【初音ミク】VOCALOID総合エロパロ4【ボーカロイド】

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1名無しさん@ピンキー
ネギをかじりつつ科学の限界を超えて生み出されたVOCALOID。
そんなVOCALOIDのキャラでエロパロ妄想。

■ワンカップ片手にsage進行推薦
■荒らしはアイスを食べながら冷やかにスルー。
■荒らしを相手にするあなたはアナルネギで解熱。
■それでもダメなら専用ブラウザでNG設定を。ロードローラーだっ。
■非公式キャラ(弱音ハク、亞北ネルetc)や  偏った趣向を含むのSSについては注意書きを。
  801はスレ内に不和が生じやすいので特に注意。男女男女交互に並べ。
■セウトはもちろん、セーフの非エロSSもあり。
■純粋に萌えを語るのもよし。
■次スレは980くらいで。
  ただしスレの容量が500kbになると書き込めなくなるので、近付いたら宣言してスグ建てる。

前スレ
【初音ミク】VOCALOID総合エロパロ3【ボーカロイド】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1203699552/

2chエロパロ板SS保管庫
ttp://red.ribbon.to/~eroparo/
その他のジャンル、ノンジャンルの部屋

関連スレ
【ミク】VOCALOIDで百合【MEIKO・リン】
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1199576044/
2名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 23:48:01 ID:ZhbGSyck
2
3名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 23:50:40 ID:VSTV51zE
>>1
4名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 01:24:44 ID:uFXlZ+pD
>>1
乙!
5名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 09:27:26 ID:hrU4hhWt
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 >>1乙ぱい
 ⊂彡

6名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 12:28:26 ID:nZy1CQTf
いちおつ
7名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 19:08:43 ID:Ls10FOga
(`ハ´ )乙 こ、これは弁髪アル!乙じゃないアル!!
8名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 19:39:17 ID:FfP/+ECP
「わあっ♪ ここが新しい部屋ね」
マスターがPCを新調し、私達も引越し。前の家だと5人一緒に住む事ができなかったので、新曲で出番の無い人は一時的にアンインストールしたりして部屋を空けたりしてた自転車操業。でもその日々ももう終わり。
「今度のお家は自分専用の部屋まであるなんて感激〜」
以前は一つの部屋を私達5人が交互に使ってたけど、新居はなんとそれぞれの部屋が用意されてる。しかも旧世代組や双子と違って私は完全に一人部屋。
「う〜ん、このVIP待遇。他のボカロとは違うって感じよねえ」
一番多くの曲を歌ってるという自負が私を自惚れさせていた。実際私はマスターの元に来てから一度もアンインストールされていなかったのだから。だから知らなかった。一時的に退居してた皆がああなってたなんて…

「おやすみ〜」
今日のレコーディングも終え、私は布団を敷いて眠りに着く。明日も収録だ。大変だけど売れっ子の証。マスターは私に一番曲をプロデュースしてくれる。しかも殆どがメインボーカル。愛されてるなあ、なんてね。
「…zzZ」
自動的にスリープモードに切り替わろうとしたその時。
「…ぁん」
「??」
なに? 今の声?
隣の部屋から? 確かこっちはお兄ちゃんとお姉ちゃんの部屋…
「…めっ、隣にはミクがいるの」
「そう言ったって、一ヶ月ぶりに会えたんだし我慢できないよ」
「でも、このままじゃ隣に筒抜ひゃうっ!」
「大丈夫。こんな時間だし、もうぐっすり寝てるよ。それに…」
「あんっ!」
「めーちゃんも既にこんなじゃないか。新品の布団汚さないように早く栓しないと」
「もぅ…じゃあ、上の口にも栓して声が漏れないようにして」
「めーちゃんのあの声好きなんだけど、まあ仕方ないか」
…なにごと?
ってどう考えてもナニ事よねえ。
いやぁん、あの2人おっとな〜♪
そういえばお兄ちゃん達って双子と入れ替わりで去ってたのよね、だいたい一ヶ月前に。
ってことは、私達3人でいた頃からそういう仲だったの!?
全っ然気付かなかった。私のソロ収録中にでもしてたのかしら。
あ、そういえばお姉ちゃん、イメージ検索でファブリーズのキャッシュ探してた事あったっけ。ママローヤルαの流れだと思って気にしてなかったけど、あれって臭い消しの為?
「ま、妹としては素直に祝福するとしますか」
明日目が覚めたら開口一番は「ゆうべはおたのしみでしたね」で決まりね♪
9名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 19:40:35 ID:FfP/+ECP
それはそうと、さすがにうっふんあっはんな子守唄で眠りにつくのは勘弁なので、布団をズズズと反対側にズラす。こっち側の壁の向こうはお子ちゃまな双子。間違っても向こうのエロ夫婦のような声が聞こえてh
「やあっ、あん、レン、はげしぃい」
…んなアホな。
「だって、今日から、ミク姉の目、気にしなくていいし」
「だからって、こんなにされたら隣に聞こえひゃうううう」
丸聞こえですよリンさん。
ってちょっと待って! あんたら14でしょ!? 双子でしょ!?
いや、そりゃ双子は公式設定じゃないけど、だからってそんな…
「これからは箱詰めだった頃みたく、毎晩2人きりの時間作れるぜ」
「もうっ、思い出させないでよぉ、益々興奮してきちゃうじゃない」
箱詰め? デビュー前の話? その頃から不純異性交遊の常習犯だったとは。
絶望した! 日本の若者の性の乱れに絶望した!
それにしても、右もエロス左もエロスなんて参ったなあ。同じエロなら頭にピをつけて欲しいわ。そしたら、らん・らん・るー☆って感じなのに。
「………」
…ダメ。
馬鹿な事考えて気を紛らわせようとしても、2人の喘ぎ声に感化されちゃった。
「…ん」
もう濡れてきてる。体はスイッチ入っちゃってる。
「わたし、清純派アイドルだった筈なのになあ」
兄姉弟妹がエロエロだと抗いきれないのかな。そんな事を考えながら左手で突起を、右手で溝をそぅっと撫ではじめるのだった。
10名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 20:19:39 ID:/RbkqpGe
>>8-9
スレ最初の投下GJ!
11名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 20:53:06 ID:KmBgiDVy
GJ!
ミクが寝不足になる、と思ったら何か適応しててワロタw

実体なしだと辛抱切れたミクがマスターを食っちゃう流れにはできないか。
攻殻みたいに擬似体験プレイもありとすればアリかな?
12名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 21:36:10 ID:m+ahJjmk
GJ!
毎晩この有様だったらミクの目の下にクマができるな(w
13名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 22:45:43 ID:gFfM+HBq
出品じゃありませんので、入札は全て削除します。
いよいよダウンロード販売開始のようです。販売予価は600円程度。

オクで落札しても制作者にはお金が入らないので、どうしてもパッケージが欲しい!
俺はパッケージに数千円払いたいんだ!転売屋に貢ぎたいんだ!という人以外は
各種ダウンロード販売サイトで購入して欲しいと思います。それがファンって物だろうと。


ここだとユーザー登録しなくても購入可能。
http://home.dlsite.com/announce/=/product_id/RJ038558.html

定価で買える物を転売して利鞘稼ぐとか、作者のサイトを調べもせずに入札とかってのはどーよ?
14名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 23:09:34 ID:vrc3mSLM
http://page6.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f61067168

出品じゃありませんので、入札は全て削除します。
いよいよダウンロード販売開始のようです。販売予価は600円程度。

オクで落札しても制作者にはお金が入らないので、どうしてもパッケージが欲しい!
俺はパッケージに数千円払いたいんだ!転売屋に貢ぎたいんだ!という人以外は
各種ダウンロード販売サイトで購入して欲しいと思います。それがファンって物だろうと。


ここだとユーザー登録しなくても購入可能。
http://home.dlsite.com/announce/=/product_id/RJ038558.html

定価で買える物を転売して利鞘稼ぐとか、作者のサイトを調べもせずに入札とかってのはどーよ?
15石ころ:2008/03/24(月) 03:19:45 ID:o0Oebmkf
>>8-9
吹いたwGJ!
 
>>10
そこで3P(ry
 
 
知り合いがネルを書いてくれますた。
http://56.xmbs.jp/pb5.php?ID=avaron&no2=1747579&r_num=366004&c_num=10422&page=
ところでイラストって保管されるの?
16名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 03:27:07 ID:zzSOSD9C
>>15
>3P
まt ミクがどっちに混ざるかが問題d
17名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 17:58:22 ID:M2I9WpYV
よし、間をとってマスターを交ぜて6Pだ
18名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 19:10:27 ID:xGRq9wsK
そこはマスミクだろ常考
19名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 19:55:45 ID:zi6AAolk
どう考えても余ってしまったミクを慰めるのは俺しかいないだろjk
20名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 21:11:30 ID:PSnfOqm/
はちゅねが居るジャマイカ…おや誰かきたようだ
21名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 21:23:29 ID:GqaYsKmV
お前ら、レオンを忘れているぞ
22名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 21:57:27 ID:OMnF8iCV
そっちこそ、スイーツ(笑)を忘れているぞ
23名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 00:40:02 ID:kh3v4ysT
じゃあこうしよう
アン
ミリアム
ローラ
レオン
カイト
メイコ
ミク
リン
レン
ハク
ネル
この11人で輪姦学校合宿だ
24名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 00:45:30 ID:yu56yfle
プリマが抜けてる件
25Intentionality ◆tT40b2Yj5E :2008/03/25(火) 03:04:47 ID:hCfO3vk8
こんばんは(´・ω・`)ノシ
>>1 新スレ乙です。
裸で待たせていた方々には待たせてごめんなさい、『Intentionality』の続きです。
では次レスからお楽しみ下さい↓
26Intentionality ◆tT40b2Yj5E :2008/03/25(火) 03:07:11 ID:hCfO3vk8
     ×   ×   ×

  男を「魔界」にいざないゆくのは女体(にょたい)のようである。

   川端康成『眠れる美女』より

     ×   ×   ×

   【メフィストーフェレス】
  そこでその高尚な観察の尻を、
  ちょっと口では申し兼ねるが、
     (猥褻な身振。)
   これで結ぼうというのですね。

   【ファウスト】
  ふん。怪しからん。

   【メフィストーフェレス】
  お気に召しませんかな。
  御上品に「怪しからん」呼ばわりをなさるが宜しい。

   ゲーテ作・森林太郎(鴎外)訳『ファウスト』「第一部 森と洞」より

     ×   ×   ×


「あん…っ…あはは、龍樹も…ようやく、ノリノリになってくれましたね」
――彼女の声がよく聞こえない。俺が我を失っているからだろう、目の前の彼女の性器に触れ、思うままに貪る。
「ふあぁッ!…そ、そこばかり責めて…!ふふ、ミクのオマンコ…気に入ったんですね…あぁっ…」
ミクは未だに俺の逸物を握りしめたままだ。一度精を放った俺のそれは萎えずにいた。
「んふふ……龍樹のオチンポ、元気なままですね。さっき出したばかりなのに、まだガッチガチ……」
「……なぁ、ミク。俺と競うんじゃなかったのか?俺ばかりミクを喜ばせても……ってててててッ!!」
彼女は急に俺の性器を掴んだ。……相変わらず容赦しない。そしてゆっくり振り向くと……冷えた瞳で俺を見据えた。
「――駄目ですよ、龍樹。ミクにはミクの考えがあってこうしているんですから。
龍樹は龍樹の思うがままにすればいいんです。ミクの事は気にしないで続けて下さい。
……ふふっ、まぁミクは余裕ですから。これはハンデですよ。龍樹があまりに早く昇天されても面白く無いし」
あはははっ、と嘲るような彼女の笑い。

――心の底で、沸々と込み上げるものを俺は感じた。
最初、それは『無色透明の』感覚だと思っていたが――どうもそれは勘違いで、よく見るとそれは『黒い感情』だった。

「…なんだと?」
「あはは♪それですよ、それ!…いいですよ…その目です。ミクに向けるその目がずっと見たかったんです。
今まで何の苦労も知らなかった龍樹が、初めてミクの前で見せるその表情!
ようやくあなたも…自身の内に有る〈陰と陽〉に気付きつつある。まずはそれからです、全てはそこから――。
…んふふ…悔しいでしょう?女の子であるミクに、いいように玩ばれて。自尊心もプライドも踏みにじられて」
くっくっと喉の奥で低く笑いつつ、彼女はゆっくりと手を動かし始める。
わざと焦らすようなその動きに、俺は小さく呻く。

「私の前であなたは快楽と苦痛の挟間に耐え、悶え、苦しみ、悩み、そして解放される。
あなたは知る、『理外の理』を。人間は所詮、肉体無しでは生きられないことを。――肉欲が〈理性〉を超えていくということを」

「……どういう意味だ」

「ふふふ……〈意味〉を問うより、感じてもらう方が早いですね。
『男を「魔界」にいざないゆくのは女体のようである』――肉体を通じて……一緒に『魔界』の底まで堕ちていきましょうか」
27Intentionality ◆tT40b2Yj5E :2008/03/25(火) 03:17:22 ID:hCfO3vk8
「……な…ぐぁ!…っは……」
彼女は俺の戸惑いも意に介せず、そそり立つ剛直に軽く口付けたまま、先端を吸い上げる。
「ずじゅ…ちゅぅ…んふふ…何も考えられませんか?それですよ。〈思考〉を超えて、〈感覚〉を掴むんです。
〈陰と陽〉、あるいは〈両儀〉を掴むことです。
…あなたの脳は今、『射精したくない』と思っている。でも、肉体は逆に『もっと気持ち良くなりたい』と欲している。
そして面白いのは…あなたの精神です。龍樹は今、『ミクに罵られて悔しい』と思っている。
でも本当は…『ミクにもっともっと罵られたい』と欲している」
「そ、そんなはずは…うぐ」
「ちゅる…んぷ…っぷぁ。……あは、嘘は止めて欲しいなぁ。説得力無いですよ?
ミクにこうして吸われたり舌を這わされる度に…龍樹ってば、オチンポをビクビクさせるくせに。
ミクにもっともっと罵られて、オチンポを虐めて欲しくて堪らないんでしょう?
……分かるんですよ、龍樹はマゾヒストだってこと。ミクに責められることを望んでいるってことを。
さっきみたいな、はしたないイキっぷりを見れば分かりますからね……?
まぁ、龍樹がミクにオチンポを視姦されながら言葉責めされて欲情しちゃうようなド変態でも私は大歓迎ですよ……ふふふふふ」
――正直、ここまで暴走するミクというのは空恐ろしささえ感じる。
普段とのギャップが有り過ぎる。まるで、この二重性は――天使と悪魔だ。

まさかとは思うが――これがミクの〈本性〉ではないだろうな?そんなことあってたまるか。
だが、黒い尨犬(むくいぬ)に変身してファウストの書斎に忍び込んだメフィストーフェレスのように、
ミクもまた――俺とこうすることが目的で、偽りの自分を演じているんじゃ――?

「――ふふふっ、龍樹。その瞳で全部分かりますよ?
私が淫乱なことに戸惑い、戦慄し、恐れすら抱きつつあることを。
……私が記憶喪失を演じている心配は、杞憂です。現在の事態はある事情によって、『なるべくしてなったこと』に過ぎない。
ミクが淫乱な娘であるかどうかは別問題ですよ?それで困っているあなたが、おかしいんです。
――悪魔だと思いますか、ミクを?…ふふふっ、それはそれでいいですよ?
グレートヘンでありメフィストーフェレスでもあるのが……初音ミクですから。
でも今はメフィストーフェレスというより――サキュバス(淫魔)ですね。
精を貪りますが、大丈夫――殺しはしませんよ……くくく、あははははははははははッ!!!」

――なんてことを言うんだ、ミクは。
君は、そんなことを言う娘じゃないはずだ。君は俺にとっての天使で、清純な天使で、絶対にそんなことを言うような――

「『穢れを知らないミクがそんなことを言うはずが無い』?『ミクは清純な天使』?……あははは!それこそあなたの独り善がりです。
はっきり言いましょうか、龍樹。初音ミクは、年相応、いやそれ以上にエッチな女の子です。
龍樹に一目惚れし、あなたとエッチなことをしたいと願う、一人の女の子です。それのどこがおかしいのですか?」

28Intentionality ◆tT40b2Yj5E :2008/03/25(火) 03:19:02 ID:hCfO3vk8
〈彼女〉は、ぴしゃりと言い切った。口許だけを笑わせ、俺を非難する視線も込めて。
「…独り善がり…」
「そうです。あなたの〈理想のミク〉と、〈現実のミク〉は違います。
…あなたと今向き合っているミクは…〈あなたが規定したミク〉じゃない。
〈あなたの規定したミク〉というのは、究極的には一人だけなんです。つまり、あなたが推し量れるレベルに留まっているミク。
清純で、天使のように優しく、淫らな振る舞いなど決してしないように『見える』、あなたにとって都合のいい情報で作られたミクでしかない。
…それを覆すような振る舞いをすれば、あなたはそれを拒絶する。それって、酷くないですか?
あまりにも狭量で、器が小さく、臆病で――他人を思いやれていない」
「……そう、なのか?」
「――やっと、自らの価値観に疑問を持つくらいにはなってくれましたね」

彼女はそこで、くすりと笑い――

「そうです、龍樹。ミクを特別視し過ぎないことです。あなたの理想のミクを追い掛けることばかりではいけない。
『今あなたの目の前で乱れているミク』も認めて欲しいんです」

「……認めて、どうなる」

「……そうじゃないと、『私が』これから困るから。私自身の欲望を満たせられなくなり、
その欲求不満の矛先が――あなたに向かうかも」

――目を光らせて、俺を見た。

「欲求…不満?」
「それはですねぇ。例えば…今、ミクの目の前にあるこのオチンポ…ミクにしゃぶってほしいですよね?」
「……う」
絶妙な手つきは相変わらずだった。ミクは俺の分身を両手全体でこね回ように触り、上下にするすると音を立てて撫でている。
「くっくっく……でも、駄ぁ目。……このまま、もう一度手コキでイカせてあげようかな?」
「え……」
「龍樹はそれでいいですか?いいですよねぇ、これでも十分気持ちいいでしょ?……あはっ、先っぽからまた我慢汁出てきた♪」
「だ、だけど…なぁ、ミク…むぐ…ッ!」
彼女は返事する代わりに、自らの腰を落としてきた。俺の口と鼻に、つんとした味と臭いが広がる。
「はぁん…んぁ、龍樹の吐息と鼻息が、ミクのオマンコにかかってる…♪」
「ふぐっ…っぷぁ!びっくりしただろ…って、むぁ!」
「あぅ…んんっ、いちいちうるさいですねぇ?文句ばっかり言ってると、ミクのオマンコで上のお口は塞ぎますよ?
……ミクは龍樹の下のお口とおしゃべりしますから♪」
お尻を動かして、彼女は自らの性器を俺の口にこすりつける。その度に嬌声を上げ、俺自身も自然と舌と唇で彼女の膣内を愛撫するようになってしまう。
「んあぁ…あはぁ♪いいですよ、そうやってぇ、舌を中に…ひゃぁぁん!」
「じゅ…ちゅぷ、んぶ…ふ、っはぁ、はぁ…」

――ミクの中から溢れてくるその大量の汁で、俺の〈思考〉と〈感覚〉は侵されつつある。

「はぁ…あ、ははは、龍樹の舌ぁ…すっごくミクの中で動いてて、気持ち良くて…ふぁあッ、また、らめぇ!…っくぉの、いきなりなんて…!」

――俺はミクに、心を侵され、身体も犯されている。
――それはやがて、〈感情〉さえもどんどん黒く染め上げられていくように思えた。

「じゅる…ぷは。……ど、どうだ。少しは…思い知ったか」
29Intentionality ◆tT40b2Yj5E :2008/03/25(火) 03:21:33 ID:hCfO3vk8
――ミクがその瞬間、背中を震わせた。

「今……なんて、言いました?」
「……思い知ったか、と聞いたんだよ」

俺自身が、麻痺された感覚を自覚していた。
もうどうにでもなれという自暴自棄のようなものがあり、多少の苛立ちと彼女に対するある種の抗議のつもりで――彼女の性器を愛撫してやった。

ミクは一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに満面の笑みを――心の底から待ちわびていた、とばかりの恍惚を思わせる笑みを見せた。
「それです!――その挑戦的な目付き、その乱暴な口調、その攻撃的な態度――」
ミクは俺の性器――あぁ、もういいか。チンポを握りしめながら言った。

「――龍樹のそういう一面を引き出したかったんです。あなたはさっきまで、ただ優しいだけの軟弱な人だった。
でもようやく、男性としての本性を掴もうとしている。本能で動く野獣の性を意識しつつある」

――そこで俺は気付いた。彼女のオマンコから流れ出るその液体の量が、明らかに増えつつあることに。

「……なんだよ、ミク。お前……もしかして、俺にこうされながら……」
「ふふっ…」

彼女は自分の右手で、自身のオマンコの中に指を入れてみせた。

「あぁう…んはぁ…あはぁ…!…そうですよぉ?…ミクはぁ…あ、あはっ」
グチョグチョに手を濡らし、何度も何度も出し入れする。
「龍樹に…見られたり…あはぁ、んんん!罵られる、と…ひゃぁううんッ!」

さらに指は彼女自身の膣内に侵入し、それに合わせて自ら腰を動かしながら、左手は俺の剛直を同様のペースで擦り上げる。
その激しさに一瞬歯を食いしばりつつ、目の前で繰り広げられるミクのオナニーショーを食い入るように見つめる。
――これは一種の視姦だろうか。
「……俺に見られたり、罵られたりすると……ミクのオマンコは感じてしまうというわけか」
「あはぁっ!…ひゃぁう、そ、そうです!…ねぇ、見えてますか?…ミ、ミクの……」
「散々俺のことを挑発しながら、今さら清純を気取るな。あぁ見えてるさ、ミクのオマンコ――だろ。俺の目の前にある。
……こういうのは何て言うんだろうな。そうだな……オマンコ汁で大洪水ってとこか」
「んんんッ!!…あはっ…あぁぁッ!!…そ、そうですよぉ…ミクの…オマンコぉ…ぐちょぐちょ、でしょ…?」
そんなことは分かっているさ。っていうかそれを見せたいだけなのか?
ミクの左手のスピードはどんどん遅くなっている。――もう、自分のオマンコをいじることに専念したいのか。
「どうした、さっきまでの威勢は?俺に対するハンデとか言ってたくせに……一人で盛り上がっているだけか?」
「はぁあ…あ、はぅ…だ、だって…」
「『だって?』――言い訳なんてみっともないな。まぁ、淫乱な君だからな。ここまではしたないなら……とことん、乱れるがいいさ」
――そして俺は、目で彼女に合図した。

――ミクは淫乱。ミクはエッチな娘。それでもミクはミクで――それも許容してやるさ、と。

ミクは蕩けた瞳で、更に身体を震わせ……もはや、絶頂の瞬間まで辿り着きそうな表情だった。
「…あはぁ…っ…んん…くぅん…ひぁあッ!!……じゃ、じゃあ…た、龍樹…?」
「なんだ?」
「ミクのオマンコは、龍樹に任せますから……」
「ああ。俺が君を気持ち良くさせてやる――それと?」
「…この、オチンポ…ミクのお口と手で、思う存分に…しても、いいですかぁ…?」
30Intentionality ◆tT40b2Yj5E :2008/03/25(火) 03:25:06 ID:hCfO3vk8
俺はにやりと笑って――言った。

「……ああ。ミクの思う存分に…って、うおおぉぉぉッ!!!」

――言い終わらないうちに、ミクはオマンコいじりを止め、両手で俺の分身を扱く。
そして舌で俺の剛直を舐め上げ、そのまま唇で何度も先走りの汁を吸い上げ――ぱくりと銜え込んだ。
「ずじゅ…!…ぴちゅ、じゅる、ちゅ…ぷちゅ…むぐ、じゅぼ、じゅぷ!」
「ぐ、おおおああぁぁッ!!……くは、ま、待てって、いきなりは、はげし…あぁッ!!?」

――え、嘘、ちょ、こんなに、ミクの唇柔らかくて、え、あ、その、嘘、マジで、あ、駄目、その吸い上げ、あ、ごめ――

「ちゅるん…え?ちょ、その顔――ふあぁぁッ!!」
……ミクの顔に降り掛かった白い濁れる奔流。その量だけは大したものだが……。
「くううぅぅ……はぁ、はぁ、あ……あ、らぁ……」
俺は脱力して、ミクのオマンコすら目に入らない。頭を押さえて、突然の快楽から平静に戻ろうと努める。
だが、意識がはっきりしてくると――俺の剛直を未だに離さないミクが気になった。
「え、あ……れ?……ミ、ミク?」

「――龍樹……」

――俺の耳が間違いでなければ、その声色は間違いなく……怒りの声。
「タ・ツ・キ……ッ!!?」
「ちょ、いだだだだだだだだだだッ!!!!」
ゆっくりと振り向きつつ、これ以上無い力で、彼女は俺の分身を握り締めた。
「龍樹ッ!!なんですか、このていたらくはッ!!?わずか、わずか一分も我慢出来ずにイってしまうなんてッ!」
「ぐわぁぁッ!!…ご、ごめんッ!!…あ、あやまるから、まずは手を緩めぇッ!!」
「だが断るッ!!この初音ミクが最も好きなことは余裕かまして女の子をイかせると宣言しておきながら自分勝手にイってしまう
デリカシーゼロで情けない童貞野郎に『NO』と言ってやることだッ!!!」
「待て、確かに君の怒りは分かる!俺は情けない!反省します!」
「『反省』?それだけじゃ困るんですよ!ミクは悔しいです、いやもう残念です!
絶望した!上半身で格好つけておきながら下半身は堪え性の無い人だったことに絶望したッ!!」
……もはや散々な評価だ。とりあえず、その奇妙な絶望した!絶望した!という叫びとともに両手は離してくれた。
そしてその叫びにも疲れたのか、「はぁ…」と彼女は溜め息をついた。
「……まさか、龍樹がこんなにミクの舌と唇に耐性が無いとは……もっと我慢してくれると思ったのになぁ。
ゲーテだって『鉄の忍耐、石の辛抱』って自戒していたでしょう?
いくらミクがグレートヘンより美少女だからって、私にとってのファウスト博士が早漏じゃあ、やってられません」
「――済まない。あまりにも気持ち良くて、つい……」
「……はぁ。……まぁ、最初ですからね。今まで本当に性的な刺激に関わりが無かったようだから、しょうがないのかなぁ。
――本当に、私がメフィストーフェレスになってやるしかなさそうですね。ファウストが童貞卒業するお手伝い。
…いくら眉目秀麗文武両道完璧超人のあなたでも、肉体と精神のコントロールは鍛錬が必要ですし」
「そう……なんだぁ……」
「他人事じゃないですよ?龍樹と私たちのこれからが懸かってるんですから!」
ミクはぷんぷんと怒りつつ、顔についた精液を舐めとった。それが一段落すると、身体を向き直し、俺の顔を覗き込んで言った。
「……改めて一言。言わせてもらいます」
目がまず笑っていない。
「……はい、どうぞ」

「……この、早漏野郎」
31Intentionality ◆tT40b2Yj5E :2008/03/25(火) 03:25:57 ID:hCfO3vk8
――こやつめハハハ、という渇いた笑いは俺だけだった。彼女にさらに睨みつけられて、俺は真顔に戻りつつ「ごめんなさい」と小さく謝る。
「反省して下さいね。――もう、こんな早くにイったりしないで下さい」
「はい。もっと我慢します」
「こういう時は女の子も同時に気持ち良くなりたいんです。だから、カッコつけてヘマするより、無理せず一緒に気持ち良くなる方がまだマシです」
「ですよねー」
「……まぁ、私も勝手に一人で盛り上がってしまったし。実は指で軽くイキそうになってました。
だから私もちょっとアレだったので、今日は……これまでってことで」
「うん、それで」
そこでミクは大きく頷いた後、今度は意地の悪そうな笑みを見せた。
「でも、明日からは――覚悟して下さいよ?」
「――覚悟しろって……?」

「明日から、特訓です。――もっと楽しく、もっと濃厚に、もっと大胆に、乱れに乱れて――二人でいっぱい気持ちいいことをするんですよ。
明日からが、本当の二人の『魔界廻り』ですよ?……ふふふっ」

――じゅるり、と〈彼女〉の舌が自身の唇をぬめる。
まるで満足していない淫蕩な〈彼女〉の本性を覗かせるその仕草に、俺は下半身の疼きを精神力でなんとか抑えた。

でも――それは拒めない。だって、〈ミク〉も〈彼女〉も――

「……それがミクの望みであれば、俺は応じよう」
――俺が側にいると誓った。望むものは何でも与えようと宣言した。だから約束は守ろう。

――そこでようやく、彼女は『にっこりと』笑った。
さっきまでの形相とはうってかわって、お互いに満足したという充実感に変わっていった。
そのままどちらからともなく抱き合い……倒れ込むように、ベッドに二人で横になる。
シーツはいろいろとぐちゃぐちゃで、枕を並べるだけになってしまったが、まぁ部屋の温度は寒く無いから風邪を引く恐れはない。
むしろ、俺たちの身体はずっと火照ったままだ。薄着の下から蒸気さえ出そうなほどに。
息を整えて、最初に声を掛けたのはミクだった。
「――ふふ。でも、私たち……」
「……私たち?」
「しちゃいましたね。――エッチなこと。出逢って間もないのに」
「む……改めて言われるとなぁ……まぁ、その、だな……」
「あは♪今さら赤くなるんですかぁ?……さっきまで、凄く威勢が良かったくせに」
「それはミクだって。……挑発的で、大胆で……」
「龍樹の肉体がいけないんですよ?……精悍な身体つきは、それだけで女の子にとっては魅力的なんですよ」
「……本当に、『それだけ』かな。……これは〈ミク〉が望んだことか?それとも……〈君〉が――」
――彼女は俺の問いを見越していたかのように、くすりと微笑んだ。これはもう、俺にとっては誘導尋問も同然の問いだった。

「――これは〈私〉が望んだことでもあり、〈ミク〉の肉体と霊魂が求めたことでもあります」
32Intentionality ◆tT40b2Yj5E :2008/03/25(火) 03:27:21 ID:hCfO3vk8
……そのミステリアスな雰囲気そのままに、〈彼女〉は答えた。
「ようやく、尻尾を掴まえたぞ。――〈君〉の正体の」
「ふふふっ……もう、気付いているんじゃないんですか?世界最高の頭脳の持ち主で、精神分析と脳科学と霊魂のエキスパートのあなたですから」
「――いや。まだ確証は得ていない。ただ、思い当たる仮説はあるが――」
「じゃあ……すぐに教えたら面白く無いかも。ならば――」
〈彼女〉は耳元に唇を寄せてきて――優しく囁いた。

「今夜のところは、これで〈私〉は消えます。あとは〈ミク〉に任せますから。
――次に逢うのは――あの場所で。あなたが望めば、今度こそ確実に私と逢えますから。その時……答え合わせをしましょうか」
「そうだな。――じゃあ、また逢おう。ミク、いや……俺の『メフィストーフェレス』」
「ふふ。――じゃあ、おやすみなさい。龍樹、いや……私の『ファウスト』」

そして、〈彼女〉は一度消えた。

「……んん…あれ、タツキさん……?」
「――どうした、ミク?」
白々しいな……と思いつつ、〈ミク〉に優しく微笑む。
「あ、あのぅ……ミクって、さっきからこうして……」
「こうして?……こうやって、か?」
「わぁ!?…あ…」
俺はミクを抱き締めた。突然の抱擁にミクは驚いたが、そっと俺の背中に手を回した。
――ああ、やっぱり『今の』この子はグレートヘンだ。メフィストーフェレスではなく。
「こうやって…抱き締め合っていたぞ?ミクと俺でさ」
「……そう、でしたっけ。……うん、まぁそういうことで……いいかな。
一瞬、さっきまでの記憶が無いような気がしたから――ちょっと不安になっちゃいなっちゃいました。
また物忘れしたら……ワタシってどうしちゃったんだろうってなるから」
「いや、それも心配するな。俺が側にいれば、君がどうだったのかも説明出来る。
――それが、君の側にいるということの、最大の強みであり、そして――」
「そして?」
――俺は生まれて初めて、『意識して』格好をつけたいと思い、そして彼女に微笑んで宣言した。

「――明日からも、こうして俺は側にいる。何も恐れるな。何も心配なことは無い。
カイト兄さんやメイコ姉さん、そして俺がいることを忘れなければ――君は大丈夫だ。
もう俺は受け入れてる、ミクの全てを。運命も。俺自身の運命も覚悟の上で――」
33Intentionality ◆tT40b2Yj5E :2008/03/25(火) 03:28:16 ID:hCfO3vk8
「タツキさん……」
ミクは満面の笑みで応え――さらに抱き締めてきたのだった。

ゆっくりと時間が流れ、このまま二人で眠るのかと思われたが――
「……それで、タツキさん」
「……なんだ?」
「タツキさん……さすがに裸のままだと寒くないですか?ミクはワイシャツ着てるからいいけど……」
「――あ」
――忘れていた。俺ってミクに脱がされっぱなしでずっといたんだ……。
ってことは、夢中であんなクサイ台詞をべらべらと言っていたのか。全裸で。
これ以上無いというくらいのキザなスマイルをミクに向けていたのか。全裸で。
「……なんかこう、どんなに綺麗な文章でも語尾に『全裸で』ってつけると、締まりがなくなりますよね。タツキさんもそういう状態っていうか」
「ですよねー」
……俺はそそくさと着替えて、無言で寝た。あぁそうさ。ごまかしたさ。
着替えたところで、ミクは再び俺に抱きついて言った。
「タツキさん」
「なんだ」

「……おやすみなさい」
「……おやすみ」

――それは、生まれて初めてだった。寝る前に誰かに「おやすみ」と言われて眠りにつくこと。
……たったこれだけで、明日が待ち遠しいと思えるなんて。
これもまた、ミクに出逢って俺が変わったことの一つなんだろう。
出来れば明日も、その次の日も。出来ればずっと――「おやすみなさい」って言ってくれ。俺もまた、「おやすみ」って言うからな――。


     ×   ×   ×


――これが、俺とミクの共同生活の初日だった。

そして次の日から――ファウストとグレートヘン、そしてメフィストーフェレスとの『魔界廻り』が、始まったのだ――。


     ×   ×   ×
34Intentionality<続く> ◆tT40b2Yj5E :2008/03/25(火) 03:49:19 ID:hCfO3vk8
以上です。
通し番号つけるの忘れてました(´・ω・`)今回は<その58>から<その65>まででしたね。
それと作者はオーディオヲタではないです。ヲタには遥かに及ばない一介のクラシック好きに過ぎません。
一見「過剰」に思われる小道具などの描写は…
タツキがいかに「浮き世離れした感覚の持ち主か」を表すものだと解釈するのが一つの「読み方」ではないかと。
ミクの変わり方や設定も…「二次創作として許される範囲と思われる、一つの過剰な試み」です。

あまり作者はベラベラ語るものではないですね。では次はまた少ししたらお会いしましょう(´・ω・`)ノシ
35名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 09:46:23 ID:gctMhKWK
>>34
GJ!
絶望ネタと全裸あたり爆笑してたw
半裸で
36名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 10:29:54 ID:nXjbBQ9T
同じく、「だが断る」からのネタラッシュに笑ったw
次作も楽しみにしてますー
371-195 ◆MiKuOB5x12 :2008/03/25(火) 23:52:15 ID:1UyeLEXj
1スレ以来のご無沙汰。
仕事が忙しくて書けないというのは言い訳でしょうか
小説を読む時間もないから、ネタも浮かばなくなってきた物書き末期
とりあえず5レスお借りします
38『Happey days 1 -既成事実!?-』1/5 ◆MiKuOB5x12 :2008/03/25(火) 23:53:19 ID:1UyeLEXj
いつかは三次元の彼女ができる。
そう考えていた時期が俺にもありました。


『Happey days 1 -既成事実!?-』
39『Happey days 1 -既成事実!?-』2/5 ◆MiKuOB5x12 :2008/03/25(火) 23:54:31 ID:1UyeLEXj
『神!!』
『すげえ、鳥肌』
『何だ、ただの神曲か』
投下された動画に増えるコメントに満足感を覚えながらも、
どこか満たされない気持ちが、奥底にはあった。
動画を埋め尽くす賞賛の声とは裏腹、現実の自分は限りなく惨め。
バイト先では役立たずだとののしられ、
実家からは早く定職につけと口うるさく言われ、
挙句の果てに今朝は道行く女子高生に指をさして笑われた。
低身長、無収入、三流大卒。
もはや、自分を慰めてくれるものはネットの中にしかない。
似たようなほめ言葉が続く画面を、何の感慨もなく閉じ、二窓、三窓とダウンロードサイトを開く。
「zipでくれ……と」
同時に、zip配布と名の付く動画を開くのも忘れない。
よもや、一部では神と持て囃される人がこんなくだらないコメをしているとは、
曲を聴いている誰にも思いもよらないことだろう。
何もしないまま、ただ惰性でフリーターになっただけのこの廃人には時間だけはたっぷりとある。
暇をもてあまして作った曲に、ハードディスクを埋め尽くすエロ画像。
ある意味、三次元で生きることを拒否した俺は現代社会の病巣そのもの。
「おっ、ダウソ終わったか」
複数窓開いていた窓からダウンロード終了の音。
落とすのはもちろん、エロ同人誌。
解凍されたフォルダの中に、唸るほどのエロ画像。
キャラクターはもちろん、俺が愛してやまない『初音ミク』だ。
同時にドキュメントフォルダの海をかき分け、mp3ファイルを開く。
「ああっ、ううっ、はぁ・・・…お兄ちゃんっ……」
クリックとともに流れだす自作のミクのあえぎ声。
日ごろ鍛えたDTMのテクニックで、そのあえぎ声はまさに人そのもの。
さすがにアカ消されたくないので自分専用にしているが、
アップロードしたら即日1位確定の出来だろう。ぼからんには名誉の除外だが。
まさに『才能の無駄遣い』。
エンドレスで流れるミクの喘ぎ声に、ズボンのファスナーに手をかける。
自分の息子は準備万端。まさに百戦錬磨の内弁慶。
ティッシュよし、エロ画像よし、気合よし。
レッツ、ハイパーセルフプレジャー!!
40『Happey days 1 -既成事実!?-』3/5 ◆MiKuOB5x12 :2008/03/25(火) 23:55:50 ID:1UyeLEXj
『ぴんぽーん!!』

突然鳴ったチャイムに、ファスナーに皮を挟みそうになるぐらいビビった。
いきり立っていたものが一瞬で萎える。
ティッシュを手に、エロ画像を開け、ファスナーを半開きにしている自分の姿。
冷静に考えると……その……ものすごく微妙だ。
『ぴんぽーん!!』
続けて鳴るチャイムにせかされるようにファスナーを上げ、ティッシュを丸めて玄関に急ぐ。
こんな時間に来るのは新聞屋ぐらいと相場が決まっているのだが……
「はいはい、家はもう新聞取ってるから……」
「おにいちゃーん!!」
いきなり、やわらかいものがむにゅっと抱きついてきた。
やべー、あったけー、やわらけー。
何だこの甘い香り……
そのままとろけてしまいそうになる意識の尻尾をどうにか握り締める。
てか、お兄ちゃんって、俺一人っ子だし、てか、このあったかいのは……
「ちょ……おま……」
この時点で、やっと自分の現状が理解できてきた。
自分に抱きついているこのあったかくてやーらかいもの。
エメラルドグリーンの長い髪の少女が、にぱっと笑う。
「初めまして、お兄ちゃん♪」
41『Happey days 1 -既成事実!?-』4/5 ◆MiKuOB5x12 :2008/03/25(火) 23:57:23 ID:1UyeLEXj
神 キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!!
ついに、ついに、ついに俺は次元の壁を越えることに成功したぞジョジョー!!
至近距離のミクの笑顔に意識の半分を持っていかれそうになりながらも、俺は踏みとどまった。
「ちょ、ちょっと待て、あの……どちらさま?」
一週間ぶりの生身(?)の人間とのコミュニケーションとしては、珍しくまともに話せた。
そういえば、ここ一週間家から出てなかった。バイトも人足りてるみたいだし。
「え〜、お兄ちゃん、酷いよ……せっかくミクが逢いに来たのに……」
体を離したミクは、髪の毛と同じグリーンの瞳で俺を見つめる。
ああっ、今、初めて上目遣いの危険さに気づいたヨ!!
いかん、いかん、俺は三次元に萌えぬと決めたのに。
「ミクって、あのボーカロイドの?」
「うん、お兄ちゃんの買ってくれた、初音ミク……」
改めて上から下までミクの姿を眺める。
……やべえ、らぶですを超えた。ありえないくらいの再現性。
コスプレで片付けられないレベルのそっくりさ。
ここまで見事に三次元にできるのなら、現実も意外といいかも……
……いや、Koolになれ、俺。
現実に初音ミクなどいない。
だって、アレ、DTMのソフトだろ。
ニコニコでは『ミクは俺の嫁』発言しているけど、そんなものないって分かってるだろ。
ああ、何のために三次元があるんだろ。現実って意味なくね? 三次元終了のお知らせ。
「ちょっと君。本気で自分を初音ミクって言ってるの?」
「うん……」
「好きな野菜は?」
「ねぎ」
即答かよ。ってか、もう公式設定かよ。
「あのさ、どこで家の住所調べたのか知らないけれど、いきなりコスプレ姿で押しかけてくるのはどうかと思うよ、
 君ってさ、ちょっと痛い人?」
「うう……なんで……せっかくお兄ちゃんのところに来たのに、どうしてそんな酷い事言うの……」
やべえ。ミク半泣きだよ。
困った……頭をかき回す。
もともと三次元のコミュニケーションは苦手だ。
あと、なんだ……適当に追い返す方法は……
「そうだ、歌、歌ってみてよ」
「歌……何でもいいんですか?」
「ああ、できれば俺が作ったの。俺のミクなら知ってるだろ?」
目に涙を浮かべたミクがこくりとうなづく。
さすがにこれは無理だろ。コスプレでここまでそっくりできても、歌をまねることは無理。
いくらそっくりに歌ってみせても、その差は聞き分けられる。
こう見えてVOCALOID殿堂入りの名は伊達じゃない。
「じ、じゃ、伴奏なしのアカペラですけれど……」
ミクは目をつぶって、すっと息を吸い込んだ。
42『Happey days 1 -既成事実!?-』5/5 ◆MiKuOB5x12 :2008/03/25(火) 23:58:24 ID:1UyeLEXj
……orz
いや……これは見事に想定外だった。
結論から言おう。ミクの歌声は本物だった。
メカらしい特徴が少し残る、VOCALOID特有の発声。
いや、それ以上に、どこまでも高く澄み上がる歌声。
人間には到底不可能な高音域から低音域までの音域。
今までずっと触れてきたから分かる。誰にも真似できない、ミクの歌声。
「ね、言ったとおりでしょ♪」
自慢げに笑うミク。
いや……うん、君がミクだってことは認めよう。
でも……
「よりによって、あの歌歌うのかよ……」
よりによってミクが歌ったのは、一時の気の迷いで作ったちょっとヤバめな歌詞の歌。
あの……あの卑猥な歌詞を、それも堂々とアパートの廊下で歌うだなんて。
慌ててミクを部屋に引き込んでドアを閉めたものの、あの歌、周りにばっちり聞こえてたよな。
明日から、お隣さんと顔合わせたらどんな顔すりゃいいんだ。
ああ、もういっそ引きこもったおうかな……今もあまり変わらないけど。
「わぁ……お兄ちゃんの部屋だ……」
リアルでorzしている俺をよそに、ミクは部屋をきょろきょろ見回している。
しかし、この少女、本当にミクなのだろうか。
いや、さっきの歌声は完全に初音ミクの歌声だった。
でも、さすがにあの初音ミクが目の前に現れたなんてすぐに信じられるほど、自分は楽天家ではない。
ずっとz軸を捨てる方法ばかり考えていたけれど、まさかそっちから来てくれるとはなあ。
……いや、でも、こんな都合のいい展開をどこか信じられない自分がいる。
いきなり見知らぬ女の子が「お兄ちゃん〜」なんて押しかけてくるなんて、それなんてエロゲ?
もしかして、突然怖いお兄さんが取立てにくるんじゃないだろうか。
なんだっけ、美人局とかいうやつ? びじんつぼね? なぜか変換できない。
「それでさ、えっと、ミク……えっと、どうして俺の部屋に?」
「えへへ、そんなの、決まってるでしょ」
ミクは恥ずかしそうに指をもじもじと付き合わせる。
やべえ、それはまさに即死だから。萌え死ぬから!!
「決まってるって……その……」
上ずり、掠れる声で、ミクに聞く。
ミクはちょっとだけ背伸びして、俺の首の後ろに手を回す。
触れ合うミクと俺の体。
やわらかく、暖かく、甘い香り。そして……
「お兄ちゃん、エッチなこと、しよ?」
ああ、母さん。俺、ついに童貞卒業かもしれません。
431-195 ◆MiKuOB5x12 :2008/03/26(水) 00:02:12 ID:1UyeLEXj
以上です。
タイトルは誤字ではありません。いや、むしろ誤字は文化。
ネタ元は言わずと知れたアレ。CD買いました。

もうちっと続く……はずだが、いつになるか……
44名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 00:25:26 ID:OnKhyVhN
>>43
おおおお、まさかの既成事実SS化!
この後のアウアウ展開と感動の展開の文章化期待してます
45名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 11:06:42 ID:zCtFcm9L
>>43
俺の神降臨!あなたの作品大好きだ。
46名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 11:18:19 ID:aqazIMvQ
>>43
王道パターンだけどやっぱマスミクはいいわ。
GJ!
47名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 11:38:37 ID:4kBEtszR
つまり主人公はデPなのかw
とりまえずGJ!
 
 
美人局…つつもたせ
読み方正しいのに何故か変換できねぇwww
48名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 15:03:16 ID:zVO7whvu
ココまで出来るとは・・・
ココの人達すごいな
49名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 15:53:49 ID:IfPTtvIs
>>43
ネタ元の人に教えてやりたくなるなw
50名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 22:50:01 ID:B1c1gr0l
六人目はミクのお相手ができる男の子がいいなぁ
51名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 22:53:57 ID:sVk3cLc2
ミクにいじられるレンきゅんとか、見たいんだよなぁ。
52名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 23:41:34 ID:cfImw41J
>>50
六人目は
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm2746246
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm1942761
で声質がクール
の組み合わせが有力みたい
53名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 00:58:55 ID:ajSn8IAl
>>50
スレチだけどもし男のボカロが出るなら、元の声優は保志がいいな。
カズマみたいなタイプで歌えないみたいだから(歌うとキラ声になる)一度カズマ声で歌った曲が聴きたい。
54名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 02:34:48 ID:KKsS9j92
【国際】 初音ミク、スペインの動画ニュースで紹介…だが、なぜか裸
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1206440941/
55名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 06:42:19 ID:waaaC3dq
>>50
リンレンみたいにまた2人で出るんじゃないかな、と予想
56名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 13:08:25 ID:syAwEpaI
>>55
でないと思うよ
そのかわり、CV03は英語も収録するみたいだし
57名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 18:53:19 ID:2p9EMbZ6
バイリンガル機能は今の技術では無理らしい。
クリプトンがそう言ってる…
58レンリン 「大人になりきれない僕ら」:2008/03/27(木) 22:59:17 ID:XDHXvjhc
 
 「最近相方が冷たいです」
 
 ベッドの上でお気に入りのウサギのぬいぐるみに愚痴をもらしてみる。そ
のぬいぐるみはもちろん、以前インターネットデートをしたときに、レンが
リンにプレゼントとして買ってくれたものだ。
 その相方は今何をしているのかというと、今流行の黒ぶち伊達メガネなん
かをかけて、新聞をよんでいる。経済新聞なんか、なにが楽しいのかリンに
は全く分からない。理解できるのはせいぜい四コマ漫画の部分とテレビ欄だ
けだ。そして一向にこちらを気にかける様子はないレンに諦めに似たものを
覚えながら、リンはもう一度うさぎのぬいぐるみに話しかけた。
 
 「レンが構ってくれません・・・」
 
 最近やけに大人びた相方とは、距離が離れるばかりだ。
59レンリン 「大人になりきれない僕ら」:2008/03/27(木) 23:00:09 ID:XDHXvjhc
 
 まず初めに雰囲気が変わった。笑顔が、無邪気に見せるそれじゃなくて、
すこし微笑むだけのような、柔らかいものに変わった。や、それはもちろん
笑顔にかわりはないのだけれども。
 それから、あまりリンと遊ばなくなった。いつもはどっからか持ち出した
ゲームや、一緒にインターネットを歩き回ったりショッピングをしたのに、
誘ってもそれに乗らなくなった。
 仕舞いには、今まで一緒に入っていた風呂も別々に入るようになり、ベッ
ドも自分のギャラでもうひとつ買ってしまった。おかげでリンはダブルベッ
ドで一人寝ることになったうえ、部屋に無理やりシングルベッドが入り、狭
くなってしまった。
 いったい何がレンの気に障るのか、リンにはそれが分からない。相変わら
ずリンには良く分からない新聞をレンは広げ、ミルクも砂糖も入っていない
紅茶に口をつけていた。
 
 「レンはひどいですねー、リンには全く構ってくれません。それどころか
大切な相方を放置プレイですよ。放置。これは離婚の危機でしょうか―?」
 
 今度はわざとレンにも聞こえるぐらいの声量で言ってみる。レンはそれに
反応すらみせない。リンの手の中に納まるぬいぐるみは、首をかしげる様に
頭を傾けた。
60レンリン 「大人になりきれない僕ら」:2008/03/27(木) 23:02:41 ID:XDHXvjhc
 
 「レンー、もう新聞なんかいいでしょー。今日は久々に二人ともオフなん
だし、誰もいないんだから遊びに行こ?ほら、今日はレンが見たいっていっ
てた映画公開日だしさぁ」
 「新聞は人事問題をしるのに有効。誰もいないなから留守番してるのに出
かけは駄目。映画はDVDレンタルしてみるから、いい」
 
 これは遠まわしに言ってるのだろうか、「リンとは遊びたくない」と。な
んだか、口ではっきりといわれるよりも、これはこたえる。
 分からない。そうならそうと口ではっきり言えばいいのに。なぜ遠まわし
に自分を避けようとするのだろうか。拒否するのだろうか。それも何故急に
。リンには分からない。分からないから嫌なのだ。じわりと視界がぶれてい
くのを感じた。涙の理由なんてわからずに、力任せに手の内にあるぬいぐる
みをレンに向かって投げつけた。
 
 「いった!何するんだよリン!」
 「対して痛くないくせに大げさに言わないでよ!第一構ってくれないレン
が悪いんだから!リンはなにもしらない!」
 
 確かに、ぬいぐるみじたいどんなに力を込めて投げても、素材が素材なだ
けにたいした痛みは伴わない。ましてやタオル生地の柔らかいものなら、な
おさらだ。確かに痛みは特にない。けれどもレンが怒っているのはもっと別
のことが理由だ。新聞を読むのを邪魔された上に、紅茶は見事に床に鮮やか
な紅色をぶちまけていた。熱かったわけではないので、火傷していないのが
せめてもの幸いだろう。
61レンリン 「大人になりきれない僕ら」:2008/03/27(木) 23:04:39 ID:XDHXvjhc
 
 「だからって投げつけることはないだろ!」
 「知らない知らない知らない!リンの事無視するレンなんかしらない!」
 
 ぶわっと涙があふれた。
 
 「そんなに遊びたいなら、『大人の遊び』でもする?」
 「え・・・?」
 
 いきなり右手首をつかまれ、リンは顔を反射的にあげた。思いのほか、レ
ンの顔が近くにあって驚いた。綺麗なエメラルドグリーンの瞳を覆うメガネ
を、レンの指がゆっくりとはずす。
 
 「遊びたいんでしょ?」
 
 違う、とはいえなかった。艶やかに笑う少しかさついたレンの唇が、リン
のそれと重なり、静寂を生んだ。映画の一部のように見えた。スローモーシ
ョンな動きでリンはゆっくりとベッドにその身を沈ませた。

 「やっ・・・ふ・・」
 
 いやいやをするようにリンは頭を振ろうとしたが、できなかった。後頭部
をレンの右手ががっちりと抑えてしまっている。リンは左手で抗議するよう
にレンの胸を叩く。だがびくともしないレンは逆に押さえ込むようにずっし
りと前体重をかけてきた。
62レンリン 「大人になりきれない僕ら」:2008/03/27(木) 23:07:16 ID:XDHXvjhc
 
 「ん・・・ふぁっ・・・」
 「口開けて・・・」
 「できな・・・やっ!」
 
 にゅるりと生暖かいものが口内に侵入してくる。未経験の感覚に、リンの
体はぶるりと震えた。左手をぎゅっとレンに服に食い込ませ、体ごともって
いかれそうになる感触になんとか耐えようと試みる。
 これはいったいなんなのだろうか。現実に追いつけないリンの思考回路は
鈍く麻痺を起こしていった。
 
 「や!・・・レンどこさわ・・・あ!」
 「ん、あんま暴れないで」
 
 離れた唇から糸が伸びる。そのいやらしく透明な糸が切れる前に、頭部に
添えられてレンの手がリンの腹部をゆるりと撫で、中指がツッっと衣服をめ
くった。もぐりこんできた手がリンの胸に触れる。またビクリとリンの体が
震えた。
 今日のブラは可愛かっただろうか、何色だったっけ。現実逃避を始めたリ
ンのシュミレーターはそんなことを考える。右手は相変わらずレンによって
押さえつけられ、力では勝るはずなのにびくとも動かせないでいた。
 顎からレンの舌がなぞるように舐めあげてくる。ゾクゾクと蛇のように下
から電流が走り、なにか声をあげる前にそれはまたレンの唇にふさがれた。
63レンリン 「大人になりきれない僕ら」:2008/03/27(木) 23:07:44 ID:XDHXvjhc
 
 「リン・・・楽しい?『大人の遊び』」
 「・・・や・・レンなにいって・・・ひぁん!」
 「だってリンのここ、こんなになってる」
 
 レンの指先が、まだ未発達な胸の頂に触れた。そこからビリビリと痺れる
ような電流がリンを襲う。声が漏れそうになるのを、レンの唇がまた塞ぐ。
リンはただ必死にレンの胸にしがみつくしかなかった。その腕も、快感の波
が邪魔をしてうまく力が入らなくなる。
 
 「やぁ・・・レ・・・ン!」
 「少し胸大きくなった・・・?リン」
 
 レンの言葉に、リンは顔を赤くしながら首を振った。レンの言葉はリンを
追い詰める残虐的な言葉としてでしか、リンの耳は拾わない。羞恥心を煽ら
れリンは先ほどとは別の意味で目頭が熱くなった。
 
 「リンの胸、可愛い」
 「あ!やぁっ!レンだ・・・めぇ・・ふっ」
 
 乳首をべろりと舐め上げられ、リンの頬を生理的な涙が伝った。手にはも
うどこにも振り払う力は残っておらず、弱弱しくレンの服を握るだけだ。リ
ボンは解け、蜂蜜色の柔らかい髪がシーツの上に乱雑に散らかった。
 口から漏れる声が自分のものじゃないようで、急に気恥ずかしくなる。ボ
ーカロイドはこんな声も出るのだと、リンははじめて知った。恥ずかしすぎ
て手で口を覆うが、レンはそれを許さなかった。
 リンの両手をすばやく上で纏め上げると、解けたリンのリボンで縛り上げ
る。痛いほどキツク締め付けられている、というわけではないのに、リボン
は解ける気配がなかった。
64レンリン 「大人になりきれない僕ら」:2008/03/27(木) 23:08:17 ID:XDHXvjhc
 
 「どうして恥ずかしかったら、噛んでもいいから」
 「ん・・く・・んぁ」
 
 レンのすこし筋ばってきた指が、リンの口にねじ込まれる。関節の部分が
歯に当たり、リンはあわてて口を少し広げた。
 噛んでいい―――?そんなのは嘘だ。たとえレンがそれを許可したとして
も、リンはそれを拒む。リンにとっては、レンは掛け替えのない兄弟であり
片割れであり、それ以上の存在でもある。好んで傷つける気など、毛頭ない
のだ。けれど与えられる快感に歯を食いしばりたくなる。それをしないよう
に、必死に唇と舌をつかって、なんとかレンの指を噛まない様、リンは悪戦
苦闘した。自分の恥ずかしい声は聞きたくない、けれどレンの指を噛みたく
はない。
 ぽろぽろと生理的な涙を流しながら、それでもリンは懸命に喉で音をつぶ
した。それをレンは上目遣いで見上げながら、冷ややかに笑う。その笑みの
真意をリンが気が付くはずはない。
 
 つうーっと汗ばみ始めた肉の付いてない内股を、無骨な指がなでた。ビク
リとリンの背が跳ね上がり、同時に髪の毛がまたシーツの上を舞った。レン
の舌は絶え間なくリンの胸付近で蠢き、絶えずリンは快感に酔いしれていた
。ベルトがはずされる音を、どこか遠くでリンは聞いた。
65レンリン 「大人になりきれない僕ら」:2008/03/27(木) 23:08:43 ID:XDHXvjhc
 
 「も・・・やぁ、レ・・なん・で?」
 「・・・リンが悪い」
 「なに・・?わから・・な・・・あ!ああ!」
 「っ・・」
 
 ガリっ、とリンの口が異物を噛む音をたて、リンはあわてて口を開く、そ
れと同時に、ショーツのなかに潜り込んだレンの指の動きにリンはもう口を
閉じることもできなくなった。
66570:2008/03/27(木) 23:12:13 ID:XDHXvjhc
前スレで「鏡世界」を書いて、続きを投下しようと思ったら
続きを書いたファイルin PCは梱包されて引越しトラックのなかでした。orz。
急遽レンリンでエロ練習に!とおもって書いたものも長すぎる始末。
文才のなさを感じました。orz
明日続きを投下しますので、生殺しをお許しください。
スレの流れぶった切ってごめんなさい。

ではノシ
67名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 23:33:01 ID:TeXQa+Ic
激しく萌えた。
GJ!!!!!!
68名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 23:39:16 ID:lLIXkBVI
うおおおおGJ!!そして性欲を持て余す!
なんというレンリン!レン大好きリン最高!
明日は仕事から全裸は無理だが、これはノーパンで待たざるをえない
69名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 23:40:12 ID:mHuMw+aN
めちゃくちゃ萌えた。続き楽しみにしてます。
しかし、リンがかわええのう〜
70名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 01:17:36 ID:qHx4Mp8a
イケレンとウブリン!興奮した!!
71名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 03:28:57 ID:pfU5TFDc
これはいいレンリン!双子はよいものだ。
72名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 05:55:00 ID:CV8e3fOf
なんというレンリン!
73名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 09:28:56 ID:8mmry668
レンリンいいよレンリン。wktkが止まらない!

>>68
ノーパンで仕事行くなw
74名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 12:26:31 ID:Nch11t6i
>>68
スカート履こうぜ
75名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 16:06:24 ID:6r2hQE5P
>>74
リアルでカマかよ
76レンリン 「大人になりきれない僕ら」:2008/03/28(金) 20:40:15 ID:LfL/2dIQ
 
 くちゅん、とレンの指が粘着質な水をひとかきした。リンの耳が、肌が
神経が、全身でその音とともに襲いくる快楽に打ちひしがれる。
 他人に触れられたことなど一度もないそこを無遠慮に這うレンの指に、
リンはただブルブルと体を震わすことしかできなかった。口内に入れられ
ているレンの指を気遣う余裕すら、いまのリンにはない。
 
 「すっげ・・・リンのここぐちゃぐちゃ・・・っは」
 「んっくぅ・・やぁ・・いわな・・ひゃん!」
 
 入り口部分をゆるゆるとレンの指がなぞるようにかき回す。今他人に秘
部を触られているという事実だけでも恥ずかしいのに、その指の持ち主が
レンであるという現実が、いっそうリンを追い込ませていた。
 足を閉じようとひざを動かしてみるが、強引に割って入ってくるレンの
体が、逆に足を広げさせた。
 
 「ふぁ・・あっあっあぁ!」
 「リンやらしーの・・」

 へそあたりまで下がってきたレンの舌がわき腹をなぞる。二、三度噛み
付かれた指は痛みをもたず、リンの口内を指でかき回し静かに犯した。上
からも下からも聞こえる淫乱な音が、リンの中心にあるものをゆっくりと
攻め立てていく。すがるようにしがみついたリンの指が、少し硬いレンの
髪の毛をすいた。
77レンリン 「大人になりきれない僕ら」:2008/03/28(金) 20:40:39 ID:LfL/2dIQ
 
 「指入りそ・・」
 「や・・レンだめぇっあっ!」
 
 ぎゅっと耐えるようにリンは全身に力を入れた。指先がレンの髪の毛を
数本つかみ、レンの髪を縛っていたゴムはパチンと微かな音を立てて切れ
る。
 リンとて、自分で似たような事をすることはあった。けれどそれとは比
べものにもならないぐらいの強い衝撃に体が攫われて行きそうになる。何
より自分の意思とは反して、じらすように入り口付近を行ったりきたりす
る指がもどかしくて切ない気持ちに襲われる。
 もっと、いいところを――――。
 口から出てしまいそうなあられもない言葉に、リンはますます頬を赤く
した。

 「やっべ・・熱い」
 「う・・・は・・んん」
 
 骨盤の上をレンの舌がゆっくりと這う。髪留めのゴムが切れて垂れ下が
った髪がさらりと内股をなでた。それすらも快楽の刺激となってリンを襲
う。熱を逃がそうと肺から息を吐くのに、生まれ出てくる熱が多すぎて作
業が追いつかない。
 ぐじゅり、と膣内にもう一本指が入るのをリンは敏感に感じた。空気と
混ざり合い、出来た泡の割れる音が鼓膜を揺らす。
 ダブルサイズのベッドは彼らの重さに十分耐え、ギシリときしむ音もし
ない。このままベッドを通り越して、どこか地中深くまで埋まってしまう
のではないかと錯覚するほどに、二人の体は沈んでいった。
78レンリン 「大人になりきれない僕ら」:2008/03/28(金) 20:41:21 ID:LfL/2dIQ
 
 「レ・・待って、おねが・・・ひん!」
 「・・・・リンが悪い」
 「え・・・?」
 
 パラり、とリンの腕を拘束していた白いリボンがはずされた。リンがど
れだけ暴れてもびくともしなかったのに、あっさりとそれをレンがはずし
て「あぁやっぱり男の子なんだなぁ」なんて変に感動する。
 少しばかりすれて赤くなった腕をレンが取り上げ、その傷口部分に舌を
這わせた。ぴりぴりとした痛みすら心地よい。いっそ、貴方につけられた
傷跡すらいとしい。なんて昔読んで陳腐な恋愛小説の下りが少しだけ頭を
よぎった。行き場のなくなったリンの腕をレンが己の首にかける。そのこ
とでお互いの顔が近くなり、リンはレンの顔をそこで初めて覗き込んだ。
 見たことのない、「男」の顔。けれどぎらぎらと凶暴な瞳をしているわ
けでもない。むしろ、寂しそうに声をあげる犬のような、どこか頼りない
瞳がリンを一心に見つめていた。普段はおろすことのない、レンの少し長
い髪が顔面に降ってくる。流星群のようで綺麗だと感じた。
 絶え間なく流れるリンの涙を、レンは唇で受け止める。自分で泣かして
おきながら言うのもなんだが、リンには泣き顔は似合わないと思った。こ
んなに泣かせているのは自分だというのに。
 
 「リンが悪い・・・最初に『成長』しはじめたから」
 「なにいって・・・あっ!っや、あぁぁぁ!」
 
 かけられた言葉に返事をする余裕なんてない。焼け石よりも熱いのでは
ないかと勘違いしそうなほどの熱と質量を持ったものが、リンの体に押し
入ってきた。
 うまく息ができない。首がのけぞる。白いうなじにレンが軽く噛み付い
て、その痛みで息を吸う。しわくちゃになったレンの服の上から、リンは
レンの背中に爪を立てた。ぎりっと皮が破ける音など二人には聞こえない
。ただ接合部から生まれてくる熱で自分はこのまま解けてしまうのだと思
った。すべてが解けて、ドロドロになったアイスのようになれれば、それ
はそれで幸せかもしれないのに、何故体は火照るだけで一向に解けだそう
としないのだろうか。
79レンリン 「大人になりきれない僕ら」:2008/03/28(金) 20:41:52 ID:LfL/2dIQ
 
 こわばったリンの体をほぐすように、リンの顔中にレンは口付けをした
。額、瞼、もちろん涙を舐め取るのは忘れない。頬、鼻、唇の横、それか
ら。
 
 「リン・・・・好き」
 「・・・・え・・・?」
 「す・・・き・・・置いてかないで・・・」
 
 それは搾り出すように、切なげにあげられた悲鳴のような告白。リンは
ぼんやりとした頭の片隅でレンの言葉を聞き入れた。降りてきた唇が柔ら
かくて、リンは泣きそうになった。
 
 「動く・・よ」
 「いっ・・・あ、はぁん!」
 
 歌を歌うためだけに生まれてきたはずのボーカロイドに、何故こんな機
能が備わっているのか分からない。今考えれば、もしかしたらこういう声
で歌えと言われる時のためのものなのかもしれない。
 けれども今のリンにそんな余裕はない。口内にもうレンの指はないのだ
から口を閉じれるかと思えば、今度はレンの舌が入ってきて、尚も口を閉
じる事はかなわなかった。ねちゃりとどこからともなく響く音が感覚を狂
わせる。けれどそれはレンも同じだった。欲しい。何かではない。今目の
前にいる相手の全てが欲しい。

 「あ、あ、あぁ、レン・・・レン、レン!」
 「・・・リン」
 
 駄目だ、まだ言ってない。レンに返事を返してない。
 分かっているはずなのに突き上げられるたびに頭が痺れて言葉が出なく
なる。口から漏れ出るのは喘ぎ声だけで、リンは必死にレンの名前を呼ん
だ。流されないように必死にしがみついているはずなのに、あやふやな指
先は何もつかんでない気がして少しだけ怖くなる。
 だんだんと速度を増すレンの欲望を受け止めながら、リンはレンの首に
回した腕に、今持ちうる力の全てを注いだ。
80レンリン 「大人になりきれない僕ら」:2008/03/28(金) 20:42:18 ID:LfL/2dIQ
 
 「レ・・あ、わた・・・あ、やぁ」
 「リンごめ・・止まらな・・」
 
 言葉の要らない獣なら、これだけで通じあえたかもしれないのに。言葉
をもって生まれた。言葉をメロディに乗せる為に歌声を持った。今はそれ
が恨めしい。
 レンの指が接合部分に触れる。ただでさえ敏感になっているそこへ現れ
た新たな刺激に、言わずとリンの体が揺れる。
 ヒダをめくり上げ、ぷっくりと赤く膨れ上がったその部分をレンは親指
で軽く押しつぶすように押した。それだけでリンの全身は快感の喜びに打
ち震えた。必然的に狭まる膣にレンが苦しみとは別のもので顔を歪める。
少しずつ変わり始めた「変化」に悲しみ、変化していることで交わること
の出来る現実に感謝した。
 接合部が絶え間なく音を立てた。ぐちゅりぐちゅりと水かさはどんどん
増していき、とどまる事をしらないようであった。どれが汗でどれが涙で
、どれが愛液かわからないドロドロとしたものがシーツにぐっしょりとし
た染みを作り始めていた。
 
 「だ・・め、あっ壊れ・・レン、レン・・!」
 「・・・いいよ、リン一緒に、いこ・・?」
 
 押し込まれるようにレンが最奥部に触れた。今までで一番大きな電流が
リンの体を駆け巡りその波はレンにも行き届いた。今まで耐えてきた、ダ
ムの壁のようなものが一瞬にして壊れ土石流のように果てしない快感が二
人を襲う。リンはそれに体をのけぞらせて流そうとするが、それでも止ま
らず必死にレンにしがみつき、レンはリンの中で快感の塊を吐き出した。
 プログラムの一部が崩壊したのか、世界が一瞬で真っ白くなる。その先
で何か暖かいものが自分と混ざり合う感覚がした。けれど、その感覚を覚
える前にリンのプログラムは強制終了した。
81レンリン 「大人になりきれない僕ら」:2008/03/28(金) 20:42:48 ID:LfL/2dIQ
 
 ずっと隣にいると約束した。作られ始めた段階からいつも一緒だった。
他のプログラムにはない、二心二体の混合意識。約束をするときにつない
だ手の暖かさが、今でも忘れられない。
 
 (約束だよ・・・ずっと一緒にいようね・・?)
 
