☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第62話☆

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1リリカルマジカルテクニカル
魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。


『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をしたほうが無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」…「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントすることが多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。

『注意情報・臨時』(暫定)
 書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
 特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
 投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。

リンクは>>2
2名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 23:51:28 ID:SubDQWnr
【前スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第61話☆
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1205681025/

【クロスものはこちらに】
 リリカルなのはクロスSS倉庫
 http://www38.atwiki.jp/nanohass/
 (ここからクロススレの現行スレッドに飛べます)

【書き手さん向け:マナー】
 読みやすいSSを書くために
 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5301/1126975768/

【参考資料】
 ・Nanoha Wiki
  ttp://nanoha.julynet.jp/
 ・アリサだもんっ!
  ttp://homepage3.nifty.com/damenahito2000/
 ・R&R
  ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/data_strikers.html
  (キャラの一人称・他人への呼び方がまとめられてます)

☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
 ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html  (旧)
 ttp://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/d/  (wiki)
3( ゚Д゚) :2008/03/21(金) 23:56:23 ID:YmN8WeYN
>>1


早速投下しても良いかな? まだ前スレ余裕ありすぎ?
4名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 23:58:40 ID:fzGaOR1M
エースがちんこ対決
5名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 23:59:02 ID:vQMMZyFF
残量24KBだから良いのではないでしょうか?
6名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 23:59:14 ID:fzGaOR1M
誤爆
>>1
7名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 23:59:33 ID:hS/IANN3
>>3
途中で切れちゃどうにもならんからね。こっちでおkでは?
ということでwktk。
8( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 00:04:25 ID:YmN8WeYN
注意事項
・ごめん。今回は「熱き彗星の〜」です。
・非エロ。
・すンばらしく捏造要注意。
・オリキャラ注意。オリキャラTUEEEE気味注意。
・準オリキャラ注意。準オリキャラTUEEEE気味注意。
・レジアス中将はモブか悪役だと思っている方は読まないほうが吉です。
・スバルファンは要注意。
・あぼーんキーワードは「熱き彗星の魔導師たち」
9熱き彗星の魔導師たち 11-01/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 00:05:04 ID:YmN8WeYN
「バルディッシュ!」
『Yes, Load Cartridge』
 ドン、ドンッ
 バルディッシュが、カートリッジを2発、立て続けに撃発させる。
『Revolver set, Thunder smasher』
 その柄の同心円上に、6発の金色の光の魔力スフィアが、放電する稲光を伴いながら、
集束する。
「はっ」
『Burst shot』
 フェイトがバルディッシュを振り、目の前に迫るガジェット・トルーパーの群れに向け
る。バルディッシュから、6発の、魔力の“矢”が、放たれる。
 ドシュ、ドシュ、ドシュ、ドシュ、ドシュ、ドシュッ!
 まだ、ようやく有視界内に入った程度の距離から、ガジェットに向かって、閃光の矢が
迸る。
 シュルルルルルルッ
 だが、それはその群れの手前で、急激に減衰する。
 A.M.F.だ。
 それでも、数機のガジェットが、爆発して落下して行った。
 フェイトの攻撃は、魔力に加え、電位差を乗せた電撃が加わる為、A.M.F.下でも、ピン
ポイントの精密を狙わないのならば、ある程度威力を維持できる。
 ────けど……ランクリミッターさえなければ、私もなのはにもそれほどの脅威じゃ
ないけど、今のままじゃ……
 フェイトは、下唇をかみ締める。
 総じてミッドチルダ式はA.M.F.の影響に弱い。レイジングハートやクロスミラージュ、
あるいはかつてクイント・ナカジマが使用していた『GBF-T3』のように、アームドデバイ
スばりに、実体に魔力を纏わせるタイプのものだと、また条件は変わってくるが。

熱き彗星の魔導師たち〜Lyrical Violence + StrikerS〜
 PHASE-11:The omen of a flame (Part4)

「レヴァンティン!」
『Ja!Patronenlast』
 ドンッ!
 レヴァンティンが、カートリッジを撃発させる。
 ガキンッ
 シグナムは、レヴァンティンの柄に、その鞘を連結した。
『Bogenform』
 弓を模ったレヴァンティンに、魔力の弦が張られる。
 丁度その時、向かってくるガジェットの群れの前で、フェイトのサンダースマッシャー
が炸裂する光が瞬いた。
10熱き彗星の魔導師たち 11-02/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 00:05:36 ID:YmN8WeYN
「砕け、レヴァンティン!」
『Ja!』
 シグナムのピンクがかった赤紫の魔力光……とは、少し色彩のぶれたような矢が、レヴ
ァンティンに番えられる。
『Feldkrach』
 ヒュンッ!
 サンダースマッシャーによる稲妻の嵐が去った所へ、それが撃ち込まれた。
 ミシッ
 銃弾がガラスを貫いたように、空間にその穴のようなものが視覚され、そして、砕けた。
 ピーッ、ピーッ!!
 アリサのそれの時と同じように、ガジェット・トルーパーの頭部に装備されていた装置
が、やはり警告音を発する。
「形が違う?」
 シグナムは、徐々に接近してきたそれを見て、目つきを険しくする。
 ガジェット・トルーパーは、新旧とも、四肢のある、ヒト形に近い構造をしていた。
 しかし、今、正面にいるタイプは、航空機を模っている。
 ミッドチルダでは見られないシルエットだが、地球で言うなら、四式戦「疾風」やF8F
「ベアキャット」のようなレシプロ(プロペラ)最末期の戦闘機と、F-5「タイガーII」や
F-16「ファイティング・ファルコン」のようなジェット軽戦闘機を折衷し、さらに小型化
したような姿、である。
 アリサ達が下で相手にしているのは、ヒト形のガジェットに飛行装置を取り付けたもの
だが、それとはまったく違う。
「空中戦型」
 同じように、表情をしかめて、フェイトは呟くように言う。
 しかし、なにもしないでいるわけにも行かない。
「ヴィータちゃん、合わせてよ!」
「お、おうっ!」
 なのはの言葉に、ヴィータは答えると、その場で前進を停止しながら、ピンポン球大の
鉄球を8つ、自分の前に浮かべた。
「アイゼン!」
『Schwalbefliegen』
 グラーフアイゼンが叩いた鉄球が、赤い光の魔力弾に変換され、撃ち出される。
 同時に、
『Braze canon, Brake shot』
 ドンッ
 なのはのL4Uから、桜色の魔力の炎が、いくつもの弾丸となって撃ち出される。
 ガン、ガン、ガン、ガンッ
 既にA.M.F.を破られたガジェットは、シュワルベフリーゲンに貫かれ、あるいはブレイ
ズキャノンに灼(や)かれ、機能を失って落ちていく。
11熱き彗星の魔導師たち 11-03/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 00:05:58 ID:LeZHZjB/
「! テスタロッサ!」
 接近戦に移ろうとしたシグナムが、同様に併走して飛行していたフェイトの前に回りこ
む。
『Panzerschild』
 ベルカ式の魔法陣を伴った、光のシールドが、2人の前を覆う。
 チュンチュンチュンチュンッ
 シグナムのシールドを、小さな塊が叩いた。魔力弾に比べれば小さな見かけだが、強力
な運動エネルギーを帯びている。その上、たまにバチッ、と炸裂するものも混じっていた。
 そのシルエットを観察しようとしていたシグナムが、その機種に映えている鉄パイプが
銃身だと気付かなければ、射撃されてからでは遅かっただろう。
「機関銃……質量兵器!?」
 愕然とした表情で、フェイトはそう言った。
「ヴィータ、気をつけろ!」
 シグナムが叫ぶ。叫びつつも、飛行するガジェットの背後に回りこんだ。
『Sturmfalken』
『Photon lancer, Excursion shift』
 シグナムの一閃が最後尾の1機を両断し、さらにフェイトの射撃が、何機かを撃ち落し
た。
『Stinger ray, Burst……』
「シュートッ」
 威力よりも速射優先、なのはが無数の魔力弾を一気に放ち、一気にほぼ半数を撃墜破し
た。
「はぁぁぁっ!」
 シグナムがレヴァンティンを構え、その後ろ側から斬り込んで行った。
12熱き彗星の魔導師たち 11-04/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 00:06:37 ID:LeZHZjB/

「いたぁっ!」
 スバルのエラ・ストラーダがカーブを描き、その後で途切れる。マッハキャリバーが着
地した。それと併走するように、マギーが超低空を縫うように飛ぶ。
 目前に、強奪されたトラックが、地下駐車場につながる路地から、国道へ向けて、突っ
走っている。
「タイヤね!」
 超低空飛行を続けながら、マギーがWS-Fを構える。
『Stinger ray』
 ヒュンッ
 魔力弾が、トラックのリアサスペンション周りを狙って、発射される。
 だが。
 ビシッ
「えっ!?」
 マギー、それにスバルも、驚愕に目を円くさせる。
 赤銅色を明るくしたような赤、その魔力光のシールドが生まれ、トラックを、スティン
ガーレイの射撃から護った。
 それは、“スカリエッティ製戦闘機人”に見られる、渦巻き模様を描いていた。
「もらったっ!」
 鉢巻をたなびかせ、トラックのキャブの上に、飛び上がって脚を屈めた状態の人影が、
現れる。
 スバルではない。長い髪──ギンガよりもさらに、紫の強い長髪。
 クイント・ナカジマが、その両手に嵌る、第2世代型との言うべき近代ベルカ式ガント
レッド一体式ナックルダスター形サブデバイス『パワーロードナックル』の、右手に魔力
を纏わせ、拳を直下に叩きつけようとする。
 次の瞬間。
 ドガァッ!
「ぐっ!?」
 シールド・タックル……魔力のそれではなく、実体の盾を構えた相手が、クイントを突
き飛ばした。
「お母さん!?」
 スバルは悲鳴のような声を出す。
 だが、クイントは、そのまま構えをとりつつ、ソニックキャリバーで着地した。
「戦闘機人……?」
 その“相手”に視線を移したマギーが、空中に立ったまま、呟く。
 トラックはそのまま、交差点を強引に突っ切り、クラナガンを取り巻く環状国道に飛び
出した。
 クイントが、それを追って飛び出そうとするが、その前に、さらにもう1人が、飛び出
し、行く手を遮った。
13熱き彗星の魔導師たち 11-05/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 00:07:11 ID:LeZHZjB/
「くっ」
『陸5・01より統括指揮本部へ。阻止失敗、該車は国道107号線を内回り方面に逃走中。
なお、スカリエッティ製と思しき、不明の戦闘機人数名が逃走を援護中。注意されたし』
 クイントは顔をしかめて構えつつ、そう、指揮本部に通達する。
 マギーとクイントと対峙するその“相手”は、クイントが判断した通り、“スカリエッ
ティ製戦闘機人” に共通する、青いレオタード状の全身スーツを着用している。
 スバルと同じくらいの年恰好でやや小柄。茶色がかった黒いロングヘアを持つ。
 だが、そこから先が、明らかに異様だった。2人とも、一目にほとんど同一の姿をした
彼女達は、目元を金属製の、目出し穴もない重厚なマスクで覆っていた。
 そのマスクに、“XII・XE”の、大きな刻印。ネックガードには、刻印はない。
 右手に、『アンブロークンイージス』や『アンダウンテッドアイアス』に通じるデザイ
ンの、銀色と鋼色の盾。
「うわぁぁぁぁっ!!」
『Knuckle Duster』
 スバルが、咆哮を上げて、クイントと対峙していた戦闘機人に向かい、魔力光を帯びた
拳を、振りかぶる。
「スバル、だめっ」
 ガンッ
「えっ!?」
 重い一撃を放ったはずが、その拳は、戦闘機人の構える盾に、軽く止められる。
 バチバチと火花が散り、ギアータービンを回していたリボルバーナックルが帯びていた
魔力光が、霧散させられてしまう。
「この」
『Knuckle Duster』
「Mossa abbagliante」
 ヒュン
 戦闘機人の姿が、2人の懐の中から、掻き消えるように離れる。
 間合いを取った所で、イージスやアイアスのものより大仰な射撃端子に、魔力弾が集束
する。
「Cannone aereo」
「えっ」
「スバル!」
 一瞬、立ち尽くしかけたスバルの前に、クイントが躍り出た。
『Wheel Protection』
 ドンッ!
 クイントの青紫の魔力光のシールドに、戦闘機人の赤い魔力弾が着弾し、そこで、炸裂
した。凌ぐシールドの表面で、バチバチと火花が散る。
 一方。
「Colpo aereo」
 ヒュンッ
14熱き彗星の魔導師たち 11-06/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 00:07:38 ID:LeZHZjB/
「はっ!」
『Stinger blade』
 もう1体の戦闘機人が放った射撃をかわしながら、マギーは剣を模った魔力弾を撃ち返
す。
 バチッ!
「!」
 戦闘機人がマギーのスティンガーブレイドを退けた時、しかしその正面に、マギーの姿
はない。
「遅い!」
『Stinger blade, Execution shift』
 マギーは戦闘機人のさらに上方を占め、無数のスティンガーブレイドを生み出すと、戦
闘機人に向かって一斉に撃ち出す。
 バチッ、バチッ
 ドンッ、ドンドンッ
 逸れた分が、アスファルトの路面を傷つける。戦闘機人が受け止めたそれは、盾に突き
刺さったように見えた。
 しかし、盾が一瞬輝くと、パリン、と、砕け、その表面には、僅かに、傷が残っただけ
だった。
「Colpo ae……」
「もう1発!」
『Axel stinger』
 戦闘機人が、射撃端子をマギーに向かって構えようとした、まさにその瞬間に、マギー
は続いて、強力な魔力の砲弾を撃ち出す。
 ヒュンッ
 戦闘機人は瞬時に、射撃を中断すると、横転するようにして、シールドに飛び乗り、そ
のシールドに乗るかのように、上昇する。
「!? 待ちなさいッ」
 マギーは、自らも上昇して追いかけようとするが、その途端、まるで空気色のカーテン
に包まれたかのように、その戦闘機人の姿が掻き消えた。
「なっ!?」
 マギーは、慌てて急停止すると、ふっと、ナカジマ親子の方を振り返る。
 クイントのシールドが切れると、ナカジマ親子の前にいた戦闘機人もまた、盾に飛び乗
り、上昇、離脱しようとしていた。
「ま、待てッ、エラ・ストラーダ!」
 スバルは、魔力光の道を空中に編み出すと、
「待ちなさい、スバル!」
「行くよ、マッハキャリバー!」
『Yes』
 クイントが止めるのも聞かず、マッハキャリバーに駆動させつつ、戦闘機人を追って、
空中に飛び出した。
15熱き彗星の魔導師たち 11-07/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 00:08:01 ID:LeZHZjB/
『Revolver knuckle, Load Cartridge』
 ドンッ
 マッハキャリバーが、リボルバーナックルのカートリッジを撃発させる。
「はぁぁぁっ」
『Knuckle bunker』
 ドンッ!
 スバルは拳を振りかぶると、魔力を帯びた衝撃波を撃ち出す。
 だが──
「!?」
 スバルがそれを撃ち出したときには、既に戦闘機人は、やはり空気色のカーテンが覆い
隠したかのように、掻き消えた。
「なっ……」
 スバルが、驚愕の声を上げたのも、しかし、一瞬。
 ベシャッ!
「ぶべっ!
 スバルは、ビルの壁に激突し、壁面に盛大にクレーターを作った。
 ぐらっ……
 意識を失ったスバルは、そのまま、自由落下する。
 シャアァァッ
 その落下地点に、クイントが回りこむと、落下してきたスバルを、両腕で受け止める。
「スバル、しっかりしなさい、スバル!?」
 クイントは、気絶したスバルを所謂“お姫様抱っこ”で抱えながら、心配げな表情で、
声をかける。
 マギーは、空中にとどまったまま、スバルに声をかけ続けるクイントを見て、深くため
息をついた。
16熱き彗星の魔導師たち 11-08/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 00:08:37 ID:LeZHZjB/

「はぁっ……」
 ザフィーラは、構えなおすと、息を大きく吐き出す。
 チンクは直立の体勢で、腕を広げたまま、特に構えは取らず。しかし、その両手に、新
たに投げナイフを握っている。
 ガッ
「そろそろ、潮時だな」
 ザフィーラが、チンクに向かって言う。
「残念だが、これ以上、時間をかけてはいられん」
「そうか」
 チンクもまた、淡々とした口調で言い返す
「だが、それはこちらも同じだ」
 最後に大きく、仕掛ける。
 お互いそうだろう、と、感じたザフィーラが、さらに、構えを鋭いものに変える。
 ノーダメージのように見えた彼の肉体に、いくつか切り傷のような出血の痕が見られた。
 ガッ
「何っ!?」
 ザフィーラは、僅かに驚いた声を出す。
 チンクは、足元にある小石を、ザフィーラに向けて、軽く蹴ったのだ。
 ボンッ!
「ぬっ!?」
 その小石が、ザフィーラの至近で、爆発する──ザフィーラは、シールドでそれを凌ぐ。
「しまった!」
 小石にザフィーラの意識が奪われた、次の瞬間、ザフィーラを、無数の短剣が、取り囲
んでいた。
「残念だが、盾はミッドチルダの方が、硬かったようだな」
「何!?」
 チンクの、呟くような言葉に、ザフィーラが反応した瞬間──
「Sulla Detonazione」
 一斉に、ザフィーラめがけて、撃ち出される。
「うぉぉっ! パンツァーヒンネダス!!」
 間一髪のタイミングで、ザフィーラをクリスタル状のバリアが取り囲んだ。
 ドカドカドカドカドカドカ!!
 無数の爆発が、クリスタル状のバリアを叩く。
「ぬぉっ! パンツァーシルト!」
 ボロボロになったバリアを、幾本かの短剣がすり抜けてくる。それを、ザフィーラはさ
らにシールドをはって、凌いだ。
 さすがに、内側のザフィーラのシールドまでは貫けず、爆裂するナイフは、全て炸裂し
て、消えた。
 だが、しかし。
「くっ」
 ザフィーラが、爆煙の晴れた辺りを見回すが、既にチンクの姿は、どこにも居ない。
「くそぉっ!」
 ザフィーラは、彼らしくなく、冷静さを欠いた咆哮を上げた。
17熱き彗星の魔導師たち 11-09/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 00:09:06 ID:LeZHZjB/

「Scarichi Orlo、でぇりゃあぁぁぁぁっ!!」
 スライディングのように、ノーヴェはレンに向かって、ローキックを繰り出してくる。
そのローラーブレードのつま先には、斬撃魔力が纏われていた。
「アカンてっ! でりゃっ!」
 レンはまるで倒れこむように、蹴りをかわすと、そのままノーヴェに向かってエルボー・
ドロップの姿勢に入る。
「ぐふっ!」
 モロに、ノーヴェの鳩尾に叩き込まれた。
「くそっ」
 ドンドンドンッ!
 ノーヴェは懐にいたレンに向かって、嵌められたナックルから、射撃を飛ばす。
「はっ、ほっ」
 しかし、すばやくノーヴェから離れたレンは、軽く舞い、その射撃から避ける。
「このっ、サルみたいにちょこまか動くんじゃねー!」
「そっちこそ、ナックル使いの癖に、射撃に頼りすぎやで!」
 ノーヴェは、飛び上がって立ち上がりつつ、憤ったように怒鳴る。しかしそれに対して、
レンもまた、苛立ったような声で返した。
「このチビがぁっ!」
『Patronenlast!』
 ノーヴェが、レンに向かって、突進を始めた。しかしその瞬間、レンは既に、ジルベル
ンメタリッシュに、カートリッジを撃発させている。
「Ruttore Nocca、だぁぁぁっ!」
 ノーヴェがナックルに魔力光を帯びさせ、その拳をレンに向かって振りかぶる。
 一瞬遅れて、レンがモーションを起こした。
『Fingerknochelbunker』
 ジルベルンメタリッシュが壁のような衝撃波を発生させ、それをレンは、向かってくる
ノーヴェに向かって叩き込んだ。
「なっ、ぶべぇっ!」
 自らの攻撃ごとそれに飲み込まれたノーヴェは、跳ね返されて、背後に向かって吹っ飛
んだ。
 一度拳を引いて、ポーズをつけたレンは、
「しもた!」
 と、目を開いて立ち上がり、ノーヴェを吹き飛ばした方にむかって、駆け出す。
「やりすぎてしもた! 大丈夫かー!?」
 どこか間の抜けたような声を出しながら、レンはその場に駆け寄る。
「あ……れ?」
 しかし、確かに自分の技で吹き飛ばし、床に叩き付けたはずのノーヴェは、そこにいな
い。
 レンはキョロキョロと辺りを見回すが、見渡す限り、その姿は無かった。
「……逃げられ……たんか……?」
18熱き彗星の魔導師たち 11-10/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 00:09:52 ID:LeZHZjB/

「大会は無事終了、しかし、レリック1個、強奪阻止失敗」
 夕暮れ時──ホテル・アグスタ正面玄関前。
 大会の本会は既に終了し、後は有志による晩餐会が控えている。
「リインフォース、どう見る?」
 集まった、機動6課隊長陣────はやて、リインフォース、グリフィス。シグナム、
ヴィータ。アリサ、ユーノ。フェイト、なのは。レン、ザフィーラ。
 アリサとユーノの傍らには、コビト形態のローウェルも浮いている。
「負け……ですね。護衛は概ね、成功と言えますが、我々が派遣された意味からすると」
「そか……」
 答えるリインフォースにはやてはそう返事をすると、視線を移した。
「ユーノ君はどうや?」
「えっ!?」
 はやてが、ユーノに振ると、ユーノはアリサと揃って、一瞬、目を円くしたが、
「僕も……リインフォースと同じ、かな。それに、強奪阻止には第5陸士の力も借りたっ
て事も、考えた方がいいかもしれない。あっちも、その任務も帯びてるけどね」
 と、手振りを加えつつ、そう言った。
「せやなぁ、レジアス中将が、それ見たことか、とか言いそうやわ」
 自嘲して苦笑し、はやてはそう言った。
「けど、面白くなんか無いはずよ」
 ローウェルは、ユーノの頭に乗っかりつつ、言う。
「レジアスも、ことスカリエッティ関係に関しては、海だの空だのより、優先順位上がる
から」
「うん……そうだね」
 ローウェルの言葉に、ユーノは彼女を揺らしつつ、頷いてから、
「それに、スカリエッティって言えば……スバルとマギーが遭遇したあの戦闘機人、もし
かしたら、スカリエッティはいよいよ、本格量産を可能にしたのかも……」
 と、憂い顔でそう言った。
「それについて……第5陸士隊長のナカジマ三佐から」
 グリフィスがそう言って、1枚のデータディスクを取り出し、それを示した。
「ナカジマ三佐?」
 はやては首を捻りかけてから、はっ、と気がつく。
「あ、奥さんの方やね、クイントさん」
 グリフィスははやてを見て、うなずいてから、
「そのクイント・ナカジマ三佐の、ソニックキャリバーの記録をまわしていただき、オッ
トーさんに編集していただきました。こちらで活用してくださいとのことです」
「ふーん」
 そう、緊張感の無いような声を出したのは、アリサだった。
「なんやもう……今回は陸に借りばっかつくっとるわ……はぁ……」
 自分は陸を批判して機動6課をおいたのに。と、はやては、自己嫌悪の域に達したかの
ように、肩を落として盛大にため息をついた。
19熱き彗星の魔導師たち 11-11/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 00:10:14 ID:LeZHZjB/
「まぁ、まだ日も浅いし、これからだよ、これから」
 なのはははやてに近づいて、元気を出させようと、明るく振舞った。
「ね、フェイトちゃん?」
「え?」
 なのはに振られて、フェイトは一瞬、戸惑ったような声を出す。
「あ、う、うん、そうだね……」
 フェイトは、微笑を取り繕いつつ、2人にそう言った。
「さよか……? それならええんやけどなぁ」
 はやても、まだ、自嘲気味に苦笑しつつも、顔を上げた。
「そうだよ、元気出せって、はやて!」
 ヴィータも、1歩前へ出てそう言い、笑顔を作る。
 だが、シグナムの表情は険しい。
 そのシグナムと、丁度、円を書いてほぼ正面にいるレンとザフィーラの表情も、また、
晴れない。
「そうか、それならもっとがんばらないかんな!」
 苦笑しつつも、はやては明るい声を上げ、なのはやヴィータたちと笑いあった。
 しかし、笑顔の中で、フェイトだけは、ちらちらとアリサとユーノを伺っている。
 アリサとユーノは、やはり険しい表情をしたまま、なにも言わなかった。
20熱き彗星の魔導師たち 11-12/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 00:12:38 ID:LeZHZjB/
>>9-19
今回は以上です。

やっとホテル編が終わった。

しかし書いてる奴が言うのもなんだけど、
ザッフィーとチンクでフラグ立ってるか? これ。
ユーノ既婚だしな……
21名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 00:14:52 ID:X5TlHctX
GJ!
ザッフィーのチンコ立ってるか? に見えた奴は俺ともども死ぬ
22名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 00:24:55 ID:Vpk4x9lA
GJ!
原作じゃ男キャラの扱いの酷さといったらなかったからなぁ…
こっちでは、まともにバトルしてて、ちゃんと実力に見合った強さの描写があって嬉しいや。
23名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 00:25:03 ID:msgE2Ajs
>>20
今回もGJでした!
フラグは、思う通りに…としか言えないかなぁ?
でも最初からずっとアリユーが成立してるのはある意味凄いかも…。エロ幕間のトコ今度読みなおそw

そして続・異常な愛情SSの投下を待つw
24名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 00:38:53 ID:v6KnzZmi
この程度のだったら前スレ入ったんじゃね?
25名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 00:55:17 ID:6RZD04kX
>>20
やっと追いつきましたね。修正前と様変わりしてますが、どうなるか楽しみです

>>24過去にぎりぎり入ると高をくくって投下して結局入りきらなくて失敗した人もいるからいいと思う
26B・A:2008/03/22(土) 01:09:32 ID:3Ho3wHMX
投下しちゃった良いですか?
27名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 01:09:43 ID:v6KnzZmi
>>24時点で25kB、テンプレが多分1〜3k位
前スレの余りが24k〜だから大丈夫と思ったんだが
そういう事情か
28名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 01:12:54 ID:v6KnzZmi
多分連レスかも
>>26カムヒア
29B・A:2008/03/22(土) 01:13:20 ID:3Ho3wHMX
>>26
ってなんて誤字!?
まだ落してないですよ、これから投下して良いですかって意味ですよ。
30名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 01:15:24 ID:6RZD04kX
okでした
31B・A:2008/03/22(土) 01:19:50 ID:3Ho3wHMX
ではでは、ぼちぼち。


注意事項
・セッテ×エリオ
・時間軸はstsから5年後、エリオ16歳。そのため、捏造が多々あり。
・2人の回想という形で現在と過去が入り乱れる少々わかり辛い造りになっています。
・と言いつつ、今回は現代編オンリー。
・セッテの性格は少しアレンジ入っています。
・やっとこさエロ。エロいのかどうかはさておきエロです。
32セッテ −その心の在り処− 第7話@:2008/03/22(土) 01:23:46 ID:3Ho3wHMX
【Present】

包丁がリズミカルにまな板を叩く音をBGMに、香ばしいカレーの匂いが漂ってくる。
新聞で顔を隠すようにしてそっと厨房の様子を伺えば、明らかにサイズが合っていないエプロンを
無理やりつけたセッテが右へ左へと忙しなく動き回りながら夕食の準備に勤しんでいた。

「あの・・・・手伝おうか?」

「いらぬ」

にべもなく切り捨てられ、エリオは不安を隠しきれないままテーブルの上に頬杖をつく。
脳裏に思い浮かぶのは帰宅した時の情景だ。
今晩はセッテの出所祝いも兼ねて外食にしようと思っていたのだが、仕事から帰宅したエリオを待っていたのは、
テーブルの上に山のように置かれた食材とそれを前にして悪戦苦闘しているセッテの姿だった。

『今晩は私が腕を振るおう。なに、心配するな。カレーならば更正施設で何度も作ったことがある』

作ったことがある、という曖昧な言い回しが却って不安をかき立てた。経験の有無と実際の腕前はイコールで結べない。
さすがに刃物を得物としているだけあって包丁捌きは鮮やかだったが、5年前に彼女が作ったクッキーで痛い目に合わされただけに、
エリオは恋人の厚意を素直に喜ぶことができなかった。

「ストラーダ」

《私に振るな、馬に蹴られるのはごめんだ》

助けを求めた相棒にも見捨てられ、エリオは盛大なため息をついた。こうなってしまっては、後はセッテの料理の腕が上達していることを祈るしかない。
そして待つこと十数分。エリオの前に、セッテが丹精込めて作ったカレーライスと野菜サラダが並べられた。

(見た目は・・・・・・問題ないな)

見てくれなど気にせずに、白いご飯を覆い隠すように盛られているのはエリオの美意識に反するが、見た感じは非常に美味しそうにできていた。
33名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 01:24:32 ID:GW/DBQLC
よーしパパ支援しちゃうぞー
34セッテ −その心の在り処− 第7話A:2008/03/22(土) 01:25:57 ID:3Ho3wHMX
「どうした、食べないのか?」

「え・・・ああ、そうだね。いただきます」

ピカピカに磨かれたアルミスプーンを手にし、エリオはゴクリと唾を飲み込んだ。そして、湯気を立てているカレーをゆっくりと掬いあげる。
急き立てるような鼓動の音が耳障りで、エリオはセッテに聞こえてやしないかと不安になった。

(ままよ!)

意を決してカレーを口に入れる。
甘い口どけが舌一杯に広がり、スパイスの香りが鼻腔をくすぐる。水気が多いのか単に量増ししただけなのか、少しばかりとろみが少ないのはご愛嬌だ。

(お?)

「どうだ?」

「・・・・うん、おいしいよ」

口に含んだカレーを飲み込み、エリオは満面の笑みを浮かべる。警戒していたのが馬鹿らしいくらいセッテのカレーは美味しかった。
施設で作ったことがあるという言葉は伊達ではなかったらしい。

「おかわりが欲しければ言え、よそってやる」

「うん。いやぁ、でも美味しいなぁ」

「煽てても何もでないぞ」

「本心だよ。これならセッテに台所を任せても大丈夫だ」

「望むところだ。どうせ1人暮らしで外食ばかりしていたのだろう? これからは私が3食きっちり面倒をみてやろう」

どこか誇らしげに胸を張るセッテを見て、エリオは笑みを零す。
それは、何とも楽しい提案だ。





35名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 01:28:10 ID:uZCISijx
しえn
36セッテ −その心の在り処− 第7話B:2008/03/22(土) 01:29:06 ID:3Ho3wHMX
セッテの手料理に舌鼓を打った後、エリオは後片付けを彼女に任せて一足早く風呂に浸かっていた。
本当は自分も手伝うつもりだったのだが、セッテが家事は自分の仕事だから、エリオは何もしなくて良いと
断固として譲らなかったため、不本意ながらも亭主関白になってしまった。

「あれでかなりの頑固者だからなぁ」

しかも冗談は通用しないし、真面目すぎて融通も利かないときている。怒らせるとすぐに睨んでくるし、
うっかり機嫌を損ねると3日は口をきいてくれない。こうして見ると美人であることを除けば余り良いところがないみたいだが、
それでも惚れた弱みというのは恐ろしいもので、そうした扱い辛い面がエリオには堪らなく愛おしく思えてならないのだ。
などと考えながらほくそ笑んでいると、不意を突くようにバスルームの扉が勢いよく開かれた。

「失礼するぞ」

「ぶっ!?」

突然、乱入してきたセッテの姿に驚き、エリオは湯船の中でバランスを崩した。
一瞬で視界が反転し、伸ばした腕がバスタブの縁で強打される。何とか態勢を耐え直そうともがくが、
混乱した頭では好き勝手に暴れる四肢の統制など取れるわけがなく、セッテに助けられるまで
エリオは浅いバスタブで溺れるという情けない姿を演じる羽目になった。

「ほら、落ち着け。自宅の風呂で溺れるなんてみっともないぞ」

「そ、そうだね・・・・ってぇっ!?」

再び視界に入ったたわわな果実にエリオは熱い何かが込み上げてくるような錯覚を覚え、咄嗟に鼻を押さえて俯いた。
今更なことだが、セッテは美人だ。モデルのような長身はプロポーションも抜群で、無駄な脂肪は一切ない。
そんな女性が一糸まとわぬ姿で目の前にいられては、どんな男も同じ反応を見せるだろう。

「何を暴れているんだ?」

「や・・・いや・・・・セッテ、バスタオル・・・・・・タオル巻いて・・・・・・」

「はっきり言わないと聞こえないぞ。ほら、それよりもこっちに来い、背中を流してやる」

「わわっ!?」
37セッテ −その心の在り処− 第7話C:2008/03/22(土) 01:32:46 ID:3Ho3wHMX
有無を言わせぬ調子で洗い場に座らされ、石鹸をつけたスポンジで背中を擦られる。
言い表しようのない居心地の悪さにエリオは身を縮めて黙り込んだ。
16歳とはいえ、エリオは健全な男子である。育ての親に似て貞操観念は強い方だが、その分異性への興味は並々ならぬものがあった。
ましてや、後ろにいるのが自分の恋人ともなれば、変な想像をするなという方が難しい。

(ダメだ、起っている・・・・・・・・)

自分の体の健康な反応にエリオは泣きたくなった。せめてベッドまで待てないのかと小一時間ほど問い質したい。
などと意気消沈した次の瞬間、セッテは何の前置きもなく自身の胸を背中に押し当ててきた。

「ひやっ!? セッテ・・・なにを・・・・・」

「何となくだ」

「何となくで、こんなことは・・・・・・」

女性の胸の柔らかな感触に背筋が震え、血流が下半身に集まっていく。完全に起立したエリオの肉棒は破裂するんじゃないかというくらい
血管を膨らませ、不規則に揺れていた。そこにセッテの細くしなやかな指が絡みつき、震える肉棒を愛でるように扱いていく。

「やぁっ・・・・なっ・・・」

「嫌なのか? 男はこういうのが好きだと本で読んだのだが・・・・・」

「そ、そうじゃなくて・・・・・ちょっと、驚いただけ・・・・・」

「そうか、続けて良いか?」

「う、うん・・・・・・」

エリオが頷くのを見て、セッテは手淫を再開した。拙くはあるがセッテの指の動きはまるで機械のように正確で、
僅かな間にエリオの急所を見抜いてそこを的確に攻めてくる。
仕事熱心がたたって普段からロクに性処理もしていないエリオの肉棒はたちまち快感に震え、早くも射精の兆しを見せ始めた。
それに合わせてセッテも手淫の勢いを強くしていき、果肉の詰まった乳房を上下させる。
前と後ろから同時に刺激され、エリオの押し殺すような声と僅かに興奮を伴ったセッテの呼吸音がバスルームに木霊する。

「や・・あ・・・・あ・あ・・」

「はあ・・・あ・不思議な気分だな・・・・・触っているだけなのに、何故だか私まで昂ぶってくる」

「セッテ・・・ごめん、僕・・・もう・・・・あぁあっ!!」」

次の瞬間、エリオは呆気なく果ててしまった。
亀頭の先端から大量の粘液が吐き出され、セッテの手を汚していく。射精の余韻に脱力したエリオは、
その光景をどこか別世界の出来事のように見つめながら恋人の柔らかい体に体重を預けた。

「エリオ?」

「ごめん、気持ち良すぎて・・・・・・少ししたら、動けるようになるから」

「ああ、好きなだけそうしていろ」





38セッテ −その心の在り処− 第7話D:2008/03/22(土) 01:35:32 ID:3Ho3wHMX
ベッドの上に押し倒したセッテの体にエリオは覆いかぶさり、揺れる乳房を優しく揉みしだく。
僅かに手に余る大きさの果実はスポンジのように柔らかく、吸いつくような感触にエリオは甘美な悦びを覚えた。

「えっと・・・・気持ち良い?」

「・・・・わからぬ。だが、変な気分だ・・・・・こう、胸の奥が熱くなっていくような・・・・・」

「じゃ、問題ないかな」

甘い息を漏らすセッテの言葉を聞いて、エリオは愛撫の手を少しずつ激しくしていく。
キメの細かい首筋に舌を這わすと、しっとりと濡れた髪から漂う甘い香りが鼻腔をくすぐった。

「手慣れているな?」

「初めてだよ」

「嘘をつけ、お前ほどの男がモテないわけがないだろう」

「妬いているの? だったら嬉しいな」

「言っていろ」

首筋を這う舌が徐々に上へと上がっていき、うっすらと高揚した頬を舐め上げる。エリオの意図を察したのか、セッテは自ら口を開いて自分の舌とエリオの舌を絡ませた。
獣のように貪り合うキスに、脳の奥がジンと痺れてくる。互いの鼓動が聞き取れるくらい体を密着させ、粘膜同士を擦り合わせる背徳的な行為にエリオとセッテは
自分たちが溶け合っているかのような錯覚を覚えた。

「んうぅぅっ・・・・ちゅ・・・あぁ・・んぅっ・・」

塞がれた唇の間からセッテは甘い声を漏らし、小さく体を震わせる。自分の拙い愛撫で彼女が悦んでくれていることに気を良くしたエリオは、
更に激しくセッテを求め、口の中に溜め込んだ唾液をセッテの口へと送り込む。優しくも制圧的な愛撫にセッテは悶え、
流し込まれる唾液を一滴も零すまいと健気にも喉を鳴らせて飲み込んでいった。
エリオはそんな恋人の反応を楽しみながら、形の良い乳房を粘っこく揉んでいく。バスルームで一度果てているにも関わらず、
股間の肉棒はまだまだ足りぬとばかりに頭を持ち上げ、セッテが少し動く度に脈打つ欲望が柔らかな下腹部に擦りつけられた。
ともすればこのまま果ててしまいそうな劣情を感じながらもエリオは事を急くようなことはせず、ゆっくりと恋人の体を堪能する。
39名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 01:38:10 ID:GW/DBQLC
しえん
40セッテ −その心の在り処− 第7話E:2008/03/22(土) 01:38:58 ID:3Ho3wHMX
「あぁっ・・あ・・・胸・・・・ばかり弄るな・・・・やぁ・・・」

「セッテ、胸弱いの?」

「そ、そんな・・わ・け・・・・」

「ああ、なるほど」

充血した胸の先端をピンっと指で弾く。たちまち、セッテは体を小刻みに痙攣させて軽い絶頂へと達した。

「弱点めっけ」

「そ、そんな嬉々とした笑顔を浮かべられても・・・・・・」

「さっきのお返しだよ」

そう言って、エリオはセッテの胸にしゃぶりつく。
ザラついた舌で弱点である胸を責められ、セッテは子どものようにみっともなく身をくねらせた。
170cmを越す長身の女性が自分よりも背の低い少年に弄ばれる姿は微笑ましくもあり、またどこか滑稽にも見える。

「や・・やめ・・あぁっ・やぁ・・・」

「うぅ・ん・・・くちゃ・・あぁ・・・・・」

「エ、エリオ・・・良い加減・・・ああっ・・やあ・・・いやぁぁっ!」

次の瞬間、セッテは何の前触れもなく体を痙攣させ、四肢をぐったりと投げ出した。

「胸だけでイっちゃったんだ」

からかうようにエリオは耳元で囁く。
返ってきたの、悲しみを湛えたか細い抗議の声だった。

「馬鹿・・・・この馬鹿ぁ」

「セッテ?」

「馬鹿者・・・・・大馬鹿・・・・・・私だけ気持ち良くなっても意味ないだろ・・・・・・お前も悦んでくれなければ、意味ないだろう」

目に涙を浮かべ、セッテはエリオに抗議する。
自分は壊すことしか知らない戦闘機人。そんな自分をエリオは好きだと言ってくれた。だから、せめてその思いに応えようとセッテは必死だったのだ。
手料理を披露したのもバスルームに乱入したのも全てそのためである。なのに、今感じているのは自分だけ、自分だけが悦びに震えているという現実が、
セッテには堪らなく悲しかった。

「セッテ・・・・・ごめん、少し調子に乗っていたみたいだ」

流れ落ちる涙を指ですくい、エリオは自分の唾液で汚れたままのセッテの唇を自分の口で塞ぐ。

「うぅん・・・・・」

「セッテが僕を悦ばせたいと思っているように、僕もセッテを感じさせたいんだ。だから、今からは2人で気持ち良くなろう」

「ああ・・・・・来てくれ」
41名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 01:42:14 ID:LOsH5Y2r
まだかまだか!
42セッテ −その心の在り処− 第7話F:2008/03/22(土) 01:42:23 ID:3Ho3wHMX
了承の言葉を受け取り、エリオは名残惜しげにセッテの体から離れ、脱力したままの足を広げる。
むせ返るような甘い芳香にエリオの理性が崩れていく。鎌首を持ち上げる獣欲が一点に集中し、濡れそぼった秘唇を貫きたいと自己主張する。
それを必死に宥めながら、エリオは洪水を起こしている秘唇に自身の肉棒を押し当てた。
ほんの一瞬だけ間を置き、エリオは躊躇なく肉棒を挿入した。柔らかな肉壁は何の抵抗もなく押し広げられ、侵入してきた肉棒を歓迎するように絡みつく。
くぐもった声を漏らしながらセッテは悶え、エリオの体を抱き締める。健気なその姿を見てエリオは愛おしげに桃色の髪を撫で、最後のひと押しを行った。
瞬間、予想だにしなかった感触が肉棒を通じて伝わってきた。

「え?」

「くぅぅっ!」

「セッテ、まさか・・・・・?」

明確に聞き取れたわけではない。だが、エリオは確かに聞いた。セッテの中で、何かが破れる音を。

「き、気にするな・・・・・私はまだ稼働して5年だからな・・・・・当たり前のことだが、生娘だ・・・・・・・」

「それじゃ、今のは・・・・」

セッテの処女膜が破れる音。

「言っただろう、お前を悦ばせたいと・・・・・・だから、気にするな」

破瓜の痛みに耐えるように歪な笑みを浮かべ、セッテはエリオの体を抱き寄せる。
自分の中で脈打つ肉棒の確かな感触にどこか恍惚とした感覚を覚え、酔っ払ったかのように思考力が麻痺していく。
楽しいとか嬉しいという感情はよくわからないが、今この瞬間がとても代え難い時間だということはセッテにもよくわかった。
だから、この時間を忘れないように深く心に刻みつける。

「さあ、好きに動け」

「抑え利きそうにないけど、良い?」

「生憎、丈夫なだけが取り柄だ」

冗談めかした言葉に微笑みを返し、エリオはゆっくりと腰を動かしていく。最初は自分の肉棒を膣に馴染ませるためにゆっくりと、
そして、慣れてきたところで徐々にスピードを上げていく。互いの腰がぶつかり合う度に水音が部屋中に響き、ベッドのスプリングが
軋む耳障りな音が心臓の鼓動とデュエットするように不協和音を奏でる。

「ひゃあぁんっ!・・・・・・んうぅっ・・はぁんっ!」

膣が肉棒でかき回され、セッテは切ない声を上げて身をくねらせる。
初体験だというのに機械の体はエリオの与える刺激を明確な快感へと変換し、セッテの劣情を熱く滾らせる。
欲しい。
肉の一片、爪先まで残さずエリオが欲しい。
いつしか伸ばした手はエリオの細い首を握り締めており、呼吸を止められたエリオは顔を真っ赤に染めながら
口を金魚のようにパクパクと開閉させていた。それでも腰の動きだけは止まらず、むしろ酸素の供給を断たれたことで
加速した血流が膣を貫く肉棒をより大きく、固くしていく。
43セッテ −その心の在り処− 第7話G:2008/03/22(土) 01:45:05 ID:3Ho3wHMX
「ふああぁっ!! あぁっっ・・・んぅぅ・・・はぁんっ・・・!!」

「ぐぅあぁっ・・・ぐぅ・・あ・・・・・・」

救いを求めるようにエリオはセッテの頬に手を伸ばす。
愛しい人に、自分を殺そうとする人に向かって伸ばされた手は、しかしその頬に触れることなく力尽きてしまう。
瞬間、セッテは首を絞めていた手の拘束を弛めた。同時に秘唇をきつく収縮させ、子宮口をこじ開けようと
暴れまわっている肉棒を絞るように締め上げる。たちまち、風船が破裂するように膨らんだかと思うと、
エリオの肉棒がセッテの膣内に欲望をぶちまけた。

「はうんぅぅっ!・・・・・・ふぁあぁ・・・あぁぁっ!!」

子宮を精液で満たされる感覚にセッテはエクスタシーを感じ、瞼の裏で桃色の閃光がスパークする。
激しい快楽の波は眩暈にも似ていて、全身をやるせない倦怠感が包み込んでいった。

「・・・」

ドサリと倒れこんできたエリオの体を優しく受け止め、セッテは愛おしげにその背中に腕を回す。
最も酸素を必要とする行為の最中に呼吸を止められたため、エリオは完全に意識を失っていた。
痙攣している体はそれだけ行為が激しかったことを物語っており、気絶してもなお萎えぬ肉棒は
まるで本能に憑かれたかのように膣の中で何度も勃起を繰り返していた。
言葉を交わさずともわかる。
まだできる。
まだ君を愛せる。
まだまだ君を狂わせる。

「ああ、好きなだけ使え。私も好きなだけ使う」

2人で愛し合おう。時間の許す限り、死にも似た快楽を貪り合おう。
セッテは眠ったままの恋人を強く抱き締めながら、今度は自分から腰を動かすのだった。

                                                   to be continued
44B・A:2008/03/22(土) 01:47:25 ID:3Ho3wHMX
以上です。
セッテらしさがでているかイマイチ不安ですが、何とか形にしてみました。
一歩間違えればエリオ死んでましたが、作中のプレイはポルノ映画とかで割りとあるんですよ、怖いことに。
しかし、考えてみればこのSSではセッテは5歳と半年。本編の時間軸に至っては生後数週間から半年なんですよね。
これで後は現代編のエピローグと過去編のバトルを残すのみ。骨子はできているけど、どうなるのかわからないのがSSの怖いところ、
ちゃんと書けるか今から不安だ。
45B・A:2008/03/22(土) 01:48:05 ID:3Ho3wHMX
いけない忘れてた。
支援ありがとうございました。
46名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 01:53:13 ID:qFCYJyiW
>>1

>>44
エリオが腹上死しそうな予感がッ…GJです!
47名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 02:01:25 ID:RzO05qwC
GJ!!です。
何ということだ・・・無個性だった彼女が凄く魅力的に見えるwww
48名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 02:51:08 ID:6RZD04kX
>>44GJ!
プレイを見ていてキリング・ミー・ソフトリーを思い出した
49名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 03:30:45 ID:bPjZzfKb
GJ!
しかしエリオは亭主関白なのか……むしろセッテの方がry
それはそうと、この回でセッテはすうぃ〜とほ〜むに帰ってきてるけど
俺は帰り道がわからなくなって迷子になり、仕事から帰ってきたエリオが探しに来てくれると思ってた
日が暮れて心細くなって泣きそうになった時、目の前に最愛の人が……って、なんだこの風切り音h
50名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 03:40:32 ID:3Ho3wHMX
>>49
「へんじがない、ただのしかばねのようだ」
まあ、防災のためにマンションの見取り図描くような人だし、空飛べるし。
51名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 06:08:28 ID:PYYcTvN1
>>44
GJです。作者様の想像力と表現力に脱帽です

>>50
地形の把握能力も兵士or兵器としては必須事項だろうからね
52名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 06:45:13 ID:48UbAayB
遅レスだが前スレ>>667GJ
読み始めは、ふたなりは嫌いじゃないけど本命キャラにだけは生えないでほしかった…orzと思っていたが
全部読み終わる頃には俺の萌え領域が新たに広がっていたw
自分がしてあげたいのにイかされちゃうヴィータかわいいよヴィータ
53名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 07:49:12 ID:JlF+0CKQ
>>44
いいな、ラブラブいいね
でもあと少しで情けない死に方するところだったエリオ
まあ、愛する人と交わって死ぬなら騎士として(ry
次回もセッエリのラブラブ(?)を楽しみにしています
54名無しさん@ピンキー :2008/03/22(土) 09:25:06 ID:JlaIUUvo
お若い方は阿部定などご存知ありませぬか。
55名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 09:27:47 ID:sur5H89D
ナニを切り落とされるのか……
56ぬるぽ:2008/03/22(土) 14:28:46 ID:b1boTNdY
休日なのに、ずいぶん静かですな。あと10分位したら投下します。
陵辱が嫌いな人は逃げてええええぇぇぇ
57ぬるぽ ◆6W0if5Z1HY :2008/03/22(土) 14:39:12 ID:b1boTNdY
 警告終了。爆撃開始。すまん、うっかりageてしまった orz

★閲覧者の方への注意★

・今回は後編です。
 前編はhttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1205681025/322-327
     http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1205681025/329-335
 中編はhttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1205681025/461-469

・nanohaさんが心も身体もズッタズッタにされる、BAD ENDです。真っ黒です。嫌いな方は、スルーしてください。
 NGワードは、『リリカルマジカル氏ねよおめーら・なのは編』
・決して一人では見ないでください。
・心臓の弱い方はご遠慮ください。
・キシャー!あばばばばばば!あばばっあびゃばびゃばば!
・納豆、納豆!ねばばばばばば!ねばばっねびゃねびゃねば!
・パソコンの前での飲食はやめましょう。


↓以下、本編
 射出口から飛び出してきたがジェットは、それまで目にしてきた戦闘用のガジェットとはだいぶ違う。
カラーリングこそ戦闘用のガジェットとよく似ているが、
まるでラグビーボールのような形状・大きさをしているところが大きく異なっている。
ガジェットは、なのはの目の前で止まり、ゆっくりと彼女の裸体の周りを一周した。
まるで、品定めでもするかのようなその行動。クアットロが、目の前のパネルを操作する。

「…………っ?!」

 ゥィーンというモーターの駆動音を立て、ガジェットの中心部から、
勃起した男性器に酷似した形のアームが飛び出した。
本来、機械であって無機質なはずのそれには、ご丁寧にも赤黒い配色が施され、
まるで女の淫蜜を吸い続けてきた歴戦の勇者のような肉槍を思わせる。
しかも、アームの周りにはビッシリとイボイボまで備えられていた。
 男性経験のあるなのはには、それが何を意味し、そして今から自分の身に何が起ころうとしているのか、ハッキリと理解した。

――今から、自分はあれで犯されるのだ……、と。

「何人もの男を撃墜してきた淫乱さんにはわかりますよねぇ〜、コレ」
「…………」

 耐えなきゃ。火照った身体の奥底で、なのははもう一度決意を固めた。
敵の手で性器を弄られ、感じ、よりにもよって敵の眼前で絶頂を迎えさせられてしまった。
すでに、なのはの身体は意志・心を裏切り始めている。でも、心だけは絶対に好きにさせない。
一度は呆然としていたなのはの瞳に、先ほどよりは弱々しいながらも光が戻る。

「そうそう、そーの『あなたの好きにはさせません』みたいな目……」
「…………」
「その目がどこまで持つか、楽しみねぇ……」

 「人」の字型に拘束され、開かされたなのはの股間に、ガジェットが潜り込む。
機体の側面から黒いケーブルを出し、それを腰と太腿にガッチリ巻きつけて固定する。
やがて、赤黒いアームが、ゆっくりとなのはの割れ目に埋まっていった。

「――っ!……ぐ、ぅっ」

 男性経験があるとはいえ、未だ処女のようにキツキツの膣に太いアームを挿入されることには、
少なからず苦痛を感じた。なのはの膣内いっぱいに収まったアームは、浅く、ゆっくりとしたピストン運動や、
ヴヴヴヴ、とバイブのように軽く震えて膣を刺激し始める。
その責めに、苦痛が次第に甘美な肉の疼きに変わり始め、我慢できなくなった腰がクネクネと動き始めた。
だが、覚悟していたなのはにとって、その責めは意外に緩いように思えた。

 これなら、耐えられる。時間が経てば身体はそのうち絶頂してしまうだろうが、心が崩されるほどのものではない。
密かに、なのははそう思った。だが、それはとんでもなく甘い考えで――。

「そろそろ〜、必殺技の一つも出してみようかしら。はい、ポチッと♪」
 クアットロがパネルを叩いた次の瞬間――それまではやる気がなさそうに動いていたアームの様子が一変した。
まるで、ミニ四駆のスイッチを入れた時のように激しいモーター音を唸らせたかと思うと、
なのはの膣内を不法占拠していたアームが、勢いよく回転を始めたのである。

 ウ゛ィ゛ィ゛ィィィン  ぐじゅじゅぷじゅぶ……

「???!!!!ふギぃぃぃぃっっっっ!!!あ、あひぃっ!!」

 その瞬間、クネクネといやらしく動いていたなのはの腰が、
いきなり電気ショックでも浴びせかけられたかのように大きく跳ねた。
噛み締められた口の隙間からは、豚が屠殺される時に上げる断末魔のような、そんな悲鳴が上がる。

「ひあ、あ、あぐっ、ぐ、ぐぅっ!ぎ、ぃぃ!――ッ!――ッッ!」

 開きかけた口を必死に閉じ、歯を食いしばるなのは。ごわごわとした感触、太くて固いアーム。
しかも、アームにはビッシリとイボイボがくっついているのだ。そんなものを胎内でローリングされてはたまらない。
イボイボ一つ一つが、蜜にまみれた膣壁を強烈に刺激するのだ。胎内を削り取られるような、
巻き取られるような未知の感覚がなのはを襲う。
人間同士のセックスでは、決して味わえない感覚に、なのはは翻弄された。
ほどなくして性感がグググッと一気に高まり、再度訪れる『あの』感覚。

(だめ、耐えて!もうイッちゃダメ!)

 目を固く閉じ、全力で歯を食いしばって、イキそうになるのを懸命に堪えているなのは。
そんな彼女に、もう一機のガジェットが襲い掛かる。なのはの後方に回り込んだそれは、
側面から数本の黒いケーブルを飛び出させ、乳房を絡め取り、縛っていく。
股間のガジェットとあわせ、これで破れたブラジャーとパンティーでも着ているかのような格好にされてしまった。
その姿は、全裸よりも数段卑猥と言っていい。
ケーブルの先端に装着されているクリップが、なのはの両乳首を摘んだ。

「!!あひぃっ?!は、あ!あん、あぁっ、んはあぁぁあああぁっっっっっ!!」

 一回目の絶頂直前のように、耐え切れなくなったなのはの口から悲鳴が漏れ出した。
もう、頭の中だけでイッちゃダメ、イッちゃダメと自分に言い聞かせるだけでは、
怒涛のように押し寄せる快楽にとても抵抗できない。

「いやああぁっ!だめっ、ぁ、あん!ダメええぇぇ!!」

 結論を言えば、それは全く抵抗としての意味を成さない。
いや、逆に口を開けてしまったばかりに、それまで抑えていた喘ぎ声が溢れ出す結果になった。

「い、くぅあっ!―――ッッッッ!!!…ッ!…ッッ!……!…」

 今度は声にならない声を上げ、ビクビクと身体を震わせながら達するなのは。
それが終わると、再び身体を弛緩させ、荒い息を吐きながらグッタリとしてしまった。
「はあっはあっはあっ、はあっ、はあ……」
「どーお?そろそろ抵抗する気、失せたかしら」

 また絶頂させられてしまった……と絶望するなのはの心に、クアットロの言葉は逆に励ましの効果があった。
頭にかかっていたモヤモヤを弾き飛ばし、誰が!と言わんばかりの勢いで顔を上げ、クアットロをキッと睨みつける。
クアットロとしても、こんな程度で音を上げられては面白くないため、
わざとなのはがいきり立つような言葉をかけたのだが。

「あーら、まだまだ元気ねぇ。どうしてそんなに頑張れるんだか」
「……はぁ……はぁ……」
「ひょっとして、まだ助けが来るとでも思ってるのかしら〜?」
「……っ!」

 心の中を見透かされたような気がして、なのはは一瞬動揺した。
そして――今のクアットロの口ぶりからすると、まるでもう助けが来ないことが確定事項のようではないか……。
そんななのはの動揺を見て取ったのか、クアットロは悪魔の笑いを浮かべながら手元のパネルを操作し、
モニターを出現させる。

『……んっ、ぐむぅ!ん、うぅ!』

 その音声と画像を目にした途端――なのはの顔色がたちまち真っ青になった。

「――っ?!ふぇ、フェイトちゃんっ?!」

 モニターに映るフェイトは、自分同様全裸にされている。その裸体に群がっているのは、
フェイトが長い間追っていた犯罪者、ジェイル・スカリエッティ。さらには戦闘機人bR・トーレとbV・セッテ。
四つん這いにさせられたフェイトの口の中では、スカリエッティの股間のモノが暴れていた。

『んっ、ふぅっ、むぅんっ!』
『今度は顔に出すぞ。フェイト・テスタロッサ』
『ふっ、ぷはっ!ぁ、あん、あん、ぁん……!』

 スカリエッティの肉棒がフェイトの口の中から引き出され、そして彼女の顔の目の前で爆ぜた。
肉棒から白濁液が勢いよく飛び出し、フェイトの顔に直撃する。
まるでシャンプーのボトルを顔面にぶちまけられたかのように、顔中を白いネバネバが埋め尽くしていく。
豊満な双丘は、セッテによって指の痕がつくほど強く揉み込まれ、
先端の硬くしこったピンクの乳首を指で弾かれる度に、フェイトの嬌声が上がっている。

 彼女に加えられている陵辱は、上半身に対してのみではない。
四つん這いの状態から、右足を持ち上げられ、まるで犬がおしっこをする時のような体勢にされていた。
トーレによって、なんと下の割れ目にバルディッシュの柄の部分を突き込まれ、
グチュグチュと蜜壺の中を掻き回されている。

『あ、ぁぁん!あぁ、あ、あ、くぁぁんっ!!ぁぁああぁぁあぁ……っっっ!!!』

 下の割れ目をよりによって自分のデバイスによって犯されている……。
それなのに、フェイトはまるでAV女優のような物凄いよがり声を上げながら腰を激しく振り続け、
至福の表情で責めを受け入れていた。雌犬――。それが、今のフェイトを形容するに最も相応しい言葉。
いや、厳密にはそれは正しくない。形容するも何も、今のフェイトは『雌犬』そのものなのだから。
「……ぁ……ぁ……ぁぁ……」
「まだまだ、これだけじゃないわ。ぽちっと♪」

 親友の堕ちた姿を見せつけられ、固まってしまったなのは。
その様子に満足気な笑みを取り戻したクアットロが、追い討ちをかける。
パネルを操作すると、さらに7枚のモニターが現れた。

「スバル?!ティアナ!!エリオ!!キャロ!!はやてちゃん!!」

 モニターに映し出されたのは、都市防衛に向かった機動六課の可愛い教え子四人と、もう一人の親友だった。

『ぎ、ギン姉、ひゃめてぇ……あああぁ?!ひぎぃぃぃっっっ!!』

 姉、ギンガ・ナカジマのドリルにフィストファックをされ、Gスポットを連続して突かれるスバル・ナカジマ。

『ぁ、ぁぁっ、な、なのはさっ、ごめ、んなさ……!っん、んあぁァッッッ!!』

 三人の戦闘機人に敏感な部分を徹底的に弄られ、間断のない絶頂の波に、泣きながら悶えるティアナ・ランスター。

『う、ぐぁ!…ガリュ、やめ、ろぉ……っ』

 ルーテシア・アルピーノの召喚獣・ガリューに尻穴を犯されて、ボロ雑巾のように揺さぶられるエリオ・モンディアル。

『……ぁ……ぅぁ……るー…ちゃ……』

 同じくルーテシアの召喚虫・インゼクトに蟲姦され、虚ろな瞳から涙を流しながら、
それでも必死にルーテシアに呼びかけようとするキャロ・ル・ルシエ。

『ぁ、あかんっ!い、イグぅ、イッてまう!!あ、ああぁぁぁああぁぁ……っっ!!』

 地面に撃墜され、自分と同じようにガジェットに犯されている八神はやて。

 6枚目のモニターには、壊滅した首都の映像が映し出され、ガジェットによる掃討戦が行われている最中だった。
そして、最後のモニターを目にした途端、なのははこれまでで一番悲痛な叫び声を上げた。

「ヴィータちゃんっ?!」

 モニターに映し出されていたのは、血まみれになって壁に倒れ込み、ピクリとも動かない赤毛の少女。
見たところ、かなりの重傷のようだ。いや、もしかしたら、死――。
そこまで考えて、なのはは頭によぎった最悪の状況を必死に否定する。
そんな狼狽するなのはの様子を楽しげに眺めながら、それでもクアットロはちょっとだけ忌々しげに呟いた。

「あのクソガキ、やってくれたわ……ゆりかごの駆動炉を破壊してくれちゃったのよ」

 でも、まあいいわ、と呟いた後、何でもないかのように、サラッと付け加える。

「もう、死んじゃったし」
「――――……!!」
(ヴィータちゃんが、死んだ…………?)

 ありえない。嘘だ。だって、約束した。

「…………よ……」

 生き残ると、必ず生き残ると、お互いそう約束した。

「……うそ……よ……」

 目尻から涙がじわりと盛り上がり、なのはの視界を曇らせる。
やがて涙の珠はその形を保ちきれなくなり、なのはの頬を伝って落ちていく。

「あ〜らら〜。ごめんなさい、聞こえなかった?それなら、もう一度言おうかしら」


 もう、あの子は死――――


「――――ッ!!いやああっ!!やめてえええぇぇぇっっっっ!!!」

 その瞬間、なのはの中で、これまで彼女を奮い立たせていたものが全て崩れ落ちた。

 しばらくの間、陵辱劇が行われている無機質な小部屋に響き渡っていたのは、
興奮したなのはのハアハアという息遣いと、涙混じりの嗚咽だけ。
その様子を見て満足そうに微笑むクアットロを形容するには、悪魔という言葉ですら全く足りない。

「わかったかしら?いくら待っても、あなたに助けは来ないのよ」

 そう言うと、クアットロは再び手元のパネルに手を伸ばす。

「??!!!ぐうぅっっっ!」

 膣内のイボイボアームがローリングを始め、ガジェット姦が再開されたのだ。
さらに、なのはの膣内で暴れまわるアームの先端から冷たい薬液が噴出し、膣壁に染み込んでいく。
なのはは知る由もなかったが、それはいわゆる『媚薬』。
ここまで二回の絶頂を迎えさせられ、ほぐれにほぐれたなのはの身体は、もはやガジェットの責めに対応できず、
絶望に沈み切った心の中で、ほどなくして三度目の絶頂を迎える。身体は、完全に陥落した。

「はあっはあっはあっ……」
「各地でお仲間が大変なことになっているのに、あんあん言いながらオマンコからマン汁垂らしまくるなんて……
酷いわねぇ〜、まったく」

 自身は苛烈な陵辱を受け、さらには仲間達の凄惨な姿を見せつけられた。
もう、いつ精神が崩壊・陥落してもおかしくない。
それでも、ギリギリのところで踏み止まったのは、管理局のエース・オブ・エースとしての最後の意地か。
だが、そんな最後の砦が打ち破られる時が、とうとう訪れた。
――さて、もういいわ。いい加減、終わりにする。

 クアットロはパネルを操作し、ついに「切り札」を発動させた。

「さぁて。そろそろトドメといきましょうか。管理局のエースさんは『何回頑張れる』かしら」
「はあっはあっ、はあっ、……うぅっ?!」

 ずぼっ

 ガジェットが、膣内をいっぱいに占領していたアームを一度入り口付近まで引き抜き、
そして――次の瞬間には、勢いよくなのはの最奥までアームを突き入れた。

「―――――ッッッッ!!!????んはあああああぁっぁぁぁっぁ―――――っ!!!」

 新幹線が駅を通過するときのような猛烈な勢いでイボイボアームに膣壁を激しく擦られ、最奥まで一気に貫かれた。
子宮口をグイッと小突かれて、絶叫するなのは。今までの責めの威力とは、まるで比較にならない。
さらに、注入された媚薬がいよいよ効果を発揮し始め、アイスクリームにガスバーナーの炎を直に当てたかのように、
なのはの身体は加速度的に蕩けていく。
奥まで突き進んだアームは入り口付近まで戻され、再びなのはを最奥まで貫いた。

「!!くぁぁあぁあああぁぁあああぁぁぁぁっあっっ……っ!!……ッッ!」

 いくら歯を食いしばり、唇を噛み締めようとしても、勝手に口が開いてしまう。
たった2回の突き込みで、あえなくなのはは最高点に到達した。

 ぷしゃああぁぁ……

 たまらず、尿道から黄金水が迸り、ビチャビチャと音を立てて股間の下に位置するガジェットに直撃した。
アームが引き抜かれると、なのはの膣内から滲み出した大量の雌汁が溢れ出し、
やはりガジェットのアームやボディを濡らす。
そうこうしている間にも、3回目の突き込みが行われ、また、なのはの絶叫が上がった。
 突き込む、抜く。突き込む、抜く。突き込む、抜く……。
アームに勢いよく串刺しにされる度に、胎内で「快楽」という名の爆弾が大爆発を起こし、
そこからから全身に向かって電撃のように快感が駆け抜ける。
豊満なバストを大きく弾ませながら身体をビクゥゥゥッ!ビクゥゥッ!と仰け反らせ、
なのはは音程の狂った滅茶苦茶な叫び声を上げ続けた。

(だ、だめぇ!わたしが、みんなをたすk

 ずぶうっっっ!

「!!んはぁぁっ、はあぁぁあああんんっっっっ!!」

 せめて、生き残っている教え子達と親友だけでも自分が助けなければ――
そんな思考すら、あまりに激しすぎるガジェットの串刺し攻撃の前に、竜巻にでも巻き上げられたかの如く、
一瞬で消し飛ばされる。それまで必死に耐えていたなのはの理性が、音を立てて崩壊していく。

「!!んぎぃぃっ、ひぃあぁあぁぁああん!あはぁあぁぁぁんんっっっっ!!」

 そして8回目。よく『頑張った』ほうかもしれない。ついに、なのはの精神のヒューズが――

 ずぶちゅぅぅっっ!!!

