デスピサロの曲を聴きながら会話するスレ

このエントリーをはてなブックマークに追加
曲名、邪悪なるもの〜悪の化身
http://blue.ribbon.to/~grape/mid/dq4boss.mid
↑このスレで会話する時は、必ず流すように。

元スレ
アッテムトの曲を聴きながら会話するスレパート2
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1019800038/l50
漏れら極悪非道の矢野ブラザーズ!
勝つためにはどんな手段も選ばん!
今日も串と携帯を巧みに使いながら!
徹底的に矢野ってやるからな!
 ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|\_/ ̄ ̄\_/|  |\_/ ̄ ̄\_/|
\_| ▼ ▼  |_/  \_|  ▼ ▼ |_/
  \ 皿  ∩        ∩  皿 /
   (つ  丿        (   ⊂)
    ( ヽノ          ヽ/  )
    し(_)          (_)J


420 :水先案名無い人 :02/06/12 22:55 ID:sVoylOkN
|\_/ ̄ ̄\_/|
\_| ▼ ▼ |_/   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   \ 皿 /    < 私はうんこ
    (    )       \_____
    | | |
    (__)_)
みなとっち【みなとっち】
現在、鉄板で大ブレイク中のホンマモンの基○外「みなと鉄道」のAAキャラ
元ネタはあらくれだが、いまや鉄板では、みなと鉄道のAAキャラとして認知されている。
HNをいくつも変え関西各地の鉄ヲタ掲示板を荒らしまくっては、閉鎖に追い込んだ。
又の名を「掲示板キラー」。
訳のわからないアルファベットを口走る。変装が得意技(だけどバレル)。
「又」「尤も」「べき」を連発して人の気持ちを踏みにじる。
自分の行為は棚に上げて2ちゃんねるの事を極悪違法サイトとほざいている(w
くわしい情報はこちら
「本家」みなと鉄道掲示板
http://6110.teacup.com/minato/bbs
みなと鉄道研究会
http://minatetuken.tripod.com/
みなと鉄道資料館(stormさん管理)
http://users.hoops.ne.jp/mrots/
関西を貫く伝説のDQS みなと鉄道PART34
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/train/1036478328/l50
「あらくれAA集」
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Oasis/9637/
4名前が無い@ただの名無しのようだ:02/11/08 03:50 ID:kNrEIGIS
       _,..-――-:..、    ⌒⌒
     /.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::.\      ^^
    / .::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::..ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  :::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::
   :::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:|\_/ ̄ ̄\_/|
     :::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::: \_|    ;;;;;;|_/
      ::::::::::::::::::::::::::::      \  ;;;;;/
        ::::::::::::        /⌒`'''''''''''^ヽ
               /⌒ヾ/ / .,;;;;;;:/.:;|
-―'――ー'''‐'ー'''―‐'―''''\,./ / .::;;;;;;:/‐'| :;|'''ー'-''――'`'
 ,, ''''  `、 `´'、、,   '''_ソ / `:;;::::ノ,,, | :;| '''  、、,
    ,,,   ''  ,,   ''''' ξ_ノ丶ー'ー< ,ゝ__> '''''  ,,,,
 ,,     ,,,,     ''' ,   ::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::  ,,
            ,,,,,,,     :::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;:::::::::      ''
,, '''''''      ,,,,       ,,    :::::::::::::;;;;;;;;::::::


5p0506-ip02souka.saitama.ocn.ne.jp:02/11/08 06:08 ID:???
test
6カレー ◆curryZ2iFY :02/11/08 06:10 ID:???
だめだな。
で?( ´⊇`)ナンダコノスレハ
そこ、フシアナらない( ´_ゝ`) 

で、このスレの趣旨は?おどろおどろしい会話をせよってか?
8名無詩人 ◆Vs0bTaZ3LQ :02/11/08 07:48 ID:???
>>7例えばきもい女に惚れられたとか
auauababababa|
10フィア ◆FEAR0xTATs :02/11/08 20:41 ID:???
進化したい。
11カレー ◆curryZ2iFY :02/11/09 01:01 ID:???
>>8
俺の事ですか?
えぇ、バイト仲間の間ではクレームと称され
ネタにされたり冷やかされたり。
12山崎渉:02/11/09 02:10 ID:???
(^^)
13山崎渉:02/11/09 02:31 ID:???
(^^)
14山崎渉:02/11/09 02:40 ID:???
(^^)
15邪魔崎渉:02/11/09 02:51 ID:???
<^^>
16山崎渉:02/11/09 02:58 ID:???
(^^)
17邪魔崎渉:02/11/09 02:59 ID:???
<^^>
18名前が無い@ただの名無しのようだ:02/11/09 21:38 ID:WDtmY2T2
やっぱアッテムトじゃないとだめなんじゃない?
19名前が無い@ただの名無しのようだ:02/11/09 21:41 ID:ed19h8Bh
 
20名前が無い@ただの名無しのようだ:02/11/09 21:55 ID:CcqrrpAZ
なんか鬱になってくるな
22名前が無い@ただの名無しのようだ:02/11/09 22:10 ID:4jBUvMjN
PS版の曲は燃えないな。
23名前が無い@ただの名無しのようだ:02/11/09 23:27 ID:KOBhKPPB
      |\_  へ<▼>へ,,, _/|
      \,,_/  ▼  ▼  _,,/
  ( ノヽ /ヽ  \  皿  / /ヽ  ( ソヘ
( ノ ∠(     ゝ へ〜 /丶    ( ソ ( ソヘ
 ( ノヽ )巛\  <◎> <◎>〆/巛ヽ ) ( ソ
  \;; ((   ヽ ミ/・・\彡/\∠.. (( ~../
    \_ノ/ / /.'^W^. \ヘ  \ノ_/
    / ;|\((\MMM/)) /|  \
   /ノ  \))ミ\__/ミ(( /  ヽ\
       (   ヽ》 `∀´ 《ヽ  )
        | (彡|      |ミ)  |
      〜′   -<    >-    〜ヽ
    (/(/(/ __ (> ∠)____  ソソソ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃デスみな鉄が現れた!                      ┃
┃みな鉄は暴言を吐いた!                     ┃
┃「初対面のくせに偉そうですね。」                ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
24名前が無い@ただの名無しのようだ:02/11/09 23:31 ID:itY5Ur4C
4マンセー
25あぼーん:あぼーん
あぼーん
26dailyウォガ!:02/11/09 23:55 ID:???
dailyウォガ!
ロムカートリッジの容量が足りない!
28.:02/11/11 00:40 ID:???
.
29.:02/11/11 00:41 ID:???
.
30dailyウォガ!:02/11/11 13:56 ID:???
dailyウォガ!
31あぼーん:あぼーん
あぼーん
32あぼーん:あぼーん
あぼーん
33名前が無い@ただの名無しのようだ:02/11/12 06:59 ID:Em5nkbVJ
家の前のアリどもを巣ごと根絶やしにしてくれる!!
という気分になった。
これ、アニメのダイの大冒険で
フレイザードが炎の塔と氷の塔を立てたときに流れたよね
35dailyウォガ!:02/11/15 01:43 ID:???
dailyウォガ!
test
微妙に軽くなったのかな
38age:02/11/15 10:41 ID:???
age
39age:02/11/15 11:05 ID:???
age
40age:02/11/15 11:09 ID:???
age
んmrwkんgこを:kghん
vndjkahv:おえhrヴぉえvfぇあjv
デスピサロ必死だな(藁
44あぼーん:あぼーん
あぼーん
45あぼーん:あぼーん
あぼーん
46あぼーん:あぼーん
あぼーん
47あぼーん:あぼーん
あぼーん
48あぼーん:あぼーん
あぼーん
49あぼーん:あぼーん
あぼーん
50 ◆Sj469/wPAw :02/11/20 17:37 ID:???
乗っ取り画策中。
(´・ω・`)ショボーンな方は、お早めにお申し出下さいませー。
>50
何に使うのか?
52鈍行発展:02/11/20 23:47 ID:???
鈍行発展
53 ◆Sj469/wPAw :02/11/21 00:19 ID:???
>51
ゲームブック小説の続きですー。
↓の33とか170とか見ていただけると、雰囲気はわかるかと。
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1024470060/170

もうちょっと様子は見させていただきますけども。
>>53
いいんでない?
で、いつやるの?
56あぼーん:あぼーん
あぼーん
57あぼーん:あぼーん
あぼーん
58あぼーん:あぼーん
あぼーん
59 ◆Sj469/wPAw :02/11/25 23:21 ID:???
>55
すみません、バタバタしておりまして……。
遅くとも来週頭にはと思っておりますー。
60次元 ◆yGAhoNiShI :02/11/27 00:24 ID:???
【ルパンごっこ】

1. コンビニにいく。
2. 普通に買い物をする
3. なにくわぬ顔で店を出る
4. 数分後、息を切らしてコンビニのレジにかけよる
5. 「お、おい!さっきこんな顔をした奴がこなかったか!」と叫ぶ
6. 「あなたがさっき買い物していったんですよ?」と店員に言われる
7. 「ば、ばかもぉ〜ん!それがルパンだ!追えぇ〜!」と、叫びながら店を出る
61 ◆Sj469/wPAw :02/11/29 01:04 ID:???
まったりと保守
62名前が無い@ただの名無しのようだ:02/11/30 01:24 ID:gB58hlnV
同じく保守。
63_ ◆yGAhoNiShI :02/11/30 23:18 ID:???
幕府を開きたいのですが
何処に申請すれば良いのでしょうか?
64 ◆Sj469/wPAw :02/12/01 18:03 ID:???
今夜か明夜、再開予定です。
65 ◆Sj469/wPAw :02/12/02 18:32 ID:???
今夜再開しまつ。
66 ◆Sj469/wPAw :02/12/02 23:59 ID:???
ゲームブック形式でドラクエ4のSSを作っていくスレです。
↓前スレはこちらヽ(´∀`)ノ ワーイ教発足
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1024470060/l50(dat落ち中)
最燃トーナメントの4勇者支援として考えられ、スレを乗っ取る形で
始まりました。これまでのあらすじを知りたい方は>>67

SSの最後に選択肢がありますので、お好きなものを選択してください。
お好きな選択肢がなかった場合、作っていただいてもオッケーです(w
次回更新までにいちばん多かった選択が、次の展開となります。
選択肢以外の皆様の声もなるべく反映していきたいと思ってますので、
ご希望の展開などがありましたら、ぜひ教えてくださいませ。
その他にも、◆Sj469/wPAwへの意見はいつでも受付中ですが、参加者を
罵倒するようなレスはご遠慮くださいませ。

更新は基本的に1日1回を目指していますが、。
ただし、都合により間が空くこともあります。できるだけ事前に
ご連絡しますが、お知らせできない場合もあるかと思います。
なにとぞご了承下さい。すみません。
67 ◆Sj469/wPAw :02/12/02 23:59 ID:???
【これまでのあらすじ】
突然の魔物の襲撃で、生まれ育った村を滅ぼされてしまった4勇者・ソロ。
自分の村を滅ぼした魔物・デスピサロを倒すため、旅へと出ます。
その途中、ボンモールでマーニャ、ミネアと知り合い、コナンベリーの大灯台
ではトルネコと、ミントスでブライ、アリーナ、クリフトと合流。キングレオ
でホイミンと知り合い、ライアンを助けて欲しいと頼まれた勇者は、魔物に
対するわだかまりを残しながらも、ホイミンの友だちだというスライムの
スラぼうを仲間にして、キングレオ城へと向かいました。
そして、何とかライアンと会うことのできた一行は、そのままバルザックを
倒すために玉座へ目指しますが……。

▼勇者一行の現状
(SS内に登場した装備のみ記載。他の装備は、各章終了時にもっともいい武具を
入手していると考えてください。数値はおおよそのものです。SS内に数値計算は
出てきません。HPは全員満タンです)
勇者:MPゼロ、武器は破邪の剣、防具は初期装備
ミネア:MP満タン、武器は鎖がま、タロットも所持
マーニャ:MP半分
ブライ:MP80%ぐらい、安らぎのローブ装備
クリフト:MP80%ぐらい、ホーリーランス装備
トルネコ:牢屋の出口に挟まり、パーティから脱落
68 ◆Sj469/wPAw :02/12/03 00:01 ID:???
【前回分】
「まったく、どいつもこいつも頼りないヤツらばかりだ! 私がいなかったらこの国はいっ
たいどうなっていたことか!! 毎日毎日、どれほどの苦労を私がしているか……」
 大臣の怒声は――というより、すでに繰り言になっていたが――いつはてるとも知れなか
った。
 こいつは、自分が曲者(つまり僕たちだが)の追跡の妨害してるって、わかってないのかね?
 ま、いいや。大臣がこうやって兵士を引きつけていてくれるなら、逆にありがたいという
ものさ。
 僕は仲間たちに手真似で戻るよう指示をだし、道を戻った。
「キングレオは、何であんな男を大臣にしているのかしら?」
 十分に間隔が開いて、大臣の声も聞こえなくなった頃、アリーナが堪えかねた、というよう
に口を開いた。もちろん、声を潜めるのは忘れていない。
「心配してのは自分のことばっかり! 民のことなんて全然考えてないじゃない」
 歩廊を先へと急ぎながら、アリーナはぷんぷんと怒っている。
「そんな男しか大臣に据えられない、だからこそこの国の苦境があるのじゃろうな」
「厳しいな、ブライは」
 ブライの毒舌は、的を射ているだけになお辛辣だ。
 苦笑する僕の背後から、小さいけれども決意に満ちた声が聞こえてきた。
「それも今日で終わらせますわ」
「この国は今日から生まれ変わるのよ!」
 凛然たる姉妹の声に、僕も表情を改める。
「ああ、そうだな。魔物にこれ以上好き勝手にさせるわけにはいかない」
 魔物の手から、マーニャたちの故郷を取り戻すんだ。
「そこだよ、王座の間への隠し扉!」
69 ◆Sj469/wPAw :02/12/03 00:02 ID:???
 ミネアの腕の中から、スラぼうが声を上げる。
 確かに、石造りの壁をよくよく見れば、扉くらいの大きさに長方形の筋が入ってる。
「確か、その辺に開閉スイッチがあったはずよ」
 マーニャが指し示した辺りの壁を探ると、1つだけ石が外れるようになっていて、彼女の
言葉通りそこにはスイッチらしきものが収まっていた。

1スイッチを押して突入
2ちょっと待て、心残りがある(心残りは何かも書いてください)

選択の結果、2で決定。これから書いてきますので、少しお待ち下さい。
70 ◆Sj469/wPAw :02/12/03 00:13 ID:???
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールは>>66をご覧ください。
1番1票、2番3票(うち「大臣の部屋を荒らしてくる」2票、「大臣からバルザックの
治めてる国を聞きだす」1票。展開は前者優先、余裕があれば後者も入れます)で、
2番に決定いたしました!

 スイッチを押そうとして、僕はふと手を止めた。
 あそこに大臣がいるということは、部屋にはいないってことだよな。
 だったら、バルザックと戦う前に奴の部屋に行って、荒ら……もとい、ちと探りを入れて
みるかな。なんかいい情報があるかもしれない。
 僕はくるりと踵を返した。
「やめた」
 戦闘モードに入っていた仲間たちがずるっと転ける。
「バルザックと戦う前に、大臣の部屋に向かう」
「でも、大臣の部屋は、さっき大臣たちがいた場所を通らないと行けないよ!」
 何!? そうか、どうしようかな……。
 スラぼうの言葉に僕はしばし悩んでしまった。

1それでも大臣の部屋へ
2やめてバルザックと戦う

長い間中断してしまって、本当にすみませんでした。
今後ともよろしくお願いいたします。
2で。
バルザックは機雷ですから
72 ◆Sj469/wPAw :02/12/03 23:23 ID:???
すみません、大変な間違いが……

バルザックじゃなくて

 キ ン グ レ オ 

ですた。
あらすじから間違ってるよ、貼り直しだよ。・゚・(ノД`)・゚・。
だめぽ。
73 ◆Sj469/wPAw :02/12/03 23:26 ID:???
ゲームブック形式でドラクエ4のSSを作っていくスレです。
↓前スレはこちらヽ(´∀`)ノ ワーイ教発足
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1024470060/l50(dat落ち中)
最燃トーナメントの4勇者支援として考えられ、スレを乗っ取る形で
始まりました。これまでのあらすじを知りたい方は>>73

SSの最後に選択肢がありますので、お好きなものを選択してください。
お好きな選択肢がなかった場合、作っていただいてもオッケーです(w
次回更新までにいちばん多かった選択が、次の展開となります。
選択肢以外の皆様の声もなるべく反映していきたいと思ってますので、
ご希望の展開などがありましたら、ぜひ教えてくださいませ。
その他にも、◆Sj469/wPAwへの意見はいつでも受付中ですが、参加者を
罵倒するようなレスはご遠慮ください。

更新は基本的に1日1回を目指しています。
ただし、都合により間が空くこともあります。できるだけ事前に
ご連絡しますが、お知らせできない場合もあるかと思います。
なにとぞご了承下さい。すみません。
74 ◆Sj469/wPAw :02/12/03 23:26 ID:???
【これまでのあらすじ】
突然の魔物の襲撃で、生まれ育った村を滅ぼされてしまった4勇者・ソロ。
自分の村を滅ぼした魔物・デスピサロを倒すため、旅へと出ます。
その途中、ボンモールでマーニャ、ミネアと知り合い、コナンベリーの大灯台
ではトルネコと、ミントスでブライ、アリーナ、クリフトと合流。キングレオ
でホイミンと知り合い、ライアンを助けて欲しいと頼まれた勇者は、魔物に
対するわだかまりを残しながらも、ホイミンの友だちだというスライムの
スラぼうを仲間にして、キングレオ城へと向かいました。
そして、何とかライアンと会うことのできた一行は、そのままキングレオを
倒すために玉座へ目指しますが……。

▼勇者一行の現状
(SS内に登場した装備のみ記載。他の装備は、各章終了時にもっともいい武具を
入手していると考えてください。数値はおおよそのものです。SS内に数値計算は
出てきません。HPは全員満タンです)
勇者:MPゼロ、武器は破邪の剣、防具は初期装備
ミネア:MP満タン、武器は鎖がま、タロットも所持
マーニャ:MP半分
ブライ:MP80%ぐらい、安らぎのローブ装備
クリフト:MP80%ぐらい、ホーリーランス装備
トルネコ:牢屋の出口に挟まり、パーティから脱落
75 ◆Sj469/wPAw :02/12/03 23:27 ID:???
ゲームブック形式でドラクエ4のSSを作っていくスレです。
↓前スレはこちらヽ(´∀`)ノ ワーイ教発足
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1024470060/l50(dat落ち中)
最燃トーナメントの4勇者支援として考えられ、スレを乗っ取る形で
始まりました。これまでのあらすじを知りたい方は>>76

SSの最後に選択肢がありますので、お好きなものを選択してください。
お好きな選択肢がなかった場合、作っていただいてもオッケーです(w
次回更新までにいちばん多かった選択が、次の展開となります。
選択肢以外の皆様の声もなるべく反映していきたいと思ってますので、
ご希望の展開などがありましたら、ぜひ教えてくださいませ。
その他にも、◆Sj469/wPAwへの意見はいつでも受付中ですが、参加者を
罵倒するようなレスはご遠慮くださいませ。

更新は基本的に1日1回を目指していますが、。
ただし、都合により間が空くこともあります。できるだけ事前に
ご連絡しますが、お知らせできない場合もあるかと思います。
なにとぞご了承下さい。すみません。
76 ◆Sj469/wPAw :02/12/03 23:28 ID:???
【これまでのあらすじ】
突然の魔物の襲撃で、生まれ育った村を滅ぼされてしまった4勇者・ソロ。
自分の村を滅ぼした魔物・デスピサロを倒すため、旅へと出ます。
その途中、ボンモールでマーニャ、ミネアと知り合い、コナンベリーの大灯台
ではトルネコと、ミントスでブライ、アリーナ、クリフトと合流。キングレオ
でホイミンと知り合い、ライアンを助けて欲しいと頼まれた勇者は、魔物に
対するわだかまりを残しながらも、ホイミンの友だちだというスライムの
スラぼうを仲間にして、キングレオ城へと向かいました。
そして、何とかライアンと会うことのできた一行は、そのままキングレオを
倒すために玉座へ目指しますが……。

▼勇者一行の現状
(SS内に登場した装備のみ記載。他の装備は、各章終了時にもっともいい武具を
入手していると考えてください。数値はおおよそのものです。SS内に数値計算は
出てきません。HPは全員満タンです)
勇者:MPゼロ、武器は破邪の剣、防具は初期装備
ミネア:MP満タン、武器は鎖がま、タロットも所持
マーニャ:MP半分
ブライ:MP80%ぐらい、安らぎのローブ装備
クリフト:MP80%ぐらい、ホーリーランス装備
トルネコ:牢屋の出口に挟まり、パーティから脱落
77 ◆Sj469/wPAw :02/12/04 00:02 ID:???
コピペもミスるし、もう本当にだめぽ。
これ貼り付けたら逝ってきます。

参加ありがとうございますーヽ(´∀`)ノ
ルールは>>75をご覧ください。
2番1票で、2番に決定いたしました!

 兵士たちと戦って、無駄な体力使うのは避けたいな。
 大臣のことは心残りだけど仕方ない。
「じゃ、大臣はキングレオを倒した後に可愛がるか」
「あんたね……」
 マーニャが僕を睨む。
「言ってることコロコロ変えないでくれない?」
「緊張がほぐれただろ?」
「なんと! 最初からそれを狙われていたのか」
 感心するライアンに僕は首を振る。
「いや。そういうつもりはなかったけど。ま、結果オーライってことで」
 ライアンの顎がガクンと下がった。同じくガクンと落ちた肩を、ミネアがポンポンと叩く。
「こういう方なんです、お気を落とさずに」
「いくぞ」
 ひと呼吸置いて、僕はスイッチに手を伸ばした。仲間たちの顔がふたたび引き締まる。
 カチリ。
 小さな音の後に、何か大きな歯車が動くような低く鈍い音がして、目の前の扉がゆっくりと
開いていった……。

1先手必勝、全員で突入
2相手の出方を待つ
おお、こんなところにひっそりと続いていたのか。
2でお願い。
◆Sj469/wPAw さんへ

別スレからたどって前スレの過去ログ読んだ者です。
が、前スレ最終話は、
スラぼうが城内を案内するからライアンを助けてくれとお願いしているのに、
勇者が「やなこった」と信じず、
周りのみんなから説得を受ける場面で終わっております。
いつの間にライアンを仲間にしたのでしょうか?
気になるので説得を受けた後の場面からの再up希望です。

続きが気になるキングレオ戦の方は、2でお願いします。
再開ですな。
私としては積極的な1が好きです。
開戦と同時に『ガンガンいこうぜ』で戦って欲しいものです。
この板のSS等を収集していたFFDQ千夜一夜サイトですが、
ギコガードさんが管理人をおりられた為、新体制になりました。
詳しい事はサイトをご覧ください。

転送URL:http://www3.to/ffdqss  
今後、移転があってもこちらから飛べるようになるはずです。

サイトをご覧になってもわからない事等は、千夜一夜スレでどうぞ。
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1021132657/l50

尚、このスレの前スレのログをサルベージしておきましたので、ご利用覧下さい。
(79さん、過去ログの最後でライアンは仲間になってますよ)
ワーイ教発足 http://yotsuba.saiin.net/~1001ya/alflailawalaila/log/1024470060.html

*このスレのような、ゲームブックSSは一応収集外にしてあります。
 どういう形でhtmlにすれば良いのかちょっと見当もつかないので……。
 でも、私自身、楽しく参加させていただいています。469さん、がんがれ!

ついでに選択もしていきます。1で。
82 ◆Sj469/wPAw :02/12/05 00:53 ID:???
ワーイ、選択いっぱいだーヽ(´∀`)ノ
しばらくは選択ない日もあるかなーと覚悟していたのに。
本当にありがとうございます。嬉しいです。
前読んでくださっていた方には、ほぼ気づいていただけたのかな……?
しばらくはageで続けていこうと思います。

>79
過去ログ読んでいただいたんですねー。ありがとうございます。
そういえばスレの途中で鯖移転があったのでした……。
ログは持っていたんだから、あぷろだにでも上げればよかったですね。
すみません。
>81さんがupしてくださいましたので、そちらをご参照ください。

>81
お疲れさまです! 千一夜にはいつも大変お世話になっています。
サイトが閉鎖にならず、引き継がれることになって本当に安心しました。
このスレのことは、もともと収拾は無理だろうなと思っていましたので、
気になさらないでくださいー。
前スレのログのことではお手数おかけしました。ありがとうございます。

それでは、これから書いてきます。
83 ◆Sj469/wPAw :02/12/05 01:03 ID:???
参加ありがとうございますーヽ(´∀`)ノ
ルールは>>75をご覧ください。
1番2票、2番2票で、同票につき先着順で2番に決定いたしました!

 部屋の中には、さぞ魔物がたくさん詰まっているのだろうと思っていたのだが、予想に反して
一匹もいなかった。玉座にふんぞり返っている化け物の他は、わずかに3人、兵士がいるだけだ。
 隠し部屋だから油断していたのか、それとも……。
「く、曲者!」
 兵士が狼狽えて剣を構える。

1兵士を倒す
2兵士を説得する
3兵士は無視してキングレオに向かう
どう説得するのか興味あるので2で。がんがれ。
85ナナシクラゲ ◆Sj469/wPAw :02/12/06 01:37 ID:???
某スレで名乗ったので、こちらでも名乗ってみたり。
祝! 女勇者スレ復活ヽ(´∀`)ノ

参加ありがとうございますー。
ルールは>>75をご覧ください。
2番1票で、2番に決定いたしました!

 兵士たちの志気は、かなり低くなっている。うまくすれば戦わずにすむかもしれない。
「剣を捨てろ、僕たちが用があるのはそこの化け物だけだ。あんたたちに危害は加えたくない」
 僕の読みは当たったようだ。兵士の顔に迷いが生まれるのが、少し距離のある僕の位置からも
ハッキリとわかった。
 だが、その時。
 目の端に、何か黒いものが映った。
 それに気づいた刹那、僕は跳びすさった。
「逃げろ!」
 ライアンの吠声。しかし、間に合わなかった。
 化け物の太い腕が3人の兵士をなぎ払う。彼らは、まるで木でできた人形のように軽々と
吹き飛び、壁に叩きつけられた。
「ふん、どいつもこいつも役にたたん……」
 腕についた血糊をべろりと舐めて、化け物――キングレオばギロリと僕たちを睨んだ。
「ほほう、そこにいるのはあの姉妹ではないか。バルザックはここにはおらぬ!」
 僕の後ろにいるマーニャとミネアを見とめ、キングレオが目を細める。
 それは、どこか自嘲を感じさせる笑いだった。

1バルザックの居所を聞く
2問答無用でキングレオと戦う
3兵士たちの手当が先だ
86 ◆Sj469/wPAw :02/12/07 05:13 ID:???
まったりと保守しつつ。

明日(今日深夜)は更新できませんですー。すみません。
1で。
>>95
聞いても教えてくんないと思って2で。

再開うれしい!がんがって〜応援してるよ!
89 ◆Sj469/wPAw :02/12/09 00:38 ID:???
スクリプト嵐またもや。まあ、気にせず続けます。
もし今度埋め立てられてしまったら、小説スレか、したらばの板避難所にて、
今後の対処を告知いたしますー(まず削除依頼すると思いますが)。

参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ。
ルールは>>75をご覧ください。
1番1票で、1番に決定いたしました!

「バルザックはどこへ行った?」
 破邪の剣を構え、じりじりと間合いを詰めながら問いかけた。
「お前は、もしや……? いや、もはやどうでもいいことか」
 キングレオの自嘲の笑みが、より一層濃くなったような気がした。だが、次の瞬間、奴の
表情が変わった。瞳が炯々と光り、全身から闘気が吹きだす。
「知りたければ、私を倒すのだな!」
「そうするよ!!」
 僕は床を蹴って、キングレオへと斬りかかっていった。

1目を狙う
2腕を狙う
3破邪の剣を道具で使う
90 ◆Sj469/wPAw :02/12/09 00:41 ID:???
うわー、またリロード忘れてしまいました。すみませんすみません……

   ||
 ∧||∧
(  ⌒ ヽ 
 ∪  ノ    
   ∪∪

203さんの選択を反映すると、1番1票、2番1票、先着順で
1番に決定になりますー。
結果、変わらなくてよかった(;´Д⊂
3〜!

って、どんな効果だったか忘れている罠…….
9279:02/12/09 10:39 ID:???
◆Sj469/wPAw さん
>>81 さん

過去ログ案内ありがとうございました。
なんだか、関係があるのかないのかよく分からないレスが大量についてますが、
まあ、気にせずいきましょう。

では、選択肢は1の「目を狙う」で。
93 ◆Sj469/wPAw :02/12/10 02:41 ID:???
リロードOK、と……。

参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールは>>75をご覧ください。
>>206さんが3番1票、>>211さんが1番1票、先着順で3番に
決定いたしました!
>>204からの続きです。

「刃に宿りし眠れる力よ、今こそ目覚め、我に従え!」
 僕の言葉と同時に、破邪の剣がまばゆい光を放つ。振り下ろした剣先から炎が吹きだし、
キングレオを包みこんだ。
 ……が。
 奴は気合い一発で、その炎を消し飛ばした。
 そりゃ、身の丈が僕の三倍はあろうかという化け物に、ギラ程度でかなうと思っちゃ
いなかったけどさー。目くらまし程度にもならないってか。
「おっと」
 殴りかかってきた化け物の腕を剣で受け流す。ちっ、皮膚がウロコ化して硬くなってやがる。
 アリーナの鉄の爪も、ライアンの剣も、ほとんどダメージを与えられない。

1こういう時こそ魔法で攻撃
2補助魔法でこちらの防御をアップ
3打撃で地道に削っていく
保守
95 ◆Sj469/wPAw :02/12/12 00:27 ID:DE0M/Vd4
連投規制がきつくなってしまいましたね。
まあ、しばらくは仕方ないですか……。

えー、今度、万が一、このスレがdat落ちしたら、一応、新スレ立てようかと
考えております。削除依頼するときに気が引けるので(;´Д`)
でも、その前にdat落ちしないようにがんがりますー。
96 ◆Sj469/wPAw :02/12/12 00:44 ID:DE0M/Vd4
書き忘れ。
透明あぼーんのため、93はレス番が合わなくなってしまってますが、
ご了承下さい。スッカリ ワスレテ サクジョイライシチャッタヨ…

削除人さん、ありがとう。
地道に

でやってみて!
98 ◆Sj469/wPAw :02/12/13 01:27 ID:4ui0DGg5
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールは>>75をご覧ください。
3番1票で3番に決定いたしました!

 コーミズ村からこっち、僕を追いかけてきてくれたマーニャはほとんど休んでない。ブライも
年が年だし、そんなに無理はさせられない。魔法は最後のトドメに温存しておいて、地道に削ってくか。
 幸い、キングレオの動きはそれほど素早くない。十分に見切れる範囲だ。バカ正直にパワー勝負に
持ちこんだりしなければ、大きなダメージは喰らわずにすみそうだ。
 だが、すぐに僕は自分の考えの甘さを思い知ることになった。
 不意に奴が攻撃を止め、大きく息を吸いこんだ。何かをする気だとはわかったが、それが何かは
わからない。とっさに身構えた僕の顔面に、激しい冷気が吹きつけられた。
 こいつ、吹雪のブレスなんか吐けるのかー!? マジで人間止めてるな。いや、姿形からしてとっくに
人間じゃなくなってるけどさ。
 とっさに青銅の盾で防いだけど、時すでに遅し。片目がよく見えなくなっちまってる。ついでに
冷気を大量に浴びた盾は極限まで冷えて、左の掌は凍傷状態。かろうじて凍りつきしなかったが、
左腕は痺れてほとんど使い物にならない。
 他の仲間たちも、大なり小なり、ダメージを受けてしまったようだ。

1それでも打撃で
2魔法で勝負
3回復優先

前のログ見直したら、勇者、青銅の盾を装備してました……(;´Д`)
なので、現在の彼の装備は破邪の剣、青銅の盾、ぬのの服、皮の帽子です。
99名前が無い@ただの名無しのようだ:02/12/13 02:09 ID:ZAa4K2cn
ぴさろ逝きて〜
100 ◆yGAhoNiShI :02/12/13 02:16 ID:B400+jt2
This is 100
やっぱりここは3で
102 ◆Sj469/wPAw :02/12/14 02:18 ID:TfavhV6j
ぴさろってぴんさろのことかなぁ……。それとも、4のピサロでいいんで
しょうか。まあ、それはともく。

参加ありがとうございますーヽ(´∀`)ノ
ルールは>>75をご覧ください。
3番1票で3番に決定いたしました!

 左手はともかく、目が見えないのは切実にヤバイ。
「ミネア!」
 僕が後ろに下がると同時に、ミネアが呪文を唱える声が聞こえてきた。体に流れこんでくる、
温かな癒しの力。
 たちまち、顔面の刺すような痛みが消えていく。まだちょっとチカチカするけど、視力もマシに
なった。左腕も楽になってる。どうやら、高位の治療呪文のベホイミを使ってくれたらしい。
「サンキュ、次はライアンを頼む」
 後列のミネア、マーニャ、ブライ(ついでにスラぼう)よりは、前列にいた僕たちの方がやはり
ダメージは大きい。
 剣を構えるライアンの左半身から血の気が失せている。たぶん、僕の左腕と同じように半ば
麻痺してしまっているに違いない。
「よくもやってくれたわね!」
 アリーナはすでにクリフトが回復させていた。そのクリフトも右足を引きずってるけど、まあ、
この後に自分で直すだろう。
「今度はこっちの番だ!」
 僕は、アリーナと息を合わせ、キングレオへと飛びかかっていった。

1目を狙う
2首を狙う
3心臓を狙う
流れ的に1キボン
1かな・・・

ところでいつも ヽ(´∀`)ノ をつかっているのは
前スレのタイトルの影響ですか?
105 ◆Sj469/wPAw :02/12/15 10:14 ID:BuDLEInD
参加ありがとうございますーヽ(´∀`)ノ
板的に大変に状況の中で、レスがあるのがホントにありがたくて、
嬉しいでつ。
ワーイヽ(´∀`)ノ使ってるのは、前スレとの関連性を持たせようという
意図も少しはあったり。
でも、基本的には単に気に入って使ってるだけです(w

ルールは>>75をご覧ください。
1番2票で1番に決定いたしました!

 アリーナの青のマントが翻る。
 キングレオの肩口を狙って振り下ろされた彼女の一撃は、しかし硬い皮膚に阻まれてはね返された。
体勢を崩すアリーナに、キングレオの腕が振り下ろされる。彼女は身軽に跳び退き、それをかわした。
 アリーナと入れ替わるようにして、僕はキングレオに向かっていった。
『生き物には、どんなに肉体を鍛えようと、剣も通さないほど皮膚を硬くしようと、かばいきれない
弱点がひとつだけある。これは人間でも魔物でも同じだ』
 あの山奥の村で、僕に剣を教えてくれた師匠の言葉がよみがえる。
 それが――。
「ここだ!」
 振り下ろすと見せかけた剣を引いて、勢いよく相手の懐に踏みこみながら顔面へと突き出す。
 ガギッと嫌な音がして剣が止まった。寸前で、剣は奴の腕に阻まれている。だが、それもまたこちら
の読みのうちだ。
『もちろん、相手も必死になって弱点を守ろうとするだろう。しかし、それによって敵の視界を狭くし、
死角を増やすこともできる』
 目をかばったキングレオの腕は、完全に奴の視界を遮っている。
 今だ!

1剣を道具で使ってギラを使う
2奴に体当たり

一人称の戦闘シーンって難しい……(;´Д⊂
106 ◆Sj469/wPAw :02/12/15 23:28 ID:JTNA/8oT
保守代わりに……

16日は全板AAトーナメント、あらくれ投票日です。
なんと準決勝まできております。
一緒にあらくれたい方、投票所へGO!

板内トーナメント対策本部
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1039521234/l50
コード発行所 http://www.vote.flets.org/code/2chaa/code.cgi
投票所 http://ex.2ch.net/vote/
支援サイト http://saimoedq.fc2web.com/arakure/index.html

トナメに興味のない方、ゴメンナサイ。
107 ◆Sj469/wPAw :02/12/17 00:08 ID:uwhCuUtF
あらくれ負けちゃった〜
でも、もしここを見て参加してくださった方がいらしたらサンクスです!
2、体当たりで!

あらくれ負けましたね。
しかし、良くここまで戦ってこられたと思います。頑張った!

1人称で戦うのって、本当に難しそうですが、がんばってください。
sage
また、女勇者スレが落ちました……。もうだめぽ。
いつ落ちたんだろう。保守しておけばよかったです。とほほ。
111 ◆Sj469/wPAw :02/12/18 03:22 ID:HZgCCAt9
女勇者スレが見つからないんですが……もしかして落ちました?
でも、下の方にタイムスタンプの古い、荒らされたスレが残ったままなので
圧縮でもなさそうだし。謎。
ブラウザから見てたので、ログすら残っておらないよヽ(`Д´)ノ ウワァァン

参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 頑張りますー。
ルールは>>75をご覧ください。
2番1票で2番に決定いたしました!

 僕は体を回転させるようにして、肩口からキングレオに思いっきりぶつかっていった。
 渾身の体当たりは、ヤツの腹の辺りに決まった。よほど予想外の攻撃だったのか、体格差がかなり
あるにも関わらず、キングレオはぐらりと体をよろめかせた。
 このスキを、仲間たちは見逃さないでいてくれた。
「グォォォォォォォォ!」
 ピンク色の鎧が目の端に映ったかと思うと、キングレオが咆哮をあげた。
 化け物の片目から血が流れてる。間髪を入れず、アリーナがもうひとつの目を潰す。
 よし! これで有利になったぞ……と思ったのだが。
 苦痛にのたうち回るキングレオが、めくれめっぽうに冷気のブレスを吐き出し始め、僕たちは
避けるのに右往左往するためになってしまった。
 ……げ。ブレスを転がって避けた僕の目に、壁の打ちつけられ、転がったままの兵士の姿が
入ってきた。
 あのままじゃ、兵士たちが冷凍されちまう!

1兵士を庇う
2キングレオの意識をこちらに向ける
3放っておく
112 ◆Sj469/wPAw :02/12/18 03:32 ID:HZgCCAt9

またリロー(ry

やっぱり落ちてたんですね、女勇者スレ(;´Д⊂
昨日たまたま保守できなかったばっかりに……
それにしても、タイムスタンプの古いスレが下に山ほど残ってるのが
納得できないよヽ(`Д´)ノ ウワァァン
・゚・(ノД`)この曲怖いよ〜〜
う〜〜ん。この勇者の基本はクロのはずだ!

ってことで、 3!

後からなんとかすればいいのであないかとおもったり〜
115名前が無い@ただの名無しのようだ:02/12/18 18:27 ID:vKgLWHU2
兵士はほっとけ!(w

    3    

.
116名前が無い@ただの名無しのようだ:02/12/18 20:16 ID:3vmLnssu
いつのまにかこんなスレが・・・・
極悪大好きなんで 3
117名前が無い@ただの名無しのようだ:02/12/18 21:37 ID:Z5ztW6gN
>>111
はげどう。まさかマターリ4たびになるとは。
でも女勇者スレ立てられなかった(;´Д⊂

とりあえず選択は2で。


女勇者スレのログ、千一夜サイトにあります……。
しかし、早かったなあ、落ちるのヽ(`Д´)ノウワァァァァァァァン
1日1保守が必要になったのでしょうか。あと、あまりにレス数のすくないまたーりスレは落ちやすくなったらしいとか
そういう噂も聞きました。女勇者スレのようなまたーりは難しいのかなあ(´・ω・`)ショボーン
119 ◆Sj469/wPAw :02/12/19 04:27 ID:2/zMFGge
参加ありがとうございますーヽ(´∀`)ノ
これから書いてきます。ところで、前回の文章にミスハケーン。
めくれめっぽう→めくらめっぽうの間違いですー。
過去ログ見ると誤字脱字の嵐なわけで、今さら一つや二つ訂正入れても
どうよって感もあるわけですが。目についてしまったので一応。

女勇者スレ……(;´Д⊂ でも、過去ログが千一夜スレにあると聞いて
ホッとしてます。ラトームさんに感謝。
今度立てるなら、いっそドラクエ4の女性キャラ萌えスレでもいいのかなぁ
と思ったり。
マターリ愛でてるのも好きだけど、マターリしすぎて即オチしてしまうの
なら、もっと間口を広げてもいいかなと。どうざんしょ。
120 ◆Sj469/wPAw :02/12/19 05:22 ID:2/zMFGge
も一個あった……壁の→壁に でした。
すみません、気をつけます………………

ルールは>>75をご覧ください。
3番3票、2番1票で、3番に決定いたしました!
黒勇者人気ですね、相変わらず。私も好きですが(w

 こっちも自分のことだけで精一杯だ。兵士のことまで気づかってる余裕はない。
 僕はキングレオに意識を集中しようとした。
 その僕の目に、オレンジ色の人影が兵士たちの方に走っていくのが映った。
 ミネアだ。
 キングレオのブレスから彼らをかばうように、両手を広げている。

1キングレオの意識をこちらに向ける
2放っておく

 一回書いたのが消えてしまった……鬱
121名前が無い@ただの名無しのようだ:02/12/19 16:59 ID:fbtR81JN
1でおながいします。

漏れはいいようなきがするけど。>総合萌えスレ
他の方はどうかな。
そういえばアリーナも落ちて、今あるのって、クリアリ系の2スレだけ?
ミネアやマーニャのスレもすぐに無くなった気がするし、いいのかも。
男性キャラも含めて キャラ萌え総合っていうのはどうかな。
間口広すぎてわけわからないか……。

選択肢は 2で!
ミネアのタロットがそこで光ってなんとかしたりするのではないかと。ダメ?
いつのまにか「わーい経発足スレ」は落ちとるわ新スレ立ってねーなと思ったら
こんなところでひっそりやってるわ……
漏れがいない一月の間に何があったんだ!?
124 ◆Sj469/wPAw :02/12/21 01:35 ID:3ovL7rDF
それでは一応、総合萌えスレを立てる方向で。
でも、DQ4総合スレに相談に行った方がいいのかな……?

>漏れがいない一月の間に何があったんだ!?
私も1ヶ月近くつなげなかった時期があるので詳しくはわかりませんが。
荒らしにあったり荒らしが来たり荒らしが襲ったり荒らしが(ry
でも、ヽ(´∀`)ノスレが落ちたのは、ひとえに自分の怠慢ゆえでございますー。

続き、これから書いてきますー。
125 ◆Sj469/wPAw :02/12/21 01:49 ID:3ovL7rDF
参加ありがとうございますーヽ(´∀`)ノ
ルールは>>75をご覧ください。
1番1票、2番1票、先着順で1番に決定いたしました!

 くっそー! ミネアめ、勝手なことを。
 僕は青銅の盾を高く掲げて、ミネアとキングレオの間にさらに割りこんだ。
 間髪入れず、冷気のブレスが襲いかかる。
 取っ手には革が巻かれてるといっても、金属製の盾は持ち手にダイレクトに冷気を伝えてきて、
かなり辛い。というか、痛い。
 たちまち僕の左手は完全に麻痺してしまった。
「ミネア、ベホイミ!」
「はいっ!!」
 背後から両肩に手が当てられ、癒しの力が送りこまれてくる。それでも、痺れはまだ少し残った
けれど、僕は気にせずに立ち上がった。
 魔法ならMP切れを待ってもあるが、ブレスじゃヤツが死なない限りは終わらない。このままじゃ
じり貧だ。
 かといって、キングレオの皮膚は硬くて、打撃だと致命傷は与えられそうにない。
 どうする?

1ミネアにタロットを引かせる
2剣で何とかしてみよう
3魔法も使って攻撃しよう
デスピサロの曲を聴きながら、カエルを解剖したい( ´∀`)
>カエルの解剖
最終形態の音楽に変わる瞬間を想像してみる

選択肢は1で。
128 ◆GooyHo7Zyc :02/12/22 01:29 ID:+LzBXKvl
参加ありがとうございますーヽ(´∀`)ノ
初めてやったとき、グググググ……という音がして、腹に顔ができるシーンは
怖かったなぁ。ピサロってば、こんな化け物になっちゃって(;´Д⊂と
悲しかったですよ。

ルールは>>75をご覧ください。
1番1票で1番に決定いたしました!

「ミネア……」
 僕はミネアにそっと囁いた。
「タロットを使ってみてくれないか?」
 あの時タロットに感じた不思議な力。僕はそれに賭けてみることにした。……まあ、不吉な
ものも感じたけどね。加えて、顔色を変えたマーニャも気になるが。
 どうせこのままじゃ先細りなんだし、一発逆転を狙ってみるのも悪くない。

さて、運試し。
1〜6までの数字のうちで何が好き?
129 ◆Sj469/wPAw :02/12/22 01:42 ID:+LzBXKvl
って、トリプ全然違うやん!(;´Д`)
入れる文字を少し間違ったようです。
128は◆Sj469/wPAwですー。
ID変わってないはずなので大丈夫かな。
3!
おいらは3が好きですっ!
131 ◆Sj469/wPAw :02/12/23 07:27 ID:94xfDXI2
すみません、本日更新できませんでした……。
明日もチョットやばげです。
明後日には必ず戻ってきますー。
>>128
かっこいいトリップw

2が好きです!
124
はぁ 荒らしですか…
そういえばお気に入りの幾つかのスレが停滞してたり避難所作ってたりしてたかな
荒らしにめげず頑張ってください(・ω・)
134 ◆Sj469/wPAw :02/12/24 17:31 ID:KUGjY8T1
保守

すみません、更新は今深夜に……
135 ◆Sj469/wPAw :02/12/25 05:27 ID:jy9aViwe
メリークリスマス! ……っても、それっぽいことは何もありませんでした。
かろうじてケーキ食べたぐらい。今日もなにもなし。鬱。
そういえば、間違いトリプ、けっこうカコイイかもですね。二度と出せないけど(w

荒らしは来なくなりましたねー。このまま平和だといいんですが。
ラストまではもう少しですし、何とか頑張って完走したいです。
万が一、ここが落ちたりとかしましたら、しはらばの板避難所の方にて
新スレとか告知いたしますのでよろしくですー。

さて、これから書いてきます。
136 ◆Sj469/wPAw :02/12/25 05:55 ID:jy9aViwe
参加ありがとうございますーヽ(´∀`)ノ
ルールは>>75をご覧ください。
「3が好き」1票、「2が好き」1票、先着順で3のカードに決定
いたしました!

「わかりましたわ。少しだけお待ち下さい」
 ミネアは、服の隠しに入れてあったタロットを取り出し、床に置いた。
 タロットの上に手をかざし、意識を集中させる。
 その姿を横目で見ながら、僕はキングレオの意識をこちらに向けるため、剣で斬りかかっていった。
 目が見えないからか、ヤツの胴体はほとんどがら空きだ。上段に振りかぶって、一気に切り下ろす。
 我ながら、綺麗な袈裟懸けが決まったと思うのだが、やはりろくにダメージは与えられない。一応、
皮膚一枚程度は斬れたみたいで、うっすらと血は滲んでるけど。
 空しい気分に陥りつつ、それでも続けざまに攻撃を仕掛ける。ヤツは怒りの声を上げて、むちゃ
くちゃに両手を振り回してきた。
「……タロットに導かれし運命よ、今ここに顕れよ!」
 ミネアの澄んだ声が高らかに響く。同時に、ものすごい閃光と耳を聾せんばかりの大音響が
室内に響き渡った。
 こ、これは……雷?
 僕の目の前では、キングレオが体を折って苦しんでいる。その上半身は雷の直撃を受けたのか
焼けただれていた。
 ミネアが掲げ持つカードには、塔の絵が描かれている。
 なんだ、タロットって、すげえ便利じゃないか!

1もう一度、タロットで攻撃
2上半身を斬りつける
3魔法で追い討ち
137山咲トオル ◆yGAhoNiShI :02/12/26 04:19 ID:vdtZNeCL
  __
../⌒   ヽ
(      ヽ アーヒャヒャ
 ヽ   ノ ヽ
   ゞ、   丶  アーヒャヒャ
     ヽ ノ  \           _ _, ─' ─ ─ ,、  _
    |\_ ノ\       , '´  ( )     ( ) `‐、
  /⌒\        丶    / /   ヽ-、___ ,-r'     ヽ.
 │  \  人  |/⌒ヽ  | !     ヽ      |     ..|
 /    \    /    |  | !      !      . !      |
(  \   ヽ  /    /  | !      !      . !      ..|
(       |  /   )   |      !      !      ...|
 ヽ \  ヾ 丿(( ̄)/    'i     `'ー--‐‐'´     ノ
  \  ヾ丿  ヽソ       `''ヽ         ヽ. ─''
    ヽ ノ _ __/ ヽ    __ノ::          人__   
       |::::     丶ー ̄    ::           ::::::::::::::::: ̄ノ ̄ー-- ,,.__
       \::::::::   :::::::::          ヾ   ソ           丶  ヽ
         ヽ::::                ヽ/                 :|
          \_| :::::::::                           :   |
             | ::              ミ:              :: ::...........:::::|
             . .|::::::       .       ミ::::           ::::::::i  :::::::::::::::|
               .|::::::              ヾ::::           ::::::::::::|  :::::::::::|
                | :::::::              ミ:           :::::::::::|   :::::::::::|
                |::::::          ノ ヾ         :::::::::|  :::::::::::|
138山咲トオル ◆yGAhoNiShI :02/12/26 04:26 ID:uFIr3PZ8
  __
../⌒   ヽ
(      ヽ アーヒャヒャ
 ヽ   ノ ヽ
   ゞ、   丶  アーヒャヒャ
     ヽ ノ  \           _ _, ─' ─ ─ ,、  _
    |\_ ノ\       , '´  ( )     ( ) `‐、
  /⌒\        丶    / /   ヽ-、___ ,-r'     ヽ.
 │  \  人  |/⌒ヽ  | !     ヽ      |     ..|
 /    \    /    |  | !      !      . !      |
(  \   ヽ  /    /  | !      !      . !      ..|
(       |  /   )   |      !      !      ...|
 ヽ \  ヾ 丿(( ̄)/    'i     `'ー--‐‐'´     ノ
  \  ヾ丿  ヽソ       `''ヽ         ヽ. ─''
    ヽ ノ _ __/ ヽ    __ノ::          人__   
       |::::     丶ー ̄    ::           ::::::::::::::::: ̄ノ ̄ー-- ,,.__
       \::::::::   :::::::::          ヾ   ソ           丶  ヽ
         ヽ::::                ヽ/                 :|
          \_| :::::::::                           :   |
             | ::              ミ:              :: ::...........:::::|
             . .|::::::       .       ミ::::           ::::::::i  :::::::::::::::|
               .|::::::              ヾ::::           ::::::::::::|  :::::::::::|
                | :::::::              ミ:           :::::::::::|   :::::::::::|
                |::::::          ノ ヾ         :::::::::|  :::::::::::|
ヒョイ ,    ,,,,.,.,,,.
   (_&ミ・д・ミ     ミ  ___
  ⊂|___,.つつ      て/  ) クルリ
彡               ⊂  .ノ
                ミ   ミ         ,,,,.,.,,,.     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.                ゙``゙`゙ 彡     ミ・д・ミ  < 保守まりむ。
                          &/  ,つ    \_______
                          〜、 ノつ  スタッ !
                           .(/

………選択は2で
漏れも2で
結局萌えスレは総合するの?
142あぼーん:あぼーん
あぼーん
143あぼーん:あぼーん
あぼーん
144あぼーん:あぼーん
あぼーん
>>141
すでにアリーナ萌えスレが立ってるな

選択は1でおねがいしまつ。
ひいてはいけないカー(ry
146萌えスレテンプレ ◆Sj469/wPAw :02/12/27 06:42 ID:VcgZlNDr
・タイトル案(センスないのでいいのあったらよろしくー)
ドラクエ4キャラ萌スレッド

・テンプレ案(センスなry)
ドラクエ4のキャラクターをマターリと愛でるスレッドです。
男女問わず、どんなキャラでも手広く扱っております。
萌え話、(*´Д`*)ハァハァ、SS、イラスト何でもこい!

↓関連スレ
【総合】ドラクエ4導かれし者たち-48-
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1039146835/l50
★★ アリーナ萌えスレLevel7-2 ★★
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1040893862/l50
147 ◆Sj469/wPAw :02/12/27 07:08 ID:rTrzbcgK
連続投稿規制にひっかったので繋ぎ直し。

上のテンプレを持って、総合スレとアリーナスレ回ってきました。
他に4系萌えスレってありませんよね?
アッテムトは別物として(w
アリーナ萌えスレ新しく立ちましたけど、それはそれでいいかなと。
今後も、話題の続くキャラがいたら、新たに独立してもいいと思うし。

上のテンプレを土台に、意見を出し合って、まとまったら新スレ立てたいと
思いますー。
個人的には1月1日にたてたいなあとか思っていたり。遅いですかね?

さて、ゲームブックの続き、これから書いてきますー。
148 ◆Sj469/wPAw :02/12/27 07:29 ID:rTrzbcgK
参加ありがとうございますーヽ(´∀`)ノ
ルールは>>75をご覧ください。
2番2票、1番1票で、2番に決定いたしました!
ちなみに1番→ひいてはいけないカード→ゲームオーバーの予定ですた(w

 敵に弱点ができたら、そこを攻めるのが戦いの常道。
 僕はヤツの上半身を狙って剣を繰り出した。
 思った通り、今までと比べものにならないほど、たやすく相手の皮膚は傷ついた。
 ライアン、アリーナ、クリフトも続けざまに斬りかかっていく。
 ヤツは吠え声を上げて、苦痛にのたうち回った。
「おのれ……おのれ!」
 苦し紛れに、ヤツは吹雪のブレスを吐いてくる。だが、目の見えないヤツのブレスなど当たるわけがない。
 兵士たちはマーニャとブライがすでに移動させてるから安心だ。
 ――と、僕はキングレオが口の中で何やら唱えてるのに気がついた。これは、ベギラマの呪文だ!

1呪文完成前にトドメ!
2こちらも呪文で対抗
3とりあえず防御
1491さん:02/12/27 16:06 ID:2sH3sXve
最高!!
150あぼーん:あぼーん
あぼーん
151あぼーん:あぼーん
あぼーん
152あぼーん:あぼーん
あぼーん
153あぼーん:あぼーん
あぼーん
154あぼーん:あぼーん
あぼーん
1でおながいします。
156 ◆Sj469/wPAw :02/12/28 09:27 ID:tY5gSIfl
【みんな】ドラクエ4★キャラ萌えスレッド【かわいー】
(*´Д`*)ハァハァ【ドラクエ4キャラ萌えスレッド】(;´Д`)ハァハァ
【みんな】ドラクエ4キャラ萌えスレッド【大好き】

……いくつかタイトル考えたもののやっぱりセンスないーーーーーー!
ちゅーことで、引き続きご意見キボンヌ。>>146
テンプレ、クリアリ系2スレが抜けてたので追加しまする。スレにも
この後、回ってきます。

過去ログは、全員の乗せたら膨大になりそうだし、ナシでいいかなと思う
んですが、いかがでしょうか。

さて、ゲームブックの続き書いてきますー。
157 ◆Sj469/wPAw :02/12/28 10:03 ID:tY5gSIfl
参加ありがとうございますーヽ(´∀`)ノ
ルールは>>75をご覧ください。
1番1票で1番に決定いたしました!

 呪文完成前に決着つけてやる!
 僕は剣を振りかざしてキングレオに飛びかかった。その時。
 目の見えないはずのキングレオが、こちらを見てニヤリと笑った……ような気がした。
「危ない!」
 ライアンの忠告は間に合わなかった。
 僕の剣がキングレオの肩を切り裂くと同時に、衝撃が走った。ヤツの腕が僕を殴りつけたのだ。
たまらず僕はバランスを崩す。視界が暗くなる。
「ぐ……」
 僕は息苦しさに喘いだ。足を振り回してみるが、つま先は床に当たらない。
 キングレオの両掌に頭を挟まれて、宙づりにされてしまったのだ。
 薄目を開けると、目の前に焼けただれ、血まみれになったキングレオの顔があった。その両目は
確かに潰れている。だからこそ、ヤツは攻撃する瞬間を狙って、僕を捕まえたのだろう。
 目が見えなくても、剣が繰り出された方向で僕の位置はわかるもんな。
 肉を切らせて骨を絶つってか。
 くそーっ! まんまと敵の思う壺にはまった自分自身が悔しくて仕方ない。
「ふふふふふ……このまま頭を潰してやろうか」
 キングレオが含み笑う。
 僕の身を案じてか、ライアンたちも手を出しかねているようだ。

1自分のことはいいから攻撃を、と言う
2キングレオに頭を下げて許してもらう
3自分で何とかする
158155:02/12/29 00:57 ID:2UAn8sYC
あー!はずれだったか。
今度ははずれませんように・・・3で!!
159 ◆Sj469/wPAw :02/12/29 13:08 ID:6rv8cCDq
たまにはageでいきましょうか。
参加ありがとうございますーヽ(´∀`)ノ
ルールは>>75をご覧ください。
3番1票で3番に決定いたしました!

 自分のミスで招いたピンチだ。自分で何とかするしかない。
 剣を取り落としたりしなかったのが救いだ。とはいっても宙吊り状態でふんばりがきかないから、
攻撃してもたいして効果はないだろうが。オマケに、キングレオの両腕は雷からほとんどノーダメージで
皮膚は硬いウロコに覆われたままだし……。
 さて、どうするか?

1剣を道具で使ってギラを放つ
2とりあえず時間稼ぎ
3剣を投げつける
160名前が無い@ただの名無しのようだ:02/12/29 13:21 ID:7oJ1FvIj
>>1
なんじゃこりゃ!!?
161名前が無い@ただの名無しのようだ:02/12/29 19:59 ID:Ka0wGZdq
時間かせぎ?どんなの?というわけで、

でお願い。
>>146
いらねー
正直。
>>162
別にあってもいいんでない?
164 ◆Sj469/wPAw :02/12/31 11:59 ID:qZ+3/XYa
参加&ご意見ありがとうございますー。

今日も更新はむりぽいです。申し訳ありません。
皆様、よいお年をお迎え下さい。
この曲好きだ
166 ◆Sj469/wPAw :03/01/01 17:58 ID:aCCaB6zO
アリーナスレが落ちた……ガ━━━(;゚Д゚)━━━ン!!!
何かDAT落ちの基準が変わったみたいですねー。スレ保持数の足切りは
変わらないけど、スレ立てた後にレス数によって問答無用のDAT落ちが
あるらしいです。数値の正確なところはわかりませんが、マターリ好き
にとってはチト苦しい板事情になってきましたねぇ。めげませんが。

萌えスレ、必要ないというご意見もありましたが、あってもいいという
ご意見もありますし、私自身、欲しいと思っていますので、立てようと
思います。ご意見くださった皆様、ありがとうございました。

ゲームブックは本日夜更新いたしますー。
167 ◆Sj469/wPAw :03/01/01 18:30 ID:aCCaB6zO
立てられなかったので、スレ立て相談所にお願いして参りましたー。

ところで今さらですが、あけましておめでとうございます。
2003年が、皆様にとって幸い多き年でありますように。
168 ◆Sj469/wPAw :03/01/02 01:22 ID:vTyP6MoE
キャラスレ立ちましたー! キャラについての突っ込んだ話や萌え話など、
多いに語り合いましょう。
【みんな】ドラクエ4キャラ萌えスレッド【大好き】
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1041437533/

すみません、ゲームブック更新、明日(つか今日ですね)にさせてください……
169 ◆Sj469/wPAw :03/01/02 22:37 ID:hroZUHBa
お待たせしてすみませんでした。参加ありがとうございますーヽ(´∀`)ノ
ルールは>>75をご覧ください。
2番1票で2番に決定いたしました!

 僕は身動きを止めた。キングレオが歯をむき出して笑う。
「ふん、観念したか」
「ああ」
 なるべく殊勝に聞こえるよう、僕は力なく答える。まあ、つり下げられたこの状態じゃ、演技
しなくても苦しい声しか出ないけどさ。
「進化の秘法の力の凄さを、イヤッてほど思い知ったよ」
 ピクッ、とキングレオの腕が動いた。
「人を……いや、魔物さえもはるかに超えた、こんな力が持てるなら、誰だってそりゃ欲しいと
思うよな」
「お前も欲しいのか?」
 キングレオが、やけに静かな声で問いかけてきた。
 僕は……。

1欲しいと言う
2欲しくないと言う

松が取れるぐらいまで、ランダム更新になってしまいそうです。
すみません……。
1
黒勇者ならば一応はそう答えるかな?
ageておきます。一応。
選択肢は1で。
不覚にも>>152->>154のブラクラ引っ掛かりました。
逝って来ます。

初参加で1などと答えてみるテスト
173 ◆Sj469/wPAw :03/01/08 00:44 ID:jXQpkCn0
すみません、今日も更新できそうにありません……。明日には何とか。
削除依頼出して下さった方、ありがとうございましたー!

ブラクラ注意しようと思ってて、すっかり忘れてました(;´Д`)
貼り付けられたアドレスはすぐに踏まずに、この辺でチェックすると
いいかもしれません。
↓ブラクラチェッカー
http://www.jah.ne.jp/~fild/cgi-bin/LBCC/lbcc.cgi
174 ◆Sj469/wPAw :03/01/09 00:40 ID:a4Fvfu0f
お待たせいたしましたー! 参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールは>>75をご覧ください。
1番3票で1番に決定いたしました!

「そりゃ、もちろん欲しいよ」
 ただし、化け物にさえならなかったらな。
「人にない力があれば、人にできないことができる。――あんたも、そう思ったんだろう?」
 キングレオは動揺したようだった。
「私――わたし、は……」
「人にない力を手に入れて――それで、あんたがやりたかったことは何だ?」
「私がやりたかったこと――」
 キングレオの腕が微かに震えている。よっしゃ、もうちょっと揺さぶってみるか。

1バルザックのことに触れてみる
2自分のやりたいことを語ってみる
3キングレオの父王のことに触れてみる
3!!
2ですね。
177 ◆Sj469/wPAw :03/01/11 03:36 ID:KWyaCA90
お待たせいたしました! 松は取れましたがもう少し
ランダム更新になってしまいそうです。すみません。
参加ありがとうございますーヽ(´∀`)ノ
ルールは>>75をご覧ください。
2番1票、3番1票、先着順で3番に決定いたしました!

 父王のことは、キングレオを最も動揺させる話題のはずだ。――こいつが、まともな良心を
まだ持っていればの話だが。ま、動揺させすぎて、逆切れされてトドメ刺される可能性もなきに
しもあらずだけどね。どっちにしろ窮地なんだ、賭けに出るほかはない。
「力を手に入れて、化け物になって、それであんたは何をした?」
 僕は唇を舌で湿した。
「父王を殺して、この国を魔物に売って、それがあんたのやりたかったことか!?」
 僕の言葉に殴られたように、キングレオが一歩下がった。
「違う! 私は父を殺してなど……」
「体の弱った老人を牢屋に閉じこめて、ろくな食べ物も与えずに放っておいたら、死んでしまう
に決まってるじゃありませんか!」
178 ◆Sj469/wPAw :03/01/11 03:37 ID:KWyaCA90
 僕の後ろから、ミネアが叫ぶ。
「言うな!」
 キングレオが吠える。刹那、手の力が緩んだ、そのチャンスを僕は逃さなかった。
 剣をヤツの両腕の間に入れると、剣先を左腕上部、柄を右腕下部に当て、梃子の要領で力一杯
振り上げた。
「ぅぉ!?」
 完全にキングレオの不意をついたらしく、拍子抜けするほどあっさりと僕は自由になった。
 よーし、トドメだ!

1剣で
2マーニャの魔法で
微妙だが・・・・・2でよろ
とどめはマーニャに
一回負けてる屈辱はらしに・・・
よって 2
18179:03/01/13 04:24 ID:wXNIeEwC
おぉ〜、ちょっと来なかったうちにずいぶん進んでますね。
やっぱりここはマーニャに仇討ちしてもらいましょう。
ということで、2番。
182 ◆Sj469/wPAw :03/01/16 03:21 ID:Af+LGslF
取り急ぎ削除依頼出してきました〜。
すみません、続きはこの次更新いたします。
hozen
キングレオ戦が決着ついたら終わっちゃうのかなあ?
ナナシクラゲさんに御相談でやんす。
今、千一夜の保管お手伝いで女勇者スレをやってるんですが、
「解けない魔法」はライラたんなので、他のライラたんシリーズとまとめて連作インデックスにしてください
とか申し出た方がいいですか?
それとも、テイストが違うから別扱いというか、「解けない魔法」だけ単体扱いの方がいいですか?

