ゆうきまさみキャラ・エロ萌えスレその9

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1名無しさん@ピンキー
ゆうきまさみ作品全般についてのスレです

前スレ「ゆうきまさみキャラ・エロ萌えスレその8」
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1168255016/l50

過去スレ、関連スレは>>2-3を参照。
2名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:27:49 ID:3paWHt9E
過去スレ

「ゆうきまさみキャラ・エロ萌えスレその7」
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1139297970/l50
「ゆうきまさみキャラ・エロ萌えスレその6」
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1114088207/
「ゆうきまさみキャラ・エロ萌えスレその5」
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1101187323/l50
「ゆうきまさみキャラ・エロ萌えスレその4」
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1069761757/
「ゆうきまさみキャラ・エロ萌えスレその3.1」
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1053/10534/1053469507.html
「ゆうきまさみキャラ・エロ萌えスレその3」
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1053/10531/1053133095.html
「ゆうきまさみキャラ・エロ萌えスレその2」
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1020/10207/1020778981.html
「ゆうきまさみキャラ・エロ萌えスレ」
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/979/979809165.html
3名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:28:26 ID:3paWHt9E
関連リンク

ゆうきまさみキャラ・エロ萌えログ倉庫
http://gegege.s6.x-beat.com/yuuki/
(管理人さんご多忙につき現在収集活動はされていません。
wikiで編集できるそうなので、住人のご協力お願いします。
収蔵を希望されない書き手さんは「収蔵不可」とスレに一言お願いします)

ゆうきまさみキャラ萌え・絵かき板
http://cat.oekakist.com/yukimasa/
4名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:28:46 ID:3paWHt9E
<お願い>

新スレは、なるべく480KBを越した人が立てましょう。
500KBでスレッドストッパーが働き、書き込めなくなります。
5保管庫収蔵なしで:2008/01/06(日) 15:29:41 ID:3paWHt9E
スレ6の>>187の続きで後藤×熊耳です
6名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:30:37 ID:3paWHt9E


夢の中、全ての沈黙を引き連れて。
死者が還ってくる。
言葉も無く、ただその存在だけで。
死者が還ってくる。
次の瞬間聞くのは自分の叫び声だ。
何を叫んだかも分からぬまま跳ね起きる。
髪を振り乱し枕元を必死で探って目当ての物を掴み取る。
殉教者の持つ十字架のように。
全ての思いを込めた鍵を握り締め震えながら朝を待つ。
再びこの鍵の持ち主に出会える朝を。 

7名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:31:16 ID:3paWHt9E
澄んだ冬の空気が好きだ。
冷たく柔らかく透き通っている。
あの人によく似ている。
だから好きだ。
吐く息が白く後ろに流れ跡形も無く消えていく。
私もいつか、そうなれればいいと思う。
灰色の道を灰色の城目指して歩いていく。
見上げた遠い窓に洗濯物を干す彼の人の姿が見えた。
「後藤さん…」
逸る気持ちを必死で抑えて部屋へと向かう。
交わした約束通り合鍵を使って入ると奥から声が聞こえた。
「おう、来たかー」
「はい、来ました」
この人の声が好きだ。
遠くにいる分いつもより若干張り上げた声。
電話の向こうのくぐもった声も、仕事での生真面目な声も好きだ。
私はもう、彼の全てを好きなのだろう。
玄関に放り出されたくたびれたサンダルにさえ愛おしさを感じてしまう。
確かあの男に恋をした時もそうだった。
自動的に浮かぶ嫌な考えに目を伏せる。
私は今度は、一体何を間違うのだろうか。
そして誰を傷付けるのだろうか。
どうか今度こそは誰も傷付けない間違いでありますように。
今度こそは、自分だけが傷付く間違いでありますように。
顔を埋めていたマフラーを外し、靴を脱いでサンダルと共に端に揃える。
両手一杯の荷物をテーブルに置くと、干し終えた人が北風と共に戻ってきた。
「いらっしゃい。寒かったろう」
外の寒さで耳を赤くした人は笑顔で出迎えてくれた。
「後藤さんこそ寒かったでしょう」
冷えた耳を手袋をはめた手で包んで温めてやる。
柔らかい羊毛の感触がくすぐったいのか身を捩じらせて笑った。
「だめですよ、動いちゃ」
「くすぐったいよ」
逃げようとするのを顔を挟んで止める。
冷たい耳が温かくなるまで何度も撫でさすった。
「はい、これでおしまい」
「お世話様でした」
すっかり温まった隊長は私の肩からコートを抜き奥の部屋へと引っ込む。
代わりに古ぼけた電気ストーブをぶら下げて戻ってきた。
冷たい台所の床にコードを一杯に伸ばした状態で置かれる。
かちん、と軽い音がして明るい温かさが足に触れた。
「…ありがとうございます」
「今度は俺の番だろ?」
「お世話様です」
灯る赤が凍えた足を優しく温めてくれた。
8名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:31:48 ID:3paWHt9E
ストーブの火照りに足を動かしつつ持参した荷を解く。
次々と現れる食材に隊長は目を丸くしていた。
「また随分と豪勢だな」
「昨日、肉味噌ののったうどんが食べたいって仰ってたでしょう?
だから一緒に食べようと思って、作ってみたんです」
肉味噌の詰まった容器を振って見せれば嬉しそうに顔をほころばせる。
「嬉しいよ。外で食べられる所ってほとんどないから」
「良かった。いっぱい作ってきましたからたくさん食べてくださいね」
他にも煮物やらきんぴらやら、一緒に食べようと作ってきたおかずを並べていく。
その間も隊長は鍋に水を張り、皿を取り出し、手際よく動いていた。
その背中を見ていると何ともいえない愛情が湧いてくる。
いつからか出来上がった二人の慣例。
非番の日には隊長と共に昼食をとること。
こんな風に自然な状態になるには一応の紆余曲折があった。
ただ隊長の傍にいたくて。
でもそんなこと言えなくて。
だから必死になって口実を作って押しかけた。
煮物がすごく美味しくできたから。
おすすめの映画のDVDが出たから。
貴重な作品を展示する美術展が巡回してきたから。
どれも必死だった。
そんな必死な私にかけられた何気ない一言。
『理由なんて、作らなくていいんだよ』
追い返されないよう懸命になっていた私を見透かした言葉。
一番欲しかった言葉。
その何気ない一言に、馬鹿みたいに泣き出してしまった。
まったくどれだけ泣けば気が済むのだろう。この女は。
隊長はそんな私の傍にずっと寄り添って居てくれていた。
それ以来理由も作らずに上がりこんでいる。
ただ傍にいたくて、それだけの理由で、この場所に座らせてもらっている。
そうしてみると、隊長自身も特にもてなすようなことはしない。
けれど私の為のマグカップが一つ、棚に置いてあった。
上がりたければ上がって、座って、コーヒーを飲みたければ自分で入れて。
話したければ話して、そうでないならすみっこで座って、隊長を見て。
隊長も仕事をしていることもあれば、本を読んだり、煙草を吸ったりと自由気ままだ。
最初の頃は素っ気なさに寂しくもなったが、その方がこちらも気兼ねなく来られることに気付いた。
この人はやはり優しい。
そうこうしているうちに、非番の昼は一緒にとることが慣例となっていた。
あまりにもささやかな、けれど今の私にとっては一番幸せな時間だった。
9名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:32:21 ID:3paWHt9E
「えーと、うどんまだ残ってたかな」
不安そうな隊長の言葉で我に返る。
上司は沸騰した鍋を前に棚をあさっていた。
「あ、ごめんなさい。ちゃんと買ってきましたから」
包装を開けてキンと冷えた白い塊を取り出す。
白い冷気の帯がふわりと揺らめいて消えていった。
「後藤さんの好きな冷凍のですよ」
「これコシがあって美味いんだよな」
「私も大好きです」
三玉入りのうち、二玉を流しにおいて残りをしまう。
すると隊長は唇を尖らせて言った。
「俺、二玉がいいなー」
上司の可愛いおねだりにこくんと頷く。そして思った。
そうか、男性は一玉では足りないのか。
なぜか一度も思いつかなかった事実に驚愕する。
今まで残さず食べてくれたのは、おいしかったというより足らなかったためなのだろうか。
密かに喜んでいた分なんだかがっかりしてしまう。
今まで学校の勉強はたくさんしてきたけれど、女としての勉強はまったくしてこなかった。
それがここに表れてるなと三玉のうどんを眺めて思った。
「うどん、もう茹でていい?」
「…はい」
脱力していても仕方がない。食事にしよう。
隊長はぴたりと巻かれたビニールを苦心の末剥がし、沸いた鍋に突っ込んだ。
私は用意してきたおかずを皿に移し、空いた容器をシンクに放り込む。
そして片っ端からレンジにかけて温めなおした。
「このうどんは何分くらい茹でるんだ?」
「自然にほぐれたらもう大丈夫です。そうしたら水気を切ってどんぶりに入れてください」
「はーい」
こういう自然な役割分担が出来るのは、やはり彼の器の大きさだろう。
本当に出来た男だと思う。
どんぶりと箸を掴んだ優しい背中を眩しく眺めてから居間へと料理を運ぶ。
小さなテーブルを丁寧に清め、箸や取り皿を並べていく。
やがて白く光るつやつやのうどんも運ばれてきた。
「はい、茹でました」
「ありがとうございます」
熱々のうどんに肉みそを乗せ、彩りに葱を散らした。
出来上がったメインディッシュをテーブルの中央にどんと置く。
ささやかだが思いを込めた昼餉の準備が整った。
10名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:32:52 ID:3paWHt9E
「美味そうだな」
温かな湯気を立てる料理に隊長は目を輝かせている。
これではまるで大きな子供だ。
「お口に合うといいのですが」
「いつも美味いよ。いただきます」
隊長は手を合わせて箸を掴むと勢い良くうどんをすすり上げる。
大きな口を動かして飲み込むと、満足そうに微笑んだ。
「美味い」
「そうですか?良かった」
私も箸を手に取りうどんをすする。
うん、美味しい。
コシのあるうどんに辛めの肉みそが良く合った。
箸を休めた隊長が添えられた温泉卵の器を掴む。
「この卵はうどんにかけるのか?」
「かけてもそのままでもお好きなように」
「じゃあかけてみるか」
柔らかい卵がつるりと滑って肉みその上に落ちる。
箸で丁寧にほぐして絡めると、綺麗に数本のうどんを掴み上げた。
そういえばこの人は箸の使い方とか意外と上品だ。
案外躾のうるさい家に育ったのかもしれない。
どんぶりに添えられた手を見ながらそんなことを思う。
まっすぐな指先はきちんと揃えられていた。
「さて、私も…」
私も同じように柔らかな卵を麺の上で崩して肉みそと一緒に味わう。
みその辛味が上手く中和され、コクのある優しい味に変わった。
やっぱりこの肉みそは大成功だった。
通常作る時の三倍以上の気合を入れて作っただけのことはあった。
「これ本当に美味いな」
「そうですか?良かった。実家ではこうやって食べていたものですから」
「そうか…なんかいいな、こういうの」
しみじみと呟く隊長に目線だけで聞き返す。
「こういうさ、その家の味みたいなのを知るのは、相手を深く知るみたいじゃないか?」
確かに生きる基本である食を共有するのは親しみが湧く。
それが相手の育った家の味となれば尚更かもしれない。
「これが武緒の育った味なんだな」
再びしみじみと呟いてうどんをすする。気に入って頂けたようでなによりだった。
11名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:33:26 ID:3paWHt9E
美味い美味いと呟いてうどんもおかずも綺麗に平らげてくれる。
足らなかったから残さず食べた、というオチではありませんように。
「あー、美味かった。ご馳走さん」
「お粗末でした……足りました?」
隊長はいかにもおじさんらしく満腹になった腹を撫でている。
「うん、十分いただきました」
「そうですか。良かった」
やはり今までは足りなかったのかもしれない。
今後は余る位の量を心掛けて作っていこう。
そして女としての勉強ももっともっと深めていこう。
こういう所が融通の利かない優等生なのだろうなと思いつつ食器をさげた。
年季の入ったやかんを火にかけ沸騰するまでの間に手早く食器を洗う。
持参した荷物からドリップ式のインスタントコーヒーを取り出していつものマグカップにセットした。
丁度その時背後のやかんがけたたましい音を立てる。
「はいはい…っと」
火を止めて沸騰した湯をフィルターに丁寧に注いでいく。
湯気と共に眼の覚める鮮やかな香りが広がっていった。
なみなみと注がれたカップを手に居間へと戻る。
隊長は窓辺に座り壁に背を預けて冬空を見上げていた。
手にはいつもの煙草が煙っている。
コーヒーの気配にこちらを向くと、自分の足の間の畳をぽんぽん叩いた。
手にしたカップの片方を渡してその空間に納まる。
「いただきます」
隊長が渡されたカップに口を付けて褐色の液体を喉に流し込む。
私も隊長の胸に背を預けた状態で熱い一口を啜った。
「あ、これ美味いな」
「実家から送られて来た救援物資の残りなんです。チェーン店のですけど」
「あのやたらお洒落な煙草吸えない所?」
「いえ、ロゴがコーヒー豆の所です」
味ではなく煙草が吸えるか否かで店を分けるのがこの人らしい。
最近は煙草を吸えない所も増えているから、店を見つけるのも一苦労のようだ。
「あぁ、あそこのか。ふーん、そっか……そういやお父さんは元気か?」
一度父と会っているこの人は時々こうして尋ねてくる。
その度親に手土産持参で上司に頭を下げに行かせた過去を思い出す。
まったく我ながら大した優等生振りだと思う。どれだけ情けない人生なのだ。
「…元気です。向こうも後藤さんのことを訊いてました」
もちろんこの人だって意地悪で訊いているのではない。
純粋に私と家族の関係を心配してくれているのだ。
「元気だって伝えてくれたか?」
「ええ。いつもものすごくお世話になっているって言ってあります」
「お世話って」
何もしてないよとそ知らぬ顔で飄々とコーヒーを啜る。
まったく。この大嘘つき。
12名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:34:11 ID:3paWHt9E
彼の胸に寄りかかれば後ろから腕がまわされる。
吐き出される紫煙はそのまま彼の香りだ。
背中全部で彼の鼓動を聞く。
この時間が好きだった。
特に何をするでもなく、話すでもないこの時間が好きだった。
ちびちびとコーヒーを啜りつつ、私は改めて背後の人を観察してみた。
普段の仕事場では見られない休日仕様の格好。
洗い晒しらしい皺だらけのシャツとチノ。体格が良い所為か貧相には見えない。
セットされずに下りた前髪は意外に長く、眠そうな眼を完全に覆ってしまっている。
取り立ててハンサムという訳ではないが、味のある良い顔立ちだと思う。
「…何だ、じろじろ見て。そんな見惚れるほどいい男か?」
「さあ?どうでしょう」
はぐらかせば隊長は唇を尖らせて拗ねた振りをしている。
その唇が可愛くてキスを強請ってみるが、わざと鼻の頭に逸らされてしまった。
「…意地悪ですね」
「お互い様だろう?」
今度は私が拗ねた振りをすれば望み通りの場所に唇をもらえた。
今日会ってから最初のキス。微笑めば彼も照れたように笑う。
「…コーヒー、美味しいですね」
「ああ」
誰が見ているわけでもないのについ誤魔化す様な言葉が出てしまう。
隊長はそんな私に気を使ってさりげなく話を合わせてくれた。
ここで突っ走れないのは年齢の所為だろうか。
それとも何か別の遠慮の所為だろうか。
つまらない女だと思われてないだろうか。
残ったコーヒーを飲み終えた彼が後ろからゆっくりと抱きしめてきた。
「…どうした?最近疲れているようだが」
「いえ、大丈夫ですよ?」
「嘘は慣れてないとつけないよ」
ああ、上手く隠せていると思ったのに。
せっかく彼と二人きりなのだから、こんな瑣末なことは持ち込みたくなかったのに。
言いたくはないけれど、言わなければ彼はずっと気にしてしまうだろう。
優しいこの人をこれ以上困らせたくない。
でも別の意味で困らせてしまわないだろうか?
迷いに迷ったが、抱きしめる腕に力が込められてしまったので仕方なく口を開いた。
「……ちょっと面倒なことになってまして」
「面倒?仕事か?」
「いえ、あの…」
こんなことをこの人に言ってもいいのだろうか?
何か遠まわしに下衆な要求をされていると思わないだろうか?
「武緒?」
幾分強い口調で名を呼ばれ身体が覆いかぶさってくる。
もうちゃんと話さないと許してもらえないだろう。
どうかこの人が不快な思いをしませんように。
私は意を決して自分の情けない状況を白状した。
「…実は今、親戚にしつこく見合いを勧められていて…逃げ回っている状態なんです」
13名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:34:45 ID:3paWHt9E
「ああ、だから最近へこんでたのか」
「…はい」
多くを語らなくても聡いこの人は全てを理解してくれているのだろう。
私の置かれている状況。家族や親族との確執。求められることと望むことのギャップ。
様々な後ろめたさや申し訳なさや隠しきれない苛立ち。
私を泥の中から引き上げようとする愛情と思いやりと少しの見栄。
それに対する感謝と幾ばくかの疎ましさ。
一つ一つはありがたい声でも増えていくと雑音にしか聞こえなくなる時がある。
そんな自分を嫌に思ったり、情けなく思ったり、恥ずかしく思ったり。
全て自分が招いたと分かってはいるが、時折誰かに責任を転嫁したくなる。
そしてそんな自分がまた嫌になって。
生まれて初めて部屋が荒れるほど物にあたって。
その惨状を前にまた自己嫌悪に襲われて。
浮いたり沈んだりをものすごい勢いで繰り返して。
どこからほどいていいのか分からないくらい絡まって。
先がまったく見えなくて。
「…申し訳ありません」
「なにがだ?」
不思議そうに問い返す人にますますいたたまれなくなる。
「…また……余計な心配をお掛けして……」
後ろから耳をかぷりとやられる。
びっくりして振り返れば無表情に怒っていた。
しまった、また怒らせてしまった。これは巻き返さなければ。
こういう時は、ええと……。
「ええ…と、あの……心配、してくださって、ありがとう……ございます」
今度は眼を細めて笑ってくれる。
その顔を見ていると、何だか煮詰まっていた自分が馬鹿馬鹿しくなってきた。
そうだ、何をそんなに一人で空回っていたのだろう。
ちゃんと話せばよかったのだ。後ろめたさを言い訳にしないで。
今は結婚の意志はないこと。でもいつかはしたいと思っていること。
仕事は確かに色々あったということ。それでも仕事が好きだということ。
そういうことを飾らず逃げず、自分の言葉できちんと伝えればよかったのだ。
私自身にちゃんと、幸せになる意思があるのだと伝えればよかったのだ。
「あの…私、もう一度親戚と話してみます。上手くは言えなくても…ちゃんと向き合って話してみます」
「うん」
短い肯定に全てを込めてくれる。
それだけで百万の味方を得たようだった。
14名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:35:26 ID:3paWHt9E
温かい腕にすっかり身体を預けてくつろぐ。
この腕の中に居ると、あの頃の私は随分寒い所に居たのだと気付かされた。
寒くて寒くて、どこまでも果てしなく寒くて。
心の中まで独りだというのを忘れてしまうくらい寒かった。
あの夜、この人が縋り付く場所をくれなかったら。
私はどうなっていただろう?
きっと今頃は土の下だったな。
冗談ではなく本気でそう思う。
馬鹿だから、きっと死んでいた。
「つまんないこと考えないの」
「きゃっ!」
今度は頭をかぷりと齧られる。
見透かせるのは分かったからもうちょっと違う風にしてくれないだろうか。
不思議な感触を残す頭頂部を撫でながらそう思った。
隊長は片手で私を抱きしめて二本目の煙草に火をつける。
「そんなに考えたいなら今晩食べたいモンでも考えてなさい」
「さっきお昼食べたばっかりですよ?」
「くだらない連想よりよっぽどマシだろ?」
両腕が回されて、乳房も腹も一緒くたに抱き寄せられた。
満腹のお腹を大きな手で撫でられて気持ちが良い。
あまりの気持ちよさに自然と伸びをしてしまう。
いつまでもいつまでもこうしていたい。
今なら世界が終わってしまってもいい。
むしろ終わってしまえばいいのに。
ああ。
この人が恋人だったらどんなにいいだろう。
この人の恋人だったらどんなにいいだろう。
本当にそうだったらどんなにいいだろう。
「武緒、武緒」
呼ばれて振り返ると、隊長がぱかりと口を開ける。
その大きな穴から煙の輪がぽこぽこと出てきた。
「わ、すごいすごい」
初めて見る光景にぱちぱちと拍手をする。
すると隊長は優しい笑顔で微笑んだ。
「やっと笑った」
その台詞に自分の口が笑みを象っていたのに気づく。
そして今まで無愛想な形をしていたのにも。
「あ、あの…」
「笑ってくれれば、それでいいから」
年上の人は、そんな言葉で甘やかしてくれた。
15名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:35:55 ID:3paWHt9E
「あの、伺ってもよろしいでしょうか?」
私の手から奪ったコーヒーを味わっていた人は流し目で返事をする。
迷いつつも、ずっと疑問に思っていたことを問うてみた。
「隊長は………その……ご結婚は……」
「してたよ」
……そうか。
やはりそうか。
本当ならここでは驚くべきなのだろうけれど、心は妙に落ち着いていた。
これほどの男が、今の今まで放っておかれる方が異常だ。
真剣に結婚を考えている女ならばこの男を見逃すわけがない。
それこそ引く手あまただったろう。
隊長は煙草を消して隣室へと向かうと引き出しから一葉の写真を取り出した。
少しふちがよれて古ぼけたそれを渡される。
「これが女房」
そこには年若い上司と、長い髪の儚げな麗人が写っていた。
いい顔だと思った。
二人とも本当にいい顔をしている。
幸せ、だったのだろう。
「綺麗な方…」
「お世辞でも嬉しいよ」
「お世辞なんかじゃありませんよ」
写真より幾分老けてしまった人は優しく笑う。
「身体は弱かったけど芯の強い人でね……自分もまわりも苦しませずに、あっさり逝ってしまったよ」
亡くなったのか。何て悲しい終わり方だろう。
それなのに隊長は、どうしてか幸せそうだった。
「すみません…こんな話させてしまって…」
大切な写真を汚してしまわないように戻して謝罪する。
「俺だけがお前の昔話知ってるのも不公平だろう?」
隊長は大事そうに写真を受け取りまた元の場所にしまうべく立ち上がった。
背中を丸めて引き出しにしまう姿は満ち足りて見える。
どうしてなのだろう?
奥様を亡くして以来、彼はずっと一人だったのだろうに。
「ねえ、後藤さん?」
「ん?」
振り向いた人は少し遠い。
この距離感が私たちの関係なのかもしれない。
この少しが、私たちの。
少しの遠さをそのままに、私は問うた。
「それでも……それでも、あなたを愛していいですか」
奥様が居ても、少し遠くても、あなたを。
隊長もまた、距離をそのままに答える。
「…俺を許せるのなら」
隊長がこちらに一歩を踏み出す。
私はその一歩を許した。
16名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:36:27 ID:3paWHt9E
距離が縮まるにつれ彼の表情が変わっていく。
先程までの満ち足りた尊い顔から生身の男へと変化する。
そのどちらも好きだった。
そのどちらも許すことが出来た。
「いいのか?許しちまって」
再び目の前に座った男が少し気まずそうに訊く。
私は頷いた。
「先に許してくださったのは、あなたじゃないですか」
「俺が何を?」
隊長は少し困った顔で笑う。
私も少し困った顔で笑う。
「リチャードを思いながら抱かれるのを許してくださった」
あの夜、この人が許してくれた。
間違いも愚かさも浅ましさも何もかも全部、許してくれた。
「泣くことを許してくださった」
悼むことも想うことも叫ぶことも全部。
「ここにいることを許してくださった」
重なることも触れることも繋がることも全部。
「あなたが私を許してくださったから、私は生きることを許せた」
この人がいてくれたから、私はこの世界にいられた。
この人が許してくれたから。
だから私はあなたを。
「あなたを愛しています」
心から。あなたを。
愛しています、愛しています、愛しています。
私も許しますから。
だからどうか許してください。
あなたを愛することを。
「愛しています」
彼を許すために、私からも距離を縮める。
伸ばした腕で彼を包み、肩に顎を乗せた。
「許します」
彼の腕が背中に回る。
「許してください…」
どうかあなたを愛させてください。
愛されることは、望まないから。
「愛してます…」
身体を離して愛しい唇を追う。
彼はそれを許してくれた。
「愛しています…」
唇が重なる。
彼は私が愛することを、許してくれた。
17名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:36:59 ID:3paWHt9E
随分と儚いキスだった。
触れて離れるだけのそれ。
それだけなのに、ひどく嬉しい。
……愛しているからだろう。
ああ、愛している。愛しているんだ。
「愛しています…」
硬い頬を包み、ざらつく顎を舐め、唇を吸う。
舌先でつるりとした感触の歯を味わい唾液を啜る。
好きだ、愛している、好きだ。
そんな言葉しか浮かばない。
この人が好きだ。
もうそれ以外何が何だか分からなくなって必死でしがみつく。
後ろ髪を掴み頬擦りをして気持ちを伝える。
触れ合っている部分も、触れ合っていない部分も全てが愛おしい。
泣きそうになった。
「好きです…」
耳元でこっそりと囁くように、大事な秘密を暴くように。
何故こんなに好きなのだろう。何故こんなに愛してしまったのだろう。
何故こんな気持ちを押し付けてしまうのだろう。
この人を愛していて、だから幸せにしたいのに。
しがみつく私の腰に手を回していた人が、なぜか突然くつくつと笑い始めた。
布を隔てて触れ合っている腹筋が小さく動いている。
一体何が可笑しいのかと顔を覗くと、悪戯な目をして口角を上げた。
「…それにしてもお前、ほんっと男運悪いよな」
硬い顎で顎を持ち上げられ、露になった喉を吸われる。
鎖骨のくぼみを舌先で押し込まれて甘い声が漏れた。
「こんないい女なのに、あんなのとかこんなのとかに掴まっちまうなんてな」
仕掛けてくる悪戯を止めたいのか止めたくないのかも分からず後ろ髪を掴む。
「あ、あんなのは、あんなのでしたけど、こんなのは、こんなのじゃないですよ!」
唇の動きに翻弄されつつ上擦った声で必死に叫ぶ。
何言ってるんだろう。これじゃ小学生並みの文法だ。
「んー……そうか?」
「は、はいっ!!」
舌先で仰け反った顎をちろちろと舐められ固く目をつぶる。
お終いに顎をぱくりと含んでから唇が離れていった。
「じゃ、」
隊長は満腹の猫の如くに上唇を舐めて微笑む。
力の抜けた私を膝にのせて抱え直し、額と額を触れ合わせた。
「幸せにしないとな」
どこか灰色がかった眼に至近距離で見つめられる。
息を呑んだ。
「こんなのに掴まっちまったんだから、せめて幸せにしないとな」
腰にあった手が上がって頬を包み込まれる。
かさついた親指が涙の滲む目尻を拭ってくれた。
私は優しく熱い手首を掴んで精一杯に微笑んだ。
「もう………幸せです」
幸せにしてもらう必要なんて無い。
あなたがいてくれるだけで、もう十分なのだから。
「……幸せか」
「はい」
苦笑して眼を伏せた人は、再び顔を上げるとまっすぐに私を見て微笑んだ。
「……俺もだ」
18名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:37:32 ID:3paWHt9E
幸せ。
私の幸せ。
今までずっと、それがどこにあるのか、どんなものなのかなんて分からなかった。
あの男との出会いでますます分からなくなった。
でも今ならどこにあるのか分かる気がする。
それは多分、触れ合うこの唇の間に。
「ん……」
手を握り合い、唇だけを使ってお互いの口腔を求め合う。
溢れる唾液もそのままに唇を震わせ味わい続けた。
「ぁ……っ」
唐突に唇が離されとろりと糸が引いた。
自由になった唇をそっと舐める。まだ物足りなかった。
「いいな、その顔」
隊長が男の顔で笑う。
一体何のことかと視線で問えば、いやらしく口元を歪めた。
「キスを待ってるときの顔」
指先でとんとん、と頬を叩いてからかわれる。
惚けていた顔が恥ずかしくて睨みつけると唇が降りてきた。
「そそられる……」
再び唇を奪われながらも薄く眼を開く。
瞳を閉じ精神を集中して唇の感覚を追う男が見えた。
「やらしい顔…」
息継ぎの為離れた一瞬に揶揄する。
「おじさんだから」
余裕で返され更に深く口腔内を犯される。
知り尽くした場所を慣れた動きで弄られ、眩暈がするのに身体は火照る。
持て余してぐらりと揺れる身体を抱きとめられ二人で畳に転がった。
私を抱きしめたまま一番良い体勢を探してころころと寝返りを打つ。
やがて仰向けとなり私を胸に抱いた状態に落ち着いた。
摺り寄せた頬の下から力強い鼓動が聞こえる。
あたたかい。
大きな硬い手が頭を撫でてくれて気持ちが良い。
好きな人の手。
好きな人の身体。
変な言い方だけれど、ただ純粋に触れたく、触れて欲しかった。
呼吸に合わせて上下する胸をゆっくりと撫で回す。
この人と一つになりたかった。
「武緒」
いつの間にかうとうとしていたらしい。
突然呼ばれた名前にびくりと身体が跳ねる。
「……セックスしようか」
今度は心臓が跳ねた。底からぐるりと一回転してしまったかもしれない。
口調はいたって穏やかだったが、隠し切れない艶が滲み出していた。
「まだ、明るいけどな」
表情はいやらしく飢えて崩れているのに、瞳がそれを裏切っていた。
満ち足りているのに私を欲しいといってくれる眼。
不足を埋めるでなく満ち溢れた何かを与えようとする眼。
それは多分、愛と呼ばれるもの。
「…駄目か?」
駄目な訳がない。
恥ずかしくて嬉しくてもう見てられない眼を両手で塞ぎ、返答代わりにキスをした。
19名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:38:11 ID:3paWHt9E
何だか色々無茶苦茶だった。
お互い着ていたものを脱いだり脱がせたりして。
邪魔にならないよう放り投げたり蹴飛ばしたりして場所を作って。
全裸になった隊長が窓を開けて、無理矢理手を伸ばして日干ししていた毛布を引っ張り入れて。
外から見えるのではないかとひやひやして。
太陽と埃の匂いのするそれを畳に広げてその上に押し倒されて。
確かこれカシミアだったはずと別の意味でひやひやして。
寒がりの私のために奮発して買ってくれた高価な物。
でも伸し掛かられて抱きしめられた時にはどうでもよくなっていた。
いつも通りのぎゅっと抱きしめられたままのキス。
熱くて心地良くて、これがこの人との行為で一番好きなことかもしれない。
顔に垂れてくる彼の髪を払いながら繰り返し貪った。
大好きな大好きなキス。
「ん……っ、ぅ」
自分からも舌を伸ばして十分に堪能する。
舌を絡め合い唾液を貪り合って全身を絡める。
初めてのセックスの時には考えられなかった行為。
この人はキスもせず身体だけを可愛がってくれた。
あの優しさは今になっても変わっていない。
キスをしてもしなくても、この人の優しさはそのままだ。
「はじめて…」
「?」
「はじめてだな」
唇を触れ合わせたまま囁く言葉に首をかしげる。
一体何がはじめてだと言うのだろう。
「何が……ですか?」
「セックス」
「え?」
そんなのはじめてな訳がないだろうに。
もう私達は何度も身体を重ねているのだから。
「あの…こんなの言うのもなんですが……もう片手では収まらないくらいしてます……けど」
「…?あれはセックスじゃないだろう?」
ちょっと待った。じゃあ一体何のつもりで私を抱いていたのだ。
むっとしたのがダイレクトに表情に出てしまう。
だがそれに怯む訳もなく、淡々と説明されてしまった。
「俺にとってのセックスってのはさ、二人きりで互いを思ってするもんなんだよ」
「と、当然でしょう!何をそんな…」
憤る私の唇に指を当てて黙らせる。
「…間に誰かを介在させるもんじゃない」
一瞬にして血が凍る。何を言われているのかは分かっていた。
リチャード・王
あの男のことを言われているのだ。
「……もう俺達の間には誰もいない。だからはじめてなんだよ。
はじめて深刻な理由なしでお前を抱くのだから。
セックスってそういうものだろう?
ただ相手に触れたいっていうそれだけでするものなのだから」
触れたい。そうだ、私はこの人に触れたい。
寒いとか、寂しいとか、そういう理由じゃない。
ただこの人に触れたくて触れたくて堪らないのだ。
でもそこでふと影がよぎる。
ではこの人にとって奥様はどこにいるのだろうか?
間にいないのだとしたら、一体どこに。
だがそんな懸念も与えられたキスの前には吹き飛んでしまった。
20名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:38:45 ID:3paWHt9E
熱く上手いキスに翻弄されつつも彼を真っ直ぐに見上げる。
視線に気付いたのか隊長も薄目を開けて私を見た。
嬉しい。
逞しい首に手を回して引き寄せる。
逃がさないように髪に手を埋めて押さえつけた。
「こら……」
引っ張られて痛かったらしく下唇を甘く噛まれる。
お返しに鼻頭に舌を伸ばして甘く噛んだ。
「まったく…」
眉を寄せながらもまんざらでもない表情だった。
唇を合わせたまま軽くウインクされる。
そんな仕草のひとつひとつまで全て良く見えた。
そういえば、こんな明るい中で男に抱かれるなんてはじめてだ。
あの男とはいつも陽が落ちてからの逢瀬だったし、この人とも夜しか抱き合ったことはない。
だからこんな明るい所で興奮した男の裸体を見るなんてはじめてだった。
つ、と背骨に沿って指を這わす。骨太のがっしりとした体躯。
いつも思うのだが、年齢の割には見事な身体だ。
これを保つのは相当な努力が必要だろう。
ジムにでも通っているのかと聞いたことがあるがあっさりと否定された。
『何もしていない』という言葉が嘘だったのを知ったのはその少し後だ。
下駄箱の奥には使い込まれたランニングシューズ。
箪笥の引き出しには彼のイメージとは程遠いジャージ。
走ることでこの体格と体力を維持しているようだ。
それに洗濯物の山の中に道着を見つけたこともある。
どうやら暇を見つけては道場にも通っているようだ。
何気なく尋ねてみれば、『お巡りさんだからね』と軽く流された。
努力を知られるのは恥だとでもいう哲学があるのだろう。
あるいは男の子っぽい見栄なのか。
可愛い、と思えるのは惚れた欲目だろうか。
「……何だ?」
「いえ……素敵だなぁ…って」
「…まったく」
照れてしまったのか苦笑して眼を逸らす。
がしがしと頭を掻いて溜息をひとつ。
私の身体をちらりと眺めると、得意の上目遣いで見上げてきた。
「武緒……」
何かをおねだりする時の眼。
私がこれに弱いのを知っていてわざとやっているのだ。
「……何ですか?」
何を言われるのかと身構える私を隊長の手が撫でる。
つい漏れてしまった吐息を唇ですくわれ至近距離で呟かれた。
「…本気で抱いていいか?」
21名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:41:23 ID:3paWHt9E
「……え?」
本気って、本気って、一体何だろう。
ま、まさかとは思うけれど、その、まさか、その。
へ、変な…その…あの……器具…とか……?
「あ、あの、後藤さん?」
「じゃ、そういうことで」
「どういうことですかっ!?」
思わず身を起こしたが、肩を掴まれあっけなく押し倒される。
「どういうって……訊くなよ」
「訊きますよっ!」
「大丈夫だって。信じろって」
「真顔で言わないでくださいっ!」
余計恐ろしい。
一体何をするつもりなのだろう。
脳裏に浮かぶのはとてつもなく卑猥な映像ばかり。
そんなことに使うような物はこの家にはなかったはずだが。
でも、もしかしたら、あの、『ここは触るな』と言い含められていた場所。
あの場所にしまってあったとか?何か恐ろしいものが?
あたふたする私を見る目元が何故か急に柔らかになった。
「……じっとしておいで」
低く甘い声。耳を塞ぎたくなる。
この声を聞いてしまったら、もう動くことなんてできない。
動けなくなった私の身体を随分と馴染んだ大きな掌が撫でる。
けれどその動きは今までとはまるで違っていた。
ゆっくりとした、何かとても大切なものを触るような動き。
わき腹をじっくりと撫で下ろし、臍から鳩尾を通って乳房まで撫で上げる。
下からすくい上げるように乳房を包み絶妙な力加減でたっぷりと揉まれる。
長い人差し指が快楽で張り出した乳首を撫でつつ弾き続ける。
その天辺で主張する肉の粒を長い舌が舐める。
硬いながらも逃げ回る動きをする粒を今度は甘く噛んだ。
「んぁ…っ!」
脳まで突き刺さる快楽。カシミアに爪を立てて仰け反る。
両方を満遍なく嬲られ、まったく触られていないのに脚の間が変化する。
彼を受け入れる場所のうんと奥の方から濡れていくのが分かった。
気持ちよくて恥ずかしくて身をよじる。
いつの間にか外されていた手が私の頬を包んだ。
「後藤さん……」
「大丈夫」
見惚れてしまうほどの優しい眼と声。頬の手がずらされ髪を撫でる。
ちょっと…待った……本気って…こういうこと……?
呑まれてしまう。
このままでは頭から足先までつるりと呑まれて彼の腹におさまってしまう。
そしてぐずぐずに融けるまで甘やかされ可愛がられてしまうのだ。
突然目の前に開いた甘美で淫靡な底なし沼。
ぽっかりと開いたそこに飲み込まれたらもう二度と出てはこれない。
大変だ。これではもう永遠にこの人に囚われてしまう。
この人以外愛せなくなってしまう。
けれど一番厄介なのはそこに呑まれるのを望んでいる自分自身だった。
22名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:41:59 ID:3paWHt9E
「や……あ、ぁ……やぁ……っ」
身体が仰け反る。
浮いた汗が動きに従って流れ落ちる。
それすらも施された愛撫のようで、身を震わせて喘いだ。
「んっ!……ぁ、あ……や……」
荒い息と粘ついた音。
だらしなく開いた口から漏れていく。
「だ、め……そんなところ……も…やめ……っ」
咎める言葉も喘ぎ混じりなら強請っているようにしか聞こえないだろう。
閉じていた眼を開けて視線を落とせば開いた脚の間に彼の頭が見えた。
「ごと…さ……おねが……もう……」
「怖い…?大丈夫……ひどいことなんてしないから」
もうずっと脚の間に顔を埋めて愛撫し続けている。
長い舌が縦横無尽に這い回って肉と蜜を絡めていく。
陰唇を唇で食み、軽く引っ張る。
くちゃりと音がして膣口が開き、熱の篭ったそこが外気に触れた。
口内に含んだ陰唇をぐっと吸い上げられ根本に歯を当てられる。
柔らかさと硬さを同時に感じて割れ目全体が痙攣した。
「ぁ…ひぃ…っ……も…だめ……」
「可愛いな……すごく濡れてる」
身体の上で乳房が揺れる。
彼の唾液が乾いてしまい妙に突っ張るそこをほぐしてしまいたい。
でもそんな淫乱な行為は到底出来なかった。
「ごとうさん……ごとう…さん……っ」
「ここにいるよ」
ぴちゃぴちゃと水を弄ぶ音。
硬くさせた舌が上から下へ、下から上へ、何度も割れ目を切っていく。
快楽に裂けた場所を異物の肉が上下する喜びに脳天から声が出た。
柔らかくなった膣口から侵入される。
入り込んだ肉にぐるぐると掻き回され腰が跳ねた。
「だ、だめっ……だめ……ぇ……なか、は……」
時折溢れだした大量の蜜を啜る音がしていたたまれなくなる。
垂れたものだけでなく、陰唇にこびり付く蜜まで丁寧に舐め取られた。
指で引っ張り出され、表も裏も綺麗にじっくりと。
「おねが……そんな、とこ……まで…なめちゃ……あぁ…」
「綺麗な色してる…ここなんてほら」
尖らせた舌が肉芽に押し当てられ包皮の中に潜る。
一番敏感な肉の粒をくるりと舐められ悲鳴を上げた。
「ひぃっ!あ、あぁうっっ!」
最奥から濡れる。
その緩んだ入り口から垂れた蜜が快楽しか感じていないのを表していた。
溢れたそれはもちろん彼に啜られる。
ごくりと嚥下する音まで聞こえてもう死にそうだった。
周りの肉を押さえられ包皮がぱっくりと開く。
弄られたそこには空気の流れすら針のようで。
全体を唇で包まれた瞬間、力一杯吸い上げられた。
「いやぁああああっっ!!」
がくがくと身体が暴れ意思とは関係なく淫らに踊る。
けれどどれ程乱れようと彼は離してくれなかった。
暴れた反動で歯が肉芽にぶつかりえぐる様に引っ掻かれる。
内側からの興奮でぎりぎりまで張った粒に犬歯が突き刺さる。
「ひぃっっ!!ひ……っっ!!」
眼を見開き大きく弓なりに仰け反る。
舌だけの愛撫にも関わらず、私は奇声を上げて達してしまった。
23名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:42:33 ID:3paWHt9E
痙攣が止まらない。
身体中が今受けた衝撃に戦いている。
こんな明るい中で何もかも見られてしまった所為だろうか。
股からはいまだ蜜が吐き出され続けていた。
「ん……すごいな……美味いよ」
脚の間からぴちゃぴちゃと音が聞こえる。
イッた後も垂れ落ちる蜜を舐め取られているのだ。
絶頂をより長引かせようとする動き。
震えるそれを触れるか触れないかの動きで翻弄する。
「…次はこっちでな」
充血し腫れた肉芽に親指が押し当てられる。
肉全体を潰す圧迫感に高い悲鳴が漏れた。
「あぅうっ!いや、あぁっ!」
残りの指が膣口を塞ぐ陰唇を器用に左右に広げる。
開かれた入り口を中指がぎりぎりの位置で撫で上げる。
そんなそっと触れるだけの動きだったのに、親指の所まで来ると豹変した。
押し潰されはみ出た肉を更に押し潰される。
達したばかりの敏感な身体には拷問に近い。
快楽に堪えられず涙が流れる。
伝い落ちるそれを止めるかのように空いた方の手が頬を包んだ。
「あ……」
眼が合えばにっこりと微笑まれる。
軽いウインクと共に、脚の間にある指がまた動き出した。
「可愛いよ、武緒」
顔が近付き目の前が暗くなる。
ちゅっと軽く触れるだけのキスを何度も繰り返される。
その間も頬を撫でる手も股間を弄る手も止まらない。
私が肉芽を弄られるのが一番好きだから、わざとここだけを刺激するのだ。
「んんっっ!く、あ、あぁあ……っっ!」
「可愛い声だ……もっと聞かせてくれ」
親指が更にめり込む。包皮と粒の隙間を指が埋める。
あまりの衝撃に失禁してしまうかと思った。
涙と涎を垂らして無様に喘ぐ。
あまりに恥ずかしくて顔を覆うと、空いた方の手で払われてしまった。
「駄目。ちゃんと見せて」
するりと両手を纏められて頭上で固定される。
「武緒の顔、好きだから」
間近で微笑まれ喘ぐ顔を見つめられる。
押し当てた指をゆっくりと回し、空いた指が膣に押し込まれた。
「ふ、う、あぁああっ!」
「うん。可愛いよ、武緒」
何度も指を出し入れされてくぐもった水音が鳴る。
時折見える彼の指には白くなった固い粘液がへばり付いている。
掻き混ぜられ濁った悦楽の証拠。
膣口の周辺にもこびり付いているのだろう。
撫でられているだけで自ら汚れていくそこにちらりと視線が向く。
「ここも可愛い」
顔が熱い。羞恥と快楽で真っ赤になっているのが分かる。
顔を見られ性器を見られ感じる様を視姦される。
なのに身体は進んで快楽を貪っていく。
自ら濡れた肉を差し出して更なる高みを望んでいる。
「いい子だったね………これでおしまい」
残りの指全てが膣を割る。衝撃に腰が跳ね上がる。
肉壁で指一本一本の爪までリアルに感じながら絶頂に鳴いた。
24名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:43:06 ID:3paWHt9E
「可愛かったよ」
隊長が覆いかぶさって何度もキスをしてくる。
立て続けに二度もイッた身体はぐったりと力が抜けてしまっていた。
繰り返されるキスに応える余裕がなくてただ受け止めるだけになってしまう。
隊長自身は気にしてないらしく、飽きるまで貪られた。
キスが好きだから、キスが上手いのだろうか。
この人らしい繊細且つ大胆なキス。
煙草とコーヒーの香り。
それともう一つ、発情する雄の濃厚な。
太腿に触れる彼の熱い肉。
しゃぶりたい。
この熱い塊を口一杯に頬張ってしまいたい。
どんなに苦しくても一秒も出さず閉じ込めてしまいたい。
そしてあの熱い粘液を一滴も残らず飲み干したい。
この口に、彼が欲しい。
「……ちょっと取ってくるな」
口を解放しつつも触れ合わせたままで囁く。
名残惜しそうに立ち上がって隣室に避妊具を取りに行った。
解けた身体が寂しくて自分で自分を抱きしめる。
視線の先にある自分の鞄。
化粧ポーチの中の幾つか連なったアルミパックを思い出す。
けれどそれを出すのは憚られた。
そんなことをすれば絶対に隊長の機嫌は悪くなる。
何故かそういったものをこっちが用意すると臍を曲げるのだ。
以前に一箱買ってきたら随分と怒られたことがある。
女がそういうものを買う行為が嫌らしい。
もしかして本当は亭主関白なタイプなのだろうか。
リードされるのは嫌いじゃないけれど。
隊長がいつもの場所から見慣れた箱を取り出す。
私はその引き締まった背中や尻をうっとりと眺めた。
「…そんなに見るなよ」
「どうして?」
箱を手に戻ってきた人が憤然とした表情をする。
照れ臭そうに箱を毟り開けて中身を取り出した。
可愛くて愛おしくて抱きしめてしまいたい。
「男の全裸なんて間抜けなんだから」
「そうかな………私は好きです」
四つん這いになって膝立ちの彼に近付く。
完勃ちになるよう自身を扱く手を止めて顔を寄せた。
「おい」
隊長が焦った声で行為を咎める。
けれど私に引く気はなかった。
「我慢できない……」
口を開け舌を伸ばして待ち望んだ塊を頬張る。
やっと味わえた肉から汁がどろりと滲み出た。
25名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:43:46 ID:3paWHt9E
「……っ、……」
口一杯に膨張する彼の塊。
唇から喉の奥まで満たしてもまだ余っている。
咥えきれない部分は指で包んで刺激した。
「んぅ……ふ……」
口の端から唾液が漏れ続ける。
だが構わない。彼を味わうのが先だ。
唇を硬くして根本から先端へと扱く。
繰り返す度に彼が熱くなっていくような気がする。
硬く硬く反り返った熱い肉の棒。
くびれを唇で包み鈴口を舌で転がすとため息が漏れた。
もう一度根本の方まで飲み込んでから顔を引く。
ぬめった先端が上顎を滑る感触に震えが走った。
片膝を立てて上体を反らした隊長が天を仰ぐ。
投げ出した方の脚が時折私の秘裂を刺激してきた。
膣口に埋まる親指の感触に鼻から息が漏れる。
快楽の礼に先端に唇を寄せてくっと吸い上げた。
彼の脇腹がひくりと動く。
裏筋に沿って唇を滑らせて根本まで降りた。
「そこまでするなよ…」
「したいの……好きだから…」
顔を動かし睾丸まで辿り着く。
無防備なそこにあちこちからキスをした。
私だって彼の性器には触れたいのだ。
「好き……大好き」
股座に顔を埋めてたくさんのキスをする。
舌を伸ばして犬より醜くしゃぶり回した。
「ぅ、……ぁ」
隊長が初めて声を上げてくれた。
もしかしたらこっちを舐める方が好きなのかもしれない。
隊長が自分で重たい睾丸を持ち上げて裏も舐めやすくしてくれる。
私も必死で舌を伸ばして彼の指ごと舐め尽くした。
両手を使って肉棒を弄り、舌と唇で睾丸を弄る。
唾液なのか先走りなのか分からない汁で顔中が汚れるが構わない。
一段と濃くなる彼の香り。
やがて溢れ出す白濁に思いを馳せると、ぐっと頭を押さえつけられた。
「一回イかせろ」
切羽詰った男の声。
興奮に我を忘れて肉棒にむしゃぶりつく。
出来うる限りの全ての刺激を与えると待ち望んだ粘液が噴き出した。
咽るギリギリの状態で愛しい汁気を飲み下す。
口から胃の中まで彼の味でいっぱいになった。
「すごい……たくさん…」
濃い茂みに鼻を押し付け湿った匂いを吸い込む。
名残惜しさに陰毛をざらざらと舐めているとまた頭を押さえられた。
唇に汚れた肉棒の先端が当てられる。
「今度は勃たせて」
倦怠感に掠れた声で次を指示される。
もう一度訪れた僥倖に自分の顔がだらしなく溶けるのが分かった。
26名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:44:40 ID:3paWHt9E
長い指が慣れた手つきで封を切る。
さっきまで愛しつくした起立がラテックスに覆われていく。
薄いが絶対の隔たりに少し寂しくなった。
一度でいいから彼と直に触れ合いたい。
あの熱い噴き上げを身体の奥で感じたい。
もうどうなっても構わないから。
「こら」
無意識に伸ばしていた手を掴まれる。
口元に運ばれ指先にキスが施された。
「悪戯しないの」
どうやら手伝おうとしたと思われたらしい。
そういう訳ではなかったのだが。
いや、出来るなら私が付けてあげたいのだが。
どうしてかこの人は手伝わせてもくれない。
付けてあげられたのはたったの一度だけだ。
私だってもっともっと触れたいのに。
ぼんやりしているうちに根本まできちんと覆われてしまった。
薄い膜越しの肉の色は剥き出しになっているよりもずっと卑猥だ。
ああ……早く欲しい。
膝頭を掴まれ左右に割り開かれる。
いっぱいに濡れたそこが再び彼の前に晒された。
「可愛いな…まだこんなに濡れてる」
「だって……後藤さんを…」
舐めてたから、と言葉にできない部分は胸の中で囁く。
隊長はくすりと笑い、からかうように自身の起立を人差し指で持ち上げた。
「これのせい?」
くいくいと上下させて存在を誇示する。
餌をぶら下げられた犬さながらに喉が鳴った。
今すぐ入れて欲しい。
この太すぎる棒でいつまでも突き上げて欲しい。
淫らな穴をぐるぐるとかき回し続けて欲しい。
張り出したカリで肉壁を押し広げて欲しい。
肉の中で、一番奥で射精して欲しい。
大量に、溢れるぐらいに出して欲しい。
「後藤さん……ごとう…さん…」
興奮で勝手に蠢く秘裂から水音がする。
早く、その欲望を私に入れて。
私は両の尻肉を掴んで左右に割り開いた。
「………して」
無防備な割れ目に衝撃が走る。
怒張した肉棒が私の性器に突き刺さっていた。
27名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:45:14 ID:3paWHt9E
「ぅああっ!あ、あぁっ、ぁひ…ぃあぁっっ!!」
ぐらぐらと天井が揺れる。
かき回す動きと共に振れる自分の脚が視界を掠める。
膝裏を掴まれ半分浮いた腰は汗と愛液でずぶ濡れになっていた。
性器の真ん中には肉塊がぎっちりと隙間なく埋め込まれている。
太すぎて熱すぎて壊れてしまいそうだった。
「ふと、すぎ……て…あぁ……もう…っ!」
入り込んでくる勢いが強すぎて、蜜がびちゃびちゃと飛び散る。
泡立ちすぎた蜜は白く重くなり性器を一層淫らに見せていた。
動かせないくらいきついはずなのに、隊長はお構いなしに腰を振る。
冬なのにお互い汗で身体を湿らせていた。
「あ、あぁあ…っ……ふと、い……深い……っっ!」
一番奥を更に奥へと押し込んでくる。
触れられないはずの鈴口の感触を内壁が感じ取っていた。
容赦ない肉の動きに膣が痙攣を起こす。
微妙な震えが興奮を煽るのか、怒張が一段と膨れた気がした。
「んっんっっ…もう……もう…だめぇ……っ」
「いやがってない」
彼を咥え込んでいる部分のことを言われているのだろう。
確かに彼を排斥するどころか奥へ奥へと誘っている。
より深い繋がりを、より強い繋がりを望んでいる。
揺らぐことのない確かなものを。
「ふっ、あ、あぁっ!」
「こんなに喜んでる」
乳房を鷲掴まれ凝り固まった乳首ごと揉み込まれる。
その間も肉棒が執拗に良い部分にだけ当ててくる。
耐え切れず身体を捻るが押さえつけられてしまった。
「動くな、当てられない」
抵抗を封じられ悦楽を暴かれ感じることしかさせてもらえなくなる。
不安に駆られ彼の手に触れたくなり、乳房を掴む掌に手を重ねる。
脚は無意識のうちに彼の腰に絡みついていた。
「可愛いよ、武緒」
拘束に微笑んで限界まで腰を押し込む。
漏れた叫びをキスで飲み込まれ代わりに涙が溢れる。
近付いた彼の首に腕を回してしがみついた。
「後藤さん……」
目の前にある耳にかぶりつき中まで舌を這わせる。
腕を回した背中に震えが走っていった。
「好き、です」
髪を抱く。
顔に漆黒の糸が散らばる。
視界が覆われて彼が見えない。
「好きです…好き…好きです……」
勝手に涙が溢れてくる。
背中に回る彼の腕。きつく締め付けられる。
「好き…好きです……好き…好き……」
身体中を使って揺さぶられる。
隙間が出来ないように力を込め互いを強く寄せ合った。
「好き……すき…すき……ぁああ…っ!」
「武緒……っ!」
快楽と拘束と恋情と。
何もかもが強すぎる状態のまま二人で解放に向け駆け上がる。
眩暈と幸福と酩酊感。
私はいつまでも好きだと繰り返していた。
28名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:45:49 ID:3paWHt9E
すぐ近くに聞こえる呼吸。規則正しい繰り返し。
私は毛布に包まり眠る彼に寄り添って冬空を眺めていた。
この人が先に寝てしまうなんて珍しかった。
大体夜は私が先に寝て、朝は私が後に起きるからだ。
めったに見られないものなのでこの機会にとまじまじと見つめる。
寝顔はいつもよりも格段に幼く見えた。
「……可愛い」
寝顔をそっと撫でてから手を伸ばす。
テーブルに放り出されていたエアコン用のリモコンを取る。
微かな電子音の後吐き出される暖かい風。
裸のまま過ごせる室温になってから這い出した。
「……あー」
ひどい声だ。がさがさとして耳障り。
あんなに喘がされてしまったのだから仕方がないか。
カップの底に残っていた冷え切ったコーヒーを流し込む。
さっきよりは大分マシになった。
カップを戻してまた別の物を手に取る。
彼の煙草とライター。一本拝借して火を点ける。
思い切り吸い込むとセックスとはまた違った酩酊感が訪れた。
「……」
空間に広がる彼の香り。一人の時によくやる遊び。
煙草に火を灯せばいつだって、彼とキスをしている気分になれるから。
すぐそこにいるのだからキスしてしまえばいいのだろうけれど、今は起こしたくない。
貴重な寝顔を十分に堪能したかった。
「贅沢だなぁ…」
昼間から全裸で煙草を呑んで色男を眺めて。
これでビールがあったら最高だな。
素晴らしい思いつきにそうだそうだと同意して腰を上げた。
「…たけお……?」
突然の声に大げさに身体が跳ねる。
慌てて火を消して振り向くと、いつも以上に半目になった隊長がこちらを見ていた。
寝ぼけているのだろう、視線が定まらない。時々瞼が落ちている。
今にも眠りそうになりながら覚束ない手で毛布の端を少し上げた。
「……こっちおいで」
うとうとと、もうほとんど眠ってしまいそうになりつつも手は落ちない。
私のための空間。
愛しくて嬉しくて、泣いてしまいそうなのをぐっと堪えて潜り込む。
すぐに抱きしめられ二人で小さくなる。
髪を撫でられ、ついでにお尻も撫でられた。
「……エッチ」
「おじさんだもの……」
お返しに隊長のお尻をつねってあげた。
29名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:46:22 ID:3paWHt9E
「後藤さんは…」
「ん……?」
相当眠いのだろう。返答も寝言と紙一重だ。
でも、だからこそ聞けるかもしれない。
「どうして…奥様を亡くされたのに生きてこれたのですか?」
呼吸が一度止まる。
一瞬言ってしまったことを後悔したが、もう取り戻せるものでもない。
もういい、訊いてしまおう。全部。
「一人で……一人になってしまって」
どうして生きられるのだろう。
愛した人を失ってなお。
たった一人で。一人ぼっちで。
どうして生きてこれたのだろう。
不思議だった。
「……一人じゃないよ」
しっかりとした声。眠そうだったのが嘘のような。
見えないが表情まで容易に想像できる穏やかな声だった。
「だって……あいつはここにいる」
自分の胸を親指で突付く。
「ここ」という場所にあるもの。彼の命を支える心臓。
それと同じ場所にいる人。彼の命を支える人。
隊長は手を下ろすと自嘲的に笑った。
「……傲慢な言い方だけどね」
傲慢なものか。
死んで尚ここまで言ってもらえる女がどれだけいるか。
羨ましいくらいだ。
「もしかしたら……生きてる時よりもずっと、一緒なのかもしれないな」
この人のことだ。きっと生前はあまり傍にいてやれなかったのだろう。
自分を優先できない人だから。
奥様もきっとそれを理解していたはずだ。
そしてそこにこそ惹かれたのだろう。
私のように。
「それでもやっぱり、生きてて欲しかったけどね……」
また眠たくなったのか声が小さくなっていく。
消えゆく最後に女の名が聞こえた気がした
遠くを行く美しい鳥を呼ぶような。
憧れと切ない望みが込められた声。
二度と届かない声。
愛する者を呼ぶ音。
消えた後には寝息だけが残った。
30名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:47:25 ID:3paWHt9E
暖かい寝息を頭頂部に感じる。
彼の人のいる心音を聴きながらこの人の強さを思っていた。
どうしてこんなに強いのだろう。
どうして私は弱いのだろう。
この人は男で、私は女だからだろうか。
いや違う。男女の性差からくるものではない。
言うならばきっと、魂の品格のようなものだ。
この人は悲しみも、苦しみも、毅然と受け止めたのだろう。
彼だって嘆かぬわけではない。苦しまぬわけではない。
だがこの人は弱まらなかった。
強い心のまま、毅然と耐え抜いたのだろう。
その強さが抗い難い魅力となっているのだ。
あの男もまた周りをひきつける強い魅力を持っていた。
意思など関係なく引きつけてしまう強い引力。
この男もまたあの男と同類ではある。
だが根本的な所でまったく違っている。
それが魂の品格というものなのだろう。
大元の魂のあり方が、あの男とはまったくの別格なのだ。
もちろん、私とも。
この人は悲しい人なんかじゃない。可哀想な人なんかじゃない。
この人は他人の慰めなど必要としていない。
誰の慰めも必要としていない。
彼の悲しみは彼だけの神聖なもので、そしてその神聖さに一人で耐える力を持っている。
……私もそんな風に生きてみたい。
彼の様に、真っ直ぐに立ってみたい。
まだ私は一人で立ち上がったばかりだ。
目の前にある肌に頬を寄せる。己の知らぬ女性のいる場所。
けれど暗い感情は湧かなかった。
それぞれがそれぞれのおさまるべき場所におさまっている。
現実で奥様の抜けた穴は誰にも埋められない。
だが私の場所だって誰にも埋められないのだ。
張り合う必要は無い。焦る必要も無い。
私には私の場所がある。その場所から彼を愛せばいいのだ。
彼を愛せるのは私だけではない。
けれど、私になって彼を愛することは誰にも出来ないのだ。
私がここにいることが彼にとって何であるのかは分からない。
彼の心の中なんて永遠に分からない。
だけど私が彼を愛している。
もうそれだけで十分だ。
31名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:48:04 ID:3paWHt9E
眠る彼に唇を寄せる。
私は幸せだ。
愛するだけで、一つの世界が完成するとは思わなかった。
愛して、愛されなかったらそこで終わりだと思っていた。
でも違ったのだ。
彼がいるから生きていける。
けれど、彼が消えてしまったとしても生きていけるだろう。
彼を愛している。それだけで生きていける。
あなたからの想いが返ってこなくても、私はあなたを愛していけるでしょう。
ああ、ああ。
そういうことなのですね、隊長。
愛しているから、生きていける。
愛しているから、生きていられる。
あなたが生きているのは、そういう理由があったからなのですね。
あなたは置いていかれた可哀想な人なんかじゃない。
一人でも生きていけるくらい、誰かを愛した人なのだ。
いなくなっても折れないくらい、誰かを愛した人なのだ。
奥様はなんて幸せな方なのでしょう。
それでも嫉妬も羨望も湧いてはこない。
私もまた、愛しているから。
一人でも生きていけるくらい、あなたを愛したから。
愛しているから、私達は生きていける。
愛する者がいなくても、世界中から見放されても。
私達は生きていける。
あなたを想うこの気持ちだけで生きていける。
生きましょう、隊長。生きていきましょう。
この時間のすべてを使って愛していきましょう。
私はもう大丈夫です。
あなたを失っても、あなたの側にいられなくても。
愛しています。生きていけます。
一人になっても。
それでも。それでも、もし許されるのならば。
望みが叶うのならば。
私があなたの隣にいられますように。

ずっと、ずっと。

<終>
32おまけ:2008/01/06(日) 15:48:43 ID:3paWHt9E
眼を開けると視界が橙に染まっていた。
終わり行く何かの最後の光。
俺も歳をとったのだろう。素直に美しいと思えた。
夕暮れの中、習性である寝起きの一服をすべくテーブルに視線を移した。
「……ん?」
灰皿の中の吸殻が増えている。
フィルターに薄く付いた口紅の跡が犯人を示していた。
ああ、煙草吸うのか。
それは良くないな。
目の前で眠る部下の薄い腹を撫でて考える。
起きたらやめるよう説得しなくては。
手前は死ぬほど吸っているのにと思わなくもないがこればかりは仕方がない。
いつか生むであろう赤ん坊に影響がでてしまうから。
起こさないように気をつけて手を伸ばし煙草を掴む。
何万回と繰り返した動作で火を点け煙を吐き出す。
そういえば初めて煙草を吸ったのはいつだったか。
思い出せるのは学ランの袖と小さな靴と散らばる吸殻。
我ながらぶん殴ってやりたくなるクソガキだ。
「……」
どうしたのだろう。夕暮れに感傷的になるなんて。
これが歳をとるということか。
初めて酒を呑んだのはいつだったろう。
初めて喧嘩に負けたのはいつだったろう。
初めて女を抱いたのはいつだったろう。
目の前にある女の乳房。柔らかな膨らみ。
抱くたびに思う。
女の身体とはどうしてこうも柔らかいのだろう。
天女なんて馬鹿な言葉まで浮かんでくる。
「まったく……歳はとりたくないな」
眠る部下はうっすら微笑んでいた。
あいつらより一足遅れてやってきた部下。
真面目で優秀でお利巧で。
一度だけ男に狂ったという噂で。
俺としてはいい拾い物をした思っていた。
どんな癖があろうとも構わない。
俺自身が癖の塊みたいなものだから。
だがまったく手が掛からないからかえって不安だった。
そして真面目であるが故に狂ったのだと分からされた。
33名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:49:35 ID:3paWHt9E
あの事件。馬鹿げた道化芝居。
破壊しつくされた俺の楽園。
傷付いた住人達。
そのすべてが自分の判断ミスだと痛感していた。
だからこそ、この部下を守っていこうと誓った。
どんな感情であろうと、守りきると。
そこにこいつは身一つでやってきた。
たった一人で。一人ぼっちで。
最初は泣く子供を抱き上げるくらいの気持ちしかなかったはずだ。
群れの子供を外敵から守ってやるくらいの感情しか。
それがいつの間にか生臭い感情になっていた気がする。
男としての感情を、この女に。






眠る部下を見て思った。


愛していると、思った。






俺達は、互いにとっての『生きる意味』になれるだろうか。
手を重ねれば細い手が握り返してくる。
こみ上げる静かな愛情。
これもまた、俺達の一つの答えなのだろう。

〈終〉
34名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 23:04:04 ID:WwtB17b/
GJです!!!!!