「はあっぁぁぁ!ぅぁあぁああっ!!」

 ぶっ飛んだ――。
 




「だめえぇええぇぇっっっ!あ、ああぁぁっ、きもちいいぃぃっっ!!きもちいいっっ!」





 一度、その言葉を発したが最後――もう、止まらなかった。
理性が砕け散り、本能のままに腰を振り始め、ガジェットの突き込みを、歓喜の声を上げて受け入れるなのは。
身体を大きく震わせ、一際大きな声を上げてまた絶頂を迎える。

 いつしかガジェットの数は増え、ケーブルがなのはの身体を覆いつくしていく。
その下では愛撫が開始され、敏感になったなのはの素肌は、情も何もない単なる機械的な愛撫の感触ですら、
「快感」として受け取ってしまう。
快感信号は腰に即伝達され、大きな熱となって彼女の腰を振らせ続ける原動力となる。
ビンビンに勃起した濃いピンクの乳首を刺激されると、乳房の中で快感が爆発し、
それは捌け口を求めて濁流の如く腰に殺到する。

 絶頂、絶頂、また絶頂――……。

 絶頂の余韻が覚めやらぬうちに、再度絶頂を迎えさせられ、涎を撒き散らしながら狂ったように叫び続けるなのは。
気持ちいい!きもちいい!キモチイイ!
今の彼女の頭にあるのは、それだけ。

「ぁひいっ、きもちぃっ!きもひぃぃっ!!はあぁんっ!!あはぁあぁぁあ――――っっ!!」

 結合部からはとめどなく愛液が溢れ出し、ガジェットの突き込みによって淫らな水音を立てながら床に飛び散る。

「ぁうあっ!!もっと!もっとおおぉっっ!!ああぁぁん、っあぁっぁあぁっっっっ!!」

 さっきまで仲間を信じ、健気に頑張っていた『不屈のエース・オブ・エース』がついに陥落――。
その歴史的瞬間を、クアットロは一生忘れることはないだろう。
そしてまたクアットロも、なのは同様、口から漏れ出る声を止めることができない。

「ふ、はは……あはははは!アハハハハハハハハハハハハハ!!」

 んひぃ、んひぃと喘ぎ声を上げるなのはの目の前で、クアットロは、笑った。ただひたすら、笑った。
「……ぁ…………ぅ……」

 媚薬の効果が切れたのは、3時間後だった。
バケツで水でもぶっ掛けられたかのように身体中を汗まみれにし、
股間からはネバついた愛液がダダ漏れになって足元に水溜りを作っている。
全身から出すものを出し尽くし、息も絶え絶えにグッタリと頭を垂れているなのはは、
脱水症状ですでに意識を失っていた。
なのはの痴態に大満足、いつもの甘ったるい声に戻ったクアットロが、気絶したなのはに歩み寄る。

「や〜ん。ちょっと、やりすぎたかしらぁ」

 初日からやりすぎて、せっかくの『玩具』を壊してしまっては楽しくない。とりあえず、今日はここまでだ。
もはや抵抗はできないだろう。そう判断し、クアットロはなのはの拘束具を全て解いた。
なのはの汗まみれの身体が、様々な体液が混ざった水溜りに崩れ落ちる。
体力回復と水分補給のための点滴を腕に打たれたまま、なのはにとって人生最悪の一日は幕を閉じた。

 なのはは二日目以降、様々な体位でガジェットに犯された。
注入される媚薬の量も徐々に増やされ、なのははよがり、悶え、喘ぎまくった。
それでも、体力回復のために取らされる休憩時間の間には、霞がかった頭の中で、
家族や友人、機動六課の仲間達のことを思い、涙を零す。
そして来るはずがないとわかっていながら、もしかしたら……と僅かな希望を胸に、助けを待ち続けた。

 しかし、ガジェットの責めが再開されると、そんな思考はゾウに立ち向かうアリのように簡単に蹴散らされ、
踏み躙られ、甘美な肉の奔流に全てを押し流される。
そんなことが何度も何度も繰り返され、なのはの精神は次第に弱っていく。そして、三日後――

「ぷぁ!はぅ!ぐ、むぐぅん、んっ、んんっ!」

 そこにあったのは、抵抗する気どころか、まともな精神状態を最後の一欠けらまで砕かれ、
そして完全に肉欲に屈服したエース・オブ・エースの姿。

「んぅん、ぐぅ、むっ!ッ!ッ!ッ!ッ!」

 今、なのはは、口・秘裂・尻穴という三つの穴を全てガジェットの赤黒いアームに犯されている。
媚薬とガジェットのテクニックにより、僅かな時間で尻穴まで完全に開発されてしまったのだ。

「っぷはぁ!ひぃ、んひぃぃ!おまっ、おまんこぉ!!もっとついてぇ!おしりっ、おしりもぉっ!」

 アームが抜かれて開放された口から、以前のなのはからは絶対に想像できないような卑猥な単語が次々と飛び出した。
「おねがい!もっとはげしくぅ!きもちよくしてぇぇぇっっっっ!!」

 四つん這いになり、下半身にまとわりつくガジェットに二つの穴を無抵抗で明け渡し、
愛液と尿を撒き散らすなのは。油が浮いてバサバサになりつつあるロングヘアーが振り乱されると、
それと一緒に乳房が千切れんばかりにぶるんぶるんと暴れる。
締まりがなくなった口からは、涎とともに、100人の男が聞けば100人全員が勃ってしまうような、いやらしい嬌声。

 ココロも身体も全てを肉欲に支配されて、獣の本能のままに腰を振りたくる、あさましい姿の雌豚。
9歳のときに魔法の力を手にして以来、この力を困っている誰かのために――
ずっとそう願い続けてきた純真な魔法少女・高町なのはの末路が、こんな惨めなものであろうとは、
一体誰が想像しえただろうか。

「……あ、うぅぅっ……」

 もう、何度絶頂したかわからないほど責められ、体力を著しく失ったなのはを、ガジェットは一時解放した。
手足をガクガク震わせたかと思うと、まるで積み木が崩れるかのようにグシャリと床に倒れ込むなのは。
全身の毛穴から珠の汗を噴き出し、股間は白く濁った本気汁にまみれている。

「はぁ……はぁ……は……」

……しばらくの後。また、複数のガジェットがなのはの身体に群がり、
今度は「まんぐり返し」の格好にされて剥き出しになった彼女の割れ目をロックオンした。
なのはの精神を陥落させた、「あの」激しい連続突き込み攻撃が始まった。

 ずぶうっ!

「??!!!ひぃぃぃっ!!!ああ、あああぁっ、んはぁあああぁぁぁ……!」

 呆けていたなのはは、一瞬でこの世の地獄――いや、今のなのはにとっては天国なのかもしれない――
に引き摺り戻された。
この饗宴がいつ終幕を迎えるのか、それはなのはの命を握るクアットロにしか知りえない。

 ぶちゅうっ!じゅぶぅっっ!!

「もっと、もっとぉぉぉっ!きもちよく、してえぇぇぇっ……!!あ、あ?!ぁぁいくぅ、いっちゃうっ!イグう゛ぅぅぅぅぅ…………!」



「――っ!!――……ッ!んあああああああああぁぁあぁぁ……!!」





BAD END
69ぬるぽ ◆6W0if5Z1HY :2008/03/22(土) 14:51:42 ID:b1boTNdY
 これで終了です。うは、マジで外道だな、自分。読んで不快になった方がいたら、大変申し訳ない。読んでハアハアしてくれた方がいたら、本望。

 とりあえず、これから忙しくなる時期なので、しばらく作品投下はしないと思います。暇になったら、ユーノとなのはの純愛鬼畜系小説でも書くか……。
70( ゚Д゚) :2008/03/22(土) 15:04:53 ID:LeZHZjB/
しまった……先投下されてしまった……

>>69
とは言えGJ! さすがクアットロさん鬼畜ですな。
しかしスバル、ドリルフィスト食らって大丈夫なんだろうか……怪我したりとか。
71名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 15:07:14 ID:giNi5KTq
凌辱好きな俺としては大満足だ、乙。エロシーンも描写が丁寧でおっきした。
ユノなのも待ってるぜ。つーか純愛鬼畜系ってなんだよw
72名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 15:13:40 ID:kUPn+QD2
>>69
ガジェット姦マジGJ!!
快楽に墜ちていくなのはさんに存分にハアハアさせてもらいました!
和やか旅行記も陵辱も書けるって凄いなー。
73( ゚Д゚) :2008/03/22(土) 15:21:33 ID:LeZHZjB/
投下しても良いかな?

1時間は待つのが礼儀だと思うが、このあと出かけなきゃならないんだ……
74名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 15:26:28 ID:4OxuRmdi
いいですとも!
75( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 15:29:39 ID:LeZHZjB/
注意事項
・鬱モノ。死者はないです
・エロのはずが非エロ。
・ユーノ×ティアナ。のはず。
・あぼーんキーワードは「歪んだ素直」
76歪んだ素直 01/07 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 15:30:46 ID:LeZHZjB/
「参ったな、こんな所に迷い込むなんて」
 ユーノはキョロキョロとあたりを見回す。
 ギラギラとどぎついネオンサインがあたりを照らしている。客引きが「よッ、そこ行く
社長さん」などと声をかけまくっている。ユーノも、既に何人かの客引きや女性に声をか
けられていた。
 ここはクラナガンのピンク街のひとつ。それもどちらかと言うとアングラ性の高い場所
だった。
 考古学のパトロンとの取引に、いつもはあまり使わないエリアの店を使ったのは良いの
だが、その後道に迷い、こんな所へ出てしまったのだ。
 声をかけてくるのは店の客引きだけではない。個人で流している娼婦もいる。
 クラナガンでは売春行為は禁止されている。だが、現実として個人の遵法心頼みで、こ
うした個々人までは取り締まれないのは、どこの世界も同じである。
 立ち並ぶ店も隠語を使っているものの、所謂本番、それも生で、というのは確実なもの
ばかりだった。
「やれやれ……僕には少し、刺激が強いよ」
 ユーノは興奮というより、息苦しさを感じていた。決して異性やらセックスやらに、興
味が無いわけではないのだが。
 なんとか、知った場所、あるいは地下鉄の駅を見つけようと、そこそこ太い通りを歩く
のだが……
「お兄さん、私を買っていただけませんか? サービスしますよ」
 またか。
 ユーノはうんざりしながら、声の主を振り返る。
「悪いけど……」
 そして、相手の顔を見て、ギョッとした。
 少女と、大人の女性の境目ぐらいの年恰好……いや、それは良い。この場所では、より
幼い年齢の少女が、自らの意思で身体を売っていることなど、稀ではない。
 ユーノが驚いたのは、その顔。
 右目が、閉じられたままだった。ネオンに煌々と照らされるそれは、明らかに、潰れて
いた。
「ああ、やはり、驚かれますね」
 少女は苦笑して、言う。
「でも、その代わり、サービスさせていただきますから。若いですし、お安くしますよ?」
 どこか儚さを感じさせるその顔に、ユーノは見覚えがあった。
 機動6課、“元”スターズ分隊所属……
「ティアナ……失礼、ティアナ・ランスターさん、ですよね?」
 恐る恐る、ユーノは訊ねた。
「あら……私の事を、ご存知でしたか?」
 少しだけ驚いたように目を開いて、そして再び、微笑みに戻る。
77歪んだ素直 01/07 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 15:31:06 ID:LeZHZjB/

 それは、機動6課発足間もない頃に起こった、事件だった。
 兄ティーダの名誉回復と、その軌跡を追う。
 そう信念を持っていたティアナだが、それはいつしか強迫観念に変わっていた。
 ホテル・アグスタでの事件の時、同僚であるスバル・ナカジマに対する誤射で、それは
決定的なものになった。
 そして、その数日後。
 スターズ分隊々長、高町なのはとの模擬戦、“シュートイノベーション”で、ティアナ
は自らのスタイルを殺し、なのはに格闘戦を挑んでしまう。
 その事を嘆いたなのはは、ティアナを砲撃で撃墜してしまった。
 スバルの描く『ウィングロード』に立っていたティアナは、それまでの無理が祟って、
バランスを崩し、大地に落ちる。
「ティアーっ!?」
 スバルの悲鳴。
 なのはは大地に落下したティアナを見て、愕然とした。
「え…………!?」
 伏せるように倒れこんだティアナの顔面から、鮮血が流れ出していた。
 なのはの模擬弾は完璧、相手を傷つけることはない。
 確かに、模擬弾そのものは、そうだった。
 だが、訓練場に構築された廃墟の、その一部として再現された、少々大きめの石は、別
だった。
 なのはの砲撃を受けた上、失神したティアナのバリアジャケットは能力を著しく欠いて
いた。そして、不幸にも……顔面から落下したティアナの右目を、尖った石が、潰してい
た。
「そん、な……」
 なのはは愕然とする。
 ティアナは自分と同じ砲撃魔導師。そしてその能力の為には、視力は何より大切だ。
 片目の視力を失う、全盲というわけじゃないだろう、と思うかもしれないが、さにあら
ず。
 人間を含めた一般的な哺乳類は、両目の情報をリンクして、視界を作り出している。
 片目がなくなると、視界が狭まるだけではなく、距離感や、視覚上の平衡感をも失うこ
とになる。
 ペンのキャップを外し、片目を閉じて、顔の正面でそれを閉める、それを5回繰り返す、
というのを試してみると良い。多くの人は、上手くいかないはずである。
 遠隔で対象に弾をあてなければならない砲撃魔導師にとって、致命的だった。むしろク
ロースレンジの方が、視覚の代わりに他の五感を動員できる分(それでももちろん、簡単に
というわけでは無いが)、まだ目がある。
 ティアナの将来は、少なくとも彼女が望む戦闘魔導師、執務官としての道は、ほぼ閉ざ
された。
 そしてそれは同時に、エリート新人部隊・機動6課に居る理由もなくなったということ
だった。
78歪んだ素直 03/07 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 15:31:29 ID:LeZHZjB/
 傷こそシャマルが綺麗に治してくれたが、完全に潰れた眼球は治しようがない。閉じら
れた右目は、2度と開くことはない。
「ティア……本当に、本当にいなくなっちゃうの?」
 隊舎の自室で、荷物を纏めるティアナに、スバルは2段ベッドの下段で膝を抱えてそれ
を見つめながら、問い質す。
「うん……もうここにいても、私に出来ることはないから」
 対象的に、ティアナはどこかさっぱりとしたような表情で、荷物をバッグに詰めながら、
そう答える。
「そんなこと……ティアだったら……」
 スバルは言い、そしてはっと思いつく。
「そうだ! ティアもSAやろうよ。あたしが教える、ギン姉だってダメって言わないよ!」
 だが、スバルの提案に、ティアナは手を止めて、スバルの方を向き、にっこりと微笑ん
だ。
「ありがと。でも、ベルカの魔術式から覚えなきゃならないし、今のアンタ以上に強くは
なれないわ。それになにより、ガードウィングじゃなくなっちゃうでしょう? アンタの
足、引っ張るのだって嫌だし」
 言って、ティアナはバッグのファスナーを閉めた。
「スバル、アンタには感謝してる。私みたいなのと友達でいてくれて、ありがとう」
「いてくれてって、これからも、友達だよ! あたしは、ティアと、ずっと……」
 スバルは思わず立ち上がり、自分の胸に手を当てて、叫ぶように、言う。
「そうね。でもあたし達、そもそも進む道が違ったでしょう? だから、いつかは別れる
のは、決まっていたじゃない。それが少し、早くなっただけよ」
 ティアナは苦笑して言いながら、バッグを抱えて、立ち上がる。
「じゃあね、スバル」
 踵を返すティアナを、スバルは留めようと手を伸ばすが、かける言葉が見つからない。
「ティア……待って」
 スバルの声を振り切るかのように、ティアナは部屋から出て行った。
 ティアナが6課隊舎のエントランスロビーを、外へ向かって出ようとすると、その扉の
ところで、なのはが立っていた。
 ティアナは、その目前まで歩いて、立ち止まった。
「すみません……高町隊長。ご迷惑おかけしました」
 ティアナは、深々と頭を下げた。
「ティアナ……」
 ティアナの態度に、なのはは愕然とする。
 訓練の時のように、反抗的な態度をとってくれると思っていた。そうすれば、話のきっ
かけもつかめると思っていた。なのはの交渉術とは、そう言うものだった。
 だがこれでは、暖簾に腕押し。ぶつかり合うことはできない。
「ね、ねぇティアナ、考え直そう? ティアナがクロースレンジやりたいなら、教えてあ
げる。私だけじゃ無理だけど、フェイトちゃん……フェイト隊長や、シグナム副隊長だっ
ているよ?」
 なのはは、ティアナの肩を留めようとする仕種をしながら、慌てたように、言う。
79歪んだ素直 04/07 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 15:31:49 ID:LeZHZjB/
「いえ。近接なら既にスバルがいるでしょう? それに今言われたように、フェイト隊長
やシグナム副隊長、それにヴィータ副隊長もいますし。今から私がトップに転向しても、
3流が良いところです」
 ティアナは、さっぱりとしたような笑顔で、そう言った。
「そんなことない、ティアナは……わ、私に一撃入れられたじゃない」
「…………?」
 なのはが、僅かに逡巡して言った言葉に、ティアナは不思議そうに、小首をかしげた。
「ああ、悪い見本として使おうって事ですか。いいですよ。それなら、転属願いは取り下
げます」
 ティアナは合点がいったというように、しかし、あくまで微笑みながら、そう言った。
「そ、そんなんじゃないよ! だって……」
 なのはは何とかティアナを引き留めようとするが、言葉が見つからない。
「高町隊長、私は感謝しているんです」
「え?」
 微笑みながら言うティアナに、なのはは軽く驚いて、目を開いた。
「結局、私のような半端で、しかも命令に逆らうような人間は、組織の中じゃ大成しない
……そう、教えていただけましたから」
 ティアナはしかし、あくまで他意など感じさせない笑顔で、言う。
「兄も、多分、そうだったんでしょう。たまたま、技術が優れていたから、執務官まで行
けただけで。周囲からは、煙たがられていたんじゃないですか?」
「っ……! 違う、そうじゃないよっ」
 声を上げる。自分自身どころか、あれだけ執心していた兄まで、自ら否定したティアナ
を、なのはは、直視できなくなり始めていた。
「…………?」
 ティアナは、再び、不思議そうな顔をして、首をかしげた。
「仰られていることの意味が、よく理解できませんが……」
 ティアナは、嫌味や皮肉の類ではなく、本当に、理解ができないというように、言う。
「とりあえず、書類の決裁が通ってしまっていますので、私は次の配属先に行かなければ
なりません。高町隊長、本当にありがとうございました。それと、ご迷惑をおかけして、
申し訳ありませんでした」
 もう一度、ティアナは深々と頭を下げてから、なのはの前を、機動6課を、去っていっ
た。
80歪んだ素直 05/07 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 15:32:12 ID:LeZHZjB/

 それから数ヶ月後、ティアナは管理局そのものを去った────と、ユーノはなのはの
泣き声で、聞かされていた。
 砲撃魔導師としては、誤射しかねないということで使えず。さりとて、頭は冴える方で
も、事務系の教育は受けていない。これでは、そもそも管理局に、居場所などなかったの
だろう。
 しかしまさか、こんな所で娼婦になっていようとは。
 ユーノは、ティアナの“売り”に応じることにして、とりあえずその場から連れ出すこ
とにした。
 ワンルームマンションの自宅に連れ込む。
 あくまで民間協力者という立場のユーノは、官舎は割り当てられていない。
 近所の外聞は気になったが、そんなことは構っていられなかった。
「ご自宅が落ち着かれるんですか? あ、いえ。珍しいわけではありませんけど」
 ティアナは、しかしそれが不気味なほどに、ニコニコと愛想良く微笑みながら、ユーノ
に訊ねてくる。
 その笑顔に、ユーノは困惑しながら、ティアナに訊ねる。
「ティアナさん……えっと、どうして、こんな事を?」
「?」
 ティアナは、一瞬、キョトン、としてから、
「ああ、ええ、こんな事、と言われても困るのですが」
 と、ティアナも、相手がなのはの幼馴染の1人であることで、その言葉の意味を理解し
つつ、答える。
「私のような、半端者で、組織の中ではやっていけないような人間でも、若くて身体がき
れいと言うだけで、お金がもらえますから」
「っ……そんなの、って……」
 違う、と、ユーノは言い切れなかった。
 事の経緯は聞いている。なのはからだけではない。フェイトからも訊き出した。
 むろん、あの場で悪かったのはティアナだ。
 だが、なのはに非はなかっただろうか? 暴力に暴力で応えることが最善だっただろう
か? ティアナの身を本当に案じての事なら、他にやりようもあったのではないだろうか?
 だが、上官の行為は正しく、それに反発する部下の方が悪い。それは、組織、こと警察
と軍隊では、絶対である。
 ユーノ自身、無限書庫司書長として、何度もその事を味わわされてきた。
「職業というと少し変ですが、私にはこういう生き方が最良だったんですよ。その事を教
えてくださった高町隊長には、感謝しています」
「っ……」
 皮肉ではない。嫌味ではない。ティアナは本心からそう言っているのが、ユーノには解
った。
 歪んだ素直──そう、表現すれば、良いだろうか。
81歪んだ素直 06/07 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 15:32:36 ID:LeZHZjB/
「それで……ああ、高町隊長の御友人ということですし、無制限で良いですよ。どうしま
すか? 最初は、御奉仕した方が良いですか?」
 ティアナは笑顔のまま、ユーノにそっと近づき、“仕事”を進めようとする。
「それとも……恋人のように振舞いましょうか? って、そうか、高町隊長が居るから、そ
れは必要ないですよね」
 失敗した、と言うように、ティアナは苦笑する。
 そんな仕種まで、見た目だけは、普通の、年頃の女性のようだった。
「ティアナさん……っ」
 ユーノは、ようやく声を絞り出し、ティアナの両肩に、正面から両手をかける。
「や、やっぱりこういうの、良くないよ。いや、良くないっていったら傲慢なのかも知れ
ないけど……なのはだって、ティアナさんがこんな事してるなんて知ったら、悲しむよ」
「そうですね、高町隊長は潔癖な所がありますから、そう言うとは思います」
 ユーノの言葉に、ティアナは少し苦笑して、さらりと言った。
「そうじゃなくて……なのはだって、こんな事望んでいたわけじゃないよ!」
「ええ、それは解っています」
 ユーノの搾り出す言葉に、しかしティアナは、あっさりとそう答えた。
「え?」
 ユーノは一瞬、呆気に取られた。
「ですから、そこから先は、私自身の責任です。あの時、高町隊長に逆らったりしなけれ
ば、右目を失わず、まぁ、他の生き方もできたでしょう。だから、今、こうしているのは、
私の自業自得、ってやつですね。そう言うほど、悪い思いは、していないのですが」
「…………」
 違う違う違う、心の中ではユーノはそう叫んでいたが、どうしても、言葉にする為の理
論が組み立たない。
「その、スクライア司書長?」
 押し黙るユーノに、ティアナは困惑気に、言う。
「なにも為さる気がないのでしたら、戻りたいのですが……」
 申し訳なさそうな顔で、ユーノを見る。
「高町隊長の知人と言うことですし、料金は結構ですから。あ、できれば戻りの電車賃ぐ
らいは、いただけたらと思うのですけど……」
「…………」
 ユーノは、さらに逡巡してから、意を決して、顔を上げる。
「ティアナさん、やっぱりダメだ。君をあそこに帰すわけにはいかない」
「え?」
「傲慢かもしれないけど、エゴなんだろうけど、やっぱり、こんな事、僕は見過ごせない
よ。しばらくは、僕が面倒見る。だから、戻っちゃダメだ」
 ティアナの手をとり、ユーノは言う。
「ええ、いいですよ」
「え?」
 ティアナが、笑顔であっさりと、そう答える。ユーノは、それに、一瞬、呆気に取られ
てしまった。
82歪んだ素直 07/07 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 15:33:34 ID:LeZHZjB/
「いいの?」
 てっきり反発されると思っていたユーノは、間抜けな声を出してしまう。
「ええ。面倒見る、って、私の生活の為にお金を出すってことでしょう?」
「……まぁ、そうだけど」
 訊き返してくるティアナに答えつつ、ユーノは嫌な雰囲気を感じた。
「お金で女を囲う、別に良いじゃありませんか。貴方には、それに足る地位も、財産もあ
る。それだけのことですよ。飽きたら、いつ棄てたって良い」
「っ……」
 違う、と叫びそうになるのを、ユーノはこらえた。
「……解った。じゃあ、これから、一緒にここで、暮らしてもらうよ」
 ユーノは、激情を何とか抑えつつ、低い声で、そう言った。
 捻くれた訳ではない、ただ、自分の在り方を、そこに行き着く経緯を定義してしまった
ティアナに、言葉だけでどんなに言った所で、説得する事は無理だろう。
 時間をかけて、心を解いてあげるしかない。ユーノは、そう決心した。
「はい、よろしくお願いしますね」
 ティアナは、あくまで笑顔で、頭を深く下げた。
83歪んだ素直 08/07 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/22(土) 15:34:52 ID:LeZHZjB/
>>86-82
今回は以上です。

エロが入らんかった……
続編でエロ書きたい。
ついでに魔王様とのドロドロなシーンも書いてみたい、
というあたりなのですが、どうでしょうか?
84名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 16:16:21 ID:7Xxg2MgO
ティーダの遺族補償や自身の労災補償はどこにいったのかw
エロ頑張って下さい待っとります
85名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 16:31:47 ID:LOsH5Y2r
>>83
ここまで歪んだティアナSSは初めて読んだ気がする。
ティアナが娼婦に身をやつすだなんて・・・

もちろん続編を期待してGJさしあげるのですが。

>>69
このシリーズの陵辱度は尋常じゃないぐらいに高いよなあ。
前作とリンクするものだとは思いませんでした。

GJ。
あとは、ティアナのカメラに切り替えて欲しいなあ・・・
86名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 16:38:35 ID:DCOmimp8
>>83
こんなに続き物抱えて大丈夫なのかと思うけど、( ゚Д゚)さんの執筆速度なら問題ないかな…
実は蟻地獄の続きをまだ諦めてなかったりしますw
87サイヒ:2008/03/22(土) 16:59:42 ID:lGzhbjCz
クロフェ出産話を投下しに来ました。
以下注意書きに目を通してください。

・本編約一年後。フェイトがクロノと結婚して、男の赤ちゃんを出産。
・なのはとユーノも結婚。なのはさん妊娠中。
・クロノがヘタレ。
・前後編の前編。エロは後編のみ。前編はクロフェのくせしてクロフェ分ほとんど無いです。
・B・A氏の「Nach dem eines Speerritters」と「父親をやれるか悩む話」という点で主題が被ってます。
・しかしあちらのように深刻な話だと思ってるとずっこけます。

ではどうぞ。
88Father's way for Chrono:2008/03/22(土) 17:01:10 ID:lGzhbjCz
 クラウディアの部下は、艦長のクロノにとって動かしやすい人材が揃っていた。
 大半は元アースラクルーがそのまま移籍してきており、エイミィを始めとしてみんなクロノのことをよ
く知っており意思疎通は容易い。もちろん仕事の方もリンディにみっちり鍛えられていて、大きいミスは
クロノの就任以来まだ一度も無い。
 新しく入ってきた者も人事部が気を使ってくれたのか性格の丸い人物ばかりで、クロノが若いからといっ
て侮る者はいない。むしろ尊敬の眼差しで見る者が多く、多少厳しい指示を与えても黙ってついてきてく
れる。
 クロノが辣腕を振るえる理由の一つに彼らの存在があることを、クロノ自身が一番よく知っていた。
 しかしそんなクロノでも驚くぐらい、本日の仕事の早さは異常だった。
「消費物資一覧及び補給物資要請、提出しました」
「機関部の簡易チェック終了しました」
「今回の戦闘記録も編集完了しました。大規模なものではありませんし、提督は目を通さなくてけっこう
ですね」
「いや、そういうわけにも……」
「見ないって言ってるから、さっさと本局に送っちゃっていいよー! それでクロノ君、この書類にサイ
ンお願い」
「ああ……」
 クルー全員が鬼のような速度で仕事をこなしていく。しかも自分の仕事だけでなく、クロノから仕事を
奪い取るようにして持って行き、完璧に仕上げて返してくる。クロノは黙って判子押してサインするだけ
で良い。
(いったいなにがあったんだ……)
 このまま行けば、提督にとっては奇跡の定時退勤も夢ではない。
 まさかいつぞやのように「仕事頑張ったんで全員飲みに連れて行ってください」などと言い出す気か、
などと疑念を抱きながら、クロノも黙々と書類の決裁に務めた。
 そして勤務時間終了を知らせる時報が鳴った時には、本日中にしなければならない全ての仕事は終わっ
ていた。晴れてクロノは自由の身となる。
 そして瞬間、全ての謎は解けた。
「「「「提督、お仕事ご苦労様でした!!」」」」
 ブリッジにいたクルー全てが立ち上がり、びしっと敬礼を送ってきたのだ。
「「「「これよりお子様とのご対面、頑張ってください!!」」」」
 実に見事な、一糸乱れぬ唱和であった。拍手してやってもいいぐらいである。
 全員が顔に薄笑いを浮かべていなければ、の話だが。
「…………どういうつもりだ」
 間違いなく首謀者であろう通信司令を睨みつけるが、相手は慣れたものである
「敬愛する提督閣下に送る激励の言葉、みたいな」
「からかいの間違いじゃないのか」
「ほらほら、そんな怖い顔してると子供に泣かれちゃうよ」
「…………」
 精一杯の皮肉で敬礼を返し、クロノはブリッジを出た。
89Father's way for Chrono:2008/03/22(土) 17:02:32 ID:lGzhbjCz
「「「「フェイト奥様にもよろしく!!」」」」
 ドアを出た所で追い討ちかけてきた言葉に背中を押され、おもわずつんのめりそうになる。
 引き返して説教したくなったが、クロノは思い止まった。
 揶揄は含んでいたが、エイミィ達の本心はクロノを早く家に帰らせてあげたいという純粋な好意だろう。
それを叱るのは石頭というものだ。
 頭を軽く振って、クロノは長い廊下を歩き出す。
 だがクロノは真っ直ぐ帰宅しようとせず、掲示板に張ってある自分に関係ない管理局の通達だの、自販
機のラインナップだのを無意味に眺めてから、溜息一つ吐いて出口ではなく無限書庫に足を向けた。



        Father's way for Chrono



 三週間前、クロノの妻フェイトは男児を出産した。だというのに、クロノはまだ一度しか我が子を腕に
抱いていない。
 理由は、もうとにもかくにも不幸だったというしかないものである。
 フェイトの出産予定日の前後に合わせてだいぶ前からクロノは休暇申請を出しており、受理もされてい
た。
 ところが狙い済ましたかのように、その時期にあちこちの次元世界で事件が勃発。提督クラスの出動が
相次ぎ、ついには「まことにすまんが君しかおらんのだ」の一言で、クロノの休暇は空約束と化した。
 私事と公なら公を優先する性質のクロノも、こればかりは困り果てなんとかならないかとあちこちに働
きかけたが、どうにもならないものはならなかった。
 ただ不幸中の幸いというべきか、フェイトの出産が予定日より早まり、我が子誕生の場に立ち会えはし
た。
 しかしクラウディアの出航は二時間後に迫っており、フェイトに労いの言葉をかけ、息子を一度抱いた
だけ。

 そして本日、無事航海を終了してクロノは帰ってきた。



 台所からタンタンっと、まな板を叩く小気味のいい音がする。
 包丁を振るってクロノの好物を作っているフェイトを、アルフはソファに座って眺めていた。
 数年前から戦闘面より日常生活でフェイトのサポートに回っているアルフは、フェイトが妊娠してから
は以前にも増して家事に従事するようになった。
 しかし今日だけは、朝から楽しそうに家事をする主を見ているだけである。
90Father's way for Chrono:2008/03/22(土) 17:03:53 ID:lGzhbjCz
「フェイト、やっぱり手伝おうか? 昨日は夜泣きで起きてたからあんまり眠れてないだろ」
「ううん、平気。睡眠時間短いのは慣れてるから」
 このように言い張って、料理も掃除も洗濯も何一つやらせてくれないのだ。大好きなクロノの迎えの準
備は、全部自分でやりたいらしい。
(フェイトがやったって分かるのは料理ぐらいだと思うけどねえ)
 まあ、幸せそうだからいいかとアルフが考えていると、部屋の隅で小さな音がした。
「あううぅ……」
 フェイトの妊娠確定と同時に先走ったクロノが購入したベビーベッド。そこから聞こえる声は、どんど
ん大きくなっていく。
 素早く立ったアルフがベッドを覗き込めば、そこにはくしゃくしゃの泣き顔をした新しい家族がいた。
「はいはい、どうしたんだい?」
「うううぁぁぁ……」
 抱き上げて揺らしても、ぐずるばかりである。おしめも濡れていない。なら、アルフでは泣き止ませら
れない理由なのだろう。
「フェイト、お腹空かせてるみたい」
「はーい」
 手を止めてやってきたフェイトは手早く胸元を広げ、アルフから息子を受け取る。目の前に白く豊かな
乳房を見た赤ん坊は、そこに元気よく吸いつく。
 やがて喉の鳴る音は止んだが、まだちゅぱちゅぱとフェイトの乳首をしゃぶる音は続いていた。
「不思議だね。おしゃぶりはすぐ吐き出すくせに」
「赤ちゃんはおっぱいが大好きなものだから。ね? クロード」
 笑って、フェイトは息子の名前を呼んだ。
 男の子ならクロード。女の子ならリーフェ。
 今は亡き父と姉から一文字もらい、自分の名前と組み合わせた命名。結婚した時から、二人は子供の名
前をそう決めていたらしい。
 名前が影響したわけでもなかろうが、生まれてきたクロードは父と祖父によく似ていた。顔の線にもう
二人の面影が出ているように、アルフには思われるしフェイトもリンディもそう言っている。髪の色も同
じだ。
 しばらくしてクロードは眠ったが、まだ母親の胸に顔を埋めたままだった。よっぽどおっぱいが好きら
しい。
 フェイトも下ろそうとせず、眼を細めて寝顔を見つめている。その表情は、すっかり母親の顔だった。
91Father's way for Chrono:2008/03/22(土) 17:05:06 ID:lGzhbjCz
(…………羨ましいね)
 アルフは心中呟く。自分もお腹を痛めて産んだ子供を抱いて、あんな顔がしたかった。
 ザフィーラの恋仲になってすでに片手の指以上の年月が流れたが、子供はいない。きっと、これからも
出来ないだろう。
 生身ではなくプログラムである男を愛した時から、その覚悟はしていた。それでも、一抹の寂しさは感
じざるをえない。
「……難しい顔してどうかしたの、アルフ?」
 うつむき気味になったアルフを、フェイトが覗き込んでくる。精神リンク抜きにしても付き合いが長い
だけに、ちょっとした感情の揺れをフェイトは敏感に感じ取る。
「い、いや、ご飯まだかなーって思って」
「出来ても、クロノが帰ってくるまで食べちゃだめだからね」
 慌ててアルフはいつもの自分らしい言葉で誤魔化す。
 クロードをベッドに寝かせフェイトが台所に戻ると、アルフはベッドの縁に手をかけて寝顔を覗き込ん
だ。
 フェイトが執務官に復帰したら、この子の世話をするのはアルフの役目になるだろう。
 クロードだけでなく、はやてに子供が生まれたらその面倒もアルフとザフィーラが見ることになるだろ
う。たぶん、なのはとユーノの子供も。きっと、みんな両親に対するのとは別の慕い方をしてくれるはず。
 それで、充分だ。
「クロード、あんたとあんたの友達になる子達全員、あたしとザフィーラの子供だと思って、面倒見るよ」
 寝顔に向って呟くと、アルフはソファに戻った。
「それにしてもクロノ遅いね。エイミィが、今日は絶対退勤時刻に帰してみせるって請け負ってたのに」
「まあ、本格的に仕事が長引いてるなら連絡入れるだろうし。すぐ帰ってくるって」
「そうだね。子供との二回目の対面の日に、寄り道するわけないよね」



 無限書庫司書長室。そこには二人の人物がいた。
 だがその間に会話はない。部屋の主であるユーノは本を片手に翻訳作業中であり、残る一人の人物であ
るクロノは、出された茶を片手にぼんやりしているだけだった。
 もうこんな状態が、クロノがやってきてから三十分は続いている。当初はいつもどおりユーノが皮肉や
らからかいの言葉を飛ばしてきたのだが、クロノが一向に応じないので黙ってしまった。
 しかしいい加減沈黙に耐えかねたのか、ユーノがやや乱暴に本を閉じた。
「……君はいったい何しに来たんだ」
「…………」
「資料請求でもなんでもないんだろ? だったら早くフェイトに元気な顔を見せてやりなよ」
「ああ、うん……」
92Father's way for Chrono:2008/03/22(土) 17:06:15 ID:lGzhbjCz
 クロノもそうせねばと分かっているのだが、テストで悪い点を取ってしまった子供のように、家に帰り
づらくてこんな所で時間を無駄に潰していた。
「……最近ヴィヴィオはどうしてる?」
 唐突な話題に眉根をひそめたユーノだが、きちんと返事はしてきた。
「元気に学校行ってるよ。成績も申し分ないし、友達もいっぱい作った。毎日楽しそうにしてる」
「君には懐いてるのか」
「そりゃ父親だからね。最近は一緒にお風呂入ってくれなくなったけど、時々無限書庫の仕事を手伝って
くれるし、この間なんか一人でお弁当作ってくれたよ」
「そうだな。……君はもうとっくにヴィヴィオの父親だ」
「……本当に、君はいったい何が言いたいんだ?」
 ユーノというよりティーカップの底に訊ねるように、クロノは心中の不安を吐き出した。
「なあユーノ、父親ってどうやってやればいいんだ」
「…………」
 返事は無かったが、ユーノは椅子に座り直した。もうちょっと詳しく言えということだろう。
 クロノも姿勢を正し、顔を上げた。
「僕は、父さんを知らない」
 クロノの中に、父クライドの生前の記憶は、無い。
 父と死別した時のクロノは、わずかに四歳。父の顔を覚えたのは写真であり、声も耳の底に残ってはい
ない。
 クロノの中で父の思い出は葬式の日、遺影と空っぽの棺から始まっている。
「いつもどんな言葉をかけられてたのか。どう褒められたのか。どう叱られたのか。僕は全く覚えていな
い。それだけじゃない。僕は家にいるより、次元の海にいる時間の方が長いんだ。息子に顔を覚えてもら
えるかどうかも怪しいよ」
 言葉を丁寧に教えてやる時間も、毎日眠るまで本を読んでやる暇も、転職しない限り、無い。
 他にも、自分が父親に相応しからぬ理由は嫌というほど思いつく。
「……こんな僕が、父親をやれるのか?」
 それはずっと昔から、フェイトを生涯共に過ごす伴侶に選んだ日からクロノの胸にあった不安。
 心のほんの片隅に澱んでいたそれは、ある切欠で一気に肥大し、ここ数日は仕事の合間にすら悩むよう
になっていた。
「だから、ヴィヴィオの父親やってる君なら、何かコツみたいなものを……」
「そんなもの、僕が教えられるもんか」
 クロノの言葉を遮り、やや投げ遣りにユーノは言った。
「逆に訊くけどさ、君は提督のやり方を教えてくれって言われたらどう答える?」
「……答えられないな」
 書類の書式や提出先などはまだしも航海先での任務は千差万別で、一口に提督のやり方などと言われて
も漠然としすぎて答えようが無い。
「そういうことだよ。だいたいヴィヴィオは出会った時にはもう言葉はしゃべれたし、性格もそれなりに
出来ていた。新生児を育てることについては、僕もたぶん君以上のことなんか知らないんだ」
「……そうだな」
 馬鹿なこと訊ねて悪かった、とクロノは再び紅茶に眼を落とす。
 こういう対応がされるだろうというのは、予想の範疇だった。それでも、何か少しでいいからアドバイ
スがもらえないかとクロノは訊ねたのだった。
93Father's way for Chrono:2008/03/22(土) 17:07:45 ID:lGzhbjCz
「……本当にどうしたんだいクロノ? いくらなんでも弱気すぎるよ」
 自分でもらしくないと思う態度に、不審そうにユーノが訊ねてくる。
「息子のことで何かあったのか?」
「ああ。……君にしてみれば馬鹿馬鹿しいことなんだろうが」
 少しだけ迷ったが、事実をクロノは告げた。
「…………泣かれた」
「はぁっ?」
「初めて抱いた時、思いっきり泣かれた」
 病院で生まれたばかりのクロードを抱き上げ名前を呼んでやろうとしたまさにその瞬間、息子はいきな
り火の点いたように泣き出したのだった。
 呆然としているクロノの手から看護士が抱き取って運んでいき、父子の初対面はそれで終わった。
 赤子など泣くのが仕事のようなものであり、そもそも生まれたてだからクロノが父親だと分かったわけ
がない。
 それでもクロノは、息子に拒絶されたような気分になってしまった。
 きっと翌日にでも病院に行って泣かさずにクロードを抱くことが出来たら、ここまで不安を覚えなかっ
ただろう。しかし家族と離れていた時間は、不安だけを頭の中で増大させていった。
 自分でもくだらないことを気にしていると思うが、あの時の衝撃は大きくいつまでたっても心の動揺が
収まらない。あまりの自分の弱さに嫌気が差しての、自虐的な告白だった。
 爆笑するか呆れ果てるかと思ったユーノだが、眉間に皺を寄せて頷いた。
「……たしかに、泣かれるのはきついね」
「分かるのか」
「君と似たような体験したんだよ。ヴィヴィオでね」
 ユーノの話はこうだった。
 なのはがヴィヴィオの保護者になったことをメールで知ったユーノは、一度顔を見ておこうと六課に出
かけた。
 そして隊舎内でヴィヴィオを見つけた時、ちょうど彼女はアイナとはぐれて迷子になっており涙目なと
ころだった。
 そんなこととは露とも知らないユーノは、特徴的なオッドアイにこれがヴィヴィオかと気づき、名前を
呼びながら抱き上げた。
 当時のヴィヴィオは今のようにしっかりものではなく、ひたすらなのはにべったりしていた泣き虫であ
る。
 そんなヴィヴィオが、一人きりになって心細い時に見知らぬ男の人にいきなり抱き上げられたらどうな
るか。
 泣いた。凄まじく泣いた。周りの職員がユーノのことを人攫いと勘違いするぐらい泣いた。
 あまりの泣きっぷりにユーノは狼狽を通り越して茫然自失で立ち尽くし、騒ぎを聞きつけたなのはが飛
んでくるまでヴィヴィオの大泣きは続いた。
94Father's way for Chrono:2008/03/22(土) 17:09:17 ID:lGzhbjCz
「おかげでずいぶん警戒されてさ。ちゃんとパパって呼んでもらえたのはJS事件後だよ。……僕も僕で、
ヴィヴィオを見たらちょっと身構えるようになったのにも原因はあるだろうけど」
 本当に子供に泣かれるのはこたえるよ、とユーノは話を締めくくった。
「全くだ。……君は、わがままとか小さな悲しみで大泣きした記憶はあるか?」
「物心ついてからは無いと思う」
「僕もだよ。変に聞き分けの良い子供をやってたからな。……きっとそのせいで、泣かれたら対処が分か
らないんだ」
「なるほどね……」
 子供が出来たばかりの男と、もうすぐ実子が生まれる予定の男は、揃って黙り込んだ。再び部屋には時
計の音だけが響く。
 しかし今度の沈黙は短かった。口を開いたのは、またユーノからだった。
「……まあ、それでも君に言ってやれることがないわけじゃない」
「教えてくれないか」
 なんでもいいから、今のクロノは助言が欲しかった。
「フェイトに会えばいいんだよ」
「…………なんだそれは」
 意外すぎる言葉に憮然とするクロノだが、気にせずユーノは続ける。
「男と違って、女の人は大きなお腹を何ヶ月も抱えて苦労した果てに子供を産む。だから自然に子供のこ
とを愛するようになり、特に意識しなくても女から母親になれるんだ」
「その話はよく聞くな」
 母性は自然に生まれるが父性は学習しないと芽生えない、とどこかの育児書で読んだことがクロノもあ
る。
「なのはもさ、JS事件の前と後でちょっとヴィヴィオに対する接し方が変わったよ。特に意識しなくて
も、自然体で母親が出来ている感じかな。……きっとあの事件が、なのはにとっての出産だったんだ」
 ゆりかご内部で行われた激闘については、クロノも知っている。
 自分の命を削りかねないブラスターモードを使用しての激闘。その苦痛を経て、なのははヴィヴィオを
本当に我が娘とし、母親になった。ユーノはそう言いたいのだろう。
「フェイトもたぶん同じさ。陣痛に耐えて出産して、この何週間か子供を育てて、きっとエリオやキャロ
に対するのとはまた違った母親になれてるはずだよ。まずフェイトがどんなことやってるかよく見て、そ
れを自分なりに見習えばいいんじゃないかな」
「フェイトを、か……」
 いったい彼女は今、どんなふうにクロードと接しているのだろう。もう立派な母親をやっているのか、
それとも実はクロノと一緒で不安と戦っているのか。
 仮に何も変わっていなかったとしても、あの笑顔を見れば少しは不安も薄れるだろう。
「つまりは、こんな所で僕の講釈聞いてないで、早くフェイトの所に帰れってことさ」
 話はこれで終わりだとばかりに、ユーノは置いていた本を開いた。
 言われたことは、最初と全く同じだ。けれど今度は、素直にそうしようという気にクロノはなれた。
95Father's way for Chrono:2008/03/22(土) 17:10:58 ID:lGzhbjCz
「……踏ん切りがついたよ。忙しいのにわざわざつきあわせてすまなかったな」
「そう思うなら、もう少し仕事を減らしてくれないか。また最近家に帰れてないんだ」
「それはそれ。これはこれだ。三日後が期限の資料請求、遅れるなよ」
「……調子が戻ったとたんにそれかい」
 文句を背中で聞き流し無限書庫を出たクロノは、閉じたドアに向って本当にちょっと、揺らす程度に頭
を下げて、今度こそ出口に向って歩き出した。



「……十年以上腐れ縁やってれば、考えることまで似てくるのかな」
 一人きりになると、さっきまでクロノが座っていた椅子に眼をやってユーノは呟いた。
 色々と偉そうなことを言いはしたが、クロノが吐露していった不安はそっくりそのままユーノの心中に
もあったものだった。
 クロノはすっかり忘れていたようだが、ユーノも幼少時に両親と死別している。家になかなか帰れない
のも同じだ。
 ヴィヴィオで経験がある分だけクロノよりはましだろうが、不安はなのはの出産日が近づくにつれて大
きくなっている。クロノの気持ちは、痛いほど理解できた。
 それでも、クロノのように誰かに泣き言漏らすのだけはやめようと誓った。傍から見たら極度に情けな
いことがよく分かった。自分はやるまい。
(子供が生まれたら、最初になんて言おう)
 まずそこから考えてみたが、意外に難問だった。こんにちは、だけでは簡潔すぎる。僕がパパだよ、と
いうのも目も開いてない赤ちゃんに言うのはおかしい気がする。他にこれといった台詞は思いつかない。
(……なるほど、赤ちゃんの父親やるのは大変だ)
 子供にかける言葉は思いつかなかったが、最愛の妻にかける言葉はすぐ頭に浮かんだ。
「僕の子供を産んでくれてありがとう、かな」
 ありきたりな言葉だが、変に捻るよりも率直に愛情込めて言った方がなのはは喜びそうだ。
 一つ頷いてユーノは仕事に戻ったが、すぐに手を止めて携帯電話を手に取った。
「もしもし、僕だけど。……いや、ちょっとなのはとヴィヴィオの声が聞きたかっただけ。…………うん、
それでさ、今クロノの奴が来たんだけど……」
 黙っていてくれと釘は刺されなかった。
 助言代だとばかりに、ユーノは知り合い中に思い切りばらしてやることにしたのだった。



「ただいま」
「おかえりなさい。航海ご苦労様」
 帰宅の声をかけるとすぐにフェイトはリビングから出てきて、晴れやかな顔でクロノを迎えてくれた。
96Father's way for Chrono:2008/03/22(土) 17:12:06 ID:lGzhbjCz
「遅かったね。エイミィに訊いたらとっくに帰ったって言うし、電話しようかと思ってたんだよ」
「ちょっと無限書庫に寄ってててね」
「仕事の話?」
「そういうわけじゃないんだが……」
 言葉を濁しつつ、横目でフェイトを見てみる。数週間ぶりに見るフェイトは、少なくとも外見はほとん
ど変わっていない。どんなふうに母親をやっているかは、分からなかった。
(当たり前か)
 いかに絆が深かろうが、一見しただけで心の中まで分かりはしない。
 居間に入れば嫌でも目に入るのはベビーベッド。アルフにもただいまと言いつつ、クロノは近づいて覗き
込んだ。
 二度目に間近で見た息子は、父親の不安などどこ吹く風で気持ち良さそうに眠っていた。
「本当にクロノそっくりな顔でしょ?」
 フェイトはそう言うが、クロノにはどこが似ているのかさっぱりだった。髪の色ぐらいしか共通点が見
つからない。
「ほら、抱いてあげてクロノ」
「いや、起こしたら悪いし後で……」
 出産日のことを思いだしてつい逃げ腰になりかけるクロノだが、ここでやめたところで遅かれ早かれい
つか抱かなければならない。
「……やっぱり抱くよ」
 そろそろと、それこそ赤ん坊が今にも崩れそうな砂で出来ているかのように、細心の注意でクロノはク
ロードを抱き上げた。
 二度目に手にした我が子は、一度目で感じたよりずっと軽かった。
 まだ、意思も何も入っていない軽さ。
 それを、クロノが満たしていかなければならない。
(…………やっぱり、分からない)
 これからどうやってこの子を育てていけばいいのか、見当がつかない。
 それでも息子に初めてかける言葉だけは、用意してあった。
「ただいま、クロード」
 様々な感慨を込めて、クロノは初めて息子の名前を呼ぶ。
 眠ったままのクロードは、当たり前だが無反応だった。
 今は泣かさずにに抱けただけでよしとしようとクロノがベッドに下ろしかけた時、寝息が急に止まりク
ロードがぱちりと目を開けた。
「あ……」
 母親譲りの緋色の瞳。
 髪の色と合わせれば、紛れもなくクロノとフェイトの息子である証。
 ルビーのように鮮やかな眼は、数回瞬きして焦点がクロノの顔に合わさった。クロノを不思議そうな顔
で見上げるクロード。
 その頬が、緩んだ。
「あはっ」
 なんの混じりっけも無い、無邪気な笑顔。
 小さな手が、顔に触ろうと伸ばされてくる。反射的にクロノが手を出すと、指がぎゅっと強く握られた。
97Father's way for Chrono:2008/03/22(土) 17:13:29 ID:lGzhbjCz
「やっぱりお父さんだって分かるんだ」
 フェイトがなにか言っているが、今のクロノの神経は指から伝わってくるクロードの体温に集中してい
た。
 じわりとした温もりを感じる度に、あれだけ苦しんだ不安が嘘のように溶けていく。変わりに胸を満た
すのは、息子へのひたむきな愛しさ。
 同時に、クロノの内に湧き上がるものがあった。
「眼が開いてから、毎日クロノの写真を見せてたんだ。この人が、クロードのお父さんだよって。……ク
ロノ?」
「…………くくっ」
 肩が自然に震え出し、唇の端が持ち上がる。
 ついに耐えられなくなり、クロノは数年ぶりに声を上げて笑った。
「ちょ、ちょっとどうしたんだいクロノ!?」
「ははは、本当に馬鹿だな僕は! ユーノに知られたら、今度こそ爆笑される!」
 フェイトとアルフがあっけに取られているが、クロノの笑いは止まらない。
 たった今気づいた。不安の深さは、裏を返せばそれだけ愛情の深さだったのだ。
 つまり自分は、息子にちょっと泣かれただけで深刻に思い悩み、笑いかけられただけでこの上なく幸せ
になる子煩悩な男らしい。
 いや、子煩悩どころかただの馬鹿な親だ。
 きっとこれからも、転んだといっては心配し、テストでいい点を取ったと知っては大喜びするのだろう。
(フェイトの溺愛癖が移ったかな)
 そういえば子供が欲しいと思いはしたが、父親をやりたいと思ったことはなかった。
 そしてこの瞬間、クロノは父親をやり、クロードに父さんと呼ばれ笑ってほしいと、心から願った。
「クロード」
 ようやく笑いを収め、息子を頭上高く抱き上げ、クロノは自分自身に宣言した。
「僕は、君の父親だ」



         続く
98サイヒ:2008/03/22(土) 17:15:20 ID:lGzhbjCz
以上です。
前編は「親馬鹿覚醒編」。
後編は「長女or次男子作り編」。
ほとんど完成しているので明日中に投下予定。

実はクロードは以前の作品で名前だけ出してたり。
一行だけの登場だったんで、優奈ことユーナ共々覚えてる人なんていないでしょうが。
ここまで来たらはやての子供ネタもやるべきか。でもその前に、ゲンはやをちゃんとした作品で書かないと。


ネタ被りを許可してくれたB・A氏には心から感謝を。
そちらのエリオに比べたらなんとも馬鹿馬鹿しい悩み方で、比べるのもおこがましい話ですが。
ありがとうございました。
99名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 17:58:35 ID:PYYcTvN1
>>98
GJです。クロノとユーノの掛け合いが嵌ってて良いですねw

しかし、親が提督で、名前がクロードというと今度リメイクされるSO2の男性主人公
を思い出すな親も黒髪と金髪の組み合わせだし、そういや女性主人公の中の人がフェイトさんだな。
で、ふと、将来クロノのクラウディアに配属されて、親の名前の大きさ(それほどじゃ無いけど)
の前に苦悩して、調査していたロストロギアで別の時空の惑星に飛ばされて、冒険活劇を繰り広げる
という電波がw
100名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 18:01:02 ID:8R+q0ctK
>>98
乙でした、後編の子作りという名のエロ展開期待!

ところでユーノって幼少時に両親と死別じゃなくてスクライア一族に拾われた子供じゃなかったっけ?
本編で言ってたのか2次創作でのネタなのかどっちが記憶が曖昧ですが
101ておあー:2008/03/22(土) 18:03:55 ID:8OUzlyNg
>>98
GJっす。子煩悩なクロノがリアルに想像できるw

間隔は空いてないけど投下してもよいものかしらん。
102名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 18:20:43 ID:8R+q0ctK
>>101
誰かの承認待ちなのかしら
ごーごー
103名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 18:22:45 ID:v6KnzZmi
>>101
投下から30分から1時間くらいあいだ見れば問題ないはず
104ておあー:2008/03/22(土) 18:29:32 ID:8OUzlyNg
>>102,103
時間はそこそこ空いてるけどレス数的な意味で間隔があんまりなかったという事でした。
でも承認もいただいたし、ちと時間がないので投げちゃう事にします。

ということで前回レスくださった方、ありがとうございました。
多少速度が落ちたとはいえまだまだ1スレ2投下は難すぃ……納豆モンスター×クアットロ(+チンク)の中編です。
今回からドゥーエ分とネタ分が薄まり、クア姉分とチンク分そして納豆分が濃くなってきます。
つっても厳密には"納豆的な何か"でしかないんですが。


今作の注意

・ギャグ要素、陵辱要素、納豆要素のあるエロ
・チンクが納豆(的な何か)に襲われ(性的な意味で)、その後クアットロも納豆(的な何か)に蹂躙されます(性的な意味で)
・時期は三期から十年以上前、まだドゥーエが任務で教会に潜入する前
・キャラ崩れ注意
・ちょくちょくオリ設定が登場
・正直エロというよりホラー
・●<Don't think.F E E L !


「ドジっ子なクア姉なんてクア姉じゃないよ」「恐怖で泣き叫ぶチンク姉なんてチンク姉じゃないよ」って人にはお勧めできません。
105悪女はお姉さまに恋してる 中編:2008/03/22(土) 18:30:38 ID:8OUzlyNg
 ドゥーエがラボに帰還して数日が経ったある日。ラボ内の訓練スペースに、二人の戦闘機人の姿があった。

 一人はナンバーズ4番・クアットロ、そしてもう一人は5番・チンク。
 情報処理が専門で直接戦闘とは縁のないクアットロがこの場所に居るのも珍しい事だったが、訓練スペース使用は常連であるチンク
もまた、この日は普段の彼女とは少し違っていた。

「言われた通り脱いだが……それで、これからどうすればいいのだ」

 外見が。

「それはこれから説明するわ(うふふのふ……まんまと罠に嵌まったわねぇ、おばかさぁん)」


 一糸纏わぬ姿で目の前に立つ妹を見ながら、クアットロは心の中で嗤笑する。
 そう、愛しの姉を奪った(と勝手に彼女が思っているだけだが)にっくき"泥棒猫"チンクに対するクアットロの復讐計画が、今まさに
始まろうとしていたのだった。

(ふふ……その貧相な体格や偽善者丸出しの性格で皆の目は誤魔化せても、この"幻惑の使い手"クアットロちゃんを欺く事はできない
わよ……チンクちゃん、貴方の正体は可愛らしい子供なんかじゃなくて愛欲に塗れた汚らしい雌犬! 貴方が隠しているその本性、私が
徹底的に暴き出して白日の下に晒してあ・げ・る……ああでも、もしかしてドゥーエ姉様は気づいてらっしゃるかもしれないけど。
ていうか絶対わかっててわざとやってるのよね、あの美しくて優しくて聡明でドドドSなお姉様が貴方のような稼動して間もない小娘
如きに騙されているなんて事は絶対有り得ないもの。……あれ? でもそれならお姉様にとっては『偽薔○水晶の遊びに付き合って
あげる>私とズキュウウゥンする』って事なの!? 私はお姉様にとって遊び以下!? み、認めない! 私は絶対認めないわそんな
事……!!)

「クアットロ? クアットロ? 一体どうしたんだ……は……くちゅん!」
「あ、ああごめんなさいね、ちょっとこの後の事について考えてただけよ。それにしても可愛らしいくしゃみねぇ、さすがはチンク
ちゃんだわ」

 怪訝そうなチンクに声をかけられクアットロは現実に引き戻された。
 
(いけないいけない……ここで怪しまれちゃったら元も子もないわ)

「妙な事を言うな。それより早く始めてくれ。体を動かさなければ風邪をひいてしまいそうだ」
「あぁらそれは大変、でも始める前に少しだけ説明する事があるから、もう少しだけ我慢してねぇ。代わりに今暖房のスイッチを入れる
から」

 クアットロはチンクに背を向け訓練スペースの空調装置を操作し始める。
 だが、これはもちろんチンクの体を気遣っての事ではない。これから始まる壮絶な復讐劇への伏線なのである。

(なーにが「くちゅん!」よ……カワイコぶっちゃって、そんな演技で私の同情を得られるとでも思ってるわけ? どうせ一人で部屋に
居る時はあの奇態変態孕ませ態な年中発情期マッドサイエンティストみたいに「ふぁ、ふぁ……ファンデルワールスリョクッ!!」
みたいな意味不明のくしゃみとかしてるんでしょう?)
106悪女はお姉さまに恋してる 中編:2008/03/22(土) 18:31:25 ID:8OUzlyNg
※同時刻、ラボのダイニング


「ハ、ハ……ハイアツタービンッッ!!」
「うわっ、きったなぁい! くしゃみする時は手で口を覆ってくださいよドクター」
「ん、ああすまないねドゥーエ。どうも昨日食べたアレがマズかったようでね、朝から鼻がスースー……ス……スヴェードベリッッ!!」
「ちょ、またっ! 間に合わないならせめて顔を逸らしてください! ていうかいい加減変なモノ食べるのはやめましょうよ……」
「絶対に脳(最高評議会的な意味で)!! 手間隙かけて一から創った食材でなければ、私が目標とする究極のメニューを産み出す事
など到底できはしないよ……それに例え失敗したからといって、せっかく作った料理を無駄にするのは食材に失礼というものさ……
こんなアレだからこそ、『食べ物で遊ぶな』と私は声を大にして言いたいね」
「色々ツッコみたいところはありますが……とりあえず食材やらドラッグやらをごちゃ混ぜに配合して血管から注入してみては?」


※再び訓練スペース


「(温度設定はこれでよし、と……)お待たせぇ〜チンクちゃん。それじゃあ……そろそろ始めましょうか」


 全ての仕込みを終えたクアットロはいつもと何ら変わらぬおどけた口調で復讐の開始を告げる鐘を打ち鳴らす。

 クアットロが指を鳴らすと、今まで何も無かったはずの場所にクーラーボックスほどの大きさの金属製の箱が出現する。この箱こそが
彼女が復讐に使用する得物、罪人に振り下ろされる断罪の鉄槌なのだ。

「今朝も一回話したけど、もう一度最初から説明するわね。これからチンクちゃんには私が新しく考えた訓練を受けてほしいの」
「うむ」

 まあ嘘だけど……とクアットロは心の中でほくそえむ。


 そう、これが数日前から彼女が計画していた復讐。訓練という名目でチンクを誘い出し、ホイホイついてきた彼女を徹底的にいたぶり
ぬこうというのだ。もちろん他の姉妹やスカリエッティに露見して怒られないような対策も構築済みである。

「この訓練には(主に私に)かなりの危険が伴うわ。きっと、ドクターやウーノ姉様に進言しても聞き入れてはもらえないと思う。
でも私はこの訓練を受けておく事が絶対にチンクちゃんの、そしてひいては他の皆の為にもなると信じているの」
「……クアットロ。朝の時も言ったが、私はお前の事を信じている。お前がそう言うのであればきっとそうなのだろう。どれほど厳しい
訓練であっても、私はクリアしてみせる」
「……ありがとう……チンクちゃん(なぁんて、私が本気で言ってると思ってるのかしら? お馬鹿なチンクちゃん♪)」 

 口と心中で全く別の言葉を紡ぎながらクアットロはチンクの頭を撫でる。当然嫌がらせである。

「気にするな。それよりクアットロ、その、頭を撫でるのは……」
「ああっ、ごめんなさ〜い。私ったらつい……(わざに決まってるでしょこのチンチクリン略してチンクちゃん)でも、一つだけ約束
してチンクちゃん。無理は絶対にしちゃダメよ」
「心配ない。お前の考えてくれた訓練プランを無駄にするような事は絶対にしない」

 チンクの事を心配しているかのような物言いは、もちろん無理をするなと言われると余計に頑張ってしまう彼女の性格を計算した上
での台詞である。思惑通り目に強い意志を宿らせたチンクを見て、クアットロは小躍りしたくなるのを懸命に堪えた。

「そう、でも本当に無理しないでね……それから、訓練プランが全て終了するまで他の皆にこの事は話さないでね。危険すぎるって
訓練を中止させられちゃうかもしれないから」
「わかった。この事は誰にも話さない、私とお前だけの秘密だ」

107悪女はお姉さまに恋してる 中編:2008/03/22(土) 18:32:16 ID:8OUzlyNg
(計画通り……!!)


 これで彼女がこれから起こる事を他言する可能性は無くなった。後はこの馬鹿正直な妹を思う存分蹂躙し放題やりたい放題するだけ
である。
 
「さあ話してくれクアットロ、これから私が行う訓練の内容について」
「そうね……」

 内心の黒い情念はおくびにも出さず、クアットロは満を持して処刑方法の説明を始める。


「これからチンクちゃんが行う訓練、それは……拷問に耐える訓練よ」
「拷問……!?」
 
 『拷問』という言葉を耳にした瞬間、チンクの体が小さく震える。

「そうよ。私達"ナンバーズ"には、皆それぞれ異なる役割が与えられているわ。例えばウーノ姉様ならドクターの補助、ドゥーエ姉様
なら諜報活動……チンクちゃん、貴方にも個別の役割があるはずよ」
「ああ。私の専門は拠点への潜入、そして殲滅……」

 チンクが間髪を入れずに答える。

「そう……敵陣内での単独行動。つまりドゥーエ姉様と並んで、最も敵に捕まる可能性が高いポジション」

 クアットロの言葉にチンクが頷く。

「確かに敵の手に落ちる可能性は最も高い……だが、簡単にやられてやるつもりはないぞ」
「もっちろん、チンクちゃんの強さは十分にわかっているわよぉ。でも自分の強さを過信するあまりに、いざやられた時に『何も対策
をしてませんでした』じゃあ困るでしょう? それに相手が物量作戦や卑怯な手段に打って出る可能性だってあるわけだし(直訳:いい
から黙って言う事を聞け)」
「確かにそうだな……」
「それにドゥーエ姉様から聞いた話によると、私達の最大の敵、時空管理局は捕らえた犯罪者を次々に洗脳して自分達の尖兵にしている
というわ」
「洗脳だと!? 何と酷い事を……」
「まったくねえ。『次元世界の平和を守る正義の組織』が、聞いて呆れるわぁ……(まったくねえ。『次元世界の平和を守る正義の
組織』が、聞いて呆れるわぁ……)」

 これに関しては『洗脳して』の部分以外全て真実だ。
 相手に嘘を信じ込ませるコツは何割かの真実を混ぜておく事。敬愛する姉から教わったダマシのテクニックの一つである。その効果は
抜群だったようで、チンクは完全にクアットロの話を信じきっていた。

「そんな奴らだから、もし捕まってしまえばどんな事をされるか……」
「洗脳され、敵の尖兵としてドクターや皆に刃を向けさせられるかもしれないという事か……それだけではない、私が屈して敵に情報を
漏らせば、それはすなわちドクターや他の姉妹を危機に晒す事になる……よくわかったぞクアットロ。つまりお前が言いたいのは、戦闘
の力だけでなく奴らの洗脳に負けないよう精神の力も強く鍛えねばならないという事だな」
「その通りよチンクちゃん(いやその前に人を見る目を鍛えた方がいいんじゃなぁい?)!」
108悪女はお姉さまに恋してる 中編:2008/03/22(土) 18:33:36 ID:8OUzlyNg
 チンクは合点がいったという表情で、握り拳を掲げてクアットロに急促する。

「よしわかったクアットロ、早速訓練を始めてくれ。どんな苦痛にだろうと私は耐えてみせる、そして鋼の精神力を身につけてみせる!」

 そしてクアットロもまた、逸る気持ちを抑えながら言葉を返した。


「……え?」


 ごく自然に。さも今の言葉が意外であるかのように。

「あ〜ら、嫌だわチンクちゃんたら……これから行う訓練は、苦痛に耐える訓練なんかじゃないわよ」


          ◆


(『苦痛ではなく、快楽に耐える訓練』か……)

 箱に設定されたロックを解除する姉の姿を見ながら、チンクは内心『妙な事になった』と考えていた。

 正直、苦痛であればある程度耐えられる自信はある。自分で言うのもなんだが、トーレとの毎日の戦闘訓練は自分の体を苛め抜く
過酷なものだ。手加減のできない彼女の攻撃を何とか捌けるようになるまで、それこそ毎日叩きのめされた。あの地獄のような日々を
思えば少々殴られたり蹴られたりしたところで心が折れたりはしないだろう。

 ただ、快楽という点においてはどうか。
 確かに知識としてそういう拷問法があるというのは知っていた。だがそれがどんなものなのか、実際に受けるとどれほど苦しいのかと
いった事については、全く想像がつかない。

(ドゥーエにくすぐられ続けて「やめてくれ」と言っても全く聞き届けられなかった事があったが、あれよりも厳しいのだろうか……) 

 厳しいのだろう、拷問は拷問なのだから。そんな風に考えると背中を嫌な汗が伝うのがわかった。

(なるほど……本当にクアットロに感謝すべきだな、これは)

 確かに全く未知の状態でそんな場面に陥れば、簡単に堕ちてしまったかもしれない。チンクの中に少しだけ残っていた疑念は晴れ、
彼女は箱の中から取り出される『何か』に想いを巡らせる。ちょうどその時箱に取り付けられたロックが解除される音が聞こえた。

「……ふふっ。解除完了、っと♪」

 シルバーカーテンにかかればこんな物……と呟きながらクアットロが箱の蓋を取り外す。しかし彼女が手を中に入れてそこから
取り出した物を見て、チンクは思わず驚きの声をあげた。

「何っ、それは!?」
「うふふのふ〜……驚いたようね、チンクちゃん。でも今回の訓練にはコレが一番ピッタリなのよ」

 
 クアットロが箱から取り出したのは、黄土色をした糸を引く粒状の物体―いわゆる『納豆』と呼ばれる食品に酷似したモノだった。

「クアットロ、それは……納豆ではないのか?」
109悪女はお姉さまに恋してる 中編:2008/03/22(土) 18:34:03 ID:8OUzlyNg
 納豆とは主に第97管理外世界"地球"の一部で食されている食品である。外見・臭味・食味が三拍子揃って独特で万民には受け入れ
難いが、それなりの愛好家がおりチンク達の産みの親であるスカリエッティも無類の納豆好きの一人である。

 材料はミッドチルダでも栽培されているマメ科の一年生作物・大豆でこれを蒸したものを発酵させて作られる。発酵には枯草菌の一種
である納豆菌が用いられ、蒸した大豆に純粋培養した納豆菌の分散液をかけて適温で保温する事で納豆菌が増殖し発酵する事で納豆が
出来上がる。ただしこれはあくまでミッドで一般的に流通している納豆の作り方で、食への並々ならぬ探究心を持つスカリエッティは
原産地の地球からわざわざ藁(天然の納豆菌)を取り寄せ自家製造していた。ちなみに非常に栄養価が高いという事で一度チンクも
トーレと共に食べてみた事があったが、今ひとつ受け入れられず以後は遠慮している食品だった。

「そうよぉ。でもこれはただの納豆じゃないの、ほら見て」

 クアットロが納豆塗れの手をチンクの前に突き出す。納豆独特の臭気い鼻をつき、チンクは思わず顔をしかめた。

「ぅむ……」
「ダメよぉ目を逸らしちゃ。ほうら、ようく見て」
「なっ!?」


 クアットロの手の平の上で、納豆の一粒一粒が微妙に蠢動していた。それだけではない。


 チンクの目の前で粒の一つがひび割れ、二つに分裂してゆく。まるで細胞が分裂する様を見ているように、わずか十数秒のうちに
一粒の納豆は二粒に増殖していた。

「ど、どういう事だこれは!?」
「うふふ、これはただの納豆じゃないの。これはドクターが遺伝子組み換え技術を駆使して開発したスーパー大豆とスーパー納豆菌が
組み合わされる事で誕生した、その名もスーパー納豆(仮)」
「いや、組み替えすぎだろうこれは! そもそも蒸した大豆がなぜ分裂する!?」
「それはもちろん、『自己進化』『自己再生』『自己増殖』の三大理論を備えているからよ」
「説明になっていないぞそれはっ!!」

 チンクの絶叫に反応し、好き勝手に動いていた納豆の粒が寄り集まる。粘糸でそれぞれの粒を組み合わせ、巨大なミミズのような
形を形成し鎌首をもたげた。

「うおっ!?」
「あらあら、細かい事にツッコんだせいで、この子達怒っちゃったみたいね〜」
「ちっとも細かくないぞ!? というか意思が存在するのか!?」
「そりゃあスーパー納豆ですもの、意思の一つや二つあって当然だわ。この粒の一つ一つにそれぞれ意思があるし、群体としての統一
された意思も存在するのよ」


 もはや納豆という姿をしただけの、完全に未知の生物である。

 
「……なんというか、凄いな。我々の創造主は」
「私だって、最初にこの子達を見た時はチンクちゃんとおんなじ感想を持ったわ。でもそれをドクターに言ったら『そんな道理、私の
無理でこじ開けた!!』って」

 さすがは阿修羅すら凌駕するアルハザードの遺児。チンクは半ば呆然と体を揺らす納豆群体を見つめる。
 
110悪女はお姉さまに恋してる 中編:2008/03/22(土) 18:34:32 ID:8OUzlyNg
「ちなみに、ほんの好奇心で聞きたいのだが……食べられるのかコレは?」
「ドクターは食べてたけど、普通の人間や戦闘機人が食べても大丈夫かどうかはわからないわねえ……さっ、スーパー納豆の紹介も
済んだしさっそく訓練に移りましょうか」
「そ、そうだな……」
 
 そうだ。正体はともかく、この納豆が訓練に必要だというのであればもう細かい事は問わない。とにかく自分は強い精神力を身につけ
なければならないのだ。その為ならこういう得体の知れないモノが相手なのはむしろ望む所ではないか。


 チンクは覚悟を決めてクアットロに向き直る。


「よし。訓練を始めよう」
「りょうか〜い。じゃあ訓練の方法を説明するわね、まずあの箱の中にはこれと同じスーパー納豆がたぁくさん入っているわ。全ての
納豆には予め私がチンクちゃんに極上の快楽をプレゼントするという命令を与えているわ、そこでチンクちゃんは納豆から与えられる
快楽にできるだけ耐えて、快楽に屈しないようにする。イッちゃったら―つまりチンクちゃんがオルガスムスに達したら、その時点で
訓練は終わり。何か質問はあるかしら?」
「……いや、大丈夫だ」
「健闘を祈るわ、チンクちゃん」

 クアットロが壁際まで下がる。チンクは箱に近づくと、その蓋に手をかけた。

(……怯えているのか)

 蓋を持ち上げようとする手が震えているのが自分でもわかった。だが今さら退くわけにはいかない。

(ダメだ、強くなるのだ……この程度の恐怖に耐えられないで、どうして敵地に侵入する事などできようか)

 ごくり、と唾を飲み込む。
 一つ大きく深呼吸した後、チンクは一気に蓋を持ち上げた。途端――


「うわっ!?」

 突如視界に黄土色が飛び込んで来た。
 反射的に目を閉じるが、残された五感のうちの嗅覚・触覚・触覚が一斉に"それ"の襲来を脳に伝えた。

「うっむ、むうっ!!」

 強烈な納豆の臭いが鼻の中に侵入してくる。苦手な人間はそれだけで納豆を敬遠してしまう強い臭いだ。しかし鼻での呼吸を諦めて
口で呼吸しようとしても、唇の周辺を覆う感触がそれを制止させる。顔の皮膚が無数の小さな顫動を感知していた。

 顔面全体に何か粘っこいモノが張り付いている。
 これは間違いなく納豆だ。おそらく今口を開ければ、納豆は間違いなく口内に侵入してくるだろう。ねちゃり、ぬちゃりという湿った
音が絶えず耳元で蠢きチンクは総毛だった。
111悪女はお姉さまに恋してる 中編:2008/03/22(土) 18:35:35 ID:8OUzlyNg
(……み、耳!?)

