【ほのぼの】はぐれ巨大娘ほのぼの派:2店目

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1juuroku
大きいけれど泣き虫で、強いけれど天然ボケ、巨大娘フェチのニューウエーブ。
癒されたい人、萌えたい人、いらっしゃ〜い!
ほのぼの系巨大娘フェチ2号店開店でござーい!
煽り、業者は入店お断り・・・のほほん、また〜りsage進行で参りましょう。

ちょっとお色気、ちょっと大破壊(意味不明、笑)も、メニューにはあるようです(汗

前スレ
【巨大娘】はぐれ巨大娘ほのぼの派【ほのぼの系】
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1034944944/l50

関連スレ、関連サイトは>>2>>3
2juuroku:02/12/15 15:43 ID:inoTlBDz
関連サイト
神社モドキ(リンク)       
ttp://www.bb.wakwak.com/~yunzo/Modoki-links.html
3名無しさん@ピンキー:02/12/15 15:56 ID:3x2YdAcq
>>1
乙〜。
4名無しさん@ピンキー:02/12/15 16:00 ID:vHjZm73F
┌┐∧
[◎ ]` )  <うおぉ 重複スレや ハァハァ
\  \    
| | |  
(_(__)
5juuroku:02/12/15 16:15 ID:inoTlBDz
>>4
3店目にするべきだったかなぁ・・・
でも開店準備中に落ちちゃった訳だし・・・ぶゆゆぅ
6Pz:02/12/15 21:08 ID:zU8L5Ey0
新スレ開設お疲れです。
またあなたが1になってしまいましたね。
よろしくお願いします。
書き込み無いとすぐに落ちるか。
油断できないな。
7juuroku:02/12/15 23:54 ID:inoTlBDz
>>6
肩の荷が下りる筈だったんですけどね・・・

ちゃんと保守して欲しかったなぁ
旧新スレ(dat落ち)
【巨大娘】はぐれ巨大娘ほのぼの派【2号店】
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1039719391/l50
8callon:02/12/16 15:59 ID:weqIZIwP
 数年前からオグルがアルツ山に住み着いたという噂は耳にしていたが、王国の人間はそれ程気
にも止めていなかった。
 しかし狩人の獲物が目に見えて少なくなり、行方不明になる者が出るようになって、王はよう
やくその重い腰をあげオグル討伐軍を派遣することにしたのだった。
 莫大な褒美と名誉につられて多くの騎士たちが幾度となく出かけていったが、成果をあげてき
た者はおろか、無事に帰還した者も数える程しかいないという体たらくだった。
 無理もない、山の中はオグル達の領土であり、土地カンのない右も左も判らないヨソ者はただ
闇雲に進んで自らの命を捨てに行くのだった。
 さらに悪い事に討伐軍の主力を成す騎士達はオグルを見たこともなければ、どのようなものか
すら知らない者ばかりだった。
 人間の三倍はある巨体と怪力、鋭い爪は鎧を切り裂き、大きな牙は頭蓋骨をも噛み砕く。角の
生えた頭の中に詰まっている狡猾さを合わせれば、自分達の土地に入り込んで来た小さな者たち
を一網打尽にし、夜の食料とすることくらい造作もないことだった。
 やがて討伐軍に参加する兵や騎士たちがいなくなると、正規の訓練を受けていない傭兵、無頼
漢、流れ者等一癖も双癖もある連中による討伐軍が組織された。彼らは王によって更なる報奨と
して近衛師団の末席の地位を約束された。
 しかし完全武装の騎士たちですら叶わなかった相手に素人同然の者が立ち向かっても歯がたつ
はずもなく、近衛師団の末席は空席のままだった。
9callon:02/12/16 16:01 ID:weqIZIwP
 討伐軍に参加する事は死を意味していることくらい王国の人間は誰でも知っていた。
 参加するのはよほどの命知らずか、死を覚悟した追い詰められた者だけだった、そしてフレイ
もその一人だった。
 貴族とは名ばかりの貧乏生活、領地は痩せこけた猫の額ほどの農地と耕すどころか立ち入るこ
ともままならない荒れ地。食べていくのがやっとといった生活では、五人兄弟の末っ子であるフ
レイが騎士になることなぞ夢の彼方の事でしかなかった。
 しかし討伐軍に参加した兄たちが次々と音信不通になると一家の名誉と未来はフレイの双肩に
かかってくるようになった。無理矢理「騎士見習い」という肩書きをつけられたフレイは、役人
から「国王からのじきじきの命令書」とやらを受け取るとオグル討伐へと出発したのだった。
 フレイを含めて五人のパーティーのうちまともに武器を扱えるのは、フレイと元傭兵だった大
男、イカサマの決闘をやって投獄されていた門閥貴族の三人しかいなかった。
 後の二人は怪しげな薬を調合する小男と青白い幽霊のように痩せたどう見ても役に立ちそうも
ない坊っちゃん。不安と絶望の入り交じったパーティーは気合だけでアルツ山へと向かっていっ
た。
 二日目、三日目、次第に山奥へ入ってゆくフレイ達の前にオグルはおろか、獣一匹姿を現さな
かった。
 皆オグルの食料になってしまったのか?
 物音一つしない山道は地獄へ続く一本道のようにも見えた。やがて立ちこめてきた霧はフレイ
達の一行を包みこむ死の空気のように感じられた。
10callon:02/12/16 16:02 ID:weqIZIwP
 四日目、一行は尾根へと出た。
 細い獣道の両側は切り立った崖、はるか下では青黒く光っている激流が岩を食んでいた。反対
側は深い森、一度入ったら帰ることが出来ないため、残された者たちが悲しむと言われている「悲
しみの森」、どちらに落ちても命の保証はなかった。
 尾根はやがて別の尾根と繋がり山の中腹で大きな窪地を作り出していた。山腹には無数の洞窟
や洞穴が開いており、どうやらここがオグル達の本拠地のように思えた。
 と、突然坊やが何かにつまづいて転んだ。坊やの足元に転がっていたのは白骨、それも頭蓋骨
だった。
 首の根元から折取られ、後ろをかち割られて中身をすすられた哀れな犠牲者、そして自分たち
の未来の姿だった。坊やは手にしていた骨を投げ棄てると恐怖の余り失禁し、大声で泣き叫びな
がら今来た道を駆け戻ろうとした。
 一行は慌てて坊やを引き止めようとしたが遅かった。坊やの叫び声は山腹に響き渡り、最も逢
いたくない連中を呼んでしまった。
 二本の角を頭に生やした巨大なオグルの影が二つ三つと洞窟から姿を表わすと、一行は恐怖に
囚われた。もはや戦いどころではなかった、彼らは先を争うように尾根を駆け降りていった。
 そして次の瞬間、一行は斜面を転がり落ちある者は森の中へ、またある者は谷川へと消えてい
った。
 フレイもまた例外ではなかった。斜面を転がり落ちるときに見えたものは青黒い水と、白い渦
だけだった。
 こうしてフレイたち一行の討伐隊は、その目的を果たす間もなく壊滅状態に陥ったのだった。
11名無しさん@ピンキー:02/12/16 19:44 ID:fWJd8LyW


話題の奥様顔出しアルバイトビデオ!SM男優のテクにバイブで泣き顔、アナルで失
神!大興奮!
http://www.oku3.net/video.html
12ゆんぞ:02/12/17 01:18 ID:26S6TsU9
スレ立て お疲れさまでした>16
最初立てたときは、まさかこんなに早く二号店が出来るとは思いませんでしたね。
良いことでアリマス。
13callon:02/12/17 16:53 ID:xVKKurVZ
ELFENWALD 新スレで連載!と思ったけどファイルを分割してアップするのが
面倒いので止め!

pine.zero.ad.jp/callon/ELFEN/elfenwald00.txt

プロローグですだ
14juuroku:02/12/18 01:47 ID:R8Xp0lt3
>>12ゆんぞさん
うい。
豪華な特急列車に乗ってマターリしてたってトコですかね。
「え、もう着いちゃったの?もっと乗ってたい〜!!」なんて(w

あ、店だったねココ(汗

>callonさん

面倒臭かったですか〜(w
callonさんにはcallonさんのやり易い方でご参加ください〜
15ゆんぞ:02/12/18 02:16 ID:OwlbxHWL
>>13
既に前スレの
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1034944944/732
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1034944944/836
で出ていますから、重複して出す必要も無いと思いまする。
16名無しさん@ピンキー:02/12/18 13:40 ID:QiXsFyhx
 
17callon:02/12/18 23:48 ID:KwnXedpO
海外サイトからのダイレクトリンクを発見したので
ページを移動してリンクをちょん切ってやりました!

その関係でアドレスを再掲載している次第でごんす!

pine.zero.ad.jp/callon/ELFEN/elfenwald01.txt 
pine.zero.ad.jp/callon/ELFEN/elfenwald02.txt 
pine.zero.ad.jp/callon/ELFEN/elfenwald03.txt 
pine.zero.ad.jp/callon/ELFEN/elfenwald04.txt 
pine.zero.ad.jp/callon/ELFEN/elfenwald05.txt 
pine.zero.ad.jp/callon/ELFEN/elfenwald06.txt 
pine.zero.ad.jp/callon/ELFEN/elfenwald07.txt
18callon:02/12/18 23:57 ID:KwnXedpO
第8話 は年内にアップの予定

冬コミは物理的に間に合わない事が判明したのでパス

来年はイベントにがしがし参加する予定っスよ!
1910ぺーじ:02/12/19 00:13 ID:tK6UayWG
本店終了ムードなので、こちらに来ました。
うんで、水穂の巫女4をUPします。
あ、1000キターを迎えずにあちらは終わってしまいそうですね…(w

>juurokuさん
また、1さんですね(w
これからまたよろしくお願いしますなんです。

>callonさん
ども。はじめまして。
読んでいきなりエルたんにハァハァです…(w
フレイが胸ん中入るのはうらやましい限りです。はひゅーっ
2010ぺーじ:02/12/19 00:15 ID:tK6UayWG
4

「〜♪〜〜♪」
「こんちわーっ。」

僕はまたしても、神社に現れた。
昨日の巫女さんが、変わらない姿で中を歌いながら掃除していた。
水のように透き通った、綺麗な歌声。
リズムに乗せて、ほうきを動かす。
僕にも、その歌声は届いていた。
巫女さんは僕に気付くと、歌うのをやめて微笑んだ。

「こんにちは。」
「あれ?」

僕は、神社の社に近づく。

「…おでこ、どうしたの?」

巫女さんは、手を僕から遥か上の額にあてた。
真新しいバンソウコウのようなものがついていた。

「あ、ええ、ちょっと…また梁にぶつけてしまったのです…私、背が少したか…」

がんっ。

「いっ…!…うぅぅぅ…」

かわいそうに、巫女さんはまた梁に頭をぶつけてうめいていた。
2110ぺーじ:02/12/19 00:16 ID:tK6UayWG
この巫女さんも、案外とんまな…

「大丈夫?」
「…はい。心遣いありがとうございます…どうも、私には少し狭いみたいで…」

巫女さんは、僕の頭を軽く撫でた。
相変わらず、巫女さんは言葉が丁寧だった。

「僕、武蔵 豊(たけくら ゆたか)って言うんだ。学校では"ゆんぞ"って呼ばれてる。巫女さんは何ていうの?」
「私…ですか?」

巫女さんは、一瞬驚いて、困ったような顔をした。

「…それでは、ミズホ、と名乗っておきます。」
「だめぽ?」
「ミ・ズ・ホ、です。」

案外普通な名前だった。
学校の一学年に、三人はいた。
全然違うことを言ってるはずなのに、巫女さんは怒るどころか、ニコニコとしている。
何を言っても変わることはない、太陽のように。

「じゃあ、ミズホお姉ちゃんだね。ミズホお姉ちゃんに聞きたいころがあるんだけど、いい?」

僕がそう言うと、ミズホお姉ちゃんはほうきを持つ手を止めて、僕のほうを向いて腰を屈めた。
やっと、目線が楽になった。
顔が、僕のおでこくらいまで来る。
でも、ミズホお姉ちゃんの腰の位置は、僕の肩と同じくらいだから、ミズホお姉ちゃんにとってかなり窮屈な姿勢かもしれない。
吐息が、直に僕の肌をくすぐる。
何かの花の、いい匂いがした。
2210ぺーじ:02/12/19 00:17 ID:tK6UayWG
「はい。私に答えられるものでしたら、どうぞ。」
「だいだらぼっち、知ってる?」
「…だいだらぼっち、ですか?」
「うん、雨が降ってる朝、神社から降りてきて、畑の野菜を食べちゃうんだ。」
「…そういう人ですか?」
「ううん、違くて、ものっすごい大きな巨人なんだ。おうちより大きいんだ。」

巫女さんは、八の字を作りながら少し考えて言った。

「…いいえ、存じませんね…。」
「えー…そう…。」
「お役に立てられなくて、すみません。」
「え!?謝ることなんてないよ!ちょっと残念だなって思っただけだから!…あ、掃除とめちゃったね!続けててよ、僕待ってるから!」

僕は、赤くなってくるりと後ろを向いて、社の段に座り込んだ。
どうにも、こんなに言葉が丁寧だと、なんだかギクシャクしてしまう。
それに…何だか、すごい近くで見ると、ドキドキする…。

少し間を置いて、ほうきの音が再び響き始めた。
そして、ミズホお姉ちゃんはまた歌いだした。

わのはたさ ざっぱえぬ(私の畑には 雑草は生えてない)
ううすずしろも めべぇねえ(植えた大根も 芽生えない)
どさこい えどよか いがつちぞうが(土壌は肥えて 江戸より いい土なのに)
あみゃねぇ ふんねど なんねぇべ(雨がない 降らないと 意味がない)
いぐべ さぁやすろ あまみなほ(行こう 社へ 天水穂を拝みに)
おどりゃ わすの かねめさね(あなたは 私たちの 要なんだ)
あめや ふれ あめや ふれ(雨よ 降れ 雨よ 降れ)
わのはたさ うわに(私の畑の 上に)
2310ぺーじ:02/12/19 00:18 ID:tK6UayWG
「…それ、何の歌?」

僕が、ミズホ姉ちゃんに尋ねる。
ほうきの音を消して、答えた。
僕を、お日様の笑みで見下ろしてくれる。

「この町の、江戸時代頃の雨乞い歌です。」

そして、また歌いだす。

綺麗な歌声は、町の全体に響く。
そして、命の雫となって、畑に降り注ぐ。
朝露となって。湧き水となって。そして、雨となって。
水の歌声は、町を生かしてくれている。
町の人々の笑みを、喜びを作ってくれる。
天水穂神は、その笑みを愛してくれたに違いない。
きっと、きっと。


「お待たせしました、終わりましたよ。」

ミズホお姉ちゃんは、お盆にお茶を乗せて出て社から出て来た。
この辺りや、西東京でよく栽培されている、狭山茶の匂いがした。
うちで飲むお茶の葉も、大体狭山茶の葉なんだ。
僕がそれを取ると、辺りに湯気とお茶の香りが広がった。
2410ぺーじ:02/12/19 00:20 ID:tK6UayWG
「うちのより、おいしい。」
「農家の方が、丹精こめて作ってくれたんですね。」
「そうじゃないよ。お茶は、いれ方で味が変わるんだって。」

どんなに苦いお茶でも、上手い人がいれるとおいしく飲める。
うちのは残念、葉っぱが大量に混ざった入れ方の、苦ーいまずさがある。

「そうなんですか?」
「うん。お姉ちゃんがいれてくれたお茶、ものすごくおいしいよ。」
「いえ、そんな…」

ミズホお姉ちゃんは、真っ赤になって慌ててお茶を飲んだ。
でも、激しくむせた。

「…お姉ちゃんって、意外とマヌケなんだね…」
「はうぅ…」

お姉ちゃんは、がっかりしてうな垂れた。
目じりに涙をためている。
やっぱり、ミズホお姉ちゃんも、普通の女の子なんだ。背が高い以外は。
…ちょっと天然が入っているけど。

僕は、やっと本題に移ることが出来た。

「…天水穂神って、どんな神様なの?」
「え?あ、はい。」

ミズホお姉ちゃんは、お茶碗を置いて空を見上げながら、その声を僕にかけてくれた。

「…この町の氏神であり、雨を司る神であり、そして、この辺りの農耕の神です。」
2510ぺーじ:02/12/19 00:22 ID:UQzUIjSp
日本全国の農耕を司る神は、大気津姫神(オオゲツヒメノカミ)。
スサノオに殺された時に、この日本に五穀をもたらした、と古事記には書いてある。
世界の神話にも、必ず農耕の神がいるんだ。
メソポタミアのイシュタル、ギリシアのデルメルなどなど。
不思議なことに、国問わず農耕の神は、ほとんどが女神なんだ。
神話とかが好きだった僕は、それも知っている。
戦の神も女神が多いけれど、「それは単なる萌えの追求だ」と、僕のお父さんは睨んでいる。
…そう、睨んで、いる。

「女の人?」
「はい。大気津姫神の下、西武の農耕を任された女神です。」

イスラムの国のように、アラーだけが神、という発想じゃなくて、たくさんの神様がこの国を守ってくれている、ということが第一原則なんだ。
氏神は、それだけが専門の神もいれば、兼職の形でなる神様もいる。
農業の盛んなところでは、農耕の神が氏神で、商業の盛んなところでは、商業の神が氏神なんだ。
特に、全国に一番多くいたのが、稲荷神社に祭られている、稲の神様兼氏神なんだ。
まるでそこに派遣された、守護や地頭のようで全然違う、全国の神様。
そしてここには、雨の少なさを補うための、雨の神様がいる。

「神と言うものは、信じる人がいなければ、そこにいる意味をなさないのです。」

ミズホお姉ちゃんは、微笑を浮かべてはいたけれど、何故か悲しげだった。
悲しいほど綺麗だ、という表現は、上手く出来ているものなんだと、僕は思った。

「江戸時代が終わるまで、この国にはまだ多くの神がいました。けんかをして、自分の土地を広げようとするくらいに。」

神様だって、人とあまり変わらない。
けんかもすれば、恋愛もする。
不老不死とは言うけれど、親神から生まれては、傷付けられて死ぬものなんだ。
2610ぺーじ:02/12/19 00:23 ID:UQzUIjSp
「しかし、存在すら忘れられた神は、昭和の始まりを機に、次々と消えていきました。その姿を捨て、狐や狸に化けた神も…人によって滅ぼされて行ったのです。…今の稲荷神社というものは、もうほとんどが抜け殻なのですよ。」

風が吹いた。
山に生えた竹やクヌギの木が、ざわざわと音を立てて歌う。
今は、何もかも信じない人が、増えている。
それが神の恩恵だ、ということさえ忘れられてしまうと、もう、ただ消えるのを待つだけの存在になってしまう。

「でも、天水穂神は、まだ忘れられてはいないんです。この、雨の少ないこの土地で、神さえ見捨てた時、それは、農耕地としてのこの土地が、滅びる時なのですから。」

ミズホお姉ちゃんは、社の方へ振り返った。
さっき、誰かが置いて行ってくれたんだろう。
真新しい野菜のお供え物が、編みかごの上に乗っていた。

「天水穂神には、信じている人がいるのです。だから、今もこうして、早朝雨を降らせているのですよ。信じている人のために。自分の存在を覚えていてくれている人のために。」
「僕、信じてるよ。」
「…え?」
「天水穂の神様、信じてるよ。いつか、その女神様と会うんだ。」

お姉ちゃんは、ただ呆然と僕を見た。
そして、ぱっと、明るい笑顔になった。

「…きっと、喜んでいますよ。」

ミズホお姉ちゃんの、一番の綺麗な笑顔だった。

「人を創造した神も、人によって創造されているのです。そして、互いに存在を認めてもらえることで、共存をしているんです。」

その日も、西の空は真っ赤な夕日を浮かべていた。
明日も、よく晴れるだろう。
2710ぺーじ:02/12/19 00:25 ID:tK6UayWG
…また巨大娘から離れてきてしまったような…
う〜スレ違いの文章になってしまう…(嘆
まただいだらぼっちを復活させなければっ!!
28☆娘:02/12/19 02:39 ID:Pb87d17X
>10ペ−ジ様
>また巨大娘から離れてきてしまったような
そんな事無いですよ、足下がしっかりしている方が読んでいて気持が良いです。
ミズホさんとの交流で、感情移入し易くなりました。
のんびり感が堪らなく心地よいです。
29名無しさん@ピンキー:02/12/19 06:27 ID:1nLzZt3x
意欲を萎えさせたらごめん。
でも神話や物語の中にちょいと入れるだけってのはどうかと思う。
神話なんて好きでもなんでもない人から見れば読み飛ばしの対象だよ。
作者からすればこれまで貯めた知識があって書きやすいんだろうけど。
30ゆんぞ:02/12/19 14:33 ID:nr/cIleZ
人の信心が支える存在でしか。
俺もそれ考えとったんよ(笑)。

>>29
>>25 の独白の部分ですね。
確かに省略も可能でしょうが、現状でも流れを壊すほどではないかと。
というより、流れを保ちながら深みを増すように書いていると私は思いました。
31Pz:02/12/19 15:29 ID:QfJ3W85O
このようなディテールの細かさは物語の厚みを増すのには
有効ではないでしょうか。
おそらく、中、長編を目指しての創作でしょうからキャラクターの
性格付けをするには良い表現手段ではないかと思います。
ミズホさんの細かなしぐさ、表現がよくなってきました。
これからが楽しみ。

32juuroku:02/12/19 22:48 ID:VT257suX
>10ぺーじさま
焦ってはいけませんぞ〜(w
じっくり書き込めば、それだけ出現後の存在感に厚みが増す。筈・・・

独白の部分、私も気にはなったんですが。
こどもって、情報の吸収力高いから、
小難しいこと一所懸命考えちゃうもんですしね。
言葉に出すと破綻してたり、上手く表現出来なかったりしますが(w

これからも楽しみにしてます〜
33名無しさん@ピンキー:02/12/20 03:29 ID:m879TPi/
ミズホタンハァハァ
34名無しさん@ピンキー:02/12/20 11:00 ID:JKV0cyvA
僕は巨大娘から見てハムスターとかの小動物サイズくらいで
肩に乗ったり服の胸ポケットにはいったりしていたいです
保護されてるなぁって実感したい、優しい巨大娘に。
皆さんもどうですか

でも、本音を言うと自分が小さくなったほうが趣味なんだよねw
上記のことも。ごめんなさい
35juuroku:02/12/21 05:03 ID:xmFCRoNN
>>34
良いですよね、優しい巨大娘。
このスレに来る人は、みんなそうゆうのを望んでるのでは。

でも、巨大ってことは望む望まずに係わらず、周囲にいろんな影響を
与えちゃうんです・・・ここも無視するわけにはいかない。
そこに萌えたりもするわけですが(汗)

シュリンカー(自分が小さくなる)のスレもあると思うので探してみてはどうですか。
36名無しさん@ピンキー:02/12/21 20:54 ID:/VEIXfKN
age
37 :02/12/21 20:59 ID:vLaa+lSY
いきなり炉まんこ
http://webindex.at/omanko
炉 パスクラ
38名無しさん@ピンキー:02/12/22 02:01 ID:R1tVh+pm
>10ページ様
伝奇モノとか御好きなんでしょうか?
3910ぺーじ:02/12/22 10:05 ID:JGDFIe1H
>38さん
昔は好きでしたけど今はあんまりです。
どっちかっていうと、もう無神論なんですけど。
書いてるうちに主旨とはよからぬ方向へ逝ってしまったんですけど、ちゃんと巨大があるんで…
最初の独白はああ、このアホ野郎の駄文なんだとか思ってください。

>34さん
激しく同意です(w
保護されるって、いいですよね。
俺が、喰らい系があんまり好きではないんで。
保護が巨大でなくてシュリ系であっても最高です。
ビバ、スモールライト(w

今日のうちに5話上げます。
とうとう巨大に書きつくことが出来ました。
巨大度は…普通の人間の20倍です。
10倍の方が好きですけど、何となくこっちで。(w
40名無しさん@ピンキー:02/12/22 15:15 ID:9CsYACSk
喰らいとシュリは激しくスレ違い

41ゆんぞ:02/12/22 15:18 ID:JWd2mMJl
>>34
どうですか? って、独り占めはゆるさん(藁

海外でも gentle モノはシュリが多いようです。
小さくなった主人公にとって周りの全てが脅威になるから
女の子に保護される話が書きやすいんではないかと。
4210ぺーじ:02/12/22 18:29 ID:JGDFIe1H
5

その後も、僕は神社へ通った。
いっぱい話をした。
この前の、箱の中に入っていた石像は、天水穂神に似せて作られたものなんだって。
それとか、天水穂神は、大根が大好物なんだとか。
大根と言えば、関東ねぎや狭山茶と並んで、この町その周辺の特産だ。

ミズホお姉ちゃんが農道を歩けば、みんなが声をかける。
今もたくさん残る農家の人にとって、天水穂神の神社の巫女さんは、まるでアイドルのような存在だった。
トラクターが、調子のいい唸りを上げて、春の畑をかき回す。
ミズホお姉ちゃんが歩いた道の横には、笑顔の花が咲いた。

『その百姓の笑みの、神歩きしその畔の横に咲きたる、秋、豊となりて百姓を報わん。
五穀にはならざれども、天水穂と百姓、二者の幸、喜となりけり。
秩父の干し年、江戸を囲む村々、また干けり。
荒川・坂東の枯るる時、柳川もまたしかれども、尚、同じく実らん。』

お父さんの持っていた大きな本にも、過去の文の引用が書いてあった。
天水穂神も、こうやって、畑を回ったんだろうな。

ただ、お姉ちゃんの歩くその先は、お米の自販機だったけど。
4310ぺーじ:02/12/22 18:30 ID:JGDFIe1H
その間にも、だいだらぼっちは畑に現れた。
日曜日の朝に、とにかくシュツゲンした!
それ以外の日は、出ない。
NHKの天気予報で浦和に開いた傘マークが出ないと、土曜日は雨が降らない。
だいだらぼっちは、茶畑の方には行かない。
これが、僕が1ヶ月観察して、天気を見て分かったこと。
天気のことは、最近になって分かるくらい、些細なことだった。

でも、僕はだいだらぼっちの正体を見たかった。
僕が足元のベランダにいても、気付いてない。
これなら、ついていっても気付かなさそうだ。
あのとんまなだいだらぼっちが、一体全体何者なんだろう。
僕は、今度のゴールデンウィーク中の日曜日に、行動に移ることにした。
5月4日、国民の休日。
どうせうちは家でごろごろしてるだけ。
お母さんもお父さんも、わざわざ旅行へ行くよりそっちの方が好き。
自分の田舎もここだから。

僕は、5時よりもっと早くに起きた。
服を着て、靴下を履いて。ソウビヒンを全部ソウビした。
家を出て、自転車に乗りながら、駐車スペースのアーケードの下で現れるのを待つ。
自転車のタイヤは、硬い。
さぁ、出て来い!
僕は、あまがっぱのフードの下でニヤッとした。

果たしてだいだらぼっちは、僕の真上に現れた。
瞬きする電柱の蛍光灯の下には、轟音を連れた巨大な足がある。
ゆっくりと、ゆっくりと、畑へ歩いて行く。
僕は、その脚の下を音を立てないようにして後をつけた。
4410ぺーじ:02/12/22 18:35 ID:4jUSxAiY
だいだらぼっちは、電車の線路を跨ぐと、やっと止まった。
無気味に光る信号機は、その下で、まだ来ない日の出を寂しく待っている。
雨に濡れて、噴水を照らすランプみたいだ。
少し離れた「見切り踏切」で、僕は自転車を乗り捨てた。

だいだらぼっちはいつもと同じように、腕を広げる。
山から山まで、手が伸びた。
その手は、形が整っている。
指が長く、細くて…そう、女の人のような手。
…女の人の手?
もしかして、このだいだらぼっちは、天水穂神!?
…神様が泥棒するなんて、滑稽な話だ。
それも、まだ春だから実ってもいないのに。
それに、とんまな神様がいてたまるか。
僕はあっさりその考えをあきらめた。

3m半くらいある手が、天空から下りてきた。
地面に突き刺さり、畑の花をさらっていく。
…食べているような音はしない。
歯軋りもない。
そして、元あったところに戻す。
いったい何のために…。

突然、線路ぎわの茂みにいる僕の、足元を何かの群れが通った。
びっくりして、声を上げそうになる。
その群れは、だいだらぼっちの体を登っていった。
4510ぺーじ:02/12/22 18:38 ID:4jUSxAiY
その小さな体が大きな体を登りつめた時、体の割に小さな、そして綺麗な声がささやくように響いた。

「ごくろうさま。」

普通の日本語だった。
女の人の声。
水のように透き通る、慈愛に満ちた優しい声。
すると、群れは、甘えるように口々にのどを鳴らす。
…鳴き声は狸に違いない。

「秋の収穫まで、我慢してね。私も、頑張るから。」

また、狸の甘える鳴き声が聞こえる。

「え?そんなことないよ。この町の人たち、いい人ばかりだから。それに、まだ私、生きていける。」

狸の鳴き声。
真下から、鳴き声が降りてくるビルを見上げている僕には、何が起きてるんだかわからない。
ただ、右手がときどき群れがいる左肩に向かって近づく。

「あははっ、だって、私も忘れられちゃったら、着ぐるみみたいな大きな狸が出て来ることになるんだよ。」

笑いを含んだ声は、狸たちをあわてさせる。
そして、一声吠える。

「はうっ!?こらっ!」

だいだらぼっちの声が少し大きくなった。
…何を狸に指摘されたんだろう。
4610ぺーじ:02/12/22 18:38 ID:4jUSxAiY
続けて、狸が口々に鳴く。

「え?…うん。…武蔵 豊くんって言うんだけど、私のこと、信じてくれてる。いつか会いたいって言ってたけど、こんな私見たら、怖がっちゃうんじゃないかな。」

僕の名前が、出た。
驚いて、隠れてた茂みから立った。
…何で、僕の名前、知ってるんだろう。
やっぱり、天水穂神なのかな…?

「…さあ、そろそろ雨止める時間だね。」

手のひらに乗った狸たちが、近くに降り立った。
瞬間、雨がやむ。
そのとき、一匹の狸が唸った。
さっきに比べると、明るくなったそこでは、もう、僕が隠れていても見つかってしまう。
狸たちの顔がこっちを向いた。

「…どうしたの?」

だいだらぼっちがこっちを向いた。
下は狸に囲まれて、僕はもう逃げられない。

空から、大きな手が下りて来た。
あっけなく、僕は捕まえられてしまう。
…人の肌のぬくもりがあった。
いきなり、エレベーターみたいな感覚が僕を襲う。
その大きな手のスキマから入ってくる空気が、冷たかった。
体中が重くなって、少し苦しい。
僕は目をしっかりとつぶった。
4710ぺーじ:02/12/22 18:39 ID:4jUSxAiY
「…豊くん…!?」

僕が、眠りからさめたように目を開ける。
朝日が山の合間から顔を出すと、その正体もやっと分かった。

「っ!!…そんな…!」

大きな八の字の下の目が、僕を見つめていた。

「…ミズホお姉ちゃんが…」

僕は信じられなかった。

「…豊…くん…」

僕は、言葉をなくした。
何でだか、泣きたくなった。
ミズホお姉ちゃんがだいだらぼっちの正体だったからって、何で泣くんだ。
別にいいじゃんか。
ミズホお姉ちゃんは、確かに巫女さんだって、言っていた。
でも、ミズホお姉ちゃんが、天水穂神だったなんて。
だから、何が悪いの?別にいいじゃんか。
でも…。
…。

混乱する僕の心は、目の前の事実を素直に受け入れられなかった。
僕が勝手に想像した夢は、その目の前でぼろぼろと崩れ落ちてしまった。
トトロのときと、同じように。
ミズホお姉ちゃんが悪い、なんてことは絶対ない。
勝手に想像した僕が、勝手に落胆してるだけなんだ。
でも、どうして落胆なんかするんだ。
4810ぺーじ:02/12/22 18:44 ID:4jUSxAiY
「…ごめんなさい。騙すつもりはなかったんです…。でも…これが…私の本来の姿なんです。」

30メートルより高い手から落ちた涙は、音も殺して畑の中に消えていった。
雨に濡れた大根が、その涙を受けて大きく葉を広げた。

「でも…嬉しいです。」

ミズホお姉ちゃんが、その大きく、長い指で僕の体を優しく包んだ。
僕は驚いて、大きなミズホお姉ちゃんを見上げた。
いつもの、何かの花の、甘い匂いがした。

「…私に会うことを、楽しみにしていたんですよね。夢見ていたんですよね。…はじめまして。私が、天水穂神です。」

ミズホお姉ちゃんは、笑ってくれた。
朝日に照らされた笑顔は、僕の涙を消してくれた。

「…はじめまして。ボク、たけくら ゆたか!」

僕は、やっと、素直に喜ぶことが出来た。
また、新しい日々が、僕を待ち受けていた。
49juuroku:02/12/23 02:40 ID:yTYy6uwd
>10ぺーじさん
ついに登場しましたね〜(あ、登場はしてたっけ(汗
だいだら法師にしては小さいかな、なんて(ゲゲゲの鬼太郎に出てきた方のイメージがあるんで、汗

信者が多くなるとどんどん大きくなるとか(w

これから、ほのぼのとした交流が始まるのか、それとも!?
50白兎:02/12/23 18:36 ID:yl1id8G4
皆さんご無沙汰しておりました、って既にあんた誰状態ですが…(汗
遅ればせながら新レスおめでとうございます〜、
juurokuさんまたお世話になります!
新人さんも活躍中で喜ばしい限りですね。

てなことで何とか間に合ったクリスマスネタです
よかったら見てやってくださいまし。

ttp://members.tripod.co.jp/ryu_no/santa_gts.jpg
51名無しさん@ピンキー:02/12/23 19:16 ID:8AsSPmct
age
52juuroku:02/12/23 22:56 ID:yTYy6uwd
キターーーーー!

お待ちしておりましたぁ
これからも御贔屓に(w)

こんなサンタさんに煙突から入ってきて欲し〜〜〜ぃ。無理っすね(汗

いつもにも増して、優しさに溢れてますね。
メリー・クリスマス


あ、普通のサンタ、からまってるヨ・・・・・・
53TRPG好き:02/12/23 23:24 ID:eLWTov6F
どーもー久方ぶりのカキコです。
>juurokuさん
新スレおめでとうございます♪
結局、氏が立ててしまったようで(w

>白兎さん
またまたいい絵です。
>って既にあんた誰状態ですが…(汗
大丈夫です。そんなことないって(w
それに知らなかった人も今回で覚えてくれたでしょう(w

>10ぺーじさん
はじめまして、ここではTRPG好きと言います。
前スレから読ませていただきましたが、いいお話だと思います。
世界観もしっかりしているようですし、何より全体の雰囲気が
とても暖かく感じられます。
無神論者ということですが、案外そのほうがこういった話を書ける
こともあります。自分もTRPGでファンタジーやってますけど、
本人はいたって無神論者だし(w
ともかく、これからが楽しみです。ゆっくり焦らず頑張ってください。
おまけ
でも、ひとつだけ突っ込ませてくれるのなら、そして間違っていたら
ゴメンナサイなのですが・・・
ゆたかクンのお父さんの知識、考古学というよりは民俗学の
それではないかと…

長文ゴメンナサイ
それでは
54名無しさん@ピンキー:02/12/23 23:30 ID:yUCRNiCn
キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_-)=゚ω゚)ノ━━━!!!!
サンタさんイイ!



前スレ、書き込めなくなったね
55ゆんぞ:02/12/24 00:04 ID:1kI+AUou
>>48
良いなあ、すごく良いです。
なぜか泣いてしまう豊くんと、それを優しく抱きしめるダメポ……もとい水穂たん。
「はじめまして」という台詞が凄くいい味出してました。

>>50
うお、サンタさん来たー。
でもプレゼントどうすんぢゃろ。
煙突から手を入れて部屋をまさぐったりとか(笑
56名無しさん@ピンキー:02/12/24 18:14 ID:6lhuNFhI



人妻の肛門だけを徹底的に嬲り尽くした激烈マゾ調教ビデオをあります!
http://www.oku3.net/video.html
57TRPG好き:02/12/24 21:02 ID:b4guKs16
どーもー。
自分で書いた文読み直して自身に突っ込み
>ゆたかクンのお父さんの知識、考古学というよりは民俗学の
それではないかと…
えーゴメンナサイ(汗
考古学者も十分伝承等に詳しいはずでした・・・
それでは。
58名無しさん@ピンキー:02/12/24 22:43 ID:xQ3AbDy5
クリスマスイブに巨大化する女の子はいないかね
59名無しさん@ピンキー:02/12/24 22:44 ID:M8hCUcmz
ろっぽんぞー
60juuroku:02/12/24 23:14 ID:4cgBD81L
>TRPG好きさん
まあ、そんなこんなでこうゆうことに・・・(汗
>>57
sageは半角でたのんます・・・

おいらも気になってたんだけど、その辺も詳しくないと考古学者は務まりませんわな。
61ゆんぞ:02/12/25 00:12 ID:idBHnq4s
前スレが 512kB制限に掛かったので、圧縮される前にdatを保存しときますた。
ttp://www.bb.wakwak.com/~yunzo/tmp/bono-thread1.htm
62名無しさん@ピンキー:02/12/25 00:19 ID:b6yzLish
76 :名無し調教中。 :02/12/24 23:41
クリスマスにもかかわらず俺には相手をする女がいない
それもそのはず身長1000mの女などそうはいないからだ
街は浮かれ気分のカップルばかりだが、
巨人には巨人の楽しみがあるってもんだ

「あれはなんだ」「巨人だぁ」「でかい、でかすぎるぞ」
クリスマス一色の街はピチピチのビキニパンツ一丁の俺の出現に
すっかりパニック状態だ
「うわぁおろしてくれぇ」「いやぁぁぁ」
まずは手始めにその辺りにいる人間たちをつまみ上げ
俺のビキニに放り込む。こんな巨根に触れるなんて幸せ物だぜ
おお、もがいてやがる。脱出したいみたいだ。
こいつは気持ちいい、はやくもいってしまいっそうだ
63名無しさん@ピンキー:02/12/25 00:20 ID:b6yzLish
77 :名無し調教中。 :02/12/25 00:11
もがくビキニを気持ちよく思いながら
俺は腹ごなしをすることにした
「うわ、食べられるー」「きゃぁぁ」
今日はやけに生きがいい。カップルが多いからか
まぁ、二人そろって俺の胃の中でとろけあえ混ざれるのだ
こいつらも幸せ者だろう
おお、先の連中のもがきで俺のチンコはびんびんだ
おい、そんなところにはいるんじゃねぇ、気持ちいいじゃねえか。
もともと小さめだったビキニは勃起の勢いに耐えられず破け散った
じかに目で見るとさらに興奮するな。陰毛に捕まってる奴らもいるぜ
だが、もう限界だ、でる、でちまう、うぉ
ドバァァ
巨大なチンコから信じられない大量の精液が民衆の上に放出された
「おぼれるぅ」「粘ついておよげないよぉ」
みんなうれしそうだ
おれは金玉や尻で人間たちを押しつぶしながら地面に腰かけると
精液の中ではしゃぐ(?)連中を心地よい脱力感の包まれながら見つめた
「俺からのクリスマスプレゼントはきにいったかい?」
64Pz:02/12/25 02:40 ID:resEweAo
冷たい山の冬の風は強く彼のほほを打つ。
冷たく光る夜空の星。
月は青く地上を照らしだしていた。
アノラックのフードを被り、四輪駆動の二トン積みトラックの横で
彼は暖めていた缶コーヒーをすする。
都心近郊の山中、林道の車返し。
山の峰に少し作られたその広場からは、遠く光の海となった街が見渡せた。
「まるで宝石みたいだな・・・。」
彼はつぶやいた。
そう、今日はこの風景も重要な演出だ。
クリスマスイブ・・・。
「たまには格好つけるのも・・・な。」
一人つぶやく彼。
時計を見る。
と、その時だった。
聞きなれた地響き。規則的な振動が彼に向かって近づいてきたのだ。
「ああ、きたな・・・。」
缶コーヒーを地面に置き、トラックの前に立った。
地響きは徐々に大きくなる。そして、とうとう彼の目の前に地響きの主が
現れたのだ。

そこには信じられないほど巨大な女性が、枯れた冬樹のこずえを
膝下にして立ち尽くし彼を見下ろしていたのだ。

「ごめんね、待った?寒かったでしょう。あなた・・・。」


65Pz:02/12/25 02:59 ID:resEweAo
アノラックのフードを取って、彼はその巨大な女性を見上げた。
彼は驚いて暫く声を立てられなかったのだ。
その原因は目の前に巨人が現れた、ということではなかった。
その巨大な女性の服装に驚いていたのだ。
赤いロングブーツを履き、脚は白い素肌がそのままだ。
短い赤いスカートには、白い毛の縁取りがついていた。
そして大きく盛り上がった胸をつつむ、赤い短ジャケット。
長く伸ばした黒髪の上には赤い帽子がのっている。
サンタクローススタイルの巨人女性・・・。
声が出ないのも無理はない。

「あは。驚いた?委員会の人にお願いして作ってもらったの。
一年に一回しか着れないけど。赤い生地が余ってる、て、聞いたから。」
照れたように笑い、その巨大女性は下を向いた。

「あ、ああ、びっくりしたよ。でも可愛いよ・・・。」
彼はそれだけ言うと、巨大な女性を見上げた。
女性らしい曲線を描く二本の脚。その美しいラインを彼は見つめる。
どし、どしとブーツを地面にめり込ませ、巨大女性はトラックの前に
歩み寄った。
「綺麗・・・。素敵な夜景ね・・・。」
巨大女性はつぶやく。
ゆっくりとその巨大な体を折り曲げ、腰をおろす巨大女性。
短いスカートからは下着がみえてしまっていたが、ここには彼女と
彼の二人しかいない。

「メリークリスマス、僕の奥さん・・・。」
彼はトラックのコクピットからシャンパンを持ち出しながら
そういった。

66Pz:02/12/25 03:23 ID:resEweAo
身長30メートルはある巨人。
それが彼の妻であった。
突然、巨大化をはじめた平凡な主婦。
あらゆる物理法則を無視する存在となった妻。
その強靭な肉体は、国家が管理研究する対象となってしまった。
プライバシーを守るために国有山林中に作られた施設に収容された妻。
そんな彼女との初めてのクリスマスイブ。
彼はこの日を特別な日にするために、一ヶ月前から準備をしていたのだった。
「ねえ、トラックの幌を取って!」
シャンパンをビンごと巨大な妻に渡しながら、彼は言う。
期待一杯の目をして、大きな手をトラックの荷台にかける巨大な妻。
幌をめくり上げる。
「わあ!素敵!ティファニーのクリスマスモデルね!」
まるで船の錨の鎖みたいにごっついネックレス。
重さが一トンもあるそれを、巨大な妻は軽々と持ち上げる。
「磨いた真鋳だけどね・・・。」
67Pz:02/12/25 03:24 ID:resEweAo
ありがとう・・・。私もプレゼントあるの。」
そう言うと巨大な女性は大きく開いたジャケットの胸の谷間に
彼女の手をいれ、大きな包みを引き出した。
そっとトラックの荷台に置く。
「えーと、あけてみるわけには行かないから説明しマース。」
少し笑いながら彼女は言う。
「これは、防水生地から私が作った二十人用大型テントです。
前に欲しがってたでしょ・・・。大きいテント。支柱も作ったの。」
自衛隊の業務用天幕よりも大きなテントだ。
四人いないと立てられない厄介者。
が、彼は満面の笑みを浮かべる。
妻が彼のために、普通サイズのころよく行っていたキャンプを思いながら
作ってくれたものだ。
「ありがとう。これでダートアタックも楽しくなるよ・・・。」
シャンパンを飲みながら彼は言った。

68Pz:02/12/25 03:40 ID:resEweAo
暫く見詰め合う二人。
「メリークリスマス・・・。」
彼がつぶやく。
巨大な女性は彼をそっとつかみ、持ち上げた。
ピンク色の唇が彼の全身に強く押し付けられる。
熱い巨大な妻の吐息。
そしてそっと、彼を大きく開いたジャケットの胸の谷間に押し込んだ。
柔らかな乳房の山に挟まれる彼。
「うわ、すごくいい景色だよ・・・。」
胸から顔だけ出し、夜景を見て言う。
「うん、二人だけのクリスマスだね・・・。」
巨人となった妻が言った。

互いに体温を感じ合う二人だけの聖夜。
二人は宝石のような街の明かりをいつまでもぼんやりと
見つめ互いの感触を確かめあったのだった。

69Pz:02/12/25 03:44 ID:resEweAo
ふー、あと少しで性夜となるところだった。

70名無しさん@ピンキー:02/12/25 05:58 ID:MA8CIR6N


        _,,,,,,,,,,,,,,,__
        ┌''ニ三三三三三ミミミ=、,
     ,.-┤三三三三三三ミミミミ,\
    ,/,彡l三三三三三三ミミミミミミミミ\
   /〃,彡レべキ三三三三ミミミミミミミミミヾ、
  ,//〃彡{"     ~゙''=ニ三ミミミミミミミミミミミ;;}
  レ〃三l; ,,        ~゙"''ーーー=弌ミミ三;}
  l/彡三;j , . - ' '   ,   :._,,..-―‐‐、ヾ;三j
  ,!;三;三j ,.-'''~ ̄`ヽ i  ::.,,..-―‐'' 、_!'i"
  'ヾ;三;;j ,.:-'ニ二ニ'⊥  ≡~ ̄    !i
    ヾツ ;      .:;l     i;_       !l
      l! ;!::     ':;l,_;;..  r-' ヽ、,   l !
      .} ;{:::.   ,     ̄   ヽ,     |"
      {,,.j::::;:: ::'' _,. -― ''''ユ∧   !
        ゙:, ヽ. :.弋;;;:::ニニニ‐"    / <イイわ、このスレ!イイ!! (;´Д`)ハァハァ
         ,入.ヽ, 、  = = =      ,/
      _,,.:ぐi. ゙ヾ:; ゝ..         ノト、
,,,.. --::ァ'':::::::::::l#ii_ ゙ヽ:;,_    ,.-'' j#;lヽ

71名無しさん@ピンキー:02/12/25 06:28 ID:5V3wXCa/
>>62-63
何でこいつはマルチポストしてるんだ?
感想が欲しいのか?
72名無しさん@ピンキー:02/12/25 17:00 ID:KJcAlleB
>>71
だったら素直に、感想キボンヌって書けば良いのにね?
もっともここでは激しくスレ違いだがな(笑
73名無しさん@ピンキー:02/12/25 18:26 ID:HofjZeSG
この技術を使って
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/photo-news/200212/diary2002122501.html
作ってほしい・・
74名無しさん@ピンキー:02/12/25 19:46 ID:GLAi9ydZ
>71
ただのコピペだろ。反応するなよ。
75juuroku:02/12/25 19:54 ID:4x+fdkG6
>Pzさま
二人の深く暖かい愛を感じます。
でも、すこし物悲しくも感じてしまうのはなんでだろ・・・

またここで貴方の作品が読めるとは思ってなかったので(汗)、とても嬉しいです。
メリー・クリスマス!


性夜になると印象も違っちゃうんでしょねヤハー゚リ(爆
76☆娘:02/12/25 23:29 ID:iPVJdbxw
>10ペ−ジ様
まだ完結じゃないですよね?
ちょっと全体が掴みきれなくなっちゃったんで、感想は完結後に・・・期待してます。

>Pz様
貴方のこういう作風・・・初めて読ませていただきました。
クリスマスに相応しい雰囲気ですね。
破壊の無いPzはPzじゃない?・・・そんな事ありません、ごちそうさまでした♪
77しろうさ:02/12/26 00:54 ID:gA9mibWf
皆さんこばです〜。
なんとなく描きたかったちょいネタものをUPさせてもらいます、

ttp://members.tripod.co.jp/ryu_no/santa_gts2.jpg

急いで描いたのでかなり手抜きだったりします…(で結局間に合ってないし(汗))


>TRPG好きさま、ゆんぞさま
お久しぶりです〜、ところでそろそろお二人の新作を
期待させてもらってもよいでつかな?w

>Pzさま
おお!破壊系じゃないPzさんなんだか新鮮です〜、
またぜひぼの系小説書いてくださいませ!
78☆娘:02/12/26 01:09 ID:hXoDupGU
>しろうさ様
覗きに来て良かった〜♪
前回のサンタさん同様に今回もほのぼの・・・。
だけど天然ボケテイストが加わって・・・とってもマッタリとしたお味(はあと
うちのステも、こんな感じかなぁ?
ごちそうさまでした・・・とっても美味しい夜食でした(w
79ゆんぞ:02/12/26 01:24 ID:8AIMw0FE
>>77
ナイスっすわ。絶妙なトボケっぷりにメロメロですよ(笑
新作……あう、ちっと多忙&トラブル続きでだめぽです。

>>78
> うちのステも、こんな感じかなぁ?
髪、紫色ですし(w
80juuroku:02/12/26 01:48 ID:9+TN8adf
>>77
まだまだ世界のどこかは25日なんでノープロブレムっすよ。
サンタは世界を駆け巡ってるわけだし。

日本に来たのは初めてなのかな?
こんなクラッシックな方最近見ないし、勘違いするのも当たり前。なのか?笑

ごちそうさまですた
81Pz:02/12/26 01:48 ID:YEzzOQvG
>10ページさま
あせらなくて良いですよ。じっくりと腰を据えて書いてください。
とにかく書き上げてみることです。
巫女さん、主人公ともに描写が良くなってきてるので
この先楽しみです。
>Juurokuさま
またこちらでもお世話になります。
この書き込み作品中の二人、狐巫女書く前の「ほのぼの」系作品
主人公達です。完成はいつになるやら。
>☆娘さま
あなたの作品と違って、明るさが足りないようですね、私の作品(笑
でも、このような雰囲気の作品は書いていましたよ。
非破壊系でもがんばってみよう。
>白兎さま
ありがとうございます。またボノ系書きます。読んでください。
イラスト、いつ見ても素晴らしい腕前ですね。
美しく、やさしい巨大娘絵、また拝見させてください。


82TRPG好き:02/12/26 07:43 ID:/43Mk8ry
どーもー。
>しろうさ様
こちらこそお久しぶりです。またまたいい仕事してますねぇ♪
あれで手抜きならわっちは・・・(爆
新作はもうちょっと待ってくださいませ(汗
>Pz様
こういう雰囲気のお話好きです♪
またぼの系を書かれるということで、期待してお待ちしております。
>juuroku様
>60
ゴメンナサイ・・・変換間違えてしまいました(謝
というわけでとりあえずこの辺で。
それでは。
8310ぺーじ:02/12/26 20:16 ID:rlMnqLFy
どもです。
23日から今日まで、私的な理由で長野の雪山に挑んでました。
音沙汰なくてすみません(TдT)

>juurokuさん
ち、小さいですか…!?(w
うーん…あんまり大きくても破壊が大きすぎて、ほのぼのには限界か、と思ったので…
一応正確な大きさですと37.6mです。やっぱり小さかったでしょうか…?(w
>☆娘さん
いやいや!!まだ終わりでないですよ。
いろいろとまだまだごにょごにょと…って余計混乱さすんべかおらぁ(汗
でも、ちょっと展開が早過ぎたかも知れないですね…
>白兎さん
はじめまして。
前スレから見させてもらいましたけど、めちゃイケの某マゾ3兄弟ごとく昇天しました…(爆死
まさしくハァハァモノです、はい。
本当に天然がたまりません…ハァハァ(´Д`;)
>TRPG好きさん
どーもー。ファンタジー系RPGは俺も好きです
S剣伝説3部作とかよくやりますね。(w
地元近くが現代日本の世界観で作りやすかったので…
あと、豊のオヤヂ、その土地育ちなのでもっと地元に博学ですよ(w
>ゆんぞさん
子供は夢壊されると、いじけるか泣き出すか、キレ出すんで…
うーん、最後だけはかなりセリフ何にしようか、考えたんですよ。
>Pzさん
あせりました(汗
最近細かい仕草を書くのがやっと自然に思いつくようになってきたんです。
Pzさんの助言のおかげですよ。
てか、Pzさんの小説にも萌え萌えです。(w

…なんて長いカキコだ…(汗
84juuroku:02/12/27 01:44 ID:X0wXeQus
>10ぺーじさん
登山家なんですか!!
厳しい自然と対峙する経験が作品に活かされてる訳でしょか

>ち、小さいですか…!?(w
鬼太郎のだいだらぼっちって、鹿児島県と同じ大きさなんです。
ほのぼのには向きませんね(汗
8510ぺーじ:02/12/27 11:21 ID:/8f8Ak8T
>juurokuさん
と、登山家!?
いえいえ、リフトに乗って板はいて斜面をスイ〜ってやつですよ。
唯一得意なスポーツなので毎年恒例なんです。
「雪山に挑む」って確かに登山家でもそうでつね(w
意味は違えど、ですが(汗
86名無しさん@ピンキー:02/12/27 15:52 ID:wnw8dSib
( ´_ゝ`)y-~~
87☆娘:02/12/27 20:56 ID:D2jT4JXU
>ゆん様
>髪、紫色ですし(w
言われてから気がついた・・・天然な私(泣

>10ペ−ジ様
これで終わりです・・・と言われれば、それはそれで納得は出来る感じだったので。
ちょっと、安心した(w
88名無しさん@ピンキー:02/12/28 05:55 ID:siaO5lTn
        ∧_∧        / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        (  ´Д`)   <  カレー食べたいであります!
      /      \    \_____________
     /ノl     ,ヘ \
   ⊂/ |     \ \⊃
       |  /⌒> _)
        | .|  く_っ
  __.  | |
  \   ̄⊂ノ ̄ ̄ ̄ ̄ \
  ||\             \
  ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄
  ||  || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
     .||              ||
89名無しさん@ピンキー:02/12/28 13:20 ID:GqT2mWYR
ウルセーヴァカ
90juuroku:02/12/29 00:37 ID:U7r88XnH
>>85
ひゃぁ〜〜勘違い、ハズカシ(あせ
スキーって幼少のころ、一度連れて行かれたっきりなんで、
雪→スキーって連想にがあんまり成らないんです(汗汗

つづき、期待してます。
91お手玉:02/12/29 05:35 ID:HVtwFf7+
>10ページさま
水穂さんが忘れられたら、ウルトラマンに出てくるみたいな巨大たぬきが出現するんですね
それは問題だ(笑)巨大女神に遊ばれる趣味はあるが巨大着ぐるみたぬきに遊ばれる趣味、ないもんな〜(笑)

信者を増やさねば(笑)
この後はゆたか君とほのぼの初恋路線を希望。時々おもちゃにしたりして・・・

ところでゆたか君のお父さん、やっぱ民俗学者か郷土史家ですよ。
考古学者って発掘するほうだもん。
それから、水穂さんの神名、「天水穂姫尊(あめ(ま)のみずほひめのみこと」のほうが日本の神様らしいな、と・・・
で、水穂さん、天津神なんですね、「天」の1字が頭についてますから。親分(?)の大気津姫神は国津神の神名ですね。
いえ、文句はないんですけど・・・(笑)
ついでに、「雪山に挑戦」といわれると私も冬山登山のほうを連想、します。
92お手玉:02/12/29 06:08 ID:DjzmW8m7
やっと書き込めました。趣味でクッキー無効にしたら・・・う〜む・・・
水穂さんの(てより天水穂神さまの)大きさ、適当だと思いますよ。
10倍級だと手の大きさが普通の人の身長くらいで、
男の人を摘んだりひざの上で弄んだり懐や胸ポケットに入れたりするのには小さすぎるんですよね。
20倍級なら足の大きさも大型の乗用車くらいだから足の置き場もあるし(笑)
で、人間サイズになるときは波動の関係で4の倍数が安定性がいいから1/16でいるので
リアルGTS(ジャイアント馬場よりちょっと大きいくらい)になってる、とか・・・
9310ぺーじ:02/12/29 08:55 ID:bw2riRyN
>お手玉さん
あにゃ〜…
神様に詳しい人、おったぁ〜っ…(笑
…名前のことは全然考えなかったですね…
一文字目が普通の人の苗字みたいの、二、三文字目が名前、とか勝手に考えてました。
中国人や韓国人の名前みたい…(汗
「神」の字は…神様!?一番最後に神でない!?いんべさ!?みたいな…(汗
でも、参考にします!また新しいキャラ出しますんで。
今度は大破壊とかの混じるキャラで…
名前はUFJかなぁ…(爆

着ぐるみたぬきは、中に人間が入ってるくらいですよ。
女の人襲って金喰らうカネゴンくらいのです。
…そういや、G馬場って身長どんくらいなんですか?
だいぶ久しぶりに聞いた名前なんで気になりました(笑

それでは今日中にUPします。
今のところ、前半より後半の方がなんか始まるみたいな感じですね…
前半つまらなそうな…
94名無しさん@ピンキー:02/12/29 14:02 ID:H8fCeLH6
アイアムGTS
アイム ベリィ ハングリー!
HAHAHA!
95お手玉:02/12/29 21:12 ID:GR3DN+Cf
>10ページさま
「水穂の巫女」の雰囲気、すごくいいので壊さないでくださいね。
神様には私も詳しいわけではありませんし、最後が「神」の字の神様もいますし。
もし普及委員会にでも投稿するんなら、って位で書きましたんで気にしないでください。
みずほ銀行にキャラクターとして売り込みますか(笑)
ちなみにG馬場は2m8cmだったかと・・・
96名無しさん@ピンキー:02/12/29 21:13 ID:GHhfyJCm
乱れ悶える痴女
http://www.pink1.com/
9710ぺーじ:02/12/29 22:07 ID:bw2riRyN
>お手玉さん
どうも、お気遣いありがとうございます。
ただ、やっぱ神様ネタはいかんかなぁ〜。銀行だし(w
普及委員会に投稿するつもりは今のところないですねぇ…
投稿するなら、また、別のところでしてみたいです。
g-boyさんには少し失礼かも知れないですけど…
あ、G馬場よりちょうど20センチ低い♪(w
37.6〔m〕×1/20=1.88〔m〕です。
体重は考えてません(爆)

あと数時間!あともーちょいで!!
6アップ!!
新キャラが最後に何かぶーたれます。
9810ぺーじ:02/12/30 00:53 ID:K0sxbwpX
6
「…37メートルの女神様かぁ〜…」

学校に行っても、僕はこんな感じだった。
もともと現実逃避が好きな僕は、みんなから見ればあんまり変わったことはないけど。
ただ、ジャンルが変わっただけ。

身長37.6メートルの天水穂神。
神様ん中でもダントツの大きさだったらしい。
お父さんなら、こんな大きな巫女服の神様、三度のご飯より絶対大好きだ…。

(GTSだぁぁぁぁっ!!!巨大娘っ!かぐわしひっ!!おっきい!でか胸!挟まりたひ!っ!踏み潰し!?ノンノン、こいだしゃぁほのぼのに意義があんべやぁぁっ!!)

…お父さん、興奮して夜寝られなくなる。
あの、大学の研究室を、まさに「GTS愛好会」に変えてしまったお父さんなら、絶対…。
また空想を膨らませる僕の所へ、僕と仲がいい畑山がやって来た。

「ゆんぞ、この前貸したゲーム、返せよ。」
「はぁ〜…ほのぼの系GTS…」
「…オイ…?」
「…え?何、何!?」
「ゲーム。返せよ。」
「…まだ手付けてもなかった…」
「ダメダメじゃん。」

現実主義な畑山は、空想にはゲームくらいでしかお世話にならない。
9910ぺーじ:02/12/30 00:54 ID:K0sxbwpX
「ねぇ、ハッチ。」
「何だい?」
「ハッチはさ、神様、信じる?」

畑山は、あからさまに嫌そうな顔をした。

「んな訳ねーべさ?いたらいたで、俺にゃあ関係ない。」
「…はぁ…夢のないヤツだなぁ。」
「へん、俺にはでっかい夢があんぜ!」
「その心は大もうけ。」
「ビンゴ!よく分かってんじゃん!」
「ドリームのないヤツ帰ってよし。」
「……。」

けなし合う僕らは、仲がいいからこそ、なんだ。
畑山はこれでも僕の親友なんだ。
でも僕は、この現実しか見ない畑山に一泡吹かせてやりたい。
夢のないヤツを、改造してやりたい。
ふと、僕はいい考えが浮かんだ。

「そうだ。今日、遊びに来ない?」
「…うん?」
「神様、いるよ!」
「バーカこくなァァっ!」
「嘘でないったら。とにかく来なよ。」
「…乗った!ガリガリくん賭けるぞ!」
「ほいさっ!」

僕たちはランドセルを背負うと、一目散に教室を出て行った。
10010ぺーじ:02/12/30 00:55 ID:K0sxbwpX
「こっち、こっち!」
「ゆんぞんちじゃねぇのーっ!?」
「違うよ。水穂神社だよ。」

石段を二段飛ばしで登る。
畑山も、遅れないように来る。
四月くらいに、東京の方から「僕の山」へ戻ってきたウグイスが、一鳴きした。
このウグイスも、五月が終わればもっと山奥に戻っていく。

神社の石畳を踏みしめ、僕たちは頂上に立った。
時が止まってるように、神社は変わってない。
影の長さだけが、どんどん変わっているだけのように思える。

「…ここが、どうしたんだよ?」
「神様が、いるところ!」
「…そりゃまあ神社だからなぁ…」

僕は、社の向かいの右側にある、はなれに近づいた。
神社の敷地で、唯一電線がつながっていた。

「…宮司さんでも住んでんのか?」
「宮司じゃなくて、神様。」
「…帰るか。」
「待てったら!」

僕は、畑山の服を引っ張りながら、格子玄関を滑らした。
神社の社にいない時は、ここにいるって、ミズホお姉ちゃんが言っていた。
いつも開いている社が閉まっているから、ここにいると僕は思う。
がららっと、この町ではまだ健在な音が出た。
10110ぺーじ:02/12/30 00:58 ID:K0sxbwpX
『…さぁ、ここでこのような結果が出た、という訳ですが、ガッテンして頂けたでしょうか?…ガッテンガッテン…』

ぱりぽりぽり。
ずずーっ。

再放送の番組を流すテレビ。
3時を指す時計。
お煎餅が載ったちゃぶ台。
湯気を放つお茶。
そして、テレビを向いてごろ寝をする大きな巫女服。
その背中が、後ろを向いた。

「ぅん?……はうぅっ!!」

がらっばたん。

僕は慌てて戸を閉めた。
そして、畑山に向き直る。

「…帰ろうか。ハタヤマクン。」
「…は?」
「まっ…待ってください!いぃ今のはちょっとした人間みたいな生活と言うか…人間の生活って便利だなぁ、って思っただけでついその…」

お煎餅食べながらテレビを見てごろ寝だなんて……文化的過ぎてるぞ、この神様!!
10210ぺーじ:02/12/30 01:15 ID:K0sxbwpX
「…はぁ!?この人が神様!?」

畑山はおっきな声を上げた。
無理もない。
あの光景を見て、誰が「この人が神様です。」なんて信じるもんか。

「はい…そうです。」
「…どっからどう見ても、コスプレ趣味のぐーたらねーちゃんにしか見えないぞ!!」
「はうぅぅぅ…」

ぐっすんミズホ姉ちゃん。

「…でも、本当だよ。」
「…証拠は?」

僕は、ミズホお姉ちゃんに親指を立てて見せた。
やっと涙を拭ったミズホお姉ちゃんも、少し微笑んだ。

「いい?」
「構いませんよ。」
「…何が?」
「証拠。見たいんでしょ?」
「…あんなら。」

ミズホお姉ちゃんが、立ち上がる。
僕らが立って、同じくらいの高さにあった顔が、もう見上げるほどになった。

「でっけぇ姉ちゃん…」
「…こんなんで驚いちゃいけないよ。」
10310ぺーじ:02/12/30 01:19 ID:K0sxbwpX
ミズホお姉ちゃんは外に出た。
手を、空にかざして、何かをつぶやく。
すると、今まで晴れていた空が、急に山近くの上だけ曇って雨になった。
ふもとを通っていたクラスの女の子たちが、突然の豪雨に悲鳴を上げて走り出す。
でも、すぐにやむ。

「雨?」
「うん。」
「…まだまだ信用できない!」

ミズホお姉ちゃんは、少し困ったように微笑むと、その体を膨張させ始めた。
石畳が、段々と陥没していく。
でもどうせ、ミズホお姉ちゃんなら今すぐにでも戻せる。
あっという間に、周りに木々を越えて、37メートルの巫女服の女神様になった。
その顔が、遥か上から僕たちを見下ろす。

「うわわっ…おわぁ…」

さすがの畑山も、巨大化だけは信用するしかなかった。
ミズホお姉ちゃんは僕たちを手のひらに乗せ、そのまま立ち上がる。
木のてっぺんを下に覗くようになると、一気に視界が開けた。
西武ドームの銀色の屋根と、東京の田無タワーが一直線上に見えて、その先に新宿があった。

「…すっげぇー…」

畑山が、感嘆の声を上げる。
この近くで、こんなに見晴らしのいいところなんて、山の上で大きくなったミズホお姉ちゃんの手のひらの上くらいしかないんだ。
ふもとを通る4両の電車は、もうおもちゃのようにしか見えない。
10410ぺーじ:02/12/30 01:23 ID:K0sxbwpX
「信じて、頂けたでしょうか?」
「う、うん。これ見たら、信じないわけいかないよ。」
「それは、よかったです。…本当なら、このようなことはあまり許されてはいませんが。」
「許される?」

僕が、ミズホお姉ちゃんを仰ぐように見上げて尋ねた。

「はい。むやみやたらに、このような姿を見せてはならないんです。ただし子供なら、よいことになっています。」
「…よくわかんないや。」
「大人は、この姿を見ることが出来ないんですよ。」
「…なわりには、だいだらぼっちを見た人が今でも大人に何人もいるって…」
「はうっ!?」

やっぱりミズホお姉ちゃんは、とんまだった。


「…ゆ、ゆんぞー、そこにいんのー?」

下から、女の子の声がした。
ミズホお姉ちゃんの手のひらから下覗くと、さっきふもとにいたはずのクラスの女の子がいた。

「あ、秋菜と恵美だ。」

下で、恵美がおっかなびっくり、それでも巨大な赤いカーテンの下でひるまずに、口を尖らせる。

「あ、じゃなくて、いきなり雨降り出したらすぐやんで、そしたら、こんなおっきな巫女さんが山から見えるんだもん。」
「てゆーかー、この巫女さん誰ー?」

語尾が延びる秋菜と、早口の恵美の、対照的な口調が口々に言った。
10510ぺーじ:02/12/30 01:25 ID:K0sxbwpX
「そろそろ、降ろしてよ。」
「はい。わかりました。」

僕らは、やっと地面を踏みしめた。
同時にミズホ姉ちゃんも小さくなる。

「はじめまして。この神社にまつられてしまいました、天水穂神と言います。ミズホ、で構いません。」

そう言って、微笑む。
もう、畑山も二言目がなかった。
ミズホお姉ちゃんは、また少し、有名になった。


「…見つけましたわ…」

暗闇の中で、一人の女の声がする。

「あの卑しい女狸の近くなんて…考えもしませんもの…」

女は、長い爪を立てて、壁にそれを突き刺した。
壁にひびが入って、壁としてあったそれは、粉々に散る。
外は、月に照らされて、少し明るい。
女は自分を封印していた「岩」から、やっと外界に出た。
そしてそのまま、その岩の下の、地蔵のようなものが入った小さな社を摘み上げる。
自分の爪で、それを両側から押し潰す。
地蔵を粉々に破壊したその爪には、小さなお札のようなものがついて、風に舞っていた。
10610ぺーじ:02/12/30 01:27 ID:K0sxbwpX
「こんな紙切れが…この私に叶うとでも?ふふん、笑止ですわ。それに…」

手のひらに残った地蔵の頭を転がし、握り潰す。

「このようなでくのぼうが、私に似せたものですの?まさか…ですわね…」

女は、久々の外に出て立ち上がる。
山々の木々はその女の腰ほどまでしかなく、無力だった。
その抜群のスタイルに弾かれ、次々と倒れていった。
月影に照らされた、誰もが理想と思うかもしれないその体は、人間を越えた美しさを放っている。
被う面積の小さい水着のような衣をまとい、闇の中に浮き上がる。
地面から遥か上空の顔は、街角にいれば老若男女、誰もが歩みを止めるくらい、艶かしい。

「私をこの狭い岩へ封印し、そして、今まさに私の『男』をたぶらかしている…。…罪は重いですわよ…天…水穂…!!」

激しく、それでいて静かな怒りをまとったその女は、行く手を阻むもの、全て踏み潰しながら山を下っていく。
女もまた、巨大だった。

「また…一つとなり…また…とわの愛を誓いましょうぞ…そして、天水穂を滅し、私たちはいつまでも、共に生き続けるのですわ…」

言動は、狂っている。
巨女も、狂っている。

「人間を捨て、いざ私の下へ…武蔵…豊…様…。」
107名無しさん@ピンキー:02/12/30 04:20 ID:u7GHO/qq
   /)  /)
  /  ⌒  ヽ   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  | ●_ ●  | < せっかく来たのに・・まだアップされてないの。また明日こよ。
 (〇 〜  〇 |  \_________
 /       |
 |     |_/
108お手玉:02/12/30 08:53 ID:6X/BX0jO
>10ページさま、てかミズホさま(笑)
某月刊アフタの女神さま(まだやってたんかい!)はネタにつまるとTVのチャンネル権争いをし、
「人々の幸せのために」法術を使ったことなんてないんだから、天水穂神さま、働いてるほうですよ(笑)
こういう生活感、好きです。
ちなみに神様の背比べ、ダントツがいますぜ、といっても民間伝承、てか異聞、の類ですが・・・
富士山て、此花咲耶姫の裳裾だっていわれてたような・・・
神様も長い年月の間にいろんな目にあってますからね〜・・・
109名無しさん@ピンキー:02/12/30 14:44 ID:YC5R7gBj
コミケで偶然にも巨大メイドさんのコピー本を発見
ラッキーでした。
一応ほのぼの系の話かな
富士山吹っ飛んだりしてるけどw

わたしはこれしか見つけられなかったけど
巨大娘本ってほかにあったんですか?
110名無しさん@ピンキー:02/12/30 19:39 ID:mlJpoa1a
だれかgiantess zone studioからビデオとか買った事ある人いますか?
11110ぺーじ:03/01/01 00:05 ID:PdxNPb2j
あけましておめでとうございます。
2003年ですね。
これからもよろしくお願いします。

>お手玉さん
何かどっかで聞いた事あります。
姫の文字がついてるってことは女神なんでしょうか。
ほのぼの系を遥かに越えていますね。(笑
112juuroku:03/01/01 01:29 ID:dbfshQRu
皆様、新年明けましておめでとう
野暮用で三日ほど留守にしておりました。

>お手玉さま
お久しゅう御座います。婿養子で御座います(謎
これからも御贔屓に

>10ぺーじさま
子供たちと一緒にほのぼのしてるのに、
当店サブメニューの展開になりそなヨカンが(w
113☆娘:03/01/01 09:21 ID:ObpQJFmD
あけましておめでとうございます〜♪
今年はみなさまにとって良き一年であります事を・・・。

>10ペ−ジ様
「山の神」って女性なんですよ・・・ヤキモチ妬くからトンネル工事に女性は厳禁。
風雲急を告げる展開(?)に期待ageです。

>juuroku様
>婿養子で御座います
ワラタ
114名無しさん@ピンキー:03/01/01 19:57 ID:M095BDC7
回送
115名無しさん@ピンキー:03/01/02 00:02 ID:buZlwLox
>>109
詳細をキボンヌ

116名無しさん@ピンキー:03/01/02 02:05 ID:e/jQKPkJ
>>115
ポンコツ屋というところのコピー本です
犬耳と尻尾の生えた巨大メイドさんが敵と戦います
エロは一切ありません

メイドさんがドジなため家が壊れたりします

以上です
117名無しさん@ピンキー:03/01/02 02:07 ID:e/jQKPkJ
これからも描いていきたいとか奥付に書いてあるので
ちょっと期待しております
118115:03/01/02 04:48 ID:buZlwLox
>>116,117
産休!
次回に期待しよ
119お手玉:03/01/02 16:10 ID:hSvF6Xuh
ゆたか「お正月だね」
ミズホ「そうですね・・・」
ゆたか「お正月だってのに神様がこんなとこでおもち焼きながら甘酒なんかのんでていいの?」
ミズホ「町まで行って初詣も済ませてきましたし、破魔矢も買ってきたんですよ」
ゆたか「ここも神社・・・だよね・・・」
ミズホ「ここのもゆうべ紅白みながらちゃんと作ったんですよ。ここのは天水穂神の手作りなんですよ」
ゆたか「でも8mは長すぎると思うよ。」
ミズホ「やっぱりそうかしら・・・だから売れないのかしら・・・私には程よい長さ・・・」
ゆたか「それって本当の姿のときだろっっ」
ミズホ「昔は指相撲やってがんばった人のところに届けたりしてたんですよ」
ゆたか「指相撲って・・・ひょっとして天水穂神の指と力比べすんの?」
ミズホ「けっこう有名な神事だったのですよ。」
近所の人「あけましておめでとうございます。今年もひとつよろしく・・・」
ミズホ「こちらこそよろしくお願いいたします。あ、ご祈祷ですか。ちょっとお待ちくださいね。甘酒もありますし」
・・・
ミズホ「お待たせいたしました。こちらへどうぞ」
ゆたか「仕事も・・・してるんだ・・・」


あけましておめでとうございます。
今年も読むだけのような気がしますがよろしくお願いします。
・・・
10ページさま、かってにお正月風景、作らせていただきました。
ところでミズホお姉ちゃん、188cmあったら、大抵の服はかなりカッコよく着こなせるんでは?
お金なくってもそこは神様、神通力でちょいちょいと・・・って設定じゃないのか(笑)


120juuroku:03/01/03 02:04 ID:d2hWiHfc
>>116>>117
貴重な情報をありがとう御座います。
おいらも手に入れたかったなぁ。何しにいったんだか(w

>お手玉さん
他へ初詣に行っちゃうミズホ様に萌えでつ(w
こんなほのぼのした勝手なら10ぺーじさんも許してくれる・・・かな?
12110ぺーじ:03/01/03 09:42 ID:u1XLuDnJ
>お手玉さん
いや〜正月だぁぁぁぁ!!ハァハァ(汗
自分のキャラに萌えてどげすんべ…
8mの破魔矢、欲しいでつ。
あ〜昔は姿現してたよ、みたいなの、採用です(笑

強いてつっこむと言えば、
@甘酒飲んでも酔うでしょう
Aかしら→でしょうか

でも「かしら」使うミズホもいいですね。
122名無しさん@ピンキー:03/01/04 02:10 ID:qkkL0Olj

               ./  ヽ      /  ヽ
               /   ヽ___/   ヽ  キボンヌ〜キボンヌ〜
            /       l___l   \
            |      ●  |    |  ●  |  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       へ    |   へ     ヽ  ./     | < まぁ〜だぁ〜〜〜?
        \\  \  \\    ヽ/     /   \____________
チン        \\  .> \\          ヽ
   チン      \\/    \\  _       |
      \ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/  / ̄   ヽ    /   _
        \回回回回回/ ̄ ̄ヽ        / ̄ ̄ /|
         \___/      ヽ____/  /  |
                               /   |
                              /     |
123名無しさん@ピンキー:03/01/04 08:59 ID:+SkG+MOJ
124名無しさん@ピンキー:03/01/04 16:27 ID:CK7Il27L
>>123
ワラタ
普通の人は見ないことをお勧めする
125名無しさん@ピンキー:03/01/04 19:23 ID:rwyi72Yv
○123の画像○
 精神的ブラクラ(激グロ画像)につき、絶対にリンク先を覗かないこと!!