後藤さんに抱かれたい〜
35名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 00:17:52 ID:NWDR8Klu
号泣した…
GJ!!!!!!!!!!
36名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 06:37:27 ID:Mk/Yv1MO
影でこっそり努力家の後藤さん。いい男杉。
37名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 19:25:47 ID:uj1rkKlr
GJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
感動した。
38名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 01:14:51 ID:tOLcRdMY
GJ!!!!!!!!!!
せつないねぇ…
39名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 22:44:33 ID:g2tURZ8M
hos
40名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 20:06:23 ID:fRmUVXQ/
久しぶりに来てみたら、なんとまた切なく甘い…
隊長カプ命wの自分でさえ、これには泣けました
武緒ちゃんが健気、後藤さんいい男、そして二人ともえろえろい
GJx1万回!!!

もし作者さんの守備範囲から外れてなければ、隊長コンビでもひとつお願いしたい位
41名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 20:40:12 ID:Pox5SAJV
ビリー隊長?
42名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 10:33:54 ID:uNWJnOP0
号泣。 ありがとうございます!
43名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 21:34:43 ID:ZvjJepEB
これは?携帯だけだけど
ttp://courseagain.com
44名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 01:32:39 ID:MC2hxiwl
>>43
マルチ
45名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 11:33:06 ID:tvPlmtsw
絵描き板のアレはなんぞやw
46名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 13:05:33 ID:JMM4/S4C
>>45
半角板?
47sage:2008/02/17(日) 01:27:05 ID:gkeG02oJ
>>46
お絵かき掲示板の
48名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 01:28:53 ID:gkeG02oJ
下げ間違えた。スマソ
49名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 01:18:03 ID:4mPoyJek
その絵を見て思ったんだが、熊耳って音痴設定あったっけ?
50名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 01:45:53 ID:uN8MPyfu
絵心がまったくないことは覚えてる
51名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 02:11:15 ID:lrcZlaq3
小説2巻を嫁。
52名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 00:50:27 ID:FO2y8Los
絵師さんGJ。タケオちゃんカワエエ。
53名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 04:22:07 ID:eLpA6lkz
hoshu
54名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 11:53:41 ID:h1hQecn/
女性の身体を洗い、マッサージをする仕事になります。
射精の瞬間を見たいという要望も多数あります。
[email protected]
55名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 13:55:23 ID:RFo+a1lF
過去ログ漁ったらごとしのが獲れる獲れる・・・
ここはよいインターネットですね。
56名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 04:30:03 ID:oJE4LOrz
キャラ板のしのぶさんスレが落ちてしまった…
57名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 10:32:52 ID:KLdzV4NQ
>>56
何気にIDがorz

情報スレ見てると、スレ数が700突破で圧縮規定の800にはまだ余裕があるみたいだけど、
鯖が変わっただけに定期保守必要かな?

58名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 03:15:41 ID:bwrEtXQz
クリシュナ×空谷で一つ頼む
59名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 12:57:59 ID:7RIZYQ2n
hos
60名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 00:43:01 ID:IKyXM8pF
以前絵板に4コマを投稿した者です。
神降臨を待ちながら、保守代わりにまた投下させて頂きました。

事後報告で何なんですが、
ああいうアップロードで使って良かったですか?
61名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 00:15:33 ID:AJIDS+hX
あっちにも書き込みましたが、ありがとう。
62大曲:2008/03/19(水) 20:10:58 ID:U5Sscdqc
お久しぶりです。
かなり長い間空けてしまい、続きを楽しみにしてくれていた方には申し訳ありませんでした。

では「ミンナノ唄・企画7課編/前編」を投下します。
今までの話を知らない人も、漫画版を読んでいれば繋がる話なのでご安心下さい。
今回、前編はエロなしです。
冒頭の曲のタイトルをお知りになりたい方は、メ欄をご覧下さい。
63ミンナノ唄:2008/03/19(水) 20:12:52 ID:U5Sscdqc
ブナの枝が今宵の屋  野営囲む にぎやかに
宴の炎 照らされて 枯葉の床(とこ)でさんざめく
あれはさすらう人の群れ 瞳輝き髪なびく
ナイルの水に産まれ出(い)で 南の国の焼けた肌

燃える火に温まり たくましい男らが寝そべる
女達は飯を炊き 古き杯(はい)へ酒を酌む

唄い踊る身の奥に 遥か南の国想う
災厄(わざわい)さける祈りをば 必死に捧ぐ老婆あり

可愛い乙女 踊り出る  
火の粉 散らす 赤き炎 
ギターの弦 かき鳴らされる 
皆で歌い騒ぎつつ 
踊り疲れて寝転べば 夜風が甘き眠り運ぶ

幸多き故郷を追われ 楽土辿る夢を見る
幸多き故郷を追われ 楽土辿る夢を見る

空が白みて 夢は失せ 夜の帳(とばり)消えてゆく
今日も旅立つ ラバに乗り
何処(どこ)へ往(ゆ)くや流浪の民
何処へ往くや流浪の民  何処へ往くや流浪の民
ーーー流浪の民
64ミンナノ唄:2008/03/19(水) 20:13:55 ID:U5Sscdqc
僕がこの曲を知ったのは、中学の合唱でだった。
その頃、ヤク中の父が、薬欲しさに刃物を持って家の中で暴れた。
懸命に母をかばった僕の背中には、今も消えない傷跡が残っている。
失血で僕は意識を失い、目覚めた場所は病室だった。
誰もが僕から目を背ける。やっと来た警察の口から、ようやく母の死を知った。
親戚のいない僕は、養護施設に行く事になった。
僕はそれから必死に頑張った。勉強も、運動も、喧嘩も。
どこの誰をも黙らせる事が出来る、圧倒的な力が欲しかった。
僕は働きながら高校に進み、さらに奨学金を勝ち取って国立大学に進学した。
大学に進めば、望むものが手に入ると思っていた。
……だが、違った。
希望、挫折、焦燥、落胆、無気力……。
所詮負け犬には、犬の道しかないのか。
こんな世の中なんか、壊れてしまえばいいのに。
そんな時、あの人に出会った。
あの人と共に世界をひっくり返してみたいと思った。初めて子供の様に心が踊った。
新しく生まれ変わった僕は、様々な事を覚えた。人を殺す事もその一つだ。
いや。殺すのは人ではない。行く手を阻む邪魔な障害物を処分するだけ。
あの日。
無精髭のジェイク。銃声。床に落ちたナイフ。女の叫び声。朱に染まったあの人。
全てが終わった。
僕には、もう、何もない。
何も無いのに、この状況を何とかしなければいけないなんて滑稽だ。
あれからずっと、この曲が頭の中で鳴っている。
…僕の流浪の唄は終わらない。


―――tosto―――
『…何回同じ事を言わせる気かね。内海が死んだって?ならば、こちらはもう手を引かせて貰う』
そのまま、有無を言わさず電話が切れた。
黒崎は受話器を持ったまま振り返り、力無く皆に対して首を振る。
出航した長城号の船室で、元シャフト企画7課の面々は途方にくれた。
「…どうするんです?黒崎さん」
青砥が苛ついた声を上げる。
当初の計画では、オーストラリアで内海の知人が手配した隠れ家に潜伏し、ほとぼりが冷めてから南米に移動する予定だった。
しかし内海が死亡し、お膳立てしてくれる予定の相手が手を引いた今、解決策が見当たらない。
キングを思わぬ方向から奪われ、ゲームは終わった。
室内は重苦しい沈黙に包まれている。
その時ノックの音がして、カチリとドアが開いた。
全員の視線がそちらに向く。
そこには極東支配人の執事、エドワーズが立っていた。
『支配人より、黒崎君に話があるそうだ』
『…今、行きます』
黒崎の返事にエドワーズは頷き、静かに扉が閉ざされた。
「私も行きます、黒崎さん」
緑川が立ち上がった。
「皆で連れ立って行っても、良い結果になるとは限らない」
黒崎はソファーから腰を上げ、場を見回した。
全員が緊張した面持ちで、自分を見つめている。
内海亡き今、皆の運命を託されているのは、オーナーに呼ばれた黒崎なのだ。
「……行って来る」
自分を含み、ここにいる全員を何とかしなければいけない。
今の黒崎には、落ち込む事すら許されていなかった。
65ミンナノ唄:2008/03/19(水) 20:14:55 ID:U5Sscdqc
極東支配人の部屋をノックする。どうぞ、と声がした。
息を深く吸い込んでからドアノブを回す。
「…失礼します」
支配人・劉はソファーで足を組み、頬杖をついて悠然と黒崎を待っていた。
「座りたまえ」
そう手で促され、黒崎はソファーに浅く腰掛けた。
長城号の一等船室。
この部屋は、その中でも一番上等の部屋なのだろう。
足の下の絨毯は動くたびに沈み込み、腰掛けたソファーは適度な柔らかさで座る者を包む。
劉は先ほどから何も言わない。
元々、その表情から何かを窺い知る事は、かなり難しい。
なるべく黒崎は平常心を保とうと努力した。掌に汗が滲む。
30秒……1分……。
時計の針の動きが、心なしか止まってしまったかのように感じられた。
とうとう黒崎は沈黙に負け、口を開く。
「…支配人、どのような御用でしょう?」
黒崎から話の口火を切った事に満足したのか、劉は物憂気に話し始めた。
「内海は、死んだ」
「はい…」
テーブルにクリスタルのチェスボードが置いてある。
劉は黒崎には興味が無いと言わんばかりに、テーブルへと視線をそらし、盤上の駒を動かし始めた。
「グリフォンも……テストパイロットも……結局、先方に奪い取られたね」
「……申し訳ございません」
深く黒崎は頭を下げた。他に言い訳のしようも無い。
劉はキングの駒をつまみ上げ、黙ってその表面を指先でなぞっている。
黒崎の背中を冷や汗が伝い、頭を上げる事が出来ない。
次に何を言われるのか。
自分はどう返事をすればいいのか。
そう考えるだけで、口の中がカラカラに乾く。
いつもであれば、なんとか言いくるめて、上手くこの場を切り抜けるだろう。
しかし今の黒崎は、まだ内海を目の前で失った事で頭がいっぱいだ。
ましてや、この場で極東支配人から見限られれば、自分達にはもう破滅しか道が残されていない。
次に打つ手は、まだ脳裏に浮かばなかった。
「これから、どうするつもりだ?」
劉が子供を諭すかのように、ゆっくりと話しかける。
そう問われても、これからどうすれば良いのか知りたいのは、黒崎自身だった。
「…………どう、と言われましても…」
何度か唾を飲み込み、ようやく掠れた声で黒崎は返事をした。
どう答えれば、劉の心を上手くこちらに動かせるだろうか。
「当てはあるのかな?」
「………」
オーストラリアです、とは言えなかった。
そう答えれば、そのまま全ての糸が切れてしまう。
「……僕も鬼じゃない。君達が望むなら、何か手を打ってあげても良い」
その言葉に、黒崎はハッと顔を上げた。
劉はいつものアルカイックスマイルを浮かべ、こめかみに指を当て、真正面から黒崎を見ている。
「あ…ありがとうございますッ!!」

ーーーこれで何とかなる…。

黒崎はそう思った。
66ミンナノ唄:2008/03/19(水) 20:16:12 ID:U5Sscdqc
黒崎が退室してから、エドワーズが声をかけた。
『差し出がましいようですが、本当に彼等の面倒を見るおつもりですか?』
実はエドワーズは、日本語を理解出来る。
判らないと思わせる方が何かと便利なので、そ知らぬふりをしてはいるが。
劉はつまらなそうに、指でポーンを盤から弾き飛ばした。
弾き出された駒はテーブルから落ち、床で円を描いて足元に止まる。
『エドワーズ。……どんな駒も、ゲームには必要なものだよ』
劉は微笑んだ。
『…失礼しました』
『それよりも、例のモノの手配を』
ポーンを踏みにじって、劉は立ち上がった。

夜の帳に包まれ、長城号が海上で停まっている。
企画7課の面々は後部デッキの突端に集合した。
その上空に、見た事のないヘリコプターが音もなく停空(ホバリング)している。
(これほど音のないヘリが、すでに実現しているとは…!)
グリフォンの研究開発に携わっていた磯口と森川が、あっけに取られた表情で闇に浮かび上がるヘリを見上げた。
「極東支部で現在開発中の最新機、無人探査用ステルスヘリ“エリアル”だ」
劉は黒崎達にそう説明した。
その脇ではエドワーズがビデオカメラを回している。
支配人の合図で、縄梯子が降りて来た。
「乗りたまえ…」
「支配人は、これからどうなさるんですか?」
緑川が髪を押さえながら尋ねると、劉は微笑んだ。
「私は表向き、この事件に巻き込まれた被害者だ。このままゆっくり船旅を楽しんで、オーストラリアへ向かうよ」
白井が先陣を切ってヘリに乗り込んで行く。
赤石や他のメンバー達も、苦心しながら何とかタラップまで昇る。
最後に黒崎が縄梯子を掴んだ。
「ご尽力を感謝します」
「……落ち着いたら、こちらから連絡する。ああ、そうだ。……挽回を期待しているよ」
ポケットに手を入れたまま、劉は事も無げにそう告げた。
黒崎の姿がドアの向こうに消え、機体が姿を消すまでの様子が全てカメラに納められる。
後に、シャフトエンタープライズUSAと提携した極東支部は、この無人高静音ステルス機を、複数の無人(航空・地上)攻撃機に辺隊作戦性を持たせる為の中継指令機として、開発計画を米国に提出、ライバル数社の追随を退けた。
米国軍で、S作戦の名で汚点を残した前線空中指揮機としてではなく、通信衛星だけでは補えない本国とのタイムラグ縮小を目指した中継指令機。
それは世界の軍事市場に対する、さらなる足掛かりとなる。
しかし現実には、予算面などの問題が多く噴出し、3年後にシャフト社と米国提携の計画は頓挫したという。
67ミンナノ唄:2008/03/19(水) 20:19:59 ID:U5Sscdqc
―――Trill―――
森川と磯口を除く企画7課のメンバー達は、ICPOに加盟していないアジアの辺境に逃げ込んだ。
中心部市街地から離れたアジトは、まるでペンションの様な造りで、そこそこ快適だ。
さらに、メンバーが望めば、物資面はどんな物でもよこしてくれる。
現地の召使いが数名毎日通っていて、いたれりつくせりだ。
最初の1ヶ月は緊張も解けず、誰もが落ち着かなかったが、2ヶ月目からは各自、かなり行動に余裕が見られる様になった。
そして、3ヶ月目には、早くもここでの生活に飽きて来た。
ここは日本とはまるで違う。
日本であれば、どんな過疎地でも何らかの娯楽施設があるものだが、ここは物流、電力、通信手段が不自由だし、外に出ても楽しめる場所は少ない。
アジトにはビデオシアターや室内で遊べる娯楽施設が充実していたが、それも電力が恒常的に供給されていなければ意味がないのだ。
あまりにも、今までの生活に比べると刺激が足りなかった。
誰もが退屈に身を持て余していた頃、劉から面白いビデオが届いた。
どうやら、自家用ビデオデッキで盗撮したらしい。
時々ブレる荒い画像に、全員が身を乗り出し、息を飲む。
そこには、あの特車二課 第二小隊1号機の腕が焼き切れる映像が映し出されていた。
数分間のビデオが唐突に終り、砂嵐が画面に舞った。
しばらく静まり返っていた全員は、青砥の声で我に返る。
「……ふっ…くっくっく……やったじゃねーか。あいつら、馬鹿みたいに慌ててやんの」
ようやく皆にも笑顔が広がった。
自分達の手ではなかったが、特車二課に煮え湯を飲ませる事が出来た。
あの世で、内海もさぞ喜んでいる事だろう。
久々に皆に活気が戻ったかに見えた。
……そして。
その後にやって来たのは、目的が消え失せ、終りのなくなった、怠惰と退屈だった。
何よりも問題だったのは。
誰もが、先の見えない倦怠に浸り開き直るほど、心の余裕が持てなかった。
4ヶ月目。
男性メンバーの一部に、召使いや近隣の女への夜這いが流行る。
元々この国は夜這いや妻通い婚の習慣があるので、先に女達から誘いがあった様だ。
娯楽の行き場が女に向かった、と言う所か。
いやむしろ、今までなかったのが不思議だったのかもしれない。
それまでは一体感、統制感があったのが、この辺りから虫に食われる様に、組織としての規律がボロボロになっていく。
5ヶ月目。
一人が近くの林に自生している大麻を見つけ、一部にあっと言う間に広がる。
後は、なし崩しに他の麻薬へも手を出し始めた。
ここはゴールデントライアングルとも比較的に近い場所で、薬が容易く手に入る。
メンバー内で常用していないのは、黒崎と緑川だけになった。
黒崎はこの状況に危機感を募らせ、劉に『何か仕事をさせて欲しい』と何度も頼み込む。
劉は『時期が来たら…』と返事をはぐらし続けた。
5ヶ月目半ば。
とうとう、それが起こった。

----------------------------------
以上です。
なお、次回後編は、当初予定していなかった陵辱輪姦になりますのでご注意を。
68名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 20:24:54 ID:U5Sscdqc
うわ!あげてしまった…ごめんなさい |||orz|||
69名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 22:19:36 ID:seYbiJTg
GJ。
陵辱輪姦。
もしや標的はのあですかい?
70名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 01:04:54 ID:5eVQtA/Q
なんか再開してるし! 待ってたよ〜。
前の投下から大分時間が経ってたから、まさか続きが読めるとは思わなかった。
続き、期待してます!

71名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 00:46:20 ID:e1xNtPzr
あ〜る物は無いのかな?
あと今も生きてるお絵書き板って無い?
72名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 19:37:43 ID:ErHEOan6
保守
73名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 16:01:59 ID:2XwzvtCt
hos
74名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 21:38:57 ID:jTPXR5Z/
つまりあれか、バーディーが起きてる時にナニすると
「ちょっとツトム、何して・・・あっ、ダメ、なんなのコレ!? いや、やめて・・・あっ、あぁぁぁぁぁ」
みたいな
75名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 10:52:30 ID:+ttmV8hZ
で、翌日
バーディー「ねぇツトム、昨日のアレまたやってよ」
バーディー「ん、んあっ、そ、そうそう、それがイイのっ、あんっ」

とかなる訳ですね(*´д`*)
76名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 13:21:28 ID:WBW0N3+W
>74
>75
よし、そのネタ貰った。
77名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 23:18:21 ID:ZSG1dfud
発情期でムラムラしてるツトムと酔魂草の被験の後遺症が今頃出てきてやっぱムラムラしてた姉ちゃんとの近親相姦
あるいは発情期でムラムラしてるバーディーと、折よく現れた昔馴染みの犬との獣姦展開キボン
78名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 12:01:21 ID:bYwsFYM9
バーディー好きなんで、オナヌーねたとか、バーディー×犬とか是非お願いさたいな
79名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 12:15:51 ID:TyAVnPXi
後藤×南雲で18禁アンソロ出るみたいだけど買い?
執筆者見てると、?の人が多いけどサイト持ち?
80名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 14:34:44 ID:ln/gnqk9
79は心も体も大人になってから出直してこい
81名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 10:49:52 ID:edJNlhiF
期待保守
82名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 11:39:51 ID:Bn7OrAQX
hos
83名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 23:09:27 ID:+lKufXHg
ho
84名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 08:56:02 ID:E+A/qFe1
hos
85名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 03:40:30 ID:Km1BDmx4
86名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 10:42:24 ID:CJZz/QS4
需要がなさそうな組み合わせで申し訳ないですが保守を兼ねて。


 最後の逢瀬は森の中だった。

 「だめ、ちょっ・・・んぁ」
 後ろから抱きすくめられ、強引に向けられた顔に唇がかぶさってくる。
深いキスのなか、両の手が私の胸を強く揉みしだいていた。尻に彼があたる。 
その熱を感じ取って、私も興奮する。
 「ふっ」
 やっと離された唇に大きく息をつく。
 彼の手が私の胸のボタンを外していく。全部を外しきる前に、ブラジャーを
押し上げられた。
 敏感な胸の頂が、外気の冷たさに固く屹立する。
 「もう感じているのか」
 彼の声が耳元を嬲る。
 違うと言いたかったが、彼の指がそこを抓み上げた途端どうでもよくなった。
 「あぁ・・・」
 もっと気持ちよくして。あなたの手で私をぐちゃぐちゃにして。
 カラダの中心が潤んで溢れるのが分かる。自分がこんなふうになるなんて
思ってもみなかった。体中を弄られ、彼のアレで貫かれることを期待して
こんなに濡れるなんて。
 胸を捏ね回す手がズボンのファスナーを下ろした。そのまま無遠慮に
男の節くれだった指が侵入する。
 「いやぁ」
 心とは裏腹の言葉が口をつく。彼が耳元でウソツキと哂う。
 「もうこんなになってる」
 彼の指が私の割れ目を撫で上げる。夜の森に水音が響く。
 くちゅ、くちゅ、くちゅ
 「はっ、あ・・・んっ、あっ」
 緩慢な指の動きに焦れて、自分から腰を揺らす。
 「イヤラシイな。そんなに腰を振って」
 だって足りない。もっと強い刺激が欲しい。
 私は彼を振り向いて囁いた。
 「もっと・・・強くいじって」
 「どこを」
 意地悪だ、と思った。わざと下卑た言葉を私に言わせようとする。
 「××××・・・」
 「はしたない子だ」
87名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 10:45:23 ID:CJZz/QS4

 「ああっん」
 彼の指がクリトリスを押し込んだ。強い刺激に背が反る。その首筋を
彼が強く吸い上げる。
 「あ、やっ」
 瞬間的に痕が残ることを心配したが、すぐに心から消え去った。指が
膣口から侵入して、男根と同じように動き出す。親指はクリトリスを
押さえつけたままだ。
 気持ちいい。気持ちいい。でも足りない。
 「もう・・・や・・・ちょうだい」
 息も絶え絶えに訴える。ちょうだい、あなたをちょうだい。あなたが
欲しい。好きだからじゃない、今この瞬間の快楽のために。
 「欲し・・・」
 彼の手が下着ごと私のズボンを引き下ろした。そのまま木に押し付け
られるようにして、腰を上げさせられた。尻を突き出すような体勢。
 ベルトを外しているのか、金属が擦れる音がする。
 濡れた性器は、夜風すらも快感に変換する。
 腰を強く掴まれたら、熱くて固いものが私の割れ目を撫で上げた。
 待ち焦がれた瞬間がやってくる。濡れそぼった私のアソコに、彼のアレ
が入ってくる。
 「ああぁ・・・」
 待ちきれなくて自分から腰で迎えにいってしまった。
 ぐちゅ、とひときわ大きく音がする。
 そのあとは彼の腰骨が私の尻を打つ音と、荒い息づかいと、喘ぎ声。
誰かが外に出てくれば或いは見つかってしまうかもしれないのに、私は
今この瞬間の悦楽に酔いしれ、何も考えられずにいた。
 彼と結ばれたときは初めてだったのに。何度もセックスを繰り返すうちに、
こんなにもいやらしくなってしまった。
 違う、もともといやらしかったに違いない。その顔を暴かれてしまったのだ。
 半分衣服を身に纏い、夜の屋外で剥き出しにした尻に、何度も何度も男の
ペニスを打ち込んで貰う。なんて背徳的なんだろう。
 「も・・・だめ、いく、いっちゃう・・・柘植さんっ!!」
 縋る木に身を預け、全身を性感帯のようにさせて、私は頂点に達した。
 痙攣する私を何度か抉って、彼は私の尻の上に射精した。
二人の息が整うまでの暫くの間、彼は私を抱きしめてくれていた。明日の
天気を保証するように星の綺麗な夜だった。
 
 こののち私は査問にかけられることになる。


−終−
88名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 07:30:32 ID:VbRdsOOh
>>86
イイヨー。こういうの好きだよー。GJ
89名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 14:37:47 ID:eGaUohqH
おお!!
エロいよエロくていいよ。このカップルは濃厚でエロいこと一杯してそう。
90名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 02:32:21 ID:ZQHgLfxU
せつなくもねちっこい感じがイイ!柘植さんって絶倫っぽいし。
91名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 10:16:25 ID:Mx4nU2PU
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
92名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 17:05:46 ID:3WcbWHVG
短いから濃縮されて良かったです。
また書いて欲しいです。
93名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 06:10:42 ID:jblsSlIC
>>86
柘植が初めての相手ってのがまたポイントだな。しかも屋外プレイ。
94名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 01:33:50 ID:v9rWOUdf
保守
95名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 05:07:15 ID:RsYRNy4W
そろそろ圧縮来るかなということで保守
96名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 05:33:06 ID:N8mZ1hIf
HOS
97名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 01:46:45 ID:uhwLOGU0
age
98名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 09:55:01 ID:WXngYtYC
自分のサイトのweb拍手用に書いたものを投下してみます。
後藤×南雲で非エロです。
99名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 09:58:41 ID:WXngYtYC

「この桜は、不思議なしたたかさを纏っているね――――」

昨年、庭の桜を眺めながら彼がもらした言葉。
したたか?と聞き返せば、何となくねと静かに笑っていた。

その男は今となりにいない。

あの戦争からおよそ二ヶ月、謹慎を命じられてからは声さえ聴いていなかった。

最後の最後まで護られておきながら、最後の最後で裏切った醜く矮小な女。

そんな女が、一体どんな顔をして彼に会えるというのだろう。
もっと早くこの本性を現していれば、こんなに苦しまずに済んだかもしれない。
何より、彼のことを傷つけることもなかったかもしれない。

そんな下らない事を思い浮かべながら、何気なく携帯を桜に向けてみる。

写真てのは消去法なんだよ―――と、
どこで学んだのか、彼に教わったとおりにカメラに桜をおさめる。
構図を決め、被写体の周りからいらないものをそぎ落とし、シャッターを切る。

「写真はそのセンスで価値が決まるんだ―――――。」

ディスプレイには、随分と不細工な桜が写っていた。
これから先の人生において、きっと写真家にだけはなれそうにない。

画像をそのままメールに添付する。
未だに未練がましくアドレスを残している自分の惨めさに反吐が出る。

だがもうどうでもいい。
いっその事、とことん愚かさをさらけ出してしまおう。
それで嫌われても、傷つくのは自分だけだ。
寧ろ、彼にとっては幸いかもしれない。
余計なお荷物がひとつ、肩からっ転げ落ちたくらいのものだろう。

これは私にとって、最後の賭けなのだ。
一生で一番重く、一番怖く、一番願っている希望の賭け。



『今年の桜は、貴方に会えなくて寂しそうです。』



『もう咲いたんだね。今年はしのぶさんとどっちが綺麗かな(笑)』



あの頃と変わらない、彼らしい言葉に一気に涙が溢れる。
携帯を握る手も力が篭り震えてしまう。
出てるのか出ていないのか分からない嗚咽が静かに響いていた。
100名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 09:59:18 ID:WXngYtYC

私は今までどれだけ幸せだったのだろう。
どうしてその幸せに気づかなかったのだろう。
それを当たり前の日常としか捕らえていなかった自分の、なんとちっぽけな事か。
無いに等しいプライドでガチガチに固まって、
いつも差し伸べられていた救いの手が見えていなかったのだ。

まだ震え続けている指で、何とか番号を探し出す。
喉の奥が熱くて上手く声が出せるか分からないが、そんなことなど構うものか。
今すぐに、彼の声が聴きたい。
そして私の声を聴いてもらいたい。

霞んでいた世界が鮮やかに色付いて甦った喜びを、感動を、美しさを。

全て、全て伝えよう。
私自身の言葉で。
精一杯の勇気を持って。

そして生まれ変わるのだ。
彼のために、自分のために。

さあ、ただ一言にあらゆる想いを。



「後藤さん、ありがとう――――・・・」


101名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 10:03:26 ID:WXngYtYC
以上です。
102名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 21:45:51 ID:jrwFxZug
【漫画】『ヤングサンデー』休刊で「パトレイバー」作者ゆうきまさみ氏が苦言「正直言って腹は立ててますよ俺」「『鉄腕バーディー』は終わらせない」
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1215430909/


103名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 20:34:06 ID:/rpLQMf8
◆◆鉄腕バーディーでエロパロを!◆◆
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1215684313/
104名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 02:05:25 ID:6TN0Q5vk
「鬼灯」

 「あら、めずらしいわね」
 机上のほおずきを見て、彼女がそう言った。
 「昨日浅草に行ってさ」
 「ああ、ほおずき市。今朝の新聞に出てたわ」
 そう言いながら、鮮やかなオレンジ色の実を弄んでいる。
 「わたし一度も行ったことないのよね」
 「へぇ、そうなんだ。じゃあ誘えばよかったね」
 「まさか」
 当直なのに。そう言って笑う。
 彼女の「初めて」を共有したいと思うのは我侭だろうか。
 「ちいさい頃ほおずきで笛を作ろうとしたんだけど、結局成功したためしが
 なかったわ」
 頑固で負けず嫌いな彼女の苦い経験のひとつなのだろうか。言いながら顔が
リベンジを企む子供のようになっている。可愛らしさに思わずにやりとして
しまうのを止められない。
 「じゃあ、それ全部あげるよ」
 そう言うと彼女は、ぐっと言葉に詰まり、おやまぁと思うそばから頬を赤らめた。
 「・・・ありがとう」
 羞恥心を覚えたのか、目線をそらし、小さな声で、心持ち拗ねたような礼だった。
105名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 02:12:18 ID:6TN0Q5vk

彼女の白い指が、蝋燭の炎にも似た実の萼をそっと剥いていくと、その中から
同じ色をした丸くつややかな本当の実が姿を現す。
売り子のお姉さん曰く、ほおずきの花言葉は「偽り」だそうだ。これが実かと
思うと、その中に本当の実が隠れているから。
真剣な顔の彼女そのものだ。お堅いと言われるその顔の下には、こんなことに
熱中する幼い顔が潜んでいる。
そんなことを考えながら見ていると、萼を開き終わり、彼女がゆっくりとその
実を揉みだした。

ぞくりとした。

幼い行為のはずが、まるで自慰行為を覗き見るように思えたのだ。
包皮をめくりその下の小さな粒を指先で弄って・・・。
ほおずきの実が柔らかくなっていくのが嬉しいのか、彼女の表情が緩む。
まるで悦楽を貪るように。

まずい。
「じゃあ、あとは頑張ってね」
煙草吸ってくるわ。そう言って部屋をあとにした。
廊下を歩きながら大きく息をついた。危なかった。あんな無防備な状態であんな
顔されたらたまらない。
自分の不埒な想像は棚に上げた。
――― 鬼灯とはよくあてたものだ。まるで妖かしにあった気分だよ。
喫煙スペースで煙草に火をつけると大きく吸い込んだ。肺に広がる苦味にほっと
しながら、煙草の先に灯った炎を見た。蛍にたとえられるこの火が可愛いものに
思えた。

−終−

最初に断り書きを入れるつもりが忘れちゃいました。ぬるくてすみませんでした。
106名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 20:43:32 ID:yMiEyl7i
上の2作品すごくよいです。
すごくよいです。
107熊耳×太田:2008/07/18(金) 19:00:44 ID:xWL1aFaU
劇場版地上波放送決定の記念に、非エロですがひとつ。



犬のお巡りさんに出てくる迷子の子猫は、きっとこんな目をしているのだろう。
私の後ろを恐る恐るついてくる彼は、まるで小動物の様に縮まっていた。

「いま部屋を片付けてくるから、中で待っていてくれる?」

無言で玄関に立ち尽くす彼を半ば強引に招き入れる。

「巡査部長・・・。」
「遠慮するなと言ったでしょう。それにもう貴方も巡査部長なのだから、
そろそろその呼び方を止めてもらえないかしら。」

弱弱しく覇気のない声と態度に私は苛立っていた。
戦場から帰還し極度の緊張から開放され、まだ疲れも溜まっているのだろうが、
これ以上彼らしくない姿を見ていたくなかった。

「正規の任務でないとはいえ、貴方達はこの国を守ったのよ。
多少のお咎めはあるにしても、その行動を否定できる者などいやしないわ。」
「・・・・・・ですが」
「貴方は自分に厳しすぎる。」

こんな状況になっても、まだこの人は守ろうとしている。
背中を押してやる事すら出来なかった私のことを。

「これは純然たる私の意志よ。貴方が負い目を感じる必要なんてないわ。」
「しかし今の自分は」
「だからこそよ。」

彼の言葉を無理やり断ち切った。
108熊耳×太田:2008/07/18(金) 19:02:36 ID:xWL1aFaU
「隊長が最後の決着をつけるまで、貴方は私が守る。」
「巡査部長に罪を着せるわけにはいきません。」
「かつて私が犯した過ちに比べれば、貴方の行いは罪だなんて呼べないわ。」
「しかし―――」
「グリフォンの件の後、復帰した私を何も言わずに庇ってくれたのは貴方でしょう。」
「あれは、パートナーとして当然の事です。」
「それなら今度は私の番よ。それとも二課を離れた現在は赤の他人なのかしら?」
「そういう訳では・・・・・・。」

自分でもこんなに嫌味ったらしい言葉が吐けるとは思わなかった。
心底バツの悪そうな顔をする彼に、視線を向ける事無く続ける。

「太田君、これだけは覚えておいて。」
「・・・・・・・・・。」
「貴方が誰かを守りたいと思うのと同じ様に、貴方の事を守りたいと願う人間もいるのよ。」

心臓の音さえ聞こえてきそうな沈黙が私達を包む。
俯く彼に視線を移してみれば、小さく方を震わせていた。

「太田君。」
「・・・申し訳、ありません―――っ、・・・こんな・・・・・・こんなご迷惑を――――。」

初めて見る、強さと正義の塊のような男が涙を流す姿。
恐らく自分自身への怒りなのだろう。絶対に甘えを許さない人だから。
でも私には、その涙がとても美しいものに見えた。

「ねえ、太田君。篠原君と泉さんがいつも言っていた言葉を覚えてる?」
「・・・フォワードとバックアップは、・・・一心同体・・・・・・ですか。」
「そう。あの言葉、私達にも当てはまらないかしら?」

少し落ち着きを取り戻した彼が、照れ臭そうに言う。

「じゅ・・・、いえ、熊耳さんには自分など不釣合いだと思いますが。」
「それが正しいかどうか、これから試してみましょうか。」

ふふ、と笑みをこぼし彼の首に腕をまわす。
まだ涙の痕が残る頬に、そっと口唇で触れた。


―終―
109名無しさん@ピンキー:2008/07/18(金) 19:08:48 ID:xWL1aFaU
以上です。おそまつでした。

治安維持部隊の詳細を読み上げる女子アナが
おたけさんの声だという事を最近知りました。
110名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 02:35:43 ID:GeDWUiAx
>>76 待ってるよぉ!
111名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 19:44:07 ID:YNpUXyIr
>107さん GJでしたぁ〜

太田×熊耳と数少ないお話が読めるのは
本当に嬉しいです。

しかしホントこの二人を取り扱いのサイトないよな・・・
112名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 21:22:11 ID:va2y5y/L
ほしゅ
113名無しさん@ピンキー:2008/07/27(日) 00:46:18 ID:fF6d01va
ho
114名無しさん@ピンキー:2008/07/28(月) 14:29:43 ID:Hqu3EvJU
突然パト二十周年のアンソロ?(企画本)をあげてみる。
スレ違いかも知らんがスマン。

パト二十周年記念本プロジェクト全年齢(企画本)
内海×熊耳アンソロ全年齢(小説多め)
後藤×南雲アンソロ18禁?(小説やや多めなのか?前主催と一緒?謎)
遊馬×?アンソロ全年齢(テーマ不明。カップリング本なのかも不明)

らしい。どの本も夏に出るのかプチの方で出るのかは謎。
遊馬アンソロの人以外はみんな無名っぽい。遊馬アンソロの主催の人だけ
絵師使ってアンソロ作りまくっているようだ。そっこうで調べたので
間違ってたらm(__)m

あげてみるとパトばっかりだな。
余談だがプチパトはゆうきまさみ主体なのかパト主体なのか
いまいち意図が分からん。埋立人間達の独壇場だな。
Rが少ないのはマジで寂しい。アンソ探したが見つからんかった…。

115名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 01:36:38 ID:52vWgNQu
なんか…なんていうか…
Rが少ないのをパトのせいにするなよ…
Rが無いのが寂しいなら自分で主催とかしなよ。
116名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 04:01:50 ID:5lWTOn9N
114と115は同じ埋立地。
宣伝ご苦労。
117名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 22:48:17 ID:I/AMNQuw
ちょっとネサフすればわかることなのにわざわざ
不明とか謎とか言われてもなあ
118名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 02:54:21 ID:R7Vf5/6j
もーここはゆうきのエロパロなんだから
いちいちやめようよー。馬齢を重ねただけの
アホにはかまうなってー。
119名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 23:36:08 ID:g7oluNNm
hos
120名無しさん@ピンキー:2008/07/31(木) 06:15:22 ID:K+Qv7f7H
ほす
121名無しさん@ピンキー:2008/08/03(日) 10:32:44 ID:z3vS46Xz
保守
122名無しさん@ピンキー:2008/08/03(日) 23:42:58 ID:npJaaSHe
進士と野明でなんとかできんかと妄想中
多美子さんの壁を乗り越えさせるには
どうにかして二人だけで酒飲んでる状態のシチュに持ち込んで
進士をオーバーブーストさせるくらいしか思いつかない

遊馬の抱かせてくれるのか発言後ボロ泣きかつ傷心の野明
→帰り際に進士とバッタリ。相談が…orご飯でも食べますか?(この時点で既に無理が…)
→多美子さんに遅くなるけど晩御飯は絶対に食べるよコールとか
→ファミレスでちょい飲酒野明「男の人って、誰でもいいから女が抱きたいっと思うものなのかなあ」
→飯吹き出しつつも進士無難な対応、やや酒進んだ野明、進士にも酒を勧める
→泥酔進士説教タイム「らいたいねぇ、泉しゃんは自分が女性だとゆー自覚がなしゃすぎる!」
→さっきの発言なんか普通は誘ってるようにしか聞こえない的な発言、なんかあやしい雰囲気に

とかこんな感じで無理矢理妄想
123名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 02:28:36 ID:/wEV91xO
バーディアニメも始まったってのに盛り上がんないな
124名無しさん@ピンキー:2008/08/10(日) 05:09:35 ID:9Yw4I2mN
hos
125名無しさん@ピンキー:2008/08/10(日) 21:21:41 ID:fxFdG+mZ
>>6



> 夢の中、全ての沈黙を引き連れて。
> 死者が還ってくる。
> 言葉も無く、ただその存在だけで。
> 死者が還ってくる。
> 次の瞬間聞くのは自分の叫び声だ。
> 何を叫んだかも分からぬまま跳ね起きる。
> 髪を振り乱し枕元を必死で探って目当ての物を掴み取る。
> 殉教者の持つ十字架のように。
> 全ての思いを込めた鍵を握り締め震えながら朝を待つ。
> 再びこの鍵の持ち主に出会える朝を。 

126名無しさん@ピンキー:2008/08/11(月) 23:01:08 ID:0jwuCuFq
>>122
むしろ多美子さん×野明のが浮かんじゃった自分は駄目ですかorz
どーも漫画版の進士さんは人畜無害なツッコミ役というか
暴走しそうにないイメージが抜けなくて・・・

あ、でも漫画版多美子さん出ないか
127名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 21:01:55 ID:y+8LnnmD
>>126
後姿一コマだけ出てたぞ、多美子さん。
128名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 23:59:50 ID:e4KKqG5S
んじゃ>>122の流れで多美子さん×野明に持ってってみる

遊馬の抱かせてくれるのか発言後ボロ泣きかつ傷心の野明
→帰り際に進士とバッタリ。相談が…
→進士さん多美子さんに事情をTEL
→そういう事なら女同士私が相談に乗るわよ一緒に夕飯どお?
→進士宅へ。みんなで夕食&ビールビール
→酒が進むにつれ女同士の話が男への愚痴と赤裸々な方向へ
→酔っ払い二人の間で居づらくなった進士が買出しを口実に一時退場
→男心の扱い方をおねーさんが手取り足取り教えてあげるわよぅ
→くんずほぐれつ、帰ってきた進士唖然

さて進士は参加させるべきか・・・
129名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 13:19:14 ID:hfsyd1Pz
興奮するのか野明を許せんと思うのかどっちに出るの全く想像がつかない>進士
のぞきエピソードのノリノリっぷりや「僕こういうの嫌いじゃないですけどね」発言とか
結構ムッツリだとは思うんだが

それはそうとひろみちゃんの性の香りのしなさは異常
130名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 00:48:44 ID:UzRqrt7n
ひろみちゃんはそうとうデカそうだが。
131名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 07:00:15 ID:DxNSTFPE
スレチガイだが、昨日郵便局でパトレイバーの切手シート発見しますた!
132名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 02:38:39 ID:HPOwh1qj
知らんかったのでぐぐってきた。

アニメ・ヒーロー・ヒロインシリーズ(第8集)
「機動警察パトレイバー」
発行日:2008年8月22日
平成17年(2005年)にシリーズが始まり、数々の人気アニメを題材としてきた「アニメ・ヒーロー・ヒロインシリーズ」の第8集を発行いたします。
今回は、近未来のポリスアクションを描いた「機動警察パトレイバー」の登場です。

高田明美さんの絵かな。遊馬が渋いな。

ところで前々スレくらいから、大田×野明を全裸で待ちわびているのだが
そろそろ風邪をひきそうです。
自家妄想するしかないのか。
133名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 07:17:03 ID:CGuMwUlD
遊馬、警官というより自衛官ぽいな
134名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 01:11:14 ID:V9lgREUY
ロムってる人どんくらいいるんだろ…
135名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 05:05:18 ID:Gxa6XV3Q
いるよー

この間のアニメバーディー観てたら室戸×夏美が読みたくなってしまった
早宮が無防備にオッサンの部屋に上がりこんでるからさ〜
オッサンは気にしてなくても視聴者はモゾモゾしますよ
中杉さんもなんだかせつなげな雲行きで…
136名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 06:42:16 ID:xW2bbWdm
ここにもおるでー。

あとがき漫画のバーディ役さんと、実は役者として先輩だった鬼畜なつとむ役とかどうだろう。
むろん撮影の合間のコスプレHで。

「やっ、先輩、こんなとこじゃ……んんっ!?」
「おいおい、その格好の時はそうじゃないだろ、バーディ?」
「あふ、んっ……つ、つとむ……ぅ!」

考えてみると、バーディである必然性はあまりないな。3てん。
137名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 15:46:57 ID:x51iZnts
いるよー。
全裸で太田×野明を待ちわびる人を心配したり
密かに進士×野明を待ちわびていたり
実はクレド×バーディーが大好物だったり
138名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 07:57:00 ID:6/Sukexl
クレド×バーディーは気になるねぇ
今週のアニメで、早宮×室戸(寝取り)ってのもアリかと思った
139名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 18:54:21 ID:+Gifz6KB
自分は初めてエロパロなるものに挑戦しようか悩みつつロム中。
140名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 20:04:04 ID:EVGhFyT3
ここにもおるでよーノシ
ミンナノウタとか未完成シリーズの続きをwktkしながら待ってたりします

多美子さん×野明とかはっちゃけてて面白そー書いてみてぇとか思いつつも
アニメの多美子さんよくわかんないので断念
誰か書いてー
141名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 22:38:15 ID:T1Uhuqhy
ここにもいるよー
後藤×野明が好きだが少数派かな…
142名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 03:40:11 ID:oP+jU/gl
>ところで前々スレくらいから、大田×野明を全裸で待ちわびているのだが
>そろそろ風邪をひきそうです。

シチュエーションは思いついたんだが文書化する気が起こらん…。もう暫く全裸で待機しててくれ。
143名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 06:10:19 ID:QeNYxc/a
144132:2008/09/10(水) 12:34:50 ID:uGDgk2Mm
>>142
了解しますた
しかしちょっと寒くなってきたので、靴下だけはいて引き続き待ちわびます

>>137
心配してくれてあんがと
145名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 20:52:35 ID:8J1mgTA6
先端だけ着衣って全裸よりもアレな気がw
それはそうと、自分は昨日寝冷えで腹を下してしまったので
腹巻も追加することを推奨します・・・
146名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 11:29:29 ID:VHQedylr
太田×香貫花が読みたいなぁ
ひろみちゃんに性の気配はしないけど、ひそかに熊耳さんに惚れてそう。
アニメで熊耳さん必死で守ってるし。
147名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 22:44:04 ID:zhtQJVoT
じゃ、太田×香貫花で。



「はい、太田。」
「随分とテンションが低いわね。」
「香貫花・・・・・・」
机の上には、たった今書き終えたばかりの遺書。
この間の悪さは自分のものか、それともこいつのものか。
「隊長から聞いたわ、あなた達が出るのね。」
「ああ。本当にみんなが集まるかどうかは分からんが。」
「行くわよ、そういう連中だもの。あなたを含めてね。」
なぜそこまではっきりと断言できるのか、自分にはその理由が分からない。
「米軍は既に第七艦隊が動き出したわ。最悪の場合、敵が増えるかもしれないわよ。」
「たとえそうなったとしても、オレは戦う事しか出来ん。」
「そうね。私も同じ立場だったら出撃するわ。」
「・・・・・・もし、オレが死んだときは」
「死なないわよ。あなたは。」
強い口調で遮られ、言葉が止まる。
「何でそう言えるんだ・・・?」
「私なら死なないからよ。」
「オレはお前じゃないぞ。」
「いいえ、私たちは同じ種類の人間よ。だから死なない。」
機動隊の頃から人の死を目の当たりにすることには慣れている。
だがそれは『戦争』などというものからは程遠い、日常の任務のひとつに過ぎない。
この女と同じように、自分も好戦的な男だと言う事は自覚しているが、
それでも命のやりとりを楽しめる程、精神的に強い人間ではない。
「それにあなたが死んでしまったら、大事な相棒が悲しむんじゃないの?」
「・・・巡査部長は」
「泣かせちゃダメよ。」
「散々ぶつかり合っていたお前が言えたセリフか?」
「あなたと遊馬に比べれば可愛いものよ。」
そんなに過激な争いをしていた憶えはないんだがな。
少なくとも、人を窓の外に投げ飛ばす様な危ないマネは・・・・・・
「ひとつだけ約束なさい。」
「なんだ。」
「還ってきたら、必ずあなたから連絡をよこしなさい。もちろん“タケオ”にもね。」
「だからどうしてそこで巡査部長が出てくるんだ・・・」
「理由なら後で教えてあげるわ。」
ほとんどノイズばかりになったラジオから、途切れ途切れに声が聞こえる。
正確には確認できないが、都内の状況は深刻な様だ。
隊長から指示のあった迎えの時間が、もうそこまで迫っている。
先刻まで体中に付き纏っていた不愉快な緊張はすでに消え去っていた。
「香貫花」
「何かしら。」
「礼を言っておく。」
「それは何に対して?」
「生き延びる理由を与えてくれて、だ。」
「じゃあ、お返しを楽しみに待っているわ。」
幾分かの笑いを含んだ声が、心地良く胸の奥へと沈んでいく。
この遺書はおそらく無駄になるだろう。
だがそれでいいと思う。

生き延びよう。
無限の勇気を与えてくれた、この戦友の為に―――――。



なんかいつも非エロばっかですんません。
148名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 15:03:07 ID:VyeyQAN5
わーい、ありがとうございます。
非エロもまたよしです。
そういや、太田は香貫花に遺書残したり、誕生日に国際電話かけたりしてんだよね。
149名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 17:48:17 ID:h7MT/EWK
キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)━━━!!!
150名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 22:47:24 ID:S9zfXZzN
そういえば、香貫花の中の人が鬼籍に入られてから
随分経つな…
151名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 22:53:58 ID:x+H+WM1U
「それでも男ですか、この軟弱者!」と言ってほしかった
152名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 10:43:06 ID:Pi/pYmPg
おまいらときたら…