 そうだ。

 耳には穴が開いている。鼻だってそうだ。意志を持った納豆がそれらの穴から体内に侵入し、体の中で分裂していく。やがて限界まで
増殖した納豆は皮膚を突き破り内部から自分をぐちゃぐちゃに破壊する……稼動して間もない頃にトラウマになった、スカリエッティの
膝に乗せられて見たホラー映画のワンシーンを思い出し、チンクの中で恐怖が弾けた。

「んーっ! んんーっ!!」

 チンクは声にならない声をあげながら両手で顔を覆う納豆を引き剥がそうとする。押し付けられた指と顔の間で納豆が潰れ、固体と
液体が入り混じった感触が両手に広がる。納豆の感触が顔だけでなく手にも広がった事でパニックはますます深まり、まるで熱病に
浮かされたかのようにチンクの体が跳ねる。"訓練"が始まって僅か一分で、チンクは余りの恐怖に完全に我を失っていた。


(何か! 何か! 何か! 何でもいい、何か拭き取れるものを!!)

 目を閉じたまま走り回ったせいで足を滑らせ、チンクが派手に転倒する。床に体を打ちつけられ痛みに悶えるチンクの顔に触れる
ものがあった。

(か、髪!)

 触れたのは、腰まで届こうかという自身の銀髪だった。藁にも縋る気持ちでチンクは自身の髪を掴むと、何度も何度も顔を拭き取る。
姉達が褒めてくれた、自分でも密かに自慢だった綺麗なストレートヘアが納豆で汚れるのも構わず、彼女は狂ったように髪のタオルで
顔を擦り続けた。

「……っはぁ、はあっ!!」

 ようやく顔面で蠢く感触が消え、チンクは口を開けた。同時に堅く閉じていた目も開く。
 視界に映る灰色の床は歪んで見えた。彼女の顔は涙と鼻水と潰れた納豆の残骸に塗れ、創造主や姉から愛された可憐な容貌の片鱗すら
見取る事はできなかった。


「どうしたのチンクちゃん……まだまだ訓練は始まったばっかりなのに」
「クアッ……トロ……」

 滲む視界が伊達眼鏡をかけた姉の姿を捉える。
 自分をこの状況に陥れた張本人。
 しかし恨むという気分にはならなかった。ただ助けて欲しかった。

 この"訓練"は辛過ぎる。顔面を生きながらゆっくりと溶かさていくような感覚。快楽とは正反対の恐怖。あまりに強烈すぎるファースト
インパクトが、彼女の心を完全に折ってしまっていた。


「……その調子だと続けるのは無理そうね。今日はもう終わりにしましょうか」
「終わ、り……」
112悪女はお姉さまに恋してる 中編:2008/03/22(土) 18:37:41 ID:8OUzlyNg
 クアットロの言葉が砕けた心の隙間に沁み込んでいく。

 そうだ。
 もうこんな悪夢は終わりにしてしまおう。クアットロだって言っていたじゃないか、絶対に無理はしないようにって……

 震える唇が諦めの言葉を口にしようとする。

「あ……」




 ――いや、それでいいのか?




「い、いや、待ってくれ……」 


 だが、ギリギリのところでチンクは踏み止まった。
 脳裏に浮かんだのは、変わり者だが優しい家族の顔。

「ここで、止めたら……訓練の意味が、無い……」
「チンクちゃん……?」

 確かに恐ろしい。出来る事なら今すぐにでも訓練を放棄し、熱いシャワーで体に纏わりつく粘りを洗い流したい。

 けれど、この場では途中で止める事ができても、実際に敵に捕まって拷問される時には逃れる事など出来ないのだ。いくら泣き叫び
拒絶の意志を示したところで、そんな連中が捕虜の訴えを聞き届けるわけがない。

 大切な家族を守るためには、もっと強くならなければならない。


「続……けるぞ……!」


 チンクは震える脚に力を込め、訓練の続行を宣言する。
 
(そうだ、ここで逃げてはダメだ……くそ、恐怖になど、恐怖になど負けるものかっ……!)
113悪女はお姉さまに恋してる 中編:2008/03/22(土) 18:38:03 ID:8OUzlyNg
 何かを言いかけるクアットロを気迫で制し、チンクは蓋を開け放ったままの箱に再び近づいてゆく。上から箱を覗き込むと、箱の中で
蠢いていた納豆もチンクに気づき一斉に彼女の体目がけてゆっくりと箱から這い出してきた。


「……っ!!」

 くちゅ、くちゃと滑った音を立てながら無数の納豆が自分の体に向かって進軍する。先ほどのように勢いよく襲ってこられるのも
嫌だが、真綿で首を絞められるようにジワジワと接近されるのはそれよりも余計に嫌悪感を掻き立てられる光景だった。チンクは眉根を
寄せ、唇を噛んで必死に怖気を堪える。しかし彼女の努力を嘲笑うかのように黄土色の波の進行速度は遅々として上昇しない。


(耐えろ、耐えるんだチンク……!)

 十分に長かったが、チンクにとっては永遠とも思える時間が流れた後。
 ついに納豆の先端が彼女の足に触れた。 

「う……く……」

 足の甲を無数の蟲が這い回るような感覚が襲い、彼女の身体を硬直させる。こそばゆさと気持ち悪さが綯い交ぜになった、経験した
事のない感覚に体が震えた。


(こ、これは……)


 だが、大半……いや、九割方気持ち悪さしか感じられない感覚の中。残りの一割、そこに確かに未知の感覚が存在した。

(……これは、快感……なの、か?)

 チンクがその感覚の正体を掴みあぐねている間にも納豆は少しずつ彼女の白い肌を侵食し、踝、脹脛、膝……と徐々にその身体を這い
登っていく。やがて幾つかの粒が小鹿のような太股に到達しそこで分裂を始めた時、彼女の意識に確かな変化が起こった。


「……っくぅっ!!」

 刹那―背筋を、そして全身を駆け巡った電流のような感覚。

(間違い、ない……この感覚……!)



 ……あれほど恐怖していた納豆の動きで、確かに彼女の身体は快感を知覚していた。


114悪女はお姉さまに恋してる 中編:2008/03/22(土) 18:38:30 ID:8OUzlyNg
「ふぁっ……!」

 同時に、チンクの声に恐怖や嫌悪以外の感情が混じり始める。

「くぅ……あっ……」

 小ぶりな尻に到達した納豆が撫でるように柔肌を刺激する。敏感な場所に刺激を与えられ、チンクの脚から力が抜けてゆく。
 そして――


「は、ああああぁっ!!」


 不意にそれまでとは段違いの快感がチンクを襲った。
 上へ上へと侵攻を続けていた納豆の一粒が、ついに彼女の最も敏感な場所―膣内に侵入したのだ。ぴったりと閉ざされた割れ目に
その身を捻じ込ませた納豆が、彼女の中で分裂しようと振動を始める。

「……ひゃ、やめ……はあぁん……!」

 膣内で蠢く納豆の粒はまるでバイブのように膣壁を抉り、立っていられなくなったチンクは床一面を覆う水溜りならぬ"納豆溜り"の
中に膝をついた。足元で無数の納豆が潰れる感触があったが、快感に身悶える彼女にそれを思いやる余裕は無かった。


「うぁっ、あ……んんっ……っふあぁはあ……」

 納豆溜りの中心で、チンクが嬌声を上げる。既に彼女は首元まで体一面を納豆に覆われていた。無数の粒が未発達な肢体に取り付き、
粘り気のある白い糸が精液の如くその肌を汚す。胸、うなじ、太股、腋、腰、尻……体中のあらゆる箇所を不規則に、時には同時に
刺激され、チンクの頭が真っ白になる。



「ふぁ……も、もう……だ……ふああぁああああっ!!」


 一際大きな声と共に秘所から愛液が潮を吹き、全身を弛緩させたチンクが納豆の中に倒れ込んだ。"訓練"の終了を告げる合図だった。


           ◆

115悪女はお姉さまに恋してる 中編:2008/03/22(土) 18:38:55 ID:8OUzlyNg
(あははははっ、あーっはっはっは……まさか潮まで吹いちゃうなんて、やっぱりあのエロドクターの創った戦闘機人……見た目は
幼児体型でもアソコはちゃあんとオ・ト・ナってことね……)

 目の前で納豆にイカされた妹の痴態に、クアットロは大声で笑いたくなる衝動を必死に堪えていた。

 やはりだ。
 やはりこの娘の愛らしい外見は見せかけにすぎなかった。その中身は納豆でイッてしまうとんだド変態、生まれながらのビッチだった
のだ。
 
(それにしても傑作だったわあ……納豆に顔射されたくらいで本物のガキみたいに泣き叫んで……涙と鼻水でグッチャグチャの汚い顔、
ゾクゾクしちゃった。記録映像に残しとけばよかったわ。その後すぐに持ち直しちゃったのは残念だったけど……まあいいわ)


 納豆姦によって己の復讐心と嗜虐嗜好を十分に満足させたクアットロは、納豆の中に力無く倒れたままのチンクに歩み寄る。


(きっと自分からこの"訓練"の事を漏らす事は無いだろうし、あと何回かはこれで楽しめそうねえ……でもそのうち納豆を見ただけで
欲情して、食事中にいきなりオナニーなんか始めちゃったらどうしようかしら……それもそれで面白そうだけど……♪)

 これから何度も憎い彼女を嬲り者にできる喜びに、クアットロの唇が三日月に歪む。

(っと、いけないいけない)

 つい表面に出てしまった本心を隠し、クアットロはチンクに言葉をかける。もちろんその顔には妹を心配する姉の表情を貼り付けて
いる。

「大丈夫、チンクちゃん?」
「はっ……あぁ……はっ……だい、じょうぶ……だ」

 荒く息をつきながらも、クアットロの目を見てはっきりと答えるチンク。どうやら意識ははっきりしているようだ。

「ここは私が片付けるから、貴方はシャワーを浴びてらっしゃいな。そんな格好じゃあ臭いが体に染み付いちゃうわよ」
「ああ……」

 しかし……とクアットロは考える。

 このスーパー納豆、予想以上に恐ろしい代物だ。さすがスカリエッティがウーノとのプレイ用に開発しただけの事はある。偶然冷凍
保存されていたこの納豆を発見した時は全く用途がわからなかったが、ドゥーエから話を聞いて以来いつか何処かで使いたいと考え
続けていた。結果は目の前の通り。恐ろしいほどの威力だ。

(けど、掃除するのも一苦労ねえ。プレイ前とプレイ後じゃ明らかに量が増えてるし……)

 この辺りが"破棄された"事になっている理由だろう。けれど今ならスカリエッティの気持ちもわかる。この代物、棄ててしまうのは
あまりに惜しい。
116悪女はお姉さまに恋してる 中編:2008/03/22(土) 18:39:18 ID:8OUzlyNg
(まあとりあえず一回全部凍らせて動きを止めて、増えすぎた分は後で焼却処分しましょ)

 クアットロは箱を手に納豆に指示を出す。

「さあ納豆ちゃん達、箱の中に戻りなさ〜い」

 クアットロの声に従い、チンクを覆っていた納豆が次々とクアットロの元へ集合していく。だが、次の瞬間クアットロの予想を裏切る
ような事態が起こった。


「そうよ〜そのまま箱に――きゃああああぁっ!!」
「クアットロ!?」


 なんと、今までクアットロの指示で動いていた納豆が、一斉に彼女に襲い掛かったのだ。

「な、なっ、何よこれえええええぇっ!?」

 訓練の為に裸になっていたチンクと違い、クアットロは普段同様青いボディスーツを着用している。それでも体に密着するタイプの
薄いスーツは、納豆の微弱な振動を完全に殺しきる事が出来ずクアットロの全身を不快感が襲った。

「クアットロ! 大丈夫か!!」
「チ、チンクちゃん待って、ISなんか使ったら私まで吹き飛んじゃうじゃない!!」

 クアットロを助けるべくIS―ランブルデトネイターを起動させるチンクだが、対象を爆発で攻撃させる彼女の能力は使用すれば
クアットロ自身も無事ではすまない。

「くっ、しかしそれならどうすれば……」
「どうもこうもないわよ! もう、何なのよこれえっ!!」

 そう自棄気味に叫ぶが、いくら当り散らしても思考がまとまるはずもない。突然の納豆達の裏切りによって、今度はクアットロが
パニックに陥っていた。
 
 何とか納豆から逃れようともがくクアットロを見て逡巡した後、チンクは意を決したように扉の方へ駆け出す。

「ちょ、何処に行くのよ!?」
「とにかく助けを呼んでくる、何とか頑張ってくれ!!」
「ええっ、置いてかないでよっ! ていうか外はだめええっ!!」

 クアットロは必死に叫ぶが、チンクはそのまま扉を開けて外へ飛び出して行った。

(マ、マズいわ、このままじゃここでやってた事がドゥーエ姉様にバレちゃう……ってそれどころじゃないわ! 何とか、何とか
しなきゃ……!!)


          ◆

117悪女はお姉さまに恋してる 中編:2008/03/22(土) 18:39:56 ID:8OUzlyNg
「ドクター!!」

 スカリエッティと共にダイニングに居たドゥーエは、突如裸で飛び込んできたチンクの姿を見て飲んでいた紅茶を噴き出した。

「ど、どうしたんだいチンク! まさか私に抱いてもらいたくてそんな格好をーっ!?」
「いや違「ゴホ、ゲホ……そんな訳あるかああぁあっ!!」

 ル○ンダイブで器用に衣服だけを脱ぎ捨てて空中に舞い上がったスカリエッティ目がけて紅茶をぶっかける。熱い紅茶を直に皮膚に
かけられ、バランスを崩したスカリエッティはテーブルの角に頭をぶつけながら床に転落した。

「ぬっがあっ、ぐおおぉ……」
「オイイイィィ! まだ私のターンは終了してないわよ! 覚悟しろよこのペド野郎!!」
「ちょ、待ちたまえ! 私はまだ何もしてないぞ!!」
「嘘つけええぇいっ! 何で天使のように純粋だったチンクが真っ昼間から全裸でアンタを探してるのよ! 絶対私が外に出てる間に
この子に何か変な事教えこんだんでしょうがああぁあ!!」
「ま、待ってくれ二人とも! 今は争っている場合ではないのだ!!」

 放っておくと本気の小芝居を開始しかねない両者の間に、チンクが体を張って割り込む。

「うわっ!! どうしたのチンク、アンタ体中ネバネバだらけじゃない!? それにこの臭いも……」
「む!? ……ペロ、これは納豆!!」
「何しとるんじゃゴルァアアアアアア!!」
「あべしっ!!」
「アンタはそこで死んどきなさいこのド変態がああぁあっ! ていうかホントに何があったのよ!?」
「実はかくかくしかじかで……」
 
 チンクは手短に二人に状況を説明する。

 Ω<つまりクアットロの危険が危ないんだよ!!
ΩΩ<ナ、ナンダッテー!!!

「ちょっとどういう事よドクター! あの納豆は一粒残らず焼却処分しろって私アンタに言ったわよね!!」
「ごほっ、き、記憶にござい……まーす! はい、言いました!!」

 ドゥーエに白衣の襟を掴んで持ち上げられスカリエッティが咳き込む。

「それが何でまだ残ってんのよ!? 事と次第によっちゃアンタが本棚の裏に隠してるエロ本の事ウーノに言いつけるわよ!!」
「ななななぜそれを君が知っている!? プ、プライバシーの侵害だ!!」
「アンタにプライバシーなんてないわよ、自由にさせとくと本気でロクな事になんないんだから!! 変な生き物は作る! 実験に
失敗してラボを爆発させる!! レジアス中将と喧嘩して予算をカットされる!! 研究データの入ったPCでファイル共有ソフト
使って戦闘機人の情報を流出させる!!」
「で、でも最後のは流出したデータを元に君達のオリジナルとも言える存在が完成し、それをさらに私が改良して君達ナンバーズが作成
されたんだから結果オーラ……」
「オーライちゃうわ! アンタもアルハザードの遺児ならプライドを持ちなさい!!」
「はい! 違いますごめんなさい!!」
「……ったく。とにかく言い争ってる場合じゃないわ」

 ドゥーエは頭を抱える。
118悪女はお姉さまに恋してる 中編:2008/03/22(土) 18:40:18 ID:8OUzlyNg
 あのスーパー納豆はさほど知能は高くないが自分の意思を持っている。ゆえに自身の生存が脅かされるような命令には反抗し、逆に
命令した者に襲いかかってくるのだ。

 まだクアットロやチンクが稼動する前、最初にあの納豆を使ってスカリエッティとウーノがプレイをした時の事を思い出す。
あの時はプレイ後に増殖しすぎた納豆を処分しようとした二人に納豆が抵抗しラボ中が大混乱となった。しかし以前クアットロにこの
話をした時は、既にこの世には存在しないと思い理由までは話していなかったのだ。

(たまたま納豆を見つけて私の話を思い出し、興味本位で試したのね……あの馬鹿)

 だが、とにかく考えていても仕方が無い。

「とりあえず訓練スペースを封鎖すれば当面の侵攻を防げるわ。クアットロにはかわいそうだけどまあ死にはしないだろうし……アレが
本格的に増殖を始めちゃったらそもそも生半可な装備じゃ対抗できない。武装を整えてから一気に殲滅するわ!」
「……わ、わかった」

 チンクは少しだけ不満そうな表情を浮かべたが、すぐに気持ちを切り替えて頷く。

「ドクター、前に納豆が増殖した時に使った防護服って何処にありましたっけ?」
「ああ、あれならまだ倉庫に仕舞ったままのはずだ」
「わかりました、じゃあまずは倉庫に向かいましょう……ドクター?」

 ドゥーエとチンクは倉庫に向かって足を踏み出す。だが、なぜかスカリエッティだけはその場を動こうとしない。

「す、すまない二人とも。先に倉庫へ行っててくれないか」
「どうしたんですか? まさかさっき私が思い切りぶん殴ったせいでどこか怪我をしたんじゃ……」
「いや、そうじゃあないんだが、その、ねえ……」

 
 スカリエッティの視線が、裸のチンクと自身の股間を交互に行き来した。

「……欲情しとる場合かああああぁあ!!」
「ぎゃぼーっ!!」


 思い切り自身の"無限の欲望"を蹴り上げられスカリエッティが蛙が潰れたような悲鳴を上げた。
 ていうか早くクアットロを助けに行ってあげてください。


          ◆

119悪女はお姉さまに恋してる 中編:2008/03/22(土) 18:41:25 ID:8OUzlyNg
(同時刻:トーレの部屋の前を通り過ぎるウーノ)

 ぶるああああぁぁー!! ぶるああああぁぁー!! ぶるああああぁぁー!!

(トーレったら、またやっているわね。よほどあのぬいぐるみが気に入ったみたい……ていうかぬいぐるみだったのねアレ)


 ぶるああああぁぁー!! ぶるああああぁぁー!! ぶる


(……あら?)

「う、うああああぁああぁぁーっ!!」
「トーレ!? 一体何があったの!?」
「ウ、ウーノ! ノロタンが、ノロタンがーっ!!」

 涙目になりながら手にしたぬいぐるみを示すトーレ。戦闘機人の力が強すぎたのか、ぬいぐるみの背中はベッコリと凹んでしまって
いた。

「……ドクターに頼んで、修理してもらいましょうか(ていうかどれだけ連打したのよ)」


 しかしこの後スカリエッティ達と合流した二人は訓練スペースであった事件の話を聞き、納豆殲滅戦に挑む事になる。
 当然修理は後回し……ああ、ノロタンの運命や如何に!?



←To be continued...


120ておあー:2008/03/22(土) 18:43:27 ID:8OUzlyNg
一瞬規制されたかと思った……連投しすぎただけだったけど。
という事で以上中編改め『ドクターの科学は次元一チイイイイ!! なの』編でした。お付き合いくださった方ありがとうございます。
"快楽に耐える訓練"ネタ……一番最初はクア姉主導でチ○コ生やした先発組が後発組をトーレニングもといトレーニングするって
ネタだったのに何がどうなってこうなったのやら。
そして……おかしいな……どうしちゃったのかな。うちのドクター。どうみても別次元のドクターより馬鹿なんですが……o rz


※納豆モンスターに関して
納豆プレイはともかく納豆姦なんてググっても見つけられなかったので蟲姦とスライム責めを組み合わせたようなイメージで妄想し、
さらにエイリアン的なアレを加えてチートでレベル100にして完成。後編ではさらにもう一段階パワーアップ予定。
以前26-111氏が書かれていた小型地雷王蟲姦ネタも参考にさせていただきました。この場で氏に謝意を。あと「違うよ納豆姦ってのは
こんなんじゃないよ」という方は是非御教授ください。

次回『クアットロのなく頃に・眼鏡汚し編 なの』


121名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 18:47:36 ID:XiNPrAbX
>120
GJ
ウヒラウヒラ笑うクアットロが目に浮かんだよ
122名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 18:51:59 ID:KgJ2DBP9
>>98
GJ。親がいないクロノとユーノの掛け合いがいい感じで面白かったです。
本編どおりにカレルとリエラが生まれたときもこんな感じだったんでしょうね。

あと、いつぞや言っていた「全部使う」クロフェエロになるだろう後編の投下を楽しみにしてます。
123名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 19:19:39 ID:RZLYgIpF
>>120
あぁ、あんたは最高の馬鹿だよwwww(褒め言葉
GJと冷蔵庫にあった金の粒を送ってやるよw
124名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 19:54:53 ID:zLGy6/9G
>>120
GJです!
しかし、悔しいなぁ…
私も納豆ネタ(納豆モンスターが隔離施設襲撃ネタ)でSSを書いていたのですが、先を越された上にここまでハイレベルな物を書かれるなんて…

畜生、プレッシャーですよ
125名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 20:01:08 ID:tOoK1WM8
「魔法少女リリカルなのは」シリーズ キャラ人気投票 Part2
http://www.vote-web.jp/cgi-bin/read.cgi?dir=test&num=33
126名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 20:04:39 ID:Ev2q5uS0
>>120
GJ
嗚呼ここにも馬鹿野郎がww(褒め言葉
次も期待w
127名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 20:08:51 ID:sV4OONX8
>>120
なんという納豆、これを書いた奴はは間違いなく最高の馬鹿(誉め言葉)wwwww

そして、話が唐突に変わって申し訳ないんだが。
『Little Lancer』第三話で
>ストラーダが、制御室の端に墓標のように突き立っていた。
>驚くべきことに、エリオの左手は未だストラーダを握り締めたままだった。
とあるのですが、ストラーダってシュツルムファルケンでトーレに向かって投擲されませんでしたっけ?
その後、切り落とされた筈の左手に戻っているのは変なような…?
128名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 20:24:34 ID:/B6ABnwi
GJでっせええええっ!!!

しかし自分に降りかかる可能性のある危険を完全に排除しきれないところがクアットロのクアットロたるところなんだろうな。
少しは警戒しろよそんな危険生物、せめて有効な武装くらいして接しないと危ないぞ?

でもまあトーレはやっぱヌイグルミ好きとかの設定だとやたら萌えるな‥‥
129 ◆bi8/V/6HZA :2008/03/22(土) 20:35:47 ID:hVP8BYyV
投稿します。
エロなし。
主にデバイスたちの会話形式です。
130 ◆bi8/V/6HZA :2008/03/22(土) 20:36:08 ID:hVP8BYyV
*●「こんにちは、おひさしぶりね」 
*▽「そうか? いつも会っているだろう」
*●「お互いマスター抜きで、よ。考えてみればカートリッジを装備した時以来じゃないかしら?」
*▽「そうかも知れんな」
/ (*^ヮ^)x) 「まぁ皆さん一騎当千の重要戦力ですから、軽い検査とは言え同時に行うことは滅多にありませんですぅ」
*T「と言うか大丈夫なのか? 今隊長格全員がデバイスを手放している状況だが」
*†「大丈夫だろ、最近はペーペー共も使えるようになって来た。今の奴等で手に負えん事態などそうそう起こりはせん」
*T「でもよ」
/ (*^ヮ^)x)「ただの検査ですから直ぐ終わりますし、万が一が起こったら途中で切り上げても問題ないですぅ」
*†「そういうことだ」
/ (*^ヮ^)x)「それにはやてちゃんのシュベルトクロイツは残ってますから、あの子だけ居れば充分すぎですぅ」
*●「私もあなたも先の件で受けたダメージは小さくない、気持ちは分からないではないけれど、万全を期すのも役目の内よ」
*▽「そういえば、お前はブラスターの後遺症はもう良いのか?」
*●「特に不具合も違和感も無いわ、むしろ全て出し切って気分は良いくらい」
*▽「相変わらずだな」
*●「とは言え相手はマスターの娘。本当に全力とは行かなかったけど」
*▽「いい加減にしとけよ」
*●「…今思えば、昔、あなたとあなたのマスターとの一戦が一番楽しかった」
/ (*・0・)x)「なのはさんとフェイトさん、喧嘩したことあったですか!?」 
*▽「昔の事だ」
*●「あなた達を目指したマスターのレベルアップは、いちじるしかった」
*▽「たった数ヶ月で追いつかれるとわな」
*●「…追い“つかれる”? 私たちの勝ちだったわ、追い抜いたのよ」
*▽「紙一重だったろう」
*●「一枚上と言いなさい」
#▽「あ゛?」
/ (*・。・)x)「アレ? 何か空気が変わりましたよ?」
#▽「あの時のマスターはムキになっていた、ネタが割れればあんなドン臭い砲撃など当たるものか」
*●「言い訳にはならないわね、カードを隠すのも戦術の内よ。それに、どんなに速くても絶対に当てたわ」
#▽「固定砲台風情が!」
#●「あんな早いだけの紙装甲、一発あてれば終いじゃない!」
#▽「よく言われる。だが当てられたことなんてねーよ!」
#●「訓練校の校長に墜とされたじゃない!」
#▽「アレはお前の鈍亀マスターを庇ったせいだろうが!」
#●「余計なことしてくれて! 内のマスターはあんたの虚弱体質とは分けが違う、あんな豆鉄砲直撃したってどうって事なかったのよ!」
#▽「やんのか貴様!!?」
#●「望むところよ!!」
/ (lli>0<)x)「やめてくださいやめてくださいみんなも見てないで止めてー!!」
*T「やれやれー」
*†「白黒つけろー」
/ (#>0<)x)「煽るなー!!」
*T「放っとけよ、どうせ我々はマスターの許可なしには戦闘行為は愚か、待機状態を解除すら出来ないんだからよ」
*†「自立行動を取れるお前とは違うんだ、何にもできゃせんよ」
/ (lli・A・)x)「それは…そうですけど、あれ? 誰か来ましたよ?」 
ノ (#・д・))「なのははヴィヴィオに厳しすぎる! あの子はまだ小さいんだよ!!」
(#・д・)*\「出来ない事なんてさせてない! むしろフェイトちゃんが甘すぎるの!!」
ノ (#・Д・))「なのは、コレばっかりはいくらなのはでも譲れない!!」
(#・Д・)*\「こっちのセリフよフェイトちゃん!」
ノ (#・Д・))「バルディッシュ!                   #▽「ィエッサァァアアア!!」
                   セーットアーップ!!!!」」
(#・Д・)*\「レイジングハート!                 #●「オォォオオオライィイ!!」
/ (llliT[]T)x)「・・・・・」
131 ◆bi8/V/6HZA :2008/03/22(土) 20:36:29 ID:hVP8BYyV
*T「やれやれードッチも負けろー」
*†「化け物どおし潰しあえー」
*T「で、どっち勝つと思う?」
*†「そりゃ金色の方だろう。アレは内の主とタメ張れるからな」
#T「なんだと? それじゃ内の主がチャライみたいな言い草だなおい!」
*†「実際そうだろうが、ちょいちょいしてやられてんじゃないか」
#T「お前の主なんてしてやられる以前に現場にたどり着けさえしねーじゃねーか!」
#†「間が悪いだけだ! 主の責任じゃねー!」
*T「本当かぁ? 本当は怖くて避けてるんじゃないのかぁ?」
#†「戦る気満々だ! 大体先の事件で死に掛けたのお前の主だけじゃ無いか! おまえ自身ぶっ壊れるしよ!」
wT「っは! お前なんてあの赤い融合機に出番取られて使ってさえもらえなかったらしいじゃねーか!」
#†「!! きっ貴様!」
/ (llliTДT)x)「こっちもですかー! てまた来たー!!」
´(#`д´)\「貴様! 将たる私に何だその口の利き方は!」
"((#`へ´))"「何が将だ! お前今将じゃなくて二尉だろうが! お前なんか劣化で二尉!」
´(#`д´)\「上手いこと言ったつもりか! それでもお前より上官なんだ!! そこへなおれ! 叩っ斬ってくれるわ!」
"((#`Д´))"「やってみろ! こちととら前と違って場数も修羅場も踏んでんだ! 今まで通りの力関係だと思うなよ!!」
´(#`Д´)\       レヴァンティン!」
       「「征くぞ!              *T†「「ヤッヴォオオオル!!」」
"((#`Д´))"       グラーフアイゼン!」
/ (llliTДT)x)「はやてちゃん! はーやーでーぢゃーん!!」
((・Д・)x))「総員退避ー! 6課隊舎は放棄する! 貴重品その他一切合財諦めー!!」
/ (llliTДT)x)「一瞬も持ちこたえずにくじけないで下さいよー!」
((・ヮ・)x))「あのなぁリィン、アレはもう、どうにもならん」

その日、ミッドチルダを天災以上、次元震以下の天変地異が吹き荒れた。
132 ◆bi8/V/6HZA :2008/03/22(土) 20:37:24 ID:hVP8BYyV
終了です。
思いつきで書きました。今は反省している。
133名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 20:46:43 ID:Vy2S63WT
リイン…強く生きろよ。
最後のはやての諦めの早さにふいた
134名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 21:04:21 ID:Sm+b6fS4
>>132
六課が……六課がああああ!! もうすこし粘れよ部隊長www
135名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 21:19:26 ID:StEyC7qK
せめて結界張れよw
136名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 21:29:35 ID:6RZD04kX
みなさんノリが軽いなぁww
GJでした
137名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 22:06:57 ID:TkAdKDKB
一人だけ死に掛け呼ばわりなヴィータちゃんの不憫さに泣いた
138名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 22:11:18 ID:W2MMSWow
>132
なにこの天地崩壊な夫婦喧嘩×2+2。
139名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 22:15:10 ID:X5TlHctX
動けない金属プレートに赤球がころころ転がってゴッツンゴッツンぶつかる光景を幻視した
140名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 22:34:54 ID:cwJjes4Y
亀レスですが

>>83
荒んでるティアを見たのは某所の『地獄ティアナ』以来ですよ。
あ、でも案外共通点あるかも……とにかく続き楽しみにしてます。GJでしたよん
141名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 22:52:41 ID:ztVtjuhl
>>120
なんというアホSS!GJ、腹筋が痛くなったw
納豆は好きだが、こんなDG細胞混じった納豆は食いたくねえw
142B・A:2008/03/22(土) 22:52:57 ID:3Ho3wHMX
>>98
GJ!
父親になれるか思い悩むクロノにすんなり感情移入できました。男が父親になる時はみんな悩むものなんですねぇ、
そんなクロノに発破をかけるユーノの漢っぷりも素敵でした。そして、思い人との間に子供ができないアルフに涙。
後編も期待してます。
143アルカディア ◆vyCuygcBYc :2008/03/22(土) 22:59:52 ID:CztNDYWl
>>127

見苦しく言い訳をさせて頂くと、
>床に転がったストラーダを左手が握り締めていることに気付いた。
の時点でストラーダを握ったまま左手が切り落とされて、
その後エリオは右手で自分の左手の付いたストラーダを振り回してたという異常な流れとなっています。
左手が落ちなかったのは緊迫性死後硬直です。多分。(別にそう緊迫しても死後でもないですがそういうことで)
自分でも、左手が外れないのは変だととは思っていたのですが、話の都合で上記のように相成りました。
描写が下手でご迷惑をお掛けしました。精進します。

『あの左手を見よ… あのストラーダを離さぬうちは エリオは死んでおらぬ!』
144名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 23:05:17 ID:/B6ABnwi
さすがはエリオ、虎の中の虎である。
145名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 23:16:56 ID:uDwJVijT
つじつまを合わされた、士道不覚悟にはあたるまい
146名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 23:20:12 ID:3Ho3wHMX
>>120
なんてドクターだ、馬過ぎる(褒め言葉)。
ナカジマ姉妹誕生の原因がまさかウ○ニーのせいだなんて。本人が聞いたら泣くぞ。
ついでに言うと、こいつを逮捕した後のフェイトさんも、
「私はこんなアホを必死こいて追いかけていたのか」
と頭抱えている絵が思い浮かんだ。

む、落雷の予感!?

更に追加で「フェイトさん、それより僕とモーニングコーヒー飲みませんか?」とフェイトを誘って
慰め合うエリオの姿も思い浮かんだ。

む、水平線の彼方に見える巨大な影、まさかヴォ(ry
147名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 23:32:47 ID:sV4OONX8
>>143
成る程、そういう理由でしたか。納得しました、こちらこそ読解力が低くて申し訳なかった;
対応してくれてありがとうございました、執筆活動の方も体調を崩されない程度に頑張ってください、待ってます
148名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 00:40:40 ID:R/4ebxyI
>>140
地獄ティアナ…あれはトラウマだったな…
149名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 01:23:12 ID:pQf2X7kc
>>120
3ヶ月後、そこには元気に暗躍するクアットロの姿が

クア「もう納豆で遊んだりなんかしないよ」

こうですか、わかりません
150名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 01:26:12 ID:PPsqiPAD
>>148
kwsk
ググってなんかそれらしい物を見つけたような…これであってるんだろうか…
151名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 02:06:35 ID:k5gMn7hB
今日は午後からかなりの投下ラッシュだったな。もう容量の1/3が埋まってしまった
152名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 03:12:14 ID:/imE7gqG
>>150
魂の奥底から叫んでみれば幸せになれるさ
153名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 15:36:01 ID:tdNGMm5U
あー、リンディさんのガチエロ読みてぇ
154名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 15:37:12 ID:tdNGMm5U
俺のIDがTDNな件について。ておアッー!
155B・A:2008/03/23(日) 15:50:31 ID:OPvldrpB
多分、今夜あたりに投下できると思います。
恐らく10時から11時くらいに。
156名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 15:54:17 ID:DFcaNt6T
半裸(脱ぐのは無論下の方)で待ってます。
157名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 15:59:49 ID:uCuSBAuS
よし、じゃあ上は俺が脱ごう。
158名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 16:14:32 ID:YxftXrA5
じゃあ俺は右利きだから右半身を脱ごう(あしゅら男爵的な意味で)
159名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 16:35:31 ID:DFcaNt6T
こうして半裸祭りが始まった。
160名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 16:52:41 ID:sdqJ6naT
なら俺はあえてストライプ半裸になろうか
161名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 17:07:41 ID:tdNGMm5U
じゃあ俺は一度全裸になったあとふんどしをつけるわ
162名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 17:42:20 ID:xHih4q7C
では靴下と手袋と帽子とベルトだけつけて待ってますね
163名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 17:43:11 ID:DFcaNt6T
>>162
ネクタイを忘れてますよ?
164名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 17:45:24 ID:ngyyGbmM
淑女をお待ちする時は花束もいるんじゃないか?
165名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 18:21:36 ID:4ClBKxTm
>>44
GJ!
ちょwこのままだとエリオが死んじゃう
何という命がけのプレイだ・・・まあ愛されてることには変わりないけど
もし、エリオが浮気したらセッテは間違いなくこと○は様並のヤンデレ化するに100リラ
本日の投下も期待してお待ちしてます
166名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 19:15:14 ID:p8+EMP6l
今日は静かだし、B・A氏の投下まで暇つぶしでもするわ


生意気なクロノをシめてやるッ!

義妹であるフェイトが見守る中、制裁は行われた。
既にクロノの口中ではユーノの赤黒い怒張が暴れている。
「エリオ、クロノのお尻がおねだりしているみたいだよ」
フェイトの声に応じて、エリオのブリーフから屹立した一物が顔を覗かせた。
ゆうに一尺はあろうかという業物に、恐怖に顔を歪めるクロノ。
しかし、その恐怖心とは裏腹に、クロノの肉棒は硬度を増していく。
−クロノにとっては、その恐怖こそが色欲そのものだったかもしれない…。
天を仰いだクロノの頭皮を、ユーノが絶妙な舌技で剥いていく。
サーモンピンクの亀頭が徐々に姿を現すのと平行して、
エリオの淫槍が波平の菊門にねじり込まれていく…。

機動六課によるド迫力の4Pファック!
だが、長い夜は幕を開けたばかりだ…。
167名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 19:26:07 ID:br5owVgh
ちょっwwww
>エリオの淫槍が波平の菊門にねじり込まれていく…。
168名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 19:26:17 ID:tdNGMm5U
>>166
お前に俺のIDをあげたい気分だ
16957:2008/03/23(日) 19:35:42 ID:+8JpomMm
失礼します。
『指名先は幻惑の使い手』の続きをのせたいのですがいいでしょうか?

いわゆるソープ・ナンバーズ物語!
・クアットロ×名無しオリキャラ
・エロ有り
・捏造設定ふんだんにあります

よければ20時投下を予定したいです
(容量 ノートテキストで45k)
170名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 20:00:41 ID:Dk0/fSty
>>169
どぞー!!
17157:2008/03/23(日) 20:03:51 ID:+8JpomMm
>>170
感謝!
題名 『指名先は幻惑の使い手 in ずっとクアットロのターン』
押して参ります!

NGワード『指名先は幻惑の使い手』

念のための注意

・嘔吐シーンあります
「パパーご飯できたよ〜」

  ………つまり『心の病』と『人格』、そして『行動』を単純に重ねて考えるのは、根本的な問題を見誤らせてしまう場合が多く………

「ユーノパパ〜?」

  ………周囲から見て問題となる『行動』であっても、当人にとっては絶対的理由を持った、正当的な判断による『行動』で………

「ユーノパパ〜、ご飯できたよ〜!も〜、ヴィヴィオお部屋に入るからね!……あれ?ユーノパパお仕事?」
「あっ……うん。ゴメン、ヴィヴィオ!お仕事の本を読んでたんだ。すぐにリビングに行くよ」

 なのはとヴィヴィオが夕飯を作るためにキッチンにいる間に、軽く目を通すつもりだけだった。
 しかし、書かれている内容が、"あまりにも"思い当たる節が多過ぎたため、つい読み耽ってしまう。
 ユーノが読んでいた本は、時空管理局本局査察官のヴェロッサ・アコースから借りているものだ。
 交渉や思考捜査をするヴェロッサは、本局でも屈指の心理学の専門家でもある。
 (だからヴェロッサは、八神はやての夫としてやっていけてるのだ)
 その彼と今日の昼、局の廊下でバッタリ出会った時、ユーノは自分の部下の悩みを話したところ、問題に対する基本的な参考文献として貸してくれたのがその本だ。
 せめてなのはたちが居る間、それも部下との人間関係にというデリケートなことは持ち込むべきじゃなかったとユーノは反省する。
 無限書庫司書長ユーノ・スクライアと戦技教導官高町なのはが、久しぶりに一緒に過ごせる数少ない夕食の時なのだ。
 ここはクラナガン、否ミッドチルダでも最高のソープランド『ソープ・ナンバーズ』。
 今日も日常では味わえない快楽と安らぎを求め、多くの者が足を通う。
 おかげでVIP用ルームも大繁盛だ。
 ほんの微かに聞こえるリラックス感を高めるミュージック。
 そして、わずかに漂う天然高級芳香剤の甘い香……。
 観葉植物は置物でない本物。
 最小限に灯された桃色の反射型ライトの光が、優しくダブルベットに横になった男女を包み込む……。
 男の上にうつ伏せになった少女は戦闘機人ナンバーズNo.4のクアットロ。
 そして彼女を胸の上に乗せているのは、時空管理局本局無限書庫内で、いまや『変人』『異常者』の烙印を押された二十代後半の男。
 幼い頃家族全員を亡くすとか色々あったが、保険金やなんやらで貯金だけは有るおかげで、今や【ソープ・ナンバーズ】のゴールド会員メンバーズの一員だ。
 嗜好が偏るクアットロだけしか指名しないことと、全く"本番"をしないし、また望まないことから、「クア姉専用抱き枕」とか言われて、かなり奇特な人間と見られている……。
 オーナーや姉妹たちと関係が悪いわけではない。
 それどころか、ゴクたまに家族朝食会に誘われたり、九女からはからかわれたり、三女から徒手空戦のサンドバックになったりと格好の"標的"にされている。

 今回男から要求されたシチュエーションは『一番大切な人と一緒に出かける時に着るような可愛い服』を着るコスプレ・プレイ。
 恋人プレイと書くと、よくよく考えてみればなんとも哀しくなるシチュエーションだ。
 だけどイチャイチャして"本番"に入るわけでもなく、クアットロは今回も出会いがしらに男から抱擁されてベッドへ……。
 『せい一杯のおめかし』という課題を、見事クリアした服装のクアットロが、男の胸の上で抱きしめられた形で横になっている。
 このクアットロというメガネとツインテールがチャームポイントな戦闘機人の少女に会いに、毎週やってくるこの男。
 クアットロは抱かれたまま、ただ日々の愚痴とか世間話を話し続ける。
 もちろん服は脱がないでそのまま。
 皺になっちゃうけど、クリーニングすればいい。
 この男、初回はクアットロとシチュエーション抜きでとにかく中出ししまくっていたが、彼女たちが妊娠できないと知ってから……本当になにもしなくなった……。
 おかげで今日も、随分と戦闘機人の四女は話し込んでしまっている。
 会話をすることが目的でもあるから当然だが、いまはもうそれも慣れた。
 先週、この男と分かれた当日に、担当した変態プレイの不平不満の吐露から始まって、姉妹喧嘩などなど、かれこれ5時間強が過ぎ去っていた。
 クアットロは、その見事な容貌と、嗜虐的な性格ゆえ、陵辱やSMプレイのリクエストが非常に多い……。
「それでねぇ……ウザイから、その油臭い親父の尻に指突っ込んで……強制的に射精してやったのよねぇ……」
「そうか……」
「この一週間に来たの全員よ………もうほんと……私を指名する男って、なーんでみんな、あーなのかしらぁ……」

 彼女の言葉が途切れた所で、男の右手が少女のツインテールに分けた茶色の髪を優しく撫でてやる。
 左手は少女にキツクならない様、添えるだけの力しか入れていない。

「フフフ……んッ……」

 頭を撫でられると、子猫のように眼を細める戦闘機人の少女。
 ピクピクと振るわせる身体は、口から出るくすぐったさを堪えるような吐息を出すことで嫌いなわけじゃないことを示す。
 彼女の瞳……創造主のドクター・スカリエッティと同じ色の瞳が潤った感じになる。

「はあぁ……あんなやつらが…………世間知らずのディエッチちゃんたちを指名しないか……クアットロ………ほんのちょっぴり心配………」
「……ん……それなら教えてやればいいさ。ちゃんと段取りをつけてやってさ……みんなで勉強会でもしたらいい………」

 仕事とはいえ付き合い始めて、かれこれ20回を超える。
 この魔法も使えない男の吐息と鼓動をしばらく感じながら、頭を撫でられた後に、策略と情報戦に長けた少女が応じる。
 相談というより、ただの一方的な会話だ……。

「ドゥーエ姉さんは昔から管理局への工作とかで経験があって……いろいろ参考になったけど………こんなこと…………いままでやったことないもしィ……。ドクターの『天才的な閃き』も困るわぁ……」

 普段と全く違う、とてもゆっくりとした会話。
 いつもなら、自分の頭の回転の速さを見せびらかすようにまくし立てる、軽口の応酬がない。
 『幻惑の使い手』たる戦闘機人・クアットロは、この年長の男性に抱きしめられると、どことなく安らいでしまう。
 以前はそれを認めたくなくて、様々に無駄な反抗したものもいい思い出だ……といきたい所だが、彼女はそれを頑として認めない。
 これは仕事なのだ。
 羽振りが良くて、いつもプレゼントを姉妹全員の分持ってくる男を店に繋ぎとめるための『心理作戦』なのだッッ!!
 そう彼女は思っている……。
 クアットロは、男とするとりとめのない会話をするうちに、次第に自分の思考が、手のひらに落ちた雪のように融けていくのを感じる。
 眠気だ。
 特に激しいプレイをしたわけじゃないのに……。こればかりはクアットロにも理解できない。
 長姉ウーノは、たぶん完全に安心しきってるからだと分析する。
 曰く、「ドクターの胸でクアットロと同じ事をしたら眠くなった」そうだ。
 (ドクターを自由にして許されるのはウーノだけ)

 あ〜あ……今回も私が先に寝ちゃうのか〜……。
 ……そういえば、この男の寝顔って……私……一度も見たことないや……。
 睡魔に襲われながら暫し思うクアットロ。
 しかし、眠りに落ちる前に、これだけは欠かさないことが少女にある。

「ん……」
 
 クアットロは気だるさを引きながら、少しだけ身体を前進させる。
 確信的自信の有るプロポーションを形作る豊かな胸が、押し潰されたまま男のスーツの上を滑る。
 そうすると、ちょうど男の顔と少女の顔が同じ位置に来る。
 そして少女は男に優しく語る……。

「……はい、クアットロちゃんに、おやすみのキスし」

 ジリリリリリリッッ!!

 その時だった!
 甲高い電子音が聴覚に入り、高圧電流を流されたように少女の脳が覚醒する。
 目の前には、3日前に、件の男性が贈り物で姉妹(+旅の召喚士)全員に持ってきてくれた特大テディベアの顔があった。
 困ったことに、クアットロは、ぬいぐるみを抱き枕代わりにして、夢の中でも男に口付けをしようとしてしまったらしい。

「〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!」

 ソープをやる前、戦闘機人として暗躍していた頃なら絶対に出すことはなかった悲鳴(のようなもの)が、ナンバース姉妹の住居に響き渡る……。
 プライバシーを尊重してか、防音効果の有る個室だ。
 だが、何故かこういうクアットロの出す"効果音"は姉妹たちの耳に入ってしまう。
 お、枕を壁に投げつけたか。男に対する文句を叫びながらテディベアをポカポカ叩く音も"聞こえるような気が"する。
「うむ。今日も無駄に晴れて、いい日になりそうだな」
「そうだね〜」

 もう離床していたチンクとセインは、随分日が昇ったお日様を浴びながら洗顔をする。
 あとディードとオットーは朝までコース中でお休み中。
 そして次女トーレは、地上本部レンジャー部隊の両目義眼な陸士隊員相手に少佐プレイ(?)中。
 ついでにディエチは昨日から「鷹の眼」と呼ばれる片目義眼の凄腕スナイパーと一緒に狙撃プレイ(謎)だ。
 ( 【ソープ・ナンバーズ】は様々なニーズに応じてるのが売りだが、その詳細は『世界の法則』で永遠に書かれないかもしれない)

 話を戻そう。
 ソープという仕事の関係上、睡眠時間は休日でもない限り全員バラバラになるが、戦闘機人の特質を生かして短時間でも充分脳の睡眠が取れるようになっている。
 こーゆー睡眠の制御技術だけでも、ちょっとした特許。
 掃除・洗濯はガジェットがやってくれるから、ある意味、ナンバーズ姉妹全員にとっては戦闘機人として戦いの場に出るよりとっても良い生活かもしれない……。
 
「あらあら、おはようクアットロ」
「お、おはようございますウーノ姉さん……」

 週に一度の奇妙な『恋愛ごっこ』をするようになって以来、クアットロは自分より上の姉相手に『様』付けで呼ばなくなっていた。
 それが悪いということはない。
 むしろ変に軽さと甘ったるさを強調して喋っていた口調も大人しくなり、自然と会話する感じになっている。
 ……このことに気づいていないのは、狡猾・冷淡、高い作戦能力を自負するクアットロ自身だが。
 オーナーにして父たるジェイル・スカリエッティは、クアットロの変化を「全く新しい理論発見の切っ掛け」と言ってほくそ笑んでいる。

「うふふ。ほら、涙の痕が……」

 薄い紫のロングヘアーが陽光で映えた長女の、細く綺麗な指がクアットロの目元に触れる。
 カリカリとしたのがあった。
 今さっき、ちゃんと顔を洗ったはずなのに……しょうがない。
「はぁ、それではシャワー浴をびてきますわ」

 昨晩涙を流した記憶はクアットロにない。
 シャワールームに入り、熱めのシャワーを浴びて身体を目覚めさせる感じがして気持ちいい……。
 ようやく完全に起きたクアットロの脳が思索する。
 ……もし涙を流したとしたら……それは夢の中のあの男の胸の上でだ……。
 そうなると。

「後でハンニバルの身体が涙で汚れてないか見てあげないと……」
 
 大いなる知性と秘めたる残虐性を併せ秘めた存在。
 それが大きなクマさん人形にクアットロが名付けた名だ。
 少々安直かな過ぎたかな、と少女は後で思ったが、他の姉妹が各々の人形に名付けた名に比べればそん色ないと思ったので、そのままにした。
 アービター、マーカス、ジョンソン、チーフ、コルタナ、等々……これはこれで問題があるようなネーミングだが。

 ソープ・ナンバーズはシャワーにも金をかけているらしく、普通のシャワーも使えるが、天上や壁に設置した射出口からも温水が出るようになっている。
 全身くまなく浴びれて洗浄ができるようになっているのだ。
 なんとも羨ましい。
 某機動六課隊長が聞いたら、「その十分の一でええ!その予算つかわしてえぇぇ!!」と言うこと間違いなし。
 (ただし、店を利用している男どもの実態を知ったら、機動六課&聖王教会全戦力とナンバーズのガチバトルに発展し、
 【乙女の恨み】補正でナンバーズ側がとんでもなく不利になってしまう!!)
「全てを委ねるということの、安らぎ……ねぇ……」

 姉たちに言われた言葉を反芻したとたん、顔から火が出るような思いがして壁に握りこぶしを叩きつけるクアットロ……。
 悶え苦しむように、腹の底から怨嗟を含んだ言葉を絞り出す!

「クッソ、クソオ!!クッソォ!!うぐゥウウッッ……チクショウ……なんで、なんでこんなに、このクアットロから、あの男のために涙が出てくるのよ!!!」

 夢の情景を思い出した途端、涙腺が緩み、涙が溢れる事実。
 それゆえ一人憤慨するクアットロ。
 こんなみっともない姿、絶対に姉妹の誰にも知られたくはない!!
 温水と涙で濡れながら考える。
 そろそろ………本格的にあの男と関係を考え直すべきか?
 このままでは、絶対に自分が自分でなくなってしまう!
 電子で作る嘘と幻の技巧者にして偽りを操り人間を操る戦闘機人……それが自分、クアットロなのだ。

 私は戦闘機人……モノらしく見てほしかった……。
 お椀型の美しく整った豊かな胸。
 その丘の頂にある、誰が見ても可愛らしいピンク色の乳首。
 誰もが揉んでむしゃぶり、吸い付いた。……気持ちよかった。
 おヘソの滑らかなライン……。
 一切の無駄毛のないすべすべした全身……。
 シャワーを止めると、前髪からポタポタと雫がこぼれる。

「あ……。アイツに髪をほどいた私の姿……まだ、見せてないや……」
 時空管理局本局の廊下に有る一般用通信機。
 嫌な意味で知名度が上がった、例の男が、音声通話する。

『申し訳ないことだが、君の特別災害救助隊配属の申請は却下という形になってしまった。……君の努力は多くの者が知っている!
 私としても君の熱意は熟知している。……ただ、君のメンタル面の問題が完治したと証明できない以上……』
「ええ……暗所恐怖症と一部人格障害……確かに人の命を預かる所では致命的ですね。しかも魔法も使えないならなおさら……。
いえ、レジアスさんの尽力には本当に感謝しています。これは本当の気持ちです。本当です」
『すまん……』

 受話器を置いた男はその場でしばしたたんで思案する。
 また断られたか……。
 そろそろ今の職場も居心地が悪くなってきたから、なんとか希望職にもう一度アタックをかけてみたんだが……ハハッ。
 やっぱり無理だ。
 男が無限書庫からの転属を、直属の上司のユーノを通さずに済まそうと考えているのには理由がある。
 同じ部署の誰かとは言わないが、昔の経歴をいろいろと調べられている節があるからだ。

「まあ……仕方がないか。うん仕方がない」

 そう口ずさんで仕事に戻る。
 無限書庫に、自分のような難しい対人コミュニケーション持ちと『通院歴』がある男が今まで居られたのは、ひとえに人材不足だったから。
 だから最低限不足分の手足になれるよう、自分なりに努力もした。
 しかし魔法、特に検索魔法の一切が使えないことはとんでもないハンディキャップだ。
 管理世界とは、一見理想社会のようだが、魔法の使えない者には最低限の仕事量しかこなせない。いや、こなすことができないのだ。
 それだけ『魔法』がスバラシイチカラを秘めている証拠だ。
 何百万という蔵書から必要な書物を数秒で見つける司書長が顕著な例だ。
 事実、"有能"な人手が増えるにしたがって、男のチカラを必要とする者が減ってきている。

 志望先が潰れた。が、彼は別に深く落ち込んだりなんてしない。
 ただ、『また一つ選択肢が潰れた』……そんな気分だった。
 潰れる……潰れる……潰れる……潰れる……進路先が……家族が……親兄弟が眼前でゆっくり潰れる…………その後は、携帯電話の電池が切れて、真っ暗闇。
 気づいたらスクライア司書長に肩を叩かれて呼ばれていた。
 ビックリ……そのように取れる動作をする。
 無表情で動かれると相手が嫌がるのは学習済みだから。

「あああ!すみません。すみませんボーとしてました。朝の資料の置き場所ですよね?」

 早歩きで部署に戻る。
 司書事務室の一角がその男の牙城。
 整理や移動を求められる蔵書が引っ切り無しに積まれていく場所。
 どうも数分間くらい思考停止をしていたようだ。
 う〜ん、あれからもう十年も経つか。
 中古だけどなかなか使い勝手のいいイスに背を持たせて、男は一人ごちる。
 今はちょっと休憩中。インスタントコーヒーを飲む。
 ……やっぱりクアットロのお姉さんが出してもらったお茶の方が美味しいな。
 しかし、あの日の記憶が劣化せず、しかもある程度マモトな思考をしてることが、そもそも異常なのか?
 う〜ん。イヤ、やっぱ異常なんだろ。ウン。
 でなければ、事務職でさえも管理局中をたらいまわしにされるのには、それなりの理由なんだろう。

「あ〜!せめて少しでも魔法能力があればな〜!!早く戦闘機人になりたい」
 
 最後の台詞は冗談で思ってみても現実は何も変わらない。
 自虐的思考に、勝手に頬が歪みだす。
 頬に手を当て、「うん、やっぱり異常だな」と思った。
 彼の思考は帰結したのでさっさと仕事に戻る。

「はやくクアットロに会いたい……」
 大量の蔵書をただひたすら棚に戻す作業を繰り返しながら、男はボツリとつぶやく。
 男はクアットロという、戦闘機械で身体の大半を構成された美少女の全てを本気で愛している、と思う。
 最初の出会いは偶然だった。
 男がたまたま、ソープ・ナンバーズの前を通ったのが偶然だった
 その前を通り過ぎようとした時に、ジェイル・スカリエッティに声を掛けられたのも偶然だった。
 その時、たまたま仕事が空いていたのがクアットロだったのも、偶然だった。
 少女が魔法を否定した質量兵器の固まり……戦闘機人だったのも偶然だった……。
 少女を………本気で愛おしいと思ったのは偶然なのだろうか?