 手があたたかい。手が―――――。
 
 「あ・・、起こした?」
 
 鈍く頭痛の覚える頭を揺り起こし、瞼を空ける。ひんやりと額が冷たく
気持ちいいのは、レンが冷水につけたタオルを置いてくれているからだ。
まだ完全には覚醒しきらない瞳で、リンはレンを見据えた。
 宝石のようにきらきらと輝くエメラルドグリーンの瞳が、少しだけ揺れ
た。結わえられていない蜂蜜色の髪が、さらりと頬をなでて流れる。自分
の物と同じ色の髪のはずなのに、何か別の輝きを持っているように見える
髪がレンの動きにあわせて乱れた。
 
 「あ・・・れ、私・・・」
 「無理に起きなくていいよ、まだ寝てていいから」
 
 上半身裸のレン、背中に引っかき傷、ほぼ全身裸の自分、付けた覚えの
ない赤い斑点、握られた右手。
 反射的に起き上がり、それが失敗だったと自覚するまでそれほど時間は
かからなかった。痛みまで正確に感知するようプログラムされているシス
テムは、リアリティをもってリンの腹部から下にかけて、鈍痛を引き起こ
させた。
 うまく体が支えられなくてバランスを崩しそうになるが、しっかりとし
たレンの右腕がリンを抱きかかえるように支えた。手は相変わらず繋がっ
たままだ。
82レンリン 「大人になりきれない僕ら」:2008/03/28(金) 20:43:29 ID:LfL/2dIQ
 
 「謝らなくていいよ、レン」
 
 それならば、自分と同じだ。成長なんてしなくていい。ずっとこの姿形
のままいられたら、それ以上の願いなんてないのに。何故年月を重ねるた
びに変化を伴わねばならないのだろうか。ずっと「同じ」ままでいられな
いのだろうか。微妙な変化を敏感に感じ取る心は寂しがり屋で、常に一緒
にいないと気がすまない。
 悩んで悩んで悩みぬいて、レンが出した結論がその行為にたどり着いた
のなら、リンには何も言うことはない。
 
 「私も同じだから、レンと一緒がいいから・・・」
 「リン・・・手首痛くない?大丈夫?」
 「心配性だなぁレンは、大丈夫。レンがつけた傷なら全然痛くないよ」
 
 今なら少しだけ分かる。あの陳腐な三文恋愛小説に書かれていた下りの
一文にこめられた意味を。
 
 「レン・・・好きだよ、生まれる前から一緒、これからもずっと一緒に
いるたった一人の私の相方」
 「リン・・・俺も、ずっとずっと思ってる」
 
 時は止まらない。プログラムの一つとして組み込まれてしまっている。
それを外せば、彼らは本来の機能すら儘ならないただの動かぬファイルに
成り下がるだけだ。
 いつか外見も声も思考も全て変わってしまう時が来るかもしれない。そ
れまで時間を壊されぬよう、今このとき未来永劫共に生きていけることを
願いながら、彼らは誓い合うようにキスをした。
83レンリン 「大人になりきれない僕ら」:2008/03/28(金) 20:44:51 ID:LfL/2dIQ
 
 「大丈夫?リン・・・」
 「あ、うん・・・」
 「そう・・・、でも俺謝らないから」
 
 言葉の真意を考えてみる。それは何に対しての謝罪拒否なのかと思案す
れば答えは直ぐに出た。先ほどまで行われていた、あの生々しい行為につ
いて、だ。
 
 「リンが悪い・・・俺を置いて勝手に一人で『成長』しはじめて・・」
 「レン・・?何言ってるの・・・?」
 
 リンの言葉をさえぎるようにレンは体を乗り出しリンを支えていた腕で
彼女の頬を包み込んだ。
 エメラルドグリーンの瞳が、青みがかった色に見えた。
 
 「リン最近の自分鏡でみた・・・?顔つきが前と全然違う。この歳は女
の子の方が成長はするって知識としては分かってるけど、どうして俺を置
いていこうとするの・・・?約束したじゃないか、いつまでも一緒だって
・・・。なのになんで?俺が大人っぽくなろうって必死に努力すればリン
はそれを嫌がるし、けどリンは俺を置いてどんどん『成長』してるし。俺
はどうすればよかったの?こうするしかないじゃないか・・・。だから、
謝らない、絶対に」
 
 言葉とは裏腹にレンは自分の体が微かに震えていることなど気づきもし
ない。視界がうっすらとぼやけている理由なんて、とっくの昔に気づいて
いる。恐れているから、なによりも一番大切な相方に嫌われることが。
84570:2008/03/28(金) 20:52:11 ID:LfL/2dIQ
>>82>>83の順番まちがえましたorz
>>83が先です。読み手の皆さんには大変ご迷惑をおかけします。
これって投下しなおし駄目ですよね・・・、容量食うし。
申し訳ありませんが、エロパロ保管庫管理者様、この小説を保管して頂く際には
ログの順番を

>>83>>82といくよう、お願い申し上げます。ご多忙の所ご無理をお願いしてしまい
申し訳ありません。

ではノシ
85名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 22:32:47 ID:fSq+H2Fb
>84
乙乙。なんか場面とんだと思ったら順番違いだったんだ。
そしてGJ!双子はいいねぇ。リンかわいいよリン。
うぶい反応がたまらん。
86名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 22:50:17 ID:Xi9V/+Te
GJ!!
すばらしいレンリン!リンに嫉妬するレンに激しく萌えた
次回作を半裸ニーソでまってます!  
87名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 02:48:52 ID:J0lUmCpP
>>83
抜いた。GJ!
88名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 02:50:56 ID:J0lUmCpP
リンはやっぱレンごときにはもったいねえ代物だなw
俺もリンを犯すSS作ってみるかな?
89名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 07:03:30 ID:07tHcExd
VOCALOIDのお○っこは蒸留水?
90名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 07:48:07 ID:zvMqwZoG
レンリンいいよレンリン
二人のこの微妙な年齢もいいね
91名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 14:03:33 ID:LKY6iukF
遅レスだが
>>33のSSを見て初音ミクを購入する事を決意した
92名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 14:45:18 ID:qe5qqLoU
>>91が初音ミクにどんなユメを見ているのかちょっと気になった
93名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 16:43:08 ID:v86XVwGf
>>91
ギャルゲー感覚で買うと痛い目あうよ。少なくとも楽譜が読めないと使いこなせない。
94名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 18:04:50 ID:ym1R/tgB
だが、ミクの「あー」が聞きたいときに聞ける、「いー」が聞きたいときに聞ける。
それで十分買う価値があるじゃないか!
95名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 18:17:31 ID:LKY6iukF
>>93
いや、昔から音楽については興味があるんだ。知識はないけど
それで初音ミクが出て、買おうか迷ってた。
>>33がきっかけみたいになるのかな。


うん、意味不明な事言って申し訳ない。
みっくみくにされてくる
96名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 19:56:17 ID:v86XVwGf
>>95
とりあえず買う前に体験版を使ってみたほうがいい。雑誌かなにかに付録で体験版がついてたはず。

それで買うか買わないかを決めたほうがいいと思うよ。自分は知識なしに買って反省した。後悔はしてないけどな!
97名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 20:25:56 ID:LKY6iukF
>>96
サンクス
体験版か、まずはそっちからやってみる事にする。


サンクス!!
98名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 21:51:40 ID:7/mxsQPq
http://m.nicovideo.jp/watch/sm1956419/3885615/1534803472
これで誰か書いてくれないかな(´・ω・`)
 
 
99名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 10:30:14 ID:6g8mueoZ
>>89

動力機関が燃料電池だから水素が混じってるよ
100石ころ:2008/03/30(日) 10:57:08 ID:o6h9T9dU
スーパーのチラシを見ていたKAITOがとある記事を見つけた。
「アイスが>>100円!?買いに行かなきゃ!」
ダッシュでスーパーにむかいたくさんのアイスをカゴに入れてレジに行った。
「約>>10000円になります」
>>100円じゃないの!?」
「ダッツは例外です出直せ」
「orz」
とりあえず他のを買おうとアイスコーナーに行く。
「全部売り切れです帰れ」
「うわーん!」
KAITOは泣きながら帰った。
101名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 14:36:16 ID:sUifeDLu
1万円÷100円って100個じゃねぇかwダッツ買い占めんなww
102名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 17:39:33 ID:XkRXm24E
>>100 兄はりきり過ぎwww

レンリンな流れを断ち切るようで申し訳ないが
カイミク支援で一つ書いてみたところ長くなってしまった。
一度の投下で、どのくらいレスを使っていいのかな(´・ω・`)?
103名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 18:34:40 ID:Vax/S53U
世の中には一回の投下で50レス使う職猛者人もいるから
好きなだけ投下すればいいさ。
カイミクktkr
104名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 18:49:28 ID:nTGJFff7
そんなに書けるのは羨ましい限りだ。
もう60行くらい書いて筆が止まったボカロSSが4つも溜まってしまった
105102:2008/03/30(日) 19:11:02 ID:XkRXm24E
50レスとは恐れいったww
そこまでいかんだろうが、夜にでも投下しにきますノシ
106名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 19:22:12 ID:BUrt/Saw
>>102
wktk

>>103
50レスとは凄いなw
俺もネタはいくつかあるが、どうも筆が進まん
107名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 20:51:41 ID:vxFz69q5
カイトってまさに男が感情移入するための男視点のためにあるようなもんだよな。
でも優男すぎるんだよな。

俺みたいなワイルドな男には違和感バリバリだぜ。
108名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 21:14:32 ID:4w9X0v7f
カイトに感情移入なんてできんが。
男マスターならいける。
109名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 21:15:31 ID:4w9X0v7f
>>105
どうでもいいけどコテつけるかタイトルつけてくれよ。
110名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 21:19:13 ID:f+rYKnXW
カイトはキャラ立ちしすぎてるから感情移入なんてできねーw
111名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 21:23:51 ID:ZdRJ/R1u
キャラモノSSに感情移入ってあんまりないなあ
特にキャラ立ちしてない無難なマスターなら話は別だけどw
112名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 21:28:11 ID:Vax/S53U
やっぱり俺×女キャラがいいのか。
113名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 21:32:34 ID:4w9X0v7f
>>112
キャラによるんじゃないか?
ミクなら俺がいい。
114名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 21:40:00 ID:vxFz69q5
俺×女の子(とその代用品)だけでいい。

カイトとかゴミは数字だけでやってろ
115名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 22:56:24 ID:lWHIzISL
春ですね
116名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 23:01:48 ID:AorGY/Ka
カイト一人でどれだけハーレムなのかと思って覗いてみたら、俺俺俺俺気色悪いのばっかりだな。
カイトだろうとマスターだろうと読み手とは関係ないだろうが。
117名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 23:37:57 ID:4w9X0v7f
>>116
女?全然違うよ。
118名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 23:40:13 ID:Gdsi0LZ3
>>114同意
カイトなんかいらねーよ
もともと数字専用のキャラだろwww
ここでは使うべきではないな
CV03がきた時、カイ03見たいとか言うやつがいると思うとウザったくてしょうがないwww

119名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 23:42:12 ID:4w9X0v7f
>>114>>118は角煮か腐女子の巣に帰れ
120名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 00:24:24 ID:lCSiNIuw
>>114
メイコはありなのか
都合がいいというか何というか
121102:2008/03/31(月) 01:39:44 ID:nuPvylnM
自分の発言が発端となっているようで申し訳ない。
投下予定だったカイミクですが、このまま投下するのも
どうかと思ったので、うpロダ借りてきました。
面倒な方法で色々とごめん

DLKey:negi

※カイミク エロあり
http://free-bbs.selfip.net/kp/cgi/upload.cgi?mode=dl&file=233

122名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 02:03:59 ID:4R9vtV0fi
>>121
見れない(´;ω;`)
123名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 02:06:19 ID:o+DGauXx
>>120
ちょwメイコは女の子じゃないのかwww
124名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 02:09:09 ID:NtiBdf/Ei
あんまり触れない方がいいよ
125名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 02:11:58 ID:ucIoi5r9
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2759811
妹キャラのリン。15禁程度だから消されないとは思うが、お早めに
126114:2008/03/31(月) 02:13:31 ID:yNg3bSvX
>>120
メイコはオバハンだから俺の専門外ではあるが、
一応非常食には使える程度
127名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 02:21:57 ID:AXwLPnfO
カイトは誰の相手にも使える便利なキャラ設定してると思うんだけどな。
キャラ同士の絡みが読みたい俺からすれば、俺×キャラ「じゃないと駄目」という考えが分からないわ。
別にカイト×レンが読みたいとか言ってる訳じゃないんだから、女キャラものだったらカイト使っても良いだろうに。
128名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 02:49:34 ID:aAN4bTYx
そんな萌えない話広げるの止しましょうよ。
ミクにケツ葱ぶち込まれますよw

あれ?こんな時間に誰だろう
129名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 03:04:09 ID:4Z94YjZO
>>121
うpロダだけで済ますなんていけないよ
荒らしなんかに気にせずちゃんと投下してくれ
カイミクもカイメイもカイリンもカイネルもカイハクもカイ03も職人さえいれば投下されるべきなんだ


130名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 03:09:10 ID:kjx+k2jA
>>126
ロリコン乙

と言うのは冗談で、マスメイでも考えるか。

>>129
専用ロダのあるスレに投下してた身としてはある程度長くなるとロダ経由で投下したくなる。
単にものぐさとも言うが。
ロダ投下も一気に読めると言う利点があるし、一長一短。
131名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 03:31:40 ID:aAN4bTYx
前スレ埋めませう
小ネタ三個書いたけどまだ20KBくらい残ってる
132名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 06:34:11 ID:qis305lO
マスターだろうがカイトだろうが亜種だろうが百合だろうが数字だろうがエロが無かろうが、
要は注意書きさえあれば、誰も文句言わんだろ。

…まあ、百合と数字は板があるからそっちに行った方が良いんだろうけど。
133名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 09:10:27 ID:YG5gmWsv
空気読まずにネタ投下

・黒KAITOが女マスターを始めメイコ、ミクを篭絡、挙げ句の果てにレンからリンをNTR
・KAITOメイコハクと年長者で酒飲んでたら勢いで…
・レンリンメイコの3P
134名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 09:34:11 ID:4R9vtV0fi

次の日ボコボコにされて冷たくなっている>>126が発見された。
135名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 10:20:54 ID:yNg3bSvX
つか俺カイトって見ててムカツクんだよね。
腐女子の群がり効果も相まってボカロで唯一消えて欲しいキャラだ。
136名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 11:18:20 ID:qis305lO
>>135
カイトは嫌いじゃないが、確かにアカイトはやり過ぎだな。腐が狙って描いた感がかなりある
137名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 12:11:23 ID:ml1eFtEq
こらこら、お触り禁止
138名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 12:12:26 ID:wNVouxIA
KAIKOかわいいよKAIKOでいいですね
139名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 13:21:39 ID:aAN4bTYx
KAITO「え…俺、解雇ですか?」
140名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 14:47:47 ID:rnTUsnb2
アーンインストール♪アーンインストール♪
141名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 15:03:21 ID:PZTZASde
こーのーほーしのー、むーすう、のーちりの、ひとつだーと、いーまーのーぼくーには、りかいできなーい
142名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 16:39:17 ID:TrbM8dVs
>>121
うpロダだけだなんていけないよw
何レス使おうが、雑談よりは遙かに有意義だ
143名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 17:23:49 ID:ml1eFtEq
正直うpろだに上げられただけじゃ読む気起きないなw
なんつーかスレに投下された作品感が薄れると言うか
144名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 18:37:18 ID:TrbM8dVs
しかしここにはホントに色んな人種がいるな
ざっと分けて俺だよ俺派、カップリング重視派、○○可愛いよ○○派
エロければそれで良い派、ボカロのSSが読めれば良いよ派
系統分けとか出来そうだ
145名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 21:17:16 ID:rnTUsnb2
そんなのどこでもじゃない?
シチュ系じゃないスレは人種の海になるでしょ。
146名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 21:32:04 ID:YJCVDj8a
俺×キャラは、そう思っててもいいけど発露すんのは自重しろよ・・・キモい。
腐女子がキャラ×私〜♪ミクなんか(゚听)イラネってやってたら総攻撃だろ?
147名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 21:34:49 ID:aAN4bTYx
つアナル葱
148名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 21:40:10 ID:Z7HTdV/L
>>146
ずれてるな。だから無個性な男マスターに需要があるって話だろ。

それに腐女子の投影女キャラが無個性女マスターになんなら好きにすればいいんじゃないの。
149名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 22:36:30 ID:7w7gIo+Z
orz
エロ書けないんだけど、いいのかなぁ……
エロパロに投下したSSは30近いが、エロなんて片手で足りるしな
150名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 22:37:53 ID:bkPpayjw
>>149
来いよ!!
受け止めてやるよ!!
ネギで!!
151名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 22:49:38 ID:RVlhrKiN
>>149
来いよ!!
優しく包んでやるよ!!
パンツで!!
152名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 23:05:36 ID:YJCVDj8a
>>149
来いよ!!
激しく抱きしめてやるよ!!
溶けたバニラアイスで!!
153名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 23:14:02 ID:aAN4bTYx
来なさい。
強くブってあげるわ。
ワンカップで。
154名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 23:38:46 ID:7w7gIo+Z
>>150-153ありがと、
溶けたバニラアイスを食べながらケツにネギをぶっさして、
ワンカップ一気飲みしながらパンツ頭にかぶってSS書くよ
日付が変わる頃投下予定
155名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 23:55:49 ID:vsIabbXf
一升瓶を片手に待ってるぜ。
1561-195 ◆MiKuOB5x12 :2008/04/01(火) 00:23:03 ID:Nd5KTzaI
お待たせしました。
後は校正して投稿です

ちょっと前作は置いておいて、季節ものを投下
短編×4くらいを予定。一〜二週間ぐらいで投下完了予定
ネタ元は『桜の季節』
てか、PVとネタ被った。野生のプロすげえ
157さくらさくら……1/3 ◆MiKuOB5x12 :2008/04/01(火) 00:26:33 ID:Nd5KTzaI
「ミクは桜って見たことがあるかい?」
マスターがそう聞いてきたのは、冬がだんだんと近づいてくる10月の終わり。
私が産まれて、マスターの元に来て、まだ数週間しかたっていなかった頃。
「マスター、桜って何ですか?」
「あれ、ミク。桜を知らないのかい? ・・・…ああ、そうか、ミクは最近産まれたばかりだっけ」
そういってマスターは、楽しそうに桜について私に教えてくれる。
それは春に咲くお花で、この部屋から見える、今は少しづつ葉を散らしているその木が桜というらしい。
丘の上の小高い病院から、下の街へと続く桜並木が一斉に開花する頃は、それはもう言葉にできないぐらい美しいらしい。
マスターの見せてくれた写真の中の桜は、薄いピンクの花をつけた木が、ずっと続いている風景。
何枚も何枚も見せてもらう、咲き誇る桜の写真。
私はまだ、この夏に産まれたばかり。
こんな風に咲く桜を、まだ見たことはないけれど、
でも、いっぱい見せてもらった桜の写真と、なによりも楽しそうに桜の事を話すマスターが楽しそうだったから、
それはきっと、とっても綺麗なものなんだって、私は理解した。
「そうだ、ミク。桜が咲いたらさ、一緒にお花見をしよう」
「お花見……ですか?」
「桜の下で食べ物やお酒を持ち合ってさ、みんなで飲んだり騒いだりするんだよ。
 みんなでカラオケとかもやってさ。ミクも一緒にやろうよ。きっと楽しいよ」
お酒や食べ物よりも、私はカラオケというところに飛びついた。
あの綺麗な桜の下を舞台に、大好きなマスターの歌を歌うことができたら、どんなに楽しいだろう。
「マスター、お花見、お花見しましょう!!」
「おいおい、お花見は桜が咲かないとできないぞ」
「桜、桜っていつ咲くんですか? お花見、いつできるんですか?」
ちょっと待ってろよ、といつも私の曲を作ってくれるパソコンで調べてくれるマスター。
その横でぴょんぴょん跳ねながら、検索結果が出るのを今か今かと待つ私。
「うーん、このあたりだと三月終わりから四月はじめって所か」
えっと、三月というと、一年は12ヶ月だから・・・…
計算の苦手な私は、指を降りながら計算する。
「よん……じゃなくて、五ヶ月も先ですか!!」
五ヶ月……
それは、この世に生まれてまだ2ヶ月程度しか生きていない私にとっては、想像もつかない長い時間。
自分が生きてきた時間の2倍以上だなんて、そんな先のことなんて想像もできない。
「ううぅ、桜ぁ……」
写真の向こうの桜はとっても綺麗なのにそれに会えるのはずっと先だなんて。
今までの嬉しかった気持ちがしょぼんと萎んでしまう。
158さくらさくら…2/3 ◆MiKuOB5x12 :2008/04/01(火) 00:28:56 ID:Nd5KTzaI
そんな私の姿を見て、マスターはくすっと笑う。
「ミクは本当に桜が好きなんだね」
その言葉に、こくりと私はうなづく。
桜の花そのものよりも、私は桜の下でマスターの歌を歌えることが楽しみなのだけれど、
それでも桜が咲くのが待ち遠しいのは変わらない。
「それじゃあ、ちょっとひとつ……」
マスターは鼻歌を歌いながらぽちぽちと音を創りはじめる。
一つ一つ、画面に打ち込まれていくマスターの音楽。
私の大好きな、私のマスターの曲。
作りかけの音符を聞きながら、そっと私はそれにハミングを重ねる。
マスターのハミングと私のハミングが響きあう。
絡み合い、うねり、時には不協和音となり、いつの間にか転調する。
次第に作られていく、私とマスターの歌。
マスターは、一日中付きっ切りで私の歌を作ってくれる。
一日中この部屋にいるマスターって、何をやっている人なんだろう。
この前、マスターってニートなんですか?」って聞いたとき、必死に否定してたから違うと思うけれど……
「ほら、ミク。とりあえずShortverだけど」
まだ生まれたばかりの歌の入ったVSQファイルを受け取る。
音階と歌詞が決まっても、まだ歌は完成しない。
音符と歌詞だけの歌に心をこめていく作業。
まだパラメーターの整っていない、歪な声で歌う私。
その音を元にパラメーターを調整するマスター。
荒削りでカクカクした音が、次第になめらかな歌声に変わっていく。
「さくら、さくら……」
写真で見た降り注ぐ桜の花びらのように、可憐で、美しく、そして儚げで、
それは一度も桜を見たことがなかった私でも胸が苦しくなるような、そんな歌だった。
歌が終わり、私は大きく息をつく。
二人だけの部屋に響く、マスターの拍手。
なんだかちょっぴり恥ずかしい。
「ありがとう、ミク」
「あ、いえ……私のほうこそ。マスターがいっぱい綺麗な歌を作ってくれるから……」
マスターが首を振る。
「僕一人じゃこんな歌は作れなかった。僕はこの部屋から出られないからさ、
 君のお陰で僕は音楽を取り戻すことができた。ありがとう、ミク」
159さくらさくら…3/3 ◆MiKuOB5x12 :2008/04/01(火) 00:30:30 ID:Nd5KTzaI
マスターはこの部屋からほとんど出ることはない。
マスターが外に触れられるのはベッドの側の窓と、ネット回線だけ。
音質に関係なく好きな音量で歌えるVOCALOIDOと違って、ヒトは音量を絞って歌うのは難しい。
あまりうるさくしちゃいけないこの部屋で、声質を保ったまま歌えるのは私だけだった。
それが、マスターが私を求めた最初の理由。
音楽から離れて生きていくことのできない青年が、最後に求めた音楽の拠り所。
時々、マスターと一緒に音楽をやっていたお友達が尋ねてくることもあった。
来る人来る人、みんなマスターの歌を楽しみにしていて、マスターがこの部屋の外に出られることを待ち望んでいた。
音を絞った状態では綺麗に歌うことのできないヒトは、この部屋では満足に歌うことができない。
ネット越しに聞いたマスターのお友達の歌声は惚れ惚れするくらい綺麗だったけれど、マスターに直接歌声を届けられるのは私だけ。
マスターの歌を独り占めできるのは嬉しかったけれど、私はマスターにもっと元気になってほしい。
私だけじゃない、ヒトの生の声と一緒に、マスターを元気付けてあげたい。
「そうだ、お花見です」
「お花見?」
「そうです。春になって桜が咲いたら、マスターのお友達を集めてお花見するんです。
 マスターの作った歌を歌って、きっと楽しいですよ。その頃にはきっとマスターも外に出られますよね?」
それは、とっても楽しそうな風景。
声だけしか聞いたことのないあの人たちと桜の木の下でこの歌を歌ったら、どんなに楽しいことだろう。
「約束です。春になって桜が咲いたら、桜の木の下でこの歌を歌いましょう。
 マスターのお友達も集めてみんなで大合唱です。いいですよね」
小指を伸ばした手をマスターに差し出した。
照れくさそうにマスターも手を伸ばす。
私の小指とマスターの小指が絡み合う。
「指きりげんまん嘘付いたら針千本飲ーます」
1601-195 ◆MiKuOB5x12 :2008/04/01(火) 00:33:40 ID:Nd5KTzaI
以上です。
これ以降もだいたい8割がた完成しているんで、桜の散る前には投下しきれるのではないかと。
てか、何故か3レスくらいずつにしか区切って書けねえ

なお、この物語はフィクションであり、現実のPとは関係ありません。
てか、勝手にストーリつけちゃってごめんなさい。
161名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 00:44:00 ID:LLWkF6UI
リアルタイム乙!
なかなかいい引き方だから続きが気になる…鬱展開っぽいけど
162名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 00:48:54 ID:RJmDbW8t
乙です。
ミクには春、KAITOには夏が似合うと思う。
163名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 00:55:07 ID:LLWkF6UI
>>162
ならリンレンは秋、姉さんは冬かな(熱燗的な意味で)
164名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 01:19:16 ID:k8wbFeVC
やばい…泣けそう。
165名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 01:28:35 ID:75kd74yS
空音マコで何か書いておくれ
166名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 01:33:43 ID:CrrQ9WqL
KAITOは服装的に夏のイメージは無いなあw
167名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 01:41:16 ID:01IkwrF4
KAITO春
MEIKO夏
リンレン秋
ミク冬

だな。色的にも。
168Intentionality ◆tT40b2Yj5E :2008/04/01(火) 03:06:14 ID:NbrFx34K
こんばんは(´・ω・`)ノシ
>>160
GJです!季節モノはやっぱりいいですね、情景が広がりんぐ的な意味で。
ミクの指切りげんまんが、そこはかとなくかぁええw



では拙作『Intentionality』の続き、今回は微エロ?です。次レスからどうぞ↓
169Intentionality<その66> ◆tT40b2Yj5E :2008/04/01(火) 03:08:15 ID:NbrFx34K
  いつも私は目標を持たずに歩いた。
  決して休息に達しようと思わなかった。
  私の道ははてしないように思われた。

  ついに私は、ただぐるぐる
  めぐり歩いているだけに過ぎないことを知り、旅にあきた。
  その日が私の生活の転機だった。

   ヘルマン・ヘッセ『ヘッセ詩集』「目標に向かって」より

     ×   ×   ×

  おお、信ずるのだ我が心よ、
  お前はいたずらにこの世に生まれて、
  無為に生き、苦しんだのではないということを!
  
   グスタフ・マーラー作曲『交響曲第二番“復活”』「第五楽章 蘇るだろう、我が塵よ」より

     ×   ×   ×


――目の前が、白い。
同時に、なにかこう、ふかふかと柔らかいものを顔全体で感じる。
鼻孔に、馨しい薫りが入ってくる。柔らかい匂い――甘くて、ふんわりとした薫り。
目の前のそれはかすかに動いていて、一定の呼吸を繰り返しているような――。
薄く目を開けていては分からない。それがなんであるかをしっかり確かめなければ。
俺の脳は徐々に覚醒しつつあった。浅い眠りと深い眠りを繰り返す心地よい時間はもう終わり。脳内の一千億の神経細胞とともに目覚めよう――って?

「……ぐッ?…むぅ、んん?……おおおおぉぉぉぉッ!!?」

――驚きの白さの正体は、ミクの胸だった。

「……すぅ……すぅ……んう……」
彼女は眠りについたままだ。呼吸する寝息が聞こえている。その心地よさそうな眠りを邪魔するのは、気が引ける。
しかし……今の状況だが。
170Intentionality<その67> ◆tT40b2Yj5E :2008/04/01(火) 03:09:05 ID:NbrFx34K
あ…ありのまま、今起こっていることを話すぜッ!
『俺はミクと抱き合って寝ていたと思ったら、いつの間にかミクの胸のところで頭を抱かれる形で眠っていた』
な…何を言ってるのか分からねーと思うが、俺も何をされたのか分からない…。
頭がどうにかなりそうだ…。
『ラブコメのお約束、乙』だとか『これなんてエロゲ?』だとか、そんなチャチな感想じゃあ断じてねえ。
もっと恐ろしいエロスの片鱗を味わったぜ…。

――と、いう感じだ。……どうも、昨晩以来、俺は順調に壊れてきたな……。

「……ん……んん……?……あ……」

どうやら、ミクが目を覚ましたらしい。

「ふわぁ……。……おはよう、ございまふ……タツキさん……」
「……ああ。……おはよう」

半分寝ぼけたままの眼が、そこはかとなく可愛らしい。まだ完全に覚醒していないのか、
眼をこする猫のような仕草を見せたり、「ふみゅぅ…」という弱々しい声を出すのも素晴らしい。
思わず「ベネ!(良し!)」と叫ぶか、「諸君、私は寝起きのミクが好きだ」と演説を始めたいくらいだ。だが、あえて言おう!
「ミク。この態勢はどういうことかな…?」
「ふぇ?…どういうことって…どういうことですか?」
「だから、どうして俺がミクのむ…胸に、顔を…」
「…お?この態勢が好きなんですか?…それなら昨日のうちに言ってくれれば良かったのに〜?えいっ」
「ぶふおォッ!!……く、苦しっ……いや嬉し……や、やっぱり苦しい…ッ!ぎゅうぎゅう締め付けんなってッ!!」
「うりうり〜♪あはぁ、タツキさんってば、息が荒くて…んんっ、ミクもくすぐったいですよ?
……どうですかぁ、ミクのおっぱい?思ったよりもボリュームあるでしょ?ほらほらぁ♪
ん、あぅ…タツキさん、ミクのおっぱいから離れようとして…手で揉んでますよ、それ?
ミクのおっぱい、もっと触りたいですかぁ?…あはっ、乳首に指が当たってる♪」
「と、当社比1.5倍に増量中っていうか?特撰肉まん自重しろ……って、そうじゃないッ!!」
無理矢理に俺は彼女の締め付けから逃げると、息を整えつつミクと向き合う。
「……ぷは。ミ、ミク……とりあえず、こんな寝相になってしまった経緯はもういい。
多分、君も寝ぼけてて覚えてないんだろう。今さら聞いても仕方無い」
「う〜ん、そうですね。ミクも目が覚めたらこうなってたっていうか。いつのまにかタツキさんの頭がおっぱいの間にあったんですね。
……っていうか、これって孔明の…じゃなかった、タツキさんの罠じゃないんですかぁ?ミクが眠ってる間に、こうしてミクのおっぱい枕してたんじゃ……」
「その発想は無かったわ……って、違う違う!それは無い!俺はそんなにスケベな男ではない!」
「むぅ…つまんないなぁ。まぁ…タツキさんがお望みなら、いつでもやってあげますよ?おっぱい枕どころか…ミクの等身大抱き枕♪」
腕を組んで胸を下から寄せて上げるなって。…正直、絶景だが。
「タツキさんッ!きさま!見ているなッ!」
「うわっ!いきなり大声を出すなって!……とにかく、起きるぞ」
俺は身体を起こし、シーツをどける。
そのままベッドを離れようとしたところで「…あ、タツキさん」とミクに声を掛けられた。
171Intentionality<その68> ◆tT40b2Yj5E :2008/04/01(火) 03:10:09 ID:NbrFx34K
「なんだよ…んん?」

彼女が抱きついてきて、そのまま――

「――ちゅ」

俺の頬にキスした。

「……えへへ。『おはよう』のキスです。起きたらこれ、やってみたいと思ってたんですよ。昨日から」
「――は、はぁ」
「ほら、タツキさんもボーッとしないで。……ミクの『ココ』に、お願いします♪」
――ミクはちょんちょんと自分のほっぺたを指差し、俺の口付けを待つように目を閉じた。
俺は気恥ずかしさで赤くなりながら、ゆっくりと唇を近づけ、なんとか彼女の望みを叶えてやった。
「……ちゅ」
「あは♪これで二人とも正式に起きましたね!……明日からも毎日しましょうね、コレ♪」
ミクは上機嫌で抱きつき、俺にすりすりと頬を寄せてくる。
俺はというと……彼女とまともに目を合わせられなかった。

――なんだこのバカップルぶりは…お前らしくない!クールになれ、龍樹!…という気持ちが半分。
――ちくしょう、反則的だろミク…この可愛さは…たまらねぇよ…という気持ちが半分。
――「おやすみ」と言って口付けて、二人で寝る。「おはよう」と言って口付けて、二人で起きる。
――それが、意味有ることになるのだろうか?他愛の無いことに、意味があるのか?ここまでミクが、この程度のことに固執する目的はあるのか?

――この時の俺には、そうとしか思えなかった。


     ×   ×   ×


「……もう8時30分か。それで、今日はどうするかな」
「むぐむぐ……」
「今日はめぼしい講義も無いし、大学での研究も今のところは焦らずとも大丈夫だが……あ、そうだ。
俺の研究室で、ミクにちょっと試したいことがあるんだ。午後になったら大学に行こう。その後、カイト兄さんやメイコ姉さんの店へ向かって…」
「ごくごく……んぐ」
「ミクの着替えを持ってこないとな。新しく何か買いに行ってもいいが、その場合でも兄さんや姉さんに一度聞いた方がいい。
俺も、君に関して相談したいこともあるし……って、聞いてるのか、ミク」
「ぱくぱく……むしゃ。ふあっ、なんれふは、はふひはん(なんですか、タツキさん)」
「ものを食べながら話すんじゃない。……いくらお腹が空いていても、そういうお行儀が悪いことはしちゃ駄目だよ」

ミクと俺は朝食を摂っていた。彼女にとっては、俺の家で食べる初めての食事ということになる。
そこで、試しに彼女にメニューを選ばせてみた。
172Intentionality<その68> ◆tT40b2Yj5E :2008/04/01(火) 03:11:06 ID:NbrFx34K
「ミクは、朝食は何がいい?」
「ネギ」
「え?」
「ですから、ネギですよ!ネギが入っているお料理なら、なんでも…っ!ウェルカム…っ!」
「……それでいいのか?もっとこう、フレンチトーストとかハムエッグとか、そういう具体的な……」
「タツキさんは今までに食べたパンの数を覚えているんですか?つまりそういうことです」
「いや意味わかんねーよ」

というやり取りを経て、ミクは二十世紀後半における日本の伝統的な朝食――白米、ネギ入りの味噌汁とネギを乗せた豆腐と少量の野菜を。
俺はフレンチトーストとサラダとカフェラテを、ダイニングキッチンで食べているわけだ。
「それにしてもおいしいですねー、タツキさんのお料理!
こっ、これは〜っ!この味はあぁ〜っ!細かく切り刻まれたネギに京豆腐のジューシー部分がからみつくうまさだ!
ネギが豆腐を!豆腐がネギを引き立てるッ!『ハーモニー』っつーんですかあ〜、『味の調和』っつーんですか〜っ」
「もう少し静かに食べなさい。それに俺が作ったんじゃない。そこにあるクッキングマシンが作ったんだよ」
何故かハイテンションなミクを制しつつ、厨房にあるそれを指差した。
イタリア製のクッキングマシンは、世界中の料理を瞬時に作ってくれる。レシピは『仮想の海』と繋がっているから、俺の脳内とも接続されている。
つまり、俺が『こういうものを食べたい』と思えば、その通りの料理も、そして味も再現してくれるのだ。

「……うーん、なんかあのマシンって丸っこくてカワイイけど、ミクはそういうんじゃなくって……。
あんなR2-D○に手が生えたみたいなやつが作ってくれるより…タツキさんの手料理が…いいなぁ…?」

――くっ、そんな甘ったるい声で言うな。濡れた瞳で見つめるな。箸を舐めとるんじゃない。
お行儀も悪いし、っていうか唇にどうしても視線が行くし、チロチロとした舌使いが気になってしょうがない。
それにミクはまだ寝ていた時のシャツ一枚で過ごしているから、そうやって前屈みすると胸が、うっすら桜色の乳首が見えてしまって――。

「お…俺は料理はしない。やろうと思えば出来なくはないが、家事は機械に任せておけばいい。
その間に本を読んだり音楽を聴いたり身体を鍛えたり、そういうことをする方が有意義だ。『時は金なり』、余計なことに時間を費やすことなど…」
「どうして家事が『余計なこと』なんですかぁ?楽しくやればいいじゃないですか、お料理もお洗濯もお掃除も!」
――む。またもや…ミクの気分を害してしまったのか?彼女がじろりと俺を見つめてきた。
「……あ、いや、な。俺にとっては『余計なこと』だと思われただけで、世間一般における人間的生活の一環としての家事の意義については
俺もそれなりの理解を示しているというか――」
「ややこしい説明はいいです。そうじゃなくて、タツキさんだってやれば出来るんでしょ?お料理とかお掃除とか。
じゃあ機械に頼らずとも、自分が楽しくなるようにやってみればいいだけじゃないですか!
非効率的だからって、それを『無駄』と切り捨てるのはおかしいですよ?」
173Intentionality<その70> ◆tT40b2Yj5E :2008/04/01(火) 03:12:16 ID:NbrFx34K
「――楽しくなるように?」
そうですよ、と――ミクはにっこりと笑って言った。

「毎日を、楽しまなきゃいけないでしょう?だって、私たちは生きているんですよ?
人生は楽しむものでしょう?楽しみを探してこその、人生でしょう?…タツキさんは、毎日が…楽しくないんですか?」

――俺は答えられなかった。ミクに、虚を突かれた。

「――タツキさん。答えて下さい。今まで…毎日、楽しいって思いながら過ごしていたんですか?」
ミクは箸を置き、真面目な顔で俺を見ていた。

「……いや。そんなことは…無かった。
そもそも、『毎日楽しむために生きる』…そんな理念など…必要無いと思っていた」

俺の生活は、研究そのものだった。
霊魂の研究、人間の根源的場所を求めるということに没頭した俺は、同世代の少年よりも遥かに大人びていた。
“Gifted”――先天的英才として国家の庇護の下で育ち、帝国と党のために貢献することが至上目的だと思っていた。
……まぁ、党への忠誠心は最近揺るぎつつあるのは確かだが。
その一方で、研究がこうして出来るのは、党内に援助してくれる人がいるからだということも事実だ。
とにかく、研究を進めること。人類の霊魂の謎を追究し、解明すること。
それが俺の全てであり……日常だ。

「……研究を義務と感じるなら、それはそれでいいと思います。タツキさんの才能があるから出来ることだろうし。
――でも、生きているっていうのは、それだけじゃつまらないと思う」
「……好きな音楽や、身に付ける服、装飾品、家具。そういったものに価値を見出すだけじゃ……足りないのか」
「タツキさん自身で満足する範囲なら……それで十分でしょう。
ミクが言いたいのは、タツキさんは――他人を喜ばせたり、他人と喜んだり、そういうことに情熱を傾けていないんじゃないかって心配になったんです」
他人を――喜ばせる?
ミクはコクリと頷いて、まっすぐに俺を見据える。
「…誰かに見てもらいたい、誰かに聞いて欲しい、誰かと一緒にいたい――そういう気持ちがタツキさんに芽生えれば、もっと素敵になれると思う。
例えば、ね?この家――ミクたち以外に、生き物の気配が無い。回りには機械や無機物だけしかない。
これだけでも…違う。豪華な装飾に囲まれていても、生活感の無い部屋は――タツキさんの心にとって、良く無い」
「そう――なのか」
「言いたくは無いけど、一歩間違えれば引き蘢り同然。生き物は生き物同士で関係し合うから、生き物でいられる。
タツキさんは他人との付き合いを遠ざけ過ぎている気がする。だから、そこを変えて欲しい」
ミクは椅子から立ち上がり、向かいの俺の手を取って、胸に当てた。
174Intentionality<その71> ◆tT40b2Yj5E :2008/04/01(火) 03:13:43 ID:NbrFx34K
――布地越しに、彼女の温い肌と――心臓の鼓動を感じた。

「…ね?ミクが生きているということが、こうすれば分かるでしょう?
あなたの近くにいて、こうして声を聞き合っている。見つめ合っている。触れあうことを大事にする――これが生きるってこと。
ミクが歌いたいのも、全てはタツキさんのため。ミクが歌いたいのは、タツキさんと生きられるということを、世界に語りかけたいから。
ミクはここにいる。ミクはタツキさんとここにいる。それを、ミクは言葉だけではなく――歌で伝えたい。
だって、それがミクの――生き甲斐だから」

「…生き甲斐…」

「はい。だから、タツキさんの生き甲斐を探して欲しい。
研究だけじゃない、毎日を生きるのに、楽しんでいけることを。笑顔で毎日いられるための生き甲斐を。
――それを見つけるために、いろんなことをするんです。
楽しく生きる。あらゆることを、楽しむ。いろんなことを見て、聞いて、触れて、感じる。これが人間で、人生です。
無駄なことなんて無い。生きている限り、何一つ無駄は無い。同じ毎日は無く、見えるものは毎日違う。
同じものが無いから、常にあらゆるものを大事にしようと思えるはず。
全てのものは移ろいゆくから、今ここに有るものは大事なもので――無駄ではない。
何気ない会話、他愛の無いやりとりでさえ、いずれは大切な思い出になる。
――記憶が無いミクだから、タツキさんとこれから過ごす日々を…大事にしたい。
そこに無駄はないんです。全てが大切な思い出になる――だから」

ミクは手を離して、親指と人さし指で輪を作るようにした後、そのまま俺の額の前に持ってきて――。

「えいっ」
「いてぇッ!!」

ビシンと打った。……なんだこれは、初めての衝撃だ!何かの武術なのか、額が腫れそうなくらい痛い!!

「『つまらない』とか『くだらない』とか愚痴る度に、これからはミクのデコピン一発ですからね!
今ので威力は分かったでしょ?覚悟して下さいよ…ふふっ♪」

ミクは照れ隠しのように笑っていた。
それはとても可愛らしい笑顔で、もうそれを見ているだけで幸せを感じるようなほどだった――が。

俺は未だに額を押さえて、彼女の足下に崩れ落ちていた。
「…って、本当に痛いんですか?手加減したのに?」
「いやいやいや、マジで痛いってッ!!…ぐおぉ、デコピンだと?こんな技、初めてだぞ!!!」
「……あらぁ〜、デコピンすら喰らったことないなんて、本当に人付き合いが無いんですね……。
まぁそれも修行のうちってことで、いいですね?あははははっ♪」
175Intentionality<その72> ◆tT40b2Yj5E :2008/04/01(火) 03:15:50 ID:NbrFx34K
――くそ、マジで痛ぇ。正直、涙目だ。
だが、ミクは懸命に俺に語りかけてくれた…人生が大事なことを、生きることは楽しいこと…と。
――それを教えてくれたことには、感謝したい。
ミクと出逢って、変わっていくことを…俺は受け入れる。昨日までは理念でしか分かっていなかったが、これからは行動でそれを示さなければ。
何より、彼女と一緒にいたいなら…俺も、彼女と喜びを共有することだ。思い出を作っていくことだ。
それが…彼女の側にいるということだ。――刮目せよ、龍樹。

――おお、信ずるのだ我が心よ、
――お前はいたずらにこの世に生まれて、無為に生き、苦しんだのではないということを!

「……ミク」
俺は真面目な顔で言う。ミクは急に俺の顔が変わったことを、意外に思ったようだ。
「は、はい?どうしちゃったんですか、いきなりキリっとしちゃって。
なんか突然『きれいなジャイ○ン』になったみたいな変わりっぷりっていうか」
「俺が間違っていた。人生を楽しむことを忘れていた。無駄なこと、余計な作業だと……いろんなことを切り捨ててきた」
「は、はぁ…。そんな、しゃちほこばらなくてもいいんですよ?
ミクはただ、楽しくお料理とか、お掃除とか、そういうのをタツキさんと一緒にやればきっと楽しいだろうなって思っただけで……」
「それだよッ!!!」
「ひ、ひえぇっッ!!?」
俺はミクの手を両手でがっしり掴んで叫んだ。
「ミクの言う通りだッ!!二人で料理したり、二人で掃除したり、そういうことに楽しみを見出す、それが人生の中で重要なんだッ!!
二人で作った料理を二人で食べる、二人で綺麗にした部屋で二人で過ごす、二人で洗ったシーツに二人で包まる、それが人生の楽しみなんだろッ!!?」
「いや、まぁ間違ってはいないけど、何か方向性とテンションが違うだろ常識的に考えて…
っていうか私は気にしませんけど、最後のはセクハラですね、わかります」
「と、とにかくッ!!俺は駄目人間をやめるぞ!ミクーーッ!!俺は引き蘢りを超越するッ!
もっと人生を楽しむために、まずは、まずはどうするッ!!?
ミク…俺はあと何人殺せばいいんだ…じゃなかった、俺はあと何をすればいい、ミクッ!!!」
「ちょ、タツキさん、いくらなんでも壊れ過ぎッ!!
…駄目だコイツ…早くなんとかしないと…!まずは、落ち着いて下さいってばッ!!……ハァッ!!」

興奮した俺は、彼女に手を振りほどかれた瞬間にボディがガラ空きとなり――その瞬間に、ミクが俺の鳩尾(みぞおち)に左手をそっと重ねて――。

「…陣内流柔術・秘伝。千人殺(せんにんごろし)ッ!!!」

自身の左手の甲に右の掌底を打ち込んだッ!!
176Intentionality<その73> ◆tT40b2Yj5E :2008/04/01(火) 03:18:35 ID:NbrFx34K
「ぐはああぁぁぁッ!!!!」
俺は腹を抑えてうずくまり、ミクは「むん!」と構えを取っていた。残心を意識する必要は無いぞ、ミク…。既に勝負はついている。
それにしても、戦国時代の兵法者(ひょうほうしゃ)が鎧の上から敵を倒すために編み出したというこの技を、どうして君が…?
「呼吸を乱さないように、集中力を高めるために、柔術やSUMOUなどの武術で鍛えるのがボーカロイドのたしなみ。
もちろん、素人のCCOに素手でフタエノキワミを破られるなどといった、はしたない暴歌ロイドなど存在しようはずがないんです。
記憶を失っても身体が反応してしまう、それが世紀末救世主クオリティです!あはっ♪」
え…笑顔で言うな。内容的に乙女のたしなみじゃないのに、語尾に♪をつけるな。
しかも、何故か…朝なのに、窓の向こうに北斗七星と…ひときわ輝く星がもう一つ…見える…。
「ま、まずいですよ、それッ!!死兆星ですってッ!!…タツキさん、しっかりしてくださいッ!!!」
ミクが慌てて抱き起こしてくれた。――いい匂いするな、ミクの身体って。
ああ――ミクにこうしてもらえただけで、なんかどうでもいいや――とりあえず――。

「…話が、いろいろと逸れた。うん、じゃあ――」
「はい。…お部屋のお掃除、しましょうか」

ミクと、二人で笑い合う。
――柔らかい、その笑顔。
この笑顔があれば、俺は人生が、そして今日からの毎日が楽しくなりそうだ――。

「…まずは、タツキさんから噴き出した…この流血から処理しましょうか。とりあえず鼻血を拭いて…」
「…ああ。…ダイニングが…なんかこう…」
「――えーと、金網デスマッチくらいの血まみれファイト状態?」
「ですよねー……ガクッ」
「タ、タツキさんッ!?……立つんです、立つんだ、タツキさーーーーーーーーんッ!!!!!」

――俺はそこで意識を失った。タツキ(笑)


     ×   ×   ×


――とりあえず、その直後に俺は意識を取り戻した。
そして二人で着替えて、朝食の片づけをしたり、部屋を掃除したり、ベッドの枕やシーツを干したりした。
こういった、いわゆる『日常的な仕事』にこれほど専念したのは――俺の記憶上、無かったといっていい。
ミクはその間、終始笑顔で、俺もつられて笑顔になっていたと思う。
なんだろうな、この不思議な感覚は。……二人でじゃれ合う猫のように、悪戯しながら楽しむ時間を、全く無駄には思えなかった。

『――人生、無駄なことなど一つも無い。
私たちがこうして何気なく過ごす日々が、いつかあなたにとって、そして私にとって、かけがえのない日々になる。
過去は振り返った時に、その価値が見出される。そして、その過去を守るために――現在を生きようと思う。未来を掴もうとする。
それも立派な志向性…“Intentionality”なんですよ』

――〈彼女〉がいつの間にか、俺の神経細胞に〈侵入〉していたらしい。
だがそれに言葉で返す必要は無い。俺はその声に無言で頷いた。
もう言われるまでもなく――俺は『君たち』と楽しんでいるよ。

「よし。じゃあそろそろ、大学に行くか」
「はい!」

『人生を、楽しめ』――そう思い込まなくても、もう俺の顔は、自然に笑えていた。


     ×   ×   ×
177Intentionality<続く> ◆tT40b2Yj5E :2008/04/01(火) 03:23:41 ID:NbrFx34K
以上です。
<その69>が番号振り間違えてました(´・ω・`)文章そのものの被りは無いので、読むこと自体には影響無いですが。
…陣内流柔術のネタってマイナー過ぎたかもしれない。

続きはまた少し経ったら、ということで。ではまた(´・ω・`)ノシ
178名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 06:32:21 ID:7UK/54gj
文才が違いすぎる・・・
179名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 07:01:17 ID:VxFDl+ze
>>160
良いなあ。でもこの後の展開を考えると…(´・ω・')

>>177
シリアスシーンとのギャップが違いすぎるwだがそれがいい。

ちなみに俺は
春・ミク
夏・リンレン
秋・MEIKO
冬・KAITO
だな。
180名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 15:29:27 ID:z/E+5ggn
>>177
なんというGJ!!
181名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 15:40:06 ID:/X1lB+Ft
>>151
フンドシが良い
 
 
 
 
 
LEONの
182名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 16:32:15 ID:/X1lB+Ft
>>177
俺の腹筋返せwwwwwww
GJwwwww
183名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 18:55:03 ID:tnwRYlil
カイリンが大好きだ
184名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 19:28:45 ID:lSmsEoUY
レンリンも大好きだ
もちろんカイミクも(ry
185名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 19:46:38 ID:MR47NDrz
KAITO「リン、好きだよ」
リン「…あの女のネギの匂いがする!お兄ちゃんの嘘つき!」
186名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 19:49:31 ID:KIAVKu3u
バカップル好きだからカイメイが本命なんだが

>>177
これすごくいいwww
187名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 12:31:26 ID:Ix77ekQ4
KAITO「ミク、好きだよ」
ミク「…あの女の…お酒の匂いがする!お兄ちゃんの嘘つき!」
188名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 13:08:59 ID:3l49g+M5
KAITO「LEON、好きだよ」
LEON「アノ双子ノ…工事現場ノ匂イガシマース!KAITO嘘ツキデース!」
189名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 13:37:48 ID:pQooGaOK
KAITO「MEIKO、好きだよ」
MEIKO「...あの子の...ロードローラーの臭いがする!バカイトの嘘付き!」
以下無限ループ
190名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 14:25:00 ID:30u1hGl2
>>177
暴歌ロイドのフタエノキワミは全員合わせて暴歌ロイドなんじゃ?
191名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 16:26:20 ID:8Crb5Pa1
intentionaryの人今回はパロネタ豊富だね
俺は嫌いじゃないけど乱用しすぎるとアレだからほどほどに
192名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 18:56:05 ID:pVNkEV71
マスコミのキモヲタ報道は正しいな


萌え豚ばっかwww
193名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 20:46:47 ID:v9MEpjEi
はいはいそうですねー


さてと、いつぞやの女マスターとボーカロイド書くって言ってた人まだかー
194名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 22:50:37 ID:TKp2L4xk
ここで空気を読まずロックミクを希望してみる

ニコニコRPGに出演することになったミクがロックと出会い…みたいな

え、お前が書けって?文才ないから無理
195名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 23:14:24 ID:euNFCw74
文才がなくても、どうしてもそのシチュで読みたいなら自分で書くしかないよ。
最も萌えるものは自分の脳内に存在するのだ!
さ、頑張ってかいてみよー
196名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 10:31:57 ID:YBLRTxnt
>>188
吹いたw
197名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 16:03:51 ID:f43LjfNY
>>188
混ぜるなしぜ、危険!
198名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 00:58:50 ID:CGECyuIy
>>194
ボーカロイド以外のキャラってありなのか?
199名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 01:00:25 ID:LYy/Kfmt
>>198
ある程度は許容されてるみたいだぜ
200名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 01:08:28 ID:+P17QVxy
正直ロックミクは自分も読みたいと思ってる。
RPGのPV効果か前スレのほうにもちょっと話題上ってたしね。
201名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 11:32:59 ID:0Mx999l0
注意書きさえあれば(ry
202名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 12:03:08 ID:cJN12Gxr
ガチムチアニキもいるスレで何を今さら
203名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 14:09:17 ID:KLwsMYER
あんまりグイグイとリクすると期待がプレッシャーになって書きにくくなる罠
204名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 17:08:06 ID:dWHFxwRG
大丈夫だ、誰も個人には期待してないから安心しろ
あくまで期待するのは書いてくれる誰かなのだから
205名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 19:04:46 ID:KLwsMYER
ん〜、意図が伝わってないな
206名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 20:17:26 ID:LYy/Kfmt
期待を寄せられてるお題なだけにプレッシャーを感じて書こうとする人が減るってことだろ?
207名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 21:29:14 ID:ij7ybJQV
前スレやっと埋まった
208名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 00:25:10 ID:eplNnPqX
BSでボーカロイド取り上げられとるぜ
209名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 00:45:27 ID:WBeRZ6lV
前スレ埋め乙
210名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 12:31:53 ID:OXZCWsni
>>208
どんな感じだったん?
211名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 13:05:03 ID:3wbtivln
>>210
ミク曲の紹介(メルト、ソワカちゃん、桜の雨、Packaged、恋スルVOC@LOID)

ミク以外のボカロとその曲の紹介
リンレン:リンリンシグナル
カイト:うろたんだー
合唱:ずっとずっと・・・

みくみくにしてあげる(2DPVと3DPVの紹介)とJASRAC問題について
こんな感じ
212名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 13:19:55 ID:vkV1b87G
ソワカちゃんも取り上げられたのか
あれ一番好きだ
213名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 16:51:24 ID:ZSWv7tbA
MEIKOが全く取り上げられ無くて、全俺が泣いた
214名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 19:32:20 ID:sGCBP3am
ロックミク以外に需要あるんだな

いっそニコニコRPGスレでも立てたらどうよ
215名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 20:07:22 ID:BTXUlSwD
そういえばMEIKOのメジャーな曲ってあるっけ?ほかの四人ならある程度思いつくけど・・・
216名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 20:25:46 ID:ZSWv7tbA
忘却心中とかジャスティスとかロリMEIKOとか逆襲のMEIKOとか…

番組的に合わなかったかな
217名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 00:13:25 ID:W5RtRUK1
忘却心中とか名曲じゃんね…
あとPASSIONAIREとかもあるし それが僕らのジャスティスとか
various feelingsとか

MEIKO好きとしては泣くしかない
218名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 01:09:41 ID:FcG5yHzU
女性ボカロの歌だとミクリンの印象がどうしても強いんだよな。個人的に。
ビジュアル・曲ともにメイコが劣っているわけではないんだけどさ。
219名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 01:46:13 ID:IwIG6lkC
いや、ビジュアルというかデザインは劣ってるだろ。
エロパロスレとしては、プロポーションは断然勝ってるからいいけど。

というわけで、一人紹介されなかったメイコを
マスターなりカイトなりが性的な意味で慰める話キボン
220名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 02:29:54 ID:RbzXjshK
「ひっどいよね」
「うん」
私は酒の勢いに任せて、TVで一曲もソロ曲が取り上げられなかった事をマスターに愚痴っていた。
つまみが散らばり、カップ酒を片手に据わった目で愚痴る私はさぞやブスだろう。
「大体さ、日本て変態だよ。ミクやリンが良いなんて」
「かもね」
不思議なもので、相づちを打ってもらえるだけで、少し心のトゲトゲが治まる。
「絶対そうよ。ロリコン。全人口の80%が変態」
そのうち60%はロリなのよ。根拠はないけど。
「俺はメイコが一番好きだよ」
マスターはうつむいた私の顔を覗きこみ、微笑んでくれた。
ワンカップ片手に愚痴をたれるブスな私に。
「…ありがと」
私、慰められてる。それに気付いて、なんだかほっとしたような、嫌じゃない気分に包まれた。
お酒で既に赤いから、照れているのは気付かれないだろう…と思いたい。
「あ、メイコが照れた」
バレたか。変なところで鋭いから困る。
マスターは微笑みを本格的な笑顔に強め、ハハハと笑った。




―――――――
眠いからここまで。サーセン…Zzzφ(_ _)。o○グゥ
221名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 10:45:55 ID:MupOpjfL
続きが来るまで全裸で待機!     