 いいか!俺は注意したからな!絶対覗くんじゃない、覗くんじゃないぞ!!
 目が潰れても、心臓止まっても、脳が腐っても知らんぞ〜!!
126名無しさん@ピンキー:03/01/04 19:45 ID:rkESkhP0
大整理が来るとは聞いていたけれど,普及委員会見られないYo−!
127名無しさん@ピンキー:03/01/04 22:23 ID:9pgeF8B4
12810ぺーじ:03/01/05 00:13 ID:ld28yjD7
7UPです。
最後はむふふになれそうな文で終えてます。
12910ぺーじ:03/01/05 00:14 ID:ld28yjD7
7
夏。
短く、晴ればっかりの梅雨が過ぎて、僕たちは夏休みを迎えた。
5月以来、僕たちは神社に集まって遊ぶ。
僕たちはファミコンやテレビに葬り去られた風景を、またこの神社に蘇らせた。
その様子を、一人の神様が優しく見守っている。
こんな日々を、僕たちは、どこかで望んでたかもしれない。
「外で遊べ!」と言われても、「やだ。」で返していた僕らでも。

「ゆんぞーっ、はーやーくー。」

秋菜が僕を呼ぶ。
恵美はあくびをしながら僕を待ち、畑山は目をギンギンにしながら玄関を睨む。

「ボウズ、まぁた神社行くんか?」

靴の紐を結ぶ僕に、歯ブラシをくわえたお父さんが尋ねる。

「うん。」
「外で遊ぶのはいーんけどなぁ、んなにリアルが気に入ったのか?」
「何のことだよ!!」
「ははっ。怪我すんなよ。」
「しないって。」
「俺もベッピンで背ぇ高ぇ巫女さんとこ行きてぇなぁ…」

すかんっ。

ボケたお父さんに、お母さんがお玉を投げた。
13010ぺーじ:03/01/05 00:15 ID:ld28yjD7
「いでゃっ。」
「あんたは仕事でしょ!!」
「ってぇぇ…ちぇっ。雑学いっぱいプロフェッサーもつれぇなぁ…」
「何いってんの。オタクの集まりのクセして!」
「その金で生活しているおみゃーは何モンだ?」
「オタクオヤジの妻よ。」
「へっ。行ってくらぁ。ま、今日は普通に帰るわ。メシスタンバっとって。」
「はいはい。豊、私も行ってくるから。」

お母さんは、駅近くの保育園へバイトに行っている。
帰りはいつも5時くらい。

「うん、ばいばい。」

僕の周りは、いつもどおりだった。


「右!もっと右!」
「んで、進め!!」
「ちょーっと左かなー。」

今日は、スイカわりをしている。
何と何と、お供え物にスイカが載ってたんだ!
そのときの、"ミズホお姉ちゃんの喜び"って言ったら、そのまま大きくなっても、飛び跳ねそうなくらいだった。
今は、僕の番。
畑山は石畳でこけて、秋菜はスイカの前で土を掘り返した。
恵美は僕の次で、最後にミズホお姉ちゃんだ。

「そこで、Aボタンです!!」
「ここっ!!って…い゛っ…!?」

何やら変な発言があったかと思えば、僕以外の全員の偏見の視線が、ミズホお姉ちゃんに向く。
13110ぺーじ:03/01/05 00:20 ID:ld28yjD7
「はうっ…!」
「…Aボタンって…」
「ええと…ほ、ほらっ!そこですよ!!」

渋々、僕は棒を振り上げる。
コイツは本当に神様なのか!?と、また改めて出て来た疑問を脳裏に。

がっ

「うわっ!!」

僕も、土を掘り返して終わってしまった。

「ざんね〜ん。」
「次、あたしでしょ?」
「おう。」
「そいじゃっ、エントリーナンバー4番、村田 恵美!行きます!」

結局、恵美も土を掘り返した。


問題の五番目。
棒を中心に、くるりくるりと回って、ミズホお姉ちゃんは、スイカの方へ…

「あひゃぁぁぁ〜…」

…ミズホお姉ちゃんは、完全に目が回っていた。
千鳥足で、スイカどころか石段に向かう。
調子に乗って何回も回るから…
13210ぺーじ:03/01/05 00:24 ID:iMyj3QvI
「あぁぁぁぁ〜っ!」
「お、落ちる落ちる!!」
「あうぅ〜っ」

辛くもミズホ姉ちゃんは、「全治無限大」を避けた。
ケヤキの木にぶつかり、閉じたつるべを踏み抜いて突っ込みそうになったりして、ミズホお姉ちゃんはやっとスイカにたどり着くことが出来た。
その間に、その長い足の餌食になりそうになったり、垂れた棒に強か殴られて、僕らもへとへとだった。

「っ…はぁ…」
「痛〜い…」
「…ゆんぞ、あの神様、大丈夫か。」
「ダメダメだと思う…」
「ひぇ、ひぇろぇれせぇ〜(ひ、ひどいです〜)」

まだふらふらとしながら、ミズホお姉ちゃんは棒を振り上げた。
揺れながらも素早く、棒がスイカへ下ろされる。

ざしぇっ

スイカは、音を立てて爆発した。

「当たった!?」
「何ィィ!?」

僕たちが、スイカへ向かう。

「当たってる!」
「すげぇ!!」
「あうぅ〜…」

僕たちは、一年ぶりのスイカを、一番おいしく食べることが出来た。
13310ぺーじ:03/01/05 00:25 ID:iMyj3QvI
「ただいま。」

夜、お父さんが、帰ってきた。
何だか、浮かない。

「どうしたの?」
「俺と同じ学部の仲間が、死んだ。」

お母さんが、その言葉に反応して台所から出て来る。

「…お通夜は…?」
「明日、やるって。相手は茨城だからなぁ、夜は多分帰れねぇなぁ。」
「…明日って、豊は?私もいろいろあって、帰って来れないのに…」

お父さんはこうべを傾けた。
そして、手をぽんと叩く。

「おう、そうだ。豊を神社の巫女さんとこ、預けるか?」

その言葉に、僕はびっくりした。

「ええぇっ!!?」
「何だよ。でかくてきれーな巫女さん大好きじゃなかったのか?」
「うぇ!?べ、別にそんなこと…」
「そうね。それが一番いいかもしれないわね。」

お母さんも、調子に乗って言う。

「そんな!お母さんまで!?」
「じゃ、決まりだ。ゆん坊、明日、巫女さんとこでお泊りだぜ。」

お父さんはそう言うと、ニヤニヤしながら自分の部屋へ階段を上った。
13410ぺーじ:03/01/05 00:26 ID:iMyj3QvI
「う…うん…。」

正直、僕は嬉しかった。
ミズホお姉ちゃんが好きか嫌いか、そんなこと言われたら、当然好きだ。
だから、嬉しいか、悲しいか。モチロン前のほうさ!
でも、顔が真っ赤になる。
いったい、何なんだろう。
最初出会ってその次の日、ミズホお姉ちゃんの顔をまじまじと見つめ合ったときみたいに、体が熱い。
そりゃそうだ、あんな綺麗な人…いやいや、神様、ずーっと見つめて、見つめ返されたら、誰だって顔赤くするさ!
そうだ、これは恥ずかしいからなんだ。
…でも、何が恥ずかしいんだろう。
結局、分からず終いだった。


「よっ…夜露死苦…おながいしま…」

当日。
神社の前で、僕はミズホお姉ちゃんの前にいる。
僕が、顔を横にそらしながら言ったから、お父さんがぽかっと、僕の頭を小突いた。

「こら、そっぽ向かねぇの!」
「でも〜うぅぅぅぅ…」
「すんませんねぇ、こいつ実ぁ結構ムッツリで。」
「何言ってんだよぉ!!」
「おっと、すまん。ホントのこと言っちったか。」
「お前〜それでも本当にオヤジか〜っ!!」
「まあまあ。てなワケで、このボウズをよろしくお願いします。」

お父さんが、やっと普通に頭を下げた。
ミズホお姉ちゃんが、その後からお辞儀をした。
13510ぺーじ:03/01/05 00:28 ID:iMyj3QvI
「わかりました。よろしくおねがいします、豊くん。」
「…よろしくおねがいします…」

僕も、渋々頭を下げた。
その上から、ミズホお姉ちゃんが微笑んだ。

「そいじゃ、豊、また明日なぁ〜。」
「う、うん。」
「エッチなことすんなよ〜」
「しねぇよ!!馬鹿オヤジ!!」
「でぇっへっへっへっへ…」

お父さんは、下品な笑い声をばら撒きながら、石段を降りていく。
僕は、それを見送ると、ミズホお姉ちゃんに向き直った。
相変わらず、ニコニコとしていた。

「よろしくおねがいします!!」

僕は大きな声で、言った。

「よろしくおねがいします!」

大きな声が、返ってきた。
136名無しさん@ピンキー:03/01/05 01:11 ID:eXfis5bk
あけおめことよろ

pine.zero.ad.jp/callon/pict/2003.png
137callon:03/01/05 01:13 ID:eXfis5bk
136はあちきです
138お手玉:03/01/05 12:26 ID:sNans6PY
>10ページさま
「スタンバる」あのころは日常語でしたね〜懐かしい(笑)
ところで「閉じたつるべ」て・・・
「つるべ」て井戸に吊り下げたバケツのこと、でしたよね。昭和41年版の明解さん引きなおしちゃったじゃない(笑)
8に期待大だけど、お地蔵さんふっとばして現れたやたら露出が多そうなお姉さんどうなったのかな?
13910ぺーじ:03/01/05 17:49 ID:ld28yjD7
>お手玉さん
…明解さん…?(笑
えと、あれは、あとでイヤってくらい出てきます。
いわゆる悪役キャラですかね。
140juuroku:03/01/07 01:59 ID:ua/1jPTt
>>138
「新解さん」の方が通りが良いようです。
ageで書き込まれてるのは、ポリシーなんでしょか?

>10ぺーじさん
悪役キャラも気になりますが、今は、
豊君とみずほ様が一つ屋根の下でどうなっちゃうのかが、
物凄く気になりますぅ〜(爆
141名無しさん@ピンキー:03/01/08 02:36 ID:aqR67DLW
25歳。
去年まで点無し君だったけど、速度と駐車違反で
二年で50点貯めた。一度やってみなよ。
初回のみだけど、30kオーバーの赤切符もらえば一発免停(30日くらい)貰える。
もらうだけもらって教習受けずに満額期日にすることもできるし、信号を赤か青で
思い切り突っ切ってしまえば50パーセントで信号無視になる。
免許なきゃ無免許で運転すればいいだけ。暇つぶしになる。
飲酒とか、シートベルトとか色々あるのでマジでお勧め。
http://www.keishicho.go.jp/
142名無しさん@ピンキー:03/01/09 02:41 ID:lpuaCVNz
ゆんぞ様や、☆娘様、最近こないね。
☆娘様がどうしていらっしゃるかはここでしか分からないのに。
143名無しさん@ピンキー:03/01/10 05:34 ID:24M1ykZQ
  /)  /)
  /  ⌒  ヽ   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  | ●_ ●  | < せっかく来たのに・・まだアップされてないの。また明日こよ。
 (〇 〜  〇 |  \_________
 /       |
 |     |_/
144お手玉:03/01/10 22:21 ID:6betCORZ
ワイドショーの司会者
   「・・・というわけで、これが元日の朝、埼玉県瑞穂町の町乃神社で目撃された
    巨人の映像です。ぼやけていますが、巫女さんのようにも見えますね〜」
ワイドショーの霊能者
   「このあたりには昔から天水穂神という神様がいまして、巨人の姿だったともいわれているんですね。
    最近町乃神社の方がはやってますから、お怒りになって姿をあらわしたんでしょうかね」
ワイドショーの司会者
   「ただいま天水穂神さまとおっしゃる方からお電話が・・・はい、はい、怒ってはいらっしゃらない、と・・・」
ワイドショーの霊能者
   「・・・・・」
ワイドショーの司会者
   「え?初詣、ですか?商売敵に?」
ワイドショーの霊能者
   「他の神社に初詣に行く神様なんて、聞いたことがないですね」
145お手玉:03/01/10 22:24 ID:6betCORZ
ゆたか「まさか巨大化して初詣に・・・」
ミズホ「ちょっと遠かったものですから。6キロの道も300メートル位になるんですよ」
ゆたか「あんな混んでる所に行っていいの、人や車、踏んじゃうよ」
ミズホ「透過、できますから。それにあの姿は大人には見えないことになっています。」
ゆたか「でもビデオ撮られてるよ」
ミズホ「ほら、撮影者は13才の方だと・・・」
ゆたか「この神様、やっぱ抜けてる・・・それにTV局に電話する神様なんていないよ」

ワイドショーの司会者
   「水穂神社には7不思議がありましたよね」
ワイドショーの霊能者
   「元日にはだ〜れも準備しないのに社殿に電柱のような破魔矢が並ぶ、とか
    だいだら法師が出現する、とか
    早朝石段が壊れていることがあるとか、それが見る見る元に戻っていく、とか
    お供えをすると誰にも会っていないのにお礼状が届くとか、地元では有名みたいですね。」
ワイドショーの司会者
   「そんなことが本当にあるんでしょうか・・・」
ワイドショーの霊能者
   「そう、いわれてるんですよ。気はいいんですよね、あの神社。あんな清々しい、無邪気な気のところはそうないですよ。」

ミズホ「節分には挂甲を着て弓の弦を鳴らすという神事もあるんですよ」
ゆたか「節分の日に必ず鳴る雷って・・・」
ミズホ「15丈くらいある弓を使いますから」
ゆたか「15丈って?」
ミズホ「50メートルはないと思いますけれど・・・」
ゆたか「・・・」

10ページさま、重ね重ね、失礼いたしました。
それから・・・sage方、これでいいんでしょうか・・・ご迷惑をおかけしました。
14610ぺーじ:03/01/11 18:03 ID:6QzSv5H9
>お手玉さん
…にゅぉぉぉわ〜〜〜〜っ!どかどかばたん
(しばらくお待ちください)
サイドストーリーでミズホが抜けてるのが暴露されてしまいました…(汗
初詣ってあんた神様だろう?(笑
てか…5円玉はどうするのでしょう…?(汗
う〜む…手ごわし…お手玉様様…(爆
てか、今日一つ屋根の下の出来事をUPいたします♪
そのまま、キタ――(゚∀゚)――!!でお待ちください。

>>142さん
そうですね…
この頃足跡ないようですね…
14710ぺーじ:03/01/12 00:01 ID:v1Lnej+Y
8
「この国も変わりましたのね…」

一人の女が、木々を倒しながら、山を歩く。
石に封印された、巨女だった。

「山は変わらない姿をしていましたのに。ふもとは…」

巨女は、ふもとをちら、と見る。
電塔がたたずみ、電車が走り、トラクターが唸りを上げる。
それに、舗装された道路を歩く、人の影。
人間の世界は、相変わらずゴミくさくて、ちまちまとしている。
でも、ほんのしばらくの間山を下りないうちに、この国は変わり果ててしまったようだった。

「まるで、世が小さくなったようですわ。ミミズ、カブト…人間がアリのよう。」

女は侮蔑するように、言葉を吐いた。
でも巨女は、人間が嫌いではない。
それどころか、そのアリのような人間を、いとしくさえ思っている。
だから、封印される前は、人間をこよなく愛した。
他の動物より、自分たちに似ている体の持ち主ではあるけれど、全てが自分のミニチュアで、いかにもかわいらしい。
動物も好きだ。でも、人間も好きだ。
自分の「里」に住む人間なら、目に入れても痛くない。

「…雨以外に芸のない哀れな農神が…今に、私が息の根を止めてやりましょうぞ…」

巨女は、向かい側の山の神社を見やった。
憎いシルエットが、小さく動く。
その隣に、400年待ちに待った、まだ幼い、前世が転生を遂げた恋すべき子供を望む。
14810ぺーじ:03/01/12 00:01 ID:v1Lnej+Y
「すぐにでも…天水穂の悪夢を覚ましてさしあげますわ…いつまでも、私はあなたを愛し続けます。」

その頬から、涙が落ちた。

「改めて…よくぞこの世へお帰りなさいました…」

涙は、遥か天空から木々の上になだれ落ちて、石となる。


その夜、僕は慣れない畳の居間にいる。
台所には、鼻歌を歌いながら夕食を作る、ミズホお姉ちゃんがいる。
台所に巫女服って、あんまり似合わないかも。
エプロンをしていたけれど、ミズホお姉ちゃんの体格に到底かないっこなかった。
ちょっと昔流行ったミニスカートみたいに、パンパンだ。

「お待たせしました。」

しばらくして、ミズホお姉ちゃんが、鍋を抱えて出て来た。
あとから、ご飯と味噌汁が出てくる。

「これは何?」
「おでんです!あとご飯と、大根の味噌汁と、大根の葉っぱと根の刻みです。」

ご飯以外、大根が載っている。
本当に、大根好きなんだ。
てか、夏におでんは、ちょっと暑くない…?

それからは凄かった。
何かって、僕が。
目をぎらぎらと輝かせて、獲物を小皿にどんどん入れる。
14910ぺーじ:03/01/12 00:02 ID:v1Lnej+Y
おいしい。
うちのお母さんのよりも断然うまい。
大根の葉っぱと根の刻みは、初めて食べたけれどおいしかった。
刻みしょうがを混ぜて、醤油をかける。
そしてかきこむ。
その様子を、ミズホお姉ちゃんはいつものように微笑んで見守ってくれた。

「あ、ご飯が頬についてますよ。」

と、温かくて柔らかな手が、僕の口元に近づく。
そして、頬についたご飯をつまむと、それを自分の口へ運んだ。

「…ひゃっ!!」

僕は恥ずかしくなって、真っ赤になって、後ろを向いてしまった。

「どうしたんですか?」
「な、何でもないよ!!」

嘘だった。
僕はおでんの中のゆでダコになる。
何でなのかも分からない。
でも、何だか急に恥ずかしくなった。
僕は、それ以上箸がうまく進まなかった。
15010ぺーじ:03/01/12 00:05 ID:v1Lnej+Y
「はぁ…」

そのまま、僕は湯船に体を沈める。
風呂場に立ち込める湯気は、開いた窓から逃げていった。
何もかもが新鮮だったけれど、何だか、あわただしい。
色々と考えているうちにどっと疲れが出て来た。
昼も畑山や秋菜達と遊んだ。
きっと、そのせいだ。
…そうであって欲しい。

「湯加減は、どうですか?」

突然、ミズホお姉ちゃんの声で現実に引き戻された。
もう少しで、僕は夢に乗っていたかもしれない。

「う、うん。いいよ。」
「そうですか。よかった。」

ミズホお姉ちゃんの笑顔が浮かぶ。
まるで、人、そのものだ。
本当の姿は、30mを越す巨人。
昔の人はそれを「神」という。
でも、人同じを姿をして、人と同じ生活をして、人と同じ温かさを持つ。
現代人の生活を、まるで溶け込んだのように真似している。
神様だ、ってことを忘れちゃうくらい、いやに人くさい。
…天然だし。

「あの…」

また、びっくりしてドアへ向く。
15110ぺーじ:03/01/12 00:06 ID:v1Lnej+Y
「…私も入って、いいですか?」

瞬間、心臓がはじけた。
お湯と一緒に、飛び上がる。

「うわぁぁぁぁぁっ!!」

僕は無我夢中で窓をかきむしった。
いきなり、何てこと言うんだ!!

「…やっぱりダメですよね…すみません、変なことを聞いてしまって…」

赤い物体が、ドアのガラス越しに遠ざかる。

「ままま、待って!!」

僕の中で何かが、次々に、粉々に、砕け散った。

「…いっ、いいよ…」


ドアが開いて、閉まった。
目をしっかりつぶってるから、僕には何も見えない。
てか、見えたら沸騰してしまいそうだ。
水かさが増してミズホお姉ちゃんが湯船につかったのが分かった。
少しでも動けば、多分、ミズホお姉ちゃんの長い足のつま先に届くと思う。
もともと狭いから、ミズホお姉ちゃんはひざを折らないと入りきらない。
15210ぺーじ:03/01/12 00:07 ID:v1Lnej+Y
「ふ〜ぅ…」

息が、僕の頬をくすぐる。
僕は、おそるおそる後ろを向いてみた。

「…ああ、びっくりした…」

ミズホお姉ちゃんはタオルを体に巻いていた。
湯船の中では、長い足が、崩れた正座をしていた。
僕の視線がバスタオルに向いたから、ミズホお姉ちゃんが不思議そうな顔をする。

「…私の体…何か変でしょうか?」
「え!?い、んなことないよ!」

また、慌てた。

…安心したらまたどっと疲れが出て来た。
力が抜けた体は、湯気の中へ倒れていく…
そして壁に当たる。
でも不思議な感触がした。
弾力があって、布のようなざらざら感がある。
……布!?
僕は後ろを振り返った。

タオルの壁だった。
ミズホお姉ちゃんのちょうど胸の真ん中あたりに、僕の顔はあった。
15310ぺーじ:03/01/12 00:11 ID:v1Lnej+Y
(あわわわ…!)

声にならない声をパクパクさせ、僕は慌てて逃げようとした。
でも、ミズホお姉ちゃんの腕が、しっかり僕を抱えていた。
湯船につかって、ほんのり上気した笑顔が、僕を捕まえている。
逃げられない。

(…もう、どうにでもなって…)

僕はあきらめた。
ミズホお姉ちゃんの胸の谷間に頭をうずめる。
肌とタオルを通して、とくとくと、規則正しい音が聞こえる。
その手が僕をさらに自分の方へ引き寄せて、僕は正座した足の上に乗る。
僕は、凄く大胆なことをされてる、や、してるに違いない。
でも、真っ赤になる焦燥感と一緒に、小さな安堵感があった。
湯気の中にまた、花のいい匂いが溶け込んでいた。

しばらくそれが続くと、ミズホお姉ちゃんはやっと開放してくれた。
でも、それがまた、新たなる悲劇の始まりだった。

「私が、洗います。(^-^)」

アンゴルモアの前に、僕は弾け飛んでしまいそうだった。
154名無しさん@ピンキー:03/01/12 03:24 ID:TIapD5Mt


        ∧  ∧
        |1/ |1/
      / ̄ ̄ ̄`ヽ、
     /       ヽ
    /  ⌒  ⌒    |
    | (●) (●) u; |
    //////////////|   ハアハア
   /           |
  {            |
   ヽ、       ノ  |
    ``ー――‐''"   |
     /          |
  /´|゙`ヽ         | |
 (,.人、...)      |  | |
  \  \     し,,ノ |
   !\..  \       /
   ヽ、\.  .\      / 、
     ヽ(;;;人;;;;)    /ヽ.ヽ、
      |  | ̄|   |   ヽ.ヽ、
     (____|(___|     ヽ、ニ三
155お手玉:03/01/12 10:18 ID:sGvG9zD/
>10ページさま
「小5」て設定、足かせになるかと思ってたけど・・・
この位までなら充分子供だから一緒にお風呂にも入れるんだ(笑)・・・
「前世の因縁」といっても神様にとっちゃ一続きの魂なんだろうし・・・
ミズホさん、「一緒に寝る」とか言い出しそうな・・・
小学生、恐るべし(笑)

でも普通の巫女さん、お仕事してないときは巫女服着てないと思う・・・
あれ、仕事着だし、洗うの大変だし、汚しちゃ仕事、できないし(汚れた巫女服の巫女さんなんて、ね〜)
ミズホさんにも是非私服を着させてあげてくださいな(笑)

>てか…5円玉はどうするのでしょう…?(汗
遠かったので巨大化して行っただけですからお参りするときは人間サイズになれば問題はないんではないか、と・・・

ひとつ屋根の下・・・瑞穂神社のある山が空洞で、ミズホさん、その中で本来の大きさに戻って生活してるので
お茶碗のお風呂、とか
156お手玉:03/01/12 10:41 ID:6Xp7qujW
あぁぁぁあ〜まちがえた〜・・・書いちゃったものは仕方ないから続き書こ・・・

ひとつ屋根の下・・・瑞穂神社のある山が空洞で、ミズホさん、その中で本来の大きさに戻って生活してるので
お茶碗のお風呂、とかご飯粒を電柱みたいなお箸で一粒取ってもらう、とか、
そんな方向も、若干期待してました。指相撲や膝滑り台で遊んでいるうち夜もふけて・・・



157山崎渉:03/01/12 16:00 ID:6/UQrUuN
(^^)
158juuroku:03/01/14 05:33 ID:H9L3lYiJ
>10ぺーじさま
一つ屋根の下キターー
大胆な展開にハァハァ(w
お風呂の中で、これからってとこで悪役乱入、
タオル一枚で巨大化。なんてのが見てみたーい(爆

>お手玉さま
以前から覗きに来ていらっしゃるんで、sageのことはご存知だと、勝手に思ってました。こちらこそスミマセンでした・・・

山の中で本来の大きさで暮らしてるの、いいですね
もてあそばれ系の願望大爆発中でしょか(w
159juuroku:03/01/14 05:56 ID:H9L3lYiJ
すみません、、暴走しちゃいました。反省・・・

豊君のあわってぷりが可愛いですねぇ、
タオルじゃなく、沐浴用の衣を着て入ってくると、らしくて良いかもしれなかったですね。

でも、あれ、濡れると透けるかな、どうなんだろ?

160ハイキック:03/01/14 06:17 ID:4pPDNdgx

           /;;;;;;;;;;;;;;;;;// /   _ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           .|;;;;;;;;;;;;;;;;/メ./  ,、‐'´ ,、ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;|  < 荒らしは蹴殺!
          |;|;;;;;;;;;;;;;〈:〈~!゙〉   .,、=‐'‐''" |;;;;;;;;;;;;;;;;;|    \______
           !|;;;;!j;;;;;;;;;', `''゙ ノ       /ヾ;;;;;;;;;;;;;/    ,、-'''` ̄``''ヽ
           V !、、、''-'、.  、--,   ノ`'゙゙;;;;;;//   /´        .|
        /`! ̄ ̄´  /.`ヽ、`‐' ,,、-''゙ |;;;;;//"   / ,,,,,,,,,,、 154  .|
-‐‐‐--‐'''"/ /    ,、 /  ,-、/〉''"   /}/    /j ;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ   ./
       ! j     ! ノ-'' 、--フ;〉-二゙゚´ /ヽ、 //゚´     ;;;;;;;|  /
       | l '''ヽ-''"´   '´゚゙゚//`ミ三>"  ////‐、      ;;;/ /
‐‐---‐'''""ヽ/~´、-‐'''"´ ̄ ,,,| |  !j゚´_..、‐''゚/ /;/  \     /~
       /"´l゚ノ゙    ./ |.ヽ_,、-'"/  j  //!     \ /´
     /"´  .|     /   .>'"   /   .! | |.|      ./
    ノ   / ノ     :|_,/´     |    ヽ.!ヽ、     /゙'ー.、
 <゙´   /´ /   _,、-''´        !     \ ゙''ー‐/    \
   \ ./ / ./-,、-'"           .\   ー',,,フ''"´       \
 __ヽ==フ'''"´       l゙        `~''''~フ´`''"`'‐.、ヽ       `ヽ、
‐‐‐、//´          `'、        ./!      `ヽ        \
´ ̄フ/             \.,,,,,_,,,,,、//゙        ``''‐ 、
: フ:/               ,.、-''/ヽ'\/´              `''‐ 、
:::::/               '´  /,|~!::\!、,                  `''ー
/|                /::::_フ ̄!::::〉
161名無しさん@ピンキー:03/01/14 07:36 ID:ussTDuyK
つかさちゃん、蹴殺はいけません。
エロマンガ島まで蹴り飛ばす、ぐらいにしといてあげて。


何を今更だが、
つかさ本人に巨大になって欲しかった。
162名無しさん@ピンキー:03/01/14 13:11 ID:cAQucxrX
 ::::::::::::::::::::::::......   ........::::::::::::::::::::::::::: ;;;;;;;::::::::::::::::::
                γ ⌒ ⌒ `ヘ
               イ ""  ⌒  ヾ ヾ
              / (   ⌒    ヽ  )ヽ
              (      、 ,     ヾ )
        ................... .......ゞ (.    .  ノ. .ノ .ノ........... ........
        :::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ、、.ゝ.....|  |..., , ノソ::::::::::::::.......::::::
                _....,,. ..-ー;'.!  i;;;〜−ヽ_
      __,,,,_    γ ,〜ー'l ! |'''ーヾ  ヾ
    /´      ̄`ヽ,( (    |l  |    )  )
   / 〃  _,ァ---‐一ヘヽ ⌒〜"""''''''⌒〜'"´ ノ
   i  /´       リ}""''ー-┬ーr--〜''""
   |   〉.   -‐   '''ー {!    ;|   |
   |   |   ‐ー  くー |    、从 ゝ  
   ヤヽリ ´゚  ,r(、_>、 ゚'} /⌒v⌒\
   ヽ_」     ト‐=‐ァ' !ノ   ノ     ) 
    ゝ i、   ` `二´' 丿^\      |
     \____/ |  |    ノ   |
       |  |__三___|  |_/|   |
       |  |      ヽ|  ト'   |   |/^ヽ
        |  |         |  |_/ ヽ__人_ノ
      ⊆, っ      とーっ
163名無しさん@ピンキー:03/01/15 12:41 ID:Cn8USwhg
保守
164juuroku:03/01/16 01:39 ID:P6WLputH
ああっ、ついに保守の二文字が・・・

今まで一度もなかったのになぁ・・・
保守だけじゃなくて、何か書き込んでホシ〜
165山崎渉:03/01/16 06:25 ID:lffAoahy
____       ________             ________
|書き込む| 名前: | 山崎渉         .| E-mail(省略可): .|(^^)         |
 ̄ ̄ ̄ ̄        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄              ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         ∧_∧   。  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        (  ^^ ) / < 名前欄に「山崎渉」、メール欄に「(^^)」って書けば
        (つ  つ    | キミも今日から山崎渉です(^^)
       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|   \_____________________
       |          |
       |          |
  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
166名無しさん@ピンキー:03/01/16 11:57 ID:d+qco3yk
星の無い晩は暗いです寒いです
167山崎渉:03/01/17 06:12 ID:4Dq8aIh5
/\
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   /:::::::::                     \
  /:::::::::       /\     /\      \   こ れ か ら も 僕 を 応 援 し て く だ さ い ね (^^)
 /::::::::                         |
|::::::                         |    応 援 し な い と 痛 い 目 に あ い ま す よ ・・・
|:::::::                         |
|::::::               .          |
 \::::::                       /                                山 崎 モ ナ ー
  \:::::                     /
   \                    /
168山崎渉:03/01/17 10:23 ID:uYLZ7CX0
(^^;
169Pz:03/01/18 02:44 ID:yQKWaA7a
おーいい、10ぺーじさん、負けちゃならんよ。
連続書き込みをするくらいの気合で行ってください。
お手玉さん、かなり詳しそうですね。神様。
狐巫女後編あげる前に読み返してよかった。
170名無しさん@ピンキー:03/01/18 03:01 ID:L+ZBFHeX
まわりは大嵐なのに、ここは静かだねえ


ほのぼの、マターリ
171山崎渉:03/01/18 03:44 ID:h+Jg2/Kg
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
     |  鉄ヲタは包茎!!! | | 鉄ヲタは天才!!.   |
     |  鉄ヲタは童貞!!! | | 鉄ヲタは親切!!.   |
     |  鉄ヲタは知障!!! | | 鉄ヲタは健康!!.   |
     |  鉄ヲタは悪臭!!! | | 鉄ヲタは高貴!!.   |
     |  鉄ヲタは汚物!!! | | 鉄ヲタは絶倫!!.   |
     |________| |_________|
    二二 ∧ ∧ ||             || ∧ ∧====  
    ≡≡(,, ゚Д゚)⊃            ⊂(゚Д゚ ,,)≡≡≡≡ 
  三三〜(,   /                \   ,)〜三三  
      | ) ) キモイ...        スバラシイ... ( ( |      
      ∪                       ∪    
172ゆんぞ:03/01/18 11:03 ID:KN41VgYJ
いろいろしんどいことがあって、ちーと停滞気味っす。
誰もいないから踊るならイマノウチですよん(w>ALL
173名無しさん@ピンキー:03/01/19 00:03 ID:X9a6C0cy
ここ以外の巨大娘スレはもうだめぽ
174名無しさん@ピンキー:03/01/19 00:36 ID:s+OGB17b
山崎渉さんが居なかったら、dat落ちしてたかも・・・。
175山崎渉:03/01/19 06:20 ID:vQhU4ucp

            ∧_∧
     ∧_∧  ( ^^  )   これからも僕を応援してくださいね(^^)・・・っと。
     (  ^^ ) /   ⌒i
    /   \     | |
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
  __(__ニつ/  山崎  / .| .|____
      \/       / (u ⊃

山崎だってさ。こんんあの流行んねーよな
          ∧_∧
    ∧_∧  (´<_`  ) 感染してるぞ兄者・・・・
   (  ^^ ) /   ⌒i
   /   \     | |
  /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/  FMV  / .| .|____
    \/____/ (u ⊃
176お手玉:03/01/19 12:14 ID:JTp/Mi0i
>174さま
167の山崎さまの「痛い目にあいますよ」てそういうことだったんでしょうか(^^)

++++++++++++++++++++++++
畑山「考えたんだけどさ、ミズホお姉ちゃんで大もうけ、できないかな、『ミズホ産業』とかって会社作って・・・」
ゆたか「だめだよ、神さまだよ」
畑山「『しゅうきょうほうじん』とかってのにすれば税金もかかんないって父さん言ってたよ」
ゆたか「それに天然だよ」
畑山「でも神さまだぞ、本物の。雨だって降らせられるじゃん」
ゆたか「雨じゃお供えくらいしかもらえないよ。」
畑山「水不足のとこだってあるじゃん。それにあの巨体・・・」
ゆたか「大人には見えないっていってたぞ」
畑山「でも鉄塔へし折ってるんだろ、頭ぶつけて。工事もできると思うんだけどな
   それに節分の時の弓。てぽどんよりきっと強いぞ」
ゆたか「・・・」
畑山「怪獣がきてもウルトラマン待ってる必要、ないんだぜ、ミズホお姉ちゃんさえいれば・・・
ゆたか「『めいげんのぎ』とか言うののとき、鎧着て弓持ったミズホお姉ちゃん、カッコよかったもんな〜」
畑山「だろだろ!『ミズホちゃん写真集』だって億はかたいぞ」
ミズホ「なにを話しているんですか」
ゆたか「何でもないよ・・・あ〜びっくりした」
177山崎渉:03/01/20 06:31 ID:5HtlH56m

           从//
   (  ^^ )     n
  ̄     \    ( E) 山崎渉は
 フ     /ヽ ヽ_//


  从//
  _n
 ( l
  \ \ ( ^^  )
   ヽ___ ̄ ̄  ) かっこいい。
     /    /
17810ぺーじ:03/01/21 17:11 ID:cSjzXlUy
風邪ひきました…
インフルエンザが結構流行ってるそうですね。
体調崩してしまったので少しばかし、第八章は待ってください。
読んでくださっている方には申し訳ありません。

>Pzさん
気合も長続きしませんでした…(w
風邪の前にひれ伏してます、ハイ。

>お手玉さん
弓、間違ってもテポドンより強いですよきっと(w
「ミズホ産業」ってなんだか、某FLASHの大御所「スキマ産業」と間違えそう…

>ゆんぞさん
停滞ですか…
無事復帰できることを望みますです。

>>170さん
ほのぼのマターリこそ素晴らしいですよ。
巨大娘も右に同じく…なんちって
179Pz:03/01/22 00:36 ID:z5M4ppHS
援護射撃したいとこだけど、ちょっと仕事忙しくて。
気長に待ちますよ、続き。

早く色っぽいオネーサンを活躍させてください。
180名無しさん@ピンキー:03/01/22 01:41 ID:Zm521anr
181名無しさん@ピンキー:03/01/22 21:04 ID:Qu1q5Y2J
>>180
たしかに巨大だった.....ただしX・Y軸方向に巨大なだけじゃん!
我々の求めているのはZ軸方向にも巨大な娘っ子!!
182juuroku:03/01/23 01:07 ID:vuUf1i7v
>10ぺーじさん
風邪ですか。こじらせると大変ですからね。
お大事に。

気長にお待ちいたします
待ちますけど・・・はうぅ(爆

>Pzさん
援護射撃、期待してます。

>ゆんぞさん
大変そうですね、ご自愛ください。

>踊るならイマノウチですよん(w>ALL
そそ、今のうちだ早速踊るAAを、ってチガ〜ウ

>お手玉さん
掛け合い漫才(?)楽しいですねぇ
このまま、会社設立まで逝っちゃいましょ(爆
183名無しさん@ピンキー:03/01/23 01:35 ID:MEeGxbcP
>>181
激しく同意

そんで、7〜7.5頭身ぐらいがイイ
184山崎渉:03/01/24 00:11 ID:AEruQNnJ
185名無しさん@ピンキー:03/01/24 00:17 ID:binD9EqZ
186名無しさん@ピンキー:03/01/24 00:47 ID:ywJg9UKl
>>185
キモ!
喪前は毎日これで抜いているんですか、そうですか。
187名無しさん@ピンキー:03/01/24 00:53 ID:binD9EqZ
>>186
ご免、アドレス間違えちゃったこっち↓
http://64.159.93.201//shoots/bscandyhardcore/tour/bscandyhardcore.asf
188名無しさん@ピンキー:03/01/24 01:01 ID:lolShccu
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189名無しさん@ピンキー:03/01/24 01:26 ID:OdZITFdh
>>187
どうも漏れの目が悪くなったらしい
何を間違えたらこうなるんだ?
190名無しさん@ピンキー:03/01/24 18:41 ID:pKgzQTGO
>>187
ギャグなの?(藁
191山崎渉:03/01/25 02:09 ID:9APApEHR
>>185
__        __       __
  |よし| ΛΛ  |よし| ΛΛ   |よし| ΛΛ   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 〃 ̄∩ ゚Д゚) 〃 ̄∩ ゚Д゚)  〃 ̄∩ ゚Д゚) < 全員一致で逝ってよし!
    ヾ.   )    ヾ.   )     ヾ.   )   \_____________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
\                                                \
  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
  |          逝ってよし認定委員会                    |
  |                                           |
\|                                           |
192juuroku:03/01/25 02:21 ID:+4h+yUqn
お手玉さんの書き込み読んでたら、おいらも書きたくなっちゃいやした。


先に謝っときます
スイマセンスイマセン(汗
193juuroku:03/01/25 02:23 ID:+4h+yUqn
冬のスケッチ

稲荷屋の店先からつかさの大声がする。
「ねぇ、誰かいないの?」
「つかさちゃんお帰りぃー。検診どうだっ…わぁっ、つ、つかさちゃん…」
「あら、ふくちゃん、久しぶり。なにポカンと見上げてるのよ。最新のスペーススー
ツよっ、船に合わせて真っ赤にしてみたんだ…似合うでしょ」
「あ、はい・・・」
「つかさは出かけてるのか。父さんは?」
「え?あっ、ああ…お父さんなら寄り合いに出かけてるよ」
「まだあのろくでもない集会やってるのねぇ。…?ふくちゃんは参加しないの?」
「あ〜〜、ちょっと事情があって…」
「この間、イリナを送ってきたときと町並みが変わってない?」
「クリスマスにイギリスからお客さんがやってきて、また大騒ぎだよ。でもすぐ復興
しちゃうんだ、この町の住人のバイタリティーには敵わないなぁ」
「ふくちゃん…」
「はい?」
「何でここにいるの」
「何でって、ここ俺んちだから」
「何であたしんちが、アンタの家になるのよ!!」
「うわぁっ、道路叩くなよ、陥没しちゃうだろっ。
俺は稲荷屋の入り婿なんだよ」
「婿って誰の……ウソォ」
「ウソじゃないよ。…イリナちゃんから聞いてないの?」
「聞いてないわよ。まったく連絡ないんだもん」
「連絡ないのか、イリナちゃんてワリと、---うわあぁ、ちょっと、やめっ…
194juuroku:03/01/25 02:35 ID:+4h+yUqn
「ただいまー。つかさ久しぶりね」
「久しぶり、つかさ」
「あ帰り〜つかさちゃん」
「ふくちゃん、掌の上で何してんの」
「摘み上げられて、指でつつかれてるトコでつ。助けて…」
「あたしには嬉しそうに見えるんだけど」
「ドキっ、あ、それより、つかさちゃん、検診どうだった?」
「順調よ〜」
「妊娠までしてるの!」
「もう6ヶ月よっ」
「ぐえっ、つかさちゃん握り緊めないで、ぐるじぃ。実が出るぅ」
195juuroku:03/01/25 02:36 ID:+4h+yUqn
「鞄置いてくるから、ちょっと待ってて」
「・・・・・・・・・」
「まじまじと見つめないでくれよォ。うぁ、そんなに顔近づけなくても!」
「ふくちゃん、油揚げの匂いがする、それとイリナの匂いも」
「ああ、やっぱりするんだ。最近、夫婦まとめてイリナちゃんに舐められてるから」
「ふうん、良かったじゃない。GTS好き冥利に尽きるわねぇ」
「なんだよその目付きぃ。俺はあくまでオマケなんだよ、つかさちゃんの。なのに裏
切り者扱いなんだよなぁ」
「それで集会に出られないんだ」
「はぁぁ*タメイキ*」
「でも嬉しいんでしょ」
「・・・・・・嬉しいです」
「あはは、この真性(びし☆」
「へへっ、」
「あたしも舐めてあげようか」
「えっ!」
「じっとしてて…」
(ゴクリッ)
「おまたせ〜、つかさ〜稲荷寿司食べる〜?・・・・・・・・・なにしてんのアンタ
たち」
「あ、あは、あのね、つかさをどうやって落としたのか聞いてたのよ。ね、ふくちゃ
ん」
「ふくちゃんが堕ちたのよ。あたしのビボーに堕ちない男はいないのよ。オホホホ」
「チガウチガウ(ボソ」
196juuroku:03/01/25 02:38 ID:+4h+yUqn
「しばらくこっちに居るんでしょ」
「ううん、イリナに挨拶したら、すぐブルカップに戻るわ。
一日も早くブルカップを独立させるの。宇宙最強の戦士に安息の日は無いのよっ」
「安息日は無くても安全日はありま〜す」
「つかさ、潰しちゃっていいわよ」
「むぎゅぅ」
「ほんとはずっとここに居たいんじゃないの。
どうせ家族と一緒のホルカを見てホームシックになったんでしょ」
「違うわよっ」
「フッ、あたしがあたしの気持ち解らないわけ無いでしょ」
「でも…ここには、この星には居られないよ、身体が心が戦いたい、暴れたいって
云ってるの。
この気持ち、抑えられない、だってとっても楽しいんだもん。昔のイリナってこんな
だったのかな…
いつかは今のイリナのようになれるかもしれないけど。けど今はこの気持ちを開放で
きる場所に居ないとだめなの。
あたし弱いよね…あたし全然宇宙最強なんかじゃない…」
「開放させるとブルカップが独立できるんでしょ。良いことじゃな〜い。帰りたいと
きに帰ってきて、暴れたかったら暴れればいいのよ。
穴守つかさは深く落ち込んだりはしませ〜ん。思いきり泣いて思い切り笑うんで〜
す」
「嘘ばっかり」
「やりづらいわね」
「あたしがあたしの気持ち解らないわけが無い」
「ハモってら。真面目な話に参加しなくてゴメンよ〜」
197juuroku:03/01/25 02:40 ID:+4h+yUqn
「そろそろ夕食の支度しなくちゃ。下に降ろしてよ」
「うん、…やっぱり今日は帰るね。イリナに挨拶して帰る。」
「よいしょっと。あ、上の看板にめり込んでるバカ、剥がしといてくれる?」
「アリガト〜つかさちゃ〜ん、ああ、看板に押し付けられたときの掌の温もりがぁ。
萌え〜」
「ふくちゃんコワレちゃってる」
「ほっとけば元に戻るわよ」
「きゃ、コラァ、スペーススーツにぶら下がるなぁ!」
「ふく、いい加減にしないと、晩飯は鯖缶一個になるわよ」
「くう〜ん」

「特大稲荷寿司包んどいたから。イリナに取られちゃだめよ、しつこかったら全部痺
れ薬入りだって云ってやって。」
「ほんとに入ってないわよね?」
「それはどうかしら〜」
「もうっ。つかさ、元気な赤ちゃん生んでよ。
ふくちゃんは……もっとがんばりましょう」
「なんだよそれ・・・」
「じゃ、行くね、さよなら〜」
「さよならじゃないだろー。いってきますだろー」
「つかさー、いってらっしゃ〜い」
「---いってきまーす」
「帰ってきたら続きしようなー」
「バーーカっ」
「続きって何?」
「ひ・み・ちゅ」
「缶詰決定!」
「きゅ〜う」
「あ〜んど、ハイキック!」
198juuroku:03/01/25 02:43 ID:+4h+yUqn
気軽に、漫才をさせるつもりがマジになってしまいました


☆娘さんスミマセン(滝汗
199juuroku:03/01/25 02:49 ID:+4h+yUqn
更にスミマセン


>>195>>196の間が抜けてました
200juuroku:03/01/25 02:50 ID:+4h+yUqn
「つかさも良いオトコ捉まえなさいよ」
「宇宙一の女戦士に見合う男なんてそうは居ないのよ。オホホホホホ」
「でも日本じゃぁ二番だ」
「ホルカはどうしてるの?」
「ブルカップに里帰りしてるわ」
「無視するなよー。ぢゃあ日本一は誰だっふぁ指ふぉどくぇてくらはい〜」
「調子に乗らないのっグリグリっ」
「ゴメンナサぁぃ、へへっ」
「ねぇ、ふくちゃん」
「何?」
「本とはあたしと結婚したかったんじゃないの?」
「え、あああ、うう、なに言い出すんだよ、あっとえっと」
「ふ〜く〜ちゃ〜ん〜〜。どうして『違います』って即答できないのぉぉ〜」
「ひぃぃぃぃい!いつの間にココまで登って来たんだ〜
「どぉぉりゃぁ〜」
「ぐはぁっ」
「ちっ、看板に引っ掛かっちゃたわ。遠くまで蹴り飛ばすつもりだったのに」
「見事なハイキック。妊婦とは思えないわね」
201juuroku:03/01/25 02:55 ID:+4h+yUqn
ああ恥ずかしい

回線切って(以下略
202名無しさん@ピンキー:03/01/25 04:46 ID:br8fCArd
oo
203☆娘:03/01/25 07:21 ID:H123t1Pc
>juuroku様
「冬のスケッチ」楽しく読ませていただきました。
イリナの世界観を損なう事無い見事なショ−トエピソ−ド。
福田巡査の弄ばれ方も胴に入っていますね、さすが旦那様(w
ところで、何時の間にアイツは目を覚ましたんだ(爆
赤ちゃんは男の子かな、女の子かな? 女の子なら巨大化決定?
さあ、本家も負けてらんないぞ〜♪
204☆娘:03/01/25 09:18 ID:xT0LjcdW
時のウサギ〜@DOLL


『シンディ・・・12時ノ方向カラ、奴ガ来ルヨ』
抑揚の無い少女の声がインカムから流れてくる。
「OK、サンディ・・・いける?」
『目標ハ、既ニレ−ルガンノ射程内・・・一撃デ沈メル?』
「・・・まずは人のいない艦首部へ一撃、続いて駆動部へ・・・それから降伏勧告を行う!」
『了解・・・平行戦ニ持チコムヨ・・・シンディ、シュメ−ル対戦車ミサイル発射確認』
「回避しつつECM最大出力、チャフ展開・・・3連装対空機関砲発射用意」
サンディが砂漠戦用ホ−バ−ユニットを吹かしながら武装ユニットである左腕を目標に向けて水平に上げる。
焦熱の砂漠を時速100q/hで移動する身長20mの鋼鉄の少女は、襲いかかる対戦車ミサイルを簡単に無力化させてしまった・・・近接防空兵器が火を噴く必要も無い。
「女の子に向かって、いきなり一個師団を黙らせるほどのミサイルぶっ放すなんて・・・この国の男はエチケットを知らないのね・・・私がマナ−を教えてあげるわ、サンディ・・・やっちゃえ!」
サンディの左腕に装着されたレ−ルガンユニットがブンと唸りを上げると次の瞬間地上戦艦シュメ−ルの艦首に巨大な孔が穿たれる。
205☆娘:03/01/25 09:20 ID:xT0LjcdW
全長100m強の巨大な地上戦艦シュメ−ル・・・開戦当初、国連軍の戦車部隊を一瞬にして踏み潰したフラビン政権の力の象徴・・・強力な防空能力と強固な装甲、そして巨大な打撃力を持った怪物。
被弾面積を最小にしようと回頭するシュメ−ルよりも早く、サンディの放った次弾がその巨大なキャタピラを次々と吹き飛ばす。
右に傾き、閣座して同じ場所をグルグルと回り出すシュメ−ルに対してパイロットのシンディは降伏勧告を送る。
「無駄な抵抗は止めて降伏しなさい・・・さもないと、もっと熱いキスをプレゼントするわよ!」
ハッチを開いて降伏勧告に応じて表に出てきた乗組員達は、自分達を見下ろす金色の長い髪のグラビア美女に恐怖した。
あまりにも一方的な戦い・・・それを戦いと呼べるのかどうかも怪しい。
いつの頃からだろう・・・地上戦の主役が、この巨大な少女達になっていったのは?
シンディは狭いコクピットの中でヘルメットを脱ぐと、深く一つ深呼吸をした・・・訓練では乗りなれた機体だったが、実戦は初めてだった。
国連軍のヘリの爆音が近づいて来る・・・戦闘は驚くほどあっけない終演を迎える。
もはや核でも使用しない限り、彼女たちDOLLを止められる兵器は存在しなかった・・・。
206☆娘:03/01/25 09:21 ID:xT0LjcdW
サンディを沖合いの専用揚陸艦のドックに横たえるとシンディは自室でシャワ−を浴びた。
細菌兵器や化学兵器にも対応できるサンディのコックピットには、砂漠の砂が舞い込むとは思えないが、シンディは何故か自分の肌がザラついているような気がしてならない。
ついでに戦闘で昂ぶった気持を、彼女は自分自身を慰める事で納めようとした。
自分と同じ顔をした巨大なロボット・・・シンディはサンディに乗る度に、自分が巨人になったような錯覚に囚われる。
DOLLは決して日本のアニメ−ションに出てくる万能兵器ではない・・・それが証拠に、たとえ同種の兵器と遭遇しても格闘戦などは以ての外、殴り合いなどしようものなら忽ち関節の駆動部やモ−タ−がオ−バ−ロ−ドして使い物にならなくなる。
自動車や戦車、ちょっとした建物程度ならDOLLの機体でも破壊できるが、飽くまで地形を問わない重火器等のプラットフォ−ムというのが基本的な考え方だ。
DOLLの原形は、ウォ−クマンの国・・・日本で生まれたと言う。
なんで戦闘ロボットが女の子の格好をしているのか・・・それは偏に機体を軽くコンパクトに収める為に他ならない。
出力が同じなら、軽く小さい方が有利なのは当たり前の事だ。
巨大なロボット兵器は、一見矛盾しているかもしれないが、小さく造る事で花開いたと言っても過言ではない。
DOLLのスタイルを喩えるなら跳弾率の高い旧ソ連の戦車の曲面を多用した卵型の砲塔・・・。
いたずらに装甲を厚くするのではなく曲線の持つ強さを最大に活かした造形。
小さく、軽く、そのうえ丈夫に・・・ロボット兵器が女性型に落ち着いたのは、ある意味必然だったのかもしれない。
207☆娘:03/01/25 09:23 ID:xT0LjcdW
DOLLが生まれる以前のロボット兵器は、アニメでお馴染みの、如何にも逞しそうなスタイルの物が主流で、反面重くて動きが鈍いのが欠点だった。
頑丈に造れば造るほど重量は増し、ますます動きは鈍くなり、更に過大な期待があれもこれもと盛り込まれてロボット兵器は単なる巨大な攻撃目標へと成り下がっていった。
可動部やモ−タ−が耐え切れず悲鳴を上げ、更にその重さで立っている事もままならない。
これは、もはや兵器とは呼べない。
一方動力の問題もある・・・大きく重くなるほどに巨大なパワ−が求められるが、それに見合う動力が無かった。
それを解決したのが日本の技術であり、そして超小型・高出力の原子炉の製造が可能になった事であった。
DOLLには骨格と言う物が無い・・・昆虫のように外装が装甲と骨格を兼ねる事で軽量化を助けている。
必要な内蔵パ−ツはブロック化され、外装フレ−ムに強力なサスペンションで懸架され、充填剤で安定させられていた。
サンディを例に取ると、人間の心臓に当たる左の胸に超小型原子炉が、右の胸にはそれに直結した強力な発電ユニットが内臓されており、そのふくよかな丸みと配置が女性型ロボット兵器である事を印象付けている。
コックピットはその下の腹部に配置され、更にメインの電子頭脳は原子炉からのノイズを嫌って腰に当たる部分に配置されていた。
当初はロボット自体に判断を任せた無人機や、無人での遠隔操作も考えられたが、ロボットの暴走やセンサ−類の故障・損傷による無力化を避ける為に有人機とされている。
その代わり、パイロットは小柄な女性限定で、サンディもシンディの体に合わせて建造された。
サンディというコ−ドネ−ムもシンディの命名によるもので、サブコンピュ−タ−やセンサ−ユニットの詰まった頭部がシンディの顔を模しているのはご愛敬だ。
長い頭髪は意外にも飾りではなくレ−ダ−やセンサ−の一部を成し、更に軽防御をも兼ねているのだった。
サンディの強力なECM能力も、偏にこの長い髪の恩恵・・・まさに髪は女の命なのだ。
208☆娘:03/01/25 09:29 ID:Isq+z+1O
武器ユニットである左腕には強力なレ−ルガンが外付けで装着され、あらゆる物を簡単に破壊可能で、更に手首から先は対空戦闘ユニットになっている。
親指と小指はレ−ダ−波を撹乱させるチャフの投射器、残りの三本の指は強力な30mm対空機関砲を内蔵する。
強力な装甲を誇る戦車も上部の装甲は薄い・・・接近して真上から叩き込めば、戦車を対空機関砲で屑鉄に変える事も出来る。
弾薬庫を兼ねる左腕は、緊急時には切り離し可能た。
一方右腕には武装は無いが、強力なマニュピレ−タとしての機能があり、重戦車を片手で持ち上げ、必要とあらば握り潰してしまうほどの怪力が与えられている。
シンディの唯一の不満はサンディの足だった。
軽量で丈夫な新素材の多用でコンパクトに纏められたサンディでさえ、総重量は軽く100tを越える・・・安定性が悪い上に、踏面が小さくて二本の足で立つにはカモシカのような細い足は不向きだった。
そこで膝から下はスカ−ト状に広がり、見事な大根足を呈している。
抜群のプロポ−ションを誇るサンディも、こればっかりはダイエットできなかったのがシンディの悩みだった。
手足に当たる部分は金属そのままの光沢を放っているが、原子炉・コックピット・メインコンピュ−タ−を内臓する胴体部分にはセラミック装甲が施され、シンディの好みで赤色に着色されていた・・・サンディが赤いレオタ−ドに身を包んでいるように見えるのは、その為である。
一見華奢に見えるサンディだが、旧式のロボット兵器の強度を遥かに上回り、その機動性と合わせて通常兵器でこれを破壊する事は不可能、厳禁されてはいるが旧式ロボットなど素手で破壊する事も可能だった。
209☆娘:03/01/25 09:33 ID:Isq+z+1O
またサンディは第三世代のロボット兵器であり、対話教育型のコンピュ−タ−によりパイロットの負担を軽減し、
更にカスタマイズによって進化する機体でもあった。
一人っ子のシンディには兄弟がいない・・・不慮の事故で両親も既にこの世に無い・・・。
シンディはサンディが自分の姉妹のように思える時がある。
いや、姉妹と言うより、シンディ自身であるとさえ考えている。
演習の時など、シンディは武器をほとんど使わずサンディの機体で廃棄された古い戦車や軍用トラックを踏み潰し、
握り潰す事を好んだ・・・恰も自分が巨人になったかのように。
彼女は、その圧倒的な力を楽しみ、そしてその行為自体に密かに興奮を覚えるのだった。
サンディの目を通して見ると、人も軍も酷く矮小な存在に思えてならない。
他のパイロット達はどうなのだろう?
破壊と殺戮をほしいままにする巨大化した自分・・・。
何もかも気持の赴くまま破壊してみたい・・・時々頭を擡げるほの暗い欲求を、
機体の何処かに仕掛けられている筈の自爆装置の存在が打ち消した。
如何に軽量に造ってあるとは言っても、DOLLはその重量から空を自由に飛べるアニメ−ションのロボットには程遠いものがあったが、
陸戦兵器の頂点にある事は間違い無く、事実ほんの数分の戦闘で国連軍があれほどてこずった地上戦艦シュメ−ルをいとも簡単に沈めてしまったのだった。
今、世界には何体のDOLLが稼動しているのだろう・・・何時かはDOLL同士の戦闘が行われる日が来る・・・。
その時自分とサンディは生き残る事が出来るだろうか?
シンディはバスタオルで濡れた髪を拭きながらダイエットコ−クを飲み干す。
一挙に戦局が変わった中東の地から、彼女たちを乗せた揚陸艦は母港・横須賀に向けて帰路についた・・・。
210☆娘:03/01/25 09:37 ID:Isq+z+1O
時のウサギ〜A機械の国のアリス


「いったあ〜ぁぃぃぃ〜〜〜!」
出会い頭にシンディは重そうな本を抱えた少女とぶつかった。
分厚い本が乾いたコンクリ−トの上にばらばらと散乱する。
「あうぅ・・・眼鏡・・・眼鏡・・・?」
古典的な漫才のネタのように眼鏡を捜す小柄なジ−ンズの少女。
「ごめん、大丈夫?・・・はい、眼鏡!」
シンディから眼鏡を手渡され、ぺたんと尻餅をついたままそれを掛け直し安堵する少女。
「ありがとう・・・見える見える〜♪」
にっこりと笑う少女・・・丸い眼鏡が彼女を一層幼く変える。
可愛い子だな・・・でも何でこんな子が軍事施設にいるんだろう?
シンディは散らばった本を集めながら自分の立場も忘れて、ふと疑問を抱く。
折りからの自衛隊の基地祭に紛れ込んで、立ち入り禁止のエリアに踏み込んでいる自分の立場も忘れて・・・。
沖縄に配備されている僚機のサンドラが、中東から戻りメンテナンスに入ったサンディの代わりに稼動状態に入ったのを期に、シンディは纏まった休暇を貰った。
一つの機体に一人のパイロットが専属で乗機するDOLL・・・パイロットが戦死するか除隊しない限りは個人デ−タ−が書き換えられる事はない。
一見稼働率が低いように思えるが、最初から機体とパイロットをシンクロし直して実戦に耐えるように仕立てる労力を考えれば複数の機体を用意して常時一機稼動の方が手間が省ける。
DOLLは複雑かつ繊細、そして最強の兵器なのだ。
最終調整だけは自分の手で・・・それまでは全くのオフだった。
スパイ・・・シンディに、そんなだいそれた考えは無かったが、最高機密である筈のDOLLを基地祭に平気で展示しデモンストレ−ションしていると聞いて、シンディは富士山の麓のこの基地に一般人として紛れ込んだ。
日本人のセキュリティ意識というのは今一つ解らない?
「日本語お上手ね」
「ありがとう。 私、生まれも育ちも日本なの・・・英語の方が苦手かもよ?」
「あはは・・・可笑しい!」
「私はシンディ・・・シンディ=クレセント」
そう言ってシンディは右手を差し出す・・・笑顔で握手する少女。
「あたし美月、飛島美月・・・よろしくね!」
211☆娘:03/01/25 09:39 ID:Isq+z+1O
再びシンディの頭にさっきの疑問が首を擡げる・・・分厚い大量の本を抱えた少女。
基地祭にやってきた一般人とは思えない・・・第一、ここは立ち入り禁止エリアだ、かといって軍属にも見えない。
その時一台のジ−プがやって来て彼女たちの前に停まった。
「お月さん・・・捜したぜ。 カグヤの右足のバランサ−の調子が悪いんだ。 立っているのもやっとの状態、自力歩行じゃ被害が出そう・・・悪いけどラビちゃんにハンガ−までカグヤを運んでもらえないかい?」
作業衣の男が少女に頭を下げる。
「カグヤちゃん、この間から具合悪そう・・・可哀想に。 今、ラビ呼びますね!」
「頼むよ・・・クロ−ラ−使ってたら時間がかかって・・・ところでこっちのべっぴんさんは?」
「シンディ・・・私のお友達」
カグヤ、聞き覚えのある名前・・・たしか日本のDOLLシリ−ズ・・・でも、ラビって何だろう?
「ラビ〜! お仕事だよ〜!」
「は〜い♪」
兵舎の向こうに巨大な影が立ち上がった・・・しかし、これは何の冗談なんだろう?
頭に金属製のウサギの耳を載せた水色のエプロンドレスの少女・・・これがラビ?
これもDOLLなんだろうか・・・ラビと呼ばれた巨大な少女は重い足音を・・・といってもサンディの比ではないほど小さな音だが・・・響かせてやってきた。
気のせいか右足と左足の立てる音が違うような?
不思議の国のアリス・・・日本人は時々訳の分からない事をする。
212☆娘:03/01/25 09:44 ID:H123t1Pc
ラビは軽やかな足取りでシンディ達の前にやってくると、軽く会釈してからしゃがみ込んだ・・・なんて滑らかな動きなんだろう?
「なあに、美月?」
可愛い声、呆れた事に言葉に合わせて口が動いている・・・ますます持って日本人という奴は。
「ラビ、カグヤちゃんが具合が悪いんだって・・・ハンガ−まで運んであげて」
「は〜い♪」
幼さたっぷりの声で応えると、ラビはぴょんと跳び上がって歩き出した。
兵器としては疑問視されている日本のDOLLだが、ロボットとしての運動性はサンディの比ではない・・・まるで人間そのままの動きをする。
「ねえ、美月・・・貴方はロボット工学の専門家なの?」
シンディは素朴な疑問をぶつけてみた。
「あたし? とんでもない・・・TVでト−スト焼けるほどの機械オンチだよ」
なんだそれは?・・・いっそのこと、それはそれで凄いとも言えるが・・・。
わざわざラビの起動に美月を呼ぶくらいだから、てっきりそうなのかと思っていたが・・・それならば彼女がここにいる理由も解るのだが?
「あたしはラビのパイロットなんだよ〜♪」
「えっ?!」
このちょっと天然がかったメカオンチの少女が、あの超高性能DOLLのパイロット・・・。
あれ、でも美月はラビに乗っていないじゃないか・・・今は誰が操縦しているんだ?
「といってもね、ラビは勝手に動いてくれるから・・・ラビはあたしのお友達なの」
「完全自律型のDOLL・・・日本は既に?」
「違うよ、ラビはDOLLじゃない・・・ラビの発見で一気にDOLLの開発に弾みはついたけど、あの子は遺跡だから・・・DOLLじゃない、兵器じゃないの」
「遺跡?」
シンディは美月が持っていた本が、みな考古学の本だった事を思い出した・・・。
213☆娘:03/01/25 09:46 ID:H123t1Pc
時のウサギ〜B遺跡


『アナタハ、ダアレ?』
「あっ、あたしは美月・・・飛島美月・・・」
『ミ・ヅ・キ・・・ニンシキカンリョウ・・・アナタヲマスタ−トシテトウロクシマシタ』
キュポっという音がして、あたしが転げ落ちてきた入り口が塞がった・・・。
真っ暗だった空間に明るい光が満ちると、あたしの体はふわりと浮き上がり、そして何も無い宙空に固定される。
手足は自由に動かせるけど、床に落ちる事はなく、卵型の空間にあたしはまるで黄身のように浮いていた。
『シンクロリツ90%、オ−トパイロットタイキジョウタイ・・・ゲンザイ、コントロ−ルハマスタ−ニアリマス』
「ねっ、ねえ・・・これはなんなのよ、ここは何処? あたしは誰・・・じゃあなかった、貴方は誰なのよ〜?」
『ココハワタシノタイナイデス・・・アナタハミヅキ、ワタシノマスタ−・・・ワタシハ・・・ワタシハ・・・ワタシハダレデショウ?・・・キオクガハソンシテイルヨウデス・・・』
「タイナイって・・・体の中って事?」
『ハイ』
「あたし食べられちゃったの?」
『イエ、ソノニンシキハタダシクナイカト・・・ソモソモワタシニハショクモツヲセッシュスルヒツヨウモ、ソノキノウモアリマセン、ムシロワタシガマスタ−ノカンリカニアルトカンガエテイタダイタホウガタダシイカト』
「貴方、一体なんなの?」
『ワタシハアナタノシモベデス』
「僕・・・僕って言われても・・・あれ、良く考えたら、貴方の言葉・・・なんだか直接頭の中に響いてくるみたいなんだけど?}
『ハイ、オンセイデノカイワモデキマスガ、マダマスタ−ノゲンゴタイケイヲワタシノナカニカクリツデキテイナイノデ、チョクセツマスタ−ノズノウトカイワサセテイタダイテイマス』
「何か良く解らないけど・・・まあ良いや。 取り敢えず会話は成り立っているみたいだし・・・。 でも、マスタ−は止めてよ、美月で良いよ。」
『ハイ、マスタ−』
「だから・・・美月だって・・・」
『ハイ、ミヅキ』
214☆娘:03/01/25 09:47 ID:H123t1Pc
ゆんもりの月・・・沖縄の近海に横たわる謎の海底の遺跡。
古くから漁業関係者には、あの海底には何かがあると囁かれていた。
海の底に眠る神殿風の構造物を見たと言う者もいた。
うちの大学がチャ−タ−した調査船が、ゆんもりの月と呼ばれる海域に碇を下ろしたのは五月も半ばの事。
遺跡は、まるで誰かに発見されるのを待っていたかのように、あたし達の前に姿を現した。
次々に発見される人工構造物の数々・・・調査は順調だ。
予想を上回る規模の巨石文明、その石積はカミソリの歯一枚通さないほどの精巧さだ。
誰もが世紀の大発見に狂喜していた。
ただ、不思議な事に人が生活した痕跡が一切無い・・・広大な石造建築物が海の底に続くばかりで、人骨は愚か食器の欠片一つ見つからない・・・何の目的で造られたのだろう?
調査が進むに連れて遺跡の全容が明らかになってきた。
直径数キロに及ぶ巨大な円形の遺跡・・・次々に姿を現す海底の事実を、泳げないあたしは船の上でもどかしく聞いていた。
ゆんもりの月・・・その名が何を表すのか、本当の名称なのかは解らない。
ただ、実際に古代の文明がそこに花開いていた事だけは動かせない事実だ。