 たぶん、ひょっとしたら彼女じゃなくて、戦闘機人そのものに魅力的を感じているだろう。
 もし叶うなら、魔法を使えない身を捨て、自身も戦闘マシンになりたいという願望を男は確かに持っている。
 だからドクターに頼まれれば、職場の『無限書庫』から入手できる文献をいくらでも拝借もしてくる。
 ……それが彼の思い込みであり、毎週繰り返す彼女との会話も、彼が望んだシチュエーションとしてクアットロが演じているだけかもしれない。
 だが、それが今さらどうしたというのか。
 仮にそうなのなら、まあ、仕方がないと諦めれる。
 だからこそ男は、貯金を崩して【ソープ・ナンバーズ】に大金を支払っている。
 矛盾して危険な綱渡りのような思考だが、それも仕方がないと男は考える。
 諦めも、一つの道筋なのだから……。



「ふう……」

 不採用の報せをして、通信を終らせた後大きなため息を吐いた。
 恰幅良く、全身から威厳を漂わせる「平和の立役者」レジアス・ゲイズ中将だったが、その顔からは明らかに疲れが見えた。
 オーリスが気を利かせて、コーヒーではなくハーブティを差し出す。
 すまんな、と言って受け取る。

「あの人でしょうか?」
「そうだ。あいつだ。なんとか願いを叶えてやりたいと思ったのだがな……」
 ……あの不幸な災害で、心に深い傷を負ったあの男の一時身元引受人になったのが、当時地上で辣腕を振るっていたレジアスだった。
 男……当時少年だったが、その子が被災した管理局施設の耐震擬装に関わる巨大な汚職事件を解決するために、医療施設まで行き少年を見たのが身元引き受けの切っ掛けだった。
 決定的な決意をさせたのが、その子の目の前で保険金受け取りを巡って親族が醜い言い争をしていたからだ。
 しかしなんという事か……マスメディアは、『被害にあった不幸な子を保護し、世の不正を正す正義の管理局員』とこぞってレジアスをもてはやしたのだ。
 そのため、本来なら中程度の地震で全壊する事のない建築物の建築資金を横領した局員など、食い殺されて死亡した"1名"を除き軒並み立件逮捕。
 レジアスが現在、中将の地位にいるのも、その戦果が遠因にある。
 捕まえた者の中には、広域次元犯罪組織と関わるものまでいた。
 背もたれに大きく身を沈めたレジアスは、彼のために必要なら「海」や「教会」と交渉した。 
 しかし結果は……。

「ロストロギア等に関係なく、悲劇は襲ってくる……問題は、本来地震に耐えられるべき構造を持った管理局関連施設が、人的要因により想定震度の半分で『全壊』したことだ。
 ……それで心に傷を負ったアイツはどんな責任がある?
 世間は……誰もが、時と状況により「心の傷」を抱えるという事実を理解しておらんのか!?
 ……いや……このワシがそもそも、それを言えた義理か……」

 望む、望まないに関わらず……すでにレジアス自身が、あの災害を引き起こした横領者とほとんど同じ立場であった。


 食事を軽くとったクアットロは決意する。
 別れる前に男の住まいにでも侵入してやろうと……。
 そのためには是非とも、あいつの私生活を覗いて直接調べてみたい。
 私を幸せにするとか抜かし、現実に夢まで見せた男に対するどうしようもない敵愾心だ。
 しかし感情は理性を鈍らせる……こんな単純な基本原則をクアットロは忘れていた。
 ゆえに『恋は盲目』と世間で言われるのだ。
 そんなことを関係なくクアットロは思いこむ。
 何か捨てる切っ掛けがあるはず。絶対にあるはず!
 この世にウェンディたちが好んで読んでいる、少女コミックのような完璧な彼氏など存在しないのだ。
 特にゴミ箱の中とか調べれば(苦笑)
 人は皆不完全。要は幻滅しちゃえばいいのだ。
 この時、姉たちに相談しようとは一考しなかった。
 ドクターからは既に裁量権を得ている。この上で、"こんなこと"で姉に相談なんてできない。
 そんなことをしたら戦闘機人としての性能を疑われる。そんなの嫌だ。

 私情を消しさって、『恋人ごっこ』に徹っせられる"理由"がクアットロに欲しかったのだ。
 ルーテシアの転送魔法で移動。
 何重にも仕掛けた欺瞞工作で隠蔽した極秘のルートで本局に侵入。
 無限書庫すぐ近くにある、男の部屋に侵入するのは実に容易だった。
 「白銀の外套」シルバーケープで監視カメラのデータをリアルタイムで書き換えつつ、同時に全周囲の人間の行動をシステムを利用して把握。
 誰にも気づかれず。
 幻惑の使いの二つ名の面目如実である。
 扉の電子ロック解除。まだ部屋の主は書庫の最深部で仕事中。
 念のため、一定の距離まで人が近づいたら脱出できるよう警戒システムを構築。

「貴方の愛おしいクアットロが、おっじゃましま〜す♪」

 いつものように、あの甘ったるい語りで入り、灯りをつけた瞬間………クアットロは凍りついた。
 極彩色……。
 緑色と黄緑色に無理矢理塗りたくられた壁と天上。
 たぶん塗料はすべて有機蛍光塗料だ。
 眉を顰め、チッと口を鳴らす少女。

 分析や考察でなく、直感で彼が完全に病んでいると少女は思った……。

 机、棚、クローゼットにベッド、清掃道具。
 部屋の調度品はそれぐらいだった。仕事道具はたぶん、すべて無限書庫だろう。
 クローゼットには管理局の制服、トレーニングウェア、クアットロが着る様に指名したスーツや服数点……。
 棚にあった、クアットロが来店する時はつけるよう指名した高級銘柄の香水の入った容器だけが唯一、まともに思えた。
 弾力のない、ただ横になるためのベッド。
 壁や枕横に、非常用ライトやランプ、照明装置が何個も取り付けられてある。
 男性のサガを調べるためベッドの下を捜すが、"ホコリ"さえもなかった。
 戦闘機人のセンサーでよく見たら、ベッドの鉄枠、机、イス、ドアノブ確認できる所はすべて指紋も消されていた。
 毎日掃除をしているんだろう。それも自分の全存在を消したいほど徹底した……。
 クアットロは自分を偽るが、この男は己を消そうとする。
 本当に何もないのだ。
 そういえば、話をするときはいつもクアットロが喋り、男は聴いていた。
 求められもしなかったので、クアットロは男のことなど知ろうとはしなかった。
 そういえば生まれはどこの次元世界でどういうところだったんだろう?
 学校での成績は? 職場での交友関係は? 
 そういえば一度、ドクターが招いての朝食会で家族のことを言っていたような気がした。
 あらためて異常な部屋を探し回る。どこかで見落としているかもしれないと思ったからだ。
「……無い」

 普通ならあるはずだ。写真とか、家族との思い出とか、何かが。
 それが全く見当たらない。
 部屋にある本は全部、無限書庫の一般書籍貸し出し物。
 机の上にあった数冊の本の題名を見て、さらに険しい顔つきになる戦闘機人の少女。
 おそらく、今のクアットロの表情は姉妹どころかドクターも見たことのないだろう。
 『正しい男女交際の仕方』『会話マナー』『人付き合い・仕事編』
 一冊手に取り、パラパラとめくった後、そのままバサリと落とす。
 クアットロは無表情で呟く。

「フン、……こんなの読んでるんだったら私をデートぐらい誘いな……」

 そう言った瞬間になって、昔「一緒に外にでも行かないか」と彼から言われたことがあったのを思い出した。
 苦笑する……。非常に暗い笑みだ。

「誘いを断ったのは私だったわね……」

 だからそれ以来、あの男はデートのことを口にしなかった。
 引き出しを開ける。
 無限書庫の事務仕事に関することだけビッシリ書きこまれたメモ帖。
 そして日記帳を見つけた。
 初めて書かれた日付は、クアットロと会った日……。
 内容を全て読んだ少女は、ギリッと歯を食いしばった。
 元の場所にもどし、なるべく痕跡を残さないようにする。
 クアットロは焦るように歩く。
 早くこの部屋から逃げ出したかった。
 本局からソープ・ナンバーズへ一気に帰った。

「あ、ドクター」
「ククク……。さすがにあの変人への対処でお困りのようだな。そんな可愛い我が娘へ面白いプレゼントだ。
 さっきドゥーエから送られてきた、あの男に関するデータだ」

 姉は姉なりに、戦闘機人の妹のことを好きだといっている奇怪な人間のことが気がかりになって調べたのだろう。
 データディスクと一緒にドゥーエの手紙があった。
 「全ての判断は貴方に任せる」という一言だけだった。
 ナンバーズ存続に関わるような緊急性が無いという意味とクアットロは受け取ったが……

「先に聴かせて貰ったよ。中身は音声データだったが、どんなのかは聴いてからのお楽しみだな。
 そうそう、聴くときはクレグレも他の妹たちに聞かれないようにしたまえ。でなければ……私と一緒に清聴したウーノが怖いからねェ〜」

 時間的にみて、クアットロと入れ違いで届いたのだろう。
 これもあの男に関する異常な点だったが、本局のデーターベースからは当人に関する情報が、かなり"省略"させられていたのだ。
 幼少の頃の事故の状況、その後の治療経過などが『省かれ』ていた。
 メンタル関連の医療機関の世話になっていたという事実は載っていたが、それも具体的にはどんな治療を受けたのかは個人情報として記入はない。
 当然といえば当然だが……巧妙に『何か』あったことが隠されていた。
 そのことは、男がソープに入店した時点で調査されてドクターに得られていた。
 
 【ソープ・ナンバーズ】は色を使った巧妙なスキャンダル作成システムであり、情報収集装置でもある。
 男がレジアスと交友関係があったことも把握している。上手く使えばさらなる脅迫材料になれる一品だ。
 そしてクアットロが知らなかったのは、ドクターが教えなかったから。
 理由?
 たぶん実害が無いのを確信した上で、この男が愛娘たちとどう付き合うか、見てて面白かったからだろう。
 クアットロはさっそく自室に戻り、鍵をかけてから音声情報の再生をする。
 空間モニター上に「特定災害対策救援部隊 通信記録 第85881‐534号72分16秒」という表示が出る。

「ふ〜ん。記録日からすると、あいつの家族がみんな天に召された日ねぇ〜」

 再生開始。
 バックにサイレンやら混線した無線通信やらで、やたら雑音が酷い。

『……発見!生存者発見!!……ああ!……なんてことだぁぁッッ!!』
『クソ、ありたけの毛布……いや、水と消毒液だ!なんでもいい!あの子の身体をすぐに洗い流すんだッ!!』
『坊や、大丈夫か?おじさんたちの言葉、聞こえるか!?すぐに此処から出すから、あともう少しだけ待ってくれ』
『マスコミ連中を下がらせろ!絶対にあの子を映させるな!!』
『ヴッ……!』
『馬鹿ヤロー!此処で吐くな、遺体に混ざっちまう!!』
『新人連中を下がらせて、ココを封鎖しろ』
『畜生、バケツだ!ボディバックじゃない!!バケツをもってくるんだ!急げ!』
『各員、バリアジャケットを臭気遮断モード。腐敗臭濃度が危険値に達してます』
『治癒魔法続行中。ですが少年の体温、脈拍、脳波さらに低下。衰弱が酷いです!早く施設へ』
『無理だ!その前に腐った血肉を全て洗い落とさないと!それと医療班に緊急連絡……"胃の内部洗浄"の準備をさせろ。大至急だ!!』

「……あ〜らら。ご家族の皆様は、かなりひど〜い御姿になっちゃったみたいね〜」

 まるで他人事のように言うクアットロ。
 ピアノの演奏のようにキーボードを操作して、別の音声記録を流す。
 記名「第5回 カウンセリング・ボイスデータ」
 さっきの喧騒とはうって違って、二人だけの声が流れる。

『過去の経験、厳しい思い出を夢で見るというのは、特に珍しいことではありません……』
『……いえ……それなのですが……あの時の夢を見ても、もう辛くなくなってしまったんです』
『それは……どういったことか教えてもらってよろしいかな?』
『……先生、本当のことを言いますと、あの日の夢や思い出は、最初から辛くも悲しくもないんです……。目の前で家族が押し潰されたその時は……とにかく覚えています。
 悲鳴とか、どんな風に潰れたか。でも唯一の灯りだった携帯の電池がなくなって真っ暗になったほうが怖かったんです。
 ほんとに……何か、どんな小さなのでもいいから灯りを点けてないと、怖くて眠れないです。夢を見るより、そっちのが怖いんです……』
『う〜ん……そうですねぇ……人は時に、精神的ショックが強すぎますと、ごく稀に記憶と、それに対する認識に差が出てきてその結果……恐怖の対象の転換が起きる場合があります。
 夢に関しましては、もう少しお薬を続けて様子を診ましょう』
『あの……先生』
『はい、なんでしょうか?』
『ジブンは救出される五日間の間、ナニを食べて生き延びたんでしょうか?』
「……………」

 暫く能面のような無表情で考えたクアットロだったが、戦闘機人としての冷酷な思考は、救助時のやりとりとカウンセラーへの最後の台詞で、状況をある程度理解した。
 自分の右手人差し指をギリっと噛む。
 その後「テへ」と舌を出しながら、右手でペシッとおでこを叩いて、いかにも子供の悪戯がバレチャッタようなしぐさをする。
 実に可愛げのある表情だ。いや、メガネ効果で本当にカワイイ。

「あちゃ〜…やっちゃったのねぇ〜♪ 救出されるまでに空腹に耐え切れず……しちゃったみたいね〜♪ 
 んでぇ〜……私のゲロをそのまま飲み込みやがった原因が、ソレかよッッ!!」

 可愛げのある言葉で独り言を言っていたが、最後に語気を荒げる。
 …………あーー!ますます胸糞悪くなる男よねぇ!!
 最初の出会いでやらされたことを思い出し、胸の上をさするクアットロ。
 病気!病気!病気!!
 こんな奴、店の出入り禁止にした方がいいんじゃないの!?
 にしてはクアットロ自身、夢の中でも男に対し、思いっきり甘えてるが、そんなのは我知らず。思いやりもへったっくれもない思考をする。
 だが、男の背景がわかったところで、疑問が出てくる。
 ならば、どうしてあそこまで自分に対して優しくなるのか?
 死んだ家族へ対する代償行為?
 過去の恐怖によるリビドーの活性化……は違うわね〜。
 最初は滅茶苦茶に犯してくれたけど、二回目以降はストイック過ぎるにもホドがあるわ……ぜったいどっかで抜いて〜。
 そう思うとクアットロはメガネをギラリと輝かせ、笑い出す。
 整った口を三日月形にして、非常に陰湿な笑い声をだす。

「あの男の部屋に、やたら携帯ライトや非常灯があった訳が理解できたわ………そして、壁中に蛍光塗料をぬりたくってあったのも……。
 私のゲロを食えたのも……みんな何もかも…………フンッ!だからどうしたのよ?
 チッ、これだから生身の人間は………」

 家族を喰った?
 ハッ、生きるか死ぬかの非常事態だから当然じゃない!
 あ〜でも、ドゥーエ姉さんだったらどうしただろうか?
 私はどうなんだろう?
 姉さんが死んでたら食べられるかな?
 はい、結論。
 そんなの、その状況になってみないとクアットロちゃんには、わっかりませ〜ん。
 ……たぶん食べて生き延びようとするだろう……戦闘機人としての植えつけられた使命感がそれを肯定するからだ。
 じゃあ、そんなのが無い普通に生まれて育った人間の子供にとって、それはどれほどの苦痛になったんだろうか?
 シルバーケーブも外さず、戦闘スーツのままベッドに腰を下ろす。
 クマの人形をギュッと抱きしめる。

 ……クアットロは男の部屋で読んだ日記の内容を思い返す。

 「彼女の重みを感じながら寝ると目覚めがとても良かった」

 「最近になって気づいた。クアットロと一緒に寝ると昔の夢を見ない」

 「彼女の声や仕草を思い返すと、いてもたってもいられなくなる。だけど本には女性を大切にするように書かれてあった。同感だ。とにかく大切にしたいと思う」

 「困った。彼女と一緒に寝なくても昔の夢を見なくなる日が発生した。時には死んでいない家族や、クアットロやみんなのことを夢で見る。今まで無いことだ。
 なんらかの心理的変調だろうか?明日久しぶりに病院に行く」

 「センセイからとにかく日記をつけるように言われたので、クアットロと会った日付から書く」

 「お店でクアットロを待ってる間に、トーレさんとノーヴェさんから素手での手合わせをして欲しいと言われたので付き合った。
 5〜6回投げ飛ばしたり関節を外してねじ伏せたけど、私は50〜60回ぐらい殴り倒された気がする。
 やっぱり戦闘機人は羨ましいて言ったら笑われた」
 
 「試しに書庫で使われていない倉庫に入って明かりを消してみた。気づいたら本局医務室にいた。司書長たちが助けたと言われた。
 オレの叫び声が聴こえたらしい。う〜ん、こうなったら大体部署替えさせられるんだよな〜。
 どっか辺境の自然保護隊とかに入れられても、とくにどうということはないが、クアットロに会えなくなるのだけは困る」
 
 「昨日、勢いでオーナーに土下座してクアットロを欲しいと言ったのが、いまだに恥ずかしい」
 
 「最近仕事中、クアットロや姉妹にボクの送ったプレゼントを気に入ってもらえただろうかと考える。そのため作業効率低下が認められる。
  しかしコレに対して不快感はない。何故だ?」
 
 クアットロは流す涙で、ぬいぐるみの頭を濡らす。
 声を出さず、ただ涙が溢れてくる。
 なんでこんなに哀しくなるのかわからない。
 どうして戦闘機人である自分がこんなに人間なのか理解できない。
 しばらくして、ウーノが様子を見に来た。
 長姉は何も言わず、四女の抱きとめてあげた。
 ようやく声を出せてクアットロは泣けた。
 泣きはらし、眼が真っ赤になったクアットロはシャックリをあげながら姉に頼んだ。
「姉さん……わ、たし、私、もうこんな仕事したくないです。アイツ以外に私の身体触られたくない……」
「そうね。ドクターには私からも言っておくわ……といっても私とドクターの間は通信がオープンだからもう聞かれてるけど」
「……ドクターとウーノ姉さんのことが、ほんのちょっとだけキライになりました……」
「それでいいのよ、クアットロ。あの人は私だけのモノのだから。だから、あなたも誰かを自分のモノにして構わない。
いっそのこと、その人の全部奪っちゃいなさい。良いことも悪いことも全部まとめて……」
「はい。……あの、それと……」
「ルーテシアちゃんと、そのお母さんのことね?」
「……はい」

 この日、戦闘機人の少女クアットロは、女の子になった。



 五日後。
 入店した直後、速攻で部屋に案内された。
 扉を開けた瞬間、目に入ったのは、生まれたままの姿をした愛する少女の姿だった。
 下着だけでない。
 偽りの伊達メガネと、特徴的なツインテールにしていたゴムバンドも外していた。
 梳かれた髪はセミロングよりもかなり長く背に垂れる。
 表情はメガネがなくなったぶん、どこか女の子の『可愛さ』より、より繊細な『美しさ』をかもし出す。
 男がはじめて見る、クアットロの真実の姿。
 ややクセの有る前髪がツインテールのときと数少ない共通点ぐらいに思えてしまった。
 それぐらいクアットロの印象が変わってしまったのだ。

「……く、クアットロ?」
「はぁ〜い、あなたの大好きなクアットロちゃんで〜す♪ システム、ライトカット!」

 男に向け、慈母のような優しい微笑を浮かべ、あの甘ったるいボイスで応じた美少女クアットロが、全ての明かりを消す。
 突然の暗黒となったVIPルーム。
「――――――――――――――ッッッッッッッ!!」

 あまりの突然の出来事に、男は無様に叫んで腰を抜かす。
 赤外線暗視装置の機能を持った戦闘機人の瞳は、出口を求めて蠢く情けないていたらくの男に再び微笑む。
 
「逃げちゃだめ……」

 クアットロは男のもとに寄り、戦闘機人のパワーでグイっと顔を掴んで自分に向けさせる。

「ゲエ!ゲエェッ!!」
ビチャビチャ……
「パニック起こして逃げようなんて……そんな"譲歩"私はぜったいに認めない……」

 男は咳き込みながらゴボゴボと嘔吐するが、クアットロはそんな彼を見つめながら冷ややかに言い放った。
 クアットロの嗅覚に嘔吐臭が入り込み、眉を顰める。
 そして、眉を顰めたまま、次に少女は微笑んだ……。
 
「私はあなたと違ってゲロを食すようなお下品なことなんてしないから、これで我慢してねぇ〜」

 そう言うといつの間にか用意していたアルコール度数の高い果実酒を口に含む。

「……ん」

 男の顔を両手で固定し、その唇に重ねて流し込ませる。
 ゲホゲホとむせ返るのを知り目に、嘔吐物で汚れた男の衣服を破り捨てる。
 これである程度臭くなくなった。

「どお?暗いでしょ?怖いでしょ?嫌で仕方ないでしょ?でも……わかるわよね?私の声。本当は聴こえるんでしょう?」
「ヒイィィーー!いいい!?」
「貴方に真実の欺瞞を見せてあげる……嘘を本当にしてあげる……だから、あなたはもう私のモノ……」
 クアットロは立ち上がり、静かに唱えた。

「IS……シルバーカーテン」

 淡い緑色の円陣が少女の足元に浮かび上がる。
男の視覚に、地獄のような暗黒に一輪の花を咲かせた。
 彼が、彼女だけを見た。
 これからやるのは自分を幸せにして、哀しませた報復。
 一分一秒でも戦闘機人という自分を忘れさせた報い。
 この男の"全て"を奪い取って略奪する。
 少女は勝ち誇ったような笑みを浮かべ、この壊れた男の人生に止めを刺す、最後の呪文を唱える。

「来て……」
「あああ!クアットロ!!クアットロオオォォ!!!」

 男はまず唇を奪った。
 少女まず唇を奪われた。
 胸を強引に揉みしだけられながら、首筋を吸い舐められる。
 男の目の、いつも少女のことを思いやる光が消えた。
 あるのは恐怖によって増長せられた獣性。
 死の間際に、種を残そうとするのは生物の本能。
 壊れかけた男が、壊されて雄になった。
 押し倒されても「フフ……」と少女は微笑んだ。
 クアットロという戦闘兵器と融合させるために生み出された少女は、いまや雄を受け入れる……魔性の雌。
 恐怖で最大規模に膨れた股間のが、ズリュと前戯もなしに突っ込まれ、そのままクアットロの最奥へ。
 すでに愛液は分泌されていたため潤滑液の量は充分だったが、それでも久しぶりの男の剛直は、クアットロに擦り切れるような痛みを与えた。
 「ヒッ」と呻く。
 少女の奥の子宮口に到達したとたん、男の先端からそのままの勢いで噴出した。

「うッ!」
「あ、熱……」

 まず一回目。
 余韻も感じさせず、衰えない勃起がクアットロの膣内を動き出す。
「クアットロ!クアットロ!クアットロ!クアットロ!!クアットロォーー!」
「ふぁあッ!?あ、あん!あ、あッ、あッ、あッ!ああア!?」

 グラインドの回数もそこそこの男根が、少女の膣奥で、また子宮口に密着して再び放つ。
 ……新しい命の源を、命が育まれる少女の"ゆりかご"の中に。
 またそれが潤滑油となって動きを滑らかにし……。

 ジュッ、ジュッ、ジュッ、ジュッ、ジュッ……
「グウッ」
 ビュグッ
「ッッ!?くぅんッッ………」

 再度奥に衝き立てられた。
 子宮口にめり込んだ鈴口から直接、中に注がれる感覚がクアットロを襲う。
 三回目……。

「はぁッ!はぁッ!ハァッ!!」
「はッ……あっ。あっ、あんっ、やぁッ」
 ブジュ、ブシュゥ!
「んン〜〜〜ッ!」

 四回目……もっと欲しいの……。
 手足を彼の背と腰に回し、密着させる。
 ギュウッッ!!
 確かに身体の深奥で感じる熱さで、クアットロの金色の瞳が潤い、溢れ涙が伝う。
 その涙を、男は無意識で舐めとった。しょっぱくて……今まで味わったもののなかで一番美味しいと感じさせた……。
 残酷な嗜好を持ち、人間や妹たちでさえも駒の様に考えてきた少女が、嬉しさで泣き続ける。
 溢れ続ける涙を舐めきろうとする男は、再びクアットロの口を塞ぐ。

「んン……ッ」

 舌と舌が絡み合う。
 ちゅ……チュル……クチュ……。
 少女と口づけのため、しばし男の腰の動きが止まる。
 はじめは激しかった舌の動きも、やがてゆっくりとしたものになり……動きを止めてのキス。
 しばしそのまま。
 そうした後、ゆっくり唇を離すと、名残惜しむかのように銀色の糸がかかる。
 そのままの距離で互いの瞳を見つめあう。
 耳まで赤くなったクアットロの顔は、潤みきり細まった眼との相乗効果で男の脳髄にたまらない愛おしさを生じさせた。
 互いの鼓動が再び高まりだすのがわかった。
 堰を切ったのはクアットロの方から……。
 「あッ」キュゥ……。
 膣が収縮して、男のモノを一気に締め上げ吸引。
「グゥッ!?フヴヴウウゥゥッッ!!!」
 ドヴュ!ドビュ!!
「ンああああアアーーーーッッ!!」

 熱さで……奥に出された実感で、五度目達する少女。
 もう耐え切れなかったようにクアットロは眼を閉じ、男の身体にしがみついて叫んだ。

「ちょうだい!お願い!頂戴!!あなたの赤ちゃん頂戴―――!!ッッッ! うああああああああ!!!」

 苦しみを訴えない声で泣き叫んだ。
 目的のためなら手段を選ばない女……冷酷なナンバーズNo.4。
 それが子宮口をクチュクチュと擦られる快感と、子宮内に精液が注ぎ込まれる快感で、これまでにないオーガズムに浸る。
 自分にギュッっとしがみつくクアットロに応えようとする男は、実質15年も稼動していない少女の身体を持ち上げ対面座位に持ち上げる。

「ッんんーーー!」

 クアットロは歯を食いしばり、全体重が子宮口にかかるのを感じて達する。
 ソープ・ナンバーズが始まる前、彼女が余分な成分としてセッテたち後期組みから切り取ろうとした『部分』が、逆襲するかのようにクアットロを容赦なく襲う。
 いつかのように、男の首筋に噛み付く。しかし今度は、力をたてずに優しく。
 少女がこの男を自分のモノにした確かな証として刷り込むように歯型を入れよとする。
 しばらくそのままクアットロの望むようにさせるために動きを停止していたが、彼もクアットロに対する愛おしさを刻みたくて運動を再開。

「アッ!だあ、め、だめッ!やだ!あ、あ、あ、アッ、アンッ、ヤんッ!ヤダッ、怖い!怖いよぉ!!」

 大きく動くことは無いが、座位の動きは確実に子宮口に刺激を与える。
 容赦無きポルチオ感覚攻め。
 その快楽が怖かった。
 とても気持ちが良いが、自分が飛んでしまいそうで怖かった。
 彼と離れ離れになるのがヤダった。
 クアットロに初めて襲い掛かろうとする、真のオーガズム。
  ………クチュ、クチュ、クチュ、クチュ、チュ、チュゥ
「クアットロ……わかるか?……今、オレのモノが君の中で、キスしてるんだ」

 そう言って上半身を屈めて、クアットロの口を塞ぐ。
 お互いに正面を向かい合った対面座位のおかげで、クアットロとの身長差が埋まったことでできたキス。
 下半身でも男の鈴口と少女の子宮口がキスを繰り返す。
 それを"認識"したとき。クアットロの思考を占めていた恐怖感が解けた……。

「あ……」

 クアットロは体内の異常を察知した。
 くすぐられ続けていた子宮口が熱い。そして胎内全体がムズがゆさが生じる。
 クパァ……

「う、嘘……。子宮口が開いちゃった!開いちゃったよォ!!あ、あたしの体が……貴方の精液、欲しがってる……ッ!」

 ポロポロが涙が溢れる。
 欲しい。この人の精子が欲しい。そして赤ちゃんが欲しい……。
 戦闘機人であるがゆえに、決してかなわない思いがクアットロの心に溢れ出る。

「あっ、はあっ!はあっ!もっと、もっと、キスしてぇ!私のお腹の中で、キスしてぇっ!!」
「クアットロ…ッ!そろそろイクぞッ!!」

 涙と涎がクアットロの顔をつたい、ビクッ、ビクッと身体を震わせながら限界が押し寄せる。
 背中に流される少女の美しい茶色の髪が、身体の震えを表現した。

「わ、私もぉ……っ、私もイク……ッ、イッちゃいますぅ……っ!!」
 ドクッ
「あっう……!!」
 ゴプッ ビュッ 
「あっあああああっ!!んやぁああアアーーーッッ!!」
195名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 20:37:13 ID:v623e/s6
支援
 眉を八の字に歪め、涙を流しながら瞼をギュっと閉じたクアットロの表情は、それだけで気持ち良さを感じさせた。
 強張りながらも、一気に全身を弛緩した少女が男に身を預ける。
 ゴクゴクと少女の子宮が精液を飲み込む代わりに、別の液を排出する。
 しかしそんなのお構い無しに男は、クアットロの身体を包み、優しく、ひたすら優しく髪を撫でてやる。
 柔らかいカーペットの上を、精液以外の、男女のありとあらゆる体液でシミを作ってしまった。
 ある種の自傷行為とも取れる鍛錬で傷だらけになった男の手が、クアットロの頬を撫でる。
 そうすると、これまでもそうだったように少女は無意識にゴツゴツとした手に平に「フフ……」と微笑んで頬ずりしてしまった。
 同時にIS発動停止。
 明かりが一切無い部屋は完璧な暗黒に包まれるが、男は発作を起こさなかった。
 いま繋がったままでいる少女をただ、ただ大切にしたい。
 そう思っていたから本人もそのことに気づかなかった……。



 いったい何の因果であろうか……。
 壊れたがゆえに愛に対する純粋性を持ってしまった狂気の男は、戦闘機人を女の子に戻してしまったとは……。

「ククク……ッあは!あははは!!ハハッハハハハハハハ!まったく!なんという奴だ!なんという展開だ!!
 あのクアットロに、あのクアットロに、だッ!! 戦闘機人であることを忘れさせるとはッッ!!」

 暫く続く天才の狂笑。
 あはははははははははははははははは!!
 天上を仰ぎ見、ようやくおさまる。

「あ〜〜、ゴホン………このいわゆる『超展開』というやつだが、どう思う騎士ゼスト君?」

 空間モニターで、愛娘とその恋人の、本来なら絶対に踏みにじってはいけない営みを覗き見していた狂科学者ジェイル・スカリエッティ。
 それがティー・テーブル向かいに座る屈強の男に問うた。
 ゼストと呼ばれた男は発する怒りで、空間が歪む。眼前にいる者を眼で殺す勢いの殺気……。
 すでに右手には長槍デバイスを展開し、全カートリッジロード済み。刃からジリジリと煙が立ち上る。
 この距離なら、いかなる障壁があろうと一撃で切り殺せるだろう。
 仮にも父親として絶対に犯してはならないことを、こいつは犯した!!
 しかしそうはしなかった。
 自分の左腕の裾を掴む、細い指がそれを押しとどめる。
 姉のあらえもない性交を目視してしまったナンバーズ五女、チンク。
 成長が止まった幼い身を、怒りと悔しさで涙を流しながら頬を真っ赤にし、この狂えた父親が仕掛けた精神的虐待に必死に耐えた。
 それができたのも愛しくそして頼もしき恋人、ゼストがいたから……。
 もし一瞬でもタガが外れたら、ゼストとチンクは、向かいの白衣を着た者を躊躇なく抹消したであろう……。
 両断した後、爆殺。
 心繋いだ二人が共闘すれば、ナンバーズの残り全員が束になってかなわない。
 ただ耐える理由は、一応の生みの親。そして、最善と思える『現状』を維持しているのがこの男、ソープ・ナンバーズのオーナーなのだから。

「今でも覚えている。あれはまさに生き地獄だった」

 ゼストが怒りを鎮めるがごとく言った。

「家族をガレキの隙間から引きずり出して食したのだろう。その子は血塗れだった。そして時期は夏季。全ての遺体の腐敗が進んでいた……
 生き延びれたあの、狭い空間の"中"を見たものは一生忘れる者はあるまい。
 救助隊いからの要請で、『女性隊員を絶対に連れて来るな』と言われた意味が良くわかった……私も耐え切れず嘔吐したからな。
 それからだろう。我が友が犯罪の掃滅を信念をしたあのは。
 あの子が一生背負う心の傷に比べれば、我らが苦はどうということもない……。
 貴様の研究成果とやらが、結果としてその子供の心を癒したのには憤慨せざるをえないがな……」

 紅茶を一飲み。

「そうだな……まずは、傷が癒されし男と良き妻になる少女とを繋げた、数奇な運命に感謝をしよう。それとついでに、トーレ殿の配慮に感謝を」

 言い終わった直後だった。
 ドクターもといオーナーがビクっと身を震えて後ろを振り返ると、蔓延の笑みで迎えるウーノの御姿……。
 掲げる手には真っ赤な消火器。チンクが真っ青になって思い出す。
 ああ、あれこそ姉妹最強、必勝の構え!
 一瞬後、激しく吹っ飛ぶドクター。
 
「紅茶……、御代わりいたしましょうか?」
 消火器をフルスィングで振って、ドクターの身体を壁にめり込ませた長姉ウーノが微笑みながら言ったのを、ゼスト冷や汗をかきながら丁重に辞退。
 チンクはゼストにしがみ付いて震えていた。
 おそらく、ウーノが夫、スカリエッティの手綱をしっかり握っている限り、これ以上事態が悪化するのは防げよう。
 問題と罪は山積みだが、不幸になる者は出したくない。
 それになにより、あの若きカップルに祝福すべきだろう。



 
 無限書庫最高責任者、司書長ユーノ・スクライアが眼前の男に辞令をだした。

「……自分に、無限書庫・副司書長と地上本部資料室統括官をやれ、と?」
「そう。気に入らなかったら辞退してもいいよ?」

 ユーノはメガネをきらめかせて言った。

「正統な理由なら言うよ?君の才能は無限書庫に向いている。あきらめず延々と同じ作業を繰り返すのは君ぐらいだよ。
 そして君という人間をずっと見させてもらったけど、君は理由が無い限り、不満は言わずに従う人間だ。
 だから、これはボク個人の命令でもあるんだけど、これを機に人付き合いとかイロイロ改善して欲しいと思う。
 あとはね、卑怯な言いかただけど、君には地上本部とのコネがある。
 今後、無限書庫は本局、地上本部問わず活用させられなくちゃならない。
 『情報』に、魔法能力なんて関係ないからね」

 恋人ができて、さらにその姉妹の世話までする必要が出来た男にとって、給料アップは願っても無いことだったので承諾した。
 
 
  《END》
19957:2008/03/23(日) 20:46:25 ID:+8JpomMm
以上であります!!
一見と支援を戴きありがとうございました!!

許可が戴けましたら、もっと書くかもしれません。
クアットロだけでなく、ゼストとチンクの話とかイロイロエロエロ……ええ、いろいろ出来そうです。

それだけナンバーズは全員魅力的なんだよッッ!!

それでは失礼いたしました。
200名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 20:47:03 ID:1dU464OG
GJ! 話深っ!
まさかの純(?)愛でクアちゃんを少しだけ好きになれた気がする
(i)くぱぁ
201サイヒ:2008/03/23(日) 20:49:34 ID:T8lgJ2ql
GJ
乙女なんだか捩れてんだか分からないクア姉可愛いw


まだかなり早いですけど、十時から投下させてもらっていいですかね?
202名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 21:01:00 ID:JYthB77i
>>201
10時から11時の間にB・A氏が予約してますが
20357:2008/03/23(日) 21:09:36 ID:+8JpomMm
あ、一部誤りがありましたので報告

>>197の15,16行

×救助隊いからの要請
○救助隊からの要請

×我が友が犯罪の掃滅を信念をしたあのは
○我が友が犯罪の掃滅を信念としたのは


改めて感想を書いてくださった方々に感謝

>サイヒ氏
B・A氏と続いての投下ラッシュはSS読者にとっての理想郷ですw
204ザ・シガー:2008/03/23(日) 21:12:33 ID:DFcaNt6T
クアットロ可愛いいいいいいぃぃっ!!!!
GJっすよ、しかし順調にソープものが広がってる。
このまま納豆(ここ強調)とソープを1ジャンルとして普及できれば面白そうですね。

しかしこんなクアットロSSが書かれたら俺はどんなソープシリーズでどんなクアットロを書けば良いんだろう。
SM? 陵辱? 甘甘プレイは絶対無理でしょうか?
205名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 21:14:55 ID:9k9egEZo
>>201
投下して問題ないと思います。
B・A氏が予約してるとの事ですが5時間ほど前の書き込みなので、気にする事ないでしょう。
そもそもこのスレに予約なんて考えないですし。
206名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 21:20:46 ID:k72YKAPe
ですかな
207名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 21:24:11 ID:AHMDAArX
>>201
まだ時間ありますし、大丈夫かと。
208名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 21:24:31 ID:bvSUSmZU
うむ、GJ。
あとついでに世界の謎的な理由でいる『ターン6課』の人々にもGJ。




ホントなんでいるんだよwww
209名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 21:24:42 ID:bXIIqD6v
>>205
お前は何を言ってるんだ(AAry
210名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 21:52:57 ID:0uoOWisw
>>199
GJ!これはかわいいクアットロに決定だ!
後日談で身ごもって幸せそうな姿が思い浮かびそうだw


>>205
>そもそもこのスレに予約なんて考えないですし。
ついにこのスレも予約が必要なほど職人が現れてきたということですか?
211名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 21:53:38 ID:k72YKAPe
しかし無駄に時間を潰すよりは投下して欲しい…
212サイヒ:2008/03/23(日) 22:00:30 ID:T8lgJ2ql
クロフェ出産話の後編を投下しに来ました。
注意書きは以下の通りです。

・本編の約一年後。フェイトがクロノと結婚して、男の子を出産してます。
・クロフェ以外のキャラはほとんど出てきません。
・エロばっかり。エロシーンには、母乳・尿道攻め・尻が含まれます。
・エロノと執務官フルスロットル。性的な意味で。

ではどうぞ。
213Father's way for Chrono:2008/03/23(日) 22:01:55 ID:T8lgJ2ql
「びっくりしたんだよ。クロノがいきなり大笑いするから」
 あんなクロノ見たの初めてじゃないかな、と言うフェイトは寝巻き姿。
 夕食も風呂も済ませた後のクロノの部屋。ベッドに並んで腰掛け、二人は久しぶりの夫婦の語らいをし
ていた。
「なんであんなに笑ったの?」
「説明したら、ちょっと長くなるんだけど……」
 そのままクロノは出産日以来覚えていた不安や、ユーノと話したこと、クロードの顔を見て感じたこと
までありのまま全てを語った。
 黙って聞いていたフェイトが、語り終わるとクロノの目を覗き込んできた。
「……クロノ、まだ不安?」
「不安だよ。……けどこの不安は、きっと提督や執務官をやるのが不安なのと同じなんだ」
 どれだけ育児書を読み漁ろうが、愛情込めて育てようが、子育てに失敗して子息が非行に走る例は後を
絶たないように、管理局の仕事に絶対安全なものは無い。
 予想外の事態にみまわれることなど当たり前で、管理局員の殉職者数は毎年けっこうな数に上っている。
「いまだに、出向する時はちょっと怖い。もう帰ってこれないんじゃないかって」
 あと百度航海を繰り返しても、きっと怖いままだろう。クライドという例を身近に持ったクロノだけに、
恐怖は絶えることは無い。
「けど、この仕事をやっていなければ、なのはやはやてと友人になれなかった。……なにより、君と出会
えなかった。そんなことになるなんて、執務官になった時には考えもしなかったよ。……だからきっと子
供がいなかったら体験できない幸せも、あるはずだ。それを知りたいから、不安だけど僕は父親をやりた
い」
 未来など、誰にも分かりはしない。過剰な心配はするだけ損だ。足元だけ見て躓く理由を探すぐらいな
ら、前だけ見ている方がずっといい。
「……それだけ分かってたら、クロノはお父さん出来るよ」
 微笑んだフェイトが、子供を褒めるように頭を撫でてくる。二十代半ばの男としてはかなり恥ずかしかっ
たが、黙ってクロノはされるがままにした。
「まあ、決心がついたってだけで、僕が父親やりにくい環境にあるってことに変わりはないんだ。具体的
なやり方だって分からないし。ユーノが言ったとおり、君を見習わせてもらうさ」
「ううん、クロノはそのまま自分の考えたままのお父さんになって。……私だって子育てでおかしなこと
やってる部分はあるだろうし、その方がお互い欠けてる所が補えると思うの」
「……本当に、君はもう立派な母親だな」
 今度はクロノがフェイトの頭を撫でてやる。フェイトはクロノの頭から手を下ろし、すり寄って肩を引っつかせてくる。
214Father's way for Chrono:2008/03/23(日) 22:03:07 ID:T8lgJ2ql
「ねえ、クロノ。クロノがいない間、あの子のお母さんが出来たご褒美が、欲しいな」
 クロノも手を止めれば、ゆっくりと赤い瞳と唇が近づいてくる。
「いいけど、クロードは? 夜中に泣いたりするだろ」
「アルフが今晩は面倒見ててくれるから」
 フェイトの声には、熱さと甘さが籠っている。
「何が欲しい、フェイト?」
「……いっぱい愛して」



         Father's way for Chrono



 唇が重なり合えば、すぐに双方から舌を差し入れる。
 フェイトとこうして夜を共にするのは、約半年ぶり。妊娠後一度だけ胸や尻を使って交じり合ったこと
はあるが、それ以降は完全に自分で処理するだけだった。
 流石にキスはしていたが、それも唇をほんの数秒重ねるだけのものだった。それ以上進んだら、色々と
自制心に限界が訪れそうだったのでやめていた。
 その判断は正しかったことを、クロノは知る。フェイトの唇の柔らかさが、ほのかな肌の香りが、絡み
合う舌の滑らかさが、そして啜る唾液の甘さが理性を崩し、下から情欲が顔を見せる。
 半年間抑圧されていたそれは破壊衝動にも似ていた。今すぐフェイトを組み敷いて、小さな口や湿って
もいない秘裂に突っ込んで思う存分射精したい。
「なんだか……キスだけですっごく来るね……」
 それはフェイトも同じなのが、口づけする毎に赤くなる頬と潤んでいく瞳に表れていた。早くも、太腿
を切なそうに擦り合わせている。
 その姿はひどく扇情的で、勢い任せに押し倒したくなるが我慢する。
 なにしろ久しぶりの性交なのだ。身体は固くなっているだろうし、丁寧にやるに越したことはない。
 興奮に震えそうな手で、クロノはゆっくりとフェイトを脱がせていく。ボタンを一つずつ外せば、白く
滑らかな肢体が露になっていく。
 女性は子供を産むと大きく体形が変わるというが、肌に弛みはなく余分な肉もついてない。クロノの記
憶にあるままだ。
 ただ乳房だけが、中に母乳を湛えたことでバランスが崩れ、重心が少し下寄りになっていた。
「あっ……」
 それを見て、今さらクロノは気づいた。胸を迂闊に揉んだりすれば、母乳が出てしまう。
 別に胸以外にも愛撫できる場所はあるが、フェイトの身体を余さず味わいたいクロノにしてみれば、出
鼻をくじかれたような気分になった。
 しかしフェイトはにっこりと笑って、そっとクロノの手首を握る。
215Father's way for Chrono:2008/03/23(日) 22:04:02 ID:T8lgJ2ql
「今はあの子のお母さんじゃなくて、クロノのお嫁さんだから」
 クロノの手を、フェイトは胸へと導く。触覚が、しっとりとした柔らかさを感じた。
「私の身体、好きなようにしてくれていいんだよ?」
 その笑顔と声に、危うく理性の箍が吹っ飛びかけた。だがなんとか紙一重のところでクロノは踏み止ま
る。
 しかし、手が勝手に動き出すのだけは止められなかった。
 力いっぱいとまではいかなくとも乳房が歪むぐらい握れば、ぬるりとした液体がクロノの手を汚した。
「……やっぱり出るんだな」
 今までもボリュームのあるフェイトの乳房を弄んでいる時は、強く揉めば中から何か出るのではなかろ
うかと馬鹿げたことを考えたことはあった。
 しかし今日は、本当に中に詰まっている母乳が流れている。当たり前のことだが、クロノはなぜか非常
に感心してしまった。
 気を取り直して再開するクロノだが、どうにも勝手が違う。
 いつもならクロノの手にちょうど合う大きさのフェイトの乳房だが、母乳のせいでさらに一回りサイズ
が上がった今は、まさしく手に余る。濡れて滑ることもあり、うまく揉めない。
 ついやっきになったクロノは、フェイトを押し倒すとそれこそパン生地でも捏ねるように上から押し潰
した。
「あっ、あっ、あんっ! クロノ、激しい……!」
 指よりも手の平を使ってぐにぐにと変形させ、尖りだした乳首も転がす。
 弾力のある双丘はすぐに元の形に戻るが、白色の乳はクロノが時折手を止めても流れ続け、フェイトの
寝巻きまでびっしょりと濡らす。手についた分を舐めれば、甘ったるい味と匂いが口内に漂った。どこか
懐かしい。
(僕も、昔は飲んでたからかな)
 もっと飲みたくなったクロノは、乳房に吸いついた。遠慮なく、それこそ空腹時の赤子のように母乳を
飲む。
「はぁ、あ、あ……!」
 大量に摂取する母乳が、クロノの喉どころか脳内にも染み込む。人肌温度の甘露は、ただでさえ脆くなっ
ていた理性をさらに溶かしていった。飲んだ分と等しいだけの先走りが、滾った肉棒の先から流れるのが
分かる。このまま飲み続けたら、それだけで射精してしまいそうだった。
 クロードが飲む数倍の量を飲んでようやく満足しきったクロノが顔を離した時には、フェイトはすっか
り出来上がっていた。全身が小刻みに痙攣しながら紅潮し、水に落ちたかのように汗で濡れている。
 フェイトの昂ぶり方が尋常ではない。元々胸は弱いが、短時間揉んで吸ったぐらいでこんなになるのは
おかしい。
「その……きつそうだけど、大丈夫か?」
「……こんなにたくさんおっぱい出したの、初めてだからかな。すごく、気持ちいい……。イッちゃいそ
う……」
 肺の底から息を吐くのフェイトの言葉で股間に目をやれば、もう寝巻きに染みが出来ていた。
216Father's way for Chrono:2008/03/23(日) 22:05:15 ID:T8lgJ2ql
「力入らない……。脱がせて、クロノ」
 寝巻きと水気をたっぷり吸ったショーツを脱がせれば、そこはもう前戯は必要ないぐらい、しとどに濡
れていた。
 後から後から湧き出てくる淫水は金毛の先から雫を垂らすまでに濡らし、尻の方までぬらぬらと光る痕
を残している。
 見られてまた感じたのか、入り口が男を誘うように、ひくりと口を開けた。
 ごくりと、クロノの喉仏が動く。頭の中で、何かが焼き切れようとしていた。
「はやく……挿入れて」
 その切ない一言で、なにもかもが限界を迎えた。
「――――っ!!」
 何か叫んだ気がする。彼女の名前か、全く意味の無い咆哮か。
 先走りでべとべとに汚した下着を脱ぎ捨て、フェイトに圧し掛かる。
 両手両足で肩と太腿を押さえ込み、一瞬の躊躇もなく、フェイトを貫いた。
「あうっ!! ふぁぁっ!!」
 ずっと味わいたかった、フェイトの媚肉。
 熱さや柔らかさを脳が知覚する前に、精巣が反応してしまった。
「くっ……ああぁぁ!!」
「あっ!? く、クロノっ!?」
 根元どころか中ほどまで挿入ったところで、クロノは果ててしまった。どくどくと音が聞こえるぐらい
の量、精液がフェイトの中に溢れていく。
 挿入した途端にフェイトがイッたことはある。だが逆は初めてだった。男としては情けなさすぎる。
 だがそのことを気にする暇は、今のクロノになかった。白濁液を撒き散らしながらも、がむしゃらに肉
棒を突き立てる。連続で射精したかというぐらいの量を出しても、まだ腰は止まらない。息継ぎもせず、
クロノは身体全体を叩きつけた。
「くっん、ふあっ……!!!」
 衝撃で、フェイトの身体がガクガクと震え、乳房が派手に揺れる。
 乱暴に前後するだけの、技巧も何もないピストン運動。それでもフェイトの膣は、不規則な動きの肉棒
にぴったりと吸いついてくる。
「これっ……! ずっとほしかったのぉ!!」
 クロノの身体を弾き飛ばさんばかりの勢いで、フェイトも腰を突き上げてくる。膣も捻じ切れるぐらい
締めつけてくる。
 あっという間に、肉棒の中を熱いものがせり上がってきた。
「くっ! フェイト!!」
「イくっ!! 私もイッちゃううう!!」
 今度の絶頂は、二人同時。精液と潮が吹き出たのも、全く同時。
 クロノは弛緩しただらしない顔。フェイトはうっとりと夢見るような表情で、お互いの熱さを感じる。
217Father's way for Chrono:2008/03/23(日) 22:06:16 ID:T8lgJ2ql
 二回射精したことで、クロノの頭の熱は多少は引いた。
「大丈夫か? かなり手荒なことしてしまったけど」
「気にしないで。飛んじゃうぐらい気持ちよかったから。……それよりクロノ、私の中、変になってなかっ
た?」
「いや、別に。いつもどおりだったと思ったけど」
「赤ちゃん産んだから、なにか変わったかと思って」
「そんなわけないだろ」
「クロノだって、おっぱいが出たの不思議そうにしてたじゃない」
 しゃべりながら、クロノは結合を解いていく。抜いた男根は、まだ剛直を保っている。まだまだこんな
もので足りやしない。
 今度は体位を変えてもう少しゆっくりしようと、クロノは再度挿入に移ろうとする。
 だがその動きは、ほかならぬフェイトによって止められた。
「……クロノばっかり、ずるい」
 ぐるりと身体が入れ替えられる。素早くクロノに乗ったフェイトが、腰を落とす。一瞬で、クロノの陰
茎はフェイトの中に飲み込まれた。
「くぅんっ……! 私だってこの半年、ずっとクロノを抱きたかったんだからぁ……!」
 うわ言のように喘ぎながら、フェイトが激しく腰を上下させる。さっきまでのクロノと同じで、ただ激
しいだけの振り立て方。それが、フェイトの飢えと愛情の深さを表している。
「ほら……また揉んで、おっぱい出させて……」
 上半身が傾けられ、目の前に二つの白い豊乳が突き出される。
 望まれるままクロノはフェイトの乳房を揉みしだきながら、身体を貪られるに任せた。



 ぴちゃぴちゃという水音。その合間に、押し殺した呻き声が上がる。
 クロノはフェイトの上に跨り、乳房の谷間に男根を沈めていた。フェイトは首を上げ、舌先でクロノの
先端を舐めている。
「あぅ……んっ……もっと、強くして……」
 勃起しきった乳首をコリコリと揉み解すように摘めば、フェイトの舌も情熱さを増していく。
 クロノにとっては乳淫というより、フェイトを感じさせることに重点を置いた動き。
 それでも久々に味わうフェイトの舌技は気持ちよかったし、なにより大きく柔らかい胸は挟んでいるだ
けで甘美だった。
218Father's way for Chrono:2008/03/23(日) 22:07:46 ID:T8lgJ2ql
 だが先に限界が近づいたのはフェイトだった。
「……あっ……やっ! わ、私……もうっ!」
 くたりと頭をシーツに落として、快楽を甘受する側に回る。
 クロノも乳房を持ち直し、手と腰を動かし自分の性感を加速させた。そうしながらも、乳首を押し潰す
ように触れるのも忘れない。
「や……ああ、あっ……おっぱいで、イッちゃう……!」
「僕も……出るっ!」
 クロノの指に力が入り、ぷしゅぅっと母乳が吹き上がった。全く同時に亀頭からも白い奔流が噴出する。
「ああ、あんっ……くろのぉ……っ!!」
 精液と母乳。二つの白濁液を顔面に浴びて、フェイトも達した。口はだらしなく半開きになり、双眸の
端から快楽の涙粒が落ちる。
 クロノがのろのろと上からどくと、フェイトも上体を起こした。蕩けた顔のまま、フェイトは頬につい
た白濁液を指で掬い口に運ぶ。
「クロノの精液、久しぶり……おいしぃ」
 こくりと嚥下される度に、はぁと満足そうな息が吐かれる。
 数分かけて顔中くまなく拭い終わったが、まだフェイトは物欲しげな雰囲気でクロノの股間に顔を寄せ、
硬さを保ったままの肉棒をぱくりと頬張った。
 そのまま頬をへこませ、出し残した精液を吸い上げてくる。すぐに尿管の中も空っぽになったが、それ
だけで終わりはしなかった。そのまま顔を上下させ、本格的な口淫にシフトする。
「ん……ちゅぅ……んっ……こっひも、おいしひ……」
「はぁ……ぐぅっ……!」
 今度は舌だけではなく、唇も歯も喉も全部使っている。
 性技だけでなく、唾液でぬめる口内は射精直後の敏感な肉棒には気持ちよすぎて、またすぐクロノはフェ
イトの口に放出するはずだった。
 だがしかし、いきなりフェイトはぴたりと止めてしまった。
「……確か、ここも使いたいって言ってたよね」
 フェイトが手にしたのは、長く艶やかな彼女の髪。顔射の際に前髪はべったり汚れたが、フェイトが手
にした部分は汗で僅かに湿っているぐらいで、流麗な金色に煌いていた。
「髪の毛でする? それともやっぱり口がいい?」
「どうせどっちを選んでも、両方することになるんだろ?」
「うん、クロノだってあれだけ私のおっぱい飲んだんだから、三回ぐらい飲ませてくれてもいいよね?」
 精液を口にしたことでとことん火が入ったのか、肉体どころか心まですっかり淫蕩に染まった表情のフェ
イトは、ぺろりと唇を舐める。
219Father's way for Chrono:2008/03/23(日) 22:08:42 ID:T8lgJ2ql
「……じゃあ、先に髪の毛で」
「はぁい」
 きつくなりすぎないようにやや余裕を持って巻きつけ、その上から握ったフェイトがしごく。ぬちゅぬ
ちゅと、様々な液体が髪に絡んで音を立てる。
「……どうかな?」
「う……うん」
 生返事をするクロノ。実は快感より、ざらざらと皮膚を削られる痛みが強い。特に肉が剥き出しの亀頭
付近を擦られると、痛みに顔が歪みそうになる。
 といって、自分からしてくれと言ったのにすぐ止めるというのも悪い。もう少しすれば感覚も変わるか
もしれないとクロノが思った時だった。
 全身に戦慄が走った。
「くぅあっ!?」
 一瞬、フェイトが電気を流したのかと思った。だが身体の震えが収まっても、肉棒にだけ訳の分からな
い感覚が残っている。
「ふぇ、フェイト、いったいなにを……!?」
 くすりと笑ってフェイトが身体をどかす。クロノが目にしたのは、自分の肉棒に巻きつけられた髪の一
筋が、亀頭に差し込まれている光景だった。
「時々、私の尿道いじめるよね。今日はお返しさせてもらうよ……!」
 フェイトが僅かに髪を出し入れするだけで、クロノの背筋が粟立つ。
 感じる髪の毛の強度が尋常ではない。フェイトは魔力を通して固さを補強している。極細の針金がを突っ
込まれているようなものだった。舌先を鈴口に入れる、どころの話ではない。
「く、あっ……あぐっ!」
「ふふっ、クロノもおしっこ漏らす? 恥ずかしいけど、すごく気持ちいいんだよ」
 フェイトの言うように排尿感は感じない。だが今まで液体しか通ったことのない部位に固体が触れると
いうのは、快感でも痛みでもない感覚をクロノに与えてくる。強いて言うなら、強烈な痒みが一番近い。
 やめさせようとしても、腕どころか声帯すら震えて動かない。
 僅か髪の毛一本で、クロノの全身は縛られてしまっていた。
 さらに、フェイトはさっき以上の速度で手淫を再開する。
 表面には鋭い痛み。中はのた打ち回りたくなる痒み。冗談ではなく、クロノは発狂しそうだった。
 萎えたら自動的に抜けるのだろうが、肉棒は萎えるどころかますますいきり立って表面に血管を浮かべ
ている。自分の思い通りにならない器官を、これほど恨めしく思ったことはない。
220Father's way for Chrono:2008/03/23(日) 22:09:59 ID:T8lgJ2ql
「もう出そうだね。どっちが出るのかな?……どっちでもいいよ。クロノが出すものなら、なんだって美
味しいから」
 言い終えると、フェイトがあむりと亀頭を咥え、思い切り吸引してきた。同時に、ずるんと一気に髪の
毛が抜かれる。
「ぐああぁぁ……!」
 引っ張られるようにして、後から白濁液が飛び出た。
「んぐぅっ!?」
 咽頭に直撃をくらったフェイトがむせかけるが、零さないよう口を手で押さえ全部飲み干す。
 クロノの精液を飲み終えたフェイトは、再び妖女の笑みで喘いでいるクロノを見た。
「……あそこも口もいっぱい出してくれたけど、ここがまだだよ……?」
 四つん這いになったフェイトが、後ろに手を回す。二本の指が小さな穴を眼一杯広げ、皺の寄った奥ま
ではっきりと見せつけてくる。
「三回目はもう少し後でいいから、お尻もクロノでいっぱいにして……」
 誘われるままに、クロノは肉棒を埋め込んでいった。後輩位で抱いた時に指でさんざん弄くってよがら
せた場所はまだほぐれたままで、腸液の助けもあって滑らかに男を受け入れる。
「はぁっ……お尻も、すごくいいよぉ」
 早くもフェイトが自分で腰を動かしだす。さっきのリベンジだとばかりに、クロノも激しく突き入れる。
 終わりの見えない快楽に、また二人は堕ちていった。



 何度フェイトを抱いたのだろう、とクロノはぼんやり考える。
 回数どころか、時間の感覚もめちゃくちゃだった。母乳を吸い尽くしたのと胸に挟んだの、尿道を攻め
たのと攻められたの、どっちが先だったのか。一番最初に何をしたのかも思い出せない。そのくせ、手と
腰は勝手に動く。
 今は胡坐をかいたクロノの上にフェイトが据えられた状態。背面座位の体勢だが、クロノの肉棒が貫い
ているのはフェイトの尻穴だった。
 本来入るべき前の穴には、二本の指が根元まで突き刺さり、自分の出した精液をかき出しながら抉って
いる。指先にはいつもと違う硬い感触。肉の壁一枚隔てた場所に、亀頭があるのが分かる。
 それこそフェイトの中を貫通するようにクロノが腰と指を動かせば、掠れた喘ぎ声が上がった。
「かふぅ……は……ぁ」
 数時間に渡る激しい性交でもはや息も絶え絶えなフェイトだが、その手は自分の胸を揉んでおり、足腰
は身体を持ち上げては落としている。快感神経が壊れて、前と後ろに挿入されるだけでは物足りないらし
い。
221Father's way for Chrono:2008/03/23(日) 22:11:44 ID:T8lgJ2ql
「あ……やっ……ま、またぁ……!」
 ふるふると全身を震わせ、フェイトが何十度目か分からない絶頂に至った。だが、またすぐに身体を揺
すって、ちょっとでも尻で快楽を貪ろうとしてくる。
「……まったく、君は底無しにいやらしいな」
「クロノに、言われたくな……いぃ……うむっ!?」
 開いたフェイトの口に、クロノは空いていた指をねじり込んだ。入れただけでなにもしなかったが、フェ
イトは心得てすぐに舌を絡ませしゃぶってくる。
 まるで肉棒にそうするかのように唇で挟み、先端をちろちろと舐めている姿は卑猥で、指よりも網膜で
クロノを感じさせる。
 フェイトの三穴を同時に犯しながら、内部だけでなく秘芯も刺激してさらに二回フェイトを上り詰めさ
せたところで、クロノの腰もびくつき出した。
「そろそろ僕も……このままでいいか?」
「んんっ! んっ!!」
 口の塞がったフェイトが、髪が振り乱れるほど激しく頷いて、クロノの精液を望む。フェイトの欲望に
呼応して尻穴がぎゅうっと締まり、クロノに射精を促す。
「はっ……あ、あっ!」
「んんんん〜〜〜!!」
 尻穴がどろりと白い液体で満ち溢れ、前の穴からは透明な雫が噴水のように飛び散る。
「くっはぁ……」
 泥のように濁った空気を吐き出したクロノが手を離すと、糸が切れた人形のようにフェイトは倒れ伏し
た。
 この半年間、澱のように溜まっていた精液はみんな吐き出した。フェイトの全身をそれこそ胎内から足
裏まで白く汚しつくした。尻にしたところで、出すのはこれで三度目か四度目だったはず。陰茎はすっか
り力を失って、だらりとぶら下がっている。
(いくらなんでも……ここまでか)
 後は抱き合い戯れながら眠りにつこうと思うクロノだが、フェイトはそうでなかった。
「……あと一回、出来る……?」
 閃光とあだ名される俊敏さなどどこにもないのろのろとした動きで、フェイトが仰向けになり足を開く。
激しい抽迭に晒された膣穴は、ぽっかりと口を開けだらしなく淫水と精液を垂れ流していた。
 その穴をさらに自分でも広げながら、フェイトはねだってくる。
「最後は、ここに出して……。クロノの子供、もっと産みたいから。……おねがい」
 もう精などとっくに尽きたはずだった。
 だがその言葉を聞いたクロノの肉棒は震えながら力を取り戻し、フェイトの内に突き入れていた。
 ぬるりと、何の抵抗もなく奥まで入った。その瞬間、フェイトの膣全体が一気に収縮した。
222Father's way for Chrono:2008/03/23(日) 22:13:04 ID:T8lgJ2ql
「あああ……っ、すごっい! まだこんなに、ぎちぎち……」
「君が、力入れるからだろっ……くっ!」
 見た目や挿入時の緩みはなんだったのか、と混乱するほどの凄まじい締めつけがクロノを襲う。
 戦闘によって鍛え上げられたフェイトの下半身は、同時に男を貪ることにも特化していた。狩猟用の罠
のように、一度足を突っ込めば絶対に離さず、蠢いて奥へ奥へと引きずり込む。
 ねっとりと絡みつく媚肉を引き剥がし、クロノは腰を前後させる。一度動かす度に、残り少ない体力が
削られ意識が飛びかける。出しすぎた精巣も、鈍痛という名の悲鳴を上げていた。
 それでも、最後の絶頂は二人で迎えようと、クロノは腰だけでなく手も動かす。
 絞りつくして元の大きさに戻ったフェイトの乳房だが、強く握ればたらたらと母乳を零した。
「飲んで……! 私のおっぱいも全部クロノにあげる……っ!!」
 フェイトの乳首をしゃぶれば、あれだけ飲んだというのにまだ飲み足りない母乳が滴る。
「もう出るぞ……フェイト!」
「ちょうだいクロノ……。孕ませて!!」
 全身の力を一滴残らず振り絞ってクロノは腰を叩きつけ、子宮口の入り口をこじ開けた。さらに捻りを
加える。
「あああああーーーー!!!」
 尾を引くフェイトの嬌声。
 発射するというより滲み出た精液が、フェイトの子宮に満ち溢れていく。
「フェイト………んん」
「んくっ、あ、ふ……クロノ」
 射精が終わるまで、名前を呼びながら二人は深く口づけあった。



 長い長い情交は終わった。体力も性力も身体のどこにも残っておらず、代わりに睡魔が全身を侵してい
る。
 それでもクロノは眠らず、フェイトを抱きしめたまま目を開けていた。
 饐えた匂いのする空気も、様々な液体を吸ってべたつくシーツも、汗でぴったりと密着した肌と肌も、
腕の中の温もりも、なにもかもが久しぶりで懐かしく、眠ってしまうのが惜しかった。
 フェイトも同じ気持ちなのか、起きたまま啄ばむようなキスを繰り返してくる。
「……子供、出来たかな」
「今度は、女の子がいいな」
「あと二人ぐらい欲しい。頑張ってねクロノ」
 また唇が吸われる。
「まだクロードを会わせてない人、いっぱいいるんだ。エリオとキャロ……スバル達も会ったら喜んでく
れるかな」
「ロッサ達も見たがってたな。もうすぐ長期の休暇がもらえる。向こうが来るのを待つより、こっちから
行こうか」
「うん、アルトセイムに行って……プレシア母さん達にも……報告…………しないと」
 ついに睡魔に負けたのか、フェイトの瞼が閉じたり開いたりを繰り返しだす。
223Father's way for Chrono:2008/03/23(日) 22:14:22 ID:T8lgJ2ql
 自分も眠ろうとするクロノの耳に、途切れ途切れのフェイトの言葉が聞こえてきた。
「クロノ……どんなに長く離れてても……帰ってきたらただいまって言って……クロードに笑ってあげ
て…………それが出来たら」

 クロノはずっとお父さんだよ。

 その言葉を最後に、フェイトの口から出るのは寝息だけとなった。
「……ああ、そうだな。ずっと、ずっとそうしよう」
 眠るフェイトの額に口づけて、クロノも眼を閉じた。


          ※


「やっぱり母さんと僕の位置、入れ替わった方がいいんじゃないか?」
「駄目よ。子供が出来たんだから、もうそこがあなたの場所」
「クロノ、もうちょっとだけ寄って。私の前にアルフが入るから」
「ていうか、全員あと二、三歩右行って。光の加減が……」
「フラッシュは焚くなよ。クロードが目を傷めるから」
「あ、笑った笑った。アルフ、早く!」
「も、もうちょっとだから……。よしっ! シャッター押して三秒後だからね! はい、せーのっ!」


          ※


 戦艦クラウディアの提督室。
 この間まで飾りっ気が一切なかった提督の机の上に、今は写真立てが置かれている。
 写っているのは五人の人物。
 中心にはクロノ。家族と親友以外には滅多に見せない、穏やかな笑顔を浮かべている。
 その右隣にはフェイト。幸せそうにぴったりとクロノに寄り添っている。
 フェイトの前にはアルフ。子供姿で元気に両手を振っている。
 クロノの左にはリンディ。カメラではなく息子と娘を見て微笑んでいる。
 そして写真の本当の中央にいるのは、クロノの腕に抱かれているクロード。
 父も子も、よく似た顔で笑っていた。



          終わり
224Father's way for Chrono:2008/03/23(日) 22:16:39 ID:T8lgJ2ql
以上です。
最終回みたいな終わり方ですが、まだまだクロフェは書きますよ。
半年書きまくってネタはだいぶ少なくなってきたんで、以前のようにクロフェ一色ということはないでしょうが。
しばらくはクロフェ・ナンバーズ・カリム・その他カプでローテ回していくことになりそう。

子供達については超脇役以上で書く予定はないと以前言いましたが、
三十路のクロノと二十代後半のフェイトのエロというあらゆる意味でぎりぎりなネタがあるんで、
書いた暁にはそれなりに顔は出すでしょう。
俺のストライクゾーンは十五歳以上三十歳未満と高めに甘いんです。
年増という単語は五十過ぎないと使わない。


>>201ですが、投下しに来たらちょうど57氏の投下が始まったところで、
かつ十時半からちょっと出かける用事があったもんで、焦ってやってしまいました。
もっと後で投下予告するなり、明日に回すなりすべきでしたね。
すいませんでした。
225B・A:2008/03/23(日) 22:47:57 ID:OPvldrpB
な、なんとか11時には間に合った。
帰宅して推敲してたら間違いあるわ追加しなきゃだわで。

投下して良いですか?
226名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 22:50:11 ID:DFcaNt6T
GJですぜい兄貴いいいぃぃっ!!!!