バーディでエロ展開来てもう三日だぞ
153名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 07:53:09 ID:47GRvE0i
ここではバーディーはとことん人気無いんだよね。悲しいのう
154名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 17:07:44 ID:4FvOuj/G
アヌメと漫画が別モンになっちゃったしなぁ<バーディー
旧作ならコミック持ってるが、あれでどうエロれと言うのだ…。
155名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 17:23:39 ID:BIkmUarN
バーディーが発情してる所に告白され詰め寄られて〜とか
相手はワンコに良くんにカシューさんに千明にといっぱいいるし
156名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 13:13:03 ID:54KmGY4i
エロパロじゃなくても、つとむの体が戻ってきたあかつきには
つとむとバーディーとのセクロスは普通にありそうな展開になってきたような気がするし
157名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 23:44:08 ID:MPhPCTz8
>>156
それいいな。全裸で待機するわ。
158 ◆IGZ1GifKRM :2008/10/12(日) 03:53:57 ID:jzj9itZE
初エロパロ、南雲さんです。
あまりエロくありませんがorz
159 ◆IGZ1GifKRM :2008/10/12(日) 03:54:29 ID:jzj9itZE
その夜もいつものように始まった。

いつごろからだろうか、部下とそういう関係になってしまったのは。
確か同僚のいない隊長室で不意に抱きすくめられたのが始まりだった。
そのあと、体の関係になるまでそんなに時間はかからなかったし抵抗もなかった、と思う。

彼はいつも宿直室にそっと入ってくる。
私の衣服を丁寧に脱がす、胸を愛撫される。
「あ…」
彼が私の胸に執着するさまに浅ましい欲情をおぼえる。
指と口を使った愛撫。
軽くいってしまいそうになり眩暈を感じた。
160 ◆IGZ1GifKRM :2008/10/12(日) 03:55:03 ID:jzj9itZE
彼のことを好きなのかと問われれば、「嫌いではない」いやむしろ「好き」と答えるだろう。
でも元々淫乱でその場の快楽を得られればそれでいいのかもしれない。
などと考えていると、今度は彼の指が私自身のほうへと伸びてくる。
敏感な部分を擦られて思考が止まった。
「…あっ、…だ、め…」
指は何度も往復し、激しく濡れてくるのが自分でもわかった。

擦っていただけの指が侵入してくる。
緩い快楽に身を任せていると突然激しく動かされた。
「ああっ」
こうなると自分は肉体の快楽を貪るだけの女になりさがる。
くちゅくちゅ、という音はよりいっそうの快楽を導き出すためのものに過ぎなかった。
足を開き、自ら彼自身を先程まで弄ばれていた私の処に充てがう。
さあ、どうにでもして…。
161 ◆IGZ1GifKRM :2008/10/12(日) 03:55:44 ID:jzj9itZE
「くぅ…んっ…」
若さゆえか彼自身は熱く固く長く、入れられるときは少し抵抗を感じるくらいだ。
いつもは優しい彼もこのときばかりは私を壊すほどに何度も突き上げてくる。
そして壊れんばかりに私を抱きしめてくれる。
「あっ…あっ…」

彼はこの関係で満足しているのだろうか?
むしろ部下と肉体関係を持つような上司を蔑んでいるのではないだろうか?
以前は妻子ある男性と関係を持ったことがあった。
人の道に外れることだとは重々承知していたが、彼のことが好きだった。
どんな関係でもいいから繋がっていたかった。

抱かれているときに昔の男のことを思い出すなんてますます最低な女だ。
今は…目の前の彼と快楽におちる時間だろう。
私はさらに悦楽を引き出すかのように足をよりいっそう広げ、自ら胸を愛撫する。
「ふぅ…ん、あ…いく、いっちゃう…」
162 ◆IGZ1GifKRM :2008/10/12(日) 03:56:18 ID:jzj9itZE
大きな波が私を攫うのを見て、彼も自分を吐き出す。
心地よい倦怠感に包まれた私にさらに愛撫を重ねてくる。
敏感になっている私にとってそれは喜び満足することに他ならない。
自らの蜜で濡らされた胸の先端は立ち、腿の間にも溢れ出た蜜が何本もの糸を引く。
口唇をお互い貪る。

ひとしきりの愛撫が終わると彼は入ってきたときと同じようにそっと出て行く。
私は脱ぎ散らかした衣服を身につけ、横になる。
部下とも関係を持つ私を同僚はどう思っているのだろう。
そんなことを考えながら眠りに落ちていった。
163 ◆IGZ1GifKRM :2008/10/12(日) 03:56:54 ID:jzj9itZE
以上です、失礼しました。
164名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 21:45:55 ID:2w+TCR4i
うほほーーい!!南雲さんキターーー
石和と見せかけて、古賀あたりだと楽しい。
165名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 16:08:20 ID:IcAJfQ62
>>158
十分エロいよ!
部下って、しのぶさんに思いを寄せていると噂の五味岡さんか?
漫画版で石和・古賀辺りもありえるか。

それにしても部下と通じてるのを知った後藤さんの反応が気になる。
166名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 21:51:25 ID:gpqDD0W6
それはないよ
167名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 22:41:49 ID:/PdO7yzY
石和は少々堅実路線だけど、結婚相手として見りゃいい男だよなー
真面目、熱血、優秀なお巡りさん。でもガチガチの堅物って訳でもなし。
まあ、激務で女日照りの特車二課にいる間は出会いもへったくれもなかろうが・・・
168名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 21:29:20 ID:W3Ey/YHw
石和さん婿に来て
マジで
169ごとしの+α:2008/10/23(木) 01:24:19 ID:JInWrjN7
隊長組投下。



「あっ」
バッグに引っ掛けたサイフから小銭が零れ落ちる。
「・・・・・・もう。」
散らばった小銭を拾い集めていると、脇から男の手がのぞいた。
「はい。多分こっち側に転がってきた分はこれで全部。」
「・・・ありがとうございます。」
「自販機の下にも転がってるかもしれないよ。」
半開きの目に痩せこけた頬の、いかにも幸の薄そうな男。
拾ってもらって何だが、しのぶは直感でこの男から離れたくなった。
簡単に礼だけを述べ、缶コーヒーを片手に奥へ向いているベンチへ腰掛け書類をめくる。
何事もなかった様に男が同じくコーヒーを買ったとき、背後から声が聞こえた。
「後藤。」
「・・・鬼頭、か。」
呟く様に声の主へ振り返ると、後藤はしのぶと背中合わせのベンチへ腰を落とした。
もう一人の男も、その隣に座った。
「四課課長就任おめでとさん。」
「ふざけるな、どういうつもりだ。」
「どうも何も辞令の通りだよ。公安部から警備部へ移るの。」
「そういう事を聞いているんじゃない。」
「じゃあ何よ?」
警備部?公安の刑事が―――?
背中越しに耳へと入ってくる会話に、しのぶは妙な不快感を覚えた。
先日、イアハートという環境活動家を巡って、公安が失態を犯した事は知っていた。
今、背後の観葉植物を隔てて座っている男が、その事件に関っているのだろうか。
現在出向中の身とはいえ、いつか同じ職場に立つかもしれないと思うといやな気分だった。
170ごとしの+α:2008/10/23(木) 01:25:41 ID:JInWrjN7
「近々、警備部にレイバー犯罪対策専門の部隊の設立が計画されているのを知っているな。」
「こないだの震災でレイバー需要が増えちまって、相当急いでるんでしょ。」
「そのレイバー部隊にお前をねじ込もうとしている動きがある。」
「オレ、レイバーの事なんて何も知らないよ?」
「だからこそだろう。連中がお前に求めてるのは功績なんかじゃないからな。」
「オタついてテンパった中年を酒の肴に哂ってやろうっての?年寄りの道楽にしては陳腐だね。」
わざとらしく大きなため息を吐いて自嘲した。
そんな後藤にはお構いなしに、鬼頭は話を続ける。
「全国でも初の導入だ。お前に話がいくのは、下地が固まった後だろう。現在、警備部から女キャリアが一人、レイバー隊運用のレクチャーを受ける為に防衛庁へ出向中だ。」
「防衛庁?民間のレイバー企業じゃないの?」
「レイバーの軍事利用に着目した自衛官が研究を始めているらしくてな。そこへ送られた様だ。」
「確か、"南雲しのぶ"だったっけか。入庁時から才媛だと評判だったな。」
自分の名が聞こえた瞬間、しのぶは硬直した。
ここにいるべきではないと思いながらも、体は動いてくれなかった。
「南雲といえば、警察だけじゃなく政界にも人材を輩出してきた名門だ。その南雲の名家"最高傑作"て噂のお嬢様でしょ。いつか会ってみたいもんだ。」
「そのうち嫌でも顔を合わす事になる。」
「そうなったら彼女に同情するよ。オレみたいな男と机並べるなんて可哀想に。」
「他人事のように言う。」
「他人事さ。自分に執着する元気なんて無くなったよ。」
「ならばいっそ死んでしまったらどうだ。」
「死にたくても死ねないのさ。オレやお前さんの様な狗はね。」
しぶとさはいい勝負でしょ?と後藤は笑った。
そして力なく立ち上がると、ゆっくりと歩き出した。
「そろそろ行くよ。笹山ちゃんに会う事があったら宜しく言っといて。」
「後藤。」
視線は向けず、声だけで呼び止める。
後藤も振り向かずにその場に立ち止まった。
「本当に、これでいいのか。」
「生きてるだけマシだ。」
「・・・バカが。」
独り言の様に発せられた言葉とともに、2人の気配が消えていった。
空になった缶コーヒーを握り締めたまま、しのぶはただ固まっていた。


171ごとしの+α:2008/10/23(木) 01:27:35 ID:JInWrjN7
「そっか。あのときの婦警さんはしのぶさんだったんだね。」
「あら?気づいてなかったの?私の名前まで出したくせに。」
「顔は見てなかったからなぁ。」
カーテンの隙間から零れる月明かりを頼りに、タバコに火をつける。
鏡台越しにその仕草を眺めていたしのぶが、眉間にシワをよせた。
「シーツに灰、こぼさないでね。買い換えたばかりなのよ。」
「大丈夫だよ、寝タバコ暦とっても長いんだから。」
呆れ顔のしのぶに、笑顔でかえす。
「吸うな、とは言わないんだね。」
「別に、貴方ならいいかなと思える様になっただけよ。」
「そりゃ光栄なことで。」
「カン違いしないでね。タバコそのものは嫌なんですから。」
髪を梳き終えたしのぶが振り返ると、ベッドの上では後藤が手招きして待っていた。
今更ながら恥ずかしさがこみ上げてきたが、自分が望んだ以上覚悟を決めるしかない。
「まったく・・・。貴方は何事にも動じないのね。」
「失って困るものはほとんど持ってないからね。戦争さえもただの日常なんだよ。」
「・・・柘植のやった事は無意味だったと?」
「オレの世界を変えるまでには至らなかったってだけさ。捻くれた人生歩んでるからね。」
ベッドに歩み寄り静かに見下ろすしのぶの手をとり、後藤は腹の上へと引き入れた。
明かりの加減か、いつもより更に白く見えるしのぶの頬に手を添える。
しのぶは何も言わず、その手に自分の手を重ねた。
「少し線が細くなったねぇ。ちゃんと食ってるの?」
「カップ麺ばかりの貴方よりは、それなりにまともな食事をしてると思うわ。」
「そいつは良かった。それならもうすぐ二課も甦りそうだ。」
「・・・私はもうお呼びじゃないんじゃないかしら?」
「二課はね、しのぶさんが居ないと何も始まらないんだよ。あそこはしのぶさんの正義そのものだから。」
『正義』などというものが、自分にはあるのだろうか。
あれほどの犯罪を止めることが出来なかった、いや、ある意味引き金ともなった自分に。
そんなものがあれば、この人にこれほどの苦しみを与えなかったはずだろう。
「後藤さん、ひとつだけ聞いていい・・・?」
「いいよ。」
「あのとき祐子さんは、既に?」
「うん。」
「・・・一緒に、死んでしまえればと思わなかった?」
「最初はね。」
下ろされたしのぶの髪をかき上げ、少し照れくさそうに後藤は笑った。
「病院から報を受けて駆けつけたときにはさ」
「ええ。」
「もう冷たくなってて、顔に布もかけられててさ。どうしていいか分からなくて、白くなった手を握って、顔の布を捲ったんだ。そしたら」
「そうしたら・・・」
「心臓は止まってて、冷たくて、どこか重たくて、確かに死んでるんだけど」
「後藤さん?」
「顔を見たら、笑ってくれた気がした。」
「・・・そう。」
「だから、絶対に生き延びてやろうと思ったんだ。あいつの為に。」
172ごとしの+α:2008/10/23(木) 01:28:42 ID:JInWrjN7
亡くなった者の為に生きる。と言い切った後藤を、しのぶは羨ましく思った。
自分だったら逃げ出してしまったかもしれない。
「後藤さんの強さは、そこからきてるのね。」
「強くなんてないよ。逃げ遅れただけさ。」
「私は、立ち尽くすだけだわ。」
気がつけば、後藤の頭を抱きかかえていた。
ようやく、後藤の本質を理解できた気がして嬉しかった。
かつて大きな傷を負った場所へ、それでも折れることのない正義とともに戻っていった男。
自分の弱さをまざまざと思い知らされた憎たらしい相手のはずなのに、今はこの男がとても愛しかった。
「荒川に柘植が首謀者だと知らされてから、埋立地で彼を逮捕するまで、結局私は何も出来なかった。」
「でも終わらせたよ、戦争を。」
「貴方の策略で動いただけよ。私の力じゃないわ。」
「しのぶさんやあいつらが居たから、オレは戦えた。」
「私はダメね。貴方に縋り付いてしまう。」
「それでもオレは、君を待っていたんだよ。」
「ずるいわね、お互いに。」
「お帰り、しのぶさん。」
「・・・ただいま。」
恥ずかしさを感じながらも、精一杯の笑顔をつくる。
その笑顔が偽りでないことを確かめるように、深く長い口付けを交わす。
首の後ろに回されたしのぶの腕が、少しずつ背中へと下りてゆく。
後藤はしのぶの腰を支える腕に力をこめ、自分の懐へと引きずり込んだ。
隙間もないほどに密着して抱き合い、貪るように互いの唇を求め合う。
「さて、どうやって食い散らそうか。」
「食べ残したりしたら、承知しないわよ?」
言った自分でも笑ってしまうバカなセリフが、不思議なほど新鮮だった。
色のないモノクロの夜がこんなに美しいものだなんて思わなかった。
柘植によって壊された世界が、熱を帯びて甦っていく。
「後藤さん、後藤さん、後藤さん。」
「ここにいるよ、しのぶさん。」
目の前の新しい世界を抱いて、二人で夜へと沈んでいった。

-終-
173名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 01:30:57 ID:JInWrjN7
ageちゃった・・・すみません。

実験的に他作品のキャラをゲストで参加させてみました。
書いた後で聞くのも何ですが、こういうのはOK?
174名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 01:31:48 ID:S6kd5Lxp
大人の事情乙
さらに続きも読んでみたくなりました
175名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 03:35:58 ID:84mW2F3E
とても萌えました。大人組いいなあ
個人的には全然おk
176名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 22:47:07 ID:qarMxd5R
ほす
177名無しさん@ピンキー:2008/11/12(水) 03:18:58 ID:X4THyqAw
隊長コンビのしっとりさがたまらん。
178名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 13:39:30 ID:dZS+hILO
風邪引いたんで保守るっす。
179名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 04:54:44 ID:aavP6Hlq
ネタはあるんだが、書いてる時間がない
180名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 23:17:11 ID:ELaVKhhd
ほす。
181名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 01:07:17 ID:xre6K04s
太田×熊耳投下。
>>107の続きのようなものです。
182太田×熊耳:2008/12/10(水) 01:16:32 ID:xre6K04s
「どうかしら、お味。」
「ええ、少し薄めですが美味しいです。」
「ふふ、お口に合って良かったわ。」
小さめのダイニングテーブルに、ささやかに盛られた夕食を二人で囲む。
箸が止まることなく口へと運ばれていく様子を、熊耳は満足そうに見つめていた。
「貴方の食べる姿を見てると、こっちもお腹が減ってくるわね。」
「が、がっついてみえますか?」
「いいえ、ステキな食べっぷりだと思って。あの頃から変わらないんだもの。」
「・・・それは褒められたと考えていいんでしょうか。」
「勿論よ。」
照れながらも同じペースで食べ続ける太田をからかいながら箸を伸ばす。
こうして二人で食事をするのも、ようやく様になってきたなと熊耳は思った。
『幻の戦争』から満身創痍の帰還を果たした太田を迎えた夜、
それまで秘めていた想いをぶつけるかの如くお互いを求め合ったあの日から、
緩やかに、そして確実に二人の距離は縮まっていた。
その頃から、非番の日は二人で一緒に過ごす事が習慣となっていた。
「ゴチソウさまでした。最高に美味かったです。」
「こちらこそおそまつさまでした。」
お互いに深々と頭を下げる姿が可笑しくて、目を合わせて笑った。
自分がやりますから、と二人分の食器を抱えて太田がキッチンへと消えていく。
客人に後片付けをさせる事に幾らかの申し訳なさを感じながら、太田の持ってきた書類に目を通す。
それには神奈川県警交通機動隊レイバー隊へ配属予定の、候補生達の詳細が記されていた。
「まだ、未熟な連中ばかりですが。」
一通り片づけを終えた太田が声をかける。
「それなりに資質を備えている子を選んでくれたのね。」
「泉のようなヤツはいませんが、現場で即戦力になる者を揃えたつもりです。」
「泉さんは特別なのよ。レイバー乗りとしては住んでいる世界が違うわ。」
「それにしても今の若い連中には意思の弱い者が多すぎます。
またあんな事件が起きた時、戦える人間がどれだけいることか。」
柘植行人がもたらした戦争は、太田にも少なくない不安をもたらした。
今も前線へ立ち続けている熊耳の事を考えれば、彼女の盾になれる人間がいないという事は、
自分が戦えない事よりも恐ろしかった。
「私を心配してくれているのね。ありがとう。」
「・・・・・・いえ。」
紅い顔をして照れる太田を、熊耳は愛しいと思った。
183太田×熊耳:2008/12/10(水) 01:21:04 ID:xre6K04s
「正直に言うとね、あの時は悔しかったの。」
「悔しい?」
「後藤隊長に、私も行かせてほしいと懇願したんだけど、お前にはやってもらう事があるからって止められたのよ。」
「そうだったんですか・・・。」
「その後すぐ、南雲隊長からウチに出動要請があったの。"後藤さんのやり方を熟知している貴方に頼みたい"と。」
「それで、地上の後始末がスムーズだったんですね。」
「でもそれだけだったわ、私の仕事は。皆が命懸けで戦っている時に、私はただ待っているしかできなかった。
それが任務であるとわかっていても、一人だけ戦う事すら許されないというのは辛いものよ。」
「そんなことは・・・」
「だから無事に還ってきた貴方の顔を見たとき、本当に嬉しかった。」
二課時代は最後まで『上司と部下』だった二人の間にも、共に命を並べた戦友としての強固な絆が結ばれていた。
穏やかな熊耳の笑顔が、太田の選んだ正義が間違いではなかった事を証明していた。
「後藤隊長は公安へ戻ったと聞いたけど。」
「ええ。進士は時々顔を合わせているようです。」
「南雲隊長の課長就任に尽力したと聞いていたから、てっきり二課に留まるものだとばかり。」
「公安の方が、後藤隊長を必要としていたのかもしれません。」
「結局、最後は独りで戦い続ける事を選んでしまったのね。何もかも背負って。」
18号埋立地から篠原重工へ帰還して間もなく、後藤は姿を消した。
太田が次に会ったのは二週間後、自分達の処分を告げに来た時。
ほとんど反逆に近い形での出撃だったにも関わらず、訓告および減俸という、無罪にも等しい驚くほど軽いものだった。
別れ際、「今まですまなかったな。」と口にしたときの冷たい笑顔は、一生忘れることはないだろう。
「あの戦争で一番辛い役目を負ったのは、もしかしたら隊長なのかもしれないわね。」
「それでもきっと、戦う事を止めんでしょうな。警察官である限り。」
「私達を守る為?」
「突き放す為かもしれません。」
「勝とうと敗けようと、戦の終わりは心地が悪いわ。」
「同感です。」
壁にかけられた時計が、間もなく日付が変わろうとしていることを告げていた。
あまり長居するのも悪かろう、と立ち上がる。
「遅くまですみません。もうこんな時間だったんですね。」
「あら、帰るの?連休なんでしょう?」
「そりゃ自分は非番ですが、熊耳さんは・・・」
「生憎ですけど、一晩張り切ったくらいで潰れるほど柔じゃありませんのでご心配なく。」
「・・・・・・はり・・・?」
ニコリと笑う熊耳に、首筋が痒くなるような不思議な恐怖を感じた。
付き合い始めてから、太田は新たに知ったことがある。
それは、意外にも熊耳が性に対して非常にオープンだという事だった。
特にこういう、本人が乗り気のときはとことん突き合される羽目になる。
何とか逃げようにも、既に袖が捕らえられていた。
「あの、熊耳さん・・・?」
「何かしら、太田君?」
「せめて、先に湯を浴びてからでもよろしいでしょう、か。」
「そうね。じゃあ背中流してあげる。」
「・・・・・・それはどうも。」
逃げ場を失った太田は、背中を押されながらバスルームへと連行されていった。
184太田×熊耳:2008/12/10(水) 01:22:10 ID:xre6K04s
「着替え持ってくるから、先に入っててね。」
なかば諦めたように、言われるがまま風呂に浸かる。
程好い加減に沸かされた湯に包まれ、ひとつ大きく息を吐いた。
扉の先で、戻ってきた熊耳の影が動いている。
既に肌を重ねている関係ではあるが、何だか妙な恥かしさが湧いてきた。
「湯加減どう?」
「丁度良いです。すみません、お先に頂いてしまって。」
「いいわよ。私も今いくから。」
その言葉とほぼ同時に勢いよく扉が開き、熊耳が涼しい顔で入ってきた。
「・・・心臓に悪いですよ。」
「あら、ちゃんと断って入ったつもりだけど。」
「そういった事ではなくてですね・・・。」
「はいはい、ちょっとつめてくれる?」
一度ペースを握られると、そのままズルズルと流されてしまう。
これは経験の差なんだろうか?と、太田は自問した。
太田に寄りかかる様に身体を沈めてくる一瞬、脇腹のキズに目が止まる。
「その傷は、まだ消えないんですね。」
「これでもだいぶ薄れてきたのよ。痛みはないのが救いね。」
「・・・申し訳ありません。」
「こら。」
太田の顎に指を添え、自分の方へと向けさせる。
「そうやって、私の事になるとすぐに謝るのは悪い癖よ。」
「いや、しかし」
「しかしも何もありません。貴方に罪はないのだから謝らないで。」
「ですが。」
「この傷もね、辛いばかりじゃないのよ。」
「と、言いますと?」
「貴方の手が触れてくれる。」
太田の首から上が、紅く染まっていくのが分かる。
のぼせた事にでもしておきましょうか。と熊耳は笑った。
濡れて垂れ下がってきた太田の前髪を、指先で丁寧に掻き分ける。
「だいぶ伸びてきたわね。」
「散髪にいってる余裕がありませんでしたからね。帰りにでも切ろうかと。」
「太田君の髪を下ろしてる顔、色っぽくて好きなのよ。切っちゃうのは何だか勿体無い気がするわ。」
「そんな風に言われたのは初めてです。」
「じゃあ、今までの女性達に見る目がなかったのね。こんなに素敵なのに。」
「褒めてもらっても、何もあげられませんよ。」
「勝手に貰うから大丈夫よ。」
そういって身体の向きを変え、両手で太田の顔を押さえ込んだ。
あっという間に口唇を奪われ、キョトンとした顔で熊耳を見つめる。
「一本、かしら。」
「・・・・・・反則ギリギリだと思いますが・・・。」
「そんなに隙だらけじゃ、候補生達に笑われるわよ、教官。」
「こんな隙を突いてくるのは貴女くらいです。」
「じゃあ、次は正々堂々と。」
「堂々と。」
何だか子供みたいね、と二人で笑ってキスをした。
185太田×熊耳:2008/12/10(水) 01:26:43 ID:xre6K04s


「熊耳さん、お早うございます。」
気だるそうにモゾモゾ蠢いている熊耳に、着替えを終えた太田が声をかける。
熊耳はシーツを胸まで引き上げて、上半身だけ起き上がった。
「今、何時?」
「七時です。水、飲まれますか?」
「ええ、ありがとう。」
グラスを受け取り、少しだけ喉に流し込む。
その様子を心配そうに眺めている太田を不思議に思い、理由を問うた。
「どうしたの?」
「いえ、あの・・・、疲れていないかと思いまして。その、あまり眠る時間も取れなかったですから。」
「柔じゃないといったでしょう。いい汗掻いたおかげで良く眠れたわ。」
「そ、そうですか。」
昨夜の一件を思い出し、太田は気恥ずかしさから顔を背けた。
久しぶりという事もあり、熊耳の「覚悟なさい」という言葉から始まった情事は、
結局夜中の二時を過ぎた頃まで続けられた。
太田の首筋を確認し、熊耳は含んだ笑顔を向けた。
「見事に残ったわね、それ。」
「・・・カンベンして下さい。」
「私を甘やかした罰ね。隠せる場所なだけ感謝なさい。」
普段はよろしくない字名を付けられている太田も、熊耳に触れる時だけは慎重に、この上なく過敏になっていた。
傷つける事のない様、壊す事のない様、丁寧に、丁寧に。
優しく護られているという事を感じながら、それでもまだ彼にそこまで気を遣わせているのだと思うと、
熊耳は自分自身が許せなかった。

もう大丈夫なのに。もう過去の傷などとっくに癒えているのに。貴方のおかげで。

それを思い知らせるために、自分だけが分かる位置に噛み付いてやった。
唖然とする太田に「ザマーミロ。」と言い放った瞬間は思い出すだけで笑えてくる。
「本当に痛かったんですよ、これは。」
「ふふ、じゃあお詫びに良い物をあげるわ。」
そういってサイドボードから何かを取り出し、太田の飲みかけのグラスへと落とした。
186太田×熊耳:2008/12/10(水) 01:27:57 ID:xre6K04s
カチン、という金属音と共に沈んだそれは、小さなハートのキーチングが付けられた鍵だった。
「これは」
「そ、ここの鍵。うちの親さえも持っていないレア物よ。」
「良いんですか?」
「そのかわり、一度でもいいから使って。貴方の方から会いに来て。私はここで待っているから。だから必ず、ね。」
「・・・分かりました、必ず。」
グラスの水を飲み干し、舌で鍵を受け止める。
そのままそれをシャツの胸ポケットへと落とした。
「ありがとう、受け取ってくれて。」
「大切にします。初めてのプレゼントですから。」
「あら?いつもあげてるじゃない。」
「?」
「これ。」
両腕を首の後ろへと回し、軽く触れるだけのキスをした。
何ともいえない太田の顔をみて、クスクスと笑いかける。
「毎度毎度、よくもまあ同じ手に引っかかる事。」
「・・・自分の純粋さを褒めてあげたいですよ。」
「その言葉、篠原君達が聞いたらどんな顔をするかしらね。」
「笑わせときゃいいんです、あいつ等は。」
「じゃあ泉さんにでも伝えておくわ。あっという間に拡がるわよ、きっと。」
「本気ですか・・・?」
「ふふ、冗談よ。さ、朝食にしましょう。ホントに遅れちゃうわ。」
手早く着替えを済ませ、熊耳はキッチンへと向かった。
その背中を眺めながら、太田は自分の胸にそっと触れてみた。
そこには、確かに存在している小さなモノがひとつ。
「熊耳さん、ひとつお願いがあります。」
「何かしら。」
「これから、名前で呼んでもよろしいですか?」
「そういうお願いなら大歓迎よ。」

この鍵はきっと彼女からの警告だな。自分を捕らえるための。

柄にもなく、そんな事が頭に浮かんだ。

―了―
187名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 01:30:16 ID:xre6K04s
以上です。

シリアス物を書いたつもりが、途中からコメディに・・・
188名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 17:58:35 ID:Lj6W5lPY
>>187
投下乙。気が向いたら行為描写ありの続編もぜひ。
>途中からコメディに・・・
そうは思わない。合気道みたいだとは思ったが。

#食事シーン、太田のがっついてる?と本人が心配してた
#素敵な食いっぷりが、その後の意外な太田の熊耳へのガツガツ行為
#(熊耳はそれを余裕で受けてる)の暗喩?と思ってしまったw
#自分の性癖出るなこれw
189sage:2008/12/14(日) 23:42:54 ID:Uz4mRcGx
ずっとロムってたんだけど…
>>6様の後藤×熊耳に激しく感動して
ついラフラフなエロ熊耳を描いてしまった。
ヘタレ絵だけど、絵板にUPしてもオケ?
190名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 23:44:56 ID:Uz4mRcGx
緊張して↑間違えた…氏んできますorz
191名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 03:38:04 ID:b98DIvlH
絵板ってこのスレにあるゆうきまさみお絵かきbbs?
それならスパムまみれで機能してないから別のうpローダーで上げた方がいいかも。
192名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 04:04:49 ID:iNtgLYgT
>191
ご親切に有難うございます。
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/upload.cgi?mode=dl&file=8963
↑ココを使ってみました。
パスはkumagamiです。
193名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 04:44:49 ID:iNtgLYgT
調子に乗ってもう一枚描いてみた…
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/upload.cgi?mode=dl&file=8964
パスは上と同じで。

皆のイメージと違ってたらゴメン。
194名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 05:48:53 ID:ViRji8ov
>192
GJ!いいぞもっとやってくれ。
195名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 20:53:29 ID:Gc7xRdHW
やや、思わずお宝画像フォルダに保存してしまったじゃないですか。
エロ可愛いおタケさんをありがたう。
196192:2008/12/16(火) 03:05:42 ID:AFoRDCTd
>194
>195
有難うございます〜!
コメが嬉しかったので、またUPさせて頂きました。
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/upload.cgi?mode=dl&file=8972
パスは同じで。

熊耳さんは可愛いなぁvvv<ごめんなさい酔っ払ってます。
197名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 11:40:55 ID:V7lplF5M
隊長コンビ基本な私が…くぅぅ…
192ぐっじょぶ!と言わざるを得ない
ラフでもすごく上手いですねえ

気の向いたときにでもごとしのも是非…(ヒソヒソ
198192:2008/12/16(火) 17:20:55 ID:AFoRDCTd
>197
ホメラレター(;ω;)有難うございます!
ごとしのも大好きですよ〜vv
年末で少々仕事が立て込んでる為
年明け以降になるやも知れませんが必ず!!

あぁ…字描きさんの新作が待ち遠しいなぁ…
199192:2008/12/16(火) 19:53:23 ID:AFoRDCTd
…忙しいとか言いつつ熊耳ラクガキorz
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/upload.cgi?mode=dl&file=8979

スレ6の>126様の文章を見て勝手に描いた挿絵(>126様ゴメン
エロくも無いしサービスも無いのだけどUP
本当に自己満足なんで見ても面白く無いかも知れないヨ…

前にUPしたような幸せな熊耳さんに為る前の
悲しい身体の熊耳さんだよ
あぁ…もう独り祭りさんの後藤×熊耳大好きだ!!
許されるならシーンの一つ一つを描きたいヨ!!ハァハァ
あ、パスは皆同じヤツでヨロ
200名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 22:32:22 ID:EVtQMs+9
旧OVAを見ながら、太田×野明と後藤×野明の投下を
全裸でいつまでも待っていまつ
201名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 00:33:19 ID:qP68eLWC
熊耳スキーの降臨にオレ歓喜!
自分が熊耳ハァハァする為だけに描いた太田熊耳。
ttp://night.kamaitachi.info/src/NKfile0299.jpg
202名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 13:15:50 ID:9MFwZnxq
何だこの素晴らしい流れは…。
203名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 20:35:35 ID:i/KbyfJF
192お仕事がんばってー ごとしのも待ってるよ!
201もGJ!
楽しいなぁ…
204192:2008/12/17(水) 20:53:55 ID:RimBhM1b
>201
GJ!GJ!!ハァハァ!!!
>203
頑張るお!!有難うございます〜!

…で、他スレで野明の誕生日だと気付いて
急いで御祝い描いてみた。
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/upload.cgi?mode=dl&file=8980
ホントに毎度ラフでゴメン…orz
あっパスは同じでヨロ!
205名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 23:22:34 ID:uaWhvwpx
>>204
野明可愛い
誰にひんむかれて裸なのか気になったw
206192:2008/12/18(木) 04:16:32 ID:Ss0EyWk5
>205
やっぱ遊馬に剥かれて欲しいw

>197
明日から自宅に居ないのでその前にごとしの投下
…正月過ぎまで我慢出来なかったよハァハァ
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/upload.cgi?mode=dl&file=8984

…しのぶさんは好き過ぎて難しいわorz
イメージ違ってたらメンゴ
後藤さんは練習してからじゃ無きゃ描けないと思
207名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 05:03:35 ID:/ND6ZjEr
ひそかに太田熊耳のドマイナーに萌えている自分がやってきましたよ。
何このお祭り騒ぎは・・・

いいぞもっとやれーww
208192:2008/12/18(木) 06:19:55 ID:Ss0EyWk5
ココで空気を読まずに香貫花ラクガキ投下ですよ
…こりゃ似てないわwwwメンゴ
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/upload.cgi?mode=dl&file=8985
今更になってアニメ版を見始めたよ
…仕事が手に付かないったら!!ハァハァ
209197(興奮中):2008/12/18(木) 06:41:28 ID:KCALN9ki
めずらしく早起きしてみたらちょっとナニコレww
192朝っぱらからサイコー!
後ろから制服を脱がしつつ…というシチュがすごく後藤さんぽくてよいよ
しのぶさんのでか過ぎない乳サイズもリアルで結構
後ろめたさも感じてるような切ない表情がよく似合う

ついでに言えば香貫花も好きなんだ…彼女って着やせするタイプらしいからねえw
仕事が手につかない所を更に煽るようで申し訳ないけど…

いいぞもっとやれーwww
210192:2008/12/18(木) 07:44:10 ID:Ss0EyWk5
ね…眠いヨ(´;ω;`)でも今寝たら飛行機に乗れないヨ
そんなこんなでラクガキーしかも非エロ後藤×熊耳
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/upload.cgi?mode=dl&file=8986
後藤さん家で後藤さんのお仕事が終わるのを待ってたらつい寝ちゃった熊耳さん
その熊耳さんを起こしたくなくてじっと見てる後藤さん…てカンジ
…後藤さん若杉orz
211192:2008/12/18(木) 07:47:43 ID:Ss0EyWk5
>197
いやもう時間が出来たら一日中UPし続けたいヨ!!<ウゼェwww

もしかして何枚か纏めてからUPした方が良いのかな?
一枚づつ何度もUPしてたらやっぱウザーかな?教えてエロい人
212名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 08:27:59 ID:4TR+KJta
>>211
自分は全然うざくない、むしろもっとやれwwwwwwww

いや、でも仕事の邪魔にならない程度にしといてくれよ
213名無しさん@ピンキー:2008/12/20(土) 22:16:59 ID:ij1yNCfE
エロい人なので答えます。もうお好きなようにUPしてください。いや眼福眼福。
214192:2008/12/24(水) 23:03:30 ID:AfSLBBEy
クリスマス野明←野明ムズイよorz
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/upload.cgi?mode=dl&file=9008
毎度ラフラフでつヨ面目無いっつーかクリスマスって中止なの?
215名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 23:32:50 ID:HbCNJjj6
むしろプレゼントは使わずに生でサンタさんを使う方向で! 
そして残念ながらクリスマスは中止です。ええ中止ですともさ。
216197:2008/12/25(木) 03:44:59 ID:GWalcMR6
>>192もどってきたーー
実はお帰りをすごく楽しみに待っておりましたw
ラフラフはすでに192の手法だと認識してるのでwむしろこの方向を保ってください

野明ってサンタ帽とかモコモコほわほわしたものが似合うよねえ
トナカイの角と鼻(だけ)着けた遊馬が鼻息荒くしている絵が浮かんだよ
217192:2008/12/26(金) 07:10:09 ID:D6o4g/cV
>215
ゴムなんて飾りですよ偉い人にh
>216
ただいまーwww(・ω・)ノ
いやもう感想とか凄く嬉しいですー!
今後もちまちまUPさせて頂きますヨ〜

後藤?×野明
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/upload.cgi?mode=dl&file=9015
隊長の出番は手だけだからセリフを替えれば遊馬×野明にも出来るよw
218192:2008/12/27(土) 19:06:39 ID:kN6/k7OF
エロく無くて申し訳無いけれど個人的な萌えをUP
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/upload.cgi?mode=dl&file=9022
…髪の毛下ろした後藤さんにキュンキュンする二課の女性陣が目に浮びます←変態
南雲さんも気になって仕事が手に付かないんじゃ無いかとハァハァ
219名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 00:23:28 ID:GF9upPRx
>218
その発想は無かった。マジGJ。

そー言えば去年辺りから太田×野明を全裸で待ってる奴がいなかったか?
外殻は出来たんだ。あと少しで完成するからもう少し待っていろ。
220名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 01:32:39 ID:pp1ScbHU
えーと、皆様のテキストやイラストの作品に刺激されて、
思わず書いてしまいました、隊長コンビもの。
が、このお二人を書くのはなんせ初めてなので、加減がわからず…。
えらく長いものになってしまい申し訳ないのですが、お目汚し程度に。
いちお、お二人が「仲良く」なってからの話だということでよろしくです。

---------------
後藤が撃たれた――。
その一報を聞いて、しのぶは病院に走った。
足元にぽっかりと穴が開いて、奈落の底に引き込まれるような恐怖。
二度と恋人の姿を見る事が出来なくなるかもしれない。
とにもかくにも、あの人の元へ。
違反速度すれすれで車を飛ばした。

…にもかかわらず、病室でしのぶを出迎えたのは、能天気な後藤の笑顔だった。
「あ、しのぶさん?来てくれたんだ〜。心配した?心配した?それにしても早かったねぇ。
そっちに連絡いったの、20分くらい前じゃない?」
詳しい情報は確認していなかった。
しかし、思い描いていた「瀕死の重傷」とはほど遠く、それどころか軽口さえたたく余裕のある
後藤の姿を確認したとたん、ほっとすると同時に言いようのない怒りがふつふつと湧いて来た。
「たいちょー、飲み物買ってきましたー」
「おー、泉、ご苦労さん。他のやつらにも1本ずつな。とりあえずの引き継ぎはここで南雲隊長としとくから、
これ飲んだらお前ら全員埋め立て地に戻れ」
「了解です。…ところでたいちょー、これ、お釣りです」
「ん?まぁ駄賃にとっとけ。しまうだけ面倒だからなぁ」
「そうですか?じゃ、隊の『おやつ貯金』に貯金しときます!」
「おう。今度はなんか、酒のつまみになりそうなものも購入してくれや」
さらに呑気な彼の部下とのやり取りを聞くにつけ、しのぶの怒りは沸点に達した。
「…後藤さん、これは一体どういうことなのかしら?」
敬礼して出て行く部下を見送り、ベッドの上で缶コーヒーのプルタブを上げていた後藤は
「ん?」という顔でしのぶを見上げた。
「どういうって…。『おやつ貯金』のこと?あいつら食べ盛りだからさぁ。食料事情も良くないことだし、
少し多めに見てやってよ。あと、ごめんね。こんなに早く来ると思わなかったから、
しのぶさんの分は数に入れてなかったんだよ、コーヒー」
「そうじゃないでしょ、そうじゃ!」
ベッド脇に仁王立ちになり、肩をふるわせるしのぶを、後藤は不思議そうに眺めている。
「んーと、じゃあどういう…」
「撃たれたって聞いたからすごく心配したのに!なんなのよこの体たらくは。
何でそんなに元気なの?信じられない!」
一気にまくしたてた。
ぽかんとした顔で一方的に怒鳴られていた後藤は、しかしその瞬間、にやりと相好をくずした。
「しのぶさん、そんなに心配してくれたんだ」
「バ…」
後藤のあまりのお気楽ぶりに、しのぶは全身から力が抜けていくのを感じた。
221ごとしの(220続き):2008/12/30(火) 01:37:34 ID:pp1ScbHU
とはいえいくら元気そうに見えても、撃たれたことは事実なのだ。
後藤の説明によるとこうだ。
「左腕のところをちょっとね。暴れてたレイバーは泉たちが押さえたんだけどさ、
操縦者が予想以上の早い動きで脱出してきてね、勢いで持っていた拳銃をバーンと。
やっこさん、組のチンピラだったんだ。それが運悪く指揮車の横にいた俺の左腕に命中。
こっちはほんとにかすり傷だったんだけどね、それを見て頭に血が上った太田がもう
鬼のように怒り狂って犯人を取り押さえるものだから…。
あっちの方が重傷なんじゃないかな?ホント気の毒だよ」
確かにそうかもしれない。
しのぶは、今頃目の前の男と同じように病院に搬送されているであろう犯人の回復を祈りつつ、
簡単に職務の引き継ぎを済ませた。
「それじゃ、私そろそろ。退院はいつ?」
「明日にでも帰れるみたい。でも午前中は本庁で、その後は休むように課長から言われたよ。
申し訳ないけど、1日お願いするね」
「大丈夫よ、任せといて。安心して養生してください」
「しのぶさん、俺がいなくて寂しいからって泣いちゃだめだよ?」
「…泣きません」

埋め立て地に戻ると、しのぶは同僚の分もがむしゃらに働き、そして翌日、大方の処理が落ち着いたのを
見計らったかのようなタイミングで駆けつけた課長に職務の引き継ぎを済ませると退勤時間を迎えた。
「どの程度しおらしくなってるか、見物しに来たの」
見舞いの「言い訳」を考えながら車のエンジンキーを回した。
しのぶは後藤の部屋に車を走らせた。
222ごとしの(220続き):2008/12/30(火) 01:41:14 ID:pp1ScbHU
後藤の部屋の合鍵は随分前に渡されていたが、ほとんど使ったことがない。
しかし今夜は鎮痛剤でも服用し眠っているかもしれない恋人のために、
しのぶは合鍵をそっと扉に差し込んだ。
「お邪魔します…」
廊下の奥からは、野球試合の経過を伝えるテレビの音と部屋の灯。
とりあえず起きてはいるようだ。
「後藤さん?」
部屋の方に向かってそっと呼びかけてみるが、返事はない。
「寝ちゃった…?」
抜き足差し足…で廊下を進んだ。
すると突然、横手から現れた大きな影に進行方向を阻まれた。
「きゃ!」
「って、えぇ?しのぶさん?」
風呂にでも入っていたらしい。
目の前に現れたのは、スウェットの下だけを身につけ上半身は裸という姿の後藤だった。
石けんとシャンプーのいい香りを漂わせ、前髪には雫がしたたっている。
左腕にぴっちりと巻かれた包帯は痛々しいが、どこか艶っぽくもある。
そんな姿の恋人と心の準備もなく遭遇したしのぶは、顔にかぁっと血が上るのを感じた。
「ご、ごめんなさい。寝てるかもと思って合鍵で入ったんだけど…。でも、何で上半身裸なのよ、
ちゃんと何か着なさいよ!」
「ごめんごめん。風呂上がりでさ。
左腕はとりあえず防水して、右腕だけで入ってたんだけど30分以上かかっちゃった。
でも、頑張った甲斐があったよ。こんなところにしのぶさん落ちてて嬉しいなぁ、っと。
合鍵使ってくれたんだね?」
後藤は、風呂上がりで上気し、まだ水気の残る肌でしのぶを抱き寄せた。
普段のぼんやりした雰囲気からは想像できない、鍛え上げられた上半身に包み込まれ、否応なく心拍数が上がる。
石けんのほのかな香りが、男の肌から立ち上る。
「ごめん、今右手しか使えないからさ…」
片手で抱きしめられ、裸の胸から力強い心音を聞いていると、後藤の命が無事で本当によかったと思った。
「後藤さん、昨日は怒ったりしてごめんなさい。無事でよかったわ」
「しのぶさん…俺も、あんなに血相変えて駆けつけてくれてうれしかった」
お互いの存在を確かめ合うかのように、そっと唇を重ねた。
223ごとしの(220続き):2008/12/30(火) 01:46:32 ID:pp1ScbHU
最初は軽くお互いをなぞるだけだった唇の動きが、やがて大胆になってゆく。
外側だけでは足りない…その内側までもと舌を差し入れ合って、口腔内を探り合う。
「んっ…」
思わず溜息が漏れてしまった。
それに刺激されたのか、後藤の右手はしのぶの背中から腰に降りてゆく。
フレアスカートのホックに手がかかる。
腰骨をかすめる後藤の手の感触に、しのぶは甘い声を出しそうになって寸前でこらえた。
「後藤さん、こんなところで…」
半ば泣き声で、相手の非礼を糾弾する。
いくら恋人とはいえ、出会い頭のような場所でお互いを求め合う。
しのぶには、考えられない背徳的な行為のような気がした。
「こんなところじゃいや?」
後藤が耳元で問う。
相変わらず右手をしのぶの腰のあたりで上下させ、うなじに顔を埋めながら。
「だって後藤さん、ここ廊下だしお風呂上がりの身体冷えるし…」
いたって常識的なしのぶの反論は、しかしもはや入浴で得た以上の熱をもてあましている男には通用しない。
「それじゃ、ちゃんとしたトコだったらいいんだよね」
いうが早いか、後藤はにいっ、と悪戯な笑みを浮かべたかと思えばケガをしているはずの左手も使い、
しのぶを横抱きに抱えた。
「え?後藤さん?腕…」
「しのぶさん、いま自分がどんな顔してるか知ってる?男を誘う顔だよ」
腕の中に抱き止められながら、囁かれた。
「どうやったって逃がさない。撃たれた傷なんて忘れたね」
224220:2008/12/30(火) 01:51:12 ID:pp1ScbHU
あんまり一気にたくさん上げすぎるのも申し訳ないような気がするので、
今日はとりあえずこの辺で…。
また、お邪魔でなければ明日にでも続き投下しに来ます。
225名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 03:01:37 ID:0oAelPb8
>220
ごとしのキター!!ハァハァGJ!
しのぶさん超カワエエ〜!!!…あと半裸の後藤さんに激モエス<変態
邪魔どころか全裸で正座しつつ続きを待ってますヨ!!
あぁぁもう嬉しい〜www
226ごとしの(220続き):2008/12/30(火) 23:31:23 ID:pp1ScbHU
どもです。>>220です。
>>225さま、もったいないお言葉をありがとうございます…。
調子に乗って、続き投下です。
よろしければ、どうぞ。

---------------
居間まで運ばれたしのぶは、敷きっぱなしになっていた布団の上におろされた。
「そんな…後藤さん、ダメよ」
「まだいけない?ちゃんとしたとこだよ。ホラ、布団の上だし」
「そうじゃ…」
「しのぶさんのわがまま」
右腕だけでしのぶを押さえつけ、半ば強引に唇を奪う。
しのぶは片腕しか使えない相手に対し両手で抵抗を試みるが、
憎らしいほどその腕はピクリともしない。
「しのぶさん、抵抗してるつもり?腕に力が全然入ってないよ」
少しも息を乱さず顔を上げた男が、しのぶをニヤリと上から見下ろす。
「そんなこと、ない」
「息、上がってるね。とても色っぽい」
「…バカ」
後藤はしのぶの顔をまっすぐ自分の方に向け直すと、改めて静かに唇を落とした。
しばらく味わうと唇を離し、しのぶの瞳を上から覗き込んで、またキスを落とす。
静謐な、けれども熱い欲望をその内側に秘めた口づけ。
そんな口づけをただ受け続けることに限界を感じたしのぶは、気がつくと両手を後藤の背中に回していた。
しかし後藤はもっととねだるようなしのぶの要求をかわし、しのぶが着るシャツの胸元へ唇を落としてゆく。
品のいい、真っ白なボウタイ・シャツだ。
きっちりと結ばれたタイの先に到達し、後藤はしのぶを見上げる。
そしてしのぶが自分を見つめていることを確認すると、ゆっくりと口でその端を引っ張った。
「あ…」
さらに男はタイをほどき終えると、そのまま口でボタンをはずしにかかった。
本来なら手ではずすものを口で――どこかタブーを犯しているように感じさせる動物的な後藤の行為は、
しのぶの鼓動を徐々に高めていった。
「はぁっ…後藤さん!」
「まだ何にもしてないでしょ、しのぶさん。でも、よく見てて。目をそらすのはナシ」
後藤は並んだボタンを器用にすべてはずし終えると、やはり唇でシャツの身ごろを右と左にわけていく。
227ごとしの(220続き):2008/12/30(火) 23:33:34 ID:pp1ScbHU
最初は裾の方を、それから襟の方へ…。
少しずつあらわになってゆく胸元。
故意に羞恥の時間を長引かせられていることに気づき、しのぶはさらに呼吸を深くした。
男はゆっくりと時間をかけて恋人の上半身をあらわにしていく。
無精髭がしのぶの敏感な素肌を甘くさいなみ、刺激が身体を踊らせる。
「や、んっ…!」
恋人の美しい痴態に目を細めた後藤は、胸を覆う最後の布地に唇を寄せた。
そして軽くその上から両方の頂点にキスを落とすと、今度はなだらかな曲線の下に潜り込み、
カップを支えるワイヤーに歯をかける。
挑戦的な男の視線が、しのぶを射すくめるように再度見上げる。
肌に触れさえせずに、この男はどこまで自分を追い上げるつもりなのか…。
空恐ろしい気持ちで胸の谷間に潜伏する男を見下ろすと、後藤は視線を合わせたまま
一気に口にくわえたものを上にずらし上げた。
「いやッ…!」
突然、外の空気に触れた乳房。
急に何も隠すものがなくなった不安感に、思わず後藤の頭を抱きしめる。
すると男はそれをいいことに、双丘の谷間に透ける骨を一気になめ上げた。
薄い皮膚を通して、骨にダイレクトに伝わる男の愛撫。
虚をつかれた攻撃に思わず腕を緩めてしまうと、ここぞとばかりに男はいましめから抜け出して体勢を整え直し、
右手で身体を支えながらしのぶを覗き込んだ。
「ケガ人相手に何てことするの、しのぶさん」
顔には、ニヤリと人の悪い笑み。
「ケガ人なら、ケガ人らしくしてなさいよ」
荒い息を押さえながら、何とか強がりを言ってみる。
しかし、そんな虚勢はこの男にはどこ吹く風だ。
「だから、今日は手を使わずにここまで来たでしょ。十分ケガ人らしい振る舞いだと思うけどなぁ」
そして目の前に行儀よく並ぶ二つの赤いつぼみに、口を寄せる。
「はぁっ…」
「弱ったケガ人に脱がされただけなのに、ホラもうこんなに固くなっちゃってるのはどういうこと?」
敏感になりすぎたそのつぼみは、すでに与えられる快楽を十分に味わい尽くす準備ができている。
228ごとしの(220続き):2008/12/30(火) 23:36:45 ID:pp1ScbHU
後藤は、右の突起の頂きにそっと舌を伸ばした。
触れるか触れないかのタッチで頂きを何度か行き来する。
それだけで、しのぶの喉からは面白いように歓喜の声が絞り出される。
「はぁっ、いや、そんな…。片方、だけなんて…ッあ…」
「あらあら、積極的だね。さっきはあんなにいやがってたのに。でも俺ケガ人だから、片方ずつね」
「ふっン…早くしてェ…っ!」
「何を?何が早く欲しいの、しのぶさん」
「だから…早く両方ッ」
「んー、わかんないなぁ。ちゃんと言ってみて?」
後藤は、さらに右の突起以外には触れず、しかも微妙なタッチの愛撫を繰り返した。
「ンっ…もうダメ!後藤さん、左のおっぱいも触ってぇっ…」
「よく出来ました」
そう言うやいなや、後藤は右の頂きに口戯を与えながら動く右手でしのぶの左の頂を思い切りつまみ上げた。
「あぁっ!」
予想以上の強い圧力に、しのぶの背中が大きく弓なりに反り返る。
喉からは、絞り出すような声が放たれる。
「いいね、しのぶさん。気持ち良さそうだ。でも、これだけじゃないでしょ、
しのぶさんが欲しいのは」

この男は、いつも欲しいものをすぐにはくれない。
それはこの男が第二小隊にやって来た頃からずっと、だ。
「欲しい?」とたずねるクセに、こちらが本当に欲するものを与える気はハナからないのだ。
いや、与えるつもりがない時にこそ、この男は「欲しい?」とこちらの意志を確認し、
わざわざ引き出した欲求をはねつける。
229ごとしの(220続き):2008/12/30(火) 23:40:04 ID:pp1ScbHU
「っく、意地悪…!」
男の無骨でいて、けれども快楽をつむぐために的確な動きを見せる手と指は、
そんな甘やかなののしりの言葉に微塵たりとも動揺しない。
「それは褒め言葉だね。もっと乱れたい、って素直に言いなよ」
唇が、徐々に下腹の方へとおりてゆく。
その道々には、時に強くアクセントをつける口づけを残しながら。
しかし肝心なそこ、今一番後藤を欲している部分にはわざとふれず、
そのまま右足、左足と順番になめ上げて行く。
それが終われば片手で裏返され、また上から下へ…。
くまなく全身に降り注ぐ口撫に、しのぶはますます追いつめられていった。
もはや身体の感覚がひとつになって解けてゆき、
自分がただ快楽の固まりになってしまったような錯覚さえ覚えた。
「後藤さん、後藤さん…」
泣くような声で、恋人の名前を繰り返すことしかできない。
ところどころで施される強いキスだけが後藤の所在を教えてくれるが、
もうそれが自分の身体のどの場所なのかも認識できなかった。
けれどもそのなかで、一点だけ強烈に疼きを訴える場所がある。
それは直接触れられていないにもかかわらず、いや、触れられていないからこそ
ほかのどの身体の器官よりも高い熱をはらむ場所。
「早く、触ってッ…!」
自分の身体のどこにいるのか分からない恋人に向かって、
しのぶは両手を差し出した。
しかし、その両手はやさしく束ねられ、軽くキスが落とされるだけ。
「だから、きちんと言わないとおあずけなんだってば」
この男は…!

