったから…何かあったのかと…
良かった…本当に良かった…
ごめんね、寂しい思いをさせて…」
抱き締める腕に力が入る。
「エイト…?」
ぽたっ…と、ミーティアの頬に滴が零れ落ちた。
「ミーティア…」
エイトはただ抱き締める。
しかし…その瞳からはほんの僅か、涙が流れていた。
普段、エイトは涙を見せることはない。
昔から、どんな時でもミーティアが先に泣いてしまうから。
エイトの涙を見たミーティアは爪先立ちになって、
その頬を伝う涙をペロッと舐めた。
「ミーティア…?」
「エイト…泣かないで…ミーティアは何があっても一緒だから…」
そう言って、ミーティアはそのまま目を瞑る。
何を求めているのか、エイトにはすぐに分かる。
エイトは、優しくミーティアの唇に唇を重ねる。
僅かな永遠の後、二人の唇が離れた。
エイトは、ミーティアを抱き上げ、そのままベッドに運んでいく。
「エイト…♪」
後からベッドに入ったエイトに、ミーティアがじゃれついてくる。
「ん?」
「今日はミーティアは猫ですニャ♪だからエイトにじゃれちゃうニャ♪」
ノリノリですね、姫様。
一方エイトは…
『こ、これは…いつも可愛いミーティアが…数倍にっ!』
萌えてました。つーかもう大変な事になってます、色々と。
「にゃう♪」
今日のミーティア姫様は猫らしいです。
だからいつもより積極的(はぁと)
一方エイトは、そろそろ狼さんになっt
「ミーティアっ!!!」
(がばっ)
「にゃあ!?」
…なっちゃいました。
後に…
エイトは猫好きではなく、動物が好きなだけだった、という事実をミーティアは知るのだった。
以上。
ネコミミにしたかっただけちゃうんかいと自分を小一時間(ry
膝の上の猫を抱いているエイト=やたらと襟の広い黒マントを羽織り片手にワインを
傾けながら、シャムネコを撫でながらクックックと笑うエイト隊長が頭を過ぎった
俺は一体何なのでしょう?
ぬこかわいいよぬこ。
ぬこみーたんかわいいよぬこみーたん。
ストックももう残り2つ。その内の一つを二回に分けて投下致します。
早朝〜昼前までには後半投下しておきます。
では前半ドゾー↓
外は雨が まだ止まずに 濡れてる人々と街が それでも太陽信じてる
なんて歌が昔ありましたが。
雨です。トロデーンに普段あまり降らない雨が、もう一週間。
恵みの雨…とか言うけれど、一週間も降ったら恵みのありがたみだって薄れちゃう。
仕事も出来なくなるし、お買い物だってあまり行きたくない。
ましてや散歩なんかする気にもならない。
「う〜…」
唸ってる人が約一名。
自室の窓から空を睨み、つまらなそうにしてます。
「お散歩したいですわ…」
はふぅ…となんだかよくわからない溜め息一つ。
「姫様〜!姫様〜!」
部屋の外が騒がしい。
憂鬱な気持ちに拍車がかかる。
何故そっとしておいてくれないのかしら?
そんな風に思うのは、今更紹介もいらないであろうトロデーンのお姫様・ミーティア。
「姫様〜!」
もうっ!しばらくそっとしておいて下さ…
「姫様〜!エイト様がお帰りになられましt」
「すぐ行きますわっ!」
…現金なもんだね、まったく。
「う〜…」
ずぶ濡れである。
「のぅ、エイトや…この雨が収まってから帰ってくればよかったろう…」
全身から水滴を滴らせているエイトに、トロデ王は城の入り口まで迎えに行ってやっていた。
「ははは…そう、ですよね…」
エイトはマントを脱ぎ、頭を拭きながらただ苦笑いを浮かべて答えた。
「まったくでございます!
エイト様がこのまま玉座の間に行かれたらどうしようかと思いましたわ!」
メイド長が怒ってる。まぁそりゃ怒るわな、掃除すんのは自分達だし。
「大丈夫、さすがにこの状態じゃ玉座の間には入らないよ…」
「城内にお入りになるのが間違いでございます!」
「ごめんなさい」
相も変わらず怒られてしまう王子様。
まぁ愛されているからこそなんだけどね。
「まったく…だいたいエイト様は」
「これこれ…エイトも反省しておるんじゃ。
そう叱ってやるな…」
トロデ王がさらに叱られそうなエイトを救おうと試みる。
が、メイド長は止まらない。
「陛下!陛下はエイト様に甘すぎます!
もっと王族として毅然とした態度を取っていただかなk」
「エ〜イト〜♪」
(とたたたたた♪)
あ、ミーティア姫様が走ってくる…
「あ、ミーティ」
(ぴょん♪)
飛んだ。
(がばっ♪)
抱きついた。
まぁそうなると当然…
「ミーティア♪ただいま♪」
エイトは優しく抱きしめ…じゃなくてさ。
(びちゃ)
「あ」
「きゃう!冷たいっ!」
びしょ濡れの奴に抱きついたらさ、そらぁ抱きついた方も濡れるわな。
しかも勢いついてるからエイトの服の水が飛ぶ飛ぶ。
「あー…駄目だよミーティア、僕は今ずぶ濡れなんだから…」
今更言うな、馬鹿旦那め。
ごっつ爽やかな笑顔で迎えてたじゃねぇか。
「あぅ…ごめんなさい…でも、エイトが出掛けてすぐに雨が降り出して…
ミーティアは心配で心配で…」
あー…寂しがるのもいいんだがね…。
お二人、周りを良く見てみよう。
*:エイトは辺りを見回した!
*:なんとメイド長の全身に水飛沫が飛んでいた!
*:メイド長のテンションがみるみる上がっていく…
*:メイド長はスーパーハイテンションになった!
「エイト様…姫様…」
*:エイトとミーティアは辺りを見回しながら、聞こえないフリをしてみた!
*:しかし何もおこらなかっt
「お二人共っ!」
*:メイド長はおたけびをあげたっ!
「「はっ、はいぃっ!」」
*:エイトは驚きすくみあがった!
*:ミーティアは驚きすくみあがった!
「今すぐお風呂に入ってきて下さぁぁいっ!!!」
*:メイド長はカミナリを落とした!
「「は、はい!!!」」
*:エイトとミーティアは逃げ出した!!
以上、ドラクエテイストでお送りしてみました。
「ぜぇ…ぜぇ…」
肩で息をするメイド長に、恐る恐るトロデ王が近づく。
「…た、大変…じゃのう…」
(キッ)
「大体!陛下がお二人を甘やかすからいけないんです!
この国の英雄であるエイト様や姫様を甘やかすのは仕方ないかもしれません!
しかしですね!英雄だろうが何だろうが!甘やかし過ぎるのは良くありません!」
カミナリの矛先がトロデ王に移っちゃいました。
「し、しかしだなぁ…」
「しかしもカカシもタワシもイワシも昔も今もありません!」
後半意味わかんねぇよ。
(ギロッ)
すみません。
「お、そうじゃ。大臣に予算の事で話があったわい」
トロデ王、逃走。
何か後ろから声が聞こえましたが…すたこらさっさ。
振り返らずに玉座の間へと逃げ込んじゃいました。
「今から内政の事を話し合う。誰も通すでないぞ? 誰 も な !」
と、見張り兵に言い残して。
かぽーん…
まぁお風呂SEの基本ですね。
そんなSEが聞こえたか聞こえないかは知らないが、トロデーン城内の王族専用の浴室。
「はぅ…怒られてしまいましたわ…」
ミーティアがションボリしながら、
ぶくぶく…と、鼻まで浴槽に浸かる。
『う〜…エイトと一週間ぶりに会えるのが嬉しくて、つい…』
と、頭の中で反省しながら、ぶくぶく。
因みにエイトは…濡れた服を脱ぐのに苦戦中。
ミーティアが
「お手伝いしましょうか?」
なんて言ってたが、そんな事したら風呂前に疲れちゃう可能性も…ゲフンゲフン。
「ぷは…エイト、遅いわねぇ…」
お湯の中から顔を出して、入り口をうかがう。
すると、タイミングを見計らったように入り口が開き、エイトが入ってきた。
「やぁ、お待たせ」
爽やかな笑顔と共に入ってきたエイトに、ミーティアもニコニコしながら手を振る。
最近また少し成長した(揉まれたからかは内緒)二つの丘がちょっとフルフル♪
じっくり見たらあかん!
しかし見ちゃうのが男の悲しい性(サガ)!
チェーンソーでラプソーンを真っ二つ!
…それは違うゲームです。Sa・Gaです。
決して某雪国もやしの人の歌でもありません。
「ふむふむ…」
「?どうなさったの?」
じーっ…
「うむ」
「???」
「ちょっと大きくなった?」
エイトの視線がようやくどこを見ていたのかミーティア姫様、把握。
どんどん真っ赤になるミーティア姫様のお顔。
「…もぅ…エイトのばかぁ…」
またブクブクブク…と水中に沈むミーティア姫様。
そんな姿を見て、何故か嬉しそうなエイト。
お前さん…実は結構Sだな?
「はは、ごめんごめん♪」
鼻まで沈んでるミーティアに近付き、腰を曲げて頭を優しく撫でてやる。
「…♪」
嬉しかったらしく、目が笑ってる。
ついでに小さく泡がポコッと一つ。
「さて、じゃあ僕は体を洗うか…」
スッと体を起こし、遠くに…って言っても、1.5メートル位。
まぁ普通に考えて、浴槽から1.5メートルも離れて体を洗える程一般家庭の風呂は広くないが。
「あっ、そうだ♪ミーティアがお背中流しますわ♪」
以上。
後半は前述通り、夜中〜昼前までには…
ザバッと浴槽から出たミーティアは、何だか楽しそうにエイトに歩み寄る、全裸で。
いや当たり前やがな、風呂やっちゅーねん。
「ん、ありがとうミーティア」
エイトも嬉しそうにミーティアに答えた、全裸で。
しつこいっちゅーの。
そんなこんなで(どんなだ)、エイトの背中をミーティアが洗い始めた。
(ごしごしごしごし…)
「〜♪」
姫様、何か鼻歌出ちゃう位楽しいらしい。
「何だか楽しそうだね」
「だって…一週間ぶりに一緒にお風呂に入れたんですもの…
何だか嬉しくて♪」
「そっか…雨がなければもっと早く帰ってこれたんだけどね…」
「ううん、仕方ないわ。
雨が降る日もなくちゃ、お日様ばかりじゃカラカラになっちゃいます♪」
そんな風に言えるのは、エイトが今目の前にいるから。
実際は寂しくて泣いてしまいそうだったりしてました。
バカップルここにあり。
結婚しようが何だろうが…綻び程の隙も無し!
…はっ倒したろうか、まったく。
「それに…」
「ん?」
「こんな風に、新鮮な気持ちで二人でお風呂に入れるのも雨のおかげですわ♪」
「あはは♪…じゃあ、今度からしばらく間を空けてみようか?」
「いや!そんなのダメですわ!」
「冗談だよ♪僕が耐えられないもの」
「…ミーティアもですわ…きっと泣いてしまうかも」
エイトがミーティアの手を握って、後ろを振り向く。
「それは困るな…ミーティアが泣いちゃうと、僕も悲しくなってしまう」
「エイト…」
きっとここにククールがいたら…
「歯ぁ食いしばれ!そんなバカップル、修正してやるぅ!」
とか言って、本気で平手打ちかますかもな。俺は止めない。
その後ろから鞭を
『ぴしーん…ぴしーん…』
と鳴らす、おっかないツインテールが見えても。
むしろそっちを止めない。
握られた手から伝わる最愛の人の温もりは、やはり良い。
さてここで問題です。
このまま二人はどうなるでしょう?
1.ミーティア姫様が抱きついて自らの胸で背中を洗う
2.盛り上がり過ぎて、お風呂でイヤーンバカーンなアレに突入
3.メイド長に長風呂を叱られる。現実は非常である。
答えは…
「くしゅん!」
ミーティア姫様がくしゃみ一発。
急いで体を流したエイトと共に浴槽にGo!でした。
「ふぅ〜…」
浴槽に浸かったエイトが思わず声をあげた。
「エイトったら…何だかお爺さんみたいですわ♪」
すぐ隣でミーティアがクスクス笑う。
「むぅ…酷いなぁ…」
「でも…それだけ疲れてるんですわね…。エイト、お疲れ様♪」
確かに疲れていた。
だけどこの笑顔があれば、ミーティアの笑顔があれば、どんな困難も平気。どんな疲れもふっ飛んでしまう。
エイトが優しくミーティアを抱き寄せる。
水音がパシャッと小さくした。
後ろから抱き締められる形になったミーティアは、驚いてエイトを振り返って見た。
「…エイト…?」
「しばらく…こうさせて。
こうやってミーティアを抱き締めていると…とても安心するんだ」
目を瞑り、ただミーティアの体温をエイトは感じていたかった。
「ミーティアも…エイトに抱き締められていると、
何だか包み込まれているみたいで安心するの…」
ミーティアがエイトに体重を預けた。
エイトもそのままゆっくりと倒れ、浴槽の縁に背中を預ける。
このまま眠ってしまいそうな程の安心感。
エイトの腕からミーティアへ、ミーティアの背中からエイトへ。
安心感と暖かさのエネルギーが、二人を巡り、包み込んでいた。
だが…伝わるのはそれだけじゃない。
心音。
とくん、とくん…と、二人はお互いの心音を聞いていた。
僅かな水音以外一切音のしない空間で、ただ二人はお互いの心音を聞いていた。
それは、生命の奏でる安らぎのリズム。
そして、今この無音の空間で、二人が生き、お互いを感じる唯一の証。
体の力を抜いているから、体は僅かに浮いている。
それはまるで、暖かくて静かな空間にたった二人でフワフワと浮いているような。
とても心地良い。
エイトは頭の片隅で、自分の体中から疲れが抜けていくように感じた。
でも、そんな事よりも今は…この腕の中から伝わる温もりを感じていたかった。
ふと、ミーティアがエイトの腕を優しくほどいた。
そして、無言のまま体の向きを変え、二人は向き合ったような形になる。二人はそのまま無言だった。
無言のまま、エイトは改めてミーティアを抱き締める。
ミーティアも無言のまま、エイトに身を委ねる。
そしてそのまま、無言で二人は唇を合わせる。
まるで全てが決まっていたように。
全てが予めプログラミングされていたように。
ごく自然にキスをした。
そのキスから伝わるのは、お互いがお互いを必要とし、
この安らかな空間で二人が二人を認識し、求め合う感情。
二人とも目を閉じている。
二人の視界は闇なのだが、怖くない。
浮遊し、自らを繋ぎ止める物もない中でも、微塵の恐怖も感じない。
それは、自らの腕の中にミーティアがいるから。
自らを包み込んでくれているエイトがいるから。
二人はそのまま溶け合うような感覚に陥っていた。
ふと、エイトの手が動いた。
それは、無意識での本能。
ミーティアを求め、欲するが為に起こった本能。
手は、ゆっくり背中を下り、もっと下に向かう。
「んっ…」
ミーティアが小さく声を上げる。
そして、ゆっくり顔を上げた。
「…だめ…」
「…我慢できないよ…」
「また怒られちゃう…」
「じゃあ…」
「…お部屋…で…」
「…わかった」
少し残念そうに手は離れ、それからザバッと大きな水音がする。
エイトはミーティアを抱き上げたまま浴槽を出た。
体を拭き、服を着る。
その間、二人は終始無言だった。
いそいそと浴室を出た二人は、殆ど誰とも口をきかず、更にお互いは無言のまま私室に入った。
「喧嘩でもしたのか?」
見張りの兵士やメイドが噂をしていたが、噂なんてのは大概は当てにならないもので。
その日、エイトとミーティアは部屋から出てこなかった。
次の日の朝、エイトとミーティアはお互いがまた無言のまま、いそいそと浴室に向かっていく。
何故か顔は真っ赤だったが。
兵士やメイド達は更に深まる謎に、ただただ首を傾げていたという。
その日からしばらく…エイトもミーティアも腰痛に苦しむ日々を送った。
治療の為にククールを呼ぼうともしたが、
「ふざけんな」
と一蹴されてしまった。
「のぅ、エイトや…」
「はい?なんですか、お義父さん」
「…若さ故に突っ走るのも良いが…立ち止まる事も覚えるのじゃぞ」
…多分、この二人は一生懲りないと思いますよ。
以上。
Q.連続投稿規制ですか?
A.更新もしたんですが…多分そうなんでせう
投稿時間が開いてるのは気にしないで下さい(;´д`)
誰もいない…
若さで突き抜けろ!!どこまでも突っ走れ!そう、竜神の里までも!
保守
何か最近乱立があったり圧縮があったり…怯えている訳だが。
保守!
保守
ストックのラストいきます。
今回は3つに分けます。
では前半ドゾー↓
65 :
決戦 1-4:2006/10/23(月) 00:03:26 ID:eZsHmvk1O
「悲しいなぁ…」
あの男の声が響く。
それから、頭に鋭い痛みが走った。
体が無理矢理起こされる。
「くっくっく…悲しいなぁ…ちっぽけな力で立ち向かい、力尽き、倒れていく…」
体が持ち上がる。
どうやら僕は頭を鷲掴みにされて、持ち上げられているみたいだ。
あの男…いや、あの化け物の爪が、僕の頭に食い込む。
また新しく傷が増えたな…暖かい血が流れていくのがわかる。
「奇跡も起こらない。誰かが助けてもくれない。信頼出来る仲間は既にいない。
…悲しいなぁ…悲しいなぁ…」
確かに…奇跡は起こらなかったな。
勝つつもりだった…。
けれど…歯が立たなかった。
化け物になったドルマゲスは強くて…分身した姿を倒した。
やった!…と、思った。
でも甘かった。
化け物になったドルマゲスは、僕達の想像なんか遙かに越えていた。
最初はゼシカが倒れた。
…女の子だもんな、強い魔力があっても。
次にククール。皆を回復してくれて、自分を後回しにしたから…。
ヤンガスが僕を庇ってくれた。
「兄貴はアッシが守る」
そう言って…僕のために。
でも…皆ごめん。やっぱり僕は勝てなかった。
66 :
決戦 2-4:2006/10/23(月) 00:04:22 ID:eZsHmvk1O
粘ったんだけどね…ごめん。
悔しいなぁ…あれだけ頑張ったのに。
皆で旅して、一生懸命頑張ってきたのに…。
疲れてきちゃったな…もう剣を振る力も無いや…。
使い慣れた剣がやけに重い…剣ってこんなに重かったっけ?
「悲しいなぁ…悲しいなぁ…」
悲しい…うん、確かに悲しいや。
僕はこんな所で力尽きるんだから。
…誰かが…僕を呼んだ気がしたけど…気のせいかな。
確認したいけど…体が動かない。
「悲しいなぁ…叶わぬ恋に身を焦がし、忠誠心で誤魔化してきた…」
…僕は…トロデーンに忠誠を誓っている。
「ただ一人…呪われた姫を元に戻そうと努力し、同じ思いの仲間を集め、
わざわざここまで来て…結局は私に負けてしまう…」
…そうだ…。
「結局頑張っても報われなかった。命をかけても、願いは叶わなかった」
…僕は…何のためにここに来た?
何を成す為に来たんだ?
「結局誰の願いも叶わず、姫の呪いは解けない…」
…僕は…僕は…
「悲しいなぁ…悲しいなぁ…」
…そうだ、何をしているんだ、僕は。
「さぁ…後は絶望と共にゆっくりと眠るがいい。その悲しみは私が代弁してやった」
67 :
決戦 3-4:2006/10/23(月) 00:06:37 ID:eZsHmvk1O
まだ…そう、まだなんだ。
まだやらなきゃならない事がある。
僕はまだまだ頑張れるはずだ。
倒れたら立ち上がればいい。
手から落ちた剣は拾えばいい。
そうだ、僕はこの化け物の強さを知った。
知って、絶望してしまった。心が折れてしまったんだ…。
「…悲しい…なぁ…」
僕の口から思わず言葉が漏れた。
「何…?」
「悲しいのさ…自分の不甲斐なさが」
ギリッと僕の頭を掴んだ手に力が入る。
その痛みで、意識がはっきりと戻ってくる。
「まだ僕はやらなきゃならない事がある。
やらなきゃならない事が山ほどあるのに、心が弱音を吐いてしまった」
あの方の…決して叶わぬ、許されぬ恋心を抱いてしまったあの人の顔が見えた。
モザイクがかっていたような意識と視界だったのに、
彼女は…ミーティアだけははっきり見えた。
見えた瞬間、頭に走る鋭い痛みが感じられた。
「ぐぁぁっ!」
「ほう…痛みを感じる意識がまだあるのか」
「くっ…ふふ…」
「!?何がおかしい!?」
「…僕はまだ生きている、意識も戻った」
「それがどうした!貴様が死に損ないな事に、何も変わりはない!」
68 :
決戦 4-4:2006/10/23(月) 00:08:08 ID:eZsHmvk1O
しかしエイトは力無くだが、ニヤリと笑う。
「…僕は確かに死に損ないだ。だがな…僕にはまだ成すべき事がある。
…だから!まだ完全に死ぬ訳にはいかない!」
エイトの目がカッと見開かれ、無造作に右手が上がる。
握られていた剣がヒュンッと空気を斬り裂く。
同時に…エイトが地面に落ちた。
「うぎぃやぁぁぁぁっ!うで、う、腕がぁぁぁぁっ!!」
斬られた腕を抑えながら、ドルマゲスは飛び退いた。
エイトはゆらっと立ち上がると、まるで散歩をするかのようなゆっくりとした足取りで、
剣をカラカラ引きずりながらドルマゲスに近付いていった。
一方のドルマゲスは、右腕を抑えたままエイトを睨み付ける。
「貴様…よくも私の腕を!!!」
そんな怒鳴り声を上げながら、ドルマゲスは残った左腕の爪で切り裂くべく振りかぶる。
エイトはゆっくりと盾を構え、その攻撃を盾で受け止めた。
ズシリと重い衝撃がエイトを襲う。
しかし、エイトは表情一つ変えない。
「おのれ…っ!」
「僕は…な、ドルマゲス」
エイトが急にドルマゲスに語りかける。
「やらなきゃならない事があるんだ…例え命をかけても」
「…あの姫の事だな?」
以上。
ちょっとグロありでした…最初に書き忘れてました、ごめんなさい。
続きは…明日になると思います。
やべぇ…俺も一回マゲスに負けているからすげぇ燃える…!
前回の続きです。
前回は
>>65-68 です。
今回もややグロあり…です。
72 :
決戦 1-4:2006/10/24(火) 03:06:07 ID:a9khJ6NPO
エイトが、一瞬ピクリと反応する。
「くくく…悲しいなぁ…決して叶わぬ思いに身を焦がす…か」
その言葉に、エイトは寂しそうに笑った。
「…?」
「僕の思いはな…姫様の笑顔が見たいだけなんだよ」
「何?」
「だからな…もし姫様が…ミーティアがまたあの笑顔を見せてくれるなら…
悲しくなんかないんだぁぁっ!」
渾身の力でドルマゲスの左腕を弾き返す。
さらによろけたドルマゲスに向けて袈裟掛けに斬りつける。
「ぐあ!?」
かなりのダメージを与えただろう。
ドルマゲスの体からは大量の血が流れ出ていた。
良く見れば、ドルマゲスも既に多くの傷を負っていた。
『いける…!ドルマゲスだって追い詰められているんだ!』
心の折れた方が負ける…ならば、一度立ち直ったエイトだ。
そうそう簡単には心は折れない。
一方…ドルマゲスは嫌な思い出を甦らせていた。
魔術師を目指して修行を続けた日々。
だが師のライラスは自分を認めず、周囲の者達も自分を嘲笑うかのように力を付けていく。
幼い頃からそうだ。
いつも自分は一番になれない。
いつも自分より上がいる。
卑屈になる気持ちは邪心を呼び、いつしか全てに殺意を持っていく。
73 :
決戦 2-4:2006/10/24(火) 03:07:58 ID:a9khJ6NPO
彼の成長の妨げになっているにもかかわらず、卑屈に歪んだ心は肥大化していく。
ライラスは言う。
「力は求めてはならない。力は育てるのだ。力に溺れてはならないのだ。
ドルマゲスよ、お前なら出来るはずだ」
と。だが師匠ライラスのそんな言葉など、もはやドルマゲスには届かない。
全てが憎く、全てに笑われている…そんな感覚でいた。
もう努力する気も起きない。
そんな時、たまたま街に来ていたサーカスの道化師を見て思った。
『まるで自分だ』
皆に馬鹿にされている。笑われている。
サーカス団の道化師から聞いた。
「トロデーン城には、とてつもなく強い力を秘めた杖が封印されている」
その日ドルマゲスはライラスの元を去った。
そして…ドルマゲスは禁断の封印を解いてしまう。
「くそっ!くそっ!何故だ!?まだ足りないのか!?まだ力がぁっ!!!」
ドルマゲスの心が揺らいだ。それは即ち隙を作る事になる。
「…今だ…!!」
エイトがその隙を見逃す訳がない。
一気に踏み込み握った剣を突き出す。
(ずぶり…)
「が!?…ぐ…げはっ…」
ピピッ…と返り血がエイトの顔にかかる。
だがまだ終わりじゃない。
74 :
決戦 3-4:2006/10/24(火) 03:10:17 ID:a9khJ6NPO
「ぅうおぉぉぉっ!!!」
さらにもう一歩…いや、半歩踏み込む。
(ズッ…グブッ)
刃はさらにめり込み、ドルマゲスの背中を刃の先端が突き通した。
エイトの腕にはさらに嫌な感触が伝わってくる。
「がっ…!この…き、さま…」
ドルマゲスがエイトの頭を掴んで引き剥がそうと、左手をゆっくり上げる。
「ドルマゲス…城の人達を物言えぬ茨にし、平和だったトロデーンを魔城に変えた事…
どんな理由があろうとも、僕は許さない」
「黙れ…!私以外の…幸せなど…認め…ないっ!!!」
「…お前がどんな人生を歩んできたのかは知らない。
だが僕は、お前は許さない…ミーティアの笑顔を奪ったお前をっ!!!」
エイトが剣の束をさらに強く握る。
「これが今の僕の全力だ…ギィィガデェイィィィィン!!!」
エイトの体内の魔力によって作り出された雷(いかずち)が、腕を伝わり、手から剣に伝わる。
(バリバリバリバリバリッ!!!)
「ギィヤァァァァァァァッ!!!」
強烈な光と轟音、そして悪魔の絶叫が、辺りに響きわたった。
数秒の後、エイトは剣をドルマゲスから引き抜く。
「ぐっ…」
ドルマゲスは全身から煙をあげ、それでもまだ息があった。
75 :
決戦 4-4:2006/10/24(火) 03:12:11 ID:a9khJ6NPO
だが、それはもう残り少ない命の灯火。よろよろ…と後ろに下がっていく。
「私は…力が…欲しかった…」
残る力で呟くドルマゲスに、エイトは何も言わなかった。
「ぐ…ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!!!!」
闇の神殿の最深部に、愚かな道化師の断末魔の絶叫が響きわたる。
体の内側から崩壊が始まったようだ。
◆
絶叫は最深部にいながら外にまで響いてくる。
「むっ!?この叫び声…」
トロデ王は、ミーティアと二人で外で待機していた。
いつまで経っても戻らないエイト達が心配で、入り口をウロウロしていたのだが…
突如建物の奥から響いてくる絶叫に、ピタッと止まってしまう。
その絶叫のあまりのおぞましさに、ミーティアは怯え、鳴き声をあげる。
「おおよしよし…大丈夫、ワシがついておるからな…」
慌ててミーティアに駆け寄ったトロデ王は、優しく首を撫でてやる。
「エイトは…エイト達は、ドルマゲスを打ち倒したのじゃろうか…
あの絶叫…明らかに普通の魔物のそれではなかったしのう…」
ただ何も出来ない自分の身に歯がゆさを感じながら、それでも待つしかない。
『エイトよ…無事に戻ってくるのじゃぞ…』
以上。
次回がラストです。
次回は…グロは無いはずです。
前回の続きです。
前回は
>>72-75 です。
今回がラストです。
ではドゾー↓
78 :
決戦 1-3:2006/10/24(火) 22:50:20 ID:a9khJ6NPO
ミーティアもまた、外で待つ者の苦しみを味わっていた。
『エイト…エイト…お願い…もし、もしもまたドルマゲスを逃がしてしまってもいい…
貴方や皆が無事に帰ってきてくれれば…』
何も出来ず、ただ馬の姿で、目を伏せ祈る。
何か言いたいが、馬の鳴き声しか出ないのは分かっているから黙っていた。
突如、闇の神殿全体が僅かに振動し、そして不気味な絶叫が地下深くから聞こえた。
『!?エイト!?エイトッ!?』
すぐにでもエイトの元に駆け出していきたい。
足手まといなのは分かっている。
何も出来ないのも分かっている。
でも…エイトの元に行きたい。行って、エイトの無事を確認したい…。
ミーティアの悲痛な思いは、思わず口を開かせる。
口を開けば、出てくるのは言葉ではなく鳴き声。
それがわかるから、普段から極力喋ろうとはしない。
鳴き声が自らに聞こえる度、自らの呪われた姿への悲しみが深まるから。
でも、今はそうはいかなかった。
「おおよしよし…ワシがついておるからな…」
トロデ王が首を撫でてくれた。
『お父様…ミーティアは…ミーティアはエイトを失う事が怖いのです…』
悲しそうに目を伏せる。
79 :
決戦 2-3:2006/10/24(火) 22:51:08 ID:a9khJ6NPO
このまま呪いが解けない事も確かに辛い。
トロデーンの呪いが解けない事も悲しい。
だが…それよりもエイトの無事を祈ってしまう。
『ミーティアは…きっとトロデーンの姫として失格ですわ…』
ミーティアは…ただ悲しげに目を伏せ、うなだれるしか他なかった。
◆
闇の神殿の最深部を、強烈な光と爆発音が包み込んでいた。
衝撃にエイトは力無く飛ばされる。
もう僅かな力も残っていなかった。
「これで…これで全てが…」
『やっとトロデーンは元に戻る。陛下も…そして、ミーティアも…』
それがエイトの目指すもの。
それこそが苦難の旅をする理由。
光と爆発音は余韻を残して消えていく。
同時に自分の生きる力もどんどん抜けていく気がしていた。
『これで…いいのかも…しれない』
元に戻れば、当然ミーティアの結婚式が待っている。
『護衛には…つけないな…せめて最後に…ミーティアの笑顔が…見たかったなぁ…』
そこでエイトの意識は完全に途切れた。
◆
ドルマゲスは倒した。
しかし、杖はゼシカと共に消えてしまった。
しかもトロデーンもトロデ王もミーティアも…呪いは解かれぬまま。
80 :
決戦 3-3:2006/10/24(火) 22:52:31 ID:a9khJ6NPO
まだ旅は終わらない。
エイトは考える。
『自分がするのは『世界を救う』なんて大それた事じゃない。
あの日のまま止まった日常を取り戻し、ミーティアの笑顔をもう一度見る為』
騎士はその為に剣を取る。
報われない恋など分かっている。
だからといって旅は辞めない。
報われる事は望んでいない。
ただ、世界で一番好きな人の微笑みがある世界…
それを取り戻す事がエイトの戦う意味だった。
◆
「ま、結局はその騎士は姫様の結婚式をぶっ壊しちまうんだがな」
「しかも略奪愛の末に結婚までしちゃうしね」
「今じゃ誰も入る隙間のねぇ…」
「「「バカップルになってる始末…(でがす)」」」
「ミーティア、今幸せかい?」
「もう、エイトったら!…ミーティアは世界で一番幸せですわ…エイトは?」
「僕も世界で一番幸せだよ…」
「エイト…」
「ミーティア…」
「神よ!奴らに裁きの刃をぉぉぉっ!!!」
「焼き払う!もう焼き払うわっ!!!」
「落ち着くでがす、二人共!グランドクロスもメラゾーマもやめるでがすよ!」
まぁ…二人の気持ちはわからんでもないが。
以上。
今回でラストです。
次回作は完全に未定です(;´д`)
前スレから溜め込んでいたストックも無くなり、完全ノーガード、丸裸、防御力0であります。
お題を頂くとかヤバいスかね?
乙です!!!
なんか誰もいなくなった?
>81
乙でした。
前々からちょっと気になっていたんだが、微妙に誘いうけっぽくね?
ぐだぐだ言わず黙って投下しろよ。
こっちは書き手の事情なんて興味ないんだよ。
乱暴な言い方になってしまったが、次の作品も楽しみにしている。
ただ、投下に際して一言多いのが気に障っただけだ。
>誘い受け〜
そうかな〜?
別にそんな風に感じたことはないが。
どっちにしてもお前みたいな言われ方されたら、
俺が書き手なら二度と投下したくなくなるね。
まあここは小説投下用のスレじゃなくマターリした萌えスレだから、住人のニーズに応える上で誘い受けするのは問題にはならない。
とはいえ、もし小説スレだったら、誘い受けだと叩かれるのは間違いない。
ご注意ください。
保守
みーたんかわいい保守
>89
次も楽しみにしてるよ〜ノシ
お邪魔します。
ss一つ置いていきます。
泉の水を飲んでからこの方、ただの夢の筈なのに強い現実感を伴うようになっていた。
一度など、遠くにエイトの姿を見たように思ってそちらへ行こうとした。けれど、結局追いつくことができな
くて、さらに足元に絡みつく茨に取り込まれて動けなくなったの。その茨の痛さ、そのまま茨になってしまう
かも知れない恐怖に声の限りエイトの名を呼び続けていたのに誰も来なくて…そのまま目覚めてびっしょり
と汗をかいていた私を現実のエイトがきれいに拭いてくれたのだった。
けれどもエイトの姿を見たように思ったのはその時限りで、後は一度も見たことはない。懐かしいトロデーン
の庭に立っていても、エイトの姿はないのだった。
そんなある夜のこと。もう少しでサザンビーク、というところで日が暮れてしまった私たちは街道沿いで野宿
していた。
私は野宿の方が好きだった。宿で休むことができない皆には申し訳ないと思いつつも。お父様も、
「日が暮れる前に次の街に辿り着くようにするものだ」
と文句を言いつつも楽しそうだった。話し相手がずっといてくれるからだったのかもしれない。大人数で囲む
食事は簡素なものであっても、それは心楽しいものであったから。
皆の会話に耳を傾け、思いがけず楽しかった一時の後でふとまどろ€んだ私は夢を見た。
夢の中で私は例のごとく人の姿に戻っていた。どこか深い森の中にあって、道しるべとなるものもない。こん
な森の中に一人でいるのは怖い、どこか開けた場所に出たいと辺りを見回すうち、木々の隙間に光が見えたよ
うに思った。
微かな手がかりに縋ってそちらへ向かう。あれは…泉?月の光を反射しているの?
漸く辿り着いたその場所はあの泉にどこか似ていたけれど、違っていた。天頂高く輝く満月の光を受けて、泉
の水面は輝いている。けれどその輝きはどこか妖しげで、不穏なものを感じて眼を背けた。
と、その時自分が一人ではないことに気付いた。泉のほとり、草地の上にエイトが眠っていたのである。
「エイト?」
呼びかけたけれど、返事はない。無理もない、急に強くなった魔物と昼間あれだけ戦ったのだから。もっとよ
く見たくなって近寄る。跪いて(ひざまずいて)額に掛かる少し伸びた前髪を払ってあげようと手を伸ばした
その時、唐突にその場にもう一人の気配を感じた。
「誰です、そこにいるのは」
誰何の声に誰かが闇の向こうでくすりと笑ったように思えた。
「私はあなた…」
深い水底から響き来るかのような声と共に闇の中から女の白い顔が現れる。
「私はあなたって…」
鏡に映ったかのように私にそっくりな顔、そっくりの声。意表を突かれ絶句する私に女は嫣然と笑いかけてき
た。
「そう、私はあなた」
一瞬顔だけかと怯えたのだけれど、そうではなかった。黒のドレスを着ていたせいで夜の闇に同化していたの
である。
「一言言っておきたいことがあって」
一歩間違えば下品だと言われそうな程、そのドレスの襟元は大きく刳られ(くられ)、白い胸元が覗く。細く
頼りない肩紐はドレスを支える役目を全く果たしておらず、豊満な胸の頂で滑り落ちるのが漸く止まっている
有様。
「あなたの話を聞く道理はありません」
きっぱり言い切ったつもりだった。この者は人型をとっていてもきっと魔物。気を許せば襲われるだろう、と。
けれど女は私を見てまたくすりと笑った。まるで内心の怯えを見通したかのように。
「おお、怖い。そんな顔をしてはこの方に嫌われてよ」
白くたおやかな手が眠るエイトの額髪を撫でようとする。が、その直前、私の手がそれを払いのけた。
「この者に触らないで!」
もしかしたら無理かも、と思っていたものの、案外容易く払うことができた。だが、女の余裕のある態度は変
らない。
「うふふ、そんな大きな声を出しては目を覚ましてしまうのではないのかしら?」
はっと口を覆った隙に再び伸ばされた手はエイトの額を撫でた。
「私はあなた。でもあなたは持っていないものを私はたくさん持っている。そしてあなたが持たざるをえなか
った余計なものを私は持っていないの」
私の目から視線を外そうともせず、凄絶な笑みを浮かべつつ手はエイトの顔を撫で続けている。
「その手を離しなさい」
「嫌よ。それにこの人だってそれを望んでいるわ」
その手はだんだん下がり、今は唇をなぞっている。優しく指の背で唇の形を描いた後、軽く突くと指先が一瞬
埋もれ、引き出された指が濡れているのが分かった。
「だからね、この人をちょうだい。あなたには不要よね」
「駄目です。絶対に駄目」
この妖女には絶対に渡せない。もう一度懸命に手を払いのけようとしたけれど、さっきと違ってびくともしな
かった。まるで広がり続ける心の怯えを糧にしているかのように。
「旅の間、見てきたでしょう?男の人って、胸の大きい人が好きなのよ。あなたのその貧弱な身体なんて、誰
が望むのかしら?」
エイトは違う、と言いかけてふと口を噤んだ。旅の中でたくさんの人々を見てきたけれど、確かに胸の大きな
女の人の方がより人気があったように思う。そう、例えばゼシカさん。ククールさんは勿論のこと、ヤンガス
さんも最初は、
「はあー」
と呆れたように見ていたっけ。そしてエイトは…
「そんなつましい身体でも差し出しさえすれば男は悦ぶというのに、何を後生大事に守っているのかしら。精
神的な繋がりが、と綺麗事を言ったところで身体の繋がりのない女なんて男にとって無価値なものだって知ら
ないのね。可哀想な方。
それに」
エイトの襟元の紐を玩ぶ(もてあそぶ)指が止まった。
「あなたには婚約者がいるけれど、私にはいないの」
「そんなこと、あなたに関係ないわ!」
思わず声が大きくなってしまったのは、彼女の指が紐を解いたからだった。大きく開いた襟から意外にがっち
りした胸元が覗いて、一気に鼓動が激しくなる。
「関係ない?」
取り乱す私に女はふんとばかりに笑った。
「あなたがこの者を欲するのは不倫でしょう。婚約者がいるんですものね。それを思ってあなたも、この人も
一歩を踏み出せない。どんなに苦しいでしょうね。可哀想に。それを解決しようというのだから私って親切よ
ね。
大体馬のあなたに何ができるというの」
「私は馬ではありません!」
これは仮の姿なのだ、と言おうとして遮られる。
「馬でしょう。今は仮の姿だと思っているみたいですけれど、いつかそれが本性となる。そのうちあなたは心
まで馬となり、永遠にさまよわなければならなくなるの。
この人をそれに付き合わせるというの?いつ果てるとも知れない旅に。可哀想。私ならそんな運命からこの人
を解放することができるのよ。私はあなたとなって」
ああそう、そうね…私はエイトを自由にしてあげたい。できることならこんな辛い旅なんてさせたくなかった。
それにこの旅が終わったからと言って、何が待っているというの。私は、サザンビークへ…
「ほらほら、楽になっておしまいなさい。いつ果てるとも知れない辛い旅と悲しい物思いからこの人を自由に
してあげて。あなただけがそれをできる。そして私だけがそれをできる。ね?だって私はあなたであなたは私
なんですもの」
この人は私…私は…この人ではないわ…そうよ、違う…
「ね?私はとっても聞き分けがいいの。あなたも、そうでしょう?だってあなたは私、私はあなたなんですも
の」
私はあなた、あなたは私…そうなのかしら?
「考えては駄目。だって真実なのよ。私はあなた、あなたは私であることは。
さあ、仰って。この者の名を私に教えて。そうすればこの者の心は永遠に私のもの。私は永遠にあなたに成り
代わってこの者の心を得るのよ」
そう、そうだったわ…私は…この人…エイトが好きな…え?それは?
「い…い、い、え」
女の言葉によって呪縛されていたのかもしれない。単なる否定の言葉を発するだけで非常な苦労を強いられる。
「何ですって?ちゃんと仰って。『はい』」
「いいえ!」
今度ははっきり声を出せた。女が柳眉を逆立てると同時に心を縛っていたものも消え失せる。
「言うものですか。私がこの者の名を明かすことはありません。さあ忌まわしい夢魔よ、分かったなら消えな
さい!」
言葉と一緒にエイトに絡み付いている手を払いのける。と、女は忌々しげに舌打ちして掻き消えたのだった。
「エイト…」
全ての邪悪な気配が消えた後、改めてエイトを見下ろした。が、目を覚ます様子はない。そっと揺さぶってみ
たけれど、微かな寝息を立てているばかり。
まさか魂を奪われてしまったのでは、と慌てて辺りを見回していると、つい先程まであの魔女がいた草地に大
粒の黒真珠が落ちていることに気付いた。それは月の光に鈍く光っていたが、摘み上げるとあっという間に黒
から金色へ変化したのである。
「……」
これはもしかして、エイトの魂?本当にもう少しのところで大切な人を奪われるところだったのだと思い至っ
て改めて身震いした。
これを戻さなければ。でもどうやって?胸の上に乗せてみたものの、身体に戻る様子はない。もしかして、飲
ませなければならないのかしら。どうやって眠っている人に物を飲み込ませることができるのだろう。どうす
れば…
その時、一つの方法に思い至って思わず身が震えた。口移しなら飲んでくれるかも…
雛が親鳥から餌をもらうように。そうよ、これは人の命が懸かっていることなんですもの、し、仕方ない、の
よ…
慄く心に言い聞かせ、午後の太陽の光を集めたかのような金色の真珠を口に含む。真珠自体が仄かに温かくて、
まるでエイトの体温のように感じてしまい、また震えたけれど何とか堪えてエイトの側に座った。
「お願い、エイト。起きて…」
零れ落ちる髪を掻き遣り、身をかがめる。微かな寝息に額の後れ毛がそよぐのを感じたが、心を決めてそっと
唇を重ねた。そのまま含んでいた真珠をエイトの口の中へと移す。
(お願い、飲んで…)
離れたくない、と叫ぶ心を押さえつけ漸く唇を離して祈るように見守っていると、ややあって喉がこくん、と
上下した。と同時に、
「ううん…」
とエイトの瞼が動く。
いけない、ここにいては!本能的にそう思って立ち上がり、身を翻して木立の中へ駆け込む。向こうからは見
えないだろう、という木陰からあちらを窺うと、半身を起こしたエイトが眠そうに辺りを見回していた。
ああ、よかった、元に戻ったのね、と思った途端、辺りが急にぼやけて──
もう夜明けだった。私はまた馬の姿に戻っている。
あれは本当に夢だったのかしら?それとも本当にあったことだったのかしら?それは分からない。「目が覚め
た」と感じたのだから夢だったのだと思いたい。全ては夢だと。
でもどうしてこんなに生々しい感触が残るの。あまりにも生々しく残る唇の感触。エイトの魂の温もり、そし
てエイトの唇の熱と柔らかさと微かな湿り気…もしかしてあれは夢であってもそれは夢よりもっと確かなも
のだったの?私だけが見る夢なのではなく、本当はエイトと夢を共有して触れていたのかしら。エイトの心と、
私の心が。
これもあの泉の力なのかしら?ではあの夢では話すことはできなかったけれど、もしかしたらエイトとお話し
したりできるようになるのかしら。誰の目を憚ることなく、二人だけで…
(終)
サザンビーク到着前に泉に寄っているとこんなイベントが!
…嘘です。ごめんなさい。
これ、好き
100ゲト保守
保守
これからは主ゼシの時代なのです\(^O^)/
>>98 何だか妙にエロ妄想をしてしまったんだがw
特に真珠を口に入れるとこ
保守
>>103 俺は「着信アリ」で悪霊に取り付かれた(であろう)主人公が
病院で寝ている男に飴玉口移しで食わせるシーンを思い出した。
微エロ微エロ!
保守
保守
保守
109 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/11/05(日) 17:10:42 ID:r5lx5EOJ0
色っぽいデスナ
保守
保守
保守
駆け落ちEDで手を取り合う時に頬を赤らめるミーちゃんが最高に萌えるよ保守
荒野の幻影でしたっけ、前にもみーたん似の女性が出てきましたよね。
ドキドキした覚えがありまつ。
という訳で、是非エイト視点のほうからも書いてください。
主ゼシスレを荒らしに来ないで下さい
他スレに荒らしに行くような香具師をこのスレでは住人として扱ってませんので、ここに苦情言われても困ります。
荒らしは人の言うことを聞かないから荒らしなのですから。
>>116-117 こういう人たちをこのスレでは荒らしと認定します(荒らしにレスを打つ行為及び煽り文句)。
この方々がこの板でどのような言動をしようと、その結果どのように叩かれようと、
このスレの住人とは一切関係ありません。
以上。
ウザイ自治厨もそろそろいい加減にしてね。
スルーしなさいよ。
眉毛をハの字にして困り顔のみーたん萌え!
を叫んで保守。
>>112 そこで「いいえ」選択して「そんな、ひどい…」と言うみーたんも萌えだ。
もしや意地悪系?W
PS3発売記念保守
「そんな、ひどい…」って連続5回くらい言ってもらったよw
かわいくってつい。
そんな、ひどい…
125 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/11/13(月) 11:27:20 ID:kTutMk/l0
∧ノ~
ミ| ・ \
ミ| .... '_)
ミ| (|’∀’ル 「そんな、ひどい・・・・
. | (ノ 姫 |つ ミーティアもつれていってくださいますね?
ちょwwwwwローラwwwwww
そんな、ひどい…
保守
今日DQ8三回目プレイ、不思議な泉でミーちゃん御姿初披露記念保守
「よう、エイト」
久々にトロデーンへやってきたオレだったが、ふと二人の姿に違和感を覚えた。
「よく来たね、ククール」
「ようこそいらっしゃいました、ククールさん」
エイトの隣にはミーティア姫様がくっついている。毎度お馴染みの光景だ。…ったく、少しは
辺りを憚れよ。
それでも何かおかしい。二人ともにこにこしてるしまずい事態という訳ではなさそうなんだが…
「…あっ!」
不審に思われない程度に観察するうち、唐突に答えが出た。
「ひ、姫様、あの、その」
「はい、何でしょう?」
…やっぱ言えねえ。オレにだって羞恥心の欠片ぐらいはある。
「おい、エイト。ちょっと来い」
「ん?何?」
罪のなさそうな顔しやがって。この顔にオレは騙されたんだよ。
「すまん!オレは間違ってた。お前を見くびってたよ」
「は?」
エイトはきょとんとしている。
「何だかんだ言ってもお前も男だったんだな。よくあそこまで育てたもんだ。マジで尊敬する
ぜ」
姫様に気付かれないように目線だけを投げかけた。つられてエイトも見たその先のミーティア
姫は深緑のビロードの、襟の詰まった昼のドレスを着て紅茶の具合を見ている。
が、その胸は!前より明らかにでかくなってる!あれはどう見てもゼシカよりありそうだ。
「いや、本当に凄いな。どうやって育てたんだ?オレにもそのコツを教えてくれよ」
一気にまくし立てたオレをエイトは呆気に取られたような顔で見ていたが、急に吹き出した。
「何だよ、変なこと言ったか?」
「ぷぷっ、まだ気付いてないの?じゃあミーティア、アレやってあげてよ」
エイトの手招きに姫様がやってきた。
「な、なんだ?」
うおっ、近くで見ると凄い迫力だ。くーっ、羨まし過ぎるぜエイトの奴!
「何だか疲れてるらしいんだ、ククール。アレで癒してあげてよ」
「まあ、疲れていらっしゃるの?ではアレをしなければね。
…では目隠ししますね」
おおおっ、マジかーっ!苦節十余年(この辺はいい加減だが)、姫様を口説き続けて幾歳月、
ついにこの日が来たのか!それも旦那公認!いや生きててよかった。
ぷに。
おお、これは…!柔らかさの中に張りがあって、オレの知っている中でも最高ランクだぜ!こ
れが毎日味わえるなんて、くぅーっ、エイトの奴、本当に羨ましい!