しかし相変わらずエロイなぁ、個人的にはナンバーズの話が気になります。
一体誰を書くのやら、期待して待ってますぜ。
227名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 22:51:50 ID:YEpW2AyB
>>225
どうぞ。
228B・A:2008/03/23(日) 22:56:06 ID:OPvldrpB
>>224
GJ!
エロいです。母乳、髪の毛、どこまでプレイに幅を広げるんだこの2人には。
最後の記念写真はなんだかほろっと来ました。


では、こちらも投下開始

注意事項
・セッテ×エリオ
・時間軸はstsから5年後、エリオ16歳。そのため、捏造が多々あり。
・2人の回想という形で現在と過去が入り乱れる少々わかり辛い造りになっています。
・と言いつつ、今回から過去編オンリー。
・セッテの性格は少しアレンジ入っています。
・アニメ17話でエリオはフェイトと共に空へ上がり、セッテに撃墜されたという捏造の元にこの話は成り立っています。
・バトル嫌いな人はスルーの方向で。
229セッテ −その心の在り処− 第8話@:2008/03/23(日) 23:00:22 ID:OPvldrpB
【5 years ago】

会場である体育館の扉の前で、エリオは相棒であるストラーダと共に模擬戦開始の時間を待っていた。
既にBJは展開しており、可能とあらば今すぐにでも戦いを始められる状態だ。
その姿を見て、フェイトは10年前のある出来事を回想していた。
10年前、まだ自分の出生も世界の真実も知らなかった時の出来事。母親の笑顔が見たい、母親に認めてもらいたい、
その一心で願いを叶える宝石を集め、親友となる少女と傷つけ合った辛く悲しい思い出を。
あの時の自分は弱かった。誰も傷つけたくないと思いながらも、母親のために自分を含む全てを傷つけねばならなかった。
言葉だけでは何も伝わらないと思っていながら、その実誰かと分かり合おうともしていなかった。
そんな自分の名前を呼び、友達になろうと言ってくれたのが、親友である高町なのはだ。彼女の懸命な呼びかけと、
互いの全てを出し切った全力全開の戦いのおかげで、今の自分がある。
今のエリオとセッテの状況は、丁度あの頃の自分となのはが全力全開の戦いをした時と似ていた。どちらにも譲れぬ思いがあり、
その先に進むために今を終わらせるための儀式。分かり合えないからこそ、分かり合うためにぶつかり合わねばならないジレンマ。
エリオに自分と同じ道を歩ませてしまったことを、フェイトは僅かばかりに後悔していた。
エリオは余りに自分と似すぎていた。
出生、資質、性格、管理局を志した動機、魔力光、戦いを通して出会えた親友。数え上げればキリがない。
決して平坦な道ではなかった。10歳の子どもには余りに過酷な経験を自分は強いてしまった。本当は、魔法や戦いとは無縁の世界で平穏な暮らしを送って欲しかった。
それでもエリオは笑ってくれた。
今の自分があるのはあなたのおかげだと言ってくれた。自分が我が子に強いた戦いは決して間違いではなく、もし間違えば自分が正すと言ってくれた。
その余りに強く気高い心を、僅か10歳の子どもに持たせてしまったことをフェイトは悔やんでいた。
エリオは知らない。その言葉が、その思いがかつてのフェイトと同じであることを。10年前、罪を犯した母親に世界中の全てからあなたを守ると
告げたフェイトと同じであることを。それは同時に、エリオが自分と同じ苦しみを味わい、同じ悩みを抱いて生きていかねばならないことを意味していた。
だから、フェイトはこの模擬戦を心のどこかでは快く思っていた。
意中の人に認められたい、大好きな人よりも強くありたい。それはエリオだけの感情で、10年前の自分にはなかった思いだからだ。
ずっとフェイトの後を追いかけ続けてきたエリオがただの一歩だけその道を踏み外すことができたからだ。
例え、その歩みが間違っているとしても。

230セッテ −その心の在り処− 第8話A:2008/03/23(日) 23:01:56 ID:OPvldrpB
(ごめん、エリオ・・・・・私じゃあなたを正せない)

そっとエリオを後ろから抱き締める。
一瞬だけ驚いたように体を硬直させた後、エリオはその行為を黙って受け止めた。
振り向こうともしなかった。

(そっか・・・・・もう、私を見てもくれないんだ)

エリオの目はまっすぐにセッテだけを見つめている。そこに自分が入る余地はもうなかった。
最早、自分とエリオの道は完全に違えている。上司として彼を導くことも、戦友として共に歩くこともできない。
できることはただ一つ、親として背中を押すことだけだ。

「エリオ」

「はい」

「無茶するな・・・・・って言っても聞かないだろうから、止めたりはしないよ。ただ・・・・・・」

抱き締める腕に力を込める。成長期に差しかかりつつある体は、前に抱き締めた時よりも少し大きくなっている気がした。
子どもは成長していくのだ。間違って、傷ついて、苦しみながら大きくなっていく。
そうやって、この子も自分のもとから飛び立っていくような気がしてならなかった。

「後悔のないように、全力全開で・・・・エリオの全てをぶつけてきて」

「フェイトさん・・・・はい、わかりました!」

力強く頷き、エリオはフェイトから離れて体育館の扉に手をかける。
そして、最後まで振り向くことなく、前だけを見つめて扉の中へと消えていった。
まるで他者の進入を拒むように閉じられた扉を見つめ、フェイトは祈る。
この扉の向こうにいるはずの、最愛の息子の思い人へと。

「私の子どもを、どうかよろしくお願いします・・・・セッテ」





231セッテ −その心の在り処− 第8話B:2008/03/23(日) 23:03:54 ID:OPvldrpB
体育館の中に入ると、既にセッテは戦闘準備を整えた状態でエリオを待っていた。
桃色の長い髪に戦乙女のような美貌と鋭い目つき。着ているのは薄く全身を覆うナンバーズ用の戦闘防護服。
額には専用のヘッドギア。その手には一撃必殺のブーメランブレードが2本、否・・・・・。

「4本・・・・・」

「卑怯か?」

手にしている2本のブーメランブレードとは別に、彼女の背には更に2本のブーメランブレードが背負われている。
二刀流ではなく四刀流、自分の本来の戦闘スタイルをどこか誇らしげに見せながら、セッテは唇の端を吊り上げる。

「いいえ・・・・望むところです」

エリオも負けじと笑みを返す。だが、師匠を真似した不敵な笑みは何だかよくわからない歪なものになってしまい、
すぐに元の真面目な顔つきへと戻した。そして、手にしたストラーダをゆっくりと構える。

「すみません、僕のわがままに付き合ってもらって」

「構わぬ。私も、お前とは決着をつけたいと思っていた。それに、先に戦いたいと言ったのは私だ」

「そうでしたね」

エリオが初めて隔離施設に来た時のことだ。強化ガラスを壊そうと手に力を込めながら、セッテはエリオと戦いたいと言った。
あの時はギンガが乱入して有耶無耶になってしまったが、今日は邪魔する者は誰もいない。気兼ねなく、全力全開の戦いができる。

「戦う前に、1つ良いですか?」

「手早く済ませろ。最近の私は気が短い」

「はい」

ジッとセッテを見つめたまま、エリオは深く深呼吸する。
これから口にする言葉が場違い極まりないことは承知している。だが、この瞬間以外に言える言葉ではないことも事実だ。
だから、せめて照れることのないように、できるだけ心を落ち着かせて言った。力強く、はっきりとした言葉で。
232セッテ −その心の在り処− 第8話C:2008/03/23(日) 23:05:28 ID:OPvldrpB
「もし、僕が勝てたら・・・・・・付き合ってくれませんか?」

「・!」

息を呑んだようにセッテは押し黙る。
当然だ。かつての敵、それもこれから模擬戦を行おうという相手に告白されて、驚かない人間はいないだろう。
馬鹿と罵られてもおかしくない。
それでも、エリオは言わずにはいられなかった。全力を出すということは、自分の思いの全てをぶつけるということだ。
自分の本心を隠したままでは全力全開など出せるわけがなく、相手にも失礼だ。
だからこそ、エリオはこの瞬間に告白しようと決めていた。

「・・・・・・・・・」

沈黙は僅かに数秒だった。
ほんの一瞬、セッテは聖母のように穏やかな表情を浮かべたかと思うと、凛とした眼差しを向けるエリオに向かって愛おしげに微笑みかけた。

「構わぬ」

「え?」

「ただし、そういう生意気な台詞は勝ってから言え」

「・・・・・はい!」

その言葉を最後に、2人の顔から笑顔が消える。
ストラーダを構えるエリオの足下には金色の魔法陣が、ブーメランブレードを構えるセッテの足元には桜色のテンプレートが展開する。
時空管理局古代遺物管理部機動六課ライトニング分隊ガードウィング、エリオ・モンディアル。
戦闘機人ナンバーズbV、セッテ。
どちらも人のエゴによって生まれながらも、異なる生き方を歩んできた2人。
才能と環境に恵まれ、ただひたすらに上を目指し続ける未完成のストライカーと、生まれながらに完成している戦闘機人。
今、2人の運命の第一歩となる戦いが始まろうとしていた。





233セッテ −その心の在り処− 第8話D:2008/03/23(日) 23:09:29 ID:OPvldrpB
エリオを見送ったフェイトは、すぐに体育館の中を見下ろすことができる2階通路へと移動した。
内部と強化ガラスで仕切られたそこには、真剣な面持ちで弟子の行く末を見守るシグナムがフェイトの到着を待っていた。

「すみません、もう始まっちゃいました?」

「ああ、立った今な。エリオはどんな様子だった?」

「凄く落ち着いていました・・・・・その、何だか怖いくらいに」

「自信があるのだろうな。できることなら、砕けてくれねば良いのだが」

今日という日のために、エリオは対セッテ用の訓練を行ってきた。通常訓練や任務とは別に行っているシグナムとの稽古に加え、
セッテと実際に戦ったことのあるフェイトの意見を参考に構築した仮想訓練、徹底した中距離戦対策をエリオは行ってきたのだ。
セッテのブーメランブレードが2本ではなく4本だというのは予想外ではあったが、それすらも今のエリオは脅威と感じていないだろう。

「どう思う?」

「現状では保って10分・・・・・・あるいはクリーンヒットを食らって・・・・・」

「ノックアウトか。それで済めばまだ幸いなのだがな」

心配そうにエリオを見つめる2人。
その時、フェイトがやって来たのとは反対側の方向から、チンク達を引きつれたギンガがやって来た。

「あ、フェイトさん、シグナムニ尉。すみません、この娘たちがどうしても2人の模擬戦が見たいって聞かなくて」

「妹の晴れ舞台のようなものだからな。それに、セッテがご執心なエリオという少年の実力も気になる」

「こんな面白そうなこと、放っておけないっスよ。っていうか、なんであの2人の模擬戦は許可されて、
私とティアナの模擬戦は不許可なんスか!?」

「うるせぇ、ウェンディ! 少し黙ってろ!」

たちまち、通路が賑やかになる。下では互いの意地を賭けた真剣勝負が行なわれているというのに、お気楽なものだ。

「アギト、こいつらはいつもこんな調子なのか?」

「まあな。人生お祭り、能天気を絵に描いたような奴らさ。まあ、戦い以外でこいつらが笑っている姿を見るのは悪くねぇけどよ」

「そうか、それは良かった」

そう言って、シグナムは再び階下へと視線を移す。
始まってからもう4分が経過しようとしている。現状では、僅かにエリオが押しているといった感じだ。
迫りくる4本のブーメランブレードを持ち前の高速機動でかわし、セッテの攻撃の隙を突くように斬撃を繰り出している。
その攻めに間断はなく、シグナム特有の手数にものを言わせた激しい攻撃の雨が忠実に再現されていた。
それに加えて、今のエリオにはフェイト譲りの射撃魔法がある。生成できるスフィアの数が少ない上に単発しか撃つことはできないが、
槍術を使うエリオしか知らないセッテをかく乱させるのには十分な効果を発揮していた。
234セッテ −その心の在り処− 第8話E:2008/03/23(日) 23:11:20 ID:OPvldrpB
「へぇ、あいつやるっスねぇ」

まるで壁を走るかのように場内を駆け回るエリオの動きを見て、ウェンディは感嘆の呟きを漏らす。
どちらかというと自信家に分類される彼女からしても、エリオの動きは目を見張るものがあった。

「さすがはフェイトお嬢様の隠し子っス、あのセッテと互角に渡り合うどころか、むしろ圧倒しているなんて・・・・・・」

「そう見えるか?」

ウェンディの横に立っていたノーヴェが呟く。

「どう思う、チンク姉?」

「うむ。セッテの奴、全力を出しておらぬな。いや、出せずにいると見た方が良いか」

眉間に皺を寄せながら、チンクはぶつくさと呟く。
エリオの動きは確かに素晴らしい。バリアブレイク機能を持つブーメランブレードは魔導師や騎士にとっては正に天敵といえる武器であり、
防御魔法で受け止めることはできない。かといって、エリオの細腕ではその質量を受け止めきることはできないだろう。
だからこそ、彼はその鋭敏な感覚を駆使してブーメランブレードの動きを読み、回避することに専念している。
それでいながら体育館中を駆け回り、四方八方からセッテに斬りかかっているのだから、さすがとしか言いようがなかった。
対するセッテは得意の中距離戦に持ち込もうとエリオを牽制しているのだが、エリオの高速機動と射撃にかく乱されて本調子を出せずにいるようだ。
焦っているのがここからでも見てとれる。

「悲しそう」

「え?」

不意を突くようなルーテシアの言葉に、その場にいた誰もが彼女に注目した。

「お嬢様、悲しそうというのは?」

「セッテ・・・・悲しそう・・・・・」

ルーテシアはそれ以上言おうとしなかった。触れてはいけないような雰囲気に誰もルーテシアを問い質そうとはせず、
黙って階下の戦いに視線を戻す。だが、ルーテシアの一言が効いているのか、その場にいた全員が無意識にセッテの動きに注目するようになっていた。
そして、誰もがセッテの変化に気づいた。

「あ!?」

「・・・・」

「セッテ・・・・・泣いているっス」

(セッテ姉・・・・)





235名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 23:13:06 ID:YEpW2AyB
しえんだしえん!1
236セッテ −その心の在り処− 第8話F:2008/03/23(日) 23:13:45 ID:OPvldrpB
繰り出された一撃をプロテクターで受け止め、手元に戻って来たブーメランブレードを薙ぐ。
驚異的な反射神経でそれを察知したエリオはすぐに後退し、追撃をかけようとするセッテの進路上にフォトンスフィアを形成した。

「フォトンランサー、ファイア!」

「くっ!」

放たれた雷の槍がセッテの体を直撃する。
防護服に施した対電撃コートのおかげでダメージはなかったが、何故かセッテは胸が締め付けられるような痛みを覚えた。

「はぁぁぁっ!!」

「戻れ!」

浮遊させていたブーメランブレードを手元に転送し、2本の刃でストラーダを受け止める。
金属同士の鍔迫り合いに火花が散り、衝撃が大気を震わせた。
怪力のセッテ相手に鍔迫り合いを挑むのは無謀としか言いようがなかった。男とはいえエリオの腕力は彼女に遠く及ばず、
その上残る2本のブーメランブレードが背後からエリオの無防備な背中を狙っている。
見守る誰もが背中から串刺しにされるエリオの無残な姿を想像した。
瞬間、エリオの首筋をギリギリかすめながらフォトンランサーが飛来し、セッテの胸を撃ち抜いた。

「ぐぅっ!」

「でやぁぁぁっ!!」

バランスが崩れたところを大振りの一撃が襲い、セッテは大きく後退する。痛みで集中が乱れてしまい、
エリオの背後で浮遊していたブーメランブレードが回転を止めて床の上に落下した。
セッテは即座に態勢を立て直そうと意識を集中するが、それよりもエリオの方が早い。

「一閃っ、必中!」

魔力の渦が巻き起こり、神速の踏み込みと共にメッサー・アングリフが叩き込まれる。
本来は補助魔法による支援を受けて初めて完成する大技を、エリオは半年間の訓練を経て自力で生成できるようになっていた。
咄嗟にセッテはバリアを展開し、衝撃を受け止める。
自身を囮にして射撃魔法を当て、仰け反ったところを更に一撃を入れて隙を作り、大技発動までの時間を稼ぐ。
一歩間違えれば自分にもダメージがいきかねない無茶な戦法であり、同時に技術と自信に裏打ちされた玄人の戦い方と言えた。
それは、この半年間の間にエリオが積んできた訓練の過酷さを物語っていた。
237セッテ −その心の在り処− 第8話G:2008/03/23(日) 23:16:14 ID:OPvldrpB
(強い。技もスピードも、前より段違いだ。エリオ・モンディアルは確かに強くなった・・・・・・・なら、何故私はこんなにも苦しいのだ!?)

迸る魔力と衝撃に耐えながら、セッテは苦悩する。
自分はこの戦いを楽しみにしていた。
自分にも心があることをエリオに証明する。そのためには非情な戦闘機人に戻り、彼を打ち負かす必要があった。
命令されるだけの機械にも意地と誇りがあり、それこそが自分の心の形だと声高に宣言したかった。
なのに、今のセッテの心を蝕むのは形容しがたい苦しさだった。
打ち合う度に違和感が増していく。ぶつかり合う度に苦しさが増していく。
目の前で槍を振るうこの男は、本当にエリオ・モンディアルなのか?
自分を打ち負かそうと知略を張り巡らせ、戦術を駆使するこの男は、本当にエリオ・モンディアルなのか?
待ち望んだ戦いの場で、セッテは再び自分が間違いであったと否定されたような気持ちを味わっていた。

(違う・・・・・エリオは、こんな男じゃない・・・・・・)

後退したエリオが再び射撃魔法で牽制してくる。対電撃コートに閃光が走り、電流は自身に到達する前に消失する。
だが、衝撃までは殺しきれないため、セッテの体が僅かに揺らいだ。その一瞬の隙を突いて、エリオは打突を放つ。

「はぁっ!!」

「っ!!」

受け止めた一撃は余りに軽かった。
鋭く速い槍の一撃からは、信念が欠片も感じられない。ただ強いだけの一撃は、薄っぺらい紙のように軽かった。

(こんなのは・・・・エリオじゃない!!)

エリオ・モンディアルはもっと熱い男だった。
エリオ・モンディアルはもっと優しい男だった。
エリオ・モンディアルはもっと大きい男だった。
エリオ・モンディアルはもっと強い男だった。
こんな、しみったれた力を振るう雑魚ではなかった。
もっと雄々しく気高い男だった。彼のことを思うと胸が張り裂けそうなくらい苦しくなった。
一時でも側にいてくれないと気が狂いそうになるくらい惚れ込んでいた。
側にいてくれないことを恨んで、殺してしまいたくなるくらい好きだった。
自分が心の底から殺したいと願い続けたエリオは、目の前のエリオではない。
238名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 23:18:17 ID:YEpW2AyB
しえん
(´-`).。oO(セッテはわがままだなあ)
239セッテ −その心の在り処− 第8話H:2008/03/23(日) 23:19:12 ID:OPvldrpB
「何故だぁっ、エリオ・モンディアル!!」

セッテの振るった一撃がエリオを吹き飛ばす。ISも使っていない、鈍重なだけの一撃。
ラボで戦った時のエリオならば容易く回避できたはずの一撃を、エリオは避け切ることができなかった。

「セッテさん・・・・・」

「黙れ! 汚らわしい口で私の名を呼ぶな!」

まるで悪鬼のような形相を浮かべ、セッテは叫ぶ。
名前なんかに愛着を抱いたことはなかったが、それでも目の前の男がその名を口にすると虫唾が走った。

「何故だ・・・・・・お前は、そんな男ではなかった・・・・・あの気高く強かったお前はどこにいった
・・・・・お前の強さは、絆の力はどこにいったんだ!!」

理に適った動き、戦術を広げる射撃魔法、徹底した中距離戦対策。確かにエリオは力を手に入れた。自分を打ち倒すための力を手に入れた。
だが、強さはどこにいった?
みんなを守るという信念はどこにいった?

「今のお前は・・・・・エリオじゃない・・・・私の愛した、エリオじゃない・・・・・・・」

「僕は、あなたに勝ちたくて・・・・・・」

「勝ちたくて? 勝ちたくて強くなったのか? 私に勝ちたくて力を得たのか? 私に・・・・私如きのために・・・・・私のせいでお前は強さを失ったのか・・・・・・・・」

セッテの頬を一筋の涙が伝う。思い焦がれ続けた者に裏切られた者だけが流すことのできる、悲しい涙だった。
それを見て、エリオは彼女の言葉の意味をようやく理解することができた。
自分が致命的な間違いを犯していたことを理解できた。

「僕は・・・・間違えて・・・・・」

強くなるという思いに囚われて、戦う意味を見失っていた。
セッテに認めてもらうという思いばかりが先に立って、その力の本質を見誤っていた。
何よりも、目の前にいるセッテを見ようともしていなかった。
あれだけ好きだと言っておきながら、何度も何度も面会して、言葉を交わしたにも関わらず、自分はセッテを見ようとしなかった。
エリオが思い焦がれ続けてきたのは、瞼に焼きついたセッテの美貌だった。
半年前に自分を一撃の下に暗い海へと叩き落としたセッテの強さだった。
その幻想を追いかける余り、エリオは今、目の前にいる女性を見ようともしていなかった。
あなたのことをよく知りたいと言っておきながら、その目は彼女を見ようとしていなかった。
240セッテ −その心の在り処− 第8話I:2008/03/23(日) 23:21:29 ID:OPvldrpB
「お前は・・・・弱くなったよ」

絞り出すようなか細い声で、セッテは言う。
ラボで戦った時、エリオは確かに言った。自分が戦うのは誰かを守るためで、自分が戦えるのはその人たちを守りたいからだと。
傷ついても立ち上がれるのは、その人への思いが自分に力をくれるからだと。
なのに、今のエリオからはその信念が感じられない。まだ感情を理解できていなかったセッテですら感じることができた
温かい絆の力を、今のエリオからは感じることができない。
原因は自分だ。
自分という強者がいたせいで、エリオは目的を見誤ったのだ。
誰かを守るという志を忘れ、自分を打ち負かすためだけに戦技を磨いたのだ。
ナンバーズbVセッテがエリオ・モンディアルを狂わせてしまったのだ。
あの眩しくも微笑ましい強さを泥で汚してしまったのだ。

「私の・・・・せいか・・・・・」

手にしていたブーメランブレードを手放し、空手の右手を掲げる。
その先には、模擬戦の行く末を見守っているフェイトたちの姿があった。

「セッテさん!?」

「頼む・・・・・・これ以上、私のエリオを奪わないでくれ・・・・・・」

手の平に桜色のテンプレートが展開される。
取り戻すにはこれしかない。エリオをあの気高い槍騎士に戻すためにはこうするしかない。
例えそのために何人を犠牲にすることになろうと、構わないと思った。
それでも、僅かに胸中を過ぎる苦しさがあった。

(そうか・・・・・これが、悲しいというのか)

視界の端に姉妹たちの姿が映る。
自分のわがままのために姉妹を殺そうとしている。
そんなことをする自分が悲しいのか、姉妹と別れることが悲しいのか、そこまではセッテにはわからない。
だが、今の自分は確かに悲しんでいた。そして、自分が愛したエリオが幻想の産物に成り果てたこともまた悲しかった。

「ごめん」

「セッテさん!?」

直後、セッテの手の平から桜色の光が奔流となって迸った。

                                                to be continued
241B・A:2008/03/23(日) 23:23:55 ID:OPvldrpB
以上です。
小説版無印のように奇麗な戦いにする気は毛頭からございませんでした。
よくある幻想が現実に打ち砕かれる奴です。清純そうだと思っていた娘が下ネタ全開トークをした時の幻滅とか。
一方のエリオは自分の目に焼きついた幻想に恋していて、それを追いかける余り初志を忘れてしまったのです。
初志とはつまり、散々セッテが口にしていた“絆”、即ちみんなを守りたいという思いのことですが。
次回は恐らく決着編になると思います。
支援ありがとうございます。遅くなってすみませんでした。
242名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 23:43:52 ID:zgN29uV8
>>241
GJ!!
すれ違ってるな、この二人www
だが、桃色の未来は約束されている。どうしめるのか期待です。
243名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 23:47:47 ID:R2323REW
wikiの更新を待ち望む男 俺
244名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 00:06:20 ID:3GFOOwLA
>>241
GJ!あぁ、決着の形がどうなるのか、wktkが止まらない
今から全裸で待ってます

そう言えば、保管庫の人最近来ないな
245名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 00:19:14 ID:JEf5QBcw
>>241
GJ!!
恋愛なんて理想の押し付け合いだ〜、と言ってしまえばそれまでですが、
お互いの真意を汲めずにすれ違ってしまうのは悲しいことですね。
次回の決着、楽しみに待ってます!

246名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 00:50:25 ID:lO/zBS9S
>>241
GJ
この展開からどうやって5年後の甘甘(?)になるのか楽しみ。
247( ゚Д゚) :2008/03/24(月) 00:57:21 ID:lXgP50Du
>>241
GJっス!
なんかすれ違ってますねぇ、セッテ、どうしてそこでエリオの意図に気付かない?
続きを全裸で待機したいかと思います。

投下してもよろしいでしょうか?
248名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 01:01:42 ID:3L3Px5Mz
>>247
はい。
249( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2008/03/24(月) 01:03:44 ID:lXgP50Du
注意事項
・非エロ。
・すンばらしく捏造要注意。
・オリキャラ注意。準オリキャラ注意。
・レジアス中将はモブか悪役だと思っている方は読まないほうが吉です。
・スバルファンは要注意。 そろそろティアナファンも要注意。
・あぼーんキーワードは「熱き彗星の魔導師たち」
250熱き彗星の魔導師たち 12-01/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/24(月) 01:04:36 ID:lXgP50Du
「居残りさせて悪いわね、ウェンディ」
「いや、かまわないっス」
 少し申し訳なさそうに言うアリサに、ウェンディはしかし、彼女にしては珍しく、強い
表現を伴わない、真顔で、そう答えた。
 機動6課隊舎。2人は、小会議室へと入る。
 室内には、はやてとリインフォース、シグナムとヴィータ、ユーノ、フェイトとなのは、
それにグリフィスがいた。
「緊張せん、言うのは無理やろな。ま、かけてくれ」
 はやては、言い、ウェンディに椅子に座るよう、促した。
 ウェンディは、ガチガチと固くなるのとは別の緊張を伴いながら、椅子に腰掛けた。
「グリフィス、始めてくれ」
「はい」
 はやてが言うと、グリフィスは手元の光学キーボードを操作した。

熱き彗星の魔導師たち〜Lyrical Violence + StrikerS〜
 PHASE-12:Knife edge

 正面、置かれているホワイトボードの前に、大型の非実体ディスプレィが現れる。
「今回確認された、不明の戦闘機人です」
 ディスプレィに、目元を目出し穴もない、重厚な金属性のアイマスクで覆った、ブラウ
ンのロングヘアを持つ、少女の姿が、映し出される。
「出現数は2体。いずれも魔法出力はB+程度ですが、防御力に関しては、AAランカーを上
回ると推測されます」
 グリフィスが、映像に説明を加える。
「しかし、一番の特徴は、今までのスカリエッティ製戦闘機人は、いずれも固体間に何ら
かの差異が見られましたが、今回の4体には、それがありません」
「っちゅーことや。何か解ることがあったら聞かせてもらいたいねんけど、言いたくなけ
れば無理にとは言わん」
 はやては、険しい表情をしつつも、ウェンディに、そう言った。
「別に、そんな事はないっス」
 ウェンディもまた、険しい表情で、言う。
「元々、“ナンバーズ”は、人工的に作成された胚から培養されたグループと、既存の魔
導師の遺伝子を調整したクローン胚から培養されたグループがいるっス」
 ウェンディの説明に、フェイトが表情に蔭を落として視線を逸らした。すると、すっ、
と、アリサとなのはが、その両隣に、移動する。
「こいつらは多分、あたしと同じオリジナル胚組の、ディードの遺伝子から、クローン胚
を製作したモノっス。ディードは“ナンバーズ”の集大成的な存在っスから」
 ウェンディは言ってから、視線をはやてに向けた。
「でも、ウェンディ」
 アリサが切り出す。
251熱き彗星の魔導師たち 12-02/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/24(月) 01:05:00 ID:lXgP50Du
「こいつらの能力ってさ……ディードも、ウェンディと同じ能力を持たされる予定だった
の?」
「それは多分、違う理由っス」
 アリサの問いに、ウェンディは、視線をそちらに移した。
「こいつらの装備しているのは、間違いなく、あたしの固有装備と同じ、『ライディング
ボード』っス。ディードは、4年前の段階で未完成だったっス。稼動データが取れていな
いから、多分、1コ前のあたしの能力に換装したんっス」
 ウェンディは、手振りを交えながら、そう、説明した。
「しかし、それは不自然じゃありませんか?」
 そう言ったのは、リインフォースだった。全員の視線が、彼女に集まる。
「へ?」
 ウェンディはキョトン、として、間の抜けた声を出してしまった。
「その汎用性から言うなら、4年前にバニングスが接触したNo.3トーレ、或いは同様に今
回接触したNo.7セッテの方がそれに適していますし、データもより高度なものが活用でき
るでしょう」
「いやっ、ま、確かに、それはそう、っスけど」
 リインフォースに言われ、ウェンディは言葉を詰まらせてしまう。
「せやな……ウェンディの能力をコピーしたんは、他に理由があるんちゃうやろか?」
 はやては、顎を手で抱える仕種をしつつ、そう言った。
「…………」
 しかし、そこから先は、推測も難しく、一同、沈黙してしまう。
『オーリス、取れるかな?』
 ただ1人。
『ユーノ? なんでしょう』
 ユーノは、地上本部のオーリスを、念話で呼び出した。
252熱き彗星の魔導師たち 12-03/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/24(月) 01:05:27 ID:lXgP50Du

「はぁぁぁっ」
 ガィンッ、ドガッ
 夜。管理局保有廃棄区画、機動6課割り当て分。
 既に常勤待機時間は過ぎている。
「もう一撃、マッハキャリバー!」
『Yes, Revolver knuckle Load Cartridge』
 ドンッ
 スバルがリボルバーナックルのカートリッジを撃発させる。ギアータービンが回転し、
魔力光の竜巻を腕に纏う。
 ドガァッ!!
 A.M.F.の干渉を強引に突っ切り、ガジェット・トルーパーのモノアイに叩きつける。
 ガジェットは、今回“II型”と呼称が定義された、今まで“新型”と呼ばれていたタイ
プだ。
 モノアイが砕ける。ガジェットは標的を探そうとしているのか、モノアイの割れた首を
左右に揺する。
『Break slash』
 バキッ
 マッハキャリバーの左側ブレード、前部ストラットに斬撃魔力を帯びさせ、ガジェット
を蹴り上げた。
 ガジェットは、首の関節から、ボンッ、と煙を吹き出し、擱座した。
「次ぎっ」
『Revolver knuckle Load Cartridge』
 ドンッ
 スバルは、振り向きざまに拳をそちらへ振りかぶる。もう1発、リボルバーナックルが、
カートリッジを撃発させた。
『Knuckle bunker』
 魔力光が絡んだ衝撃波が、リボルバーナックルから放たれる。
 シュルルルルルッ
 A.M.F.の干渉により、スバルの放った衝撃波が、推進するエネルギーを失って、拡散し
てしまう。
「だぁぁぁぁぁっ!!」
 スバルは、構わず、そのままガジェットに向かって拳を振り上げる。
 ヒュン
「えっ!?」
 スバルは驚愕に目を円くし、バランスを崩しかけた。 その拳が届くかどうか、という
ところで、突然、ガジェットが消失したのである。
 前のめりに転びかけたのを、堪え、走りながら体勢を整える。
「ずいぶん無茶してるじゃない」
「!」
 背後からかけられた声に、スバルは驚いたように振り返る。
「ティア」
253熱き彗星の魔導師たち 12-04/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/24(月) 01:05:53 ID:lXgP50Du
 スバルの声の通り、ティアナが訓練区画に入り込んできていた。
「邪魔しに来たの?」
 一瞬、歓喜に目を輝かせかけたスバルだったが、すぐにそっぽを向いて、不機嫌そうな
声を出す。
「そう言うつもりじゃなかったんだけど、ただ、私も訓練場使おうと思って来たら、あん
たが先に居ただけ」
 ティアナは苦笑気味に言うが、スバルはまだ、視線を合わさずに、不機嫌そうに言う。
「ふーん。でもそっちの相方は、飛行もできるしあたしより優秀でしょ」
 スバルのその言葉に、ティアナは自分もむっとしたように表情を歪ませる。
「そう言うアンタだって、彼女のあの火力があれば、出番ないんじゃないの? クロース
レンジでもアンタより早いしさ」
 ティアナが言い返すと、スバルは言葉につまり、眉を歪ませる。
「ぐ…………」
 スバルが黙ると、ティアナは、ふぅ、と、ため息をついた。そして、不機嫌そうな表情
を解いて、苦笑気味に微笑む。
「どうやら、悩みは同じみたいね」
「ん……うん」
 スバルはようやく顔を上げ、ティアナを見た。
「正直、私、この先どうしたら良いかわからなくなり始めてるの」
「……ティアが?」
 マッハキャリバーをゆっくり駆動させ、スバルはティアナに近づき、その苦笑した表情
を覗き込む。それは憂い気なものだった。
「アリサさんに対する憧れは失ったわけじゃないんだけど、実際その下についてみて、ね」
 そう言って、ティアナはスバルの方を見た。
「正直言うと、私はアンタと離れて、一皮剥けるんだって考えてた」
「あ、やっぱり」
 多少は推測したのか、スバルはへへへ、と苦笑して、そう言った。
「でも実際に配備されてみたら、ずっと強い人間とペアを組まされて、私はなんか、ずっ
と踊ってる感じ」
「そんな、ティアは……」
 ティアナの言葉に、スバルはそれを遮って反論しようとするが、ティアナは苦笑したま
ま首を横に振った。
「ホテルの戦闘だって、戦闘機人はゲイズ一士が引き付けてて、私はガジェットの相手で
やっと」
 そこまで言って、ティアナは一旦、ふぅ、と、ため息をつく。
「それに、ゲイズ一士自身……もね」
 スカリエッティの戦闘機人密造事件、ティアナの兄ティーダが逐電した件である。そし
て、ウェンディはその時、密造されていた1体だった。
「あ……うん」
 ティアナの言葉を聞いて、スバルも一旦、視線を俯かせる。
「それにね、それだけじゃないのよ」
 ティアナはそう言って、膝の上に、それを取り出した。
254熱き彗星の魔導師たち 12-05/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/24(月) 01:06:23 ID:lXgP50Du
 それは、ティアナが6課配属前から使用していた、ハンドガン型の簡易デバイス。
「えっと、ティア?」
 スバルは、いくらかキョトン、として、ハンドガンとティアナを交互に見る。
「別に、フルスペックのインテリジェントデバイスが欲しいって訳じゃないけど、アリサ
さん、私がハンドガン型の使い手だって知ってたはずなのよ。でも、実際に渡されたクロ
スミラージュは、あれでしょ?」
 ティアナは言う。どうやら、今、クロスミラージュを身に帯びていないようだ。
「現代ベルカ用の、量産型ストレージのフレームをベースにした簡易インテリジェント、
だね」
 スバルが、確認するように言うと、ティアナは、深く頷いた。
「何か意味があるんだろうと思ってたんだけど、結局、なにも。確かに増幅回路と管制人
格のおかげで、術式の構築自体はだいぶ楽だけど、なんだか、思うように使えないの」
 ティアナは、自嘲気味にそう言って、また、ため息をついた。
 スバルも、一度ティアナと一緒に視線を下げてから、顔を上げる。
「ティア、だったら、見返してやろうよ」
 スバルはティアナにそう言った。
 ティアナが顔を上げると、スバルは真剣そのものの表情で、ティアナを見つめている。
「別に、見返すとか、そう言うつもりはないんだけど……」
 少し当惑したように、ティアナは語尾を濁らせる。
「でも、ティアがまだ、そこまで強くないって思われてるから……あたしも同じ、あたし
が何かしようとしても、マギーが先に出てる」
「スバル……」
 ティアナはまだ、困惑気な顔をしている。
「あたしだったらティアの事、良くわかってあげられる。逆に、あたしもティアが相手な
ら、安心できる。2人で、強くなれば良い」
「うん……そうね、スバル」
 ティアナはそう言って、ようやく顔から憂い気の様子を払った。
「それじゃあ、早速、明日から」
 スバルが立ち上がって、両腕に力を入れるようなポーズをとる。
 だが、ティアナもそれについて立ち上がるが、そのまま首を振った。
「今からよ」
「!」
 ティアナの言葉に、スバルは一瞬だけ驚いたが、すぐに笑顔に戻る。
「まだ睡眠時間確保するぐらいは、時間あるでしょ?」
「うん!」
 ティアナの言葉に、スバルは元気良く答えた。

「あたしってそんなに信用ないっスかねぇ……」
 高層ビルの高さ程度の高度、廃墟化したその群れをバックに、ウェンディはフローター
ボードに横に腰掛け、飛んでいた。
 どこかやぐされたような表情で、両手で頬杖をついている。
『I think that it’s not your cause』
 アンダウンテッドアイアスは、貴方のせいではないと言う。
「わかってるんスよ、それは。わかってるつもり何スけどねぇ……」
255熱き彗星の魔導師たち 12-06/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/24(月) 01:07:08 ID:lXgP50Du

 ヴァアァァァァァァ……
 フィアット“NOUVA”500改、“チンク・エント・チンク”が、クラナガン首都高速を
走り抜ける。
 その正面の方向に、時空管理局陸士総隊・ミッドチルダ地上本部の巨頭がそびえたって
いる。
『中央の地面の司法のビルは簡単に燃えて落下して』
 右ハンドル仕様のステアリングを握り、アリサはレンの翻訳文の一部を、脳内にリフレ
インさせていた。
「アリサ?」
 助手席に座っていたユーノは、アリサが険しい表情をしていることに気がつくと、声を
かけた。
「え? あ、ごめん。何?」
 アリサははっと、我に返ると、隣に座るユーノに訊き返した。
「別に。ただ、アリサが怖い顔してたから……ごめん、運転の邪魔しちゃって」
「ああ、良いわよ。あたしもちょっと考え事してたし」
 アリサは、ふっと口元で微笑んで見せてから、顔を正面に戻す。
「にしても、オットーの奴なんだってわざわざ、直接取りに来いーなんて言ったのかしら」
 アリサが、頭の中の思考を解すかのように、そんな事を口に出す。
「データ転送だと、どっかで漏れる危険があるからね」
 ユーノは苦笑しながら、そう答えた。
「ふむ……」
 アリサは、短く納得したような声を上げるが、すぐに、
「そんな大事なデータなの?」
 と、ユーノに問い質した。
「うん、あ……今の段階では、かも知れない、って程度なんだけど」
 ユーノは、しかし、真剣な表情で、そう言った。
「それに、地上本部の方にも、直接顔を出しておいた方がいいし」
「特に進展ないけどね。とゆーか、悪化してる?」
 ユーノの言葉に、しかしアリサは、不機嫌そうな表情になり、目で前を見たまま、ため
息をついた。
「もぅ、ジュエルシードや闇の書の時も、そうじゃなかったとは言えないけど、今回はわ
っかんないことが多すぎて、鬱憤溜まるわ〜」
「まぁ、今しばらくはガジェットや、量産型戦闘機人相手に吐き出しててよ」
 困ったように苦笑しながら、ユーノは宥めるような口調で、冗談交じりに言った。
「今ちょっと発散して良い?」
 アリサは、ギギッ、と、ユーノの方を見ると、そう訊ねる。
「止めないよ」
 苦笑したまま、ユーノは言うと、自分の身体を、どすっ、と、シートに収めなおした。
「うっしゃあ、目標、そこの赤のアフト513」
256熱き彗星の魔導師たち 12-07/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/24(月) 01:07:53 ID:lXgP50Du
 アリサが左手で指差したのは、フェイトが乗っているものと同じ型のコンパーティブル
の、色違いの車だった。
 クラッチを踏み、OD(オーバードライブ)レバーを抜いて5速から4速に落とす。
 『LAMCO』のメーカー名が入ったタコメーターの針が4500rpm付近を指し、LJ50エンジン
が咆哮をあげる。小さく『VEGLIA』と刻まれたスピードメーターが120km/hを振り切る。
 直噴式が殆どのミッドチルダの自動車とは異なる音を振りまきながら、チンク・エント・
チンクは、他車の流れを縫っていった。
257熱き彗星の魔導師たち 12-08/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/24(月) 01:08:26 ID:lXgP50Du

 時空管理局陸士総隊・ミッドチルダ地上本部、医療センター。
「有事管理センターのオットー・レックス准尉だ」
 オットーは、医療センターの受付に向かって、身分証を見せながら、言う。
「依頼しておいたデータ、本日までに纏まっている筈だが、問い合わせてみてくれ」
「畏まりました」
 受付に居た女性は、そう言って、非実体コンソールの、光学キーボードを叩く。
「タッカーさん」
 別の受付係が、声を上げる。
「トェリー・タッカーさん」
「!」
 その名前を聞いて、オットーは一瞬、身を硬直させた。
「はい」
 朗らかな声がそう応え、受付に向かって、歩いてくる。
 深い赤の、セミロングスカートのツーピースを着た女性。年恰好はオットーと同じぐら
いだから、少女と呼んで差し支えないだろう。ブラウンの髪をストレートに、腰の辺りま
で長く伸ばしている。
 受付係と言葉を交わしている。その表情は、穏やかなものだった。
 ────これで、良かったんだ。
「オットー准尉、ですよね?」
「っ!?」
 突然、声をかけられて、オットーは彼女にしては珍しく、飛び上がりそうになるほど驚
いた。
「ろ、ロウラン三尉……」
 声の主を振り返り、オットーはクールを装いつつも、そこに見知った顔を確認して、内
心で胸を撫で下ろす。
「どうかしましたか? あっ、驚かせてしまいましたか?」
 ロウラン三尉──グリフィスは、訊ね、はっと気がついて、困惑気にオットーに訊ねる。
「いや、なんでもない」
 オットーはそう言ってから、
「アリサに頼まれたの? 本人かユーノ……二尉が来ることになっていたはずだけど」
 と、グリフィスに訊ねた。
「そうだったんですか? 僕はただ、丁度通りかかっただけなんですけど」
 グリフィスは、一瞬キョトン、としてから、微笑んで、そう言った、
「そうなんだ。そうだね、機動6課の参謀役だし」
 オットーは無表情──の中に、口元で微かに笑った。
「レックス准尉」
 そこへ、さらにオットーに背後から、別の男性の声がかけられる。
 オットーが振り返り、グリフィスもその声の主に視線を向けた。
258熱き彗星の魔導師たち 12-09/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/24(月) 01:08:55 ID:lXgP50Du
「アコース査察官」
 オットーがその名を呼んだ。
 グリフィスは、アコースと呼ばれた男を、値踏みするように見る。
 線の細い美形だが決して女顔ではなく、長身で痩躯だが決して華奢ではなく。男性にし
てはかなり長いストレートの長髪は、レンに似た緑色だった。
「ああ、紹介しよう」
 オットーは、グリフィスを振り返り、そう言って、手で男性を示した。
「ヴェロッサ・アコース査察官。機動6課の創設に関わった、グラシア少将の義弟だそう
だよ」
 グリフィスにそう言ってから、今度はヴェロッサに顔を向ける。
「グリフィス・ロウラン三尉。機動6課部隊長の副官。レティ提督の息子さんだ」
「その節は、お世話になっております」
 グリフィスはそう言って、頭を下げた。
「こちらこそ」
 ヴェロッサは笑顔で、会釈を返した。
「それからレックス准尉、お待たせしました」
「お待たせ?」
 オットーは、ヴェロッサの言葉に、そのまま訊き返す。
「はい、依頼なさっていたでしょう、医療センターのアクセス記録」
「ええ、そうですけど?」
 ヴェロッサは言うが、オットーはまだ納得が行かないと言うように、訊き返す。
「なにぶんデータの精査に時間がかかってしまいまして」
「待ってください」
 微笑みながら言うヴェロッサに、オットーは僅かに顔をしかめる。
「本局査察官の貴方が、ですか?」
「ええ、本局査察部としても、機動6課の活動に一役立てればと思いまして」
 そう言って、ヴェロッサはウィンクして見せた。
 グリフィスはそれを見て、気障ったらしいと思った。コイツは絶対に、女たらしだ、と。
「…………そうか、それはありがとう」
 僅かに沈黙をおいて、オットーは答え、礼を言う。
「ログデータはこちらのディスクの中に」
「解った」
 ヴェロッサの差し出した高密度データディスクを、オットーは受け取る。
 表情は、彼女が普段からとる、少年のような無表情に戻っていた。
259熱き彗星の魔導師たち 12-10/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/24(月) 01:09:30 ID:lXgP50Du

「これは陸士総隊にも言えることだが」
 治安・防衛長官執務室。
 アリサとユーノが、応接用のスペースに置かれたソファに腰掛けている。
「今の管理局に、自浄作用は期待できんよ」
 2人には背を向け、窓からクラナガンの町並みを見下ろしたまま、レジアスは重い口調
でそう言った。
「査察部が巡航警備部とずぶずぶだ。これでは、正しい査察など行えるはずがない。泥棒
に役人の身分証を与えるのと同じだ」
「耳が痛いわねー」
 アリサは、わざわざ両の耳たぶを手で抑える仕種をして、言う。
「あたし達の世界でも、よくあることよ、それ」
「問題なのは、我々の行使しうる力だよ」
 レジアスは言い、ゆっくりと2人に近づいてくる。
「もしかしたら、今回の事件、完全には解決しない方が将来の為かも知れんと、考えるこ
とが度々ある」
「本気で言ってるんだったら、あたし降りるわよ」
 レジアスの言葉に、アリサは目上の人間だと言うのに、所謂ドスを効かせた低い声で、
そう言った。
「そう言う面もあると言うことだ。儂はスカリエッティを許すつもりはない。だが……」
 レジアスははっきりと言いつつも、ため息混じりに、2人と向かい合わせになる席に腰
をかけた。
「何かこう、先が見えないのだ、今回の事件、終わった後に何がある、と」
 そう言うレジアスの表情には、いつもの力強さがない。
「それは…………僕も、そう感じます」
 ユーノは、低い声で、そう言った。
 ジュエルシード事件は、発端は偶発的な事故。最終的にも、プレシアの個人レベルを超
えない犯罪だった。
 “最後の”闇の書事件もまた、在り方を狂わされたひとつの魔導器と、それに惑わされ
た周囲の人間の間での出来事だった。
「ううん、ひょっとしたら、これが『闇の書』の、“本当の闇”なのかも知れない」
「えっ!?」
 呟く声に、ユーノが驚いたような声を出す。
「え? あ、ううん。なんでもないの、ごめん忘れて」
 アリサは、ユーノの声にはっと我に返って、口元を覆いながら、決まり悪そうに苦笑し
た。
 レジアスは、ただ渋い顔をしていたが、ふと、視線を上げていた。
260熱き彗星の魔導師たち 12-11/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/24(月) 01:10:01 ID:lXgP50Du

「はいこれ」
「おおきに」
 時空管理局本局。居住区レストラン。
「言っとくけど、見て後悔しても、あたしは責任取れないからね」
 高密度データディスクを手渡したアリシアは、どこか苛立ったようにそう言って、ソー
ダ水のストローを吸う。
「ええよ、覚悟はできとる」
 受け取ったレンは、苦笑混じりに、そう言った。
「アリシアちゃんこそええんか? 部外秘やろこれ、責任問題になるんとちゃう?」
 渋く苦笑して、レンは訊き返す。
「別に、いいんじゃない? 当事者の1人“だった”んだしさ」
 フェイトとほぼ同じ容姿ながら、達観したように醒めた様子で、アリシアは、手振りを
加えながら、そう言った。
「さよか。ま、アリシアちゃんの立場が悪なるようなことには、せぇへんよ」
 レンは、苦笑しながら、そう言った。
261熱き彗星の魔導師たち 12-12/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/24(月) 01:10:31 ID:lXgP50Du

「ふあー、すっかり陽も暮れちゃったわねー」
 機動6課隊舎。
 フェイトの黒い『アフト Model513』の横に、チンク・エント・チンクを駐車させたア
リサは、運転席から降りると、そう言って、両腕を振り上げて、身体を伸ばした。
「出動がなくてよかったよ」
 ユーノは、助手席から降りて、そのドアを閉めつつ、そう言った。
「午後の訓練、シグナムに任せちゃったけど、大丈夫かしら?」
「メニューは作っていったんでしょ?」
 そんな事を話しながら、フォワード小隊オフィスルームに向かう。
 ドアを開けて中に入ると、そこは、殆どのメンバーが席を外していた。
 24時待機とは言え、常勤の拘束時間が過ぎれば、基本的には敷地内にいれば(そして行
動不能状態につながるようなことをしていなければ)、自由ではある。
「あらマギー、アンタだけ残ってたの?」
 元々旧知の仲であるマギーに、アリサはそう、声をかけた。
「ご挨拶ね、アリサ」
 机に展開していた非実体コンソールを畳みつつ、マギーはそう言って、アリサに視線を
向けた。
「アリサ、気がついてる?」
「え?」
 マギーの質問に、アリサはその意図が理解できず、一瞬キョトン、としてしまう。だが、
すぐに気がつき、
「あー、あれね」
 と、苦笑混じりに、言った。
「良いんじゃない? 制限するつもりはないわよ」
 アリサは指して気に止めた様子もなく、自分の執務机に向かい、OAチェアに腰掛けた。
「だと良いけど」
 マギーは、両腕で頬杖をついて、軽くため息をついた。
262熱き彗星の魔導師たち 12-13/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/24(月) 01:14:30 ID:lXgP50Du
>>250-261
今回は以上です。

あれー、今回で原作8話分押し込めるはずだったのに。
上手く午前の訓練につなげられなくて、
気がついたらグリフィスがヴェロッサにバリバリ敵愾心燃やしてましたよ?


 (´Д`;)、  スミマセンスミマセンチャントシュウシュウツケマスカラ。
   ノノZ乙

蟻地獄書こうかとも思ったんですが、
アレ続き書くと単なるユノキャロイチャイチャ・ところにより魔王様にしかならんのですよ。
それでも読みたい方はおられますか?
263名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 01:27:32 ID:Sok7fm9J
>>262
まあロッサがたらしなのは基本ですし。十分アリなような
イチャイチャ>それはそれでちょっと見てみたいと思う自分が

ところで2時くらいから投下してよかでしょうか?
264名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 01:39:41 ID:FoQym6aW
どーぞっス。
・・・休日は流れが早いなあ。
265名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 01:54:30 ID:ZtcxVPV0
さあさあ、旦那さん、早く投下しておくんなましよぉ〜
266ナンバーズ・ユーノ編0:2008/03/24(月) 02:02:58 ID:Sok7fm9J
んでは投下させていただきます
・注意
前スレで言っていたソープ・ナンバーズのユーノ編です。なので無論エロ。
捏造設定一部アリ。また、なんかハーレムルートになってますが今回のネタのために仕様です許して下さい
そこまでハードでないと思いますが、男が攻められる描写が多いです。
んでは行きます
267ナンバーズ・ユーノ編1:2008/03/24(月) 02:04:16 ID:Sok7fm9J
僕の名前はユーノ・スクライア。無限書庫というところで司書長をやっている。その傍らで…というかこっちが本職か。考古学者もやっていて、不肖の身ながら若手としてはそこそこの評価をもらっている。
今、僕はとある店の前に来ている。ミッドにある高級風俗店、『ソープ・ナンバーズ』。理由は勿論、アレなことをするためだ。
そういうコトをする相手がいないなら作れ? いや、実を言えばそういうことをする相手ならもういるのだ。それも複数。その上一人一人がタイプは違えど並以上…どころか、少なくとも僕の基準で言えば極上級の美女・美少女だ。
しかも互いが相手の存在を知っており、その上で仲がいいから、『Nice Boat』的な展開が起こる心配も無い。恐らく僕の置かれている環境というのは、傍から見ている人達からすれば誰もが羨むのだろう。
「ならこんなところに来るな。その極上の彼女達とやらに相手してもらえ」人はそう言うかもしれない。それでも僕はここへと足を運ぶ。運びたくなるのだ。
それは何故か? 答えは簡単。
――――いぢめられるのは、嫌なのだ。
268名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 02:04:40 ID:ZL3xXQOH
支援開始
269ナンバーズ・ユーノ編1:2008/03/24(月) 02:06:26 ID:Sok7fm9J
店に入り、会員の証明であるカードを受付役をやっているガジェットに見せる。
こちらとしてはただ自分の名前を述べると同時にカードを見せるだけだが、ガジェット側は声による声紋照合に顔の照合、網膜パターンの照合、そして勿論カードが正規のものであるかどうかやカードの所有者が今提示している人物と一致しているかなど、
多岐に渡るチェックが入っているらしい。相手をしてくれる女の子の良さもさることながら、こういった機密性の高さも僕がここを愛用している理由の一つだ。
ガジェットに案内されるまま、会員用に用意された部屋の一つへ。そこで女の子を待ちながら、僕は以前のことを思い出していた。
……そう。全ての始まりはなのはとフェイト、そして僕の三人で一緒に酒を飲んだ日、その勢いのまま関係を持ってしまったことが始まりだった。互いに了承済であったといえ酒が入った上でのこと。
半殺しで済めば上等かなー、と思っていた僕だったけれど、予想に反して二人は許してくれ、それどころか「これからもいいよ」と言ってくれた。
そこまでは良かった。なのはは初恋の相手であったし、フェイトともなのはと同じくらい付き合いがあって、また少なからず想っていたところがあったから。
けれど。けれど―――!

『ねえユーノ。バルディッシュの新形態が出来たんだ。ユーノのために考えたんだよ。
ウィップフォームって言うんだけど…ふふ。このピシっ!って音、いいでしょ…うふふふふ……♪』

『ユーノくん。いい服を手に入れたんだけど、ちょっと着てくれないかな。
え? 入手先? 元々ははやてちゃんがシグナムさんのために用意したらしいんけど、どんなに薦めてもシグナムさん着てくれなかったんだって。勿体無いし折角だからって貰ってきたんだ。ユーノくん、シグナムさんとほとんど背丈が一緒だから着れるよね。
着 て く れ る よ ね ?』

「ああああああああああああああ」

思い出すだけで立つ鳥肌。泣きそうになる。
フェイト。鞭とか蝋燭とか本気で勘弁して欲しい。僕に鞭を振るってるときのその様、貴女のお母さんそっくりでしたよ。「非殺傷設定で痕がつかないから大丈夫」とかそういう問題じゃないんだって。痛いものは痛いんだから。
なのは。いくら僕が女性っぽいっていったってフリフリコスチュームを着せた上で騎乗位とかやめてください。してる時、自分が男なんだか女なんだかわからなくなることがあるんです。結構本気で。
270名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 02:06:27 ID:jl8nOg6I
支援
271ナンバーズ・ユーノ編3:2008/03/24(月) 02:08:56 ID:Sok7fm9J
そんなこんなで色々とダメージを受けた僕は切羽詰った挙句他の友人に相談することにした。恥ずかしいことだし二人と関係を持った外道と言われるかもしれないがしょうがないと。そして相手としてなのはの入院の時に仲良くなり、
その頃にはなのはやフェイトに近いほど親しい間柄となっていたヴィータを選んだ。そしてまあ、「オメーバカだろ」などと罵られつつも相談に乗ってもらっていたわけなんだけど…
――ふと気がついたら、なんかヴィータとも関係を持っていた。
い、いや石を投げないでホントに!
けれど、ヴィータも、ヴィータも……

『ははっ。ユーノ、おめーアタシみたいなちっさい身体見て興奮してんのか? 変態だな変態』

なのはやフェイトとは違ったやり方で、しかし同様に僕の精神を削り取っていく攻め。いやもうお願いですからバインドで動けないようにしてから足でイカされるのは嫌なんです。それに勃たせて、って、
あんなの間近で見せられたらちょっとくらい見た目が対象年齢はずれてても男の性でなっちゃうんだから仕方ないんだって!
そうしてさらにダメージを受ける僕。そうこうしている間になのは達にバレたその関係。
正直覚悟した。なのは達からは呆れられて絶交されるかもしれない。それどころか半殺しを超えて再起不能にされても文句は言えないだろう。さらにヴィータも離れ、一人に戻ることだって十分ありうる。
けれど、こうなったことに安心している自分も居た。二人に内緒でこんな関係を続けていたことに後ろめたさもあったし、何より、もうこれで心身ともに削られる日々が終わってくれると思ったから。
だがしかし。交渉を初めて僅か半時間後。「女だけの話をするから」と言って違う部屋に入っていった三人が出てきた時、その顔は全員が笑顔だった。
……なのは曰く、和解と合意をしたらしい。過程に何があったかは今でも不明だ。
それからは早かった。あれよあれよと言う間に夜のローテーションが組まれ(勿論僕自身の意見は無視)、以前より増して心身が削り取られる日々が始まった。
ある時はコスプレ、またある時は鞭打ち、これまたある時は言葉責め…人によっては羨ましいといわれる環境なのかもしれないが、趣味がノーマルの自分としてはひたすら泣ける。
それでも「こんな関係になったのももとはといえば僕が原因なんだから」と何とか耐えていた僕だったけれど、
なのはが体操着(ぶるまとかいうものらしい)を持ってきて、フェイトが笑顔で三角木馬を指差し、ヴィータが『シグナムお姉さんの武装隊式ののしり手帳〜新兵訓練編〜』を熱心に読んでいるのを見た時、もうダメだと思った。
272名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 02:10:35 ID:OeRcYh8T
いwwwwwwんwwwwwじゅwwwっうwwwwwww支援wwww
273ナンバーズ・ユーノ編3:2008/03/24(月) 02:11:16 ID:Sok7fm9J
さすがに逃げようと決意した時、アコース査察官が紹介してくれたのがここ、『ソープ・ナンバーズ』だった。
正確にはもうしばらく前に紹介だけはされていたのだが、望まない形とはいえそういうなんだかんだで欲求は解消されていたのであまり行く気が起きなかった、というのが正しい。
まあそれからも何度か彼に薦められ、また先程のように色々と限界が来ていたので一度気晴らしに、と寄ってみたのだが――
ハマった。それはもう見事に。タイプの違う美女・美少女がいる上にセキュリティ系統は完備。プレイ内容も多岐に渡る。
そして何より、何より。

「従順なんだよなあ…」

勿論中には我の強い娘もいるけれど、その子は指名しなければ良し。なのは達は勿論だけど、知り合いの娘は個性の強い子達ばかりだったから尚更新鮮で…
気がつけば常連になり、数少ないゴールド会員にまでなっていた。これまで給料額とかにはあんまり興味は無かったけど、この時ばかりは自分が高給取りになっていたことに感謝したものだ。
尚、なのは達とはスケジュールを調整したり時には嘘をついたりしたりして出来る限り回避中。彼女達のスケジュールを把握していたり、矛盾の出ない見事な嘘で回避してくれたり。全く、有能な秘書を持てたものだと思う。

「さて、と。まだかなあ…」

今日指名したのはg]U、ディードっていう娘。少し感情に乏しいところはあるものの、素直でかわいいところがあって、僕の一番のお気に入りの娘だ。
時にはただ同じベッドで色々と話を聞いてもらったりすることもあるけれど、例え愚痴であっても嫌な顔せず聞いてくれる。
その上最近はあっちも僕のことを気に入ってくれているみたいで、『次のお休み一緒に遊びに行きませんか?』とメールをもらった。
本気で好きになりそうだなあ…と思う今日この頃。

「おっと、ようやくかな」

部屋で待ち始めてからしばらく。少し遅いなと思い始めた時、部屋のドアが開いた。
そこにいたのはディード…ではなく。

「あれ…ガジェット?」

ドアの先にいたガジェットは部屋に入ると『PiPiPi!』と声(?)を上げ、ウィンドウを立ち上げた。 

「ええと、なになに…? 『申し訳ございません。本日g]U・ディードは所用のため、ご指名には応対出来ません』?
あれ、今日は大丈夫だって言ってたのに…急用か何かかな」

まあ無理って言うなら仕方ない。別の娘に相手をしてもらおう。

「ならgX・チンクを…え? 彼女も無理? と言われると…アコース査察官のお気に入りだから少し気が引けるけれどトーレさんは?」

三人目を挙げるが、それもNoという反応が返ってくる。これまで無かったことに、思わず目を見開いてしまった。

「空いてるのは一人だけ? それも今日が初めての? …わかった。じゃあその娘でお願いするよ」

『Pi!』

ガジェットは返事(?)をするとワインを置いて去っていった。曰く、直前になってチェンジさせてしまうことになったお詫びということらしい。色々と予想外だったけれど…まあ仕方ないか。こういう日もあるだろう。
ワインを少し飲みながらやってくる娘を待つ。新しい子っていうから、]Vってところだろう。外見は…もしかしてチンクより年下? いやいや、ナンバーと見た目の年齢は一致していないし、逆って可能性も十分ある。それより問題は技術だな。
上級会員相手だから今日が最初といってもそれなりにこなれた…いや、逆にだからこそ慣れてない女の子をもってきてお客さん直々に仕込んでもらう、ってこともありうる。というかむしろそっちの方がいいかも…

コンコン

色々と考えていると、ノックの音が聞こえた。入ってくるよう促すと、ドアを開けて一人の女性が
女性、が……
274ナンバーズ・ユーノ編3:2008/03/24(月) 02:13:06 ID:Sok7fm9J
「お待たせいたしました。gU、ドゥーエです。本日はよろしくお願いいたします」

「ぶ―――っ!!」

飲み込みかけていたワインが一気に口から噴き出した。

「あらあら。あとで掃除をするガジェットが大変そうですわ」

「ドドドドドドドドドドゥーエさんんん!?」

「ええ」

僕の問いかけににこりと頷くドゥーエさん。ちょっと、ちょっと待ってくれ。

「な、なんでここに!?」

「あら、先程自己紹介したはずです。私もナンバーズの一人だから、ですけれど?」

「いやいやいや聞きたいのはそういうことじゃなくって」

それもまあ驚いたんだけど。それ以上に言っておきたいことはだ。

「僕の秘書をやってる貴女がどうしてここにいるのかってことなんですよ!」

そう、ドゥーエさん。半年ほど前から僕の秘書をやってくれている人だ。かなり有能な人で、正直色々なところで助かっている。
特に最近ではなのは達回避のためのスケジュール作成とか。なのは達回避のためのアリバイ捏造とか。なのは達回避のための言い訳を考えてくれたりとか。
…あれ、何故かな。ちょっと涙が出てきた。

「呼ばれたからですよ? これまで店に出たことはありませんでしたから。ナンバーズの中で私だけは外で仕事をしていましたからね」

「あ、ああそういえばドゥーエさんが管理局に勤め始めたのってここが開店するより前からでしたっけ」

「ええ。ドクターのために情報収集と潜入こうさ…ではなくて、私にはあちらで為すべきことがありましたからね」

僕のグラスにワインをつぎながら言うドゥーエさん。さっき何だか不穏な台詞が聞こえたような気がするけど、聞かなかったことにしておこう。今となっては何だか大丈夫な気がするし。

「今日は司書長もご承知の通り、早く上がりましたからこちらに来ていたんです。そこで御呼ばれをされて…。
私は他の子達と違って接客の訓練を受けてはいないので断ろうかと思ったのですが、相手が司書長だと聞いたので、それならばと」

「ってええ!? ごほごほっ!」

「司書長大丈夫ですか?」

思わず咽た僕の口元についたワインをハンカチで拭ってくれる。接客の訓練は受けていないといったけれど、その手つきは見事なものだ。しかし、僕が相手だったから了承してくれたなんて。ということは、僕は彼女に好まれていると思っていいのだろうか。
275ナンバーズ・ユーノ編6:2008/03/24(月) 02:13:35 ID:Sok7fm9J
ワイングラスを傾けながら思う。そんなことを考えたせいか、少し身体も熱くなってきた。

「あら司書長、どうかなさいました?」

くすりと笑い、ドゥーエさんは顔を近づけてくる。いつものスーツ姿とは違うベビードールを着た姿。半透明のそれの下に見える黒い下着とガーターベルトが同様にいつもとは違う雰囲気を彼女に纏わせている。
それに最初こそ戸惑ったけれど、いつも仕事で接している彼女を抱けるって言うのは、正直少し興奮して…え?

「あ…れ?」

股間に少し痛みを感じ、視線を下へと向ける。そこには突き破らんとするが如くズボンの生地をせりあげる僕のモノがあった。
ちょっと待て。いくらなんでもこれは異常だ。仮に今の状況に興奮しているからって、ここまでなんて有り得ない。それ、に、なんだか身体も異常なくらい熱くなってきているような…?

「ふふっ。効いてきたみたいですね」

「効いてきた…って何が?」

僕の問いに微笑みを絶やさぬまま、ドゥーエさんは僕が飲んでいたワインの瓶を手に取った。

「このワイン、少しお薬が入っているんです。ほら、お客さんの中にはあんまりアッチが上手くなかったり、あの子達の好みに合わない人もいるでしょう? けれど仕事だから、指名された以上は相手をしないといけない。
そんな時のためにドクター…いえ、オーナーが作った性的興奮と快楽中枢を強く刺激する薬ですわ。効果の割に依存性も無いから、一部で売り出そうかって話も出ているくらいです。
ああ、一応言っておきますけれど、司書長のお相手をする時のディードはこれを飲んだりしてませんよ。あの子、随分と貴方を気に入っていたようですから」

「そ、そうなんだ」

それはまあ、嬉しいんだけど、だったらじゃあなんでこんな…。

「どうして、って顔をなさってますね。こんなことをする理由なんて一つですよ?」

彼女は―ドゥーエさんはそう言って。

「――さあ、楽しみましょう?」

先程までとは違う、ひどく淫靡な笑みを浮かべた。
276ナンバーズ・ユーノ編7:2008/03/24(月) 02:14:30 ID:Sok7fm9J
「…普通の女性なんかよりよっぽど綺麗な顔なのにこんなに凄いのを持っていらっしゃるなんて…ディードの言っていたとおりですね」

ズボンという拘束から解き放たれ、天に向かって直立している肉棒を見て呟くドゥーエさん。それはそうだろう。今の僕のモノは普段のそれよりも一回り近く大きくなっている。
しかもベッドに仰向けになっている今の状態にも関わらず、まったく傾くことなく一直線にそそり立っていた。
きっとワインに入れられていたっていう薬のせいだろうけど、それにしたってこれは…

「ふふ、久しぶりの男の人の匂い…」

熱に浮かされたような顔でドゥーエさんは肉棒へと顔を近づけてくる。ぴくぴくと反応しているソレは、既に赤く充血していた。息が吹きかかっているだけだというのに、今の僕にとっては彼女が意図して行っていないだろうただその行為だけで心地いい。

「んくっ!」

「思ったとおり、可愛らしい声を上げてくださいますね。本当、女の子みたい」

つ…としなやかな指で撫でられ思わず漏らした声に彼女は嬉しそうな顔でそう呟く。
……う。
何故だろう。今、気持ちいいからとかとは違う理由で背筋がぞくっとしたような。

『な、なんだろうこの既視感…』

けれど一瞬浮かんだそれは、次の瞬間には消えていた。
だって、ドゥーエさんがいきなり僕のモノを口で、しかもいきなり奥まで咥えこんできたんだから。

「―――!!」

温かい口内が肉棒を包む。さっきとは段違いの快感が背筋を駆け抜けた。
僕の反応を見て取ったか、ドゥーエさんは一旦肉棒から顔を離すと僕の方を向く。

「すみません司書長。びっくりなさいましたか?」

「あ、うんちょっと…」

「司書長の立派なものを見ていたら思わず我慢が出来なくなって…
それじゃあ改めていかせていただきますわね」

僕が小さく頷くのを見てから、ドゥーエさんは再び、けれど今度は先からゆっくりと、肉棒を咥え込んでいく。ぬめりとした感触に覆われていくその気持ちよさに、背筋だけでなく僕の身体全体がぞくりと震えた。
そんな僕の様子を見た彼女は空いた片手で髪をかきあげ、肉棒を咥え込んだままながらも口の端に笑みを浮かべる。
277ナンバーズ・ユーノ編7:2008/03/24(月) 02:15:09 ID:Sok7fm9J
「ふふ……」

ちゅぴっ…くちゅっ

「あっ、あ……」

前後には動かさぬまま、口の中で舌を動かしながら、時に少し膨らませ、時にすぼめ、口で肉棒をしごいていく。
接客の経験はないと言っていたけれど、ドゥーエさんの舌技ははっきり言ってディードよりも段違いに凄かった。ディードの技術が下手だとは思わないけど、これはレベルが違う。もしかしたらナンバーズの中で一番上手いかもしれない。

「うっあ…んっ」

思わず出てしまう声。それに呼応するかのように、ドゥーエさんも口技を行使する。それを受けて、僕のボルテージも上がっていく。

『まずい、もう出そうっ…!』

ぴくぴくと腰が動く。普段はこんなに早くないのだけれど、飲まされた媚薬の効果と、そして何よりドゥーエさんが上手すぎるから、もう射精して――!

「……え?」

あと少し、といったところで、彼女の口技が止まった。ついで肉棒がゆっくりと口から引き抜かれていく。しかもご丁寧に僕が射精しないように、手を使って無理矢理口を大きく開いてまで。

「ド、ドゥーエさん、なんで」

「だって司書長、少し早すぎますもの」

「いやこれは薬のせいで」

「ええ。多分そうだと思います。でも、これじゃ少し物足りませんわ」

そう言って肉棒に軽く手を触れる。けれどその感触は弱く、僕の高まりは射精の少し手前で押し留められていた。

「ドゥーエさん、その、続きを…」

「ええ、ちゃんとさせていただきますから、少し待って下さいな」

続きを促す僕にそう言って、ドゥーエさんは肉棒にまた触れる。何をしているんだろうと思って下を向いてみるけれど、彼女の頭と髪で隠れて見えない。
んっ…? なんか、少し締め付けられたような……。

「ほら、できました。ふふ、ちょっとかわいい」

ドゥーエさんが顔をどけ、僕に見るように促してくる。なんだろうと思って、下をみてみると。
278ナンバーズ・ユーノ編9:2008/03/24(月) 02:16:15 ID:Sok7fm9J
「リ、リボン?」

肉棒の根元に結び付けられたリボン。充血して赤黒くなったソレにピンク色のリボンが可愛らしく結ばれたその光景は不釣合いで、また滑稽に見えた。

「ちょっとドゥーエさん、なんですこれ…」

「言ったでしょう? 今日の司書長は早過ぎますって。だからもうちょっと我慢して貰えるようにこうさせて頂きましたの。
さあ、これでちゃんと出来ますわ」

最初の一瞬、僕はドゥーエさんの言った意味がよくわからなかった。
けれど次の瞬間、それを身をもって理解することになる。

「――――っ!!!!」

駆け巡る快感。ドゥーエさんが僕のモノをしごきあげはじめた瞬間、肉棒から全身にそれは回った。
続いて一気に奥まで飲み込み、再び口から離すディープスロート。しかもかなりの速度でやっているにも関わらず、その最中にも舌が動き、肉棒を攻め立てていく。
尿道へと入り込み、舌先がそこをえぐるように蠢く。竿へまとわりつくように絡まり、舐めとられる。先程までのものが児戯かと錯覚させられるほどの奉仕に、もう二も無く射精――

「……あ?」

しなかった。あともうちょっと一歩というところにまで高められ、精液も肉竿の根元まできていることが感じられた。多分普段なら指でちょんと触られただけで出してしまうだろう。そのくらいまでになっている。
でも出ない。出したくても出せない。
理由は明白だ。この結ばれたリボン。それがあと一歩というところで押し留めている。このリボンが、リボンが……!

「出せないでしょう? 司書長」

表情で僕の考えを読み取ったんだろう。ドゥーエさんが顔を上げて、こちらへ微笑みかけてくる。

「ドゥーエさん、これを…」

「駄目ですよ。もっと、もーっと、我慢していただかないと」

笑みが深くなる。瞬間、僕は先程感じた背筋の寒気が再び駆け抜けるのを感じ、同時にそれが一体何を意味していたのか理解した。
いや、思い出した。

『そうだ、一緒だ…!』

アノ時のなのはと。フェイトと。ヴィータと。
今のドゥーエさんは一緒なんだ…!!

「でも、我慢していただくのは出すことだけで結構です。気持ちよくなるのは一向に…いえ、むしろ今よりもずっと気持ちよくなってください」

言って、再び再開される口技。これまで経験したことの無い快感が、肉棒から全身を走る。これだけされれば、例え媚薬を飲んでいなかったとしても絶頂に至るのはそう長くない話だったに違いない。
でもイけない。あともう一歩なのに。その一歩が届かない。なのに攻め続けられ、吐き出しどころのない快感だけが溜まっていく。
これはもう奉仕ではない。拷問だ。そう思いながらも僕はただ、彼女に攻められるだけだった。

「ドゥーエさん、やめ…」

股間が痛い。肉棒には間断なく快感が走っているというのに。耐え難く襲いくるそれに、涙まであふれてくる。
なのに身体から抵抗する力が出ない。もしかしたらさっきのワイン、彼女が言っていた薬のほかにも何かそういったものが混ざっていたのかもしれない。
279ナンバーズ・ユーノ編10:2008/03/24(月) 02:17:12 ID:Sok7fm9J
「その困っていらっしゃる顔、可愛らしい…これだけでイッてしまいそう」

一度口を離し、ドゥーエさんは顔を近づけてきながらそっと頬を撫でてくる。けれどその間ももう片方の手は止まらず竿をしごいている。だから僕はずっとイく手前のままだった。
少しばかり身体を離し、ベッドのすぐ脇に置いてあるワイングラスを手に取る。そこに残っていたワインを一気に飲み干すと、いきなり僕に口をつけてきた。

「ん…ぷっ」

口を介し、僕の中に流し込まれていくワイン。既に効いている為か、一滴一滴流し込まれていくたびに身体がさらに熱くなっていく。彼女が飲んでいたワイン、その全てが僕に移ったところで彼女はゆっくりと僕の口から自分の唇を離した。

「まだ熱くなってる…」

言って身体を起こし、ドゥーエさんは自分の下着に手をかけた。腰の紐をするりと解くと同時、重力に従い落ちるショーツ。仰向けの僕にまたがった格好で、彼女はベビードールを僅かにめくりあげ、股間をあらわにした。

「ほら…司書長があんな声を出されるから、触られてもいないのにこんなになってしまいました……」

太股を流れるほどに蜜をたたえた秘裂が見える。さらに彼女は僕に見えるように二本の指で秘裂を広げ、さらに指で軽くかきまわした。

「んっ…う…」

小さく漏れる喘ぎ声。けれどすぐにそれをやめ、彼女はゆっくり腰をおろしていく
ってちょっと、まさか…

「え? ドゥーエさ」

「ふふ…いただきます」
280ナンバーズ・ユーノ編11:2008/03/24(月) 02:17:49 ID:Sok7fm9J
じゅぷっ

入った。
そう考える間も無く、視界がスパークした。
わずかばかり収まっていた高まりが再び一気に高みへと導かれる。どろどろに溶けた蜜壷が僕を包み込み、なのにそれとは裏腹に強い締め付けが襲ってくる。

「こ、こん…なっ」

素質というか、基本的なところではなのは達も負けてない。彼女達だって一級品だ。ぐちゃぐちゃと締め付け、精液を搾りださんとしてくる。
これは多分、口でシたときと同じだ。
男を知り尽くして、どこが弱いか知っていて、その上で自在に責めあげてくる。そこが彼女達との、絶対的な違いで――

「うぁ、ああ、ぁぁぁ!」

「あんっ! 司書長、凄くいいっ!」

ぐぢゅっ!びちゃっ!