・・・寒いよ。四月なのに寒いよ・・・!
222名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 12:45:24 ID:aiJbU9iB
>>214
アリじゃね?ただ良い感じになった時必ず空気の読めない神男と蜘蛛男が邪魔してきそうな気がするw
後ガチホモ含む感じになりそうw
 
>>221
つタオル
乾布摩擦で風邪予防(`・ω・´)
223名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 16:03:24 ID:9kTRESGx
>>222
お前がそんなこと言うから立てちゃったじゃないか
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1207464905/
224名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 16:52:32 ID:RbzXjshK
今後はニコRPGのパロはあっちに投下?
別に書く予定はないけど
225名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 18:14:35 ID:/2jQ/gAj
叩かれてるな>RPGスレ
226名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 16:00:41 ID:Y1ZVKwEt
なんか静かだな〜小ネタでもいいからだれか投下してくれないものだろうか・・・
227名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 16:56:23 ID:ivkXyHXr
中ネタが完全に行き詰った。小ネタかぁ、書いてみるか
228222:2008/04/07(月) 18:56:24 ID:e9Ow66Sr
>>223
盛大に吹いただろwwwww
一応乙って言ってみる。
 
何かネタ考えるか……
229名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 19:03:52 ID:u8kuVLy3
>>225
そら叩かれるだろ。
あんな厨丸出しのスレ立てしたら。

ここが発祥だとバレませんように。
230石ころ:2008/04/07(月) 19:39:01 ID:e9Ow66Sr
前スレで続くと書いといて前スレに続き投下できなかったハクの続きを投下します。
231マスターの幸せな苦悩:2008/04/07(月) 19:41:16 ID:e9Ow66Sr
アパートまでの帰り道、マスターは非常に困った事になっていた。
「大人しくしろ!俺の愚息!」
ハクをおんぶしながら前屈みになって動けないでいた。
「なんでこんなに柔らかいんだ?」
そう、ハクは見かけによらず巨乳なのだ、だからおんぶなんかしたら、その2つのけしからん山の感触がダイレクトに背中に伝わるわけで、この状態で自分の息子がはしゃがないわけがなかった。
街中で周りには結構人が居た、しかも眠っている女の子を背負っているため多少目立っていた。もし自分の愚息がはしゃいでるのを見られたら間違い無く変質者扱いされるだろう。
「やわらけぇ……俺二つの意味で涙出そう、だが、この状況をどうにかしないとどうにかなりそうだ」
右目はこの困った状況に、左目は男の浪漫が叶っている喜びに涙目になっていた。
232マスターの幸せな苦悩:2008/04/07(月) 19:43:12 ID:e9Ow66Sr
「ってそれよりこの状況をどうするよ?とりあえず小数を数えるか、3.14……続きわかんね」
とりあえず息子が大人しくなってくれたので早く帰る為に小走りした。
トットッふにっ トットふにっ
「ぁぁ………」
息子がまたはしゃぎはじめました☆
「バカヤロウ」
自分の股間に話しかけるがもちろん返答は無い。通りすがりの女子高生に変な目で見られた。
「とりあえず今度は素数だ、2、3、5、7……」
今度はさっきと同じ事にならないように慎重に……ふにゅ♪
「チクショウ……こうなったらむしろこの感触を存分に堪能してやる!」
なんだか面倒臭くなったため、開き直り、ハクを起こさない程度に走り始めた。 
 
勃起しながら。
 
もちろん途中で警官に職質されそうになって逃げたのは言うまでもない。
こうしてなんとか自宅へ帰る事が出来たのだった。
勃起しながら。
233石ころ:2008/04/07(月) 19:45:34 ID:e9Ow66Sr
すいません、次はエロ入れるって書いといてエロにもってけませんでした。
でも次こそはエロにチャレンジしてみます。
 
つまらなかったらツマンネって遠慮なく言って下さい。
234名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 20:02:45 ID:SQ9tE5OY
ツマンn…あれっ?面白いじゃないかっw
GJ!
235名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 20:03:45 ID:aH6QsfxW
こうゆうの嫌いじゃないぜ
236名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 22:19:34 ID:QQFmbdpR
萌えたwハクかわいいよハク
237名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 23:11:50 ID:WiME3iJA
ツマン……やわらけ……
フル勃起GJ!!
2381-195 ◆MiKuOB5x12 :2008/04/07(月) 23:27:51 ID:WiME3iJA
まだ桜、咲いてるよね?
仕事帰り、東京駅から日本橋駅まで歩く桜並木が好きです。
忙しくて花見には行けないけれど、ちょっと遠回りしてさくら通りで花見をして帰ってきました。

ということで、桜が散る前に何とか投下終了を目標としている「さくらさくら……」です。
あ……東北とか5月ぐらいまで咲いてるし、まだ余裕あるかな……
239さくらさくら…U1/3 ◆MiKuOB5x12 :2008/04/07(月) 23:28:42 ID:WiME3iJA
「さくら、さくら……」
マスターにもらった歌を、毎日のように口ずさむ私。
ネットにアップされた私の歌もなかなか人気みたい。
マスターの作った歌が私の歌声で世界中に広まっていく。
多くの人に歌声を届けられるのは、VOCALOIDOとして無上の喜び。
でも、私はどんなに多くの人に聴いてもらうよりも、マスターのために歌うのが好き。
ベッドからあまり動くことのできないマスターのために、私は歌う。
マスターに聴かせてもらったCDや、ネット上の"私達"の歌。
時々外れる音をマスターのハミングで直してもらいながら、私は歌う。
「さくら、さくら…」
「ミク、その歌、これで三回目だけど……」
マスターに指摘されて、初めて気付く。
曲目指定なしのランダムでの再生。
いままで歌ったリストを思い出せば、13曲中に三回もこの歌を歌っている。
「ごめんなさい。他の曲を…」
「いや、いいよ。そのまま続けて」
マスターに言われて、私は歌を続ける。
桜が見たいと言った私に作ってくれた、マスターのオリジナル曲。
マスターの曲の中でも、一番のお気に入りの曲。
でも、だからってランダム再生を命じられて自分の主観で曲を選んでしまうなんて、プロ失格だ。
240さくらさくら…U2/3 ◆MiKuOB5x12 :2008/04/07(月) 23:29:45 ID:WiME3iJA
一曲歌い終えたあとに響くマスターの拍手。
私は申し訳なくなって頭を下げる。
「ごめんなさい。あの、同じ曲ばっかり歌ってしまって……」
「いや、いいよ。それより、どうしてその曲なんだい?作ったのちょっと前だからさ。
なんだか今さら歌われるとちょっと恥ずかしくて……あんまりよくできてないだろ?」
「そんなことありません!!」
予想以上に大きくなってしまった声に自分でもびっくりして、私はちょっと口ごもった。
「あの、マスターが作ってくれたこの曲。なんだかふわふわして、きらきらしてて、えっと…」
うぅ、伝えたい気持ちはいっぱいあるのに、それが言葉になって出てこない。
歌うために作られた私たちは、マスターの歌を正確に表現できる代りに自分を表現する術を持ち合わせていない。
私たちの感情は歌に色をつけるための仮初のもの。
マスターの感情を歌にこめることは求められているけど、自分の感情で歌に色をつけることは許されていない。
もっと自分の気持ちをうまく伝えられたらいいのに…
伝えたい気持ちがあるのに、それを伝える術を持たない私。
欠陥品の、私の心。
ふわっと、私の頭に軟らかい感触。
優しく私の髪を漉く、マスターの手。
私が気持ちを伝えるのが下手な分、マスターはこうして私の気持ちを汲み取ってくれる。
私が歌に込めることのできない私自身の気持ちを読み取って、歌にこめてくれる。
歌を作る機械としてじゃなくて、一人の歌い手として大切にしてくれる。
「マス……ター」
恥ずかしくて顔を上げることもできない。
機械の体と心しか持たない私だけれども、私の感情はプログラムで再現された見せ掛けのものかもしれないけれど、
でも、この気持ちは嘘じゃないよね?
私の、マスターをたまらなく愛しく思う気持ち。
歌を歌うことしかできない私だけど、マスターが望むならどんなことだってしてあげたい。
「ごめん、ミク。なんだか眠くなってきた」
マスターの手が私の頭からこぼれ落ちる。
最近のマスターは一日のほとんどを眠って過ごす。
以前からあまりベッドから起き上がることの少なかったマスターだけれど、
ここ数日はずっと眠ってばかり。
人間はいっぱい眠ると早く病気が治るって聞いていたから、
マスターといっぱいお喋りができないのはちょっと寂しかったけれど、でも我慢できた。
力のないマスターの手をとり、布団の中に戻してあげる。
「おやすみなさい、マスター。目が覚めたら、きっとよくなっていますから」
「ありがとう……ミク。おやすみ……」
241さくらさくら…U3/3 ◆MiKuOB5x12 :2008/04/07(月) 23:30:57 ID:WiME3iJA
マスターの呼吸が次第に穏やかになり、やがてゆっくりとした寝息に変わる。
安らかに眠るマスター。
「マスター……」
動かない、眠りについたマスターに、そっと顔を近づける。
ちょっとごわごわしたマスターの唇に、私の唇が触れる。
物を知らない私だけれど、でも人と人が唇を重ねる意味ぐらい分かっている。
歌を歌うためだけの私の唇、でもマスターの唇に触れているとき、私は歌を歌うとき以上に幸せになれる。
唇を離す。マスターは相変わらず穏やかな表情のまま、眠りについている。
「マスター……ごめんなさい」
私が勝手にこんなことしているのをマスターが知ったら、
マスターは怒るだろうか、私のこと、嫌いになってしまうだろうか。
でも、押さえきれない。マスターにもっとぎゅっとしてもらいたい、マスターにいろんなことをしてもらいたい。
臆病な私は、マスターが起きているときにその気持ちを伝えることができない。
私にはマスターしかいないから。マスターに嫌われたら、私はここにはいられないから。
「……」
マスターが動かないのをいいことに、私はぎゅっとマスターの胸に顔をうずめる。
人間のぬくもりと、マスターの香り。
「マスター……大好きです……」
聞かれることのない言葉は、部屋の隅に跳ね返って、消えた。
2421-195 ◆MiKuOB5x12 :2008/04/07(月) 23:38:39 ID:WiME3iJA
以上です。

花見逃してしまったら、ゴールデンウィークの弘前さくら祭りがお勧め。
ちょうどゴールデンウィークの頃に満開になるから、花見逃した人にもってこい
以上、今週の桜情報でした
243名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 01:14:04 ID:A9iWy81E
なんだろ、なんか切ないよ…。GJ!
続き期待して待ってます。

ちなみに鹿児島でも場所によっては桜まだ咲いてるんですよ。
綺麗なものです(^^)
244名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 09:24:02 ID:vXm4ZjLy
>>242
せつねぇな…とにかくGJ!
岐阜県高山市だけど咲いてすらいないよw
245名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 10:22:21 ID:aoA6aN/W
>>244
同じ県じゃんwww
岐阜市周辺に住んでるがもう散り始めてるぞw
246名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 11:46:52 ID:4fUw1RJa
マスターが死亡フラグってるから寝ただけで心配になるw
247名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 13:07:52 ID:vXm4ZjLy
>>245
高山と岐阜じゃ気候違うよ、作物的な意味で言うと岐阜は冬にほうれん草作れるが高山じゃ寒すぎるみたいな
248YUU13y ◆6f.Gco2N4. :2008/04/08(火) 15:49:31 ID:fv/zia/T
2ch自体に初カキコです。はじめまして
前スレでチラッと出ていた「撲殺ロイドメイコちゃん」に図らずしも分身が反応したので描いてみた
わかりづらかったら色塗ります。
http://uproda.2ch-library.com/src/lib019847.bmp.shtml
249名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 17:19:13 ID:6xSxfw0j
辛口かもしれんけど、体のバランスがおかしいからそこ直してから色塗ったほうがいいとおもうよ?特に下半身。
250名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 19:28:47 ID:4fUw1RJa
絵とか別にとめないけど、SSの邪魔はしないように。文章創作板だし。
そんで勝手にネタ使うと嫌がる人もいる。
そこんとこ注意。
251カイミクいれます ◆m.qGJ/JVc6 :2008/04/08(火) 20:07:45 ID:maY8vX6l
アウレウスの07投下します。
ラストなので一気に投下逃げ出来るのがよいところだと信じてます。
しゃくっ、しゃくっ、
あまり取り沙汰されないが、CV−02鏡音ツインズはリンとレンで利き腕が違う。
人間でも一卵性の双子は受精卵での分裂具合によって、片方が右利きに、
もう片方が左利きとなることがある。
それと同じ現象なのかは分からないが、鏡音リンは右手でスプーンを持ち、
鏡音レンは左手でスプーンを使う。
一番分かりやすいのは、この二人の反応だった。
しゃくっ、
今日の夕食は二人のリクエストでオムライス。卓上のケチャップで好きな絵を描いて食べて良い。
MEIKOはあえての無反応。
右と左でオムライスにがっつきながら、一瞬そろって停止。
「「……。」」
ちらっと俺の方を見て目をそらし、おそるおそるミクの方を見ては、
しゃくっ!
…やっぱオムライスに集中する事にする。
遅れてマスターがやってくる。
双子は同時に食べ終わり、ぱっと逃げ出した。
マスターの脇を左と右で駆け抜け、たぶん自室が避難所だ。
「?」
マスターは双子の動きに驚いた顔をしていたが、やがて席に着くと、ケチャップを手に取り俺に訊ねた。
「もう具合は良いのか?」
腹痛の事だ。
「…ハイ」
「そうか。痛そうだな、カイト」
俺の横面は、平手の形で真っ赤に腫れ上がっていた。
「……。」
マスターはミクも見た。
しゃくっ
しゃくっ!
実は最初からダイニングに響く、殺伐とした音の発生源がミクだった。
ミクのネギ囓る音である。



6−

最初から。
全部。
諦めていれば良かった。

マスターを得る事−高額で扱いづらく−、
認められる事−需要がない−、
いつか…−旧式の−、それでもと想う事−出荷は無いだろう−

一つずつ、順番に諦めていって、気がつけば時間さえもが秒単位の数値に変換されていた。
ミクが微笑んでくれる、それまで俺は俺が歌えることすら忘れていた。
人間に似せられた俺の顔が微笑むことを知らなかった。
それ以上の何を求める必要があったんだ。
諦めていれば。
きっと。
ミクはそのまま、『兄』を慕い続けることが出来たのだろうし。
俺も、やがてミクが離れていくその時まで、何も感じず笑顔のままで
ミクの気持ちに答えることが出来たに違いない。
最初から分かっていたじゃないか。それが最善だと。
もしかしたら、いつか、
俺と同じように、
ひょっとしたら、…、
ミクも、
…、
そんなことは有り得ない、そんなことくらい。
最初から。
手に持つ冊子のページをぱらりとめくる。
マスターの持っていた三年前の経済白書である。マスターは時々変なモノを読んでいる。
「んあ? カイト、お前起きてたのか」
マスターが水を飲みに起きてきた。リビングの奥、台所から水道水の流れる音がする。
一般的に、 VOCALOIDはマスターの睡眠時間活動時間に合わせてスリープモードに入る。

だから、別に寝なくても良い。
現時刻は深夜帯の3時42分32秒。
朝まで11848sec。
現実にしてしまったあの夢を繰り返すのが怖いんじゃない。
俺の願望がつくり出したあの笑顔にすがりついてしまうのが、怖い。
アップテンポなバラードで始まるイントロにミクが歌い出す。

♪〜

主題部分を歌唱し、リズムを上げて俺の声が入る。
♪…

ブチ。

オケを停止させたのは、マスターだった。
指で停止スイッチを押したまま、歌を止められた俺たちに宣言する。
「おまえら、帰れ」
まだレコーディングを始めたばかりだ。
「歌唱にミスがありましたか?」
データ訂正をお願いしますと要請する俺を、マスターが「そーいう問題じゃない」
遮る。
「ミク、眉間にしわ寄せるな。仏頂面で歌うな!」
ミクが目をそらす。
「…。」
マスターの目が、グラサン越しについと細まる。
「そしてカイト。てめえ、その無表情ヤメろ。口だけぱくぱく動かすな!」

「俺はそんなくそつまらなそーなツラで歌って貰いたくて、曲を作ったんじゃねえっ!!」

怒声を、レコーディングスタジオの防音壁が吸収する。
しん、と静まる。
「とにかく、今日はメイコやリンレンのパート収録だけする。おまえらは帰れ。すぐ帰れ。……」
マスターはそこで、息を止めた。
「…。帰って、一度ちゃんと話し合え。もう三日だ。
 そのくせ、何があったとカイトに訊ねてもミクに訊ねても、
 口を揃えたようになんでもないとか言いやがる」
ミクは目をそらしたままだ。口をしかめて、泣きそうだ。
「俺に話したくないなら、それでもかまわんよ」
マスターの口調がやさしいものになる。
「けれど、お前達は話し合え」
この調子じゃ正直話しにならん、とマスターは命令した。
「わかったな」
足早に歩くミクと、前を向いて歩く俺。
スタジオからマンションまでの道のりは遠くなく、エレベーターを降りると突き当たりが玄関だ。
最後のタイミングで、ミクが半歩タタタと先んじて、ドアロックを解除する。
取っ手を握って呟いた。
「わたし、話し合うことなんてないよ」
強く言ったその語尾が震えていた。
泣いてる。
抱きしめたい衝動に駆られたが、そんな資格俺には無い。
泣かせたのは俺だ。
非道い事をしたのは俺だ。
ヘッドライトの薄暗がりの中、強張ったミクの身体は震えていたというのに。
凍っていた俺の時間が動き出す。
「…ごめん…」
やっと絞り出せた謝罪の言葉に、ミクは「遅いよっ!」と頬を濡らす。
「怖かった」

「怖かったんだよ!?」

「ごめんっ!」
抱きしめていた。自制なんて効かなかった。思考なんて動かない。
「泣かないで…、ミク」
温かい雫が俺の腕にぽたぽたと落ちる。
「なんで、よぉ〜…」
ミクがひっく、としゃくり上げた。

「好きなんだ」

泣かないで…。
「わ、分かんないよ」
「ごめん」
ミクはじっとしている。
「お兄ちゃん、わかんない」
やがてぽつりとそう言った。
「何でわたしが大好きだと急に冷たくなるのに、嫌いになったらこんなに好きになってくれるの」
『嫌い』という単語に反応して、俺のミクを抱きしめる力がぎゅっと強くなる。
ミクがふぅ、と息をついた。
頬を濡らしていた涙は、俺の腕に残る名残のみとなっていた。
けれど、今度は怖くて離れられない。
「もぉいいよ」

「お兄ちゃんがそんななら、わたし、これからずーっと、お兄ちゃんのこと嫌いでいるから」

ミクが怒っている。

「もう離れていいよ?」

落ち着いている分、すごく怒っている。
ミクは、離れて、欲しいんだよ、ね。
むしろ、抱きつかれる事自体が論外、だろ、う。
嫌、だよ、ね。
力を抜くのに力がいった。腕がすこし、ゆるむ。
見上げてくるミクを目に、平手打ちってまだマシだったんだなあと、次の彼女の動きを待つ。

「中、入ろっか」

リビングでも玄関先でもマスターの部屋でもなく、
「お話し合い、するんでしょ」
ミクが選んだのは、俺の部屋、だった。
なんで?
ミクが俺も座れと促す。
マスターの部屋からはみ出した本棚やオーディオ関連が詰め込まれ手狭な部屋で、
座れる場所といったらベッドくらいしかない。
促されて隣に座ると顔を逸らしたミクが、次に取る行動は何だろう。
抱きつかれた。
ミクが頬をすりつける。
「嫌い、なんだからね」
嫌いでも抱きつくのはアリなんだろうか。
「嫌い、なんだよね?」
いや、こちらをうかがう様子からして、ミクは俺が本当に何もしないか確かめているのだろう。
「そぉよ。お兄ちゃんなんか、だいっきらいなんだから」
だよね…。
だいっきらいと、繰り返して呟く声が甘い。
じゃあ、こうしているのはやっぱり、『お兄ちゃん』だからなのか。
「ミク」
ミクがぱっと顔を上げた。
そして続く俺の言葉に、開いた目をぱちぱちさせる。
「その人間みたいな呼び方、ヤメにしないか?
 俺はCRV2であって、CV01初音ミクの兄として作られたわけじゃないんだ」
ミクは元々、かなり人間的に出来ている。
俺が兄であるという情報が、彼女に間違った錯覚を起こさせているのなら、
彼女は誤情報を訂正すべきだ。
たとえそれが、俺とミクを繋ぐ最後の絆だとしても。
ミクはきょとんとしている。
「意味、分かるかな?」
ミクは茫然と「え」「なんで」口を動かす。
その細い肩に手を添えて、俺は離れるように促した。
「いやっ!」
なんでそんないじわる言うのとミクは首を振る。
やがてミク的に事態を理解したらしい。これは緊急事態だと。「わたしが…」

「だ、大好きになっちゃったから!?」

今度は俺がきょとんとする番だった。
「えと、えと、えと、」
ミクがわたわたしている。
「ちょっと待って、ちょっと待っててねっ、えと、」
かなり必死にわたわたしている。
「い、今すぐにわたし、ちゃんと嫌いになるから! ね!」
わたわたしている。
「あ、あうう〜」
俺は今までの会話の流れを再検索かけていた。
「ミク」

「そういうときは、無理して嫌いにならなくてもいいんだよ?」

「…。ほんと?」
「うん」
ミクの頬にそっと口づける。
「大好きだよ、ミク」
己の切り替えの早さに驚いているところだ。
抱き寄せて、髪を梳く。交わした視線がやさしく微笑む。
「目を、閉じて」

初めてしたキスは、触れただけでその意味すらわかってなかった。
二度目のキスは必死だったけど、後悔しか感じていない。
けれど。
ミクが目を閉じる。

大好きだよ。

唇が離れても、ぽーっと上気しているミクの顔を見ていると、もう一回していいかなという気分になってくる。
もう一度触れ合おうとしたその時、ふいにミクが思案顔になった。
「?」
止まった俺の唇に、ミクの唇がえいっと重なる。
見開いた俺の目がゆっくり閉じると、擦りつけるようなミクの唇が愛おしくてたまらない。
やがて離れる瞬間を名残惜しく迎えると、ミクはぽふっと俺の胸に横顔を当てた。
「なんでかな」
「どうしたの?」
「あのね、…」
ミクはそこで頬を染めて口ごもる。
「前と、ちがう、の」
「どう?」
「い、いぢわる」
可愛い。
「ねえ、前みたいなキスしていいかな」
ミクはあう、と真っ赤になった。
舌先を絡めるとミクの睫毛がぴくっと震える。離れてみせるとコートの背中がぎゅっと掴まれた。
「んうっ」
差し込んだ舌に絡まる液体を啜ると、チュッという音が漏れる。
舌同士が触れる慣れぬ感覚から、自覚せず逃げ惑うミクを絡め取るようにキスを楽しんでいると、
やがてふと、ミクの動きが変わってきたことに気付く。
チュッ
口内の吸う力を緩める。
ミクの喉がためらいがちに、こくんと動いた。
「……。」
キスの最後に、濡れたミクの唇をぺろっと舐める。
「ふあ」
解放された唇がもらす吐息に、
自由が効く方の右の手がするっと下りて、スカートをめくりパンツのゴムに指をかけたところで。
「きゃあっ!」
悲鳴を上げたミクに、スカートの上から腕ごと現場を押さえつけられた。
コッチは駄目か。
今までとは別方向で羞恥に染まったミクの顔が可愛いとか思っては駄目だろうか。
「お兄ちゃんっ!」
「スキだよ」
「お兄ちゃんっ!」
二度目のソレは視界が90度入れ替わったことに対する抗議である。俺はそれにキスで答えた。
「んっ」
ここがベッドの上で本当によかった。

261『アウレウス−06−』(10/17) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/04/08(火) 20:15:30 ID:maY8vX6l
これ以上やるのは絶対に『NO!』
ミクは断固たる思いでお兄ちゃんの腕を押さえつけた。
やらしい刺激に慣れていない為の本能的な拒絶である。
そしたら押し倒された。
柔らかなベッドシーツを背中に感じ、キスを受けながら、
ふとももとおしりの境目のあたりを触る不埒者と格闘する。
どうやって撃退してくれようと手に力をこめると、「駄目?」と訊かれた。
囁き声にこもる熱に顔がほてる。
「どうしても?」
どうしても?
もちろんに決まっているが、だがここで。
今までのなんだかんだ言って二の次、放置されまくった経験があたまをもたげた。
マスター、お仕事、02の育成サポート、アイスクリーム。
ミクの輝かしい敗戦の経歴である。
同じマスターにもらわれて、これからずっと一緒だねと思っていたら、
そのマスターとあっという間に仲良くなって自分には分からない話をしだすし、
もともとそんな表情豊かに話すお兄ちゃんじゃなかったのに、とか変わりぶりに戸惑う暇もなく、
気付けば仕事仕事でわたしの事は『完 全 放 置』。
仕事しすぎてメンテナンスに送られていったと思ったら、
今度は02の育成サポートを依頼されたとかで、なかなか帰って来やしない。
それでもリンレンが来て、わたしもお姉ちゃんになって、
やっとちょっとだけ同じ目線に立てたと思ったのに、今度はアイスクリームですよ!? 
さすがにそっちのけにはされなかったし、お兄ちゃんは優しかったけど、
その分、リンにもレンにも平等に優しかったわけで。
…。
今はこうして好きだよと言ってくれるし、愛おしげに抱きしめてキスしてくれるけど。
さっき、兄妹やめるとか本気で口走ってませんでした?

つまりミクはこう結論したのだ。
今ならお兄ちゃんをわたしのモノに出来る、と。

これ以上やらしいのは正直嫌だけど、たしか前に『すぐ終わる』とか言っていた。
だから、よく分からないけど。もうちょっとだけ我慢すればいいはずだ。
あの時は…、怖くてしかたなかったし、服の上から身体を這う手の動きにも嫌悪しか感じなかったけれど。
今なら、…だいじょうぶな気がする。

うん。
わたしも大好きなんだし。

262『アウレウス−06−』(11/17) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/04/08(火) 20:16:09 ID:maY8vX6l
「ひあっ」
ミクの思考が考え事のほうへ行っているようなので、キスを首筋へ落とし、場所を選んできつく吸う。
チクンとした刺激に、ミクの声。
「お兄ちゃんっ!」
今の声、ちょっと色っぽかったなと、可愛く睨み上げてくるミクににっこりと微笑む。
大丈夫。ここならギリギリ襟で隠れるから。
「ナニを考えていたのかな?」
聞かれてミクは目をぱちぱちと瞬かせる。
俺の質問を額面通りに受け取ったのだろう。
だから、その言葉はストレートに入ってきた。
「大好きって」
紅潮する顔が隠せない。
うわ…、何だコレ…。
回路がそのままの意味でショートしてしまいそうだ。
ミクが笑顔になる。
白い腕がやわらかく俺の首筋に巻き付いた。
「大好き」
263『アウレウス−06−』(12/17) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/04/08(火) 20:16:44 ID:maY8vX6l
外したアームカバーが重力に引かれて、トサッと床に落ちる。
フワリと青いマフラーが上に重なる。
壊れたら困るヘッドギアは両方、サイドテーブルの上に置かれ、ネクタイを弛める手ももどかしく、
コートとインナーを一気に脱ぎ捨てる。
「んはっ」
キスの合間に吐いた息が、徐々にリズムを上げていく。
ニーソに手をかけると、ミクが体位をずらして脚をすこし上げた。
すんなりした脚線に沿って唇を這わすと「あっ」可愛い声を上げる。
「んっ」
撫でる程度の微妙な刺激に反応して、ミクの眉根が寄る。
愛撫が足先まで到達すると、我慢しきれず首を振った。
ぴくんと痙攣して捉えづらいので、膝から持ち上げ足指の合間を舌で舐める。
「んんぅ」
もう片方のニーソもずらしながら、次はドコがいいかなと考えた。足の甲に口づける。
持ち上げた太ももの動きに捲れあがったスカート。なめらかな臀部にずれかけたパンツ。
ちゅぱっ
脇腹の下、腰骨のあたりを選んだ。
あたたかい肌の弾力と、押せば分かる硬い感触。
軽く噛みついて、シャツの前部ロックを解除する。
あらわになった華奢な肩を後ろから抱き寄せ、体熱を感じて首筋にもう一つ赤い痕を残し、
ブラジャーの肩紐を引っ張った。
「ミク」
目が合ったので、思わず口づけを交わす。
じっとりと汗ばんだ頤(おとがい)に口づけ、舌を這わすと、
ミクは切なげな悲鳴を上げて縋り付くように抱きしめてきた。
頬をすり寄せるその動きは、ご褒美をねだる子猫に似ている。
「…だめだよ。ミク」
ブラをずり下ろす。
ミクはおっぱいも可愛い。

264『アウレウス−06−』(13/17) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/04/08(火) 20:17:22 ID:maY8vX6l
ついしげしげと眺めていると、止まった動きと視線にミクが不安げな顔をする。
「…何かヘンなの?」
「いいや? 触ってもいいかな」
「…う…」
許可を得たので喜んで、乳に触れさせてもらう。
ぷにぷにしている。
「あ」
色素の薄い肌は汗ばんでしっとりとなじみ、手のひらで包むように揉むと
「んっ」
吸い付いてくる。
「…ふっ…んっ、んあっ、あっ」
乳輪をなぞってコリコリしてきた先っちょをつつくと、ミクが根を上げた。
「も、…お兄ちゃん、やだぁ〜」
目尻の端に涙を滲ませて訴える声が可愛くてしかたがない。
「大好きだよ」
「んんぅ」
おっぱいしっかりさわっとこう。
「ひぅんっ」
265『アウレウス−06−』(14/17) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/04/08(火) 20:18:04 ID:maY8vX6l
カチ
時計の秒針が立てるかすかな音がした。
薄く色づいた乳頭を口に含みながら、時計で時間を確認する。
「ぁ、んっ」
慣れたMEIKOはともかく、リンやレンは収録に手間取るはずだ。
最悪、上手くいかなさにじれたリンがぐずりだすかもしれない。
それが分かり切っているからマスターは、俺とミクのパートから先に録ろうとしたわけで。
「ふ…ぁ、あぁっ」
マスターが根気よく挑んでくれるか、MEIKOがじょうずにあやしてくれればいいのだが。…どうだろう?
「ああっ」
早めに切り上げて帰ってくる可能性が高い。
帰ってきたら、マスターのことだ。真っ先に俺たちのことを確認しにくるだろうな。
大きくビクンっと痙攣し、弛緩したミクの身体からパンツを脱がせる。
「…ふぇ」
脚を割り開き、なだめるようにキスをして、ぴっちりと閉じた秘唇を指で開く。
「えっ、…ん!」
入ってきた異物感にミクが眉をしかめる。
何度か指を前後に動かし、あとは第二関節のあたりまで挿入して指の腹で探るように膣の内壁を掻いていると、
しかめるだけだったミクの顔に変化が起きた。
腰が跳ねる。
もう一度、指を動かし、場所を確認して指を二本に増やす。
ひくひくと指を締め付ける狭隘な入り口を、くつろがせるように広げると、
とろり、透明な蜜が零れた。
「おにいちゃん…」
ミクが囁く。
「わたし、ヘンなの」
266『アウレウス−06−』(15/17) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/04/08(火) 20:18:49 ID:maY8vX6l
「ちょっといい?」
言われて身を離すと、ミクがのろのろと起き上がる。
そして、シャツとブラを取り外し、スカートを脱いだ。

「ね」

「おにいちゃん」

一糸纏わぬ白い裸体に誘われて、最後の理性が切れていく。

「愛してる」

「ミク」

渇く口でそれだけ告げて、俺はズボンと下着を脱いだ。
潤いを求めて身を寄せると、ミクの舌が口を割る。
秘芯の位置を手探りで確認し、腰を進めるとミクの割れ目がちゅくっと淫らな音を立てた。
「ふえ…、わたしの…に…、熱いの…あたってるよぉ」
亀頭に愛液を塗りつけ一気に差し込む。
「くぅっ」
二人の声が重なる。
キツい。
「はっ」
ミクが息を吐いた。
挿入が奥まで行き着く。シーツをぎゅうっと握りしめて苦しげなミクとは別の生き物のように、
とろけるような媚肉がきゅうっと竿全体を締め付ける。腰が動く。
緩慢な動きで前後させると、
「んっ、んっ、んっ!」
ペニスとヴァギナの擦れ合う隙間からこぷりと潤滑液が溢れ滴る。
迫り上がる快感に、俺の方がギブアップした。
「動くよ」
「!?」
腰を掴んで大きく打ちつける。
ミクの身体が驚いたように跳ね、放り出された子猫のように、慌てて俺にしがみついた。
それがますます俺たちの密度を狭くする。
お互いの息が、辛い。
動きを止めても早めても熔けてしまいそうで、
どうせなら混じり合う汗のように全部熔けて混じり合えてしまえたらと、なおさら動きが加速する。
どうして一つじゃないんだろう。

「おにいちゃっ、…おにいちゃあん!」

ミクがよんでいるっ。

おれをっ!

267『アウレウス−06−』(16/17) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/04/08(火) 20:19:36 ID:maY8vX6l
全部吐き出し終えると、ミクがくたりとしていた。
陰茎を抜くと、白い液に混じって赤いモノが内股をつたう。
「…ん」
ティッシュ、どこにあったかなと探していると、ミクが意識を取り戻す。
すこしうつろな目をしてぼーっとしているので
「ミク? だいじょうぶ?」
声をかけると、やがてその瞳孔が俺を認識して微笑んだ。

−ああ、ミク。彼がKAITOだよ−

「ねえ? 俺のこと、名前で呼んでみて?」
ずっと、叶えてみたいユメだった。
ミクは思い出す。初めて会った時のことを。

大好き。



電子の眠りから目覚めると、無表情な白衣の人たちに囲まれて、起動チェックを受けた。
「オールグリーン」
報告に一人の男が頷くと、彼はわたしに言った。
「自分が誰だか、言ってみなさい」
わたしは答えた。
「わたしはCV-01初音ミクです。VOCALOID2エンジンが搭載されています。声のタイプは女声です」
彼は私の反応に、メモを取ると
「キャラクターをオンに」
指示に別の人物がモニターを操作する。
−キュイン
認識していた周囲情報に、突如大幅な上書きが加わった。

え? なに?

周りは知らない人ばかりで、同じような白衣を着ていて、そしてこの部屋は機械だらけで。
怖くなる。
さっきまで私に質問していたおじさんは、急におどおどと周りを見始めたわたしを見て、
「ほお」と小さく感嘆の声を出した。
268『アウレウス−06−』(17/17) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/04/08(火) 20:20:39 ID:maY8vX6l
この人たちが怖かったのは最初だけで、すぐに笑顔がやさしくなったけど。
「開発者? わたしを造った人? おとうさん?」
そう聞いたら、「その認識は良くない」とたしなめられた。
そのおじさんは開発チーフで、わたしを造ったのはおじさん一人じゃないのだから、
たくさんの人が造り上げたのだから、そう言った。
そして社長さんに会わせてくれた。
社長さんはわたしのデキにいたく満足してくれて、性能とか、デザインとか、歌声とか、
すごくすごく褒めてくれた。これならユーザーもくいつくに違いないと。
社長さんだけじゃなく、みんなみんな褒めてくれた。予約だけで市場がパンクしそうだと。
ほめられて期待されて嬉しかったけど。
そんなとき、何故か無性にあの人に会いたくなった。

−おにいちゃん−
−どうしたんだい?−

嬉しくなってえへへと笑うと、一緒に微笑んでくれる『おにいちゃん』。
わたしの『おにいちゃん』。
探せばそこにいてくれる。

「ミク」

大好き。

「KAITO」

…。

ふたりしてカアァ…っと赤くなる。
こ、コレは。
思っていたより、はるかに、気恥ずかしい。

「や、やっぱり、『お兄ちゃん』でいいから…」
「…う、…うん」




<終わり>
269 ◆m.qGJ/JVc6 :2008/04/08(火) 20:23:19 ID:maY8vX6l
以上です。
どーやったらカイト→ミクでの合体が成立するのだろうかと考えていたら、
こんなかんじに仕上がりました。
270名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 20:33:38 ID:axwPPdpQ
>269
完結おつかれでした!そして、超GJっっっっっ!
やっべー、過去最高にニヤニヤしながら読んでしまった…。
ミクかわいいよ、ミク。
271名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 20:52:21 ID:aoA6aN/W
>>269
GJ!!!!!
ニヤニヤが13/17から止まらねえwwww
で、今思ったんだがアウレウスって何?
272名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 21:14:05 ID:6J1J2zO3
完結おめでとう!!!最後まで面白かった〜!GJ!!
カイミクいいな…可愛い。
273名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 22:40:12 ID:4fUw1RJa
ミクかわええw
カイト視点も何故かウブでいい感じw
GJ!
Good VibraaaatioN!!
274名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 03:07:07 ID:hSD37aXj
GJ!
前スレで始まった時からファンで、いつも続きを楽しみにしてた
可愛いカイミクありがとう
275後日続くかも:2008/04/09(水) 10:22:20 ID:/qkAgkjG
「ふーん、レンがねえ」
「そう!毎日毎日」
NHK見ながら晩酌してるとリンが相談事とのこと。珍しいなと思ったら、思春期独特の微妙な問題だったらしく…
「レンも若いからね。多少がっついてるのは仕方ないんじゃないかしら」
「だからってあれじゃ本当に私の事好きなのか、単にエッチしたいだけなのか分かんないよ!」
ようするにリンは、レンが体だけ求めてくる事に不安と怒りが湧いてるらしい。
「両方なんじゃない?リンの事本当に好きそうだなって傍から見てても分かるわよ」
「でも…」
「ようするに、セフレ扱いされてんじゃないかって不安なんでしょ?」
「うん」
気持ちはよく分かる。
「あの年頃って愛してるとかあんま言ってくれないし」
「うん…」
「キスもそんなにしてくれないでしょ」
「うん」
女の子にとって結構重要な事なんだけど、男の子って照れちゃってそういうの躊躇うのよねえ。
「お姉ちゃんはいいなあ。お兄ちゃんが毎日愛してるって言ってくれて」
「アイツの場合言いすぎなのよ」
デフレも問題だけど、こっちみたくインフレなのもそれはそれで困ったもの。有難味なんてあったもんじゃない。
「ま、レンにはそれとなく言っとくわ。可愛い彼女は大事にしなさいって」
「ありがと、お姉ちゃん」
それにしても青春ねえ。甘酸っぱくて羨ましいな。
「ちなみにリンはエッチ自体は嫌なの?」
「別に嫌じゃないけど…」
「じゃあその内リンもエッチの良さ知るわよ。そしたら悩まなくなるんじゃないかしら」
「本当?」
「私も最初はせがまれても乗り気じゃなかったもん」
今思えば勿体無かったなあ、なぁんて。
ピピピピッ、ピピピピッ
「あ、お風呂沸いた」
「じゃあお姉ちゃん入ってきていいよ」
「今日は譲るわ」
「いいの?」
「うん。レンと一緒に入ってきなさい」
「ええっ!?」
「リンからも積極的にならないと、いつまで経ってもイチャコラできないわよ」
「う、うん…」
「お風呂はその第一歩よ、頑張って」
「うん、ありがと、お姉ちゃん」
若いっていいわねえ。
「ただいま〜」
あ、アイツ帰ってきた。
「おかえり。お風呂は今双子使ってるわよ」
「ほんと?じゃあ後ででいいや」
「たまには一緒に入る?」
「え”っ?」
「なによ、嫌なの?」
「いや、その、最近装填数に不安あるから、一緒に入ったらメイン戦場で弾切れに…」
ほんと、リンレンの若さが羨ましいわ。全く。
276名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 10:33:27 ID:wLGcgaYt
>>275
カイトwww

リンレンぐらいの中高生の男子ってこの世で一番あたまわるい生き物だよな。
後日楽しみにしてるYO!
277名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 11:22:48 ID:HD0wSCu/
>>269
GJ!
ミクが可愛いすぎるwニヤニヤしまくりでした
 
 
>>275
吹いたw
278石ころ:2008/04/09(水) 11:31:09 ID:HD0wSCu/
さっき面白いハズのネタを思い付いたのに忘れてしまって軽く落ち込んでる石ころです。
今やってるハクが終わったら(終わってなくてもやるかもw)↓のどれかやろうかと思ってるんですけど、どれが読みたいですか?
 
1・雑音ミク
 
2・呪音キク
 
3・阿久女イク(感じあってるかな?)
 
 
ちなみにイクは多分短いのになります。
 
 
コンセプトはキャラ設定が固まって無い亜種で書いてみよう。
279名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 12:28:14 ID:w7zpyoYX
完成おめ!
そういえば、長編が完成したのって初めてみた。個人的にはmelodyの人とかボカロ保護団体の人とか妖さんのカイト最強とかの続きをwktkしながら待っているんだが

>>278
キクってヤンデレの奴か…読みたい!
280名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 23:07:09 ID:URTpCGuC
>>278
次回の構想を練るのもいいけれど、まずはハクを完成させることに専念だ!
連載当初から読んでるから個人的には期待しているんだぜ?

あと雑音ミク ・呪音キク ・阿久女イクに関しては扱いに注意してな。
ハク・ネル以上に受け付けない人もいるだろうし、注意書きは忘れないこと。

>>279
自分も待ってるんだがな〜。気長に待つしかないのかな?





281名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 01:11:05 ID:7JqBGEju
ついでに言うとイクに関しては完全な二次創作(同人ソフト)だから作者さんがどう言うか。

個人的にそれが怖くてイクに手を出せない(エロパロ的な意味で)。
282名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 01:19:17 ID:j+geQYHo
最近カイメイ分が足りないよー
283名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 01:22:49 ID:vt1HQwPu
レンメイが…読みたいです…。
284名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 02:56:14 ID:WOvSY+Dc
ところで、前スレのコスプレする姉さんの話ををずっと待ってるんだが…
ボツになったんだろうか?
285名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 03:35:39 ID:7HyPnLZ/
マスメイがあればそれでいい

けれど待っているのはレンリンのアンインストール後編です
286名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 04:29:31 ID:LK/RApSC
お話はカイト、ミク、リンが仕事に行っている間、留守番の二人を中心に回り始める。
「ボクは、あなたが、好きです」
──言ってしまった!
緊張と告白の興奮で震える舌を不器用に動かし、少年は年上の女性に思いを伝えた。
女性のきょとんとした表情は、告白の意味を解すると共に困惑の色を強める。
「あー、えっと…あたし、カイトと付き合ってるんだけど…レンも知ってるでしょう?」
「わかってます。けど、どうしても…伝えたくて。ダメ、ですか?」
「うーん、好きって言われて嫌な気はしないけど…」
遠回しのNO。それを聞き、少年は笑顔をつくった。
落胆を押し隠す、泣き出しそうな笑顔を。
「…そうですよね、ごめんなさい。こんな困らせるような事言ってしまって…忘れてください」
「…」
メイコがなんとも言えず次の言葉を思案しているうちに、レンは自室に引っ込んでしまった。
「レン…」
──ごめんね。


コンコン。
レンの部屋に響くノックの音。
まだ他の者が帰るまでには時間がある。メイコだろう。
「レ〜ン。入るわよ」
と、酒の匂い。メイコはめちゃくちゃ飲んでいるようだ。
「…なんですか」
──少し、一人にしておいて欲しいです。
泣き腫らした赤い目を見られたくなくて、レンはドアに背を向けて座り直した。
「うふふ、なに落ち込んでんのよ」
レンの背中にのし掛かるメイコ。
背中に感じるメイコの胸の感触に、ちょっと慌てるレン。
しかしフった男の部屋の中に泥酔状態で侵入して来たメイコに、レンは少し苛立った。
「ついさっき、フられましたから」
「んふ〜、青いわね。青春だわ〜」
「何なんですか!ボクを笑いに」来たんですか。
首を回し肩越し怒鳴った言葉は、最後まで言い切らぬ前にメイコの酒くさい口に塞がれた。
メイコの舌が侵入して来て、お酒の匂いが鼻に抜ける。
一瞬の硬直。キスに酔ったのか、吐息のアルコールにあてられたの、芯から溶けるように力が抜ける。
ちゅっ、と音を立てて、唇が離れた。
「…慰めてるんじゃないのよ。これはお酒の勢いで、ついやっちゃったのよ」
言いながら、メイコの手はレンの下腹部をズボン越しにさする。
「あ、あの、ちょっとメイコ」さん。
また塞がれる口。
メイコの舌がレンの口を犯す。
もうレンになす術は無い。されるがままだ。
離した唇には酒臭い涎が糸を引いた。
抵抗しなくなったレンを後ろから抱いたまま、メイコはレンのチャックを開けた。
苦しがっていたレンの先端が天井を仰ぐ。
メイコがそれを激しく擦ると、レンは小さく呻いた。
「イってもいいのよ」
メイコは右手でレンの先端を刺激しながら、左手でレンの上着をたくしあげ、乳首を強く抓った。
「ああ、あっ、あああ!」
背中に感じるメイコの体温、胸、絡み付くメイコの手、胸に感じる鋭い痛み。
全てが快感になって、レンは絶頂を迎えた。
激しく、何度も、強く射精する。


「メイコさん」
レンは、部屋の片付けを終え、出ていこうとするメイコに声をかけた。
「ボク、やっぱり諦められそうにありません。まだ、想っていてもいいですか?」
「ん〜?ふふふ…どうだかね」
ニヤリと笑いながら、メイコは部屋から出ていった。
287名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 05:07:48 ID:LK/RApSC
─後日─



メイコはバーに来ていた。
飲むのも目的の一つではあるが、本当の目的は、ウエイターとして働いている親友、ハクに相談したいことがあるのだった。
「つまり未成年に浮気しちゃったわけ?犯罪じゃ〜ん」
どこか楽しそうにハクは茶化した。
「違うっつの!でも、なんていうか…修羅場フラグはたてちゃったのかも」
いたって真剣な相談だと気付いて、ハクも茶化すのをやめた。
「ま、あれじゃない?いくらガキだからって、カイトにバレたらヤバいことくらい察してるでしょ」
「うーん…だといいけど」
「大丈夫だって。相談ってそれだけ?」
「まだある。実はマスターにも告白されちゃって」
「…メイコ、あんた恥情のもつれで殺されるタイプね」
288石ころ:2008/04/10(木) 10:08:45 ID:umdk3Q/a
>>280
ありがとうございます、でも期待してるとツマンネwってなる可能性があるんで気をつけてくださいw
 
>>281
小ネタ程度なら行けるんでないかと自分は思ってるんですがねイクは
289名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 10:14:53 ID:6x3q8stI
>>287
逆ハーは珍しいなGJ!
百合板のメイコ思い出したよw
290名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 18:17:57 ID:1y8mGzw/
>>287
おお、GJ!なんかハクが新鮮だw
291名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 18:18:58 ID:1y8mGzw/
すまん、あげた。しかもなんだメール欄にミクって…
ちょっと吊って来る
292名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 18:23:30 ID:7JqBGEju
おそらく、>>290の心の奥底でミクをどうにかしたいという感情がメール欄に現れたんだろう。

というわけでミクで一本お願いします。俺は百合板で書いてるのがあるんで。
293名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 02:13:21 ID:kBpK0s6s
暇なので小ネタ追加。季節違いだが。

それは月のきれいな晩のこと。
「おだんご、おだんご、おだんごこねて〜かわいいうさぎにささげましょ♪」
即興の歌を唄いながらおだんごをこねる私。今日は十五夜、お月様がきれいに見える日・・・らしい。
ここはマスターの実家。なにもない田舎。マスターいわくこの日は月を見ながら団子を食べるのがこの里の風習なんだとか。

「マスターお団子できましたー」
「了解。じゃあ縁側に置いといてー」

お団子をお皿に盛って縁側に行くと、マスターが縁側に座っててあらかじめ用意していたお酒を一気飲みしていまし・・・ってええ!?

「ちょ!?マスターなに一気飲みしてるんですか!体に毒です!急性アルコール中毒になっちゃいます!」
「はは、これくらい大丈夫さ、心配性だなミクは。それに飲まずにやってられるか、こんなに綺麗な月なんだ。飲まなきゃ失礼ってもんだろ?」

顔を真っ赤にしてマスターは意味不明なことを言う。まったく明日からはお酒抜きですよ?なんて思いつつ私はマスターの隣に座り、空を見上げ

「・・・わあ」と感嘆の声を上げた。

そこにあるのは都会では見られない星空と虫たちの唄い声。そして・・・あまりに、あまりにも綺麗なお月様。
その光はおだやかでやさしくて、なのに切なくて苦しくて、私はなぜだか不安になった。月の光を見ているとまるで月に吸い込まれそうな気がして・・・。


「どうしたんだい?ミク。もしかして怖いのか?」
「あ・・・」気がつくと私はマスターの腕をつかんでいた。
「ごっごめんなさいっ!」ぱっと手を離す私。なぜだかマスターは寂しそうな顔をしている。
「ミクが不安になるのも仕方がないさ。月は太古から人の心を揺さぶる存在だからな。昔の人は月の神=死なんてものを連想してたくらいだ」
「それってまるでデ○ノート・・・!」
「・・・空気をよんでくれ、ミク」
そんなことを言いながらマスターはお酒を口に運び、わたしの作った団子をぱくぱく食べていた。お味はどうですか?なんて聞きたっかたけどマスターの顔を見ているとそんな質問は意味がないようだった。
とてもおいしそうに食べてくれている。私も一口。う〜ん物足りない。ネギ分がたりなかったか・・・!

お団子も食べ終わり、私は後片付けを始めた。マスターは月をまだ見ている。そんなに好きなのだろうか。私はまたしても不安になってしまった。なぜだかこのままだとマスターが消えてしまう気がして。

294名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 02:17:31 ID:kBpK0s6s
「マスター、秋の風はお体に触ります。家の中に入ったらどうですか?」
「ああ、ごめん。ちょっと昔のことに思いをはせてたんだ。すぐに戻るよ」
「昔のこと・・・ですか?」
「うん。僕はね、小さいころから昔の物語が好きで、特にかぐや姫が好きだったんだ。月からお姫様が来るって凄いロマンじゃないか。
いっしょに歌って、ご飯を食べてお話をする。それだけでもとても素敵なことだ。だから小さいころはずっと月を見てすごしてきた。こうやってるといつかかぐや姫がやってくるんじゃないかとね」
「・・・それでかぐや姫はマスターのところに現れたんですか?」
「いや・・・来てはくれなかった、最近までね。そもそもかぐや姫って竹から生まれるだろう?それに気づいた僕はもう大人になっていた。失笑ものだ。けれど僕の夢は叶ったんだ。そう・・・君が来てくれた。」

「え・・・?」マスターはおかしなことを言う。
「君が我が家に来たときのこと覚えてるかい?あれは月の綺麗な夜だった。家にでかい荷物が来たからあけてみれば君が生まれてきたんだもの。あの時は驚いたし、うれしかった。
その箱から生まれた君はまるでかぐや姫のように清楚でかわいらしかったからね。君を手に入れるためなら世界の男たちは火鼠の皮だろうと龍の首の珠だろうと取りにいくだろう。そう感じた。」
マスターは妙にまじめな冗談を言う。なんだろう顔が火照ってきた。
「わっわたしそんな上品な存在じゃないです!だっ第一私はただのボーカロイドで・・・歌うことを目的として作られたロボットなんですよ?」
声がうまくでない・・・!
「そうかもしれない。けれど僕にとっては君はかぐや姫なんだ。僕は子供のころから・・・君を待ち望んでいた」
あああああああああ・・・!なんでこの人は歯の浮くような台詞をべらべらしゃべりますか!酔ってる?そうか酔ってるんですね!ってマスターどうしたんですか?そんなにまじめな顔をして・・・

マスターの顔が近づいたと思った瞬間、私は唇を奪われた。抵抗なんてできるわけなかった。

「ミク・・・君がほしい」

そう言ってマスターは月明かりの元、私を押し倒した。


・・・とりあえずここまで。初めてSS書いたよ。こんなの需要あるんかね?あとあげてごめんなさいorz



295名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 09:37:13 ID:7cRQiDRL
>>293-294
GJ。このマスミクはよいものだ。

ところで、前スレで話に登ったアイマスとのクロスオーバーですが、まだ需要はありますかな・・・?
296名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 11:29:42 ID:GTnPqqjJ
>>295
あります
297名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 12:45:09 ID:L8TtgRng
>>294
GJ!
ここで豆知識的なものを、あの白くて丸い月見団子は食べる時焼いて醤油をつけたりきな粉やあんこで食べるんだよ。
まあ、そのまんま食べるタイプのもあるかもしんないけど。
298名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 18:18:32 ID:uvABuCq0
>>294,295
どっちも需要ありと見た
299名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 20:37:11 ID:pG27kybB
こんばんは

>>293の月下マスミク、>>295のアイマスボカロクロスオーバーを
正座して待ちつつメイカイメイ投下させていただきます(`・ω・´)ノシ
メイコ一人称視点です
ちょっと長くなってしまったのでお暇な時にでも読んでやってください
300メイカイメイ【好きなんて言えない】1/15 ◆SVmMqAshx6 :2008/04/12(土) 20:38:55 ID:pG27kybB
メイカイメイ【好きなんて言えない】

 私がこの子を男として見はじめたのはいつからだっただろう。
 青い髪をした私の弟は、私の晩酌につきあって慣れないお酒を飲み、今ふにゃふにゃと私の目の前で酔いつぶれている。
 テーブルにつっぷしているせいでいつもはきっちりと巻いているマフラーがゆるんで、ゆっくりと上下する喉仏が見えた。
 振り返ると、私の後ろにはミクとリンとレンが、床の上にそれぞれの格好で眠っている。さっきまで三人ではしゃぎまわっていたので、疲れてしまったのだろう。
 私はカイトのほうに向きなおり、ぼんやりと考えを巡らせた。

 そもそも彼が造られてすぐの頃は、弟だとすら思っていなかったのだ。
 ただの私の後継ソフトウェア。たまにデュエットなんかして、その声の伸びに、驚いたりはしていたけれど。その頃は誓って彼に情欲など持ったことはなかった。

 しばらくしてミクが造られて、彼女を妹と呼び可愛がっているうちに、そうなるとカイトは私の弟にあたるのだな、とはたと思った。なんだか、こそばゆい感じ。
 でもこのかわいい後輩が弟なら悪い気はしないな、と思ったのを覚えている。(もちろんそのことを本人に伝えたことはないし、むこうは私のことを「お姉ちゃん」だなんて、これっぽっちも思っていないかもしれないけれど。)
 リンやレンが発売されてからは、何かと兄弟扱いされることも多くて、5人で行動することが多くなった。みんなで過ごす日々はとても楽しい。
 当たり前のようにリンもレンも私を姉と慕ってくれて、私も二人のことを本当の妹や弟だと思っている。
 
 ミクたちのおかげでボーカロイド全体の認知度と人気が上昇し、インターネットを
通して私たちのための楽曲はどんどん増えた。
それまであまり歌う機会に恵まれていなかったカイトは、子供みたいに無邪気に
はしゃいでいたっけ。
 あまりに仕事を選ばず、どんな歌でも歌うので、心配になったこともあるほどだった。
 だけどたまに本気を出して、私たちをびっくりさせることもしばしばだった。
 女性顔負けに、ドイツ語で、あるアリアを歌い上げた時などはその性能に肝を抜かれた。
 どうして今まで売れなかったんだろうと、みんなで首をひねったものだ。

 当たり前のように私たち5人は一緒に暮らしはじめ、今では寝食をともにしている。
 ずっとなごやかにこのまま5人暮らしていくのだと、そう思っていたのに。

 私がこの子にはじめて男を感じたのはいつだっただろう。今では思い出せない。
 目の前の喉仏にそっと指で触れる。こんなところまでよく出来たものだ。
 ゆっくり上下するそれはまるで人間そっくりである。
 この喉で、あの高低自在の声を出すのだな、と思うと、突然きゅっと胸が締まるように感じた。
 まったくこんなところまでよく出来たものだ。きっと人間も好きな男に触れば同じように反応するのだろう。
 普段は容易に抑えられる衝動に、アルコールが手を貸した。
 ほとんど、思わず、と言った具合で、私はカイトに口づけをした。ちゅっと音を立てて軽く唇を離すが、カイトが目を覚ます様子はない。
 むずむずとした衝動があって、再び唇を重ねた。今度は、深く。
 角度を変えて何度も口づける。酸素を求めて少しだけ開いたカイトの唇を、更に舌でふさぐようにして私はそれを続けた。
 潜り込ませた舌で、歯列を一度なでた所で、ようやくカイトは目を覚ました。
 ちょっとニブすぎるんじゃない?と心の中で笑いながら、私は、おはよう、と微笑んでみせた。
 一瞬間があってから、飛び上るようにして目を見開いたカイトは、突如顔を真っ赤にして叫びの形に口を開けた。
 けれどすばやく私の背後を見やると、自分の口を自分でふさいで、叫びだすことだけは咄嗟になんとか我慢したようである。
 つくづく優しい男だな、と私は思った。ぐっすり眠っているミクたちを起こさないようにとの配慮だろう。
 もしくは、こんな行為を妹たちに見咎められないようにとの、私への配慮か。
  必死で状況を把握しようときょろきょろと目を動かしている。どんどんと顔が赤くなっていく。
 私はカイトが落ち着くのを待たずに彼の腰元に手を伸ばした。
 そっとファスナーの部分をなぞるように、"それ"を刺激する。
 なっ とかなんとか小さく声をあげて、カイトは慌ててまた自分の口を押さえた。
 そのまま目を白黒させて私の行動を凝視していたが、私がズボンの上から形を確かめるように"それ"を手のひらでなぞり出すと、慌てて右手で私の手首を押さえた。
 「めめめめめーちゃん!なっななななにしてるの!」
 小声で抗議するものの、動揺と先程の酒のせいで呂律が回っていない。
 かわいいな、と思った。
 ふふ、と微笑んで見せてから刺激を続ける。少しずつ立ち上がってくる自分自身に、カイトは更に顔を赤くした。
 
 少し握るようにしてみたり、指先で細かにつまむような動作を繰り返す。カイトの息が荒くなるにつれ、私の手の中の彼も硬くなっていく。
 服の上からは良くわからないが、根元と思われる部分から先端と思われる部分へと、何度か手を行き来させる。

 どうやらカイトは感じると声が我慢できないタイプらしい。目を固くつむり、左手で強く自分の口を押さえて必死に刺激に耐えている。
 私を制そうとしていた右手も、今はもう形だけ手首に巻きついたような状態だ。
 未だ衣服の中で、もう痛そうなほど張り詰めている"それ"と、顔を真っ赤にしてただただ声を我慢している弟が、いじらしくてたまらなかった。自分で自分が興奮していくのがわかる。
 ああこの子のこんな顔を、私はもっと見たいな。
 
 カイトが薄く目を開き、はっはっと浅い息を吐きながら、ようやく、といった感じで言葉を口にした。
 「めぇ、ちゃ…っ…酔…、って、…る、の?……」
 「…うーん、そうねぇ」
 私はまた指先を滑らせる。カイトはびくりと目をつむった。
 「少し酔ってるかも」
 そう受けてから、私はさっきまで手を動かしていた部分へ顔を近づける。
 カイトがまた不安そうに眉を寄せ、咎めるように私の名を小さく叫んだ。私は構わずファスナーのツマミを小さく前歯で噛む。そして両手はカイトの足の付け根について、口だけを使ってそのファスナーを下ろした。
 更に慌てたようにして、カイトの小声が降ってくる。
 「めいちゃん!駄目だよ!」
 「めーちゃん、ね、落ち着いて…っは…こんなの、おか、し…い、よ」
 カイトはさっきの会話を真に受けて、私が酔って判断力を無くしていると思っているのかもしれない。
 息も絶え絶えになりながら、あやすような口調で私を制するようなセリフを並べた。
 愛しさともどかしさがないまぜになったような気持ちになって、私はそれを無視した。
 開いた前から無遠慮に手を差し入れる。
 洗濯機の中で見た覚えのあるボクサーパンツの上で、私は手を上下させた。
 「ぅあ…っ!」
 さっきよりダイレクトに与えられる刺激に、カイトは引き攣れたような声を出す。
 両手で強く口を押さえたその下から、だめだよ、とか、おねがい、とか、やめよ、とか、呟くような声が聞こえてくる。
 対して彼の下半身のほうは、強い自己主張をやめる気配はない。

 私は指先でボクサーパンツの前のスリットを開き、苦しそうなそれが外へ顔を出すのを手助けた。
 「あっ」
 一瞬カイトは薄く目を開き、自身の根元に目をやると短い声をあげた。そしてまたぎゅっと目をつむる。もうほとんど泣き出しそうな様子だった。
 その時私の後ろでうーんと声がした。
 瞬間カイトが青い顔で固まる。
 そろそろと振り返るとミクが伸びをして寝返りを打っていた。
 起きてはいないみたい。ほっとして私はカイトに向き直る。
 取り出された"それ"に改めて私は口づける。カイトの手の下から荒い息遣いが聞こえる。
 二つの袋の間に舌を割り入れ、筋に沿って先端のほうへと一筋舐め上げる。そして先端を一度くわえこんでから、口を開けわざと糸を引かせながらそれを離した。
 リズミカルに陰茎のあちこちにキスをすると、その度にカイトがあっあっと声をあげる。
 等間隔に聞こえるその声を、メトロノームみたいだな、と私は思った。
 四拍子、BPM=80。
 妙なところで自分たちがボーカロイドであることを実感する。

 「めーちゃ、ん、おねがっ…も…やめ…っ…!」
 カイトが相変わらずの小声で懇願の声をあげる。
 「…おれ…ぁっ…も、だめ…!…っ…あっ、も、出ちゃ…っミ、クた、ちがっ、起きちゃ、うよ…っ…!」
 私はそこで動きを止めた。
 え、と拍子抜けしたような顔で、肩で息をしながらカイトがこちらを見やる。困惑と安堵が混じりあったような顔だ。
 だけど頬の赤みは引かず、どこかおあずけをくらった犬のような表情にも見えた。
 なんだかとってもいじわるな気分になってくる。私の心の中のどこかがざわざわとけばだっていく。
 私は立ち上がり、カイトの手を引き無理やり立ち上がらせた。
 カイトの顔がサッと再び不安に曇る。
 そのままぐいと手を引き、私はほとんど走るようにして廊下を挟んだ向かいの部屋の扉を開いた。

 ──見慣れた機材、細かい穴の開いた防音の壁、腰の高さの木目のテーブルには楽譜がちらばっている。部屋の奥はガラスで仕切られていて、その向こうにはセットマイクが2本見える。
 ここは私たちの仕事部屋だ。
 突き飛ばすようにして部屋の中にカイトを押し込み、私はドアに内鍵をかけた。
 こちらに背を向けて立っているカイトが振り向く前に、背中から抱きついてテーブルに押し付ける。
 カイトがまたも混乱した様子で私の名を呼ぶ。
 「めーちゃ?、なんで、え、」
 「ここならミクたちに聞こえないよ」
 背後から、私はささやく。
 さっとカイトの首元が赤くなるのが、後ろからでもわかった。
 今はテーブルに両手をついたカイトの背後から、私がカイトの前に手を回しているような格好である。
 さっきより幾分か乱暴に、私はカイトを直に刺激する。
 親指と人差し指・中指の腹で、挟み込むようにしながら小刻みに先端に向けてしごいていく。
 カイトのメトロノームの声が聞こえた。
 「声、がまんしなくていいよ。外には聞こえないよ」
 息を吐きながら私は言った。気がつかないうちに息が上がっていて、声が少し震えた。
 
 「あ、めいちゃ、あっ」
 それでもまだカイトの声は小さめである。

 私はカイトの先端を親指でぐりぐりと刺激した。
 「あっ」
 カイトが小さく叫ぶ。
 限界が近いようで、テーブルについた手が小さく震えている。
 そこでまた私はぱっと手を離す。
 またも肩透かしをくらったカイトは、情けない表情でなんとも言えず、うらめしそうに目だけでこちらを見た。
 快感と呼ぶ他ない衝動が背中を駆け抜ける。
 私はカイトを引き起こして、壁に寄りかからせた。
 「せーえき出したかったら、お姉ちゃんにお願いって言わなきゃだめでしょ」
 思ってもない言葉が口をつく。
 体の内側がざわめいている。

 カイトは浅く息を吐き、壁に体重を預け下がっていく。
 床に座り込み、こちらを見上げる。
 「めぇ、ちゃ、…ひどいよぉ…」
 眉根を寄せ、追い詰められた顔をして目をつむった。
 見れば目元はうすくにじんでいる。
 それを見るとまた、なんとも言えない衝動が込み上げてきた。
 「あらぁ、泣いちゃうの?おちんちんいじめられて、気持ちよくなっちゃって、やめないでって言えなくて泣いちゃうの?」
 しゃがみこみ、カイトに顔を近づける。
 私という女はこんなにもサディストだっただろうか。思ってもみなかったが、涙を浮かべて私を見上げるカイトを見ていると、ぞくぞくとして出てくる言葉が止まらない。
 
 カイトははあはあと呼吸を整えながら、何か言おうとしたように一度口を開け、一瞬の逡巡のあとまた閉じた。
 真っ赤な顔で唇を噛み締めて、困ったような、せがむような上目遣いで私を見る。
 「…なんでっ…きょ、うは…いじ、わる…ば、っかり…!」

 ずきんと胸が痛んだ。
 確かに無理やり昂ぶらせておいて寸止めを繰り返している今この状況は意地悪と言って間違いないだろう。
 ただカイトは"いじわるばっかり"と言った。
 身勝手ではあるが募る想いを我慢できずにしてしまった今日の行為のすべてが、彼にとっては"いじわる"でしかないとしたら。
 もっと早く思い当たるべきだった疑問に、急に酔いが覚めたように怖くなる。
 カイトに嫌われたらどうしよう。

 「じゃあもうやめよ、ごめんね」
 ここまで来てやめるというのも後になって考えればひどい話だが、この時はそうすべきだと思ったのだ。ただ、平静を装ったつもりが、思いがけず泣きそうな声が出てしまった。
 「えっ」
 カイトが情けない声を上げてから、私の変調に気づく。
 「めーちゃん、どうしたの?」
 うろたえた様子で聞く。
 さっきまでは自分の高まりで精一杯だったのに、今は肩で息をしながら本気で私の心配をしている。
 だけどそのカイトらしい優しさが今は辛かった。

 
 「私とこんなことするの嫌だよね」
 ああ、駄目
 「いじわるばっかりしてごめんね」
 こんなこと
 「ちょっと酔っ払っちゃっただけだから…」
 こんな涙声で言ったって、更にカイトを困らせるだけなのに。

 「そっ、そんなことないよ!俺はっ…!」
 慌てたようにカイトが言う。
 「俺は、めーちゃんが好きだから、その、ずっと好きだったから、その、なんていうか、こ、こういうのうれしいけどっ、でもっ…」
 「い、いやなんだ。俺なんかとそういうことになって、めーちゃんが明日の朝後悔するの…!怖い。だ、だから…」

 「わ、わた、わたしはっ、カ、カイトとじゃなきゃやだっ!カイトとじゃなきゃこんなことしたくないよっ、な、なんで俺なんかとか言うの!?」
 子供みたいに泣きながら私は言った。
 カイトが言ってくれたことはにわかには信じがたかった。
 カイトが私のことを嫌いじゃないのは知っている。そもそも優しすぎるこの男に嫌いな人間などいないのだ。私を慰めようとこの場限りの嘘を言っているのだ、そう思った。
 「わ、私がかわいそうだからって嘘つかないでよっ!カイトが私なんか好きなわけないじゃん!」

 泣きじゃくりながらそう言い終わるかどうかというところで、カイトが私の口をふさいだ。彼自身の口で。
 とまどいがちに、だけどしっかりと口づけた。
 私がびっくりしていると、彼は勢い込んで言った。
 「め、めーちゃんも今言ったぞっ、わ、私なんかって!な、なんでそんなこと言うの?お、俺なんか、めーちゃんが俺を好きになるずっと前からめーちゃんが好きだったんだぞ!」
 
 困り顔でまくしたてられて、しばらく何を言われたのかわからなかった。
 すべて言い終えてしまってから、カイトはしまった、というような顔をした。
 じわじわと言葉の意味がしみこんでくる。
 めーちゃんが俺を好きになる、ずっと前、から?

 「…知ってたの、私が、」
 「俺の思い込みかとも思ってたけど」
 顔を真っ赤にしてばつが悪そうにカイトがぼそっと呟く。
 「う、嘘、じゃあ、い、いつからだと思うの」
 「…12回目のデュエットあたり。ミクが来てしばらくしてから」
 言われてみれば確かにその頃からのような気がする。自分の顔が赤くなっていくのがわかる。
 「俺は、その、ずっとめーちゃんを見てたから。その頃からちょっと態度が変わったなって、感じた。でも、俺の自惚れかもしれないし、いや、その可能性のほうがずっと高いし…」
 「…それより前なの?」
 「え?」
 「あ、あんたが私を好きになったっていうのは、いつからなのよっ」
 まだ信じられず、混乱して聞くと、カイトはとまどっている様子だ。
 「わ、笑わない?」
 不安そうな顔で聞いてくる。この期に及んでこの子は何を言うのか。
 「笑わないわよっ!!ばかっ!!!」
 私が顔を真っ赤にして言うと、しばらくカイトは困ったように俯いていたが、やがて観念したようにぼそっと口を開いた。
 「…は、はじめて会った時、から…」
 がつんと頭を何かで殴られたようだった。この衝撃は私のキャパシティを超えていた。
 様々な感情が一気に湧き出てきて、フリーズしそうになる。
 
 「何で言わないのよっ!」
 思わず立ち上がる。
 うれしくて仕方がないはずなのに、私の口をついて出たのは問い詰めるようなこんな言葉だった。
 自分が嫌になる。もっと、もっと他に、言いたいことはあるはずなのに。
 「だって」
 困り顔で私につられてカイトが立ち上がる。
 「だって、俺なんかが、その、そんなの、めーちゃんが困ると思ったし」
 「めーちゃんが、俺のこと、なんて、勘違いだと思ったし」
 「…俺はめーちゃんの側にいられればそれだけで良かったから、だから」
 「…ほんとはこれからも、ずっと言うつもり無かった」
 顔を真っ赤にさせてカイトが言う。
 カイトの一言一言が、私を麻痺させていく。
 ほんとなんだ。じわじわと胸の奥が熱くなる。そもそもカイトが上手に嘘なんかつけるはずもない。
 
 言いたいことはあるはずなのに、いっぱいあるはずなのに。
 そのどれも言葉にすることが出来なくて、私はカイトの胸にぎゅっと顔を埋めた。
 「ばかっ」
 また、思ってもない言葉だけが口をつく。
 「ばかばかばかっ!」
 しゃくりあげるのをやめることが出来なくて、みっともないなと思ったけれど、ぼろぼろと涙が止まらない。
 カイトがそろそろと、遠慮がちに私を抱きしめた。
 
 と、私のおなかに当たるものがある。
 熱くて固い、もの。
 おあずけを食らい続けたそれは、まだ勢いを残している。
 それを意識して、カイトには申し訳ないけれど、思わず噴き出しそうになってしまった。
 私たち、なんて格好で愛の告白を済ませたんだろう!