気がつくと、その男の上に馬乗りになっていた。
見下ろされた男はこの状況を面白がっているようで、
けれども思った以上に「何か」を欲している切ない目をしていた。
「…形勢逆転ね」
「勇ましいね。惚れ直したよ」
自分が与えられた地獄のように甘いもどかしさを、この男にも与えてやる。
満たされないうずきを抱えたまま、しのぶは外れかけていたブラジャーを自分で外した。
「うわー、しのぶさんのストリップだ〜」
「お黙りなさい」
腰の下で一人喜ぶ男に一瞥をくれ、さきほど施されたのと同じ愛撫を後藤に落としていく。
「しのぶさんの…すけべ。えっち」
「あなたがしたことでしょう?反省なさいな」
胸の頂から、たくましい腹筋を通って足の方へ。
邪魔なスウェットは、下着と一緒に一気に奪い取る。
後藤の中心はすでに熱を帯びていたが、もちろん、それは見て見ぬ振りを…。
右を下にした横臥の姿勢を取らせると、しなやかな張りを見せる背筋を足の付け根から上へとたどる。
やがて、目の前に左腕の包帯の白さが飛び込んで来た。
少し、仕返しの気持ちが下降線をたどる。
230ごとしの(220続き):2008/12/30(火) 23:43:07 ID:pp1ScbHU
「…大丈夫?」
寄り添うように後ろからそっと抱きしめ、包帯に頬を寄せてみる。
その手の甲に、後藤も頬を寄せる。
「んー、傷自体の深さはそうでもないよ、このくらいなら。
昔はもっとひどいケガをすることもあったからねぇ」
そう、後藤は昔、公安に所属していた。
本庁にいた者なら「カミソリ後藤」という通り名を一度は聞いたはずだ。
「切れすぎる」仕事ぶりに対する賞賛以上に、ある種のやっかみや畏怖を込めて…。
「でも、撃たれたときは本当に怖かった。しのぶさんに、もう会えないんじゃないかと思って」
「…バカね」
いつもの、後藤お得意の冗談かもしれなかった。
けれど冗談にしろそんな言葉を口に上らせる恋人が、今はただ、素直に愛おしい。
後藤の頬に触れていた右手をそのまま下にスライドし、後藤の固まりに差し伸ばす。
「あっ…、しのぶさん?」
「ごめんなさい、あれこれじらしてイジワルするつもりだったんだけど、
私の方が我慢できそうにないの」
「…可愛いねェ」
首だけひねって肩越しにうそぶく恋人の目は、限りなくやさしい。
けれどその眼差しにはわざと気づかないフリをして、言ってなさい、
と口の中で小さくつぶやくと、右手の動きに集中する。
手の中には、確実に熱を帯び起立していくモノ。
手のひらと指全体を使って、最初はゆるやかに上下させていく。
やがてにじみ出る液を指先にまぶすと、親指と人さし指、
中指を使って最も敏感な先端を少し強めに擦り立てていく。
男の表情は読めないが、徐々に浅く、速くなっている呼吸によって、
着実に快楽の高みへ上りつつあることが伺い知れた。
「…声、出してもいいのよ?」
「っく、何の声?出させてみる?」
強情な恋人の態度に持ち前の負けず嫌いな性格が刺激され、しのぶは再び男を仰向けに転がすと、
足元にうずくまった。
「哭いちゃえばいいんだわ」
そう言い放って、しのぶは男の固まりを口に含んだ。
231ごとしの(220続き):2008/12/30(火) 23:45:43 ID:pp1ScbHU
頭上から、ねめつけるような視線を感じる。
注視されていることをたっぷり意識しながら舌先を使って根元から先端までをなめ上げ、
最後は口全体を使って吸い上げた。
「ふぅっ…そんなこと…!」
男の声が聞こえたが、まだだ。
無視して動作を何回か繰り返していると、やがて男の腰が突き上げるように動き出した。
「はぁっ、しのぶさん、そろそろヤバいよ、俺」
徐々に、男の声が追いつめられていく。
しかししのぶは、その警告を無視して攻めることをやめない。
「しのぶさん…ッ!」
とうとう男は、恋人の頭を強く押さえつけながらその口腔中に欲望を吐き出した。
口のなか一杯に苦い味が広がったが、今のしのぶにとってそれは勝利の味でしかなかった。
肩で息をしながらこちらを見つめる男に向かって、思わずニヤリと笑いかける。
目を合わせたまま男の腰の上にまたがり、胸の上に両手をつく。
そしてゴクリとのどを鳴らして液体を飲み込み、
口の端からこぼれおちた一筋も舌で追いかけて体内に収めた。

男の目の光が剣呑なものに変わった。
「おいたはいけないってば…」
右手をしのぶの秘所に差し入れ、いきなりその花芽を強くつまむ。
「イヤッ!」
待ち望んだものよりもはるかに強い刺激が与えられ、しのぶの腰が大きくバウンドする。
「俺、片手だからさ。しのぶさん、もっと大きく足広げて?それで、膝、自分で固定して?」
後藤の声が、遠くに聞こえる。
さんざんじらし続けられ、理性が官能を制し切れない。
言われるままの姿勢を取る。
恥ずかしさと、自虐的な快楽とが交錯する。
くちゅり、と足の間から、新しい蜜があふれるのを自覚した。
「いい眺め」
表面をなぜるだけだった中指が、つぷり、と差し入れられた。
232ごとしの(220続き):2008/12/30(火) 23:47:49 ID:pp1ScbHU
「ああぁッ!」
やっと与えられた内部への刺激。
しかしそれは、充足感を得るにはあまりにも乏しいもの。
「すごいね、しのぶさん。中、動いてる」
男の声が、かすれる。
そして何の前触れもなく人さし指が増やされ、それらが複雑な動きをはじめる。
「いや、中がヘンになりそう…!」
「じゃ、抜く?」
「ん…イヤぁ」
「じゃ、このまま?」
「イヤ、それも…ッ!」
ワガママなお姫様だなぁ、と苦笑いした後藤は、指をそのままにして親指で花芯への刺激を加える。
「とりあえず、イってみる?」
「…っ!」
下半身から脳天に突き上げる強烈な快楽に、しのぶはあえなく頂点に達した。

身体の上でぐったりと倒れ込んだしのぶを、後藤はよいしょ、と布団に横たえ、
その顔を覗き込んだ。
「気分はどう?しのぶさん」
「…良くは、ないわ」
上気した声で、息も絶え絶えに答える。
「あー、冗談でもそんなこと言われたら、オジサン自信なくすなぁ」
「…バカ」
お互いに余裕があるフリ。
でもそんなやり取りのなかで、お互いの瞳のなかには強い欲望を確認している。
「ふふ…でもさ、しのぶさん。ほんとは俺、もう限界」
男が、しのぶを片腕で抱きしめながら耳元に告げる。
「…私も」
233ごとしの(220続き):2008/12/30(火) 23:51:30 ID:pp1ScbHU
しのぶが男の背中に腕を回しながら答えると同時に、しのぶの中を熱い衝撃が貫いた。
あまりの圧迫感に声が押しつぶされる。
一気に解き放たれた男の欲望は、ただひたすらしのぶの奥を突き上げる。
「いやッ…後藤さん、深い…っ!」
しかし後藤は、やっと絞り出されたしのぶの悲鳴など聞こえないかのように
貪欲に自身を送り続ける。
いつもならさまざまな変化をつけて貫く後藤だけに、
情熱に流されたようにただ欲望を打ち込み続ける行為はしのぶを動揺させた。
そして後藤と初めて体験する激しい波に、あっという間にさらわれた。
荒々しく、一気に高みまで持ち上げられてしまう官能。
「っく、ハァっ…もう…もう…!」
「っは…しのぶさん、そんなに、締めつけたら…!」
力強い絶頂感がしのぶの身体を突き抜ける。
男もしのぶの熱い壁に包み込まれながら達し、自身を抜き出すとしのぶの胸元に欲望を開放した。

「ごめん、今日は俺、どうかしてた」
事後の片付けを済ませ、しのぶを自分の上に抱き上げた後藤は、少しすまなさそうに言った。
「そうね、いつになく情熱的だったかしら」
気だるい身体を恋人に任せながら、しのぶはさきほどの情事を思い返す。
まるで、何の打算もないようなセックス。
いつもは避妊具もしっかりと準備するのに、その余裕すらどちらにもなかった。
そんなことは、身体を重ねるようになってから初めてだった。
「途中まではさ、結構余裕あったんだけど…。しのぶさんがいつも以上にヤラしいからさ。
なんか俺、中学生みたいにサカっちゃったよ」
「うふふ…。でも、そんな後藤さんも可愛らしかったわよ、何だか」
「えーと、女の人から可愛らしいなんていわれたの、初めてだよ。喜んでいいのかなぁ」
「いいんじゃないの?多分」
とりとめのない会話。
でも、お互い今夜は「後藤のケガ」という状況に突き動かされてエスカレートしまったのだ
ということをよく分かっている。
なぜなら共に仕事をしているのは普通のオフィスではなく、
常に「不測の事態」と隣り合わせの現場。
もしも…そう、「もしも」がいつでも起こりうる現実が、
当たり前の顔をしてその辺に潜んでいるのだから。
234ごとしの(220続き):2008/12/30(火) 23:55:59 ID:pp1ScbHU
「しのぶさん、カゼひいちゃうよ」
後藤が手を伸ばして自分のTシャツをつかみ、しのぶに着せかけようとする。
しのぶは、その手を留めてもう一度、後藤の裸の胸に頬を寄せた。
出来るだけ長く、決して失いたくない人と直接肌を触れ合わせていたかった。
「後藤さん、ごめんなさい。あともう少しだけ、こうしていていいかしら…」
しのぶの他愛ないワガママの奥に潜むものを察したのか、後藤はわずかに目を伏せ、
持ち上げかけたTシャツを再び畳に降ろした。
「うん、そうだね…。しばらくこうしてよう」
ゆっくりと、動く右腕をしのぶに回す。
しのぶは深く息をつくと自分を包み込む温もりを背中に感じながら、
まだ熱を持っている男の左腕にそっと触れた。
---------------

以上です。
ほんと、長くなってしまい申し訳ないです…。
おつきあい頂いた方がいらしたら、ありがとうございました。

それではみなさま、どうぞよいお年を。
235名無しさん@ピンキー:2008/12/31(水) 01:37:20 ID:zvqPUbLX
>220
エロいしのぶさんをありがとう〜!
コレで服を来て新年が迎えられますw
是非ゼヒ今後とも頑張って下さい〜<懇願
236 【ぴょん吉】 【175円】 :2009/01/01(木) 02:18:01 ID:mxpSINAr
あけおめことよろ
今年も良いエロにめぐりあえますように…
237192:2009/01/05(月) 02:17:24 ID:5Y5EU9mg
本年も宜しくです〜

後藤×熊耳…やっぱ後藤さんが難しいヨorz
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/upload.cgi?mode=dl&file=9055
パト単行本は実家に置きっ放しなんで文庫版大人買いしました
漫画版はやっぱ後藤×熊耳だなハァハァ
238192:2009/01/06(火) 15:25:56 ID:7vLipRid
…過疎ってきた?;;;

エロく無くて申し訳無いけど自分用萌えの為の熊耳と後藤。
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/src/up9070.jpg_0QTSoRsX9v3hycvIQjv8/up9070.jpg
熊耳さんに告白されたら流石の後藤さんだってビックリすると思うんだ
普段冷静な二人の冷静じゃ無い感じとかを妄想して死ぬ程萌えてます
239192:2009/01/06(火) 17:13:11 ID:7vLipRid
二人の軽井沢を見たんで俺萌え妄想UP

ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/upload.cgi?mode=dl&file=9071
運転のお礼に背中を流しに来たしのぶさんを妄想してみた
んでも背中を流しただけで終わるんだこの二人はきっとwww
240192:2009/01/06(火) 17:33:29 ID:7vLipRid
太田×熊耳<非エロ
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/upload.cgi?mode=dl&file=9072
お疲れ様のチューって事で
241192:2009/01/06(火) 19:19:13 ID:7vLipRid
後藤×熊耳<エロ
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/upload.cgi?mode=dl&file=9073

エロ絵を描いて無いのを反省してみた
…後藤さんは当然テクニシャン設定です
242名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 00:33:13 ID:afkjC1eq
むう、帰省から戻ってみれば続々とー!
エロも非エロもどっちもいいです。可愛いよ熊耳さん。
243名無しさん@ピンキー:2009/01/08(木) 10:31:19 ID:6TAmZazr
素晴らしい。俺もSS早いところ完成させないとなぁ…。
244名無しさん@ピンキー:2009/01/08(木) 14:45:48 ID:zdze0zJs
192です
熊耳さん好きが居て嬉しいですおw
>243
SS超楽しみにしてます!!ハァハァ!
文章書ける人って凄いなぁ〜!
245192:2009/01/11(日) 00:06:25 ID:uetSw+/P
後藤×熊耳<非エロしかも続く予定は無いヨ
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/upload.cgi?mode=dl&file=9084
俺のごとくまの礎は>>6の神SSなのでその雰囲気で<勝手にゴメンよ>>6;;

…きっと熊耳さんは復帰前に後藤さん宅に挨拶に来ると思うんだ!
でも何となく電話し辛くて突然行っちゃって、留守で帰ろうとした所に
ジョギング帰りの後藤さんと鉢合わせしちゃって結局家に上がっちゃう妄想コンテ

…んで男の汗の匂いでリチャードを思い出しちゃったりして
思わずフラっと後ろから抱きついちゃったりして泣いちゃったりしてハァハァ
そんな不安定な熊耳さんを後藤さんは全部受け入れてくれるんだきっと!
246名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 00:52:10 ID:74Wi19ld
流れ読まずにごとしの投下

ttp://arakawa.mydns.jp/uploaders/yuukimasami/src/yuukimasami0046.jpg

不思議な組体操になっててスマソ
247名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 01:18:32 ID:uetSw+/P
>246
なんだ、ただのネ申か

…ってGJ!!しのぶさんエロ過ぎてGJ!!!
何このクオリティwww超凄いんだけどwww
248名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 02:11:01 ID:hF4QSxd4
>>246
GJ!!!!!!!!!
ドキドキした…。
249名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 02:48:24 ID:jgVQlacJ
>>246
GJ! GJ!!!
思わず鼻息荒くなってしまいましたw
すげええー
250名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 08:40:41 ID:Lw5UZII9
やっと規制解除された。
そこいら中ネ申だらけじゃねぇか。
熊耳さんはかわいいし、しのぶさんはエロ過ぎww
251192:2009/01/11(日) 12:24:07 ID:uetSw+/P
ココで流れを読まずに>>245の続き妄想を上げますよ<俺KY
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/upload.cgi?mode=dl&file=9088
252名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 01:11:01 ID:OqTYQICm
エロいしのぶさんもキュートな熊耳さんもGJ。



一人暮らしを始めてから、鏡を見るのが嫌になった。。
最近は特に苛立ちさえ感じる。

一目で胸のサイズが小さくなったのが分かる。
身体は全体的に線が細くなった、というより「削れた」という方が的確かもしれない。
あまり血色の良い方ではなかったが、明らかに不健康な白みを帯びてきた。
そして何より、その身体の持ち主の顔が恐ろしく醜い。
自分自身のはずなのに目を合わせたくない。
こんな女の為に数多の尊い命が犠牲になったのだと思うと、怒りすら込み上げてくる。
そんな自分から目を逸らすように、まだ乾ききらない身体の水気もそのままにバスルームを後にする。

裸のままリビングのソファに腰を落とし、サイドテーブルへ手を伸ばす。
そこには、今までの私にはありえなかったモノが転がっていた。
特に深く考えず1本だけ取り出し、「あると意外に便利だよ。」とムリヤリ渡された安物のライターで火を点ける。
大きく吸い込み、存分に味わってからゆっくりと煙を吐き出した。
部屋と、肺と、皮膚と、細胞のひとつひとつまで満たしていく「彼」のにおい。
まだ数える程しか吸ったことはないが、この苦味には全く慣れる気がしない。
こんなものを毎日欠かさず吸い続けていたあの男に、悪い意味で感心する。
「麻薬みたいなもんだから。」と、およそ警察官とは思えないセリフを口にしていた彼に苦笑したものだが、今なら何となくそれも分かる気がする。
確かにタバコは嫌いだが、それでも決して不愉快でなかったのは、それが彼の存在を証明する記号のひとつであったからだ。
ある意味で私は、どこかこのにおいを求めていたのかもしれない。

フィルターぎりぎりまで吸い終えると、そのままソファに横になる。
気だるさとともに、熱を纏った高揚感が芯を昇ってくるのが分かった。
またか、と思いつつ秘部に触れてみれば、確かにそこは濡れていた。
たったの一本だけで、私の身体は疼き理性は崩れる。
これは、やっぱり麻薬だ。
253名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 01:12:12 ID:OqTYQICm
つくづくバカな女だと思う。
三十も半ばを過ぎているというのに、振った男を想いながら浅ましく己を慰めるのだから。
彼のにおいで満たされたこの部屋で、身も心も彼に冒されながら。

「んっ」

軽く胸の先端を指で弾くだけで声が漏れる。
右手を下の口の縁をなぞるように這わせていく。
徐々に込みあがってくる快感に、そこから零れた蜜が尻を伝って滴り落ちた。

「ふうっ・・・・・・ん・・・っ」

滑るように飲み込まれた指が、中の熱に包まれる。
内側から己を弄るたびに、頭を揺さぶられたように脳が飛ぶ。
はしたない蜜と緩んだ肉が絡み付き、右手の動きに合わせて淫靡な音が響き渡る。
快楽に敗れ、だらしなく開かれた股の間から漂う女の香りに私の意識は染められていった。
左手に弄ばれ性感を取り戻した乳首は鋭く尖り、淫らに暴れる自分の髪に触れて悦びをもたらした。
親指で陰核を潰すように転がし、深く呑まれた指はさらに激しく己を攻める。

「は・・・あっ・・・・・・ふあ・・・っ!」

びちゃびちゃととめどなく溢れ出す愛液に、私の右手は全力で溺れていた。

「・・・ごと・・・さ・・・・・・いっ・・・く!」

全身が弓のように反り返り、体中の筋繊維が別々の方向へ向かって痙攣を起こす。
腰を淫らに跳ねあげながら、愛しい男の名と共に果てた。

少しづつ呼吸を整え、愛液にまみれたままの右手を顔の上へかざす。
こんな惨めな自分にも、まだこれ程の性欲だけは残ってるものなのかと自嘲した。
この右手が彼のものだったら、きっともっと気持ち良かったんだろうな。

何故、あんな男を選んだのだろう。
下らない理想の為に、この国に破滅を運んできたあんな男のことを。
何故、彼を選ばなかったのだろう。
信ずる正義の為に、私の盾となって傷つき戦い続けてくれた彼のことを。

また、泣いた。
やっぱり、泣いた。
涙が、帰る場所を探している。

今日も彼の声は聞こえてこない――――。

<了>
254名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 01:22:05 ID:toIYb5HB
しのぶさんエロくてGJ!!
そして切ない…(つ-;)
良作をありがとうございます
255名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 05:38:09 ID:qp3RVwiV
GJ!!

何故こうもみじかくもエロく美しいのか…!
ありがとうございます!
256名無しさん@ピンキー:2009/01/14(水) 20:29:03 ID:/kRQf/If
>>192
今来た!…ので最初の方のが流れてる……
頼む、再upしてくれないか?
257192:2009/01/14(水) 20:44:23 ID:L8cJGzPz
後藤×しのぶ<エロ?
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/upload.cgi?mode=dl&file=9098
…ちょっと頑張っちゃう後藤さん萌www

>256
(・ω・)つ旦~
んじゃ纏めてUPしてみるー
258192:2009/01/14(水) 21:23:24 ID:L8cJGzPz
259256:2009/01/14(水) 23:17:33 ID:/kRQf/If
うおっ!仕事早えぇ!!
ありがとう、存分に堪能したよ
やつれ熊耳が好み(;´Д`)
マジで上手いな。しかもエロいし
とにかくありがとう!本気でありがとう!
260192:2009/01/16(金) 00:34:19 ID:TLRy2fLl
261192:2009/01/16(金) 18:39:31 ID:TLRy2fLl
262名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 21:47:41 ID:OyjJnbGc
女性陣も無論素敵なんですが、後藤さんが渋くてカッコいいですねー。
ウホッ、いいオジサマ・・・・・・。
263名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 23:27:20 ID:BjOP/qtA
年賀状に使おうとして間に合わなかったごとしの。

ttp://night.kamaitachi.biz/src/NKfile0393.jpg
264名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 20:23:04 ID:WIMfjFp/
こ、これはまたハイレベルな・・・・・・。
しのぶさんの唇の紅が妖艶きわまりないですな。ぐっじょぶです。
265名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 22:08:29 ID:bJXKg+sZ
アジカンのアルバムの表紙みたいだ
coolだね
266192:2009/01/19(月) 00:35:03 ID:6WPNz2L6
かかかかっこえぇぇぇぇ!!!


俺下品でゴメンorz<しかもKY
後藤×しのぶ
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/upload.cgi?mode=dl&file=9142
宿直中に居眠りしちゃった後藤さんにイタズラするしのぶさん的な…
後藤さんも頑張れば解けるのに何だか気持ちイイからそのままみたいな
267名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 10:39:23 ID:JXbkv7Ww
>>266
うほ、色々と芸が細かくてGJ!
後藤隊長に一瞬ムラッときちまいました(*´Д`)アァァ
268名無しさん@ピンキー:2009/01/20(火) 14:58:59 ID:eRXUMDrl
蕩けた顔つきのしのぶさんがエロいですねー。
非常に妄想を掻き立てられるシチュエーションだなあ。
269名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 22:57:45 ID:4LN42VrC
ども。>>220です。
再び書いてみた隊長組ですが、お正月中に仕上げるはずがもうこんな時期に…。
お正月設定のためすっかり季節はずれな「ごとしの」になっておりますが、
よろしければどうぞ。

-----------------------------
「鎌倉の親戚の家に挨拶に行った帰りなの」

年末年始の特別警戒も無事に終了し、特車二科にもようやく遅い正月が訪れようとしていた頃。
新年最初の非番を迎えた後藤が自宅アパートのチャイムの音に扉を明けると、
そこにはあでやかな着物姿のしのぶが立っていた。
「しのぶさん――綺麗」
「うふふ、ありがとう。」
上品なえんじ色の絣とマフラー姿のしのぶに、後藤は目を細めた。
「早咲きの紅梅、って風情だね」
「あら、気の効いた褒め言葉だこと」
本気にしていないようなしのぶの口調に、苦笑する。
「ま、入ってよ」
男やもめの一人暮らし。
殺風景な玄関に、華やかな色彩がふわりと舞い込んだ。
しのぶが草履を脱いできっちり揃える。
うつむいたときのうなじと、しゃがんだときに少しめくれ上がった裾の色っぽさに、
後藤の目が釘付けになる。
けれどもしのぶはそれに気づいたふうもなく、手にした包みを胸元で抱えなおすとニコリと笑った。
「あー、えー、その、しのぶさん、その包みは?」
後ろめたい視線をごまかすために、とりあえず思いついた言葉を口にしながら美しい来訪者を室内へといざなう。
「これ、鎌倉のお土産。お正月だから、花びら餅よ」
「ゴボウと白味噌餡の入った、アレかぁ。オレはあんまり食べたことないけど」
「それが分かるだけでも上等よ。親戚の家の近所においしい和菓子屋さんがあるんだけど、
あっちでは食べ損なったものだから…」
後藤に、甘い満足感が広がる。
それは多分、恋人に会う時間を捻出するために訪問先を早々に辞して来たということ。
しかしそう問いただしてみても、しのぶはきっと否定することだろう。
相手に弱みを見せるとか甘えるとか、そういうことをとことん嫌がるひとだから…。
そんな彼女をうとましく思う連中は多いが、後藤にとってはその負けん気の強さがどうにも可愛らしくてしょうがない。
270ごとしの(269続き):2009/01/25(日) 23:03:13 ID:4LN42VrC
「お茶でもあれば私、いれるわ」
しのぶが、菓子の入った箱をテーブルに置いて振り返る。
後藤が食器棚から、普段は使わない湯のみと急須、菓子皿を出して食卓に並べた。
しのぶが、慣れた手つきで煎茶をいれる。
「はい、どうぞ。冷めないうちにお菓子と一緒に頂きましょう」
暖かく湯気を立てる日本茶、新年を言祝ぐ優美な和菓子。
そして、一緒に同じ卓を囲む愛おしい人。
もう決して自分には訪れないだろうと思っていた新年の光景にめまいがするようで、
後藤は無言で菓子を口に運び続けた。
気配を察したしのぶが、黒文字の動きを止めた。
「後藤さん?お口に合わなかったかしら?」
心配そうな口ぶりでたずねる。
「いや、まるで俺とは縁のないような新年の過ごし方だなぁ、と思ってさ。
花びら餅、おいしかったよ」
しのぶは一瞬、何かを言いかけたが思い直したように口をつぐみ、少し寂しげな笑顔を浮かべた。
「こんなお正月があったっていいわよ。さて、と。私はこれで失礼するわ。
今から家帰って着替えて、埋め立て地で明日の会議の資料の整理しなきゃ」
突然の「退却宣言」に、驚いたのは後藤だ。
自分でもどこから出ているのか分からないような、情けない声で引き止める。
「え?しのぶさんも今日は久しぶりの非番なんだし、もうちょっとゆっくりしていけば?」
制服姿のしのぶもりりしいが、着物姿のしのぶをもっと眺めていたい。
いや、もっとはっきり言ってしまえば、襟足から覗く首筋や、
手を上げた時に覗く二の腕の色香をみすみす黙って帰すつもりは微塵もないのだ。
そんな後藤の思惑にまったく気づかないように、しのぶはクスリと笑って自分の食器を流しに運ぶ。
「後藤さん、何だか泣きそうな顔ね。また明日、埋め立て地で会えるじゃない。
着物姿を見せたくて寄ったけど、今日は後藤さんにも都合があるだろうし」
「都合、なんてものはないよ、全然。だから…」
後藤は、流しの前に立つしのぶに歩み寄り、後ろから抱きしめた。
「このまま帰っちゃうの?しのぶさん。しのぶさんは、それで平気?」
いい年して何やってんだか…と呆れるが、手の中から逃げてゆく恋人を前に「何でもないフリ」
を演じられるほど若くもなかった。
しのぶはしばらく身じろぎしなかったが、やがてくくっと肩を揺すって笑いはじめた。
「後藤さん…引き止めてくれなかったらどうしようかと思っちゃった。
折角着物着たのにその程度かしら、って自信なくすトコだったわ」
一瞬にしてしのぶの企みを察知した後藤は、腕のなかのしのぶをくるりとひっくり返した。
「しのぶさん?!」
後藤の顔を見上げるしのぶの顔には、これ以上ない悪戯な笑みが浮かんでいた。
「いつも、おねだりさせられるばかりじゃ悔しいものね。たまには、欲しがってみるのもいいんじゃない?」
しのぶは、あぜんとする後藤の胸に顔を埋めた。
「平気なわけないじゃない…だから、帰らないわ」
そして顔をあげ、後藤の目をまっすぐ見つめて言った。
「抱いて」
後藤は両手でしのぶの頬を挟み、やけっぱちなキスをした。
271名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 23:09:00 ID:d764MHoH
>220
ままま待ってたよ!!(@∀@ ) 
ありがとうありがとうッ!!!
全裸で正座して読んでますよッ
272ごとしの(269続き):2009/01/25(日) 23:09:11 ID:4LN42VrC
もつれるように、寝室へなだれ込む。
敷きっぱなしにしてあった布団の上に、後藤はしのぶを押し倒した。
裾と襟元が乱れ、白い肌がちらと覗く。
「しのぶさん…これは犯罪だね」
欲情の色を隠そうともしない恋人の様子に、しのぶは満足そうに微笑んだ。
「お好きにどうぞ。脱がす?それとも、着せたまま?」
後藤は、ぐっと喉の奥を鳴らし声にならない声を上げた。
「そんな選択肢があんの…?」
しのぶの肩口を膝で押さえつけるように馬乗りになり、後藤は着ていたセーターとシャツを脱ぎ捨てた。
バランスよく筋肉のついた上半身があらわになる。
今から、あの身体に抱かれる――。
後藤を見上げながら、しのぶは胸にざわつきが広がるのを覚えた。
「何だか、時代劇の悪代官になった気分だよ」
「似たようなものじゃない?」
後藤が苦笑しながらきっちりと合わせられた襟元をくつろげていく。
下着をつけていない乳房に行き当たった。
尖った部分に指を添え、力を込める。
「んッ、いきなり…!」
「滅茶苦茶な誘い方しといてよく言うよ。俺、今日はもうストッパーはずれてるからね」
すでに固く尖っているそこを容赦なく攻め立てる。
しのぶの息が、面白いようにあがっていく。
「はああッ…ン、ダメェ…!」
後藤はさらに襟元に深く両手をかけ、ぐっと押し開いた。
帯と紐で下から圧迫されているせいで、ややいびつに上向いた乳房がこぼれ落ちる。
さらに襟がその乳房を両脇から押し出す形になり、異様に盛り上がった形状だ。
ただでさえ豊かなしのぶのバストが上下左右から絞り上げられ、
ふくらみをより強調した格好になっている。
その頂点は、すでに与えられた強い刺激で鮮やかな色に染まっていた。
あまりの淫媚さに、後藤はごくりとつばを飲み込んだ。
「しのぶさん、いやらしいねェ…」
真っ白なふくらみに触れ、大きくもみあげてみる。
「はぁっ…」
しのぶの喉がのけぞる。
しばらくやわらかな弾力を楽しんだあと、後藤は右と左の赤く染まった頂を
親指と人差し指でより上げるように力を込めた。
「しのぶさん、好きでしょ、こういうの?」
「うゥ…んっ…!」
頂がさらに固く尖ってきたのを確認して、今度は親指で上から押しつぶすように圧迫する。
「はあぁッ、ダメぇ…!」
どんどん敏感になってゆく頂からの感覚に、しのぶは声を抑えることができなくなりつつあった。
「しのぶさん、今日はお隣さんいるみたいだから、あんまり声、出しちゃダメだよ?」
乱れていくしのぶを面白そうに見下ろしながら、後藤が言い放つ。
一瞬、すがるような目を向けたしのぶを有無を言わせない眼差しで押さえつけながら、
後藤はしのぶの右手をしのぶの口元に運んだ。
「これで声、殺せるよね?」
273ごとしの(269続き):2009/01/25(日) 23:14:44 ID:4LN42VrC
指を噛み締めながら快楽に耐えろというのだ。
後藤の嗜虐的な仕打ちに目を丸くしたしのぶだったが、
あきらめたように鍵状に曲げた人差し指を柔らかな唇にそっと挟んだ。
満足そうに恋人の額にキスを落とした後藤は、しのぶの左の頂を口に含んだ。
もう片方の頂きに手で刺激を与えながら、舌で転がすように味わう。
頂へ甘噛みが与えられるたびに、しのぶの口からはくぐもった声が漏れる。
押し殺したようなしのぶの息づかいに、牡としての本能が呼び覚まされる気がした。
やがて後藤は、しのぶの腰がわずかずつ浮き上がってきたことに気づいた。
「あらあら、もう我慢できない…?」
ニヤリ、と笑っておもむろに身体を離し、恋人のしどけない姿を観察する。
髪はほつれ、首筋に落ちたいく筋かが妖艶な影を落としている。
頬は朱色に上気し、弛緩しきった唇には歯形のくっきりとついた人差し指が力なくくわえられている。
裾はすっかり乱れ、まだ足袋をきちんと履いた足が太もものあたりまでむき出しになっていた。
「着物ってのは、どこまで男を誘うように出来てるんだろうねぇ」
自身の痴態を脳裏に描いたのか、観察されながらしのぶはくっと白い喉を持ち上げて身をよじった。
そして両足を閉じ合わせようとしたが、その動きは男に素早く阻止される。
「おっと、そうじゃないでしょ」
男の容赦ない仕打ちにしのぶは声を上げるが、指の挟まった唇からはくぐもった音しか発せられない。
そんな抗議を平然と無視すると、後藤はしのぶの膝に両手をかけ一気に割り開いた。
そして、目の前の光景に息を飲んだ。
「…しのぶさん…」
大きく押し開かれた足の付け根には、細長く黒いライン。
しのぶの歓喜の印によって中央部分が淡くにじんだそれは、しのぶの女陰を左右に
割りながらへその下で紐状になり、左右に回り込みながら後ろへと続いていた。
274ごとしの(269続き):2009/01/25(日) 23:21:22 ID:4LN42VrC
「着物だから…普通の下着、線が出ちゃうのよ」
指を唇の端にくわえたまま、目を伏せたしのぶがつぶやく。
「あまり…見ないで?」
後藤は、返答のかわりにしのぶの内股に唇を寄せ、鮮やかな印を散らせた。
「あ…」
「こういうの、たまんない」
「…いやらしい」
「どっちが」
手で、しのぶの秘園の中心を縦に貫いている紐状の布をピン、とはじいてみる。
「あ…」
しのぶの腰が跳ねた。
敏感な反応に気を良くして2度、3度と繰り返すうちに、バウンドがどんどん大きくなり、
やがて悩ましくくねりだす。
後藤の指に弄ばれる布地は、溢れ出る欲情の雫を存分に含んで、妖しげなつやを持ち始めていた。
「はぁっ…やめて…」
むずがるように身をよじるしのぶを、後藤はさらに追い上げてゆく。
やがて足元からこみ上げてくる快楽に耐えられなくなったのか、しのぶはそれを封じ込めるように
足の付け根を閉じようとするが、後藤は両足の間に身体を差し入れてそれを許さない。
代わりに弄んでいた布地をおもむろに横にどけると、顔を寄せた。
「やめてとか言うけどさ、しのぶさん…。しのぶさんのココ、どうなってるか教えてあげようか。
物欲しそうなヨダレ垂らして、ひくひく震えてるよ」
「いやぁ!」
しのぶは激しく動揺し、何とか男の顔を遠ざけようともがいた。
しかし男はそんな抵抗すら楽しむように、ばたつくしのぶのふくらはぎにキスを施す。
そして力づくで女の足を押さえつけると、横に寄せた布地の傍らに露出した秘園に舌を伸ばした。
「あっ、ああっ!」
ぴちゃり、と淫らな音があたりに響く。
「すごい濡れてる…しのぶさん、聞こえてる?」
わざと、大きな音をさせてみせる。
「んんンっ、ンっ…!」
しのぶはいやいやをするように首を大きく振りたてて快楽と羞恥の責め苦から逃れようとするが、
それは後藤をさらにあおり立てるスイッチでしかなかった。
勢いづいた男は、秘園の中心にある最も敏感な花芽を舌で探り当てる。
「ひゃぁッ…ん、ン…」
あまりにも鋭角的な感覚に痛みさえ覚えたしのぶは、ぐっと息を詰めて波が行き過ぎるのを待った。
しかし、その気配を察した男は間髪入れず花芽の核に舌先をあてがい、強制的にしのぶの官能を高みに追いやる。
「はあっぁ、あ、あ、あッ…!」
「しのぶさん、今日は声、出さない約束でしょ?」
男の忠告に、しのぶは再び指をかみしめる。
「声を出せない」という制約がいつもにましてしのぶの感覚を研ぎすまし、
歯によってギリギリと加えられる指の痛みさえ感じられないほど強烈な快感に身悶えた。
「……ンッ、ん……!」
やがて、痙攣にも似た震えがしのぶの全身を駆け抜け、切ない悲鳴のような声が喉の奥から絞りだされた。
275ごとしの(269続き):2009/01/25(日) 23:26:37 ID:4LN42VrC
ぐったりと四肢を投げ出したしのぶの足から、後藤が下着を抜き取る。
「脱がしてもイヤラシイねぇ、この下着は…。なんか、すごく湿っててぐしゃぐしゃだけど?」
まだ身体に力が入らないしのぶが必死ににらみつけるが、後藤はそれには気づかないフリをして
乱れた着物の裾をまくり上げ、しのぶの膝を立てさせる。
胸をはだけながらも、帯をしっかりと締められた状態で下半身をさらけ出すしのぶの姿は、
信じられないほど淫らだった。
右手の中指をしのぶの秘園に沿わせてみると、快楽を極めたばかりの器官が指にからみつく。
「すごく、濡れてる」
自身のあさましい状態を言葉にされる羞恥に、しのぶは顔を赤くする。
「…誰の…せいだと…」
中指を、奥深くまで挿入した。
ほんの一本の指の侵入にさえ歓喜の律動を伝えてくるしのぶの中心に、後藤は感嘆する。
「動いてるよ、ホラ」
「ん、はぁ…」
「気持ち良さそうだから、このままでもいいかな」
後藤はわざと、指の動きに変化をつけることをせず、淡々とした出し入れを繰り返した。
しかし、後藤の中指は確実にしのぶの最奥の一点をゆるやかに刺激し続ける。
「もう…許してぇ…ッ」
焦らされ続ける苦痛に、しのぶの息がどんどん上がってゆく。
呼吸が浅く、短いものになり、やがて切羽詰まったものに変わった。
もはや口元に添えられた指は「声を抑える」という目的ではなく、
限界まで高められた官能を耐えるために噛み締められていた。
そしてもう片方の手と両足の指は、気を抜くとはじき飛ばされるとばかりにシーツを力一杯つかんでいる。
「ん、ん、ン、ッはぁ…後藤さん!」
「どうしてほしいか言ってご覧」
ゆるやかな指の動きのまま、しのぶに促す。
「…もっと…もっと頂戴!」
幾重にも衣を重ね、強固な帯で身体を守りながら、淫らな懇願をする女。
「…しのぶさん。降参」
後藤はスラックスと下着を脱ぎ捨て手早く準備を済ませると、しのぶの足の間に割って入った。

「キツ、い…」
後藤は自身を根元まで収めると、思わずため息をもらした。
待ち焦がれたものの侵入に、しのぶはあでやかに微笑む。
「しのぶさん…」
後藤はしのぶの足を肩に担ぎ上げ、より深い場所で動きはじめる。
「あっ、後藤さん、イヤ…」
すがるように、男の上半身に腕を回した。
背中に、爪を立てる。
その瞬間、自身の中の男が反応したのを感じた。
立てた爪が、男の肌に食い込んでゆく。
男の動きが大きくなる。
「ん、ンんッ、ダメぇ…ッ!」
「しのぶさん…ッ!」
足袋を脱がされないしのぶのつま先が美しい弧を描き、昇り詰めたことを男に伝える。
後藤は、しのぶを強く引き寄せると、自身を開放した。
276ごとしの(269続き):2009/01/25(日) 23:39:04 ID:4LN42VrC

「着物にTバックなんて反則だよ、正月早々。もう俺ね、年なんだよ?
中年にあんな仕打ちして、殺しちゃう気なの、しのぶさん?」
下着と、Tシャツだけを身につけた後藤は、枕に腕を預けたうつぶせの状態でタバコを吸いながら
うらめしげにつぶやいた。
そんな後藤に背を向けて帯を解くしのぶは、涼しげな顔だ。
「着物だから、それに合わせた下着だったってだけじゃない。イヤラシイ妄想したのは後藤さんでしょう?」
「あれ見て冷静でいられるやつは、男じゃないよ!」
妙に自信たっぷりに言い切る後藤にあきれながら、しのぶは帯を手際良く落とす。
シュルリ、という小気味良い音が響いた。
やっと戒めから開放された着物が、やわらかいカーブを描いた肩から滑り落ちる。
そして薄紅色の襦袢だけになったしのぶは、やや前かがみになりながら足袋のこはぜを一つずつはずしていく…。
後藤の視線は、しのぶの上から動かない。
「しのぶさん…『着せたまま』ってのも確かに良かったけど」
吸っていたタバコを灰皿に押し付けて、四つんばいで布団から起きだす。
眼差しは、しのぶにピタリと当てたままだ。
「な、なによ、後藤さん…?」
男のただならぬ気配を察知したしのぶが、襦袢姿であとずさる。
「ええと、申し訳ないんだけど、とりあえずで何か着るもの貸してもらえるかしら?
後藤さんのシャツとかパジャマとか…なんでもいいんだけど…」
「お貸しするのはいいんだけどね?その前にホラ、後学のためにも
『脱がせた』方のしのぶさんにもお相手いただきたいなぁ、とか思うわけ」
「な…」
言葉も出ないしのぶの足元ににじりよると、身体の横に下ろされたしのぶの人指し指にくっきりとついた歯形を、
唇と舌でそっとなぞった。
「あ…」
しのぶの膝から力が抜ける。
崩れ落ちる身体を後藤が受け止めた。
「ね?いいでしょう?」
「いいでしょうって言われても…もう指を噛み締めるのはごめんだわ。
これ以上歯形がついたら、跡が消えなくなっちゃいそう」
「そうだね。埋め立て地でも、毎日手袋が外せなくなっちゃうもんね」
後藤は他人事のようにあっさりと受け流し、そして信じられないことをしのぶに告げた。
「でも大丈夫だよ。実は今日、おとなりさんがいるなんてのは嘘。両方とも留守みたい」
「ご…後藤さんっ!」
バタバタと手足を動かして精一杯抗議しようとするしのぶを、後藤は両腕でゆるやかに拘束し、
上から覆いかぶさるようにキスをした。
なおもしのぶは抵抗を続けたが、いつしか与えられる唇を乞うように味わっている自分に愕然とする。
「だから、今度は思い切り声出して?しのぶさんの感じてる声、聞かせてよ」
耳元で囁かれ、しのぶはひとつ、大きなため息をついた。
薄いシャツ一枚を隔てて感じられる男の体温に、再び身体の芯がうずきだしていた。
「…後藤さんは、いっつもそうなのよ。ずるいわ」
「策士だからね」
当たり前のように言い放つと、後藤は乱れた髪をかろうじて束ねていたしのぶの髪留めを外した。
そして首に両腕をからめてきた艶やかな恋人を、もう一度布団の上にそっと横たえた。
-----------------------------

以上です。
読んで頂いた方、いらしたらありがとうございました。
しかしホント、時期遅れですいません…。

>>271
そんな、もったいないお言葉ありがとうございます。
寒い折でもありますので、暖かくなさっていてくださいませ。
277269:2009/01/25(日) 23:44:47 ID:4LN42VrC
ぐわ、すいません。文頭にいきなり誤字が…。

特車二科>特車二課

ですよね、言わずとも…。
他にもいろいろあるかもですが、どうぞお許しください〜。
278名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 23:48:28 ID:d764MHoH
GJ!GJ!!素晴らしいッ
堪能させて頂きました
ご馳走様でした(´∀`*)
279名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 00:28:39 ID:d3AXbbvy
素晴らしかったです。日曜の終わりにいいもの読ませて頂きました。
しかしこのスレの何と神の多いことか・・・
280192:2009/01/30(金) 23:40:45 ID:/toYglzj
>269の神SSで脳内エロが十二分に補完出来たのでエロく無い後藤さんを描いてみた
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/src/up9183.jpg_9fQ8iAfEhnZI0LqNm421/up9183.jpg

個人的な萌えって事でご勘弁…
281名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 21:54:44 ID:rdqmJXnS
隊長の休みって平日なんだろうけど、昼間のテレビをぼーっと見ながら
「腹減ったな…」なんていってるヤモメの一人暮らしを想像したら萌えた!
282名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 11:59:58 ID:XRg40kuQ
あ〜るの続編書きたいのにぃ〜
283名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 07:39:41 ID:2unySPi/
カペラたんとちゅっちゅしたいよ〜
284名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 22:09:45 ID:GiLqah5f
携帯から失礼します
昔の画像が出てきました
以前こちらで貼らせていただいた画で恐縮ですが、保守のついでに

ttp://3.new.cx/?39ds4

まだありそうなので出てくるまでまた(_´Д`)ノ~~
285192:2009/02/05(木) 01:48:14 ID:sXe9fcSB
サークルカットw
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/src/up9202.jpg_SfL1vwHeJGaDPWgFvU8E/up9202.jpg

どうせ受かるか判らんしUP
286名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 04:34:36 ID:x0N/ubrN
>>282
あ〜る見たいよ!
287名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 22:38:29 ID:sXe9fcSB
>>282
上に同じく!!あ〜る期待してるよ!
288名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 23:42:40 ID:ZmpNq7mg
バーディーが見たいでありますぅ〜
289名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 00:08:03 ID:Fx25SWTx
絵師さん達GJ!
290名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 06:41:37 ID:rnxpT5El
絵師さん達上手いお!
もっと見せて〜!!
291192:2009/02/11(水) 12:18:16 ID:Y+GTY67/
祝日の昼なのに予定も無いのでアホ妄想を描いた俺KY
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/src/up9237.jpg_8JcgnbICTo3Tabr9X9bD/up9237.jpg
292名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 18:34:31 ID:lNJbEUjA
ごとしの好きな元197です
久しぶりに帰ってきてみたら相変わらずの祭り状態…素敵過ぎるw

>>192
今日もお疲れ様です いいですよー
作品から何だかほのぼのとしたものを感じた私は異端でしょうかw

>>269のSSも遅ればせながら超・超GJ
ちょうどさっき某ニュース番組でしのぶさんの中の人のお声を聴いたところだったので
脳内再生が素晴らしいことに…日本人のお正月はやっぱり着物です!
293名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 18:38:29 ID:dgzQtTs9
>>291
いいシチュです。愕然とした榊さんがw
294名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 09:52:56 ID:YlTRBBxz
>>291
つーか止めろよおやっさんw
295192:2009/02/12(木) 14:13:46 ID:RvI0FpXo
いやもうホントにアホでごめんねぇぇぇぇorz

で、性懲りも無くしのぶさん妄想UP<仕事中です俺のバカッ
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/src/up9238.jpg_Xv7NaWU4WxVtTOQUZfJr/up9238.jpg
…や、勿論しのぶさんはそんな事しないと思うよ?
そんで自分ですらご無沙汰の所を後藤さんに責められちゃえばイイと思うよ!!<変態
296名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 23:39:31 ID:pjS6Qko1
この時期になると思い出すのは
西園寺まりぃのでっかい「義理」チョコ。w
297名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 01:27:00 ID:MNqP3sKX
あとハート型のお煎餅とかw

絵、貼らせていただきます〜
エロくなくてスミマセン
ttp://3.new.cx/?39ds7
298名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 01:30:00 ID:MNqP3sKX
あ、↑に貼ったヤツかもしれません
連投すみませんでした
299名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 02:45:20 ID:mDL55iVL
百合はこのスレ的にはアリ?
さん椎が好きだ
300名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 09:33:20 ID:m+MMhVSG
>>299

読みたいお!!
301192:2009/02/14(土) 12:52:22 ID:P9+p1uz6
あれ?今日はヴァン・アレン帯だっけ?

って事でごとくま
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/src/up9242.jpg_2A7Btalbtn8xL11JeKqc/up9242.jpg
大人なカンジにしたら誰だか判んねぇwww
302名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 13:09:55 ID:a+zv3hSL
進駐軍のバレンタイン少佐がチョコを配った日です。

>>301
イイ!おたけさんうなじエロくてイイ!
303名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 15:47:03 ID:A4hIPBLe
最下位常連だったマリーンズをバレンタイン監督が優勝に導いた日?
304名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 23:56:30 ID:YwLfCi95
度々失礼します。>>269とかの者です。
14日に投下するつもりで準備してたのですが、うっかりしてまして…。
今さらですが、ごとしの@バレンタインです。
よろしければどうぞ。

--------------------
「しーのーぶーさん、今日は何の日でしょう?」
…競馬新聞を読み飽きた後藤が、黙々と書類整理に励むしのぶのデスクにすり寄る。
まだ春浅き埋め立て地の夕暮れ時。
穏やかな斜陽が差し込む隊長室には、しゅんしゅんとストーブの上に置かれたヤカンの蒸気の音が響いている。
「そうねぇ…」
しのぶは手にしたボールペンを頬に当てると少し考え込んでから、おもむろに言った。
「今日は2月14日よね。『ニ(ニ)』『一(ボウ)』『四(シ)』で、煮干しの日らしいわよ」
真面目に答えるしのぶに、後藤はあからさまにがっくりと肩を落とす。
「まぁ、いいけどね。煮干しの日、立派じゃないの。
…国民の120パーセントが知ってるイベントの名前がしのぶさんの口から出てこなくても、
俺、がっかりしないから」
「…遠回しねぇ。バレンタインでしょう?それがどうかした?」
平然と応えるしのぶに、後藤はもう一度がっくりと肩を落とした。
「うん、そのバレンタインなんだけどさ。しのぶさんは俺に、何かないの?
もう夕方だし、このままいくともうすぐ勤務時間、終わっちゃうよ?」
今日は、後藤としのぶが「そういう関係」になってから、初めて迎えるバレンタインだった。
「何か、って…。お互いいいトシなんだし、そういうのは若い連中に任せておけばいいんじゃない?」
すると実にいいタイミングで隊長室のドアがノックされ、「若い連中」の一人である野明がやってきた。
「失礼します!隊長お二方に、バレンタインのお裾分けであります!」
敬礼しながら差し出されたのは、可愛らしくラッピングされた包みがふたつ。
「お、泉〜。気が利くなぁ。ん?手作りかこりゃ」
リボンのかかったセロファンの袋のなかには、魚とおぼしき形のチョコレートが
2、3匹ずつ詰められていた。
「これ、泉さんが?」
机から身を乗り出し、しのぶも覗き込む。
「いえ、これはひろみちゃんが…。
今日の炊き出しのときに少しヒマを見て作ってくれたハゼチョコレートです!」
「え、ハゼ…?」
「はっはー、何それ。中にもハゼ、入ってんの?」
それは、実に生き生きとしたハゼの姿を形取ったチョコレートだった。
305(304続き):2009/02/15(日) 23:59:54 ID:YwLfCi95
「あなたの隊は、実に平和でうらやましいわ」
野明が敬礼をして出て行ったあと、しのぶがしみじみと言った。
「そう?いやー、しかしこの造形はなかなか見事だよ。さすがうちの隊員だわ、うん」
がさがさと袋を開封した後藤は、無造作に1匹をつまみ上げて口に放り込む。
「んー、うまい!しのぶさん、心配しなくてもハゼは入ってないよ。
ナッツは入ってるみたいだけど」
続けて2匹、3匹と平らげた後藤は、残された包みをポイとゴミ箱に放り投げ、
うーんと伸びをするとデスクを立った。
「んじゃ、チョコも食べたし。今日は俺、そろそろ失礼するわ」
退勤時間をわずかに過ぎた時刻だったが、奇跡的に第二小隊の面々の提出書類などが全て揃ったのだ。
「今日はさすがに、みんな残業はしたくないものと見えるわね」
…息せき切って定時ギリギリに隊長印をもらいにやってきた遊馬と野明の姿を思い出し、しのぶはくすりと笑みを漏らす。
「まぁね。あいつらデートの約束でもしとるんでないの?」
後藤が、薄い板で仕切られただけの更衣室から声だけを寄越す。
「若いわねぇ」
しのぶがしみじみと答える。
バタン、と音がし、帰り支度を済ませた後藤が現れた。
飛び抜けて長身というわけではないが、すらりとした上背と広い肩幅にスーツとコートがよく似合う。
「…しのぶさんも十分、若いじゃない」
「そんなこと…!」
「若いよ。やっぱ、俺なんかと比べりゃね」
後藤は苦笑いをしてデスクの上を少し整頓すると、カバンを手にした。
「んじゃ、お疲れ」
「おつかれさま」
…隊長室のドアが閉まり、後藤が見えなくなったのを確かめてから、しのぶはデスクの引き出しをあけた。
そこには野明から受け取ったハゼのチョコレートと一緒に、焦げ茶色の細長い包みがひとつ。
実家の近所にある昔なじみの洋菓子屋が毎年、この時期にだけ作るオレンジピール入りのチョコレートだ。
例年は自分の分と家族の分を買い求めるのだが、今年はもうひとつ、追加した。
義理チョコなんてばかばかしい、まして本命チョコを片手に愛の告白などしのぶは考えたこともなかったが、
今年はふと、この大切な味を後藤にも食べさせたいような気がしたのだ。
306(304続き):2009/02/16(月) 00:04:42 ID:YwLfCi95
けれど、結局渡しそびれてしまった。
今さらどんな顔をして渡せばいいのか分からなかったし、
何よりこれまでの人生でバレンタインなど気にも止めたことがなかったしのぶにとって、
一体「チョコレート」というものはどのようなタイミングでどのように渡せばいいものなのか、
まったく見当がつかなかったから…。
しのぶは、自嘲的なため息をひとつ、ついた。
後藤さんは多分、チョコみたいに甘いものはあまり好きではないはず。
これは、自分で食べてしまおう…。
勝手な言い訳をして、小箱を引き出しにしまおうとした瞬間。
「しのぶさん、まだいるんだ?忘れ物してさ、戻ってきちゃった」
不意打ちのように隊長室のドアが開いた。
「ノ、ノ、ノックくらいしたらどうなの?!」
とっさに引き出しを閉めようとするが、うまくいかない。
ガタガタと一人で騒ぐしのぶを、後藤は不思議そうに眺めていた。
「いつも、ノックしないけどねぇ?」
言われるまでもなく当たり前の答えに、しのぶは顔を赤らめた。
「それはそうと、何を忘れたの?サイフ?家の鍵?」
「んー、そうじゃなくて、もうちょっと大事なもの」
後藤はスタスタと自分のデスクに歩み寄り、カバンをごそごそと探りはじめた。
すると突然、サイレンが鳴り響いた
『品川区内にて201が発生。第二小隊、出動せよ』
後藤はひょいと肩をすくめると、何も言わずに更衣室に逆戻りし、
あっという間に制服に着替えて出て来た。
「忘れ物したのが運のツキ、かなぁ。ま、とりあえず行ってくるわ」
307(304続き):2009/02/16(月) 00:07:55 ID:A9agNNal
その後第一小隊にも出動要請がかかり、
しのぶが現場を片付けて埋め立て地に戻って来たのは午後11時過ぎ。
第二小隊は、まだ戻って来ていなかった。
何となく、後藤を待っていたい気分だった。
大して急ぎでもない仕事を片付けていたら、いつの間にか眠っていたらしい。
カタン、と物音がしてふと目が覚めた。
すると目の前には見慣れないオレンジ色の小箱。
隊長室には誰もいないが、消したはずのストーブに小さな火がともり、
寸前まで人のいた気配が残っている。
しのぶは反射的に小箱をつかむと、廊下に飛び出した。
案の定、明かりの落とされた廊下の喫煙所には小さな火がひとつ揺らめき、
見慣れたシルエットがうつむいていた。
「後藤さん…?」
「あ、しのぶさん。悪い、起こしちゃったかな?」
タバコを灰皿にこすりつける気配。
「後藤さん、これ…」
「立ち話もなんだしさ、とりあえずこっち来て座りなよ。ちょっと寒くて、煙たいけどね」
言われるままに、後藤の隣に腰を下ろす。
ふわりと、後藤の腕に包み込まれた。
「今日は寒かったよ。んー、しのぶさん、あったかい」
冷たい頬が首筋に擦りつけられる。
伸びた無精髭が、ちくちくする。
「ちょ、後藤さん。こういうことは職場ではしないって約束…」
「したけどさぁ。しのぶさんチョコくれないんだもの、折角のバレンタインなのに。
だから、今日はいいの」
後藤はしのぶの首筋にキスの雨を降らせはじめた。
「や…」
しのぶは身をよじって抗議するが、
普段の「昼行灯」の振る舞いからは想像できない力強さで抱きしめられる。
「だめ。今日のしのぶさんはチョコの代わりなんだから大人しくしてなさいって」
耳元で囁かれ、タバコの味のするキスをした。
後藤の腕が、しのぶの背中を行き来する。
突然、背筋を這い上がった官能的な感覚に驚き、身震いをする。
「しのぶさん?」
青い月明かりを受けた後藤が、唇を離しうっすらと笑った。
思いもかけず呼び起こされた快楽を悟られたことに気づき、しのぶは羞恥にうつむいた。
「やめて…後藤さん…」
最後の抵抗を試みるが、いとも簡単に無視される。
「うん、こっちにおいで、しのぶさん?」
後藤はしのぶを抱え上げると、向かい合わせるようにして抱え込み、
自分の膝をまたがせた。
308(304続き):2009/02/16(月) 00:12:00 ID:A9agNNal
「な、なにするの、後藤さん?!」
あまりにも強引な男の行動に、しのぶはなすすべもない。
それでもアンバランスな姿勢を崩すまいと後藤の首に腕を回し、
しのぶは握りしめていた小箱の存在を思い出した。
片手に収まるサイズのその箱を、後藤の目の前に突き出す。
「ところで後藤さん、何なのよコレ?」
その箱に一瞥をくれた後藤は、あっさりと答えた。
「ん?チョコ」
「え…?」
「だってバレンタインだし」
「…」
しのぶは、返す言葉がない。
あんなにもチョコを渡すのに逡巡していた自分は何だったのか。
いや、そうではない。
いい年をしてこんなにもあっさりと女性にチョコを贈ってしまうこの男は何なのか…。
「松井さんにね、あの人東京中のおいしい店チェックして回ってるんだけどさー。
何年か前に教えてもらったお店、バレンタインにしか出ない限定品がウマくてね。
俺、実はこっそり自分用にそこのチョコ買いに行ってるんだよ、ここんとこ毎年。
でね、今年はしのぶさんにも食べてもらいたいなぁ、と思って。」
後藤は、しのぶの手から小箱を取り上げるとラッピングを外し、丸いチョコを一つ取り出した。
「ほい、あーんして」
「えっ…?」
しのぶが反射的に口を開けると、チョコレートがひとつ口に放り込まれた。
歯を立てると、口の中に芳醇なブランデーの香りが広がる。
「うまいでしょ、ここのブランデー入りトリュフ。競争率高いんだよー」
「…ほいひぃふぇど…」
「…しのぶさん?ゆっくりでいいよ?」
「…おいしいけど、何でなの?後藤さん」
「ん?何でって?」
「…私も、そう思ったの。私の好きなものを、後藤さんに食べさせたいって」
甘くて幸せな固まりが、ゆっくりと喉の奥に落ちて行く。
「…ほんとはチョコ、あったの…」
イタズラを謝る子どものような気分だ、としのぶは思った。
「…知ってたよ」
後藤の言葉に、はっと顔を上げる。
「だって、今日一日中、引き出し開けたり閉めたりして、なんか小さなハコ、眺めてたでしょ」
しのぶは、恥ずかしさのあまり顔が赤くなるのを感じた。
「いくらなんでもねぇ、バレバレだよありゃ。
おかげでしのぶさんがくれないから、こっちも渡すタイミング外しちゃって…。
いちおマナーとして、女性から先にもらうものかなぁ、ってね」
それで一度は退出してはみたものの、やっぱりしのぶが思い切らないものだから、
「大事な忘れ物」を「取りに」ではなく「渡すために」戻って来たのだった。
「しのぶさん、変なとこで強情なんだから。ま、それがたまんないんだけど」
月明かりの下、後藤はしのぶを再び抱きしめ、ゆっくりと唇を重ねた。
309(304続き):2009/02/16(月) 00:14:33 ID:A9agNNal
「…しのぶさん、チョコの味するね」
「…後藤さんは、やっぱりタバコの味ね」
「それは、しのぶさんがチョコくれないからですよ」
「…後であげます」
「ふふ。楽しみにしてるよ」
言うと後藤は、しのぶの制服のジャケットの裾を大きくめくり上げた。
「後藤さん…ッ!」
「でもね、後でもらうチョコと今いただくチョコは、また別」
頼りない月明かりだけが照らす薄闇のなかで、しのぶの乳房の尖端に舌をはわせた。
「ンんん…後藤さん!」
睨みつける顔もまた、たまんないんだよなぁ。
はやる心を押さえつけながら、しのぶの腰に手を伸ばす。
片手で器用にベルトのバックルを外し、少し下げたジッパーの隙間から指を差し入れる。
「はぁっ、ダメだって、言ってるじゃない…!」
「カラダはそうは、言ってないみたいだけどねぇ」
外から帰って来たばかりの冷たい後藤の指先が、いつにない刺激をしのぶの秘陰に与える。
「ひゃぁ…っッ…」
ほとんど人が通りがからないとはいえ、職場の廊下だ。
それでも理性が感じるうしろめたさとはうらはらに、しのぶの身体は背徳的な悦びにふるえていた。
「もう、こんなになって。ここまできて『やめる』はナシだよ?しのぶさん」
耳元で囁かれる後藤の淫媚な誘い。
唇をか強くみしめながら、しのぶは、自分の奥からさらに大きく溢れ出すものを感じた。
後藤が、楽しむかのようにわざと音を立てて指を遊ばせる。
「イヤ…そんなの…」
「聞こえないね?」
後藤は、完全に脱力したしのぶの上半身を抱え直すと、素早く取り出した自身をしのぶにあてがい、そのまま深く沈めていった。
「…くっ、キツいね。…しのぶさん、興奮してるでしょ?」
「なに…言うのよ…。こんなとこで…!」
「…誰か、来るかもしれないよ?困るねぇ、そうなったら」
「あ…はァ…っんン…っ!」
さらに締め付けを強めるしのぶの内側に眉根を寄せながら、
後藤はしのぶの腰をつかみ、動きを促す。
310(304続き):2009/02/16(月) 00:22:44 ID:A9agNNal
やがてその動きは自発的なものになり、エスカレートしていった。
「ちょ、しのぶさん…?」
予想以上になまめかしい動きを見せる恋人に驚き、
後藤はその身体を制するようにギュッと引き寄せた。
すると返って来たのは、薄明かりのなかでもはっきりと分かる挑戦的な眼差し。
「『聞こえない』わ」
後藤のタイに指をひっかけて結び目をゆるめると、シャツのボタンをいくつか外す。
襟元から立ち上る「オス」の香りを味わうかのように後藤の鎖骨に舌を這わせると、
そのまま喉元までなめ上げる。
「はぁ…っ。しのぶ、さん…?」
「…興奮してるのはお互いサマでしょ?」
しのぶはぴたりと身体を密着させ、後藤の岐立をさらに奥に誘い入れるように動いた。
「…くっ…たまんない…」
後藤も強くしのぶの腰を引き寄せ、自身を強く打ちつけようとしたまさにその時。
廊下の向うから規則的に近づく足音が聞こえて来た。
しのぶと後藤は息をひそめて、月の光の届かない長椅子の片隅で息を殺す。
しかし足音は廊下の暗闇の向うでピタリと歩みを止め、きびすを返したようだった。
「…篠原くん、この報告書にハンコ忘れてるわね…」
そう、つぶやきながら…。
「…セーフ、かな?」
おどけてつぶやく後藤の胸を、しのぶがバシバシと叩く。
「だから!言わんこっちゃないのよっ!」
「んじゃ、とっととカタつけちゃう?」
「…心臓に悪いわ」
「俺たち、もうトシだしねぇ?」
しのぶが、思い切り後藤の頬をつねり上げた。
「イデデデデ…」
「一言余計なのよ」
「そりゃどうも」
「…だけど、早く連れてって?」
離した手を後藤の頬にそえ、味わうように唇を食んだ。
「…お望みのままに」
後藤はもう一度、しのぶを抱え直すと、今度こそしのぶの最奥に自身の欲情を叩きつけた。
311(304続き):2009/02/16(月) 00:27:48 ID:A9agNNal
「隊長、昨日の出動の報告書です」
朝日がまぶしい早朝の隊長室で、熊耳武緒が報告書の束を差し出した。
結局帰宅しそこねた第二小隊のメンバーは泊まり込むハメになり、
そのついでに昨晩の出動の報告書を仕上げたらしい。
「あぁ、ご苦労さん。えーっと、太田に泉に進士に山崎、熊耳…。篠原も揃っとるな」
「…確認しました。不備はないはずです」
「いつもながらに完璧だな、熊耳」
「いえ、仕事ですから」
武緒が敬礼して出て行くと、後藤は一枚の報告書を光にかざしてみた。
「…アウトだった、かなぁ?」
それは、「篠原遊馬」と記名された報告書。
記入者名の欄にはしっかりと印が押されていたが、
薄暗い廊下でその有無を判別するのは困難だっただろう。
「しのぶさん、怒るかな…」
後藤は、宿直室でまだ夢のなかにいるであろう「同僚」のデスクに目をやった。
そして目の前にある茶色の小箱のなかから小さなチョコレートを一つ取り上げ、
パクリと口に放り込んだ。
------------------

以上です。
あぁ、ほんとにいつも時期はずれですいません…。
読んで下さった方、いらしたらありがとうございました。
312名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 01:53:28 ID:5dt5bhey
>>304

ごちそうさまでした!!
たいへん美味なSS感謝です
313192:2009/02/18(水) 21:43:01 ID:6IS548cI
314名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 21:34:57 ID:Eaj5zuUx
ナチュラルに拘束入ってるのがいいですね。次はイカされ中を是非。
315192:2009/02/23(月) 01:18:15 ID:VfEmUQ1S
誰も居ないのかな…?