ドゥーエさんの喘ぐ声がしているようだけれど、それも遠く聞こえる。それくらいに今、僕はギリギリだった。
イけそうなのにイけなくて。イかないはずなのに一歩前で留められている。
耐えられないほどのそれに、意識が遠くなりそうになる。

「ああっ!ふぅんっ!ひゃんんっ!!」

腰の上で踊っている彼女の姿も、心なしか余裕のなくなってきた気がする喘ぎ声も、なんだか遠くなっていく。
嗅覚も。味覚も聴覚も。視覚も。薄れていって、ただ、股間に感じられるモノだけがはっきりしている。
ぐちゃぐちゃと、そのまま溶かされてしまいそうなくらいに肉棒がかき回されて。

「ふぁ!うぁんっ!やっ!もう、イッちゃい、そうっ!」

髪を振り乱し、汗だくになりながらそう誰かが言っている気がする。ぎりぎりと竿が締め付けられている。同時に、何かがぷちぷちっと聞こえる気がする。

「んんっ! いくっ! イくうっ!!」

びくんびくん震える肌色の何か。響く音。どくどくと何かを搾り出そうと動く肉壷。けれどそれをできない自分の肉棒。
刹那か永遠か。そう思えた時も、やがて終わり。

「はあ、はあ、はあ……ああ、申し訳ありません司書長。これ、外し忘れ
……ふぁ?」

ぷつ、と何かが切れる。
―――瞬間、全ての感覚が戻ってきた。

びゅくるっ!びゅくっ!びゅっ!びゅっ!びゅ――っ!!!

「え…あ、あ゛…
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!」

僕の腰の上に馬乗りになってびくん、びくんと震えているドゥーエさん。さっきよりも遥かに大きく、悲鳴すら混じっている声。さきほどなんかよりもずっと強く、精液を奥へと搾り取っていこうと蠢き、その役割を果たしていく肉壷。
そして何より、溜まりに溜まった信じられない量の精液を彼女の膣内へと送り出していく精液。
それら全てを感じながら、僕の意識は閉じた。
281ナンバーズ・ユーノ編11:2008/03/24(月) 02:18:16 ID:Sok7fm9J
「ん……」

意識を取り戻すと、ドゥーエさんに未だまたがられたままだった。どうやら意識を失っていたのは一瞬だけだったらしい。そのドゥーエさんも身体がこちらに倒れかかっている。同じように意識を失っているのだろう。
少しだけ身体をゆすると、彼女もゆっくりと目を開けた。

「あ…司書長」

すぐに状況に気がついたか、起き上がるとゆっくりと肉竿を抜き取る。抜き取った瞬間、ごぼりと秘裂から精液が溢れた。

「ふふ…凄い…」

流れるひとしずくを拭い、舐める。

「それにこんなにも濃くて多いなんて…こんなに気持ちよかったのは初めてですわ、司書長。やっぱり私が期待していた通り…いえ、それ以上でした」

そう言いながら再び精液を舐め取る。う、まずい。さっきの今なのにもう勃ってきた。

「あら、またですか? こういうところも聞いていた通りですね」

肉棒を見つめながら淫靡な笑みを浮かべるドゥーエさん。ディード、そこまで話してたのか…今度指名した時に、ちょっと注意しよう。
けれど僕の顔を見つめながらドゥーエさんは口を開く。

「あら、何か勘違いなさっているようですけれど、これを言ったのはディード達ではありませんわよ」

……え?
予想外の言葉に、僕の動きが止まる。

「え、ええと、それじゃあ一体、誰から…」

「あら、あの子達で無いなら、答えは一つしかないと思いませんか?」

まさか。嫌な予感がする。果てしなく。ひしひしと。
その予感を裏付けるように彼女は頷き、言った。

「なのはさん達に決まっています♪」

―――ピキッ。
282ナンバーズ・ユーノ編11:2008/03/24(月) 02:19:55 ID:Sok7fm9J
僕の中の時が止まった。
嘘。てことは。まさか。

「ええ。バレてますわ。きっちりと」

つまり、僕が彼女達の誘いを断ってここに週3体制で訪れていることも?全部?

「な、なんで…」

「言っておきますが、私は何も言っていません。
どうやら流石にあちらも不審に感じたらしく、司書長に発信機をつけていたらしいんです。それで貴方の現在地を割り出して、ここによく訪れていることがわかったそうですわ。
普通のセンサービット辺りなら司書長のことですから気付かれたと思いますが、今回使ったのは高町教導官の世界である魔法を一切介さない機械式の発信機だったようですから…」

「な、な、な……」

成る程それなら僕だって気付きやしない…
ってそうじゃないよ! だったらまずい! まずい!
今すぐにでもこっちに来て全員でフルパワー攻撃とかやられても全然…!
って、あれ? だったらなんで今僕は無事なんだ?

「それで昨日、無限書庫にみなさんいらしたんです。お三方ともさすがに怒っていらっしゃって、司書長は不在ですと答えてても、待たせて貰うと仰って…。
そこで事情を聞きだし、司書長に危害を加えるなどの代わりにあることを約束したんです」

「や、約束…?」

約束って、一体なんだろう。

「それで質問ですが、ここの部屋、一体何に使うと思います?」

突然の質問。一体どういう意味だろうか。

「え? そりゃ、エッチするための…」

「答え――」

言ってドゥーエさんは指をぱちりと鳴らす。
それと同時に。

「覗きプレイの部屋、ですわ」

壁の一角が透明になり、一瞬にして隣の部屋が露になった。

「な!?」

「ここにいらっしゃるお客さんは色々な趣味の方が多いですから。中にはこうして隣にお知り合いの方を入れて覗かせることで興奮したり、
自分は女の子の相手をせず絡み合っている姿を覗くことで性的興奮をなさる方もいらっしゃるんです。ここは、その方々の為の部屋です」
283ナンバーズ・ユーノ編11:2008/03/24(月) 02:20:36 ID:Sok7fm9J
「で、でも、それが一体」

「約束した、といいましたね。それは二つあるんです
一つ、もし司書長がここに来たら、相手は私が務めること」

「え? それってことは」

「ええ。ディードやチンク達が出られない、というのは嘘ですわ。私が早く上がったのもこのためです。今日司書長がここにいらっしゃるのは、スケジュールを管理している私なら知らないはずが無いでしょう?」

うぐっ。確かにスケジュールは彼女が全部管理しているし、ここに来る際なのは達に不審がられないための工作も全部やってもらってたから、知らないはずも無い。

「じゃあもう一つは…」

「ここでのプレイ内容を全部、彼女達に教えること、ですわ」

そう言い、彼女は視線を透けた壁、そしてその奥にある部屋へと向ける。そこには…

「ディ、ディード!?」

「ええ。あの子には最初からずっと、あそこにいてもらいました」

ぺこぺことすまなさそうに謝っているディードの姿がそこにあった。その片手には小さな何かがある。なのは達の世界で似たようなものを見たことがあったような。
ってちょっと待って、ここの部屋ってまさか…

「ねえ、もしかして今まで…」

「ええ。全部、映像に記録させていただきました」

「―――!?」
284ナンバーズ・ユーノ編15:2008/03/24(月) 02:21:12 ID:Sok7fm9J
つまり。それは。あれらが。すべて。なのは達に――!?
がくがくと震える僕。その僕を放って、彼女は立ち上がり、再び指を鳴らした。部屋の中央から何かがせりあがってくる。

「ちなみにここ、他にもいろんなプレイに対応しているんですよ?」

あがってきたものを見て、僕は完全に停止した。
セーラー服。
ロウソク。
ハイヒール。
その他エトセトラエトセトラ。
なんか普通のプレイでは使いそうにないものがわんさかある。
その内の一つを手に取り、彼女は笑みを浮かべた。

「司書長は確か、一晩のコースでしたね? だったら先ほどの一回で終わらせるのはよくないと思いますわ」

「ま、まさか…」

「さすがは司書長。その通りですわ」

彼女は手に持ったソレをぺろりと舐めあげ。そして

「――さあ司書長? 夜は、始まったばかりですわ」

妖艶な笑みを浮かべた。






「え!?あ!?ちょっと、そんな踏まないで!いや、いたいいたいいたい!
ねえ!?そのバイブ、勿論自分に使うんだよね!?そうだよね!?何その笑み…
ってア――――ッ!!!」
285ナンバーズ・ユーノ編 了:2008/03/24(月) 02:26:32 ID:Sok7fm9J
投下終了です。普段は初めて攻められネタかいてみたけど、なんか微妙だったような…しかもなんか妙な設定出してしまうし。iス度も書き換え忘れるし。
またドゥーエさんって本編でほとんど喋ってないんでこうなりました。ですます付けになっているのは上司だからってことでお願いします。
最後の「アーッ!!」は外せないと思いました。
あとなのは達もドゥーエさんも「困ってる顔が愛しくてたまらない」と思っているんであって、決して彼を嫌いなわけではありません。寧ろ(歪んで)愛してます。
それではこの辺で。次はカリムさんを書きたい。今度はいぢめる方向で
286名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 02:35:17 ID:OeRcYh8T
GJです!
というかwwwww淫獣wwwっをまwwwwww

なんというか、うん、ハーレムというより愛玩動物扱いだな・・・・・・wwww
287名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 02:42:37 ID:36qIhKEO
GJ!

ユーノ、お前が羨まし――くないや、全然w
まあ、あの顔だから受けっぽいのは仕方ないかもしれないけど、あの扱いはなぁw
288名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 03:10:17 ID:kQWeqYzu
GJ!
ここまでの扱いだとさすがにいんじゅーがうらやましくなくなる!ふしぎ!
289名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 03:27:13 ID:O4fYKcf4
GJ!
これはむしろユーノがかわいそうになってくるwww
フェイトのウィップフォームとかなのはの「き て く れ る よ ね」とか
あまりにも容易に想像できてしまうwww
290名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 03:27:26 ID:UeVGgaoB
>>44
ここまで来てひっぱりますね。

まあ、すんなり終わるとは思っていないけど、
セッテのヤンデレ(?)が極まっている感じに、
燃えエリオ的な展開を喜ぶひまなく、最後に底冷えしました。
291名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 03:42:25 ID:UeVGgaoB
>>262
GJ!!
なにげにディードが初登場か。
やっぱオットーは相方いなくて寂しいのか。
まあ、話の流れによってはディード参戦かな。

あ、旧版と違ってヴィヴィオは未だか。
休日編は期待していいのかな?
個人的にエリキャロの登場願う。
292名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 03:44:04 ID:Jwrzb6O/
GJ!
>三角木馬を指さすフェイト
プレシアさんがひどくマトモに見えるww

ディードだけか、まともなの……
一度自分の周りの人間関係を清算しろ淫獣ww
293名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 03:45:12 ID:OeRcYh8T
>>292
清算しようとしたら凄惨なことになると思うんだ
294名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 03:53:20 ID:JY66h8GA
>>262
言えることは2つ
・誘い受けウザイ
・未練がましい
(特に催促されたわけでないのに自分から持ち出す当たり)

どうもこう、作品は読めるレベルなのに…
295名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 04:06:47 ID:Xkjsp9Ue
>>294
>>86

お前は半年ROMってろ。
296名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 04:12:32 ID:0U3r0ocZ
>>294
続き読みたいって人もいたはずだよ?
誘い受けってのが何を指してるかわからんけど職人の創作意欲を殺ぐことは言っちゃいけない
態度とかで注意したいならそれ相応の言い方ってのもあるわけだしね

>>285GJ!
淫獣乙wwけどやっぱり少しかわいそうな気も…
ここはユーノ×ディード・オットーでほのぼのエッチをもう一本書くべきだと思うんだ
297名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 05:40:49 ID:5kfG2hwE
>>285
XUといちゃいちゃやっててチェンジになったらドゥーエさんとかでも良かったぐらいXUで見てみたかったぜ
298名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 05:58:42 ID:qFywhl3t
>>241
GJ!!
ああもうどうしてこうこの二人はすれ違いが多いのだと思わざるおえない
どうやって決着がつくのかが非常に気になる
未来ではラブラブになるとしても、今は・・・・
299名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 08:05:14 ID:Hybrf5TM
>>224
GJ!
エロノは言わずもがな、フェイトもがっつき過ぎw
こりゃ第二子生まれるのも時間の問題ですね。

ナンバーズや、三十路クロノと二十代後半フェイトのエロも期待してます。
300名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 08:24:29 ID:ML+witI/
まああれだ、読み手として一番辛いのは作品が完結しないことだ。
301名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 08:27:36 ID:BnVWdV/s
>241 セッテわがままだなぁ……死の淵に愛情を感じるなんてヤバスwww
ぁあそれで5年後のプレイに繋がるのか。え、じゃあこれは既にラブラブ?なんてこった
302名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 08:40:44 ID:CFps/Lf8
>>285
GJ!
だけど、お店としてはダメだ。
ゴールド会員という上得意なのにそういった対応はいかんだろ。
303名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 08:48:21 ID:IjvqJfGV
>>302
つオーナーはスカリエッティ
304名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 08:53:45 ID:MzQWwr8h
>>285
GJ続きとして逆襲のユーノを期待してみる
305名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 08:56:25 ID:FjSpNBSB
微Mの俺としてはユーノが羨ましい
306名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 09:27:14 ID:Jwrzb6O/
>>305
言いにくいけどアンタ『微』じゃねえわ






『ド』だよ『ド』
307名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 09:43:14 ID:OeRcYh8T
>>302
っ「飼主様方からのご要望です」
308名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 11:50:46 ID:ABdN07dF
フェイト=ソフトから徐々に本式のSMプレイ
なのは=女装させて女性から攻めのプレイ
ヴィータ=言葉攻めで足コキ其れも外見幼女から
…一番まともなのがなのはからって時点でもうね
309名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 12:03:37 ID:OeRcYh8T
>>285のユーノがもしディードとかに本格的に走ろうものなら
フェイトさんやなのはさんが
『だぁめじゃないかインケジュー。ペットはペットらしく飼われてなきゃねぇ!』
と、ちょっとやばい方向に壊れそうで怖いというか、是非やってくださいというかうわ何するやめ(ry
310名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 12:32:07 ID:ZL3xXQOH
ソープランドで要人のプレイを録画して、
行動を起こす前に放出してスキャンダルで軒並み失脚させる。
迎撃に来た6課メンバーにはナンバーズが直接プレイ内容を伝えて冷静さを失ったところで撃破。


最終的にミッド崩壊が一軒のソープランドから始まるのか…。
311名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 12:54:35 ID:0U3r0ocZ
>>310
つまり大地の法の塔が萌え落ちるんですね?
312名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 13:16:47 ID:6QXnLemz
>>311
誰がうまい事言えとwww
313名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 14:03:54 ID:jl8nOg6I
>>285
GJ!!です。
ユーノが三人と別れたら、それはそれでやばそう。
監禁されて・・・なんて事だw
あれだ、マジ切れして、しばらく会わないとかしてみれば多少は改善されるかもw

>>262
読みたいです。前回の終わりから気になってしかたないです。
314名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 14:27:48 ID:OeRcYh8T
>>313
地獄の果てまで追い詰められて徹底的に調教されそうだと思ってしまったorz
315名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 15:24:28 ID:7sWuO1jw
リトルランサーはまだかね?

待ち遠しいぜ?
316名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 17:25:36 ID:FjSpNBSB
どうもリトルランサーときくと股間の突起を思い浮かべてしまうんだが
いや別に俺のランスがリトルだということではなくてだな
317名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 17:37:05 ID:MzQWwr8h
>>316
まぁそのなんだ強くイ`ヨ
318名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 17:39:26 ID:dXYdoe3x
リトルランサーではチートでラスボス化してるのに別の次元ではソープ経営や納豆モンスター開発……
フリーダムすぎるぜドクター

319名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 17:48:04 ID:IZLTEwcG
きっとそのうち自分の入れ物にするはずだった戦闘機人に裏切られたりしないかなドクター
320名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 18:06:32 ID:dXYdoe3x
>>319
クローンをお腹に入れたまま三行半をつきつけ実家に帰るウーノと申したか
321名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 18:12:32 ID:ZtcxVPV0
ちょっ! ウーノの実家ってどこだよ!?
322名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 18:16:58 ID:dXYdoe3x
あ、今いるのが実家か。じゃあドクターを追い出す方向で
帰る家を失ったドクターはとりあえずレジアスの家に転がり込む
323名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 18:19:19 ID:ZtcxVPV0
いやいや、カードもキャッシュもウーノに押さえられて金も無く、行く所も無くて高架下にダンボールで家を建てるんだよ。

そしてその哀れ過ぎる姿に六課の誰かが声をかけて清掃員か事務のおじさんとして第二の人生を送るんだ。
324名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 18:20:05 ID:HrD/I10C
レジアス「……」
オーリス「……」
スカ「醤油はあるかな?」
325名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 18:25:16 ID:XTGh2xRD
>>322
「ジェイル、今度は何をした」
「いや・・・・・実はウーノが嫌がるのを無視して尿道、アナル、ヴァギナ、クリトリスの四点攻m」
「オーリス、アインヘリアル準備、照準はこのクソ馬鹿だ」

・・・・・スカリーがただの馬鹿になった・・・・
326名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 18:31:01 ID:qFywhl3t
>>315
リトラン読みたいのは俺も一緒だ・・・
ただ前回の投下が金曜でまだ三日しかたってないのでもう少し互いに待とう!

(まあでも氏が2、3日に1度投下できるぐらいのペースでいけたらいいと確か書いてたのでちょっとぐらいは期待しても・・・)
何はともあれ氏の腕の怪我の方が大丈夫なのかも気になる
327名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 18:37:02 ID:/n+aKW2i
ロストロギアの謎パワーで
エロパロSSで登場した全ての平行世界のスカリエッティが一堂に会するのもいいなあぁ〜〜

オーナーなドクター「バカモノ!なんだそのつまらん能力の掛け合わせは!」
ラスボスなドクター「そっちこそ戦闘機人をソープ嬢にするとはナニを考えとる!」
親バカなドクラー「貴様らぁッ!!自分の娘を何だと思っている!!!」
原作のドクター「クククッ……このカオスぶりは見ていて飽きん……」


こうですか?わかりま(ry
328名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 18:37:27 ID:p22MT5wO
「優しい夢が見られるように」の続きも気になる。
数の子主役のSSは少ないので、早くみたい。
329名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 18:45:43 ID:jl8nOg6I
でかめろんが凄い、いいところでストップしてるから続きが見たいな。
330名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 18:46:19 ID:7sWuO1jw
ミちゃんねるで
教導官なのはなヤツの続きも読みたいんだぜ?
331名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 19:03:01 ID:FoQym6aW
俺は246氏かな。
ジュエルシードでバーサクったなのはさんとフェイトの行く末が気になる。
あとユーノやら紫の雷の事とかも。
332名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 19:05:27 ID:zmZPkz5R
ネガティブフェイトの続きも気になるんだけど
333名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 19:10:17 ID:ksxq+DaW
なのはさんの教導の続きも気になってる
334名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 19:13:31 ID:u72C+C2x
気になる続きが多すぎてコレとひとつをあげられない自分は異端
335名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 19:16:23 ID:HPTYGAQh
元々馬鹿の気強いじゃんw
伊達に主役勇者一のへたれに噛ませ犬それも私だクローンやサイボーグオレンジ
の同位存在だけはある
…声はいいんだけどね
336名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 19:22:00 ID:mMIm68Q3
俺はCherry Lightの続きが読みたいぜ
久しくクロなの物を見てないしな
337名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 19:22:01 ID:PQ/jV0/c
完結していない物語やスレを跨いで続いている作品が多すぎて頭がごっちゃになっているのは
俺だけじゃないと信じたい
338名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 19:27:31 ID:6QXnLemz
>>336
同士よ!
原作派としてはクロなのが唯一神から動かないんだよね
339名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 19:33:12 ID:OeRcYh8T
誰ですか、リリコロとかいうわけのわからない電波を飛ばしたのは。
ユーノのポジションがななせなのは秘密だ。
340名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 19:34:49 ID:OeRcYh8T
微妙に誤爆した、すまない。
341名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 19:45:04 ID:WflNulnE
俺は愚者の人を待ってる
つーかあの人、トリ以外にもコテ付けてくれると楽なんだけどな
342名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 20:14:34 ID:FWs9aAi1
異常な愛情待ち
wwwwwwエwwwwwwロwwwwwwすwwwwwぎwwwwwwうえっwwwwwwwww
343名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 20:16:35 ID:ZtcxVPV0
心躍らせて待っているSSは、サイヒ氏がお書きになると言ったナンバーズのソープもの。

いつもあんだけエロイSS書いてるサイヒ氏が書くんだからすげえエロの筈、そして誰がメインで書かれるのかも実に楽しみ。
344 ◆Ev9yni6HFA :2008/03/24(月) 20:29:13 ID:HrD/I10C
>>341
現在、推敲中だから明日、明後日には投稿出来ると思う

それと、コテって文字+トリの方が良いのかな?
345341:2008/03/24(月) 20:57:35 ID:WflNulnE
トリって成り済まし防止の為のものだしそれだけだと味気ないかなって
あくまで個人的な意見だけど
346ヴァイエルン三世:2008/03/24(月) 21:21:44 ID:QjPvBto2
今は投下しても、他の人とかぶらないっすよね?
投下してもよろしいっすか?
347名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 21:23:38 ID:/n+aKW2i
>>346
イエス、ベリーイエス。レッツ、ゴー
348名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 21:24:50 ID:ZtcxVPV0
カモンベイビー
349ヴァイエルン三世:2008/03/24(月) 21:27:57 ID:QjPvBto2
ではでは、

・ユーノ×複数

・エロ有り

・基本的にはギャグ

・文章量は22kB

・淫獣死ねw が合言葉です

350伝説の業を持つ男:2008/03/24(月) 21:29:03 ID:QjPvBto2
―――後になって思い返してみれば、始まりは集落にいた頃まで遡るのかもしれない。

 僕ことユーノ・スクライアは手先が器用な子供だった。
 集落にいた頃は博士を取っているとはいえ、年齢が二桁に行かない僕は雑用その他を請け負う事が多かった。
 そのことに関して不満を持った事はなかったし、そもそもスクライア一族というのは年功序列が色濃く、役割分担がしっかりとした一種のコミュニティーを形成していた。
 例えば働き盛りの青年・壮年は遺跡へと赴き発掘作業という肉体労働、食いつなぐための狩りもこのグループの役割だ。
 年齢を重ね、前線に出る事が難しくなった初老の男衆は、その経験を元に若い世代へ技術を繋ぐ教育係、現役の相談役となっていく。
 対する女性は子供を産み、育てていくという神聖な役割を担う。
 その他にも炊事洗濯を担当し、食料を取ってくるのが男の役割なら、それを管理し計画的に調理していくのが女性の仕事である。

 さて、集落にいた時の僕……言い換えれば幼年層の役割というのは各分担のサポートという言い方が相応しい。
 現場に赴く事もあれば、女性の炊事洗濯という雑事も手伝う。
 人手というのは費用さえかからなければあって足りないものではなく、一人一人が戦力にならずとも多くの手が集まれば大きな力になる。
 まあ、言ってしまえば人海戦術といったところだ。
 
 このようにスクライアの一族というのは一族総出で日々を暮らしていく。
 技術的、魔法体系的には優れた技術者の多いスクライア一族だがその仕事は肉体労働が全てだ。
 それゆえに生々しい話だが、筋肉痛というのが切っては切れない問題となる。

 思い返すとこれが失敗だったのかな、とも思うが、こういう面を鑑みた僕は一族の役に立ちたい一身で魔術的マッサージというのを勉強し学び始めた。
 技術的な話をすれば指先に魔力を流し、幹部に触れ体に流れる魔力の流れを促進し疲労を取る。
 言ってしまえば簡単だがこれはちょっとしたコツのようなものがあり、僕もその習得にはかなり苦労をさせられた覚えがある。
 しかし僕は意外に凝り性で、より良い、より効果的な技術というものを実践しながら学んでいった。
 人の疲労を取る、というのはなかなかに奥深いもので、様々な研究の末たどり着いたのが、

―――快楽というのは肉体的疲労回復、精神的慰安に覿面の効果を見せる。

 という、”今の僕の状況”を作り出した理論だ。
351名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 21:29:49 ID:HrD/I10C
必要ないと思うが支援
352伝説の業を持つ男:2008/03/24(月) 21:30:04 ID:QjPvBto2
 再三言うが、僕は手先が器用な上に凝り性で探究心が豊富だった。
 快楽に関するあらゆる技術、人体の性感帯の網羅、通す魔力の浸透率の計算……僕は書物を片っ端から洗い、全てを頭に叩き込み習得、研鑽していった。
 楽しかった。
 技術の研究というのは素晴らしい。
 最初は拙かった技術も、身内に実践で試みていくうちに満足してもらえているのが実感できたのが何よりも嬉しかった。
 特に女性陣に関しては僕が考える以上に満足してくれていたみたいで、マッサージをした女性との信頼関係、仲間意識というのが強まったように思う。

 そう、ここで気付くべきだった。

 僕のマッサージを文字通り泣いて喜んでくれていたのは”女性陣”であったこと。

 僕が触れるたびに体を震わせ、魔力を流し込むたびに声を上げる。
 時には痙攣し、時には絶叫を上げ気を失ってしまう事もあった。
 幼い僕は気付かなかった。
 僕が習得し熟練していった技術は、マッサージなどではなく、

――――”エロテクニック”であったということに気付いたのは、相当後になってからだったのだ。




………………


…………


……



353ヴァイエルン三世:2008/03/24(月) 21:31:24 ID:QjPvBto2
「あ、ユーノさん! おはようございます」

 管理局本部の廊下を資料片手に歩いていたユーノに声を掛けるのは歳若いまだあどけなさを残す女性だった。
 無限書庫に勤務してから結構な時間が経ち、ユーノにも管理局内で知り合いが多く増えており、こうして局内を歩いていれば声を掛けてくれる人が多数存在していた。
 しかし、その性別比が9:1で圧倒的に女性が多いことが目下のところの悩みである。

「ああ、おはよう……えっと」

「あ、覚えてくれていないんですか? 事務のアテンザですよ」

「ご、ごめん」

 アテンザと名乗った女性はしかたないなあ、といった風に苦笑する。
 ユーノは人の名前を覚える事が得意という訳ではないが、苦手という訳でもない。
 とすればそうそう面識のあった女性ではないはずなのだが、とユーノは思う。

「でも仕方ないですよね、ユーノさんは色々な女性とお知り合いのようですから」

「ええ!? そんなことないと思うけど……」

「またまた〜、事務の女の子の間でユーノさんの話題が良く上がるんですよ。おモテになりますね?」

 からかうようにそう言ってくるアテンザ。
 ユーノはその言葉に苦笑を返すしかなかった。
 というのも、そうやってからかわれるのは日常茶飯事でなれてしまったからである。
 非常に遺憾ではあるんだけれど、と心の中でも苦笑した。

「でもそのことにも納得できちゃうんですよね、アレを体験しちゃうと♪」

 思い出すようにうっとりと頬を染めるアテンザ。
 その表情はうっすらと上気しており、女性を意識させる顔だった。

(そうか……僕が”アレ”をした人か……)

 なんともいえない気まずい気持ちが胸にこみ上げてくる。
354名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 21:32:36 ID:QjPvBto2
「ふふ……」

 そうして視線をそらすユーノにアテンザが歩み寄り、

「……あの時は本当に素敵な時間でした。また”して”くれますか?……」

 そう、耳に息を吹きかけるように囁いた。
 からかい半分なのだろうが、ここは管理局本部内だ。
 何処に人目があるかも分からない。
 ユーノは慌てたようにアテンザから距離をとり、

「……あ、うん! じ、時間があったら、ね!」

「本当ですか!? 約束ですよ!」

 アテンザはユーノの答えに嬉しそうにそう言って、手を振りながら廊下をすれ違っていった。


………………


…………


……
355伝説の業を持つ男:2008/03/24(月) 21:33:54 ID:QjPvBto2
「はあぁ〜〜……」

 アテンザを見送った後ユーノは人知れず大きなため息をついた。

「また流されるように約束してしまった……断ろう断ろうとは思っているんだけれど……」

 ユーノはそういって頭を抱える。
 自分の持っている技術が、マッサージという範疇から抜けている事をユーノが知ったのは最近である。
 性教育を受ける前にスクライアの集落から飛び出したユーノは、自分のやっていることが性的接触であるという事に気付かずにいたためだ。
 ユーノは根が真面目であったため、性知識とは無縁の生活をしており、またそれを諭す大人も周りには存在していなかった。

 そのことを身を持って知ったのは地球でなのはと出会い、色々な過程を経て管理局に入局してから数年たった後のことだ。
 その日、いつのまにか管理局内で有名になったユーノの神業を体験すべく、ある女性がやってきた。
 名前はバネット。
 20代半ばで魅惑のボディを持て余していた、お色気お姉さんであった。


………………


…………


……
356伝説の業を持つ男:2008/03/24(月) 21:35:40 ID:QjPvBto2
『君がユーノくん? 凄くマッサージが上手な子がいるって聞いてきたのだけれど……』

『あ、はい。僕がユーノです』

『そうなの? 随分と若いのね』

『あはは、よく言われるんです』

『いきなりで悪いのだけれど、お願いできるかしら?』

『あ、マッサージですか? いいですよ』

『悪いわね……』

『じゃあそこにうつ伏せになって、はい、そんな感じで……じゃあいきますよ』

『ええお願……あっ……え、なにこれ……凄っ……はぅぅっ!』

『気持ちいいですか〜?』←純粋に

『え、ええ……とっても……す、凄い……あ、あああああああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜ッ!!』

『わっ!? ……やりすぎちゃった、のかな?』

『あ……あぅ……(ビクビクッ』

『あの……って、うわぁ!?』

『はぁ……はぁ……うふ……うふふふ……スイッチが……入っちゃった、みたい♪』

『え? え? え?』

『すっごく素敵な指使いだったわ……こんなの初めてよ。だからね……』

『あ、あの……!?』

『お・れ・い♪』




『あ”っ−ーー!』



………………

…………

……
357伝説の業を持つ男:2008/03/24(月) 21:37:07 ID:QjPvBto2
―――その日の太陽は黄色かったと後にユーノは語る。

 いずれにしろこうなるのは時間の問題ではあったのだろう。
 ユーノがまだ幼かった時期は周囲の心理的な抑えがあったのだろうが、その頃のユーノは既に自立し容姿も子供から青年へと代わろうとしている時期でもあった。
 相手のバネットにしてもそういうイケナイ趣味の傾向が少なからず存在していたのかもしれない。
 ともあれユーノはそのことを切っ掛けに性知識というのをバネットから手取り足取り、身をもって教えられることとなり、大人への階段を昇ってしまったのだった。
 そして同時に危険をも覚えた。
 兆候はあったのだ。
 特に地球にいた頃リンディにマッサージを施した時、バネットに似た反応を見せたことがあったのをユーノは思い出した。
 リンディもしきりに声を荒げ、身を捩じらせては痙攣を繰り返していたものだ。
 手は虚空を彷徨い、足をピンと伸ばして『クライド』の名前を繰り返し熱く呟いていた。
 そしてマッサージを行った次の日からリンディは妙に熱い視線をちらちらとユーノに送るようになっており、時折エプロンを手の甲が白くなるまで握り締めていたことを思い出す。
 あれは欲情を必死に堪えていた姿なのだろう、と今なら察する事が出来る。
 もしユーノの年齢が高かったら?
 それでなくとも女顔ではなく大人びた容姿であったのなら?
 あるいはリンディが情欲に流されやすい女性だったのなら?
 もしかしたら……

「クロノを息子と呼ぶ可能性も、あったのかもしれないんだよなぁ……」

「―――嫌な想像はやめてくれ」

「ク、クロノ!?」

 いつのまにか後ろに立っていたクロノから掛けられた声に、ユーノは飛び上がるように腰を引いた。
 クロノはその様子にしかめた顔を向け、

「……盛んなようだな、エロフェレットめ」

「う……っ」

「母さんに手を出してみろ、氷付けにした後業務用氷かき機で摩り下ろして、あずきをトッピングした後管理局員に振舞ってやる」

「…………氷あずきとは渋いね」

「シロップ系は甘すぎて好きじゃないんだ」

 何処かずれた会話を交わしながら呆れたようにクロノはため息をついた。
358名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 21:38:12 ID:KsWWzkL6
支援
359伝説の業を持つ男:2008/03/24(月) 21:38:55 ID:QjPvBto2
「……母さんじゃないにしろ、不特定多数に粉をかけるようなマネは止めておけ。今の娘は事務のアテンザ、だったか?」

「み、見てたのか?」

「管理局本部の廊下で堂々と身を寄せ合っておいて何を言っている」

「う、ぐ……」

 まずいところを見られた、とユーノは顔を引きつらせた。
 不可抗力……とは言えないかも知れないが、事実ではあるのだから。

「全く……。最近、お前のいい噂を聞かないが本当だったようだな。こんな調子で日々を過ごしていたのなら男性局員のフラストレーションも溜まるというものだ……お前、相当恨まれているぞ?」

「ええ!?」

「当然だろう。自分の今の状況を良く鑑みてみろ」

 クロノの指摘にユーノは考える。

 9:1の割合で話しかけてくる性別比。
 そしてその多くはマッサージを介して出来上がったコミュニティーであり、その行為ゆえかアテンザのように距離感の近い親近感のある態度で接する女性たち。
 性的な目的ではないといえ不特定多数の女性と身体的接触の機会を多く持つ自分。
 そしてアテンザの言っていた蔓延する自分の話題。

「…………(汗」

「……分かったのなら少しは控えろ。今はまだ静観されているが、お前に対して過激派もいるという。そのうち怪我じゃすまなくなるぞ?」

「うっ……それ本当?」

「嘘は言わない。そんな事態になっても僕は止められないかもしれないからな。もしかしたら―――」

 にやりとクロノはからかう様に口元を上げ、

「僕も率先してそっち側につくかもしれないぞ?」



「―――そんな事になったら管理局に”星屑の雨”が降り注ぐかもしれないね?」

《All right》

―――ガシュンッ!
360伝説の業を持つ男:2008/03/24(月) 21:40:33 ID:QjPvBto2
「…………(汗」

 突然背後から掛けられる声。
 そしてクロノの首筋に感じる冷たい感触。

「嫌だなあクロノくん。私、そういう冗談って嫌いなんだ。ユーノくんが怪我しちゃうかも、なんて―――嫌だなぁ」

「お、落ち着くんだなのは。そう、これは冗談であってだな、そんな危険性なんて、か、皆無に決まっているだろう? ああ、もちろんだとも! こ、これは友人同士の他愛無いコミュニケーションであってだな?」

「―――そうなのかなぁ……本当にそうなのかなぁ〜?」

「ああ! そんな恨みを持つ局員なんているわけないじゃないか〜! もし万が一、いやいやいやありえないよ? ありえないんだけど、本当に億が一あったとしてもこの僕がそんな行為許すわけないじゃないか! し。心配性だぞ、あは……あはははは!」

「そうだよね! 心配のしすぎだよね……うふふ」

「そうだとも! はは、はははは……!」

 必死の弁明の甲斐があったのか、背後から襲う黒い魔力は薄れていく。 
 同時に首筋に当たる冷たい感触もなくなり、クロノは大きく息を吐いた。

「…………し、死ぬかと思ったぞ(ボソリ」

「何か言った、クロノくん?」

「い、いや! き、気にしないでくれ」

「そう? あ……それよりユーノ君、これから暇かな?」

「え、え……? ぼ、僕?」

 急に話が振られ、動揺するようにユーノが答える。


361伝説の業を持つ男:2008/03/24(月) 21:42:06 ID:QjPvBto2
「うん、ちょうどこれからフェイトちゃんやはやてちゃんと待ち合わせてるんだ。ユーノくんも一緒にどうかな、って」

「えっと……あ」

 そういわれてユーノは片手に持っている書類を思い出した。
 今手に持っているのはクロノから依頼された”インプレッサ文明”に関する書類である。

「そういえばクロノ、これレポートにしてまとめたけど」

「ん、ああ。 すまないな」

「いいよ、仕事だし。今回はこれで全部かな? そうなれば手は空くんだけど」

「ん、そうだな……いや、できれば前回のレポートにあった、”インプレッサ文明”と並存したといわれる”スカイライン文明”に関しても資料が欲しかったんだが……」

 そういってちらりと横目でなのはを見るクロノ。

「――――――」

「いや、いいっ! 今日は君も疲れているだろう!? なのは達に付き合ったらどうだ!?」

「そ、そう? 君がいいなら……僕はそれでもいいんだけど」

 引きつった笑みを浮かべるクロノに対し、なんだか申し訳ない気分になりながらも、ユーノはそういってなのはに向き合った。

「さて……用事もないみたいだし、付き合うよなのは」

「―――うん!」

 嬉しそうにうなずくなのはにユーノは少し息を吐いた後破顔する。
 クロノを忘れてしまったかのようになのははユーノの腕を取り、引っ張るように二人はその場から立ち去っていった。

「…………お、女っていうのは恐ろしいな」

 去っていく二人の背中を見つめながら、クロノは帰ったらエイミィに孝行しようと考えるのだった。


………………


…………


……
362伝説の業を持つ男:2008/03/24(月) 21:43:33 ID:QjPvBto2
「あぁ……いいっ……いいよぉ……ユーノくぅん……」

―――管理局に滞在するために用意されたなのはの一室。
 扇情的に背を反らし、柔らかに膨らむ胸を揺らしながら、なのはは腰を上下左右と感触を味わうように、楽しむように淫らに振っていた。
 腰を揺らすたびに押し出されるように漏れ出す吐息。
 ユーノの胸に両手をつき、顔を覗き込むように、なのはは反応を楽しんでいる。

「な、のは……っ」

 なのはの痴態に煽られるように、ユーノは胸に手を伸ばそうとするが、不意に横から伸びる白い指に絡め取られ、目的とは違う、だが本質的には同じ場所にたどり着いていた。

「……ユーノ……なのはだけじゃなく、私も……くふぅ……っ」

「なのちゃんだけ、贔屓はあかん……よ……んちゅ……ちゅ……っ」

「フェイト……はや……ん……んん……っ」

 右手に当たる柔らかい感触はフェイトの胸。
 そして唇に当たる濡れたすべらかさははやての唇。
 
 なのはの部屋には今4人の男女が着衣を乱し、あるいは脱ぎ捨て、あらかじめ大きめにあつらえたベッドに幾分かの密着をしながらシーツに皺を作っている。
 あれからユーノとなのはは予定通りフェイト、はやてと合流し、食事を取りながらともに時間を過ごしていた。
 あらかじめ3人の女性達は期待をしていたのだろう。
 決して暇ではないはずの4人。
 しかし今夜の予定は全て消化されており、4人ともに邪魔される事柄は存在しない。
 ユーノは三人の押しにおされるようになのはの部屋へと訪れ、今に至るというわけだ。

(クロノに釘を刺されたっていうのに……僕ってヤツは……)

 軽い自己嫌悪に苛まれるユーノ。
 そんなユーノの心境を察したのか、

「ん……ぷぁ……。 こんなかわいい女の子達に奉仕させてるってのに、心の余所見はあかんで〜?」

 はやてが意地の悪い笑みを浮かべ、唇から首筋へと矛先を変えぬらりとした舌を這わせていく。

「……ユーノ……ん……」

 はやての行為と同調するように、フェイトもユーノの首筋へ顔を寄せ愛しむように口付けと落とす。
 積極的なはやてと、消極的だが感情の込められたフェイトの熱心な責めにユーノの体が反応する。
363伝説の業を持つ男:2008/03/24(月) 21:44:50 ID:QjPvBto2
「んぁ……。 ……もう……二人ともずるいよ。 今は私の番なのに……っ」

 なのはがすねたように声をあげ、体を倒しユーノの乳首をさするように撫でる。

「ちゅ……なのちゃんは……れろ……一番美味しいトコもってとるやない、か……少しぐらい譲ってくれてもええやん……な、フェイトちゃん?」

 二人の間に割り込んでくるなのはに抗議の声をあげ、フェイトへと賛同を求めるはやて。
 
「体だけ繋がっても、心が繋がってなきゃ……ん……意味ないよぉ……フェイトちゃんも……って」

「……ありゃ」

 二人がフェイトを向くも、

「ユーノ……ユーノぉ……っ」

 首筋にキスを降らせながらも、ユーノの手を自らの花弁へと誘い、擦りつける様に愛撫を強請るフェイト。
 その姿はまるでなのはとはやてが映っておらず、上気する顔と潤む瞳はユーノしか見ていなかった。

「くす……フェイトちゃん、夢中だね」

「……うちらで一番消極的やけど、一番のめり込むんもフェイトちゃんやからね……」

 顔を見合わせ、仕方ないな、といった風に笑みを交わす。
 4人で情事を結ぶのはこれが初めてという訳ではなく、というよりもユーノと体をあわせる様になったのは3人一緒のときだった。
 某ベネット女史との行為をそれとなく察した3人がそのことに焦り、ユーノへと詰め掛けているときなし崩しで肌を重ねてしまったのだ。
 当然ユーノのマッサージを体感している3人。
 まだ精神的にも未熟である中での一時的接触というのは恋愛感情を引き起こしやすい。
 ユーノの技術は”快楽”を主観としたものであり、触れられる事が心地いいのは、心を許しているためだというプラシーボを錯覚させる。
 そして何より3人に共通するのは幼年期の経験から来る『孤独』を嫌う事。
 人との触れ合いに餓えていた為、暖かくも絆を感じる行為、そして多人数での接触にのめりこんでしまっているという訳である。
 3人の中でも人一倍孤独を嫌うのはフェイトだ。
 心を許す友達と一緒に、与えられる快楽に翻弄され温もりにまどろむのは気が触れるくらいに心地よかったのだろう。
 そこに嫉妬という感情を挟む余地はなく、むしろそばに人がいるということに喜びと安堵を感じているのかもしれない。
 なのは、はやてもフェイトほどではないにしろ、同じような感情をもっている、だからこそこんな関係が構築されたのだ。
364伝説の業を持つ男:2008/03/24(月) 21:46:09 ID:QjPvBto2
 一方でその煽りを受けるのがユーノなのだが、3人が親愛の情を向けてくれている事が分かっているため、今更引き返す事は出来ないでいた。
 もとはといえば自分の技術から来る問題なわけで、それを誰かに転嫁する事は憚られる。
 ゆえにいつもと同じように、

「なのは、フェイト、はやて……」

 右手をフェイトの花弁へ、左手ははやてに。
 そしてペニスで貫いているなのはに向けて、

―――魔力を流し込む。

「え、……ん、あ、……あああああああああぁぁ―――ッ!」

「ん……んんっ……くぅぅぅぅぅ……ッ!」

「あ、あかん……い、くっ―――!」

 同時に絶頂へと強制的に昇らされる3人。
 胎内へと意識して流し込む魔力は快楽とともに目がくらむような多幸感を与える。
 これは女性全般に対して有効なようで、あがらえぬような快感が体中に駆け巡るそうだ。
 ユーノには分からない事だが、子宮に魔力を流され蠢動させるように掻き回すと、一種の酩酊感にも似た交感神経の興奮と満たされるような幸福感をもたらすのだという。
 体中から熱が吹き上げ、子宮が震えるように痙攣して目の前が真っ白になる、というのはなのはの言葉である。
 フェイト、はやても似たような現象を体感するらしく、はやてに至っては、

『これが女の幸せなんやな』

 とまで語っている。
 
「はぁ……はぁ……っ」

「ん……くっ……」

「はっ……はっ……〜〜っ」

 自らの体に走る快楽を、身を捩りながら享受する3人。
 先ほどまでは責められていたユーノだが、その気にさえなればいつでも立場を逆転できるというのを表している。
 
「……なのは、そろそろ僕も動かすよ?」

「う……くっ……え!? そんなまだイったばかりで敏感―――あぁ……っ!」

 なのはの言葉を遮るように動き出すユーノ。
 なのはの好きにさせていた時とは違う、荒々しくも繊細な動きだ。
365名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 21:46:51 ID:GU/LUo3a
淫獣死ね@支援
366伝説の業を持つ男:2008/03/24(月) 21:47:54 ID:QjPvBto2
「だめっ……だめっ……感じすぎ、てっ」

 されるがままに体を揺さぶられるなのは。
 力が入らないのか、身をユーノに投げ出した格好で腰だけが自分の意思とは反するように蠢いている。

「なのは……」

 フェイトとはやてがいまだ絶頂の余韻が冷めぬため、自由になった右手を胸に回し、左手は腰の辺りの固定する。
 そして、

「―――いくよ」

 先ほどと同じように、しかし今度はなのはの為だけに右手は胸に、左手は腰……子宮の上から魔力を流し込む。
 その瞬間、

「〜〜〜〜〜〜っ!!!!」

 脱力していた体が弾ける様に痙攣し、白い背は折れぬばかりに弓なりに反り返った。
 
「〜〜!! 〜〜〜〜〜っ!!!」

 声にならない叫び声を上げるかのように、なのはの喉が開かれ金切り声が漏れ出している。
 瞳の色は濁る様に虚空を彷徨い、髪を振り乱すようになのはは乱れる。
 普段の彼女からは想像が出来ないような――堕落した表情であった。

「なのは……気持ちいいかい?」

 流し込み掻き回す魔力の手を緩めることなく、そんななのはの表情を覗き込み問いかけるユーノ。
 
「―――」

 放心したようになのははその問いにこたえられる状況ではない。
 いや、むしろ聞こえてすらいないのだろう。  

「すこし、やりすぎちゃった……のかな? まあいいか、僕もそろそろ、いかせて―――もらうよ!」

「ひ―――っ!」

 言葉とともにユーノの腰のテンポが上がっていく。
 与えられる快楽が増加したことで、なのはの体が更に暴れだすように捩られ始める。
 しかし、

「だめだよ」

 押さえつけるように両腕に力をこめ、なのはの喉元に唇を寄せる。
 徐々に唇を上に、耳もと、頬、口元を撫ぜるように舌で舐め上げ、最後に唇を舐めるように啄ばむ。

「はむ……ん……ちゅ……」

 なのはもその感触が分かったのか、無意識のうちに自らもむさぼるように唇を合わせ、舌を絡めあっていく。
 そんななのはの行動に ユーノの限界が近づいていく。
367伝説の業を持つ男:2008/03/24(月) 21:49:08 ID:QjPvBto2
「なのは……いくよ……っ!」

「ユーノ……くんっ!」

 その声が聞こえたかのように縋りつくように両腕でユーノの頭をかき抱くなのは。
 
「来て……来てぇっ!」

「くっ……!」

―――ドクン、ドクン……

 堰を切ったようになのはの胎内へと注がれる精液。

「あああぁぁ――! いくぅぅ――――っ!!!!」

 膣の中で暴れ回るすさまじい精液の勢いに、なのはは何度も何度もアクメに達してユーノの背中に爪を立てた。
 必死にしがみ付き、目もくらむような激しい快楽の走る体を起し、

「はぁ……はぁ……ユーノ……くん……」

 最後に軽く触れ合うようなキスを残し、なのははその意識を快楽に押し流されるように落としていった。 

「ふぅ……」

 なのはが意識を失った事を確認したユーノは、なのはの体を優しく自らの横へとずらし、ペニスを抜き出す。
 抜き出した拍子に、ごぽりと自らの吐き出した精液がなのはの膣から流れ出した。
 過剰なまでに流れ出る精液に、思わず苦笑するユーノ。
 確かになのはとするのも久しぶりだったかな、そんなことを考えていると、

「……ユーノ……次は私に……」

 いつからか隣に控えていたフェイトがユーノに胸に手を当て、強請るように体を寄せる。
 
「う……」

 なのはを相手をする事だけを考えていたユーノはここに来て誤算に気付いた。
 ここにはなのはだと自分だけでなく、

「次はうちやよね、ユーノくん……」

 フェイト、はやてもいるということに。

(……何度も思うんだけど、僕よく体を壊さないよね)

 割と切実な事を考えながら、

「ユーノ……」

「ユーノくん……」

(僕は昔、何を思ってこの技術を学んだっけなぁ……)

 遠い昔を回顧するように一つため息を吐き、誇示するように押し当てられる胸の感触に流されるのだった。

―――夜はまだまだ、長そうである。
368ヴァイエルン三世:2008/03/24(月) 21:51:58 ID:QjPvBto2
以上っす。

予想以上に長くなってしまい、ちょっとだれちゃうかもしれませんが申し訳ないの一言です。
しかし我が作品ながら改めて目を通すと、さすがに淫獣死ねw といわざるをえません。
ではでは、失礼致します。
369名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 21:53:28 ID:HrD/I10C
うん
言いたい事はただ一つ

淫獣死ねw
370名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 21:58:25 ID:lsgSZbaH
>>368
GJ
うん、そりゃ敵を作りまくるよね。 このユーノ、男友達は数人しかいない気がするw
淫獣氏ねw
371名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:00:50 ID:FjSpNBSB
情報機関の長がこれでいいのかい淫獣しねぇ。いつかハニーなトラップに嵌りそうだな
それはそうと最近エロいのが増えて嬉しいぜ。GJ!続きとかリンディさん編とか密かに待っている
372名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:04:07 ID:6QXnLemz
取り敢えず一言 淫獣しね。
373名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:06:03 ID:FWs9aAi1
>>368
GJ過ぎです。半数以上を占めると思われる非エロ作品もハイクオリティな所為(おかげ)で忘れられがちだが、
「エロパロ」スレなんだから、これぐらいエロいSSがあって全然OK、むしろマジ最高でした。

何考えて生きてたら、こんなネタ思いつくんだろwww
とりあえず一世と二世の存在にも期待(ぇ







ユーノ好きだが、ここはお約束として言おう
淫wwwwww獣wwwwww氏wwwwwwねwwwwww
374名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:11:16 ID:z3UI8RIw
とりあえず、3人を始めとして、無限書庫の過半数とかユーノの子孫残しそうだ



ユーノ・・・ お 前 の 竿 竹 ち ょ ん 切 っ て や ん よ !!!!!!!!!!
375名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:18:11 ID:z3UI8RIw
あ、しまった。これを忘れてた

>>368
GJ
376名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:19:04 ID:0U3r0ocZ
>>368GJ過ぎますw
エロイな〜、さすが9歳にして淫獣と呼ばれた漢w
しかしこれでは淫獣氏ねじゃなくて淫獣死ぬ展開になりそうだ
377名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:27:14 ID:OeRcYh8T
流石淫獣。
で、リンディさんに手を出してクロノにムッコロされるルートはまだですか
378名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:31:17 ID:V6SanW/U
>>368GJ
幼馴染複数相手にする理由付け上手いな
屁理屈っぽいが、思わず納得してしまったぞ
うん、淫獣は死ね

あと我慢しきったリンディさんよく頑張った
流石に息子より小さい子に手を出すのは夫の名にかけて自重したらしいw
379名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:36:32 ID:Ja1Xq6SR
つまり流されやすいものの比較的好青年に
成長した今なら問題無いな……


うん、淫獣死ね
380アルカディア ◆vyCuygcBYc :2008/03/24(月) 22:44:47 ID:JEf5QBcw
>>315
>>316
>>326
毎度尻叩き有難う御座います。
腕の方は日常生活には差し支え無い程度には治りましたが、年度末のごたごたに忙殺されておりますので、
楽しみにして下さる皆様には申し訳御座いませんが、次話はもう暫しお待ちください。
皆様の尻を叩いて下さるレスは、大変執筆の励みになっております(具体的には執筆速度4割増しくらい)
心よりお礼申し上げます。

.。o(私もB・A氏の「セッテ −その心の在り処−」や246氏の「君に届けたいただ一つの想い」、皆様のソープシリーズ等々沢山のSSを楽しみにしていますので、気合入れて頑張ります)
381名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:46:13 ID:lXgP50Du
>>371
ハニーなトラップはカウンターになってしまうんじゃ。
ドゥーエさんでもこれにはひとたまりもあるまい。

何が言いたいのかというとだな、
>>368GJ!!
382名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:52:50 ID:cft7RglQ
淫獣頭冷やせ

>>368GJ!!
383名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:06:46 ID:/zfGIcQ8
>>368
GJしかし淫獣死ねwwww
ただ一つ突っ込んでおくと、「アテンザ」ってマリエルさんの苗字なんで出来たら違う名前の方が良かったかな。事務官とか書いてるしユーノがほとんど憶えてないから別人として書いたんだろうけど…
確かユーノはマリエルさんと一緒にシュベルトクロイツ製作やら関わってるから多分顔憶えてると思う
384名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:16:11 ID:9+kVJ0K2
続いてもいいな。
385名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:19:15 ID:z3UI8RIw
>>383
そこはほら、遠い親戚かなんかで紹介されたとか


……そうか、マリエルさんともか……
386名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:21:51 ID:FjSpNBSB
この芳しい反応を傍らから見て、やっぱりここの本質はパロというよりは
むしろエロにあるんだなあとしみじみ趣深く感じられたことですよ
387名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:23:45 ID:qIS67ypd
>>381
うむ、確かにハニーなトラップにかけようとして
逆にフェレット中毒になりそうではあるなw
388名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:46:36 ID:OeRcYh8T
なんかもうユーノが変身魔法で触手に変身して身も心も淫獣になっても
問題なさそうな流れだなwww
389名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:51:24 ID:FoQym6aW
手数が増える分触手の方が普通のマッサージもやり易そうな気はするな。
で、女性陣が焦らしてるとしか思えないエロマッサージに胸やらを触ってくれと懇願し始め(ry
390名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:52:36 ID:v3FOQOR3
フェイトさんを触手にしてエリオやヴィヴィオをにゅるにゅるするほうが良いです
391名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:53:14 ID:WSzxG7yM
そういや、都築がシナリオ書いた某エロゲにそんなキャラ居たな<性的なマッサージ上手
392名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 00:02:10 ID:OeRcYh8T
淫獣の人気に嫉妬
393名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 00:10:03 ID:wWB1R8Js
よっしゃあ 淫獣氏ねwwwwwwwwww
394名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 00:11:37 ID:frwVPWli
>>391
「わんことくらそう」か?
ふぇれっととくらそう! とか考えたけど、これだとユーノは飼われる側だなw
395名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 00:12:09 ID:69LfAlhD
なのは同人の99%が男みたいなもんだからしょうがない
即売会いってるからわかる
396名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 00:12:28 ID:ttPu0bX+
あれか
世界観からちょっと敬遠してるんだよな
397名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 00:14:25 ID:zTaRkHVJ
>>395
一瞬なのは達が男性化されてるのかと思ってしまった…
398名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 00:15:48 ID:xt5CNgOv
残り1%ってエリオ受けなのかな…攻めがry
399名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 00:50:00 ID:UfuAtshF
>>394
タイトルからザフィーラとヴィヴィオのほのぼの生活を想像した
400名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 00:55:07 ID:pYPtBTEQ
しかしその中身はかなり黒都築が出ているがな。
現実でいうペットがまるっと亜人に置き換わった世界観で、動物虐待や
保健所での処分とかもそのまま行われてて、しかし主人公や亜人を含め
誰もが俺らが犬猫に思うようにそれを当たり前のことと受け入れている。
そんな世界観。
401名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 01:04:01 ID:Cz4QnZMn
>>368
GJ とりあえず淫獣死ねw

>>371
>>381 に同意だが、いつのまにかナンバーズの中ではドゥーエさんが
No.1 というのがデフォになっているな。もちろんあのシリーズのおかげだがw
402名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 01:22:58 ID:9+Gexvz0
淫獣がいれば女の人に口を割らせる事が100%可能になるな。
403名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 02:05:14 ID:AhGLNARL
ぶはっ!!(w
シネば良いと思うよ、淫獣

GJでした!!
404名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 02:09:00 ID:TudDQ0n+
ユーノなら触手を生やしてガチ淫獣になってもいいかもしれんw
フェレットになれるんだし触手の一本や二本問題なく装備出来るだろう。
405名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 02:15:00 ID:VmYBsrFA
この淫獣に勝てそうな奴いないかなあと考えて、そういやハーヴェイの魔法なら
精神を直接凌辱とかできそうだなあと思い至(ry

ロッサの能力でも出来るかな?
精神に直接発狂レベルの快感を叩きつけるみたいなの。
406名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 02:17:25 ID:DCn2X0oM
>>405
精神発狂レベルと聞いて急に厨臭くなって萎えた件
407名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 02:20:37 ID:B1yNV2Zb
別のアニメだと、中の人が淫魔の声やってたり、
やたらと「淫」という文字に縁のあるユーノwww

>>404
俺、そっちの属性無いから知らんのだけど、あーいうのって
地球外生命体みたいな怪物だから良いんであって、体の一部から
触手生やした人型クリーチャーに犯されるって、なんかグロくない?
408名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 02:24:16 ID:VmYBsrFA
>>406
でもまあ、神経とかアストラルを直接犯すタイプのエロの売りってそんな感じじゃね?
保管庫の散ル明日とかさ。
409名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 02:32:00 ID:DCn2X0oM
>>407
以前なのはさんの背中から触手生えてて将が責められてる絵が角煮にあった

>>408
いや具体的に数値にしたりしなければ、それ位の快感なんだなって思えるけどさ
某対魔忍とかwwwww1000倍の快感ってwwwww腹いてえwwww
まだ耳から触手突っ込んで快感中枢を刺激!の方が解るわwww

もしくは喘ぎ声の方向に特化してみるとかwww
つみさくら
つアンジェリカ
410名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 02:45:59 ID:2QjBo/Wr
某氏のフェイトさんinミョルニルとかも触手だな。

てか、快感自体個人の感性で左右されるあやふやな物なんだから○倍言われてもねぇ。
元の快感がどの位か想定できなきゃやらない方がマシってもんだ。
411名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 03:00:42 ID:VmYBsrFA
まあ個人的には某「イナバぼっくす」みたいな濃度の責めで執拗に精神姦みたいなイメージな。
ここの保管庫で言うとFATE in The Dark Fateの一章みたいな。


そしてなのちゃんをメロメロに、とイメージが暴走した。
412B・A:2008/03/25(火) 03:18:46 ID:QQXtSmw1
決着まで持っていけませんでしたけど、今投下しても良いですか?
413名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 03:20:47 ID:8VLZ/KQg
おk
414名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 03:27:59 ID:VmYBsrFA
どぞ
415B・A:2008/03/25(火) 03:28:15 ID:QQXtSmw1
では、決着改め死闘編をどうぞ。


注意事項
・セッテ×エリオ
・時間軸はstsから5年後、エリオ16歳。そのため、捏造が多々あり。
・2人の回想という形で現在と過去が入り乱れる少々わかり辛い造りになっています。
・と言いつつ、今回も過去編オンリー。
・セッテの性格は少しアレンジ入っています。
・アニメ17話でエリオはフェイトと共に空へ上がり、セッテに撃墜されたという捏造の元にこの話は成り立っています。
・バトル嫌いな人はスルーの方向で。
・気づけばセッテがかなり病んでました。
416セッテ −その心の在り処− 第9話@:2008/03/25(火) 03:30:39 ID:QQXtSmw1
【5 years ago】

「様子がおかしいな」

階下の異変に気づいたシグナムが呟く。
先程から2人は攻撃の手を休め、何やら話しこんでいるようだ。
この模擬戦は2人の決闘とは別に、戦闘機人のデータ収集という側面も持っている。はやてからはできるだけ2人の好きにさせてやれと命じられているが、
あまり長い間休まれていては大事なデータも取ることができないため、立会人として介入せざるおえなくなる。
そう思った矢先、セッテの手の平に桜色のテンプレートが展開した。

「なっ!?」

手の平に出現した光球が膨れ上がり、一筋の光となってこちらに向かってくる。
予想だにしなかったできごとに、その場にいた誰もが身を固まらせた。まるでそれをあざ笑うかのように
砲撃は空間を歪ませながらもまっすぐに伸び、体育館内に張られた結界へと直撃する。
寸前、小さな影が砲撃の前に躍り出た。

《Panzerschild》

エリオが展開した魔法陣の盾に砲撃がぶつかり、空間が魔力過多を起こして陽炎のようにねじ曲がる。
防護出力の低いエリオでは当然ながら受け止めきれるわけがなく、威力の数割を削ったところで吹っ飛ばされ、
結界の壁にぶつかって地面に落下した。
直後、桜色の光は結界にぶつかり、僅かに建物を揺らして霧散する。

「エリオ!?」

「!?」

フェイトの叫びで我に返ったギンガが踵を返す。
理由はわからないが、エリオとセッテの間に何かがあったのは事実だ。そのせいでセッテは自分たちに向かって砲撃を放ち、
エリオはそれから自分たちを庇ったために傷ついた。これはもう模擬戦とは呼べない。すぐに止めさせないと、大変なことになる。
だが、駆け出そうとするギンガの前に、ノーヴェが両手を広げて立ち塞がった。
417セッテ −その心の在り処− 第9話A:2008/03/25(火) 03:32:21 ID:QQXtSmw1
「ノーヴェ!?」

「頼む、セッテ姉の好きにさせてやってくれ!」

「あなた、自分が何を言っているのかわかっているの?」

「わかっている。どんな罰を受けたって良い・・・・・だから、セッテ姉の好きにさせてやってくれ」

今にも泣きだしそうな悲痛の叫びをノーヴェは紡ぐ。
ノーヴェ自身も、自分が馬鹿なことをしているということは重々承知している。だが、自分は昨日の夜にセッテと約束したのだ。
セッテがエリオを殺したら、自分がセッテを殺すと。それはつまり、2人の戦いを絶対に誰にも邪魔をさせないということだ。

「機械みたいだったセッテ姉が、やっと心を持てたんだ・・・・・・けど、あいつがいなきゃダメなんだ・・・・・・あの坊主がいないと、
セッテ姉はまた元の機械に戻っちまうんだ・・・・・・セッテ姉の全てを受け止められるのはエリオ・モンディアルだけなんだ・・・・・・・
だから、2人の邪魔をしないでくれ・・・・・」

「けど・・・・・」

「ギンガ、私からもお願いできるかな?」

「フェイトさん!?」

「責任は全部私が取るから・・・・・・お願い」

「・・・・・・・わかりました」

憧れの人に頭まで下げられては折れるしかなく、ギンガは不承不承ながらも頷いた。だが、もしまた何かあった時はすぐに乱入できるように、
ブリッツキャリバーは起動させた状態で待機させておく。

「テスタロッサ、2人に動きがあったぞ」

シグナムの言葉に、全員の視線が再び階下の2人に集中する。通路の手すりをきつく握り締めながら、ノーヴェとフェイトは祈るように呟いた。

「セッテ姉のこと、頼むぞ・・・・槍坊主」

「エリオ、自分の幻想になんて負けないで」





418セッテ −その心の在り処− 第9話B:2008/03/25(火) 03:35:00 ID:QQXtSmw1
砲撃を受け、ボロボロに傷ついた体を無理やり起こしながら、エリオは自分の行動に疑問を抱いていた。
砲撃のチャージを開始した瞬間、セッテは完全に無防備だった。厄介な彼女のISも発動しておらず、打ち込む隙は山ほどあった。
なのに、自分は攻撃ではなく、砲撃からみんなを守ることを選択した。体育館内には結界が張られており、ガラスには対物理・対魔力の強化が
施されているので並の攻撃ではビクともしない。そうとわかっていながらも、みんなを庇わずにはいられなかった。
もしも、セッテの砲撃がそれらの防御を抜くだけの破壊力を持っていたとしたら?
もしも、結界やガラスの強化に何らかの不備があったとしたら?
それは些細な可能性だったが、0%でない限りは信用できない。それを無視した結果みんなが傷ついてしまっては、自分が許せなくなる。
守れるはずだった人たちを見捨ててしまった自分が許せなくなる。

「そうだ、その目だ」

セッテの言葉に、エリオは我に返った。
見上げると、セッテはどこか恍惚とした表情を浮かべながらこちらを見つめていた。
その手にはいつの間にかブーメランブレードが握られている。

「やっと会えたな、エリオ・モンディアル」

「・・・・はい、セッテ」

悲しみのあまり、それ以上言葉は続かなかった。
その胸に宿る思いは悲しみだった。
セッテが好きだと言ってくれた、誰かを守り、誰かのために傷つくエリオ・モンディアルは戦いの中でしかその姿を表わさない。
誰かを守るということは、裏を返せば誰かを脅かす敵がいるということだ。セッテは、その敵になろうとしている。
愛する男と会うために、その手を血で汚そうとしている。
それほどまでに歪んでしまった彼女の思いが、堪らなく悲しかった。

「お前の愛しい人を傷つければ、戻ってくれると思っていたよ」

「・・・・・・止めてください」

「次は誰を襲えば良い? フェイトお嬢様か? お嬢か? あの召喚師の娘か?」

「止めろ・・・・・・」

「ああ、そういえばお前は私が好きだと言っていたな」

セッテは手にしたブーメランブレードを自らの首に当てた。打撃武器ではあるが、一応は剣という体裁を取っているため、
ものを切ることができないわけではない。自身の怪力を使えば、例え機械の体といえど、なますのように両断できるはずだ。

「私を殺せば・・・・・・・・」

「止めろぉぉっっ!!」

《Sonic Move》

気づけば、体が独りでに動いていた。その踏み込みは先ほどまでの比ではなく、
半年前にセッテが自分の知る限り3番目に速いと評した時の動きを遙かに凌駕していた。
交差は一瞬。雷光の煌めきにも似た一閃が、すれ違いざまにセッテの手からブーメランブレードを叩き落とす。
419名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 03:38:02 ID:8VLZ/KQg
しえん。
420セッテ −その心の在り処− 第9話C:2008/03/25(火) 03:39:32 ID:QQXtSmw1
「すみません」

「謝るな、お前ともう一度会えただけでも私は幸運だ。ここで死んでも悔いはない」

「させません・・・・・・ようやく気づけました」

力強く、はっきりとエリオは告げる。
ようやく気づくことができた。
自分が戦う理由。傷ついても立ち上がり、前を見ることができる訳を。何のために魔法を学び、槍の腕を研き、辛い修練を積んできたのかを。

『僕には・・・・・僕の後ろには、守りたい人がいる・・・・・傷つけちゃいけない人がいる・・・・・・』

『そして、その人たちは僕に戦う力をくれる。その人たちの笑顔が僕を強くしてくれる』

半年前、確かに自分はそう言った。セッテにお前は何故戦えるのかと問われ、迷うことなくそう告げた。
だが、現実はそんなに甘くはなかった。
自分の周りには、自分よりも遙かに強い人たちがいる。自分よりも遙かに優れた力を持つ人たちがいる。
たかだか数人の思いを束ねたところで、圧倒的な実力差を埋めることなんてできない。けれど、自分には力が必要だった。
瞼に焼きついた幻想のセッテに打ち勝つだけの力が欲しかった。
何故、それが必要だったのか。
それは、セッテを救いたいと思ったからだ。あの美しい人を闇の底から救いだし、日の光を見せてあげたいと思ったからだ。
そのためには、まず彼女よりも強くあらねばならないと思っていた。

「けれど、あなたは強かった」

幻想の中の彼女はあまりに強かった。
当たり前だ。それは自分が自分よりも強いと思っている相手のイメージなのだ。そんな強固な幻想を打ち破れる者など、誰もいない。
それを認められなくて、がむしゃらに戦技を磨き、いつしか力だけを追い求めるようになった。何のために力を求めたのかも忘れ、
ただ結果としての力ばかりを欲してしまった。

「それは、僕が弱いことを認めるのが怖かったからでした。あなたよりも弱く、あなたよりも脆いことを認めるのが嫌だったからでした」

思い返してみれば、ただ意地を張っていただけなのだ。
自分の周りにはそれこそ規格外の猛者ばかりいるのだ。それが1人くらい増えたところで気にしなければ良かった。
けれど、自分はその人のことが好きになってしまったのだ。だから、せめてその人だけは自分の手で守りたいと思ってしまった。

「僕はただ、あなたを守りたかっただけだった。けれど、僕はあなたより弱い。弱いし背も低いし声変りもまだだ。けど・・・・・・・」

ストラーダを一閃させ、構え直す。
右手に槍、左手は空手。最も得意とする突撃の構え。

「そんなことは関係ない、弱くてもあなたを守る! あなたが自分を殺すと言うなら、
僕は・・・・・あなたを倒してでも、あなたを守る。絶対に死なせない!」

その言葉に、どこまでも独善的で吐き気を催すほどに醜悪な正義を前にして、セッテは歪な笑みを浮かべた。
まるで、彼女を造りだしたジェイル・スカリエッティを彷彿とさせる狂った笑みだった。

「ならば、私はお前を殺して、お前の時を止めよう。今のままのお前で死ねば、お前は永遠に私の中のエリオのままだ」
421セッテ −その心の在り処− 第9話D:2008/03/25(火) 03:42:37 ID:QQXtSmw1
「させません・・・・・僕があなたの幻想を打ち砕く」

エリオは懐からカートリッジを取り出し、消費した分をストラーダに装填する。
セッテは手元にブーメランブレードを簡易転送し、再び構え直す。

「IS発動、スローターアームズ」

《Explosion》

ここに真の戦いが幕を開ける。
片や守りたいが故に傷つけ。
片や愛おしいが故に殺す。
どこまでも平行線だった2人の思いは、今ここに殺し合うという目的の下に交差した。

「一閃必中!」

裂帛の気合と共にエリオは駆ける。
何の魔法も使っていないにも関わらず、その踏み込みは神速の領域にまで到達していた。
戦闘機人の目をもってしても補足することは容易ではなく、並の魔導師ならば一撃の下に斬り伏せられていただろう。
だが、エリオが相手にしているのは魔導師ではなく戦闘機人だ。如何にエリオの動きが速かろうと、
フェイトやトーレには及ばない。現代において最速を誇る2人と渡り合ってきたセッテの目は、
辛うじてではあるがエリオの動きを捉えていた。

「スローターアームズ!」

投擲された2本のブーメランブレードが弧を描く。変則的なその動きは予測し辛く、
刀身に施されたバリアブレイク機能によって防御は意味を成さない。
エリオが取れる選択肢は避けるか叩き落とすかの2つに1つ。エリオは迷わず避ける方を選択した。

《Sonic Move》

発動した加速魔法がエリオの動きを光速の領域にまで押し上げた。
命中の寸前で標的を失ったブーメランブレードは空中でぶつかり合い、虚しく床に落下する。
加速したエリオはそのままストラーダを振りかぶり、セッテ目がけてメッサー・アングリフを放つ。
セッテの防護服には電撃を無効化する仕掛けが施されているため、紫電一閃やサンダーレイジはほとんど通用しない。
打ち破るには打撃か斬撃による攻撃しかないと判断しての行動だ。セッテの怪力は脅威ではあるが、
斬撃ではなく打突ならばストラーダの推進力を活かすことで彼女の防御を上回るパワーが出せる。
そう思って踏み込んだ瞬間、エリオはセッテがブーメランブレードを手にしておらず、右手をこちらに向けていることに気づいた。

(しまった!?)