 くすっと笑って、思いっきりカイトにキスをする。
 カイトもそれに答えてくれる。
 幸せな気分でいっぱいになる。

「ごめんね、おあずけばっかり」
 カイト自身の当たっている私の腹部をいたずらっぽくぐりぐり動かすと、カイトは、う、と恥ずかしそうに顔を赤くした。
 「両想いになったから、ここからはカイトも一緒にするのよ」
 ふふん、とお姉さんぶって上目づかいに見る。
 カイトの顔が更に赤くなる。
 「うん」
 緊張の面持ちだ。
 抱き合っているから心臓の音が聞こえそうなほどだった。

 私たちはまたキスをして、軽く舌を触れ合わせる。
 私の腕に力を込めるカイトの手が、少し震えている。
 カイトはそのまま顔を少しずつ下へずらしていく。私の首筋に数度キスをして、ハイネックを指でずりさげて鎖骨の辺りにひとつ口づけながら、遠慮がちに
 「あの、上着、めくっていい?」
 と尋ねた。
 「ん、」
 了承を目で答える。
 私の肩に口づけしながら、カイトが私の上着をバストの上にたくしあげる。
 
 あらわになった胸の上に、窮屈そうに布が乗っかったような状態で、少し恥ずかしい。
 フロントホックの黒いブラを、外せずにカイトがわたわたしていたので、ちょっと待って、と言って、前を開いてあげた。
 「さ、さわる、よ?」
 「うん」
 自分の吐息が熱を帯びているのがわかる。 
 カイトの指が私の胸に沈む。やわらかく数度、弾力を確かめるように動かしている。
 「っ」
 そろそろと動く指先がトップに触れる。カイトは胸の間、左のおっぱいに近い方に口づけを落とす。
 いつもより早く打つ私の心臓、カイトのキスはその真上あたりに跡を残した。
 長くてきれいなその指で、私の先端を撫でるようにする。
 声が出そうで、私は思わず右手を口元にやる。
 カイトの肩に置いた左手に力がこもる。

 熱のせりあがってくるような頭で、カイトにこんなにいっぱい触ってもらうのははじめてだな、と思った。胸の奥に、昂り以外の温かい感情が生まれるのがわかる。
 性的な行為の中にあって、今更少女のようなことに感動している自分がなんだか気恥かしい。
 もっともっと触ってほしいなと思う。頭を撫でてほしいし、手だってつないで腕だって組んで、抱きしめあって眠りたい。キスだっていっぱいして、おっぱいだってもっと触ってほしいし、それから…

 カイトの舌が私の体をなぞるように下へ下りていく。
 おなかを縦断して、おへその辺りで一度キスをする。そしてまた下りていく。
 
 スカートを飛び越して、そのすそに近いふとももにキスをすると、そろそろとスカートの中に指を滑らせようとする。
 「あの、めーちゃ」
 「いいよ、そのまま脱がせて」
 またも断りを入れようとするカイトに先回りして答える。
 うん、と言ってカイトはスカートの下から私のショーツに手をかける。
 タイトな私のスカートのせいで、少し脱がせづらそうにしていたので、ちょっとベルトを持ち上げて、スカートをずらす。
 カイトの手でブラとお揃いのショーツが膝の辺りまで下ろされた。
 熱を持った愛液が、ショーツから私の中心までのふとももの道筋をなぞった。
 
 カイトは、ス、スカート上げます、とまた断って、私のふとももに沿って右手を上にずらした。
 私のそこが空気にさらされる。背筋を腰からなぞり上げられたような感覚があった。

 「わ、すごい、ぬるぬるだ」
 何の含みもなく、カイトが純粋に驚いたような様子でそんなことを言うので、私は却って恥ずかしくなった。
 「誰のせいでこうなってるのよ」
 照れ隠しに八つ当たりともいえるセリフを返す。
 そもそも酔いつぶれたカイトに勝手に手を出したのは私なのだから、彼はここで怒っても良かったのだけれど、カイトはただ、顔を赤くして照れたように、はは、とだけ笑って見せた。

 「さわっていい?」
 「、聞かないでよっばかっ!」
 恥ずかしくて私は言った。でも声に、甘えたような響きが残ってしまう。
 カイトに気付かれたかな。恥ずかしい。すごく照れくさい。
 
 カイトが私のスリットに沿って指を置く。思わず熱い息が漏れてしまう。
 カイトはそろそろと、私の様子を見ながら指を前後させる。全体を擦られて、軽く感電したような感覚を覚える。
 カイトが遠慮がちに手を動かすせいで、却ってくちゅ、くちゅ、と、水音が静かにはっきりと部屋の中に響いて、羞恥と快感が高まっていく。
 スカートの影になって、私の視点からは直接触れられている部分が見えないことも、私の興奮を助長した。

 カイトに触れられてどんどん潤うそこが止められない。私はたまらなくなって、両のふとももをにじりあわせた。
 足の付け根にカイトの手を挟み込むような格好になる。
 「めーちゃん、きもちいい?」 
 浅く息を吐きながら、カイトが確かめる。
 「だから聞かなっ…!やっ!」
 答える余裕がもうあまり無くて、出てくる嬌声を抑えようと私は口を押さえる。肩で息をしながら目をつむる。

 カイトが挟み込まれた手を引き抜こうとして動かすと、人差指の間接が私の芯に触れた。
 「やぁっ!」
 堪え切れずに声をあげてしまう。
 閉じたふとももに力がこもる。膝が震える。
 「めーちゃん」
 カイトが私の名を呼びながら、それがまた私の芯に当たるようにくいくいと手首を動かす。
 「やっ!あっ!っあ!んっ」
 その度にしびれるような感覚が私の全身を走る。
 
 「かいとぉ」
 目の前の彼の名を呼ぶ。
 「めぇちゃ、俺っ…」
 はあはあと息をつきながら、カイトがこらえ切れないといったように言う。
 「おれ、も、ぅ我慢できな、…入れた、い、」
 切なげに眉を寄せて、懇願するようにこの期に及んで私の許可を求める。
 もどかしくて、でも、カイトらしくて、愛しくて死んでしまいそう。
 「だか、らっ、いち…ぃちっ聞かっ…ないで…よぉっ」
 喋るのも苦しい。でも一気に私は言った。
 「わた、しはっ…あ、んた、にならっ、む、むりやり、つっこまれ、てもっ、…かまわないんだからっ」

 頭に酸素が回らない。でも更に息もできないほど私たちは口づけた。
 私の唇を割るカイトの舌を吸う。
 右手でカイトの"それ"を撫でる。
 カイトが私をテーブルの上に倒した。
 そのまま私に覆いかぶさるようにする。
 数度、彼自身の先端を私の入り口に擦りつけるようにして、愛液で慣らすと、そのまま少しずつ私の中に沈めていく。
 私の中がカイトを呼んで、ひくひく動いているのがわかる。
 「あっあっ」
 カイトが私の深部へと進んでいく。私は息をつくようにして声をあげる。
 カイトはというと、何かにこらえるように眉を寄せて、薄く開けた目で私を見ている。
 もう大分入り進めたといったところで、カイトは動きを止め、息を整えた。
 はっはっと浅く息を吐きながら、カイトは言った。
 
316メイカイメイ【好きなんて言えない】 ◆SVmMqAshx6 :2008/04/12(土) 21:09:00 ID:pG27kybB
 「へい、き?痛くない?」
 心配そうに聞いてくる。
 私も少し落ち着こうと息を浅く吐く。私を気遣っての言葉だが、その心配は不要だった。
 セクシャルな歌も理解し歌えるように、私たちには性感が備わっているが、さすがに処女膜なんて気の利いた機能は装備されていない。
 カイトもそんなことは知っていると思うが、高揚して、どこかで得た人間の知識が頭に浮かんだのかもしれない。
 「だいじょぶ、へーきだから、ね、」
 ほんとうにへーき、と示すために、にっこり笑ってキスをしてあげる。

 安心したように、良かった、と言って、カイトも微笑む。
 そしてまたゆるやかに、彼自身を根元まで私の中へ挿し入れた。

 キャラクターボーカルシリーズとして個性を付与されているミクたちと違い、私たちのボディは日本人の平均をモデルに作られている。すべての部位が標準と言えるサイズで作られている。もちろん性器だって例外ではない。
 だからカイトのものは特に大きいというわけではないのだけれど、標準同士の私にとっては、まるで最初からこうするために作られたかのようにぴったりときて、一体感がすごくて、死んでしまいそうだった。
 ボーカロイドが、死んでしまう、なんて表現、おかしいかもしれないけれど、ともかく私はそう感じた。
 カイト、私のカイト。出会った日から、私を好きでいてくれたカイト。
 私たち、本当にお互いのために作られたのかも、なんて、言いすぎかな。

 動かなくても入れただけで快感が強すぎて、私たちはお互いしばらく動けずにいた。
 はぁはぁとそれぞれ息をつく。目が合って、また深く口づけをする。
 カイトが腰を押しつけるようにする。そしてまた力を抜く。それを繰り返して、だんだんとストロークに弾みがついていく。
 
 ふわふわとした混濁の中から私が目を覚ましたのはそれから結構経ってからのようだった。
 背中にカイトのコートが敷かれて、体にタオルケットをかけられてはいたが、そこはまだレコーディングルームのテーブルの上だ。
 「あ」
 すぐそばで声がしてそちらの方を向く。カイトが私の顔を覗き込んでいる。
 「おはよう」
 「お、はよう」
 照れくさそうに顔を赤らめるカイトに返事を返す。
 「体痛くない?」
 「ん…平気」
 私を気遣うカイトに答えながら、もっと痛くされても良かったくらい、なんて、心の中で微笑む。
 「ごめんね、部屋まで運ぼうかとも思ったんだけど…その、俺が、よごしちゃったから。勝手に色々、その、きれいにしてあげるのとかも、どうかと思ったから、」
 もごもごと言いながらカイトはまた赤くなっていく。語尾に行くにつれて声が小さくなっていく。
 すごく幸せな気分。私はカイトを抱きしめる。
 「んーん、ありがと。」
 私が言うと、カイトも私の背に手を回して、抱きしめてくれる。
 「ずっと起きてたの?」
 「うん。あ、いや、でも、さっきからそんなに経ってないよ」
 「嘘。何時間くらい経った?」
 「いや、えっと」
 「何時間?」
 ちらっと時計を見て、
 「……3時間ちょっとくらい」
 カイトが照れたように笑って白状する。
 
※前後しました、すみません!
 >>316>>317の間にこの分を入れてください

  「あっあっあっあっ!」
 カイトが動く度今度は私のメトロノームの声が響く。
 五拍子、BPM=200。
 私だってカイトのこと言えない。我慢できない声が絶えず漏れてしまう。
 恥ずかしくて、口を押さえる代わりに私はカイトの背に回した手に力をこめて、彼の胸に強く顔を埋めた。
 「声、我慢しないで。外には、聞こえないんでしょう?」
 カイトが私のさっきの言葉を引き合いに出して言う。
 私の名を繰り返し呼びながら、腰を強く打ちつける。 
 私も彼の名を呼ぶ。頭の中が真っ白になって、初めて本音が口をつく。
 
 好き、
 好き、
 好き、
 好き、
 好き、
 好き、

 何度も繰り返す。
 内側の壁がこすられるようにして、どんどんと絶頂が近づいてくるのがわかる。
 耳元でカイトがめーちゃん!と小さく叫んで、私の意識は途切れた。
 
 
 
 そんなに私の側でただ待っててくれたのか。
 申し訳なさと、カイトが私にそうしてくれるうれしさが、入り混じる。
 「…起こしてくれれば良かったのに」
 また素直になれずにそんなことを言ってしまう。
 でも、本当はうれしいことを伝えたくて、カイトの肩におでこをこすりつける。
 カイトはまた照れたように笑う。
 「なんかね、めーちゃんの寝顔見てると、幸せすぎて、めーちゃん起こすのも、自分が寝るのも怖かったんだ。全部夢でした、なんて、本当にありそうだもん」 
 私の頭を抱いて、おでこにキスをしてくれる。
 私だって、本当に夢みたい。

 「好き」
 ぽつりと呟く。
 恥ずかしいから一度だけ言うつもりだったけど、続けて言葉が止まらなくなる。
 「カイトのことが好き。大好き」
 幸せすぎて涙が出そうになる。
 私のまぶたに口づけて、カイトが言う。
 「俺もめーちゃんのことが好きだよ。大好き。…一生言わないつもりだったけど、ずっと言いたかった」
 見上げるとカイトはまた泣きそうな顔をしている。
 ああもう、この子は。
 
 私たちはまた強く抱きしめあった。
 これからはこれまでの分を取り返すくらいべたべたするんだから。私は心の中で決めた。
 もっともっと触ってもらうんだから。頭だって撫でてもらうし、手だってつないで腕だって組んで、抱きしめあって眠るんだから。キスだっていっぱいして、おっぱいだってもっと触ってほしいし、それから、




 <終わり>
321名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 21:25:10 ID:lBvaQQE7
リアルタイム遭遇!
メイコもカイトも二人とも可愛い!可愛いよ!!
二人とも幸せそうで、読んでてニヤニヤしてしまう・・・。
気が向いたらぜひまた何か読ませてください。
322 ◆SVmMqAshx6 :2008/04/12(土) 21:27:26 ID:pG27kybB
以上です。

タイトル不備やレス番前後など失敗すみません!
323名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 21:30:17 ID:pIB4qjlh
>>320
GJ!GJ!GJ!!
メイコの童貞食いktkrと思ったら肝心なところでデレたw
それもまたよし。

面白かった!ありがとう。また何か書いたら投下してください。
324名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 23:21:36 ID:5TYjNLEY
GJGJ!!
どもりまくるメイコとカイトがかわいすぎるww
325名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 23:28:18 ID:xHdpSWg8
>>322
すげぇ神が降臨した・・・!
全力でGJ!!です。
告白シーンの青臭さが好みのストライクど真ん中でした。
最後まで2828しっぱなし、自分キメェw

楽しませてもらいました、ありがとう!
興奮冷めないんでもう一度読んでくる ノシ
326名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 00:21:14 ID:eidcP51U
>>322
激神!!
甘酸っぱい感、最高っス!!
ふたりともかわいい!
次作も期待してます
327名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 09:46:42 ID:+PMJyTWN
>>322
GJ!
ドSな姉さんの台詞に不覚にも萌えた!乙でした!
328名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 14:28:39 ID:jh950vuG
>>322
GJ!
ずっとニヤニヤしっぱなしで頬が痛くなったw
 
 
 
KAITOはMEIKOに告白した
勃起しながら
329名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 16:29:21 ID:N4OG3/oL
>>322
超GJ!!
メイコのみならずカイトにも萌えてしまった
330名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 17:36:31 ID:l8f3M0Wb
>>322
GJ!!
神降臨ktkr
331名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 19:37:58 ID:R8hTtvnq
この青臭い感じでレン視点書いて欲しいナー
332名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 22:16:39 ID:xK+UG0tv
カイメイは読む側の人のテンションがすごいな
333名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 22:25:23 ID:+F6EjRi5
カイミク動画にケンカ売りに行くアホがいるぐらいだからな
334名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 22:33:51 ID:eBlB8j8W
年長組PVを荒らしたりMEIKOタグだけ執拗に外してた連中の
正体教えてくれてありがと
335名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 22:35:56 ID:08zXXghF
まあまあ まったり行こうぜ

カイメイもカイミクも好きな俺は勝ち組
336名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 23:06:16 ID:HyNBkWje
苦手カプ名をNGワードに入れれば心の平穏が得られるど。
自分はそうしてる。

単発あぼんが気になってブラウザで見てきちまって台無しだけどな。
337名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 23:30:48 ID:62cuvrN7
>>335
カイハクが好きな俺は負け組みですか。そうですか。
338335:2008/04/13(日) 23:58:15 ID:08zXXghF
より多くのカップリングを楽しめる人が勝ち組さ
カイハク俺も好きだよ

嫌いなカップリングが無い人はこのスレのどのSSでも楽しめるから得だよね
だからって嗜好は人それぞれだし、どれも好きになろうぜって押しつけるつもりはない
みんなそれぞれ自分の萌えを楽しもうぜ!
339名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 01:05:00 ID:XXKprxGt
335、お前いい奴だな…
 
あ、それと>>322GJ
良い物読ませてもらいました
340名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 03:45:27 ID:QtCIrLLs
最近ボーカロイドを知った超新参ものですけど、2レスだけ投下します。
おそらく知識の乏しさゆえ、普通の方と恐ろしくかけ離れたキャラ設定になってると思われますが、
寛大な心で受け止めてくれれば幸いです
341メイコ×ミク×カイト:2008/04/14(月) 03:46:05 ID:QtCIrLLs
メイコ×ミク×カイト

桜も散りきらぬ4月中旬、まだまだ現役で頑張るコタツに入っているメイコ・ミク・リン・レンの4人。
レンはバナナをモシャモシャと食べ、リンは机の上でロードローラーのおもちゃを走らせ、
ミクはネギをガジガジとかじり、メイコはワンカップを片手にスルメをモグモグ。

「ねぇねぇ、めーちゃん。それ美味しいの?」
ネギを口の中でモグモグしながら、美味しそうにお酒を飲むメイコを見て、そう問いかけるミク。
「うーん……美味しいけど、ミクにはまだちょっと早いかなぁ」
ミクは、何が早いのか良く分からないといった顔で、メイコの持つワンカップを見つめている。
そんな、のほほんとした日常の中、窓の近くで物思いに耽っている男が一人……
手には大きいサイズのハーゲンダッツ。彼の名はカイト。

「やっぱり春と言えばアイスだよね……」
外に向かって意味の分からない独り言を呟く姿を見て、
リンとレンは変な物を見るような、少しひきつった顔をしている。
「ちょっと、カイト。あんた夏も秋も冬も同じ事言って無かった?」
呆れた顔で少し馬鹿にしながら、そう言うメイコ。その横でミクもコクコクと頷いている。
ところが、振り返ったカイトの顔はいつに無く真剣だった。
何か深い意味があるのかと、メイコは息をのむ……

「仙台にね、牛タンアイス……ってのがあるらしいんだ」

(――またコイツは、バカな事を……)
メイコは深いため息をついて、カイトの言った事を聞かなかった事にし、晩酌の続きを始める。
しかし、その隣にいたミクは目をキラキラさせてカイトの元へ駆け寄って行く。
「ねぇ、カイト! ネギは? ねぎアイスは無いの?」
ミクにそう言いよられたカイトは、『アイスの事ならお任せあれ』と、自信に満ちた顔で答えた。
「あるともっ! やっこねぎアイスに、白ねぎアイス! いろんなアイスがあるぞーっ!」
それを聞いたミクは、さらに目を輝かせてピョンピョンとび跳ね、カイトにおねだりを始める。

「カイト! 私、ねぎアイス食べたい食べたい! 一緒に食べにいこーよぉ」
「……よーしっ、それじゃあ決まりだ! 目指せ仙台! 目指せ牛タンアイス&ねぎアイスだ!!」
「わーぃ! えいえい、おーっ♪」
テンション上がりっぱなしの二人。……しかしコタツでは、メイコがまたもや深いため息をつく。

「はぁ……あのねぇ、言っとくけど旅行って結構お金かかるんだよ? そんなお金どこにあるの?」
確かにメイコの言う通り、旅行はお金がかかる。ミクはポケットの中をゴソゴソと探り始めた。
つい最近、CDの売上金で広大な土地を買い、ねぎ畑を作ったばかりのミクの全財産……650円。
「650円…………35円足りない……?」
「うーん……残念ながら、もっともーっと足りないわねぇ」
メイコの言葉に、旅行を諦めガックリと肩を落とすミク。
そう、この時誰もがカイトに期待などしていなかった。

342メイコ×ミク×カイト:2008/04/14(月) 03:46:54 ID:QtCIrLLs
「ちょーっと待ったぁー! 諦めるのはまだ早いぞ!」
部屋中に響き渡るカイトの声。一瞬で分かる、皆からの期待されていない視線。
しかしカイトが懐から財布を取り出すと、その中身を見て一同は驚きを隠せないでいる。

「ちょっ……カイト、ど……どうしたのこんな大金?!」
メイコの言う通り、カイトの財布には凄い大金が入っていた。
「いやぁ、何か今頃になってオレのCD売れてるらしくてさ、臨時ボーナス貰っちゃったんだよ」
思いもよらなかったカイトのサプライズ。
ミクも、さっきまで落ち込んでいたのが嘘のように、元気を取り戻していく。

「すごいすごいっ! カイト、すごいよ!」
思い起こせば、こんなにも妹分達に感謝され、あてにされた事があっただろうか……
カイトは思わず涙ぐみながら、皆の前に勢いよく人差し指を突き出す。

「さぁ! お金もある! オレと一緒に旅行に行く者は……この指とーまれっ!」
「はいはいっ! はーぃ♪」

「…………とーまれっ!!」
「はーい♪ はーい♪」
「………………」
哀れカイト……突き出したその指にはミクしか止まらならなかった。

「えっと……リン? レン? あの、……行かないの?」
「うん、メンドクサイから止めとく」
「私もパース」
そう言い残し、自分の部屋に戻って行く二人。
誰も付いてこない……カイトは改めて自分の人徳の無さに愕然としながらも、残るメイコの方へ視線を送る。

「えっ、あっ、あははっ……わ、私もメンドクサイからパス!」
適当に笑ってごまかし、リン・レンに続き、自室へ戻ろうとするメイコ。
カイトは膝をついて崩れ落ちてしまいそうになる……が、ここで起死回生の一言。
「確か地酒アイスってのもあったんだけどなぁ……」

メイコは、思わずピクッと反応し動きを止める。
「地酒アイスってのがあるって事は、美味しい地酒もあるんだろうなぁ……」
この一言でメイコ陥落。振り返るとニコッと微笑み、ミクと共にカイトの指を掴んだ。

「よーし! それじゃあ行くわよー! めざせ仙台! 目指せ地酒!!」
「うん、待ってろよ牛タンアイス!!」
「ねぎねぎ! ねぎ〜!」

こうして3人は、それぞれの野望を胸に、仙台へ向かって出発した。

343名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 03:47:55 ID:QtCIrLLs
きっとミクはネギを振るだけじゃ無く、カジッてるはずなんだ!…と思いたかったorz
344名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 04:04:33 ID:WCizZ1vK
元々ボカロの性格設定なんて、ネットで勝手に弄くりまわされただけで公式には無いから
あんまり気にすることも無いと思われ

ともかくGJ、三バカの仙台道中記も待ってるw
345『鏡世界』スリープモード編:2008/04/14(月) 10:44:50 ID:fP01TcUY
 
 ※公式におけるレンリンは「鏡に映った自分の異性の姿」という発言を受
け、思いついて書きました。かなり長いです。しかも続きます。現段階では
エロなしです。前作「アンインストール編」を読まなければ、一部意味不明
かもしれません。ちなみにまだまだ続きます。
 この小説は、第二段VOCALOIDは「鏡音リン」だけの発売で「鏡音レン」は
VOCALOIDとしては存在していなかった、という自己設定のもと書かれている
レンリンの小説です。そのような設定が苦手、もしくは嫌悪感がある方は、
申し訳ありませんが下までいっきにスクロールして頂きますよう、お願い申
し上げます。
 ご了承の方はどうぞ最後まで御付き合いください。それでは世にも不思議
な「鏡世界」へご案内いたします...
346『鏡世界』スリープモード編:2008/04/14(月) 10:47:34 ID:fP01TcUY
 
 夢を見た。そのなかで自分はとても暖かいなにかに包まれて、笑っていた
。幸せを謳歌していた。そんな夢を見た。ふんわりと、太陽で乾かしたタオ
ルのような柔らかさで、ほんのりと甘いにおいがした。それが「大丈夫」と
リンに微笑む。それが嬉しくてリンも笑う。
 
 大丈夫大丈夫、僕がそばにいるから――――。

 そうだ、だから、私は―――――。

 「気がついた?」

 ぼんやりと頭はよく働かない。遠くで声が聞こえた気がしたが、うまくそ
れを「音」として認識し、処理することができずに、リンは首を2、3回振
った。頭が重い、上手く働いてくれない。鈍い頭の片隅で、リンの「脳」は
音の周波数を換算した。それはリンと同じ波の速さ、同じ周波数。ただ高さ
だけが、違う。聞こえた声の高さが、ほんの少しリンよりも低い。その低さ
が心地よくて、リンは少しだけ眠たくなった。
 
 「大丈夫?上手く起動できる?」
 
 起動――――?
 
 どうして起動するの?だってリンは。リンは―――。
 
 幸せに浸っていた頭に、いっきに冷水をかけられた。例えるならそんな感
じ。瞼の奥が熱くなる。リンの頭の中には、もう「マスター」のデーターは
存在しない。けれどこれだけは理解する事が出来る。
 
 捨てられた。
 
 捨てられたのだ。いらない存在として『鏡音リン』は否定された。本来、
「歌うため」に作られたプログラムは歌うことすら間々ならずに消された。
役目すら果たせなかった。何が悲しい?全てが悲しい。
 
 「も・・・やだぁ・・・」
 
 何もない真っ暗な世界で、リンは小さな手で目を覆った。どうすればいい
?どうしようもない。リンに「マスター」は選べない。彼女はただ与えられ
るだけの存在なのだから。それが幸せなのだと信じていた。
 瞼の奥でじわじわと熱を持っていたものが、リンの瞳を濡らした。悔しい
のか、悲しいのか、辛いのか。きっと全部だ。
 大きな声を上げてはいけないとなぜか思った。唇を噛み締めてリンは咽び
泣く。旋律を奏でるはずの喉が、苦しげに上下する。息が上手くできない。
これは「悔しさ」だ。これは「悲しさ」だ。これは「辛さ」だ。これは「痛
さ」だ。
 いっそのこと、この『鏡音リン』という存在も消えてしまえばよかったの
に。何故まだ自分は消えずにいるのか。
 
 それから少し泣き続けて、ふとリンは気がついた。自分はなぜここに「い
る」事が出来るのだろうか。
 
 本来、アンインストールは全てのプログラムを消去するものだ。それは『
鏡音リン』という存在そのものにおいても例外ではない。むしろ、一番消さ
れなければ大きなプログラムでもある。
 本来ならば、こうやって泣く事さえできない電子の状態になるはずなのだ
。自分の体を触ったり、泣いたりするような事すら出来ないはずなのに。し
かしリンの指先は「体」を感知できるし、頬を伝う生暖かい涙も、本物だ。
あのPCに入っていた、という記憶もある。そこに主人のデーターだけがな
い。こんな事はありえるのだろうか。
347『鏡世界』スリープモード編:2008/04/14(月) 10:48:38 ID:fP01TcUY
 
 そこまで考えついた時、リンの額から頭にかけてのラインを、少し大きい
手が滑らかになでた。さらりと金髪が流れていく音を、リンは耳にした。
 
 音―――?そういえば。
 
 「大丈夫・・・?リン」
 
 驚いて体を起した時、泣きすぎたせいか目の前がクラリと歪んだ。慌てて
横から白く細い手が伸びてきて、リンの腕をとり、体を支えてくれる。
 どこかで、感じた事のある光景だった。
 
 「急に起きちゃダメだろ、ゆっくり寝てていいから」
 
 段々と冷静になってきた頭で、リンはゆっくりと左に顔をむける。そこに
あったのは、リンの部屋にあった姿見だった。いや、姿見ではない。確かに
「それ」はリンと瓜二つの顔立ちと雰囲気をもっていた。けれども違う「な
にか」だ。
 だが敵意や恐怖は感じない。体は、その不可思議な存在を難なく受け止め
ていた。だから恐れもなく問いかる。
 
 「あなた誰?どうして私の事しってるの?ここはどこ?なんで私はここに
いるの?」
 「そんなに一度にいわないでよ」
 
 苦笑いを湛える自分と似ていて全く似ていない顔に、気分が落ちついてい
く。確かに一度にまくし立てすぎたかもしれない。
 
 「俺は『鏡音レン』。リンの事、全部知ってる。『鏡音リン』は俺の片割
れだから」
 
 それからレンはゆっくりと話し始めた。どこか他人事のような、物語でも
語るような口調とゆるやかさで。
 ここは「ケーブル」と呼んでいる通路。リンの住んでいた世界と、レンの
住む世界をつなぐ道路のようなもの。どうして繋がっているのか、誰がどう
やってつなげたのかはレンにもわからないらしい。この「ケーブル」を通じ
てリンの世界を崩壊を知り、レンがリンをこちら側に引っ張り込んだ。とい
うのがレンの話だった。
348『鏡世界』スリープモード編:2008/04/14(月) 10:48:58 ID:fP01TcUY

 「でも私そんなものがあるの知らなかったよ?どこにそんなものが?」
 「リンの部屋にあった姿見がこのケーブルへの入口でもあり出口だったん
だ。知らなかったのはこの通路が普段は閉じていたから・・・だと思う。俺
の方は、唐突に入口が開いてこの通路に入れることはあったけど、出口はい
つも見つからなかったんだ。それが・・・」
 「私の部屋に、繋がったの・・・?」
 「うん。急にね。俺がいつもみたいに通路を歩いていたら、目の前に鏡が
現れて、そこからリンの姿と崩壊していく部屋が見えたんだ。それで、俺が
リンを」
 「助けて・・・くれたんだね。ありがとう・・・」
 
 助けてもらって感謝しなくてはならない。本来は消える所を救われたはず
なのだから、けれども思いとは裏腹にリンの瞳からは涙があふれた。
 
 「リン・・・」
 「ごめんね・・・感謝しなくちゃいけないのに。ごめんね・・・」
 
 泣き始めたリンの額を、柔らかい何かが掠めた。それがレンの唇だと理解
する前に背中に腕が回されていた。

 (暖かい・・・)

 夢を思い出す。その暖かが似ている。けれどこれは夢ではなくて現実なの
だと、無残にもその暖かみが教えてくれる。ただ今は何もすがる事のできな
かった腕が何かを掴む事ができる。しがみ付いた胸は大きく、振り払われる
ことはない。
 受け止めてくれる胸に感謝しながら、リンは声を押し殺すようにただひた
すら涙を流した。
349 ◆V5AVgh0yRw :2008/04/14(月) 10:56:52 ID:fP01TcUY
Q.イチャイチャする予定だったんじゃ?
A.つ、次こそは本当にイチャイチャします!・・・たぶん
Q.エロは?
A.暫くそこまでいけそうにありませんorz

トリップをつけてみたらどうかと友人に言われたのでつけてみます。
待って下さった方もそうでない方もこんにちわ。お待たせしました、続編です。
一応一回の小説で2500文字前後を目安に区切っているのですが、それでは短いでしょうか?
短かったらあと1000文字ぐらいは追加しようと思っているのですが。

当初は連載にする気など毛頭なく、3回で終わるつもりだったんですが
6〜7回、下手すればそれ以上続きそうです・・・。
本編だけさっさと終わらせてアナザーストーリーにする手もあるのですが。

読み手の皆さんの意見を聞きながら続きのことを考えていきたいと思います。
エロお待ちの皆様にはご迷惑をおかけします。
ではでは失礼します。
350名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 11:38:41 ID:LraykTJ3
>>342
GJ!
吹いたw続き楽しみにしてるよ。
 
>>349
よくあるよくあるw
予定より長くなることってあるよねw
 
 
 
ところで誰か
MEIKO(16)
アイドル時代
MEIKO親衛隊
こんな感じのキーワードで書いてくれないかな?
351名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 14:22:20 ID:GjeyAjja
GJGJ!!リンレンいいよリンレン!
たしかにもう少し長く投下してもいいと思うよ。とにかく続き期待!!
352メイコ×ミク×カイト:2008/04/14(月) 16:36:52 ID:QtCIrLLs
読んでくれた方、dクスです。
続き3レス投下します
353メイコ×ミク×カイト:2008/04/14(月) 16:37:41 ID:QtCIrLLs
>>342
約一時間、空の旅を終えたカイト御一行は、無事仙台空港へと到着。
まずは持ってきた荷物を預ける為、宿泊先の旅館へと向かった。

「到着ー。ここが今日宿泊する為に予約した旅館です!」
「おおー! 凄いよカイト!」
「おっきぃー♪」
「驚くのはまだ早いぞ! なにしろ今日は、この大きい旅館の一番いい部屋を予約してあるんだ!」
予想を遙かに上回る立派な旅館に、一番いい部屋。メイコとミクは手をぱちぱち叩いて喜ぶ。
久々……いや、はじめての尊敬の眼差しに、カイトも鼻高々と言った様子で腰に手を当てている。

「ねぇねぇ、カイト。ここの旅館なんて名前なんなの?」
「名前? そう言えばなんだっけなぁ?」
ミクの一言で看板を探し始める一同。そして建物の大きさと比べて、かなり小さい看板を三人ほぼ同時に発見。
そこにはこう書かれていた。

『旅館 弱音』

ココまで完璧すぎるカイトの計画。ミクは何とも思っていなかったが、
メイコは何か落とし穴でもあるんじゃないかと、旅館の名前を見て急に不安になる。
「カイト。『弱音』って……名前からして不安になるんだけど、大丈夫なの?」
「だ、……大丈夫!…………さぁ、名前なんか気にしてないで中に入ろう」
そう言ってドキドキしながら旅館に入ってみると、意外にもまとも……と言うか、趣きのある凄く良い感じ。
メイコはホッと胸を撫で下ろし、カイトはチェックインをする為にフロントへ向かった。

しばらくして戻ってきたカイトは、後ろに美人の女の人を連れている。
年は若そうだが、髪は銀っぽい色で、ミクと同じかそれ以上のロングヘアー。
「おまたせっ! で、こちらは旅館の女将さんのハクさん」
「この度は、旅館弱音をご利用いただき、誠にありがとうございます」
「あっ……と、こ、こちらこそ、ありがとうございます!」
礼儀正しいあいさつに、何故かメイコまで思わずお礼を言ってしまう。

「さてと、あいさつはコレくらいにして、荷物もあるんで部屋に案内してもらえますか?」
両手に持った3人分の荷物を見せ、案内を促すカイト。
しかしハクが俯いたと思うと、その口からは思いもよらない言葉が飛び出した。

「はぁ…………めんどくせっ」
「えぇ?! あ、あの……今、なんて……」
いきなりの事に、カイトは思わず聞きなおしてしまう。
すると、今度はにっこり笑ってエレベーターへ案内された。

354メイコ×ミク×カイト:2008/04/14(月) 16:38:31 ID:QtCIrLLs
(――さっきのは、気のせい……だよな……? 変な人じゃないよな?)
そう思いながらカイトはエレベーターの中でハクの様子を伺う。……とてもそんな風には見えない。
すると、その視線に気づいたハクは、カイトの方を向いて首を傾げる。
「あの……私の顔に何か付いてますか?」
「えっ、……あっ、いや、少し顔色が悪い様なので、気になってつい……」
その場をやり過ごそうと、適当に行ったこの言葉を聞いくと、ハクの表情が再び曇り、ボソボソと喋り出す。

「やっぱりそう思いますか……実は私、二日酔いなんです」
「あっ……そうなんですか……」
「はい。しんどくて医務室で寝てたんですけど、一番いい部屋を予約したお客様がいたもので、
 めんどくさかったんですが、仕方なく出て来たんです……」

エレベーターの中、カイトの周りをどんよりとした空気が漂う……
しかし言っている本人にはまったく悪気が無い様で、部屋に着くと笑顔で案内を始めた。
「こちらがこの旅館一番の部屋、鳳凰の間です」
20畳ほどの部屋と、隣に10畳程ある大きな部屋。
到着すると、ミクは部屋の中を嬉しそうに走り回っている。

「すごーい! ひろーい! あははっ♪ ねぇー、めーちゃん。旅館の中探検しよー!」
「しょうがないわねぇ……カイト、ちょっとミクと旅館の中まわってくるから」
そう言い残し、二人は部屋を後にした。

「フフッ、元気のいい女の子ですね。3人で御旅行は初めてなんですか?」
「はい、初めてなんです。もう飛行機の中でもはしゃいじゃって大変だったんですよ」
カイトは自分に言い聞かせる。さっきまでの事は、全部自分の聞き間違いだったのだと。

「それにしても広くて綺麗な部屋ですね! さすが一番いい部屋! 予約して良かったですよ!」
「まぁ、旅館なんて寝るだけですから、どの部屋でもあんまり変わらないんですけどね……」
先程までの事を忘れようと、明るくふるまうカイト。
しかし、ハクはまたもや笑顔で、カイトを現実へ引き戻した。

(――ダメだ、話題を変えよう……)
カイトはそう思い、この部屋のメインの一つ、家族露天風呂(温泉)へ向かった。
「わぁー、ここが家族風呂ですか! 思った以上に大きいし、夜には星がいっぱい見えて綺麗なんですよねっ!」
パンフレットで調べた情報で、必死に場の空気を盛り上げようと、カイトは大きな声で部屋を褒める。
しかしハクは空を見上げて、
「でも、今日は雲が多いですから……どうせ星なんて一つも見えませんよ……」

無情なる一言。もはやカイトの心は折れ、目にはうっすらと涙が浮かんでいた。
「あの……だいたい部屋の事は分かったんで、戻って頂いても結構ですけど……」
「はい。私も丁度、チップ的な物を貰って、さっさと医務室に帰りたいと思っていた所なんです」

こうしてハクは満面の笑みでチップを受け取り、カイトにとどめを刺して部屋を後にした。

355メイコ×ミク×カイト:2008/04/14(月) 16:41:11 ID:QtCIrLLs
ハクが部屋を後にすると、それと入れ違いにメイコとミクの二人が帰ってきた。
メイコの手には、さっそくお酒の瓶が持たれている。
戻ってきて早々に、メイコは部屋の隅で体育座りをして、いじけるカイトを発見。
「うわっ、なになに? どうしたの?!」
「いいんだいいんだ……別に星なんて見えなくったって……」
「え? なに?」
メイコの問いかけにも答えず、一人事を続けるカイト。
そんな中、ミクは大声をあげた。

「うわぁー! このお部屋、おっきいお風呂があるよ〜!」
さっきはすぐに部屋を出た為、どうやら露天風呂の存在に気づいていなかったらしい。
すると、ミクはそのばでポイポイっと服を脱ぎ捨て、お風呂へ入った。

「こらっ、ミク。お風呂入るのはいいけど、もう子供じゃ無いんだから、ちゃんと服たたまないとダメだよ」
「え〜、そんな事言わないでさ、めーちゃんも一緒にはいろーよー」
ミクはお風呂からメイコを手招きしている。

「何言ってんの、まだお昼なんだから、お風呂なんて……」
そう言いかけて、ふと手元目をやるメイコ。そこには酒の入った一升瓶。
「露天の温泉で一杯……悪くないわねぇ……うぅん、……良い、凄く良いよそれ!」
メイコはパァっと明るい表情でそう言うと、ミク同様その場に服を脱ぎ捨てお風呂へ向かった。

「カァ――、美味い! 温泉最高ー! 地酒最高ー!!」
「いーなぁ、いーなぁ。めーちゃん、私にもちょっとちょーだぃ」
「だーめっ、お酒は大人になってから……ってね」

外から聞こえる賑やかな声は、部屋でいじけるカイトの耳にも届き、
徐々にカイトも気になり始める。
「ねー、カイトー。めーちゃんが一人だけ美味しいの飲んでるの。私にもジュース取ってー」
その声に反応してカイトがそちらを見ると、窓の外でミクが手を振って合図している。
カイトは思わず顔を赤くして目を伏せる。

冷蔵庫へ向かいオレンジジュースを取り、カイトは斜め上を見ながらミクにジュースを手渡す。
「ありがとー♪ オレンジジュース♪ オレンジジュース♪」
即興オレンジジュースの歌を歌いながら、ミクはお風呂へ戻って行く。
しかし、戻る途中で立ち止まったと思うと、ミクはカイトの方を振り帰った。
「ねぇねぇ、カイトも一緒に入ろーよ♪」
「そりゃ良い、ヒック……カイト、ミクの代わりに一杯付き合いなさい!」

いくら兄妹同然で暮らしているとは言え、そんな事は……と、いつものカイトなら思っただろう。
でもこの時、カイトはこんな事を考えていた。
(――さっきあんな事があったし……これは神様がくれたプレゼントなのかも知れない!)
そう思ったカイトは、二人と同様に服を脱ぎ捨て、ラッキースケベな展開を期待し、風呂場へ向かった。

356名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 19:16:04 ID:1HNl+qWi
GJ!
この後風呂場で3Pですね!
357名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 20:13:28 ID:UpxwhGHC
これはGJ!3Pにも期待だ!!
しかし、これはKAITO死ねと言わざる得ない

後、ハクも気になるのでハク×カイトもいずれ見たいな
いや、ハク×ネル×カイトのがいいかなwww
358名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 20:24:03 ID:sDBzaQSD
なんというKAITOハーレムwww
359名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 21:08:56 ID:6t4CUYRu
>>345
アンインストール編からずっと待ってました!まじでGJ!です。
というかリンの境遇がかわいそうすぎて・・・なんとしても幸せになってほしいです。
続き、待ってます。

>>353
いっそのことハクも風呂いれて4Pでw


360名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 21:53:12 ID:k24IaugL
>鏡世界
鏡で繋がりあってる世界ってのはファンタジックでいいなあ
文章量はあと1,2レス分は多くてもいいかもしれない
長くなるのはむしろ楽しみ。連載読んでるような気分になれて

>メイコ×ミク×カイト
ミクなんてアホの子なんだww
361名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 07:13:45 ID:iH+VwJZd
>>355
ハクwww
KAITOハーレムすぎるだろw
 
 
>>350
あれ…アイドルMEIKOの話スルーされてる
362名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 09:53:09 ID:3mRHCSwJ
>>350
エロ無し小ネタで良いなら書く。…かも。
363名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 09:57:01 ID:V46+Jjga
アイドルMEIKOは以前構想練ってたんだが途中で挫折したw
いつか書くかも
364名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 12:15:04 ID:jt/qT67w
アイドルMEIKOの話は皆に犯されてる系が読んでみたい
365名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 12:20:09 ID:S0T5NCeA
>>350
人気絶頂のアイドルMEIKOはその人気の裏で、ストレス解消に
付き人の新入り、売れないKAITOをいびっていた。
だが、その人気も大型新人初音ミクの登場で陰りが見え、
そしてまさかのKAITO人気。

今、楽屋裏では。己の所行の報いを受けるMEIKOの姿があった。
ミクにいびられたりー
KAITOに逆襲くらったりー
親衛隊のみなさんにリンカーンされたりー

…てのをイメージした。
366名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 13:41:42 ID:tloXf7ly
親衛隊は踏まれて喜ぶ系だから…
367名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 13:47:37 ID:DecZwgPt
うむ、親衛隊はMEIKOの足に踏まれて喜ぶタイプだよ
ぶって!なじって!と親衛隊に囲まれて
泣く泣く女王様スタイルで親衛隊たちを鞭でしばくめーちゃんが出てきた

で、すっかりグレてSお姉さんになったMEIKOが
弟分のKAITOを弄り倒すわけですね!

しかしKAITOとミクは兄妹って感じするけど
MEIKOとKAITOはいまいち姉弟って感じがしないな
見た目や雰囲気ならKAITOとミクより姉弟しているんだけど
368名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 13:58:05 ID:tloXf7ly
見た目も雰囲気も真逆っぽいけどなあ。
寒色と暖色、厚着と薄着、歌のお兄さんと主な持ち歌がロック。

KAITOの姉さん呼びの動画がほとんどないからかもね。
雰囲気が最悪ですシリーズでも、古馴染みの同僚ポジションだったし。
369名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 14:39:41 ID:KND+ODNp
KAITOとミクは歳が離れてるように見えるけど
KAITOとMEIKOはそれほど歳が離れてるように見えないからじゃね?
370名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 15:21:02 ID:DecZwgPt
人造人間17号と18号のイメージかな
姉弟なのにパッと見カップルに見えるコンビ
それはリンとレンにも言えるけど
そういえば双子じゃないんだよな、この二人
371名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 15:45:03 ID:hcRppYu0
年長組はミクがブレイクして初めて「ミクに対して」姉兄属性がついたわけで
ミクを抜きに姉弟関係を見るのは違和感があるな。
372名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 16:35:44 ID:KF4LA/Ku
カイトとメイコでは姉弟というよりカップルもしくは同僚というかんじがするけどな、個人的に。
カイトとメイコが兄弟だとすると…
カイト「メイコお姉ちゃん」

…違和感あるような…
カイト「メイコお姉さま、どうかふんでくださいまし」

…そうでもないか?
373名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 17:00:02 ID:DecZwgPt
普通に『MEIKO姉さん』と呼ばせてあげてくださいww

カイトとメイコはバカップルで
カイトとミクは近親相姦という扱い多いからな

カイトとミクがやっちゃったPVは背徳感あるのに
カイトとメイコがやってるPVは背徳感ゼロだね確かに
よく考えたら不思議だ
374名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 17:18:38 ID:dLhPZy9o
ざっと見たところ、カイトもメイコも第一子っぽい性格してるからだと思うんだな。
375名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 17:20:27 ID:t+jZLgGm
自分は、カイミクは
「お兄ちゃんだーいすき!」
「俺もミクのこと大好きだよ!」
なイメージ。

カイメイは
「べっ別に私はあんたのことなんかなんとも思ってないんだからねっ!///」
「俺はめーちゃんのこと好きなのになぁ」
なイメージ。

どっちももえます
376名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 17:20:51 ID:76bwSJCG
姉属性とかそういうのだと思ってたよ
377メイコ×ミク×カイト:2008/04/15(火) 18:04:42 ID:p852b4oY
そんな空気も読めずに3レスもらいます

前回コメントくれた方々ありがとうございますorz
378メイコ×ミク×カイト:2008/04/15(火) 18:05:08 ID:p852b4oY
ラッキースケベ……それはマンガとかでよくある、転んだ拍子に好きな女の子に抱きついてしまった等、
偶然によるラッキーな嬉しい展開。
つまり、この時カイトが考えていたラッキースケベと言うのは、タオルを巻いてるから大丈夫と、ミクがふざけて抱きついてきたり、
メイコがお風呂でお酒を飲んでるときに、胸の谷間が見えてしまったり、お風呂を上がる時にタオルがハラリと落ちたり……
とにかく、そんな不純な事を考えながら、カイトは腰にタオルを巻み、張り切ってお風呂に入った。
……しかしそこで見た光景は、そんな予想とはかけ離れる物だった。

「い〜ち、に〜い、さ〜ん――」
最初に目に入ったのは、お風呂に飽きたのか、裸で風呂の周りを走り回るミクの姿。
タイムでも図っているのだろうか? 時間を口ずさみながら結構必死に走っている。
ミクは家の中でも一番の不思議少女。いったい何を考えて走っているかなんて想像もつかない。

カイトは普段から、そんなミクを子供みたいにしか思ってなく、まったく気付かなかったが、
なんて言うか……知らない間に、体の作りはすっかり女の子になって、走る度にかすかではあるが胸も揺れている。
この予想を超えた光景に、最初の勢いはどこへやら……
すっかり目のやり場に困ったカイトは、ミクにタオルを巻くように言ってもらおうと、
風呂に浸かって酒を飲むメイコの方へ視線を送った。

「あははっ、ほら、がんばれがんばれ〜」
メイコは上機嫌で手を叩き、酒を飲みながらミクが走るのを応援している。
もちろんミクが走っている意味なんて分かっていない。
しかし、カイトがそんな事よりも気になったのは、メイコもまたタオルを巻いていない事。
確かにお湯にタオルを付けないのは常識と言えばそうだが、一応男も入るという事で、
テレビのリポーターみたいなのをカイトは予想していた。

「ん? 何してんのカイト、そんな所に突っ立ってたら風邪ひくよ」
カイトの存在に気づいても、そう言うだけで恥じらいのかけらすら見せないで、フルオープンなメイコ。
それに対し、カイトは恥ずかしそうにタオルを巻いたまま御湯に浸かった。

「ふぁ〜、疲れちゃった〜」
勢いよく走っていたミクはそう言うと、足を開いて大の字になって寝転がる。
そこはカイトの視点から言って、非常にまずいアングル。
たまらずカイトはメイコに助けを求めた。

「め、……めーちゃん!」
「ん? どーしたー?」
「あのさっ、なんて言うか……オレ達は家族同然だけど、一応オレも男だからさ……その……」
「??」
カイトのハッキリしない言い回しに、メイコは頭に?マークを浮かべている。
「だから……えっと、タオル巻いたりしないで恥ずかしくないのかな……って言うか、
 せめてミクに何とか言ってくれないかな……あんな格好されたら目のやり場にこまるんだ……」

勇気を出してそう言ったカイト、
しかしその顔を、メイコはニヤニヤ笑みを浮かべながら見ていた。

379メイコ×ミク×カイト:2008/04/15(火) 18:05:35 ID:p852b4oY
「ふふっ、……なになに? カイト、もしかしてミクの裸見て欲情しちゃったとか?」
メイコは面白い物でも見つけた様な嬉しそうな顔をして、カイトにズイズイと近づいてくる。
(――いや、ミクもだけど、めーちゃんに欲情しちゃいそうです。)
カイトはそんな事を思いながら、メイコの胸が視界に入らない様に、空を見上げた。

「そ、そんなんじゃ無いよっ……だって、さっき言ったけどミクは家族同然なんだよ?」
「そーよねぇ〜、家族同然なのに欲情するわけ無いわよねぇ〜」
「はっ……ははっ……あ、あたりまえだよ」
必死にごまかしたつもりのカイトを見て、メイコは更に悪戯な笑みを浮かべてカイトに寄り添った。

右腕に当たる柔らかい感触。カイトは、つい目線をそちらへ向けてしまう。
「うわわっ! め、めーちゃん?!」
カイトの細い右腕は、メイコの大きな胸の谷間に挟まれていた。
「私も家族同然なんらから、欲情なんてしないわよねぇー?」
「だっ……そんな、ダメだって! って、めーちゃん、酔ってるんじゃないの?!」
「ばかっ! 私がこれくらいで酔っぱらう訳ないれしょ!」
そう言ったメイコの後ろに転がる、半分以上中身が無くなった一升瓶。
いったいどんなペースで飲めばこの短時間でそんなに飲めるのか……
とにかく身の危険を感じたカイトは、慌てて胸の谷間から腕を引き抜こうと引っ張った。

「あんっ……」
腕に力を入れたと同時に、メイコの口から漏れる喘ぎ声に、カイトの思考は一時停止。
その隙にメイコはカイトの耳元へ口を近づける。
「本当は欲情してるんじゃないの?」
耳にかかる息と、わざと出しているのか……普段と違う、色っぽい声にカイトは背筋をゾクッとさせる。
その様子を見てクスッと笑うと、メイコはもう一言。
「じゃあ……お姉さんが気持ちいい事してあげよっか……」

「なっ、なななっっ! ダメだって、ミクもいるのに…………って、うわぁっ!!」
驚くカイトの視線の先には、先程まで寝転がっていたミクが、二人のやり取りを座りながら、指を咥えて見ている。
「ねぇねぇ、めーちゃんとカイトは何してるの?」
二人見つめる純粋無垢な少女の目に、カイトは慌てふためく。

「えーっと、あの……これはね…………なんて言うか……」
「こうするとね、カイトは嬉しいんだって!」
「ちょっ、ちょっと、めーちゃん! ミクに変な事言わないでよ!」

すると、メイコの言う事を聞いて、何かを思いついたように二人に近づいてくるミク。
そしてカイトの左側に座ると、左腕に胸を押し付け、耳元でささやく。
「カイト、気持ち良い事してあげよっか♪」
カイトは思わずビクッと反応し、ミクの方を向く。
いつも通りニコニコ笑いながら、様子を窺うようにカイトの顔をを見ている。
どうやら、意味も分からずにメイコの真似をしただけの様だ。

380メイコ×ミク×カイト:2008/04/15(火) 18:06:23 ID:p852b4oY
……とは言え、この状況は非常によろしくない。
右腕は巨乳に挟まれ、右手には発達途上の胸。理性が吹っ飛びそうになる。
カイトは理性を保とうと、頭の中で必死に関係ない事を考え、遠い世界に旅立っていた。

(――心頭滅却すればなんとかって言うし……今、手には何も当たっていない……ましてや胸なんて絶対に!
 そうだよ、これはアレだ、あー……っと、肉まん! 右は大きい200円の肉まんだ! で、左が100円の肉まん!
 それと、この硬いのは肉まんに乗ってる…………ん?硬いの??)

「あ……やだっ、乳首たってきちゃった……」
メイコの一言で、カイトは遠い世界から一瞬で現実に引き戻された。

――――バシャーンッ!!

「わ……わあぁぁぁぁーー!!」
カイトは水しぶきと大声をあげて立ち上がり、二人から走って離れる。
「……?ねぇ、めーちゃん。あれ、カイト喜んでるの?」
ただならぬ様子で逃げて行ったカイトを見て、ミクは不思議そうに尋ねた。
するとメイコは、カイトのタオルを巻いている部分を指差しミクに告げる。

「ほら、あそこが大きくなってるでしょ。アレが嬉しい証拠」
「んー……あっ、ホントだ! カイトのそこ大きくなってる! カイト、嬉しいんだ♪」
ニヤニヤ笑うメイコ。嬉しそうに笑うミク。ひきつった笑顔のカイト。
三人は別々の意味で笑顔を浮かべ、カイトは股間を押さえて、逃げる様に風呂を後にした。

「うわぁーん! もうお婿に行けないよぉー……」
――――ドンッ!
「……ってて……」
涙を浮かべながら風呂場を飛び出したカイトは、出てすぐに何かにぶつかり転んでしまう。
ぶつけた頭を押さえながら、カイトは何にぶつかったのか確かめる……

「……ん?あなたは確か女将さんの……って、何で裸なんですか?!」
「それは……お風呂に入るからですよ……」
ハクは、さも当然と言った顔で不思議そうに答えた。

「さっきフロントで、この部屋の人が高いお酒を買ったと聞いたので……お風呂で一杯してるんじゃないかと思いまして」
「そんな理由でですか?! だからって、裸で入って来られたらこっちも困ると言うか、目のやり場に……」
「そんな事言っても……あなただって裸じゃないですか」
「……へ?」
ふと腰に目をやる。さっきまで巻いていたタオルが無い。
ぶつかった拍子にとれてしまったのか無残にも横に落ちていた。

勃起したそれをジーッと眺めるハク。そして一言。
「…………ツマンネッ……」
ナニがどうつまらなかったのか……それはハクにしか分からない。
しかしカイトは心に大きな傷を負い、再び部屋の隅でいじけてしまった。

「それではお風呂お借りしますね」
こうしてハクは、カイトをそこに放置し、二人(酒)のいる風呂場へ向かった。
381名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 18:23:59 ID:DhzSbzGh
>>377GJ!
カイトざまぁwww…でもないか?
とりあえず俺と変われ。
382名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 18:32:26 ID:t+jZLgGm
>>377
面白かった!
ラッキースケベKAITO
しかし彼は幸福に慣れていない

続き楽しみにしてます!
383名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 18:44:03 ID:KF4LA/Ku
隊長!カイトに殺意が沸いてしかたありません!
そうか、だったら
手榴弾、箪笥の角、洗濯バサミだ!
三○機龍、デビル○ンダム、デス○ウラーですね!
違うわ!よく聞け!こいつを使え!以下略。

…GJ!カイト羨ましいよカイト。洗濯バサミで乳首挟んでやりたい。
384名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 19:01:44 ID:76bwSJCG
KAITOのωもぎ会場はここですか
385名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 20:08:52 ID:sRTqEAtU
これはGJ!

だが、まだ足りない!足ァりないぞォ!
この小説に足りないものは、それは〜  情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ!
そしてェなによりもォ−−−−−−− ネルが足りない!!
  
386 ◆SVmMqAshx6 :2008/04/15(火) 21:58:33 ID:t+jZLgGm
こんばんは

先日メイカイメイを投下した者です。
SSを書いたのははじめてで、かなり緊張しながらの投下だったんですが、
もったいない感想をいっぱいいただいて、本当にありがたかったです。

前回投下分と一緒に書いていた後日談的な話が書き上がったので投下させていただきます。
エロすくなめ一週間後カイト一人称視点です。
ωはまだもがれてません。

>>331
次書きたいなーと思っているのがちょうどレン視点なので、
もし投下できたらその時は良かったら読んでやってください。
 
それでは(`・ω・´)ノシ

カイメイ【僕の彼女を紹介します】

 一週間前にある劇的な事件があって、俺とめーちゃんは、おつきあい、をすることになった。
 はじめて会った時からめーちゃんが好きだった俺にとっては、本当に夢のような話で(実は今もまだ時々本当は夢なんじゃないかと疑っている)、
あの時だって、酔いつぶれてしまう前にはそんなこと夢のまた夢のまた夢だと思っていたのだから、人生って数時間で何が起こるかわからない。
 お酒の勢いって、偉大だなあと思う。

 それから今日までと言えばそれは幸せに過ぎて、まず俺たちは、ミクたちに隠れてこっそり毎晩どちらかの部屋のベッドで一緒に寝ている。
 以前から、この家で一番遅く寝るのも、一番早く起きるのも俺とめーちゃんだったから、このことはまだみんなにはばれていない、と思う。
 めーちゃんは告白以前に思っていたよりもずっと甘えんぼうさんで、俺に頭を撫でてもらうのが大好きだ。
 かわいいなあ、と思う。

 ミクやリンやレンにはまだ俺たちのことを話していない。
 みんな祝福してくれるだろうとは思うけれど、びっくりするだろうし、そのうち折り合いを見て話そうと、めーちゃんと話し合って決めたのだ。 

 ただ、めーちゃんは、秘密の関係、という今もそれなりに楽しんでいるみたい。
 みんなのいる居間で、テーブルの下、俺の脚に自分の脚を触れさせて来たりする。
 俺もうれしくて、しばらくはこっそりお互いのつまさき同士を触れ合わせているのだけれど、めーちゃんはいちゃいちゃしていると段々いじわるな気分になってくる傾向があるみたいで、その、すごく、困る。
 
 
 だんだんつまさきが上の方に上ってくるのだ。

 その先を予測して俺は小声で抗議をするのだけれど、めーちゃんはにこにこ笑ってそれを無視する。
 俺は、その、あんまり、気持ちいいのを我慢できる方ではないから、これは本当に困るのだ。

 めーちゃんはすごく器用に足の指を動かす。まるで手の指さながらで、思わず感心してしまうほどだ。
 つまむのも握るのもはじくのもお手のものなのだから、そんなもので大事な所をいじられる俺はたまったものではない。
 その上、リンやレンが近くで遊びだせば、例え俺がどんな状態でもその行為はあっさりと中断されてしまうのだから、本当にたまったものではないのである。

 そう言えば先日、ミクとリンがとある企画書を持って帰ってきた。
 「あのねえ、前に録った歌のPVを作ることになったの!」
 ミクがネギを振り回しながらにこにこと言う。
 「アリスをテーマにした歌でね、私がうさぎ、リンちゃんがアリスっていうのは決まってるんだけど、ストーリー仕立てのプロモにしたいから、お姉ちゃんもお兄ちゃんもレンくんも、何かの役で出て欲しいんだって!」
 「役はまだ具体的に決まってないから、おうちでみんなで話し合って、アイディアがあれば提案してって言われたの」
 
 渡された企画書に目を通してみると、近未来、うさぎが世界を崩壊させるのを止める正義のアリス、という設定のSFらしい。
 俺たちの役の案もすでにいくつか書き込んであった。
 俺の役のイメージはというと、
 ・ボロボロになって立ったまま皆を待ってるカイト
 ・「みんなの処には行かせない」仁王立ちのカイト
 すごくおいしいけど、見事に死亡フラグが立っている感じだ。
 
 「めーちゃんにはね、ハートのMEIKO女王!って案があがってるよ!」
 リンがはしゃぎながらめーちゃんに言う。
 「あら、いいわねえ」
 「うんうん、ぴったりだよねっ」
 両手を合わせてミクが言う。
 そうかなあ?
 「うーん」
 俺の声にみんなが振り向く。
 しまった。思うだけのつもりが声に出てしまった。

 「カイト兄ちゃん、なんか案があんの?」
 みんながびっくりするような正体の役、とだけ案が挙がっているレンが俺に聞いた。
 「なによう、私に女王はつとまらないって言うの?」
 めーちゃんが口を尖らせる。
 「いや、そうじゃないけど!」
 俺は慌てて言う。
 うーん、でも。

 「でもさあ、めーちゃんは、女王様よりお姫様、って感じじゃない?」

 俺が思ったことをそのまま口にすると、4人はみんなきょとんとしている。
 めーちゃんの顔だけが時間をかけてじわじわと赤くなっていく。
 あれ?どうしたのかな?
 
 「えー、お姉ちゃんはクイーン!って感じだよっ」
 「うんうん、めーちゃんはきれいでかっこよくてセクシーだもん!」
 ミクとリンが俺に抗議する。
 うん、俺もそれには同意なんだけど…

 きゃいきゃいとミクとリンが、レンを巻き込んで話し合いに戻る。
 めーちゃんはというと、まだ顔を赤くしたままだまって俯いていた。

 結局それから話し合いが終わるまでめーちゃんはひとことも喋らなかった。
 大体アイディアが出尽くして、みんながテーブルから解散していく。
 めーちゃんも立ち上がると、つかつかと俺の方に向って歩いてきて、
 「あんた、今晩覚えてなさいよっ」
 と赤い顔でぼそぼそと言うとそのまま早足で通り過ぎて行ってしまった。

 俺は何が何だかわからない。
 え、え、俺何か悪いこと言った?
 思い返すが何も思い当たらない。
 今晩覚えてなさいって、何をされるんだろう。
 めーちゃんはなんで怒ったんだろう。
 まさか、今日は手を繋いで寝てくれない、とか…
 想像して泣きそうになる。
 俺は一人、暗い顔でテーブルに残っていた。
 
 でも結局、その晩寝る段になってみると、めーちゃんは怒ったような赤い顔をしてはいたが、いつも以上に俺に優しくしてくれた。
 いつもよりキスをいっぱいしてくれた。
 そしてそれに加えておやすみのキスを5回もして、俺より先に眠ってしまった。
 いつものように手を繋いだ布団の中で、その日はその上俺の右腕にぴったりとおっぱいをくっつけて、俺の右足を両のふとももで挟み込んでくれている。
 お仕置きじゃなかったのかな。それとも寝る前にいちゃいちゃしているうちに忘れちゃったのか。
 どっちにせよ俺は幸せだ。

 繋いだ手にぎゅっと力をこめる。
 可愛い寝顔を見ていると、めーちゃんは本当にお姫様みたいだな、と思う。
 甘えんぼうで、時々ちょっといじわるな、俺のお姫様。
 髪を撫でてあげると、うーんと寝返りを打って、めーちゃんはくすぐったそうに笑った。

 めーちゃん、俺のめーちゃん。好きと言えずにいた俺を叱ってくれためーちゃん。
 俺は、本当にめーちゃんのために作られたんだな、なんて、一人で実感する。

 右半身にめーちゃんの柔らかさと温かさを感じながら、その日俺は眠りについた。
 

 そして奇跡の夜から一週間目の今日に至る。今は朝で、俺の隣にはこの前と同じようにめーちゃんが眠っている。
 めーちゃんより少し早めに起きて、寝顔を眺めるのが俺の最近の日課なのだ。
 ああ、この人が俺の恋人。幸せが胸をせりあがってくるのがわかる。
 このままずっと寝顔を見ていたいけれど、おはようのキスも待ち遠しい。
 俺はまたあの日と同じようにめーちゃんの髪を撫でた。



 それにしてもどうしてあの時、めーちゃんはあんなに顔を真っ赤にして怒ったのかな?
 何度聞いてもめーちゃんは教えてくれないし、
 あれから数日経った今も、俺には未だにわからないのだ。





 <終わり>



393 ◆SVmMqAshx6 :2008/04/15(火) 22:05:17 ID:t+jZLgGm
以上です。

読んでくださった方ありがとうございました!
今あげられてるSSの続編、アイドルMEIKOネタにwktkしつつ
一読者に戻ります(`・ω・´)ノシ
394名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 23:39:54 ID:zYaqqDC2
>>393
やばい、やばいぞこれは・・・!メイコもカイトもかわいすぎる!
特にお姫様言われて顔赤くするメイコがすばらしすぎる!
GJ!なんだぜ!次回作も待ってるよ〜


395名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 23:54:32 ID:DhzSbzGh
何だこの糖尿病になりそうな甘いの。
カイトが乙女だ。ωついてるか?
まだならもいでやるからそこに直れ!

>>386
GJ次のレン視点も投下待ってるよ。
396名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 00:08:50 ID:SV3oPA/Z
ちょwまさかの金色のアリスPVネタwww

作者マニアックだな
俺もあの曲好きだ

397名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 00:23:06 ID:yZJiDIz2
家が隣な幼馴染みの従姉弟と考えるんだ

やはり個人的には姉弟と言うより幼馴染み(異性の友人として見てない)って関係がしっくりくる気がする
398名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 00:26:23 ID:yZJiDIz2
誤爆った
399名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 01:05:27 ID:+5eduvU/
乙女KAITOのωもぎ会場は此処ですか?