「………ん?」
が、何だこの雰囲気は。妙な物音が…笑いを押し殺しているような…
「く、ククールさんたら…」
姫様の手が止まっている。オレは気になって目隠しを取った。
「ん?」
「ん?じゃないようぷぷぷぷ」
「く、ククールさんたら…スラリンちゃんとプルッピちゃんに顔挟まれてよだれ垂らして…」
ちっ、オレとしたことが。レディの前でだらしないところを…ってそうじゃねえ!
「いいい今何って言った」
「よだれが。ぷぷっ」
エイトの奴、爆笑してやがる。
「そうじゃねえ、その前だその前!確かす、す、す…」
「スラリンちゃんとプルッピちゃんのこと?」
嬉しそうにミーティア姫様は二匹のスライムを目の前に差し出した。
「ククールさんに会いたかったのよね」
「「ピキッピキッ」」
見ると姫様の胸は以前のと変わっていない!
「え、つーことは…」
「こんなにあっさりひっかかるなんて。アハハハハハハハハ」
「ほら、ククールさんが教えてくださったでしょう?ぱふぱふのこと。エイトが疲れているよ
うだからククールさんにもしてあげようって」
教えた、確かに教えたよ、オレ。だけどあんな思わせ振りに胸元に隠さなくたって。
「ひでーじゃねえかよ」
そうぼやくとエイトが耳元で囁いた。
「ミーティアに変なこと教えた罰だ」
…くそう、馬鹿亭主が!最初は絶対鼻の下長くしてたに決まってんのに!
ムカついていたオレだったが、ふといいことに気付いた。
「待てよ、そのスライムは姫様の胸元に入っていたんだな?っつーことは」
「…ククール、トロデーンでは王族に対する不敬は死罪なんだ。分かっているな?」
「えっ、ちょ、ちょっと待て!オレはまだ何も」
抗弁空しく襟首を掴まれ引き擦られた。姫様、助けてくれよ。
「あら、どちらに?」
ほっ。
「姫様、たす…」
「ククールの奴、お手洗いの場所がよく分からないんだって。連れてってやるからちょっと待っ
てて」
がーん、そんな。
「まあ、そうなの…ではここでお待ちしてますね」
笑顔で送り出されオレの命運は決した。にこやかにエイトが言う。
「温情措置で僕が雷光一閃突きしてやるから。ちなみにミーティア絡みだと九割九分の成功率」
「そんなひどい!」
もうトロデーンになんか来るもんかーっ!
(終)
またもククールがおバカですみません。
以前書いたぱふぱふネタの後日談みたいなものです。
ほしゅ
ぱふぱふネタキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
懲りない奴だねククールもw
>ぷぷっ、まだ気付いてないの?
みーたんのオパーイにスライムが入ってるなんて
夢にも思うか━━━(;´Д`)━━━!!
そんなひどいktkr!!
今夜も保守。
今夜もミータンの胸元に入っていたスラリンとプルッピに嫉妬しながら保守
保守!
子供主姫置いて行きます。
午後の光が木々の隙間から差し込んでいました。
秋も深まり木立の中の地面にはたくさんの落ち葉が散り敷いています。梢にはただ、ブナの木のやや茶色くな
った葉ばかりが残っていました。
「…」
そんな木々の隙間から覘く空をミーティア姫が見上げておりました。そして何かを思い出したかのようにくす
りと笑うと地上に視線を戻し、城の方を見遣りました。
(エイトはまだかしら)
今日はエイトと一緒ではありませんでした。本当は一緒に城を出ようとしたのですが、エイトは呼び止められ
て庭の掃除を手伝わなければならなくなってしまったのです。
「すぐ終わらせるよ。先行ってて」
そう言われて先にこの丘に来たのですが…
今朝はかなり強い風が吹きました。城の庭の木々も大分葉を落としたようです。おまけに昼前に少し雨が降り
ましたので、落ち葉を集めるのに苦労していることでしょう。
「ぬれた落ち葉ってさ、すっごくめんどうなんだ。あちこちくっつくし、重いし」
エイトはそんなことを言っていたように思います。
(戻った方がいいのかしら)
姫はちょっと悲しい気持ちで考えました。そう言えばこの頃とみにそういうことが増えたような気がします。
それだけ働き手としてエイトが重宝されているということなのでしょう。それはとてもいいことなのですが、
何か寂しく感じられたのでした。
(もう戻りましょう)
色々物思ううち、時間が随分経っていたようです。日が傾きつつあることに気付きました。赤みを帯びた夕方
の光に、ブナの梢の葉が金色に輝いております。
さく、と落ち葉を踏みしめ歩き出そうとした時でした。
「おーい」
丘のふもとでエイトが手を振ってこちらへ上ってきます。
「エイト!」
手を振り返しミーティア姫も丘を駆け下ります。濡れた落ち葉に足を取られそうになりつつ下る姫と急坂を上
るエイトは丘の中腹で落ち合いました。
「ごめんね、意外に時間かかっちゃったよ」
「ううん、いいの」
二人は並んで行くともなしに丘の上に向かって歩き出しました。
「あっ、あそこでスライムがお昼寝してるよ」
「どこ?…あっ、ほんと。親子かしら?かわいいわ」
そんな他愛のない会話がどうして楽しいのでしょう。取り立てて珍しいことでもないのに面白く感じてしまう
のはどうしてなのでしょう。
(エイトが一緒にいるからかしら?)
「そうかも」
「どうしたの?」
「ううん、何でもない」
自分の考えたことに対して口に出して納得してしまったことが恥ずかしくて姫は急いで首を横に振りました。
「そう?」
とエイトが言った後、はっと立ち止まりました。
「どうしたの?」
「もう日、暮れちゃうね」
視線の先、太陽が海を金色に染めています。
「そうね…」
もう城に戻らなければなりません。エイトには仕事があるのです。それに二人とも夜の森の怖さは身に沁みて
知っておりました。
「戻ろっか」
その言葉はもっともでしたが、姫は頷くことができませんでした。
「ミーティア?」
「あのね」
ここで頷いて城に帰ってしまったらもうエイトと一緒にいられなくなってしまうような気がします。そんなこ
とはないのに、と思ってみても空しいことでした。
「どうしたの?」
こちらを覗き込むエイトに何故か涙が零れそうになりました。それを堪えて一生懸命笑いかけます。が、それ
も辛くてただ真剣な顔になっていました。
「エイト、あのね」
「うん」
いつもと違う様子にエイトの顔を真面目になります。
「…ずっとずっとお友達でいてね、エイト」
その言葉にエイトは押し黙りました。ただミーティア姫の顔を見詰めています。その姿にもしかしたら言うべ
きではなかったのか、と不安になり始めた頃、漸く口が開かれました。
「うん、ずっと友達でいるよ、ミーティア」
瞬間、心が震えたように感じたのは何故だったのでしょう。エイトの言葉があまりにも真直ぐ心に差し込んで、
すぐさま口を開くこともできませんでした。
「…ありがとう。ミーティアも、ずっとエイトのお友達でいるわ」
「うん」
いつの間にか二人は手を取り合っていました。固く強く、いつまでも友情を続かせるかのように。
「…戻ろっか」
「ええ」
ひんやりとした風にエイトが先に我に返ったようです。遠い空の彼方で太陽が最後の光芒を放っておりました。
「日が暮れるの、早くなったね」
「ほんとね。もうすぐ冬ね」
もういつもの二人でした。駆け足で丘を下り、城へと帰って行きます。
冬はもうすぐそこまで来ていました。
(おしまい)
前回のおバカ話、読んでくださった方、ありがとうございました。
>ミータンの胸元に入っていたスラリンとプルッピに嫉妬
全くですwどのように入っていたのか考えると余計妬ましいというか羨ましいw
今回の話は子供時代と言いつつも大分大きくなってきていて、11〜12歳ぐらいを想定しています。
イメージとしては幼年期篇の最後ぐらいです。
ほしゅ
保守
発売二周年記念保守!
いやー、主姫萌えは未だ収まる気配なしw
ミータンのおっぱいをスライムがチューチュー吸い始めて感じちゃうミータンを想像したおれはかみ殺されたほうがいいと思うよ
>>150 むしろエイト隊長の雷光一閃突きで死ぬといいよ
死ぬときは俺も一緒だ!
むしろ、ミーちゃんの胸元が暖かくてスライムが眠っちゃうんじゃないかな。
スライムになって、ミーちゃんの胸元で眠りたい椰子は手を上げろ!
(*゜д゜)ノシ
(・∀・)ノシ
>>153-155「「「ぷるぷる、ぼくたち悪いスライムじゃないよお。いぢめないで〜」」」
ミーティア「かわいいスライムちゃんたちね」
>>153-155「「「ぷるぷる、ぼくたち寒いんだ。姫さまあたためてよう」」」
ミーティア「まあ、かわいそうに。じゃあだっこして暖めてあげま」
エイト「(そんなことさせるかー!)ミーティア、待って。このスライムたちはお風呂に入れてあげようよ。
厨房でお湯が沸いているからさ」
ミーティア「そう?じゃ、暖めてあげてね」
エイト「うん。じゃ、ちょっと行ってくるね」
>>153-155「「「ぷるぷる…」」」
エイト「お前ら…がっちり茹でてスライムスープにしてやる…」
>>153-155「「「ぷるぷるぷるっ!!!!」」」
そこは、スライムを虐待せずに優しく接して好青年ぶりを
ミーちゃんにアピールすべきでは・・・・。
保守
保守
姫に近づくものあれば、たとえスライムでも遠ざける。それが主姫クオリティ。
保守。
むしろスープになって喰われたい
DQ8のスライムとミーちゃんの可愛らしさは異常保守
保守
保守
スライム&ミーちゃん=DQ4=ネコ耳ミーちゃんってな妄想にたどり着いてしまった保守
なのかもしれない
保守!
hosyu
9があのシステムだから、ミーたんがドラクエ史上最後の正式なヒロインとなる可能性も。
あわわ、例の発表でスレ乱立中の模様。
保守っていこう。
保守!
今スレ数750くらい。保守。
圧縮こわい保守!ラブラブトロデーンは俺が守る!
hoshu.
俺も保守
保守!!
ほっしゅ。
おはよう保守
うおっ最下層保守!あえてageない…age無いほうがいいのか?
最下位見てびっくらこいたので、保守
oremohoshu.
1bannsitadazo!
daijo-bu?
ほっしゅ!
a.
保守
186 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/12/14(木) 20:45:35 ID:wPeCV/w00
a
保守
ミータン(*´д`)ハァハァ
>188
エイトハケーンw
保守
最下位でなくとも保守
今日もミーちゃんにハァハァしつつ保守
hoshuついでに質問。
オマイらの、ミーちゃんのチャームポイントは何処ですか?
オレは、オデコ。
それと立ち振る舞い(仕草)。
目と眉毛。
悲しそうに眉毛を寄せられて
「そんな ひどい……」
なんて言われちゃった日にゃあ(*´д`)
何度も何度も言っていただきましたw
>195
何度も「そんな ひどい……」と言わせる鬼畜なエイトの図が思い浮かびますたw
>>194 みーたんは何もかもかわいいなあ。
お馬さん時のきりっとした態度も萌えるし、人に戻った時の天然発言もかわいい。
ひんぬーだけどスタイルいいし、エイトがうらやましいw
お邪魔します。プチ話置いていきます。
平仮名が多くて多少読みにくいかと思いますが、ご了承ください。
ふと、どこからか子供の泣き声が聞こえた。
それもうんと幼い感じの声だ。このトロデーンにそんな年頃の子供なんていたっけ…
とりあえず声の正体を突き止めなければ。世の中には子供の泣き声をして獲物をおびき寄せ
る魔物もいる。もしそんな奴がここにいたら…
背負う剣に手を掛けつつ、辺りを窺う。ただ、声が弱々しい上に何かに反響しているせいか
場所を探ることが難しい。それでもこの辺りか、と当たりをつけて城壁に囲まれた角の潅木
の蔭にそっと廻り込んだ。
「ふえっ、ぐすっ、おばあ、ぐすっ、たまっ、ぐすっ」
いた。
一見3、4歳くらいの女の子に見える。でも注意しないと…
「どうしたの?」
もし本物の子供ならきつい物言いではかわいそうだ。できるだけ優しく、でも警戒はしたま
ま声を掛ける。と、女の子が涙を拭いながらこちらを見た。
「おっ、おにいたまは、だっ、だあれ?」
あれっ、知らない子だと思っていたんだけど何だか見たことあるような…
「僕は…」
と言いかけて止めた。自分の持つ称号をこの子供に言って何になるだろう。舌を噛みそうに
なる程長ったらしいあれこれの肩書きなんて、子供には通用しない。だから短くこう言うに
止めた。
「この城に住んでいる者だよ」
でもその返答は意表を突くものだった。
「そっ、そうなの?でもあなたのこと、ちらないもん」
しゃくりあげながらもそう言ってこちらを改めて見る。そうして(その子にしてみれば)精
一杯威張ったつもりでこう言った。
「ここ、みーたんのおうちだからしらないひとはきちゃだめなのっ」
「みーたんのおうちなの?」
みーたん?誰だろう、この子。あれ、でもやっぱり会ったことあるような…
「ちがうの、みーたん!」
どうやら名前が違っていたらしい。一字ずつ強調しながら言ったんだけど、どう聞いても「みー
たん」にしか聞こえない。みーたん?舌足らずな子供の言葉だし…あっ!
「もしかして、ミーティア?」
「そう!」
そうだ、その碧の眼は確かにミーティアのもの。だけど何でこんな子供になっているんだ。
「ミーティアは今、何歳かな?」
「よんちゃいよ。だかられりいなの」
よんちゃいって…ぷぷ、笑っちゃいけないかな。それに得意気に出した指は三本だし。
「それで、どうしてここにいらっしゃるのでしょう、ミーティア姫さま?」
れりいってレディのことかな。そう言っているのならちゃんと扱ってあげようか。そう思っ
て礼儀正しく問いかけると、途端に悲しそうな顔になってしまった。
「あのね…おばあたまにね、あわせてくれないの。きのうね、あそんでくれるって言ったの
にね、おとうたまがね、だめだって言うの」
そう言いながらまた悲しくなってきたのか涙目になってきた。
「お、おめしかえをってくろいドレスになったの。そしてね、おばあたまのおへやにいった
らね、おばあたまおやすみになってて、おきてくださらないの」
「そうですか」
我ながら間の抜けた返答になってしまったけど、どうしようもない。そう、確かミーティア
のお祖母様、先代のトロデーン女王は退位なさった後、ミーティアが四つの時に亡くなられ
たと聞いたことがある。もしかしてその時に行き会ったんだろうか。
「それにね、おわかれしなさいって言われたの。どうしておわかれするの?おばあたまはお
やすみになっているだけでしょ?」
「うーんと…」
何て言ったらいいんだ、こんな時。死んでしまったらもう眼を開けることはないし、本当の
お別れだってことなんて分からないだろうなあ。なんて悶々としていると、さらに衝撃的な
ことを言った。
「おとうたまとなかよくないからいなくなってしまわれるの?」
「えっ」
この話も聞いたことがある。でもそれは厨房の、使用人同士の噂話から聞き知っていたこと
でミーティア自身の口からは聞いたことがない。でもこんな小さい時に気付いていたんだ…
「あのね」
落ち着いてゆっくり話してあげよう。
「お祖母様はね、行かなければならないところに行ってしまわれたんだよ。もう眼を覚ます
ことはないし、一緒に遊んでくださることもないけれど、でもちゃんとミーティア姫さまを
見守っていてくださるよ」
「じゃあもうあえないの?」
あ、まずい。俯いてしまって今にも泣き出しそうだ。
「あのね、ちゃんとお会いできるんだよ。ただ、今すぐは難しいかな。ちょっと時間がかか
ると思うけど…」
こんな適当なこと言っちゃっていいんだろうか。聖職者でもないのに。破戒僧っぷりを披露
してくれたククールでもいいからいてくれたらよかったのに。
「ほんと?」
だけどミーティアは涙の一杯に溜まった眼を見開き、僕を振り仰いだ。
「ほんとにおばあたまにおあいできるの?」
そう言った途端涙が零れ落ちたが、それを拭ってこちらを見ている。その眼差しは真剣で、
子供であっても言い抜けできないと悟った。
「お会いできるよ。きっと、お会いできるよ」
覚悟を決めてゆっくりそう言う。会えるかどうかなんて、多分誰にも分からない。あの天界
を見たっていう賢者の方なら分かるかもしれないけど。この子に必要なのは分からない、と
いう事実ではなくて納得できる答えという真実なんだろう。
「ほんとにおあいできるのね」
それが通じたのか、ふと大人びた表情を覘かせてミーティアはこっくりと頷いた。
「そしたらほら、もう一度ちゃんとご挨拶なさった方がいいんじゃないかな。しばらくお会
いできなくなるんだし」
子供のミーティアはとても可愛いんだけど、こんなところを誰かに見つかったらあまり良く
ない事態になりそうだ。トロデお義父様の溺愛っぷりはよく分かっている。不審人物として
牢に入れられてしまうかもしれない。
「あっ、そっか」
ミーティアはぱちんと手を合わせると、
「おばあたまのところへいく!」
と身を翻して駆け出した。
「気をつけてね。さよなら」
小さく呟いて後姿に手を振ってやっていると、ぱっと立ち止まってこちらに走ってきた。
「どうしたの?」
「あのね、おにいたまのおなまえは?」
「えっ、えと、僕?」
どうしよう、そういえばさっき名乗ってなかったけど、言っていいものだろうか。僕とミー
ティアが本当に知り合うのはずっと先の話なのに。
「えーとえーと…あっ、あいたたたたた」
えーい、ここは腹痛のふりして乗り切ってしまえ。
「痛い痛い、急にお腹痛くなってきた!」
「えっ、おにいたま、だいじょうぶ?」
急な展開にミーティアはおろおろする。ごめんね、びっくりさせて。
「痛いよーっ!」
※ ※ ※
…と、自分の声で目が覚めた。
「はあー…」
ここはトロデーン、ミーティアの寝室だ。隣を確認すると大人のミーティアが眠りを掻き乱
されることもなく安らかに眠っている。
「ミーティア…」
身体を起こし、頬から顔に流れる髪をそっと掻き遣る。大きなお腹が大変そうだったけど、
寝息は穏やかだった。
あの子供はミーティアだったのかな。本当に自分のことを「みーたん」って呼んでいたんだ
ろうか。やっぱり昔から可愛かったんだね。いつか会える、僕たちの子供もあんなに可愛い
んだろうな。
小さな笑いを漏らし、再びミーティアの横に身体を横たえた。
本当にそう呼んでいたかどうかなんて、あまり大事なことじゃないんだ。
今、幼い頃のミーティアに会ったように、もうすぐ僕たちの子供に会えるんだね。その成長
をずっと見ていけるんだね。大事に大事に見守っていこうね…
(終)
…すみません、単に自分で「みーたん」と言う姫が書きたかっただけです。
そういう話です。
>>201 GJ!みーたんも嘘のつけないエイトも、どっちもカワエエー!(;゚∀゚)=3
実はこれがみーたんの初恋だったりしてなw
二人の子供もきっと素直で可愛いんだろうなー
「よんちゃい」って言いながら、指三本出すみーたん、カワエエ(*´д`)
一番夜の長い日に、ほんわかした心の灯火をありがとう。
>>205 みーたんが可愛くて和んだ。いいもの読ませてくれてありがとう。
>>207 馬ならば、別によんちゃいでも不思議ではない。
かのディープインパクトもよんちゃいだし。
更にアドマイヤメイン、メイショウサムソンに至ってはちゃんちゃいだし。
俺はこの4−10−8のちゃん連単一点買いでいこうと思う。
明日で二周年保守
メリクリ保守!!
主姫萌え保守。
明日だっけ、ソード発売って。またスレ乱立するのかな。
保守
み〜たん保守
>>212 ソードじゃそんなしないでしょ。本スレ他とセティアで何個立つか…くらいでね?
まだまだ先だが、DQ9とFF13はマジでヤバいだろうね。
出勤前保守!
ところで、まとめサイトの件はどうなるのだろう?
今さっきクリアしますた
何でもっと早くやらなかったんだろう…いっつも乗り遅れるよ自分orz
王が「こんな娘嫁に貰ってくれる男はいるのかのう」みたいなセリフの時
顔見合わせる主×ミーに禿萌えた(*´Д`)
ところで表しかクリアしてないんだけど、裏までやるべきすか?
主×ミー的観点って意味で
>>216 エイト「僕でよければ是非!」
皆に祝福される裏エンドもいいけど、個人的には自分の真実知った後でも
トロデーンの人間として姫と駆け落ちが好きだ。
>>216 漸く仕事納めの酔っぱらいがマジレス。
ミーたんとエイトのチューが遠目になるけどだけど、見れるよ。
後、お父さんとお母さんの事とか分かるし。
まぁ、真EDみるとチャゴスは本当に噛ませ犬だって思うかも。
俺は仮にミーティアとエイトのカップリングが成立しない展開だったら、
チャゴスとの結婚話はなくなったんじゃないか?と思う。
この結婚話を進めたのも、或る意味エイトへの尻叩きみたいな。
普通に考えりゃ可愛いミーティアを、屑野郎って本性を知ったチャゴス如きにやらないよトロデは。
それなら本人同士が互いに好き合ってて、世界を救った英雄エイトを選ぶと俺は思う。
エルトリオとウィニアが主人公とミーティアに似てると思う。
二人の生まれ変わりじゃないかと思ってしまった。
もしエイトの両親が生きてたら、姉妹のような外見で仲の良い嫁姑と
元気な妻たちに振り回される父子が見れたんだろうなあw
なんだか、この設定でSS書きたくなった。
220 :
216:2006/12/31(日) 01:37:06 ID:b7Q2MZWE0
>>217-
>>218 ありがとうございます
頑張ってレベルageして裏クリアします。チュー見たいw
DQシリーズは今まで普通にゲームとして楽しんでたんですが
この主従カップルにはやられた……鳥山絵に萌える日がこようとは…w
主従関係にあるのに幼馴染でかつ兄妹のように育ったのいうのが堪らなく良いよね。
両親に比べると二人は生真面目で控えめな感じだから、
もし城が襲われずに平和に過ごしていたら結ばれなかったかもしれないね。
でも旅の中でエイト自身が成長しただろうし、
途中で出会った仲間や信頼してくれたトロデとグラビウス、そして両親を引き裂いたグルーノに後押しされた感じかな。
つまり杖を奪われなかったら平和なままで、過酷な旅に意味は無かったように見えるけど、
二人にとっては大いに意味があったんじゃないかと思う。
>>221 激しく同意。お互いに胸に潜めていた恋心が、過酷な旅を通して一層強くなっとか。
ふしぎな泉で元の姿に戻れたが、すぐに戻ってしまったミータンと、それを見たエイトの
喜びと切なさは如何程だったのだろうね。
このスレまだ、あったんだ。感激!!!!!
あけおめ
保守
>223
もしや初代1氏?
心おきなく主姫萌えを叫ぶことができるスレがあってうれしいよ。
ゴルドの中心で愛を叫ぶ
あけおめ
みんな何回くらいプレイしてる?
現在三回目クリア直前。今度こそ目指せ一口馬主!
獣姦
保守
これから始まる つらい旅
ドルマゲスに 馬にされ
エイトの幼なじみ ミーティアたん
今日はバースデー でも雑草
走れ走れ ミーティアたん
ドルマゲスを 追いまくれ
飲めや飲めや ミーティアたん
泉の水を 飲みまくれ
2
ラプソーン倒し 戻れたよ
チャゴスと結婚 マジ勘弁!!
アルゴンリングで 主人公と
めでたく二人は 結ばれる
ズコバコズコバコ ミーティアたん
優秀なサラブレッド 産(ツク)るため
あんやめていやんはぁん ミーティアたん
タネ馬同然 主人公
「こほん!…えっと、近衛兵エイト!
…んっと…これより一時の間、ミーティアと話す時は…
敬語も敬礼も使ってはいけません!ここは2ちゃんです。」
はじめてみたときその髪型なんとかなんねーのと思った
やっと真ED見た━━━(゚∀゚)━━━!!
正月からええもん見せてもらったわ
クラビウス王にアルゴンリング見せた後、
早く話進めたくて城内探索しないまま翌日迎えちゃったんだけど
ミーティアや他メンバーと会話出来たのかな?
だとしたらチョト残念…(´・ω・`)
>>234 ミーティアとは話せないよ。ただ、「チャゴス氏ね」とは思うw
皆はどこら辺で主姫を期待した?
私は当時、DQ8発売日が何日か過ぎても買ってなかったんだけど、
友達から馬が姫であること、そして主人公はその姫の国の兵士であることを聞いた途端、
この設定はもしや!?と主姫を期待して早速DQ8を購入したなw
当時はプレイする前にネタバレを聞いた時、
馬の正体がそんなに序盤(と言うかオープニング)で分かるものなのかと驚き疑ったりもしたなぁ。
OPからですが何か?
>>235 ありがとう。
チャゴスとの会話は想像つくからいいやw
でもチャゴスのお陰であのEDが存在するわけだからGJなのかも。
>>236 自分はありきたりだが泉で生ミーたん見た時から。で、EDでとどめ刺された。
ドラクエをキャラ(カプ)萌え目当てでプレイしたことなかったからビクーリ&ヒャッホウ!みたいな。
私たち 純真無垢のドラクエ幼馴染みカプオクテット
ゆりかごからお墓まで いつまでもラブラブし続けますわ!
+  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
. _ . ,; =:ー、、 love love
. ,'´ .__ _ヽ _ _. + 〃,;:三三) +
i /メ))ヘゝ´, -、ヽ , ' ,.⌒;ヽ卅゙卅! )ヽ.〃二 、.⊆⊇. ∠,  ̄ 丶;.'ニニヽ +
+ .(ソゞ(.^ヮ^ノ.川―゚ー!| ! ノノ"ヾ)ヮ^ノ )ノ;>O<,'.==、.ヽ. / ,,、=yハ( )从ハ
. K゙ヽY/ス|!(|^ヮ^ノl ゞ ,リ゚.ー^どミ) 彡ン(,.゚.ヮ〈ノハヾ、i.l ヾ/*^ヮ(’n.’*;リノ、
U〉-l=ト!m)|ト-チiつ(y)ブ(つ-cE! + "K丶-"从ー^.iフi. "(,.べV/:/〃O从
love /エ_iイi_〉ソリ゙/iヾi! (y)ソ_i_」,〉ヾ、;,ゝ. 〈仁∪=0=iJ⊂)゙ノリ ん∩、`~_ノ.∪
|-/|-| んレ';_!_リゝ ’".(_ノノ=/|=l Lヽ_ゞ. i.__ゞ. し'.じ' +
 ̄  ̄ +  ̄  ̄ し'`J じヽ.) love
エーこのたび、公営ギャンブルをどのように廃止するかという問題につきまして、
慎重に検討を重ねてまいりました結果、
本日の第4レース本命はバカオージチャゴス、
穴馬はアッと驚く大三元という結論に達したのであります。
各馬ゲートインからいっせいにスタート!!
第2コーナーをまわったところで先頭は予想どおりバカオージチャゴス!!
さらに各馬一団となって、カイブツトロデオー、シュジンコーエイト、オッサンヤンガス、ゼシカデカメロン、
キザククール、カナシドルマゲス、メタボデブソーン、モエモエミータンとつづいております!
さて今、第3コーナーをまわって第4コーナーにかかったところで先頭は予想どおりバカオージチャゴス!!
期待のモエモエミータンは大きく遅れて第10位というところであります。
さあ、最後の直線コースに入った!
ああ!モエモエミータンがでてきた!
モエモエミータン速い!!
モエモエミータン速い!!!
トップのバカオージチャゴスが逃げきるか!!!
モエモエミータンかバカオージチャゴス、バカオージチャゴスかマドノユキ、ミーティアチャゴスは別れゆく!!!!
あーっとさらにさらに、シュジンコーエイトも出てきた!!
モエモエミータン速い!!
シュジンコーエイトも速い!!
期待のバカオージチャゴスはまさかの大損!デブな魔王はラプソーン
そして二頭の馬にラブソングをということで本日のレース終了であります!!!
>ドラクエをキャラ(カプ)萌え目当てでプレイしたことなかったからビクーリ&ヒャッホウ!みたいな。
わかるw自分は鳥山ヲタでもあるから、主姫でハッピーエンドになっただけでも嬉しかったのに、
そのうえ鳥山絵でラブシーンが見られるなんて二重の喜び&サプライズで顔のニヤけが止まらんかったw
コミック化も小説化もされてないなんてつくづく惜しいなあ…
姫→主の描写はほんわかとあるけど
主→姫はラスト以外ほとんどないから少々不満なんだが
考えてみれば身分違いはもちろん
親父が24時間監視してるんだもんなw
水浴び(風呂)とかはやっぱりゼシカの担当だったんだろうか
>>242 エイト希望
トロデも姫が馬状態なので油断してるはず
その隙を狙って 泉へと飛ぶのだ
ミータンのために保守
お邪魔します。ss置いていきます。
すごい雪でがすねえ。あっしはずっとパルミドで育ってきたもんで、こんなにたくさんの雪を見たのは初めて
でがす。でもメディばあさんのヌーク草の茶のおかげでぽかぽかで歩いていたんでがす。
「すばらしいのう、このヌーク草とかいう茶の効き目は。よし、復興の暁には我がトロデーンでも育てようぞ」
おっさんが御者台で一人ぶつぶつ呟いていやした。まあ、あっしらも慣れたもので「はあ」とか適当にあしらっ
ていたんでがすが、急に兄貴を呼んだんでがす。
「これ、エイト」
「はっ」
それまで足場を見ながら身長に馬姫様の轡を取っていたんでげすが、急に振り返ったんでがす。が、その途端
馬姫様が氷でも踏みつけたんでがしょう、よろけたんでがす。
「あっ、姫様」
馬が転んで骨でも折ろうものならえらいことになるでがす。兄貴は慌てて首を抱いて支えようとしやした。
「痛っ」
何とか馬姫様を支えきったんでがすが、今度は兄貴が足を挫いてしまったんでがす。
「兄貴!」
「ヤンガス…大丈夫。袋から薬草取ってくれないか」
「合点でがす!」
薬草を渡すと、兄貴は眉を顰めながら靴を脱ぎ、手早く足首に貼り付けやした。と、馬姫様がつと進み出て兄
貴の肩に頭を乗せたんでがす。
「姫様?」
怪訝そうな兄貴に「ぶるるるる」と鼻を鳴らす様は、明らかにしょげていたんでがす。兄貴もそれに気付きや
した。
「姫様、どうかお気になさいませんよう。薬草も使いましたし、大したことはございません」
「ヒン…」
どう見ても馬なんでがすがねえ、時々兄貴とおっさんとはちゃんと話が通じているように見えるんでがすよ。
まあ中身は人なんでがすがね。
「うーむ、これは盲点だったの。次の街に着いたら滑り止めの付いた蹄鉄か何か探した方がよいじゃろうな」
「はっ、直ちに」
おっさんも少しは気にしたのか、前に出て様子を見ていたんでがすが、大丈夫そうだと思ったのかさっさと御
者台へ戻りそんなことを言っていたんでげす。そんなことより兄貴の足でがしょうが。全く人遣いが荒いんで
がすから…
「そうね。私たちも滑り難い靴にした方いいかも」
「おっ、それはオレを心配してくれているのか、ハニー?」
「誰がハニーよっ」
ゼシカの姉ちゃんの意見ももっともでがす。まあその後のククールの奴とのやり取りも毎度のことでがすが。
「ゼシカ、頼むから無駄に呪文使わないでよ。この先どんな魔物が出るか分からないんだし」
「分かってるわよ。あーでも氷漬けにしてやれたらどんなにすっきりするかしら」
怖い、怖いでがすよ。強ち冗談とも言い切れないところがまた。兄貴もそう感じたんでがしょう、寒さだけと
も言い切れない身震いを一つして、
「止めちゃってごめん。さあ、行こうか」
と先を促したんでげした。
※ ※ ※
オークニスとか言う街に着くと、あっしらは早速買い物に走ったんでげす。もちろんメディばあさんの使いを
忘れた訳じゃあねえんでがすが、届ける本人がいないんじゃ仕方ねえ。探しに行くにしても装備をちゃんとし
ておかねえと返り討ちにされそうな程、ここいらの魔物にはてこずらされていたんでげした。
あれこれ買い込んで財布もすっかり軽くなった頃、
「ちょっと先行ってて」
と兄貴が顔を赤くしながら近くの店に入っていきやした。見ると女物の服や小物を扱う店のようでがす。
「あっしも行きやしょうか」
と言ったんでがすがねえ。
「いや、いいよ。恥ずかしい思いをするのは一人でいいから」
一人で入る方がもっと恥ずかしいと思うんでがすがねえ。
そんなこんなで店を出て来た兄貴は何か包みを隠すように持っていやした。それをククールが目敏く見つけた
んでがす。
「おっ、何だ?ついに伝説のエッチな下着でも…」
「うるさいっ!」
兄貴の雷が奴の頭上で炸裂したんでげした。
※ ※ ※
次の朝、宿を出て馬車のところに行くと、案外元気そうなおっさんが待っておりやした。
「おお、早かったの。温石(おんじゃく)とかいうもののおかげで一晩中暖かじゃったぞ。さて、行くとしよ
うか」
そういえば宿の暖炉に石が入って真っ赤に焼けていやした。時々取り出して布に包んでどこかに持っていって
やしたが、それだったんでがすね。
「その前に、その…」
と、兄貴が袋から取り出したのは昨日の包みでがす。
「何じゃ?滑り止めの蹄鉄は昨日打ち換えておった筈ではなかったのか」
「はい、あのう、恐れながら、この雪では姫様も寒かろうと思いまして…」
と包みから出したのは真っ赤な毛糸のレッグウォーマーでげした。
「足首の辺りを覆うだけでも少しはお楽になられるかと。このような色しかなかったのですが…」
「おお、それはよい考えじゃ。姫、どうかの」
怖ず怖ずと馬姫様の前に差し出すと、嬉しそうな嘶きが返ってきやした。
「では失礼いたします」
白い馬体に赤い毛糸の靴下は何とも目立ちやす。
「まあ、かわいい。私も買ってこようかな」
ゼシカの言うことももっともなんでがす。が、この寒空の下いくら魔法で守られているからとはいえビキニ一
枚でうろうろしていたら見ているこっちが寒いんでげすが。
「お待たせ」
そこへ何やら用事があるとかで遅れていたククールが合流しやした。と、馬姫様の足に目を遣るとにやりと笑
い、兄貴の肩を一つ叩いたんでがす。
「さあ、行こうか」
ぷい、と横を向いた兄貴でげしたが、まんざらでもない顔でそう声を掛け、今日の旅へと出発したんでげした。
でも、四つの靴下のうち一つだけ編みが緩かったんでげしょう。歩くうちに前足の片方だけが下がってくるん
でげす。それを兄貴が直してやるのでがした。
(終)
有馬記念のあのお馬さん見ていたら何だか白い靴下履いているように見えたので、こんな話に。
一応前に書いた、子供エイトがみーたんから靴下貰う話に関連しています。
ほしゅ
小説GJ
次に買うのはソックタッチだねw
保守
保守
保守
風邪ひいた。ミータンに介抱されたい保守。
エイト「げほげほっ、風邪ひいちゃったみたいだ…」
ミーティア「まあ、大丈夫?熱は?」
おでこで熱を測ってくれるみーたん。
エイト(やったー!)
ほしゅ
閉鎖しなくてよかったよ保守
保守
ほしゅ
保守!!
相変わらずまったりした良いスレだ保守
保守保守!
今日も必死に保守
私たち 純真無垢のドラクエ幼馴染みカプオクテット
ゆりかごからお墓まで いつまでもラブラブし続けますわ!
+  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
. _ . ,; =:ー、、 love love
. ,'´ .__ _ヽ _ _. + 〃,;:三三) +
i /メ))ヘゝ´, -、ヽ , ' ,.⌒;ヽ卅゙卅! )ヽ.〃二 、.⊆⊇. ∠,  ̄ 丶;.'ニニヽ +
+ .(ソゞ(.^ヮ^ノ.川―゚ー!| ! ノノ"ヾ)ヮ^ノ )ノ;>O<,'.==、.ヽ. / ,,、=yハ( )从ハ
. K゙ヽY/ス|!(|^ヮ^ノl ゞ ,リ゚.ー^どミ) 彡ン(,.゚.ヮ〈ノハヾ、i.l ヾ/*^ヮ(’n.’*;リノ、
U〉-l=ト!m)|ト-チiつ(y)ブ(つ-cE! + "K丶-"从ー^.iフi. "(,.べV/:/〃O从
love /エ_iイi_〉ソリ゙/iヾi! (y)ソ_i_」,〉ヾ、;,ゝ. 〈仁∪=0=iJ⊂)゙ノリ ん∩、`~_ノ.∪
|-/|-| んレ';_!_リゝ ’".(_ノノ=/|=l Lヽ_ゞ. i.__ゞ. し'.じ' +
 ̄  ̄ +  ̄  ̄ し'`J じヽ.) love
この恋はハピで止まります。
お邪魔します。季節外れですが保守代わりにどうぞ。
ラパンさんからの依頼を受けた私たちは、キラーパンサーに乗ってそれらしい場所に辿り着いていた。
「ここで明け方まで待ってりゃいいのか?」
「うーん、そうだと思うんだけど…」
ククールの疑問ももっともだと思う。だって四匹のキラーパンサーの像の視線が交わる場所って言われたけれ
ど、ここには何の目印もないんだもの。エイトが歯切れ悪くなるのも仕方ない。
「そもそもあんなところに寄るから余計なこと頼まれてんじゃねーか。好奇心も大概にしろよ」
「おい、兄貴に文句言うんじゃねえ」
エイトに愚痴の矛先が向かったと思った瞬間、ヤンガスが凄んだ。
「文句言っている暇があったら野営の準備でもしろ」
「あーはいはい」
うーん、上手いわ。お子様よろしく文句ばかり言うククールをあっさり黙らせるなんて。自分より年下のエイ
トを兄貴と呼んでいるあたりは変だけどね。でも、ヤンガスって一体何歳なのかしら。あのゲルダさんとお知
り合いなんだし…そういえばゲルダさんも年齢不詳だったわ。
「そうね、木が出てくるまで待たなきゃならないんだし、せめて楽にできるようにしてましょ」
「そうじゃな、ゼシカの言う通りじゃ。ほれ、喧嘩せんでさっさと野営の準備せい」
薪を集めて火を熾したところでそれぞれ夕食の準備に散った。取り合えず火の様子を見た後、水を汲みに水辺
に行くとエイトが真剣な顔で水面を見詰めている。
「エイ…」
呼びかけて、飲み込んだのは他でもない、姫様が一緒に水面を覗き込んでいたからだった。人と馬、と言うに
はあまりに人らしく、主と従者というにはあまりに親しげな様子に声を掛けて邪魔するのは憚られて、そっと
その場を立ち去る。
途中、適当な場所で水を汲んで火の側に戻るとトロデ王様だけが座って火の番をしていた。
「おお、ゼシカか。魔物には遭わんかったかの?」
確かに元王様だけあって、横柄な物言いをする。最初はいちいち腹を立てていたんだけど、案外的確な指示を
くれるのよね。今は煩がりつつもちゃんと話は聴くようにしている。
「ええ。ヤンガスとククールは?」
「奴らは狩に行きよった。ワシに火の番を押し付けての。この姿でなければトロデーン一の狩の腕前を披露し
てやれるというのに…」
ぶつぶつ愚痴り始めたので適当に聞き流しつつ鍋に水を入れようとした。が、その時突然声を掛けられて手が
止まった。
「エイトと姫はどこにおったかの」
「えっ」
「ほれ、気を付けんかい。水が零れとるぞ」
「あ、いけない」
気を付けないと。水を汲みに行くのも結構大変なんだから。
「それで、あの二人はどこにおったかの」
「どうして二人一緒にいるって…」
言った後ではっと口を覆う。急なことでつい動転し、二人が一緒にいることまで明らかにしてしまった。トロ
デ王様は人の悪い笑みを浮かべてこちらを見ている。
「『ヤンガスとククールは』と言ったじゃろう。それでエイトと姫には会ったと分かったのじゃ。じゃが二人一
緒だったとは知らなんだ」
「えっと、その…」
言うべきではなかったのに、と慌てて取り繕うとするのを制し、続ける。
「ワシは悪いとは言っとらんぞ。エイトも漸くそこそこの強さを見せるようになってきおってまあ心配はなか
ろうし」
何かずれているような気がするんだけど、まあいいかしら。
「それで、何をしておったかの」
でも追求はしたかったみたい。やっぱり気になるのかしら、年頃の子供がいると。
「そこの川辺で何か釣っていたわ。姫様は横で物珍しそうに覗き込んで」
「そうか」
と王様は頷くと、
「今夜は野宿じゃ、せめて美味しい夕食を食べるとしようぞ」
※ ※ ※
その日の夕食は思いの他豪華なものになった。ククールとヤンガスの狩はうまくいったらしく、野ウサギを二
羽仕留めてきてくれた。それをエイトがハーブを詰めて木の葉に包んで火の下に埋めて蒸し焼きにしてくれる。
私が摘んだ野イチゴはソースになった。エイトも鱒(ます)を数匹とザリガニをたくさん釣ったらしく、塩と
ハーブでバター焼きにした。何しろバターとチーズには不足しない旅だったし。
「王様、こちらを」
とエイトが差し出したカップには何とスープが入っている。
「ほお、久方ぶりじゃの、斯様なスープを食すのは。何のスープかの」
嬉しそうにカップを覗き込む王様にエイトは困ったような顔をした。
「はい、あのう、恐れながら、ザリガニのクリームスープでございます」
「えっ、ザリガニなんて食えるのかよ。あんなのてっきり豚の餌だと思ってたぜ」
ククールは尻込みしたけど…案外美味しいんじゃないかしら、これ。
「本来はワタリガニと手長エビで作るものなのですが…古いパンを使ってしまいたかったので」
「うむ、めでたき鄙(ひな)の珍味じゃな。さて、食すとしようかの」
王様の言葉を潮にそれぞれ火を囲んで座る。語らいながら食べる食事はとっても楽しかった。
「そうじゃ」
ふと何か思い出したように、トロデ王様がにやりとした。
「おぬしかつて姫とザリガニ釣りしたことがあったの」
「えっ、あのっ、は、はい」
不意を突かれてエイトは動揺している。
「懐かしいのう。二人とも泥まみれで帰ってきたと思えば、おぬしのポケットからはザリガニが大量に出てき
て」
その言葉は単に過ぎ去った昔を思い出しているだけのものだったけど、エイトは畏まった。
「も、申し訳ございませんでした。分別がつかない子供であったとは言え、トロデーンの王女たる姫様をその
ようなことに巻き込んでしまって」
「いいのじゃよ。聞けばそのうちの数匹は姫が釣ったというではないか」
「お、恐れ入ります…」
今明かされる姫様衝撃の子供時代。エイトはますます畏まった。
「さすがにあの時は驚いたものじゃが。じゃがのう、おぬしと外に出て遊ぶようになってからというもの、姫
はすっかり健康になったのじゃよ。それまではしょっちゅう熱が出たり酷い咳が止まらなくなったりと大変
じゃったのに」
ずっと頭を下げていたエイトがはっと顔を上げる。視線の先で王様がにこにこしていた。単に美味しい食事で
機嫌がよくなっていただけなのかもしれないけど。
「それだけでも価値のあることなのじゃよ」
「はっ、ありがたきお言葉にございます」
王様の側に近寄ってきた姫様が肩にそっと頭を乗せる。まるで父親に甘える子供のように。
「おお、姫もそう思うか。良い家臣を持ったの。拾った時はこうなると思わなんだ」
こうして見ると緑のおじさんもちゃんと王様に見えるから不思議よね。普段のほほんとしているエイトもここ
はちゃんと家臣の顔になっている。その顔を見ているうちに胸の奥に痛むものを感じた。
エイトがトロデ王様に忠誠を誓っているのは本当だろう。きっと心底剣を捧げているに違いない。では、姫様
へは?ただの忠誠心以上のものを抱いてはいない?そしてその想いは許されるものではなく、決して報われな
いものだと分かっているのかしら?
…いいえ、分かっているでしょう。姫様を見遣るエイトの眼には敬いと思慕、そしてそれを抑え隠そうとする
思いが見え隠れしている。分かっていても抑え切れるものではないのかも。
もしこの旅が終わったら、王様はどうするのかしら。おとぎ話では姫君を助けた勇者はその姫と結婚するもの
なんだけど。でもサザンビークの王子と婚約しているんじゃ…余程相手が酷いかエイトの立てる功績が大きい
かでないと駄目なのかな。
エイトも大変よね。旅だけじゃなくてそれ以外にもあれこれ考えなくちゃいけないなんて。大して年が違う訳
じゃないのに。
私は今までずっとそういうことは考えないようにしていたし、これからもそうだと思う。だって今は一日も早
くあいつを倒したい。兄さんの命を奪ったあいつがのうのうと生きているなんて許せないもの。
今は、それだけを…!
(終)
日本全国寒い日に寒々しい話ですみません。
ザリガニは実際結構いけるらしいです。
アメリカザリガニ(体が赤いやつ)は元々食用として輸入されたものだったし。
私たち 純真無垢のドラクエ幼馴染みカプオクテット
ゆりかごからお墓まで いつまでもラブラブし続けますわ!
+  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
. _ . ,; =:ー、、 love love
. ,'´ .__ _ヽ _ _. + 〃,;:三三) +
i /メ))ヘゝ´, -、ヽ , ' ,.⌒;ヽ卅゙卅! )ヽ.〃二 、.⊆⊇. ∠,  ̄ 丶;.'ニニヽ +
+ .(ソゞ(.^ヮ^ノ.川―゚ー!| ! ノノ"ヾ)ヮ^ノ )ノ;>O<,'.==、.ヽ. / ,,、=yハ( )从ハ
. K゙ヽY/ス|!(|^ヮ^ノl ゞ ,リ゚.ー^どミ) 彡ン(,.゚.ヮ〈ノハヾ、i.l ヾ/*^ヮ(’n.’*;リノ、
U〉-l=ト!m)|ト-チiつ(y)ブ(つ-cE! + "K丶-"从ー^.iフi. "(,.べV/:/〃O从
love /エ_iイi_〉ソリ゙/iヾi! (y)ソ_i_」,〉ヾ、;,ゝ. 〈仁∪=0=iJ⊂)゙ノリ ん∩、`~_ノ.∪
|-/|-| んレ';_!_リゝ ’".(_ノノ=/|=l Lヽ_ゞ. i.__ゞ. し'.じ' +
 ̄  ̄ +  ̄  ̄ し'`J じヽ.) love
この恋はハピで止まります。
保守
保守
人がいないんだろうか…保守
保守!
保守代わりにネタを振ってみる。
エイトとみーたん、夫婦喧嘩するならどういう理由だろう?
個人的にはいつでもどこでもエイトがちゅーしようとしてくるのを止めようとして言い争い、を推すw
ウィキには微妙に貧乳って書いてあった。
バチバチバチバチ……ギガデイーン!!
最下層保守
保守。
今日も保守
保守
285 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2007/02/15(木) 23:45:27 ID:fjgvf6XrO
最下層age
保守
保守!
保守
捕手
保守
保守
保守
フローラはウザいが馬姫様は許せる。てか萌え。
|┃≡
|┃≡
|┃ ∞0∞ ここの姫も無限ループを使うんですって!?
ガラッ.|┃〃/ハ)ヽ) お友達が増えそうな予感!
.______|┃Jハ’∀’ル
| と l,)
______.|┃ ノーJ_
保守!!
ローラktkr
そんな ひどい…
トロちゃんの怒り顔が良かった。
>そんな ひどい
それは無限ループの呪い
でも、夜は違います
300ゲトー!