今回の選択に参加したつもりでまだですたので、参加。
やっぱりマーニャねえさんのメラミとか見たい!
2番でおながいします。

ではでは。
リーザの続きをどこで書いたらいいのか思案中のねずみでした。
4キャラスレってあんまりマターリしてないから、長いの書いたら邪魔ぽ。
リレー小説のスレにお邪魔させていただく方がいいのかな… と。
もう少し状況を見てからにしようと思います。

186とびねずみ ◆Y2NezmymcE :03/01/27 01:01 ID:3xHd1ij4
なんでかトリップが消えてました。>>185は、とびねずみの書き込みです;…
保守
お疲れさん
ナナシクラゲさんどこいったの?
またPCの調子が悪いのかなあ。もしかして
 PCの調子が悪い
  ↓
 インターネット喫茶から書き込もうとする
  ↓
 人大杉でブラウザから書き込めない

ってループにはまってるのかも……。
まさか2ちゃんねるブラウザを店のPCに入れられないだろうし………。
保守
ナナシクラゲさんはいずこ‥‥‥

ヒョイ ,    ,,,,.,.,,,.
   (_&ミ・д・ミ     ミ  ___
  ⊂|___,.つつ      て/  ) クルリ
彡               ⊂  .ノ
                ミ   ミ         ,,,,.,.,,,.     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.                ゙``゙`゙ 彡     ミ・д・ミ  < 保守まりむ。
                          &/  ,つ    \_______
                          〜、 ノつ  スタッ !
                           .(/
   
ひっそりほしゅ
ほっしゅっしゅー
hosu
FFX-2の波にさらわれずに残りますように…
X2祭になってるね、さすがに。
199 ◆Sj469/wPAw :03/03/16 01:44 ID:Zv8rjyq4
お久しぶりです、ナナシクラゲです。
荒らしとか人大杉とか規制とかも影響はしましたが、主にこちらの都合で
こんなに長い間放置することになってしまいました。
申し訳ありません。

自分がこんな体たらくなのに、保守とかしてくださっていて申し訳なくも
ありがたい気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました。

明日から再開させていただきます。
あと少しだけ、おつきあいいただければ幸いです。

>>185(とびねずみさん)
ううううううううーーーーーーーーーーん……
いい加減な作者の自分はどちらでも桶だったりします。なるべく管理人&
保管人さんの負担にはなりたくないので、そのままで。
遅レスでスミマセン……。
ところで、こちらのスレに書かれても全然オッケーですよーとか言って
みたり。>リーザの続き
それとも、リレー小説スレでもう書かれてるかな?
板の事情とか全然把握してないので、これから勉強してきます。
200とびねずみ ◆Y2NezmymcE :03/03/16 13:10 ID:DykAIb6H
 ナナシクラゲさん、お帰りなさい〜〜〜!!!!

 ライラたんは連作扱いにしないということで連絡しておきますね。
 千一夜サイトの方で、保管作業の注意事項まとめをやってるところなので
その結果がまとまり次第、規定に添って見直して、次の週末くらいにupする
ことになると思います。
 更にラトームチェックが終わってからの掲載なので、気長に待っていて
ください。

 リーザの続きは、結局まだ書いていません。書き込み規制とかで人も少なく
なってましたし。女勇者スレの住人だった人はどの辺におられるのか見当もつかず。
もういいかなあという気持ちになったりしてますw。
201 ◆Sj469/wPAw :03/03/16 22:06 ID:nEmNWvSJ
X2祭りは、やはり凄かったのですね……凄いですね、か。
現在進行中ですね。
保守がなかったら、ここも落ちてたと思います。改めて感謝。

>200
ありがとうございます。お手数おかけます。
リーザたんの続き、待ってるヤシがここに一人いるですよ〜。
無理にとは言えませんが、よかったら続きキボン。
202 ◆Sj469/wPAw :03/03/16 22:07 ID:nEmNWvSJ
ageちゃった……まあいいか。
参加ありがとうございますーヽ(´∀`)ノ
ルールは>>75をご覧ください。
2番3票で2番に決定いたしました!

「マーニャ!」
 名前を呼びつつ振り返ると、すでに彼女は呪文の詠唱に入っていた。
「本当はバルザックのために覚えた魔法だけど。感謝なさい。とっておきの術で焼いてあげるわ!」
 頭上に掲げた彼女の両掌に、恐ろしい勢いで火の精霊が集まっていくのがわかる。
 僕は慌てて後ろに避けた。巻き添え喰らったらたまらない。
「メラミ!」
 彼女の手から放たれた火精は巨大な火球となってキングレオを飲みこんだ。
「グォオオオオオオオオ……」
 キングレオが吠える。断末魔の叫び。
 炎の中でもがいていた影は、徐々に動きが鈍くなり……やがて、どうと床の上に崩れ落ちた。
「やった……か?」
 僕はゆっくりと近づいた。黒こげになったヤツの体はぴくりとも動かない――いや。
 ざわり、とキングレオの体が蠢いて、あわてて僕は飛びすさる。
203 ◆Sj469/wPAw :03/03/16 22:08 ID:nEmNWvSJ
 身構える僕たちの前で、化け物の皮膚が蠕動する。僕は2階の男を思いだした。進化の秘法を自分で
試し、自滅していった化け物。
 蠕動は次第に激しくなり、それとともにキングレオの体の輪郭が歪んでいく。歪み、溶け、崩れ
て……一瞬、閃光が走ったかと思うと、僕たちの目の前から化け物の姿が消えていた。
 そこに横たわるのは贅沢な服装をしたなまっちろい男。
「王子……」
 ミネアが呟く。ま、言われる前から何となくわかってはいたけど。
 しかし2階の男は死んじまってもそのままだったのに、キングレオの場合は元に戻ったってのは
なぜだ?
 僕は王子に近づいて、靴先でその体を仰向けにした。
「……う…………」
 げ、こいつ、生きてるよ!

1トドメを刺す
2目が覚める前にふんじばる
3優しく起こしてあげる
念のため、2で!

再会祝福sage
205名前が無い@ただの名無しのようだ:03/03/16 22:49 ID:clnl5yrj
初参加です。。ワタシも2ですな。
206名前が無い@ただの名無しのようだ:03/03/17 16:53 ID:6ILA+muP
1. 殺せ。
2だろ。
208 ◆Sj469/wPAw :03/03/17 21:38 ID:CUML4EbN
参加ありがとうございますーヽ(´∀`)ノ
初参加の方もいらしたりして大変嬉しかったり。
ルールは>>75をご覧ください。
2番3票、1番1票で2番に決定いたしました!

 少し迷って、僕は剣を収めた。
 進化の秘法の効力がきれたこいつには、たいして力はないだろう。いろいろ聞きたいこともあるし、
まあ、命だけは助けておいてやるか。
 ――とはいえ用心はしとかないとな。
 僕は道具袋から縄を取り出して、ぎゅうぎゅうに王子を縛りあげた。
 ちょうど作業がおわったところで、うめき声を上げていた王子が薄目を開けた。
「気がついたな」
「え……お前は……」
 ぼんやりした瞳が僕を見上げる。イヤーな予感が背筋を走り抜けた。なんか……事態がサッパリ理解
できてませんってな顔してるんだがコイツ。
「思い出せん……。私は一体今まで何をしていたのだ……」
 僕は前のめりに倒れそうになるのを必死に堪えた。
 覚えてないだとぉ〜〜〜!?
「むっ、こ、この格好は何だ!? お前たちがやったのか? 無礼も……ひっ」
 縛りあげられた自分の姿にようやく気づいて、キングレオ王子が喚きだす。僕は一度収めた剣を抜き、
その鼻先に突きだした。
「わっ、私を殺すのか!? 私が何をしたというのだ!」
「何をしたかだって? 本当に覚えてないのか!? 自分が何をやったのか」
209 ◆Sj469/wPAw :03/03/17 21:38 ID:CUML4EbN
 僕の怒声に、キングレオ王子は身を縮めた。
「し、知らぬっ! 私は何も……ひぇっ」
 僕は、ヤツの目の前の石畳に剣を突き刺した。パラリ、と王子の前髪が幾筋か床に落ちた。
 本当に殺してやりゃよかった。
「バルザックという名前に聞き覚えは?」
 僕は低い声で問いかけた。落ち着かずに揺れていた王子の瞳が止まる。
「バルザック……」
 しばらくして、王子の全身がカタカタと震えだした。
「し、知らぬ! 知らぬ知らぬ知らぬ!!」
「嘘吐いてんじゃないわよ」
 マーニャが王子の頭を殴りつけた。
「知ってますって、全身で言ってんじゃないの」
 そうだ、コイツが覚えてないはずはないんだよ。
 化け物になっていたときにも、王子としての自我はしっかりと残っていたんだから。秘法の効果がきれ
て、一時的に記憶が混乱したとしても、根性入れて思い出せば思い出せるハズなんだ。
「知らぬ!」
 王子が絶叫する。
 ち、どうあってもシラを切るつもりみたいだな。

1力づくで思い出させる
2マーニャ&ミネアで攻めてみる
3クリフトで穏やかに諭す
210名前が無い@ただの名無しのようだ:03/03/17 21:44 ID:x+JOaAIo
2!!!!!
攻められたいです!
展開的に1か2が好みなんだが…
ここはあえて3で。
ワタシ、エロなんで2がいいです!!
214 ◆Sj469/wPAw :03/03/18 23:57 ID:guMLOCmQ
参加ありがとうございますーヽ(´∀`)ノ
そうか、攻めるだとエロくさい……いや、責めるでもエロくさい感じはしますね。
要するに選択肢自体がエロくさいと;y=ー(゚д゚ )・:*∵. ターン
……にじみ出てしまうものですね、人柄というものは。
ルールは>>75をご覧ください。
3番2票、2番2票、先着順でで3番に決定いたしました!

 クリフトがすっとキングレオ王子の前に跪いた。
「落ち着いてください。私たちは別にあなたを責めるつもりはありません」
 いや、僕はバリバリ責めるつもりだが。
「ただ情報を得たいだけなのです。あなたは進化の秘法によって化け物になっていた。……そのことは
覚えていますか?」
「し、しら……」
 王子の瞳があちこちとさまよう。その視線がマーニャとミネアに止まった。
「お前たちはあの時の……」
 言いかけて、はっと口をつぐむ。けっ、やっぱり思い出してるんじゃねーか。
 僕が口を開こうとするのを、ブライが止めた。神官様にまかせておけってことらしい。
215 ◆Sj469/wPAw :03/03/18 23:57 ID:guMLOCmQ
 ちぇっ、まどろっこしい――。
 ふと、僕は体を緊張させた。意識するより早く体が身構える。アリーナとライアンもすでに気づいてる
みたいだ。扉の外に複数の人の気配。
「ちんたらやってるから、新しいお客さんが来ちまったらしいぞ」
 仲間たちが臨戦態勢にはいる。
 重く乾いた音を立てて、隠し扉が開いていく。
 そこには、数十人の兵士を引き連れた大臣が立っていた。

1王子を人質にして身の安全を図る
2王子を助けてやったとアピールする
3問答無用で戦う
おお生きてたのか・・よかったよかった

2でおながいします
2かな〜〜。
勇者のハッタリが聞きたいと思う私は逆転裁判のなるほどくんに
浸食されているかもしれぬが。
どれもおいしい。迷うな。う〜ん。
ここは>>217のなるほどくんに賛同して2で。
3の展開もおもしろそうなんだが…2で。
221あぼーん:あぼーん
あぼーん
222 ◆Sj469/wPAw :03/03/20 02:26 ID:JTv/8eIn
本日、酔っぱらいモード……。やっぱりポン酒は純米吟醸だなと。
参加ありがとうございますーヽ(´∀`)ノ  2番が圧倒的人気でビクーリ。

>216
長い間放置してしまって、本当にスミマセンでした(;´Д⊂
もしよかったら、またおつきあいいただければ幸いです。

>217
性格と口調はどんどん悪くなっていってますが、逆転裁判ほどハッタリの
効いた勇者になってくれるかどうかは不安です(w

>218
ゾーマの曲は、デスピサロの曲ほど陰惨な感じじゃなくて、聞いてるとワク
ワクしてきますな。血湧き肉踊る感じ。ボス的にはゾーマは大好きです。

>219
逆転裁判人気ですね(違 1が見つからないんですよね……(板違い

>220
もしやあなたは黒勇者好きですね? 私 も 大 好 き です。

>221
チキンな自分はURLを踏んでませんが、チェッカーによればさほど危険は
ないそうです。でも、あやしいのはあやしいので、踏まない方が賢明かも。
223 ◆Sj469/wPAw :03/03/20 02:27 ID:JTv/8eIn

ルールは>>75をご覧ください。
2番4票で2番に決定いたしました!

「曲者、覚悟――あ゛、王子……いや、国王陛下!?」
 人間の姿に戻った王子(ていうか本当はこいつが国王なんだろうが、心情的に認めたくないんで、王子と
呼ばせてもらう)を見て、大臣が間抜けな声を上げる。
 僕は素早く剣を収めると、縄を掴んで王子を引き立たせた。
「よろこべ。僕たちのおかげでキングレオは人間に戻れたぞ」
 呆然とした表情でキングレオを見ていた大臣が、はたと我に返って顔を真っ赤にした。
「な、な、何を申すか。陛下に縄をかけるなど、なんという無礼な!」
 あー、そういやそうか。縛ってちゃ助けてやったという言い訳も苦しいな。
 とはいえ、僕の言葉で大臣の後ろの兵士たちがあからさまにホッとした表情になったのを、僕は見逃さ
なかった。

1なおも助けたと主張
2大臣を威嚇
3兵士に演説
4王子と話す
3 兵士に演説

 行け! なるほどー君(ゲームが違いますw)
 ちなみに1は、バレンタインあたりに廉価版が出てるから、今探すとあるかも……。
板違いスマソ。
チキンな大臣は逝ってよし!っつ〜事で2っす。
4で。
なるたけ馴れ馴れしく。
227 ◆Sj469/wPAw :03/03/21 04:30 ID:xHjUHMRH
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
>224情報サンクスです! 早速探しに逝ってみます。
>225チキンな大臣をいたぶるのも楽しいかも(をい
>226馴れ馴れしくして、親しげに見せると。そういう手もいいなぁ。
ルールは>>75をご覧ください。
3番1票、2番1票、4番1票、先着順で3番に決定いたしました!

「ふーん、喜んでくれないのか。せっかく苦労して化け物を倒したのに」
「化け物だとっ、陛下に対して何という……!」
 大臣が喚いたけど完全無視して、僕は後ろの兵士たちに視線を据えた。
「まあ、別に恩に着せるつもりはないけど。あんたたちにとっちゃ、確かに僕たちは侵入者だ。化け物を
倒したことが許せないってんなら……いいよ、相手になる」
 僕は兵士たちに見せつけるように、鞘ごと剣を持ち上げた。
「僕にとって魔物は敵だ。あんたたちが、あくまでも魔物に従うというのなら、あんたたちも魔物と同じ
――敵だ」
 ゆっくり、ゆっくりと僕は剣を抜いた。兵士たちの間に動揺が走る。
「いい加減目を覚ませよ。いつまで魔物に従い、領民を苦しめ続けるつもりだ? あんたたちは人間じゃ
なかったのか!?」
「そなたらは何のために兵士になった?」
 僕の後ろから不意に、低い、けれどもよく通る声が響いた。ライアンだ。
「国のため、この国の民を守るため、ここに在るのではないのか。そなたらの誠はどこにある? 今の己
の行動が国のためになると、本当に思っているのか!?」
228 ◆Sj469/wPAw :03/03/21 04:30 ID:xHjUHMRH
 ライアンの声は大きくはなかったが、兵士たちは雷に打たれたように身を竦めた。
 やがて、大臣のすぐ後ろにいた兵――たぶん隊長格の男だと思う――が、武器を外して、床に投げ捨てた。
数瞬の沈黙の後、おずおずと最後列の兵士がやはり武器を下に置く。その後は、あっという間だった。次々
と兵士たちは武器を手放していった。
「き、貴様たち何をしておるのだ!」
 背後の様子に大臣は狼狽えた。
「武器を取れ! この狼藉者たちを引っ捕らえろ!! 戦えというのに……ええい、この痴れ者めらがぁ!!」
 両手を振り回してカンカンになって怒っているが、自分でこっちに向かってくる度胸はないようだ。
 さて、どうするかな。

1大臣も縄で縛る
2大臣を説得
3無視して王子と話す
復活してたのねー。

アホ大臣は無視して3で。
逆転裁判手に入るといいですな(もうこのネタはやめますがw)
ライアンらしい説得ですね。カコイイ!!

おなじく3で!
3かな。
232 ◆Sj469/wPAw :03/03/22 07:33 ID:l6Q19t1o
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
>229長い間留守してしてすみませんでした。よろしければまた参加してやってください。
>230この勇者だと説得しないで戦闘してしまいそうだったので、ライアンにお出まし
願いました(w (逆転裁判、あっさり今日見つかりましたヽ(´∀`)ノ)
>231今回は満場一致ですね。しばし大臣は放置プレイと。
ルールは>>75をご覧ください。
3番3票で3番に決定いたしました!

「さて、話が途中だったな」
 僕は王子を縛ってる縄を掴んで、ぐいと引き寄せた。王子がさっと青ざめる。
「な、何を」
「この期に及んで、まだシラを切ろうってのか? 往生際が悪いな」
「知らぬものは知らぬ!」
 頑なに王子は首を振る。
「んじゃ、さっきマーニャとミネアを見て何か言いかけたのはどうしてだ?」
「そ、それは……」 
 王子は口ごもり、俯いた。
 その時だった。アリーナがつかつかと前に出て、王子の横に立った。白い手が閃いて、ぱんっと小気味
よい音が鳴る。
「いい加減にしなさい。言い逃ればかりしていて恥ずかしくないの?」
「この無礼者! 陛下に手を上げるとはなんたること」
「あなたがこの国をメチャクチャにしたんでしょう。それでもこの城と国を守り続けた兵士たちに、そし
て魔物からこの国を解放しようと戦い続けたマーニャとミネアに、何か言うことはないの!?」
 頬を赤く腫らした王子の背後で大臣がギャーギャーと喚いたが、アリーナはきれいに黙殺した。ちなみ
に王子の方も大臣のことなどまったく意識に入ってない様子で、驚愕の表情でアリーナを見つめている。
233 ◆Sj469/wPAw :03/03/22 07:33 ID:l6Q19t1o
 うーむ、仕える相手にまで無視されるとは。気の毒で笑っちまう。
「そなた……サントハイムのアリーナ姫か?」
「ええ、そうよ。お久しぶりね、キングレオ王子」
 キングレオとアリーナのセリフに、今度は僕たちが驚いた。
 この2人、顔見知りか!? ……まあ、曲がりなりにも一国の王子と姫なんだから、知り合いでもおかし
くないんだけど(後でアリーナが話したところによると、親善外交で1回か2回、会った程度だったらしい)。
うーん、アリーナって、やっぱり姫だったんだなぁ。いつもの彼女見てると、とうてい信じられないが。
「くっ……はははは、ふははははははははは!」
 いきなり、王子が哄笑した。
 クリフトとブライがアリーナの側に寄る。2人とも、何気なくしているけれども、何かあってもすぐに
対応できるよう、体を緊張させている。
「それでは、噂は本当だったのだな。アリーナ姫が腕試しのために城を出たという……」
 平手打ちの衝撃で乱れた金髪の下から、王子はアリーナを睨みつけた。
「そなたに私のことが責められるのか!? 身勝手な理由で城を空け、その間にサントハイムは魔物によっ
て滅ぼされてしまったではないか」
「滅んでなんかいないわ!」
 王子の視線に怯まず、アリーナは凛然と頭を上げた。
「そうよ、わたしは武闘家としての腕をあげたくて、そのために城を出たわ。わたしがそうやって勝手
気ままに放浪をしている間に、お父さまや城のみんなは消えてしまった。わたしには、みんなに言わな
ければならない言葉があるわ。だから、わたしはみんなを探し出すの。例え世界中を巡ってでも絶対に」
 アリーナの強い瞳を受け止めきれずに、王子は視線を外した。
「ふ、ふん。城がどうなってるかも知らずに、いい気なものだ」
「どういうこと?」
 鋭くアリーナが聞き返す。だが、王子は鼻で笑って応えようとはしなかった。
 ……動揺は収まったみたいだな。ずいぶんとふてぶてしい態度になってきやがった。

1力ずくで聞き出す
2大臣に聞いてみよう
3兵士に聞いてみよう
う〜ん、流れ的に3推奨。
わーいナナシクラゲさんお帰りなさい!
て、もう遅いか……

「力ずく」を見てみたいので、1
236名前が無い@ただの名無しのようだ:03/03/22 20:30 ID:LP+dYz3f
ここのドラクエニュース笑える(^^ゞ
http://www.ccn.aitai.ne.jp/~pikkee7
>>1のMIDIをイラク情勢板に貼ってきたよ
238 ◆Sj469/wPAw :03/03/23 03:01 ID:5zTv2KEo
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
>234すみません、今回流れを無視した展開かも(;´Д`)
>235ただいまですー。長い間の放置だったのに、皆様の温かいお言葉が嬉しいです。
ありがとうございます。
>236【情報】Location ヘッダがあります。自動的に別のページにジャンプするもの
です。必ずソースをご確認ください。――だそうです。
>237せめて、戦争したがってる人間が最前線に立ってるのなら、少しは彼らの語る
正義が納得できるのかもしれませんが。
ルールは>>75をご覧ください。
3番1票、1番1票で3番に決定いたしました! 

「……要するに、だ。あんたはあくまでも言い逃れを続けるってわけなんだな?」
 僕は王子を思いっきり蔑んだ目で見てやった。
「逃げずに背負っていこうとしてるアリーナとは大違いだ。キングレオ王国の未来は暗いよなあ、こんな
臆病者が王様だってんだから」
 ぴくり、と王子の頬が引きつった。
「もういいよ、別に。どうしてもあんたに情報聞かなきゃならないってわけじゃないし。そっちの兵士た
ちからでも聞くから」
 僕は兵士たちに同情の目を向ける。半分は演技だったけど、半分は本気だった。
「あんたたちも大変だな。こんな愚王に仕えなきゃならないなんて」
 兵士たちが何とも言えない顔になる。まあ、そりゃそうだな。君主を罵倒されつつ慰められても、素直
に嬉しいとは思えないだろな。うんうん、いい兵士だ。キングレオにはもったいないよ、本当に。
「どうせアレだろ? バルザックの甘言にうまうまと乗せられて、魔物を城に引き入れたとか、そんなん
だろ? あげくの果てには騙されて自分も進化の秘法の実験台にされて、化け物になっちゃったりして」
 兵士たちは相変わらず困り顔だったが、気にせずに僕はまくし立てた。本当に聞かせたい相手が、僕の
横でわなわなと震えているのを感じつつ。
「しまったとか思っても後の祭りで、気がつくと魔物に主導権を握られていてさ」
239 ◆Sj469/wPAw :03/03/23 03:01 ID:5zTv2KEo
 ここでため息ひとつ。
「なっさけないよなぁ」
「うるさいうるさいうるさい!」
 とうとう王子が爆発した。
「私はバルザックの甘言に乗せられたわけでも何でもない! 自分の意志で魔物と同盟を結び、自分の意
志で進化の秘法を試したのだ。愚かだと? 臆病だと? だが、何ができるというのだ、この脆弱な人間
の身で。ひとつの城の人間を、すべて消し去ることが出きるほどの圧倒的力を前に! 所詮、この世は強
いものが勝つのだ。魔物も人間も関係ない。ならば、この国にとって少しでも有利なように立ち回るのが
なぜいけない?」
 完全に王子は激昂していた。縛られてなかったら、僕につかみかかってきたんじゃないかと思うほどだ。
……作戦成功。

1さらに煽ってみる
2冷静に問題点を指摘
3王子の言葉を肯定してみる
240アヒャ(゚∀。メ) ◆AhyaL/D8/6 :03/03/23 07:33 ID:kdrJVIu8
聞きながら会話するとBlackな会話になるな
>>1
音が出ません
242名前が無い@ただの名無しのようだ:03/03/23 10:38 ID:ZPglGbad
3でいぢわるく(・∀・)
243名前が無い@ただの名無しのようだ:03/03/23 10:38 ID:6y19+cjk
sage
ん〜、3。
3! そりゃもう!
いぢわる〜くgogo!!!
246 ◆Sj469/wPAw :03/03/24 02:30 ID:STPbJmNa
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
>240今回、流しながら続きを書いてみました(゚∀゚)アヒャ
>241私は出ますよー。PCの環境かな?
>242いぢわる(・A・)イクナイ!(私が言うな
>243age
>244悩みながらも捻った選択をなさいましたね。
>255黒勇者、好きですね?(w
ルールは>>75をご覧ください。
3番1票、1番1票で3番に決定いたしました!

 つまるところこの王子は、サントハイムの消失事件にビビって、魔物に迎合したってことらしい。
 僕は腕組みをして王子を見る。口元の冷笑を隠そうともせずに。
「そうだな、確かに人間は弱いもんなあ。魔物に守ってもらわなきゃ生きていけないよな」
「守ってもらおうと思ったわけではない!」
「そりゃ失敬」
 王子の言葉に、僕は逆らわなかった。
「ま、あんたは賢いのかもな。弱い国は、強い国に従わないと生きていけない。今回は、その相手が
たまたま魔物だっただけだよな。うんうん、あんたは偉いよ。進化の秘法で自分の身を犠牲にしてま
で、この国を守ってきたんだからなぁ」
247 ◆Sj469/wPAw :03/03/24 02:31 ID:STPbJmNa
 王子の顔が真っ赤になった。僕がバカにしてるのがわかったんだろう。まあ、どんなに鈍いヤツで
もわかるぐらい、あからさまにバカにしてやったんだが。
 しかし、口を開いた王子の言葉は弱々しかった。
「……何とでも言え。世の誹りなど覚悟の上だ」
「ご立派なことで」
 吐き捨てるように僕は言った。だんだん自分が投げやりな気分になっていくのがわかる。

1とっとと聞くことを聞こう。これ以上、こいつと話していたくない。
2もう話したくないから、仲間に後を引き継がせる(誰に頼むかもお願いします)
3そういや、トルネコはどうしたっけ?
>>247
3!!!!
3。最近3が多いなぁ。
うまのふん盗むデブオヤジだけど
たまには気づかってあげようよ・・・

というわけで3!!!
251 ◆Sj469/wPAw :03/03/25 05:02 ID:KgR1JBXy
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
>248激しく3を選ばれましたね。
>249そうですねー。3はたいていイロモノ選択なんですが……
>250トルネコへの愛をひしひしと感じます。
ルールは>>75をご覧ください。
3番3票で3番に決定いたしました!

「――そんで、これからどうするだ、あんたは?」
 王子は虚を突かれたような顔になった。まったく考えていなかったらしい。
 僕はさっきよりも深い――今度は演技じゃない――ため息を吐いて、王子の縄を解いた。
「もういいや。あんたとこれ以上話していても仕方なさそうだし。……ただ、覚えておけよ。あんた
が今後も魔物の味方をするってんなら、また倒しに来るぞ」
「ふ、ふん。お前ごときに何ができる。伝説の勇者ですら殺されたというのに」
 縛られていた腕をさすりながら王子が毒づく。だが、僕の顔を見た途端、その表情が凍りついた。
「……ソロ」
 マーニャが後ろから僕の肩にそっと触れた。
 その手が、激情に灼かれそうだった理性を戻してくれた。
 剣の柄にかかっていた手を外して、大きく深呼吸する。二度、三度。
 一瞬、体を駆けめぐった灼熱の塊が鎮まっていくまで。
「……できるさ。僕は一人じゃないからな」
 怯えている王子に向かって、ニヤリと笑ってみせる。 
 そうだ、僕はもう一人じゃない。
 まだ自分が勇者だとは思えないけれど。
 まだ世界のためになんて思えないけれど。
252 ◆Sj469/wPAw :03/03/25 05:02 ID:KgR1JBXy
 そんな風に思えるようになったのは、彼らのおかげ――って、あれ?
 僕は背後を振り返った。
 マーニャ、ミネア、アリーナ、クリフト、ブライ、ライアン(ついでにスラぼう)……1人、足りない。
 そーいやトルネコって、まだ挟まったままなのか?
 と、その時。
「うおっ!」
「うわっ!」
 男2人の声とどすんと言う音が扉付近であがった。
 視線を向ければ、トルネコと大臣がもつれあって転がっていた。うーん、噂をすれば影。
 状況から察するに、こっそり逃げようとした大臣にトルネコがぶつかったってことらしい。詰め所の兵
士もいて、必死で2人を起こそうとしている。

1トルネコも揃ったし、このまま帰ろう。
2大臣をいぢめる
3もうちょっと王子をいぢめる
2で。
1で。
かーえろかえろってことで1


このまま大臣と遊ばずに帰るわけにもいかない!
257 ◆Sj469/wPAw :03/03/26 03:42 ID:tetwBH4S
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
>253淡々と意地悪な選択を(w
>254うむ、順当ですね。
>255帰った場合、スラぼうが活躍する予定でした。
>256最近、ますます黒に磨きがかかってますね、この勇者。
ルールは>>75をご覧ください。
2番2票で、1番1票、先着順で2番に決定いたしました!

「どこへ行くつもりだったのかなー、主を置いて」
 他の仲間たちがトルネコと再会を喜び合う中、僕はしゃがみこんで、大臣を覗きこんだ。
「わ、わわっ、私は別に……っ」
 転んで床に座りこんだ状態で、大臣が後ずさる。
「サ、サントハイムのアリーナ殿下がおられるのなら、それ相応のおもてなしをせねばならぬゆえ、その、
晩餐を命じに……」
 大臣の言葉が耳に入ったのか、アリーナたち3人組が振り返った。
「あら、そんなお気遣いは無用だわ」
「何の先触れもなく訪れたのはこちらですしな。もてなしなどされては、かえって心苦しいというもの」
「キングレオの大臣閣下には、もっと先にやらなければならないことがあるんじゃないかしら?」
 何も言わないクリフトの顔にも、珍しく苦々しい笑みが浮かんでいる。
 後ずさりを続ける大臣のマントを、僕はがっと踏んづけた。
「情報さえもらえれば出て行ってやるから安心しな。――バルザックはどこ行った?」
 大臣は伺うように王子を見た。だが、意外なことに王子は何も言わなかった。
 それで決心がついたのか、大臣が何度も唇を舌で湿しながら口を開いた。
「……サントハイム、だ」
258 ◆Sj469/wPAw :03/03/26 03:43 ID:tetwBH4S
 アリーナたちが息を呑む。
「あれだけ陛下に目をかけていただきながら、バルザックのヤツめ、自分の国が欲しいなどと抜かしおっ
て。完成した進化の秘法を魔物の首領に献上して、サントハイムの城を拝領したのだ」
「拝領ですって……」
 アリーナがギリ、と唇を噛む。
「勝手なことを」
 僕は大臣のマントから足を離し、立ち上がった。聞きたいことは聞いたし、今度こそここをおさらばする
か。
 アリーナは全身を怒りに震わせて、今にも飛び出してしまいそうだ。

1城を出る
2まだ心残りがある(何がしたいかもお願いします)
おいお前ら!!公式サイトでキャラバンハートのフォズたんやキーファ、地図士たんなどの壁紙ダウンロードできますよっ
http://dragonquest.enix.co.jp/
手っ取り早く1で。
牢の中にもう前王はいなかったんだっけ???
いるなら、様子を見に行くで2。いないなら1。
262 ◆Sj469/wPAw :03/03/27 03:20 ID:Vz7PkZIm
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
>259公式サイトってパルプン大陸って言うんですね。
>260そうですね、さっさと出ましょう。
>261いらっしゃいますが……お亡くなりになってます。亡骸はそのままです。
ルールは>>75をご覧ください。
1番1票、2番1票、先着順で1番に決定いたしました!

「サントハイムへ行かれるのですか?」
 部屋を出ようとすると、真っ先に武器を手放した隊長格の兵士が話しかけてきた。
「バルザックは、完成した進化の秘法を自らに施しております。先程までの……変化されていた陛下より
も、さらに強い力を得ているはず。どうぞお気をつけて」
 なるほど。キングレオが試した進化の秘法は、未完成のものだったんだ。
「完成品を試さなくてよかったな、王子。もし完成品だったら、あんた、きっと元の姿には戻れなかった
だろうよ」
 2階の男のように死んでいたに違いない。……と、なると、バルザックも……。
 王子は俯いたまま、こちらを見ようとはしない。
「あんたたちもこれから大変だろうけど、頑張ってね」
 マーニャが隊長格の男の胸をポンと叩く。
「いやー、ご面倒をおかけしましたなぁ。ありがとうございました」
 トルネコは詰め所の兵士とぺこぺこ頭を下げあっている。
「いえ、お礼を言うのはこちらの方です……。先王陛下のことも、私が責任を持ってお弔いいたします」
 兵士の言葉に、ミネアが安心したような表情を見せる。
263 ◆Sj469/wPAw :03/03/27 03:23 ID:Vz7PkZIm
「いろいろとお世話になりました。武器まで貸していただいて……ありがとうございました」
「いえ、それはどうぞお持ちください。この城にあるよりも、あなた方のお役にたてていただいた方が
いいでしょうから」
 ホーリーランスを返そうとしたクリフトに、兵士は首を振った。
 ということは、僕の破邪の剣も返さなくていいってことか。ラッキー。
「本当にありがとうございました。ご武運をお祈りしております」
 深々と頭を下げる兵士たちに見送られて、僕たちはキングレオ城を後にした。
 さて、これからどうしよう?

1サントハイムへ
2コーミズに行ってホイミンと会う

そろそろ終わりが近くなってきましたー。
あと選択肢が2つか3つぐらいだと思います……最近、チャート書いてないの
バレバレ発言ですね(;´Д`)
よろしくお願いいたします。

そろそろ終わりということなので、ホイミンをなんとかしてあげないと……。
ライアンさんとの再会も楽しみでっつ。
できれば、最後までやってほしいね。
2で
バルザック……チキンな漏れの常勝法は「まどろみの剣」だったりする。
下手したら5ターン奴は眠りっぱなしよ…ククク(w

で、2です。
267 ◆Sj469/wPAw :03/03/28 03:22 ID:kXq+pp4N
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
>264よーやくライアンにホイミンのことを説明できるかなと(今回は
ないですが)。再会は……ふふふふふ。
>265最後まで……やってみたい気がなくもないんですが、私には無
理だと思うので。長編発表されてる方とかギャルゲマスターとか、
本当にスゴイなと感心しきりです。
>266バルザックって、キングレオよりも苦労しなかった気がします。
調べたら、HP、キングレオの方が2倍近く高いんですね……。
ルールは>>75をご覧ください。
2番3票で2番に決定いたしました!

 城の外に出ると、太陽はまだ中天にあった。
 かなり長い間城の中にいたような気がするけど、意外に短い時間だったんだな。
「とりあえず、コーミズに一度戻るか」
 キングレオとの戦いで僕たちはボロボロだった。サントハイムのことは気になるけど、一度休まない
とな。
「え、サントハイムに向かわないの?」
 僕の言葉に、アリーナが不満げな顔になる。
「姫様。お気持ちはわかりますが、今すぐというわけにもいきますまい。皆様のことをお考えなされ」
「バルザックはキングレオよりも強敵。十分に体制を整えなければ」
 ブライとクリフトに諭されて、アリーナはみんなの顔をぐるりと見回した。
「そう……ね」
268 ◆Sj469/wPAw :03/03/28 03:23 ID:kXq+pp4N
 軽く唇を噛んで俯いて。だが、すぐに顔を上げて、僕を見つめる。
「それならお願い。わたしだけでも先に行っちゃ駄目かしら。わたしはそんなに疲れてないし、魔力
を回復させる必要もないもの」
「何言ってるの。元気そうに見せかけてたってわかるわよ。お肌の色つやがくすんでるじゃないの」
 マーニャがアリーナの額をこづいた。
 あれだけ激しい戦いの後だ。彼女が疲れてないはずはなかった。回復魔法は傷を癒してくれるけど、
根本的な体力の回復は、それとはまた別の問題だ。
「姫様。無茶はいけません。いまは休息をされるべき時です」
 クリフトもブライもトルネコも……みんなが反対したけれど、アリーナは引かなかった。
「無茶はしないわ。ひとりでバルザックと戦ったりしないって約束する。サントハイムの様子を見るだ
けにするから。サランやテンペや……国のみんながどうなっているのか心配なの。――お願い」

1アリーナを行かせない
2アリーナを行かせる
>>268
1で。
一晩ここで待てるくらいじゃないと国の柱になれませんぞ、とか爺に説教されて欲しい。
爺萌え〜。
>268
同じく1で。
姫に説教する無頼タンとクリフトタンハァハァ
2
アリーナなら無茶をするような気がする。
無理とか言わずにがんばってほすい。
1だね。
1
理由は>>269さんと同じ
1。行かせてどんな惨劇が待ち受けているか、結果を見たい。(外道)
夜中にこっそり宿屋を抜け出そうとして見つかっちゃうのを想像してみる
お転婆娘のアリーナならコレもありかなと

でも行かせない方向で
276 ◆Sj469/wPAw :03/03/29 04:37 ID:luq7p9/M
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
何か今回はいっぱいで嬉しいですー。
>269ブライ萌え同志! セリフ、使わせていただきましたー。
>270説教というか、ケンカになっちゃいました(;´Д`)
>271アリーナは行ったら無茶するでしょうねー。行かせるなら、
やはりお目付役もついていかないと。
>272ありがとうございます。何はともあれ、一度ちゃんと
終わらせて、それから考えます。
>273ブライ萌え同志2人目!! 年輪を感じさせる毒舌が好きです。
>274選択は「行かせない」になってますがOKですか?
>275アリーナですからね。でもブライもその辺はぬかりなく。
ルールは>>75をご覧ください。
1番6票、2番1票で1番に決定いたしました!

「駄目だ。向こうの状態が分からないのに、一人で行くなんて無謀すぎる」
 故郷が魔物に侵されていると知って、いてもたってもいられないアリーナの気持ちはわかるけど、
わざわざ命を捨てるような暴挙を許可するわけにはいかなかった。
「大丈夫ですよ。サントハイムのことは、商人仲間の情報網にあたってみますから」
 ガックリと肩を落としたアリーナをトルネコが慰める。それに小さく礼を言って、しかし、アリ
ーナは決然と顔を上げた。
「でも、行くわ。わたし」
 アリーナはしゃがみこんで、荷物を整理し始めた。
「ごめんね、ソロ。だけどわたし行きたい。行かなきゃならないの」
「落ち着いてください、姫様。姫様が危険を冒して戻られて、それで民が喜ぶとお思いですか?」
 クリフトがしゃがみこんで彼女の手を押さえる。しかし、その手はすぐに振り払われた。
「落ち着いてる。喜ぶとは思わないけど、それでも行くの」
 切り口上で、アリーナは返す。うーん、完全に平常心を失ってるなあ。
277 ◆Sj469/wPAw :03/03/29 04:37 ID:luq7p9/M
「我が儘もいい加減になされ、姫様! 将来、国の柱となる方が、感情に走って愚かな行動をされ
るなど、もってのほか。たった一晩がどうして待てませんのじゃ!」
「――だって、その一晩で誰かが死んでしまうかも知れないじゃない!」
 ブライが一喝すると、案の定、アリーナは激昂した。
「どうして待てなんて言えるの!? たった一日、半日の差で、間に合わないことだってあるかもし
れない。わたしはもう後悔したくないの。みんなを守りたい。誰も死なせたくない。だけど、どん
なに願っていたって、その場にいなければ何もできないのよ!」
「たった一人で行かれて、それでどうなさるおつもりじゃ! 極限まで疲れ切ったお体で、いった
い何ができると!? 逸って敵地に飛びこんでも返り討ちに遭うのが関の山、サントハイムから魔物
を追い出すこともできずに、無駄死にするだけですじゃ!」
 アリーナの剣幕に、ブライも一歩も引かずに怒鳴り返す。
 アリーナもアリーナだけど、ブライもブライだよなあ。仮にも主人によくまあ返り討ちだの無駄
死にだの言えるもんだ。
 しかし、このままここで不毛な応酬を続けていても仕方ない。
 僕が目配せすると、ミネアは軽く頷いてアリーナの横に立った。
「ラリホー」
 ミネアの唱えた眠りの呪文に包まれて、アリーナの膝がガクンと崩れる。慌ててクリフトが支えた。
 ブライが大きく息をつく。
「お説教の邪魔しちゃったかな」
「いや、助かりました。頑固な方ですから、言葉では説得は無理じゃったでしょう」
 すやすやと眠るアリーナを見つめながらブライは呟いた。
「姫様の、気持ちがわからぬわけではないのじゃが……」
「うう……ん…………」
278 ◆Sj469/wPAw :03/03/29 04:38 ID:luq7p9/M
 アリーナが身じろぎする。その様子を見て、マーニャが苦笑した。
「ラリホーじゃ不安ねえ。この分じゃ、目が覚めたら飛び出していっちゃいそうじゃない?」
「まーね。念のため、ラリホーマかけたいところだけど、いま、僕は使えないからなあ」
「あ、そっか。じゃあ、しょうがないわねえ。あたしとミネアで見張るか」
「いや、いっそ縛っておいてくだされ」
 マーニャの語尾に重ねるように、ブライが言う。そこまで言うか、このじいさん……と思ったが、
クリフトもため息をついて「そうするしかないでしょうねえ」などと呟いている。
「……そんなに凄いのか、このお姫さん」
「はい。……あ、いえ、凄いというか、その……一途な方なので」
「城出をするのに、壁を蹴破って出ていくような方だからのう」
 ブライが遠い目をして、またため息をつく。なるほど、納得。
 村に着いたらアリーナは縛ることにして、とりあえずクリフトが彼女を担ぎ、僕たちはコーミズを
目指した。

 しかし、コーミズに着いたら着いたで、僕たちを思いがけない知らせが待ち受けていた。
 ホイミンが姿を消したというのだ。

1ホイミンを探す
2探さない

これが最後の選択肢になります。
よろしくお願いいたします。
3.疲れた、寝る。
1.ホイミンを探す。
やはり、黒勇者らしく、文句いいながら探すのです。
281 ◆Sj469/wPAw :03/03/30 03:30 ID:PDbFOcLC
参加ありがとうございますーヽ(´∀`)ノ

今回はちょっと時間かけたいので、ウプは明日にさせてください。
すみません。
最後が選択肢以外の選択で燃えております。
でも、あんまり2の場合と内容変わらないかも(;´Д`)
少しは変化つけられるように頑張ります!
282 ◆Sj469/wPAw :03/03/31 10:25 ID:gZscAzhc
大変お待たせいたしました。思ったより長くなってしまいましたが、
最後までおつきあいいただけると幸いです。
>279黒勇者らしいと言えばらしい選択(w
>280探すことになったらホイミンの手紙をハケーンする予定でした。
ルールは>>75をご覧ください。
3番「疲れた、寝る。」1票、1番1票、先着順で3番に決定いたしました!

 ホイミンは僕たちがキングレオに向かった後、すぐに姿を消したらしい。
 もしかして追いかけてきてたのかもしれないな。
「ホイミンさん、あんな身でいったいどこへ……」
 ミネアが心配そうな呟く。
 うーん、気にならないでもないけど、僕はもう限界だった。
「疲れた、寝る」
 僕はマーニャたちの家の床に、ずるずるとへたり込んだ。
 何か城から出てきたら疲れがどっときた。よく考えたら僕は昨日完徹だったんだよな。
「ちょっと、ホイミン探さないの!?」
「誘拐されたのならともかく、本人が勝手にいなくなったんだろ。放っておけばいいじゃないか」
 ろれつがうまく回らない。マーニャたちも半徹だったのに元気だなあ。
「そんな……ライアンさんだって会いたいでしょうに」
「いや……」
 クリフトの言葉にライアンが首を振った。
「ホイミンは私には会うまい」
「えっ?」
 みんなが一斉にライアンの方を向く。僕も驚いたけど……駄目だ、本当に限界。
「今日はもう休んで、この話は明日にいたそう。みんな疲れている」
 ライアンの言葉を遠くに聞きながら、僕の意識は眠りの中に引きずりこまれていった。
283 ◆Sj469/wPAw :03/03/31 10:25 ID:gZscAzhc

 翌日。
 昨夜早く眠ったせいか、僕は夜明け前に目覚めた。いつの間にか体には毛布がかけられている。
 周囲を見回すと、野郎どもが雑魚寝している。首を伸ばすと女性陣が寝台で眠っているのが見えた。
 みんなを起こさないようにそっと立ち上がる。
 扉を開いて外に出ると、もう辺りは薄明るくなり始め、朝靄が一面に立ちこめていた。うーん、ちょ
っと寒いかな?
「……勇者様」
 ぶるっと震えたところで、靄の中から人が現れた。スラぼうを腕に抱いたホイミンだった。
「よう。尾行ご苦労さん」
 思いっきり僕は皮肉ってやった。
 そう、僕は気づいていたのだ。僕たちの後ろをホイミンがついてきていたのを。さすがにキングレオ
城には入ってはこなかったけど。
「申し訳ありません。勇者様を信頼してないわけではありませんでしたが、ライアン様のご無事な姿を
確認したくて」
「だったらこそこそ後をつけたりせずに、普通に会えばいいだろ? なんで姿を見せなかったんだ」
 僕たちがキングレオ城から出てきたとき、てっきり現れると思っていたのに。
「……私は、ライアン様には会えないのです」
 ホイミンが俯く。
「私とライアン様の道が分かたれたと前にお話ししましたが、その理由をライアン様からお聞きになり
ましたか?」
「いや、昨日はすぐに眠ったから。今日聞く予定だけど」
「そうですか……。でも、ライアン様はお優しいので、真実はお話にならないかもしれません。――私
がライアン様を裏切った魔物であるということを」
「ホイミン!」
284 ◆Sj469/wPAw :03/03/31 10:26 ID:gZscAzhc
 スラぼうが心配そうな声を上げる。
「いいんだよ、スラぼう。このことで勇者様に斬られるのなら本望だ」
 ホイミンは僕をまっすぐに見つめた。
「なぜ私があなたをすぐに勇者様だとわかったと思われますか? それは、私がかつてデスピサロに仕え
ていたからなのです」
 何だって!?
「私はずっと人間になりたいという夢を抱いていました。ライアン様と同行するようになってからも、そ
の願いは変わらず私の中にありました。ライアン様は故郷バトランドで子供が誘拐された事件を解決した
後、勇者を捜すための旅に出られました。その道中、魔物仲間から勇者の情報を集めていた私は、聞いて
しまったのです。進化の秘法のことを」
 ホイミンが顔を歪める。とても辛そうに。
「愚かな私にとって、それは夢を叶えるための唯一の手段のように思えました。そして、ライアン様の制
止を振り切って、私はデスピサロの元へと参じたのです」
 言葉を切ったホイミンの唇に自嘲の笑みが浮かぶ。
「私がライアン様に協力していたということは、すでに魔物中に広まっていましたが、他の一族にはスラ
イム族の見分けがつかないことをいいことに、私は何とかデスパレス――魔物の城に潜りこむことに成功
しました」
「デスパレスって、リバーサイドの近くにある城か?」
 僕の言葉に、ホイミンは驚いて目を瞠った。
「はい。ご存じだったのですか?」
「行ったことはないけどね」
「……スライム族は、魔物の中でも軽んじられる存在です。それは、私たちがあまり戦いを好まない一族
であり、時に私やこのスラぼうのように人間に対して親しみを覚えるものが現れることが原因なのですが。
ですから、首尾よくデスパレスにたどり着いても、私はデスピサロに会うことすらできませんでした。け
れども進化の秘法を研究する魔物にはかろうじて接触に成功したのです。進化の秘法で人間にもなれるの
かと聞く私に彼は言いました。『試してみるか』と……」
 ホイミンは再び目を伏せた。
285 ◆Sj469/wPAw :03/03/31 10:27 ID:gZscAzhc
「愚かにも私は大喜びでその提案を受け入れました。ですが、進化の秘法によって変化した私は人間でも
魔物でもない、ただ強い破壊衝動のみにつき動かされる異形となってしまったのです。殺したい、壊した
い、切り裂きたい……私の中にあるのは、ただその思いのみ。獲物を求める私を、誰かがルーラで人里へ
と連れていきました。そこには、魔物と戦うライアン様がいらしたのです」
 ホイミンが唇を噛み、首を垂れる。深く深く。
「彼らは知っていたのですね。私がライアン様に付き従っていたホイミスライムだと。魔物の薄笑いに送
られながら、私はライアン様へと向かっていきました。けれど、ライアン様は私をひと目見るなり、迷う
ことなく呼ばれたのです。『ホイミン』と……」
 俯いたホイミンの頬に、涙が流れる。
「見る影もなく変わり果てていた私をあの方はわかってくださった。ライアン様の声で、かろうじて私は
理性を取り戻しました。そうして……その場を逃げ出したのです」
 涙は止めどなく流れ続けてホイミンの頬を濡らす。
「私は愚かでした。自分の望みしか見えていない心狭き存在でした。その上、自分の罪に怯えて逃げ出し
た卑怯者です。そんな私がどうしてライアン様に会えましょうか。会わす顔など……!」
「でも、ホイミンはその後に何人も人間や僕たちを助けてくれたじゃないか! 最後には、自分の命を犠
牲にしてまで。だから天の神様もホイミンを人間にしてくれたんだろう?」
 ホイミンの腕の中で、スラぼうがぷるぷると震えた。その体の一部がするするとのびて、ホイミンの涙
を拭う。
 便利なものだなーなどと、呑気に僕は思う。
 ――ホイミンの話を聞いても、不思議と怒りは湧かなかった。
 以前の僕ならば、一時でもデスピサロに荷担したと言うだけで、斬り捨てていただろうに。……みんな
に毒されたかな。
286 ◆Sj469/wPAw :03/03/31 10:28 ID:+KJUf+6q
「んで、人間になった後はどうしてたんだ」
「……詩人となって、里から里を渡り歩いていました」
「人間になってもホイミンはみんなを助けてたんだよ。ライアン様のことも、陰からずっと守ってた」
 言葉少ななホイミンをスラぽうが捕捉する。
「いいえ、ライアン様は私などが手出ししなくても、1人で十分にやっていけるお方です」
「キングレオ城では捕まってたけどね」
 僕は揚げ足を取ってニヤリと笑った。もっとも、僕たちが助ける前に、ライアンは自分で虜囚状態から
脱出してたから、ホイミンの言うとおり、ある程度、1人で安心して動けるヤツではあるんだろう。
「……ライアン様がこうして勇者様に巡り会われて、私の唯一の気がかりはなくなりました。本当ならば
勇者様にライアン様のことをお願いする前に、私は私の罪を告白しなければいけませんでした。ですが、
ライアン様が勇者様と共にあるのを見たいという私の欲が打算となって、お話しするのを遅らせてしまっ
た……どこまでも私という存在は自分のためにしか動けないのです」
「ホイミン! それは違うって、いつも言ってるじゃないか」
「違わないよ、スラぼう。私は自分の欲を自覚していました。にも関わらず、それを隠してあなたがたを
危地に向かわせたのです。――勇者様、どうぞお気のすむように私をお裁きください」
 ホイミンは僕の前に跪いた。だけど、どんなに探しても僕の中には怒りも憎しみも見つからない。
 少し途方に暮れて、僕は頭をかいた。
「……あのさ、僕は神父じゃないから懺悔されても困るんだ」
 軽い口調で言ってみても、ホイミンは頭を上げない。ああもう。こういうのって苦手だよ。クリフト呼
んできてバトンタッチしたろうか。――って、もちろん本当にはやらないが。
 僕は大きく息を吸いこんだ。
「あんたがライアン救出に必要なことを黙ってたというのならともかく、全然関係なかったんだから怒り
はしないよ。さっきも言ったけど、僕は神父じゃない。神様でもない」
 ついでに言うと勇者でもない。
「だから、僕の知らないあんたの過去の罪を裁くことなんかできない。でも、天の神様があんたのことを
人間にしてくれたってんなら、あんたはもう許されているんじゃないのか?」
 ホイミンは顔を上げる。何も言わないけどわかる。納得してない顔つき。
287 ◆Sj469/wPAw :03/03/31 10:28 ID:+KJUf+6q
「神様以外であんたを許せるのは、あんたしかいない。あんたが自分を許せないというのなら仕方ないさ。
自分を許せるようになるまで頑張って生きな」
「勇者様……」
 だから、それはやめい。
 僕の言葉に、またホイミンは泣いた。でも、それはほんの少しのこと。やがて彼は立ち上がると、スラ
ぼうと一緒に立ち去っていった。
 深々とした礼を残して。
 彼らの姿が完全に見えなくなると、僕の後ろで扉が開いた。振り返ると、案の定ライアンと、マーニャ、
ミネア、トルネコが顔を覗かせている。さっきから気配は感じていたんだ。
「……やっぱり知ってたんだ、ライアン」
「ああ。決して姿を現してはくれなかったが、私を守ってくれる気配はいつも感じていました。魔物との
戦闘で負った怪我が一晩眠ると綺麗に治っていたりしたものだ」
 ホイミンの去っていった方を見つめて、ライアンは遠い目をする。
「いつか会えますよ、きっとね」
 トルネコがポンとライアンの肩を叩いた。彼の言葉に仲間たちも頷いた。
「そういやアリーナたちは?」
「むぐむぐー!」
 僕の言葉とほぼ同時に変な声が聞こえた。肩を竦めるマーニャが扉を大きく開けると、そこには縄で縛
られ、猿ぐつわをされているアリーナがいた。暴れる彼女を必死にブライとクリフトが止めている。
 どうやら僕が寝た後に、本当に縄で縛り上げたらしい。
「目を覚ました途端、大騒ぎしそうになったから、ちょっとね」
 ラリホーかければいいじゃないかとは思ったが、MP無駄使いされるのも嬉しくないので黙っておいた。
 ようやく猿ぐつわを外してもらったアリーナが大きく息をつく。
 だが、さぞかし怒りまくるだろうと思ったのに、彼女はただ不機嫌そうに黙ったままだった。
「姫様、ご無礼をして申し訳ありませんでした」
288 ◆Sj469/wPAw :03/03/31 10:29 ID:+KJUf+6q
 クリフトが謝りながら縄を解く。
「……いいわ」
 縄の跡の残る手首をさすりながら、アリーナはため息混じりに言った。
「わたしも悪かったもの。ホイミンが大切なこと話してるのに気づかなくて。目が覚めた時、ラリホーで
眠らせられたってわかって、カッとなっちゃったの」
「姫様」
 ブライの言いかける言葉を片手で止める。
「ラリホーのことも、今では仕方ないと思ってる。ブライが言ってたことも今なら納得できるわ。それに」
 そうして、瞬きをひとつ。瞳を開いたとき、アリーナの表情はガラッと変わっていた。自分の中に残る
モヤモヤをすべて振り切ったような顔。
「もう時間は過ぎてしまったんだからしょうがないもの。今は一刻も早く支度をして、サントハイムに向
かいましょう!」
 意外に冷静で助かった。ホイミンが話してる間に、アリーナもいろいろ考えたんだろう。
 出発の支度をするために家の中に入ろうとした僕に、ライアンが話しかけてきた。
「ところで……やはり、あなたは勇者殿だったのですな」
 ぴきっと空気が緊張するのがわかった。
「昨日からもしかしたらとは思っていたのですが。言われてみれば、確かに岬のお告げ所で聞かされたと
おりの外見。誠にご無礼いたした」
 マーニャたちが身振りでライアンを止めようとしているが、僕に頭を下げてるライアンは気づいてない。
 僕は一度大きく深呼吸をすると、ライアンを真正面から見据えた。
「岬のお告げ所とやらは知らないが、僕を勇者と呼ぶ人がいるのは知ってる。でも、僕は僕自身をそうは
思ってないし、そう呼ばれるのも好きじゃないんだ。だから、僕のことは普通に名前で呼んでくれ。敬語
もいらない」
 少しだけ、戸惑ったような間があった。だが、僕の口調に何かを感じたのか、ライアンは重々しく頷い
た。
「あいわかった。――私の第一の目的は今果たされた。これからはあなた方と共に旅を続けたいと思うが、
いいだろうか」
「もちろん。あんたは剣の腕も確かだし、一緒に旅をしてくれたら心強い」
 ライアンの差しだした手を僕はしっかりと握った。その途端、背後から柔らかいものに抱きつかれた。
289 ◆Sj469/wPAw :03/03/31 10:29 ID:+KJUf+6q
「んも〜〜、ソロってば成長したわねぇ」
 マーニャが僕を抱きしめて頭をグリグリと撫でる。くっそー、また子供扱いか!?
「……マーニャ」
 僕はできるだけ冷静な声を作った。
「背中になんか当たってるんだけど」
 柔らかいものが2つ。
「まっ、いきなり生意気になって!」
 マーニャは僕から離れると、つまんないわねーと膨れた。そんな彼女をミネアがたしなめる。アリーナ
は縛られて肩が凝ったのか、部屋の中で体操をしている。あまりに勢いよく手足を振り回すので、何か壊
さないかとクリフトがハラハラ見てる。ブライはため息をつきながらヒゲを撫でる。彼らをニコニコ眺め
ながら、トルネコはのんびりと荷物をまとめている。その横に座って、ライアンも支度を始める。
 僕の唇に笑みが浮かぶ。
 これから先のことなんてわからないけど、彼らと一緒なら、きっと。
 ――そうして僕は、仲間たちへの元へと一歩踏み出した。
                                           (終)
290 ◆Sj469/wPAw :03/03/31 10:47 ID:rZ4oTkQ7
これにて、勇者ソロのゲームブックはひとまず終わりです。
ホイミンの過去を勝手に捏造してしまってすみません。
「なんでゲームで会ってくれないのかなー」と考えていたら
こんな話に(;´Д`)

それにしても、長かったですね。
参加して下さっていた方は何人いらっしゃったのでしょうか。
最燃トーナメントから今までの、参加者・ROMすべての方に
感謝を。
また、私の長期不在期間にも忘れずに保守してくださっていた
方々、保管対象外なのにスレを保存してくださったラトームさん
にも、お礼を。
ポロポロと抜けがあったり漏れがあったり設定忘れしてたり
長期留守したり、いい加減な書き手ですみませんでした。
誤字脱字も多いし……特に最燃の時のログは今見ると目も
当てられない(;´Д`)

こんな自分が最後まで続けてこられたのも、レスしてくださる
方がいらしたおかげです。
本当にありがとうございました!
終わっちゃった……終わっちゃったよ。ここだけが俺の憩いの場だったのに……

また、新しいところ探さなきゃ……
えーと、じゃあ
1、ゲームブックを続ける
でおながいします。

と、できれば言いたいですが・・・(´Д⊂
無理は言うまい・・・ナナシクラゲさん、お疲れ様でした!!
漏れも激しく292の1を推奨したいな
御疲れさんでした。
やっぱ最後まで読みたいってのが本音だけど、しょーがないか。
おいらが引き継ごうかなぁ…でもしょぼくなるからやめとこう。w
295とびねずみ ◆Y2NezmymcE :03/04/01 02:47 ID:qXmXb5WP
 おつかれさまですた! 最後まで自分には思いつかないような展開が待っていて
すごく楽しかったでつ。さすがだなあと思いました。
 ゲームブックだとしばらく時間をとって書き続けなくてはいけないので大変だと
思いますが、ここで誕生した黒勇者ソロが好きな人も多いと思うので、単発SSとか
思いつかれたら、是非、書いて欲しいです!
 その日を待ってのスレ保守がてら、良かったら、女勇者リーザの続きを書かせてください。
 続きは、ミントス上陸部分からパデキア取得、ミントスに戻るまでの予定です。
 今までのあらすじは、ざっと書いて今度持って来ます……。
バルザック戦までおいらがやってみようかな……。
多分、ナナシクラゲ様ほど黒勇者をうまく書けないと思うけど。
とりあえず、ナナシクラゲさんがやる気をまた出すまでの場つなぎとして、
4章をゲームブック方式でするか、それともバルザック戦までにするか考え中。
ナナシクラゲさん、どうしましょう?
ナナシクラゲさん長い間お疲れさまでした。

とりあえず、とびねずみさんの女勇者の話も読みたいです。
ゲームブックの続きはそれからでもいいのでは?
でも294さんや296さんは今すぐやりたいのかな?

とびねずみさんは本来なら小説スレで書くべきかもしれないけど
こちらでもなぜかゲームブックが始まってるしね。
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1029930091/l50

どうすれば一番いいかな?
299 ◆Sj469/wPAw :03/04/01 22:19 ID:eAZExri9
あたたかいレスがいっぱい……。・゚・(ノД`)・゚・。
皆様、最後までおつきあい下さいまして、ありがとうございましたー!