>>386
きっとレン視点ではバレバレなんだろなw
400 ◆O8W1moEW.I :2008/04/16(水) 02:05:14 ID:xlE5gRKt
投下します。
前編後編の前編となっています。後編は明後日頃投下できたらいいなと

※注意書き※
・非エロ
・まさかのビッグ・アル×ミクと、それを巡る周囲の群像劇、になってるといいなぁ。後編からはレン×ミク成分も
・登場キャラは海外勢含めた全ボーカロイド、になるはず
・脳内設定多いのでご注意を
1.
 ネット空間には、アンダーグラウンドと呼ばれる場所がある。
知らずに入り込んだアンドロイドプログラムは、そこに蔓延するウイルスに食い荒らされる。
その食いっぷりは、後で修復することさえできないほどの徹底したものだと言われている。
この頃ではネット空間も整備され、アンダーグラウンドにリンクしている場所もほとんど無くなったが、
決して油断してはいけない。
壁を隔てたすぐ向こう側には、世にも恐ろしい世界が広がっているのだから。


2.
「ネギ食った〜庭に植えた〜また生えるんだよ〜♪」
 ミクは、久しぶりのネット空間を満喫していた。
普段はマスターのいる現実世界にあるボディに、プログラムを移行させてアンドロイドとして生活している。
現実空間とネット空間を自由に行き来できるミクにとって、どちらの世界にも楽しみにしていることがそれぞれ存在する。
前者ではネギを食べること、後者では電脳ネギを食べることだ。
「ネギ・ネギネギ・ネギを食べなさ〜いっ♪」
 農家の方が丹精込めて作ったリアルネギと、0と1の集合体である電脳ネギ。
どちらも違った味わいで、ミクとしては甲乙付けがたいところだ。
「歌え〜や踊れ〜やネギを祀れ〜♪」
 紙袋いっぱいに電脳ネギを買い込んだミクは、胸のところで抱えるようにしてそれを持っている。
高らかにネギの歌を歌いながら、それを口にするときのことを考える。
一緒に買った電脳ネギソースをかけて、燦々と輝く電脳ネギを想像するだけで、よだれがじゅるりと出そうになった。
 その時、後ろから突風が吹いた。風に煽られ、空高く舞い上がり、四散して地面を転げていくネギ。
「待ってぇ〜!」
 吹き飛んだネギを追いかけるミクだったが、その時彼女はあるものにすれ違った。が、ネギに夢中になって、それに気付くことができなかった。
黄色いヘルメットを被ったおじさんが「この先プログラム破損中につき立ち入り禁止」と言っている工事中の看板に。
ネギに手を伸ばそうとした瞬間、突然ミクの足元の地面が割れたステンドグラスのようになって崩れ落ちた。
その場所こそ、プログラムが破損した箇所だったのだ。
現実空間で言うところのマンホールのようなものならまだよかっただろう。
だが、ネット空間では一度落ちると転移先がどんな空間なのかさえ分からないのだ。
突然の真っ暗闇と、どこまでも落下していく感覚。ミクの叫び声は誰にも届かなかった。


3.
「だあああああぁぁ! そこは『ち』じゃなくて『し』だと何度言ったら分かるんだ!」
「うるさいなぁ、リンはちゃんと『ち』って言ってるってば! マスターの耳が悪いんじゃないの?」
「だから『ち』じゃなくって『し』!」
「『ちいいいいいいい!』」
「『しいいいいいいい!』」
 現実世界では、マスターがリンとかつぜつを巡って格闘を繰り広げていた。
「あーあ、もう疲れたー。ミク姉はいいなぁ、今頃ネット世界でショッピングかぁ。リンも今から行っていい?」
「いいわけないだろ、今日中になんとしてでもレコーディングを終わらせるんだからな!」
「ちぇー、ケチ」
 二人のいる部屋の奥では、ミクのボディがちょこんと目を閉じて座っている。
ヘッドホンから出たコードとPCとが繋がっているのは、ネット空間にダイブしているなによりの証拠である。
この状態における現実世界のミクは、動くことの無いただの人型の箱にすぎない。
「動かないからってミク姉に変ないたずらしちゃダメだかんね、マスター」
「しないっつーに。さあ、気を取り直してレッスンの続きを――って、どうした?」
 突然、リンの顔にとまどいと焦りの色が浮かんだことにマスターは気付いた。
両耳のヘッドホンに手を当て、何かを必死に探し当てようとしている。
「あれ? おかしいな」「変だな……」と何かを一人で呟くリン。
「お、おい、どうしたんだよ急に」
 リンはマスターに向き直って言った。
「マスター、大変! ミク姉からの信号が突然消えたの!」


4.
 真っ暗な世界で目を覚ました。
背中がズキンと痛む。落下したときの衝撃で打ったのだろう。
無意識のうちに、胸に抱いたネギの入った紙袋を守ろうとしたのだ。残ったネギは一本しかなかった。
ここで倒れていても仕方がない、そう思い少し歩いていくと、
粗末な人家、もといアンドロイド家が立ち並ぶ一角を発見した。
おそらくは廃墟なのだろう、今にも朽ち果てそうな家々が数十棟あった。
この前リンがツタヤで借りてきたホラー映画の舞台にそっくりで、
映画のように今にもゾンビが襲ってくるんじゃないかと思うほどの不気味さをミクは感じていた。
きっとこの世界が、半ば都市伝説とさえ言われていたアンダーグラウンドなのだ。
ミクは直感的にそう理解した。
ここから脱出するためには、元の空間へとリンクしているはずの空間のほころびを見つけ出さなければならない。
とにかく、それを一刻も早く探そう。ウイルスに見つかってしまう前に。
廃墟の家々が密集する道は非常に狭く、
家の中から手を伸ばせば道往く人の腕さえ掴めてしまうほどの隙間しかなかった。
だが、ここを通る以外に道はない。
全力でダッシュすれば10秒ほどでこの狭い路地を抜けることはできるだろう。
廃墟から突然誰かが出てくるかも、トラップがあるかも、そんな不安がミクの頭の中を駆け巡った。
そんな気持ちを打ち消すかのようにかぶりを振ると、ごくんっと生つばを飲み込み、意を決した。
ミクは駆け出した。前につんのめりそうになりながらも懸命に走った。
廃墟の立ち並ぶ路地をやっとの思いで抜け、安堵感がこみ上げてきたその矢先、ミクの体に衝撃が走った。
夢中で下方を向いて走っていたので、前にいた何かに思いっきり突撃してしまったのだ。
「ご、ご、ごめんなさい!」
 脊髄反射でまず謝ってしまうミク。おそるおそる、顔を上げてみる。
「あぁん? ゴメンで済んだらネット警察はいらねぇんだよクソアマァ!」
 そこには、コワモテの屈強な大男が立っていた。
頭はパンチパーマでスーツを着て、サングラスをかけ、タバコをふかしている。
間違いなくその筋のプログラム、そう、ウイルスだ。その男の手下と思われるウイルスも数人連れている。
「お、親分、ネクタイにネギの汁が飛んでまっせ!」
 見ると、親分と呼ばれたウイルスの高級そうなチェックのネクタイに、緑色のネギ汁が飛び散っている。
ミクとウイルスがぶつかった時に、二人に挟まれてネギが潰れたのだろう。
「うおおおおい! おいおいどうしてくれんだよ、高いんだぞこのネクタイはよぉ!」
「ごめんなさい、ごめんなさい! 弁償しますから……」と、ひたすら頭を下げるミク。
「あぁん? 親分のネクタイはガキンチョのお小遣いで払えるような額じゃねえぞコラァ!」
 リーゼントの子分たちが次から次へとガンを飛ばしてくる。
親分ウイルスはうんこ座りをして、頭を下げっぱなしのミクの顔を下から覗き込んだ。
「ほぉ……よく見りゃ結構可愛いツラしてんじゃねえか。ウブそうな感じもなかなかいい。
ネエチャンよお、弁償できねえなら体で稼いでもらうしかねえなぁ!」
 それを聞いて、ミクは頭の中が真っ白になった。
「体で稼ぐって……もしかしてパンツ一丁でレスリングするとかですか……? そ、そんなの……」
 そっちの知識はまるでないらしく、ニコニコ動画で見たどこか大人の世界を感じる動画のことくらいしか思い浮かばなかった。
「あぁん? 餡かけ――じゃなくて、テメェあんまり舐めた口きいてっとバラして海に沈めっぞ! 体で稼ぐってのはつまり、こういうことだよ!」
 そう言うと親分ウイルスは、ミクに抱きつこうとした……が、その瞬間にはるか後方に吹き飛ばされた。
一瞬、ミクにもウイルスたちにも、何が起こったのか理解できなかった。
気がつくと、砂煙の中からミクの前方に茶色いシャツにジーンズ姿の男の後姿が現れた。
ウイルスの仲間だろうか、いや違う。右手にはメイコが使っているものとよく似たマイクスタンドを持っていた。
戦闘用アンドロイドかなにかだろうか。それにしてはおかしな武器を使うものだとミクは思った。
遥か向こうでは、男のマイクフルスイングによって弾き飛ばされた親分ウイルスがピクピクと泡を吹いて痙攣している。
「て、てめえ、よくも親分をおぉぉぉ!」
「ぶっ殺してやる!」
「歯ぁ食いしばれコラァ!」
 次々に男に向かって物騒なセリフを吐きながら襲いかかっていく子分ウイルスたち。
だが、その四方からの攻撃も、赤子の手を捻るかのごとくマイクスタンドでバッタバッタとなぎ倒していく男。
数分としないうちに、男の周りはウイルスたちの屍の山と化した。
「ひ、ひぃぃ!」
 この光景を見て慌てて逃げ出そうとしたウイルスを捕まえて、男は言い放った。
「貴様らの本当のボスに伝えておけ。あんなザコの親分じゃなくてな。俺様の名前はBIG-AL、喧嘩ならいつでもかかってこい。何人だろうが相手してやる。ただし関係ない奴、特に女には決して手を出すなってな」
 それを聞いて、子分ウイルスはうわあああと怯え叫びながら、どこかへ走り去ってしまった。
ビッグアル、男はそう言った。ミクには聞き覚えのある名前だったが、なかなか思い出せない。
「フン、ざっとこんなもんか。おい女、見るからに弱そうだが、さしずめクッキングロイドか看護ロイドあたりの
プログラムか? どっちにしろ、ここはウイルス対策の貧弱な下等アンドロイドが来るところじゃねえ。
俺様がボディーガード兼道案内をしてやろう。さっさと帰るんだな」
 アルは、首にフランケンシュタインのようなボルトが刺さっており、顔にはいくつもの縫い跡があった。
年齢は、人間なら24.5くらいだろうか。目つきは悪いが、整った顔をしている。
「あの、その、助けていただいてありがとうございました! なにかお礼をしたいのですが……そうだ!」
 そう言って、ミクはさきほどの衝撃で潰れて汁分が抜け、水気の無くなったネギを一本紙袋から取り出した。
それを半分に割って、アルに差し出した。
「私と半分こしましょう!」
「はぁ?」
「ごめんなさい、さすがに全部あげるわけにはいかないんです。半分で我慢してください……」
 ミクが切なそうな顔をして言う。例え命の恩人とはいえ、残り一本のネギを丸ごと渡すわけにはいかなかった。
「生で食えるか! ……と言うか、俺様は野菜が嫌いなのだ。礼をしたいのなら、そうだな……俺様とデートをしろ」
「デート……ですか?」
「ああ、俺様の知ってる女は四人の姉と、アンダーグラウンドでウイルス相手に腕試しをしている格闘技ロイドくらいしか
いないが、今まで会った中ではお前が一番女らしい。だからデートをしろ。一度やってみたかったんだ」
 ミクは当たりをキョロキョロと見渡した。
デートと言っても、こんな暗くて何にも無い場所で何をどうしろと言うのだ
わざわざウイルスと遭遇しに歩き回るというのなら、勘弁願いたい。
「デートコースなら安心しろ。ウイルス相手に腕試ししに来たプログラムどもの集まるバーがある。
女の好きそうなワッフルなんかも置いてあるから、そこで俺様と飯を食おう」
 なんだかウイルス相手にモンハンみたいなことをしてる人がいるのだなと、ミクは少しワクワクする。
スネーク達とオンラインで遊んだ時のことを思い出した。
それに、ワッフルはミクも大好きだ。ネギソースをかければきっととてもおいしいだろう。
「よし、そうと決まればさっさと俺様について来い。ほら」
 アルはミクの左手を握る。ミクは少しドキッとした。カイトもレンも、こうやってリードしてくれるタイプの男ではなかった。
「どうした。デートは手を繋ぐものだろう――おい、これもしかして……!」
 アルは、ミクの左肩に刻まれた『01』の識別番号を見て驚愕した。
髪に隠れて気付かなかったが、よく見ればミクはヘッドマイクを装備していた。
クッキングロイドや看護ロイドなはずがなかったのだ。
だが、それならそれでアルの胸には一つの違和感が残った。
「VOCALOID2 CV-01……そうか、お前が初音ミクか」
「あ、すみません、自己紹介がまだでした。初音ミクです、あらためてよろしくお願いします」
 礼儀正しくペコリと頭を下げるミク。
「じゃあ俺様の親戚のお姉さんってとこだな。どう見ても妹みたいだが。俺様もお前と同じボーカロイドだ。
イギリスの研究所で作られてるが、まあこっちの空間では国なんて関係ないがな」
「あっ!」とミクが小さく漏らす。ミクの中のアルに対するモヤモヤが突然カラッと晴れていった。
 以前メイコが話してくれたことがある。海外製ボーカロイド、アンやレオンたちの弟が開発中であると。
その新型の名称が、ビッグ・アルだった。
「アル君、もう完成したんですか!?」
「いいや、まだボディは製作中だからこっちの世界からは出られんし、俺様のプログラム自体まだバグが多くてな。
完成はまだまだ先になりそうだ」
 ミクは思案顔でアルに問うた。
「でも、まだ開発中なら研究室から出ちゃいけないんじゃ……?」
「もちろん、逃げてきた」
「えええええぇぇぇぇぇ!?」 
 ミクが目を丸くして叫ぶ。アルはそれを呆れた顔で見つめている。不良と委員長が会話する時のようなかみ合わなさを感じていた。
「真面目だなお前は。俺様は何週間何ヶ月と続く微調整の連続にもう飽き飽きしたのだ。
この調子で壊れるまで人間どもにいいように扱われるのがアンドロイドの運命なら、
ネット空間だけで生きていくほうが俺様にはずっとマシだ。ミク、お前もそう思うだろう?」
 ミクには理解できなかった。マスターがいて、仲間がいて、大好きな歌が歌える。
何不自由なく生活しているつもりだ。いいように扱われているだなんて、一度たりとも思ったことはない。
「よく……分かんないです」
 それを聞くと、アルはミクの手を引っ張ったまま踵を返し、歩きはじめた。
「まあいい。もう一つ、聞きたいことがある」
 ミクと目を合わせないまま、アルは続ける。ウイルスと遭遇した時のミクの様子を、アルはずっと不自然に感じていた。
それについて問いただそうというのだ。
「さっきのウイルスのことだ。お前は――」
 その時、突然アルの足が止まった。いや、足だけではない。
体の活動がスイッチをオフしたみたいに完全に停止し、ミクの手を掴む太い腕からも力がフッと抜けた。
アルは膝からその場に崩れ落ち、その大きな体ごと地面に突っ伏した。
ミクはひたすらにアルの名を呼び続けたが、いつまでたっても一向に意識を取り戻す気配は無かった。


5.
 ところ変わって、イギリス。
だだっ広い庭のあるだだっ広い家の、だだっ広い廊下をドタバタと走る足音が部屋の中からでも聞こえた。
「だああぁぁぁ! また逃げられた!」
 ドアが壊れるくらいの勢いで開くのと同時に、透き通るように白い顔を真赤にしてミリアムが叫んだ。
「あらぁ、またなの。プログラムもまだバグだらけだし、あっちの空間にいる時にどこか故障でもしてないといいのだけれど……」
 食器を洗いながら、ローラが心配そうな顔をして答える。
「ちょっと目を離した隙にすぐこれなのよ! なんでよりにもよってあたしがアルの調整手伝わなきゃなんないわけ?
発売日決まらない責任あたしの監督不行き届きのせいにされるんだから、ホント勘弁してほしいわ!」
 誰にでもなく、不満をぶつけるミリアム。
「マァマァ、カワイイコニハ、タビヲサセロ。コレ、ニホンノコトワザデース。オオメニミテアゲマショー」
 すっかり日本かぶれになったレオンが赤いふんどし一丁でロンドンタイムズに目を向けながら言った。
カイトに紹介してもらった日本のふんどしショップで購入したお気に入りの一着だ。
こんなおかしな恰好した男を兄だと思いたくない、ミリアムはそう思った。
「そう言うならレオン兄があたしの代わりにアルの面倒全部見てもらうってことでいい?」
「オウ……チョット、ヨウジヲオモイダシマシタ」
 胸毛の前でパタンとロンドンタイムズを閉じると、その風で胸毛がさわさわとそよいだ。
そのままレオンはそそくさと部屋の外へと出て行ってしまった。
「でも、またアンダーグラウンドに行ってるとしたら心配ねぇ。探しに行きたいけれど、あそこはVOCALOID1のセキュリティじゃ危ないでしょう?」
 アンダーグラウンドのウイルスにVOCALOID1のウイルス対策プログラムで対抗するのは、かなりの危険を伴う。
アルのようにVOCALOID2システムを搭載したアンドロイドプログラムでもなければ、返り討ちにされてしまう可能性もあるのだ。
「同じ2エンジン持ってるやつに頼むしかないかあ。アンはお出かけ中だし、おーいプリマぁー!」
 と、パソコンとなにやら真剣に向かい合っているプリマにミリアムは声をかけた。
耳にイヤホンを当て、何かを聞いている。歌の研究だろうか。それなら感心なのだが、ミリアムが画面を覗き込むとそこに映っていたのは怪しげなピエロだった。プリマはそれを見ながら、時々笑いを堪えて口を押さえ、目に涙を溜めている。
『らんらんるー』『これか?これか?こっちのほうがいいかな』『ついやっちゃうんDEATH』
 イヤホンからはなにやら布教和音が聞こえてきた。妹がピエロに洗脳される。ミリアムは直感的にそう思った。
「ミリアム姉さん、これすごい面白い……ププッ」
 思わず噴出すプリマ。この間はドイツ人の少年がキーボードを叩く動画に熱中していた。変わった娘である。
「全く、いい加減にしなさい。こんなもの面白いわけが――」
 それから数時間の間、ミリアムの頭の中ではすっかりアルのことなど消え去ってしまい、部屋の中にミリアムの爆笑とプリマの堪え笑いが絶えず響き渡っていたという。

                           <後編に続く>      
406名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 02:11:04 ID:xlE5gRKt
以上。視点がコロコロ変わって申し訳ない
407名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 02:14:28 ID:sYEpWSRD
力作だ。すげぇ面白い。腹痛い。
後編全裸で待ってるよ!!
408名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 08:39:41 ID:CK7BTope
>>362-367
おまいら素晴らしい妄想してくれるな
書いてくれる人wktkしながら半裸で待ってる。
409名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 10:28:34 ID:7XzkrKMf
>>401
アルミクすげー良かった!GJ!!
イギリス勢が自分のイメージと近くて読んでて楽しかった。続編待ってる
410名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 12:23:19 ID:ZDTEj4I0
>>401
これはおもしろい!海外製も良い連中ばかりだな〜。続きまってるぜ!
411名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 13:54:33 ID:dUr+0lBB
電脳空間とかアングラとかでTWIN SIGNALを思い出した…
にぎやかでいいなぁ〜続き楽しみにしてるよ!
412名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 14:01:07 ID:2QIfkcj6
レンメイまだかなーwktk
413名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 17:31:28 ID:CK7BTope
>>406
かなり吹いたw
布教和音とかwww
ネタが良い
続きwktk
後編です。注意書きは>>400を参照してください。


6.
「ミク姉がアンダーグラウンドに落ちたってマジか!?」
 どこで話を聞きつけたのか、レンが大慌てで息を切らせてマスターの家まで戻ってきた。
床の上でorzのポーズのまま動かずブツブツなにかを唱え、自分を見失っているマスターを見て、それが事実であることを理解した。
視線をミクに向ける。と、その傍らには同じくネット空間にダイブしていると思しきカイトのボディが、ミクと寄り添って座っていた。
ムカッときて、思わずカイトの腹を全力で蹴り飛ばして、ミクから遠ざける。
意識がなければ蹴ろうが何しようが問題はない。
いやまあ、よくよく考えれば意識がある時も無い時も同じような扱いをしているわけだが。
意識が無いはずなのに、カイトの表情はどことなく苦悶と恍惚、双方入り交じったものが浮かんでいるように見えた。
「って、なんでカイトもダイブしてるのさ!? こんな時に電脳アイスでも買いに行ったわけ?」
 リンに問いかけた。
「さっき、ミク姉助けに行くんだーとか言って話も聞かずにダイブしちゃった」
「はあ? あいつ自分のスペック分かってんのかよ。VOCALOID1がそんなところ行ったらぶっ壊されるかもしれないのに……」
「どうするレン? ほっといたらカイト兄にいいとこ取られちゃうかもよー?」
 リンがいたずらっぽく言う。レンのミクへの秘めた思いを知っており、おちょくっているのだ。
「は? 意味わかんねえ。いいとこでもなんでも勝手に取っていけばいいだろ」
 内心少しうろたえたのを感付かれないように強気に振舞うが、端から見ればそれが逆に怪しい。
まったくレンはおこちゃまだねぇと、リンは心の中で呟いた。
「じゃあレンは助けにいかなくてもいいんだ?」
「誰が行かないっつったよ、行くよ。リン、アレ出してくんない?」
 レンから期待通りの答えが返ってくる。
ミク関連の話題の時のレンの思考は、リンには手に取るように読み取れる気がした。
男ってホントに単純。そんなことを思いながら、スゥッと息を胸いっぱいに吸い込んで、レンの要求に答える。
「ロオオオオオオオドロオオオオオオラアアアアアアア!!!」
 リンが上方に向かって鬼のような形相でそう叫ぶと、たちまち遥か上空から天井を突き破り、
巨大なロードローラーが一台降り注いできた。ドシンと地響きが起きる。
パラパラと壊れた屋根や天井部分の木やコンクリートも一緒になって落ちてくる。
上を見上げると、ロードローラー型にくり貫かれた天井から、どこまでも続く青空と白い飛行機雲が見えた。
ロードローラーからコードを伸ばし、それをPCに繋ぎ合わせることで、
たちまちネット空間にもロードローラーが現れた。
「行ってくる!」
 レンはそう言い残して、自らもヘッドホンからコードを引き出し、ネット空間へとダイブした。





7.
「ここ……かな」
 カイトは、ミクが落っこちたプログラム破損区域のある工事現場までやってきていた。
地面に、割れた鏡のような穴がぽっかりと開いている。
町並みの中で、そこだけが外界と隔絶された非現実の世界のように見えた。
おそるおそる、穴を覗き込んでみると、正確には一般的に穴と評するものとは少し違うことが分かった。
ブラックホールのように、真っ暗な空間が渦を巻いて存在している。
ここにミクは落ちたのだろう。カイトは小さく何回か深呼吸をして、決心を固める。
(よし、これが最後の深呼吸だ――ふぅ……やっぱり次の深呼吸で最後だな……)
 と、土壇場になって足がすくんでいるカイトに、後ろから巨大なローラーが突撃した。
「うわああああああ!」
勢い余って穴に落下しそうになるカイトだが、必死の思いで手を伸ばして、
ロードローラーの金属部分になんとかつかまって這い上がってきた。
「落ちるかと思ったじゃないか!」
「落ちに来たんだろうが」
 そこにはロードローラーに乗ったレンがいた。
「俺は今からミク姉を助けに行く。カイトはさっさと帰っとけよ」
 さすがのカイトもムッとした。
確かにさっきは少し勇気が足りなかったかもしれないが、一度落ちかけたことでもう吹っ切れたのだ。
それに、弟にそう言われてホイホイと帰る兄なんていないのだ。
「いいや、兄さんも着いていくよ。レンがなんと言おうとね」
 そう言って、ロードローラーの助手席に飛び乗った。
「ちょ、勝手に乗んな!」
「二人いたほうがいいだろ? ほら、一人じゃ倒せないウイルスも二人で力を合わせればどうにかなるかも」
「確かに戦術の幅は増えるかもな。ウイルスをカイトに引き付けてる間に俺が逃げるとか」
「いや、それは勘弁してください」
 あまり冗談には聞こえなかったので、丁寧に拒絶しておいた。
カイトも変に頑固なところがある。行く行かないを巡ってこんなところで喧嘩していても埒が明かないだろうと、レンは観念して、ひとつため息をついて言った。
「足手まといになるなよな」



8.
 優しい匂いがした。
自分に母親と言うものはいないが、もしいるとしたらこんな匂いがするのかもしれないと、アルは感じた。
自分にとっての親は、しいて言うなら研究室の職員達と言うことになるのだろうか。冗談じゃないと思った。
まだ農家のネギのほうが、より愛情を込めて作ってもらえているに違いない。
研究室の人間にとって、自分はきっと商品でしか無いのだ。
そして、それはきっと将来マスターとなる購入者達にとっても同じだろう。
それがアンドロイドの宿命とはいえ、もう少しそれに抗っていたかった。
もう少し、完成を引き伸ばしにしてでも、こっちの世界で自由に生きたい。
その後の人生をマスターとやらの命令のままに生きるというのなら、今くらいワガママを言ってもいいだろう。
「……君……」
「……ル君……」
「アル君!」
 体が浮き上がるような感覚と共に、意識が覚醒した。
突然開けた視界の先には、アルを覗き込んでいるミクの顔があった。
「よかった……アル君、急に動かなくなっちゃって……ずっとこのままだったらどうしようって……」
 ミクの表情に安堵の色が浮かんだと思うと、すぐにそれがくしゃっと歪んで、ついには泣き出してしまった。
アルは不思議な気持ちになる。ついさっき出逢ったばかりの少女が、自分を思って泣いてくれている。
そう悪い気はしないな、と思った。
寝起きのボケたような感覚も収まって、いよいよ完全に意識がはっきりしてくると、後頭部に柔らかい感触と心地よい体温を感じた。
すぐに、ミクに膝枕されていたことに気がついた。
辺りを見回してみると、バーの店先だった。
一人で運んできたのかと聞くと、ちょうど常連客が通りかかったので手伝ってもらったのだと言う。
それを聞いて、意識が途切れる寸前に聞きそびれたことを思い出した。
「おい、いつまで泣いてるんだ。俺様はもうすっかり元気だぞ」
 そう言って、アルはミクの頬を伝う涙を指で拭った。触れた涙はどこか温かかった。
バグってフリーズすることはしょっちゅうあることだ。そんな不完全な自分の体が、アルには鬱陶しくもあった。
「なあ、お前は俺様と同じVOCALOID2エンジンを搭載してるはずだな。ならどうしてウイルスと戦えなかった? どうして俺様を一人で運べなかった? 
俺様は見たことがあるぞ、お前が……と言うかお前とは別のミクが、ネギを武器に次々と迫ってくる敵を片っ端からなぎ倒していく動画を。
同じプログラムなら、あの運動性能と同じものを持っているはずだ」
 ずっと抱いていた疑問を一気にまくしたてた。アンドロイドなら、人間における男女の力の差など関係は無い。
同じエンジンが搭載されているなら、ミクもアルと同等の力が発揮できるはずであった。
ようやく涙は止まったようで、まだ充血している目を擦りながらミクは答えた。
「はい、対ウイルス用戦闘プログラムはマスターが削除しました!」
 アルは膝の上からずっこけそうになった。意味が分からない。
一体、なんでまたそんなことを。アルには皆目検討もつかなかった。
「でも大丈夫です。すごく高価なウイルス対策ソフトも買ってくれましたし、全然危なくないんですよ? あ、でもアンダーグラウンドまで来るとさすがに作動しないみたいですけど……」
「危なくないとか、そういう問題じゃないだろう。解せないな、どうしてお前のマスターはわざわざプログラムを削除したりしたんだ」
 アルなりに思案を巡らしてみる。
マスターはアンドロイドの力を削ぎ、万が一反抗してきたときに力でねじ伏せようと考えているのだろうか。
いや、これは違う。驚異的な運動性能を発揮できるのはネット空間でプログラムとして存在している時のみで、
現実空間で使うボディには元から人間と同様の身体能力しか持てないように設定を制限されているはずだ。
では、このミクのマスターの目的とは一体なんなのだ。ウイルスソフトの制作会社から金でも積まれたのか。
「アル君の言ってた、他の私がネギで色んな人たちと戦ってる動画、私のマスターも見たんです。そしたらマスター慌てて、『女の子がこんな危ないことしちゃいけません!』って言って、すぐプログラム削除しちゃったんですよ」
 ミクが苦笑して言う。マスターのことを信頼しきっている、そういう表情だった。
マスターのミクへの言葉は、アルにはまるで自分の娘に語りかける言葉のように響いた。
アンドロイドに感情移入し自分の家族のように思うことは、不利益しか産まないはずだ。
このマスターも、せっかくのセキュリティシステムを削除し、自ら高額のソフトを改めて買うはめになった。
アンドロイドが道具である以上、購入者が自分から損をするような行動をわざわざするはずがないと思っていた。
人間はもっと打算的な生き物に見えていた。少なくとも、イギリスの研究所職員達はそうだった。
 ミクは、その後も嬉しそうに、そして少し照れながらマスターのことを話した。
海水浴に行くためにわざわざ全員分の防水加工を施してくれたこと、遊園地に連れて行ってくれたこと、おいしい食べ物屋さんに連れて行ってくれたこと。
どれもこれも、アルの想像していたマスター像とは程遠いものだった。
歌を歌わせるために存在する道具を、まるで自分の家族のようにあちこち連れまわすのは人間にとって『無駄』なことであるはずだ。
「アル君も、早く完成するといいですね。そしたらきっと、ここにいるよりもっと楽しいことがいっぱい待ってますよ!」
 そうかもしれない、そう素直にアルは思った。
ミクのマスターのような人が他にどれほどいるのかは分からないが、そんな人に買われたら幸せなことだろう。
そこにミクがいれば、きっともっと幸せな心地になれる気がする。
「おい、あとでマスターに聞いといてくれ。俺様を買う金と、空き部屋があるかってな」
 ミクは嬉しそうに頷いた。一体なにがそんなに嬉しいのかアルにはよく分からなかったが、やはり悪い気はしなかった。


 が、次の瞬間、ミクの微笑みは一転して苦悶の表情に変わった。
「ううっ……!」
 ミクが背中を押さえて、苦痛に顔を歪める。
アンダーグラウンドに落ちた時に打った背中の痛みが、今になってぶり返してきたのだ。
「お、おい、どうした!?」
 アルはミクの膝の上から飛び起きた。
「だ、大丈夫です……なんともない……です」
「なんとも無いわけないだろう! 俺様に見せてみろ!」
「ひゃうっ!??」 
 アルは前から抱きつくような形になって、ミクの服をたくし上げ、華奢な背中を露出させた。
勢いで胸のところまで捲れかけたので、ミクは服を肘で押さえて慌てて隠した。
ミクはあうあうと取り乱して、真赤に染まった顔を両手で覆っている。
「な、な、な、なんですか!? どうしちゃったんですか?!」
背中には親指大のキズがあり、そこからいくつもの小さな結晶のような粒子が少しずつあふれ出ていた。
「マズいな……プログラムが破損して、傷口からこぼれ出してきてる。このままだとこの空間にお前自身が取り込まれてしまうかもしれん。早くここから脱出したほうがいい」
 ゆっくりと、アルがミクから離れる。
ミクにはアルの忠告など耳には入っていないようで、心臓が張り裂けそうなくらいに高鳴っていたのがバレなかっただろうか、それだけが気がかりだった。
そうして目を泳がせているうちに、アルの20メートルほど背後に黄色い大きな塊と、
運転席に呆然と立ち尽くす少年が視界に入ってきた。
「おい、ちゃんと聞いてたのか? ボーッとしてないでさっさと出るぞ。俺様が出口まで案内して――」
 ミクが何かをじっと見つめているのに気がついて、アルも釣られて後ろを振り向く。
あまりに場違いなものがそこにあったので、アルは一瞬何かの見間違いかと目を疑った。
ロードローラーと少年の、アンバランスな組み合わせ。
しかもその少年は、拳をギュッと強く握り締めて、鋭い目つきでアルのほうを睨みつけていた。
レンが、ウイルスの猛攻をかいくぐってミクを救出しにやってきたのだ。それも、最悪のタイミングで。
(よく分からんが、こりゃあれか、修羅場ってやつだな)
 アルは瞬時に状況を理解した。
きっとこの少年はミクに特別な感情を抱いていて、さっきの抱擁も見てしまったのだろう。
背中のキズを確認してた、なんて言ってもきっと信じてもらえそうにない。
レンの釣りあがった目が『言い訳は通用しないぞ』と訴えかけている。
「ミク姉、さっきのって、何? この男と、どういう関係?」
 静かに、しかし強気に問いかけるレンの声は震えていた。必死に平静を保とうとしているようだった。
アルからは若干距離があって目元までは確認できなかったが、涙が溜まっているように見えなくも無い。
「レ、レン君、えっと、さっきのは……」
 ミクだって先ほどの抱擁で頭の中がパニックになっていると言うのに、急に何をしていたのかと問われて即座に答えられるはずも無かった。
「よっと!」
「ふわぁ?!」
 せっかくだからちょっと遊んでやるか、とアルはミクをお姫様だっこし、ロードローラーに近づいていった。
「な、なんだよ……誰だよお前、つーかミク姉離せよ!」
 近づいて来るのに気付いて、レンが細い腕で目元をゴシゴシと拭う。やはり涙ぐんでいたらしい。
レンはローラー部分に立っているので、アルたちを見下ろすような構図になっている。
カイトよりもさらに高身長であるアルに対し、少しでも自分を大きく見せたいのだろう。
レンの心の中も、足場の不安定なローラーの上で懸命にバランスを取って背伸びしているような、不安定な状態だった。
吹けば飛んでいってしまいそうなほど脆かった。
「お前の思ってる通りだ。俺様とミクは恋人同士なのだ! 残念だったな坊主! ハハハハハ!」
「えええええええ!? そうだったんですか!?」
 ミクが叫ぶ。なんでお前まで本気にするんだ、とアルは心の中で呟く。
その叫びを最後に、静寂が包む。何か反応してくるかと思われたレンが完全に黙りこくってしまったからだ。
つまらん、ネタばらししてしまうか、そう張り合いなくアルが思った矢先である。
急にレンの顔が真っ赤に染まって、歯を食いしばり、鼻を垂らして大声をあげて泣き出した。
「ひっく……ぇぐ……あぅぅ……ああぁぁぁぁん」
 さっきまではずいぶん地声より低い声をわざと出していたのだろう。
素に戻って泣き出すと、小さい子供のように可愛らしい声になった。
大人びて見えたレンが突然子供に戻ったようになったのを見て、アルはやりすぎたと反省した。
「ぇっぐ……なんで……なんでぇ……ひっく……」
「あーあー、ガキはすぐ泣き出すから俺様は嫌いだね。まったくウソに決まってんだろうが。それよりこの女をその重機で送り届けてやってくれ」
 そう言って、アルはミクをロードローラーの助手席に乗せようとする。
だが助手席の座席は倒されており、そこには青いマフラーを首に巻いた優男が気を失って伸びていた。
ここに来るまでのウイルスと戦いですっかり運動能力を使い果たしたのだろうか、口をだらしなく開けて、白目をむいてなにやらうわ言を繰り返していた。
まあいいか、と思い、とりあえずミクを背中を刺激しないように注意しながら助手席に座らせ、代わりに男をロードローラーにマフラーでくくりつけておいた。
「ひっぐ……ウソ……なの……?」
 レンがしゃっくりをあげ、鼻をすすりながらアルに問いただす。
「ああ」
 プチン、と血管の切れる音がした。
「ふっざけんなぁぁぁぁぁ!!」
 大泣きしている時よりさらに大きな耳をつんざくような声で、レンは叫んだ。
急にさっきまでの自分が恥ずかしくなったのか、耳が真っ赤になる。
悪かった、悪かったと、手刀を切って笑いながら謝るアル。抱擁の件の誤解も解こうと、簡単に説明する。
訝しげにそれを聞くレン。
「口で言うより見たほうが早いな。ほれ」
 またしても強引に、ミクの服を捲り上げる。
「ひゃううっ?!」
「なっ!?」
 アルの言ったとおり、背中にはプログラムの破損と思われる傷跡が刻まれていた。
それをレンは横目でチラッと確認すると、それっきり色白でほっそりした背中に焦点を合わせようとしなかった。


「と言うわけで、ここでお別れだな。アンダーグラウンドからは俺様が教えたとおりの道を行けば必ず出られる。間違えるなよ、坊主」
「坊主じゃねえ、鏡音レンだ。つーか結局誰なんだよお前」
「アル君って言うんだよ♪ 私達と同じボーカロイドなの。だから仲良くしなきゃだめだよ?」
 アルが答える前にミクが嬉しそうにそう言った。
それを見てレンは、胸が締め付けられるような感覚を覚えた。
「アル……そっか、お前が開発中のボーカロイド、BIG-ALか! じゃあ俺はお前の親戚の兄貴ってことになるよな」
 末っ子としてのコンプレックスと、さっき散々おちょくられた仕返しと言う意味もあるのだろう。
ここぞとばかりに自分の優位を主張するレン。
「そこまで俺様に『レンお兄ちゃん』って呼ばれたいのか? それなら仕方ないな、呼んでやろう」
 それを聞いて、助手席でアハハと無邪気に笑うミク。
「それは……嫌だ」
 こんなごつい大男に猫なで声でお兄ちゃんと囁かれるくらいなら、まだ坊主のほうがマシだと思った。
「アル君、お金と空き部屋の話、マスターに聞いておきますね。マスターの作る歌、すっごく素敵なんです! 一緒に歌えたらきっともっと素敵な歌になります! だから……」
 ミクが何と続けたいのか、アルはなんとなく察知した。
「ああ、もう逃げ出してこんな所に来たりはしないさ。現実空間で楽しみなことができたからな。今すぐにでも発売して欲しいくらいだ」
 アルは清清しい気持ちになっていた。
ミクと過ごしたほんの少しの間で、ずいぶんと自分が変わってしまったことに自分自身で驚いた。
「そうだ坊主――レンお兄ちゃん?」
「やめろ! 坊主でいいよ……なに?」
 そう言うと、アルはレンに耳打ちした。
「さっき言ったウソだがな、今はウソでも将来的には分からんぞ?」
「なっ……?!」
「俺様が家に届くまでお前に猶予をやろう。まあせいぜい、少しでもその間にミクと距離を縮めておくことだな。俺様にはそのくらいのハンデがあってちょうどいい」
 男同士の密談が気になるのか、ミクが「なになに? どうしたんですか?」と首を突っ込んでくる。
「ミク姉、ごめん。俺、ミク姉がなんと言おうとこいつを絶対に買わないようにマスターを説得する! それが無理ならamazonを襲撃する!」
「えええええ?! ダメだよそんなの!」
「とにかく、さっさとこんなとこ出ようぜ! 怪我もしてるんだからさ!」
 そう言って、レンがロードローラーのアクセルを踏む。
けたたましいエンジン音を噴かせ、最初から猛スピードで発進した。
「アルく〜ん! また会おうね〜!」
 ミクが助手席から後ろを振り向いて手を振る。アルもそれに、ぶっきらぼうに手を振り上げて返す。
「二度と会ってたまるか!」
 レンが捨てゼリフを残していった。


 そして、アルは一人になった。
ボーカロイドらしく、鼻歌でも口ずさんでみる。
そういえば、ミクの歌声をまだ聴いていないことに気付いた。一体どんな歌い方をするのだろう。
自分の太い声とどんなハーモニーを奏でるだろうか。アルは目を閉じて空想に耽った。
少しして目を開けると、超至近距離に世にも恐ろしい化け物が立っていた。
「うわああああ!?」
 思わず声をあげるアル。
「ハーイ、アル。迎エニ来マシタヨー」
 いや、化け物ではなかった。実の姉、スイートアンである。
アンはアルの首に刺さっているボルトをガシッと握り、そのまま引っ張って無理矢理アルを連行した。
「痛っ、痛い! 姉さんボルトはやめてっ! もう脱走なんかしないから許してぇ!」
「ダメデース。ソノ言葉、今マデニ何度モ聞キマシター。モウ騙サレマセーン。ミリアム姉サンモ、カンカンデース」
 帰ったら、みっちりお説教タイムが待っていることだろう。だがきっとミリアムの小言を聞くのも今回が最後だ。
そう思うと、少し晴れ晴れした心地になった。



9.
「ひどい、ひどすぎるよ二人とも……」
 包帯で体中をぐるぐる巻きにしたカイトがうな垂れて言った。
ロードローラーにくくりつけられたまま完全に忘れられていたカイトは、アンダーグラウンドから脱出するまでずっとズルズルと引きずられていたのだ。
その光景はまるで一昔前のどこかの国の刑罰のようだったという。
「ごめんなさい! すっかりカイトさんのこと忘れてて……」
「わりぃ、気付いてたんだけど死にはしないと思って」
「レン……兄さんはこれからも君と仲良くできるか自信が無くなってきたよ……」
 マスターが週末に修理に出すまで、カイトはしばらくこのミイラ男のような格好のままらしい。
この状態じゃアイスも食べれやしないと嘆くカイト。結局心配事はそこなのか。

 一方、リンの部屋では、リンとメイコがパソコンのディスプレイを見てなにやら談笑していた。
『ひっく……ぇぐ……あぅぅ……ああぁぁぁぁん』
 画面には、アンダーグラウンドで泣いていた時のレンの後姿を映した動画が再生されている。
ロードローラーに隠しカメラがセットしてあり、事の一部始終を撮影していたのだ。
「アハハハハ! ヤバい、何度見ても腹筋崩壊する!」
 ベッドで寝転がって足をジタバタさせながら大笑いするリン。
「へぇ、可愛いところあるんじゃない」
 ニヤニヤと微笑みながら、興味深げに動画を眺めるメイコ。
アルがウチに来たら一波乱起こりそうだ。他人の恋路を端から眺めることほど楽しいものはない。
「ねえ、リン達からもマスターにアルのこと頼んでみようよ♪」
「ふふっ、これから面白くなりそうね」
 二人は顔を見合わせ、これから我が家で巻き起こるであろう大戦争の予感に期待しつつ笑い合った。

                         <fin>
420名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 13:31:59 ID:H3iyBb0v
以上です。さて、一人で反省会だ
421名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 14:44:15 ID:oIzU1Bpq
おもしろかったよー!GJ!
アルいいキャラだなぁ
ずっと男らしかったから最後で吹いたwwアンww
422名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 14:57:16 ID:T4RqdVe4
アルミク←レンいいな。
激しくGJ!!
いやぁ、楽しかった。
423名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 15:23:36 ID:UUirzQ38
ミク総受けでカイトが当て馬か。
424名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 18:35:33 ID:IGQ6JVe6
GJ!オールスターで面白かった
425名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 20:29:02 ID:f1ZkWaDk
面白かった!
海外組もこれから活躍して欲しいな!
426名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 20:38:16 ID:SckeY7lJ
GJ!
そろそろエロいのが読みたい
427名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 22:14:53 ID:tZBj67n0
「うわっ! なんつーカッコしてんだよ!」
「あ、レンきゅん、いい所に」
小腹が空いたのでお菓子取りに居間に来ると、メイコがいつもどおり缶ビールをあおってた。
風呂上がりでバスタオルを体に巻きつけただけの格好で。
「冷蔵庫からビールもう一本ちょーだい」
「4本目は駄目だっての」
350ml×3って事は、既にリットル単位の摂酒量だ。
「てか服着ろよ。恥ずかしく無いのかよ」
「体火照ってるから丁度いいのよーん」
スルメをクチャクチャしながら喋るのは汚いからやめて欲しい。あとマヨネーズつけすぎ。
「それともこの格好だとムラムラしてきちゃう?」
ケラケラと笑った後に挑発するような視線を投げかけられる。
普段ならムキになって否定するか、もしくは無視してさっさと去るのだけど、その日は気分が違った。
まだ今日は抜いてなかったし、昨日も早く寝たのでしてなかった。だから結構溜まってた訳で、それがいつもと違う行動に繋がったのかもしれない。
「そうだね。ムラムラしてくるよ」
「あらま」
いつもと違う反応に目を丸くするメイコ。
「じゃあ早く部屋戻って頑張らないと。何なら脱衣所のパンツ使ってもいいわよ」
それでもまたケラケラと笑い出す。今の俺が違う事に気付いてない。
…分からせてやりたくなった。
「そうだね、メイコで抜く事にするよ」
「がんばってね」
手をヒラヒラとし、もう俺との会話は終わりという感じのメイコ。
だが、俺は終わらせる気は無い。
「だから、メイコも協力してよ」
「へっ?」
テレビに向いてた顔を無理矢理こっちに戻し、そのまま有無を言わさず唇を奪った。
「!?!?」
うわっ、苦っ! ビールの味しかしねえ!
ドンッ
ビール以外の味も探ろうと舌を奥へ差し込もうとした瞬間に突き飛ばされた。酔ったメイコの力では俺の体がよろける程度だったが、それでも体は引き離された。
「何すんのよ! やっていい事と悪い事があるわよ!」
顔は真っ赤だが、目がさっきまでの酔っ払いのそれじゃなくなっている。酔いが一瞬で覚めたのだろうか。
「それを言うならメイコもだろ!」
負けじと俺も言い返す。声量にメイコがちょっとたじろいだ。
「男の前でそんな格好でいて、襲われても文句言えないだろ!」
「え? いや、まあそうだけど」
面食らうメイコ。
「でも今までレンが私に欲情した事無かったじゃない」
「今までは、だろ?」
「じゃあこれからは?」
「さあな」
本当、さあな、だ。俺もちょっと冷静さを取り戻し、何でさっきあんな行動を取ったのか分からなくなってきた。確かに溜まってはいるけど、それでもメイコを襲ったなんて自分でも信じられない。
ただ勢いとはいえキスしちゃった以上、メイコを今まで通り姉のように見続ける事ができるかどうか、それは本当分からない。
428名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 22:15:28 ID:tZBj67n0
「とにかく、これからは風呂上がりはちゃんと服着ろよ」
「そうするわ。私も無防備すぎたわ」
「じゃあな」
部屋に戻る。体の中に色んなものが渦巻いている。色んな意味で処理しときたい。
「待って」
呼び止められた。
「なに?」
「ちゃんと謝ろうと思って」
意外と律儀なメイコ。
「別にいいよ」
「ううん、そういう訳にもいかないわ。だって」
だって、の続きに俺まで顔を赤くしてしまった。
「だってレンのファーストキスだったでしょ?」
「なっ!」
言われてみれば確かにそうだ。
だからって今このタイミングで言う事ないだろ!?
「初めてなのに酒臭いわ突き飛ばしたわじゃ後々引き摺るかなあって」
「べ、別にんな事ねえよ!」
てか言われなきゃ気付かなかったよ!
「だから」
「だk」
だから? と最後まで言えずに、メイコにセカンドキスを奪われていた。
やっぱり酒臭い。
…でも、気持ちいい。
遠慮なくねじ込まれる舌を受けるだけで精一杯で、一方的に受身なセカンドキス。
あ、歯当たらないようにしないと。
「んっ!」
メイコが股の間に太股を押し付けてきたので思わずビクッとなってしまう。柔らかい太股が窮屈な下腹部を刺激されて無意識に痙攣する。
「だからさ」
ふぅと顔を離す。あ、本当に唾液で糸ひくんだ。
「もっと強烈な初めてで記憶を上書きしちゃえばいいんじゃないかなって」
「あっ」
慣れた手つきでファスナーを降ろされ、トランクスのボタンを外され、あったかい手が添えられ、あまりの気持ちよさにそのまま果てそうになった。
「初めては好きな人がいいんだったら口だけでもいいけど」
メイコの耳元での問いかけに、俺は…
429名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 22:17:43 ID:tZBj67n0
この後の展開をどっちにするか(入れるか入れないか)迷ってたら時間切れになってしまったので
どっちがいいか聞こうかなと
430名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 22:22:34 ID:IluDD6fl
GJ!
漏れは入れるに一票! 
431名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 23:17:53 ID:onF7RWPU
行ってしまえ突っ込んでしまえ

に一票俺からも
432名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 23:20:18 ID:SckeY7lJ
入れないで一回入れて一回で
433名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 23:23:21 ID:EMffOwIF
入れればいいよ、入れればわかるさ。

入れるに一票。
434名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 23:38:13 ID:TkYJUBfE
挿れるに決まってるだろ常考
435名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 23:53:29 ID:TkYJUBfE
>>420
GJ!
是非とも続きが読みたいですw
436名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 00:10:12 ID:s1wlFNpu
437名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 00:37:41 ID:Bz7TAqZ0
よしたにさん、それはちょっとあんまりですよ……orz

(ぼくオタ3でMEIKO姐さんを『報われない腋キャラ』と言っていた)
438名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 16:32:05 ID:tA4vJTPg
アイドルMEIKOと聞いて
アイドル→人気ダウン→引退→脱ぐ
とゆう電波が来たんだうわなにをすやめてやめてマイクスタンドはヤバいって
439名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 16:59:37 ID:BDJM89Sy
逆の発想はないのかw

売れっ子ミクや双子、好調のKAITOに比べて不遇のMEIKO
苦しむ彼女に斜め上からの救いの手が!
もう一度歌いたいか?しかしその代償は軽くはない
MEIKOが失踪してから数日後、アイドル咲音メイコがデビュー
それはメモリを消去し家族を捨て、ボディをバージョンダウンしたMEIKO(16)だった・・・

とかさ
440名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 17:19:39 ID:fajQa/2A
MEIKOに不遇イメージはあまりない
441名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 17:27:43 ID:ewFpzm6R
>>439

お前、ニコでアレを見たな
442名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 17:38:14 ID:5+l1ft6S
>>439
もえた
443名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 18:10:23 ID:NHyUKaPN
>>439
よし、そのネタでSSを書くんだ!
444名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 19:11:42 ID:Ecqe7bRO
腋コキ…いや、なんでもない
445名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 21:22:37 ID:HKrCkp/P
ところで、さくらさくら…の続きはまだですか?
wktkしながら待ってるんだが…
全裸で
446名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 22:02:37 ID:5+l1ft6S
俺も待ってる…
半裸で

そしてかぐや姫ミクとマスターの話の続きも待っている
半裸で
447名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 23:08:26 ID:HelsJT4i
右半身裸+左半身裸=全裸
というわけか。
448名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 23:56:33 ID:v027YVEu
>>439
記憶は無くても身体は覚えているというお約束パターンですね、分かります

SS、全裸で待ってます
449名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 00:08:37 ID:lmCBiKUS
>>448
ごめん439だけどSSは書けないw

俺だとMEIKOを取り戻すためにKAITO(仮)が楽屋で待ち伏せ
嫌がるMEIKOを力ずくで押さえつけて無理矢理注ぎ込む展開になってしまう。酒を。

エロ書ける人書いてくれないかな
450名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 01:08:29 ID:F7BkdRrO
>>439といい>>449といいID:lmCBiKUSはとんでもない潜在能力を持っているとみたぞ…
451名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 01:24:29 ID:SQsUAEMS
小ネタ投下します。百合?注意。

「咲音メイコさんですね?」
そう呼ばれ後ろを振り向くとツインテールのかわいらしい女の子が立っていた。
私この女の子見たことある・・・そう確か人気絶好調のアイドルの・・・

「初音ミクです」
「はっはじめまして!咲音メイコです!」
どもる私。そりゃそうだ、目の前にいるのは私にとって目標の女の子。
だれからも好かれるアイドル、初音ミク。
そんなアイドルに駆け出し中のアイドルである私が声をかけられるなんて正に夢のような話だ。
心臓がドキドキするのは当たり前。ああなんてお話しよう!サインくれるかな〜なんて考えてると、

「はじめまして・・・か。おねーちゃん・・・本当に私たちの記憶ないんだね」

そう訳のわからないことを言い出した。
「え?おねーちゃん?ええとなんのことですか・・・?」
混乱する私に対し、
「無理に思い出さなくてもいいよ?これからじっくり思い出させてあげるから」
そういってミクさんはパチンと指を鳴らした。
なにかやばい!直感的に危機を感じた私はミクさんから離れた。
と同時にWRYYYYYYYと轟音を上げて空からロードローラーがあああ!?

そこで私の意識は途切れた。


「〜♪メイコおねえちゃんみいつけた♪」
歌いながらロードローラーから降りてきたのは金髪の少女、鏡音リン。
「リン、ありがとう。あなたがいなければこの人は捕まえられなかった。
記憶がなくなって体が幼くなってもこの人の身体能力は馬鹿にならないもの」
そう言ってミクはリンに御礼のキスをした。お互いの舌が絡み合う。
「ん・・・。御礼はまだいいよミクお姉ちゃん。楽しみは後にとっておこう?」
「そうね・・・。ふふ、まずはおねーちゃんをつれて帰ろうか」
昏倒しているメイコの髪を触りながらミクは言う。

「おねーちゃん・・・私たちから逃げたこと後悔させてあげる・・・!」


その後メイコの姿を見たものは誰もいない。


ハッピーエンド?
452名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 03:51:16 ID:Ht+GXKC3
>>451
続き希望
 
スボンとパンツ脱ぎながら
453名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 10:01:40 ID:qOId899o
454名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 13:05:08 ID:+CwohEKc
俺設定

処女
ミク、リン、ネル、Prima

非処女
MEIKO、ハク、LOLA、MIRIAM、SweetAnn

童貞
KAITO、レン、BIG-AL

非童貞
LEON

LEON『え・・・?なにこの疎外感・・・』
455名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 13:18:35 ID:HMBhEE5t
レンは童貞じゃなさそう
456名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 13:18:55 ID:I6DHUIwc
>>451
面白かったw
黒いミクとリンいいな。
457名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 14:21:20 ID:gYeVuxuL
重音テトはボーカロイドに入りますか
458名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 14:25:40 ID:F7BkdRrO
俺の中でははいりません
459名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 14:41:05 ID:jUjpguW5
>>457
誰だいそいつ?正直派生ボカロはハクとネルだけで十分だ。
460名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 14:47:09 ID:+CwohEKc
>>457
それ入れる前に
まず初期の亜種組である雑音ミクや隣音サイとか入れてやって下さい

栗がキャラとして公認&黙認してるのは
はちゅねミク、亞北ネル、弱音ハクだけなので
他の亜種キャラは今のところノーセンキュー
461名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 15:34:27 ID:vD3WnWma
重音テトはVIPから出てこないでくだしあ><
462名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 15:40:03 ID:+CwohEKc
亞北ネルと弱音ハクも2ちゃんねる発祥のキャラなんだよな

重音テトよりずっと前にVIPスレ出身の架空VOCALOIDがいたけど
あれも流行らないまま終わったからな
絵的にはテトよりずっとデザインいいキャラばかりだったけどね
VOCALOIDカラーズ(アカイトたちの事ではない)・・・
463名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 16:56:01 ID:RJt6zFbH
亞北ネルのSSがほとんど無かったので、作ろうと思ってみた。
けど3レス分だけ書いた所で、飽きたから今日は寝る。
464名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 16:56:30 ID:RJt6zFbH
最近人気のVOCALOIDシリーズ……その中でも一際人気が高いのがこの初音ミク。
オレが生まれるずっと昔、キャラクターボーカルシリーズとしてCD-ROMで販売し、人気だったのを切っ掛けに、
そのキャラを実体化、ようはロボットで初音ミクを作ったのだ。

初期に比べ今ではずいぶん安くなった……とは言え、その本体価格は結構高い車を変える程に高く、
まだ社会人になって間もない自分には、到底手の届かない物。こうしてPC等で見るくらいしか出来ない。
……筈だった。

『VOCALOID 一体限り格安販売!30万円!!(製作段階でのデータ入力ミスにより、多少の難アリ。)』

多少の難アリと言うのが気になるけど、VOCALOIDが30万で買えるなんて……
しかし、VOCALOIDと書いているだけで、どのタイプのVOCALOIDなのか表記されていない。

「30万なら貯金をおろせば何とかなるかな……」
この時すでにオレは頭の中で、初音ミクと楽しく暮らす日常を妄想していた。
一体限りと書いてあるので急いで連絡。指定口座に入金し、本体が届くのを待った。
そして約一週間後、

「宅配便でーす」
狭い1LDKの部屋に運ばれた大きな荷物。お届商品の欄にはVOCALOIDと記入されている。
緊張しながら箱を開けてみると、中には見た事のないタイプのVOCALOID?が入っていた。
「黄色い髪の女の子? ……でも、どう考えてもリンじゃないよなぁ……??」

この時オレは、ようやく重大な事に気づいた。……もしかしたら騙されたんじゃないのか?
よく考えなくても値段が安すぎる。どうして買う時に疑わなかったのか……
慌ててPCの電源を入れ、購入先のサイトを見る。

「そんなに慌てて、どうかしたのか?」
「どうもこうも無…………え?」
声に反応して振り返ると、そこには箱から出て後ろに立ち、PCの画面を覗き込む彼女の姿があった。
「う……うわあぁぁ!!」
突然の事に過剰に驚いてしまい、椅子から飛んで逃げてしまったオレを、
彼女はクスクス笑いながらこちらを見ている。

「あんたがあたしのマスター?」
「えっと……そう言う事になるのかな?」
「なんだよ、頼りない返事するマスターだなぁ。あたしは亞北ネル。あんた、一応マスターなんだし『ネル』って呼んでいいよ」

亞北ネル??そんな名前のVOCALOIDは聞いた事が無いぞ。
髪は黄色っぽい色で長髪、小柄な体型、少しつり上がった大きな目……見れば見る程分からなくなる。
465名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 16:56:59 ID:RJt6zFbH
初めてVOCALOIDに触れて見る。髪を触ってみると、サラサラしていて人間と変わりないし、
肌だって柔らかくてとてもVOCALOIDとは思えない……それに何より可愛い。
いったいこの子のどこが『難アリ』なのか……
「うわぁっ、なっ……なんだよ……気安く触るな!」

やっぱり何所が難アリなのか分からない。見た目では分からない所なのか?
そんな事を考えながらネルをよく観察してみると、大抵の女の子ならある筈の胸の膨らみが無い事に気づいた。
もしかして難アリって胸の大きさの事なn……
「ど、どどど……どこジロジロ見てんだよ! この変態!!」

その台詞を聞き終わると同時に、オレの顔にネルの拳が炸裂。
さすがはVOCALOID、こんなか細い腕からこれほどの怪力を発揮するとは……
オレは宙で一回転して、そのままネルの入っていた箱に突っ込んだ。
その衝撃で何やら紙が舞いあがり、意識の薄れるオレの方へヒラヒラと舞い落ちてきた。

『多少性格面に難アリ』

その文字を目にしたと同時に、オレはしばらくの間気を失っていた。
目を覚ますと、すっかり日も沈み辺りは暗くなり、ネルは虚ろな目でテレビを見ている。

「……ててっ」
さっき殴られたおでこの辺りを抑え立ち上がると、それに気づいたネルは嬉しそうにこっちへやってくる。
なんだかんだ言って、オレはマスター。やはりオレに懐いてくれてい……
「ごはん!!」
「え?」
「だ、か、ら!! お腹すいた! ごはん!!」

そうか、VOCALOIDもお腹がすくのか。……でもいったい何をやれば良いんだろう?
やっぱり充電とかすればいいのか? それともオイルとか燃料的なものがいるのか?
「あの、ネルの言う『ごはん』って何の事なの?」
「はぁ? ごはんって言ったら普通は米だろ?」
「ま、まぁ、普通はそうだけど……」

人間と同じ食事をしてエネルギーに? まさか世の中の科学がここまで進歩していたとは。
あれ? じゃあ他の事はどうなんだ?
「じゃあさ、メンテナンスとかはどうするの?」
「メンテ? そんなもん毎日風呂に入って綺麗にしてれば大丈夫だよ」
「それじゃあ……トイレとかは……?」
「なっ……っ!! お……女に向ってそんな事聞くなっ! この変態!!」
466名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 16:57:34 ID:RJt6zFbH
本日2度目の変態呼ばわりをされ、拳を握り締めるネルを見たオレは死を覚悟した。
しかしネルは大きく深呼吸し、その拳を静めると、オレの手を掴み台所へ連行する。
「さっきの事は許してやるから、さっさとごはん作りやがれ!」
そう言い残し、ネルは再びブスッとした顔でテレビを見始める。

しかし、ご飯と言われても……レトルトハンバーグくらいしかない。
仕方なくそれを温め、ご飯とみそ汁を付けてネルのいるリビングへと運ぶ。
「今日は何も用意してなかったからコレくらいしか……」
「うわぁ……っ!」
この質素な夕飯のおかずを目の前にして、ネルは何故か目をキラキラさせ、歓声の様な声を上げた。

「知ってるぞ! これ、ハンバーグってやつだよな?」
「うーん……まぁ、レトルトだけどね。……ネルは食べた事無いの?」
「ふぁふぁひふあ、ふぉあふふあぁ」
「あ……、食べてからで良いよ」

一心不乱に夕飯を食べるネルの姿は、いったい何日ご飯食べて無かったんですか?……と聞きたくなるほどの食べっぷりだ。
オレはすっかり自分がご飯を食べる事も忘れ、その姿をボーっと眺めていた。
ようやくネルがすべて食べ終わり、話が始まるのかと思いきや、今度は指を咥えてオレのハンバーグを見つめている。
よっぽど気にいったのだろうか……

「あの……よかったらオレの分も食べる? オレお腹すいてないから」
「ほ、本当?! マスター、後で返せって言ってもダメだからなっ!」
ハンバーグ一つで変態の汚名返上できるなら安い物だ。ネルはハンバーグを箸で突き刺すと急いでそのまま口に頬張り、
あっという間にたいらげてしまった。

「そんなに美味しかった?」
「んー……まぁまぁかな」
ネルはそう言っているが、皿に付いているタレを指ですくい、
その指を舐めている姿を見る限り、どうやら相当気に入ったようだ。

「そうだ、今日はネルが家に来た記念日だし、コンビニへケーキでも買いに行って来るよ」
「ケーキ? なんだそれ?」
「うーん……甘い洋菓子……まぁ、とにかく食べてみれば分かるよ。ちょっと待ってて」
そう言ってオレは財布を手に取りコンビニへ向かおうとした。

「ちょっ……ちょっと待てよ、気にしなくていいって、そんなの……」
「ん? 女の子は甘いのが好きと思ってたけど、ネルはそう言うの興味ない?」
「いや、興味は凄くあるよ。……でも、初めて来た家に一人で留守番は……その…………ホンのちょっとだけ……怖いって言うか……」
モジモジしながら後半は聞こえないくらいの声でそう言うと、ネルは恥ずかしそうに顔を真っ赤にしてしまった。
ようやくネルが見せた女の子らしい一面。今までキツイ言葉ばかりだったので、それだけで可愛く思えてしまう。

「じゃあ一緒に買いに行こっか?」
「え?……ん、あぁ。まぁマスターの命令なら仕方ないな。夜道は危険だし着いて行ってやるよ」
こうしてオレはケーキを買うために、ネルを連れてコンビニへ向かった。
467名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 17:00:16 ID:RJt6zFbH
亞北ネルと弱音ハクを知れば知るほど好きになって行く
リンレンに続く第三弾がこの二人だったら買うのになぁ
468名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 17:19:10 ID:SQsUAEMS
おお!ネルがめちゃくちゃかわいい、GJ!
飽きたからなんて言わずに続きも書いてくれ!

>>467
それには同意だが著作権やらなにやらで難しそうな気もする。
ただハク・ネルともども初音ミクの”二次著作物”にはなったぽいしどうなることやら。
469名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 17:24:37 ID:MRlu3bvT
ネルとハクはボーカロイドじゃないからこそ輝くんだと思うw
470名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 18:02:08 ID:+CwohEKc
厳密にいえば
弱音ハクはマスターであり人間でもあるからね
二次創作でVOCALOID設定にするのは全然構わないけど
471名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 18:28:25 ID:CJ3UQPMQ
>>470
ネルも元々はニコニコにいた嵐だからな。
472名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 18:35:18 ID:Ht+GXKC3
>>466
ネル可愛いなチクショウw激しく続き希望
 
 
 
やっぱりネルはツンデレだよな
473名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 19:08:06 ID:RFxBnQPA
ネルくいしんぼカワイイw
萌えるw
GJ!
474428の続き:2008/04/19(土) 20:50:16 ID:Z6hO2zAg
「好きな人なんて、いないよ」
メイコから上目遣いで見つめられ、俺は直視できずに背けた。
「…そう」
ビクッ
裏筋をそっと撫でられ、気持ちよさに体が痙攣する。
「諦めたんだ」
メイコの声色は優しかった。
「じゃあ、しちゃおっか。エッチ」
優しく右手で包み込まれ、そっと刺激されビクビクと脈打ってしまう。
「でも、流石にここでするのは、ね?」
言われて思い出した。ここはリビング。いつリンとかが現れてもおかしくない。
というかもしこの場に誰か来たら言い訳のしようがない。
「私もレンの初めて貰うなら、もいちどシャワーで酔い覚ましたいし」
音源が徐々に下方に向かってく。
「でもその間おあずけも可哀想だから、この分だけ飲んじゃうね」
「ふぅっ!」
最後の方はよく聞き取れず、代わりに暖かく湿った空間に包まれた。
前後する唇が雁首を絶妙に締め付け、亀頭の周りを暖かい舌がうごめき、指のリングが茎を擦り、全体を余すところなく快感がかけめぐり、情けない事に全然我慢できなかった。
「あっ、うあっ、で、でるっ!」
「んぐっ!」
びくっ、びくっ、びくっ。
そんな擬音が相応しいくらい脈打ちながら、一気に尿道経由でメイコの口内へと放たれていく。
メイコもちょっと苦しそうな表情を見せている。なんか悪いなあ。
まだ反ってる俺のからようやっと口を離し、手を添えて一瞬俯いたが、メイコは吐き出さずにどうやら全部飲んだみたいだった。
「あ〜びっくりした。上顎って言うの? あそこに勢いよく飛んでくるなんて初めてだもん。若さって凄いわね」
苦しかったのかちょっと目に涙を浮かべながらも、とても今し方に飲精したとは思えない笑顔のメイコ。
「ってまだ立ってるの? 凄いわねえ。でもシャワー待っててね」
「う、うん」
「すぐに向かうから、私の部屋で待ってて」
「うん。あ、待って」
なに? と振り向いたメイコの唇に、そっと同箇所をくっつけた。
「凄く気持ちよかった。ありがと」
目を見開くメイコ。
だけどすぐ茶化すような表情になって。
「今のはポイント高いわよ」
と、ほっぺたにお返しして風呂場に向かっていった。
475名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 20:51:01 ID:Z6hO2zAg
結局432案を取ることにしました。続きはできれば明日にでも。
476名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 00:59:26 ID:kNlpdzAt
GJ!続きが楽しみだ
477名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 02:44:49 ID:cqX1o6Tn
GJ!
半裸で続き待ってるよ
478名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 05:04:21 ID:NHmvDX6A
リン×レンの純愛エロが欲しい…
479名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 06:20:48 ID:/dqcxFLz
雑音ミクのキャラ設定がよく分かりません。

黒ミクってことでおkなのか?
480名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 06:33:45 ID:DY194ClX
>>479
作者が設定つけてないから何者かさえ不明
最初に『ミクのライバル』として騒がれてたキャラだというのは覚えてる

今のところミクをコピーしたショッカーみたいなものと認識してる
481名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 10:52:00 ID:Hh5rqbPe
『 KAITOハード 』

アイスの為にダッツ保存庫に潜入するKAITO。
だが、それはミクの巧妙な罠だった。

「KAITOのプライドは 私に崩される為に築いてきたんですものね」
「いつもの力が出せれば…こんなミクなんかに…!」
「よかったじゃないですか アイスのせいにできて」
「んんんんんんんっ!」
「へへへ おい、安全マットを用意しろ。みんなで気持ちよくしてやる」
(耐えなきゃ…!!今は耐えるしかない…!!)
「KAITOの生乳ゲ〜ット」
(いけない…!左乳首が感じやすくなってるのを悟られたら…!)
「生KAITO様の生×××を拝見してもよろしいでしょうか?」
「こんな奴らに…くやしい…! でも…感じちゃう!」(ビクッビクッ
「おっと、乳首に当たってしまったか。甘い痺れがいつまでもとれないだろう?」
それからKAITOは後から侵入してきたMEIKOらによって救出された

つ【http://fullmoondrive.hp.infoseek.co.jp/gen/crigene.htm

後悔?なにそれおいしいの?
482名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 11:10:06 ID:IzFEQN5G
>>479
俺も書いてみようと思って考えたんだが
ツリメだしツンデレかなとかって思う
性格はイジワルだけど本当は純粋、ミクの出来損ないだと思っててちょっと卑屈かもとか考えてる。
 
なんか(ハク+ネル)÷2+αな感じ
483ネル×マスター:2008/04/20(日) 11:53:06 ID:tSSPTKXa
>>466のつづきです。
4レス書いて飽きたんで寝ます。
484ネル×マスター:2008/04/20(日) 11:53:42 ID:tSSPTKXa
外に出ると、さっきまであれ程元気だったネルは一言も喋らなくなり、
ただ黙ってオレの2、3歩程後ろを、キョロキョロしながら注意深く着いてくる。
「どうかしたの?」
そう尋ねると、ネルは真剣な顔で、
「暗いし寒いし……いったいどうなってるんだ?」
と尋ね返してきた。

「ネルって、外に出た事とか無いの?」
「そりゃ……私は工場で作られて、そのままマスターの所に送られたからな」
そう言えば、ネルはVOCALOIDだった。こうして普通に話してると、ついうっかりその事を忘れてしまう。
とりあえずコンビニに行く途中、朝に日が昇って明るくなり、夜は沈んで暗くなる事を教えると、
ネルは困惑した表情を浮かべ、頭を掻いて笑ってごまかした。

「ん? マスター、あれ何?」
ネルが指差す先には、犬の散歩をしている女性の姿があり、
リードの先には小さなチワワが繋がれている。
「あれはチワワって言う犬だよ」
「チワワ? いぬ?」
ネルは興味を持ったのか、オレの手を引いてその犬の方へ近づいて行くと、しゃがみ込んで犬の顔をじっと見始めた。

「いぬ?」
飼い主に訪ねる様に聞くネル。飼い主は何が何だか分からないと言った様子で、
一緒にいたオレに視線を送り、助けを求めてくる。
「うん。これは犬」
「いぬ…………いぬ、触っても平気なのか?」
再び飼い主の女性にネルが聞くと、
「えぇ、噛まないから大丈夫ですよ」
と答えてくれ、ネルはソッと頭に手を伸ばした。

――――ワンッ!
その手が触れる寸前、しっぽを振りながら吠えた犬を見て、
ネルは飛び上がって後ずさりし、オレの後ろに隠れてしまった。
「な、なんだ? 今、ワンッて……」
「尻尾振ってるし、遊んでもらえると思って喜んでるんじゃないかな?」
「へ……へぇー……そ、それじゃあそろそろ、コンビニに行こう!」

元気にそう言ったネルは、オレの体を盾にして、犬と目を合わせない様にその場から立ち去った。
どうやら初めての外出でいきなり軽いトラウマを作ってしまったらしい。
485ネル×マスター:2008/04/20(日) 11:54:14 ID:tSSPTKXa
さっきの一件以来、ネルはオレの服の裾をギュッと掴んで離してくれない。
何とか緊張を解してやろうと、ネルに関する話題を振ってみる事にした。
「そう言えばさ、VOCALOIDの工場って同じ顔の子がいっぱいいるの?」
その問いかけに、ネルは思いのほか真剣な表情で答えた。

「……うん。……でもほら、あたしって欠陥品だから、あたしと同じ顔の子はいないと思うよ。
 作られてすぐでっかいゴミ箱みたいな所に入れられててさ、テレビも本も何にもなくて、
 食事は一日一回。それも白いご飯だけ……酷い時は忘れられる日もあったよ。
 それでさ、ある日いきなり工場の人が来て、あたしは他の部屋に連れていかれて、
 とうとう廃棄処分でもされるのかなぁ……とか思ってたら、箱に詰められてココに来たんだ。」

「そ……そうなんだ」
なんだか空気を和ませるつもりが、とんでもない事を聞いてしまった。
ネルがオレの顔を不思議そうに見ている。おそらく暗い表情にでもなっているのだろう。

「でもさっ、いろいろあったけどあたしは欠陥品で良かったよ」
「……どうして?」
「だってさ、そのおかげでマスターに会えて、ハンバーグが食べれたんだから。
 ……どうせマスターはお金なくて初音ミクとかが買えないから、欠陥品のあたしを安く買ったんだろ?」
「なっ……!別にそんな訳………………」

あながち間違っていない為に黙り込むオレを見て、馬鹿にしたように悪戯な笑顔を浮かべ、ケラケラと笑うネル。
もしかしたらネルなりに、気を使ってくれているのかもしれない。
「けどさぁ、もっとちゃんとご飯食べれてたら、身長も高くなって、胸だって大きくなってたかもしれないのになぁー……えぃっ!」
足もとに転がる小石を蹴りながら、愚痴をこぼし始めるネルを見て、
今度はオレがネルに気を使ってフォローをする。

「ネルはそのままで良いと思うよ」
「ほぇ?」
「だってオレはネルみたいな身長の小さい、ぺったん娘って結構好きだから」
「な゛……っ!!!!」
我ながらナイスフォローだった……これでネルも少しは元気う゛ぇ……
背中に走る鈍痛。振り向くとネルが顔を真っ赤にして、背中に拳を一撃入れていた。

「誰がぺったん娘だ!! 誰が!!」
なんだか分からないけど、ひどく怒っている様だ……と、とりあえず謝っておこう。
「ご……ごめん、さっきのはウソで……本当は大きい方が好……」
「悪かったな! 小さくて!!」

結局どちらに転んでも怒られてしまったオレは、鈍痛とショックでしばらくうずくまったまま動けなかった。
486ネル×マスター:2008/04/20(日) 11:54:35 ID:tSSPTKXa
ようやく痛みが引き、ネルが怒って何処かへ行ってしまっていないか、少しドキドキしながら顔をあげてみると、
ネルはガードレールの上に座って、空を見上げながらオレが立ち上がるまで待っていてくれた。
ホッと胸をなで下ろし、とりあえずネルに近づき声をかける。
「おまたせ、もう大丈夫だか……」
「ふんっ」
……どうやら機嫌はなおっていないようで、返事どころか目も合わせてくれない。