エロく無いしのぶさんだヨ<ヲ
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/src/up9286.jpg_UDEXXbVRFJ78e0wByLQA/up9286.jpg

>>314
頑張ってみるお!!
316名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 10:32:52 ID:GUyuzAIx
イルヨー
最近はSSも少なくなって寂しい限りだね…。何か書いてみようかな
317名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 22:41:35 ID:DyZwpX/Q
ここにもいるです。

>>316さん、ぜひ!
318名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 07:48:46 ID:VElUo3rV
太田×野明を、いったいいつまで全裸で待てば…(;´Д`)カゼヒイタヨ、マジデ。インフルコワイ

余談ですが、ゆうきまさみ氏と森博嗣氏に共通点があって、驚いて笑った(虚空の逆マトリクス解説)

S&Mシリーズをゆうき氏に漫画化して欲しいと、素で思った

スレチごめん
319名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 02:06:51 ID:deG9fW9J
バーディーに萌えて絵を投下しようと来たら、絵板が広告だらけだった…。
320名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 11:26:05 ID:bo52ck8U
>>319
↓ココとかどうだろう?
http://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/upload.html
321名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 16:07:01 ID:Q0xzsBZI
保守
322名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 18:42:08 ID:Qm03FZxf
アニメのバーディーってここでいいの?
有田しおんネタとかって何処のスレが適当なんだろう。
323名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 23:11:20 ID:+b5Cj9HY
他に類似スレないからここでいいよ
324名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 12:51:28 ID:WZDX6Fug
325名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 16:28:27 ID:y7s8ZlSG
えーと…左から南雲、香貫花、野明、熊耳…かな?
326名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 14:50:59 ID:CrZPP+QT
>>322
待ってる
327名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 15:30:34 ID:JP1gjhD9
|∀・)
328名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 02:04:56 ID:PUjhRwKY
>>322
アニメ最終回見終わって悶々としてるw
投下切実に待ってます!

アニメでバーディーハマッていろいろググってみたけど
バーディーってファンサイトとか同人とか全然ないんだね…
329名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 20:27:40 ID:JLtGF0Lv
バーディーネタなら、
・バーディーやしおんの体でエッチ。でもつとむくんも感覚共有
おしりでされたりして、つとむくんもお尻が気持ちよくなりさぁ大変
・早宮がつとむを押し倒した。バーディーから変態指示が飛びまくる。
だが次の日、早宮は何者か(バーディー)にレズされちゃう

あー、同人によくありそう・・・この程度か
330名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 00:22:36 ID:U8NFXPR4
バーディーもいいけどしおんも可愛いよね
というわけで最初のネタがいいなーと思うであるですぅ
331名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 00:53:01 ID:4gah44io
理由があって仕方なくバーディーがしおんキャラのままで最後までする
最初は適当に合わせてるだけだけどだんだん本気になる(しおん喋りのまま)
なのが読みたいですぅ
だけどナタルとバーディーの本気エロも切望するでありますぅ
332名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 13:13:13 ID:b/44mla+
自分で書けばいいのではないかと思うのであるです〜
333名無しさん@ピンキー:2009/04/01(水) 00:38:36 ID:2ZCBBCzw
何でいきなりバーディー人口が増えてるかと思えば
アニメの最終回が先週だったんだな
334192:2009/04/03(金) 00:39:32 ID:3U0D1ktp
んで流れを切って申し訳無いとか思いつつ久々にパト絵UP
野明が遊馬のワガママに付き合った結果っつーか何つーか
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/src/up9441.jpg_KVYcOwz0NjdLBXhoSLBt/up9441.jpg
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/src/up9442.jpg_vB9otJpPG1AyAN4mB0Ny/up9442.jpg
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/src/up9443.jpg_GqBzqUVk0xSF7ruvCAVY/up9443.jpg
335名無しさん@ピンキー:2009/04/04(土) 04:51:15 ID:tHD3Q+o+
相変わらず特徴捉えてるね…GJ
でも3つ目はさすがにどうなんだろうw
336名無しさん@ピンキー:2009/04/04(土) 17:47:08 ID:7vOlBFrb
>335

や、着せ替えの要領で色々やってたら
一番バカバカしくなったのが3つ目だったんでついUPを…;;
台詞は「遊馬のぶぁ〜か!!」って事で一つ
337名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 23:32:45 ID:hG1pPX0r
ああやっと規制解除ー。そして相変わらずグッジョブです!
3枚目の状態で10分ほど視姦したい・・・。
338名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 01:58:38 ID:kfxR+Rdm
保守
339名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 11:17:57 ID:Hve64NaO
今日初めてこのスレ発見。
でも絵師さん達の作品が殆ど消えてて見えん。。。

誰か再UP切望。
340名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 15:41:24 ID:G5oI3Rq0
>>339
>>334さんが使ってるウプロダを見ると幸せになれるかもしれん
341名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 22:21:32 ID:TZ+BTaYz
いや、そのUPロダ見てもゴッソリと、このスレの絵師さんの作品が
消えているからお願いしてるんだけど・・・

なんかの規制かかって見れないのかな?
342名無しさん@ピンキー:2009/04/17(金) 05:45:22 ID:XdfEwHeE
>>341
いつも一週間位で削除されてるみたいだから規制では無いと思う
描いた本人以外が再upするのはどうかと思うので何も出来ないけど
どうしても見たいのなら絵師さん達のサイトを探すって手もあると思うよ   
343名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 02:32:25 ID:WIDWH5JN
前スレだけど、連作漫画や絵、SS挿し絵を多数うpしてくれた方の作品はまだ見れるよ
必死こいて集めろ。がんがれ
344名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 09:20:09 ID:SYslYvh4
新作読みたいなあ…
345192:2009/04/24(金) 04:50:59 ID:aswxxwlD
過疎った…?

えー…のあすま描いてみた。お初。
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/src/up9537.jpg_5J1QbCw8kg4pqeKcFKxF/up9537.jpg
346名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 00:43:08 ID:ODQ3UCQV
おお!素晴らしい、久々にGJ!GJ!
野明かわいいてエロくて良い。緊張感が伝わるなぁ。

野明の胸は片手にすっぽり収まるぐらいのが個人的に好みなんだが
その辺どうだろ。
347名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 06:18:52 ID:BXii1108
上手いなー。これはGJと言わざるを得ない。
348名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 05:27:37 ID:tPiJlHjb
誰か営業してる有田しおんがエロPDに犯されるような話書いてくれ。
349現状未完成のSSをお茶濁しに投下してみる:2009/05/02(土) 19:06:48 ID:Jy00EU0Z
『二号機、何をしているの?!早く一号機の支援に回りなさい!』
『太田さん早く!こいつ私だけじゃ支えきれないよっ!』
『分かっとるぅっ!』
何かの蓋が開く音。モーターの駆動音。
金属が擦れて奏でる…何か物騒な音。
『往生せぇやあぁぁっ!』
連続する轟音。
「っ!太田!馬鹿かお前は?!ぶっぱなす事しか頭に無いのか?!」
『やかましいぞ篠原ぁっ!現場においては臨機応変だ!』
金属がゆっくりと曲がる音。
『遊馬、そこ危ないっ!』
「なに?」

がっしゃーん。

『遊馬!?遊馬ー!?』
『何をやっとるか貴様ぁっ?!』
「あいたたたた…それはこっちのセリフだこのバカ野郎!」
『篠原君、今救急隊を呼ぶから動かないでそのまま…』
「救急隊なんて要らんから、あのバカを一度殴らせろ…!」
350名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 19:12:12 ID:Jy00EU0Z
「で。結局負傷者一名、と。」
特車二課隊長室。沈む西日が容赦なく差し込んでくる部屋のデスクで後藤が呟いた。
そのデスクの上には今日やらかした捕り物の報告書が申し訳なさげに鎮座している。
「目だった外傷はありませんが、頭部及び腰部を強打している為、数日の検査入院を要するそうです。
指揮車が上手く盾になったお陰でその程度ですみましたが…」
報告する熊耳の眉根に皺が寄っているのは西日が目に刺さるから、などという理由ではあるまい。

一号機が取り押さえている被疑者レイバーに向け二号機が無許可で拳銃4発を発砲。至近であった為
全弾が被疑者レイバーに命中したが、内一発が貫通、跳飛し、一号機指揮車直上に下がっていた看板のステーを
直撃。自重に耐え切れず落下したその看板が一号機指揮車及びその搭乗者を直撃…

報告書に記載された熊耳の字はそういった内容をもう少し詳細に綴っていた。普段なら「いつもの第二小隊
のドタバタ劇」で済んでしまうところだが、負傷者を出してしまうともう「ドタバタ劇」では済まなくなる。
「まぁぶつけた所がぶつけた所だし、しょうがないわな。太田はどうしてる?」
「流石に反省しているのか、黙って始末書を作成しています。」
「…しかし篠原も運が無いねぇ。今日が終われば明日はまる一日非番だったのに。」
「泉さんがむくれてましたよ。何か明日、篠原君と約束があったみたいですけど。」
「女の恨みはおっかないな…と。」
大分年季の入った後藤の判子が、報告書の責任者欄に押し付けられた。
351名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 19:13:34 ID:Jy00EU0Z
「じー…」
「…」
「じー…」
「…」
「じー…」
「だあああぁっ!何だ泉ぃ!篠原の件は散々謝っただろうがぁっ!」
野明のデスク方向から断続して送られてくる負のオーラに耐え切れず、ついに太田は大声を上げた。
「別にー。」
そう答える野明の目は太田を注視し続ける。表情と相まって、その視線は不機嫌な彼女の感情を雄弁に語っていた。
「だったらその鬱陶しい視線を何とかせんかぁっ!」
「まぁ今回は太田さんは何をされても文句言えないんですけどね。」
「貴様他人事だと思って…」
しれっといた顔で呟く進士。その進士を恨めしそうに睨む太田。
「怒鳴るのもいいですけど、早く始末書書いちゃったほうがいいんじゃないですか?熊耳さんそろそろ戻ってきますよ。」
「畜生!」
涙目で机の上に広げられた始末書を書く作業に戻る太田。
「あー、でもどうしようかなぁ。あたし、明日遊馬と約束があったのに。」
なお不機嫌そうに呟く野明の声に、のろのろと動き始めた太田の筆が再び止まる。
「予定が土壇場で潰れると何していいか分からなくなりますよね。」
視界の外で行われている野明と進士の会話が自分へのあてつけに聞こえ、太田の額に青筋が走る。
実際の所野明の口調には、太田に対する嫌味は全く込められていないのだが、「同僚を負傷させた」彼には、その同僚のパートナー
の声が堪らなく耐えがたかった。
「そうなのよねー。寮でゴロゴロするのも不健康だし、勿体無いし…」
「喧しいぞ貴様等ぁ!さっきから黙って聞いていればウダウダと!」
突然声を荒げた太田に、ただの与太話をしているつもりだった進士と野明が驚いた顔を向ける。
「泉!篠原の用事は俺が付き合ってやる!」
「…へ?太田さんが?」
野明は虚をつかれた表情で固まっていたが…
「ふーん、そっか。太田さんが付き合ってくれるんだ。」
呟いてにっ、と笑う。その言葉と笑みにはちょっとした艶が混じっていたのだが、太田がそれに気付くことは無い。
「おう!だからいい加減その当て擦りのような会話を止めんか!」
「じゃあ太田さん、明日の13時に渋谷駅で待ち合わせね。ちょっと力仕事になるからその辺は覚悟しててね。」
「?…分かった。」
力仕事?何かデカい買い物でもするのだろうか。そう太田が考えたところで熊耳が隊長室から帰ってきて始末書の作成を
急がされ、話はそのまま流れることとなった。
352名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 19:16:38 ID:Jy00EU0Z
現状ここまでー。試験が終わったらぼちぼち続きを考える…
353名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 07:26:27 ID:ZCxZwhjd
わっふるわっふる

もうすでにテカテカしてきた。試験がんがれがんがれ
354名無しさん@ピンキー:2009/05/04(月) 01:02:04 ID:FkA8yAzQ
こ…この板からしてこの後エロになるのか!?なっちゃうのか!??
おぉぉぉ試験ガンガレ!!そんで全力で投下してくれ!!!
355名無しさん@ピンキー:2009/05/13(水) 23:46:27 ID:tdDA48q3
356名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 12:59:33 ID:chnfOEkN
>>355
これはGJと言わざるをえない
パン線エロス!
357名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 08:42:17 ID:A1N/3JxB
こうして見ると尻もいいな。
最近おタケさんと花貫香はどっちが乳がでかいかばっかり考えてたよ。
さんご>野明なのは確定、一番はバーディーか、とか。
358名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 00:44:40 ID:IDHRPJmr
>>357
ちちしりふとももは、やはり香貫花のほうが立派ではないかと
欧米体型?
おたけさんは腰に重心のくる日本人体型かな
359名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 06:34:07 ID:VMTqEte+
>>357
逆、逆。
さんご<野明、だ。
どっちもAカップらしいが。
360名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 21:54:54 ID:H3Rx5jhH
>>358
同意
おたけさんは少年みたいで、香貫花は着やせするタイプ(from「VS」)
らしいし、香貫花は顔は日本人形みたいだけど
脚の長さとか、身体の各パーツはあっちの血を受け継いでそう
おたけさんや野明は美乳というか、小ぶりでもお椀型で形がきれい
腰回りの肉付きはおたけさんもしのぶさんも安産型ぽいな
361名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 05:23:06 ID:m3MJ3srT
掴んでるのに気付かない乳だったな、野明。
362192:2009/05/25(月) 23:27:22 ID:et2dzJLz
363名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 13:52:08 ID:G9TQwj2O
しのぶさんナイスバーディー!
364名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 00:26:02 ID:EaP16kqQ
>>362
>>363
うまい
365名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 03:19:24 ID:CEO6qGxx
>>362
何故その状況に至ったのか非常に興味がある。
後藤さんに騙されたのか?
366名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 12:04:45 ID:rkRub3ZU
>365
362だけどマジレスすると自サイトの方でお題貰ったんでネタ的に描いてみたヤツなんだ。
…しのぶさんは俗世間に疎いから、後藤さんにすぐ騙されそうだなーとか。
367名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 01:46:57 ID:+VR5h86w
久しぶりに高田明美さんのパト画集2冊を見てみたんだが
微妙な描き分けが上手いなー。
香貫花とおタケさんでは身体の線が違うし(香貫花の方がシャープ)
なにより、劇2デザインの野明がすごい
しっかり年齢を重ねてんのに、野明以外のなにものでもないっつうか…


まあ実際、水着とか短パンとか多美子さんとか目当てに開いたんですけどもね
妙に感動してしまいまった。
368名無しさん@ピンキー:2009/06/05(金) 22:51:45 ID:/7akpsSj
349さんに影響されたワケでは全然無いのですが、最近一寸
太田さんに惚れ直したので、太田×野明にチャレンジしてみます。
(と云いつつ本命は太田×おタケさんですがw)
パト書いたのこれで二度目なのでそれらしくないかもしれない
ですけど…349さんの試験が上手くいったことを祈りつつw


『刻まれしもの』

―――第2小隊の夏の午後。
 野明と太田が、ハンガーへと向かっていた。
「あ゛ー、暑いー」舌を出しながら野明が、少しでも涼もうとするかの
ように手で顔を仰ぐ。
 勿論全く何の足しにもなっていない。
「何でこんなに暑いんだろうねー」ネクタイを外しながら野明が愚痴る。
「夏は暑いものと相場は決まっておろうが」隣を歩いていた太田が、
当たり前のような顔をする。
「そりゃそうだけどさぁ。ハンガーにいい加減にクーラーくらい入れて
欲しいよねー」
「第2小隊(われわれ)は金喰い虫だから仕方あるまい」
「誰かさんが出動の度に派手に破壊活動に勤しむからだよ……」
 大体さあ、リボルバーキャノンの銃弾だって一発幾らだと思ってんの?
と、野明はもう一度溜め息を吐いた。
「何だとおお!!」
「あーもう、暑っ苦しいから怒鳴らないでよ。余計に暑くなるし」
「ぐッ……」或る程度自覚はあるらしく、太田が手をわなわなさせながら
怒りを必死に堪えている。
 その姿が少し滑稽で、野明はぷっと吹き出した。
「な、何だ」
「だって太田さん、遊馬相手なら迷わず掴み掛かるのに」
「そ、それは…、女子供に手を挙げるのは男としてだな…最低だろうが」
露骨に視線を外し、太田が弁解した。
369名無しさん@ピンキー:2009/06/05(金) 22:53:20 ID:/7akpsSj
 警視庁内でも、もしかしたらその名を知らぬ者はいないかもしれない
“暴力警官”の太田だが、意外と古風なものの考え方をする一面があり、
女性や老人、子供には決して危害を加えるような真似をしない。
 かなり時代錯誤的な言動の太田は、こういう時の反応が面白い。
 最初の内は単なる暴力警官だと思っていた野明も、それに気付いて
からはそれなりに太田には信頼を置いていた。
「意外とさ、太田さんってフェミニストだよね」
「そ、そういうのじゃないぞ!!」指摘に見る見る内に太田の顔が紅くなる。
「じゃあ、単に女に弱い人?」
「それはもっと違う!!」
「あははー、太田さんったら赤くなってる」指差して笑われて流石に堪え
切れなかったようで、太田が野明の襟元を掴んだ。
「お前な!」
「わっ」
 元々弱っていたのか、シャツのボタンがぽろりと取れた。
 慌てて太田が這い蹲り、ボタンを探し出す。
「す、済まん」済まなさそうにボタンを差し出して視線を伏せた。
「いいよ別に。挑発したのこっちだし」てへへ、と誤魔化し笑った野明の、
ボタンの取れてしまったシャツに何気無く視線をやった太田は、僅かに
見えている肌を見て僅かに喉の奥に声を詰まらせた。
「?」
「お前…、その痣は……」
「あ、これ?」シャツの上から掌を置く。
「出動すると絶対出来ちゃうんだよねー」
 98式AVイングラムは、その性能と同じくらいの有名な逸話がある。
 性能重視の為に、操縦者の居住性を限界ギリギリまで削り取った
せいで、マトモに操縦出来る人間が殆どいない、ということ。
 そして運動性能が高いということは、裏を返せば、レイバーなのに
まるで人間と同じように走ったり跳んだりが可能である分、搭乗者に
掛かる負担は半端では無い、ということ。
「………。」野明も同じ機体に乗っているのだから、自分と全く同じように
衝撃を受けるのだということを失念していたらしく、太田は絶句した。
370名無しさん@ピンキー:2009/06/05(金) 22:55:00 ID:/7akpsSj
「どしたの?」固まってしまった太田に、野明が怪訝そうに尋ねる。
 視線を伏せ、唇を固く結んでいる。
 何かの感情を堪えているらしく、握り締めた拳が震えている。
「……済まん」
「何が?」
「お前にまでそんな痣を作らせて……」
「そんなの全然太田さんのせいじゃないよー」野明が笑う。
「普通に訓練してたってこんなの幾らでも付くんだからさ。大体、根本的な
問題はイングラムの“あの”居住性にあるんだし。そもそもイングラムに
限らずレイバーに乗ってる限りは、多少はみんなこうなるんだもん」
「しかし……」
「太田さんにだってあるんでしょ?」
「何が?」
「痣。あれだけの無茶をしてるんだから、絶対私より多いよね」怪訝そうな
太田に、野明がにやりと笑う。
「そ、そりゃあまあ、多少は……」口ごもりながら、無意識の内に肩から
腕の辺りを手で押さえている。
「そこにあるんだ」
「い、いや、別に」
「やっぱりその辺り、出来やすいよね。…幾らストッパーが衝撃を吸収して
くれるっていったって、ストッパーに直接押さえ付けられる分までは相殺は
してくんないもん」
「お前も…あるのか」心配そうな、とも受け取れる顔の太田に、「まあね」と
野明は頷いた。
「そうか……」何かを噛み締めるように、太田は低く呟いた。
「お前みたいな若い娘に…そんな痣を作らせて…俺は一体……」
「…あの、もしもし、太田さん?」野明が目の前で何度か手をひらひらさせて
みたが、太田はそんなものなどまるで見えないかのように、ふらふらと
頼りない足取りで2号機の方へと歩き去った。

…こんなので良ければ続きます……。
371名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 06:26:28 ID:fOJjpwYF
あまりの萌えによだれ出た
ありがとう…続き頼んます…!
372名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 19:18:22 ID:MFetF0Sb
ありがとう。自分も太田熊耳好きな人だけど
こうやってみると太田野明もいいなぁ〜と開眼ww

373名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 22:22:05 ID:X9Dk7S09
368さんの作品、凄く好きです!!
是非続きの投下をお願いします!!
374名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 22:45:58 ID:X9Dk7S09
下がりすぎてるのでageます。
375名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 22:46:25 ID:X9Dk7S09
・・・失敗したんで再チャレンジ。
376368:2009/06/07(日) 01:00:12 ID:oULrTHT/
喜んでいただけてすごく嬉しいです。
パト殆ど書いたこと無かったから、雰囲気がなーと思っていたのですが。
でも野明の一人称って「あたし」だということに後で気付いてorz

今日中には続き書いてupしますので(終わりはしないでしょうがw)、
お待ちいただければ幸いです。
ところでやっぱ絡みって、要りますよね…この二人で何処まで書けば
いいものか、ちょいと悩んでるのですが……。
377368:2009/06/08(月) 00:41:46 ID:JDDchgsU
太田×野明その2。
全然エロくならなくてごめんなさい…次回以降努力します……。


『刻まれしもの』 その2

―――数日後、隊長室。
「脳震盪? 太田が?」報告を受けて、後藤が怪訝そうな顔をした。
「はい」熊耳が頷く。
「ふーん…“あの”太田が、脳震盪ねえ……」報告書をデスクに置いて
立ち上がり、ブラインドを少し指で開いて外を眺めた。
 東京とはとても思えない、広い空。
「まあ確かに、今日の出動時の太田は、一寸おかしかったけどね」
振り返りつつ、後藤が腕を組む。
「今日と云いますか、数日前から、太田巡査とはとても思えない行動が」
「ほほう? 例えば?」
「彼としては明らかに十二分にリボルバーキャノンを使用出来るであろう
ことが推測される状況にも拘わらず、接近戦を挑んでいます」
「…そりゃあちと異常だなあ」大体あいつから銃火器の類を取ったら、一体
何が残るの、と呟く。
「まあいいや。それで太田は?」
「安静が必要なので宿直室に寝かせてあります」
「ここにゃ医務室が無いからね…で、誰か付いてるの?」
「泉巡査にお願いしました」
「ま、女の子に任せておく方が無難かな」篠原なんかに任せたら、手当て
するどころか血の雨が降りそうだもんな、と頬を掻いた。
「それで、何で脳震盪なんか起こしたか判ってんの?」
「それが……」そこまで云うと、熊耳は眉間に僅かに皺を寄せた。
「何?」
「どうやら1号機を庇おうとしたみたいで……」
「1号機を?」
「ええ」
「単純な格闘なら太田より泉の方がずっと優秀じゃない。太田もその辺は
理解してる筈なんだけどなあ」
「その辺りが私にもよく判らないのですが…正当性を認めたので発砲許可も
出したのですけど」
378368:2009/06/08(月) 00:42:45 ID:JDDchgsU
「発砲許可出したのに抜かなかったの?」後藤が目を丸くすると、熊耳は
無言で頷いた。
「あちゃー。そりゃ“原因”が何にせよかなり重症だわ。だってあいつ、散々
これまで心理的にやたらに銃を抜かないように矯正しようとしても、ちっとも
効果無かったんだもん」
「どうしますか?」熊耳に問われて少し考えるような仕草をしたが、やがて
「ま、いいんじゃない?」と何時もの表情で応えた。
「リボルバーキャノン使わなきゃ、それだけ周囲への損害も減るんだしさ。
あいつなりに何かの“理由”はあるんだろうけど、取り敢えず放っておいて
みようよ」
「宜しいのですか?」一抹の不安を感じたらしく、熊耳がもう一度念を押す。
「うん。“理由”がはっきりしたらそれで良し。このまま銃火器依存症から
脱却出来れば更に良し、ってことでさ。ここで下手に外野が口を挟むと、
あいつの性格から考えてこじれる可能性が高そうだしね」それでいいでしょ?
と念を押すように尋ねられて、「了解しました」と熊耳は敬礼しながら頷いた。
「みんなにもそう伝えておいてね」
「はい」

 宿直室。
 延べた布団にぴくりとも動かないまま横たわっている太田の額に濡れ
タオルを置いてやりながら、野明は溜め息を吐いた。
「…何で太田さん、犯人に飛びかかったんだろう……」
 太田が失神する直接の原因となった事件自体は、第2小隊にとっては
極ありふれた簡単なものだった。
 一般人が飲酒操縦した暴走レイバーの制圧。
 イングラムとの性能差を考えると、正直二人がかりで出動する必要性も
余り無さそうなくらいのレベルで、実際野明も(アルフォンスに傷が付くのは
嫌だったが)そんなに苦労せずに片付けられるだろうと思っていた。
 ところが、犯人が抵抗して1号機と格闘戦にもつれそうになった途端、
2号機が割り込み、無理矢理犯人の矛先を自分に向けさせた。
 太田に割り込まれて犯人が逆上、結果的には制圧したが、その過程で
引き抜かれ、振り回された道路標識がコクピット付近にまともに突き刺さり、
小規模の爆破が2号機内部で発生。爆発のショックで太田が脳震盪を
起こしたのだった。
379368:2009/06/08(月) 00:43:32 ID:JDDchgsU
「あの状況だったら、普段の太田さんなら絶対嬉々として発砲する筈なん
だけどなあ……」第2小隊が発足して以来ずっとフォワードとして共に任務に
就いているので太田の行動パターンは或る意味誰よりも熟知しているかも
しれない野明は、怪訝そうにそう呟いた。
「最近の太田さん、なーんか変なんだよねえ……」
「……ッ」
「太田さん?」まるでその言葉が聞こえたかのようなタイミングで、唇を引き
攣らせながら呻き声を上げた太田に、野明は立ち上がって上から覗き込んだ。
 ゆっくりと、瞼が開かれる。
 焦点の合わない視覚は、やがて心配そうに覗き込む野明の姿を認識した。
「……泉、か」掠れた声を上げる。
「良かった、やっと気が付いた」心底ほっとした表情で野明が笑う。
「ここは……?」記憶が繋がらないので怪訝そうな顔。
「宿直室だよ。ここには医務室って無いし」
「そうか……」落ちかけたタオルを毟り取りながらゆっくりと身を起こしたが、
頭の痛みに小さく呻いた。
「まだ無理しない方がいいよ」
「いや、そうもいかん。隊長に報告もせにゃならんだろうし」とんだ失態だ、と
不満げに呟いた。
「それなんだけどさあ」野明が声を上げる。
「何だ?」
「太田さん、どうしてリボルバーキャノン撃たなかったの? おタケさん発砲
許可出してたのに」太田さんらしくないよね、と言葉を継ぐ。
 或る意味当たり前の質問に、太田が口籠もる。
 少し言葉を探すような表情を浮かべていたが、何故か僅かに視線を逸らし
ながら返答した。
「あの状況で発砲したら、至近距離過ぎて弾丸が貫通してしまうだろうが」
「太田さんって、そういうの今更気にするような人だとは思えないんだけど」
明らかに太田の言葉が“嘘”だと確信したらしく、野明は不満げに唇を尖らせた。
[続く]

#第2小隊の普段詰めているあの埋立地の名称が不明で困りましたw
#あれって「基地」とか「ベース」とかじゃないんですよね、多分。
#御存知の方がいらしたら、是非是非御教授くださいませ……。
380名無しさん@ピンキー:2009/06/08(月) 01:27:12 ID:AmacBxcK
wikiだとこんな感じ

>特車二課の棟屋は陸の孤島と言ってよい13号埋立地(1988年当時のお台場のイメージで、埋め立て作業が終わって養生中の埋立地)
>・第1期OVA版では城南島の突端にある実在しない埋立地に建てられており、小隊の隊員達及び整備班の人間が勤務している。
>休憩時間には釣りや空き地に作った畑の手入れ、私物のオートバイで飲食物の買出しを行うなど、のどかな風景が描かれている。

普段は隊員が「2課」に寄って帰るとか言ってた気がする。
381名無しさん@ピンキー:2009/06/08(月) 12:46:32 ID:7xJE9vfb
太田は巨根ぽいイメージがある
第二小隊で一番かどうかは不明だがw
意外と進士辺りかもしれんな…
382名無しさん@ピンキー:2009/06/09(火) 22:32:16 ID:19q9Kxhn
GJ
大田に萌えた!
383名無しさん@ピンキー:2009/06/10(水) 19:20:44 ID:l3sStcd0
意外と太田いいな
思わずVSで熊耳と香貫花に襲われる太田を妄想してしまたw
二人共太田は自分の命令に従うと思ってそうだし
太田は嬉しいよりは多分災難だろうなw
384368:2009/06/10(水) 23:34:56 ID:kkxEJ8H4
太田×野明その3投下。
何時になったらエロいシーンになるんだ…orz
あ、そういえばこの話、何も考えずに書いたせいでTV版と漫画版の
設定が混ざっちゃってます。ごめんなさい。
(どちらかというと漫画版寄りの設定かもしれません)


『刻まれしもの』 その3

 野明にじっと見詰められて、太田は居心地悪そうに視線を背けた。
 その態度がますます普段の太田らしく無かったので、野明の疑問は
確信へと変わる。
 絶対に何か隠してる、野明は心の中でそう呟いた。
「ねえ」太田の前に正座して、野明は強い調子で重ねて尋ねた。
「な…、何だ」鈍いとはいえ流石に何かを感じたらしく、太田が身構える。
「太田さん、何か私に隠してるよね」
「な、何も…隠してないぞ」
「嘘ばっか」あっさり一蹴する。
 もしかしたらそれはハッタリだったのかもしれなかったが、基本的に
呆れる程愚直な太田には高度な心理的駆け引きなど出来る筈も無く、
口を噤んで顔を背けた。
「予備校でさ、一応犯罪心理学習ったんだよね」太田が聞いていても
いなくても構わない、といった調子で野明は云った。
「人間は嘘を吐く時に左脳で考えるから、無意識に右を向いちゃうんだって」
「!」まさに自分が右に向かって顔を背けたことに気が付いて、太田が固まる。
「太田さんは警察学校出てるんだから、もっと詳しく習ったでしょ?」
「い、いや、その……」まさか“忘れていた”とは、正規の警察教育を受けた
警察官であることを誇りにしている太田としては口が裂けても云える筈も
無く、曖昧に口籠もるしかなかった。
 沈黙。
 じっと自分を見詰めている野明の視線が痛い。
 野明や遊馬達を“予備校上がりの促成栽培”と事ある毎に厭味を云って
蔑んできた自分が恨めしい。
 針の筵に座らされて晒し者にされるような精神的に苦痛に耐え切れず、
太田はとうとう音を上げた。
385368:2009/06/10(水) 23:35:28 ID:kkxEJ8H4
「…お前に……」
「え?」
「お前に…、これ以上痣を付けさせたく…無かった」
「痣?」一瞬怪訝そうな顔をしたが、数日前の太田との会話を思い出した。
 確かにあの時、太田は自分の躰に痣があると知ってショックを受けていた。
 野明にとっては差程大したことでは無かったのですっかり忘れてしまって
いたが、どうも太田にとってはそうでは無かったらしい。
「ば、馬鹿馬鹿しいな〜」その場の空気を何とかしたくて、野明は敢えて
軽く流した。
「前にも云ったじゃない。レイバーに乗ってれば絶対痣は出来るって。
太田さん気にし過ぎ」
「しかし!」弾かれたように野明を見る。
 大きな野明の瞳が自分を見ていることに気が付いて、視線を伏せた。
「…結婚前の若い娘が、そんな痛々しい……」
「結婚前って云うけどー」野明がずいと太田に身を乗り出す。
「そんなこと云ったらおタケさんや南雲隊長だって“結婚前”だし。あたしだけ
じゃないもん」それとも二人だったらいいわけ? と冗談めかして尋ねたが、
太田の答えは意外なものだった。

「お前さえ傷付かなければそれでいい」

「……へ?」余りにも意外な言葉に、野明の目が点になる。
 太田はあくまでも視線を逸らしたままで、低く言葉を継いだ。
「嫌なんだ。お前の肌に…俺と同じような醜く痛々しい痣があることが。
どうしても俺には耐えられん」
「そ、それって…どういう意味?」意味を計り兼ねて、野明が恐る恐る尋ねる。
 顔を覗き込んで来た野明を、たまらずに太田は強く抱き竦めた。
「ちょ、太田さん!?」悲鳴を上げた野明を、構わずに更に抱き締める。
 野明の両手が空を泳ぐ。
 顔を見られるのが嫌だったのか、太田は血を吐くような声で呟いた。
「痣だけならばまだいい。だがそれが傷だったら? それも、生命に関わる
ような傷だったら? そう思うといたたまれん」
「太田…さん?」野明の心に急速に拡がる不安。
 何故不安を感じたのか、野明にもよく判らなかった。
 密着している太田の胸の鼓動が異様に早いことに、この時の野明はまだ
気付いていなかった。

#380さんわざわざありがとうございました。
#明確な名前って無いんですね…文章系だと辛いなあw
386名無しさん@ピンキー:2009/06/11(木) 00:05:50 ID:qPwBfpKV
おおおおおっ!! 368さんキター!!
野明につっこまれて動揺する大田がいい!!
文章だけで汗かきまくる姿が目に浮かびます!!
続きを楽しみにしてます!! GJ!!
387名無しさん@ピンキー:2009/06/11(木) 11:57:20 ID:SXjckPMe
まさか太田で萌える日が来ようとはw

そういえばTVシリーズ見直したんだけど、冒頭ナレーションって太田の声の人?
声色似てないから自信無いけど…
388368:2009/06/12(金) 00:18:57 ID:ErkVy9Dd
太田×野明その4投下。
太田さん“らしい”かどうか一寸自信無いので申し訳無いのですが。


『刻まれしもの』 その4

「な…、何か…変だよ、太田、さん……」何と反応していいか判らずに、
野明は引き攣った笑みを浮かべながら太田を引き剥がそうとした。
 太田が何故こんな言動をするのか理解出来ない。
 野明にとっての太田は、“すぐ暴走するけどそれなりに信頼出来る
仲間”であり、“共に犯罪と戦ってきた同志”でもあった。
「ね、ねえ、離して…ってば」懇願したが、太田は野明を抱き締めて
離そうとしない。
 細い腕で突っ張っていたが、やがてその抵抗は無駄だということを
悟って抵抗をやめた。
「……抵抗せんのか」太田が低い声で尋ねてくる。
「だって筋力違い過ぎるんだもん」こんな筋肉の塊に勝てるわけ無い
じゃん、と、太田の腕を軽く押した。
「そうか」
「どうして離してくれないの?」
「俺がこうしていたいからだ」ぶっきらぼうな太田の返答。
 何それ、と呟いた野明に、太田は言葉を継いだ。
「こうしていれば、お前の躰の痣を見ずにお前の側にいられる」
「……へ?」太田の口から出たとは思えない意味深長な言葉に、
野明が何処か間抜けた声を上げた。
「…あのー、今の言葉、えっと…その」確認して良いものかどうかと
野明が言葉を探している。
 互いの顔は見えないが、負けないくらいに互いに真っ赤な顔をしていた。
 沈黙が流れる。
 太田は何かを思案しており、野明は居心地悪そうな顔で俯いている。
 やがて太田が声を上げた。
「なあ、泉」
「何?」
「お前は…篠原のことが好きなのか?」
389368:2009/06/12(金) 00:19:33 ID:ErkVy9Dd
「な!?」野明が耳まで真っ赤になる。
「な、何でいきなりそんなこと尋くの!?!」
 野明の声は完全に裏返っていたが、太田は真面目に尋いているらしく、
声色を変えずに「答えてくれ」と言葉を継いだ。
「……そりゃあ、遊馬はパートナーだし。つるんで出掛けたりもするけど。
でも別に友達だし…それ以上の感情は…無いと思う」100%絶対にそうだ、
とは自分でも云えなかったが、警察官である太田に“嘘”を吐いても
見破られてしまう可能性は高かったので、野明は思った通りに応えた。
「そうか」何かを得心したような太田の声。
 小さく溜め息を吐く。
 その溜め息が何を表しているのか野明には判らなかったが、きつく
戒めていた右手が少し緩み、野明の癖毛をそっと梳いた。
「太田…さん?」余りにもらしくない仕草に野明が声を上げるが返事は無い。
 只、伝わってくる太田の心臓の鼓動が異様に早いことに、ようやく野明は
気付いた。
「嫌…か?」ぎこちなく、太田が尋ねてきた。
「え?」
「俺なんかに抱き締められて」
「………。」
「騙し討ちみたいに抱き締めて…俺を卑怯者だと誹りたいか?」
「………。」何とも返答出来ずに野明は唇を噛む。
 そんな野明の茶色い髪を指に絡めながら、太田は呟いた。
「卑怯者と誹られても詰られても構わん。…それでも俺は、こうしてお前を
抱き締めたかった」
「どうして…抱き締めたかったの?」震える声で、野明が尋ねてくる。
 その口調には詰るような色は無く、只、疑問を素直に言葉にしただけの
ようだった。
 余りにも素直に疑問をぶつけられ言葉に詰まったが、やがて低い声の
まま応えた。

「こうやって抱き締めて掴まえておかないと、篠原にお前を連れて行かれて
しまいそうな気がした」
390368:2009/06/12(金) 00:20:06 ID:ErkVy9Dd
「あ、遊馬は別に、そういうのじゃないと…思うんだけど……」少なくとも
自分は遊馬をそんな目では見ていないと思っていたので、野明がしどろ
もどろに云うが、太田はふンと鼻を鳴らした。
「あいつのことはお前より俺の方がよく知ってる」
「でも」
「油断していたら、あいつはきっとお前を俺の手の届かない遠くに連れて
行ってしまう。だから、こうして何処へも行けないように抱き締めたかった」
「………。」
 流石の野明にも、太田が云いたいことがようやく理解出来てきた。
 異様に早い鼓動。
 顔を見せたがらないこと。
 掠れた声。
 そして、今の言葉。
「太田さん、もしかしてあたしのこと―――」そこまで云った瞬間、構内に
事件を報せるサイレンと放送が鳴り響いた。
「!」
「!!」
 反射的に二人が身を翻す。
「出動だ!」今までの赤面していた男とは同一人物とは思えないくらい
引き締まった表情で太田は立ち上がろうとしたが、野明がそれを制した。
「隊長が太田さんは今日一日安静だって」
「し、しかし!」
「脳震盪って怖いから絶対安静だって、きつーい“隊長命令”だよ」
「っ……」階級差に弱い太田は、その伝家の宝刀で沈黙する。
 隊長、即ち後藤は警部補なので、太田が逆らえる筈も無い。
「わ、判った……」がっくりと太田が項垂れる。
「心配しなくても、あたしが太田さんの分まで頑張ってくるから」にこりと
微笑み、太田の方を親しみを込めて叩いた。
 野明を見上げる太田の目が暗い。
「だーいじょうぶだってば!」野明はからからと笑って見せた。
「すぐに片付けて戻って来るから。ね?」
「……済まん」血を吐くような声で視線を伏せた太田に微笑みかけてから、
ばたばたと野明は出動する為にハンガーへと走り去った。
 独り残された宿直室で、太田はやるせない思いで拳を握る。
「くそッ!」
 内心に蟠る感情の捌け口を求めて、その拳を床に叩き付けた。
391368:2009/06/12(金) 00:21:11 ID:ErkVy9Dd
 それから3時間余りの時間は、太田にとっては永遠よりも長く感じられた。
 安静を命じられているので宿直室から出ることも出来ず、宿直室には
警察無線を傍受出来る装置が無いので状況が判らない。
 隊長室には無線機があるが、しのぶは安静命令の出ている太田が
隊長室に居ることを良しとしてくれないだろう。
 結局完全に情報を遮断された状態で、苛々と時計の針を睨んでいるしか
太田には出来ず、それが余計に神経を逆撫でた。
 苛立ちは、先程の自分の野明への態度にも向けられる。
 何故あんなことをしたのか。
 野明は嫌がって腕を突っ張っていたのに、何故解放してやらなかったのか。
 次第に苛立ちは激しい自己嫌悪に変わり、太田はぐしゃぐしゃと撫で
付けた髪を掻き毟った。
 居ても立ってもいられず立ち上がり、宿直室内を意味も無くうろつく。
 それは苛立っている時に太田が所構わずおこなって周囲に迷惑がられる
悪癖の一つだったが、今は太田しかいないので迷惑がる者がいないのが
不幸中の幸いだった。
「くそッ」布団の上に胡座を掻き、太田が不満げに呻く。
「隊長も隊長だ。少し気絶しただけで別にもう何ともないというのに、安静
命令など…俺がいなければ2号機を操縦する人間がおらんというのに!」
腹立たしげに床に拳を叩き付けてから、急に太田の表情が崩れた。
 叩き付けた拳を凝視する。
 やがて小さな声で、この場にいない人間に向かって低く呟いた。
「…護ってやれなくて済まん、泉……」
[続く]

#何か計算間違って分割細かくし過ぎました……
#スレを無駄に消費してしまって済みません
392名無しさん@ピンキー:2009/06/12(金) 06:38:31 ID:zMv7wMDx
>>390
どんまい。全然無駄なんかじゃないっすよー
太田いい男だなぁ

野明は太田のとこへ嫁にいったら、結構幸せになれる気がする
393名無しさん@ピンキー:2009/06/12(金) 08:21:38 ID:0DVE0Qg5
368さん楽しく読ませてもらってます

ごとしの、ごとのあが好きだったけど太田野明にもはまりそう
じわじわと萌えるものがある・・・
394名無しさん@ピンキー:2009/06/12(金) 11:53:17 ID:GproF7G4
太田の誠実さがよく出ていてGJです>368さん
感情表現が下手なだけで、いい奴だよな、太田ってw
少なくとも遊馬よりは太田の嫁になる方が、野明は
幸せになれそうな希ガス

続きwktkしてお待ちしております
395名無しさん@ピンキー:2009/06/12(金) 15:22:22 ID:rZR7ZtSf
恋人にするなら→遊馬>太田
旦那にするなら→遊馬<太田
かな
付き合ってるのが野明なら、デートも普通かもしれん
何処に行くか想像も付かんがw
396名無しさん@ピンキー:2009/06/12(金) 15:44:56 ID:/uWsHASC
俺はあえてひろみちゃんを押すぜ(キリッ
397名無しさん@ピンキー:2009/06/12(金) 15:59:10 ID:eguAsV7a
ひろみちゃん好きだけど、会話続かなさそうだな…
398368:2009/06/13(土) 00:28:11 ID:GCCoJn6a
太田×野明その5投下。
ようやく話がここのスレの趣旨方向に前進…少しですがw

『刻まれしもの』 その5

 太田にとっては長い長い時が過ぎた。
 やがてハンガーの方から大きな物音が嫌でも聞こえてきて、第2小隊が
任務を片付けてようやく帰ってきたことを悟った。
 響いてくる整備班の叫び声の調子からいって、致命的な何かが起きた
ようでは無い、ということを普段の経験から悟って――もっとも、例え
太田機が大破しても露骨に迷惑そうな顔をして厭味の一つも云われる
くらいだということを太田は都合良く忘れていたが――、胸を撫で下ろした。
 胸の辺りにつかえていた大きな何かが、ようやく腑に落ちたような感覚。
「い、泉は……」居ても立ってもいられずドアを開けようと駆け寄ったが、
ドアの方が先に開いた。
「!」危うくドアに激突しそうになって、殆ど本能的に飛び退って回避する。
 開いたドアの向こうから、ひょっこりと野明が覗き込んで来た。
「泉?」
「へへ〜」野明は満面の笑みを浮かべて入って来ると、そっと後ろ手に
ドアを閉めた。
「良かった。太田さん、勝手に飛び出しちゃうんじゃないかと思って、結構
冷や冷やしてたんだ」
「ば、馬鹿もん。俺だって隊長命令に反するようなことがだな、そうそう
あって……」そこまで云いかけたが、近付いて来た野明に手を伸ばし、
そっと抱き寄せた。
「太田さん?」
「済まん。…護ってやれなかった」
「いいんだよそんなの」どうやら何となく太田が何を云いたいのか判ってきた
らしく、野明は微笑んだ。
「あたしもイングラムのパイロットだもん。護って貰ってばかりじゃ情けないよ」
「………。」
「先刻の任務も、おタケさんが太田さんの代わりに2号機に乗ってもいいって
云ってくれたんだけど」
「巡査部長が?」意外な言葉に、太田が目を丸くする。
「うん。進士さんがバックアップでね。でも、あたし一人で太田さんの分まで
頑張るって約束したから。ちゃんと一人で片付けたよ」えらいでしょ? と
得意げに胸を張る野明に愛しさを感じて、頭を掻き抱いた。
399368:2009/06/13(土) 00:28:45 ID:GCCoJn6a
「…苦しいよ太田さん」
「あ、ああ。済まん」慌てて野明を引き剥がしたが、ふと気になって、野明の
襟許に両手を伸ばした。
「何?」
 野明の言葉に何も応えず、ネクタイに手を掛ける。
 しゅるっ、という軽い衣擦れの音がして、ネクタイが床に落とされる。
 そのままシャツのボタンに手を掛け、上から順番に外してゆく。
「ね、ねえ…ちょ……」自分の身に何が起きているのか咄嗟に把握出来ない
らしく、野明が顔を真っ赤に染めながら太田を見上げるが、それを無視して
全部のボタンを外すと、ゆっくりとシャツを肩の向こう側へと押しやった。
「……やっぱり」太田が眉間に皺を寄せる。
 白い肌に刻み込まれた、真新しい痣。
 小柄で華奢な体型の野明の躰にあると、余計に痛々しく見えた。
「また、こんなにして……」低く呟きながら、指先でそっと触れる。
「いいってば」野明が苦笑った。
「こんなのいちいち気にしてたら、イングラムのパイロットなんか務まらないもん」
「しかし……」眉間に皺を寄せたままの太田に、不意に野明が微笑みかけた。
「?」いきなり微笑みかけられて、太田が怪訝そうな顔をする。
「太田さんも痣があるんでしょ?」
「あ、ああ」
「見せて欲しいな」
「……は?」唐突な言葉に、太田が目を点にした。
 そんな太田の顔を下から覗き込んで、野明は悪戯っぽく笑った。
「あたしのシャツ、許可も取らずに脱がせちゃったよね」
「!」
「普通、こういうことって、しないよね?」
「…そ、それはその……」よく考えたらどさくさ紛れにとんでもないことを
してしまったということにようやく気が付いたらしく、太田の顔から一瞬で
血の気が引いた。
「だから、太田さんも痣見せてくれたらおあいこってことにしてあげる」
 あたしってやさしいでしょ、と野明に笑われて、太田は拒むことが出来ずに
一度咳払いしてから、視線を逸らしたままで自らのネクタイに手を掛けた。
 野明の丸い目が、瞬きもせずにじっと見詰めている。
 これではまるで俺の方が目で犯されているようではないか、と、背筋を
嫌な汗が伝った。
400368:2009/06/13(土) 00:29:33 ID:GCCoJn6a
 一瞬躊躇ってから、シャツをはだけて見せる。
―――小柄でどちらかと云えばがっちりした体躯の太田だが、決して
太っているわけでは無く、その殆どは筋肉である。
 普段の行動パターンから“脳まで筋肉で出来ている”と揶揄されることが
多いが、少なくとも躰の筋肉は日々の努力と鍛錬の成果であって、イングラム
パイロットとしての太田の誇りの表れでもあった。
 但しその躰には野明同様、そして野明より遥かに多い、無数の痣が刻み
込まれていた。
 ぶつけた時の衝撃が強いのか、どす黒く変色しているものも多い。
 屈強な体躯に無数の痣が刻み込まれている様は常人のものとは到底
思えず、一種異様なものさえ感じさせた。
「太田さんこそ、こんなに痣だらけじゃない」溜め息を吐いて、野明は細い
指で痣の一つを撫でた。
 野明に触れられて、一瞬びくりと震える。
「あ、痛かった?」
「い、いや……」
「太田さん、何時も無茶ばっかするから。だからこんなに痣だらけになるん
だよ」2号機があんなに傷だらけになるくらいだもん、これくらいで済んでる
方が不思議かもしんないよね、と言葉を継いで苦笑った。
「お、俺は…別にいいんだ」
「何でよ」
「男にとっちゃ…傷は勲章だからな」真っ直ぐ野明を見て云うには流石に
後ろめたかったようで、太田は視線を逸らしたままで小さくそう応えた。
「………。」不満げな野明の顔。
「な、何だ」勿論そう云えば、野明がそういう反応をすることは太田にだって
判っていたのだが、いざされるとそういう言葉しか出てこない。
 気の利いたことが云えない自分が恨めしいが、どうしようも無かった。
「太田さんってズルい」
「なッ」いきなりの評価に、太田は目を剥いた。
「俺の何処が狡いと……!!」何時もの調子で叫びかけた太田は、いきなり
野明が胸に顔をうずめたのに驚いて言葉を失った。
「いず…み?」まさか野明の方からそういうことをしてくるとは思っていなかった
ので、不安を感じたらしく太田が心配そうな声色で野明を呼ぶが反応が無い。
 このまま抱き留めて良いものかどうかと宙に両手が浮いたままで固まって
しまっていた太田は、不意に剥き出しのままの胸板に冷たいものを感じた。
 よく見ると、野明の肩が小刻みに震えている。
 泣いているのだと悟って太田はどうして良いか判らなくて、結局そのままの
姿勢で固まり続けることしか出来なかった。
[続く]
401名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 20:39:40 ID:GxZr+xj3
wktk wktk
402名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 21:22:24 ID:oql8LV/v
なんか なんかもう
すごく(・∀・*)イイ!
403名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 23:31:39 ID:jqiH66VF
困惑している太田の顔が目に浮かぶようだ・・・
404名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 23:41:36 ID:URTJAIqT
ちょ、もしかしてこの太田は前髪ありバージョンですか(*´Д`)ハァハァ
太田を色っぽく書く(それも露骨にじゃなくて)人初めて見た…感動だ
405名無しさん@ピンキー:2009/06/15(月) 20:19:12 ID:jJ1dtZss
Q;女子大生と浪人生女子の水着姿にどれだけ期待していいものだろうか?