続きに関しましては、どうぞ自由にやっちゃってください。
参加者と一緒に作ってきた黒勇者ですから。
自分ももし今後やるとしたら、たぶんワンクエストごとに区切る
やり方になると思うです。
スタンシアラだけとか、ガーデンブルグだけとか。
でも、しばらくは名無しに戻って、その辺を漂って呑気に遊んでます。
こちらで続き(もしくは4章とか)が書かれるのでしたら、そちらにも参加
させてくださいー。

リーザの続きも楽しみにしてます!
パデキアイベント大好きなので、どう書かれるのかワクワクですー。
300とびねずみ ◆Y2NezmymcE :03/04/01 22:27 ID:qXmXb5WP
あ、なんだかお邪魔さんになってしまいますたね……。
298さんの挙げられたスレは、もともと長篇小説&リレー小説(ときどきゲームブック風)が
書かれていたので、私も書くと混乱してしまうから、ナナシクラゲさんの単発SS待ち保守で
ここに書くならお邪魔にならないかなと思ったのですた。
>>199で、ナナシクラゲさんにも「ここでもよいのでは」と書いてもらってますたもので。
書こうとしている話のあらすじは次レスに書いておきます。
301あらすじ ◆Y2NezmymcE :03/04/01 22:29 ID:qXmXb5WP
 山奥の村で勇者となるべく育てられたリーザ。
 だが、その存在ゆえに村は魔物たちに襲われ、全てを失って旅に出る。
「自分がもっとちゃんとした勇者だったら、あんな事にはならなかった」という自責の念から、
仲間に自分の心を開く事もなく、マーニャ・ミネア姉妹は密かに心配していた。
 一方、彼女らの尽力で「人を信じる気持ち」を取り戻したホフマンは、そんなリーザの力に
なりたいと強く願う。とはいえ、強力な技も魔法もない自分に、リーザに信頼され、心を開いて
もらえる価値などあるのだろうかと自問してもいた。
 トルネコが聖水を提供したおかげでのんびりムードの船の上で、ホフマンはリーザの過去を
聞き出す事に成功する。リーザは今までに話した事の無かった過去を涙ながらながらに話し、
ホフマンは過去の凄惨さに驚愕、そんなにも辛い事を自分は無理矢理喋らせたのではないかと
思わず涙し、甲板から自室へ走り去った。
 そんなホフマンを見かけたマーニャは、顛末をリーザから全て聞き出す。そして
「あんたはもうちょっと私たちによっかかってもいい」といいながら抱きしめ、
リーザはその胸圧(?)で失神してしまうのだった。
 失神したまま寝入り、目ざめたリーザを見守っていたのは、マーニャ、ホフマンの2人から
話を聞いたミネアだった。ミネアはリーザを諭す。
「勇者らしく生きようと思うより、自分らしく生きようと思って欲しい」と。
 ミネアと話す中で「勇者」にふさわしくなければならないのだと気を張っていた自分の虚勢に
気付き、ゆっくりと涙するリーザ。頼れるところは仲間を頼り、自分が頑張れる部分は頑張れば
よいのだと、生き方の方針を変えるのだった。
 船旅の終わりを翌日に控えた日、ホフマンとリーザは再び甲板に立っていた。リーザはホフマ
ンのおかげで自分が自由になれたとお礼を述べ、ホフマンから「これからの夢は何か」と問われる。
「勇者らしく生きるより、自分らしく生きること」という答えを出すリーザ。
 対して、自分はリーザが旅に疲れた時にも戻ろうと思えるような、第二の故郷のような町を作り
たい、そこでいつでもリーザを待っていると告げるホフマンだったが、彼の密かな恋心には全く
気付かないリーザなのだった……。
302 ◆Sj469/wPAw :03/04/01 22:29 ID:eAZExri9
あわわわ、書いている間にレスが(;´Д`)

そうですねー、順番としてはとびねずみさんのSS→ゲームブック続き
の方がいいのかな?
小説スレは今、リレー小説と三国志DQ7と、2つ連載があるから、これ
以上は混乱するかもですねえ。
ただ、とびねずみさんのリーザはキャラ萌スレでという方法もあると思う
ですよ。ウプしにくいとおっしゃられてましたけど、特にSSを忌避するムード
ではないですし。ていうか人少ないし。・゚・(ノД`)・゚・。
一応、自分もライラの続きが書けたら、あっちにウプするつもりではあります。
もちろんとびねずみさん次第ですが……。
303 ◆Sj469/wPAw :03/04/01 22:33 ID:eAZExri9
って、また!
自分書くの遅すぎ……。
かえって場を混乱させてしまいましたね、すみません。
304 ◆Sj469/wPAw :03/04/01 22:35 ID:eAZExri9
   ||
 ∧||∧
(  ⌒ ヽ 
 ∪  ノ    
   ∪∪<>302は>298を読んでのもの、>303は300-301を読んでのものです……
自分おちけつ!
305とびねずみ ◆Y2NezmymcE :03/04/01 23:17 ID:qXmXb5WP
>>ナナシクラゲさん
 混乱させてしまってスミマセン。300を書いている間に299を書かれていた模様でっす。
同じ時間につないでいたのですね。仲間仲間仲間〜♪
 キャラ萌えスレに1キャラ萌えなSSを長く書くのって、どうなのかなという迷いがあるままに
なっとりますた。でも、こちらでゲームブックが続くというのであれば、キャラ萌えスレで書いた
方が混乱しないですみますね。あちらに書いてみます。
 皆様お騒がせしてすみませんですた…。

>>299
 パデキアイベントは…、たぶん、イメージされているのとはだいぶ違うです。
氷の洞窟にブライは同行しませんし(自分がブライ無しプレイだったせいもあって)。

>>301は、今までのあらすじですた……。あらすじ書くの下手でスミマセン。
 っていうか、あらすじ書く必要なかったんじゃ… :y=-(▼皿▼)・∵;;  ターン

306296:03/04/01 23:25 ID:37oASjQ0
4章でしてみようかと思いましたが、ナナシクラゲさんのガーデンブルグとかスタンシアラとか
は魅力的ですね。特に、ガーデンブルグ編!期待にハァハァだYO!
とりあえず、バルザックが終わるまで進めたいと思います。
そうすれば、次は天空の武具集めから始められるというようにキリが良くなるから。
私も混ざってよいですか?>とびねずみさん
307296:03/04/02 18:59 ID:C/DZ97gk
【これまでのあらすじ】
突然の魔物の襲撃で、生まれ育った村を滅ぼされてしまった4勇者・ソロ。
自分の村を滅ぼした魔物・デスピサロを倒すため、旅へと出ます。
その途中、ボンモールでマーニャ、ミネアと知り合い、コナンベリーの大灯台
ではトルネコと、ミントスでブライ、アリーナ、クリフトと合流。キングレオ
でホイミンと知り合い、ライアンを助けて欲しいと頼まれた勇者は、魔物に
対するわだかまりを残しながらも、ホイミンの友だちだというスライムの
スラぼうを仲間にして、キングレオ城へと向かいました。
そして、何とかライアンと会うことのできた一行は、そのままキングレオを
倒すために玉座へ目指し、苦戦の末、見事キングレオを倒しました。
その後、故郷を思うあまり一人で先行しようとするアリーナを押しとどめて
コーミズに戻った一行は、ホイミンの悲しい過去と、彼とライアンをつなぐ絆の
深さを知るのでした。魔物に対するわだかまりを少し無くし、一つ精神的に成長
したソロを中心とする導かれし者達の次の目的地は、進化の秘宝で力を得たバル
ザックの支配するアリーナの故郷サントハイム。キングレオを超える進化を果た
したバルザックの力はいかほどなのか……

▼勇者一行の現状
(SS内に登場した装備のみ記載。他の装備は、各章終了時にもっともいい武具を
入手していると考えてください。数値はおおよそのものです。SS内に数値計算は
出てきません。HPは全員満タンです)
勇者:武器は破邪の剣、防具は初期装備
ミネア:武器は鎖がま、タロットも所持
ブライ:安らぎのローブ装備
クリフト:ホーリーランス装備
308296:03/04/02 19:51 ID:C/DZ97gk
というわけで、ゲームブックの続きを書かせてもらおうと思います
基本的なルールについてはナナシクラゲさんの>>75を。

「人気者だなぁ」
僕の視線の先には、マーニャとミネアの二人が村人達に囲まれている姿があった。
姉妹が再び旅立つことを知った村人達が、二人を見送りに村の入り口まで殺到してきたのだ。
それを少し離れた先で見つめるのが、僕とライアンの二人だ。
他のメンバーは、既に船へと向かっている。といっても、もうとっくに船に着いているだろう。
姉妹に別れを告げに来た村人の数はいっこうに減らない。別れが惜しいのか、
いったん姉妹に別れの挨拶を告げた村人が、また列の後ろに並んで二人に別れを告げる
ということの繰り返しだからだ。
 ライアンは先程から沈黙を保ったまま静かにたたずんでいるが、今頃、アリーナは
船上で待ちきれなくてウズウズしているころだろう。アリーナには悪いが、僕は
村人達に水をさそうとは思わない……。こうして、僕が石の上に腰掛けながら
アリーナに対する謝罪と弁解の台詞を考え込んでから早二時間ほどたったろうか。
ようやく姉妹が村人の列から離れてこちらに小走りでやってきた。

「ごめんね〜。皆本当になかなか離してくれないんだから」
「ご迷惑をおかけしました。急ぎましょう」
申し訳なさそうな二人の顔に僕は笑顔で返答した。
「じゃ、行こうか、ライアン」
頷きだけでかえしたライアンが先頭に立って足早に歩き始める。慌てて姉妹がそれに続く。
最後尾に立った僕は、名残惜しげに二人の姉妹を見送る村人達の列を見た後、
前をゆく三人の方へと向かった。
309296:03/04/02 20:10 ID:C/DZ97gk
 「おっそーい!」
甲板に上がった僕らを待っていたのは、あぐらをかいて座り込んだアリーナだった。
アリーナの放つ微妙な殺気に恐れをなしたのか、船員達も近寄らない。
クリフトだけが、そんなアリーナを「姫様、お行儀が悪いです」とたしなめている。
「あはは〜、ごめんね〜。皆なかなか離してくれなくってさ」
「皆さん、申し訳ありません。」
おかんむりなお姫様に、マーニャとミネアは僕とライアンに言ったのと同じ説明をしている。

 そういえば、ブライの爺さんはどうしたんだ……と見ると、
やつは触らぬ神に祟り無しを決めこんでいたらしく、一人、船尾で風に当たっている。
老婆心ながら思うが、かえって体に悪くないだろうか……。
姿が見えないトルネコは、多分、船長と今後の航海の方針を相談しているに違いない。
 とりあえず、僕らが帰ってきたことでアリーナも機嫌を良くしたらしい。
「さ、早くサントハイムへ行きましょう。この大陸ですべきことは、もうないでしょう?」
と、早速僕に持ちかけてくる。

1.ライアンの言っていた岬のお告げ所が気になる。
2.サントハイムへ
310とびねずみ ◆Y2NezmymcE :03/04/02 20:18 ID:trjegpOg
296さん、がんがってくださ〜い!
女勇者のお話は、4キャラスレにて開始いたしますた。お騒がせしますた。

選択は1で!
始まりましたねー。のんびりマイペースで頑張ってください。
すみません、前の時に書き忘れてしまったんですが、勇者は青銅の
盾も持ってましたです。

私も意地悪く1で。
アリーナたんおあずけハァハァということで1
>310 どもです。微妙な短さだけどがんばります。
>311 ガ━━━(;゚Д゚)━━━ン!!!。なんのために何度も読み返したんだ……
>312 うう、やっぱり1ですか。皆して楽させてくれないんですね……。

というわけで、修正。▼勇者一行の現状
(SS内に登場した装備のみ記載。他の装備は、各章終了時にもっともいい武具を
入手していると考えてください。数値はおおよそのものです。SS内に数値計算は
出てきません。HP/MPは全員満タンです)
勇者:武器は破邪の剣、防具は初期装備 左腕に青銅の盾を装備。
ミネア:武器は鎖がま、タロットも所持
ブライ:安らぎのローブ装備
クリフト:ホーリーランス装備
参加ありがとうございます。
基本的なルールについてはナナシクラゲさんの>>75
1番三票。満場一致で1に可決されました。

 サントハイム。確かにこのまま直行するのは魅力的だが、今朝から僕には気になって
いるところがあった。
「ああ。それなんだけどね、アリーナ。サントハイムへ向かう前に寄り道しようと
思っているんだ」
僕を見るアリーナの顔が険しくなる。
「へー、どこへ寄りたいの。ハバリア?あそこは港町といってもお城が出した遷海令
のせいで船の出入りを制限されて以来寂れっ放し。まぁ、本を正せば私達姉妹のせいなんだけど」
ここでマーニャは一端言葉を切ると、ぺろっと舌出した。
「行ってもつまらないわよ。まさか今から南へ進路を取ってモンバーバラで物見遊山でも
しようというわけ?」
表情と違って声音はひどく否定的だ。むぅ、なぜだか知らないが激しく違和感が……
「いや、そんな時間のロスになるようなことはしないよ。僕が行きたいのは昨日ライアン
が漏らした『岬のお告げ所』という所さ」
315296 ◆kYB5EDmqco :03/04/03 18:06 ID:lb8pkksT
しまった……連続トリップ入れ忘れ! 

「ああ、あそこね。ごめん、アリーナ。寄り道先がそこだって言うのなら、私に
ソロを反対することはできないわ」
なぜか納得したマーニャは、あっさりと僕らから離れていった。
「そんなのないよ……」
「御免なさい。アリーナ。私達、以前お告げ所のシスターにとてもお世話になったの。
せっかくの機械だから大陸を離れる前に一言お礼とお別れを言いたいの」
「アリーナ王女。私もそこで受けたお告げのおかげで念願の勇者殿と出会うことができた。
そこへ行けば消えたサントハイム王やお城の者達の行方もわかるやもしれませぬ」
「……わかったわよ。そのかわり、意地でもシスターからお父様達のことを聞き出すのよ、ソロ!」
ミネアの懇願を前に、泣き出しそうな顔をしていたアリーナだが、ライアンの言葉には
耳を動かさずにはいられなかったようだ。振り返って僕を見つめる瞳には先程の弱々しい面影
などかけらもなかった。
「むやみに発破なんてかけないでほしいな、アリーナ」
「ふん。寄り道しようなんて言うソロが悪いのよ」
ごもっともです。
316296 ◆kYB5EDmqco :03/04/03 18:43 ID:lb8pkksT
誤字発見。鬱だ……。機械→機会

昼の陽光を浴びて船は進んでいく。
気分転換なのか腕をぶんぶんと振り回しながらアリーナが僕の前を歩いていく。
ひょっとすると一種の示威行為なのかもしれない。
目線を交わした僕とクリフトが苦笑したときにそれは起こった。
ガタン! 突然船が大きく揺れ、進行を停止した。海水が甲板にザンとかかる。
「きゃっ、何!」
ミネアとブライ、それに僕とクリフトがバランスを崩して反対側の手すりに背中をつけた。
「船が止まった!?それに波が荒れている。このあたりだけ……」
剣を引き抜いたライアンが後ろを覗く。彼の背後からクリフトと僕が後ろをひょいと見ると、
大蛇のような触手が手すりを這い回っている。それが突然僕の隣にいた
クリフトの腕をからめ取ってグルグルと巻き付いた。
「うわぁぁぁ」
「動くな!」
即座にライアンの剣が突き出された。木製の手すりを剣が貫くと同時に、切り落とされた
触手が生き物のように甲板をはね回る。
「きゃあーっ!姉さん、ソロ!」
「しまった!」
僕らが振り向いたときには、ミネアとブライが触手に巻かれて宙に浮き上がっていた。
317296 ◆kYB5EDmqco :03/04/03 19:01 ID:lb8pkksT
 海面を盛り上げて触手の本体が姿を現す。巨大な青のタコの魔物。
リバーサイドに入ろうとする僕らを妨害したダゴンだ。今回は一匹だが、周りにお供の突撃魚
が5,6匹控えている。
「ば、馬鹿な、突撃魚はともかく、ダゴンの生息地は……」
「あっけにとられている場合か、クリフト!」
クリフトがつぶやいている間にも、ダゴンの触手が甲板をはいのぼってきた。
こぎみよい音を立ててライアンが触手に剣を振るう。
ミネアとブライはすでに水中に引きずり込まれかけている。ブライは泡を吹いている。
「ちょうどいい鬱憤はらしになりそうじゃない!ブライ、今行くわよ」
目を細めて魔物を見たアリーナが青いマントを外し、海に飛び込む。
騒ぎを聞いて駆けつけてきたトルネコが船長とともに船乗り達にミネアとブライを助けろと
檄をとばす。
「全く……でも、まぁ、アリーナの言うとおり鬱憤を払うにはちょうどいい」
僕は剣を構えて目の前のダゴンの巨体を睨んだ。

1.負けじとアリーナの後を追って海に飛び込む。
2.呪文で船から援護。(ギラ、ベギラマ、ラリホーマのいずれかより選ぶ)
3.マーニャのメラミで一気にダゴンを焼き払う。
3でタコ焼きにしちゃえ(・∀・)
タコ焼きイイ! 3に賛成。
>313
そもそも自分が最初に書き忘れたのがいけないので気にしないでくだされ……

選択は……悩むなー。
タコ焼きもいいけど、ここは2にしてラリホーマでいってみます。
ジャーン ジャジャジャーン ジャジャジャーン ジャーン ジャーン ジャーン
パラピリポロポ パラッパ ピロッピ ピロポロパラピリピー
322296 ◆kYB5EDmqco :03/04/04 20:46 ID:YuLt+dYM
 参加ありがとうございます。
基本的なルールについてはナナシクラゲさんの>>75
3番2票、二番一票で三番に決定しました。晩餐は、ダゴン焼きで決定ですね。

「マーニャ、味方を巻き込まないように!」
「わかってるって!」
鮮やかな手さばきでマーニャがメラミの火球を発射する。
空気を震わせて火球が飛ぶ。完璧!直撃だ。
だが、ダゴンは振り上げた数本の触手を寄り合わせて対抗する。
「ちぃっ、小賢しいことしてくれるじゃない。可愛げのない!」
火球は触手の壁を突き破り、ダゴンに直撃した。しかし、本体に与えたダメージは壁に
より軽減されてしまった。しゅうしゅうと煙をあげるダゴンの体はこゆるぎもしない。
「それだけではない。海水が炎を弱めてしまったのだ」
反撃とばかり、奴は振り上げた触手をマーニャに飛ばしてくる。
二撃目の呪文に集中したマーニャはよけられない。
ライアンとクリフトは甲板を這い回る触手の牽制に必死だ。
(僕しかいない)
盾を放り捨て、左手でダゴンの触手をつかむ。抵抗するまもなく、
あっという間に僕の体は海中に引きずり込まれた。
323296 ◆kYB5EDmqco :03/04/04 21:11 ID:YuLt+dYM
 引きずり込まれる瞬間、「ソロ!」とマーニャが悲痛な声を出してたっけ。
(心配するほどのことじゃないのにな)
苦笑しながら、僕は右手の剣で手早く触手を切り離し、海面に顔を出す。
ミネアは触手から逃れられないままもがいている。ブライは、アリーナに任せておけば大丈夫だろう。
ミネアの方へ向かおうとした僕は、背中に強烈な打撃を受けてまた海水に沈んだ。
遠ざかる意識を必死で呼び戻して海面に顔を出す。
「ソロ!後ろ!」
船上からかすかにマーニャの声が。反射的に、今度は自分の意志で海中に沈む。
自分のかわりに突き上げた剣に、すさまじい重みがかかる。
なにが来たのかよくわかった。突撃魚の体当たりだ。
(くそっ、水の抵抗さえなければこいつの石頭ごと斬り捨ててやったのに)
三度目の突撃はなかった。僕を襲った突撃魚は向きを変えて船へと突っ込んでいった。
そして、僕の目の前にはダゴンの巨体が……。

1.望むところだ!ダゴンに飛びかかる
2.ミネアの救出へ
3.いったん船へ戻る
4.ラリホーマ
うーん、難しいけど1でお願いします。
325296 ◆kYB5EDmqco :03/04/05 21:32 ID:7LhmNDy1
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
324さんは1えお選ばれました。お見事。正解です。

「くらえ!」
僕はダゴンの触手に足をかけ、バネをきかせて一気に跳躍する。
素早く空中で剣を縦に構え、剣先をダゴンの頭に突き立ててる。
深々と破邪の剣が魔物の体を貫く。ダゴンが白目をむいて、波間に浮いた。
「さすがね、ソロ」
魔物を倒した僕の所にアリーナが泳いできた。
「ブライとミネアさんは無事よ。いっぱい水を飲んでるみたいだけど。魚の方は
マーニャとトルネコさんが片づけたわ。さぁ、船に戻りましょう」
「おお、姫様、ソロ殿。お怪我はないようですね」
クリフトが僕らの無事を喜ぶ。ライアンが船上から腕を伸ばした。
326296 ◆kYB5EDmqco :03/04/05 21:46 ID:7LhmNDy1
 その夜、船の上では酒と食事の晩餐が催された。
「う!こ、これは……」
差し出された料理を見てクリフトが絶句する。突撃魚の活き造りだ。
ついでに、大皿の上にこんがりと焼けたダゴンの触手の串刺しがある。
「ソロもクリフトもなにしてんのよ。すっごくおいしいわよ、これ」
「うむ。大ミミズのスープも絶品だったが、突撃魚もなかなか」
アリーナとライアンの二人だけが平気で食べている。ミネアとブライも食がすすまないようだ。
もちろん、僕も食が進まない。だって、生だし……。
「がっはっは、戦士殿とお姫様はわかってらっしゃる。生き抜くためには魔物も
食べる。それが、働く人間の心意気ってやつでさぁ。さ、一杯どうぞ」
「うむ、心意気だ」「そーよ、ココロイキよ。ココロイキよ」
「姫様、酔っておいでですね!なりませんっ」
「あにいってんのよぉ。酔ってなんかないってば……」
青い顔をしたクリフトがアリーナから酒を取り上げる。
それを横目に見つつ、僕はダゴンの触手を一本取ってかじってみた。
生は嫌だが、こちらを食うのに抵抗はない。
「あ、結構いけるかも!」
「でしょうでしょう。酒に漬けて食うともっと上手いんですぜ」
327296 ◆kYB5EDmqco :03/04/05 22:10 ID:7LhmNDy1
今、気付いた。×1えお ○1を すみませんです。

 僕の言葉で、ミネアとブライもダゴンの触手は食べることにしたようだ。
酒に浸した触手をおそるおそる口に近づける。結果は……
二人とも目を丸くして「上手い!」と反応を示した。微妙に気まずい雰囲気の食卓に
ようやく明るさが戻った。クリフトは、酔ったアリーナに絡まれて青い顔をさらに蒼くしている。
しかし、あくまで酒を死守する姿は、さすがお目付役と言ったところだろうか。
 こうして、宴もたけなわになったころ、僕の後ろからにゅにゅっと腕が二本
出てきて巻きついた。酔っぱらったマーニャだ。
「マーニャ、酒臭いよ」
「ま、この子ったら。本当に生意気になっちゃって」
振り向いて僕はマーニャの顔を見る。酒で上気した頬に赤味がさしているだけで、
金色の瞳は綺麗に透き通ったままだ。酒臭いと言ったのは失敗だった。
「ま、いいんだけどね。ソロのそういう可愛くないところは前からだったしね。
今夜は誘いに来たの。向こうの席で踊って欲しいと頼まれてるの。
でも、一人で踊るのもつまらないし酒の肴にもならないわ。あなたも来なさいよ」

1.喜んでマーニャの誘いを受ける。
2.「上手く踊れないから……」と断る。
1!!
美女の誘いを断るなんて男じゃねぇ!!
329296 ◆kYB5EDmqco :03/04/05 22:33 ID:7LhmNDy1
1.正解。2.自分も触手に捕まる。3.触手に引きずり込まれてあぽ〜ん
4.触手に引きずり込まれるたソロにかわって、アリーナがダゴンをノックアウト。
勇者の面目丸つぶれ……という予定でした。

324さん、正解してくれてありがとう(;´Д⊂ これで予定を一日延ばさずに済みました。  
では、また明日。
330296 ◆kYB5EDmqco :03/04/06 20:13 ID:3KZIEJRc
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
>328さんは1を選びました。

「もちろんいいけど、上手く踊れないよ」
「そんなの気にしないわよ。まさか、わたしに誘われたのが嬉しくないとか言うつもり?」
「そんなことはないよ。マーニャが誘ってくれて本当に嬉しい……」
踊るのは初めてじゃない。故郷の祭りでシンシアと何度も踊った……。
しかし、僕は他人に見せることを意識して
踊ったことなど一度もない。そこが少し不安と言えば不安。
「だいじょーぶ、だいじょーぶ、わたしが上手くあんたに合わせてあげるから」
僕の弱気を見透かしたように根拠の無い言葉で打ち消すと、マーニャは強引に僕の腕を取った。
「じゃ、行くわよ。モンスターと戦うことに比べたら軽い軽い」
 連行された先では、すでにトルネコが腹踊りで場を盛り上げていた。
「トルネコさん、ご苦労様。本命が来たから後は任せて」
マーニャの声を皮切りに待ってましたとばかり、船乗り達の間から歓声が始まる。
「さ!上手く合わせてあげるから、ちゃんとリードしなさいよ」
マーニャが僕の手を上に持ち上げて、くるりと回る。どうしようかと悩んだが、
このまま突っ立っている訳にはいかない。覚悟を決めてステップを踏む。
まだぎこちない僕の動きを見たマーニャが少し苦笑して僕のリズムに合わせ始めた。
僕の動きを邪魔しないように、そして、離れないようにそつなく動く。
僕は上手く動けなかった。緊張して動き辛かったし、何度かパートナーの足を踏んでしまった。
そのたびに観客の船乗り達から笑い声と遠慮ないヤジがあがる。
でも、そんな事がまったく気にならないくらいに楽しかった。
押さえきれずに僕が笑うと、マーニャも軽く微笑んだ。
もう、踊り方なんてどうでも良かった。周囲の喧噪も忘れ、
離れて、近付いて、ターンして、手を取って……踊り続ける。
331296 ◆kYB5EDmqco :03/04/06 21:12 ID:3KZIEJRc
踊り終えた途端、船乗り達からアンコールの声が上がった。けれども、へとへと
になった僕にはそんな体力が残っていなく、残念ながらあきらめるしかなかった。
今は、マーニャがモンバーバラ仕込みの舞を披露して盛り上げている。
思い返せば、マーニャが踊っているところを見るのはこれが初めてだ。
さっきのは二人で踊ったわけだし、マーニャの踊りを観賞するという意味では
今夜が初めてだ。うんと背伸びをして寝そべると、ひときわ大きな歓声があがった。
マーニャの舞が終わったようだ。観客である船乗り達の輪から抜け出した彼女が
僕の所まで近づいてくる。
「さっきはご苦労様」「もういいの?」
「これ以上は一回500Gと言ったら、皆喜んで解放してくれたわよ」
「それは酷い」
「そうかしら? ただで私の踊りをずっと見ようなんていう方が酷いわよ」
そう言うと、マーニャが僕の隣に腰掛ける。
「それより、ソロ。そろそろ星を見るより面白いことが起こるわよ。ミネアの
方を見てごらん」
「ミネア?」
よっと声をあげて起きあがる。そして、僕は見た。遠く離れた席でトルネコを高々と抱えあげたミネアを見た。
ついでに、それに対抗するかのように、アリーナがブライとクリフトを両肩に抱え上げている。
うちの女性陣は強すぎる……。絶句する僕を見てマーニャが面白がるように言った。
「きゃははは、ミネアって酒に酔うと何でもかんでも持ち上げちゃうのよ。
普段だったら行き過ぎるまで飲まない娘だけど、ダゴンの触手を酒に浸して食べてたでしょう?
セーブしそこなったみたいね」
332296 ◆kYB5EDmqco :03/04/06 22:03 ID:3KZIEJRc
 意外な一面。いや、さすがはマーニャの妹と言うべきか。
ひとしきり笑った後、マーニャがヒョイと立ち上がる。
あちらはもう目を覆うような惨状だ。
「さて、しっかり者の姉としては妹の面倒をちゃんとみないとね。ソロ、今日は
色々とありがとう。楽しかったわよ」
「僕も楽しかったよ。久しぶりに思いきり笑えた気がする」
「あんたはなんでもかんでも考えすぎるのよ」
マーニャの声が風に乗った。彼女は暴れ回る妹を押さえると、船室の方へ連れて
いってしまった。アリーナはライアンが押さえ込んでいる。
こうして、マーニャが去った事が宴の幕切れの合図になったのか、船乗り達が晩餐の後片付けを
始める。さて、僕は彼らを手伝ってから寝るとしよう。明日は岬のお告げ所だ。

 翌朝、さすがにミネアとアリーナ早く起きてこなかった。
二人が起き出したのは昼近くになってからである。上陸して馬車で進む中、
二人は二日酔いで痛む頭を押さえている。
「ああ……あれだけ気をつけていたのに、またやってしまったなんて。やっぱり、
魔物なんて食べるべきではありませんでしたわ」
「気持ち悪い〜!クリフト、お願いだから説教はやめて。頭がガンガンする」
苦笑しながらマーニャがミネアの介抱を、クリフトがアリーナを説教しながら介抱している。
無言で手綱をとっていたライアンが指をさす。
「ソロ殿。お告げ所が見えて参りましたぞ」
333296 ◆kYB5EDmqco :03/04/06 22:23 ID:3KZIEJRc
 「これはこれは、見事な装飾ですな……」
奥の部屋に入ったブライが感動したように中を見回す。ブライだけではない、僕らも
一緒だ。部屋の中は、金の彫刻や宝石をちりばべた飾り物で一杯だ。
円をかくように並んだ八つの燭台の魔法でともされたらしい火が部屋をキラキラと輝かせている。
そして、その中央でひときわ大きく真っ赤な火柱をあげる祭壇の影から一人の女性が姿を現した。
「シスター!」
駆け寄ったミネアとマーニャが彼女に抱きつく。ニコリと微笑んでシスターが姉妹を抱きしめる。
「貴女がここの主ですか?」
僕の問いかけに姉妹から体を離してシスターが言った。
「ようこそ、勇者ソロ。ミネア、マーニャ、よく頑張りましたね。
導かれし者たちが出会った今、必ずや邪悪な暗闇を打ち砕くことができるでしょう。
あなたがたが倒すべき相手は、地獄から……」

1.嫌な予感がする。さっさと消えたサントハイムの人々の行方を聞こう。
2.最後まで語らせる。

さぁ、皆はどっちを選ぶ。それと、毎度毎度時間があいた投稿になって御免なさい。
 
334296 ◆kYB5EDmqco :03/04/06 22:26 ID:3KZIEJRc
あげ忘れ……。それはそうと、海辺の村はどうすっかな。
また悩む……けど、1でいってみよう。

海辺の村イベントもぜひ入れましょう!
ちょうどデスピサロの曲を聴いててこのスレ見つけた!
すごい偶然!
337296 ◆kYB5EDmqco :03/04/07 23:20 ID:Vs4BRbpt
 パソコンがBIOS設定画面から動かないという状態になって更新が遅れました。
下手したらこれからも悩まされるかもしれません。更新がなかったら、パソの調子
が悪いと思って笑ってやってください。ごめんなさい。

参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
>335 まぁ、反対意見もないようですから、はぐれメタルの剣フラグをたてときましょうか。
でも、「渇きの石」が手にはいるとは限りませんよ?
では、335さんは1を選ばれました。

 悪いと思ったが僕はシスターの口上に割り込むことにした。
「シスター、僕らにはあまり時間がありません。僕の我が侭に付き合ってくれた
アリーナのためにサントハイムの人々の行方を教えてもらえないでしょうか?」
微妙にトリップしているシスターの肩をつかんで揺さぶる。
「……地獄から甦りし……え、あ、ソロ、なんでしょう。人が話してる最中に
割り込むなんて、お行儀の悪い」
「いえ、だから、そんな意味不明なことよりアリーナのサントハイム……」
シスターが僕の目をじっと見て言った。
「できません」
「は?」
こちらもシスターを見つめる
「たとえもとは魔物といえど、救いを求める者を無下に扱うような人間に神のお告げを
与えるわけにはいきません」
こ、この尼……。はっきりといいやがって。
338296 ◆kYB5EDmqco :03/04/08 00:01 ID:rDojSUuC
 「シ、シスター。そのことについてはソロも十分反省してるから」
「私がサントハイムの人々の行方を占えるのならとうに占っています。お願いですから、
そんな冷たいことをおっしゃらずに……」
突然のシスターの冷たい言葉にマーニャとミネアが泡を食ったように反応する。
「ふふ、冗談ですよ。ミネア、マーニャ。少しお灸を据えてあげただけです。
あなた達がちょっとソロに甘いようなので……」
く、なんて底意地の悪さ。正直、意外だ……。
あっけに取られた僕を見てクスリとシスターが笑った。
そして、うって変わったように沈んだ表情をする。
「御免なさいね、ソロ。意地悪なことを言って。でも、できないというのは本当なのです」
彼女の言葉に僕らは息を飲み、先程からハラハラと不安げに僕らを見ていたアリーナの顔が
今度は本当にこわばった。
「できない……?できないとは、サントハイムの人々の行方を占うことですか」
励ますようにアリーナの肩に手をおいたクリフトが彼女に問う。
「はい。ミネアも先程言っていましたが、占い師は自分に関することは占うことができません。
しかし、私のタブーはそれだけではないのです。自分より古い者、自分より力の強い者に関係した事を、
私は占う事ができないのです。それが、私に課せられた誓約。その誓約に従うことで、
私は普通の占い師達より遙かに強い精度で対象の未来を視ることができるのです」
「しかし、シスター。僕はライアンが貴女からお告げを受けたと聞きました……それは」
僕の疑問を遮るように彼女が解答する。
「あのときは、まだあなた達がそろっていませんでしたから。勇者を中心に導かれし者達が
一つに集うことで、あなた達は運命の輪を動かす存在となりました。運命の輪から外れてし
まったとでも言うべきでしょうか。あなたがたは私より古い者ではありませんが、私より
強い者です」
「さらに、付け加えると、私達を占うことのできるものなどこの世にはいない……と」
ミネアの言葉をシスターが首肯する。
「けれども、心配しないで。ここへ来たことが無駄足になっと決まったわけではありませんから」
339296 ◆kYB5EDmqco :03/04/08 00:45 ID:rDojSUuC
「ソロ、そろそろ準備はできましたか」
ぼんやりとした暗闇の向こうからシスターの声がする。部屋を照らす魔法の火は、
僕が立つ中央の祭壇のものを除き、周囲に散らばった仲間達が全て消した。
あとは、シスターの合図で、僕が彼女から預かった銀の短剣を祭壇のくぼみにはめ込むことで儀式が始まる。
「いつでも」
部屋の中央でひときわ強く燃えさかる燭台の炎を見つめながら僕は答えた。
あのあと、シスターは言った。シスターには僕らの未来を知ることも、
啓示を受けることもできないが、僕らが未来に関する啓示を受けることは自由だ、と。
なんとなく、矛盾した感情が残ったが、僕らはシスターの言葉に従うことにした。
手ぶらでサントハイムへ行くわけにもいかないからだ。銀の短剣をくぼみに向ける。
「差し込むよ」
「では、極力何も考えないようにして、炎を見つめてください、ソロ」
僕が短剣を差し込んだとたん祭壇から真っ赤な火柱あがる。
燃え広がった炎を見て、僕は何を思う。

1.女 2.男 3.シスターの言葉に従う 4.僕が遮ったシスターの前口上
なお、1を選んだ者は、(マーニャ、ミネア、アリーナ、シンシア)のいずれかを連想してもよい。
同じく、2を選んだ者は(トルネコ、ブライ、クリフト、ライアン)のいずれかを連想してもよい。
もちろん、誰も連想しなくてもよい。

あー、今日も長くなってしまった。しかも、変な色づけをしてしまったし、説明も
不十分、鬱田……。原作ファンの方、御免なさい。シスターが死にませんでしたm(_ _)m
炎の中に、燃え落ちた故郷を見ただろうと思うのでつが。
だから、人に限らず、陰惨な風景を見た、という感じで!
341296 ◆kYB5EDmqco :03/04/08 18:52 ID:5MDOHC9r
参加ありがとうございますm(_ _)m ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
340さんの難しい要望です。

その炎が僕の悪夢を呼び起こす。あの日、魔物どもは真っ先に僕の家を襲った。家に
一人残っていた母さんが最初の犠牲者となった。父さんは僕にラリホーの呪文をかけて地下倉庫に
閉じこめた。シンシアはモシャスの呪文で僕に変身して身代わりとなった。勇者を
討ち取ったと勝ち誇る魔物の雄叫び。破壊の呪文で崩れた地下倉庫の煉瓦の壁に覆い被さられ、
僕はシンシアと家族を救えなかった悔しさのなかで気を失ったんだ。その途端、弾けるような音と
ともに閃光がひろがった。空間から現実味が失われていく。
僕らは白い部屋の中にいた。 壁も床も天井も何もかもが白い。仲間のどよめき。
シスターが軽くため息をついた。「どうやら失敗してし……え、これは……」
炎がゆらめくと空間に波紋がおこる。僕らが立っていた白い床が消えた。いや、消えたのではない。
先程まで白い床だったそこが荒れはてた町を映していた。もし神とやらが天上から地上を見下ろすなら、
こんな感じになるのだろうか。
「ここ、アッテムト鉱山だわ。以前見たときよりも酷くなってる……」
マーニャが沈痛な顔をして言った。村の奥にある山を覆うように広がる毒の沼。町を
覆うように山から吹き出す煙は一目で有毒性をもったガスだとわかるくらい毒々しい。
ツルハシや縄、ハシゴは道に散らばったままで、馬車や荷物はひっくり返ってその主人の姿はない。
逃げる気力もないというように座り込む町の人々。
342296 ◆kYB5EDmqco :03/04/08 18:56 ID:5MDOHC9r
「アッテムト?」
「ここから西へ向かった先にある鉱山町ですわ。もとは古代遺跡のある山の麓に
広がる小さな町だったそうですが、山より金が出るということがわかり、遺跡を
掘り返す鉱山町として栄えていました。けれども、ちょうど二年程前を境に、金の
代わりに毒ガスが吹き出すようになり、今では……。」
そこまで言うと、ミネアは唇をかんだ。突然、すさまじい雄叫びが部屋に響く。
「ちょっと、いったい誰よ、こんな大声を出したのは……耳がおかしくなりそう」
「姫様、我らではありません。あれをごらんくだされ」
それまで黙り込んでいたブライが町の入り口を指さす。そこには大挙して襲いくる魔物の大群の姿があった。
奴らは歓声をあげてアッテムトに突っ込んでいく。地獄絵図がひろがる。見ていられないと言うように
トルネコが目をそむける。姉妹は顔面を蒼白にしてアッテムトを襲う悲劇をただ呆然と見つめている。クリフトが
十字を切る。そして、僕の脳裏に、またあの悪夢がよみがえった。……僕は叫んだ。
「もういい、もうたくさんだ!はやく終わってくれ……こんな光景を僕に見せないでくれ」

耳をおさえながらうずくまる僕の肩に誰かが優しく触れてきた……。
「もういいわよ。ソロ。目をあけて。ちゃんと立ちなさい」
「マーニャ……アッテムトは……?」「魔物達の目標は町というより鉱山に
あったようだから。逃げようとする町の人たちには目もくれないで鉱山の入り口
に殺到していったわ。ソロがそこまで悲観する事はないわよ。それより、まだ終わりじゃないみたいよ」
うっすらと目を開けた先にひろがる巨大な大瀑布。思わず吸い込まれそうになる意識を必死で呼び戻し目を凝らす。
巨大な滝の前に立つ男が、腰の袋から無骨な形をした黒い石を取り出し、それを滝にぶつけた。
上から下へ水が流れるように滝が干上がり、立ち上る水しぶきの中から洞窟が姿を現した。
そこで、炎がゆらめき、空間に波紋を起こす。
343296 ◆kYB5EDmqco :03/04/08 19:22 ID:5MDOHC9r
 次に映ったのは、どこかの王宮の廊下。甲冑に身を包んだ二人の男が話し込んでいる。
「ガーデンブルグ……溶岩が道を。サントハイムの、マグマ、杖……」
よく聞き取れない。炎がゆらめく。うっすらとした霧の中、高い塔の窓から1人の女性が顔を出していた。
何故か懐かしい人に会った気がする。霧のせいでよくはっきりと見えない。塔のふもと
から不思議な音楽が流れてくる。笛を吹く男。その音に気づいた女性は、身を乗り出して塔の下を見る。
また、場面が切り替わる。おかげで、彼女の顔の輪郭がつかめない。部屋の中で抱き合う二人。
男が女の名を呼ぶ。「ロザリー」 女が男の名を呼ぶ。「ピサロ様……」
名前なんてどうでもいい。苛立つ思いをこらえ、僕は女性の顔に注意を払う。
やっぱり似てる……「シンシア!?」それが、最後の映像となった。

 気がつけば、部屋は元の空間に戻っていた。シスターがじっと僕を見つめている。
「ここで見たものは、あなた達がこれから旅を続ける中で明らかになっていくでしょう。
さぁ、ソロ、サントハイムへ向かいなさい。進まなければ何も始まりません」
マーニャとミネアの二人がお礼のお辞儀をする。混乱する頭をおさえ、僕は岬のお告げ所を後にした。
 
 その夜、僕は船室の窓から夜空の星を眺めていた。
あのあと、僕らは船上で告げ所で見た内容を整理しあった。しかし、最後に映った
シンシアに似た女性の事で気もそぞろになった僕は、何度も聞き返すという失態を
演じ、ブライに呆れられ、マーニャに余計な心配までかけさせてしまった。
彼女は妹のミネアと一緒に部屋まで僕を見送りについてきた。
「なんというか、ままならないなぁ、僕は……」
ため息をついて目をつむった。寝て忘れてしまえば、明日にはすっきりとした僕に
なれるだろう。

 翌朝、陽光を浴びて進む船上で船乗りの一人が、海岸沿いに村を発見
した。
1.サントハイムへ
2.立ち寄る
2。
345296 ◆kYB5EDmqco :03/04/08 22:34 ID:5MDOHC9r
とりあえず、自分の予定にあるチャート表だと、最悪あと二週間くらいで終わってしまうかもしれません。
ナナシクラゲさん、もうちょっと引き延ばした方がよろしいでしょうか?

>344
嗚呼、皆そんなに渇きの石ならぬ、はぐれメタルの剣が欲しいんですか……
また、最終回が一日延びた……と。
346 ◆9IQOPKuQvw :03/04/09 01:10 ID:owjx1VZO
私のことはまったく気にしないでいいですよー。
296さんのお好きなようになさってください。

選択は2で(w
347 ◆Sj469/wPAw :03/04/09 01:11 ID:owjx1VZO
久しぶりにトリプ入れたら間違えた……鬱
>346はナナシクラゲでございます。
348296 ◆kYB5EDmqco :03/04/09 18:37 ID:O2CA3PdW
>346 わかりました。では、誰かが後に続いてくれることを期待して、頑張っていこう
と思います。

 参加ありがとうございますm(_ _)m ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番2票で2に決定しました。

 「ね?あそこ寄っていかない?」
意外なことに、最初にそう言い出したのはアリーナだった。何故かブライもクリフトも
反論しない。なんとなく複雑な気分だ。だが、僕は敢えて反論する。
「いや、これ以上予定を遅らすわけには……サントハイムへ早く向かおう!」
「私はアリーナに賛成。これも何かの縁よ」 これはマーニャ。
「同じく」 これはミネア。
「拙者も異論はござらぬ」 ライアン。
「私も好奇心がうずきますなぁ〜」 ついでにトルネコ。
「いいじゃない。別に……。一度寄り道したんだから、二度目も同じよ」
そして、また、アリーナ……。
「なんだよ、それは……」
「もっちろん、四度目は困るけどね……。さ、上陸上陸」
こうして、僕らはこの辺鄙な村を訪ねることになった。
さて、吉と出るか、凶と出るか……
349296 ◆kYB5EDmqco :03/04/09 19:11 ID:O2CA3PdW
 「静かな村ですね」
ミネアがぽつりと小さな声をもらす。上陸した僕らを迎えたのは、
潮風と潮騒の鳴る小さな村だった。驚いたことに、四軒しか建造物がない。
手前に見える小屋と宿屋らしき建物、奥の道具屋と武器屋。これで全てだ。
防具屋など地面にゴザを敷いて品物を並べている。
アリーナが元気に駆け回っている子供を捕まえた。
「ねー、ここはなんていう所なのかな?」
「ここは、海辺の村だよ!」

 さして広くもない村であることから、僕らは別れて村をまわることにした。
店にはライアンとトルネコが向かい、アリーナ、ブライ、クリフトの
三人は手前に見える小屋を訪ねる。マーニャとミネアの二人は宿屋で休憩。
さて、残るは僕一人だが……

1.ライアンとトルネコに同行する
2.姉妹と宿屋で休憩する
3.アリーナ達についていく
4.一人でぶらぶら
350296 ◆kYB5EDmqco :03/04/09 19:46 ID:O2CA3PdW
とりあえず、先に聞いておきます。サランの町なんですが、このまま忘れて直行
サントハイムにしようかな……と思っていたりします。寄らせるべきだという人は
意思表明してください。

しかし、2番、図らずもエロティックな感じになってしまった……・゚・(ノД`)・゚・。 
エロティックなんて言われたら2にするしかないでしょう。
てわけで2!
352296 ◆kYB5EDmqco :03/04/10 21:20 ID:3QOmK4v+
 気がつけばゲーマーズターミナルが閉鎖してる……。
参加ありがとうございますm(_ _)m ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
351さんは2を選びました。参ったな……2ですか。
でも、さして要望がないからエロくしなくてもいいんですよね?やっぱ止めた方がいいよね?

 方々に散っていく仲間達。それを見送って僕らは宿屋に入った。
宿の主人が、入ってきた若い女二人と男一人を物珍しげな顔つきで見ながら「お一人様
一泊6Gだよ」と宿代を請求する。とりあえず、皆の分も払っておくか
僕が八人分の料金を払っている間、二人が部屋へ向かう。
料金を払い終えた僕が部屋に入ると、二人とも思いのままの格好でくつろいでいた。
しばらくすると、ミネアはベッドに腰を掛けたまま水晶を磨き始める。
マーニャは椅子に座って足をぶらぶらさせたままだ。僕はベッドに仰向けに倒れ、天井を見た。
 しばし、水晶を磨く手を止めたミネアが呟く。
「思ったよりうるさいですね……」
窓から覗く砂浜にうち寄せる波の音と、窓を叩く潮風の音……。
外では気にならなかったものが、屋内だとかえって耳につくということもあるらしい。
だが、それさえも気にならないほど僕は思索にふけっていた。
シンシアに似た塔の女性。デスピサロに似た名を持つピサロという謎の男。
アリーナは、あれがデスピサロと広言して憚らなかったが、そうなのだろうか。
ロザリーという女性を抱きしめる男の顔はとても優しいものだった……。
そんな男が果たして僕の故郷にあんな残虐な行いをできるものだろうか。
そこまで思い返して僕は一つのことを思い出した。
「そういえば……結局サントハイムの人々の行方はわからなかったんだよな。」
ピシャリと潮風が窓を打つ。
353296 ◆kYB5EDmqco :03/04/10 21:59 ID:3QOmK4v+
 他のヴィジョンについても確かなことはわからないままだ。
告げ所のシスターの説明を思い出す。あれは、「これから起こる未来の出来事そのものであり、
そのときにどう行動すべきかの指針となるものだ」と。
「ともあれ、サントハイムへ行きなさい。全てはそこからです」
別れ際、名残惜しげに姉妹を抱きしめていたシスターの言葉。
こんなところでゆっくりしてていいものか……。
と、そこで突然マーニャがぬっと顔を突きだしてきた。
「うわ!」
思わず飛び上がって後ずさる。「ぴっくりするじゃないか、マーニャ」
さらにグイ!とマーニャが顔を近づけてくる。微妙に目がつりあがっている。
「いくら呼んでも返事しないからよ!」
「御免。考え事してた。それで、何か用?」
互いの息づかいが聞こえるほど接近している。胸の動悸が止まらない。
「暇だから、相手してよ」
「姉さん、疲れてるんじゃなかったの?」
ミネアがため息をついた。
「あんまり退屈すぎるから元気になっちゃったわ。
ふふん、そうねぇ。皆しばらく戻ってこないだろうし……」
マーニャが目を細めて僕をじっと見つめている。何故か悪寒が背中を走る。
354296 ◆kYB5EDmqco :03/04/10 22:42 ID:3QOmK4v+
すみません。353は推敲途中のやつを誤って書き込んでしまったやつです。
↓こちらが完全版です。 

 他のヴィジョンについても確かなことはわからないままだ。
告げ所のシスターの説明を思い出す。「あれは、これから起こる未来の出来事そのものであり、
そのときにどう行動すべきかの指針となるものです」と、彼女は語った。
「ともあれ、サントハイムへ行きなさい。全てはそこからです」
別れ際、名残惜しげに姉妹を抱きしめていたシスターの言葉。
サントハイムで全てが始まるなら、僕はこんなところでゆっくりしてていいものか……。
そこで突然マーニャがぬっと顔を突きだしてきた。
「うわ!」
思わず後ろに飛び上がって後ずさる。「ぴっくりするじゃないか、マーニャ」
僕を追って、さらにグイ!とマーニャが顔を近づけてくる。微妙に目がつりあがっている。
「いくら呼んでも返事しないからよ!」
「御免。考え事してた。それで、何か用?」
互いの息づかいが聞こえるほど接近している。胸の動悸が止まらない。
「暇だから、相手してよ」
「姉さん、疲れてるんじゃなかったの?」
ミネアがため息をついた。
「あんまり退屈すぎるから元気になっちゃったわ。
ふふん、そうねぇ。皆しばらく戻ってこないだろうし……」
マーニャが目を細めて僕をじっと見つめている。何故か悪寒が背中を走る。
355296 ◆kYB5EDmqco :03/04/10 22:56 ID:3QOmK4v+
「ちょ、ちょっと姉さん、何を考えてるの……」
「何って……ふふ、あれに決まってるじゃない。」
不穏な雰囲気を感じ取ったミネアが慌てて立ち上がる。
「あのね、姉さん。それはいくらなんでも、まずすぎるわ。第一ソロはまだ子供よ」
「ふーん、子供ねぇ。子供だからしっかりと教育してあげなくちゃいけないんじゃない?」
「勝手な屁理屈つけないで! 大体姉さんは物事を少し……いえ、もの凄く軽く考えすぎてるわ!
火遊びが火傷で済まなくなったらどうするの!?」
こうして、あっという間に姉妹の喧嘩が始まった。目まぐるしくとびかう
口撃の応酬におされ、僕は一つも口を挟めない。しかし、今回は喧嘩が終わるのもまた
早かった。勝負を決めたのは次のマーニャの言葉だ。
「ミネアだって本当はソロとしたいんでしょう?別にいいのよ、私は。
三人でする?」
それを聞いたミネアが耳まで真っ赤にする。しばらく口をパクパクさせて、怒りのあまり、
後ずさりながら肩を震わせる。
「……もう知らない!姉さんもソロも勝手にすればいいんだわ。ただし、
私の居ないところでやってよね」
そう言い放つと、ミネアは勢いよく扉を開け放ち、部屋から出ていった。
部屋に残されたのは、僕とマーニャの二人だけ……どうする?

1.残る
2.ミネアを追いかける
356296 ◆kYB5EDmqco :03/04/10 22:58 ID:3QOmK4v+
ぎりぎりに挑戦してみた……さて、これからどうしよう?
とーぜん1!
マーニャたんと(;´Д`)ハァハァな展開キヴォン!!
参加ありがとうございますm(_ _)m ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
357さんは、1を選ばれました。……期待させてたら済まない。ハァハァにはなりそうにないんだ。

 「ふ、勝った」
意味もなくマーニャが得意げに拳を掲げる。
「勝ったって……あのなぁ、マーニャ。いくらなんでも冗談が……」
最後まで言葉を続けられなかった。またもマーニャが僕の目前まで顔を接近させてきたためだ。
「冗談だと思う?」
「そんなことより仲直り……」
その言葉も、彼女の金色の瞳を見た瞬間、吸い込まれるように消えてしまった。
マーニャは僕から目を離そうとしない。ただ、じっと見つめている。それが何故か
とても辛く、プレッシャーに耐えかねて僕は瞳をそらした。
「冗談だと思う?」
再度発せられたその言葉を前に後ずさろうとして……僕は体を引き戻された。
いつのまにか彼女に両肩を押さえられていた。
「冗談だとかそんな問題じゃない。大体マーニャの気持ちはどうなんだよ!」
思わず彼女に流されかけた自分を叱咤する。
このままだと本当にまずい。なんとか離れようとするが、体の動きを先読みした
マーニャは僕の抵抗をなんなく押さえ込んでしまう。
「意外とずるいね。こんなときに逃げを打つんだ、君は……でも、逃げたいならもっと
本気で抵抗しないとね」
「だ、だから、マーニャの気持ちは?」
「気持ち?さぁ、それは今後のソロ次第かも……ふふ」
「そっちのほうが卑怯じゃないかー!」
肩に置かれていた手が僕の首の後ろにまわされた。強制的に前を向かされる。
うっすらと目を細めたマーニャが唇を寄せてくる

1.ラリホーマだ!ラリホーマしかない!!
2.大声を出す。
-------------------
自分としては珍しく一レスで終わった。いや、ほんと御免ね。いつも長くて……
359296 ◆kYB5EDmqco :03/04/11 23:59 ID:1dlqj40f
スマソ、トリップ入れ忘れた……
3 マーニャ姉さんの色香に負ける
 
 これでしょう!
361296 ◆kYB5EDmqco :03/04/12 11:01 ID:lwcfh2KF
わぁお! 誰か他には選ばないのか。ROMしてるひとの数が少ないのか、それとも、
三番に異論がないのかどっちなんだろう。
3番でゴー(w
当然3でハァハァ
このスレにエロの二文字はいらん。1,
365296 ◆kYB5EDmqco :03/04/12 21:38 ID:FcfDKNwc
参加ありがとうございますm(_ _)m ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
3番3票、1番1票で「3.マーニャ姉さんの色香に負ける」に決定しました。
>364 スマン。2だったら……

彼女はそのまま唇を薄く開くと、僕の唇にかさねて吸い上げた。
「うっ……んっ……」
マーニャの舌が僕の口腔に進入し舌をからめとる。僕の舌に自分の舌をねっとり
と絡みつけ優しく引き寄せる。さらに唇で挟みこみ、ずるっとスライドさせる。
唾液を流し込み、吸い上げる。いつの間にかベッドに押し倒されていた。
 彼女の長い舌は自由自在に僕の口腔を犯していく。歯の裏をくすぐるように刺激し、
かと思うと激しく舌をねぶりあげる。巧みに舌を愛撫され、僕は完全に理性を奪われてしまった。一瞬淡桃と紅玉のイメージが脳裏を走ったが、唇を離したマーニャの喘ぎを聞いた瞬間、どこかへいってしまった。
「きもちいい? ソロ」
マーニャのキスに、思考能力を奪われた僕は思ったままに答えた。
「とても……いい」
「ふふ、キスくらいでこうなるなんて……本当に可愛いわね。もっと気持ちよくしてあげるから、私の言うことをきいてね」
マーニャの言葉にうっとりとして頷く。
「さて、もういちどキスの復習から……」
そこで、ガシャンと強くガラス窓が叩かれた。さらに、二度、三度とガラス窓が揺れる。窓の向こうから息を切らせたミネアがこちらを覗いている。マーニャが軽く舌打ちすると、僕から離れて窓際へ向かった。
「もう、ミネア、いいところだったのに。興味があるんだったらそんなに興奮しないで、
黙って見ていなさいよ」
「ハァ…あのね、姉さん……。私が、息を切らせてるのは、ここまで、走ってきたからよ。さっき、アリーナ達がトルネコさん達と合流しているのが見えたわ。もう時間切れよ」
「それは残念。ありがとね、ミネア。わざわざ知らせてくれて」
「別にお礼なんて言わなくていいわよ。私、まだ怒ってるんだから……」
「あはは、ソロ。時間切れだってさ。残念!」
ちょうど、扉を開けてアリーナ達が入ってきたので僕は返事をしなかった。「結構面白い話が聞けたわよ〜。あれ、ミネア、なんで外にいるの?」
アリーナの底抜けに明るい声を聞きながら、良かったような良くないような……複雑な気分のまま寝返りをうった。
366296 ◆kYB5EDmqco :03/04/12 22:12 ID:FcfDKNwc
とりあえず、ハァハァを期待していた人、御免。やっぱりできませんでしたm(_ _)m

 「……というわけなのよ」
今はアリーナが、宿で待機していた僕らに村で集めた情報を話しているところだ。
彼女の話によると、この海辺の村は、船を捨て陸にあがった海賊によって作られたそうだ。
しかし、陸にあがった海賊達は世界のどこかの滝の奥深くに集めた財宝を隠したまま……
それは今も見つかっていないらしい。
「で、その財宝の隠し場所までは分からなかったのか?」
「分かってたらとっくにこの村の人たちが見つけてるわよ」
「わたしは財宝よりも、長老が話してくれた“時の砂”の方が気になるわね。それが
あればエンドールのカジノでも……。ね、アリーナ、はやく教えてよ」
そう言って食いつくマーニャに部屋の隅でミネアが小さくなってる。
「姉さんったら…もう少しまともな使い道を思いつけないの? 私、恥ずかしいわ」
アリーナがペロッと舌を出す。
「んー、時の砂については道具屋のご主人が詳しく知ってるそうだけど、今は
営業中だから晩に出直すのが礼儀じゃろうとかなんとか長老に言われちゃったわ」
「それじゃ、気が向いたら晩にお伺いしようか。ところで、クリフト達は?
確か一緒じゃなかった?」
僕の問いにアリーナがポンと手を打つ。
「そうそう、本題があったわ。クリフト達はライアンさんと一緒にある物を探してるわ。
渇きの石って言うんだけど」
「渇きの石……?」
「うん、村のおばさんが教えてくれたのよ。昔この村に渇きの石ってのがあってね。
池に沈めると一瞬で池の水を干上がらせたんだってさ。ね、何かピンと来ない?」
「便利ですね。それがあれば、例え池に物を落としても服を濡らさずにすみそうです」
「もー、ミネアさん、そういうことじゃないわよ。ほら、告げ所で見たじゃない。
男が石を投げつけて滝を止めたのを……。それを聞いたクリフトが『あのお告げに
あったものに間違いない』って言って村中探し回ってるのよ。できれば、ソロ達も手伝って頂戴」

1.手伝う
2.手伝わない
 360で無理をお願いした者です。
 296さん乙彼サマですた〜〜! これ以上えっちな感じはここまでの話に似合わないっすよね。
(わかってるなら、あんな無理を書くなって?   スミマセン、ちょっと書いてみたかったんです)

 選択は1で!
369296 ◆kYB5EDmqco :03/04/13 23:09 ID:YSA1KocG
参加ありがとうございますm(_ _)m ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
一番二票で一番に決定しました。
>368  まぁ、ぱふぱふが標準の世界だから仕方ないですよね(笑

 「はー、全然みつかんないわね……」
打ち寄せる波に向かってアリーナが珊瑚の死骸を投げつけている。
水平線の向こうでは、黄金色の林檎のように輝く太陽が沈もうとしている。
快くアリーナの頼みを引き受けて渇きの石探索に乗り出したは
いいが、あるという話だけで、誰も石の所在を知らないという
ちなみに、マーニャはミネアが連れていった。ミネア曰く
「ソロと姉さんを二人にするとろくなことにならない」らしい。
沈みゆく太陽を眺めながら、「ヒントでもあれば、とっくにこの村総出で財宝探し
に乗り出しておるわ」という長老の言葉を思い出す。
なるほど、確かに腹が立つほど手がかりがない。もっとも、おかげで
「もし見つかったら遠慮なく石はおまえさんがたに進呈しよう。
報告もいらん。どうせ財宝など、この時の流れに埋もれた村には価値などありゃせん」
というありがたい言葉を頂けたと言えるのかもしれない……。
 物を投げるのを止めた……というか飽きたらしいアリーナが木の枝で砂浜に
落書きしている。そろそろ休憩も終わりにするべきだろう。そう思い声をかけようと
した僕は、視界の隅で花束を抱えて砂浜を歩く女性を捉えた。
女性の方でも僕らに気付いたらしく、こちらにニコリと笑顔を向けて挨拶をしてきた。
「あら、こんばんは。珍しい。旅の方ね」
「はい。こんばんは。村の人ですか。こんな時分に一体どちらへ」
「弔いです。ここから少し歩いた先に海賊だった祖先のお墓があるのです」
「墓……こんなところにですか?」
370296 ◆kYB5EDmqco :03/04/13 23:17 ID:YSA1KocG
「ふふ、きちんと土の中に埋まってますからご心配なく。そうだ。あなた方も
一緒にお参りしてくださいませんか? 祖先も喜ぶかと思います」
せっかくのお誘いだ。受けることにしよう。
「アリーナはどうする?」「うん、私も興味あるわ」
膝をあげて立ち上がったアリーナがパンパンと手についた砂を払う。
 そのまま女性の先導に従い、僕らは砂浜を歩き出す。
ときおり勢いよく寄せる波に僕らが付けた足跡が、所々飲まれ、消えていった。
 砂浜から少し離れた場所に墓はあった。
先程まで僕らが居た場所にはもう既に波が押し寄せていた。
「うわ〜、あんなところまで海水が来るんだ」
アリーナが目を丸くする横で、僕は、石らしきものがないかと墓の周辺に
くまなく注意を払っている。
「ふふ、まだ序の口です。夜になるとこの墓も海で死んだ祖先のように、
海の中に沈んでしまうのです。もっとも、昔からそうだったわけではありません。
墓が海に沈むようになったのはここ二、三十年の間だとか。もしかすると、
そのうちこの村も海に飲まれてしまうかもしれませんね……」
墓石を撫でながら女性が悪戯っぽく笑う。
「村が沈んでしまうかもしれないというのはぞっとするけど、海の中に沈む墓
っていうのは想像すると結構壮観ね。ねぇ、丘の上からでも見られるの? それ」
「ええ、もちろん見られますよ。ところで、どうされます?私は海の水が満ちるまで、
もう少しここに残るつもりですが……」
多少期待してここへ来たわけだが、残念なことに石はこのあたりにはなかった。

371296 ◆kYB5EDmqco :03/04/13 23:22 ID:YSA1KocG
アリーナを促して立ち去ろうとする。別れ際、何を思ったか、アリーナが女性に石の
事について問い質した。
「渇きの石……ですか。なんにせよ、村の中、家屋の周辺にはないと思います。
あるならとっくに誰かが見つけているはずです。狭い村ですから、何か変化があれば
すぐに知れ渡ります。見つけた者が財宝探しに出たという話も聞きませんので」
丁寧に答えてくれた女性に礼を言って僕らは墓を後にした。
「村の中にはない……か。結構いいこと聞けちゃったわね、ソロ。」
ぶんぶんと腕を振り回すアリーナ。多少なりとも進展があったのが嬉しいのだろう。
すでに陽は沈み、空を宵闇が支配しようとしている。

1.いったん宿屋へ戻る
2.砂浜付近一帯を散策。

くっ、2レスならず……もうちょっと369番のやつを長くすれば良かったかな
2 アリーナとお散歩して帰ってクリフトに嫉妬されるという展開は





 別にきぼんしてませんがw あってもいいと思うけどw
2 アリーナとお散歩して帰ってクリフトに嫉妬されるという展開

これ、かなりいい!是非お願いします!
374296 ◆kYB5EDmqco :03/04/15 00:45 ID:9N2PDdjf
 参加ありがとうございますー。ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
二番二票で二番に決定しました。

 女性と別れた後、潮が満ちる砂浜で、再び僕らは石の捜索を続けた。
「村の中にないって言ってたけど、まさか村の外へ出なきゃってことはないはずだから、この海岸沿いのどこかなんだろうけど」
「それでも、もう限界かしら。ソロはどうする?」
当たるを幸いに一通り怪しいところを見て回ったけれども、やはり影も形もない。
「そろそろ宿へ戻ろうか……」
「そうね。あ〜あ、多分今頃に帰ったらクリフトとブライから説教されちゃうんだ
ろうなぁ」
「別に夜遊びしてるわけじゃないだろうに」
「目的があってもあの二人には関係ないわよ。王女ともあろう御方がこんな時間まで
どこをうろついていたのですか!!って開口一番怒鳴る……。賭けてもいいわよ」
「はは……」
「笑い事じゃないわよ。ソロ。あなたもきっと同罪よ。
覚悟してなさいよ。クリフトの話が終わったと思ったら、間髪入れずにブライが
引き継ぐんだから。あれを受けるとしばらくノイローゼになるからね」
月明かりの下、海水に浸る砂浜を眺めながら二人でとりとめもない話をした。
「まぁ、これ以上遅くなっても同じだろ。アリーナ、せっかくだから海に沈む墓でも
見に行こうよ」
「あ、それがいいわ。説教をくらう間にそれを思い浮かべてやり過ごしますか」
ちょうど月が雲に隠れ、僕らの居る場所を夜の闇が覆う。
闇の向こうでアリーナが悪戯っぽく笑ったような気がした。
375296 ◆kYB5EDmqco :03/04/15 00:54 ID:9N2PDdjf
月光で透ける海面に、ゆらめく墓石が映っている。
僕はさほど感銘を受けなかったが、アリーナは違うようだ。
瞳を輝かせて熱心に見入っている。墓といえば……故郷の皆には墓すら作って
やれなかった。気が付いたらブランカ城で審問を受けさせられていたのだから
仕方がないと言えば仕方がない。この旅が終わったら、まずは皆を弔わないと
いけない……。世話になった人々の弔いすらしていない自分に思わず滅入る……
だから、こんな無責任なことを言ってしまったのかもしれない。
「……結局サントハイムの人々の行方はわからずじまいだったね、御免」
二瞬ほどの沈黙の後、ぽつりとアリーナが呟く。
「……ソロ、私はね、あなたと違ってお父様やお城の皆の死を見たわけじゃない。
だから、信じられるの。お父様は無事だって、城の皆も生きているって……」
アリーナの言葉が胸に痛かった。そう言い切れるアリーナがうらやましかった。
わけもない衝動にかられ、彼女の後ろ姿から目をそらす。
「あら?あれは何かしら……ソロ」
一瞬、気まずい雰囲気を打ち消すための言葉……と思ったが、違った。
墓石からさらに離れたところ、そこだけ、まるでくり抜かれたように海水が
届いていない。透明の壁でもあるかのように海の水が左右に別れて水のない空間を
作り上げている。不自然に乾いた場所。
「ひょっとして……」
そう言って駆け出した彼女は、しばらくしてから肩に縄を担いで戻ってきた。
「ソロ、これをそこの木に縛り付けて。さほど波は強くないみたいけど、
用心のためだから」
「待てよ、アリーナ。せめて朝まで待てないのか。今は危険かもしれないじゃないか」
「いいじゃない。今すぐ見に行きたいのよ」
「なら、僕に代われ」
「え?でも、もう、腰に巻き付けちゃったし……私が行くわ。それに、後であなたも濡れるから一緒よ」
「は?」 「いいから。早く木に縄を巻き付けてよ」
結局押し切られてしまい、僕は渋々ロープを木に巻き付けることになった。
手際よくマントを脱ぎ捨てると、彼女は水の中へ飛び込んでいった。
「じゃ、行って来るわね。マントをよろしく。おみやげは期待してていいから」
376296 ◆kYB5EDmqco :03/04/15 00:55 ID:9N2PDdjf
軽口を叩くだけあってアリーナの水練は達者なものだった。
危なげなく目的のの場所まで泳ぎ着く。
「ふわ〜、本当にここだけ水がきてないわ。ねぇ、どんな感じに見える?
孤島に取り残されたお姫様って感じかしら?」
「縄がよけいだよ」
思わず笑ってしまう。ほどなくアリーナが、足下から黒く光る石をなんなく取り出した。
「いいわよ」
合図を受けて僕は縄を握りしめる。アリーナが腰の袋の中に放り込む。
その瞬間、袋の口を閉じるように海水が迫る。そうはさせじと僕は縄を力一杯引く。
きわどいタイミングでアリーナがいた場所を元通り水が飲み込む。
バシャバシャと縄をたぐり寄せるように泳ぎながら戻ってくるアリーナを見て
ホッと一息ついた。
「寿命が縮むかと思ったよ、」
苦笑しながら僕はアリーナに腕を差し出した。差し出された僕の手をアリーナが掴む。
「えい!」
かけ声一つ。突然の事に抵抗する間もなく海へ。慌てて縄をつかんで浮上する。
「なにするんだよ、アリーナ」
「うん、私一人濡れっぽなしじゃ不公平でしょ」
僕の抗議をどこ吹く風とあしらうアリーナ。内心思うことがたくさんあったが、
憮然とした僕の面を見て気持ちよく笑うアリーナを見たらどうでもよくなった。
そのまま海水に浸かったまま僕も笑った。潮騒をかき消すほどの大声で、二人でいつまでも笑い合った。
377296 ◆kYB5EDmqco :03/04/15 01:00 ID:9N2PDdjf
 びしょ濡れで帰った僕らを待っていたのは仲間達の説教だった。アリーナは、
ミネアに頭を拭かれながら、クリフトとブライの永久機関のように遅滞なく連携の続く説教を、
うんざりした顔で聞いている。僕の頭を拭くマーニャは何も言わないが、その手に込められた力が彼女の心情を雄弁に物語っている。
「それにしても、ソロ殿もソロ殿です。何かあったらどうするつもりだったのです?」
突然、クリフトの矛先が僕に変わる。向こうでアリーナが「言ったとおりでしょう?」
という感じで僕に目配せしてくる。
「え、あ……いや、その、あの、御免……」
普段よりもはるかに真剣なクリフトに突然詰め寄られて、どう反応していいのかわからず、どもった口調になってしまった。
珍しく語気を荒くしたクリフトに、アリーナの頭をタオルで拭いていたミネアが驚き、マーニャが……ニヤニヤしている。
全くこの人は何を考えているんだか……
「まぁまぁ、皆さん、そろそろお開きにしようじゃありませんか。明日にはとうとうサントハイムですよ」
珍しくトルネコが助け船を出してくれた。クリフトはまだ何か言いたそうだったが、
今日は妥協したらしい。むっつりとしたままベッドの方へ歩いていった。

 こうして、海辺の村での短い一日は終わった。翌朝、北へと向けて船が出航する。
順調にいけば、明日こそバルザックの支配するサントハイムに着く。

1.まずはサランへ
2.サントハイムへ向かう
1 サランへ!
 吟遊詩人の歌を聞いて欲しいでつ
379296 ◆kYB5EDmqco :03/04/15 01:15 ID:9N2PDdjf
無理だった。372さん、373さん、御免。クリアリから目を背けて早十年な自分には、ご要望通り
書けませんでした。というか、自分にとってサントハイム一行というのは、アリーナ=黄門様、
クリフト=格さん、ブライ=助さん、という構図なんで……
アリーナに想いを寄せるクリフトというのが未だに想像できなかったりします。
ども、すみませんm(_ _)m

それはそうと、ただ船と書くのも味気ないので、船の名前を募集してみます。>思いつくの遅すぎ
お好きなのをどうぞ。もちろん、以下の3択に付け足しても良いです。

1.トリスタン号
2.エスクード号
3.ポポロ号
何故、この名がないのですか


   麗 し の ネ ネ 号


 トルネコの船なんだから、ネネの名前いれなくっちゃあ!
381296 ◆kYB5EDmqco :03/04/15 20:48 ID:9N2PDdjf
うーん、意見がないということは“麗しのネネ号”でオッケーということか……
普通にネネ号と言われなかったのに安心していたりする。
382296 ◆kYB5EDmqco :03/04/16 00:43 ID:D2e2irhG
よそのサイトのSSを読んでたら遅くなった。スマソ。
参加ありがとうございます。ルールはナナシクラゲさんの>>75を。378さんは1を選ばれました。

 「この船は、サントハイムの西にある入り江に隠すのが良かろう」
ブライが船長に、船の隠し場所を指示した。そこはぎりぎりまで樹木におおわれていて、
“麗しのネネ号”をすっぽりと隠すことができた。これなら僕らが上陸するのも
魔物どもに気付かれなくてすみそうだ。
「サントハイム城はあたしの城よ。さっそく乗り込んでバルザックのやつを倒してやる」
闘志をむき出しにしているアリーナの肩にミネアが手を置く。
マーニャもそびえるサントハイム城にバルザックの姿を映しているようだ。
先程から城をじっと見据えたまま目を離さない。
「姫様、まずはサランの町の様子を見に行くという予定です。サントハイム
城はすでに魔物の巣窟となっているのですから、一刻を争うというわけではありません」
クリフトの慎重な面持ちを前にして、アリーナが不承不承といった感じで頷く。
「では、案内を頼みます」
僕の言葉を聞いてアリーナ達三人が前に出る。
そして、僕らは三人の先導でサントハイムの城下町サランへ向かった。

 「!これは……惨いわね」
マーニャが顔をしかめて町を見る。先に町の中に入ったアリーナとクリフトは、
無惨に荒れ果てた町の様子に足をすくませている。花々の咲き乱れ居ていた花壇
はめちゃくちゃに荒らされ、町の中を流れる小川の水もドス黒く濁っている。
商店は閉ざされ、住人達は家の中に隠れるように閉じこもっている。
『サラン武具防具連盟』と書かれた立て看板が無惨に折れ曲がっている。
「ひどい、これがあの楽しかったサランの町なの……」
怒りも露わにアリーナが呟いた。

1.ひとまず教会へ。
2.魔物どもが許せない。サントハイムへ。

とりあえず、他の意見もないようなので船の名前は「麗しのネネ号」に決定します。
しかし、今のペースって早いのか遅いのかよくわからない……
3。魔法の鍵を使っていける武器屋へ  って、魔法の鍵は持ってなかったっけ……?