ついでにssおいていきます。
ふと眼を離した隙に、あの方のお姿が消えてしまった。
いつもの散歩、いつものように先を行くあの方─ミーティア。その様子はいつもと変わりなく、花々を愛で、
空を見上げ、遠くの景色に眼を遣り、そしていつものように後ろに控える僕に一言二言言葉を掛ける。人目を
憚るように。僕もまた、一言二言答えるのが常だった。人目を憚って。
けれどどうしたことだろう。先を行くミーティアが薔薇の垣根を曲がり、そのすぐ後に続く僕が角を曲がった
時にはもう、影も形もなくなっていたのだ。
「姫様?」
返事はない。風にそよぐ薔薇の葉の、さやさやという音ばかり。
「姫様、どちらに─」
と言いかけた時、葉擦れの音に交じって風が衣擦れの音を運んできたのに気付いた。振り返るとどこでどうや
ったのか、ミーティアが裾を翻して小路の奥へと駆け込もうとしている。
「姫様」
返事はない。ただ駆け去ろうとしている足音ばかり。
「急にいかがなさいましたか」
僕をからかっているんだろうか。でも、一人にする訳にはいかない。城の中だって誰が潜んでいるのか分から
ないのに。
「お待ちを、姫様」
幸か不幸か庭には誰もいなかった。誰かいたなら協力してミーティアを追うことができただろう。でもこんな
ところを見られる訳にはいかなかった。いつ何時誰が姿を現すか分からない。早く捕まえなければ。
ミーティアが逃げる。僕が追う。もう少しで追いつく、と思った瞬間もあったけど、するりと身をかわされて
逃げられてしまった。
「姫様」
追わない、という選択肢はなかった。どこまででも追いかける、そして自分の手で捕まえる、そんな思いが僕
を駆り立てる。
でも終わりはやってきた。ふいっとミーティアが曲がった小路、追いかけて駆け込もうとした僕は足を止めた。
この道を行ったのなら、先回りできる筈。そう考えてミーティアが入り込んだ小路とは反対側の小路へ入り、
曲がり角の陰で息を潜めて待ち構えた。
何も知らないミーティアの軽やかな足音が近付いてくる。一層気配を殺して静かに待ち構えていると、不意に
ミーティアが後ろ向きでこちらに入ってきた。まるで後から追いかけてくる筈の僕を待ち構えようとしている
かのように。
「姫様」
そっと呼びかけると、ぱっとこちらを振り返り、慌てて逃げようとした。その手を僕が捕らえる。
「いかがなさいましたか。今日は少々悪戯が過ぎるのではございませんか」
僕の問いにも答えず、ただ、僕の手から自分の手を引き抜こうとしている。いつもならそんなことしないのに、
つい、僕も外された指をまたミーティアの手に絡ませていた。離すまいとするかのように。
「だって」
漸くミーティアが口を開いた。
「エイトが追ってくるのですもの」
「姫様がお逃げになられるからです。お一人にする訳には参りません」
僕に責任を転嫁するかのような言い草にちょっとむっとして、強い口調で言った。その言葉にミーティアがぱっ
と顔を上げる。その途端、視線がぶつかり合った。
「だったら」
ミーティアの口調は静かだったけど、強い意志をはらんで僕の心に突き刺さる。
「エイトも逃げないで」
淡々として、むしろ優しい口調だったのに、なぜか厳しい叱責のように響いた。己の怯惰を見透かされたよう
で。
「僕は─」
一瞬身の内であらゆる感情が嵐のように吹き荒れた。ミーティアへの想い。それを押し殺そうとする理性。王
家への忠誠。息を深く吸い込む間に決着がついた。
「逃げません。決して」
自分でもずるいと思った。でも他にどう答えるというのだろう。
どんなに慕わしく想っていたとしても、それを表に出すことはできない。ならばただひたすらに身の内に隠し、
眼を逸らし続けるのが一番簡単だった。それをするな、というミーティアの言葉は耳に痛かった。
本来ならそこで向き合うべきだったのかもしれない。だけど弱い僕はそれをしなかった。ただ身体的にミーティ
アの前に立って賊や敵から身を挺して守るという忠誠の意味だけを込めて言ったのだ。
気付かれたくなかった。だけど気付かれていた。
「…そう」
一瞬悲しそうな光が眼の中を過ぎる。でもそれはすぐに隠されて快活な様子にとって変わる。
「ありがとう、近衛兵さん」
そう優しく微笑むミーティアの顔を見た時、身体の奥がしく、と痛んだ。
もっと強かったなら。ミーティアが行ってしまうその日まで焼け付く痛みに耐えて守っていけるだろうか。自
分の想いから逃げずに済むのだろうか。
「お疲れになられたのではございませんか。大分走られましたし」
でも弱い僕はただ、体面ばかりを慮っていた。
「…ええ。戻ります」
素気なく言うと、ミーティアは向こうを向く。自分の弱さが見透かされたようで恥ずかしかった。
「手を」
そう言われ、ずっと手を握ったままだったことに気付く。慌てて離すと、僕の指の痕がミーティアの白い手に
赤くくっきりと残っていた。
せめて、強くなれるよう。何者からも逃げることのない心を持てるよう。いつまでも、ミーティアをただ、慕
い続けるだけでいられるよう…
(終)
二人とも16、17歳ぐらいの話で。
乙です。
手を握りっぱなしでカッコつけていたのかエイトw
切ないのに(´∀`)ホワーン
保守
307 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2007/03/07(水) 12:58:44 ID:3tBQZvS/O
下がり過ぎあげ
保守
ミーティア好きだけど一人称が「ミーティア」っていうのがなんか嫌だ
310 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2007/03/12(月) 00:46:31 ID:9FDdwfcM0
ぐぼ
>309
確かにみーたんは自分を「ミーティア」と言う。
が!
それは対主人公の時だけ。
他の人(トロデパパに対してさえ)には「私」と言い分けている。
それだけ主人公に対する何かがあると思わないか?
みーちゃんはおひめさまなの。
だからじぶんのことなまえでよんじゃいけないの。
でもえいとのまえではただのおんなのこなの。
みーちゃんはね
ミーティアっていうんだ ほんとはね
だけどちっちゃいから じぶんのこと
みーちゃんって よぶんだよ
かわいいね みーちゃん
みーちゃんはね
エイトがだいすき ほんとだよ
だけどちっちゃいから エイトを
はんぶんしか たべられないの
かわいそうね みーちゃん
>>312-314を読んだ人は、今夜エイトの絵を枕元に置いて寝ないと
ミータンに体半分もっていかれるんだな
皆に触発されて書いてみた。苦手な人はスルーよろしく
DQ[-2
〜これまでのあらすじ〜
結婚式を滅茶苦茶にされた腹いせにミーティア姫をさらったチャゴス
エイトはミーティア姫がいなくなったショックから自室に引き篭もりがちになってしまう
そんなある日チャゴスから手紙が届いた。『ミーティア姫を預かってるからとっとと助けに来いよ』
3日3晩悩んだ末にニート生活から脱し、捕らわれたミーティア姫を助けに行くことを決意したエイト
幾多の山川を越えついにチャゴスの雇った四天王と対峙する!
エイト「チクショオオオオ!くらえデブソーン!ギガスラッシュ!」
デブソーン「さあ来いエイトオオ!オレは実は一回刺されただけで死ぬぞオオ!」
(ザン)
デブソーン「グアアアア!こ このザ・フジミと呼ばれる四天王のデブソーンが…こんな小僧に…バ…バカなアアアア」
(ドドドドド)
デブソーン「グアアアア」
ワワール「デブソーンがやられたようだな…」
ゼツカ「ククク…奴は四天王の中でも最弱…」
ヤソガス「勇者ごときに負けるとは四天王の面汚しよ…」
エイト「くらえええ!」
(ズサ)
3人「グアアアアアアア」
エイト「やった…ついに四天王を倒したぞ…これでチャゴスのいる部屋の扉が開かれる!!」
チャゴス「よく来たな勇者エイト…待っていたぞ…」
(ギイイイイイイ)
エイト「こ…ここがチャゴスの部屋だったのか…!感じる…チャゴスのオーラを…」
チャゴス「エイトよ…戦う前に一つ言っておくことがある お前は私を倒すのに特に何も必要ないと思っているようだが…実際何もなくても倒せる」
エイト「な 何だって!?」
チャゴス「そしてミーティア姫はやせてきたので最寄りの町へ解放しておいた あとは私を倒すだけだなクックック…」
(ゴゴゴゴ)
エイト「フ…上等だ…オレも一つ言っておくことがある お前は従兄弟のような気がしていたが別にそんなことはなかったぜ!」
チャゴス「そうか」
エイト「ウオオオいくぞオオオ!」
チャゴス「さあ来いエイト!」
エイトの勇気が世界を救うと信じて…! THE END
チャゴス「おまえがトマトか」
エイト「おれがポテトだ!」
まそっぷ
ちょwwwwwwwww後半部分
もろ某マンガ日和やん
過疎ってるな・・・
俺が変なものを投下したばっかりに・・・
皆すまん・・・
むしゃくしゃしてやった反省はしていない
なんの。
またなにか思いついたらよろです。
今更ですがDQ8プレイ中。
丁度先ほど「今日は誕生日。でも食事は雑草」を見ました。泣けました。
みんなの反応が読みたくなってクリアまで封印するつもりだった2ちゃんを閲覧。
きっと発売当初ならこのイベント絡みで盛り上がってただろうと思うと、今まで
遊ばなかったことが悔やまれますが、自分の望むエンディングが用意されている
という事実が分かっただけでもこの先クリア目指して頑張れそうです。
泉での会話でエイトの知られざる秘密が段々解ってきて楽しかったな。
普通は最初に主人公がどんな人物か説明されるのに、ゲームやっていく中で
実は近衛兵だったり、元小間使いだったり、姫と幼馴染だったり、解っていくのは珍しいと思った。
保守!
保守
保守っていこう
328 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2007/03/26(月) 21:48:24 ID:M9kUAMi0O
たまには上げておこう
保守
保守代わりにss置いて行きます
王家の者の身体には青い血が流れているという。
勿論それは比喩に過ぎない。庶民に王家への畏怖と王権への畏敬の念を起こさせるために生み出された説だ。
王権が神から授けられたものであり、余人に犯すべからざる神聖なものであると知らしめるための。
それでも僕は幼い頃、それが真実であると信じていた。トロデ王様もあの方─ミーティアにも、青い血が流れ
ていると。どんなに親しくなっても赤い血の流れる僕とは世界の違う方々なのだと心のどこかで一線を画して
きた。
なのに、どうして今になって─
今、僕の手の内にある指輪が全てを物語る。身体の中を流れる血の半分は王族のものであると。それもアルゴ
ンリングを戴く正式な妃から生まれた正嫡であると。
だがそれに何の意味があろうか?父は約束されていた玉座への道を捨て、母を追って竜神族の里の近くで命を
落とした。僕の存在を知ることもなく。
それに今更「お前はサザンビークの王族で王位継承権を持つ可能性がある」と言われても、それがどうした、
という気にしかなれない。父祖の国かもしれないし、父には申し訳ないとは思うが、僕の故郷はトロデーン。
明るい南国の光が降り注ぐあの国ではなく、北の荒波に洗われるこの国だとしか思えない。
だからこそ僕は、自分の出生を知り旅が終わってもトロデーンに留まり続けた。トロデ王様もをそれを了とし、
今まで通り仕えることをお許しくださっている。ありがたいことに特別扱いはしない、とも仰ってくださった。
その代り、
「決して自らの出生を明かすでないぞ」
と厳命された。サザンビーク王家の血を引く僕がこの国に存在することが知られれば、国際的な紛争の火種に
なるだろう。例え僕にその気がなくとも、トロデーンが意の侭(まま)になる王位継承者を担ぎ出し、サザン
ビークの玉座を狙っていると思われてしまうだろう。
「ワシも、ミーティアも他言はせん。己の血は己の内にのみ留めておくがよい」
本当にありがたい仰せだった。この国を守るために追い出されるかもしれない、と思っていたのに。ただ「他
言無用」とだけ仰せになられて引き続き置いてくださる。このご恩に報いるべく、この先もずっと、トロデー
ンの為に身命を捧げようと誓っていた筈だった…
でも今夜、その誓いを破る。自分の生まれを明らかにする。トロデーンに居られなくなるかもしれない。でも
この身を以てあの方のこの先に待ち受ける運命を打ち消すことができるのなら!
そう、この指輪を見せれば。僕の出生を明らかにするただ一つの証、アルゴンリング。父から母に贈られた、
正式に婚姻を結んだ印。
「我が真実を汝に捧ぐ」
指輪の内側にはそう刻まれている。その言葉通り捧げよう、僕の真実を。王位が欲しいのではない、ただあの
方との結婚だけを許して欲しい、トロデーンとサザンビークの血を一つにというのならこの僕に振り替えてく
れ、と。
※ ※ ※
だが、その考えはやはり甘かった。
まず話すべきはトロデ王様、と思い座所へ伺ったものの、王は口を開く暇も与えず、
「下がれ」
と仰せになられた。未来の婿に対してここに来てもいい感情を持っていないことだけはお示しになったが…
通路を挟んで向い側にあの方がいらっしゃることは知っていたが、この遅い時間に訪う(おとなう)ことは憚
られた。それに逢ってどうするというのだろう。話すべきは両国国王、婚姻という名の同盟を結ぶお二方だ。
トロデ王様には話を切り出すことができなかった。ならば。
「サザンビーク国王、クラビウス様。夜分遅く参上仕る非礼をお許しください」
「ややっ、お前は確かエイト、だな?」
思えばこの方は最初から僕の中に父の俤を見ていたのかもしれない。大国の王が、初対面の旅人に声をかける
ことなどまずないのだから。
ならば…通じるだろうか?
「折り入って申し上げたき儀あって、罷り越しました」
「うむ、何だ。申してみよ」
僕の父がこの方の兄なのか。ならばクラビウス様は叔父、ということになる。そんな途方もない話を信じても
らえるのだろうか。
「お話しの前にこちらを」
手の内に握りしめていた指輪を差し出す。怪訝そうな顔で受け取ったクラビウス様だったが、さっと表情が改
まった。
「これは…何故お前の手にある。これをどうしたのだ」
「はい、父と母の形見、です」
「形見だと!」
そう叫んで絶句したクラビウス王の顔は、夜目にもはっきり分かる程蒼ざめていた。
「…どうも混乱しているようだ。済まぬが最初から順を追って話してくれ。そなたらが最初にサザンビークを
訪れた時、この指輪のことはおくびにも出さなかったではないか?」
「はい、あの時はまだ、自分の生まれが何処にあるのか存じておりませんでした。ですがその後…」
できる限り筋道立てて事の経緯を話す。偶然迷い込んだ世界、荒涼とした景色の中、ただ一つ緑に囲まれた小
さな墓標とそこに眠る人たち。竜神王と祖父から聞いた父亡き後いかにして僕が生まれ母が身罷ったかという
ことを。
「なんと…」
話している間ずっと唖然とした様子だった漸くクラビウス王が口を挟んだ。旅人だとばかり思っていた者が自
分の甥であり、探し求めていた兄はもう、既にこの世の者ではないというのだから無理もない。
「…虫のいい話であることは充分承知しております。ですがどうか、明日の婚儀、ミーティア姫の相手はこの
私に」
語れば語る程身勝手な願いに思えてならない。でも他にどんな道が残されているというのだろう。
「…」
クラビウス王は黙って僕の方を見た。その眼はもう、冷徹な王者のものに戻っている。
「どうかお許しください。先代の方々の願いを、というのならこの私でも」
「ならん」
が、一刀の下に僕の願いは切り捨てられた。
「そこを曲げて、何卒」
どんなに見苦しいか、自分でも分かっている。でも願わずにはいられなかった。
「そなたは自分が何をしたのか分かっておるのか。真実兄の子であるというのなら、サザンビークの玉座を要
求したも同然の行為なのだぞ」
「王位など望んではおりません!」
「そなたがそうであっても、他の者はどう取るか?何時何処で反乱分子に担ぎ出されてもおかしくはないのだ
ぞ?……ならぬ、サザンビークを統べる者としてそれだけは断じてならぬ」
「そんな…せめて指輪だけは返していただけないでしょうか」
「ならぬ」
「父母のたった一つの形見なのです。どうか」
必死で食い下がったが、クラビウス王の頚が縦に振られることはなかった。
何もかも無駄になってしまうのか。僕の存在も、託された指輪も。
「王としてお前の存在を許すことはできん。だが、例の儀式の時の恩義もある。以後、サザンビークに関知せ
ぬと誓うのならば不問に附そう。どうだ?」
冷徹なる王の慈悲、か。国一つ守るためなら血を流すことも厭わない、通例なら死を賜るところ、特別存在を
許してやるという。
一瞬、目の前にある物全てを破壊し尽くてやりたいという衝動に突き動かされる。この僕がサザンビークの正
統な王だ、全て僕のものだ、僕に従え、と。ミーティアを得る術はもう、それしか残されていないのならば、
その道を進むまで。
でもその狂熱はすぐに醒めた。新たな暗黒神に成り代わってどうする?全てを得ようとした男の成れの果てを
旅の中で見たのではなかったか?死と破壊、権力に執着した者が巻き起こした混乱はただそればかりを残した。
あの惨事から何も得られないというのなら、僕は愚か者でしかない。
「…お耳汚し失礼いたしました。お許しを」
身の内に残る熱を抑え漸く絞り出した言葉は震えていた。
「うむ」
もう何も残されてはいない。指輪も、僕の存在も。でもせめて願ってはいけないだろうか。
「恐れながら」
「何だ」
「もし事情が許すのであれば、指輪はミーティア姫にお渡しくださいますよう」
クラビウス王の表情が一瞬揺らいだ。そこをさらに言い募る。
「名前を出していただかなくとも結構です。ただ、渡していただければ。私が持っていることは問題でしょう
が、あの方が持っている分には何の不都合もない筈です」
「…考えておこう」
そう言ってクラビウス王は背を向けた。
「さあ、もういいだろう。下がってくれ」
僕はただ、頭を下げることしかできなかった。
※ ※ ※
部屋を出て、階段を下る時になって初めて拳を握りしめていたことに気付いた。開こうとすると、関節が軋む。
掌にはくっきりと食い込んだ爪の痕が残っていた。
物心ついてからこの方、己について弁えているつもりだった。どんなに親しくなってもミーティアは別の世界
の人、決して交わることのない場所にあの方はいらっしゃるのだと心に言い聞かせてきた筈だった。それがど
んなに苦しい葛藤を心に産み出そうとも。
でもあの方は匂やかに微笑みかけ、やすやすと隔てを乗り越えてこちらへいらっしゃる。その微笑みにつられ
てそんな壁があることをつい忘れてしまう。そしていつの間にか、あの方に対して抱いてはならない筈の想い
が心の中に萌して(きざして)いた。
そんな想いは禁じられている。身を挺してお守り申し上げるトロデーン王家の方々の中の一人、それがミーティ
アなのだ。夜空に輝き渡る月の光の美しさを讃えるようにあの方の美しさを讃え、いと高き天におわす神を崇
めるように観念だけの存在になって誠心尽くしてお仕え申し上げなければならないのに、いつの間にか僕はミー
ティアに恋い焦がれていた。
そしていつの頃からだっただろう、僕に真直ぐに注がれるミーティアの視線が苦しくなったのは。どうして他
の人は平気で受け止められるのか不思議で仕方なかった。躍り上がるような喜びと胸を刺し貫かれるような苦
しみを伴うあの方の視線。見つめ合う喜びと苦しみの大波に揺さぶられてどうして冷静でいられるのか、と。
こんな時になってやっと分かった。ミーティアと同じものを持つ者はこの世で一人しかいない。身分の大海に
隔てられ、人の妻となってしまうあの方こそが僕の魂の半分を持つ人だったのだと。
なのにどうしてそれに堪えられよう、心理的にも、物理的にも引き離されることに。遠く離れてしまったら、
僕の肋骨の下に結ばれている細い弦が切れて血が吹き出すような気がしてならない。せめて、このことだけで
も伝えることができたなら…
そう、階段を降りたその先にあの方がお休みになっている部屋がある。想いの一端なりと伝えなければ。きっ
とこれが最後。次に見える(まみえる)時にはあの方はもう、隣にサザンビークの王を配したトロデーンの女
王。
「まあ、近衛隊長ではありませんか!」
だが、それはまたも阻まれた。
「ミーティア姫様はもう、お休みになられています。急ぎの用件であっても、明日にしてくださいませ」
何も言えなかった。
ミーティアは、眠ってなんかいない。それは僕が知っている。この僕が眠れずにいるのだから。だけどここで
逢って、何ができる?百も万も言葉を連ねて想いを伝えたとしても、海に降る雪のように積もることなく暗い
水底に消えていくだけだというのに。
項垂れて部屋を出て行くしか選択肢は残されていなかった。
※ ※ ※
それからどうやって宿に辿り着いたのか覚えていない。よくもあの崖から落ちなかったものだと思う。
他の三人はもう、眠っていた。無理もない、とっくに真夜中を過ぎていたんだから。
寝台を前にすると急にどっと疲れが出て、服を着替えもせず横たわる。でも眼ばかり冴えて眠りが訪れること
はなかった。
自分のしてきたことは何だったのだろう。自分の生まれを否定され、指輪を取り上げられ、ミーティアにも会
えなかった。明日の今頃はもう、ミーティアはあの男のもの。そしていつの日かあの方が帰っていらっしゃる
時には、あの男を王配として忠誠を誓わなければならない。
それに堪えられるのか?一瞬なりとも全てを破壊してミーティアを奪い取ろうかと考えてしまうようなこの僕
に。
いっそこの心に永遠の石化の呪いを掛けて欲しい。そうすれば何事にも動じることはないだろう。心の奥で血
を流すような思いもしなくて済む。あの男の子供を抱くあの方の微笑みを守っていけるだろう。いつまでも、
永遠に。
そうしていつまでもミーティアの盾になろう。それが僕に残された、愛を捧げるただ一つの手段なのだから。
(終)
真ED前提で。
GJ!
保守。それにしてもSSのエイトは真面目だな、近衛兵としての責務をしっかり果たそうとしている。
それが健気で切なくて泣ける。
ククールに言われなくとも駆け落ちする気マンマンだった俺のエイト。
自分もwてか、それ以外の結末は考えられなかったw
人によってはミーたんウザイって思った人もいるだろうから、ゼシカとか他の
人とくっついて終わる結末もあったら面白かったかもね。
恋愛ゲーっぽくなるけど。
真EDの結婚前夜のクラビウス王の態度は
一国の王としてはまあ、そりゃそうだよなっていう感じだったよな
まあ、トロデ王はあれでエイトのことはかなり信頼してると思うから
あの後2人はちゃんと幸せになったと俺は信じてるぜw
コードギアスのかぐやが幼いころのミーティアたんにみえる
キスしとったなwwwwしかしエイトは婿入りするんだろうな。
養子だ養子だwwwww
エイトとみーたんが結婚したら普通は男であるエイトが王位を継ぐんだろうけど、
みーたんが女王様になってもいいと思うんだ。
公の前では今まで通りの主従関係だけど、プライベートではラブラブバカップル夫婦というギャップがあるといい。
俺のイメージじゃ結婚してもミーティアが女王で
エイトが近衛隊長のまま(将軍とか、他にもっと偉いのがあるんなら、それ)だな。
あくまでエイトは婿養子だし。
国を治める人と国を守る人が絆で結ばれてるってのは、なんか良いじゃないか。
それにしても2人の子どもは2つの王家と竜神族の血を引いてるのか。
常識を超えたサラブレッドだなw
ミーティアの夫として、何かの助けになりたいと、仕事の合間に図書館で難しい帝王学を無理矢理頭に注ぎ込むエイト隊長。
でも基礎知識もクソも無いので大混乱し、結局ミーティアにレクチャーしてもらうエイト隊長。
干す。
保存
保守
私の目の前には月の光を受けて輝く小さな水晶の壜がある。
掌にすっぽりと収まるその壜は、香水壜のようにも見えるが、そうではない。無色透明のその中身は、眠り薬。飲み下せば
三日三晩死人のようになって眠り続けるという水薬だった。
かつて、敵国だったサザンビークの王子と恋仲になられたお祖母様は、定められた相手との婚礼を拒もうとこの薬をお召し
になった。もしかしたらどうにかして伝手を見つけて文を交わし、城を抜ける手筈だったのかもしれない。
薬の効き目で死んだように眠るお祖母様を見つけたおつきの方々はてっきりお亡くなりになったものと思い、うろたえ騒い
だものの、亡骸をそのままにおいておくことはできない。仮の棺に納め納骨堂へ運ぼうとしたところでお祖母様のお父様─
私にとってはひいお祖父様─がお気づきになられた。
「姫は薬によって眠っているだけである」
と。
お祖母様は錬金の名手であられた。しかしひいお祖父様もそれは同じで、娘が何を調合したのか残された薬草からお察しに
なられたのである。言いつけられた通り、周囲の人々はお祖母様を常の寝台に横たえて薬の効き目が切れるのを待ったのだっ
た。
目覚めたお祖母様は、見慣れた寝台の天蓋が目に入って計画の失敗を悟られたという。けれどその後、その件については一
言も言うことなく定められたお相手─お祖父様を婿君に迎えられたのだった。
けれど、もしうまくいっていなら…
ふと、何かの映像が脳裏に浮かぶ。何処とも知れぬ川辺、夥しい数の花々が一群れとなって流れている。せせらぎの音
ばかりのその中、花に埋もれるようにして流れる女─あれは、私。髪は流れに踊り、水に裾が翻ろうと気にも留めず流
れにたゆたう。それもその筈、あの私は生きていない。きっと薬を飲んだものの、そのまま目覚めることができなかっ
たのだろう。
何か憧れにも似た気持ちで、描き出された情景を見ていた。流れ着くその先は──でもその道は選ばない。
私の手が壜へと伸びる。よそ事のように指が壜を倒すのを見ていた。月光の下、静かに零れ出た眠りの薬は真珠色に優
しく光っていた。眠りの慰めをもたらすかのように。
私の命は私一人のものではない。たくさんの人々の─そしてエイトの、手によって助けられているのだから。ならばせ
めて、自分の意思で選びましょう、サザンビークへ行く道を。トロデーンを─あなたを、守るために。
「さようなら…」
ただ一つだけ、許して。かつて逃げるあなたを詰ったことを。私もまた、あなたの心から逃げるのだから。
(終)
ほしゅ
『チン』
みーたんの曽祖父: 「む、あの音はもしや」
三日三晩眠り続ける薬。
そんな切ない代物を錬金する時でさえ
錬金釜は『チン』という音を響かせたのだろうか…。
補習
保守するぜ!
保守派
JR東海
トロデーンの宝物庫には幾巻かの書物が収められている。宝物が儀式等で時折持ち出されるのに対し、それら
の本は一度たりとこの場所を動くことなく今日に至っていた。
ここにある本を紐解くことができるのは宝物庫の鍵を持つ者、この国の王ただ一人。それほどまでに厳重に保
管されている本の内容は、歴代の王たちが見出した錬金の中でも特に危険と見なされる物についての処方が記
されている。持つ者に災いをもたらす道具や、強大な破壊力をもつ武器、そして人の心を操ることができる薬
など、他人に見せて余計な危険を招く可能性のあるものをひっそりと隠していたのであった。
それらの本を前にして、トロデ王は逡巡していた。
(作るべきじゃろうか。いやしかし…)
開かれた頁には、愛の妙薬の処方。割合頻繁に見られていたのか、頁の端がやや黒ずんでいる。
王族の結婚はそれ自体が政略である。領地を併合するため、和議を結ぶため、とそこに感傷的な要素が入る余
地はない。それでも少しでも相手に対して優しい感情を抱けるように、あるいは抱かせるようにと考え出され
たものだった。
最初は年の離れた公爵に嫁ぐ姫のために作られたという。その効き目は絶大で、婚礼の席でこの薬を落とした
ワインを飲んだ姫は年老いた新郎をたちまちのうちに愛し、終生変わらぬ愛情を捧げたという。
(確かに効くのじゃろうが…)
トロデ王は迷っていた。サザンビークとの婚礼の日は迫っているというのに、当のミーティア姫がそれを望ん
でいないことは父として感づいていた。それを押し隠そうと明るく振舞おうとする姿が痛々しい。
(あの者では…無理もないのじゃが…)
トロデ王もその心が分からない訳ではない。むしろ、未来の婿を疎ましく思っていた。だが、これは国と国と
のこと。トロデーンの民たちの幸福を願うなら婚約破棄などできる筈もなかった。ならば、あのような者であ
ったとしても慕わしく思えることがあるのならば少しは気も晴れようかと思ったのだが…
(どうにも気が進まんのう)
薬なんぞで愛しい娘の心を操るという考えがこんなにも嫌な気持ちにさせられるものなのか、とトロデ王は思
う。それにこの薬には重大な欠点があった。
かつて、とある娘との婚儀を望んだ王子が無理やりこの薬を相手に飲ませたことがあった。娘は他の者と堅く
言い交わしていたのだが、薬は確かに効いて王子との婚儀を承諾したのである。しかし、晴れの新床で王子が
見たものは身体中から血を流して死んでいる娘の姿だったのである。
(薬を、受け付けぬ者もおる─)
薬によってもたらされるものは愛ではなく、「この者を愛している」という思い込み。愛の模倣は一時勝利した
ものの娘の中にある強い想いに阻まれて行き場をなくし、体内で暴れ狂って死をもたらしたのであった。
(ワシの目に狂いがなければ…薬を与えればミーティアも同じ道を辿るじゃろう)
あの決戦の前、泉での姫の言葉に確信していた。
『決して、死なないで』
淡く儚い想いなどではなかった。ミーティア姫がエイトに対して好意を持っていることは気付いていたが、予
想以上に深く、強く根を張ってしまっていたことを悟ったのである。そんな中で薬を使えばどうなるか、王に
は容易に想像できた。
(エイトのバカタレが。なぜあの時正直に言わなんだか)
本を閉じ、思い返す。エイトへの褒美は何者に反対されようと、望みさせすれば何でも─例えミーティア姫と
の婚礼であっても─与えようと決めていた。だが、当のエイトはただ、今まで通りトロデーンに仕えることを
願い出たのである。
(まあ、叛意を疑われていると思ったのかもしれんが。うう、ワシもワシじゃ、もう少しましな言い様があっ
たかもしれんのに)
実際、家臣の中にはその力故にエイトの将来の叛意を疑う者もいた。ならば、とそれを逆手に取って姫の婿に、
と思っていたのである。
だが、一瞬の躊躇いの後にあまりにきっぱりとトロデーンへの仕官だけを願い出たため、話の継穂を失ってし
まったのである。何とか追求してもう一つ願いを引き出したのだが、それも何とも皮肉なものだった。
(あのバカタレが。そんなことはおぬしがしゃんと願い出ればすっきり解決するものなのじゃぞ)
エイトのもう一つの願い。それは、
「ミーティア姫の幸せを」
だった。
(バカタレが…)
トロデ王は一つ、大きな溜息を吐く。それはただ、宝物庫の厚い岩壁に吸い込まれていくばかりだった。
(終)
以上、気の進まないトロちゃんとお薬の話でした。
いつも感想くださる方、機会を逸してお礼も言えずにおりました。
ありがとうございます。
ちなみに、薬錬金がバレたのってもしかしたら部屋の隅っこでえっさほいさと
走っている姫(みーたんの祖母)を目撃したからなんじゃないかとも思える
今日この頃ですw
保守
スマン、何か来ているようだ…連投になるけど一つ置いていきます。
青い空、白い雲、暖かな風に足取りも軽くオレは久しぶりにトロデーン城に向かっていた。いや、嫌われてい
るとかそういうんじゃない。ただ、行けば行ったであのバカップル(言わずと知れたあいつらだ)がいる。何
だかもう、あいつらの勢いに押されっぱなしで城を出る時にはいつもよれよれになるもんだからつい足が遠の
いてしまってたんだよな。
そういったムカつく気持ちがあることは否定できないんだが、まあ古い仲間に呼ばれて会いに行くというのに
断る理由はない。春が来た祝いの宴があるというのでこうして向かっている。
※ ※ ※
うん、色々思うところはあるがトロデーンの宴会は悪くない。料理は美味いし給仕の作法は完璧だ。ミーティ
ア姫様が音楽好きであるせいか、楽士も巧い奴が揃っている。メイドさんも可愛いしな。
あいつらとの話も大分弾んでしまって、つい夜も更けてしまった。
「せっかくだし、泊まっていきなよ」
というエイトの言葉にオレはつい、頷いてしまったんだよな…
真夜中を少し過ぎた辺りで、小用で部屋を出た。何の問題もなく用を足してさて部屋に戻ろうか…
ん?
ここはどこだ?
寝ぼけていたせいか違う廊下に入り込んでしまったらしい。まあいい。ここはトロデーンだ。いざとなったら
可愛いメイドさんの寝床にお邪魔するというのもありだろうし。
おっと、ここは行き止まりか。じゃ、戻るか。…ん?
「…あ…だめ…」
何だ?声は姫様っぽいけど。
「…あっ、いたっ!…そこ…ああっ」
こ、これはもしや!オレの足は意思に反して傍らの扉の方に向かっていた。そうするとさっきは聞こえなかっ
た物音も聞こえてくる。
「ここ?ミーティア?」
あの声はエイトだ。
「だっ、だめっ、そこっ…んんっ」
ううっ、何っつーところに行き会っちまったんだ、オレ!
「ここがいいんでしょ?ほら」
「あっ、んっ、やっ、エイトっ、いたっ」
「こんなになるまで我慢しちゃ駄目だよ」
まったく、純情そうな顔しといて鬼畜な奴め。誰もがあの顔に騙されるんだよなあ…
とか思いつつも、あそこまで姫様を悦ばせてやれるエイトがちょっと羨ましかったりしたのは秘密だ。
「ほら、力抜いて」
「あ…んっ…」
オレは忍び足でその場を離れた。そろそろむなしくなってきたのもあったしな。
※ ※ ※
次の日、妙に晴れやかな顔をした二人がいた。
「おい」
姫様なんてお肌つやつやだ。放っておけばよかったのかもしれないが、何か一言言ってやらないと気がすまな
い。
「…ゆうべはお楽しみでしたね」
「は?」
すっとぼけたふりしやがって。分かってんだぞ。
「いや、分かってるって」
「…そう?」
「そうだ。だがな、やり過ぎは禁物だ。それに姫様が本気で嫌がることはするんじゃねーぞ」
言うべきことは言った。オレはすっきりした気持ちで釈然としない顔のエイトとミーティア姫に別れを告げ、
城を後にしたのだった。
※ ※ ※
「ねえミーティア」
「なあに、エイト」
残された二人が会話している。
「ククール、変じゃなかった?」
「そう?何の話をしていたの?」
「うん、言いたいだけ言って帰っちゃったから…『ゆうべはお楽しみでしたね』って」
「まあ…楽しかったかしら?ミーティアはとっても気持ちよかったけれど、エイトは大変だったと思うの」
「ううん、そんなことないよ。ミーティアが気持ちよければ」
「ごめんなさいね、エイト。いつも肩揉みさせてしまって」
「アクセサリーって重いんでしょ?ドレスだって結構重かったし。肩も凝るよ。これくらい平気だから、いつ
でもやってあげるからね」
「ありがとう、エイト」
「…やっぱり変な奴だよね、ククールって…何が言いたかったんだろう…」
(終)
366 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2007/04/26(木) 13:49:17 ID:bvYheAuCO
GJ
保守
ほしゅ
370 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2007/05/03(木) 10:00:50 ID:RP/+E8ix0
宣伝乙
とっとと死んでね
地面を蹴る。耳のすぐ横で翼が羽ばたく。地面へ引き戻そうとする力を振り切って、空へ舞い上がる──
先を行くエイトが袋からほのかに輝く金色の珠を取り出し、何事か念じた時にそれは起こった。エイトの姿に
金色の鳥の姿が重なる。黄金の翼が生えたようなその背中に見惚れた瞬間、抗い難い力で身体が引き寄せられ
た。
ぐんぐん遠ざかる大地。近付く雲。と思っているうちに雲の中に入り込んだ。
(きゃっ!)
雲って、霧みたいなものだったのね。エイトと二人、きっとふわふわのお布団だとか綿菓子だとか言い合って
いたのに。
雲に覆われながらも、なおも昇る。見上げる先がほのかに白んで、そして再び陽の下に出た。
眼下に伸びる、あれが私たちの歩いてきた道。長くうねうねと、遠く伸びている。それを一瞬のうちに飛び越
えて行く。さっき渡った川が、太陽の光を受けて光の帯のように見える。すぐ下で、羊たちが草原を走ってい
る。牛たちが草を食む。旅人たちが空を飛ぶ私たちを見上げる。そしてその向こう、彼方に見えるのは──海。
微かに弧を描いて青く空と溶け合う。その境、微かに見えるあの影は懐かしいトロデーン城。黒く呪いに覆わ
れていてもその形は変わらない。
知らなかった…こんなに素敵なことだったのね、大空を自由に飛ぶ喜びって。太陽があんなに近く強く輝いて
いる。沈む夕日をどこまでも追いかけて行ける。月光の作る海の上の道をなぞり、明け方の樹が輝くのを見て…
不意に、心が震えた。その高さに、そして空から望むトロデーンへの懐かしさのせいかと思ったのだけれど、
そうではない。歌い出したくなるような、生きている喜びに心が震える。
いいえ、震えたのは私の心ではなかった。私の心のすぐ横──心の在り処にどこ、というものがあるとしたら
──で、喜びに震えていたのは雛の魂。生まれ出ることのできなかった神鳥の子供のものだった。
ああ、飛びたかったのね。鳥があんなに高く空を飛ぼうとするのはそれが生きている喜びだからなのね。
ごめんなさい。助けることができなくて。私たちだけがこんないい思いをして…
不意に雛の声が心に響く。
(いいんだよ、お姉さん。ぼく、こうやってみんなで空をとべてうれしいんだ。だからもっととんで。ぼくか
らのおねがいだよ)
…ありがとう。そしてごめんなさい。こうすることがあなたへの罪滅ぼしになるとは思わないけれど、それを
願うのならいくらでもそうしましょう。
この世界は、あなたのもの。空高く舞い上がり、どこまでも空を渡る。それはただ、あなたのために。
──大空を、飛ぶ。
(終)
保守
ほしゅ
ssマダー
船を手に入れたあっしらは一路、ヤツが渡ったという西の大陸へと向かいやした。
途中アレコレ寄り道しては手強い魔物に痛い目に遭わされつつも、狭い海峡を抜けて何とか西の大陸に辿り着
いたんでがす。
それにしても強かったでげすねえ。陸のやつらみてえに動きが予測つかねえでげすよ。さっきの海竜なんて、
いきなり目潰ししてきやがった。おかげで目がまだチカチカしてるでげす。
「ここで泊めてくれるってさ。長い船旅だったし、今日は早目に休まないか」
他はもちろん、兄貴の言葉にいつも先を急ぎたがるゼシカの姉ちゃんさえも賛成し、今日はこの海辺の教会で
宿をとることになったんでげした。ここの連中は案外親切で、兄貴が交渉するとどう見ても魔物面のおっさん
もちゃんと人間用の寝床に寝られるらしいんがす。
その時の兄貴の言葉が、
「親の因果が子に報い…」
とかどこかで聞いたような見世物小屋の呼び込み風だったことはおっさんには内緒でげすよ。パルミドで覚え
っちまったんでげしょうねえ。あそこはあっしの故郷でげすし、居心地も最高なんでがすが兄貴に変な言葉を
覚えさせちまったのは申し訳ねえでげす。
その兄貴でげすが、宿で寛ぎもせずにさっさと外に出ていっちまったんでがす。きっと馬姫さまの世話でもし
に行ったんでげしょう。さすがでがす。
これはあっしも見習わねえと。兄貴一人を働かせるなんて兄弟仁義に欠けるってもんでがす。あっしも外に出
ることにしやした。
教会の前辺りにでもいるかと思っていたんでげすが、空の馬車だけが置いてあって二人ともいなかったんでが
す。
きょろきょろと見回していると、向こうの丘の上に馬姫さまが立っているのが見えやした。首を差し伸べて、
何か地面のものを見ているようでがす。でもエイトの兄貴はどこにも見えねえでげした。
「あに…」
大声で兄貴を呼ぼうとして止まったのはあっしの運の強さでげしょう。馬姫さまの鼻先辺りに兄貴の赤いバン
ダナが起き上がりかけ、それを馬姫さまが地面に押し戻したのが見えたんでがす。諦めたのか、もうバンダナ
はこちらから見えやせんでした。
ふー、あぶねえあぶねえ。お二人の邪魔をちしまうところでげした。厳しい旅でがす、たまには息抜きもしね
えと。馬姫さまもそこのところはちゃんと分かっているんでげしょう。
振り返ると馬姫さまが近くの茂みに鼻を突っ込んで、揺らしているでがす。ほろほろと白いユキヤナギの花が
兄貴の上に降りかかっておりやした。こちらからは手だけがそれを振り払うでもなく振っているのが見えるだ
けでげした。
時折思うんでがすよ。馬姫さまが呪われっちまったのは気の毒でがすが、兄貴にとってはそっちの方が自由に
一緒にいられるんでねえかとね。ま、絶対うんとは言わねえでげしょうが。
「主君が呪われて苦しんでおいでなのに、僕一人が楽しめる訳がないじゃないか」
ってね。そういうところが兄貴の兄貴たるゆえんなんでげしょうが、無理は身体の毒でがすよ。こういう時ぐ
らい色々ぶっちぎっちまってもいいんでねえのかってのはあっしの考えが浅いんでげしょうか。
そんなことを考えながら教会に戻ると、トロデのおっさんが慌てたようにこっちへ走ってきやした。
「おい、エイトはどこじゃ。奴の行方が掴めたぞい。こうしてはおれん、すぐ出発じゃ!」
顔色なんて普通の緑から青緑になっていたでがす。ま、見分けられるようになったのはやっぱり慣れちまった
んでげしょうねえ。
「分かったよ。今探してくるぜ」
気は進まねえが他の奴らに見つかってあれこれ言われるよりはあっしが行った方がましでげしょう。
兄貴の秘密は守るでげすよ──
(終)
2007年 5月20日(日) 3回東京2日
11R 第68回 優駿牝馬(GI)
[3] 5 ミーティア 牝3/黒鹿 55.0kg 蛯名 正義
連投気味で申し訳ございません。プチネタ置いていきます。
が、エイトもみーたんも最後にちょっと出てくるだけで、主役はオリキャラの二人です。
ご注意ください。
城壁の外側に二人の子供がおりました。
「まって、まって、おにいたま、まって!」
三、四歳くらいの小さな女の子が先を行く男の子──六、七歳くらいでしょうか──を懸命に追いかけており
ます。
「付いて来れないんだったら置いてくぞ!」
「いやっ!ひめもいくの」
振り返りざま男の子がそう言うと、半べそになりながらも女の子は一生懸命走って追いつこうとするのでした。
「しょうがないなあ」
呆れたように男の子はそう言って、ちょっとだけ女の子を待ってやりました。
「ほら、行くぞ。ないしょで外出たんだから、そんな大声出したらばあやに見つかるだろ」
「うんっ」
男の子──二人は兄妹なのでしょう──が待っていてくれた嬉しさに女の子は大きく頷きました。
「おにいたま、どこいくの?」
内緒のお出かけ、と聞いて女の子がわくわくしたような声で男の子に問いかけます。
「ひみつ基地だよ」
えっへん!と言わんばかりに男の子は胸を張りました。
「ひみつきち?」
「そうだよ、ひみつ基地。本当は男だけだけど、とくべつお前も子分にしてやるから」
「わーい、こぶん、こぶん!」
子分、の意味がよく分かっていないらしい女の子が手を叩いて喜びました。
「じゃあ、おにいたまは?」
「僕はあにきだよ」
どうも男の子の方もよく分かっていないようです。
「おにいたまのあにきね。やんがしゅおいたまもそういってたもん」
「そうだよ」
でもそう呼ばれてとても嬉しそうでした。
「こっちだよ」
と男の子は丘の上を指差しました。緑の草がそよぐ丘の上には、大きな石が積み上がって確かに秘密基地には
うってつけのようです。
「ひみつ基地だから、他の人には見つからないようにしないと。お父さまやお母さまにも言っちゃだめだぞ」
「はーい」
二人は一生懸命丘の急な坂を登って行きました。
「着いたぞ!」
「ついた!」
丘を登りきって、二人は歓声を上げました。いつもはちょうど目線の高さにその丘の頂きが見えるのでそんな
に高いと思っていなかったのですが、実際登ると結構な高さがあります。
「ここ、おにいたまのひみつきちね」
「うん、そうだよ」
女の子は丘の上からの眺めが気に入ったのか、あちこちきょろきょろと見渡しています。一方男の子は自分の
ものとなった(と思っている)秘密基地の周りを検分し始めました。
大きな岩が数個、組み合わさったような状態です。牧童たちがたまにここまで登ってきては石を積んだりして
いたのか、一際大きな岩の上には何個かの石が乗っていました。タンポポが揺れる草むらを掻き分けると岩陰
には子供の手が入る程度の隙間があって、何か宝物を隠しておくにはうってつけのように思われました。おま
けに大きな岩と岩の間には一人二人の子供なら身を潜めることができそうな空間が開いています。
男の子は大きく頷きました。
「ここは今日から僕のひみつ基地だ」
「わーいわーい、おにいたまのあにきのひみつきち!」
男の子が重々しくそう宣言すると、横で女の子が手を叩きます。
「僕のものなんだから、名前書いておかなくちゃ」
変なところで律儀な男の子はあちこち見回して白っぽい石を拾うと、岩の間に身体を入れて名前を書こうとし
ました。
「あれ…?何か書いてある。名前かな?」
と岩肌に消えかけた文字のようなものを見つけたのです。
「えっ、そうなの?」
岩の上からあちこちに手を振っていた女の子が岩から降りて来て男の子の横から覗き込みました。
「ちぇっ、僕が最初に見つけたと思ってたのになあ」
「だあれ?」
「消えかけてて読みにくいな…うーんと…『えーととみてあのおうち』?だれだろ」
首を捻る男の子の横で女の子も真似して首を捻ります。
「あ、まだ書いてある。んーと…『へんじん』?これ、へんじんって読むんだっけ」
男の子の指す先の文字は微かでしたが確かに「変人」と書かれておりました。
「変なの」
肩を竦め、男の子と女の子は岩の隙間から外に出ました。
と、
「王子さまー!王女さまー!そちらにいらっしゃいますかー!」
と丘の麓から呼びかける声がします。
「あっ、しまった。見つかっちゃったよ」
「みつかっちゃった」
二人は顔を見合わせ、声の方へ手を振り丘を下っていったのでした。
※ ※ ※
呼び戻された二人は、教育係から「勝手に外に出てはいけません」と午後いっぱい注意されて少々うんざり顔
になってしまいました。
「ちょっと外に出ただけなのにな」
家族だけの夕餐も終わり、大人たちはお茶を飲みながら寛ぐその時、男の子が誰に言うともなしに呟くと隣に
座っていた母親らしき女性が頭に手を乗せて諭してきました。
「でもね、皆心配したのよ。もし井戸に落ちてしまったりしていたら大変でしょう」
「そんなことしないよ」
そんなとろくさいことなんてするもんかとばかりに男の子が言い返します。
「城壁の横の丘の上がちょっと気になったんだ。それだけ」
誰かの名前が書いてあったにせよ、あの場所は秘密基地だと思っていたのでどうしてそこに行こうと思ったの
かは省いてそう答えました。
「ひみつきちなのよね」
でも女の子にはそれが分かりません。あっさり秘密を話してしまいました。
「あっ、ばか。ひみつなんだってば!」
「ふうん、秘密基地ね」
とそこまで黙って聞いていた二人の父親らしき男性が口を開きました。
「それで、秘密基地にしたのか?」
「ううん…そうしようと思っていたんだけど」
ここまできてしまったからには仕方ない、と男の子は仔細を話し出します。
「だれか先に来ていた人がいたみたいだったんだ。名前みたいなの書いてあって」
「そうか。それは残念だったね」
「うん…」
父親の言葉によって男の子の心に今更ながらがっかりした感覚が甦ってきました。
「ねえおかあたま」
急に女の子が母親に話しかけました。
「なあに」
「『へんじん』ってなあに?」
「変わっている人のことよ。それがどうかしたの?」
急な問いに首を傾げながらも母親は女の子の疑問に答えてやります。
「あのね、おにいたまのひみつきちにそうかいてあったの」
「そうそう。うーんと、『えーととみてあのおうち』で、『変人』だっけ。でも変な名前だよね。変人だからか
な」
二人の他意のない言葉に両親の顔色が変わったのですが、子供たちはそれに気付きませんでした。
「そ、そう」
母親の頬は真っ赤です。
「そうか」
父親は何故か笑いを堪えておりました。
「今日は随分遊んで疲れただろう。早くお休み」
「そ、そうね。あの丘を登ったのだったら大変だったでしょう」
慌てて子供たちを部屋に送り出そうとすると、男の子が母親の言葉に気付きました。
「えっ、お母さま、あの丘に行ったことあるの?」
母親はますます慌てました。
「えっ、その…ええ、行ったことあるわ。でもそのお話は後でね」
後ろで父親がにやにやしております。ちら、とそちらに眼を遣って、
「明日のお茶の時間にゆっくりお話ししましょうね。さ、おやすみなさい」
「はーい。おやすみなさい、お父さま、お母さま」
「おやちゅみなさい、おとうたま、おかあたま」
メイドの手によって二人の子供が部屋を出て行った後、母親が父親に向き直りました。
「もう、そんなに笑わないで」
「だってあれ…」
父親は今や爆笑しております。
「書いたのミーティアだったでしょ。あの頃時々間違えてたよね、自分の名前の綴り」
「そういうエイトだって」
つられたように母親──ミーティアも声に笑いが混じります。
「『変人』って書いたの、エイトよね。あの時難しい言葉を知っているのねって感心したんですもの。形が似て
いたから、ずっと正しいのだと思っていたけれど…」
父親──エイトが頬をつねろうとするのをかわし、笑い続けています。
「いいよ、どうせ『へんじん』だし」
拗ねた振りしてそっぽを向くエイトの髪を引っ張って向き直らせると優しく笑いかけました。
「うふふ。エイトが『へんじん』ならミーティアも『へんじん』よ」
二人でひとしきり笑いあった後、エイトがこっそり耳打ちしました。
「あれを書いたってことは子供たちには黙っていよう」
(終)
もう終わりだね☆
保守っとく?
ho
389 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2007/05/31(木) 15:33:20 ID:AlmgWI7n0
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保守
ふふふ…何だ、それは?ワシを威嚇しておるのか?
愚か者め、ワシに勝てる訳がなかろう。おお、それも分からぬから愚か者なのじゃな。
それともこの姿に惑わされておるのか?ふふふ、所詮下種は下種。何も知らぬと見える。
ほほう、ワシに刃を向けるか。ワシに刃向かうその報い、自分の身を以って受けると申すのじゃな…よかろう。
お前ごとき鼻息一つで事足りるのじゃが、その意気に免じて地獄の業火で焼き尽くしてくれるわ。何、骨一つ
残らんぞ。良い死に方じゃろうて。
…ほう、逃げるのか。その下らぬ頭にも物の道理を弁えるだけの分別があったものと見える。
よかろう、今日のところは見逃してしんぜよう。じゃが、次に見えた(まみえた)時には腸(はらわた)まで
喰らい尽くしてくれようぞ。
※ ※ ※
「トーポ、どこ行ったのー」
「トーポ、いらっしゃい。おいしいチーズがあるわよ」
遠くから二人の子供の声が近付いてきました。
「チュ」
「あっ、トーポ!こんなところにいたんだ。駄目だよ、勝手に出歩いちゃ。お城の猫は怖いんだから」
エイトがトーポを掬い上げます。
「チィ…」
トーポはエイトの手の中でしょんぼりした風を見せました。
「あら、そういえばあそこに猫がいるわ。トーポ、大丈夫だった?あの猫怖いのよ」
ミーティア姫の視線の先で、猫が知らん顔であちらの方へ歩いていきます。
「チュ」
姫の言葉にトーポは得意気に答えました。
「そう、怖かったの。でもよく我慢したわね」
ミーティア姫はそう言ってエイトからトーポを渡してもらうと、
「では勇敢なトーポにご褒美よ」
鼻先にちょんと口づけしたのでした。
(おしまい)
今見たらキーワードが
「 チャゴス ククール サザンビーク ドルマゲス エイト ミーティア 保守」
だった
チャゴスが一番なのかよwwww
ほしゅ
ho
syu
保守代わりにss置いて行きます。
が、少しアレな部分(お約束には抵触しない程度ですが、ちょいやばい)を含んでおります。
ご注意ください。
どことも知れない、小川のほとりだった、あの方が苔生した土手の上に横たわっていたのは。
「姫様」
静かに呼びかけたけど、目覚める気配はない。
「姫様」
もう少し近付いて、さらに呼び掛ける。ただ眠っているだけであることは、微かに上下する胸で知れた。
「ミーティア…姫様」
ふっ、とあの方の名が口から転がり出て、慌てて敬称を付け直す。もうずっと、十二の時からあの方をお名前
でおよびすまいと決めていた。幼馴染ではいられない、もう主君の姫と従僕なのだから、と。そうやって心に
けじめをつけていたのに。
「ミーティア様…」
久々に自分の口から出たあの方の名は、何か美しい音楽にも、祈りにも似て響いた。そうなるともう、何度で
も呼ばずにはいられない。
「ミーティア様…」
本当は、知っている。あの方─ミーティアが僕に名前で呼んでほしいと思っていることを。でも、敢えてそれ
をしないことで分かってほしいと思っていたんだ。僕たちはもう、子供じゃない。臣下が主君の名を気安く呼
ぶなどということは無礼に当たるのだから。
そして…本当は…あの方が望んでいるだろう、幼馴染の友だち、という立場が苦しかった。もし、許されるこ
となら、僕は…
危うい方向へ思いが傾いたことに気付き、頭を振ってそれを追い払おうとする。が、ふとミーティアに眼をや
った途端視線が外せなくなってしまった。
何か、幸せな夢を見ているのだろう、口元に微笑を湛えている。そのふっくらと美しい曲線を描く、薄紅の薔
薇の花びらのような唇に目が留まってしまった。
あの唇はどんな感触なんだろう。触れてみたい、僕の唇を重ねてみたい。恋人たちがしているように。眠りを
乱さぬよう、そっと重ねるだけなら──
ふらふらと一歩踏み出した時だった。何かが自分の中でずれたように感じた次の瞬間、自分の背中が目の前に
あったのである。
あまりのことに声も出ず、棒立ちのままの僕を置いて僕のような者はミーティアに近付く。傍らの草地に膝を
付くと覆い被さるように身をかがめ、まさに僕がしようとしていたように唇を重ねた。
止めろと怒鳴りたかった。例え自分と同じ姿をしていたとしても、ミーティアが自分以外の何者ともそういう
ことをしているのを見たくなかった。でもなぜか、声も出せず身体を動かすこともできない。
これは夢だ。それもとても悪い。眼を覚まそうと意識さえすれば、何もかも消え去る筈だ。靄のかかったよう
な頭の隅でそう考え、必死で頬を抓る。でも、摘むだけじゃなくて力を込めて捻っている筈なのに、痛みすら
感じない。
その僕の前で「僕」の手がミーティアの身体に触れた。無礼を咎めることもできず、ただその手が柔らかく小
高く盛り上がった胸を掴むのを見るばかり。「僕」の手が動く。その動きに合わせてミーティアの胸も形を変え
る。込み上げてくる衝動に耐えつつただ見守るだけしかできない僕の耳に、ミーティアの小さな吐息が聞こえ
た。いつもの少し悲しげな溜息ではなく、どこか甘く響くその吐息に身体の芯が震える。
「ミー……ティ………ア…」
漸く搾り出した言葉につられるかのように、「僕」はミーティアのドレスの裾に手をかける。と、見る間に手は
ドレスの中に滑り込んだ。布に遮られているが、布の動きからドレスの下で手が動いていることが分かる。そ
の手がだんだん上の方へ這い上がって──
「やめろ!」
叫ぶと同時に呪縛が解けた。弾かれたように飛び出し、力いっぱい「僕」を突き飛ばす。
「やめろ!ミーティアに触れるな!」
そう叫んでミーティアを胸の内に抱き締める。全てのものから彼女を守ろうと。そしてもう一声叫ぶ。が、そ
の途端頭を強く殴られ、僕の意識は闇へと沈んでいった。
※ ※ ※
気が付くと、僕は床の上に転がっていた。寝床から落ちて頭を打ったらしい。
荒い息を吐きながら寝床に戻る。ここはトロデーン城の兵舎、僕に割り当てられた寝床だ。高窓からうっすら
と青い光が差し込んで、もうすぐ夜明けだと知れた。眠れぬ夜に寝返りばかり打つうちに、いつの間にか浅い
夢に入り込んでいたようだった。
掛布を頭から被り、きつく眼を閉じる。たった今見てしまった夢を追い払おうと。けれども眼を閉じれば閉じ
る程、あの感触が腕に甦ってくるように思えてならない。
僕は、何と叫んだか。ミーティアに圧し掛かっていた僕のようなものは何だったのか。
あれは、紛れもなく僕だった。自分の心の中に潜む、意識しつつも眼を逸らし続けていた後ろ暗い部分だった。
あの方を敬愛し誓った通りに忠誠を捧げようとする度に首をもたげる、あってはならない想い。想うままに抱
き締め、口づけし、そして──
何をどうしたいと望んでいるのか分からぬまま、でもそれが抱いてはならない望みだということだけは分かっ
ていた。あの方に捧げるには汚らわしいとしか思えない想い。衝動的に突き動かされてしまいそうになる、抗
い難い感情。それが今の僕の中にある、あの方への想いだった。
かつて抱いていたようなただ目と目が合うだけで嬉しくて、手が触れただけで躍り上がるような気持ちはどこ
へ行ってしまったのだろう。いつからこんな薄汚い感情に支配されるようになってしまったんだろう。
いっそ、思い切ることができるのなら、こんな苦しい思いをしなくて済むだろうに。それができずにいる自分
の弱さが憎らしかった。
『ミーティアは、僕のものだ』
あの時、僕はそう叫んでいた。もうすぐ他の人と結婚してしまうのだと分かっているのに。只の平民に過ぎな
い僕が王族であるあの方と結ばれる日なんて絶対来ないのに。
あの方を恋い慕いながら、僕の心は汚れていくだけなのか。夢の中ですら、ひたすら純粋な想いを捧げること
はできないのか。
ならばいっそ眠るまい。あの方が行ってしまうその日まで。
(終)
トロデーンが呪われる少し前くらいの話で
保守
応援も何もデフォだし…
デフォだけどフォモや主ゼシに押されて人気ないから応援してんだよw
保守
405 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2007/07/01(日) 11:17:40 ID:Csrq00360
このスレ生きてるの?
406 :
フリーダムガンダム:2007/07/01(日) 12:12:09 ID:x1hTVzZHO
ミーティアと合体
ほしゅ
「昔々とあるお城にそれは美しいお姫様が住んでおられました。そのお城の隣の城には竜が棲んでおりました。
ある日、人間を滅ぼしてしまおうと思った竜はお姫様を攫って閉じ込めてしまいました。でもそこへ一人の勇者
が現れて、お姫様を助け出し、竜を退治したのです。勇者は助けたお姫様と結婚し、幸せに暮らしました。めで
たしめでたし」
※ ※ ※
「どうして竜はお姫様を攫ったのかしら。人が邪魔なのだったら、お城ごと焼き滅ぼしてしまった方が簡単だっ
たと思うの。がおーって」
ミーティアの鳴き真似にエイトはちょっと笑うと、言った。
「うーん、そうだね…ま、昔話だし。でも、その話の本当のところはきっと、こうなんだ」
※ ※ ※
「昔々とあるお城にそれは美しいお姫様が住んでおられました。そのお城の隣の城には竜が棲んでおり、竜は毎
日そのお姫様を見ておりました。生まれてからずっと。小さな頃から可愛らしかったお姫様も、成長なさってそ
れはお美しくなられ、他の国へ嫁ぐことが決まりました。竜はその時、ずっとお姫様が好きだったことに気付き
ました。たくさん持っていた宝物よりずっと大切で、他の何かと交換することなんてできないくらい、お姫様が
大切だったと知ってしまったのです。そして竜はお姫様を攫って自分の棲むところへ連れていったのでした」
※ ※ ※
「それから?どうしてそんなに好きだったのに結婚しなかったの?」
「竜はすごくお姫様を好きだったから。竜はお姫様を好きだったけど、お姫様が竜を好きになってくれるかどう
かなんて分からないでしょ。それに…」
「それに?」
ちょっと口籠ったエイトに先を促した。
「…怖かったんだと思う。ヒトが竜を好きになってくれる訳がないと思っていたんじゃないかな。『嫌い』って
言われるのは怖くて、でも他の人と結婚してしまうのは辛かったから、ただそっと閉じ込めていただけだったの
かも」
「そう…」
「うん…」
しばしの沈黙の後、ミーティアが口を開いた。
「あのね」
「なあに」
「ミーティアも、本当のお話を知っているの」
※ ※ ※
「昔々とあるお城にお姫様がおりました。お姫様はずっと、隣のお城に棲んでいる竜がこちらを見ていることを知っておりました。
最初は少し怖いと思っていたのですが、よく見るとその眼はとても寂しそうで、可哀想に思いました。そこで城壁に出る時はいつ
も、竜に手を振ってあげていました。そうすると竜がとても嬉しそうな顔になるので、お姫様は何だか、お友だちになったような
気がしていました。
お姫様が大きくなると、他の国の王子様と結婚することが決まりました。でもその時、お姫様は人間である王子様よりも、竜の方
がずっとずっと好きなのだと気付いてしまいました。そして、お姫様を攫いに来た竜と共にお城から逃げ出し、いつまでも一緒に
幸せに暮らしました」
※ ※ ※
「じゃあ勇者はどうなったの?」
「勇…勇者さんもね、最初はお姫様を攫った悪い竜だと思って退治しようとしたのだけれど、二人が幸せに暮らしているのを見て
最後はちゃんと分かってくれたの。もう二度と、この国には近付かないことを条件に竜とお姫様は遠くへ行ったの。そして勇者さ
んは竜の鱗を一枚持ち帰って、『竜を退治した』と言ってくれたのよ」
勇者の存在を失念していたのかもしれない。ミーティアは慌てた様に話を付け足した。
「そっか」
「…誰も、二人を引き裂いたりはしなかったの。だから、二人は今も、どこか遠くで幸せに暮らしている筈よ」
しばらくの間、沈黙が落ちた。
「…ミーティア」
「なあに」
「僕でよかった?」
「ええ、もちろんよ。どうして?」
「……………僕が、ヒトでなくても?」
「うふふ」
さり気ない風を装うエイトの言葉にミーティアは軽やかに笑ってみせた。
「何?」
「言ったでしょう?『お姫様は、竜がずっとずっと好きでした』って」
と言いざま、エイトの頬にちょんと口づけを落とす。
「……」
「エイト」
「…何?」
赤くなった頬に手を当てながら、エイトは応えた。
「ずっとずっと一緒にいましょうね、エイト」
思いがけない優しい言葉にエイトは思わず腕の中のミーティアをしかと抱き締めていた。
「…ありがとう…ミーティア…ずっと一緒にいるよ」
(終)
連投気味になってしまってすみませんでした。
gggggggjjjjjjjjjjj!!!!!
おっと子供かと思ったら新婚さんですた。
こういうお話大好きです。かわええ。
もしかしてそのおとぎ話はDQ1!?
週末で来て見たら感想が!どうもありがとうございました。
>413
当たりですw
保守
剣発売保守!
保守
人いねえなあ…みんな剣か?
保守がわりにss置いていきます
少し暗いネタです。ご注意ください
窓枠に打ち付ける雨音に、ミーティア姫は顔を上げた。一日中降った雨は止むことなく、夜に入ってますます
強く降り続いているようである。
(早く止めばいいのに)
天気に向かって文句を言っても仕方のないことだと知りつつも、小さな溜息を漏らさずにはいられなかった。
姫の日常は公務の他、学問や習い事で一日びっしりと予定が組まれている。そんな中で庭の散歩をする一時を
心待ちにしていたのだった。
(エイト…)
姫は心の中でそっと、想い人の名を呼んだ。ずっと好きだったその人は近衛兵となって、庭を散歩する時の警
護役としていつも付き従っている。人の目もあり、立ち入った話は何もできなくともその一時は何物にも換え
がたいものだった。けれどもこの雨では散歩などできはしない。
だからといって、他の行動をする時の警護を振り替えてもらうことはできなかった。王族の警護は兵士にとっ
て名誉なことであり、特定の人物にそれを偏らせることは避けなければならない、と常々言われていたのであ
る。素性の知れないエイトが近衛兵に取り立てられたことは異例中の異例であり、ただでさえ妬みを買いかね
ないのに、それ以上のよからぬことを考える者があったとしてもおかしくはない。軍紀は厳しく取り締まられ
ていたが、そういった人の心の負の部分までは如何ともし難い。先日も父王から、身分の低い兵士の食事を奪
って我が物としたり、支給されている給料を巻き上げていた者を見つけたので左遷した、という話を聞いてい
た。その者が某侯爵家の縁者だったために、その家の体面を保ちつつも他兵への示しをつけるためにかなり苦
労した、とも。
そのような者は身分差に対して非常に敏感なので、自分より少しでも身分が低い者は虐め、上の者に媚びへつ
らうものだった。そんな中でエイトを庇えば、それを贔屓と見做して余計に事態を悪化させるだろう、という
ことに姫はおぼろ気ではあったが気付いていた。彼らは王族の寵が自分に向いていないと気が済まない上に自
分より身分の低い者がそれを独占していることが許せないのだから。できる限り公平に振る舞って見せること
で不要な揉め事を起こさないようにしなければならないのだった。
もう一度深く、姫は溜息を吐いた。公務が入れば散歩の時間などすぐ削られてしまう。ここ数日、来客が立て
込んでいて学問の時間すら免除になっている。散歩など思いもよらない状態だった。やっと来客もない、今日
こそは、と思っていたのにこの雨である。密かに前日からどのドレスを着ようかと考えていたのに、と姫は泣
きたくなった。日没まで何度も外を窺って行けそうならすぐ行こうと思っていたのだが、願い空しく日も暮れ
てしまったのである。
(明日は…)
居心地良く設えられた席を立ち、姫はせめて明日は晴れないか、と窓辺から空模様を窺おうとした。重いカー
テンを少し除けて窓との間に身体を滑り込ませると、ひやりとした空気に身が震えた。この分では外はかなり
冷え込んでいるに違いない。ガラスの冷たさに驚きつつ、指先でそっと曇りを拭き、外を覗いた。
(エイト…!)
見覚えある背中が窓からほんの数歩のところにあったのである。部屋からの仄かな明かりに背負った槍の穂先
が鈍く光ったが、気付く風もなくあちらの方を見ていた。吹き付ける風によろめきつつも踏ん張って堪える。
雨粒を払うことはとうに諦めたのか、時折頭を振って溜まった雨水を落とすばかりでひたすら遠くを見張って
いるのだった。
呼びかけたい、と姫は思った。が、あらゆる思いが込み上げてきて胸が詰まり、声が出ない。心の中だけで呼
びかけたくともそれすらも憚られるように思えた。エイトは任務中なのだ、と。
その時不意にミーティア姫は理解した。エイトは兵士で、自分は王女であると。どんなに近く思えてもその間
には深く越え難い何かがあるのだと。丁度、今エイトとは数歩の距離なのにガラスで隔てられているように。
それでも信じていたかった。身分という大海で隔てられてはいても、エイトとはどこかで繋がりあっていると。
けれどもその繋がりとは「主従」というものであり、現に今こうして暖かな部屋で守られているのは自分であ
り、凍える雨に打たれながら外で見張りをしているのはエイトだった。それも、自分の身を守るために。
「ごめんなさい…」
胸を押さえながら姫は崩れ落ち、ぺたんと座り込んだ。散歩ができないことに不満を感じていた自分が急に愚
かで身勝手なものに思え、恥ずかしくていたたまれない気持ちになる。
「エイト…ミーティアは、あなたに、何をしてあげられるでしょう…」
エイトだけではない。名も知らぬ兵士や使用人たちによって自分の生活が守られている、という事実の重みに
姫は身震いした。彼らが身体を張ってこの城を守ってくれているからこそ、王族である自分が安穏と暮らして
いけるのだ。自分は誰かの命と引き換えに守られている、そんな価値が自分にあるのか、と。
「どうしたらあなたを守れるの…」
エイトの命を危険に曝すことはできない、その他の人たちだって、と姫は強く思った。ならば、彼ら彼女らを
守る術はどこにあるのだろう。治水や土地の整備で天災を防ぎ、無用な争いを起こさない。一人一人の力では
難しいそれらをするために存在するのが王だった。父王は今までそれをしてきたから、そして自分はこの先そ
れをしてくれるだろうから守ってもらっているというのに。
恐る恐る目の前に手をかざす。先程曇ったガラスを拭いたせいで濡れた指のそれは、自分にも頼りなく見えた。
この手の上にたくさんの人々の命が載っている。エイトも含めた、トロデーンの民たちの命が。
(エイトのように剣は取ることはできないけれど…)
口を固く引き結び、ミーティア姫は立ち上がった。
「あなたを、守ります…」
王族として、トロデーンを守る。そのためならば例え望まぬ結婚であったとしても、この国を守ることができ
るのならば受け入れよう、と。ミーティア姫は雨に煙るエイトの後ろ姿に強く誓ったのだった。
(終)
保守
ほしゅ
保守
☆
萌えスレなんだしたまには何か語らない?
流石に保守ばかりは寂しい
語りたいのは山々なんだけど、とっさにいいネタが思いつかないんだ
…そうだなあ、エイトとみーたん、二人でこっそりお忍びデートするとしたら
どこ行くだろう。
パルミド近くの海岸で海水浴とか
海水浴かぁ…みーたんが泳げるようには見えないから練習とかするんだろうな
そして波にさらわれ溺れたみーたんにエイトが人工呼(ry
「ミーティア およげないの かなづちなの…」
と言ってたよなあ
そのうち溺れてなくても人工k
とりあえず保守
真EDの後、人間の姿に戻ったミーティアと
旅ができると期待していました。
泉で元に戻ったら一緒に旅できると思ってました
何回も泉に通ってると楽しく過ごした、とかでじっくりミーたんを視姦したいのにできないのがorz
ミーティアが仲間になったら…回復メインぽいからククールの出番が無くなりそうだな
>>435 見つめたいのは解るがギガブレイクに気をつけてな
リストラされたククールが馬車の中で体操座りしている図が浮かんだw
ククール……w
そうなると最終決戦ではレティスの尾辺りで声援か?
タンバリン使って応援してくれ
ほっしゅ
暑いので少しひんやりする話を置いてきます
真夏の強い日射しがトロデーンの庭にも降り注いでおりました。
「暑いね」
「そうね」
庭には今、エイトとミーティア姫の他、誰の人影もありません。
それもその筈、こんな暑い夏の日には、仕事は朝の早い時間から始めて、一番暑い昼
下がりには休憩をとるものなのです。そして日が傾いてきて少し涼しくなってから仕
事の残りを片付けるのでした。
「昨日この辺りですごくきれいなちょうちょを見たんだ」
日向を避け、涼しい木陰に座って辺りを見回しながらエイトが言いました。
「まあ、見たいわ」
姫はぱっと顔を輝かせましたが、すぐに心配そうに言い足しました。
「でも今日は来てくれるのかしら。昨日ちょっと通りかかっただけでどこかへ行って
しまっていたらどうしましょう」
「そんなことないよ」
負けずにエイトも言い返します。
「ちょうちょって毎日だいたい同じ時間に同じ場所を通るんだ。毎朝井戸に行くと同
じアゲハが飛んでるよ」
「まあ、そうなの?すごいわ」
エイトの話してくれたことに姫は素直に感心しました。そして一緒になって蝶を探し
始めました。
暑い夏の昼下がり、ただ蝶を待つ二人はちょっと眠くなってきました。
「来ないなあ」
「そうねえ」
手持ち無沙汰にそんな会話をしてみるものの、眠気は一向に去りません。特にエイト
は夜明けと共に起きて働いていたのですから。
眠気を取り去ろうと、エイトが頭をぶんぶんと振り回した時です。視界の隅を瑠璃色
の輝きがかすめて行きました。
「あっ、出た!」
「えっ、どこ」
ちょっとうとうとしかかっていた姫も慌てて立ち上がり、辺りを見回します。
「あ、あっち行っちゃう…追いかけよう!」
「ええ!」
眠気なぞどこへやら、二人は蝶を追いかけ始めました。
庭の生垣を越え、蝶はひらひらと飛んで行きます。それも風に乗って高く舞い上がる
でもなく、子供二人を誘うかのように小径の隅々でその羽をきらめかせるのでした。
長い生垣の隙間をすり抜け、城壁のすぐ横まで来た時でした。
「あれ…?」
「あら…?」
エイトはふと、視界が揺らめいたように感じました。でもそれはほんの一瞬のことで、
立ち止まって目をこすると何でもないように壁の石組みがあるばかりです。隣でミー
ティア姫も目をこすっていました。同じようにちょっと視界が揺らいだのかもしれま
せん。
「大丈夫?」
「ええ。今ちょっとだけ変な感じだったの」
「うん、僕もちょっと変だった…あっ」
エイトの視線が、蝶が城壁を越えて行こうとしているのを見つけました。
「ちぇっ、もっと近くで見たかったのになあ」
がっかりしたような声になったのも無理はありません。たしかこの城壁の向こう側に
行くにはかなりの回り道になる筈なのです。くぐり戸まで行っていたら蝶はもう、ど
こかへ行ってしまっているでしょう。
「あら、あそこに扉があるわ」
ところが姫が指差す先には、今までそこにあったかのような顔をした古い扉がひっそ
りとあったのでした。
「あれ、そんなとこまで来てたんだ…」
エイトはちょっと首を傾げました。が、すぐに、
「行こう」
と扉を開けたのでした。
扉の向こう側には何の変哲もない城壁と建物が並んでいました。王族の居住区ではな
いので、飾り気のなくあまり個性のない建物がただ淡々と連なっています。
「こんなところあったっけ」
エイトはちょっと不安になってきました。見たことがあるようなないような、そんな
場所です。せめて人の気配でもあればいいのにそれすらありません。
「どうしましょう、ちょうちょがいなくなってしまったわ」
姫はそんなことを口にしましたが、本当はエイトの不安がうつったのか、何だか心配
になっていました。ここが自分の城であるとは分かっていましたが、何となく入って
はいけないところに入り込んでしまったような気がしてきたからです。
「見失っちゃったね…」
エイトは辺りを見回しましたが、蝶の姿はどこにもありません。そしてさらにもっと
気懸かりなことに気付いてしまいました。
「ミーティア」
「なあに、エイト」
「僕たち、今そこから出てきたんだよね」
二度と見たくない、というかのようにエイトがそちらを見もせず肘で指し示します。
姫はその先を見遣って、はっと息を呑みました。
「ない、わ…!」
今しがた出てきた筈のくぐり戸が、なくなっているのです。ただひたすら同じような
城壁の石組みが延々と連なっているだけでした。
「どうしましょう」
二人は顔を見合わせました。が、何のいい考えも浮かんできません。
「ここでじっとしててもしょうがないよ。行こう」
エイトがそう言って、二人は城壁に沿って歩き始めました。
いつかはあのくぐり戸が現れるだろうと思っていたのですが、それは甘かったようで
す。歩き続ける二人の前には城壁のあちら側へと抜ける、いかなる道も現れませんで
した。人の気配でもあればまだよかったのかもしれませんが、生きているものの気配
すら全くありません。ただひたすら蝉の鳴き声ばかりが道に響いているのでした。
「はあ」
ミーティア姫の口から思わず溜息が漏れました。
「ごめんね、僕があんなこと言わなきゃ…あんなちょうちょなんか追っかけるんじゃ
なかった」
「ううん、気にしないで。ミーティアも見たかったのですもの。でも…」
言いかけて、姫は言葉を飲み込みました。もし言ってしまったら、それが本当のこと
になってしまうような気がしたからです。
「うん…」
エイトは姫が何を言いたかったのか見当がついてしまいました。でも敢えて言わなかっ
たのは、エイトもまたそれを口にすることで本当になってしまったら、と思ったから
でした。
「少し休む?」
「…ええ」
せめて日陰を、とエイトが辺りを見回した時です。小さな女の子が建物の陰で砂を集
めているのに気付きました。
「…あの子、誰かしら」
ミーティア姫も気付いてそっと囁きます。
「…うん」
エイトはぎゅっと口を引き結ぶと、その女の子に近付きました。
「あの」
恐る恐る声をかけると、女の子はこちらをちら、とは見ましたがまたすぐ砂集めの作
業に戻っていきました。
「こちらで何をしていらっしゃるの?」
今度は姫がそっと話しかけました。
「お兄ちゃまのためにスープを作ってるの」
砂をせっせと集めながら、女の子が漸く返事をしてくれました。随分たくさん集めて
いたのでしょう、着ている服が泥んこになっています。
「まあ、そうなの。…そうだわ、このお花をスープに浮かべたらいいのではないかし
ら」
と、姫は先程生垣をくぐった時に服に引っかけてしまった薔薇の花を女の子に差し出
しました。すると女の子はこちらを見てぱっと嬉しそうな顔になり、
「わあ、ありがとう、お姉ちゃま」
と花を受け取りました。その時エイトはふと、何かおかしいように感じました。でも
それが何なのか分かりません。心の中で首を傾げておりました。
「ここね、お花ないからお花ほしかったの」
「あなたのお兄様もきっとよろこんでくださるわ」
「うん」
女の子同士で話が弾んでおりましたが、突然、
「あっ、もう行かなきゃ」
女の子が立ち上がりました。
「気をつけてね」
「うん。お花、ありがとう」
そう言って女の子は砂と花の入った器を抱えてあちらに走っていったのでした。
「…誰だったんだろう、あの子」
女の子の姿が見えなくなってからエイトが呟きました。
「…ええ」
姫も首を傾げました。
「これからどうしま…エイト!」
指差す先に例の扉があります。
「行こう!」
「ええ!」
二人は手を繋いで扉を開きました。
扉をくぐり抜けると、いつもの庭でした。午後の日射しが傾いて、木々の作る陰が大
分長く伸びています。
「ふう」
「ああ、よかった」
二人は揃って深い安堵の溜息を吐きました。
が、その時です。エイトは唐突に先程感じた違和感の正体に気付いてしまいました。
(あの女の子…影なかったよ、な)
「エイト?」
エイトの足が止まったことに気付いて、姫が顔を覗き込みます。
「大丈夫?顔色悪いわ」
「ううん、何でもない。行こ、もう午後も遅いし」
エイトは頭を振って、たった今気付いてしまったことを忘れることにしました。
そしてミーティア姫と二人、城へと帰っていったのでした。
(終)
保守
448 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2007/08/21(火) 05:21:47 ID:kj1AHck0O
あっそ
449 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2007/08/21(火) 22:21:28 ID:ZC4SWqq50
馬ウィルス
450 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2007/08/22(水) 13:18:29 ID:+LP2Bhdc0
ここはほんと良作SSが沢山読めて嬉しいなぁ
職人さんいつも乙です
エルトリオとウィニアのスレが落ちたな。
ネタを絞り出すにもめちゃくちゃ創造力が要りそうだったししょうがないが。
捕手
エルトリアとウィニアスレなんてあった事を知らなかった…
真ED後はお墓に結婚報告とかしたのかな
[主人公専用スレッドってないの?
お邪魔します
ss置いていきます
結局、眠ることはできなかった。意識を閉じ、何も考えまいとしてもミーティアの笑顔が脳裏に甦る。うとう
ととしかかれば浅い夢の中でミーティアが張り詰めた顔をしてこちらを見詰める。トロデーンを出発する時の、
あの顔で。
優しく、穏やかな口調だった。
「トロデーンに、お父様に仕えて」
と言った時のミーティアは。その声だけを聞いた人はきっと勘違いするだろう。あの方は、何の迷いもなくサ
ザンビークへ嫁いで行くのだ、と。
でも、本当は違う。その言葉を発するミーティアは何かを堪え、押し隠そうと必死だった。見開かれた眼には
言葉に反するような感情が揺らめき、唇の端が震えていた。身体の中に潜む想いが押さえつけられたが故に噴
出するかのように。
いっそ手を取り呪文で逃げてしまおうかと何度思ったことか!冷静に、何の感情も出すまいとしつつも僕の心
も揺らいでいた。こんな顔をさせるために僕はあの旅をしたんじゃない。ただ、呪いで姿を変えられたお二方
と茨の中で悪夢を見続けるこの城を助けたかっただけなのに!
またしても僕は呪いを防ぐことができないのか。あの時誓い通り付き従ってさえいれば盾となって呪いを跳ね
返せただろうに。あの時点でドルマゲスに拮抗する力はなかったけど、お二方を逃がすくらいはできただろう。
真実を知ってなおさら、その思いが胸から離れない。ならば今度こそ、守り抜くと心に刻んでいたのではなか
ったか。なのに…
あの男は何も変わってはいない。このままミーティアがサザンビークへ嫁いで幸せになれるのか。王族の結婚
なんて義務だと人は言う。神の御前で結び合わされるだけの同盟なのだ、と。
ミーティアもそれを分かっている。だからこそ、ああ言ったのだと思う。人として正しい道を行くより王族の
義務を果たすためだけに結婚するのだと。
僕も分かっているつもりだった。でも大聖堂の島へ渡る船の揺れるように、僕の想いも揺れる。ミーティアを
連れ去ってしまいたい。僕一人のものにしてしまいたい。だけどただ一時の邪念だけであの方の未来とトロデ
ーンの未来を潰していいものか。迷いつつ出した指輪は、そのまま失われてしまった…
いつの間にかうとうとしていたらしい。ふと気付くと窓から朝の光が差し込んでいた。
「おはようごぜえやす、兄貴」
眼を開けてぼんやりと天井を見ていると、声がかかる。
「ああ、おはよう、ヤンガス」
身体を起こし、なるべくいつも通りを心がけつつそう言うと、
「もうじきミーティア姫様の結婚式が始まるでがすよ。せっかくここまで来たんだし、式に出れなくてもせめ
て近くまで行ってみましょうや」
と言われた。
結婚式…行きたいのか行きたくないのか、寝不足の頭でヤンガスにどう答えたものかとぼんやり思ううち、何
となく曖昧な言葉が口を吐く。
「ああ…」
それを肯定と捉えたのか、ヤンガスは頷いて、
「じゃっ、あっしは一足先に大聖堂の前へ行ってるでがすよ」
と、さっさと宿を出て行ってしまった。
ヤンガスの言葉のままに宿の外に出た。朝の光が眩し過ぎて、目が眩む。少し目が慣れたところで何となく歩
き出した。
このまま大聖堂へ行ってどうなるというのだろう。でも足は勝手にそちらの方へ向かっている。この婚礼を一
目見ようとするたくさんの人々の声に物売りの声が重なる。辺りのそんな物音が耳に入ってはいたものの、ど
こか遠いものとして認識していた。
しっかり歩いているつもりだったけど、どうもよろよろしているように見えたらしい。向こうの方で何か話し
ていたククールとゼシカが、僕の姿を見つけるなり寄ってきた。
「やっと来たか、エイト。もう結婚式は始まっているようだぜ」
確かにこの場所は人の姿もまばらだった。皆、もう上の方へ行ってしまったのだろう。
ぼんやり眺めていると、ククールが耳打ちしてきた。
「あんだけ人が多けりゃよ、どさくさに紛れて何かやらかしても大丈夫なんじゃねーかな」
意味ありげに階段の上を見遣った後、
「昨日オレが言ったこと覚えてるか?姫の幸せを守るのも近衛隊長の仕事だって。後、オレたちは仲間だ。お
前が何かするつもりなら力を貸すぜ」
と付け足した。
近衛兵の務め、か…
近衛の務めとは、王をお守りすることだろう。そんなこと、ククールに言われなくたって分かっている。だか
らこそ、昨夜の行為は近衛隊長としてあるまじきことだった。仕える主を窮地に追いやるような行いだったの
だから。
「どうしても納得いかないのよね」
ゼシカがその横で憤慨していたけど、そういうものなんだ。そうやって自分の心に折り合いをつけていかなけ
ればどうしようもないんだ。
もう、帰ろう。帰るべきところへ。最期までトロデーンに在って力の限り守り続けよう。決して逃げることな
く、最期まで。あの方の言葉のままに。
なのに足は勝手に階段を上り、大聖堂の方へと向かっている。行きたくない、と思っているのに抗い難い力─
あの方への想いにも似て─に押し流されていく。この階段の上に何があるというのだろう。何もないというの
に。
大聖堂の前の広場にはそれこそ立錐の余地もなくぎっしりと詰め掛けた群衆が王族の結婚式を一目見ようとし
ていた。
こんなにたくさんの人がいるのなら僕はミーティアに見つけられずに済むだろう、と思った。でもそれと同時
にミーティアには僕を見つけてもらえないだろうという思いも湧き上がる。逢いたいのか、逢いたくないのか、
自分でも分からなかった。それでもなお、足は止まらず進み続ける。
(ミーティア)
心の中だけでその名を叫ぶ。
(ミーティア!)
視線の先には大聖堂内部への扉。けれどもそこまでの距離は絶望的に遠い。
何とかして自分の心に折り合いをつけて諦めようとした時だった。
「兄貴―!」
人並みの合間からヤンガスが手を振る。
「ヤンガス」
と応えると、人を掻き分けつつこちらへ来てくれた。
「来てくれると信じていたでがすよ!」
と言った後で、
「もしかしたら来ねえんじゃねえかと心配してたんでげす」
と躊躇いつつも付け足した。
「ああ、うん…」
どう答えたものか、曖昧に言葉を濁していると不意に腕を取られた。
「さあ、こっちこっち!」
「あっ、ちょっ、ちょっと待って」
僕の抗議もものともせず、ぐいぐい前へ引っ張っていく。あっという間に僕たちは大聖堂の扉の前まで来てし
まった。
「さてと、ここまで来たら後はあの邪魔くさい見張りをどうするかでがすが…」
「どうするって…」
ヤンガスの言葉に眼を上げると、最後の会談の上、扉の前には聖堂騎士団の制服を着た兵士が立っている。
「このままでいいんでげすか、兄貴」
この喧騒の中でもヤンガスの言葉ははっきりと僕の耳に突き刺さった。
このまま?そうだ、僕は行くんだ。そしてミーティアもこのままの道を。この先決して交わることのない道を
行くんだ。互いに互いを喪ったまま…
互いに互いを喪って?どうしてそれに耐えられよう。
こんな時になって分かった。あの方への想いは一時の感情の昂りなんかじゃない。同じ魂を共有する、この世
で只一人存在するという自分に等しい人への想いだった。自分の魂の片割れを永遠に失って、どうして生きて
いけよう。それはミーティアにとっても同じ筈。同じ魂を持ちながら別々の道を行くなんて。
「無礼者、招待客でもないのにこの中に入ろうとするのか?」
扉の前に出てきた僕を見張りの騎士が睨み付ける。それには答えず、僕はただ扉を見詰めていた。
ずっとそうだと信じていた。いや、いたかった。僕がトロデーンを守っていると。この剣を以って戦い、王家
の盾になっていると。
でも真実は違っていた。この国を守っていた、そしてこれからも守ろうとしているのはあの方、ミーティアだ
った。剣一つ取ることなく、婚姻という例え法王であっても破棄することのできない両国の民を確実に守る手
段で。ミーティア一人が犠牲になって得られる平和。
そんな道を行かないで。どうか一人で重荷を背負わないで。最後まで僕を、あなたを守る近衛でいさせてほし
い。茨の道を進むのは、僕だけでいい。この背に背負う剣に懸けてあなたを助け出す。あなたを縛る最後の呪
い、この身を以って解く。
そうだ、答えは最初から僕の中にあったんだ。
「力ずくでも罷り通る!」
「止まれ!止まるんだ!」
剣を抜こうとする騎士に向かって背負う剣に手を掛ける。と、
「ここはあっしに任せて兄貴は行ってくだせえ!」
気合を込めて護衛の騎士に当て身を喰らわせ、ヤンガスが頷きかけてきた。
「頼む」
短くそう言うと、
「合点でがす!」
勢いのいい返事がくる。
ヤンガスの言葉に頷き返し、大聖堂の扉に向き直った。
さあ、開けるんだ、あの方のために。そして、僕自身のために。
(終)
初めて投稿します。
暗くてドラクエらしからぬ雰囲気になってしまいましたが。
殺せ……この男を殺せ。それで全て片が付く。
湧き上がる衝動をエイトは必死に抑えていた。
サザンピーク王国第一王位継承者チャゴス王子。念で人が殺せるのであれば、この男、八つ裂きにした上で、なお重ねて切り刻んでいる。
サザンピークへの道中、姫の伴侶となられる方とは、いかな勇者か、いかな賢者かと胸を高鳴らせたものだ。しかし、いざサザンピークに着いてみればチャゴス王子の良い噂など全く聞かなかった。それどころか、実際の王子は噂に輪を掛けて凡愚だった。
それでも成り行き上、行動を共にすることになったおり、遠巻きにしていてはわからない良いところを見つけられればと期待したのだが……。
ことの発端は、チャゴスがミーティアに無理矢理跨ったことだ。ろくな乗馬技術もないことは明らかに見て取れた。当然ミーティアは嫌がり、チャゴスは振り落とされた。
ここで話が済んでいれば、定例通りにヤンガス達がチャゴスに呆れ返り、エイトがそれを窘め、同盟国の兵士という立場上、チャゴスを擁護することで落着していた。
だが、今回はそれで終わらなかった。あろうことかチャゴスは苛立ち紛れにミーティアに鞭を向け、それを庇ったトロデを打ち据えた。
エイトは孤児だった。その上、異例の若さで近衛兵に抜擢されるなど、抜群の才覚を発揮していたため、いわれのない中傷や嫉妬を受けることも間々あった。
そういうことから、エイトは耐え難きに耐えることには慣れていたのだが、これには抑えかねた。
自分の世界に火を灯してくれた女神に、父とも慕っていた主に、よりにもよってこの男は……。
殺せ……この男を殺せ。何もかもそれでけりが付く。
そう、けりが付く。この男を斬ったとき、全てが御破算になる。
アルゴンハザードと共に、チャゴスを生きたまま送り届けなければ、太陽の鏡は手に入らない。ドルマゲスを追うことができない。姫と王、そしてトロデーンの呪いを解くことができない。全てが終わる。
握力に柄が悲鳴をあげた。
自制を失う限界で、自分に言い聞かせる。この男以上に、斬らねばならない男がいる。この男を斬る以上に、果たさねばならない使命がある。
まずはドルマゲスを八つ裂きにして、女神と父、そして故郷を救う。それまではいいだろう。
だが、全てが上手く運んだ後、この男がまだ屑のままだったなら、そのときは改めて天命に問う。この男を斬れば、全てが上手くいくのかを……
以上です。
お目汚し失礼
保守
久々の新職人さん歓迎
そしていつもの職人さんもGJ!
連投気味で申し訳ございません
少し早いですが季節ネタ置いていきます
月が、城壁の上の僕たちを照らす。
「もう、秋なのね」
隣でミーティアが呟いた。
「そうだね」
「昼間はあんなに暑くても、日も暮れれば涼しいのですものね」
そう言って、月を見上げる。
「寒い?」
気付かなかった自分に少し腹を立てつつも、上着を脱いで肩にそっと羽織らせた。
「大丈夫よ、エイト」
とミーティアは服を返そうとして、ふと、その手を止めた。
「ミーティア?」
「うふふ」
悪戯っぽく笑うと、「えいっ」とばかりに服の半分を僕に着せ掛けてくる。
「えっ」
「半分こしましょ、エイト」
ミーティアの言葉には逆らえない。何より、ぴったりとくっついているその柔らかな身体からどうして離れら
れよう? それ以上、を望みたくなる自分の心を抑えつけるだけで精一杯だった。
「エイト?」
ちょっと浸り過ぎたかな。すぐ目の前でミーティアが不思議そうな顔をしてこちらを見ている。
「あ、何でもないよ。ただちょっと…前にもこんなことがあったなって」
慌ててそう取り繕うと、その眼に懐かしそうな光が宿った。
「そうね、そんなこともあったわね…」
あの時は霧の中だった。子供だった僕たちは城の外で霧に包まれ、濡れてその冷たさに震えるミーティアの肩
に上着を掛けたんだったっけ。
ふふ、と腕の中のミーティアが笑った気配がした。
「あの時、エイト…」
と言いかけ、さらに笑って口を噤んだ。
「何?」
「内緒」
「言ってよ。気になるじゃないか」
「だから内緒なの」
笑いながら身体をかわそうとする。そうはさせじとミーティアの頬を両手で包み込み、その柔らかな唇に唇を
重ねた。
「エイトったら」
自分でも思っていなかった程長引いた口づけの後に、頬を染めつつミーティアが僕の胸を打つ仕草をした。
「こういうことを言いたかったんでしょ」
胸に抱き締めて動きを封じつつ、耳元で囁く。
「でも、あの、その…」
戸惑うミーティアがとても可愛くて、もう一度口づけしようとしたんだけど、今度はその直前に無粋な手が割
り込んできた。
「ミーティア」
不満を込めて睨み付けると、ふと、僕の背後に視線を移した。
「あら、お父様があんなところに」
「えっ」
まずい。風紀のこともあるから人前でいちゃつくなって何度も言われてたんだっけ。
「もっ、申し訳ございませ…あれ?」
この状況を何と言い訳しようかと考えつつあたふたと振り返ったけど、誰もいない。
「ミーティア」
「うふふ、ああでも言わないと止めてくれないのですもの」
天真爛漫にそんなことを言ってくれる。そして僕はそんな彼女に逆らえない。せいぜい隙を突いて口づけする
くらいだ。ちょうど今みたいに。
「エイト」
「頬にするぐらいいいでしょ」
「あの月の人も呆れていらっしゃるわよ。どうしてこんなおばかさんを助けてしまったのだろうって」
「ああ、あの人…」
懐かしいな、旅の途中何度もお世話になったっけ。
「お元気かな。今夜も満月だし、どこかで扉を開いているのかな」
「そうね、お元気でいらっしゃるといいわね」
もう一度、空を見上げてミーティアは微笑んだ。
「それにしても今夜は晴れてよかったわ。昼過ぎまでずっと雨だったのに。なのにエイトはお出かけだったで
しょう。心配していたのよ」
「本当だね、晴れてよかった」
と答えた後、心の中でこっそりと付け加えた。
「ま、ちょっとした運動に行ってきただけだしね。ゴルドまで」
※ ※ ※
一方その頃。
「ちくしょーっ!」
トロデーン近くの人気のない草原に、怒りの声が響く。
「ああ、そりゃ金に釣られたオレがバカだったさ。何せ一時間1000Gだもんな。だけどよ…」
乱れる銀髪を掻き上げ、恨めしげにトロデーンの城壁をちらりと見遣る。
「あのバカップルのいちゃいちゃを見せ付けられてその上で一人ミラクルムーンだと?一瞬でも翳ったら即ギ
ガデインだと?バッキャロー!」
その声に呼応するかのように、どこからか遠雷の音が響いてきた。
「ああもう分かったよ!やればいいんだろう、やれば!」
462回目のミラクルムーンに向けて、助走しながらククールはやけっぱちで叫んだ。
「いつもより余計に回っておりまーす!」
(終)
ククールバロスwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
今までの良い雰囲気が良い意味で台無しだwwwwwwwww
しばらく見ないうちに新しい方が!
黒いエイトもありだな
>469
このバカップルがwwww
ほしゅ
みーちゃんかわいい
保守
477 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2007/09/30(日) 17:43:23 ID:Zef3QIzo0
BASTERD
ほしゅ
最初にトロデーンに行った時に読んだ貴族の日記?みたいなので、
姫が主人公を気に入っている…みたいな記述を見てからEDに期待しまくってた。
でも実はまだ竜神王クリアしてないんだ…。
竜神王クリア後のEDがあそこまで変わるとは思ってなかったんだよ…。
ごめん…ごめんよ主人公……。
というわけで、今更だが続きやってくる。
データ残ってるかなぁ保守。
>>479 悪いことは言わん、すぐに竜神王倒して正気に戻してやれ(試練は不要)
指輪さえ手に入れば真ED見れるぞ
Lv43のデータが残ってた。
もう少しレベル上げしないと無理っぽいな、こりゃ。
やり方次第で行けるぞ
479じゃないが、さっき真ED見てきた。
ラスト「もうよいじゃろ〜」の後の見詰め合ってちょっとうつむくみーちゃんに
激しく萌えた。
>>481 もっとLv低くてしょぼいスキルしかなくても大丈夫だったぞ。
頑張れ。
結婚EDもいいけど、俺はそのまま駆け落ちするEDを選ぶぜ!
全てを知っていて、改めてトロデーンの近衛隊長として、幼馴染としてミーたんを幸せにしたい、そんな漢のロマン。
479及び481です。
>>482 >>483 そっか、いけないことも無いのかー。
とりあえずLv47になったんで挑戦して来る!(^▽^)/~
竜神王すんなり倒せますた。
これであのEDが…!
是非じかで見た感想を聞かせてくれ。
楽しみにしてる。
488 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2007/10/20(土) 10:40:11 ID:Plp6ele4O
ミーティアが馬の状態で、他の馬と交尾して、妊娠した状態で人間に戻ったら、どうなるのかな?
その逆も見てみたい。
やっと真ED見れた!いやーいいねー!
これぞ王道って感じ。
チューはミーティアがせがんでるように見えて萌えた。
前夜のチャゴスは『絶対お前には渡さん!』という強い闘志が湧きますたw
以下チラシの裏だけど、
欲を言えばグラビウス王には前夜の時点で認めて欲しかったかな。
継承権はいらぬと申すか→はい・いいえ→
チャゴスには良い薬になるだろうとか言って。
てか、あのドラ息子をキッチリ叱って欲しかった。
>前夜の時点で認めて
何となくだけど、クラビウス王は主人公の覚悟の程を量っているような気がする。
指輪を取り上げられても大聖堂に乗り込んでミーたんを奪還しようとするだけの
覚悟があるかないか、みたいなの。
会話の最後、肩越しにちらっと主人公を見る辺りからそんなことを妄想w
トロデ王がドラクエモンスターズで魔物と小作りしてる件をみーたんはどう思ってるのだろう
492 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2007/10/23(火) 22:18:45 ID:1ftSbVEa0
保守
保守
「エーイト」
「なあに、ミー…って、どうしたの、その格好?!そんな、魔女みたいな…」
「Trick or treat!」
「へっ?」
「もう、エイトったら。Trick or treat!」
「(あれ、Trick or treatって何だったっけ。えっと、ああ、あれか!)
じゃあ、trickで」
「えっ」
「trickで」
「えっと、その…あの、エイト?お菓子持ってないの?」
「trickで。っていうか是非お願いします、trick」
「(どうしましょう、悪戯なんて考えてなかったわ)じゃ、じゃあ悪戯するわ…」
「どーぞどーぞ」
こちょこちょ
「うーん、全然くすぐったくないなー」
こちょこちょこちょ
「これって悪戯なの?」
「もう、エイトったら!」
チュ
「あっ」
「悪戯はおしまいよ」
「…(やられた…!僕がしようと思ってたのに…!)」
ハロウィンネタで一つでした。
保守
素人参加おk? SS投下しないでROM専だけど・・・
498 :
496 :2007/11/03(土) 12:41:31 ID:A7m4yS300
>>497 d。しばらくゲームはやってないけど、この二人は忘れられませぬ。
ここはむしろ、そういった人たちが二人への萌えを叫ぶ場だw
萌えのあまりss投下したり絵を描いてしまったりする人もいるというだけだし。
是非とも萌えを吐き出してくれ。
>>451 ”DQ8クリア後総合スレ”にでもしとけば落ちないかな?
DQは余計なエピソードが挟まらないのがいいよね。特にこの二人は小さい頃からいろいろあったのだろうなあ、と想像できるし。
目の前に海が広がっている。
これ程澄んだ海の青を、私は知らない。真っ白な砂浜に、青い海。波打ち際は淡い青で、沖の方は深い青。ど
こまでも澄んで、翳りがない。そんな光景は、画家たちの描く絵の中だけにあるものだと思っていた。
海を眺めつつとりとめもなくそんなことを思っていた時、ふと、心が痛んだ。
トロデーンの海はもっと、灰色がかっていた。どんなに晴れた夏の日でも、決して澄み渡ることはない、北の
海。どこか翳りを含んで、一度嵐が来れば鈍色(にびいろ)となり白波が牙を剥く。
きっと誰もがこの目の前に広がる南の青く穏やかな海を好ましいと思うだろう。けれども、私はトロデーンの
城壁から眺める北の荒れた海の方が好きだった。
いいえ、それは正しくない。今、このサザンビークの海辺に立って初めてそれに気がついた。トロデーンの海
も、空も、森も、草原も、そして住んでいる人々も大好きだった。ただ好きなだけではない。私の全てはトロ
デーンによって形作られている。トロデーンの景色に囲まれ、トロデーンの水を飲み、トロデーンの空気を吸っ
てきた私。こうして旅の空にあってやっと、それを知った。自分がいかに強くトロデーンと結びついているか
ということを。
「…」
今、馬の姿でよかった。人の姿だったならきっと、泣いてしまっただろう。こんなにも大切なトロデーンを失っ
て、さらにその先も失ってしまうことが分かっていたから。
「姫様」
背後で静かに砂を踏む音がして、控えめに呼びかけられた。
「よろしければお戻りくださいますよう。そろそろ昼ですので」
エイトだった。
「…」
戻りたくなかった。こんな心を抱いたままでどうして皆のところへ戻れるだろう。でも、戻らなければ皆に迷
惑がかかる、と思い直してエイトの言葉に従って踵を返そうとした。
「海を見ていらっしゃったのですか」
と、ついとエイトが進み出て私の隣に並んで海の方へ眼を遣った。
「きれいですね…海って、こんな色をしていたんですね」
独り言のように呟く。私はそれをただ黙って聴いていた。
「トロデーンの海と繋がっている筈なのに、どうしてこんなにも違うのでしょう」
そう、あまりにも違う。どんなに美しくとも、その景色は私に属するものではない。私は、トロデーンに…
「お帰りになりたいですか、トロデーンに」
ひっそりと問いかけられる。ああ、そんなことを聞いては駄目。本当は帰りたいわ、今すぐに。でも一生懸命
戦っているのに私だけそんなわがままは言えない。お願い、エイト、どうか…
「僕も帰りたいです」
きっぱりとした口調にはっと眼を遣ると、一見普段とは変わらないエイトの姿があった。
「帰りたいです、トロデーンに。世界中旅して分かったんです。僕の故郷はトロデーンだって」
その眼には紛れもなく望郷の想いが溢れていた。私と同じように。
「早く帰りたいです。僕の故郷に。トロデーンに…」
懐かしさの滲む声でエイトは言った。その後、付け足された聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声を私の
耳は拾った。
「あなた様のいらっしゃる…」
私も、帰りたい。あなたがいてくれる、トロデーンに。懐かしくて胸の奥が痛くなる。でもそんなことは言え
ない。
「どうか、仰ってください。『トロデーンに帰りたい』と。わがままでも何でもないと思います。その言葉一つ
で…僕はまた戦っていけるのですから」
いつの間にかうな垂れていた私は、その言葉にはっと顔を上げた。
「どうか…」
「…」
この馬の身では何も言えない。私はただ、エイトを見詰めるだけしかできなかった。
(帰りたい、あなたと一緒に!)
人の姿だったなら、間違いなく叫んでいただろう。故郷への想い、エイトへの想い、この海と空と、私たち二
人しかない遠い異郷の地であるのならば他の誰にも知られないだろうから。
「ええ。帰りましょう」
私の声なき声が伝わったのか、私の眼を見詰めたままエイトが力強く頷く。
「必ず、帰りましょう。僕はどこまでもお供いたします」
許されることならばいつまでも見詰め合っていたかった。
「…参りましょうか」
でも、そんなことはできましない。きっと、気付かれてしまう、お父様に。それに食事の時間を遅らせては申
し訳ないから。
二人並んで砂山を降りながら、ふと思った。いつか、この場所に立つ時に思い出すのだろうか。二人並んで海
を見たことを。その時、耐えられるだろうか。トロデーンを、エイトを懐かしく、慕わしく思う想いに。
隣にある、赤いバンダナから覗く茶色がかった髪が潮風に揺れている。その光景を忘れまいと、心に焼き付け
るのだった。
(終)
以上、冒険中、サザンビーク南の海岸での話でした
二人の会話(?)に持っていくまでが非常に上手ですねえ・・・思わずぞくぞくしちゃいました・・・ありがとうございます!!
素晴らしい文章読んだ後は気持ちがええ。
捕手っとこ。久々に8やってみようかな。
保守
保守する時はageなくてもいいの?
最後の書き込み順によって落ちるから、ageの必要は全くなし。
うまぐるみみーたんも言ってるでしょw
おkおk。改めてよろしくw
大丈夫かもしれんが、一応保守
ほすほす
やばそうなんであげ
おぉ、こんな良スレがあったとは知らなんだ。
しかもまとめもあるっぽい…。
ミーちゃん大好きだよミーちゃん。
HOSYU
>515
ようこそ!
思う存分萌えを叫んでってくれ
あげていいこともたまにはあるもんだな
全盛期と比べてSSも減っちゃったな
お気に入りにしてたサイトもどんどん違うゲームのSSばかりになってきたりで…
徐々に衰退していくって寂しいよな
>>518 まあ発売からしばらく経つからね・・・
保守。
サイトは減ってきてるのかもしれんが、がっちり萌えとるぞー!
どっちも可愛いな
463、4で書かせてもらった者です。
また思いついたので書いてみました。
お付き合いいただけたら幸いです。
押し寄せる緑色の濁流。それが無数の茨であると気付いたときには飲み込まれていた。
数時間か、ほんの数秒か。失っていた気を取り戻したエイトは、状況を確認する。城壁は崩れ、あるいは貫かれ、トロデーンは緑色の悪
意に蹂躙され尽くされていた。
すぐ隣りには、人とも、植物とも言えぬ何かが。
友だった。
平時の夜営など退屈なものだ。先ほどまで冗談を言い合っていた。
肩を掴み、揺する。声をかける。棘が掌を容赦なく傷つけるが、それどころではない。
友は、瞬き一つの反応さえしない。
掌には血が滲んでいた。
他の者はどうなった!?王は!?姫は!?
必ず助けるからと、友に誓い、エイトは城内へと駆け出す。
茨が行く手を阻み、見知った顔の悉くが、それと同化していた。だが、王と姫は見当たらない。
玉座、私室、いつか共に星を観たバルコニー。思い当たる全てを駆け回り、最後にたどり着いたのは、決して開けてはならぬと言われて
いた扉。それが今、開け放たれている。
扉の先は階段になっていた。それを登り、エイトは見た。
道化師の禍々しい薄ら笑いを。そして……
あの日以来、薔薇をまともに見ることができなくなった。
剣戟のみならず、突き、蹴り、組み討ちまで視野に入れた独闘。
エイトの訓練は、城で行っていたものよりも、はるかに熱を帯びたものになっていた。
それを見つめる牝馬―――ミーティアの瞳は、どこか悲しい。
昔から、訓練場で汗を流す彼を見るのが好きだった。普段の優しい瞳とは違う、真剣な眼差しに胸が高鳴った。汗を拭いてあげようとす
ると、自分でできますから、と、照れる姿が可愛らしかった。
今の自分には、彼の汗を拭ってあげることはできない。しかし、悲しいのはそこじゃない。大好きだった彼の瞳が、今のように、ときど
き怖くみえてしまうことだ。
「頼もしいの」
彼女の背中にブラシをかけていたトロデも、いつの間にか視線をエイトに向けていた。
「エイトはまた腕を上げたようじゃ。しかし、だからこそ惜しいのう。彼奴があのとき、もう少し早く駆けつけてくれたなら、ワシ等もこ
んな姿にならずにすんだかもしれんのう」
そう。きっと彼はそれに負い目を感じ、自分を責めている。怒りと憎しみが、彼の瞳を奪おうとしている。それがたまらなく悲しかった
。
訓練を一段落終えて、額から顎へと流れる汗を襟で拭うエイト。表情は厳しいまま、どこか遠くを見つめていた。
そんな彼に、ミーティアが顔を擦り付ける。
自分を責めないで。自分を傷つけないで。優しいままのエイトでいて欲しい。
エイトは一瞬驚いて、そしていつもの優しい彼の顔に戻っていた。
以上です。
あぁ、なんか改行変になっちゃったし。
ミーティアは馬のとき、たてがみにリボンしていると思っていたので
本当は、女の子にリボンを貰って〜みたいなオチだったのですが、
確認したらリボンじゃなくて紐で結んでるだけでやんの
つーわけで、修正していくうちに後半はまったく別の話に。
何とか形になっているでしょうか?
本来考えていた流れも、もったいないので
別の形で披露できたらいいですね。
それでは
貴重!!なSS投下dです!! これだからこの二人はやめられない・・・w
ミーたんホシュ
保守、とだけ書くのもしゃくなのでss置いていきます。
冷たい風が城壁に吹き付ける。遥か崖下では荒波が打ち寄せる。トロデーンに冬が来ていた。
「お寒うございませんか」
今日何度目だろう、先を行く人影に向かって呼びかける。
いいえ、と首が横に振られ、風に髪が翻った。その様子に話を繋ぐ術を失って、僕はただ小さく息を吐いた。
先程からずっと無言であの方─ミーティアは歩き続けている。何か思うことがあると、ミーティアはこうやっ
て長く散歩することがあった。何を言うでもなく、僕もただそれに従う。しばらく無言の時が流れて、じきに
微笑が戻ってくるのが普通だった。
なのに今日はどうしたのだろう。もういつもの倍は歩いている。
「姫様」
少し強い口調で呼びかけると、白い毛皮のケープに被われた細い肩がぴくりと動いた。
「あまり寒いところにおいでになってはお身体に障ります。ご自愛くださいますよう」
吹き抜ける風の音だけが一際大きく響く。僕は辛抱して返事を待った。
「分かりました」
長い沈黙の後、漸くミーティアが口を開いた。僕に背を向けたまま言葉を続ける。
「寒い思いをさせてしまいましたね。申し訳ありません。もう戻って結構です」
「そうは参りません」
隣に人がいる時のような作法に則った言葉遣いもさることながら、その内容に驚いて一歩前へ踏み出した。
「恐れながら申し上げます。例え城内であっても、姫様お一人で歩くことはお慎みくださいますよう。この散
歩も、僕一人だけの従者であるのは特例として認められているだけで…」
だんだん尻すぼみになったのは、小さいけれど深い溜息が聞こえたからだった。
「お願い、もう少しだけ…」
切なげに訴えられたけど、僕は首を縦に振れなかった。
「お戻りを、姫さ…」
最後まで言い切ることができなかった。一陣の風がミーティアの髪を弄ったかと思うと、そのうちの一房が無
意識のうちに伸ばしていた僕の手の指に絡みついたのである。
「あの…」
ミーティアの髪は、冷たかった。しんと冷たい、寂しい冬の夜のようなその感触が忍び込んで、僕の心はたち
まち同じ色に染め上げたような気がした。
「あっ…」
ミーティアもそれに気付いて、そっと髪を押さえる。すると髪はさらりと解けた。
「あっ、あの、ご無礼をお詫び申し上げます」
それを一瞬でも惜しい、と思ったことを隠しつつ、無礼を詫びる。どうか気付かないで欲しい、と願いながら。
「だ、大丈夫です」
肩越しのミーティアの頬に、さっと赤みが差す。
「も、戻ります」
そのままぎくしゃくと踵を返そうとした途端、いつもよりずっと着膨れした懐からチン、と聞き慣れない音が
した。
「姫様?」
「あ、あの…ごめんなさい!」
ごとん、と重たげな音で足元に釜のようなものが転がった。慌てて拾おうとする手を制し、先にそれを拾い上
げる。
「これは…」
落ちた衝撃でだろうか、留め金が外れて中から一振りの剣が転がり出てきた。
「どうしてここに?」
僕の剣だった。練習用に使っていた、古いものだ。切れ味も悪かった上に、一昨日の稽古中に折れてしまって
いた。後で鍛冶場に持っていって接いでもらおうとその辺にしまい込んで、そのまますっかり忘れていたもの
だった。
「あの…エイトの剣が折れてしまったと聞いたので…何とか接げないかとミーティアの手鏡を使ってみたのだ
けれど、上手くできなかったみたいね」
その言葉に慌てて片膝を付いた。
「恐れ多うございます。そのようなお心遣い、もったいなく存じます」
深く頭を垂れ、謝意を示す。このような場合での決まりきった口上があって助かった。ただもう先程のことや
この剣のことで混乱していたから。
「寒い思いをさせてしまってごめんなさい。では、戻りましょうか」
何としても主従の陰に隠れようとする僕にミーティアは気落ちしたのか、やや素っ気無い口調で言うと歩き出
した。僕もそれに従おうとして、ふと、立ち止まった。
「あの…姫様」
ミーティアの歩みが止まる。
「あの…ありがとうございます。いつまでも、大切にいたします」
一度口を開いてしまうと、澱みなく言葉が流れ出た。隠しておこうと思っていることまでつい言葉にしてしま
いそうになる程に。
「ありがとう」
ミーティアは振り返らなかった。ただ、そう言った後で片手がマフから引き出され、顔の辺りに遣られるのを
見た。
「釜は重くございませんか。お持ちいたします」
「ありがとう」
振り返ったミーティアはもう、いつものミーティアだった。
「冷えていらっしゃるのではないですか」
「そうね。でもお部屋は暖かいので大丈夫よ」
「後で熱いお茶をお持ちするよう、厨房に通達いたします」
「嬉しいわ。ありがとう」
それからはもう、いつもの会話だった。あの一瞬などなかったかのような。
剣だけが、冬空を映して鈍く冷たく光っていた。
(終)
エイトの初期装備、「兵士の剣」に絡む話で一つでした。
いつもいつもGJです
廃れてきてる中でも一定のペースで投下してくれる職人さんが居るって幸せかもね
おつかれちゃーん
保守
あけおめ保守
今年も主姫萌えでいくぞ!
ニコ動で北米版のミーティアの声を聞いたんだか、なかなかいいな。
ほしゅ。みーたんかわいいよみーたん。
ミーちゃんではしゅ
みーたんかわいいよ保守
542 :
T国王女:2008/01/10(木) 00:30:07 ID:MdX8HD1S0
エイトかわいいよエイト♪
幼馴染なのに身分違いというのが王道だけど燃えるね!!
544 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/01/13(日) 02:34:15 ID:0KUp0mIN0
ほしゅ
保守ります。
EDの後、二人はどうやってトロデーンを切り盛りしていくつもりなのだろう・・・?
>>545 ミーティアが女王として国を治めて、エイトがそれを補佐。
少しでもミーたんの役に立とうと、帝王学を学ぼうとするも、難しすぎて図書館で知恵熱出す隊長。
エイトの負担を軽くしようと護身術にこっそり稽古用の竹刀を振るうも、上手く扱えなくてションボリする姫君。
うん、これだけでドンブリ3杯はいける。
>知恵熱出す隊長
禿げしくワロタw
つか、竹刀持って途方にくれるみーたん想像するとすごく萌えるw
多分トロデ王がまだまだ元気だし、勉強の時間はたっぷりあるんじゃないのかな。
>知恵熱出す隊長
いいな、それw
つーかあったのか、竹刀。木刀を振り回されても困るけど。
魔法とか使えるんだろうか?
知恵熱で倒れるエイト
↓
ミーティア、メイドたちを押しのけて看病
↓
おかゆフーフー「あーん」の王道
↓
(゚д゚)ウマー
ミーティアは回復魔法は一通り覚えてそうw
おかゆか・・・それもいいな・・・
けどおかゆ(白米)あるようには思えないから、りんごでガチ。
ほしゅじゃ
そこは押し麦でミルク粥と言う手もあるぞ!
蜂蜜とかで甘味付けたりするらしい
>>550 自分は、ミーティアはむしろ、特技で「せいれいの歌」や「やすらぎの歌」を覚えていそうに思う。
(ピアノ弾き語りスキルが100ありそう)
「ひつじかぞえ歌」とか。
>>554 外国の童話なんかにあるよね。>ミルク粥
EDで出てきた台所係のおばちゃん(「じゃがいもの皮をむいてたあの小さな子がこんなに立派になって…」の人)に作り方を教わりながら、
一生懸命不器用にミルク粥を作ったり、指のさきっちょに傷つくったりしながらも、りんごをうさぎ形に切るミーちゃんとか想像して萌えた。
ああ、歌は確かに上手だろうな・・・
元ピアノ弾きの自分は、EDで弾いていた曲が何かな〜とか考えてしまう。
ミーティアの歌声はセシルでイメージしている
summer snowとか
お邪魔します。プチネタ置いていきます。
「特訓しなければね」
とあまり似合わない厳しい顔をしてミーティアが言った。
「特訓…」
その口調と、これから行われるに違いない苦手なワルツの練習にちょっと怯んだ僕に向かって、ミーティアが
重々しく頷いてみせる。
「そうよ、特訓」
そんな可愛らしい顔で特訓、と言われてもぴんとこない。特訓っていったらそれは訓練場での朝から夜までぶっ
通し稽古だとか野外での実地訓練とかみたいなのしか思いつかない。
「だけど特訓って言ってもどこで練習するの?」
僕の頭の中ではミーティアが城の訓練場に立って、
「そこ!さぼるなしっかりやれ!」
と僕に稽古をつけてくれた連隊長よろしく剣を振り回している情景が浮かんできて困ってしまう。それはない
だろう、と思っても乏しい想像力ではそんな程度のものしか思い浮かばない。
「ええと…この部屋でしましょう。ピアノもあるし」
この部屋で?いや、よく考えたら剣を振り回すことはないんだからここでいいのか。だけど何をするんだろう。
「じゃあ着替えてくるね」
「大丈夫よ、そのままで。じゃ、始めましょう」
※ ※ ※
ミーティアと結婚してからというもの、格段に覚えなければならないことが増えた。王族としての仕事に近衛
隊長としての仕事(これは自分から続けさせてもらっている)、さらには礼儀作法の特訓までと幅広い。
この礼儀作法というものが曲者で、何だかとても理不尽な行動を要求されることが多くて困る。まあでもミー
ティアもそれをしているんだと思えばまだ我慢できるんだけど、社交界の作法が難関だった。
全く知らない人と如才なく会話する術とか立ち居振る舞いとかは役に立ったと思う。かなり色んな場面で助け
られた。だけど一番の問題は舞踏会だった。
当たり前だけど、舞踏会なら踊らなければならない。そりゃ僕だって踊ったことぐらいはある。近くの村の祭
りに兵士仲間と行ってそこで少し踊ったし。だけどここで要求されているのとは全く別のもの。全く以って初
心者も同然の僕だったけど、それでも何とか覚えたんだ。ミーティアに恥かかせたくなかったし。だけど一つ
だけ、ワルツだけがどうしようもないまま今日に至っている。足の運び方とか細かいところは何とかなったん
だ。なのにどうにもノリが悪くて、怪しげなへっぴり腰になってしまう。
何かの時なんて余りにも僕の足取りが怪しかったのか、見かねたミーティアがそっとリード側に回ったんだよ
ね。進行方向に逆向きに進みながら、
「これって逆じゃない?」
とそれとなく抗議したんだけど、
「そうね。でも踊りができる側がリードに回った方がいいのよ」
とやんわり言われてしまった。いや、確かにそうではあるんだけど。でも、その状況に気付いたククールにに
やにやされてしまって、僕は深く落ち込んだ。まあ、後で手が滑ったふりしてギガデインしてやったけどね。
そんなこともあって、ワルツは練習しつつもなるべく公式の場で踊ることは避けてたんだ。だけどその作戦も
今回はどうやら使えなさそうだった。
トロデーンでは一年の終わりから新年にかけて大舞踏会が催される。僕も警備に就いたことがあるから知って
いるんだけど、それは盛大なものだ。夕方、日が落ちる頃に始まって、新年を告げる鐘と共にお開きになる。
随分長い会の様に思えるけど、途中途中で余興もあるし、色んな種類の踊りがある。もちろん疲れれば隅の方
で何かつまんでもいいし、こっそり席を外すことだって可能だ。でも最後の一つは、主催の一人ということに
なっている僕には無理だけど。
で、その舞踏会は色んな踊りがあるにも関わらず、ワルツに始まってワルツに終わるのが恒例だった。それも
今回は僕とミーティアが中央で踊ることになっている。
「国の内外に広く知らしめるよい機会じゃ。しっかり励めよ」
とまでトロデ義父上に言われてしまったし。それって要するに「ワシに恥かかせるでないぞ」ってことだよな。
うう、ますます何とかしなきゃならないよ。このままじゃ不思議な踊りをお披露目することになっちゃうよ。
これは何としても頑張らないと。
※ ※ ※
ということで、ミーティアの調整によってあれよあれよと言う間に僕は日課のほとんどをワルツの特訓に充て
ることとなった。それでも、たかがワルツだし、と思っていたことは否めない。それにミーティアがいてくれ
る、とちょっと嬉しかったし。だけどその考えは大甘だったことをすぐに思い知らされることとなった。
「じゃあエイト、ミーティアの弾くピアノに合わせて部屋を歩いてね」
「へっ?」
例のごとくミーティアと踊るのかと密かに心躍らせていた僕に、ミーティアは思いがけない言葉をきびきびと
掛けてきた。
「えっ、あの、ただ歩くだけ?」
「そうよ。でもちゃんとピアノの音に合わせるのよ」
特訓なのに歩くだけでいいんだろうか。
「ああ、うん。じゃ、やってみるよ」
釈然としないながらも頷くと、ミーティアはなぜか労わるような笑みを残してピアノに手を掛けた。
「ではいくわね。一、二、三」
ミーティアは淡々とワルツの拍子を刻み始めた。よし、こんなの楽勝!と歩き出したの筈だったのだが、早速
躓いてしまった。
「あれ?」
「大丈夫よ。そのまま続けて」
立ち止まろうとしたけど、優しくもきっぱり言われて再び歩き出そうとした。そうだ、ただの三拍子だ。落ち
着いてやれば大丈夫、と心に言い聞かせる。でも歩き出すとすぐにずれてしまい、慌てて立て直そうとすると
変な足つきになってしまう。
「よく音を聞いて、歩くの」
指示をしつつも、ミーティアの指は全く澱みがない。
「う、うん」
もうそう答えるのが精一杯だ。これはかなりきつい。ただ音に合わせて歩くだけでいいのに、なぜかずれる。
その原因が分からない。
「少し休みましょう」
無限のように思えた練習の後、漸くミーティアがそう言ってくれた。
「…ふう」
無意識のうちに溜息が漏れる。気付いたらびっしょりと汗をかいていた。手の甲で汗を拭っていると、
「今のうちにしっかり休んでおいてね」
ミーティアが自分のハンカチを差し出してきた。
「あ、いいよ。大丈夫だよ。すごく汗かいちゃったし、それ汚れちゃうよ」
と言ったものの、結局受け取ってしまった。
ミーティアのハンカチはとてもいい匂いがする。控えめにつけている香水の香りと、ミーティア自身の肌の匂
いが入り混じって胸の奥が締め上げられるような気がした。額を拭うふりしてその芳しい香りを一杯に吸い込
むと何だかまた頑張れるような気がしてきた。
「…始めましょうか」
その言葉ににっこりと微笑を返して僕はまたピアノの音に神経を向けて歩き始めた。
※ ※ ※
結局その日はピアノの音に合わせて歩くだけで終わってしまった。だけどただそれだけのことだったのにもう
へとへとだ。気疲れに近いかもしれない。
「ねえミーティア」
歩きながら僕はあることに気がついていた。
「このリズムって、ちゃんと三拍子なの?少しずれてない?」
そうだ。歩いていて何となく分かってきたんだけど、ミーティアの刻んでいる音は均等に三つ打ってない。
「気がついたのね」
ミーティアはとても嬉しそうに微笑んだ。
「ワルツのリズムってちょっと違うのよ。最初の一歩は大きく踏み出して、後の二歩は添える程度でいいの」
「やっぱりそうなんだ」
ミーティアの言葉に僕は納得した。道理で歩き難い訳だ。ずっと均等に踏み出していたんだから。
「…あっ、それじゃ今までやってきた練習ってもしかして」
「そうよ。リズムを身体で覚えてもらうための練習なのよ。ステップとかその他の部分はできているのに、リ
ズムに合ってなかったら今まで上手くいかなかったの」
「そうだったんだ…」
上手くいかなかった理由がはっきりして、すごくすっきりした気がした。何しろ無我夢中で足掻いてもどんど
ん深みに嵌るような感じだったのが、何がいけなかったのか分かったのだから。
「気付いてくれて嬉しいわ。こういうのって自分で気付かないと難しいのですもの」
ああ、頑張った甲斐があったかも。目の前のミーティアの嬉しそうな顔を見るだけで疲れなんかどこかへ吹っ
飛んでしまいそうだ。
でも、思わず頬を緩ませながらミーティアにふと眼を遣った時、彼女がほんの少しだけど眉を顰めていること
に気付いた。
「ミーティア」
まだ何かやらかしているんじゃないのか、と心配になって問いかけるとミーティアはさっと手を後ろに隠した。
「な、何でもないわ」
「何でもなくないよ。手をどうしたの」
その手を取って見ると、指先が赤くなっている。触れると熱を持っていた。
「ミーティア…どうしてこんなになるまで」
触れると、腕も肩もすっかり凝っている。
「だって…だって、エイトと踊りたかったのですもの」
恥ずかしそうに顔を背けながらミーティアは答えた。
「だって、いつも楽しくなさそうにしているでしょう。だから、せめて一緒に踊れたらいいのに、って思って」
意表を突かれ、僕はただ黙ってミーティアを抱き寄せることしかできなかった。
「…ごめんね。ありがとう」
お礼の替わりに凝り固まった肩や背中を揉み解す。と、ミーティアは気持ちよさげに目を閉じた。
「頑張るよ。僕も一緒に踊りたいから」
「…ええ」
そのままずっと抱き合っていたかったけど、そこへトロデ義父上がやって来て、
「こりゃ!おぬしら何やっておる!」
と延々説教されたのはまた別の話。
(続く)
長くなってしまいそうなので分けます。
話の内容が少し時期外れになってしまってすみません。
乙〜
続き期待してます。
乙であります。
>>564 乙です!凛々しさと健気さを併せ持ったミーちゃんが美しい…。
続きも楽しみにしてます!
>>556 >EDで弾いていた曲
何故か「ウルフズレイン」というアニメのEDテーマをイメージしちまった自分。
いや、すごく哀しげで綺麗ないい曲なんだけど、恋愛の歌ではないからなぁ…。
歌声も自分の中では、ミーティアのイメージに合ってる。
(歌手の人は声優さんもやってて、FFの誰かの声も当ててるらしい。FFは知らないから、どんなキャラかはわからないけど)
SS職人乙です!
EDで弾いている曲はショパンの別れの曲が脳内再生されたなぁ。
>>567 恋愛の曲じゃなくてもいいような・・・これも個人的な想像ですけどね・・・
>>568 難曲なんですよね、「別れの曲」w みー様は余程の技量の持ち主なのか・・・
個人的には映画「ピアノ・レッスン」のテーマ曲が再生されてた。
自分の意思でしゃべらないヒロインの言葉代わりになっている曲。
映画自体はR指定なんで、よい子は見ないでねw
571 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/01/20(日) 09:26:42 ID:Mwa3/IRG0
姫様諸国漫遊記の続きが読みたいと思うのは俺だけ?
何処だ!? それは何処に載っている!!?
タイトルに「姫様諸国漫遊記」・・・ないよ?w
ないな!!(断言
ついでにこのスレの歴史を読み返していて思ったんだけど・・・
随分職人さん方のエイト君は自信満々なんだなあ、と。
オクテだとばっかり思ってた。
>>577 まあまあ 冗談だよ冗談。詳しくレス数書いてくれるあたり優しいじゃないか。
・・・つーか、こんなハイクオリティなSSあったんだな・・・
続き読みてー・・・
579 :
567:2008/01/21(月) 12:20:12 ID:zhiA/kLNO
>>569 >恋愛の曲じゃなくてもいいような
うん、よく考えたら確かにそうだった。
ミーティア姫の部屋を警護してる兵士さんの台詞
「姫は最近悲しい曲ばかりを弾かれるので〜」を、
「姫は最近悲しい恋の歌ばかりを弾かれるので〜」ってな感じに脳内捏造して覚えてた。
何にせよ、なんだか気を悪くさせたみたいで申し訳ないorz
気を悪くなんてしていません…w
勿論、悲しい恋の歌かもしれないし…(多分そうじゃないかな、と思います)
捕手 矢野
保守。
>559-563
続きいきます
大体、ミーティアの部屋の中でミーティアと抱き合っていたからって何の問題もないんじゃないだろうか。別
に人前に出られない格好になっていた訳じゃないんだし。僕にだってそれくらいの判断は付く。
理不尽だと心の中で思いながらもここは素直に謝っておこうとおとなしく説教を受けて、長い一日は終わった。
それから来る日も来る日もワルツの特訓だった。
とりあえず何がまずかったのか分かったことで当面の目標ができてがむしゃらにやらなくてもよくなったこと
だけはありがたかった。そうでなかったらもっと消耗していたに違いない。
夜寝る前になると、延々とミーティアの弾くピアノの音が耳に響くのはきつかった。確かにミーティアの音は
すごく好きだ。でもそれがのべつしまなく鳴り響くとなると話は別だ。普通に廊下を歩いている時もそれは聞
こえていて、無視して歩くこともできない。つい合わせて歩いてしまい(無視して歩こうとしたけど、歩き難
くて駄目だった)、自分で気付いて一人苦笑を漏らしたりしていた。
それでも文句を言おうとは思わなかった。肩から腕まで凝らせて指先が赤くなるまでピアノを弾いて、ミーティ
アは僕の練習に付き合ってくれている。それを思えば大したことじゃない。ただもう早く上達したい、とばか
り思っていた。
何が悪いのか分かったものの、そういったリズム感のようなものって身体に叩き込まれるまで結構時間がかか
るものだ。
「今日から二人で練習よ」
と漸くお許しが出たのは例の舞踏会まで後一週間、という時だった。もう間に合わないんじゃないか、と思っ
ていたんだけど何とかなってよかったよ。そうでなかったら本当に不思議な踊りを披露するところだったし。
早速ミーティアの音楽の先生を呼んでピアノを弾いてもらい、それに合わせて二人で練習することになった。
だけどそれはそれでまた大変だった。優雅そうに見えるけど、踊りってものすごく消耗する。兵士の訓練の中
でも、トロデーンの城門までの駆け上がり百本に打ち込み千本の特別コース並みだ。いくら鍛えても見た目に
あまり筋肉の付かなかったものだから、よくやらされたっけ。まあそれは僕の体質─竜神族の性質によるもの
だった、って後から分かって納得したんだけど。
それにしてもミーティアはどうしてこう、軽やかに踊ることができるんだろう。同じ時間踊っている筈なのに
全然辛そうじゃない。
「ミーティアはすごいなあ」
休憩時間に、僕は改めて感嘆の目でミーティアを見た。
「よくこんなに長く踊ってられるよね」
「ずっと昔からお稽古してますもの」
なんて澄まし顔で答えたけど、そんな問題じゃないと思う。正しい姿勢というものも兵士の訓練の中で叩き込
まれた筈なのに、背中はがちがちだ。腕はずっと上げっぱなしだし、だんだん顔が引き攣ってくると、
「そんな怖い顔しないで」
とやんわり言われちゃうし。
そんなことを思い返しながら、
「はあ」
と図らずも溜息を吐くと、
「でも随分よくなったと思うわ。足がリズムを覚えたのね」
と嬉しくなるようなことを言ってくれた。
「そう?自分ではよく分からないんだ。ありがとう」
「もう少しだと思うの。まだ何だか動きが硬いみたいだけれど、それだけよ」
動きが硬い、と言われてちょっと苦笑いしてしまった。練習中にふと、
「寄らば引け、引かば押せ」
という格闘の格言みたいなことを思い出してそんな感じで踊ってたんだよね。そりゃ硬いよな。
「足が覚えているのですもの、もう音に合わせて楽しく踊りましょ」
ミーティアが立ち上がって、練習が再開された。
※ ※ ※
ついに舞踏会の日がやって来てしまった。
緊張していたせいか前の晩よく眠れなくてミーティアに心配されちゃったりしたけど、ここまで来るともう居
直りに近い気持ちになってくる。
「大丈夫よ、エイト。そんなに緊張しなくても」
入場を待つ控えの間で、ミーティアは僕の手にそっと手を重ねて言ってくれた。
「そっ、そうだすね」
「もう、エイトったら!」
あれ、今何か変なこと言ったかな。目の前でミーティアがなぜか笑いを堪えている。
「『そうだすね』だなんて…うふふ、おかしいわ」
「えっ、今そんなこと言った?」
「言ったわ。うふふふふふふ」
最早堪えることも難しくなったらしい。ミーティアが笑い転げている。
「そんなに笑わなくたっていいじゃないか」
と言ったものの、僕も何だかおかしくなって一緒に笑ってしまった。
「もう大丈夫」
ひとしきり笑いあった後、笑いを収めてミーティアが言った。
「楽しみましょ。だってそのための舞踏会なのですもの」
「…うん」
すとん、とミーティアの言葉が心に落ちた。
「そうだね」
そうだった。この会は楽しむためのもの。一年を無事に過ごし、来るべき年を迎えるための会。僕は深く頷い
た。
「怒涛のような一年だったけど、今はもう、終わるんだね。
…楽しもう」
※ ※ ※
先触れの声の後に入場すると、それまで賑やかだった謁見の間はさっと静まり返った。広間を埋め尽くす人々
の眼が僕たちに向けられる。その中を真ん中まで進み出て構えを取ると、ミーティアが手をかけ身体を沿わせ
た。その途端鳴り渡る楽の音。一瞬どうしよう、と思ったのもつかの間、自分の身体に染み込んだワルツのリ
ズムが勝手に足を踏み出させる。
(そうか)
あの長い特訓の意味が漸く腑に落ちた。ミーティアの顔に視線を遣ると、そうよ、とばかりに微笑が帰ってく
る。
何も考えなくても勝手に足が出るというこの状態はとても気持ちよかった。ただ音を聴いて、それに合わせて
いるだけでいい、そしてちゃんと音に合っているって何て気持ちよく、楽しいんだろう。腕の中のミーティア
もまた、そう感じているに違いなかった。儀礼的な微笑ではなく、本当に心から楽しいと思っている時にだけ
見せる輝くような微笑みを浮かべて僕に合わせている。
そんなことを考えていたら最初の曲はあっという間に終わってしまった。物足りない気持ちになりながらも─
そう思える自分が不思議だった─周囲の人々に向かって会釈する。
「楽しかった」
予想外のことに小さく呟くと、ミーティアも頷いた。
「ええ、ミーティアもよ」
そっと微笑みを交し合っていると、不意に肩を叩かれた。
「よう、お二人さん」
振り返るとヤンガスにゼシカ、ククールがにやにやしながら立っていた。
「上達したわね、エイト。随分練習したんじゃない?」
「兄貴、さすがだったでがす」
「ちょっと見直したぜ」
「ちょっとかよ」
ククールの言葉に苦笑いしたけど、三人の言葉が素直に嬉しかった。
「ありがとう、そう言ってくれて。随分練習したんだ。ね、ミーティア」
「ええ。エイトはとっても頑張ったのよ」
僕の言葉を受けてミーティアがそう言ったんだけど、急にククールが顔を顰めて、
「へいへいごちそうさま」
とか呟いたのはどうしてなんだろう。別に惚気た訳じゃないのに。
「そう言えば、ゲルダさんも来てるのよ」
「ゼシカの姉ちゃん!それは言わねえ約束だろ!」
慌てたようにヤンガスが言ってその場を離れようとしたけど、ゼシカががっちり襟首を捕まえて離さない。
「そうなんだ。ヤンガスが連れてきたの?」
「まあ、お会いしたいわ。今、どちらに?」
僕たちに問われ、ヤンガスは、
「いや、その…」
ともごもごもと口篭った。
「ヤンガスが連れてきたんだろ、呼んでこいよ」
「へえ、そうなんだ」
「違うでがす!その、招待状が届いた時丁度ゲルダの奴が来て、『連れていけ』ってその…ついでで、その…」
「ふーん」
ククールにあれこればらされ、ヤンガスはむきになって何かを否定しようとしてまたもごもごと口篭る。
「何やってるんだい」
急に声が掛かってヤンガスが飛び上がった。忍び足で近付いたのか、いつの間にやらゲルダさんが側に立って
いる。
「ついでって何さ、ついでって。アンタが是非、って言うから来たんだろ」
「いやだからそれは言葉のアヤで…」
掴みかからんばかりの勢いでゲルダさんがヤンガスに食ってかかる。その胸元にはあの「ビーナスの涙」が艶
やかに輝いていた。
「…ったく、こっちは痴話喧嘩かよ」
ぼそりとククールは呟いて、
「こいつらちょっと放っといて、少し踊ろうぜ」
踊ったり、仲間たちと話したり、笑ったり、なんて楽しい時間を過ごしたことだろう。
特にトロデ義父上様がミーティアを相手にワルツを踊られたのを随分久々に見たような気がする。かなりの踊
り手でいらっしゃるんだけど、今はもうほとんど踊りなさらない。余程楽しい気分だったんだろうな。
「皆様、今年最後の曲でございます!どうか大切な方のお手をお取りくださいませ!」
楽団の指揮者がそう叫んで踊りの輪への参加を促している。
「もう終わりだなんて」
残念そうにミーティアが呟いた。
「うん。そうだね」
僕も全く同じ気持ちだった。
「また来年もあるって分かってるけど、やっぱり寂しいな」
「ええ。そうね」
前に進み出てふと辺りを見渡すと、あちらの方でヤンガスとゲルダさんが踊ろうとしている。
「…頑張れよ」
こっそり呟くと、ミーティアが怪訝そうな顔をした。
「ううん、何でもない。独り言」
「そう?」
不思議そうに首を傾げたけど、ミーティアもまた僕の背後に視線を遣って唇をほころばせた。
「どうしたの?」
「うふふ、何でもないの。ほら、曲が始まるわ」
ミーティアの言葉通り、追求する間もなくすぐに曲が始まった。
色んな曲が演奏されるけど、最後の曲はいつも決まっている。僕にも聞き馴染みのある曲だ。青く美しい川の
流れを音で描写したものだ、とかつて聞いたことがある。
「どうしてこの曲が最後なんだろ」
緊張はいつの間にか解け、身体を自由に音に合わせながらふと呟いた。
「それに川って青くもなければ美しくもないのに」
「そうね。確かに」
僕と音に身体を委ねながらミーティアが答えた。
「でも心の眼を開いて見さえすれば、青く美しく見えるものなのですって」
「そんなものなのかな」
「エイトもきっとそう見えると思うわ」
「そうかなあ」
疑わしげな僕に、ミーティアはくすりと笑いを漏らしただけだった。
「だけど本当に楽しかった。もう終わってしまうのが残念だよ」
本当に曲が終わるのがもったいなかった。こんなに楽しかったのに。だけど何事にも終わりがやってくる。
音が終わると同時に新年の鐘が鳴り響いた。人々はしんとしてそれを聞く。鐘が鳴り止むと同時に新年を祝う
言葉が広間中に広がった。
「新年おめでとう!」
「今年もまた、いい年でありますよう!」
「また来年、無事にここでお会いしましょう!」
挨拶を交わし合った後、無礼講の宴会になだれ込もうとしている人々に捕まらないよう、僕たちはそっと拝謁
の間を出たのだった。
※ ※ ※
楽しい気分のまま部屋へ向かう廊下を辿っている。
「今までで一番楽しかったわ」
「うん。不思議な踊りを披露せずに済んだしね」
ミーティアを無事に部屋に送り届けるという名目の元、僕たちは二人だけで歩いていた。
いつもと変わりのない廊下だったけど、なぜかいつもよりあちこちにある灯りはパチパチと楽しげな音を立て
て燃えているように聞こえるし、廊下の絨毯の色は鮮やかに見える。
どうしてなんだろう、と心の中で首を傾げた時、さっきのミーティアの言葉が甦った。
(「心の眼を開いて見さえすれば、青く美しく見えるものなのですって」)
ああ、そうか。もしかしたらそんなものなのかもしれない。心の持ちようでどのようにも世界は変わる。現に
今、いつもの廊下が違ってみえる。それはただ単に楽しい気持ちだからなのかもしれないけど。でも、そんな
ものなのかも。
心の眼を開いて見れば川も青く美しい。生きている喜びが何もかもを輝かせる。
「…本当だね」
周りに誰もいないのをいいことに先を行くミーティアを背後から抱きしめると、甘い髪の匂いが鼻腔に広がる。
「何もかも、輝いて見えるよ」
「ええ、そうよ。何もかも、輝いているわ。いつまでも、永遠に輝くのよ」
僕たちの鼓動が重なったような気がした。そのまま頬を寄せ、唇を重ね合う。
「今年も、よろしく」
腕の中、ミーティアがくすりと笑った。
「いつまでも、よろしく」
「そうだったね」
二人で声を合わせて笑う。世界はこんなにも楽しく、美しいものなんだ。これを知るためにあの旅があったん
だ。
ミーティアの顔を見る。手を繋ぐと、心得たかのようにミーティアがドレスの裾を持ち上げる。頷き合うと、
僕たち二人は手に手を取って部屋まで駆けたのだった。
(終)
いつも感想くださる方々、ありがとうございます。
ありがとう! あー夜中に巡回してよかったw
ワルツは「あの曲」かな。実際モデルになった川も「全然綺麗でも青くもない」って聞きましたw
あと、おっさん(トロデ)は義父上様か・・・そうか・・・
なんかこの二人だと和むなあ。改めて感謝。
保守
職人乙
保守
ほ
ほ
に
ちゅー♪
ちゅ?
かぷ
ちゅー
保守
保守
お邪魔します。ss投下します。
※注意 真ED前提ではあるんですが、鬱展開です。
眠りから解き放たれた城の庭に、笑い声が響く。即席でありながらも豪華な料理を前に、麦酒を飲んでは開放
された喜びを語り合う。貯蔵庫からお父様秘蔵の葡萄酒樽が運ばれ、皆に配られた。と、たちまち口々にエイ
トたちの勇気と武勲を褒め称えてグラスが掲げられる。私も嬉しくなって、隣のエイトとグラスを掲げ合う。
その途端、エイトの眼が近衛兵のものに戻った。
旅は、終わった──
そう、旅は終わってしまった。
暗黒神は倒され、もう二度と復活したりしない。呪いは解け、人々は明日から始まる復興への大変な道程を知
りつつも今日という日を喜んでいる。呪われる前と変わらぬ生活が戻ってくることを信じて、救ってくれた四
人の勇者たちを称えている。私も、とても嬉しい。辛い旅──歩くことよりむしろ、目の前でヤンガスさんや
ゼシカさん、ククールさん、そしてエイトが傷付く姿を見ることの方が辛かった──が終わり、呪われた馬の
姿から開放されてどんなに嬉しいか。でも…
でも、本当に元に戻れるのかしら。
旅をして、私は知ってしまった。自分がいかに狭い閉じた世界で生きてきたのかということ、その狭い世界か
ら得られるささやかな知識だけで物事を見てきたということを。そして…チャゴス様のことと、自分の本当の
想いを。
知らなければ、黙って嫁ぐことができたのかしら?国の要請に従って、両国のためにと結婚できたのかしら?
きっとそんな覚悟もなくて、あちらに行ってから後悔と追想の中で暮らすことになったでしょう。それでも、
チャゴス様のお人柄を先に知ることができたことで、前もって覚悟を決めることができるのだと思えばいいの
かもしれない。
けれども、どうして気付いてしまったの。自分がどんなにエイトを慕っていたのかということに。何よりも大
切な思い出として心にしまい込んで嫁ぐつもりだったのに、それすらできないなんて──
「ミーティア様」
振り返らずとも分かる。エイトの声だった。
「こちらにおいででございましたか。急にお姿が見えなくなったので、皆案じておりました」
ここは城の古い見張り場、エイトと二人で見付けた秘密の場所だった。何か思うことがある時はここに来ては
海を眺めて思い耽ることがいつもの事だった。エイトもそれを知っていたのか、宴の席からそっと姿を消した
私をすぐに探し出したのだろう。
「皆、とは誰の事でしょう」
エイトはもう、完全に近衛兵に戻っていた。そのことが異常に哀しく、苛立たしく、つい絡むようなことを言っ
てしまう。
「皆は…皆です。城の者誰もが姫様の笑顔を拝見し」
「ええ、そうね!」
ぱっと振り返ると、心の赴くままにエイトの言葉を遮って叫んでいた。
「そうね!ミーティアはただ、にっこりしていればいいのよね。難しいことは何も考えず、うっとりと微笑ん
でいれば誰もが満足するのでしょう。本当はどんな想いを抱えているかなんて誰も知りたくないでしょうか
ら!」
言い終わった後も、私の唇は震えていた。声を荒げるというほとんど経験のないことを、それもエイトに対し
てしてしまったという事実に気付いたのは燃える様なエイトの視線とぶつかった後だった。
「…僕の役目は…」
エイトの声もまた、震える。
「姫様の笑顔をお守りすることです。姫様がお怒りになりたいのならば、どうぞお心のままにお振舞いになっ
てください。ですが僕はその怒りの原因となったものを取り除かねばなりません。
御前、失礼いたします」
そう言って一礼し、踵を返した。
「待って」
それでもエイトは立ち止まらない。
「僕に対して怒っていらっしゃるのでしょう。ならばこの場を去るまでです」
滅多に怒らないエイトの背中から冷ややかな怒りが立ち上る。
「あんなことを言ってごめんなさい、エイト。あなたに言うことではなかったのに…許して」
肩が震え、足が止まった。それでもエイトは振り返らない。
「いいえ、姫様が悩んでいらっしゃるのに気付かなかった僕がいけなかったのです。どうぞお気になさいませ
んよう」
「行かないで!」
私は思わずエイトの背中に縋り付いていた。
「お願い、行かないで」
「…姫様、どうか」
長い沈黙の後、エイトが搾り出すように声を発した。
「人目もございます。どうかお慎みを」
「嫌です」
ここには誰もいない。それを知っているからこその行為だった。
「『心のままに振舞っていい』と言ったのはエイトでしょう。だから」
「駄目です」
いつにないきっぱりとした拒絶の言葉にはっと身を硬くすると、エイトの肩もぴくりと動いた。
「それはなりません。どうかお許しを。…ミーティア様」
一瞬自分の耳を疑った。エイトが、私の…名前を呼んだ?
「どうかこれ以上のことはお許しください。ミーティア様」
名前を呼ばれたことに驚いて怯んだ瞬間に、エイトはさっと身を離してこちらに向き直る。
「僕の心は永遠にあなた様のものです、ミーティア様。命を懸けてお守り申し上げます。ですが、どうか…」
片膝を付き、頭を垂れるエイトに、私は何も言えなくなってしまった。
「…エイト」
「永遠に捧げる」と言いながら、それは私とエイトを永遠に隔てるもの。ひどい人。そうやってあくまで主従
の関係の中に逃げるのね。
「…ありがとう。あなたの心、しかと」
けれどもどうして断ることができよう。それがエイトの精一杯なのだから。そしてそれがエイトの心なのだと
思えば無碍になんてできはしない。
「戻ります」
きっぱりと言い切って、通路の方へ足を踏み出す。そう、旅は終わったの。私は私に課せられた義務を果さな
ければ。エイトがエイトの義務を果さなければならないように。
「お供仕ります」
エイトの足音が重なる。ああ、私に許されていることはこれだけ。ただ一緒に歩くだけ。
変わるとするならば、それは──
※ ※ ※
宴の夜が明けた。早くに城を出ようと旅支度を整えて部屋を出る。廊下でエイトやククールとちょっと話して
いると、姫様が私を部屋に呼び寄せた。
「もう発たれるのですね」
部屋に入って開口一番、姫様は仰った。
「ええ。トロデーン城はいいところで何だかつい長居してしまいそうで。それに」
ちょっと言葉を切って、言うべきことへの心の準備を済ませる。うん、大丈夫。
「兄さんに知らせないと。きっと心配しているわ。『またゼシカが無茶してる』って」
「まあ」
姫様は私の言葉にそっと微笑み、
「何もありませんけれど、よろしければどうぞ」
と手ずからグラスに水を汲み、私に勧めてきた。
「恐れ入りますわ」
冗談めかしつつも作法に則ってグラスを受け取ると、花の香り─薔薇かしら─が優しくも清々しく匂い立ち、
ぼんやりとした重い寝覚めを吹き払ってくれた。
「本当に残念です」
同じ薔薇水を口にした後、姫様が静かに言った。
「皆さん、あっという間に散り散りになってしまうのですね。どうかお時間のある時はいつでも、いらっしゃっ
てください。トロデーンの門はいつでも開いておりますわ」
「ありがとうございます、姫様」
今更ながらもう旅は終わったんだと思い知ってちょっとしんみりしてしまう。
「是非また遊びに来るわ。あのイチゴクリームの乗ったシフォン、とっても美味しかったんですもの」
そんな気持ちになるのが嫌で努めて元気に言うと、姫様の口元がほころんだ。
「うふふ、ではいついらっしゃってもいいように用意しておきますわ」
やっぱりそういう部分は普通の女の子と同じなのかも。甘いものの話に楽しそうな顔をする。が、すぐ真顔に
戻った。
「本当に、たくさんの方と親しくお話しできて嬉しかったのです。ゼシカさんとは特に。同じ年頃の女の方と
話すことなどほとんどありませんでしたので」
「えっ、そうなの」
思いがけない言葉に思わず声を上げてしまった。
「だって舞踏会とか何かの会にはそういった年頃の方もたくさんいらっしゃるでしょう。その方々とは?」
そう言った途端、姫様の顔が曇った。
「そう、そうですね…確かにたくさんの方々がおいでになられましたわ。でもその方々は王族としての私に用
事があるのであって…それに特定の方とあまり親しくなることはお父様からも強く注意されておりましたも
の」
姫様はそっと花瓶の花を撫で遣り、小さく溜息を吐いた。
「王とはそうしたもの、高みに昇ることはたった一人で立つことだと学んできました。そしてそれが当たり前
だとずっと思ってきたのです。
ですがあんなことになって、皆さんと旅をするうちに知ってしまったのです」
一瞬言葉を切り、頼りなげに視線を宙に彷徨わせる。
「…私にはエイトがおりました。どんな時も、ずっと一緒でした。どんなことがあっても、怖いとは思わなかっ
たのです。エイトが一緒にいてくれたのですから。
そして皆さんと親しくお話しすることがどんなに楽しかったことでしょう。ヤンガスさんのお宝鑑定はとても
ためになりましたわ」
旅の途中、野宿の時の会話を思い出したのか本当に楽しそうな顔をしていた。
「ま、まあそうかも。でも姫様に役に立つかどうかはどうかしら」
「人生いつ何があるかなんて分かりませんもの。そうでしょう?
ゼシカさんの初めて呪文で火を熾した時の話もとても面白かったわ。ククールさんの靡きそうな女の方を見分
ける話も参考になりましたし」
「あいつの話なんて忘れた方がいいわよ」
不意に出た単語に不用意だった私は思わず激しい剣幕で言葉を遮っていた。
「ふわふわ浮ついて生きてきた奴の言うことなんて信じちゃ駄目。絶対痛い目に遭うんだから。
でもエイトはそうじゃないでしょう?そっちの方が実のある話をしてくれるわよ。これからはいっぱいお話し
できるんだし」
と言った途端、姫様の顔色が変わった。
「何かされたの?酷いこと言われたとか」
「いいえ、いつもと変わりありませんわ」
声が震えていた。
「…そう、旅の前と変わらず、いつも通りに」
旅の前──ということはエイトは、主の姫としてしか話をしなかったということかしら。
「姫様」
「あの人はどうして」
大きく見開かれた眼に、見る見る涙が盛り上がる。姫様はそれでも涙を零すまいと瞬きを堪えて眼を見開いた
まま続けた。
「どうしてあんなに自分勝手なのでしょう」
けれども言い切った途端、涙が転がり落ちた。そうなってしまうともう止められないのだろう、涙は後から後
から零れ落ちては頬を伝い、姫様の鎖骨の窪みに溜まっていった。
「王族の義務を忘れてはおりません。自分の立場も、弁えているつもりです。
でも、ほんの一時の夢を見てはなりませんか。朝には消える、儚い夢さえも望んではならないのですか」
私には何も言えなかった。エイトは多分、よくある昔話の勇者たちのように助けた姫様に求婚しなかったのだ
ろう。どうしてしなかったのか、できなかったのか何となくだけど分かるような気がした。そしてそれは正し
いことなのだろう、と理性が告げる。でもその答えには納得できなかった。
姫様の涙は、かつて私が流したものと同じだった。理不尽に兄さんを奪われた怒りと悲しみ、しきたりという
名の押し付け、それを全部引き千切って旅に出て、今、ここにいる。旅が終わって、単なる復讐の成就だけで
なく何にも脅かされずに済む明日を手に入れた。だけど姫様は─
「ゼシカさん、泣いていらっしゃるの」
言われて気付く。自分の頬が濡れていることに。
「悲しくって泣いているんじゃないわ。悔しいのよ」
姫様の負う責任はとてつもなく重い。一時の感情に任せて振舞えば、この大陸に住む全ての人々にその影響が
及ぶ。旅の間それを見てきた私だったのに、そのことについては何の解決もできなかったことが悔しくてなら
ない。
「…ひどい人」
様々なものへの渦巻く思いに押し出され本当に不用意に言葉が転がり出ていた。
「どうしてどうにかしようとしなかったの。どうして気付かないふりをして逃げたの。私にだってできること
はあった筈よ。一歩踏み出せば新しい世界が開けるかもしれないのに」
理不尽な怒り、それが今の私の気持ちだった。
「兄さんもだわ。『必ず帰る』って言ったのに。なのにどうして死んだりしたのよ。私は今でもあの朝兄さんが
出かけていく後ろ姿を夢に見るわ」
姫様が歩み寄ってそっと私の手を包んだ。柔らかで、滑らかで、でもひんやりとしたその肌触りにますます涙
が止まらなくなる。
「私、旅に出て、頭ごなしに否定されたりご機嫌取りなんかじゃなくて自分の意見をとことん話し合うことが
できて本当によかったと思ってるの。結局自分の意見が通らなくても納得できるものなんだって分かったし。
だけど何よ!最後の最後になって!エイトも、ククールも、みんな勝手に自分の気持ちだけ押し付けて!その
くせあなたのためにしました、なんて顔するのよ。最低だわ!」
まるで子供のわがままだわ、と心のどこかで思っていたんだけど、もう涙が止まらない。
旅は終わった。ラプソーンの脅威はもう、どこにもない。けれどもその世界に兄さんはいない。仲間だと思っ
ていたみんなも、世界のあちこちへ散っていく。まるであの苦しく長い旅なんてなかったかのように!
「仲間だ、って言っても今日の朝にはみんな散り散りになるのよ!そんなのって、ひどいわ!」
私、きっと酷い顔してる。言ってることだって無茶苦茶だ。それでも姫様は黙って私の手を撫でてくれた。ま
るで小さな子供をあやすかのように。私にはそれすら腹立たしかった。
「姫様だって言ったらいいのよ!好きな人がいるって、その人と結婚するって!どうして静かな顔をしていら
れるの。自分の運命でしょう。なのにただ涙を流すだけなんて、そんなのまっぴらよ!」
「…それでもきっと、こう言うの。『僕はお気持ちに応えることはできません、ミーティア様』って」
静かな声だった。なのにそれは私の身体の中で暴れる怒りを一瞬にして静めた。
「…姫様」
「男の方って、どうしてあんなに自分勝手なのでしょう」
姫様の涙がはた、と私たちの手の上に落ちる。次の瞬間、それをきっかけにしたかのように抱き合っていた。
「本当。どうしてあんなに…」
ただ同情し合っても何も生まれないって分かっている。それでもお互いにただ声を上げて泣く相手が必要だっ
た。
先の見えない明日を歩いていくために。
(終)
お邪魔しました。
素晴らしい。
この二人の悲恋を書く人はあまり見かけないので新鮮ですね。
エイトのやせ我慢っぷりが切ない。
悲恋がベースになっているといいですねー
617 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/02/24(日) 22:31:11 ID:Stn7cjW/O
こんなスレ、あればいいなと思っていた今日この頃でしたがやっと見つけました・・・。
そして心打たれました。
ありがとうございます。
今日久々にDQ8をプレイし、てエンディングを見てきた私が通ります。
保管庫のSS一気読みした 職人GJ!!!!!!!!!!
みなさんは通常EDと裏EDどっちがお好きですか
通常EDの方が駆け落ちって感じで好きなんだが欲を言えば
ミーティアの「お馬のままのほうが」ってくだりは
教会に乗り込んだエイトの前(すなわちチャゴスの前)で言って欲しかった
620 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/02/28(木) 14:47:03 ID:QjycShX8O
裏の方が、チャゴス王子には戒めになった気がして満足した気がする。
実は王族の血を引く、本来ならば王位を継いでいるはずのと言われれば、チャゴスもそこまで・・・みたいな。
なんでミーティアって他スレで地雷扱いされてんの?
好きで馬になってたわけじゃないだろ。
へー みーさまが地雷ねえ。初耳だな。
地雷ってのはツンデレ桃髪魔法使いみたいなのを指すんだぜ。
…誰それ?
シィル?
>>619 駆け落ちは漢のロマン。あえてクラビウス王にはアルゴンリングを見せない方向で。
裏EDは正式に結婚みとめられて(?)うれしくはあるんだけど
何か「結局は振るい約束に従いました」的なニュアンスがちょっと。
やっぱフィクションだと「縛られる運命は破ってなんぼ」だからなぁ。
619です
>>620>>626レストン
真の方の聖堂騎士団に捕縛されたチャゴスはザマミロだったな
聖堂騎士団もたまには役に立つ
通常の方の、ミーティアの手を取って見詰め合うシーン大好きだ
「積年の思いが叶った!」って感じで。
通常EDの自分の運命は自分で変える!なみーたんも好きだし、
真EDの自分に課せられた義務は果たさなければ、と健気なみーたんも好きだ
どっちも好き
通常EDで「はい」選択後の手を取り合って見詰め合うシーンがすごく好きだ
でも真EDのちゅーも捨て難い
どうすりゃいいんだw
>>626-628のカキコを見ると、みーさまにのぼせてちょっとヤバいんじゃないか?とも思う。
そんなお前ら(当然エイト君とみーさまも)が大好きだ。
それはもう、初めて泉でお姿を見たときから姫の虜だよ
性格も健気で可愛いし
エンディングといえば、テラスで主人公の顔を
何かいいたげに見るシーン、あの可愛さは異常
今日宿屋でクスンクスン…て泣いてるの見てはじめて姫様に心臓射抜かれた気がする
そのあとの雪の中で隠れんぼしたら真っ白のミーティア(馬)がいちばんですね、とか言われて
うちの主人公鼻血吹いてた
主人公がみーたんに萌えるスレはここですか?
いや、逆でもいい。
ほす
DQ8絵板終わっちゃうのか…寂しいなあ
ほ
保守。
640 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/03/13(木) 15:21:10 ID:f+tGX0Cm0
ほしゅ
保守。
今更だが
>>607-613の職人乙!
「お願い、行かないで」
「…姫様、どうか」 のくだりに萌えたw
久々にお邪魔しました。
>>607-613初めて読んだ。いいですねえ、悲恋もの好きです。
読ませて頂いている時に思ったのですが、今年の大河ドラマ「篤姫」とこの二人がダブりました。
「そういや境遇が似てるかも?」とか感じたのですが、どうでしょうか。
あと、ある作家さん(女性)が書いたエッセイにあったのですが、
「(女にとって)社会的地位や経済上の豊かさを捨てるなど、簡単なのである。」
男はヘンにプライドにしがみ付きますからね。意気地なしだなあw
>>642 >「(女にとって)社会的地位や経済上の豊かさを捨てるなど、簡単なのである。」
>男はヘンにプライドにしがみ付きますから
つエルトリオ
ラグサット…はちょっと違うか
主人公も結局トロデーンに帰ってるから
地位を捨てたことになるのかな
ラグサットはいまいち何をさせたかったか解らないキャラだった
あれでゼシカ一筋で追いかけてきてたりしてたら
ならまだ味があったように思うよ
ラグサット…。
彼は彼で、あちこち登場してて、微笑ましかった。
彼の顔のアップはなかなか怖くて見ものかも。
>>645 それって・・・、つまりエイト君はエルトリオ(第一王子)の落とし種だから、
今の王様(だれだっけ? 第二王子)の子供のチャゴス君よりも、王様の候補としては優先順位が先だ、ってこと?
648 :
645:2008/03/17(月) 22:52:14 ID:ODE7BJME0
>>647 だれだっけ…ってクラビウス涙目ww
(真EDの場合)アルゴンリングを持っている以上
サザンビークの後継者の地位は得られないにしてもそれなりの地位は保証されそう
でも主人公はそんなものは望まないで、ミーティアだけ望んでる
そんなイメージでした。個人的解釈では。
エルトリオもそうだったしね。
エルトリオとクラビウスって全く似てないよな。
エルトリオがエイトそっくりで吹いた。
>エルトリオとクラビウス
あそこまで似てないと異母兄弟ぽいね
泉で姫の話のネタが尽きると
無音で「楽しいひとときをすごした…」なのが空しい。
せめてあの音楽は流して欲しい。
そしてもう何も喋ってくれないと解りつつ、でも泉に行ってしまう。
>>648 クラビウス・・・だっけ? 書き込もうとして、「あれ? 名前なんだっけ・・・? グ○ディウスだっけか・・・?」って迷った。
>>649-650 いやいやいや、そうするとトロデ氏とみーさま、クラビウスとチャゴスもかなり不思議。比較相手がいないけど。
あれだな、前者は「お母さん似で良かったね!!」、後者は「お母さん似で残念!!」ってのか?
あー・・・久々に冒険いこうかなあ。クラビウスさんに謝らんと。エイトくんとみーさまも拝みたいし。
アルバート兄妹は似てるよね
マイエラの二人もイヤミ属性と、笑い方が似ている気がする
なのにサザンビークの兄弟はw
>グ○ディウス
それなんて…なんて…
思い当たる節が多すぎるww
>>650 泉に行ったら
「ミーティアはおなかがいっぱいで水が飲めない」って出た。
>お腹がいっぱいで
錬金にはまってたからそれはあんまりなかった
>>652 そういう俺は赤白FC世代。最初にやったDQは2でした。
>>653 それは俺も残念に思っている・・・まあ確かに堀井さんもネタが出ないだろう・・・
では、彼ら(5人と1匹)は「楽しいひととき」に何を話していたのだろう? エイト君以外は空気が読めそうだから、外したりバラを摘みにでも行っていたのだろうか?
大体、みーさまが喋る内容も、他人に聴かれるとかなり恥ずかしいのでは?
だが、それがいい!!
ミー様が自分の世界に入り込んで、みんなの前でもエイトラブラブマシンガントークを展開。
ニヤニヤしながら聞いている仲間たちと、顔を真っ赤にしながら俯いている近衛兵を想像する作業に戻るんだ!
リアリティのFF、イマジネーションのDQ、かな。
>>656 そうか・・・みーさまも鈍感かも?ピュアというか、世間知らずというか。
>>657 どうしてその話題になったのかわからんが
個人的には逆の印象>リアリティはDQに感じる
ゼシカも「姫はエイトと喋りたそうね」とか言ってたし
きっとのろけ話ばっかりしてるんだよ
>>658 DQは敢えて曖昧な場所を残してプレイヤーに想像してもらう、そんなのを感じる。主人公が一切喋らないってのは大きいと思う。
で、その「曖昧な場所」の作り方が巧い。想像で無限大に描写できる。そういう意味では「リアル」だと思うけど・・・あくまで私観です。
意外と、城で読んだ恋愛小説なんかを、「恋って、愛ってそういうもの」とか鵜呑みにして、そういう台詞を並べて・・・
可愛いような、恥ずかしいような。俺もバカだね。
660 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/03/21(金) 23:58:01 ID:BIsYUgmx0
体中に広がるパノラマ!
顔を蹴られた地球が怒って
ちょうど今王家の山のイベントが終わった。
とりあえずチャゴスは氏ね
チャゴス様人気ないね・・・
いいじゃん・・・バカな子ほど可愛いというやつで。
正直みーさまに無理矢理乗ったとき、振り落として蹴り殺して欲しかったが。
あれで根はよかったら可愛いんだけど、性格極悪だからな
まあチャゴスの性格が良くなっちゃうと8主が姫様とケコーンできなくなるし
性格じゃない。まずは顔。
少なくとも姫は顔は気にしてない風だったな
王家の山でもしアルゴングレートが現れずチャゴスがトロデしばいてたら
流石に主人公はチャゴスを張り倒していただろう…と信じてる
エイト「ご子息は立派に戦いました・・・!」
ちょ、エイトwww
姫様が馬のときでも筆談で意思疎通できると思うんだけど、どうだろう?
エイト→姫はいいとして、姫→エイトはどうすんの?
口でチョークでもくわえて・・・トロデにぶん殴られそうだ。
外限定だけど、ひづめで土に書くの
おいおい何言ってんだ。
エイトはみーたんの「ヒヒン」とかで分かっちゃうんだぜ?
もしくは目を見れば何を言いたいのか分かっちゃうとか。
まあ少なくとも、みーたんは人の言葉を理解している風だったな。
>>673 なんかエイトくんが忠臣どころか変態だな。
ちょっと思いついたので書いてみた
(エイト…)
(姫様…ミーティア…)
(お願い、気付いて…)
(どうかそんなに見つめないでください…)
(エイト、お願い…気付いて、ミーティアの気持ちに…)
(どうか…そんなに見つめていては気付かれてしまいます…僕が、どんなに…)
(エイト…)
(ミーティア…)
(お願い、耳の後ろに蟻がいるの。くすぐったいの)
誰か8主のスレ立ててくれませんか?
立てようとしたら携帯からじゃ無理みたいで……。
・・・要る?w
エイト×0=1このっぺ
エイトくん×みーさま=∞
期末に出るぞ〜
8のキャラスレで生き残ってるのって
ゼシカ、ククール、マルチェロの3つか
ヤンガスないのが意外だね。
DQの主人公は無個性だから話題なくて単体だとすぐ落ちそうだな。
2,3,4,6の主人公スレはある。
3,4は女勇者のみだが…。
考えてみた。各主人公スレがなぜ生き残っているか。
2・・・あの必殺のふっかつのじゅもん。「もょもと」のインパクト。あと攻撃力とすばやさのステータスの落差。
3、4・・・♀だから。
6・・・?
個人的にはヤンガスもいいですが。ゲルダさんなしでもw
6主のスレって主に他のキャラをからめた話題ばかりだからあまり主人公単体スレっぽくないけどな…。
それにしてもスレタイが笑えるw
6は確か漫画になってたから主人公の一般像ができあがりやすいのかな?
それにしても早くDSででてほしい。
話ずれたね。すまん。
保管庫SSの影響で8主人公の一人称「俺」いいなと思いはじめた。
確かに仕草は男っぽいからはまってる。
685 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/04/01(火) 03:22:49 ID:f1mY+bU10
こんなスレがあったなんて盲点だった
8がドラクエで一番キャラハマリした自分には嬉しすぎる
686 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/04/01(火) 03:39:43 ID:WeXcz6gPi
6が残ってんのはアルティメットご飯に似てるからに決まってんだろ
落ちたけど7主スレがあったこともあるよね。
人を呼ぶ代名詞の多彩な日本語に乾杯。一人称でこうも性格が変わるとは。
どうも6主のスレがある原因はターニアらしい。
>>665 >>666 それはやだなあ。
「(好きだから)エイトと結婚したかった」んじゃなくて「ただ単にチャゴスが嫌だった」に見えてしまう。
逆に人格的には問題なし、容姿も従兄弟同士だからそっくりだけど
問題ないはずなのに、どうしても無意識に比べてしまう。
こんなんでも良かったくらいだと思う。
エイトってもしかして歴代主人公の中で一番年上?
見えねえw
記憶と予想(妄想?) 主人公の年齢
1・・・?(出生から年齢までほとんど謎)
2・・・?(年齢不明だが、あまり大きくはないらしい?)
3・・・16歳(有名なオープニングでの母親のセリフ。)
4・・・17歳(こんな設定があった気が。)
5・・・6〜16〜?歳(確か少年時代は6歳。ドレイで10年生活しているので。)
6・・・?(未プレイw)
7・・・16歳(Vジャンプかなんかで読んだ。しかしイラストのせいでガキにみえる)
8・・・?(みーさまが17歳になるエピソードが作中である。それより年上なのだろうか?)
多分エイトが一番年上w
>>691 6主は17歳。
ミーティアは17じゃなくて18歳になったというのが泉の会話であって、エイトの年齢はミーティアが同い年だと発言していることから、エイトも18歳。
でもエイト15歳くらいに見える。
なんという適当な記憶だ俺。
たいした差がない、とも思うけど、この時期の1、2歳差って大きいよなあ。
同い年でも、ミーティアがエイトに「お兄様のように慕っていた」とかいう発言をしたのには萌えた。
ドラクエの主人公は悟飯のコスプレに見えて仕方が無い。
>>694 ええっそこ、がっかりしたよ
「お兄さんとしか見てくれてないのかよ〜」とorz
>>694 ああなるほどw
自分の場合は、ただ単にエイトに甘えるちびっ子ミーティアを想像して萌えただけ。
さっき泉で「さようなら、エイト(仮)…」って言われて「ちょっ待っ!!」ってなった…
さよならなんて言うなよ…
>>694 某野球ゲームの選手育成編のアレな雰囲気になるのではという一抹の不安を感じたのは俺だけでいい。
>>699 あれ そんなシーンあったっけ?
いい加減もう一度草原を駆け回らないといけないのか。記憶が薄れてきている。
自分は暗黒魔城行く直前に聞いた
姫であるがゆえの、周囲の環境をただ受け入れるという性質が切ない
不満はあっても抵抗する意志というものがほとんどないのが切ないよ
このカプって悲恋でも萌える
みーたんの台詞が入れ替わるタイミングが幾つかあって、
「さようなら、云々」は暗黒魔城都市出現後じゃなかったかな
聞き逃すともう二度と聞けない話が結構あるので、随分頻繁に泉通いしたもんだ
サザンビーク到着前に聞ける話は結構重要なことというか主姫萌えとしては外せない
あー本当だあったあった。。気付かなかった。
けどこのセリフ、行間を読んで「だから私をどこかへ連れて行って!」っていう風に解釈してしまう俺ってイカレポンチですか?
704 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/04/11(金) 15:56:00 ID:MGfm8XuN0
初の書き込み。
ニコニコ動画で8関連動画やこのスレッドを見てからドラクエ8をやりたくなった。
近い内に8を入手してクリアしてみたいと思う。
ミーティア姫が可愛いんだもの。。。。
クリアしたら、SSでも書けたら良いな・・・
>>704 お安くなってるから是非買ってプレイしてみてくだされ。
縛らなければ一部ボス以外はサクサクいけると思うし。
>>705 >一部ボス
ザバンを想像した俺。最初のボスのクセにあいつ強すぎないか?
それにサクサク進んでもみーさまのイベry
ボス戦でつまるとしたらザバンかゲスと思う
708 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/04/11(金) 21:33:34 ID:MGfm8XuN0
むぅ、攻略サイトで予習しておきます。・。。
709 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/04/12(土) 13:10:08 ID:sT5M7T760
結婚するなら絶対ゼシカよりミーティアだな
ゼシカは性格キツイし。
お茶入れてくれって言ったら自分で入れれば?とか平然と言われそうでやだ
その点、ミーティアは甲斐甲斐しく世話焼いてくれそう
710 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/04/12(土) 14:37:56 ID:8SnMYEZM0
ミーティアの場合はにこやかに
「はい、お茶ですよ」
としてくれると想像した
姫さまなのに茶入れれるのか?
幼馴染が小間使いなら案外自然に淹れてくれるんじゃないか?
なるほど、主人公の見様見真似か
また新たな萌えが…!!
>>713 末期だな。
お茶を淹れるのはエイト(俺)の役目に決まっているだろう!! 「お菓子はなにがいいですか?」とか気を回すのを忘れまい!!
みーさま! エイト(俺)を心ゆくまでパシry
保守。
ようやく真ED見終わった。何あの神ED
まさかキスシーンが見られるとは…道中、主姫に萌えっぱなしだった身としては、最高の終わり方だったよww
通常EDも真EDも、どっちも好きだ。主従で幼馴染イイネイイネー
欲を言えば、主人公の服装wをどうにかして欲しかったが…あー、とにかく主姫萌えだ
両EDともお似合いすぎてにやにやが止まらないw
>>716 >主人公の服装w
8もだけど5の結婚式や戴冠式での服もどうにかならねーのかと思ったな。ただでさえボロきれなのに・・・
幼馴染というけれど、どういう風に遊んでいたのか気になる。
泉での会話(サザンビーク到着前か王家の谷イベント後辺りだったような)で
「エイト(仮)は意外とわんぱくでついていくのが大変だった」
のようなことを言っている。
ということは遊びの主導権を持っていたのは意外と主人公だったのかもしれない。
チャンバラごっことか木登りとか、泥遊びとか。
ままごとのはずだったのにいつの間にかスライム捕獲作戦になっていたりしてw
>>718 ね、「意外と」。迷子になってグ・・・いやトーポに助けられる話の時だよね?
田舎の子供の遊びというと釣りが真っ先に思い浮かぶなあ。俺のお気に入りはミニ四駆だったがw
「わんぱくな男の子」についていけた姫様も意外と……
「ミーティア捕まえて〜」
「エイト待って!」
走るエイトを一生懸命追いかけるミーティア。
しかし、転んでしまい泣きそうな顔になってしまいエイトは慌てて近寄ると・・・。
「エイトを捕まえました……」
エイトの腕を掴んで泣きそうになりながらも笑顔なミーティア。
この時にエイトは心を奪われました(
多分こんな事があってであろう・・・
「僕を捕まえてみてよ〜」の方が良いか
いいねえ、砂浜で夕日をバックに追いかけっこですか。大人なのかガキなのか。やっぱり女の子は裸足がry
みーさまは「せけんしらず」ですかね。
724 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/04/20(日) 00:14:44 ID:gDkr8ULt0
思うんだけど、ミーティアってあのマントとって髪下ろしたら凄いエロいと思う
髪結ってるの? ヘアスタイルとかようわからへん。
あのティアラをとって前髪を下ろしたらってことじゃないかね。
そうでなかったら馬モード時にたてがみについてる留め具とるしか考えられない
あの前髪あげてるカチューシャの脇から髪の毛がスッと落ちてるのがたまらなく好き
美しい
ミーティアの適量な胸の大きさがGood
保守
730 :
コピペ改変:2008/04/29(火) 08:41:52 ID:gk6xi26O0
シーツを取り込んでいると姫様がいらっしゃって、「エイト。オバケさん作ってください」
そこで僕は、絵本に出てくるのよりは可愛いオバケを作って差し上げました
姫様は両手で持ちながら
「ありがとう!
・・・・・・・オバケさん、こ〜わ〜い〜〜〜こわいですぅ〜
・・・もういりません〜〜!!」
半泣きでした。
「花の首飾り」で何か出てきました。
無駄に感傷的になってしまった感じで申し訳ないです。
緑の木立に隠れるように、トロデーンの泉はあった。
ひっそりと、けれどもこんこんと湧き出した水は城の水場へと流れていく。この場所はちょっと不便なことも
あって城で働く者は皆、水場ばかり使ってこの泉の存在はほとんど忘れられており、ただ掃除の時にだけ、思
い出されるだけだった。週に一度の非番の日、一人になりたかった僕は兵舎を出てそこに足を向けた。
どうしても一人になりたかった。苦しい想いを抱えたままあの方にお会いするのは辛く、そして人に知られる
訳にはいかなかった。それでも心の奥底から湧き上がる感情はあまりに強く、ただひっそりと抱えることも難
しい。せめて一人の時だけでもあの方を想い続けていたかった。
あの茂みの横を廻ればすぐ泉のほとりに出る。辺りはただ、泉から流れ出る水の音と梢を渡る風と葉擦れの音
ばかりで、しんとした空気を破るのは何となく畏れ多いような気がした。物音を立てないようそっと藪の横を
通り抜けた。そして、足が止まった。
泉には先客がいた。木立から洩れ落ちる柔らかな光の輪の中に、白いドレスが一際輝いて見える。たおやかな
手で辺り一面に白く咲く野薔薇を編むその横顔に、長く艶やかな黒髪がはらはらと零れかかる。俯いているた
め眼の色は見えないけど、僕はそれを知っている。その美しい碧の眼がこちらにむけられた。
──エイト。
眼差しが、僕の名を呼ぶ。
ミーティア。
僕もまた、その名を呼ぶ。ただ、心の中だけで。声に出した瞬間、全てが終わる僕たちの想い。けれども心の
中だけならば、妨げるものは何もなかった。ほんのわずかな一瞬さえあれば、想い続けていくことができた。
ミーティアの瞳が僕を映す。僕の瞳もまた、ミーティアを映す。互いの姿を映し合っただけなのに、ただそれ
だけで魂の全てが結び付けられていくような気がした。
ミーティア。
ただひたすらに、心の中でその名を呼ぶ。まるでそれしか頭にないかのように。いや、本当にそれしか考えら
れなかったのかもしれない。ミーティアへの溢れる想いを叫ぶ代わりにただ、心の中でその名を呼び続ける。
エイト。
眼差し一つで、あなたは僕の名を呼び続ける。同じ石から切り出された玉が引かれ合い呼び合うように、一歩、
また一歩と近付いていく。このまま、そっと──
けれども、歩みは止まった。これ以上進んではならない僕たちの想い。互いに見つめ合って、そしてミーティ
アは手にしていた赤と白の花の冠を僕の頭に載せ、横を通り過ぎて行った。
ミーティア。
声にならない想いが僕の中を駆け巡る。頭に載った花冠に触れると、野薔薇の柔らかな棘が指を刺した。どん
なに恋焦がれても、何も望んではならないと改めて思い知らすかのように。
ミーティア。
辺りには白い花しかなかったのに、その花冠の薔薇は所々赤く色づいていたのはどうしてだったのか。ミーティ
アもまた、ただ想うだけの想いに堪えかねてあの花冠を編んでいたのかもしれない。想いはどんなに自由でも、
表に出すことはできないのだから。
ミーティア。
辛い想いなら諦めてしまえ、と人は言う。それでも、僕は──
(終)
おぉSS投稿キタァw
◆JSHQKXZ7pEさんは悲恋風味がお好きなようだ。
もっとやってw
保守
エイトはミーティアが8歳のときにお城に来たからエイトなの
ううん。エイトは神父様の施設に8番目に連れて来られたからエイトなの
739 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/05/09(金) 18:42:43 ID:bu7ssWsZO
ミーティアときいてヴァン師匠と反応しましたが
どう見てもサガフロンティア2です。
本当にありがとうございました。
ミーティア「え、えっと・・・は、鼻が邪魔にならないかしら?」
ふと頭に浮かんだ。もうだめぽ
ミーティア「エイト…… 強化しすぎたかしら」
お楽しみ中お邪魔します。
しばらく切ないネタ続いていたので、バカポー風味な話おいていきます。
文机の引き出しを開けた時、何かが転がり落ちた。
引き出しの中で便箋が折れていたらしい。ちょっと力を入れて引いたら開いたのだけれど、勢いがついてしま
ったのか何かが飛び出してころころと転がっていってしまったのだった。
何が落ちたのかしら。机の中にそんな転がるようなものを入れていたかしら。不思議に想いながら床の上に目
を凝らすと、ピアノの下に光るものがある。何が落ちたのか気になって、私はピアノの下に潜り込んだ。
それは硝子玉だった。摘み上げた指の間で滲んだ虹のように柔らかく光るそれは、この前の散歩の時に城の子
供から貰ったもの。
「ミーティア姫さまがエイトたいちょうとごけっこんなさるから、おいわいです」
たどたどしい口調と、おずおずと差し出された手のひらの上に乗る、硝子玉。きっとその子の宝物だったのだ
ろう、大事に握り締めていたのかすっかり人肌に温まっていたから。
近くにいた侍官は渋い顔をしていたけれど、私はただ素直に嬉しかった。こんな小さな子供が祝福してくれて、
それを心から嬉しく思える自分がいることに。
「ありがとう。大事にしますね」
嬉しいという心のままにお礼を言って受け取り、散歩から帰って大事に文机の引き出しにしまったのだった。
その時のことを思い出し、自然に笑みが零れた。これからも大事にしようと心に決め、さてピアノの下から出
ようとしてふと何かが目に留まった。
ピアノの下、黒く塗られていない木の部分に何か書いてある。奇妙にたどたどしく歪んで子供の字みたい、と
思いながらその字を撫でた瞬間、全ての記憶が甦った。
あれは、雨の日のこと。外に出られなくてエイトと部屋で遊ぼうとしたら、エイトは何だかとても悲しそうな
顔をしていた。
「何でもないよ。大丈夫だよ」
と言い切るエイトに随分しつこく理由を聞こうとしたのだっけ。そうして最初に話を聞いた時は話さなかった、
冷たい雨に打たれながら彷徨って倒れたということを聞いたのだった。
そんな辛かったことはエイトも話したくなかったのかもしれない。とてもしょんぼりした顔になってしまって、
可哀想だとあの時の私は思ったのだった。私にはお父様がいる。でもエイトにはお父様もお母様もいなくて、
雨の日に道に迷ってお父様がいらっしゃらなかったらきっと死んでしまったに違いない。
何かエイトにしてあげられたら、せめて元気になれるように、と思って私は本棚から一冊の本を取り出し、余
白に大きく「大吉」と書いたのだった。いつかエイトが偶然この本を開いた時に楽しい気持ちになれるように。
本に落書きするなんて普段だったら思いもよらなかっただろうけれど、その時だけは特別だった。エイトと二
人、その本にある余白という余白に落書きして、後でたっぷりお説教されたのだったっけ。
このピアノの落書きもその時のものだった。私が音楽の先生の似顔絵を描いている横で、エイトがごそごそと
ピアノの下に潜り込んで書いたもの。
「ミーティアとエイトはずっと仲良し」
エイトはそう書くつもりだった筈。でもちょっと綴りが怪しくて「みーちあ」のように見える。「えいと」も「え
と」だし。
懐かしさとほんわりとした優しい気持ちでいっぱいになって、もう一度文字をなぞった。真珠の玉を連ねたよ
うな優しい思い出の数々に何度も慰められてきた。そしていつか来るべき日が来たらそれを頼りに生きていか
なければならないのだと心に言い聞かせてきた。でも、そんな悲しい決意の必要はもう、ない。
「ミーティア?」
控えめに扉を叩いた後そっと部屋に入ってきたエイトが私をみて目を丸くする。
「どうしたの、そんなところに入って」
「ちょっと子供の頃を思い出していたの」
そう答えると怪訝そうな顔をした。
「ほら、エイト」
ピアノの下から手招きすると、エイトが隣に滑り込んでくる。
「ほら、これ」
不思議そうな顔のエイトにあの文字を指し示す。と、エイトがはっと息を呑んだ。
「あっ、これ…!」
「思い出した?」
くすくすと笑いながら問いかけるとエイトは大きく頷いた。
「随分怒られたよね、あの時。でもこれは見つからなかったんだ」
そう言うとエイトも懐かしそうにその字を撫でた。
「綴りめちゃくちゃだなあ、これ」
顔をちょっと顰めたけれど、懐かしそうな眼の色は変わらない。
「そう言えばあの時の本…ううん、いいや」
ふと、エイトが何だか意味深な言葉を呟いた。
「なあに?」
「何でもない。…ミーティアが僕を走らせる力の源だったってこと」
もう、どうしてそう逃げるの。
口には出さなかったけれど、エイトには伝わったらしい。
「本当だよ」
真剣な眼差しが向けられる。
「どんなに辛くても、ミーティアがいてくれたから最後まで戦うことができたんだ。
本当にありがとう、ミーティア」
「エイト…」
だんだん、だんだんエイトの顔が近付いてきて、思わず眼を閉じるとエイトの唇が──
そのままずっと、日が傾くまでピアノの下で思い出話をしたのだった。繰り返される口づけの合間に。
(終)
お邪魔しました。
>>735 バカポーネタも好きですよ。でもやはり切ない系の話が一番好きです。
>>742-745 バカポーですね。いいですね。
久々に5をやっていたら、新婚の時の奥さんのセリフががなんと恥ずかしい・・・恋は恐ろしい。
想像の広がる「大吉」。
◆JSHQKXZ7pEさんのバカポー話が読めるとは大吉。
あぁ、こそばゆいぜ
ちょいと小話なんぞ
茨に飲み込まれたトロデーンを発ち、数日が過ぎていた。明日には、トラペッタとの中継点になる、吊橋が見えてくるだろう。
道中、常に背中に感じるものがある。それはミーティアの悲しみだと、エイトには思えた。無理も無いだろう。姿を馬に変えられ、故郷
を奪われたのだ。王もまた然り。そして、その首謀者の足取りは、掴みきれていない。
だからエイトは、強くあろうと心掛けた。
あのとき、何もできなかった、不甲斐無い自分のままで、あってはならない。
再び奴とまみえるそのときまで、自分を戒めろ。
背に受ける悲しみを、怒りに変えて、余すところ無く奴に突きつける。
近衛兵の背を、馬の瞳が見詰める。兵は振り返ることなく、馬はこの数日、彼の瞳を見ることができていない。
「わぁ、綺麗なお馬さんだね」
通りがかった商人の一行から、少女がミーティアを見つけて駆け寄ってきた。
「お兄ちゃんの馬?」
「ワシの娘じゃよ」
エイトが口を開くより先に、トロデが答えた。馬としてとはいえ、娘を褒められるのは嬉しいらしい。
「おじさんの?そう。大切に育てられたから、こんなに綺麗なのね」
ミーティアは少女の顔を舐めて親愛の意を示した。少女はフフフと笑って、彼女の首を撫でる。
「……ところで、お嬢ちゃん。ワシが怖くないのか?」
自分が魔物の姿をしていることを、トロデは今更ながら思い出した。
「どおして?この子のお父さんなら、悪い人なわけないわ」
少女はミーティアに頬擦りしながら答えた。
「え、偉い!!ご両親は子育てが上手なようですな!!」
トロデは少女の父母に感激の声をかけた。
「それにね、どんな姿をしていも、お買い物してくれるならお客さんだわ」
少女は手早く荷物を紐解く。
人形、菓子類、アクセサリー。どれも手作りと見て取れた。
無論、旅の助けになりそうなものは無い。
余計な出費は控えたいのだが
「このリボンなんて、お馬さんのたてがみに良く似合うと思うけど」
エイトは断る切っ掛けを掴めない。
「買ってやれエイト。ワシはこのお嬢ちゃんが気に入ったのだ」
王がそういうのであれば。それに、姫も少女が好きなようだ。
エイトは硬貨を取り出し、少女に渡した。
「ありがとう。じゃあ、はい」
少女からリボンを渡された。
「お兄ちゃんがつけてあげて」
エイトは戸惑った。リボンは少女が結ぶものと思っていた。
「お兄ちゃんとお馬さんは、本当は仲良しのはずなのに、なんだかギクシャクしてる。そんなふうに見えるわ。だから、仲直りのしるし」
御者台のトロデは大きく頷いていた。
少女に促され、姫の前に立つ。
その瞳は、在りし日の笑顔を、そのままに思い出させる。姿は違えども、姫の本質は何ら変わっていなかった。ただ、余裕の無い自分が
、それを出させなかったに過ぎない。
思えば姫と目を合わせたのは、城を出て以来、初めてのことだった。
ドルマゲスを討つまで、自分にはその資格はないと思っていたから。
そうやって自分自身を追い詰めることで、彼女を悲しませていたのだ。
リボンを結び終えたエイトは、ミーティアを抱き寄せた。
これまでのご無礼、お許しください。
いっぱいに手を振りながら、少女は両親の元へ戻っていく。その背中に、エイトは深く感謝した。
彼女が気付かせてくれた。だからこれから先、自分の背中は姫を傷つけることはない。
(終)
以上。お目汚し失礼しました
あえて言おうGJであると
750-751 GJ!
商人の少女もGJ!!
>ミーティアを抱き寄せた
緑の魔物が怒り狂いそうだw
GJ
ほしゅっとく。
お
みーたんの後姿が好き。
あの肩の細い感じがたまらん。
ほしゅ!
760 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/05/26(月) 08:21:13 ID:KrfKAWWxO
上げ
ミーティアはエイトより年下がいいな
エイトは18才だから、14〜16才くらいで
数ヶ月〜1年の年下くらいじゃないのかい
ミーティア冒険中に18歳の誕生日迎えてたような気がする
ミーティアは旅の途中で18歳。
「ディナーは雑草でした…」の名言があるw
ただし、主人公の年齢ははっきりと明言されていない。
10年前にお城に来て〜と言っているだけ。
名前しか覚えてなくて、自分の本当の年齢が分からなかった可能性もありうる。
個人的には多分同い年くらいだと思ってるけど。
「不明」でもいい・・・グルーノじいあたりなら知ってるはずだが。
ほしゅ
766 :
コマンド? |>全板トーナメント:2008/06/02(月) 12:39:39 ID:A5Ma9h+6O
ほしゅ☆
トロデ
ミーティアがトロデ似じゃなくてよかった
だったらディスク叩き割るぞ
770 :
DAGGER:2008/06/10(火) 19:02:11 ID:RFjiu41TO
犯罪者予備軍氏ね
ミーティアってデンドロビウムみたい
保守
みーたんかわいい
保守
主人公のスレできたんだね
ほす
お馬さんでもかわいい
保守
( ゚д゚)
それは、トロデーンでのお茶会でのことだった。
「熱っ」
お茶の入ったポットを置き損なったのか、かちゃん、と音がして、姫様が手を押さえる。と、エイトが慌てて
立ち上がって姫様の側に駆け寄った。
「大丈夫?!」
ちょっとお湯が手に掛かっただけだろ、そんなに血相変えてんじゃねえ。
「だ、大丈夫よ。ちょっとお茶が手に掛かっただけですもの。少し冷やせば…」
ほら、姫様だってそう言ってるだろ。だけどエイトはそれに構わず、
「駄目だよ、痕が残ったら嫌だろう?ほら、手を出して」
と返事も待たずに手を取る。
「ホイミ」
そっと手を押し包むようにして呪文を唱えるとたちまち傷は癒えた。
「まあ、ありがとう、エイト」
うれしそうにお礼を言うミーティア姫の手に、今度は優しく口付ける。
「気をつけるんだよ。ポットは熱いからね」
「…けっ、あったりめーだろーが」
忌々しげに吐き捨てると、ぷいと横を向いた。
「どうしたの、ククール」
その様子に怪訝そうな顔をしてエイトが尋ねたが、とぼけんじゃねーっーの。
「一々バカップルぶりを見せ付けられてやってらんねーだけだっつーの」
「バカップル?…まあ、ミーティアたちはバカップルなのですか?」
「そうかなあ、僕たちってバカップルなの?」
「お前ら…」
もう言葉も出てこない。
「なあ、ゼシカ、ヤンガス、何とか言って…」
やれ、と言いかけ、言葉を呑み込んだ。
「エイトってば優しい…」
ゼシカのやつ、うっとりしてやがる。駄目だこりゃ、とヤンガスを見れば、
「さすがは兄貴でがす!」
こっちもうっとりしてやがる。
「…もういい」
急にどっと疲れが出た。どすんと椅子の背もたれに身体を預けて目の前のカナッペを手を伸ばした。
「あっ、そのカナッペ!チーズが…」
エイトが何か言おうとしたが、ふんだ、お前の言うことなんて聞くもんか。皿の上のもの全部鷲掴みにして口
の中に放り込んで──
「ボガ!フガゴガ!」
突然口の中で大爆発が起こった!何か出る、今なら火も噴けるぞ。っていうか何だこれ!
「大丈夫ですか、ククールさん。どうぞこの水を」
姫様が慌てて差し出した水をごくごくと飲み干し、漸く一息つけた。
「何だ、これ!火噴くかと思った」
「いや、だって辛いやつだし」
エイトが心配そうな顔しているが、こいつにはもう騙されねえ。
「お前、オレをひっかけようとしやがったな。わざわざ目の前に辛いチーズ置いて」
「違うって、誤解だよ。甘いお菓子だけだと飽きるからちょっと辛いものもあるといいかもしれないって思っ
てそれで」
「やり過ぎだろ、これ!」
「そんな一度に食べるなんて思ってなかったし」
「知るかそんなこと!もういい、もういいよ!」
もう絶対に(何度も思っているが、今度こそ)トロデーンに来るもんか!
(終)
ククwwwwお前も早くいい相手見つけろwwww
バカップル萌えGJ!!
主姫のための場所なのに、トラン…いや、クク可愛い
保守
保守
ミーたんかわいいよ保守
保守
みーさまに会うため・・・いや世界を救うために夏休みに再び旅に出た。
イカに殺された。はよ泉に行きたいものだ。
>>788じゃないけど、自分も旅立ち中
ミーちゃん可愛いぜ……!
…あ、ごめん
日本語おかしかった
791 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/08/15(金) 23:10:56 ID:YKn6kAfaO
今トゥルーエンド初めて見て飛んできたよ
真エンドもいいよなあ。みんなに祝福されてチューするんだもんな。
通常エンドの方がより好きだけど、真エンドも好きだ。
ところで、通常エンドの方でミーちゃんに「はい」って即答した後主人公とミーちゃんが手を取り合う訳だが、そこの絵的な構図って、じいちゃんの紙芝居の出だしのエルトリオとウィニアが手を取り合う絵に似てないか?
というか、ウィニアの容姿は少しミーちゃんに似てる(それもあって、主人公は無意識下でもミーちゃんに惹かれてる)
とか思ってるのは自分だけなのか…?
散々既出だw
う〜、…やっぱりそうかw
まだまだ修行が足らんのう、自分は…。
タイトルロゴの中に、お馬さんのミーちゃんが隠れてるのを知ったのも、ついこの間だしな…orz
>>794 お馬さんもだけど、あのティアラがEDのウエディングティアラだったんだと
分かった時はそれはもう感動したものです。
空(ラーミア)と海(船)と大地(お馬さん)と呪われし姫君(ティアラ)
副題全て入ってるんだよね。すばらしいロゴタイトルだなー
798 :
794:2008/08/25(月) 09:34:41 ID:L2l823xhO
>>796 おお、それは気付かなかった。
今度注目してみる。そして感動する。
ウエディングティアラの意匠にレティス(ラーミア)が入ってるって事は、あの花嫁衣装はトロデーンで仕立てたものなんだね。まあ当たり前だけれど…。
例えばマリー・アントワネットみたいに無理矢理裸にされて、サザンビーク側が仕立てた衣装を無理に着せられてたりしてたら、もっと俗っぽい格好になってたような気がしてならない。
そんな事にならんで本当に良かったと思う。
あの花嫁姿で本当に良かったと思う。
EDでミーちゃんがお馬さんから人間に戻った時の第一声が、「お父様」でも「エイト(仮)」でもなくて
「みんな…」
だったのがポイント高かった。
主人公を異性として愛してるのは当然だけど、ミーちゃんは一緒に旅した他のみんなの事も本当に好きで感謝してるんだ、そう思ったら目頭が熱くなった。
そんな素敵すぎるミーちゃんだからこそ、主人公との純愛を応援したくなる。
なるほど
メディばあちゃんが亡くなった直後のミーティアはマジで可愛いな
802 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/08/31(日) 11:01:07 ID:79cFGo64O
age
>>801 「…あっ…、ごめんなさい、メディおばあさんの事を考えていました」だっけか。
ミーちゃん可愛いよね。
メディさんは命の恩人でもあるし、ミーティア姫自身が言うように、亡くなったおばあさまとも重ねあわせていたんだろう。
おばあさまを主人公が知らないって事は、ミーティア姫が8歳になる前に亡くなったのか。
スレチになるが、おばあさまはどんな人だったんだろう。
サザンビークの王子(エルトリオの父親)と愛し合いながらも別れさせられて、婿養子を迎えて息子(トロデのおっさん)を産んだ。
しかし、その息子は愛していない夫にそっくりだったので愛情を注げなかった。
トロデのおっさんは母親に愛されなかった事を決して恨まず、むしろ反面教師にして、妻と娘にあふれんばかりの愛情を注いだ。
おばあさまは、おっさんに似ず可愛らしく産まれた孫娘(ミーちゃん)に、自分のかなわなかった夢をたくす事にして、年端もいかない孫娘に自分の悲恋を繰り返し語り続けて亡くなった。
ミーちゃんの話だけでここまで妄想したんたが、そうなると、おばあさまはかなりヒドい人だと思った。
「おばあさま」がおっさんの母親だと仮定したらの話だが。
百歩譲って「ミーティア姫の大伯母」という可能性もあるけど、でも、普通はおばあさまって言ったら祖母の事だよな…。
みーたんのおばあさまがどんな人だったのかは確かに本編だけじゃ分からないね。
本編中で語られているのは、
・エイト(仮)がトロデーンに来るよりずっと前に亡くなった
・サザンビークの王子と恋仲になったが、引き裂かれた
・みーたんの縁談は彼女が決めた(=チャゴスはおばあさま存命中に生まれた)
・おばあさまはサザンビークの王子と引き裂かれたことをずっと悲しんでいた
あたりかな。
延々昔の恋を引き摺っている辺り、夫とはあまり上手くいってなかったのかも。
いくつで亡くなったのか分からないけど、緑のおっさんが本編で50歳って言ってるし
結構な年で亡くなったはず。
そういうこと考えると、確かにひどいねえ。
みーたんも、
「おばあさまの願いだから」
と強迫観念のように承諾しちゃったって部分もあったかもしれん。
805 :
803:2008/09/08(月) 23:23:49 ID:9iKAr2x8O
>>804 亀レスになっちゃったけど、
>みーたんも、
>「おばあさまの願いだから」
>と強迫観念のように承諾しちゃったって部分もあったかもしれん。
そうだよね。そうなんだよね。
ミーちゃん「亡くなったおばあさまが決めて下さった相手だし…」って本編で言ってたと思う。
そして、それはトロデのおっさんにも言える事で、
自分をあまり愛してくれなかった、だけど本当は愛してほしかった母親が、たった一つ自分に強く頼みごとをしてきたら「ぜひ叶えてあげたい」と思うんじゃないだろうか。
おっさんは、お人好しの人情家だし。
そういう訳で、自分の中ではミーちゃんのおばあさまはかなりヒドい人になってるよ…。
ミーちゃんがあの聖母のように優しいメディさんと重ねあわせるような人だから、少なくともミーちゃんには優しかったんだろうね。
だけど、多分人格者ではなかっただろうと思ってる。
主姫的な話で言ったら、もしもおばあさま生存時にエイト(仮)がお城に拾われてたら、
「あなたはあの人のお孫さんと結ばれなければならない運命なのだから、エイト(仮)と親しくしてはいけません!」
くらいの事を言っていそうなくらいに考えている。
おっさんは幼エイト(仮)と幼ミーちゃんが仲良くする姿を目を細めて見守っていそうだけど、おばあさまはエイト(仮)がサザンビークの血縁だって知らない訳だし、厳しく妨げるイメージが浮かんでしまう。
それを考えたら、エイト(仮)がお城に引き取られた時に、既におばあさまが亡くなってて良かったのかもしれん(ヒドいことを言うようだけど…)
>>803がSSに見えた。
もし・・・みーさまがエイトくん(仮)を諦めて(遺言を優先させて)、チャ某と結婚したら、みーさまも生まれた子供に言うんだろうなあ。
「結婚する相手は自分で決めなきゃダメですよ」とか・・・
なんか現実ではよくあるパターン。
久々にプレイして、ED見たんだけど、みーさまがぶどう酒かなんか飲んで顔赤くしてるカットがあった。
酔うとどういう風になるのかな、彼女。
エイトくんのそれも気になるが。
ああ・・・妄いや想像してしまうぞ・・・
807 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/09/14(日) 21:20:28 ID:JOH4g3GtO
age
お邪魔します。
ssおいて行きます。
ちょっとmy設定があるのでご注意ください。
・真ED前提のため、主人公一行は竜神族の里に行っている
・主人公は北米版に追加された技を使う
今度こそ、負けない。
以前、空に浮かぶラプソーンに挑んだ時は四人とも払い飛ばされ、気付いた時にはどことも知れない─後で竜
神族の里へと続く道だと知ったんだけど─洞窟に転がっていた。戻るにも戻れず、強力な魔物と戦いながらよ
れよれになって辿り着いた先は、思いもよらない場所だった。
人であり、竜でもある、竜神族。暗黒魔城の片隅で見つけた本の中に彼らの記述があった、古い種族。それ以
上に信じ難い真実がここにあった。
色々あって、竜神王さまと僕の祖父─生きている親族がいるなんてことも思いがけなかった─から聞いた話は
余りに衝撃的で、未だに心のどこかでは信じきれていない。まあ、一番の衝撃だったのはあのトーポが僕の祖
父だった、ってことなんだけど。
その他の、竜神族と人間の血を引くとか、父はあの行方不明になったサザンビークの王子だったとか、そういっ
たことはむしろ今ひとつ遠いできごとにしか思えなかった。それでも今まであった色んな事を考え合わせる
と、それが真実だったのだと思わざるを得ない。
そういった流れの中で、僕たちはラプソーンを倒すために旅をしていることを竜神王さまに話した。すると、
「ならば、稽古台になってやろう」
と言ってくださり、僕たちはありがたく─ククールはぶつくさ言いながらだったけど─その申し出を受けたの
だった。
最初のうちは何度も挑んでは負けということを繰り返していたけれど、その内竜神王さま相手に勝ってご褒美
が貰えるようになったある日。
「もう負けることはあるまい。心して行けよ」
との竜神王さまの言葉をいただいた。貰った武具の類の全てが竜神族の血を引く僕だけにしか使えないものだっ
たことだけが気になったけど、それももう、戦いの前には何の意味も為さない。
そして今、決戦前の最後の憩いにこうしてあの泉のほとりにいる。
疲れを癒し、それぞれに装備を整える。ヤンガスはいつも着ていた黒い衣を脱いで頑丈な鎧へと着替えた。複
雑な意匠の凝らされた広刃の斧を背負う。ククールもいつものふざけた─当人は身軽に動けると非常に気に入
っているらしいけど─格好ではなく、まるではぐれメタルのように軽いのに頑丈で呪文にも強い鎧を選んだ。
大神の弓を抱えたけど、盾だけは女性の祈る姿の刻まれたものなのは奴らしいと言えばらしいかな。ゼシカも
また、身軽さよりは呪文への強さや熱、冷気に強く丈夫なローブを着込んだ。竜の皮でできているっていって
たけど、この世界にいないのにどうやって作ったんだろう。カジノの景品のくせにものすごく強力な鞭をしな
らせている。
そして僕は竜神王さまから貰った鎧に身を包み、祝福を受けた、古い文字を刻み美しい刃紋を描く片刃の剣を
背負った。今度こそ、負けないとの決意を込めて。
「おっ」
僕の背中に目を留めたククールがにやにやしたけど、ゼシカに思いっきり足を踏まれて涙目になっている。
最後に冑を被ろうとして、ふと手を止めた。
「姫様」
静かに呼びかけると、ミーティアは心配そうな眼をこちらに向ける。
「では、行ってまいります」
そう言った後、さっき袋にしまったバンダナをまた取り出してミーティアの前足に結びつけた。
「ヒン?」
「勝って戻ってまいります。必ず」
あなた様のために。
心の中で付け加える。必ず勝って帰ってくる。だから、それ以上は言わない。
「みんな」
向き直る。心は、静かだった。決戦を前にして何にも揺るがない。こんな感覚は初めてだった。怖いという思
いはどこにもない。逸る気持ちも、ない。
「必ず、勝って四人揃って帰ろう」
「合点でがす!」
「おう!」
「もちろんよ!」
そう、最後にすべきはただ勝つことのみ。
※ ※ ※
それでもなお、ラプソーンは強い。前よりはずっと手応えを感じるけど、それでも間が悪いとあっという間に
体力のないゼシカが倒れそうになる。
「畜生め!」
すかさずククールが回復の呪文を唱えるが、今度は奴の両手が打ち付けられ、今度は全員が吹っ飛ばされる。
「させるか!」
剣を支えに踏ん張り、反撃に出ようとした…
「兄貴!」
が、ヤンガスが悲鳴に近い叫びを上げ、僕に向かって回復の呪文を唱える。
「ヤンガス、いいからククールやゼシカに…」
と言いかけ、蚊の鳴くような声しか出てないことに気付く。あれ、僕、そんなに酷い状態だったのか…?
「ふははははは、愚か者め。そんなに弱っていては剣も握れまい」
ラプソーンが嘲笑する。でもそれに答える気力もない。
(ここまでなのか…?僕は、ミーティアへの誓いも守れず…)
力が入らない。勝って帰ることもできず、ここで…?
(ミーティア)
そうだ、僕は誓ったんだ。
(ミーティア!)
僕はまだ、死ねない。トロデーンの、あの方の元へ帰る。そのために、お前を倒す。
「うぉぉぉぉぉ…」
「おい、エイト?」
身体の奥から何かが込み上げてくる。懐かしいトロデーン、美しい世界、優しい人々…そしてミーティアを、
このまま壊させたりさせるものか。さっきの攻撃でポケットからこぼれ落ちたトーポが、同じく袋から転がり
出た何かのチーズを頬張る。一気に吐き出した息は、癒しの息。あっという間に身体中の痛みが引いていく。
「頼んだわよ!」
同じく体力を取り戻したゼシカが、僕に向かって何か呪文を唱える。と、たちまち力が漲ってきた。
「うははは!何度挑んでも無駄なことよ!我が力の前におまえらは虫けらのように死ぬのだ!」
「させるか!」
振り下ろされようとしている手に向かってククールが矢を連射する。ラプソーンは鼻で嘲りつつもやはり疎ま
しかったのか、その両手で矢を打ち払いにかかった。その隙に、ヤンガスが斧で守りを切り崩しにかかる。
「兄貴、今のうちに!」
「ありがとう、みんな!」
剣に向かって力を込める。天の雷をこの刃に…
「エイト?」
「あ、兄貴?」
剣よりも別のもの、もっと強い力が湧き上がってくる。
「どりゃあああああっ!」
血が奔騰する。身体の中に眠る何かが起き上がる。力の向かうそのままに、上げた喊声は、竜の咆哮。
「何?!貴様、もしや…」
「でやぁぁぁぁぁっ!」
身体の中に残る力の全て奴に向かって叩きつける。駆け抜けていく力は竜となって、ラプソーンに襲い掛かっ
た。
「や、やめろ…ぐはあっ!」
初めて恐怖に顔を歪ませる奴の顔を見ながら一気にその腹を突き破る。確かな手応えを感じ、気付いた時には
レティスの背に戻っていた。
「やったか?!」
ククールの声に、膝が崩れ落ちそうになりながらも前を見据える。
「ば…馬鹿な…虫けらどもにこんな…」
「させねえ!」
ヤンガスが僕の前に立ちはだかり、身構える。
「大丈夫だ」
剣を支えに立ち上がる僕の視線の先でラプソーンの体が膨れ上がる。
「ぎゃあぁぁぁぁぁっ!」
との叫びを残して一気に光が噴出し、凄まじい音で爆発した。爆風に飲み込まれるかと思った瞬間、レティス
が空高く舞い上がる。もう、暗黒神のいなくなった空に。
「勝った…のか」
この空の、海の、大地のどこにも奴はいないんだ。
「これで、もう…」
トロデーン、懐かしいトロデーン。あの方のいらっしゃるべき、美しい場所。
「勝ったんだ…」
世界を救ったということより、トロデーンの仲間を、王様を、そしてミーティアを助けることができた喜びが
こみ上げる。そして懐かしい場所へと帰っていける喜び。
帰っていけるんだ、あの場所へ。僕の懐かしい場所へ!
この時はまだ、ただ帰る喜びばかりが先に立っていた。トロデーンの復活が何を意味するのかを考えもしない
で。
(終)
もう前スレになっちゃいましたが、「祝福の口づけ」の続きのような話です。
クリア後のおまけなのに大事なネタ満載の竜神族の里を組み込むために無茶を
せざるを得ませんでした。
お詫び申し上げます。
移動中にこっそりみーちゃんと会話できるアイテムがあったらいいのに
泉の後辺りで魔法使いのおじいさんが「こっそりおはなしリボン」とかくれたりさ
まあ、そう簡単に話もできない辺りが姫の姫たる所以なのかも知れないけど
>>808-814 乙であります!! 自分はラプソーン戦の時はみーさまのことは頭になry
>>815 >「こっそりおはなしリボン」
なんか某ネコ型ロボットの出してくれそうな名前・・・
>>816 すまん、実は自分も全く頭になかった…>みーさま
っていうか竜神セットもらえるくらいならラプなんて楽勝だろとは思ったw
保守もかねてまた一つおいてきます。
まぜるなきけん
「エイト、遊びま…」
しょ、という言葉がミーティア姫の口から出かかって、引っ込みました。姫の声にこちらを向いたエイトの顔
はとても嬉しそうでしたが、同時に顔色が悪いことに気が付いたからです。
「…エイト、大丈夫なの?何だかとっても顔色が悪いわ」
「ううん、大丈夫だよ」
エイトの側によって囁きましたが、エイトは首を振りました。でもどう見ても具合が悪そうです。
「…昨日、ちょっとよく眠れなかっただけなんだ」
「まあ…そんなにお仕事いっぱいさせられているの?」
エイトの言葉に姫は眉を顰め(ひそめ)ました。
「違うよ。そんなんじゃないんだ…」
エイトは否定しましたが、いつもと違って歯切れがよくありません。ミーティア姫は可愛らしい眉を一層顰め
て考え込みました。
「…ここ、落ち着かないし、ミーティアのお部屋に行きましょ」
他の使用人たちがこちらを見ています。それが気になったのか姫はエイトの手を引っ張りました。
「う、うん」
エイトは半ば押し切られるようにして姫の部屋に連れて行かれました。
「本当に大丈夫なの?風邪ひいてしまったのではないの?」
部屋に入るなり、ミーティア姫は矢継ぎ早に問い詰めました。姫が心配するのも無理はありません。何しろ昨
日、エイトは大きな林檎の実を取ろうとして枝から下の池に落ちたのです。
「風邪なんてひいてないよ。あの後ちゃんとお湯使わせてもらって乾いた服に着替えたし」
その後たっぷりお説教もされたのですが、そんなことは話すことではありません。実は姫も教育係からお説教
されておりました。が、エイトに対する非難になりそうな雲行きを感じた姫がさっさと追い払ったのです。
「…ちょっと嫌な夢を見たんだ」
姫の「絶対聞きだすのだから」と言わんばかりの視線に負け、エイトは渋々よく眠れなかった理由を口にしま
した。
「まあ…ミーティア、怖い夢って見たことないわ」
姫の反応にやっぱり言うんじゃなかったという気持ちが湧き上がります。そんな夢ごときを怖がっている自分
が恥ずかしくなりました。
「でも、夢を見る前に怖いものを見たことならあるの。眼をつぶったらね、とっても怖いお化けがこっちに来
るの。眼を開けていたらいないのだけれど」
「ふうん」
ミーティア姫も怖いものを見たことがあるのだと知って、エイトの気持ちはちょっとだけ軽くなりました。
「昼間にね、ご本を見たのよ。とっても怖い絵が描いてあって、それだったの。だから、『絵だから怖くないの』
って一生懸命思っていたら少し大丈夫になったのよ」
「そうなんだ…」
エイトはその夢を思い返しました。でも、その夢に出てきたものを実際に見た記憶は全くありません。
「じゃあ、あれは何だったのかな…」
「どんな夢だったの?」
「うーんと…」
ちゃんと話せるようによく思い出そうとしました。でも何だか、そうしようとすればする程頭の中がもやもや
してくるのでした。
「どこだか思い出せないんだけど、どこかの洞窟かなあ。あんまり明るくないところだったんだ。いっぱい岩
があるなーって思っていたら近くの岩がむく、って動いて、真っ赤な眼が僕を睨んだんだ」
「まあ」
「そしたら他の岩みたいなのも動き出して、こっちを見たんだ。すっごく大きい─竜だった」
途端にエイトのポケットがびくっとしました。今までおとなしくしていたトーポが急に動いたようです。
「あっ、ごめんねトーポ」
エイトは慌てて服の上から撫でてやると話を続けました。
「岩だと思っていたんだけど、全部竜だったんだ。洞窟みたいなところにいっぱいいて、何でだか分かんない
んだけど、そこを一人で歩いていかなきゃならなくてさ。あいつら火吐いてくるんじゃないかってすっごく怖
かったんだ」
しょんぼりしたような顔になって、エイトは話を締めくくりました。
「まあ、それは怖かったでしょうね」
ミーティア姫も一緒になって怖そうな顔をしました。
「何であんな夢見たんだろ。竜なんて一度も見たことないのにさ、どうして竜だって分かったんだろ」
またまたトーポがびくびくっと動きました。今日はどうも落ち着きがないようです。エイトがポケットから出
してやると、心なしかしょげているように見えました。
「どうしたのかしら。今日はトーポも元気がないみたい」
ミーティア姫は元気のなさそうに見えるトーポにお菓子の欠片を与え、エイトを見ました。
「でもエイト。ミーティアだって竜は見たことないけれど、ちゃんと竜だって分かると思うわ。多分」
「そうかなあ。だってトカゲとヤモリの区別がつかなかったじゃないか」
元気のないなりにエイトは姫の言葉に反論します。
「だって竜は竜でしょ?ほら、よく紋章とかに使われているし」
「あんなの全然怖くないよ。もっとずっと竜っぽかったんだ。作り物っぽくなくて、もっと生き物らしいって
いうか」
エイトの言葉に姫はうーんと考え込んでしまいました。そんな様子を見て、エイトはまたも落ち込んでしまい
ました。
「もしかしたら本当は僕、竜の子なのかも」
お菓子を齧っていたトーポがぽろっと落とし、慌てた様子で拾い上げます。
「違うわ。エイトは人間なの」
「だけど…」
姫の言葉にエイトはもじもじと俯いてしまいました。
「だって、竜は鱗が生えているんでしょ?エイトの手は柔らかくて本当の人間の手をしているわ」
「でも…」
ミーティア姫は自信たっぷりに言い切りましたが、エイトの心に湧き出た疑念は消えてはくれませんでした。
自分は何者なんだろう、どこから来て、どこへ行こうとしていたのか、という決して答えの出ることのない迷
いの袋小路へと入り込んでしまったのです。
「うーんと…」
姫は困ってしまいました。目の前にいるエイトは、自分から進んで怖い結論の方へ行こうとしています。疲れ
たり参っている時は得てしてそういう考えになってしまいがちなものですが、どうやらエイトはそういう状態
のようです。どうすれば止めることができるのでしょう。
「じゃあエイトはね、」
意を決したミーティア姫は、色々なお話を思い出しつつ話し始めました。思ったよりしっかりした声が出まし
た。
「本当は、竜の王子様なの。ほら、よくお父様がなさっているように謁見していたから、それで他の竜たちが
エイトを見ていたのよ。きっと、行こうと思ったら月まで行けるし、一息で悪い魔物の軍勢も焼き払えちゃう
のよ。
だけどエイトは子供だったから、悪い魔法使いにさらわれて人間の世界に連れてこられたの。それでトロデー
ンに来たのよ。
だから本当は…」
と言いかけて、姫はぽろっと涙を零しました。
「ミーティア?」
「何でもないのっ」
怪訝そうなエイトにぶんぶんと首を振ってみせます。
「竜は、人間なんて弱い生き物に声をかけたりなんてしないもの。だから本当は、エイトはミーティアとなん
かお話ししてはいけないのだわ。お友達にもなってはいけないのよ!
きっとそうなの!」
姫はそう言い切ってわっと泣き出しました。
「ミーティア」
「だってそうでしょ?エイトが竜の子だって言い張るのだったら、もうミーティアとなんてお話ししたくない
のでしょ?ずっとずっとお友達だったけれど、もうお友達ではなくなるのでしょ?」
自分で作った話ではあったのですが、やっとできたお友達だったのに人間と竜だから友達にはなれないのだ、
と姫は思った途端、悲しくて涙が止まらなくなってしまいました。
「ミーティア…僕、ずっと友達だよ…約束するよ」
「ううん、だって、そういう時って悪いお祖父さんとかが出てきて『友達になってはいかん!』とか言うのよ。
お話だと絶対そうだもの」
トーポがものすごく決まり悪そうにしていましたが、エイトはそれどころではありません。
「竜だって何だって、僕ずっとミーティアの友達だよ!本当だよ!」
エイトは思わず叫んでいました。自分が何者であるかということより、ミーティア姫と友達でいることの方が
大事なことに思えたのです。
「…うん…」
エイトの言葉に落ち着いてきたのか、姫の涙は少しずつ引いてきたようです。
「約束よ、エイト。ずっとずっと友達でいてね」
まだくすんくすんと言ってはおりましたが、姫は手を差し出しました。
「うん、約束するよ。ずっとずっと友達でいるって」
エイトも手を握ってそう約束しあうと何だかほっとしたような気持ちになりました。二人ともそのまましばら
く黙っておりましたが、ふとエイトが口を開きました。
「そうだ、あのね、今朝すごいこと思いついちゃったんだ」
「なあに、すごいことって」
「あのね…」
二人とも、気が済んだのでしょう。何か別の話を始めました。エイトが思いついた「すごいこと」をしようと
しているのかもしれません。ミーティア姫はエイトの思いつく「すごいこと」が大好きでした。思ってもみな
かったようなことばかり思いつくのですから(そして実際に「すごいこと」をして誰かに怒られるのも常でし
た)。
だから、部屋の隅でトーポがこっそり胸を撫で下ろした姿を、二人は見ていなかったのでした。
(終)
ぎゃーっ、自分で書くときにつけた仮題までコピペしちゃった!
すみません、「まぜるなきけん」はなしで読んでいただければ幸いです。
GJ。
初めて完全クリアしたのがVIIIだから思い入れも人一倍だなあ。
ウィニアとエルトリオからの物語だけど、この話が真ENDルート解放後なのはなんでなんだろう。
GJ!
幼い2人は特に可愛いなぁwwいつも乙です!
トーポの反応がいちいち笑えるwww
826 :
823:2008/10/04(土) 00:01:16 ID:lJTWt7D+0
読んでくださり、ありがとうございました。
いつもタイミングを逸していたので、ここで改めて御礼申し上げます。
>>824 すごく大事な話だと思うのに、なぜか主人公の両親の話はクリア後のおまけ扱い
なのはちょっと寂しいですね。
通常EDの場合だと結局主人公は自分の生まれを知らないままだし。
色んなところで小出しにされた伏線が全く回収できないで終わる訳で、落ち着き
悪いように感じてました。
多分、制作側はクリア後のお楽しみも全部やって欲しかったのかもしれませんね。
>>826 あのエイトくんのご両親の話は、通常EDを見たからこそ、ぐっとくるような気がする。
通常エンドの方が何か好き。
8の旅の締めくくりって感じがする。
最近この2人が好きになった
お姫さまと家来(実は身分ある人)っておとぎ話の王道って感じで好き!
そうだよ。所詮おとぎばなしだよ。
だがそこがry
保守
保守
ss置いていきます。
注意:話の構成上姫は話の中のみの登場です。
家族で正餐の卓を囲んだ後、部屋に戻るミーティアと分かれて昔馴染んだ所へ足を向けた。
「これはエイト様」
客はいなくとも正餐を作るというのは一日の大仕事だ。それを終えて寛いでいた料理長が僕の姿を見とめて慌
てて立ち上がり、礼を取る。それに習って後片付けをしていた他の人たちも急いで手を止めて頭を下げた。
「あっ、あの、エイトでいいです」
ここの人に対してはつい敬語になってしまう。城に来た最初の頃はここで芋の皮むきだったし、兵舎に入って
からも何だかんだと手伝いをしたりして世話になっていたから。
「そんな、畏れ多い」
僕の言葉に料理長はますます深く頭を下げた。
「…」
こういう時、すごく寂しい気持ちになる。あの頃は怒られたり褒められたりしながら一緒に働いていたのに。自分の生まれが明らかになってミーティアと結婚してからはもう、よそよそしいの一言に尽きた。顔馴染みの
メイドさんや庭師さんとすれ違っても、声をかけようものなら鼻を床に擦りつけんばかりの勢いで頭を下げら
れてしまう。もちろん、会話が成り立った例はない。王族の一員となったのだからそれは仕方のないことだと
は思うんだけど、でもミーティアに対しては敬意を示しつつもそれなりに親しく話したりしているのでどうも
凹んでしまう。毎回そんな思いをしつつも諦めずに話しかけているのは、心のどこかでまた前のように話した
りできれば、と一縷の望みを抱いているからなのだった。
「あの、その…。…」
そしてまた今日も同じことが繰り返されるのか。僕が話しかける。城の人々が平伏す。話を続けようとあれこ
れ努力する。ますます畏まる。話の継穂を失う。気まずい沈黙が落ちる。それに耐えられなくなって僕はその
場を離れるのだった。
やっぱりか、とがっかりしつつもここに来た用件だけは伝えないと、と気を取り直そうとした時だった。
「ぷっ…」
と誰かが吹き出したような音がする。何だろう、と辺りを見回せば、料理長の近くにいたパン焼き係のおばさ
んの頬が笑いを堪えているかのようにひくついている。
何か変なことしたかな。事情がよく飲み込めずぼんやりしていると、
「ぷぷっ」
と料理長も吹き出した。それをきっかけに厨房全体が笑いに包まれる。
「えっ、あっ、あの?」
ここで訳が分からないのは僕一人だけのようだ。
「エイト様」
パン焼き係のおばさんだ。肩を震わせて笑いを堪えつつ僕に優しく諭すように言う。
「そんな一人百面相などなさらないでくださいましよ」
「えっ!」
「そうでごぜえますだ」
火焚き人夫のお爺さんも笑っている。
「ご結婚なすったんでごぜえますし、もそっと堂々と構えていてくだせえまし」
何が何だかさっぱり分からなくてきょろきょろしているとますます笑いが広がった。
「エイト様、そんなに挙動不審にならないでいただけますよう。こっちとしてもどうしたらいいのか困ってし
まうではありませんか」
笑い過ぎた料理長が涙を拭きつつそう言った。
「えっ、そ、そんなに変だった?」
と言った後で敬語じゃなかったことに気が付いた。が、料理長はますますにこにこ顔になった。
「そうそう、それでいいんでございますよ。でないとどうしていいものやら、皆困っていたんですよ」
「そ、そう?」
「そうでございますよ」
パン焼きのおばさんが相槌を打つ。
「大体、近衛兵になられた時にゃもう、私らよりずっと出世なすっておいでなんですから。そんな畏まらなく
たっていいのに、『お手伝いしましょうか』って。本当なら王様の近衛兵さんにそんな仕事させる訳にはいかな
いんですよ」
「そんなものなの?」
近衛兵になってからも盛大な宴があって絶対忙しいだろうな、という時とか手伝いしていたんだ。さすがに芋
の皮剥きはしなかったけど、酒樽や薪を運んだりといった力仕事を請け負っていたんだよね。思い返せば、確
かに厨房の人たちも僕にそういった仕事をさせるのがさも申し訳ないような様子だったっけ。
「なのに姫様とご結婚なさって押しも押されぬご立派ぶりだというのに、そうぺこぺこされてはもう、私らの
立つ瀬がないではありませんか」
おばさんの言うことは分からなくもないけど、でも気が引けるものは仕方ないと思うんだよね。
「いやでも、昔からお世話になっていたんだし何だか悪いような気がして。偉そうにするのも嫌だし」
「そんなことはございませんよ。偉そうにするのがお嫌でしたらただ普通になさっていてくださいまし。
それに私どももちゃーんと分かっておりますとも。エイト様は昔と変わらずお優しい方だって」
おばさんの背後の人たちもうんうんと頷いている。鼻の奥がつーんと痛くなって、
「ありがとう…」
と短く返事するのがやっとだった。
「ところで今日はどうしてこちらに?」
明るい口調で料理長が話題を変えてくれてちょっとありがたかった。
「あっ、そうだった」
うっかり忘れるところだった。僕の中ではかなり大事な話だったのに。
「今日の正餐に出たアレ、すっごく美味しかったんだ」
が、そう言った途端料理長や他の人たちの顔にさっきとは明らかに違うにやにや笑いが広がった。
「何でございますか?」
変だとは思いながらも料理の名前を思い出そうとする。
「うーんとね…あ、そうそう、クロケットだっけ。ホワイトソースを衣で包んで揚げたやつ。クリームも美味
しかったし、あのソースがもうすっごく美味しくって。いつもどの食事も美味しいんだけど、思ってもみなかっ
た味だったから。ほら、肉とか魚とか焼いたのは何となく味の予想ができるけど、ああいう手の込んだ料理っ
て食べてみるまで味分からないし」
あ、今思い出してもまた食べたくなってきた。さくっとした衣とあのあつあつのホワイトソースに蟹の風味の
効いたソースなんて、未知の体験。
「それはようございました」
料理長は簡潔にそう言ったけど、ついに堪えきれなくなって大爆笑した。
「え?」
「も、申し訳ございません、エイト様。ですが私どもはもう、そうと分かっておったんです」
「ええっ?」
予想外の言葉に絶句する僕にあちこちから追い討ちがかかる。
「毎日毎日、食卓から下げられてくる皿が、エイト様のものだけものすごくきれいになっているんですよ。見
れば分かるってもんでございます」
「ソースがたくさん掛かっていて絶対掬い切れないだろうって時でも、エイト様の皿だけはそりゃーもうピカ
ピカになって皿が戻ってくるもんで、どうやって召し上がっているのか気になっていたんですよ」
「まさか皿を舐めていらっしゃるんでねーかと心配しておったんでごぜえますだ」
「舐めてなんてないよ!」
誰がそんなことするか。確かに舐めてしまいたいくらい美味しいんだけどさ。だけど子供の時だってそんなこ
とはしなかったぞ。
「だってソースも美味しいじゃないか。だから肉や魚とか、付け合せの野菜に絡めてできるだけ食べてるだけ
だよ」
「いやそれにしても…」
まだ料理長は笑いの発作が収まらない。
「皿が下がってくると一目瞭然なんでございますよ。王様の皿はまあ普通でしょうなあ。姫様は時々匂いの強
い野菜や、ジビエ*でも特に個性の強いものには手を付けていらっしゃらないことがございます。で、エイト様
は…」
「どれもこれも舐めたようにきれいなんでしょ」
憮然として料理長の言葉を遮った。何度も言わないでくれよ。
「そんなに言うんだったら、明日から食べる時にきれい過ぎないように気をつけるから」
「いやいや、そこまできれいに召し上がっていただけて、料理人冥利に尽きるんでございますよ。どうぞ全部
お召し上がりくださいませ。これからも一層腕によりをかけてどんどん料理を作りますとも」
そこまで言われてしまい、より全部美味しく食べてしまわないと、という気持ちになる。
「う…これからも美味しい料理よろしくお願いします」
「へい、かしこまりました」
でも舐めたみたいにきれいさっぱり全部平らげるのはやめよう、と心に誓った夕べだった。
「いやー、それにしてもお仲のよいことで」
思い出したように料理長が付け加えた。
「ああ、うん、そう?」
毎回誰かに言われてるんで、もう何だか慣れちゃった。でもこういう時にどう返したらいいのかはよく分から
なくて、曖昧になってしまう。
「今日の料理、姫様のご提案なんでございます。『エイトはね、特にクリーム系の料理が好きみたいなの。それ
にね、旅の途中で料理長さんの得意だった手長エビと渡り蟹のスープを色々工夫して作っていたことがあった
のよ。きっと、食べてみたかったのでしょうね』と仰って」
「えっ!」
クリーム系が好きだなんて一言も言ったことなかったのに。それに、旅の最中有り合わせの材料でアレコレし
て作ったスープのこと、覚えていたんだ。確かに前から料理長の作っていたスープが食べてみたくて仕方なか
っ
たんだよね。
「大事にされていらっしゃいますなあ」
「…」
すごい。ただもうそれだけだった。そんなところまで観察されていたんだ。全然気付かなかった。
「じゃあ…えーっと…」
僕もミーティアの好きなものを、と思ったんだけど、悲しいことに咄嗟には何も思い浮かばない。お菓子じゃ
食事にならないしなあ。どうしようと悶々とする僕を、料理長はにこにこしながら見ている。
「じゃあその…あっ、あれだ、あの、鴨の肉にオレンジのソースがかかっているやつ。あれ美味しそうに食べ
てたように見えたし」
苦肉の策でぱっと思いついたものに飛びついた。いやでも美味しそうに食べてたんだよね。
「かしこまりました」
料理長は「よくできました」と言わんばかりににっこりした。
「残念ながら鴨肉は切らしておりますが、同等のものを用意いたしましょう。姫様はお肉は果実のソースでお
召し上がりになるのが特にお好きなようでございますね」
危なかった!あまり気にしたことなかったから全然分からなかったよ。だけど皆の手前、そんなこと知られた
くなかったし。まあ、ミーティアを一番よく知っているのは僕だ、と思いたいだけなんだけどね。
「じゃあ明日、よろしく頼みます。ミーティアが喜ぶように」
途端に冷やかしの声が上がったけど、それくらい気にしない。だって、明日ミーティアの嬉しそうな顔が見ら
れるんだから。
(終)
*ジビエ:野鳥や野生動物の肉のこと。欧米では最も珍重されている。
一部改行がおかしくなってしまいました。
すみません。
>>839 こういう視点(?)の作品、一味違ってイイ!! あえてみーさまが出てないのがいいですね。
乙でした。かなり面白く読ませていただきました!
食生活の話ってのがいいなあ。
ジビエってのはクセが強いんでしょうか? 野生の動物の肉は食べた事がない・・・魚くらいか。
841 :
839:2008/10/29(水) 01:06:01 ID:GaOMLvDn0
感想ありがとうございます。
家畜の肉は人間が食べやすいように(品種改良とか、草食の牛には穀物を食べさせるとか)
してあるけど、野生の肉はそれがないのでアクの強いものもあるようです。
草食動物の肉はちょっと個性が強いようです。
鴨とかは旨いそうですよ。脂がこってりしてて。
>>841 なるほど。ありがとうございます。
久しぶりに祖母に会った際、たまたま「野生の動物を食べた事がある?」って訊いたら、うさぎ、鴨なんかは食べたとか。
「クセは強かったが、他に食べられる『肉』なんてなかったからご馳走だった」。時代を感じます。
牛乳なら絞りたてを飲んだ事がありますが、クサかったw けど、それが当たり前なのかも。自然では。
>>842を読んでヤンガスを連想してしまった。
ヤンガス「腹が減ったときは、ハトでもワニでも食ったでげす。
今まででいちばんうまかった肉は、カバでがす!」
…ってセリフがあったよね。
みーさまは馬生活の間は・・・草?
>>844 お前はあの名台詞を知らんのか
「お誕生日のディナーは 雑草でした…」
確か、割と終盤でそんなことを言っていたっけ
せめてハーブとか食わせてあげたい。
でも生理学的にも馬になってしまってるのかな。
だったら食べさせてあげられないハーブもあるよな。
>>845-846 知らないわけがあろうか? いやない。
あの時「だけ」雑草だったのかね、とか考えた。一日中もくもくと大量の野草を食んでらっしゃったのか・・・?
おいエイトてめえ
主人公が姫様の誕生日忘れるわけないとは思うんだけども
あの雑草発言があるのでなんともフォローできんがな
朝からずっとバタバタで猛烈に忙しかったのかなあ>忘れる
で、気付いた時にはもうみーたんのお食事タイムは終わってた、と
旅のことでいっぱいいっぱいだったんだと思えばおk
それでも普段は過保護なくらい気遣ってるくせに肝心なことはうっかり忘れてしまって、
みーたんのその発言を聞いたエイト(仮)はものすごく後悔して落ち込んだりしてるといいよ
保守代わりに一つ。
ED後ですが、まだ正式には結婚していないという状況でのネタです。
バカポー注意。
先触れもなしで行ったことが悪かったのかも知れない。扉を叩いて返事もよく聞かずに入ったことも。だから
エイトには何の悪いこともなかったのに。
「わっ!」
「きゃっ!…ご、ごめんなさい!」
慌てて扉を閉めたけれど、ほんの一瞬だったのに見えてしまった。上半身の服を脱いで稽古で流した汗を拭っ
ているところを。
どうということはない、と心を落ち着かせるべく言い聞かせる。ほっ、ほら、庭の噴水の掃除の時とか、水場
の掃除の時とか男の方たちが双肌脱ぎで作業している姿を見たことがあるもの。それに、前にエイトと一緒に
海へ行ったこともあったのですもの。あの時は水着で、さっきよりもっと身体は覆われていなくて…
そこまで考えて、これ以上考えては事態を悪くするだけだと気が付いた。だってほら、有り得ない程心臓がど
きどきしているのですもの。もう何も考えない方がいいに違いないわ。
努めて先程の映像を心から追い払おうと一人苦闘していると、後ろの扉が静かに開いた。
「ごめんね、びっくりさせて」
とても手早いのか、それとも私が随分長く思いに耽っていたのか、稽古の汗や埃をきれいに拭い去り、着替え
を済ませたエイトが立っている。
「あっ、あの、ごめんなさい。よく確かめもしないで部屋に入ったりして」
動揺していることを知られまいと、慌てて急な訪問についての謝罪のことを口にする。
「ううん、いいんだ。いいんだけど…」
気にしてないよ、と言うようにエイトは手をひらひらさせた後、口篭った。
「けど?」
その口調に何か引っかかるものを感じて首を傾げて見遣ると、エイトは眼を逸らして困ったような顔になった。
「あの…その…」
耳がぽっ、と赤くなった後、エイトは意を決したように私に向き直った。
「ええと…み、見た?」
「みっ、見てないわっ!」
思わず反射的に叫んでしまったけれど、嘘であることは完全に知られている。私はますます恥ずかしくなって
俯いてしまったし、エイトはいつもの調子を取り戻したのだから。
「見たんでしょ」
訓練で硬くなった指が、優しく頬に触れる。まるで壊れやすい物でも扱うかのように。
「あの…ちょっと…」
エイトの唇が近付いてくる。
「ちょっと?」
一度離れた唇がまた重なる刹那、問いかける。
「本当にちょっとなの。あの、上だけ脱いで身体を拭いていたでしょう。だから、ちょっと」
「何だ」
唇が塞がれる前に急いで答えると、その後で拍子抜けしたかのようにエイトが笑った。
「もっとまずい物見られたかと思った」
「もっとまずい物?」
ついうっかり口にしてしまったかのように付け加えられた言葉が耳に引っかかったので問いかけると、またも
不自然に視線を外された。
「え、いや、何でもない」
「なあに?」
「いやだからその…まずい物だから。色々とその、ほら。そうだ、僕が困ったことになるんだ」
「エイトが?まあ…」
そのようなものがエイトの部屋にあるということはおかしいような気がしたけれど、きっぱり言い切られてし
まうとそれ以上の追求はし難い。何とも理不尽な感じに戸惑っていると、不意打ちのように頬に唇が寄せられ
た。
「エイト」
「見苦しいところをお眼におかけ申したこと、深くお詫び申し上げます。些少ではございますが、お詫びのし
るしにございます」
とっても楽しそうにエイトが言う。見苦しいとは思わなかったけれど、その言い方に何だかちょっぴり意地悪
してみたくなってしまった。
「エイトったら。本当は自分がしたいから、しているのでしょ」
エイトはびっくりしたような顔でこちらを見た。その顔が見る見る赤くなっていく。
「ええと、その…ミーティアがすごくかわいいし。その…顔を見ていると何だか変なことまで口走ってしまい
そうだし…」
エイトの言い分を聞いているうちに、自分の顔がどんどん熱くなっていくのを感じていた。エイトの頬の赤み
が私にもうつったよう。
「あの…その…ミーティアも…その…よく分からないことを言ってしまいそうなの…」
つっかえつっかえそう言うのがやっと。どうにも決まり悪くて俯いてしまった。隣のエイトも何だかもじもじ
している。
※ ※ ※
エイトの部屋のある辺りには警備の衛兵もいない。夜はともかく、昼はトロデーン一の勇者である近衛隊長に
護衛など不要なのだから。けれどもそれが災いして、この空気を破ってくれる者は誰も来なかった。
お互い同時に、
「「あの」」
と言いかけては、また決まり悪げに俯いてしまう。
だから、本当にほっとしたの。お父様が私を探しにこちらまで来てくださって。後でこってり─エイトの方が
より長く─お説教されると分かっていても。
城の者への示しといったことについていつもよりずっと長く言い聞かせられた。三回目の同じ小言が繰り返さ
れた時、正餐の時間が迫っていることが侍従によって伝えられたので私たちは漸く解放された。
「面倒な手続きが済み次第、あの二人の婚礼の式をさっさと挙げるのじゃ!」
とはお父様の部屋を下がる時に聞こえてしまった、入れ替わりで入ってきた大臣への言葉だった。
(終)
結婚はしてないけどもうすでに傍目に大迷惑なバカポー二人の話でした。
>>851-855 乙であります!
今回は読んでいるこちらの方が恥ずかしくなってきたw
ブラヴォーバカポー
っつーか改めて二人ともおバカさんなのが再確認できました
バカポーばんざい!
通常EDで何回も「いいえ」を選択して「そんな ひどい」を何回も言わせているのは変ですかw
…いやね、「そんな ひどい」って言うみーたんすっげーかわいいんだよね
後ろでパープルなオーラを出しているトロちゃんにも負けず劣らずかわい…
いえ、何でもありません。
ごめん…「いいえ」なんて選択できるかボケェ!
…って思ってた自分はまだまだ甘かったんですね…
>>860 キミとは美味い酒が飲めそうだ。みーさま≠某竜王に囚われたお姫様なのだよ。
あ、けど似てはいるよな。ゲームの中の位置づけが。
862 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/07(日) 17:36:20 ID:x2IQ/ZpBO
あ
863 :
エイト:2008/12/13(土) 00:18:06 ID:fluQqsum0
いつも言わせているよ「そんな ひどい」
毎夜
>>863 そんな毎夜毎夜いじわるをするエイトさんにみーたんが怒って「今日はダメ」とか言われて、
エイトさんが「そんな ひどい」って言うハメになるんですね
このスレでこういうネタはありなのかい?
みーたんはMなのかい?
>>865 そして2人でクスクス笑いあいながら手を繋いで眠るのですね
負けた?
>>869 そっちかよと。いやそっちの方がかわいいやないかと。
ささやかですがおつまみどうぞ。
※バカップル注意
ある朝目覚めると、ミーティアはもう起き出して窓際に座っていた。こちらに背を向けているので表情は分か
らなかったけど、とてもご機嫌なようだ。小声で何か歌を口ずさんでいる。
「おはよう、ミーティア」
その辺にあった衣類を適当に引っ掛けて側に寄ると、つやつやした髪がさらりと動いた。
「おはよう、エイト。起こしてしまったかしら?」
ついうっとりと見入ってしまいそうな微笑を浮かべてミーティアがこちらを向く。
「そんなことないけど…って、ええっ!」
身体の陰になってて気付かなかったんだけど、ミーティアの前の小さな飾りテーブルの上にすごく大きな卵が
乗っかっていたんだ。
「どっ、どっ、ど、どうしたの、それ」
「これのこと?」
驚いてどもる僕を不思議そうに見ると、ミーティアは優しい手つきで卵を撫でた。
「卵よ、もちろん」
「いや、それは分かるけど…」
「すてきでしょ、こんなに大きいの」
「すてき?ああ、うん、そ、そうだね…」
何でこんな大きな卵が急に出てきたんだ?
「そ、その、だからどこから出てきたの、それ」
「まあ、エイト」
ミーティアが眉を顰める(ひそめる)。
「覚えていないの?昨日の夜のこと」
昨日?昨日何かあったっけ?久々にヤンガスが遊びに来てくれて大いに盛り上がってその後はまあ普通にその…
「ああっ!」
突然卵の出所がピンと来てしまった。そうだ、そうに違いない。でないとこんないきなり卵がある訳ないし。
だけど…どうしよう。
「思い出した?」
ミーティアがにっこりしたけど、それどころじゃない。
「こっ、この卵…」
「なあに?」
言えない。こんな無邪気そうなミーティアにそんなこと言えない。
「ちょっ、ちょっと…そうだ、大事な用事思い出した!ちょっと竜神族の里に行ってくる!」
「えっ、そんな急に…」
慌てて扉へと走る僕にミーティアの声が掛かる。
「正餐までには帰ってきてね、エイト」
ああもう、それどころじゃないんだってば!
※ ※ ※
「まずは服を着るのじゃ、アホタレが」
そのまま城のテラスから呪文で里に向かったため、かろうじてガウンを羽織っただけ(幸運にもパンツは穿い
ていた)で裸足というとんでもない格好のまま祖父の家の扉を叩くと、べらべらと事の経緯と推論をまくし立
てていた。寝起きをたたき起こされることになった祖父は非常に不機嫌そうな顔で僕の話を聞いていたが、息
が切れて言葉が切れた途端素っ気なくそう言い渡してきた。
「…はい」
焦っていたとは言えいくらなんでもガウン一枚で人に会うのは失礼だ。それにこんな朝早い時間に人を訪ねる
のもまずい。今更気が付いてしおしおと祖父の言葉に従った。とは言え取るものもとりあえず城を出てきてし
まったので着るものなんて何も持ってない。竜神族の服を借りて(そして結局自分一人では着ることができな
くて祖父に手伝ってもらって)それらしい格好になると祖父は難しい顔をして熱い茶を啜った。
「で、何じゃ。おまえが見たという卵はその…」
「あの、てっきりミーティアが産んだんじゃないかと…」
そう。突然部屋に現れたあの卵、ミーティアが産んだんじゃないかと思ってしまったんだ。
「アホタレ、いつ竜神族は卵生だと言った」
「いやでも、その、トカゲとか卵から孵るし」
「ワシらとトカゲを一緒にするでない!大体、あの紙芝居にもおまえはちゃんと赤子の姿で描いてあったじゃ
ろうが」
「あっ!」
そうだ、動揺するあまりすっかり忘れてた。確かにあれには赤ん坊の姿で描いてあったっけ。
「で、でも本当に?実は卵から孵るなんてことないよね?」
それでもまだ残る一抹の不安を口にしたところ、ふんと鼻で笑われた。
「当たり前じゃ。全くそんな愚にもつかないことを考えて年寄りをたたき起こして…」
「ごめんなさい」
本当に申し訳なく思って頭を下げたけど、あの卵は一体どこからきた何物なんだろう。そう思ってこの疑問を
口にしたけど、あっさりあしらわれてしまった。
「知らんわ、そんなもん。自分で考えるんじゃな。全く、あてつけよってからに…」
※ ※ ※
結局、疑問を抱えたまま城に戻ってきてしまった。竜神族の服は返してしまったので、あの人前に出るには恥
ずかしい格好で帰らざるを得ない。仕方なく城の隅に放ってあった誰かの稽古用胴衣を拝借することになった。
「おかえりなさい、エイト」
取りあえず自分の部屋に戻って着替えよう、とこそこそ廊下を歩いていたのに自分の部屋の前でミーティアに
見つかってしまった。
「あっ、その、…ただいま」
自分が恐ろしく変な格好なことは分かる。おまけにこの胴衣臭うし。
「どうしたの?」
臭いが移ったら大変だと思って後ずさりしていると、怪訝そうな顔で訊かれてしまった。
「いやその、この服臭いし」
「そう?…そうね、それにその服エイトのものじゃないでしょう」
「ちょっと借りたんだ、服持って行かなかったもんだから。…いやだからその、今汚れているんだ。だからあ
まり近付かない方が」
なおも近付こうとしているミーティアからじりじりと離れようとすると、諦めたように立ち止まった。
「今度からはちゃんと服を着ていってね」
「うん、よく分かったよ」
心の中でこの胴衣の持ち主に文句をつける。こんなに臭ってなければここでミーティアと口づけできたのに!