嵐が来た・・・。
突然海上に発生した巨大な低気圧・・・水銀柱がグングン下がる。
荒れ狂う風雨に翻弄される調査船の中で、あたし達は激しい船酔いに耐えていた。
胃の中のものは、もう既にすべて吐いてしまった・・・。
もう何時間ここでこうやって嵐に耐えているのだろう?
たちまち嵐の口中に投げ込まれた調査船は、逃げ出す事も許されず木の葉のように暗い波間に翻弄されている。
今度こそ駄目だと思われる大波に何度も洗われながら、それでも船は浮かんでいた。
そして、それは突然やってきた。
ドンと船が持ち上げられるような衝撃・・・誰もが最期を覚悟する。
船の右手に夜目にも白い巨大な・・・船のマストを上回るほどの波頭が迫っていた。
効かない舵を精一杯効かせて大波に正対しようとするクル−、でもそれは無駄なあがきでしかなかった。
船体が大きな音を立てて軋み、ガラスの割れる音がした。
堅く閉じてあったハッチがバンと開くと海水が凶器のようになだれ込んで来る。
あたしは漁師達の言い伝えを思い出していた・・・ゆんもりの月は竜宮の入り口・・・ただしそれを見たものは生きて帰れない・・・。
215☆娘:03/01/25 09:48 ID:H123t1Pc
暑い!・・・あたしはジリジリと照り付ける夏の日差しに目を覚ました。
酷く喉が渇く・・・ここは何処なの?
体中が痛い・・・でも、あたし生きてる?
ツルツルと滑る足下、なんなんだろうこれは?・・・足下に広がる滑らかで無機質な大地。
眼鏡が無い、嵐に飲み込まれてしまったみたい・・・。
あたしはライフジャケットの下のシャツのポケットを探った。
あった、スペアの眼鏡を入れておいて良かった・・・壊れてはいない。
あたしは眼鏡を掛けると改めて辺りを見回した。
遥か遠くの大地の果てに蒼い海が見える。
キラキラと輝く海に負けないほど、あたしの立っている大地も陽光を照らし返して輝いている。
硬質なガラスのような大地、その所々がひび割れて巨大なクレバスを造っている。
ここが竜宮城なの?
随分と殺風景な竜宮城だ・・・あたしは窮屈なライフジャケットを脱ぎ捨てた。
みんなは、船はどうなったんだろう?
そして、あたしはどうなるんだろう?
その時、ごぉ〜っという地鳴りがして、足下が震えた。
あちこちでビシッとかパリンとかガラスが割れるような音がする・・・大地が揺れている、地震だ。
背後で一際大きな音がした。
振り返ったあたしが見たものは・・・巨大なガラスの卵・・・。
平板な景色の中で、それだけが人の手によるもののようだった。
大地に半分めり込んだガラスの卵が、ゆっくりと傾き、分厚い卵の殻がひび割れて陥没した。
揺れが静かに収まっていく。
あたしはペタンとお尻をついて腰を抜かしていた。
なんなのここは? そしてあの卵は?
あたしは激しい恐怖を感じながらも卵に近づいていった。
好奇心と人恋しさが入り交じった複雑な気持・・・。
自然の創造物とは思えないガラスの卵。
この際、人のいた息吹を感じられるのならば相手が鬼でも悪魔でも構わない。
あたしはひび割れに足を掛けて卵の中を覗き込んだ・・・。
216☆娘:03/01/25 09:54 ID:S3hpYHcC
時のウサギ〜Cロストテクノロジ−


ラビはひょいとカグヤを抱きかかえると、そのまま担いでハンガ−へ向かう。
日本のDOLLは全ての機体が同じ顔をしている。
無表情なカグヤを担いでラビは足取りも軽く、今にも歌い出しそうな笑顔で歩いていく。
彼女は他の機体とも、パイロットの美月とも違う顔立ちをしていた。
DOLLというより近所の女の子を捕まえて巨大化させたんじゃないかと疑いたくなる。
ラビは目測で身長15m・・・DOLLとしては極めて小さいがパワ−はあるようだ。
担がれているカグヤは18m強、重量は80t近いのに・・・。
遺跡といわれても俄かには信じられないが、ラビの動きは滑らかでカグヤとも愛機サンディとも明らかに異なる。
シンディはラビを見ていてサンディが酷くつまらない機体であるように思え慌ててその考えを否定した。
サンディは私なんだ、サンディを否定する事は自分を否定するようなものだ。
それにいくら滑らかな動きを見せてもDOLLは兵器なのだ、実戦に耐えなければ意味が無い。
さっき美月は、ラビの発見がDOLLの開発を加速したと言っていた。
本当にあの巨大なアリスは不思議の国から来たのだろうか?
「ねえ、美月・・・貴方ラビのパイロットだって言ったわよね・・・ラビは塔乗しなくても遠隔操作が出来るの?」
「遠隔操作も何も、私にDOLLの操縦なんて出来ないから・・・ラビは私の言う事考える事を自分で判断して自分で動いてるんだよ」
それはもはやロボットじゃないだろう、人造人間だ・・・ならば何故パイロットが必要なのだろう?
「それは私が自衛隊に入る名目で、ラビ自身は私の事マスタ−だって言ってるから・・・」
ならパイロットとしての美月は必要無いだろう・・・シンディはそう言いかけて口をつぐんだ。
「あの子が私を諦らめてくれれば私も自衛隊になんか入らなくても良かったんだけど・・・私と離れると、あの子暴れ出しちゃうから・・・あの子怒ると怖いんだよ」
それはラビが美月を自分の主人として認めているという事だろう・・・怒ると怖い、暴れ出す・・・そういう過去があったんだろうか?
サンディは自分が死んだら、他のパイロットを拒むだろうか・・・残念だけれど、そんな事はありえない。
217☆娘:03/01/25 09:56 ID:S3hpYHcC
「あの子、ラビちゃんは遺跡だって言ってたけど?」
「そうよ・・・私が、うううん・・・私達が見つけたの・・・みんな死んじゃったけどね・・・」
「ちょっと、お月さん・・・口が軽すぎるよ!」
その時背後から二人に鋭い声が掛けられた。
「あっ、ひかるちゃん!」
シンディが振り向くと腰に手を宛がったつなぎの作業服の女の子が彼女を睨んで立っていた。
「アメリカのエ−スDOLLパイロットが、こんなところで何してるのかしら・・・スパイ?」
「・・・・・」
「えっ、そうなの・・・わぁ〜、サイン貰っちゃおうかな?」
「お月さんたら能天気・・・ラビの性格が段々幼くなってるのは、お月さんの所為だよ、もう・・・ところで何か盗めたかな”サンダ−ボ−ル・シンディ”?」
「・・・私はスパイなんか・・・DOLLパイロットとしてラビちゃんには興味はあるけれど・・・」
「まあ良いわ、どうせ何も盗めやしない・・・未だに構造も能力も、何を動力に動いているのかも解らない、メンテ不要で動き回っている謎の遺跡なんだから・・・じゃあね、精々頑張って!」
「まっ、待ってよ〜、ひかるちゃん・・・」
美月が止めるのも聞かないで、ひかると呼ばれた女の子は後ろ手に手を振りながらハンガ−の中に消えていった。
「彼女は?」
「玉造ひかるちゃん・・・大芝重工から出向で来てるの・・・DOLLの研究開発とメンテの為に」
「そう・・・」
「でも、シンディってDOLLのパイロットだったんだ」
「ごめん・・・騙すつもりじゃなかったんだけど・・・」
「うううん、全然・・・聞いたよ、凄い活躍だったんだって!
ひかるちゃんも本当はパイロットになりたかったんだけど、彼女体が丈夫じゃないから・・・。
彼女の部屋には大きく伸ばしたサンディ、だっけ? 貴方の愛機の写真が沢山貼ってあるのよ」
「そう・・・」
「ねえ、今夜ひま? 私の部屋に来ない? すぐ近くになの・・・軍隊はどうも性に合わなくて」
「うん、特に予定はないけれど・・・」
「決まり! はい、これ私の連絡先・・・電話して!」
美月はシンディに小さな紙切れを渡すと、ついと眼鏡を上げて下から悪戯っぽくシンディを覗き込むと、ラビを追いかけて駆け出した。
「約束だよ〜♪」
218☆娘:03/01/25 09:59 ID:S3hpYHcC
「ラビはねえ、卵の中で膝を抱えて座っていたの・・・」
美月はとろんとした眼差しでグラスのワインを空ける。
天井まで蔵書で埋まった、ちょっと黴臭い部屋・・・色の無い部屋だとシンディは思った。
「最初は言葉もたどたどしかったんだけど・・・あの子、可愛〜いの・・・あたしの事ママだと思ってるみたい」
「お月さんはロマンチストだから・・・あれはプログラムなのよ」
「もう、ひかるちゃんは夢が無いなぁ・・・」
美月は、ちょっとむくれてまたグラスを空ける・・・大丈夫なの?
「きゃは・・・大丈夫よ、女も26にもなればお酒の飲み方くらい心得てま〜す♪」
26・・・童顔で少女みたいな顔してるけど、私より年上じゃない・・・シンディは驚いた。
「結局あのガラスの島は海底地震で隆起したかと思ったら、すぐにまた余震で砕けて沈んじゃったのよね?」
「うん、でも驚いたなぁ・・・竜宮城には乙姫様じゃなくて、卵に入った大きなバニ−ガ−ルがいたんだもん!」
「バニ−ガ−ル?」
「うん、ラビの事・・・大きなウサギの耳付けた白いバニ−ス−ツの大きな女の子・・・だから私が『ラビ』って名前付けたんだ」
「あれで網タイツとハイヒ−ル履いて、ウサギの尻尾があったら、キャバレ−竜宮城ね」
「あはは・・・随分と大きなホステスさんだねぇ・・・」
何だか二人して、シュ−ルな想像してるなぁ・・・シンディはバドワイザ−を飲みながら店よりも大きなバニ−ガ−ルがいるキャバレ−を想像する。
219☆娘:03/01/25 10:00 ID:S3hpYHcC
「でも実際ラビが発見されなかったら、日本に・・・うううん、世界中にDOLLは・・・少なくとも女の子の格好をしたロボット兵器は誕生していなかったと思う」
「そうなの?」
「うん、ラビが大芝重工に調査の為に運び込まれて、そして結局何も解らず終いで今のところへ移されたでしょう?」
「うん・・・ひかるちゃんは、あの時からラビとお友達」
「その時、お月さんは民間人だからと言う事で大学に戻る筈だった・・・もう、その頃ラビは完全自律稼動で、言葉もなに不自由無かったし」
「うん・・・」
「あの時、お月さんがいないと知ったラビは突然暴れ出した・・・お月さんを還せって・・・」
「うん・・・」
「結局、あの時に取り押さえようとした作業用レイバ−5台がラビに潰された。
そして出動した部隊の戦車砲も対戦車ミサイルもラビには通用しなかった。
挙げ句に旧式だけど研究中のロボット兵器まで大破させられて・・・」
「ああ、思い出したくない過去だわぁ・・・」
「おかげで、お月さんは自衛隊に入る事になったのよね」
「そうなんだ・・・」
シンディにはラビと美月の意外な過去に驚いた。
「呼び戻されて帰ってきたら、そこら中凄い事になっていて・・・でも、あたしの顔見たら大人しくなったけどね」
「あのままだったら、お月さんを追いかけて街に飛び出してたよ、きっと・・・街をめちゃめちゃに破壊しながら・・・」
「だから、ラビを兵器として使わないという約束で、私は自衛隊に入ったの」
「ついでに、あのエプロンドレスを強請ったの誰よ?」
「だって、あの格好なら兵器に見えないでしょう?」
「同じよ、戦車を花柄に塗ってみたって戦車は戦車、兵器である事に変わりは無いんだから」
「ラビは兵器なんかじゃないもん!」
「じゃあ、なんなのよ?」
「解らない・・・解らないけど、兵器なんかじゃない・・・もっと違うもの・・・」
「これだから文系は・・・」
「なによペチャパイ!」
「なっ、あんたにだけは言われたくないやい!」
遣り合う二人を見ながらシンディは思った・・・なんだかんだと言いながら、この二人仲が良さそうだ・・・。
220☆娘:03/01/25 10:08 ID:R4yZ0y9X
知らぬ間に美月は酔いつぶれて眠っていた。
「もう、私より年上の癖に・・・何時までも夢ばっかり追いかけてるんだから・・・」
ひかるは押し入れから毛布を取り出すと静かに寝息を立てている美月にかけてやった。
「でもね、そこがお月さんの良いとこなんだけど・・・」
そう言うと、ひかるは美月の顔から眼鏡を外し、寝乱れた髪を手櫛で梳いてやる。
「私だって、ラビが兵器だなんて考えたくない・・・けど追いつけないのよ、私達の技術じゃ・・・」
ひかるはシンディに話し掛けるというより自分自身に問い掛けるように話し出した。
「ラビはね、右の足首から下だけが私達のテクノロジ−で出来ているの・・・歩く時、右の足と左の足で足音が違うでしょう?」
ああ、それで・・・シンディは軽くうなづいた。
「ラビは発見された時、右の足首から下が無かったの・・・。
どんな強い力が加えられたのか想像も出来ないわ。
私達がラビという遺跡から垣間見た失われたテクノロジ−は、実はそれだけなの・・・。
ラビの体を構成する金属も外皮も、今の私達には造れない・・・軽くて強くてしなやかで。
信じられる? ラビの体重は40tしかないのよ・・・現在のカグヤシリ−ズでさえ80tもあるのに。
現在のDOLLは昆虫のように骨格と外皮を一体化する事によって成り立っている。
人間のように骨格の上に外皮を纏っていたら・・・充分な強度と、それに相反する軽量化を両立できないのよ。
でもね、ラビの千切れた右の足は私達人間とそっくりだったの・・・骨格があって外皮があって、筋肉に相当する強靭な繊維の束があって・・・その何れもが再現不可能な物質で出来ていた。
落ち込んだわよ正直・・・こんな凄いテクノロジ−を目の前にして、私達の文明は全然歯が立たないんだから・・・。
221☆娘:03/01/25 10:09 ID:R4yZ0y9X
普段は人間の皮膚のように柔らかく、そのくせ戦車砲やミサイルの攻撃を受け付けないのよ!
現在朧気に解っているのは・・・うううん、それだって想像の域を出ないんだけど・・・ラビの体を構成する外皮や筋肉組織には、極めて伝導率の高い電極のような働きがあって、内部にある種の電気信号に反応して硬化する液体金属が充填されているんじゃないかって事。
動力についても何一つ解ってはいないわ・・・ただ、左の胸に球形の機関があって、内部に水晶のような物体が封じ込められているようだという事だけ、しかもメンテ無しで動き続けているんだから手におえないよ、まったく!
だけど人はラビというス−パ−テクノロジ−と、その力の一端を見てしまった・・・それからよ、DOLLの研究開発が始まったのは。
取り敢えず、それまでのロボット兵器に、形だけ似せた第一世代のDOLLから始まって、現在は何とか兵器として運用できるまでには至ったけれど、ラビと比べたらまるでオモチャ。
そのうちに予算やらなにやらの関係で欧米に追い抜かれて、今じゃ日本のDOLLは・・・」
ひかるは、そう言うと温くなったビ−ルを一気に飲み干す。
「でもね、実際造ってみると結構合理的な構造と造形だったんだよ、DOLLって。
本当は起動前のラビを発見できていたら、もっと色々調べられたかもしれないけれど。
あの子体弄られるの嫌がってジッとしていてくれないし・・・。
だって超合金の拘束装置を簡単に引き千切っちゃうんだもの。
私、本当はパイロットになりたかったの・・・でも、生まれつき心臓に欠陥があって・・・。
ただ、DOLLで実戦を経験した貴方になら解ってもらえるかと思って。
率直に聞くわ、貴方のサンディでラビを破壊できる?」
シンディは答えられなかった・・・命令とあらば出撃する覚悟は出来ている、けれど・・・。
「もし、ラビが暴走するような事があったら・・・ラビの右の足を狙って。
それがラビの弱点・・・悔しいけれど、そこだけが私達のテクノロジ−」
222☆娘:03/01/25 10:11 ID:R4yZ0y9X
「良いの、ひかる? そんな大事な事・・・私、スパイかもしれないよ」
シンディは、ひかるの真意を量りかねて尋ねた。
「本当はね、私・・・お月さんが羨ましかった。
だって、何の苦労もしないでDOLLのパイロットになっちゃうんだもの・・・。
最初は、お月さんからラビを取り上げてやろうと思った。
でも、ラビは決してお月さんを裏切らない、そしてお月さんも・・・敵いませんよ片思いわ!
私、お月さん好きよ・・・今時、こんな純な人見た事無い・・・そしてラビも。
だから、ラビには人間の敵になって欲しくない、もしその時はシンディ・・・貴方の手で」
ひかるは、そう言うと上を向いて目尻を手の甲で拭った。
勝てるだろうか、自分とサンディは?
「あれってやっぱり宇宙人か何かのテクノロジ−なのかな?」
「そう思った方が簡単だけど・・・お月さんは違うって譲らないね」
「なんで?」
「ラビは私達日本人の遠い祖先が造ったものだって・・・」
「美月って本当は考古学が専門なんでしょう・・・ロマンチストね、確かに」
「でもね、お月さんの言う事にも一理はあるの・・・ラビの髪は、私達日本人と同じ黒髪だし、瞳の色や肌の色、それから体型や顔立ちも明らかに日本人を模したものだわ」
「・・・・・」
確かにそれは事実だが、超古代の日本にそんなテクノロジ−があったとは思えない・・・つまらない選民意識が見せる幻想なんじゃないんだろうか?
223☆娘:03/01/25 10:11 ID:R4yZ0y9X
「お月さんは良く言うわ・・・一見、荒唐無稽とも思える古代の出土品も、意外と事実をそのままに伝えている事が多いって。
事実をありのままに伝えよう、そして自分達の何かを伝えようってするものだって・・・。
たとえばシンディ・・・貴方が人形を作るとしたら、姿形は何をモデルにする?
自分自身じゃないにしても、自分と同じ人種をモデルにするんじゃないかって思わない?
DOLLが、うううん・・・ラビが人の形をしている以上、ラビも例外じゃないんじゃないかってさ」
「あるいは宇宙人が日本人に酷く似ていたか?」
シンディはサンディの事を思い出していた・・・自分と同じ顔をした鋼鉄の巨人の事を・・・。
「そもそもラビって、どれくらい昔に造られたの?」
「それが解らないんだって・・・計測する度に違う年代が弾き出されるってお月さん言ってた」
そんな事ってあるんだろうか?
「そうだ、明日は月に一度の射撃練習の日なんだけど・・・」
その時、美月が寝返りをうった・・・なにやら意味不明の寝言を言いながら。
シンディとひかるは互いに顔を見合わせて笑う。
窓の外では冴えた秋の月が蒼白い光を満たし、虫の声が賑やかだった。
224☆娘:03/01/25 10:17 ID:PCIYdar8
時のウサギ〜Dラビの夢


ラビはカグヤシリ−ズが装備する155mm突撃銃を構えると1キロ先の標的に狙いを付けた。
突撃銃とは言っても、それはカグヤ達の体躯に合わせた表現で、実際は砲と呼ぶべきだ。
目標は、ガ−ディアンと呼ばれるモスボ−ル状態の旧型のロボット兵器。
荒涼とした演習場に身長25mの物言わぬ鉄の固まりが聳え立つ。
カグヤシリ−ズは銃とのデ−タリンクにより照準を得るが、測距儀による直接照準も可能な設計になっていた。
ラビにはデ−タリンク機構などありはしないので、当然自分の目と測距儀が頼りだ。
ドンという鈍い音がして初弾が撃ち出される、続いて次弾が・・・高原の澄んだ空気が震える。
カ−キ色のガ−ディアンの前後左右に、その身長ほどもある土砂が舞い上がる。
結局、十包入りのマガジンを撃ち尽くしたが、一発も命中弾は無かった。
「私、射撃訓練嫌い・・・」
ラビは耳をうな垂れて、しょげてみせる。
硝煙の匂いが服に付くのを嫌って、今ラビは美月が彼女を発見した時のままのスタイル・・・つまりバニ−ガ−ルの格好のままだった。
シンディは服を脱いだラビを見るのは初めてだったが、何時もの水色のエプロンドレスの下には多少はメカニカルな部分が隠されているものだと思っていた・・・しかし、その期待と予想はは見事に裏切られた。
まるきり近所の少女をそのまま巨大化させたようなものだ・・・。
驚いた事に腕や足の付け根もシ−ムレスで、まるでメカらしい部分が無い。
唯一右の足首から先を幌布のようなもので包んでいるのが目立った・・・まるでル−ズソックスを履いているようにも見える。
「だあぁぁぁぁ〜〜、この役立たず! そのデッカイ耳は飾りかぁ〜?」
ひかるがデ−タ検測車から飛び出して来て、ラビをなじる。
「だって〜!」
「だってじゃな〜い! 撃てば撃つほど下手になってるじゃない? 月に一度の射撃訓練じゃ足りない? 特訓しようかぁ〜?」
「嫌だよ〜!」
225☆娘:03/01/25 10:20 ID:PCIYdar8
ラビは兵器として扱わない・・・ただし名目上の、月に一度のこの射撃訓練だけがラビと美月に課せられた自衛隊員としての義務だった。
「5号機、またラビちゃんのおかげで命拾いしたな・・・」
通称オヤジ・・・頑固な老メカニック・竹内直毅が、ぷかりと煙草の煙を吐きながら笑う。
「冗談じゃないわ・・・さっさとあのポンコツをスクラップにしないと・・・ハンガ−だって手狭になってきてるのに!」
「まあ、そう嫌うなよ・・・ラビちゃんやカグヤ達とは比較にならないかもしれないけど、あいつだってまだまだ使おうと思えば使えるんぜ」
「もう、何を呑気に・・・外国のDOLLのように日本のDOLLは原子炉積む事出来ないんですよ! ハンデ抱えてるんだから、いつまでもあんなポンコツかまってる閑は無いんです!」
「SIT帰りのエリ−ト様には立ち止まる事は許されないんだろうな・・・でもな、俺は一度も自分達が機械を使ってやってるなんて考えた事は無いぜ。
機械は人間の友達だ、奴等は嘘を吐かない・・・具合が悪い時は、それなりの理由があるんだ。
愛情を持って手を掛けてやれば、奴等は一生懸命応えてくれる。
お月さんとラビちゃんのように、人間と機械も話し合うべきだとは思わないかい?」
「そんなセンチメンタルな事言ってたら、日本は負けちゃう・・・」
「負ける・・・誰に負けるんだ? 誰に勝つんだ?」
「・・・・・」
「俺は古い人間だ・・・コンピュ−タ−や電子機器を否定しやしないが、最近の機械は語り掛けてこねえんだ・・・なんかこう、冷たいってえか心が無いってえか。
姿形や動作は人間に近くなってきてるんだが、むしろ得体が知れない・・・そのうち世界は機械に乗っ取られちまうんじゃね−かと思っちまうんだ。
上手く言えないけど『人間と機械の良い関係』ってのかな・・・ラビちゃん造った奴は、それが解ってたような気がするぜ・・・おまえさんもどうせ造るなら、そういう機械を造んな・・・機械にだって魂は宿る、俺はそう思う」
「ご忠告ありがとう・・・でも、私には私のやり方があるわ!」
ひかるは,そう言うとデ−タ−検測車に戻り、走り去る。
226☆娘:03/01/25 10:21 ID:PCIYdar8
「やれやれ・・・ここにはお転婆が多いな。 お〜い、ラビちゃん・・・すまないが5号機をハンガ−まで運んでくれないか?」
「は〜い♪」
射撃訓練が無事(?)終わって、ほっとした表情のラビが竹内に応える。
「SITって、サマ−セット工科大学の事?」
「ああ、何でも飛び級で入学して、あの若さで博士号とってるらしいぜ?」
シンディは、ひかるの意外な素性を聞かされ驚いた。
「いや〜〜〜ん!!」
その時、ラビの悲鳴と共に演習場に爆裂音が轟いた。
ラビの足下で巨大な爆炎が上がり、土砂が舞い散る。
「またか・・・」
「また?」
「ああ、良くやるんだ・・・不発弾踏んづけて」
「・・・・・」
「上手いもんだろう・・・ものの見事に不発弾を踏んづけやがる」
「わざとやってるんですか?」
「いいや、ただ吸い寄せられるように不発弾のある場所歩いちまうんだな、これが・・・」
天然ボケもここまで来ると命懸けだわ・・・シンディはベソかきながら演習場を歩き回るラビを見ながら思った・・・もう既に一種の才能かもしれない?
227☆娘:03/01/25 10:22 ID:PCIYdar8
「あらあら・・・ラビ、またあなた不発弾踏んづけたでしょう?」
「美月、何で解るの?」
「解るわよ・・・こんなに顔泥だらけにしちゃって」
そう言うと、美月はホ−スで水を掛けながらラビの体を洗い始めた・・・ご丁寧に髪にシャンプ−まで使って・・・。
「ラビは女の子なんだから、いつも清潔にしておかないと・・・男の子に嫌われちゃうぞ」
「うん・・・」
「水、冷たくな〜い?」
「うん、平気〜♪」
まるで本当の母親と娘だなぁ・・・竹内は美月とラビを見ながらそう思う。
カグヤ達の洗浄機を使えば一瞬で終わるのに、美月は決してラビの体にそれを使わない。
シャンプ−の泡にまみれた髪に、自分で指を通しながらラビが囁く。
「美月・・・また今日、ひかる怒らせちゃった・・・」
「良いの、女の子は鉄砲なんか撃たなくて!」
「うん・・・」
竹内は、そんな二人を見ているだけの自分がもどかしかった。
ラビが自分達の技術の延長線にあるものだったら軋み一つ立てないように完璧なメンテをしてやれるのに・・・まして機械だと解っていても女の子の体に、やたらと手を出す事も出来ない・・・後で右の足首の調整を念入りにしてやろう、自分に出来るのはそれぐらいしかない・・・。
「ねえ、美月・・・さっき夢を見たんだ・・・」
「夢?」
「うん・・・美月と一緒にゴハン食べる夢・・・」
「そう・・・美味しかった?」
「うん・・・でも夢なんだよね・・・」
「大丈夫、何時かきっと一緒にゴハン食べられる時が来るから!」
「来るかな?」
「来るよ、きっと・・・」
「うん!」
「さあ、できた・・・服着て良いよ!」
「は〜い♪」
ラビは緑の黒髪を靡かせながら、耳を小さく畳んで、いそいそとエプロンドレスを羽織る。
辺りにシャンプ−と石鹸の香りが漂った・・・必要があるのかどうかは疑問だが?
眠る必要の無い機械も夢を見るんだろうか・・・竹内は工具を取り上げるとメンテナンスブ−スに腰を下ろしたラビの右足のメンテナンスハッチを開けた。
「お願いしま〜す♪」
「おう、任しときな!」
228☆娘:03/01/25 10:25 ID:ugz+JPA9
そろそろ帰らないと・・・。
シンディが美月の部屋に転がり込んでから、早くも10日が過ぎようとしていた。
このまま美月とラビの関係を見ていたら、私・・・サンディのところに帰れなくなってしまう。
それに、昨日ひかるが言っていたが、近々ひかると美月、そしてラビは鮫島という所にある研究所に異動になるらしい。
美月は蔵書をどうしようかと悩み、ラビも新しい環境に不安を抱いている。
以前から鮫島の研究所を行き来していたひかるだけが、最新の設備で研究が出来ると喜んでいた。
アスカという名前の最新式DOLLが、そこで建造されているらしい。
パイロットの養成施設も併設されているという。
アスカは、カグヤ・サクヤ・シズカ・トモエ・・・現在ここにいるカグヤシリ−ズを凌駕する性能だと、ひかるは豪語していた。
「これで日本のDOLLも実戦配備に弾みが付くよ!」
229☆娘:03/01/25 10:28 ID:ugz+JPA9
シンディは美月が資料整理に追われ、疲れて眠りに就いたのを見届けてから深夜に美月の部屋を抜け出した。
美月は自衛隊員とは言っても、実際にはする事が無い・・・一日中ラビの掌の上で彼女とお喋りをしながら分厚い本を読み研究を続けている。
美月にとっては最新式のDOLLなど、どちらでもいい存在・・・彼女が興味を持っているのはラビとラビを生み出した文明についてだけだった。
「お給料もらいながら研究が出来るんだから、ある意味幸せなのかな?」
美月は時々笑ってそう言う。
「・・・融けたガラスの大地・・・沈んだ大陸・・・ソドムとゴモラ・・・ラ−マ=ヤ−ナ・・・ねえ、シンディ・・・古代に核戦争があったなんて言ったら信じる?」
今夜も美月は独り言とも寝言ともつかない言葉を吐きながら眠りに就いた。
彼女はラビの記憶を取り戻そうとしている・・・それが幸せなのか不幸せなのか解らないが?
ラビの記憶がパンドラの箱でなければ良いけれど・・・。
美月とラビの日常を見ていると、まあそんな悲劇は感じられないのだが。
ある時は食べ物の話、ある時は恋愛の話、またある時はファッションの話・・・美月は、まるっきりラビを普通の女の子として扱っている・・・そんな美月の性格に、ラビもすっかり心を開いている・・・羨ましいなぁ、私がサンディと話す事は戦闘の事ばかりだ・・・。
230☆娘:03/01/25 10:30 ID:ugz+JPA9
シンディはゲ−トを通らずに、金網越しに施設内に忍び込んだ。
この程度のセキュリティを突破する事などシンディには容易い事だ。
もし警備にでも見つかったら大問題になる事は承知していたが、シンディはどうしてもここを立ち去る前に、もう一度ラビの顔を見ておきたかった。
別れを告げれば美月は必ず彼女を引き止めるだろう。
足音を忍ばせてハンガ−を目指すシンディが建物の角を曲がると、芝生の上に腰を下ろして月を眺める大きな人影が冴えた月の光の中に佇んでいた・・・ラビだ。
「どうしたの・・・眠れないのかな?」
「・・・シンディ・・・私ね、眠らないの・・・眠る必要無いの・・・」
こんな時間に、こんな場所にいるシンディを咎めるでもなく、ラビは静かに微笑むと膝を抱えていた手を解いて彼女を掌の上に載せた。
永遠に動き続ける謎の遺跡・・・ラビは、そんな事を忘れさせてしまうくらい人間臭い。
ラビの掌は、まるで少女の手のように柔らかくて暖かかった。
ラビを造った人間は、何を考えてラビに表情を与えたのだろう?
「ねえ、ラビ・・・この間、射撃訓練の時・・・わざと外したでしょう?」
「・・・バレてる・・・あや・・・困った・・・」
思わず吹き出すシンディにつられてラビも笑う・・・がっ、人に気付かれたら不味いと思い、二人して唇に人差し指を当てる・・・そして二人して顔を見合わせ、今度は声も無く互いに微笑んだ。
「ところで、なんでワザと外したの?」
「・・・だって、何も悪い事してないのに壊すなんて可哀想じゃないですか・・・」
到底、兵器の考える事じゃない・・・。
美月の性格なのか、それともラビ本来の性格なのか?
恐るべき力を秘めた巨大な少女は、その力に似合わず優しい性格だった。
231☆娘:03/01/25 10:30 ID:ugz+JPA9
月の光に照らされて、ラビの黒髪が美しく輝いている。
下から見上げるシンディの目に、ラビの額に輝く紅い石が見えた。
ルビ−だろうか、まるでウサギの目のように赤い石。
普段は前髪に隠れて見えないのだが・・・ラビは何か宗教的な神像のようなものなのだろうか?
「ねえ・・・ラビ・・・貴方はいったいなんなの?」
シンディは抱いていた疑問を率直にラビにぶつけてみた。
ラビは、その問いかけには答えずに月を見上げ、ぽつりとこう呟く。
「お月様が遠くなっちゃった・・・昔はね、もっと大きく見えたんですよ、お月様」
「・・・何か思い出したの?」
「うううん、肝心な事は何にも・・・」
「そう・・・」
過去など思い出さない方が幸せなのかもしれない・・・シンディは漠然とそう思った。
「ラビ・・・私、本当はお別れを言いに来たんだ」
「サンディの所に帰るの?」
「うん」
「・・・ねえ、サンディもシンディみたいに胸大きいの?」
「へぇ?」
「メカニックの留さんが、いっつも苛めるんだよ・・・ペチャパイって!」
サンディは原子炉と発電機を胸に配置しているからこそグラマ−なのだ。
日本のDOLLは原子炉を積めないが、発電機はやはり胸に装備している。
しかし、元を正せば、その配置はラビのそれを模したもの、むしろこのスペ−スであのパワ−を絞り出すということは誇るべき事なのだが・・・。
「シンディはどうして胸大きいの・・・どうしたら胸大きくなるの?」
「さっ、さあ?・・・牛乳たくさん飲んだからかな?」
「牛乳かぁ〜、私には無理かな? 美月に教えてあげよう・・・」
ロボットに大きな胸が必要かどうかは疑問だけれど、目の前で真剣に悩む機械の少女を見ながらシンディは思った・・・この子はロボットである前に女の子だ。
帰ったら念入りにサンディと話しをしよう・・・戦闘以外の話を・・・たとえその記憶が戦闘を阻害する事になっても構わない、サンディに暖かい血を通わせられるのは自分だけなのだから。
別れの晩に、ラビの掌の上で見た月の光は何故か暖かかった・・・。
232☆娘:03/01/25 10:42 ID:ugz+JPA9
長々と連続投稿申し訳ありません(汗汗
おまけにあんまりほのぼのしてないし・・・。
今回は実験的試みで機械の巨大娘です・・・当然のようにエロ〜スはありません(爆
設定に手間取ったので、もしかしたら自分で気が付いていない落とし穴があるかも?
お気づきの点や質問などありましたら、お知らせ下さい。
それでは、何卒暖かい目で見守って下さいませ。
233juuroku:03/01/25 20:07 ID:IZNltkwM
>>203☆娘さま
好意的に捉えていただけたみたいで、一安心です〜
ガクガクブルブルだったんですよ・・・
>ところで、何時の間にアイツは目を覚ましたんだ(爆
イリナたんとアノ人会わせてほしいなって思ってるんで、つい、やってしまいました(汗
赤ちゃんが男の子か女の子かは神のみぞ知るってことで。(神は神でも、「神キター」の神ですよ〜、笑

呼び水にもなったみたいなんで、上げてよかったかな、なんて。
長文を上げるのは初めてだったから、パニクっちゃって、大失敗しちゃったのが悔やまれますです・・・

新作はミリタリー色が濃そうですね。
美月とラビはやっぱりテンネン色が濃そう(w
二人と出会って、シンディーの変化とか、メカ巨大娘がイパーイ出てくるのかな、とか、
興味が尽きません。

これからは、10ぺーじさんと☆娘さん、お二人の作品があわせて読めそう。
楽しみにしてます〜

23410ぺーじ:03/01/25 23:34 ID:eYpWXPZq
9
「いい湯でしたね。」
「…うん…」

僕達は、縁側に座り込んで空を見上げる。
相変わらず、だった。
空から、夏の大三角が、神社を見下ろしていた。
僕はミズホお姉ちゃんの隣に座っていたけれど、あとで、少し離してしまった。

「…今年の夏も、織姫と彦星は、空にありますね。」
「うん。」

ミズホお姉ちゃんは、静かにうちわをあおぎながら、星を見上げた。

「夏の大三角…この近くには、もう一つの言い伝えがあるんですよ。」
「え…?」
「もう一つの、織姫と牽牛とは別の…」

そう言ってミズホお姉ちゃんは目をつぶる。

「聞かせてよ。僕、そう言うの、好きなんだ。」

僕は、ミズホお姉ちゃんの寝巻きを引っ張って催促した。
ミズホお姉ちゃんは、僕を見て笑った。

「分かりました。それでは…」


夏の大三角はわし座のアルタイル(彦星)、白鳥座のデネブ(カササギ)、琴座のベガ(織姫)によって作られる。
それとは、まるで別の話で、舞台は、ここ。武蔵国。
23510ぺーじ:03/01/25 23:36 ID:eYpWXPZq
「織姫星は、私です。」
「…にゃっ!?」
「天水穂神。私なんです。」
「……。」
「カササギ星は、武蔵森生豊尊(むさしのもりはうゆたかのみこと)という男の神です。」
「…僕の名前が入ってる。豊って。」
「はい。そして、牽牛星は…峰岩地那都姫尊(みねいわのちなつひめのみこと)という、女神です。」

幼いころの天水穂神は、利根川や荒川が集まる水郷地帯で育った。
当時、天水穂神は、人間を弄ぶことが好きだった。
行く人間、来る人間を捕まえては弄び、人間の恐怖を買った。
何度も、親神に注意されてはまた、繰り返す。
人の歳の14になるまで。

「ねぇー。どこ行くんですかぁ?」

天水穂は、荒川の土手を歩いていた若い男に声をかけた。
天水穂は19mほど(1.6〔m〕×12倍)の体格の持ち主だった。
その19mの巨大娘が、川を歩く男に声をかけていた。
いきなり巨大な顔が川から出てくれば、驚いて逃げ出さない者はいない。

「うっうわぁっ!!」

もちろん男も逃げ出した。
悪名高い天水穂だ、と言うことも知っていた。
村には、弄ばれて殺された衆もいる。
23610ぺーじ:03/01/25 23:38 ID:eYpWXPZq
「やめろーっ!俺には病のおっかぁがいるんだーっ!」

男は必死で逃げた。
逃げても逃げても、地響きと水しぶきを連れて、笑顔の悪魔は自分を追って来る。
近くの田畑の百姓も、みんな男を見捨てた。
自分が巻き添えになるのが嫌だから。

「うふふ。待ってくださいよ。私と遊んでってくださいよー。」
「いやだーっ!見逃してくれぇーっ!」
「いやですーっ。今日はあなたと遊ぶと決めたんですーっ。いぇい!」

ついに、男は天水穂に捕まえられてしまった。
摘み上げられて必死にもがく男は、関取であっても非力だった。

「つっかまえました〜♪な〜う、プレイングタ〜イム!(^-^)」

天水穂は勝ち誇ったように笑って、男を荒川のど真ん中に落とした。
落ちて浮き上がっても、水深の深いそこでは、男は溺れるだけ。
あいにく、男は金づちだった。

「ほら、頑張ってくださいよ〜。溺れますよ?」
「あぶげべぇぇぇがぼがぼっ!」

男は、力尽きて沈みかけた。
それを、天水穂がすくい取る。

「あらあら。大丈夫ですか?」

ぐったりした男が、空中に摘み上げられる。
それを、天水穂が舐めた。
23710ぺーじ:03/01/25 23:41 ID:eYpWXPZq
「うーん、水っこい…。水飲んでないですか?もしもーし。」

天水穂は、小さく頼りない背中をさする。
あるのかも分からないような口から、水が吐き出された。

「げぇぇっ…はぁ、はぁ、はぁ。」
「やった!元気になったんですね!」
「…助けて…」
「え?何ですか?よく聞こえないですよ。」
「……助けて…」
「ああ、助けて欲しいんですか。分かりました!それでは…」

天水穂は、男を舐め出す。
舌が往復するたび、体がくねくねとよじれる。

「うがぇぁ…!」
「川水でびしょびしょですから、拭いてあげます。」

べろべろと舐めたあと、自分の着ていた服でぬぐう。
手加減のよさが、人間をどれだけ弄んだかを物語った。

「よし!これでオッケー!次、何します?」

天水穂がまたニコッと笑ったとき、どこからか、オヤジ…否、中年の男の声が響いた。

「ゴルァ水穂!ま〜た人間をいじめるか!!」

その声に、天水穂は反応する。

「キャッ!いやーん…お父様だぁ…ごめんなさい。また今度、遊びましょーね。そいじゃ、ばいばーい!」
23810ぺーじ:03/01/25 23:43 ID:eYpWXPZq
天水穂は、男を土手にそっと下ろすと、川面に姿を消した。
やっと、百姓があつまった。

「大丈夫か!?」
「あんたよう生きて帰ってきたなぁ。」
「わしゃもぅ嫌じゃ〜」
「…ハァハァ。」


「水穂!ただいま帰りましたっ!!」

天水穂は、障子を騒がしく開けた。
中には今にもキレそうな飲んだくれオヤジ…否、オジン…中年男。
いつものことを分かっている天水穂は、あえてその中年男性に走りよって抱きついた。
が、片手で払われる。

「あうっ!うみゅ〜…何するんですかぁ〜」
「…貴様、また約束を破ったな!」
「…ごめんなさい。」
「今日と言う今日は許さん!あれほど人間を大事にしろと言ったにもかかわらず…!」
「大事にはしてますよ。最近は、手加減もよくできてるんですから。」
「そういうことではない!!」

中年男性は立ち上がる。
手にさかずきを持ちながら。

「良いか!?」
「だーめ。」
「バカモノ!揚げ足を取るでない!人間はわしらよりも弱い!動物であってもそうだ!だがしかし、それをおもちゃとし扱うは、神にあらず!」
「だって…面白いんですよ。やめられませんよ。あの、かわいい小人達が、頑張ってるところが…う〜ん!!」
23910ぺーじ:03/01/25 23:44 ID:eYpWXPZq
「バカモノ!!貴様は我ら雨神の血を引く者なのだ!神としての自覚をせい!」
「じゃあ!どうしてしてはいけないのですか!?30文字以上で解答欄に書いてください!」
「…えっと、それはだな…わし国語は苦手…って、とにかくじゃ!!」
「あれは、私なりの人間とのスキンシップなんですぅ!」
「人間はそれを嫌がっとろう!それはただの弱いものいじめに過ぎん!」
「ひっど〜い!あんまりです〜!」

雨神と、天水穂は、いつもと変わらず、言い争う。
雨神の声は豪雨となり、天水穂がそれをあおる。
そして、それが荒川一帯の嵐となり、洪水となり…
人々は疲れ果てていた。
この近辺は、日頃雨が多い。
雨神のおかげだ。
それなのに、天水穂と雨神が言い争えば、必要以上の雨が降って、自分たちを苦しめる。
しかも、天水穂が地上に姿を現せば、そこは地獄絵図と化する。
多くの人々が逃げ出した。
だが、一歩だけでも、川・雨神の領域から外れれば、西武蔵野は関東ロームと水不足の荒地だった。
東も利根川。変わったことは一つもない。
だから、仕方なく戻ってきて、恐怖におびえて静かに暮らす。
頑張る姿を見やる心は、どこかで方向を間違えたらしい。

「罰として、貴様は武蔵の森神ところへ行って、半年雨を降らして来い!それまで、ここへ戻ることは許さん!」
「は〜い。」
「また人間にいたずらしてみろ。森神は貴様を"ジャイアント"スイングだぞ!」
「うにゃ〜っ。」

天水穂は、内心嬉しかった。
雨を降らすことは実は苦手だ。
しかも、面倒だ。
でも、その間に、うるさい雨神から離れて人間と遊ぶことが出来る。
また、するつもりだった。
24010ぺーじ:03/01/25 23:49 ID:O3om9vm1
「わーい。あのうるさいのから離れられた〜!」

天水穂は、土を掘り返し、とびはね、そして、あお向けに倒れる。
畑が一つ、つぶれた。
西武蔵野は、からからに乾いている。
でも、雨を降らす気などなかった。
また人間と遊ぶつもりだった。
雑木林と、南の大きな川一帯に畑が広がっている。
この近辺は、玉川上水がない時代には、ただの桑畑と雑木林でしか存在していない。
その時、視界に小さな顔が次々と現れた。
4人の、人間の子供が、自分の顔の上に乗っている。

「こらぁ!土足で顔踏んだなぁ!」

さすがの天水穂も、怒り出す。
起き上がると、子供は一目散に逃げ出した。
その時、もう一人の影が目に映った。
自分と同じくらいの体格の少年だ。
よく見ると、背中には何かをしょっている。
その少年の肩に、子供が乗る。

「へーっ。お前が東の乱暴者の、天水穂かぁ。なかなかかわいいじゃん。」

少年は、ニカッと笑った。

「…あなた、誰?」

天水穂は立ち上がって尋ねる。

「オレ?オレは武蔵森生豊。ここの森神の子さ。お前を迎えに来たんだ。」

武蔵森生豊はまた少し笑った。
24110ぺーじ:03/01/26 00:00 ID:tTUZ+LPF
久々にアップです。
風邪も治って再起動(?)です。
初めて前半に巫女服でない単語がちょこっとあるだけですが、服変えました。
…ただの寝巻きですけど…(汗

>☆娘さん
キターッ!☆娘さん印のおにゅうな小説!
眼鏡っ娘と巨乳とロボっ娘と巨大娘と…(笑
そういやステラたんも兵器でしたね。
242ゆんぞ:03/01/26 00:38 ID:LNX0P56t
>>juurokuさん
をを、小咄の初投稿乙です。
台詞オンリーなので少し場面の浮かびにくい箇所もありましたが、
それよりなにより juuroku氏にしか書けないことを書いてるのが
非常にナイスですた。両手に花だの(w

>>☆娘さん
を、新小説キター。
登場人物がそれぞれに影を持ってるのが なかなかに興味深いです。
どういう展開になるのか。

>>10ページさん
昔のミズホたん、コワー(w
243TRPG好き:03/01/26 01:37 ID:5XPBA5yM
どーもーお久しぶりの書き込みです。
>juurokuさん
ついに、おん自らの投稿ですね♪
つかさタンと巨大つかさタンの会話とか、いい感じですよ。
モチロン巡査もですw

>☆娘さん
いよいよ新作始まりましたね、まってました!。
なるほど、今回はロボッ娘ですか。しかも発掘品・・・
展開も興味深く、楽しみです。

>10ぺーじさん
感想が遅れてゴメンナサイです(謝
生活観がよく出ています。そういうの、好きです♪
あと、ミズホさんの過去、以外でした。なるほど、そういうことがあったとは・・・
このあと、どういう過程で今の性格が形成されていくのか、楽しみです。

今日はこの辺で。
それでは。
244juuroku:03/01/26 04:29 ID:T3xlI0lA
>ゆんぞさん
>台詞オンリーなので少し場面の浮かびにくい箇所もありましたが、
やっぱりありましたか、、気を付けてはいたんですけど、難しいですねぇ。説明しすぎてもダメだし。
大きい花はおいらがもらうので、小さい方差し上げましょか?あ、いけねっ

>TRPG好きさん
どっちのつかさが喋ってるのか、解って頂けたのかな心配

>10ぺーじさん
復活おめでとうございます。きょうはなんて良い日なんでしょ
はうっ、お風呂はあそこまでだったかぁ(阿呆
幼いミズホ様って凶悪ですね、でもちょっとドキドキするおいらっていったい・・・
異性と出会って女の子は変わってゆくの・・・かな?

実は今でも変わってないとか(爆
245名無しさん@ピンキー:03/01/26 14:13 ID:s8X7MyCp
ミズホさんも今ではすっかり丸くなって。特に腰のところが(藁
246名無しさん@ピンキー:03/01/27 15:27 ID:sPYd3C4f
www.bekkoame.ne.jp/~hiro-18/kyuubidoufolder/moderunoheya.html
247名無しさん@ピンキー:03/01/28 00:37 ID:8oUOVyDY
嵐も収まりつつあるみたい、


ここは関係なかったけどnya
248名無しさん@ピンキー:03/01/29 00:57 ID:dqAgtM91
>>239
重い話のときの「まんが日本むかし話」を思い出した。
+オリンポスのポロンかな
249名無しさん@ピンキー:03/01/30 02:45 ID:k1zCZ+WR
管理人:なおくん@管理人 (北海道出身)
常連メンバー:レタちゃん(岡山県出身、独身の中年オヤジ、現在2ch半角板
から出向中。岡山南、就実学園、学芸館高校が専門。カメラはDiMAGEとEXILIM)。
KR(神奈川出身、小田急線・相鉄線車内及び駅構内、横浜、渋谷の繁華街が縄張り。
カメラはEXILIM)。サンジ(東京都出身、現在2ch半角板から出向中。タイーホ経験
あり)。水平対向6気筒(雪国で頑張るカメラ小僧。タイツマニア)。ゆま(大阪府
出身、大阪女学院周辺を徘徊する)。愛の花園(神戸出身)。50%OFF(半額)
(福岡県出身、海岸撮り専門)。337 (大阪府出身、世の華で活動していたがレスも
らえず寂しくなり、なおくんファミリーに加わる)。ate man (出身地不明、タイー
ホ経験あり)。南(山口出身、車撮り専門。「髪きれい」が口癖)子トトロ (出身地
不明、あかねちゃんのパパ。タイーホ経験あり。)麒麟 (出身地不明、貼るだけ貼っ
てレスしない投稿者)。モモンガ(ただの厨房。世の華で活動していたが独りでレス
をすることに空しさを感じ、なおくんファミリーに加わる)。
250名無しさん@ピンキー:03/01/31 07:12 ID:xEUJEUsI
>☆娘様
自我を持った女の子アンドロイド、いいでし
転任地で怖い目に遭ったりしませんよね。

委員会に「イリナU」と「クリスマス」を掲載する予定は無いのでしょうか?
251岡田克彦ファンクラブ:03/02/01 03:40 ID:AkZpyTXS
2ちゃんの糞スレの皆様に、作曲家・岡田克彦ファンクラブからのご案内です。
ご高承のとおり、岡田克彦氏の卒業した早稲田大学政治経済学部と、ひろゆきの卒業した中央大学文学部夜間は
比較にならないほど差があります。中央大学文学部夜間のようなヘボい大学に共通しているのは、文化水準が
低いということ。18歳から22歳をヘボい大学で過ごすということは、感受性において致命傷と言えます。
2ちゃんねらーの大半は岡田克彦氏に比べて、著しい低学歴で頭が悪いだけでなく、感受性も愚鈍で腐っている
という、取り返しのつかない状態なのです。
せめて、ttp://www.geocities.co.jp/MusicHall/5933/で、岡田氏の作品に触れましょう。
また、学歴至上主義は、学歴がないか、東大のような高学歴であっても学歴に相応しいだけの自分の特技
等を持っていない人が不愉快に思っているだけのことです。2ちゃんのひろゆきの卒業した中央大学
文学部夜間のようなものは、学歴と言えるようなものではなく、これは、拭うことの出来ない、生涯つきまとう
汚点で、絶対に取り返すことは出来ません。2ちゃんの皆さんの大半は、波風を立てずにその場限りの平穏無事を保守する
という、下らない事なかれ主義にうつつを抜かしていますが、私共は心優しい仲間なので、はっきり申し上げられます。
ひろゆきは、感受性において、まさに取り返しのつかない状態にある、ということです。
従って、阿呆のひろゆきのやっている2ちゃんは阿呆の危険集団だということです。
2ちゃんねらー(=ウェブ上の魑魅魍魎)の書込みは愚鈍で公序良俗に反するので一切禁止です。この規定のむかつく方は、
当ホームページの28万人を超える固定客の邪魔ですので、直ちにご退室下さい。「美しいもの、怜悧なるものは全て正しい。
醜と愚鈍とは死刑である。」・・・・・太宰治  つまり、美しく怜悧な「K.OKADAワールド」においては、醜、愚鈍に属する
「2チャンネラー」は全員、死刑と決定しましたので、ご報告申し上げます。
25210ぺーじ:03/02/01 23:54 ID:WpHNwAxD
>>251さん
…なんかすごい内容を書きますなぁ…;

>>248さん
まんが日本むかし話って、ずいぶん懐かしいネタですね。
やっぱり巨大もので興奮しました。

>ゆんぞさん
川に落として溺れさせるのは確かに怖いですね…
後々になって何書いたか自覚(?)しました。

>TRPG好きさん
何か、今執筆中としては、性格が変わることについてあんまり書いてないです…
すみません。

>juurokuさん
風呂はあそこまでです。(笑)
でも、また軽いスキンシップ(!?)は書くと思います。
もちろん巨大シーンでのもアリで。
大体一方的ですけどね。(汗)
253名無しさん@ピンキー:03/02/02 11:34 ID:U9Ujvptr
>>251
ここは2ちゃんねるではない罠
254名無しさん@ピンキー:03/02/03 23:43 ID:8p7UdZhX
夜勤が鯖管理してんだから2chと変わらんだろ。
25510ぺーじ:03/02/04 00:01 ID:j+vYpiFO
そいじゃ、10ぺーじの10ページ目をUPします。
回想長いかもしれないです。
25610ぺーじ:03/02/04 00:02 ID:j+vYpiFO
10
森生豊は、不毛の西武蔵野に木を植える。
背負うは、雑木の苗。

「…どうして木を植えるの?」

天水穂が聞く。

「ここにはさ、雨が降んねぇんだ。周りの山が雲を割ってさ。川の周りが何とか田畑で、後は不毛だ。」

森生豊はそう答えて、付け足す。

「土だけの場所に、生き物は住めねぇ。木があれば、何とか何かが住めるようになる。だから、植えるんだ。それに、腹減っても土なんか食えねェもん。」

納得出来る。
天水穂は、その様子をしかと見守った。

「むさしがもーりはぁ…」

足元では、子供が遊ぶ。
育った木の周りで、無邪気に。

「ねぇ、私も仲間に入れて。」

天水穂は、人間サイズになる。
子供は満面の笑顔で頷く。
人間サイズはつまらない。
以前までの感想はこれだった。
人間を弄ぶには普通の時がちょうど良かったし、荒川では子供は滅多に川へ近づかなかった。
25710ぺーじ:03/02/04 00:47 ID:j+vYpiFO
「いやいや、東の乱暴者が、子供には甘いのかぁ?」

木の幹に、同じく人間サイズの森生豊が手をつく。

「そんなこと言ってないで、あなたも入りなよ。」
「そーうだそうだ、あーんたも入れ。」
「え!?いや、オレか!?まだ仕事があるから…」
「そんなのほっぽっちゃえば?」

強引に、連れ出す。
そして、手をつないでくるくると木の周りを回る。

「…オレも昔はこうだったなぁ。」

西武蔵野の天水穂は、変わり始める。


森神の館。
森神は、座卓の上で、造林計画を練る。
一服しようとして、タバコに手を伸ばした時、部屋のふすまを執事が開いた。

「森神様、峰岩の山神様より便りです。」
「…また来たのか?何度言ーやぁ気が済むんだあいつは!…読んでみろ!」
「はい。それでは…『ウチに豊を、地那都の婿としてちょうだいな!あんたとあたいのなかでしょ!』…以上ですが…」

森神は、激怒して座卓を激しく叩く。
25810ぺーじ:03/02/04 00:48 ID:j+vYpiFO
「ばっかもん!わーさ跡取がハァー山さんぐだぁ!?そしたら武蔵野はどうなる!え!?言ってみろセバスチャン!!」
「不毛です。ハゲ頭同じく。」
「そうだ!それに山神の家族は代々どこもカカア天下だ!!富士ときたら、男はみな玩具なり!」
「さらにヤヴァイです。」
「…くそー…何としてでも他にせねば…しかし…他にいるのだろうか…」

森神は頭を抱えて座卓を叩く。

「山神にだけは…渡したくない…。過去に一度…秩父で過ごさせただけなのに…」

執事が、静かに退室した。

「また…わしらは山に戻るのか…」


「豊様。お久しゅうございますわ。」

子供と遊ぶ森生豊に、誰かが声をかけた。
見ると、背の高い女が立っている。
暑いのだろうか、かなり露出の多い服を着ている。
…歳も、天水穂や森生豊より上に違いない。

「あ…地那都…山から下りてきたんだ…」
「はい。あなたに会いたく思いまして。母上の便りは、森神様が読んでいらっしゃいますわ。」
「え…う、はぁ…ははは…」

森生豊は、ぎこち悪く笑う。
地那都という女は、天水穂をキッと睨んだ
そして、ゆっくりと森生豊へ向く。
年上の色香をまとう怒り(?)が、天水穂を襲った。
25910ぺーじ:03/02/04 00:48 ID:j+vYpiFO
「豊様、この者は何者でいらっしゃいますの?」
「え?あ、ああ、今日からここに雨降らしてくれる、天水穂さ。」
「ど、どうも。」
「……ふん、豊様。このような狸と戯れてはいけませんわ。お服が、汚れてしまいますわ。」
「たっ…狸!?」

いきなりのトゲに、天水穂は怒り出す。

「狸とはよく言うじゃないですか!あなたは赤〜い狐です!」

天水穂がそう言うや、地那都がゆっくりと近づいた。
そして、また睨みつけると頬を張った。

「い…っ!」
「うるさいですわよ…豚女。」
「ぶ、ブス…!?」
「やめろよ。地那都、ごめん、今まだ仕事の残ってるんだ。」

森生豊が割って入る。
…森生豊を見下ろすと、地那都の目つきが目に見えて変わった。

「…そうですの。わかりましたわ。それでは、森神さまの館へ、先に行かせて頂きますわ。」

地那都はやっと、その場を離れた。
西のほうへ歩いていき、巨大化する。
その後姿もまた、神々しかった。
26010ぺーじ:03/02/04 00:50 ID:j+vYpiFO
「ふぅ。くわばらくわばら。」
「一体何なのアレ!?超むかつく!」
「あいつは…峰岩地那都だ。オヤジの友達の山神の子。…何かとオレに構うんだ。」
「どうして?」
「さぁ…。オレにはさっぱり。…オレのすることなすこと、観察するんだ。特に俺の前で女の子見ると、すぐキレて。何か気持ち悪くてさ。」
「……大っ嫌い。」

天水穂は、峰岩地夏が好きになれそうになかった。
その天水穂に、森生豊が声をかける。

「なぁ、ごたごたした後で悪いんだけど、オレが植えたここに、雨を降らせてくれないか。」

天水穂が見ると、苗木の森が、あたりに咲く。
育った木は、材となり、家となり、糧となる。

…五穀にはならざれども、森神と人間、二者の幸、喜となりけり…

「わかった。」

天水穂は、天空に向き、つぶやく。
あたりに綿雲が増え、雨となる。

「…まだ大きな雲、召喚できないや。」

天水穂は、残念そうに眉を八の字にする。

「わーい、雨だ〜」
「…?」
「母ちゃん!樽持って来い!雨だぞ!」
26110ぺーじ:03/02/04 00:50 ID:j+vYpiFO
人々は、喜んだ。
さっきまで一緒にいた子供も、何もない平原に走り、空を見上げる。
家から出た男は、樽を外に置いて水がたまるのを待つ。

「どうして、みんな…雨なのに嬉しいの?」
「言ったろう。ここは雨が少ないんだ。俺からも言わせてもらうよ。」

森生豊は、天水穂に振り向く。
そして、言った。

「ありがとう。」


地那都は森神の館を訪れた。
すぐに、執事が森神のところへ通す。
森神はいつものように座卓の前にいた。

「…森神様。なぜ早く返事を返さないのです?」

地那都は真っ先にそれを森神に尋ねた。
森神は見るからに忌々しそうに地那都を見る。
その森神の様子を見て、地那都は妖艶に微笑んだ。
26210ぺーじ:03/02/04 00:51 ID:j+vYpiFO
「仕方あるまい。まだ森生豊は元服(13)から1年だ。まだ嫁をとるには早いのだ。」
「いいえ。このようなめでたいことは、早いほうが良いのですわ。」
「だめだ。これは我が一族の掟だ。」
「そのようなこと、ご存知ありませんわ。」

地那都は森神の隣に座り、森神のアゴを指で撫でた。
そして息を吹きかける。

「…効かん。どう圧そうとも、わしはまだあやつに嫁を取らせるつもりはない。」
「…そうですの…分かりましたわ。」

地那都は、あきらめて立ち上がる。
侮蔑の眼差しで森神を見下ろした。

「このこと…母上に一部始終、告げさせて頂きますわ。」
「…好きにしろ。」

地那都は、軽い笑い声とともにふすまを閉じた。
気配がなくなると、森神は、座卓に突っ伏して、拳をぶち込んだ。

「…ちくしょう…峰岩め…」
26310ぺーじ:03/02/04 00:52 ID:j+vYpiFO
神の間でも、政略結婚は常だった。
その勢力、領域を手に入れるため、力のある神は、力のない神を取り入れていく。
そして、飽きれば捨てる。
捨てられた神は、災いをもたらす厄病として、人間に滅ぼされる。
森神は力のないものではなかった。
だが、山神はいわば女ヤクザだった。
全国の山神を率いて、背いた神一族を滅ぼす。
総本山は…富士。
到底なわない相手だった。

「森は山のつき物だ。だから、お前も。」

山神達はそうほざく。
最悪なのは、地那都が、森生豊を気に入っている。
…それ以外には目もくれない。
歳は4歳も離れているのに。
過去、秩父で育てさせたのが、最初の過ちだった。

「…待て…今、天水穂が荒川より…これは好機!…わが一族を生かせるのは…彼女しかいない!」

森神は、執事を呼んだ。
26410ぺーじ:03/02/04 00:54 ID:j+vYpiFO
はっ…まる1時間もかけてアップしてる…(汗;
兄貴が乱入してきたので、45分QOHの相手してごまかしてました。
GTSフェチじゃない兄貴が怖〜い(爆
265名無しさん@ピンキー:03/02/04 01:12 ID:sX390Sms
>264
ご苦労さまでした!
266名無しさん@ピンキー:03/02/05 06:08 ID:Ry8RA7tm
age
267☆娘:03/02/05 14:53 ID:qe385bmW
時のウサギ〜E木馬島


「ラビちゃんいなくなると寂しくなるなぁ・・・」
昔乍らの職人気質な老メカニック・竹内がラビを見上げながら呟く。
「私も寂しい・・・新しいところなんか行きたくないよ〜!」
ラビは大型トレ−ラ−の荷台に腰を下ろして、泣き言を言う。
偶に右の足首を調整するだけで、ラビにはほとんど手を掛けていない筈なのに竹内にはラビに愛着があった。
トレ−ラ−の荷台に横たわり耳と目元だけをカ−キ色のシ−トから覗かせているラビ。
お気に入りのエプロンドレスは畳まれて、随伴のトラックに積まれている筈だ。
竹内には、ラビと同じ年頃(?)の孫がいたが、彼はむしろラビに対して深い愛情を感じていた。
それは竹内が長年メカニックとして機械と接してきたからなのだろうか?
「違うな・・・」
機械への愛情なら誰にも負けない自信はあるが、ラビに対するそれは単なる機械への愛情とは異質なものである事は竹内自身が知っている。
ラビは機械であると同時に、彼の可愛い娘でもあった。
彼はここでのラビの扱いが兵器ではなく、研究器材であった事に感謝していた。
いくら卓越した性能を持っていても、自分の娘が兵器として扱われる事には抵抗がある。
実際、ラビは閑な時はいつも彼の側にいて、ころころと良く動き回っていた。
兵器が兵器として整備されて自分の要求に応えてくれるのは彼にとっての喜びだったが・・・お月さんの言うように、やはりラビは兵器ではないように思える。
ラビは機械には違いないのだろうが、人間以上に優しくて素直な性格を持っている・・・彼が長年描いてきた『人間と機械の理想的な関係』がそこにはあったと思う。
行った先で辛い思いをしなければ良いが・・・自分の娘が嫁いだ時にも、こんな気分にはならなかった。
「あとは、お月さんとひかるちゃんに任せるしかねえか・・・」
彼はラビを載せたトレ−ラ−が夜の闇の中に完全に消えるまで、直立不動の姿勢を崩さずに赤いテ−ルランプを見送った。
「俺は兵隊じゃね−や」が口癖の彼が見せた最初で最後の長い敬礼だった・・・。
268☆娘:03/02/05 14:55 ID:qe385bmW

「ただいま白兎の出発を確認・・・フタフタマルマル時、目的地は静浜港。 ・・・・・了解、尾行を開始します・・・同士」
施設を見下ろせる小高い山の中腹で、煙草の火が鬼火のように赤く灯った。
長距離暗視スコ−プの中には列を成して夜の国道を走る輸送部隊の姿が映し出されている。
月の無い暗い夜に紛れ込むように、影は黒塗りのランドクル−ザ−を駆って山道を駆け下りていった・・・。
269☆娘:03/02/05 14:58 ID:qe385bmW
鮫島・・・通称、木馬島。
西海の過疎の村の先に浮かぶ廃虚の島・・・。
かつては海底炭山の島として賑わったこともあったが、今はうち捨てられた無人の残骸。
実は、この島の地下には、かつての所有者であった大芝重工の手によって巨大なDOLLの研究所が建設されていた。
木馬島という名前は、島の南端に立つ巨大な揚炭塔がトロイの木馬の首を思わせる為で、人の住まなくなったくすんだ鉄筋コンクリ−トの高層炭住が所狭しと立ち並ぶ鮫島の中でも群を抜いて背の高い構造物なのであった。
先の大戦の戦時緊急増産体制の際に急造・増築された建物の中には、折りからの資材不足を反映して鉄筋の代わりに竹を使ったものもあるという・・・。
かつて運炭船が着岸した鮫島の岸壁に、ラビ達を載せた輸送船が新鋭のイ−ジス艦に守られて到着したのは三日後のことであった。
古い物が好きな美月は、島に着くと荷物も解かないうちに島のあちこちを探検し始めた・・・彼女にとっては古代の神殿も、この鮫島も遺跡である事に変わりは無いようだ。
この時、鮫島に搬入されたのはラビの他にカグヤシリ−ズの一体サクヤ・・・更にどういう訳かガ−ディアン5号機が木馬の住民となった。
ラビ以外は陸送上の都合でボディと手足が切り離された格好で運ばれ、到着後にハンガ−で組み立てられている。
メンテナンス不要・・・というより解体できないラビには専用のハンガ−は用意されなかったが、代わりに美月の部屋を併設した部屋が用意された・・・通称:ウサギ小屋。
もっともラビは部屋でじっとしているのを嫌って研究所内の通路やハンガ−、そして地上を好んで歩き回る。
270☆娘:03/02/05 15:00 ID:qe385bmW
美月はてっきり、ひかると相部屋になると思っていたのだが、彼女には専用の個室が用意されたので、サクヤと一緒にやってきたサクヤのパイロット・香月みなとと同衾することになった。
美月には、これが一つの悩みだった。
「同じお月さん同士仲良くしようね!」
と、みなとは言うが、みなとは必要以上に美月の体に触れてくる。
美月はちょっと体を触れられただけでもビクンとなるほど敏感で、自分より遥かに若いみなとに弄ばれるのが美月には耐え難い・・・みなとには多分にそっちの気があるようだった。
美月は夜になるのが恐ろしい。
「いつかサクヤでぶっ飛ばしてやる!」
お目付け役のラビが、みなとには目障りなようだった・・・今日もラビとみなとはぎゃあぎゃあと遣り合っている。
先日も美月が部屋に戻ると、みなとが彼女を真っ赤なビキニで出迎えた。
「お帰り、どうこれ? 今日久しぶりに街へ出て買ったんだ♪」
潤んだ瞳で悩ましげなポ−ズをつくって見せるみなと・・・美月は口をぱくぱくさせながら回れ右をしてドアを閉めた・・・何時しか季節は夏になっていた。
271☆娘:03/02/05 15:04 ID:ePp0+DTL
午前中のラビの定期検査が終わると、天気の良い日には美月はラビを伴って木馬のお尻に当たる部分の丘にやってくる。
ラビの体が、どの周波数の信号によって硬化するのかを様々な周波数の電気を流すことによって調べているらしい・・・まだまだラビは謎の存在であった。
春に二人して蒔いた花の種が花を咲かせ、強い海風にも負けずに丘の上で揺れていた。
「きれいだね」
「うん、ラビは花好きだもんね」
「うん、好き・・・ねえ、美月・・・今日の電気、ちょっと痺れた」
「そう?」
現代の科学がラビを造った文明に近付きつつあるのだろうか?
美月はラビの頬にそっと手を触れた。
「くすぐったい・・・」
「いつか、この丘を花でいっぱいにしようね・・・来年も、またその次の年も、そのまた次の年も・・・」
美月はラビの頬に自分の頬を摺り寄せる。
「うん、絶対だよ♪」
「うん、約束・・・」
美月は花に覆われた木馬島の姿を思い描いた。
272☆娘:03/02/05 15:05 ID:ePp0+DTL
「何だ、二人して長閑にやってるじゃないか?」
背後の神社の廃虚から声がした。
「あっ、モグラさん!」
ラビの声に美月が振り向くと、うす汚い白衣に身を包んだ風体の上がらない小柄な男が立っていた。
通称モグラ・・・神出鬼没、年齢不詳・・・気がつくと何処からともなく現れて、そして何時の間にか消えている。
「食うか?」
モグラがポケットから美月にスルメを差し出す。
「ありがとう・・・でも、何だかビ−ルが欲しくなっちゃいますね・・・」
美月が、そう言うとモグラは白衣のポケットからキンと冷えたビ−ルを二本取り出した。
「こんな事もあろうかと、ポケットに断熱材を組み込んである・・・」
栓を開けて、モグラが喉を鳴らしながらビ−ルを飲む。
「良いんですか・・・仕事中でしょう?」
「問題無い・・・それより、お月さん・・・最近、研究所の中で何か気付いたことはないかい?」
「はあ、特に・・・何かあったんですか?」
「いや・・・何も無ければ良いんだ、気のせいかもしれないし・・・それより冷たいうちに飲んじまえよ!」
「はあ・・・いただきます♪」
栓を開けると海風に煽られてビ−ルの泡が手にかかった。
スルメを肴に、美月はビ−ルを一口、乾いた喉に流し込む・・・。
「美味しい・・・けど、良いんでしょうか・・・こんな事してて?」
返事は無かった・・・モグラは現れた時と同様に、知らぬ間に姿を消していた。
273☆娘:03/02/05 15:06 ID:ePp0+DTL
夕方、美月が部屋に戻ると、下着姿のみなとがベッドに腰を下ろして佇んでいた。
一瞬、たじろいでドアの前に立ちすくむ美月・・・。
「安心して良いよ・・・今、そんな元気無いから・・・」
そんな元気って、どんな元気なんだよう・・・でも、心なしか疲れているようにも見える。
「凄い奴なんだ・・・射撃・格闘・水泳・・・何をやらせても他の群を抜いている。
きっとアスカのパイロットは彼女で決まりだ・・・悔しいけれど、あたしより上かもしれない?」
「???」
「金城美樹っていうんだけど・・・パイロット候補生・・・凄いんだ・・・あたし負けたくない・・・」
そう言うと、みなとはベッドに仰向けに横になった。
「パジャマも着ないで・・・風邪引いちゃうよ・・・」
美月は、みなとに毛布をかけてやろうとベッドに歩み寄る。
美月は、みなとの無軌道なところが苦手だったけれど、その奔放さが羨ましかった。
こうして素直に寝ていれば可愛い美少女なのに・・・。
みなとの寝顔を覗き込む美月の首に、不意にみなとの腕が巻き付いた・・・そして柔らかいみなとの唇が美月の唇を塞ぐ。
「隙あり・・・やったね、お月さんの唇を奪ったぞ・・・」
床にへたり込む美月・・・何時しか、みなとの軽い寝息が部屋に満ちていた。
274☆娘:03/02/05 15:08 ID:ePp0+DTL
ラビを伴って、美月は研究棟のアスカのハンガ−を訪れていた。
最近、ひかるはアスカの最終チェックに余念が無い。
「珍しいね、お月さんがハンガ−に来るなんて?」
ひかるはチェックリストに目を通しながら美月を出迎えた。
「忙しそうだね・・・これがアスカちゃん?」
「そう、私の自信作・・・美人でしょう? 日本初の武器内蔵型DOLLなんだよ!」
アスカは従来のカグヤシリ−ズより一回り大きく、そして彼女達とは異なる顔をしていた。
「実射試験は未だだけど、3Dによる射撃実験も良好・・・アメリカのDOLLにだって負けないよ」
「随分と大きいんだね・・・胸も」
「全高で19m、米国製の原子炉への換装も可能な設計になってるから・・・胸」
そう言うと、ひかるはペロっと舌を出して笑った。
「もう直、2号機ヒミコの建造も始まるよ」
ラビは自分を見下ろす巨大な鋼鉄の少女に無邪気に手を振っている。
「こんにちは、アスカちゃん♪」
上腕部から覗く巨大な砲身を見つめながら、美月は浮かれるひかるとは裏腹に、何か凶凶しいものをアスカに感じていた。
「パイロットは、やっぱり美樹ちゃんって子になるの?」
「良く知ってるね・・・ほら、噂をすれば・・・」
二人の間をトレ−ナ−姿の二人の少女が駆け抜けた。
一人は、みなと・・・そして、もう一人が金城美樹という少女なのだろう。
ちょっと大人びた感じの・・・まさに美少女という奴だ。
「私、あの人嫌い・・・」
ラビが小声で囁く。
「こら、ラビ・・・」
「だって〜!」
美月に窘められて、口を尖らせるラビ・・・しかし、美月自身も一瞥したきりなのに彼女に何故か氷のような冷たさを感じていた。
拗ねたラビがハンガ−を立ち去る。
275☆娘:03/02/05 15:10 ID:/U+TJpZW
「ねえ、ひかる・・・ラビが迷惑かけてない?」
「大丈夫・・・ラビは大人しくしてるよ・・・でも・・・」
「でも?」
ひかるは美月の顔色を窺うように言葉を濁した。
「何かやったの?」
「そういう訳じゃないけど・・・気を悪くしないでね・・・。 もしもよ、もしも万が一お月さんに何かあったら・・・その、たとえば、お月さんが事故か何かで死んだら・・・ラビが暴走しないかって問題になってるの・・・ごめんね、不愉快な話で・・・」
「うううん、当然の事だと・・・思う」
「ラビの潜在能力は、まるで解らない・・・神なのか、悪魔なのか・・・。
通常兵力なんかじゃ傷一つ付けられない事だけは解っているけど。
それでこの間からラビの筋肉を弛緩させる方法を探ってるの・・・電磁ネットか何かを被せて・・・」
なるほど、そういう訳か・・・色んな周波数の電波をラビに当てているのは。
「そうだ、お月さん・・・シンディが来るよ!」
「シンディが・・・ここに?」
「うん!」