 このゲームブックは参加される人がいたりいなかったりしてましたので、あんまり気に
しないで進められてはどうですか〜。
384296 ◆kYB5EDmqco :03/04/16 21:52 ID:D2e2irhG
くっ、納期は明日だというのに……というわけで、今日は早めに更新。
参加ありがとうございます。ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
>383さんの要望の「3。魔法の鍵を使っていける武器屋へ」に決定しました。

 クリフトとブライが町中を駆け回って様子を調べた。
「姫様、教会にマローニ殿が!」
クリフトの声を聞いたアリーナが教会へ走る。僕たちもアリーナの後を追った。

「ゴホゴホ……これはアリーナ様。お久しゅう……病臥の身ゆえご無礼をお許しください」
シスターに案内された部屋にいたのは、ベッドで横たわる美しい吟遊詩人の男だった。
顔に似合わぬしゃがれた声をしている。
「マローニ……その声は、それにその有様は一体何? どうしたというの」
「ふふ……心配無用。歌に声の美醜など関係ありません。せっかくの新作を披露する機会。
この再会の喜びを歌に……ゴホッ!」
「やめて、マローニ! 無茶をしては駄目。私が話します……姫様、マローニは半年ほど前に
彼の評判を耳にしたバルザックという魔物に脅されたのです。
魔族を称える歌を歌えと。歌わなければサランの町を壊すと脅され、マローニは仕方なく歌を……」
「わからないわ、シスター。マローニは要求どおり歌ったんでしょう……なのになんで?」
「あの醜い魔物の心なんて私にわかるはずがありません。あの魔物は、歌い終えた
マローニを誉めた後、彼から声を奪いました。そして、その後サランの町を荒らすように命令を…」
「ははは……さすがに無茶をしすぎましたね。約束が違うと詰め寄ったばかりに
声どころか体までこの様です。ゴホ! 私も姫様のように武術でも習って……ゴホッゴホッ!」
せき込むマローニをシスターが労る。
「許せない。絶対に許せないわ……」
マーニャがドン!と壁を叩く。ミネアも姉をたしなめてはいるが、彼女の普段と違い
怜悧な輝きを宿した金の瞳が、姉と同じ心情であることを示している。
「行きましょう!サントハイムへ。これ以上あいつを野放しにしていられないわ!
父さんの娘として」
「マローニ、御免なさい……私達がもっと早くきていれば……」
「いえ、もったいのぅ……。これも私の巡り合わせです。もともと私の本来の
声は美声などではなかったのですから……」
385296 ◆kYB5EDmqco :03/04/16 22:01 ID:D2e2irhG
僕らの方に振り返ったアリーナが高らかに宣言する。
「こうなればサントハイムへ直接乗り込むまでです。ここまでされて、黙って
いられるものですか!」
「……姫様、お待ちを」
アリーナの言葉に頷き、城へ向かおうとする僕らをマローニが引き留めた。
「……サントハイムに魔物が住み着くようになってから、このあたりの魔物ども
の勢力も変わりました。もう以前のサントハイムではありません。ここに右の棟の
鍵があります。今は亡き村長が姫様のお帰りを信じて私に託したものです。
これを使って右の棟の武器屋で準備を……」
マローニの言葉にアリーナが微笑む。
「大丈夫よ、私達の持ってる鍵で開けられない扉なんて牢屋だけよ。それにしても、
あの爺さん、やっぱり鍵持ってたんじゃない! 無くしたとかほざいてたくせに!」
突然王女らしからぬ悪態をつくアリーナにマローニとシスターが笑った。
僕らもつられて笑う。クリフトとブライだけがしかめっ面をしている。
「……本当に全くお変わり無い。安心しました。疲れたので私は眠ります。
果報は寝て待てと言いますから」
マローニに労いの言葉をかけてから、僕らは右の棟へ向かった。

 マローニの病室から降りて右の棟へ入る。鍵の掛かった扉をなんなく開けた
僕らは階段を上ってマローニの言った武器屋へ向かった。
途中、教会と棟を繋ぐアーチでアリーナが立ち止まった。僕らをのぞいて仲間が
店内に入っても動こうともしない。
「アリーナ?」
「御免。今行くわ。あたし、ここに来るのは初めてなの……。前からここへ来たいと思って
何度もあの扉を開けてとおねだりしたんだけど、サランの村長は頼みを聞いてくれなかった……。
こんな形で願いがかなうなんてね……」
それだけ言うと、彼女も店の中へ入っていった。軽く首を振って僕も店内へ向かった。
386296 ◆kYB5EDmqco :03/04/16 22:13 ID:D2e2irhG
武器屋は確かになかなかの品揃えだったが、正直リバーサイドの方が上だ。
めぼしいものは、リバーサイドで買いそびれたバトルアックス(5500G)と、
身かわしの服(3000G)と鉄仮面(3500G)。正直、理力の杖と鋼の剣は買っても仕方がなさそうだ。
買うならば、身かわしの服かバトルアックスのどちらかだろう。
現在所持金は8000Gある。

1.リバーサイドで買い込むために節約する。
2.バトルアックスを買ってソロの破邪の剣を売ってしまう。
3.身かわしの服を買う。
---------------------
マローニの歌が聞きたいと言った378さん、スマソ……m(_ _)m

387296 ◆kYB5EDmqco :03/04/16 23:23 ID:D2e2irhG
そんなこんなで読み返してるんですが(自分の誤字とか下手な表現に目をつぶって)、
ナナシクラゲさんの頃からこのスレ的にはマーニャが大人気なのかな。マーニャフラグ向け
な選択肢を書く一方で、ミネアフラグ向けの選択肢も潜ませてるのに誰も選択しなかったし……(笑
3で。
389名前が無い@ただの名無しのようだ:03/04/18 15:44 ID:lNpyHg18
2で。
390296 ◆kYB5EDmqco :03/04/18 23:48 ID:k9l1tCTB
 良かった。今日はレスがあった。更新できるよぅ……(;´д⊂)
参加ありがとうございますーヽ(´∀`)ノ ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
388さんは3を、389さんは2を選びました。先着順で388さんの3に決定です。  あれこれと悩んだものの、結局身かわしの服を選ぶことにした。

そのあとも、誰が装備するか……というより、アリーナとマーニャのどちらが装備
するかで揉めることになったが、「アリーナは頑丈だ。マーニャが着たほうがいいよ」
という僕の発言が決め手になり、マーニャが着ることになった。
「わたしの肉体美が損なわれる」とか叫んでしぶしぶ試着室に入っていたマーニャだったが、
部屋から出る頃には、彼女なりに動きやすい身かわしの服を気に入ったようだ。今は鏡の前で
ステップを踏んで着心地の良さを満喫している。そういえば、踊り子の服はどうしたんだろう?

1.「そういえば、マーニャ、踊り子の服は?」と聞いてみる。
2.「マーニャ、いらないなら踊り子の服をくれ!」と言う。
3.そんなことどうでもいいか。

色々悩んだけど、選択肢をいれることにした。先に進みたい病をぐっとぐっとこらえる。
悩んだよ、ちくしょー!
この選択肢だったら、やっぱ2かなあ…w
>どちらが装備 するかで揉めることになったが
揉・・・

というのはいいとして3で。
参加ありがとうございますーヽ(´∀`)ノ ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
2番1票、3番1票。先着順で2番に決定しました。
>392 何を想像してるんですかー。

 いや、考えるまでもない。身かわしの服を装備したということは、踊り子の服は
もういらないはず。もらってとっておけば、モンバーバラで高く売ることができる。
一体どれだけ高く売れるのだろうか……期待と緊張のあまり心臓が早鐘のように鼓動を打つ。
「マーニャ、話があるんだ……」
「え? な、なな何かしら……」
かつてない期待感の高まりから、つい力がこもってしまった。変に思われたらどうするんだ。
少し、深呼吸をして呼吸を落ち着ける。姉の隣にいるミネアが驚いたように僕を凝視しているのも不思議だが、
マーニャも何故声を裏返しているんだろう。
「頼む、僕のために……」
「え、え、ええ……」
「いらなくなった君の踊り子の服をくれ!」
「…………え?」
あらゆる可能性を探っていたらしい彼女だが、どうもこれは予想外だったらしい。
思わず聞き返してきた。
「いや、だから、いらなくなった踊り子の服をください」

 僕と仲間達の間をピョーッと北風が走り抜けていった。バタバタと彼女のスカートが揺れる。
「ソロ、色々辛いことがあるんだろーけど、それだけは駄目よ。女装してストレス解消だなんて……」
目を閉じたマーニャがフラっと後ろに倒れる。隣にいたミネアが慌てて彼女を抱きしめる。
「ちょ、ちょっと待て。何変な誤解をしているんだ。こら、起きてくれ、起きるんだ」
慌てて駆け寄るも、マーニャは「うーむ……」とうなるだけで目を開けない。
「勇者様、私、見損ないました」
姉を抱えたミネアが氷のまなざしで僕を見る。
「いや、だからだね、ミネア……」
「私達姉妹に近寄らないでください。それ以上近寄ると容赦しませんよ」
「あーあ、ちょっと期待して損しちゃった……。ブライ、クリフト、先にお城へ向かいましょう」
「そうですね、姫様」「勇者殿の趣味が女装だったとはのぉ」
「ソロくん。こんど、いい服を仕入れてきますよ。女性の服をね」
好き放題言って仲間達が次々と店の外へ出ていった。
「待て、誤解するなと言ってるだろう」
慌てて皆を追う僕に、ミネアの肩越しからマーニャが悪戯っぽく笑顔を向けてきた。
くそ、やっぱり確信犯か……
店のオヤジの大爆笑を背に、僕はサランの武器屋を出ていった。
 「さ、こっちよ。こっち……あ、そこは駄目。足音がたつから」
アリーナが先頭に立って僕らをサントハイムへ導いた。
間近にみるサントハイム城は不気味に静まり返っていて、人の気配は全くない。
「静かね、あの詩人さんから聞かなかったらバルザックはいないんじゃないかと
思ってしまうわ」
「姉さん、人だったらこうはいかないわ。ここには間違いなく大勢の魔物がいる」
忍び込んだ城の中は重い空気に満ちていた。
アリーナ、ブライ、クリフトが眉をひそめる。城の中は蜘蛛の巣がかかり、壁は
崩れ、見るも無惨な有様だ。
「くっ、せめてもう少し人並みに掃除しようとは思わないのかしら」
忍び足で戦闘を走るアリーナが愚痴をもらす。
「しっ、アリーナ、前から魔物が来るわ」
ミネアの声に僕らは足を止めた。柱の陰からそっと除くと鎧をまとったサイの姿の
魔物が歩いて来る。サイ男だ。

1.問答無用で押しとおる
2.捕らえて情報を聞く
3.隠れてやりすごす
396 ◆kYB5EDmqco :03/04/19 22:27 ID:usduGz/9
スマソ。トリップ入れ忘れました……御免。
2!
無難に3かな
2で
400 キリ番getter ark:03/04/20 20:40 ID:lvyaLKD2
40000000000000000000000000000000000000000000000000000


ttp://www1.kcn.ne.jp/~geosword/ss/s-room/fmongen.html
401296 ◆kYB5EDmqco :03/04/20 23:11 ID:U960rYkT
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
2番2票、3番1票で2番に決定しました。

 「やつを捕らえて城の中のことを吐かせるとするか」
僕の言葉を聞いたライアンとアリーナとミネアの三人が前へ出た。
「私がラリホーで!」
「いや、拙者にお任せあれ」
「あたしがやるわ。あんなとろいやつ一撃よ!」
さて、どうしよう。

1.ここ一番で頼りになるライアン。
2.不安だがアリーナに任せてみる。
3.ミネアのラリホーより僕のラリホーマだ。
4.ミネアを信頼する。
アリーナだと殴り殺しそうなので1のライアンで
2。
殴り殺しちゃっても結果オーライということで
1かな。ライアン好きだ。
405296 ◆kYB5EDmqco :03/04/22 00:10 ID:ROsggRaT
DQ5のゲームブックを読んでいたら、こんな時間に……やばいやばい。
参加ありがとうございます。ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
1番2票、2番1票で1番に決定しました。

 音もなく魔物の背後にまわったライアンが、急所に剣の柄を叩き込んだ。
うめき声すら発せず魔物がゆっくりと倒れる。手早くアリーナが魔物を縛り上げ、喝をいれた。
「ほう、これはなかなかの逸品ですな」
後ろで、トルネコがサイ男の落としたバトルアックスを値踏みしている。
僕は、意識を取り戻した魔物の胸を締め上げて聞いた。
「答えてもらう。この城にはどれだけの魔物がいる?そして、おまえらの親玉バルザックはどこだ!!」
「……へへへへへ、馬鹿め。この城にどれだけ魔物がいようが人間どもに関係なんてあるものか。
おまえら全員バルザック様に一捻りでおしまいさ。あーっはははははは!」
アリーナが高笑いする魔物の腹に強烈な一撃をお見舞いした。『ボスッ!』 
鈍い音が走り、魔物がぐったりと目を閉じる。声すら立てずに魔物は絶命した。
406296 ◆kYB5EDmqco :03/04/22 00:11 ID:ROsggRaT

「とりあえず、これでこの城に奴がいることだけは、はっきりしたわね」
マーニャがミネアと目線を交わして頷く。
「ふん、とっとと玉座から引きずりおろしてやるわ」
アリーナが鉄の爪の革ひもを縛り直しながら高らかに宣言する。
「ああ、ソロくん。せっかくだから、このバトルアックスを持っていこうじゃないか」
差し出されたバトルアックスを手に取り軽く素振りをする。空気を割る音がした。
「へぇ、気に入ったよ」
僕は使っていた破邪の剣をライアンに渡し、バトルアックスを装備することにした。
これで、ライアンが今装備している破邪の剣に限界が来ても問題はない。
僕らはあたりの気配を探りながら、さらに城の奥へと進んでいった。

 アリーナを先頭に僕らは風のように突き進んでいく。
「アリーナ、あの階段は?」
廊下の突き当たりに僕は階段を見つけた。
「あの階段は、お父様の謁見の間へ続くものよ。そうね、バルザックが
城の主になった気でいるなら、あそこにいるんじゃないかしら」
「奴ならありえるわ」「私もそう思います」
アリーナの言葉に姉妹が頷く。

1.謁見の間へ
2.他の場所へ
407296 ◆kYB5EDmqco :03/04/22 00:18 ID:ROsggRaT
もうバルザック戦か……。おお、たかが一戦なのに結構チャート表が長い……。

▼勇者一行の現状
(SS内に登場した装備のみ記載。他の装備は、各章終了時にもっともいい武具を
入手していると考えてください。数値はおおよそのものです。SS内に数値計算は
出てきません。HP/MPともに全員満タンです)
勇者:武器はバトルアックス、防具は初期装備 左腕に青銅の盾を装備。
ミネア:武器は鎖がま、タロットも所持
ブライ:安らぎのローブ装備
クリフト:ホーリーランス装備
ライアン:破邪の剣を装備。さらに、もう一本破邪の剣を所持。
マーニャ:防具は身かわしの服。「踊り子の服」の上に着込んでいる。
1で行きましょう!
寄り道はDQの基本てことで2
もうちょっと長く遊んでいたいので寄り道の2で〜
411世界にひとつだけの花:03/04/22 22:02 ID:UAHP5M5D
<血液型A型の一般的な特徴>(見せかけのもっともらしさ(偽善)に騙されるな!!)
●とにかく神経質で気が小さい、了見が狭い(臆病、二言目には「世間」(「世間」と言っても、一部のA型を中心とした一部の人間の動向に過ぎない))
●他人に異常に干渉して自分たちの古いシキタリを押し付け、それから少しでも外れる奴に対しては好戦的でファイト満々な態度をとり、かなりキモイ(自己中心、硬直的でデリカシーがない)
●妙に気位が高く、自分が馬鹿にされるとカッと怒るくせに平気で他人を馬鹿にしようとする(ただし、相手を表面的・形式的にしか判断できず(早合点・誤解の名人)、実際にはたいてい、内面的・実質的に負けていることが多い)
●権力・強者には平身低頭だが、弱者に対しては八つ当たり等していじめる(強い者にはへつらい、弱い者に対してはいじめる(特に人が見ていない場合))
●あら探しだけは名人級でウザく、とにかく否定的(例え10の長所があっても褒めることをせず、たった1つの短所を見つけては貶す)
●基本的に悲観主義でマイナス思考に支配されているため性格が鬱陶しい(根暗)
●何でも「右へ習え」で、単独では何もできない(群れでしか行動できないヘタレ)
●少数派の異質・異文化を理解しようとせず、あるいは理解を示さず、排斥する(差別主義者、狭量、視野が狭い、多数派=正しい と信じて疑わない)
●集団によるいじめのリーダーとなり皆を先導する(陰湿かつ陰険で狡猾)
●他人の悪口・陰口を好むと同時に、自分は他人からどう見られているか、人の目を異常に気にする(自分がそうだから容易に他人を信用できない、ポーズだけで中身を伴っていない、世間体命)
●たとえ友達が多くても、いずれも浅い付き合いでしかなく、心の友達はおらず孤独(心の感度が低く、包容力がなく、冷酷だから)
●頭が硬く融通が利かないためストレスを溜め込みやすく、また短気で、地雷持ちが多い(不合理な馬鹿)
●たとえ後で自分の誤りに気づいても、素直に謝れず強引に筋を通し、こじつけの言い訳ばかりする(もう腹を切るしかない!)
●男は、女々しいあるいは女の腐ったみたいな考えのやつが多い(例:「俺のほうが男前やのに、なんでや!(あの野郎の足を引っ張ってやる!!)」)
412296 ◆kYB5EDmqco :03/04/22 23:19 ID:ROsggRaT
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
1番1票、2番2票で、しばしバルザック放置プレイと決定しました。

 「もう少し城内の様子を探りたい」
多少無謀な僕の意見だが、姉妹もアリーナ達も異論はないようだ。
僕達は謁見の間を後回しにしてさらに先へ進む。
「この先に宝物殿があるわ。役に立つ物が残ってるといいんだけど……」
アリーナが僕らを城の奥の宝物殿へ案内した。さすがに無人というわけにはいかず、
門の前に二匹のサイ男が戦斧を構えて警護についている。
「警護についてるってことは、まだ何か残っているのかもしれないね」
小声で呟いた僕の言葉にアリーナ達が頷いて賛同する。
今度は前と違って気付かれずに倒すのは難しい。

1.押しとおる
2.様子をみる
3.あきらめて謁見の間へ
1で。
インパスで赤く光っても宝箱を開ける俺ですので。
こないだミミックってわかってる箱わざわざあけて酷いめにあった漏れなので1で
415296 ◆kYB5EDmqco :03/04/23 22:45 ID:FBN6oN7A
今日はちょっとはやめに更新。
参加ありがとうございますm(_ _)m ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
1番2票で1番に決定しました。しかし、思えばインパスなんて全然使わなかったなぁ。

 ピオリムでスピードをあげたアリーナとライアンの二人が疾風のようにサイ男に迫る。
アリーナの閃光のような一撃に抵抗することもできず、魔物は崩れ落ちる。その巨体をライアンが
しっかりと受け止める。間髪入れず、残ったサイ男をミネアのラリホーと僕のラリホーマが襲う。
二つの眠りの呪文で意識を朦朧とさせられたサイ男は、ブライのヒャダルコの冷気を
かわすこともできず一瞬で氷づけにされた。
「ふふん、魔物なんてちょろいちょろい」
「姫様、あまり大きな声を出すと気付かれます」
僕は、宝物殿の扉を魔法の鍵で難無く開けて、奥へと向かった。
内部はすでに荒らされていたが、二つだけ閉じたままの宝箱があった。
ブライがそっと近づき宝箱をあける。
「これは、間違いなく王家に伝わる秘宝。このみすぼらしい杖が
マグマの杖で、この面妖な形をしたものが『あやかしの笛』ですじゃ」
「ほぅ、吹くと目に見えない物が見えるというあの……」
「その通りぢゃ、クリフト。二つとも無事だったとは……魔物どもに目の確かな
ものがおらんかったこともないじゃろうが、まぁ、無事で良かったわい」
手に入れたばかりの笛をじっと眺めていたトルネコがポツリと呟く。
「そういえば、この笛、告げ所で見たピサロという男が吹いていたものにそっくり
ですねぇ」
「言われてみれば……」
ピサロという名前に食いつくように反応したアリーナとマーニャの二人が
トルネコと同じ感想をもらす。
416296 ◆kYB5EDmqco :03/04/23 23:01 ID:FBN6oN7A
しかし、僕らにそのことでじっくりと相談する時間はなかった。
「おい、誰か倒れてるぞ!」「何!侵入者か」
「宝物殿の方でも二人ほどやられてるぞ!」
どうやら、最初に倒したサイ男の死体が見つかってしまったらしい。
「こっちよ!こっちからなら逃げられるわ」
先頭に立ってアリーナが走る。先程までの静寂を打って破るように魔物どもが大挙
して宝物殿に押し寄せてくるのが見えた。どこにこれほどまで潜んでいたのか……
とても相手できる数ではない。戦闘をひた走るアリーナの姿を頼りに僕らは宝物殿
から一足先に抜け出した。

 「魔物達は?」
しばらく城内を彷徨わされた末に、結局僕らは謁見の間へ続く階段へと逃げ込む羽目になった。
「どうも、我々が謁見の間へ駆け込んだとみるや追跡を断念したようですな。
バルザックとか申す者は相当強いのでしょう」
殿を務めていたライアンが冷静に分析する。
「ふ〜ん、奴らのボスは、弱者をいたぶるのが楽しみで仕方ないという印象を禁じ得ないよ」
「ずいぶん、察しがいいじゃない、ソロ。その通りよ。でも、わたし達は別に弱者じゃないわよ」
「ところで、ソロ殿。このマグマの杖は誰がお持ちになるのですかな?
武器としてもかなり使えますぞ」
軽口を叩きながら薄暗い階段を注意深く上っていくと、ブライが声をかけてきた。
「いいのかい?」
「もちろんですじゃ。なにせ今はこのような時代でしてな。使わなければ、まさに
宝の持ち腐れ」

誰に装備させる?

1.マーニャ
2.ミネア
3.ブライ
4.クリフト 
417296 ◆kYB5EDmqco :03/04/23 23:05 ID:FBN6oN7A
というわけで、次からバルザック戦本番です。
うーん、予定だと一昨日にはもう戦ってるはずだったんだけど……まぁ、いいか。
戦闘の選択肢次第では6日で終わるかもしれないしな……
ミントス以降スタメンにミネアとマーニャいれてなかった俺なので4番で。
クリフトの大根に愛を感じる漏れなので、3で
420296 ◆kYB5EDmqco :03/04/24 21:02 ID:LVMUYkkd
参加ありがとうございます。 ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
4番1票、3番1票、先着順で4番に決定しました。

 クリフトがマグマの杖を持ち、彼のホーリーランスをミネアが持つことになった。
二人ともかちゃかちゃと手にしたばかりの武器の手入れをしている。
階段をあがりきると、謁見の間の大きな扉が開けっ放しになっていて、中の様子を見ることができた。
「……誰もいないのか?」
「いいえ、ソロ。近くに邪悪な気配を感じます」
僕を先頭に仲間達が謁見の間に踏み込む。妖気を含んだようななま暖かい風が吹き抜けていく。八人が一様に立ちすくむ
「これは、相手は途方もなさそうじゃ……」
ブライが僕に話しかけようとしたとき、
「バルザック!お前がここにいるということはもうわかってるのよっ! 早く出てきなさい。
あたしはこのサントハイム王国の王女、アリーナ。この城の本当の主人です。この国の平和を返してもらいに来たわ。」
アリーナの凛とした声が謁見の間に響き渡った。
「クックックッ……その城を放っぽりだして出ていかれたのはどちら様でしたかな。このままうち捨てられるのもあまりに不憫ゆえ、
我々が使ってやっているのです。感謝されこそすれ、非難される道理などないですな……クックックッ」
その声は謁見の間の天井そのものから響いてくるように聞こえた。聞いているだけで寒気が走るようなおぞましい声だ。
しかし、姿は見えない。
421296 ◆kYB5EDmqco :03/04/24 21:08 ID:LVMUYkkd
「黙りな、バルザック!エドガンの娘、マーニャとミネアが決着を付けに来たわよ!!」
マーニャの担架が魔物の薄ら笑いをかき消した。
「この城は我々の物。お前のような魔物に勝手なマネは許しません」
「その通りじゃ。魔物ごときに伝統あるサントハイムの城をわたしてなるものか!」
クリフトとブライがアリーナを守るようにスッと前に出る。
「ハハハハッ!嬉しいぞ、マーニャ、お前まで来てくれるとはな。しかも、こんな生きの良い仲間まで
連れてきてくれるとはな……」
バルザックの声が部屋の中にこだまする。部屋に奴の声が響き渡る。
「くっ、まるで部屋中全て奴の口のようだ。頭が痛くなってきた」
「ソロ、惑わされては駄目。精神を集中するのよ」
ミネアはそう言うが、気が散って仕方がない。
「元気なおもちゃ達よ。楽しませてもらうぞ…」
空気にとけ込むかのように笑い声がやんだ。声のする方向、
天井を見上げた僕の目に、笑い声に合わせて揺れている豪奢なシャンデリアが映る。
巨大な腕が空中に現れ、前線に立つ仲間に向けて振り下ろされたのはその時だった。どこから
出てきたものか……ただ空中に巨大な腕だけが現れたように見えた。腕の直撃を受けた謁見の間の床に穴が開いた。
見る見る崩れていく石の床。腕から身をかわしたものの、足場を無くしたクリフトとブライが、そして、
それを助けようとしたライアンまでがその穴に巻き込まれて落ちようとしている。
「ブライーッ!クリフトォー!!」
助けようとアリーナが後を追う。

1.アリーナを止める
2.まだ間に合う、ライアンを助けるんだ
3.思い切って穴に飛び込む。
422296 ◆kYB5EDmqco :03/04/24 21:13 ID:LVMUYkkd
そういや、PS版だと『あやかしの笛』はどう説明されてるんだろう。
目に見えないものが見えるようになるって感じじゃなかったよな。
吹くと作動するエレベーターだと……

▼勇者一行の現状
(SS内に登場した装備のみ記載。他の装備は、各章終了時にもっともいい武具を
入手していると考えてください。数値はおおよそのものです。SS内に数値計算は
出てきません。HP/MPともに全員満タンです)
勇者:武器はバトルアックス、防具は初期装備 左腕に青銅の盾を装備。
ミネア:武器はホーリーランスを装備、タロットも所持。鎖鎌を所持。
ブライ:安らぎのローブ装備
クリフト:マグマの杖を装備。
ライアン:破邪の剣を装備。さらに、もう一本破邪の剣を所持。
マーニャ:防具は身かわしの服。「踊り子の服」の上に着込んでいる。

■重要アイテム
ホイミンからもらった『魔法の鍵』。海辺の村で手に入れた『渇きの石』
サントハイムで手に入れた『あやかしの笛』
これは選択じゃないけど。
穴に乾きの石を落としたら、石が発動してさらに謎の穴が広がるっていうわけのわからない
展開を考えてしまいますた。石が発動するのは水のある場合でつね。

ここで勇気を出して3!
424296 ◆kYB5EDmqco :03/04/25 23:51 ID:Rhkyr3pW
参加ありがとうございますー。 ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
3番、大穴に飛び込むで決定しました。

 とっさに床を蹴って僕は穴へ飛び込む。
「えっ! ちょっと、ソローッ!!」「ソロッ!」
アリーナとマーニャがあげる驚愕の声を背に僕は落ちていく。
仲間達の目には暗黒の暗闇に落ちていくソロの姿が映った。
「ククク、一人助からんと見て自ら死を選んだようだな。小賢しい虫にしては
いい判断だ」
バルザックの声が間近になった。振り向いたマーニャは、部屋からあふれ出さんばかり
のバルザックの巨体を見た。
「なに言ってんのよ! あの子は小賢しいなんてもんじゃないんだから。
お前並に生意気でずる賢くてスケベで口八丁で自信家で……とにかくゴキブリ並にしぶといんだから。
穴に落ちたのだって何か考えがあってのことよ!!」
「いいところがないようにしか聞こえぬし、どんな考えがあって底の見えぬ穴に飛び込むというのだ……?」
「姉さん、やっぱり、それって誉めてないと思うわ……」
「え、そ……そう? でもまぁ、お前より素直ないい子よ」
やれやれと言ったようにバルザックが首を左右に振る。
425296 ◆kYB5EDmqco :03/04/25 23:51 ID:Rhkyr3pW

「……まぁ、いい。年寄りや男どもには早々に退散していただいて、
これから先は美しいお嬢さんがたとゆっくり楽しむとしよう……フハハハハッ!」
腐臭の漂う醜い肌の色、ぬめりとした真っ赤な口を開けて笑うバルザック。
体のあちこちは異様に盛り上がり、人間だったころの面影など欠片もない。
「フンッ、魔物なんかに美しいと言われても全然嬉しくないわ。そのみっともない
姿をこれ以上さらさなくて済むように、あたしが引導をわたしてあげるわ」
アリーナがバルザックの前に立ちふさがる。気合いとともに、謁見の間の床を蹴って
バルザックの腰に鉄の爪を食い込ませる。
「これが、攻撃かぁ……? くすぐったいだけだぞ、ほらぁっ!」
腕を一振り。アリーナが簡単に壁へと向けてはじき飛ばされる。
「くっ」
空中で一回転をして着地するアリーナ。その顔に屈辱の色が浮かぶ。
「ミネア、いくわよ」
凛とした姉の声に、おびえていたミネアの表情が変わった。

1.マーニャが呪文でアリーナの援護をする
2.ミネアのバギマで攻撃する
3.トルネコの意外性に期待

トルネコラブ
リセット可能なら間違いなく3だけど、
この状況でパルプンテは怖いので、堅実に1
トルネコタンハァハァなので3(*´д`)
429296 ◆kYB5EDmqco :03/04/26 23:23 ID:NHetI4rx
参加ありがとうございます。 ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
3番2票、1番1票で3番に決定します。

「皆さん、この私が魔物を引きつけます。その隙に……」
部屋の隅で小さくなっていたトルネコが前に進み出てきた。
手をひらひらとさぜ、腰をなまめかしく回し始める。
ひらひらとして手つき、悩ましげな腰の動き……これぞトルネコの不思議な踊り。
見ている女性達は恥ずかしそうだ……目の前をちらつく腹の出た中年親爺の奇怪な
動きを見たバルザックの目が怒りに染まる。
全身を震わせたバルザックがその巨大な腕を袈裟懸けに振り下ろす。
「ぬひょおぉぉぉっ」
大げさなかけ声とともに身を竦めてそれをかわす。
トルネコの間近を熱風が通り過ぎていく。
返す腕で振るわれるバルザックの爪が真一文字に軌跡を描く。
「ほえーっ」
今度は怪しげな屈伸運動でそれをかわすトルネコ。
バルザックが左右連続で交互に突きを放ってくる。
「ぬひょぉっ、ぬひょっ、ほえっ、ほえっ、ほえっ……!」
奇声をあげながら、踊り子のようにくるくる回りながら突きをかわす。
一瞬の遅滞も許されない神業だ。女性達も思わず固唾を飲んで見守ってしまう。
「こ、この狸親父がっ!!これでも食らえ!」
バルザックがその裂けた口から炎を吐いた。灼熱の炎がトルネコの身をこがす。
炎の直撃を受けたトルネコが、女のような甲高い声で絶叫をあげて部屋中を転げ回る。
さらにバルザックが炎を吐きまくる。そのたびに身を翻して直撃を避けねばならず、アリーナも
マーニャも、ミネアも、まるで手が出せない。
「誰か、あいつの動きを止めて」
アリーナが悲痛な声で叫ぶ。

1.銀のタロットを使う
2.マーニャが呪文でバルザックを牽制。ミネアとアリーナがトルネコの援護に向かう。
1 銀のタロットでがんがれ〜。
431296 ◆kYB5EDmqco :03/04/26 23:32 ID:NHetI4rx
うあ、誤字が……。 ×ひらひらとして ○ひらひらとした
それと、すみませんが、選択肢追加させてください。

1.銀のタロットを使う
2.マーニャが呪文でバルザックを牽制。ミネアとアリーナがトルネコの援護に向かう。
3.ガンガンいこうぜ(いま持つ最強の手段でバルザックを攻撃)


●現在戦闘中のメンバー。
トルネコ、アリーナ、マーニャ、ミネア。
炎の直撃を受けたトルネコの現在のHPは60%ほど。
それにしても、素面ではできない編成……。

●今のところ戦闘参加不能なメンバー
ソロ、ライアン、ブライ、クリフトの四人。
大穴に落ちて生死不明。  

432430:03/04/26 23:45 ID:ocHy9z/w
おぉ、ガンガンいこうぜが追加された!

じゃあ、選択変更しまつ。

「みんな頑張れ」でw
433296 ◆kYB5EDmqco :03/04/27 23:52 ID:p8bvZMqM
うわ、なんか凄く辛い選択肢。
参加ありがとうございますm(_ _)m ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
432さんの作戦名「みんな頑張れ」に決定しました。どう書こう……
 
 「なんで私が前線に出て苦労しなくちゃいけないんだか。ソロのやつぅ……」
愚痴をこぼしながら、マーニャが謁見の間を前へと詰める。
身につけた「身かわしの服」の作用か、彼女にはバルザックの吐き出す炎が描く軌跡が
手に取るように感じられる。そのまま、左右にステップして炎をかわしながら突進する。
パシッ! 鮮やかな音ともに開かれる鉄の扇。接近したマーニャが、扇の鋭い刃先をバルザックの体に食い込ませる。
「馬鹿めが。貴様の非力な腕で私をどうにかできるとでも思っているのか」
炎を吐くのを止めたバルザックが、その手に光る爪でマーニャに斬りかかる。
「くうっ!」
どの攻撃も予想以上にタイミングが早かった。飛び散った鮮血が謁見の間を赤く染める。
マーニャの右肩、左腕、頬、腿をバルザックの爪が捉えた。
肩を押さえ、たまらず地面に膝をついたマーニャが、呆れたようにバルザックの巨体を見上げる。
(くっ、以前戦ったときとは比べ物にならないくらい早い。反応するので精一杯だった)
「どうしたマーニャ、よけないのか? もっと血を見ることになるぞ」
えぐり取った肩口の肉を食みながら、バルザックがうっすらと笑う。
以前とは比べ物にならないバルザックの力、邪悪な性に、思わず戦慄を感じて彼女は後ずさる。
獲物の表情に満足げに笑ったバルザックが右腕を振りかぶる。
「上手いな、お前の肉は。もっと……もっと食らわせろ!」
足をやられた彼女には到底かわせない攻撃。迫り来る死神の魔の手。
「血を見るのはあんたの方よ!」
マーニャが笑った。その瞬間、猛烈な空気の流れが部屋の中を駆け抜けた。
434296 ◆kYB5EDmqco :03/04/28 00:09 ID:+4eXd+Mm
 トルネコの回復を終えたミネアがバギマの呪文を放ったのだ。 
バルザックの無防備だった顔面を空気の渦が覆いつくし、真空の刃が切り刻む。
「ウッ!クッ!グググオォォォォーッ!」
両手で目をおおってバルザックがもがく
「残念ね、バルザック。妹があたしの相手にあんたはふわしくないってさ!」
ミネアがつくった間隙をさらに広げるべく、マーニャが猛然とメラミの呪文を唱える。
吹き出す巨大な炎弾がバルザックの全身を包み、巨大な火柱をつくりあげる。
怒号とともに視界を失ったバルザックがマーニャを捕らえようと腕を伸ばすも、ミネアが新たに放った真空波に阻まれ虚しく空を振る。
「いまよ、(   )!」
マーニャが仲間に呼びかける。空欄に入る名前は?

1.トルネコさん
2.アリーナ
「ソロ!」
いつのまにか穴から皆をルーラで助け出してるってのは?
毎度乙です。
あまり無理はなさらないように(´ー`)

アリーナは黙ってても攻撃しそうなので、1
>435にイピョーウ!!
438296 ◆kYB5EDmqco :03/04/28 21:38 ID:+4eXd+Mm
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
1番1票、3番二票で3番ソロを呼ぶに決定しました。さて、どうしましょう。

「いまよ、ソロ!」
マーニャは仲間を呼んだ。しかし、誰も現れなかった……。
「ウソーォ!!」
マーニャの合図に何を期待していたのか、トルネコが落胆のあまりずっこける。
ズッテ〜ン! ズサササーッ……
そのとき、なんと転んだ拍子に身につけていた鉄のまえかけが外れ、バルザックの
急所を直撃! 会心の一撃。衝撃のあまりバルザックがうずくまる。
「ヤーーーーーーーーッ!」
間髪入れず、長い助走をつけてアリーナがバルザックに突っ込む。
バルザックが息を大きく吸う。アリーナが甲高いかけ声とともに跳躍した。
シュッ………バキャァ!
「決まった……」
一瞬の隙をついたアリーナの跳躍の方が速かった。スラリとのびた長い足がバルザックの胸部に突き刺さる。
「ウッ、ガッ……」
炎のかわりにうめき声をあげてバルザックが胸を押さえて後退する。
自分で開けた穴に片足を落とすと、そのまま、もろくなった床もろとも階下へ落ちていった。

439296 ◆kYB5EDmqco :03/04/28 22:49 ID:+4eXd+Mm
「姉さん……」
回復呪文をかけながら、ミネアが困ったような目で姉をにらむ。
「あはははは、いやぁ、トルネコさん、凄い! さすが武器屋! さすが年の功!」
照れたように頭をかくマーニャ。一方、当のトルネコはすっ飛んでいった鉄のまえかけ
を拾いに行っている。こちらもさすがに恥ずかしそうだ。
「とってつけたように誉めないでもらいたいですね」
改めて鉄のまえかけを装着したトルネコがボソッと呟く。
「それにしても、勢い余ってあいつを突き落としちゃったけど、どうしよう?
ソロ達、大丈夫なのかしら?」
床の大穴に落ちていったバルザック……その生死は先に階下に落とされたソロ達
同様不明だ。謁見の間を静けさが包んでいった。

 「メラ!」
かけ声とともに掌に生まれた炎が暗闇を照らす。上を見上げて僕はため息をついた。
「参ったな……ずいぶん深くまで落とされてしまったみたいだ」
「どうもそのようですな」
突然横合いから声をかけられ、おもわず僕は飛び退いた。いつのまに近づいてきた
ものか……僕の隣には松明を掲げたライアンが静かに佇んでいた。ひとしきり再会を喜び合う。
「ライアン!無事だったか」
「おかげさまで。しかし、呪文が解けるまでずいぶん時間がかかってしまったようですな」
重々しくライアンが頷く。そう、あのとき穴に飛び込んだ僕は、アストロンの呪文を唱えたのだ。
アストロンの力で僕とライアンは無傷ですんだが、この呪文は解けるまでの間全く身動きが効かないという欠点を持っている。
今、上はどうなっているのだろう。女性陣だけならともかく、トルネコが残っている
いという事実に一抹の不安を感じずにはいられない。そして、僕らと同じ下に落ちたクリフト達の行方も気になる。
ドグォォォォォン………ズズズズズズン。
轟音とともに飛来した何かが暗闇を激しく揺さぶったのは、そのときだった。
「今のは何だ?」

1.地響きの方へ
2.様子を見る。
440296 ◆kYB5EDmqco :03/04/29 23:02 ID:BNRCCLB3
んー、今日は更新無理かなぁ。とりあえず、もう少しねばりますか。
435さん、今ルーラを唱えても天井にぶつかるだけなので無理と判定しました。すみません。
1。
442296 ◆kYB5EDmqco :03/04/30 01:08 ID:/TZzrKPg
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
1番1票で1番に決定しました。

 歩き出していくらかもしないうちに、僕達は落下物に見当がついてしまった。
地響きの先から伝わってくるなま暖かい妖気を乗せた風は、謁見の間から吹き出していた
ものと同質のものだった。やがて、松明の明かりが床に開いた巨大な窪みを照らし出す。
風はここから吹き出している。
「これは……さすがに、死んだか?」
僕の希望的観測にライアンが首を振って剣の柄を握り直す。
「わかってるよ、言ってみた……」
言いかけた言葉を飲み込み、窪みの側から飛んで離れる。
ズズッ……ズズッ……ズズッ……ズズッ……
穴の中から何か這いずるような音が聞こえてくる。
身構えた僕らの目の前で、床が地響きを立てて盛り上がった。
ドグォォォグォォォーン!!
轟音とともに床を突き破って現れたのはバルザック。全身の至る所に無数の切り傷が残り、
そこから血が噴き出している。
「グォォォ、グォォォォォォォォーッ!!おのれ、ミネア。おのれ、マーニャ。
今度は容赦などせん。千々に引き裂いてからひと思いに食らってくれるわッ!!」
怒号とともにバルザックの背中が盛り上がり、こぶを破って翼が飛び出してきた。
バルザックがそのコウモリ状の翼を羽音を立ててはためかせる。飛び上がるつもりだ。
前に立つ僕とライアンのことなど目に入っていないらしい。

1.無視するんじゃない!
2.飛び上がる前に翼をねらって呪文で迎撃。
3.様子を見る。
2
444296 ◆kYB5EDmqco :03/04/30 22:03 ID:/TZzrKPg
時間的に押してきているので、そろそろ更新します。
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
2番に決定しました。

 「つれいなじゃないか。バルザック!しばらくここにいろよ」
あっというまに部屋の中に闇よりも色濃い暗雲が立ち込め、バルザックの頭上で
稲妻が炸裂する。
「うっ、ググググ……死に損ないが…小癪な真似を……」
飛び上がろうとしたバルザックがズズンと床を揺らして足を踏みならした。
「いいだろう。まずは貴様らから血祭りだ!」
すっと闇に溶けるようにバルザックの姿が消えていく。
「いかん!」
慌ててライアンが斬りかかるも、その刃は空気を斬るだけだった。
状況は圧倒的に不利……どうする?

1.松明の火を消して散らばる。
2.様子を見る。
3.またアストロンの出番だな。
445296 ◆kYB5EDmqco :03/04/30 22:05 ID:/TZzrKPg
御免。選択肢一個入れ忘れた。

1.松明の火を消して散らばる
2.様子を見る
3.またアストロンの出番だ。
4.ところかまわずギラを連発する。
4
447296 ◆kYB5EDmqco :03/05/02 00:20 ID:5icLB60s
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ ルールはナナシクラゲさんの>>75を。
4番に決定しました。

 消えたバルザックの姿をあぶり出すためにギラを連発する。
空間を舐めるように炎がひろがり、あたりの闇を払う。だが、バルザックの姿は見えない。
「馬鹿め!いつまでも地べたをはいずり回っていると思ったか?」
炎が生み出した光を消すように大きな影が僕とライアンを覆った。
あざけりとともにバルザックの巨体が上空から落ちてくる。ライアンが左、僕が右に跳ぶ。
 紙一重で横っ飛びにかわしたものの、
着地とともに轟音をあげて揺れる床に足を取られて、それ以上動くことができない。
裂けた口の中から牙をのぞかせた奴が、僕に豪腕を振るってきた。

1.武器を捨てて盾で受け止める。
2.斧で迎え撃つ
2
450名前が無い@ただの名無しのようだ:03/05/02 23:05 ID://rfBGUs
受け止められそうにないので2。
451296 ◆kYB5EDmqco :03/05/02 23:40 ID:5icLB60s
お待たせしました。今東京から帰ってきました。嗚呼、間に合って良かったぜ。
では、満場一致で2に可決しました。
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ ルールはナナシクラゲさんの>>75を。

 バルザックの丸太のような太い腕が、受け止めた斧ごと僕を跳ね飛ばした。
「ぐあっ!」
壁に叩き付けられた僕はその反動で、奴の方へとヨロヨロとよろめいてしまう。
完全に無防備になった僕に止めを刺すべくバルザックが左腕を振るう。
ブーン! ……バキャッ!
「ウヌ!小癪な……」
「見たか!」
バルザックのパンチが僕を打ち砕く前に、身を挺したライアンが両手で盾を構え
受け止めたのだ。
一歩も引かず、バルザックを押し返すライアン。バルザックは全身に力瘤を
作って盾ごとライアンを粉砕しようとしている。
「グォォォォォ!」
バルザックの表情が変わってきた。大きく開いた目と口。血管という血管が浮き上がり、
全身に刻まれた無数の切り傷から絶えず血が噴き出している。
腕の筋肉を盛り上げて対抗するライアンの息づかいも次第に荒くなってきている。
ピシリと音を立ててライアンの盾がきしむ。

1.バトルアックスを取りに走る
2.呪文で援護
3.ライデインでバルザックを攻撃。ライアンには耐えてもらう。

おお、一ヶ月で終わるつもりだったのに、予定オーバーしちゃったよ。
とりあえず、これがバルザック戦最終フラグの予定です。
3!
勇者といえばライデイン! というイメージがあるので。
453296 ◆kYB5EDmqco :03/05/03 22:58 ID:IOfYEGCt
はやいもので、もう一ヶ月ですか……。いままでレスしてくださった方、どうもありがとう。
もうじき終わりです。参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。先着の3番に決定しました。

ライアンがバルザックの動きを押さえ込んでいる今が勝機!
「バルザック、これがとどめだ。受けてみろっ!」 
ライデインが発動する。またも闇の中に暗雲が生じ、闇を裂いて稲妻が立ちこめる。
立ちこめた稲妻を、何度も何度もバルザックの頭上に叩き付ける。
決死の形相でバルザックが左腕の筋肉を盛り上げる。そのまま振り抜いてライアンごと
僕を壁に叩きつぶそうという魂胆だ。しかし、ライアンも負けていない。ライデインの
余波を浴びながら、その体は微塵も動かない。
「まだまだぁっ!」
頼もしい仲間に後押しされるように、ひときわ巨大な電光が落下。バルザックに炸裂した。
「ぐぎゃぁぁぁぁぁっ!」
耳をつんざくような絶叫をあげてバルザックが悶える。
間髪入れず、ライアンが横に盾を払った。
「ぐぉぉぉっ!」
左腕をはねのけられたバルザックの体が宙に泳ぎ、無防備なまま全身をさらけだす。
僕の真横を、閃光の塊が走り抜けていったのはそのときだった。
バルザックの胸に吸い寄せられるように閃光が突き刺さる。
「伏せるんじゃっ!」
横合いからしわがれたブライの声。
次の瞬間、バルザックの胸に食い込んだ閃光が大爆発を起こした。
バルザックの断末魔の叫びすら飲み込んで、轟音が空間を支配する……
454296 ◆kYB5EDmqco :03/05/03 23:19 ID:IOfYEGCt

 最後にバルザックを襲った閃光。それはクリフトの持つマグマの杖から放たれた物だった。
さすが一国に伝わるだけのことはる。あれだけ堅牢を誇ったバルザックの肉体をボロボロに裂いてしまった。
「ぐふふ、人間ごときにわしがやられるとは……」
バルザックは虫の息だ。そんな状態でありながら、僕達を見る奴の目は憎しみの光に満ちている。
「し、進化の秘法は、未完成だったのかも………しれん。あれが、完成して……いれば……
「……未完成で良かったと僕は思うけどね。完成した秘法を使っていれば、あんたは
あんたでなくなっていたと思うよ」
「わ、若造が……減らず口を……」
「あんたほどじゃないよ。でも、あんたの言うとおりだ。僕らが勝てたのはお前が
人間だったからだ。同じ人のよしみで苦しまないようにしてあげるよ。進化の秘法の
副作用……キングレオで見たけど、あれはすごく苦しそうだったからね」
僕がベギラマの呪文を唱え、ライアンが破邪の剣を掲げてくるりとまわした。
二重の帯状の炎がバルザックの頭を消し炭にした。
455296 ◆kYB5EDmqco :03/05/03 23:33 ID:IOfYEGCt

「揺れがやんだわ。それに、チラチラと点滅していた光も納まったみたい」
「それだと、どっちが勝ったかわからないじゃない」
穴を覗き込んでいたアリーナに、後ろでやきもきしていたマーニャがそう言う。
「そんなの、ソロ達に決まってるじゃない。マーニャって、本当、ソロのことになると
ずいぶんと心配性ね」
「しょうがないでしょ。あいつ、本当に無茶ばかりするんだから」
「同感だわ、姉さん」
クスリとミネアが笑う。トルネコがぷっと吹き出し、アリーナも鈴を転がすよう
に笑った。渋面を作っていたマーニャも仕方ないといった感じで苦笑する。
しばし、謁見の間を笑い声が占拠する。玉座の裏の床を引き抜いて、
僕が謁見の間に顔を出したのは、そんな風に仲間達が僕を引き合いにしている最中の
ことだったらしい。煤で真っ黒になった僕の顔を見たマーニャ達四人が、今度は遠慮なし
に思いっきり笑う。後から顔を出したクリフトとブライ、そしてライアンが怪訝
そうな面持ちで彼女たちを見まわした。
456296 ◆kYB5EDmqco :03/05/04 00:35 ID:iRkULU2f
「へー、こんなところに階段がねぇ」
僕が顔を出した玉座の裏の床板を、アリーナが興味津々に眺めている。
「もしもの時にしか使われぬ隠し部屋でしてな。これを知っておるのは、
この城では、わしとゴン爺くらいですじゃ」
ブライが誇らしげに解説している。
「いや、ブライ殿がご存じで助かりましたぞ。どうやってここに戻ればいいのか
途方にくれてましたからな」
「まさか、ルーラをするわけにもいけませんしね」
天井を眺めてクリフトが述懐する。きっと天井に頭をぶつけたことでもあるのだろう。
「それにしても残念。私がバルザックにとどめを刺したかったんだけどなぁ」
マーニャが意地の悪い顔をして僕をじろじろ見てくる。
「悪かったよ。でも、あんな所に向こうが落ちてきたんだから仕方ないだろう」
「わかってるってば。言ってみただけよ」
そう言ってマーニャが思い切り僕の頭をくしゃくしゃにする。
「フッフッフ、バルザックは敗れたか……哀れな奴よ」
不意に背後から聞き慣れない声がした。そこには全身を見事な甲冑で包んだ
男が立っていた。
「あ、あなたはピサロナイト!」
ミネアが驚愕したように目を大きく見開いた。
457296 ◆kYB5EDmqco :03/05/04 00:48 ID:iRkULU2f
「我々魔族の十倦怠になっているとも知らず、かなえられぬ野望に命を落とすか……
やはり、人間とは愚かだな。だが、おかげで進化の秘法の完成には黄金の腕輪が不可欠
だということがはっきりとわかった」
「なにをブツブツ言ってるのよ」
マーニャがつかつかと歩み寄る
「くくく、久しぶりだな、エドガンの娘達よ。率爾ながら、お前達の敵討ちが
見事成就したことを祈らせてはくれまいか」
あざけるような口調で男が拍手をうつ。
「やめな!あんたになんか祝ってもらいたくないよ」
「ふふ、そうか。それはすまなかったな。ところで、お前達の持っていた静寂の玉
だが、いまはこの私が預かっているぞ。ほしければ、取り返しに来るがよい。」
そう言い捨てると、ピサロナイトと呼ばれた男がマントをなびかせ、謁見の間を
出ていこうとした。
その後ろ姿にアリーナがくってかかる。
「待て!」

1.アリーナを止める。
2.アリーナを止めない。
458296 ◆kYB5EDmqco :03/05/04 00:51 ID:iRkULU2f
うわぁお、十倦怠ってなんでしょね? 御免なさい。実験体です。
なんでまたこんなごつい誤変換を……。それと、更新に時間がかかってすみません。
とりあえず、この選択肢か、この次の選択肢で最終回の予定です。
459296 ◆kYB5EDmqco :03/05/04 09:23 ID:iRkULU2f
うは、今読み返すと、ミスがいっぱい。「祈らせて」じゃなくて「祝らせて」なのに……
スマソ。
人間はなぜ送信してから読み返すんだろうね。

>>457
2で。
461296 ◆kYB5EDmqco :03/05/04 22:25 ID:iRkULU2f
>460 いや全く。リカバリーしたら辞書が馬鹿になってしまって……
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。2番に決定しました。

「待ちなさいって言ったのよ。ピサロナイトといったわね。あなた、デスピサロと名乗っている
 ピサロという男とはどういう関係? まさか、無関係とは言わせないわよ」
こちらに見向きもせず謁見の間から去ろうとするピサロナイト。だが、アリーナが口にした“ピサロ”
という名前を聞いた途端、奴がぴたりと足を止めた。
「ほう。そんなことも知っているのか!?どこで聞いたか知らぬが……
 小娘、いらぬ詮索は身を滅ぼすだけだぞ」
兜の奥の瞳を怪しく輝かせたピサロナイトがこちらに向き直った。
「何を!私の国を滅茶苦茶にしておいて、言うことがそれだけ? 教えなさい、あの男のことをっ!」
ザッと殺気が謁見の間を貫く。前傾姿勢を取ったアリーナがピサロナイトに突進する。
「やれやれ、小娘の出る幕などないというに」
滑るように身を躍らせたアリーナの高速の一撃を、ピサロナイトは手にした盾で彼女の
体ごと壁まで吹き飛ばした。
「ギャッ!」 「姫様!」
クリフトがあわてて駆けつける。
槍を音高くしごいたバルザックが、その切っ先をアリーナに定める。
「このまま見逃してやろうと思ったが、気が変わった。ピサロ様の名前を知っている
 以上、看過するわけにはいかん」

1.アリーナをかばうようにピサロナイトの前に立つ
2.ライデインでやつを攻撃

というわけで、いままでありがとうございました。次回こそ最終回です。
男らしく1で。
お疲れさまでした。楽しく遊ばせてもらいました。

最後の選択も迷うけど……2で。
2で〜
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番1票、2番1票で先着の1番に決定です。それにしても、皆、上手い具合に
ゲームオーバーを避けてくれたなぁ。感謝してます。

 僕がアリーナとピサロナイトの間に割って入る。
「邪魔をするな。小僧、死にたいのか」
「あいにくと、デスピサロという男には僕の方も用があるんだ」
「ちっ、貴様もか。つくづく命がいらんと見える。人間ごときにあの御方の名を
呼び捨てにされる謂われなど無いッ!」
ガッキィィーン!
火花が飛び散り、戦斧と騎槍のぶつかり合う音が謁見の間に響き渡った。
「ピサロナイト。ピサロとは一体何なんだ。本当に彼がデスピサロなのか?」
「貴様がそれを知って何になる……」 「お前に関係はなくても僕には関係があるんだ!」
僕の渾身の一撃を一歩も引かずに受け止めたピサロナイト。先に攻撃をしかけた僕の方が
じわじわと後退させられていた。負けじと押し返そうとしたとき、不意にピサロナイト
が身を沈ませたかと思うと、僕に体当たりを食らわせた。
「うあっ!」
部屋の中程まで吹っ飛ばされた。うめき声をあげて立ち上がろうとする僕の前に、
あっという間に間合いを詰めて立ちふさがるピサロナイトがいた。
「最後に一つ聞いておこう。何故そんなことが気になる? 小僧」
「デスピサロは、僕の父さんの……村の人々の仇だっ!それをかばうというなら、
お前に容赦なんてしない」
怒りに燃えた目で僕はピサロナイトをにらみ返す。右手を掲げ、呪文を唱える。
「くらえ、ライデイン!」
しかし、魔物に下るはずの聖なる雷はいっこうに現れない。
ガ━━━(;゚Д゚)━━━ン!!!
2番に投票されてる。そ、そんな、1番で最後まで投稿できない。
スマソ……リロードしてませんでした。
というわけで、やり直しです。御免m(_ _)m 参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。1番1票、2番2票で2番に決定しました。

「ライデイン!」
魔物の突進を止めるべく僕はライデインの呪文を放った……しかし、魔物を降す聖なる
雷がいっこうに姿を現さない。
「そ、そんな馬鹿な……」
「フハハハハッ! 何をしている。何のお呪いだ」
「ちっ、ならばこれはどうだ!」
クリフトの手の中で不気味に鳴動したマグマの杖が先端部より閃光を放つ。
炸裂するエネルギーの塊を軽々と避けたピサロナイトが、高笑いをあげて接近する。
手にした騎槍がうなりをあげてクリフトとアリーナの体にかかろうとした瞬間、
音もなく間合いを詰めたライアンの破邪の剣が魔物の攻撃を遮った。
激しい鍔迫り合いの後、先に身を退いたのはピサロナイトの方だった。
後ろに飛びのき、危なげなく着地する。ライアンも盾を投げ捨てると、静かに両手で
剣を構え直す。
「ほう、少しは使える奴がいたようだな。私はデスピサロ親衛隊長ピサロナイト」
名乗りをあげてピサロナイトが前に進み出る。
「拙者、バトランドの王宮戦士ライアン。一対一の勝負を所望する」
「その勝負、受けた!」

 騎槍を投げ捨てたピサロナイトがスラリと腰の剣を引き抜き、ライアンに飛びかかる。
謁見の間に剣と剣が激しくぶつかり合う音が響き渡る。技は互角。しかし、力で相手に
勝るライアンよりも、わずかに速さで相手をしのぐピサロナイトの方が有利に勝負を進めていく。
「しまった!」
ピサロナイトの疾風のような連続攻撃をかわし損ねたライアン。大きく後ろに
跳んで相手の間合いから逃れたものの、がっくりと膝をついてしまった。
ピサロナイトがとどめの剣を振り下ろそうと疾駆する。
薄く笑ったライアンが手にした破邪の剣をピサロナイトに向けて投げつけた。
「なっ」
ピサロナイトが驚愕する。とっさのことに方向転換もままならず、手にした剣で破邪の剣をたたき落とす。
その一瞬の隙をついてライアンが相手の懐にもぐりこんだ。
鈍い音をたてて左拳がピサロナイトの脇腹にえぐり込む。たまらずピサロナイトが膝をついた。
「終わりだ」
冷たく言い捨て、ライアンが新たに抜きはなった破邪の剣を振り下ろした。

ガッ!ギィィィィィ
「なっ」
今度はライアンが驚愕する番だった。上段から振り下ろされたライアンの剛剣を、
ピサロナイトは、素手で受け止めて見せたのだ。異音をたてて剣がきしむ。
「戦士よ、お前の腕は素晴らしい。だが、その武器では……届かぬ!」
パキンと音を立てて破邪の剣が折れた。ピサロナイトが手元に残った折れた刃先を
ライアンの足の甲に突き立てる。ライアンの顔が激痛でゆがんだ。
「次は……私の番だ」
ゆっくりとピサロナイトが立ち上がる。そのとき、部屋の中央から黒煙が吹き出し、
ローブ姿の魔物が突如姿を現した。
「ピサロナイト様、一大事です。丘の塔に人間どもが大挙して押し掛けて
 参りました。どうかお戻りください」
「何!」
ピサロナイトが名残惜しげにライアンを見る。
「ちっ、欲深い人間どもめ。戦士よ。すまぬがこの勝負、預からせてもらうぞ。
 久しぶりに楽しめたというに……私は運が悪い」
一陣のつむじ風が、謁見の間を駆け抜けた。ピサロナイトはその風とともに消えた。
469296 ◆kYB5EDmqco :03/05/06 01:17 ID:hs5AeYJB

 足に突き刺さった折れた剣を引き抜いて、ライアンが戻ってきた。
「恐ろしく腕の立つ魔族でしたな、しかしなんでまた退いたんじゃろうか」
ブライが労いの言葉をライアンにかけるが、ライアンは黙り込んだまま目を閉じて壁にもたれかかる。
「静寂の玉に進化の秘法……これ以上お父様の遺産を悪用させるわけにはいきません」
「そうね、ミネア……わたしたちの戦いはまだ終わらない」
姉妹が僕をじっと見つめる。バルザックは利用されただけだった。魔族の王を
倒さなければ、全てが終わったとは到底言えない。
「お父様やお城の皆も消えたまま……ブライ、クリフト、あたしたちの旅もまだまだ続くようね」
「ソロ殿、わしもご一緒しますぞ。ソロ殿や姫様だけに任せておっては危なくて
 見ておられんからのぉ」
「よく言うわね、ブライ。以前、ヒャダルコとルーラを間違えたのは誰かしら?」
「そんな前のことは忘れてしもうた」
肩をすくめてアリーナが僕を見る。その目は、僕に対する友情と信頼で一杯だ。
「我々の敵は魔族、これは決して負けられない戦いです」
「ふふ、私も商人の誇りにかけて、こうなれば世界の果てまでお供しますよ」
クリフトとトルネコも僕をじっと見つめてくる。目を開けたライアンが、僕を見て力強く頷く。
仲間達の心が一つに結びついていくの感じる。例え、この先何が待ち受けていようと
八人一緒なら……
渦巻く謎と未知の戦いへ向けて、僕達は歩き出した。
                            (終)
>>465-469
おつかれさま〜
471296 ◆kYB5EDmqco :03/05/06 01:35 ID:hs5AeYJB
 >465-468までトリップ入れ忘れてますが、私です。
というわけで、これで勇者ソロのゲームブック『バルザック戦』は終わりです。
最後にピサロナイトを出したり、いろいろ無茶やってすみません。
でも、こいつが静寂の玉を持ってる以上、こういう使い方をやりたくて仕方なかったのです。
456で、「不気味な声がした」「四体の魔物が現れた」と二つ選択肢をいれて出現フラグを
立てておくべきだったかもしれませんが、気付いたのが投稿した後だったので後の祭りでした(;´Д`)

 私が犯したポカにもめげず、レスをくれた住人の皆様。
どうもありがとうございました。とても感謝してます。
とりあえず、あとに続いてくれる人がいることを願って、私は名無しさんに戻ろうと思います。
一ヶ月間お世話になりました。それでは。

(懺悔)
もうちょっと、黒勇者っぽい選択肢を出したかったなぁ……
一ヶ月間お疲れさまでした!
とても楽しかったですよー。ライアンカコ(・∀・)イイ!
ライアンがカコヨカッタでつ! 乙!!
戦いの描写がうまいなあと思って読んでました。
楽しかったー。ほんとにおつかれさま!
474296 ◆kYB5EDmqco :03/05/08 21:41 ID:5ZR7xjpT
 スタンシアラに旅立つところで終わろうかとも思いましたが、
基本的にスタンシアラ行く前にガーデンブルグへ行けたりするので、ここで
止めました。元々引き継いだ当初の予定は、延びても一ヶ月ぐらいで終わらせるだったので……
というわけで、引き継いでマスターをされる方はどうぞご自由になさってください。

>470
ありがトン。次は、自分の代わりにマスターをしてくれる人がくるか、ナナシクラゲさん
が復活してくれることを祈っててくださいませ。てーか、誰か続きやって〜!!