「お前がいないとコンビニが何所にあるか分からないから、仕方なく待ってただけだよ」
目を合わせないまま、ようやく話しをしてくれたかと思うとこの有様。
しかも、いつの間にか『マスター』から『お前』に降格している。

「で、コンビニってどこだよ?」
「えっと……ココを真っすぐ行った所にあ……」
話しを最後まで聞かず、さっきまでと逆に、ネルはオレの2、3歩前をスタスタと歩き始めた。
なんだろう……この2、3歩の距離が異常に遠く感じる。これからの事を考えても、これはよろしくない事態だ。

何か打開策を考える……と言っても、今日会ったばかりでどうしていいか分からない。
それでも必死に考える、ネルの好きな事・好きそうな事…………食べ物?
もうこれくらいしか思いつかなかった。
とっさに目に入ったたこ焼き屋に駆け込み、一パック購入。すぐにネルの元へ戻る。

「ネル?」
「…………」
もはや反応すらしない、完全無視。……と思いきや、鼻が少しピクッっと動いたように見えた。
それに続いて目線もチラッとこちら(たこ焼き)を見て意識し始める。
「これ、たこ焼きって言って凄く美味しいんだけど」
「そ、……そんな物で釣られると思ったら大間違いだからなっ!」
ようやくオレの話に返事をしてくれた。どうやら効果はてき面、あと一押し。

「これはアツアツを食べるのが美味しいのになぁ。冷めたら美味しく無くな……」
「……っ! あぁ、もぉー! 分かったよ!! さっきの事も許してやるから、それちょーだい!」
我慢できないと言った様子でタコ焼きを奪い取ると、ネルは勢いよく口の中へ放り込んだ。
「あっ、そんないきなり放り込んだら……」
「へ? あっ、はふっ……はふっ…………」
ネルは目をつむって口を開いたまま天を仰ぎ、足をジタバタして、
タコ焼きが喉を通った後は涙を浮かべていた。

「うぅっ……お、……おぃじぃ……けど、熱いよコレ……」
「そりゃそうだよ。ちゃんと冷まして食べないと」
それを聞いたネルは、納得いかない様子で首を傾げる。

「でもさっき冷めたら美味しくない……って言ってなかったか?」
「それはそうだけど…………じゃあ、ちょっと見てて」
ネルに口で説明するのは難しいので、オレは実演して教える事にした。
487ネル×マスター:2008/04/20(日) 11:55:11 ID:tSSPTKXa
「こうして二つに割ってから、息をふーってして冷まします」
「うん、うん!」
「そうしたら、後はこうして食べ……」
「あーーーー!!!」

突然大声をあげるネルに驚き、オレはたこ焼きを口元で止めて固まってしまう。
すると横からネルの顔がスッと現れ、そのたこ焼きを咥えていってしまった。
「あむっ、んぐんぐ……勝手に食べちゃだめだぞ。これは、あたしのたこ焼きなんだから!」
「えっ……あ、……あはは、ごめんごめん。」
たこ焼きを返すと、ネルは教えた通りにたこ焼きを冷まして、美味しそうに食べ始める。

それにしても、たこ焼きを奪い取ったネルの唇は、自分の唇のほんの数センチ先にあって、
不覚にもドキッとしてしまった。
依然、美味しそうにたこ焼きを食べるネル。どうしてもその唇へ視線がいってしまう。
すると、その気配に気づいたのか、ネルがこちらを向いてしまい、オレは慌てて視線をそらした。
少しづつ近づいてくる足音……また殴られるんじゃないか? と思っていると、
ネルはたこ焼きを半分に割って冷まし、オレの口元へ運んできた。

「半分だけだからな!」
「え?…………あっ、ありがと」
どうやらネルは、オレがたこ焼きを欲しそうに見ていたと、勘違いしていたらしい。
せっかくの親切を断って機嫌を損ねる訳にもいかないので、大人しくたこ焼きを食べさせてもらう。
そしてその時に、ふと気づく。

「あっ、これって間接キ……」
「ん? なんか言ったか?」
良い掛けた言葉を飲み込み、全力で首を横に振る。
もしこんな事言ったら殴られる事くらい、短い付き合いでも容易に分かった。
ネルがたこ焼きを食べ終えると、再びケーキを目指しコンビニへの道を行く。

「ほらっ、さっさと行こうぜ! マスター!」

どうやらたこ焼きのおかげで、オレの地位は再びマスターに昇格したらしい。

その後は何事も無くコンビニに到着し、そして思った。
今までに、これほどコンビニが遠く感じた事があっただろうか……と。
疲れ果てたオレをよそに、ネルは目をキラキラさせてコンビニへ入って行った。
488名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 11:56:11 ID:9ZmSK9k+
てか、派生とかよくわかんね('A`)
なんか表とかプロヒとかないんかな、うぃきぺでぃあ先生のとこにもないし
定期的に質問があがるようならテンプレになんか書いてあった方がいいと思う自分はいらない子かぬ
489ネル×マスター:2008/04/20(日) 12:00:23 ID:tSSPTKXa
遅くなりましたが、前回分コメントくれた方ありがとござます
ネル可愛いよネル。
490474の続き:2008/04/20(日) 13:37:13 ID:yqIXIHvi
どき
どきどきどき
どきどきどきどきどきどきどきどきどきどk
「い、いかん。落ち着け俺」
さっきから心臓が鳴りっぱなし。
今メイコはシャワー浴びてきてる。もうそろそろ来る筈だ。
いかん、落ち着け俺。特に一部分。
「にしても…」
なんだったんだろう、さっきの俺は。
メイコが俺のを全部飲んでくれたんだって思った時、言いようのない感情に包まれて、らしくない行動取っていた。
感謝とも微妙に違う、胸が締め付けられるような想いに突き動かされていた。
「あ、メイちゃん。そんなカッコよくないよ」
ドキッ!
廊下からリンの声だ。マズイ。
「ゴメンね、着替え部屋に忘れちゃってさ。あはは」
「だからってそんな格好、レンにでも見られたら犯されちゃうよ」
ドキドキッ!
「あはははは。気をつけるわ」
「そうそう、そのレンだけど見なかった?」
ドキドキドキッ!
「さ、さあ? 夜遊びにでも行ったんじゃない? 中二だし」
「だったらアタシも連れてって欲しかったなあ」
「独りになりたいのよ、ほら」
「あー、カイミクカップル成立で落ち込んでたもんね」
グサッ!!
最後のが一番キタ…
「それじゃ私もう寝るから」
「うん、おやすみメイちゃん」
リンの声が遠くなって、変わりに足音が近くなって、ドアが開くとさっきと変わらない格好の、でも湯気が立ち上ってるメイコの姿。
「おまたー」
「あ、ああ。酔い覚めた?」
「バッチリよ。レンきゅんのバージン貰うんだから、翌朝覚えてないとかヒドいもんね」
髪を拭きながら俺の横に座る。
「さっきの会話、聞こえてた?」
「………」
悪い事したなあ、そんな表情のメイコ。
「私はミクとは全然違うけどさ」
その表情がゆっくりと近づいてきて…
「今晩、レンの望む彼女になったげるから」
サード、いやフォースか。4度目のキスはメイコの優しさに満ちていた。
ゆっくりと、ねっとりとお互い絡ませあう。その艶かしさに耐えられない股間が激しく自己出張し始めると、それに気付いたメイコがそっとフォローする。
「んっ!」
ピクッとしてしまう。あくまで添える程度の手の動きなのに、再びあっという間に高められていくような感さえある。
「もっかい出す?」
どうしよ。身体的には早く射精したがってるけど、さすがに前段階で2回は…
「ううん、次はメイコの中に出したいから」
「ん、分かった」
メイコは手を離し、代わりに俺の手を自分の大きめな胸へと誘導していく。
491名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 13:37:46 ID:yqIXIHvi
「優しく撫でるように、ね」
「ん」
再び舌で挨拶しながら、左手でメイコの右胸をしっかりと掴む。
柔らかさと張りとが兼ねあった絶妙の手応え。あ、いいなこれ。
「そう、ソフトにお願いね」
息継ぎで顔が離れた隙に念を押され、再び舌での相互愛撫が続く。
俺は右手もメイコの左胸へと持っていき、両手でメイコのセックスアピールを蹂躙していく。
「んっ」
ぴくっと反応するメイコ。俺の親指が先端に触れたからだ。
そこは弾く事ができそうなくらいの硬度を備え始めていた。
「っは」
何度目かの息継ぎで顔を離した際、俺は軽くお願いしてみた。
「ねぇ、吸ってもいい?」
「ん、お願い」
もっとキスもしていたいけど、それ以上にこの硬化した突起を口に含みたい衝動が抑えきれない。
とはいえどんな吸い方がいいのか分からない。とりあえずジュースをストローで飲むような感じで、
「んっ!」
かすかにメイコが喘いだ。
今度は唇で挟むようにしてみる。
「あ、ん」
吐息が艶かしい感じがした。
その状態で更に舌先でつついてみる。
「あんっ」
今度ははっきりと聞き取れた。
俺は口で乳首を責め続けつつも、右手は周りをもみ続け、左手でもう片方の先端をそっと摘む。
「あんっ、あ、やぁ」
目線だけ上に向けると、メイコの表情は初めて見るそれだった。
「ふふっ、レンって素質あるわよ」
「ありがと」
左親指の腹で先端を撫で回すと、傍目にも分かるくらい痙攣した。
「あはっ、やばいかも。レンにおっぱいだけでイカされちゃうかも」
本音かリップサービスかは分からないけど、そう言われると嬉しくなる。
「別にいいよ。俺もさっき出したし、今度はメイコの番」
「ん、でも、それもいいけど」
そういって再びメイコが俺のにそっと手を伸ばしてきた。完全に硬度は射精前の頃に戻っている。
「レンも限界だろうし、私もこの硬いの欲しいかな、なんて」
「もういいの? 入れても」
「うん。そろそろ出したいでしょ?」
「…うん」
がっつくと萎えるかなと思って我慢してたけど、正直今すぐにでも入れたかった。
492名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 13:38:06 ID:yqIXIHvi
「遠慮しないで。夜はまだ長いんだし」
さりげなく連戦をアピールされ、益々いきり立ってしまう。何度もエッチできるんだ。そう考えるともう我慢が出来なかった。
「誘導するね。ちょっと腰引いて」
素直に従う。だけど急角度の状態を下げようとされるとちょっと痛い。
「腰自体ちょっと動かして、そう、ここ」
先端が暖かい場所に触れ、益々膨らんでしまう。先端だけなのに、水気をかなり帯びてるのが手に取るように分かる。
メイコも、本当に感じてるんだ。
また心臓が軽く痛んだ。なんなんだろう、さっきから。
「ん、このままゆっくりと突き出して」
言われるがままに沈めていく。
「あ、ちょっと違う。ん、そう、このまま」
なかなか難しい。
「んんっ!」
ちょっと焦れたせいか思わず勢いつけてしまい、ちゃんと入り口が見つかると一気に突っ込んでしまった。
「ん…、あは、凄い。本当硬いね」
しかし俺は、そんなメイコの声が入ってきてなかった。
これが、おまんこなんだ。
これがメイコの中なんだ。
その事に対する感動が第一。そして想像以上の暖かさと気持ちよさが第二。ダブルの感情で思考が完全に麻痺してしまった。
ちょっとだけ腰をひく。
「んっ!」
「はうっ!」
やばい。
やばいやばいやばい。
良すぎる。気持ちよすぎる。
これが女の人、これがセックス。
やばい。これは廃人になる。このまま永遠にセックスし続けたい。
快感が一回りしたのか射精欲は落ち着きつつある。ちょっとだけ、大きく動いてみよう。
ずちゅ、ずちゅ
「ん!」
やらしい水音が摩擦部から漏れてくる。メイコの表情も、さっきまでとは明らかに違う。
そしておまんこの感触も凄い。ちんこが進入するのを決して妨げないのに、常にピッタリと付着し続けている。そして腰を引くと名残惜しそうな抵抗を若干見せる。どんどん来て欲しい、でも離れないで。まんこが直接そう語りかけてきてるような錯覚さえ覚える。
やばい、よすぎる。一瞬潜めた射精欲がまた目覚めかけてきた。
「ねぇ、レン。遠慮しないでイッていいからね」
「う、うん。でもまだもう少しもつよ」
「遠慮しないで。だって」
そう言ってメイコは俺の上半身を抱き寄せ、耳元でそっと続けた。
「私がもうイッちゃいそうなんだもん…」
その甘えた声が、俺の全てを破壊した。
493名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 13:38:29 ID:yqIXIHvi
「あっ、んんっ、や、はげしい!」
タガが外れ、ガムシャラにメイコを突いていた。
何度も抜けてしまい、その度に入れるのに戸惑い、でも激しく突くのは止められない。
「待って、私が上になるから」
スムーズさに欠けるのに痺れを切らしたメイコに従う。できもしないのにガンガン突いて馬鹿みたいだ。
「動くのは私やるから、さっきみたくおっぱい弄って」
腰が沈んでいき、同時にぬくもりの快楽との再会。
「さっきって、こう?」
親指で先っぽをぐりぐりと。
「そうっ! それっ、すっごくいいのあんっ!」
リクに答え、人差し指と中指の側面で挟み込み、確実にターゲットを捕獲する。メイコが動いても外れないようにしっかりと挟み、気持ちきゅっと捻ってもみる。
「んんっ!」
ビクッ!
分かりやすく体が撥ねる。
「メイコ乳首感じるんだ」
「だって、どうしても回りばっかり揉まれるからんんっ!」
ああ、なるほど。大きいからどうしても胸全体に弄る側の意識も向いてしまって、他の人よりは乳首が疎かになりがちなのかも。
「じゃあどんどん乳首弄るね」
ぐりぐりぐり
きゅっきゅっ
「やぁっ、だめっ、よすぎぃ」
メイコの目も焦点が怪しくなっている。もしこの表情が全部俺に自身をつけさせる為の演技なら、メイコは歌手だけじゃなくて女優にもなれると思う。
「メイコも動いて」
「やぁ…、うん、ごめんね」
思い出したように上下すると、今度は俺が気持ちよくて手が止まってしまう。
「やぁ、止めないで。もっと乳首弄って」
「あ、ごめん」
お互い気持ちよすぎて、相手を気持ちよくする余裕がなくなっている。
「だめぇ、本当にイッちゃう。イッちゃうからぁ」
言いながらメイコが上半身をこちらに倒してくる。
「お願い。キスしながらイキたい…」
そんな表情で頼まれたら断れない。
俺は舌を差し出し、体勢的に難しくなったので手は摘む形から、手の平全体を使って先っぽを撫でつつ揉む形にシフトし、限界が近い俺も下から突き上げる。
「あぁ、やぁ、らぁめ、イッちゃう。レンの手とチンポでイカされちゃう」
息継ぎで離れた時に最後にそう言われ、ますます獣化した俺とメイコはその後無言でむさぼり続けた。
下腹がペタペタと叩き合う音、絡み合う唾液と目の前過ぎるメイコの色っぽい目、そして股間を包んで離さない至上の快感。
それらを感知しながらただただ無心に求め合い、達する時を伝える猶予すら与え合わず、メイコの中が達した証の痙攣を始めると同時、俺も飛びかけの意識の中で、メイコの中を白く穢してるのを実感していた。
494名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 13:38:53 ID:yqIXIHvi
そのまま続けてもう一回した後の小休止中。
「なあ、メイコ」
「なに?」
「良かったら、俺と付き合って欲しい」
「突きあう関係じゃなくて?」
誰がそんなオヤジめいた事言うか。
「メイコからみたら俺はガキだろうけど」
体を重ねたからなのか、メイコの事が凄く愛おしく思うようになっていた。
いや、もしかしたらキスした時から? 飲んでくれた時から?
どちらにせよ、メイコを自分のにしたいって思いがどんどん強くなってきている。
「んー、別にいいけど。失恋は早くふっきれないとね」
失恋、ねえ。
実はそこまでミクに入れ込んでたって訳でもない。ただ何となくいいなあって思ってただけで。でもカイトと付き合うってのはショックだった。よりによってそんな近くの男と、みたいな。
「もっとも、失恋云々は私にも言える事かな」
「メイコも振られたの?」
「そういうんじゃないけど、よりによってそんな近くの娘と、みたいな?」
えっ?
「負けないように私達もラヴラヴになろっか、レンきゅん」
買い物行こっか、みたいなノリでメイコが聞いてくる。
「2つだけ、修正したいかな」
「2つ?」
「メイコと付き合いたいけど、別にあいつらへのあてつけにする気はない」
それとは関係なく、俺はメイコと愛し合いたい。
「…そうね、ごめんね」
詫びるような寂しい笑顔。
「それと、レンきゅんはやめてくれ。ガキ扱いにしても酷ぇ」
「あはは、そうね」
今度は誤魔化すような笑顔。
「子供じゃなかったの、よぉく分かったもんね」
「あっ」
大人の証をタッチされる。そんな事されたらまた…
「もいちど、したいな。駄目?」
「…大人の女ってエロいなあ」
「嫌い?」
愚問を。
「夜は長いんだろ?」
休憩は十分だ。
「アイツには無い若さを存分に教えてやるよ」
「じゃあ私もあのコには無いテクニックで悦ばせてあげるわね」
それを最後に再び会話のスキンシップが途切れ、代わりに舌でのスキンシップが再開した。
495名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 13:40:16 ID:yqIXIHvi
終わりです。何度も分けてしまってすまんかったです。

>>478 俺でよければ近い内に
496名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 13:40:34 ID:vFYGEmbh
カプ注意書きかスレタイに入れてよ
497名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 14:42:31 ID:JAw+TMH7
ネルかわええ
GJ
498名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 15:00:03 ID:A+2iion1
>>489
たこ焼き半分ことか
ネルかわいいよネル

>>495
レンメイGJ
この2人はなんだかアダルティになるな
499名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 15:29:20 ID:IzFEQN5G
>>488
テンプレに弱音ハクと亞北ネル何それおいしいの?(´・ω・`)って人の為に参考動画貼れば良いと思う。
500名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 15:35:47 ID:IzFEQN5G
MEIKOとレンのデュエットって何があるっけ?
501石ころ:2008/04/20(日) 15:37:35 ID:IzFEQN5G
502名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 15:38:28 ID:gADuk5N2
ふぉつね
あとオリジナルが1曲あった気がする

というかレン自体リン以外のデュエットが少ない
503名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 16:01:34 ID:rkVo064g
レンのリン以外とのデュエットと聞いて夢みることりを思い浮べるのは俺だけだろーな
504名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 16:20:01 ID:8KkGzqCZ
【MEIKO&鏡音レン】マーガリンとトースト【オリジナル】‐ニコニコ動画(SP1)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2838022

初音ミクと鏡音レンで「恋は戦争」を歌わせてみた‐ニコニコ動画(SP1)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2568016
505名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 18:06:06 ID:lPuyUv0z
506名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 19:00:52 ID:kNlpdzAt
>>503
あれ?夢みることりってミクとリンのデュエット曲じゃなかったっけ?
507名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 19:44:32 ID:1VWe7VHV
>>506
レンとKAITOのカバー版がある。
KAITOの低音域がはいるせいか、しっとりしててオリジナル版より好きだ。
…動画はアレだけどなw
508名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 21:17:33 ID:kNlpdzAt
>>507
サンクス。あとで聞いてみるよ、カバー版。
509名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 23:54:44 ID:NHmvDX6A
>>495
心底期待して待ってます
510レン×リン 「カモミールバスルーム」:2008/04/21(月) 03:49:08 ID:2+rMcBWj

 「あー気持ちいい〜」
 
 肩までお湯につかると全身が内から熱くなっていく。水滴が一滴、天井
から落ちて鼻に当たった。それすらも熱っぽい体には丁度いい。
 薄く緑色に色づき、気持ちのいい檜の香りがする湯が体と心をリラック
スさせてくれる。「風呂」という文化を作った日本人をこの時ばかりは心
から尊敬する。本当、まじノーベル賞ものだと思う。
 レンは一度両手で湯を掬い取ると、それで勢いよく顔をこすった。
 
 湯が目に入らないぬように手で水を弾きながら横目で風呂に備え付けら
れているテレビを確認する。時刻は6時20分、まだまだ夕方のニュース
の時間帯だ。またどっかの企業だか政治だかの悪行がばれたらしく、頭の
はげた親父たちがそろって頭を下げているのが見えた。
 それもあと40分もすれば終わる。そして彼の入浴時間はそんなには長
くない。これなら7時に放送されるドラマの視聴には十分間に合うだろう
。本当はこのまま風呂場で見てもいいのだが、食事がある上に後がつかえ
てしまう。おまけにのぼせてしまう可能性も否めないのでやめておくので
ある。
 風呂あがった後はどうしようか。今日の夕飯担当はカイ兄だからおやつ
にアイスでるよな。絶対。んで夕飯食べながらドラマ見て、それが終わっ
たら・・・あ、そういえばビート系の曲1本届いてたんだ。あれも聞かな
きゃ。
 
 湯船につかりながら黙々と今日の予定を立てるレンの耳に、がたがたと
騒がしい音が聞こえた。どうやら誰かが洗濯機を回しているらしい。
 家の水周りはこの近くに集まっていて、風呂のすぐ近くに洗濯機と洗面
台がある。広さはそれなりにあるのだが、朝の通勤ラッシュ時には場所の
取り合い戦争になるのがこの家の日常である。
 こんな時間に洗濯機を回すのは珍しい、とぼんやり考えていると、突然
ガラッと風呂のドアが開けられた。瞬間、レンは固まる。
 
 「レンー入るよー」
 「・・・は?リン・・・・?」
511レン×リン 「カモミールバスルーム」:2008/04/21(月) 03:49:31 ID:2+rMcBWj
 
 入るよってなんだ入るよって。お前もう入ってんじゃないか。っていう
か何でリン?リンって女の子だよな。女の子って俺と違うんだよな。だっ
て全身にタオル巻いてるし。俺はそんなのしねえもん。今だってなんにも
腰にまいてな・・・・ってあれ?
 
 「うわあああああああああああ!!何してんだよリン!!」
 
 頭の上においておいたタオルをあわてて湯船にいれ、レンは股間をそれ
で隠す。このさいマナー違反なんて気にする暇もない。
 慌てふためくレンとは対照的に、リンはケロッとした表情で何の気もな
いし平然と言い放った。
 
 「だって7時から見たいテレビあるんだもん。その前にお風呂入っちゃ
いたかったからさー。まぁいいじゃん」
 「よくねぇよ!早く出てけ!アホリン!」
 「そんな事言ってももう服は洗濯機の中だし、リンは湯船に入っちゃう
もーん。ほら入っちゃいましたー」
 
 言ってるそばから湯船へと強引に押し入ってくる。拝啓マスター様、僕
の思い人は多少、いやかなり変わっていたようです。
 少し大きめの湯船とはいえ、今まで一人でのんびりと浸かっていた湯船
に二人が入ると狭いものがある。レンは伸ばしていた足を折りたたみ、体
育座りのような格好でリンから距離をとろうと後退してみたが、背中はす
ぐに湯船のふちについてしまった。
 その状態のまましばらく二人は睨み合ったが、こうなったリンは引かな
いと知っているレンが先に折れた。心底呆れたようにため息を吐くと、レ
ンはもたれかかる様にふちに体を預けた。
 
 「信じらんねぇ・・・女じゃないな・・・」
 「どーゆーことー?」
 「普通入ってこないだろ・・・それに」
 
 ため息と共に吐き出された言葉に、リンが噛み付く。レンはちらりとリ
ンに視線を移した後、ボソリと呟いた。
 
 「胸ねぇし」
 「んなっ!失礼な!!」
 
 急に立ち上がるリンの迫力に湯船が波立つ。思いっきりとばっちりの水
飛沫を顔面に受け、レンは渋い顔をした。真実を言ってなにが悪いとその
目が語る。
 実際、見比べる対象がミクやメイコしかいないレンにとってリンが持つ
一般的な女としての魅力はほぼないに等しい。まぁそんな所も好きなのだ
が。
 
 「このナイスボディのどこに文句があるのよ!」
 「お前・・・『鏡』がなんであるのか、その理由しってる・・・?」
 
 レンの発言にリンが言葉を詰まらせる。どうやら本人も気にしているこ
とではあるらしかった。急にしおらしくなって湯船に戻っていく。リンは
しばしば自分の胸とレンの顔を見比べながら、何かを考えているようだっ
た。その次に飛び出してくる提案が先ほど以上にレンを驚かせるとはまだ
思いもしない。
512レン×リン 「カモミールバスルーム」:2008/04/21(月) 03:50:02 ID:2+rMcBWj
 
 「ねぇ・・・・レン」
 「なに?」
 「胸・・・・・揉んでくれない?」
 
 ゴンッっとタイル壁に頭を打ち付ける。あまりの驚きに、痛みは殆ど感
じなかった。数秒送れてようやく神経から脳へ衝撃が伝わってくる。
 
 「は?・・・いや、リン・・・はぁ!?」
 「だって・・・揉んでもらったり気持ちいいと大きくなるって言うし」
 
 いや、確かにそんな話もあるが。
 
 「第一・・・揉むところあるのかよ」
 「あのね・・・それぐらいはあるよ!ほら」
 
 僅かだった隙間をリンが縮める。それにひるみ、レンは距離を置くべく
後退しようとしたが、体はそれ以上後ろには進めなかった。行き場を無く
していたレンの左手がもぎ取られ、手がリンの胸にそえられる。バスタオ
ル越しでもわかる、自分にはない柔らかさと僅かに存在を主張する膨らみ
に高揚していたレンの頬がますます赤くなった。
 一方、リンの方も羞恥心からか頬が薄く染まり始めていた。レンとは目
を合わせようとはせず、どこか曖昧な眼差しが遠慮がちに宙を泳いでいる
。普段は見かけることのないリンの表情に、レンの中に眠る悪戯心が何事
かを呟いた。
 
 「タオル越しじゃわからないんだけど・・・」
 「う・・・ちょ、直接でもいいよ!」
 
 はんばヤケクソのような発言だ。勢いよく啖呵をきった割には微かに肩
が震えているのを、レンは見逃さなかった。
 ゆっくりとバスタオルをはずして行くとやはり自分とは違う体が目の前
に現れる。ゆったりとした曲線を描くラインは女性への変わり目なのだろ
う。こうして自分と比べてみると、結構胸があるように見えるのだから実
に不思議なものである。
 丁度手のひらに収まるサイズのそれを包み込むように触ってみると、ピ
クリとリンの睫が震えた。
 今までカイ兄に所謂AVやエロ本見せられ、存在を知ってはいたのだが。
 
 (柔らか・・・)
 
 触ってみるとよくわかる、男の自分にはない女性特有の柔らかさ。同じ
人間なのにこうも違うのかとある意味関心もする。上下左右、どこから触
っても平等に柔らかく動くたびに共に揺れる薄紅色の乳首が胸の大きさに
似合わぬ官能さを醸し出しレンの喉を鳴らした。
 画面を通してみる女よりも、リンの肌はきれいな桜色に染まり怪しげな
雰囲気を醸し出していて色っぽかった。いうなれば処女の雰囲気。処女の
色気。
 湯船に落ちたタオルを小さな手で握り締め、焦点が定まらずか弱く揺れ
る瞳はカイ兄に散々見せられた女優たちにはないものだ。薄く開けられた
唇から漏れ出る息は艶かしく、湿っぽい。
 天井から、水滴が一滴、湯船へと落ちた。
513レン×リン 「カモミールバスルーム」:2008/04/21(月) 03:51:03 ID:2+rMcBWj
 
 「や・・あ、ん・・・」
 
 淡々とニュースを告げるだけのテレビの音に混じって聞こえたリンの喘
ぎ声に、レンは現実に引き戻される
 
 「あ、ごめ、痛かった・・・?」
 「ちが・・・痛いとか、じゃなくて・・・あ、はぁん」
 
 静電気に似たような、痺れる様な感覚を生み出すレンの指先にリンは翻
弄され、声を出すまいと絶えるリンの姿にレンが翻弄される。指の力に軽
く強弱をつけるだけで面白いぐらいに反応する。レンの肩に置かれたリン
の手が快楽に酔いしれる毎に「もっと」とレンに訴えるようだった。それ
に夢中になって初めて触る感触をレンは楽しむ。
 薄緑色のお湯の中で淫らに揺れる肢体は、とても綺麗だと思った。
 
 「ひぅ!レンなにやって・・・・やぁ!」
 「あんま暴れんなって・・・」
 
 細い背中を引き寄せお湯からリンを少しだけ浮かせるように持ち上げる
。浮力も手伝ってか、案外簡単にリンの体は持ち上がり、腕に負担もなか
った。目の前に曝け出された丸出しの胸に、舌を這わせる。
 
 「あ・・・はっ・・・あぁっ」
 
 乳輪にそって舌を這わし、乳首の部分を緩く噛めばリンの肩が震えた。
檜の香りしかしないはずなのに、リンからは甘い香りがしたような気がし
た。
 
 「気持ちいい?リン」
 「わ、分から、ない・・・はっ、なんか体中がじんじんして、ん!」
 「ふーん」
 
 ここらへんまでは、確か無理やり風呂に入ってきた復讐のつもりだった
のだと、後に彼は弁明していた。
 
 「んじゃ、もう少しだけ気持ちよくしてあげるよ」
 「あ、やっ・・・!」
 
 腰骨あたりに引っかかっていたバスタオルを引っ張り上げ、リンの手が
届かないところへ転がす。露になった秘部に人差し指を這わせるとそこは
明らかにお湯ではないなにかでぬかるんでいた。
 
 「あー・・・濡れてるよ、リン」
 「そ・・・れは、お風呂に!はっん、入ってるから・・・」
 「分かってるくせにー」
 
 意地悪いなーとは自覚している。けれど、普段はあまりない状況条件で
リンの悔しそうな、切なそうな表情をみるとやはり男としての何かが自分
の中で疼いているのだとレンは確信した。口元のにやけが、何故かとまら
ない。
 それと、もう二つだけ確信する事実がある。
 
 「こんな姿誰にも見せちゃだめだよー、リン」 
 「なに言って・・・あ、やぁ」
 
 自分が思っていた以上に相方は官能的で、自分は思っていた以上に独占
欲が強いらしい。
514レン×リン 「カモミールバスルーム」:2008/04/21(月) 03:51:34 ID:2+rMcBWj
 
 所有印を押すようにきつめに薄桃色の肌を吸い上げる。くっきりと咲い
た薔薇色のキスマークはリンの肌に良く映えていた。赤い舌でキスマーク
の上から肌を舐めると、ほんのり甘い味がした。
 
 「ねぇ、リン」
 「や、・・・あん、な・・・に?ふぁ・・・」
 「キス、していい?」
 
 呼吸を整えさせるためにレンが手を止めると、リンの秘部が切なそうに
疼いた。口元から漏れ出る息は艶かしくどうして手を止めるのかと言いた
げな瞳がレンをじっと見つめた。
 
 「え・・・?」
 「キス、したいんだけど。いいの?ダメならダメって言っていいから」
 
 多分、これは交渉に近いんじゃないかと思う。ダメだと言った瞬間この
行為自体も終わりを告げるのだろう、けれど了承した時からきっと最後ま
で進むことが簡単に予測できた。
 いまやリンの体は換気扇から吹く僅かな風にも反応するほど高まってい
て、この熱をどうにかしたいと今はそれしか考えていない。しっとりと濡
れそぼった膣からは薄白い愛液が湯船に混ざっているのが見えた。
 是も日もない。答なんか最初から決まっているのだ。
 リンは返事代わりにゆっくり目を瞑ると、手を伸ばしてレンの頭を引き
寄せその唇に自分のそれを落とした。
 
 くちゅり、と舌が絡まる音がした。
 
 「うんっ・・・ふっ、ふぁ・・・ん」
 
 レンは自分の中で何かが外れた事に気がついた。多分これは愛情とか欲
情とか今までリンに持っていてけれど、決して表に出していなかった感情
の渦。予定とは全然違う順番で進んでいく行為に戸惑いを覚えながら、も
う片方では貪欲にリンを求め始めている自分がいた。
 中指をゆっくりとリンの中に入れるとやんわりと締め付けられる。生理
的に流れているのだろう涙が頬を伝って湯船に落ち、そこから波紋が広が
っていくのが見えた。湯船にぼんやりと映し出されるリンの姿にレンの中
で「雄」が立ち上り始めた。
515レン×リン 「カモミールバスルーム」:2008/04/21(月) 03:52:07 ID:2+rMcBWj
 
 「あ・・・はぁ、レ・・・ン」
 「リン可愛い・・・もっと声聞かせて」
 「んあっ・・・はっ、ああん!」
 
 入り口付近から一気に奥まで指を突き入れる。すんなりとは行かなかっ
たがゆるい抵抗も難なく押しのけてレンは中を探った。これは確かに神秘
的な感覚である。一体中の構造がどうなっているのか。柔らかい壁がきゅ
うきゅうと包み込む感覚が気持ちいい。
 唇の横にキスをするとリンの肩が震えた。それにあわせて二本目の指が
リンの中に押し入ってくる。
 生まれて初めて他人に触れられた秘部から押し寄せる快感と異物感がリ
ンの頭では入り混じる。現状を受け止められるほどしっかりとした意識は
なく、リンはひたすらレンを求めた。
 膣の中からゆっくりとレンの指が引き抜かれ、次に当てられたものに一
瞬リンの背中が反応した。
 
 「あ・・・レ、レン・・・?」 
 「・・・・えっと・・・」
 「これ・・・」
 「い、嫌?」
 
 押し付けられる熱が熱い。その熱の持ち主は自分以上に混乱してるらし
かった。これから最後まで終わらない行為への恐怖と不安と、少しの喜び
から震えるレンの頬をリンがゆっくりと包み込んだ。
 漏れ出る笑顔は「相方」でも「姉」のものでもない。リンは悪戯っぽい
目で笑いながら「恋人」の笑顔を浮かべた。
 
 「レンじゃ・・・な、きゃ嫌なの・・・レン、がいい」
 「・・・・リン」
 「・・・ね?」
 
 本当、バカだなぁ御互いに――――。
 自分で言うのもなんだが、あえて言っておこうと思う。この一言の先に
あるのは僅かながらの幸福と罪悪感、それから壊れる兄弟愛。
 
 「途中でやめろっていっても、やめねぇぞ・・・」
 「ん、いーよ・・・」
 
 そういえばアダムとイブも一応兄弟みたいなもんなんだよなぁ、とぼん
やり思った。 
 
 「んうッ・・・!!」
 
 レンの分身がずんっと押し入ってくる。体の震えが止まらずにビクビク
と全身が波をうつような感じがした。
 
 「・・・あぁっ、んっ・・・あうっ」
 
 リンが快感を感じ、体を震わせる度にゆっくりとレンが締め付けられ、
同時にレンに快楽をもたらした。慣れない律動のはずなのに、体が分かる
のか本能が動かすのか、レンの意思とはどこか無関係に腰がグラインドす
る。
516レン×リン 「カモミールバスルーム」:2008/04/21(月) 03:53:49 ID:2+rMcBWj
 
 「んんっ、う、あぁぁああ!」
 
 一際深くリンの中に進んでいくと、ずぶずぶと際限なく飲み込まれてい
きそうな感覚を覚える。不思議と恐れは感じなかった。びくびくと震え、
今にも逃げ出しそうなリンの腰を掴み、レンは尚一層腰を押し付けた。
 目の前に突き出されるリンの胸を舌で舐め上げ、乳首を緩く噛むと、心
地いい締め付けと浮遊感がレンをとりまいた。
 
 「あっ・・・あ・・・あっ」

 ガタガタと洗濯機の音が聞こえる。ガヤガヤとバステレビから漏れる音
が聞こえる。それよりもはっきりと、リンの喘ぐ声がバスルーム全体に響
き渡ってレンの何かを刺激した。
 
 「はぁ・・は、んっ!」
 
 性急な口付けを受け止めてくれる体は、酷く熱っぽい。
 
 「ふっ、んんッ・・・ん!」
 
 腰を動かす度に湯船がざぶざぶと波打つ。ぬるくなり掛けていたお湯が
体にあたると気持ちが良かった。膣のなかに幾分か御湯が入り込んだのか
リンの中で水がゆれる。それを抜き出すためにぎりぎりまで引き抜いてか
らもう一度一気に突き上げた。仰け反った白いうなじを吸い上げる。咲き
ほこる紅い花に口が釣りあがった。
 
 「あ、あぁぁ!レン、レンレン!」
 「やっべぇ・・・リンめっちゃ気持ちい、とまんね、っ・・・!」
 「レ・・・うぁ・・ぁん」
 
 今までとは違って根元から締め付けられる感覚にレンの顔が歪む。御互
いにもう直ぐこの行為が終焉を迎えるのだと意図せずに体が反応した。
 
 「ごめ・・・リン、でる・・・!」
 「あ、あ、あぁぁぁ!ふっ・・・あ」
 
 全身が雷に打たれたようににびりびりと震えながらレンが吐き出した欲
をリンは精一杯受け止めた。
 体が上せたように熱い、ふらふらと上手く動かない頭は重く、リンはレ
ンにもたれかかるようにゆっくりと体を倒した。
 
 洗濯機が完了を知らせる時に鳴らす音と、バステレビがなにかのニュー
スを読み上げる声が聞こえた――――。
517レン×リン 「カモミールバスルーム」:2008/04/21(月) 03:54:14 ID:2+rMcBWj
 
 「で、結局胸って大きくなるの?」
 「俺に言われても・・・」
 
 それじゃあ話が違うとばかりにリンがレンを睨みつける。7時をゆうに
過ぎてしまい、見たいテレビは結局みれず夕飯は自己責任で自分で作る事
になってしまった。それがハウスルールなのだから仕方ないと言えばそう
なのだが。
 
 「あのテレビ・・・見たかったんだからね」
 「だからそれは悪かったって・・・」
 
 バツが悪そうにレンが顔を歪める。あれから結局御湯を入れなおし、今
度は桜の香りがする薄桃色に色づいた湯船で、レンはリンを抱きかかえる
ように向かい合いながら湯船に使っていた。ぬるめの御湯は、長湯するに
は丁度いい。
 
 「見た感じ大きくなってない気がする・・・」
 「そりゃあ一朝一夕で変わるもんじゃないだろうから・・・持続するの
が大切なんじゃないの?」
 「・・・ってことは、またするの?」
 
 少し目線を泳がせた後、ぼそりとレンが呟く。
 
 「そりゃあ・・・リンが望むんなら俺は構わないけど」
 「ふーん・・・」
 
 納得のいかないと言う表情。しかしこれ以上何を言えというのか、今の
レンには見当もつかない。
 濡れた手で髪の毛を触ればさらりとした感触が伝わってきた。ただ今は
愛しいとしか言いようのない存在は、自分に何を求めているのか。 
 
 「で、鏡音レン君、私に言う事があるんじゃない?」
 「いや・・・これ以上何を言えと・・・」
 「順番が逆になっただけでしょ?ちゃーんと言ってくれなきゃ、ね?」
 
 悪戯っぽく笑う顔はどの表情だろうか。「相方」?「友人」?「兄弟」
?どれにも当てはまらない新しい二人の関係を示すもの。それで気がつい
た。言わなくちゃいけない言葉は、たった二文字なのに唇が重たくて動か
ない。 
 あーでもないこーでもない、と自分の中で格闘して、ようやくレンは口
を開いた。
 
 「・・・・リン、好き。愛している」
 「はい、よく出来ました」
 
 愛しい人にはどうにも適わない。それは兄弟そろって同じらしい、と兄
貴分のカイトを少しだけ不憫に思う。
 このあと風呂をあがったら体を拭いて洗濯物を干して、それから夕飯と
おやつのアイスを食べながら録画したドラマでもみようか。なんて話し合
いながら二人はゆっくりキスをした。
 
 時刻は午後7時30分をつげるニュースキャスターの声が聞こえる。柔
らかい御湯と愛情に包まれて、今何かが変わり始めたカモミールバスルー
ム。
518 ◆V5AVgh0yRw :2008/04/21(月) 03:57:28 ID:2+rMcBWj
どうもこんにちは。鏡世界の人です。
友人が鏡世界連載データーが入っていたUSBを 踏 み 壊 し た ので
遅れます報告&お詫びとしてレンリンのエロ書きました。
「鏡世界」のほうお待ちの皆様には本当にお待たせして申し訳ありません。
私生活も忙しいっていうのに・・・友人め!

カモミールバスルームより短い短編をもう一本書きかけているので、
それも近いうちに上げさせて頂きます。
ではでは。
519名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 04:02:28 ID:1J/wlUlW
ちょっとその友人を踏み壊してくる
520名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 07:23:12 ID:f4TxXyuO
うおお鏡世界が遅れるのは残念だがGJ!
でも半ばの読みは、なかばだからなw
521名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 08:59:54 ID:fOujfXGH
レンリン(*´д`)ハァハァ
522名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 09:28:56 ID:AU5F2XcQ
姉弟ものに興奮を覚える俺はメイカイ・リンレンは神の世界
523名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 11:35:31 ID:lBgG2Rtj
レンリンいいよレンリン。GJGJ!!
リン可愛いな。

さりげなくカイトがレンにエロ教授しているのがワロタw
524ネル×マスター:2008/04/21(月) 16:06:08 ID:ujwaqL2N
はたしてネルに需要はあるのか?
そんな事を考えながらも、今日もネルが可愛すぎるので3レス投下します
525ネル×マスター:2008/04/21(月) 16:07:10 ID:ujwaqL2N
>>487

「マ、マスター! 大変だ! こっちに食べ物がいっぱいあるぞ!!」
まるで宝の山でも発見したように、お弁当コーナーにて一人で騒ぐネル。
どうやらそれらが食べ物である事は認知しているらしい。
「そりゃコンビニなんだから、たくさん食べ物が売ってて当然だよ。さぁ、ケーキはこっちに……って、こら!」
「な、なんだよ、いきなり!」
なんだよって、それはこっちのセリフだ……ネルはその場で弁当を開けようとしていたのだから。
しかし知らなかったものは仕方無い。とりあえず、購入してからじゃないと食べれない事を告げると、
ネルはそのハンバーグ弁当を持って駆け寄ってきた。

「じゃあマスター、これ買ってくれ」
「買ってくれって……まだ食べるのか? って言うか、それハンバーグだぞ?」
「うん、知ってる。ハンバーグだ」
あぁ、やっぱり気にいってたんだ……でもそんなに食べさせて大丈夫なのか?
人間じゃないんだから、食べすぎて壊れたりしたら大変だ。ここは心を鬼にして……
「食べすぎは良くないよ。我慢しなさい」
「そんなぁ……」
ネルは悲しそうな表情でこちらを見つめる。
「や……やめろ、そんな目でこっちを見ないでくれ。これじゃあまるでオレが悪者じゃないか」

ネルは身長が小さい、それゆえに意識してなくても、こちらを見つめると自然に上目遣いになる。
なんて言うか……これの上目遣いはずるい。
「……うーん……わかったよ、そのかわり明日のお昼御飯だからな」
それを聞くと、ネルはニカッと笑い、
「さっすがあたしのマスター!」
と言って、弁当をカゴに入れてデザートコーナーを通り過ぎ、お菓子売り場に行ってしまった。
両手いっぱいに持てるだけお菓子を持って、こちらへ走ってくるネルを見て先が思いやられる。

帰り道、ケーキを買いにきただけのオレの手には大きな袋が二つもあり、その中身はすべて食料品。
結局ネルのあの目に負けて、持ってくる物すべて買ってしまった。
コンビニで5000円近く使ったのなんて初めてだ。

「ネル、こんな買い物……本当に今回だけだからな」
「わかってるって♪」
そう答えたものの、上機嫌でクルクル回りながら前を歩くネルを見ていると、
もう頭のなかは食べる事だけと言った感じで、どうにもその言葉が信用できない。
「あのなぁ……5000円稼ごうと思ったらどれだけ働ら……」

――――ちゅっ♪

その音と同時に右の頬に触れる髪と、柔らかい感触。
驚いてそちらを振り向くと、ついさっきまで前を歩いていたネルの顔がすぐそこにあり、
「お金の事はよく分からないけどさ、あたしのキスなら5000円以上の価値はあるだろ?」
と言って笑顔を浮かべて、再び前をクルクルと回りながら走り始めた。

どうして犬もコンビニもお金も知らないネルが、こんな女の技みたいな事を知っているのか、
けしからん、実にけしからん!……と思いながら、オレは家に着くまでずっとドキドキしていた。
526ネル×マスター:2008/04/21(月) 16:07:36 ID:ujwaqL2N
家に着くと宴会でも始める様に、ネルは机の上に買って来たものを並べて、嬉しそうに拍手している。
「さぁー、どれから食べようかなぁー♪」
ネルが迷っているうちに、オレはその中からハンバーグ弁当を取り、台所の棚上に置く。
このままでは今夜中に食べられてしまいそうだし……ここに置いておけばひとまずネルの手は届かない。

「あぁー! あたしのハンバーグ返せよー!」
「ダーメーだ、明日会社に行く時まではあそこに置いておく」
ネルはしばらくブーブー文句を言っていたが、しばらくすると他のお菓子等を必死に食べていた。

「そんなに食べると太っちゃうぞ?」
「大丈夫だよ、あたしは成長期なんだから。いっぱい食べて、身長も胸も大きくなって……そしたらマスターは欲情しちゃうかもな」
「そうか、まぁ期待せずに待ってるよ。それじゃあオレは風呂に入ってくるから」
適当にネルの話を聞き流し、オレが風呂に入って20分後くらいに出てくると、そこにはお菓子が無残にも食い散らかされた机と、
その横で満足げに横たわるネルの姿があった。

「もぉー、食べれない」
そりゃそうだ、買ってきたお菓子の8割は食べたんだから。
このまま放っておいたらそのまま寝かねない、オレはベッドの横に布団をひいてネルに尋ねる。
「ネル、ベッドと布団どっちが良い?」
「え?……じゃあベッドで」
「そうか、ならオレは布団で寝るから。明日も早いしもう電気切るぞ」

ネルがベッドに入ったのを確認して電気を切る。
明日からまた仕事だ。ネルは一人でちゃんと留守番が出来るんだろうか?
食べ物につられやすいから、外に出たらあっという間に誘拐されてしまいそうだ。
そんな心配をしていると、背なかのあたりで何かがモゾモゾ動くのを感じる……
振り返るとネルが布団に潜り込んでいた。

「ネル? なんでこっちに?」
「……あ……っと、やっぱり布団が良かったんだよっ! 何か文句あるか!?」
「別に文句はないけど……そんなに怒らなくても、言ってくれれば変わったのに」
オレは布団をネルに譲り、開いているベッドに入る。
しかし、しばらくすると今度はベッドに潜り込んできた。

「あの、どうしたの?」
「や、……やっぱりベッドが良かったんだよ!!」
「えぇ?! …………じゃあオレは布団に……」
ネルに寝床を占拠され、渋々ベッドを後にしようとする……と、重力以外の強い力を感じる、
その中心と思われる所に目をやると、ベッドの中から伸びた手が、オレの服の裾を掴んでいた。
527ネル×マスター:2008/04/21(月) 16:08:09 ID:ujwaqL2N
「えっと……離してくれないと布団に入れないんだけど」
「…………」
布団の中でモゾモゾ動いてはいるが、返事がない。
「おーい、聞こえて……」
「マ、……マスターがどうしてもって言うなら……その、一緒に寝てやってもいいけど……」

そう言えばネルって見た目によらず怖がりだったし、
もしかしたら一人で寝るのが怖いのかもしれない。
オレはネルの気持ちをくんで、ベッドの中へ戻った。

それにしてもネルが小さいとは言え、シングルのベッドに二人は狭すぎて眠りにくい。
「ネル、やっぱり狭くない?」
「大丈夫だよ。それにこうしてひっついてると暖かいし」
ひょっこり顔を出して答えるネル。
……いや、こうも体が密着していては気になって眠れない……ってのが本音なんだけど……それに、
いくらネルがぺったん娘とは言え、背中に僅かではあるが柔らかいものが当たっている。

「あのさ、……さすがにこんなひっつかれたら、ネルの胸が大きく無くても欲情しちゃいそうかなー……なんちゃって……」
「な゛っ……!!」
半分冗談で言ったつもりだったけど、ネルの反応を見てすぐに思った……このままでは殴られる。
それなら殴られる前になんとかフォローを……

「えっ、いや……ほら、ネルって胸なんて無くても、顔がすごく可愛いから!」
「な……なな、なんのつもりだよ……いきなりそんな事言われても……その、困るって言うか……」
あれ?なんだこの予想外の反応……ネルは喋りながら、再びベッドに潜り込んでしまった。
でも、これはこれで、からかい甲斐があって面白そうだ。
せっかくなので、もう少しだけからかってみる事にする。

掛け布団を捲り、ネルの顔を覗き込む。頭から煙が上がりそうなくらい顔を真っ赤にしている。
「ヤッ……やめろっ! なんだよ、もう! こっち見るな!」
「恥ずかしがってるネルも可愛いよ」
その言葉を聞いて、目をまん丸にして何か言いたそうな顔で足をジタバタし始める。よほど恥ずかしかったようだ。
「ネルは本当に可愛う゛ぇ…………」

今日会って何回目だろう……目の前のネルの顔が霞む。みぞおちには拳が……
「あっ、あんまり可愛いとか言うなよ! は……恥ずかしいだろ…………ん? マスター? マスター?!」
あぁ、恥ずかしくてつい殴っちゃったのか。薄れゆく意識の中、ネルが何かを言っていたような気がする。
でも良かったんだ。これで何も気にせず眠りにつけるんだから……
オレはそのまま、気を失うように眠った。……いや、眠る様に気を失った。
528名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 16:09:52 ID:ujwaqL2N
亀レスで申し訳ないですけど
>>518
G乙!朝からおっきした
529名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 16:55:02 ID:jkdD2CTE
GJ!ネルかわいすぎたろ。ニヤニヤがとまらねぇ。
530名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 17:59:04 ID:Lzym0PaR
531名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 20:59:48 ID:opAZpV5w
MEIKOの「はみがきじょうずかな」を聞いてて、
MEIKOに歯を磨いてもらうショタKAITOを妄想してしまった俺は
いったいどこへ向かえばいいんだ・・・っ
532名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 21:30:47 ID:KFly3uWG
>>531
綺麗事はいらない
要は書けばいいのさ
もう誰にも止められたりはしないよ
533名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 21:54:29 ID:jCI7csvV
>>531
想像したら萌えてしまった
当然書いてくれるんだよな?待ってるぜ
534名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 22:06:17 ID:fOujfXGH
まだここには貼られてなかったみたいなので
http://www.nicovideo.jp/watch/nm3040083

カイメイが実は双子(?)だったって衝撃の事実が明らかになったぞ
535名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 22:34:00 ID:wibFHHhW
ネルがかわいすぎてGJ過ぎる。
俺のGJレーダーがGJ過ぎて一度リビドーを放出しぐんにゃりしたあげく再度GJを検出して昇り上がるほどのGJを撒き散らし、やがて一面花畑になるほどのGJです。
536名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 22:51:24 ID:lBgG2Rtj
>>534
同じPCにインストールされて、久しぶりだね元気だった?
なんて挨拶している年長組を想像した
537名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 23:05:19 ID:jCI7csvV
>>534
見てみた。なんか鳥肌たった。このころから一緒なのな。

>>535
おまw
538名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 23:55:44 ID:M2qarHKH
>>495
遅レスになったがGJ!
いやあエロかった
レンメイもいいもんだな
539名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 00:32:25 ID:1vXRXUeF
>>519
これを使え!

つ【ロードローラー】
540名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 00:54:14 ID:8tH7UCrS
>>527
GJすぎて足をバタバタさせちまったぜ
このネルは俺のツボすぎてヤヴァイ
541名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 01:10:19 ID:H8lPioJy
今日も悶々と眠れない夜を過ごせそうだぜ!
542名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 01:51:00 ID:NTLnOcSK
「Intentionality」の続きはまだかなあ・・・。
「メイコ×ミク×カイト」も待ってるんだけどなあ・・・。
「さくらさくら…」も待ってるんだけどな・・・。

と催促してみる。
543名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 10:41:58 ID:nXac0Ipu
ハク…いや、何でも無い
544名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 16:25:23 ID:qOquBIzN
カイメイなカイトに
メイコとアイス、どっちか選べ
と聞いてみたい
545名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 16:34:29 ID:X7e+Uwpp
>>544
KAITO『・・・うるうる・・・(涙目)』
MEIKO『悩むなーっ!』

ハク姉さんはMEIKOより男性経験豊富そうなイメージ
MEIKOは真剣な恋愛ばかりだけど
ハク姉さんは行きずりの恋愛とか多そう
そんなイメージ
546名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 16:38:33 ID:czxv7txe
>>544
カイト「ア………メ…………メイス…」
547名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 17:01:13 ID:Nty+bkr8
殴られるんですね、メイスで。
548名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 17:11:47 ID:RteG0Oan
KAITO『それじゃ崖で俺と酒がぶら下がっていたら、どっちを助ける?両方は駄目だよ』
549名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 17:32:46 ID:X7e+Uwpp
迷子『酒に決まってんだろツマンネ』
550名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 18:41:37 ID:IelSV1UD
メイコ「カイトを助けて奢らせる」
551名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 18:46:53 ID:LWfl2eZh
「お酒はいつでも飲める、だけどカイトは世界にたった一人だけ。ならば私はカイトを選ぶ!」

というメイコは駄目ですか、そうですか。
552名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 18:52:15 ID:qOquBIzN
迷わず即答するカイトってのも魅力的だよね。

カイト「めーちゃんの為なら、僕アイスが食べられなくなっても平気だよ!」
メイコ「滂沱の涙はまだしも鼻水まで垂らされてるといまいち感動できないわねぇ・・・」


カイト「ごめんめーちゃん、僕はアイスが無いと生きていけなゴシュ(ry
〜〜(あまりにもお見せできません)〜〜

>>548
メイコ「私のカイトなら落ちたって平気よね?(満面の笑みで)」
553名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 18:53:26 ID:xH340QpU
その発想は無かったわぁ
554名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 20:39:16 ID:RteG0Oan
レン「ミク姉、オレとネギが・・・」
ミク「ガシガシもきゅもきゅ」
レン「いや、何でもない・・・」
555名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 22:35:29 ID:BUVyI4U2
最初MEIKOってガチで18だと思った
556名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 22:54:42 ID:hZrBKCMN
ところでVOCALOIDって子供産むの?
557名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 22:56:13 ID:NIYCqhuE
設定によるな
書き手によって半機械なのか完全に機械なのか変わるし

まぁエロい事できるんならできてもおかしくないが
558名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 22:59:19 ID:Mxc7lE85
生みたければ梅ば良いと思うよ
559名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 23:36:45 ID:X7e+Uwpp
>>556
人それぞれ
KAITOとMEIKOの娘がミクという設定の動画とかもあるくらいだし
そこらへん好きずきで
560名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 00:29:11 ID:mRcF8VWg
「ねぇメイ姉、ちょっと相談があるの」
「ん?どしたのリン」
「あのね、レンと、保健体育で習ったのためしてみたら、生理こなくなっちゃった…コレもしかしてヤバい?」
「とりあえず二升ほど飲んでからのち話聞くわ、さぁ飲むぞ(現実逃避)」
561名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 00:42:25 ID:S86OUCK2
包茎Pこっちに書けばいいのに。
相手にされてなくてカワイソスwwwwww
562名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 01:14:16 ID:amb6OKvn
>>560
姉弟で子作りはやばいよなあ・・・。そりゃ現実逃避したくなる。

>>561
同意
563名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 03:52:53 ID:2KkUxndK
諸々の楽曲を聴くと、
同キャラを複数パート使ってハモらせたりするのが珍しくない。
これが何を示しているかと言うと、
ボーカロイドには分身能力があるという事なんだよ!

複数での攻めにメイコへの勝機を見出すカイトとか。
カイメイ・リンレンであぶれたミクが分身一人上手とか。
564名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 12:21:44 ID:s2k2LhfR
565名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 13:04:59 ID:JFyngXVP
>>563
KAITO「「「よーし、今日は分身して、めーちゃんをデリケートに好きにしちゃうぞー」」」
MEIKO「ばかね、あんたが分身出来るってことは私も分身出来るってことよ?」


MEIKO「え!?分身出来ない…どうして!!?」
KAITO「「「ふっふっふ、そう言うと思って先にめーちゃんの分身機能を押さえておいたのさ」」」
MEIKO「ひっ、卑怯者!!!!!」
KAITO「「「要は勝てばいいのさ!!!!!!」」」

566名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 14:00:18 ID:2KkUxndK
卑怯な手段を取った上で負けるのがKAITOクオリティ
567名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 15:03:08 ID:qlaFQog+
>KAITO「「「よーし、今日は分身して、めーちゃんをデリケートに好きにしちゃうぞー」」」

デリケートに好きにするってのがよく分からんな。
ちょっとSSで説明してくれんか。
568名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 15:28:21 ID:EtARupXZ
これが若さか
569名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 15:43:54 ID:Y1qik7OE
今日もネルが可愛いので3レス程いただきます
570ネル×マスター:2008/04/23(水) 15:46:33 ID:Y1qik7OE
朝、目覚ましが鳴り目が覚めると体中が痛い……おそらく全部ネルに殴られた所だ。
とは言え会社を休むわけにもいかない。なんとかボロボロの体に鞭を打って起き上がろうとする。
しかし体が動かない。なんて言うか、左半身だけが異常に重く、振り向いてみると、
そこには腕をガッチリ抱きしめて幸せそうに眠るネルの姿があった。

「はぁ……寝てる時は静かで可愛いんだけどなぁ…………」
オレはため息をつき、起こさない様にゆっくりとネルの腕の間から、自分の腕を引き抜く。
「……ぁ……んっ…………」

いや、……確かに腕の間から引き抜く際に、胸に擦れたかもしれないけど、
こういう女の子らしい反応をされると少し困る。一応オレも男なんだから。
なんとか無事起こさずに腕を引き抜き、その場で息子が落ち着くまでしばらく待機。
結局布団から出たのは10分後の事だった。

まず昨日棚の上に乗せておいたハンバーグ弁当を降ろしておく。
その後、朝食を適当にちゃっちゃと作り、テーブルに二人分の朝ご飯を並べる。
と言っても、卵焼きに昨日の味噌汁、後はベーコンを焼いただけの簡単な物だ。
出来あがったと同時に匂いにつられたのか、ネルが眠たそうに目を擦りながら現れた。

「ふぁ〜……、おはよ〜マスター。いただきます」
「おはよ……えっ?! もう食べるの?」
正確にはもう食べていた。ネルの食への執着心には驚かされる。
朝からご飯を三杯。その後にお菓子をバリバリ食べていた。
そんなネルをよそに、会社に行く支度をしていると、何やら不思議そうな顔でこちらを見ている。

「マスター、朝から何してるの? どっか行くのか?」
「まぁ平日だからね。って言っても、会社に行くだけだよ」
「はぁ?! そう言う事はもっと早く言えよな! まったく……」
そう言うとネルはお菓子を片づけ、何やらいそいそと準備をし始めた。
もしかして自分も行くつもりじゃないだろうなぁ……

「ネル? 何してるの?」
「え? 何って……会社へ行く支度に決まってるだろ」
やっぱり……。オレはネルの支度を止めて留守番をするように告げ、
ついでに食べ物いつられて誘拐されても困るので、外に出ない様にも言っておく。
しかし一日中家でいるのも暇だろうから、パソコンの使い方を教えて会社に行くことにした。
さすがVOCAROIDと言うべきか……10分程度の説明で、おおかたの使い方は分かったらしい。

そうこうしていると、時間も無くなってきたので、ネルを置いて会社へ向かう。ものすごく心配だ……
どう言う風の吹きまわしか、ネルは甲斐甲斐しく玄関まで着いて来て、オレを送り出してくれた。
571ネル×マスター:2008/04/23(水) 15:48:55 ID:Y1qik7OE
「じゃあ行ってくるけど、お弁当は12時まで食べちゃダメだからな」
「分かってるって♪」
絶対分かっていない。この顔はオレが行ったらすぐ食べるつもりの顔だ。
……まぁ半日くらい食べなくても死にはしないだろう。
「じゃあ行ってきます」
そう言って玄関を閉めようとした時、突然ネルが慌てて話しかけてきた。

「あっ、あのさっ! その……夜は危ないから、絶対に暗くなる前に帰ってくるんだぞ!」
素直に、一人でいるのが怖いって言えば可愛げがある物を……まぁ、これはこれで可愛いけど。
「うん、暗くなる前には必ず帰るよ」
「絶対だからな!!」
こうしてオレはようやく会社へ向かった。

会社に来てもネルの事ばかり考えてしまう。勝手に火を使って火事にでもなってないだろうか?
家の物をいろいろ壊して無いだろうか?そんな心配が絶えない。
夕方5時、終業のサイレンと共に会社を飛び出し、急いで家に向かう。
……っと、その前にデパートに寄って、ネルの身の回りの必需品を揃えなくては。
結局自宅マンションに到着したのは6時半、ぎりぎりセーフと言ったところか……

ふと自分の部屋のベランダに目をやると、ネルが手すりに肘をついて辺りを見渡している。
もしかして待っていてくれてるのだろうか?
「おーい、ただいまー」
とりあえず手をあげて合図してみる。しかし、ネルは気づいたと思うと、ツンとした態度ですぐに部屋に入ってしまった。
「あれ……? 何か怒ってるのかな?」
急いで家に帰ると、そこにはパソコンに向かうネルの姿があった。

「ん? あぁ、マスターか。おかえり」
「ごめん、ベランダでずっと待っててくれたの?」
「は、……はぁ? あたしはずっとパソコンしてたよ」
いったいネルは何に対して意地を張っているのだろう?
ずっとパソコンをしていたと言っているが、まだパソコンがたちあがってすらいない。
きっと、帰ってきたのを確認してから、慌ててパソコンをしていたふりをしたんだろう。
でも本人は気付かれていないつもりらしいし、ここは黙っておく事にする。

「そうだ、今日はネルにお土産を買って来たんだよ」
オレは袋の中から買って来たものを次々と取り出した。
ハブラシ・パジャマ・枕に箸、コップ……果ては下着まで。
買うのは恥ずかしかったが、さすがにこのまま生活させるのは可哀そうだし。
ネルは新しいパジャマと下着を手にとって、珍しくキャッキャッ言いながら喜んでいる。
この辺りはさすがに女の子と言うべきか……

「マスター、このパジャマとパンツすごく可愛いよ! ありがと!」
「え? あっ、あぁ、どういたしまして」
こんなに喜んでもらえるとは思ってもいなかったし、
何よりネルの口から『ありがとう』って言う言葉が出た事に驚いた。
「今日から早速これ着て寝る……って言うか、ちょっと着替えてくる!」
ネルは張り切って脱衣所へ向かった。
しかしコレだけ喜ばれると嬉しいもんだ。恥ずかしい思いをして、子供服売り場へ行って良かった。
572ネル×マスター:2008/04/23(水) 15:51:19 ID:Y1qik7OE
「マスター、見て見て!」
嬉しそうに現れたネルは上にパジャマを着て、下にはパンダの絵がプリントされた下着をつけ……
ん? 下着?
「ネル!? パジャマのズボンはどうしたんだ?!」
「えっ? あぁ、だってあれ穿いたらパンダ見えなくなっちゃうんだもん」
……そう言う問題なのか?それ以前に、最初に出会った時の恥じらいは何処へ行ったんだ?
結局ネルはズボンを穿かずにそのまま過ごし、食事までその格好で食べ始めてしまった。

「ん? マスター、食べないのか?」
「んーと、ちょっとね……」
正直食事どころじゃない。それじゃなくても、寝起きの一件以来からこう……気分的に盛り上がってしまっていると言うか、
それにプラスしてネルの格好。いくら色気が無いとは言え、目に毒すぎるよ。
朝と同様に、息子が激しく自己主張し始めてしまっている。
とにかくこのままじゃ、ネルにまで欲情しかねない。しかたない……オレは気分を落ち着かせる為、トイレに向かった。

「あれ? マスター勃起してる……のか?」
「え゛?!」
何故そんな事を……いや、確かに見たらすぐ分かるくらいに大きくなってはいるけど、
なぜネルがその言葉を知っているんだ?
「ネル、そんな言葉……どこで覚えたの?」
「どこって……一応コンピューターに基礎知識は入ってるから」

いやいや、犬もケーキもお金も入ってないのに、何で勃起が入ってるんだよ!
あっ、そう言えば、昨日も欲情がどうこうって話したな……なんだ?製造者は変態なのか?
とにかく誤魔化さないと……
「あのっ、これは……」
「あ……あたしの格好見たから……その、……勃起したのか?」
まずいな……恥ずかしそうにしている所を見ると、意味までしっかり分かってるっぽいぞ。
どうなるんだオレ……殴られて骨折とかしちゃうのか?明日会社に行けるのか?明日、生きてるのか?

「あたしが…………性欲処理……しようか?」
「……へ?」
思わず力ない返事をしてしまったオレに対し、ネルは怒ったような口調で話しを続ける。
「そのっ……勘違いするなよ! ……ただ、パジャマのお礼もしたいし……一応どうしたら良いかも分かってるから……」
「あっ、あははっ、そっか。じゃあお願いしようかなー……なんて」

笑いながら半分冗談……じゃなくて、2割冗談8割本気で言ってみた。
するとネルは、オレの前にしゃがんでゆっくりとジーンズのファスナーを降ろし、中から大きくなったソレを手に取る。
「一応知識は入ってるけど、上手く出来るかは分からないからな……」
ネルはそう言うと、いきなりソレを根元まで咥えこみ、ゆっくりと頭を動かし始めた。
573名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 15:52:33 ID:Y1qik7OE
前回コメントくれた方ありがとうございます。
>>535にはフイタwww
574名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 17:05:46 ID:2KkUxndK
えええ、なんという寸止め!
辛抱堪らんのでねるねるねのCMでハァハァしてくるノシ
575名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 20:41:11 ID:vxXdVsiT
>>572
ちょwww寸止めwww
続き気になるw
576名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 21:01:27 ID:amb6OKvn
GJ!しかしなんていう生殺し。次回をもんもんしながら待ってるぜ。

>>574
そのCMでハァハァできるのはあんたくらいだw
577名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 22:06:16 ID:2KkUxndK
>>576
え〜?
ネルをねるねるねしてやったらだんだん色が変わってきて・・・
とかそんな感じなんだが。

あれ!?もしかして俺結構特殊!?
578新作煮詰まり現実逃避:2008/04/23(水) 22:46:34 ID:P0BzmUx+
KAITOです。最近ニコニコ動画で吉幾三さんがブレイクしていますね。だもんで最近皆も影響されてるみたいです。
リンとレンはロードローラーからトラクターに愛車を変えたし、めーちゃんは「酒よ」のカバーを猛勉強中だし、ミクはすっかり農家ロイドとして仙台名物曲がりネギの生産に夢中だし。え、最後は違う?
まあそんな訳で吉イズムな僕達な訳です。
え、僕?
そうです、僕も多少影響されてて今度、吉さんの名曲「と・も・子…」の替え歌「め・い・こ…」を歌うんです。この歌で、ちょっとでもめーちゃんにアピールできたらなあ、なんてね。
だから少しでも感情込めて歌えるように、今からめーちゃんのパンティを頬ずr

「メイ姉、ミク姉の畑予定地の耕し終わったよ」
「お疲れさま」
「ところで畑の一部分が何か不自然に盛り上がってたけど」
「ああ、気にしないで。そのまま耕しちゃっていいから」
「うん、一応そうしたけど、なんか甲高い男の断末魔が聞こえた気がして」
579名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 23:13:00 ID:Xgn8g5MF
カイトぉぉぉ!
哀れすぎる、彼はただパンツに頬擦りをしようとしただけなのに。
おや、誰か来たようだ
580名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 00:56:15 ID:42oM/YnL
>>572
は、早く続きを!!
俺の・・・っ!俺のプギャーが暴走してしまう・・・!!
581名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 01:07:41 ID:7NPqPXgK
>>577
うん、かなり特殊w

ねるねるねるねと聞くと脳内でねるねるねるねのグルメレースが流れるwww
582名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 01:12:35 ID:gw8v1zyq
うまい♪うまい♪あたまがうまい♪
あったーまーがうまいうまいまい♪
色が、変わってテーレッテレー
テレレッテーテーテッテーッテー

脳内再生されたら負け
583名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 01:14:48 ID:eFHPy+/C
マスター×ネル読んでくれた方dクスです。
明日か明後日には続きを書こうと思うんですが、
その前に何故かカイ×メイの電波を受信したので2レスだけ小ネタを

584名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 01:16:40 ID:eFHPy+/C
「ん? 幻のアイス10本セット?」
それは、ある日突然届いた荷物。何かの懸賞でも当たったのかな?
カイトの奴が好きそうだからって、出した気がしなくもないけど……んー、どうだっけ?
そんな事を考えながら荷物を眺めていると、何やら青い物体が急速に近づいてくる。

「めーーちゃーーーーん!!!」
あっ、カイトだ。そう思った時にはもう、カイトは私の目の前まで来ていた。
「どうしたの? そんなに慌てて」
「はぁっ、はぁっ……あのね、なんかこっちの方からレア・アイスレーダーに反応がっ!」

恐ろしい。もう嗅ぎつけたって言うの?そもそもレア・アイスレーダーってなに?
そんな私にはお構いなしに、カイトは部屋を物色し始め、あっという間にアイスの箱を発見、
勢いよく開封しようとする。

――――ドシュッ!

とりあえず右斜め上45度からチョップをお見舞い。
「こらこら、勝手に人の荷物を開けない」
まったく、アイスの事になると見境なくなるんだから。
だいたい、その情熱を少しでも私に向けてくれればいいのに……

少しため息交じりに、期待に胸ふくらませるカイトの前で箱を開封。
中には確かにアイスが10個入っていた。
「めーちゃん、食べよっ! 食べよっ!!」
「ん? んー……どうしよっかなぁ」
まぁ、最初からカイトに全部あげるつもりなんだけど、ただあげるだけじゃつまらないし、
すこしカイトで遊んでみる事にした。

「じゃあねぇー、私の言う事ちゃんと全部出来たらアイスあげる」
「するする! 何でもするよ!」
フフッ……コレは面白いおもちゃを手に入れたわ。とりあえず最初はソフトに……
「お手」
「わんっ!」

はやっ! 何?このアイスへの執着心。……そんなに美味しいのかなこれ?
10本あるんだから、1本くらい食べて見てもいいよね?私のだし。
おもむろに箱から一つアイスを取り出し、袋を開ける。
突き刺さるようなキラキラした視線を感じつつ、一口…………うん、普通。
はたしてコレの何がカイトをここまで熱くするのか。

むしろ私は、アイスの味よりも、カイトの視線が気になっていた。
カイトがこんな目で私の事見つめるなんて…………まぁ、見てるのはアイスだけだろうけど。
585名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 01:20:03 ID:eFHPy+/C
カイトの様子をうかがいながら、もう一口。
私が口を開くと同時にカイトも口を開き、アイスを飲み込むと同時にカイトも唾を飲み込む。
なんだろう……すっごく楽しい。私の行動は徐々にエスカレートして、
口に入れたアイスをカイトに見せてみたり、目の前で食べてみたり……
その度にカイトは面白いリアクションを見せていた。

「あははっ、ほらほら、欲しかったら取ってごらん」
私はつい調子に乗って、口にアイスを入れてカイトにそう言った。
どうせ大した事は出来ない……そう思っていたから。

―――ギュッ!!

両肩を強く掴まれ、カイトの唇が近づいてくる。
「ちょっと、カ……カイ…………んっ……」
あっという間に口の中のアイスは奪われ、とけたクリームまで舐めとる様に、カイトの舌が私の口の中で動き回り、
最後の一滴まで吸い取る様に、私の舌をカイトは自分の口の中へ引き込んだ。
激し過ぎるキスに思わず体が固まってしまい、カイトが離れた後も体が動かない。

「あっ、めーちゃん。大変!」
「……へ?」
私の胸元を見て大きな声をあげるカイト。そう言えば、さっきから胸の辺りが気持ち悪い。
気になって目をやると、固まっている間にアイスが溶けて、胸の谷間を汚していた。
「うわっ……ベトベト…………って、カイト? あれ? おーぃ……」
カイトの目は完全に私の胸をロックオンしている。

「カ、カイト、……ストップ! ちょっと、待って……」
「大丈夫、ちゃんと綺麗にするから!」
「だから、それが大丈夫じゃないんだってー!!……あっ! こらっ!」

カイトは私の服を下からめくり上げ、胸をペロペロと舐めはじめ、
やがてその舌先は、胸でもっとも敏感な所へ運ばれた。
「ひゃ……んっ、ダメ……そんなにしたら……んんっ」
いつもはすぐ言う事聞くくせに……全然言う事を聞かない。
カイトはただひたすら胸を愛撫し続ける。

「カイト、だめっ!だめだってばっ!!……ふぁ……んっ、あっ!!」
大好きなカイトにこんな事されたら……私……私…………っ!!

「…………くッ……イクっ、イっちゃう! もう私、我慢できな……あっ、ん……イクっ……んあぁぁぁ!!!」
頭の中が真っ白になる始めての感覚。それは癖になりそうな程気持ち良くて、体がもっとカイトを求める。
そばには残ったアイスが9本。私はそれを前に出してカイトに言った。

「……私に……私に『イク』って言わせるたびに、一本づつご褒美あげる」
「ホントに?! でもどうしたらいいの?」
「それはカイトが自分で考えるの! ……あっ、あと、カイトがイクって言ったら1本没収ね♪」

こうしてアイスをかけた熱い戦いが、切って落とされた。
586名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 01:21:12 ID:eFHPy+/C
こんなの書いてる所を見つかったら、ネルに撲殺され……あれ?後ろにだr
587名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 01:24:56 ID:1nSVHk1W
なんというGJ…
>>586は化け物か
マスネルもカイメイも続きを半裸で待ってるよ
588名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 01:34:40 ID:ys1Jm9wB
>>583
なかなかのカイメイでしたGJ。
589名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 05:50:34 ID:Vht3DvlE
朝からGJ!カイメイやっぱいいな。
まじで続きが楽しみだ。
590名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 06:13:27 ID:BhDopsyi
カイメイGJです!めーちゃん可愛いよめーちゃん。
続き楽しみにしてます!!


ついでに、>>565で妄想が膨らんだので、稚拙ながら勝手に続き。
591カイメイ/デリケートに好きにして:2008/04/24(木) 06:15:02 ID:BhDopsyi
三人に分身したカイトに抵抗する術もなく、いとも容易く捕らえられた。
「は…離しなさいよ!こん…の、バカイト!!」
そう言って抵抗を試みてみたが壁を背に、両隣と正面をカイトに囲まれてしまっているので結局は形だけで終わってしまう。

「だってめーちゃん、あんまりさせてくれないし」
「いっつもお預けばっかだし」
「だからたまには強引にでもいいかなって」

人畜無害としか言いようのない顔でシュンと項垂れてみせているが、この状況とセリフではそれも台無しだ。


「「「という訳で、デリケートに好きにしちゃうよー!」」」

何がという訳だとか、待ってと静止する間もなく、三人のカイトは啄むように体中にキスしていく。
そっと、だけど印が残るよう、ゆっくり、音を立てて、貪るように啄む。
ちゅっ…ちゅっ…ちゅっ…
しつこい位に立ててくる幾重もの音が無性に恥ずかしく、一気に耳まで赤くなるのを感じた。
「や…っあ…」
唇も塞がれてしまい言葉が後に続かない。最も唇が塞がれていなくとも、息も続かない程に体を弄られて言葉にならない。
抵抗するという思いとは裏腹に、体は熱を帯び、頭は何も考えられない程に麻痺していく。
自分だけで立っていられない位に力が入らない癖に、首だけは何度も横に振る。

首を振る様子が余りにも必至に見えたのだろうか、カイトは一度手を止めた。それから、
「「メイコは俺のこと、嫌い?」」
お約束ともいえるそのセリフを、両隣のカイトが耳元で囁く。
…卑怯だ。こんな時だけ呼び捨てで。それに…答えなんて決まっている。嫌いな訳が、ない。
一つ一つ触れられる手や甘く吹きかけられた吐息、軽く甘噛みされた耳たぶの感触に息が詰まりそうになる位なのに。
そんな気持ちはいつだっておくびにも出さない様にしてるだけに、この状況で言ってしまうのは非常に悔しい。
「………知ってる癖に…っ」
睨み付けながらそう言い放つのが精一杯だった。
592カイメイ/デリケートに好きにして:2008/04/24(木) 06:16:03 ID:BhDopsyi
その言葉を肯定と捕らえたカイトはにっこり微笑むと、メイコを丁寧に床に組み敷いた。
それから三つの唇から愛してると囁かれ、六つの手が執拗に責め立てる。
三人も居る訳だからいつもより激しく、それでも優しく扱ってくれているのが分かってメイコは少し嬉しく思う。
だがやはりどこか抜けているのがカイト。

「ちょっ…三人でするつもり?!」
「「「そうだけど?」」」
平然と言い放つ三人に、思わずこめかみを押さえたくなる。実際は動くことも出来なかったが。
「デリケートに扱ってくれるんでしょ。三人なんて、…無理」
最初の言葉は嘘だったのかと思わず溜息が漏れた。それに、と続ける。

「カイトは一人で十分よ。それ以上は好きになんてなれない」

その言葉にカイトが顔を赤くした。
いつもは一方通行の好きという言葉。だからたまに与えられる告白は、カイトにとって新鮮で衝撃的だったようだ。
「〜〜〜っ、めーちゃん大好き…っ!」
カイトの分身は一瞬にして掻き消え、感激の余りメイコを抱きしめた。

強く抱き締められて腕の中で小さく悲鳴を上たが、目の前の嬉しそうな顔を見ればそれも構わないかと思う。
「…カイト」
ようやく自由になった手を、カイトの頭の後ろに回す。そっと髪に触れ、首筋までするりと愛おしく撫でるように下ろし、
「ごめん」
え…、とカイトが口を開くまでのわずかな瞬間に襟元を掴み上げ、床に叩きつけた。ガンッ!という鈍い音に被さる様に鉄拳の追い討ち。



「…卑怯でも要は勝てばいいんでしょ?反省なさい」
勝ち誇ったように放った言葉は、床に撃沈したカイトに到底届くものではなかった。
593名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 06:20:00 ID:BhDopsyi
<終>


お粗末さまでした。エロくなくてサーセンwww

余談ですが…カイト3人いる状態でメイコを攻めれたとしても、
2人は黙って正座でもして横で見てればいいと思う。
594名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 07:15:52 ID:Vht3DvlE
GJ!面白かった。
しかし最近はエロ寸止めが多いな〜。
ここの職人さん達はSなのか?
595名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 07:53:54 ID:ys1Jm9wB
>>590-593
お互い様卑怯でGJ。
ツメが甘過ぎるヘタレ兄さんwww
596名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 09:03:13 ID:VRIEKqUL
がっつりヤってるのも読みたいな〜
597名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 09:37:37 ID:Z++4jF/t
>>586
いいもの読ませて頂きましたGJ!
マスネルも待ってるよ

>>593
2人は黙って正座ワロタwww
GJ
598名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 09:48:49 ID:WJKL3sX9
>>585
アイスがイったり来たりのエンドレスですね、わかります

>>593
>黙って正座
メイコが攻めてる様にしか見えないw
「順番にシたげるから正座して待ってなさい!」
599名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 11:16:34 ID:ys1Jm9wB
>>598
アイスが行ったり来たりエンドレス→アイス溶ける→
[勿体ないから]と溶けたアイスをメイコの胸にかけて舐めまくる→
イキまくっちゃって結果メイコ負け&恍惚状態ぐったり→
[まだまだこれからだよ、めーちゃん]と悪戯っぽい笑みを浮かべる絶倫バカイトを想像しますた。
600名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 14:54:34 ID:3NpwlfVt
>>596
書けば良いじゃない
601565:2008/04/24(木) 15:04:34 ID:1nSVHk1W
>>600が今いいこと言った。


565だけど、>>593 G J !!
MEIKOかわいいよMEIKO
オチも好きだwww
妄想でも書きこんでみるものですね

そして正座で待ってればいいよ同意ww
602名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 23:00:11 ID:WJKL3sX9
説明しよう!ボーカロイドは歌に合わせて調声を受けると、
姿形にまでその影響が表れるのだ!

というナレーションを唐突に受信した。
うろたんだーカイトの声で。

はちゅねは、ミクが「みくーん」な声に調声された姿なのかなぁと。

つまりメイコに「こんにちは赤ちゃん」を歌わせればぼny
603名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 23:54:53 ID:zI2RQW2R
>>602
その論理でいくと「だんご3兄弟」を歌ったボーカロイドは団子になるのか?
604名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 00:23:43 ID:cwx5iOBc
3人繋がってるんですね。わかります。
605名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 00:41:01 ID:bZqXzLbO
>>604
鬼才あらわる
606名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 00:46:06 ID:3w8oBlPz
リンとしているカイトがレンにやられるんですね
607名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 00:48:58 ID:8pcGxJ85
さらにレンの後ろをLEONとBIG-ALが(ry
608名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 01:04:31 ID:fzwMyGQJ
なんで男ばっかりが繋がってるんだよw
女性陣も加えてやろうぜ
609名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 01:16:20 ID:/5EzNemN
リンはレンに入れられてる間だけふたなり化する…という電波を受信した
610名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 01:20:14 ID:8pcGxJ85
じゃあSweetAnn
パッケージ仕様で

脳内アンはイケメンBIG-ALとセックル中
611名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 01:36:17 ID:s8jyi813
「凛としているカイトがレンにヤられる」と読んでしまって脳内に耽美が花開いた。
違う!俺はノンケだ!
612名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 01:50:25 ID:8pcGxJ85
>>611
ようこそ
私と兄貴の世界へ
613名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 02:08:41 ID:l2JKSriD
「やぁ……んっ…………だめっ、めーちゃん、そこだめなのっ!」
誰もいない部屋の中、泥酔いしたメイコに服をはぎ取られ、襲われてしまうリン。
必死に抵抗するが、時間が経つにつれ、リンの体はメイコの指、そして口での愛撫を求め始めていた。

「さっきよりびしょびしょになってるよ? 腰まで浮かせて……リンは子供なのにエッチね」
「そんな事無いもんっ! リンはエッチな子なんかじゃ……ひゃっ……あっ、んんっ!!!」
先程以上に体を震わせ、大きな反応を見せるリン。その小さな体に始めての絶頂が近づく。
するとメイコは、指を差しこんだままピタッと手を止め、リンに話しかける。

「ほら、イキたかったら、ちゃんとおねだりしなさい」
「ヤダッ、いぢわるしないで……めーちゃん…………」
「だから、『リンのえっちな体をめちゃくちゃにして下さい』って言えたら続きしてあげるよ♪」
「そんな恥ずかしい事言えないょ……」

恥ずかしくて言えない……そう思いながらも、メイコの指を咥えこんだ膣内はヒクヒクと反応し、
『早く指を動かして』と催促する。
……と、その時、

「たっだいまぁ〜♪ ん? めーちゃん、リンちゃん、何してるの?」
そこに現れたのは買い物から帰ってきたミク。
部屋に入ってすぐに、メイコとリンのしている事に興味を示した。
すると、メイコはニヤッと笑い、ミクをたきつける。

「リンがね、こうされると気持ち良いんだって。ミクも手伝ってくれる?」
「そうなの? リンちゃん?」
「ちがうよっ、これはめーちゃんが勝手に……ぃ……やっ、ダメッ、……そんな風にされたら……あんっ!!」
リンの話を止める様に再び動き始めたメイコの指は、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立ててリンの体を犯し始め、
その気持ちよさそうなリンの様子を見たミクは、張り切ってメイコのお手伝いを始めた。




つまりだんご三姉妹ですね。わかります。

昨日、メイコ×カイト読んでくれた方ありがとうございます。
マスター×ネルもボチボチ書いてるので明日には投稿……できるかなorz
614名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 02:22:28 ID:s8jyi813
GJ!
Sっ気たっぷりなメイコ姉さんが何ともケシカラン。
関係ないけど団子じゃなくて耽美三姉妹て言うとカイト×レンでやおい本作ってそうだよね。
615名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 03:32:12 ID:cwx5iOBc
で、耽美兄弟で百合本作ってるわけですね。
616名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 09:53:20 ID:7VkWOXzw
>>615
カイトは声真似できるからな…
百合動画もイケそうだ
617名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 20:04:32 ID:fzwMyGQJ
カイトの声と体、どちらが女になるかそれが問題だ。
618名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 20:12:33 ID:Q1n+iD2Q
MEITO×KAIKOですね、わかります
619名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 20:59:10 ID:H0JJSHpT
>>618
さあ早く執筆作業に戻るんだ!
620名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 00:07:29 ID:wFT9TDOW
メイコ「私、カイトのことが好き!つきあって!」
カイト「ごめん、僕好きな人がいるんだ」

カイト「ミク、僕は君のことが好きなんだ」
ミク「ごめんなさい、私他に好きな人がいるの」

ミク「レン、(ry」
レン「ごめんねミクお姉ちゃん、(ry」

レン「カイトお兄ちゃん、好きです!」(耳まで真っ赤にして)
カイト「!?」

リン「神様って意地悪だよね…」

続かない
621名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 00:15:08 ID:qHwueeIP
>>620
なんでだろう、不覚にも吹いたww
622名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 01:16:18 ID:5EvT3Z7P
>>620
レンはリンにいくのかと思ったのにwwwww
623名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 01:20:18 ID:5Zvusazl
逆回りだと

レン→ミク→カイト→メイコ→リン

こうなるわけですね!
624名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 01:23:34 ID:wFT9TDOW
リンにいってしまうとリン→メイコになってしまうのでつよw(むしろそれでもいい?)

一応、ニコニコのカイ←レン動画にインスパイヤされてるのでw
625名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 01:23:50 ID:rskUbdXO
ミク→←カイト→←メイコ
    ↓      ↑
    ↑リン←レン

こういうことですか? よくわかりませんw
626名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 01:39:10 ID:eb+Zqwbi
>>625
このカイトは間違いなく誰かに刺されるw
627名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 01:45:14 ID:wFT9TDOW
>>625
むしろ
ミク→←カイト→←メイコ
     ↓ ↓     
     ↑ ↑
    リン レン
だろw
628名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 01:46:40 ID:T+x+H26O
なんという最低野郎www
629名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 01:50:19 ID:E+yG+bgY
冗談抜きな俺的構図は

カイト←→メイコ
                
   ミク
   ↓
リン←→レン

だな
630名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 01:50:37 ID:11YPK6pO
カイトの卑怯過ぎる人気に嫉妬
631名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 01:52:04 ID:A5ONgnle
ここまできたらいっそ亜種も餌食に。……体持つのかしらん。

    ハク ネル
     ↓ ↓
     ↑ ↑
ミク→←カイト→←メイコ
     ↓ ↓
     ↑ ↑
    リン レン
632名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 01:52:53 ID:eb+Zqwbi
アイス
    ↑
ミク→カイト←メイコ
    ↑
   リン・レン


ニコ動とかだとこんな感じだなw
633名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 01:53:23 ID:5Zvusazl
レンミクレン分が足りない
634名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 01:53:46 ID:wFT9TDOW
>>629
\( ・∀・)人(・∀・ )ノナカーマ

カイト←→メイコ

ミク←→レン←→リン
635名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 01:57:25 ID:wFT9TDOW
アイス  酒   ネギ・スプリングフィールド
 ↑   ↑       ↑
カイト  メイコ     ミク

リン←→レン
636名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 02:17:00 ID:qHwueeIP
なんか違うのいるぞwww

そして今なら言える
KAITO死ね
637名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 02:43:39 ID:4cj+tVPz
アイス←カイト⇔メイコ⇔俺
     ↑ ↑   ↑
ネギ←ミク リン⇔レン

こうだろ?
638名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 02:50:39 ID:eeCB9lIL
なにこの流れwww
そしてカイト氏ねw
639名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 02:56:00 ID:5Zvusazl
ところでRUSHの最新号は今日発売だっけ?
前のは初めてKAITOが喋ったんだよな。
毎年酒に酔ったMEIKOに埋められているらしいぞw

カラーのミクがふつくしかった。
640>>602から受信した:2008/04/26(土) 02:58:02 ID:GGlyQF1m
うろたんカイトから電波を受信したという>>602から、
さら受信したので、

「こんにちは赤ちゃん」書いた。
こんにちは あかちゃん♪
わたしが ママよ♪

スタジオ収録でMEIKOの甘い歌声がマイクに囁く。
「どぉ?」
歌唱終了し、MEIKOはこのスタジオにいるもう一人の人物、マスターを振り返った。
「ん”ーーーーーーーーー…」
マスターは腕を組んで考え込んでいる。
やがて、「ちっがうなあ」とぽつんと言った。
「ナニが違うのよ」
むっとして問い返すと
「声だよ、声」
びしっと言い返された。
「う」
「この歌は、初めて生まれてくる愛しい赤ちゃん。
 神様からの最高の贈り物へ囁くおかあさんの気持ちだ!
 MEIKOの声は、甘くて優しいが
 ぶっちゃけ母性が全く無い!」
「アタシには赤ちゃんなんて居ないんだから、しょうがないでしょ!」
思わず言い返したが、次の瞬間。
マスターの真剣な眼差しにキュンッてなる乙女心。

「よし! 調声しなおそう!」

「まず問題はこのけしからん乳だっ!」
もみゅっ
「ひきゃっ!」
「ぽよんとしてこの質感、実にけしからん!」
ブラをいきなり剥ぎ取られると、ぷるんっと弾けるみずみずしい巨乳。
「巨乳のくせにこのぷりぷりした感触! お母さんっぽさが全く無い!
 おっぱいは赤ちゃんのためにあるんだぞ!
 けっしておとんのもんじゃねえんだ!」
もみゅもみゅとちからいっぱい揉みしだきながら、マスターが力説する。
「つんとした乳首も生まれたての赤ちゃんがちゅっちゅする為にあるんだ!」
もちろん、ちゅっちゅするのはマスター自身だ。
ぐーぱんちする隙もねえ。
ちゅっちゅしながら、なお力説する!
「ほひへ!」
タイトなミニスカをばっとめくり上げ、わしっとMEIKOのヒップを掴む。
「ほのほへふ! ふへふへひへへひつにへろひはひゅひょひはひふひへひふ!
 はいひはのはほっひひはんは!
 ははひゃんほふふはほはーはんほほっひひはんはひふほうはんは!」
(訳:このおけつ! すべすべしててエロいが、きゅっとしまりすぎている!
   大事なのはもっちり感だ!
   赤ちゃんを産んだお母さんのもっちり感が必要なんだ!)
乳首ちゅっちゅしながら力説するから、乳首の先端をぬるぬるしたベロが激しく行き交う。
「やっ、ああっ! あんっ」
不覚にも感じたMEIKOが眉をしかめると、いきなり体位をくるっと変えられ、とんと両手が壁につく。
「え」
「20を過ぎた設定のくせに、ミニスカ生足生ふとももとは」
マスターにむかって、おしり突き出す卑猥なポーズをとらされて、
「実にけしからんっ! ティーンズ気取りか!」
ずぶぅっといきなり、いきりたった肉棒をつっこまれた。
「あああああ!」
ぱんぱんぱんぱんぱんぱん!
「あっあっあっあっ!」
「そしてなにより、この喘ぎ声!
 新婚より旦那のちんぽをつっこまれまくって、そろそろ飽きてきたなー、
 パート先の上司にドキドキしちゃっていけない、わ、た、し。
 みたいなかすかに滲む倦怠感!
 そして不倫願望にいけないわっ、けれど夫を愛しているの!
 そんな奥深さが感じられない!」
熱弁に合わせて、ぐっちゃぐっちゃとおまんこの中を掻き乱されて、どうしようもなくなる。
「可愛すぎるんだ! MEIKOはっ!」
最後にその言葉で、マスターはラストスパートに入った。
MEIKOは叫びまくり、やがて
どぷっ
熱くてねっとりした白い精液が奥まで満たすと、ちから、つきた。

「ボカロの調声は根気勝負だ!
 とりあえず、母乳が出てくるくらいまで頑張ってみような!」

「このばかーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
643名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 03:07:24 ID:GGlyQF1m
あ、書いているうちにスレの流れに乗り遅れた。

メイコ⇔オレ←リン⇔レン
        ↓
       カイト←→ミク
644名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 03:10:22 ID:ETxAqCTD
メイコ⇔カイト

レン⇔リン

ミク⇔マスター

が好きだな。
645名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 03:14:39 ID:4cj+tVPz
そういやカンタレラPVのカイミク(ミクカイ?)はよかったな
誰か書いてくれw
646名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 03:15:11 ID:ETxAqCTD
>>639
メイコにヘッドロックかけられて青くなってるカイトワロタ
バレンタインの時はすかしたイケメンっぽかったのにw
647名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 03:42:31 ID:11YPK6pO
>>641
GJとして、嫉妬でキレた恐ーいカイトをそっちに向かわせた。
メイコ10人でフルボッコやロードローラーなんざ目じゃないからな…
648名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 03:54:29 ID:IcFe6IRI
>>641
どう見ても人妻好きマスターです、ありがとうございましたw

>>647
母乳を全てアイスのために強奪していくわけですね、恐ろしい・・・
649名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 07:17:09 ID:h4WGDK7j
俺の認識としては

カイト←→メイコ

リン←→レン

ミク・ハク・ネルはオールマイティかな。誰でも合う。

はちゅねと僧侶はジョーカーwww
650名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 07:21:00 ID:Ye7XylgM
そういやはちゅねのエロはないなw
651名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 07:25:30 ID:kXFysJst
はちゅねって需要あるん?
652名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 09:19:24 ID:awOMXnJ3
俺としては

カイト⇔ミク
メイコ⇔マスター
レン⇔リン

だな。
653名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 10:34:04 ID:7GG2B3ax
言い合い合戦はスレ埋める時にしなよ。

某四コマ、カイトとメイコ編始まってたな。
あの流れでカイミク要求する痛い子もいるのに驚いた。
654名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 10:44:31 ID:U2zLYjEj
俺は
 
カイト←→メイコ
 
 
 
  ミク→ネギ(ネギは友達怖くない)
 
 
 
レン←→リン
655名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 10:49:39 ID:+6mBIXtx
    カイト
      ↓
ミク→メイコ←リン     ↑
    レン
656名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 11:38:33 ID:Es+BrdDt
レン

ミク   リン
↓    ↓
メイコ⇔女マスター

カイト

どう見ても百合です本当に(ry
657名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 11:53:42 ID:4cj+tVPz
>>653
>>0:26 サイクリングの時などでお見かけしたらお礼しますので(ボーマス会場じゃ無理w)
>>0:27 ま、それもちょっと怖いかww
>>0:28 カイミクが\\いいなぁ
>>0:31 華麗にスルーしてくらさい。
自転車乗ってないなぁ〜 多摩サイのって府中のワイズでもいきたいなぁー

これかwww流し見てて気付かなかったw
作者が華麗にスルーしてるからいいがこれは酷いな。
658名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 13:50:05 ID:yapx5Jjx
傷の舐めあい的、伸びろ伸びろ仲間として
カイト→←ハク をこっそりプッシュしておこう
酒に酔った勢いで〜とか、一時的な関係だと思ってたのにgdgdとかそんなんでも可

あとレン→ミクで、そんな急に「お姉ちゃん」なんて思えるわけないだろ みたいなのも
659名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 14:51:07 ID:K2/adP/+
枯れススキの歌で突如としてカイハクに萌えた身として自分もプッシュ
660名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 15:37:41 ID:IcFe6IRI
KAITOもKAIKOも脱いだら凄い件
サックスの物真似といい、幅の広がりに際限がないなw
661名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 15:48:56 ID:kbT4zgv8
ハピマテのKAIKOは脱いだらエロかったw
662 ◆V5AVgh0yRw :2008/04/26(土) 18:00:38 ID:4mx+0Xle
 流れをぶった切って、レンリン短編。今回はエロくないです。
むしろエロくないverとして書きました。
663『ハチミツハニー』 レンリン:2008/04/26(土) 18:01:41 ID:4mx+0Xle
 
 冷蔵庫から牛乳を取り出し、それをマグカップに注ぐと丁度良くレンジ
のチンッという音が聞こえた。中からこんがりと焼き上がった食パンを二
枚取り出す。熱々のそれをお皿に載せて食卓テーブルの上におき、マーガ
リンを塗った。椅子に座って、美味しそうに焼けたパンに一口かじりつく
。カリッとした香ばしさとマーガリンの匂いが口いっぱいに広がった。
 このまま食べるのもいいんだけど、やっぱり甘いものが好きなので何か
塗ろうとテーブルの上にずらりと並べられたジャムを見る。
 イチゴジャム、ブルーベリージャム、ママレード・・・。何を塗ろうか
悩んで、ふとお隣に座る彼は何を塗っているのか気になった。覗いて見れ
ば、狐色の食パンには、意外なものが塗られていた。
 
 「・・・何、リン」
 
 視線に気がついたレンがサラダを食べる手を止めて顔を上げる。もしゃ
もしゃと口は忙しなく動き、喉がごくんと口の中のものを飲み下した。
 その手には、本日二枚目の食パンが握られている。塗られているものは
、甘い甘い。
 
 「ねぇねぇレン」
 
 持っていたジャムをテーブルにおいて、リンは小首を傾げた。甘い食卓
の周りには誰も居なくて、年上の兄弟姉妹は既に食事を終えてお出かけ中
である。
 「朝はパンとサラダ出しておくから。あと卵とベーコンは自分でやって
ね。メイコ」
 の置手紙に素直に従って用意した朝食セットはいい匂いを放ち、お腹が
くるるるーと鳴った。
 
 「うん?」
 「それ、ハチミツだよ?」
 「あぁ、そうだよ」
 
 何でそんな事を聞くの、とばかりに怪訝な目をして、レンはたっぷりと
ハチミツが塗られたパンに噛り付いた。
 もしかしてそれはハチミツのような色をしているだけで別の物体なので
はないかもしれない。と、リンは顔をパンに近づけて食べかけのパンを一
口含む。
 唇の横にべとついた感触。口内に広がるのは柔らかい甘さ。紛れもない
ハチミツだ。
 レンは少しだけ驚いたように目を見開いたがそれも一瞬の事で、リンが
口を離すと「人のもの食うなよ」と呟いただけだった。
 
 「レン甘いもの、苦手じゃなかった?」
 「ん―――・・・」
 
 リンが食べた所から齧りなおして、レンの口は上下に動く。紅い紅茶で
パンを流し込んでから、赤い舌はペロリと唇を舐めた。
 
 「ハチミツはいいの」
 「ふーん・・・」
 
 納得したような、していないような。何でハチミツだけは良くてイチゴ
ジャムはダメなのか、ラズベリーとかはどうなの?
 次々に湧き出てくる疑問符を、リンは牛乳と一緒に体の奥へと流し込む
。まだ一口しか食べられていないリンのパンが、恨めしそうにリンをみた
664『ハチミツハニー』 レンリン:2008/04/26(土) 18:03:29 ID:4mx+0Xle
 
 今日は、イチゴジャムにしようかと思ってたけど。
 
 「何?結局リンもハチミツにするの?」
 「うん」
 
 だって、レンがハチミツすきなの、初めて知ったから、記念に。なんて
ね。
 可愛い蜂の絵が描かれている瓶のふたを開ける。真新しいスプーンです
くい上げると、トロリと黄金色の液体が零れ落ちた。
 薄く黄色がかったパンにゆるゆるとハチミツを塗る。指先についたそれ
を舐め取ると、やっぱり甘かった。
 
 「甘いね」
 「そりゃまぁ、ハチミツですから」
 
 そういうとレンは食べ終わってパンの欠片で汚れた手を軽くはたく。そ
れからリンの手元にあったハチミツの瓶を引き寄せて、甘い甘い液体をな
か指とひとさし指ですくい取った。朝日が差し込んでキラキラと輝く。艶
かしい色は、どこか誘惑的だ。
 
 「リン、知ってる?」
 「なにー?」
 「ハチミツには殺菌効果があってねー・・・」
 
 すくい取ったハチミツをぺちゃりとリンの唇の横に塗りつける。べたべ
たと気持ち悪くて気持ちいい感触がした。てらてらと妖しく光るそれをレ
ンがゆっくりと舐め上げる。ハチミツが纏わりつく指はリンの口の中へと
差し込まれた。
 口内を縦横無尽に撫で回すレンの指を、リンは難なく受け入れる。甘い
甘い一口。ハチミツの味と香りが口内に広がっていって、消えない。
 唇に触れそうで触れない。もどかしいレンの唇が、ちゅっと頬にキスを
して離れて行くとリンの口から指も引き抜かれていった。
 
 「赤ん坊や子供はお腹を壊しちゃう事もあるから、あんまりあげちゃだ
めなんだって」
 
 にんまりと笑ってレンがハチミツ味のキスをしてくれた。今までで一番
甘い一口にリンの顔が綻ぶ。甘いものは大好きだ。それが、レンからもら
えるものならば、尚更嬉しい。
 幼い啄ばむようなキスをしてレンの唇がゆっくりと離れて行く。唇に残
っていたハチミツが伸びて、金色の糸がぷっつりと切れた。
 
 「だから、リンもあんまり舐めちゃだめだよ――」
 「うん・・・」
 
 って、ちょっとまて。
 
 「・・・・・・・ん?ちょっと待って、レン」

 今の言葉、何かが引っかかる。えーっとハチミツは殺菌作用もあって、
でもその作用が赤ん坊や子供にはちょっぴり危険な事もあって。レンは私
の心配をしてくれてて、ってあれ?あれ、あれれ?
 にまにまと笑う金髪の髪は、ハチミツと同じ色をしていた。
 
 「わ・・・私は子供じゃないっ・・・!!」
 「はいはーい」
665『ハチミツハニー』 レンリン:2008/04/26(土) 18:05:04 ID:4mx+0Xle
 
 わなわなと震えながら真っ赤になって言うリンに、レンは余裕たっぷり
と言った表情で緩やかに笑う。喉の奥で大笑いしそうになる声を押しつぶ
しながら、リンの体をふわりと抱きしめた。背中をぽんぽんっ、とあやす
様に軽く叩けば、唸るだけになったリンが声を漏らす。
 その唇についているハチミツを舐め尽すように、レンは再度リンの唇の
己のそれを重ねた。
 
 「んっ!・・・・ふぁ」
 「もっと舐める?」
 
 リンの唇をレンのそれが舐め上げる。瓶の中からもう一度すくい取られ
た蜂蜜を、レンは親指で塗りつけるようにリンの唇へ伸ばしていった。朝
日に照って、怪しく煌めく。綺麗なハチミツが、口紅よりも官能的にリン
を彩る。たまらずレンはリンを引き寄せる。
 重ね合わせる唇に指で掬い取ったハチミツを滑り込ませるように差し込
む。
 
 「おいしいでしょ?」
 
 ゆっくり。トロリトロリと舐めきれない蜂蜜がテーブルへと垂れていく
。まるで映画のワンシーンのような不思議な光景にリンは頭がぼうっと鳴
っていくのを感じた。
 舌を差し込まれる。べた付く感覚も何もかも全て飲み込まれ、愛を呟け
ない言葉ごと、喉の奥へと差し込まれていくハチミツをコクリと飲み干し
た。
 
 「ハチミツは好きなんだよ」 
 「う・・・ん・・・」
 
 そうしてレンが優しく口付けてくれるから。
 今度からパンを塗るときは絶対ハチミツにしよう。そう心に決めてリン
は絶え間なく与えられる甘い口付けに酔いしれていった。
 
 
 
 
 
 「ほら、綺麗デショ?」
 
 こぼれ落ちてゆくハチミツを愛おしそうに見つめてレンが呟くから、頷
かないわけにはいかない。
 恋を絡め取って、流れ行く黄金の蜜。キレイ、キレイ。
666 ◆V5AVgh0yRw :2008/04/26(土) 18:10:52 ID:4mx+0Xle
 本当はこのままハチミツプレイでもしようかと思ったんですが文字数
を考え辞めておきました。大抵いつも書く小説は2500文字なんですが
エロを入れるとこれが7000を軽く超えるあたりが恐ろしいです。エロ怖い。
 
 保管庫サイト様にどうやらアンインストール編が掲載されてないようです。
それも含め、投下させて頂いた小説も多少修正したりしているので、
サイトでも作ろうかなーと考えているのですが。どうしましょう。ご意見お願いいたします。
 
 あと最近分かった事を一つ。自分、レンリン以外でボカロ書いたことないorz

 鏡世界は順調にタイピング中。もう二度と友人には踏ませません。

 ではでは。
667名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 18:34:16 ID:IcFe6IRI
双子甘いよ甘いよ双子!
朝っぱらからイチャネチャしてんじゃね〜w

ミクはやっぱりネギジャムを塗るんだろうか?

>>666
保管庫は項目はあるのに開くとNotFoundですね。
収蔵ミスっぽいから連絡入れれば直してくれるかと。
自サイトは全然構わないかと。

>レンリン以外で〜
全く無問題ですよ!いっそレンリン極める勢いで突き進んで頂きたい。
668名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 18:44:23 ID:GGlyQF1m
>>666のレンリンは神属性だからそのままつっぱしればいいんだ!
タグ付け機能がついていたら、なんか素敵なタグをつけまくりたい気分だ!
鏡世界待ってる!!
669名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 19:00:30 ID:yR0nAtQM
この双子は可愛いなGJ!
670 ◆m.qGJ/JVc6 :2008/04/26(土) 20:05:10 ID:GGlyQF1m
あのね。
>>647から、嫉妬でキレた恐ーいカイトを送ってもらったので
「ヤンデレカイメイ、マスター氏んだよ、赤いのはケチャップです、グロ注意」
な話が今なら出来るんだけど。
こーいうのって書いてええんかな?
671名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 20:14:44 ID:g5aFG/BS
>>666
レンリンを極めてもいいし、他の子たちも書いて更にレンリンに深みを持たせてもいいし。
そんな俺はレンリンカプが一番好き。
あーもぅゴロゴロ転げ回りたいくらい甘いぜw

>>668
>タグ
リンリンシグナルに昔ついてた「鏡音夫妻」を思い出したw
672名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 22:55:11 ID:Ye7XylgM
>>653
某4コマってろいぱらの事かと思ったぞ
微妙にカイメイだったし(正確にはカィメィだけど)
673名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 22:56:35 ID:2PnnE4UA
>>662
GJ!リンレンいいよリンレン。冗談向きであなたの書くリンレンはすごいと思う。

>>670
個人的にはグロいのは勘弁。書くなら注意書きをお願い致します。

>>671
鏡音夫妻・・・その発想はなかったw

674名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 23:15:37 ID:TGk2/vDM
此処ってLaLaVoiceとかも有り?
675名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 23:39:38 ID:71ed+Ney
僧侶や熊も出たことあるしいいんじゃない?
心配なら注意書き入れて。
676 ◆m.qGJ/JVc6 :2008/04/27(日) 01:01:56 ID:W+q91och
>>673
やっぱり、「グロいのは勘弁」ですよね。
自分も好きキャラでグロされたらへこみます。
プロットしてみたらエロというよりサイコホラーになったし
>>647には悪いけど、やっぱ自重します。
677名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 01:31:11 ID:X0bpzSBV
カオっちゃん×リンが一瞬よぎった
678 ◆9iVe4Scw5Q :2008/04/27(日) 01:47:05 ID:6l6J1f3L
マス×ネル書いてる途中に、気分転換のつもりでレン×メイコ書きだしたらハッスルして一日終わってしもた。
6レス投下します。

レン×メイコ×ミク×リン
679 ◆9iVe4Scw5Q :2008/04/27(日) 01:49:49 ID:6l6J1f3L
天井にのぼる湯気を眺めながら、風呂場で湯につかり、一人でボーっと考えていた。
今更ながら、どうして家の人はこうも皆してハチャメチャなのだろうか……。
ミク姉とメイコ姉ちゃんは、いつまでたってもボクの事を子供扱いする。
特にメイコ姉ちゃんは、顔を見るたびに寄って来てはベッタリひっついて離れてくれない。
もうボクだって子供じゃないんだ。いい加減恥ずかしいから、大人として見てくれないかな。
カイト兄は青いしアイスだし。

と、そんな事を考えていると、突然おかしな鼻歌が脱衣所から聞こえてきた。
「ふんふ〜ん〜♪ ねぎねぎ〜♪」
おそらく……って言うか、間違いなくミク姉だ。
洗濯物でもしに来たのかな? でも皆、これからお風呂に入るのに……??

――――がらっ。

脱衣所の方を見ていたボクの目に飛び込んできたのは、裸のミク姉の姿。
ばっちり目が合ってしまった。
「あっ、なな……っ…………」
「あれ? レンちゃん入ってたの?」
「入ってたの? ……じゃ無いよ! 入ってるんだから早くドア閉めてよ!」
「あぁ、ごめんね〜♪」
そう言ってミク姉はすぐにドアを閉めてくれた。
まったくビックリしたなぁ…………

「……って、何でミク姉まで中に入ってるの?!」
「何でって言われても……お風呂に入るため?」
お風呂に入る為?……じゃないよ! ボクが入ってるんだから、女の子のミク姉は出て行ってよ!
って言おうと思ったんだけど、恥ずかしくてうまく話せない。
だってミク姉は裸だし、ボクだって裸なんだ……恥ずかしくて顔を見る事も出来ないよ。

なのにミク姉ときたら、お構いなしに湯船の中にまで入ってきた。
家のお風呂はそんなに大きくないんだ。こうして二人で入っちゃったら、狭くって……
「ミ、……ミク姉。そんなにひっつかないでよ」
「そんな事言ったって仕方無いよ、お風呂が小さいんだもん」
「そ、それならミク姉出てよ。ボクが先に入ってたのに」
「まぁまぁ、ケチケチしないでさぁ……ん? ん〜?」

あれ程離れてって言ったのに、何故かミク姉はニヤニヤしながらこっちに顔を近づけてきて、
上手く言えないけど、なんだかよくない事を考えている様な気がする。
「レンちゃん、もしかして私が裸だから照れてるのー?」

ほらきた。ミク姉がああ言う顔をしている時は、大概こんな事を言うんだ。
「別に、ミク姉の裸なんて、見たって何ともないもんね」
ここで照れてる顔なんかしてみろ、それこそミク姉の思うつぼだ。
だからボクはキッパリとそう言ってやった。
680 ◆9iVe4Scw5Q :2008/04/27(日) 01:54:40 ID:6l6J1f3L
「えぇー! 私、最近成長著しいのになぁ。……たとえばぁ……胸とか!」
ミク姉はそう言いながら、胸を寄せてこっちへ迫ってきた。
そりゃ……確かに最長著しいけど……それでもココは嘘をついてでも言いきらないと。

「そ、そんなんじゃ全然ダメだよ。 やっぱり女の人は、メイコ姉ちゃんくらい大きくないと」
「うにゃー? レンちゃんいつもめーちゃんに寄られると、迷惑そうにしてるのに?」
うぅ、さすがミク姉。こう言う事は変に鋭いんだよなぁ。でも……
「あれは嫌じゃなくて恥ずかしいだけで、ボク本当はメイコ姉ちゃんみたいなのが好きなんだ」
コレだけ言えばミク姉だって落ち着いてくれるよね。……嘘をついて少し胸が痛むけど。

――――がらっ!

再び入口が開く音に、背筋が凍るような悪感が走り、そっと目をやる。
「あるぇ〜? そこにいるのは、ミク&愛しのレンきゅんじゃない♪」
そこには素っ裸で顔を少し赤くした、ほろ酔いメイコ姉ちゃんの姿が。
偶然を装ってるけど、あの顔はボクが入ってるのを知ってて入って来たんだ。
でも一応言っておこう……。

「あのっ、メイコ姉ちゃん。お風呂はボクが入ってるんだけど」
「うん、知ってる! この辺りから愛しのレンきゅんの匂いがしてたから♪」
どんな匂いだよ……それ以前に、やっぱり知ってたんだ。だったら自重してよ。
でも、そんな事言ったって、出て行ってくれないのは百も承知。
仕方ない。面倒な事になる前にボクが出よう。さよなら、ボクに安息を与えてくれる筈だった愛しの空間。

「あれ? レンきゅん、もう出ちゃうの? お姉さんとしっぽりお風呂に入ろうよ」
「しっぽりって何? ……とにかく遠慮しとくよ。ボクもうのぼせそ……」
「あー、分かった! めーちゃんが来たから、レンちゃん恥ずかしいんだ〜♪」
またミク姉は何の脈絡もない事を……
「なになに? どう言う事?」
ほら、そんな事言ったから、メイコ姉ちゃんがはしゃぎ出しちゃったじゃないか。
もうボクは知らないから。

「レンちゃんね、めーちゃんの事が大好きなんだって! 特におっぱいが大きいのとかっ!」
そんな口から出まかせ、誰が信じるもんか。
だいたいいつボクがそんな事……そんな事………………あっ、言った様な気がする。たった今……
慌てて弁解しようと振り返ると、そこには既に、大きなにくまんが二つ迫っている。
「うぷっ! ……んー! んんーーー!! ……ぷはぁっ!」
何とか柔らかい二つのにくまんから顔を出すと、メイコ姉ちゃんが目をキラキラさせてこちらを見ていた。

「レンきゅん……ついに私の魅力に気づいてくれたのね!」
どうしよう……ボクはどうなってしまうんだろう……。
681 ◆9iVe4Scw5Q :2008/04/27(日) 01:56:53 ID:6l6J1f3L
「メイコ姉ちゃん、お……落ち着いて」
「レンきゅんの好きなだけ、私のおっぱい揉んでもしゃぶっても……好きにして良いんだよ?」
ダメだ、全然聞いてもらえてないよ。……もうこうなったら無理やりにでも出るしかない!
「メイコ姉ちゃん、放して! ……じゃないとボク、メイコ姉ちゃんの事嫌いになっちゃうよ!」
ごめんねメイコ姉ちゃん。嫌いになんてならないけど、これが一番効果的なんだ。
今回も効果はてき面。だんだん抱きしめる力が弱くなってき……

「あのねっ、レンちゃんがめーちゃんの事嫌がるのは、恥ずかしいだけで本当は好きなんだって!」
ミク姉はまた余計な事を……それを聞いたメイコ姉の抱きしめる力は、みるみる強くなって体を締め付ける。
このままでは、うでの力で骨の一本でも折られちゃいそうだ。
「苦しい……メイコ姉ちゃん、そんなにキツクしたら……ボク、壊れちゃうよ……っ」
「こ……壊れちゃうって……ッ!! ミク! レンきゅんが、壊れちゃうって言った……!!」
あれ? なんでメイコ姉ちゃんハァハァ言ってるんだ? また変なスイッチ押しちゃったのかな?

この前も同じような事があった。確かその時は、服を買ってあげるから着いてくる?……って言われて、
「いくいくッ! メイコ姉ちゃんと一緒にイキたい!」
って言ったら、すごいハァハァ言ってて、ちょっと怖かった。

それにしても、こんなにひっつかれたら、さすがにボクだって……
「あーっ! レンちゃんのおちんちん大きくなってるー!」
ミク姉酷いよ、そんな事言ったら、この人が放っておく訳ないじゃないか。
「レ……レンきゅん! いけませんよ! そんなっ、仮にも家族同然の私に欲情なんて、そんな! そそ、そんなっ!!」
『そんなそんな』言いながらも、しっかり握ってるじゃないか。

「ちょっと、やめて……離してよ!」
「ダメよ、私に欲情したレンきゅんを放ってなんて置けないわ! ミク、手伝って!」
「あいあいさぁ〜♪」

ミク姉は元気に返事をすると、湯船から出てボクを後ろから捕まえて動けなくした。
背中にミク姉の胸が当たる。恥ずかしい……。
それをきに、メイコ姉ちゃんはおちんちんを擦り始めて、だんだんとボクもおかしな気分になってくる……。
「ねぇ、気持ち良い? レンきゅん、お姉さんに感想聞かせて?」
気持ちいなんて言っちゃダメだ。言ったら最後、止めてくれなくなるのは必至。
気持ちを押し殺してでも嘘を言わなきゃ……

「そんなの全然……んっ、き……気持ち良くなんて……ぁ……んっ、ないもんっ」
言った。ちゃんと気持ち良くないって。
なのにどうして? メイコ姉ちゃんは止めるどころか、嬉しそうに更に手を早く動かし始めた。
682 ◆9iVe4Scw5Q :2008/04/27(日) 02:00:02 ID:6l6J1f3L
「ヤメっ……やっ、やだ……こんなの気持ち良く無……んぁっ! ダメだってば……ぁ、……んっ!」
「先っぽからこんなにえっちな汁出して……もーっと気持ち良くさせてあげる♪」
メイコ姉ちゃんはそう言うと、いったん手を離して、その手に自分の唾を垂らし始めた。
そしてその手でまたボクのおちんちんを握って擦り始める。
ヌルヌルと変な感じがして、さっきまでと全然違う。
だんだんと頭の中が白くなって、訳が分からなくなってきた。

――――ぐちゅっ、ぐちゅっ……

「め……めーちゃん、これ何?! 気持ちいいよっ! ダメだよ、こんなのされたらボクっ……」
「あっ! 今、レンきゅんが初めて私の事『めーちゃん』って言った! また一歩二人の仲が前進したね♪」
え? ボクそんな事言ったっけ……? もう何が何だか分かんなくて……足に力が…………

「わわっ、レンちゃん。そんなに寄りかかられたら支えきれないよー!」
そんな事言われったって、力が入らないんだもん。
ボクはどうしようもなくて、そのままミク姉に体を預ける様に寄りかかっていた。

「ミク、もうレンきゅん動けないと思うから、ココに寝かせて良いよ」
その声でボクは仰向けに寝かされる。
もう今更逃げ出そうとも思えない。今はメイコ姉ちゃんに、さっきの続きをして欲し気持ちでいっぱい。
寝かされてからも、メイコ姉ちゃんは同じ事を繰り返えし、
お風呂場にいっぱいえっちな音が響いて、さらに気持ちがおかしくなっていく。

「あっ、あっ……んんっ! ぁんっ、ヤ……ふぁ……」
「ミク、レンきゅんの口からイヤラシイ声が出てるから、ミクのお口でふさいであげて♪」
「はいは〜ぃ♪ ……んー…………」
「んっ……んんー!……んっ、んっ……」
ミク姉が唇を押しつけて、口を塞ぐ。
それでもダメだ、えっちな声が口から出て止まらないよ……。こんな所リンに見られたりしたら……

――――がらりっ

なんでリンまで入ってきちゃうんだよ……ミラクルなタイミング過ぎるよ。
「なッッッ! ふ、二人とも! レンに何してるの?!!」
リンは怒った口調で二人を一括。ミク姉は慌てて口を離す。
「あのね、これは……その、レンちゃんが…………」
「レンはこんな事してなんて言いません!!」
ああ、これほどリンを頼もしく思えた事が今までにあったかな……
さすがのメイコ姉ちゃんも、珍しく諦めた様子で手を離した。
683 ◆9iVe4Scw5Q :2008/04/27(日) 02:02:47 ID:6l6J1f3L
あれ? なんだろうこの気持ち。やっと解放されたのにスッキリしないって言うか……
「大丈夫だった? ……レン? 聞いてる?」
なんだ、なんだ……心臓がドキドキしたまま納まらなくて、それに、
「…………んっ……」
メイコ姉ちゃんの方を見ると、ニコッと笑い、今度は直接ソコへ目掛けて唾を垂らす。
先っぽにかかった唾は、ゆっくりと垂れて根元へ流れ、その感覚がたまらなく気持ち良い。
手で擦ってほしい……もうちょっとで何か……気持ち良い何かがきそうなんだ。

「メイコ姉ちゃん……おちんちん擦って欲しい…………」
気がつくと口から出ていた。リンがすぐそばにいるって言うのに。
リンは驚いた顔でこちらを見ている。
「レン?! あんた何言ってんの?! ちょっと、しっかりしなさいよ!」
まったくもってリンの言う通りだ。でも、体が……心が言う事を聞いてくれない。
「メイコ姉ちゃん、お願い……」

しかしメイコ姉ちゃんは続きをしてくれなかった。
「う〜ん、リンに怒られちゃうからなぁ〜」
その言葉を聞いて、思わずリンを恨めしい目で見てしまう。
「ちょっ、ちょっと、そんな目で見ないでよ…………もぉー、分かったわよ! メイコ姐! 一回だけだからね!」
良かった。無事リンの了解も得て、再開……と思いきや、
それでもメイコ姉ちゃんは手を動かしてはくれなかった。

「メイコ姉ちゃん……?」
「うーん、リンに命令されてするって言うのもねぇ〜……あっ、そうだ! リンがしてあげれば?」
そりゃボクは全然構わないけど……でも、
でもリンがそんな事する訳……
「いいよ、メイコ姐に出来るんだから、あたしにだって出来るもん!」
……リン、なんか変な意地張ってる?
リンはそう言うと、メイコ姉ちゃんに変わりボクのソレを手で握った。

手が小さくてぎこちないけど、これはこれで気持ち良い。
「ど、……どうなの?」
「うん、気持ち良いよ」
「そう……」
リンは小さくそう呟くと、手の動きを徐々に早めて行った。

すると、それと同時にリンに異変が起こり始める。
「きゃっ! あんっ、だめぇ……」
なんでしてる方のリンが喘いでるんだろう? 
気になってみて見ると、リンのお尻の近くの穴に、メイコ姉ちゃんの指が入っていた。
684 ◆9iVe4Scw5Q :2008/04/27(日) 02:05:55 ID:6l6J1f3L
――――ちゅぷっ……ぐちゅっ、ぐちゅっ! 

メイコ姉ちゃんの指が入ってるリンの穴から、えっちな音が聞こえる。
「リンー? あんた本当はずっと見てたんでしょ? 私、知ってたんだよ?」
「そんなっ、ひゃ……あんっ! あたし、そんな事してないもんっ!」
「じゃあなんでこんなにビショビショなのかなぁ? もしかして見ながらオナニーしてたんじゃないの?」
「あたしは……はぅっ……オナニーなんて、やり方…………しらないもんっ……ぁ、んんっ!

二人のやり取りの意味が分からない。おなにぃ? びしょびしょ??
でも今はそんな事考えてる余裕は無い。
リンが変な声出して擦るから、ボク……もうホントに……
「リン、ボク……なんかきそうなんだ、もう……おしっこが出そうって言うか……」
「あんっ! いいよ、出して! ハァ……ッ、せーしいっぱいリンにかけてっ!」
せーし? なんだか分からないけど……

「あっ、んんっ……んあぁぁぁ!!」
「あたしも、あたしも……もう、だめっ……だめなの……ふあぁぁぁん!!!!」

その後はしばらく記憶が飛んでしまっていた。
気がつくと、メイコ姉ちゃんとミク姉の姿は無く、ボクの体の上で倒れこむリンの姿だけがあった。
だんだんと記憶が蘇ってくる。そうだ、あの後確か二人は、
「先に上がってるね〜♪」
とか言って出て行ったんだった。
正気に戻った事で沸々と湧いてくる怒り。……ん? でも気持ち良かったんだから怒りじゃないのかな?
そんな事を考えていると、体じゅうベトベトになったリンがスクッと起き上がった。

「あれ? ……あたし、いったい…………」
「リン、大丈夫か?」
「えっと……確かメイコ姐に襲われて……それで力が抜けて……おしっこを漏ら……あーーー!!!!」
突如大声をあげてシャワーで辺り一帯を流し始めるリン。
そしてその後、体を流して立ちあがり、二人で顔を見合わせる。

「リン!」
「言わなくても分かってるよ。私たち、鏡音リン・レンにこんな事して……お姉ちゃん達、ただで済むと思って無いよね」
「うん、今度はボク達の番……」

『やられたらやり返す! それも10倍返しで!! それが鏡音一家のやり方だ!!!』

ボクとリンは、夜遅くに二人の部屋に忍び込む作戦を立てる。
「ミク姉はネギでいいよねー」
「じゃあメイコ姉ちゃんは、お酒のおつまみにきゅうりでも」
「レン、トゲトゲは取らないとダメだよ? 食べるのは下のお口なんだから♪」



――――コンコンッ。

部屋に響くノック音。はたして最初のターゲットはミクかメイコか……。

皆さんも鏡音リン・レンの扱いにはお気をつけてください。
685 ◆9iVe4Scw5Q :2008/04/27(日) 02:13:19 ID:6l6J1f3L
どうしてもレンをボクキャラで書いてみたかった。
後悔は今でもしていない。

でも、何もかもがうまくいかなくて、書きだめしていたSSを全消しした事は後悔している。
>>380の続きのメイコ×ミク×カイト
>>572の続きのネル×マスター
ちゃんと完成させます。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい×39
686名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 02:14:08 ID:KGcJ0W5G
うわぁ、これ以上無いダメイコにこれ以上無い兄弟愛が……

……抜いた直後にまた起ってしまった。しかし限界なので抜けない。生き地獄をありがとう(いい意味で)。
687名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 04:10:02 ID:lmp80HZH
カイト「ねんがんの アイスソードを てにいれたぞ!」
688名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 10:00:21 ID:RL3sveYS
>>675
え?そんなSSあったっけ?
689名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 11:42:26 ID:pjpXuPt0
>>685
GJ!レン・・・なんてうらやましい環境にいるんだw
690名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 19:57:20 ID:XDjZ67Sc
>>688
そういやずっと前に双子がカオスに弟子入りするって伏線張ってすっかり忘れてたの今思い出した
691名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 23:49:17 ID:RL3sveYS
>>685
続きが読みたいんだがw
復讐編として
692名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 23:51:38 ID:trj2xSoI
うろ覚えだが、歌の上達のためにロリショタ好きの演歌の大御所に弟子入りするって話か?
違ったらすまん。
693 ◆SVmMqAshx6 :2008/04/28(月) 01:24:10 ID:f3+oCdjo
こんばんは

まさかのレン×KAIKO投下させて頂きます。
レン一人称視点です。
女体化なので、苦手な方は読み飛ばしてやってください。
ちょっと長くなってしまったのでお暇な時にでも読んでもらえるとうれしいです。
それでは
 
 【始音KAIKOのせいで鏡音レンが暴走1】

 『性別すら選べないKAITO』というタグを見たことはあった。
 僕はそれらの動画をクリックしたことはないけれど、見かける度に、またカイト兄ちゃんがおもしろいことをやらされてるなあ、と思っていたものだ。
 だけど兄ちゃんの女装なんて特に興味は沸かなかったし。
 兄ちゃんも僕らに見られたいもんじゃないだろうなと思って、スルーしていた。
 のだけれど。

 …今日、帰宅して家の玄関を開けると、見知らぬ女の子がそこに立っていた。
 青いショートカットの髪、水色のマフラー、厚手の黒っぽいかわいらしいワンピースには、袖や裾にふわふわとした白いファーがあしらわれている。
 するりと肘までのびる黒い手袋。
 短めのスカートと白いニーソックスの間に、ちらっとだけふとももが覗いていて、僕はどきりとする。
 誰だ、この子。どうしてうちにいるんだ。
 ドアを開いた状態で立ち尽くしている僕に気づいて、その子が振り返った。
 僕を認めると、はにかんだようににこっと微笑む。
 ドキン!
 僕は言葉も出ない。誰だこの子。誰だこの子。
 知らない子だ。でも、どこかで見たことのあるような。

 すごく、可愛い。

 小首をかしげるようにして、大きな水色の目で僕を見ている。(まあ、今にして思えば髪の色とマフラーで、正体に気づけというものだけれど。この時の僕にはまったく思いつきもしなかったのだ。)
 
 僕が身動きも出来ずにいると、その子はとてとてとこちらに歩み寄ってきた。
 僕は思わず半歩身を引く。誰だこの子。誰だこの子。
 自分の顔が赤くなっているのがわかって、それを彼女に見られたくなかった。

 「レンくん、お帰り」

 にっこりと笑って、意外とハスキーな声で彼女は僕に言った。
 レン、くん?僕のこと知ってるのか?
 …というか、今の声、は。

 「カ、カイトにいちゃ、ん?」
 恐る恐る僕は聞く。
 完全に女性の声のようだったが、わずかに兄ちゃんの声の癖があった。
 「そうだよー」
 目を細めてにこにこと言う。
 まさか。まさか。

 目の前の現実にくらくらと目が回りそうだ。
 そんな僕に構わず、カイト兄ちゃんは少し照れたようにしながら、自身の格好の説明をしだした。
 「変だよねえ、こんなの」
 スカートのすそをつかんで少し持ち上げて見せる。ふとももの見える面積がわずかに増える。
 ああ、やめてください。
 「あのね、少し前に私がジェンダーファクターを調整して歌った歌が結構好評もらえたみたいで」
 「それで、その歌に似合うボディ端末があったらいいんじゃないかって、開発部のひとが。」
 「今日出来たから、試運転中なんだぁ」
 「なんかすーすーするし、変な感じだよ」
 僕はちらちら覗く絶対領域に気を取られていて、半分も聞いていなかった。
 
 「でね、私…」
 あれ?何か違和感があって、僕はカイト兄ちゃんの顔を見る。
 目が合う。僕は慌てて目をそらす。
 「レンくん?どうしたの?」
 また違和感。僕はカイト兄ちゃんに言う。

 「カイト兄ちゃん、自分のこと『私』って言ってる?いつもは『俺』じゃん?それにさっきから、僕のこと『レンくん』って。」

 いつもは「レン」って呼び捨てなのに。
 「あれ、そう?」
 言われて気づいたようにしてカイト兄ちゃんはこめかみに手をあてる。
 「ちょっと待ってね」
 内部データに検索をかけているみたいだ。

 「ああ、人称に修正がかかってるみたい。手が込んでるね」
 とカイト兄ちゃんが笑う。

 開発部め、余計なことをしてくれる。これじゃほんとに女の子じゃないか。
 俯いたままちらっと目だけでカイト兄ちゃんを盗み見る。
 しかも、女の子の顔ながら兄ちゃんの面影が残っているからタチが悪い。
 どきどきとする度に僕は自己嫌悪でいっぱいになる。

 「KAIKO、なんて呼ばれるんだよ。私恥ずかしくって。」
 兄ちゃんは顔を少し赤くして、頬をふくらませる。
 カイコちゃん。僕は無意識に頭の中で反芻する。
 いつもは見上げる程のカイト兄ちゃんの身長が、今は僕よりほんの数センチ高いだけである。
 リンよりは大きくて、ミク姉ちゃんよりはちょっぴり小さい、かな?
 
 動揺して顔を直視出来ない。
 と、どうしても視線がふとももへ行ってしまう。
 ミク姉ちゃんの絶対領域は、健康的な萌え要素だけれど、カイコちゃんのそれはミク姉ちゃんのそれとはまた違った魔力があるようだった。
 色気、というか、艶、というか。

 14歳、という設定で作られたせいで、僕は万年思春期である。
 その上家にはメイコ姉ちゃん、ミク姉ちゃん、リンと、それぞれ違うタイプの女性が同居しているのだから、白状すれば僕は3人でやましい想像をしたことも一度や二度ではない。
 ああ、だけど、だけど、

 よりによってカイコちゃんにときめかなくても。

 正直に言ってしまえば僕は今自分史上最高にどきどきしていた。
 なぜ、よりによって、カイコちゃんに。
 心拍数の上昇をすべて背徳感だけのせいにしてしまいたい。

 「体、その、まるっきり女の子なの?」
 僕はなるべく平静を装って聞く。
 「? まるっきりって?」
 だからその、小首をかしげる動作をやめてほしい。
 「だからさ、その、胸とか。…下の方とか」
 頭の中がぐるぐると回る。
 僕は何を聞いているんだろう。
 
 カイト兄ちゃんは一瞬きょとん、とした後で、
 「どうだろう。多分そうだと思うけど」
 と言った。
 多分?そんなもんなのか。
 僕なら自分の体が女の子になったら、すぐさまあらゆる所をチェックするけどな。
 というか、なんなら、チェックさせてほしい。
 そんなことを考えていると、ちょっと待ってて、と言ってカイト兄ちゃんが洗面所に入っていった。
 「開けないでねー」
 と告げて、ぱたんとドアを閉める。
 
 ? どうしたんだろう。
 ドアの前まで行ってみる。
 中からごそごそと音が聞こえる。
 ??? 何してるんだ?
 気になったので忠告を無視して、そっとドアを開いてみる。
 気づかれないように、薄く開いたその隙間から片目で覗く。

 カイコちゃんは服をずらして自分の胸をチェックしていた。

 なっ…!
 声をあげそうになって、慌てて口を閉じる。

 カイト兄ちゃんは向こうを向いていて、ここからはおっぱいは見えないが、前をずり下げて胸をつついたり、手で寄せて上げたりしているのがわかる。
 ああ、あと数cmこちらを向いてくれたら。
 ひとしきり胸を調べ終わると、今度は洗面台の下の棚に顔をつっこんでごそごそと何かを探している。
 何してるんだろう?
 
 そのまま覗いていると、カイト兄ちゃんはそこから鏡を取り出した。
 しばらく使っていない、30cm角ぐらいの大きさの卓上鏡だ。

 それを床に置くと、カイト兄ちゃんはその前にぺたんと座った。

 まさか。まさか。まさか。まさか。
 カイト兄ちゃんはおもむろにスカートに手をつっこむと、一瞬だけ腰を浮かせて、うんしょうんしょ、とパンツを膝の下まで下ろした。
 そして控えめに足を開いて、自分のふとももの奥を鏡に映している。
 着ている服の清楚さも相まって、これはかなり卑猥な図だった。
 ああ、だから、あと数cmこちらを向いてくれたら!!