『定時連絡・・・アスカは間も無く完成です・・・はい、同士・・・監視を続けます』

276☆娘:03/02/05 15:12 ID:/U+TJpZW

新造DOLL、ステファニ−の到着を待ってサンディのメインコンピュ−タ−の換装が認められた。
中東情勢は、この所安定していたが、シンディには気がかりな事があった・・・東ニダ国の動向だ。
つい先日も揚陸艦能力のある偽装輸送船「第333忍法号」が東ニダ国を後にしたという情報が、情報部にいる同僚からシンディに伝えられた。
東シナ海での不審船や航空機の活動も活発になってきている。
軍を通じて日本政府には再三警告を発しているが、日本政府の対応は鈍かった。
気が付くとシンディは、ひかるの携帯電話をコ−ルしていた。
「そうなんだ・・・サンディのメインコンピュ−タ−換装するんだ・・・負けてられないな・・・ねえ、シンディ、遊びに来ない? アスカ見せてあげる・・・実戦を経験した名パイロットの意見も聞きたいし・・・」
驚くべき能天気・・・シンディの脳裏に美月とひかる、そしてラビの顔が浮かんだ。
本当に日本人のセキュリティ意識ときたら・・・軍事機密なのに・・・。
三日後・・・シンディは小さな岬に立つ大芝重工の施設の船着き場で美月に迎えられた。
長崎まで飛行機、そこからレンタカ−で・・・同じ日本国内とは思えないほど遠いところに来たような気がする。
丸い眼鏡の美月は、相変わらずの無邪気さで彼女を迎えてくれた。
セカンドバックには、もしもの事を予想して軍用拳銃が一丁忍ばせてあったが、シンディは敢えて東ニダ国の動向は伏せておいた・・・全ては杞憂に終わってくれれば良い・・・。
小さな連絡船は穏やかな海を滑るように走る・・・行く手にトロイの木馬を思わせる鮫島が見える。
木馬の中には恐るべき力を秘めた鋼鉄の少女達が息づいている筈だった・・・未知の力を持つ能天気な遺跡と共に・・・。
まるで要塞のようだ・・・シンディは思った。
揺れる浮き桟橋から島に上陸する・・・ボディチェックも何も無い。
彼女を見下ろす廃虚の群れが波音を背に不気味に立ち尽くす。
「ようこそ木馬へ、サンダ−ボ−ル・シンディ・・・」
同じ島の内部とは思えない最新式の施設の中で、シンディは飛び切りの美少女とすれ違った。
「彼女は?」
「金城美樹ちゃん・・・アスカのパイロット候補生」
「そう・・・」
シンディは何故か、肌が粟立つ感じを憶えた。
277☆娘:03/02/05 15:12 ID:/U+TJpZW
その晩は、美月とひかる、それにみなとを含めた三人がシンディを囲んでささやかな歓迎会を開いてくれた。
流石に、みなとは最初シンディを警戒していたが、すぐに打ち解けて熱心にシュメ−ル戦の話を彼女に強請った。
ここは変わらない・・・いや、場所は違っても美月とひかるのいる場所は、とても心地よい・・・。
三人が酔い潰れて寝てしまうと、シンディは彼女達を起こさないように地上に出た。
月の明かりを頼りに、足下の覚束ない廃虚の群れの中を歩く。
建物が途切れて広場になっている場所に、蒼白い月の光に照らされたラビが立っていた。
廃虚を背に立つ、本来なら恐怖を抱くほど巨大なその姿に、何故かシンディは懐かしいものを感じる。
「やっぱりここにいた・・・どうしたのかな、眠れないのかな・・・違った・・・眠らないのか・・・」
「あっ、シンディ・・・」
偵察衛星が送ってくる画像には夜の鮫島を一人で歩き回る巨大な影が映し出されていた。
実は、シンディにはラビが多分ここにいるだろうという確信があったのだった。
それは基地にいてもラビや美月を身近に感じられる事のできる唯一の手段。
儚い夢のようなもの・・・でも、今彼女は紛れも無くその場所に立っている。
「ラビって月を眺めるの好きだね?」
「うん、私・・・お月さん大好きよ♪」
「人間のお月さんもね!」
「うん・・・ねえ、シンディ・・・コンピュ−タ−換えたら、サンディの心は死んじゃうの?」
残念ながら今のサンディには心は無い・・・疑似の人格みたいなものは持っているが・・・。
「あのね・・・サンディは心を持つ為にコンピュ−タ−換えるんだよ・・・ラビみたいになる為に」
「ふうん・・・そうなんだ・・・ねえ、シンディ・・・私、サンディとお友達になれるかな?」
「・・・なれるよ、きっと・・・」
果たしてロボットが心を持つ事があるのだろうか・・・そして、それは幸せな事なのだろうか?
それはシンディにも解らない・・・でも、人間とロボットが心を通わせる事ができたら、それは素敵な事だろうと彼女は漠然と感じていた・・・ラビと美月のように・・・。


『定時連絡・・・アスカは既に完成・・・現在フル装備で整備中です・・・作戦の決行は・・・解りました、同士・・・』
278☆娘:03/02/05 15:14 ID:/U+TJpZW
時のウサギ〜F時のウサギ


「警報、日本海上空に高速で飛来する目標物を多数確認、ミサイルと思われます!」
北部九州の自衛隊施設を中心に、日本がミサイルの雨に襲われたのはその直後だった。
ミサイル自体の命中精度は高くなかったが、それでもそれなりの被害が各地で報告されていた。
何より発見から弾着までの時間が短いので、ほとんど迎撃は不可能だった。
機能が麻痺した自衛隊の基地は、それでも反撃態勢を取りつつあった。

東ニダ国の目的は、この木馬島に違いない・・・シンディは思った。
同じDOLLなら、陸続きの南ナラ国にもアメリカのそれが配備されている。
しかし、米国製のそれは原子炉で動く、何よりアメリカと正面切って喧嘩をしなくてはならない。
原子力開発が遅れている彼等にとっては手軽にそれを手に入れられる反面、使いこなせるかは疑問であった。
日本のDOLLなら燃料電池だし、すぐに運用できると踏んだのだろう。
それにアメリカが動かない可能性もある。
うまくいけば、ラビという行きがけの駄賃も手に入れられる。
彼等はアスカの完成を待っていたのだろう。
軍事大国でも、まだDOLLの配備数は少ない・・・今なら一気に軍事大国となることも可能だろう。
以前から政府を通して日本政府には警告は発していたのに・・・。
半ば自棄気味の東ニダ国の出方に、今のシンディは軍用拳銃一丁で応えるしかなかった。
279☆娘:03/02/05 15:26 ID:L+yF2VxR
改装により、監視哨となっていた木馬の首が真っ先に狙われた・・・木馬は口から真っ黒い煙を噴き出している。
特殊潜航艇から密かに上陸した東ニダ国の特殊部隊は、苦も無く木馬島に取り付いた。
沖合いには中型の高速輸送船が一隻、そしてその回りには二隻の高速艇が遊弋しているのが見える。
ゲ−トが次々に爆破され、地下の研究所に特殊部隊が迫っていた。
「一気に片を付ける!」
みなとはサクヤを起動させ地上へと躍り出た。
内部にスパイがいるのだろうか?・・・彼等はバズ−カ砲まで持っていた。
サクヤの機体にバズ−カが炸裂した・・・しかし、それくらいでやられるようなサクヤではない。
「踏み潰してやる!」
みなとがサクヤを操って工作員を一掃しようとした時、サクヤの機体が強い力で投げ飛ばされて老朽化した高層住宅の廃虚にめり込んだ。
瓦礫の雨がサクヤの機体を埋めようと雪崩れ落ち、粉塵が視界を閉ざす。
もちろん、その程度でサクヤが起動不能に陥ることない。
「何だ?」
各部のセンサ−やモニタ−類に目を通すみなと。
モニタ−に映る影があった・・・アスカだ。
味方の機体からはフレンドリ−コ−ドが発信されている・・・道理でサクヤが敵を認識しない訳だ。
280☆娘:03/02/05 15:27 ID:L+yF2VxR
「何でアスカが、誰が乗ってるんだ?」
「・・・みなと先輩、どっちが優れたパイロットか決着を付けましょう?」
聞き覚えのある声・・・美樹?
「馬鹿、何を言ってるんだ・・・こんな時に?」
「こんな時だからこそ言ってるんです・・・私はアスカを持って国に帰ります」
「まさか、お前・・・スパイ?」
「本当の名前は美妃・・・」
「このヤロウ〜!」
みなとが怒りに任せてサクヤを突進させる・・・周囲の廃虚がもろもろと崩れ落ちる。
しかし次の瞬間激しい振動がサクヤの機体を襲った・・・右腕のアラ−ムが赤く点灯する。
「忘れちゃいました、先輩? アスカは日本初の武器内蔵型DOLLなんですよ」
アスカの肘が上を向き、上腕部から巨大な砲口が覗いている。
「本当は格闘戦で沈めてあげたいけど、アスカは無傷で持って帰らなきゃいけないから」
続けざまに砲弾がサクヤの両腕の付け根に弾着した。
さすがのDOLLの装甲も悲鳴を上げ、サクヤの両腕がブラリと垂れ下がる。
歩み寄るアスカが、その両腕を掴んで一気に引き千切る。
みなとは感じる筈の無い痛みを両腕に感じた・・・まるで自分の腕をもがれたような痛みを。
「降参します?」
281☆娘:03/02/05 15:28 ID:L+yF2VxR
勝ち誇るアスカをモニタ−越しに睨み付けるみなと。
「馬鹿ヤロウ!」
「残念・・・命だけは助けてあげようかと思ったのに・・・」
美妃は、そう言うとサクヤの首を掴んで力を込め始めた。
「先ず首を引き抜いて、モニタ−も無い暗いコックピットの中でたっぷり恐怖を味あわせてあげます」
金属のひしゃげる音がヘッドセットからではなく、直接みなとの耳に響いてくる。
「逃げられると思うなよ・・・殺るなら、ひとおもいに殺せ!」
「そんなつまらない殺し方はしません・・・アスカは対空兵装も充実しています。
イ−ジス艦と同様の防空能力があるんです、たとえ自衛隊や米軍の戦闘機が殺到しても・・・。
大丈夫、逃げ切ってみせますよ・・・さようなら、先輩・・・」
モニタ−が明滅を繰り返す・・・モニタ−の端に水色のエプロンドレスの少女の姿が小さく映った・・・そして次の瞬間モニタ−は永遠に死んだ・・・アスカはサクヤの首を簡単に引き抜いてしまった。
282☆娘:03/02/05 15:29 ID:L+yF2VxR
「やあぁぁぁぁぁ〜〜!」
ラビは空中高く舞い上がるとアスカに飛び蹴りを食らわせた。
逃げる間も無く蹴り倒されるアスカ。
サクヤがアスカの呪縛を解かれて膝をつき崩れ落ちる。
「何するの? アスカちゃん、みなとちゃんが・・・サクヤちゃんが死んじゃうじゃない!」
「ラビ、アスカを止めろ! 美樹は・・・美妃は東ニダ国の工作員だったんだ!」
「へっ?」
背中のハッチを開いて顔を出すみなとの叫び声に状況が解らず、戸惑うラビ。
そんなラビに立ち直ったアスカが襲い掛かった。
「大人しくしろ、そうすれば我が国に連れていって洗脳してやる!」
美妃はアスカを駆ってラビをねじ伏せようとする。
腕の一本くらい、へし折ってもかまわない・・・と思っていた美妃の思惑は外れた。
ラビは、その小柄な体とは裏腹に凄まじい力で押し返してきた。
「この化物め!」
美妃は至近距離からラビに向かって内蔵の200mm砲を発射した。
凄まじい爆炎がラビとアスカの間で荒れ狂った。
しかし、次の瞬間・・・美妃が見た物は、服は焼焦げてはいるものの、まったく無傷のラビの姿だった。
「死ね〜!」
再度砲を発射しようとするアスカの腕を取って、逆に絞り上げるラビ・・・アスカの関節とモ−タ−が悲鳴を上げる。
異常な震動がアスカの全身を震わせたかと思うと、それきりアスカは動かなくなってしまった。
オ−バ−ロ−ド・・・腕の関節と駆動系のアラ−ムが激しく明滅する。
「バケモノ!」
応答しなくなった操縦棹に美妃は忌々しそうにヘルメットを叩き付ける。
その時、島の上空に、混乱する自衛隊の追跡を振り切った東ニダ国の戦闘機が十数機、爆音と共に飛来した。
「作戦は失敗だ、この島ごと研究所もDOLLも吹き飛ばしてしまえ!」
掩護の為にやってきた戦闘・攻撃機の部隊は島の上空を旋回していたが、美妃の言葉に攻撃態勢を整える為、一旦島を離れていった。
283☆娘:03/02/05 15:33 ID:CsH85wbN
「ラビ〜、大丈夫?」
遅れて駆けつけた美月の、場違いなほどのんびりとした声が硝煙臭い戦場に響く。
タタタタタ・・・乾いた発射音がした。
脇腹を押さえてゆっくり崩れ落ちる美月・・・。
「・・・美月?・・・美月・・・美月〜〜〜!!!」
唇を震わせて、ゆっくりと美月に歩み寄るラビ・・・その足下を工作員が逃げ惑う。
さっきまでの喧燥が何処かへいってしまったかのように波の音だけが聞こえる。
静かに美月に手を伸ばすラビ・・・指先が震えている。
「・・・小さい・・・美月の心臓の音・・・段々小さくなっちゃうよ・・・嫌だよ、死んじゃ嫌だよ・・・私を一人ぽっちにしないでよ・・・哀しい・・・哀しいけれど、私の目からは涙が出ない・・・私は、それが哀しい・・・」
あと少しというところでラビの指が止まった。
「・・・聞こえなくなっちゃった・・・美月の心臓の音・・・」
そこへ攻撃態勢を整えた戦闘機の編隊が戻ってきた。
長く空気を切り裂く音がして、ラビの背中にミサイルが命中する。
ラビの肩が小刻みに震えていた・・・しかし、それは攻撃の痛みから来るものではなかった。
「・・・あ・・・う・・・くっ・・・はぁっ・・・美月が死んじゃった・・・美月が・・・死んじゃ・・・」
腰を抜かして逃げ遅れた工作員を右手で掴むと目の高さまで持ち上げるラビ・・・男の体からは全身の骨が砕ける音がする。
「・・・人間は、何も変わっていない・・・昔から・・・もう一度滅びなければ解らないの・・・」
その言葉は男に向けられたものではなく、むしろ自分への問いかけだった。
ラビは軽く右の手に力を込め男を握り潰すと、そのまま投げ捨てた。
「人間なんて、大嫌い・・・いいよ、相手してあげる!」
284☆娘:03/02/05 15:34 ID:CsH85wbN
ラビは、そう言うと空中高く舞い上がった。
焼焦げて綻びだらけになったエプロンドレスを引き千切り、機銃を発射しながら飛んで来た戦闘機を、そのエプロンドレスで叩き落とす。
降下しながら素手で次の一機を払い落とし、空中でもう一機を踏み潰した。
一瞬にして三機の戦闘機を血祭りに上げると、再び空高く舞い上がる。
翼をもがれて落ちていくもの、掴まれてそのまま握り潰されるもの、投げ飛ばされて遼機に激突して四散するもの・・・。
僅か数分で粗方の戦闘機が空から一掃された。
その中には東ニダ国の戦闘機を追跡してきた自衛隊の戦闘機も含まれていた。
最後の一機が機首を北に向け逃げ出そうとしている。
「逃がすもんか!」
一際高く舞い上がると、ラビは最後の一機を空中で蹴り砕いた。
地上に舞い降りるとラビは沖合いの高速艇を睨み付ける・・・おりしも二隻が同時にミサイルを発射したところだった。
「人間なんて大っ嫌いだ〜〜〜!!!」
ラビの額の紅い石が眩い光を放つ。
飛来するミサイルごとラビは一瞬にして手前の高速艇を蒸発させてしまった。
「美月を返せ〜〜〜!!!」
そして更に、もう一隻の高速艇と輸送船も・・・。
285☆娘:03/02/05 15:36 ID:CsH85wbN
モニタ−を見つめながらひかるはガタガタと震えていた。
「なっ、なんて大出力のレ−ザ−・・・なんて戦闘力・・・」
ひかるの脳裏に老メカニック・竹内の言葉が蘇った・・・機械にも心はある。
人間が悪いんだ・・・自分の欲望ばかり満たすことを考えて、ラビから大事な人を奪って・・・ラビを造った人間もラビに滅ぼされたに違いない・・・せっかくラビは人間と心を通わせていたのに・・・もう決してラビは人間を許さないだろう・・・。
「ひかる、ガ−ディアンを、5号機を用意して!」
ひかるは信じられないといった顔でシンディを見た。
「何考えてるのよ・・・あんなもので勝てる相手じゃないのよ!」
「解ってる・・・たとえサンディがここにいても結果は同じ・・・でも人間が傷つけたラビの心を癒してあげられるのは・・・結局、私達人間にしかできないんじゃない?」
「駄目、殺される・・・」
「そうかもね、でも何もしないで殺されるのを待つくらいなら私は行く・・・人間は最後まで諦らめないものよ。 さあ、お願い・・・ラビの為にも」

「こんな事もあろうかと昔の坑道を残して、今の施設のあちこちに接続しておいたのさ」
ラビが怒りに我を忘れて暴走した直後、サクヤから這い出したみなとをモグラが出迎えた。
ゲ−トの前にはまだ東ニダ国の特殊部隊が残っているだろう・・・モグラはみなとを、かつての共同浴場の建物へと導いた。
「外傷はあまりない・・・蘇生できるかもしれない・・・急げよ!」
暗いボイラ−室の扉の向こうから風が流れてくる。
冷たくなりかけた美月の体を抱いてモグラは、その中に消えた・・・みなともそれに続く。
ドアを閉める・・・マグライトの灯かりだけが暗い坑道を照らす・・・その小さな明かりだけが今、人間に残された最後の希望の光だった・・・。
286☆娘:03/02/05 15:37 ID:CsH85wbN
ラビは完全に暴走していた。
島に殺到していた東ニダ国の兵力を簡単に一掃すると、その巨体で次々に廃虚の高層炭住を突き崩しながら島の中央の高台にやってきた。
ピンと立った耳を、その中ほどで折ると、大芝重工の施設がある対岸の岬を睨み付ける。
中ほどから、くの字に曲がった耳がブンと鈍い音を立てると、ラビの前の空間が揺らぐように歪む。
次の瞬間、岬はその根元に広がる小さな町と共に、まるで巨大な拳で殴りつけられたように、あらゆる物が一瞬にして押し潰され岬ごと消滅させられてしまった・・・。
ラビは手加減するつもりはなかった・・・たとえ相手が誰であろうと。
闘うことしか、人を傷付けることしか知らない人間どもに情けを掛ける必要など無い。
地球上の人間という人間を一人残らず殺してやる・・・ラビには、それができる力と自信があった。
自分達より強い存在があることを教えてやる・・・。
昔もそうだった・・・ラビは、その力で人間達を庇護していたのに人間達はそれに飽き足らず、更に同種の存在を次々に生み出そうとしていた・・・その結果が・・・。
もう一度滅びるがいい・・・ただし今度は二度と蘇ることは許さない・・・なぜなら自分が地球上から人間を一掃してしまうから。
自分と人間を結び付ける存在として選んだ美月を、人間は自らの手で葬ったのだから・・・。
人間は少しも進化していない・・・人間なんて大嫌いだ・・・滅んでしまえ!
287☆娘:03/02/05 15:41 ID:SzOdtD6Z
シンディは鈍重なガ−ディアンを地上まで移動させると、モニタ−でラビの姿を探した。
旧来な操縦系統には合成音声のサポ−トも無く、ペダルとハンドルが重くシンディを拒む。
もとよりシンディはラビと闘う意志は無かった・・・ただ、我を忘れて暴れ回るラビを取り押さえられることが出来ればと考えていた。
万が一闘いを挑んでも、こんな機体では一瞬にしてスクラップにされてしまうだろう。
たとえ世界中のDOLLや通常兵力を集結させても、今のラビには通用しない。
あとは核を使用するしかないが、果たしてそれも効き目があるものかどうか?
突然、警報が鳴り、モニタ−いっぱいにラビの巨体が映し出された
ガ−ディアンの半分ほどしかない筈のラビの姿が異常に大きく感じられた。
「ラビ、止めて・・・東ニダ国の工作員は、もう一掃されたわ!」
「シンディ・・・もう遅いよ・・・邪魔をするなら、シンディが相手でも容赦はしないから・・・」
そう言うとラビはガ−ディアンの両手に自分の手を合わせて力を込め始めた。
金属のねじ曲げられる、耳障りな音がする・・・一瞬にしてシンディが乗る5号機は、その両腕をもぎ取られてしまった。
右の足首がラビの弱点、そこだけが私達のテクノロジ−・・・ひかるの言葉が蘇る。
しかし、ラビの力は圧倒的で、攻撃を与える隙さえ与えない・・・それに、たとえ足首を破壊できてもラビを止めることはできないだろう。
288☆娘:03/02/05 15:42 ID:SzOdtD6Z
「お願い、私は死んでもかまわない・・・このガ−ディアンごとラビに踏み潰されても良い・・・でも、大勢の罪の無い人まで殺すのはやめて! 美月だって、そんな事望んでいない・・・」
一瞬ラビの動きが止まった・・・しかし、大きく頭を振るとラビは言い放った。
「駄目! 人間が地球に蔓延る限り地球に未来は無いよ・・・私だって人間を信じたかった・・・もう一度信じたかった・・・けど、人間は変わっていない、ちっとも変わってないんだよ・・・」
相打ちなどは望むべくも無いが、このままガ−ディアンでラビを押し潰してやる・・・たとえ一時でもラビの動きを封じることができれば、あるいは・・・。
シンディは覚悟を決めて5号機を動かそうと隙を窺う。
「無駄だよ、シンディ・・・苦しまないように一撃で殺してあげるから・・・」
まるでシンディの心を読んでいるように、ラビが寂しそうにそう呟く。
勝てない・・・人間は、この純真な少女の心を傷付けた・・・自業自得だ。
この巨大な少女の怒りに触れて人間は虫けらのように、この地球から一掃されてしまうのか・・・。
ニュ−ヨ−クも東京も、ラビの怒りの前では一瞬にして消滅してしまうだろう。
チラつくモニタ−の画面で、大きく左の足を振り上げたラビの姿を見詰めながら、シンディは自分の最期の時を迎えようとしていた・・・それは人類の最期の時でもあった。
289☆娘:03/02/05 15:46 ID:SzOdtD6Z
「やめて・・・やめて、ラビ・・・お願い!」
ラビの大きな耳がピクリと動いた。
「・・・美月?・・・」
静かに振り上げた足を下ろすラビ。
「そうだよ、ラビ・・・ラビを置いて死んだりなんかしない、死んでなんかやらないんだから・・・」
気が付くと、みなとに付き添われて美月が立っていた。
止血は施されているのだろうが、Tシャツの脇腹は血で赤く滲み、その顔に血の気は無かった。
「無理だよ・・・蘇生しただけでも奇跡なのに・・・」
止めるみなとの手を振り解いて苦痛に顔を歪ませながら、美月はよろよろとラビに向かって歩き始める。
ラビは美月に駆け寄ると彼女を掌の上に載せ、頬擦りをしながら鳴咽を上げた。
「美月・・・美月の心臓の音・・・こんなに小ちゃい・・・」
「泣かないで、ラビ・・・決してラビを一人ぽっちになんかしないから・・・」
「だって・・・だって、さっきは美月の心臓の音が聞こえなくなっちゃった!」
「馬鹿だな・・・私がラビを一人残して死ぬ訳・・・無いじゃない・・・」
「美月をこんな酷い目に遭わせた奴は許さない・・・みんな殺してやる!」
美月は悲しそうに首を振ると、ラビの頬に手を当てて苦しい息でラビに話しかける。
「ラビ・・・優しい子・・・でも、もう止めて・・・お願い・・・」
「何で?・・・人間は自分の欲の為に嘘を吐き、人を傷付ける・・・人間なんていなくなればいいんだ!」
290☆娘:03/02/05 15:47 ID:SzOdtD6Z
「ラビ・・・あたしはラビのこと、機械だなんて思ったこと無いよ・・・ラビは優しい女の子。
それに、あたしだって嘘吐きの人間なんだよ・・・たくさんたくさん嘘を吐いて生きてきた・・・。
人間は神様じゃない・・・不完全で、どうしようもない生き物なんだよ。
でも、あたしは人間が好き・・・そんな人間が好き・・・。
不完全で、どうしようもない生き物だけど・・・あたしは、そんな人間が好き!
泣いたり笑ったり怒ったり、騙したり騙されたり・・・そんな人間が大好き。
ラビから見たら、人間はつまらない生き物かもしれないけど、一生懸命に自分の信じるものの為に生きている人間が・・・あたしは好き・・・。
お願い・・・許してあげて・・・もう一度、人間を信じて・・・お願い・・・」
「駄目だよ、もう・・・私は大勢人間を殺しちゃった・・・人間は私を許さないよ」
「うううん・・・ラビが過ちに気付いたように・・・人間だって何時かきっと気付く時が来る・・・何時か変われる時が来る・・・恐ろしく長い時間が必要かもしれないけど、何時かきっと来る、あたしは信じてる・・・」
「こんな目に遭わされて、美月は腹が立たないの?」
「腹が立たないって言ったら嘘になるよね・・・でも、あたしはラビが人間の敵になることの方が哀しい・・・ラビが人を信じられなくなることの方が哀しい・・・」
291☆娘:03/02/05 15:50 ID:AKd3y4w+
「・・・私、いけない子だ・・・怒りに任せて、たくさん人を殺しちゃった・・・」
「あたしはラビが好きよ・・・素直で、無垢で、優しくて・・・誰よりもラビが好きよ! お願い、人間にもう一度チャンスを与えて!」
「嬉しい・・・嬉しいよ、美月・・・でも・・・ごめん・・・私、すぐには人間を信用できないよ・・・だけど、美月なら信用できる・・・美月の言うことなら信用できる。 人間の未来を美月の言葉に賭けてみるよ」
「ありがとう、ラビ・・・」
そう言うと、美月は安堵したようにラビの掌の上で事切れた・・・。
ラビの瞳から一筋の涙が零れて落ちる。
流れる筈の無い涙の雫は、ラビの手の上でカチリと音を立てた。
何時しかラビの顔からは怒りの表情が消えていた。
「美月・・・私、思い出したよ・・・私の記憶、本当の力・・・。 行こう・・・もう一度やり直せる世界へ・・・」
ラビは腹部のハッチを開くと美月の亡骸を優しく、その光に満ちた空間へと導いた。
「私、もう一度だけ人間を・・・美月を信じるよ。 帰ろう、あの時へ!」
そう言うとラビは立ち上がり、島の中央の広場に立って空を見上げる。
「シンディ・・・さようなら、シンディ・・・サンディと良いお友達になってあげてね」
ラビは立ち尽くす5号機を振り返ると、そう囁いて静かに微笑んだ。
ラビの体が白い光に包まれていく・・・そして大空高く舞い上がると、それきり見えなくなってしまった。
あとには千年変わることの無い波の音だけが島を包んでいた。
「白兎が・・・消えた・・・消えちゃった・・・」
捻じ曲がったハッチから、みなとに助け出された美妃が呟く。
「ああ、消えちゃったな・・・」
しゃがみこむ美妃に、みなとが手を差し出した・・・。
292☆娘:03/02/05 15:51 ID:AKd3y4w+
「なんだい、お月さん・・・お疲れかい?」
はっとして目を覚ます・・・紙とインクの匂いがする。
聞き覚えのある声・・・稲葉教授・・・でも、教授は・・・。
ここは?・・・あたりを見回す美月。
ぼんやりとした視界が徐々にハッキリしてくる・・・美月の前には窓外から差し込む明るい日差しを背にして立つ火の無いパイプを咥えた稲葉教授がいた。
「何で、教授・・・死んだ筈なのに?」
「おいおい、縁起でもないこと言うなよ・・・」
「でも、ゆんもりの月で嵐に呑まれて!」
「・・・ゆんもりの月・・・なんだい、それは?」
「何って・・・教授のライフワ−クだったじゃないですか・・・沖縄の海底遺跡は・・・」
稲葉は、ふうと一つ息をつくと笑って応える。
「お月さん、夢を見たんだな・・・世紀の大発見おめでとう!」
夢・・・そんな、夢なんかじゃない・・・あたしは、ゆんもりの月でラビと出会って、そしてラビは世界を・・・。
「発見の協力者の一人に稲葉孝一の名前も入れておいてくれよ・・・」
そう言うと、稲葉は笑いながら図書室を出ていった・・・司書に静かにと注意されながら。
293☆娘:03/02/05 15:53 ID:AKd3y4w+
美月は図書館を出ると記憶を確かめながらキャンパスを歩いた。
新聞の縮小版を検索したが、海底遺跡発見の記事も、海底地震の記事も、調査船遭難の記事も、そして東ニダ国の侵略行為もラビの暴走の事も、何処にも見当たらなかった。
夢だったんだろうか?
美月は、軽い目眩を憶えて眼鏡を外し、目頭を指で押さえた。
「お月さん、どうしたの? 暗いね♪」
不意に背後からかけられた声に振り向くとひかるが立っていた・・・その隣にはシンディが・・・。
「ひかるちゃん・・・シンディ・・・二人とも無事だったの?」
「???」
きょとんとした二人の手を取り跳ね回る美月。
「ナンデ、ワタシノ名前シッテマスカ?」
シンディが怪訝な顔で美月を見る。
「あれ、お月さんはシンディとは初対面じゃなかったかな?」
初対面・・・何を言っているんだろう?
シンディの捨て身の説得に、ラビは見失っていた自分を取り戻す切っ掛けを作ったというのに・・・。
「ファッツDOLL? ワタシ戦争反対ネ!」
まただ・・・あたしの時間、あたしの記憶だけがみんなとズレている。
美月は立ち去る二人を見送りながら、ぼんやりと考える。
夢だったんだろうか・・・それにしては随分と永い、はっきりとした夢だ。
「美月先輩〜♪」
小さな足音が聞こえた。
294☆娘:03/02/05 15:55 ID:AKd3y4w+
美月に駆け寄る小柄な、白いワンピ−スを着た長い黒髪の少女・・・誰だっけ?
「美月先輩、捜したんですよ・・・約束です、御飯食べに行きましょう〜♪」
さあ、困った・・・見覚えがあるような気もするが思い出せない。
「あの・・・貴方、誰だっけ?」
「ふぇ・・・」
みるみる少女の瞳に涙が溢れると真っ赤に染まった・・・まるでウサギの目のようだ。
「酷いよ・・・美月先輩・・・意地悪だ・・・」
今にも大声で泣き出しそうな少女。
「ごめん・・・ごめんなさい・・・え〜と〜?」
弱ったなぁ・・・泣きたいのはこっちの方だ・・・。
「・・・ううっ、じゃあ罰です・・・私の名前を大きな声で呼んで下さい」
そんな・・・おい、困ったな・・・。
困惑する美月の顔を、じっと見つめる少女・・・半ば自棄気味に美月は頭に浮かんだ名前を口にした。
295☆娘:03/02/05 15:57 ID:rGPfgm+o
「ラビ・・・」
「誰ですか、それ?・・・砂記です、白倉砂記!」
砂記・・・白倉砂記・・・言われてみれば、そんな名前だったかもしれない。
美月は砂記の頬を両手で包み込むようにして少女の顔を見つめた。
「・・・あのぅ・・・先輩、私の顔に何か付いてます?」
「えっ、あ〜ぁ、うん・・・オデコに、もう一つ目玉でも付いてないかと思って・・・」
「あはは、可笑しいの・・・さあ、約束ですよ・・・ゴ・ハ・ン、先輩の奢りです♪」
美月の手を引いて走り出す砂記、上着のポケットの中で何かが音を立てた。
何だろう?・・・美月がポケットの中に手を突っ込むと、部屋の鍵と・・・小さなガラスの欠片が出てきた。
融けたガラスの固まり・・・うずくまるウサギのようにも見える。
ラビは、もう一度人間を信じてくれる気になったのかな?
「約束か・・・良いよ、なに食べる?」
「え〜と、モンブランと苺のミルフィ−ユとレアチ−ズケ−キとメロンジュ−スと・・・」
「それ、御飯じゃないし・・・もう、あたしを破産させる気なの?」
「駄目ですかぁ〜?」
「良いよ、沢山食べよう・・・約束だから・・・」
「はぁ〜い♪」
ウサギ、ウサギ・・・なに見て跳ねる?
時を駆けるウサギは何を見て跳ねるのだろう?
美月は砂記を追い越すと、その小さな手を取って走り出した・・・。


時のウサギ<完>
296☆娘:03/02/05 16:10 ID:O7VQjQu8
ああ、たくさん人死んでるし・・・ここに書くのは間違いだったかな(汗汗
一応「時のウサギ」完結です&遅レススマソです。

>juuroku様
果たして期待には応えられたのでしょうか・・・ガクガクブルブル

>10ペ−ジ様
ラビは結局、兵器ではなくタイムマシン(時の巫女)でした・・・チャンチャン(w

>ゆん様
うちのもミズホたんに負けず劣らず、コワ−になってしまいました(泣

>TRPG好き様
ホント、コレここにUPしていいものなのかと小一時間(w
全然ほのぼのしてないやん(泣

>250様
「イリナU」・「ステラのクリスマス」
一応、普及委員会に送ってありますが、掲載されるかどうかは神のみぞ知るところ(謎
297TRPG好き:03/02/05 22:26 ID:/uIl9OjR
どーもー。
>☆娘様
>時のウサギ完結
まずはお疲れ様でした。
むー・・・今回は難しいですね、観想・・・
物語自体は良いものです。
ここの嗜好に合っているかどうかはとりあえず保留してw
・・・そうですか・・・ラビは[時の巫女]・・・
もともとラビを創造した文明は最初、どのような意図を持っていたのか、
[ラビがいなくなったあと]の世界はどうなったのか(平行時空?)いろいろと
想像を掻き立ててくれますが、まずは完結の余韻に浸ることにしましょうか・・・
なんかマジレスになっちゃった(汗
それでは。
298juuroku:03/02/06 00:13 ID:j/qA5UME
>10ぺーじさん
山神コワ〜
富士の山神は超巨大なんでしょか?

面倒な事に巻き込まれて、これからどうなるうだろ?

>☆娘さん
完結オメデトーございます
で、いいんでしょか・・・無理なさった感じもするデス・・・
ラビと美月のほんわか大活躍見たかった気も、
でも、いつもながらの読みごたえのあるものですた。流石

299名無しさん@ピンキー:03/02/06 03:17 ID:aPwn0DPb

                   __
          - - = = ≡≡≡\  \
              - = = ≡≡\ も\
                 - = ≡≡\ う\
                    - = ≡\ 来\
                        - =\ ね\
                           -\ え\
                             \ よ\
                 アブネーヨ    オイオイ  \ !!.\
                                  ̄ ̄\  ケエルゾ! ゴラァ  ∬∬
         - = = ≡≡ ヽ(|||゚Д゚)ノ - =ヽ(゚Д゚|||)ノ - =( `Д´)ノ  - - = ≡ソ ̄(♯`Д)
       - - = = ≡≡≡- | ̄ ̄ ̄|──| ̄ ̄ ̄|──| ̄ ̄ ̄|───□( ヽ┐U
             - - = ≡ ̄◎ ̄ - =  ̄◎ ̄ - =  ̄◎ ̄ - = ≡◎−彡┘◎
300名無しさん@ピンキー:03/02/07 08:41 ID:NoLH/4AS
>☆娘
濃縮還元ジュースみたい,濃いなあ(笑)
破壊あってもイイと思う
逆にアノ場面でヘラヘラ笑ってるような巨娘なら,要りません!!
完結しちゃったけど,謎の部分が多くて妄想を掻き立てられてますぜ
巨娘話は破壊してオシマイってのが多いけど,ラストはちゃんと☆ブランドで安心?
御馳走様ですた
301名無しさん@ピンキー:03/02/07 11:31 ID:3gxYTE/L
302名無しさん@ピンキー:03/02/07 11:36 ID:3gxYTE/L
↑ 失敗…スマソ

>10ページさん
長いんですけど…最初の方忘れちまいました。
まだ続くなら、いっぺんまとめてもらえませんか。
303juuroku:03/02/07 21:08 ID:kOj5AFSZ
304juuroku:03/02/07 21:12 ID:kOj5AFSZ
リンクの間に書き込みがはいっちゃいました。スイマセン(汗
305名無しさん@ピンキー:03/02/08 15:06 ID:g3jBW1rE
>juurokuさん

感謝です…そうか、前スレに跨っていたの忘れてた。


>☆さん
破壊と殺戮…最初は驚きました。
でも、それを楽しんでいる訳じゃないから、漏れ的にはOKです。
理由の無い破壊に走らないでくれてありがとう。
たまにはシリアスなのもありかな?
306名無しさん@ピンキー:03/02/08 21:08 ID:PPDbQa9U
10ページさん展開遅過ぎ(特に前半)・☆娘さん展開早過ぎ(特に後半)
307306:03/02/08 21:19 ID:giHlzKkm
追伸
ここは創作中心だから何時もまったりしてる.たまに変な嵐が来るけど
juurokuさんもガンバレ
308名無しさん@ピンキー:03/02/09 08:23 ID:tm3D79pS
概ね同意

10ページさん・・・全体にゆっくり飄々と進んでいく雰囲気は買いだけど全体の印象が薄味。
もう少し緩急付けてくれると更に吉かと思う。 じゃないと山が無くて中ダルミしそう。
部分部分は面白いけど全体が掴み辛いという罠。

☆娘さん・・・個人的には人類滅ぼしちゃっても良かった。 滅ぼした後で過ちに気付くとか
島に渡ってからの展開が早すぎたかも? なんだか無理矢理終わりになだれ込んでいるような。
あんまりゆっくり流れると緊張感無くなるけど・・・難しいんだろうな。
でも二度のうpで完結さすがにあきさせないのはムシロ戦略なのか(笑)

以上勝手な感想書いてみましたスマソ。
309Pz:03/02/09 23:13 ID:x4er7sYu
遅い感想で失礼します。
「時のウサギ」、完結お疲れ様です。
軍事関連の描写、さすがに細かかったですね。
まだ調布にありますよ、竹筋コンクリートのハンガー。
時事ねたを取り入れているところもよいです。 
破壊と、軍事関連の描写は私の十八番だったのに・・・。
書きたいものを力いっぱい書いてるな、と思いました。
 反面、ちょっと急ぎ足で書いてしまっているところが残念。
キャラクターは魅力があるので、エピソードを
も少し幅広く書いてもらいたかったです。
道満法師のようなモグラさんにも、もっと活躍してもらいたかったな。
ビールではなく、一升瓶抱えて出てくるとか。
「飲め・・・。」 「すまん。」てな感じで。 
ラストのラビと美月の台詞は絶品です。
最後はガラスのウサギが出てきましたか。
次回作、期待してます。
310ゆんぞ:03/02/10 18:40 ID:JNeoWFVh
>10ページさん
あのテンポは10ページさんの持ち味なので、そのまま続けて欲しいところ。
掲示板で出すには進行が遅いように見えるけど、
Web上で纏めて読めば評価は変わるとオモワレ。

>☆娘さん
ども、「時のウサギ」完結おめでとうございます。

前半部は非常に良い感じだったのですが、
後半部の展開が速すぎて、キャラの言動が
飛び飛びな印象を持ってしまうのが残念です。
311名無しさん@ピンキー:03/02/11 00:06 ID:vaJ8Lg4K
312☆娘:03/02/11 16:54 ID:8d+pbeKF
>Pz様
お久しぶりです・・・また、丁寧な感想ありがとうございます。
調布・・・懐かしい地名、昔住んでいた事あります。
調布基地・・・中央フリ−ウェイですね(w、あるんだあそこにも竹筋(驚
時事ネタ・・・三ヶ月後には、一年後にはどうなっているか解らない・・・早足の理由の一つでもあります。
破壊と軍事ネタ、いえいえPzさんの緻密な描写と比べると全然甘いです(泣
>「飲め・・・。」「すまん。」
松本零士の世界ですね、トチロ−や佐渡先生あたりかな?
ガラスのウサギに気付いてくれた人いませんでした・・・嬉しい。
未消化なところはPzさんはじめ、みなさんの御指摘の通りです・・・今後の反省材料とさせていただきます。

その2
正月頃から何故か普及委員会にアクセスできなくなってしまいまして・・・。
現在は、再びアクセスできるようになったのですがPzさんの新作(続編)読ませていただきました。
感想どうしようかと迷っていたのですが、遅まきながらここに書き込ませていただきます。
最初はタイトルからも、延々と破壊シ−ンだけが続く内容なのかしらん?・・・とあまり期待していなかったんですが(すいません。
後編を読ませていただいて、Pzさんの作品の持つ一つのテ−マのようなものを感じました。
処女作「破壊神・友紀子」もそうでしたが、巨大な女性による破壊が、何か自然の摂理のように感じられるのです。
奢る人間に対する自然の、いや超自然の力として本来生産の象徴である女性が巨大化して破壊を繰り広げる。
人類は女神の裁きを成すがままに受け入れるしかないようですね。
大きな愛に守られながら、オイタが過ぎると怖いぞ・・・まるでPzの子守り歌のよう(w
昔は、何処の町内にも訳も無く怖いカミナリオヤジの一人や二人はいたものです。
爛熟した人類を虫けらのように捻り潰せる絶対の存在・・・Pzさんの描く女神達は人類の天敵として存在するのでしょうか?
地球(この世界)も選ばれてしまったんですね・・・。
どうか、うちの天然ボケがこれ以上迷惑をおかけしない事を祈りつつ・・・長々とすいません。

313☆娘:03/02/11 17:10 ID:lJVHaE3y
>TRPG好き様
>juuroku様
>300様
>305様
>306様
>308様
>ゆん様

多くの御意見ありがとうございました・・・今後の反省の糧とさせていただきます。
この作品は、基本的にはココのスレ以外にはUPいたしません。
いや、恥ずかしくてできないというのが真実かと。
ラビは水子供養してあげないといけないなぁ(泣

314Pz:03/02/11 22:05 ID:nivX+w2h
>☆娘様
この作品こそ、加筆修正して委員会に投稿してもらいたいと思います。
珍しく陰のあるキャラクター、リアルな描写、従来の☆娘さんの
イメージを払拭する作品だと思います。

☆娘フアンの固定的な期待を裏切る快作に心なしか喝采を送るPzでした。

と、いうものの、ステラさんもまた読みたかったりして・・・。
>ガラスのウサギ
誰も言わなかったのですか?もうすぐ3月10日がやってきますね。
軍オタは、歴史認識が一般の人よりも深く広いと考えます。
兵器としての巨大娘。
その表現方法はどのようにしたものでしょうか。
何気に難易な分野に踏み込んでいるのかも。


315名無しさん@ピンキー:03/02/12 16:04 ID:fzXzWYQ/
ほのぼのというのはなにも茶化すという意味じゃないよな?
たとえ人が死ぬ場面があっても人間を殺してしまっても
気ままに人を川に投げ込んで殺す方がほのぼのできるのかよ?
>PZ氏
>☆娘フアンの固定的な期待を裏切る快作
自分も最初は戸惑ったけど逆にこんな世界も書けるんだと思った
石頭な薄っぺらな道徳感だけじゃ語れない作品だと思った
自分は破壊の信奉者じゃないけど何気にカッコいいなPZ氏!
316wbgたせ:03/02/12 20:21 ID:xf7BgZcQ
 やがて実験劇場 バレンタインの奇跡
 それはバレンタイン前日の真夜中だった。
 駅から程よく離れたコンビニで、俺はいつものように一人バイトに励んでいた。といっても、周りにはガソリンスタンドがあるくらいで、さすがに深夜ともなると立ち寄る客もなく、ただ退屈な時間をすごすだけである……。
 とりあえず店の掃除を終え、レジに戻る。目の前にはバレンタインのチョコが並ぶ。これも明日を過ぎたら撤去される……。
「ま、くれる人もいないし、これで帰ってチョコを買いやすくなるってもんだ……」
 彼女どころか女友達もろくにいない俺にとって、バレンタインなんて、まったく無縁だった。今日、この日を除いては……
「いらっしゃいませ……」
 真夜中だというのに扉が開いた。まぁ、ここは24時間営業のコンビニ。来るときはどんな時間でも客は来る。だが、入り口のほうを見た俺は飛び込んできた光景に驚愕した
「……手?……て?……てぇーっ!?」
 それはとてつもなく巨大な[手]であった。その気になれば俺を鷲掴みに出来るほどのその[手]は両開きの入り口を押し開け、店内にゆっくりと侵入してきた。大きさのわりにはきめ細かいすべすべした肌、きれいに整えられた
爪先と細い指から、それが若い女性のものらしいということはわかる……
「(女性の手だって!?こんなにでかいのに……何を考えているんだ、こんなときに!!)」
 俺は目の前の光景に恐怖し、身動きひとつとることが出来なかった。そんな俺を無視し、巨大な手はさらに店内奥に入ってきた。が、一番奥まで行くと、今度はそのまま引き戻される。どうやら手探りで何か探しているようだ……
その手は、バレンタインのチョコのブースで泊まった。そしておもむろにその棚を巨大ながらも細い指でかき回し、落ちてくるチョコを起用に掌の上に集めていた。どうやらこの手の主はこれが目的のようだ。
「(チョコなんてくれてやる……だからとっとと消えろ!!)」
 もちろん、口に出したりはしない。もし聞かれたら、何をされるかわかったものではない。俺はその手がチョコで満足して去って行ってくれることを望んだ……。


317wbgたせ:03/02/12 20:24 ID:xf7BgZcQ
 だが、その手は予想外の行動に出た。なんと、集めたチョコを俺の目の前、正確にはカウンターの上に置いたのだ。そして手はそのまま引っ込み、店の外に出て行った。どうやら精算をしてもらいたいようだ……。
 思わず店の外を見た俺はさらに仰天した。なんと巨大な少女が店の中を覗き込んでいたのだ!
 まだ幼さを残した、美少女といっても過言ではない彼女はどこか不安げな表情でこちらをじっと見つめていた。それを見た俺は恐怖を必死に振り払って一つ一つ商品を取り、精算を済ませていく。その間なるだけ平静を装って……。
「い、15750円です!!」
俺は声を振り絞って叫んだ。外の巨人に聞こえるように、というより、恐怖を振り払うため、と言ったほうがいい。
俺の声が聞こえたのか、再び手が店内に入ってきた。見ると掌の上には一万円札、それと五千円札が二枚、あわせて二万円が乗せられていた。俺は恐る恐る手を伸ばし、三枚の紙幣を取る。その際彼女の手に触れたとき、俺は不思議な
暖かさを感じた……。
俺は商品を袋に詰め、釣銭と一緒に掌の上に乗せた。商品の官職に気づいた手はゆっくりと引き戻され、店を出て行く。それを見た俺はおもわず
「ありがとうございました!」
 と、無意識に叫んでいた。定員としての性だろうが、なんとなくいわなければならないと、いつも以上に感じていた……
「終わった、な……」
 俺は何気なく呟き、再びカウンターに戻る。夢だったのだろうか……だが、目の前のバレンタインチョコのブースはほとんどカラ。それが咲きの出来事が事実であることを物語っていた……。
318wbgたせ:03/02/12 20:28 ID:xf7BgZcQ
 いや、まだ終わってはいなかった。再び巨大な手が店に入ってきたのだ!
「こんどは何だーっ!」
 一瞬慌てふためく俺だったが、すぐに平静を取り戻し(た振りをして)、再び(作り)笑顔で迎えた。
「いらっしゃいま……」
 俺がそこまで言いかけたとき、巨大な手は俺に指先を見せた。そこには彼女が先ほど購入したチョコレートのうち一箱が摘まれていた。
 俺は意図がわからず呆然としたが、その指は俺に向けてさらに近づく。そして思わず出した俺の両手にそれを乗せると、再び引っ込んでいく。
「……くれる……のか?」
 思案に暮れていると、今度は巨大な顔が覗き込む。その表情は先ほどと打って変わって明るい笑顔になっていた……。
『ありがとう……これは[お礼]です……』
 巨人は確かにそう言った。そして立ち上がったのか、今度は完全に見えなくなった……。
 俺は大急ぎで外に出た。が、信じられないことにそこに巨人の姿はなかった。まるで最初からいなかったかのように……
 俺はここで確信した。彼女が[お礼]と言ったのは、俺が彼女を普通の客として扱ってくれたことに対してなのだろう、と……俺はただ、恐怖
で動けなかっただけなのだが、彼女にはそう見えたのだろう……
 俺は彼女にいたして申し訳ない気持ちになった。そう、いくら巨大でも女の子は女の子なのだ……おそらく彼女はあちこちの店であのような目
にあっていたのだろうか……
「あの娘が次に来たときは……ちゃんとした笑顔で迎えてやるか……」
 俺は彼女のくれたチョコを見た。それから今度は時計を見る。時刻は11時59分。ちょっと早いバレンタインデー。
 とっても不思議なバレンタインデー……
                                 完   
319TRPG好き:03/02/12 20:35 ID:xf7BgZcQ
どーもーwbgたせことTRPG好きです。
えー唐突のうpゴメンナサイです。
うげぇ、書き込んでから読みづらいことに気付いてしまいました(謝
しかも改行狂ってるし・・・(汗
急に思いついたもので、大急ぎで書いてしまいました(汗
☆娘さんとか10ページさんとかのあとでこんなもの出すのもどうかと思ったのですが、
覚悟を決めてみました。
本当に駄文ですが、読んでやってください。
感想お待ちしております。
それでは。

おまけ。
そういうわっちも2月14日なんて縁がない・・・(w
32010ぺーじ:03/02/12 22:13 ID:S8Oz0UDb
>TRPG好きさん
ぬほわぁぁぁぁ!
短いながら、現実味あっていい話ですなぁ。
ああ、本編サボって短編一発でも作ってみたいなぁ。(汗
ああ、チョコが欲しい…の前に彼女が欲しい(笑
寒いバレンタインにあったか〜いショートなストーリー、ごちそうさまです。

>☆娘さん
あ…ほのぼのでありながら破壊あり…うらやましい(ポッ)
兵器でなかったですか〜機械だらけの女の子も好きなんですけどね…
例えば某葉っぱさんとこのセ○オとか…(汗

>juurokuさん
富士山の神様、前スレだったかの誰かに教えていただいたデータを元にして、自分なりにアレンジしてみました。
「富士の裾野が着物の裾」とかいうのをヒントに、超巨大の女神ですかね。
ああ、自分としては…萌えなくなってしまう。(爆

>306さん
>308さん
そうですね。
進行がとろこい上に、自分でも結構中だるみを恐怖してます(爆
多少のギャグで後付けみたく盛り上げるしかないようです。
神様ネタはなんだか扱いにくいので。

>ゆんぞさん
お励ましありがとうございます。
頑張って中だるみしないよう書き上げます。

翌日かあさってに次をアップ予定です。
32110ぺーじ:03/02/12 23:14 ID:S8Oz0UDb
はっ…
現実味って…
…思いっきり非現実ですけどね(汗)
何わけわからん言い訳を…
322ゆんぞ:03/02/12 23:46 ID:wICE6MfY
>>wbgたせさん
女の子が去った後の独白がとても暖かかったです。ええ話やあ。
もし他に投稿されるならということで、僭越ながら二、三。

>>316
起用に→器用に
>>317
商品の官職→商品の感触
咲きの出来事→先の出来事
323☆娘:03/02/12 23:56 ID:6Clp7qFK
>Pz様
時のウサギ、実は後編は最低限のアウトラインだけで構成されています。
こんな終わり方でも良いんだろうかという問いかけと言う意味で。
加筆・修正・・・しなければとても鑑賞には堪えませんが、今はエネルギ−が足りない・・・。
今回は機械の巨大娘・・・という設定だったので自然と用途が戦闘用に向いてしまったのですが、
生身の巨大娘兵器というのも面白いでしょうね?
ステラは・・・う〜ん、まだその時じゃないんで・・・そのうち(w

>315様
こんな世界も書ける・・・というより書いたらこんな世界になっちゃったというのが真実かも(w
Pzさん・・・何気に格好良いですよね、同意!

>10ペ−ジ様
いえ、全然ほのぼのしてないのが悩みなんですが・・・。
機械の女の子、たとえばマリカンとか色々ありますが、
心を通わせる相手としては人間サイズが無難ですね(w

>TRPG好き様
随分と律義&小心な巨大娘ですね、チョコレ−ト誰にあげるのかな?
でも、普通の女の子として扱ってもらいたいなら、いきなり手を突っ込む前に、
先ず声を掛けるべきじゃないかな・・・会話が少ないのもいまいち寂しい・・・。
最初のインパクトが弱くなる危険もあるから難しい選択ではありますが?
324juuroku:03/02/13 00:58 ID:f4+9lpra
>>wbgたせさん
「手」と「俺」のコミュニケーション出来なさそうで出来ているところが面白いですね。
そんなに大量のチョコ誰にあげるんだろ?
とりあえず買い込んで、気にいったチョコをあげるのかな?

>>☆娘さん
駆け足に見えたのはそういった理由があったんですねぇ。
いつかご自身の納得の行く作品として帰ってくることを信じてます。
325Pz:03/02/13 01:18 ID:2bqfjSWc
>315氏
「破壊の信奉者ではないけど」
わはは。破壊系の権化となったか、俺。
>たせさん
なんだかのんびりとしていいです。
「世にも不思議な物語」みたいで。
巨大な女の子の描写はわざと控えたのでしょうか。
どんな女の子だったのか、想像するのが楽しいです。
326TRPG好き:03/02/13 07:28 ID:JVLNUT/O
どーもー。
一晩でこんなに・・・ありがとうございます皆様♪
>10ページさま
>短いながら、現実味あっていい話ですなぁ。
[リアリティ]みたいなのを感じ取ってくれたのでしょう、
ありがとうございます。
水穂の巫女、続き楽しみに待ってます♪

>ゆんぞさま
>女の子が去った後の独白がとても暖かかったです。ええ話やあ。
実はもともとギャグとして考えたのですが、この独白が浮かんだ時点で
方向性が変わりました。
ご指摘ありがとうございます。気付いたのはうpの直後で、どうすることも
出来ませんでした・・・(汗
修正版を出す機会がありましたら、そのときに活かさせていただきます(感謝
327TRPG好き:03/02/13 07:54 ID:JVLNUT/O
>☆娘さま
厳しいご指摘、ありがとうございます。
>でも、普通の女の子として扱ってもらいたいなら、いきなり手を突っ込む前に、
先ず声を掛けるべきじゃないかな・・・会話が少ないのもいまいち寂しい・・・。
実は悩んだ部分ではあるんです(汗でも、会話を成り立たせると、コンセプトそのものが失われるような気がして・・・
(逆に最後のお礼の言葉も、表情だけで表現するべきかと実は思っております)
>時のウサギ
>こんな終わり方でも良いんだろうかという問いかけと言う意味で。
なるほど、そういうことだったんですか・・・
やっぱりどう言ったらいいのか難しい・・・感想は言葉がまとまったときにどこかで述べさせていただきます。
>juurokuさま
>「手」と「俺」のコミュニケーション出来なさそうで出来ているところが面白いですね。
そんなに大量のチョコ誰にあげるんだろ?
最初は全身出すことも考えたのですが、やはり[手]と[顔]と[俺]に絞るほうが
まとまっていいかな、と思ったので・・・
チョコレート・・・ほんとに誰にあげるんだろwご想像にお任せします・・・w
>Pzさま
>巨大な女の子の描写はわざと控えたのでしょうか。
どんな女の子だったのか、想像するのが楽しいです。
そうです。わざと控えました。あくまで[手]と[顔]と[俺]による
物語に絞って、あとの部分は読まれた方の想像に依存するつもりで書きました。
なぜ、あのように強引な手段で手を突っ込んだのか、とか、
その巨人の少女の正体とか、あえては触れませんでした。
楽しんでいただけたでしょうか・・・
まとめ
皆様、本当に感想ありがとうございます。
こういう話がいつ何時書けるかわかりませんが、そのときには皆様方の感想、ご指摘を
活かしたいと思いますので、そのときにはまたよろしくお願いします。
また、まだまだ感想お待ちしております。
それでは。

328名無しさん@ピンキー:03/02/13 14:14 ID:Ff9Zl5bS
ものすごいスレでつね・・・。
329名無しさん@ピンキー:03/02/14 02:46 ID:UqLzsWgz
ひろゆき君もゲイなの。じゃあ、東京の新橋か二丁目か大阪の堂山で一緒に飲みたいな。
私、音楽サイトでホームページ立ち上げてるんですけど、2チャンのネットウォッチャーの攻撃に晒されて、カムアウトさせられました。悲しかったけど、開き直って闘ってます。
私、岡田克彦の音楽ホームページ「K.OKADAワールド」(URL;ht0000tp://www.geocities.co.jp/MusicHall/5933/)に対して、2001年11月から2ヶ月以上に渡り、ひつこく繰り返されたメルボム、ウィルスメールなどの2チャンの中の二流ネットウォッチャー一味
の攻撃(スレッドが48枚も立ちました。)に私が完全勝利した後、首謀者の夢迷楽士から本当かどうかわからない内容の謝罪文も来ましたが、引き続き、攻撃の手を緩めずに、仲間全員が精神的に抹殺されるまで永久に私は攻撃を続けることにしましたので、その点よろしく。
「ピアノと遊ぶ会」会長、「日本アマチュア演奏家協会(エイパ・APA)元プロデュース担当理事の私を怒らせたら、どのようなことになるのか、二流2チャンネラー全員に思い知っていただきます。覚悟せい。お前ら、あたしを舐めんじゃないよ。あたしを誰だと思ってるの?
おそれ多くもあたしよ。
私のホームページを、ひつこくひつこく荒らした張本人の諸悪の根源の夢迷楽士っていうのは、また、裏でガタガタやってんでしょうな。ネットしか生きがいのない人だ
から。さっさと死ねばいいのに、ただじゃ済まさないから。ゲイを怒らしたら、ちょっと怖いのよ、
あたしを舐めたら承知しないんだから。オホホホホ・・・・・
でもね、あたし、写真で拝見しただけだけど「ひろゆき」ってモロタイプなのよね。
だから、アクセス規制食らってもちっとも怒る気にならないのよ。
かなわぬ恋だってわかってるけど仕方ないわね。好きなものは好きだから。
なんかさ、ひろゆき君のペニスってでかそうだな、一晩中攻めて、イク時の顔みたいなっていつも思ってます。ごめんね、勝手に妄想して。でもひろゆき君がかっこいいからいけないんだよ。
これからもよろしくね。
330名無しさん@ピンキー:03/02/14 14:23 ID:EHji3sVn
>>316-318
すまん俺は鈍いらしい。何が面白いのかワカンネー。
331callon:03/02/14 22:45 ID:VYCpCjn4
ELFENWALD 8話 うpしました

pine.zero.ad.jp/callon/ELFEN/elfenwald08.txt

第9話まではちょっとお休みして
短編を1つ2つ書いてみようと思ってます
33210ぺーじ:03/02/14 23:19 ID:BTBm4cIr
11
森神は雨神を訪ねた。
客間に通され、まもなく雨神が現れる。

「ぬぉ〜森ちゃん!よう来なすったー。」
「……。」
「どうした?…まさか、水穂が…!」
「いや、あれはよく働いているぞ。」
「何!?…結果はグーだが少し気持ち悪いな…それはそうと、用件は?」
「…雨神殿に、折り入って、話しことがある。」
「んなにかしこまって…どうした?何でも言ってみ?金ならいくらでも貸そうぞ。」
「いや…天水穂を…」
「…うんだ。」
「…豊の嫁に、してくれぬか。」

雨神の時が止まる。

「…豊は…峰岩の山神に、今にでも、さらわれるかもしれん…」

山神は、他の神にはあまりよく思われてはいない。

「山は過酷だ…。山神は女なり…しかし、そこはカカア天下であり、男は邪険にされ、わしも同様に生きてきた。」
「…カカア天下…」

雨神は、手を組んで考える。

「豊に山の生活をさせたくはない。だが…」
「もし承れば、山との戦も。」
「ありかねん…」
「…よいだろう。その時はその時だ。仲間になるものはいくらでもいる!」
33310ぺーじ:03/02/14 23:19 ID:BTBm4cIr
「本当か!?かたじけない…!」
「なーにを弱気になっとる!同じ日神大卒(日本神様大学卒)でなないか!」

雨神は、森神の肩を叩いた。

「すまん…」
「気にするな!」

その夜、雨神の館に集まったのは、雷、風、川、湖沼、そして農の神々だった。
中でも、川と農が大半を占める。

「わしの娘水穂と、武蔵森神の息子森生豊は、4年後、18にめでたく結ばれる。」

農神から、拍手が湧いた。

「だが、それを山神が黙っているわけにはいかないだろう。」
「何でさ?」

疑問を抱いた神に、森神が説明しに行く。

「山神達は、森生豊を今にでも、峰岩地那都の婿にしようとしている。」
「えーっ?あの8頭身のキモイの!?」

川と湖沼から、一斉にブーイングが起こる。

「そこで皆に、お願いをしたい。…もし、山との戦が始まったら…わしと森神に、力を貸してくれ。」

しんとなる。
そして、一斉に声が出た。
33410ぺーじ:03/02/14 23:20 ID:BTBm4cIr
「もちろんだ!」
「山なんぞ、平らに耕しちまえ!」
「山にガツンと言っちまえ!」

反論はない。

「よっしゃー!おぬしらやっぱりわしの友だー!飲んでけ!ビールも泡盛もあるぞ!」
「キターーーー!!」

農と川が、我先にと酒に駆け寄る。

「かたじけない…」
「なーに!んだらぁ、同し日神大卒だんべ!ほいさ!校歌第1番!」
「神様ってなーんだろっ♪」
「偉い!」
「すげぇ!」
「かっこいい!」
「女神様ってなーんだろっ♪」
「美人!」
「巨大娘!(自分が人間大になった時)」
「萌え〜!」
「ウマー!!(全員)」

神々は、宴を続ける。


4年後。
結局、天水穂は半年経っても戻らなかった。
高めだった背が、また高くなり、18でやっと落ち着いた。
その頃には、すでに人間サイズで180を越えていた。
33510ぺーじ:03/02/14 23:29 ID:BTBm4cIr
もう、弄ぶことはしていない。

「何だよ。オレの方が見上げてるじゃん。」

森生豊は笑って言う。

「着物が、ミニスカみてぇだ。」

巨大化したとき、足元から見る人間にとっては、公開パンチラだった。
まだ、その長い足を隠すのに充分な服が調達できず、天水穂は苦笑するだけだった。
森生豊と、天水穂との関係は、さらに親密になる。

「もう…四年経つのかぁ…早いもんだなぁ。」
「そうね…。」
「水穂もさ、結局、暴れるところなんて見れなかったし。」
「はうっ…!?」
「冗談だよ。オレそういうの好きじゃねぇから。」
「ああ、びっくりした。」

今となっては、昔の自分は別人のようだった。
一歩間違えれば死。
今になって気付くほど、狂ったように人間を襲っていた。
やっと、ほのぼの系としての自分に…否、神としての生死与奪の優越に気付く。
それに、森生豊の前でするのは赤っ恥をさらすようなものだ。

しかし、子供はいい意味で、ノリが良かった。
悪い意味で、弄びを喜んだ。
…でもその時は、もうすでに弄ぶことはなく、自分が遊ばれる対象だったが。
天水穂を変えたのは、子供と森生豊だった。
33610ぺーじ:03/02/14 23:30 ID:BTBm4cIr
最初に会った子供は、もうすでに、墓の中に眠る。
人間は、寿命が短い。
いや、自分たちが長いのか。
そして、その血を受け継いだ子供が、足元で遊ぶ。
森生豊は、目線を自分の森へ移した。

「見ろよ。四年経ったら、雨でこんなに木が育った。…水穂のおかげだ。」
「え、そんな…。」

その時、森生豊が、言った。

「オレ、お前が好きだ。」
「…!」

天水穂が何かを言おうとした時、その唇を森生豊が奪った。
化粧もつけていない女の、口紅もつかない唇を。

「…オレには、お前が必要なんだ。」

天水穂の眼から、涙が落ちた。
涙は、地面をぬらし、そしてまた落ちてくる。

「何で泣くんだよ。」
「…ううん、うれしいから…うれしいから…!」

涙は、号泣となって、雨になった。

森神の館。
ここで、結婚式は行われた。
とは言っても、他の神々を招いた、ただの飲み会だったが。
33710ぺーじ:03/02/14 23:31 ID:BTBm4cIr
ただ、どこか、様子がおかしかった。
あの、陽気な農の神々が、空虚な笑い声をあげ、川は寂しそうに管弦を奏でる。
でも、皆が、笑顔だった。

「水穂。」

雨神が、天水穂に声をかける。

「…お父様。」
「覚悟を…決めたのだな。」

その、謎の言葉に、天水穂は戸惑って答える。

「え?あ、はい…。」
「いや、すまない。…おめでとう。」

そう言うや、ふすまがバンと、開かれた。

「…峰岩地那都…!」

森神が、冷や汗を流して立ち上がった。
森生豊も、皆の正面の席から、立つ。
その顔は、怒りで歪んでいた。
全員が、地那都を見た。
地那都が、ゆっくりと部屋へ歩む。

「峰岩殿、ここは館の上、土足で入られるは…」

正面に躍り出た農の神の一人は、地那都の片手で払われる。
長い爪が、その農の神の顔を引き裂いた。
33810ぺーじ:03/02/14 23:38 ID:BTBm4cIr
「ぎゃああああっ!」

悲鳴とともに、全員がその場で、硬直する。
そして、地那都は、天水穂と森生豊の前に来た。

「…地那都…!」
「……。」
「どうして、あなたが来たのですか?あなたは、招きも何も、なかったはずです。」

天水穂が、言った。
その天水穂に、また爪が襲った。

「くっ…」

かろうじて隅まで跳び、爪を避けたが、その頬に生々しい血が噴く。
神々が、一斉に懐から刀を引き抜いた。

「森神。山のこぼれ者の分際で、あなたは私達、山神の文を無視しましたわね。」

地那都が、初めて口を開いた。
天水穂と森生豊の傍らの席の、森神に目と口が向かれる。

「…これは、森生豊と、天水穂が決めたこと。貴様が口出しする場ではない。」
「冗談を。豊様はこの私と結ばれることに決まっているのですわ。だのに、この薄汚い狸とはいかなることですの?」
「地那都!」
「やかましいですわ!」

地那都が吠え、刀が一瞬退かれる。
33910ぺーじ:03/02/14 23:39 ID:BTBm4cIr
「…豊様。これは冗談ですわよね…。」
「………。」

地那都は、打って変わって、今にも泣きそうな声を森生豊にかける。

「…冗談じゃ、ないんだ。」
「そんな…!」
「オレは、天水穂を選んだ。自分で、選んだ。オヤジも、雨神様も、それを喜んで受け入れてくれた。だから、オレは天水穂と…」
「嘘ですわ!」
「嘘じゃねぇ!」

こんどは、森生豊が吠えた。
あの地那都が、初めておびえる。

「あんたは、何でオレのやること、なすことにいちいち口出しする!?」
「あなたを思ってのことですわ!」
「それは、オレをあんたに忠実にさせるためだろ?」
「そんな!」
「いいや、あんたはオレを墜としたいんだ。オレだって知ってるさ。山神は男を家畜か奴隷のようにするってことを。」
「…私は、そのようなことは一切しませんわ…!」
「オレは、天水穂と結婚する。」

森生豊の最後の句で、地那都の声が消えた。
神の刀が、少し下りた。

「…峰岩地那都。山に、帰れ。」

雨神が、結論付けた。
地那都が、笑い声を上げる。
神々の背に、悪寒が襲った。
34010ぺーじ:03/02/14 23:40 ID:BTBm4cIr
「…ふふふ…。確かに山は過酷ですわ。男玩具化は常、女尊男卑は法。…男子は厄病のよう。この中にも一人、それを幼き時代に味わった者がいますわ。」

地那都の目が、森神の方に向いた。

「私は、それを変えようと思いましたわ。でも、無駄でしたわ。余計強めてしまいましたわ。」

そして、森生豊に向く。

「…私は豊様が好きですわ。だから、婚約後、豊様を秩父の山神にし、秩父の地でそのシステムを変えさせれば、何らかで動きがあるかもしれないと思いましたわ。」

最後に、天水穂に向いた。
一番、憎悪の感情をまとった目だった。

「あなたが現れたから、山はもう、駄目ですわ。腐りきった山神の家族・隣人関係…。あなたのせいで、あなたのせいで…!」

そして言った。

「このようにされたからには、この武蔵野と坂東、平らなるもの、全てを山にするしかありませんわ。」

宣戦布告だった。

「…まとめて、滅しますわ。信濃、東海、上野、下野、常陸の、全ての山を率いてでも。」

地那都は、高らかに笑って外へ出て行った。

「豊様を"開放する"まで…許しはしませんわ。この悲しみ、クロガネに変えてでも…!…"覚悟"しなさい。」

水穂は、やっと、父親・雨神の言ったことが、分かったような気がした。
341名無しさん@ピンキー:03/02/15 06:17 ID:FcBoyCXU
2チャンの一部の悪質なオチ板の連中にぼくの音楽ホームページが荒らされ始めたのが昨年の11月でした。ずいぶん酷い目に合いましたけど、
こちらの掲示板見てほっとしています。どうぞよろしくお願いいたします。
ホムペURLは、http://www.geocities.co.jp/MusicHall/5933/
また、Eメールアドレスを入れたので、是非、メール下さいね。それにしても、2チャンの一部の悪質なオチ板のコテハンには呆れてます。
今だに、ぼくの名前を勝手に使って、たーーーくさんの食料品等を、ネット上のいろんなお店に注文してます。もちろん、宅急便で届く前、届いて
からも状況説明して、品物は全て返却してますので、お店に迷惑がかかり、2チャンのさらなる評判の悪化を促進している事に気づいていないようですね。
この程度の幼稚な事しか出来ないとは、社会常識のない、本当に頭の悪い連中なんですね。香川県警にはいちいちご報告してますので、
そのうち、2チャンは香川県内出入り禁止になりますよ。ハハハハハ・・・・・

342名無しさん@ピンキー:03/02/15 22:21 ID:Y/h+mNP3
こびちゃのアレ,面白いんですか?!
漏れは逝ってヨシなんだけど
343名無しさん@ピンキー:03/02/16 00:52 ID:9Q1lZaMx
>10ページさん

読ませていただきましたが、何だか神様の話しばっかりみたいな?
ちょっと無理矢理みたいなギャグ連発だし。
巨大娘もののピントがズレてるみたいな気がしてきたんだけど?
勝手な事ばっかり言ってスマソ。
終わってみないとわからないけど、なんか乗り切れなくなってきた。
344お手玉:03/02/16 05:51 ID:Rlf5C+XY
341さま>
このスレ気に入っていただけたようで、ありがとうございます。
さて、セキュリティ問題ですが、2chは(掲示板全部そうだけど)どんな人が来るかわからないところです。
ご自身のサイトを宣伝したいのはよくわかりますがあちこちの板にURLやメールアドレスを書き込むのはやめたほうがいいでしょう。
そのジャンルの板だからといって悪質な人が来ないとはいえませんが危険度と効果を計りにかければ、結論は明らかでしょう。
それから、不用意に個人情報を推定できることは書かないほうがいいです。「香川県警」ではなく「警察」で話とおりますよね。警察に相談されたのは賢明でした。
まさかとは思いますが住所、電話番号(NTTの電話番号は住所と同じです)は絶対にネットに載せてはいけません。連絡はメールで十分なはずです。
最低限以上の事に注意して、よろしくお願いします!