>472-473
どもです。楽しんでいただけたようでこちらとしても嬉しいです。ライアンとピサロナイトですが、
自分がロザリーヒルを受け持ったらどう書くかと考えて絞り出したやつなので、
誉めて頂けて何よりです。
475296 ◆kYB5EDmqco :03/05/10 01:05 ID:VW5j2zMO
なんか、このままだと寂れて沈んでいってしまいそうだなぁ。
保守がてら4章でやってみる? ソロはもういいや。別の人が書いたソロが読みたいし。
476296 ◆kYB5EDmqco :03/05/10 10:55 ID:VW5j2zMO
ロムしてる人はいないかもしれないけど、決を取ってみよう。

1.スタンシアラへ
2.4章『モンバーバラの姉妹』
まあ、来週まで待ってみましょう。
>476
2でお願いしまつ
2に一票。
480もうちょっと様子見 ◆kYB5EDmqco :03/05/12 22:48 ID:F8nIh45k
なんか悲しいけど、誰もスタンシアラをあげないんだね。
私が続投してもいいんですか?
1に一票でございます。
>480 続きを書ける状況の人がいれば1もあがるだろうけど、そうでないから2なのかなと
思っていたけど。
俺も1がいいかな
でも職人さんが4章やりたいのならそれはそれで
484296 ◆kYB5EDmqco :03/05/14 20:06 ID:RhI1KV+k
>483
木曜の晩までに1が多かったら、責任とって自分が続行します。
ガーデンブルグ編は、他の方に是非とも任せたい。

>482
まぁ、自分も夏場あたりきな臭くなりそうなんですが。
4章くらいなら、なんとかなるかぁと楽観してます。
1だと短く済みそうなのが、私のメリットかな。とりあえず、住人の方は好きな
方を選んでくださいませ。
485あぼーん:あぼーん
あぼーん
486296 ◆kYB5EDmqco :03/05/15 22:32 ID:FWh7WxD/
とりあえず、24時まで待ちます。
487296 ◆kYB5EDmqco :03/05/16 23:35 ID:87BWiBz8
もう一声ないかなと思ってたのだが……。
とりあえず、明日の晩からはじめようと思います。今の段階だと先着で4章決定
ですね……。明日の晩8時まで受け付けてますよ!
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番2票、1番2票。同数ですが、先着順で2番『モンバーバラの姉妹』に決定します。
なお、祖父の入院の準備などで終われ、土曜に更新できなかったことをお詫びしますm(_ _)m

■第4章 モンバーバラの姉妹■
「マーニャだ!マーニャがもうすぐ来るぞ、急げ!」
威勢のいい若者の声が街角の路地裏に響き渡った。ほろ酔い気分の旅人や戦士たちに、
未来を語って聞かせていた占い師や預言者が、何事かと目を丸くする。その横を、
いかさま商人の怪しげな売り物を踏み散らかして、大勢の若い男達が駆け抜けていった。

 キングレオ城からはるか南にあるモンバーバラの町に夜が来た。
ここは旅人達にとって娯楽のオアシスだ。かん高い歌声と踊り、人々のにぎわい、酒と音楽、
今宵も旅人達が強い酒を飲み、幻惑感に酔いしれている。若者達の向かう先は、この町のにぎわいの中心、
美しい踊り娘が続々登場する大劇場。客席を埋め尽くす観客達の歓声と、激しいリズム
のなか、舞台の中央で一人の踊り娘がしなやかに踊っている。
小麦色の肌をした長い髪の少女。
「さあさあ!歌と踊りの楽しい夜を。今夜はマーニャだよ。マーニャが踊るよ」
けたたましい呼び込みの切符売りが少女の名を連呼する。「おいおい、これじゃよく見れないぜ」
先刻劇場に入った若者が嘆いている。
「なんせ一番人気の踊り娘だからな。この数を見ろよ、皆彼女が目当てなのさ」
「ああ、あの金色の瞳、あの紫の髪、あの小麦色の肌、あの長い足……マーニャ〜!
こっちを向いて!」

489296 ◆kYB5EDmqco :03/05/19 00:29 ID:79LthGK+
マーニャ! マーニャ! 歓声にこたえてマーニャが投げキッスを観客にプレゼントする。
陽気な彼女にとって踊り娘は天職。何もかも忘れて踊っている時が一番嬉しいのだ。
この歓声も、この汗も、陽気な一座の仲間たちも、皆彼女のお気に入り。
けれども、ここで踊るのは今日でおしまい。最後の出番を終えて、大歓声の中、彼女は名残惜しそうに楽屋へと消えていった。

「お疲れさま、姉さん。相変わらず凄い人気ね」
汗びっしょりになってかえってきたマーニャを待っていたのは、隅の椅子に腰をかけていた妹のミネアだった。マーニャとおなじ色の肌、同じ色の瞳。
ただ、太陽のようにきらめくマーニャのそれではなく、月のように神秘的な輝きを秘めている。ミネアは占い師だ。
「ミネアがこうやって待っているのも今日が最後……明日からいよいよお父さんの敵討ちの旅立ちか」
懐かしむように話しかけてくる姉を見て、手許の水晶を磨いていたミネアは困ったように笑った。
「また姉さんったら……。まだ敵討ちの旅と決まった訳じゃないのよ。お父さんの弟子だったバルザックとオーリンの二人を捜し出して、
お父さんが死んだそのときのことを聞くのが目的なんだから」
「死んだ? 殺されたのよ。お父さんが死んで、そこにいたはずのオーリンとバルザックが消えた。殺したのはバルザックで、
オーリンは怖くなって逃げ出した。他に何があるというの? それとも二人して共犯だったとでも!?」
パシッとマーニャがテーブルを叩く。姉妹の間で何度となくかわされてきた議論。
ふたりだけでなく、誰も姉妹の父エドガンの死に際を見ていない。
何故殺されたのか……誰が殺したのか……。姉妹が互いを見つめ合う。
そのとき、楽屋のドアがあいた。
490296 ◆kYB5EDmqco :03/05/19 00:32 ID:79LthGK+
「よう、邪魔したかい?」
ドアの先から姿を現したのは派手な服を着た小柄の髭面の男だった。この一座の座長だ。
「いいえ、またくだらない舌戦を繰り広げる所だったから……感謝してるわ」
「またかい……よく飽きないねぇ。ま、それはそうと今日はお疲れさん、これギャラね」
座長は、マーニャに今日の給金を投げた。
「ありがと!」
「はぁ、それにしても一年前を思い出すねぇ。あのときの鼻垂れ娘がよくもここまで立派に……
 おいちゃん、嬉しいよ」
「やめてよ、もう」
ハンカチを取り出して座長が涙ぐむ真似をする。でもしない鼻まで咬んでみせるのだから嫌がらせにも手がこんでいる。
顔を見られまいとマーニャはそっぽをむいている。ほとんど泣き顔でこの町に二人でやってきたときのことを思い出すと、
さすがの彼女も恥ずかしさと情けなさのあまり赤面してしまうのだった。無言でにらみ付けてくる
ミネアにヒラヒラと手を振って、座長が椅子に座った。
「それにしても、モンバーバラの美人姉妹が町から消えるってんで、皆凄い大騒ぎだったぜ。
 ミネアがここでマーニャを待つ姿も今日で見納めかと思うと、寂しいねぇ」
「まぁ、わたし達のような美人姉妹なんてそうはいるもんじゃないでしょうけど、父さんの敵討ちが
 すんだらここに帰ってくるわよ。ほら、泣かない! 泣かない!」
「泣いてなんかいねーよ。それで、方針はちゃんと決まってるのかい?」
「まずは父の墓参りにコーミズ村に帰ります。ちょうど父が死んで一年になりますから」
ミネアの言葉に、座長がそれがいい、それがいいと頷いた。
491296 ◆kYB5EDmqco :03/05/19 00:34 ID:79LthGK+
「しかし、エドガンさん、偉大な錬金術師だったんだろう? なんでまた弟子に殺されるなんて酷いことに……
 弟子はバルザックとかいうやつだけだったのかい?」
「もう一人、オーリンという男がいたわ。仕事はいまいちだったけど、素直でいい奴だった。バルザックは……最低な奴よ」
思い出したくもないとばかり、マーニャが一言でバルザックを切り捨てる。
「……わたしは、確信してる。父さんを殺したのはバルザックだって」
「でも、あの事件以来、オーリンさんも姿を消したんです。私達、オーリンさんも探してみようと思ってます。
 彼ならなにか知っているはずだし……とにかく心配で」
そこへ一座の副座長が割って入ってきた。
「申し訳ありません。座長、すこし来てもらえませんか?」
「なんだ、せっかく別れを惜しんでるっていうのに……すまねぇな、二人とも」
座長は彼に連れられて楽屋の隅へと去っていった。
さて、これからどうしよう?

1.座長のところへいく
2.すみっこにいるマーニャのファンの男に会いに行く
3.仲の良い踊り娘仲間のところへ別れの挨拶を
4.このまま楽屋を出る。
492296 ◆kYB5EDmqco :03/05/19 00:46 ID:79LthGK+
というわけで、今日はここまで。遅れに遅れて申し訳ない。

ところで、スタンシアラ編をやるという人がきたら、
私は途中でストップしてもいいですか?

▼姉妹の現状
初期装備。HP/MPともに満タン。
493296 ◆kYB5EDmqco :03/05/19 08:47 ID:79LthGK+
 とりあえず、あげておこう。
494空回り俺無視していいよ:03/05/19 11:12 ID:C6VvXlhP
とりあえず曲には不覚にも感動してしまっている、とカキコしておこう。
3!
496T.sakura:03/05/20 17:49 ID:vQzpPdSF
                         .  ) (  、
                       ; (    )  '
               o___, . (、. ' ⌒   `  )
               /      ~ヽ (. : ) ,  ( '  
              /    / ̄ ̄; ) ( . ⌒ )
              /    / FFDQ`‘| ' ` ”, ) 
             /    |   板  /    /  
             /     \__/    /   
    ____   /              /   
  /        \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    
  |           | /  
  |  ()  ()   |/     
  |    ∀    つ     
  |           |     
  |           |    
  └.─.─.─.─.┘
497パイナップル Ver 1.1 ◆yGAhoNiShI :03/05/20 18:42 ID:TftPLHED
  ∧_∧   ∧_∧   ∧_∧   ∧_∧     ∧_∧
 ( ・∀・)   ( `ー´)  ( ´∀`)  ( ゚ ∀゚ )    ( ^∀^)
 (    つ┳∪━━∪━∪━━∪━∪━∪━┳⊂     つ
 | | |  ┃ この糞スレは終了しました   .┃ | | |
 (__)_) ┻━━━━━━━━━━━━━━┻ (__)_)
498:名前が無い@ただの名無しのようだ :03:03/05/20 21:44 ID:ipTUhFIH
デスピサロの元ネタはデルピエロだったのか?
499名前が無い@ただの名無しのようだ:03/05/20 22:00 ID:9qWSgTfZ
すでに何名かの2CHネラーにより2CH化しています。http://www.i-friends.st/?in=masamune皆さんもぜひ一度お越し下さい。最低一回カキコよろ
500名無しさん@LV2001:03/05/20 22:43 ID:T5AVxOyp

お前つまんね
YAHOOに帰んな
501296 ◆kYB5EDmqco :03/05/20 23:51 ID:4SkdYs0X
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
495さんは1を選ばれました。

 「マーニャ!」
既に出番を終えて楽屋に戻ってきた一人の踊り娘が、マーニャを見るなり駆け寄ってきた。
マーニャのよき先輩だったサラだ。
「……本当に行っちゃうんだね。寂しくなるわ……。あなた達の仇討ちの旅が成功
するように祈ってるわ。それと……一座のことは心配しないで。貴女の分まで
あたしがふんばるから!」
「ありがとう、サラ。わたし、きっと帰ってくるからね……」
ひとしきり、別れを惜しんでいると、横から一人の同僚が間に入ってきた。
「ところで、座長は? てっきり別れを惜しんでると思ったのだけれども」
「ええ、さっき副座長が来てから、隅の方で二人して難しい顔で何か話し込んでるわ」
「そう……あの話かしら」 サラの顔が深刻そうに曇った。
「あの話?」 怪訝そうなマーニャを見て、サラが何度か目をしばたかせる。
「知らないの? そうか、マーニャには目的があったものね。座長も心配かけないように黙ってたのよ。
 実はね、最近お城から女をよこせって五月蠅いのよ」
「そうよ。しかも直々にね。勅令よ」
「お城から直に? なにそれ、胡散臭くない!?」
「胡散臭いけど、お城の生活にあこがれる若い子も多くてね。座長も頭が痛いところなの。
最近のキングレオのお城は何を考えているのかしら? 薄気味悪くて、怖いわ」
「もう、サラ! 湿っぽい話をしちゃ駄目じゃない。さ、マーニャ。はやく行っちゃいな。
 他の娘達が来ると大変よ。無理矢理引き留められても知らないわよ」
そうして、マーニャは別れの挨拶にサラと短い抱擁をかわした。
502296 ◆kYB5EDmqco :03/05/20 23:54 ID:4SkdYs0X
「さて、それでは、最後に派手に挨拶をするとしますか」
サラから体を離したかと思うと、マーニャが楽屋の入り口に向かって走り出す。
そのまま宙を三回転して着地、クルリと振り返って舞台で最後に見せる踊りのポーズをしてみせた。
これを見た楽屋の人々が話をやめて彼女に注目する。
「皆様、いままでかわいがってくださって本当にありがとうございました。
 わたしたち姉妹は、これから父を殺した男を探す長い旅に出ます。
 もうお目にかかれないかもしれません。だから、わたしたち姉妹のことを、時々思い出して
 くだされば、とても嬉しく思います。では、皆さん、ごきげんよう!」
マーニャがしなやかにお辞儀をした。楽屋にいた人々の間から拍手が起こる。
あわてて近寄ってきたミネアが姉の後を追ってお辞儀をする。
「モンバーバラの名物姉妹に祝福を!」
「きっと帰ってくるのよ!」
「旅の無事を祈ってるよ」
二人は再び入り口に向き直り、拍手に送られて慣れ親しんだ楽屋を出た。

ふたりは劇場の外に出た。まるで今にも落ちそうな大きな月が、モンバーバラの熱帯夜を照らしている。
「旅立ちを祝うには上々ね。満月なんて気が利いてるじゃない」
この時間はモンバーバラも静かだ。酒場の方が少々にぎわっているだけで、
路地裏から誰かが奏でる笛の音色や、女の歌声が聞こえてくる。
ミネアが眩しげに手をかざして月を見た。
「さて、旅の準備をしなくちゃ。まずはどこに行く? 姉さんが決めていいわ」

1.武器屋へ行く
2.教会へ行く
3.防具屋へ行く
4.宿屋に帰って休む
2
504296 ◆kYB5EDmqco :03/05/21 21:27 ID:HBhaMwcF
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
503さんは2を選ばれました。

「意外ね。姉さんが教会に来たがるなんて」
ミネアが心底驚いたといった顔で姉を見る。
「なによ、わたしが神様にお祈りを捧げるべきだと思ったらいけないわけ」
マーニャの強い要望で二人は教会にやってきた。
「おや、こんな時間に誰かと思えば美人姉妹でないの? そうか、旅に出る前の
 お祈りだね、よっしゃ、任せたまえ。あー、天にまします我らが神よ…」
(いいところなんだけど。どうも、モンバーバラでは神父様まで軽くていけないわ……)
(このおっさん、どこかで見たような……はて、一体どこで? 初めて会った気がしないわ)
などと、祈りの聖句をに本音を隠しつつ姉妹は厳粛な面持ちで祈りを捧げた。
「全ては神の導きの許、必ずや父君の仇はうてましょう。あー、ところで、マーニャちゃん。
 一つ、祈りのお礼に私にサインをおくれでないかい?」
おごそかに色紙を取り出しサインをねだってくる神父。それを見たマーニャの頭
の中でようやくパズルのピースが完成した。
「あー、あんた、この前楽屋の前でわたしにサインをねだってきた人でしょう!
 しかも、ご丁寧に変装までして」
隣にいたミネアがピシリと音を立てて硬直した。しまったと言った顔で神父が口に手をあてる。
「はっはっは、ばれてしまっては仕方ない。でも、サインはあきらめないよ。さぁ、
 さぁ、是非とも書いてもらうよ、マーニャちゃん」
悪びれず色紙を差し出してくる神父に呆れたマーニャだが、不承不承といった顔
で色紙に殴り書きでサインをしてやった。
ニコニコと微笑む神父の笑顔に見送られて姉妹が教会を後にする。
「神は……この教会に神はいないわ。いないのよ……」
ぶつぶつとミネアがうわごとのように同じ事を呟いていた。

1.気分が悪くなったので宿屋に帰って休む。
2.防具屋にでも顔を出す。
3.武器屋へ顔を出す。
2
506296 ◆kYB5EDmqco :03/05/22 23:07 ID:cU9zryV2
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
505さんは2を選ばれました。

ふたりは何か必要な物はないかと防具屋へやってきた。
「いらっしゃ〜い……なんだ、マーニャちゃんとミネアちゃんじゃないの。えへへ、
ふたりとも相変わらずかわいいなぁ〜、ひっく」
「やだ、店長一杯やってんの」
マーニャが呆れていった。ミネアはすでに気配を察してか、扉の影に身を隠している。
「そうそう。マーニャちゃん。その今着ている踊り娘の服、売ってくんない?
 踊りを止めたマーニャちゃんが、いらなくなったその服を売りに来るだろうと
 予想したファンの男達から予約が殺到しててね。プレミアついて大価格。
 ね、今なら相場の十倍で買いとるからさ」
赤ら顔で店のおやじが迫ってくる。
「何考えてんのよ。このスケベ! 寝言は寝てから言いなさい!!」
「あら、いい話じゃない。姉さん」
扉の影からひょっこり顔を出したミネアがそう言った。マーニャがにらみ付けると
慌てて顔をひっこめる。

1.服ぐらい減るもんじゃない。売ってやる。
2.売ってやるもんか! 気分が悪いので宿屋へ帰る。
1 売る代わりに店で一番いい装備を一式耳を揃えて持ってこいと凄む、って感じで……。
凄む姉さんハアハア
1
509296 ◆kYB5EDmqco :03/05/24 00:03 ID:DY2sxPVc
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番2票で1番に決定です。

「ま、どうせ減るもんじゃないし。売って上げてもいいわよ」
「ほ、本当かい!? マーニャちゃん」
鼻息も荒く店長が詰め寄ってくる。
酒気のまじった空気を嫌そうに手で払いながらマーニャが答えた。
「ただし、これじゃなくてわたしのお古の方よ。ちょうど、着替えの代わりにでもと袋にいれてあったからね」
「そ、そりゃないよ。今着ている服だからこそ、価値があるわけで」
「なによ。どうせわかりっこないわよ。わたしと店長が黙っていればね」
火花を散らしてふたりが睨み合った。
「マーニャちゃん、今だからこそ価値があるんだよ。そんなお古なんて、売れると
思ってるのかい? そんなに、その服を売りたくないのかい?」
「ええ、とっても売りたくないと思ってるわ。そもそも、なんでそこまでこだわるのかなぁ?」
マーニャが苦虫を半ダースまとめてかみつぶした。
「そりゃもう、汗と体臭のしみこんだ……(以下略)」
店長の唐突に始まったフェチ談義は一時間の長きにわたって続いた。
「もういいわ、店長、よくわかったから。でもね、あたしは舞台をちょっと休むだけで。
心はまだ踊り娘なんだから。今着ているこの服は売りません。わかった?」
いい加減、この話題から離れたいとばかりマーニャが苛立たしげに言い放った。
今度は店長が苦虫を1ダースまとめてかみつぶした。

1.わかった。それで手を打とう
2.交渉は決裂し、マーニャ達は宿屋に帰った。
1
511296 ◆kYB5EDmqco :03/05/25 00:14 ID:9gZzI6m1
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
510さんは1を選ばれました。

「わかったよ。それで手を打とう。ただし、引き取るのは相場の五倍でだからね」
「ええ、それで結構よ」
「毎度あり〜」
渋面をつくって店長は金を払い、渋々マーニャの古くなった踊り娘の服をひきとった。
防具屋から勝ち誇ったマーニャが出てきた。戸口の影で待っていたミネアが呆れたようにため息をついた。
「姉さんもなかなかの悪よね」
「あら? ミネアも言うようになったじゃない。でも、あれを新品として売りつけようとする
 店長の方が悪だと思うわ。さ、宿屋に帰りましょう」
そうして、ふたりは宿屋へ向けて足早に去っていった。

 慌ただしい一日が終わり、ここはは宿屋の一室。
普段ならここで夜のお喋りとなるのだが、今夜ばかりはさすがに無口だ。
ふたりは明日に備えぐっすりと眠ることにし、ベッドに早々と入っていった。
夜がふけていく。それからしばらく、突然

1.部屋の戸が叩かれた。(妹を起こす)
2.部屋の戸が叩かれた。(妹を起こさない)
3.部屋の戸が叩かれた。そのまま無視して寝入る。
2
装備を確認してから。
514 ◆kYB5EDmqco :03/05/25 23:51 ID:9gZzI6m1
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番2票で2番に決定しました。

 無視しようとも思ったが、緊張が邪魔となって再度寝ることは無理そうだ。
仕方なくマーニャはベッドから抜け出す。せっかく寝付いた妹を起こさないように
抜き足でドアの真側へと忍び寄る。
「こんな夜分に誰……一体なんの用?」
精神を集中させていつでもメラを発動できるようにしてからマーニャが応えた。
呪文の集中をしたことに根拠はない。単なる勘だ。
「……お願いします。訳あって押し問答をしている暇はないのです。あけてください」
声の主は若い男のようだ。くぐもった声から逼迫したような響きが感じられる。
(信用して上げてもよさそうだけど、のぞき窓でもあればねぇ……)
残念ながら、そんな上等なものはここの宿のドアにはない。どうする?

1.怪しいからあけてやらない。
2.信頼はできそうだ。ただ、妹を起こすわけにはいかない。扉をあけて外に対面する。
3.開けてやる。
1
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番2票で1番に決定しました。

「……悪いけど、わけも話してくれないような人間を部屋にあげられないわ」
ドアの向こうで男は静かに押し黙っているようだ。

1.訳を話せば開けてあげると言う。
2.ねばっても無駄と切り捨てる
518296 ◆kYB5EDmqco :03/05/26 23:56 ID:kiK1iiq3
517は私です。
519名前が無い@ただの名無しのようだ:03/05/27 16:19 ID:l43rvJkF
2
520519:03/05/27 16:20 ID:l43rvJkF
ゴメンあげちゃった。
本当にスミマセンでした。
2−
522296 ◆kYB5EDmqco :03/05/28 00:40 ID:pMW6mZNs
実はキングレオ城に飛ばそうと思っていた。
>520 しばらくあげる手間がはぶけたからいいよ。

 参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番2票で2番に決定しました。

コツコツと靴音が廊下に響き、ドアの前から遠ざかっていく。
どうやらあきらめたようだ。
「あー、もう一体なんだったのかしらね」
ため息をついてマーニャはベッドに倒れ込んだ。

 翌朝、いよいよ旅立ちの日である。
宿屋のおばさんが姉妹の支度を手伝ってくれた。
隣でふたりと同じくらい若い娘がガサゴソと旅の支度をしている。
「あれ、ジジ? こんなところでどうしたの」
娘はマーニャの知り合いで、酒場で給仕を務めるジジだった。
「マーニャちゃん! こんなところで会えるなんて嬉しいなぁ」
「すごくおしゃれしてるのね。一体どうしたの?」
「うん、こんどからお城で働くことになったんだ。本当はリンダが行くはずだったんだけど、
彼女、突然いなくなっちゃったの。宴会に出るだけで給料を貰えるのに、もったいないよね。
うふふ。じゃ、あたい馬車が待ってるから。元気でね、マーニャちゃん」
ジジは両手に荷物を抱えて、忙しそうに駆けだしていった。
「それじゃ、わたしたちも行きますか、ミネア」
「ふたりとも、気をつけるんだよ」
おばさんに見送られて、ふたりは宿屋を出て町の出口へ向かった。
523296 ◆kYB5EDmqco :03/05/28 00:41 ID:pMW6mZNs

「姉さん……本当は私怖いの。だって、この町を出たら、誰も助けてくれる人は
いなくなるんだもの。魔物に食べられるちゃうかもしれない。お父さんを殺したやつに私達
が殺されるかもしれない……」
出口へと近づくにつれてミネアの表情が沈んでいく。
うつむいた妹の顔を起こしてマーニャが笑いかけた。
「わたしだって怖いわよ。でも、そういうことを考えていたらきりがないわよ。
でも、わたしたち、この町で零から始めたじゃない。それで、今はどうかしら? 
嫌なことはあったけど、楽しいことだっていっぱいあったでしょう。
町の外でも同じこと。零から始めて、また素敵な思い出を作りましょう」
「さ、行こう!」と一声かけて、マーニャが先頭に立って歩き出す。
ミネアは一度だけ振り返って町を見ると、姉のあとを追って出口へと小走りで駆け出す。
ふたりの少女の長い旅が始まろうとしていた。
 モンバーバラの町をでた二人はコーミズへ帰っていく。
のどかな陽気のもと、日差しをうけてマーニャの足につけた飾り物がキラキラと輝く。
咲き乱れる南国の紅い花を眺めながら、ふたりは北へと歩いている。
突然、先頭を歩くマーニャが足を止めた。
「姉さん、どうしたの?」 「しっ!」
前方の地面で何かがうごめいている。突如、地面がふたつのこぶのように盛り上がり、
何かが土をはねのけて飛び出してきた。裂けた口から長く伸びた舌。二匹の土わらしだ。
「姉さん、どうしよう?」
マーニャの後ろに隠れたミネアがおそるおそる姉に呼びかける。
「まぁ、みてなさい。こういうやつらはね……」
二匹の土わらしは、をきゅるきゅると舌を鳴らして、様子をうかがっている。
まずは……

1.メラで焼き払う。
2.ラリホーで眠らせる。
3.水晶で占う。
4.逃げる。

1
面白そうなので3
526296 ◆kYB5EDmqco :03/05/28 22:06 ID:pMW6mZNs
ちょっとはやめに更新 
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番1票、3番1票で先着の1番に決定いたしました。

土わらしが長い舌を伸ばして鞭のように攻撃してくる。
「気持ち……悪いのよ!」
スラリと伸ばした長い足をマーニャが振り下ろす。
あわれ土わらしの舌は地面に力一杯押しつけられた。
「きゃきゃきゃきゃきゃ!」
痛みに悶える魔物にマーニャがメラの炎をむける。
燃え上がった土わらしの体が一瞬にして崩れ落ちた。
その死骸はすでに原形をとどめていない。もう一匹の土わらしは呆然としている。
「さて、お次はあんたよ!」
ギラギラ光るマーニャの瞳が残った方の土わらしを睨め上げた。
しばし土わらしとマーニャの視線が交錯する。
「うきゃきゃきゃきゃ〜」
プレッシャーに負けたのは魔物の方だった。土わらしが泣きながら一目散に駆け出した。
遙か彼方へと……
「何よ。失礼な魔物ね」
腰に手をあて憤慨する姉の様子をみて、ミネアがクスリと笑った。
「じゃぁ、コーミズに行きますか!」
「はい、姉さん!」
パンパンと服についた埃をはらって、ふたりはまた歩き出した。
527296 ◆kYB5EDmqco :03/05/28 22:31 ID:pMW6mZNs
 一年しか離れてなかったとはいえ、ふたりにとってコーミズ村は懐かしい場所である。
入り口から全体がほとんど見通せてしまう小さな村だが、ここには大切な思い出が
いっぱいつまっている。もちろん、まだ父親が生きていた頃の幸せな……
暮れなずむ夕日がコーミズ村を赤く染め上げるなか、
ぼーっと村の入り口で、二人はしばらく思い出に浸っていた……
「姉さん、はやく家に帰りましょうよ」
郷愁にかられたのか珍しくミネアがマーニャとせっついてきた。
「待ちなさいよ、まだ時間はあるんだし、みんなにあいさつにいこうよ。
さて、誰から会いにいこうかな」
「いいけど、姉さんが会いにいく人ってろくな思い出がないのよね」

1.色仕掛けでよく値引きさせていた道具屋のおやじのところへ。
2.よき相談相手だった宿屋の店主のおじさんのところへ。
3.よく一緒に畑で野菜を盗んで遊んだ幼なじみのところへ。
2
3にもうイピョーウ
531296 ◆kYB5EDmqco :03/05/29 23:02 ID:y9jENVsg
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番1票、3番1票で先着の2番に決定いたしました。

宿屋にやってきた二人。お互いに顔を見合わせて頷くと、息をあわせて宿屋に飛び込んだ。
「せーのっ、おっじさ〜ん!」
突然駆け込んできた姉妹に、カウンターで本を読んでいた宿屋の店主が仰天して振り向いた。
「マーニャちゃん? ミネアちゃん? 本当にふたりなのかい?」
おそるおそる店主が問いかけてくる。 
「やだ、おじさんったら」
「わたしたち、本当に帰ってきたんですよ」
宿屋の主人は大喜びで二人を迎え、自慢のお茶をいれてもてなしてくれた。
「……そうかいそうかい。エドガンさんの敵討ちにねぇ。マーニャちゃんもそうだけど、
ミネアちゃんも……ふたりとも、しばらく見ない間にすっかり大人になっちゃって」
涙ぐんでハンカチで目をぬぐう店主に対し、二人は沈んだ表情をみせる。
「でも、まったくと言っていいほど手がかりが集まらなくて。人の多く集まるモンバーバラ
でならと思ったのですけど」
「……手がかりねぇ。お、そうだ。実はいまここに高名な占い師のお婆さんが
泊まってるのよ。ミネアちゃんと違って……」
「しわしわで悪かったね!」
「そう、しわしわで……え?」
三人が振り返った先に、黒いローブをまとった老婆が階段をあがっていくのが見えた。
顔に浮かぶしわの奥からくっきりと強い光を放つ目をのぞかせた後、老婆は
二階へと消えていった。
532296 ◆kYB5EDmqco :03/05/29 23:03 ID:y9jENVsg
「あっちゃ〜、あの人凄く気むずかしいんだよな。まずいことになった」
白髪の混じった頭部を抱えて店主がうなる。一方、ミネアは真剣な表情で老婆
の向かった二階を食い入るように見つめていた。
(あの人なら、誰にも占えなかったお父さんのことを占ってもらえるかもしれない)
もちろん、ミネアも何度もその占いに挑戦していた。
しかし、占いというのは冷静に、客観的でなければならない。悲しみと憎しみの
邪念が曇りを呼び、父の手がかりを得ようとするミネアの占いを失敗に終わらせていた。
そして、おかしなことにモンバーバラに住まう占い師たちにも、姉妹の父のことを
占える者はいなかったのである。
「姉さん、私、あの人に私達のことを占ってもらえるよう頼んでみる」
「え? ち、ちょっと、ミネア!」
姉の返事も聞かず、ミネアはすでに老婆の後を追って階段を駆けだしていた。

1.妹を追いかける。
2.ここで待つ。
533名前が無い@ただの名無しのようだ:03/05/29 23:22 ID:Vu9OOB2k
534296 ◆kYB5EDmqco :03/05/29 23:26 ID:y9jENVsg
ありゃ、しまったね、これは。リロードを怠った……
どのみち3番の幼なじみルートを選んだ後でも「宿屋」と「道具屋」
を選択肢に出すつもりだったから……。ここで3番ルートを書いておきます

 幼なじみのベスはマーニャと同い年。同世代の子供が少ないこともあってよく三人一緒
で遊んだ仲だ。扉からベスが出てくるなり、思いきりミネアが彼女を抱きしめた。
マーニャは、ミネアごとベスを抱きしめるように腕をまわす。
「マーニャちゃん、ミネアちゃん、すっかり綺麗になっちゃって……エドガンのおじさん
もきっと鼻を高くしてると思うよ」
二人に抱きしめられた後、ベスが嬉しそうに呟く。
しばらくたつと、女三人よれば姦しいの言葉通りおしゃべりに花が咲く。
お茶を飲みながらたわいないことを話すのは、やはりとても楽しい。
服のこと、町のこと、男の子のこと……話題は尽きない。あっというまに時間が過ぎていった。
「あ、もうこんな時間。そろそろおいとましないとね」
「え、今日はここに泊まっていけばいいのに……」
「御免ね、他の人にも挨拶しなきゃいけないから」
残念そうなベスの手をミネアが握りしめた。 (>>531へ続く)

というわけで、続きは>>532の二つから選択してください。
530さん、ほんと御免なさいm(_ _)m。
2
1
538296 ◆kYB5EDmqco :03/05/31 01:15 ID:qIyUsS5z
ビッグオー!みてたらこんな時間になってしまったよ。待たせてスマソ。
1番3票、2番1票で1番に決定しました。

「はあはあ、ま、待ってください、おばあさん」
部屋に入ろうとした老婆をミネアが呼び止めた。
「すみません、占って欲しいことがあるんです」
「……おまえさんは?」
「ミネアといいます。占って欲しいのは、自分のことなんです」
老婆は明らかに迷惑そうな素振りで振り向いた。
「……みたところ、あんたもわしと同業だね。占い師でありながら、自分のことも
占えないのかい?」
詰問するような強い口調で老婆が言った。本当のことだけに、ミネアは何も言えずにうつむいた。
「どんな事情があるのか知らないけど、未熟だね」
短く言い捨てると、老婆はノブに手をかけたようとする。
「ちょっと、好き放題言ってくれるじゃない!」
肩を小刻みに揺らしてマーニャが割り込んできたのは、ちょうどそのときだった。
「ね、姉さん」
いまにも老婆にとびかからんとする勢いを見せる姉を、ミネアが必死で止める。
獣のように暴れるマーニャをうるさげに見やった老婆だが、そのとき何かに驚いたように
はっきりと表情をかえた。ついで、ミネアの顔を食い入るように見つめた後、老婆は戸を開き、
だまって二人を部屋に招き入れた。
539296 ◆kYB5EDmqco :03/05/31 01:20 ID:qIyUsS5z
 「さて、お前さんがたの何を占えばいいんだい?」
しわだらけの顔の中、ギョロリとした目をふたりに向けて老婆が問いかける。

1.わたしたち姉妹のこと
2.父を殺した男の手がかり
2
541296 ◆kYB5EDmqco :03/06/01 00:28 ID:bIKbOLcR
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番1票で2番に決定しました。

 姉妹の前で老婆は長い時間黙って水晶玉を覗き込んでいた。
ふたりはドギマギしながら老婆から視線を離さない。
「……オーリン」
やがて、ポツリと老婆が呟いた。
「オーリン、いま、オーリンって言ったんですか?」
老婆がミネアにおかまいなしに、口から流れ出す言葉を紡ぐ。
「ハバリアの港町のはずれに一人の男が立っているのが見えるね。筋骨隆々の、
立派な体格をした黒髪の若い男」
「やったぁ、あいつ、生きてたんだ! 明日はハバリアに直行だね」
飛び上がってマーニャがミネアに抱きつく。水晶玉から顔を離すと、老婆は静かに目を閉じた。
「ここから、北西……ハバリアの西に『岬のお告げ所』と呼ばれとるほこらがある。
 行き場に迷ったらそこへ行くんだね、お嬢ちゃんたち」
「岬のお告げ所……そこは一体?」
しかし、それきり老婆は何もしゃべらなくなった。仕方なく、ミネアとマーニャは
お礼を行って部屋をでた。
542296 ◆kYB5EDmqco :03/06/01 00:42 ID:bIKbOLcR
 宿屋の店主と別れて外に出た二人は、肩を並べてオレンジ色の道の上を歩いていた。
「懐かしいね、この道……」
「うん、ここから見えるわたしたちの家も昔のまま……」
まわりの家にぽつぽつと灯りがともる中、ひとつだけ黒いシルエットを浮かびあがらせた家。
そこがマーニャたちの我が家。エドガン家だ。

1.そのとき、前方から犬が走ってきた。
2.そのとき、前方から籠をさげたおばさんが歩いてきた。
番外の3 スライム現る
3かな。
546296 ◆kYB5EDmqco :03/06/01 22:24 ID:bIKbOLcR
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番1票、3番3票で3番の「スライム現る」に決定しました。うわ、想定外。

 「姉さん……」
玄関の前まで来たというのに、ミネアはドアを開くのをためらっている。
「もう、バカね。なにしてるのよ。さあ、開けるよ」
バタン!と音をたててドアが勢いよく開いた。懐かしい木のにおいがした。
「たっだいま〜」 「おかえり〜」
「へ?」
誰もいないはずの我が家から返事が聞こえた。
目を丸くした二人が慌ててきょろきょろとあたりを見回すが、誰も見あたらない。
「誰なの? 村の人……オルガおばさんとか?」
親しい村人の中からあたりをつけて呼びかけるが、誰も出てこない。
「違う、違う。そこじゃないよ。二人とも、下を見てごらん」
声のした方向に目を向けた二人は、足下に一匹のスライムをみた。
「こんにちは、僕、悪いスライムじゃないよ」

1.問答無用でメラ。
2.無視して父親の墓参り。 
2
1
550296 ◆kYB5EDmqco :03/06/03 01:41 ID:9KbSYBAK
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番2票、2番1票で1番に決定しました。

「メラ!」
指先から飛び出した火の玉がスライムの体を焼き尽くす。炎に巻かれてスライムは絶命した。
「……姉さん、少しくらい話を聞いてあげればよかったのに」
「う、つい反射的に手が……」
さすがのマーニャも反省しているようだ。ひどく罰の悪い思いをしながら、
姉妹は父の眠る家の裏手に向かった。両手一杯の花束をそなえて、しばらく黙祷する。
目の前には石碑しかないが、二人ははっきりとエドガンの姿を見ることができる。
「お父さん、かならず、仇はうつから……」
「だから、安心して私達を見守っていてね」
ゆっくりと立ち上がると、ふたりは墓をあとにして家の中へ戻った。

 ふたりの育ったエドガン家には、今は誰も住んでいない。しかし、心優しい
コーミズ村の人々の手によって、しっかりと手入れがされている。
久しぶりに帰ったというのに家の中は全く変わっていなかった。
「うわー、これ、ミネアの誕生日にお父さんが買ってくれた人形だ。覚えてる?」
「うん、覚えてる。忘れたりなんかしないわ……」
全く変わっていない我が家。それだけに、父エドガンの姿だけぽっかりと抜け落ちている。
ふたりとも、そのことを強く感じていたが、どちらも口には出さなかった。
楽しい思い出の中に混ざったひとつかみの苦みから疲れを感じてしまったのだろうか。
二人はベッドに入ると、あっというまに眠りの園へと落ちていった。

1.明日はハバリアに直行
2.岬のお告げ所へ向かう
2
2
1で
557296 ◆kYB5EDmqco :03/06/03 22:45 ID:9KbSYBAK
同じIDが重なるということは、よくあるのだろうか? とりあえず、同一IDで
まぎらわしいので、555さんのレスは、はねます。申し訳ありませんm(_ _)m 

参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番2票、2番3票で2番に決定しました。

 夜が明けて、朝日が村を照らし始めた。マーニャたちもベッドから起き出している。
「やっぱり実家で迎える朝はいいわね。さ、ミネア、行きましょう」
「うん……姉さん。その、やっぱり先にハバリアに行くの?」
上目遣いでミネアがマーニャを見つめてくる。
「ミネア、どこか他に行きたいところでもあるの?」
「ええと、その『岬のお告げ所』が気になるの? ハバリアに行く前に寄っておきたくて」
困ったようにマーニャが腕を組む。
「う〜ん、『お告げ所』ねえ……別にこれといって迷いがあるわけじゃないしねぇ」
「御免なさい。姉さん、私、どうしても気になるの! もちろん、オーリンさん
 に早く会いたいと思うけど……」
「よっし、わかった。そうと決まったら早速出発よ!」

 ふたりはお告げ所へ向けて歩いていった。
「岬のお告げ所ねぇ。一体どんなところなんだか」
「ごめん、ねえさん。あのお婆さんの言葉が気になっちゃって」
「ふふ、どこまでもお供しますよ。ミネアお嬢さん」
マーニャのおどけた口調にミネアがつられて笑う。二人は笑いながら、お告げ所へ
向けて旅を続けた。
558296 ◆kYB5EDmqco :03/06/03 23:38 ID:9KbSYBAK
 「凄い!」
ため息をついてミネアが室内を見回した。変哲のない石の建造物にしか
見えない外観と違って、告げ所の内部は見事な金の彫刻や宝石をちりばめた飾り物
で一杯だ。中央に陣取った八つの燭台が、部屋を更にきらびやかに輝かせている。
「ここって、よく泥棒がはいらないわね……」
苦笑しながらマーニャが部屋のなかへと足を踏み入れた。
「これ、一体どういう原理で火をともしているのかしら?」
ミネアが興味津々といったふうに八つの燭台を眺める。
中心部で一際高く燃え上がる炎をともした燭台に寄り添うように、七つの燭台が配置されている。
「不思議ね。真ん中の燭台の炎だけ、大きさがまるで違うわ」
二人は魅入られたように燭台を見つめ続ける。
「すっかり気に入ったようね」
突然、後ろからふたりに声をかけてきた者がいた。

1.振り向いた先には、若いシスターがいた。
2.振り向いた先には年老いたシスターがいた。
3.振り向いた先には、後ろに老婆を連れたシスターがいた。
1!
561296 ◆kYB5EDmqco :03/06/04 23:54 ID:ht3Df1in
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番2票で1番に決定しました。

 どこから現れたものか、ふたりの後ろにいつのまにか若いシスターが一人立っていた。
「初めまして、神のお告げが下る聖なる祠へようこそ」
振り向いた二人にむけてシスターがスカートを少し広げてお辞儀をした。
「え、えと、初めまして」
ふたりがぎこちなくお辞儀をして返す。それを見てニコリと微笑むと、彼女は
小気味よい靴音を立てて二人の側に立ち、軽く右手をあげて炎を指さした。
「……勇者」
ポツリともらしたシスターの言葉はあまりにか細く、聞き取るのがやっとのものだ。
「勇者? いま勇者とおっしゃったのですか!」
「その者のまわりに集まる、運命に導かれし星たち。いつの日か出会い、その使命
をはたさんとする導かれし者たち……。その炎はそれらをかたどったもの。そして、
そのうちの2つは、あなたがた姉妹です」
「ど、どういうこと?」
「そう遠くない日、あなたがたが仇と狙う男と出会った時にわかるでしょう」
「仇? シスターは私達の父を殺した男をご存じなのですか!」
何も応えずにシスターは静かに首をふった。
「ここから西の山脈をこえたところにアッテムトという古代の遺跡があります。
今はただの鉱山町となっていますが。気が向いたら行ってみることです」
「そこに何が……」
「ふふ、それを見つけるのはあなたがたです。さぁ、行きなさい」
ふたりは礼を述べると、祠を後にした。

1.ハバリアへ行く
2.アッテムトへ行く
1で。
1
1
1
566296 ◆kYB5EDmqco :03/06/05 22:21 ID:MxJm4AEq
参加ありがとうございます。ハバリア大人気だね。 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番4票で1番に決定しました。何がそこまでハバリアにひきつけるのか……オーリンか?

 長い髪をなびかせて、はるかな草原を姉妹が歩いていく。ハバリアは、この大陸の
先端にある港町だ。もちろん、ふたりとも、そこへいくのは初めてである。
「それにしても、不思議な場所だったわねぇ」
「うん、勇者と共に旅する使命を持った仲間だなんて……突拍子もないわね」
話題に上るのは先程訪れたお告げ所についてである。
「ね、ひょっとしてオーリンのやつもそうだったりするのかな?」
珍しい花を摘んだ……いや、もぎとって上機嫌なマーニャがニコニコして言った。
「くす、どうなんだろう。あの人、見かけによらず気の小さいところがあったし…
勇者の仲間って感じじゃないと思うわ」
「わ! ほんと、あんたって変なところで毒舌よね」
「それはもう。よき師が側におりますれば……」
草原の小道にかろよかな笑い声を残して、姉妹はハバリアへ向けて歩いていった。
567296 ◆kYB5EDmqco :03/06/05 23:07 ID:MxJm4AEq
 大陸の北、ハバリアの港町に着くなり、二人は後ろから疾走してきた若い商人
に激突しそうになった。「ごめんよ!」
一声かけると、商人はそのまま町の中へと消えていった。
「あぶないったらありゃしない。でも、今の人、珍しい髪の色ね。このあたりじゃ
みかけないわね」
「ここはエンドールとの貿易で栄えているらしいから、今の人はエンドール出身
なんじゃないかしら。 ほら、あの建物なんてエンドール風じゃない? 他にも……
まるで世界がこの町に集まってきたみたい」
「エキゾチックな魅力の殿方と……国際結婚かぁ。ミネア、燃えてこない?」
「また、姉さんは……。でも、それにしてはあまり賑わってないわね。人も少ないし
さっきの人は何故あんなに急いでいたのかしら?」
町には色とりどりの豪華な店が並んでいるが、人の行き交いも少なく実に静かだ。
店先に飾られた鳥の看板が風に巻かれてカラカラと回る様は、まさに閑古鳥が鳴く風情。
「……とりあえず、宿の予約を取ってから町をまわりましょう。この人気のなさから
みれば大丈夫かもしれないけど」
「おっけ〜。ミネア! 頑張ってオーリンを探しましょう」
568296 ◆kYB5EDmqco :03/06/05 23:17 ID:MxJm4AEq
 宿屋に入るなり、姉妹は揃って眼を丸くした。
さすが港町。豪華な飾り物、高い天井、きらびやかなシャンデリア、磨き抜かれた床、
モンバーバラやコーミズの宿屋とは大違いだ。
 しかし、宿屋のおばさんの表情は何故か暗い。他に宿泊客も存在せず、今日の
客はマーニャとミネアの二人だけである。
「なんか、違うわねぇ。求めていたものと……」
「一体何を求めて、ああ、いい。言わなくていいからね、姉さん」
ミネアは宿屋のおばさんに大まかな町の構図を聞くと、簡単な地図を書いてもらった。
さぁ、まずはどこにいく

1.マーニャ「わたし、カッコイイ武器が欲しいなぁ」
2.ミネア「道具屋の店主ならオーリンさんの事を知っているんじゃないかしら?」
3.教会へ行ってみる
3
3
同じく3。とりあえずセーブ
3
都合が悪くなったらリセット。
573296 ◆kYB5EDmqco :03/06/06 23:10 ID:kMTfef9n
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
3番4票につき3番に決定しました。うーん、予想外。

 ふたりは教会にやってきた。なかには親切そうな神父がいた。
お祈りをすませた後、ふたりは神父にオーリンのことを聞いてみた。
「……オーリンですか。どんな人なのですか?」
「どんなと言われましても……黒い髪で体格が立派な普通の青年です」
「体格がよくて黒い髪の若者などこの町には一杯いますからねぇ……何か他に特徴は?
額に傷とか、胸に痣があるとか……」
「いえ、その、本当に普通なのが特徴というか……」
神父がため息をついた。
「申し訳ありません。それではお役に立てそうにありません」
ふたりは神父に礼を言うと、教会を出た。

1.かっこいい武器が欲しいわ
2.道具屋へ行く
3.疲れたので宿屋へ帰る


2
575296 ◆kYB5EDmqco :03/06/07 21:29 ID:/EImkJT6
今日はちっとばかし早めに更新する。参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
574さんは2番を選ばれました。

 道具屋の店主は聖水や満月草、薬草などに囲まれて暇を持て余していた。
マーニャとミネアがドアを開けて店内に入るなり、転げ落ちるように椅子から
飛び起きカウンターについた。
「へい、らっしゃい。なんでもあるよ〜!」
「すみません。私達人を探しにきたんです。オーリンさんという方をご存じですか?」
「なんだ〜、お客さんじゃなかったのか。知らないよ。オーリンなんて人は……」
意気消沈してカウンターの上に突っ伏す店主にマーニャが申し訳なさそうに笑う。
「ええと、とにかくゴツイ体をした黒髪の男なんだけど……」
「……ゴツイ体ねぇ。そういえば、つい最近まで常連だった男が黒髪だったような?」
「ほ、本当ですか? その人は今どこに……」
「知らないねぇ。こちらが何を話しかけても必要以上のことはなにもしゃべらなかったし……
それに、ここ一ヶ月程どうしたのか全然顔を出さなくなってしまったからね」
「そういえば、おじさん。ハバリアっていつもこんなに寂しい町なの?」
「いや、ちょっと前……半年前までは凄いにぎわいだったさ。この店だって、連日
超満員であたしも休み暇もないくらいだったよ。でも、王様が変わってエンドール
との定期船が厳しく制限されちゃってからもう大変。船がでなきゃ、この町は終わりだよ」
店主が力無くため息をこぼした。
「そうそう、船は今度出るのが最後の定期船になるそうよ」

1.武器屋へ行く
2.宿屋へ帰る
1で
1
買い物しようよ。
1
580296 ◆kYB5EDmqco :03/06/08 23:07 ID:VLTY9Uc5
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番3票、2番1票で1番に決定しました。

 「おや、いらっしゃい。綺麗なお嬢さんがた」
髭面のおやじが歯をニッとむき出した笑顔でふたりを出迎えた。
右目に黒い眼帯をつけているせいで、どこかの海賊のように見える男だ。
店内には、マーニャたちが見たこともないような奇妙な形をした武器が所狭しと並んでいる。
しばらく、ふたりは物珍しそうに店内を見て回った。
「さすがに、珍しい武器でいっぱいね、姉さん」
ミネアが振り向いた先では、マーニャが鉄でできた扇を手にしていた。
「素敵でしょ。踊り娘専用の武器なんですって」
そう言って扇をパシッと広げて優雅に扇いでみせる。
「ははは、お嬢さんがた、これからは普通の人間が武器や防具を買うのは禁止になるらしいよ。
買うなら今のうちだよ」
「本当なんですか?」
「ああ、残念なことにね。交易の締め付けといい広場の看板といい、今回のおふれだ。
新しい王様も何を考えているのかね」
ふたりは顔を見合わせて頷きあった。手持ちの現金はちょうど1600Gだ。

1.鉄の扇と毒蛾のナイフを購入する
2.鉄の扇と鎖鎌を購入する
1
1
はげしい値引き交渉キボンヌ。
583296 ◆kYB5EDmqco :03/06/10 00:03 ID:fU8WfeWk
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番2票で1番に決定しました。

 「ねぇ〜、おじさん」
突然、マーニャが猫なで声を出し始めた。
「駄目だよ。1Gもまからないよ」
相対する店の親爺の声はけんもほろほろだ。
「そんなこと言わずにさ〜。サービスするから……ねぇ〜」
ゆっくりと顔を近づけて店の親爺の顔を覗き込む。だが、店主の顔色はいっこうに変わらなかった。
「他に客足が望めれば是非とも乗ってあげたんだけどねぇ」
「ちぇ〜、つまんないの〜」 「姉さんったら……私、恥ずかしい」
結局、マーニャは『鉄の扇』を、ミネアが『毒蛾のナイフ』という見かけは小さいが
刃に猛毒が塗ってある武器を買った。
「ところで、オーリンって人知らない?」
「オーリン……? う〜ん、すまんな。役には立てん」
584296 ◆kYB5EDmqco :03/06/10 01:05 ID:fU8WfeWk
スマソ……寝ぼけて書き上げた文章消してしまった。

ハバリアはすでに夕日に包まれていた。町の向こうに見える海が、黄金色に輝いている。
「まったく、大した手がかりはなかったわね」
「これが姉さんだったら一発で思い出すんだろうけど」
「ミネア、最近口悪くない?」
二人は並んで夕日の沈む港を眺めていた。夕日に照らされて大きな船が浮かんでいる。
惚れ惚れするくらい見事な船体だ。
「大きな船……あれに乗れば海を越えてエンドールかサントハイムに行けるのね」
「……いつか、姉さんと船に乗って大勢の仲間と世界をまわるの……私、そういう気がする」
「ふーん、いい男にいっぱい出会えるかしら」
姉妹は桟橋に腰掛けて、飽きることなく船を眺め続けた。
585296 ◆kYB5EDmqco :03/06/10 01:18 ID:fU8WfeWk
(……あ〜あ、だから嫌だったんだけどなぁ。姉さんと酒場に来るの)
ため息をついて、ミネアが注文した魚料理を口に運ぶ。
ここは、宿屋の地下にある酒場だ。宿屋に帰るなり、マーニャは
階段を降りて地下の酒場に向かいテーブルに着いた。その後、一時間もしないうちに注文した
酒を飲み干し、上機嫌に中央のステージで酔っぱらいの喝采を浴びつつ踊りはじめたのだ。
ミネアは極力他人のふりをして積極的に姉と関わり合いにならないようにつとめた。
「ふはははっ! そりゃまた傑作だな。そんなバカがこの町にいたとは……」
隣のテーブルでは、船乗りとおぼしき集団が巨体を揺らして大声で笑っている。
「そうさ、あの大臣を火薬で驚かせようなんてな。しかし、傑作なことにそれが大成功。
大臣のやつも『王様〜、バルザック様ぁ!』と叫びながらすっとんでいったらしいぜ」
(バルザック! 王様!?)
聞くともなしに笑い話を聞いていたミネアは一瞬耳を疑った。
「で、そいつは今どこにいると思う。この町の地下牢だぜ! ぶわっはっは!」
ミネアはその男にすぐにでも会ってみたくなった。
バルザックが王様……この信じがたい事実を確認するためにも

1.マーニャをひっぱって地下牢へ
2.宿屋へ帰って寝る
2
マーニャを正気に戻さないと。
1 牢屋に行くためにマーニャを説得するミネア萌え
2
589296 ◆kYB5EDmqco :03/06/10 23:39 ID:fU8WfeWk
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番2票、2番1票で1番に決定しました。 今回は皆えらく慎重派が多いね。

 「ほら、姉さん、ベッドよ」
ドサッとベッドの上にマーニャが置かれた。
「うふふ、ミネア、今夜は楽しかったね。またやろうね……」
「もう、酔ってのメラの呪文はこれっきりにしてよね」
マーニャはすでに眠りについている。あきれたミネアは、その場でベッドに潜り込むと
疲れを癒すために目を閉じて眠りについた。
 
 翌朝、二日酔いの頭を抱えてマーニャはベッドから起きあがった。
「アタタタ。頭が痛い……」
「久しぶりだからって飲み過ぎたのよ、姉さん」
それ以上は何も言わずミネアはマーニャにグラス一杯の水をさしだした。

1.牢へ行く
2.オーリンを探しに行く
3.アッテムトへ行く

1
2
593名前が無い@ただの名無しのようだ:03/06/11 15:43 ID:1WZWx/yq
1
595296 ◆kYB5EDmqco :03/06/11 23:56 ID:o5M7uWKa
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番3票、2番2票につき、1番に決定しました。

 「牢ねぇ……そんなところへ今さら朝から行ってどうするの?」
「……酔っぱらった姉さんのせいじゃない」
寂しげなハバリアの通りに二人の声がこだまする。
牢は地下にあり、その入り口では見張りの若い兵士が二人、背筋を伸ばして哨戒に
立っている。物陰からその様子を覗いたミネアがため息をついた。
「どうしたものかしら……?」

1.兵士に事情を話してみる
2.あきらめて立ち去る→アッテムトへ
3.マーニャと相談してみる
4.オーリンを探しに行く
3で。
1
3
599296 ◆kYB5EDmqco :03/06/12 22:18 ID:IF6rfPfP
またやっかいな選択肢を皆して選ぶんだな……。
(そもそも、夜にいっとけばこんなことには……)
じゃぁ、23時ころに更新します。
600296 ◆kYB5EDmqco :03/06/12 23:23 ID:IF6rfPfP
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
3番2票、1番1票で3番に決定しました。アッテムトに近づいているんだか遠ざかっているんだか。

 つねづね、ミネアはこう思っている。酔ったマーニャよりも素面のマーニャの方が危険だと。 
よって姉に相談を持ちかけたことに一抹以上の不安を感じることを禁じ得ない。
(うう……ここにオーリンさんがいたら別なんだけど)
案の定というか、マーニャが提案してきた内容は、ミネアを不安に陥れるくらいわけないものだった。
「ふふ、いいわね、ミネア。わたしがおとりになって逃げるから、あんたはその隙に牢屋に
潜り込んで例の男から話を聞きだしてくるのよ」
「や、やっぱり、他のところに行きましょうよ。ね、姉さん。私、姉さんが兵隊に捕まる姿なんて
みたくないもの」
「賽はもう投げられたわ。お姉ちゃんに任せなさい」
ズンズンと歩き出した姉の勇姿をみやってミネアは肩をおろして気落ちしていた。
(なんだかんだ言っても酔った姉さんの方が扱いやすいのね……し、失敗したよ〜)

 マーニャが兵士達に詰め寄るように前へと出ていった。
「うん、なんだ、お前! 」
「ふふふふ、お前の母ちゃん、で・べ・そ」
601296 ◆kYB5EDmqco :03/06/12 23:29 ID:IF6rfPfP
「……な、なんだと、お前! もういっぺん言ってみろ!」
「おい、寄せよ! 相手は女だぞ」
一瞬激昂しかけた兵士だが、隣に立つ同僚の取りなしで、すぐに平静さを取り戻した。
だが、マーニャの挑発は続く。
「そっちのオッサンの親爺はトラ男、ママは……し・び・れ・だんびら〜ッ!! きゃははは……」
同僚を取りなした兵士が目を剥き、先程母親をマーニャにバカにされた兵士が彼女に
つかみかかろうとした。
「貴様ッ! ちょっと可愛い顔をしてるからって調子にのりやがって……そこに直れッ!」
「きゃははははっ、鬼さんこちら、て〜の鳴る方にッ!!」
マーニャは速い。つかみかかろうとした兵士の両腕の間からスルリと抜け出すと、
路地裏へもの凄いスピードで駆けだしていった。
「待てこら、男の意地にかけて絶対捕まえてやらぁッ!!」
「待て、持ち場を離れるんじゃない」
ふたりはあっという間に路地裏へと姿を消した。もう一人の牢番は、ふたりの後を追いかけて走り去った。
後には静寂とミネアが一人残されるのみ……。
「うー、本当にいいのかなぁ」
迷っている暇はない。ミネアは門をあけると、地下へと降りていった。

 ミネアは地下へと続く階段を降りて上をみあげた。
何故かチュドーン!という音共に地下牢全体が揺れた。やはり、呪文を使ったようだ。
「うう、シスターも姉さんに余計な呪文を教えるんだから……」
いたたまれない思いに駆られつつも、ミネアはその場を後にした。
602296 ◆kYB5EDmqco :03/06/12 23:54 ID:IF6rfPfP
 地下に降りると、石造りの牢が左右に並んでいた。一番奥の牢に髭面の男が座り込んでいる。
「うん、なんだ、お前は……」
男の牢に近づいてきたミネアに、男がすごんできた。
「え、ええと、聞きたいことがあってここに来ました。お城で大臣を驚かせたときの話のこと
を聞かせて貰えますか?」
「ふん……」
鼻息で返事をした男がじろじろとミネアを見つめてくる。
「ま、いいけどよ。そのかわり、ここから俺を出してくれると約束してくれよ」
(え、ど、どうしよう……)
思ってもみないことを聞かれて動揺したミネアだが、とりあえず笑顔で生返事をすることにした。
「はい、分かりました。任せてください」
ミネアの笑顔の建前に男は更に心を動かしたようだ。口調も幾分か砕けたものになってきた。
「よし、約束したぞ。俺は昔、アッテムトの鉱山で働いていたんだ。その後、事情があって
そこを出てキングレオのお城で兵士として働いていたんだけどよ……。そこの大臣
ってやつがまたすげー嫌な奴でよ。女や、兵士長にはへえこらしやがるくせに、
俺達下っ端の兵士にはいばりちらしやがる。ある時、俺は、鉱山で働いていた時に使っていた
火薬の存在を思い出した。火薬っていうのは、鉱山を掘るときに使うやつで、それで岩を
ドーンと吹き飛ばすんだ。俺は火薬を使って……」
603296 ◆kYB5EDmqco :03/06/12 23:57 ID:IF6rfPfP
「ふむふむ、ドーン!と大臣を吹き飛ばした……と?」
「ち、ちげぇよ! あ、あんた可愛い顔してえげつないこと言うんだな……。俺は、火薬を大臣
の部屋の前でドーン!と吹かしただけさ。後は傑作だったぜ。大臣のやつ、『王様ぁ〜
バルザック様〜』と泣き叫びながら玉座目がけて走っていきやがった。もう胸がすっと
したね。最高だったよ」
「キングレオの王様はバルザックと言うんですね?」
「ああ、だが、お城の中で王様を見たことのある奴は一人もいねぇんだ。ほとんどの人間は
王様がどこの部屋にいるのか知らねぇ。知っているのは大臣だけさ……」
(これだけでは、あのバルザックと同一人物なのかわからないわね)
「さて、話はこれでおしまい! さ、俺をここから出してくれよ」
「え、ええ」
(ど、どうしよう……この人、ここから出しちゃっていいのかしら? それに、そもそもどうやって
牢から出せばいいの? )