A;バーディーの格好以上のものはそうあるめえよ


廃棄物13号事件解決後のプールで、野明(20)を意識するそぶりを
ちらとも見せなんだ遊馬の賢者ぶりには
背後から水着ずらした課長の息子の勇者ぶりには

しかしこのスレは随分エロい……
406368:2009/06/18(木) 23:54:07 ID:gQ7E93q0
ども。お久し振りです。368です。
オチをどう落とせばいいかと悩みに悩んで、間が空いてしまいました。
取り敢えず今回で最後です。
あの太田さんのやることなので、期待はしない方がいいです…はい。

『刻まれしもの』 その6(最終話)

 1分も経っていなかったが、太田には恐らく、その何倍にも感じただろう。
 野明達が自分を置いて現場へと出動した時も辛かったが、今のこの
状況はそれよりもずっと辛かった。
 理由はどうあれ、自分のせいで、胸の中で、野明が泣いている。
 女を泣かせるなど言語道断、と迷わず云い切るであろう太田の性格から
いけば、今の自分が赦せる筈が無い。
 それでも何と声を掛ければ良いのか判る程の器用な人間でも無く、
困惑がありありと伺える、何処か上擦った掠れ声で、恐る恐る声を掛けた。
「い、泉…、頼むからその……」そこまで云って、そっと頭の上に手を置いた。
 びくりと野明の躰が撥ねる。
「頼むから泣かないでくれ…何だ…、俺はこういうのが苦手なんだ……」
まるで子供に云い聞かせるような声で哀願する太田からは、普段の勢いが
完全に失せていた。
 それでも野明が泣きやまないので、仕方無く頭に置いた手で子供を
あやすように何度も髪を撫でてやる。
「なあ…、俺が何かしたか?」泣き出す前に「狡い」と云われたことを勿論
憶えているので、出来るだけ穏やかに聞こえるように最大限努力して
(本人の性格からいって、それは至難の業だったのだが)、尋ねてみる。
 しゃくり上げるように泣いていた野明は、やがて顔を上げないままで
「だって」と応えた。
「だって太田さん、あんなに無理して。あたしのこと庇ったせいで脳震盪まで
起こして。こんなに酷い痣だらけなのに…自分はいいんだって。そんなの
絶対ズルいよ」
「俺は男だから……」云いかけた太田の言葉を、鋭い野明の言葉が遮った。
「第二小隊じゃ男だとか女だとか関係無いって不文律じゃない!!」
 余りの剣幕に、太田がうッと呻いて仰け反る。
「あたしだってイングラムのパイロットなんだもん。お客さんじゃないんだもん!」
そこまで云って、再び太田の胸に顔を埋めた。
 それを困惑の表情で見降ろしていたが、やがて眉を下げた。
「す、済まん。そういうつもりじゃ…無かったんだが……」
「じゃあどういうつもりなの」まるで揚げ足を取るように、野明が睨んでくる。
 唇を尖らせ、拗ねたような表情の野明だが、大きな瞳が潤んでいるので
何とも云えずコケティッシュだ。
 そういう女性の表情に全く免疫の無い愚直な男は、露骨に視線を明後日の
方向に泳がせながら上擦った声で返答した。

「お前が傷付くのがどうしても耐えられなかった。それだけなんだ」

「………。」元々丸い野明の目が、これでもかという程に見開かれる。
 引け目のある太田には、その表情さえ自分を非難しているように見えて、
決まり悪そうな表情を浮かべ、誤魔化すように野明を掻き抱いた。
407368:2009/06/18(木) 23:55:01 ID:gQ7E93q0
 剥き出しの胸板に、野明の頬が密着する。
 涙に濡れてはいるが、暖かく、柔らかい野明の頬。
 無意識の内に手を伸ばし、指先で触れる。
「……?」
 指先でそっと目許の涙を拭ってやる。
「お前は優秀なイングラムのパイロットだ…格闘なら俺よりもずっと腕もいい。
それは判ってる。充分に判ってるんだ」
「じゃあ……」
「そういうのじゃ割り切れない“何か”なんだ。俺にもよく判らない“何か”が、
お前が傷付く処を見たくないと俺の頭の中で叫び続けてる」そこまで云うと
太田は、ずっと逸らしていた視線を野明に向けた。
 真摯な瞳。
 一瞬躊躇い、視線を虚空に泳がせる。
 それでももう一度野明を見詰めて、太田は何時もの声色で告げた。

「お前が傷付くくらいなら俺が死んだ方がマシだと、本気で思ってる」

「!」野明がびくりと身を竦める。
 見上げた太田は、無表情に自分を見詰めている。
 喜怒哀楽が激しく、とにかく必要以上に騒々しく熱い男、というのが、世間
一般的な太田への評価だが、一人でいる時は無表情にじっと何かを考えて
いることが多いことを野明は知っている。
 もしかしたらどうでもいい、つまらないことを考えているのかもしれないが、
太田はポーカーフェイスをしなければならない時には出来ないわけではないと
いうことを知っている野明は、今の太田の無表情は、感情を読まれまいと
いうポーカーフェイスだということを悟った。
 ポーカーフェイスは、やがて自虐的な笑みに変わる。
「おかしいだろう」口端を歪めて、太田は嗤った。
「笑ってくれ。仲間を信頼することも出来ん馬鹿だと」そう云ってもう一度嗤う。
 その笑みが痛々しくて、野明は眉を顰めた。
「嘲笑う値打ちも無いくらい、馬鹿げてるか?」恐る恐る、太田が尋ねてくる。
 太田自身にも、自分の感情が判らないので、持て余しているのがよく判る。
 そんな太田に、野明はくすりと笑みを浮かべた。
「違うよ太田さん」
 胸板から顔を離し、太田の、そして自分の痣に触れる。
「これはね。痣なんかじゃないよ」
「しかし」
「これは勲章。…あたし達が誰かを、そしてこの街を護った勲章なんだよ」
「勲章……」太田が呆然と呟く。
「うん。確かに痣が出来れば痛いし、イングラムに乗ってる限りは怪我することも
あるけど。でもあたしは無理してるんじゃない。必要とされてて、あたしに出来る
精一杯のことをしてるんだもん。…だから、」そこまで云って、にこりと笑った。
「そんなに心配してくれなくても平気だよ」
「………。」
 眩しい野明の笑みとは裏腹に、太田の心がすうっと醒めてゆく。
 自分がした事は何だったのか。
 自分は結局何がしたかったのか。
 自分は…余計な事をしただけなのか。
 無意識の内に、抱き留めていた野明の躰から手を離し、後退った。
408368:2009/06/18(木) 23:56:04 ID:gQ7E93q0
「太田さん?」怪訝そうな野明の顔。
「どうしたの?」
「いや…、何でもない」震える唇で辛うじてそう言葉を紡ぎ出す。
 手を伸ばせば届く場所にいる筈の野明が、酷く遠くに見えた。

「済まん。つまらないことでお前にまで迷惑を掛けて」出来るだけ無表情を装い
ながら、太田は自らのシャツのボタンを留めようと指を掛ける。
「先刻の俺の言葉は忘れてくれ」お前には必要の無い言葉だった、と付け加える。
 無表情を装っていても苦しそうな目を見て、野明がくすりと笑う。
 白い手が、ボタンを留めようとしていた太田の無骨な手の上に重ねられた。
「何だ?」怪訝そうな太田の顔。
「いいから」笑いながらシャツを捲り、指先で思案するように痣を撫でる。
 くすぐったくて唇を引き攣らせる太田を無視して、まだ色の濃い、見るからに
一番新しそうな痣の上で指を止めた。
「やっぱこれかな」
「?」
 怪訝そうな表情のままの太田に一度微笑みかけてから、顔を近付ける。
 触れるか触れないかくらいで、柔らかいものが落とされた。
 凍り付く時間。
 自分の身に何が起きたのか全く判らずに完全に硬直していた太田は、やがて
状況を把握すると湯気が出そうなくらい顔を真っ赤に染めた。
「な、な!?」
「そんなに真っ赤にならなくても」可笑しくてしょうがないらしく、野明が笑う。
「お、お、お前、今何を!?」
「おまじないだよ」
「おまじない?」怪訝そうな太田に、野明は頷いた。
「あたしのこと護ってくれた太田さんが、これ以上傷付かないように」
「あ―――」意味深長な言葉に、太田が痣の上に手を乗せて野明を見る。
 微笑む野明。
「嬉しかったよ。そんな事云ってくれた人、今までいなかったから」
「しかしお前をまるで馬鹿にしたみたいで……」
「そんなつもりで云ったんじゃないってことくらい、あたしちゃんと判ってるよ。
太田さんが、あたしのこと本当に大切に思ってくれてるってことも」
「泉……」
 おずおずと、諸手を差し出す。
 ほっそりとした野明の頬を包み込む。
 野明は抵抗しない。

 瞼を閉じた野明に躊躇いながらも顔を近付けたその瞬間……。

 静寂を切り裂くような鋭い、そして無粋なサイレンの音が鳴り響いた。

「!」
「!!」一瞬前のことなど忘れてしまったかのように、二人が身を翻す。
「くそッ、今日は出動が多いな」悪態を吐いた太田に、野明が釘を刺す。
「太田さんは今日一日安静だからね」
「〜〜〜ッ」そういえばそうだった、ということを思い出し、太田が喉の奥から
言葉にならない呻き声を上げた。
 この顔が一番太田さんらしいよね、と心の中で呟きながら、野明が笑う。
「大丈夫。太田さんの分まであたしが頑張ってくるから」
409368:2009/06/18(木) 23:56:46 ID:gQ7E93q0
「しかし……」純粋に野明一人にオーバーワークを科すのは心苦しいらしく、
太田が眉間に皺を寄せる。
「いざとなったらおタケさんも2号機乗ってくれるって云ってるし」
「………。」
 不満を隠そうともしない太田に、野明は笑みを浮かべながら言葉を継いだ。
「今度の非番、食事でも奢ってよ。それで赦してあげるから」
「!」唐突な言葉に、太田が弾かれたように野明を見る。
「泉、い、今のは―――」真意を問いただそうとした時には、野明は素早く
制服を整えて、出動の為に宿直室から半身飛び出していた。
「約束だよ!!」
「お、おい、泉!!」慌てて後を追おうとした太田は、誰かにぶつかった。
 自分より長身で、煙草の匂いがする。
 第二小隊内で煙草を常用している人間は一人しかおらず、それが後藤だと
いうことはすぐに知れた。
「隊長!?」慌てて飛び退り、敬礼する。
「様子はどうかなと思って見に来たんだけど……」そこまで云って、上から
下まで太田をねめつけた。
 居心地が悪くて、太田が咳払いをする。
「何でシャツのボタンが外れてるのかは詮索しないことにして。取り敢えず叫び
ながら飛び出そうとするくらいの元気は有り余ってるってことで」
「!!」そういえばボタンが外れたままだったということに気が付いて、慌てて
手で胸許のシャツを掴む。
「何で赤面してるの?」
「い、いえ、別に」
「まあいいんだけどね。君も男だってことにしとくから」
「ど、どういう意味ですかそれは!!」思わず何時もの調子で噛み付いてくる
部下をいなしながら、後藤はあくまでもマイペースに告げた。
「泉にばかり出動重ねさせると後が大変だからさ。それだけ元気なら一緒に
現場、行ってくれる?」
「じ、自分も出動して良いのですか!?」今日はもう出動させて貰えないのだと
ばかり思っていたので、太田が瞳を輝かせる。
 それが単に“現場に出られる”という意味だけでは無い、ということを後藤が
悟っていたかどうかは定かでは無いが、うんとあくまでも何時もの調子で頷いた。
 慌てて制服を整え、ブーツを穿き、レギンスを装着する。
 びッ、と鋭く敬礼した。
「太田巡査、只今より2号機搭乗任務に就きます!」
「敬礼はいいからとっとと行ってよ。みんな待ってんだから」追い払うかのように
ひらひらと手を振る後藤にもう一度敬礼し、慌てて太田は駆け去った。

「若者っていいなあ……」
 宿直室に来る前に擦れ違った野明の表情を思い出しながら、しみじみと後藤は
一人呟いたのだった。
[刻まれしもの:了]


あの太田さんが、いきなり女性を押し倒すなんて有り得ないし、多分キスも
かなり厳しいだろうということで、まあこういう不完全燃焼気味なオチになって
しまいました…スレの趣旨には余り沿わないまま終わっちゃってスミマセン。
取り敢えず端折っちゃった部分を加筆して自分トコに上げ直すつもりでいます
ので、済みませんが倉庫の方には入れないでくださいませ。

太田さんをたくさん書けて楽しかったです。
また何時か、ネタが出来たらお邪魔させていただきたいと思ってます。
応援してくださった皆様、本当にありがとうございましたm(_ _)m
410名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 00:55:35 ID:6iNRvEXR
最終話キター!!!!!
スレ趣旨どうこうじゃなくて、男臭くてかっこいい大田さんを堪能させていただきました!!
野明の芯の強さも、不器用な二人のやりとりも楽しかったです!!
超、GJ!!
411名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 04:47:31 ID:5zE1tXUf
全俺が泣いた

久しぶりに来たら神が降臨なされていた
ありがとうありがとう
太田の真摯な面と、肝心なところでヘタレる性格(褒め言葉)が
たまりませんですた。
野明の柔軟な感じもかわいいなあかわいいなあ

これでようやく服着れる
412名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 07:56:09 ID:L1c27P33
368さん乙でしたー。
太田の不器用だけど真っ直ぐで真剣な思いが伝わってきて
超超GJでした。



413名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 11:41:55 ID:keJkZb+Y
乙でした>368さん
無器用な生き方しかできない太田の性格をうまく逆手に取って書かれてて感動しますた
是非是非続編も投下キボンです
非番デート話wktk

この太田×野明ならエロ無くても萌える(*´Д`)ハァハァ
414名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 20:40:45 ID:l9ZjOggM
とても良かったです
415名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 21:38:32 ID:s5q7NuyA
続編キボンに挙手しておこうノシ
きっと太田が身悶えするほどじれったいに違いないw
416名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 00:19:26 ID:KaaSat9i
初めて太田さんに惚れそうになりました。
デート編も期待してます。
417368:2009/06/21(日) 00:55:39 ID:3wiI9/LH
ども。皆様過分なお褒めをくださいまして恐縮です。
続編は勿論書けなくはないんですが……。
只、「あの」太田さんが、マトモに野明と二人でプライベートで街を
うろうろ出来るかなあとw
デートかどうかは定かではありませんが、食事でも太田さんは死ぬ程
悩みそうです…いや、既に私がどうすりゃいいんだ状態ですorz

どなたか良いデートプランを考えてやってください……w
418名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 03:54:55 ID:47++6Y8d
昼間は野明がひっぱりまわしそうだな、色々と
映画やレジャー施設もいいけど、意外とアキバなんかどうだろう
マニアックなレイバー関連の雑誌とかフィギュアとか売ってそうだw
そんで夕食はどうするか激しく悩んだ末、なぜかお高い料亭に連れてく太田
敷居の高さにびびる野明


というところまで妄想した
419名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 06:30:10 ID:uHA9WV68
「非番に食事」とはちとズレるが、夏みたいだし花火大会はどうだろう
浴衣姿の野明の色気に功ちゃん撃沈とかw
夕食は418さん案がミスマッチで俺も萌える
意外と功ちゃんはちゃんとしなくちゃいけない時はしそうだから、野明一人慌てるとかw

せっかくだから功ちゃんにはかっこよく決めて欲しいな〜
368さんの書かれる功ちゃんはかっこいいからな
420名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 10:56:56 ID:cV6rq93V
ゲーセンのガンシューティングで最高得点を弾き出して、さすが太田さんと
呆れ混じりに尊敬される太田を妄想w
シャフト謹製パトレイバーシミュレータはもう無いのかな
421名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 17:34:15 ID:ItIXtliZ
そういえば、太田野明だとフォアードコンビなんだよな
フォアードにしか分からないネタとかで盛り上がりそうw

ところで太田って野明より何歳歳上?
422名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 21:56:29 ID:cBf04edL
6歳
野明の第2小隊配属時に野明18歳、太田24歳
423名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 23:01:50 ID:uFGYMkgY
成人式=ハタチ、ではなかったと気づいた件
424368:2009/06/22(月) 00:36:32 ID:2Sl4sP3K
まだ次の話の細かい処は全然考えてませんが、何かこの会話だけ別の
作業をしていてふと思い付いたので。
次の話の中に組み込むと思うのですが、一生懸命アドバイスくださる
心やさしい皆様への感謝を込めて(御礼にもなりゃしませんがw)
会話だけで成り立っているので読み辛いかもしれません……。


「fragment01−相談」

太田「あの、巡査部長殿」
熊耳「何、太田君?」
太田「一寸…御相談があるのですが……」
熊耳「珍しいわね。何かしら?」
太田「その…、女性を食事に連れて行く時…何処へ連れて行けば喜び
ますか……?」
熊耳「(怪訝そうに)もしかして私を食事に誘ってくれてるのかしら?」
太田「あ、い、いえ! 巡査部長殿を食事になんて、そんな畏れ多い!
自分如きがお誘い出来るような立場ではありませんし(赤面)」
熊耳「てっきり遠回しに誘われたのかと思ったわ」
太田「………。」
熊耳「冗談よ。で、女性を食事に連れて行きたい、ってことでいいのよね?」
太田「は、はい。そうであります」
熊耳「相手との関係にもよるわね。余りプライベートなことを突っ込んで尋く
のも悪いけど、或る程度はどんな相手か聞かないとアドバイスも出来ないわ」
太田「えーと」
熊耳「友達? それとも好きな人?」
太田「(赤面)」
熊耳「…尋くだけ野暮って感じね」
太田「(ますます赤面)」
熊耳「食事って個人の好みがあるから難しいけど。でもこれだけははっきりと
云えるわね」
太田「何ですか?」
熊耳「“愛情はお金で買えない”って云うけど、でも本当に愛情を示したいの
なら、やっぱり最低限の投資は必要ってことよ」
太田「?」
熊耳「レディをエスコートするのにいきなり駅前の立ち食い蕎麦じゃ、絶対に
幻滅されるってことくらいは判るでしょ?」
太田「あ……」
熊耳「高ければいいっていうわけじゃ決して無いけれど、でも気持ちを示す
手段だとは思うわ。あくまでも私個人の意見だけど」
太田「………。」
熊耳「そんなに難しい顔しなくても。あなたの感じたままでいいんじゃないかしら」
太田「自分の…感じたままですか……?」
熊耳「ええ。一番大切なのは“誠意”だもの。でも、悔いの残らないようにした
方がいいってことは、先輩としてアドバイスしておくわ」
太田「先輩……?」
熊耳「ふふ」
太田「あ、ありがとうございました。参考にさせていただきます(背を向ける)」
熊耳「太田君」
太田「(振り返り)何でしょう?」
熊耳「……頑張ってね」
太田「(赤面)」


人生の先輩(?)としてアドバイスするおタケさんの図。
何だかんだでおタケさんは太田に甘そうな気がします……。
私も知りませんでしたが、太田さんって野明より6つも歳上なんですね。
ていうか、野明着任時24歳って…見えないのですがorz
いや、それよりも5年近く機動隊に居続けられたってことの方が驚きですw
425名無しさん@ピンキー:2009/06/22(月) 21:42:12 ID:fdxZOP0A
少なくとも再来週までお預け! 水着ッ! 水着?
ともかく海ぃいいい暑いぃいいいい

しかしあの体のあの格好がすぐ傍にあって何の不満がある浪人生!(含意解釈数多
426名無しさん@ピンキー:2009/06/26(金) 14:07:37 ID:cBYNP9TW
新作期待しつつ保守
427名無しさん@ピンキー:2009/06/26(金) 14:18:47 ID:fn/ysB5n
バーディーの水着に期待
あとR一行にも期待
428名無しさん@ピンキー:2009/06/29(月) 03:26:32 ID:y/OsJblv
>>424
太田かわいいよ太田
このままひたすら悩むんだろうなあ
おタケさんはさすがリチャードに鍛えられただけあって、この手の基準は厳しそうだw
楽しみにしてます、ゆっくりでいいんで
がんばってつかーさい
しかし6歳差ってかなり理想だ。上過ぎず下過ぎず。
429名無しさん@ピンキー:2009/06/29(月) 12:05:03 ID:L4igeLNi
TV版でデートしてた時の食事も太田が考えたんだったら、そんなに
センスは悪くないのではという気もしなくもない……
任務中はマッドポリスマンだが、普段はそれなりに普通の大人では
ないかと思うんだがなぁ
430名無しさん@ピンキー:2009/06/29(月) 12:37:26 ID:AAf0UY9J
水着はまだかなぁ
431名無しさん@ピンキー:2009/06/30(火) 22:01:25 ID:CXKZIRLN
エヴォ二巻の表紙は単独中杉! 中杉だった! こいつぁ新機軸だ

でも今後は早宮を含めても女性候補が多くなさげ

となると男も候補に……あ、前からなってたか

早宮が表紙になる頃にはどんな展開だろうか
432名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 07:30:27 ID:kd/gpESz
>>429
太田は割とリベラルな面もある
射撃は野明よりも上手で当てる場所と外れた時の被害とかを判断しながら撃ってるから当たらないだけで。
組織の中での上下とかの空気にもそれなりに知ってるみたいだし、小隊での自分の役割として演じている部分もある。
まさに先任軍曹みたいな感じなんだろう。
433名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 10:57:55 ID:AmZ72FHS
>>432
他の第2小隊の面々が予備校上がりで、自分だけが正規教育を受けた
警察官だというのも大きいんじゃないかな。
一応は5年程現役警察官やってたし。
ああ見えて責任感強いから、いろいろ勝手に抱え込んでるのかも。
だから368さんの話みたいに「俺が泉を守ってやらなければ」という
発想になるのは自然というか。勿論実力は認めてるんだろうけどな。
でもそれだと、恋愛感情なのかどうかは微妙だなぁ……。
本人が恋愛感情だと気付かずに、「先任の責任感」と勘違いしてる
可能性は大いにありそうだ。
公私を分けて野明と絡める後藤や遊馬と違って、多分どうあっても
分けられなさそうな太田…可愛い奴だなw
434名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 14:16:40 ID:gj8QYIOP
香貫花に逆レイプされる太田が見たいのは俺くらいか?w
435名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 22:49:07 ID:eDtv9xCa
おたけさんに逆レイプされる太田さんがみたいです
436名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 02:58:11 ID:XOBedtkj
いっそVS再び状態で「どっちをとるの!?」と、香貫花&おたけさんに
迫られていただきたいw
野明は二人の迫力に圧倒されておびえてたりとかw
437名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 10:13:08 ID:etAI67j8
力任せの香貫花、リチャード王仕込みの熊耳かな
太田はどちらかを選ぶなんて出来ないだろうから、苛立った二人に…だろうなw
是非見てみたいw
438名無しさん@ピンキー:2009/07/04(土) 11:52:15 ID:Nnn85aJb
バーディーと千明のエッチが見たいなぁ
439名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 12:52:08 ID:85W4Sqkc
早宮夏実嬢は……

・古馴染みがシケた面した青春を送るのが気に食わん/楽しくない
・ワシじゃあ楽しい高校生活にしてやれんかっただぎゃーorz

潜在的な早宮⇒つとむで後者だとしたら健気かつ不憫だなと妄想

>>438
千明だって二心一体知ってるんだから「やらないか」は……
440名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 18:37:04 ID:idNCOdcR
千明は二心一体知らないんじゃない?
441名無しさん@ピンキー:2009/07/11(土) 19:52:16 ID:GLwKa4HV
HOS
442名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 19:12:25 ID:Lo6iVan3
1に水着
2に水着
3、4が無くて

5に水着

>>440
獣人部隊のチョビこと千明がバーディーを見て「千川君元気そうだった」と
443名無しさん@ピンキー:2009/07/14(火) 13:30:59 ID:jmdZ/JSf
1号機を起動待機中に、気の迷いでコクピットでオナヌーする野明
遊馬にバラすと脅迫されて進士と太田に…というご都合展開を思い付いた
444名無しさん@ピンキー:2009/07/14(火) 21:50:00 ID:PNtgHXRH
>>443
その展開(オナヌー)では、真っ先に遊馬にバレるのではなかろーかw
445名無しさん@ピンキー:2009/07/14(火) 21:56:51 ID:uJhrZvo+
ネタなんだし、遊馬不在でいいんじゃね?
漫画版で遊馬は太田機の指揮執ってたてのもアリだし。
446名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 01:34:21 ID:o4xWq/dc
>>443
進士と太田がつるむなら、熊耳巡査部長を犯りまくる方が萌えるな。
キャリアの後部座席や宿直室で3Pとか。
初めは抵抗するけど、何度も犯られてる内に溺れていく熊耳。
447名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 01:41:36 ID:t5YjDeY6
>>442
いやまだ知らないはずだよ。
千川君元気そうだったなと言ったのはバスでの戦闘が終わってからつとむの姿で中杉さんを探しにまた現場に来た時に見つけたからのはず。
448名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 01:42:22 ID:ONJnavB+
レイバーキャリアってベッドあるんだ…ちょっとびっくりしたw
449名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 14:16:45 ID:bSlwv+43
レイパーキャリアに見えた...orz
450名無しさん@ピンキー:2009/07/21(火) 08:50:46 ID:pxESVjzq
バーディーの水着、水着!


そして友人思いでいい人過ぎる早宮に千×早派の俺が無力感に泣いた
451名無しさん@ピンキー:2009/07/21(火) 11:30:07 ID:U2uYY3PV
ツトムに水着選んでもらってバーディー嬉しそうにしてるし
バーディー×ツトムもあってほしいなぁ〜
二心同体がネックだが…
452名無しさん@ピンキー:2009/07/24(金) 03:02:38 ID:bXMTkMoS
野明エロ
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/src/up9757.jpg_gJzy8g0qthTZsMvM1Pdo/up9757.jpg

夏コミ楽しみwww<落ちたけどな
453名無しさん@ピンキー:2009/07/24(金) 17:16:11 ID:bXMTkMoS
しのぶさんエロ
ttp://kuronuko.up-ch.com/uploader/sn/src/up9773.jpg_ZU7Q7CvOhjfOLCDEMOlZ/up9773.jpg

上になったってイイじゃない
454名無しさん@ピンキー:2009/07/24(金) 20:36:56 ID:AyHf8GJ7
南雲隊長の股間に自分のリボルバーカノンを射ち込みたいであります!
許可を!発砲許可を!!!
455名無しさん@ピンキー:2009/07/24(金) 21:43:32 ID:pPZginaj
まあ落ち着け太田w
456名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 01:20:56 ID:L6iBhNoM
太田×しのぶって見てみたいかもw
しのぶさんが失神しても犯し続ける鬼畜な太田なら更に良し。
巡査部長二人と後藤が黙ってないかだろうがw

個人的には太田は鬼畜な方が萌える。
457名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 02:30:28 ID:FqTBnL/k
>>452
冬コミガンバレ。新刊出たら買いにいくよ!
458名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 02:32:55 ID:FqTBnL/k
>>456
発砲許可とか言ってないで「往生せぃやぁあぁっ!!!」で突撃して欲しいわw
459名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 03:46:08 ID:3An0Mo8a
太田って精力強そうだな…
460名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 04:06:47 ID:PAPxv2ZX
>454

既に後藤のが入ってると思われ
461名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 07:35:51 ID:/GoUNBYq
後藤が本庁に出かけてる時が狙い目だ!
でも一応遠慮して尻の方とかいいな。
462名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 16:38:05 ID:3An0Mo8a
いっそ太田が二課の女性陣から総攻めされて欲しい
463名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 09:57:11 ID:x5Q/blCl
太田って香貫花に顔面騎乗されて一方的に好きにされるみたいな
イメージがあるな…熊耳もやっぱ騎乗位とか好きそうに見えるw
見た目ごついのに何でだろう?
464名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 19:45:06 ID:zs/46ZPX
あいつって理系眼鏡女子萌え? の早宮にワロタ
465名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 01:50:13 ID:BsOJnO2S
久々にPS版パトレイバーをやったら、何故か鬼教官w×空谷みどりを
妄想してしまた…本編で好みじゃないと否定されてるがなw
466名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 00:05:29 ID:NFSyio7G
保守
467名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 02:09:13 ID:3giB+tew
>>465
夜の特別授業ですね
ベタなネタだけど清純そうなみどりとごつい教官代理は、
想像してちょっと萌えたw
468名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 10:14:57 ID:Hc4yxGOX
バーディXRとかないかな
469名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 20:15:59 ID:s8bEr08L
月刊スピのおまけ、バーディークリアファイルにパトやらRやらのメンバーが
出てくるみたいだな。
470名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 00:24:19 ID:L5wUZax9
>>469

俺三冊買うわwww
471名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 22:22:11 ID:0jI0vMV9
二冊ゲットしてきた。
バーディーさんちょっと涙ぐんでてカワイイ。
472名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 13:25:27 ID:RdGD4KY3
買ってきた

が、正直クリアファイル一枚のためだけに550円は高かった・・・付録だけ100円で別売りしてほしかった
473名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 02:35:00 ID:qNuH2mxN
ちょっと静かすぎるのであげとく
474保管庫収蔵なしで:2009/09/09(水) 22:46:48 ID:7SqdvRAi
保守。P2後のしのぶです。
大変に暗くグロいです。救いもなにもない中二病。苦手な方スルーで。
素敵絵師様のイラストからの発想です。真に申し訳ない。
475名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 22:47:26 ID:7SqdvRAi

切り落とした髪は、何を連れ去ってしまったのだろうか。



うだる熱さだった。
上からも下からも強い光が照り付ける。
彼岸花の群れからはむっとする草いきれが立ち上っていた。
眩暈を誘うほどの生命力。
だが私の心の芯はあの冬のままだった。
追いかけて捕らえて繋がって。
そしてそこで全てが止まった。
時間に置いていかれたままの心。
もう成長も腐敗もない。
これは本当に現実なのだろうか。
風が吹き抜け毛先が顎をくすぐる。
視界に入る短い髪はあの日切った長さのままだ。
発作的に自分で切り落とした髪。
手首でなかったのは幸いなのか不幸なのか。
ざんばらになったそれを母は無言で直してくれた。
私はそれを無言で受け入れた。
私たちはいつも無言だった。
話すことなどもうなかった。
私たちは本当に、一言も交わさなかった。
そして母は死んだ。
語り合うことも、許し合うこともなく死んだ。
死んだ時ですら私たちは無言だった。
私は泣かなかった。
476名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 22:47:58 ID:7SqdvRAi
母の死後はそれまでの静寂をかき消すかのように騒がしくなった。
葬式など何も知らない私を見越して母は全てを用意していた。
私はただ座っていればよかった。
言葉もなく座る私を、親族は悲しみに暮れているのだと勝手に誤解してくれた。
楽だった。本当に楽だった。
黒い服を着て数珠を握っている間に全てが終わってくれた。
やがて親族も引き上げ、私に残されたのは家と纏まった金と孤独だった。
しばらくは位牌の一つ増えた仏壇に手を合わせる者も訪れたが、やがてそれもなくなった。
母のいない今、家に訪れる者はいない。
仕事も友もない私は日がな一日家にいる。
残された水槽の手入れをし、魚を眺めて一日は終わる。
楽だった。本当に楽だった。
もう誰にも会わなくていい。
金ならある。
趣味も付き合いもなくただ貯まっていった金と転がり込んだ金。
裕福な親族達は私が全部受け取ることに口を出してはこなかった。
何もない私を不憫に思ったというのもあるのだろう。
馬鹿な人達だ。
私は奪われようとどうでもよかったのに。
何もない私の一日にすべきことは何もない。
ごくたまに買い物に出かけ食料を得る。
食べたい時には食べるがそれ自体があまりない。
自分で作る食事は不味い。
だが外に食べに行くなど考えも出来ない。
薄暗い一人の家で冷たい食事を掻き込むだけだった。
そしてまた魚を眺め、時々母を思い出す。
ぼろぼろで起きてくる娘に茶を差し出す姿。
ひたすら無言で食事を用意する姿。
畳に散らばる黒い残骸を静かにかき集める姿。
切り落とした髪は仏壇の引き出しから出てきた。
何がしたかったのかは分からないが、
もうこの家にこんな物が欲しい者などいないので捨てた。
やることはなかった。
暇だった。
けれど常に何かが張り詰めていた。
何もしておらず、何もしなくていいのに心は常に張り詰めていた。
477名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 22:48:40 ID:7SqdvRAi
やがて魚も死んだ。
死骸は庭に埋めた。
母が好きだったミツバツツジの根本に埋めた。
内から光るように咲くのが好きだと言っていた花だった。
私はどうとも思っていなかった。
私の人生で花などどうでもよかった。
けれど母の人生に花は重要だった。
だからこれでいいのだろう。
ゴミにせずちゃんと花の下に埋めたのだから。
魚も死んだので、私は母の元に行くことにした。
母の黒い服を纏い、母の形見の真珠を付けて、母の残した口紅を引く。
紅だけ差した顔はひどいものだがもうどうでもいいだろう。
久しぶりの外出なので勝手を忘れていた。
車の動かし方も忘れてしまったので歩くことにした。
そういえば免許を失効してしまった気もする。
何かの葉書が来ていたような覚えがあるが、それに応えた覚えがなかった。
日に当たるのは何ヶ月振りだろう。
道をこんなに歩くのも何ヶ月振りだろう。
脚が随分弱くなっているのを感じた。
よろよろと歩き墓へと向かう。
途中、ガラスに映った自分が母に見えた。
やっと辿り着いた墓地で父と母の眠る墓前に立つ。
「………」
何も言う言葉がなかった。
何も言える言葉がなかった。
薄情な娘だ。
そういえば墓には花を持ってくるものだった。
母は花が好きだったのに。
途中で見かけた彼岸花を千切ってこようかとも思ったがやめた。
盗んだ花など母は喜ばないだろう。
手を伸ばして墓石に触れる。
黒い石は日に照らされて熱かった。
全体に雨と埃で薄汚れてしまっている。
そういえば墓には水を持ってくるものだった。
だけど水がどこにあるのか分からない。
仕方がないので手で擦った。
少しだけ綺麗になった。
478名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 22:49:29 ID:7SqdvRAi
「それ、俺がしてあげるよ」
突然の声に身体が震えた。
何ヶ月振りかの他人の声。
思い出せないくらい久し振りに掛けられた声。
驚きのまま振り向けば、いつか見た男が立っていた。
目の前の男はにこにこと穏やかな微笑を浮かべている。
黒い喪服姿。手には花と水。
墓参り用に束ねられた花とは別に、千切ってきたらしい彼岸花が入っていた。
男はゆっくりと近付くと私の手を取り水を掛けた。
「ほら、こんなに汚れちゃって」
手のひらを水がさらさら流れていく。
綺麗になった手を白いハンカチで丁寧に拭ってくれた。
「これでよし」
折り畳んだハンカチをしまうと別のポケットから鋏を取り出す。
花の一つ一つを丁寧に切り揃え、空っぽの花立てに入れた。
残った水をそこに注ぎ、墓石にもかける。
濡れた石は美しくよみがえった。
男は今度は胸元のポケットから線香を取り出す。
銀色のライターで手際よく火を付け吹き消した。
白い煙が辺りにたなびく。
半分渡されそっと背中を押された。
「こういうのは喪主からだからね」
促されるまま線香を供えて手を合わす。
やがて端へと退けられ代わりに男が手を合わせた。
「……」
しばしの沈黙の後、男が呟いた。
「おかあさん……お嬢さんを僕にください」
479名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 22:50:02 ID:7SqdvRAi
突然の言葉に心臓が凍る。
瞬間、強制的に回された時の歯車が立てる轟音が聞こえた。
耳鳴りと頭痛がひどい。
背中を大量の冷や汗が伝っていく。
耐え切れず胃液を吐く私を男は後ろから抱きしめた。
「……いいってさ」
男の手がまるで吐くのを誘うように胃の辺りを撫でる。
下着を付け忘れた乳房を楽しそうに揉んだ。
また吐く。
乳房と胃を撫でる手とは逆の手が内ももに伸びる。
膝からももを撫で、遠慮なく服の中へと潜り込んだ。
更に吐く。
指先はストッキングを裂き、股の部分から下着の中へと潜る。
濡れてもいないそこを探られ、無理矢理指を押し入れられた。
吐き続ける。
指は増やされやがて三本になり、根本までしっかりと押し込まれる。
印を刻むように。
罰するように。
股から垂れた血が玉砂利に滴り幾つもの跡となった。
その間も乳房と胃は吐き気を増長する動きで撫でられ続ける。
男はただ嬉しそうにしていた。
吐いて、吐いて、吐いて。
胃の中を全て吐き終わってからようやく解放された。
480名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 22:50:37 ID:7SqdvRAi
墓石にもたれて目の前の男を見上げる。
血の絡んだ指を嬉しそうにしゃぶる男。
唇に付いた血も綺麗に舐め取っていた。
「次はしのぶさんね」
さっき使ったハンカチで私の口を拭う。
少し濡れた感触が心地良かった。
それをしまい、同じポケットから小さな箱を取り出す。
そして男は晴れ晴れとした顔で言ってのけた。
「はい。これしのぶさんの指輪」
私は何も思えなかった。
ただ、色々な物が出てくるな、とだけ思った。
無言の私の手を取り指輪を滑らせる。
大きすぎる銀の輪はくるりと回って石を下にして止まった。
「また痩せちゃったんだね。ゆるゆるだ」
楽しそうにくるくると回して遊んでいる。
私はされるがままだった。
「今から一緒に直しに行こうね」
嬉しそうに指先にキスをする。
私は何も言っていないのに。
体力を使い切った私を抱きかかえ、無遠慮に墓石に寄りかかる。
短くなってしまった髪を撫で、あちこちに何度もキスをした。
「…ようやく独りぼっちになってくれたね」
しみじみとした幸福そうな声。
彼岸花を短く千切り髪に飾られる。
それだけでは満足できなかったのか、再び股に手を入れられ血を拭われた。
すくい上げた血を唇に塗られる。
生臭い匂いに吐き気を覚えるが、吐くものも体力もなかった。
「もう柘植もおかあさんもいないよ?」
初めての唇へのキス。
血も胃液も唾液も全て拭われた。
微笑む男の後ろに空が見える。
何ヶ月振りかの空。
明るく澄み渡った絶望。
481名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 22:51:35 ID:7SqdvRAi


「やっとみんないなくなってくれた」



「邪魔な人間はすべて消えてくれた」



「嬉しいよ。しのぶさんが独りぼっちになってくれて」



「大丈夫だよ、しのぶさんはもう何もしなくていい」



「俺が全てしてあげる。全部面倒見てあげる」



「食事も食べさせてあげる。服も着せてあげる」



「髪も切ってあげる。身体も洗ってあげる」



「キスもしてあげる。セックスもしてあげる」



「全部全部、俺がしてあげる」



「だからもう、大丈夫だからね」



「ずっと一緒にいてあげるからね」

482名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 22:52:25 ID:7SqdvRAi
もしかしてこの男は、こうなるのを待っていたのだろうか。
私から何もかもがなくなり、何も出来なくなるのを待っていたのだろうか。
ずっとずっと、私が底の底まで落ちるのを待っていたのだろうか。
自分だけのものにする為に、ずっと。
「愛してるよ……俺のしのぶさん」
幸せそうな男。
自分だけのものにする為に、長い時間待ち続けた男。
自分だけのものにする為に、長い時間かけて私を殺した男。
柘植を殺したのもこの男だ。
あらゆる手段を講じて殺したのがこの男だ。
ではまさか……母もこの男が……?
もしかして母は、私を守り続けていたのではなかったのか?
この男の本当の恐ろしさに気付いて、私を守り続けていたのでは?
言葉を交わさなかったのではなく、言葉も交わせなかったのでは?
恐怖で。
迫りくる鬼に震えて声も出せなかったのでは?
自分が何よりも頼りにした男こそが、最も排除すべき存在だったのに気付いて。
そういえば、母は何故死んだのだった?
何故……何故死んだのだった……?
思い出せない……何故……?
「おかあさんなら……死んじゃったよ…?」
抱き寄せる男から血の匂いがする。
短くなった髪を弄ぶ指。
紅く染まっている。
どうして私は髪を切ってしまったのだろう。
髪は何かから私を守ってくれるものではなかったのか…?
しがらみというものを造り、守ってくれたのではなかったのか…?
想いを呪いに変えて宿し、守ってくれたのではなかったのか…?
「大丈夫…ずっと俺が切り続けてあげるからね……」
紅い指が髪を梳く。
すぐに解け落ちる黒い糸。
守護する力を失ったもろい残骸。
「愛してるよ…俺だけのしのぶさん……」
墓の中から母の声が聞こえる。
逃げろと泣き叫ぶ声。
けれどもうすべてが遅い。
切り落とした髪は、私を守ってくれた者を連れ去ってしまった。
私はもう、この男の物なのだ。
「俺だけのしのぶさん……」


仏壇に残されていた髪の理由に思い至る。
あれは母の懺悔と抵抗だったのだ。
この男から私を守る為の、精一杯の愛だったのだ。

<終>
483名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 02:00:05 ID:o9P0l8QD
ええ?!何コレ?
こういうの凄く萌えるんですが!
どす黒い後藤さん最高です。GJ!!
484名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 12:50:43 ID:DBoTefT0
愛しているからこそどん底に落とす。そのうえで拾う。
後藤さんならやってもおかしくなさそうな鬼畜っぷり。
このゾクゾクする感じ、凄く良いです!
485名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 21:47:27 ID:N/LmR8AH
なにこの病んだふたり…でもそこが良い。
今から後藤が空っぽになったしのぶさんを自分の形に変えて行くんですね。解ります。
486名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 00:44:49 ID:0cZniftb
後藤さんならやりかねないと思わせるところが素晴らしい。
黒髪と喪服、彼岸花と血の対比など、黒いエロスがたまりません。
果てしなくGJ!
487名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 07:12:19 ID:whm2+asQ
ゆうき作品の中でも断トツの黒さを持つ後藤さんが降臨してる。
488名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 09:00:25 ID:eG8rHiV1
おおぅ、ダーク後藤すげぇ・・・
489名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 17:10:58 ID:kq3Tnubh
保守
490名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 01:14:18 ID:wN1cAZl8
太田×香貫花書き途中。

いまエロシーン書いてるとこだが、かなり長くなってしまったので投下する時は分割するわ。

過疎気味だが人はいるぞー!という意思表示。
491名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 13:49:13 ID:AICV7WYY
>>490
ぜひとも頑張ってくれ。
応援してる
492名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 11:25:26 ID:hITYzMih
>>490
かなり出遅れたが、前に別の人(?)が投下されてた
太田×野明の続きと同じくらい楽しみに待ってる。
いつまでも正座して待ってるからがんがってくれ。

やっぱ太田はいいよな。あんまエロって想像つかんけどw
493名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 15:35:58 ID:V+ktS9G1
後藤さんが怖かったのち

スピリッツで中杉さんに改造フラグが立ったような気がした
前回のマジギレというかブチキレの段といい
同じR指定でもバーディーはエロよりグロかも
まあ今のところ廃棄物13号ほどじゃあない、かもだが
494名無しさん@ピンキー:2009/10/15(木) 19:53:19 ID:X5B6Edjy
保守代わりに投下します
P2後にごっさんと結婚したしのぶさんの嫁奮闘ネタです
エロなしひたすらほのぼの
495名無しさん@ピンキー:2009/10/15(木) 19:54:52 ID:X5B6Edjy
「始まり」

あの戦争から三ヶ月が過ぎた。
都内は瞬く間に復旧が進み、まるで何事もなかったかのように時は刻まれていく。

私は今も変わらず警察官である。
変わった事といえば、二課棟が都心部に移され私が正式に課長に就任した事、そして先月の人事で『彼』が公安へ戻っていった事くらい。
こんなにもあっさり平穏な日常を取り戻せるのが、この国の強さなのかもしれない。

さて・・・・・・
突然ではあるが、私がこの日記を書き始めたのには当然理由がある。
先に記したように、警察官としての私には然したる変化はない。だがプライベートは激変した。
・・・・・・なんというか・・・・・・その・・・・・・か、変わったの。そうよ変わったのよっ。
ええと――


――この度、私は『南雲しのぶ』改め『後藤しのぶ』を名乗る事と相成りました。


・・・・・・分かってる、分かってるわ。私も最初は全く理解できなかったんだから!
要するに、後藤さんと・・・・・・けっ、結婚ましたってことっ。
ていうか本当に何考えてんのよあの人は・・・・・・

あの日、「待ってるから」と言ってくれた彼を私は裏切った。
警察官としても、女としても全てを失った私は、この世界を終えるものだと思っていた。
ひと月、ふた月、私は死んだように動かないまま一日を過ごす。
逃げ出そうとしてどこへ逃げればいいか分からず、気が付けば彼の部屋の前で佇んでいた。
そんな私を彼は待っていてくれた。あの頃と何一つ変わらないままに。それが何よりも嬉しかった。

その夜、勢いに任せて彼の上で啼いてしまったのがいけなかったのかしら・・・・・・
翌朝、少し悪戯っぽい笑顔で後藤さんから――

「しのぶさん、オレと一緒に生きていかない?」

――と斜め上の挨拶を頂戴した。

で、そのまま同棲を始めてからひと月。二人はめでたく夫婦になりましたとさ。・・・・・・とさ、じゃないわよ!
仕事では今までどおり南雲と後藤で良いけれど、流石に家でも「後藤さん」は拙いわよね?
となると「喜一さん」かしら?それとも・・・・・・やっぱり、あ、「あなた」・・・・・・かな?
いま絶対、顔が茹で上がってるわね・・・・・・

「しのぶさん、さっきから何をブツクサ言ってんの?」

・・・・・・人の気も知らないで・・・・・・殴るわよ。

「・・・・・・普通、そういう警告は殴る前に言うもんだと思うんだけど・・・・・・?」
「私の愛情よ。感謝感激雨霰で受け止めなさい」
「んなムチャな・・・・・・」

とにかく、これからは全く新しい人生が私を待っているのだ。
今はこの人の隣で始まる幸せを、精一杯謳歌しよう。
496名無しさん@ピンキー:2009/10/15(木) 20:05:56 ID:X5B6Edjy
とりあえずその1でした
こんなのしのぶさんじゃねえという方には御免なさい
497名無しさん@ピンキー:2009/10/15(木) 21:37:15 ID:ikhXEtji
おおぅ、こっちも良い感じですな。続きお待ちしております。∠(`・ω・´) シャキーン
498名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 12:21:14 ID:7fqQtpZ1
なんて可愛いしのぶさん!
もっとデレろ!
499保管庫収蔵なしで:2009/10/24(土) 00:11:26 ID:Rlz2eYQo
P2後の後藤×しのぶです
本気で暗いです
500名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 00:12:02 ID:Rlz2eYQo


『後藤隊長の様子がおかしいんです』




かかってきた電話の向こうの声は小さく震えていた。
多大な事後処理がようやく終わって少したった頃。
突然舞い込んだ知らせは決していいものではなかった。

501名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 00:12:42 ID:Rlz2eYQo
あの気の狂うようなおぞましい冬の日。
悲劇のヒロイン気取りで戻ってみれば私の居場所は無くなっていた。
あの人はおろか、隊員たちでさえ私を拒絶した。
当然の報いだろう。
私は彼も彼らもすべて投げ捨てて飛び立ったのだから。
命がけで戦った者達を放り出していったのだから。
元々隊長おもいだった彼らだ。
その彼を傷つけた私を許しがたいのは当然だろう。
特にショートカットの少女は母猫の如くに彼を守っていた。

『もう来ないで下さい。隊長を傷つけないで下さい』

面と向かってはっきり言われた言葉。
あのおとなしかった少女が。
怒りの滲む眼で私を見据え、私を傷つけた。
言い訳をしたかった。
違うのだと言いたかった。
間違えていたのだと謝りたかった。
許して欲しかった。
けれど許されなかった。
私はすごすごと引き下がるしかなかった。

『二度と隊長の視界に入らないで下さい。隊長を掻き乱さないで下さい』

俯く私の背に投げつけられた言葉。
私の存在が彼に与える影響を憂慮する気持ちの表れ。
しかし彼女がそんなことを言う必要はなかったのだ。
彼はとっくに、私を見限り私の存在を無視していたのだから。
502名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 00:13:16 ID:Rlz2eYQo
呼び出されたのはビルの中にあるコーヒーショップだった。
有名らしいチェーン店は若者で賑わっている。
注文に戸惑い受け取りに手間取りようやくコーヒーを得る。
席について店内を見回すと立ち上がる少女が目に入った。
来ていたのか。
昔の彼女なら、昔の私なら、きっと助けてもらえたのだろう。
けれど今はただ放って置かれるだけだ。
少女は黙って私の向かいに座る。
手にあるコーヒーは半分ほど減っているようだった。
「………ごめんなさい。待たせたかしら」
「いえ」
素っ気無い返答に悲しくなる。
仕方のないことだと心に言い聞かせても寂しかった。
「……それで……その……どういうことなのかしら」
少女はちらりとこちらを見ると溜息を吐く。
その眼の怒りはまだ赤々と燃えているのが分かった。
その正しさは私を竦ませる。
何も話さず、何も話せず、沈黙だけが横たわった。
「………言葉通りです。隊長の様子がおかしいんです」
コーヒーの湯気が消える頃、ようやく彼女が口を開いた。
言うのが嫌だったのだろう。
悔しそうに唇を噛んでいる。
その思いの真っ直ぐさに打ちのめされた。
「おかしいというのは……具体的には?」
「心配とかじゃないんですね」
口元が小馬鹿にする形に歪んでいる。
見据えるその眼が語っている。
やはりお前は最低だと。
「もちろん心配しているわよ?それは当然よ。
でも私を呼び出したということは、私にも出来ることがあるのでしょう?
それならばまず情報を集めないと」
ぺらぺらと動く口に自分で感心する。
己の物言いの間違えた正しさに吐き気がする。
一体いつから私は人としてここまで間違えてしまったのだろう。
少女は私を鼻で笑うと額を押さえた。
「………あたしはあんたを一生許さない」
言葉通りなのだろう。
それだけのことを私はした。
「それなのにあんたに頼らなきゃならないなんて…」
テーブルの上の拳が握り締められる。
いっそその拳で打ってもらえればどれだけ楽だろう。
でも私にはそんな価値は無いのだ。
「あんただけには話したくなかった…」
悔し涙が白い頬を伝う。
もうコーヒーは冷えていた。
503名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 00:13:49 ID:Rlz2eYQo
「ここ………よね」
メモを片手に見上げる。
目的地は通りを幾つも入って行った場所にあった。
細い路地の奥に隠れるように建つアパート。
古めかしい建物は暗く沈んでいた。
部屋番号だけのポストを横目に先程までの会話を反芻する。

睡眠障害 頭痛 食欲不振 味覚障害 体重減少 通院 投薬

ぐるぐると回る不吉な単語が脳を圧迫していく。
始まりは飲み会の席だったという。
彼の根回しにより誰一人職を失わなかったことを祝う席で。
一人料理の味が分からなかったのが彼だった。
そのことと痩せこけ隈の出来た顔を不審に思った部下達に連れられて。
入った病院は内科だったが、出てきたのは精神科だった。
これまでにも色々なものを失ってきた人だ。
様々な痛みにずっと一人で耐えてきた。
容量ギリギリで保ち続けていた所で。
あの事件が引き金を引いた。
事件の全てが片付いてからの進行は早かったらしい。
あれよあれよというまに悪化し医者や薬に頼らざるを得なくなったそうだ。
幸いなのか不幸なのか、彼が今所属する部署は快く休職扱いとしてくれた。
大量の死者を出した公安部は、どうあっても彼を失えないのだろう。
判断は当然だ。私が上司でもそうする。
雑魚が十人いるより彼が一人いてくれるほうがよっぽどいいからだ。
とりあえず職は確保できているし、普段は隊員達が交代で様子を見にいっている。
いい状況とは言い難いが、最悪の状態ではないようだ。
「…愛されているのね」
自分とは大違いだった。
かつての部下達とあの当時の部下達。
その両方から見限られた。
かつての部下達からはなぜ呼ばなかったのだと責められ。
当時の部下達からは信じていなかったのかとなじられた。
そして全ての人間が私に背を向けた。
最後の仲間すら埋立地に捨ててきた私に。
味方は一人もいなかった。
504名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 00:14:21 ID:Rlz2eYQo
警察を辞する覚悟をしていた私に。
告げられたのは特車二課からの移動だった。
彼がかけてくれた最後の情けで警察に残ることが出来たのだ。
そこはレイバーも犯罪も関係ない、書類を捌くだけの部署だった。
今まで積み上げたキャリアなんてまったく用をなさない仕事だった。
新しい部下達はあからさまにお荷物を押し付けられた顔をしていた。
実際私はお荷物だった。
私と一緒に移動してきた一人の男。
あきらかに公安の人間だった。
きっと彼が警察を辞さない交換条件として、私の椅子を勝ち取ってくれたのだろう。
警察にしてみれば彼を繋ぎとめる為だけに私は存在を許されているのだ。
お荷物と監視の常駐する部屋。
部下達はさぞ気詰まりだろう。
私自身も随分白髪が増えた。
職場でも家でも常に公安の監視下に置かれていた。
そして母も参っていた。
連日の事情聴取と尾行と監視。
あの男との会話を聞いていたのは母だったからだ。
仲間を殺された公安の人間は容赦なかった。
警察から帰ると十も二十も老け込んで見えた。
母はあの男のしたことを絶対に許さないと言った。
あんなに沢山の人を殺して。
あんなに沢山の人に迷惑をかけて。
あんなに沢山の人を不幸にして。
のうのうと生きているのが許せないと言った。
そしてその男を選んだ私を受け入れられないと言った。
母もまた私を見限っていた。
だから家を出た。
一緒に暮らせないと言われたから出た。
引越しの日、見送られることもなかった。
たった一人で誰にも惜しまれず家を出た。
二度と敷居を跨ぐなと言われた。
一瞬でもあの男に傾いた私を倫理感の強い母は許さなかった。
『勘当されたので家にはもう帰らない。実家への監視を外して欲しい』
引越しして初めてかけた電話は公安への懇願だった。
効果があるとは思えなかったが、どうやら程なくして監視を外してくれたようだった。
多分彼の仕事だろう。
でもそれは私の為などではなく、ただ母の為だったのだろう。
何の責任もない、むしろ最大限に協力した母を思って外してくれたのだ。
私には職場にも家にも味方は居ない。
何度も辞めようかと思ったが、他に出来る仕事なんて一つもない。
頼れる人は一人も居ない。
自分一人で生きていくしかない。
今日一日を生きる糧を得るために。
頭を真っ白にし心を殺して働くしかないのだ。
505名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 00:14:54 ID:Rlz2eYQo