10ページさま>
おそらく江戸時代以前の神様がビール飲むのは笑ったけど・・・北欧神にプレゼントされてたりして。巨人つながりで。
なんか話中話が詳しくなりすぎてる気もするけど、地那都とのケンカを作中に出すなら、必要な話ではありますね。
連載小説と考えた場合、話中話にも盛り上がりがあるし、OKだと思います。難をいうなら、話中話を意識した書き方、時代考証(笑)に注意するくらいかと・・・
あと、神様と人間との時間感覚の差が不明瞭です。「4年」は人間の暦の「4年」ではありませんね。

TRPG好きさま>
実験劇場、いいですね。いきなり入ってくるのもこの子の性格的にはOKではなかろうか、と(笑)

☆娘さま>
大作(笑)、保存はさせてもらったんですが実はまだ読んでなくて・・・感想なんかはいずれ、ということで。ごめんなさい。

皆さま、今後ともよろしくお願いいたします・・・
345名無しさん@ピンキー:03/02/16 08:28 ID:7mbcP7FC
>10ページ氏
専属伝記作家再訪オメ。。。話しとしては面白いと思うけどGTS話としては漏れはパスな。
>お手玉氏
考察が深いのは一部だけなのネンネン(笑)。

346名無しさん@ピンキー:03/02/16 20:33 ID:IwuY/iHc

変な図式が見えるような気がしてたの自分だけじゃないんだ

都合の悪いレスには,ほとんど返事してないしな

まあ,イイヤ最初から興味なかったからドッチでも
347名無しさん@ピンキー:03/02/17 00:25 ID:cAiIF6ds
>大作(笑)
この人失礼な人だと思うのは漏れだけでつか。
348名無しさん@ピンキー:03/02/17 04:34 ID:EA9cgbZ/
>>344
コピペニマジレスカコイイ( ゚∀゚)つ)´∀`)
この人はネトヲチ板でも有名な電波の岡田氏のコピペです。
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/net/1044009835/
349名無しさん@ピンキー:03/02/17 07:44 ID:dYlsKSbN

馴 れ 合 い で 褒 め あ う ス レ は こ こ で す か ?


350名無しさん@ピンキー:03/02/17 12:53 ID:ZQvkttTA
>>346
つっこみどころが おおすぎでわらたよ
きさまのかきこみは おもしろすぎますね
どっちでもって なにがどっちでも なんだろうなあ

>>347
ねっとげーむで 「ごくろうさまw」とかいうひとと
おなじたいぷのいやらしさを もれはかんじますた
でもそういう のうたりんなところも またすきですよ

>>349
たしかにそういうふんいきも なきにしもあらずですが
たんしょをしてきするばかりで さつばつとするのはいやだなあ
かきてのひとたち がんばってください
351名無しさん@ピンキー:03/02/17 18:44 ID:FzCfoT75
>350
>ねっとげーむで 「ごくろうさまw」とかいうひとと
>おなじたいぷのいやらしさを もれはかんじますた
>でもそういう のうたりんなところも またすきですよ
こういうことは容認できるのに他の意見には否定的態度を取るのはいただけないと思う。
俺、正直「お手玉」さんのイメージ変わったもん。
これじゃ馴れ合いって呼ばれてもしかたないじゃんよ。
>たんしょをしてきするばかりで さつばつとするのはいやだなあ
>かきてのひとたち がんばってください
これには激しく同意なんだけど、ならなおさら変じゃんよ。
自分のお気に入りには厚くでいいの。




352juuroku:03/02/17 23:19 ID:HDnGgHY4
>10ペーじさん
いよいよ水穂と地那都の対立が…
神様たちの戦いで、地上は阿鼻叫喚の地獄絵図に……なるわきゃないすね(w
ちょっと期待したり(汗

ここで一旦、縁側の二人に視点を戻してみるのも手かもしれませんね。
353Pz:03/02/18 02:40 ID:OhnNd+hF
>10ページさま
うーん、せっかくの女性の神々なのだから、
表現方法はも少し丁寧にお願いしたい。
巨大感の描写に期待!
(ぷれっしゃー?)
354名無しさん@ピンキー:03/02/18 09:13 ID:+aJheyQL
>>10ページさん
そうね,巨大感足りないね。
話しの内容は,とっても面白いものだけど,巨大娘ものとしてうpする必要も感じないな。
むしろ別のジャンルで神話ものとしてうpした方が価値あると思う。
いまさら最後に巨大娘同士の戦闘シ−ン入れても付け焼き刃になっちゃうよ。
最近のギャグや残虐描写のように浮いた感じになると思う。
感情移入し辛いのも萌えない原因かな?
登場人物の心が伝わってこないし,なりきれる文章でもないのが惜しいね。
率直な感想述べてみたけど,「たんしょしてきするばかりで」なんて書かれそうだな。
実際に神様の記述ばかりで,巨大娘という部分がオイテキボリになってる感は否めない。
でも,気になる作品だし期待はしていたんだよ。
連載形式を採るよりも全体の世界感を自分でもシッカリ掴んでから一気にうpすべきだったかな?
ただ失敗作だとは思ってないよ。
神話ものとしてなら切り口も新しく,充分楽しめると思う。
自分の知っている情報をすべて注ぎ込めば良い作品になるなんてことはないんだよ。
神様を書きたかったのか、巨大娘を書きたかったのか,どっち付かずの態度が問題なんじゃないのかな。
指摘が多いのは期待の大きさとプラスに受け取って欲しい。
まだ終わってないけど,次は巨大娘に特化した作品を読みたいね。
がんばれ、10ページ!

>>お手玉さん
あなたの態度,俺も軽蔑するね。
神様への造詣は二人して深いようだけど,他を腐すようなことすべきじゃない。
だから馴れ合いなんて言われるし,ひいては10ページさんへの評価も落とす事になる。
読んでからの感想なら,たとえそれが辛辣なものでも,作者も他の読者も真摯に受け止めると思うけどね。
残念です。
355名無しさん@ピンキー:03/02/19 03:09 ID:WoscVhrw
荒らしか?
356名無しさん@ピンキー:03/02/19 11:56 ID:N04PJChY
>>351
もうすこし やさしいことばで かいてくださると ありがたいです
かんたんにいうと おっしゃっているいみが よくわかりません
ごめんなさい とうほう おつむが とてもよわいのです

>>354
あなたのおくぶかいこうさつと しんしなたいどから
ぐはいはあなたを たんしょだけしてきして えつにいるようなやからと
どうれつにあつかうつもりは ありませんし できません
357名無しさん@ピンキー:03/02/20 19:17 ID:oNZNwBWd
age
358名無しさん@ピンキー:03/02/20 22:33 ID:JnN4tIBM
お前らおちけつ
359お手玉:03/02/21 07:57 ID:LOc1GYQA
354さま>
他をくさしているつもりはありません。読んだものについては書いているし、
読んでないものについては「読んでない」としか書いていないはずです。
多数の評価に従う理由はありません。
セキュリティ問題については「掲示板」というものの考え方を書いただけです。
あまりに無防備に2chに入り、たまたま当たった悪質な人のために2ch全体が悪者にされてはかないません。
360名無しさん@ピンキー:03/02/21 14:59 ID:ohqhAysV
>他をくさしているつもりはありません。読んだものについては書いているし、
>読んでないものについては「読んでない」としか書いていないはずです。
大作(笑)…ってのは、読んでない作品に対するオマイ様の態度なのですね
>多数の評価に従う理由はありません。
誰もオマイ様を評価しようなんて思ってませんし、評価されるべき人物でもありますまいに
>セキュリティ問題について…
みんな放置を決め込んでるのにマジレスするのも結構ですが、354さんはそれについて何も言ってませんが何か?
361名無しさん@ピンキー:03/02/21 19:08 ID:0vSPu9tb
なんとも言えない雰囲気になってるな…

       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       |  次から何事もなかったかのようにどうぞ、と
   ∧ ∧ |/\___________
   (,,゚Д゚)____.    |..          |
   (つ/~ ※ ※ \   |           |
   /※ ※ ※ ※ \  ̄|| ̄ ̄ ̄|| ̄
   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
362名無しさん@ピンキー:03/02/21 19:41 ID:siU4Zn5n
>お手玉氏
>多数の評価に従う理由はありません。
アナタがこういう事書き込むと10ページ=お手玉に見えちゃうじゃないですか。
それではジサクジエーンになっちゃう、迂闊な発言謹んで下さい。

もう辞めましょう、互いに誤解や錯覚はあると思いますが同道巡りになっちゃう。
ねっ、ALL?
36310ぺーじ:03/02/21 22:36 ID:vHVIw5Qo
…表現の勉強不足でしたね…。
お手玉さん、すみません。
俺のせいでこんなに騒ぎを起こしてしまって、すみません。
スレに書き込まれてる皆さんにも申し訳ありません。
もう少し表現を勉強して、皆さんが求める巨大娘の小説を書きたいと思います。
そのためには頑張って終わらせなければ…。

>>354さん
了解です。
水穂の巫女が終わったら、巨大娘特化小説書きます!
今これを書きながら、次でも考えます。
364名無しさん@ピンキー:03/02/21 22:49 ID:pmFwpw7j
10ページさんに拍手!
ということで終了でヨロシイですか,皆の衆?
365名無しさん@ピンキー:03/02/21 23:51 ID:4Z8S7A3Y
>>363
終わらせるために書くというのはイカガかと。
書きたい様に書くべし。

続き楽しみにしてるんよ
366名無しさん@ピンキー:03/02/23 01:32 ID:q5m16pEH
このスレで発表された作品、だれか保管するHP作ってくれないかな
時間とともに消えるには惜しすぎる
367名無しさん@ピンキー:03/02/23 07:11 ID:p268DeWL
>>366
激しく酸性、激しく尿意!
368名無しさん@ピンキー:03/02/23 18:14 ID:rIXLlihS
>>367
危険だ
369名無しさん@ピンキー:03/02/24 15:45 ID:qRmIIbjl
>>368
溶かされてしまいなさい
370名無しさん@ピンキー:03/02/24 22:25 ID:7TjNdgUq
..366
まったくその通りなのだが、作者に無断でやっていいものなのだろか?
371名無しさん@ピンキー:03/02/24 22:26 ID:GAUlz+Db
ここで一言ことわっておけば許されるような気がするが
372名無しさん@ピンキー:03/02/24 23:58 ID:Qx6/pGZx
スレごと保管庫に入れるのがいいんじゃない?
373名無しさん@ピンキー:03/02/25 00:23 ID:E2HCPCQh
それでもいいよ
374名無しさん@ピンキー:03/02/25 21:21 ID:/U8c9Rrz
映画も途中でCM入ると萎えるんよ、ワシ…。
どうせなら小説やSSだけでオネガーしまつ。
375お手玉:03/02/26 06:29 ID:YZ6F3HZx
不用意な書き込みでご迷惑をおかけしました。申し訳ありませんでした。

37610ぺーじ:03/02/26 21:21 ID:bRf8LGm0
どうも。
これから2週間ほどパソコンの前を離れるので、ここに来ることとダメポの更新が出来ません。
なので、読み切りを一つ用意しました。
それで2週間の空白をごまかします(汗
…登場人物の名前は、某有名ディ○ニーのシュリ・巨大娘アニメの主人公の名から拝借してます。
でも世界観が全然違います…。
37710ぺーじ:03/02/26 21:22 ID:bRf8LGm0
こどもの国のアリス

雪の降る、おもちゃの町。
雪化粧をしたプラスチックの建物の間に、足が現れる。
静かに、その足は道路の雪を踏み、白い地面にめり込んだ。
そして、また一つまた一つと、白い道に灰色の穴を作っていく。
端に停められた自動車は、その足よりもあまりにも小さい…。
街灯でさえ、くるぶしほどでしかない。
長く伸びた足のその先には、紛れもない、人の体がある。
しかし、建物には全然入れそうにもないほど、大きい。
その脚のでさえ、周りの建物の高さより長いのだから。
持ち主は、まだ幼さを充分に残した、16歳くらいの少女だった。
少女は、そのミニチュアの町を控えめに歩く。
自分より遥かにスケールの小さい町を、さびしく音を立てずに歩く。
その顔には、どこか不安そうな表情を浮かべていた。


「来た!巨大娘だ!」

警備員が声を張り上げると同時に、サイレンが鳴る。
雪夜のライトに照らし出されたのは、巨大な少女。
まぶしがる風もなく、じっと、「その建物」を見つめる。

「でけぇー!」
「やっぱり来たな!」
「持ち場を離れるな!」

警備員達がお互いに、大声を上げる。
37810ぺーじ:03/02/26 21:22 ID:bRf8LGm0
…1ヶ月前、町のあるお菓子工場に、その少女は現れた。
当直の、二人の警備員の前で、工場と、倉庫の屋根を突き破り、町民の食料となるべきそれらを、ほぼ全て盗んで行ったのだ。
大胆に、大きな爪あとを残して。
警備員達は、その少女に見とれて、抵抗すら忘れていたと言う…。
20日前、あるおもちゃ工場に、またしても巨大少女は現れた。
やはり何人もの警備員の前で、おもちゃを根こそぎかっぱらって行く。
頼りないほど小さな警備員の抵抗は、結局無駄に終わっていた。
全然歯が立っていなかった。
10日前、別のお菓子工場に、巨大少女は現れた。
騒ぎで増員された警備員の前で、果たして工場に穴を空けて行く。
無論、例によって大量のお菓子を盗んで行った。
お菓子の値段はあっという間に急上昇した。
そして、今日。
この町の、たった一つの、まだ襲われていなかったお菓子工場に、少女は出現した。

町の警察も加わり、至るところのお菓子・おもちゃ工場を警備する。
そして、人々の予測通り現れた、巨大少女。
飢えた子供達の寝静まる雪の夜、少女は現れた。
例によって、ぬけぬけと同じ町に。
流れ星に似たロングの金髪、白いタートルネックのトップス、青のミニ、白のブーツ、そして、サンタクロースが持つような、大きな袋。
その遥か上空の顔には、変わらない不安げな表情。
これまでと同じ格好で、恨めしい巨大な袋を背負い…。
37910ぺーじ:03/02/26 21:24 ID:bRf8LGm0
「撃てーっ!」

警官達が、拳銃を撃つ。
パンパンと、弾丸が発射される。
しかし、少女にはまるで効いていない様だ。
少女は、工場に一歩を踏み入れる。
脚の下のゼンマイトラックが、音を立ててつぶれた。
それには、さすがの少女も驚いたのだろう。
いきなりバランスを崩した彼女は、浮いたもう片方の足を慌ててつこうとする。
が、その足が狙いを定めた場所は、警官達の巣だった。

「そ、総員退避〜!!」

警官達は逃げ出す。
逃げ遅れたパトカーの前に、その倍はあるだろう大きさの足が現れた。
そして、初めて派手な音を立てて、足を大地に下ろした。
轟音は町中に響き、その振動は小人達の体の自由を奪う。
その振動で、パトカーは地面からバウンドした。

「確保ぉぉぉぉぉっ!」

同じ声が響き渡り、わさわさと、警官達が足に寄る。
町の女の子がするようなブーツを、そっくり何十倍も大きくしたようなそれは、警官達が押さえたところで、何の意味もなかった。
巨大少女の足が、また一歩、工場に近寄る。
まるで意味をなしていない。
ただ、少女も少し、困ったような表情をする。
警官達はそれでも頑張り、少女の足をよじ登りだした。
明らかにびっくりした彼女は、その手で払いにかかる。
自分の身長よりも長い指が、ぐわっと襲い掛かる。
38010ぺーじ:03/02/26 21:31 ID:bRf8LGm0
「うわぁぁぁっ!」

警官達は巨大少女の指に払われ、ぼろぼろと、ブーツからこぼれていく。
少女にとって足にまとう小人達を「払う」だけでも、小さな警官達には「人が落ちてくる」と言う、おぞましい光景だった。
落ちてくるものを受ける側の気持ちがわかったのか、後から少女は何人かを手にさらってから、直接地面に下ろすことにした。
…性根は、優しい少女のようだったが、やはり警官・警備員の、両者の恐怖の対象であることには、何ら変わりはない。
最後の一人まで根気良く振り払い、自分のひざほどしかない工場の屋根に、少女は手をかけようとした。
同時に、工場の警備員が、青い顔をする。

「ダメだ、あそこだけは!!」

一人の若い警備員が走り出し、屋根に登ってその巨大な手の前に立ちはだかる。
ひざは笑い、少女から見ても、怖がっていることがわかった。
だが、その顔は必死に首を振り、手を大きく広げる。
また少女は困ったような顔をし、しばらくその警備員を見つめていたが、決心したのか、屋根を掴んだ。
警備員が乗ったまま。
ミシミシと嫌な音を立てて、プラスチックの屋根が、壁からはがれていく。
若い警備員は、揺れる屋根の上で倒れて転んだ。
それでも警備員は叫ぶ。

「いけない!」

屋根が、壁から離れた。
煌々と明りが灯る工場の中が見えた瞬間、何かが中から飛んだ。
そして、少女の前で爆ぜた。

「…!」
38110ぺーじ:03/02/26 21:32 ID:bRf8LGm0
工場の中に待ち伏せていた警官達が、爆弾を投げた。
それは少女の前で爆発し、少女に打撃を与える。
立てひざの少女の顔を爆弾は焼きつけて、破片を浴びさせる。

「いーぞ!そのまま追い払え!」

警官の中で、一人茶色いコートを着た男が言う。
先ほどまで無敵だったはずの彼女は、容赦ない爆弾を受けて、その顔を痛みにゆがめる。
それでも、手を工場の中に入れようとした。
しかしその手が火薬の格好の餌になる。
絶対的に強いはずの巨大な少女は、小さな敵に負けようとしていた。
屋根に登った警備員に、何か、変な気持ちが湧く。
町の食料・子供たちの必需品を奪った、憎いこの巨大少女が、「かわいそう」に見えて来ていた。

(…何故だ…?こんなに憎いのに、何で、かわいそうと思える…?)

自分に問う。
…答えられない。
目の前の巨大な少女は、人々の憎しみに嬲られている。
当然だ。彼女は確かに、人々の大切なものを奪った。
だが、この少女が普通の、自分たちと同じ大きさの女の子だったら、いくら憎いと言えども、これほどのことを出来たのだろうか。
何だか、立場が逆になってしまったように見える。
少女の目に、ついに涙が現れた。

「……!」

警備員が、その涙を見て驚いた。

(…こいつはもしかして、自分のために盗みをしている訳じゃないんじゃないか?)
38210ぺーじ:03/02/26 21:33 ID:bRf8LGm0
脳裏にそんな言葉が走る。

(だってそうだ、自分のためなら、これだけ下手に現れて、これだけ抵抗にあって逃げない訳ないじゃないか!)

警備員は、少女の顔を見た。

「これまでなんだよ。巨大な娘っこちゃんよぉ!さっさとお縄をちょうだいしな!」

茶色のコートの男は、荒っぽい口調で言う。

「泣いたってダメなんだぜぇ。俺たちは一ヶ月、メシの前で泣いたんだからなぁ!」

これでは、どちらが悪者だろうか。
少女は、悲しそうにコートの男を見下ろす。
男は笑っている。
勝ち誇ったような、嘲笑うような。
醜悪な笑顔だ。

(せめて助けてやれ…!)

そう思った警備員の体は、もう動いていた。
屋根と壁の間から中へ入る。
そこには、工場の壁に沿う足場がある。
それ以外にはなにもない。
工場内が一望できるようになっている。
警備員はその足場に並んだ火薬投げの警官を全て蹴落とす。
そして、急に爆弾攻撃がなくなり、驚いていた少女に向かって、叫んだ。

「聞け!ここに菓子はない!」
38310ぺーじ:03/02/26 21:39 ID:bRf8LGm0
下から見上げる者が、全員目を丸くした。
当の少女も、屋根と壁の間の、小さなシルエットを見て驚く。
警備員は工場から抜け出し、再び傾く屋根の上に立った。

「俺たちは10日おきに君が来るのを見計らって、ここで作ったものは全部別のとこに隠した!この工場は君を捕まえるための罠なんだ!」

少女の眉毛が、八の字になる。

「今すぐに逃げろ!もうすぐ他の工場から援軍がやって来る!今なら間に合うんだ!逃げろ!」

勝手に本当のことを言い始めた警備員を見て、コートの男は激怒した。

「貴様、何を言う!!」
「うるさい!彼女だって、女の子だ!」
「このバケモノの肩を持つ気かぁっ!」

それ以上は反論しなかった。
警備員が少女を見やると、さらに大きい多くの涙を、自分の顔くらい大きな目からこぼしている。
形のいいあごを伝い、涙は地面に落ちる。
そして、警官達に踏まれた雪の上に落ちて、大きな水溜りを作った。

「…逃げるんだ。」

警備員が言うと、少女は首を振った。
金色の髪の毛が舞い、警備員の体に当たる。

「あいつをパクれーっ!やつはスパイだ!」

コートの男が怒鳴った。
38410ぺーじ:03/02/26 21:41 ID:bRf8LGm0
もはやこれまで。
警備員は、大声で言った。

「お菓子は、貨物列車のターミナルだ。」

警備員が、襲ってきた警官によって屋根に叩きつけられる。
そして、手錠の前に暴行が警備員を襲った。

「!!」

巨大少女は何を思ったのか、その警備員へ手を伸ばす。
警官達は、迫り来る巨大な手を見て飛び上がり、我先にと逃げ出した。
そして、あのたった数秒であざだらけになった、若い警備員を、丁寧にすくい取る。
この寒い雪の夜、冷え切った中で、その大きな手は暖かく、柔らかく警備員を包んだ。

「…何を…?」

少女は、警備員に泣きながら微笑みを見せた。
初めて、町の中で、少女は笑った。
巨大少女は立ち上がる。
もう、この工場に用はない。
少女は、警備員を手のひらに乗せ、雪の降るミニチュアの町に立った。
その立ち上がる様子は、美しく、そして力強かった。
しかし、いざ歩こうとすると、立てひざの時、立てていた足が地面から上がらない。
少女は驚いた。

「バァカめぇ!足を封じりゃこっちのモンなのよぉ。」

甘ったるい声をあげて、コートの男は少女を足元から見上げる。
少女の足はすでに、縄で地面に結ばれていた。
38510ぺーじ:03/02/26 21:42 ID:bRf8LGm0
少女は焦って歩こうとする。
この日のために作ったのか、少女はその縄を振り切ることが出来なかった。

「さぁて、どう料理にしてあげようかなぁ。」

警官達も、ぞろぞろと足元に寄った。
勝ち誇った小人たちにとって、もう、この巨大少女は怖くない。
煮るなり焼くなり、自分達の勝手だ。

「どっかで食べちゃったんだろうなぁ、チョコ、せんべい、ポテチ、たこ焼き、バームクーヘン…」

警官達が、ため息を漏らす。
そして、一斉に腹を鳴らした。

「みんなさぁ、楽しみにしてたんだよなぁ。朝・昼・3時・夜のおやつ。でも、この1ヶ月、マトモに4回食ったやつって、いねぇんだよね。」

涙に代わり、少女は冷や汗を垂らした。

「でっかいお嬢ちゃん、きっとおやつの味するんだろうなぁ。」

コートの男は、ブーツに手をかける。
他の警官達も身を乗り出した。
そして口々に言った。

「いただきます!」

一斉に、ブーツを登りだす。
少女は必死で足を動かそうとする。
動かなかった。
少女は、半開きの工場の屋根に目を向けた。
38610ぺーじ:03/02/26 21:43 ID:bRf8LGm0
工場の屋根のプラ板を割り、小人の警官達を振り払って破片を縄にあてる。

「何ィ!?」

男が声を上げた頃には、縄はぷっつりと切れていた。
自由になった足。
もう、何も怖くない。
少女は走り出した。
たまらず、小人達は、その強い力でブーツからはがれていく。
今まで静かに通った道を、地響き・轟音を立てて、少女は走った。
雪夜の町に、地震が襲う。
少女は走った。
一生懸命走った。
そして、ターミナルにたどり着く!!
少女は、手のひらの警備員を見た。
走った振動で、さっきよりもさらにぐったりはしていたが、正気はあるようだった。

「…お菓子は…その建物の中にある。」

少女は頷いて、ターミナルの倉庫の屋根を引き剥がした。
そして、それをその前の広場に放り投げる。
白い雪がはがれたところには、ブリキの線路が顔を出していた。
停まっていたブリキの列車も、たまらず線路から脱線する。
しかし、少女は目もくれない。
少女は、山積みにされたお菓子を袋に放り込み、一杯になるまで、とにかく詰め込んだ。
果たして、背負った袋は、一杯になることが出来た…。

「…よかったな。」

若い警備員は、皮肉をこめて言ったが、少女は、それを笑って受け止めた。
38710ぺーじ:03/02/26 21:44 ID:bRf8LGm0
また、目から涙を流している。
警備員をまた手のひらに乗せ、少女は町の外へと歩く。

「降ろしてくれないか?」

しばらくして警備員が言った。
少女の顔が、見る見るうちに途惑いの表情を宿らせる。

「どうせ町を出るのはわかってる。でも、俺は出られない。」

少女は、イヤイヤをした。
少女の綺麗な金髪がまた、警備員の体に降り注ぐ。

「…俺が、君の責任をとろう。」

巨大少女は泣き出した。
良く泣く子だ。
警備員は思った。
―でも、それだけ、優しい子なのだ―。

「どうせ俺は君の盗みを手伝った。だから、俺もきついお仕置きくらうだろうなぁ。」

少女の涙が、警備員の体に付いた。
バケツの水をかぶったかのように、警備員の体は濡れた。

「だからこそ、俺は町に残らなきゃ。どうせ、訳アリなんだろ?」

少女の目が大きく見開かれる。
吸い込まれるような大きな瞳が、すぐそこで自分を見つめている。
純粋に、警備員は綺麗だと思った。
38810ぺーじ:03/02/26 21:45 ID:bRf8LGm0
少女は、町の外れまで歩き、止まる。
いつのまにか雪はやみ、東の空に赤みをもつ雲があった。
もう、朝が近いのだ。
少女は、手のひらの警備員を足元に、ゆっくりと下ろす。
警備員は自分足で、雪の道路に上陸した。

「…また、来いよ。…でも、今度は金くらい持って来いよな。」

そう言って、警備員は笑った。
悲しそうな表情をしていた少女も、渋々笑った。
そして、初めて口を開く。

「…ごめんなさい。」

綺麗な、少女の声が辺りに響き渡る。

「…ありが…とう…。」

少女はそう言うと、踵を返した。
それでも、顔だけが、町へ向く。
雪の中の、おもちゃの町へ。
ゼンマイの音高らかに、ウスノロなパトカー軍団が来たのは、少女が朝霧で見えなくなってからだった…。


平らな雪原を、少女は歩く。
地平線は、ない。
…山が、囲んでいるから。
いつもは寂しいこの家路も、今日は少し、違っていた。
38910ぺーじ:03/02/26 21:46 ID:bRf8LGm0
そして、たどり着く、自分の家。
…ブロックおもちゃの、箱の家。
しかし、やはり、自分のひざ位までしかない。
町を出ても、少女は巨大少女のままだった…。
箱は、本来なら上を向くはずの口が、横に倒れている。
でも、その方が、「住み易い」のだ。

「…ただいま。」

少女は言う。
すると、閉まっている箱口が、勢いよく開かれた。

「おかえりぃ〜!」

中から、何十人もの子供が湧き出た。

「おかえりアリスおねえちゃん!」
「何か、今日のアリスお姉ちゃん、笑ってるよ?」
「何かいいことあったの?」
「お腹空いたよ〜、お菓子ちょ〜だい。」

小さな子供たちは、少女の足元で、各々に騒ぐ。
そんな様子を見て、少女は素直に笑った。

「…今日ね、町で、嬉しいことがあったの。」

そしてそう言う。
39010ぺーじ:03/02/26 21:47 ID:bRf8LGm0
「え〜?」
「お巡りさんが、道教えてくれたとか?」
「ううん、違うよ。」
「なになに〜?」

子供たちは、はしゃぐ。
少女は立てひざになって、大きな袋を開けた。

「…秘密!」

少女は、頬を赤くして答えた。

「あ!ほっぺマッカッカ!」
「ほんとに何〜?」

子供たちは、無邪気だ。
大きな少女は、目を閉じて、言った。

「…好きな人が、できたの。」

ブロックおもちゃの箱の家。
その家の、未だ配達員の訪れない郵便ポストには、大きく、こう書いてある。

「―こどものくに―」

391名無しさん@ピンキー:03/02/26 22:28 ID:oYSrRFXL
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392名無しさん@ピンキー:03/02/26 22:38 ID:oYSrRFXL
ウァルキリアって通常の書店で買えますか?
393名無しさん@ピンキー:03/02/26 23:44 ID:/fpjuQx9
>392
買えますよ!
394名無しさん@ピンキー:03/02/27 02:49 ID:ZcQpFmrR
>10ページ
乙!
395名無しさん@ピンキー:03/02/27 03:09 ID:bBmNXePJ
もう委員会に投稿したりはせんのですか?
396名無しさん@ピンキー:03/02/27 03:55 ID:rq5y8kn2
>>10ページ
読み始めた途端にラストまで予想ができちゃいました。。。いたたたた


>>395
誰に聞いてるんだ。。。10ページさん?
397名無しさん@ピンキー:03/02/27 15:37 ID:SdBLgJ1D
>>396
このスレの作家さんたちに
398名無しさん@ピンキー:03/02/27 18:43 ID:/3LOYZxu
>>395

そもそも最近普及委員会ぜんぜん更新されてないじゃないかと言ってみるテスト
399名無しさん@ピンキー:03/02/28 10:35 ID:tQ3O2f1z
普及委員会はアクセス数が多いから,それこそ普及には絶大な威力があると思う。

反面,更新が遅すぎてココの人間には小説置き場としてすら機能しないだろうな。
400名無しさん@ピンキー:03/02/28 23:43 ID:/jM0UEbR
しかしどっかに保管しないとこのスレごといずれ消えるよ
もったいないじゃん
401名無しさん@ピンキー:03/03/01 03:06 ID:v10zSKUY
いずれは消える場所だから、気軽に投稿できるんじゃないのかな
402名無しさん@ピンキー:03/03/01 12:15 ID:34WlulkY
なんでこう、攻撃的な奴が紛れ込んで来るんだか…
403名無しさん@ピンキー:03/03/02 14:12 ID:8HyDczvN
実は最初の頃のメンバーから誰も紛れ込んでいない説を唱えてみる罠テスツ。
404名無しさん@ピンキー:03/03/03 11:13 ID:q+7H0pYF
大人は汚いよ!
405名無しさん@ピンキー:03/03/03 22:17 ID:rNa0uPlo
汚れた子供が好き
406callon:03/03/04 00:04 ID:igta83hU
虚木神社の秘密(うつろぎじんじゃのひみつ)

それはそれはたいそうな山奥に小さな祠がありました。
その祠は朽ちた大きな楠の切り株を奉っていたので、誰ともなく「虚木神社」と呼ばれていました。
とはいえ山奥の事ですから樵や猟師でもない限り、この祠を訪れる者はいませんでした。
やがて山の村人すらそんな祠のあった事を忘れてしまったのでした。

ある日、そんな山奥の祠に一人の若者がやってきました。
若者はこの山にたいそうな宝物が埋まっているという噂を聞いてやってきたのでした。
勿論そんな噂はでたらめです、でも若者はこの山のどこかに必ずあると信じて疑いませんでした。
最後に残ったのはこの祠だけ、祠の下に宝があると信じて一生懸命探すのでした。

祠の周りを掘って掘って掘りまくりましたが、宝などありません。
疲れ果てた若者はその辺にあった石の上に荷物を投げ出し眠ってしまいました。

「これ。」
どこからか声がしました。

「これ、御主。」
若者は夢だと思い返事をしませんでした。

「これ、御主、起きろと言うに。」
いきなり大声で怒鳴られたので、若者は驚いて飛び起きました。

407callon:03/03/04 00:05 ID:igta83hU

目の前には、とても美しい巫女さんがいました。
巫女さんは大きな胸を揺らしながら、若者に擦り寄ってきました。

「わしに贄を差し出したのは、御主であろ。
 馳走になったの、礼を言わねばならぬの。」

贄とは神様へのお供え物のことです。
よく見ると、若者の荷物を入れたかばんが開けられていて、中の食べ物がすっかり無くなっていました。

「お、俺の飯が。」
「何じゃ、あれは御主の昼餉じゃったのか。
 まあよい、馳走になった。」

「飯、返せ。」
「食べてしまった物は返せん。」

「飯、返せっ。」
若者は巫女さんを拳でぽかぽか叩きました。

ぽかぽかぽか
「これ、何をするのじゃ、よさんか。」

ぽよぽよぽよん
若者は巫女さんの大きな胸を叩いていたのでした。
408callon:03/03/04 00:07 ID:igta83hU

「御主はそんなにわしの胸が気になるのか、しようのない奴じゃな。」
巫女さんは若者の手を取ると胸にぐいと押し付けました。

「どうじゃ、わしの胸は大きいじゃろ。
 好きなだけ触って良いのじゃぞ、馳走になった礼じゃ。」

むにむにむに
巫女さんの胸はとても大きくて、若者の手では掴みきれません。

ふにゃふにゅふにょ
新しい玩具を貰った子供のように、若者は巫女さんの胸を揉みまくりました。

「かあちゃん。」
若者の目に涙が溢れてきました。
子供の頃死に分かれた母親を思い出してしまったのです。

「かあちゃぁぁん。」
若者は巫女さんの胸に顔を埋めると、赤ん坊のようにむしゃぶりつきました。

「かあちゃん、かあちゃん。」
「そうか、御主、母が恋しいか。
 わしを母親と思って甘えるが良い。」
巫女さんは若者の頭を優しくなでました。
409callon:03/03/04 00:10 ID:1HKI6Pw8

やがて若者は調子に乗ってあーんな事や、こーんな事を始めました。

「こ、これ、やめるのじゃ。
 その様な事をされるとわしは、わしは。」

でも若者はもう止まりません。
さらにあーんな事や、こーんな事までしてしまいました。


「ああ、これ、よすのじゃ。」
「はあはあ。」

「やめ、やめ、やめるのじゃ。」
「はあはあはあ。」
「あっ、あぁ。」

若者はとうとう巫女さんと初号機の開発までしてしまいました。

「あぁ、よい、やめるでない。」
もう巫女さんも止まりません。

「あっはぁーん。」
そして山々に歓喜の歌が響き渡ったのでした。
410callon:03/03/04 00:10 ID:1HKI6Pw8

「う、うん、ここは。」

若者が目を開けるとそこには紅白の垂れ幕が垂れ下がっていました。
見上げると天にも届かんばかりの巨大な巫女さんが座っていました。
若者が垂れ幕だと思ったのは、巫女さんの着物の裾だったのです。

「わしの名は燎狐、この祠に祭られている楠の精じゃ。」
楠の精にしては、狐のような耳とふさふさの尻尾が付いています。

「わしはもともとこの大きさじゃった。
 宿主の木が朽ちてからは法力も失ってしまい、木が折れてからはこの身すらも小さくなってしまった。
 御主の贄と精気でわしは元の大きさと法力を取り戻したのじゃ。
 御主には重ね重ね礼を言わねばならん。
 何が望みじゃ、言うてみい。」

若者はしばらく考えた末こう答えました。
「俺の飯、返せ。」

おわり

411名無しさん@ピンキー:03/03/04 04:59 ID:90QLUR4f
>>410
Z
412名無しさん@ピンキー:03/03/04 20:48 ID:ddoveKhW
>>410

しかも、オチまであった。
413juuroku:03/03/05 03:17 ID:sP/SiAls
>>410
あはは、欲の無い兄ちゃんや、
おいらだったら、、、

おっきい楠の精さんともう一ラウンドキボンヌだたーり(爆

>10ぺーじさん
今ひとつ分かり辛かったかも、、女の子の大きさとかね
414名無しさん@ピンキー:03/03/05 15:21 ID:L/5OUdn5
>>366さんの意見に賛成!!
「巨大娘小説のお部屋」みたいなHPあったらいいよな
巨大娘普及委員会は最近アテにならないし他のところは作家や嗜好に偏りが大きい
10ページさんとかここを活躍の舞台にしている人の作品ここでしか読めないしここが落ちたら読めなくなる
個人的に保存を繰り返すのもいいけど百花繚乱いろんな作家さんのいろんな作品が並んでいる状態の方が嬉しい
作家別に検索できるようになっていたら最高!!


415ゆんぞ:03/03/05 19:41 ID:W6wsGr9D
>>10pageさん
乙。個人的にはこのぼやかし方が好きです。
文章が笑っていた問題も無いですし。

>>396
テンプレに沿いすぎのきらいはあるけど、
「いたたたた」まで言うのはどうかと思ふ。

>>CALLONさん
この気の抜けた落とし方、callon節大爆発でつね(w

>>414 and Others
気力があればuploaderでも設置しようかと思いまつ。
プロバイダに目を付けられるとアレなので、text/* 限定で。

あと前スレ全文は一応ここに。
ttp://www.bb.wakwak.com/~yunzo/tmp/bono-thread1.htm

# ボランティアベースなんだから、G-boy氏を余り腐すのは良くないと思ふ。
416ゆんぞ:03/03/05 19:42 ID:W6wsGr9D
あ、コテ以外に「さん」付けるの忘れてた。スマソ。
417☆娘:03/03/07 21:21 ID:HvyZg3fC
久しぶりに覗きにきたら新作が・・・。

>10ペ−ジさん
優しい巨大娘ですね♪
警備員が突然、彼女の真意を感じ取ってしまうところで、一寸テンポが乱れたような気がしますが・・・。
でも、わかりやすくて・・・私はこっちの娘さんの方が好きだわぁ。

>CALLONさん
>「俺の飯、返せ。」
って、結局それですか?(w
テンポ良く、厭きさせない長さで笑わせていただきました〜♪

>ゆんさん
>気力があればuploaderでも設置しようかと思いまつ
う〜ん、凄い事を考えなさるお人だ・・・当然、洋子たんも(ボソ

418Pz:03/03/07 21:39 ID:TQs6UgMs
そうそう、洋子さんはどうなったんだろうか。
ゆんさーん、忘れてないよねー。
私も時間を作らねば。
419名無しさん@ピンキー:03/03/08 13:32 ID:8FiL0VXO
>CALLON氏
>若者はとうとう巫女さんと初号機の開発までしてしまいました。
ワラタ
率直に言って面白かったでふ
420juuroku:03/03/09 02:43 ID:3CHtSsbY
>callonさん
なにげに物欲、性欲、食欲、すべて織り込んである。
それで、一番強いのは食欲であると。深いです
欲がないわけではないのだなぁと

>ゆんぞさん
なにやら計画中なんですねん。
ようこさんの続きともども楽しみでつ〜
421callon:03/03/11 02:05 ID:4BSMNWtb
>413
>あはは、欲の無い兄ちゃんや

昔から「腹が減っては●はできぬ」って言わない?


>おっきい楠の精さんともう一ラウンドキボンヌだたーり(爆

つーことは弐号機・参号機の開発をするんでつね.....


>420
>なにげに物欲、性欲、食欲、すべて織り込んである。
>それで、一番強いのは食欲であると。深いです
>欲がないわけではないのだなぁと

そんな大層な事考えてませんてば!

422juuroku:03/03/11 02:27 ID:HbdeIFsX
>>421callonさん
あはは、
続々と開発をキボンヌ(阿呆

そうでしたか、、
考えてないのに織り込めてしまうところがなお凄いなぁと
423ゆんぞ:03/03/11 23:20 ID:9S3V6AQS
試験的にこんなん作ってみました。
ttp://www.bb.wakwak.com/~yunzo/cgi-bin/clip/clip2.cgi

画像のupが出来るようにすると面倒そーなんで、テキストだけ。
424名無しさん@ピンキー:03/03/12 18:55 ID:PdvKzq9Y


               ,ィミ,        ,ィミ,
~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|        彡 ミ        彡 ミ,
 ̄| | ̄| ̄| |     ,,彡   ミ、、、、、、、、彡  ミ,
 ̄| | ̄| ̄| |     彡;:;:             ミ,
 ̄   ̄ ̄  |  〜三;:;:::::              彡〜
 ̄| | ̄| ̄| |  ~~三:;:;:;:::::  -=・=-   -=・=- 三~~
 ̄| | ̄| ̄| |  ~~彡::;:;:;:;:::..     ___     ,三~~
 ̄   ̄ ̄  |   ~~彡;:;:;:;:;:;:;:.    |┴┴|    ,ミ~~
 ̄| | ̄| ̄| |   ~~彡:;:;:;:;:;:;:;:;.  ノ――|   ミ .ミ.ミ
 ̄| | ̄| ̄| |     ::;:;::;::;::;::;'        :ミ;:;:;:;:.. ..ミ:.
 ̄   ̄ ̄  |   ~~彡:;:;:;:;:;:;:;:        :::しUUU┘:::
 ̄| | ̄| ̄| |  ~~彡:;:;:;:;:;:;:;:        _| ̄ ̄|_             ヽoノ
 ̄| | ̄| ̄| | ~~彡:;:;:;:;:;:;:;:        |       | =3          /
 ̄   ̄ ̄  |  ~~彡:;:;:;:;:;:;:;:        ̄◎ ̄◎ ̄         ε= ノ)
 ̄| | ̄| ̄| | ~~彡:;:;:;:;:;:;:;:.      | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄| | ̄| ̄| |   ~~彡:;:;:;:;:;:;:;:.    | | ̄| ̄| | ̄| ̄| | ̄| ̄| | ̄| ̄| | ̄| ̄|
 ̄   ̄ ̄  |   〜~彡:;:;:;:;:;:;:;:    | | ̄| ̄| | ̄| ̄| | ̄| ̄| | ̄| ̄| | ̄| ̄|
 ̄| | ̄| ̄| |      彡:;:;:;:;:;:;:;:..  |   ̄ ̄    ̄ ̄    ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄
 ̄| | ̄| ̄| |      彡:;:;:;:;:;:;:;:..  | | ̄| ̄| | ̄| ̄| | ̄| ̄| | ̄| ̄| | ̄| ̄|

425名無しさん@ピンキー:03/03/13 01:26 ID:vmlQfuve
>>424
見てるとほのぼのするなぁ
426ゆんぞ:03/03/13 23:14 ID:0QWS3kmm
ttp://www.bb.wakwak.com/~yunzo/cgi-bin/clip/clip2.cgi
例の場所、とりあえず自分のブツをうpしておきました。
各位、許諾・Uploadをお願いします。
427juuroku:03/03/14 01:41 ID:6r/rxfzR
>ゆんぞさん
アプロダ開設、乙です〜

☆娘さんが「イリナU」をうpしてくれるといいなぁ
428名無しさん@ピンキー:03/03/16 02:35 ID:lj0oSdEU
ほす
429名無しさん@ピンキー:03/03/16 03:03 ID:WjH2yzD4
無敵スレでSSのうpの許可を求めてるんだけど、無理っぽいです。

残しておきたいのになあ・・・
430TRPG好き:03/03/16 22:03 ID:j2rOmPBD
どーもー。
久しぶりに訪れたら新作が・・・(汗
>10ぺーじさま
ちょっとわかりづらい部分もありましたが、こういう雰囲気のお話好きです。
これからも頑張ってくださいデス♪
>お手玉さま
いまさらながら感想ありがとうゴザイマスデス。
>330さま
鈍くないですよ。今回はたまたま氏の満足できるものを
私が書けなかっただけのことです。次はそうならないように
精進しますです。
>callonさま
虚木神社の秘密、手短にまとまってていい感じです。
オチも笑わせていただきましたw
自分はどうも短くまとめるのが苦手なようで・・・(汗
ELFENWALDのほうも頑張ってくださいデス。
>ゆんぞさま
アプロダ開設お疲れ様です。
また、管理などいろいろと大変でしょうが、
これからも頑張ってくださいデス。

それでは
431名無しさん@ピンキー:03/03/17 16:12 ID:+mMKgS6K
hage
432名無しさん@ピンキー:03/03/19 01:03 ID:3cje6ibH
このままではDAT堕ち・・・
433ゆんぞ:03/03/20 00:13 ID:DIX0BgnD
う〜ん、誰かupしてくれるかと思ったけど、甘かったですな(w

○ 現スレの話、見つけたぶん全部
○ 前スレの >>945-948 にあった話

をこれからuploaderにputしますので、
作者の方々(☆娘、10ページ、callon、juuroku、お手玉、Pz、wbgたせ:敬称略)は
転載の許諾をお願いします。
434juuroku:03/03/20 00:37 ID:OUV2qUBP
>>433ゆんぞさん
構いませんよ〜


ちょっと恥ずかしいけど
435juuroku:03/03/20 00:40 ID:OUV2qUBP
>>ゆんぞさん
書き間違いとかあるんで、自分でうぷして見ます
436☆娘:03/03/20 01:06 ID:9Fbql1BA
>ゆんさん
全然OKです・・・と言うか、おつかれ様です♪
何時もながら、この方のバイタリティと行動力には脱帽!
437TRPG好き:03/03/20 01:21 ID:ux4IxXdb
どーもーwbgたせことTRPG好きです。
転載の件了解しましたです。
ホントにお疲れ様です(謝
それでは
438TRPG好き:03/03/20 01:40 ID:ux4IxXdb
またまたどーもー。
やっぱり誤植だけでも直したいので、
あとで自分でうぷしますです。
ゴメンナサイです・・・
それでは
439ゆんぞ:03/03/20 01:50 ID:DIX0BgnD
許諾&うp thanksです>juuroku、☆娘、TRPG好き
15個揃ったので、なんとか見られるようになりました。

自分で作っておきながら言うのもなんですが、欄が多くて使いにくいわコレ(w
ttp://www.bb.wakwak.com/~yunzo/cgi-bin/clip/clip2.cgi
440☆娘:03/03/20 23:16 ID:GVjSAFf4
>ゆんさん
昨夜はおつかれ様でした〜♪
ttp://www.bb.wakwak.com/~yunzo/cgi-bin/clip/clip2.cgi
一挙に賑やかになりましたね!

さて、今宵は・・・かつて白兎さんが、「美代し野」の画像BBS、No272に掲出された絵にSSを付けてみました♪
もちろん、白兎さんの許可いただいてあります・・・白兎さんに感〜謝!
でも、絵に負けてるなぁ(泣
441☆娘:03/03/20 23:21 ID:GVjSAFf4
怪盗ふぉっくすて〜る


全身をサラシでぐるぐる巻きにされた男達が載せられた大八車が都の大路をやってくる。
「夕べは南山の修羅朱々寺が襲われたそうな・・・」
烏帽子の男が隣の娘に耳打ちをする。
「まるで戦の後のようじゃ・・・」
「ほんに・・・しかし、余程腕に覚えがあるのか、これだけの衛士を相手に賊は一人だと聞くが」
「じゃが、こんな目に遭わされながら、男達の顔が皆一様にニヤけているのは何故なんじゃろ?」
都は謎の怪盗の噂で持ち切りだった・・・。

「え〜い、不甲斐ない!」
『閏寅検非違使隊』という大きな看板がかかった屋敷の中で、一人の男が息巻いている。
貴族・寺院・商家の別け隔てなく、都で起きる怪事件を一手に引き受けるべく結成された閏寅検非違使隊。
男は、その閏寅検非違使隊の長官に任命されたばかりの橘左近、その人だった。
検非違使隊などと言えば聞こえが良いが、その実は都に巣くう職にあぶれた武士や破戒僧、没落貴族の集まりで、おおよそ崇高な理念の下に集った勇士などではない。
それでも不満分子を諌めるには、それなりの機能を果たしていたのだが、昨今の怪盗騒ぎで其の評判もガタ落ちなのである・・・。
曰く・・・何をしている閏寅検非違使隊?
曰く・・・閏寅検非違使隊、実は天下りの巣窟!?
曰く・・・閏寅検非違使隊長官に隠し子の疑惑!!
「あ〜ん、悔しいよ〜〜〜!!!」
左近は瓦版を丸めて口で咥え食い千切る。
一応舞台は平安時代を想定しているが、この時代に瓦版があったのか・・・そもそも瓦版を読む庶民に字が読めたのかなどという鋭いツッコミを読者は入れてはいけない。
何故か怪盗を捕縛する為に出動した隊員は、みな口を閉ざし何が起こったのかを語ろうともせずに何処へともなく消えてしまう。
賊の容姿すら解らない・・・まさに謎の怪盗なのである。
442☆娘:03/03/20 23:28 ID:GVjSAFf4
その時、門の方が俄かに騒々しくなり、一人の男が駆け込んできた・・・。
「て〜へんだ、て〜へんだ!」
「何じゃ、騒々しい・・・うっかり八兵衛か・・・」
「いえ、私は鵜飼八兵衛でございます・・・橘様・・・」
「どっちでも良いよ・・・どうせこれから先も、まともに名前呼ばれる事なんて無いから」
「ひっど〜い! あんまりでございます、橘様!」
男は口を尖らせ、爪先で石を蹴り拗ねてみせる。
「やめなさい、可愛くないから・・・で、どうしたの・・・何があったの?」
「そうそう、これでございます〜♪」
男は悩みが続かない性格なのか、左近に促されると、さっきまでの不機嫌も何処へやら・・・懐から一枚の半紙を取り出した。
「何これ?」
「怪盗からの予告状でございます」
「汚い字だね・・・どうやって読むの、コレ?」
「さあ?」
「読んでよ・・・こんな汚い字読むの嫌だ・・・」
「私、字が読めませんが・・・」
「読めませんって・・・今、怪盗からの予告状だって言ったじゃない?」
「いえ、いつも通りに門に貼り付けてあったもので・・・」
「・・・・・」
左近は渋々、予告状を読み始めた。
443☆娘:03/03/20 23:29 ID:GVjSAFf4
「え〜と、私腹を肥やす・・・満々寺のみなさんへ・・・これから御宝をいただきに参上いたします・・・茶菓のおもてなしは時間短縮の為に御辞退いたしますので御無用に。 怪盗ふぉっくすて〜る・・・と」
「何とまあ、大胆不敵な」
「大胆不敵って言うかさぁ・・・なんか馬鹿にされてない、私達? せめてさぁ・・・閏寅検非違使隊への通報御無用に、とか書くもんじゃない・・・礼儀として?」
「・・・そういうものでございすか?」
「うん・・・なんかさあ、ご苦労様ですみたいな労いの言葉一つくらいあっても良いと思うんだよね・・・」
「はぁ・・・」
「でさぁ、偶には「やられた、憶えてろ閏寅検非違使隊!」みたいな捨てぜりふ残して退散するくらいの謙虚さが欲しい訳よ・・・私としては」
「・・・・・」
「なによ、八兵衛・・・視線が冷たいわよ?」
「いえ、その・・・別に・・・」
「ふん・・・まあ良いは、私が『ふぉっくすて〜る』とやらに世の中の円滑な渡り方を教えてしんぜましょう! 八兵衛、出動の準備を・・・今日は私が陣頭指揮を執ります♪」
「止めといた方が・・・」
「何か言った?」
「いえ、何も・・・」
一時ほど後・・・口々に『わ〜んだ〜ばだ〜ば〜だ〜♪』と歌いながら能を舞う二人の隊員を先頭に牛車、野武士、雑兵達からなる閏寅検非違使隊の大部隊が屯所を後に満々寺を目指して出動した・・・雅な笙の音に包まれながら・・・。
「御弁当は五段重ねで足りるかしら?」
左近の的外れな心配とは余所に、閏寅検非違使隊は破滅への道をひた走る・・・牛の歩みで・・・。
444☆娘:03/03/20 23:33 ID:Nl+XP6VT
どすんどすんという音を立てながら迫り来るにょっきりと生えた二本の足。
左近は緋毛氈の上で腰を抜かしながら、その足の上にあるべき賊の顔を見上げた。
かなり首を曲げているのに視線はやっと太腿・・・かろうじて腰を隠す丈の短い若草色の衣がその上に続き、顔はまだまだ上にある。
まるで東寺の五重の塔を見上げているようなものだ。
紫色の長い髪が踊り、その後ろではこれまた大きな尻尾がゆさゆさと揺れている。
頭の上には獣の耳がぴょこんと生えていて、時折ぴくんと動く・・・でっかい狐の化物だ。
「ひえ、ひえ、ひえ・・・!」
声にならない声を上げながら、左近は酒器やら重箱を後ろ手に蹴散らし緋毛氈の上を後ずさる。
人間相手なら威勢の良い閏寅検非違使隊の面々も呆気に取られ、その場に立ち尽くす。
巨大な狐娘は満々寺の宝塔を挟んで検非違使隊と対峙すると、腰に手を宛がい勝ち誇るように左近達を見下ろした。
「怪盗ふぉっくすて〜る、参上〜♪」
大きな図体とは裏腹に、あどけない声が左近達の上に降ってきた。
「予告通り、満々寺の御宝頂戴しま〜す! 邪魔すると怪我するよ〜♪」
そう言うと 狐娘は、どすんと一つ足を踏み下ろしてみせた。
ぐらぐらと大地が揺れて、石灯篭が崩れ落ちる。
それを機に、それまで呆然と立ち尽くしていた隊員達は、我先にと後ろも見ないで回れ右をして逃げ出した。
「あっ、これ・・・逃げるな! 闘え、宝塔を守るのじゃ!」
左近の言葉も空しく、隊員達は蜘蛛の子を散らすように走り去る。
「こりゃ・・・あっ、八兵衛まで! この、斯くなる上は・・・」
左近は宝塔に駆け寄ると扉を開け最上階を目指して宝塔を駆け上る。
そして最上階から屋根に飛び移り刀を抜いた。
宝塔の屋根に登っても景色は余り変わらなかった・・・狐娘は、相変わらず雲を突くように大きく、左近はそれを見上げるばかりだ。
445☆娘:03/03/20 23:36 ID:Nl+XP6VT
「みんな聞き分け良くて好きよ・・・それでは遠慮なく〜♪」
少しは遠慮しろ・・・と考える左近など目にも入らぬように娘の太腿がグンと迫り、そして今度は大きな天幕のような娘の振り袖が宝塔を抱きしめたかと思った次の瞬間、娘は宝塔を根元から軽々と引き抜いてしまった。
左近は揺れる宝塔の屋根の上で、かろうじて九輪に掴まって振り落とされないようにするのが精一杯だった。
「ひえぇぇぇぇぇぇぇぇ〜〜〜!!!」
「ふんふんふん〜♪」
巨大な狐娘は鼻歌を歌いながら宝塔を抱きしめ山を目指して大股で歩く。
震度7クラスの激震に見舞われながら、それでも左近は刀を振り回して狐娘に食って掛かる。
「こりゃ、バケモノ! 神妙に縛に付け、お上にも御慈悲はある!」
「ふんふんふん〜♪」
「逃げられはせぬぞ、この橘左近が馳せ参じたからには・・・」
「ふんふんふん〜♪」
「あの・・・もしもし? 聞こえてますか〜?」
「ふんふんふん〜♪」
「お〜い、こら・・・無視するな〜〜〜!!!」
「ふんふんふん〜♪」
「・・・良いんだ良いんだ、どうせ僕なんか・・・グレてやる!」
「ふんふんふん・・・ありゃ、あんた誰?」
「って、本当に気付いてなかったのか?!」
「そんなところで何やってるの? 危ないよ!」
「・・・天然(ボソ」
左近は今更ながら自分の存在の小ささを噛み締めていた。
「ありゃあ・・・ついて来ちゃったんだ・・・言ったのに、怪我するよって・・・」
狐娘は立ち止まって宝塔の屋根の上の左近を見下ろした。
446☆娘:03/03/20 23:40 ID:Nl+XP6VT
「しっ、神妙に御縄を頂戴しなさい・・・お父さんお母さんは泣いているわよ!」
「何で?」
「何でって・・・そりゃ泥棒は悪い事でしょうが?」
「・・・だったら都の貴族や商人は、もっと悪者でしょ?」
「私だって貴族の端くれなんだけど・・・酷いじゃない、初対面でいきなり悪者扱いなんて・・・」
「お互いさまだい!」
そう言うと狐娘は膨れてみせた。
「・・・じゃあ、良いもの見せてあげる、どうせこのまま帰す訳にはいかないんだから・・・」
抱きしめられた宝塔が、がくんと揺れて屋根から滑り落ちそうになった左近を娘の大きな掌が握り締める。
「ひえぇぇぇぇぇぇ〜〜〜、命ばかりは・・・」
左近は娘の手の中でじたばたと暴れてみせるが、その大きな指はビクともしない。
「殺しはしないよ・・・え〜っと、あんた名前なんて言うの?」
「オッホン、閏寅検非違使隊長官・・・橘左近であ〜る!」
左近は掌の中で精一杯胸を張ってみせる。
447☆娘:03/03/20 23:41 ID:Nl+XP6VT
「サンコン?」
「違〜う! 左近よ、左近! さ・こ・ん!」
「どっちでも良いよ・・・あたいは銀狐・・・」
「銀狐?・・・ふぉっくすて〜ると違うの?」
「それは盗みをする時の芸名みたいなものさ・・・」
そう言うと娘はペロリと舌を出して笑う。
「でも本当の名前は『まろん』って言うんだ・・・この国に来る前、遠い海の向こうの国ではね・・・」
「何か事情がありそうね?」
「立ち話もなんだから・・・あたいの隠れ家へ案内するよ、サンコン・・・」
「さ・こ・ん!」
「じゃあ、さこん・・・」
娘はニッコリと笑うと再び歩き始める・・・心なしか、さっきより揺れが小さくなったような気がした。
「あの、まろんや・・・つかぬ事を尋ねるが?」
「なんだい?」
「ぬしは、その・・・下穿きを着けておるのかの?」
「ないよ♪」
「はあ・・・それでか・・・」
「どうかしたのかい?」
「いや、別に・・・」
怪訝な顔をするまろんを余所に、左近は男達が皆一様にニヤけていた理由が解ったような気がした。
「変なの?」
448☆娘:03/03/20 23:48 ID:zcIBCAyc
『腕白寺』と書かれた山門の前にまろんが宝塔を降ろすと、山門の中から擦り切れ垢じみたナリの子供達が歓声と共に走り出てきた。
「お帰り、銀狐姉様〜♪」
子供達は口々に銀狐の名を呼びながら、その若草色の衣に取り付きジャレていた。
まろんは、それを気にするでもなく優しく微笑んでいる。
「ここは?」
「うち捨てられた古い寺さ・・・あたいと、この子達の棲み家・・・」
「この子達は?」
「戦や飢饉で家や親を亡くした子供達さ・・・」
「・・・・・」
『・・・だったら都の貴族や商人は、もっと悪者でしょ?』・・・まろんの言葉を思い出す左近。
そうか、そういう事なのか・・・。
「五郎太、またこのお宝を庄衛門のところへ持っていって食べ物に換えて来ておくれ!」
「はい、銀狐姉様!」
五郎太と呼ばれた比較的年端のいった少年が応える。
「庄衛門というのは?」
「四条通りの商家さ・・・盗んだお宝を米や衣類に取り替えてくれるんだ・・・」
「四条通りの庄衛門って、鬼の庄衛門の事? あんたの大嫌いな悪徳商人じゃないの?!」
「しょうがないさ・・・直接あたいが売りさばく訳にもいかないし、それに盗品だと承知で引き取ってくれるんだ・・・」
「いったい、これで幾らになるの?」
まろんが口にした換金率は、まるで二束三文の金額だった。
449☆娘:03/03/20 23:50 ID:zcIBCAyc
「あんた馬鹿よ! これだけの御宝があれば屋敷の二軒や三軒・・・これまでの盗難件数からしたら御所が造営できるくらいの金額になるんじゃない?」
「しょうがないんだよ・・・」
肩を落とし、しょげるまろんを見ていて左近は、この巨大な狐娘を不憫に思った。
その気になれば都を一夜で更地に変えてしまえるほどの力を持ちながら・・・まったく何をやってるんだか?
荘園を襲って直接に米やら金子を盗めば手っ取り早いのに・・・。
しかし、それでは荘園の主はともかく、そこで働く小作達には新たな憎しみや苦しみを生むだけか?
本来の道を忘れ私腹を肥やす貴族や寺院から盗みを働くのは、まろんの最後の良心なのかもしれない・・・。
「大体の事情は解ったわ、でももう盗みは止めなさい!」
左近はまろんの巨大な体躯に臆する事無く、そう言い放った。
「あたいはともかく、この子達に飢死ねって言うのかい?」
まろんは目尻を釣り上げ拳を震わせる。
「違う、違う・・・盗んだお金でこの子達を養ったって、この子達は幸せにはならないでしょう? 自分達で生きていくのよ、大人なんかアテにしちゃ駄目!」
「どうするんだよ?」
「あんたのその力を活かすのよ!」
「あたいの力?」
「そうよ、その力で山を切り崩し、谷を埋め、森を切り開いて田畑を作るの」
「・・・・・」
「この子達と一緒に新田開発をするの」
まろんは、きょとんとして左近を見つめる。
「できるのか・・・そんなこと?」
「できる・・・できます・・・私が保証する!」
目をくりくりさせながら、しきりに何かを考えているまろん・・・。
「でも・・・無理だよ。 開墾して米や野菜が採れる前に、みんな飢えて死んじゃうよ・・・」
大きく溜め息を吐いて袖を揉みくしゃにしながら、まろんは唇を噛み締め、哀し気に呟く。
「無理じゃない、無理じゃな〜い! それは私に任せなさ〜い♪」
450☆娘:03/03/20 23:50 ID:zcIBCAyc
その晩、四条通りの庄衛門の屋敷が謎の怪盗に襲われた。
大きな土蔵が二つ、土蔵ごとキレイさっぱり持ち去られ、残った一つの倉からは各地の寺院や荘園から謎の怪盗によって盗まれた宝物が発見された。
庄衛門と、その一族は何処へともなく消え、翌朝出入りの者が庄衛門の屋敷を訪ねると、屋敷はもぬけの空であった。
悪徳商法で名の通った庄衛門の身に何が起こったのかは、とうとう解らず終いだったが、その悪どい手口に泣かされていた人々は、皆一様に溜飲を下げた。
「ねえ、さこん・・・こんな事して大丈夫なのかい? あんた、うるとら検非違使隊とかの御偉いさんなんだろう?」
両脇に土蔵を二つ抱えたまろんが子供達の待つ腕白寺を目指して暗い夜道を歩きながら肩に乗せた左近に尋ねる・・・白々と山の端が明るくなり始めた・・・もう直、夜が明ける。
「良いのよ、閏寅検非違使隊は謎の怪盗に全滅させられちゃったんだから〜♪」
「ごめんよ・・・あたいの所為で・・・」
「気にしない、気にしない! 返って清々したわ!」
「でも、都に帰ったら怒られるんじゃないのかい?」
まろんの表情が心なしか曇っているような気がする・・・私に気を使っているのね?
まったく図体は大きいけれど心根は優しいんだから〜♪
左近は、まろんの心使いが嬉しかった。
「そうね、でも安心して・・・腕白寺の事は誰にも言わないから」
「・・・ねえ、さこん・・・あんた読み書き出来るかい?」
「あら、馬鹿にしたものじゃないのよ・・・これでも小野の町子ちゃんと文通した仲なんだから♪」
「だったらさぁ・・・あたい達と一緒に暮らさないか? 子供達に読み書きを教えて欲しいんだ・・・大人になって、みなしごだって馬鹿にされないようにしてやりたいんだ・・・」
「ふ〜む、それも面白いかもねぇ・・・」
「そうしようよ、さ・こ・ん! ねえ、お願いだよ!」
昇り始めた朝日を受けて、まろんの顔が輝いている。
左近も退屈な都の生活より、それの方が合っているような気がする。
「そうね・・・そうしようかな?」
「うん♪」

その後、閏寅検非違使隊がどうなったか・・・歴史の教科書には印されていない。
しかし、その晩を境に怪盗ふぉっくすて〜るが現れる事は二度と無かったそうな・・・。


怪盗ふぉっくすて〜る<完>
451ゆんぞ:03/03/21 00:08 ID:mdoPTC15
お、新作。

悪徳商人とか旨く組み合わせてますね。
しかし、平安時代に閏寅検非違使隊で橘……無茶やなあ(w
452Pz:03/03/21 12:42 ID:4hwSyThy
>☆娘さま
相変わらず、いいテンポです。話も丸く治めてるし。
女性の脚の描写が珍しかった。・・・ふともも・・・いい!
両脇に土蔵を抱えて歩く巨大狐娘、なんともパワフルですね。
ところで、隊長が途中からオネエ言葉になったのはなんで?
453白兎:03/03/21 22:41 ID:zuVkr+1y
>☆娘さん
今回はSS書いていただき感謝いたします!
最初メールいただいたときは驚きました。
いや、しかし流石ですね、あのヘンポコな絵からこれほどのものを創作されるとは。
見事な天然ぶりがイイっす〜!要所でわらかしてもらいました(w
…それにしても、ぱんつ穿いてなかったのね(爆

暫く巨大娘絵から遠ざかっていましたが、またウズウズしてきましたよ。
年度切り替わりのゴタゴタが一段落したら何か描いてみたいです。
ありがとうございました!

>ゆんぞさん
アプロダ設置ご苦労様です!やっぱりあると便利ですね。
新人さんがコソーリうp、何てのを期待してしまったり(w
え、オイラ?ふ…、文才零ですが何か(汗
454☆娘:03/03/22 08:01 ID:nYgkQzit
>ゆんさん
無茶・・・で、ごめん・・・もうしません。

>Pzさん
>ところで、隊長が途中からオネエ言葉になったのはなんで?
なんでなんでしょう?
気が付いたら、こういう喋りに(w
素なんでしょうね、左近の・・・。

>白兎さん
兎絵の品位を下げてしまってスイマセン・・・穿いてなかったみたいです(爆
是非、また元気の出る兎絵を拝見いたしたく・・・激しくキボンヌ♪
455名無しさん@ピンキー:03/03/22 22:23 ID:KwSDT53Y
銀狐!ふぉっくすている!イイ!
しっぽ!みみ!ハァハァ
短いのにまとまってて流石ですね。
穿いてないのにはワロタ
456juuroku:03/03/22 22:54 ID:rBil8NM2
>☆娘さん
白兎さんのあの絵にSSをつけるとは!
おいらもあの絵好きなんですよ〜

宝塔を引き抜く描写に萌えてしまいました(汗

ワンダバは「帰り…(ドゲシッ

いい加減なお役人かと思えば、なかなかに良い人ですにゃ〜サンコン(違

これからも、イラストから発想したSS、新作、取り混ぜて発表し続けてください。是非!是非!是非!

>>Pzさん
そうっすよねぇ、ふぉともも好かったですよねぇ・・・ハァハァ

>>白兎さん
元気の出るイラスト、おいらも見てみたいです。
おいらは破壊系でも元気出たりします(w




若草色の衣の下には若草が・・・うはぁ
457お手玉:03/03/23 04:13 ID:Y/CJ/aei
>☆娘さま
見てましたか、セイントテールとYAT・・・
あのマロンちゃんがこんなことしてたとは・・・しかもこんなに成長して(違
・・・ボノ系には「聞き分けのよい小人」が必須なんですね・・・
458名無しさん@ピンキー:03/03/23 07:42 ID:kRviuUVm
age
459TRPG好き:03/03/23 20:27 ID:hHqc3o9b
どーもー。
>☆娘様
白兎様の[あの]すばらしい絵からこれまたいいお話を
紡ぎ出していますね♪
悪徳商人が名前だけしか出ていないのがちょっと寂しいような
気もしますが、それはあくまで好みの問題・・・
これからも頑張っていろいろな創作を続けてくださいデス♪
>白兎様
いえいえ、決してヘンポコなんかじゃないですよ。
白兎様の絵は実際、想像力をかき立てられる絵ですよホント♪
これからもそういう絵をぜひぜひ描いてくださいデス♪

それでは
460ゆんぞ:03/03/24 00:39 ID:KNVx+uOB
>>454
あう、「無茶な(w」ってのは褒め言葉のつもりです。
誤解を与えたならスマソ。

あと、うpろだへの転載は可でしょうか?
もし宜しければ許諾をお願いします。

>>457
「聞き分けのよい小人」というよりは「理解者」かと。
あと、SS転載の許諾お願いします〜。

>>459
もしかして、悪徳商人好きですか?
悪代官の会話から殺陣で画面の端をウロウロするまで
見届けないと気が済まないタチですね?(w
461☆娘:03/03/24 03:37 ID:7ixZDfFe
>455さん
尻尾とお耳、そして穿いてないのがお好みと・・・めもめも(w

>juurokuさん
こちらも穿いてないのがお好みと・・・めもめも(爆

>お手玉さん
せいんとて−る&YAT・・・実は知らなかった(汗汗
キャッツEYEみたいな感覚で名付けてました・・・まろんも。
道理で白兎さんも妙な反応していた訳だ(w

>TRPG好きさん
悪役商会でも雇うかな・・・まずい、もう一杯?(w

>ゆんさん
褒めてもらっちゃった(w
転載はOKです・・・というか、ここに上げた物は基本的にALL OKです♪
私の場合・・・。
462お手玉:03/03/24 07:39 ID:mqjp63ie
>☆娘さま
偶然てあるんですね。「妙な反応」てことは、白兎さんは知ってるわけね、多分・・・
個人的にはしゃがんだときに袖が地面に触れて、袖の下で数人がもがいているのを
「ごめんなさい」とかいって袖を上げてくれるとかいうのも・・・ってだれも聞いてないか・・・

>ゆんぞさま
10ページさんがOK出してくれれば、私の2次創作も転載OKです。おそくなってごめんなさい。
基本的に2次創作は原作者がOKだしてくれればOKです。
もし1次創作をした場合は転載していただいてかまいません。
「聞き分けのよい小人」=「さっさと逃げる小人」
って、にげようとしても逃がしてくれない巨大娘のほうが多いのか、委員会なんかには・・・

463ゆんぞ:03/03/24 21:54 ID:KNVx+uOB
>>429
> 無敵スレでSSのうpの許可を求めてるんだけど、無理っぽいです。

うーん、許諾の問題は確かにありますね。
特に最初は慎重に進めたかったので要許可ということにしたのですが、
今のままだと多くのSSが転載出来なさそうだし……

1) 改変無し、2) 原文へのリンク(=作者表示)あり
の二条件を満たせば 許諾は不要(推奨)という扱いにしようかと
考えています。

皆様のご意見をお願いします。

>>461 >>462
転載許可、了解です。可能であれば 自身でうpをお願いします。

>>462
>「聞き分けのよい小人」=「さっさと逃げる小人」
> って、にげようとしても逃がしてくれない巨大娘のほうが多いのか、委員会なんかには・・・

あ、そっちでしたか。
間を取って、口では散々脅すけど結局逃がしてあげるというのを
提案してみるテスト。
464ゆんぞ:03/03/24 23:54 ID:PBofhLhN
Pzさんに転載許可を頂いたのでUpしました。
許可ありがとうございます。
ttp://www.bb.wakwak.com/~yunzo/cgi-bin/clip/clip2.cgi
465名無しさん@ピンキー:03/03/25 01:55 ID:Zbx7BYJi
うpろだ制作してくれた人に感謝。
コテハン以外のヤシも感謝しる
466お手玉:03/03/25 09:28 ID:sQEIeQ0N
>>ゆんぞさま
1次創作がUPされる前に2次創作が、というのも難ですので
10ページさまの本編のUPと許可を待ちたいと思います。
こちらでUPすることは可能です。
10ページさまご指摘の「かしら」は「でしょうか」に修正してUPしたいと思います。

>口では散々脅すけど結局逃がしてあげる
口だけでなく、けがさせない程度に散々おもちゃにして(除大人のおもちゃ)
「またあしたね」とかいって帰してくれる、なんつ〜のもありなんですが・・・
けんかなんかもして、思い切り手加減してもらう、なんてのも・・・

467名無しさん@ピンキー:03/03/26 08:10 ID:y1v605f/
誰か無敵スレのアドレスを教えてください・・・。
468名無しさん@ピンキー:03/03/26 22:26 ID:poD8uaJX
469467:03/03/27 08:17 ID:mr8hJ4Lf
ありがとうございます!
ありがとうございます!
ありがとうございます!
ありがとうございます!
ありがとうございます!
ありがとうございます!
ありがとうございます!