1.占いでお茶を濁す
2.可哀想だ。出して上げる努力をしてあげよう
3.ラリホーで眠らせて逃げる
4.姉のことが心配なので、さっさと逃げよう
______________________________________________________________

ふぅ、今回はちょっと長くしちゃいました。御免ね。しかし、大臣の名前くらい募集しとけば
よかった。いつまで大臣ばっかりじゃちょっとなぁ……。こいつだ!という名前があったら
選択するついでに書いてくださいな。
3!
そして大臣の名前は アーク=ダイカーン でどだ?w
4 今すぐとは言ってない
大臣→ダイ=ジンでいいじゃん?
606296 ◆kYB5EDmqco :03/06/13 09:26 ID:q+9WebhC
 しまった。いまさらだが、後悔した。挑発じゃなくて兵士を誘うアダルティーな展開に
させても良かったな。てーか、そっちの方がマーニャっぽかったか……
 それはそうと、今のところの候補は、アーク=ダイカーン大臣。
ダイ=ジン大臣。……前者はかっこよすぎ。後者は語呂が悪いよ(苦笑)
607296 ◆kYB5EDmqco :03/06/13 23:42 ID:q+9WebhC
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
3番1票、4番1票で、先着の3番に決定しました。

 「ご、御免なさい」
ミネアはお詫びの言葉と共にラリホーの呪文を投げつけた。
男に抵抗などできるわけもなく、あっというまに眠りについた。
(ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい)
牢内にこだまする男のいびきを背にミネアは心の中で謝罪の言葉をつぶやきながら
階段を駈上っていった。
 地下牢を抜け出したミネアは、ハバリアの中心部にある広場に立っていた。
しばらくしてから、上機嫌な顔をしたマーニャがやってきた。
「やぁ〜。ミネア、しっかりまいてきたわよ」
「姉さん、無事で良かった。こっちの首尾は……一応上々よ」
「それは良かった。で、あっちの人混みは一体何?」
マーニャの指さす方向に、ザワザワとした人だかりが形成されていた。
「ああ、あれ。お城の兵隊達が大きなビラを貼っているのよ」

*********************************
*  来たれ! 世界の美女達よ!                         *
*    ただいまキングレオ城では世界に誇れる美貌の持ち主を募集中!   *
*  毎晩豪華な宴会をして、贅沢に暮らしてみませんか。           *
*  綺麗になれるレッスンを受ける特典もあります。                *
* キングレオ城         *
*********************************
「なにそれ、うさんくさい……でも、使えると思わない?」
「え? なにが」
「だからさ、これに応募すれば怪しまれずに城の中へ」
ミネアはマーニャを見た。マーニャの目は、妖しく微笑んでいた。
「止めましょう。さっき騒ぎを起こしたばかりですもの。行き先がお城の牢じゃ洒落にならないわ」
「もう、お堅いんだから……」
608296 ◆kYB5EDmqco :03/06/14 00:17 ID:+Z9cxdAs
ガーン、ずれた……。

 ふたりは再びオーリンを探してハバリアの町を歩き出した。
「あいつ、影が薄すぎるわ。本当にこの町にいたのかしら?」
「きっと、誰にも知られないように潜んでいたのよ。お父さんの事にきっと関係している……」
ワンワンワン!
「え? あ、あれ、あの声」
聞き覚えのある声に振り返った二人の目が、吠えながら駆けてくる白い犬を捉えた。
「ペスタ! ペスタじゃない!」
それは、エドガン家の飼い犬だったペスタだった。
ペスタはふたりの前まで駆けてくると、しっぽをちぎれんばかりに振りながらじゃれついてきた。
腰を落としたミネアがペスタの首に腕をまわして優しく撫でた。
「一体どこに行っていたの? お家にいなかったから心配していたのよ」
「ほんと、なんでこんなところにいるの? あんた」
と、マーニャが言うと、それに答えるかのようにペスタが走り出した。
「ついてこいって言ってるのかしら? 」
「とにかく、行きましょう、ミネア」

ペスタは町の路地裏に入り込み、さらにそこを抜けてどんどん走っていく。
町のはずれにレンガつくりの建物が建っていた。ペスタはその中にするりと入っていく。
姉妹も懸命に後を追った。建物の中にはいくつか部屋があり、ペスタはその一室でふたりを待っていた。
マーニャが先に追いつき、それに少しミネアが遅れてやってきた。
部屋の中には机と椅子、いくつかのフラスコ、鎌、水晶の器などが無造作に転がっていた。
609296 ◆kYB5EDmqco :03/06/14 00:22 ID:+Z9cxdAs
床に落ちていたひからびる寸前の薬草を拾ったミネアが、息を切らせながら呟いた。
「はぁ、はぁ、この部屋、すごくぼろぼろだけど、誰か最近まで住んでいたみたいね。」
水晶の器を目にしたマーニャが懐かしそうに言った。
「……ここ、お父さんが使っていた道具と似たもので一杯よ……」
マーニャが部屋の中程まで進んだとき、棚の上から一冊の本が落ちてきた。
もうもうと立ちこめる埃にせき込みつつ、マーニャはその本を手に取ってみた。
「Diary……ミネア、これ、日記みたいよ。」 
真剣な表情でぺらぺらとページをめくっていくマーニャ。ミネアも息を飲んで覗き込む。
「これ、オーリンさんの字に間違いないわ。やっぱり、ペスタもコーミズから一緒に移って来ちゃったのね」
「しけってるせいで、ところどころインクがぼやけて読みにくいわね。ええっと、『私は……だった。
しかし……バ……ルザックの……進化の秘法には……静寂の玉が・……西の洞窟に……』」
最後のページはここで終わってる。
「……多分、まだ帰ってきていないのよ。日記から推察すると、オーリンは『西の洞窟』に『静寂の玉』を
探しにいったままなんだわ。西の洞窟……おそらくコーミズ村の西ね」
「よーし、行くとしましょうか? ところで、ミネア、『静寂の玉』って何か知ってる?」
「私もよく知らないんだけど、魔法を封じる力を持った強力な魔具らしいわ」

町には早くも夕闇が迫っていた。二人はいったん宿屋へ戻り、明日からの計画を立てることにした。
「姉さん、明日はどうする?」
「う〜ん、そうね……」

1.西の洞窟へ
2.アッテムトへ
3.キングレオ城へ下見
1
1
 アーク=ダイカーンを考えたのは自分ですが、カコイイといわれるとは思いませんですた。
素直に アーク=ダイカンにしれば良かったのか? そういう問題じゃない?
614296 ◆kYB5EDmqco :03/06/14 23:35 ID:+Z9cxdAs
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番3票、3番「キングレオ城へ下見」が1票で、1番に決定しました。
……そういえば、3番いれとくのわすれとったな。スマネー、610さん。

「わたしはキングレオのバルザックが気になって仕方ないんだけど……。
でも、オーリンのやつにまた雲隠れされるのも癪にさわるから」
「じゃ、明日は西の洞窟に行くのね?」
「ええ。そうしましょう。でも、一体お城では何が起こってるのかしら?」
マーニャの問いにミネアは答えず寝返りをうった。
翌朝、白々と輝く太陽を背にふたりはキメラの翼でコーミズ村に飛ぶと、西の洞窟へ
向けて歩き出していった。

 コーミズ西の洞窟。そこは、今も残る古代遺跡の一つである。
当然、コーミズ村に住む者でそこを知らない者など一人もいない。
ミネアもマーニャも子供の頃は一度とならず村人や父から其処へ行くことを堅く禁じられてきた。
嘘か真かわからぬが、その洞窟に悪魔が住むという言い伝えを恐れ、誰一人として近寄ったことがない。
その洞窟にマーニャとミネアは足を踏み入れようとしていた。
「ここから先へは私は行ったことがないなぁ。姉さんは一度行ったことがあるのよね?」
小川の上にかかった小さな橋を渡ったときにミネアがふるえる声で呟いた。
子供の頃から守ってきたタブーを犯すのには、やはり勇気がいるらしい。
「ま、まあね。でも、やっぱり悪魔なんていなかったわよ」
マーニャは昔、村の悪ガキの挑戦を受けて肝試しとして洞窟の入り口まで行ったことがある。
そのあとは、父親から地下室に一日閉じこめられるというおしおきを受けたわけだが、
そのおかげで、洞窟まで迷わずに来ることができる。
「さて、到着したわよ、ミネア」
鬱蒼とした森の中、ぽっかりと黒い口をあけて洞窟が待っていた。そのまわりには
びっしりと草と苔がたむろしている。
615296 ◆kYB5EDmqco :03/06/14 23:52 ID:+Z9cxdAs
 真っ暗な洞窟の中は、ひんやりとした空気で満ちていた。体を震わせてミネアが白い息を吐く。
「やっぱり、人の造った洞窟ね。ほら、あの彫刻なんて見てごらんなさいよ、ミネア」
通路のあちこちに、ふたりの背丈と同じくらいの鳥や人の彫像が立ち並び、今にも
動きだしそうな風情をかもしだしている。
「な、なんだか怖いよ〜、姉さん」
「だ、大丈夫よ。あれはただの石像よ」
壁に彫り込まれた巨大な人の顔。そのうちの1つをぺちぺちと叩きながら、
姉は妹に気休めを言った。

 ふたりは慎重に洞窟内を調べていった。調査の結果、部屋はいくつかあるが、
そこには何もないことが判明した。
「なんだ〜、この洞窟は? 魔物でてこ〜い。退屈で死んじゃうわよ」
どんづまりの小部屋でマーニャが天井に向かって大声で叫んだ。
「姉さん、あのね。ここは古代人が侵入者を排除するために作った仕掛けが一杯
あるって話よ。きっと、何か見落としているのよ」
そう言って部屋の中を調べ始めたミネアが部屋の中央の敷石をふんだ。
その途端、部屋全体が激しく音を立てて地震のように揺れだした。
「ちょ、ちょっと、ミネア、一体なにをしたの?」
「ね、姉さん、あれを見て」
ミネアが部屋の入り口を指さした。驚いたことに、出入り口がどんどん上昇していく。
「な、どういうこと!」
「た、多分この床が下に向かって沈んでいるのよ」
もはや立っていられないほど揺れは激しく、出口が遠ざかっていく。

1.床にしがみつく。
2.出口に向かって跳ぶ。
1
どんどん進めー!
1
1
ゆけゆけー!!
619296 ◆kYB5EDmqco :03/06/15 22:33 ID:nQqLsNEt
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番3票につき1番に決定しました。

 ふたりは部屋の揺れに耐えるように床に体をふせてしがみついた。
やがて、沈む部屋はひときわ大きな振動音と激しい揺れを立てた後、再び
静寂を取り戻した。激しい砂埃が舞い上がりパラパラと音をたてて落ちてくる。
「………はぁ」
姉妹は埃まみれの顔を見合わせて、ようやく一息ついた。
「ああ、生きた心地がしなかったわよ。古代人って派手好きなのね」
「これに乗って上下を行き来していたのよ。乗り心地最悪だったけど」
起きあがったふたりは、パンパンとはたいて服の埃を落とすと部屋の外へ向かった。
外は、一階と同じようにどこまでも廊下が続いていた。
「さて、ここから本番ね。鬼が出るか蛇が出るか」
「姉さん、怖いこと言わないで……」
620296 ◆kYB5EDmqco :03/06/15 22:56 ID:nQqLsNEt
 前方を歩くミネアが突然姉にしがみついてきた。
「ね、姉さん。前に、前の方に誰か人がいる!」
「へ? どこによ……ミネア、あれはただの石像よ。勘違いもいいとこね」
通路の両側に、人の形をした不気味な石像が向かい合うように並んでいる。
「ほんとだ。石の人形なのね」
「……それにしても不細工ね。こんなので誰かが怖がると思っているのかしら?
笑われるのが関の山よ。ね、ミネア」
妹に同意を求めようと振り向いたマーニャの肩をぎっと掴んで、ミネアがゆっくりと
石像を指さす。石像の目にあたる部分は空洞となっている。
そこに不気味に輝く目があった。ガラスをひっかいたような耳障りな音を立てて石像が、
ふたりの目の前でゆっくりと動き出した。命を持った石の魔物、石人形だ。

1.走って逃げる
2.メラを唱える
3.新しく購入した武器の威力を試すチャンス

倒しておかないと図鑑コンプが・・・って関係ないか

効かなきゃ逃げる
3
624296 ◆kYB5EDmqco :03/06/17 00:22 ID:50MMQNss
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番1票、3番2票で3番に決定しました。

 マーニャは閉じた鉄の扇を振りかぶると、思い切り石人形の頭部に叩き付けた。
鈍い音とともに、石人形の顔が粉々に砕け散った。しかし、石人形は堪えた様子も見せず、
ズシン!とまた一歩歩み寄ってくる。
「ちっ、痛覚ないのか、こいつら!」
「石の人形なんだから当然でしょ!」
ミネアの方も一進一退の攻防を繰り返している。毒蛾のナイフの猛毒も、相手が石の人形
では効果を望めず決定打を与え切れていない。
「え〜い、ミネア、わたしに任せなさい」
じれたマーニャがミネアを押しのけると、鉄の扇をめくらめっぽうに振り回した。
足、胸部、腰を次々と砕かれて、二体の石人形は行動不能に陥った。
ほっと一息ついたのも束の間、地響きと共に新たな石人形が襲いかかってきた。
「まだいたの?」
 パシッと広げた扇の刃先が暗闇に弧を残すと、肩口ごと頭部を切り取られた石人形
がガシャンと倒れ伏す。しかし、待ちかまえていたように倒れた石人形を乗り越えて、次の
石人形が歩み寄ってくる。通路に並んでいた石人形が次々と目覚め、襲いかかってきたのだ。
さすがにこの数相手にいかんともしがたく、姉妹はじりじりともといた通路を押し戻されていった。

1.逃げる
2.取るか取られるか……ふたりで総攻撃
2
2
629296 ◆kYB5EDmqco :03/06/17 22:53 ID:50MMQNss
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番1票、2番3票で2番に決定しました。
 
 ミネアが体ごとぶつかるように石人形にナイフを突き立てる。
石人形の石の腕と鉄の刃先が激しく火花をちらす。力負けしたのはミネアの方だ。
悔しげに唇をゆがめて後退する。
「ミネア、下がって!」
ボンッ! 至近距離でマーニャのメラが炸裂した。新たにミネアに襲いかかろうとした
石人形二体をまとめて白い煙に包み込んだ。
「まだまだぁっ!」
炸裂した火の粉が降りかかる中、マーニャのメラも終わらない。
暗闇の中、火の玉がヒュンヒュンと飛び交い火の粉の花を咲かせる。
頭を、腕を、足を、どこを砕かれても石人形達のロンドはまだ終わらない。
足を砕かれた石人形ですら、這うようにぐるぐると回りながら姉妹に近づいてくる。
あまりの不気味な光景にミネアが「ひっ!」と悲鳴をもらす。
「ちっ、ミネア……大きいの一発撃つから、伏せてなさいよ!」
「ね、姉さん。駄目、こんなところでそんな呪文!」
バッ!とマーニャが両手を前に突き出して、呪文を唱え始める。
石人形とマーニャの間に生まれた光が激しく放電を繰り返しながら膨らみあがる。
その放電する光に石人形の一体が無造作に飛びかかる。
 ――光が破裂した。
630296 ◆kYB5EDmqco :03/06/17 23:04 ID:50MMQNss
 通路の中が一瞬真っ白にそまり、爆風が石人形の大群を蹴散らした。
もちろん、マーニャ達も無傷と言うわけにはいかなかった。生じた爆風は姉妹も巻き込み、
二人の体を呪術的な文様の描かれた壁へと叩きつけた。
光と風がおさまり、ドウッ!と音を立てて二人は床に倒れ伏した。
「も……もう、姉……さん、アブナイ……性…格に、なって…ない?」
とぎれとぎれな口調でミネアが問いかけてきた。
「か、堅いこと……いいっこなし」
そこまで返事するとマーニャはガクリと首をたれた。
ミネアは痛んだ体に鞭を打って泣く泣くホイミを唱え続けた。

1.通路を左に曲がる。
2.通路を右に曲がる。
2
2
2
634296 ◆kYB5EDmqco :03/06/18 23:38 ID:gawHVEJ4
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番3票で2番に決定しました。
 
 通路の角を右に曲がると、ひんやりとした風がふたりの頬を撫でていった。
ポチャン……ポチャン……と水の音がする。
広大な地底湖が二人の目の前に現れた。
地底湖の中心に小島があり岸から小さな橋がかかっている。
ふたりは橋をわたり小島にたどり着いた。地底湖は深く青く沈黙している。
苔だらけの小島の上には、大きな宝箱が置いてあった。

1.慎重に宝箱のふたを開けてみる
2.ミミックかもしれない。先手必勝、メラで攻撃する
3.宝箱をあける
1
3
638296 ◆kYB5EDmqco :03/06/19 21:17 ID:QEVyvGfj
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
3番2票、1番1票で3番に決定しました。

 鍵はかかっていない。マーニャが大きな宝箱のフタを開けた。
その瞬間、なかからにゅっと太い腕が突き出され、マーニャの首をひっつかみ、宝箱の
中へと無理矢理ねじりこんだ。悲鳴をあげる暇もなくマーニャの姿が宝箱の中へと消えた。
「ね、姉さん」
慌てて飛びつこうとしたミネアの目の前で宝箱のフタがバタンと閉じられた。
 急いで宝箱をあけようとしたミネアだが、
さきほどと違い、宝箱のフタは堅く閉じられピクリとも動かない。
「ど、どうしよう。どうしたらいいの?」
突然生じた不測の事態にミネアはパニックに陥り宝箱の前を右往左往している。

1.姉の身が心配だ。バギの呪文で宝箱を真っ二つにする。
2.姉の力を信じて待つ。
2
 ぬああああ、こんな選択とは思わなかったよー!
2 わたぼう待ち?
641296 ◆kYB5EDmqco :03/06/20 20:39 ID:sQQvXsec
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番2票で2番に決定しました。

 マーニャが宝箱の中に消えてしばらく。滴る水滴の音をミネアが五百回数え終えた頃、
突然、宝箱のフタが開き、中から一人のたくましい男が顔を出してきた。
「やあ」
こんなときにかわす挨拶としてはいささか間の抜けた言葉だが、男を茫然と見るミネアの
顔も似たようなものだった。
「オ、オーリンなの!?」
そう。宝箱の中から現れたのは、まぎれもなくかつての父の弟子、オーリンだった。
とまどうミネアに申し訳なさそうに頭をかきながら、オーリンは言った。
「ミネアちゃん、とりあえず早く中に入ってくれるかな? 魔物が来るとまずいんでね」
宝箱の中は地下室になっていた。地下への階段を隠すために、宝箱がしつらえてあったのだ。
オーリンの先導のもと、ミネアは地下を降りて小さな地下室へ入っていった。
そこにはマーニャが一人で椅子に座りながら待っていた。

 ようやく再会できた三人は、手を取り合ってお互いの無事を喜んだ。
そして、姉妹はそれまでののいきさつをすべてオーリンに話した。
「――そうか……エドガン先生の仇を捜して。二人とも、まだ子供だと思っていたけど……
月日がたつのは早いね。いや、ふたりとも立派になったよ」
「全く、喉元握られた時はびっくりしたわよ。呪文も唱えられないし……」
「ははは、悪かった。なにぶん刺客は人間ばかりではないんでね。許してくれ」
「刺客……ですか?」
「ああ。そのことも、あの日先生が亡くなった事と無関係ではないからね。おいおい話そう」
「ずいぶん探したんだから! 何も知らないなんて言ったらイオを使うわよ」
オーリンは少し笑うと、ゆっくりと話し始めた。
642296 ◆kYB5EDmqco :03/06/20 20:40 ID:sQQvXsec
「俺は……エドガン先生を殺して先生の発見を盗み出した奴をずっと探してきた。
そいつは先生の発見を悪用してキングレオの城を乗っ取った。やつの名はバルザック。
先生の一番弟子だった男さ」
「やっぱり、キングレオのバルザック王は、あのバルザックだったのね」
「そう。やつは君たちのお父さんが偶然発見した進化の秘法の魔力にくらみ、
先生を殺害してしまったんだ……」
「そういえば、日記にも書いてあったけど、進化の秘法って何?」
「進化の秘法というのは、神が創造した『人間』を超越して、もっと強力な生物に進化するための
秘法なんだ。先生は悪用されることを恐れてそれを始末しようとした……」
「それでバルザックは父さんを殺して秘法を奪ったのね」
「そうだ。秘法によって魔力を身につけた奴は普通の人間の手には負えない。俺は
奴を倒すために『静寂の玉』を探してこの洞窟に来た。これなら奴の魔力を封じることができる」
オーリンは、ふところから、蒼く輝く玉を出してマーニャたちに手渡した。
「さて、こんな辛気くさい所で話すより。家に帰ってからにしましょう」
話が一段落したところでマーニャがリレミトの呪文を唱えた。きらめく光に包まれ三人の体が浮遊していく。
瞬きする程の間で洞窟から脱出した三人は、ルーラの呪文でコーミズ村に飛んだ。
「着地成功! 最近覚えた呪文で不安だったけど、なんとかなるもんね」
「これがルーラ。便利ね。せっかちな姉さんにはぴったりの呪文」
「素直に感謝してよね、全く」
三人は、村人に挨拶をすませてからエドガン家に向かった。
643296 ◆kYB5EDmqco :03/06/20 21:40 ID:sQQvXsec
 ミネアが台所で調理したばかりの料理を運んできたところで、
オーリンがペスタを連れてがエドガンの墓参りから戻ってきた。
「こうして、三人とペスタで食卓を囲むのも久しぶりね」
「おお、こいつは上手そうだ。ミネアちゃんはいいお嫁さんになるよ」
エドガン家での久しぶりの食事である。
「ところで、オーリン。この静寂の玉、わたし達が持っていていいの?」
「ああ、元々それは先生が最初に発見したものだからね。君たちが持ったほうがいい」
「そっか……父さんが」
きゅっと静寂の玉をマーニャが握り直す。ミネアも目を細め、しばし懐旧の念にとらわれた。
「ところで、キングレオの城のことなんだが、あの城には一度侵入したことがあるんだ。
しかし、バルザックの居所は全く掴めなかった。どこかに居ることは間違いないんだが……
深入りしすぎたせいで、城の兵士に気付かれてね。ハバリアに居られなくなってしまったんだよ。
今じゃ立派な賞金首。さて、どうやってバルザックを見つけたものか……」
マーニャが食べるのを中断してオーリンに得意げに話す。
「それだったら、ハバリアでミネアが面白い話を聞いてきたわよ。たしか、火薬を爆発させて
大臣にぶつける……だったかしら? ね、ミネア?」
目を爛々と輝かせてマーニャが妹をからかう。
「……違うわよ、姉さん」
あのときの事を思い出して頬を赤く染めたミネアが、オーリンに囚人の話をした。
「なるほど。それは面白そうだ。そんな手があったとはね……」

1.オーリンはキングレオを探索。姉妹はアッテムトへ。
2.お尋ね者を連れ歩くのは危険。オーリンをコーミズ村に置いて姉妹だけでアッテムトへ。
3.三人でアッテムトに向かう。
644296 ◆kYB5EDmqco :03/06/20 21:43 ID:sQQvXsec
ああ、ここでいっそオーリンが火薬を持っていたことにしたら、キングレオに直行できたんだよな。
などと考えてみたが、そこまでジェットコースターだとフェアじゃないな。
645296 ◆kYB5EDmqco :03/06/20 21:59 ID:sQQvXsec
とりあえず、情報公開。

1.今後の展開が楽になるよ。
2.特にデメリットはない。
3.一応、デメリットあるよ。
1
がんがんいこうぜ!
3
1
649296 ◆kYB5EDmqco :03/06/21 23:43 ID:xWfMn0mP
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番2票、3番1票で1番に決定しました。

「よし、それじゃ、わたし達はアッテムトに火薬を探しにいく。オーリンは、キングレオの城を
様子を探る。これで決定ね」
「わかった!」
三人はエドガン家で一泊して疲れをいやすと、翌朝、目的地に向かって旅立っていった。

(何だろう? この異様な気配。胸騒ぎを覚える圧迫感は……嫌な予感がする) 
それは、アッテムトの町に近づくにつれ強さを増してくる。押し寄せる不安感を打ち消すように
ミネアは首を振った。

丘の上、山を半分切り崩したような場所にアッテムトの町はある。
この町の入り口に着いたとき、姉妹は言葉を失った。
「ここ、町よね?」
ミネアがマーニャに力無く言った。
荒れ果てた町――あたりには主のいないツルハシや縄が散乱したまま、馬車や荷車は
ひっくり返ったままで放置されている。しかし、何よりも不気味なのが木の柵で閉じられた
鉱山の入り口から漏れ出る黄色いガス。袋の口を閉じるかのように村中を覆っている。
「鉱山で事故があったのね……」
マーニャはそう言うが、ミネアには、先程から感じる異様な気配がガスだけのものだとは
思えなかった。なにか人間の過ち以上の物が、この町にはあるのではなかろうか。
見回すと、人はちらほらといる。だが、逃げる気力もないと言ったように地面に座り込んでいる。
左の方には、教会が、右の方には一応宿屋があるようだ。

1.教会へ
2.宿屋に行く
3.町の人に話しかけてみる。

1
1 確かセーブは出来ないんだよな・・・
1だな、やっぱり。
キングスライムには出会わなかったのね・・・。
653296 ◆kYB5EDmqco :03/06/23 00:03 ID:8XtVZsky
>652 連中は面倒くさいからパスです。スマソ……
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番3票で1番に決定しました。

教会の扉を開けると、中から顔色の悪い婦人が話してきた。
「どうしてこんなところに来たの? 悪いことは言わないから早く帰りな」
婦人は大きな荷物を抱えると教会を出て町の入り口の方へと歩いていった。
「なにあれ? 感じ悪いわね、ケホケホ」
祭壇の前に立ってひとり祈りを捧げていた年老いた神父が二人に近づいてきた。
「ここは彼女の言うとおり地獄です。あなたがたのような部外者が居ていい場所ではありませんよ」
「そういうわけにもいかないんです」
ミネアはシスターから聞いたことを神父に尋ねてみた。
「……確かに、あの山に遺跡があったことは亡くなった父から聞いたことがあります。
昔、天空より降り立った神が何かまがまがしいものを封じるために、この地を閉ざしたという
話です」
「何? 魔物だったら退治してあげるわよ」
「ゴホッ、それはわかりません。遠い昔の話ですから。しかし、山から金が出ると言うことで、
遺跡を掘り返してしまった我々は、金で豊かな町を築き上げましたが、今は災厄に
見舞われる身の上です。これ以上何かがあってほしいとは思いません。
あってほしくないものです」

 姉妹は礼を告げると、さびれた教会から出ていった。
「結局肝心なことは知らなかったわね」
「でも、一応、シスターの言葉に間違いはなかったわ。もっと調査してみないと駄目ね」
「……少し休まない? わたし、気分が悪いわ」

1.一休みする
2.もっと町で情報を集める
3.鉱山へ
2
2
656296 ◆kYB5EDmqco :03/06/23 22:14 ID:8XtVZsky
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番2票で2番に決定しました。

新たな情報を求めてミネアとマーニャは町の中を歩いて回った。
しかし、真っ青な顔色をした人々は総じて無気力で、何を聞いても黙り込んだままか、
一言めに「帰れ!」と言うばかりだ。
「あー、本当に陰気くさい町。シスターの言う何かが本当にこの町にあるのかしら」
広場の真ん中に座り込んだマーニャが文句を言う。
不謹慎と正すべきだとミネアは思ったが、ふと横目に入った墓碑に眼をひかれ、それを読み上げた。
「『我が愛しの妻ヘレン……。ここに眠る。君に会える日も、そう遠くはない……』か。
……姉さん。愛する人が死ぬより辛い事なんてこの世にあるのかしら」
「年寄り臭い事いうんじゃないわよ!」
それには答えずに立ち上がると、マーニャは人差し指でミネアの額を軽くつついた。
「それで、これからどうする?」
「うん。坑道に行ってみましょう」
ミネアはガスの吹き出す坑道を指さして言った。
「本気?」
「ええ。私の霊感が騒ぐの」

1.ミネアの霊感を信じる。
2.霊感を信じない。
3.一休みする。

ミネアさんを信じよう
1 gogoミネア!
1
660296 ◆kYB5EDmqco :03/06/24 10:08 ID:hsQKcRrT
今日は早めに更新。参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番3票で1番に決定しました。

「まぁ、あんたの霊感は確かによく当たるけどねぇ……」
坑道の入り口を覗き込んだマーニャが顔をしかめて言った。
入り口から吹き出すガスが、あたり一面にひろがる毒の沼地の腐臭に相乗して
地獄のような空気を大気に充満させている。
「この匂いの中を本気で行くつもり?」
「ここに居た方がもっと酷いことになるわ、姉さん」
ミネアはマーニャの言葉を意に介さず坑道の中へ入っていこうとする。
「……かぁ、たまんないわねぇ」
取り憑かれたように先を目指そうとするミネアを捕まえると、マーニャは
ハンカチを取り出して妹の口元にあてがった。
「無防備でこんな最悪な場所に入るんじゃないわよ。全く!」
「姉さん、ごめん。この先が危険だってことはわかってるの……。でも、何かが、
何かが私を呼んでいるの」
「わかったわかった! 姉さんが守ってあげるから。そんな泣きそうな顔をしなくて
いいの。ずっと一緒よ……」
マーニャも口元から鼻先までを布で覆った。坑道の中はガスで黄色く霞んでおり、道は闇の中へと
続いている。
(全く。泣き虫なくせに意地を張る所だけは昔から変わらないわね)
ほっとしたように姉の腕にしがみついてくる妹を見下ろしてマーニャは微笑んだ。
661296 ◆kYB5EDmqco :03/06/24 10:40 ID:hsQKcRrT
 坑道の中に入ってしばらくの間、道はまっすぐ続いていた。
信じられないことに、奥からは岩を掘る音が聞こえてくる。
「まだ掘ってるわけ? 信じられないバカがいるわね……」
マーニャが柳眉を逆立てて呆れ返った。そのとき、腕にしがみつく妹の体が震えた。
「? どったの、ミネア」
「何でもないの。ただ……坑道全体に拡がる嫌な気配に当てられただけだから」
「ふふ、こういうとき変に敏感なのも損ね」
ぎゅっと妹の手を握りしめると、マーニャはズンズンと先へ進んでいた。
 途中、何度か魔物と遭遇することもあったが、マーニャの呪文とミネアの
真空呪文の前に次々と倒れ伏した。やがて、道は二手に分かれ、姉妹は分岐点の
前で立ち止まった。
「どっちが正解かしら、ミネア」
ミネアは黙って左を指さした。
「ふむ、左ね……」
前方からは依然として岩を掘る音が聞こえてくる。
カーン……カーン……カーン……
顎に手をあててマーニャは考え込んだ。あの音も気になると言えば気になるのだ。

1.前へ
2.左へ
 
1 ゆけゆけ!!
2
665296 ◆kYB5EDmqco :03/06/25 18:49 ID:47n+4lS7
今日も早めに更新。参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番2票、2番1票で1番に決定しました。

少し迷ったが、マーニャは前方から聞こえてくる岩を掘る音の方へ向かうことにした。
しばらく進むと、数人の男達が、滝のような汗を流しながら岩盤を掘っている。
「あのー、ちょっとすみません」
マーニャが話しかけると、汗だらけの男達がちらりとこちらを見た。
「ヒュー! こんなところでべっぴんさんに会えるとは思わなかったよ」
「どこから来たの? その肌の色からすると、モンバーバラ?」
「踊り娘? 恋人はいるの? 年はいくつ?」
男達はいっせいに色めき立った。
「え、ええと……それはそうと、ここで何をされているんですか?」
「……なんだ。あんたらも俺達を止めに来たのか? ごほっ、ごほっ。 俺達は一攫千金を夢見て
ここまで来たんだ。中からガスが出てこようが知ったことか! ごほっ、黄金だ。金が出るまで俺達は掘るのを
止めねえぞ!ごほごほっ」
 ミネアの問いに男達が眼をぎらぎらと輝かせて答える。ガスにむしばまれた体をひきずって
男達は岩盤を崩し始めた。何かに取り憑かれたように作業を開始する男達。
たまらずマーニャは妹を連れて去ろうとした。どちらにせよ、道はここで止まっている。
そのとき、後ろから男が声をかけてきた。
「そっちのお嬢ちゃんは占い師なんだろう。いっちょここから黄金が出るか占ってくれや!」
困ったミネアは判断を仰ぐように姉を見た。

1.占ってあげる
2.占えない

ミネアさんを困らせてはいけません
1
668296 ◆kYB5EDmqco :03/06/27 01:58 ID:AzXPQYrh
危うく寝てしまうところだった。参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番1票、1番1票で2番に決定しました。

「あいにくだけど、うちの妹は、あんたらみたいな人間を占うほど暇じゃないの」
ミネアの手を引っ張ってマーニャは分かれ道まで戻ろうとした。
「金なら払うからよ!」
男は意外にしつこい。持ち場を離れて姉妹のところまで引っ付いてきた。

1.「しつこい!」と追い払う
2.占いを許可する。

金払うと聞いて黙ってたらマーニャ姐さんじゃない!
2! 儲けとけ!
2
2
多めに貰うべし。
673296 ◆kYB5EDmqco :03/06/27 22:23 ID:AzXPQYrh
……最初から金払う展開にしときゃよかったね。
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番3票で2番に決定しました。

「いいわよ。ミネア、占ってあげな」
「おっ、いい結果期待してるぜ」
ミネアは水晶玉を取り出して、精神を集中しはじめた。しなやかに指が動くたびに水晶が
光を発する。
「黄金色に光っているものが見える……確かに金があるようね」
「本当か!? いやっほー、お前等聞いたか? 黄金があるってよ」
男はマーニャに向かって砂金の粒を指ではじいて飛ばすと、現場へ戻っていった。
「ねぇ、ミネア。嘘でもいいから出ないと言えばよかったのに」
「……それでも、あの人たちが選んだ運命ですもの。私たちだって、自分の運命は自分で
選んで……えっ?」
突然水晶玉を覗いていたミネアが凍り付いたかのように動かなくなっていた。
顔から見る見る血の気がひいていく。
「――ミネア!」
異変を察したマーニャが水晶玉をひったくるように遠ざけた。
「黄金どころじゃない……これ以上掘っては駄目。この先に、ガスなんか比べものに
ならないくらい異常な存在が……」
ミネアは、まるで子供のように姉にしがみついて怯えている。
「あんた達、この子の占いはよく当たるわ。黄金なんてあきらめて早く逃げなさい」
「何言ってるんだよ。黄金をあきらめてどうなるんだよ! この腐った体を抱えて一生
生きろってか? 俺達には黄金がなきゃ意味ないんだよ!」
マーニャの言葉を無視して男達は作業に取りかかっている。
あたりに虚しく響く岩を掘る音を耳にしながら、姉妹はこの場を後にした。
674296 ◆kYB5EDmqco :03/06/27 22:46 ID:AzXPQYrh
 ふたりは、再び分かれ道のところへ戻ってきた。
「ところで、ミネア。この左の道には嫌なものを感じないのよね?」
「ええ。魔物の気配は感じるけど……」
「ふふん、魔物上等! 占いの代金はしょぼくれた砂金の粒だけだったし、
ストレス解消にはちょうどいいわ」

 そこから先はまるで迷路のようだった。あちこちで通路が入り組み、蜃気楼のように二人を
眩惑する。その中を縫うようにして、二人は奥へと進んでいった。。
「歩くたびに、どこに居るのかわからなくなってくるわね」
「大丈夫よ、姉さん。私が感じる気配にどんどん近づいているわ」
今度はミネアの方からマーニャの手を握ってきた。
例の気配とやらに近づくにつれ、ミネアは落ち着きを取り戻していく。
坑道に入った時とは大違いだ。
「む! 妹のくせに生意気よ」
そのとき、ミネアがいきなり立ち止まった。目の前の壁をそっと指さす。
「ここよ、姉さん。この壁の向こうから、何かが私を呼んでる」
「へー、いい男が待っているといいわね」
マーニャが壁に手をかざすと短く呪文を唱えた。
メラの火球が闇に花咲き、壁をえぐった。幸い土が柔らかかったらしく、メラ程度の炎でも
人が一人通れるくらいの穴が空いた。壁を挟んだ向こう側は空洞になっているようだ。
675296 ◆kYB5EDmqco :03/06/27 23:06 ID:AzXPQYrh
 壁の向こうは大きな部屋だった。腹這いになって姉妹が穴をくぐると、不意に暗がりの中
に明かりが灯った。左右に配置されていた蝋燭に自然に火が宿ったのだ。
「あれは一体……? それに、この部屋、鉱山の中とは思えないくらい空気が澄んでいる」
「綺麗……私達を歓迎してくれてるの?」
蝋燭が連なる光の道は奥の祭壇まで続き、そこで止まっていた。光に導かれるように姉妹
が祭壇まで歩き出す。ふたりが祭壇にたどり着いたとき、祭壇に刻まれた装飾がまばゆい
ばかりの光を放ち、マーニャとミネアを包み込む。
やがて、光が納まったとき、祭壇の中央には銀色のカードが供えられていた。
引きつけられるように、ミネアはカードを手に取った。ミネアの手の中で、カードが
脈打つようにほのかな光を放っている。
「へぇ、このタロットカードがミネアを呼んでいたんだ。でも、あなた水晶占いでしょう?
カードなんて使えるの?」
妹の肩越しに、マーニャがカードを覗き込む。
「ええ、そのものの魔力さえ理解していれば、何を使っても占えるわ。でも、このカード……
占いに使うだけじゃないみたい。凄い魔力を感じる」

 ミネアは銀のタロットを手に入れました。

1.不思議な部屋を後にする
2.金属のふれあうような重苦しい音が壁の向こうから聞こえた
676296 ◆kYB5EDmqco :03/06/27 23:08 ID:AzXPQYrh
>672
男どもは貧乏人だから、しょぼい砂金の粒しか持っていないということで許してくれ。

ちなみに、細かくてどうでもいいことだけど、
×占いに使うだけじゃないみたい ○占いに使うだけの道具じゃないみたい
677名前が無い@ただの名無しのようだ:03/06/27 23:08 ID:oWc1s393

で、きんグスライム、きんグレオ登場と(藁
2
2
680 ◆kYB5EDmqco :03/06/29 00:53 ID:79hx12vI
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番3票で2番に決定しました。

ミネアが銀のタロットを懐に入れた時、
金属のふれあうような重苦しい音が壁の向こうから聞こえた。
魔物? それとも人間?
二人は息を詰めて音のする方をみやった。
ばさばさと、コウモリのような何かが飛行する音もする。
やがて、音の持ち主は、先程マーニャがメラで開けた穴の前で歩くのを止めた。
こちらの気配に気付いたようだ。
「――誰だ」
まるで地獄の底から響いてくるような寒気の走る声。
「…味方じゃなさそうね」
マーニャとミネアは武器を取り出して身構えた。

1.相手の出方を見る
2.先手必勝! 呪文で攻撃。
3.リレミトで逃げる
2
1
3w
1
686296 ◆kYB5EDmqco :03/06/30 00:54 ID:lJw27u5h
更新が遅くなってしまった。やれやれ……
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番1票、1番3票、3番1票で1番に決定しました。

 巨大な物体が土の壁を突き破って乱入してきた。その後ろの暗闇からゆっくりと声の主が姿を現した。
「懐かしい気配に誘われて来てみたが、…どうも先客がいるようだな」
声の主は重厚な甲冑にすっぽりと身を包んだ大男だった。
兜の奥から鋭い眼光を発する両目が、姉妹を見据えている。
その横には先程壁をぶち破ったキングスライムが悠然と巨体を構えている。
「……ふん、いい男ですこと」
男の放つプレッシャーを前に、マーニャは懸命に強がってみせる。
今まで出会ったどの魔物よりもこの男は強い。ひるんだら負けだ。
「ピサロナイト様、これはエドガンの娘ですよ」
マーニャとミネアを一瞥したキングスライムが、ぬぼっと呟いた。
「ほう? この二人が、バルザックを倒すために旅立ったとかいう……あのエドガンの娘か」
ミネアの眉がぴくりと動いた。
「なぜ、父の名を……。あなた達バルザックの事を知っているの?」
「知っているとも……欲に目がくらんだ男を利用するのは実にたやすかったぞ」
「利用?」
「バルザックをそそのかしたのは私だ。拍子抜けするくらい簡単だったぞ。やつにはキング
レオの王位をくれてやると言っただ。後は秘法の力
でお前達薄汚い人間どもを滅ぼすのみよ。キングスライム! 遊んでやれ」
高笑いしながらピサロナイトは、その場を悠々と去っていく。
マーニャの目に怒りの炎が宿った。

1.「待ちな! 鎧のおっさん」
2.キングスライムを攻撃
この展開なら1

キングスライムには喋ってほしくなかった・・・
ちぃ!キングスライムが邪魔だ!というわけで2
1!

マーニャ姉に威勢良くタンカきってほすぃ!
690296 ◆kYB5EDmqco :03/06/30 21:13 ID:lJw27u5h
ねぼけて書いたせいで686にミスがあった。いや、ちゃんと点検してなくて御免。
×やつにはキングレオの王位をくれてやると言っただ。
○私はやつにキングレオの王位をくれてやると言っただけだが……それだけで奴は師を殺し、
進化の秘法を我々に捧げた。実に泣かせる師弟関係ではないか。

参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番2票、2番1票で1番に決定しました。

「待ちな!鎧のおっさん!!」
ミネアをかばうように飛び出したマーニャが空に掌をかざす。
掌から吹き出す蛇のような炎がピサロナイトの背中に渦を巻いて襲いかかった。
バシューッ――
部屋の中を蒸気が駆け抜けていく。
マーニャの放ったギラの炎は、ピサロナイトを守るようにして間に入ったアイスコンドルの体に直撃したのだ。
「ふはははははは」
高笑いと共にピサロナイトは闇の中へと姿を消した。
「くっ、待てっ!」
悔しがるマーニャの頭めがけて、ギラの炎に耐えたアイスコンドルが白煙を吹き散らして
飛来する――!
「クワーッ!」
一瞬の空白の後、絶叫をあげて地面にもんどり打っているのはアイスコンドルの方であった。
ミネアの放ったバギの真空波が、アイスコンドルの右翼をねじ切ったのだ。
「ミネア、ありがとう」
振り向きもせずにマーニャは妹に礼を述べると、目を細めて残りの魔物を睨む。
依然、キングスライムは悠然と部屋の中央に健在。もう一匹のアイスコンドルも、両目を
ぎらつかせて獲物を狩るタイミングを計っている。

1.イオの呪文を唱える。
2.静寂の玉を使う。
3.リレミトを唱える。
691296 ◆kYB5EDmqco :03/06/30 21:15 ID:lJw27u5h
>687
その気持ち、よくわかる。ピサロナイトが知ってることにしておけば良かったね……御免。
2 壊れないなら
3
気弱だけど、アイスコンドルは見るのも嫌w
695296 ◆kYB5EDmqco :03/07/01 08:16 ID:q55q/3Pj
ロレンス、スコットは副将でもいいけど、マーニャとミネアは部下にしたほうがイベント
発生しそうだね。まぁ、いくらなんでもCを選ばないよね
696296 ◆kYB5EDmqco :03/07/01 08:16 ID:q55q/3Pj
わお、思いっきり誤爆。ごめん。
697296 ◆kYB5EDmqco :03/07/01 23:29 ID:q55q/3Pj
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番1票、2番1票、3番1票で、先着の1番に決定しました。

 マーニャが呪文の詠唱を開始する。。
空間にぽつぽつと生じた無数の小さな光球が、キングスライムの頭上に集束していく。
「くらいなっ!」
マーニャがパチンと指を鳴らした途端、光は極限までに膨張し、破裂した。
部屋の中を白い閃光が埋め尽くし、爆風が駆け抜ける。
「ふふん、今度はちゃんと成功したわよ、ミネア」
「! まだよ、姉さん」
辺りに濛々とと立ちこめた土埃が、いつのまにかディープパープルの輝きを宿すなか、
無傷の魔物達が、悠然とこちらに向かってくるのをミネアの目が捉えた。
「な、なんですって〜」
予想もしなかった事態を前に、さすがのマーニャも後ろに下がらずにはいられなかった。
「マホステよ、あの魔物達の体を包む魔法の霧がイオの効果を無効にしてしまったのよ」
「なに? それじゃ魔法を使えないわけ」
「ええ。それは魔物も同じはずだけど、彼らが私達を片づけるのに魔法を必要とするとは思えないわ」
部屋中に蔓延した土煙が次第に勢いを無くし、かわって紫の霧が土煙に取って代わる。
やがて、煙の中から姿を現したキングスライムが、姉妹を押しつぶそうと天井近くまで飛び上がった。

1.よける。
2.リレミトを唱える。
3.銀のタロットを使う。
3
3
701296 ◆kYB5EDmqco :03/07/02 09:21 ID:tq4JP8qF
うむ、あと20日で終われるかな……。微妙になってきた。
702296 ◆kYB5EDmqco :03/07/02 22:44 ID:tq4JP8qF
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
3番2票、2番1票で3番に決定しました。

「―――お願い!」
祈りを込めてミネアがタロットの中から一枚のカードをひいた。
その祈りに呼応するかのように、タロットカードがまばゆい光を放つ。
光はどんどん膨らんでいき、キングスライムとアイスコンドルをあっという間に包み込んで
しまった。光に飲み込まれた魔物の姿が、水に映った像のように歪みねじれていく。
姉妹を押し潰そうとしたキングスライムは、アイスコンドルとともに声もなく光の中に消えていって
しまった。
「す、凄い……」
マーニャは茫然と、たった今魔物がいた場所を見つめている。
ミネアが掲げ持つ銀色に輝くタロットカードには、左手に天秤を、右手にはまっすぐな長剣
を持った女神の姿が描かれていた。

1.部屋を出て坑道の探索を再開する。
2.リレミトで出口まで戻る。

火薬を探しに行ったはずでは
1 ジャスティスきた!
707296 ◆kYB5EDmqco :03/07/03 23:17 ID:fn77uxHV
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番3票、2番1票で1番に決定しました。

「いや、ほんと、タロットカード様々ね。これさえあれば、わたし達無敵じゃん」
祭壇のあった部屋を出て落ち着きを取り戻したマーニャが、カードをまじまじと眺めながら
言った。
「残念だけど、いつもあの効力が出るとは限らないわ。それぞれカードが個別に違う力を
持っているように感じるの」
「ま、とりあえず、便利なカードが見つかったってことで……うん? ミネア、あれは
何かしら!?」
そう言うと、マーニャは坑道の壁に駆け寄った。壁の下は少し崩れており、そこに生じた隙間に
小さな麻袋が並べられていた。おそらく、鉱山の労働者達ががかつて物置代わりにでも
していたのだろう。麻袋には『危険物 火薬』と書き付けてあった。
中には黒色の砂のようなものがつまっている。
マーニャとミネアはだまって顔を見合わせると、手を取り合ってダンスを始めた。
「姉さん、これは火薬よ、間違いないわ」
「やったー、火薬だ、ヤッホー!!」
ふたりは火薬の入った袋をしっかりと握りしめて、出口へと向かった。

1.リレミト→ルーラを使ってキングレオまで直行する。
2.アッテムトの宿屋で休む。
1
ただし、別のところで休みたい
710296 ◆kYB5EDmqco :03/07/04 23:41 ID:jRhZB1xo
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番2票で1番に決定しました。
ちなみに、姉妹のMPの現状は50%だから。

 リレミトで坑道の入り口まで戻ったふたりは、続いてルーラでキングレオ城の近くにある
雑木林へと移動した。北へ目を向ければ、高い城壁に囲まれたキングレオの城が見える。
ここがオーリンとの合流場所である。
「こっちだ、マーニャちゃん、ミネアちゃん」
木の陰からオーリンが顔を出して二人を呼んだ。 

 城門は堅く閉ざされ、冷たくその表情を隠している。
三人は、城を眺めながらあれこれと策を練っていた。
「ねぇ、わたし、ハバリアやモンバーバラで聞いたんだけど、今、お城は女ならフリーパス
で入れるそうじゃない。私がミネアと忍び込んで、城内からオーリンを招き入れるというのは
どう?」
「姉さん、自分から胡散臭いと吐き捨てておきながら、まだお城の生活に興味があるの……」
冷たい目で姉を見るミネア。オーリンがうなるように腕を組む。
「俺も反対だ。お城に行ったきり娘が戻ってこないという話をやまほど聞かされた
からな。俺が前に使っていた抜け穴は、無事に使える。ただ、安全を期すなら
夜に忍び込む必要がある。俺としては、マーニャちゃん達の休憩もかねる意味でこの作戦で行きたいが……」
「確かに、私達がお城に入れたとしても、中から手引きしてオーリンさんを入れることが
絶対にできるとは限らないものね……」
胸元で輝く静寂の玉をいじりながらミネアが控えめにオーリンの意見に賛同する。
今度はマーニャが腕を組んで考える番だ。

1.抜け穴からキングレオの城へ侵入する。
2.マーニャの案を採用する。
2
712296 ◆kYB5EDmqco :03/07/04 23:42 ID:jRhZB1xo
ちょこっと訂正。
1.夜まで休んで、抜け穴からキングレオの城へ侵入する。
2.マーニャの案を採用する。

言うまでもないが、1の方がお手軽である。
1
1
715296 ◆kYB5EDmqco :03/07/05 22:32 ID:WEEMmj35
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番2票で、2番1票に決定しました。

「よし、夜になったらその抜け穴を通って、キングレオ城へ突入しましょう。じゃ、夜までわたしとミネアは寝るから。
あー、それにしても大変な一日だったなぁ」
「本当ね……それじゃ、オーリンさん、後のことは任せます」
ふたりの目には、あのピサロナイトと呼ばれていた男の姿が鮮烈に焼き付いていた。
そのまま後ろの木にもたれかかると、あっというまに眠りについてしまった。
「ああ、かまわないぞ」
そう言ってオーリンが振り返った先には、木の下で座り込み、肩を並べて眠る姉妹の姿があった。
「……ずいぶんと大変だったみたいだな」
何故か慚愧の念にとらわれながら、オーリンは、ミネアとマーニャの体にそっと毛布をかけた。

 夜の帳が訪れた。雑木林の緑が闇に溶け込む中、木の間を影のように走って、外堀へと向かう三人の勇姿があった。
満々と水のたたえられたこの堀を泳いで渡った先に、オーリンが使う抜け穴が存在するらしい。
先頭を走るマーニャが一足先に外堀にたどりついた。サンダルを履いた右足を水に浸す。
「……オーリン、本当にここを泳いで渡るの?」
「ああ、そうだ」
「……他に道は?」
「ない」
マーニャとオーリンの目が交錯するも、火花は散らなかった。先にオーリンの方が目をそらしたからだ。

 
「我慢してくれ……マーニャちゃん」
「わかったわよ」
不承不承と言った感じでマーニャが外堀に飛び込む。一見人目を惹きつけるような派手なフォームだが、立ちこめる水しぶきはわずかで、水面
は実に静かなものだ。続いて、オーリンとミネアが、音を立てないよう慎重に水の中へと体を沈ませる。
そのままふたりは、オーリンの先導のもと、水をかきわけて、反対側の城壁に辿り着いた。
オーリンが指さす先には、人一人通れるくらいの穴が開いている。城壁の一部が崩れたらしい。
「ここを通れば、城の中まで悠々進める」
「わかったから、はやく案内して。ここの水、冷たすぎるから、風邪をひいちゃうわ」
「姉さんったら……」

1.穴を抜けた先は城内の物置だった。
2.穴を抜けた先は城の中庭だった。
3.穴を抜けた先は城の廊下だった。

水の中入っちゃって、火薬壺は平気なんでしょうか?w
3
 だけど、717たんのツッコミはもっともですねw
719296 ◆kYB5EDmqco :03/07/05 22:56 ID:WEEMmj35
袋の中に入ってるから大丈夫だ……ということにしておいて(汗

えー、「かやくつぼ」は、「ちょっとしけっていて、音を出すぐらいしか出来ない」
(ゲーム中の工夫)
らしいので、これでちょうどいいのでは
第二形態の方の曲は?
722296 ◆kYB5EDmqco :03/07/06 21:40 ID:SUO7r+V3
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番1票、2番1票、3番1票で、先着の1番に決定しました。

穴を抜けると、そこは城内の物置になっている倉庫の部屋だった。
三人は、部屋から顔を出してあたりを確かめた。
どこまでも静まり返った廊下が続く。
「これだけ広いと探し回るのも酷ね」
「さて、アク=ダイカン大臣とやらはどこにいるのかしら?」
廊下には人の姿が見あたらないが、中庭には一人兵士がいて、ぶらぶらと歩いている。
「ほほう、あれなんかいいかも」
マーニャが一人ほくそ笑んで、兵士を指さす
「どうするつもりなの、姉さん?」
マーニャが不敵に笑う。
「ほほほ、城で働く女のふりして私が聞き出してくるわ」
「どうしよう、オーリンさん」
不安げな表情でミネアがオーリンにマーニャの策の是非を尋ねる。
「俺が兵士を捕まえて尋問するという手もあるな」
オーリンの策は明瞭で、マーニャも異を挟む必要を感じなかった。
「じゃ、方針も出そろったことだし、ミネアの霊感に決めてもらおうかしら」
「わ、私が? もう……怠け者」
にっこりと頷いて返事する姉を、ミネアはすねたように見つめた。

1.兵士を捕らえて大臣の居所を聞き出す。
2.三人で大臣を捜す。
3.応募した女のふりをよそおって兵士から大臣の居所を聞き出す。
4.ラリホーで眠らせる。
3
3
725296 ◆kYB5EDmqco :03/07/07 23:09 ID:aeU/dO60
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
3番2票で3番に決定しました。 この選択に何を期待しているのかね?

オーリンを廊下の陰に残してマーニャとミネアは兵士に近づいた。
「うん、何だ……貴様らは」
居丈高に兵士が槍を突き立ててくる。
「すみません。私達、大臣様に大事な話があるのですが、何分先日この城に入った
ばかりで……」
「そうか。応募を見てやってきた女か。大臣殿ならば……」
兵士はさして疑わずに大臣の居場所を姉妹に教えた。
会心の笑みを隠しながら、マーニャはミネア共々兵士に礼を述べ、その場を去ろうとした。
「……うん? ちょっと待て!」
突然、兵士がふたりを呼び止めてきた。

1.マーニャが時間を稼いでいる間にミネアがラリホーを唱える。
2.その場に留まる。
3.逃げる。
2
728296 ◆kYB5EDmqco :03/07/08 21:57 ID:L92YkfQN
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番1票、2番1票で1番に決定しました。

素早くマーニャがミネアに耳打ちする
「ミネア、わたしが引き付けるから、あなたはラリホーで」
「うん、わかった」
妹が了解したのを横目に、マーニャは極上の笑顔の仮面を付けて兵士に振り返る。
「はーい、何でしょうか?」
「確か、お前達にはパーティーが始まるまでの間、部屋で待機しておけと命じたはず。
何故廊下に出ている?」
「だから、大臣様に伝える大事なご用件があるって頼まれました」
しれっと嘘八百を告げるマーニャに、それと看破したわけではないものの、兵士が目の険を嶮しくする。
「用件だと? 誰……に……」
兵士はさらに詰問しようとしたが、突然がくりと膝をつくと、そのまま地面に倒れ伏した。
ミネアのラリホーだ。
「よっし、ミネア、さっさとオーリンの所に戻るわよ」
「はい、姉さん」
眠りこけた兵士を隅に運び込んで人目から隠すと、マーニャは物陰に潜んで事の推移を
見守っていたオーリンにウィンクした。安全を確認したオーリンが物陰から出て、ふたりの
元まで小走りでやってきた。
「やるもんだね、と言いたいけど、君たちが呼び止められたときはヒヤッとしたよ。あんまり
危ないことはしないでおくれよ」
「わかっているわよ。それより、大臣の居場所が……あれ、ミネア、どうしたの?」
「しっ! 姉さん、前から誰か来るわ」
壁に張り付いて前方を偵察していたミネアが警告を発する。

1.幸い、大臣の部屋とは逆方向だ。目的地へ直行する。
2.足音の主を避け、少し寄り道して、二階へ上ってみる。
3.柱の陰に隠れてやり過ごす。
3 大臣でしょ?
730名前が無い@ただの名無しのようだ:03/07/08 22:01 ID:53fG+Z/y
731296 ◆kYB5EDmqco :03/07/08 22:41 ID:L92YkfQN
>729
いや、大臣に会う場合は1だよ、1
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番1票、3番1票で先着の3番に決定しました。

 柱の陰に身を隠した三人の前を、二人の兵士が通過していった。
「全く……たまらんぜ。いつまでこんなことを続ければいいんだ」
「言うなよ。そもそも、甘い言葉につられて城に来る女の方が悪いんだからよ」
(甘い言葉? おふれのことかしら……)
(しっ! マーニャちゃん、よく聞こえない)
「俺、今日のパーティーには参加しなくていいわ。気分が悪くなるからよ。あんなのを楽しめる
大臣方はどうかしてるぜ……」
「そうだな、いくら可愛くても、可愛くなるだけ悲惨になるんだよな……あの娘達」
愚痴だけを残すと、兵士は廊下の突き当たりを左に曲がって、一行の視界から姿を消した。

1.大臣の部屋へ向かう。
2.二階に昇ってみる。
1
>>1
この曲ってデュピッシーのパクリやな
2
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番1票、2番2票で2番に決定しました。やれやれ、やっと終われると思ったのにな……

 二階に出た二人を待っていたのは……
「でへへー、待て待て、捕まえちゃうぞ!」
「やーん、どいてどいて。追いつかれちゃう」
緊張感の欠片もない追いかけっこをして、はしゃいでるあらくれと女の子だった。
「なに? 趣味が悪いわね」
「不潔です……」
2階には部屋が2つあり、その他に外の見張り台に続く扉が2つあった。

1.外の見張り台へ。
2.部屋を捜索する。
>>737
>やれやれ、やっと終われると思ったのにな……

嫌々やってんの?
739 ◆iWi/3uKwxw :03/07/11 02:24 ID:R2/Ns/jN
>738
いや、そんなことはない。今現在自分が置かれている状況が悪化したら、
ネットに繋げなくなるところに行ってしまうので、多少焦っているのです。スマソ

……よく見たらトリップいれてなかったね。すみません。
740 ◆kYB5EDmqco :03/07/11 02:25 ID:R2/Ns/jN
しかも、トリップまで入れ間違えた……
3
大臣の部屋に向かう
742296 ◆kYB5EDmqco :03/07/11 22:41 ID:R2/Ns/jN
ハハハ……バシルーラが確定しなかったけど、8月から文無し決定。最低だ、俺……(;´д⊂)
これならバシルーラで飛ばされた方がマシだった……。
>741 気を使わせたみたいで本当に御免なさいm(_ _)m
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
3番1票で3番「大臣の部屋に向かう」に決定しました。

 大臣の部屋は一階のどんづまりに位置していた。
オーリンが鍵穴から部屋の中をのぞいて目標を確認した。
「火薬を」
オーリンは、言葉少なに指示を下していく。いよいよという瞬間を前に、マーニャも口を噤んで作業を開始した。
三人の手際よい作業で火薬が大臣の部屋の前に仕掛けられた。
「メラを」
頷いたマーニャの指先から、小さな火種が火薬に向かって飛んでいく。
―――ドドドドーン!
火が火薬に命中した瞬間、腹に響く振動が廊下を揺らし、辺り一面に爆音が轟いた。
たちまち部屋の中からアク=ダイカン大臣が飛び出してきた。
乱れたガウンを風になびかせて、真っ青な顔で三人の前を走り抜けていく。まるで疾風だ。
「王様〜、バルザックさまぁ〜、助けてくださいぃぃぃ〜」
情けない叫び声をあげる大臣の後を三人が追う。
あっという間に廊下の端まで辿り着いた大臣が、角を左に曲がった。
「ちっ、逃げ足だけは立派なものね」
「見失うな、急げ!」
姉妹の手をひっつかんでオーリンが先頭に立って走る。
だが、角を曲がった先で三人は思わず足を止めてしまった。
「どういうこと?」
前を走っていた大臣の姿が影も形も残さず消えている。
目の前に続く廊下は一方通行で、隠れ場所など存在しない。
あとは、物言わぬ柱が壁に沿って並んでいるばかりである。

1.柱の陰に隠れているのかもしれない。
2.しばらく様子を見る。
3.信じられない速さで廊下を直進したのかもしれない。
2
……も、もう「イキロ」としか……。・゚・(ノД`)・゚・。
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番1票で2番に決定しました。

 静寂がうち破られるのに1分とかからなかった。
突然、目の前の壁の一部分が音を立てて扉のように開き始めた。
「む!」
「姉さん!」
「ふふん、鴨が葱をしょってきたわよ! いいわね、二人とも!」
三人が互いに見つめ合って頷きあう。
壁が扇状に展開していくにつれ、中から明かりが漏れてくる。
三人の心臓が早鐘のように鼓動を打っていた。
ガタン!と音を立てて扉が完全に開いた。
三人がいっせいに部屋になだれ込む。
部屋から出ようとした大臣は、オーリンの手で部屋の中へ押し戻され、マーニャに
蹴り飛ばされた。
「うわぁぁ〜」
大臣のずんぐりとした体が部屋の中を転がっていった。




「な、何者だ!」
懸命に起きあがりながら、大臣が誰何する。
しかし、三人の目は中央の玉座に座る男に吸いつけられていた。
血のように真っ赤なガウンに身をまとい、王冠をかぶり、王錫を手にした男を、マーニャも、
ミネアも、オーリンも、よく知っていた。
大きな口に、釣り上がったいやらしい目つき。まさに、エドガン家で弟子として働いていた
バルザックだ。
「―――ふん、荘厳な玉座もあんたみたいな男が座ると悪趣味にしか見えないわ!」
激しく担架を切ってマーニャが進み出る。
「ほほう、誰かと思えば、マーニャお嬢様にミネアお嬢様ですか? はっはっは、これは
愉快だ」
「馬鹿笑いは止めなさい。あなたには死んでもらいます」
毒蛾のナイフをゆっくりと鞘から引き抜いて、ミネアがバルザックをにらみ付ける。
「おやおや、立派な覚悟ですが、そんな震える手で何をしようというのです。そんな様では、
自分の手でその美しい肌を傷つけてしまいますよ」
バルザックのあざけりにミネアが頬を紅潮する。その前に、鉄の槍を構えたオーリンが
立ちふさがる。
「たわごとは寄せ! バルザック。先生を殺した罪、今ここで贖ってもらうぞ……」
ゆっくりと前進するオーリンをバルザックが憎々しげに見つめたが、やがて顔から憎悪の
色を消してほくそ笑んだ。
「なぁ、オーリン。同じ錬金術士のお前なら、わかるだろう?
進化の秘法が偉大なる発見だということを。あれは神に虐げられた人間の運命を大きく
変える。人間は、神を超えて進化するべきなのだよ」
玉座から微動だにせず、バルザックが熱く語る。
「エドガンは、その発見を邪悪と決めつけた。愚かな人間だ。だから、殺さなければなら
なかった。だが、俺にはお前達を殺す気はない。どうせ、お前達に勝ち目はないのだから。
そんな復習などあきらめて、俺と手を組め」
玉座の間が一瞬静まり返った。
静寂を破ったのは――

1.マーニャの挑発だった。
2.オーリンの怒号だった。
3.ミネア手から放たれたタロットカードだった。
747名前が無い@ただの名無しのようだ:03/07/13 00:19 ID:nH62iBY+
2


マーニャ姉さんガツンと一発おながいしまつ!
1かな

静寂の玉で静寂続行
2
やっぱりここでオーリンに見せ場を
2
寄せ→止せ 復習→復讐 すみません(T_T)
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番3票、1番1票、4番1票で2番に決定しました。

「ほざけ! バルザック」
静寂を破ったのはオーリンの怒号だった。
鉄の槍を構え、両手に力を込める。槍尖に鈍い黒光が閃き、疾風の速さの刺突が飛んだ。
バルザックは動かない。つまらなさそうに、凄まじい風切り音を立てて押し寄せる槍を見やった。
猛々しい威力を誇る鉄槍が、バルザックの胸元にズブリと突き刺さる。
「――何? ずいぶんと往生際がいいじゃない」
避けようとすらしなかったバルザックに、マーニャがニヤニヤと笑いながら近づいていった。
「動く必要などないからさ」
――ばしゅっ。青い粘液がバルザックの全身から湧き出る。骨の砕けるような
音を立ててばきばきとねじ曲がっていく。見開いた目玉が飛び出すと、頭が
盛り上がって王冠が床に落ち、かわりに二本の角が生えてきた。
「ば、化け物め!」
足の震えを必死におさえてマーニャがバルザックを睨み付ける。
オーリンはあまりのことに茫然としている。その足元に鉄の槍が飛んできた。
「ぐふぅぅぅ……。それは返したぞ、オーリン」
裂けた口から鋭い牙をのぞかせ、バルザックがくぐもった声で笑った。
「信じられない、本当にこれが人間だったの!?」
あまりの変化の凄まじさにミネアが目をそらした。
三人の目の前で、バルザックは見るもおぞましい怪物へと変化してみせた。
部屋の天井に突きぬけんばかりの巨体を震わせて、バルザックが咆哮する。
「ふん! 負けるもんですか。父さんの敵は絶対にここで取る!」

1.ミネアが静寂の玉を使う
2.マーニャがルカニを唱える
3.まずはオーリンが攻撃をしかける
3で。流れ的にも、いきなり封印じゃあツマンネなんで
2
756296 ◆kYB5EDmqco :03/07/14 23:26 ID:q2SHh8W9
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
3番1票、2番1票、先着の3番に決定しました。

「食らえッ!」
寒々とした光を放ち、鉄の槍がバルザックの胸元に襲いかかった。
まさに入神の速さ! 瞬き一つの間にバルザックの槍の穂先が胸に突き刺さっていた。
マーニャとミネアが歓声をあげた。
「ぬっ!」
しかし、驚愕の叫びをあげたのは、バルザックではなくオーリンの方であった。
 オーリンは、胸から背中まで槍を突き通そうと、渾身の力を込めたが、確かに胸に食い込んだ
穂先が何かに阻まれ、どうしても刺し通せない。
 からかうように、首を振ったバルザックが槍を押し返し、振り上げた左腕を力一杯槍の柄に
打ち下ろした。オーリンの指の又が裂け、手を放れた鉄の槍がまっすぐ上に飛んでいった。
その煽りをくらってオーリンが仰向けにとんぼを切った。
落下した鉄の槍は、深紅の絨毯に深々と突き刺さってしまった
攻撃は失敗した。バルザックの豪腕が、悔しがるオーリンの体をひっつかみ、ミネアに
向かって放り投げる。
よけることもできず、ミネアはオーリンごと床に叩き付けられた。
その拍子にミネアの首にかかっていた静寂の玉の紐がちぎれ、コロコロと部屋の隅に転がっていった。
「ミネア!」
ミネアは起きあがってこない。
「何をたくらんでいたかはしらんが、こうなってはどうしようもないな」
獣のような響きを持った声でバルザックが嘲笑する。
マーニャは静寂の玉を横目で見た。取りにいけない距離ではない。

1.静寂の玉を拾いに走る。
2.ギラの呪文を唱える。
3.ミネアを助ける。
1かつ2。
ギラしながら走るってちょっとカコよくない?
>>757
おお、それはカコイイね!
1かつ2きぼん
759山崎 渉:03/07/15 14:40 ID:/w3hKvtN

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2票で、「ギラしながら走る」に決定しました。そんなの出来るのかよ!?