『この街の、未来を』

あの日、空の上で聞かされた言葉。
聞いた瞬間急速に頭が冷えていった。
それまでの思いは全て消え失せ残酷な冷静さを取り戻した。
私は最低の行いをした警察官で。
隣に居るのは単なる犯罪者だった。
冷えた頭は正確に自分の行動を洗い出した。
自分のしたこと。
しでかしたこと。
しなかったこと。
しようとしなかったこと。
結局最後まで私は何もしなかったのだ。
彼にもあの男にも甘えきって何もしなかったのだ。
悲劇ぶっていい気になって何もしなかったのだ。
彼はあれ程に手を汚してまで私に道を示してくれたのに。
あの男に会いに行けるように道を作ってくれたのに。
恐らく聡い彼は分かっていたのだろう。
私が自分の愚かな幻想の中で恋煩っているのを。
だから会いに行かせたのだ。
それが幻想だと分からせる為に。
真実を前に夢から覚めるように。
自分を省みて現実へと戻れるように。
『待っている』というのはそういう意味だったのだ。
けれど私は彼が思う以上に愚かだった。
男日照りの年増の妄想。
異様に膨らんだそれはあの男の掲げた馬鹿な主張以上に愚かだった。
現実の見えてない中年同士の嘗め合いを、至高の愛だと勘違いしたのだ。
自分こそがあの男を理解できるという最悪の自惚れに酔ったのだ。
だらだら涎を垂らして尻を上げる雌犬。
きっと彼の眼に私はそう映っていただろう。
でも犬のほうがまだましだ。
少なくとも雄を喜ばせているのだから。
股も開けない愚かな中年女。
勘違いしたまま全てを失った馬鹿な女。
全てを捨てた後にようやく彼への気持ちに気付いた女。
まったく愚かで。
全てから捨てられるに相応しい存在だった。
506名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 00:15:29 ID:Rlz2eYQo
あちこちペンキの剥げた扉の前に佇む。
表札はなかったが、部屋番号からは確かにこの部屋だった。
暫しの逡巡の後、インターホンを鳴らす。
けれど反応はまったくなかった。
何度か繰り返してみる。
音は確かに奥の方で聞こえるのだが扉は開かなかった。
出掛けているのだろうか?
いや、それはない筈だ。
もう随分外には出られなくなっていると聞いたのだから。
仕方がないので渡された合鍵を差し込む。
思ったより大きな音がしてぎくりとさせられた。
「…おじゃま、します」
ドアの隙間から身体を滑りこませる。
玄関から部屋までは一直線で。
何の心の準備もなく彼の姿があった。
何もない殺風景な部屋で。
椅子に腰掛けぼんやりと窓の外を見ていた。
その眼が何も写していないのはあきらかだった。
今まで一度だって彼のこんな姿を見たことはない。
どんなに弛緩しているように見えても芯はいつも引き締まっていた。
けれど今はそれがない。
箍を失い心がばらばらに散らばってしまっているようだった。
「…おじゃまします」
靴を脱ぎ、部屋へと侵入する。
時折床が軋んで妙に慌ててしまった。
招かれざる客の来訪にも彼はまったく反応しない。
私のことなど見えていないようだった。
彼の座る椅子の斜め後ろで止まる。
「………」
痩せた。
肩のラインがあまりに違いすぎる。
随分髪を切っていないのだろう。
前髪は顎まで届くほど長くなり輪郭を覆っている。
髪の色素が抜け銀髪に近くなってしまっていた。
日を浴びないのか肌も白くなったようで。
以前とはまた違う浮世離れした雰囲気になってしまった。
フレームに置かれた骨の浮き出た手はぴくりとも動かなかった。
507名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 00:16:01 ID:Rlz2eYQo
どうしていいか分からなかった。
少女の言う『もうあんたに頼るしかない』の言葉の意味が分からなかった。
私に何が出来るというのだろう?
何をしていいというのだろう?
裏切り、見限られた女に何が出来るというのだろう?
この人は私に何も求めていないのに。
今更気持ちに気付いたなどどの口で言えるだろう。
ようやく気付いたなどと誰が言えるだろう。
愛していると、愛して欲しいと。
どの面下げて言えるだろう。
彼はもう私を必要としていないのに。
「後藤…さん」
返答はない。
私の声など届いていない。
「後藤さん」
それでも呼びたかった。
ようやく気付けた名前だった。
求めるのも恐れ多い人の名前だった。
あの愚かな私に何の惜しみもなく示された名前だった。
もう一度呼ばせて欲しかった。
もう一度応えて欲しかった。
あの声を聞かせて欲しかった。
名前を呼んで欲しかった。
求めてほしかった。
それは全てエゴだった。
「後藤さん」
なけなしの勇気を振り絞って彼の正面に回る。
視界を埋めても彼の反応はまったくなかった。
508名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 00:16:35 ID:Rlz2eYQo
久し振りに彼の顔を正面から見る。
あの事件の時もやましさでほとんど顔を見られなかった。
こうやってきちんと顔を見るのは本当に久し振りだ。
顎先まで届く髪。後ろ髪は肩まで伸びている。
痩せて顎のラインが細くなってしまっていた。
骨の浮き出た顔。色を失った唇。
口元は凍りつき表情ひとつ伺えなかった。
痛々しいほど浮き出た鎖骨が肉体の飢えを物語る。
スラックスの皺がウエストの異常な細さを表していた。
飢えも乾きも彼を止められなかったのだろう。
痩せ衰えても手の大きさだけは変わらないのが悲しく見える。
丁寧に整えられた爪は少女の仕事だろうか。
敬虔な愛情のこもった痕跡に身の程知らずに嫉妬した。
「後藤さん…久振りです。南雲です」
無反応の彼に他人行儀で話しかける。
人形に話しかけるほうがまだましな気がした。
目の前の現実が嘘ならばいいのに。
またそうやって逃げ出そうとする自分に絶望した。
「ここへは彼女に……泉さんに教えてもらい来ました」
彼にとってはどうでもいいことを馬鹿丁寧に伝える。
私の言葉が彼の鼓膜を揺らしはしないのに。
「きちんとお礼も言ってなくて御免なさい。
警察に残れるよう取り計らってもらえたこと……本当に助かりました」
深々と頭を下げる。
故意に無視されるのとは違う反応の無さが辛すぎた。
あの頃は、あの幸せな時間は、どんな些細な言葉でも受け止めてくれたのに。
「母のことも感謝してます。今は会ってないけれど、きっと元気でいると思います」
心細さに声が震える。
この人は本当に生きているのだろうか。
もう心は死んでしまったのではないだろうか。
まだ何もしていないのに。
まだ何一つ返せていないのに。
本当の気持ちを伝えていないのに。
絶望に耐え切れず崩れ落ちる。
彼の筋張った腿に顔を埋めた。
痩せて飛び出た膝頭が腕に当たる。
老人のような冷たい足だった。
509名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 00:17:16 ID:Rlz2eYQo
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
物言わぬ人の膝にもたれ泣いて謝り続ける。
落ちた涙が布に吸われ大きな染みを作っていった。
「ごめんなさい後藤さん、ごめんなさい……」
何を謝っているのだろう。
裏切ったこと?
見捨てたこと?
何もしなかったこと?
愚かだったこと?
ここまで酷いことをしておいて、更に『許せ』と強要するのか?
この人にとってはどうでもいい人間に成り下がったというのに。
「後藤さん…」
諦めも割り切りも出来ずみっともなく泣き続ける。
ふと後頭部に何かが触れた感触があった。
目線だけを上げて見る。
白いシャツと白い肌。
彼の手だった。
「後藤さん……」
彼の手がゆっくりゆっくり動く。
乾いて艶を失った髪を撫でていく。
流れに沿って幾度も繰り返された。
「ごとう、さん」
嬉しい。
嬉しい、嬉しい、嬉しい。
反応してくれた。触れてくれた。
撫でてくれた。慰めてくれた。
優しくしてくれた。無視しないでくれた。
「ごとうさん…っ」
醜い顔で必死に肩に縋りつき、浅ましく這い上がる。
そして沈黙を守る唇に吸い付いた。
なんてことをしているのだろう。
でも止められなかった。
こんな老いた女の干乾びた身体でどう喜ばせようというのか。
でも嬉しくて。
嬉しくて、嬉しくて、嬉しくて。
今までの絶望や孤独や寂しさや辛さが痛すぎて。
人肌が恋しすぎた。
雌犬でさえ顔を背けるような貪り方で彼を求める。
触れてもらえた、ただそれだけを拠り所に死に物狂いでむしゃぶりついた。
そんな逆上せきった犬を蹴り倒したのは彼の声だった。
510872:2009/10/24(土) 00:18:22 ID:Rlz2eYQo

「感じない」

ようやく聞けた彼の言葉だが理解はできなかった。
気狂いのように首をかしげる。
頬を包んだまま次の言葉を待つ。
あの頃のような、優しい言葉を。

「感じないんだ」

こちらを見る眼。
ようやく見てくれた眼。
精気のなかった眼に世界が映る。
以前のような愛しさを込めた視線が欲しくて何度も頬を撫でた。

「何も感じない」

首を振って否定する。
認めたくなくて拒否する。
取り戻したくて、手に入れたくて。
懸命に唇を舐め続けた。

「もう何も感じないんだ」

鬱の症状のひとつを思い出す。
性欲の減退。
けれどこれはそういうことではない。
病の所為ではない。
私自身の所為だ。
大事なものに背を向けて、塵以下のものを選んだ私の。
究極の自業自得なのだ。
そんな私の無価値さを彼が教えてくれた。
手のひらの下の筋肉が少しだけ動く。
もしかしたら彼は微笑んだのかもしれない。









「あなたを美しいとは思えないんだ」



511名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 00:18:59 ID:Rlz2eYQo

暗い路地裏をよろめきながら歩く。
公安の人間の尾行も、もうどうでもよくなっていた。
暗い中、前も見ずにただ歩く。
考えるのは彼のことだけだった。
日が落ちて随分経つのにあの部屋に明かりは無かった。
あの暗い部屋で。
一人薬を噛み締めて。
彼は一体誰を思うのだろう。
誰を待つのだろう。
それが私でないのは本当に確かなことだ。
ようやく触れられた唇に爪を食い込ませる。
あんなに冷たい口付けでも私の唇は熱くなっていた。
生きている。
生きている。
生きているのだ。
どんなに苦しく惨めであっても、この女は生きることをやめないのだ。
待つと言った彼を裏切ったのは私だ。
信じてくれた彼を踏みにじったのは私だ。
ならば今度は。
今度は私が待つ番だ。
私が祈る番だ。
例えもう二度と振り向いてもらえないと分かっていても。
誰にも必要とされずたった一人で生きていくとしても。
惨めなまま一生を終えるとしても。
私は彼を永遠に待とう。



それだけが、今の私に出来るたったひとつの愛の証なのだ。


<終>
512名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 02:42:31 ID:yJrjvouL
久しぶりに来てみたら、何と好対照な二作品
双方ともP2後にありそげな展開だし
どっちもしのぶさん頑張れ!な感じでいいよ、乙です

>494、次の投下待ってるです

>499はおそらく他のダークごとしのも書いた人だと思うが、今回も上手いな
ごとしのはどんなすったもんだがあろうとも最終到達点はハッピーであれという
お子さま願望の自分だがしみじみそう思う
できればその生きる屍状態の後藤さんが少しずつよみがえる様をじっくり読みたいと思うのは
過ぎた願いだろうか
513名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 09:47:07 ID:+fpO2LVz
>494、しのぶさんかわいいっ!

>499
512と同感!後藤さんの復活希望!
そしてしのぶさんと二人幸せになって欲しい・・・
514名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 23:56:46 ID:OSEFnjuM
>>499
私からも お・ね・が・い♪
515名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 18:53:15 ID:2KVQyrRo
hos
516名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 11:38:03 ID:j3Hl6arT
どこかの2chまとめブログがバーディのイラストまとめてたけど、URL失念。
ここ、2,3日に更新してたと思う。
517名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 22:24:48 ID:jbLIkgq4
ほしゅ。
518名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 21:36:22 ID:JVeEA2ga
じゃあ俺も保守。
519名無しさん@ピンキー:2009/12/04(金) 12:45:17 ID:ni1rFr/M
HOS
520名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 01:31:49 ID:xg2XBNWS
後藤×しのぶで
521名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 01:32:18 ID:xg2XBNWS
「ちょっと……ちょっと待ってよ」
伸ばされるいやらしい手を身を捩ってかわす。
全身での拒否にも男は余裕の表情だ。
「いつもそれだね。股開いちゃうと素直になるのに」
下衆な揶揄に顔が歪む。
本当に嫌なのだと分からせる為に手を振り上げるがあっさりと掴まれた。
「いけない手」
指先にキスをされる。
いけないのはどちらだというのだ。
「やめて。本当に嫌なの」
「やめない。本当は嫌じゃないでしょ?」
空いたもう一方の手も掴まれ正面から向かい合う。
最後の抵抗で睨みつけるが、そんなもの男に効く筈がなかった。
「いいね、その眼。ゾクゾクする」
「変態」
「そりゃどうも」
唇に吸い付かれる。
もう慣らされた煙草の匂い。
男の舌がフィルターとなり望まない喫煙をさせられる。
薄っすらと眼を開ければ至近距離で眼が合った。
この男はキスをする時に眼を閉じない。
いつもいやらしい眼でこちらの反応を観察している。
それが嫌で眼を閉じるが、ただ見られているのも癪だ。
結局どっちつかずで眼を開けたり閉じたりしている。
まるでこの男との関係のように。
522名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 01:32:54 ID:xg2XBNWS
始めてこの男と関係を持ったのは半年ほど前だ。
発作的というより巧妙に仕組まれた罠だったのだと思う。
まあこの男が発作的に何かするなんて絶対に有り得ない訳だが。
何の帰りだったか上手いこと丸め込まれて自宅に上げられて。
少し呑まされて気が緩んだところでそのまま喰われた。
あっという間に服を剥かれ寝室に放り込まれて。
敷きっ放しと思われた布団はふわふわでシーツも洗い立てで。
枕元にきちんと用意されていた未開封のゴムにこの野郎と思ったのを覚えている。
いくら抵抗してもびくともしなかった四肢の強さが憎たらしい。
私を押さえつけながら器用に脱いでいく男。
現れた身体は予想外の逞しさだった。
眺めている分にはいい身体だったと思う。
強要される方にしてみればたまったものではないが。
互いに全裸で身体を絡めあうという極めて原始的な行為。
男の熱さも体臭も粘液も全て生々し過ぎて。
望まないのに追い上げられ高められていく。
重石代わりにべっとりと身体を押し付けられ撫で回されて。
呑んだアルコールなんて汗で簡単に出て行った。
やたらと馬鹿でかい手がしつこいほどに乳房を揉む。
よく見れば爪は深爪になるほど切り揃えられていた。
気持ちの悪い気遣いをするな馬鹿野郎。
正面からは危険と分かっていたのか背後から全身をまさぐられ。
脚の間には剥き出しの肉棒を挟ませられた。
閉じているのに閉じきれない異物感。
太腿の付け根のくびれと股の隙間にぴたりと嵌る。
男の肉が私の粘液でじっとりと濡れていくのが分かる。
脈打つ感覚が内腿と性器に伝わってきた。
丁度亀頭部分が陰毛の下から飛び出ている。
私のものか男のものか判別の付かない体液で濡れ光っていた。
片手を引かれ亀頭を指で触らせられる。
ぬるぬるのそこを指が滑ると肉棒が激しく脈打った。
脚の間のものがきつい位に太く硬く変わっていく。
幹部分で裂け目を押し上げられ肉芽が潰される。
陰唇は肉棒の曲線に沿って開き隙間なく触れ合った。
男の形に開いたそこから蜜が溢れ出て根元から先端まで濡らしてしまう。
濡れた割れ目で感じる鼓動は男のものだけではなかった。
肉棒の張り出た部分が包皮から顔を出し始めた粒を刺激する。
指や舌とは違うこの部位でしか味わえない快楽が堪らない。
ほんの数回刺激されただけなのに、私は簡単に達してしまった。
523名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 01:33:29 ID:xg2XBNWS
達した後の完全に剥けた肉芽を更に責められる。
濡れた隙間を肉塊が前後する音がいやらしい。
張り出した部分同士が擦れ合い、泡立った蜜が陰毛にこびり付く。
これ以上動いて欲しくなくてきつく脚を閉じるが、それがかえって刺激となった。
無防備に晒された性感の塊を肉の尖りが削る。
引っ掻いては押し出す動きが敏感な神経をいたぶり続けた。
自ら流したものが潤滑となって激しい摩擦を繰り返す。
擦られた部分に血液が集まりどんどん大きく膨らんでいく。
完全に勃ち上がってしまった肉芽は自ら首を差し出し亀頭の責めを受けた。
全身から汗が噴出す。陰毛は粘液で滴っている。
男は私の手首を掴んだまま器用に乳房を弄る。
指先で乳首を摘ままれ根元から締められ丸く飛び出す。
同時に自分の手首に突起の先を擦りつける体勢になった。
敏感すぎる箇所を一遍に犯され否応なしに高められていく。
肉棒と指先、熱い肌と汗。
濃厚な雄の匂いに包まれて二度目の絶頂を迎えた。
酸素を求めて荒い呼吸を繰り返す。
身体中汗が滴り落ち、髪の毛まで濡れてしまっていた。
突然背後の男が不気味な咆哮を上げ身体全体で圧し掛かってきた。
私を押さえたまま、はあはあと荒い息を吐く。
もがく様に手を伸ばして枕元にあった箱を手繰り寄せた。
苛ついた様子で開かない箱を引っ掻く。
最後には外側のビニールごと齧りついて無理矢理噛み切った。
唇で中のアルミ包装を引き出し歯で破り開ける。
私の両手をしっかりととめている為、片手だけで付けようと必死になっていた。
そのとめている手を外そうと捩ると痛い位に押さえ付けられる。
もうここまで来て逃げられるなんて思ってなかった。
それに妊娠は御免だから手伝ってやろうとしただけなのだが。
動きを抵抗と受け取ったのか血走った眼で睨みつけられた。
横向きの体勢で両手と頭を布団に押さえつけられる。
そして耳元で呪詛のように言葉を吐き出し続けた。
『生でされたいの?中出しされたいの?』
『そんなのいやでしょ?妊娠したくないでしょ?』
『だからおとなしくしてて?すぐにすむから』
嘘付け。
呆れるほどねちっこく掻き回し続けたくせに。
結局上手く付けられなかった男は己の衣服を使って私を縛った。
手首も足も縛りつけられ。
妙な体勢で男を迎える羽目になった。
524名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 01:34:07 ID:xg2XBNWS
縛られた手足を持て余し横向きで布団に沈む。
男は入れるべき場所を確かめるように何度も指を埋め込んだ。
太い指が二本三本と入れられ内壁を掻き乱される。
あの性格宜しくセックスも相当しつこいようだ。
こちらが疲れる位に中を穿り返している。
いっそ突っ込んでしまえばいいのに。
これだけ無体な真似をしているのに男はどこか遠慮がちで。
ちらちらと上目遣いでこちらを伺っている。
迷うような、戸惑うような。
ここまでしておいて何を躊躇うというのか。
『………やれば』
いい加減うんざりしているのもあって投げやりに吐き捨てる。
一瞬傷付いた眼になんとも呆れた。
何故お前がそんな面をするのか。
犯されるのはこっちだ。何を勘違いしているのだ。
文句のひとつも言ってやろうかと思ったがやめた。
無理強いではあったが結局楽しんでいるのはお互い様だからだ。
それにもう何だか疲れた。早く終わらせて欲しい。
終わる為には最後のこの行為をやるしかないのだから。
男はこれ以上ない位性器を硬くしておきながらまだ迷っているようだ。
いじましく指を捏ね合わせて逡巡している。
『……はやくして』
言葉だけなら誘っている風だが、実際は口うるさい女の小言レベルだ。
声の響きに吹っ切れたのか男は再び雄の匂いをさせて向かってくる。
ゴムに覆われた肉の先で濡れた裂け目を弄ってきた。
先程の生の感触とは異なる人工的な接触。
男の熱で温まったラテックスが性器を嘗め回した。
イッたばかりの肉の粒を包皮ごと掻き乱されて汁を噴く。
涎で濡れた陰唇も先端で震わせられてしまう。
少し穴の中に潜らせてから内壁ごと陰唇を持ち上げられた。
閉じきっていた膣口が肉棒で開かせられる。
糸が幾筋も引いて内側の紅い肉壁が現れる。
口を開けたそこを男がまじまじと眺めている。
恥ずかしさにもう一度早く入れろと言おうとしたら、呻き声と共に突然挿入された。
熱く硬く太いものが肉筒を擦って入り込む。
カリの高さをやたらリアルに感じながら最奥まで受け入れた。
内臓が押し上がるほど奥まで入れておきながら、男の性器はまだ余っている。
嫌がらせのような大きさから予想される行為を思うと少し後悔に襲われた。
525名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 01:35:03 ID:xg2XBNWS
結合部分から耳障りな音が聞こえる。
肉筒を掻き回す性器の立てる水音。
垂れた蜜がシーツに染みて冷たくなっている。
その冷たさが性器の熱さを更に増長させた。
男は器用だった。
初めての相手にもかかわらず、すぐに性感帯を見つけ突いてきた。
感じる所を中心に突き上げ竿で捏ね繰り回す。
時折わざと抜いては肉芽を叩いて焦らす。
堪らなくなって自然と膣口が開いた所でまた突き入れる。
肉壁はもう離すまいと男に吸い付いている。
汁を垂らして肉棒を啜る様は淫乱そのものだ。
やがて堪えられなくなったのか腰の動きが激しくなっていく。
暴れる動きにも膣は柔軟に包み込んで男を喜ばせた。
抽送を繰り返しながら乳房を鷲掴み尖った乳首を啜る。
もう片方の手は拳を作り、関節の部分で肉芽を擦った。
何度イっても男の動きはやまない。
乳房に歯型が付き、肉芽は厚く腫れ、膣が真っ赤に火照った頃。
ようやく男が一度目の吐精を迎えた。
散々犯されたというのに満足出来なかったのだろうか。
膣が出て行く性器を惜しんで吸い付いた所為で、ゴムだけが中途半端に内部に残った。
膣口から垂れ下がる避妊具を見て男が笑う。
尻尾のようだとやけにはしゃいで眺めていた。
挙句興奮した様子で写真にまで収めている。
幾度も角度を変えて私の痴態を写していた。
肉芽の包皮を剥き蠢く粒まで記録する。
屈辱的な行為なのに身体は喜んで撮られていた。
空になったゴムから精液が流れ出て包布を汚す。
生臭い雄の匂いに性器がもどかしそうに蠢いた。
その様を男は至近距離で眺め続けている。
私のつま先を使って自分の性器を弄りつつ興奮した息を股間に吹き付けた。
舌先で肉芽をほじくり未だ異物を咥えたままの膣口を嘗め回す。
軟体の的確な動きは容易に性感を引き出していく。
舌では物足りぬ、もっと確かなものが欲しいと訴えている。
そうしている間に男の欲望がみるみる育っていく。
丁度視界に入るあの塊が欲しくて自然と喉が鳴ってしまった。
好き放題に楽しんだ男の手によってゴムが引き出される。
蜜のこびり付いた先端を嬉しそうに吸っていた。
中に僅かに残っていた精液が顔面に垂らされる。
自分のものと共に受け止める男の滴り。
頬の丸みを伝い唇に零れ落ちたそれを私は啜った。
526名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 01:35:50 ID:xg2XBNWS
抵抗しないと思ったのか、二回目以降は拘束を解かれた。
仰向けに脚を開いて男の欲望を受け入れる。
互いの性器を擦り合わせ高めあい絶頂を極める。
肉の割れ目は美味そうに男を飲み込んでいた。
激しい摩擦が幾度も繰り返される。
どれだけ出しても足りぬのか男の要求は止まらなかった。
だが流石にこれだけされれば身体も悲鳴を上げる。
無理だやめろというこちらの求めに男は不満顔だった。
これで最後だという言葉を希望に激しい交接に耐える。
ようやく終わったという安心は、脚を縛られたことで消えた。
仰向けのまま膝と腿を縛られ足を抱えられる。
結局膣の代わりに肉芽を使い素股で犯されるだけのことだった。
膣に入れない分、剥き出しの性器の裏で性感部分を擦られる。
不満の表れか乳房を弄る力も容赦がない。
勃った乳首に爪が入り根元からしごいていく。
充血した部分を指の腹で潰しては宥める。
肉棒の動きは更に熱くなり小さな突起は悲鳴を上げる。
求められるまま卑猥な台詞を吐き、全身で男の吐精を受け止め続けた。
そうやって全ての行為が終わる頃には夜が明け始めていた。
全てを覚え込まされた身体はもう昨日とは別のものになっていた。
男の肉棒が触れていないのが不安で仕方がない。
行為の間中いつも身体のどこかに触れていた所為だ。
あまりに濃厚すぎた為、解放はかえって心細いだけだった。
喘ぎ続けた喉は潰れた声しか出せない。
そういえば最初から最後まで喉は自由だった。
大声を出して助けを呼べない性格を見抜かれていたのだ。
粘液を纏わり付かせて寝転ぶ様が男を刺激したのか。
最後の仕上げとばかりに足首を持たれ、股間に男の足裏が宛がわれた。
足の裏が小刻みに動き股間全体を振動させる。
使われ続けた性器はその程度であってももう耐えられない。
絶え間ない絶頂を幾度も迎えさせられる。
私は涎を垂れ流したまま気絶してしまった。

結局それからなし崩しに私は男の愛人となった。
拒否すればよかったのだろうが写真の存在がネックだった。
プリントアウトした写真をわざとらしく見せられたことがある。
そこにはコンドームを性器で咥え、快楽に歓喜する女が写っていた。
訴えることも可能だったが、あれだけ感じておいてそれは出来ない。
それに自分と相手の立場と職業を考えると絶望的だった。
要するに危機感のない女がのこのこついていって犯されただけだ。
強姦事件は大抵が顔見知りの犯行。
そんな無駄知識が冷静に頭をよぎったのを覚えている。
よぎったからとてどうということもないのだが。
そんなどうしようもなく宙ぶらりんなまま身体の関係が続いていたのだ。
527名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 01:36:40 ID:xg2XBNWS

男のキスを受け止めながら時計に眼をやる。
もう深夜となった職場は昼の喧騒が嘘のように静かだ。
「……余裕だね」
余所見が不満だったのか男が乱暴に乳房を揉む。
慣れた身体は快楽だけを拾い上げた。
「淫乱」
「だまりなさい……っ」
「じゃ、淫売」
月の照らす隊長室。
遅い入浴を終えて帰った場所にこの男がいた。
仕事を終えて帰宅した筈なのに。
驚くこちらに説明もなく行為を要求してきた。
「駄目よ…こんな、所で……っ」
「今までだって散々してきたじゃない」
「同意、したこと……なんて…一度も……あっ」
シャツと下着が一緒に持ち上げられ乳房を露にされる。
火照った乳首に指が当てられ内側に押し込まれた。
「もうこんなに感じてる。乳首弄られるの好きだものね」
ぐりぐりと指が回され陥没した乳房に皺が寄る。
無体な扱いに脚が震えてしまい男に縋りついた。
「濡れた?」
男の手が無遠慮に股に入り込む。
性器は乳首への刺激だけでどろどろに溶けていた。
「はやいね」
爪が乳首の先端で回っている。削られる幻想に脳も溶ける。
同時に股の中にも指が埋まっていった。
性感を一度に刺激される、大好きな扱われ方。
頭はいやだといっているが、首から下は男を歓迎していた。
男の匂いと熱に誘われ身体を擦り付けて媚びる。
指先は勝手に動いて服の上から男の股間を確かめていた。
下着と服越しに肉棒の感触を味わう。
口と手と性器で散々覚えさせられた形だった。
「もう欲しいの?ちょっと弄っただけなのに」
男が腰を突き出して私の手に擦り付けてくる。
膨らみを撫で続けると乱暴に引っ張られた。
縺れる様に歩き椅子を足で引き寄せる。
男は腰を下ろすと荒々しく前を寛げ性器を晒した。
「どうぞ」
目の前に突き出されたもの。
もう嫌悪の対象はなくただ愛しいものに変わっていた。
528名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 01:37:18 ID:xg2XBNWS
両手で触れ唇を落とす。
男のものを可愛がるのに自分なりのルールが出来ていた。
勃起していなければまずは亀頭の部分にキス。
それからカリの根元に舌を当てて陰毛に向かって舐め上げていく。
勃起してしまうと上側が舐めにくくなるからこの時点で充分にしておく。
特に段差部分が男のお気に入りなので念入りに舐る。
唇だけで触れたり軽く吸ったりもする。
舌先で弾くように舐めると男の腰が揺れた。
筋立った所を伝っていき陰毛に鼻先を埋める。
咽るほど濃厚な雄の匂いを胸いっぱいに吸い込んだ。
ああ、安心する。この匂いが私の全てを支配する。
顔を埋めて堪能していると男に後ろ髪を引かれた。
奉仕に戻れという合図だ。
名残惜しくも顔を離し先端部分へ戻る。
次にするのが亀頭への責めだ。
竿を両手で包んで固定し亀頭部分を口に含む。
唇をカリに引っ掛けておき、舌先で先端を撫で回すのだ。
鈴口も丹念に舐めて綺麗にしてやる。
裏側から先まで割れ目に沿って撫でていく。
口の中で先走りと唾液が混じり合い苦しいほど溜まっていった。
飲み込みきれない唾液が竿を伝って両手を濡らす。
それを潤滑にして根元から扱いていった。
夢中になっていると頭上で金属音がする。
視線だけで確かめると男が苛立った様子で煙草を吸い始めた。
ここは禁煙だ、と訴えたかったが。
すぐに「今更それがどうした」という考えに変わった。
煙草などよりもっととんでもないことを自分がしているのだから。
職場で乳房を露出させて同僚にフェラチオをしているのだから。
安いAVにありそうなくだらない展開だ。
そんなことより目の前の行為に集中する。
口と手の中で男のものが育っていく様をどこか誇らしい気持ちで見つめる。
天を向くそれの裏側、くっきりと浮かびあがる肉の筋。
隆起の始まる部分、段差となっている部分を根元から先端に向けてなぞる。
反対側も同じようになぞってから筋全体をしゃぶり上げた。
舌の動きに逆らって先走りが流れ落ちてくる
一滴も零さないよう大事に集め先端に溜まったものと一緒に吸い込んだ。
夢中になっていると強い視線を感じて顔を上げる。
見れば男は真顔でこちらを睨みつけていた。
もう吸い終わったのか荒々しく二本目に火をつける。
思い切り吸い込んで苦々しげに吐き出した。
529名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 01:37:55 ID:xg2XBNWS
何を怒っているのだろう。
もしかして歯でも立ててしまっていただろうか。
だったら言ってくれればいいのに。
男は私を睨んだまま忙しなく煙草をふかしている。
らしくない乱暴な吸い方だ。
本当にどうしたのだろうか。
ふと、お詫びといってはなんだがある方法を思いついた。
初めてだがやってみよう。機嫌が直るかもしれないし。
掴んでいたものから手を放し、男の脚の間に身体を寄せる。
自分の服の前をすべて開けて乳房を持ち上げた。
濡れた肉棒をその間に挟む。
薄い皮膚越しに男の鼓動を感じた。
谷間から覗く亀頭を乳房ごと舐めて吸い上げる。
繰り返していくと肉棒は益々激しく脈打った。
更に刺激をしようと大きく口を開ける。
だが男の手がそれを拒んだ。
「やめろ」
頭を掴まれ後ろに押される。
乳房から外れた肉棒の先が顔を叩いた。
咥え煙草の男は私を睨んだまま引っ張り起こす。
乱暴に持ち上げられ机の上に叩き付けられた。
痛みに顔を顰めているとスラックスに手を掛けられる。
千切る勢いでボタンを外され下着ごと引き下ろされた。
シャツを羽織っただけのほぼ全裸の状態で脚を広げさせられる。
濡れた入り口に男の先端が当たっている。
じゅくじゅくと湿った穴で感じる慣らされた異物感。
ようやく貫かれる安堵感に溜息が漏れる。
もう逃げなくていい
もう抵抗しなくていい
もう嫌がる振りをしなくていい
後はただ犯されていればいいのだ。
期待を込めて目の前の男を見上げる。
漂う紫煙の向こうに獣じみた顔が見える。
月を背負って見下ろす姿。逆光の暗さの中眼だけが光っている。
今夜は満月だったのか。
こちらを見据える瞳。一瞬も逸らさない。
精悍な顔に息苦しいほど見つめられる。
「…なんて顔しやがる……」
男が吐き捨てる。
それはこちらの台詞だというのに。
まだ残っている煙草を雑に揉み消して、新しいものに火を点けようとする。
だが上手く点けられず、腹立たしげにライターを放り捨てた。
「誰でもいいんだろう?」
火の付いていない煙草のフィルターを噛む。
男は今までに見せたことのない顔で怒っていた。
何をそんなに怒っているのか。
一体私が何をしたというのか。
「淫乱」
再び冷たく吐き捨てた。
それこそ誰の所為だと思っているのだ。
530名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 01:38:37 ID:xg2XBNWS
性器が掻き乱される。
肉棒が無遠慮に中を掻き混ぜる。
男狂いの膣は激しさを歓喜で受け入れていた。
初めて生でしている。
どれほど酷いセックスでも避妊だけはしっかりしてくれたのに。
それだけ怒っているということか。
けれど私が何をしたというのだ。
いつも通り男に傅き敬虔に奉仕をしていたというのに。
今だってこうして欲望の全てを受け入れているというのに。
初めて感じる生の皮膚に内壁が震える。
一度も味わったことのないそのままの感触だ。
避妊具越しでは知りえない濃厚な刺激に性器は喜びの蜜を吐き出した。
だが脳の片隅が冷静に叫ぶ。妊娠の可能性に怯えている。
無意識に手が伸び男の動きを止めようとした。
しかしそれも簡単に押さえ込まれる。
そしていつものように縛られ拘束されてしまった。
「動くなよ。犯されたくないのか?」
犯されたい。それはもちろんだ。
けれどこれ以上のリスクは負えない。
孕んでしまった面倒な女になって捨てられたくないのだ。
この身体と離れたくないのだ。
男が身体を倒して覆い被さってくる。
耳元に唇が寄せられる。次の拷問が始まるのだ。
「…どんな男と寝たことあるんだ?どんなセックスをした?」
男は時折こういうことをする。
淫乱な女の過去を暴こうとする。
どうしてそんなつまらないことを聞きたがるのだろうか。
「どんな風に寝た?どれだけ咥えてきたんだ?」
一番深い所まで潜り込ませたままぐりぐりと腰を動かす。
鈴口の谷間すらリアルに感じて泣きそうになる。
脈動も血管も筋も、男の持つ全ての特徴を直に覚えさせられる。
敏感な肉壁はその一つ一つを忠実に拾い上げた。
「もっと気持ち良くしてやろうか?教えて欲しいだろう?」
教えて欲しい。これ以上の快楽があるのならもっとして欲しい。
口の代わりにどろどろの股間が男を絞り上げお返事をしていた。
「……淫乱。売女。男狂い」
腰の動きが酷くなる。人間に対するものとは思えぬほどの荒々しい突き上げ。
きっと男にとっては牝犬を折檻するようなものだろう。
遠慮も容赦もない抽送に身体が砕けてしまいそうだった。
531名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 01:39:35 ID:xg2XBNWS
だらしなく股を開いて男を受け入れる。
受け入れる度体液が溢れていやらしい音を立てている。
肉棒の形にぱくりと開いた穴。
陰唇が伸びきるほどに丸く大きく広がっている。
肉芽も芽吹いて中の粒を覗かせている。
擦ってもらいたそうに顔を覗かせ男を待っていた。
「女の癖にここまで勃起させやがって…」
手にした煙草の先で粒の表面を擦る。
煙草の葉のざらりとした感触に、肉筒が男を締め上げた。
「感じたのか?この程度で?」
己に吸い付いてくる性器を笑う。
男が腰を引けば締めつけ、入れれば喜んで飲み込む。
自ら進んで犯される様を見下した眼で眺めていた。
「牝犬」
煙草が押し付けられる。
散らばった葉が指との間に挟まりヤスリで削られているようだ。
両方の親指で肉芽が挟まれ激しく絞り上げられる。
逃げられないそこを包皮ごと巻き込んで熱くなるまで擦られた。
あまりの快楽に全身が痙攣する。
膣口から最奥まで一気に力が入り男の全てを圧迫した。
「……っっ!…淫、売……っ」
締め付けが強すぎたのか男の眉間に皺が寄る。
最奥から噴き出した蜜を使って無理矢理刺し貫かれる。
格段に狭くなった筒を限界まで掘り下げられ悲鳴が漏れた。
「こん、なに……感じ…やがって……牝が……っ」
親指に更に力が篭る。粒も子宮口も限界まで押し潰される。
肉の輪をぐるぐると広げられて絶頂へと追い立てられた。
腕が払われ剥き出しの乳房を両手で掴まれる。
指の間に乳首を挟まれ力任せに搾り取られる。
強烈な痛みと強烈な快楽にもう何も考えられなかった。
「っ……畜生……っっ!」
男が乱暴に唇を奪ってくる。舌が捻じ込まれ存分に汚される。
きっとあの眼で私を見ているのだろう。
私の全てを見ているのだろう。
けれどもう私に何かを見ることは出来なかった。
塞がれたり外れたりしながらキスを繰り返す。
腰の動きは終わりに向かうものに変わっていた。
私の身体はもうすでに幾度も絶頂を迎えている。
恐らくこれで最後となるだろう動きに全身を預けた。
「しのぶ……しのぶ……っ!」
最奥を押し潰したまま男の欲望が弾ける。
勢いよく当たる大量の熱い飛沫。
何度も飲み込んだ愛しい粘液を初めて下で飲み込む。
女の享受する下衆な喜悦を抵抗なく受け止めた。
恥じらいもなく性器を蠢かせて汁気を啜る。
この瞬間だけは女として生まれたことに感謝していた。
この男に犯される喜び。女として汚される幸福。
素晴らしき僥倖に身を任せて意識は暗闇に落ちていった。
「しのぶ……」
脱力した男が私を抱き寄せる。耳元で囁かれる何かの言葉。
けれどもう届かない。
落ちていく私にはもう何も届かない。



だから

男が泣いているのにも気付けなかった

<終>
532おまけ:2009/12/12(土) 01:40:35 ID:xg2XBNWS

第一印象は『きつめの美人』というそのままのものだった。
ただそれが俺の好みど真ん中だったというだけだ。
初対面の人間に握手を求めるなんてことを生まれて初めてした。
育ちの良さからか無下に断らず握り返してくる手にどうしようもなく興奮した。
今思えば一目惚れだったのだ。
年甲斐もなくと思わなくもないが惚れた腫れたは仕方がない。
でもきっと大丈夫だ。
今までだって色んな女が俺に抱いてもらいたくて自ら足を開いてきた。
だからこの人だってそうしてくれるだろう。
他の女みたいに俺の気を引こうと纏わり付いてくるだろう。
俺が欲しくて自ら下着を脱ぎ捨ててくるだろう。
その時に思いを伝えれば大丈夫だと思っていたのに。
この人全然俺に興味を示さなかった。
今までなんてちょっと色気を振りまけば簡単に終わったのに。
何故だか全然効かなかった。
その辺りでだんだん焦りが出てきた。
なんなのこの人。どうしたらいいの?
時間ばかりが無駄に過ぎて苛立ちだけが募っていく。
それでもまだ何とかなると思っていた。
少々攻略は難しそうだが落とせるだろう。
自分から女に言い寄ったことはないが大丈夫だ。
そう思ってたのに。
やがて俺みたいなのはこの人のタイプじゃないことに気付かされた。
でもそんなのしょうがないじゃないか。性格なんて生まれつきだし。
「真面目で堅実な俺」なんてもはや俺じゃないし。
父性とかそういうの持ってないし。
大体父親早く亡くしてるのにファザコンって一体なんだ。
意味分かんないんだけど。そんなものなのか?
そうはいってもどうにかなるだろうと頑張ってみた結果。
結局分かったのはこの人は俺を好きじゃなく、
俺はこの人に本気で惚れてるということだった。
なにそれ。こんなの知らないよ。
初めての局面に狼狽して動揺して混乱して狂って。
最後は強姦紛いに関係を迫って無理矢理愛人としての地位を勝ち取った。
だって彼女を繋ぎとめられるのなんてセックスしか思いつかなかったから。
股開かせて入れちゃえばこっちのものだと思ったから。
気持ち良くすればきっと俺から離れられなくなる。
誰でも身体は嘘をつけないから、うんと気持ち良くすれば離れられなくなる。
うんとうんと気持ち良くすればずっと俺の身体に縛り付けておける。
だからもうこれしかなかったんだ。仕方がなかったんだ。
目論見は大変上手くいき、初めての夜以来幾度となく抱き合っている。
いや、正しくは抱けている。
これでよし、めでたしめでたしだったはずなのに。
叶ったら叶ったでなんだかものすごく惨めな気分になっていった。
俺のこと好きでもないのに感じているのが嫌なんだ。
気持ち良いからしてるだけであって、好きでしている訳じゃないのが嫌なんだ。
好きでもないのに抱かれてくれるのが嫌なんだ。
なんなの?俺は体のいい自慰の道具かなにかな訳?
自分のしたことは棚に上げて、ものすごく腹が立って仕方がなかった。
533名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 01:41:17 ID:xg2XBNWS
抱かれてるこの人は本当に綺麗だと思う。
美人だしスタイル抜群だし声だって良い。
そんな人が身体をくねらせて善がり声を上げる様は素晴らしく扇情的で。
きっちり調教したからどれ程の強い快楽にも耐えられるし感じられる。
丁寧に時間をかけて教え込んだフェラなんて最高の一言だ。
入れてあげるときゅうきゅう締め付けてくる膣の感触。
濡れやすい所為かどれだけ乱暴に動いても傷付きはしなかった。
掻き回してあげれば全身を震わせて喜んでくれる。
あちこちから汁気を垂らして絶叫するのが素敵だ。
感じやすいのかいつも最後は気絶してしまうのも可愛い。
でもそれは俺の為じゃないんだ。
俺が好きだからそうなる訳じゃないんだ。
この快楽が欲しくて抱かれてくれてるだけなんだ。
そう思う度叫びだしたくなる。さっきだってそうだ。
進んで濃厚に肉棒をしゃぶってくれる姿に苛立ちが募った。
俺のこと好きじゃないくせに。俺じゃなくてもいいくせに。
それなのに熱心にしゃぶる姿に叫びそうになった。
でもそんなこと出来ない。
強姦しておいて「好きになってください」なんて言える訳がない。
言っていい訳がない。どれだけ言いたくても。
だから煙草を吸って誤魔化そうとした。落ち着こうとした。
でもこの人はどんどんいやらしい姿になっていくから。
あんな恥ずかしい姿でよがりつづけるから。
理不尽な思いは怒りとなってこの人に向いてしまった。
あげくずっと望んでいた中出しまでしてしまった。
まずいなんて全然思わなかった。むしろ孕んでくれと祈っていた。
既成事実を作り上げて、一生俺に縛り付ける為に。
でもどうしよう。これで完全に嫌われてしまったらどうしよう。
この人に嫌われたら、嫌われてしまったら、俺は生きていけない。
そう思うといつも以上にめそめそと泣いてしまった。
でも、起きたらもっと抱こう。
酷いことをしてしまったのを忘れさせる位に抱こう。
今まで以上にもっともっと気持ち良い事を教えてやろう。
抱いて抱いて、肉欲に完全に狂うまで抱き潰してやろう。
現実での不幸の全てを忘れる位の快楽に浸してやろう。
俺がこの人に与えられる幸せなんて、もうそれしかないのだから。

ねえしのぶさん?
俺とのセックス気持ち良いよね?
世界で一番、気持ち良いよね?
だからずっと、傍にいさせてくれるよね?

<終>
534名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 01:59:50 ID:cK9HZDV+
GJ!!!!

心理描写がすんげー好き
狂気を孕んだ後藤さんと、どこか冷めているのにどんどん惹かれているしのぶさん
が、とても良かったです
幸せなのも好きですが、こういうすれ違い系もいいなぁ…
535名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 17:47:58 ID:fg5Pn7aX
うッほほ〜〜〜〜い!!!
駄目な二人たまらんです。
GJの一言に尽きますな。
536名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 22:56:11 ID:2mEqTH13
お互い壊れ行く様を淡々と客観的にみてるしのぶさん最高です!

堪能させてもらった!GJ
537名無しさん@ピンキー:2009/12/20(日) 03:52:58 ID:qMT196pN
久々にGJ!!ご馳走さまでした!
538名無しさん@ピンキー:2009/12/22(火) 01:35:57 ID:Tdhavjba
冬コミにエロ同人誌出るといいな。
539名無しさん@ピンキー:2009/12/22(火) 22:10:51 ID:4Q6fEdS5
495のしのぶさん嫁ネタ投下します
540名無しさん@ピンキー:2009/12/22(火) 22:15:03 ID:4Q6fEdS5
「とりあえず報告を」

■■■

入籍の際、式は挙げなかった。
先の戦争の後始末でお互いに時間が取れず、婚姻届を提出するだけで済ませてしまった。
ウェディングドレスに憧れる歳でもなかったし、人前で目立つ事自体が恥ずかしくなってしまったのだ。
喜一さん(コレだって恥ずかしいのよ・・・・・・)もフォーマルな格好は苦手だったみたい。ただ、写真に残せないのが悔しそうだった。

春から公安に移った事で、彼はどうしてもスーツを着なければならなくなった。
ものっすごい窮屈そうな顔で家を出て行くものだから、笑いが込み上げてくるのよね。
だけど、そのスーツがとても似合う。心持ち背筋も伸びて見えるせいか、すごく凛々しい。・・・・・・何か納得いかないわ。

まあ、余計な話はこの辺りにしておいて。
それは上司に入籍の報告を終えた後の事。

「やっぱり、あいつらにはちゃんと伝えた方がいいよね」

『あいつら』というのは勿論、彼の元部下達である。
各所への手続きや新生活の準備(南雲邸へ喜一さんの荷物の搬入)の為に忙しく、職場以外ではまだ誰にも結婚を伝えていない。
もしかしたら山崎君とシゲさんが既に連絡を入れているかもしれないが、やはり彼らには自分の口から言うべきだろう。

ということで、今日の報告会議を終えて、神奈川県警へ戻ろうとナイスなタイミングで腰を上げた熊耳さんの首根っこを捕まえて、カフェでランチと洒落込んだ。

「・・・・・・庁内で誘拐行為なんて、中々ウィットの効いたジョークですね?」
「訴えられたら後藤さんが揉み消してくれるから心配無用よ」
「私の首の心配はしてくれないんですか?」
「はいはい、痛いの痛いの飛んでけ〜」
「私で遊ばないで下さいっ!!」

耳に良く通る綺麗な声で、がぁーっと吼える。心なしか、頬を染めてぷるぷる震えている。
ふむ、何というか、とても可愛らしい。喜一さんが隙を見付ける度におちょくっていた理由が分かった気がするわ。

「それで?どういった、ご用件で、ございましょうか?」
「何か棘があるわね。突然だけど私と後藤さん、先週入籍したから」
「あら、それは大変おめでとうございます」

思っていたよりもあっさりとした反応が返ってきた。

「あまり驚かないのね?」
「それこそ今更でしょう?別れたと言われた方が何倍も驚きますよ」
「・・・・・・その辺の認識を詳しく聞きたいわね」
「あれだけ夫婦しておいて何を仰られているんですか。寧ろ遅すぎたくらいです」

などと意味不明な事を言っており――――、じゃなくて。
正直、ここまで軽く受け止めてもらえるとは思っていなかった。
541名無しさん@ピンキー:2009/12/22(火) 22:16:02 ID:4Q6fEdS5
なぜなら彼女は知っているはずなのだ・・・・・・あの戦争での私の罪を――

「大丈夫ですよ、彼となら」
「え?」

諭すような口調で彼女は言う。

「貴女は例え許されなくても償おうとする。後藤さんは、それを支える為に待ち続けていてくれたのでしょう?だから大丈夫です」
「でも、私は――」
「それが彼の正義です。リチャードや、あの柘植という男の思想すらも凌駕した、絶対不可侵の正義」
「・・・・・・そうね」

ああ、そうか。
彼女は知っているんだ。かつてその正義に守られたから――――

「熊耳さん、ありがとう」
「どういたしまして。私も近いうちに手に入れてみせますから」
「まさか、いるの?」
「いますよ?暑苦しいほどの正義の塊が」

その表現がものすごく思い当たるんだけど・・・・・・

「・・・・・・本気?」
「お気持ちは理解できますが、人の彼氏を疑う目はやめてもらえません?」
「二課時代からそうだったの?」
「真剣に関係を持って付き合い始めたのは、二課を離れてからですね」
「意外だけど、言われてみれば確かにお似合いかも」

何だ、そうだったのか。私よりも先に持ってたんだ。
――もしかしたら、泉さんと篠原君は一番最後かもしれない。
そんなことを思いながら、二人で食事を楽しんだ。

「それじゃあ、次回の合同研修で。"彼"に宜しくね」
「はい。旦那様に宜しくお伝え下さい」

『旦那様』ね。
うん、悪くない。

帰り際、気持ちスキップ気味だったのを彼の同僚に目撃されたのは秘密だ。
542名無しさん@ピンキー:2009/12/22(火) 22:17:58 ID:4Q6fEdS5
以上です
二課の良心おたけさんもここではネタキャラです
543名無しさん@ピンキー:2009/12/22(火) 22:51:27 ID:lDrdM/dK
GJ!
可愛すぎるよしのぶさあん!
そしておたけさん、おたけさん?
えええええええええ??
脳内で願ってた事が現実に…して下さい。お願い。
544名無しさん@ピンキー:2009/12/23(水) 08:16:13 ID:ZtDckqAi
太田はおたけさんに押し倒されるわけですね分かります。
545名無しさん@ピンキー:2009/12/24(木) 00:32:07 ID:eFvc2o7U
しのぶさん素敵です!
さすが学級委員長のおたけさん!GJ!
546名無しさん@ピンキー:2009/12/25(金) 00:57:16 ID:LelF3HD7
仕事していたら馬鹿ネタを思い付いたので投下。
ぶっちゃけかなりのトンデモネタなので、笑って赦してつかーさいm(_ _)m
でも本当にこんなだったら一寸面白いかも、なんて。



「COMOEDIA」
打ちっ放しの冷たいコンクリートの床の上に、その“女”は転がっていた。
後ろ手に手錠を掛けられ、目隠しをされ、口には猿轡を噛まされている。
身に付けているものはそれだけで、後は一糸纏わぬ姿だった。

そんな無様な姿を晒してぴくりとも動かない女を、見降ろす男が二人。
片方は擦れ違えば誰もが振り返る程の巨漢。
もう片方は平均より小柄ながらもがっちりとした体躯の男。
あられもない姿の女を、只無表情に見ている。
そんな二人の背後のドアが、不意に開いた。
「主任」小柄な方の男が小声を上げる。
「首尾はどうだ?」入って来た猫背で三白眼の男に問われて、小柄な男は
無言で首を振った。
「ま、ここだと万が一があるから、隣で聞こうか」
「はい」
二人は頷き、女が失神していることをもう一度確認してから出て行った。

「随分な姿だけど、どれくらい投与したの?」マジックミラー越しに横たわる
女を見ながら、猫背の男が事も無げに問う。
「昨日から24時間で5回、ですか」記憶を頼りに小柄な男が応える。
「5回、か」呟きながら猫背の男は煙草を取り出し、火を点けた。
「それで口を割らないとは、なかなか見上げた根性だな」
「どうしましょうか」
「“あちら側”で何か暗示を掛けられて、その結果本人は記憶していない
ようにされている、という可能性も無くもない。どちらにせよ……」そこまで
云って猫背の男は、ふっと煙を吐き出した。
「あの女…熊耳武緒が、香港を根城にしている“地球防衛軍”に何らかの
繋がりがあることは確かだ」
「警察官のくせに、犯罪組織に抱き込まれるとは全く赦せませんな」小柄な
男が吐き捨てる。
「あちらさんの方が一枚上手ってことさ」笑いながらもう一度煙を吐き出した。
「どうするんですか?」巨漢が口を開いた。
「お前さんトコだって、あの女から何なりと情報が得られないと困るだろ?」
「ええ、それは勿論」
「しかしこのまま責め続けても無意味どころか、これ以上続けて自白剤を
投与したら心臓麻痺を起こす危険がある」
「どうするんですか?」伺うような顔をした小柄な男に、猫背の男は薄く笑った。
それがこの男独特の“悪だくみ”を考えている時の顔だということを、
それなりに長い間部下をしている小柄な男はよく知っているので、ぞっと
せずにはいられない。
猫背の男は、ずっと手に持っていたファイルを無造作に差し出した。
「何ですか?」
「まあ見てみろ」
「はあ」
547名無しさん@ピンキー:2009/12/25(金) 00:57:39 ID:LelF3HD7
云われるままにページを繰ると、隣室で失神している“熊耳武緒”の他に
数名の男女の顔写真と略歴が記されていた。
「これは?」
「そいつら全員“要監視対象”だ」
「全員?」
「そ。特にその“篠原遊馬”は、あの篠原重工の御曹司だ。警察官なんぞに
何故なったのか…如何にもクサいだろ?」
「それで…どうするのですか?」
「俺に一計がある」
「?」怪訝そうな顔をした二人に、猫背の男はにやりと嫌らしい笑みを浮かべた。

「元々“監視対象”の堕ちたキャリア共々、纏めて囲い込んで監視しちまおう
っていう、素晴らしい“計画”さ」
「……はあ?」意味が判らず、男二人は首を傾げた。

猫背の男曰く、元々公安がマークしている“南雲しのぶ”も含めて、全員を
警備部警備課の特車二課内に“第2小隊員”として赴任させる。
勿論男二人も“隊員”として潜り込む。
「まさか」何となく読めて、小柄な男が唖然とした顔を向けた。
「そ」猫背の男は薄笑った。
「俺が第2小隊長」
「……それ、何のプレイですか?」
「いいじゃないの。公安の仕事ばっかじゃ疲れるでしょ」
「はあ」まあ別にいいですけどね…と、小柄な男は呆れ顔で肩を竦めた。
「で、あの女はどうするんですか?」
「てきとーに後始末して外事課に返してあげて。犯罪組織に拉致されたとでも
思って貰えればいいでしょ」
「あのままでですか?」
「犯りたいなら、後始末する前に犯ればいいよ」確かにいい躰してるもんね、
と薄笑う。
「いや、そういう意味では……」
「その辺はお前に任せるから。俺は上に予算どれだけ付けて貰えるか尋きに
行かんといかんのよ」それだけ云うと、「後は宜しく」と手をひらひらさせて
猫背の男は出て行った。

「……で、どうする?」失神している女を見降ろしながら、小柄な男が巨漢を
振り返り様見上げた。
「犯りたいか?」
「いえ、僕は遠慮しておきます」巨漢は苦笑う。
「“ボス”が五月蠅いですから」
「ああ、あの黒髪のハーフ女か」知っているらしく、小柄な男は苦笑った。
「じゃあ仕方無い、俺だけで楽しむとするか」
「どうぞごゆっくり」何か判ったらこっちにも連絡してくださいね、と付け加えて、
巨漢も出て行く。
ドアが閉まったのを確認してから、小柄な男はもう一度女を見降ろす。
但しその口許には、抑え切れない笑みが貼り付いていた―――

[了]


後藤さんが公安の人、というのはそのままで、太田がその部下、
ひろみちゃんが実はCIAの連絡員で香貫花の部下、という設定です。
太田やひろみちゃんの普段の顔は狂言という…絶対嘘だあ(笑)。

お馬鹿ネタで本当にごめんなさいでしたm(_ _)m
548名無しさん@ピンキー:2009/12/27(日) 23:21:41 ID:K8v3Il+V
そのネタでいいからエロを所望する。