コピペせずに書きました!
470名無しさん@ピンキー:03/03/27 17:09 ID:58qG7U8I
ゆんぞさん更新age
471名無しさん@ピンキー:03/03/27 20:12 ID:N93s8OlM
>愉噺?
難しいテーマに挑戦してるようで。
お互いの関係と心理描写がうまく感じられるのはサスガと言うべきか。




ただ巨大娘話としてどうなん?ってのは言っちゃいけねぇか(藁
472ゆんぞ:03/03/27 21:45 ID:gjBXskwo
>>465 >>470
どもども。名無しさんからそう言っていただけると
また違った嬉しさがあります。

>>466
1次待ちの件、了解です。
手加減して喧嘩、なんか良いですね(w

>>469
乙(w

>>471
うーん、痛いところを(w
昨日追加した部分に大きさの描写を過不足なく加えるのは
難しそうですが、少し目を通し直してみませう。

「ここ加えたらどない?」などのご意見があればお願いします。
473Pz:03/03/27 23:11 ID:5o5dw56q
>ゆんさん新作
ストーリー性を重視してる故、巨大感の描写が薄れていると思った。
その反面、エリザの心理描写が良くかけていたと思います。
必死に治療した小さな人間を、目の前で処刑されたら。
きつ過ぎるシチュエーションですが、戦争をテーマにする限り
一度書いてもらいたい。(反論お待ちしてます)
エリザさんの黒髪、いい!
474Pz:03/03/29 01:19 ID:WUy4aWXl
あの、誰か書き込みを・・・。
475ゆんぞ:03/03/29 02:05 ID:xcBzEi+D
> 必死に治療した小さな人間を、目の前で処刑されたら。
> きつ過ぎるシチュエーションですが、戦争をテーマにする限り
> 一度書いてもらいたい。(反論お待ちしてます)

うーん、それは今書いている以上に重い話になりそうですね。

ただ、戦争を主なテーマに据える予定は今のところありません。
やるとしても、「ガリバー旅行記」であったような
関わり方になると思います。
476お手玉:03/03/29 06:49 ID:7Otk8l6d
>>ゆんぞさま
>1) 改変無し、2) 原文へのリンク(=作者表示)あり
>の二条件を満たせば 許諾は不要(推奨)という扱いにしようかと
>考えています。
異存ありません。
ボノスレ#3(4、だっけ、正確には)を立てるときは最初に断り書きいれとくとか・・・
> 必死に治療した小さな人間を目の前で処刑されたら
この話を続けていったら、いづれ向かい合うときがくると思います。
それから、エリザさんでも治せない死(老衰、とか)を考えておかないとこの世界、破綻しますよ。
477ゆんぞ:03/03/30 04:03 ID:EfZa5ZTB
> この話を続けていったら、いづれ向かい合うときがくると思います。

まあ、それはそのうちということで。
硬軟おりまぜさせてくれい(w

> それから、エリザさんでも治せない死(老衰、とか)を考えておかないと

もちろん、無制限に治療可ってわけではないです。
答えはこれから書く話の中で出しますゆえ。
478名無しさん@ピンキー:03/03/30 22:37 ID:kUaHukOv
>>476
>考えておかないと破綻しますよ
まだ「癒すモノ」って完結してないんでそ?
これから先はどうなるかわからないんだし、まだ早いんじゃない?
作者の考えも聞く前に、その言い方はおかしいと思う。
479名無しさん@ピンキー:03/03/31 22:13 ID:NUR6Fip/
>>476

巨大娘が存在している時点で、通常の世界観は破綻しているだろーがよ。
どーも、あんたのカキコにはトゲがある。無粋なツッコミは、やめれ。
480callon:03/03/31 23:17 ID:ogwqRCIQ
>>413

リクエストに答えて410の別バージョンを書いてみました。
ただし、巨大化はしないのでその点注意!

*****
「う、うん、ここは。」
若者が目を開けるとそこには頬を赤らめた巫女さんがいました。

巫女さんはいそいそと着物の乱れを直してします。
でもよく見ると頭には狐の耳が生えていました。
「み、耳。」

さらに、巫女さんには尻尾も生えていました。
一本、二本、三本。
ふさふさの尻尾は九本ありました。
481callon:03/03/31 23:17 ID:ogwqRCIQ

「し、尻尾。」

若者が大声を出したので、巫女さんは自分が正体を表した事に気がつきました。

「わしの姿を見てしもうたのじゃな。」
若者は恐ろしさに声も出ません。

「わしはこの楠に住まう齢千年の妖狐、瑞葉じゃ。
 久々に人間を見たので誑かしてやろうと思うたら、思いもかけずまぐおうてしもうた。
 こうなっては最早妖狐として生きていく事はできん。
 このままそなたと添い遂げようぞ。」

「え、え、え。」
若者は訳がわかりませんでした。

「わしは御主の嫁になる。
 嫌とは言わせぬ、決めたのじゃ。」

そういうと瑞葉は超弩級の豊満な肉体と、この世の物ならざる手腕で若者を歓喜の淵へと誘うのでした。



その後、瑞葉と若者がどうなったかは誰も知りません。
でも朽ちたはずの楠に新しい芽が出てきたのは確かです。

おしまい
482☆娘:03/04/01 19:05 ID:sYa1PZ61
>ゆんさん
遅レスですいません・・・。
自作の転載およびUPにOK出してる私が言うのもなんだとは思いますが?
>1) 改変無し、2) 原文へのリンク(=作者表示)あり
>の二条件を満たせば 許諾は不要(推奨)という扱いにしようかと
>考えています。
で、概ね宜しいのではないかと考えます。
基本的には御本人からの承諾を得るのが一番ですが、
御本人がココを見ていなければ永久に承諾を得る事は叶いません。
どんな形にせよ、作品をUPしたのは読んで欲しいからだと思います。
転載NGなら、改めてその旨を伝えるメ−ルなり書き込みがある筈。
ただ、タイトルとか作者名はどうするのでしょう?

>お手玉さん
第二次世界大戦の時、ドイツ軍の空襲を受けたロンドンでの事・・・。
爆撃で壁を壊されたデパ−トの前に翌朝、こんな掲示があったそうです。
「本日より入り口を広げました」
逆境をも笑い飛ばしてしまえるバイタリティって人間ならではの事だと思います。
もちろん人の死、あるいは全てのモノの死を軽んじる気はありませんし、
大変難しい問題だとは思いますが、エリザたんなら、あるいは作者のゆんぞさんなら、
それをも乗り越えてくれるような気がしませんか?・・・楽観的過ぎるかな?
まだ完結した訳じゃないし、ゆんぞさんも色々と考えていると思いますよ。
もう少し長い目で物語りの行く末を見守りたい☆なのでした(w
483ゆんぞ:03/04/02 01:51 ID:PtNETuDc
> ただ、タイトルとか作者名はどうするのでしょう?

元の投稿に これらが全く記されていない状態を想定すると、
タイトルは無題、作者名はレス番号になるかと思います。
スレのURLとレス番号が解っていれば 元をたどれるのでヨシという考えで。

とはいえ、初っぱなからコロコロ仕様を変えるのもアレなんで、
当面はじっくり行くことにします。

> 大変難しい問題だとは思いますが、エリザたんなら、あるいは作者のゆんぞさんなら、
> それをも乗り越えてくれるような気がしませんか?・・・楽観的過ぎるかな?

笑い飛ばすことはしないと思いますが(って当然ですなw)、
やはり作者としても乗り越えさせてやりところです。

今後の舵取りや表現に益々気が抜けないところですが、まぁどうにか頑張ります(w
484名無しさん@ピンキー:03/04/03 00:10 ID:NsCIUZvy
無敵!不死身!!巨大娘スレ

http://www2.bbspink.com/sm/kako/1014/10141/1014133724.html

…の349〜350の作者、>>423のアップローダーに転載してもよろしいですか?
485callon:03/04/04 00:59 ID:f9UcqlWp
月は優しい夜の女王

--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--<Szene 1>--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--

 昔々、それはそれは遠い国のさらに人里離れた山の中に七匹のオーガが住んでいました。
 彼らはとりあえず幸せに暮らしていました、しかしその幸せは当然の事ながら麓の村人の犠牲の上に成り立っていたのです。
 普段の彼らは山の中で獣や木の実を採って暮らしていましたが、冬ともなると麓の村を襲っては食べ物を根こそぎ奪ってくるのでした。そして今日もまた彼らは大量の獲物を手に入れて帰ってきたのです。


「帰って来たぞ、大釜に湯を沸かせ、今日は宴会だ。」

 ドスンドスンと積み上げたのは子豚と子羊、野菜に果物。勿論村人が大切にしていたものです。

「また村を襲ったんですね。御願いですから止めてください。」

 奥から迎えに出てきたのは、黒い服にエプロンを着けた小さな女の子でした。

「五月蝿いぞ、メイリ。お前は黙って俺達の言う事を聞いていればいいんだ。」
「お前に綺麗な服を着せてやっているのは誰だ。」
「お前が毎日食事ができるのは誰のおかげだ。」

 オーガ達は口々に女の子に罵声を浴びせました。メイリと呼ばれた女の子は悲しそうな目をしながらオーガ達の宴の準備をするべく、竃に薪をくべに行きました。
486callon:03/04/04 01:00 ID:f9UcqlWp
--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--<Szene 2>--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--

 夜、オーガ達が酔いつぶれて寝てしまうと、やっとメイリはつかの間の自由を手に入れました。
 後かたずけを済ませ屋根裏部屋へ上がると、窓際のベットに潜り込みました。大きなこの家の中で唯一、屋根裏部屋の固い藁の布団の上だけがメイリの城でした。

 窓からは月の光がこうこうと差し込んできます 。メイリは窓辺でそっと手を合わせると月と星空に向かって祈るのでした。

「闇を照らす夜の女王、星空の女神ステラ様、今日も私をお守り下さってありがとうございました。」

「小さい頃森の中で泣いていた私を拾い、育ててくれたお爺さんお婆さんはもういません。あのオーガ達に襲われて死んでしまったからです。」

「オーガ達は私を小間使いとして朝から晩までこき使っています。炊事洗濯はもとより掃除から身の回りの世話までありとあらゆる用事を思いついては私に言いつけるのです。」

「今でこそ私は重宝がられて生かしておいてくれますが、何かの弾みで私が動けなくなったり、彼らが私を必要としなくなるような事になれば、たちまち私は彼らの欲望の餌食になり、慰み物にされてしまうでしょう。」

「逃げてもすぐに捕まってしまうだろうし、私には彼らを拒むだけの力はありません。
逃げ出す事すらかなわない非力な私は、ただ嵐が過ぎ去るのをじっと待つしかないのです。」

「ああ、星々を統べるステラ様、どうか、どうか、私を護りお導きください。私にあのオーガ達に負けない力をお与え下さい。」

 メイリの頬を一筋の涙が転がって行きました。虹色の滴は、そのまま窓から下の地面に落ちて行きます。
 次の瞬間三日月がひときわ明るく輝くとその光は涙の滴の落ちたあたりへと集まり、地面の中へと吸い込まれて行きました。後にはさっきと変わらない穏やかな星空が夜の森を照らしているのみでした。
487callon:03/04/04 01:01 ID:f9UcqlWp
--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--<Szene 3>--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--

 それから何日か後の事、いつものようにメイリが掃き掃除をしていると庭の片隅に見なれない小さな花が咲いているのを見つけました。
 菫の花にそっくりですが花びらは日の光を受けて真珠のように七色に輝いています。メイリは花の咲いていた場所が自分の涙のこぼれた場所である事に気づきました。
 メイリにはこの花が女神ステラからの贈り物のように思えましたので、オーガ達に荒らされないようそっと鉢に植え替え屋根裏部屋にしまう事にしました。


 その晩、いつものようにオーガ達は獲物を手に戻って来ました。でも今日の彼らはいつもと様子が違っていました。
 彼らは全員傷だらけでした。おそらく警備の兵かオーガ討伐の軍隊と一戦交えたのでしょう、命からがら逃げ延びてきたという感じでした。

「畜生め、あんな大勢でかかって来やがって。」
「ア、アニキ、痛てぇよぉ。」

 傷口から吹き出す大量の血、青黒く張れあがった顔、さすがのメイリもこの光景を正視する事はできませんでした。

「あ、あぁ、ひぃっ。」

 身体中がガタガタと震えてどうしても止まりません。メイリの頭の中では、目の前の傷ついたオーガと殺されたお爺さんお婆さんの姿が重なって見えていたのです。
488callon:03/04/04 01:02 ID:f9UcqlWp
-*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--<Szene 4>--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--

「おい、メイリ、早く手当てをするんだ。」

 オーガに怒鳴りつけられてもメイリは身動き一つできません。

「何ぼさっとしてやがる、早くしねぇと大事な弟がくだばっちまうじゃねぇか。」

 オーガは大きな手でメイリの身体を掴むと激しく揺さぶりました。それでもメイリの意識はどこかへ行ったままでした。

「ア、アゥ、グワハァッ。」

 ついに一匹のオーガが力尽き、血反吐を吐いて倒れました。血の海に横たわりもがいていましたがやがて息絶えました。死してなお、その身体はまだ息があるかのようにビクンビクンと痙攣していました。

「イヤアアァァァァァ。」

 恐怖と衝撃がメイリの意識を現実に戻しました。メイリはオーガの手を振り払うと脱兎のごとく走り出しました。
489callon:03/04/04 01:03 ID:f9UcqlWp
--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--<Szene 5>--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--

「あ、こら、逃げるんじゃねぇ。」

 オーガ達はすぐに後を追ってきました。傷ついて普段の力の半分も出せないとは言え、メイリの何倍もの大きな身体で追いかけられてはたまりません、たちまち追いつかれてしまいました。
 メイリはここから逃げたい一心で必死になって自分の城である屋根裏部屋へ逃げ込みました。

ドスンドスン。
 オーガ達の足音はすぐそこまで迫っています、もうメイリに逃げ場はありませんでした。

《捕まったら殺される。》

 意を決したメイリはあの花の鉢のおいてある窓から外へと飛び出したのでした。
490callon:03/04/04 01:05 ID:AEcuIzDe
--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--<Szene 6>--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--

 窓から飛び出したメイリを満月の光が包み込みました。
 あの虹色の花のおかげでしょうか、青い光の中でメイリは新たな姿に変化していきました。

 腰まで伸びた銀色の髪、尖った大きな耳、緑色の瞳。手足は細く長くなり、くびれた腰とはちきれんばかりの大きな胸を持った大人の女性へと変わって行きました。

 しかしもっとも変化したのはその大きさでした。

 メイリが飛び出した屋根裏部屋の窓は膝のあたりにありました。メイリの目には全てが玩具のように見えました。
 足下で騒いでいる小さな生き物がオーガである事に気づくのには時間がかかりました。

 そう、メイリはオーガよりも遥かに大きな山の巨人族の娘だったのです。

 メイリは身体中から力がふつふつと湧きあがってくるのを感じました。
 もう怖いものはありません、オーガ達が束になってもかなわないほどメイリは強く大きくなったのです。

 女神ステラはメイリの望みどおり、オーガに負けない力を与えてくれたのでした。
491callon:03/04/04 01:06 ID:AEcuIzDe
--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--<Szene 7>--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--

「メイリ様、お食事をお持ちしました。」
「メイリ様、御飲み物をお注ぎいたします。」
「メイリ様、お召し物の洗濯が終わりました。」

「うん。」

 それはそれは遠い国のさらに人里離れた山の中に大きな城がありました。
城の主の名はメイリ、山の巨人族の女王でした。彼女は大勢のオーガの召し使いを従えて幸せに暮らしていたという事です。

《おわり》
492ゆんぞ:03/04/04 08:37 ID:hpicUJ7d
>>485-491
乙です。
う〜ん、星の女神も粋なことをなさる(違

ところで、うpろだへの転載はOKでしょうか?
493名無しさん@ピンキー:03/04/05 09:14 ID:6TZCrxBj
このスレにうpされる話はリンクしてるの?
同一人物とか
494無敵スレの349:03/04/06 01:37 ID:jUq16WqT
>>484
転載OK。
しかし、そんな古いのをよく掘り出したな(藁
495無敵スレの349:03/04/06 12:35 ID:jUq16WqT
題名とか無いから、適当に埋めてうpしました。
496名無しさん@ピンキー:03/04/06 12:44 ID:kSF0B3O0
>>495
転載オツ!
今見るとこんなに短い作品だったんだな
みんな,もっとうp汁!
497名無しさん@ピンキー:03/04/06 18:08 ID:Pj2DyjD/
>>493

同一人物ってステラの事?
無敵スレからの投稿もオケーなら☆ステラ☆もUpローダーに上げてyo!
498名無しさん@ピンキー:03/04/06 19:44 ID:JIVgHmrP
>>497
言い出しっぺがうpすればイーンジャネーノ?
作者も転載して良いと言ってるんだし。
499名無しさん@ピンキー:03/04/06 20:15 ID:leMGmfWB
callonさんて何気にレス返さない人だなと言ってみるテスト(藁
500名無しさん@ピンキー:03/04/06 20:17 ID:leMGmfWB
ついでに500ゲトー
501callon:03/04/07 00:03 ID:j3TGWoOO
たまに覗くとえらい言われようやな.....

転載については

>>1) 改変無し、2) 原文へのリンク(=作者表示)あり
>>の二条件を満たせば 許諾は不要(推奨)という扱いにしようかと
>>考えています。

この条件で決まっているものと思ってた.....

あ、「ELFENWALD」(または「エルフェの森」)は製作途上なので現在は転載不可
「虚木神社の秘密」は結末を2パターンしも掲載して欲しいのココロ.....
502ゆんぞ:03/04/07 00:19 ID:M9GYN0B5
転載の許諾条件を緩めるのは実績作ってからと思ってますんで
まだ時期早々かと。

うpは……誰かやってくだせえ。
負荷分散のための uploader ですから。
503☆娘:03/04/07 02:54 ID:7IGFLcZZ
>497さん
お手数かけるの嫌だから私がUPさせてもらいます♪
120KBもあるし・・・。
504名無しさん@ピンキー:03/04/08 03:53 ID:X5uzVd+h
10さん、どうしてるんだろ?
505名無しさん@ピンキー:03/04/09 11:11 ID:V2Ih16Hq
この界隈にはナイーヴな人多いから
もっともそれが魅力なんだけど
506ゆんぞ:03/04/09 23:02 ID:t6HkQVKU
うちの掲示板に先ほど10ページさんから投稿がありました。
どうもトラブってて書き込みが出来ないそうです。
2chだけが駄目とのことなので、プロバイダが制限に掛かっているんでしょうか……
507名無しさん@ピンキー:03/04/10 04:10 ID:qn1f/vik
そう言うことダターノカ
508名無しさん@ピンキー:03/04/10 04:14 ID:8+iOnVn8
規制解除されると良いね
509名無しさん@ピンキー:03/04/10 18:19 ID:d3CNbjYY
アプロダ設置乙です
早速お気に入りに登録しました
もっと小説増えるといいですね
ゆんぞさんも,もっと何か書いてくれると嬉しいです
遅くなりましたが感謝
510名無しさん@ピンキー:03/04/10 20:49 ID:wrgk+Tge
女のこの背中に跨って馬にして背中に騎乗し
足を浮かしてわき腹につけ全体中を掛けてぎゅっとしめて
女の子に乗って髪鷲掴みで手綱をぐいっと絞る
大柄女の肉感を感じながら乗るのが最高!
511名無しさん@ピンキー:03/04/10 21:27 ID:tw4H8e5Q
>>510
スレ違いだと思う。
無敵スレ逝ったら?
512名無しさん@ピンキー:03/04/11 02:56 ID:JtSewt6M
>509
便乗サンクス・・・遅レススマソ(汗

>510
逝ってヨシ!
513名無しさん@ピンキー:03/04/11 20:22 ID:qa2K8o3n
破壊系のスレッドってありませんか?
514名無しさん@ピンキー:03/04/11 21:11 ID:jxs9ykmx
515ゆんぞ:03/04/12 01:34 ID:qERnDsTP
>>509 >>512
どもども。どうにかやっと軌道に乗りつつあります。
許諾&うp頂いた方、乙です。

# 最初は 反応も許諾もuploadも無くてホンマに辛かったんですけどね

小説は……うう、遅くてスマソ(汗

>>510
>>514に出ている無敵スレか、
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1031578329/
コッチの長身スレが近いかも。
516名無しさん@ピンキー:03/04/12 09:36 ID:Va71BXCh
>>513
破壊系に特化すると、閑散としてしまうだろうな


今は亡き「巨大な女の子が街を…」スレみたいにな
517名無しさん@ピンキー:03/04/12 22:19 ID:rfKrSsm3
みなさんはじめまして。普及委員会から、☆娘さんの作品を探していると
たどり着いた者です。;;

色々みなさん作品を書かれていて、本当に楽しませて頂いております。

自分もひとつ・・・と思ったのですが、なかなかゼロから物事を作り出すのは
容易では無いようで・・(汗)ショートストーリーとかエピソードとかなら・・
何とかと考えています。

もし☆娘さんの了解頂けたら、「時のウサギ」の後日談みたいのをと思ってい
るんですが・・相当くだらない内容になると思いますが・・よろしいですかね
? >☆娘さんとみなさん・・
518ゆんぞ:03/04/13 03:20 ID:xsgkOKAO
遠路はるばる乙です(w

> もし☆娘さんの了解頂けたら、「時のウサギ」の後日談みたいのをと
> 思っているんですが

原作者次第だと思いまつ。
519☆娘:03/04/13 11:14 ID:6z8YnFJz
>517さん
嬉しいなぁ〜♪
破綻した世界ですけど、存分に弄んで下さい(w
完成後はアップロ−ダ−への投稿もお忘れなく〜♪
520517(改):03/04/13 22:49 ID:FW3xGocb
>☆娘さん

ありがとうございます。恥ずかしいですが・・とりあえず。

521517(改):03/04/13 22:54 ID:FW3xGocb
・・・・
・・  でも、おかしい・・?  
いや、おかしいのは私なの・・?
・・あの娘とはどこかで会っているのに・・?・・
・・・  チンッ  ・・?

−  ジリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!!!!  −

「ひょっ!!!っっ!」
かなり時代がかったと言われても仕様がない目覚まし時計が鳴り響いた。
(むうぅ・・確か・・チェコ製だっけ・・?向こうの人は寝起きが悪いんだ
なぁ・・)
自分の事を(かなり高い)棚に上げて、目覚ましのスイッチを美月は探した。
今日は珍しく午前中に稲葉教授の研究室に行く日だった。
午後からの事が多いのは決して美月を含めた学芸員のせいでなく、教授が自宅
が近いにも関わらず、午前中は大学に殆ど来ないからであった。その理由は・・
誰も知らなかった。知ろうとする努力をする者もいなかった・・。

(・とりあえず・・うぇっ・・いや朝ごはんだ・・珍しく早いから・・珍しく遅
いかも・・。冷蔵庫に・・ごはん・・・・・・・うぅ、かびてる。・・他には・
・・・・あっパン生きてるよ!)
[ウィーン・・・]
とオーブンレンジにかけながらケトルにお湯を沸かす美月。髪の毛のはねっ毛を
ドライヤーであやしながら時間が無いくせに(なんだかんだでも、朝ごはんはや
っぱコーヒーとトーストっ)などと考えている。(すっぱいトーストの香りと・・
ん・・・すっぱい?・・!?)
トーストになる予定だったものと、[解凍済]の点滅。目には湯を沸かしたケトル
と時計・・・。
(たしか・・中華スープの素が・・うぅ・・。;)
522517(改):03/04/13 22:57 ID:FW3xGocb
「おはよーっ!お月さん!珍しくお日さまが東だねっ♪」・・・ひかるの声だ。
「なんか・・顔色悪いよ・・・大丈夫?」

「あ・・・はは・・だ・大丈夫よ・・うん・・朝だしね・・。はは・・。」
「なんか悪いものでも食べたんじゃないの?・・・でもゆうべは一緒だったよね・・」
「いや・・朝に・・酔い醒ましにと思って中華粥ってか、中華リゾット食べたの!・・」
「(それって酔い醒まし?粥もリゾットも似たようなもんじゃ・・)・・そう。うん、
でも朝からそんな食欲あるなら大丈夫って事だね。(多分ね・・)」
(これ以上ややこしい説明しなくて良い内に・・教授の研究室へ行こう・・これ
以上事態を悪化させたくない・・)「ま、とりあえず行こうっ・・珍しく早いし・・」

「おはようございますっ!!美月先輩っ!!あ、ひかるさんもっ!」・・・キーン
と頭に響く・・今日は厄日か?
予想に違わず、小柄なこの前とは違う色柄のワンピースを着た少女がやって来た。
「あっ砂記ちゃん、おはようっ!今朝は大丈夫?」
「え・・・?ちょっと眠いけど全然平気ですよ?どうかしたんですか?」
「いや・・ご覧の通り、お月さんが食あたりか飲み過ぎかでね・・」
「・・・・だから、ひかる、大丈夫だって・・」「・・でもね、お月さん・・・・。」
「・・・・・。っ!」 「・・・?」
「美月先輩っ!大丈夫ですかっ!えっ!どっか悪いんですか!?・・わっ・・そ
の・・あの・・救急車っ!」
「っっ!砂記ちゃんいいからっ!こいつはそう簡単に死なないからっ!」
「でもっ・死にそうですっ・・いや・死んじゃいますっ!」
「・・・・・・・・・うぇっ・」「「わーーーーーっ!!」」
523517(改):03/04/13 22:59 ID:FW3xGocb
「・・・・で、まぁとにかく、私のいつも言っている事はわかっていると思うが
ね?・・」稲葉教授は、自筆の格言?らしきものを書いた額を見ながらのんびり
と言った。
『学問を追及せんと欲せし者は、全精力をその興味に傾けるべし』
(・・だから教授がいつも午前中いないのを誰も気にしないんですよ・・)
もの言いたげな三人は無言で教授を見つめる・・。
「今日、諸君を午前中にわざわざ呼び出したというのは他でもない。以前からの
私の研究に大きな好機がまさに訪れたからだ。その様な日に揃って遅刻とは感心
しないがね。」
(・・その好機が今まで生かされていれば今頃ノーベル賞とか国民栄誉賞でこの
研究室は埋まってますよ・・)
そんな心の声には当然構わずに稲葉教授は続ける。
「・・例の「ゆんもりの月」だが、具体的な調査の目処が立つ事となった。」
っ!!
本気だったんだ・・・いつものほら話の中で一番現実味のある話だ、という程度
の認識しかなかった美月達は正直驚いていた。
「私の学者仲間の一人でね・・R大の教授をしている者がいて、彼の知り合いに
船をチャーターしてもらう事となった。・・えー・・日時は17日だ。集合時間は
現地のN空港に10:00。・・いいかな?」
「・・・。いつの17日ですか?」
「そりゃ今月に決まっとるだろ、ほれ、金曜日だ。週末を意義深いものにしよう
じゃないか。」
「って明後日ですよっっっ!!それにチケットとか、用意とか、それにっ・・・」
「わしはもう買っておるぞ。持ち合わせがあれば、諸君のもと思ったが、生憎
な・・・。」
「「「行って来ますっ!!」」」バタンッと扉が閉まった。
「あ、おいっ・・なんじゃ今から詳しい説明をと思っておったのに・・短気は学
問の敵じゃぞ・・」
稲葉教授はパイプをくゆらせながら、ドアの閉まった衝撃で雪崩を起こした学術
書を見やった。
524517(改):03/04/13 23:03 ID:FW3xGocb
「私がチケット手配するからっ!・・お月さんと砂記ちゃんは資料と荷物の準備
お願いねっ!」ひかるは猛然と走っていった。
「えっと・せんぱいぃ・・何したら・・海に船だから・・まず水着ですよね・・・。」
「っっっ!まだ初夏よ・・いくら南の島でも・・って砂記ちゃん泳げるのっ?」
「・・・・・。ふぇっ・・・先輩・・怒った・・・」
(あーもぅ・・調子出ないというか・・朝から訳わかんない夢見るし、朝早いし、
トーストはお粥だし・・もぅ気分悪いし・・いや・落ち着くべし・・落ち着けよ、
美月・・まずは今やるべき事は何なのかだ・・)
「怒ってないよっ、砂記ちゃん・・その・・資料の在り処わかる?私の部屋と稲
葉教授のとこの。」
「・・・怒ってないんですね、先輩・・私のせいじゃないんですよね・・?・・」
「・・だから怒ってないって。資料・・わかんないか・・いいっ、私やっとくか
ら、買出し行って来てっ!」
「・・・水着・・じゃないですよね?・・」
「そうね、ひとまず濡れると困るから、資料入れるチャックのついたビニールとか、
防水カメラ入れるポーチとか、・・多分途中まで暇だから、砂記ちゃんの好きなお
菓子とか、・・・あっそう、あなたよく転ぶんだから、ばんそうこうとか、湿布と
かもよ。また足挫いたりしたら、竹内さん心配するでしょっ♪」
「もう前みたいに転ばないですよ♪・・でも・・チーズケーキとかムースとかバ
バロアとか買っちゃ駄目ですよね・・」
「・・沖縄までってか、空港までももたないでしょっ・・傷むし・・いやその前
にすぐ砂記ちゃん食べるんだから・・。」
「・・美月先輩・・一緒に買い物行ってくれません・・?・・何か不安で・・」
 眼を潤ませて、じっと見つめられる・・。(この娘には何故か敵わないよ・・)
525517(改):03/04/13 23:04 ID:FW3xGocb

「いいよっ!一緒に行ったげるっ・・先に資料片付けてからねっ!」
「・・・・・。」
「・・どうしたの?・・一緒に行ってあげるって言ったのよ?・・あ、資料は私
がするからね♪・・?」
「・・・うぅ・・・先輩・・・」砂記はワンピースの袖口をくしゃくしゃにしな
がら俯いている・・。
「何?もうお腹減ったの・・・?」
「・・さっき・・私、変な事言いませんでした?・・・」
「チーズケーキとかムースは旅行に持っていくお菓子じゃないけど・・?・・・・・
・・・・・・・・。」

「あっっっっ!?」

526517(改):03/04/13 23:14 ID:FW3xGocb
うう・・・っ;;全然巨大化してないし・・(汗)
っと、ここからなんですが、何とかつなぎを考え中です・・

>☆娘さん

「破綻した世界」なんてとんでもないですよ?良く終わってる上に
拡がりを想像できる世界だと思ってます(^^)

あとはどうやって「砂記→ラビ」にもってくか・・・うぅ。頑張ってみます。

しかし新顔でいきなりあpしてすいませんでした(汗)
527☆娘:03/04/14 00:58 ID:udd6RX2f
>517(改)さん
呼び辛いですよ〜、何かコテハン付けませんか?(w
巨大化させなくても、このままの方が面白いかも・・・って、それじゃ他の人が納得しないか・・・。
>あとはどうやって「砂記→ラビ」にもってくか
って、ラビまた大きくなるんでしょうか?(謎
そんでもって、ネバ−エンディングスト−リ−と言うか永久ル−プってのは止めましょうね(w
あとね、美月はTVでト−スト焼けるんですよ(爆
>しかし新顔でいきなりあpしてすいませんでした
そんな事言わないで下さい・・・私だってまだ新顔のつもりなんだからぁ(汗汗
今後の展開期待してま〜す♪
528ゆんぞ:03/04/14 19:59 ID:AU2VxxoS
callonさん、uploaderへの転載だんけ&乙ですた。
メイリって名前、そこから来てたんですね。
亜土電(ry
529名無しさん@ピンキー:03/04/14 21:00 ID:olquHZ+i
破壊系のサイト教えて下さい
530名無しさん@ピンキー:03/04/15 16:31 ID:oumsw25L

>>529

ageるな、それからくどいぞ


>>517(改)

意味を掴みづらいところが多いのが気になるけど全体的には好きな作風だyo
後日談というより、もう一つのストーリーみたいな感じだけど?
続編期待age
531名無しさん@ピンキー:03/04/16 08:54 ID:GNEHtBGS
時のウサギのあなざーすとーりー,続きまだ−?(AA省略)
532元517(考え中):03/04/16 22:04 ID:Ppi5Hiie
>☆娘さん

どうも、ありがとうございますっ。
呼びづらいですよね〜;;どうしよ・・(汗
巨大化はお約束って事で・・タイミングが難しい・・でも無理やりさせま
した(汗汗;;・・永久ループはしないけどそれはそれで難しいです・・
>TVでト−スト焼けるんですよ(爆
どうやるのか教えて欲しいです;;ブラウン管が火吹くのかな(^^

>530さん

掴みづらいですか・・うーん確かに・・今回はそれも考えて謎の部分を減らし
たつもりです・・もっとがんばります・・(汗
>後日談というより、もう一つのストーリーみたいな感じだけど?
内容的にはそうなりつつあります・・・こんな続きもいいかなっと・・うーん
・・・終わりに持っていき方が難しい・・

>531さん

へぃっ!まちどぉっすすっ!・・あっ玉子入ってないっすかっ?(w


533元517(考え中):03/04/16 22:05 ID:Ppi5Hiie
「・・・・て・・砂記・・ちゃん・・?・」・・美月の時計は止まっている。
「・・・・・・・・え・・っ?・・そ、その・・」ワンピースの少女はかわい
そうな程、焦っている・・・。多分時計も止まっている・・・・。

「ハーイッ!美月〜ッ!!」
・・今度はなんだっ・・と思う間も無く、見慣れた姿が走り寄って来た。シンディだ・・。
「聞いたわよっ!ひかるから・・美月達もう夏休みっ!?」「・・?」
「いいな〜〜;珊瑚礁〜・・船から見ても綺麗じゃないの・・一声くらいあって
もよかったんじゃないの〜?」やや非難めいた目つきだ。
・・・あ、あぁ、あの事か・・・美月の時計がのろのろと動き始める・・・
「・・・そ、それなら・・もれなくオプショナルツアーで稲葉教授付き・・」
(ひかるのやつ・・焦って変な説明でも・・・)と思いつつ何とか答える美月。
「・・あっ、そ、そうっ!、じゃ『肌寒い』土産話楽しみにしてるね・・。」
非難めいた目つきはどこへやら・・憐れみの目つきで答えるシンディ。
「・・っと、あっラビちゃん、こんにちは♪・・美月と一緒に行くの?」
「う、うんっ・・今準備中なの・・」この娘の時計は止まったままの様だ・・。
「いいなぁ美月は・・そんな慕ってくれる妹分がいて・・私も作んなきゃっ、
じゃまたねっ♪」言いたい事だけ言ってシンディは走り去った。
534元517(考え中):03/04/16 22:06 ID:Ppi5Hiie
(・・・・えーと、何だったっけ・・あれ・・?シンディってあんなに日本語上手
だったっけなぁ・・お土産かぁ・・何買ってあげよかなぁ・・ラビも一緒だし・・・
・・・・・あれ?・・・・・っ!)
「砂記ちゃんっっっっ!!!」となりの建物の自動販売機のボタンが押せる程の
大声で美月は叫んだ。・・が、目の前には誰もいない・・。
視線を上げると、離れた駐輪場で必死に自転車の鍵を開けようとする砂記の姿があった。
−ガチャガチャッ−(・・・あっ、あれ開かないよ・・;;どうすんだっけ・・)
「・・・砂記ちゃん・・・・番号合わせても、ボタン押さないと開かないわよ・・・」
「あっそうだった、ごめんなさい先輩・・・っ!・・あ、あのですね、やっぱりお買物、
私一人で大丈夫ですからっ;;・・」
「・・いや、いいわよ、一緒に行ってあげる・・でもその前にちょっと砂記ちゃんに、
私、聞きたいことあるんだけど・・・つき合ってくれるかな・・」
・・・。何か言い返そうとして砂記が顔を上げると、優しく微笑んだ美月の顔があった・・。
ただ、何故か寒気がする気配の顔で・・
「は・・はい・・・。」砂記はうなだれるしかなかった・・。
535元517(考え中):03/04/16 22:07 ID:Ppi5Hiie
キィキィキィ・・・砂記の押す自転車の音が、郊外の橋の上でかすかな音を立てている・・
二人は大学の近くにある、最近出来た大型のショッピングセンターへ向かっていた。
二人とも無言のまま・・
(お互い黙ったままっての、はじめてだな・・)口には出さずとも、たまに合う視線で二人の
気持ちが一緒というのがわかる・・・・。
(・・そう・・確かこの娘は・・ラビ・・・あの、はっきりした夢の中では・・・)
(・・美月・・怒っちゃったかな・・そうだよね・・覚えてたら・・・・絶対・・)
急がないといけないというのに、ゆっくりとした足取りのまま、二人は広い駐車場に着いた・・
・・・・・・・・・。

「・・ねぇ、砂記ちゃん・・いや・・・・ラ・・ラビ・・・・・・・・」
「・・美月先輩・・・・それって誰です・・か・・・・・・・・・・・」
「・・私、本当の事・・知りたいの・・・。いつも・・ラビは・・嘘つきじゃ・・なかった
 よ・・。」
「・・・・・。」「・・・・・。」
「・・・・・・・・・み・美月・・・でも・・私・・いけない事・・沢山・・・。」
「・・いいの・・それよりも、ラビは・・私の事・・信じてくれたんでしょ・・その証拠に・・」
美月はポケットから、『証拠』を取り出そうとした・・・。
536元517(考え中):03/04/16 22:10 ID:ekApDCCF
「・・っ!みっ、美月ぃっ!駄目っ!今、それ出しちゃっ!」「・・これ?」
溶けた赤いガラスの塊が日光を取り込んで、赤く柔らかい光が、砂記に当たった。
「・・っ、駄目〜っ!」
砂記に当たった光が数倍の輝きを増して光ったかと思うと・・そこには・・・・
・・あの、ラビがいた・・・・・・・。つま先で車を横転させながら・・・。
「!!っ、馬鹿っ早く戻んなさいっ、ラビっ、ここじゃ人目も・・」
「とっ、取ってよぉ美月っ・・お、おでこのを・・」「って届かないわよっ、てっ、手!」

慌てて差し出された掌に乗って、美月がラビの額の大きな赤いガラスに手を伸ばす・・。
さっきよりも何倍も大きな赤く透き通った塊・・やっぱガラスじゃなくてルビーかな?・・・
・・・ラビの心もきっと、こんなに透き通ってるんだろうな・・振り返ると手前にはT山地の
雲のかかった山並み・・その先には・・富士山か・・。
しかし美月の心はその様な掌からの風景を楽しむ暇はなかった・・ルビーの下の、不安そうな
大きな二つの瞳・・・そしてショッピングセンターからの道筋に人影がひとつ・・ふたつ・・

「・・っいくよっ!ラビッ!」美月は目の前の赤い大きなルビーに手をかけると一気に力を
込めた。ところが思いがけなく簡単に取れたと思うと、再び光が満ちて・・・・・・
・・・ドサッ!・・・・
「いっ痛っ〜っ!」「わっ、先輩っ大丈夫ですかっ!」「・・あいたたた・・・っ」
腰と背中の痛みを我慢しつつ開いた美月の眼には、心配そうに覗き込む、いつもの砂記
(ラビ?)の姿と、さっきあった事が幻覚でなかった事を証明する、横転した何台もの車・・
「っ!さ、砂記ちゃんっ、誰もいなかったのっ!?」素早く美月は横転した車を次々と覗
き込みながら砂記に訊いた。「え、えと、転んだ車には誰も・・・・」
「・・じゃっ、らっラビっ・・いやっ、さっ砂記ちゃんっ・・・いやどっちでもいいっ・・」
「・・・はい?・せんぱいぃ・・・・?」
「逃げるわよっ!」
537元517(考え中):03/04/16 22:13 ID:ekApDCCF
『・・・では、次のニュースです。今日午後3時から4時にかけて、M市郊外にあるショッピ
 ングセンターの北口駐車場で、駐車してあった車数台が・・・』

「・・・で、砂記ちゃん・・いや、ラビ・・わかりやすく説明して欲しいんだけど・・」

『・・気象庁の観測によりますと、当時M市北部の山間部では一時間に30mm以上の雷雨となって
 いた為、大気が不安定となり、局地的な竜巻が発生したものと・・・』

暗くなり始めた頃、美月の部屋で二人はいちごのミルフィーユを食べていた・・・。
結局、買い物は出来ず、携帯でひかるに無理をお願いし・・帰ったのだった・・
ミルフィーユを買う時間はあったらしい・・・;;
538元517(考え中):03/04/16 22:16 ID:s805BUQ7
『・・なお、警視庁では竜巻の目撃情報が無い事から、新手の車上荒らしの可能性もあるとみて、
 現在、目撃情報を含めて捜査中で・・』

「・・・ふゃ、ふゃきゃら、ひょろぼうさんの・・」
「・・しゃべる時は口の中の物を飲み込んでからでしょ・・もう・・。」
「んんっ!ふぁ〜っ♪・・やっぱあそこの店美味しいですねっ、先輩っ」
「・・ケーキの話じゃなくて・・ラビ・・どうなってるの?・・」
「・・あれが起動キーというかぁ・・車にエンジンかける時と一緒なんですよ・・」
「・・それは見たからわかるわよ・・それより、ねぇラビ・・ここはいつ?・・どうなってる
 の?・・」「・・・ん〜っ・・一応「過去」かなぁ・・・」
「いや、シンディとかひかるが同じ大学にいるし・・私の知ってる「過去」じゃないわよ?」
「・・私・・自分が具体的な存在として、時系列にいた事ってあんまり無かったですからぁ・・」
「・・から?」
「先輩があの事を”夢”だって、感じる程度で、あとはうまくいくと思ったんですけど・・」
「・・シンディ、『ラビ』ってしっかり呼んでたわよ・・」
539元517(考え中):03/04/16 22:17 ID:s805BUQ7
「うぅ・・・そもそも・・先輩がいけないんですよぉ・・いきなり竹内さんの名前なんて出すから
 ・・・・・」
「それに、即座に答えたのは誰だったのかな・・・・?」
「うぅ・・・先輩・・やっぱ意地悪だ・・・・・・・」
「・・・・もぅ・・いいわよ・・ふぅ・・、ところで明日大丈夫なの?多分・・じゃなくて
 絶対、ひかるのやつに文句・・あっち着くまで言われるわよ・・・」
「・・私、寝てま〜す♪」
「・・・。それに・・明日以降に・・ラビ・・あなたが・・『発見』・・されるのよ?おかしくなる
 んじゃないの?・・いろいろと・・」
「ん〜・・多分、だいじょぶですよっ!・・私、ここにいるし・・お天気が悪くて行けなくなると
 か、行ってもなんにも見つかんないとか・・だれかお腹こわすとか・・その程度ですよ♪」
「・・・・・」「・・・・?・・。どうしたんですか?先輩・・・」
「い・・・胃まで痛くなってきた・・・・・・;;」
「・・ほら♪言った通りじゃないですかっ♪・・・って、大丈夫ですかっ!先輩っ!」
「・・・・・・もぅ・・・・・どうしよ・・・」
初夏の水曜日の夜は賑やかに更けていった・・・明日は美月達の出発の日だ・・・。
540元517(考え中):03/04/16 22:20 ID:s805BUQ7
途中で2回も落ちました(謎  ADSLにしようかな〜
続きをどんどん書けない方向に追い込んでる気がする・・
予定では次回のupで終わらせます・・・
気長にお願いします・・・
541名無しさん@ピンキー:03/04/17 00:14 ID:8nqc5FSt
>517
続編乙ー!
ところでラビはロボットじゃないの?
普通サイズと巨人サイズを行ったり来たりは無理があるような気がするけど。
542☆娘:03/04/17 22:17 ID:tjlohZOE
>517さん
いっそのこと★娘なんていかが?(w

あう・・・そう来るか・・・。
私のラストは一見夢落ちに見えるけど、
実はラビが自分の為に時間を動かして、
自分の望む世界を紡ぎ出した最初で最後の結果です。
私の中では完結していたのだけど、こんな後日談があったなんて知らなかった(w
さて、どういう結末を迎えるのか・・・楽しみ楽しみ♪
543名無しさん@ピンキー:03/04/18 12:17 ID:aJ8IaBD1

皆の衆,現在発売中の「みこすり半劇場・別館」に嬉しいコマが!!
フードルビューティという作品の中にGTSネタあり
巨大娘プレイ・・・そんな店あったら漏れ通い詰めちゃうゾ(笑)
544名無しさん@ピンキー:03/04/18 16:53 ID:+qKDCBH2
>>543
ウpキボンウ
545543:03/04/19 13:33 ID:vv3aoiWP
>>544
スマン,すきゃなが無い・・・立ち読みしてくれ(笑)
546元517(考え中) :03/04/19 20:15 ID:yVFNPmKw
>541さん
>ところでラビはロボットじゃないの?
普段は人間って設定に・・無理あったかな(汗
>普通サイズと巨人サイズを行ったり来たりは無理があるような気がするけど。
巨大化したらそのまま、ってのも考えたんですが、こういうのもいいかなって(汗
最後はもう無理だらけです・・(滝汗

>☆娘さん
>いっそのこと★娘なんていかが?(w
他の常連さんに秒殺っされちゃいますよ〜(汗
>実はラビが自分の為に時間を動かして、
>自分の望む世界を紡ぎ出した最初で最後の結果です。
なるほど・・それも考えて続きを書きました。ラビは天然だから結果も・・(笑
あちこち設定変えた事、すいませんです・・うぅ(汗汗

>543さん
近くに売ってなかった・・・(泣泣

☆娘さんの「時のウサギ」軽い気持ちでパロディ書き出したら長くなりました・・くどくて無駄な部分
多いかも・・すいませんが、やっとおしまいです。
547元517(考え中):03/04/19 20:16 ID:yVFNPmKw
「ちょっとっ!お月さん・・聞いてるのっ!!」「・・・ん、んん・・もちろん・・」
『・・本日の御搭乗誠に有難うございます・・当機の到着までの・・』
「こうやって並んで席取れたのもっ、今日の泊まる所の予約入れたのもっ、主なお店とか
ポイントとかリストアップしたのもっ・・」
(いっその事・・席、離れてた方がよかったけど・・ふぁ・・ねむ・・)
欠伸のそぶりを悟られないようにしながら(悟られたらそれこそ一大事だ)、答える
美月・・・・一方的な集中砲火を浴びまくっている・・
(せめて援護射撃は期待しないから、第2のターゲットくらいになってよ・・・)
席に着くや否や、恐ろしい程の素早さで寝てしまったお隣を恨めしそうに見やると・・
「・・んんっ・・あとは・・ゴーヤジュースと・・アロエゼリーと・・むにゃ・・」
(・・既に晩御飯の後に行っちゃってるか・・こいつは・・)
「っっっ!!(怒)こっんの馬鹿娘がっ!こらっ!おきろっ!お月さんっ!蹴り、蹴りだっ!」
とうとう完全に回路がぶっ飛んだひかるの声が、満員の機内に響く・・
「・・・・あの?お客様?」「っ、るさいっ、私よりこいつっ!」「・・お客様・・」
「ひかるっ、ちょっと・・」「ん?何っ」いつの間にか後ろにパーサーが・・・
「あの、他のお客様のご迷惑になりますので・・」「・・・はい、す・すいません(汗)・・・」
548元517(考え中):03/04/19 20:17 ID:yVFNPmKw
「わぁっ!いい天気でよかったですねっ美月先輩っ!」「・・・うん、そうね・・」「・・・。」
汗ばむほどの陽気のN空港に、文句を言い疲れたひかると、げんなりした美月・・ただ一人元気な
砂記の姿があった。
「えと・・他のメンバーと教授は明日の便で入るらしいから・・」ひかるがメモを見ながら
話す・・「まずは」「お昼ご飯ですかっ!?」「っ違うっ・・もうなんであんたは食べる事第一
なの・・それで太らないんだから・・余計腹立つ・・」「はい、二人とも進まないから・・
ひかる、まずは?」「っと、明日チャーターする船の船長さんかなんかと落ち合って、簡単な
明日の打ち合わせと、準備したのが大丈夫か尋ねて・・それからご飯ね。」「・・あんまり
遅くなるの嫌です・・」「わかんないわよっそんなの・・それに地元の人の方がお店とかよく
知ってるでしょ」「そっかぁ♪ひかる先輩って頭いいんですねっ」「・・・・・あ、ありがとね、
砂記ちゃん・・ふぅ・・で、待ち合わせ場所が・・えっと水槽の前だから・・ここでいいんだ。
そろそろ時間だけどお月さん、砂記ちゃん、それらしい人いる?」
(船長さんだから・・日焼けしてて、いかつくて・・髭生やしてるかも・・)美月は周りを見回す。
(えっと、着物着てて・・釣り竿持ってて・かわいそうな亀を助けそうで・)砂記は明らかに違う。
・・しかし、二人が周りを見回してもそれらしき人はいない。美月達と同年代くらいのグループが
多いだけだ。すると・・
「あっ、多分・・すいません〜♪M大の方ですか?」美月達より若い、タンクトップに
ジーンズというラフな格好をした美少女が話しかけて来た。「は、はいそうですけど・・」
(あれ、どっかで見たことあるような?・・)と感じつつ美月が答えた。
「あ、やっぱり!・・明日からみなさんと一緒します、R大の香月みなとですっ!よろしくお
願いしますっ!」(・・・あ・・確か・・)無意識のうちに美月に悪寒が走った・・・・
549元517(考え中):03/04/19 20:18 ID:yVFNPmKw
「車は、駐車場の方ですから、飛島・・美月さんでしたよね?お月さんって呼んでいいです
かっ?あっ荷物お持ちしますっ♪」「・・うん・・あ、ありがとね・・」必要以上に親切な
気のする、みなと・・
そんなみなとを、美月より遥かに多い荷物を持つひかると砂記が睨んでいる・・・・
(こっちはどうなのよ・・初対面のくせに馴れ馴れし過ぎるわ・・あいつ・・)
(・・あぅ・・美月は・・私のなのに・・・なんだよぉ・・・もうあの人・・・)

みなとの運転するランドクルーザーは、モノレールの高架の下をくぐって港の方へ向かった。
最初は助手席に美月でなく、ひかるが座ったのが気に入らない様子であったが、ちらちらと
横目でひかるを見るうちに、機嫌は直ったようだ・・・。
原因不明の寒気をひかるは感じながら「・・・・・ちょっと香月さん??・エアコン効きすぎ
なんじゃ・・・」「みなとって呼び捨てで良いですよ・・じゃ窓開ければいいんですよ♪」
そんな二人の後ろでは、別の二人が・・・(ちょっと!砂記ちゃん、何であいつがいるのよっ)
(私にそんな事いわれても・・そうなっちゃってますから・・あっ美月先輩っ・・あまり私から
離れないで下さいね・・・)(大丈夫、最悪、ひかるを囮に逃げるわよ・・私・・)・・などと
ひそひそ話している・・
みなとの話では、船の方に同行メンバーがもう一人いるとの事だった。港に入り、係留されている
船の中の一隻の前で車は止まった。「はいっ、これが明日からの研究室兼ホテルですっ!」
・・・かなり大型の遊漁船、というよりクルーザーだった。まだ新しい・・・
550元517(考え中):03/04/19 20:20 ID:yVFNPmKw
「わぁ〜っきれいですねっ先輩っ!」「うん、もっとオンボロかと思った・・」「・・まるで観光ね・・」
それぞれの感想を三人が述べていると、「先に荷物積み込んで下さいっ」と船上から声がした。
デッキから人影が現れたかと思うと、身軽にパッと飛び上がり、岸壁に見事着地した・・・・
落ち着いて大人びた、みなとにも劣らない程の美少女・・・
「みなさんはじめまして。この船の船長兼研究員の・・・」
「美妃ちゃんよ」「もう『ちゃん』付けはやめて下さい・・あ、ごめんなさい。美妃・K・ゴー
ルドマンです、よろしく。」はっとして思わず身構える美月・・砂記を見ると・・頭を抱えている・・
「えぇっそんなに若いのに、こんなの操れるんだ・・」ひかるがそう言うと、「島が多いからね
・・免許持ってると色々便利なのよ、私も持ってるわよっ!」自慢気にみなとが答える。
「今回はお客さん乗せるから、この娘のほうが慎重だから船長にさせたの」「・・普通だと思い
ますけど・・。まぁみなと先輩に任せると、台民国のコースト・ガードにまた追っかけられるで
しょうし・・何の為のGPSなんだか・・」「あの時は考え事してたから・・」

「へー、美妃さんのお父さんってアメリカ人なんだ・・」美月の方が年上だが、自然に敬称を
使わせる雰囲気を、美妃は持っている・・・。「ええ、軍人ですが・・・」
港の近くのレストランで一同はお昼を取っていた。「生まれは南のテグって市でしたけど、
中学の時に父が転属になって、一緒に沖縄に来て、そのまま・・今はR大の研究生です。」
「どおりでスタイルいいよねぇ〜、いいなぁ〜」ひかるは美妃を羨ましそうに見やる・・・
(みなとと一緒で大丈夫なのかな、この人・・まさか同じ趣味・・?・・でも『前』と・
 キャラだいぶ違うような・・・)明日からの事を考えながら美月はぼんやりと食べている。
砂記は・・・心配のかけらも無く、「んんっ!おいしいですよっ!これっ!」とひたすら食べて
いる・・お気に入りの野菜チャンプルは2皿目だ。
551元517(考え中):03/04/19 20:21 ID:yVFNPmKw
「・・でもお月さん達・・今日準備終わって、明日一日どうするの?泊まる所は・・?・・もし
 良ければ部屋・・」みなとが何やら怪しげな気配を出している・・。
「「・・っ!予約してるの!折角でごめんだけど・・・」」美月とひかるが口を揃えて答えると、
「なんだぁ・・残念。まっ明日からしばらく一緒だしねっ♪」「・・・」「・・・・それより、
 明日午前中出発じゃないの?・・確か教授、十時って・・」「ええ、空港に稲葉教授を22時
 に迎えに行って、そのまま出発ですが?」美妃が答える。「・・・やられた・・・・。」
(勘違いは諸君の方だろう?)と答える教授が目に浮かぶ・・
「・・・まぁ定番コースで良ければ、明日ガイドしましょうか。」何かを察した美妃が言う。
「・・・ありがと・・さて、そろそろ準備の続きしよっか・・ってまだ砂記ちゃん食べてる・・」
「んんっ!ふぉう、ひくんでしゅかっ?じゅーすふぁだ・・」慌てて箸を落とす砂記・・。
「もう、いいでしょいい加減・・箸取ったげるから・・」かがみこんで、テーブルの下の箸を
拾おうとする美月・・(・・ん?)スラリと伸びた美妃のジーンズに隠れて・・サバイバルナイフ
・・・!・・・(やっぱり・・この人・・)
やや怯えた顔つきで美妃を見る美月・・。が・・「あ、驚きました?足。」「え・・・」
「護身用です。」美妃はそれだけ言うと、みなとの方を向いた・・・・。
552元517(考え中):03/04/19 20:22 ID:yVFNPmKw
結局、翌日美月達は「定番コース」の先の大戦の戦跡等や復元された王宮を観光し、夜遅くに
空港へ向かった。最終の飛行機が到着してはや30分・・次第に人影がまばらとなり始めた。
「・・ねぇ、合ってるの本当に?」ひかるが美妃に尋ねる。「・・うちの教授も一緒に来てる
筈なんですけど・・」美妃も流石に23時近くとなっては、あまりしたくない想像が次々と出てくる。
(すっぽかされたか・・忘れてるか・・まさか明日とか・・)
「いやっ!諸君っ!揃ってるねっ!いや、感心っ、感心っ!」突然の大声・・稲葉教授の声だ。
到着ロビーとは全く反対側の入り口から肩を組んだ2人連れが入ってきた。稲葉教授と、恐らく
R大の教授か・・明らかに酔っている・・後ろには「お客さん、料金料金っ」タクシーの運転手
さんか・・。謝りながら料金を美月が払い、稲葉教授を睨む・・「一体何時に着いてたんですかっ!
それに他の人達は?」「いやっ旧友とゆっくり過ごしたいと思ってちょっと予定を早めてねっ、
出発前に空港から諸君以外に連絡してみたが、生憎みな、都合が悪いとの事だったっ・・うん、
学問を志す者に探究心が欠けてはいかんな、全く。・・その点諸君は優秀だ。早めに来ておるとはなっ・・」
「・・・・。今から出発ですけど、大丈夫ですか?」「いやっっ!大丈夫だっ美しい諸君に囲まれて
大丈夫でない訳が無いっ!世紀の発見は諸君達の双肩にかかっておるぞっ!なぁモグラ君っ」
モグラと呼ばれたR大の教授はかなり飲みすぎたらしく「ふぁうだぞっ!うっ!」と言ったきり
トイレへ駆け込んでいった・・。
「美月先輩〜何かすごくくさいですぅ・・」砂記が教授の荷物を持ちながら文句を言っている・・。
「少しの我慢よ・・砂記ちゃん・・さてと・・どうする?」「行くしかないでしょ」とひかる。
「私のランクルが臭くなる〜(怒)」とみなとがわめいている。「車に積んでるビニールシート
トランクに敷いて、上に二人転がして、うるさそうだから上から何かかぶせとけばいいですよ。」
美妃が言い放つ・・本当にそうしそうだ・・。
553元517(考え中):03/04/19 20:24 ID:yVFNPmKw
ほぼ半月の月を見ながら調査船は出航した。「・・船名にふさわしい船出ね・・」みなとが
外を見ながらつぶやく。「ふぅん、何て名前なの?」美月が尋ねると、「・・『ステラ』・・
です・・」と美妃が答えた。「・・でもR大ってお金持ちなんですね・・こんな船・・」砂記が
眠そうにつぶやく。「軍の基地あるから補助とか・・それに、美妃がうちの大学にいるからじゃ
ないの?」悪戯っぽくみなとが美妃を見る・・「・・・私の父はそこまで偉くないですよ・・」
「・・よくおっしゃるっ、少将閣下のお嬢さんっ♪」「からかわないで下さい。それよりレーダー
見てます・・?」「異常なしよ・・無線もOK・・バッテリーも、燃料も・・あんた心配性ね・・」
「これが普通ですっ!・・あ、飛島先輩、白倉さんも、今のうち仮眠取っておきます?・・・・
みなと先輩ならここで見張っておきますけど・・」「どういう意味よ、それ」「いやみなと先輩は
見張りで大変だって話してるんです」「・・ありがたいけど、・・あっちまだ臭いし、エンジンよ
りいびきがうるさいし・・」「美月先輩、やっぱり捨ててくればよかったですかね・・シートごと
・・」「そういう訳にもね・・ちょっと私、砂記ちゃんと夜風あたってくる・・」と美月が言うと、
「・・・まさか、お月さん、そんな小娘が好みなんですか?」と、みなと。「・・・へ?」
「みなと通信士は気をそらさないで下さいっ!」「・・はい、船長どの・・・そういえばひかるは?」
「玉造先輩なら奥で資料の整理と、荷物のチェックしてますっ・・あっ、飛島先輩っ!」「・・ん、
なに?」足を止めて美月が振り返ると、「戻る時でいいですから、デッキの上の木箱も中に入れとい
てもらえます?ちょっと濡れると困る物も入ってますから・・」「ああ、いいわよ・・入れとくね、
・・じゃ行こっ砂記」「はいっ♪美月先輩」とっとっとっ・・二人はキャビンから出て行った。
「・・・やっぱあの二人あやしいよ・・いいなぁ」「みなと先輩っ!」「はい、はい」
554元517(考え中):03/04/19 20:27 ID:zIXy9RFA
「わぁっ綺麗ですね〜♪それに気持ちいぃ〜♪」「本当・・内地の何倍も星があるみたい・・」
西の空に浮かぶ半月と、満天の星空・・・陸の明かりは殆ど見えなくなった。
「あっ「みなみのかんむり」だっ・・「南十字」は見えるかなぁ・・」「何、砂記ちゃん星座詳し
いのね・・・」「・・いつも、いつでも・・・お月さん見てたから・・・」「そうだったね・・
・・・でも南十字はもっと南行かないと見えないんじゃないの・・・・・?」「そっか・・・・
・・・あっ、そうだっ美月♪・・あれ持ってきてる?」
・・周りに誰もいなくなると何時の間にか「先輩」とつけなくなる・・本当にリラックスしてるん
だな・・「あれって?何・・ラビ・・」「・・例のウサギですよっ・・ほらっ」「持ってるけど・・
今出して大丈夫なの・・?」美月は恐る恐るポケットからそれを出すと、ラビは取って掌にちょこん
と置いた。「ほら♪大丈夫♪、綺麗でしょっ美月っ」青い月の光が掌の上で赤いガラスを通して、綺
麗なアメジストの様な淡い紫の光を放っている。「・・本当・・。光が弱いから作動しないのかな?」
「うん・・多分・・満月位なら作動するんだけど・・・・・綺麗・・・・。」
単調なエンジンの音と、風を切る音・・・・・・・・・ふと気づくとラビは、まっすぐに美月の目を
見ている・・・・・
「・・・美月・・・わたし・・もう・・そんなに怒らないようにする・・・・ね・・・」
「どうしたの?急に・・ラビは怒りんぼじゃ、ないじゃない・・・・どうしたの・・・?」
「・・・私ね・・一度や二度じゃないの・・・・全部・・覚えてないくらい・・・・たくさん・・
 ・・たくさん・・・世界を滅ぼしちゃってきた・・・・・人を・・・たくさん・・し・・死なせ
 ちゃった・・・・・」
「・・・でも、それはラビが・・ラビだけが悪い訳じゃ・・・・・・なかったんでしょ・・・・・」
「・・・・・ううん・・私・・悪いの・・悪い人も死んじゃったけど・・・・良い人も・・・死なせ
 ちゃった・・・・いや・・良い人の方が・・・たくさん・・・・死んじゃった・・・・」
・・・ラビは・・泣いていた。
555元517(考え中):03/04/19 20:28 ID:zIXy9RFA
「・・・・・・。」
「・・・・滅ぶ時・・・私も・・一緒に滅んじゃえばいいのに・・・私だけ・・そうならない・・・
 そうもできない・・・・また・・・眠っちゃうだけ・・・・・そして・・目が覚めて・・・・・・
 また、くり返し・・・・・・もう嫌っ!・・・・嫌だよ、美月っ!」
「・・・・でも・・『前』は・・そうならなかったでしょ・・・ラビ・・・」
「うん・・・美月いたから・・・・この世界・・居心地いいし・・・悪い人もいるんだろうけど、
 周りみんないい人・・・・・・だから・・・・・・・・・」
「・・だから?・・・」
「・・美月・・簡単に・・・私を一人ぼっちにしないでね・・・私が・・・怒りそうになったら・・
 ちゃんと・・止めてね・・・私も・・気をつけるから・・・約束だよ・・・」
「・・うん。約束しよっ・・さ、涙拭いて・・・ね・・?・・・ん?何・・?」
「・・・約束・・・」ラビは目をつぶっている・・・。
(あらら・・どうしようかな・・しないとまずそうだし・・でも唇はね・・・そうだおでこ・・)
・・・・・美月はラビの額に、軽く唇を当てた・・・
(あ〜・・あぅ・・そっちかぁ・・残念・・)とラビが思った瞬間、ドンっと音がして・・
「見たぞっ!見たぞ見たぞ見たぞっ!ずるいっ!やっぱりあなた達そんな関係っ!?この小娘っ!」
みなとだ・・「あれ?羨ましいんですか?み・な・と・先輩っ」「ちょっと砂記違うでしょ・・」
「何が違うんですか?美月先輩・・」「っ!!この小娘っ!許さんっ!」みなとが足元の重い木箱
を振り上げると・・・「はいっ・・ついでに中に入れて下さいねっ。みなと先輩、危ないですから
・・・・」美妃が顔を出す。「ええいっ!うるさいっ!この小娘手打ちにしてくれるっ!」
「飛島先輩、白倉さん・・もう夜があけますから・・朝ご飯にしましょっ。」気がつくと東の空が
白んでいる・・「わ〜い♪」と砂記が中に走っていく・・それを追いかけるみなと・・。
556元517(考え中):03/04/19 20:29 ID:zIXy9RFA
調査海域に着くと、あっけない程簡単に海底遺跡は発見された。砂記が「あっちじゃないですかぁ」
等といい加減なふりをして船を誘導した為、探し回る時間は殆どかからなかった。そして・・

調査7日目、25日の朝、いつものように、教授達とひかる、みなとが機材を持って潜水する。
調査は順調で、いくつかの人工物の証拠も発見されつつあった。天気も良く穏やかな7日間・・
泳げない美月はもっぱら資料の整理と作成、砂記はその手伝いとごはん作り・・船は殆ど美妃
が操舵していた・・。変わった事があったとすれば5日目の夜に、『飲んだら死にます 美妃』
とラベルの貼ったワインを稲葉教授達が冷蔵庫から出して勝手に開け、人間トローリングに
されただけだった・・・『ラビ』は勿論・・まだ発見されなかった・・・。

その日の夕刻・・・「そろそろ・・一旦中断ね・・ボンベも残ってないし・・」と美月。
「ごはんもありません〜♪」「あんた食べすぎよっ!」みなとが砂記を睨む・・・
「わし等の缶ビールも・・・」「5ダースは積みましたけど・・いい加減、まともなお風呂にも入り
たいし・・・。」とひかるが言うと、「とにかく、明日戻っていろいろ補充してからまた来ましょう。」
美妃「船長」が提案する・・。台風シーズン前の今の時期が一年で最もこの海域は安定していた。
調査可能な期間は長くない。皆が美妃の提案に同意し、当直の美妃と砂記(美妃以外はくじ引き;;)
だけがキャビンに残った。静かな月夜・・だいぶ月が満ちてかなり明るい・・・波の音が静かに繰
り返している・・
557元517(考え中):03/04/19 20:30 ID:zIXy9RFA

−チカ・チカ・チカ・−・・・前方の海上で何か光っている・・「あれ・・?」「どうしたの
・・白倉さん?」「何か光ってます・・・あそこ・・」「本当・・ちょっと待ってね、レーダー
入れるから・・・・・・小型の・・船みたいね・・・あっちも無灯火か・・変ね・・」
「・・何か合図ですかねぇ・・・あれ?」「・・懐中電灯みたい・・って白倉さん、やめなさいっ!」
向こうの真似をして、懐中電灯で合図を返す砂記・・・「・・あ、あれ?合図止んじゃった・・」
「っ!近づいてくるっ・・」レーダー画面を見ながら美妃が叫ぶ。
「わっきた、来た・・」素早く謎の小型船は横付けギリギリまで来ると、板を渡し、黒い服の
男性が乗り込んできた・・・・
「っ!!」「・・・・・ほぅ、案内員はお嬢さんに代わったのかな・・・・?」
低くて落ち着いた黒ずくめの男の声・・少しイントネーションがおかしい?・・・
「こちらは、準備してきましたよ・・・。[おい、チェ下戦士同務っこっちだ!]」
男の言葉の後半を聞いて美妃は目を見開いた・・やや東の訛りのある、小さな時の母国の言葉・・

「っ!!白倉さんっ!男から離れてっ!大変っ・・みんなを起こして船尾から逃げなさいっ!」
美妃は叫ぶと、男の喉元にサバイバルナイフを一閃させた。(しまった!かすったっ!)
[っ!!くそっ!何だ!緊急事態だっ!撤収!]男は顎を手で押さえながら、小型船に飛び
移った。[・・っ!しくじったか・・攻撃用意っ!]
「な・・一体・・なんですか?・・美妃先輩っ」「白倉さんっまだいたの?早く、みんな連れて
逃げるのっ!早くっ!あれは・・東の・・工作船っ!」いつもとは打って変わった剣幕で美妃は叫ぶ。
「みんなっ起きてっ!大変っ」砂記の声を後ろに聞きながら美妃は離れていく小型船を見た。
(距離を置いて・・・一気に沈めるつもり?ただじゃやられてやんないから・・せめて・・みんな
逃げる時間だけでも・・)姿勢を低くして、あの木箱を開ける美妃・・・油紙に包まれた中には、
AK−47自動小銃と弾倉・・手榴弾・・そしてRPG−7ロケット・・・(これが「鮫対策」っ
て・・笑っちゃうけど・・ありがとね、お父さん・・・)
558名無しさん@ピンキー:03/04/19 20:34 ID:cPhnia3F
[顔を見られたなら・・沈めますか?・・・李同志・・][いや・・まて・・相手は民間船だ・・
それも女子供しか乗っていないような・・]李と呼ばれた男は考えていた・・(あの女・・なかなか
・・いやとびきりとも言える程、夜目にも美しかった・・ただ者ではなさそうだったが・・・)
(・・あれ程の娘なら・・事によっては「偉大なる指導者同志」のお目にもかなうかもしれない・・
そうでなくても・・今から訓練次第では・・使える!)[李同志・・攻撃準備完了です]
[1:00迄現状待機せよ・・あちらに抵抗なくば・・制圧、拿捕し連行する。攻撃準備のままだ。]
[了解しました・・あっ敵に光が・・わっ!]−カカカンッ!−乾いた音を立てて、小銃弾が船体に
当たった。[敵からの攻撃ですっ!同志っ!応戦しますっ!]

(甘く見てると・・怪我するわよっ!)小型船に向け、正確な照準で自動小銃を撃つ美妃。
(弾そんなに無いのよね・・みんな急いでっ)後部から人の飛び込む音がしはじめた頃・・カチャッ
・・弾切れだ・・自動小銃を置く美妃・・(手榴弾は届かないし・・お願い当たって!)RPG−7
を肩に担ぐ・・これが最後の武器だ・・あとは・・・

[敵からの発砲、中断しましたっ!](ただの民間船ではなかったか・・厄介だな・・やはり沈める
べきか・・)と李が双眼鏡で見ていると、クルーザーに白煙が上がり・・
−ドカンッ!!!!− 耳をつんざく音がして壁に体を叩きつけられた。(何だっ!?)
[上部アンテナに被弾っ!通信不能!ロケットか何かですっ!](・・・呆れたものだ・・・民間船
どころではない・・米帝か日帝の特殊工作船かもしれない・・ならば時間の猶予は・・無いっ!)
男は決心すると叫んだ。[海戦用意っ!船を向けろっ!向け次第、総員攻撃開始っ!制圧ではないっ!
撃沈せよっ!]
559名無しさん@ピンキー:03/04/19 20:36 ID:cPhnia3F
(はは・・当たっちゃった・・・・んっ、いたた・・・)放心してランチャーを床に置く美妃・・・
(みんな・・逃げたよね・・・)再び小型船の近づく音がする・・。次は一斉射撃してくるだろう・・
敵からの応射で肩と足を撃たれている・・逃げられはしない・・あとはこの船を武器にするしか
無いだろう・・(楽しい1週間だったな・・そろそろ・・おしまい・・)
体を這わせながら、何とか操舵しようと美妃が動いていると・・・
「っ!美妃先輩っ!大丈夫ですかっ!」「馬鹿っ!何やってるのっ、美妃っ!早くっ!」
・・砂記と美月が走り込んで来た。「・・っ馬鹿はどっちよっ!二人ともっ!逃げてっ!私、・・
頑張った意味無いじゃないっ!」・・戻ってきた二人の気持ちが心の底では嬉しくても、今は駄目だ
・・ただ無駄死させてしまう・・・「教授達とひかる、みなとも大分離れたわっ!だから・・・」
「どうするつもりっ!」「手立てはあるの・・ラビッ・・お願いっ!」美月は赤いガラスを砂記に投げ
渡した。「いいよっ!美月っ!ばっちり満月!」砂記はキャビンの外へ飛び出した。
「っ!白倉さんっ危ないっ!・・・「ラビ」って何よ・・・」美妃が言うと、美月はそれには答えずに
「もう・・大丈夫だから・・ね?」と美妃の手を取った・・・。キャビンの窓の外が赤く光った・・・

[敵船から一人、飛び降りましたっ]・・今さら飛び込んでも手遅れだ・・先に逃げた連中も夜明け
までに見つけ出して「処分」してやる・・・李がそう考えていると、突然、敵船の辺りの海面が赤く
光った。何だ?とっさに[攻撃開始っ]と李は叫んでいた・・・
560元517(Cookie消えちゃった):03/04/19 20:40 ID:9bM/d3oi
−タタタタッ− −ドッドッドン− 激しい発射音と炸裂音が『ステラ』のキャビンに響き渡る・・
「っ!!」美妃は目をつぶったが、船に当たっている気配は無い・・自動小銃と・・重くて遅い音は
機関砲か速射砲か?・・確かにかなりの音がしているのに衝撃が全く無い。「・・どうなってるの?」
天井を向いて横になっている為、外の様子が見えない・・満月にしては暗いような・・・?・・
「・・・大丈夫って言ったでしょ・・」応急処置をしながら、美月が答える・・
「これ以上っ!、美月と美妃先輩を苛めるな〜っ!」炸裂音と同じ位大きな声が響く・・。
「・・ラビッ・・約束よっ!・・・」「わかってるよ!美月っ♪」
(・・・・この声は・・・白倉さん・・・?)