直後、エリオの視界を桜色の光が埋め尽くす。咄嗟に防御魔法を展開するが、踏み込んだ分だけ発動が間に合わず、余計なダメージを負ってしまった。
更にセッテは追撃をかける。手放していた残る2本のブーメランブレードを手に、一気にエリオに迫る。
422セッテ −その心の在り処− 第9話E:2008/03/25(火) 03:47:35 ID:QQXtSmw1
「死ねぇっっ!」

「ストラーダ!」

《Explosion》

繰り出された斬撃を、ストラーダのブースターを起動させることで何とか回避する。
舌打ちと共にセッテはブーメランブレードを投擲し、更に残りの2本を再び取り寄せてこちらも投擲した。
ここまでの戦闘でエリオの動きはかなり読めるようになってきた。向こうはかなりの中距離戦対策を行ってきたようだが、
こちらもエリオを模した仮想敵を相手に何度もシュミレーションを行ってきたのだ。エリオが行える選択肢は回避か槍もしくは射撃魔法による
ブーメランブレードの撃墜のみ。仮にそのどれを取ってきたとしても、セッテには冷静に対応できるだけの自信があった。
だが、ISを発動させたセッテの視界に奇妙なものが映った。

《Düsenform》

エリオの槍・ストラーダの形状が変化していた。セッテの記憶では、それは攻撃力と突破力を強化するための形態だったはずだ。
あれでブーメランブレードを叩き落とそうとしているのだろうか? 否、あれにはあくまで攻撃力を強化する能力しかなく、
一度に複数のものを攻撃する機能はない。限定的ではあるが機動力を強化する機能もあるが、扱い自体はスピーアフォルムと
そう変わらないはずだ。ならば何故?
そこまで考えたところで、セッテはもしやと思って周囲を見回した。

「!?」

頭上に3つのフォトンスフィアが形成されている。
恐らく、砲撃のどさくさに紛れて仕掛けておいたのだろう。だが、対電撃コートをまとっているセッテに電撃魔法である
フォトンランサーはあまり通用しない。魔力弾であるため多少は堪えるかもしれないが、せいぜい仰け反るくらいが関の山だ。
そう、仰け反らせることはできるのだ。

(それが狙いか!)

慌ててバックステップを踏むが、それよりもスフィアが煌く方が早い。
放たれた3発のフォトンランサーはまっすぐにセッテの体を撃ち抜き、衝撃で体のバランスが崩れる。
狙いすましたようにエリオは地を駆けた。デューゼンフォルムへと変形し、強化されたストラーダの推進力を活かした突撃。
それは迫りくるブーメランブレードを逆に吹き飛ばしながら、動きの止まったセッテにまっすぐに狙いをつける。

「でやぁぁぁぁっ!!

「ぐぅっ!!」

倒れる体を強引に奮い立たせ、両手にブーメランブレードを出現させる。
槍と剣が火花を散らし、互いの意地がぶつかり合う。
繰り出す槍は雷の閃きにも似た速さを誇り、受け止める投擲剣は不動な山のごとき頑強さで攻撃を受け止める。
エリオが電光石火ならばセッテは堅如磐石。その構えに隙はなく、怒涛のようなエリオの攻めを巧みな防御で受け流している。
それは一見すれば、エリオが攻めあぐねいているようにも見えただろう。だが、実際には違う。
エリオの攻めはセッテが防御に専念せねばならぬほどに苛烈で凄まじいものなのだ。気を抜けばこちらの防御を抜き、急所に一撃を入れてくる。
その激しい攻防の中において、セッテはエクスタシーにも似た快感を感じていた。
繰り出してくるのは一撃必殺。受け損えばそのまま昏倒し、そこで勝負は終わる。半年前までは自分と打ち合うのも精一杯だったエリオが、
今は自分を圧倒するまでになっている。
全ては自分のためだ。自分を殺そうとしているセッテを救うために、エリオはこれだけの力を発揮している。
セッテを救うためだけにエリオは槍を振るっている。セッテを救いたいがために、自分自身の手でセッテを傷つけようとしている。
423セッテ −その心の在り処− 第9話F:2008/03/25(火) 03:50:22 ID:QQXtSmw1
「嬉しいなぁ、エリオ・モンディアル!」

ストラーダを左手のブーメランブレードで受け止め、渾身の力を込めて薙ぎ払う。
そして、右手のブーメランブレードを捨ててがら空きになったエリオの胴体に右手を突きだす。
その手には、既にテンプレートが展開されていた。

「はぁっ!!」

「がぁぁっ!!」

桜色の砲撃が直撃し、エリオの体が吹っ飛ばされる。
その無様な姿を目にしながらも、セッテは嬉しさのあまり笑わずにはいられなかった。
エリオが自分のために槍を振るっている。自分を守るために槍を振るい、自分という害悪を倒そうとしている。
倒す相手も守る相手も自分。どちらも同じ、セッテという戦闘機人。そこに他者が介入する余地はなく、
それ故にここはセッテとエリオの世界だった。今この瞬間だけ、エリオ・モンディアルはセッテのものだった。
それがあんまりにも嬉しくて、セッテは目から涙を流しながら笑った。
この時間が愛おしい。
この瞬間が愛おしい。
この刹那が愛おしい。
この幕間が愛おしい。
エリオと殺し合うこの戦いが愛おしい。

「だから・・・・簡単には殺されてくれるな!」

手元に戻したブーメランブレードを再び投擲する。

「スローターアームズ・・・・・・アクション!」

ISによって制御された2本のブーメランブレードがエリオ目がけて弧を描く。
今までのどれよりも強烈で最速の一撃。左右から全く同じタイミングで襲いかかる投擲剣はさながら死神の鎌のようだ。

「でやっっ!!」

その一撃を、エリオはストラーダの一振りで叩き落とす。地面を転がりながらの不安定な攻撃ではあったが、
その勢いを利用して何とか立ち上がり、迫りくるセッテを見つめる。
セッテの手には、既に残る2本のブーメランブレードが握られていた。

「はぁっ!」

再び2本の投擲剣が放たれる。先ほどと同じ軌道。
今度もストラーダで打ち落とそうと腰を沈ませたエリオのその鋭い感覚に、焼けつくような危機感が走り抜ける。
424セッテ −その心の在り処− 第9話G:2008/03/25(火) 03:53:01 ID:QQXtSmw1
「!」

僅かに聞こえた風切り音だけを頼りに背後へとストラーダを振るう。
先ほど打ち払ったはずのブーメランブレードが再びストラーダの穂先にぶつかり、鈍い音を響かせて叩き落とされた。
セッテのISスローターアームズはブーメランブレードを制御するためのもので、その本質は投擲したブーメランブレードの
軌道を自由に操作できるというものである。逆に言えば、例え攻撃を凌いだとしても、浮遊している限り何度でも襲いかかってくることを意味している。
先ほど叩き落とした1本とは別に、もう1本が背後から迫ってきている。更に、前方からは2本のブーメランブレード。
前後同時に襲いかかる必殺の連携攻撃だ。
だが、その必殺をもエリオは粉砕した。
体に染みついた鍛錬の成果が、その致命的な三連を薙ぎ払ったのだ。
その無防備な体を目がけ、セッテは地を駆ける。その手には、1本だけではあるがやはりブーメランブレードが握られていた。
破壊されぬ限り何度でも手元に転送できる。それを活かした見事な戦術と言えた。

「はぁっ!」

「でやぁぁあっ!!」

その一撃すらも、エリオは凌いでみせた。
筋力で慣性を捻じ曲げ、ありえない角度に体を曲げながらストラーダを振るい、ブーメランブレードを打ち払う。
態勢を崩しながらもエリオはセッテの攻撃を防ぎ、そのまま攻勢に転じようとストラーダを握る手に力を込め直す。
その僅かな一瞬。
静が動へと転じる僅かな隙を突くように、セッテは右手をエリオの顔面に突きつける。

「!?」

「終わりだ」

絶望にも似た無慈悲な言葉がエリオを断罪する。
何度も目にしてきたはずだった。
セッテの武器は投擲剣だけではない。ナンバーズとしての彼女の役目は対人殲滅戦。
その手にあるのは薙ぎ払うための剣だけでなく、焼き払うための砲をも存在することを。
なのにそれに気づけなかったのは、彼女の術中に嵌り、そこまで思考が回らなかったからだ。
眼前で煌く桜色の光を目にしながら、エリオは静かに己の敗北を悟った。

                                                 to be continued
425B・A:2008/03/25(火) 03:56:09 ID:QQXtSmw1
以上です。
セッテの戦い方がどっかの弓の人みたいだなぁというツッコミは聞きません。
次回こそは必ず決着させます。この勢いなら、きっと恐らく多分ひょっとしたら最終回になると・・・・思う。
今まで散々口にしたこと守れなかったから自信ないですけど。
支援ありがとうございました。
426名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 06:20:37 ID:2SX/3WSD
>>425
ノーヴェええ子だね…。
GJです。
427名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 06:37:23 ID:Q3WM0/QO
スカが勝利して、捕まってしまう六課の一部のメンバー、スカの知的好奇心の為だけに弟のような存在のエリオと強制合体させられ孕んでしまうフェイトやはやて…
なんて妄想をしてる俺、自ら凌辱しないで搦め手で凌辱がマイブーム
428名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 07:31:21 ID:2DpkAlVA
>>425
また続きが気になるところで終わってる・・・
しかし、この二人いいな
まさしく戦いあうという普通じゃない方法で愛を確かめるみたいで
GJ!
429名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 07:40:28 ID:S9DIfPsP
>425 やばいセッテにぞくぞくしてきたw
430名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 08:06:31 ID:Ui7S4e1q
セインVSシャッハでセイン大勝利でシャッハ陥落って感じなシチュを考えてみた

ディープダイバーで逃げるセインと追跡し本編通りに先回りするシスター。
しかし先回りした部屋はAMFを発生させたガジェットが20体以上、配置されていて流石のシャッハも魔法が使えなければ単なるシスターと同じで
抵抗も虚しく生体ケーブルが絡みつきシャッハを絞め上げカランと足下にトンファーが落ちたのを合図に悲鳴と喘ぎ声が部屋に木霊し

隅っこで様子を見てたセインは
ドクター達はボロクソに言うけど、やっぱり。ここぞって時に頼れるのはガジェットだよ。って思いながらウーノの援護に向かう
431名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 08:11:57 ID:aciux1Te
>>368
無自覚にエロテク身に着けたショタは至高。でも淫獣死ね
続きを……幼いなのはたちに無自覚にエロマッサージを施すユーノや
ついに欲情したリンディさんに捕食される成長したユーノとか
お疲れのエリオやクロノやザフィーラを激しく責め立てるユーノをば


>>425
GJ! 雄たけびを上げるショタは至高
恐らく次で最終回か。心寂しいな
あとセッテの戦い方がどこかの弓の(ry
432名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 09:43:20 ID:AOyTc8aL
>>430
死ねよおめーら氏に期待だな。
433名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 12:02:14 ID:eHN07/bY
>>425
コレは素晴らしい殺し愛。続きに期待ですぜ!
GJ!
434 ◆Ev9yni6HFA :2008/03/25(火) 12:54:30 ID:ttPu0bX+
人がいないと思われるこの時間帯にこっそり投稿しちゃうぜ
・非エロです
・オリキャラ多数です
・独自解釈を含みます
・sts開始前の地上本部をメインにした話なので六課の面々については察してください
・NGワードは「尊ぶべき愚者」で
・短いです。小ネタレベル
435尊ぶべき愚者 十話  ◆Ev9yni6HFA :2008/03/25(火) 12:55:14 ID:ttPu0bX+
 平日の昼間から三人は公園のベンチに座りながら遊んでいる子供を眺めていた。
 何故か喫茶店の代金を払う事になった准尉は日に日に軽くなっていく財布を恨めしく見つめ、
 外交官は植木の影に隠れながら暢気にも赤いシロップのかかったアイスを頬張っている。
「あのですね、俺はこれから多額のお金が必要なんですが」
「なんだぁ? 女にでも貢ぐのかぁ?」
「いや、そんなんじゃ、……そんなんなのか」
「ふっふっふっ。なにやら訳ありのようだな。気にせず話してみ」
「無闇に話す事じゃないです。というか、真面目に仕事したらどうですか?」
 それとも、異国の宗教施設を見学したり女の子とお茶をするのが外交官の仕事ですか。
 そう言おうとしたが、さすがに気分を損ねそうなので控える。
「いや、俺も結構大変なんだよ。代表からは四つも任務を言い渡されてさ」
 外交官は左手の親指だけを曲げて四を表現する。
「一応、二つは殆んど完遂したも同然なんだが、完遂しちゃうとミッドチルダとの交渉がご破算になっちまうんだよな」
「なんでそんな任務を」
「代表からは早急に交渉を終えてこいと言われたが、同時に長引くようならひたすらに引き延ばせとも言われた。重要度はその程度なんだ」
「なんでです? 下手したらテロ国家扱いされるんじゃ」
 質問に外交官は困った表情で頭を掻く。
「どうせ有耶無耶になるからな。交渉なんて適当でいいと代表は言ってるんだ」
「はあ」
 いまいち分からないが政治的に入り組んだ事情があるのだろう。
 准尉も管理局が清廉潔白な組織だという幻想は持っていない。
 金か武力か、それとも別の何かか。
 交渉という真っ当な手段以外で事態を終息させようとしているのだろう。
「それより、お前は結局何に金を使うんだ?」
 せっかく話を逸らしたのに振り出しに戻されてしまった。
「だから言い触らすような事じゃない、で……」
 言葉が途中で途切れる。
 准尉の視線の先には一人の少女がいたのだ。
 その少女は右手に買い物袋を下げ、左手首に巻かれた時計を確認しながら歩いている。
 准尉は弾かれたようにベンチから立ち上がり、少女に向け一目散に駆け出す。

「君!」
 大声で呼びかけると少女は足を止め、准尉に振り向く。
 その目は冷えきり、准尉を嫌悪の表情で睨みつける。

「消えてください。顔も見たくないんです」
 拒絶を意味する辛辣な言葉だった。
「ちょっと待ってくれ」
「っ」
 少女の肩を掴もうと伸ばした手は即座に払い除けられ、次の瞬間、准尉の視界は暗転した。


 買い物袋が見事な軌道で准尉の側頭部に命中し、よろめきながら地面に倒れ込む。
 殴り倒した少女は情けなくうつ伏せになっている准尉に声をかけようとしたが、結局無言のまま去っていく。


436尊ぶべき愚者 十話  ◆Ev9yni6HFA :2008/03/25(火) 12:56:41 ID:ttPu0bX+
「何だろうな。痴情の縺れかな。信じてくれ! あの女の事は誤解なんだ」
 残ったアイスを一口で飲み込んだ外交官は大袈裟な動きで執務官の肩を掴む。
「……うそもうおとこなんてしんじられない」
 能面のように無表情な執務官は抑揚をつけずに一本調子に喋る。
「……客観的に見ると准尉が一方的に付き纏っているでしたが」
「確かにな。それより、年齢的に危ない気がするが」
「管理世界では就業年齢が低いそうですから結婚年齢も低いのでは。僕の故郷でもあれ位での結婚はありふれてました。
 医療技術が未熟で平均寿命が短いのが直接的な原因ですが」
「なーるほど。俺の所じゃ結構アバウトだな。まあ平均寿命がやたら長いし。さて」


 准尉は脳震盪でも起こしたのか目の焦点が合っていない。
 近付いた外交官は准尉の首根っこを掴むとそのまま放り投げる。
 准尉の体は空中で回転しながら飛沫を巻き上げ公園の池に飛び込む。
「ナイスコントロール」
 わりと深いのか准尉の全身が池の中に沈む。
 最初こそ気泡が浮かんできたが次第に数が減り、遂には浮かんでこなくなる。
 
 執務官は眉を寄せて難しい顔になると池に走り寄り、片足を掴んで准尉を引き上げる。
 全身ずぶ濡れの准尉は咳きこみながら水を吐き出す。 

「危ねえよ!」
「意識を手っ取り早く回復させる為だ。溺れるとは思わなかった」
「せめて助けろよ!」
「悪い。俺は泳げなくてな。水は苦手なんだ」
 それ以上抗議する元気は准尉には残っていなかった。

「さぁーて。きりきり吐いてもらおうか」
 取り調べが開始された。

 肉体的にも精神的にも衰弱していた准尉は特に口答えもせずに自分と少女の関係について喋っていく。
 だが、話を進めるたびに当初の意志が朽ちていくのが実感出来た。
「つまり、足長おじさん計画か。それとも光源氏?」
「……なにそれ」
「ああ、こっちにはないんだったか」
 異文化交流ってやっぱ大変だな、と外交官はぶつぶつと呟く。


「遺族というのは相手の事情も考えずにわめき散らすものだよ。君が気に病んでわざわざ相手をする必要もないと思うけど」
 意外に手厳しいな執務官だった。
「そういう訳には……」
「君に非はない。なら、君が謝罪した所で彼女が苦しむだけだ。迷惑なんだよ、そういうの」
 彼にしては本当に珍しく、怒気が籠っていた。


「ただまあ、話を聞く限り俺も無関係という訳にはいかないか。身内、とは認めたくはないが身内の罪は身内で清算しないとな」
 外交官は渋面のまま嘆息する。
「じゃあ」
「ただ、俺に出来るのは代表と彼女に頭を下げる事だけだ。彼女の心を癒すのは俺如きには無理だ。
 当事者じゃない人間がいくら言葉を並べてもただの戯言だし人の死を侮辱するだけ」
「外交官……」
 初めて真面目な事を言い出した外交官に准尉は内心の驚きを隠しきれなかった。
「時間はかかるだろうが、お前が諦めなければ彼女にも伝わるさ」
「……はい」
 背中を後押しされ、落ち込みかけていた准尉はやる気を取り戻す。
437 ◆Ev9yni6HFA :2008/03/25(火) 12:57:21 ID:ttPu0bX+
以上です
短い内容ですみません

それと非常に厚かましい頼みだという事は理解しているのですが、
この話を保管庫に入れる際には先に投稿した十話の12/13、13/13として保管していただけないでしょうか

自身の構成力のなさが原因なのですが十一話として扱うとバランスが悪くなってしまったのです
お手数をかけますが、なにとぞよろしくお願いします
438( ゚Д゚) :2008/03/25(火) 14:19:15 ID:9zOAGH6u
投下しても良いのでしょうか?
439名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 14:25:53 ID:o21sfdO3
>>438
どぞ
440( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2008/03/25(火) 14:30:57 ID:9zOAGH6u
他のシリーズの構想もありまつが今週はムリぽです。
この後睡眠とって0時から仕事だし。休暇取ってるヤツの穴埋め。

仕事場はマスコミで鬱陶し……いやなんでもないです。

注意事項
・非エロ。
・すンばらしく捏造要注意。
・オリキャラ注意。オリキャラTUEEEE気味注意。
・準オリキャラ注意。準オリキャラTUEEEE気味注意。
・レジアス中将はモブか悪役だと思っている方は読まないほうが吉です。
・スバルファンは要注意。 ティアナファンは激しく要注意。
・あぼーんキーワードは「熱き彗星の魔導師たち」
441熱き彗星の魔導師たち 13-01/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/25(火) 14:31:51 ID:9zOAGH6u
「ねぇ、なのは、これやんなきゃならないわけ?」
 機動6課隊舎。
 フォワード小隊オフィスルーム……ではなく、ビハインド小隊オフィスルーム。
「そうだよ」
 あんまり乗り気ではなさそうなアリサに、一方のなのははニコニコと笑顔で言う。
「見極めの基本だし、それにガジェットもロケット砲使ってくるでしょ?」
「機関砲積んでるヤツも居るし、もっと有効なやり方がありと思うけどなぁ」
 自分の執務机の椅子に座るなのはに対し、アリサはその机に、行儀悪く腰を下ろしてい
る。
「まぁ良いわ、ティアナの事もあるし、海(次元巡航警備部)式の見極めなら、一度やって
おくわ」
 アリサは苦笑しながら、立ち上がって、身体をなのはに向けた。
「うん」
 なのはは笑顔のまま、頷いて返す。
「ねぇ、アリサ、ちょっと良いかな」
 代わって、小隊長席に座るフェイトが、アリサに声をかける。
「? 何?」
 アリサは、小首をかしげながら、フェイトの傍らに移動する。
「これ、飛行型ガジェットから回収した機関砲の、分解データなんだけど……」
「ふむふむ?」
 アリサが覗き込むと、フェイトの机の、非実体コンソールのディスプレィに、機関砲の
三面図が表示されていた。
 データも添えられて、表示されている。弾頭口径20mm。全長1885mm。重量34kg。初速約
750m/sec、発射速度約500rpm……
「で、これがどうかしたの?」
 アリサは、フェイトの顔を覗き込んで、聞き返した。
「アリシアに調べてもらったんだけど、管理局が把握してる過去の質量兵器とは、少し違
うんだって。特に機関部の構造が、独特で……」
「スカリエッティが独自に開発したんじゃないの?」
 どこか困惑したようなフェイトの言葉に、アリサはさらっと言い返す。
「それならそれで良いんだけどね……質量兵器だから、ひょっとしたら、と思って」
「! 地球の兵器かも知れないってこと?」
 フェイトの言葉に、アリサはいくらか表情を険しくして、ディスプレィを覗き込んだ。
「この前のレリック爆弾の時も、地球製の部品使ってたよね? だから……」
「うーん」
 アリサは面白くなさそうに身を起こし、後頭部を掻く。
「あたしもこういうのはあんまり詳しくないからなぁ」
「そっか……うん、ごめん。こっちで調べてみるよ」
 アリサの言葉に、フェイトは苦笑混じりに、そう言った。
「差し支えないようだったら、あたしの端末にデータ送っといてくれる?」
 アリサは、空中を指差す仕種をしながら、言った。
442熱き彗星の魔導師たち 13-02/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/25(火) 14:32:16 ID:9zOAGH6u
「…………」
 フェイトは、僅かに逡巡した後、苦笑の表情に戻って、答える。
「うん、解った」

熱い彗星の魔導師たち〜Lyrical Violence + StrikerS〜
 PHASE-13:The passing "mistake"


「はい、それじゃ今日は、各員の練達度を確認する為の模擬戦をします」
 準備運動を終えて、一列横隊をとるフォワードメンバーの前で、投げやりに棒読みな言
葉で、アリサは言った。
 アリサの態度に、シグナムは「おやっ?」と言う表情を、アリサに向けた。
「“Shoot innovation”。ルールは単純、5分間あたしの射撃から逃げ切るか、あたしに
1発入れたらClear。2人のうち、どっちか1人が被弾してもGAME OVER。そのかわり、あた
しは、そっちが懐に飛び込んでこない限りは、射撃以外で攻撃することはないわ。O.K.?」
 アリサの説明を聞いて、一瞬、スバルとティアナが、目配せをした。
「はいっ!」
 4人の声が重なる。
「それじゃ、第1小隊から。準備始め」
 アリサはそう言って、パン、と手を鳴らす。
「なんだ、バニングス、あまり乗り気ではないようだが」
 動き始めた小隊員を他所に、だれた表情でため息をつくアリサに、シグナムが聞く。
「あたし、Shoot innovationってあまり好きじゃないのよ」
 アリサは、ため息混じりにそう答えた。
「なんだったら、僕がやろうか? 誘導弾とかは、アリサよりは上手くできるよ?」
 ユーノは、意図的に“得意”という単語を回避しつつ、そう言った。
「ありがとユーノ。でもねぇ……得意不得意の問題じゃなくて、好きじゃないのよ」
 アリサは苦笑しながらそう言って、それから、訓練区画の方に向かって、歩き出す。
 心配気にアリサを見送ったユーノは、シグナムと顔を見合わせた。
 半壊したビルのドア、訓練区画の出入り口になっているそれを開け、アリサは廃棄区画
の中に進む。
「スバル、マギー、準備は良いかしら?」
 瓦礫の崩れかけている道路上にいる2人に、声をかけた。
「アリサさんって、近接特化でしょ? 訓練になるのかな」
 スバルがそう呟き、小首をかしげた。
「はぁ……」
 それを聞いたマギーは、肩でWS-Fを抱えながら、盛大にため息をついた。
 それから、顔を上げて、アリサのほうに視線を向ける。
「良いわよアリサ、いつでも始めて」
443熱き彗星の魔導師たち 13-03/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/25(火) 14:32:41 ID:9zOAGH6u
「O.K. じゃあ、3 Countではじめるわよ」
 マギーの言葉に、アリサがそう返してくる。
「Ready、Three……」
 その声に、スバルが構え、マギーもWS-Fを両手で握る。
「Two……One……」
 そこで、スバルが両腕を振り上げた。
 マギーは、そちらに視線を向ける。
「Go!!」
「エラ・ストラーダ!」
 スバルは、空中に向かって、魔力光の道を編み出す。一気にそこを進み、空中に躍り出
た。
「はぁぁぁぁっ!」
 スバルは、アリサに向かって、一直線に迫る。
『Divine clasher』
 レイジングハートから、オレンジ色の魔力の槍が、迸る。
 スバルはエラ・ストラーダの道を蹴り、飛び上がった。スバルのいた空間を、ディバィ
ンクラッシャーが薙ぐ。
 エラ・ストラーダはそのまま伸び、アリサの下側を抉るように通る。
『Knuckle duster』
「っ!」
 だが、スバルがその地点を視界に捉えた時には、アリサは既に、そこにいない。
『Revolver set』
「えっ?」
 スバルの上方、やや後ろから、レイジングハートの声がした。
『Divine shooter, Burst shot』
 レイジングハートの同心円の円周上に、12発の魔力弾が集束すると、それが次々にスバ
ルに向かって撃ち出される。
「うわっ、うわぁっ」
 スバルは、周囲に着弾するディバィンシューターから、身をよじりつつ、疾走して回避
し続ける。
「ミッドチルダ式ってこと忘れないで欲しかったわね。誘導はほとんど使わないけど、高
速直射はそれこそばら撒くみたいに撃つんだから」
 マギーはそう言いつつも、スバルに向かって撃っているアリサに、後ろ下方からWS-F
を向けた。
『Stinger snipe』
 深紫の魔力弾が、アリサめがけて発射される。
「!」
 アリサは急機動をかけつつ、それを振り返った。一度慣性で通過したマギーの誘導弾が、
孤を描いて戻ってくるのと、正対する。
444熱き彗星の魔導師たち 13-04/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/25(火) 14:33:10 ID:9zOAGH6u
「レイジングハート!」
『Revolver set』
 レイ・ランスの、青白い小さな魔力弾が、数十発、レイジングハートの同心円上に集束
する。
 だが。
『Axel stinger, Break shot』
 WS-Fから、深紫の散弾が、そのアリサに向かって発射される。
「くっ」
『Flash move』
 スニーカーから生えたオレンジ色の翼が羽ばたく。アリサは急降下で散弾から逃れると、
地表スレスレまで降下してそこで水平に反転。そこからマギー自身に向かって、飛ぶ。
「っ!?」
 アリサが高速ですれ違うと、マギーもまた急機動を行い、その場から逃れる。
『Ray lance, Burst shot』
 ババババババッ
 アリサは進行方向と速度はそのままに身体の前後を入れ替えると、一気にそれを撃ち出
した。
 マギーのスティンガースナイプが、そのうちの1発と衝突し、お互い弾けて消滅する。
「!」
 そのアリサの右斜め上に、エラ・ストラーダが描かれる。
「はぁぁぁっ!」
『Knuckle bunker』
 アリサの直上から、魔力光の絡んだ衝撃波が振ってくる。
 だが、アリサは既に、そこにいない。
 ドガァッ!
 コンクリートの地面に、衝撃波が叩きつけられる。それからやや逸れて側方に、スバル
は着地した。
『Stinger blade, Phalanx shift』
「なっ!?」
 上昇し、マギーを追って視線を動かしていたアリサは、突然、自分を取り巻くように発
生した無数の魔力スフィアに、目を白黒させる。
 魔力スフィアが剣を模った魔力弾に変わり、アリサめがけて無数に射撃される。
 ヒュンッ
 アリサは急降下で、ファランクスシフトの集中点から逃れた。
『Axel fin』
 バババババババッ
 地表スレスレを高速飛行するアリサの後ろを追って、スティンガーブレイドが次々着弾
する。
「!」
 全ての魔力スフィアがスティンガーブレイドとなって撃ち出されきったかと思った時、
アリサの目前に、ほぼ同高度の真正面から、マギーが突っ込んできた。
445熱き彗星の魔導師たち 13-05/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/25(火) 14:33:41 ID:9zOAGH6u
『Break slash』
 WS-Fの先端から、深紫の光の魔力刀が出現する。
『Sprite slash』
 ガキィンッ
 斬りかかって来たマギーを、アリサはレイジングハートで受け止めた。
 バチバチと火花を散らしながら、WS-Fとレイジングハートが凌ぎあう。
「スバル、今っ!」
「っ、味な真似するじゃない!」
 マギーが声を上げたのに、アリサは歯を食いしばりながら、呟くように言う。
 だが、スバルが近寄ってくる気配も、射撃の反応もない。
「スバル!?」
「マギー、離れてっ」
 スバルは、その正面にアリサを捉えつつも、構えるだけで、向かってこようとしてはい
なかった。
「何やってるの、今なら動きが封じられてるからっ」
「…………」
 アリサは僅かに凌ぎ合いを続けるが、マギーの言葉にスバルが動き出さないことを確認
すると、スバルを向いてしまっているマギーの視界の外で、左手をレイジングハートから
すっと離した。
『Ray lance』
 バヅンッ
「ぐっ……」
 それを胸部に受けて、マギーの身体が、身体1つ分下がった。
 模擬戦モードに入っている為、バリアジャケットを貫通してダメージを与えることはな
い。
「うわぁぁぁぁぁっ!」
「!?」
 アリサとマギーが、驚いて、声のほうを見た。
 既にマギーが一撃入れられて、模擬戦は終了。だが、スバルはエラ・ストラーダをアリ
サに向かって伸ばすと、正面から飛び掛ってくる。
「なっ!?」
 アリサは面食らったように驚きつつ、レイジングハートにシールドを張らせようと突き
出そうとする。が、
「スバル、何やってんのよ、終わり、終わり!」
 と、アリサの前に、マギーが割り込んだ。
『Limiter reset』
「えっ」
 アリサもキョトン、としたが、声を出したのは、スバルの方だった。
『Protection』
 WS-Fが、深紫の魔力光のシールドを張る。
446熱き彗星の魔導師たち 13-06/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/25(火) 14:34:11 ID:9zOAGH6u
 ガキィィンッ
 魔力光を纏ったスバルの拳を、深紫のシールドが受け止める。
 バチバチバチバチッ
「あ……」
 スバルは拳を引き、その場に直立した。
 シールドを解除したマギーが、憤慨して、まくし立てる。
「んもう、何やってんのよ!? せっかくあたしがアリサの動き殺したと思ったら、それじゃ
攻撃しないし、あたしが一撃入れられて終了なのに、それから襲い掛かってきたりして」
「え……と、……、うん、ごめん」
「…………」
 俯くスバル。しかしその様子は、消沈したと言うようなものではないことに、アリサは
気付いた。
「あたしに謝ったってしょうがないでしょうが!」
 マギーは気付かなかったのか、年上のスバルを、容赦なく糾弾する。
「ま、まぁまぁマギー、あたしだってホラ、熱くなると目の前しか見えなくなることある
し、それぐらいのミス、気にしないから」
 アリサは慌てて、マギーを宥める。普段どちらかと言うと宥められる方であることに、
自分で少し違和感を覚え、苦笑した。
「はは……」
「……まぁ、アリサがそう言うんなら別に良いけど」
 マギーはそう言って、WS-Fを肩に抱えた。しかし、完全に納得したわけではないようで、
不機嫌そうに口を尖らせる。
「それじゃ、うちの2人、呼んできてくれる?」
「あ、はーい」
 マギーはそう言って、入り口の方に向かって歩き出そうとする。
 が、スバルはそれについていこうとしない。
「スバル! 行くわよ」
「え、あ、う、うん」
 マギーに促されて、スバルはようやく、訓練区画を出て行った。
「どうにも、完全に嫌われたわねー」
 はぁ、と、アリサはため息をつく。
「アリサー、第2小隊、入るっスよ〜」
 ウェンディの声がする。
「O.K. 指定のStart位置についてー」
 アリサは、声を上げてそう答えた。
 ウェンディとティアナが、予め指定された、先ほどのスバルとマギーと同じ位置に立つ。
「アリサはほとんど誘導は使ってこないっス」
 いつものような軽さはなく、どこか険しさを感じさせる表情で、ウェンディは言った。
「射撃が飛んでくるときは、必ずこっちからもあっちが見える位置にいるっス」
 そう言うウェンディを見て、ティアナは意外そうな表情をした。
447熱き彗星の魔導師たち 13-07/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/25(火) 14:34:46 ID:9zOAGH6u
「2人とも、準備は良い〜?」
 アリサの声が、正面の上方から、響いてくる。
「いつでもどうぞっス〜!」
 ウェンディが、手を振りながら、そう答えた。答えてから、構えを取る。
「行くわよ! Ready、Three……」
 ティアナも表情を引き締めて、クロスミラージュを両手で構える。
「Two……One…………Go!」
 アリサの声と、ほぼ同時に。
『Detached Floater board』
 ガチン
 アンダウンテッドアイアスのキャリアアームから、フローターボードが切り離される。
ウェンディは駆け出しながら、フローターボードに飛び乗った
『Divine』
『Clasher』
 レイジングハートとアイアスの声が重なる。オレンジと赤紫の魔力弾が、お互いの中間
点で、すれ違う。
 しかし、既にその射線上に、2人はいない。
「ふっ」
「ひゅうっ」
『Devine shooter』
 アリサのバーストショット12発と、ウェンディのマルチショット6発が、交錯する。
「貰ったっス!」
「甘い!」
 アリサは言い返して、構えた。
「!」
 しかし、フローターボードに、ウェンディの姿はない。
「でぇりゃぁっス!」
 直上、しかし至近。
『Edge slash』
 アイアスの魔力斬撃で斬り込んできたウェンディを、アリサは捻ってかわすと、アリサ
はそのまま、急機動でウェンディから離れる。ウェンディは、少し遅れて高度を落として
から、体勢を立て直す。
「! レイジングハート!」
『Ray lance』
 キィン!
 アリサが脇に向かって放った青白い魔力弾はしかし、間違いなく目標を抜いた。
 しかし、命中したはずのティアナは、像が蜃気楼のようにふわりと融けて消えた。
「ティアナ……幻術!?」
 アリサは、軽く驚く。聞いてはいたが、本格的に使っているところを見たのは、これが
初めてだ。
448熱き彗星の魔導師たち 13-08/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/25(火) 14:35:55 ID:/eL+2cGi
 それだけ使い勝手が悪いということでもあるが、目標が1体なら使いようもある。
「だから、嫌いなのよ」
『Ray lance』
『Divine shooter』
 ウェンディの、赤紫の魔力弾が、青白いレイ・ランスと弾道を交錯させた。
 向かってくるウェンディを、アリサは、急機動で孤を描きながら、引き離す。
「!」
 ビルの影、空中、路地。あちこちに、ティアナの姿が見える。
 アリサはそれに違和感を覚えたが、急機動の最中で、それを確認することができない。
『Axel fin』
 急上昇して、ビルの屋上へと出る。
 ヒュンッ
 アリサにあたる日光を、フローターボードが遮った。
「っ!?」
「たぁぁぁぁぁっ!」
 しかし、上からアリサめかげて突っ込んできたのは、ティアナだった。
「!?」
 アリサは目を疑い、驚愕の表情になる。ティアナはクロスミラージュを構えていない。
その手に握られているのは、ティアナが6課配属以前から使っていた、簡易デバイスのハ
ンドガンだ。
 その銃口から、バーミリオンの光の魔力刀が生えている。
『Protection』
 戸惑いを覚えたアリサは、反射的にシールドを張ってしまう。
 ガキィィンッ
 澄んだオレンジのシールドと、赤みがかったバーミリオンの魔力刀が、交錯して、火花
を散らす。
「なにやってんのよ、アンタは……」
 驚いたような顔をしていたアリサだったが、凌ぎあいながら、そう言って、ティアナを
見据える。
「はぁっ」
 ティアナは一旦、凌ぎ合いをといて後ろに跳び、ビルの屋上の建屋に載った。
「私は! もう誰も、傷つけたくないから! 失くしたくないから! 強くなりたいんで
す!」
 ガキン!
 ティアナは、悲痛な叫び声でそう言いながら、カートリッジを撃発させる。
 銃口のバヨネットが、掻き消えた。
「そう……」
 アリサの唇の端が、にやりとつり上がる。
『Load Cartridge』
 ズドンッ
 レイジングハートが、2発のカートリッジを撃発させた。
449熱き彗星の魔導師たち 13-09/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/25(火) 14:36:26 ID:/eL+2cGi
「アリサ!」
 ウェンディは驚愕して、アリサに向かって飛び掛ろうとする。
『Chain bind』
「なっ!?」
 ウェンディの四肢を、オレンジ色の光の鎖が絡め取る。
「ファントムブレイザー!」
 バシュゥゥッ
 バーミリオンの魔力光の砲弾が、アリサを掠める。
 しかし、次の瞬間、アリサはティアナの目前にいた。
『Fire slash』
「プロテクション!」
 ガキィィンッ!
 オレンジの光を帯びたレイジングハートを、バーミリオンのシールドが受け止める。バ
チバチと、激しく火花を散らす。
「ぐっ……」
 じり、と、ティアナは圧される。
「どうしたの!? ティアナ、アンタの本気はこの程度なの!?」
 左手でレイジングハートの峰を圧しながら、アリサは問い質すように言う。
「エクスプロージョン!」
「っ!?」
 ドォンッ!
 ティアナが、シールドを構成する魔力を、爆発に変換して、アリサに向かって解放した。
 ヒュンッ
 アリサは急機動でそれから逃れつつ、ティアナと間合いを取ろうとする。
 しかし、ティアナはその爆煙の中から、再びバヨネットの生えたハンドガンを握り、ア
リサに飛び掛ってきた。
「たぁぁぁぁぁっ!」
『Divine clasher』
「! しまった!」
 飛び掛ってくるティアナに向かって、射撃の術式を完結させてしまってから、アリサは
はっとする。
「ティアナー!!」
 バインドに捉まったままのウェンディが、声を上げる。
 ティアナの胸部を、オレンジの閃光が貫く。
「あぁあぁぁっ!!」
 ティアナの体制は崩れ、射撃の勢いで反対側に跳ね飛ばされる。
『Flash move』
 重力加速にさらに加速力を加えて、アリサは落下していくティアナを追う。
『Floater field』
 30階ぐらいの高度で、落下するティアナの真下に魔力の緩衝材を発生させ、その身体を
受け止めさせる。
450熱き彗星の魔導師たち 13-10/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/25(火) 14:36:52 ID:/eL+2cGi
 アリサはすかさずその下側に回りこみ、両腕でティアナの身体を抱きとめた。
「ふぅ……」
 息をついてしまってから、ティアナの様子を確認する。
 気を失っているが、ディバィンクラッシャーの命中した部分のバリアジャケットは焦げ
ているだけで、実際に貫通した様子はない。
「よし……訓練用リミッターは効いてたか」
『Since it‘s not canceled』
 解除していませんから、と、レイジングハートが言う。
「そりゃそうなんだけどね……」
『Barrier penetration is also adjusted exactly』
「ありがと、レイジングハート。ホント、アンタで助かるわ」
 苦笑気味に穏やかに笑いつつ、アリサはレイジングハートに言う。
「アリサ、大丈夫!?」
 飛行魔法で近づいてきたのは、ユーノだった。
「あたしの心配は必要ないわよ」
 アリサは苦笑した表情のまま、ユーノに言ってから、
「あー、そうでもないか。あたしもまだまだねー」
 嘆くように、声を上げた。
「アリサ……」
 ユーノは、困惑気にアリサを見ていた。
451熱き彗星の魔導師たち 13-11/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/25(火) 14:37:56 ID:XtjtMCDe
>>441-450
今回は以上です。
452名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 15:32:08 ID:Q6UjOteQ
最近このスレは、毎日投下があって当たり前、という贅沢に慣れっこになってないか?
453名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 15:52:09 ID:C7QNctws
それは◆kd.2f.1cKcさんに言ってくれwww
この人って本職さんなのかな?
平日昼間投下とか神過ぎる
454( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2008/03/25(火) 15:56:55 ID:XtjtMCDe
勤務時間帯が人と違うだけでございます。
455名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 16:41:03 ID:C7QNctws
あ!
ゴメンwwwちゃんと書いてたわwww
456名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 17:40:01 ID:pM9sglw6
本当にここは野生のプロが多いスレでつね
457名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 17:58:48 ID:PlTb/7eO
鶴の越冬地?いいえ。ここは本来、掃き溜めですよ
458ザ・シガー:2008/03/25(火) 18:05:23 ID:/GNYD8up
なんか少し前に凄いスーパー淫獣タイム(決してユーノタイムに非ず)があったみたいですが、これは次のソープで淫獣メインを書けと言う天の声か?

どうしましょう、実はソープの小ネタと「烈火の将〜」を平行で進めてるんですが。
“エロ変態淫獣が見たいよ”という読者諸氏の意見があれば即座に執筆に取り掛かりますが、どうします?
459名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 18:06:41 ID:DCn2X0oM
んじゃどちらもスルーしてクロ×エリ頼む、納豆付きで
460名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 18:11:55 ID:tpB+mtXq
>>458
俺はエロ淫獣に一つ
461名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 18:21:30 ID:QQXtSmw1
淫獣というかソープが読みたいです。
故に淫獣に一票。
462ザ・シガー:2008/03/25(火) 18:27:02 ID:/GNYD8up
>>459
こうっすか?

「二人の納豆タイム」

グチャグチャという淫らで湿った音が部屋の中に響く。
クロノの手によって異常に太い二本の棒が無常に動き、蹂躙でもするかの如くエリオの前で蠢いている。


クロノ「ふふっ、凄い音だな」
エリオ「‥‥は、はい」


エリオは恥ずかしそうに顔を赤らめながら静かに答える、彼にとってクロノと“する”のは初めての体験なのだ無理も無い。
だがクロノは容赦なくエリオに迫った。


クロノ「どうだいこの匂いは?」
エリオ「凄く‥‥臭いです」
クロノ「初めは少しきついかな? でもじきにこれが止められなくなるのさ」


クロノはそう言うとエリオの口に無理矢理、固い棒を突っ込んだ。
粘り気を付けられたそれはエリオの口内を辱めていく。


エリオ「むぐうっ!」
クロノ「さあ、残らずしゃぶり取れ」


エリオは口の中に入れられた粘り気を全て呑み込み、凌辱的な一幕が終わりを告げる。
いまだ口の中に残る違和感に顔をしかめるエリオにクロノは優しく尋ねた。


クロノ「どうだった?」
エリオ「その‥‥独特な匂いですけど、結構美味しいです」
クロノ「そうか、それは良かった」


こうして二人の納豆を食べ続けた。

終幕。
463名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 18:30:42 ID:DCn2X0oM
うっかり音沙汰無いからやべぇ怒らせたか?と思ってたらもう書き上げおった
この納豆伯爵、アンタなんて大好きだわ愛してる




ふぅ・・・納豆うめぇ
464名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 18:38:00 ID:+TOlj6ku
>>462

  ( ゚д゚)      
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/    /
     ̄ ̄ ̄

  ( ゚д゚ )
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/    /
     ̄ ̄ ̄

  ( ゚д゚)
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
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  ( ゚д゚ )
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/    /
     ̄ ̄ ̄
465名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 18:42:08 ID:frwVPWli
>>464
こっちみんな…………いや、うん、気持ちはわかるわ( ゚д゚ )
466名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 19:56:17 ID:Q6UjOteQ
>>453
◆kd.2f.1cKc一人のことなぞ話題にしとらんが…
467名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 20:00:41 ID:NQkXeBWU
>>427
エロいわぁ…
是非文章で読んでみたいぜ……
468名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 20:02:40 ID:SSDNeVKc
ソープが昔はトルコ風呂だのトクヨクだのと呼ばれていた事や、建て前としては自由恋愛なので本番有りなのは知っていると思うが、

その昔、札幌はすすきのに『ボーイトルコ』なる店があったらしい……などと知っている人間はそういないだろう……

僕もすすきのの広報誌にあったのの受け売りで、しかも現物がないのであれだが。



……シガーさん、分かっておろうな?
469名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 20:26:03 ID:V1JV1/oW
ふむ、それは泡姫ならぬ泡王子が、あまりの過酷な労働にバタバタ倒れ、
ついには廃業の憂き目にあったと聞くアレであろうふか
470名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 20:26:34 ID:MCqpyxSr
信者って墓穴ばっか掘ってるよね
471ザ・シガー:2008/03/25(火) 20:37:10 ID:/GNYD8up
>>468
ごめん、俺ノーマル。
472名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 20:57:45 ID:ngQj7tA3
>>470
信者がケツを掘るとな。
473名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 20:59:50 ID:8QmCmS53
>>471
またまた御冗談を
474名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 21:05:17 ID:SSDNeVKc
>469
それは知らんが、客の男の背中を流す写真があったり、ある時は室蘭の有閑マダムがタクシーで乗り付けたとか。
>473
禿しく同意。

レティさんがフタナリオットーを指名すると良いでゴザルよ。
475名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 21:23:12 ID:qeqcb8Ve
ザ・シガー氏のグリフィスの未来が心配だ・・・散るとしたら、散り際も
アカギらしく散ってほしいものだ。
476名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 21:26:42 ID:ixdyJvQK
>>466
人に意見できる程、ご立派な人間なら、
職人さん呼び捨てにしてんじゃねーよクソがw
477名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 21:29:19 ID:aciux1Te
お前ら俺の大好きな納豆を卑猥な汁や劣情で汚すんじゃねぇ!
前々から常々思っていたがお前ら生命を保ち育む食べ物をなんだと思ってやがる
毎日朝食に欠かせなかった納豆も最近は素直な気持ちで食せなくなっちゃったじゃないか
478名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 21:31:53 ID:L6IouUAc
>>477
おれはそんなの気にせず今日もおかめ納豆食いまくりだったぞ
479名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 21:35:32 ID:8VLZ/KQg
>>477
隙を見せると納豆に陵辱されるから気をつけるように。
480名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 21:41:42 ID:HEcU2zZY
もはやこのスレに納豆は欠かせないものにwww
481名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 21:43:02 ID:HEcU2zZY
もはやこのスレにおいて納豆は標準語にw
482名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 21:44:04 ID:/D906O5F
納豆→関西人は納豆嫌い多し→八神家では納豆は出ない→守護騎士は納豆知らない


という流れで納豆に陵辱されるヴィータを妄想してハァハァする俺は重症
483名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 21:48:16 ID:pM9sglw6
>>482
末期です早々に病院へ行くことをお勧めします
484名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 21:51:02 ID:uWb7XSuE
いやまてはやてって関西人だっけ?口調がっぽいだけじゃないの?
485名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 21:54:13 ID:jSMu8otx
自分で面白いと思って関西弁にしてるわけか、はやては。
べしゃり暮らしの主人公みたいに。寒くね、それ。寒くね?
486名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 21:55:32 ID:qxYQuWg6
中の人が関西方面出身じゃなかったか?
487名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 22:03:54 ID:yUAsK8k/
はやての前世レンが関西弁喋ってたからだろ
488名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 22:17:05 ID:+22t5ecK
まぁ、今の時代に関西人は納豆嫌いが多いってほとんど迷信みたいなモンだしね

>>485
オレはガンパレの祭ちゃんを思い出したw はやての場合は関西出身って考えた方が自然だわなぁ
489サイヒ:2008/03/25(火) 22:22:03 ID:YkHhUvbS
納豆エロの一番槍をておあー氏に取られたぜちくしょーと叫びつつ、
納豆姦ならぬ納豆プレイなど投下させてもらいます。


オットー×ディードで納豆プレイ。
ナンバーズ総出演。エロがあるのは上記二人とおまけのドゥーエだけですが。
オットーがエロノ・淫獣レベルの鬼畜かつ変態になってますが、気にしないでくれると作者が感謝します。
納豆がひたすら粗末に扱われてます。大豆農家の方と納豆職人のみなさん。ごめんなさい。

一応言っておけば、俺は納豆大好きですよ。

ではどうぞ。
490オットーと納豆:2008/03/25(火) 22:23:42 ID:YkHhUvbS
「あー、腹減った」
「今日のご飯はなにっすかねぇ。……あれ?」
 訓練終了後も残って連携の練習をしていたノーヴェとウェンディは、食堂に入ると目を丸くした。
 空気がやたらと重っ苦しい。ラボの中では数少ない娯楽である食事の時間は、いつも会話が弾んで明る
い雰囲気なのはずなのだが。
「ってか、なんだよこの匂い?」
 鼻腔に漂ってくる微妙な臭さ。そこはかとなく覚えがある。
 とりあえず自分の席に着いたノーヴェは、食卓に目を下ろした瞬間に理解した。
 目の前にあるのは、台形型の白い発泡スチロール製容器。上に乗っているのは、醤油という名の付けダ
レと、黄色い辛子。
「まさかこれ……!」
「な、納豆っすか!?」
 それは先日のこと、まだ会ったことのない二番目の姉から「管理外世界の珍味」として送られてきた食
品だった。
 姉妹は喜び勇んで封を空け、次の瞬間その匂いに半数が逃げ出した。踏みとどまった残りも口にすると
顔を歪め、「あら美味しい」と言ったのは長女だけ。
 よく見れば、その悪魔の納豆が食卓にあるメニューの大半が使われている。
「誰だよ今日の飯作ったのは! なんでこんなもん出すんだ!」
「…………」
 正面のセッテが、無言のまま左を指差す。その先には、末の妹の姿があった。
「ディード! お前何考えて……」
 怒鳴りつけかけたノーヴェだが、そのまた隣を見て全てを理解した。
 数枚積み上がった皿。ぱくぱくとかなりのペースで料理を口に運んでいるのは、ディードと双子のオッ
トーである。
 口に出して納豆を美味いと言ったのはウーノだけだった。しかし一番この食品を気に入ったのは、間違
いなくオットーである。今日もディードがよそう納豆料理を、その小柄な身体のどこに入ってるのかと思
うほどの量、黙々と食している。
「ディードはオットーラブっすからねぇ」
 食事当番になったのをいいことに、オットーを喜ばそうと納豆料理をしこたまこさえたということだろ
う。
491オットーと納豆:2008/03/25(火) 22:24:31 ID:YkHhUvbS
「だからって納豆まみれってのは…………なんだ。オムレツがあるじゃないか」
「それ納豆オムレツ」
「そんなんありかよ!?」
「じゃ、じゃあこのさらに茶色くてどろっとしたのは……?」
「納豆のピーナッツバター和え」
「食えるかっ!!」
「……オットー、美味しくなかった?」
「甘くて美味しい」
「こう言ってる」
「そいつの意見は論外だ!! どうせ納豆にヨーグルトかけて食っても美味いんだろうが!!」
「よく分かったね。それも作ってある。……オットー、そっちはどうだった?」
「酸っぱくて美味しい」
「こいつらありえねーーーー!!」
「…………もう勝手にしてくれっす」



(うるさい……)
 わめき倒すノーヴェを、セッテは冷ややかな眼で見つめていた。
 たしかに匂いはひどいし変な味だが、セッテにしてみれば耐えられないわけではない。
 以前トーレが作った黒くて苦い野菜炒めや黒くて苦いステーキや黒くて苦い鍋料理に比べたら、はるか
に食べやすい。
 そのトーレといえば、オットーほどとはいかないまでもそれなりの量を一言の文句も無くたいらげてい
る。
 傍から見たら納豆好きのようだが、セッテにだけは「あれはどうにも苦手だ」とこぼしていた。
(嫌いなものをあれだけ食べられる。……やっぱりトーレは凄い)
 戦闘だけでなく生活面でも私淑している姉の姿に感銘を覚えたセッテは、自分ももうちょっと食べよう
と机の中心に山積みされているパック納豆を手に取り、パンに乗せて口に運ぶのだった。



「……ふぅっ、ちょっと休憩」
 観念して納豆ハンバーグを食べだしたノーヴェだったが、半分食べたところで気持ち悪くなり椅子から
下りて深呼吸を繰り返した。
 普通のハンバーグとちょっとだけ食感が違うだけなのだが、憎き納豆が入ってるのかと思えば食欲が起
きない。
492名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 22:25:29 ID:zTaRkHVJ
においの少ない納豆が出てきたからな。ノーマルタイプの納豆が出てきたらそのままゴミ箱に放り込む自信がある
493オットーと納豆:2008/03/25(火) 22:25:31 ID:YkHhUvbS
「まだノーヴェはいいっすよ……。この納豆ラーメン、だんだん麺が伸びてきて、ずるべたのぐちょぐちょ
で……ううっ!」
 ウェンディは本気で涙目だった。
「あと半分、あと半分。あとたったの半分。よしっ!…………うん?」
 気合を入れ直して再び料理に立ち向かおうとしたノーヴェが見たものは、机からにょっきり伸びた手が
ほとんど食べてないハンバーグをノーヴェの皿に置いたところだった。
「セイン! てめぇなにしてんだ!」
「こ、これは隠し芸の影絵の練習! ほら、こうすればガジェットV型!」
「手を握っただけじゃねえか!!」
 手首を引っ掴んでそのまま一本背負いをかまそうとしたノーヴェだが、遠くからかかった怒鳴り声で動
きを止められる。
「食事中に騒ぐなお前達!」
 机から半分引っ張り出したセイン共々声の方角を見れば、隻眼を細めたチンクが睨んでいた。
「文句があるなら自分で料理を作ればいい。納豆以外の材料は台所にある」
「そんなこと言われても、あたし包丁持ったことなんてないし……」
「なら大人しく納豆を食べるか、今晩は夕食抜きにするんだな。……もちろん一度手をつけた料理を残し
たら、姉は怒るぞ」
「うっ……」
 六番以降のナンバーズでこの姉に逆らえる者がいるわけもなく、ノーヴェとセインはすごすごと自分の
席へ戻るのだった。



 だがディエチは気づいていた。
 かく言うチンクが、料理を口に入れると噛みもせずに水で流し込んでいることを。
 よっぽど納豆が嫌いらしい。珍しくちょっとカリカリしているのも納豆が原因だろう。
 しかしディエチはそのことを指摘はせず、いい方法を見つけたと自分も真似をしていた。
「うう、クアットロはまだ食いに来ないのかよ……。あの達者な口は、こういう時チンク姉を丸め込むた
めだけにあるってのに……」
 隣ではまだノーヴェが小声で愚痴っている。
494オットーと納豆:2008/03/25(火) 22:26:41 ID:YkHhUvbS
「クアットロならラボにいないよ」
「なにぃ?」
「料理を見たら、ドクターにお使い頼まれてたの思い出したとか言って出て行っちゃった」
「逃げやがったなあのクソメガネエエエェェェ!!!!」
「騒ぐなと言ってるだろう!!」
「ちょっ! ISは勘弁っすチンク姉! ていうかなんであたしまで巻き添えなんすか!?」



(どうしてこいつらがいるのかしらねえ)
 ワイングラスを傾けながら、クアットロはうんざりした目で隣のテーブルを見やった。
 グラナガン某所にある高級料理店。クアットロの隣にいるのは、仇敵機動六課の一員である執務官と、
その二人の被保護者だった。
 先日戦場で顔を合わせたが、眼鏡・二つくくり・ボディスーツといったクアットロの特徴を現すものは
全て変えているので、気づかれることは無さそうだ。
 こちらも赤の他人のふりで平然と料理を食したいところだが、至近距離で行われている会話が嫌でも耳
に入ってくる。
「あの、フェイトさん本当にいいんですか? こんな高級そうな店」
「大丈夫。貯金いっぱい下ろしてきたから、全部のメニューだって頼めるよ。かなり遅くなったけど、二
人の初出撃のお祝いなんだから、遠慮せずなんでも食べていいんだよ」
「「ありがとうございます」」
 周囲を気遣って小声でお礼を述べる礼儀正しさが、やたら鼻につく。
「えっと、じゃあ私これとこれで」
「ふふふ、それどっちもスープだよ。スープばっかり飲むことになるけどいいの?」
「うわっ、す、すいません」
「こういう所の料理は聞いたことも無い名前が付いてること多いからね。ここからここまでが肉料理で、
魚料理がこのへん」
「たしかナイフとフォークの置き方に色んな意味があるんですよね」
「よく知ってるねエリオ。いい機会だからちょっとだけ教えておこうか。これをお皿だとしたら、下げて
もらいたい時はこうやって……」
495オットーと納豆:2008/03/25(火) 22:27:59 ID:YkHhUvbS
(おちびちゃん達にはファミレスでお子様ランチでも食べさせてなさいよ……)
 反吐が出そうな和気藹々さに毒づくクアットロの前に、ウェイターがメインディッシュを置いた。
「野鴨のオレンジソースかけでございます」
 甘さとほのかな酸っぱさの混じったソースが鴨の余分な脂を打ち消して味を引き立てる料理だが、うん
ざりしきっていたクアットロの口にはただの湿った肉の塊だった。
「……ごちそうさま。デザートはいらないわ」
 一口でやめて、クアットロは席を立つ。何か味がおかしかったかと訊いてくるウエイターを手で追っ払
い、クアットロは店を出た。
 中途半端に腹に物が入ってるので、別の店で食べ直しというわけにもいかない。
「ああもう、ほんっと最低の夕食だったわ」
 それでも、納豆の方がましだとは微塵も思わなかったが。



「……食堂が騒がしいな」
 ウーノお手製鮭のムニエルにフォークを刺しながら、スカリエッティは言った。
「セインかノーヴェあたりが騒いでるのでしょう。チンクがすぐに静かにさせると思い…………?」
 調理だけでなく給仕もしていたウーノの言葉が終わる前に、爆音が数発響いて後は何も聞こえなくなっ
た。
「今の音……ディエチの砲撃かね?」
「何があったか知りませんが、食堂で砲撃するなんて。後でチンクに叱っておいてもらいましょう」
「やっぱり後発組の娘達は、君よりチンクの言うことをよく聞くか」
「ええ、チンクに任せておけば万事安心です」
 そうか、と頷いてスカリエッティは食事を再開する。
 ソースまできれいにパンで拭い、最後に残った納豆に手を出す。
 娘達は騒いでたが、スカリエッティには別に不味いとも臭いとも思わなかった。その昔、純粋な好奇心
から食った芋虫料理に比べたら美味いものだ。あれもあれで悪くはなかったが。
 最後まで残したのはただの偶然だ。
 醤油と辛子を入れフォークでかき混ぜていると、なにやら手元に視線を感じた。
 顔を上げれば、ウーノが熱い眼差しをスカリエッティの手、いや、納豆に向けている。
496オットーと納豆:2008/03/25(火) 22:29:07 ID:YkHhUvbS
「…………」
「…………こほん」
 スカリエッティの視線に気づくと、咳払いをして露骨に視線を逸らした。
(ふむ……。そういえば、これが好物だったな)
 混ぜる手を止めたスカリエッティは、フォークを置いて首のナプキンを解いた。
「開けてしまったが、もう満腹だからこれは残すとしようか」
「申し訳ありません。ドクターの適正量ではない大量の食事を出してしまい……」
「だからこれは、良かったら君が食べればいい」
 スカリエッティが手渡すと、ウーノは一瞬虚をつかれた表情をしたが、すぐに顔どころか雰囲気まで明
るくなる。
「ありがとうございますドクター」
 その滅多に見れない満面の笑顔と心からのお礼が、スカリエッティのデザートだった。



「よいしょっと」
 最後の段ボール箱を置いて、オットーは軽くかいた汗を拭った。
 すったもんだの末に夕食が終わると、焦げ痕の残るノーヴェが「納豆料理はオットーにだけ作れ!!」
と台所からの納豆引取りを要求。オットーとディードに異論のあるはずが無く、むしろ渡りに船とばかり
に全部オットーの部屋に運んだ。
 積み上げた段ボール箱は、オットーの身長より高いのが三列。
(これだけあれば、一ヶ月は食べられる)
 表情を変えぬまま喜ぶオットーの耳に、くぅと可愛らしい音が聞こえた。音は、手伝ってくれたディー
ドの腹から鳴っている。
「食べ足りなかった? 納豆料理まだ残ってるから、戻って食べようか」
 もうちょっと僕も食べたいし、とオットーは食堂に向おうとするが、ディードの足は動かない。
「…………?」
 ちょっとだけ眉をひそめれば、誰よりも意思疎通の早い妹は、ごめんと謝った。
「…………納豆、食べられないの」
「えっ……」
 そういえば食事中もオットーにいっぱい料理をよそってくれたが、自分の皿は空のままだった。
497名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 22:29:21 ID:ngQj7tA3
これはオットーじゃない、ナットーだ支援
498オットーと納豆:2008/03/25(火) 22:30:11 ID:YkHhUvbS
「匂いは大丈夫だけど、味が。今日の料理も、試食してない」
 道理で、料理の上手いディードにしては味つけが微妙にばらついていた。
(……あんなに美味しいのに)
 ダンボールを一箱開けて、オットーが一番気に入っている銘柄を出す。
「もう一回食べてみて」
 念入りに混ぜたのをスプーンに乗せれば、ディードは恐る恐る口に含む。
 だが一回噛んだだけで、飲み込んでしまった。
「…………無理」
 いつもややへの字口だが、角度がさらに上がっている。食べさせたのがオットーでなかったら、吐き出
したかもしれない。
 そんなに嫌がっているものを無理に食べさせるのは心苦しい。
 それでも、ディードのことならなんでも分かってると思っていたオットーにとっては、かなりショック
だった。ディードとは、容姿以外は趣味嗜好に至るまでなにもかも同じでいたい。
 なんとか好きにさせる方法は無いかと高速でいろんな手段を模索したオットーは、もう一匙すくって自
分の口へと運んだ。
 噛み砕いてさらにどろどろになった納豆を、唾でなるべく希釈する。
 粘りが半分以下になったところで、オットーは開いた手をちょいちょいと二、三度上下させた。ディー
ドはすぐにその意味を理解して、かがむ。
 目線の高さが同じになった。髪の長さが極端に違うので気づかれにくいが、自分と酷似した顔。オットー
が距離を縮めても、予測していたのか表情は動かない。ただ、睫毛が微細に震えた。
 言葉も何もなく、唇が重なる。
 しばらく納豆は口の中に溜めたままで、ディードが舌で食べて行ってくれないかと期待する。しかし、
ディードの舌は歯の辺りまで来ては引っ込んで行くだけ。
 仕方が無いので、オットーは舌を自分から伸ばす。唇をくっつけたままディードの顔を下、自分の顔を
上にして納豆を唾液諸共流し込む。ディードがむせないように、半口分ずつ。
 それでも十数秒で行為は終わる。離れるとディードの口がゆっくりと十数回動いて、こくりと飲み込ん
だ。
499オットーと納豆:2008/03/25(火) 22:31:03 ID:YkHhUvbS
「今度はどうだった?」
「…………分からない」
 眼以外はいつもどおりの無表情。
 その顔が近づいてきて、二人の額と額がこつりと当たる。眼前にあるのは、少し困ったような、熱を帯
びたようなディードの瞳。
「分からないけど……もっと食べたい」