つかここエロパロスレじゃないの?
549名無しさん@ピンキー:2009/12/28(月) 00:22:44 ID:0RVWdu7f
そうだけど?
550名無しさん@ピンキー:2010/01/01(金) 01:38:14 ID:HsdC9941
最近の話はエロが入ってない気がス・・・
551名無しさん@ピンキー:2010/01/01(金) 09:06:53 ID:bcWw8Y1Q
エロパロ板だけにエロ期待してる人が多いから、エロ無し作品は投下しても、ここは反応薄い(もしくはない)と思うよ。
スレ自体、そんなに賑わってないから、投稿はありがたいけれど、エロ無しは別スレにでも投稿、リンクしてもいいんじゃないかと。
落ちてなければ、エロ無し投下OKスレがあったように思う。
552名無しさん@ピンキー:2010/01/06(水) 11:34:56 ID:Z8MMF7eM
>>540みたいな非エロばかり投下するバカは正直ウザい
553名無しさん@ピンキー:2010/01/06(水) 23:30:18 ID:MdpEq8I8
過疎スレになって誰も寄り付かないスレよりは
定期的に書き込みがあるスレのほうが職人さんが投下しやすいと思う。

それに他人がどこにエロスを感じるのかをお前さんは完璧に理解できると言うのか?
554名無しさん@ピンキー:2010/01/11(月) 20:43:10 ID:sJ3g3tgK
あのな、エロエロ投下って言うならまず自分で書けよ。

キスして脱がして触って舐めて入れて動いてフィニッシュ。

流れだけ書けば一行で終わるのを工夫して人に読ませる文章にするわけでさ、
言葉遣いな行動パターン等、キャラごとに違和感がでないよう書き分けもする。
ただでさえ過疎スレになってるのに貴重な職人が寄り付かなくなるような
書き込みしてる暇があるんだったら非エロでもエロでもいいから
まず一作書いて投下してくれ。楽しみにしてるぞ>>552
555名無しさん@ピンキー:2010/01/12(火) 18:04:43 ID:syetqtlS
>>554
禿同。

てか、出し惜しみするワケじゃ無ェけど>>552みたいなヤツに見せる為に
エロ書いてんじゃ無ェよって思うわwww

何より、エロ読みたいからって非エロ作品投稿者に対してバカとか言うな。
何様だよお前…
556名無しさん@ピンキー:2010/01/18(月) 20:28:30 ID:RVTnYZwC
スレ違い承知で
ひろみちゃんの人に黙祷
557名無しさん@ピンキー:2010/01/18(月) 22:14:19 ID:RoDqghJ+
ひろみちゃん・・・  つ【菊】

【訃報】声優の郷里大輔さんカッターナイフで自殺か
「機動戦士ガンダム」ドズル・ザビ、「ドラゴンボール」ミスターサタンなどで有名★4
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1263816717/
558名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 00:47:04 ID:AMhZt3bP
ああああああ
ひろみちゃん…あの優しい声は二度と新しく聞けないんだな…
悲しい
559名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 21:53:40 ID:sXbiukjf
ひろみちゃん…(T-T)

ご冥福をお祈り致します…
560名無しさん@ピンキー:2010/01/26(火) 21:07:38 ID:mFAk/VSP
非エロが避難されていますが、非エロになりそうなのを投下します 。
まだ書き途中です。
P2後、一応後藤×しのぶです。
561名無しさん@ピンキー:2010/01/26(火) 21:09:33 ID:mFAk/VSP


遠ざかるヘリコプターを見つめていた。
さっきの光景が頭から離れない。彼女が奴と見つめあい、手と手を絡ませた。
二人の間にはまだ強い絆があるのだろうか?二人を繋いでいたあの手錠のように。
遠くから自分を呼ぶ声が聞こえ、

見なれているが懐かしい顔ぶれが笑顔で自分のもとに走り寄ってくる。
「結局俺にはこいつらだけか。」
ヘリコプターはもう見えなくなっていた。


2002年2月、元自衛官柘植行人率いる組織が東京にテロを起こした。
横浜ベイブリッジ爆撃工作から始まったそのクーデター紛いのテロは、特車二課旧第二小隊隊員と小隊長の後藤喜一、そして当時特車二課長代理の南雲しのぶの手によって逮捕された。
この逮捕劇は命令を無視して行われ、特に南雲しのぶは首謀者の柘植と過去に不倫関係もあったことが災いし警察内で問題となった。
彼らに対して懲戒免職を求める声もあったが、特車二課第二小隊に協力的だった刑事部のおかげで厳しい処分にはならなかった。
そして、彼らは元の場所に戻って行った。南雲しのぶ一人を除いて。

東京湾の埋め立て地に工場のような建物が建っている。車でしか行けないような僻地だ。
その建物は戦争にでもあったかのようだった、なんとか体裁を整えてはいるが修復しきれぬ銃弾のあとがあちこちに残っている。
警視庁警備部特車二課。銃弾は2月にあった事件の際に犯行グループから攻撃を受けたあとだ。
広い敷地には腰の高さ程の雑草がざわざわと初夏の風に吹かれ波のように揺れている。
建物の二階、隊長室に当たる窓から眠たそうな顔をしたくたびれた様子の中年男が外の風景を眺めていた。
「草、 伸びてきちゃったな・・・。」
隊長室には2つのデスクがあるが、1つは最近使用された形跡もなくスッキリと整理されている。
隊長室にいる中年男、後藤喜一は軽くため息をついてから使われていない椅子に視線をうつした。
しばらくそのままじとっと見つめていると、隊長室のドアをノックする音が聞こえた。
「失礼します。」
実直そうな青年が入ってきた。事件後、第一小隊長代理をしている五味丘であった。
「報告書提出にまいりました。」
「あ、そこにおいといてちょうだい、目通しておくから。」
「はっ・・・・・」
書類をデスクに置いた五味丘は何か言いたげな表情をして後藤を見た。
「どうした?何かあるのか?」
「・・・自分はいつまで隊長代理を続ければいいのでしょうか?」
「いつって、そりゃあ第一小隊の隊長が戻ってくるまでだよ。隊長代理いやにでもなったのか?」
「いえっ、そうではなく・・・、南雲隊長はいつ戻ってくるのでしょうか?現在もまだ本庁での聴取は続いているのでしょうか?」
「いや、もう聴取は終わっているよ。事件後南雲隊長が本庁にいる間にご家族の方が倒れられてね、しばらく休暇を取っている。
いつまでも、君に第一小隊をまかせっきりにするわけないだろうし、すぐに戻ってくるよ。」
そう後藤が言うと少し不安げな目をしながらも了承して五味丘は隊長室を出て行った。
「・・・・・しかし、遅いな。しのぶさん・・・。」
562名無しさん@ピンキー:2010/01/26(火) 21:10:51 ID:mFAk/VSP

都内の病院の一室にしのぶはいた。
事件後、事件や柘植についての事情聴取を受けていてほとんど、家には帰っていなかった。
いや、帰れなかったわけではないが、帰って母の顔を見たくなかったからかもしれない。
事情聴取もあらかた終わり、久しぶりに家に戻ると母は倒れ入院していた。
病院のベッドに横になる母の顔を見つめた。頬はこけ、目は落ちくぼみ、白髪も増えていた。
自分はこんなになるまで、この人を追い詰めていたのだろうか?
顔を合わせるのが辛く思わず俯いた。
警備部長に休暇を取るように言われ入院した母の見舞いに毎日訪れている。
休暇中に自分の今後についても考えろと、やはり特車二課からは移動だろうか、
左遷されあそこに行ったようなものなのに、どこに移動になるのだろう。それとも退職しろとの事なのだろうか。
あの日、柘植に掛けた手錠を自分の腕に掛けた時、自分の心にも手錠を掛けてしまった。
戻らなくてはと思っていたのに・・・・、彼の顔を見たらどうしようもなくなってしまった。
懐かしいあの人、老けていた。東南アジアで失踪前についたのだろうか、顔に傷もあった。
でも自分を見つめる優しい瞳は変っていなかった。忘れていた感情が激しく心を支配した。彼と一緒にいたいと。
罪人の彼を愛したいと。郷愁なんかではない。
ふと顔を上げると母が眠りから覚めて自分を見ていた。
「大丈夫?具合はどう?」
「しのぶが、個室に移してくれたおかげでだいぶ良くなったよ。」
「そう、よかった・・・。」
気まずい空気が流れる。会話が続かない。いつからだろうこんなにこの人との関係がぎこちなくなったのは。
昔、柘植と不倫関係にあることが知られてしまった頃だろうか、いやそれより前の父が居なくなった頃だ。
「寝巻、洗濯したの この紙袋に入ってる。あと、お隣さんからお見舞いってフルーツもらったから食欲ある時にでも食べて、
じゃ、あたし帰るわね。」
逃げ出すように帰ろうとした。
「しのぶ、待ちなさい。」
「何・・・・?」
後ろめたい気持ちがしのぶの心を焦らせた、この場から早く居なくなりたいのに。
「柘植さんの事、まだ好きなのかい?」
「・・・・母さんには関係ない。」
「捉まってしまったんだろう、お前が逮捕したんだろう。」
思わず黙り込んでしまった。
「彼が刑務所から出てくるまで待つ気かい?待っていたらおばあちゃんになっちゃうよ?」
「!だから、母さんには関係ないし、裁判だってまだ始まってないのにそこまで考えてない!」
ふぅっ、っとしのぶの母はため息をついた。
「後藤さんはどうするんだい、あの方をほっておいて・・」
「なんで後藤さんが出てくるの!!後藤さんはそんなんじゃない!!」
突然後藤の名が出てきたのでしのぶはカッとなった。
「そうなのかい、私はてっきり後藤さんと一緒になるんだとばっかり思っていたよ。」
「たんなる同僚です、あの人をそうゆう対象として見た事はありません!!」
「ま、それならいいけど・・・。それより柘植さんと話は出来たのかい?柘植さんは何て言ってたの?」
「・・・一度だけ面会できたわ。彼は、・・・・何も。
ただ、迷惑をかけた、巻き込んでしまってすまないと。」
「それだけ?」
「あと、さよならと・・・・・。」
しのぶは手をぎゅっと強く結んだ。
「でも、関係ない、私は彼が好きなの・・・。」
「お前が勝手に好きになっててもしょうがないでしょう。柘植さんは貴方を思いやって突き放したんじゃないの?」
「そなんの分かってるわよ。」
しばらく二人は無言になった。
しのぶの母はまた、ふぅっとため息をつくと、サイドテーブルの引き出しから1通の手紙をだした。
「後で、これを読みなさい。そしてよく考えなさい。」
「なにこれ?」
「読めばわかるから・・・・。」
563名無しさん@ピンキー:2010/01/26(火) 21:12:14 ID:mFAk/VSP
自宅に戻り、手紙を開封した。柘植の妻からだった。
「離婚してなかったんだ、何年もたつのに。」
しのぶは手紙を読み進めた。

突然この様な手紙を送ってしまい申し訳ございません。
ただ自分の胸の内を南雲様に知っていただきたく筆をはしらせました。
私はもう何年間も苦しい思いをしてきました。柘植の不倫、失踪、そして今回の事件。
世間の目も厳しく、いつまでも離婚をしない私に親族からも非難を浴びせられました。
離婚を考えなかった訳ではありません。ただ、悩んでいる中に月日がたってしまったというのが本当のところです。
しかし、柘植が逮捕され、面会が許されました。3年振りに夫に会って別れずにいてよかったと思っています。
取り調べがきついのかだいぶやつれていたものの優しい目は以前と同じでした。
夫は、とっくに離婚届を出していると思っていた、迷惑をかける、いつ出られるか分からない、離婚した方がお互いにいいだろう。
と言っておりましたが、私が離婚する気はないと伝えると、そうか、と一言つぶやいておりました。
子供ももう成人し、私の行動を許してくれています。私は柘植が戻ってくるその日まで待ち続けます。
夫を待つのは妻の私の役目です。
南雲様、どうか私からもう何も奪わないでください。

「なによ、彼を待つなって事。それに優しい目は以前と同じでしたって・・・・」
手紙を持つ手が震える。
「なんだ、ちゃんと奥さんにもあの優しい瞳を向けていたのね。」
涙が頬をつたった。
564名無しさん@ピンキー:2010/01/26(火) 21:17:35 ID:mFAk/VSP
今日はここまで、どうやってエロにもってくか悩み中です。
あと、初めて書くので文章とか変ですけど許して下さい。
しばらく非エロでも大丈夫そうなら、また投下します。
565名無しさん@ピンキー:2010/01/26(火) 23:23:52 ID:pgKGybCs
560>> 初投下おめでとう&GJ!!
エロか非エロかは気にしない、続きの投下を楽しみにしています。
566名無しさん@ピンキー:2010/01/27(水) 23:13:37 ID:xo6J5HyT
565と同意!続き楽しみです!
567名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 19:46:11 ID:pbN181+l
P2後、後藤×しのぶ続き投下します。
なんとかむりくりエロいれてみました。

━━━━
特車二課、隊長室の電話がなった。
「はい、ごと・・しのぶさぁん!」
しのぶからの電話だった。母親の体調はだいぶよくなり戻ってくるとの事だ、今本庁にいてこれから特車二課に戻るとの事だった。
「もっと、早く連絡くれればよかったのに、五味丘すごく心配してたよ。うん、うん、そう、え、もう切るの?はい分かった。じゃあ後で。」
後藤は、これからしのぶが戻ってくると聞いてソワソワしながら部屋をうろついた。

事件から3カ月がたっていた。5月の中頃、しのぶは特車二課に戻ってきた。
「痩せたんじゃない?ちゃんと、食べてる?」
「大丈夫よ、健康管理はしているわ。」
「ならいいんだけど。でもしのぶさんが戻ってきてくれてうれしいよ。」
久しぶりに会うしのぶはなにかよそよそしい感じがした。だが少しやつれた横顔は美しかった。
しのぶの心にはあの男が住みついているのだろうか。あの時あきらめたはずなのに、いざ彼女に会ってしまうと全然あきらめ切れていない事に気づかされる。
「でも、戻ってきたといっても、ここにいられるのはあと少し、五味丘に引き継ぎしに来たの。6月に辞令が下るわ、本庁に行くのよ私。」
「そっか・・・、残念だけどしょうがないな。」
どの様な経緯で以前不祥事を起こしたしのぶが本庁へ戻る事になったのか、後藤の近くに置いておくといい影響を及ぼさないと思われでもしたのか、それともしのぶ自身の希望でもあったのかと後藤は考えを巡らせた。
彼女が手に入らなくても今は近くで見守っているだけでもいいと思っていたのに、その思いも叶わない。思わず落胆の色が顔に出てしまった。
「ごめんなさい・・・、いろいろ。」
「いや、何はともあれ向こうに戻れるのなら出世の道も開けるし、よかったよ。五味丘達はがっかりするだろうけどね。」

それから2週間はなかなかしのぶと二人で話せないでいた、しょっちゅう五味丘が彼女にはりついている。
引き継ぎの為とは言え、そんなに一緒にいなくても・・・惚れているのかと疑ってしまう。
自分が彼女に惚れているがゆえにそう見えてしまうのだろうか。内心やきもきしながら後藤は過ごしていた。気のせいかしのぶの表情も心持ち明るくなったように思える。
しかし自分でも驚いた、こんなに人に執着する事があったのかと。思ったより自分は彼女に惚れているらしい。
「まいったね こりゃ。」
軽く頭を抱え吐きだすようにつぶやいた。
そんなある日の事、見たくない現場を後藤は見てしまった。
568名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 19:48:20 ID:pbN181+l
誰もいない課長室前の廊下にしのぶと五味丘がいる。
五味丘が真剣な眼差しをしてしのぶに何かを話している。二人の距離は近い。立ち入ってはいけない雰囲気で後藤は静かに立ち去ろうとした。
その時五味丘の声がはっきりと耳に届いてしまった。
「自分ではあなたの傷を癒す事はできませんか?」
五味丘の顔は少し紅潮していた。しかし強い意志を込めしのぶを見つめる。
「五味丘・・・、一体何を・・・。」
しのぶが絶句している。彼女は奴が自分に惚れていると気付いた事はなかったのだろうか?
「昔からあなたの事を思っていました。自分はただの部下としてしか見られていないと分かっています・・・・しかし・・。」
五味丘は熱を込めしのぶを見つめて言った。
「あなたが好きです。あなたを守りたい。」

痛いほどの沈黙が流れる。

「すみません・・・。突然、失礼しました。返事はいつでもかまいません。失礼します。」
そう言って五味丘は立ち去った。
「五味丘・・・。」
すべてを聞く前に後藤は静かに去っている。そして後には一人しのぶが佇んでいた。

しのぶが隊長室の戻ると、後藤が足に水虫の薬を塗ってふうふう息をかけている。
「あ、ごめん。梅雨が近づいてきたせいか・・ね。」
後藤は顔を上げにっと笑うと薬の蓋をしめ、いそいそと書類に目を通しだした。
以前と何も変わらない光景にしのぶはため息をつきながらも少し安心した。この人は変わらないと。
「後藤さん、もうじき私はいなくなり、この席に五味丘が座る事になりますが、あまり彼を困らせないでください。」
眉間に皺を寄せながらしのぶはいった。
「どうしたの、そんなにカリカリして。皺増えちゃうよ。」
「後藤さんっ!!」
変わらないいつものやり取り、あの日、柘植を逮捕しに行く前に後藤がいった、「待っている」と言う言葉は、深い意味はなかったのだ。
そう、しのぶは思い込む事にした。
「あ、時間だよ。南雲隊長お疲れさまでした。」
お茶を濁すように後藤はいった。
「・・・・もう。」
二人は姿勢を改めひき継ぎをする。
「17時、当直任務を、第二小隊にお引き渡しします。」
「第二小隊、たしかにひき継ぎました。」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「後藤さん・・。」
「なんですか?」
しのぶは一瞬困ったような顔をした。
「やっぱりなんでもない。」
「相談でもあるの?相談なら乗りますよ。」
にやけた顔で後藤は言った。
「いいです。本当になんでもないの。」
そう言うとしのぶはさっさと帰っていった。

隊長室に残された後藤は一人呟いた。
「ここにも待っている男がいるんだけど・・・。忘れちゃったのかなぁ。」
五味丘が彼女にあんな事を言うなんで考えていなかった。惚れているんじゃないかとは思っていたが、あんな現場を目の当たりにすると少々驚いた。
今はまだ彼女の心を柘植が支配していると思ったからこそ、何も言わず黙って、しばらく見守っていようと考えていたのに。
五味丘に良い返事をしのぶが出すとは思えないが、さっきの様子だと、かなり動揺はしているようだ。
彼女は迷っているのではないか?柘植を愛していく自信がないのだ。もしかしたら、もう奴の事はあきらめているのかもしれない。
だとしたら、未来明るい青年と共に歩んでいこうと思う事もないとは言い切れない。
「そりゃないよね、しのぶさん。」
しかし、柘植に対しての気持ちが揺れているのだとしたら自分にもチャンスがある。
「ま、五味丘に持っていかれるのは腹立たしいよなぁ。」
後藤は何かを決心したようだった。
569名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 19:54:32 ID:pbN181+l
自宅にしのぶは戻った。
母はいない。
しのぶの仕事が不規則なので、まだしばらく入院することになっている。
自分がいない時にまた倒れでもしたら今度は危ないかもしれない。
広い家に一人だとすごく寂しい。いつも帰ると母がいた。あの人は私が仕事をしている時にこんな寂しい思いをしていたのだろうか。
着ていた服をハンガーに掛けベットに倒れこむ。
「柘植さん、あたしどうしたらいい。寂しい・・・・。」
本庁より出向していたあの頃を思い出した。自分と彼はかけがえのないパートナーだった。
妻子がある身だとは分かっていたが、あの特殊な環境のなかで若い自分は情熱を抑える事が出来ずに彼を求めた。
でも、彼はその情熱に答えてくれた。
「柘植さん・・・。」
しのぶは目を閉じて彼の優しい瞳を思い出した。禁じられているからこそ激しく求めあったあの日々を。
少しかさついた唇、厚い胸板、男らしい節榑立った指先。あの指が高みへとどこまでも導いてくれた。獣のような彼との行為に夢中になった。
「柘植さん。」
しのぶは彼の手を思い出し、自らを慰め始めた。
ブラジャーの上から円を描くように胸のふくらみを揉む。彼はどうやって愛してくれていただろう。
下着を少しずらして硬く尖りだした乳首を摘む。
「うっ、はぁ・・」
我慢できずに吐息が漏れる。さらなる刺激を求め、自分の指を咥えたっぷりと唾液のついた指で乳首を弄りだす。
あの人は自分の胸を口に含んでむしゃぶる様に乳首をなめてくれた。唾液で滑らしながら乳首を転がすように弄っていると、下腹部に甘い疼きを覚えた。
「ん、っふぅ・・・」
もう一度指を口に含み唾液を付け、今度は下腹部へと這わせていく。
自らの茂みを掻き分けすでに硬く敏感になったクリトリスを触り、少し被っていた皮をむきすべてを露わにする。
「あっ・・はぁあん!」
唾液で滑らすように刺激をすると、それより下にある蜜壺から愛液が溢れてくる。
クリトリスを弄りながらもう片方の手で下着をずらし、くぱくぱ開きだしたそこを弄ぶ。
「くちゅつ、くちゅ。」
淫らな音が部屋に響く。蜜壺から溢れだした愛液が肛門にまで垂れていく。ヌルヌルになった割れ目の中にゆっくりと指を付け根まで埋める。
「んんっ」
指先を少し曲げ、膣壁のくぼみを見つけそこを擦るように刺激する。
「んっ・・・ あふぅ・・・!あっ!はぁん!」
しのぶは自分の声に興奮し指をもう一本いれるとクチュクチュと音をたて激しく膣に出しれした。そして一番感じる場所を探しひたすらそこを刺激する。
「ああっ・・・、んっ・・ああああああ!」
ぐちゅぐちゅといやらしい音が響きわたりクリトリスを擦る指と膣に出し入れする指の動きが早くなる。自分の指が中で締め付けられる。
「はあっ、はあっ、イクっあっ・・あっあああ、はぁあああああ!!」
頭の中が真っ白になり、体がビクッビックと軽く痙攣させながらしのぶはイッた。
シーツまでしのぶの愛液でびしょびしょになっていた。

「・・・・・・。」

しのぶは虚ろな目で、天井を見つめた。
「何やってんだろ、あたし。」
虚しさだけが、心に残った。
570名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 19:59:58 ID:pbN181+l
━━━━
今日はここまで、なんとかうまいことまとめたいのですがなかなか進みません。
すんません。文章を書く能力の低さにイライラしながらやっています。
エロも初めて書いたのでエロくなっていないかも。

続きできたらまた投下したいと思います。
571名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 00:23:34 ID:rhhpqwi2
おおお、いいです!次も楽しみです。
どもです。
572名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 00:52:09 ID:UBRL+xlb
>>560 GJGJGJ!!
楽しく読ませてもらいました。
続きをワクテカしながら待ってます!!
573名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 04:03:53 ID:h5cF7/ku
続きです。
エロなしです。
━━━━

しのぶが本庁に移動になる数日前、後藤がハンガーの外を歩いていると、海辺に五味丘がいた。
後藤が釣りをする時の定位置だ。ハゼ釣りなどしない五味丘がそんな場所にいるのは珍しい。後藤は近づいて声をかけた。
「よっ、どうしたの?こんな場所で黄昏て。」
五味丘は振り返り軽く敬礼すると、少し浮かない顔で言った。
「後藤隊長・・・。少し風に当たりたくて。」
後藤は遠くの海に浮かぶタンカーを眺めている。
「しのぶさんがいなくても、大丈夫だよ。現にここ数カ月第一小隊をまとめ上げ立派に隊長を務めていたじゃないの。」
後藤は五味丘の悩める理由が仕事ではないとは分かっていたがまずはそう切り出した。
「自分は今後第一小隊の小隊長としてやっていく自信はあります。第二小隊の負担を軽減して差し上げますよ。」
少し挑戦的に五味丘は言った。彼が軽くイラついた事に後藤は気づいた。
「じゃあ、何だってそんな顔してんのよ。」
後藤は探りを入れる。
「どんな顔ですか?」
五味丘は顔をしかめた。
「女にでも振られたかのような顔。」
五味丘と視線がぶつかり合う。
「後藤隊長に相談するような事ではありません。失礼します。」
怒っちゃったねぇ。そう思いながら五味丘の去っていく背中を見ていると、ふと彼は立ち停まった。
「あの人の心にはまだあいつがいますよ。」
そう言うと、本当に五味丘は去って行った。
煙草に火を付け、深く吸い込み、紫煙をゆるやかにくゆらせると再び遠くに浮かぶタンカーを眺めた。


その日の夜、後藤は車をしのぶの家の近くに止め彼女の家に電話をした。
「はい、南雲です。」
「しのぶさん?後藤です。」
「どうしたの、こんな時間に。」
「今近くに車停めているんだけど、ちょっと出てこれない?大事な話があるんだ。」
しのぶが表にでると、後藤がいつもの位置に車を停め煙草を吸っていた。
「後藤さん、どうしたの?」
「ごめんね、夜遅くに。」
煙草を足元に捨て足で消す。
「ちょっと、ポイ捨て・・・」
「あ、はいはいちゃんと片付けますよ。」
後藤は胸元のポケットから携帯灰皿を出すとそこに吸殻を捨てた。
「立ち話もなんだし、家入ったら。お茶くらい入れるわよ。」
以外な台詞だった。
「夜中に女性の家に上がれないよ。」
「何を言っているの、夜中に人を呼び出しておいて。私一人だけだから遠慮しないで。」
「なら、なおさらですよ。」
「何よ、急に紳士ぶって。お風呂上がりなの、冷えちゃうわ。風邪引いたら後藤さんのせいよ。」
「あ、そう。それなら遠慮なくお邪魔いたします。」
結局、あっさりと後藤は南雲家に上がった。
574名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 04:05:29 ID:h5cF7/ku
居間に通された後藤は室内を見渡す。
よく片付けられた室内には骨董品らしい茶器やら皿などが飾られている。女性の好みそうな繊細で上品な感じのものだ。華を活ける為の花器もある。
「母の趣味なの。私は食器集めもいけばなにも興味はない。」
しのぶは盆に湯呑をのせて居間に現れた。
「お華とか、着物とか・・・古風な女性像そのままよ。」
そう言うと湯呑をちゃぶ台に置いた。
「家に男がいないからかしら、母が女性らしい分だんだん私が男になってしまったの。」
いつもしのぶが座る位置なのだろうか、後藤のはす向かいに腰を落とすと湯呑を両手で囲った。
「はははっ、しのぶさんはそこいらへんの男より勇ましいものね。」
しのぶは静かに後藤を睨むと、無言で茶をすする。
後藤はあわててフォローをいれる。
「いや、俺はしのぶさん凛々しくて素敵だと思うよ。本当に!」
またしのぶに睨まれる。
「後藤さん、お話ってなにかしら?」
「そう、話、大事な話。まあ、俺にとってはなんだけれども。」
後藤は茶で喉を潤すと言った。
「しのぶさん、あの日俺が言った事、覚えている?」
しのぶは一瞬ビクッとしたが、冷静を装う。
「あの日って?」
「しのぶさんが柘植を逮捕した日。」
「・・・・」
「・・・・」
「覚えているわよ。」
しのぶは後藤の視線から逃げるように手元にある湯呑を見ながら言った。
「戻ってきたじゃない、特車二課に。ちょっと・・・時間はたってしまったけれど。」
後藤はしのぶの横顔を見つめた。
「俺がそれだけの意味で言っているんじゃない事くらいしのぶさんなら分かっているよね。」
しのぶは下を向いて黙ってしまった。
「俺、まだ待っているんだ。」
痛い程の沈黙が二人の間に流れる。
しのぶは後藤が待っていると言った意味を分かってはいたが、自分の気持ちがよく分からない今はまだ以前と変わらぬままでいたかった。
柘植の事も忘れられず、かといって後藤を失いたくもない。何を言ったら良いのか分からず思考がぐしゃぐしゃになりそうだ。
あの事件がなければ、今もずっと疑似夫婦の様な関係でいられたのだろうか。
「後藤さん・・・あたし・・」
とにかく何かを言わなければと顔を上げると後藤の顔がとても近くにあった。
「・・・っ!!」
不意に唇を奪われる。
一体なにが起きているのか分からなくなってしまい動けなくなる。しだいに舌がしのぶの口を軽く広げ侵入してきた。
「んんっ!!」
今度ははっきりと何が起こったか理解した。しのぶは腕で後藤を押し戻そうと抵抗するが、抱きしめられうまく力が入らない。
激しく口内を犯される、情熱的な口づけに思わず力が抜ける。しばらくそのまま身をゆだねていると、ふと体が解放された。

「しのぶさん、あんたを愛している。」

見たことのないせつない表情だった。後藤が知らない男のように思える。
「愛している・・・・。」

しのぶはしぼり出すように言った。
「わからない。」
しのぶの瞳から一筋の涙がこぼれる。
「自分の気持ちがわからないのっ・・・。」

後藤はこぼれ落ちる涙を指ですくうと、優しく、頬を触り言った。
「ごめん、でも考えて・・・、俺の事・・・・そして柘植の事。」

「帰るよ、今日は遅くにごめん。また明日。」
そう言って後藤は帰って行った。
575名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 04:09:34 ID:h5cF7/ku
━━━
まだ、終わりません&エロなしすいません。
もうちょっとだけ続きます。
576名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 23:58:23 ID:VpO9ofxV
よし規制解けた

>>575
イイヨイイヨー
楽しみに待ってます
577名無しさん@ピンキー:2010/02/02(火) 21:46:34 ID:3kaP2l9z
後藤×しのぶ 続きです。
またエロないし、話も終わりません。長くなってしまった。
だんだん文章が適当になってきてる感じしますが、お許しを

━━━━
数日後、正式に五味丘が第一小隊長に拝命され、しのぶは本庁の警備部へ移動した。
この数日間後藤としのぶの間は終始ギクシャクとしたままだった。
出動のタイミングも悪くろくに話もできずにしのぶは行ってしまった。
特車二課の隊長室にはむさくるしい男二人。
「はぁ〜、この部屋の空気もなんだか男くさくなっちゃったなあ〜。」
後藤は以前部屋の中にかすかに香っていた、しのぶのやわらかい香りを思いだそうとしていた。
「後藤隊長、そんな事言わないでください。居づらくなります。」
五味丘も後藤と二人は居心地が悪そうだ。
「ま、よろしくな。がんばって第二小隊の負担を減らしてちょうだい。」
「嫌味を言わないでください。」
五味丘は以前自分の言った言葉を思い出し、困った顔になる。
「すまんすまん、とにかく肩の力抜いて頑張ってくれ。こちらもフォローはするから。」
「は、よろしくお願いします。」

小隊長に着任した五味丘は非常に優秀だった。少々柔軟性が足りない気もするが、問題視する程ではない。
まじめで優秀、部下にも慕われじっくり話してみると話題も豊富で面白くおまけにいい男だ。実際後藤の負担も減ってきている。きっと出世もするだろう。
しのぶはもったいない事をしたなこんな男をふるなんて、と後藤は思った。
それに引き換え後藤は中年で水虫持ちの癖に靴下は替えないしヘビースモーカーで猫背で抜け毛も多いし何を考えているのか分からない、と周りから言われている。
その上夜中に突然訪ねて家に上がりこみ強引にしのぶの唇を奪ってしまった。多少強引に攻めた方がいいと思ったが、今思えばまずかった気もする。
五味丘のような奴がふられているのになぜ自分は大丈夫と思ったのだろう。あれからしのぶは何も言わずに行ってしまった。
「しのぶさぁん・・・」
一度すでにふられているのに、改めてまたふられてしまった。後藤はそんな気がしてならなかった。
実は隊長室にいた五味丘はそんな後藤を見て顔をしかめた。
「情けない声をださないでください。こっちが情けなくなります。」
「お前さんは元気だよねえ。」
しのぶにふられている割に五味丘は元気だった。
「いつまでも落ち込んでいられません。それに同じ警備部にいる以上、会う機会もありますし。」
後藤は五味丘がしのぶをあきらめていない事に驚きつつも若さだな、と思った。
20年振りくらいに女に愛を告げたのに、まだその相手から何の返答もない。もうすっかり諦めつつあった。
578名無しさん@ピンキー:2010/02/02(火) 21:47:46 ID:3kaP2l9z
久しぶりの休日、後藤が自宅にいると、夕方しのぶから電話があった。会って話がしたいと。
車で仕事帰りのしのぶを拾った後藤は車も停められるし落ち着いて話せる所と思い千代田区にあるホテルのラウンジへ行った。
頼んだコーヒーが出されボーイが去ってく、しのぶはコーヒーを一口飲むと話を切り出した。
「後藤さんに言われてよく考えたわ、自分の気持ちについて。」
後藤はしのぶの話を黙って聞いた。
「私の心にはまだ柘植がいる。柘植を逮捕した時によみがえってしまった感情が消えないでいるの。
あんな事件がなければそんな気持ちは封印されたままでいられたのに・・・・・。でも彼に会ってしまった。
彼を待とうと思った。あの瞬間は・・・、あの時私は柘植を選んだの。」
ある程度予想はできる事だったが、しのぶの口からそうゆう言葉を聞くと辛かった。
しのぶは話を続ける。
「でも、結局彼を待ち続ける自信が私にはなかった。彼の奥さんはもっと前からずっとあの人の事を待っていた。
周りから何を言われてもただひたすら・・・。執念の様なものかもしれないけれど。
彼もその事を分かっていて、待つ事を認めている。切っても切れない繋がりが二人にはあるみたい。夫婦ってそうゆうものなのかしら?
その事を分かった時に一気に挫けてしまったの。私には待てないって・・・・。
柘植もだから私にはさよならと言ったのね。
特車二課に戻り、仕事に追われていると彼の事を考えなくてすんだ。部下と話をしていると心が和んだ。
そのまま彼を忘れたかった・・・・。でも彼への思いはそんな簡単に消えるものではなかった。」
後藤の脳裏に五味丘の事が一瞬よぎった。
「後藤さん、あの日あなたの言葉うれしかった。突然でその・・・・びっくりしたけど。後藤さんがあんな事言うなんて思ってなかった。
私、あれから後藤さんの事、たくさん考えたわ。いままで過ごした事、話した事とか。
変な事とか嫌な事たくさん思い出したけど、でもあなたといた時間は楽しかったわ。
安心していられるし、困難な仕事でも後藤さんと話しているとなんとかなるって思えた。あの日々がずっと続けばいいと思っていた。
特車二課から離れて、思ったの。
後藤さん、私にとって、あなたは大切な人よ。」
しのぶの瞳は潤んでいた。
「しのぶさん・・・。」
後藤はしのぶのうるんだ瞳を見つめた。
「でも、それでも・・・・・未だに柘植の事が頭から離れないの。忘れ去る事が出来ないの。」
後藤はかつての自分を思い出した。
死んでしまった、自分の妻。その事で苦しんだ日々の記憶。
「しのぶさん・・・、それはしょうがないよ。愛した人をそうそう心から消し去る事はできないよ。誰だってそうさ。」
自分の心にも死んだ妻がいる。
「完全に忘れるなんて出来ないんだ。愛していた過去は事実だ。人はその記憶を抱え生きていかなきゃならないんだもの。」
「でも、後藤さん・・・あたしの心に柘植がいてもいいの?」
「そのくらい気にしないよ。包容力があるもの、おじさんだからね。柘植に勝つ自信もあるし。」
しのぶの心がふっと軽くなった。
「大人だもの、色々な過去はある。俺は、そうゆう過去も何もかもすべてひっくるめ、しのぶさんを愛しているよ。」
「後藤さん・・・・・。」
しのぶの瞳から涙が溢れる。
「あたし、性格きついわよ。」
「ちょっときついくらいがちょうどいいよ。」
「男勝りだし、女らしい事できないわよ。」
「しのぶさんほど魅力的な女はいないよ。」
「後藤さんより階級も上だし。」
「優秀な所も素敵だよ。」
「もうおばさんだわ。」
「俺はもっとおじさんだよ。」
「けっこう、ねちねちしてるわよ。」
「知ってるよ・・・、しのぶさん、そんなところも全部含めしのぶさんが好きだよ。」
しのぶはハンカチで溢れる涙を抑えた。
「後藤さん・・・、ありがとう。うれしい。こんなにうれしいなんて。」
しのぶは涙を抑えると、後藤に向かってにっこりとほほえんだ。
「しのぶさんが笑顔になってくれてよかったよ。今日は会った時からずっと怖い顔してて。」
「もう、緊張してたのよ!」
二人はお互いの顔を見合うと笑いあった。
あの時からしのぶの事を待っていたが、ようやく彼女が戻ってきた。後藤はそう思った。
579名無しさん@ピンキー:2010/02/02(火) 21:49:17 ID:3kaP2l9z
ほっとしたら後藤は腹が減ってきた。
「ねぇ、しのぶさんお腹すかない?仕事終わってから何も食べてないでしょ。俺も腹減っちゃって。」
「そう言えばそうねぇ、何か食べて帰りましょうか?」
後藤の頭にポンっと悪巧みが閃いた。
「せっかくだし、このホテルで食べていこうか。おいしいイタ飯あるんだよ。」
「イタリアン?珍しいわね・・・・。でも、たまにはいいわね、そうしましょうか。」
二人はホテル内の40階にあるイタリアンレストランに移動した。

レストランに入ると後藤は適当にコースを頼んだ。
しのぶも同じコースを頼むと
「ごめんなさい、あたしさっき涙流してからお化粧直ししてない。ちょっと失礼するわ。」
と言って化粧室へ行った。
しのぶが戻ってくると、ボーイがシャンパンを持ってきた。
「ちょっと、後藤さん、車でしょ。許さないわよあたし。」
「俺が飲酒運転するはずないでしょ、車はおいてタクシーで帰りますよ。せっかくこんな景色のいいレストランで食事しているんだもの。
ちょっと飲みたくなって、それにしのぶさんも綺麗にお化粧してくれているしね。しのぶさん明日早いの?ちょっとだけ付き合ってくれない?」
しのぶはしょうがないわね、という風な表情になったがすぐに笑顔になって言った。
「明日は休みだから大丈夫よ、後藤さんあなたは仕事でしょ?飲み過ぎないで下さいね。」
窓から見える夜景も美しくしのぶも今日は少し酔いたい気分になった。
夜景を見ながらシャンパンで乾杯したら、少し変な気分になった。こんなレストランで夜景を見ながら後藤と一緒に食事をしている。
なんだかおかしくて思わず噴き出してしまう。
「何、人の顔見て噴き出して。」
「いや、後藤さんがこんな雰囲気のいい店知ってるなんて、いったい誰と来たのかと思って。」
「大人だからね、いろんな過去があるんですよ。」
「ふーーーん。」
楽しく食事は進み、しのぶはデザートまでしっかり食べた。
会計をボーイが持ってき、後藤がカードを出そうとする。
「ちょっと、あたしも払うわよ。」
「少しはカッコつけさせてよ。こんな時くらい俺に払わせてよ。」
そう言って後藤はカードをボーイに渡した。
ボーイが明細をもって戻ってくる。後藤がサインをするとボーイは銀のトレイにのったルームキーを後藤に差し出した。
「お部屋のご用意できております。」
そう言って後藤に鍵を渡しボーイは掃けて行った。
しのぶは一瞬目をパチクリとさせて驚いたが、すぐに後藤を睨みつけた。
「ちょっと後藤さん、どうゆう事かしら?」
「だって、俺お酒飲んじゃったし、やっぱり車おいて帰ると何かと面倒だなぁっと思って。」
しのぶは頭を抱えた。
「それに今日はしのぶさんとどうしても一緒にいたいなーっと思って。
もちろん帰るって言うならタクシー代だしますよ、俺は一人寂しく宿泊しますけど・・・・。」
「私はこんな時もあなたに騙されなきゃいけないのかしら?」
「やっぱり、帰る?無理強いはしないよ。」
しのぶははぁーっとため息をついた。
「部屋なんて、いつとっていたの?」
後藤がそんなそぶりをしているのをしのぶは見ていなかった。
「しのぶさんが化粧なおしに行っている時。レストランの支配人に部屋とれるかって聞いたら大丈夫だったから・・・。」
「だからシャンパンなんて頼んだのね。タクシーで帰るなんて嘘ばっかり。こんなレストランに後藤さんが行こうなんておかしいと思ったのよ。」
なんて悪知恵がよく働くのだろうと、しのぶは半ば関心した。
「ごめん、でもしのぶさんと一緒にいたかったんだ。」
「後藤さん、私こういう騙すようなやり口はやめてって何度も言っているでしょう。」
後藤はすがりつくような目でしのぶを見る。
後藤をにらみながらしのぶは思った。こんなやり取り何回したかしら?と。
「帰る?」
「まったく、しょうがない人ね。」
ふっとしのぶの表情が和らいだ。
「あたしも後藤さんと一緒にいたいわよ。」
580名無しさん@ピンキー:2010/02/02(火) 21:55:16 ID:3kaP2l9z
━━━━
今日はここまでです。
次はようやくまともにエロを入れたいです。
あと次投下するときは話まとめたいと思います。
もうちょっとお付き合いください。
581名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 20:34:43 ID:4jm7QXbN
続きです。
やっと終わります。

━━━━
案内された部屋は落ち着いた感じの広めのダブルルームだった。
室内に入ると正面の大きな窓から新宿副都心の夜景が見える。
しのぶの視界にキングサイズのベッドが飛び込んできて、思わず頬が赤く染まる。
後藤が部屋に進みミニバーを開ける。
「しのぶさん、何か飲む?」
「いえ、まだいいわ。」
しのぶは窓辺へ歩みを進めると眼下に見える庭園を眺めた。
後藤は外の景色を見ているしのぶにそっと近づき後ろから抱き締める。
左手でしのぶのおとがいにそっとふれるとゆっくりと振り向かせ深く深く口づけを交わした。
「シャワー先に浴びるね。」
後藤はそう言うと今度は軽くキスをして、バスルームへ行った。
しのぶは顔が上気している事に気づいて恥ずかしくて居られないような気持になった。
後藤がシャワーを浴びバスローブ姿で出てくると、入れ替わりにしのぶがシャワーを浴びた。
後藤が今にもはち切れそうな思いで待っていると、髪をアップにしたしのぶがバスローブで出てきた。
「喉乾いちゃった。何かいただこうかしら。」
しのぶによく冷えた缶ビールをプルトップを開けて渡す。
「はい」
「ありがと」
ゴクゴクと煽るようにビールを飲む。しのぶのしろい喉笛が扇情的に動いた。
後藤はしのぶ手から缶を奪い自分喉にもビールを流し込む。そばにあったサイドテーブルに缶を置くとしのぶに激しく口づけをした。
お互いの唾液とビールの味が混じり合う。しのぶの生温かい唾液を求めるように後藤はしのぶの口内を舌でかき回した。
「んっ・・、ごとうさ・・」
口づけをやめしのぶを見ると、赤い唇の端から透明な液体が垂れていた。
「しのぶさん・・・」
後藤はしのぶの髪留めを外し髪を下ろす。前に結ばれているバスローブの紐を解くと、貴重品を扱うようにそっと脱がした。
しのぶの白い裸身が目の前に露わにされる。
「綺麗だ。」
血管が透き通って見える程白い乳房は思っていたより豊満で、胸の中心には淡いピンク色の乳首がツンと自己主張するように上を向いてる。
ウエストから腰に掛けてラインはキュッと引きしまっていて、縦長の綺麗な臍が付いている。さらにその下の視線を移すと卵型に黒い茂みが見える。後藤は夢にまで見たしのぶの裸体をじっくりとなめまわすように見入る。
「恥ずかしいわ、そんなに見ないで・・・」
しのぶの頬が羞恥で赤く染まった。
「しのぶさん、綺麗だよ。」
後藤はそう言うとしのぶの乳首を舌で突く、ピクンと反応し乳首が硬く立ってきた。今度は硬くなった乳首を前歯で軽く噛み口に含んで舐め回した。もう片方の乳首は指でつまみあげた。
「・・・あ、はぁっ・・いやっ。」
「すごい色っぽい。胸、思ったより大きいね。」
両方の胸を両手で下から持ち上げるように揉みながら乳首を舐め吸いつき転がし続けた。
「・・んっ、後藤さんっ・・。」
しのぶは胸だけで呼吸が荒くなるほど感じている。
後藤は自分の足をしのぶの足の中に押入れると、少し足を開かせた。
「やっ!」
指をしのぶの割れ目に滑り込ませるとすでにしっとりと濡れていた。
「もう、濡れてるよ。」
しのぶをベッドに腰掛けさせると、後藤はそこに跪きしのぶの足を開かせた。
582名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 20:35:32 ID:4jm7QXbN
「後藤さん、ダメっ、恥ずかしいっ!!」
しのぶは足を閉じようとするが後藤の手が強く抑え足を押し広げる。
「しのぶさん、でもすごい濡れてるよ。」
しのぶが足を閉じるのを諦めると、後藤は両手でしのぶの濡れそぼった女性器を広げじっくりと鑑賞した。
まだ触れてもいないのにクリトリスは屹立している。ピンク色の肉のひだは羞恥に震えひくひくと動いていた。
顔を近づけて匂いを嗅ぐとあふれ出ている愛液の雌の匂いがした。後藤は舌を尖らせクリトリスを円を書くように舐める。
「あ、ああっつああああ!!」
しばらく舌で刺激を続けると、指にしのぶの愛液をつけクリトリスを擦り上げる。
下の口が涎を垂らしながら男を求めくぱくぱと動いているのを後藤は楽しげに眺めた。
「しのぶさん、気持ちいい?すごいびしょびしょだよ。」
「やっ!恥ずかしいっ!!」
後藤はクリトリスを刺激しながら、ぬらぬら濡れている膣に指をゆっくりとぬぷぬぷ出し入れした。
「はっ、ああああんっ!」
さらに愛液が溢れてくる。人差し指と中指をしのぶの中に入れ、折るようににしながら中を掻き回すと、くちゅくちゅとを音を立てて愛液が泡立つ。
「聞こえる?すっごいいやらしい音だ。」
「ああっ!!う・・んっ、きもちいい・・・・。」
後藤は愛液をすべて舐めとるかのように、しのぶの性器を舐め回す。
「やっイキそうになっちゃう!!」
「イクとこ俺に見せて。」
後藤はクリトリスを舐め続けながら指でGスポットを激しく擦った。しのぶ膣の肉が指を奥へと導くように締め付けてくる。
「あああああああああ!!!」
さらにぐちゅぐちゅと指を出し入れすると、きつく後藤の指を締め付けてきた。
「ああああっ!!イっイクっっうーーーーーー!!!」
しのぶの身体がビクッビクッと跳ねあがった。後藤の腕としのぶの内腿はびしょびしょに濡れてしまった。
後藤は身に着けていたバスローブを脱ぎしのぶに口づけをする。
「しのぶさんの中に入れたい。」
後藤の肉棒は痛い程そそり立って、先端はすでに我慢汁で濡れている。
しのぶは舌でそれを舐めとると、後藤を見つめた。
「後藤さん、入れて・・・・。」
後藤はまたしのぶに口づけをすると、そのままベッドに押し倒し、自分のモノでしのぶの入り口を捜しながら擦りつける。
入り口を見つけるとゆっくりと根元までズブズブ入れた。
「あっ、はぁああああ・・」
後藤はたっぷり味わうように、何度か出し入れをくり返す。きゅんきゅんとよく閉まる膣口に後藤から思わず声が漏れる。
「くっ!しのぶさんの中気持ちいい。すぐイキそうだよ。」
しのぶも息が荒い、さっきイったばかりで感度が増し、またすぐにでもイキそうだ。
後藤に挿入される度にいやらしい水音はどんどん響を増してくる。
しのぶは奥までペニスを押し込まれる度に子宮がうずき性的興奮が湧き上がってくる。
「あっあっあっあ・・・・」
後藤の動きが早くなる度、快感が生まれた。しのぶは後藤の熱さを中で感じ、その熱さが官能へと変わっていく。
「しのぶさんっ!・・・・愛している!!」
後藤の動きが早まっていった。しのぶの快感が子宮で爆発しそうになっていた。後藤のペニスを激しく締め付ける。
「しのぶさんっ、しのぶっ、いくぞ!!」
「ああああああああああああああ!!!」
しのぶは高く声をあげ、後藤は彼女の中にすべてを放った。
583名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 20:36:35 ID:4jm7QXbN

事が終わり二人ともベッドに寝転んだ。やさしく頬笑みあいキスをした。
「後藤さん。」
「ん?」
「あたし、けっこう前から後藤さんの事が好きだったの。」
「え!いつから!!」
「教えてあげない。」
しのぶは後藤にキスをした。

明け方、しのぶの隣で後藤が寝息を立てている。しのぶは後藤の前髪を掻きあげるように頭をなでると、額にキスをして心の中で呟いた。
柘植さん・・・、さようなら・・・・・・・。
カーテンの隙間から太陽の光が漏れ始めていた。


夏の暑い太陽の下、篠原重工の広い工場のなかを走る二人乗りの自転車がいた。
野明と遊馬だ。
「ねー、遊馬。」
「あーん?」
自転車をこぎながらなので自然と大声で話してしまう。
「昨日ひろみちゃんから電話あってね、びっくりな情報を聞いちゃったんだぁ。」
「おう、なんだあ?」
「たいちょお、結婚するんだってえ。南雲さんとー。」
「そーかあ・・ってなにぃい!!本当かっ!!」
「マジだよ!でもまだ内緒なんだって。だから内緒にしてて下さいねってひろみちゃんが・・・」
「そうかぁ、昔飲んだ時に俺がしたアドバイスがきいたか・・・。」
遊馬が突然声のトーンを落としたので野明はいまいち聞き取れない。
「なーに?なんていったの?」
「何でもねーよー!」
「でも、いいなぁ。南雲さん羨ましいな。」
「お前も結婚したいのか?」
「べーつにぃー。」
遊馬の声がまた突然小さくなり最後まで聞き取れない声で話した。
「ま、いづれ俺がプロポーズして・・・・・・。」
「なーにーーー?何ていったのーーーー?」
「だから何でもねーよ!!食堂混んじまう。飛ばすぞっ!!!」
「ちょっとっ!!遊馬あああ!!」

じりじりと焼きつくアスファルトの上を二人の乗った自転車が駆け抜けていった。



《おわり》
584名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 20:39:06 ID:4jm7QXbN
━━━━
以上です。よんで下さった方ありがとうございました。
なんか長くなっちゃったのでムリヤリまとめた感がありますが終わりです。
誤字脱字あったらごめんなさい。
585名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 21:26:51 ID:pQMvJnYj
規制とけた。バンザイ。

>>584
(≧∇≦)b

非エロもエロも、どちらも良かったです。
大人な二人だなぁ…
586名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 12:59:46 ID:9+0/MfxU
次回も期待っ!
587ごとしの好き:2010/02/19(金) 20:19:17 ID:p34gghjY
はじめまして、私は同人サイト運営しています。
18禁あったりしますよw
SS投下しますね〜(しのぶside エロなしです)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ある日の特車二課の隊長室
南雲しのぶは後藤喜一の机を整理していた。
来週から後藤が公安に戻るからだ
しのぶは、来月から「後藤」の姓を名乗ることになる。
同棲生活は長いと思ったら短く感じた。
柘植を捕まえて、それからのもの
しのぶは死んだように一日が過ぎていった。
職を探してもやる気にならなかった
だけど、結局は自分の部下や後藤の部下
それから後藤に
「しのぶさんがいないと士気が上がらないと」
言われカムバックした。
課長補佐に戻りデスクワークを中心に頑張った。
五味丘は第一小隊の隊長を任せられていて
気軽に自分のデスクの仕事ができた。
課長の福島は来週から部長職に就く
私は本格的な課長に抜擢され
第一小隊隊長は五味丘
第二小隊隊長は熊耳
後藤がさっきも言ったとおり公安職に戻る。

「しのぶさん」

隊長室のドアを括る後藤

「あなたの机は汚いわね。」

私はなぜこの男を好きになったんだろうか…と
初めて逢った頃の私に言われそうだけど
「昼行燈」の顔を持ったり
「剃刀」のカッコいい顔を持っているからだろう。
同僚としても好きだし恋人としても好き
何より自分の先輩としても憧れる人だった。
柘植を捕まえる前
「俺待ってるから」
って言われた時迷いもそりゃあったけど
私は彼を選んで正解だったと
ずっと胸の中で思っているだろう。
「私はあなたが好き、あなたは私が好き。」
わがままだって彼に言えるし
彼じゃないと嫌だ…

「私は来月『後藤』を名乗る」
588ごとしの好き:2010/02/19(金) 20:21:30 ID:p34gghjY
駄文ですみませんです><
また書きますね^^
うちのサイトです。
http://gotoshinolove810.blog83.fc2.com/
よろしくです
589ごとしの好き:2010/02/20(土) 20:28:41 ID:SVWP8zv6

新作です!五味丘×しのぶです。二人は付き合ってると
仮定してください!意見や感想よろしくお願いします。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
願い その1


-クラブに行き…女を口説く。ラブホに行きベットへ入り
それが俺の毎日だった…

ある冬の日の出来事

「五味丘!大丈夫か?」

「先輩!大丈夫ですか?」

「誰か救急車呼んで!」





ーあれ?ここは…

「気がついたか?五味丘」

「南雲隊長…」

掠れた声で言う五味丘

「お前…自分が何したか…わかるか?」

南雲は半分呆れたように問う

「どうして、自分の心配なんか…」

隣には睡眠薬の空瓶が

「お前…いつから。」

「……」

五味丘の下手な口説き方が原因でしのぶに色々言われたのがキッカケ…
五味丘のプライベートは下手なしかもこんな性格だからみんなに意外だと思われる
遊びをしていた。色々しのぶより知って、しのぶに惚れてくれればいいやと…

ーしかし…ここは…どこなんだ?確か昨日は、セフレと呑みに行き…
それから…特車二課案内するって約束して、ハンガーに行き
あー頭がガンガンする

「五味丘、どうしてこんなに睡眠薬を飲んだんだ…」

だんだん覚醒してきた五味丘。

ー俺…病院に担ぎ込まれたのか?

「半休とって…この様はないでしょ?あなた、私達の前で睡眠薬の過剰摂取したのよ?」
590ごとしの好き:2010/02/20(土) 20:31:00 ID:SVWP8zv6
しのぶは窓側を見ていた。時より泣き声を出していると考える五味丘

「……馬鹿じゃないの?五味丘…あなたが死んだら…私赦さないんだから。」

点滴の袋を見上げてる五味丘

「俺…何してたん…ですか?」

ずっと掠れた声とダルそうに問う五味丘

「ハンガーでベロベロに酔ってスーツの中ポケットから睡眠薬の瓶を出して、過剰摂取したのよ。
あなたの彼女も同じように…私達の前で…私…目の前が真っ暗になったわ。」

「あれは彼女じゃない!」

怒りだす五味丘

「あなたは、私をどこまで苦しませればいいの!?あなたに口説かれたあの日…私はどうかしてたのよ。」

しのぶは五味丘の方を見て

「本当に好きなのはあなただけなんだから。」

「じゃあ…なんで俺を…こんな風にさせたんだよ!そういや…彼女は?美夏は?」

五味丘は焦っているようにも考えられた。

「さっき…亡くなったわ…あなたより過剰摂取で…。」

「彼女は…美夏には子供もいて…旦那さんだっているのに…馬鹿だ…俺は…。」

五味丘は自分の行いを悔み自殺を試みた。しのぶの存在が心の中にいなければ…死ねたのだ

「どうして…死を選ぶの?あなたらしくないわ…それに…私はあなたを愛してたのよ?」

「……」

ー私が全部悪いんだわ…五味丘を傷つけて…自殺に追い込んだ。赦されないわよね…こんなこと。
愛してるのは彼だけなのに。

五味丘の重い口が開いた

「ごめんな…しのぶ…やっぱり俺…お前を愛してる。」

年下は大っ嫌いだったしのぶ。

「呼び捨て…で呼んでくれた。」

「俺、あの時…お前しか考えられなかった。」

「じゃあ…こんなこと…二度としないでちょうだい…お願いだから」


『赦し赦され僕らはこれから生きてゆく…今までよりも絆は深くなって。』
『願わくば二人の幸せに。もうすぐ春の気配が。』

後書き 
非常に重いSSでした
591名無しさん@ピンキー
HOS