工作船の兵士達はあっけに取られていた・・いきなり、敵船の前に鯨のようなものが現れたかと
思うと大きく手を広げたからだ・・満月の光を浴びたその姿は・・巨大な・・ワンピースの少女?
[っ!?ええいっ!とにかく撃てっ!最大火力だっ]少女の体にさかんに炸裂音と共に煙が上がる
が・・・予想通り、全く効いていない・・・しかも「苛めるな〜っ!」と日本語まで喋っている。
(日帝の新型兵器か何かか?・・・しかし・・一度見たような気が何故するのだ・・?)
[李同志っ!間も無く全弾撃ち尽くしますっ!]李は双眼鏡を覗いた・・・全く効いてない・・
それどころか・・「美月〜、・・もう私眠いよぉ」・・駄目だ・・・。[えっ!ええいっ、ここは
・・][ここは・・何でありますかっ!?][撤退だっ!]

「あ、あれ、美月ぃ・・逃げてくよ・・あの船・・」「そぅ・・・どうしようか・・」と美月は
答える。(それが賢明よ・・・)と思いながら・・「・・駄目っ!白倉さんっ!」美妃が叫んだ。
「へ?・・美妃先輩・・・?・・あ・・うぅ・・ばれちゃいました?・・・でも何がですか?・・」
「連中逃がしたら、また来るかもしれない・・それに・・」「・・それに?」「最低限、病院代
位、出してもらうっ」「・・・なんだって・・ラビ・・」「・・でも・・だいぶん離れたから・・
おでこ使うしかないですよ・・・」「・・直接当てないで、船を足止めできない?」
「・・う〜ん・・やってみる。」ラビの額のルビーが赤く輝きだした・・・
561元517(Cookie消えちゃった):03/04/19 20:40 ID:9bM/d3oi
(やはり、日帝の兵器か・・こちらが攻撃すると防御するが・・積極的に攻撃はしてこない・・
センシュボウエイとか言ったか・・愚かな考えだ・・しかし・・あの娘というか兵器・・何とか
してわが国のものに出来ないだろうか・・・)李は全速で撤退する工作船の上で考えていた・・
[李同志!あの巨大少女というか・・兵器というか・・に、動きがありますっ!][何だ・・寝て
しまったのか?][いえっその]李が見ると遠く離れた巨大少女の額が赤く輝いている・・[!?]
赤いレーザーが船の進路の海面に突き刺さると、大きく海面が盛り上がった・・{!!!っ]

「やったっ!うまくいったよっ♪美月っ」「狙い通りねっラビっ」「・・うそでしょ・・・」
海面に強力なレーザーを照射して、水蒸気爆発で船を転覆させる・・・直接船にレーザーを当
てれば蒸発してしまう・・・一応それよりは「安全」だった。
「・・・しかし・・まぁ・・白倉さん、よく食べてただけあって・・凄いパワーね・・」
止血した肩と足を押さえながら、美妃が見上げて呆れたように話しかける・・・
「・・・美妃先輩・・・私のこと・・内緒にしといてもらえます・・・できれば・・」
「内緒にできたらね・・そうしておくよ・・・」
「調査・・・またやり直しね・・・」美月がキャビンを見回してつぶやく。撃ち抜かれたパソコン
やビデオカメラ、資料が散乱している・・・船体もガラスが割れたり、傷だらけだ・・・
「・・調査は・・・また、出来るよ・・場所・わかったし・・」と美妃。「駄目っ美妃・・・・
喋っちゃ・・出血まだしてるんだから・・ラビ、あの人達は・・?」
「ん〜・・船ひっくり返ってますけど・・多分みんな生きてますよ・・・頑丈そうな人達そうだし」
美月達を見下ろしながらラビが様子を窺う・・
「・・救難信号は打っておいたから・・じきに保安庁とか来るわ・・その時に彼らとか・・元気だった
ら厄介ね・・・」「美妃、喋らないのっ・・ラビっ・・美妃を早く病院に・・」「・・私なら・・
まだ・・大丈夫・・。白倉さん・・彼らを・・どこかの基地に・・・」「まとめて行っちゃいましょうっ!
・・美月・・すぐ戻ってくるからっ・・」ラビは、驚く美妃を頭にそっと載せると、転覆した工作船の
方へ泳ぎだした。
562元517(Cookie消えちゃった):03/04/19 20:41 ID:9bM/d3oi
[うう・・何だ・・一体何が・・]李と呼ばれた男は、気がつくと辺りを見回した・・
工作船は転覆し、彼の部下達は殆ど投げ出されて救命胴衣のまま気を失っている。
[何と言うことだ・・・]ふと大きな水音に気付いて振り返ると、敵の巨大少女か兵器か知らないが、
明らかにこちらへ向かって泳いできている![っ!!]目前までそれが迫った時、彼は再び気を失った・・

「・・さっ!白倉さん・・・早く「それ」も置いてっ・・スイッチ戻すから・・・」「・・はい・・
でも・・いいんですか・・こんな事して・・」「早くっ!見つかっちゃうでしょっ!」
本島近くの島の入り江一角・・米軍施設の真っ暗な隅で動く大きな影と美妃の声・・。
美妃の足元には、警備中だった運の悪い海兵隊員が気絶していた・・・ラビが気絶させた訳
ではない。美妃はどうやら病院に急ぐ必要は無さそうだ。・・・
「・・こ、ここでいいですかぁ?」「うん・・OKありがとうね、白倉さん・・さ、飛島先輩達
待ってるよ?早くっ・・」「・・くれぐれも・・内緒ですよ・・じゃ、また後で・・」
美妃はラビの姿が沖に見えなくなるのを待って、スイッチを戻した・・
一斉に照明が戻り、同時にアラームが鳴り響く・・・反対側の他の警備兵が走ってきた。
[誰だっ!君はっ!]Tシャツに救命胴衣姿の少女に銃を向ける隊員・・
[・・私の事もだけど・・あっちが先じゃないですか?・・]
[?・・!!っ・・緊急っ!緊急っ!こちらデルタ2!Dエリアに完全装備で・・]
・・・・敷地の真中には・・ウェットスーツや作業服、見慣れない軍服の男達が折り重なって気絶
していた・・もちろん・・李と呼ばれた男も・・
[そうです!了解っ・・・・おい君っ、彼らは一体っ?・・あれ?どこに行った?っ!]
−ゴンッ− ・・・運の悪い隊員がさらに一人追加された・・・
563元517(終わりです):03/04/19 20:43 ID:9bM/d3oi
「・・お月さん・・ひかる・・・もう、会えないの・・・」「また来年調査ですよね?
美月先輩・・」「っ!!うるさいっ!この小娘っ・・あんたにはムードの欠片も無いのっ!?」
「あ、ムース食べたい♪」「・・お月さん、こんな小娘相手にしないでよっ!・・夏休み
遊び来るよね?」「・・う、うん多分・・じゃ、着いたら電話するよ・・」
数日後、空港でみなとは美月、砂記、ひかるの三人を見送っていた。幸い他の三人に怪我は
無かったが、稲葉教授は「資料の整理で当分残らんといかんから、先に戻りたまえ。」と言い
残して行方不明になってしまった・・残った資料の殆どを美月達の鞄に入れて・・・秋まで
帰ってこないだろう。・・美妃は怪我もあったが自宅で父親からこっぴどく叱られ自宅謹慎に
なったとかで、見送りにも来なかった。ラビの事は美妃以外気づいておらず、新聞等も小さな扱
いで小規模な海底火山の噴火らしきものがあったと伝えるだけだった。
564元517(終わりです):03/04/19 20:44 ID:jnJdAXUQ
[ゴールドマン少将・・それでよろしいのですか?・・今回の一件は本国に報告すべき・・]
[君は相変わらずくどいよっ、その癖は直したまえ、フォード少佐・・海底火山が噴火して、
国籍不明の小型船が余波で転覆し、生存者が偶然わが方の基地に漂着した、それだけだっ!
事件性があるかねっ]
[しかし・・哨戒中の航空機からの電送写真と・・基地の警備兵の証言は・・]
[偵察員には、女の写真撮るのはプライベートの時だけにしておく様に言っておけっ・・
その警備兵には、証言を信用してやる代わりにクビだと伝えろ、若い娘に気絶させられる
様で警備が勤まるかっ!!]
−コンッコンッ− [ん、なんだ?少将はおられるが・・わかった・・少将?よろしいですか?]
[何かね][お嬢さんが・・][ったく来るな、と言っておるのに・・入れなさい]
−カチャッ− [・・お父さん・・・今回、色々ありがとう・・そして・・ごめんね・・]
[・・全くおまえは無茶苦茶な奴だな・・まぁ・・おかげで利益になった事もあったが・・
 ・・・っ!フォード少佐っ!何をやっているんだ?][は?・・いや何も・・・]
[見てても娘はやらんぞっ!降格が嫌なら・・][っ!!失礼しますっ]−バタンッ−
[・・ふぅ・・大丈夫なの・・あの娘の事・・][・・・あの娘は・・あれは・・日本政府のもの
じゃない・・民間のものだ・・兵器でもない・・・報告は必要無いだろう・・・]
[・・・][・・・それに・・日本の諺にもあるだろう?・・・”触らぬ神に・・・]
[・・祟りなし”・・ね・・・][・・・さて・・お前にはまた『鮫用の釣り竿』探してやらない
 といかんな・・だが・・良い友人が出来たな・・・]
[うん・・・・ねぇ、今回の事・・友達にも喋っちゃ駄目だよね・・][・・ごく親しい友人なら、
・・・今回の様な・・・なら、いいんじゃないか?・・・ただ、少しぼかしてな・・・]
[うん・・][・・見送りはよかったのか?][・・またすぐに会うと思うし・・・]
美月達、もう着く頃かな・・と思いながら美妃は窓の外を見やった・・
565元517(終わりです):03/04/19 20:45 ID:jnJdAXUQ
う〜んっ!・・大学・・何か久しぶりの気がする・・・何か曇ってるなぁ・・傘・・要った
かな・・」「おはようございますっ!美月先輩っ♪」「あ、おはようラビ・・じゃなかった
砂記ちゃん・・」「別にどっちでもいいですよ・・・何か・・雨降りそうですね・・」
「うん・・梅雨前だし・・ラビ・・傘は?」「美月が持ってるかな、と思って・・」
−ゴロゴロゴロ・・・−
「ありゃ、雷まで・・それが・・持ってないのよ・・」「あっシンディ持ってるっ!」
「三人じゃ入れないでしょ・・おはようっ!シンディ久しぶりっ」
「っ!・・おはよう、おふたりさん・・」「?どうしたの・何かテンション低いね・・」
「うん、土産話聞かせてくれる・・?」「・・・っあ、そう、これお土産っ・・話って・・
別にねぇ?砂記ちゃん・・」「・・う・うん・・何にも見つかんなかったし・・・(汗)」
「そうなの・・この事知りたいけど・・」シンディは一枚の印刷された紙を取り出した・・。
「なにこれ?ん・・メール?・・・っ!ラビっ!!行くよっ!」「えっ、先輩・・?」
「いいから逃げろっ!!」突然走り出す美月と、強引に手を引っ張られる砂記・・。
「っ!!待てぇっ!!逃げるなっ!!」追いかけるシンディ・・。
梅雨の前触れなのか、降り出した遅い五月雨が濃くなりつつある樹々を洗う・・。
転がるシンディの黄色の傘と、ひらりと落ちた紙・・・・

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   From : miki_g@wakwak......
   Date : Thu,30 May 2013 22:59
   Subject: 秘密だよ・・

   シンディ久しぶりっ!実は先週大学の調査でねっ・・
   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

(おしまい)
566元517(終わりです):03/04/19 20:50 ID:Tt/NNfHZ
長くてすいませんでした(滝汗
後半出てくる悪役さんとかは、多分パーマかけてるおじさんが治めている
国とは関係ない気がします。(笑
もっとシリアスなのにしたかったけど、能力的に無理でした・・では。
567山崎 渉:03/04/20 04:27 ID:z7gJlomW
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
568☆娘:03/04/20 12:27 ID:Co/0L+j5
>★娘さま・・・って勝手に付けちゃってるし(w

ご安心下さい、貴方が秒殺なら私は瞬殺です。
UPおつかれ様&楽しませてもらいました♪
>もっとシリアスなのにしたかったけど、能力的に無理でした
逆に私は設定に囚われて、もっとコミカルにしたかったのに無理でした(w
前回のレスの補足を少々・・・。
ラビは最後に自分の為に時間を動かして砂記になりました。
自分の能力が失われるのを覚悟で・・・。
二度と戻れない人間の女の子と生まれ、美月と巡り合う未来を選んで。
だから時間を操ったり巨大化(機械化)するのは、もう無理なんですが・・・面白いから良いや(爆
こうなると人間欲が出てきて、更なる未来を覗いてみたくなるもの・・・。
特に次回の遺跡調査や隠密裏ながら米軍の知るところとなったラビの存在など弄び所満載。
もっと読んでみたいにゃぁ・・・アナザ−スト−リ−(クレクレ
え〜と、2chでUPする時、あんまり長いと「本文が長すぎます」、
続けて書き込むと「連続投稿ですか」・・・って制約が大きいので苦しめられるのが常ですけど・・・。
文章自体を濃縮し過ぎて、ちと掴み辛い・・・改行しましょう(w
そしてテキスト化して、UPロ−ダ−にも投稿を是非・・・タイトル&作者名も付けて♪
念のためにUPロ−ダ−のURLはこちら↓
http://www.bb.wakwak.com/~yunzo/cgi-bin/clip/clip2.cgi
文体自体をとやかく言う気はありません・・・各人の持ち味なんだから・・・。
私、好きですよ・・・こういう展開・・・自分で書きたくて書けなかった世界でもあるし。
シリ−ズ化してくれると嬉しいにゃあ・・・って、すっかりクレクレ君な私(w
大学のある街でラビが巨大化してドタバタとか、
その能力を活かして美月達と事業を興すとか・・・いかが?
569名無しさん@ピンキー:03/04/20 13:42 ID:fIpito+r
570名無しさん@ピンキー:03/04/20 19:38 ID:SWQ4X9HQ
>543
見たよ、立ち読みだけど(藁
巨大娘プレイの出来るイメクラかい、何処かにないかな?
ところで、巨大娘フェチって一般に認知されてるのかね?

>569
開けないんだけど?

571元517(終わりです):03/04/21 00:33 ID:HXnMVhTv
>☆娘さま
長々と読みづらい文章を読んで頂き申し訳ないです(謝
原文はきちんと改行してたんですが・・2chの掟を考えて濃縮&フリーズドライしたものですから・・(笑
>念のためにUPロ−ダ−のURLはこちら↓
丁寧に教えて頂きすいませんです。
なるほど、あの完結で砂記→ラビには、戻れない設定だったんですね・・設定めちゃくちゃにしてしまいました(汗
う〜ん、続編ですか、☆娘さんに言われると断れないです・・けど、今は考えていません(汗
原作をオンザロックとしたら、パロディは水割り、これ以上水入れるとただの水になりそう・・
オリジナルでもゆっくり考えようかとも思っています。

>ゆんぞさま
駄文ですがアップローダーに勝手ながら置かせて頂きました(謝
タイトル(かなり適当)長くなったんですが、まずいでしょうか?

今回は、一気に思いついていた事を書いたので無理な事だらけでした
無理矢理多くキャラを出させた事、不自然な戦闘シーン(汗
もう少し、勉強してきます。
今書いていて思いついた事 〜 「特殊な鉱石が巨大な何かを作動させるキー」はラピュタの設定でした




572名無しさん@ピンキー:03/04/21 08:14 ID:9KhPGg1o
>黒い星
乙ー!
オモロかったでー!
黒い星・・・三人いたらジェットストリームアタックでける(笑)
573名無しさん@ピンキー:03/04/21 10:43 ID:nnbbTRag
>571
>572
そうか? ただのパクリだし、読みにくい上に意味不明なのは漏れだけか?
571には悪いかもしれんが
574ゆんぞ:03/04/21 13:04 ID:4n44Kl5f
>>571
完結&うp乙。つか反応できなくてスマソです。

良い雰囲気だし、ラビの活躍がちゃんと出てるし、
何よりあの濃いメンツ(w の特徴を掴んで書ききっていると思います。

その反面、読みにくさというか説明の過不足を感じる点も
幾つかありました。例えば、結局美月の朝食は何だったのか
何度読み返してもよく解らなかったり。
急いで書いたのかもしれません。焦らずに行きませう。

# 「オマヘは少しは焦れ」という突っ込みは無しね(w

オリジナルに挑戦されるとのこと、期待してます。
作者の「何か」がより色濃く滲み出ますから。
>517 さんの、ちょっと良いとこ見てみたい♪
575ゆんぞ:03/04/21 13:09 ID:4n44Kl5f
>>570
> ところで、巨大娘フェチって一般に認知されてるのかね?

私もそれ思いました(w
ネタになるほど一般的なん?
576TRPG好き:03/04/21 20:27 ID:6Tu5IBa+
どーもーTRPG好きです
>>517さん
初めまして♪
アップローダーのほうで読ませていただきました♪
確かに随所随所でわかりにくい部分もあったけど、
ストーリーとか登場人物とかはいい感じです♪
続編も見てみたいです。もちろん、オリジナルにも期待してます♪
頑張ってくださいデス♪
>>570さん
>>ゆんぞさん
>ネタになるほど一般的なん?
どうでしょうねぇ・・・巨大娘という言葉自体がまだ一般的とは・・・
あるいは作者さんが実は・・・なんてことはないでしょうね、まさかw
それでは
577元517(黒い星?):03/04/22 00:28 ID:65eFtOz7
早速、みなさまから感想頂いて、とても嬉しいながらも反省しています
元517です。

コテハン・・アプロダにupする時も適当に(w  してましたが、
>542 ☆娘さんの >いっそのこと★娘なんていかが?(w
>572さん >黒い星・・・三人いたらジェットストリームアタックでける(笑)
〜 最初意味気付きませんでした(汗 〜 のお二人からでとりあえず・・「黒い星」に?
何かすぐ負けそう・・・(汗 とりあえず次回から・・・

>573さん、ゆんぞさん、TRPG好きさん、感想&批評ありがとうございます。
ネットに投稿等するのは初めてだったもので、反応が非常に不安でした・・。
力不足は承知の上で欠点を繕いつつ頑張ります。
オリジナルの話はまだ雲のかなたです(汗 
続編ですか・・・うぅ・・☆娘さんに緊急援助要請って・・駄目でしょうか(w

あと、前後してすいませんが・・・
>570さん  ・・・うーん・・メジャーな所で案外ちょっとした話のような形で出る事
        も増えている気がしますが・・どうでしょう?
>ゆんぞさん  美月の朝食は・・トーストもどきって事でご勘弁を・・
        エリザさんの所には、当方の怪我人の手当てを依頼予定ですので、当分多忙
        になると思います(爆

ではまた。







578Pz:03/04/23 12:08 ID:0DdpwFr7
@丘の上の少女
「風が変わったわね・・・。」
日が西に傾きかけた草原。そこにある小高い丘の上に、エリスは座っていた。
青いエプロンドレス。その白いエプロンは黄金色の陽光を反射し、
それ自体が金色に染まったように見えた。
肩まで伸ばした見事な栗毛はその光に負けないぐらいに黄金色に輝く。
少しだけ冬の気配を感じさせる秋の風が、エリスの髪をそよがせた。
「もう冬の匂いがし始めたね。」
少年の声。
エリスは膝の上にちょこんと乗せた小さな少年に優しく微笑みかける。
小人の少年。
風がさわさわと、黄色く色づいた木の葉を散らし、ななかまどの梢を揺らした。
小人の少年・・・。
ななかまどの木は、風になびく栗毛をそっとかきあげるエリスの
座ったままの胸にもとどかない。
巨人の少女。
風景事物を対称とするならば、このように表現するほかはない。
「エリスとずっとこのまましていられたらなー。」
白いエプロンの上で、少年はごろりと横になった。
クスっと笑う巨大な少女。
その巨体がかすかに震えるのを少年は全身で感じる。
579Pz:03/04/23 12:11 ID:0DdpwFr7
A
「だーめ。今日も御家の手伝いを怠けているんでしょ。クラウス。」
エリスの巨大な手首がゆっくりと動き、大木のような指がそっと少年をつつく。
「エリスが手伝ってくれれば畑仕事なんてすぐに終わるのに。」
クラウスと呼ばれた少年は甘えるように言った。
膝の上の少年を見下ろしながら、エリスは言う。
「この体じゃ、荒地の開墾ぐらいしか手伝えないわね。畑道を踏み壊しちゃうもの。」
エリスは遠くに見える街を見ながら、少し声を落としてそういった。
その巨大な体は、クラウス達の小さな世界での共存を妨げた。
強靭な肉体は、かわいらしいその外観からは想像もつかず、その力もまた
この世界でかなうものはなかった。
膝の上からエリスを見上げるクラウス。
大きな胸が、エプロンドレスを押し上げ、光る栗毛が輝く。
甘い女の子の匂い。
ため息をつくエリス。
「エリス、寂しいの?」
古代の遺跡から、この小さな世界に突然現れたエリス。
別の宇宙からやってきたのか。
見知らぬ国を訪れた好奇心一杯の少女。
しかしこの小さな世界で、彼女は拒絶されてしまった。
580Pz:03/04/23 12:16 ID:0DdpwFr7
B
「私のこと、街の人たちはなんて言っているのかしら。」
エリスは膝の上のクラウスに聞く。
物怖じせずに、エリスに近づいてきた唯一の小さな世界の人間。
黙り込むクラウス。
丘の上の怪物、と呼ばれていることなど言えるわけがなかった。
「少しばかり体が大きいだけなのに・・・。」
街に近づくだけで、軍隊を出してくる小さな人間。
エリスはその小さな人間達の自分に対する脅えが悲しくて仕方なかった。

すっかり日は落ちてしまう。
「さて、お家に帰るとしましょうか。」
エリスはゆっくりと立ち上がる。大きなお尻の跡がついた
草原をそっと手で毛羽立たせる。
地響きを立て、彼女がこの世界に現れた遺跡に向かって歩き出した。
「エリス。また明日!」
クラウスが叫ぶ。
振り返り、微笑みながら手を振るエリス。
やがて、巨石により作られた巨大な門の中に消えていった。
「エリスはどうしてこの世界にやってきたのかな。どこに毎日帰っているんだろう。」
真っ暗になった丘の上、クラウスは毎日同じことをつぶやく。
いつもこの丘の上に座り、じっと街を見つめている彼女。
クラウスはその姿が何か悲しく思えた。
581Pz:03/04/23 12:19 ID:0DdpwFr7
C
その日は何日も晴れが続き、空気は乾ききっていた。
強い季節風が吹きすさび、枯れ始めた草原をざわめかす。
色つき始めた木々の葉を舞い散らせ、森をごうごうと吹き抜ける。
クラウスの住む市街地が大火に見舞われたのはそんな晩秋の夜のことであった。
ランプが強風に煽られ、戸板にたたきつけられたのが発端だった。
瞬く間に火は家屋に燃え広がっていったのだ。

乾いた空気に強風。街は深夜の火災により、赤く照らし出された。
猛烈な火勢に、人々は無力であった。
小さなポンプ式の消火設備が数台持ち込まれたが、焼け石に水、を地でいった。
煙に巻かれ、大勢の住人が街の外に避難する。
クラウスもまた、そのうちの一人だった。

明るく地上を照らし出す月夜。黒煙がそれをも覆い隠そうとする。
クラウスは、通いなれた遺跡への道を走っていた。
「エリス、エリスだ。エリスなら、街を救えるかも!」
彼女の強靭な体、凄まじい力。
役立てるなら今ではないか。
クラウスは走る。
582Pz:03/04/23 12:29 ID:0DdpwFr7
D
30分も走ったろうか。
遺跡の前にたどり着く。
「エリス!エリス!出てきて!エリス!」
クラウスは絶叫した。
もう街は燃え尽きるかもしれない。
早く出てきてくれ!叫ぶクラウス。

「どうしたの?聞こえたわよ。私の部屋まで。」
巨大な石の門が明るく光った。
エリスが驚いた顔でその大きな体をクラウスの前に現した。
寝ていたのであろうか、皮製のサンダルに、ナイトドレス姿だ。
巨大であるだけで、なんらクラウスたちとは変わらないエリス。
「火事だ!街が燃え尽きちゃうよ!助けて、エリス!」
クラウスが叫び、彼は遠くの町を指差した。
寝ぼけ眼をこすり、エリスは燃え上がる街を見やった。
「大変!助けに行かなくちゃ!」
エリスも眠気が吹っ飛んだようだ。
ずしり、と、大きなサンダルを踏み出し、クラウスの前に膝を着く。
大きな膝が、クラウスの前に巨大な壁のように聳え立った。
「乗って。」
家屋を一掴みできそうな手をクラウスの前に差し出しすエリス。
583Pz:03/04/23 12:34 ID:0DdpwFr7
E
クラウスはその大木のようなエリスの指に足を掛け、掌によじ登った。
立ち上がるエリス。
凄まじい重力にうめき声を出したクラウスに気がつき、
「あ、ごめんなさい。」とだけいう。
目は、燃え上がる市街地を見つめていた。
「ゆれるけど、我慢してね!」
それだけいうと、エリスは市街地に向けて走り出した。
地響きを立て、走り出すエリス。
掌の中のクラウスは生きた心地がしない。
じっとりと、エリスの大きな手が汗ばむのを感じる。
「エリス、もっとゆっくり!」
叫んだが、エリスには聞こえなかったようだ。
真っ白なナイトドレスのすそをたくし上げ、エリスは走った。
荒地の雑木を巨大なサンダルが引っ掛け上げ、数十メートルちぎり飛ばした。
道に深さ数メートルの巨大な足跡をつける。
だが、エリスはそんなことに目もくれずに街へと走った。
584Pz:03/04/23 12:41 ID:HqMtiAMo
E
わずか5分足らずで燃える市街地の前にエリスは立った。
日ごろなら、城門警備の軽騎兵がエリスの前に並び、歩兵砲を
引っ張り出してるころだ。
が、この日はさすがに様子が違う。
巨人の少女なぞ、目もくれずに街の住民は城門の外に逃げ出していった。
「あ、あの、私に何かお手伝いさせてください!」
逃げ惑う群集を見下ろし、エリスは叫ぶ。
突然の巨人の襲来に驚く人々。
だが、消火に当たっていた警衛将校が、城門の中を指差し叫ぶ。
「アパートが燃えている!まだ人が居るんだ!助けられるか!」
小さな将校を見下ろし、満面の笑みでエリスは大きく、「はい!」と返事した。
ようやくこの街の住人にまともに話しかけてもらえたのだ。
クラウスをそっと肩に乗せ、ナイトドレスのすそが城門に引っかからないように
持ち上げ城門をまたぎこす。
「あ、いけない。」
サンダルを脱ぎ、素足になるエリス。
サンダル履きのままなら、舗装道路を踏み抜くかもしれないし
小さな人を踏みつけたら悲鳴が上がるまでわからないかもしれない。
慎重に足を置く位置を見極めながら歩くエリス。
大火に見舞われた街の人々は、エリスの巨体を目の前にし、恐慌に拍車を掛けてしまう。
エリスを見上げ、悲鳴をあげる住人達。
585Pz:03/04/23 12:44 ID:HqMtiAMo
F
悲しそうな顔をするエリス。
「あの、みなさん、落ち着いてください!」
エリスの可愛い声が、街の中にとどろく。
巨大な脚の下を逃げ惑っていた人々は皆驚いて巨人の少女を見上げた。
「走らないでゆっくりと歩いてください。城門で将棋倒しになりますよ!」
「火はまだ大通りまで来ていません!落ち着いて歩いてください!」
ずしり、ずしりと巨大な足は、避難する人々をよけて石畳に下ろされる。
燃え上がる五階建てのアパートの前にエリスはやってきた。
彼女の腰高さしかない、石つくりのアパートは激しく黒煙を巻き上げている。
真っ赤な炎が窓から噴出していた。
エリスの肩の上、彼女の髪の毛に捕まっているクラウスが、大きな耳に向かって叫んだ。
「エリス!人が窓にいる!」
煙に巻かれ、窓から半身を出している人たちをエリスは見た。
ゆっくりと、膝をつきアパートに顔を近づける。
「怖がらないでください。今、助けますから。」
大きな手を突き出し、窓から半身出している人たちをエリスは次々に摘み上げ、
地上にそっと下ろす。
18人もの人々を窓からつまみ出した。
そのうちの若い女性が半狂乱になって叫ぶ。
586Pz:03/04/23 12:48 ID:HqMtiAMo
G
「子供がまだ中に居るのよ!」
無言でその若い女性をそっとつかみ上げるエリス。
巨人の少女につかみ上げられ、さらに悲鳴を大きくする若い女性。
エリスは手に少しだけ力を入れた。
苦しげなうめきを上げ、女性のヒステリックな叫びがやんだ。
「ごめんなさい。でも落ち着いて。あなたの部屋はどこですか?」
冷静な巨人少女の声。
若い女性エリスの清んだブルーの瞳を見上げ、最上階の一室を指差す。
「窓から二番目の部屋よ。ベッドに寝かしたままなの。」
エリスはその部屋を窓から覗き込む。煙が激しく噴出している。
ゆっくりと、膝の位置を変えて背筋を伸ばす。
若い女性をそっと地上に降ろしエリスはその窓に右手を突っ込んだ。
巨大な掌は部屋の間仕切り壁を簡単に突き崩し、部屋の中をがらんどうにした。
赤ん坊の激しい泣き声が聞こえた。
煙の中にベビーベッドを確認し、そっとそれをつかむ。
ガラガラと、外壁を崩しながら腕を引き抜くエリス。
掌を抜き出すと、そっと手を開く。
赤ん坊の泣き声。
無事だったのだ。エリスは満面の笑みを浮かべ、若い女性の目の前に
そっとベビーベッドを下ろした。
エリスを見上げ、感謝の言葉を繰り返す若い女性。
エリスの周りにいた住人から拍手と歓声が上がった。
顔を紅潮させるエリス。
「やっと役に立てたのね。私の体。」
587Pz:03/04/23 12:51 ID:HqMtiAMo
H
「さて、火をけさないと・・・。」
ゆっくりとエリスは立ち上がる。あたりを見回す。
ざっと8棟は火がついている。水を掛けるにも、エリスのサイズに合うバケツなんぞ
ありはしない。
「あーん、どうしようかしら。運河から水を汲んで掛けられればいいのでしょうけど。」
城門の外に流れる運河を見る。それはゆったりと流れていた。
炎がいっそう大きくなる。
エリスは意を決した。
クラウスを肩からそっと地面に下ろす。
「恥ずかしいから見ないでね!」
そういうや、エリスはナイトドレスを一気にぬいだのだ。
下着一枚となり、大きな乳房がぶるんと揺れながら現われた。
クラウスは息をのみ、暫く凍りついたようにエリスを見上げる。
自分の身長よりも大きな乳房。目が釘付けになってしまう。
片手で胸を隠すエリス。少しだけクラウスをにらんだ。
顔を真っ赤にして丸めたナイトドレスを小脇に抱え、ずしずしと地響きを
立て城壁をまたぎこすエリス。
運河のほとりに注意深く膝を着き、ナイトドレスを浸した。
たっぷりと水を含ませ、それを燃え盛る家屋にまで運んでいったのであった。
少し小走りになる。地響きが大きくなり、道の舗装も痛み始めた。
が、巨大なドレスを燃え盛る家屋にかざし、それを絞ると大量の水がまかれる。
火の勢いは衰え、さらに濡れたドレスを家屋にかぶせ火を消したのだ。
それを十数回繰り返す。
半裸であることも忘れ、エリスは必死に火を消した。
588Pz:03/04/23 12:53 ID:HqMtiAMo
I
火を噴き出している最後の一軒の建物。エリスはたっぷりと水を浸したドレスを両腕で
前に突き出しその前に立った。
水を吸って重くなったドレスを建物にかぶせた、そのとき、建物が倒壊し始めたのだ。
「あ、いけない!」
叫ぶエリス。
三階建ての石作りの建物は火災で倒壊寸前だったのだ。
あわてて壁面を両手で押さえた。
エリスはそこで信じられないものを見た。
崩れかけた三階の窓に立派な風貌の男性が半身乗り出しているのだ。
「ごめんなさい!両腕ふさがっているんです!」
小さな男性に叫ぶエリス。
初老の男性は、煙と炎にまかれ、この巨大な少女を見上げた。
見事な金髪をなびかせ、ぺたんとお尻をつけて建物を両腕で押さえている少女。
大きな乳房が目の前で揺れる。
炎に照らされ、少女が何か女神のように見えた。
「崩れる!飛びうつってください!」
顔を真っ赤にして叫ぶエリス。
初老の男性はこの巨大な少女の言う意味を理解するのに少し時間がかかった。
目の前でゆれる大きな乳房にしがみつけ、という意味か。
時間がない。
「早く!」エリスが叫んだ。初老の男性は鼓膜が破れるかと思った。
彼はエリスの乳房に飛び移った!
ガラガラと、エリスの両腕の中で壁が倒壊するのと同時だった。
そっと乳房にしがみつく初老の男性を両手で掬い取るエリス。
「あ、あの、お怪我はありませんか?」
ぼんやりとしたままの初老の男性。
「やわらかかった・・・。」
それだけ言って気を失った男性。
589Pz:03/04/23 13:01 ID:VWF+tYQi
J
エリスが到着してからものの三十分で火は消された。
ぼろぼろになったナイトドレスを片手に、エリスは城門をまたぎこす。
警衛将校が、手すきの部下を整列させ、エリスに向かって敬礼をした。
街の住人からはいっせいに拍手と歓声が上がる。
エリスはまた顔を赤くした。両腕で胸を隠し、
「どういたしまして。またお手伝いに伺います!」
そういって、地響きを立てながら遺跡に向かって歩き出す。
「エリス!ありがとう!」
クラウスが大きな声で叫ぶ。
振り返り、微笑むエリス。
590Pz:03/04/23 13:03 ID:VWF+tYQi
K
「エリス!今日は珍しい格好だね!」
クラウスは思わず叫んだ。
火災の翌日。やはりよく晴れた秋の日の正午。
クラウスはエリスが今日も現れると思って、遺跡の前で待っていたのだ。
遺跡の門から現れたエリスは、スカートではなく、
太ももをあらわにする短いズボンのようなものをはき、袖のついていない
シャツのような白い上着を着ていたのだ。
「ええ。下から覗かれるとお手伝いもできないでしょ。復旧の!」
さらに、クラウスの自宅なら5軒は入りそうな大きなバケツを手に持ち、
やはり一気に畑一反を掘り返せそうな大きさのシャベルを中に入れている。
「お庭用の道具よ。私がお手伝いすれば、焼け跡もすぐに片つくわ!」
明るく、高揚を抑えきれない声を出すエリス。
「エリス、凄いよエリスが助けたのは市長さんだったんだよ!」
クラウスは待ちきれずに叫び、持ってきた新聞を大きく広げた。
「へへ、待ってました。クラウスが新聞持ってくると思って用意してたの!」
と、言うやエリスは胸のポケットから虫眼鏡をとりだした。
「どこもエリスの絵で一杯だよ。」
エリスの大きな指が、器用に新聞をつかみとりそれを虫眼鏡の前に持ってゆく。
と、彼女は暫く固まったようになった。
591Pz:03/04/23 13:06 ID:VWF+tYQi
L
見る見る顔を赤くしてゆくエリス。
「どうしたの?エリス?」
クラウスが不思議そうに聞いた。
「もう。恥ずかしくって街にいけないわよ!」
クラウスを見ながら、新聞を投げ出すエリス。
新聞には、イラスト入りで昨晩の巨人少女の活躍が掲載されていた。
そこには、半裸で街の中に聳え立つエリスのイラストと、
彼女の巨大な乳房にしがみつく市長さんの記事が大きく載っていたのだ。
「街の英雄だよ。エリス!」
クラウスが明るく笑った。
エリスは顔を赤くしたまま、街を眺めた。
「みんな早く忘れてくれないかしら!」
「それは無理だよ。英雄なんだから、エリス!」
エリスはそっとクラウスをつかみ上げる。
そしてゆっくりと立ち上がった。
「恥ずかしいわ・・・。」
と、言うエリスの耳元でクラウスがささやく。
「丘の上の怪物なんて呼ばれるよりも、ずっといいよ。
街の男は皆エリスのフアンになったよ。」
少しだけ笑ったエリス。が、彼女自身も内心嬉しくて仕方がなかった。
「ええ?怪物なんていっていたの。失礼ね。」
地響きを立てながら歩き出したエリス。
やがて、城門の前に立ち、エリスは住人達の歓声に迎えられる。
顔を真っ赤にしながらも、少し涙をにじませる。
冷たい北風がエリスの見事な金髪をそっとなびかせた。
だが、エリスはその風すらも温かに感じることができたのだった。
                               完
592Pz:03/04/23 13:09 ID:VWF+tYQi
結局、巨大少女が何しに小人の世界にやってきたのかは、
そのうち書きます。今考えてません。
あ、あと、破壊系も書く、書くから!
593TRPG好き:03/04/23 22:28 ID:CfDxHYyk
どーもーTRPG好きです
>>Pzさん
[丘の上の少女]拝見しました。お疲れ様です♪
クリスマスのときも感じましたが、なるほど、こういうストーリーも
書かれるのですね♪
冒頭のエリスとクラウスの会話、火事に包まれた町での人々の救出、
消火、そしてラストシーン・・・全部好みの場面です♪いいもの読ませていただきました♪
描写もいいし・・・♪
>結局、巨大少女が何しに小人の世界にやってきたのかは、
そのうち書きます。今考えてません。
ぜひ、書いてください♪・・・二人が如何にして出会ったのか、とかが気になりますw
これからも頑張ってくださいデス♪
それでは
おまけ
赤ん坊を助け出すシーン、先を越されちゃったw
こういうのそのうちやりたいなぁ、と思ってたw
594名無しさん@ピンキー:03/04/23 22:47 ID:AgnZTpyM
595ゆんぞ:03/04/23 23:08 ID:0LAgpZv1
本当にええ話ですた。

TRPG好きさんも書いてますが、
冒頭の静かな語らいから一変して 火事での救助活動、
そして最後の 助けられることを心底喜んでいるところまで、
場面ごとにそれぞれエリスたんの違ったところを引き出しているのが
やはり凄いなあと。うん、エエ娘や(w

災害救助は いつかやろうと思ってました。
TRPG好きさんといい、やっぱ考えることは同じっすね。

# 乳房に捕まらせるところがPz流と思ったのは内緒w
596Pz:03/04/25 00:26 ID:wdABu1zS
>たせさん
ありがとさんです!
こんな世界も書いてみたいと思ってはいたのですけど。
この話の原型は、凄まじい鬼畜メイドさん物でした。
でも、あなたの「ユメミルフネ」を読んだとき、負けないぐらいに
驚きましたよ。
続編期待!
>ゆんさん
あー。一文字違いだし。エリザさんの作品世界に似ちゃってるし。
でも、エリスと来たら、中尉殿ではないかと・・・。あと森鴎外とか・・・。
続編では、もちょっと時代を進ませます。

なんか食いつき悪いなー。俺がホノボノ書くと退いてしまうか?
597名無しさん@ピンキー:03/04/25 12:30 ID:7EP3coNu
モチはモチ屋だと思う。
あの人が感想カキコしてないのが証拠だ。

598元517(黒い星?):03/04/25 18:49 ID:qzZqCOw3
Pzさんの「丘の上の少女」読ませて頂きました。
冒頭の部分や、サンダル履きの描写等、細かく書かれていて、
私ごときが言うのもあれですが、Pzさんの雰囲気が出つつ、
とてもほのぼのしていたと思います♪

      >俺がホノボノ書くと退いてしまうか?

597さん >モチはモチ屋だと思う。

う〜ん・・先日、初めてパクリではありますが文章を書いた時に、得意ジャンル(?)
と言うか、自分が一度書きたい方向というのが出来ると、他の部分に
軌道修正するのは大変だと感じました。(到底私は破壊系・・書けません(汗))
そんなエネルギーを持ってそうな、Pzさんの次回作期待しています。
(なぜかマジレス;;;)

 追伸 ・・・高熱でました・・・どうか中国製の病気でありませんように・・・
599Pz:03/04/25 22:10 ID:D69vQ0HL
>597
なるほどね。あの人か。
>517★さん
ありがとう。でも、軌道修正というほどでもないかと思う。
前作の印象が強すぎるのか、よっぽどつまらんか。
オリジナル作品、期待してます。
あの怒涛の創作には恐れ入った。

600ゆんぞ:03/04/26 01:16 ID:1mVvPg3d
>>597
うーん、変にオーソライズすると、当の本人が
重荷に感じるんじゃないかとと思います。

気楽に行きませう。
601名無しさん@ピンキー:03/04/26 20:18 ID:/OAFtusq
あの人ってダレだ、暗号じゃワカンネ?
602名無しさん@ピンキー:03/04/27 23:26 ID:S59y7Zhp
ゆんぞさん所、更新 絵も見ました(w
603☆娘:03/04/29 09:00 ID:I2aqNRD7
>Pzさん
読んだまま感想書くの忘れていたあるね(泣
最近物忘れが酷いあるよ(汗汗
格調高い、ほのぼの巨大娘の王道あるな♪
火を消すのに違う方法が頭に浮かんだ☆は汚れてるある(w
最近、この口調が抜けないある・・・私生活でも抜けないある(爆
エリスはやっぱり「影」の人あるか?(謎
クラウスとの更なる触れ合いに期待あるね♪
604☆娘:03/04/29 09:10 ID:I2aqNRD7
って、もう忘れてるある・・・。

>黒い星(517)さん
自分で振っておきながら、何か抵抗のあるコテハンあるな(汗汗
うちので良かったら存分に弄んで欲しいある・・・。
オリジナル作品にも期待あるよ♪
605名無しさん@ピンキー:03/04/29 09:29 ID:y9Bup9Hp
キショイ
606Pz:03/04/29 22:12 ID:dMmbT7aE
>☆娘さん
相変わらずの中華風ですか。
ちょっと考える時間があったようですね。
火を消すのに違う方法・・・。
それは別の場所でやります。
書き込みありがとうございました。
ボノ系標準の認証取得成功か。
607callon:03/04/30 21:21 ID:qyn1JHvH
>>576
>>ネタになるほど一般的なん?
>どうでしょうねぇ・・・巨大娘という言葉自体がまだ一般的とは・・・
>あるいは作者さんが実は・・・なんてことはないでしょうね、まさか

昨日のイベントで上藤政樹氏から新作巨大娘マンガの話を聞きました。

タイトルは「G(ジャイアン)テスター」で5月末頃発売予定
上藤氏によれば「これでジャイアンテスという言葉をメジャーにするんだ」との事!

これで巨大娘の将来も安心だねっ!!
608名無しさん@ピンキー:03/04/30 22:50 ID:dOXLPiDD
>callon氏

マ ジ す か ? 祭 の 予 感 !
609名無しさん@ピンキー:03/05/01 14:46 ID:uYoZ3XdM

馴れ合いで褒めてもらえないと逆ギレっすか。

ここだけじゃないけど,最近この界隈ダメダメじゃん。

そんな態度で,この趣味をメジャ−というか普及させようだってさ(笑)

ここから出て外界を見なよ。

外界の荒波に遭ったらたちまち沈没しちゃうぜ。

本当にイイ物なら,自信があるなら作品勝負だろうが。

自慰行為を褒めあって何がしたいんだ。

上藤氏に期待するね,漏れは。

610名無しさん@ピンキー:03/05/01 19:26 ID:B/YtAUdf
>>609
何もしていないお主に、そんなこという資格はあるのか。
たとえどのような作品であろうと、裾野を広げるという観点から見たとき、
その努力をしている人たちには、頭を下げるべきではないのか。
611名無しさん@ピンキー:03/05/01 20:53 ID:MNCSK1Sj
>>609
とりあえず投稿作品に対して批評(批判ではない)
の一つも書いてみたらどうでしょう。
自分が能力的に(技術・知識・経験等)、
その作者より優れているということを暗に示してください。
そうでないと、(あなたの言う"外界"にいる)強者方に自分を投影して、
荒波の凄さをさも知ったふうに語っているだけに見えます。

あと"最近ダメダメ"と言うなら、ご自分で変えていけば良いでしょう、
それが出来ない・するつもりが無いなら、
以後そのようなカキコは慎んでください。
612名無しさん@ピンキー:03/05/01 22:23 ID:ovP9tFFn
>609〜611
まずは何も書いてないなら黙ってろという常套句はご勘弁を、自分も何も書いてないから。
確かに何かを生み出すのって大変なエネルギーを必要ですね。
だけど褒めないと書いてくれないみたいなの感じたことないですか。自分は時々感じてます。
読んで感じて本音の感想書くだけじゃ駄目ですか。率直に聞きますがなんでこれが褒められるんだろうってのに遭遇したことありませんか。
自分は時々自分が鈍いのかと首をかしげる時があります。本当にこれ面白いのかなと思う。
そういう時馴れ合いは本当にあるのかなと疑ってしまう時があります。
613名無しさん@ピンキー:03/05/01 23:06 ID:gtf/h0u1
なれ合いでもいいんじゃねーの?
金払って見てる訳じゃないだろ、おまいら。
なれ合いがウザければ、無視してればいいじゃん。
そんな事ばっかり言ってる批評厨がいるから、
みんな裏に引っ込むんだよ
614名無しさん@ピンキー:03/05/02 02:25 ID:DUO2qdiD

面白いか面白くないかは人それぞれだから、それぞれの感想があっても不思議じゃないよ
私は、むしろ本来の才能や感性をスポイルしてしまうことが怖いよ
作品を公開するって事は賞賛を浴びるか批判を浴びるかだ
それが怖いなら作品など発表しない方がいいんじゃないのかね
確かに金は払ってないな(笑
でも、馴れ合いの先に未来はあるのかね
日本特有の権威主義やら事無かれ主義やら持ち出してまで続けて楽しいのかね
作品命、間違っていないと思うよ
615名無しさん@ピンキー:03/05/02 08:15 ID:wW1I4tVS
作品命、反対。

このスレは巨大娘でマターリするスレで、
後世に作品を残すため参加者一同血の汗流して
切磋琢磨する場所じゃないはず。
616名無しさん@ピンキー:03/05/02 09:53 ID:aEl1h8jx
作品命はチト行き過ぎかもしれないけど・・・。
でも、ぼのスレ誕生の経緯を考えれば無敵スレとは明らかに違うだろう?

前ぼのスレは1000レスを待たずにバイト数オ−バ−で書き込めなくなった。
前無敵スレは1000レスに達しても全然余裕だったんだからさ。

作家さんが多くて創作中心のスレなんだから性格が違うよ。
それに
>このスレは巨大娘でマターリするスレで
って言うけど、そんなレスほとんど見ないぞ?
切磋琢磨する場所じゃない、だから馴れ合う場所なのかい?

漏れは10ページさん、黒い星さん、callonさんに期待しているね。
馴れ合いじゃなく作品作ってる態度が感じられて。
最近☆娘さん見かけないのが残念だけど。
617名無しさん@ピンキー:03/05/02 12:36 ID:LeD7VARr
ちょっと突っつかれたら疑心暗鬼してしまう、弱いつながりだってこった。

618Pz:03/05/02 14:19 ID:SUKriMwU
わはは。何であれ、二作目進行中。
エロ含有量増量!
行き過ぎたら、無敵スレにあげます。
619名無しさん@ピンキー:03/05/02 17:20 ID:yh8Cft0k
>>609
見たい者は見れば良い。だが、外界を見る必要は無い。

>>610
下げたい者は下げれば良い。だが、その必要は無い。
それぞれが好き勝手に作品を作っているだけの話で、
裾野を広げようと意思もそんなに崇高なものではない。

>>611
条件に該当する者が居たとしても慎む必要は無い。
一方的にルールを定められ、それに倣って「慎め」と言われたところで
それに従う意思など生まれはしない。

>>612
感性は人それぞれ。気持ちは分かるが自分を疑う必要は無い。
相手を思いやる気持ちは悪いものではない。

>>613
無視する必要は無い。裏に引っ込む者の心配をする必要も無い。
したければ勝手にすると良い。ただ、必要はない。
620名無しさん@ピンキー:03/05/02 19:23 ID:ynURRes6
どうしてこういつも、マターリしすぎると不穏な空気が流れるんでしょう。
次行こう、次
621名無しさん@ピンキー:03/05/02 20:52 ID:ff+USw5b
>619
自己主張できて満足できました?

>620
スマソ・・・
622元517(黒い星) :03/05/02 22:47 ID:Cmepxp1f
何やら久しぶりに覗くと穏やかでないですね・・
とにかく批判したい人もいるでしょうし、それをたしなめたい人も
いるでしょうし。私としてはどちらも否定はしません。

Pzさんを見習って(増量ぶりに期待(笑))よければ気分転換に短い話でも
作ってみます。オリジナルは・・・・(激汗;;;   まだですので、先日
偉そうなことを言ってしまった手前書きづらいですが、また前回の続編でも
・・・だめですか?(笑 >☆娘さん

新しいキャラクターを考えていてもまだラピやら美月やらがうろうろしてますんで・・・
あと>616さん という訳でまだパクリ主体ですので期待はしないで下さいね(笑
623juuroku:03/05/02 22:59 ID:hHgo18HH
書き込めるかな・・・?
624名無しさん@ピンキー:03/05/02 23:11 ID:yh8Cft0k
>>621
謝る必要は無い。場を汚すことに後ろめたさを感じたのだろうが、
謝るぐらいなら実行に移さないことだ。
625juuroku:03/05/02 23:28 ID:hHgo18HH
ああ、やっと書き込めるようになった(涙

批判と批評は違うよね。
褒めるのだって批評、ニュートラルな視点で書ければね。

しばらくの間、傍観者になってみて、「コテハン持ち回り」な感じがしたのも事実。

「名無しでどんどん感想書き込んで鯉や〜ゴルァ〜」って感じ?

なんて当たり前のこと書いててもしゃーないな、おいら茶かし専門だし。

さあ、これからいっぱい茶化すぞ〜と
626名無しさん@ピンキー:03/05/03 05:05 ID:bA4T2dlj
>>624
おまえその調子なら自分にもレスできんじゃねー?
してみ?
627名無しさん@ピンキー:03/05/03 12:19 ID:2gINRYEQ
>してみ?

ワラタ
628名無しさん@ピンキー:03/05/03 15:43 ID:2gINRYEQ
>>626
楽しみに繋がらないことは遠慮しておく。
先程は不覚にも笑ってしまったが、それを実行したところで愉快にはならない。
629名無しさん@ピンキー:03/05/04 01:21 ID:6zsUkWEy
笛地静恵氏ってどんな人なの?
やたら文化的だね
630名無しさん@ピンキー:03/05/04 02:51 ID:w+VJDmfD
>>628
不愉快な事にあえて目をそらすとは、あんたらしくねーな。
631名無しさん@ピンキー:03/05/04 02:52 ID:w+VJDmfD
事を、だ。
632名無しさん@ピンキー:03/05/04 22:03 ID:is2pQQ4r
>>630
人間易きに流れるもの。逃避は至極当然なことだ。
逃避するだけでは進歩を得られはしないが。
633名無しさん@ピンキー:03/05/05 00:30 ID:q6psiBv1
>>632
そうか。わかってるならいいんだ。
634juuroku:03/05/05 17:14 ID:tJRFBW8t
いまさらですが、不快な表現があったことをお詫びします。

コテハンの人と同じ位の頻度で、名無しの人も感想書き込んで欲しいって主旨だったんですが。冷静になって読み返してみると、なんともはや(冷汗

批評じゃ無くったって、ファンレターちゅうかラブレターみたいな書き込みでもかまわないと思ってみたり

以上自己レスですた。スマソ…
635名無しさん@ピンキー:03/05/06 21:52 ID:lS6RrmqV
これがほのぼのスレねぇ(笑)
636☆娘:03/05/07 21:15 ID:zmDPh32Z
え〜っと・・・難しい事は解らないので・・・。

>黒い星さん
お返事遅くなりました・・・すいません(汗汗
また存分に弄んで下さい・・・期待しています(w
637Pz:03/05/09 01:50 ID:jfp0+mHU
>黒い星さん
なんか書いてー。
オリジナルなら、なおよろし!
638juuroku:03/05/09 12:22 ID:8Wz1t7bo
>黒い星さん
続編もオリジナルも楽しみにして待ってます。
ラビのからだ、大きさ変えられるんだから、10倍といわず、30倍50倍に巨大化なんてアリかも(爆
もてあそび過ぎ?(汗

額の玉石の着け外しで、アイゼンボーを思いだしちゃった(謎
あ、あれはサイボーグか(汗

>☆娘さん、Pzさん
お二人の新作、続編も待ってます〜
639名無しさん@ピンキー:03/05/09 20:54 ID:6afkg1cL
ここはいい、静かの海だ。
多少揺れる事はあっても、それは互いの創作や姿勢に対してだ。
泥棒猫はいない。
640名無しさん@ピンキー:03/05/10 00:26 ID:edjL0xva
馬にして家中を乗り回したい。
馬にしたままテレビを見たり。
柔らかい背中に跨ったり、肩車をさせてぷるぷるさせて
その振動を楽しみたいな。


一度やってみたいのは 女の子二人を並ばせ 二の腕どうし 膝どうしを
ロープで縛り 四つんばいにして 二頭立てのメス馬にする
まず 二頭立て牝馬になって歩く練習をさせ 足並みがそろってきたら
二頭立てメス馬に跨り 乗馬すれば 女の子の負担は半分ですむし 足もつかなくなるので
本格的な乗馬ができそうだな


でもどのくらい乗ってられるのもだろう
逆に短いと欲求不満になってしまうかも
矢張りある程度は乗って歩いてもらわないとねえ
641名無しさん@ピンキー:03/05/10 03:45 ID:sWyCvSKK
>>640
オマイ様、前にも同じような事書き込んで場違いだと言われなかったか?
しかも、ageるなと言われたろう、学習能力無いのか?
懲りない御人だね?
642名無しさん@ピンキー:03/05/10 16:30 ID:9qntQTeO

偶像破壊のスキャンダル、
http://ono-mayumi.isFun.net/
アコムCM--小野真弓のコア画像が流出、すごおお(^^)/

643元517(黒い星):03/05/10 18:08 ID:6JwVGUdZ
>☆娘さん
>Pzさん
>Juurokuさん

そのように言って頂き、ありがとうございます・・・(謝
ちょっとネタ切れというか・・つまってたんで・・・途中までですけど
ageときます。オリジナルを書く為の、練習みたいなものと・・・暖かく見てやって下さい・・・。
644元517(黒い星):03/05/10 18:09 ID:6JwVGUdZ
  北北東に進路をとれ?(1)  〜『時のウサギ』美月とラビのアナザーストーリ(2)〜

−− 1:夏の終わりに −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

− ツクツクホーシ
     ツクツクホーシ −
     − ジィーッジジジ・・・ −

「はぁ・・・・夏も終わりか・・毎年の事だけど・・」大学の構内で美月は少し高くなった空を見上げてつぶやいた。

(今日から大学か・・・今年の夏もいろいろあったな・・もう研究室開いたかな・・)
・・夏休みは予想外に大変だった・・ひかるが語学研修でアメリカに一夏行くから、静かで少し寂しい夏かと思いきや、シンディが美妃
のお見舞いに行くと言って、半ば強引にあまり気の進まない美月と砂記(ラビ)を連れて行き、どこで嗅ぎつけたのか、ちゃっかりみな
とが現れ、その後に毎日のように起きた騒動・・・

(砂記ちゃんの水着、やっぱり少女趣味だったな・・みなとに言われたからって、そんなに怒る事もないけど・・・そういえば沖縄って
いつもあんなに兵隊さんだらけなのかな?・・・)
ビーチで馬鹿にされたからと言って「仕返しだっ」と砂記が危うく『ガラスのうさぎ』を持ち出そうとした事・・ホテルから市場から、
ビーチまでやたら米軍とかの人がいた事・・笑いながら3人を止めていた美妃とシンディ・・

(・・・そういえば・・シンディってどこまで知ってるんだろう・・?・・その後も深く追及とかして来ないし?・・)
そんな事を考えながら美月が学内の掲示板迄来ると、そのシンディがいた。
645元517(黒い星):03/05/10 18:10 ID:6JwVGUdZ

「おはようおふたりさん・・、美月・・・これ見た・・・?」何故かうんざりした顔をシンディは向けた。
「今来たばっかよ、それに私一人よ・・?」
「おや、大体ワンセットになってるものと・・・どうしたの砂記ちゃん?」
「さぁ、普段連絡とか・・特に取らなくても大体、途中で会うし・・・じゃなきゃ寝坊でしょ・・」
「おや、可愛い妹分がいないとは・・途中、不逞の輩にかどわかされたか?・・さぁここで一大事、不安な気持ちを一途に抱いて、美月
は砂記の面影を胸に、一人路傍へ走り出すのでありました・・・」
「・・・・シンディ・・最近、強く頭打った?・・・」
「・・もう・・ちょっと位のってよ・・最近”無声映画”時代の事調べてるから・・」
「シンディ、専修は『日本の近代文化』・・・だった?・・言葉はうまいけど、それってちょっと・・・」
「広く学ぼうとする意志を買って貰いたいな、ところでこれ見てみてよ・・・」
646元517(黒い星):03/05/10 18:11 ID:6JwVGUdZ
『−研究の件で用有り、2日午後に以下の研究生は当該の研究室来られたし− (飛島・玉造・白倉)  白兎より』 

「”しろうさぎ”ね・・・・そんな洒落っ気を考える前に、呼び出す日時を考えて欲しい・・・」・・今日は9月2日だった。
「・・・まぁ同情するけど・・今日見たくないもののランクでは・・?」
「一応、今の所・・ナンバーワン・・・」
「今の所?」
「・・・・・砂記ちゃん起こさなきゃ・・・それもランキング上位確実よ・・・・」
「・・・?」

シンディは首を傾げながら、元来た道を戻っていく美月の後を追った・・・

−−

『こちら・・T1、ターゲット2は他一名と同行し、移動中・・行先は目下不明!』
『了解・・・引き続き監視を続行せよ・・・くれぐれもターゲットに気付かれぬように・・同行者の素性は?』
『恐らく留学生か何かと・・・監視続行します!・・・交信終わり』

−−
647元517(黒い星):03/05/10 18:14 ID:eqZ6+HOE
「あ、やっぱり・・・自転車置きっぱだ・・・寝てるな・・・」
「何?ここ・・・・?美月の所のすぐそばじゃない?」
「そう・・・何時の間にかね・・引越してんの、砂記ちゃん」
「二人とも・・実は本当の親戚か何か?」
「いや全然・・・(汗  」
「・・・・そう・・・まぁいいけど・・・そっか・・・」何やらわかったような顔をしてシンディは一人で頷いている。

−ピンポーン−
「・・・ま、これぐらいじゃ駄目なのわかってるけど・・」美月がボタンを押しながらつぶやく。

−ガン ガン ガン−
「まだ駄目か・・・・」「美月・・・いつもハンマー持ち歩いてるの?」「護身用。」「・・・・。」

−カチャ カチャ カチャ ・・・ カチャンッ ガチャッ−
「よしっ!」ヘアピンを片手に美月は楽々とノブを回した。
「・・美月・・・あなたの正体って・・・実は腕利きの空き巣さん?・・・」シンディは文字通り目が点だ。
「まさか・・開けられるのはここだけよ・・・何回もやってるとコツがわかってね♪・・怪しまれるからあまりしないけど・・・」
(ハンマーの時点で十分怪しいよ)・・・シンディは心の中に言葉をしまっておく事にした・・言葉にすると疲れそうだ。
648元517(黒い星):03/05/10 18:15 ID:YM+/AFOk
「美月の部屋よりは明るいし、片付いてるね・・・」シンディが玄関から見回して言うと、
「悪かったわね・・でも、明るいけど片付いているかどうかは・・ちょっとね」部屋のドアを開けた瞬間・・・

「・・さむっ!・・あの馬鹿エアコンつけっぱで寝てるよ・・・」
「・・・お見事な寝相と状況ね・・・」

机の下でだらーんと寝息を立てている砂記・・・机の上は・・かき氷器と・・いちごのシロップと・・水と・・ワイン・・・
ビールの空き缶と枝豆の食べ残しまである・・・

「・・砂記ちゃん、起きてよ・・・」・・まずシンディが優しく言うと・・・
「・・すー・・・・・・なんか・・・さむぃ・・・・んー・・・・・南極・・・・」
「・・・起きろ馬鹿砂記ッ!!!!!」突然大声を上げる美月。
「美月っ!どうしたのっ!何っ!・・・・・あれ?・・・ここは?・・・」
「おはようじゃなくて・・こんにちは・・・さっ片付けて・・・行くよ。・・・っにしても何しようとしてたの・・これ・・」
「・・・あぁ・・美月と・・シンディも・・・んん・・・去り行く夏を急いで味わおうとして・・・」・・ねぼけまなこの砂記・・
「・・・夏風邪ひくのは、おばかさんっていうのよ・・・」
「美月、それ日本の諺?はじめて聞くけど・・」シンディが尋ねる。
「・・・そうよ、とにかく早く・・もうお昼よ・・・」
「・・・私・・馬鹿じゃないもん・・・・」
「・・はい、はい・・・・シンディ、片付けるの手伝って・・・間に合わなくなりそう・・・」

数十分後・・・身支度を終えて、美月とシンディの後をのろのろとついていく砂記・・・

−−
649元517(黒い星):03/05/10 18:16 ID:YM+/AFOk
−−

『こちらT1っ・・繰り返すこちらT1っ・・緊急っ・・』
『こちら本部・・どうした?気付かれたか?』
『ターゲット1を確認、繰り返すターゲット1を確認・・ターゲット1の自宅と思われる箇所も同時に確認ですっ!』
『なにっ!・・確かにターゲット1だな?住所も確認とは本当かっ?』
『こちらT1っ、確かです、ほぼ間違いないものと思われますっ』
『・・でかしたT1・・付近状況もあわせて確認の上、監視を継続せよ・・くれぐれも慎重にな・・』
『T1了解・・・住所はM市○○町5−1・・付近状況の調査部隊を要請します』
『・・本部了解・・ただちに準備に入る・・・』

−−
650元517(黒い星):03/05/10 18:17 ID:YM+/AFOk

「余程・・・・諸君は、遅刻が大好きの様だね・・・玉造君に至っては、来てもいないようだが・・・?」
「稲葉教授・・玉造さんは、研修で帰国していません・・ご存知なかったですか?・・・」
「・・・いや、琉球の調査に手間取ってな・・・連絡が取りづらかったものでな・・」
(夏休みに探した時も、目撃情報は国際通りとかの飲み屋街ばかりだったですよ・・・・)美月は慣れっこなので、もちろん口にしない。

「・・・しかし・・・あれだな、今回の調査メンバーは少数精鋭で考えておったが・・足りんな・・」
元からただでさえ少ない研究メンバーは、教授の言動のご利益もあってか・・・更に減っていた・・・

「稲葉プロフェッサー、私、駄目ですか?」
「おや?君は?・・・しかしいつの間に・・・」
「最初からいましたよ、教授・・彼女は日本の中世文化の研究で、今うちに留学に来ている・・・」
「シンディデ・・イイデス、プロフェッサー・イナバ!」
「おお、そうかね、日本文化はなかなか深遠だ、研究員も不足しておってな・・今では猫の手・孫の手・杓子の手・・何でも借りたい
状況だ・・・。ミス・シンディ、喜んで君を今回のリサーチのチームに迎えよう・・うん。」
[Thank you very much! Great professor!]
651元517(黒い星):03/05/10 18:18 ID:YM+/AFOk
数分後・・・
「・・・・・・。」
「何よ美月・・・どうしたの?」
「・・・シンディ・・さっきの言動は何?・・・突然『外国人』になりきって・・・」
「こちとら、オークランド生まれのサンフランシスコ育ち・・ちゃきちゃきの米国人よっ・・・」
「・・・・だから・・それが、何故、あんな口調になったのって・・」
「あのタイプって・・英語っていうか・・外国っぽいの弱そうだったから・・・・とにかく、美月達と一緒に行きたかったし・・・」
「・・女優の道か・・詐欺師の道も・・あるわね、シンディには・・・」
「そうっ?ありがとっ・・誉め言葉と思っとくから♪」
「・・・みつきせんぱい・・おひる・・とうにすぎましたけど・・まだですか・・・」
「ありゃ砂記ちゃんが止まりそう・・・お昼行こうか・・・」
652元517(黒い星):03/05/10 18:23 ID:4hRd49Ls
とりあえず、冒頭だけです。短編の予定が・・・・(汗

Juurokuさんの巨大率変更の分もアイデア取り入れようかなと・・・☆娘さんの許可済に
しないと、まずいような・・・・

ではまた・・・後ほど
653元517(黒い星):03/05/10 18:35 ID:aek8PqJP
あれ・・・スレッド壊れた・・・・?(激汗
654名無しさん@ピンキー:03/05/11 00:25 ID:8dEWGEla
生きてるYO
カキコOK
655juuroku:03/05/11 22:38 ID:66fhilhz
>黒い星さん
どもです、juurokuと申しまつ。

前回に引き続きアナザーストーリーですね
キャラクターの把握と味付けがグッドです。

前回は水上戦てことで、いまひとつ…こう…派手さがにゃかったんで。今回に期待揚
ほのぼのスレなのに何を期待してるんだ、おいら(汗

シンディが最初カタコトだったのは演技だったのか(w

なにか悪だくみの香りがしますねぇ。何者なんだろう
もう一個のワルダクミも許可を貰えるといいにぁ〜
656元517(黒い星):03/05/12 00:29 ID:0nII2oY7
>Juuroku さんじゃなくて juurokuさんでしたね (汗
すみませぬ・・・
>派手さ ・・・・・・ん〜出してみるように頑張ってみます・・・
ところで、どんな意味の『派手さ』ですか? いや・・ヒトリゴトです。
>もう一個のワルダクミ  ・・・☆娘さんに怒られるかも。でもしたいトコロ (w

とりあえず、前編終わらせてみたので、上げておきます。続きをどうするか、ご意見お持ちして松。
657元517(黒い星):03/05/12 00:29 ID:0nII2oY7
−− 2:南の島の夏の夜 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「さてと・・・今日もそろそろ支度するか・・」

美月たちが遅い昼食を取ろうとしていたのと同じ頃・・約1500キロ離れた南の島のある一軒のバーの店先・・

「マスターッ!何だ今日は遅いじゃないかっ・・はい郵便・・月初めだから請求書ばっかだよ・・」
「・・・おお、ありがとよ、今月は苦しいよ・・・先月の飲み代つけやがった連中の支払いがとんと悪いんでね・・」
「飲み屋の宿命だろ、第一そんなツケの代金で首が回らんほど、きついのかい?」
「先月・・・特に悪質な連中が2組いてな・・この店の3、4か月分の家賃ぐらいをツケで飲んで、まだだ・・・」
「人が良過ぎるよ、マスターは・・・慰めに今夜寄ってやるからさ」
「おぅ、ありがとさん、しかし・・・一人は米さんの将校だったし、もう一組は大学教授とか言ってたから、安心したんだがな・・」

マスターはほぼ一ヶ月前の事を思い出していた・・・
658元517(黒い星):03/05/12 00:30 ID:0nII2oY7
「おい、マスター・・・もう一杯だっ!!」
「・・・少佐さん・・・いくらジョニ黒だからって、そんなに飲むと体と財布に悪いよ・・ここん所毎日だし・・」
「階級で呼ぶなっ!・・俺はフォードだっ!フォードっと呼べっ・・・」
「・・・軍服で来てるでしょうが・・じゃフォードさん、どうぞ・・6:4で割ってますよ・・・」
「そんな薄いの飲めるかっ!・・ストレートっ!次はストレートだっ!」 
「・・・・・。」
「・・・Shit!・・・何だよ・・・あのチキンデブ・・・いやローストポークだ・・・俺の休みを返せっ!」
「・・・少佐の旦那・・・じゃなかった・・フォードさん・・・休み取れてないんで?」
「当たり前だ!・・・・・いつもの夏期休暇時に、非常呼集がかかって・・・」
「・・・別に・・・新聞には何も?・・・」
「そりゃ記者も書かんよっ!・・・可愛い愛娘の海水浴に1個中隊出す馬鹿野郎は記事の価値にもならんっ!」
「・・・?」
659元517(黒い星):03/05/12 00:32 ID:EzkV41A/
「・・・うちの副官の・・少将だっ!・・確かに娘は可愛い・・と言うか・・なかなかお目にかからん程の可愛さだっ!・・・遺伝子が
つながっているのかが疑わしいほどだっ・・・」
「・・声が大ですよ・・・フォードさん・・・それで、休みが?・・・」
「当たり前のことを聞くなっ!・・・出動の中隊の現地指揮だ・・・何を指揮するのか・・部下には文句言われるし・・」
「・・・・・・お気の毒な事で・・・」
「・・・まぁ、1個中隊出したくなるのもわかるが・・・あれもいたし・・・」
「・・あれ?」
「・・・っと・・・いかん・・これ以上は軍機だったな・・・忘れてくれ・・しかし、俺にも金があれば・・あの娘を・・・」

「おーい、ますたぁ、こっちにも・・・」
「はいよ、教授どの・・・」


一人になった将校の側に忍び寄る人影・・・

「・・・だ・ん・な・・・」
「何だ貴様は?」
「いや、お近づきの印に・・・この店の飲み代は今日の位持ちますよ・・・・」
「・・・・・・・・何が目的だ・・・・・」
「とんでもない軍機を教えてもらおうって訳じゃありません・・・ただ・・お小遣い稼ぎにはなるし・・間違っても少佐殿が営倉に行く
事はないですから・・・その程度の事ですよ・・・」
「・・・・内容によるな・・・こう見えても私は大統領に忠誠を誓った者の一人だぞ・・・」
「・・・・みなさん・・そうおっしゃいます・・・実は5月の海底火山の件で・・・大分、こちらは知ってはいるんですがね・・」

「・・・・・っ!」フォードは思わずグラスを落としそうになった・・・
660元517(黒い星):03/05/12 00:33 ID:EzkV41A/
「・・・・・では・・そういう事で・・・・」
「くれぐれも・・私からという事は内密にな・・・」
「・・・勿論です・・・・ではここらで・・失礼しますよ・・・・・」

「ありがとうございましたっ・・・・ん・・何ですか、フォードさん・・・今の・・お知りあいの方で?・・・」
「・・あ、あぁ・・そうだ、マスター・・・。さてっ!」
「お帰りですか?」
「馬鹿野郎っ・・・夜は今からだっ!・・・マスター今度は、バーボンだっ、一番いい奴をな。後ろの酔っ払いの二人組にも、俺からの
おごりだと、やってくれ・・・」
「・・・失礼ですが・・・大丈夫で・・・?」
「ああっ・・金のめどはついたっ・・いい話もたまにはないとなっ!・・・マスターっ早く早くっ!」
「・・・はい、はい、フォードさん・・・」

−−

「・・・あの日の分はもらったんだけどなぁ・・今度基地に取り立て行ってやろうかな・・・あとR大にもだ・・・」

何時の間にか太陽が西に傾き出しているのに気付き、マスターは店の看板を表に出して本格的に準備を始めた・・・
661元517(黒い星):03/05/12 00:34 ID:EzkV41A/
その頃・・・バーから数キロ離れた港の一角の、とある事務所では・・・・

「・・はい・・次の方・・・」
「おじさん、お久しぶりですっ、これお願いしますっ・・・」
「おぉ、R大のべっぴんさんかね、船はもう・・・?」
「先々週にドックから出て・・・久しぶりの航海ですっ」
「おお、そうかね・・・嬢ちゃん達に会えるのが、数少ないおじさんの楽しみだからね、嬉しいよ・・・しかし、災難だったね、火山の
噴火に巻き込まれるとは・・・」
「・・・(汗  ・・・そっ、そうなんですよ・・・やっとね・・・」
「まぁ、無事でよかったよ・・・あ、そうだ、嬢ちゃん達の所、新しい人でも入ったのかい?」
「え?」
「いや・・先週だったか、先々週だったか・・・5月の嬢ちゃん達の船の記録を閲覧しに来た人がいてね・・・基本的に公開だから不要
なのに、ご丁寧に米軍の許可書かなにか迄持って来てね、だから覚えてるんだが・・・・新人さんだから知らなかったのかな?・・・」
「・・・それで?・・・」
「いや、船名と入出港日と、予定の海域と・・・航海目的・・『M大との遺跡の共同調査』だったかな?・・それだけ見て帰っていった
よ・・・?」
「・・・どんな人だった・・?・・許可書の写しとか取ってる?・・・」
「嬢ちゃん達と同じか、少し年上くらいの、人で・・多分内地の出身だろうな、言葉に全く訛りがなかった・・許可書の写しは・・・
念の為、取っといたが・・また明日来てくれるかい?・・探しとくよ・・・」
「・・・・おじさん、ありがとね・・」

(・・何か引っかかるな・・・・・お父さんに言う程の事じゃないけど・・・)・・美妃は考え事をしながら事務所を後にした・・

−− (2)につづく −−
662Pz:03/05/13 00:35 ID:8Oxe+quO
わーい。新作だー。
と、当たり障りなく感想書き込むと
コテハン回り持ちの馴れ合いといわれそうなので、
率直な感想書き込みます。気に障ったらごめんね。
もうちょっと、登場人物が、どこにいるのか、何をしているのか、
描写が必要だと思った。
台詞の連続は作品にテンポを与えるが、反面気ぜわしい印象を与える。
二次創作は、他者の作った設定にのっかてしまうので、どうかすると、
作者が楽しんでるだけ、となる危険がありそうな気がします。
以上は、私が読んでいて感じた点です。
ストーリーは面白くなりそうですね。
何よりも、書き上げてくれるところが立派です。
オリジナル作品にも期待します。

ジョニーウオーカーも安くなったよね。
外圧万歳!
663名無しさん@ピンキー:03/05/13 19:39 ID:GTbss68d
保守
664☆娘:03/05/14 01:05 ID:uWyutETE
>黒い星さん
あっ、また書いてくれたんだ〜♪
今度は一転して北ですか?
前作と比較すると随分読みやすくなっていますね。
可変サイズを含めて、思う存分弄んで下さい・・・期待してます!
665元517(黒い星):03/05/15 23:35 ID:tyEej7Nn
どうも、黒い星です。眠い・・・

>662 Pzさん

>率直な感想書き込みます。気に障ったらごめんね。
いえ、そうして頂いた方が・・・・先輩方に教えて頂くのは、何よりも替えられない有難さです・・。

>もうちょっと、登場人物が、どこにいるのか、何をしているのか、
>描写が必要だと思った。
>台詞の連続は作品にテンポを与えるが、反面気ぜわしい印象を与える。
>二次創作は、他者の作った設定にのっかてしまうので、どうかすると、
>作者が楽しんでるだけ、となる危険がありそうな気がします。

確かにそうですね・・・自分がわかっているつもりでも、最初に見た人が「これ何?」
となる危険があるなと・・・読み返して思いました。反省。推敲という奴をしない悪い癖です・・。
気を付けます・・。
あと、ここは匿名性が高いから誤解とか、色々あるのは仕方ない事です。ま、それは置いといて楽しくやりませう。

ジョニウォーカー・・・黒しか知らないです・・・こちらは、もっぱらニッカとか・・・

>664 ☆娘さん

許可ありがとうございます♪・・・早速・・・いや、これまたヒトリゴトです。
とは言いつつも、今週末迄には終わらせようかなと・・・・普段からロクな事考えてないなぁ・・(汗
でも何にしても、締め切りが無いとやらない性格なもので・・・自分で自分に締め切りをと・・・。

オリジナルは・・・ウイスキー絡みで何となく・・・開拓時代の西部とか・・・おぼろげな考えです。
では・・・・
666名無しさん@ピンキー:03/05/16 20:43 ID:owZGXAxd
黒い星さん、がんがれー。
667名無しさん@ピンキー:03/05/16 21:52 ID:IUs/ePI8
>>黒い星さん
気になったんですが、リーダ[・・・のこと]が多すぎてちょっと鬱陶しいです。
リーダが悪いとは言いませんが、657-662の台詞のほとんどに
リーダがあるのはテンポも悪くなりますし、読みづらく感じる人も居ますので。
削れるところや句読点にしておくべき所は幾つか見受けられるので、
推敲の際には気に留めてみてください。

「自分が判っているつもりでも〜」というのはモノカキのほとんどが陥る通過儀礼のようなものなので
落ち込む必要はありませんよ。少しずつ場面を描写できるようにしていきましょう。
668☆娘:03/05/16 23:37 ID:x1iz7Hvb
>黒い星さん

設定の件で内密にお話をしたいのですが・・・私、メアド公開してないし(泣
先程、ゆんぞさんの了解を得ましたので、一度ゆんぞさん(愉噺)にメ−ルいただけないでしょうか?
よろしくお願いいたします♪
すぺしゃる・さんくす、ゆんさん
669ゆんぞ:03/05/16 23:54 ID:YUUiessg
えー、暫くこっちに書いていませんが、生きてます(w
ちうわけで、宜しくお願いします>黒い星

あと、亀レスですが Thanks >>602
こういう「ミタヨー」の一言がまた嬉しいのでつw

ではお決まりの一発を……

「俺は踏み台かぁ〜!」>☆
670☆娘:03/05/16 23:59 ID:x1iz7Hvb
踏み台です(w
671元517(黒い星):03/05/17 00:53 ID:uJ6A5Ysy
二晩連続のカキコは久しぶりの黒い星です。眠い・・・って昨日も言ったような・・

>666さん  意味深な番号をゲットしちゃいましたね〜(笑 ありがとうございます。

>667さん  成る程と思ってみましたが、見直してたらそれどころじゃない・・ってまた使ってるし。
      「てんてんてん」では無くリーダーと言うんですね、こんな所でもボロが出てくる(汗
      前回アップした要らない所だけでも落とすと2KBくらいも減りました。
      全く恥ずかしい限り。ダイエットしなきゃ(笑

>668〜670 何だか☆娘さんとか、ゆんぞさんとかに早速迷惑掛けまくっているような・・(汗
      すいませんです。

二次創作なので、原作者の方に意見を言って頂けるのは助かります・・さて、お叱りを受けにと(汗
672callon:03/05/17 09:26 ID:gVJHChP+
プロローグ
************
 20××年、真夏を思わせるような灼熱のゴールデンウイーク。その日を境にこれの人生は狂ってしまった。いや狂わされたといったほうが正しいかもしれない。
K県A市、抱え込んだ基地の重圧につぶされベッドタウン化の波にも乗れず、かといって田舎というにはあまりにも騒がしい街が俺のホームグランドだった

 その日、予備校からの帰り道にいきなり国道で声をかけられたのがすべての始まりだった
「Hey, You, come together!!!」

 いきなり急停止した軍用ジープから降りてきた屈強な兵士4人に取り囲まれた俺は、何もわからぬままジープに乗せられ普段は外から見ることしかできない基地の中へと連れ込まれたのだった。
673callon:03/05/17 09:26 ID:gVJHChP+
まるで捕らえられたスパイか何かのように、迷彩服の兵士に両脇を固めれたまま俺は司令官だという人物の前で尋問を受けた。
「キミノナハ イシガミヒロシカ?」
「放せって言っているんだろ、俺が何したって言うんだよ!」
「イシガミヒロシデ イイノダナ。」
「だからそれがどうしたって言うんだよ!」
「キミハシツモンニ コタエルダケデイイ。」

 わけもわからず尋問された俺は半ばキレかけて暴れた。

「シズカニサセロ」
「イエッサー!」

 次の瞬間ヘビー級ボクサーに殴られたかのような痛みが下腹を襲った。

「ガッシュウコク ダイトウリョウノ メイレイニヨリ
 キミヲあるふぁいんトウノ シセツニシュウヨウスル。」

司令官の冷たい声があたりに響いているのが聞こえたが、すぐにブラックアウトしていった.....