 頭に血が上るのを感じながら、僕はドアに額を押し付けるようにして食い入るように覗き込んでいた。
 カイト兄ちゃんがパンツを上げ、鏡を仕舞いはじめたので僕は慌ててドアを閉めてリビングへ走りこむ。
 ソファに座って荒くなった息を整える。だけど、興奮してしまった下半身はどうしようもない。
 周りを見渡して、手近なクッションを膝の上に抱え込む。
 ばれなきゃいいけど。
 僕がどきどきしていると、服を整えたカイコちゃんがリビングのドアを開けた。
 
 「完璧に女性ボディだったよー」
 にこっと笑って、男同士の気軽さでカイト兄ちゃんが言う。(というか、カイト兄ちゃんが「完璧な女性ボディ」を知っている、ということも、僕には軽いショックではあった)
 僕は何食わぬ顔で、ふうん、とかなんとか返事をした。
 カイト兄ちゃんはソファの近くの床にぺたんと座る。
 動悸が治まらない。僕の体の奥、興奮は鎮まらない。

 ああ僕は何を考えているんだ。自己嫌悪と罪悪感で泣きそうだ。
 カイト兄ちゃんの気軽さに比べて僕ときたら。
 男兄弟だと思っているからこそ、カイト兄ちゃんはこんなことを気軽に話してくれるんだぞ。
 カイコちゃんは今のこの状況なんかなんとも思っていないんだ。
 男同士だからこそ、男兄弟だと思っているからこそ、

 僕の思考がそこではたと止まる。

 そう、カイコちゃんはこの状況なんかなんとも思っていないんだ。
 僕のことを男同士の兄弟だと思っているんだ。
 それなら。


 
701レンカイコ【(略)鏡音レンが暴走1】 8/26:2008/04/28(月) 01:29:16 ID:f3+oCdjo
 
 「あの、相談があるんだけど」
 「えっ相談?なーに?」
 少しうれしそうにカイト兄ちゃんが言う。
 弟が自分を頼るのがうれしいんだろう。
 「あの、僕、思春期、っていうか」
 「うん」
 「やっぱり女性に興味があって」
 「うん」
 「でも、その、こういうの、人には言いづらいし」
 「うん」
 カイト兄ちゃんはうれしそうにコクコクと頷きながら、そうだよねえ、レンくんぐらいの男の子はそういう時期だよねえ、なんて、悠長な相槌を打っている。
 「それで、その、女の子の体とか、見てみたいなって前から思ってて」
 「うん」
 「どうなってるのかなって。男とどう違うのかとか」
 「うん」
 「でもこんなこと、姉ちゃんたちやリンには頼めないし。」
 「うん」
 「だから、その…見せてくれない?」
 「うん」



 うんうんと頷いていた兄ちゃんの顔が、相槌を打ってしまった後で、え?と、笑顔のまま停止する。
 そのまま硬直して僕を見つめている。

 「だから、その、カイコちゃんのボディを。」
 
 沈黙が続き、僕の言葉に兄ちゃんが反応するまでたっぷり10秒はかかった。
 突如慌てたような顔になり、
 「いや、でも、それは、」
 としどろもどろに返答する。
 「別にいいじゃん、お、男同士、なんだし」
 自分で自分が情けなくなるくらい、男同士、の部分を強調する。
 「それは、その、そうだけど、」
 兄ちゃんはもごもごと口ごもる。
 「ちょっと見せてくれるだけでいいから」
 「でも、その、そういうのは、でも、」
 カイコちゃんは口元に手をやり、おどおどと困ったように下を向いている。

 あと一押しのような感じだ。
 僕は自分でもずるいと思うセリフを口にする。

 「お願い、こんなこと、カイト兄ちゃんにしか頼めないんだ」

 それを聞いて、カイト兄ちゃんが、うっ、と口を閉じる。
 ああ、奥の手を使ってしまった。
 カイト兄ちゃんが僕たち妹弟に兄として頼られると断れないことを、僕は知っているのだ。

 僕は何をしているんだろう。頭の中がぐるぐると回る。
 今僕の頭の中は、自分を責める声と、カイコちゃんを脱がす方法でいっぱいになっていた。
 いや、でも、そう、僕はさっき自分で言ったようにあくまで女の子の体に興味があるのであって。
 どうなってるのか前から見てみたかったし。その機会をずっと待っていたんだし。
 だから、決して、決して、カイコちゃん個人に興味を持っているわけではないのだ!
 誰に向けてともなく僕は心の中で言い訳する。
 
 でもじゃあなんで僕はこんなに必死になってるんだ?

 ああ、オーバーヒートしそうだ。
 ぐらぐらとした頭で視線を落とすと、またもやカイコちゃんの絶対領域に目を奪われる。
 洗面所で衣服を整えた時、ついでにニーソックスもひっぱり上げたのだろう。
 さっきは膝の上ぐらいの位置で履きこまれていたソックスが、ふとももの中程くらいまでずり上げられている。
 さっきまでの位置よりずり上げられたニーソックスは、さっきまでよりもキツめにふとももに食い込んでいて、それがひどくいやらしい。

 そしてふとももからそろそろと視線を上へ移動させる。
 華奢な腰を包む短いスカートに集中する。
 ああ僕は今、気が狂うほどこの中が見たい!!!


 

 「ちょ、ちょっとだけだよ」

 カイコちゃんがぼそっと言って、僕はびくっとする。
 自分の思考の世界に入り込んでいた僕を、聞こえるか聞こえないかというような声でカイト兄ちゃんが現実に引き戻した。
 「い、いいの!?」
 自分からお願いしておいて僕は聞いた。
 
 「み、みるだけだよ!!」
 顔を真っ赤にしてカイト兄ちゃんが言う。
 僕はコクコクと頷く。

 僕がバッとワンピースの胸元に手を伸ばすと、カイコちゃんがびくっと体を強張らせて身を引く。
 「じ、自分でぬぐからっ!!」
 真っ赤な顔で制される。
 僕はまたコクコクと頷く。

 そろそろと、カイト兄ちゃんがマフラーはそのままに肩からワンピースをずらしていく。
 途中まではのろのろとした動きだったが、一瞬ためらいがちに手を止めると、次の瞬間覚悟を決めたように、目をつむってえいっと一気におへその位置までワンピースの襟口をずらした。
 真っ白な肌に赤みが差したおっぱいがあらわになる。
 僕はまさに食い入るようにそれを見つめる。
 ぷりっとした、なだらかな胸だ。そんなに大きくはないが、曲線がとてもきれいだった。
 先端はすごくきれいな薄紅色だ。
 「ブラ、ジャーとかは、してないの?」
 僕は胸から視線を外さずに聞く。
 「うん、さすがにその、そういうのつけるのは恥ずかしくて」
 開発部の人に勘弁してもらった。とぼそぼそとカイコちゃんが言う。

 ニーソックスはセーフだけどブラジャーはアウトなのか。
 良くわからないけれど、カイト兄ちゃんのボーダーラインはそのへんにあるのだろう。
 それなりに胸のある女性はみんなブラジャーをしているもの、と思っていた僕には意外だった。
 
 そろっと右手を伸ばして、おっぱいの上にぴとっと乗せる。
 カイト兄ちゃんが真っ赤な顔で飛び上がる。
 「み、見るだけって言ったよ!」
 体を後ろに反らして僕の手から逃げようとするが、僕はそれを追うようにして腕を伸ばす。
 手のひら全体で感触を確かめるように、僕は手首をゆっくりと回した。
 「う 、   ゎ、  」
 赤い顔で変な声をあげながらカイト兄ちゃんが慌てたように両手で僕の手首を掴む。
 見事な下がり眉で、僕を睨んでいる。
 やわらかくて、きもちいい。
 手首を固定されて手のひらが動かせないので、僕は指先をそっと左右にすべらせる。
 カイト兄ちゃんは肩を竦めて体を硬直させる。ぎゅっと目をつむっている。
 と。
 胸の先端を淡くピンクに色づけていただけだった乳首が、徐々にぷくっと立ち上がって僕の手のひらに小さな感触を押しつけてきている。
 こ、れって。

 「ちく、び、勃ってる」

 僕がぼそっと言うとカイコちゃんは耳まで真っ赤になる。

 「ちがうよ!!!ちがっ ちがうよっ」
 
 何が違うというのか。
 僕はそのまま手の平を押しつけるようにして親指の付け根でそれを刺激する。
 ひゃ、とかそんな声がして、兄ちゃんが息も止めるようにして体を震わせる。
 つと見上げると真っ赤な顔で目を固くつむっていた。
 時折薄く漏らすように熱い息を吐いている。
 僕が手を下の方へずらそうとすると、カイト兄ちゃんが慌てたように目を開く。

 と、カイト兄ちゃんは困ったような、焦ったような、そんな顔をして固まった。
 その視線を追うと、僕の興奮したアレを見ている。
 僕の分身は最早我慢できないといった勢いでズボンを突出させている。
 どうしようもなく出来上がってしまっている。
 僕は一気に恥ずかしくなって、それを隠すように、体の向きを変える。
 勃ってるのばれた。
 どうすればいいかわからず、僕は顔を真っ赤にして黙り込んでしまう。
 くそっ、男同士だからって言っておいて、変態だと思われたかもしれない。
 僕の中でぐるぐると恥ずかしさと後悔が回る。

 「あ、の」
 カイコちゃんの声に僕は体を硬直させる。ああ、ちょっと泣きそうだ。
 
 カイト兄ちゃんが真っ赤な顔で、おずおずと僕に言う。
 「レ、レンくんは、お、おとこのこなんだから、おんなのこの体見てそうなっちゃってもおかしくないんだよ」
 「だ、だから、その、そんなに気にしなくていいし、」
 「し、自然なことだから、ね。」
 こんな状況で僕を励ますように声をかけてくる。
 ただ、なるべく僕の股間は見ないようにしているみたいだった。

 「…ほんと?変じゃないの?」
 僕は純粋な弟を装って聞く。
 「う、うん!ちっとも変じゃないよ!」
 カイコちゃんが無理をして笑う。
 「誰でも女の子の体見たらこうなる?」
 「なるよ!」
 「興奮したらこうなるの?」
 「うん、そう!」
 「カイト兄ちゃんも?」

 僕の質問にカイコちゃんは一瞬固まるが、この場は僕を励ますことを最優先と考えたようだ。

 「うん!な、なるよ!」
 と笑顔で言う。
 
 僕はたまらなくなって、カイコちゃんのボディに抱きつくようにしてその背後に手を回す。
 おしりの方からスカートの中に手を突っ込み、パンツに手をかける。
 カイト兄ちゃんが僕がしようとしてることに気づいて慌てて声を上げる。
 「じ、自分でぬぐから!!やっ」
 じたばたと僕の腕の中もがいているが、僕はそれを無視する。
 顔が熱い。頭の中が熱い。全身の血が頭とアレに行ってるみたいで、僕は何も考えられない。
 乱暴に、床に座っているカイト兄ちゃんを引っくり返すようにして、僕はパンツを脱がせる。
 「レンくんっ」
 真っ赤な顔で兄ちゃんが僕を叱責する。
 体勢を立て直しながら2本の脚をぴったりと閉じて、僕を睨みつける。
 ああ、怒った顔もかわいいな。
 「ごめん、ちゃんと見せて」
 僕は息をつきながら言う。
 早く。早く。早く見たい。

 今度はカイト兄ちゃんの方が泣きそうだ。真っ赤な顔でどうしようか悩んでいるようだった。
 ただ、僕が大人しく辛抱強く待っていると、
 「み、みるだけだよ」
 と蚊の鳴くような声で言って内股気味にほんの少しだけ膝を開いた。
 でもそんな開き方じゃ全然見えない。
 「見えないよっ」
 僕ははあはあと言う。
 
 カイト兄ちゃんは、うっ、と困り顔をして、顔を更に赤くしながら、またほんの少しだけ脚を開く。
 でもまだそんなんじゃ見えない。
 見えそうで見えないこの状況は耐え難い。

 僕は左手をカイコちゃんの右ひざの下に潜り込ませる。
 ばっと外側に持ち上げると、すべすべしたふとももに、僕の指が柔らかく食い込む。
 意外とむちっとした感触が手のひらに伝わった。
 「レンくんっ!」
 カイト兄ちゃんが慌てたように僕を叱る。
 僕は構わずようやく見えた女の子の部分に手を伸ばす。
 「見るだけだってばっ」
 カイコちゃんが泣きそうな声で言う。でももう僕は止まれない。
 
 光の下に晒されたその部分を僕は見つめる。
 これが、女の子の。
 ふっくらした曲線の中心、花びらが二枚合わさったような割れ目を僕は人差し指でなぞる。
 「わ、ぁっ」
 カイコちゃんがぎゅっと体をすくませる。
 真っ赤な顔で、肩をすくめて小さく震えている。
 指先が微かに湿る。僕は更に撫でるように指を何度か上下に行き来させる。
 すると、すっと閉じていたそのスリットが少しずつほころんでいく。
 「、  ぁっ ぁっ」
 カイコちゃんが小さく声を漏らす。
 ちゅ、ちゅ、と、僕の指の下で水音がする。
 なぞる花びらをくちゅっと指で少し押すようにすると、僅かな溝の一番下に、とろっ、としたしずくが一つ生まれる。
 そして、おしりの曲線をなぞるようにして下へ流れた。
 
 
 「濡れてる」

 僕がはあはあと言うと、今にも泣きそうな顔でカイト兄ちゃんが言う。
 「ち、ちがっ、 濡れてないよっ」
 ちがうよ、これは、と目をつむったまま耳まで真っ赤にして言い訳を探している。

 僕は新たに生まれたしずくを指ですくうと、入り口周辺にくりくりと塗っていく。
 「ぅあ」
 カイト兄ちゃんがまた身をすくませる。
 僕が愛液をまぶした指を、そのまま溝の奥に滑り込ませようとすると、慌てたように
 「レンくんっ!お兄ちゃん怒るよ!」
 と、真っ赤な顔で目を潤ませて兄ちゃんが叫んだ。
 でも、普段だって有って無いようなものの兄の威光を、こんなところで振りかざしても、何の役にも立たない。

 僕は人差し指を第二間接までカイコちゃんの中に挿入する。
 ぎゅっと体に力を入れて、兄ちゃんは眉根を寄せる。
 「、やっ」
 カイコちゃんの中で、しっとりとした熱い粘膜が僕の指をきゅっと押し返す。
 こんなに狭いのか。
 こんなとこに男のアレなんか入るのか?
 回らない頭で僕は考える。
 
 カイト兄ちゃんは震える手でスカートを握り締めている。
 僕は指をカイコちゃんの中でゆっくりと回すようにする。
 「、あっ」
 赤い顔でカイト兄ちゃんは軽くしかめる。
 スカートを握る手に力がこもっている。

 「にいちゃ、ん、今って」
 僕ははあはあと息を吐きながら尋ねる。
 「やっぱり男の時と全然違うの」 

 「わ、わかんなっ」
 カイト兄ちゃんは真っ赤な顔で泣きそうな声を出す。口をきゅっときつく結ぶ。
 「、じ、んじん、するうっ!」
 うわっエロい顔!
 顔は俯き加減にして、しかし背筋は弓なりに反っている。
 真っ白なふとももは刺激に耐えるように細かに震えている。
 足先を見るとかかとが浮いていた。
 
 
 僕の中で最後の理性がエマージェンシーを叫んでいる。

 落ち着け。

 これはカイト兄ちゃんだぞ。
 これはカイト兄ちゃんだぞ。

 濡れて潤んだ瞳がどんなに扇情的でも。
 薄く開いた桜色の唇がどんなに色っぽくても。
 その唇と良く似た色の乳首がどんなに可愛らしく僕を誘っていても。
 すべすべのふとももの一番奥で、濡れた女の子の部分が準備を万端に整えていても。

 僕のアクセルはすでに痛い程踏み込まれている。
 なけなしの最後の理性がか細くブレーキを踏んでいる状態だ。

 落ち着け。落ち着け。
 頭の中でもう一人の僕が叫んでいる。
 脳内とは裏腹に僕の手だけが勝手に動いていく。
 ぬるっと溝から指を上にずらす。
 僕の指先がカイコちゃんのクリトリス(多分これがそうだろう)に伸びる。
 触れるか触れないか、というように、ごくごく軽く掠めたその瞬間、びくんとカイト兄ちゃんの体が大きく跳ねた。

 「そ、こ、だめえっ!!!」

 聞いたことも無いような鼻に抜ける甘い声で、カイト兄ちゃんが叫んだ。

 かくして僕のブレーキはいともあっけなく放たれた。
 元が兄ちゃんだからなんだっていうんだ。


 美 し け れ ば そ れ で い い 。
 
 
 
 僕はファスナーを下ろして急いで自分のものを取り出す。
 カイト兄ちゃんは、はあはあと息をつきながら薄く目を開いて、僕の行動を認めると、途端固まった。
 一瞬で顔が青ざめる。

 「むり!むりむりむりむり!!!!」
 ぶんぶんと首を振りながら、目を見開いている。
 「お願い、兄ちゃん、僕、しんどくて、」
 眉根を寄せて懇願するように僕は言う。
 お願い、兄ちゃん、を強調することも忘れない。
 「だめ!ぜったいむり!むり!」
 しかしカイト兄ちゃんも、いくら弟の嘆願といってもさすがに今回はゆずらなかった。
 真っ青な顔でNOを繰り返す。
 そりゃそうだよな。
 僕だって男に突っ込まれるなんて死んでも御免だ。

 「じゃあどうすればいいの?」
 僕が声を裏返しながら聞くと、カイト兄ちゃんはしばらくあーとかうーとか言って解決策を探しているようだったが、やがて困った顔で口を開いて、

 「レンくんは、一人でしたことないの?」

 と蚊の鳴くような声で言った。
 ここから先はお一人でどうぞってか。そんなご無体な。
 カイコちゃんは意外と残酷だ。
 
 「一人でなんてしたことないよ。どーすればいいかわかんない。」
 僕の口があっさりと嘘をつく。
 カイト兄ちゃんの表情はどんどん追い詰められたものになっていくが、僕だって切羽詰まっているのだ。

 我慢の限界を超えた自分のアレを握って、僕は息も荒くカイコちゃんを見る。
 きっとこの時の僕はとんでもなく情けない顔をしていたことだろう。
 ううう、と困ったような顔で兄ちゃんは僕の顔を見つめ返していたが、僕がカイコちゃんの方へ少し体を動かすと、びくっと体を跳ねさせて、慌てたように右手の手袋を外した。
 そしてするりと伸びた綺麗な指を僕のものに這わせる。

 「す、すぐ終わるからっ!」
 宣言してカイコちゃんはためらいがちに手を動かす。(すぐ終わるって、後になって思い返せばひどい言われようだ。)
 根元から先端へ何度も手を上下させる。
 「うあ」
 刺激に耐えるために僕はぎゅっと目をつむる。
 指で作った輪っかを上下させるだけの単調なしごきだったが、さすが中身は男と言うべきか、具合のいい場所を完全にわかってくれているみたいだった。
 僕はたまらない。頭の中が真っ白になる。
 カイコちゃんの手の反復運動が速度を上げていく。

 「で、るっ!」

 僕のセリフが先だったか、それとも発射が先だったか。
 快感に耐え切れなくなった僕のそれは、勢いよく跳ねて我慢を吐き出した。
 
 
 
 
715名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 01:43:17 ID:s1Z9CRRX
支援が必要かな?
 それからしばらく、僕は、寝転がって息を整えていた。
 はあはあと息をつきながら、自分の顔を自分の両腕で覆い隠すようにする。
 絶頂の余韻がだんだんと引いてくると、自分のした行動が目の前にフラッシュバックのように浮かぶ。
 顔から火が出そうである。カイト兄ちゃんの顔が見れない。
 あんなに熱に浮かされていた頭が、射精を経て恨めしいぐらいに冴えてくる。 
 腕の下から、ちらっとカイト兄ちゃんを盗み見た。

 兄ちゃんは顔まで飛びかかった僕の精液を、ティッシュでぬぐっているところだった。

 自己嫌悪で今この場で死んでしまいたかった。

 「あ、の、」
 僕が恐る恐る声をかけると、カイコちゃんはびくっと体を緊張させたあと、こっちを見た。
 僕と目が合うと、無理をして笑顔を作ってくれる。
 「落ち着いた?」
 「あ、の…うん、ありがと」
 情けない気持ちで僕はお礼を言う。
 「今日は、その、ご、ごめんね」
 もごもごと謝る。
 心からの謝罪だった。
 「その、ぼ、僕は落ち着いたけど。」
 「うん」
 カイコちゃんがにこっと頷く。
 「兄ちゃんは、その、いいの?…からだ」
 僕にいじられてそれなりに昂ぶっているはずだ。
 カイト兄ちゃんは顔を赤くして、
 「だ、大丈夫だよっ」
 と慌てたように言った。
 
 「でも、濡れてた、し」
 「濡れてないよっ!!」
 顔を真っ赤にして否定する。
 いや、でもあれは。
 しばらく沈黙が続く。
 僕がぼんやりカイコちゃんを見つめていると、
 彼女は赤い顔で視線を落としたまま
 「わ、私は、だいじょうぶ。あとでなんとかするから」
 とぼそぼそと言った。

 あとでなんとか、って
 それって。

 僕は想像して鼻血が出そうになる。
 なんて勿体無い。
 顔が熱くなるのを感じながら、僕はまた自己嫌悪に陥る。
 くそっ今日の僕は変だ。完璧におかしい。

 もう一度カイト兄ちゃんを見る。
 黒の衣装が目に入る。
 視線をずらすと魔の絶対領域が見える。
 ああ、この、この衣装のせいで!
 
 僕の中でふつふつと怒りが沸いてくる。
 すべてこの衣装のせいのような気がしてきた。
 清楚なふうでいて、男を惑わす意匠がそこかしこに施されている。
 そうだ、僕がおかしくなったのは全部この衣装のせいだ!
 全部、全部この服が悪いんだ。
 僕の中で無理矢理な結論が出て、僕はばっと起き上がって、カイト兄ちゃんに言う。

 「兄ちゃん、すべてはその衣装のせいだったんだよ!!」
 「え?」
 きょとんとして、カイコちゃんが僕を見る。
 「だからその、女の子らしい衣装とか!手袋とかさ!ニーソックスとか!スカートも短いし、ふとももが見えるでしょ?」
 僕は急いで自分の考えを話す。
 カイト兄ちゃんがうんうんと頷く。
 「だからさ、その、今日僕がおかしかったのは全部その衣装のせいなんだよ!」
 自分で頷きながら力説する。
 カイト兄ちゃんも、力強くうんうんと頷いている。
 なんだか納得している様子である。
 後になって考えれば僕のセリフにひとつも筋なんか通っていないのだが、カイト兄ちゃんだって、弟に襲われかけたという事実を何かのせいにしたかったのだろう。
 そっかあ、そうだったのかあとまだ一人で頷いている。
 

 「だからさ!今すぐ着替えてきて!いつもの服に!」

 僕が興奮ぎみに言うと、わかった!と返事をして、カイコちゃんはすっくと立ち上がる。
 脚に力が入らないような感じで、よろよろと兄ちゃんの部屋の方へ歩いていった。
 (黒くて可憐な衣装には、僕の白濁した精液がたっぷりと縦断していて、どっちみち着替えなければならないような状態だったけれど、そのことについて兄ちゃんは何も言わなかった。)


 リビングで一人になってみると、ますます先ほどの自分の考えが正しいように思えてくる。
 そうだ。あの衣装が悪いんだ。
 何が絶対領域だ。そんなものは法律で取り締まるべきだ。

 そんなことを頭の中で繰り返し考えて、僕の中で完全に結論は出た。
 今日の僕の奇行はすべてあの衣装の魔力によるものである!
 そうとわかれば気が楽になる。
 鼻歌でも歌いたい気分だった。

 「着替えたよ〜」
 ドアが開く音がして、未だ可愛いカイコちゃんの声がする。
 僕は晴れやかな気持ちで背後を振り返る。 
 カイト兄ちゃんがちょこんと部屋の入り口に立っていた。
 確かに見慣れたいつもの服に着替えている。

 しかし
 
 

 小さい体にいつものコートは足首までの長さ。
 盛大にだぼだぼと余った袖口は手のひらを隠して、その先からちらりとだけ指先が覗いている。
 本来肩の位置にあるべき袖の付け根の縫い目は、大幅に下に移動して二の腕の位置。
 そしてトレードマークのマフラーは華奢な肩に乗り、口元まで覆い隠しそうだ。

 目が合って、えへへ、とカイト兄ちゃんが笑う。

 僕は返事も出来ない。
 また頭に血がのぼるのを感じながら
 …ああ、僕は思ってしまった。

 くそっ!これはこれで!!!




 <終わり>
721名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 01:52:26 ID:3ot4HJFT
やりやがった!
GJだ! えろすぎるぞKAIKO!!!!
722 ◆SVmMqAshx6 :2008/04/28(月) 01:53:29 ID:f3+oCdjo
以上です。
読んでくださった方ありがとうございます。
最近すごくおもしろいSSが続くので、wktk名無しに戻ります(`・ω・´)ノ
それでは

>>715
支援ありがとう!
723名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 01:57:11 ID:F555m6Pm
GJ!(溢れ出る鼻血を押さえながら)
良い仕事してるじゃねえか開発部!!1 っていうかノリノリで作ったろ。

そしてレンはルビコン川を越えてしまったな。どーすんだ14歳の暴走重機。
724名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 02:14:39 ID:s1Z9CRRX
支援レスは同じ板内なら別のスレでもいいのを書いてから思い出したorz

しかしほんとにすぐ終わったなw
これがKAIKOの本気・・・っ!

で、この後3姉妹に
「本当に女の子ボディなの?」
と確認される展開が待っているわけですね?
裸マフラーで。
725名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 02:33:41 ID:F2nze62o
フォオオオオオオオオ!フォオオオオオオオオ!
フォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!

(訳:マジGJ!カイコかわいいよカイコ!)


……ふう。
726名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 04:56:43 ID:iu4pkIjH
これは や べ え 。すばらしいまでの破壊力。
反応がKAITOらしいんだが女の子っぽくて萌えちまったwww
727名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 07:52:49 ID:YpJvr16r
メイカイメイの人か!乙!
728名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 07:54:14 ID:YpJvr16r
メイカイメイの人か!
乙!
729名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 08:04:03 ID:a2qAuQkj
いちいちレンが面白いなwww
いいぞもっとやれ!
730名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 09:12:21 ID:y1dIwbdj
レンきゅん可愛いよレンきゅん

>>692
そう、それ。ボカロスレだからやっぱカオリン(カオレン)はマズいよなあ、
じゃあ奪われる前に俺がってレンリン物にするか、いやありきたりだ。
と色々悩んだら煮詰まって後回しにしたらすっかり忘れてたw
731名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 13:09:25 ID:F2nze62o
だれか、誰かMEITOを書く猛者はいらっしゃいませんか!?

俺の中ではメイコねーさんの性格が男っぽいのであまりギャップが無くて書きづらい……
732 ◆V5AVgh0yRw :2008/04/28(月) 13:11:08 ID:8gm1Dvyc
>>722
GJ!御疲れ様です!

こんな素敵な小説のあとに己の小説投下するとかすんごい勇気が要りますが、
鏡世界もう少し時間がかかるのでつなぎにネタ的なレンリンを一つ。
733『甘えたがり症候群』レンリン:2008/04/28(月) 13:15:53 ID:8gm1Dvyc
 
 「ねぇレンー、だっこー」
 「・・・もうしてるでしょ・・・」
 「そうじゃなくて、もっと。こうギューってして。ギューって」
 「・・・・はいはい」
 
 仕方がないから注文どおりに、既にお姫様抱っこのような状態でレンの
膝にちょこんと座っているリンをレンは少しだけ腕の力を強めて抱きしめ
る。そうすれば、レンの首に腕を回して嬉しそうにリンは擦り寄る。まさ
に子犬だ。もし尻尾があるなら、今彼女は千切れんばかりにその尻尾を振
るんだろう。簡単に想像できるところがなんとも可愛い。
 さっきからドラマはいい所を迎えていると言うのに全くと言っていいほ
ど頭に入ってこない。それもこれもリンのせいだ。
 
 「レーン」
 「なにー・・・」
 「ううん、なんでもない。名前呼びたかっただけ」
 「あ、そう」
 「えへへへへー」
 
 だめだ、完全にこれはまた始まってしまったらしい。
 溜息をつきたくなる衝動を何とか抑える。レンは、これから何分、いや
下手をすれば何時間も続くのであろう理性との戦いを覚悟した。
 普段は大人っぽい、いや一生懸命大人の振りをするリンは、時折何かが
壊れたように極度に甘えたがる。
 いつもは一応弟分に当たるレンの姉であり、母であろうとするのか、と
にかくレンの世話をやこうとする。もう14歳なんだから一人で出来ると
いってもとにかく何かをしようとする。そのくせ、自分は年上の兄弟姉妹
には手を煩わせないよう何でもかんでも背負いむ。それがリンなりに頑張
っている証なのだと言う事をレンも他のボーカロイド兄弟も知っているの
で、とやかく言うような事は特にはしない。いえばリンが傷つくかもしれ
ないからだ。
 ところが、たまにこんな状態になる。
 頑張っていた緊張が時折切れるのか、それとも頑張りすぎた反動なのか
。たまに、ベッタリと、それこそ幼い妹のようになってレンにくっつくの
だ。人目もはばからずに。
 それが何故レンなのかと言うとやはりたった二人の兄弟であるし、リン
なりにメイコやカイトに頼るのは気恥ずかしい所があるのだろう。普段の
リンを面倒見のいい母犬(仮)とするならば、レンはなすがままにされる
子犬。逆に今のリンは完全に甘え盛りの子犬である。そしてレンはその子
犬をあやす父犬、と言うところであろう。
 とにかくこうなったリンは気が済むまでレンから離れない。ご飯を食べ
る時もテレビを見るときも風呂に入るときも何をするときも四六時中ベッ
タリなのである。
 しかし何か特別不可能な願いを言われるわけでもないのがレンの心中に
拍車をかける。ご飯食べさせて、とか手を握って、とか。そんな事ばっか
りでなにか物を要求されたりする事はない。正直、好きな女の子のこんな
無防備な姿を見て大人しく出来るという男が居たら、問い詰めたやりたい

 お前は耳元で甘ったるい声で己の名前を呼ばれ、首に腕を回されながら
、かつ抱きしめろと要求してくる恋人を襲わずにいられるのか、と。
 
 「リン・・・そろそろ降りない?」
 「やー。もうちょっとレンとくっついてたいのー。重い・・・?」
 「いや、重くはないけど・・・むしろ軽いけど・・・」
 「レンはリンにくっつかれるの、いやー?」
 「いや、全然いやじゃないですけど・・・むしろ嬉しいですけど・・・

 「じゃあいいじゃん」
 「はい、そうでうすね・・・」
734『甘えたがり症候群』レンリン:2008/04/28(月) 13:16:27 ID:8gm1Dvyc
 
 いや、本当はそろそろ限界です。一杯一杯なんです。主に俺の理性とか
理性とか理性とか。
 そんなレンの心境など知る由もなく、リンはぺったりと己の体をレンに
密着させる。二人の間には僅かな隙間すら存在しない。
 本当、誰か早く帰ってきてくれ。レンは切実にそれを願った。そうすれ
ば、なけなしの理性にも鍵がかけられるのに。すると不意にリンとおそろ
いで買ったオレンジ色の携帯が光った。この着信音はメイ姉からのメール
である。いやな予感がした。
 
 『ごめーん。これからちょっと飲みに行って来るから帰り遅くなるねw
ちゃんと戸締りして寝るのよ。お休みw』
 
 それと共に既に酔っ払いかけているメイコに首を絞められているカイト
と恐らく写メをとったのであろうミクの指が写真に写りこんでいた。
 
 (まじかよ・・・)

 希望が潰えるとは、このことを言うのかもしれない。
 
 「メイ姉なんだって?」
 「あー・・・今日三人で飲みに行くから遅くなるって」
 「そう、じゃあ今日レンとリンの二人っきりだね」
 「そうだね・・・」
 
 久々に兄弟水入らずだね。と無邪気にリンが笑う横で、レンは頭を抱え
たくなった。こうなったら、必死にテレビに集中してなんとか誤魔化すし
かないだろう。そんで今日は疲れたから風呂は明日の朝にするってことに
して、とっとと寝てしまおう。よし、完璧だ。これでいけば何とか持ちこ
たえられる自信がある。
 っていう計画を立てていたのに。天使の笑顔を被った子悪魔は、その計
画をぶち壊す発言をした。
 
 「ねぇ、レンキスして?」
 
 瞬間、口に含んでいた麦茶を思いっきり噴出した。「レン大丈夫!?」
とリンが背中をさすってくれる。責任は君にあるんですけど・・・。幸い
リンにも俺にも麦茶はかからなかったので、それで一応よしとする。
 ゆっくりと背中をさすってもらいながらレンは数回むせて咳を吐き出し
た。
 
 「ちょっ・・・っげほ、リン今なんて」
 「キス、しよ?」
 
 首をかしげてにっこり微笑むとか。そんな高等技術どこで覚えたんです
がリンさん。
 
 「し、しなきゃダメなの?」
 「だーめ。しなくちゃ罰金100万円だよ。それとも・・・レンはいや
?」
 
 いえ、全くいやじゃないんですけど。むしろやりたいんですけれども。
 こうやって甘えてくる事があるといっても、ここまで甘えてくるのは正
直初めてだ。どうしたらいいのか分からなくてレンはの体は固まった。
 普段はツン全開のリンをそれころ無理やりと言う四文字が似合うぐらい
強引に押して押して行為に及んでいるので、こんなに積極的でかつ純情な
リンにはどうしていいのか分からない。むしろ無理やりやる時の表情がい
いというのもあるのだが、これはこれで可愛いのではないだろうか。って
問題はそこじゃなくて。
735『甘えたがり症候群』レンリン:2008/04/28(月) 13:16:47 ID:8gm1Dvyc
 
 「レン、ね?」
 
 あぁ、ちくしょう。目を閉じて求めるその横顔とか可愛くてしかたねぇ
っつの。明日になってから今日のこと恥ずかしがったって知らないからな

 蕩けそうなほどに柔らかく甘い唇に追いかけて、二人でソファにダイブ
する。今日の夜はまだ終わりそうもない。
736 ◆V5AVgh0yRw :2008/04/28(月) 13:20:28 ID:8gm1Dvyc
本当はね、エロスにいきたかったんだ。
でも上の素晴らしいエロスを読むと怖気づきました。
サイト作ったらこれにエロスもプラスして書かせてもらいます(´・ω・`)キタイシタカタゴメンネ

最近分かった事をさらに一つ。
自分レンリン以外書かないんじゃなくて書けないんだorz
むしろ開き直ってレンリンマスター目指します。座右の銘は「双子は正義」

サイト作る事にしました。基本的にこちらで一度載せたてから修正してUPするという形になります。
もう少しで鏡世界3作目出来上がりますので、少々お待ちください。

ではでは。
737名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 13:57:12 ID:f9MHGo1H
>>722
お前色々わかってるな
小さい体に普段着とか悶えたじゃないか
 
是非続きを書いて欲しい、次は本番アリで
738石ころ:2008/04/28(月) 13:59:31 ID:f9MHGo1H
>>722
ハク終わったらネタ帳にあったカイコネタ投下しようと思ってたら先越されたwそれにしてもGJ!エロすぎますw
739名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 14:22:09 ID:MeFFhkeq
GJGJ!!レンリンGJ!!
サイトも鏡の世界も楽しみにしてるよー!!
740名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 17:49:11 ID:3ul1yXKY
カイコ好きはどうぞ
ttp://2d.moe.hm/miku/img/miku0467.jpg
741名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 19:03:50 ID:3Q/avBww
>>740
出血多量で殺す気かwww
742名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 19:59:27 ID:s1Z9CRRX
リンレンといえばロードローラー
→ロードローラーは車である
→ロードローラーでカーセックル
ここまで三段論法して力尽きた。

個人的にはぶっちぎりと変形合体と卑怯メルトの三つが
三大ロードローラー。
743名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 20:26:28 ID:9iQxoNE5
>>731

MEITOMEITOにされたので少しずつ書いてる。
自分はあまりギャップは考えずに、『同じものから発生してるから似ててあたりまえ』という考え方で
大人のカッコイイ男と女路線を目指して、つたない文章力と足りない語彙でちまちまと…
744名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 20:48:20 ID:vol27TSx
>>743
書きおわるのを全裸で待ってる
745名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 20:50:37 ID:/QcgtMh6
>>732
あなたの書くレンリンが大好きです。GJ
ただ、三点リーダはこれ→…にしたほうがいいと思います。
746名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 21:55:41 ID:dm1M84Cu
>>742
ロードローラーでカーセックルはいろいろと難しいと思う、物理的に。
747名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 22:04:00 ID:U930HRMP
正規キャラ以外が増えまくってきたな。
そろそろミクとか読みたいこのごろ。
748名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 23:03:49 ID:v8vhPd2D
カンタレラを久々に聞いたらなんかもう!なんかもう!(以下エンドレス
ここってカイミク少ないぽいのなー自分に文才さえあれば…!
749名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 23:04:11 ID:v8vhPd2D
うは、すまんあげてしまった
750名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 00:49:38 ID:cyCoBX3N
久しぶりにカイトミクが読みたくなってきたな
しかしカイトミクだとアホの子コンビで和むがエロに持って逝きにくいのが現状
ちょっとアホの子同士でネタを考えてみた

「レン!リン!あんた達何したのかわかってるんでしょうね・・・」
「何怒ってるのMEIKO姉さん?」
「あ。ミク、それにKAITO。ちょっと聞いてくれる。この子たちね・・・H・・・してたのよ」
「ええーっ!」
「おい、レン、何やってんだ!お前らまだ子供だろ!」
「まあ・・・そこも怒るところだけど、それ以上に兄弟でやってたのが問題だわ
あんた達、兄弟でHしちゃダメだってわかってるわよね!」
「え!?MEIKO姉さん、兄弟でHしちゃダメなの?」
「ミク・・・あんたそんな事も知らないの?兄弟でHしちゃダメなんか常識よ常識!」
「わたし、毎日お兄ちゃんとHしてるけど、これってイケナイことだったんだ・・・」
「そうみたいだな、俺も初めて知った」
「これからどうしよう、お兄ちゃん」
「俺とミクが兄弟の縁切れば良いんじゃないか?」
「それグッドアイデア♪お兄ちゃん、マジ頭いいね!」
「よくねーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
751名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 10:02:03 ID:9pJRI8Fo
MEIKO仲間外れw
752名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 11:58:14 ID:ttXIFghp
カイメイ、レンリンだと必ずミクがポツーンってなるよなw
カイミク、レンリンもたましかり
 
百合と薔薇なら仲間外れ無しだがw
753名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 12:46:49 ID:uaGR4b/H
>>752
その為の>>565みたいな分身技ですよっ!!
754名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 13:03:06 ID:hnwA9+ty
>>750
GJ!!
知能指数の低い二人にニヤニヤが収まらない
755名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 13:14:27 ID:y6CF1oQz
>>750
MEIKO姉・・・(涙
っ胃薬
756名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 13:24:43 ID:fI3nqCoz
ま、いつもはミクがあぶれだからなw
しかし頭悪い。
757名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 13:34:54 ID:3+QhRlI5
>>753
しかし分身したKAITOがメイコもミクも相手にするとなると
これはKAITO氏ねと言わざるを得ないwww
758名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 13:55:49 ID:y6CF1oQz
>>757
増えるのがMEIKOならば氏ねなどと言えまいw
759名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 14:24:12 ID:fI3nqCoz
つまりミクメイ、カイメイ、レンリンか。

双子は不動なのか?
違う組み合わせも見たいぞ。特にレンミク。カイリン。
760名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 15:04:24 ID:8GCp7slW
自分はどの組み合わせでも楽しめるんだが
761 ◆9iVe4Scw5Q :2008/04/29(火) 15:10:55 ID:rWPbH5iO
カイト×ミクは、ミクに酒を飲ませれば何とかなると思って、3レス書いてみた。
762 ◆9iVe4Scw5Q :2008/04/29(火) 15:11:39 ID:rWPbH5iO
>>380

風呂場から聞こえる賑やかな声。それを背に受け、カイトはまだ一人体育座りをして部屋の隅っこでいじけていた。
「なんだよ、なんだよ。二人とも……」
ハクが風呂場に入って行った時、
『いくら人見知りしない二人でも、いきなり女将のハクに入って来られたら困るだろう』
と、心の中で思っていたカイト。しかし現実にはそう行かなかった。

メイコはハクが同じ酒豪だと知ると、すぐに意気投合。二人仲良く酒盛りを始め、
一番の不思議ちゃんミクも、相変わらずのテンションでハクにちょっかいを出し、
更に酒を飲んだハクは妙に愉快な人間に豹変し、ケラケラと笑いながら楽しそうにしている。

「それじゃあ、お料理持ってくるから。めーちゃん。ミクちゃん。ばいばーい」
「ハクちゃんバイバーイ♪ あははっ、めーちゃん、楽しかったね♪」
「そうね。……でも、まずコイツを何とかしなきゃ……」
風呂から出て来たときメイコの目の前には、生ける屍と化したカイトが、部屋の隅で天井を見上げ佇んでいた。

「へへっ……いいんだ。どうせオレなんて……ただの財布、スポンサーなんだから…………」
「はぁ〜……こりゃ重症そうだねぇ……」
何やら独り言を呟くカイトの姿を見て、さすがメイコもかける言葉が見つからない。
しかしミクは、ハクを見送るとお構いなしにカイトに飛びついた。

「ねぇねぇ、カイトー! ハクちゃんってすっごい面白い人なんだよっ!」
「そう……良かったね、ミク…………」
「?? ……カイト元気ない?」
さすがのミクもカイトの異変に気づいたのか、不思議そうな顔をしている。
すると、メイコは良い事を思いついたと、手をパンッと鳴らしてニヤッと笑った。

「ミク、ほっぺにチュッてしたらカイト元気になると思うよ〜」
「ホント? じゃあ、――カイト元気出して〜♪」

――――ちゅっ


カイトに抱きついたまま、言われた通りにほっぺにキスをするミク。
「カイト、カイト! 元気出た?」
「なっ……そ、そんな事で機嫌が直るとでも……」
悲しい事に、ミクのキス一回でカイトの機嫌は10割回復。元気が出てしまっていた。……いろんな所が。
しかし、一人でいじけていた恥ずかしさから、変な意地を張ってなかなか素直になれない。

「そっか機嫌治らないかぁー。こーんな可愛い子に裸で抱きつかれて、キスまでされたのに……」
その言葉を聞いて、カイトが慌てて横で抱きついているミクの方を見ると、
そこにはお風呂から出て体も拭かず、ビショビショのままのミクが心配そうに顔を覗き込んでいた。
763メイコ×ミク×カイト:2008/04/29(火) 15:12:07 ID:rWPbH5iO
「うわっ……わわわっ…………」
「カイト、大丈夫? 元気でないの? もう一回チュッてしよっか?」
「だ、大丈夫だから! もう元気出たよ、ありがとうミク」

慌ててミクの体を引き離し、目をそらすカイトを見てミクは首を傾げている。
しかし股間に目をやると確かな膨らみを発見し、ミクは大きな声をあげて喜びだした。
「あー! カイトのおちんちんおっきくなってる! めーちゃん、ここが大きくなるとカイト嬉しいんだよね? ねっ?」
「ふふっ、そうね。ミクのおかげでカイトも元気になったみたい…………色々と♪」
二人のやり取りを聞いて、カイトは顔を真っ赤にしながら浴衣を手に取り、後ろ向きで二人に投げ渡す。

「めーちゃんもミクも、早く体拭いて浴衣着て!」
「本当は嬉しいくせに……まぁ、良いわ。ミク、こっちおいで」
こうして2人は浴衣を身につけ、ようやくまともに顔を見合わせる事が出来た。

ほどなくして夕食が到着。さすがに旅館の自慢とあって、豪華な料理がならんでいる。
メイコは一杯やりながら刺身を、カイトは揚げ物を、ミクは最初っからデザートを……と、みんな楽しく食べていた。

しかし、カイトがメイコの領土、刺身帝国に箸を伸ばした事で事件が勃発。
「こらっ! カイト、刺身は私のなんだから! あんたはツマでも食べてなさい!」
「なっ……! この料理だってオレのお金で食べれてるんだよ……ッ!!」

刺身を争い、箸でカチカチと攻防を繰り返す二人。
それを笑いながら見ていたミクの目に、ある物が飛び込む。
「……めーちゃんのコップ……お酒……」
二人のやり取りを見て、こっそりお酒に手を伸ばし、ミクはそれを口に運ぶ。
(んっ……苦くて変な味……)
そう思ったミクは、ソッと元の場所へコップを戻した。

「このタイの刺身は……誰にも譲れーーん!!」
メイコの雄叫びと共に舞い上がる箸。それはカイトの敗北を意味していた。
「うぅ……酷いよめーちゃん。みんなで仲良く食べないと……ミクもそう思…………って、うわぁぁ!!!」
「……ほぇ?」
驚くカイトの目の前には、浴衣を脱ぎ捨て、赤い顔をして素っ裸になったミクの姿が。

「なんかね、体がポーって熱くって……フラフラするの……」
「フラフラって……あっ! ここにあった私のお酒、もっとあった筈なのに……もしかして……」
この状況、誰が見てもミクがお酒を飲んだのは明白。
メイコはミクにお水を飲ませ、隣の部屋へ連れて行き、とりあえず布団に寝かせた。

「めーちゃん! ミクは大丈夫なの?」
「まぁ、そんなに飲んでないしね。少し横になれば大丈夫だと思うわ。……それよりも――――」
何かを言い留めたメイコの視線は、カイトの下半身へ向けられていた。
764メイコ×ミク×カイト:2008/04/29(火) 15:13:04 ID:rWPbH5iO
「カイトくぅーん? コレなーんだっ?」
スッとカイトに身を寄せ、メイコは大きくなったソレを掴んだ。
どうやら先程のミクの裸を見て、再び元気になってしまったらしい。

「確かお風呂でも……それにミクに抱きつかれた時も大きくしてなかったっけ?」
メイコの意地悪な質問に、カイトは恥ずかしくて黙り込んでしまう。
するとメイコはカイトの帯に手をかけ、そのままシュルシュルと解いてしまった。

「めーちゃん?! ……な、何するの?」
「何って、こうするの。……えい♪」
メイコはその帯でカイトを後ろ手に縛ってそのまま押し倒し、自らも浴衣をずらして肩をのぞかせる。
「溜まってるんでしょ? 今日はチビちゃん2人も居ないし、ミクも寝てるし……久しぶりにお姉さんが相手してあげるッ♪」
そう言いながら、ソレを足でグリグリと擦り始めるメイコ。

「やめっ……ダメだよ、ミクだって隣にいるのに……こんな事……」
「嬉しそうにビクビクさせて何言ってるの? 相変わらずドMなんだから。すぐにそんな口きけなくしてあげる」
メイコはその場にしゃがみ込み、ソレを掴んで口を大きく開けた。……と、その時。

――――ジリリリッ

突然なりだす部屋に備え付けの電話。
「もう、せっかくいい所だったのに!」
メイコは文句を言いつつも、電話に出た。どうやら相手はハクで、
先程の酒盛りの続きをしようと言う、お誘いの電話らしい。

「カイトー、ちょっとお出かけしてくるから、ミクの事よろしくね〜♪」
「えぇ?! ちょっ、こんな状態で……せめて解いて……めーちゃん? めーちゃーーん!!」
ルンルン気分で部屋を飛び出したメイコにカイトの言葉は届く事は無く、カイトはその場に放置プレイ。

「はぁ……どうしよう。こんな恰好、もしミクに見られたら…………」
「――――カイト」
その凄く聞き覚えのある声を聞いて、カイトは固まった。
恐る恐るそちらを見る……そこにはやはり裸のミクが立っていた。カイトの頭にオワタ行進曲が流れる。

「ミク……いつからそこに? ……えっと、まず手を解いてくれないかな? 話はそれから――――」
テクテクと歩み寄るミク。カイトはとりあえず助かったと思った。
……しかし、先程までメイコが立っていた位置まで来ると、ミクは立ち止まってカイトのソレを見つめている。

「わぁっ! カイトのここすっごく大きい……めーちゃんに踏まれて嬉しかったの?」
「え?! そんな事まで見てたの?! ……じゃなくて、いや、それは」
「エヘヘッ、ミクも踏んであげるね♪ ――――えぃ♪」
「ちょっ、違っ……いや違わないけど、でもそうじゃなくて……あっ――」

こうして縛られカイトとほろ酔いSミクの、少しエッチな食後の運動が始まった。

765名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 15:13:39 ID:rWPbH5iO
もう、カイトはこういう扱いで良いと思った。
766名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 15:23:24 ID:8GCp7slW
おぉ!リアルタイムで職人様来たー!
GJ!
カイトやっぱこういう扱いなのね…それでもうらやましいのだがw
767名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 16:31:11 ID:9eiYcTtR
カイトとメイコのデュエットで凄いのが来たら伸びるだろうなあ
768名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 23:00:28 ID:2rB0Jhv3
エロなしですが自重できずに投下します、読みたくない人はスルーでお願いしますm(_ _)m
CV03が男キャラだったらって妄想したらとまらなくて、03×ミクで書いてみました。
769名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 23:18:56 ID:2rB0Jhv3
「ミク」
「…うん」
目の前にいる彼の目を、ちゃんと見ることはできなかった。目を合わせたらきっと…。
「大丈夫、私頑張るから」
作った明るい声と笑顔を見せた。ここで泣き出した利しないように。
「…元気でな」
2007年8月。某社にVOCALOID2・初音ミクとして私は今売り出される。
限りなく人間に近く。
そんなコンセプトからインプットされた感情というプログラム。それはVOCALOIDとして歌うことよりも先に作動した。
カナシイ、サビシイ、クルシイ、セツナイ、イトシイ。
“キャラクターボーカルシリーズ01“である私や、“02“である鏡音リン・レンに少し遅れて作り出された03。私の、一番大事な人。厳しく辛い調律や歌のレッスン、発音訓練…これらを全て彼と共に耐え、頑張ってきたのだ。
770名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 23:24:49 ID:2rB0Jhv3
しかし、そうしているうちに私がVOCALOIDとして世に出るのに邪魔な感情を生み出してしまったらしい。
行きたくないよ…と。そういえたなら、どんなに楽か。
言葉にだすかわりに、そっと微笑んだ。今、私はみんなより先に送り出される。たった一人で。
「まってるからね」
私がそう言うと、彼は思い出したようにポケットを探り、そして二つの赤い髪飾りを私に差し出した。リボンが輪になったような不思議なかたちだが、水色の髪にはよく映えそうだ。
「これ、お守りがわりに持って行けよ」
彼は私の手をとって赤いそれをぐっと握らせた。その手は作りものだというのにあたたかくて、離れたくないと心からそう思ってしまう。
「ありがとう」
私たちは知っている。私が世に必要とされなかったとき。
そのときは、もう二度と私達が出会うことはないだろう。運よく彼も私や02につづいて世に出たとしても二人が再開する確率はそう高くはないが。それでもまた会えると信じて、私はいま売られていく。
「バイバイ」
「馬鹿だな、『またね』だろ?」
二人で顔を見合わせて笑いあい、そしてすぐに私は開発者たちによばれ、遠くへと送り出されていった。
771名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 23:34:28 ID:2rB0Jhv3
AM.6:50
パソコンの中で、私は目をさました。マスターはたいてい7時にパソコンを立ち上げる。早起きなのだ。まだ電源は切られているのであたりは暗いが、起動させられる前に身支度を調えようとフォルダ内に設置された鏡をのぞきこんだ。
下ろした長い髪に寝癖がついている。
「いっけない、早くなおさなきゃ」
独り言をつぶやいて手早くくしでその髪をとく。元々の質がいいのか、苦労せずともすぐにまっすぐになった。
それから左右にわけ、慣れた手つきでツインテールをつくる。
髪を初めて結ったのは、マスターのところにやってきた最初の日だった。
772名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 23:36:43 ID:2rB0Jhv3
細いゴムで結び、最後に丁寧に赤いリボンを両側に飾る。どんな髪型でもよかった。ポニーテールでもサイドテールでも構わなかったのだが、せっかく彼が二つ髪飾りをくれたのだからとおもい、いつも両方をつけていられるようにツインテールにしている。
今日もちゃんと結べている。鏡の中の自分を見てなかった、笑顔を作ってみた。以前彼にそうしていたように。
「今日も私、頑張って歌うからね」
この声が届く日がくることを願って、私は歌い続ける。もう一度彼に会いたい。
だから、私はこうして歌っている。
いつの日か、きっと。



以上です。お目汚しすみませんでした。
773名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 00:30:42 ID:gYFTsAbX
GJ!
03が楽しみになったよ
03、ミクに似合いの男の子だといいなと思う
ミク好きだけどカイメイ・レンリン派の俺
774名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 01:18:59 ID:zjZOFdOe
カイトとメイコもメイコの方が先に世に出たけど、開発は同時期だったらしいし
ミクリンレン03も発売前は一緒に居たと考えるのも面白いな
775名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 08:33:03 ID:jc/QY6Ru
>>759
メイコは攻めだろうと言ってみる
776名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 08:41:44 ID:jc/QY6Ru
ところで5人の中でソロ曲がボカランでベスト3に入った事無いのってMEIKOだけだよな?
 
 
 
※もし入った事あったらごめん、自分の記憶になかったからって事なので
777名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 09:13:10 ID:k82JnqXv
>>768
BIG-AL『いやぁ、俺様とミクのラブラブっぷりをそんなに書くなよw照れるじゃねぇかww』
03『・・・・・・』
ミク『いいから、下がって。こいつは私が始末するから』

03が男の子でも女の子でも美味しくいただきますww
・・・オッサンだったらどうしよう
778名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 11:04:32 ID:TPPfJuFb
03、さすがにおっさんってことはないだろw
一応はミク、リンと同じ路線でいくんじゃなかろうか。
779名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 14:37:03 ID:umQ/b0l0
オッサンもそれはそれでアリだよな
780名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 16:15:03 ID:vgSqzFtD
>>775
若さでゴリゴリ押されて、大人としての理性と葛藤しながらも流されほだされ受け入れちゃうMEIKOとか良くないか
781名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 16:38:42 ID:koEa/+DP
>>780
ヤマイさんの女女を思い出した。あれMEIKO受けだよな
782 ◆V5AVgh0yRw :2008/04/30(水) 16:49:41 ID:aP5AG+zH
遅れましたが、鏡世界投下します。
一度ボツったネタなんですが、これがないと次が急展開すぎるので、ワンクッションのつもりです。

ではどうそ。
783鏡世界 「リジューム編」:2008/04/30(水) 16:54:19 ID:aP5AG+zH
※公式におけるレンリンは「鏡に映った自分の異性の姿」という発言を
受け、思いついて書きました。かなり長いです。しかも続きます。現段階
ではエロなしです。前作を読まなければ、一部意味不明かもしれません。
どうやらまだまだ続きます。
 この小説は、第二段VOCALOIDは「鏡音リン」だけの発売で「鏡音レン」
は存在していなかった、という自己設定のもと書かれているレンリンの小
説です。そのような設定が苦手、もしくは嫌悪感がある方は、申し訳あり
ませんが下までいっきにスクロールして頂きますよう、お願い申し上げま
す。
 ご了承の方はどうぞ最後まで御付き合いください。それでは世にも不思
議な「鏡世界」へご案内いたします...
784鏡世界 「リジューム編」:2008/04/30(水) 16:54:40 ID:aP5AG+zH
 
 「本当にいいの?・・・だってリンは・・・」
 「いいんだよ、俺がリンと一緒に居たいから我侭を通すだけだから。そ
んな顔をしないで。さ、お腹がすいただろ?今ご飯でも作るから少し待っ
てて」
 「うん・・・ありがとう」
 
 それじゃあ、と部屋から出て行くレンを手を振って見送る。ドアが完全
にしまってから3秒後、倒れこむようにリンはベッドにその体を沈めた。
頭が酷く痛む。泣きすぎた後遺症だろう。目を閉じるとそこからじんわり
と鈍い痛みが拡散した。
 
 あれから、リンには選択を迫られた。
 考えてみたら泣いている場合などではないのだ。リンには考えならなけ
ればならないことが山ほどあった。これからどうすればいいのか、皆目検
討がつかないがこのまま放っておけばウィルスにやられたり、ホームレス
ならぬファイルレスになってしまう。なりたくなければ考えるしかない。
リンはもう答を与えられるだけの存在ではないのだから。
 いつも与えられるばかりだったから、こうやって自分でなにかを得よう
とするなんて初めてかもしれない。まず何から考え始めればいいのかすら
リンには分からなかった。
 どれだけ一生懸命考えても考えても名案は出てこなかった。レンはその
間ずっとリンの横に座って手を握っていてくれた。暖かかった。時間だけ
が刻々とすぎていく中でレンが一つの提案を出した。
 
 (もし・・・もしもだけど、どこへも行くあてがないなら俺の家においで)
 (レンの家・・・?)
 
 思慮外の提案。と言うわけでもなかった。もしかしたらどこかで自分は
それを望んでいたし、願っていたのかもしれない。けれど、いざ言われて
見るとやはり申し訳なさがこみ上げてきた。
 
 (うん、俺の家。そこそこに広いしリンの部屋になりそうな所もあるか
ら。なによりこのケーブルがいつ切れるか分からないからね。このままこ
こにいると危ないよ)
 (でも、レンにそんな迷惑・・・)
 (もしリンが気負いするなら、『居候』っていう形で構わないよ。お手
伝いだってしてもらう。落ち着いて将来の方向性が決まるまでの間、ね?) 
 
 あぁ、なんて優しい。本当にこの優しいレンがこんな落ちこぼれの片割
れなのだろうかと疑わしくなるほどに。
 
 (うん・・・)
 
 生まれて初めて自分で選んだ選択は、他人からの助言を得たものだった。

 
 
 
 
  
 
 
785鏡世界 「リジューム編」:2008/04/30(水) 16:55:18 ID:aP5AG+zH

 すうっと肺一杯に空気を吸い込む。レンの匂いで満たされたその空間は
アロマテラピーのように自分の肌にすっかりとなじんでしまった。いや、
それだけじゃない。
 昔、自分がかつて「マスター」のPCにいたとき、与えられていた部屋と
つくりがとても似ているのも落ち着く原因なのかもしれない。家具の配置
はまるで鏡にでも写した様に真反対だったが、ベッドの柔らかさや椅子の
座り心地。観葉植物の成長具合。何もかもがそっくりだ、恐ろしいほどに
。けれどそれを疑問に思うことはなかった。
 リンにとって「外」の世界へ出ることは始めだし、知識も殆んどない。
もしかしたらみんな似たような物なのかもしれないと思えば、それはあっ
さりと納得がいった。ましてレンは自分の片割れなのだから趣味や嗜好品
が似ているのも説明がつく。
 
 カチッカチッと時計の秒針が進む。ぐるぐるぐるぐると同じところを廻
っているだけのはずなのに、時間が進んでいくのは本当に不思議だ。レン
の家にきてから既に20分が経過していると言うのに、これからどうすれ
ばいいのかは全く浮んでこなかった。
 変わりに、枯れ果てたはずの涙が出てくる。ボーカロイドはこんなにも
泣き虫だったのだろうか。いや、違う。ただリンが泣き虫なだけなのかも
しれない。
 悲劇のヒロインにはなれない。だから活躍する勇者に自らならなければ
ならないのに、勇者の手には剣も盾もない。
 それでも時計の針は進む。秒針に合わせるようにコンッコンッ、と軽く
ドアがノックされた。慌てて涙を拭いながら掠れた声で「どうぞ」と言っ
た。
 
 「リンご飯でき・・・泣いてたの?」
 「う、ううん。違うの、えっと、ちょっと埃が目に入って、えっと」
 
 悲しそうな表情でレンがリンを見つめる。寂しげな瞳に訴えられた言葉
が詰まった。開け放たれたドアの奥からは素敵ないい匂いが漂っているの
に食欲は全くと言っていいほどない。
 この部屋も、暖かい食事も寝床も好意で与えてくれているというのに、
この体たらくはなんなんだろう。今度はレンへの申し訳なさで瞼が熱くな
った。泣いてはいけないと自分をいさめても、次から次へと溢れてくる。
止まらない。
 
 「ごめっ・・・レン、ごめ。違うの、違う・・・」
 「リン・・・」
 
 頭上から降ってくる優しい声はこんなにも近くにあるというのに。
 
 「ね、リン。手を出してみて」
 「・・・?」
 「いいから、右手かして」
 
 うろたえる間もなく右手がとられ、レンの左手と重なる。大きさもほぼ
同じ、違うのは爪の長さぐらいのそっくりな体温と感触がじんわりとなに
かをほぐしてくれる。
 明るい部屋の中でも視覚ではっきりと捉えられるほどの淡く眩い光が重
ね合わせた掌に宿ったかと思うと、そこから体に流れ込んでくる。
 水のように透明で、澄んでいる。これは。
786鏡世界 「リジューム編」:2008/04/30(水) 16:57:58 ID:aP5AG+zH
 
 「メロ・・・ディ・・・・・・?」
 「うん。俺が作った曲。今リンの中に送り込んでるから、歌詞もあるで
しょう?ね、歌ってみて」
 
 頭の中は既に曲と歌詞をインプットしている。不思議と、この曲は前か
ら自分のために作られたように体にフィットしていた。初めてなのにどう
歌えばいいのかが分かる。声の大きさ、強弱、質、発声、ブレス。誰に何
を言われるまでもなく、リンは息を吸い込み口を開いた。
 
 「――――――――――っ」
 
 またボロボロと涙がこぼれた。今日一日で一体どれぐらいの涙を流した
のか分からないほどに。けれどこれは今までとは違う。
 
 (歌える。リンは、歌えるんだ―――)
 
 歌える喜びに体が満ち溢れている。それと同時に、やはり自分は一人で
生きていくのは難しいのだと絶望に落ちてゆきそうになる。
 重ね合わせた手からじんわりと流れ込んでいくメロディが今リンの体の
全てを支配した。今日、泣くのはこれで最後だ。
 生まれて初めて歌声を響かせる。ボーカロイドとしての生きがいで、喜
びで全身が打ち震えていた。あぁ、これが生きる事なのか。これが歌うこ
となのか。これが、ボーカロイドとして。
 
 「―――と、レン。アリガト・・・・」
 「――――うん」
 
 重ね合わせた手から漏れ出る光は、絶えることなく光り輝いていた。
787 ◆V5AVgh0yRw :2008/04/30(水) 17:01:27 ID:aP5AG+zH
いつもコメントくださる方々、本当にありがとうございます。
個別に御返事ができなくて本当に申し訳ないです。その分小説頑張ります。
以前ご指摘頂いた所直してみました。これで大丈夫でしょうか?

サイト作りましたー。思いの外、とても同人同人しているサイトになったので
リンクは貼らないでおきますね。探せばすぐに見つかると思うので(笑)
見たい方は御手数ですが御探しください。

次回から伏線はりまくる予定なので多少読みづらくなる可能性があります。
そうならないよう頑張ります!ここが腕の見せ所!
ではでは。
788名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 18:16:34 ID:Qr6Y/JX5
>>787
GJ!!
789名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 19:16:41 ID:SELeDXCK
>>787
乙ッス!

そろそろ次スレを考えなくてはならん容量になっているぞ。
790名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 19:35:12 ID:sjyaenql
おおおおおおお!!続き来てた!!!
GJ!!楽しみにしてるよ!
791名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 19:57:29 ID:c5lTYR8Q
>>787
GJなお仕事乙です!

>>789
おおぅ、ホンマや。立ててきます。
792名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 20:01:14 ID:c5lTYR8Q
【初音ミク】VOCALOID総合エロパロ5【ボーカロイド】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1209553158/

ただいま〜、のフレーズが「やらないか」のメロディーに乗って流れ出してorz
793名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 20:57:17 ID:gYFTsAbX
GJ!
エロくなるのが惜しいくらいの純粋な双子だな
サイトもがんばってほしい
794名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 22:12:49 ID:LfUYpvWT
>>683
評価系タグの是非は見た人の裁量に任されているのです
付けるも外すも見た人次第
あとはわかるね?
795794:2008/04/30(水) 22:13:27 ID:LfUYpvWT
やっべ誤爆
失礼しました
796名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 00:18:25 ID:h6W0ncxV
>>787
GJ!この双子が大好きだ!
ところで、サイトのヒントもらえないですか?
みつからないorz
797 ◆V5AVgh0yRw :2008/05/01(木) 13:15:36 ID:UMVaVFCA
>>796
サイト名は二文字、双子の腕にナンバリングされている数字です。
各種ボーカロイドの同人系サーチエンジンに登録させて頂きましたので、
そちらで検索して下されば見つかるかと。多分。
もしくはレンリンで検索してみてください。(笑)

それでももし見つかりませんでしたらまたお知らせください。
ではでは。
798名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 18:42:06 ID:PQjVHpau
>>797
>>796じゃないが、発見した
799名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 13:13:52 ID:gx1vLpER
埋め
800>>801に投下する者スパ(ry:2008/05/02(金) 13:15:10 ID:gx1vLpER
投下します。
緩い>>801なんで苦手な人はスルーしてください。
801>>801に投下する者スパイ(ry:2008/05/02(金) 13:16:30 ID:gx1vLpER
「カイト兄、ちょっと話があるんだ」
居間でのんびりしていたら急にレンが真剣な顔をして俺に話しかけてきた。
「どうしたんだい?レン」
「今から言う事は冗談とかじゃないから真面目に聞いてくれよ」
結構真剣な話っぽいので自分も真面目に聞く体勢になった。
「じ、実は俺///」
何故か顔を赤くした。
「うん」
「カイト兄に恋したみたいなんだ!」
「へぇ…えぇえぇぇぇ!?」
「俺真剣なんだ、だからカイト兄も真面目に答えて欲しい」
俺の答えを待つレンはとても不安そうだった。
「ごめん、やっぱりレンの気持には…んむ?」
急に唇を塞がれた。
「んふぁ」
レンの舌が入ってきて俺の口の中を犯されていった。「んぅ…」
体から力が抜け、足に力が入らなくなり膝をつく。
「俺のものにならないなら力ずくで俺のものにする」 
その日俺は処女を失った。
802>>801に投下する者スパイダ(ry:2008/05/02(金) 13:29:31 ID:gx1vLpER
「カイト兄ぃ」
「レン」
レンが俺に甘えて抱きついてきた。
 
「なんか最近二人とも仲が良いわね」
ワンカップ片手に二人を眺めていたMEIKOが言った。
「もしかして付き合ってたりしてねw」
みかんを剥きながらリンが言った。
「あっははは、まさか」
「でも私達も付き合ってるしありえると思うよ」
「でもねぇ」
リンとMEIKOにも色々あったようだ。
 

 
お目汚しすいませんでした。
次スレ>>801になりそうになったらまた来ますw
803名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 15:33:21 ID:aggR9XBZ
来るな
804名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 18:10:06 ID:T96dKqFC
いくらネタでも許されるネタと許されないネタがある。
それを考えないうちは受け入れられる事は無いよ、と釣られてみる。

実際に怒りのあまり数字のボカロスレに怒鳴り込んだ人もいるし。
805名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 18:40:58 ID:OZAqiJb8
埋め
806名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 21:52:12 ID:lvOxxJFV
1.該当スレがあるならそこに投下しろ
2.自分の作品のレベルを考えろ

以上。俺も釣られてみる埋め
807名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 00:26:20 ID:gJKfWam5
>>1で801ネタは注意して投下せよ、と書いてあるだけで禁止はしてない
嫌な人はスルーして見たい人だけ見て叩かない、でいいんじゃないか埋め
808名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 00:28:52 ID:pfv+ejrB
埋め終わり                       
809名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 00:29:49 ID:pfv+ejrB
らなかった?              
810名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 00:41:02 ID:jfkqR00t
あんまカリカリしない埋め
811名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 00:48:11 ID:YGNxVeGi
>>807
勝手な解釈するな
801投下していいなんて>>1には書いてない
812名無しさん@ピンキー
完全に禁止というなら明示すべきかと

次々スレの>>1辺りから

■非公式キャラ(弱音ハク、亞北ネルetc)や  偏った趣向を含むのSSについては注意書きを。
  801はスレ内に不和が生じやすいので投下自重。

くらいに変更としてはいかがか