掌に炎が沸き起こる。踊るような動きで静寂の玉へと駆け出しながら、マーニャが炎の塊
をバルザックに投げつけた。
「いかん! マーニャちゃん、避けろ!」
オーリンが叫び声を発してマーニャに警告する。マーニャの動きは、バルザックに完全
に読まれていた。
マーニャのギラの炎は、バルザックのギラの炎に併呑された。
燃えるような熱さと、体中に走る鋭い痛みを感じた瞬間、マーニャは床の上に身を
投げ出されていた。
「ううっ、くそ……」
焦げた服が、しゅうしゅうと煙をあげる。煙に身を包みながらも、マーニャは床から立ち上がった。
「ははは、お前達人間の使う呪文などこの程度よ、思い知ったか! じっくりとなぶってくれるぞ」
負けじとマーニャはバルザックを睨み返した。
(ふん、メラかルカニならすぐに唱えられる。見てなさい。吠え面かかしてあげるわ!)

1.メラで牽制する
2.ルカニを唱える
3.静寂の玉に向けて再び駆け出す。

3で。そろそろキメにかからないとね。
2
3
そろそろ3
765296 ◆kYB5EDmqco :03/07/16 23:50 ID:mfLr7Idl
危うく更新を忘れて寝るところでした。アブナイアブナイ…。
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
3番3票、2番1票で3番に決定しました。

オーリンがバルザックの背中に蹴りを放つ。背を向けたバルザックに隙が生じる。
マーニャがすかさず部屋の隅に転がる静寂の玉へと走り出す。
「ええい、こざかしい」
片手でオーリンの足を掴んだバルザックが無造作に彼の体を放り投げ、
静寂の玉まで後少しというマーニャの前に立ちふさがる。
「そこをどきな!」
マーニャとバルザックが再び睨み合う。

1.静寂の玉を取りに行く
2.バルザックの出方を見る
3.ルカニを唱える

祭りの真っ最中ですが、更新乙っす
2。
ミネアにも動いてほしいっす。
1
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番2票、1番1票で2番に決定しました。

 にょっきりと生えた爪を閃かせて、バルザックが何度も腕を振るう。
シュッと空気を切って響くバルザックの連続攻撃を、マーニャは腰を低くしてステップを
踏みながら巧みに避けた。
シュバッ!
「――――!」
最後の一撃が予想外に速かった。マーニャの頬をざっくりとバルザックの爪がえぐる。
「はははははは、もっとだ、もっど削ってやるぞ、マーニャ!」
(ちっ! こいつの攻撃はどんどん速くなる。加えて、人間の私は……でも、何とか注意を
惹かなければ!)
マーニャは、バルザックを通して意識を取り戻したミネアが静寂の玉を取りに行くのを
見ていたのだ
ミネアはもうすぐ静寂の玉に到達する。しかし、こちらは敵の攻撃をさばくので手一杯だ。
(何とか……何とかしなければ―――)
頬を伝う汗にすら気付かず、マーニャはバルザックの巨体をただ見あげている。
床を揺らしながら、バルザックがゆっくりと歩いてくる。

1.イオの放電でやつの目をひきつける。
2.ルカニを唱える。
3.バルザックをののしって挑発する。
3がみたいな……
確実なのは1なんじゃないかという気がするけど
では1
3がマーニャらしいかな。
2
3
775296 ◆kYB5EDmqco :03/07/18 21:35 ID:ht1vVi8i
誤字が結構一杯あった、欝。
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
3番3票、1番1票、2番1票で3番に決定しました。……実は回り道した方が玉を取りやすかったんだけどね。

「バルザック、アンタ、まだわたしの事好きなの?」
接近してくるバルザックにマーニャがニヤニヤと笑いかける。
「あんた、あのころ妙にわたしのこと避けてたものね。下手くそな意思表示だったから、
アンタがわたしのことを好きだって事はすぐにわかったわ。でも、ふ、ら、れ、た!」
バルザックの歩みがぴたりと止まる。
「この小心者! 化け物にならなきゃ、ろくにわたしに近づくこともできない甘えん坊は、
とっとと、ママの所に帰ってオッパイでも恋しがるんだね!」
「ふん! 俺はもう、昔の俺じゃねぇっ!」
マーニャの挑発には目もくれず、バルザックが開いた手をミネアに向ける。
「きゃ――――――!」
ギラの衝撃をまともに喰らったミネアが、壁へと弾き飛ばされた。
髪を振り乱してしゃにむに立ち上がるが、玉を取ってくる余裕はない。
そのとき、ミネアの横を風のようにオーリンが走り抜けていった。
「もらったぁ!」 「させるかっ! 馬鹿者!!」
静寂の玉を手にしたオーリン目がけてバルザックが王錫を投げつける。
「ぐっ!」
オーリンの手から静寂の玉が離れ、コロコロと玉座に続く赤い絨毯の上へと転がっていく。

1.バルザックの攻撃をかいくぐってマーニャが取りに走る。
2.イオでバルザックに反撃する。
3.ミネアがラリホーマを唱える。
776296 ◆kYB5EDmqco :03/07/18 21:37 ID:ht1vVi8i
静寂の玉争奪戦が異様に長いけど、そういうチャート順なので……すまない。
乙・・・じゃなかった2
1
2で。
780296 ◆kYB5EDmqco :03/07/19 22:10 ID:dRdolOR1
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番2票、1番1票で2番に決定しました。

 突然、バルザックの頭上に光の球体が出現した。
球体は放電を繰り返し、その都度膨張していく。
「マーニャ、貴様、イオを〜!?」
振り返ったバルザックの目が捉えたものは、自分の頭上に向けて両手をかざし、
呪文を唱えるマーニャの姿だった。
 呪文の妨害に向かおうとするバルザックだが、光球から走る放電に邪魔をされ、
マーニャに近づくことができない。
「お、おのれぇぇぇ―――――!!」
バルザックの頭上で放電する光の塊が破裂した。玉座の間が一瞬白一色で塗り固められ、
爆風を受けたバルザックの体が床にめり込んだ。
 広間を支える柱がぎしぎしと音を立てて揺れ、部屋は地震が来たときのように震えた。
イオの惨禍が過ぎ去ったあとの惨状を見たミネアとオーリンは声も無い。
「なにぼやっとしてるのよ、はやく玉を!」
マーニャの叫びに突き動かされるように、静寂の玉を手に取ったオーリンがミネアに
投げてよこす。
「静寂の玉よ! 愚かな魔物に神の裁きを!!」
781296 ◆kYB5EDmqco :03/07/19 22:31 ID:dRdolOR1
頭上に掲げられた静寂の玉から、バルザックの巨体へ向けて蒼い光が迸る。
「うぬぅぅぅっ!」
必死で光をふりほどこうとするバルザックだが、静寂の玉が発する強大な魔力に
耐えきれず、とうとう床に膝をついた。
バルザックの魔法を封じ込められた! 同時に静寂の玉も輝きを納める。
「やったじゃない、ミネア!」 「うん、姉さん!」
膝を上げて立ち上がったバルザックが燃えるように冷たい目で姉妹を見つめる。
「くくくく、どこまでも、祟るか。いいだろう、魔法を封じられたくらい何でも
ないということを見せてやる!」
バルザックの口元が裂けたように開き、火を噴く。
たまらず火の玉の直撃を避けた三人に追い打ちもかけず、バルザックは後ろへ走り出す。
「逃げる気!?」
鉄の扇をパシッと広げてマーニャがバルザックの後を追いかける。
バルザックは何を思ったか、柱の陰に潜んでいたアク=ダイカン大臣を掴み上げた。
「ひ、ひえぇぇぇぇ、バルザック様、何をなさいます〜」
「ふん、元はと言えば、貴様が招いた禍だ。少しは払う手伝いをしてみせろ!」
「そ、そんなぁぁ、あれほど尽くしたではありませんか〜。どうか、どうか……」
泣き声をあげて許しを乞う大臣に冷笑してみせると、バルザックは大臣を投げた。
風を切って大臣の太った体がマーニャに向かって飛んでくる。
「な、なんてこと!」
避けることもできず、今度は大臣とともにマーニャが床に叩き付けられた。
うめき声をあげて立ち上がろうとするマーニャに向けて、バルザックが角を突き立てて
突進してくる。
「姉さん!」 「いかん!」
オーリンが急いでマーニャを助けに向かう。
ミネアは―――

1.銀のタロットを使う
2.銀のタロットで攻撃する
3.バルザックにバギを唱える
4.オーリンに任せる
5.マーニャにベホイミ
4+5で
3のバギで。
5
785296 ◆kYB5EDmqco :03/07/20 23:13 ID:VBLxmjbK
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。4+5……ねぇ。まぁ、今回はこれで
いいですけど、やっぱり新たに選択肢を作るか、番号で答えてください。というわけで、
先着の4+5「オーリンに任せてミネアはマーニャにベホイミ」に決定しました。

ミネアがマーニャに駆け寄り、マーニャにベホイミの呪文を唱える。
「ミ、ミネア、私のことはいいから……はやく逃げるのよ」
「姉さん、黙って。もうすぐだから……」
「ば、馬鹿、後ろよ!」
マーニャの指さす先で、バルザックの気合いを込めた突進に、オーリンがあっけなく
吹き飛ばされた。
「ぐおぉぉぉっ!」 「きゃぁぁぁぁっ!」
ミネアもマーニャもその体に強烈な体当たりを受けて、ちりぢりに吹き飛ばされてしまった。
「うっ、くっ……」
痛みにあえぐオーリンを頭上から見下ろしたバルザックが、その体に足を振り下ろす。
「ぐはっ―――!」
激痛とともに、骨が折れる不快な音が玉座の間を通り抜けた。
「ははははは、オーリン、昔とは立場が逆だな。いつも、いつも、お前は俺の頭上に
いて、俺を見下ろす立場だったが……今は、俺がお前を見下ろす立場だ」
バルザックが何度もオーリンの体に足を振り下ろす。そのたびに、オーリンの肉体が
軋み、音を立てて骨が折れる。
「やめてっ! やめてよっ! 何でそんなことをするの……オーリンがいつ貴方に
酷いことをしたって言うのよ!」
ミネアの叫び声を聞いたバルザックがゆっくりと後ろを振り返った。
「くく、お優しいことで……」
歪んだ笑みを浮かべてバルザックがゆっくりとミネアに近づく。
妹を守ろうとマーニャがもがくが、受けた傷は深く、声すらまともに出せない。
悲鳴とも泣き声ともつかない嗚咽をあげて、マーニャが歯噛みする。
絶望のなかで、ミネアはバルザックの足音を聞いていた。この足音が止んだ時が
自分の最期の時だ。
(御免ね、お父さん……御免、姉さん……御免、オーリンさん)
親しい人たちに心の中で別れをすませると、ミネアはゆっくりと目を閉じた。
786296 ◆kYB5EDmqco :03/07/20 23:22 ID:VBLxmjbK
 そのとき、ミネアのふところからポトリとタロットカードが落ちてきた。
アッテムトの坑道で手に入れた銀のタロットだ。
ミネアの閉ざされた瞳の中で、あの日、マーニャと一緒にこのカードを見つけたときの
情景が鮮明に浮かび上がる。

1.銀のタロットをひく。
2.銀のタロットをひかない。

銀のタロットをひく場合、I~Xの数字のうちから一つを選んで選択せよ。
________________

実は、4で全滅させるつもりだったんだけど、ミックスされちゃったから悩んだ末に
ゲームオーバーは止めました。
787296 ◆kYB5EDmqco :03/07/20 23:24 ID:VBLxmjbK
訂正
×I~Xの数字のうちから一つを選んで選択せよ。
○I〜Xのギリシャ数字のなかから、一つを選び解答せよ。

それでは。
788782:03/07/20 23:45 ID:q2tWVLty
うわっ、キツい展開ですね。ミネアの安全を確保するつもりだったんですが完全に裏目のようでし。
まっ、こうなったらじたばたしても仕方ない。職人さんに任せて開き直りましょう(・・・)。
というわけで、

1、I
1 W
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1-Iが一票、1-IVが1票で、先着の1-Iに決定しました。

(きっと……また、私達を助けてくれる。こんなところで目的も果たせず死ぬのが私達の
運命だなんて……絶対に認めない!)
ミネアは告げ所でシスターより告げられた、まだ見ぬ未来を信じた。
「タロットカードよ……力を!」
祈りをこめて、ミネアがその中の一枚を引き抜く。
その瞬間、カードは生き物のようにミネアの手の中から抜け出ると、空中でくるりと反転した。
獰猛な獅子の口を難なく押さえる女性の絵が光り輝いてミネアを照らす。
傷が癒えたわけではない。しかし、信じられないくらいの力が全身にみなぎっていた。
体中にあふれる活力に引きずられるようにミネアが起きあがる。
「ええい、何が起ころうと貴様の細腕で何が出来る! バギごときでは俺は止まらんぞ!!」
今何が起きたのかまでは理解していないが、その直感でバルザックはミネアを危険だと判断した。
再度玉座の間を揺らしながら、恐ろしい速さでミネアに向かって疾駆する。
「聖なる神よ! 邪悪を制する力をお与えください!!」
祈りの聖句とともに、ミネアが残った八枚のタロットカードをバルザックに投げつけた。
カードは吸い込まれるようにバルザックの顔に、首に、足に、腕に、胸に、突き刺さる。
それでも、バルザックは止まらない。雄叫びをあげながら角でミネアを突き殺そうとする。
バルザックの角が指呼の間にミネアを捉えたとき、宙に浮かんでいた最後のカードが
動いた。銀光一閃! 角を斬り飛ばした最後の一枚が、魔物の頭部に深く突き刺さる。 
「ぐわあ―――――!」
バルザックの肉体に食らいついた九枚のタロットカードが激しく振るえ出す。
カードが強く白い光を放った。
「ギェェェェェー!」
苦痛に身をよじったバルザックの巨体が大きくのけぞった。
全身を覆う皮膚がひび割れ、赤黒い血にまみれた筋肉が姿を覗かせる。
血にしめった巨体をブルブルと震わせてバルザックはあおむけに倒れ込んだ。

791296 ◆kYB5EDmqco :03/07/21 23:24 ID:vYe5XuRq
またトリップ入れ忘れちゃったよ……。

「ば、馬鹿な、この俺がお前等なんかに……」
血にぬめった巨体を震わせてバルザックがあえぐ。
銀のタロットがバルザックの体から離れ、ミネアの手許に舞い戻ってくる。
(まるで、自分の意志を持っているみたい。とんでもないカードね……)
九枚のカードをきりなおして、ミネアは再びふところにタロットを突っ込んだ。
全身に宿る力はまだ消えておらず、囂々と体中で渦巻いている。
ミネアの目が、赤い絨毯の上に突き刺さった鉄の槍を無造作に捉えた。
「バルザック、あなたのことを忘れて眠れた夜はない――ないけれど」
鉄の槍を引き抜いたミネアは、マーニャとオーリンの方に目をやる。
先程ベホイミでまがりなりにも回復したマーニャと違い、回復も無しにバルザックの攻撃を
受け続けたオーリンは深刻だ。
(ここで止めを刺すべき? 今の私ならいつでもバルザックを仕留められるわ……)

1.先にオーリンとマーニャの回復を優先する。
2.止めを優先する。
2。やっちゃえ。
2
なぜ悩む!まさかこっちが・・・?
794296 ◆kYB5EDmqco :03/07/22 22:40 ID:mLlYBryV
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番2票で2番に決定しました。

「バルザック。死んで父に詫びなさい!」
手にした鉄の槍を右手に構え、ミネアが力一杯投じた。
「ぐおおおお、静寂の玉の洗礼さえなければ……」
バルザックは怒号をあげるだけだ。ミネアは父の仇の絶命を確信した。
その瞬間、宙を駆ける鉄の槍がぴたりと止まった。
「誰!?」
銀のタロットに皮膚を剥がれ、自らの流した血の海に沈んだバルザックに、
突風のように飛来する鉄の槍を避けることはできないはずだった。
そう、横合いから伸びた手が鉄の槍を止めない限り……。
まるで、空から生えて出たように甲冑に包まれた手が槍の柄を握っていた。
手甲の指より噴き上げる煙が、槍の飛来した速度と、それを掴み取った腕の
持ち主の技量を物語っている。
「無様だな、バルザック」
露が朝陽に溶かされるように、甲冑に身を包んだ一人の騎士が玉座の間に姿を現した。
「こ、これは、ピサロナイト様」
ピサロナイトは、バルザックに見向きもせず、手にした槍をミネアに投げて返した。
「まぁ、お前もまだ改良の余地があるのかもな。罰は後で与えよう……。それにしてもだ」
抑揚の無い声で呟きながら、ピサロナイトの視線が正面に立つミネアに集中する。
「お嬢様、またお目にかかれて光栄です。それに、随分とお強くなられたようで……
バルザックではさぞ物足りないでしょう? 一手いかがですか」
まるで、口説いた貴婦人に踊りを申し込むような弾んだ口調だ。
795296 ◆kYB5EDmqco :03/07/22 22:44 ID:mLlYBryV
「何をふざけたことを。そこをどいて! 
 私には貴方の後ろに倒れている怪物を殺す義務があるの!!」
男がミネアに叩き付けてくるのは殺意と呼ぶには生ぬるい……単なる威圧感だ。
しかし、それでも、ミネアは振り払うのに全身の力を必要とした。
タロットカードより得た力はまだ消えてない。体内で囂々と渦巻くものを頼りに、
ミネアは右手に持った槍と、左に手にした毒蛾のナイフを構え、勢いよく叫んだ。
「どきなさい! でなければ、貴方から殺します!!」
ピサロナイトがゆっくりと剣を引き抜いた。

1.鉄の槍でピサロナイトを牽制して、毒蛾のナイフでバルザックを仕留める。
2.バギを連発して相手を足止めして、その隙にマーニャ達の回復を図る。
3.その場から一人で逃げ出す
4.手持ちの武器を全て使用してピサロナイトを倒す。

まぁ、3番を選ぶ奴はいないよな……。
勝てそうにないけど雰囲気的に4で。
マーニャ達には自分でやくそうでも使って立ち直ってもらいましょうか。
1
798296 ◆kYB5EDmqco :03/07/23 21:57 ID:VKIaTcWg
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
4番1票、2番1票で先着の4番に決定しました。

 剣身を横たえ、ピサロナイトが突っ込んでくる。
ミネアの左手がぱっとあがり、毒蛾のナイフが飛んだ。
かまわずピサロナイトが速度をあげる。異音とともにナイフの刃が甲冑に遮られ折れ飛んだ。
それには怯まず、ミネアは前方に突き出した右手から鉄の槍を投じた。
猛々しい音を立てて槍が飛ぶ。今度は甲冑で弾けるような生やさしい攻撃ではない。
しかし、ピサロナイトは、横たえた剣身で横合いから飛来する鉄の槍を弾いてみせた。
軌道をずらされた鉄の槍が、遙か後方の柱に突き刺さる。
ドン!と音を立てて柱が崩れたとき、ピサロナイトがミネアの眼前にいた。
「くぅっ!」
ミネアの身を守るものは何もない。ピサロナイトは手にした剣を前に突き出すだけでよかった。
吸い込まれるようにピサロナイトの剣がミネアの胸に突き刺さった。
799296 ◆kYB5EDmqco :03/07/23 22:22 ID:VKIaTcWg
「ちっ!」
舌打ちしたピサロナイトが剣を引いて、ミネアから離れた。
剣を引き抜かれたミネアの胸のあたりから、ほのかな光が発せられている。
いやにはっきりと耳に響く心臓の鼓動を感じながら、ミネアの手が懐から銀のタロットを
取り出す。淡く白い光を発してダロットが輝いている。
「度し難いな、古代人の入れ知恵というものは……」
剣身を眺めたピサロナイトが心底呆れたとばかり吐き捨てた。
手にした剣に細かいヒビがびっしりと入っている。
震える手でミネアがタロットカードを抜く。ピサロナイトが盾を手にして身構える。
そのとき、玉座の間に世にも恐ろしい雄叫びが轟いた。
ブルッと立ちすくんだミネアの体が、それきり動かなくなった。
「―――――――!?」
体だけではない。声さえも出なかった。ミネアは目を見開いたまま、じっとピサロナイト
を見つめているばかりだった。
「残念だったな。起死回生は無しだ」
ゆっくりと近づいてきたピサロナイトの右拳がミネアの腹を捉えた。
ミネアの意識が遠のいていく。体中の力が抜けていくのがわかった。
「お、お父さん……」
目に涙をにじませながら、ミネアは動かなくなった。
地に伏せる一瞬、ミネアの目には遠くで見ているバルザックの姿が映った。

1.玉座の間
2.地下牢
3.岬のお告げ所
2
802296 ◆kYB5EDmqco :03/07/24 21:30 ID:9Tmf1GbZ
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番1票、2番1票で先着の1番に決定しました。

「くくく、余計なことをしてしまいましたかな」
玉座の間に姿を現したのは、鋼鉄のような鬣を覆われたライオンの姿を
した魔物だ。大木のような八本の手足が青く光りながら躍動している。
「なに、久しぶりに良い余興だったぞ」
「それはそれは。しかし……」
魔物は傍らに倒れ伏していたマーニャの頭部を掴むと、軽々と持ち上げた。
バルザックに散々痛めつけられた体に酷な扱いを受け、マーニャが表情をゆがめる。
だが、その瞳だけは力を失っていない。血溜まりに埋もれたバルザックの巨体をにらみ付けている。
キングレオの爪がマーニャの顔に触れた。
「こんな輩に手こずるようでは、お前の処罰も考えねばならないな……」
「ピ、ピサロナイト様! どうか、どうか、お許しを」
キングレオの体から猛烈な冷気が噴きあがった。
「もうよせ! キングレオ。静寂の玉は手に入ったのだ。命だけは助けてやれ。
こいつらも一生を城の牢屋の中にでも閉じこめておけばいいだろう」
「はぁ……いたしかたありませんな」
マーニャを後ろに放り投げると、キングレオはピサロナイトに従い、闇の中へと
消えていった。
803296 ◆kYB5EDmqco :03/07/24 21:49 ID:9Tmf1GbZ
 ミネアは夢を見ていた。白く大きな光が自分と、姉のマーニャを優しく包む夢を。
そこは、どこまでも白い世界。波に乗るようにたゆたっているミネアに、何か、光が何事かを
告げたような気がした。
(何……? 一体何を言っているの?)
言葉の端々を捉えようと耳に神経を集中したとき、ミネアの意識が白い世界から離れていく。
そうして、ミネアは目を覚ました。彼女の目の前には、泣きそうな顔で自分を見つめる姉の顔があった。
「ミネア!!」
自分の名を呼んで胸に飛び込んできた姉を抱きかかえながら、ミネアはあやふやな記憶を
整理した。そう……自分たちは結局バルザックを仕留めることができなかったのだ。
「ごめんなさい、姉さん。あそこで私が先走らなければ……」
「いいのよ、オーリンも、私もかなわなかったバルザックを相手に貴女はよくやったわ。
悔しいけど、わたし達に運命が味方してくれなかった。それだけよ」
抱きしめ合う二人に、それ以上の言葉は不要だった。
「姉さん、オーリンは!? それに、この場所は? ピサロナイト、それに最後に
現れたあの魔物は……」
まだ少し意識のはっきりとしない頭を振りながら、ミネアは姉に尋ねた。

1.ここは城の地下牢よ
2.ここは岬のお告げ所の中よ
804296 ◆kYB5EDmqco :03/07/24 21:53 ID:9Tmf1GbZ
長い間、お付き合いくださりありがとうございましたm(_ _)m
これが最後のフラグです。お好きなものをお選びください。というか、少なくて御免。

誤「なに、久しぶりに良い余興だったぞ」↓
正「なに、久しぶりに良い余興だったぞ。キングレオ」
キングレオの名前を書き損じた……(獏
>>803
まさに戦闘といった描写、滞ることのない更新、
 (゚Д゚)ゞ オツ! でした。
返り討ち姉妹のエピローグ、楽しみにしております。

では 2
1
1ですかな。
2
正史どうりにはいかせないぜw
1でおながいしまつ
810296 ◆kYB5EDmqco :03/07/25 22:01 ID:m3q54V8t
参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番2票、1番2票で、先着の2番に決定しました。

ぼやけいてた意識が鮮明な形を取り始め、ミネアの瞳はようやく周囲を認識するよう
になった。
ミネアの体は寝台に納まっていた。
「ここは、『岬のお告げ所』よ。……そうね。まずは、あんたのことから話そうか。
よほど、体に堪えたのか、ミネアはあれから三日間寝通しだったのよ。もう起きないんじゃないかと
心配したわ」
「三日も……!?」
「ええ。あの後、広間に一体の巨大な化け物が現れたわ。獅子の体にゾッとするくらいの
冷気をまとった魔物。あんたの体が突然動かなくなったのは、あいつの仕業だったそうよ。
……ピサロナイトは奴をキングレオと呼んでいた。キングレオは、ピサロナイトに従って姿を消したわ。
『静寂の玉』を奪ってからね」
そこではじめてミネアは気付いた。あの日以来、自分の胸元を飾っていた静寂の玉
が無いことを。
「そうか。お父さんの形見、取られちゃったんだ……。」
寂しげにミネアが呟いた。所在なく膝の上においた両手を見つめている。
それを見たマーニャは、ここで一呼吸間を置いた。
「ミネア、もういい?」
「ええ、続きを聞かせて」
そうして、マーニャはその後起きた出来事を語った。閉じこめられた地下牢で、
キングレオの先代の王に出会ったこと。先王の力添えで牢から脱出できたものの、
中庭で運悪く兵士の一団に発見され、オーリンが盾となって命がけで姉妹を逃がしてくれたことを。
「後のことは、私もよく覚えていないわ。ミネアを背負って、とにかく城から離れること
で一生懸命だったから。気がついたときには、私もあんたの隣で寝かされていたの。ここのシスターの手でね」
「シスターが……?」
「ええ。本当によく分からない人よね。わたしが倒れたのは、キングレオからそう離れていない
山道の中だったんだけど……ルーラでも使えるのかしら、あの女性」
811296 ◆kYB5EDmqco :03/07/25 22:03 ID:m3q54V8t
わーお、一票増えてるジャン。……飯食ってから書き直すから、もうちょっと待ってね。
1番3票、2番2票で1番に決定しました。
812296 ◆kYB5EDmqco :03/07/25 22:50 ID:m3q54V8t
「ここは地下牢の中よ。あれから、兵士に引きずられてここに放り込まれたってわけ」
肩をすくめると、マーニャはミネアに現在三人が置かれた状況を説明した。
「オーリンは無事よ。なんとか、手持ちの薬草で事足りたわ。普通に動くくらいなら
なんとかなる。まぁ、気になるんだったらベホイミを使ってあげればいいわ」
「わかったわ。でも……父さんの形見、取られちゃったんだ」
「ええ、ピサロナイトが奪っていったわ。厄介な事になるかもしれないけど、今はそれを
考えても仕方ないわ」
ミネアは、かつて静寂の玉が胸元を飾っていたところで、何とはなしに右手を遊ばせた。
マーニャは、ただただ黙って妹の肩に両手を乗せた。
「おお、妹御が目を覚まされましたか……良かったですな、マーニャ殿」
突然第三者が会話に混じってきた。
振り向いたミネアの視界にはいったのは、一人の老人だった。
伸び放題の白い髪に、口元から腰まで伸びきった白い髭。身に纏う深紅のガウンは、
色褪せており継ぎ接ぎだらけであったが、それでも元は上質なものであったことが
伺える。老人の後ろにオーリンがいた。やけにかしこまった態度をとっているのが
気になったが、心底安堵したようにミネアを見つめる姿を見ると、過分な心配を
かけたことを悟らなければならなかった。
「そういえば、紹介がまだだったね。ミネア、そこにいる人が、先代のキングレオ
陛下よ」
「付け加えるなら、あなた方を叩きのめしたキングレオという魔物の父親ですな」
そう言った途端、男は激しく咳き込んだ。背後に控えていたオーリンが慌てて背中を
撫でた。それを見たミネアは、黙って立ち上がると、男に手をかざしベホイミの呪文を
唱えた。
813296 ◆kYB5EDmqco :03/07/25 23:05 ID:m3q54V8t
「申し訳ない。少し気分がよくなりました」
よく見ると、アッテムトの人々ように蒼白な顔色をしている。
ミネアの奇異の視線に気付いたらしく、先代の国王と名乗った老人は寂しげに笑った。
「ははは、大臣あたりがいらぬ気を利かしたらしく、食事に毒をもられての。
一時期、生死の境を彷徨った時の名残だ」
「毒を!?」
「息子もバルザックという男もわしの存在など歯牙にもかけておらん。
連中に取り入ろうとした大臣の一人が勝手に毒を盛ったんじゃ。全く……まぁ、
わしも毒を盛られても仕方ない事をしていたのですからお互い様じゃよ」
何と言っていいのかわからず、ミネアは口を噤んだ。
「そうそう、こんな風に親交を深めている場合ではなかった」
「何かあったの、王様!?」
軽い口調で尋ねるマーニャに、重苦しい口調で先王は語った。
「三人の処刑日が決まった。今夕にでも執行されるそうだ」
「今日!? なにそれ……はやすぎない」
「わしと違い、バルザックの奴は主等を高く評価しておるようじゃな。殺さなければ
 枕を高くして眠れんらしい」
「まがりなりにも国王を殺害しようとしたのだから、それも当然かしら。姉さん、
 魔法でこの牢屋壊せないの?」
「無理よ。マホカンタを張られているせいで、むやみに魔法を使えないの」
人差し指から小さな火の玉が飛んだ。メラの火は、地下牢の壁に到達すると、
凄まじい速さでマーニャのとろこに帰ってきた。
「こういうわけよ」
パシッと広げた鉄の扇で火の玉を遮ったマーニャが渋面を作った。
814296 ◆kYB5EDmqco :03/07/25 23:26 ID:m3q54V8t
「という次第で、わしは、三人に早々にここを逃げてもらおうと思ってな。
先程まで、オーリン君に手伝ってもらって準備しておったわけだ」
 そう言うと、先王はふところから一枚の羊皮紙を取り出してミネアに手渡した。
「あの、これは……」
「乗船券だ……。本来は、わしが使おうと思っていたものだが、お前達が使いなさい」
「王様はいいの?」
「……これも天の神の配剤だ。いつか、この牢を破り、諸外国にこの国の現状を
知らすべく奮闘してきたが、毒に犯されたせいでその夢も潰えた。ここで、朽ち果てるのが
息子が日陰者に堕ちるのを止められなかった無能な親に与えられた責任じゃよ……」
 先王は寂しげに微笑むと、壁の一部分を指さした。
「一年近くかけて、あの煉瓦の一部分を切り崩して抜け穴に繋げた。毒を盛られても
仕方なかったと言ったのそのことじゃ。行きなさい。私は……オーリン君から聞いた
君達の力を信じた。その信頼を、ゆめゆめ無駄にしないでもらいたい」
「王様、ありがとう!」
マーニャが先王の頬に軽い口づけをした。そうして、三人は音を立てないように
一枚ずつ煉瓦を除けると、抜け穴を通って地下牢の外を出ていった。
815296 ◆kYB5EDmqco :03/07/25 23:43 ID:m3q54V8t
 抜け穴は中庭に通じていた。
「や! まずい」
「貴様ら! 例の死刑囚だな」
ちょうど、顔を出したところで、三人は、中庭に待機していた兵士の一団と鉢合わせ
してしまった。オーリンの蹴りが飛び、マーニャのメラが兵士の胸にぶちあたり、
火の粉の花を咲かせる。しかし、いかんせん兵士の数が多すぎた。
五人までは一瞬で仕留めることができた三人だったが、残った十人に手こずるうちに
増援を呼ばれてしまった。
「マーニャちゃん、ミネアちゃん、二人で逃げろ!」
「オーリン!!」
「ここは、おれに任せろ。そして、二人はハバリアから逃げるんだ」
姉妹に話しかけながらも、オーリンの手は止まらない。一人の兵士から槍をもぎとると、
それを振るってあっという間に兵士を三人叩きのめした。
「正直、俺では多分バルザックを殺せないと思う。あのときのミネアちゃんを見て
そう思った。だから、ここで俺が君達の盾になることは当然なんだよ。さぁ、行け!
行くんだ! 俺の信頼を裏切らないでくれ!!」
増援がすぐそこまで近づいていた。
「マーニャちゃん、ミネアちゃんを頼んだぞ! うおおおおっ!!」
雄叫びとともにオーリンは兵士の群へと突っ込んでいった。
悲しみを背にふたりは城門へと走った。最後に一目オーリンの勇姿を焼き付けようと
ミネアは振り返った。
おそらくまだ戦っているであろう、オーリンに向けてマーニャが叫んだ。
「オーリンのバカヤロー!!」
816296 ◆kYB5EDmqco :03/07/26 01:02 ID:sWltcPRn
 波間のむこうに、大陸が遠ざかっていく。懐かしい場所が次々と遠ざかっていく。
マーニャとミネアは、エンドールへと向かう船の上から、海の彼方へと消えていく大陸を眺めていた。
「いつだったか、二人で話したよね。この船に乗って……」
潮風に髪を靡かせてミネアが静かに語りかけるように呟いた。
「ええ、海の向こうの世界をとりとめもなく想像したのよね。まさか、こんな風に実現
するなんて思いもしなかったけど……」
穏やかな口調で答えると、マーニャは妹の横顔を黙って見つめた。
脳裏にこの一年の間に出会った人々、旅の思い出が浮かんでは消えていった。
父を亡くし、コーミズ村を出てモンバーバラに泣きながら辿り着いたときのこと。
親方に拾われ、大勢の優しく楽しい人々に助けられたモンバーバラでの生活。
モンバーバラから旅立ち、コーミズの村で父の墓に参った日のこと。
西の洞窟でのオーリンとの再会。アッテムトの鉱山で手にいれた銀のタロット。
そして、キングレオ城でのバルザックとの戦い、オーリンとの二度目の別れ。
この激動の日々が、二人を強い人間へと変えてしまった。もう簡単に涙を流すことはないだろう。
静かに自分をじっと見つめる姉の視線に気付いたとき、ミネアはシスターが語った
二人の未来を思い出した。
817296 ◆kYB5EDmqco :03/07/26 01:02 ID:sWltcPRn
(勇者……そして、勇者のもとに集う導かれし者たち。もしかして、私達はエンドールで
 勇者に出会う事になるのかしら)
物思いにふけるミネアの耳に、突然マーニャが息を吹きかけてきた。
「ひぁっ! もう、何するのよ、姉さん……」
「ふふ、ミネア、競争しない? どちらがより強い呪文を先に覚えるのか」
悪戯っぽく笑ってマーニャがそう言った。
「それは、姉さんに有利すぎる条件じゃないかしら。 そうね、こうしましょう。
これから一年の間に、どちらが多くの呪文を覚えるか。 どう、フェアでしょう?
そして、また帰ってこようね、この大陸に!」
 マーニャの左手を右手でぎゅっと握ると、ミネアはニコリと笑ってそう言った。
「な、何よ、変な子ね」
触れあう手から伝わってくるミネアの体温を感じて、マーニャが照れくさそうに呟く。
すでに、故郷の大陸は水平線の彼方に消え去り、目で捉えることはできない。
モンバーバラのふたりの姉妹を乗せ、船は北へと進路を取る。
今また二人の新しい旅が始まろうとしていた。

〜モンバーバラの姉妹〜(完)

⇒第五章 導かれし者たち 勇者ソロのゲームブックへ続く
ttp://yotsuba.saiin.net/~1001ya/alflailawalaila/log/1024470060.html
818296 ◆kYB5EDmqco :03/07/26 01:09 ID:sWltcPRn
 多少もたついたものの、なんとか終了しました。誤字はご愛敬と思ってお見逃しください。
では、長きにわたってご愛顧くださりありがとうございました。ーヽ(´∀`)ノ
今度こそ、完全に引退します。先代の復活か、新しい人によるスタンシアラ篇を
期待してROM人に戻ろうと思います。ではでは。
おおー!!
296さん、お疲れさまでした!
楽しませていただきました。姉妹の絆が感じられて良かったです。
このまま沈んでいく保守
821とびねずみ ◆Y2NezmymcE :03/07/28 11:01 ID:fNeG7g9r
296さん、完結乙です! 

┬┴┬┴┤∀・)ノ  
スタンシアラ編、やってみたいんですが需要ってありますか?
毎日更新は難しいかもしれませんが。

お伺いage。
822あぼーん:あぼーん
あぼーん
>821
需要アリマス。
と〜うぜん、俺も見たいっス!
296さん、お疲れさまでした!
アクションシーンとか激(゚д゚)ウマーで読み応えありました。

とびねずみさんのスタンシアラ編読みたいです。
期待してます。
826とびねずみ ◆Y2NezmymcE :03/07/28 22:16 ID:fNeG7g9r
 3人くらい書き込んでくださったら始めてもいいかしらんと
思っておりました。ありがとうございますヽ(´∀`)ノ
 それでは、今晩から早速第一回となります。不定期更新に
なりそうですが、まったりとおつきあい下さいませm(._.)m
827これまでのあらすじ ◆Y2NezmymcE :03/07/28 22:19 ID:fNeG7g9r
【これまでのあらすじ:296さんの作られたものを改変しています】
突然の魔物の襲撃で、生まれ育った村を滅ぼされてしまった4勇者・ソロ。
自分の村を滅ぼした魔物・デスピサロを倒すため、旅へと出ます。
その途中、ボンモールでマーニャ、ミネアと知り合い、コナンベリーの大灯台
ではトルネコと、ミントスでブライ、アリーナ、クリフトと合流。キングレオ
でホイミンと知り合い、ライアンを助けて欲しいと頼まれた勇者は、魔物に
対するわだかまりを残しながらも、ホイミンの友だちだというスライムの
スラぼうを仲間にして、キングレオ城へと向かいました。
そして、何とかライアンと会うことのできた一行は、そのままキングレオを
倒すために玉座へ目指し、苦戦の末、見事キングレオを倒しました。
その後、故郷を思うあまり一人で先行しようとするアリーナを押しとどめて
コーミズに戻った一行は、ホイミンの悲しい過去と、彼とライアンをつなぐ絆の
深さを知るのでした。魔物に対するわだかまりを少し無くし、ひとつ精神的に
成長したソロを中心とする導かれし者達の次の目的地は、進化の秘宝で
力を得たバルザックの支配する、アリーナたちの故郷サントハイム。
途中、海辺の村で乾きの石を手に入れます。
たどりついたサントハイム城は魔物に占拠され、城下町サランは、魔物によって
ズタズタにされていました。
アリーナたちの怒りは最高潮に達し、苦闘の果てに、キングレオを超える進化を
果たしたバルザックを倒します。
ところがここで謎の男、ピサロナイトが登場。
マーニャ、ミネア姉妹の父の遺産、せいじゃくの玉を使われて苦戦する事に。
しかし、この戦いは中途半端な形で終わったのでした……。

さて、これからのソロたちの旅は、どうなるのでしょうか?
828 ◆Y2NezmymcE :03/07/28 22:21 ID:fNeG7g9r
▼勇者一行の現状
(SS内に登場した装備のみ記載。他の装備は、各章終了時にもっともいい武具を
入手していると考えてください。数値はおおよそのものです。SS内に数値計算は
出てきません。HP/MPともに全員満タンです)
勇者:武器はバトルアックス、防具は初期装備 左腕に青銅の盾を装備。
ミネア:武器はホーリーランスを装備、タロットも所持。鎖鎌を所持。
ブライ:安らぎのローブ装備
クリフト:マグマの杖を装備。
ライアン:破邪の剣を装備。さらに、もう一本破邪の剣を所持。
マーニャ:防具は身かわしの服。「踊り子の服」の上に着込んでいる。

■重要アイテム
ホイミンからもらった『魔法の鍵』。
海辺の村で手に入れた『渇きの石』
サントハイムで手に入れた『あやかしの笛』と『マグマの杖』(クリフト装備中)
829 ◆Y2NezmymcE :03/07/28 22:23 ID:fNeG7g9r
それではあっさりと第一回選択です。
ルールはナナシクラゲさんの>>75をごらんください。

ーーーーーー

 僕たちはサントハイム城の広間で休憩を取っていた。
 魔物の気配が全て消えたわけではないが、
少し休憩をとらないと体力がもちそうになかったからだ。
消えたピサロナイトの行方は気になるけど、やみくもに
追いかけるのも危険だよな。
 といって、次に行くあてがあるわけじゃあない。
「この先どこを目指すの?」
マーニャの言葉に返事に詰まる。うーん。どうしようかな?

1、アリーナに相談する
2、ミネアに占ってもらう
2。当たるも八卦、当たらぬも八卦…
1番だね。
833 ◆Y2NezmymcE :03/07/29 17:14 ID:aXU762tB
ご参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
基本的なルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番2票、1番1票で、2番に決定しました。
>>830さんの書き込みいただいてますヽ(´∀`)ノ


 ホフマンがヒルタン老人からもらって来てくれた地図を見ると、
今までに行ってない国はいくつもある。
 逆に、どこに行っても良すぎて困ってしまう位なんだよな。
 悩んだ時は占い頼りだ。当たるも八卦、当たらぬも八卦…
「ミネア、占ってみてくれよ」
僕の問いに、ミネアの占いはこんな答えを出した。
「まずは、サランに立ち寄った方が良いみたいです…。
 何か、先達の伝言があるとか」
「伝言?」
「はい…… 一体何の事でしょう」
伝言ねえ…。鍵を預かっていたマローニの話は聞いたけど。
あの荒れた町に何か見落としがあったんだろうか?
それに、誰からの伝言なんだろう?

1.すぐにサランへ向かう
2.まだこの城に用事がある

ーーーーーーーーーーー

更新時間が不規則で申し訳ありません。
ネット環境が不安定でして、つながる時に更新という感じに
なりそうです。
場合によっては1日に2回進む事もあると思います。お許しを。
834あぼーん:あぼーん
あぼーん
じゃぁ、1で。
2だ!
1
838 ◆Y2NezmymcE :03/07/30 01:57 ID:EHB53+BS
ご参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 変則更新ですみません。 
ルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番2票、2番1票で、1番「すぐにサランへ向かう」に決定しました。
実は2番だと、アリーナの部屋を漁って、ドレスを換金する予定だったのです。
このままだと貧乏旅行ですね。どこかでお金もうけチャンスがあるかなあ?
 
-------
 行き先が決まったとなれば、とっとと行こう。
 早く進めば、早く魔王を倒せる…とは限らないけれども。
 僕らは来た道を戻ってサントハイムを出た。アリーナが最後に城を振り返って
何かつぶやいていたけれど、それは見なかった事にして、進む。

 サランの様子は変わらなかった。1日くらいで復興できるような状態じゃないし、
それに、復興作業ができるような人間もいないからなあ。
 僕らはまず教会にマローニの様子を見に行ったんだが、マローニはもちろん、
看病しているシスターも、マローニのベッドにもたれてぐっすりと眠っている。
疲れきったふたりを起こすのはためらわれた。
 でも「伝言」があるという占いだし、誰かから情報をもらう必要がありそうだ。
さて、どうしようか。

1.マローニを起こす
2.シスターを起こす
3.武器屋で情報収集
4.メンバーの誰かに期待(名前を書いてください)
839名前が無い@ただの名無しのようだ:03/07/30 02:48 ID:EpGmy05o
>>1
デスピサロ完全体のときのMIDIないの?
4.アリーナに期待。
4?あえて自らザメハ。
3だ
843 ◆Y2NezmymcE :03/07/30 23:53 ID:EHB53+BS
票が割れましたねぇ。今回は早い者順で、
「4。アリーナに期待」となりました。
それでは書いて参りますのでしばしお待ちを〜。
844名前が無い@ただの名無しのようだ:03/07/30 23:54 ID:YAeFZcBZ
ハッキリ言ってフェチ系じゃねえと抜けねえな
http://homepage3.nifty.com/coco-nut/fe/ero.html
845 ◆Y2NezmymcE :03/07/31 02:01 ID:dgMa0K18
お待たせしました〜。サランの看板の内容を調べる為にリプレイしたら時間がw

ご参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
基本的なルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。

>>840さん アリーナに期待(ブライの年の功に期待?という予想は外れましたw )
>>841さん ザメハでgogo(一気に全員起こすということでしょうか?)
>>842さん 武器屋で情報収集(私はこれが順当コースだと思ってましたー)

ということで、先着の「アリーナに期待」に決定しました。
アリーナが勝手に暴走って感じになっちゃいましたけども…

---
 とりあえず、このふたりを起こさないで情報を収集しようか。
「アリーナたちは、この町に前にも来てるんだよな?
 なにか思い当たらないか?」
「と、言われましても… あまりに様子が変わっておりますし」
クリフトとブライが顔を見合わせる。すると、アリーナがすっと部屋の外に出た。
 皆で後を追って教会を出た。
 町の人々は相変わらず家の中に閉じこもったままで、話を聞かせてくれそうな
雰囲気は全くないんだが…。
「ねえ、クリフト。前に来た時に、教会の屋上から向こうを見たじゃない?
 あの辺に何か立ってたと思ったのだけど、あなたは見なかった?」
「向こう側、ですか? いえ、私は何も気づきませんでしたが…」
 アリーナの指差す先には崩れかけてかろうじて立っている教会。
 その更に後ろ側に何かが立っていた?
 しかし、それを確認しようにも、この教会は水をたたえた深い堀が巡らされている。
 その後ろへ回り込むにはどうしたらいいんだろう?
846 ◆Y2NezmymcE :03/07/31 02:03 ID:dgMa0K18
「ですが、何かがあったとしても、あそこまでへはどうやって行けば良いのでしょう?」
僕と同じ疑問を口にしたクリフトの問いに答えず、アリーナは突然走りだした。
 乱暴に開けた扉の先にあるのは武器屋?
 そうか! 武器屋の側から回り込めばいいんだ!
 僕たちはアリーナの後を追って走り始めた。

 僕たちが追い付いた時、アリーナはすごい顔で看板をにらみ付けていた。
アリーナが見つけていたのは、木で出来た看板だったらしい。
 だいぶ昔に立てられたものに見えるし、こんな、誰も来ないような場所に建てた
のだから、何か特別な看板だったのだろうと思う。
 だが、魔物の襲撃によって無数のキズをつけられた上に、黒く煤け、文字が読め
なくなってしまっている……。
くそっ。
僕は、看板をコブシで叩いた。どんっと音がして、同時にコブシがススで染まる。
でも、ススが少し薄くなった部分から、下に書いてあった文字が読めそうだ……。
僕はクリフトに水を汲んでくるように頼むと、両手でススを祓い始めた。
847 ◆Y2NezmymcE :03/07/31 02:09 ID:dgMa0K18
水で流したり布で拭いたり、いろいろしてみたけれど、結局読めたのは
わずかな部分だけだった。
魔物たちはこの看板を爪研ぎにでも使ったらしく、細かい傷がいくつも
つけられてしまっていて、ススを祓って汚れを落としても、キズがはっ
きりと浮かび上がるだけで、肝心の文字はほとんど読めなかったのだ。
チクショウ……。
 なんとか読める部分だけを解読してつなぐと、こうなった…。

「みらいのボクの (ここからしばらく読めない) 困ってる (ここも
読めない) お城 (ここも駄目だ) のことは (こんな大事な部分も
読めない!) 人々が くわしいと(最後まで駄目だ)王さまより」

 先達からの伝言っていうのは、アリーナの父王からのものだったのか?
 しかし、この状態ではどこかの城の事を誰かがくわしいとわかるだけだ……。
 「お父さま……」
アリーナは、うなだれてしゃがみこんでしまった。

1.そのとき、背後から男の声がした
2.そのとき、背後から子供の声がした

sageたほうがよろしいのかageたほうがいいのか・・・
849 ◆Y2NezmymcE :03/07/31 02:29 ID:dgMa0K18
あああっっ!
なんで最近自分が書いた後に広告が入るのかと思ったら、
2ちゃんぶらうざの設定をageデフォルトにしてますた。
毎度ageる必要てないですよねえ……。
はあ〜。スミマセン。
2
851 ◆Y2NezmymcE :03/07/31 09:36 ID:dgMa0K18
ご参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ  朝から更新しちゃいます。
基本的なルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番2票で、2番「そのとき、背後から子供の声がした」に
決定しました。 ちなみに、1番の男というのは、武器屋のおやじの
予定でした。ムサイ人よりも可愛い子がいいですよね!?

--
「あのっっ アリーナ姫さまっっ」
 突然背後から呼ばれて振り向いた。知らない気配が近付いていると
気付いてはいたんだが。
 そこに居たのは、ススで汚れて疲れた顔をして、それでも目の力を
失っていない女の子だった。どこかアリーナに似た目をしている。
「アリーナ姫さまにお渡ししなさいって言われたものです」
まっすぐにアリーナの元へ進んで、何かを渡した。あれは手紙?
「おじいちゃんが、必ずこれをアリーナ姫さまに、って言ってました」
「ありがとう。ずっと持っていてくれたのね。私が姫だって気付いていたの?」
コクリ。歯を食いしばってうなずく姿が、何かを我慢しているように見える。
「あなたは、姫さまのように強くなりたいと、武術を練習しておられた方ですね」
クリフトがしゃがみこんで、女の子と目線をあわせて話しかけた。顔見知りか?
女の子は、また、うなずいた。
852 ◆Y2NezmymcE :03/07/31 09:37 ID:dgMa0K18
「私は、姫さまみたいに強くなって、魔物なんかおっぱらってやるつもりだったのに、
おじいちゃんが、今はまだ駄目だって、今は生き延びる事だけを考えろって、
今はって、今はって!!! でもでも、私が助けに行かないで隠れていたから、
だから、おじいちゃん、死んじゃいましたあああああああああ」
 彼女は、おそらく、今の今まで泣かなかったのではないかと、思う。
天を仰いで、両足を踏んばって。
 でも、それはクリフトの前ではいらない頑張りなのだと、直感でわかったんだろうな。
なんたって、懺悔を聞いてくれる、神官だから。
 わーわーと泣く彼女をクリフトは抱きしめて「思う存分泣いてください」と言った。
 アリーナは唇を噛みしめている。やっぱり悔しそうだ。
「アリーナさん、唇を自分で噛み切って血がでると、痛いですよ」
ミネアの言葉は、アリーナの心に届いたんだろうか。アリーナの様子は変わらない。

僕は……
1.自分の故郷を思い出していた。
2.「アリーナ、その手紙を見せてもらおうぜ」と言った。
3.だまって、女の子の髪を撫でた。
4.アリーナの背中を軽く撫でてやった。
しみじみと1。
854 ◆Y2NezmymcE :03/07/31 22:25 ID:dgMa0K18
ご参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
基本的なルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番1票で決定しました。 連投規制にひっかかりそうな悪寒ですが
行きます!

------
 僕は、自分の故郷を思い出していた。
 この町のように、魔物たちに焼かれ、この女の子のように、大切な人を
魔物に奪われた、僕の故郷を。
 今でも心の底に、故郷の荒れを悼み、怒る気持ちが横たわっている。
でも、そんな闇にとらわれ続ける事は、もう辞めたんだ。
 なあ、父さん母さん、そして、シンシア、先生たち。
 僕は、今まで、自分を勇者だと認めたことなんてない。
 僕のために命を落とした皆に、どのツラ下げてそんな事言えるんだって、
そう思って来たから。
でも、今だけは、許してくれよ……。
 僕は女の子の泣き声が落ち着くまで待ってからしゃがみこんで、
クリフトにウインクした。
 クリフトはそっと彼女を引きはがし、涙に濡れた頬をぬぐってやっている。
そして、僕の方に顔を向けさせた。
「君の悔しさの分まで、僕たちが魔物と闘うから。
 だから、そんなに自分を責めないで」
濡れた瞳が「あなたは誰?」と問いかけてくる。
僕は、女の子の頭に手をおいて、深呼吸した。
855 ◆Y2NezmymcE :03/07/31 22:26 ID:dgMa0K18
「僕の名前を覚えておいて。僕は、勇者ソロ」
「ゆうしゃ……さま!?」
ぽか〜んと、口が開く。
そりゃまあ、世界を救う勇者に見えない自分ってのは自覚してるけどもさ。
「本当はね、僕はまだ弱くて、たくさん修行しないと魔王に勝てそうにないんだ。
 でも、ここにいる皆と協力して、サントハイムに居た魔物のボスも倒せたし」
「本当!? あの化け物はもういなくなったの!?]
「うん。ちょっと苦労させられたけどね」
僕は、できる限り優しいお兄さんに見えるように念じながら、笑顔を作った。
 「いつかきっと魔王も倒すって約束する。 だから、君も約束して。
 君には僕たちの勝利を祈って、待っていて欲しいんだ。いいね?」
 女の子は目を丸くして、そして、僕に抱きついて、こう叫んだ。
「必ずよ! 必ず、魔王を倒してね、勇者さま!」
「ああ、約束する」

僕は、改めて誓う。
故郷の人々、そして、この腕の中の君に。
必ず、魔王を倒すのだと!
 
女の子は笑顔で走って行った。立ち上がって皆で見送る。
 生き残った皆に「勇者さまが必ず仇を取ってくださるし、
もうサントハイムには怖いボスはいなくなったのよ!」と伝えるのだと
そんな事を嬉しそうに言っていた。
 これで少しは、この町も元気になってくれる、だろうか。
856 ◆Y2NezmymcE :03/07/31 22:26 ID:dgMa0K18
「ちょっとぉ、ソロちゃんたら、かっこよすぎだったんじゃないのお?」
振り向くとマーニャがニヤニヤ笑っている。何だよ、悪いかよ。
「まっ、言ってる事に反論はないけどね。あんな小さな女の子が、ひとりで
 復讐の旅に出たりしたら、生きて戻れないだろうしぃ。待ってろってのは正解だわよ」
……一応、誉められているような気もしないでもない、かな……。
「ところで、アリーナ姫は、一体何を渡されたのですかな」
ずっと黙っていたライアンの言葉に、意識を引き戻された。
そういえばそうだった。あの子が託された手紙-手紙にしかみえないが、何か他の書類
かもしれない-は、一体どんな内容だろう?
「え、あ、そうね。何かしら」
ほうけたような顔をしていたアリーナが、自分の持った封筒を開けて、手紙を取り出す。
一瞬目を見開いたかと思うと、黙って読み進んで、そして、手紙をブライに渡した。
中身が何であったのか、アリーナの顔からは見当もつかない。衝撃をうけていることは
確かで、何か口の中でつぶやきながら、右手の人さし指の爪をかんでいる。
あれは…… ありがとう、かな? ありがとうって、誰への言葉だ?
 一方、手紙を渡されたブライも驚いた顔をして読み、今度はクリフトに渡した。
クリフトも驚いて……‥‥・って、こら。
「僕たちに見せちゃヤバそうな内容なのか?」
「あ、ああ、いやいや、そうではない。ただその……ちと驚いてな…」
ブライがひげを撫でながら言い、クリフトに内容を読み上げるように促した。
クリフトは、少し声を震わせながら、その手紙を読み上げた。
857 ◆Y2NezmymcE :03/07/31 22:27 ID:dgMa0K18
「アリーナへ
 お前は今、この先どうしたら良いのかと困っていることだろう。
 この手紙を読むような事があって欲しくはないが、しかし、どうやら私には
時間がないようだ。幼い頃に見た夢の事を記しておく。
 今までにお前に話した事はなかったと思うが、私には未来を夢に見る能力が
あるのだ。ただ、昔に見た事は、はっきりとは思い出せないのだが……。
その時の夢は、
 『困ったら、北の海にあるスタンシアラを訪ねろ』というものだったと思う。
 サランの町には夢を見た翌日に立てさせた看板が、今でもあるはずだ。
より詳しく書いてあるはずだから、行って確認するといい。
この手紙を預ける爺は、私の教育係だった人間だから、
ブライと気があうやもしれん。看板を作ってくれたのも、爺だったはずだ。

 お前には、私たちの事は心配せず進んで行って欲しい。
 この城を留守にしていた事を後悔しているかもしれないが、それは間違いだ。
 お前たちはサントハイムにとって、いや、この世界にとって、最後の希望なのだから。
 いつか必ず、お前たちが魔王を倒すと信じている。 だが、無理はしてくれるなよ。
                   父より」
858 ◆Y2NezmymcE :03/07/31 22:28 ID:dgMa0K18
そうか。さすがに彼等には、すぐに王の字だとわかったんだな……。
見せてもらった手紙の文字は、力強くて読みやすく、アリーナの父の性格を
ほうふつとさせた。
「お父さま……。ありがとうお父さま……。ありがとう」
 泣くかと思ったけれど、アリーナは泣かなかった。幾度も小さな声でありがとうを
繰り返す。そんな彼女を、ミネアがそっと抱きしめた。
 ふたりの美女が抱きしめあう姿は、とても美しくて、そして痛々しかった…。

さあて、 これで、まずはスタンシアラへ行ってみることに決まったな……と
僕が内心思ったとき……

1.クリフトが懇願してきた。
2.トルネコが忠告してきた。

----
ソロが自ら勇者だと名乗るシーンは今までになかったと思うのですが、
あったらすみません。読み落としです……。
ちなみに、昨日の夜中にリプレイしてみた看板の内容はこちら。
「みらいのボクの娘へ 
今 キミはきっと困ってるはずだから いいこと教えてあげるね。
お空のずっと上には天空のお城があって 竜の神様が住んでるんだって。
天空のお城のことは北の海のスタンシアラの人々がくわしいと思うよ。
サントハイムの王さまより」
サントハイム王大好きですよ。・゚・(ノД`)・゚・。
ふむ、2だな。
1
>>839
昔漏れ作って公開してたな、誰か持ってるんじゃないか?
863 ◆Y2NezmymcE :03/08/01 09:56 ID:+PPdE9td
ご参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
基本的なルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
2番2票、1番1票で、2番に決定しました。

ーーー
さあて、 これで、まずはスタンシアラへ行ってみることに決まったな……と
 僕が内心思ったとき、トルネコが、こんな事を言い出した。
 説明が長かったんで要約すると、要するに、今までにほとんど武器を買い替えて
いない以上、そろそろ新しいものを手に入れた方が良い。だが、買い物資金が
足りない。王の金庫等からお金を一時的に借りる事はできないだろうか、という
事になる。
 僕は袋の中の羽帽子を思った。リバーサイドでお金が足りなくって、
もう少しで手放す事になったんだよな。
 うん。お金は稼げる時に稼いでおかないと。
「金庫から国の金を出すことはできないんじゃ。王の鍵が無ければアレは開かぬ。
 王が行方不明では、鍵も行方不明ということじゃ」
「他に何か換金できそうなものはないでしょうかね」
「そうね、使えるものは全部出しましょう。ねえ、ブライ、いいわよね?」
「そうですな……。しかし、他に城に残った宝物など、思い付きませんぞ」
「あら、宝物じゃなくってもいいじゃない。私のドレスなんかはきっと高く売れるわ。
 どうせほとんど着ないものだし、どうかしらね?」
「ああ、それはいいですね。ドレスなら結構な高値で売れる場所を知っていますよ」
トルネコは笑顔で言い、とりあえずはアリーナのドレスを調達する事になった。
864 ◆Y2NezmymcE :03/08/01 09:58 ID:+PPdE9td
すると、今まで黙ってうつむいていたクリフトがキッと顔を上げて、僕に懇願してきた。
「申し訳ありませんが、領内の他の町の様子を見て来てもよろしいでしょうか。
 私にはルーラが使えませんから、キメラの翼を無駄に使わせていただく事に
なってしまいますが…」
 クリフトが言いだしたかあ。サントハイムの誰かが言うんじゃないかと思ってたけど。
サランがこれだけひどくやられてるのに、他の町の様子を確認したいと思わないわけが
ないから。
「サントハイムの城とサランがこういう状況では、他の町もひどい事になっているの
 ではないかと思うのです。私が行ってもどうにもならないかもしれませんが、
どうか様子を見に行かせてください。3日ほどで戻って参ります」
 僕は他のメンバーの顔を見回した。反対する顔はないな。
「わかった。じゃあ、アリーナには城に行ってもらって、クリフトは他の町へ向かうといい」
「では、私にはエンドールまで行かせてもらおうか」
トルネコが言いだしそうな事を口にしたのは、ブライだった。
「サランで生き残った人間が立ち直りつつあるとエンドール王に伝え、交易を再開して
 もらわねばならんじゃろうから。これは、宮廷に仕える人間の外交が必要じゃろう」
 外交? に、似合わない事言うね。 ブライのひと睨みで言う事聞いちゃう気になるけど
それも外交っていうんだろうか?