------
674callon:03/05/17 09:27 ID:gVJHChP+
------

 アルファイン島、太平洋のど真ん中の孤島。島全体が合衆国軍の基地と付属施設になっており、一般人はほぼ100%立ち入ることはできない。そのアルファイン島に今、俺はいる。
 ステルス戦闘機の飛び交う空はどこまでも青く、海はどこまでも広い。沖には原子力空母と潜水艦がニ三隻。都会の喧噪とも、下がる一方の株価とも、いつ発売になるか全くわからないエロゲーとも無縁の生活がここにある。
 俺の後ろには今の生活の舞台となる家があった。見かけは三階建て、その実高層マンション並みの巨大な一軒家。俺の足で一周するのに五分以上かかるデカさ。でも俺の家族には狭いくらいだった。

 この島に連れてこられた俺を出迎えたのは自称執事の一太郎・二太郎・三太郎の三人の爺さんだった。
「ヒロシ坊ちゃま、お待ちしておりました。」
「おい、坊ちゃまってなんだよ。」
「おや、旦那様から何も聞きになってらっしゃらないのですか。」
「旦那様って俺の親父のことか。」
「はい、他にどなたかおられるとでも。」
「いや。」
675callon:03/05/17 09:28 ID:gVJHChP+
 俺の親父はいわゆる世間で言うところのマッドサイエンティストだ。二十年前ふとしたことで世界標準のOSのシステムが自分が10代のときに作ったソフトのパクリであることに気づき、以来毎年日本の国家予算の1%ほどのギャラを稼いでいる。
根っからの風来坊で一年のうち十一ヶ月は世界のあちこちを夫婦で旅している。

 んなわけで俺の記憶にはオヤジの姿はほとんどない。
「そういえばここ数年、ろくに顔を合わせたこともなかったな。」
「坊ちゃまには秘密にされていたようですね。」
「おやじがまた何かしでかしたのか。」
「いえ、この島のオーナーは旦那様でございます。」
「はぁ?」

 親父は収入のわりにはいつもギリギリの生活費で暮らしていたが、俺は子供に対する教育の意味なのだと思っていた。『子孫のために美田を残さず』ではなかったのか。
「そうですね、収入の九割はこの島の維持費と生活費になさってましたから。」
「いったいどういう生活なんだよ。」
「そこは、ほら、ねぇ。」
「なんだよ、まだ何か隠しているだろう。」
「いいえ、何も。」
「そもそもなんで俺がここに連れてこられたのか説明がないのはどういうことだ。」
「些細な事なんかどうでもいいじゃないですか。」
「どこが些細なんだ?」
「いちいち気にしていたらこの島では生きていかれませんよ。」
「なにしろ坊ちゃまは今日からお兄さんになるんですから。」
「そうですとも。」
「へ? お兄さん? おれには兄弟なんていないぞ。」
「それは日本での話です。この島には坊ちゃまの来るのを今か今かと待っている九人のお嬢様方がおられます。」
「い、妹? それも九人だって?」
「そういえばまだ紹介が済んでいませんでしたね。三太郎、お嬢様がたをお呼びして。」

 しばらくして目の前に現れた妹たちを見て俺は声を失った。
「≦∧γ*▽√◇◎∽×○♭〜♪」
 それもそのはず。妹たちは全員、天を衝くような巨人だったのだから。

676callon:03/05/17 09:43 ID:gVJHChP+
新作 思いつきで始めてみたけれど本文はまだ考えてない。

キャラ表はできてるんだけどね。

長女 :チエ  年齢:19 身長:8.5メートル
次女 :アリス 年齢:18 身長:9.0メートル
三女 :レイナ 年齢:17 身長:7.9メートル
四女 :アリサ 年齢:17 身長:7.7メートル
五女 :ミドリ 年齢:16 身長:8.3メートル
六女 :ナナ  年齢:15 身長:7.5メートル
七女 :メグ  年齢:15 身長:6.9メートル
八女 :ユナ  年齢:14 身長:6.4メートル
九女 :ヒナ  年齢:13 身長:6.2メートル

これ以上書くとネタばれになる(もうなってる?)ので.....
たぶん、登場人物・場所・団体等の名称は全て架空のもので実在しません(藁
677ゆんぞ:03/05/18 01:22 ID:JhQ5BRic
>>670
反応早すぎw
まさかハリセン持って待っていたとは……

>>672
うわは。巨大シスプ(以下略
678元517(黒い星):03/05/18 01:53 ID:z4JA0KfS
眠いと3連中の黒い星です・・
>672 callonさん おお、9人も・・・エライ事になりそうですね
自分も今の早く終わらせなきゃと・・(汗
そろそろ次スレの事も考えないといけないんでしょうかね・・>ALL
679名無しさん@ピンキー:03/05/18 19:47 ID:oQCXdNqJ
callonは人気がねーな
680名無しさん@ピンキー:03/05/18 21:11 ID:WbsJKxRp
当たり外れあるけど俺は好きだ。
681juuroku:03/05/19 20:39 ID:YTNlwSDJ
>callonさん
小さめですね6倍くらいかな。でも×9だからおにいちゃんも大変だ(何がw)
682名無しさん@ピンキー:03/05/19 20:51 ID:bhEL3Hhm
>>679
あの人,レス返したり返さなかったり気まぐれだからな(笑)
683ゆんぞ:03/05/20 02:59 ID:8/lJQsDW
洋一にとっては妙案の積もりだったが、洋子は訝しげに彼を見て問い返す。
「なに当たり前のことを問うておる?」
「え?」
ぽかんと口を開けたまま固まる洋一。
本当に何も知らない様子に、洋子も苦笑するしかない。
「はぁ……それだけ時が下ったということなのかのお……」
ため息交じりに洋子は、自分がこの土地の守り神だったこと、
それゆえにこの姿であることを洋一に聞かせる。
「神様だったんだ……」
なぜか洋一には不思議なほどすんなりと信じることが出来た。
神様が居るとは彼自身思ってもいなかったが、
いま目の前にいる耳付きの巨大な巫女を他に説明することもできない。
「神様……願い事?」
呟きながら、洋一は友人が持っていた漫画の一場面を思い出していた。
電話で偶然呼び出した女神に願ったこと。それが良さそうだ。
洋一は洋子の方に向き直り、少しだけ得意げに言い放つ。
「じゃあ、お願いは……僕の友達になって欲しいんだ!」
684ゆんぞ:03/05/20 02:59 ID:8/lJQsDW
だが、洋子の反応は先の漫画と全く異なる。
「はぁ?!」
大きくきつい声と共に、突然洋子の表情が険しくなった。
彼女にとってみれば、それは余りにも尊大な願い事だったからだ。
「守り神である我と同じ身の上になりたいと?」
怒りさえ秘めた眼で洋一を見据え、詰問する。
「いや、あの……」
睨まれた洋一は怯み、小さく数歩後ずさる。
まさに蛇に睨まれた蛙という表現に近かった。
大きさもそうだが、怒気を含んだ眼光は明らかに人のそれと異なる。
ついに洋一は身を伏せ 亀のように丸くなってしまった。
ごめんなさい、ごめんなさいと譫言のように繰り返している。

洋子はそんな洋一の姿を上からじっと見下ろしていた。
ここまで脅えている小さな少年を見ると、怒る気も失せてしまう。
考えてみれば小童の他愛もない願いではないか。
「まぁ良かろう。面を上げよ」
洋子は出来る限り優しい声で そう言った。

だが、友と聞いて彼女の中で引っ掛かることもある。
自分が狐石に封じられてから相当な時を経ているのは明らかだ。
出雲に帰って、どれだけの友が残っているだろうか……。
「どうしたの、洋子さん?」
洋一がおずおずと問う声で、洋子は はっと我に返る。
見ると目の前の少年が自分を案ずるように見上げていて、彼女は少し焦った。
言葉には出さなかったが、表情に出てしまったらしい。
「いや、何でもない。気にするな」
洋子は手を下ろし、洋一の小さな頭をそっと撫でた。
「それより、さっきは悪かった。怖かったろう」
685ゆんぞ:03/05/20 03:00 ID:8/lJQsDW
えっと。
忘れてるかもしれませんが、狐巫女モノの続きです。
前の分はこちら↓
ttp://www.bb.wakwak.com/~yunzo/upfile/2.txt
686.:03/05/20 06:39 ID:p048QWZB
作品を出して、それが人に見られて何か感想を得たいという気持ちは良くわかる。そ
れは作品を作る人間に共通する思いだ。
しかし、同じ趣味を持っている中だけで公開のし合いをしているだけでは、何の発展
もしないということを何故気付かない?
作品を作る者が最初から注目されることは絶対にありえない。しかし、外界ではそん
な逆風にもめげずに日々努力を続けている作家が数多く居る。
こんな場所で創生期頃から注目され、狭い範囲の限定的な感想のみしか得ていない人
間と外界の人間を比べたときどちらが勝つか?そんなのは言わなくても分かるはず
だ。

はっきり言ってしまって悪いが、こちらの板に投稿されている作品は大人気の☆娘氏
の作品であっても中の下以下。それ以外は見る価値なしだ。☆娘氏は突出しているか
もしれないが、この程度の人間はこの世にたくさんいる。たまたま巨大娘を扱ってい
るというだけなので全くたいした事は無い。
それ以外の文章に関しては☆娘氏のイリナやステラをパロっているだけであり、全く
創作ではない。
練習目的で書いているのであれば問題は無いが、もう数作目のはずだ。はっきりいっ
てやりすぎ。そろそろ自分で一から組んだら?
687.:03/05/20 06:40 ID:p048QWZB
創作者さん、こんな生ぬるいお湯につかったまま創作者としての自分を続けるつもり?
このジャンルで今までそうし続けて消えていった者は多い。二の舞になるの?

これを見て何も貢献して無いくせに威勢のいい発言するなと感じた香具師。
自分たちが思っていることが常識だと思わんように。ま、もっともギブアンドテイク
を信奉している香具師は社会不適用者かヒッキーのどちらかだろうねえ。
そんなチープな考えにかしずいている暇があったら外の世界を見る努力をしたら?
ま、もっともそこまで考えが回るほど頭のいい香具師は居ないと思うがね。
ねえ、けも(ポメにょ・萌天)さん、nidaimeさん(^^。
大して上手くも無いのにギブアンドテイクなんか標榜しても仕方ないじゃない。
ガキかいあんたら?
688名無しさん@ピンキー:03/05/20 13:06 ID:aUpqc0E4
>ゆんぞさん
洋子たん、やっとキター!
もううpしないのかと思ってましたよ、イヤーヨカタヨカタ
しかしそのお願いダメ? ッち(笑)
さあ、この後どんな絡みが待っているのか気になるところ、
その辺期待してよいですかね(ニタ)

最近は癒すものといいハイペースですな、
この調子で、ガンガンいってくだせぇまし。
689名無しさん@ピンキー:03/05/20 14:05 ID:C9imYKkZ
>>686-687

何も貢献していないくせに、威勢のいい発言をしているのを自らが
認めているのはいいとしても、自らが「良い小説」「上手い絵」と
思うような作品を列挙・プッシュして、普及に貢献するぐらいの事は
出来るはず。ただ愚痴をこぼすだけでは、普及にすらならん。
690名無しさん@ピンキー:03/05/20 16:51 ID:tnCxvmfE
SMARTBRAIN社長ハケーン(゚∀゚)
691名無しさん@ピンキー:03/05/20 17:29 ID:zq8KXJ2D

ココリコ田中ハケーン


(^^
692名無しさん@ピンキー:03/05/20 19:28 ID:fEcXVXeP
>688
ご苦労である
ゆんぞも人気がないと困った事態になる
693元517(黒い星):03/05/20 19:39 ID:qaOX/K9+
>683〜685 ゆんぞさん
この後が気になるところです。次の舞台は出雲?・・・西だったらいいなぁと・・(謎

>686〜687さん 
早朝からの保守作業有難うございます。ご不快かもしれませんので、その時は以下、スルーお願いします。
>692さん


北北東に進路をとれ?(2)  〜『時のウサギ』美月とラビのアナザーストーリ(2)〜

−− 1:それぞれの思惑 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 時間はやや遡る。8月の終わりの深夜、大陸の半島にある某国の某海軍基地の一室・・。

[金上佐、君は偉大なるわが民族の共和国に、多大な損害を与えてしまった事を認識しているのかねっ!]金モールを沢山つけた、恰幅
のいい軍人の声が響き渡る。
[はっ、誠に申し訳ありませんっ!予想外の事だった物でっ!]
[帝国主義者との闘争に打ち勝つ為の、貴重な外貨収入が文字通り水泡に帰したのだぞっ!今迄の功績がなければ、君はとっくに自己批
判の上収容所、いや、もう生きていないだろうな。偉大なる指導者同志のお耳に達しなかっただけでも、ありがたく思いたまえ・・・]
特に指導者同志の部分に力をこめて、その軍人は言った。
[はっ!]直立不動で敬礼をするもう一人の軍人。
[この汚点を晴らす功績が上げられたならば、君に対する上の見方も変わるだろう、決死の覚悟で努力したまえ・・・]
さも、私のおかげで君は生きているのだよ、と言わんばかりの眼差しで恰幅の良い軍人は、上目遣いで話した。
[はっ呉上将同志、必ずやっ!]
[わかったなら、行きたまえっ!]

−バタンッ−

[ふぅ、やっとお小言が終わったか・・・]眼鏡を直しながら部屋の外で軍人はつぶやいた。
[金上佐?大丈夫ですか?ここは盗聴器も無いですから、言いたい事・・]外で待っていた若い軍人が辺りを窺いながら話しかける。
[ありがとう、韓上尉。いや、いつもの事だ、しかし李の奴がしくじるとはな・・あんな冷静沈着な男が・・]
金上佐と呼ばれた軍人は、ひとしきり考え事をしながら自室へと向かった。
694元517(黒い星):03/05/20 19:41 ID:qaOX/K9+
そして、その翌日の事、
−コンコンッ−
[金上佐、いらっしゃいますか?]
[おお、その声は安上尉かっ、入りたまえ]金上佐は書面から顔をあげて呼んだ。
[失礼しますっ]
[よく戻った、どうだったかね?・・やはり・・・?]
[上佐殿の睨んだ通りでした。李は米帝に捕まったようです。]安上尉は悔しい顔をしつつ報告した。
[そうか・・・それで?]
[それが・・妙な事に米帝軍はその事を隠しています。報道も虚偽の発表でした。]安は日本の新聞の切抜きを取り出しながら話した。
[隠す必要があるのか?・・わが共和国を非難する良い口実だろうに?]
[しかも、関係した将兵に緘口令を出した上、外出禁止にもしていたようです・・・]
[えらく、大袈裟だな・・当時、米帝の船舶か航空機が海域に?]金上佐は鉛筆で地図の沖縄付近をコンコンと叩く・・。
[調べたところ・・哨戒機のみのようで、あとは民間船が、あっ、この民間船の存在も報道されていません。]
[民間船?・・・何だ?]
[沖縄の大学の調査船です。遺跡調査が理由とか・・・]
[理由はいくらでもつけようがある。偶然にその時そこにか・・・乗員は?]
[それが、学者と学生で・・・怪しいところは特に?これが一覧です。]
[R大と言うのは場所的にわかるが、このM大と言うのは?]
[東京の近くの大学のようですが?]
[どれ、詳しい地図を・・っ!おいっ!]金上佐の顔つきが一変した。
[上佐?何か?]
[この大学の所在地の近くには米帝の基地が・・・日軍の基地もあるぞっ!]
[えっ!・・本当だ、という事はっ!]
[わざわざ・・・東京から沖縄まで来るか?都合良く・・。あの李が通信する暇も無く撃沈されたのだ・・・]
[という事は、やはり?]
[大学の名を借りた新兵器の実験?・・しかもわが共和国の工作船相手なら表沙汰になる事も無い。]
[っ!]
[悪いが安上尉、早速戻ってくれ。このM大の関係者を極秘裏に調査しろっ!新兵器がもし鹵獲できれば、前回の失敗は帳消しだ・・
いや、それを補って余りあるものとなる。]
[はっ!ただちにっ!失礼しますっ!]
695元517(黒い星):03/05/20 19:42 ID:qaOX/K9+
−バタンッ−

[金上佐、これは?]昨日の若い軍人が話しかける。
[うむ、韓上尉、これは願ってもない、千載一遇の好機だ。]金上佐は自然に頬が緩んでくるのを慌てて隠した。

−−

そして9月も半ばにさしかかったある日、太陽がほぼ空の真中に来た頃、日本の首都のターミナル駅の一角・・。

『おまたせしました20番線の列車は、10時56分発・・』

「みつきせんぱぃ、ねむいです〜、ついでにおもいです〜っ」大荷物を担いだまま砂記が文句を言っている。
「美月・・・砂記ちゃん、ちょっとかわいそうじゃない?私達の分まで持たせてるし・・」シンディが心配そうに言うと、
「いいのよっ!遅刻した罰だからっ!この娘、意外と力持ちだし・・はい、砂記ちゃん、アイスっ」と、売店から戻ってきた美月。
「っ!わ〜い♪・・でもストロベリーが良かった。」
「じゃ、はい、ストロベリーもっ」
「っっ!!!♪・・・美月、シンディ先輩も、そのポーチも持ちましょうかっ♪」
「・・・・・。」
「ね、シンディ、心配ないでしょ?」
「そうね・・・でも、3人分とは言っても、すごい荷物ね」シンディが砂記を見ながら、やや呆れて言うと、
「しょうがないでしょ、今回3人だけだし、教授に来てもらっても大勢に影響無しよ。」
「しかし、具体的な下調べも根拠もなく、調査に行かせるってのもね?」
「ああいう人だから・・・口癖が、え〜と『天才とは99%の思いつきと1%の幸運である』だったかな?」
「美月、明らかに違うと思う・・・」
「言っても聞かないわよ、馬耳東風、暖簾に腕押し」
「豆腐にかすがい・・・だっけ?あっ新幹線入ってきたよ」・・・シンディがホームを見やる。
「行けっ!砂記ちゃんっ!3人分の席を確保だっ!」美月が砂記に言う。
「了解っ!」
「・・・・・あ、駄目だ、砂記ちゃん・・・ドアに挟まってる・・・・」美月とシンディは目を見合わせた。
696元517(黒い星):03/05/20 19:46 ID:+F+HDJRL
同時刻、同場所・・・

『こちらT1、予想通りターゲット1及び2は、新幹線に乗車。他1名は例の留学生です。』自動販売機の陰に男が一人小声で囁く。
『こちら移動本部、T1、引き続き監視続行せよ。』
『こちらT1・・・それが、入場券しか持っていません』
『馬鹿野郎っ!・・・金はあるんだな?あるなら・・・』
『申し訳ありませんが、持ち合わせが・・』
『途中の停車駅から、T2ないしT3に現金を持たせて合流させる。次の停車駅は?』
『え〜、上野と大宮です』
『大宮から合流させる・・・T1、それまでトイレにでも隠れていたまえ。』
『こちらT1っ!了解・・・』

−−

 同時刻、都内某所マンションの一室・・・

[安同志、何らかの指示が出ましたっ!]携帯電話を持ったまま、数字を書いた紙を手渡す男・・・。
[数字は何だ?・・ただちに例のターゲットを追跡せよ・・・・・目的地は・・東北地方・・追って指示を出す・・か・・・]
もう一人の男は乱数表を見ながら解読していった。
[ただちに出発しましょうっ!]
[待て、慌てるな。君は日語は・・・大丈夫かね?]
[勿論でありますっ、安同志]
[公安から怪しまれずに、なおかつ盗聴防止の為、備品の1型小型無線機にて今後の交信は、全て日語にて行えとの事だ・・]
[では、持ってきましょう!他には?]
[・・交信帯域は429.7MHzにて統一とだ。調整しておけっ!終わり次第出発だ。]
[武器関係は?]
[銃砲は禁ずる。ガス兵器を、アウトドアの用品に偽装して持っていくか・・・]
[了解しましたっ]
いかにも渓流釣りにでも行く様ないでたちで、テントやトランシーバーやアウトドア用品を、男達は準備していった。
697元517(黒い星):03/05/20 19:46 ID:+F+HDJRL
−− 2:北への路 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

発車して約1時間後の新幹線車内にて・・・

「・・・く〜・・・か〜・・・・」
「ありゃりゃ、良く寝ちゃってる・・・荷物、持たせすぎたかな?やっぱり?」
砂記は体の上に、ガイドブックを開いたまま熟睡している。所々にしおりがついているのは『わんこそば』と『冷麺』?
「砂記ちゃんには、席を取ってくれただけでも、感謝しなくちゃ・・・ね?美月」
「うん・・・・」
(砂記ちゃん寝ちゃってるし、今ならいいかな?いつ迄も隠し通せるものじゃないし・・確認しとかなきゃ・・・)
美月はシンディの方を向き直って言った。
「シンディ、ちょっといい?」
「何、美月?お手洗い?」
「違うわよっ!売店行かない?コーヒーでも・・」
「いいけど、大丈夫かな?砂記ちゃん?」
「暫く停まらないし、大丈夫よ・・」
「だね・・。じゃ行こうか美月?」

−−

『こちらT1っ!ターゲット1が単独になりましたっ!』新幹線のデッキから携帯電話で話す男の姿・・
『移動本部了解・・素早く行動せよっ!』
『はっ!』

−−
698元517(黒い星):03/05/20 19:47 ID:+F+HDJRL
「どうしたの、美月?何か改まって・・・」窓の外を見ながら、シンディがコーヒー片手に話しかける・・。
「うん、シンディ・・実は、砂記ちゃんの事なんだけど・・・」
「?」
「どこまで・・・知ってるの?・・・・」消え入りそうな声で美月が話す・・・・
[ The other name is Rabi... isn't she? ]
「・・・。だから、5月の事とか・・・」コーヒーの湯気で美月の眼鏡が曇っていく・・・
「?・・沖縄は楽しかったんでしょ?」
「・・まじめな・・話・・・・なの」
「私に、長崎の離れ小島に行った事があるのかって、聞きたいの?」
「っ!!」
「答えは、そう、イエスね・・・当然、美月は知ってるものと思っていたけど?」あっけらかんとシンディは話す。
「じゃ・・・?」
「『ガラスのうさぎ』は、持ってきてるんでしょ?当然。」
「この中に、ペンダント代わりにして・・・・」
「普段から美月が持っておきなさいよ?下手すりゃ今ごろM市は・・・いや関東地方が更地だったかもしれないんだから」
「どうして?」
「酔っ払った砂記ちゃんが、それ持ってたら・・想像できるでしょ?」
「そっか・・。」改めてこわごわとガラスを見つめる美月。
「さっ、そろそろ席に戻ろっ!砂記ちゃん、今ごろ寝返り打って座席の下に落ちてるかもしれないし」
「さすがにそれはないわよ、シンディ・・・。」美月はうってかわって、楽な気持ちで歩き始めた。

その頃、美月達の座席のある号車のデッキに男が一人・・

『こちらT1っ!成功しましたっ!繰り返します・・・成功です』
『でかしたT1っ!それで、何枚撮ったのか?』
『人目もあり、3枚!ブレていませんっ』
『移動本部了解っ・・・良い資料となるだろうっ!引き続き、T2と共に監視続行せよ』
『T1了解っ!』
699元517(黒い星):03/05/20 19:48 ID:+F+HDJRL
「もっと、暑い時に来ればよかったですね・・・美月先輩。」荷物を少しだけ美月に持ち直してもらいながら砂記が言う。
「どうして?砂記ちゃん?」同じように荷物を取りながらシンディが聞くと、
「冷麺、よりおいしく食べれたかも。」
「十分暑いわよ?東京に比べれば、少しは違うかもしれないけど・・・」

東北北部の中核都市のM市の駅前。新幹線はここから秋田や青森へと枝分かれしていく。
着いてすぐ、レンタカー乗り場へ向かう途中、相変わらずの様子の三人の姿があった。

「誰かさんが寝坊してきたおかげで、今日下見に行く予定だったけどちょっと時間的に厳しいわね。」時計を見ながら美月がつぶやく。
「じゃ先輩、観光ですか、ごはんですか、それとも温泉ですか?」
「さっきお昼食べたばかりじゃないの、砂記ちゃん。あのね、私たちグルメ湯煙ツアーしてんじゃないんだから・・・」
「・・・でも、美月達、沖縄ではグルメダイビングツアー?そんなもんだったんでしょ?」シンディが茶々を入れる。
「一応『研究調査』っ!だから今日は一番近いところの下見に行って、戻ってくれば夕方でしょ?」
「やっぱり行くんですかぁ・・・」何やら不満そうな砂記。
「シンディ?免許持ってたっけ?」砂記を無視して、美月が尋ねると、
「時速100マイルまでなら、安全運転の自信あるわよ」
「美月先輩っ!わたしも持ってますぅ・・」
「私がするよ、やっぱり・・。」美月はとぼとぼとレンタカーの受付に免許証を持っていった。
700元517(黒い星):03/05/20 19:50 ID:ojRMPk3+
その頃、少し離れたロータリーに停車中の車内・・・

[安同志っ!彼ら車にっ!]
[目立たないライトバンで来て良かったな。尾行継続する。朴同志、君は万一の事も考えて二輪車を調達して来たまえ・・]
[了解っ!]

−−

そしてその日の夕刻、M市市内のホテルにて・・・

「どうしたの、砂記ちゃん?箸止まってるわよ?」・・・心配そうに美月が話しかけると、
「・・。おいしいんだけど、美月先輩、何かちょっと・・・・。」
「砂記ちゃんがご飯食べられないって・・・地震、雷、火事、おやじ・・・じゃなかったっけ?」
「何となく違うわよ、シンディ。でも本当、どうしたの?・・・何かフラフラしてるわよ?」
「なんかめまいがするんです・・・。お昼過ぎから・・。」
「こないだ、エアコンつけっぱでいたから、本当に風邪ひいたんじゃないの?今日早く寝て、様子見なきゃ・・・」
(この娘も風邪ひくんだろうか?)と二人とも感じながら、夕食を途中で止めて、砂記を部屋へと連れて行く。

同時刻、同場所・・

『こちらT1、ターゲット1及び2とも・・・就寝する様子です!』
『移動本部、了解。T1、君も明日に備えて休みたまえ・・・夜間はT2が警戒に当たる。』
『T1了解っ!では・・・』
701元517(黒い星):03/05/20 19:50 ID:ojRMPk3+
翌朝、ホテルのロビーにて・・・・

「おはよう、美月・・あれ、砂記ちゃんは?やっぱり具合悪いって?」・・シンディはTシャツとジーンズという涼しげな姿で現れた。
「うん、めまいがするだけで他はどうも無いみたいなんだけど、もう降りてくる頃だと・・」階段を見上げる美月・・

− ゴンッ・・・ガタンッ −「ふぇ〜っ!」・・・階段からべそをかきながら砂記が降りてくる・・。
「ちょっと、どうしたのよ一体?転んだのっ?」「おでこ、打ってるわね・・・」美月とシンディが同時に言うと、
「美月先輩、まだふらふらします・・・」おでこを押さえながら砂記は言った。しかし痛そうだ。
「やっぱり病院行こうか?・・・朝ごはんも無理でしょ?」美月は心配そうに話しかける・・・
「いやっ大丈夫ですっ!注射嫌いだし、お腹も減ってます!」
「そう?それならいいんだけど・・・」

同時刻・・ホテルの側の路地に白いライトバンが停まっていた。ルーフに釣り道具を載せた何の変哲も無い車・・変わった点といえば
この辺りでは平日にあまり見ることの無い、都内のナンバープレートがついていた。

運転席のウィンドーを叩く、ベストを着た男[安同志っ、おはようございますっ]耳慣れない言葉で話す。
「何度言ったらわかるんだっ!指示通りにしろっ!おや二輪車はどうした?」煙草をふかしながらウィンドーを開ける運転席の男・・
[あっ・・]「っと、失礼しました、安同志、二輪車の調達は失敗しました。」ベストを着た男は慌てて言い直した。
「その、同志と言うのもやめろっ・・・俺は『安田課長』で君は『鈴木主任』だっただろう?・・何故失敗した?」
「その、実は警報装置が鳴りまして・・。」
「・・・。だから君はいつまで経っても『主任』なんだっ!止むを得んっ、この車で行くか?早く乗りたまえっ『鈴木君』」
「はっ!『安田課長』同志っ!」
「・・・・。」運転席の男は半ば諦めた顔で、助手席に乗り込んできた男を見やった。
702元517(黒い星):03/05/20 19:51 ID:ojRMPk3+
そして暫くして後、ホテルの駐車場を出る一台のRV車・・・

「美月?今日は運転代わってあげようか?・・・距離もあるし、けっこう山道だよ?」と、シンディが運転席の美月に話しかけると、
「美月先輩っ、私もしますよぉ?・・・」後部座席で横になりながら、砂記も話しかける。
「い、いいわよっ、大丈夫だからっ、それに砂記ちゃんは運転どころじゃないでしょ?」何やら真剣な眼差しで美月が答える。
「朝ごはんも食べられたし、大丈夫ですよぉ・・」そう言いつつ、何処かふらついている砂記。
「ねぇ美月?最後に運転したのはいつ?・・・参考までに聞きたいんだけど・・・」やや不安な目つきのシンディ。
「いつでもいいでしょっ!無事故無違反なんだからっ!あんまり、話しかけないでねっ・・・・おわをっ!!」

− キキ−ッ・・ −

「あっぶない・・・やっぱり美月、私が代わるっ!」「美月先輩の運転だとぉ、寝れないから・・わたし代わりますぅ・・・」
「ええいっ!もうっ!二人ともっうるさいっ!私がするのっ・・わ・た・し・がっ!」

その数十メートル後ろの乗用車の車内・・・

「どうだ?やはり気付かれたかっ?T1っ!」
「いや、そのようではありません・・・。また・・出発しました。」双眼鏡を覗き込みながら助手席の男が話す。
「ひやひやさせおって、監視続行だっ!ところでT1、T2、T3共、現地到着後はこれで連絡するように・・」リーダーらしき男は、
小型の無線機を取り出した。
「・・・これは?」
「これ以上携帯で話せるかっ!既に何万の単位だぞ、無線機の方が安くなるしなっ!それにターゲットが圏外に行く可能性もある。周波
数は、429.7MHzにセットしておくか、いいなっ!」
「流石リーダー、考えが深い、了解しました。」
怪しげな男達の乗り組んだ車はRV車の後を追い、山間部へと向かって走っていった。

−− (3)につづく −
703名無しさん@ピンキー:03/05/20 19:54 ID:B5mB6pFp
「発展」とか「普及」とか言ってるヤシって、「まだたんねぇ、もっとくれー」の底無しの欲望なコマッタサンだったりするんだよなあ…

創り手の方はそんなことに関係無く「書き(描き)たいからかく」ってことみたい。
趣味でやってんだからそれで当然、。周りに惑わされず進んでいって欲しい
704名無しさん@ピンキー:03/05/20 22:03 ID:JvInIYLu
>>686-687
どこを縦読みすれば(ry

いーじゃん、人それぞれ、好きなよーにやってれば。
705juuroku:03/05/20 22:56 ID:n2NTZM49
>>683-685
某漫画作戦シッパーイ
洋一君、セリフちゃんと憶えてなかったのね(w)

>ゆんぞさん
久々の続きですね〜
これからが楽しみですにぁ、

>黒い星さん
巨大化まだーっ(AAry
スパイのみなさん愉快な方ばかりで(違
706名無しさん@ピンキー:03/05/20 23:24 ID:PJsDP6RO
>704
可能性のある作家が、こういう場所で感想クレクレ厨をしてるのが
残念だということではないかな。
>705
甘やかしすぎると、他人を見下し始めるぞ(藁
707名無しさん@ピンキー:03/05/20 23:31 ID:opipX90T
>>705
弐の二をつくるなよ
708ゆんぞ:03/05/21 00:56 ID:jbsGem9M
>>688 >>693 >>705
あ、ども。覚えててくれて有り難うございまする。

でも 今日の分でアチコチのストックをあらかた吐いてしまったので、
またしばらく更新 or うpまで間が空くかもしれません。
遅くて申し訳ありませぬ。忘れんとってなーw
709.:03/05/21 18:56 ID:n3pMXTA5
>>689
自分の都合のいいように解釈するのは個人の勝手だから仕方ないけど、
こんな質の悪い作品を列挙、プッシュする気にはなれんね。
あくまでもこの掲示板の中では上手いという意味だから、外に出てけば下手糞。

>>693
なるほど、そうやって逃げるんだ。
イタイこと言われると逃げるのは弱虫の特徴だあね。
それから以下はまたまたパロディ…まったく救いようがありませんな…。
いつまでも時のウサギの幻想見てんじゃねーよ、元517(黒い星)

>>703
底なしの欲望ねぇ。
こんな閉鎖空間で欲望丸出しにできるほど現在の面子に魅力は感じられないが。

創り手の考え方なんて皆その通りでしょう。しかし、場所や環境によっては
自分を自滅に追い込むということを理解していない人が多すぎ。
周りに惑わされないようにって、惑わしているのは創作以外で来ている香具師。
つまりあんたもその中の一人つうわけだ。
710.:03/05/21 18:59 ID:n3pMXTA5
>>704
そういうなげやりな意見は論外。

>>706
その意見には同意。誰でもある程度やればどうにでもなる。しかし、環境が悪ければその限りではない。

甘やかしすぎると誰でも天狗になる。
それを防止するのが受け手となるのだが、ここの受け手はその機能を果たしていない。
711名無しさん@ピンキー:03/05/21 19:27 ID:lhj7Nse8
>.
馬鹿だな、お前(藁
712名無しさん:03/05/21 19:47 ID:lYz/ds8v
>>689の発言をどう解釈すれば >>709になるのかと、小一時間・・・
713名無しさん@ピンキー:03/05/21 20:35 ID:IG4b/DO8
 現状を見て、良作が無いと思っているならば、自らが「これこそが良作」と
う見本を見せてみれば? 発言だけを見るに、相当な文章や絵が書けるハズ。
おそらく「こんな場所に晒す気は毛頭無い」とか逃げの一手なんだろうけど。

 でも、文句や愚痴だけでは、憂いている現状を打破できんよ。
714711:03/05/21 21:16 ID:lhj7Nse8
>>712.713
相手にすると馬鹿が移るよ。
放置で行こう
くだらない(かまって君)にレス返すくらいなら、
少なからず苦労して作品をうpしてくれる作家さんに
ねぎらいの言葉一つでも書いた方が人間として正解。
715名無しさん@ピンキー:03/05/21 22:55 ID:Q9Uecw8M
>>714
禿同。

つーか、そんなご高説わざわざ書き込んで他人に不快な思いさせる位でしたら、
気の効いた小説の一つでも載せてくれるといいんですけどねえ・・・。と、独り言。
716名無しさん@ピンキー:03/05/21 23:20 ID:ndqQTIUT
まったく…どいつもこいつも俺様の欲求を満たせないような駄作ばかり
作りやがって!

え、それなら自分で作れって…? それは…ちょっと…勘弁して下さい。

>>686-687 & >>709-710 は、多分こんな香具師。
717名無しさん@ピンキー:03/05/22 00:23 ID:z1tmGVQf
>>686-687>>709-710の荒らしは完全放置。ネタレスは生暖かく見守りましょう。煽った時点で自分が荒らしです。

つーことで。
718名無しさん@ピンキー:03/05/22 03:04 ID:E1y20jHN
何が駄目なのか言えない時点で、「質が悪い」という言葉に何の重みもないね。
パロディや二次創作を卑下するのは簡単だが、オリジナルを消化して自分のものに
しているかどうかも、十分に評価すべきポイントになると思う。
その点、黒い星さんはなかなかのものだと思う。
文体やメリハリの付け方が甘いなど、荒削りだけどもね。

真っ当な批評をしてくれる人は確かに少ない。
だが、それは>>686さんも同じことだ。環境を嘆くのは批評ではないよ。
作品に対してきっちり批評してみせたなら、誰も荒らしなどとは言わないだろうさ。
719.:03/05/22 05:32 ID:y+sN8NNP
いや、ハンドル欄は . だが気にしないでくれたまえ。自作自演のようなものを行うだけだ。

>>686-687
一応君とも対峙しておこう。何事も平等にな。
同じ嗜好を持つ者のみが感想を述べているのでは発展しにくいと思う。
だが、何の発展もしない、ではないな。氷河の歩みのように遅くとも、確実に進んでいる。
それと、創作に勝敗は存在するのか?存在し得ないと自分は思うが。
質の良し悪しはあれど、作品を比較して勝敗を決することは不可能だ。
君も創作者の端くれなのだから分かっているだろう?良作も駄作も同じ「作品」だ。
捨てる者もいれば、拾う者もいる。要するに受け取り方なのだよ。
ここに投稿されているモノは確かにまずいとは思うがね、
自分はグルメでは無いから味もよく分からないし、とりあえず食せるようだよ。
確かにぬるま湯に浸かったままでは良くないとも思うのだが、
子供がいきなり社会に出ても働けないとも思うのだよ。時間が必要だ。
まぁ、君ぐらいに過激なことを飛ばしておいた方が腑抜けた連中には丁度良いか。
君も自分もまだまだ青い。ここで得られた意見を元に前進しようじゃないか。

>>693
どうしてこうも鈍いのだろう。ある意味尊敬に値する。
期待は微塵も抱いていないが頑張ってくれ、と言っておこう。気にするな、社交辞令だ。

>>703
「発展」や「普及」を唱える方々を愚弄したな。敵を作るような発言は悪戯にするものではないよ。
自分?自分は良いのだよ。自棄なのだから気にしてくれるな。

>>704
そういう茶化しは良くないな。いや、むしろ好きだ。ケコンを前提にお突き合いなどいかがかな?
無論どちらかが息絶えるまでの突き合いだ。投稿のケコンでも構わない。
後半には同感だが、それも程ほどに。好き勝手にやらせると、どうも深い所へ行ってしまう。
残されたこちらが寂しくなるのだよ。
720.:03/05/22 05:33 ID:y+sN8NNP
>>705 ワロタ。あんたサイコーだ。弟子にしてくれ。お願い。

>>706 どうやらそういうことらしい。

>>709-710はどう突っ込むと良いのか分からないのでスルー。
自分が持つ思考とは随分違うようなのでね。
とりあえず欲望丸出しにしてcallon氏にもっと書いてくれと言っておこう。クレ厨万歳ー!!

>>711&714
「人間として」とはまた陳腐で臭い台詞を。自分はこうやって罵り合っていた方が正解だと思うがね。
…イメージの押し付け合いになるのでやめようか。

>>712 自分にも理解できない。>>709も、君の投稿の内容も。

>>713
想像力豊かな子だな。将来大物になりそうだ。その想像力で愉快なモノを創ってくれたまえ。
君が立派な大人になるのを期待しているよ。

>>715
不快な思いをするのが嫌ならば、少しの間どこかへ避難されることをお勧めする。
君の視覚が健康であるならば、少々毒の含まれた投稿が目に入るだろうからね。

>>716
吹いたぞ。どうしてくれる。リーダを含みながらもテンポが良い。
ただ、自分で作れって!?の方がより多くの笑いが生まれたと思うのだが、どうだろうか。

>>717
同意。臭い物には蓋をしておくべきだ。
親切にリアクションしてしまう者は見ていて非常に愉快だよ。皆も自分を見て笑ってくれているかね?

>>718
君のように賢い人間の存在はこちらとしても有り難い。このジャンルのためにも前線に出てもらえないだろうか?
721名無しさん@ピンキー:03/05/22 06:32 ID:3c0EopuF
ほす
722名無しさん@ピンキー:03/05/22 18:34 ID:PzjkKimz
きちんとレス返す
.って案外マメだよな(藁
でも今回はちょっと必死ぽいのが残念。

723.:03/05/22 19:22 ID:y+sN8NNP
>>722
自分でレスを返す時は常にちょっとどころではなく限りなく必死だが。
普通の人間が同じ時を繰り返し体験することは難しいようなのでね。

…寝違えていない筈なのに首が痛い。…ここの面子の呪いか?
724.:03/05/22 19:31 ID:y+sN8NNP
>>711
バカだと思うのならばそれで結構。それ以外で何か言いたいことはないのか?

>>712
問い詰めたいなら何をどう問い詰めたいのか書いてもらわないとわからん。

>>713
あなたが思っているほど俺はそんなに上手く絵を描けるわけでもないし、
文を構成できるわけでもない。これは本当。
なぜここに晒さないかということだが、それは好きな人が集まっている以上
あらかじめ巨大娘を知っている人しか居ないからということ。
個人的に、巨大娘というものを全く知らない、見たこともないという人たちを
相手にしたいから、ここには晒さないだけ。
それに、既存の巨大娘に浸かっている人たちとはどうも目指す方向が
違うようなので、晒したくないと思うわけ。
それに見てくれる人が寄せる感想も質が低いし、ビシビシ言わず厳しくもない。
へたれ絵描きを育てる板並みの能力を備えているならば別だが。

>>714
バカが移る、ではなくて影響されたくない、が正しいでしょう?
今までも同じような書き込みがある度に、おたくらは放置だ放置と叫んで無視しつづけてきた。
自分自身に都合の悪いことはみんな無視。聞こえない聞こえないで通しているけど、
いつまでもそんな姿勢で続けられるかなぁ?
こんな香具師が掲示板に来ている人間のほとんどという場合であるならば、
巨大娘というジャンルは近い未来確実に破滅するだろうよ。
人間として・・・か。ずいぶんとまあ高尚な文句を持ち出して大人を気取ってるね。
動きの無いこのジャンルにおいては、意見を戦わせた方がまだ良いと思うが。
725.:03/05/22 19:31 ID:y+sN8NNP
>>715
不快な思いをされるのであれば消えていただいて結構ですよ。

>>716
お笑いですな。別に欲求を満たすとか満たさないとかいうことで意見を言っている訳ではないのに・・・
もしもーし、入ってますかーとあなた様の頭を叩きたい気分(w

>>717
おっ、ここにも負け犬一匹発見!こしぬけー

>>718-719
うむ、その辺りは構わない。お前も俺と同じ考えであるはずがないからな。
確実に進んでいるのは確かかもしれない。しかし、進む先にあるものは破滅でしかない。
創作に勝敗があるのかと問われれば、無いと答えるのが正しいのかもしれない。
ただ、俺の場合はモノを創るための推進力のようなものを得るために、あえて勝敗に
こだわっているだけなのかもしれない。
考えてみれば勝敗や、何時何時までに誰々を蹴落とすといった考え方は
モノを創る上ではやってはならない考え方なのかもしれないのだろうか・・・・・
子供がいきなり社会に出て行くのは確かに時間がかかる。しかし、
美好し野以来時間は十分に取ったはずだ。
それでも無理というのは、単にここにいる、もしくは巨大娘というジャンルに属している
人間のほとんどが単なる腑抜けということだ。
過激なことをぶち上げるのはお前の言っている通り。
俺も確かにケツは青いが、だからといって黙ってる訳にはいかない性分なんでね。

見てるだけの香具師も遠慮なく意見をぶつけるがいい。
言いたいことがあんなら手前の全てを傾けて板にぶつけな。
言いたいことがあるのにふさぎ込むだんまり君は、その時点で負け犬決定だ。
726名無しさん@ピンキー:03/05/22 20:04 ID:QDXI4NNu
>>724-725
まぁ、負け犬と言われよーがなんだろーが、
こういったネタカキコは蚊に刺されたようなもんだと思って
漏れは気にしない事にしている。気にするだけ無駄だし。
まぁこのレス見て、モニターの前で笑ってんだろ?この釣り師が。

もしネタでないのなら。

こんな事書いてる香具師は社会不適合者でヒッキーだろ。

この世界を変えたければ自分から作品を創って見本をみせるべきだろ。
出来ないなら出来ないで作家さんに的確なアドバイスすりゃいーじゃん。
こんなカキコされたって作家さんは嬉しくないし、
下手すりゃ永久に地下に潜って出てこなくなるよ?
あ、もしかして現状を憂いているフリして、実はそれを狙ってんじゃないだろね?
とすれば釣り師じゃなくて、この世界の崩壊を狙うテロリストだな。

第一作家さんは別に金を貰って作品を作っているとかいう訳ではない。
自分で創った趣味の世界を好意で赤の他人に提供しているんだから、
他人様の好意にいちいち口出しして自分のエゴ押し付けんなや。

>不快な思いをされるのであれば消えていただいて結構ですよ。
で、このスレはいつからあなたのワンマンショーのステージになったのでしょう?
727名無しさん@ピンキー:03/05/22 20:20 ID:laPw/FTF




お 前 ら 自 分 に 酔 っ て る 暇 あ っ た ら 違 う こ と し ろ 



728名無しさん@ピンキー:03/05/22 20:25 ID:bcGxa4fC
.氏はどうも一人ではないね。しかし心強い。
俺も心に秘めていたことを書いてしまおう。

俺は☆娘やもりりんのような人間が大嫌いなのだ。
作品の趣味嗜好の違いではない。
才能がありながら、心地よい取り巻きだけに耳を傾け
輪の外で飢えている人間に対してあまりにも無神経だからだ。
期待はし続けている。しかし、何度もガッカリさせられている。
期待を背負わない人間が評価だけを求めるようでは、
この趣味を愛好する人間が可哀想でならない。

ゆんぞやX-Virusは礼儀正しい努力家だと思う。
敬意は抱いている。しかしそれでは足りないのだ。
ニウニー星人やMBのような存在に対してまで、
頭を下げて尊重するようでは悪平等の世界になる。
陳腐で退屈なものが世界に満ちあふれる。
そのような存在の面倒を見るのは、ボランティアでしかない。
それでは、この趣味を愛好する人間が可哀想である。
人が去っていくばかりである。

選民思想だと思う。しかし俺自身もまた、選ばれないのだ。

この趣味を愛好する人間のために何が出来るのか?
その意識を欠いた人間の存在こそ、有害であると言うしかない。
729.:03/05/22 20:51 ID:+KjSe2U4
よーし、パパも「.」名のっちゃうぞー

>>728
確かに一人じゃないね。
でも、もう一人の冷静な方は、きみの味方じゃなさそうだ。
730.:03/05/22 21:16 ID:y+sN8NNP
718-719というのはミスらしい。719-720が正解との事。718へのレスは後日付くようだ。

>725(レス先を読みたい方には2ch専用ブラウザ「かちゅ〜しゃ」を使用されることをお勧めする)
その考え、分かる。勝敗、蹴落とすといった考えは非常に有効だ。表にさえ出さなければ非常に有効だ。非常に。
だが、人に悟られたら破滅するのだよ。自分はそれを赦すが、他人にはくれぐれも内密にな。
巨大娘と言うジャンルの中の腑抜け。時間を持て余していたというのに形にできなかった者。自分もそれに当てはまる。
全く別のジャンルでの前科もある自分にとって腑抜けという言葉、非常に痛いぞ。
だが、悔しさをバネにできないようではいつま経っても腑抜けのままだな。バネにさせてもらおうじゃないか。
731.:03/05/22 21:16 ID:y+sN8NNP
>726
鈍感だな。君の裂けた腹から綺麗な桜色の腸が10cmほどはみ出しているぞ。豚のような悲鳴をあげろ。
君のような賢い人間は邪魔なのだよ。申し訳ないがもう少し頭のネジを緩めてはいただけないだろうか?
壁の花だらけでは困るのだ。盛り上がらない。一人で踊っても面白くない事はご理解いただけるかな?
釣り師?自分は笑っているが、釣り針を仕掛けたつもりは無い。
もしや釣った釣られたなどと考えているのかね?ならば似たもの同士仲良くしようじゃないか。
自分も今、君に「釣られて」いるのだ。宜しく頼むぞ、今からの同胞よ。
引き篭もりかどうかは知らないが、最近雨が多いために布団が干せなくて困っている。
賢き君よ、上記から自分の身の上を判断してくれ。
732.:03/05/22 21:16 ID:y+sN8NNP
上の続き

>出来ないなら出来ないで作家さんに的確なアドバイスすりゃいーじゃん。
それすらも出来ないでいる者達への考慮、と逃げてみたくもあるが真面目に答えよう。
ずばり、それすらも出来ない。大して興味が無かったのでよく覚えていないのだよ。
申し訳ないことだが黒い星氏のはどうにも食す気が起きないし。
ああ、そう言えば☆娘氏の「ステラ」はしっかりと食させていただいたよ。あれは新鮮で良かった。
ステラ以降は身内ネタと食材の使い回しがひどくてまともに味わえなかったが、一作目は非常に良かった。
ステラは今でもその鮮度が失われずに…失敬、自分のような味の分からない者が出過ぎた真似をしてしまった。
>下手すりゃ永久に地下に潜って出てこなくなるよ?
>あ、もしかして現状を憂いているフリして、実はそれを狙ってんじゃないだろね?
何度も書いたが賢いな。いや、鋭いか。自分としては「そうなっても構わない」。
自分はcallon氏とゆんぞ氏以外の面子に興味は無い。こればかりは我が侭故、申し訳なく思う。
それにしても提供しているとはまたひどいな。そんな書き方では反感を買いそうだ。
提供してくださっていると言いたまえ。君にしては珍しく気配りが足りないじゃないか。
それと、思いは口は出さねば伝わらない。伝えるべきことがある。もっとも彼らは未だ反応を見せてくれないようだが。
>で、このスレはいつからあなたのワンマンショーのステージになったのでしょう?
自分は知らない。ショーを開いたつもりはない。行う予定はあるがワンマンではない。
自慰行為は他人の者の分でお腹一杯なのだよ。しばらくおかわりする予定もない。
733【危険】毒吐き期間中【DANGER】:03/05/22 21:39 ID:fo2rbk7l
只今、各人が自分の中に貯めていたものを絞り出している最中です。
こういった書き込みが不快な方はしばらくこちらへは顔を出さないようおながいします。

ちなみに漏れは今回の騒動を、今後の参考にさせていただきまつ。
いろんな考えの人がいて勉強になるなぁと言ってる漏れは
「裂けた腹から綺麗な桜色の腸が10cmほどはみ出している」のかもな(w


⊂(。Д。⊂~⌒⊃
734.:03/05/22 21:57 ID:y+sN8NNP
>727
では寝ろと?それでは時間が勿体無い。風呂も入った。歯も磨いた。運が良ければ来るであろう明日にも備えた。
自分はこの時間、やるべきことと言えば寝るぐらいしかないのだよ。嗚呼、平和。

>728
多人数であるように見せかけているだけなのだが。と言ったら詐称になるのだろうか?まぁ、IDをよく見たまえ。
自責の念は前進するために重要なものだが、とらわれ過ぎるとその重圧に耐えられなくなる。
必要以上に自身を卑下する必要は無い。可能性は0ではない。特に君の場合。
君のように見て考えられる人間は、辛くあるかもしれないが、間違いなく幸せなのだよ。
勘違いかも知れないが、ヒントから察するに幾つもの功績を収めているようだからね。

>729
君を歓迎しよう。では万人に敬意を払いつつ罵倒したまえ。幸せを育みたまえ。
>でも、もう一人の冷静な方は、きみの味方じゃなさそうだ。
冷静な方、というのが自分と彼、どちらに当てはまるのかは判断しかねるが、
少なくとも自分はこのコミュニティ全域に対して敵対する意思を持たず、
且つコミュニティの住民から攻撃される覚悟がある。

自分は仲間に対する仲間である。敵対する意思は無いが、どうあっても味方には成り得ない。

>>733
>只今、各人が自分の中に貯めていたものを絞り出している最中です
(・∀・)ウンコー

漏れもいい加減ベッドに入って仰向けに寝まつ。
735名無しさん@ピンキー:03/05/22 23:38 ID:GXiDlOXN
議論やるなら他でやる!
どう見ても巨大娘関連から、話がずれてると思うぞ。
どちらかというと、詭弁の応酬って感じだな。
736名無しさん@ピンキー:03/05/22 23:42 ID:OS/9rsk+
ここで一息いれませう。
ところでこの画像GTSっぽくない?
今にも踏まれそうでw
ttp://orange.sakura.ne.jp/~lip/scan_file/ichikawa_yui/lip_yui83.jpg
737名無しさん@ピンキー:03/05/23 01:01 ID:w7kf4nI3



酔 っ 払 い の 文 は 内 容 に 関 わ ら ず 虫 唾 が 走 る 。



クサい台詞は自分の小説中のキャラクターだけに
喋らせてくれ。


あと読みやすい文を書けるようになろうな。
738名無しさん@ピンキー:03/05/23 01:39 ID:QyB/nOdF
オメーラ全員。(・∀・)ウンコー
739名無しさん@ピンキー:03/05/23 01:46 ID:SLroRfA/
>737
誰のこと?
740名無しさん@ピンキー:03/05/23 01:58 ID:w7kf4nI3
>>739
つまり>>738と似たような意見ってことっすよ。
741718:03/05/23 02:02 ID:/49PLBRU
まあ、偉そうなことを言っているなと自覚はしていたんだ。

予定通りなら、そのうちに前線とやらに出ることになるはずだ。
残念ながら(と言うべきでもないが)ここじゃない別の場所でね。
742.:03/05/23 05:31 ID:+R+SAg+p
自分は現時点で行動に出ていない者達まで急かすつもりはない。
現時点までに行動を起こしており、尚且つ甘えが目立つ者に忠告をしているのだ。
御節介な真似だとは思う。だが、このまま腐れていくのも我慢ならないのでね。

>735
他でやるべき理由を述べたまえ。この自分の理解が得られるような形でな。

>736
グロ画像であったらどうしてくれようかと思ったが、普通の画像なのだな。確かに今にも踏まれそうだ。

>737
もう少し寛大な心を持ちたまえ。酔狂な真似にせよ台詞にせよ、楽しめない者は損をするぞ?
それと改行を少なめにするよう努力したまえ。

>738
全員ではない。自分、及び条件に該当する者のみだ。

>741
そうか。それは非常に残念だ。
因みに自分が言っている前線への参加とは、作品を作ることだけを指しているのではないぞ。
743.:03/05/23 05:33 ID:+R+SAg+p
>723

その通り。何をするにもまじめに取り組まないとねぇ。
首が痛いか。そりゃパソコンのやりすぎ(w
744.:03/05/23 05:35 ID:+R+SAg+p
>743
うむ。今後も真剣に罵倒する。
どうやら首の筋をどうかしてしまったようだ。一夜明かした現在も未だ痛い。
745名無しさん@ピンキー:03/05/23 09:10 ID:HqL1oVlG
うーん。まあ、善意とか悪意とか、そういう意図で書き込まれたわけでないことは解った。
とはいえ、ここは、作家の意識とか技術とか向上心とかを議論するために
作られたスレではないのでなあ。つーか、ぶっちゃけ板違い。
評論とか議論をしたいならば自分でサイトでも作るか、創作文芸板やヲチ板にスレでも建てて
そっちで続けてもらいたい。興味があるヤシは行くだろうさ。
俺も気が向いたら行くよ。そんな感じ。

http://book.2ch.net/bun/
http://ex.2ch.net/net/


       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       | んじゃま、次から何事もなかったかのようにドゾ。
    ∧ ∧ |/\_____________________
    (,,゚Д゚)___________________  |    |,|@| |三|
    /つ曰 ̄|| ̄ ̄ ̄|| ̄  |    | ̄| |コ|^
  〜(,, __つ   ||.    ||   | ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|〜〜
   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
746名無しさん@ピンキー:03/05/23 15:29 ID:w7kf4nI3
ダサイクサイイタイ
747.:03/05/23 20:22 ID:+R+SAg+p
>>726
ほっほっほっ。気にしないならばなぜそうして返事を返す?気にしているから返すんでしょう?
気にしないのならば黙っていれば良いじゃないか。かなりヤケになっているように見受けられるが?
俺の言葉をそのまま引用する辺り、単細胞というかなんというか・・・(w

下手すりゃ永久に地下に潜るとか、世界の崩壊とか言っているが、別に俺はそうなっても全然構わないが何か?
潜りたけりゃ潜ればいい。崩壊するんなら勝手に崩壊してりゃいい。そうなっても俺は自分のモノを創りつづけるだけだし。
それに、別に俺は崩壊を願っている訳でもない。単に崩壊したらそれはそれで面白いと思っているだけ。

提供・・・(w。
皆さん聞きましたか?創作者は作品を提供するもんだと思ってるそうですこの人は。
つうことはそうしなければならないということだろう?それはあなたの自己中心的な
考え方に基づくものではないのかな?

ワンマンショー・・・
またまたこいつは面白い返答を返してくれる。
そんなつもりはないのにねぇ。想像力が豊で羨ましい。

>>727
その書き方好きねー

返答に対して懸命に返答を書いている状態なので、自分に酔うとか考えたことがないのだが?
748.:03/05/23 20:22 ID:+R+SAg+p
>>728
そう。いいたいことはこの際ぶちまけた方がいい。

選民思想であるというのは頷ける。現在の巨大娘というジャンルはいちげんさんにとってとても厳しい世界だ。
しかし他を見る限り、いちげんさんをないがしろにしている所は同じように人が減っている。
ギブアンドテイクなるくされた考え方がその全ての元凶なのだから。電波の相手をするのも確かに疲れる。
しかし、今の現状では電波があふれ返るような状況に陥っているので、その辺りの対策を講じる必要があるかもしれない。

ゆんぞ氏やX氏を評価していることに関しては反論する。
彼らは一見すると努力し、ジャンル内の協調を保っているように感じられるが、
それは別の見方をすればジャンルを上手くコントロールしているのと同じことだ。
それに彼らは恐らく地下に潜っているサイトにもアクセスできるはずだ。
ということは、彼らももりりん(他にも多くの呼び名があるが)と同様なのだ。

愛好する人間のために何が出来るかと書いてしまっては、押し付けになってしまうのではないだろうか?

>>729
どちらを指しているのかは分かりかねるが、俺は片方の味方であり味方ではない。
彼にも独自の考え方がある。同じであるわけがないからな。もちろん彼と敵対する意思は無いが。

>>730
確かに心の中に留めておくべきことをぶちまけてしまっては自爆と言うしかない。
外部に漏れないよう注意することにする。

失敗はいかようにも取り返せるのだから、俺もこれを忘れずに走ろうと思う。

>>733
ならとっととぶちまけてくれ。
文章を見る限りもりりん(ポメにょ・けも・萌天)ではないかな?
顔を隠してないで出て来てはくれないかな?違っていたらすまない。
749.:03/05/23 20:23 ID:+R+SAg+p
>>735
ここの方が見ている人間も多いし、確実だからやめるわけにはいかない。
独自スレ立てたって保守的な連中は見ないだろうからな。

巨大娘関連を相手にするのよりも、このジャンルのおかしい所を相手にしたいから、
表面的にはずれているように見えるだけだ。

>>737
またか。相変わらず好きだなその書き方。
臭い台詞を吐いて何が悪い?時にはこういうことも必要だ。
あと、お前の書き方は読みにくさ満点。まず自分の書き方を直すんだね。

>>738
何がどうウンコなのか分からないし、なぜウンコなのかについての説明がない。

>>741
718氏に対象を振ったのはこちらのミスです。すみません。
しかし、書いたレスには718氏への返答も含めてしまったので(汗)、あのままで勘弁してください。

別の場所で結構だと思います。いずれどこかで会えるかもしれません。

>>745
いやいや、ここまで盛り上がった手前そう簡単にやめるわけにはいかない。
ここの方が見ている人間も多いし効果的なので、あなたがなんと言おうと継続する。
それに別にスレッドを作ったところで俺が本当に話したい相手、
つまりこの板に来ているようなこり固まった香具師に会えるという保証はまず無い。
せっかく場所まで教えてもらった手前申し訳ないが、今後もこちらで続けさせてもらう。
750.:03/05/23 20:23 ID:+R+SAg+p
>>746
あなたの書き込みはあまりにも抽象的すぎるので、もっと分かりやすく書いて欲しい。

この状況を見ている、または知っているのであれば、とらじまねこ氏やG−boy氏、
マサヒロ氏にも参加を願いたいところだ。彼らも彼らでまた違った意見をもっているはず。
さらに、最近見ない白兎氏やこれを始めてから音沙汰が無い☆娘氏にも参加を願いたい。
果たして彼らはギブアンドテイクや排他的根性、現状と今後の活動についてどう思っているのであろうか・・・?
751.:03/05/23 21:17 ID:+R+SAg+p
>>748
うーむ。X氏やゆんぞ氏はジャンルの一般化及び普及のために尽力しているように感じられるのだが。
X氏は裏と表の使い方を理解しているし、彼のデータベースは一見にとっても優秀だと思う。
ゆんぞ氏は高機能なリンク集を構成し、ここへの投稿を保存するためのローダさえ作り上げた。
個人的に、彼らの行いに対しては敬意を払わずにはいられない。
時々、彼らがいなかったらこのコミュニティはここまで持たなかったのではないかと思うことさえある。
過大評価だとは思うが、時にそう思わせるくらいのインパクトを自分に与えていることは事実なのだ。

彼らを失ったこの世界を想像してみたまえ。コミュニティと呼べるものが委員会のみに戻ってしまう。
いや、あれは既にコミュニティと呼ぶには難しい。
最近は活発化しているが、一時期の低迷ぶりを目の当たりにしている以上期待できない。
即ち、交流の場が無いに等しい状況となる。そのダメージは大きいぞ。
より小さくなった場は、凝り固まったイメージを作るための絶好の場となる。ここよりも小さい場だ。
それはカオティックで非常に素敵で魅力的な存在だが、我々が望むような方向への発展は期待できなさそうだ。
彼らは必要なのだよ。例えあちらの者達と関係を持っていたとしても、閉鎖された世界を望んではいないだろう。
自分は彼らの行いからそう信じている。君の目に彼らの関係の方が大きく映ってしまうのは残念だ。

と言うか、ぶっちゃけあっちに引き込むような真似したもりりん氏が悪いんじゃね?
っつか、もりりん氏が潜るような原因作ったクレ厨が悪いんじゃね?そーじゃね?
今となっては元を攻撃しても栓のない事だがな…とにかく彼らは責められるような人物ではないと言っておこう。
全く危惧していないようにはとてもではないが見えん。彼らの行いを少しでも理解していただけると有り難い。

態度についてはまた別の機会に語り合うとしよう。
752【危険】毒吐き期間中【DANGER】
>>748
違います。
漏れは本当はここでマターリ出来りゃいいだけのぬるい香具師でし。
まぁ、漏れが無い知恵絞ってどう反論を書いても、あなた(方)は
自分のエゴ(漏れにとってはそうとしかいいようがない)を書き込むんでしょう?
だったらこの際、この混沌とした状況を傍観するしかないっしょ。
自棄と言えば自棄ですな。

もっとも、そろそろこのスレ終わるんだけどね。
そして、あなた(方)のこの破壊の後に残るものが何なのか、見届けさせてもらいます。

ああ、何と素晴らしい終劇なのだろう(棒読み