「着替えてくるよ」
部屋に入ろうとするとミーティアが引き止めた。
「あ、エイト。着替えたら厨房に来てね」
「厨房?うん、いいけど」
「じゃあ来てね」
そう言うとミーティアは今朝のように歌を口ずさみながら廊下を歩いていってしまった。
厨房で何するんだろう。正餐までには帰れとも言われたし。何か作っているのかな。それにあの卵だ。それと
これと何の関係があるのか。さっぱり分からない。あれこれ考えながら身体をよく拭いて着替えると、厨房へ
向かった。
厨房に近付くにつれ、何だか、例えて言うならお祭りの前のような感じがした。浮き立ったような、楽しげな
雰囲気だ。
「エイト!」
僕に気付いてミーティアが駆け寄ってくる。
「いいところに来てくれたわ!あれ、お願いしたいの」
指差す先にはあの、僕を悩ませた卵がでんと鎮座ましましている。
「あれって…卵でしょ?今朝の。どうするの?温めるの?」
どうもよく状況が分からなくて、間の抜けたことを聞くとミーティアは楽しげに笑った。
「まあ、エイトったら!今日はどうしてしまったの?あの卵、昨日ヤンガスさんが持ってきてくださったこと、
忘れてしまったの?『ウコッケ様からかっぱらってきたんでがすよ』って言って」
ヤンガスの声真似で言われ、はっと何もかも思い出した。そうだ、最近の武勇伝を語っていたんだ。ウコッケ
の巣から卵を取った話もあったっけ。すごく美味しいからって僕たちにくれたんだ。
「うわ、ごめん、ヤンガス…」
すっかり忘れてた。こっそり口の中で呟いてヤンガスに詫びる。
「で、どうするの、これ。何作るの?」
何もかもぴんと繋がって、すっきりした気持ちで卵を指し示すと、料理長さんがミーティアの代わりに答えて
くれた。
「せっかくの卵ですので、城の皆に行き渡るようにしたい、との姫様の仰せでございますので、プリンにしよ
うかと」
「プリン!いいね!」
確かに、牛乳も砂糖も入るから嵩も増えて行き渡りそうだ。
「あの鍋に作ってひっくり返すのよ」
ミーティアが大きな鍋を指差す。あんな大きな鍋いっぱいのプリン…子供の頃に見た夢みたいだ。
「じゃあ早速作ろうか!」
※ ※ ※
期待に背かぬできばえだった。大鍋いっぱいにできたプリンは男手総動員でひっくり返されるとぶよんぶよん
と弾み、ほろ苦いカラメルが掛けられて城の者全員に配られ、持って来てくれたヤンガスの名が称えられたの
だった。
(終)
バケツプリンと「ぐりとぐら」が合わさってこんなネタに…
エイトがバカ過ぎて本当にすみません
>>871-876 これはバカップルやない! バカや!!
>「アホタレ、いつ竜神族は卵生だと言った」
>「いやでも、その、トカゲとか卵から孵るし」
↑www
「ぐりとぐら」もナツカシスwww
和んだw サンクスです!!
878 :
876:2008/12/27(土) 23:05:41 ID:22cEw3os0
>877
感想ありがとうございました
「ぐりとぐら」のあのパンケーキは子供心にもすんごくうまそうに見えたもんです
>>878 この二人にはギシアンよりもほのぼのがよく似合うw
思わずスーパーからプリンを買ってきた。
主人公雑談スレのエイトもプリン大好物だったな・・・
雑談スレはもう落ちてしまってるけど・・・
>>881 復活してたんだ。早速見に行った。早速プリンネタがあってワロタw
小ネタ置いていきます。
※全年齢対象です。
「本当にすごいわ。トロデーンは冬だったのに、この島は真夏のようよ」
「そうだね。…ミーティアはここの方が好き?」
「ううん…どこも好きだけれど、トロデーンだけは別よ。どことも比べられないわ」
「うん、そうだね。僕もだよ」
「もちろん、エイトも大好きよ」
「ありがとう。僕もミーティアが大好きだよ」
「エイト…」
「ミーティア…」
「あの、エイト。それは何?」
「あ…うん…大したものじゃないけど…」
「何だか赤黒くってぶつぶつしているわ。これは生き物なの?」
「うーん…うん、そう、かな。ほら、口があるし」
「それもそうね。おめめが見つからないけれど」
「ね、ミーティア。触ってみて」
「え、ええ」
つんつん。
「まあ!どうしましょう、硬くなってきたわ」
「うん…もっと触ってみてよ」
「ええ」
つんつんつん。
「何だかおもしろいわ」
つんつんつんつん。
「ね、ミーティア。もっといじめてみてよ」
「えっ、でもかわいそうじゃないかしら」
「いいからいいから。こいつ、見た目より丈夫だし。ぎゅっと握ってみて」
「え、ええ…じゃ」
ぎゅうっ。
「きゃっ!と、溶けてきたわ」
「溶けちゃったねえ」
「すごいのねえ、このナマコって」
「うん、そうだね。誰かの旅行記で読んだことがあって、一度見てみたかったんだ。本当に硬くなって、溶けるんだね」
「この形、最初はちょっと怖かったけれど、何だかかわいく思えてきたわ。一匹トロデーンへ連れていっては駄目かしら」
「うーん、ここ暖かいし、トロデーンは結構寒いし…」
「そうね…寒いところに連れて行ってはかわいそうね。じゃあ、またここで会いましょうね、ナマコさん」
チュ。
「あっ!」
エイトは、しっとの炎を燃やしている!
(終)
最近バカポーネタしか書いてないような気がしてならないのですがw
新年一発目からシリアスドロドロもいかがなものかと思い、こんなネタに。
せめて和んでいただければ幸いです。
ナマコは身を守るために、攻撃されるとまず身を硬くし、なお攻撃が続く場合
自分の身体を溶かして攻撃を回避するそうです。
>>883-886 乙!
丁寧ななまこ描写にこだわりを感じる。
しかし色んな意味でヤらしry
萌えたのにナマコの生態が気持ち悪すぎるwww
バカポGJ!シリアスも読みたいです
「虫めづる姫君」のパロと見たwww
保守
891 :
886:2009/01/07(水) 23:35:03 ID:AB8L16sm0
感想ありがとうございました
虫めづる姫君は全く考えてなかったw
ナマコは実はいろんな色合いの個体がいるんですが一番旨いのは、赤黒いやつだそうです
中身(このわた)はもっとうま(ry
「お父様ひどいわ!どうしてエイトにつらく当たるのですっ」
「うーむ…なぜじゃろう。エイトのお人好し顔を見ておると、無性にいじりたくなるんじゃ…」
「こんどエイトにつらく当たりましたら、ミーティアはお父様と口を聞きません」
「許してくれ!わしが悪かった。ミーティアの言う通りにしようぞ」
こんなやり取りがトロデとミーティアの間にあったとかなかったとか…
保守
>>892 みーたんに逆らえないトロデーン王…
トロデーンではみーたんが最強なんですね
「エイト。聞いてくれますか?ミーティアが望んでいたこと。それは気がねなく接してくれるお友達がほしかったの。そうあなたのような…」
お父様は一人娘のミーティアをたいそう可愛いがられました。
「お友達がほしい」と言えば、すぐにもお友達を呼んでくださいました…。
ええ、そうです。作られたお友達です。
王族には代々、姫様専属の『お友達』がおりました。家柄身分も容姿さえも選ばれたお友達です。
いつだったかしら。ミーティアが、おままごとをしたいとお友達に言いました。毎晩読んでもらってた物語の中の女の子がしていた遊び。
ミーティアはどうしても、「どろだんご」を作りたかったのです。
お友達は言うの、「そんなものを作っては姫様のお手を汚します」って…。
お友達なのに変よね。お手を汚すなんて。
本を読み、お菓子をいただき、お世辞を言い合うだけがお友達なのでしょうか。
あのあと、ミーティアはどろだんごを作ったの。お友達は誰も作りませんでした。姫様やめてください、ああクビだわ、って泣いて帰ってもう二度と城に来ませんでした。
「とても悲しかったのです。いま私は幸せです。エイトというお友達がいるのですから」
せつない。。
>895
泉か夢でこんな会話あったっけと真剣に思い出そうとしてしまったw
GJ!
保守
899 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/17(土) 03:13:41 ID:lT/RRjh8O
チャゴスと姫のほうが燃える 不細工でダメな男と高貴な姫 普通は絶対に結ばれないのに許嫁という言葉で結ばれてしまう背徳姦
その発想はなかったwwww
ageまでして言うほどの事か?
>>900 燃料のつもりだったのかもしれん。>899
問 みーさまとエイトがケンカした。理由を(自由に想像して)述べよ。
みーさまとエイトがけんかした理由↓
エイトは1日に何回も、ミーティアを不思議な泉に連れて行った。
「エイト。有り難う。ミーティアはエイトとお話しができてうれしい。だけど、私のために何度も旅をやめて泉に来てはだめ」
そういうとミーティアは馬に戻った。
エイトは再び水を飲ませようとした。
しかし、ミーティアはお腹いっぱいで水を飲めない…。
姫のためにと思ったのに。エイトは首をかしげるばかりだった。
それは姫のためじゃなくて自分のためだよエイトw
保守
保守保守
誰かいないの〜?
ノシ けど物書きじゃないからな〜
保守
職人さんは何処に……
ミーティア可愛いよミーティア(*´Д`)ハァハァ
>909
エイト乙
>>909 エイトこんな所で何してんのwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ss置いていきます
・エイト、姫とも15歳ぐらい
・エイトは近衛兵になったばかり
を想定しております
いつも通り、日々の暮らしにささやかな楽しみを与えてくれる散歩になるはずだったのに──
エイトが近衛兵に昇格してからというもの、毎日の散歩が楽しみになった。周囲の人々には気付かれないよう、
でもちょっとだけおめかししたいという気持ちのままにドレスを選んでエイトと散歩に行く。今日は近付く春
のような淡い緑の絹のドレスを選び、部屋の外に出た。
例の通り、エイトは既に扉のところに控えていた。
「行きましょうか」
例の通り、私も声をかける。
「お供仕ります」
長い廊下を行く私の足音にエイトの重い靴音が重なった。
外が思ったよりずっと暖かかったことに驚かされた。それにこんなによく晴れた空を見るのも随分久しぶりの
ような気がする。春はもうすぐなのね、と思うと何だかとても楽しい気持ちになった。先のことにはちょっと
だけ目を瞑って、エイトが今一緒にここにいるということを喜びたい。そんなうきうきとした気分でエイトを
振り返ると、エイトもまた、楽しげな顔をしていた。
「いい天気。もうすぐ春なのね」
でもまだ人目がある。自分の気持ちを抑えてできるだけ問題のなさそうな話題を選んだけれど、それでもやっ
ぱり声は弾んでしまう。
「左様でございます」
いつも通りの礼儀正しくも他人行儀な返事だったけれど、エイトの声もまた、明るい。同じ気持ちなのかしら、
と思うと余計嬉しくて楽しくなった。
「ですが城壁の上は風が強いようです。今日は庭を中心に廻られては」
確かにそうかもしれない。エイトの視線の先で尖塔の先の旗がはためいている。
「そうね。そうしましょう」
そう答えると、春早く花をつける木々のある木立の方へ足を向けた。
「…近衛の仕事には慣れたかしら?」
木立と茂みに阻まれて、大声でなければ他の人に話を聞かれる心配のないところまできた時、私は口を開いた。
「…はい」
いつもは口の重いエイトも、珍しいことに少し話をしてくれた。
「まだ近衛の制服には慣れておりませんが」
「まあ。うふふ」
エイトの答えに思わず笑みがこぼれる。
「そうね。確かにその制服は大変そう。でもちゃんと…」
似合っているわ、という言葉は唇の上でかき消された。すぐ側で甲高い笑い声が上がったから。素知らぬ顔を
作って、見てはいない梢を見上げるふりをした。エイトもまた、いつもにも増して厳しい顔をして茂みの向こ
うを透かし見る。
「どうやら水場で洗濯をしている者がいるようです」
思っていたよりもずっと、庭の外れまできていたようだった。
「仕事の邪魔をしては悪いわね。庭の方へ戻りましょうか」
そう言ってドレスの裾を捌こうとした時、耳に飛び込んできた言葉が私の足を止めさせた。
「…やっぱり近衛隊って花形よね。みんな美形でさー、憧れちゃうわ」
「そうそう。あわよくば…なんちゃって!」
「きゃーっ、あなたったら積極的ー!」
「だってみんな貴族さまなんでしょ。上手くやったら奥方さまよ!頑張っちゃうわ!」
メイドたちが洗い物をしながら無邪気に話をしている。楽しげなことは分かったけれど、どこか聞き苦しくて
耳を塞ぎたい。この場を離れてしまいたい。でもなぜかそれもできずにただ立ち尽くしていた。
「でも大抵の方には婚約者がいらっしゃってよ」
とどこか思慮深げな声が割って入ってきた。
「ご立派な家柄の方は、早いうちから婚約なさるって」
「婚約者がなによ!」
と最も騒いでいた甲高い声─聞き覚えはなかった。きっと新しく来た人なのかも─の娘が反論する。
「お貴族さまってだけの頭の回転の鈍い女になんて、負けないんだから!それにそんな大貴族だったら、結婚
しなくてもお手当てもらえるんですってよ!」
「まあ、そんな!」
さすがに周りの娘たちも非難めいた声を上げた。
「よくないわ、そんなの。だったら最初から誰も決まっていない人を選べばいいじゃないの」
「そうよそうよ、あっ、ほら、この前近衛になったあの人はどう?エイトって言ったかしら」
急にエイトの名が出たことにぎくっとしたけれど、振り返って顔を見る勇気はなかった。
「嫌よ、そんなの!だってあの人庶民じゃない」
なんて酷いことを言うの。それにこんな聞き苦しい会話を聞いてしまって、エイトはどう思うかしら。仮にも
ここで一緒に働いている人だというのに。
「酷いこと言うのね。エイトはよく働くし気が利いていい人じゃない。近衛の給料は結構いいのよ、手伝いの
人を雇ってそこそこ楽にやっていけるくらい。庶民だって問題ないわ」
聞き覚えのある声─多分、部屋の掃除で何回か来た人だと思う─が厳しい調子で言った。
「私はね、貴族さまになりたいの。毎日絹の服を着て遊んで暮らすのよ。自分で働かなくちゃならない庶民な
んてもううんざりだわ!」
(もういい!)
余りの言い草に我慢できず、手荒くドレスの裾を捌く。と、抗議の声なのか警告なのか、笛のように鋭い音を
立てて衣擦れがした。その音が聞こえたのか水場が静まり返る。でももうそのようなことには構うことができ
ず、ただその場を離れることばかり思って足を動かしていた。
もうエイトの悪口なんて聞きたくない。それに顔も知らないそのメイドもとても嫌だった。誰なのか分かった
らきっと、酷いことを言ってしまいそうなくらい。そんなことはいけない、って分かっているのに。
それに自分も嫌だった。エイトを近衛兵に昇格させてそんな悪口を言われる原因を作ったのは自分だというこ
とが。ただ一緒にいられる時間が長くなる、という身勝手な願いだけでそんな立場にしてしまった。今はたま
たま聞いてしまったけれど、他にももっと酷いことを言われているのかもしれないのに。
「姫様」
色々な思いで頭の中がいっぱいになってしまった時、背後から静かに呼びかけられた。
「どうかお静まりを」
エイトの声に応えて、足を止める。
「でも」
「そのように無闇に歩かれてはお身体に障ります」
「でも!」
何と言えばいいのか分からなかった。
「…ごめんなさい」
ようやく搾り出した言葉はこれだけ。これ以上何か言うと涙も一緒に出てきそうだった。
「姫様」
長い時間無言のままだった後、エイトが口を開いた。
「僕は気にしておりません」
「でもあのようなことを言われるなんて」
「最終的に近衛になる道を選んだのは、僕です。貴族でもない身で近衛兵になれば受けるだろう嫉みも悪口も
全部覚悟の上、トロデーンのために剣を捧げると誓い申し上げました」
エイトは静かな口調で話す。まるでさっきのことなど何でもないかのように。でも私にはそれが余計辛かった。
自分のせいでエイトにそんな決意をさせてしまったことを思い知らされて。
「エイト…。本当にごめんなさい。ミーティアが間違っ」
「間違ってなどおられません!」
はっとするほど激しくエイトは私の言葉を遮ると、驚いてただ眼を見開くばかりの私の前に臣従の誓いを述べ
るかのように片膝をついた。
「どうかそのようなことを仰らないでください。本当ならば叶うことのない願いが叶い、こうして…側近くお
仕え申し上げることができるのですから」
「エイト」
「僕が近衛兵であることがお嫌でしたら何にでもなりましょう。ですがどうか、どうか最期までこの剣を捧げ
ることをお許しください。そればかりが今の僕の願いです」
しん、とばかりに沈黙が降りた。同い年のはずのエイトが何だかとても大人のように感じて、何をどう言えば
いいのか分からない。自分がわがままなばかりの子供のように思えて恥ずかしかった。
「…エイト」
その名を呼ぶ。ただそれだけのことなのにとてつもなく重かった。きっとエイトの決意の重みだったのかもし
れない。
「その願い、許しましょう」
ならば、私も受け入れましょう。エイトと同じ決意を。
「最期まで、受け入れます」
途端にずしりと重いものが心に圧し掛かる。人一人分の誓いの重みが。でも、いいの。その重みが分からない
者にはなりたくない。
そのまましばらく、黙り込んでいた。決意を胸に刻み込むだけの時間が必要だったから。
「…風が強くなってきたようです」
ひっそりとしたエイトの声が沈黙を破った。立ち上がって膝の埃を払っている。
「そうね。戻りましょうか」
何事もなかったかのように私も応えて踵を返した。
軽やかに思えて選んだドレスはまだ冬のままの風の前に頼りなく、すっかり冷えていた。暖かそうな日差しに
浮かれていた自分が恥ずかしかった。たった今、自分の子供っぽさを思い知らされたこともあって、余計に。
わがままな子供でるのはもう嫌。人のためになるように、ちゃんとものを考えられるようになりたい。一体ど
うしたらそんな人になれるのかしら。今は思いつかないけれど、ずっと考えることにしましょう。そうすれば
いつかきっと、答えが見つかるはず。
きゅっと唇を噛むと、できるだけきびきびと足を運び始めた。何となく、そういう方はさっさと動きそうに思
える。今すぐ立派な人にはなれないけれど、せめて外側だけでもなりたかったから。
「エイト」
慣れない早歩きに息が切れそうになりながらも、後ろのエイトに呼びかける。
「はい」
「ミーティアがちゃんとした人になれるようにいつも見張っていてください。わがままを言った時は遠慮なく
そう言って」
肩越しに振り返ると、エイトの視線と絡み合った。
「はい。必ず」
「ありがとう」
再び前を向く。優しくも強いエイトの眼差しを心に刻んで。
本当に、ただの散歩のはずだった。けれども後悔はしていない。自分のわがままさ、子供っぽさを知ることが
できたのだから。
いつか、いいえ、必ず、誰かの悪口やわがままを言わない、ちゃんと人のことも考えられる人になるから。お
願い、エイト、見ていてね。
(終)
どっちかというと、恋愛よりは友情っぽい感じだったかも
背伸びしたいお年頃な二人で
>>912-918 乙であります!
>恋愛よりは友情っぽい
かもしれない・・・けど、エイトは多分色々妄ry
みーさまが緑のドレスをお召しだけど、そーいや原作中では白しか着ていなかったな、と今更気づいた。
久々にこのスレ覗いてみたら新作ktkr!
JSHQKXZ7pE氏乙です!
>>918 乙です
思春期の主姫はどちらかと言うと、いつまでも子供のままではいられないと意識するのは
エイトの方が先なんだろうねぇ
感想ありがとうございました
ゲーム中ではみんないつも同じ衣装ですが、お姫様なんだし衣装は各種取り揃えているんじゃないかと
色に深い意味はないです。何となく春らしい色合いをえらんでみました
>921
エイトは子供の時から働いているしね。みーたんより早く大人びるような気が
何となく給料貰っているように書いてしまったけど、
つーことはあれか、エイトは15歳で既にサラリーマンかw
>>922 >エイトは15歳で既にサラリーマン
むしろこれがフツーなんじゃないかなあ、とも思ってみたりします。
自分には「近衛兵」ってのがどういうポジションだかよく分からないのがあるけれど。
「近衛兵」=「高給」?
DQ8は小間使いを経たサラリーマンな主人公エイトが、後々幼馴染のトロデーン姫を娶って
大出世するという壮大な物語なんですね!
まあ、エイトも元々は王族だった訳ですが
人間界の王族+人外最強の種族
↓
捨て子
↓
小間使い
↓
近衛兵
↓
王付き従者
↓
近衛隊長
そして最初に戻る
なんつーか苦労しすぎな人生だなw
8再プレイ中。
「兵士の剣」の説明文。
・「城の兵士に配られる、安物の剣」
近衛って・・・?
本来の剣は王様たちと城から脱出する時、呪いのツタを切りすぎてダメにしてしまい、安物の剣しか残っていなかったと勝手に想像してみる
>>926 まあ、そこはゲームの仕様と言うか都合ですからw
そんなこと言ってたら、近衛兵なのにレベル1なんだぜ?
武器スキルなんか、「〜の基本動作を身に付けた」とかからなんだぜ?
と言うか、初プレイの時はエイトが近衛兵だったということに驚いたなw
普通に一般兵かなんかだと思ってた
保守
>>928 生粋の日本人である俺にとって、「剣の基本動作」ってのも興味があるなあ。
中学と高校のとき、少し剣道やっただけだが・・・あれは日本刀だよなw
みーさまは、やっぱ魔法だろうか? ナイフとかでもおもしろそう。
>>930 みーたんは魔法でも回復・補助系が似合いそうだな
また、王女という立場で護身術はある程度身に付けてそうなので、短剣とか使えそうだ
みーさまは魔法使って欲しいな〜。
回復呪文で回復して欲しい。
攻撃呪文ならヒャド系がいいかも。
武器使うなら、短剣か杖あたりなイメージ。
ムチもいいじゃん?
深読みはいらん。
>>933 乗馬用の短いムチ?
それともゼシカが使っているような長いムチ?
余計な事を書くからかえって深読みするじゃないか、
と思った連中が俺を含め30人は全国にいるはずだ。
姫はは召喚でいいんじゃないかな・・・
エイトのスレ復活したのか
主姫の@Wikiってないのかな?
みーたんっておっとりとした天然系のお姫様だけど、
トラペッタで町の人々から石を投げつけられたトロデを身を挺してかばい、
そしてその町の人々を睨みつけるような毅然とした態度を見ると案外気の強いところもあるんだろうなぁと思った
因みに自分は初プレイの時、ここでみーたん(馬姫様)に惚れたw
>>938 亀で申し分ないけど、
自分も同じシーンでミーちゃんを好きになった。
投石を受ける父上をかばうため、スッと町人達の前に出るミーちゃん。
凛々しく、力強ささえ感じるその姿を見て
「かっこよすぎる…。
この娘は人間に戻ったら絶対に美人に違いない!
というか、多少意外性のある容姿だったとしても、この御心の美しさなら可愛く見えるに違いない!
ついていきます姫様!」
とか一気に思ったよ。
そして、清らかで愛らしい真の姿を見て、自分の目は間違ってなかったと思った。
話し方や容姿のせいか、天然とか幼いとか言われがちなミーティア姫だけど、
内面は気丈で芯が強くて、王族としての品格も責務もわきまえている立派な姫君だと思う。大好きだ。
改めて言うまでもないかも分からんけれど。
SS投下を考えてるけど・・・
ギャグ路線に走っちゃってもいいですか?
スレタイと
>>1さえ遵守していただければ、文句ないっす。
>>940 そういや呪われる前のトロデーンでも封印の間(だっけ?)に向うトロデに自らお供して、
ドルマゲスからトロデを庇ったよね
最初はみーたんの人間の姿が、あんなにおめめぱっちりで黒髪ストレートの可愛い子だとは思わなかったw
どっちかと言うと、もっと大人っぽくて綺麗系なお姫様だと思ってた
>>941 >942と同意見です
>>943 自分も、漠然とだけど、もう少し年上の大人びた感じを予想してた。>ミーちゃん
そしたらあんなに可愛らしくて、しかも主人公とも幼馴染み設定だったんで、二度びっくりだったけど嬉しかった。
ミーちゃんの黒髪は清らかな感じがするよね。額を出してるのもいい。
顔立ちが幼いから、それを気にして
「このミーティアももう17歳なのだから、少しでも大人らしく見えるようにしなければ…」
と考えて前髪を上げてる、と妄想してるよ。
>>941 待ってます。
暗黒神ラプソーンは、エイト達4人の手によって倒された。
あれから半年、エイトは近衛兵隊長、
そしてミーティア姫の事実上の婚約者となっていた。
かつての仲間の一人、ククールは、たったひとりの肉親を探すため、世界のあちこちを旅しては、
時々トロンデーンやリーザス、パルミドと、仲間のもとにも立ち寄っている。
そんな彼が何をはからったのか、
エイトは夕刻からの仕事あけに、強引にククールに外へと連れ出された。
城の中ばかりじゃ気も晴れないだろ、と。
腕をつかまれルーラで飛び去った先はベルガラックだった。
真っ先にバーへ連れて行かれる。
まぁ飲めよと一方的にぶどう酒を注がれるが、エイトはあまり酒に慣れていないためか、
トーポにチーズでもあげてお茶を濁している。
「ヤンガスやゼシカはどうしてるのかな」
独り言のようにエイトが言う。
「ヤンガスはパルミドとゲルダさんとこを行ったり来たりしてるみたいだぜ。
ゼシカはリーザス家で大人しくしてるよ、たぶん」
ククールはぶどう酒を愛でるように眺めてからに口に運んでいる。
そもそも、どうしてこんな所に連れてこられたのか、エイトにはさっぱりわからない。
そんなエイトの気分を察したのか、ククールは体の向きを替え唐突に質問を投げかけた。
「そういえば、かつての馬姫さまとは正式に婚儀をしないのかよ?」
エイトは、えっ、と顔を上げる。
「お前はミーティア姫の夫も同然、なんだろ?」
夫も同然。
トロデーンに戻ってから、トロデ王や近衛兵の仲間達からさんざん言われた言葉だ。
「正式な事は、何も・・・」
弱い口調に、長い足を組んでいたククールは肩をすくめる。
「トロデ王もあれだけお前の事を信頼してるのに、
お前が煮え切らないんじゃいつまで経ってもただの近衛隊長のままだぞ?」
エイトは、視線をそらし、ごまかすようにやっとぶどう酒を口に含む。
「それは、俺が決める事じゃないよ・・・」
「ふーん・・・?」
肩肘をつき、指先で顎を支えているククールは、エイトにやや冷たい視線を送っている。
その視線と沈黙に耐えかね、エイトは目の前の酒をあおって仲間との義理を果たし、
早急にこの場を出ようと計画した。
空のグラスがエイトの前に置かれると、すかさずククールが次を注ぐ。
「まぁあれだ、姫様も、周りから『妻同然』って言われるのを、
随分気にかけていらしたみたいだからな」
「えっ!?」
エイトは、両手をテーブルに付いてやや身を乗り出す。
「姫様が!? なんで、ククールがそんな事を・・・?」
エイトから視線を外し、肘をついたまま、もったいぶった風にククールがつぶやく。
「いや・・・昼に城で姫様と話す機会があってね。そんな事をさ」
横目でエイトをチラリと見る。真剣な表情で、まるで余裕がない。
「お前さ、姫様の部屋に泊まったことくらいあるんだろ?」
ククールがエイトの顔を覗き込みながら小声で尋ねる。
「あっ・・・あるわけないよ! それ以前に、手前の通路に警護も立ってるし、うん・・・」
エイトが頬を赤らめながら何かを思い出しているような様子を見ると、
なるほど、試してみたことくらいはあるようだなと、すぐにククールは悟った。
「何言ってんだよ、お前近衛兵隊長だろ? そんなん黙ってポンと肩でも叩いておけばいいんだよ」
「でも、もし何か言われたらどうしよう」
「ガキかお前は? そんときゃ『察してくれ』とでも言っておけばいいだろ」
「そんなこと、できるわけ・・・」
力のない返事をしたエイトは、そのまましばらくうつむいていた。
「やれやれ、しょうがねぇなあ」
ククールがため息をつく。
近衛隊長であり、事実上の婚約者だというのに、お前は何を戸惑っている?
「・・・ごめん。俺もう帰るよ」
長い沈黙のあと、エイトは立ち上がった。
どことなく肩を落として立ち去るその後ろ姿に、ククールが口を開く。
「おっと、大切な事を忘れてた」
まるで聞いていないかのように足を進めるエイトに、ククールはおかまいなしに続けた。
「お前の愛しのお姫様からの伝言だ。
―――『今夜部屋に来て欲しい』だとよ。・・・俺はちゃんと伝えたからな」
その言葉にエイトが振り返る。
「お互い、『妻も同然、夫も同然』は嫌なんだろ? 姫様も心の準備ができたんじゃないのか?」
動きを止め、口をあけたままのエイトに、ククールはひゅーう、と口笛を鳴らした。
エイトは、あわててその場を立ち去った。
宿舎にて仮眠をとったあと、エイトは窓から外を見上げた。
月がもうあんなに高く登っている。
ミーティアは、待っているのだろうか。
エイトは足早に宿舎を出た。
ミーティアの部屋の手前の通路には、近衛兵のリチャードが立っていた。
エイトは深呼吸をすると、顔を上げて彼の前まで歩み寄っていった。
「これは隊長、お疲れ様です。・・・それにしてもこんな」
その言葉をさえぎるようにエイトが口を開く。
「リチャード。・・・察して・・・くれる?」
その言葉を聞くと、彼は一瞬大きく目を見開いたあと、
「・・・・・わかりました。この事は、誰にも・・・」
とだけ言うと、その場を退いた。
ミーティアの部屋の前で、立ち止まる。
ノックをしようとして、ふと右側のポケットの小さな動きとその暖かさに気づく。
トーポがいる事をすっかり忘れていた。
どうしよう。
トーポがいたら和んじゃうじゃないか。
エイトは腰のベルトをはずし、長いベストを脱ぐと、それをトーポごとくるくると丸めた。
「ごめんトーポ、おとなしくしてて。頼むよ。
・・・あとでチーズあげるから」
その声と物音に、部屋の主が気づいたらしく、静かな足音が近づいてくる。
エイトは無造作にベストを放り投げた。
足音が止まり、カチャリと音がする。
扉が少しだけ開き、既に休んでいたのか、暗い部屋の中からミーティアが顔をのぞかせた。
「・・・・・・エイト!」
まるで久しく会っていなかった友人に会えた時のような、嬉しそうな声。
屈託のない笑顔に、いつも心が温まる。
ミーティアはエイトを部屋に迎え入れると、キャンドルを持ってゆっくりと奥に足を進めた。
「エイトがここに来てくれたのは、何年ぶりかしら」
エイトは扉を静かに閉め、彼女のあとに着いていった。
「子供の頃はよく来てくれたのに、ある時からぱったりと来なくなってしまったわ」
キャンドルをベッドの側のスツールに置く。
エイトは黙ってミーティアの後ろ姿を見つめていた。
そう、ある時から、もう姫様の部屋に入ってはいけないとトロデ王に言われていたのだ。
それは、もう二人とも子供ではないという事。
エイトは楽しそうにベッドの上を飛び跳ねていた頃のミーティアを思い出しながら、
一歩、また一歩と、ミーティアに近づいてゆく。
「でも、今日は来てくれたのね。嬉しいわ」
優しい表情でキャンドルを見つめ、静かに言うと、
ミーティアは今度はランプをつけるためにマッチ箱を手に取った。
「・・・うん」
エイトは、そのすぐ後ろから答えた。
可愛らしいあの頃とは違う、後姿。
長く美しい黒髪。白く細い肩。
ほのかに甘い、香り。
その肩に触れたい―――そう思うと、エイトは、次第に鼓動が早くなっていく。
ミーティア、君はどうして、今夜、俺に来て欲しかったの?
「暗くてごめんなさい。今、明かりを点けるわね」
ミーティアがマッチをする。
シュッという音。火の勢いが収まるまで、止まったままの、綺麗な指先。
ミーティアの手に、エイトが手を重ねる。
気がつくと、あまりにも近くにエイトはいた。
エイトは、フッとその火を吹き消した。
「いや・・・いいよ」
火の消えたマッチ棒は床に落ちると、細い煙をのぼらせた。
キャンドルの火が、ゆらめく。
壁に映し出されたのは、やがてひとつになった二人の影。
ミーティアは、エイトの両腕に優しくとらえられ、
その背中の暖かさと、高鳴る鼓動を感じていた。
耳元に、エイトの息遣いを感じる。
「・・・・エイト?」
エイトは黙ったまま自分の指先をミーティアの頬にそっとふれた。
ゆっくりと、ミーティアの顔を、導く。
突然の出来事に、ミーティアは目を閉じることもできなかった。
その唇がふさがれたまま、エイトはミーティアの正面に体をまわりこませると、
彼女の意思とは関係なく、前へ押し進んだ。
唇が離れ、ミーティアがよろけるように後退すると、足がもつれ、シーツの上に倒れこむ。
キャンドルの炎が、大きく揺れる。
逃げ場を奪うようにまっすぐに腕をミーティアの両側についているエイトは、
ミーティアをじっと見つめた。
ミーティアは、これが現実のものであって欲しくないような不安を感じた。
「・・・ミーティア。俺、もう皆から夫婦も同然って言われるのは、嫌だ」
エイトの視線が、ミーティアの目から唇、唇から首、胸元へと降りてゆく。
その視線に、不安は次第に恐れへと変わってゆく。
エイトは体を低くし両肘をベッドの上につくと、再びミーティアに口づけした。
うっ、と苦しそうに声をもらす。
恐れと緊張のあまり、肩をふるわせ、小さく短い呼吸を続ける。
エイトの口元がミーティアの首筋を伝うと、
ミーティアは、いや、と絞るように声をあげた。
エイトの動きが止まる。
「・・・嫌なの?」
エイトが体を離すと、ミーティアは自らの身体を守るように身を縮めた。
「俺のこと、嫌い?」
ミーティアは少しの間のあと、小さく首を振る。
「じゃあ、なんで? なんで嫌がるの? 俺、こんなにミーティアの事好きなのに」
エイトが責めるように言う。
唇をかみしめ、眉をひそめて、ミーティアは小さく、ごめんなさい・・・とつぶやく。
「どうして謝るの!? 俺はミーティアと一緒になりたい・・・そう思っちゃいけないの?」
ミーティアの大きく澄んだ目には、涙でにじんだキャンドルが映る。
「・・・エイト・・・私、エイトの事は、大好きなの。
でも、・・・今日のエイトは・・・なんだか、知らない男の人みたいで・・・」
ぎゅっと閉じた瞳から、涙がこぼれる。
自分を受け入れるために部屋に呼んだはずのミーティアに、
今更拒まれる事に理不尽さを隠せないエイトは、シーツを握り締める。
「じゃあ・・・どうして今夜、部屋に来て欲しいなんて言ったの!?」
ミーティアが、決めた事だと思ってたのに。
えっ、と、小さく声をあげると、ミーティアの口元が動いた。
「あ・・・あの・・・」
自分を真剣に見つめているエイトから目をそらすと、
「・・・私・・・その・・・そんな事は・・・」
と、困惑した表情でミーティアが声を絞った。
エイトは耳を疑うと、身体が固まった。
しばらくの沈黙のあと、
「・・・私、そんな事は・・・言って・・・いません・・・」
少し申し訳なさそうに、ミーティアが口を開く。
その時、エイトの脳裏にぱっと何かが浮かんだ。
・・・ククールだ。
「・・・あ・・・あ・・・」
エイトは言葉も出ずに目線を泳がせる。
我に返り、慌ててミーティアから体を離すと、
すぐにでもどこかに消えてしまいたい思いにかられた。
ククールの奴・・・!
右手で顔を隠し、うなだれる姿を見て、ミーティアがようやく笑顔を見せた。
「ミーティア・・・姫・・・あの・・・ごめんなさいっ!!」
エイトが両手をベッドについて、頭を深く下げる。
まるで泣きそうな表情で謝るエイトは、子供の頃とそっくりだった。
部屋の外から、カリカリと音がする。
「・・・トーポ?」
気づいたのはミーティアのほうだった。
その場にいるのが耐えがたかったエイトが、足早に扉へとむかう。
ミーティアは立ち上がると、その後を追うように歩いていった。
扉を開けると、トーポがエイトの頭によじ登った。
ミーティアがその姿にクスっと笑う。
エイトはトーポを頭に乗せたまま、ミーティアの方を向くと、
「今日は本当にごめんなさい。もう宿舎に帰るよ。 俺のこと・・・、嫌いにならないで」
と切なげに言った。
「嫌いになんかならないわ」
その言葉に安堵の表情をうかべたエイトに、ミーティアは言葉を続けた。
「初めて、私のこと大好きだって言ってくれて、ミーティア嬉しかったの・・・」
はにかみながらうつむくと、ミーティアはエイトの両手を取った。
エイトはその細い指先を優しく握ると、ミーティアを心から愛しく思った。
そう、あの時のように。
はじめからひとつだったもののように、
二人は互いの意思で惹かれ合い、目を閉じると、その想いを唇で確かめ合った。
キャンドルの炎は、いつの間にか消えていた。
窓から、月の明かりが二人を蒼く照らしていた。
不慣れなもので・・・すいません。
>>950 乙乙。
>>941の人かな?
ある意味ヘタレな暴走エイトと大人の関係を意識してない無邪気なみーたん、いいねぇ
ところで、その後のククールの安否が気にry
>>945-950 乙です。何とも初々しい二人がイイ!エイトもミーちゃんも繊細な感じでした。
二人の仲を案じてるククールもいいなぁ。裏目に出てるけど。
…その後、ククールの姿を見たものはいなry
954 :
945:2009/03/17(火) 01:17:52 ID:m2tUPf7X0
ギャグにしようと思ったんですが勢いがつかず、
結局笑えるものにはなりませんでした。
すみません・・・。
最後まで読んでくれたこと、
レスをつけていただいたことに大変感謝しています。
ククールのお仕置きについては、
エイトに散々お(ry
実は少しクク坊に感謝するエry
hoshu
次スレは立つのかなぁ・・・
何だかんだ言いながらもそこそこ人はいるみたいだし
需要があるなら立つんじゃない?
959 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/04/01(水) 16:27:52 ID:PXOn8iRj0
うおおage
960 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/04/02(木) 23:34:04 ID:4IAsU9450
受験勉強で心がすさんできた・・・orz
みーさまでえろすなSSはそうぞうできなry
すんません保守だけしておきます・・・
保守
自分もミーちゃんでえろすは想像つかないな…。
頑張っても新婚初夜か、二人が生まれて初めて結ばれるシーンまで。
(なんとなくだけど、たとえ新婚初夜でもあの二人は
緊張でガチガチになって、又はお喋りに夢中になって、結ばれないまま朝を迎えそうな気がするんだよ…)
だから、
あの二人の独特の清らかさや微妙な初々しさを表現しながら、ディープラブなSSを書ける人は本当にカッコいいと思う。
(上のSSの人も、今までここで作品を書かれた皆様も)
次スレはもう少し後でもいいのかな…?
春めいたものを投下します
一回目クリア後、ミーティア目線です。
かなりのベタです。
暖かな春の日差しが、美しいトロデーン城を包む。
噴水からあふれ出る水は小さな虹を作り出し、
花壇の花たちははしゃぐように咲き乱れている。
正面に立つと、まるで抱かれているように感じる、
シンメトリーな階段。
エイトとまた、このお庭でお茶を飲むことができるなんて。
白い円形の小さなテーブルに、同じ色の椅子がふたつ。
綺麗な形のティーカップに、陽の光が揺れる。
「お仕事の途中だったのに、ごめんなさい」
申し訳ないけど、嬉しい。
「いいよ。ちょうど休憩できたし」
エイトは優しい。
不思議な泉でしかお話できなかったときは、
話したい事があとからあとからあふれてきたのに、
今は何を話せばいいかわからない。
図書館から借りた本のこと、
お父様にお説教されてしまったこと、
エイトに内緒でゼシカさんに会いにリーザスに遊びにいったら何故かククールさんもいたこと。
話題はたくさん用意したはずなのに、口から出てこない。
「私・・・トロデーンに帰ることができて、本当に嬉しいわ。
この綺麗なお城が大好きなの」
やっと出てきた、言葉。
テーブルを挟んで私の向かいに座っているエイトは
椅子の背もたれに肘をかけて、振り返ってお城を眺めてから、
「うん、改めて見るとすごくいいデザインだね」
って、いつもの表情で言ってくれた。
「クッキーも食べてね」
テーブルの上のお菓子を勧めてみる。
エイトは素直にポリポリ食べてる。
エイトの指って、男の人とは思えないほど綺麗で、見とれてしまう。
言おうか言うまいか迷ったけど、思い切って言ってみた。
「これ、ミーティアが焼きましたの」
ちょっと、恥ずかしい。
「ああ・・・どうりで美味しいと思ったら」
エイト、あなたいつからお世辞か使えるようになったの?
何を話せばいいんだろう・・・
どうしよう、どうしよう。紅茶も冷めてしまう。
でも、私の頬だけ暖かくなって。
「お茶、入れなおしてきます」
沈黙に耐え切れなくて、思わず立ち上がる。
エイトをひとり待たせるのは良くなかったかしら?
トレイを持って歩きながら、上の空な私・・・。
「姫様、私がやります」
城の中で、メイドさんが声を掛けてくれた。
でも、私が新しい紅茶を入れたいの。
わがまま言ってごめんなさい。
エイトはちゃんと待っていてくれているかしら?
もしいなくなってたらどうしよう。
もうすぐ、座ってるエイトの後ろ姿が見えるはず・・・
あれ?
エイトったら、椅子を持って何してるのかしら。
エイトが何かを持ち運んでる姿って可愛らしくて好きなんだけど・・・。
あ。
エイトが自分の椅子を私の座ってた椅子の隣に置いてる。
座ってから、右足のつま先をトントンして、落ち着かないみたい。
「お待たせしました・・・」
新しい紅茶をテーブルに置くけれど、
エイトは私と目を合わせてくれない。
その顔を覗き込みたくなるけれど、ちょっと我慢。
何事もなかったかのように、あなたの隣に座ってみる。
膝と膝が触れ合うと、思わずエイトと目が合った。
「その・・・ミーティアと一緒に、トロデーンを見たくて・・・」
少し照れた表情は、きっと私だけに見せてくれてるのね。
私は嬉しくて、嬉しくて。
「やっと笑ってくれたね」
エイトは優しく微笑んで、テーブルの下で手を重ねてくれた。
あのとき、私をサザンビークから連れ出してくれたのは、
近衛兵としての義理でではなかったのね。
ミーティア、ずっと不安だったの。
でも、やっと安心できたわ・・・。
私の隣にいる、愛しい人。
許されるのなら毎日、紅茶を入れてあげたい。
「エイト・・・お砂糖は、何杯入れる?」
以上です。
姫のいない間に席替えしてるエイト、いいじゃないっスか。
本当は砂糖入れない派なんだけど、姫に「入れる?」って聞かれりゃ「お願いします」って言っちゃう
そんなエイトであって欲しい
>>965 乙です!
みーたんと一緒に並んでトロデーンを見たいなんて、エイトが可愛すぎる
エイトは自分の出自を知っても(真ED後も)、それでも自分の故郷はトロデーンだと思ってるといい
>>966 自分は、みーたんと一緒に過ごすその時が穏やかだけど甘いものだから、エイトは砂糖はいらないよって言うのかなぁ、とか思ったw
保守
>>965 乙でした!
ミーちゃんの繊細さ可憐さに惚れ惚れしました。
主姫で、同時にククゼシでもある自分としては
>エイトに内緒でゼシカさんに会いにリーザスに遊びにいったら何故かククールさんもいたこと。
ここの部分も非常に好きでありました。
>>967 >エイトは自分の出自を知っても(真ED後も)、
>それでも自分の故郷はトロデーンだと思ってるといい
自分も同意。
トロデのおっさんもそれを願っていそう。
グルーノおじいちゃんもそれを許してくれそう。
そして二人とも、若い二人の幸せを祈っていそう。
このスレへの手向けに小話を一つ。
リブルアーチに向かう途中、野宿する一行
一人、炎を見つめていると、人は余計なことを考える。
この手でドルマゲスを討った。その手応え。奴の断末魔。今も鮮明に思い出せる。
あの戦いの最中、自分はトロデーンの兵士ではなかった。
最愛の人も、主君も、故郷も、そこで待つ人々も、自分の中には無く。
始まりの夜に何もできなかった屈辱を濯ぐ。それこそが己の全てだった。
トロデーン兵団にとって、私闘は法度だ。その禁を自分は破った。
その報いか、トロデーンの呪いは解けることなく、ゼシカは杖に魅入られ、姿を消した。
馬鹿げた自嘲であろうが、それを肯定するかのように、焚き木が爆ぜる。
傍らに眠る牝馬のたてがみを撫でる。極上の手触りに、いっそう自責の念が募る。
エイトは腰のポーチから、丁寧に包装された箱を取り出した。
ミーティアが元の姿を取り戻したその時、彼女に贈るはずだった髪留め。
焚き火の中に投げ入れようとした腕を、掴まれた。
「いかんな。こんなに簡単に背後を取られるようでは、見張りの意味が無いぞ」
馬車にいたはずのトロデが、得意気に笑みを浮かべる。
「みたところ、ミーティアへの贈り物じゃな?」
「申し訳ありません。一介の兵士でありながら、分不相応なまねをしました」
「かまわんよ。ミーティアはお前を気に入っておるからな。で、何故捨てる?」
「姫様が御姿を取り戻したときにと考えておりました。ですが、私は使命を果たせませんでしたので」
エイトの言葉に、トロデの顔が険しくなった。
「過去形にするな。お前は諦めたのか?ミーティアやゼシカ、ワシ等の帰りを待つ者達を見捨てると申すのか?」
再び焚き木が爆ぜる。エイトの頬を打つかのように。
「このたびの働き、大儀であったぞ。お前自身が自分を責めても、ワシはお前を褒める。
お前自身が自分を信じられなくとも、ワシはお前を信じる。ヤンガスとククールもな。
お前達なら、いつの日か、ゼシカもトロデーンも救ってくれる。きっとミーティアもそう思っておるよ」
「はっ。ありがとうございます」
エイトは涙を堪えて頭を下げた。
「以後、これを捨てることを禁ずる。……一人でいじけることもな」
エイトの肩に軽く手を置き、トロデは馬車に戻った。
「夜明けまでまだ時間がる。見張りはヤンガスかククールに代わってもらって、お前も少し寝ておけ」
そう付け加えながら、トロデは馬車の中へとよじ登りる。
極度に身長の低いトロデは、段の付いていないこの馬車に乗るのに、常日頃から苦労している。その姿がいつになく微笑ましい。
「それと、近いうちに泉に寄ってやれ。これは命令じゃ」
「はっ。必ず」
転がるように馬車の中へと消えるトロデに、エイトは吹き出すのを堪えて頭を下げた。
今度は姫と何を話そうか。この髪留めは、これはこれで受け取っていただこうか。
そしてゼシカが戻ってきたら、次は彼女にもっと趣味のいい物を選んでもらおうか。
みたび焚き木が爆ぜる。
うん、いい考えだ。
以上です。
SSありがとうございます!
兵士としてのエイト、引き締まっている感じが素敵でした。
トロデのお茶目な動き、父親のような存在感も良かったです。
>>970 おっさん優しいよおっさん…!
トロデ王様、本当にお父さんみたいで良かったです。
このおっさんはきっと、エイトが小さい頃から我が子のように慈しんできたのだろうなと思った。
エイトの秘めた気持ちにも気付いていそう。
乙でした!
テンプレ案
↓
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃カップル萌えスレのお約束です
┃1.常時sage進行。この板は下からdat落ちすることはありません。
┃2.煽り・荒らしは放置。特に他カプ萌え派を装うヲチ厨に注意!
┃3.他スレで萌えキャラが貶されていても一切無視しましょう。
┃4.SS投稿するときはできるだけトリップをつけてください。
┃5.エロSSや画像をうpする時は注意書きをしてください。
┃ ∧ノ~ 21禁以上のエログロ汚物系はピンク鯖で投下してね。
┃ ミ| ・ \
┃ ミ| ... '_). /
┗ ミ| (| ゚ヮ゚ノ! / ━━━━━━━━━━━━━━━━━━
| (ノ 姫.|つ | オウマサンデモカワイイ
|~ ̄] ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  ̄\| ̄∧_∧ ∧ ∧
| ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| (゚\ 8 ) (゚ )
| | | =====⊂ ∞ヽ==⊂ ヽ======
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||──( ノ〜─( ノ〜─||
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前スレ
【主人公×ミーティアを応援してみるスレ part5】
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/ff/1160656312/l50 過去ログは以下にて
とりあえず保守
次スレ立てちゃっていいのかな?
うーん、埋めちゃう?
980すぎると落ちやすくなるし、立ててくる