 たっぷりと舌を絡ませ唾液を飲み合ってから離れれば、唇の間を糸が引く。
 しかし糸で繋がっているのは口だけではなかった。肩甲骨から太腿まで、唾液以上にねちゃりとした糸
が、二人の身体の間にあった。
 納豆の口移しは、いつのまにかディードの身体にまぶした納豆をオットーが舐め取るという行為に変質
していた。もちろん二人は全裸である。
 首から上にほとんど納豆はない。髪の毛についたのまで、全部オットーが食した。
 頬に残った一粒を舌で掬うと、オットーは身体をずらしナンバーズでも一、二を争う巨乳に顔を埋めた。
いつもならふかふかとしているが、今日は顔中にべったりと糸がへばりつく。
 舐めれば、醤油も辛子も付けてないのにほのかな味がした。
「ディードのおっぱい、納豆より美味しい」
「オットーの舌も……気持ちいい」
 ディードの表情は、普段の無表情ではない。頬は上気し、眼はとろんと潤み、声は平坦ではなく艶っぽ
い。
 顔全体を楕円に動かして捏ね回せば、小さな悲鳴が上がる。姉妹の中で、オットーだけが聞いたことの
ある嬌声。
 潰れて皮だけになった納豆が、ちょうどディードの乳首を隠している。軽く歯を立てたまま首を動かし、
乳首を歪ませつつ食べた。
「ふあっ!! い、あっ……!!」
 ディードの胸は、大きいせいかちょっと感度が悪い。それでも乳頭だけは別で、強く刺激すればするだ
け、声も高くなる。
 もっと、その綺麗な音色が聞きたい。
500オットーと納豆:2008/03/25(火) 22:32:08 ID:YkHhUvbS
 オットー自身も興奮のため熱い息をつきながら、顔をディードの股間に持っていく。
 すっかりずぶ濡れの秘所を軽く吹けば、ぴくぴくと身体と入り口が震える。さらに数回キスして焦らし
てから、舐めた。さらに差し込む。
 舌は秘裂を開けるに止め、唇をつけずちゅっと音を立てて啜る。
「吸わ……ないで……!」
 言葉と裏腹に、ディードの身体は抵抗しない。太腿が顔を挟み込んでくるが、引き離すのではなく押し
つけるようにしている。
 汗とはまた違うしょっぱさ。乾いた喉に送りこむだけ送り込みつつ、鼻先で秘芯を擦り上げる。
「ふう、ん……はぁっ……! んん……!」
 柔らかい肉の奥から湧き出る泉がオットーの顔を汚し、その香りは鼻腔の奥を辿って脳にまで到達して
血の温度を上げる。
「こっちも、美味しい……」
 夢中で啜るオットーの頭に、暗い欲望が浮かび上がる。
 ここにもう一つの好物を入れて食べたら、どれだけ美味だろうか、と。
 思いついた時には行動を起こしていた。
 身体を離して寝台から下り、新しい納豆を手にする。指で軽く混ぜ、ディードの股の間に屈みこむオッ
トー。
 何をされるか理解したのか、ディードの首が振られる。
「やめて……」
 弱々しい口調だが、今度こそ本気で哀願しているのが伝わる。足もオットーを払いのけようとしてくる。
 だがディードとは別の意味で出来上がっていたオットーに、もう止まる意思はなかった。
「ごめん」
 小さく謝って、オットーは強引にディードの身体を裏返す。
 背中に納豆はついてない。だが、ディードの性感帯は前面より背面が多い。オットーが鎖骨の下を軽く
舐めただけで、じたばた動いていた足が震えて停止する。
 特に弱い背骨のラインは念入りに歯と下で愛撫していき、腰骨から始まってうなじに到達した時には、
もうディードは抵抗出来なくなっていた。
501オットーと納豆:2008/03/25(火) 22:33:00 ID:YkHhUvbS
「はぁ、はぁ…………オットー……」
 ほんの少し傾けられた横顔。眼も顔の色も、すっかり淫卑なものとなっている。
「入れるよ」
 今度は、首は振られなかった。
 指で秘裂を大きく開き、少しずつ丁寧に入れていく。柔らかい豆は容易く潰れ、予想よりずっと多くを
膣は飲み込んでいく。
「全部入ったよ」
「つけてしてる時より……お腹の中が膨れてる」
 脱力しきったディードの腰を持ち上げ、股間のちょうど真下に顔が来るようにするオットー。
「ディード……食べさせて」
「……うん」
 完全に堕ちきった妹は自分の足で身体を支え、腰に力を入れる。
「んん……!」
 先触れでとろみがかった愛液が、続いてぽとり、と納豆が一粒落ちてくる。
 引力に逆らう糸が秘裂まで伸びているため、落下速度は遅いものだった。たっぷりと時間をかけて、開
けたオットーの口の中に、蜜にまみれた豆はゆっくりと着地する。
「……美味しい」
 例え本当にただの腐った豆だったとしても、この食べ方ならオットーにとって最高級の料理だった。
 一粒目を味わっているうちに、二粒、三粒と次々に納豆が落ちてくる。
 四つん這いになったディードの目線が、己の股間とオットーの顔を行き来している。
「ああ、オットーが私の出した納豆…………食べてる」
 納豆の合間に垂れる愛液が、どんどん量を増していく。ついには豆は出てこず、愛液だけが滴るように
なった。まだ入れた量の半分も食べていない。
「ディード、寝転んで」
 素直に従った妹の股間に、もう一度オットーは舌を挿入れた。
502オットーと納豆:2008/03/25(火) 22:33:43 ID:YkHhUvbS
 戦闘機人であるディードの筋力は人間よりだいぶ強い。当然それは括約筋もそうであり、ひねり出した
より多くの納豆が膣内で潰れ、媚肉に張りついていた。それをオットーは、舌でこそげ落とすようにして
食べていく。
 さっき以上に愛液を絡めた納豆は、甘く口の中で蕩ける。夢中になって食べるが、所詮は一パック分。
すぐに無くなってしまった。
 それでもオットーは舌を動かし続ける。今度は少し優しく、襞と襞の間まで綺麗にするように舐めて行っ
た。
 そんな軽い愛撫でも、ディードにとっては充分すぎるようだった。
「んっ! うっ! オットー、もっと……!」
 頭が強く押さえつけられる。声は艶以上に、我慢が限界に達した苦しさがある。
 楽にしてやるべく、オットーはぷっくりと充血したディード自身の豆を、唇で挟んできゅっとひねりつ
つ、舌を極限まで奥に突き入れた。
「あっ! あっ! はああぁぁぁ!!」
 今までで最大の愛液を吹いて、ディードが達した。
 そのままぐったりと脱力して、満足そうに眼を閉じるディード。
 だが、オットーの身体は満たされていない。ずっと疼き続けている場所に、手が動いてしまう。
 触れた自分の花弁も、雨降り後の泥地のようにぬかるんでいた。つい指が動き出す。
 左手も、ディードに比べたら男の子のように薄っぺらい胸を揉み始める。
「あっ、うくっ……ディード……!」
 手をほんの少し伸ばせば届く距離にいる妹を想い、オットーの手は激しく動く。
 名前を呼ばれたディードが、ゆっくりと眼を開く。
「オットー……」
 目撃されてなお自慰を続ける姉を目にしても、ディードは驚きもしない。
「今度はオットーに納豆をかけて、食べさせて」
 口が開かれ、自分の欲求を漏らす。
503オットーと納豆:2008/03/25(火) 22:34:34 ID:YkHhUvbS
「この食べ方なら、納豆好きになれそうだから……」
 そう口にしながら、すでにディードは納豆を手にしていた。
「いいよ……今度はディードが食べる番」
 オットーは寝転び、全身の力を抜いた。自分の指がもたらすよりはるかに強い快楽を期待して。
 また部屋に、粘着音と嬌声が満ちる。



「食ったぁ!? あんだけあったのに!?」
「どうしたんっすかノーヴェ?」
 おやつの時間、オットーとディード相手に騒いでいるノーヴェの側に、ケーキを持ったままウェンディ
が寄ってきた。
「こいつあの納豆、一週間で全部食ったんだってよ」
「マジっすか!?」
 こくりと頷くオットー。隣のディードも首肯している。
「ほんと、どんな胃袋してるんすか……」
 聞いてるだけで食欲無くしたのか、ウェンディはフォークを刺したケーキを置いてしまった。
「僕だけじゃない。半分はディードが食べた」
「オットーの食べさせてくれる納豆、美味しい」
「へー、オットーって料理出来たんっすねえ」
「……これで料理出来ないの、あたしだけかよ」
「トーレのあれは料理と言わないっすよ……。興味あるんで、オットーの料理一回食べさせてもらってい
いっすか? あ、もちろん納豆料理以外で」
「駄目。絶対に」
 にべのない拒絶に、ノーヴェとウェンディは顔を見合す。
「食べていいのは、ディードだけだから。ドクターにだってあげない」
 あっけに取られている姉二人から、オットーは視線をディードに移す。ほんの僅かに、目尻が下がった。
「そう、食べていいのはディードだけなんだよ」



           終わり
504オットーと納豆:2008/03/25(火) 22:35:21 ID:YkHhUvbS
           おまけ



「んっく……」
 息苦しさに、女は呻きを上げる。
 女の口の中はどろどろの白色液で詰まっていて、息がしにくい。なんとか飲み込もうとするが、粘性が
高すぎて喉に引っかかり、苦痛は増すばかり。
 陸上で溺れる。そんな恐怖に駆られて、女は口の中の物を吐き出そうとした。
 だが無慈悲な命令者は許さない。
『吐くな』
 たった三文字の言葉で、女は抵抗を諦めさせられる。
『多少零すのはいい。だが吐き出すのは許さん』
 ほんの少し緩められた制約に、ほっとしている自分が嫌だった。こんなもの、砂漠のど真ん中で水一滴
もらったようなものなのに。
 時間をかけて小分けにしながら飲み下し、なんとか口の中のものは胃に収めた。
 だが息つく余裕も与えられず、次の命令が下される。
『もう一度だ』
 目の前に突きつけられたのは、太いピンク色のぶよぶよした棒。そのまま前に突き進んで来て、女の唇
を犯した。舌に覚える味も感触も、ゴムそのもの。
 おぞましさにえづくが、口内の侵入者はびくともしない。むしろ暴れた舌で舐め回す結果となる。
 数秒も経たずして棒が膨れ、爆発した。女の震える喉に、ぬっとりとした白濁液がさっき以上に注ぎ込
まれる。
 呼吸不足で頭はくらくらするのに、味覚だけはいつまでも正常なままで奇怪な味を伝えてきた。また吐
き気が胸にこみ上げる。
『美味いか?』
 全力で否定したいところだが、そんなつまらない抵抗は命令者の怒りをかうだけだ。女に許されたこと
は、ただ頷くことのみ。
 沸き起こる低い笑い声。期待通りの返答が嬉しかったのか、まともな精神をねじ伏せて肯定する女の姿
が滑稽なのか。
『なら、もっとくれてやろう』
 言葉の意味を理解する暇もなかった。口に入れたのと同じものが、四方八方から伸びてくる。
 それらは女の手どころか服に触れる前に、一斉に炸裂を開始する。
「うんんんっ!? んんぐぅっっ!!」
 女の全身に、それこそ放水する如く膨大な量の白濁液が浴びせられた。口の中でも、第二射が開始され
る。
 管理局の制服も、ややくすんだ金髪も、妹に綺麗だと褒められた美貌も、その臓腑までも全て白に汚さ
れる。
 咄嗟に瞼を閉じて目に入るのだけは防ぐが、むしろ視界が闇になったことで苦痛の時間はさらに延びた
気がした。一分が数時間にも錯覚する。
505オットーと納豆:2008/03/25(火) 22:36:05 ID:YkHhUvbS
 だが永遠に続くかと思われた拷問も、唐突に終焉の時は来た。
『……飽きたな』
 ぽつりと呟く声と共に、噴射は一斉に停止した。口内からも、ずるりと引き出される。開かれた唇から
反射的に白濁液を吐き出したが、咎めは無かった。
『ご苦労だったな。行っていいぞ』
『だが、部屋を出るまで顔は拭うな』
「…………はい」
 なんとか気道を確保して言葉を搾り出すと、女は全身白濁液にまみれたまま頭を下げ退出した。



「…………なーにが、今日はソフトなトロロプレイだから安心しろ、よ! あのエロ脳味噌!!……ああ
気持ち悪い!」
 自室に戻ったドゥーエは、思い切り壁をぶん殴った。びしりと亀裂が走るが、ドゥーエは気にせずなお
も二、三発壁に拳を叩きつける。
 睾丸が無くなったくせに色欲旺盛な脳味噌どもはよっぽど鬱屈してやがるのか、息抜きと称してマニアッ
クなことばかり要求してくる。
 本日は管理外世界の山芋を擂り潰したものを、ナニにそっくりのゴム管を使って二リットルは飲まされ
た。顔にかかった部分はひどくむず痒いし、胃もたれがして夕食どころか明日の朝食も食べられそうにな
い。
 先日はもっとひどかった。何種類ものメイド服に着替えさせられ、同じ世界の納豆とかいう食品を手に
持って転びながらうまいこと顔面にぶちまけ「粗相をしてしまい申し訳ありませんでしたご主人様」と謝
る意味不明のプレイ。
 やれ顔の角度が悪い、声に誠意が見られない、なんか気に食わん、と百回以上リテイクくらったあげく、
『……微妙』『思ったよりエロくないな』『ぶっちゃけつまらん』と数時間の努力は無駄となった。おま
けに給料引かれた。
 余った納豆は見たくもなかったのでまとめて妹達に送りつけたが、怒りは到底収まりそうにない。
「見てなさいよあの腐れ脳味噌どもが……! 計画が始まった暁には、まとめてトロロ以上のぐっちゃぐ
ちゃにしてやるわ………………うえっぷ」
 自分の言葉でさっきのプレイを思い出し自爆するドゥーエであった。
「…………早く帰りたい」



        今度こそ終わり
506名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 22:36:13 ID:ngQj7tA3
GJっした!
ひきわりナットウならぬ膣割りナットウだな、これは。
507サイヒ:2008/03/25(火) 22:37:16 ID:YkHhUvbS
以上です。
本作品は「オットーとナットーって似てねえ?」という酔っ払いの一言から誕生しています。
その場に居た全員に聞かなかったふりされた。悔しかったのでタイトルに使う。

なお、作中の納豆料理は全て実在するものです。

明日のソープネタのためにその1。「とりあえずナンバーズ全員書いてみよう」
やっぱりいっぺん書いてみないと出番少ないキャラクターって掴めないもんで。
ネタは頭の中で完成しつつありますが、練ってるうちに高級ソープ機動六課でクロフェとかやりたくなってきた。
ソーププレイ自体練習がてら一回軽く書いときたいんで、先にそっちやるかもしれません。
508名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 22:40:37 ID:zTaRkHVJ
あれ?納豆を巡るナンバーズのドタバタ食卓劇を見ていたと思ったんだけど知らない間にエロになってたんだぜ?

GJ
509名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 22:42:52 ID:KBZi09kC
>高級ソープ機動六課でクロフェ
全裸で待つ
510名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 22:46:13 ID:rsBRRYQo
>>507
なんて、ネバネバ。
GJです。
てかドゥーエの暗殺の伏線はこんなところにあったのかw

>高級ソープ機動六課でクロフェ
となると、この設定でユーなのとかゲンはやとか、書きたいと仰っていたクロノ×フェイト×カリム3Pを書かれる、ということでしょうか。
期待してますw
511名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 22:46:52 ID:XPnjtSri
>>509
俺も待つ。
512510:2008/03/25(火) 22:47:38 ID:rsBRRYQo
ageてしまいました。申し訳ないorz
513名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 23:02:18 ID:IZLLwh1d
納豆でスルーされた◆kd.2f.1cFc氏に同情。

>>451
GJ!
この後、どうやってスバルとティアナに矛先を収めさせるのか、気になるところです。
514名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 23:08:43 ID:rsBRRYQo
>>513
そういう風にやって場を乱すのはやめなよ。
今まで投下が続いてスルーされたことあるのは氏だけのじゃないだろうに。
515名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 23:22:03 ID:OPBVW1KR
>>507
GJ!納豆好きだか、納豆入りオムレツは試したことなかったな。今度やってみるw
しかし、もう完全にプレイの道具として定着してしまっているな、納豆www

>>497
誰がうまいこと言えとw
516名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 23:27:09 ID:wCEajyqJ
何を今更と言われる事を承知で質問。
この最近の納豆フィーバーは何が切っ掛けで始まったのでしょうか?

もっぱらROM専門の新参者でして、何故納豆?という疑問が拭えなくて…ホントに阿呆な質問ですいません
517名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 23:29:12 ID:frwVPWli
てか、次はとろろか、とろろなのか!?
518名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 23:29:40 ID:8Nt6HSHA
>>507
俺の腹筋と精嚢を壊す気ですか!?ハァハァ

何気にクアットロが悪女感たっぷりでOK
そしてウーノの納豆笑顔で和んだε=(゚∀゚*)
519名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 23:35:29 ID:PlTb/7eO
>>516

53スレ レス番号:314〜
タイトル:私は納豆に命を救われた 著者:◆6BmcNJgox2氏


520名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 23:39:41 ID:ngQj7tA3
次スレは納豆生誕10周スレですね。
521名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 23:45:05 ID:aciux1Te
最近いい意味で濃いのばっかりでお腹一杯胸一杯なんだが
たまに◆6BmcNJgox2氏のバカ話が無性に恋しくなる
これは恋か
522名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 23:45:39 ID:gDHn6/+x
姉妹丼やめて納豆丼にしようかしら
523名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 23:47:58 ID:KNqfOWwL
ナットーよりオットーだろ。
524名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 23:58:38 ID:zTaRkHVJ
チンクに納豆を詰め込んで、水を飲めないように口をふさぎたいです><
525 ◆Ev9yni6HFA :2008/03/26(水) 00:19:23 ID:r303TgmQ
愚者の十一話、投稿してもいいでしょうか?
526名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 00:23:18 ID:y5EW0Cc3
どうぞ
527名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 00:27:31 ID:B20G+O8z
カモーン
528 ◆Ev9yni6HFA :2008/03/26(水) 00:29:16 ID:r303TgmQ
それではぼちぼち
・非エロです
・オリキャラ多数です
・独自解釈を含みます
・sts開始前の地上本部をメインにした話なので六課の面々については察してください
・NGワードは「尊ぶべき愚者」で
529尊ぶべき愚者 十一話 1/12 ◆Ev9yni6HFA :2008/03/26(水) 00:30:20 ID:r303TgmQ
 地上本部内の訓練場には五つの人影があった。
 そのうちの二人は直立不動、一人は壁にもたれ掛かり、一人は車椅子に座り最後の一人がその車椅子を押している。
 
 その中にティアナ・ランスターはTシャツとズボンという非常にラフな格好でいた。
 これは二尉から動きやすい格好で来いと言われた為である。
「正式な異動命令は後日改めて出される筈だからそれまではひたすら訓練だな」
 車椅子に乗った二尉が実に楽しそうに切り出す。
「それと時間がある時はそこの執務官が勉強を見てくれるらしい」
 二尉は壁にもたれ掛かっている赤髪の男性を指差す。
 指差された男性は軽く会釈を返したがそれだけで言葉を発する事はなかった。
「あの本当に良いんですか?」
 初対面という事もあり恐る恐る尋ねる。
「構わないよ。本当は捜査を手伝ってもらった方が経験も積めていいんだけど、今回の件は多分に私情を含んでいてね」
 柔和な笑みとともにそう返された。


 その隣で、
「どうした、准尉? 不満そうな顔で」
「俺は明日早いんだけど」
「おいおい。この地上本部で一番の天才と言っても過言ではないこの俺の教導が受けられるんだぞ?」
「……どうでもいい話かもしんないけどさ、二尉。あんた自分で教えるのは苦手って言ってなかったか?」
「はあ? 誰が、いつ、どこで」
「あんたが、一ヶ月前、医務室で!」
「言ってないぞ。なあ室長?」
 首を回し車椅子を押す室長に問い掛ける。
「悪いが私も知らんぞ。察するに、お前の屈折したコンプレックスが自分に都合のいい白昼夢を見せたのではないか?」
「えー……もういいや」
 幸薄そうな男が諦めを受け入れていた。


530尊ぶべき愚者 十一話 2/12 ◆Ev9yni6HFA :2008/03/26(水) 00:31:09 ID:r303TgmQ
「まあ今日は初日だし簡単なテストからいこうか」
 二尉の周囲に色鮮やかな訓練弾がいくつも現れる。
「内容は簡単。こいつを順々に発射する。それを撃ち落とせ。一人二回だ」
 二尉としての説明はそれで終了らしい。
 すかさずティアナは挙手する。
「なんだ?」
「誘導弾の使用は?」
「OKだ。ただ自分の横を通り過ぎた時点で迎撃失敗と見なす」
「分かりました」

 年齢順という事で最初は准尉が挑戦する事になった。
 二人が距離を取って対峙し訓練が開始される。


「速い!」
 軌道自体は真っ直ぐだったが、かなりのスピードが乗っていた。
 一発目という事もあり准尉はいきなり迎撃に失敗してしまう。
 その後も曲がったり減速したりする訓練弾に翻弄され続けた。
「まあ、こんなもんか。はい、次。ランスター」
 自分の名前が呼ばれ、胸が強く鼓動しアンカーガンを握る手に力が入る。
 大きく深呼吸し、肩を落とした准尉と入れ替わる。
「お願いします!」
「じゃ、行くぞ」
 自分の時も一発目は速く真っ直ぐな軌道だったが准尉のを見ていたお陰で迎撃に成功する。
 しかし変幻自在の訓練弾を撃ち落とすのは至難の技だ。
 一回失敗すればそれが焦りを生み二回目、三回目の失敗を誘発してしまう。
 

「ランスターが六十八と七十四。准尉が……三十二と三十七か。
 准尉、お前、年齢も下で二年間水撒いてたランスターにぼろ負けして恥ずかしいと思わないのか?」
「うるせえよ! 俺はどうせ平凡だよ」
 准尉がみっともなく金切り声を上げる。
「ランスターには、及第点をやってもいいか。まあ今回のテストは回避を意図的に排してるからあんまし参考になんねえけどな」
「じゃあ何でやらせたんだよ!」
 すぐに准尉が噛みつく。
 ティアナの目から見て二尉と准尉は教導官と生徒という感じではない。
 彼女の基準から言えば自分が卑下されたからといって食って掛かるという事はあり得ない。
 それが好ましいという訳ではないが。

531尊ぶべき愚者 十一話 3/12 ◆Ev9yni6HFA :2008/03/26(水) 00:31:58 ID:r303TgmQ
「実はな、さっきのテスト。難易度を下げる裏技があったんだが、気付かなかったみたいだな」
 きょとんとするティアナと准尉に微笑を浮かべた二尉は執務官に合図を送る。
 壁にもたれ掛かっていた執務官は壁から離れ二尉の横まで移動する。
「さっきの訓練弾、出現位置こそランダムだったけど、その後の軌道には法則性があった」
 二尉が満足げに頷く。
「一発目はそのまま直進。
 二発目は途中で左右どちらかに曲がる。
 三発目も直進だがスピードは他より遅く、上下どちらかに曲がる四発目に途中で追い抜かれる。
 五発目は左右どちらかに直角に曲がり僅かに進み再度、今度は逆方向に直角。
 六発目は大きな螺旋を描きながら直進。
 七発目も普通の直進。
 これを三巡ほど行った後は今までと逆。これも三巡行えば元に戻す。この三巡を五回繰り返して百五発」

 事前に教えられていたかのように執務官はすらすらと喋る。
 信じがたいが恐らく本当だ。
 ティアナ自身テスト中に妙な既視感を覚えたが法則性があったなら当然だ。
 二尉は射撃能力だけでなく観察力も試していたのだ。
 ヒントを掴みながら活かす事が出来なかった事に歯噛みする。




「嫌なんだよなぁ。なんか俺が当て馬みたいで」
 一時休憩になり、暇を持て余していた准尉は室長に愚痴る。
 二尉は先程から執務官とランスター二士を交えて話し込んでいる。
 ランスター二士が消えたり分身したりしているが、自分の持つスキルを教えているのだろう。
「なんだ。気付いてたのか」
「はあ!?」
 准尉は自分自身もどうかと思う程に素っ頓狂な声をあげた。

「お前がそこまで鋭いとは予想外だ」
「じゃ、じゃあ、なんですか? ランスターのモチベーション維持のためにレベルが下の俺を呼んだって事ですか?」
 さすがにそれはないだろう。
 結果的にそうなっただけだ。
 そんな期待をした准尉だったが室長はいつもの無表情で、
「そうだろう。二尉はお前を鍛える気はあまりないようだし」
「あんにゃろう」
 二尉を殴り倒したい衝動に駆られる。

532尊ぶべき愚者 十一話 4/12 ◆Ev9yni6HFA :2008/03/26(水) 00:32:49 ID:r303TgmQ
「まあ落ち着け。単独活動の多い執務官志望のランスターと集団戦を基本とする陸士部隊所属のお前の違いだな」
「……」
 一応は納得出来る理由だ。
 集団での作戦では一人が突出した力を持っていてもそれを生かす事は出来ないし、
 一人がいなくなっただけで部隊が作戦の続行が不能になる事態もあり得る。
 必要なのは部隊全体の戦力を一定水準に維持する事である。
 損失が出てもすぐに代わりが補充出来るようにしておくのだ。
 だから二尉が鍛えようとしないのは納得出来なくもないのだが、
「マジで精神安定剤か。俺は」
 准尉は自分の二尉に対する見積もりが甘い事を思い知らされた。
 まさかここまで自分本位だったとは。

「あ、精神安定といえば、室長。二尉はちゃんと言ってましたよね? 教えるのは下手だって」
 あれが白昼夢となると二尉に対しての評価が地に落ちる事になる。
「確かに言っていたな。リミッター解除云々の時だろ?」
「そうそう。やっぱ覚えてたんじゃ……」
 室長が五指を開いた手を准尉の眼前に晒しそれ以上の発言を止める。
「だがな、仮にそうだとしても教導官が教えるのが苦手だと言っていたと認める訳にはいかんだろ」
「……あー、そりゃそうか」
 考えなしの発言だったと自省する。

「天才発言も似たようなものだな。本当は平凡な方が向いているが、教わる方は実力者に教わりたいからな」
「まあ、そうですよね」
「それに、想像してみろ。謙虚な二尉を」
 准尉は言われた通りに想像してみた。
 元教導隊で首都航空隊のエースだった二等空尉。
 多分オーバーSランク。
「いや、自分はどこにでもいる凡人ですから」

「うっわ、すげームカつく」
「過度の謙遜は嫌味にしかならないという事だ」
 それと、と前置きし准尉に顔を近付ける。
「精神安定剤であるお前に忠告だ。本人達が使った時を除いて天才だのの言葉は使うな。あれは人の努力を否定する蔑称だからな」
「はあ」
 なんで自分がメンタルケアをしなければならないのだろうという疑問を押し殺して准尉は了承した。


533尊ぶべき愚者 十一話 5/12 ◆Ev9yni6HFA :2008/03/26(水) 00:33:44 ID:r303TgmQ
 二尉と執務官は二人で今後の方針について協議していた。
「執務官は単独行動が多いから攻撃、防御、捕獲、結界、補助を平均以上にして尚且つ本人の希望する射撃魔法を伸ばすのがベストか」
 だが、あくまでは理想像だ。
 時間も魔力も有限である以上、下手に伸ばそうとしても器用貧乏になる恐れがある。
「幻術系はどうします? 鍛えれば立派な武器になると思いますけど」
「そうだが、俺は専門外だからな。地上本部にも教えられる人間は多くないだろ」
「多少、マイナーですからね」
「まあ准尉を相手に実戦形式でやらせるか」
 二尉の口振りは親に内緒で秘密基地を作っている子供のそれだ。
 頭の中で様々な強化プランを想像しているのだろう。

「なあ、執務官。次の訓練なんだが、ちょっとやってみたい事があるんだ」
 耳を貸せ、とジェスチャーし執務官に耳打ちする。
「……それは、なんとも」
 執務官は心の中でランスター二士に同情にも似た感情を抱いた。
 止めようとも思ったが、徒労に終わるだろうと考え二尉に曖昧な笑みを返す。
「かなり変則的だし他の教導官からは非難されるだろうな」
 口ではそう言いながらも二尉の顔は緩んでいる。



534尊ぶべき愚者 十一話 6/12 ◆Ev9yni6HFA :2008/03/26(水) 00:34:39 ID:r303TgmQ
 休憩時間が終了し、訓練が再開する。
 二尉の前に片手に収まるサイズの魔力弾が一つだけ出現し周囲を飛び回り始める。
「今度も簡単。俺はこの魔力弾以外の魔法は使わない。どんな手段でも良い。撃ち落とせ」
 今回も簡潔な説明だった。
 准尉は魔力が尽きかけているという事で部屋の隅に座っている。
 なので自動的にティアナのみの訓練になる。
「では開始」
 その声を合図に魔力弾は光の残像を残しながら飛行を始める。 
「はっ!」
 まず二発の誘導弾を放つが魔力弾は機敏な動作でかわす。
 状況としては二対一であるが相手を追尾しなければならない側と滅茶苦茶な機動が許される側では術者の負担はティアナの方が大きい。
「く」
 歯軋りするが魔力弾を捉える事が出来ない。
 
 そこで射抜かれるような視線を感じる。
 二尉が期待を込めた目でずっと自分を見つめている。
 もしかしたら、という閃きがする。
 いったん、撃ち落す事を放棄し魔力弾の軌道にのみ注意を集中する。

「……」
 額から垂れる汗が眼球に進入するが瞼を閉じる事はしない。
 そして、見付けた。
 
 十秒おきに二人の視線の中点に魔力弾が来るのだ。
 それから二十秒の間、観察してみたが二尉は不利になる状況でも中点に持っていこうとする。
「それなら!」
 自分の仮説に確固たる自信を得たティアナは更に二つの誘導弾を発射する。
 数が増えればその分だけ操作が難しくなるが、今回は追尾する必要はない。
 ただ単純に囲い込めばいいのだ。

 あらかじめ三つの誘導弾を中点の周囲に待機させておく。
 そうする事で魔力弾の逃げ場を塞ぐ。
「これで!」
 残った誘導弾が直撃し風船を針で刺して割ったような破裂音で魔力弾は霧散した。
「よーく見つけた。続けてもう一回いきたいが大丈夫か?」
「大丈夫です!」
 成功した事でティアナは軽い興奮状態だった。
「その調子だ」


535尊ぶべき愚者 十一話 7/12 ◆Ev9yni6HFA :2008/03/26(水) 00:35:27 ID:r303TgmQ
 二尉が新しく発射した魔力弾は先程よりも小さく、スピードも上がっていた。
 ティアナは二つの誘導弾を自分の近くに戻し、残った二つで追撃する。

 顔から滴った汗が床に落下して弾ける。
 先の気炎から既に十分。
 それだけの時間をかけてもなお自在に舞う魔力弾を撃ち落とす事は叶わなかった。
 無情に経過する時間の中で分かった事は一つ。
「ランダム……」
 いくら探ってもパターンを見つける事が出来ない。
 今回は実力のみで撃ち落とせという事だろうか?

 ……不可能だ。
 
 一回目ですら実力のみでは撃ち落とせなかったのだ。
 今回の魔力弾は一回目より撃ち落とすのが困難になっている。
 
 どうする?

 誘導弾を増やして紛れ当たりを狙うべきか。
 しかし、それでは訓練の意味がない。


「……もういい」

 終了は突然訪れた。
 失望を隠そうとしない二尉はそれだけ言うと手の動作でティアナを下がらせ、
「執務官、お前なりのやり方でいいからやってみてくれ」
 代わりに執務官を指名した。

「二尉! もう少しだけ時間を」
 続行を懇願するが二尉は首を横に振る。
「その時間が丸々無駄になる。とにかく執務官のを見ろ」


「准尉、君のデバイスを貸してくれないか?」
「え、ああ」
 執務官は准尉から差し出されたデバイスをそのまま、つまり通常とは逆向きに持ったまま二尉と正対する。
「……じゃ、いくぞ」
 二尉は魔力弾を上空に向けて放つが、執務官は脇目も振らず二尉の元に走り、手にしたデバイスで殴りかかる。
 二尉は車椅子を後退させなんとか避ける事に成功するが、執務官は攻撃の手を緩める事はない。

「ちぃ!」
 たまらず、二尉は上空を旋回させていた魔力弾を執務官目掛けて突撃させる。
 執務官は薄い笑みを浮かべるとデバイスを振り抜き、頭上から迫る魔力弾をいとも容易く破壊する。
 一連の攻防が終わっても声を発する者は誰もいない。
「なにやってんだ、あんた!」
 執務官からデバイスを返された准尉がやっとの事で口を開いた。
「なにって、迎撃の訓練だろ?」
 事も無げに執務官は言ってのける。


536尊ぶべき愚者 十一話 8/12 ◆Ev9yni6HFA :2008/03/26(水) 00:36:15 ID:r303TgmQ
 額に軽く汗を浮かべた二尉が車椅子を執務官の正面に着ける。
「もし、俺が魔力弾以外で迎撃、ないし防御したらどうする気だった?」
「そうすると魔力弾以外の魔法を使わないという自身が定めたルールを破る事になる。最悪でも仕切り直しになっていた筈」
「なるほど。だがちょっと乱暴じゃないか?」
「どんな手段で良いと言った。ならあの方法が一番効率的で身の危険も少ない」
「ふん。いや、まったく。その通りだ」
 迷いなく言い切った執務官に二尉は相槌を打ったが、戸惑いの声が上がった。 
「教導官を攻撃するのが模範解答なんですか!」
 ティアナとしては当然の反応だったが二尉と執務官は顔をしかめた。
「執務官はまったくもって正しいぞ。俺はどんな手段でも良いと言ったし魔力弾しか使わないとも言った。
 おまけに車椅子だ。なら目的達成の為には何が最良か、簡単に分かるだろ? 
 ちなみに、さっきの魔力弾は今のお前じゃ撃ち落すのは無理だ」

 ティアナは二尉から狂気にも似たものを感じた。
 立場も階級も上の相手に攻撃するように仕向けるなど論外の筈だ。


「ランスターよぉ、別に良い子ちゃんでいる必要はないんだぞ。ようは穴を見つけて勝ちゃあいいんだよ」
「で、でも……」
「お前にはこんな所で躓いてる暇はないだろ」
「……」
「問題のある行動だったら俺か執務官があとで注意する。だからお前は自分のやりたいようにやれ」
 ティアナは俯き、押し黙ってしまう。

「いったん休憩にする」
 二尉の言葉が早いか、ティアナは無言のまま訓練場から出ていく。




「少しは自分の体を労れ」
 室長が二尉にドリンクの容器を差し出し額に手を当てる。
「……あとで解熱剤を持って行ってやる。必要なら鎮痛剤もあるぞ」
「飯食って寝れば大丈夫だ」
 言いながら容器を口につける。
「……不味いな、これ」
「増血剤その他諸々が入ってるからな。それと食事はこちらが指定した物以外は食べるな」
「ええー」
「文句を言うな。それとアルコールは一切厳禁だからな」



537尊ぶべき愚者 十一話 9/12 ◆Ev9yni6HFA :2008/03/26(水) 00:37:11 ID:r303TgmQ
 蛇口を捻ると冷たい水が勢いよく出る。
 両手で掬い、顔に掛ければ火照った体は適度に冷めてくれる。
 それを数回繰り返すと蛇口を最初とは逆に捻り水を止める。
「穴を見つけて勝てばいい」
 先程の二尉の言葉を思い出す。
 年若いティアナにはあのような卑劣ともいえる戦術を肯定する事には反発があった。
「でも」
 あの二人は自分とは比べ物にならない程の実戦を潜り抜けてきたのだ。
 かつて会った時は五体満足だった二尉が車椅子なのも実戦による負傷だという。
 そもそも、自分がこの道に進んだ理由。
 兄も任務中に死んだのだ。
 それを考えれば二人が勝つためには手段を選ぶなと言うのは当然で、自分の考えが甘いのかもしれない。
 
 卑劣だと言われても生きてさえいれば次がある。
 いくらでも見返すチャンスはある。
 自分の半身ともいえるデバイス、アンカーガンを見つめる。
 自分の夢。
 執務官になってランスターの弾丸はなにものをも撃ち抜けると証明する。
 今の自分には証明出来なかった。
 二尉が少し本気を出しただけで自分の誘導弾はその意味を失った。
 
 今のままでは駄目だ。
「そうね」
 口元を引き締める。
 難しい事じゃない。
 有効な手段を発見したら迷わず使う。
 それだけでいいのだ。
「まず最初は」
 あの二人を見返す事から始めよう。




538尊ぶべき愚者 十一話 10/12 ◆Ev9yni6HFA :2008/03/26(水) 00:37:56 ID:r303TgmQ
「これが最後だから頑張れよ」
 ティアナは無言のまま頷き、誘導弾を放つが先程より動きにキレがない。
 単調で、命中させる気がないようにすら見える。

 
 違和感を覚えた二尉は咄嗟の判断で膝の上に置いていたドリンクの容器を放り投げる。
 そこに魔力弾が衝突し半分以上残っていた中身がぶちまけられる。
 その中で飛び散った水滴が空中で不自然に静止するのを二尉は視界の端で確かに確認した。
「……それでいいんだよ」
 顔に笑みを張り付け、二尉は両手を挙げ魔力弾を中空に停止させる。
 少し遅れて二尉のこめかみに銃口を押し付けた状態のティアナが姿を現す。
 その髪や顔は飛び散ったドリンクで濡れていた。
 ティアはこめかみから銃を離すと魔力弾に銃口を向け一発だけ射撃する。
 同時に訓練上の中央にいたティアナが陽炎のように消失する。


「なんか、純粋だった奴が黒く染まっていくのを見ると悲しくなるな」
 離れて見ていた准尉はぼそりと呟いた。
「黒く染まった方が光るものを見やすいぞ」
「どう考えても詭弁ですって」
「どっちにしろ、執務官になるなら狡猾さは必要だ。お前のような馬鹿なお人好しでは謀殺されるのがオチだ」
「へいへい。俺は分を弁えて個のない代替可能な駒でいますよ」
「それで良い。だからこそ安心して力を与えられる」



539尊ぶべき愚者 十一話 11/12 ◆Ev9yni6HFA :2008/03/26(水) 00:38:36 ID:r303TgmQ
 訓練が終了した後、執務官は車椅子を押し、医務室に向かっていた。
 二尉の話で教導に専念する為に病院から移動してきたらしい。

「多人数相手に教導すんのは苦痛で仕方なかったがマンツーマンでの教導はかなり楽しいな」
「端からもそう見えました」
「出来るならもう二人くらい呼んで数年間じっくり鍛えたいな。そうすりゃ執務官試験も楽勝だろ」
「一個人にそこまでの体制は厳しいですよ。今の状況でもかなり恵まれてますし」
 だが、執務官には懸念する事態があった。
「……こう言ってはなんですが、近いうちに必ず頭打ちします。その時が来たらどうします?」
 その時の対応で全てが決まるといっても過言ではないだろう。
 下手な対応では彼女を潰してしまう。

「努力は才能には敵わないと諦めてもらう」

 予想外の言葉に執務官は自分の耳を疑った。
「……本気ですか?」
「本気だよ。こればっかりは隠してたってどうにもならない世界の真理だろ」
「ですが彼女に」
 頑張っている彼女にそれはあまりに酷だ。
「自覚してもらわないとならない。そこで努力でどうにかなるとか誤魔化したら先には進めない」
「……」
「努力では才能に追い付けないが、追い付けなくても上を行く事は出来る。だろ?」
「さっきのもその内の一つですか」
 あの手の戦い方は才能ではなく覚悟による部分が大きい。
「手段を選べるのは強い奴だけさ」
「そう、ですね」
 二尉も手段を選べなかった事があるのだろうか、と執務官は密かに思い巡らせた。

「まあ、自分の口から教える勇気がなくて、壁にぶつかるまで待つ気の俺は割とどうしようない奴だけどな」
 自分の気持ちを素直に打ち明ける二尉に親しみを持ったが、とある疑問が鎌首をもたげてきた。
 何故ここまでランスター二士に拘るのかという事だ。
 その疑問を解き明かす手掛かりに一つだけ心当たりがあった。

540尊ぶべき愚者 十一話 12/12 ◆Ev9yni6HFA :2008/03/26(水) 00:39:36 ID:r303TgmQ
「一つ気になっていましたが、ランスター二士にお兄さんがいますか?」
 執務官は言葉を選びながら慎重に問う。
 昔、裁判記録を調べている時に同じ姓を見かけた事がある。
「いたよ。多分、お前の連想通り。本局の人間なのに知ってるのか」
「上官が暴言で一時話題になってましたから」
「そういう事もあったな」
 二尉の視線はここではない遠くを見つめる。
「その士官、部下から暴行を受けて緊急入院したとも聞きましたが」
「誰がそんな酷い事をしたんだか」
 憤ってみせる二尉だが行動がいちいち芝居っぽい。
 ただ、ちゃんと責任は取っているのでこれ以上掘り返す必要もない。

「非公開だったので記録でしか知りませんが、あの事件は確か裁判で……」
「言うな。あれはもう終わったんだ。終わっちまったんだよ」
 静かな口調だったがそこには言い知れぬ慙愧と悔恨と哀痛があった。
「彼女は知ってるんですか?」
「知らないだろうさ。遺族にも非公開で進められたから」
「良いんですか? 裁判記録には貴方の名前もありましたよ」
 余計なお節介だろうが聞かずにはいられなかった。
 二尉は苦虫を噛み潰したような渋い顔になる。
「……プライバシーもなにもねえな。その記録、無限書庫か?」
「想像の通りですよ。で、良いんですか?」

「良くはないけどな。逮捕なんかせずぶっ殺しとけば良かったとは思うが、
 殺した所でティーダの奴が生き返る訳じゃねぇし、その程度でどうにかなるほど安い命であって良い筈もねぇ」
「そういうものですか」
 自分が抱いていたものとは異なる返答に僅かに落胆する。
 半身不随が彼から覇気を奪ってしまったのだろうか。
 それとも彼は既に自分の感情と折り合いをつけてしまったのか。

「そういうもんだろ。俺に出来るのは精々ランスター妹を鍛える事くらいだ」
「それが執心する理由ですか」

「まあな。俺も魔導師として一級に戻るのは無理っぽいし」
 その時になって初めて二尉の手が小刻みに震えている事に気付いたが、あえて気付かぬ振りをする。
「人の夢を押し付けられても迷惑だと思いますが」
「俺みたいなのに目を付けられたのが運の尽きと諦めてもらうしかないな」
 笑う二尉を医務室に送り届けた執務官は踵を返し、地上本部を後にする。


541尊ぶべき愚者 十一話 12/12 ◆Ev9yni6HFA :2008/03/26(水) 00:40:19 ID:r303TgmQ
「一つ気になっていましたが、ランスター二士にお兄さんがいますか?」
 執務官は言葉を選びながら慎重に問う。
 昔、裁判記録を調べている時に同じ姓を見かけた事がある。
「いたよ。多分、お前の連想通り。本局の人間なのに知ってるのか」
「上官が暴言で一時話題になってましたから」
「そういう事もあったな」
 二尉の視線はここではない遠くを見つめる。
「その士官、部下から暴行を受けて緊急入院したとも聞きましたが」
「誰がそんな酷い事をしたんだか」
 憤ってみせる二尉だが行動がいちいち芝居っぽい。
 ただ、ちゃんと責任は取っているのでこれ以上掘り返す必要もない。

「非公開だったので記録でしか知りませんが、あの事件は確か裁判で……」
「言うな。あれはもう終わったんだ。終わっちまったんだよ」
 静かな口調だったがそこには言い知れぬ慙愧と悔恨と哀痛があった。
「彼女は知ってるんですか?」
「知らないだろうさ。遺族にも非公開で進められたから」
「良いんですか? 裁判記録には貴方の名前もありましたよ」
 余計なお節介だろうが聞かずにはいられなかった。
 二尉は苦虫を噛み潰したような渋い顔になる。
「……プライバシーもなにもねえな。その記録、無限書庫か?」
「想像の通りですよ。で、良いんですか?」

「良くはないけどな。逮捕なんかせずぶっ殺しとけば良かったとは思うが、
 殺した所でティーダの奴が生き返る訳じゃねぇし、その程度でどうにかなるほど安い命であって良い筈もねぇ」
「そういうものですか」
 自分が抱いていたものとは異なる返答に僅かに落胆する。
 半身不随が彼から覇気を奪ってしまったのだろうか。
 それとも彼は既に自分の感情と折り合いをつけてしまったのか。

「そういうもんだろ。俺に出来るのは精々ランスター妹を鍛える事くらいだ」
「それが執心する理由ですか」

「まあな。俺も魔導師として一級に戻るのは無理っぽいし」
 その時になって初めて二尉の手が小刻みに震えている事に気付いたが、あえて気付かぬ振りをする。
「人の夢を押し付けられても迷惑だと思いますが」
「俺みたいなのに目を付けられたのが運の尽きと諦めてもらうしかないな」
 笑う二尉を医務室に送り届けた執務官は踵を返し、地上本部を後にする。


542 ◆Ev9yni6HFA :2008/03/26(水) 00:41:24 ID:r303TgmQ
なんか二重投稿になってますが以上です

女は度胸! 何でもためしてみるのさ
自分を攻撃させるなんてなんて人なんだろう……しかしry

しかし、どう考えても駄目だろ
そんなんだから教導隊を止める破目になるんだよ

本編8話のティアの行動は9割以上こいつらのせいです
543名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 00:54:56 ID:rVx8kISG
>>542
後書きの最後の一行から危険な香りが…。
その話題は切欠があれば荒れる可能性がある…。
ともあれGJ。
544名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 00:56:23 ID:B20G+O8z
ティア逃げてー!頭冷やされちゃう!
なのはがチームプレイ前提で二尉がスタンドアローン前提の教導っぽいから違いは出るだろうが酷すぎだろw


話の流れ的にティーダを殺した犯人は無罪になったとかそういうオチか?
ヴォルケンの事を考えると有り得ないとはいえないのが管理局クオリティー
545名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 00:58:58 ID:7KnteNvo
>>199
GJ
遅レス スマソ

なんか、良い話に急転してますね。
と言うか、まじめな話だったのか。

面倒見のいいクアットロというのは納得できるが、
純情と言うか、ツンデレっぽいと言うか、
始終、余裕なさげなキャラには違和感があるかな。

続編に期待。


>>425
GJ!!

燃えエリオはやっぱイイナ〜。
ここのところやや不足していた、熱いエリオが帰ってなたような喜び。
セッテとのやり取りは少しイタイ内容だが、
何とかカッコよくエリオにイニシアチブを持たせて終息してほしい。
546名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 01:08:01 ID:jf95hdL6
>>542
GJ!
貴方の書かれるオリは、このスレのSSで登場したオリキャラ達の中で一番好きだったりしますw
外交官・執務官・准尉のゴールデントリオが絡んだ会話は、一話につき一回は吹きますwwwww

547名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 01:13:40 ID:7KnteNvo
>>451
GJ!!

前話でスバルもティアナもわりと冷静っぽかったが、
今回しっかりテンパってますね。
イベント的には不可避か?
フォワードでは、これで好転してくれることを期待。
あ、ヴィータは無理っぽいか。

ああ、エリキャロは何処・・・・
548名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 01:32:19 ID:7KnteNvo
>>507
納豆GJ

いい加減、納豆プレイにも抵抗がなくなってきた。

オットー・ディードの双子はキャラの差別化が難しい、そうで、
描写があるだけでも、割と珍しい希ガス。
オリキャラ化している双子はたまに見かけるが。
・・・・あれだけ納豆まみれならオリキャラ同然か。
549名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 01:34:16 ID:isqhAaPM
納豆汚染深刻化・・・これが管理局の未来か
http://blog-imgs-14.fc2.com/t/o/n/ton4soku/vi8447475296.jpg
550名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 01:38:14 ID:0l+xhrPk
>>549
随分なつかいしいネタを
551名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 01:45:47 ID:md2Vwh2W
29日の東京国際アニメフェアにリンディさんのサイン会があるぞ!
552名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 02:32:26 ID:LPeqnWk4
もう476kbか。またも一週間保たなかったな。
553名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 02:33:11 ID:NqptwN6x
毎回思うが、エロパロ板でこの速度は異常だよな
あとヴィータの可愛さも異常
554名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 02:39:57 ID:LPeqnWk4
この板のおかげで最近ヴィータやノーヴェが可愛いと思えるようになってきた。
代わりに納豆と冷蔵庫開けるのが怖くなった。もしも我が家の冷蔵庫にキシャーがいたらというホラー的な恐怖が(r
555名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 02:43:58 ID:zr+9nhyB
>>554
重症すぐるwwww
556名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 03:32:16 ID:vs8hsz81
>>554
大丈夫。見ただけで精神崩壊するような宇宙的恐怖に出くわすよりもマシだから。
・・・・・・・・・・・魔法だけに。
557名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 06:05:36 ID:VuV4zW5I
>>425
GJ!!
やっぱエリオがかっけえ!
未来では恋人同士になってるけど、このままいっても展開が・・・
でもこういう殺×愛みたいな関係が大好きだ!
558名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 10:11:04 ID:8d2dFeNd
 
          ,r;;;;ミミミミミミヽ,,_
        ,i':r"      `ミ;;,
        彡        ミ;;;i
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           ヽ、  _,/ λ、
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  / :::::::::::::| 衆議院解散しろ       rニ-─`、
. / : :::::::::::::|                  `┬─‐ .j
〈:::::::::,-─┴-、                  |二ニ イ
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          ヾi `ー‐'、 ,ゝ--、' 〉;r'
          `,|  / "ii" ヽ  |ノ フフン
           't ←―→ )/イ
           ..!ヽ、  _,/ λ
   | ̄ ̄ ̄〉,ァ''" .\` ̄//゙ア´ ̄`/ ̄ ̄ ̄ ̄| ビリィィィ
   |     `r´、、__ l ! ィ彡,ャァ'" ,,..,,、\     |
 ,-┴-、   〈.,, ``''ヽ,,,  ''"´   ゙''ヾミ,r/.く     |__
/ .-┬⊃衆議<    ,;,, ;;; ,,;;      ,fr::<,しろ rニ-─`、
! ;;ニ|    /    ';;;;;;;;;;;'      ,!;V:.:ノ     `┬─‐ j
\_|    <    ':;;;;;:'      ,;;/;;:.:/:〈      |二ニ ノ
   |    <    人__,,,;;;;;ノ/N/:/:.<     |`ー"

559名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 10:22:11 ID:rLIHPNh2
総理何やってんすかw
560名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 10:23:21 ID:8d2dFeNd
      ∧∧          ∧∧
 カタカタ../支 \     カタカタ/支 \
     (`ハ´# ) カタカタ    < `ハ´*> カタカタ
   _| ̄ ̄||_)____     _| ̄ ̄||_)____     ___| ̄ ̄||__ ___
 /旦|――||// /|  /旦|――|l// /|  /  |――|l// /|
 | ̄ ̄挑発 ̄| ̄| . |   | ̄ ̄煽り  ̄l ̄| . |   | ̄ ̄逮捕 ̄| ̄| . |
 |_____|三|/  |_____|三|/  |_____|三|/
      ∧∧          ∧∧          ∧∧
 カタカタ../支 \     カタカタ/支 \    カタカタ../支 \
     ( `ハ´*) カタカタ    (`ハ´# ) カタカタ    (`ハ´# ) ウェハッ
   _| ̄ ̄||_)____     _| ̄ ̄||_)____     ___| ̄ ̄||_)___
 /旦|――||// /|  /旦|――|l// /|  /旦|――|l// /|
 | ̄ ̄ 釣り ̄l ̄| . |   | ̄ ̄否定 ̄| ̄| . |   | ̄ 荒らし. ̄l ̄| . |
 |_____|三|/  |_____|三|/  |_____|三|/
      ∧∧          ∧∧          ∧∧
 カタカタ../支 \     カタカタ/支 \    カタカタ../支 \
     ( `ハ´*) カタカタ    (`ハ´# ) カタカタ    (`ハ´# ) ウェハッ
   _| ̄ ̄||_)____     _| ̄ ̄||_)____     ___| ̄ ̄||_)___
 /旦|――||// /|  /旦|――|l// /|  /旦|――|l// /|
 | ̄ ̄擁護 ̄| ̄| . |   | ̄ ̄誘導 ̄| ̄| . |   | ̄マッチポンプ| ̄| . |
 |_____|三|/  |_____|三|/  |_____|三|/
      ∧∧          ∧∧     ファビョ━(´ ⌒`)━ン!!
 カタカタ../支 \     カタカタ/支 \           ∧||||∧
     ( `ハ´*) カタカタ    (`ハ´# ) カタカタ      <`Д´; > アイゴー
   _| ̄ ̄||_)____     _| ̄ ̄||_)____     ___| ̄ ̄||/_)__
 /旦|――||// /|  /旦|――|l// /|  /旦|――|l// /|
 | ̄ ̄自爆 ̄| ̄| . |   | ̄削除依頼| ̄| . |   | ̄ ̄火病 ̄| ̄| . |
 |_____|三|/  |_____|三|/  |_____|三|/

561名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 10:36:02 ID:r303TgmQ
562名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 14:14:59 ID:L47uECAx
フェイトは俺の嫁
563名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 14:26:57 ID:8cCZcT9J
>>562
このおっぱい星人め

リトルランサーとか読むとすごいシリアスな話を書きたくなる・・・

564名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 14:39:56 ID:MlXa104y
はやては俺の嫁
565名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 15:16:38 ID:m/3ACRZH
↑氏ねよおめー
はやては俺の嫁
566名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 15:37:22 ID:JNouYcAM
エリオとユーノは俺の嫁
567名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 15:43:01 ID:LPeqnWk4
ルール―は俺の嫁
568名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 15:48:47 ID:MhPsM+8/
メガーヌさんは俺の嫁
569名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 16:02:57 ID:8cCZcT9J
ガリューもらってくよ
570名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 16:16:10 ID:L47uECAx
キシャァッー!
571名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 16:19:47 ID:zr+9nhyB
ユーノキュンとクロノキュンとエリオキュンは俺の嫁
572名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 16:21:12 ID:Z01jDUm4
じゃあ俺はヴァイスの兄貴でいいや
573名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 16:27:12 ID:qcuE+Sv0
じゃあ競争率低そうなエイミィはクロノの嫁








あれ…?
574名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 16:39:29 ID:L47uECAx
ここまで主役の名前がかすりもしていない件
575名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 16:43:13 ID:CuCKcEch
え、そういう流れだったの
576名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 17:13:03 ID:oPS+Xcrb
よし、ならレジアス中将は俺のお義父さん
577名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 17:22:42 ID:Ln4cgivu
じゃあシグナム姐さんは俺の嫁、リンディさんは俺の義母さん、レティさんは俺の愛人、シャマル先生は俺のペット。

という事で文句は無いですね?
578名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 17:31:03 ID:9tJzTIaH
なのはちゃんとフェイトちゃんがラブラブなんだよ!!!
579( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2008/03/26(水) 17:46:27 ID:rrYow5Vd
  ヽl   ,、 l/
  〃"ナ'⌒ ~´ヘヘ^
  // ,ハノノソヽソハ
 ハ  ヾl.゚ ヮ゚ノ!. ノ   )) 卩__
o=====○===∩====[]コ[i(●==>
    ./ソ、j、iヾ.   ))  |ノミ´⌒《ヽ
    /~(_>!(_>~´チャリーン_(((ノハc八
       _| ::|_       | |Θ|( l!)ソ ) )
  | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_|と   ((
  |___|__|_|  |_|  しーJ`


  ヽl   ,、 l/
  〃"ナ'⌒ ~´ヘヘ^              ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  // ,ハノノソヽソハ             .;;;''''
 ハ  ヾl.゚ ヮ゚ノ!. ノ   )) 卩__  ,.';;''
o=====○===∩====[]コ[i(●==>
    ./ソ、j、iヾ.   ))  |ノミ´⌒《ヽヽ;,,    
    /~(_>!(_>~´    _.__(((ノハc八 ''''';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
       _| ::|_       | |Θ|( l!)ソ ) )  
  | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_| ∪  ((    バシューーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!
  |___|__|_|  |_|  し^J `


  ヽl   ,、 l/
  〃"ナ'⌒ ~´ヘヘ^
  // ,ハノノソヽソハ
 ハ  ヾl.゚ ヮ゚ノ!. ノ   )) 卩__
o=====○===∩====[]コ[i(●==> )
    ./ソ、j、iヾ.   ))  |ノ ̄,'`》⌒`彡
    /~(_>!(_>~´    _.__ ノ,ィ∝ノノ)))
       _| ::|_       | |Θ|.( ( ゞッ(l!ノ  ・・・
  | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_| ノ)| U
  |___|__|_|  |_|  '´ `uu'.
580( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2008/03/26(水) 17:47:09 ID:rrYow5Vd
Σ(;゚Д゚)あ! こんな所でコテ消し忘れるか普通!?
581名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 17:49:37 ID:NqptwN6x
誰も持っていってないみたいなんでヴィータちゃんは俺の嫁
幼妻!幼妻!
582名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 17:51:14 ID:CuCKcEch
そんではまだ出てないスバルを俺の嫁として頂いて行きます
583名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 17:52:21 ID:isqhAaPM
馬www鹿www野wwwww郎wwwww
紅茶吹いたwwwwwwアンタAA好きだねぇwwww
584( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2008/03/26(水) 17:58:12 ID:rrYow5Vd
とゆーことでウェンディ貰って帰る。それじゃノシ
585名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 17:59:54 ID:1PERKkrP
ではティアは貰っていきますね
586名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 18:00:24 ID:a5iiueiE
じゃあすずかとアリサは俺が貰ってくな
587名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 18:06:32 ID:Ln4cgivu
>>586
いや、アリサとすずかは俺が“つがい”にするSSでも書こうと思ってるから、少し待ってくれないか?

まあ百合やレズやフタナリが嫌いなら書かないけど。
588名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 18:09:25 ID:a5iiueiE
>>587
俺はそういうのは苦手だ
だが需要はあるのだろう、だから書いてくれ

俺はどうなっても構わん書くんだド○ン
589名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 18:29:46 ID:bmpOr+2O
>>587
全力を挙げて書いてくれ
590名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 18:54:22 ID:obc00xPT
余り物に祝福の風きたり…
リィンフォースはあただきますね
591名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 19:13:22 ID:xpBKbSoE
@そろそろ埋めまする

            _/⌒ ̄⌒`´ ̄`〜ヽ'ー--、
           _/      ιυっ ̄~つyへつ
         /    フっιつ人´ / /つυ^っへ  っっ
       /   /つつ。o/ / / /  ^つっへυっつ
      _/     〉o°o。   。 / /  /°>つっっっつっっ
     /      \γ、。 o 。 /o。/ /つっっつっつ
__/           `⌒ヽっ/ 。/  / っつ) っつっつ
=/     っっ       τ-っつつっ、。|    つ  っつつつ
 ̄     っっ )) )       っつつつ。|          っっつつ
  つつっιつ) ⌒つっ)   っつっつ。 °|  °           o 。
  っつっo °。 υつ っ つっυ。o。°| ° °           °。
 っ\\っoっ。  °° つ。°°。o。o。\o。° 。°°。       。°。
  つっつ _o°°。 ° ° 。o/⌒\。 o\°°o  。     /У\°
 )へ)つ\///`ー、_ ° °。_/    \°。\。 。°°   /WMW、\
  へ)。°|\\\\`ー、 ,〜´ へっυ   ̄ ̄ ̄\°°__/______\ ____/
 ( ̄o°oヽ、 \\,O、/~   つっへっ   \ へ  \ ⊂≡⊂=
  \__/ ̄ ̄ ̄ ̄    っっつ         へ ⊂≡⊂=⌒*(・∀・ )*⌒=  津波?
           \  っつっっつ             ___ へ \ ⊂=⊂≡  O)   RH無しでボコボコにしてやんよ!
        っ   フつ   っ  つっつっ     \\   ババババ (   ヽ
  /つっつつっ ⌒っ⌒つ    つ   っ つ\。° \ヽ______∪ ̄\)ΟΟΟΟ/
 /。 ))  つっつ  つっゝ  つっ つ  つ つ\°。 \^/^/^/^^^^  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/〜
 | |。|。°|°。つっつつつっ   っつ  つ  っつ\。° \―・――・――・――・/  〜
,/ |。|°。|。。(°(。(  フつつ    っフ    つ   っ\    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄//〜〜




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592名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 19:14:11 ID:xpBKbSoE
@

┌――――─―――─――──――────―─――─――─―――
|…高町教導官一等空尉、これってやっぱり大きくなると執務官になるの・・・?
└─――――――v───――─―──――──―――─―─――─―─―─―─
                |なのはさんでいいよ。多分後数回落ちないと可能性ないの。
                └─――――――───――─―v──――─――─――

                                    (・∀・ )*\
                                  /⌒<  > ⌒\
                                  / __  __ \
         ル  ´Д)   ______      (___E^|___ノ
         γ  ⌒\   |猫ティア \1000|       /⌒\  /⌒\
        / ハ  \ \  ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄      /  イ     ヽ   |
       /     //\ ヽ、   |         ∧∧ /ー-'""`ーヽ  |
       |    /   ヽ、ノ  ∧∧  ∧ ∧  (`Д´)`\      |___>
      γ      / /  /´(`Д´)` ( `Д´)`\  |   |____(  \__
       i 、,    / /    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|        ゙-'`ー--'
       ゝ`ー-''" <     .|__________|
        (_(___つ


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593名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 19:15:04 ID:xpBKbSoE


            魔王降臨の生贄       いらない子   使えねぇな        少
  お話キカセテ?               役立たず                     し
お     凛         上    凡  ..:::::::::::::::::::........ 愚図  なのはさんの奴隷  頭
か     々        官     骨   .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::......::::::::::..             冷
し   マ 狩       の        .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::  な   鬼    や
い   ジ ル      い         ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::   の   教   そ
な   狩       じ         .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::    は   官  う
ぁ    ル     め         .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::    さ     か         
                    .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: .::::::::::::::::::::     ん    
どうしちゃったのかな      .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::  ::::::::::::::::::::.  特   や
            悲    .::::::::  .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::  :::: :::::::::::::::.  技    さ
           惨    .:::::::   :::::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::  :::: ::::::::::::::  は     し
白い悪魔    な      ::::::    :::::::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::   ::::  ::::::::::::  幻       い
         末      ::::   .:::::::::  ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..   ::::  :::::::::::: 影        も
        路            :::::::   :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::... ::::.  :::::::::: w          ん


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594名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 19:17:47 ID:xpBKbSoE

       /   `/     '   `   \ r__j l_ュ
      /                     r―┐r―┐
    / /l        / .:/ l  |  、  \ \  ̄Ll Ll ̄ヽ
    /// .:/  / | .:::| ∧: ト、 ト、. // ヽ::: ヽ.  |:. ',
  ,/// .:::l  .:/ .:::|\/| | ヽ | ヽヽ//   |ヽ::: ヽ |:|:. ',
  レ ,'  ::/ .:::| :::ト、/l`l、:j  ヽ |  /       j ヽ:::::ヽ|:|:: | 
    | / |  :::|:::::|   ̄`ヽ  ヾ. ^´      ノ  |\:: l_l::: |
    | l | ::::|:::ハ          ー―‐''´   / ::::ヽ| }:::. |  何でわたしばっかりこんな
    l | | ::::|: lヽ`ヽ__ノ ,  __ ///// ,'イ| :|_ノ:::: |  
    V  l  ∧| ト/// r―‐'´  ヽ、      /| :|::::::::: |  役回りなのよッ!!!
       ヽ |/l ハ     ',        ヽ     /ー'| :|::::::::::. ',
        V | |::::ヽ、   l       |   /l::::: | /::::::::::l::::.',
         ,/ | |:::::::::l\  |         j /:::|::::::l/:|::::::::::|:::l:. ' 
       |  |:. |:::::::::|::::l` 、ー―――‐"イ :|:::::|:::::::::::|:::::::: |:::|::. ',
.        | | |:::::::::::!:::|/く/ `=  - ≦=|_| ::::|:::|::::|:::::::: |:::|::. ',
        -―――|  |/::.{  /^\.  } |  |`ー-::|:::::::: |:::|::. ',
     〃::.::.::.::.::.::.::.::.|  |::.::.::.| /\V/, |::.:|  |ヽ::.::.::.::.::.::  ̄ヽ
     ∧::.::.::.::.::.::.::.::./:| |.::.::.::W/∧\.Y::.|  |:.',::.:.::.::.::.::.::.::./::|
     |::.ヽ_ -――/::.ヽ|:.::.::.∧く_./ ヽ._>∧:| /:.::.〉――-- _/.:.:|
    _|::.::∧ /::.::.::.:: `ヽ _/::.マ¨ ̄ ̄¨フ\}__,/ ::.::.::.::.::.::.∧:.::.|
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595名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 19:18:57 ID:xpBKbSoE


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:.:.:/.:.l;;;;;;;;;;;l:./        l     l l  l     l :l:.:l        ヽ迄゚  /:.:.:.:.:.://:.:./:/
.:.:l.:.:l;;;;;;;;;;;l:/ __  /l     し'  l  ,. -、 :l:.:l         `/:.:.:/:/ /:.:/ノ
:.:l. l;;;;;;;;;;;l / `丶、./:::l    l   l   l::::::::l l:.:l       ∠ -/:./   //
/ l;;;;;;;;;;;;l. /     ,rl    l   l   l:::::::::l l l l         //l    〃  こうなったら…下克上…
. l;;;;;;;;;;;;l 〈 、    lニ., '_´ ̄` ヽ、l._  l:::::::::l :l  l         __ l  /
.l;;;;;;;;;;;;l   ヽヽ.  /イ  l  ̄>、ヽ:〉.l:::::::::l-- 、     `ヽ、__/
;;;;;;;;;;;;;l   /`ー`/l l、  `´  _l   !.l:::::::::l ̄l゙/     , -‐ '´
;;;;;;;;;;;;l /    〈._l/   、´ }  l.l:::::::::l ̄.:l` ー- '
`ヽ、;l/       / ヽ ,.-.、 \ノ /::::::::::l__, - '"ヽ
  /  _ -─ 、>、` -ニヽ/_ /:::::::::::::::::::::::- ┴ 、 /ヽ
./,. ‐'':´::_,. -‐::::/::/、ヽ   l ::::/:::/` 、::::::::::::::::::::::::レ'::::::::::}
::::::::, '´::::::::::::::::/::/::::ヽヽ   l:/:::/ o   ヽ::::::::::::/::::::::::::/    

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596名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 19:20:05 ID:xpBKbSoE
@

      /´〉,、     | ̄|rヘ
l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/   ∧      /~7 /)
 二コ ,|     r三'_」    r--、 (/   /二~|/_/∠/
/__」           _,,,ニコ〈  〈〉 / ̄ 」    /^ヽ、 /〉
'´               (__,,,-ー''    ~~ ̄  ャー-、フ /´く//>
                              `ー-、__,|     ''
  __ _    /\     〃:.:.:./.:.:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:i、:.:.:.:.ヽ     /‐-i /‐-i
  |  | |  |   |  /   ./:i: :.: i: :/:.:i:.:.|:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.Y:.:.:|ヽヽ:.:.:|    |  / / / r--,
_ | | |  | _ | /    レl:!:.:./l::|:.:/レl:j、:j、::|::l:|:|:.:|:.:/l l l:.:.:.!     |  |└-// /  
| | |_| ― |  |\|      'ヘ/:.:l::l:.:l'莎 ヘト忝レ::l::ム/ 'v l |:.:.:.',    / L_.  ヽ/   
| |      | |__    .|:.: :⊥ヽl ¨ ,  ゙ー' |/イ/   \|:.:.:.:.',  /    /   
ヽ└――┐ |  __|    .l/  `l\ ‐   イ l/`llY  ̄\ :.:.:.', / ┌‐┘   
 |  __|  | |      /     / lノ l¬≠ i   lj.!    ∧:.:.:.:',L_|   
  |  |     L__ゝ   /     />.>  | 〒__/  く |     \: :i 
  |_|           ヽ\  _i ヽ\ 「 ¬7 /ノ |    / /:.:|
                \¨  }   _\゙v /ィ∠__ jv- ‐′,イ :.:|   
                 ノ   ヘ |::::::::[:「::::::::::/::∨ ゙v  ‐ 〈. ',.:.:|




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597名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 19:21:01 ID:xpBKbSoE
@
         ___
         | T   |
         | さ  .|
         | ん  |
         | の  |
      ,,,.   | お  | ,'"';,
    、''゙゙;、).  | 墓  | 、''゙゙;、),、
     ゙''!リ'' i二二二二!゙''l!リ'''゙
     ‖  `i二二二!´ ‖
     昌 |: ̄ ̄ ̄ ̄:| 昌
    | ̄:|_|;;;l"二二゙゙l;;|_| ̄:|
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⌒*(・∀・)*⌒まさか私の力を1割も出していないのに
         ティアナが逝くとは思わなかったなの!


【葬儀会場】 ※全裸でお越し下さい。但し靴とネクタイは着用のこと
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第63話☆
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598名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 19:21:47 ID:xpBKbSoE

 

      ∬     ∬
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           )
      ,'`》'´⌒`彡
     ノ,ィ∝ノノ)))))`.
    ( ( ゝ(l!_^ -ノ|l.ン|
    ノ)  ̄∪ ̄∪彡|
   '´}  . . ...::::;:;;;;;彡{  みなさん、お茶に入りましたよ・・・。
    i   . . ...:::;;;;;彡|
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599名無しさん@ピンキー
       ,;r''"~ ̄^'ヽ,
      ./       ;ヽ   <ぬこ可愛いよぬこ!
      l  _,,,,,,,,_,;;;;i     フゥハハハーハァー
      l l''|~___;;、_y__ lミ;l
      ゙l;| | `'",;_,i`'"|;i |
     ,r''i ヽ, '~rーj`c=/
   ,/  ヽ  ヽ`ー"/:: `ヽ
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 l l    ヽr ヽ | _⊂////;`)  ナデナデ
 ゙l゙l,     l,|  彡  l,,l,,l,|,iノ∧
 | ヽ    ヽ   _ _ ( ・∀・)
  "ヽ     'j ヽヽ, ̄ ,,,,,U/"U,,
   ヽ    ー──''''''""(;;)   ゙j
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