 まあ、何はともあれ、僕たちは3日間別行動を取る事にした。集合は、トルネコの船
「麗しのネネ号」だ。
865 ◆Y2NezmymcE :03/08/01 09:59 ID:+PPdE9td
ーーー今回は、ちょっと複雑な選択ですーーー

サントハイム3人衆がバラバラに行動します。他のメンバーを割りふってください。
特に他のメンバーを加えずに、単独行になっても構いません。
なお、ソロは、テンペにもエンドールにも行った事がないので、
行きはソロのルーラを使えません。

Aグループ:アリーナと一緒に、資金造りのため、ドレスを取りにサントハイムへ。
Bグループ:クリフトと一緒に、キメラでテンペ→フレノールへ。
Cグループ:ブライと一緒に、情報収集にエンドールへ。

割り振るメンバー:ソロ、トルネコ、マーニャ、ミネア、ライアン、パトリシア(馬車の馬)

※ソロのいないグループの動向を描くかどうかも選択してください。
1.ソロのいないグループについても詳しく書く(1人称ゲームブックとしてはゴニョゴニョですが)
2.ソロのいないグループの動向については、それぞれからの報告話を聞くだけにする

*お金もうけコースの登場です。貧乏よさらばw
 結局、クリフトに懇願されるのは変わらないのですが、クリフトコースの場合、またしても
お金が手に入らず、皆で一緒にテンペへ向かう予定でした。でも、そっちの方が書くのは
楽だったです(w がんがりまーす。
動向に関してはやはり1でお願いします。

A:アリーナ、マーニャ、パトリシア
B:クリフト、ソロ、ライアン
C:ブライ、トルネコ、ミネア

とりあえずAは荷物が増えそうだから馬を。
Bは行き先を増やした方がいいし、Cはやっぱ王に顔が利くトルネコ要るし。
ところでソロってエンドール行ったこと無いんですかね?

867 ◆Y2NezmymcE :03/08/01 11:07 ID:+PPdE9td
>>866

> ところでソロってエンドール行ったこと無いんですかね?

 このゲームブックでは最初の頃にボンモールに直行、そこで姉妹と会ってますので。
 エンドールに寄る理由がなかったかと…。
 とか書いてから心配になってきた。何しろ1年以上続いてる企画で
読み飛ばしてしまってる部分がないとは言えず。
 間違っていたらすみません。
868296 ◆kYB5EDmqco :03/08/01 22:20 ID:J2e4HNV6
そんな面倒なことはさせられん。というわけで、2。でも、ちょっと遅かったな。許せ、マスター。

A:アリーナ、ライアン、パトリシア
B:クリフト、ソロ、ミネア、マーニャ
C:ブライ、トルネコ

できるだけ、ソロはハーレムにしなきゃ駄目だYO!(w
869296 ◆kYB5EDmqco :03/08/01 22:28 ID:J2e4HNV6
勇者一行の現状ですが、
>>ライアン:破邪の剣を装備。さらに、もう一本破邪の剣を所持。
ライアン、破邪の剣を一本ピサロナイトに折られてるので削っておいてください。
終わったときに修正しておくべきでした。御免ね。後はOKです。
870 ◆Y2NezmymcE :03/08/02 00:03 ID:K2DLOaGu
 ご参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
 基本的なルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
 先着順で、以下のグループに決まりました。
 A:アリーナ、マーニャ、パトリシア
 B:クリフト、ソロ、ライアン
 C:ブライ、トルネコ、ミネア

>>296さん、ライアンの剣の件、失念してました。
 つっこみ&ご配慮いただいてすみません。

ーーーー
「それじゃあ、まずはアリーナと誰が一緒に行く?」
「あら、ドレスの品定めなんて、私以上の適任がいると思う?」
マーニャが必要もない(と思う)のにシナを作っておどけている。
はいはい、ドレスとか大好きなんだよな、マーニャは。
「ミネアも一緒に行くかい?」
「いえ、私は…。できればエンドールに行かせてください。何か
 あの町で私を呼ぶ人がいるような気がするのです。勘ですが」
ふーん……。実は「たまにはマーニャと別行動したい」なんて
理由だったりしてな。いいけどさ。
「トルネコは? 商人の情報を探りにエンドール?」
「はい。ああ、マーニャさん、ドレスはモンバーバラの衣装屋に
 売りに行っていただけますか? 高く買うと評判なのです」
「あそこの衣装屋で高く買い取るような種類のドレスは、たぶん
 王宮にないと思うけど?」
871 ◆Y2NezmymcE :03/08/02 00:03 ID:K2DLOaGu
「それもそうですね…。では、ドレスは取っておくことにして、
 装飾品の類いをモンバーバラで売って来てください」
「それならたぶん他の町より高いわね。わっかりましたー」
ははあ。踊り子たちが買うから相場が高いって事か。さすがは商売人…。
「ライアンは、僕と一緒にクリフトと行こう。他の町に魔物が棲みついて
 いないとは限らないからな」
「わかり申した」
 色気のないグループになったけど、たまには男同士の友情を深めるのも
悪くないかもしれない……ということにしておくか。
「そうだ、馬車とパトリシアは私たちに貸してよね? 荷物が増えるわけだし」
「いいよ。パトリシアを苛めない程度の荷物にしてくれよ?」
「わ〜かってますって」
マーニャがペロリと舌を出す。わかってんのかな、本当に?

ーーー
 では、ここで選択です。3つのグループそれぞれを描く事になりましたので、
誰の一人称で読んでみたいかを選んでください。たまには他の人から見たソロも
読みたい、ということであれば、クリフトやライアンを選択されても構いません。

A:アリーナ、マーニャ、パトリシア
B:クリフト、ソロ、ライアン
C:ブライ、トルネコ、ミネア
新しい試みですね。楽しみにしています。
Bをクリフトかライアン視点で。
873 ◆Y2NezmymcE :03/08/02 09:42 ID:K2DLOaGu
 あ、書き方がいけなかったですね。>>871訂正です。
872さんも、できたら選択しなおしてくださいませm(._.)m

ーーー
 3つのグループそれぞれを描く事になりましたので、
グループごとに誰の一人称で読みたいかを選んでください。
 たまには他の人から見たソロも読みたい、ということであれば、
Bグループでクリフトやライアンを選択されても構いません。

 A:アリーナ、マーニャ、パトリシア
 B:クリフト、ソロ、ライアン
 C:ブライ、トルネコ、ミネア

ーーー

>>872さん 楽しんでいただけるような内容になると良いなと
願いつつ、自分は楽しいでっす。
874872:03/08/02 13:27 ID:5WyAb1ll
どちらにもしても、どうせなら全部ソロ以外の一人称で
A:マーニャ
B:ライアン
C:トルネコ
でお願いします。
875 ◆Y2NezmymcE :03/08/02 13:59 ID:K2DLOaGu
 ご参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
 基本的なルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
 グループABCにわかれて3日間別行動をする事になったソロ一行。
それぞれ<ドレス組><偵察組><情報収集組>として書いてゆきます。
>>874の選択により、
<ドレス組>マーニャ視点一人称
<偵察組>ライアン視点一人称
<情報収集組>トルネコ視点一人称
となりました。ではドレス組から始めます。

<ドレス組>マーニャ、アリーナ、パトリシア
 サントハイムまでルーラを使うまでもないので、私たちは馬車に
乗り込んだ。御者台にふたり並んで座るのは初めてのことだ。
 改めて考えてみれば、ふたりで話した事さえほとんどない。3日間、
気持ち良く過ごせればいいのだけれど。
 ……とりあえず、気になっている事を言ってみようか。
 アリーナを怒らせないように祈りつつ、できるだけ優しく言ってみる。
「アリーナ、あの手紙は、絶対に無くしちゃ駄目よ」
 無くしたりするようなうかつな人間じゃ無いわ!と、このお姫さまは
思ったらしい。わかりやすい人だね。
「私ね、死んだ父さんからの手紙、無くしちゃったのよ。どこで落とした
 のか、全然記憶にないの。たぶん、闘っている最中に落としたのだと
 思うんだけど。とても後悔してる。そんなコトになって欲しくないの」
踊り子になるために修行していた先に届いた激励の手紙。初舞台には必ず
行くと書いてあった、あの嬉しい手紙。何度も読み返して撚れてしまった
あの手紙……。今でも、その感触を覚えているのに。
「わかった、気をつけるわ。わざわざありがとう」
 ガタゴトガタゴト。いつもは賑やかな馬車の中は、私たちが黙ったら
とても静かになってしまい、車輪の音とパトリシアの息遣いだけが大きく
聞こえていた。
 サントハイムの城門が見えてきた。馬車は、城の裏手に停めた方がいい
かしら? 表に置いておこうかしら?
876 ◆Y2NezmymcE :03/08/02 14:00 ID:K2DLOaGu
<偵察組>
「んじゃ、まずは、クリフトにキメラの翼を使ってもらおうかー」
勇者殿が気さくに話しかけると、クリフト殿が緊張した笑顔で応えた。
「はい」
ぎゅわわわわわ〜ん。
 到達したのは、山の中の小さな村だった。村の入り口の多数の墓標に
一瞬身構えたが、これは前からのものらしい。クリフト殿が一瞬だけ祈りを
捧げ、村に入ってゆく。
 村は、なんともなかった。若い夫婦に赤子が出来たということで、村
全体に活気が溢れてさえいる。クリフト殿は何人かの村人に短く話を聞き、
笑顔で戻ってきた。
「ああ、良かった……。この村は、以前、魔物たちに娘をいけにえにしろと
 脅されていたのです。私たちがその魔物を退治してから、そのような事は
 起こっていないようですね」
「魔物の狙いはサントハイムで、サランはついでにつまみ食いされたような
 ものって事かな」
 つまみ食いという表現に、クリフト殿の顔が歪む。勇者殿は時々、的確す
ぎて聞いている者の心にナイフを突き立てるような言い方をされる、と思う。
だが、それは、彼の心が傷付いたままであるという事の裏返しのように思え、
私には注意できない。マーニャ殿が冗談めかしてたしなめているのを見ると、
あのようにあしらう事が自分にもできれば良いのに、と思う事もある…。
「で? あと他にいくつくらいの町があるんだ?」
「次は、フレノールという町です。キメラの翼では行けないので、歩きになり
 ます。1日半ほどの距離があるかと」
「結構離れてるんだな。まあいいや、行こうぜ」
勇者殿の明るい言葉で、私たちは次の町を目指す事にした。
 ところで、今の村の名前はなんといったのだろう?
877 ◆Y2NezmymcE :03/08/02 14:02 ID:K2DLOaGu
<情報収集組>
「それでは行くとしようかの」
 ブライさんの杖のひとふりで、私たちはエンドールの喧騒の中に居た。
 いつ来ても賑やかで雑駁な町だ。だからこそ、怪しい情報や嘘のような本当の
話までもが手に入る。
「ふたりはどうなさる? 王宮へはひとりで行って参ろうかと思うのじゃが」
「私は商人仲間と会いますので宿の酒場に行きますよ。ミネアさんの勘って、
 アテはあるのですか?」
「そうですね……。町の中を歩いてみなければ、何に呼ばれたのかわかりませんが、
 まずはご一緒して、酒場を覗いてみます」
「では、そういう事にしましょうか。夜になりましたら、私の家においでください。
 教会の前にある粗末な家ですが、妻の手料理はなかなか捨てたものじゃないですよ」
「あいわかった。では後でな」
 杖をつきながら、それに頼るでもない王宮魔術師の姿が雑踏に消えた。エンドール
王は良い方だから、サントハイムへの援助を惜しまれないだろう。アリーナ姫が
武術大会で優勝された事に感謝もしておられたはずだし。
「トルネコさんは、何故王宮に行かれなかったのです? エンドール王とはお知り
 合いなのでしょう?」
ミネアさんの声に、私は迷った。正直に答えるか、誤摩化すか、どうしようかな。

--
では選択です。それぞれの組について選択してください。
<ドレス組>1.表門に馬車を置く 2.裏門に馬車を置く
<偵察組>3.村の名前を尋ねる 4.村に居た魔物について尋ねる
<情報収集組>5.王宮に行かなかった理由を答える 6.はぐらかす
それでは上より…1、3、6で。

トルネコの誤魔化し様が楽しみかな。黒勇者ソロにはちょっと一騒動期待したりして…
2,4,6
880 ◆Y2NezmymcE :03/08/02 17:45 ID:K2DLOaGu
ご参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
基本的なルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番1票、2番1票、3番1票、4番1票、5番1票、6番2票で、先着順に
<ドレス組> 1.表門に馬車を置く 
<偵察組> 3.村の名前を尋ねる
<情報収集組> 6.はぐらかす  となりました。
ソロがひと騒動起こすかどうかは、この次の選択次第…かもしれません!?

<ドレス組>
 私たちは表門に馬車を停めて、パトリシアに待っているように頼んだ。頭の
良い馬だから逃げる事はないだろうけど、パトリシアだけを危険な(かもしれない)
場所において行くのは初めてだから、念を押したのだ。
 緊張しながら城の中に入る。サイ男なんかがまだいたりしないでしょうね?
−−運が良かったのか、魔物はすでにこの城を去ったのか、私たちは何ごともなく
大広間にたどりついた。あの化け物と闘った場所はあのまま、大きな穴がある。
ソロがあそこに姿を消したときには、もう駄目かと思ったわよ。
「3階はね、王の結界っていうのがあって、おそらく魔物にも荒らされていないと
 思うわ。ブライが旅に出る時に、クリフトと一緒に念入りに魔法をかけたから」
王宮魔術師さんの使える魔法というのは、私とは趣きが違うみたいね。
 階段を登ると、重厚な木製の扉が見えた。さすがに見事な彫刻が施されている。
絨毯だって毛足が長くて立派だし、本当にこの子は姫なんだわ。
「ふ〜ん、お姫さまってのはすごいとこに住んでいるのね」
思わずつぶやいたそのとき、ガタンと音がした。アリーナが即座に戦闘の構えを
見せる。今の音はどこからしたのかしら。
881 ◆Y2NezmymcE :03/08/02 17:46 ID:K2DLOaGu
<偵察組>
「ところで、この村はなんというのですかな」
「失礼しました。テンペというのです」
「山のてっぺんにあるからテンペとかいうんじゃないだろうなあ」
 勇者殿の軽口に、クリフト殿が微笑を見せた。それはありそうな話だと思いながら
前方を見やると、井戸が見えた。ふたりをさり気なく先に行かせる。
 どうも私は井戸を見つけると覗き込まずにはいられないのだ。あの井戸の底で
出会ったホイミンは、もうどこにもいないのに。何かを期待してしまうという……
え?
 覗き込んだ私が見たものは、青くて珍奇な顔をした魔物が、必死に人さし指を
唇にあてて「シ〜〜ッッ。内緒にしてください、お願いしますっ」と懇願して
くる姿だった。
 コヤツは一体なんだ? この村の人々は、井戸にコヤツがいると気付かぬまま
井戸水を使っているのか? 内緒に、とはどういう事だ?
882 ◆Y2NezmymcE :03/08/02 17:48 ID:K2DLOaGu
<情報収集組>
「確かに私はエンドール王と面識がありますが、ほら、今は王女の結婚式をやって
 いるようじゃありませんか」
「そういえば、皆さんが『王女が結婚して嬉しいねえ』とお話しておられますね」
 町が喧騒に満ちているのは、結婚のお祭りをしているせいでもあったのだ。
王女とボンモールの王子との婚姻は、結局つつがなく整ったらしい。
「高価なお祝いを持って行かねばならないようなシーズンにご挨拶に行くなんて、
 お金にうるさい商人のする事じゃありませんよ」
いいながらウインク(妻のネネに言わせると、私のはウインクじゃなくてただの
まばたきらしいんだが)してみせると、ミネアさんは笑ってくれた。
 本当は、そういう時にこそ奮発して王に取り入らなくてはならない、という事に
気付かないでいてくれたようだ。
 まあ、ちょっと惜しいチャンスを逃したような気もするが、国と国の問題を扱う
場所に一介の商人が顔を出して、宮廷魔術師であるブライさんよりも親し気に見え
たら、あのご老人はヘソをまげてしまわれるに違いない。そして、エンドール王と
いう方は、そのような状況を考えずに話しかけてこられるような方だと思うのだ。
 なんというか、ブライさんよりもエンドール王の方が、貴賤という事に重きを
おいておられない、という感じがする。
 エンドール王に取り入る方法よりも、ブライさんと仲良くやっていく方法を選ぶ
方が、今の私には大切なのだから、これで良いのだ…。
 私たちが混雑した酒場に辿り着いたとき、声が聞こえた。 

では選択です。それぞれの組について選択してください。
<ドレス組> 1.左の部屋から音がした 2.右の部屋から音がした
<偵察組> 3.とりあえず、青い魔物の話を聞く 4. ソロたちを呼び戻す
<情報収集組> 5.呼ばれたのはトルネコ 6.呼ばれたのはミネア
*トルネコさんのごまかし方は、予想された通りでしたでしょうか? どうかな?
883 ◆Y2NezmymcE :03/08/02 18:13 ID:K2DLOaGu
 しまったー。選択肢間違いました。スミマセン、トルネコたちの選択が違います。
以下の選択肢からお選びくださいm(._.)m

それぞれの組について選択してください。
<ドレス組> 1.左の部屋から音がした 2.右の部屋から音がした
<偵察組> 3.とりあえず、青い魔物の話を聞く 4. ソロたちを呼び戻す
<情報収集組> 5.それは美しい声だった 6.それは若い声だった
884 ◆Y2NezmymcE :03/08/02 22:24 ID:K2DLOaGu
 そういえば450kbをこえているんですが、次スレどうしましょう。
乗っ取りかな、新スレかな…?
2,3,6
886 ◆Y2NezmymcE :03/08/03 11:19 ID:DoUqzU8q
ご参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
基本的なルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
>>885の選択により
<ドレス組> 2.右の部屋から音がした
<偵察組> 3.とりあえず、青い魔物の話を聞く 
<情報収集組>6.それは若い声だった
となりました。他のスレの乗っ取りだとまいごになる方がおられるので、
新スレの方向でテンプレ作ってみます。「ライアン死んだらいやん」とか
すごく使いたいんですがw。

ーーー
<ドレス組>
 今の音は、右の部屋からした、と思う。
 私はアリーナに小声で「扉を蹴り開けて? 私がメラをぶち込むから」と
話しかけたけれど、首をふられた。今、この階は魔法が全く使えないはず
らしい。王の結界ってのにも困ったわね。
「大丈夫、私に任せて」
 基本的にはアリーナに頼ることにして、私は音を立てないように鍵を使い、
そっと扉を開けた。同時にアリーナが部屋に飛び込んで……大声をあげた。
「な、何してるのっ!?」
 声に驚いて覗き込むと、そこにはここにいないはずの王宮魔術師の姿があった。
どういうこと?
「エンドールに着いたら、なんと、王女の結婚式の最中だったのですじゃ。
 そういう時にサントハイムを代表して行くのだから、何かお祝いを持って
 いかなくてはならないと思いましてな」
「「もーっ 驚かせないでよー」」
 私とアリーナの声が重なって、思わず私たちは笑った。ブライは「何が
面白いんですか」という渋面を作ってるけど。ヤレヤレ。
887 ◆Y2NezmymcE :03/08/03 11:20 ID:DoUqzU8q
<偵察組>
 とりあえず、コヤツの言い分を聞いてみるか。
「ボ、ボクは、悪い魔物じゃありません」
どこかで聞いたような言い回しで、話し始める。怯えてしどろもどろになると
ころを励ましながら聞くと、当初、この村を襲うように命令されてやって来たと
いう。クリフト殿たちが生けにえを求める魔物を倒した後も、ここは狙われて
いたのだな。
 しかし、この井戸の水があまりに美味しかったので、村を焼き払って井戸を
汚すという事がどうしても出来ず、他の魔物の侵入を防ぐという条件で、村に
住わせてもらっているのだと……。
 正直、魔物にひどい目に遭わされ続けていたとは思えない対応だ。この村の
人間はよほど人が好いらしい。今では「イドッキー」という愛称まで与えられて
いるのだから恐れ入る。いどまねきだからイドッキー、らしい。
 私が話を聞いている間、村人たちが心配そうにイドッキーを見ているから、
おそらくコヤツの言葉に嘘はないのだろうと思う。害がないものを手にかける
ような無駄な殺生はしない方がよかろうとは思うが、さて。勇者殿に相談申し
上げるべきか…。
888 ◆Y2NezmymcE :03/08/03 11:22 ID:DoUqzU8q
<情報収集組>
 私たちが混雑した酒場に辿り着いたとき、私を呼ぶ若い声が聞こえた。 
「トルネコさんじゃないですか! お久しぶりですね、僕ですよ」
振り返ると、そこには懐かしい顔があった。トムじいさんの息子である。
「おやおや、お懐かしい。レイクナバに戻られたのではないのですか」
「ええ、レイクナバで武器屋の親方の下で働いています。今は王女の結婚で
 特別出張店を出してるんですよ。今、この町には沢山の商人が来ていますよ」
「そうですか。それで酒場もこんなに混雑しているのですね」
「そりゃあもう! 普段の倍の客に、マスターも嬉しい悲鳴ってとこですよ」
 この若者は、この町の状況に詳しそうだ。さて何を聞こうか。

では選択です。それぞれの組について選択してください。
<ドレス組> 1.ブライは隣の部屋に行った 2.アリーナが隣の部屋に行った
<偵察組> 3.見のがしてやる 4. ソロたちを呼び戻す
<情報収集組> 5.町の噂を聞く 6.最近の変化を聞く
1.4.5でお願いします。
ソロがどう出ますかね〜?
1,4(襲い掛かりそうならちゃんと止めてね♪)、6
891 ◆Y2NezmymcE :03/08/04 00:32 ID:eyYQq4mn
ご参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
基本的なルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
投票数及び同数選択の場合は先着順で 以下のように決定いたしました。
<ドレス組> 1.ブライは隣の部屋に行った 
<偵察組>  4. ソロたちを呼び戻す
<情報収集組> 5.町の噂を聞く 

<ドレス組> 1.ブライは隣の部屋に行った
「それではお祝い状を作成いたしますので、王のお部屋を使わせていただきますぞ」
「そうだわ、私も何か贈り物を探すわね。一緒に持って行ってくれるでしょう?
 モニカ姫は私のお友達だもの」
「それは喜ばれますでしょう。では、またのちほど」
 ブライが杖をつきながら隣の部屋へ入って行った。だけど、どうしてブライの
方が私たちよりも早くここに来られたのかしら……と思って部屋を見回したら。
 部屋の壁に大穴が開いている…?
「アリーナ、あの穴って、なに?」
「あら、言わなかったかしら? 私が冒険に出る時に、部屋の壁をを蹴りやぶって
 出たってこと。ブライは裏門からこの穴を使って入ったのね、きっと。だから
 私たちよりも早く来られたんじゃないかしら」
 言いながらアリーナは机の引き出しをごそごそと探して、小さな羽のついた
ピンを出して来た。
「お母様が私に、いつか仲良しのお友達ができたらわけてあげなさいって、
 ふたつくださったの。いつまでも仲良くいられるおまじないがかかっているん
 ですって。これをふたつともさしあげようかしら。おふたりがいつまでも
 幸せに、仲良く暮らされるよう祈っていますって」
「でも、それはお母さんの形見なんじゃないの?」
892 ◆Y2NezmymcE :03/08/04 00:33 ID:eyYQq4mn
「お母さまが私に残してくださったものは、他にも沢山あるもの。それに、
 これは、今の私に贈れる、一番素敵な結婚祝いだと思うのよ。お母さまも
 喜んでくださるって思うから」
 お姫さまなんていうからとっつきにくいのかと思ったら、意外と……。
「さあ、もうお祝いの品は決まったわ。ブライに渡してくるから、ドレス選びを
 始めましょう? ねえマーニャ、そのクロゼットから、高く売れそうなものを
 選んでちょうだい? 私よりもマーニャの方が詳しそうだもの」
「はいはい、りょ〜かい」
 これもまた立派な造りですねー……と感心しつつ、クロゼットへ向かう。
 ギッと重い音を立てながら開いた扉の中には、立派だけれどデザインの古い
ドレスが並んでいた。
 どうしてこんなにデザインが古いのかしら。母親世代の流行じゃない。
 もしかして、アリーナって、こういうものに全然興味がなくって、母親が
残したものが沢山あるって、こういうこと? 新調してないのかしら。
 それにふんわりしたドレスよりも、タイトなドレスの方が売れると思うのよね。
王族の夜会用のドレスってのは、意外と需要が無さそうだわ…。
 古いデザインのものやふんわりしたドレスを好んで使う踊り子もいないわけじゃ
ない。だけど、売れるとは言いきれない…。ドレスそのものよりも、サシュの
リボンだけを持って行った方が良さそうね。古くても質のいい布地だから、
リボンとして使うには最上だわ。
 私は腰に結ぶ幅広のサシュリボンや、髪を飾るリボンをかき集めて、ベッドの
上にドサドサと積んだ。これだけでも結構なお金になりそうね。
「あら、ずいぶんシンプルなものばかり選んだのね」
戻って来たアリーナが目を丸くしている。ドレスが積んであるかと思ったら、
大量のリボンっていうんじゃ、びっくりか。
893 ◆Y2NezmymcE :03/08/04 00:34 ID:eyYQq4mn
「ドレスよりもこっちの方が売れそうなのよ。そうだ、アリーナは装飾品から
 売ってもいいものを選んでくれる? 手放したらまずいものもあるでしょ?」
「手放してまずいものなんて、この状況であるのかしら…」
寂しい顔と悲しい声に、胸が詰まった。それもそう……いやいや。
「駄目よ、世界の希望が弱気になっちゃ。いつか、この城に人々が戻った時、
 あなたはきらびやかに着飾って魅せなくちゃ。あなたの美しい姿は、きっと
 この国の人々の希望になるんだから。それが一国の姫の仕事だわ、たぶん」
「そうかしら」
「そうよ。たぶんね」
私のウインクにアリーナは微笑んで、机の方へ歩いて行った。

<偵察組>  4. ソロたちを呼び戻す
「お主のいい分はわかったが、私の一存で見逃すというわけにもいくまい」
「まぁねー」
……と。いつの間にか、ソロ殿もクリフト殿も戻って来ておられたのか。
「話は聞いたよ。平和かと思ったら、こんな魔物がいたとはねえ」
 ソロ殿はすでに剣を抜き、構えた剣を左右に動かしている。何かと思ったら、
剣の跳ね返す日の光がイドッキーの目に当たるように、調整しているのだった。
「ま、まぶしいっス!」
イドッキーが悲鳴をあげた。普段井戸の底にいるから日の光は苦手らしい。
おまけに目玉は飛び出しそうな大きさだから、ソロ殿の方の調整は簡単なようだ。
嫌がらせに長けた勇者というのもどうかと思うが。
「殺されたくないよな?」
「もちろんっス!」
「じゃー、話してくれるよな?」
「な、何をっスか!?」
何の話をさせるというのだろう…。
894 ◆Y2NezmymcE :03/08/04 00:38 ID:eyYQq4mn
<情報収集組> 5.町の噂を聞く 
「エンドールに戻ったのは久しぶりでしてね。いろいろお話を聞かせて
 くださいよ」
言いながら私はウエイターに注文した。3人分の飲み物と食事にチップを
つけて。おごりに喜んだ彼との会食は、大変楽しいものだった。
 少々膨らんだ腹を抱えて、ミネアさんを自宅にお連れする。ネネは
相変わらず美しく(どうして結婚できたのか、自分でも不思議だ!)、
ポポロの元気の良さはミネアさんをいささか驚かせたらしい。
 女性ふたりが初対面の挨拶等を交わしているのを見ながら、私は2階の
寝室へ進んだ。もうすぐ夜になるが、ブライさんが戻られるのはいつにな
るのだろう……。
 さて、帳面に、聞いた話を書き付けておくとするか。
・エンドール城は昼間はずっと結婚式を行なっているので、王に会いたい
場合は夜間こっそりと訪れるしかないらしい。ブライさんはどうされたかな。
サントハイムの使者として訪ねるのだから、式を中断してもらえただろうか?
・エンドールとハバリアの定期船が復活しそうだということだ。キングレ
オの王様もまともに政治に復帰し始めたということか。
・各地で魔物が以前よりも強くなったらしい。魔王がより強い魔物を選んで
差し向けるようになったのだろうか。
・サントハイムの惨状はこの国にも聞こえているが、一方であの大陸のどこ
かに新しい町が建設中だともいう。ブライさんたちが喜びそうな話だな。
 ここまで書いたとき、ノックが聞こえた。

ーーーさて、今回は偵察組の選択のみです(グループごとの時系列を揃える
ためです)。しかも、自由記述ですw。
 内容は
「ソロは、イドッキーから何を聞き出そうとしたのか?」
です。いろいろあるかと思いますが、1点だけお書きください。

 ソロが久々に黒勇者になるか? というご期待に添えたでしょうか?
黒幕を聞く。
(少なくとも、この村に差し向けたやつ)
珍しい物がある場所を知らないか?
次スレはどうするのか?
898テンプレ案 ◆Y2NezmymcE :03/08/05 00:23 ID:oKegJB9i
ゲームブック形式でドラクエ4のSSを作っていくスレです。
最燃トーナメントの4勇者支援として考えられ、スレを乗っ取る形で
始まりました。ルールやこれまでのあらすじを知りたい方は>>2-10のどこか

2代めスレ デスピサロの曲を聴きながら会話するスレ
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1036693678/l50

初代スレ ヽ(´∀`)ノ ワーイ教発足
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1024470060/l50

*どちらも、FFDQ千一夜サイトに過去ログがおかれています(http://www3.to/ffdqss

↑ ここまでが1です……。
 スレタイどうしましょう? 素直に DQ4男勇者のゲームブックスレ ?
899テンプレ案2 ◆Y2NezmymcE :03/08/05 00:23 ID:oKegJB9i
【このスレのルール】
 SSの最後に選択肢がありますので、お好きなものを選択してください。
お好きな選択肢がなかった場合、作っていただいてもオッケーです(w
 次回更新までにいちばん多かった選択が、次の展開となります。
 選択肢以外の皆様の声もなるべく反映していきたいと思ってますので、
ご希望の展開などがありましたら、ぜひ教えてくださいませ。
 その他にも、ゲームマスターへの意見はいつでも受付中ですが、参加者を
罵倒するようなレスはご遠慮くださいませ。

 更新は基本的に1日1回を目指していますが、一日複数回更新されたり、
逆に都合により間が空くこともあります。できるだけ事前に ご連絡しますが、
お知らせできない場合もあるかと思います。
 なにとぞご了承下さい。すみません。
900テンプレ案3 ◆Y2NezmymcE :03/08/05 00:24 ID:oKegJB9i
【これまでのあらすじ】
突然の魔物の襲撃で、生まれ育った村を滅ぼされてしまった4勇者・ソロ。
自分の村を滅ぼした魔物・デスピサロを倒すため、旅へと出ます。
その途中、ボンモールでマーニャ、ミネアと知り合い、コナンベリーの大灯台
ではトルネコと、ミントスでブライ、アリーナ、クリフトと合流。キングレオ
でホイミンと知り合い、ライアンを助けて欲しいと頼まれた勇者は、魔物に
対するわだかまりを残しながらも、ホイミンの友だちだというスライムの
スラぼうを仲間にして、キングレオ城へと向かいました。
そして、何とかライアンと会うことのできた一行は、そのままキングレオを
倒すために玉座へ目指し、苦戦の末、見事キングレオを倒しました。
その後、故郷を思うあまり一人で先行しようとするアリーナを押しとどめて
コーミズに戻った一行は、ホイミンの悲しい過去と、彼とライアンをつなぐ絆の
深さを知るのでした。魔物に対するわだかまりを少し無くし、ひとつ精神的に
成長したソロを中心とする導かれし者達の次の目的地は、進化の秘宝で
力を得たバルザックの支配する、アリーナたちの故郷サントハイム。
途中、海辺の村で乾きの石を手に入れます。
たどりついたサントハイム城は魔物に占拠され、城下町サランは、魔物によって
ズタズタにされていました。
アリーナたちの怒りは最高潮に達し、苦闘の果てに、キングレオを超える進化を
果たしたバルザックを倒します。
ところがここで謎の男、ピサロナイトが登場。
マーニャ、ミネア姉妹の父の遺産、せいじゃくの玉を使われて苦戦する事に。
しかし、この戦いは中途半端な形で終わったのでした……。

さて、これからのソロたちの旅は、どうなるのでしょうか?
901テンプレ案4 ◆Y2NezmymcE :03/08/05 00:27 ID:oKegJB9i
【勇者たちの現状】
▼サランにてサントハイム国王の看板を確認。次の目的地をスタンシアラとするも、
そこへ向かう前に、それぞれの思惑を胸に別行動になりました。
 3日間の別行動の目的は……
<ドレス班>マーニャ視点一人称、同行者はアリーナ・パトリシア
 アリーナの装飾品等をサントハイム城からいただいて、モンバーバラで販売予定
<偵察班>ライアン視点一人称、同行者は、ソロ・クリフト
 テンペ、フレノールの様子を偵察中。
<情報収集班>トルネコ視点一人称、同行者はブライ・ミネア
 ブライはサントハイムへの援助をエンドール王に申し入れに、ミネアは誰かに
呼ばれているという予感を胸に、トルネコは商人仲間の噂を集めに。
 一番バラバラなグループです。

▽ 別行動している間、選択もイレギュラーな形になっています。
 選択ごとに条件を書いておきますので、よろしくお願いいたします。
902テンプレ案5 ◆Y2NezmymcE :03/08/05 00:29 ID:oKegJB9i
▼装備
(SS内に登場した装備のみ記載。他の装備は、各章終了時にもっともいい武具を
入手していると考えてください。数値はおおよそのものです。SS内に数値計算は
出てきません。HP/MPともに全員満タンです)
勇者:武器はバトルアックス、防具は初期装備 左腕に青銅の盾を装備。
ミネア:武器はホーリーランスを装備、タロットも所持。鎖鎌を所持。
ブライ:安らぎのローブ装備
クリフト:マグマの杖を装備。
ライアン:破邪の剣を装備。
マーニャ:防具は身かわしの服。「踊り子の服」の上に着込んでいる。

▼重要アイテム
ホフマンがもらってきてくれた『たからの地図』
ホイミンからもらった『魔法の鍵』
海辺の村で手に入れた『渇きの石』
サントハイムで手に入れた『あやかしの笛』と『マグマの杖』(クリフト装備中)
903テンプレ案6 ◆Y2NezmymcE :03/08/05 00:35 ID:oKegJB9i
【今までのゲームマスターについて】
初代:ナナシクラゲ ◆Sj469/wPAw さん
 腹グロ勇者が見たいという要求に見事に応えておられた
名マスター。2002年夏から中断をはさみ翌年春まで担当。

2代め:296 ◆kYB5EDmqco さん
 戦闘シーンの表現の素晴らしいマスター。キングレオ戦、
バルザック戦担当後、4章を担当されました。

3代め:とびねずみ◆Y2NezmymcE
 この紹介を書いている人間です。
 4代め、5代めと、マスターを引き継ぐ方が現れてくださる
ことをきぼんしつつ、スタンシアラ編をがんがります。

>895にイピョーウ

テンプレ乙です。
>903ですが、キングレオ戦はナナシクラゲさんが書いてたと思う。
905テンプレ案6 ◆Y2NezmymcE :03/08/05 07:00 ID:RLzmvNvq
【今までのゲームマスターについて】
初代:ナナシクラゲ ◆Sj469/wPAw さん
 腹グロ勇者が見たいという要求に見事に応えておられた
名マスター。2002年夏から中断をはさみ翌年春まで担当。
8人の導かれし者たちが揃うまでの長い旅を描かれました。

2代め:296 ◆kYB5EDmqco さん
 戦闘シーンの表現の素晴らしいマスター。バルザック戦担当後、
4章を担当されました。4章完結で交代。

3代め:とびねずみ◆Y2NezmymcE
 この紹介を書いている人間です。
 4代め、5代めと、マスターを引き継ぐ方が現れてくださる
ことをきぼんしつつ(先代や初代にも期待)、スタンシアラ編を
がんがります。
906 ◆Y2NezmymcE :03/08/05 07:12 ID:RLzmvNvq
>>904
 ご指摘ありがとうございます。訂正しました。
 あと100を切ったので、なんとか最後までこのスレを使えそう
でしょうか? ただいま468kb。リミットは512kbなわけですが。
私が1レスを短く使えばいける……かな??
 スレたての際のテンプレは >898-902と>905です。

 今日は夜まで続きをupできなさそうなので、引き続き>>894
選択にお願いします。
 現在のところ、895さんの 黒幕を聞く が2票と 896さんの
珍しい物がある場所を聞く 1票 となっています。
黒幕に一票!
どうせなら粘っこ〜く?聞いていただきたい。
908 ◆Y2NezmymcE :03/08/06 00:47 ID:4/7WoYUw
ご参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
基本的なルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。

 黒幕を聞くが3票ですかー。黒勇者が粘っこくイドッキーを
いぢめるわけですね! さらにお宝の場所まで聞けたら完璧で
すが、いぢめるだけでいっぱいいっぱいですので、896さん
ごめんなさい。

 では書いて参りますので、朝までお待ち下さい……w。
今夜中にはうpできるのではないかと思います。
909 ◆Y2NezmymcE :03/08/06 01:20 ID:4/7WoYUw
おっと。
全部一気にあげると、連続投稿にひっかかるので、すでに出来ている
<ドレス組>は、先にあげておきます。
910 ◆Y2NezmymcE :03/08/06 01:20 ID:4/7WoYUw
<ドレス組> 
 クロゼットの中の確認に夢中になっているうちに、外はすっかり
暗くなっていた。部屋の中の暗さに驚いて燭台を探す。アリーナは
この暗さが気にならないのかしら?
 私は燭台のほこりをはらってから、小さなメラの炎を作って、
ろうそくに点火した。
「そういえばブライは?」
「あら、やっぱり気付いてなかったのね。さっきエンドールに戻って行っ
たわよ。サントハイムからのお祝いの親書と、私からのプレゼントを
持って」
ヤレヤレ。私には挨拶無しに去ったわけですか、あのおじいさんは。ま、
夢中になって気付かなかった自分がいけないんだけども。
「となりの部屋で親書を書いてたのね」
「そうなの。サントハイムの紋章入りの便せんにサントハイムの王印を
 押さないと正式な書類にならないからって戻って来たみたい。王印は
 お父さまの金庫に入っているんですもの」
911 ◆Y2NezmymcE :03/08/06 01:21 ID:4/7WoYUw
「ふ〜ん……あれ? その金庫って、開かないって言っていた金庫じゃ?」
「あ…あれ? 本当ね、そうよ! 嫌だ、ブライったらあんな嘘ついて!」
この国の復興の為に金庫をあけたくなかったということ? 
「……なんだか、気が抜けちゃったわね……」
「本当ねー。お金があればそれを持ち出す方が楽なのにねえ」
顔を見合わせて、苦笑いを浮かべるしかなかった。でもまあ、国の復興に
現金が必要になるってことを見越しての嘘だろうから見逃してあげますか。
それはそれで、見事な愛国心、だし……。
 他の人に黙っておくって事で弱味をひとつ握った、ともいえたりして。
それは意地悪かな?
「なんだか一気に疲れが出たわ。今日は早めに寝ちゃう?」
「そうしましょうか」
 私はリボンを積み上げたベッドを見た。立派なベッドだけど、ふたりで
ここに眠る事にする?
912 ◆Y2NezmymcE :03/08/06 14:05 ID:+b9TXrr2
 連投規制もでるし、スレを早めに消費した方がいいかなとも思ったりで、
ちょっとずつあげます。偵察組です。

<偵察組> イドッキーの黒幕を聞く。
 ソロ殿の口元がニヤリと歪む。
「お前はこの村に来る魔物を追い払えるくらいだから、結構強いんだろ?」
「そ、そりゃまあ、雑魚とは違うっす」
「じゃ、一体誰に頼まれてここに来た?」
「誰にも頼まれてないっす!」
「さっきライアンになんて言ったか覚えてないのか?『この村を襲うように言わ
 れて来たが、水がおいしいので辞めた』……な? 誰かに頼まれたわけだよなあ?」
 同じ事を言うにも、もうちょっと言い方があると思うんだが。このお方は底意地の
悪い勇者、らしい。イヤハヤ、とんでもないお方、かもしれぬ。
 イドッキーは怯えて私を見上げて来たが。しかし、私が助け舟を出すわけにも
行くまい。答えるように目顔で促すと、嫌そうに話し始めた。
913 ◆Y2NezmymcE :03/08/06 14:05 ID:+b9TXrr2
「……頼まれたわけじゃないっす。命令っす」
「命令と頼んだのとは違うってのはへ理屈だと思うけど? まあ、いいや。で、
 誰のどんな命令だ?」
「この村を魔物の拠点にしろって言われたっす」
「それは命令の内容だな?」
「……そっす」
「で。誰に言われたんだよ?」
 イドッキーは、見る間に震えだした。もとから珍妙な顔が更に歪んでゆく。
「そ、それは………」
「それは?」
「デ…… デス」
「で、です ってなんだー」
「それは……それはもしやデスピサロでは?」
クリフト殿が慌てて言った言葉に、イドッキーは頷いた。
914 ◆Y2NezmymcE :03/08/06 14:12 ID:+b9TXrr2
<情報収集組> 
 ノックの主はミネアさんだった。
「そろそろ宿に引き上げますね。私を呼ぶ誰かを捜すには、私ひとりの
方が良さそうですし」
「そうですか。泊まっていかれるかと思っていたのですが」
「久しぶりの家族水入らずをお邪魔したくありませんもの。それにさっき
 ごちそうしていただいたから、お腹も空きそうにないんです」
 ミネアさんはにっこりと笑って静かに行ってしまった。
 さっき飲んでいる間にしばらく席を外されていたのは、宿に予約を入れて
おられたのだろう。用意周到な娘さんだからなあ。
「あなた、お夕食は?」
 ネネの問いかけに「軽く食べるよ」と答えて1階に降りると、ちょうど
王への謁見を済ませたブライ殿が来られたところだった。ネネを紹介し、
一緒に夕食を取る。気難しげな老魔術師に少々怯えていたポポロも、お腹が
一杯になってくると笑顔を見せるようになってきた。そうそう、お前には
笑顔で居てもらわないとね。
 話題にしていたのは、酒場で仕入れてきた町の噂だ。サントハイムの
新しい町についての話が一番気になるらしい。
「新しい町を作ると言っても、そのような事に適した場所は……。もしや、
 商人のバザーがあった場所の事ですかな」
「私も聞いた事があります。サントハイムには、商人が集うバザーが定期的に
 できるのだと。そこに町ができたのでしょうか」
「そうかもしれませんな」
 一度その町も見てみたいものだと思った。
915 ◆Y2NezmymcE :03/08/06 14:15 ID:+b9TXrr2
 お待たせしました、選択です。もたもたしていてなかなか3日が過ぎません…。

<ドレス組> 1.アリーナのベッドで寝る 2.他のベッドで寝る
<偵察組> 3.デスピサロについて聞く 4. 他の町について聞く
<情報収集組> 2日めの朝先に出会うのは 5.ミネア 6.ブライ
上より1,3,5でお願いします。
マーニャには…セクシーにねぼけてもらいたい…かな。(笑)
917 ◆Y2NezmymcE :03/08/07 01:07 ID:2mNnGfKy
 ご参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
基本的なルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
 916さんの選択により、以下のように決定いたしました。
<ドレス組> 1.アリーナのベッドで寝る 
<偵察組> 3.デスピサロについて聞く 
<情報収集組> 2日めの朝先に出会うのは 5.ミネア 

<ドレス組>アリーナのベッドで寝る
「じゃあ、まずは寝床を作らないとね。このリボンを一旦片付けましょ」
「………そうね、そうしましょう」
?。何故かアリーナは、私にすまなさそうな顔をした。何だろ?
 それにしても選別しながら綺麗に移動するって事をしておけば、こんなに
リボンが絡まらなかったはずなのに〜! もおおおお!!
 私は自分の手際の悪さを呪いながら、リボンを机の上に移動して、
寝る場所を作った。さっすがお姫さまの寝台、2人でも十分眠れるわ。
 ばふっとベッドに飛び乗ると、埃が舞い上がった。この城の無人状態の
長さに胸が詰まった(決して、埃を吸い込んだせいじゃないと思うわ!)。
「ああ、もうちょっとおしとやかにやるべきだったわね」
「そうね……」
 何故だかしおらしくなってしまったアリーナが気になったけれど、
私は、枕に頭をつけたかどうかという瞬間に、意識を失っていた……。
918 ◆Y2NezmymcE :03/08/07 01:08 ID:2mNnGfKy
<偵察組>デスピサロについて聞く
「じゃ、そのデスピサロについていろいろ話してもらおうか」
 ソロ殿の言葉にイドッキーは歯の根が合わない勢いで震え始め、そして、
「ぐばっぎゅ」
「!?!?!」
 叫び声を残して、消えた。跡形もなく。
「ど、どういうことなのでしょう、これは」
 クリフト殿の震え声が尋ねてくるが、私には皆目見当もつかない。
「ちっ、魔王の情報を俺たちにもらさないように呪詛をかけられてたんだろうよ」
 ソロ殿の、暗く、低い声がした。
「とっととこの村を出ようぜ。嫌な感じだ」
 私たちはテンペの村を抜けてしばし歩き、いつものように野営した。
919 ◆Y2NezmymcE :03/08/07 01:08 ID:2mNnGfKy
<情報収集組>
 ブライさんはネネの手料理が気に入ってくださったらしい。食事を終えた後で
大変美味しかったという言ってくださったので、ネネの頬が染まっている。
 良かった。
「ミネア殿は宿でしたな」
 ブライさんはそう言って、自分も宿に行くと去ってしまった。こんなに人の
多い時期に空室があるかどうか怪しいと言ったのだが、ミネアさんと同じく、
家族だんらんの時間をとってくれと言われるのだ。
 そうか、ミネアさんもブライさんも、自分の大切な人、家族と過ごせる時間
を無くしているから、そういうところにとても敏感なのだな……。

 私は、久しぶりに親子3人で川の字になって眠った。
920 ◆Y2NezmymcE :03/08/07 01:16 ID:2mNnGfKy
さて、今回は選択がありません。というか、本来は今回の選択になるはずの
「朝出会ったのは、ミネア?ブライ?」という選択肢を、前回の物に入れて
しまっておりましたので…。失敗失敗。
 失敗といえば、前回、トルネコ一人称なのに「ブライ殿」という記述になって
おりまして、それも失敗でした。「ブライさん」が正しいですね。

 イドッキーに他の町の事を聞いていれば、彼がこの先の魔物情報源になる
予定でございました。さよならイドッキー。君の珍妙な顔は忘れないよw
 ゲーム中、ここで出てくるコイツにびっくりしたのは私だけでは無いと思う
のですが、いかがですか? なんでいるんだ、しかも、なんで村の人は普通に
井戸を使ってるんだよ! という疑問をずっと持っていたので、ここでそれを
解消させてみましたです。
921 ◆Y2NezmymcE :03/08/07 01:53 ID:2mNnGfKy
あ、違うや。
選択は、2日めの朝先に出会うのはどちら?
<情報収集組> 1.ミネア 2.ブライ
ですって事になりますね。
一応、今のところ、ミネアにいっぴょはいってます
2
2
朝っぱらにじいさんに出会う。う〜ん、いい朝じゃないか。
924名前が無い@ただの名無しのようだ:03/08/07 22:42 ID:ISi4OYeT
1で。寝起きを見てみたいキャラ。
925 ◆Y2NezmymcE :03/08/08 00:01 ID:ytCPjOWW
ご参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
基本的なルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番2票、2番2票で、先着順に 1番のミネアに先に出逢う
 ということになりました。
 寝起きを楽しみにされている方がおられますが、今回は寝起き
シーンがありません…。ゴメンナサイ。

 それでは続きに参りましょう。3グループ共にここからです。

 そして 夜が 明けた!
926 ◆Y2NezmymcE :03/08/08 00:01 ID:ytCPjOWW
<ドレス組>
 目がさめると。アリーナが私に謝って来た。ゆうべ、何か変だったのは
隣の部屋(王様の部屋ね)のベッドの方が広かったので本当はそこで寝よ
うと言うべきだったのに、どうしても、王様以外の人に眠らないで欲しか
ったのですって。そうね、お父さんのベッドは、お父さんが戻って来て、
使って欲しいわよね。
「私には、十分贅沢なベッドだったわよ? 気にしない気にしない」
 やっと戻ったアリーナの笑顔に満足して、私は起き上がった。これだけ
しっかりと睡眠を取ったのは久しぶりかも。
 さあ、今日は衣装屋に行って、しっかり値段交渉するわよ!
 私はありったけのリボンと、売れそうなドレスを数点馬車に積み込んで
ルーラを唱えた。
927 ◆Y2NezmymcE :03/08/08 00:01 ID:ytCPjOWW
<偵察組>
 目をさますと、クリフト殿が野営の片づけを始めていた。ソロ殿はまだ
眠っておられる。穏やかに笑みを浮かべているように見えるのだが…。
「どんな夢を見ておられるのでしょうね」
「さあ……。でも、せめて夢の中では安らかにあって欲しいと思います…」
 クリフト殿は穏やかな顔で言われるが、夢の中にしか安らかな時間がない
のは、クリフト殿も同じなのではないだろうか? 神官という職業からか、
彼が自分の苦しみを垣間見せた事など無いように思う。だが、荒れた町、
いつの間にか平和な町に入り込んでいる魔物。
 これらに対して、平気でいられるわけなどないのだ……。
928 ◆Y2NezmymcE :03/08/08 00:04 ID:ytCPjOWW
<情報収集組>
 顔を洗ってネネの作った朝食を取り、宿へ向かおうと家を出たところで。
目の前に居たのは、ミネアさんと、なんと、懐かしのスコット君だった。
「おや、ミネアさん、お早いですね。それにスコット君もお久しぶり」
「誰かと思ったら、トルネコの旦那ですか! いっやぁ、ご立派になられ
 ましたよね!」
 傭兵のスコット君は、私がここに店を構えて独立する為に働いていた頃、
私の護衛を引き受けてくれた人だ。気のせいか、当時よりも穏やかな顔に
なったなあ。
「おふたりはお知り合いで?」
「ミネアさんに占っていただいたんですよ。それでわかったんです。人には
 それぞれの運命があって、それぞれやるべき事があるって」
929 ◆Y2NezmymcE :03/08/08 00:06 ID:ytCPjOWW
「なるほど……」
 それにしても朝から占いをしておられたとは、ミネアさんも商売熱心な
方ですね。
「スコットさんが、サントハイムの新しい町を御存知なのだそうです。
 そこへ行ってみるのはどうかと思いまして」
「それもいいかもしれませんね。エンドールでの仕事は終わったようなもの
 ですし」
「その町は、砂漠のバザーがあった場所なのではないかね?」
ふいにブライさんの声がして驚いた。
「そこであれば、ルーラですぐに行けるはずじゃ」
930 ◆Y2NezmymcE :03/08/08 00:11 ID:ytCPjOWW
 それでは選択です。

<ドレス組> 1.リボンから売る 2. ドレスから売る
<偵察組> 3. ソロを叩き起こす 4.自然に起きる
<情報収集組> 5.スコットを連れていく 6.スコットは連れていかない
上から1.3.5で。
ソロの反応に期待。
2,4,5
2,3,5かな?
934 ◆Y2NezmymcE :03/08/08 09:24 ID:ytCPjOWW
 ご参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
基本的なルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番1票、2番2票、3番2票、4番1票、5番3票で、
以下のように決定いたしました。スコット君人気ですね。
<ドレス組>  2. ドレスから売る (リボンも一緒に売ります)
<偵察組> 3. ソロを叩き起こす 
<情報収集組> 5.スコットを連れていく 
935 ◆Y2NezmymcE :03/08/08 09:24 ID:ytCPjOWW
<ドレス組>
 久しぶりに戻ったモンバーバラは、静かな朝を迎えていた。朝のモンバー
バラなんて、住んでいた頃にも知らない町の姿だわ。
 私は馬車を店の前まで乗り付けた。本当は町の入り口につなぐんだけど、
荷物が多いから許してもらいましょ。
「おや、マーニャちゃん! マーニャちゃんじゃないか。久しぶりだね」
 店の親爺さんは大げさに私を迎えてくれた。
「元気にしてたかい? ミネアちゃんはどうした? 元気なのかい?」
「私はもちろん元気だし、ミネアだって元気よ。今日はちょっと用事で一緒
 じゃないんだけど。ねえ、親爺さん、それより商売商売。なるべく高く
 買取って? ね、お願い」
 バラバラと店の机の上にドレスやリボンを並べると、親爺さんはちょっと
困った顔をした。
936 ◆Y2NezmymcE :03/08/08 09:25 ID:ytCPjOWW
「マーニャちゃんは、まだ劇場に行ってないんだね?」
「うん、そうだけど……。どうかしたの?」
「今のモンバーバラはね、昔の、歌や踊りの町じゃないんだよ。だから…
 踊り子用品を扱ううちは商売上がったりなんだ」
 歌や踊りの町じゃないって、どんな冗談?
「歌と踊りのモンバーバラじゃないって、それってどういう事?」
「今はね、笑いの町になっているんだ。そりゃ、つなぎで踊りも見せてるけど
 以前のようにはねえ……」
 昔から親爺さんは冗談ばかり言っている人だった、けれど。このため息は
嘘じゃ無いだろう。
「それでも、マーニャちゃんの頼みじゃ断れないよ。できるだけ高く買い取ら
 せてもらうから、ちょっと査定の時間をくれないか? ずいぶん沢山ある
 みたいだからね」
「そうね……。じゃあ、劇場の様子とか見て来てもいいかしら。馬車の中にも
 まだあるから、それも見ておいてくれる?」
「あいよ」
 親爺さんの声を背中に店を出た。劇場に行ってみなくっちゃ。笑いの町って
何のことよ。どんな芸人を呼んで来たんだろう、団長ってば。
937 ◆Y2NezmymcE :03/08/08 09:26 ID:ytCPjOWW
<偵察組>
 楽しそうな夢の中からソロ殿を引き戻すのはいささか申し訳ないと思うが、
そろそろ出なくてはなるまい。
「ソロさん、起きてください」
 クリフトさんが優しく言って、ソロ殿の身体を揺すっているのだが、ちっと
も起き上がる気配がない。さてどうすればいいかな。いつもはマーニャ殿が
鼻をくすぐったりして起こしておられるのだが、私がそのような事をしても
起きてくださるだろうか?
 何しろ、ソロ殿は寝起き良い方では無いのだ。
「ソロさんソロさん………ソロさんっっっ!!!!」
 !!!。
938 ◆Y2NezmymcE :03/08/08 09:51 ID:ytCPjOWW
 私は見た。あの温厚なクリフト殿が、ソロ殿の腹部に正拳を突き入れた
のを。
「げっほぐっげひょっほ」
 ソロ殿は激しく咳き込みながら起き上がった。ああっ、機嫌悪そうだ。
「なんだ? 何があった?」
 機嫌の悪い声に、背筋が冷たくなる。何があったと言おうか…。
「起きていただかないと困ります。町にお昼までに着いて、名物で昼食に
 しようと言われたのはソロさんですよ」
「あ? あ〜、そうだった。クリフトごめん。ライアンも悪かったな」
この聞き分けの良さは一体……。
 呆然とする私を置いて、ソロ殿は起き上がるなり歩き始めた。
「んじゃ行くぞ。クリフト、方角はこっちだったよな?」
「逆ですよ、ソロさん。テンペに戻ってしまいます。寝ぼけてるんですか?」
「あー、そかそかー」
 寝ぼけた顔で突かれた部分をさすりながら歩いてゆく姿は、正直、あまり
見たい姿ではなかったが。勇者といっても聖人ではないのだという事かと
知らずため息が出た。ああいう勇者殿は嫌いではないが、イメージという
ものが……。
「ライアンさん、置いていかれますよ? ソロさん、待ってください」
 駆け出したクリフト殿の後を、ゆっくりと追いかけた。
939 ◆Y2NezmymcE :03/08/08 09:53 ID:ytCPjOWW
<情報収集組>
「そっそれでは、是非私も連れていってください!」
「スコット君?」
「ミネアさんにまたお会いして占っていただきたいと思っていたのは、その
 町に行くべきかどうかで悩んでいたからです。さっき『チャンスを逃すな』
 という占い結果が出て、チャンスって一体何の事かと思っていたんですが、
 きっと、皆さんとご一緒するチャンスに違いありません!」
「ブライさん、ひとり増えてもよろしいですか?」
「ルーラの能力の事を言っているのであれば、問題はない。大丈夫じゃ」
「ありがとうございますっっ!」
 感激でほとんど泣きそうになっているスコット君に良かったねと思いつつも
私は言うべき言葉がある事を知っていた。
「ですが、今回は、お金は払いませんよ?」
「あ、当たり前じゃないですか!」
 スコット君の慌てぶりに、自然と笑いがこぼれた。

940 ◆Y2NezmymcE :03/08/08 10:00 ID:ytCPjOWW
 それでは選択です。
<ドレス組> どちらに行きますか?
 1.団長の部屋 2.踊り子たちの控え室

<偵察組> 出くわした魔物は何でしょう?
 3.あくまのす 4.しりょうつかい

<情報収集組>すぐに出立しますか?
 5.すぐに出る 6.まだやることがある
1.4.5でおながいします
2、4、6がいいな
1.4.6でよろしくぅ!
944 ◆Y2NezmymcE :03/08/09 03:39 ID:mQa2xP07
 ご参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
基本的なルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
1番2票、2番1票、3番0票、4番3票、5番1票、6番2票で、
以下のように決定いたしました。しりょうつかい人気ですね。
<ドレス組>  1.団長の部屋を訪ねる
<偵察組> 4.出くわしたのは しりょうつかい
<情報収集組> 6.まだやることがある
945 ◆Y2NezmymcE :03/08/09 03:40 ID:mQa2xP07
<ドレス組>
 劇場の扉を開けると、ギリとモギが居た。2人とも相変わらず
楽しそうに掃除をしている。
「お客さん、劇場は夜から……って、マーニャ? マーニャだね!」
「お父さんの仇はとれたのかい?」
一度に一緒に話しかけてくるところも変わらない。まるで双子のようね。
「話すと長くなるから後でね? ねえ、団長は?」
「いつも通り、団長の部屋にいるよ」
お礼に投げキッスをして、階段を下りた。
 そういえばアリーナはモンバーバラへ来てから、一度も言葉を発して
いない。どうしたのかと思ったら
「マーニャを迎えてくれる人たちは、皆元気みたいで良かったわね」
なんて事を言ってきた。そうか、サントハイムの惨状と比べちゃった
のね。私はどうしていいのかわからなくて、ただ彼女に笑いかけて
「団長は話が長いから、覚悟してね?」
とだけ、言った。
 通いなれた通路を抜けると、団長室が見えて来た。中から笑い声がする?
946 ◆Y2NezmymcE :03/08/09 03:40 ID:mQa2xP07
<偵察組>
 私が追い付くと、ソロ殿とクリフト殿は魔物と相対していた。追い
付いた瞬間にソロ殿の剣が日の光を反射して光り、一刀でその魔物は
切り落とされていた。
「ちょっと面倒な相手だったなー。ライアン遅いよ」
「面目ない。……しかし、コヤツは見た事もない魔物ですな」
青い帽子をかぶり、白いマントをまとった姿は、異教の神官を思わせる。
橙色の皮膚や人にはあり得ぬほどの大きな目を見れば、それが人に非ぬ者と
わかるのだが。
「ええ、一体どうしたというのでしょうか。以前とは魔物の種類が全く
 違うようです」
 クリフト殿の指摘に驚いた。
「全く違う?」
947 ◆Y2NezmymcE :03/08/09 03:41 ID:mQa2xP07
「はい。以前よりも強い魔物が居るようですね。実際に姿を見せたものは
 少ないのですが、気配が違います。」
 それはつまり、魔王(デスピサロ?)がなりふり構わず精鋭を送り込み、
勇者を抹殺しようとしている、ということだろうか? キングレオやバル
ザックの死によって、勇者が旅に出ている事を彼等は認識しているはず
だから。
 あちらが本気を出して来たという訳か。こちらとしては、堂々と受けて
立つだけの事だが。 
 ふと見ると、マントの下から箱がチラリと覗いていた。この魔物は宝箱を
隠し持っていたらしい。
「何が入ってる? あー鉄の爪か。もらっとこう」
 ソロ殿の即断で、私が鉄の爪を預かった。これを装備できるのはおそらく
アリーナ殿だけであろう。
「さあ、とっとと行こうぜ」
948 ◆Y2NezmymcE :03/08/09 03:52 ID:mQa2xP07
<情報収集組>
 さて、では新しい町へ行ってみましょうか…と言おうとした時、
「あなた、もう行かれるのね?」
声に振り向くと、大きな荷物を持ったネネが走り出て来た所だった。
「お弁当をみなさんでどうぞ。それから、あの裏の武器屋さんが正式に商売を
 始められたから、行かれる前に品物を見せていただいたら?」
「そうなのか。ありがとう。行ってみるよ」
 受け取ったお弁当は、いつも以上に愛情が込められている気がした。久しぶ
りの温かさが、なんとも嬉しい。
「じゃあ、気をつけて行ってらっしゃい」
「行ってくる」
「では行って参ります」
ミネアさんの明るい声、軽く会釈するブライさんとスコット君。なんだかちぐ
はぐな私たちは、とりあえずエンドール秘密武器店へ行ってみる事になった。
 ここは私が店を開く前からあるのだが、なかなか商品が揃わないとかで、
店を開けている時に来た試しがなかったのだ。扉を開けて階段を上ると、頑強
そうな造りのカウンターの前に数人のお客がいた。
949 ◆Y2NezmymcE :03/08/09 03:54 ID:mQa2xP07
 それでは選択です。
<ドレス組> 今回は大変です。パノンのだじゃれを考えてくださいw。
 なお、今回は、他の組の選択だけしてくださってもOKです。その場合は、
 私が考えただじゃれを出す予定ですが、思い付かない可能性が高いので、
 だじゃれのないパノンの話になると思ってください……。 

<偵察組> フレノールまでの道中、どちらの話を聞いてみたいですか?
 3.クリフトが思い出語りを始める 4. ソロが今朝の夢について話す

<情報収集組>誰に話しかけますか?
 5.店の人 6.お客
950 ◆Y2NezmymcE :03/08/09 04:04 ID:mQa2xP07
 新スレ立ちませんでしたー。どなたかお願いします。
1はこんな↓感じで。2からは>>899-901>>902のライアンに「鉄の爪を所持」が
加わります。最後に>>905です。テンプレの量が多くて大変だと思いますので、手分けして
やるように声をかけていただくといいかと思いますm(._.)m

【皆で】DQ4ゲームブックスレ【選択】

 ゲームブック形式でドラクエ4のSSを作っていくスレの3代めです。
 最燃トーナメントの4勇者支援として考えられ、スレを乗っ取る形で
始まりました。ゲームマスターを交代しながら続いています。
 さあ、あなたもマスターになったり、選択したりして参加しよう!

 ルールやこれまでのあらすじを知りたい方は>>2-10のどこか

2代めスレ デスピサロの曲を聴きながら会話するスレ
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1036693678/l50
初代スレ ヽ(´∀`)ノ ワーイ教発足
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1024470060/l50
*どちらも、FFDQ千一夜サイトに過去ログがおかれています
http://www3.to/ffdqss
立ててきましたー。
連投規制に引っかかって、宣伝が間に入ってしまいました。スマヌ。
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1060386948/l50

選択は
4と6で。
だじゃれは思いついたらまた書きにきますw
952 ◆Y2NezmymcE :03/08/09 10:37 ID:dCFHcVWO
951さん、早っ!!!
ありがとうございました。

ええと、今回の選択まではこのスレにして、
選択結果から新すれを使おうと思うのですが、
即落ちって、今も続いていますか?
即落ちしちゃうなら、新スレに書き込んだ方が
良い事になってしまうのだけど。
3、6で
ダジャレはオヤジギャグしか思いつかなかったので省略…
954 ◆Y2NezmymcE :03/08/10 00:34 ID:QFa8FSp+
ご参加ありがとうございますヽ(´∀`)ノ 
基本的なルールはナナシクラゲさんの>>75をご覧ください。
3番1票、4番1票、6番2票で、先着順に

<偵察組> 4. ソロが今朝の夢について話す
<情報収集組>6.お客に話しかける

となりました〜!
 今から書いて、新スレに貼りますので、以降のこのスレは
「パノンのだじゃれ募集スレ」にさせてください(w。

 953さん、オヤジギャグ大歓迎でつよ!!!
955953:03/08/10 00:45 ID:u2od7Zt0
では遠慮なく…

「このキムチおいしくて、キムチいい〜」










(;−w−)やべー
こんなスレもありますね。
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1048895865/l50
957 ◆Y2NezmymcE :03/08/13 11:44 ID:5ITmIocP
 なんとか一旦パノンは退場です……。

 >>953さん、あの世界にキムチはあるんでしょうかっ!?

 ということが気になって、 考えていただいたのに使えませんでした。
ゴメンナサイ。パノン再登場に向けてまた考えていただけると嬉しいです。

 ライアン死んだら…スレは知ってましたけれども。あそこで考えられて
いたのを勝手に使ってもいいのかなあと。どうなのかしらん。
958山崎 渉
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン