盲目の美少女と

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
セックスしたい
2名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 22:22:14 ID:SOUhbQ4W
このスレは>>1を越えました
次スレを立ててください

THE・エンドオォォォ!!!
ヨッシャアアァァアァァァ!!!
3名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 22:37:55 ID:hRM2S8HW
盲目の美少女を虐待したい。
多人数で取り囲んで地面を蹴ったり大きな音を立てたりしたい。
4名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 23:06:40 ID:CiAY6rOa
>>3
市ね
5名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 23:52:20 ID:7s07/6YS
>>3
バカか?純愛に決まってるだろうが
6名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 23:53:18 ID:/x5Yp29w
盲目ねたでひとつ質問。
失明している方って時々サングラスをしている、って描写が多い印象があるんだが
ありの方が萌えると思っていいのかな。
7名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 03:14:06 ID:WBQZNcNk
盲目の美少女にいたずらしたい
8名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 10:51:53 ID:ZxECVKN6
普段どんな生活してるんだろ?
学校とかいけるんかな…
電話はできるだろけど、ネットとかはムリだよね
音楽とかきいてるのか…ビオラ弾きとか
彫刻とか陶芸ならできそうだ
9名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 12:04:18 ID:ubLDSUXw
全盲でもインターネットは使ってるよ。
読み上げればすむ話だし。

盲学校の体育館で壁に当たらずに走り回る全盲の生徒の話を
盲学校の教員から聞いたことがある
10名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 13:47:17 ID:fkM6Y8jh
おまいら、『ONE』は当然プレイ済みだよな?
11名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 15:52:48 ID:KWg4V86Z
おまいら、『うたわれ』は当然プレイ済みだよな?
12名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 16:02:15 ID:kDGy1ifF
おまいら、『腐り姫』は当然プレイ済みだよな?
13名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 16:13:33 ID:KHm+aq8i
>>10-12
その全部だっ!
14名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 16:59:01 ID:7DZk5kHn
九州圏のやつはいないのか
ドォーモって番組で「見えない生活」だったかなって企画で
ほぼ全盲の女の子が出てきたが、料理はやってるうえ包丁、コンロも自在に操り
(全盲のばぁちゃんも出てきたがこっちは料理がホントに上手かった)
自分で化粧して(流行のメイクも気にしてた)、季節モノの服を買いに出かけたり
音を頼りにおこなう、ホッケーとドッジボールの合いの子みたいな盲人用スポーツで世界戦に出てたぞ
なによりそこそこかわいい

普通に生活できてるし俺らが思うほど弱々しくも無いって
15名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 20:59:32 ID:vxbMQLfN
プロ市民とかの優越感を臭わせる偽同情や
内心馬鹿にしてる事を誤魔化す為の逆差別程彼らを傷付ける物はそうそうに無い
16名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 21:23:49 ID:rqZaTPiL
>>14
俺も見た。
思っていたより派手に動いているのを観てやってみたいと思ったりした。

>>15
自分のそういう言い方も同じだろう?
17名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 12:35:07 ID:WDz6zDCF
盲目の美少女の目の前で手コキしたい
18名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 12:44:52 ID:YUmHAPLe
世紀末の詩ってドラマ覚えてるか?
俺、あのおっさんなら聖人と呼んでも良いとすら思った
19名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 17:11:49 ID:2amyqZkR
zex!!!!!!!!!!!!!
20名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 17:38:02 ID:adRw02zE
>>18
同じ脚本家の、この世の果てというので、
桜井幸子が盲目役で、殺されそうになっておもらししてた
21名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 22:59:33 ID:zJKelL3K
´:.:..... ` - 、_
            ヽ:.:.:.:.:.:_,..、:.:.:...`.ー-、_,イ__,.. -イ
              ヽ:.:.:(( ) ):.:.:.:.:.:.:_,..- ' / ... _∠--、
              ト、/`ー' ̄ ̄ ̄  ` 'ー..、:.:.:..   ヽ
    r'´ ヽ      _,-' _,.-      ヽ、ヽ、_:.:.ヽ:.:.:.  _ ヽ
   /    ゝ-、r―'"´ ̄     へヽ、:.:ヽ:.ヽ、:.:!:.:.:.:. ヽヽ!
   /:.    (_ー':ノ        r-ツヽ ヽ_ト_、ヽ!ヽ':.:.:.:.:.  i ヽ
   !:.:      |     、    `、  ` ヾYィ、'、__:.:.:.:.:.:.:  i          r r^ィヽ- 、_
  |:.:.:      |     ヽ  Y、 yノ    Yj::r, 、ヽ-::ヽ:.ト !       _,.-ー` ̄ ヽ、ヽ:::ヽ
  r'!:.:.:     | .:.  :.,:.:.:ヽ. V/_!_,_   ヽニ、`  } ̄:.:ヽ、      /:::::::://::::::::::::ヽ!::::::ヽ
  ! !:.:.:.     |.:.:.:.:.',.:.:.:',:.:.:!ヽ/!〃≧"     `  | ヽ:ヽヽ      !::::///:::::::::::::::::::}ヽ、::}
  ! ',:.:.:.     !:.:.:.:.:ヽ:.:.:ヽヽ トr'´rj:::ラ、ヽ`   ,イ |   ヽヾ!       !:://:::::::::::::::::::::ノ  ヽ,
  !:.:.:.:..     ヽ_:.:.:.:_ヽ:.ヽ!  以 ゞ´、ヽ    `  |-イ|〃ヽ:!_     !ノ  :::::::::::::/ヽ!   ヽ,
   !:.:.:.:.       トr〃、ート、-、.__ ヽ  ,、  _ノ::_,.::| ̄ソ、_!    (´   ::::::::/ !  ヽ  ヽ,
   |:.:.:.:.:.   .  ..  ヽ;_ヽ-r-ヽ、:.:.ヽ.、__/ ヽイ::::ヽ ヽ ̄ヾヽヽ   ヽー':::/  /  !   !
   |:.:.:.i:.:.:.  :.:.  :.:.  ', ト――⌒≧、ヽ、、-≧--, へ -'   ` .、_    `f´  /    !   !
   |:.:.:.:|:.:.:.  :.:.:. :.:.:.  Yヽ    / ̄ ヽ:.:.ヽ.   !         ::Y   |        !     !
    !:.:./!:.:.:.:. :.:.:..:.:.:.:.  |ヽ!   /     ヽ:.ソ  l          !   |        r'    l
   ! / ヽ:.:.:.:. ト:.:!:.:.:.:. | イ  r'.     _)ノ / ヽ ..::::. ヽ    ヽ_  !            i
   レ  ヽ:.:.:.:..|ヽ!ヽ、:.:. |    ',::::..     /::  ゝ`'::  ノ      j`ーイ            !
       ヽ:.:.:.! ` ヽ、!    ',::::::::..    r:   /_,...イ'      ', r'(     ,       !
        ヽ:.:!        く`、_::::   |  /:.:.:.:   /    ',   ',Y、_  --'        !
          `!         ヽ:::`.  _,_|  !:.:.:.         ', /::〕 r---ー'''       !
                     !::::    |   ',:.         ノ/:::::| !  ヽ        !
                   __,!::    !、   ',         y  イ  ヽ、        !
                _,.-"´::::イ:::    i  /         /     ヽ、`       !
              /   //ヽ:    ト/:    、    /      、ヽ       /
             /::::::.../::::/:::::    ソ'      ヽ  r'       、ヽ       /
             /::::::::/::::/!::::::    /       、ヾ/       、ヽ、      /
            /::::::::/:::/::::::',:::::   /         ヽ'      、ヽ        / 、
            !:::::::::{::::::ヽ:::::',____/          ヽ    ヽ        /  ヽ
            ',::::::::!::::::::://イ ー!            ',   `        /     ヽ
             ',::::::::!:::::::Y〃 ,.-.{             ',         /       ヽ
             ヽ、:ヽ::::>|  !:::::',             ト、____,... イイ_         ',
               ヽ、_:ソヽ /{:::::::ヽ、           !/   ヽ、   ヽ、       }


22名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 06:15:35 ID:mOxsuShP
>>3 >>7
おかしいな、俺がいるぞ
レイプされても姿見てないので立証ができないし
23名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 07:19:43 ID:8PN2MssR
盲者は基本的に美人にならない
眼球付近の筋肉を使わないから、顔筋が崩れ気味になるから
24名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 08:53:08 ID:uFyQ7hJu
>>23 ふん!そんなことを言うなら、顔筋使いまくりなのに、
顔が崩れている俺は、どうしてくれる!
25名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 09:36:31 ID:95HCJRC0
>>24
つ[逆必ずしも真ならず]
26名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 05:19:48 ID:BNiktimY
誰がうまいこと言えとw

新しくできた某保管庫に盲目の少女寝取られってのがあった
27名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 20:50:49 ID:KxhPmlRo
例外かどうかしらないけど、俺は目が見えない超美少女をリアルで知ってるぞ。
ちょっと介添で体に触ったこともある。
さすがにその現場ではよこしまな考えはもたなかったけど、後で思うと
ありゃヤバいよなー。その場で邪心が出てこないでよかった。

28名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 20:54:15 ID:zNmfQR4w
kwsk
29名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 21:44:45 ID:45JbbxQc
ワッフルワッフル
30名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 22:06:00 ID:lYU2ewut
俺、盲目の娘とつきあってたことある
もうアメリカに行っちゃったけどね・・・
31名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 00:25:40 ID:Lv4il/O4
乙一の小説「暗いところで待ち合わせ」読んだか?
盲目の女性の家に男が忍び込む話なんだが…だれかかけないか。
32名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 00:30:01 ID:qqcqsU4L
眼球、どうせ要らないよね。
抉り出して眼窩ファックしてあげよう。
33名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 06:17:14 ID:+OkdnN49
お、鬼だ・・・
34名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 02:34:12 ID:xF5Xa3Xr
それなんて泣き虫サクラ
35名無しさん@ピンキー:2006/10/13(金) 00:28:41 ID:eYJS3xBv
目の手術を控えた女の子と大甘H…という展開な俺は甘ちゃんです、ハイorz
36名無しさん@ピンキー:2006/10/13(金) 01:29:27 ID:+7reHu12
目の手術を控えた女の子に、
「失敗したら一生目が見えなくなるねえ。でも大丈夫、成功する可能性だってあるんだから」
と勇気づけてあげたい。
37名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 09:13:10 ID:1YydpZvc
面白そうな題材だと思って書き出した矢先に挫折した。
やっぱり盲目の女の子題材の場合は純愛がイイのかな?
38名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 08:08:10 ID:MmjaEE99
盲人をレイプとか、読んだら立ち直れなそう
39名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 16:28:21 ID:ANnIocG3
40名無しさん@ピンキー:2006/10/30(月) 23:31:36 ID:iyCCKDZU
おまいら、『ゆきうた』は当然プレイ済みだよな?
41名無しさん@ピンキー:2006/11/02(木) 06:08:07 ID:zEz1eK67
>>39
知ってる

>>40
ウワサは聞いたことがある
42名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 20:55:55 ID:2iG7mdgh
>>39
これのトップページはどこ?
43名無しさん@ピンキー:2006/11/05(日) 18:30:54 ID:Lz4CM73q
44名無しさん@ピンキー:2006/11/05(日) 23:26:05 ID:qLYzXisr
純愛が読みたい俺は・・
45名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 11:41:19 ID:O6IloER5
>>44
俺と同じように心が乙女なのさ
46名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 12:28:04 ID:8+jtTTqU
この世の果ての桜井幸子のやつ?
レイプされるやつ。
47名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 21:15:26 ID:eIS4V2vC
盲目の美少女と???そのシチュだと、百合に決まってんだろ。
48名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 23:41:03 ID:knJBhiWm
百合はちょっと…


>>23
盲目の人ってたまにテレビで見るけど、目線がづれてるだけでそんなに酷い顔はしてなくないか?
まあ目線がづれてるだけで酷く見えちゃうけどさ
49名無しさん@ピンキー:2006/11/09(木) 18:11:02 ID:VkOIVQHP
百合は嫌いか!そうかっ!……べ、べつにあんたに分かってもらおうなんて思ってなかったんだからね!
あたしが好きだから言っただけなんだからね!
50名無しさん@ピンキー:2006/11/10(金) 18:59:51 ID:u1Nno7SU
51名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 22:02:39 ID:mavN0UDG
age
52名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 00:12:19 ID:aA8cuelX
面白そうだから、頑張って書いてみたい。たぶん長くなるけど、それでもおk?
53名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 00:37:10 ID:dRifX+/b
存分に頼む。
54名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 00:55:43 ID:aA8cuelX
わかった。がんがる
55名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 14:20:31 ID:4NhCEdhk
>>47
俺発見
56名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 18:59:44 ID:M0quqsVA
>>52
百合モノなら何でも大歓迎
>>55
結婚しよう
57名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 19:23:11 ID:Y9kNFdEZ
なんで百合好きが集まってるんだw

俺?ガチホモですがなにかアッー!
58名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 19:35:08 ID:aA8cuelX
どうも百合モノにはなりそうにない。
期待に添えず、スマン……
59名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 20:44:48 ID:nVv3dD0o
>>55
俺発見
60名無しさん@ピンキー:2006/11/15(水) 03:25:35 ID:w64btX3m
>>59
俺発見

盲目美少女で百合って多分世界初。
61名無しさん@ピンキー:2006/11/15(水) 17:45:21 ID:/w1GW+u4
>>58
女同士の絡みを書くのは用意ではない事は分かるが、練習としてどうだね?こんなに百合好きが集まってるわけだし。
62名無しさん@ピンキー:2006/11/15(水) 18:11:59 ID:8XDMbqaC
取り敢えずマッタリと今書いてるやつを待ってはどうかね。
次作のリクエストはそれからでも遅くあるまい。
63名無しさん@ピンキー:2006/11/15(水) 18:15:00 ID:8XDMbqaC
……書き込んでから微妙に誤解を招きかねん文だと思ったので連投スマン。
いや俺も好きだよ百合。大好きだよ。

>58
何はともあれwktkして投下マッテル。
64名無しさん@ピンキー:2006/11/15(水) 18:18:51 ID:bPp9sD/Y
おK、やってみる。初めてだから、ご容赦を
65名無しさん@ピンキー:2006/11/15(水) 19:58:53 ID:/w1GW+u4
俺も誤字りながら待ってるぞ。
66名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 04:37:07 ID:dNRZu/EH
目がロンパらないように、頭の中で眼球を糸のようなもので連結する手術があるそうな。
真偽の程は知らない。
67名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 22:26:00 ID:h5Nvm60/
>>236
あるあるwwwwwwwwww
68名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 22:33:18 ID:vzCpZPQE
今放送中のアニメ「コードギアス・反逆のルルーシュ」には、主人公に妹がいる。
車椅子で、盲目の美少女。抜群にかわいいぜ。
69名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 01:12:51 ID:udbsvuhu
途中までできたんだが、まとめて投下したほうがいいか?
70名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 01:28:38 ID:lpxlMUVd
>>69
ぜひ投下してください
71名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 01:51:18 ID:udbsvuhu
じゃあ、投下はじめる。
携帯からだから、迷惑かけると思う。スマン……
72名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 01:52:36 ID:udbsvuhu
春。目覚めの季節。
動物は動きだし、草木は花を咲かせる、華やかな季節。
まあ、要は何かしらテンションがハイになる時期なんだろう。
「ふぁ……」
それなのに、私はまだ眠かった。
春眠、暁を覚えず。
昔の人はよく言ったと思う。さっきから欠伸しか出ない。
にしても、
「あー、だるぃ……」
何が悲しくて春休みに学校に行かなきゃならないんだろう。
まあ、これ以上部活サボったら、また部員から嫌味を言われるからね。
しかたないのはしかたない、か……。
「……部室で寝よ」
やる気はこれっぽっちもないけど。
73名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 01:53:57 ID:udbsvuhu
校庭には運動部の姿があったけれど、校舎には人気がなかった。
時計を見る。
午前七時半。
「早過ぎたかな……」
誰もいないと思うけど、美術部を目指す。
数えるのも面倒になった欠伸をしながら、少しだけ考える。
なんでまた、来ちゃったのかな……。
「……やめやめ」
考えたって、しかたない。惰性なんだから。
それより、本格的に寝入っちゃうかもしれない。
目覚ましかけとかなきゃ。
そんな事を考えていると、「……ん?」
美術室の中に、人影が一つ。
74名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 01:56:15 ID:udbsvuhu
こんな早い時間に学校に来る人は、私を除くと後一人。
相変わらず早いなぁ、なんて思いながら教室に入る。
「おはよ、さくら」
「あ、おはよう、美咲さん」
私に気づくと、彼女はふりかえり挨拶を返す。
その顔はちゃんと私の方を向いていて、私は彼女の目が見えないという事を一瞬だけ忘れてしまう。
「相変わらず、早いね」
私は彼女の近くに座った。
「そう?」
「そうだよ。だって、いつも一番じゃん」
「……なんか、癖でね」
そう言われてから、私は失言に気づいた。
75名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 01:58:20 ID:udbsvuhu
「ご、ごめん……」
「ううん、気にしないで」
彼女は、全然気にしてないって風で微笑んで、
「雰囲気が好きなんだ。それと、鉛筆の音とか、絵の具の匂いとか、そういうのが」
その笑みを少しだけ苦笑いに変えて、言った。

「そう、だね……」
同意してみたものの、説得力のかけらもなかった。
当たり前だ。
そんなもの、なにもできていない私にある訳がない。
そう思うと、どこかがすごく痛かった。
「あ、私、少し寝るね」
「わかった」
その痛みが大きくならないうちに、私は現実から逃げた。
76名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 02:00:10 ID:udbsvuhu
さくらの目が見えなくなったのは、半年前だった。
突然の事故。
ただの偶然。
それだけで、彼女は光を失った。
それだけじゃない。
画家になる夢さえも奪われた。
最初にその知らせを聞いた時、私には怒りしかなかった。
その怒りを、加害者へと向けようとした。
けれども、それが届く事はなかった。
……事故を起こした人は、死んでいた。
それ以外にも理由はある。

さくらから、止められたのだ。
77名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 02:01:16 ID:udbsvuhu
「他人に割を食わせる訳にはいかない」
病室で、彼女は静かにそう言った。

なんで?
怒ってないの?
どうして、そんなに冷静なの?

そんな言葉ばかりが絡まって、なにも言えない私に、彼女はこう続けた。
「たまたま私だった、それだけだよ。夢ならまた作ればいいんだから」
その口調は、なぜか明るくて。
「さくらは、いい人過ぎるよ……」
それ以上、私は言葉を続けることができなかった。
78名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 02:02:11 ID:udbsvuhu

……事故ったの、なんで私じゃなかったんだろう。

代わりになれれば。
せめて、支えてあげられれば。
そのどちらもできずに、私は立ち止まっている……。
79名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 02:03:13 ID:udbsvuhu
とんとんっと、肩を叩く感覚がした。
「……ん」
薄い膜がかかったような視界を開ける。
「やっと起きた」
「さくら……あれ? 今、何時……」
時計を見ると、午後五時。
「目覚ましかけ忘れてた……」
最悪だ。
ただでさえ先生の印象悪いのに。
「くすっ」
「なによぉ、笑わなくたっていいじゃない」
「だって、おかしいんだもん」
「もぉ……」
そんなやりとりをしながら、ふと窓の方に目を向ける。
そこには、校舎に植えられた桜並木と、街の景色が広がっていた。
80名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 02:05:33 ID:udbsvuhu
……綺麗だった。
夕日に照らされた桜。影を濃くしだした町並み。そして、夕焼け空。
まるで、一枚の絵のような景色。
どうして今まで、こんな景色に気づかなかったんだろう。
「うわぁ……」
そう、自然と声が漏れていた。
「綺麗でしょ?」
なぜか誇らしげに、さくらは言う。
「うん、すごい……」
そして、言葉は途切れた。
きっと、私達は見つめているのだ。
私は今。
さくらは過去。
それぞれがそれぞれの目で、その景色を見つめているんだろう。
81名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 02:08:06 ID:udbsvuhu
「……私ね」
不意に、さくらが言葉を発した。
「一つだけ、後悔があるんだ」
「え……?」
後悔。
その単語に、私の体は異常に反応した。
「それって……」
「……この景色、まだ、描いてなかったなって」
返事は、少しの沈黙を挟んで返ってきた。
「……」
「卒業する時に、思い出とか、夢とか、そんなのをたくさん詰めて描くつもりだったんだ……だけど、もう無理だね」
82名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 02:09:10 ID:udbsvuhu
彼女は続ける。
「記憶がね……少しづつ薄くなってるんだ。忘れてってるの、やっぱり」
自嘲を含んだ笑みを、必死で浮かべながら。
「なんで描かなかったんだろうなぁ……」
それでも、感情は隠しきれていなかった。
「こんなに、中途半端に記憶が残ってるくらいなら、死んだ方がよかったのかなぁ……」
私は静かに、泣いている彼女を抱き寄せた。
83名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 02:10:53 ID:udbsvuhu
だいたい、ここまでできた。残りはなるべく早く投下する。
84名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 10:02:15 ID:q9eEcRW7
GJ!
85名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 21:38:00 ID:udbsvuhu
寒いなあ……。
誰かいる?
86名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 22:23:55 ID:1UIjm7em
inaiyo
87名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 16:26:14 ID:GbafhnMX
iruyo
88名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 16:46:29 ID:H0scaUrb
僕がきみの目になる
89名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 07:48:35 ID:J+ksWo8T
眼科医と網膜剥離の女の子
90名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 08:59:13 ID:7iTrUeuM
年の差カップルか
91名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 10:06:00 ID:6lilnOfE
>>90
医者を研修医にすればそんなでもない。
女を年下の大学生にみたいな
92名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 13:30:51 ID:iij5fJxR
盲目で百合、ねえ……



 あたしの友達に、ひとりの盲人がいる。名前は、観希[みき]。
 生後間も無く、この病院付属の孤児施設に引き取られた子だ。彼女の両親は、名前と育児用具一式を彼女に携えて、この施設の玄関先に置いていってしまった。
 彼女が捨てられた当時、あたしは1歳だった。

 歳が近いあたしたちは、物心ついてからいつも一緒だった。
 あたしは観希の目となり、観希はあたしの耳になる。耳の聞こえない(けれど声は出せた)あたしと、目の見えない観希。
 互いに、必要不可欠な存在だった。

 少し経って、あたしは手話を覚えた。読唇も、ある程度ならできた。
 他方で観希は、点字を覚えた。その前にはあたしに向けられる言葉を文字にして書き表す事ができていたから、すぐに覚えた。
 それらを覚える前まで、あたしたちは二人でひとつだった。
 それらを覚えてからは、その必要性が薄れていった。
93名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 13:51:57 ID:7iTrUeuM
キタ━━(゚∀゚)━━!!
94名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 14:08:42 ID:iij5fJxR

 あたしたちは別な方向へと歩み出した。
 あたしは聾学校へ、観希は盲学校へ、それぞれ通う事となる。
 聾学校は比較的近所にあったのだが、盲学校は遠い。だから観希は寮に入らなければならなかった。

 観希が寮に入った。あたしは施設から聾学校に通った。
 観希と会えるのは、春・夏・秋の長期休業のとき以外にない。
 それに、観希は法律の勉強をしたいということで、あまり長い休みにできないらしい。
 必然的に、会う機会は減っていった。

 そして今年、観希から連絡があった。
 来年から、施設のあるこっちで勉強ができるようになったのだという。
 あたしは心から喜んだ。

 観希が帰ってきて、あたしたちはそれまでの事を――既に互いがその事を知っているが――語り合った。寂しかった数年間を埋めるように。
 そして心の中にほんの少し芽生えた感情が、彼女の言葉とともに首を擡げた。

「卒業したら、普通の大学に行きたい」

 それはあたしも常々思っていた事だったが、身障者用の設備を備えた学校が、日本には少ない。
 それに進路がそもそも違っていた。仕方のない事だったが、それでもあたしはあきらめられなかった。

「もう、離れたくない。観希がいない生活なんて、考えられない」

 ずっと一緒にいたい。それが好意(恋)だと自覚したのは、いつの事だっただろう?
 あたしよりも遥かに自立した彼女が、あたしを抱きしめてくれた。

「わたしも、ひかりちゃんと離れたくない。でも……」

 それ以上、彼女は言葉を紡げなかった。あたし自身が、紡がせなかった。
 その夜、あたしたちは互いの体を重ね合った。
 二人がひとつであった頃に戻りたくて。でもそれは、互いに自立してしまった今では不可能な事だという事も、わかっていた。
95名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 14:14:02 ID:z9Qvn5Mp

 今、あたしはあの施設を離れ、地方の総合大学に通っている。あたしの進みたい道を、進んでいる。
 そして――

 あたしは観希と暮らしている。

 観希があたしに内緒で、この大学を探し出してくれた。
 互いの進路に見合う勉強ができる場所。そこを、あたしに勧めてくれた。
 タイプの違う身障者が学生生活を送るには少し不便だけれども、それでも、あたしはいいと思う。

「おまたせ、ひかりちゃん」
「うん。じゃあ行こう、観希」

 あたしたちはこれからも、一緒なんだから。
96名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 14:15:02 ID:iij5fJxR
書いてて思った。
すっげー恥ずかしい。

お目汚し、失礼いたした
97名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 14:44:13 ID:Y8HIs8lE
耳が聞こえないと言葉を習得できないのでしゃべれないなどという突っ込みは横においておいて、GJだ!
98名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 15:07:40 ID:J+ksWo8T
百合じゃなくてもおk?
99名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 15:29:29 ID:OR+UPGul
>>95
>その夜、あたしたちは互いの体を重ね合った。
kwsk
>>98
おk……かな……
100名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 18:22:31 ID:7iTrUeuM
>>99
渋るなw
なんでこのスレには百合推奨みたいな空気が漂ってるんだよw
101名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 18:38:00 ID:OR+UPGul
>>100
書きたい奴が書きたい時に書きたいものを書くから意味があるんだ!需要なんて関係ないぃぃ!!
思う存分に書けえええええぇええええええええええぇぇ!!
102名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 19:19:06 ID:UdBl3qvH
「先生…」
「由貴ちゃん、まだ起きていたのかい?明日は手術だろう。早く寝なさい」

103名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 19:58:58 ID:RqGDdBO6
盲目は純愛以外arienai
104名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 20:47:32 ID:VkHq253q
百合は百合で好きだが男×女も大好きなわけでとにかくなんだ、
タノム。
105名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 21:01:44 ID:RqGDdBO6
ゆきうたの 由紀は 俺の気に入った子は後でクリアするの法則をやぶった
ほのど破壊力をひめています
106名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 21:09:53 ID:OR+UPGul
純愛というと百合しか連想できなくなってしまったよ。ふぉっふぉっふぉ
107名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 23:08:24 ID:YjpMYIpk
>>105
オレは「史上最大に使えない妹」に萌えたよw
108名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 23:10:11 ID:UdBl3qvH
「先生、手術が成功したら私、元通りに見えるようになるんですよね」
109名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 23:35:00 ID:VpL/qcBH
「うん、無理」
110名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 00:01:57 ID:59e6z1a9
「先生ひどい…治してくれないの?」
111名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 00:23:54 ID:FrxAQ+Z9
「治すよ?」
112名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 01:09:25 ID:kt9k0ABv
なんだこの流れはww
113名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 01:23:34 ID:HR1HzZDi
>>105>>107
このゲーム、メインヒロインが一番空気だよな
114名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 02:20:52 ID:DnBxkCgs
何はともあれ百合超GJ
115名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 06:53:03 ID:+vnSRlNG
>>113
でも幼児退行してしまったヒロインが主人公と子供と三人で食事してるCGは一番インパクトあったと思うぞ
116名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 11:15:23 ID:yNE/WmtU
ヒデェwwwwwww
117名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 11:16:17 ID:yNE/WmtU
追いついてなかったorz
なんか投下すっから許して
118名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 16:06:33 ID:3nIHD9s4
>>117
正直に書きたいって言ってごらん?ほれほれ
119名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 17:35:30 ID:NEI+96OY
男同士でもええやん。月光×雷電とか。
120名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 17:45:45 ID:eQoswMmM
つ【スレタイ】
121名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 19:07:02 ID:FreEZovt
伊良子たんハァハァ
122名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 19:34:07 ID:mjd1muPy
スレ違いだが、ヴァルキリープロファィルの詩帆みたいなのはどうか
123名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 07:28:28 ID:+SKSd5vc
12483:2006/11/22(水) 21:36:33 ID:qBQnVlLy
エロまで行ってないが、途中まで投下したほうがいい?
125名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 00:55:05 ID:83gb1WFs
やはりエロまで欲しいのが男のサガ・・・
126名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 04:58:38 ID:Kpt03ZsN
盲目で百合でエロって間違いなく宇宙初
127名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 11:25:31 ID:M5RrXbJO
そっか?
みさき先輩と雪ちゃんの話は幾つも見たような気がするが
128名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 11:47:51 ID:ysijUdiF
某零のエロパロでも多いな。
二次では案外見かけるが、まあ、そのジャンルに縁がないとどうもな。
12983:2006/11/23(木) 13:35:25 ID:fbqu/P+3
やっぱり初百合は難しい。筆がなかなか進まない。遅くなりそうだ、スマン……
130名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 03:06:43 ID:vkdGHFbE
wktk
131名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 07:20:06 ID:VQePmjE+
めくらの女の子なら顔を見られる心配ないから
じっくりと強姦できる
132名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 10:34:50 ID:EKMuBvpo
でもそのかわり、『声』を詳細に特定されるよ。
油断した強姦魔が、それを手がかりに捕まってしまう、というオチを持ってきても面白いな。

あと、『めくら』は差別用語なんで、使うのをためらうなぁ。
作中でガラの悪いセリフとしてなら雰囲気出るだろうけど。
133名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 11:24:04 ID:mE4giyUx
レイプされようとしためくらがめくら滅法抵抗してくるイめくら
134名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 14:05:09 ID:vkdGHFbE
良きファイターです
135名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 16:05:41 ID:7sPt10v8
>>132
>でもそのかわり、『声』を詳細に特定されるよ。

そんなもんに証拠能力があるのか?
13683:2006/11/25(土) 16:12:54 ID:DDXCv3CO
耳が発達して、細かい音が聞き取れるようになって、それをなんかのテストで証明した、みたいのなら出来るんじゃないか?
137名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 06:59:08 ID:z+TP11cn
暗闇なら目が見えないほうが強いから強姦魔を倒せる と雷電が言ってたよ。
138名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 15:48:19 ID:zyWT+DgY
あの捨て駒も偉くなったもんだな
139名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 20:49:10 ID:A6imFY0L
精液からはDNAが取れる。
声で特定できればDNA検査ができる。
140名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 09:43:19 ID:sykY5eNc
さかいのりこ(←漢字忘れた)が演じてた盲目少女ドラマを思い出した
141名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 09:12:01 ID:OqAhCuXo
>>139
じゃあコンドーム使えばOKか
一つ賢くなった。
142名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 22:20:09 ID:vfXHjLTx
>>141
他の体液やら毛なんかがあるから調べりゃ何かしら出て来るよ
143名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 00:47:02 ID:jUS0zJIl
最近の科学捜査ってのはスゲーよな。

まさか、靴の裏の花粉が証拠になるとは思わなかったぜ。
144名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 03:35:21 ID:Au8rCLbP
良きファイターです!
145名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 09:01:04 ID:PfSzoDyB
そう、調べりゃ何らかの遺留品は残る。
だから現場を調べられて容疑者をある程度特定できれば犯人は簡単に捕まる。
同時に、性的暴行で一番難しいと言われてるのが上記二点。
前者は被害者が口をつぐむ事が多くて証拠品を調べられず、
後者は行きずりの犯行が多くて特定できない。

だから同じ犯行を繰り返すバカとか出てくるんだけどな。
リアル性犯罪者はチンコもいどけばいいのに。
146名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 03:34:24 ID:FxQjOXVb
で、盲目との関係は?
147名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 06:51:58 ID:Z5o/+mOr
そこで無明逆流れですよ
148名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 15:11:43 ID:KnKdZklm
百合は?
149名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 00:54:22 ID:4dUOeCku
>>148が最重要な事を思い出させてくれた
150名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 02:32:20 ID:KXJvvpgt
危ないところだったな少年。
151名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 14:35:56 ID:JJrJp221
誰も書かないなら、俺が書いちゃうよ?俺だよ?いいの?
152名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 16:24:01 ID:Zj551rEB
書いちゃいなヨ
153名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 17:02:55 ID:JJrJp221
分かった。書きたい時に書く。でも後悔しないようにな。
154名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 12:06:44 ID:Fo/8Tab2
期待age
155名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 07:37:11 ID:2HUMOrFE
153が書き上がるまで、暇つぶしにどうぞ。
百合じゃないです。軽め。エッチはするよん。
156私の瞳に映るもの(1):2006/12/09(土) 07:37:45 ID:2HUMOrFE
初めまして。私の名前はさゆりと言います。よろしくです。
自慢じゃないですが、スタイルは、日本女性の平均よりは、わりといい方だと思います。
自慢じゃないですが、胸もそこそこある方ですよ。あはは。
残念ながら、顔の美醜は、自分ではよくわかりません。美人さんだといいな。

って、あはは。本当のこというと、わりとどうでもよかったりしてます。
ちょっと前までは、けっこう気にしてましたよ。自分の顔が可愛いかどうかって。
でも、今はね、か、可愛いよ、って、言ってくれる人がいるから、それで、十分なんです!

……すみません。
少々、のろけが過ぎました。さゆり、少し、反省。

でも、少しくらいのろけさせてくださいよ。
自慢じゃないですが、けっこうキツい人生送ってきたんですよ。
片意地張って暮らしてましたよ。他人と違うハンデがありましたからね。

ありましたというか、今もそうなんですが、私、目が見えません。
私の場合は、先天的です。“見える”ということ自体が、よくわかりません。
触らなくても、ものの形がわかるらしいですね。便利そうで、うらやましいです。

うらやましいですが、見えなくても、あまり困りはしません。
近いものは触ればいいですし、遠いものでも、音や匂いや風の感触で、だいたいわかりますから。

困らないどころか、両親にも愛され、友達にも恵まれ、私は幸せ者でした。
そりゃもちろん、幼少のみぎりには、軽〜くいじめられたりしましたり、
世間の風当たりっていうんですか? まあいろいろと、うけまくってきちゃいましたよ? 
聞きたい? 聞きたいですか? ちょっと引いちゃいますよ。
聞きたくないですよね〜。もっと楽しい話がいいですよね〜。

そんな私ですが、一つだけ、あきらめていたことはありました。
それは、やっぱり、その、こ、こここ、恋ってやつですっ!
わ、私だって、かっこいい男の子と、ラヴラヴになってみたいっ!
愛してるよハニーって言われたいっ!
女の子なら、誰だって、当然願うことですよね……。

え? “かっこいい”とか、見えないのにわかるのかって?
そのくらいわかりますよ。というか、普通の人とは規準が違うだけです。
わかりやすくいうと、声萌えです。声萌え。
アニメや洋画の吹き替えで有名な、あの男性声優とか、この男性俳優とか、
もう、声を聴くだけで痺れちゃいます。もう萌え萌えなんだったら!

えー、失礼しました。あとはやっぱり、匂いですね。
たばこ臭いのは嫌っ! 適度に清潔で、でも少しだけ、男の子の匂い。
このあたりは、なかなかわかってくれる人がいなくて、少し寂しいです。
そして、手触りですね。適度に筋肉質なのがよいです。痩せ過ぎや太り過ぎは、やです。

最後に味ですが、これは、その……あ、味を知ってる男の子は、
その、ゆーくんだけなので……く、比べようが、ないんです。
ゆ、ゆーくんの、あ、味はね……、だいたい、塩味です。
あはは。あ、汗が塩味なんだから、あったりまえですよねっ!
ほっ、ほかに、違うものが、ゆーくんから出たりは、するけどしないんだったらっ!
……ごめんなさい、さゆりは少し嘘をつきました。

いつの間にか、名前出してますが、ゆーくんっていうのが、私の、こ、恋人です。

聞きたい? 聞きたいですよね? ゆーくんと私の、馴れ初めを聞きたいですよね?
もう、しょうがないですねぇ。
本当は二人だけの大切な思い出ですけど、今日だけ、特別ですよ?

・・・
157私の瞳に映るもの(2):2006/12/09(土) 07:38:17 ID:2HUMOrFE
もうだいぶん暖かくなってきた、ある春の日。
普段の散歩道、杖をついて歩いていた私は、うかつにも野良犬に杖を咥え去られてしまいました。
さすがにどうしたものやらと。
通い慣れたこの道。帰れなくはありませんが、杖がないのは少々危ないです。
困っていた私の前に、聞き慣れない声が聞こえました。

「(すーっ)あっ、あのっ! お困りではありませんかっ!」
めちゃくちゃ緊張しているようです。話し出す前の深呼吸まで聞こえています。

「はあ。その。犬に杖を持って行かれてしまって……」
「でで、でしたら、もしよろしけれましたら、ご自宅までご案内させていただきまするっ!」
私は目が不自由ですが、この人は日本語が少々不自由なようです……。
まあ、慣れない慈善に緊張しているのでしょう。
普段、困っていないときの親切は、丁重にお断りしているのですが、
困っているときは、素直に助けてもらいます。意地張ってても、仕方ないですしね。

あとは、この人に悪意がないかどうかですが……。私は耳を澄まします。
目の前の人の鼓動が聞こえます。あれま。とくとく、じゃなくて、ばくばく、ですね。
声の口調も心音も、正直、小心者の類です。
たいした悪事は出来ないでしょう。まだ陽も高いですしね。

「では、ご案内いただけますか?」
「はっ、はいっ!」
私は笑みを返します。

「ここから自宅まで、十五分ほどですが、お時間は大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫ですっ!」
「では、参りましょうか」
私は自宅の方に歩き出します。なぜかお相手の男性は、進もうとしません。あれ?

「あっ、あのっ!」
「はい?」
「お、お手など、繋がさせていただかせていただかされた方がよろしいかと存じ上げますが?」
「あのー、普通に喋ってくれませんか」
「はっ! その、はいっ。すみません……」
「手を繋いだ方がいいか? という質問でしょうか?」
「はい……」
「別に結構です。私の進行方向に障害物があったら、教えてください。それで十分です」
「あっ、はい……」
あらあら。みるみる消沈してしまいました。
言い方がキツかったでしょうか。そんなつもりはないのですが……。
なんだか、気を使わせる人ですね。

「あの、教えていただけるだけで、私、十分助かるんですが」
「はっ、はいっ! お任せ下さいっ!」
単純そうな人で助かりました。

穏やかな春の日差しを受けながら、二人、てくてくと歩きます。
「あの、いい天気ですね」
「そうですね〜」
「あっ、あそこっ! 桜が咲いていますよっ! きれいですね」
「えぇ、そうですね」
「……はっ! あっ、あのっ、すっ、すみません」
「いえいえ」
「その、お気分を害すようなことを言ってしまい……」
「別に気分は悪くありませんが」
「……」

あーもーめんどくさい子だなー。
158私の瞳に映るもの(3):2006/12/09(土) 07:38:50 ID:2HUMOrFE
「桜の美しさを眺めることは、私にはできません。が、桜を愛でることは、私にもできますよ。
 桜があるのは、左手の方ですよね。もう少し先にある」
「えっ! どうしてわかるんですかっ?」
「風が桜の香りを運んでくれます。あと、桜の花びらの舞うさざめきが、聞こえませんか?
 このぐらいですと、もう満開ですかね」
「すごいっ! よくわかるんですねっ!」

まさか。桜が何分咲きかまで、わかるわけがありません。
確かに香りはわかりますが、もっともっと近づかないと無理です。
場所は単に知っているだけの話。あとはニュースで桜の開花情報を聞いただけです。

「別に普通です。あなたと一緒で、桜を愛でているだけです」
「あっ、はい……そうですね、一緒に、桜を愛でているだけですね」
“一緒”のあとの助詞が違う気がしますが、まあ、別にいいです。

その後も、他愛もない話をして、私たちは、私の自宅の前に辿り着きました。
特に障害物もなく、結局彼には、散歩に付き合ってもらっただけになってしまいました。
私が礼を言うと、礼には及ばないでござる、と、謎の口調を残して、彼は走り去っていきました。
急いでいたのなら、悪いことをしました……。

・・・

「あの、きょ、今日も、散歩でござっ……散歩ですか?」
次の週に、同じ場所で彼に声をかけられたのが、私と彼のお付き合いの始まりでした。

これは、だいぶん後になってから聞いた話ですが、
彼の家は、この場所の真ん前で、前から散歩をしている私を、部屋の窓からぼんやり眺めていたそうです。
な・ん・で・も、一目惚れっ! だったそうですよっ!
都合よく彼の目の前で私が途方に暮れ、これ幸いと、声をかけたらしいです。
もしかしたら、犬をけしかけたのも彼の仕業かと思い、問い詰めてみましたが、
それは本当に偶然だと言い張っていました。まあ、どっちでもいいですけど。

しばらくは、散歩友達として。
そのうち、ゆーくんは、何かと理由を付けて、私をあちこちに誘うようになってきました。
クラシックのコンサートなどが多かったですね。一応、気を使ってくれているようです。
見知らぬところに行くのは、私にとっては、かなり勇気がいる行為ですが、
ゆーくんが時に必至に、時に優しく、私の手を引いてくれるので、
私も、少しずつ、楽しくなってきました。
デートを、ゆーくんに会うのを、心待ちにするようになりました。

まあその、私に気があるのかなーなんて、思うと、少し嬉しかったですね。
でも、単なる気まぐれかな、物珍しいだけなのかな、慈善事業気分なのかな、
とかだったら、あはは、心がペチャンコになっちゃいそうだったので、
あんまり嬉しがりすぎないように、していました。

夏が過ぎ、秋になろうかという頃になると、ゆーくんのデートコースも、そろそろネタが尽きてきたようです。
映画鑑賞とか美術館巡りとかはできませんから、限られた範囲で、ゆーくんは頑張った方ですね。

さゆりさんはどこか希望はありますかと聞くゆーくんに、私は海に行きたいと言いました。
そういえば、この頃にはもう、ゆーくんを“ゆーくん”と呼ぶようになっていましたね。

「えっ? さゆりさん、もう泳ぐには寒すぎるよ」
「泳ぎたいわけじゃないから……波の音をね、聞きたいなぁと思って」
「あっ、そうか。そうだね。あはは」
「水着姿が見たかった?」
「えっ! いやっ、そっ、そんなことはっ!」
「そうなんだ……ゆーくんは私の水着姿に興味がないんだ……しょんぼり」
「ありますっ!」
「えっ?」
159私の瞳に映るもの(4):2006/12/09(土) 07:39:23 ID:2HUMOrFE
私がきょとんとしていると、とってつけたように、ゆーくんが笑い出します。
「あっ、あははは……」
「笑ってごまかすなよ、このやろー」
「すみません……」
「水着姿でなくて悪いけれど、海に行きたいの。いい?」
「もちろんっ!」

二人電車に乗り、海辺の街まで出かけます。駅を出ると、そこはもう潮風の匂い。

寄せては返す、波の音を聞きます。
どこかの誰かが、夜の海は、その波の音は、吸い込まれそうだと言っていましたが、
確かに私にも、そう聞こえます。
今は昼ですが、私には違いありません。

「さゆりさんっ!」
唐突にゆーくんが、叫びました。

「はいっ!?」
びっくりして私は、素っ頓狂な声を上げてしまいます。

「僕と付き合ってくださいっ!」
「ゆーくん、いきなり大きい声出さないでよ、びっくりするじゃない」
「あっ、ごめん」
そのときの私は、勇気を絞り出したであろう彼の告白を、思いっきり遮ってしまいました。

「で、何? どこに付き合えばいいの? またコンサート? 行く行く!」
「……」
「あれ? ゆーくん、なんでしょんぼり?」
「さゆりさんって、僕がしょんぼりしてるとか、機嫌がいいとか、よくわかるよね」
「息遣いでわかるのよ」
「すごいね」
「ゆーくんは、特にわかりやすいから」
「そう」
「それで、どうしてしょんぼり? 海、つまらない?」
「……だったら、今の僕のこと、わかるんじゃない?」
「君の、何を?」
「僕が、さゆりさんを、好きだっていうこと」

幼い少女の頃から夢見てきた瞬間でしたが、多分、そのときの私は、青ざめていました。
立っているのも苦しいぐらい。体から全ての血が抜けたように。

「さゆりさん、僕と、付き合ってほしい」
「……」
「聞いてくれてるのかな?」
「……えぇ」
「返事を、今、聞いてもいいかな?」
「……」
「だめかな?」
「……手の込んだ、冗談?」
「本気だっ!」

震えるような声で、かろうじて発した私の言葉は、はじめて聞くゆーくんの怒声にかき消されました。

「……ふざけないでよ」
「本気だよ」
「……からかってるだけでしょ」
「本気だよ」

その後のことを、私はよく覚えていません。
160私の瞳に映るもの(5):2006/12/09(土) 07:39:59 ID:2HUMOrFE
気がつくと、私はゆーくんに抱き抱えられていました。
二人、びしょ濡れで、ゆーくんは涙を浮かべながら、私の名を叫んでいました。

なんでも、ゆーくんから逃げ出した私は、そのまま海の中に走り出し、
追いついたゆーくんを振り払い、もがき、二人共々半分溺れかけながら、
気を失った私を、ゆーくんが、必死の思いで、引き上げてくれたそうです。

確かに口の中は塩辛かったですが、そんなこと、私がするはずありませんよね?

さゆりさんさゆりさんと、泣きながら私の名を呼ぶゆーくんの声が聞こえます。
安心させたくて、慰めたくて、声のする方に手を伸ばします。
彼の濡れた体に伝わる、温かい液体。
私は、ゆーくんの頬に手を添え、彼の涙をぬぐっているのだとわかります。

考える前に、声が出ていました。
「ゆーくん、泣かないで」

「私のこと、嫌になったら、すぐに言ってね」
冷静になったつもりで、そう言ったら、彼に強く抱きしめられました。

・・・

ドラマチックの代償は、高くつきました。
二人、ずぶ濡れ。このまま電車に乗って帰っては、風邪を引きそうです。恥ずかしいし。

「ゆーくん、どうしよっか?」
立ち上がり、靴を半分脱いで、たまった水を抜きながら、ゆーくんに尋ねます。

「どうって、どうしよう?」
あらあら。さっきは男らしかったのに……。

「このままだと風邪引きそうだし、どこか服を乾かせるところ、ないかしら」
「えっ、えーっと、えーっと」
何ですかね、この間は。あぁ、まわりを見回しているのですか。

「えっ! いっ! いやいやそれはっ!」
ゆーくんが、一人盛り上がっています。なんだ?

「どうしたの?」
「いや、その、向こうに、ほ、ホテルが見えるんだけど」
「あら。ちょうどよかったじゃない。今日は、そこに泊まりましょ?」
「泊まるのっ!? 休憩じゃなくてっ!?」
「休憩? ホテルは泊まるとこでしょ?」
「そ、そそそそ、そうだねっ!」
何故にこの男は、うろたえまくっているのでしょうか。

「日帰りのつもりが、一泊旅行になっちゃったね。さぁ、行こうよ」
「うううう、うん」
「あぁ、なるほど」
私はあることに思い当たります。ははぁ。ゆーくんが慌てていたのは……。

「なななな、なに!?」
「……その、ゆーくん? 部屋は、別々よ?」
「……」
押し黙るゆーくん。ちょっ、そっ、それはないんじゃない?

「だっ、だって、そのっ、物事には順序というものがっ!」
「……さゆりさん」
ゆーくんが、意を決したように、口を開きました。
161私の瞳に映るもの(6):2006/12/09(土) 07:40:33 ID:2HUMOrFE
「なっ! なにっ!?」
「無理なんだ」
「なにがっ!」
「その、部屋、別々ってわけには」
「なんでよっ!」
「ら、ラブホテルだから」
「……」

知識としては聞いたことがあります。
ラブホテル。
それは、恋人同士が、愛を育むところ。
ぶっちゃけ、えっ、エッチなことをしちゃいまくっちゃうところっ!

「……しょうがないわね」
「えっ?」
「せ、背に腹は代えられないわ。いっ、行きましょう」
「……ど、どこへ」
「どこへって、言わせんなよっ! ラブホテルだよっ!」
「さゆりさんて、時々男らしいね」
「うっさいっ! へ、変な期待しないでよっ! 服乾かすだけなんだからっ!」
「もっ、もちろんっ」
「……嘘でしょ」
「そっ、そんなことないっ」
「匂いでわかるのよ」
「うそっ!?」
「まあ、さすがに嘘だけど……まあいいわ。さぁ、いくわよ。体、冷えてきたし」
「そ、そうだね。じゃ、手、握るよ?」

二人、手を取って、ラブホテルに向かいます。
……ゆーくんの体、濡れてるわりに、熱いったら。

・・・

「着いたよ。ここ、ベッド。座るね」
「い、いきなりベッドなの!?」
「だって、この部屋、ベッドと、バスルームぐらいしかない」
「たっ、確かに、それだけあれば、十分だものね」
「そっ、そうだね……」

さあ。私は覚悟を決めないといけません。
実を言うと、ラブホテルでも、普通のホテルでも、私には同じ話だったんです。

「……あのね、ゆーくん」
「はっ、はいっ」
「私、一人でシャワー浴びるのは、ちょっと……むり」
「えっ! あっ! そっ、そうだね……」
「家のお風呂なら、なんとかなるかもだけど、危ないし、普段はお母さんと入ってる」
「そっ、そうだね」
「だからね」
「うっ、うん」
「い、一緒に入ってほしい……」
最後は消え入りそうな声で。

「わわわわっ、わかったっ! そのっ! 決してやましいことはっ!」
「うん……じゃあ……連れてって」
私は、彼に手を引いてもらうため、腕を伸ばします。
162私の瞳に映るもの(7):2006/12/09(土) 07:41:06 ID:2HUMOrFE
「ここから、バスルームだから」
「うん。じゃ、その、ぬ、脱ぐから……」
「うっ、うん」
「あっ! まっ、待って」
「なっ! なにっ!」
「さっ、先にゆーくんが、脱いでほしいなっ!」
「へっ?」
「だ、だって、その方が恥ずかしくない気がするから……」
「そ、そう?」
「ゆ、ゆーくんは、いいでしょ。別に裸になっても、私、見えないんだし」
「ま、まあ、そうなんだけど、見られてないとわかっていても、
 さゆりさんの前で裸になるのは、なんだか、恥ずかしいかな」
「私なんかっ、見られているとわかってて、裸になるんだぞっ!」
「そっ、それは、そうだね……」
「わかったら、さっさと脱ぐっ!」
「はっ、はいっ!」

・・・

「どう、脱いだ?」
「うん……脱ぎました」
「じゃ、じゃあ、わ、私も脱ぐから」
「う、うん。そ、そこに椅子があるから、座った方がいい。手、とるよ?」
「うん」
ゆーくんに手を取られ、低い椅子に腰掛けます。

「う、後ろ向いてて」
「う、うん」
「まあ、こっち向いてても、わからないんだけどね」
「ちゃんと後ろ向いてるから!」
「あっ、あはは。ありがと」
「うん」
どのみち、シャワーを浴びるときには、見られることになるのですが……。

私は上着から脱いでいきます。ま、間が持たない……。
「実はね。私、あんまり恥ずかしくないかも」
「ど、どうして?」
「その、“見られる”ってことに、あんまり実感ないんだ」
「そっ、そう」
「恥ずかしい気持ちが、ないわけじゃないのよ。
 ただ、“見られる”より“触られる”方が、とっ、とても、恥ずかしい……」
「そっ、そうだね」

穿いていたジーンズを脱ぎ、下着姿になります。思いきって、ブラに手をかけます。
今し方、そう言ったとはいえ、“見られる”という知識はあります。
男の人は、女の子の、裸を“見る”と、こ、興奮するそうです。む、胸とか……。

「ねっ、ねぇ」
「はっ、はいっ?」
「わ、私の胸、どうかな?」
「どっ、どうって?」
「お、大きさ、とか」
「いっ、いいんじゃないかな」
「……こっち見てんじゃんっ!」
「みっ、見てないっ!」
「じゃあなんで、いいとか悪いとか、わかるのよっ!」
「服の上からでも、わかるよっ!」
「いつも、そんなエッチな目で見てたのかよっ!」
「そんなつもりじゃないって!」
163私の瞳に映るもの(8):2006/12/09(土) 07:41:42 ID:2HUMOrFE
「はぁ。い、意味ないわね。どうせ、これ脱いだら、見られちゃうんだから」
「できるだけ見ないようにするよ」
「ううん。ゆーくんは、見ないと危ないんだから、その、ちゃんと、見て」
「うっ、うん」
「もうちょっと待ってね。最後、脱ぐから」
「うん……」

私は裸になりました。
息を吸い、そして、吐きます。
恥ずかしいですが、見られるのがゆーくんなら、我慢できるはずです。
ですが、私は、椅子の上で、膝を抱え込んで、小さく丸まってしまいます。

「こっち、きて」
「うっ、うん」

バスルームの中を、ぺたぺたとした足音が近づいてくるのがわかります。
背中を丸めて、縮こまったまま、私はゆーくんに声をかけます。

「ちゃ、ちゃんと、見てる?」
「……うっ、うん」
「へ、へんじゃないかな……ううんっ! やっぱりいいっ! 聞きたくないっ!」
「とてもっ! とても……きれい……だよ」
「……うん……シャワー……かけてくれないかな」
「あぁ。うん」

蛇口をひねる音。シャワーから水が出る音。
そして、シャワーのお湯が、背中にかけられる感触。温かい。
お風呂の中にいるという実感は、少しだけ、私を安心させます。

「ゆーくん。私、お父さん以外の男の人に、裸見られるの、初めて」
「ぼ、僕も、母以外の女の人の裸、見るの、初めて」
「ゆーくん、女の子と付き合ったこと、ないんだ」
「うっ、うん」
「いっ、一緒だね」
「うん」
「あっ、あの。髪、洗いたいんだけど、洗って……くれる?」
「うっ、うん」
「あっ、頭、あげないと、洗いにくいよね」
「そっ、そうだね」
「ゆっ、ゆーくんのこと、信じてないわけじゃないけど、体、触ってもいい?」
「えっ?」
「その、ゆーくんも、はっ、裸か、確かめたい……」
「あっ、ああ」

背を丸めたまま、恐る恐る、腕を伸ばすと、ゆーくんが私の手を取り、導きます。
手のひらに感じる、男の人の肌。熱いくらいの、ゆーくんの体。

「わ、私、どこ、触ってるのかな?」
「むっ、胸」
「た、平らだね」
「そっ、そりゃ、男だから」
「あっ、これ、乳首だ」
「ひゃっ!」
私がゆーくんの乳首をさわさわしてしまったので、彼の口から、素っ頓狂な声が上がります。

「ゆーくん、疑って、ごめんね」
「いっ、いや」
「二人とも、は、裸だから、は、恥ずかしくないよね。うん」
164私の瞳に映るもの(9):2006/12/09(土) 07:44:03 ID:2HUMOrFE
私は両腕で自分の胸を隠しながら、頭を上げます。
ゆーくんの手が、私の髪に触れます。
シャンプーが泡立てられ、髪の毛が、洗われていくのが、わかります。

「えへへ。頭、洗ってもらうのって、気持ちいいね」
「そっ、そうだね。僕、女の人の頭、洗うの初めてだよ」
「私だって、洗ってもらうの、初めてよ」
「痛かったりしてない?」
「そんなことないよ。ゆーくん、上手」
「はは、ありがと」

流すね、とゆーくんに言われて、シャワーのお湯が頭にかけられます。
海水でべとべとしていた髪の毛も、すっきりしました。

「ふぅ。さっぱりした。ゆーくん、ありがと」
「どういたしまして」
「そうだ。お礼にゆーくんの背中、流してあげるよ」
「えっ?」
「さ、私の前に座って」
「でっ、でも、さゆりさん、恥ずかしいんじゃ?」
「そりゃ、恥ずかしいけど、もう、見ちゃったんでしょ」
「あっ、うっ、うん……」
「じゃあ、もういいよ。5分見られるのも、10分見られるのも、一緒でしょ?」
「そっ、そうなのかな……」
「ほら、早く座って」
「うん」
「これっ、タオル」
「はい」
「すっ、座った」
「じゃあ、流すねー」
「よっ、よろしく」

渡されたタオルを持ち、前の方に腕を伸ばします。
ゆーくんの背中に辿り着きました。がっしりとした肩。男の子ですね。
さあさあ、背中をごしごししましょう。

「ねぇ、ゆーくん」
「なに?」
「……さっき、好きって言ってくれて、ほんとは、嬉しかった」
「さゆりさん……」
「私なんかでいいのって、聞いたら、ゆーくんは、怒るよね」
「うん。怒る」
「ゆーくん、ゆーくん、ありがと……」

私は、背中に抱きついていました。
なにも映すことのない、私の瞳から、涙だけが、あふれていきます。
額をこすりつけるようにして、ゆーくんの背中で泣きました。

「……ぐすっ。え、えへへ。ごめん、まだ途中だったね」
「そっち、向くから」
「へっ?」
ゆーくんの方から物音がして、私は慌てて、胸を腕で隠します。

「さゆりさん、好きだ」
「えっ、ちょっ、ゆっ、ゆーくん?」
「キス、するから」
ゆーくんには、私の体に触れるときは、事前に言ってからにしてほしいと、頼んであります。
いきなりだと、びっくりするので。
こんなときまで、ご丁寧に……。
私は覚悟を決めます。
165私の瞳に映るもの(10):2006/12/09(土) 07:44:36 ID:2HUMOrFE
「……はい」
肯定の言葉が終わると、私の唇に、熱いものが触れます。ゆーくんの唇が、重ねられます。
私達は、キスを、しています。

長くて短い時間が過ぎて、唇が離れます。
「さゆりさん、抱きしめるよ」

裸の私が、裸のゆーくんに、抱きしめられます。
腕に、肩に、背中に、胸に、ゆーくんを感じます。

私は、
「ゆーくん、ゆーくん、大好きだよ」

好きで好きで好きで好きで、好きで好きで好きで好きです。
頭が回らないくらい、涙が出るくらい、熱にうなされたように、ゆーくんが好きです。

「ゆーくんの体に、触っていい? ゆーくんのこと、全部知りたい」
「うん。僕も、さゆりさんの体に、触りたい」
「えへへ。じゃあ、さわりっこ、しよっか」
「うん」
私は右手を伸ばします。ゆーくんがそれを握ってくれます。

「まずは、頭から」
私が言うと、ゆーくんの左手が、私の手を、ゆーくんの頭に導きます。私はゆーくんの髪に触れます。
同時に、ゆーくんの右手が、私の髪を、優しく撫でます。

「ゆーくんの髪、長くないね」
「男だしね」
「太くて、堅い」
「えっ、あぁ。髪の毛ね。さゆりさんの髪は、長くて柔らかくて、きれいだよ」
「ありがと」
髪を褒められました。いい気持ちです。私は手を動かしていきます。

「これは耳だね」
「さゆりさん、くすぐったいよ」
ゆーくんの手が、同じように私の耳をくすぐります。

「くっ、くすぐったいっ!」
私がゆーくんの耳を触っている間は、ゆーくんも私の耳をくすぐるのを、止めてくれそうにありません。
しかたがないので、私は手を這わせていきます。

「ここは、ほっぺた?」
「うん」
「少しざらざらするのは、髭かな?」
「うん、剃ったの朝だから、少し伸びてきた。さゆりさんのほっぺは、柔らかいね」
「髭生えないしね。あっ、これは鼻だ。けっこう高いね」
「さゆりさんの鼻は小さいね」
「そして、ここが、唇」
「うん」
二人、先程重ねた、お互いの唇を、指先でなぞります。
とてもとても、ドキドキします。

「あご、くび。ゆーくんの首は、太いね」
「さゆりさんの首は、細くて、その、女の子らしい」
「うふふ。あぁ。ここは胸だね。さっきも触った」
同じように動いてきた、ゆーくんの手が、ぴたりと止まります。

「いいよ。触って。触ってほしいな」
166私の瞳に映るもの(11):2006/12/09(土) 07:45:10 ID:2HUMOrFE
ゆーくんの手が、私の胸に優しく触れます。包むように、添えられます。

「あんっ」
こらえきれずに、私は小さな吐息を漏らしてしまいます。

「わ、私の胸って、どうなのかな?」
「とっ、とても、気持ちいいよ。温かくて、柔らかくて、大きくて」
「男の人は、女の子の胸に触ると嬉しいんだよね」
「うっ、うん」
「ゆーくん、嬉しい?」
「うんっ」
少し興奮気味の声。やった。やった。ゆーくんは、私の胸が、嬉しいんだ。

「もっと、触って」
ゆーくんの手のひらが動き、もにゅもにゅと私の胸を揉んでいきます。

「ゆっ、ゆーくん、なんだかエッチだよ〜」
「えっ、あっ、あぁ。ごっ、ごめん」
「ううん。いいの。嬉しいから。でも、次にいっていい?」
「うっ、うん」
私は腕を、降ろしていきます。

「ゆーくんのお腹。ゆーくんの体は、どこも硬いね」
「さゆりさんの体は、どこも柔らかいね」
「って、何これ?」
「わっ!」

下腹部まで手を下ろすと、ゆーくんの体から、不自然に飛び出ているものに、ぶつかりました。
棒のようなもので、握れます。握ると、堅くて熱いです。
棒で握ると堅くて熱い。はっ!

「あっ、あっ、そのっ、ごっ、ごめんなさいっ!」
慌てて、その、おっ、おちんちんから……手を、離します。

「あっ、あのねっ、ち、知識としては、知ってるんだけどねっ!」
「いっ、いいんだけどね」
「こっ、こんなに、大きいものだったんだっ!」
「いや、その」
「でっ、でもっ、普段って、こんなに大きかった? ぶつかったことないよ?」
「いっ、今は、大きくなってるから……」

そっ、そうでした。それも、知識としては知っていました。
男の人は、その、エッチな気分のとき、お、おちんちんが、大きくなるんでした。

「その、お、おちんちん、もっと、触って、いい?」
「へっ?」
「ゆーくんの体、全部、知りたいから。はしたない?」
「そっ、そんなことない」
「わっ、私のあそこも、知って、いいから」
「うっ、うん」

再び、先程と同じ位置に、手を伸ばします。ありました。ゆーくんのおちんちん。
今まで触ったゆーくんの体の中で、一番熱いところ。
手を添えてから、優しく握ります。形と大きさ、熱さを、感じていきます。
いつでも、いつまでも、思い出せるよう、念入りに。
167私の瞳に映るもの(12):2006/12/09(土) 07:45:43 ID:2HUMOrFE
私の太ももの内側に、ゆーくんの手が、当たりました。
その指先は、震えながら、少しずつ、内側へ進んできます。
私がおちんちんを撫でさすっている間に、指は、私の体の奥へ奥へと、入っていきます。

「あんっ!」
こっ、声が出てしまいました。思わず、おちんちんを強く握ってしまいます。

「くっ!」
ゆーくんからも、声が上がります。

「ごっ、ごめんなさい、痛かった?」
「だっ、大丈夫。さゆりさんは、平気?」
「うん。その、ゆーくんに触られていると、なんだか、ぽーっとする」
「そうなんだ」
「ぽーっとするのに、声が出ちゃう。ぴくんってなる」
「うん」
「ほんというと、気持ちよくって、えっ、エッチな気分に、なる。
 ゆーくんは? おちんちん、触られるのって、どんな感じ?」
「えっと、おんなじ。気持ちよくって、興奮する」
「えっ? そうなんだ? えへへ、一緒だね」
「うん。一緒」
「どうされるのが、いちばん気持ちいい?」
「その、上下にこすられたり、とか」
「こうかな?」
ゆーくんのおちんちんを、こすこすとこすってみます。

「さっ、さゆりさんっ、だめっ!」
「あっ、痛かった?」
「ううん。その、出ちゃう」
「出るって、何が? あっ……そっ、そうね。で、出ちゃうんだよね」
「あのねっ、さゆりさん。こっ、こすってもらうのも気持ちいいんだけど……」
「わっ、私の、中で、だっ、出すんだよね?」
「そう、したい」
「あの、ゆーくん。出すのって、一度に一回きり?」
「へっ、いや、何度かは、出せると思うけど」
「にっ、二回、出せる?」
「う、うん」
「一回目は、私の手に、出してもらっていいかな?」
「へっ?」
「さっ、触ってみたいから」
「あんまり気持ちのいいものじゃ、ないと思うけど」
「我慢するし、ゆーくんの体から出るものなら、好きになれると、思う。うん」
「そっ、そう?」
「出してくれる?」
「うっ、うん」
「どうすればいい? さっきみたいに、こすればいい?」
「うん。あと、さゆりさんの体に、触っていたい」
「好きなだけ、好きなところ、触っていいよ」
「さゆりさんの、胸とか、キスしていい?」
「好きなだけ、好きなように、キスして」

ゆーくんの体が、私にぴったりとくっついてくるのが、わかります。
ゆーくんの手が、私の手を、ゆーくんのおちんちんに、導きます。
私は、ゆーくんのおちんちんを、しごきます。
こすこすこすこす、こすります。

ゆーくんは、私の胸を触ります。わたしの胸にキスをします。
私の乳首に吸い付いて、私のあそこに手を這わせます。
168私の瞳に映るもの(13):2006/12/09(土) 07:46:15 ID:2HUMOrFE
くちゅくちゅと音が聞こえます。
どこからだろう。私のあそこからだ。

掻き回すゆーくんの指に、とろりとしたものが、からみつくのが、わかります。
私の体は、準備ができつつあるようです。今、握っているものを、入れる準備が。
そう思うと、自然、握る手に力が入ってしまいます。

「さっ、さゆりさん、もう、でそうっ」
ゆーくんの切なげな声が聞こえます。私は、激しく手を動かします。

「うっ!」
うめき声と同時に、私の体に熱いものが浴びせかけられました。
熱い熱いものが、次々と体中にかかっていきます。
あぁ、これが、精液なんだ。ゆーくんは、私の手で、射精したんだ。

「はぁっ、はぁっ……ごっ、ごめん。体に、かけちゃった」
「へぇー。これがゆーくんの精液なんだ」
自分の体にかけられた、ゆーくんの精液を、指でなぞります。

「熱くて、ぬるぬるしてて、なんだか変な匂い」
「ごっ、ごめん、臭くて」
「いいの。出してっていったの、私だし」
「うぅ。味は、微妙〜」
「なっ、舐めないでよっ!」
「えへへ。味も知っておこうかなと思って。うん、よくわかった」
「普通は舐めないから」

そんなことを言っておきながら、今のゆーくんは、フェラチオ大好きなんですけどね。
そのときの私は、そんなこともつゆ知らず。

「だって、ゆーくんの精液、ちゃんと知っておきたかったし」
「そっ、そう」
「これが、私の中に、出されちゃうんだねぇ」
指についた、ねばねばした精液をこすります。

「いや?」
「ううん。嫌じゃない。嫌じゃないけど、今日は、その、避妊、して」
「あっ。うん。もちろんだよ」
「その、赤ちゃんできたりしても、育てる自信、ないし。幸せにする自信、ないし」
「……今は、今はまだだけど、いつか、二人に自信ができたら、考えて、ほしい」
「それって、その……プロポーズ?」
「えっ? はっ! いっ、いやっ、その、違うけど、違わないけど……」
「どっちだよ」
「ぷ、プロポーズです……」
「……もっとかっこいいのがよかった」
「ごめん……」
「あはは……えへへ……ぐすっ……あんまり、私ばかり泣かせないで」
「ごめん……」
「本当に、後悔しないの?」
「そんなことない」
「自信、もてるようになると、思う?」
「一人なら、無理でも、二人なら」
「……上手いこと、言うね」
「本心だよ」
「そう。じゃあ、ゆーくん、二人で、一つに、なろう?」
「……さゆりさん、ベッドまで、連れて行くから」

ゆーくんに手を取られ、私は立ち上がります。
裸のままの二人、歩いていきます。
優しく、体を倒されます。そこは、ベッドの上でした。
169私の瞳に映るもの(14):2006/12/09(土) 07:46:48 ID:2HUMOrFE
抱きしめられ、抱きしめます。濡れた体のまま、シーツを濡らして。

ゆーくんの指先が、唇が、私の体の至る所を、撫でていきます。
唇も、頬も、首筋も胸もお腹も太ももも、私の体の奥にあるところも。

私は、体中を舐められています。
くすぐったくて、気持ちよくって、とろとろと溶けてしまいそうです。

聞こえるのは、自分でも驚くほどの、甘い甘い喘ぎ声。
猫が鳴くように、はしたなく嬌声を上げます。
聞こえるのは、ゆーくんの荒い荒い息遣い。
犬がするように、はあはあと口で息をしています。

「さゆりさん、ちゃんと、つけたから。握ってみて」
ゆーくんが、私の手を取ります。べとついた、ゴムのような手触り。

「んっ……そっか、これがコンドームってものなんだ」
「うん。僕の、ちんちんにかぶせてある」
「ごめんね。こんなのしてたら、あんまり気持ちよくないかもだね」
「普通はみんなするから、そんなこと言わないでいいよ」
「そっか、そだね」
「謝るのは僕の方だよ。さゆりさん、これから、痛いことするよ。
 ごめん。僕、もう、我慢できそうに、ないんだ」
「ううん。私も、してほしいから」
「さゆりさん……」
「どんなに私が痛がっても、止めないでね」
「う、うん。でも、少しでも痛くならないようにするから……足、開いて」
「うわぁ……自分で、足、開くの?……痛い方がいいかも……」
「何を今さら恥ずかしがってんの。さっ、いい加減観念して」
「うん……」

私は、ゆっくりと、足を開きます。
太ももに、おそらくはゆーくんの顔が当たります。
あそこに、そそらくはゆーくんの唇が当たります。
ぺろぺろと舐められ、伸ばされた舌が、私の、体の中に、入ってきます。

「きゃんっ! あっ! くぅん!」
嬌声を上げながら、私の体は、どこもかしこも、とろとろとぬるぬるになっていきます。
とろとろになった私は、ゆーくんをぬるぬるに、していきます。

「入れるよ」
「……はい」

激痛が、走ります。
熱くて堅くて、堅くて熱いものが、入りきらない、ものが、ねじ込まれて、います。
ゆーくんの、おちんちんが、私の、中に、は、入って……。

「うぐっ!」
私は歯を食いしばります。
痛くて痛くて、でも、これは。これは、ゆーくん。
ゆーくんが入ってくるんです。私はゆーくんを、迎え、入れるんです。
私の体で、ゆーくんを気持ちよくするんです。
私が痛い分だけ、ゆーくんは気持ちいいのなら、私は、痛くて、いい。
170私の瞳に映るもの(15):2006/12/09(土) 07:47:21 ID:2HUMOrFE
「くっ……さゆりさん、痛くない?」
「なっ、泣きそうなほど、痛い」
「むっ、無理しなくても……」

あぁ、もぅ。めっ、面倒くさい子だなぁ……。

「今からっ! しおらしいことを言うからっ!」
「さっ、さゆりさん?」
「私、ゆーくんのおちんちん入れられて、とっても嬉しい。ゆーくんは、気持ちいい?」
「うっ、うん。熱くて、キツくて、とっても、気持ちいい」
「どんどん、私で、気持ちよくなって。私のあそこで、おちんちん、思いっきり、こすって」
「さゆりさん……ありがとう」
「うぐっ……ははは、まいったかこのやろー」

ゆーくんが揺れます。ゆーくんのおちんちんが、ゆっくりと前後します。
私の体の中を、こすっていきます。
気が触れてしまいそうな痛みと、気のせいにしか思えないような快感。
今、私は、セックスをしています。
いっぱいいっぱいです。痛くて泣きたいです。涙が出るほど、幸せです。

「くっ、ゆーくんっ……」
「さゆりさんっ! さゆりさんっ!」
ゆーくんの動きが激しくなるにつれ、私は支離滅裂になっていきます。

「ゆーくんの、ばかぁ……」
「なっ、なんでっ!」
「ゆーくんっ、好きだよぅ……」
「くっ、さゆりさんっ!」
「ひっく、痛いよう……」
「さゆりさんっ、さゆりさんっ、愛してるっ!」
「ゆーくんの、エッチぃ……」
「さゆりさんっ! ぼ、僕っ、もうっ!」
「ゆーくんっ……まだまだ……がんばれ……」
「さゆりさんっ!!」

ひときわ大きく叫んだゆーくんの動きが、ぴたりと止まり、
私の中のおちんちんだけが、ぶるぶると震えています。
息を切らせたゆーくんが、ゆるやかに、私に抱きついてきました。

「はっ、はぁ……」
「さっ、さゆりさん、大丈夫だった?」
「……っ、はぁー」
「大丈夫?」
「へっ? あっ、あーうん。なんとか」
「ごめん。無茶しちゃって」
「まあ、貴重な体験だったよ……この痛みが、いずれ病み付きになるんだろうねぇ」
「いや、そういのとは、違うんじゃないかな」
「そうなの? まあ、それはそうと、ゆーくんは、気持ちよかった?」
「うん、とっても気持ちよかった」
「そっかー。うんうん、じゃあ、よかった」
「さゆりさん……」

ゆーくんは私の頭を撫でながら、体を私の上からずらし、横に寝そべります。
小さくなったおちんちんは、するりと抜けてしまいました。
あれだけ私を苦しめた、憎いあんちくしょうですが、いなくなると、なんだか寂しい。
私はぴったりと、ゆーくんに体を寄せます。

・・・
171私の瞳に映るもの(16):2006/12/09(土) 07:47:54 ID:2HUMOrFE
それから二人、うとうととしてしまいました。
気がついたときには、二人、裸のまま。濡れた服はバスルームに脱ぎ散らかしたまま。
テレビからは、夜のニュースが流れています。

ゆーくんに、服を洗って、乾かしてもらいます。
二人とも、手洗いでも目立たないような、ラフな格好で助かりました。
とはいえ、乾くまでには、時間がかかります。
予定通り、泊まっていくことにします。

シーツにくるまっていると、洗濯のすんだゆーくんが戻ってきます。
「明日には、乾くと思うから」
「私の下着、じっくり見た?」
「いや、見てない見てない」
「ふーん、いいけどね」
「目の前に裸のさゆりさんがいるんだから、別に下着だけ見なくてもいいし」
「えっ? み、見えてる?」
「シーツにくるまってるけど、あちこち見えてるよ」
「もうっ!」

ぎゅっと、シーツを体に引き寄せます。
「あはは。丸っこくなってるさゆりさんは、可愛いねぇ」
「何? なんなの? やっちゃうと、男は豹変っ!?」
「そりゃないよ……」
「だってさっきから、ゆーくんちょっと、いじわるよ?」
「そんなことないよ。さゆりさんのことが、大好きだよ」
「そして、歯切れがいい」
「そんなに悪かった?」
「ちょっとね。かなりね」
「さゆりさんのが、うつった」
「……ちょっと、こっちこい」
「なに?」
「だから不公平でしょっ! ゆーくんが私の裸を見た分、私もゆーくんの裸に触るのっ!」
「あはは。また、エッチな気分になっちゃうよ」
「もうおちんちん、大きくしてるじゃない」
「なんでわかったの?」
「口調と息遣い、そして匂いで」
「……頬に触るよ」

にやりと笑う私の頬を、彼が優しく撫でます。
私は彼にしなだれかかり、彼の体を撫で回します。
私は少し、困った体になってしまいました。
彼に触っていないと、不安で落ち着かない、困った女になってしまいました。

「そんなに、ちんちんばっかり触らないでよ」
「はぁ。なんか、安心する〜」
「ちょっ、そんな、頬ずりしないで」
「ねえ、ちゅーしていい?」
「どこにっ?!」

私は愛しいものを、ちゅーと吸い、ぺろりと舐めました。
この後、私が一晩中おちんちんを触っていたので、翌日のゆーくんの声は、少しやつれていました。

・・・

「できたっ! 盲目の美少女の、愛と感動の物語っ!」
「さゆりさん……これじゃ官能小説だよ……」
「そんなことないよ。昨日ゆーくんとしたことなら、官能的だと思うけどね〜」
「あっ、ははは……」
というわけで、今から二人、昨日の続きをしようと思います。
172155:2006/12/09(土) 07:49:41 ID:2HUMOrFE
おしまい。

言い忘れましたが、オリジナルです。
さゆりさんとゆーくんですが、あの二人は関係なく。では失礼します。
173名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 10:45:13 ID:i+pmeC4N
GJ!!

受身になりがちなめくらっ娘を明るく言いたいこと言うタイプに仕上げてるのが超新鮮
174名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 13:17:27 ID:WXEXvWnf
あああああああああさゆり可愛いいいいいいいいいいい
175名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 22:20:08 ID:ok/j1nwT
かわいいです。マジで可愛いです。GJでした!
176155:2006/12/10(日) 03:06:24 ID:Lc3RqZLT
>>173-175
ありがとうございました。
さゆりをかわいいと言ってもらえて、なによりです。それが主旨ですしね。
ではでは。
177名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 02:38:18 ID:TJ9GcBD2
ぐわぁーーー、すっげーキタコレ。GJ
178名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 21:01:12 ID:Z96PE4l2
GJ!
さゆりさんテラカワユス
179155:2006/12/14(木) 00:31:09 ID:Dn6wbtPV
>>177-178
どもども、恐縮です。ありがとうございました。
180名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 02:12:31 ID:73dcAHQR
昨夜百合で盲目な夢を見たのでage
181名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 01:20:44 ID:M/j8i/xF
1000なら井川二桁
182名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 01:35:36 ID:5LTHXOWU
泣き虫サクラは基本だよな
183名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 18:03:10 ID:B9NDgYhZ
寝取りスレの保管庫に盲目の女の子のSS発見
ただ純愛系が好きな人には合わないかも
184名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 18:35:53 ID:pO5vanc5
185名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 10:36:36 ID:Vq8rU6Sd
アレは少しトラウマ入った件について
186名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 14:38:06 ID:579gJrxe
寝取られてもやっぱり最後は平和に終わって欲しいね
187名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 18:17:27 ID:AABoz4wy
みさき先輩は偉大だった
188名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 09:15:45 ID:yZzRKHVj
>>187
夕焼け、綺麗?
189名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 08:59:13 ID:12jnkBZJ
>>172
二人が触りっこするくだりで、なんか知らないけど、目から水が止まらなくなりました。
田中ユタカさんの漫画に似てますが、読んだ事ありますか?
190155:2006/12/27(水) 03:27:12 ID:Rimg1ZL3
>>189
ご丁寧にどうもです。かわいそうじゃなくて、かわいいを目指してみたのですが、
泣いてもらえるなんて、嬉しい限りです。
田中ユタカさんは、知識としては知っているのですが、まだ読んだことはないです。
今度探してみようかな。
191名無しさん@ピンキー:2006/12/29(金) 01:38:38 ID:U+FOgfHv
保守
192名無しさん@ピンキー:2006/12/31(日) 02:59:56 ID:5uWMC0Zv
>>155

今年俺の中でノーベルSS賞受賞
193名無しさん@ピンキー:2007/01/01(月) 02:44:19 ID:sxwbZUKd
新年保守
194名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 01:26:23 ID:hJKNNR72
保守
195名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 06:46:33 ID:LUZSD+6A
保守
196名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 19:30:07 ID:dxO9/V3y
保守!
197名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 23:37:14 ID:BKKOC1aG
一日に3つもレスがついてるからもしやと思ったら
198名無しさん@ピンキー:2007/01/06(土) 01:50:37 ID:Lm2wY72K
かかったなアホが!
199名無しさん@ピンキー:2007/01/06(土) 01:54:54 ID:a+j6LDrY
片目が見えない(義眼とか)、っていうのあり?
200名無しさん@ピンキー:2007/01/06(土) 03:10:26 ID:AmHkTbY/
ちょっちゅね〜
201名無しさん@ピンキー:2007/01/06(土) 07:55:43 ID:0Siyu+FZ
>199
スレ主題からは少し外れるが…有りじゃないか?
盲目って言っても全盲とは限らんだろ?
色盲とか、光をわずかに感じるだけ、とか。
202名無しさん@ピンキー:2007/01/07(日) 02:19:19 ID:8UIV8efM
恋は盲目、は流石に反則だろうけどね
203名無しさん@ピンキー:2007/01/08(月) 02:30:16 ID:jzu93MYP
コードギアスのナナリーはこのスレのど真ん中だな
204名無しさん@ピンキー:2007/01/13(土) 14:47:04 ID:oBfBPfQI
保守
205名無しさん@ピンキー:2007/01/14(日) 12:53:28 ID:l2QhG8kL
萌えコピぺに転載したやつ・・ちっと頭冷やせ。
どうなっても知らんぞ
206名無しさん@ピンキー:2007/01/14(日) 13:03:28 ID:l2QhG8kL
と、言ってはみたが、よく考えたらどうにもなりませんなハハハ
207名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 10:31:15 ID:3zFN2Lkd
ほし
208名無しさん@ピンキー:2007/01/20(土) 19:35:40 ID:UjoLCxA0
百合は
209名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 20:47:35 ID:Z9P1Xwax
そういえば
210名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 00:26:42 ID:a6yIc27z
そうですね
211名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 02:07:57 ID:sCO44oSb
ところで
212名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 20:50:52 ID:SkOv2ShZ
こいつを見てくれ
213名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 20:56:42 ID:CVI9+clj
盲目なので見えません。
214名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 00:25:59 ID:mOkDFW9v
だれが上手いこと(ry
215名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 20:19:58 ID:GPAMhwm0
なぜこんな良い板がここまで過疎ってるんだ保守上げ
216名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 08:29:27 ID:7CU+t6Xc
うむ、良スレを上げていれば、板の活性化にもつながるであろう
217名無しさん@ピンキー :2007/01/31(水) 18:58:52 ID:zW96+RWA
春琴抄なスレはここですか?
218名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 19:07:52 ID:YkyPSuwQ
さゆりさんが最高過ぎたんだよ。名作の後に続くのは厳しい。
219名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 00:02:41 ID:KgDOyIQA
百合は
220名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 09:00:21 ID:i1K/FEjt
そういえば

そうですね

ところで
221名無しさん@ピンキー:2007/02/03(土) 16:23:53 ID:H0QFl0Rx
や ら な い か
222名無しさん@ピンキー:2007/02/04(日) 03:05:16 ID:r9n2IMw6
やらないわ
223名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 03:11:04 ID:sCO44oSb
hoshuage
224名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 01:41:46 ID:2qW9ZfaI
hoshusage
225名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 12:01:56 ID:f9NyELgD
そろそろ上げるか…
226名無しさん@ピンキー:2007/02/13(火) 09:47:47 ID:qToQUW6C
このスレでとらハ2の十六夜さんの名前が出ないのは何故?
俺的には大好きなんだが。もしや人気無いのかな?
227名無しさん@ピンキー:2007/02/13(火) 10:21:59 ID:X/n6Xakj
最後にやったギャルゲーはときメモ2の俺にとらハ2なんて…
228名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 14:35:56 ID:u5hQoN/U
百合じゃなくてもおk?
229名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 14:37:42 ID:1QQnOruo
どんと来い
230名無しさん@ピンキー:2007/02/15(木) 15:48:21 ID:Fg57YQZo
>>227
どういう意味?発売時期はどっちも同じ99年なんだが。
当時18才未満だったからやって無いってことかな?
231名無しさん@ピンキー:2007/02/15(木) 16:10:20 ID:wxNOwpui
>>227だが基本エロゲはコンシューマー移植してからやる派なんだ。
イベントやら増えるしCG綺麗になるし。移植されそうにないのはやるが。
232名無しさん@ピンキー:2007/02/15(木) 17:24:04 ID:YenMUDbo
しかし大抵の新規CGは別人の絵に見える罠

そういや俺盲目のヒロインが出てくるギャルゲーやったことないな
コードギアスもこっちじゃやってないし
233名無しさん@ピンキー:2007/02/15(木) 18:32:32 ID:Fg57YQZo
>>231
それってエロゲじゃ無くギャルゲの様な気が・・・。
いや、それがどうした?とか言われると困るのだが。
ケチを付けるつもりは無いから気ぃ悪くしないでね?

個人的にとらハは1と2しかやって無いけど結構お勧め。
十六夜さんは綺麗で優しくて強くて可哀そうで大好きだ。
因みに人間では無い。そこがまたちょい泣けて大好きだ。
234名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 08:44:03 ID:29lsyB3V
hoshu
235名無しさん@ピンキー:2007/02/21(水) 12:56:40 ID:e3QNs6UQ
>>10でONEが出てたね。
エロゲやギャルゲの話題があったので以下にて。

関連スレ
ハンディや障害を持つギャルゲーついて語るスレ
http://game12.2ch.net/test/read.cgi/gal/1172029233/
身体にハンディを持つ女の子に萌えるスレ その2
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1061206629/
236名無しさん@ピンキー:2007/02/23(金) 14:27:15 ID:8dlazWVn
保守。

ネタはあるんだけど、時間が無い上に他のところで書いている奴すら終わっていない状況なんで書き始められない……
237名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 00:25:56 ID:K7PI39U9
保守
238名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 01:30:45 ID:clumQ1Q9
なぜか、1から全部小一時間かけて読んでしまったよ。


とりあえず、
さゆりかわいいよさゆり。
239名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 21:29:13 ID:K7PI39U9
さゆりさんを超える神降臨マダー?
240名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 22:20:32 ID:inokH0vo
むしろサユリさんの続きが読みたい
241名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 23:06:11 ID:whrhWBnE
>>240
同意!!155氏降臨してくれないかな・・・。
242名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 09:41:25 ID:UxwJrVs0
ござるが気になって…
243名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 12:32:16 ID:ry9o9oSU
>>1から読んだ。
>>67のロングパスが的を射ていて吹いた。
244名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 13:27:17 ID:wneROsMh
みなの者!このスレに予知能力者がいるぞ!
245名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 14:14:49 ID:/jLfRmHV
そうか分かったぞ!!
>>67こそ、視力を失った代わりに千里眼と未来視を手に入れた美少女なんだ!!
246名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 17:04:49 ID:caah7WoV
な、なんだ(ry
247名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 10:49:53 ID:HQ8alaQh
問題はそれが盲目といえるかどうかだ。
千里眼ってめっちゃいいじゃん、目。
248名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 16:49:43 ID:M5euTJIE
>>247
つ「心眼」
249名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 08:23:42 ID:HjI1GnvV
千里眼は『遠くは見えるけれど近くは見えない』だったら萌えるな。

それで、死ぬときになって初めて身近な人達の顔が見えるようになって……ってシチュになれば燃える。
250名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 17:27:12 ID:7V/CtiOp
それなんて南斗白鷺拳
251名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 23:14:53 ID:yrH+WqoF
盲目だった人がなんだかんだ色々あって最終的に視力を取り戻すのってアリ?
酷い遅筆な上に実力的な問題でエロシーンだけキングクリムゾンになりそうだけど。
252名無しさん@ピンキー:2007/03/02(金) 01:48:12 ID:HuwyAZHh
>>251
アリなんじゃないかな。安易に戻すのではなく、ちゃんと理由があれば。
頑張って。

しかし、盲目の美少女か……。
とんでもなく難しい題材だ。
さゆりさんの話は、155氏が本当に頑張っていると思う。

書き手としては挑戦したくなる題材だけどね。
253名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 20:22:06 ID:LKH2JXLN
>>251
俺もアリだと思う。投下してくれるのをwktkしつつ待ってます。
254名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 01:48:11 ID:rTGlJ7SB
いつになるかは分からないけど、書きたいネタはあるんでそれまでスレが持ってくれたら良いなあ。
255名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 13:33:24 ID:cXlcE6Yz
同じく。文章苦手ですの
256名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 15:40:09 ID:xBtAR6Cb
このスレ的にエロ無しというのはアリなんですかね?
257名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 17:52:42 ID:1xx5EX+g
某スレなんかは殆どそういうシーンない作品ばかりだし、問題ないかと。
スレのテーマがエロ無しでは無理なものでない限り、どこのスレでもOKだと思う。
258名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 20:52:23 ID:3CTlJWK2
>>257
某スレって何と言う名前のスレ?できれば書いて欲しいんだが。
259名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 18:55:03 ID:Y1rXwoG/
保守がてら投下しますヨ
260光あふれる世界へ  1/20:2007/03/07(水) 18:55:51 ID:Y1rXwoG/
気まぐれな涼風の吹く夜、男は路地を彷徨っていた。
ラガーマンのような隆々たる巨躯、目元を穿つ銃痕をみれば、
誰もが触れることを本能的に避けるだろう。
しかしすれ違う者が振り返るのは、その強面ゆえではなかった。

内海省吾、売春組織の幹部として紙面を飾った男。
系列する風俗店の不手際が火種である。
堅気でも最早その顔を知らぬ者はいない。
8年の監獄生活の間にどれほど世情が変わっても、
冷たい風当たりは相変わらずだった。
261光あふれる世界へ  2/20:2007/03/07(水) 18:56:39 ID:Y1rXwoG/
彼にはひとつの趣味がある。いや、憂さ晴らしというべきか。
それは風俗嬢を罵倒すること。
技術が拙ければそれを、巧みであれば売女とそしる。
にこやかな顔がやがて引きつり、怒りを内包し、
それでもプロ意識で必死に堪える様が愉しかった。
辞めさせた嬢の数は両指に収まらない。

省吾は普通なら叩き出される違反行為も平然としてのけた。
なにしろ裏の世でさえ敬遠されているのだ。
『指名された姫の気運が悪い』
この界隈の業者は、そう結論づけていた。
262光あふれる世界へ  3/20:2007/03/07(水) 18:57:31 ID:Y1rXwoG/
男は肩で風を切りながら、色とりどりのネオンを眺め回した。
獲物を狙う豹のような目は、ふと気配を感じて前を向く。
 そこにはこちらへ向かってくる少女の姿があった。
うつむく頭には光沢の流れる黒髪がその質の良さをしめし、
前髪から覗く小さな唇はふっくらとやわらかそうだ。
黒いブレザーに膝までのチェックスカート、紺のハイソックス。
校則を遵守した制服姿は、同じような服を着崩す周囲の娘と
一線を画していた。

彼女は杖を片手に、点字ブロックを探しながら向かってくる。
しかし省吾がそう悟った時、すでに少女は近づきすぎていた。
「危ないっ!」
誰かの叫びが聞こえる。
赤子が獅子の口へ這うのを見たように。
直後、男にとっては軽い衝撃と共に、眼前の華奢な身体がびくっと震えた。
木の杖が膝に当たる。
騒がしかった路地は局地的に静まり返った。
顔の赤い酔漢さえもが目を背けた。
263光あふれる世界へ  4/20:2007/03/07(水) 18:58:31 ID:Y1rXwoG/
衝突の反動で少女と顔ひとつぶんの距離が開く。
その時、ふぅわりと食べ頃の桃の香がした。
爽やかでわくわくするほど甘いにおい。
当惑のためか、少女は一拍置いて顔を上げる。
 (うおっ……)
その造りに、省吾は息を呑んだ。
光の加減か白い顔に鼻梁は見えず、口さえも果皮をうすく裂いたよう。
そしてくっきりした切れ長の目には、瞳孔に孕む光こそないものの、
黒曜石を思わせる言い得もない深みが層を成していた。
「すみません」
唇がわずかに動き、木琴を叩くように静かな声で言葉をつむぐ。
たったそれだけの事が、しかしひどく幻想的であった。
まるで幽霊や妖かしの類にすら思えるほど、
あえて有り体にいえば美しかった。

落ち着いた少女の態度に、路地の者達は顔面を蒼白にする。
携帯を取り出して3桁を打とうとする者さえいた。
内海省吾にぶつかったとあれば、淡々と謝罪している場合ではない。
地に頭を擦りつけても骨折では済むまい…。
誰もが一様にそう思ったらしい。
だから、男が黙って身を傍らに寄せたとき、皆が目を丸くした。
264光あふれる世界へ  5/20:2007/03/07(水) 18:59:32 ID:Y1rXwoG/
なおも呼吸音の途絶える中、少女は一礼して杖をつく。
肩下までのさらさらした黒髪を眺め、省吾は向きを変えた。
 少女の方へ。
彼の歩は黄色い点字ブロックをなぞりはじめる。
人々は再び落胆した。やはり噂通りだと。
 しかし、省吾には冷たい視線などどうでも良かった。
下賎な邪推をするのは、少女と真っ向で対峙していないからだ。
彼は異性を追っているのではない。
ネオンよりも妖しい蝶を、視界に留めておきたいだけだ。

蝶はいくつか角を曲がってとあるビルに消えた。
青白い看板を見上げれば、そこが手と口で男を満たす場、
ヘルスだとわかる。
 (……馬鹿な……)
省吾は複雑な面持ちでその扉に手をかけた。
幻想が汚れたからではない。
むしろ、本来の邪な目的と稀有な美が結びついた事に
どうしようもない背徳を感じている自己嫌悪が大きかった。
265光あふれる世界へ  6/20:2007/03/07(水) 19:01:09 ID:Y1rXwoG/
「今入ってきた娘を頼む」
札束を置いて省吾が言うと、ボーイ達は困り果てた顔になった。
「確かにあの子なら、すぐにご用意できますが…」
ちらちらと省吾を見上げる。
当然、彼らも男の素性は知っているのだろう。
「で、でも彼女、まだこの業界の経験は少ないんす。
 それに目も見えませんので、十分なサービスは出来かね…」
そこまで言い、相手のひと睨みで彼らは口を閉じた。
「くれぐれも手荒な事だけは、どうか…」
そう後ろから声を掛けただけ、まだ上等だろう。

少女が杖をついていたのは、怪我ではなく盲目であるためらしい。
無論そんな事は男とて理解していたが、果たしてそんな娘を雇っていいものか。
「……ふっ」
考えるうち、男は待合室で破顔していた。
小学生が奉仕していてもおかしくない時勢だ、
障害者が男を取るのに何の不自然もない。
そんな事は誰あろう彼自身が一番よく知っている筈だ。
「ヤキが回るにゃ、ちと早えぇぞ」
コップに並々とビールを注ぎ、男は一人ごちた。
266光あふれる世界へ  7/20:2007/03/07(水) 19:02:03 ID:Y1rXwoG/
ボーイに呼ばれ、省吾は狭く急な階段を上る。
嬢が迎えに出ないとあれば、それだけで皮肉の種とする彼であったが、
今はただ淡々と歩を進めた。
 ノックもせずいきなり扉を開け放つ。
しかし驚きの反応は窺えない。
全体がピンクで統一された部屋の中、ベッドに腰掛けて少女はいた。
脱ぎやすい為だろうか、やはり桃色のネグリジェを身に纏っている。
「お出迎えできず、申し訳ありません」
一定のペースを保つ口調が、丁寧に謝罪を口にした。
しかし、それは断じて世に疎い“おっとりした”ものではない。
少なくとも男はそう感じた。

戸を閉めてベッドに腰掛ける。
少女が振り向いた。
物憂げに薄く開いた瞳が、じっとりと男を捉える。
睨むようにも取れる目、だが不思議と不快さはない。
省吾は言葉さえも忘れ、まるで叱りをうけた子供のように、
その瞳奥の心情を読み取ろうとしていた。
267光あふれる世界へ  8/20:2007/03/07(水) 19:03:04 ID:Y1rXwoG/
「……ごめんなさい。わたしの目つき、怖いですか?」
少女の言葉で、省吾はようやく自失していたことを知る。
「面接の時にも言われたんですが、慣れなくて」
少女は心持ち済まなそうな表情をしていた。
「い、いや。気にはならん」
省吾は動揺を隠すため、横柄な態度で応じる。その直後。
「…ん」
少女はひと言、たしかにそう呟いた。
安堵の声であるのか喜びを示したのか、省吾にはわからない。
ただそれを耳にした時、彼は肺が詰まるほどの律動を意識した。

 ありえないことだ。
今まで何百という美少女を手籠めにしてきた男が、
たかが路地裏で会った盲目の少女ひとりにペースを乱されている。
 確かに少女の貌立ちも上等な部類には入るだろう。
しかし彼は、幾人もの教員を破滅させた美貌・スタイルの持ち主や、
雑誌の取材を受けた女高生、セールスに失敗したジュニアアイドル、
そうした超一級品を飽くまで貪り尽くしてきたのだ。
いくらこの少女でも、それらに勝っているとは思えない。
268光あふれる世界へ  9/20:2007/03/07(水) 19:04:06 ID:Y1rXwoG/
再び考え込んだ省吾の手に、そっと暖かい手が重ねられる。
不意をつかれて肩を震わすと、すぐ間近に少女の顔があった。
白く細い手が男の首を回り、優しく後頭を撫でつける。
「失礼します」
見たとおりの柔らかな唇。うがい薬の味が舌に染みた。
少女は男の上唇に歯を当て、ゆっくりと舌を差し入れる。
しかし縦に顔を合わせるため、鼻がぶつかってやり辛い。
小技を使えど固さの残る口づけ。
しかしそれはかえって、少女が多少仕込まれたことを
生々しく物語っていた。

眼前に閉じられた目を覗き、男は想像する。
彼女の初キスを奪ったのは、あの店員のどちらかか。
麗しくあるべきその記憶に、男を悦ばす術を刻んだのか。
その時彼女は、一体どんな表情でそれを受けたのだろう?
269光あふれる世界へ  10/20:2007/03/07(水) 19:05:06 ID:Y1rXwoG/
男はぐいと少女の肩を押し戻した。
「必死さは認めるが、なってねぇな」
その言葉は、他の嬢にかけた侮蔑の言葉とは響きが違う。
「キスってなぁ、こうするんだ」
彼は逆に少女の首に手を回し、斜めに顔を合わせた。
初めて恋人の純潔を奪った時以来に、胸をひどく高打たせて。
「ん、んぅっ」
少女のくぐもった声が聞こえてくる。
角度を調節した事で、男の舌は容易く少女の舌に絡んだ。
彼女の記憶へ自分を上塗りするように、そっと舌を這わせていく。
逃げる舌を捉え、唇を湿らせ、頬肉を舌先でつつき、歯茎をなぞり。
熱い視線と唾液を絡ませあう。

少女はじっと男を見ていた。
瞳孔に光こそないものの、男は強くそう感じる。
室内にぐちゅぐちゅという水音が響いた。
息が切れると唇を離し、大きく吸ってはまた口づける。
270光あふれる世界へ  11/20:2007/03/07(水) 19:06:05 ID:Y1rXwoG/
やがて少女の口端から、つっと銀色の雫が垂れた。
そのころには彼女の息も相当に荒ぶっており、男の鼻をくすぐる。
これほどに熱心な受けをする者は、久しくいなかった。
誰もが男の巨躯に恐れ、適当にあしらって逃れようとした。
しかしこの少女は違う。心で相手を探ろうとしている。

ぷはっと何度目かに息をついたとき、少女の顔は
酔った様に赤らんでいた。
その唇には太い唾液の糸が引かれている。
「キス、上手いんですね」
息を弾ませ、前髪を額に貼りつかせて少女は言った。
男は思わず唾を呑む。少女のものと思えば甘く感じる唾液を。

聞きたい事があった。
「目も見えずにこんな仕事して、危険はねぇのか」
なぜ水商売をするのか。していてどうか。
風俗嬢がもっとも嫌う質問だ。
しかし、省吾は聞かずにはおれなかった。
柄にもなく心配しているのだろうか。
271光あふれる世界へ  12/20:2007/03/07(水) 19:06:59 ID:Y1rXwoG/
少女は手を膝に重ね、少し首を傾げて物思う素振りをみせた。
気を悪くした風にはみえない。
しかしそもそもが、どんな仕草にも捉えどころのない雰囲気だ。
それは瞳がいかに多くを物語るか悟らせると共に、
五感のひとつを持たぬ故、少女が濃密な人生を歩んできたのだと知らしめる。
歩き、座り、電車に乗り、帰宅する。
それら全てが修羅場なのだろう。
路地ひとつを見ても、いつ自転車に蹴つまづくかという有様。
なるほど肝も据わるわけだ。
男は、なぜこの少女に惹かれるのかを僅かに解した。

「時々こわい事はあります。特に玩具を使われると……」
少女はひろげた手で容を示しながら語る。
確かに暗闇の中、無機質な振動はさすがに脅威だろう。
男の脳裏に、少女の淡みへ脂ぎった男の持つバイブが挿され、
ぐりぐりと弄ばれて愛嬌を歪ませる情景が浮かんだ。
 ぞくり、背筋がささけ立つ。
これほどに息が上がるのは、いつ以来だろう。
272光あふれる世界へ  13/20:2007/03/07(水) 19:08:16 ID:Y1rXwoG/
「すみません、お時間はあとどのくらいですか?」
寝台からやや腰を浮かせ、少女が問う。
男は時計を見やると、既に30分が経っていた。
しかし、彼に時間は関係ない。
「俺の気が済むまでだ」
省吾の声は脅しをかけるような低音に変わる。
少女は電話で、彼の言う事にはけして逆らわないように
言われたことを思いだした。
「わかりました」
少女はやはり冷静に応え、ネグリジェの裾に手をかける。

するすると捲り上げるにつれ、脛が、腿が露わになっていく。
ショーツはフリルのついた可愛らしいものだ。
特別に魅せる脱ぎ方ではなく、色目を使うでもないのに、
それは男が目にしたどんな剥脱よりも狂おしく艶めいていた。

橙の照明に炙られ、雪のように白い肌は幾重にも象られる。
安産を示す若尻のまろみは大人びて、締まった腰つきと併せ
造形美に溢れた。
制服からは解らなかったが、胸の膨らみもじゅうぶんにある。
273光あふれる世界へ  14/20:2007/03/07(水) 19:09:13 ID:Y1rXwoG/
「いい身体じゃねぇか」
ネグリジェを床に舞わせた少女に、男は素直な感嘆を表す。
「…そうなんですか?ありがとうございます。
 ただ最近、少し肩が疲れるんですけどね」
彼女は胸の辺りをさすり、おどけたように笑った。
弾けるような笑顔とはこの事だろう。

しかしそれは、さり気なく恥部を隠す為だと省吾にはわかる。
目が見えようが見えまいが、年頃の恥じらいは変わらない。
どこにほくろがあるか、染みがあるかさえわからないなら尚更だ。
しかし、彼女の身体は愛情をこめて手入れされたらしい。
白磁のような艶肌を自分だけは見られないのが不憫だが。

省吾は、ぎゅっと少女の身体を抱きしめた。
ほっそりしていながら驚くほどやわらかい、少女の体。
「…っ!」
押し殺した悲鳴を、そのままベッドに押し倒す。
「待って、シャワー浴びなきゃ……」
彼女ははじめて早口で抗議した。
男はわずかに人間らしいところを見た気分になる。
「俺なしで浴びられるのか?」
省吾がいうと、少女はすこし不機嫌そうに押し黙った。
274光あふれる世界へ  15/20:2007/03/07(水) 19:10:08 ID:Y1rXwoG/
拗ねたような表情を楽しみながら、少女の下穿きを引き降ろす。
省吾は少女に追い討ちを掛けるつもりだった。
「感じたみたいだな」
股当ての部分を覗いて言う。
清潔そうな下穿き、清楚な茂みを粘り気のある糸が繋いでいる。

ところが、男に意に反して彼女の反応に不満の色はなく、
むしろ陶然としてさえいた。
「……さっきのキスね、すごく、上手だったから」
少女は小さく呟いた。
世辞かもしれないし、本音とも取れる言い方。
さっきのふくれ面が瞬く間に蕩けている。
猫並みの気まぐれに、今度は男が動揺する番だった。

「キスだけでだらしなく濡らして、恥ずかしくないのか?」
脚をひろげさせ、若草を掻き分けて潤みへ指を埋め込む。
膣内をかるく弄るだけで恥ずかしい涎を垂らすそこは、
少女のふわりと開いた唇を思わせた。
「…ぅん、っつ……」
少女は小刻みに腰をくすらせ、小さく悲鳴をあげる。
そして時おり思い出したように、静かな声で何か呟いた。
「あなたの手、あったかい」
その熱い吐息に誘われるように、呟かれた男の気は昂ぶっていく。
 天性の才能だ。省吾はそう感じた。
275光あふれる世界へ  16/20:2007/03/07(水) 19:10:54 ID:Y1rXwoG/
「体、がっしりしてますね。こんなひと、あんまり来ません」
気息奄々の体でなお、的確に相手の心を満たす。
胸を揉み潰されて赤子のような寝顔を覗かせる。
 あ、いやと身をよじるその初々しい喘ぎも、
ぼうっとこちらを眺めていたりする双眸も、
ともすれば、とろとろと滲み出る蜜さえも計算ではないか。
 彼女は目を使わぬ代わり、こちらの数手先の心を読んで
自在に相手を満たしているように思えた。

細い肢体はほかほかと暖かく、女芯を弄りつつ舌を這わすと、
頭がくらくらするぐらい薫り高い。
腋にほんの少し芽をだした毛を舐めると肩までが震え上がる。
包皮を剥いて肉芽を剥きだし、直にこすりあげてはまた戻し…
と繰り返せば、ぴくぴくと充血するそこと同様、
聞く方が切なくなるほどの愛らしい鳴き声をあげる。
276光あふれる世界へ  17/20:2007/03/07(水) 19:11:49 ID:Y1rXwoG/
息をすることも忘れるほどの長い責め。
二指を差し込めば、熟れすぎた実のように果汁が滴るほどだ。
それでもなお、少女には品がある。
 (ちとやりすぎたか……)
省吾は顎に滴る汗を拭った。
互いの体は滑るほどの汗にまみれている。 
男の猛りははちきれる程になり、射精したあとのように
しとどな先走りが伝っていた。

持久走を終えたような汗と吐息で、少女が身を起こす。
「……わ、わたし、ばっかり……悪い、ですし……」
押し倒すように、小柄な肢体は男に跨った。素股だ。
無意識に自分も満たされる体位を選ぶほど、
本当に余裕がないのだろう。
柔らかな重圧が男の腰に纏いつく。
「……っん、ぅっく……!」
割れ目に屹立がこすれただけで、少女は顔をしかめた。
一瞬重さが増し、軽く達したのだとわかる。
その顔もひどく愛らしい。
277光あふれる世界へ  18/20:2007/03/07(水) 19:13:06 ID:Y1rXwoG/
「う、動きますね」
はにかんだ様な表情で、彼女はゆっくりと腰をずらした。
意外に引き締まった腿と蕩けそうな蜜壷に挟まれ、
 男はたちまちに強い射精感に襲われる。
しかし一秒でもこの時間を多く味わいたく、必死に堪えた。
 少女もまた小さな身震いを限りなく抑え込みながら、
男が極みに達するまで歯を食いしばって腰を使った。
みちゅっみちゅっとどうしようもなくいやらしい水音が響く。

 省吾はただ脚を強張らせて甘受していた。
普段の彼なら、じれったいと結合を強要するところだ。
しかし、今は少女がそれを望まぬ限りする気はなかった。
「あっ、あ……」
少女は燃えるように赤らんだ肢体を弾ませる。
髪から幾滴もしずくが零れおち、生傷だらけの胸板を濡らす。
いつまでも、いつまでも。
「ぬ……ぅお、おぉ……っ!!」
省吾は初めて、女の責めに音を上げた。
ぬるっぬるっと亀頭をこする感覚は新鮮だったし。
なにより、唄うような表情で快楽を貪る少女の表情が、
あまりにも神々しすぎた。

「い、ぃ………イッちゃ…あ………!!」
彼女がついにそう叫んだとき、男もまた折れそうなほど怒張を反り返らせる。
どこにそれほど溜まっていたのかというほど盛大に噴きちらし、
少女の桜のような乳房、小鼻、髪までを真白く穢した。
278光あふれる世界へ  19/20:2007/03/07(水) 19:13:56 ID:Y1rXwoG/
「すごく、気持ちよかったです」
顔を拭いながら微笑む少女に、省吾はあらぬ方を向く。
「…ああ、こっちこそだ」
体中の鬱屈を絞られたように、気分はよく晴れていた。
男はふと背中をつつかれ、振り返ってしばし言葉が出なくなる。

 ちゅくっ

「……っは。キス、練習しますね」
変わらず静かな抑揚で、しかしどこか色のある言い方。
客の全てにそうした事をしていないとは限らない。
しかし省吾は、二人の口を繋ぐ銀色の糸をじっと眺めていた。

少女は服を整える男に薄い視線を送る。
もしもその高貴な目がはっきりと開かれていれば…、
男の理性など、とても保ちはしないだろう。
「また来てください」
もう二度と来ないで、いつもはそう言われていた。
もう二度と来ねぇよ。いつもはそう言っていた。
「ああ、また来させてもらう」
279光あふれる世界へ  20/20:2007/03/07(水) 19:14:49 ID:Y1rXwoG/
気もそぞろなボーイの横を過ぎ、男は後ろに声を投げる。
「安心しな、何にもしていやしねぇよ」
扉を開けると、たちまちに眩い光が目に飛び込んだ。
 (夜が明けちまったか……)
上空からやわらかな視線を感じる。
省吾は一瞬、眩しそうに目を細め、やがて揚々と歩きはじめた。

少女の生きる、光あふれる世界へ。


                 終
280名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 20:18:27 ID:POXZ3ien
GJ!
281名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 00:49:14 ID:U+43qYCl
なんかもう、やばい、凄くいい、感動した、GJ!
282名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 01:14:25 ID:OHS1uLuf
Nice!
これで二回は、抜ける
283名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 01:58:03 ID:mi4KrGqG
GJ!
284名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 23:36:31 ID:/fagOCwM
ほす
285名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 09:30:38 ID:i43TeRBQ
286名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 10:42:16 ID:+UlPrdr5
>>279
気がついたら涙が出てた。GJじゃ言い足りねぇ。
287名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 01:38:30 ID:V3SIo1gu
GJ!

レイープ →恋愛きぼん
288名無しさん@ピンキー:2007/03/23(金) 21:03:48 ID:3V3iRpac
保守
289名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 18:30:22 ID:mH7JL879
保守
290名無しさん@ピンキー:2007/04/01(日) 03:59:47 ID:vmMnetCS
ほす上げ
291名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 06:44:29 ID:IsB+jp7j
保守
292名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 02:59:42 ID:ld8c9zba
あげ
293名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 03:00:57 ID:ld8c9zba
リロード忘れて上げてしまった…
294名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 22:46:10 ID:YnWblCgU
あげる
295名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 23:10:12 ID:MiqRXpF/
保守
296名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 11:05:35 ID:GmbMlyJQ
297名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 13:38:14 ID:EY5FV+R4
昔、どっかでみたONEのみさき先輩のSSが面白かったなぁ。
盲導犬もので、慣れてきた時にレイプ未遂とかの展開のやつ。
最後はハッピーエンドだったけど、なかなかに考えさせられる内容だったわ
298名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 14:39:22 ID:r9buSqje
どっかで見たって事は詳細は聞けそうにないかな?
残念。
299名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 19:22:57 ID:9ll9+XBC
みさき先輩で盲目の虜になったな
300名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 02:06:52 ID:c+d5nFy4
301名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 02:13:55 ID:/jm17bL3
>>297
光と影を抱きしめたまま、だったかな。
302名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 14:49:47 ID:dNoCNvDe
死ぬ
303名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 19:32:07 ID:t7ml07zw
>>23
後天性なら美少女もいるでしょ。白内障とかで。
304名無しさん@ピンキー:2007/04/25(水) 19:52:32 ID:Y5hLy1bC
>>301
それだ!
まだあるのかな?ちょっと見てみようか
305名無しさん@ピンキー:2007/04/26(木) 20:08:06 ID:NunR4fJY
地球へ…のフィシスはいいヒロイン
306名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 11:56:40 ID:Mz5a1kH/
保守ー。
307名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 08:14:25 ID:Fcky+YYk
保守!
308名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 12:14:32 ID:bXl2VIeT
>>39で泣きそうだ
309名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 19:23:50 ID:yLIE8cH9
http://w10.s58.xrea.com/
まとめてきた
310名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 19:26:54 ID:9tA3t540
まと……め?
なんだか、俺には三作品がそのまま一つに突っ込まれてるように見えるけれど……。

311名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 19:49:41 ID:9tA3t540
ttp://kasamatusan.sakura.ne.jp/cgi-bin2/src/ichi89382.zip.html

とりあえず、分けてみた。
仕様は無口スレの保管庫風。
312名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 20:18:41 ID:S9Xsn3MY
GJ
>>71を久しぶりに読んだら泣けた
浦沢直樹のモンスターでヨハンが目の見えないシューバルトに
風景を見せたのを思い出した
313名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 20:30:44 ID:oxaSQO25
hoshu
314名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 00:31:47 ID:rmVpFqHc
男を盲目にしてみたらどうだろう?
んで女が助けるって形で
315名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 00:56:34 ID:59sbim+b
盲人SSって日常が分からないから凄く書きにくいんだろうな
このスレを参考にすれば、ちょっとは書きやすいかも
ttp://ton.2ch.net/body/kako/1004/10043/1004374543.html

俺?
俺は……
316名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 11:56:29 ID:2NCkYtR7
素直に面白いスレだな、これは。
317名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 17:21:05 ID:bp4aCCve
保守age
318名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 00:49:08 ID:eNa/ACSv
う〜痛いよ〜目がちかちかするよ〜
319名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 07:23:56 ID:qxYyh4BC
さゆりさんが神過ぎてなかなかツラい
320名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 20:40:29 ID:Ni3LmcPz
盲目フラグktkr
321名無しさん@ピンキー:2007/05/29(火) 20:54:52 ID:lj16HTbo
保守あげ
322名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 00:18:32 ID:dmVxBSYZ
生来目が見えない人はどんな夢を見るんだろう
323名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 00:34:19 ID:kyLLvoUr
現在、九州ローカル番組「ドォーモ」で「見えない生活」コーナー放送中
視聴出来る方はご覧あれ
324名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 13:35:55 ID:n72lvxv5
>>322

8 全盲人 [email protected] 01/10/30 06:22 ID:???
 そうですね。私は生まれつきまったく見えませんが、音声のみの夢を見ますよ。
 途中で見えなくなった人でも、だんだんそのような夢が多くなるといいます。

>>315のスレタイ
325名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 10:31:16 ID:UymirNfZ
ほしゅ
326名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 22:44:59 ID:IYpMTIMw
少年チャンピオンで連載中のヘレンがかわいい。
目耳口の三重苦ながらけなげに生きている感じが。
長期連載に移行してほしいけどいま新連載陣が混乱しているから無理だろうな
327名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 21:27:13 ID:i25UkZed
>>326
そんなマンガがあるんだ…
読んでみるか
328名無しさん@ピンキー:2007/06/09(土) 13:20:37 ID:HvSBFx8W
329名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 00:42:48 ID:VOw3Enge
330名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 16:21:26 ID:yX4YcWbR
>>303

今、途中失明で多いのは「糖尿病性網膜症」

昔多かったのはアルコール依存症者の「メタノール誤飲」

萌えないべ?
331名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 16:49:57 ID:ZgzeZhAz
>>330

(´,_ゝ`)プッ
332名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 21:27:52 ID:Q3+g41S7
昨日、僕は…
人を犯した。

その人は目が見えなかったらしい。

その裸体は美しく僕の興奮を更に高めた。

333名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 22:32:01 ID:wjAs7FUc
仕置きという名の宴で双眼を横一文字に切り裂かれて失明したケースは?
334名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 01:09:31 ID:h4/IYgbZ
>>333
そんなシグルってる娘はイヤだ。
335名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 04:17:59 ID:AvkhCl23
盲目の少女と聞くとイノセントな印象を持つだろうけど
一見おしとやかだけど実は凄い淫乱な盲目少女とか
全く悲壮感を感じさせないお笑いムードメーカー的な盲目少女とか
野心あふれる本性邪悪な盲目少女はどうなんだ?
336名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 09:58:25 ID:Cd6wOiD1
>>335
書いちゃえ。
気に入らなければスルーすればいいし、気に入ったら書き手さんをGJ
と称えればいいんだし。
337名無しさん@ピンキー:2007/06/13(水) 00:35:18 ID:WWKyjEgh
現在、九州ローカル「ドォーモ」で「見えない生活」の続きを放送中
白杖の携帯が道路交通法14条で定められているとは知らなんだ
持たずに事故に遭うと不利になるそうな
338名無しさん@ピンキー:2007/06/13(水) 01:28:25 ID:1Af9jJJI
flvでくりょ。
339名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 05:28:20 ID:dS2EhUr1
>>326
この人がREDのフランケンふらんの作者と知ってちょっとおどろいた
あっちの作風はかなりえぐいというかグロイので
いつ盲目少女のモツが飛び散ったり、手足切断されたり、脳改造されたりするか不安でならない
340名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 05:34:05 ID:dS2EhUr1
そういえば、一見純真で心優しいけなげな少女に見えるけど
そもそも盲目になった交通事故の発端が、両親を殺すためにわざと運転を誤らせて事故を招いたらしい
ということを問い詰められて否定していなかったので
本性は結構狡猾で邪悪なのかもしれない
341名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 00:14:37 ID:+xQ24bH2

              __,. -―――-- 、
           ,.  ´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`  、
            /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
.         /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
        /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.∧        私、残酷ですから
       f:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!\:.:\:.:.:.:.:',:ヽ:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ
        |:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.!:.:i:.|__ヽ|:.:\:.:.|:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i
        |:.:.:.:.:.lム:.:.l:.:.:.:ト、N_,r=≠ミ、N、{\ド=-:.:.:.:.:.:.:.:l
        |:.:.:.:N,r≠ミ、N   イトッ豸 }} ∨:.:\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!
        ヽ:.ド {{トt豸     弋tり 〃  V:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.         ヘハ.弋:り      ` ̄´     v:\:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.ヽ.
        |:.:.|                  |:.:.:.:.ヽ:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.ヘ     
         j:.:.ハ.  丶           ハ:.:.:.:.:.ハ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ     
          /.:.:.:.:ヘ    ___         . ' |ヽ:.:.:.:.|:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:|
.         /:/.:.:.:.:!:.\ `こ¨      /   !:.:.ヘ:.:.:!:.:.:.|:.:.:.:.!:.:.|
       |:f:!:.:.:.:.|:.:.:.|:\   _ .   ´     |:.:.:.:ハ.:|:.:|:.|:.|:.|:|:.:.j
       |ハi:.:.:.:.:!:.:.:.!:.:.:|: ̄|        ノ.:.:/:.:.:リ:.:|:.|:.|:.|:l:./
         ヽ:.:.:ト、:.:.\:.:.:,rL.___ _≦ィイ≦イノイ/ノイイ′
           `ヾ ` ̄`7    /工ハ   廴_
            _,. -=≦{.    /    ハ.   }三≧=- 、_
      _,. -‐fニ三三三ヘ.__/\  /\_/三三三三::|` ー-、
     /´   |三三三三∧   厂`{.   /三三三三三!    ハ
    f      |ニ三三三三∧ `7   '. /三三三三三ニ!    |
    |      |:三三三三三∧/    ∨三三三三三三|     :!
    |      !三三三三三三ヘ    /三三三三三三ニ|    {
342名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 00:56:05 ID:aHOHpfZQ
何かの拍子におもらししてしまって恥ずかしがるヘレンをふきふきしてあげたい
その場合筆談で恥ずかしがるのだろうか
343名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 21:05:45 ID:QKbjNAt1
あ、あの…保守してもいいですか?
344名無しさん@ピンキー:2007/06/20(水) 22:34:30 ID:o4qJaJ+f
保守☆
345名無しさん@ピンキー:2007/06/23(土) 21:23:56 ID:eLOT8D4i
保☆守
346名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 21:53:07 ID:KGTqOI8g
ほ☆しゅ
347名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 20:52:32 ID:ulQlFV4T
このスレでおkなのは盲目の女の子だけ?
盲目の男と連れ添う女の子の話とか…スレ違いかな。
ヤンガンの死が二人を〜とかさ。
348名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 12:41:46 ID:32+l7MzG
>>347
まずは書け。
話はそれからだ。
349名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 13:52:37 ID:0Htu558P
>>347
「美少女」が女性だけの称号と思うなよ
350名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 16:37:42 ID:FbvWsLNa
>>349
美少「女」が女じゃなくてなんなんだw
351名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 16:46:30 ID:B2AfXchD
『美少年』は『美しい男子と女子』を示す言葉だけれど、
『美少女』は最近出来たばかりの『美しい女子』という意味しか持たない言葉。


でも、需要があるならば男が盲目でもおkだと思うんだぜ。
投下プリーズ!!
352名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 18:20:10 ID:LCpAGRBb
>>349
たぶんモマエが求めてるのは「男の娘(おとこのこ)」だ
353名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 04:45:40 ID:p/8SL62N
>>351が求めているのは「男の娘」ではない
もっとおぞましいなにかだ
354名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 13:51:44 ID:ye8qvp+v
漢の娘

「てやんでぃ、目が見えねぇからって何だってンだ!
 いちいち周りなんざ窺わなくても、歩くぐら…きゃっっ!」
「ほら、危ないじゃないか。膝見せてごらん」
「せぇな。こんぐらい、どうってことねぇや……」
355名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 22:26:08 ID:QZwMHB0/
ツンデレフラグktkr
356名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 22:10:14 ID:xSHn1E0r
保☆守
357名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 14:02:52 ID:NxZ2gRcg
10スレでも20スレでも伸びそうなネタなんだが、何度も出てる通り
書き手から言わせればハードルが高いんだろうな…

だが、書き手諸氏には是非挑戦していただきたい。おながいします
358名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 14:07:55 ID:NQ5Me6YQ
今日も光(SS)が見えないわ
359名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 11:50:30 ID:yLiIpEyc
今日も保守
360名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 23:56:14 ID:SOeDAzpE
ほs
361名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 01:05:15 ID:XFe17EhK
このスレを見て乙一の暗いところで待ち合わせを思い出した。
あれは結構いい話だったなぁ。萌えたし。
362名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 22:08:20 ID:KXCriLY5
363名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 08:46:20 ID:v80v0Rjo
朝から保守
364名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 08:58:40 ID:DztdFdgX
保守。
もうココ俺しかいないみたいだな…orz
365名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 13:57:06 ID:LMM4xw/e
ノ ミテルヨー
366名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 16:54:58 ID:XOSXKsDz
ノ ミテルヨー (二人目
367名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 19:13:19 ID:5RbKEVht
ノ サンニンメダヨー
368名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 20:04:52 ID:eGw8jw51
過疎だからって無意味な点呼止めろ
うぜぇ
369名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 20:17:41 ID:M8EhNDl8
ここ数年、こういう書き込み増えたなぁ……。
370名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 23:18:53 ID:PgUbpJpW
うざくて何が悪い!?
371名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 23:55:18 ID:DztdFdgX
>>368
ごめんなさい…
声出してもらわなきゃあなたがいるかわからないから…
372名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 02:23:10 ID:E2FQH0EL
何人いたところで、役に立たないスレの寄生虫の乞食なんざいらねぇんだよボケ
373名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 12:27:45 ID:8yeV6bYH
このスレだけは落とさせない
374名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 15:01:38 ID:qIe5Frh6
他スレの神作家にこのスレに来てもらうように誘導するのは駄目なんだろうか?
375名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 19:45:08 ID:wrDU7Wxn
空気を読んで程度をわきまえてやるなら良いんじゃない?
あんまりやりすぎるとただの嵐だけど。
376名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 21:30:17 ID:k7kV4tnw
>>374
そんなうざいことしやがったら誘導もとのスレごと潰すんで覚悟しておけ
377名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 21:40:17 ID:rqHTLBzj
以下、何事も無かったようにスルー。
378うふ〜ん:うふ〜ん ID:DELETED
うふ〜ん
379名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 22:41:12 ID:ENsIGQjx
口だけか?
おら、やってみろよ
おらおら。これ屁たれがぁ
380名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 22:54:00 ID:XUM6p4fv
和風スレに帰ってくれ。
381名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 02:06:11 ID:KwGo3xRu
口だけの自称自営業自宅警備員はこっちにも粘着してんのか
役に立たない自動保守だと思ってNG登録してスルーすると少し気分が楽です
382名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 02:40:46 ID:uFcv5A3h
なんにせよ、他スレまで行くのは迷惑以外の何物でもない希ガス
まったりと待っていれば、誰かが拾ってくれるさ
383名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 04:07:10 ID:qMPdIb02
どっかのスレで「盲目の女の子だけどいい?」的なこと言われたら誘導すればいい
それ以外はウザいだけになってしまう
384名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 04:13:34 ID:2Vpk49gQ
このスレも監視対象にいれとくんでくれぐれも舐めた真似はするなよ?
いいか?
警告はしたからな・・・・・
385名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 14:37:51 ID:Gc7BCA80
お前に何ができるんだ糞ニート
386名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 18:33:41 ID:qsstGIeJ
387名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 03:39:17 ID:ULbqsofd
おまいらスルーしろよ…
388名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 07:24:12 ID:lSP+MGhf
伸びてると思ったら基地外か
389名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 21:10:30 ID:STrTrZ70
test
390名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 14:09:01 ID:XlNKupVz
>>389
IDカコイイ
391名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 16:19:56 ID:Xq9cDpMo
ストラトラゼット70
392名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 17:49:16 ID:88/MFZFt
トラトラワロスwww
393名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 22:02:21 ID:FYrITIqx
光あふれる世界への話もっと読みたいよ。
394名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 10:55:48 ID:GhABDIFb
俺たちにはただ待つ事しかできないのか…
395名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 01:58:26 ID:VAkb/rWx
>393
俺何回も読み返してる
396うふ〜ん:うふ〜ん ID:DELETED
うふ〜ん
397名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 09:38:48 ID:AfoIVVtc
今日、盲目の美少女を見た。
普通に歩いていたので何も出来なかった。
ヘタレな俺を叩いてくれ。
398名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 09:42:21 ID:KCpyL5jU
>>397
ばかっ!(ビシッ
だめなひと!(バシッ
399名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 09:58:35 ID:kcXUB1C2
そういや、盲目な人でも結構普通に歩いてたりするよな。
あの杖捌きは訓練するのか自然に身に付くのか、どっちなんだろ。
400名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 12:04:21 ID:YtLo7be0
いや、一人で歩くときは絶対に杖もってるし。折りたたみ式のやつとか

生まれつき盲目の人と、後天的に目が見えなくなった人って
やっぱ後者の方がつらいのかな?
勝手な妄想だけど
401名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 18:11:31 ID:AHwXjlYS
チキンを食べた事のない人ともう一生食べるなと言われた人の差と考えれば
後天的な人のほうがつらい気がする。
まぁ盲目はもっと直接的な問題か…。
402名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 18:58:14 ID:yVHPuL8J
>>401
なぜチキンwわかるがwww
403名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 19:00:53 ID:JFCOR/Vq
おまえは今まで食べたチキンの本数を覚えているのか?
404名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 20:15:34 ID:W5G5dSqw
聞きたいかね? 昨日までの時点では9万9882本。
405名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 22:05:13 ID:AHwXjlYS
盲目のチキンな女の子をたべたい

           byアーノルド
406名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 03:29:05 ID:mlAFSDVs
>>404
よく覚えてるなwww
俺の場合、ハツが大好きだからなあ、結構喰ってそう。
407うふ〜ん:うふ〜ん ID:DELETED
うふ〜ん
408名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 05:11:35 ID:QHUHf7Bj
>>406
そういう時はトレーズ様乙と言っておあげなさい
409名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 10:24:16 ID:ywUWWVCr
>>404
お前が25歳なら産まれた時から毎日8000本近く食べてる。
410名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 18:24:47 ID:u51iilKK
>>409
きっと鶏肉の筋繊維の数なんだよ
411名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 23:10:01 ID:SXM7Z1n8
404がチキンだと思ってるものがチキンラーメンの麺だったりすると悲しい
412名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 12:13:01 ID:xalQV6zc
チキンラーメンしか作れない盲目の女の子とチキンを賭けてチキンレースしたい
413名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 16:20:00 ID:i4L4eU8/
>>409
俺の勘違いかもしれんが毎日8000本食ったら13日で目標超えね?
その計算だと毎日11本じゃね?
414名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 01:16:04 ID:4N+AX9kO
>>413
それでも相当な数に変わりない。
415名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 22:49:06 ID:H1o/blrY
ニャ━━━━ヽ(゚∀゚)ノ━━━━ン!!
416名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 00:58:22 ID:qgb/7sOr
追い付いた、

ここで視能訓練士の俺がきましたよっと、

まだ新米だからかもしれないが
「盲目」の「美少女」にはお会いしたことがないです
417名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 01:08:14 ID:kPck7lju
まぁ障害があると暗い顔になるのはしょうがないしな
先天的な盲目なら笑い方すら知らないだろう
418名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 02:39:28 ID:w+lVbuRD
>>417
見えなくても楽しい事がありゃ笑えるんじゃね?
知らんケド
419名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 14:12:48 ID:6Uz++Och
単純に音楽とか?
420名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 15:32:22 ID:037m2LPR
自分の境遇を悲観している盲目の美少女が最後に笑ってくれる
っていう、ほのぼの純愛系の電波を地上デジタルで受信した。
発信者の方は、わかりやすく文章にまとめてください。
421名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 23:14:09 ID:NrrNGEvE
☆!
422名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 13:37:48 ID:lM5+lrwz
何年か前に白杖ついた可愛い子は見かけたことあるな。
けっこうにっこりした感じで、駅ビルのファミレスで何回か見た。
ちょっとニキビが多かったが、今はこざっぱりした顔になってるかなー。
423名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 04:04:37 ID:syMd1joo
現実問題「化粧をする」という作業を他人に任せるか、それとも
すっぴん美人であるかでもないと、なかなか盲目の美人とは
遭遇できそうにないよな・・・
424名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 03:15:47 ID:DV65QELv
>>423
希少であるからこそ愛で甲斐があると思わないか?
425名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 04:15:47 ID:90/05aeZ
つうかエロ妄想するときにありふれた側にばかり落ち着いてどーすんのよ?

盲目じゃなかろうが世の中そんな美人や可愛い娘ばっかり居ねーっつって
パっとしない娘やブサイクばっかり出てくる話を読みたいか?
426名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 22:47:30 ID:NnmeWQNq
盲目であろうが無かろうがブスに人権なんてねぇよ
ブ男はまだ性格が良くても悪くても存在価値はあるが
ブスは性格が良かろうが存在価値なし
ひき肉にした後豚の餌だな
427名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 22:56:47 ID:R9QohfRN
NGID:NnmeWQNq

他スレも荒らしてるからスルー推奨
428名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 00:17:47 ID:Z1WRkD+E
>>426
豚が可哀想だから止めておけ。
429名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 13:54:45 ID:GCQzT5n7
好きになったらどんな顔でもかわいく思えるさ

つ「恋は盲目」
430名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 15:37:27 ID:ffTeq5EK
まあID:NnmeWQNqがブ男だというのは良く分かったが。
それに自己紹介してることに気付かない辺り、頭も悪いんだろうな。
431名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 22:34:17 ID:XHDDnLWo
愛と吐き気は紙一重ということだ―――エディ・マーフィ
432名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 17:24:42 ID:02t7sWN/
>>429
誰が(ry
433うふ〜ん:うふ〜ん ID:DELETED
うふ〜ん
434名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 00:11:58 ID:H9nXr4zm
>>433
つまり盲目少女が排泄しているのを見たいって事か?
ばれないからいいかもな、そして死ね!
435名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 02:15:21 ID:o23T4xZr
>>434 オモロナイワ
436名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 23:59:22 ID:tBBr98A9
保☆守!
437名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 21:25:42 ID:arYnD5Gv
お盆休み保守☆!
438名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 21:41:38 ID:QMzLktl5
439名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 23:43:01 ID:u6lE915N
こんばんは
初めて来ていきなり投稿するのも失礼かと思い、許可をいただきたいと思うのですが、よろしいでしょうか?

なにせ、こういう所は馴れないもので…

駄作だと思いますがよろしいでしょうか?
440名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 23:47:56 ID:wVoh+0Y7
>>439
誘い受けうざい
あといちいちageんな
441名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 23:52:19 ID:Oi21YnT+
とりあえず投下プリーズ
442名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 23:59:34 ID:oFSzs8Qm
まぁこれだけ大層に御託並べておいて区粗みたいな駄文だったら遠慮なく叩くけどな
そこんとこよろしく
443名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 00:31:15 ID:b3X8VKkN
とりあえずよく言われること
・前置き(コレぐらいの分量のこういう内容の物を落としますよーとか)は推奨だが許可をとるのはウザい。あと自分で駄作思うなら投下するな
・sageろ。ただでさえ夏で変なのが寄って来るんだから
・叩かれても泣くな。スルーされたらそれが感想だと思え。だからといってGJもらったからって全レスは見てて恥ずかしい
これだけふまえりゃ後は内容次第
444名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 11:19:21 ID:XixyrXqR
了解
叩かれているのは慣れている
逆ギレはしない
後更新が遅くなるがそこのところは分かってくれるとうれしい
445名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 11:32:19 ID:xn/qNQdj
トリップはちゃんとつけてね。
446名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 11:33:42 ID:K9B0xWCE
>>444
だから、sageろってば。
447名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 15:44:47 ID:nGuQ+Kzq
なんかココの住人は必要以上にピリピリしてるよな…
落としたい奴の陰謀と思える程に。
とりあえず投下待ち
448名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 23:53:25 ID:/yQ5Bfsf
半裸で待つ
449名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 00:19:55 ID:sDwpD0oz
全裸で正座して待つ
勿論ネクタイは忘れない
450名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 00:20:56 ID:qYGNCNVV
ま、大方「叩く」とか言ってるヤツは区粗以下の嵐だがな。
451名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 00:22:12 ID:brYL1PxL
糞みたいな駄文や、中途半端な細切れ投下は勘弁な?
あとうざいコメントも止めろ
くだらんものは遠慮なく叩くけどな
452名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 00:23:04 ID:qYGNCNVV
あ。さっきの書き込みは荒れるからナシで。



オレは全裸で剥いて待つのぜ!!
453名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 00:25:48 ID:brYL1PxL
>>452
自演うざいよ?
454名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 00:33:41 ID:qYGNCNVV
その言葉。リボンつけて返す。
455名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 05:40:56 ID:khPIZs5M
了解と言いながらsageてない時点で既にダメだろこれは
456名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 19:01:01 ID:fJRQeai/
スマン
話がまとまらないからまだかかる…
後sageって何?
457名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 19:07:12 ID:W/EPNtzL
もう説明するのメンドイから、とりあえずJane入れとけ。
458名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 21:21:31 ID:YkaPltxE
>>456-457
知ってるか?
ここは未成年立ち入り禁止の板なんだぞ?
459名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 21:30:48 ID:W/EPNtzL
えー。
この前から18歳になったら出入りしても良くなったってけーねが言ってた。
460名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 07:06:55 ID:HBY9Ut1L
こ、こいつは釣りだってわかってるのに手を出さずにはいられねえ・・・!
461名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 11:15:49 ID:JbM7bHiJ
なんという東方厨。
そして、>>460は間違いなく風神録を買い逃した。
462名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 22:28:13 ID:qhr6udKz
ほにゅ
463無題:2007/08/23(木) 18:07:55 ID:oj2EPf4P
え〜自分の携帯容量一杯に書きましたので投稿します
後私は18です
まだエロはありませんのでゴメンなさい


彼女は毎日虐待を受けていた
理由は単純
《気味が悪い》それだけ
それだけで義理の父母、義理の兄弟、同級生だけではなく上級生まで
彼女は顔も体も健全なら【美少女】の分類にはいる
だが目の辺りは酷い火傷がある
このせいで光を失い、苛められる
手術をすれば治るかもしれないが彼女にはそれをする程の財力も支えてくれる人物もいない
だから、彼女は未だ光を見ることはできない
だが彼女は希望だけを捨てなかった
いつか死んだ母が聞かせてくれた物語で学んだ『もの』を待ちながら…
彼女は耐えた
16年間、長い長い年月を耐えた
目の見えない彼女は逃げることができない
戦うこともできない
周りの人物もアテにできない
まるで独房、いや収容所の生活のように酷かった
それでも耐えた
彼女が待ち望んだのは『助け』でもあり『希望』でもあり『未来』でもある

そう
彼女は『愛』が欲しかった
464無題:2007/08/23(木) 18:19:08 ID:oj2EPf4P
短いですがとりあえずここまで
続きは一週間以内で仕上げてみせます
ところでjaneって何ですか?
後エロは必ずいれてみせます
465名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 19:06:44 ID:ENg5QBDE
>>464
sageろや
466無題:2007/08/23(木) 19:17:28 ID:oj2EPf4P
短いですがとりあえずここまで
続きは一週間以内で仕上げてみせます
ところでjaneって何ですか?
後エロは必ずいれてみせます
467名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 21:48:10 ID:umlqadRc
ま がんばれ。
あと、メールアドレス欄にsageと打ち込むと皆しあわせ。
468名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 22:01:45 ID:4e1ktNMi
あと一週間の我慢か
469暗愚丸:2007/08/24(金) 07:40:46 ID:yCBw1Y4R
ども、初めまして
何となくネタが浮かんだので、ちょい短いですが投下します
470『恋、薫る』:2007/08/24(金) 07:42:42 ID:yCBw1Y4R
 かっ……かっ……かっ……かっ……
「今日も元気ですね」
 この半年で聞き馴染んだ音に、飛鳥井千草(あすかい ちぐさ)は顔を上げた。
 平均的な体格を黒いズボンと白いシャツで包み込み、その上に黒いエプロンを掛けた千草は、二枚目半の顔立ちに笑みを浮かべる。
 人通りの多い道に面した花屋、アスカの軒先からその音が聞こえた方に視線を向けた。
 白杖で敷石を叩きながら、一人の少女が歩いてくる。
 どことも知れない場所に瞳の焦点を向け、周囲の人が避けるのを気にもとめない少女。
 艶やかな腰まである長い黒髪に真っ白な袖無しのワンピースを纏っている少女が、アスカの前でぴたりと止まった。
「飛鳥井さん、こんにちは。今日は笹百合が入ったんですか?」
「いらっしゃい、姫野木(ひめのぎ)さん。ええ、笹百合に、紫陽花、野花菖蒲や雪笹なんかも入ってますよ」
 少女、姫野木薫(かおる)の問いかけに応えながら、笹百合を一本手渡す。
 ほんの少し鼻を近づけて薫りを確認する姿に、いつもと同じ胸の高鳴りを感じていた。
「本当に良い薫りです。それでは、今日はこれを十本ほど頂けますか?」
「はい、いつも通りでよろしいですね」
「お願いします」
 彼女の言葉に、千草は微笑みを浮かべる。
「それでは、しばらく待っていて下さいね、直ぐに車を出してきます」
「いつも、ごめんなさい」
「いえいえ、気になさらないで下さい」
 済まなさそうに頭を下げる薫に、慌てて言葉で遮る千草。
 これは千草にとっても嬉しい時間なのだから。
 笹百合を十本ほど取り出して、手早く包装する。
「木船君、僕はお客さんを送ってくるから、しばらく店番をお願いするよ」
「はい、解りました。いってらっしゃ〜い」
 店員の少女、木船のどこか揶揄するような響きに、苦笑を浮かべる千草。
「それじゃ、今車出してきますから。少し待っていて下さいね」
「はい」
 申し訳なさそうな薫の声に、笑みを零しながら千草はガレージに向かった。




 両親が事故で他界し、サラリーマンだった千草がアスカを継いだのは、僅か半年前のことだった。
 入社した当時はお荷物扱いされていた部署に配属されて、僅か一年で社内でも一〜二を争う好成績を収めるほどに成長させた実績があった。
 だが、直接の上司が冷眼を向けてきて、千草よりも下のあまり仕事の出来ない部下を厚遇し続けたことに、いい加減嫌気がさしていた所だったから。
 渡りに船と言ったところで、以前からいた店員の手助けもあって開店した日に、千草は薫と出会ったのだ。


 かっかっ……と、アスファルトを何かで叩くような音が聞こえてくる。
 それが自分の後ろで停まったことに気づいて、小首をかしげる千草
「花を頂けますか?」
 穏やかな優しい声音に惹かれるように振り返った千草は、一瞬言葉を失った。
 白いコートを羽織った少女が、静かに立っていた。
 特筆するほどの美少女と言った訳ではないが、穏やかな顔立ちに優しい微笑みを浮かべている。
 だけどこちらに向いている瞳は焦点が合ってなくて、白杖を脇に手挟んでいる姿を見れば、その少女の目が見えないのだと言うことは直ぐに理解できた。
 そんな少女が、わざわざ花屋に来るのは少し奇妙に思えて、それ以上に一つの思いが胸の奥に湧いた。
「え、あ、花ですね? どんな花がよろしいですか?」
 一目惚れというのは本当にあるんだなと、どこか惚けた頭でそんなことを考えながら、千草は少女に向かって話しかける。
「そちらの水仙をお願いできますか?」
 呟きながら、少女が指先を水仙へとぴたりと向ける。
471『恋、薫る』:2007/08/24(金) 07:44:03 ID:yCBw1Y4R
「あ、店長。続きは私がやりますから、車、用意してくれます? 薫さん、いらっしゃい。いつも通りに包みますね」
「ありがとうございます、木船さん」
「あ、と、車ってどういうことだい?」
 基本的にフレンドリーな性格の木船だが、それでも声に含まれる楽しげな響きで、少女が常連――しかもかなり仲の良い相手だと言うことは理解できた。
「薫さんは、見ての通りなので、いつもお家まで前の店長がお送りしてたんです。代替わりしたからって、止めるのはどうかと想いますよ?」
「代替わり、ですか? ……ぁ、御免なさい。それでしばらくお店が休まれていたんですね」
 代替わりという言葉だけで全てを読みとったのだろう。
 どこか申し訳なさげに話しかけてくる少女に、千草は優しい笑顔を向けた。
「いえ、気になさらないで下さい。すぐ車を用意しますから」
「あ、店長。ちゃんとバンを出して下さいね」
 木船のどこか苦笑混じりの声に、軽く手を振って応えながらガレージに向かう千草。
 ほんの僅かな時間でも、少女と過ごせると思うだけで気分が浮き立つのを抑えきれなかった。




 そんな風に以前の事を思いながら、店の前の車道に車を一旦止める。
「そうなの、でもあまり遅くに出歩くのは止めた方が良いよ? 最近治安もあまり良くないし」
「そうですね。でもこちらのお店も結構遅くまで空けてらっしゃるでしょう。木船さんは大丈夫なのでしょうか」
「あ、あたしは大丈夫。伊達に剣道二段の腕前じゃないって」
 優しい笑顔を浮かべる薫ところころと笑う木船。
 相変わらず、仲が良さげな二人の様子に微笑みながら、千草は車から降りる。
「はい、来ましたよ。それじゃ行きましょうか」
 そう言いながら左腕を差し出す千草。
 相変わらず照れ臭げにしながら、薫がその腕に自身のソレを絡めてきて、寄り添ってくる。
 肌と肌が触れ合う感覚に、鼓動が少し早まって。
 気づかれていないことを祈りながら千草はゆっくりとバンに向かって歩き出した。
 歩道を横切ってバンの隣で立ち止まる。それだけで薫の腕が離れて、少し名残惜しげに感じながらも千草は助手席のドアを開けた。
「はい、どうぞ」
 今度は薫の左側にまがって、その手をすくうようにして握り、助手席の直ぐ側にまで導く。
「もうすこし、足を上げて下さい。はい、そこです」
「ありがとうございます」
 流石に半年……両親がいた頃からすればもう三年近くの常連で、その間殆ど使っていただけに、迷い無く助手席に乗り込む薫。
 本当は抱え上げるようにして乗せた方が早いけれど、恋人同士でもない相手にそんなことが出来るわけがない。
「シートベルトをきちんと締めて下さいね」
「あ、店長! 肝心のコレ忘れてますよ!」
 店から声をかけられて振り返る千草。
 木船がにやにやとチェシャ猫の様な笑顔をうかべて、笹百合の花束を持っていた。
 慌ててソレを受け取る。
「ごゆっくり〜」
「馬鹿なことは言わなくて良いから」
 木船の声に少しだけ不機嫌さを込めて言葉を響かせる。
 そのまま、笹百合を受け取った千草は、バンに向かった。
472『恋、薫る』:2007/08/24(金) 07:45:38 ID:yCBw1Y4R


 いつも通りの安全運転をしながら、ちらちらと薫に視線を向ける。
 じっと正面に顔を向けたまま、どことも知れない場所に焦点を合わせる薫。
 見た目は特筆するほどの美少女でもないのに、なぜこんなに心惹かれるのかが自分でも解らなくて。
「あの、飛鳥井さん」
「ん、何ですか?」
「いえ、今掛かっている曲の名前を聞かせて頂きますか?」
「リムスキー=コルサコフの『シェエラザード』ですね」
「クラシックなんですね。飛鳥井さんのイメージに似合っています」
 優しく微笑みながら呟く薫に、胸の奥が暖かくなってくる。
 その笑顔を見るだけで優しい気持ちになるのが、すこし不思議だった。
「音楽を聴くのは良い趣味だと想います。けど、名前が名前だからかもしれませんが、私は花や香水の様に、薫りにこだわりを持ってしまいます」
「それはそれで良い趣味だと僕は思いますよ。貴方の選ばれる花は色々な人に人気が出ますしね」
 呟きながら信号の前で停まる。
 その間、薫の方に視線を向けた。
 ただ隣に薫が座っている。ただその微笑みを見ることが出来る。
 それだけで幸せだった。
「信号ですか?」
「え、ええ」
「……車の運転って楽しそうですね」
 笑顔で呟く薫に、苦笑を浮かべて首を振る。
「そうでもないですよ。結構気を遣いますからね」
 一拍遅れて、思いを言葉にする。
 薫の目が見えないことをつい忘れてしまって、ゼスチャーで答えてしまう自分に、少し苛立ちを覚えた。
「でも、もし目が見えなくても運転できるような車が出来たら、私は運転してみたいと想います。
大抵の事は目が見えなくても出来ますけど、流石に車だけは無理ですから」
 そういって、哀しげな表情を浮かべる薫。
 そんな表情は出来れば見たくなかった。
「そうですね。僕も姫野木さんの運転する車に乗せて貰いたいですね」
「ふふっ、それは楽しそうですね」
 直ぐに優しい笑みを浮かべた薫にほっとしながら、アクセルを踏み込む千草。
「あ、信号変わったんですか?」
「ええ。そう言えばこのあたりの信号には、音楽が流れませんけど大丈夫ですか?」
「そうですね。大抵は大丈夫です。車の音などで信号のタイミングは解りますから。
でも、以前隣の自転車が走り出したので動き出したら、それが信号無視でしたので、少し困ってしまいました」
「出来るだけ気を付けて下さいね」
 心配ですから、と零しそうになった一言は慌てて飲み込む。
 それは本心からの思いだけれど、同情だと想われたくなかったから。
 そんな事を言ってる間に、薫が住む純和風の少し古びた一軒家の前に到着した
 これで、もう二人の時間が終わりだと想うと、切なさが胸に迫ってくる。
「少し待って下さいね」
 シートベルトを外して車から降りた千草はそのまま左側に向かう。
 まずは包装した花をとりだしてから助手席のドアを開けた。
「いつも、すみませんね」
 そう言いながらシートベルトを外す薫。
 その細い指先に一瞬惹き付けられるものを感じて、少しだけ千草は視線を逸らす。
「いえいえ、気になさらないで下さい。あ、お手をどうぞ」
 すっと指しだした手に、薫の伸ばした手が触れて。
 優しく握りながら、薫が車から降りるのを手助けした。
「ご利用ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします」
 玄関口まで送った薫に笑いかけながら言葉をかけて、百合の花を手渡す。
「こちらこそ、いつもありがとうございます。それでは、失礼しますね」
 優しい微笑みのまま頭を下げてくる薫に、同じように頭を下げて背中を向ける千草。
 もう少し薫と話しをしていたいけれど、まだまだ仕事が残っている。
 車に乗り込んでまだこちらに顔を向けている薫に笑顔を向けてから、車を発進させた。
473『恋、薫る』:2007/08/24(金) 07:47:57 ID:yCBw1Y4R


「てんちょー、どうっした?」
 店に戻った途端かけられた言葉に、千草はこめかみを軽く押さえた。
「木船君、いつもいってるんだけど、僕と姫野木さんはそんな関係なんかじゃないんだよ」
「そんなカンケイってどんなカンケイっすか?」
 にやにやと口元を弛ませる木船に、小さく溜息を吐く。
 これ以上は何を言っても墓穴を掘りそうだったから。
 そのまま店の中に入っていく。
「もう、軽い冗談なんだから、そんな怒っちゃヤですよ、店長」
「あのね、木船君。君がどう思おうがそれは君の勝手だが、彼女に迷惑だろう? あんまりそんなことを言うのはどうかと思うよ」
 はぁっ、とわざとらしい溜息を吐きながら、木船がこちらをじろりと睨み付けてくる。
「……そんなこと思ってるの店長だけなんですよねぇ」
 その言葉の意味が理解できなくて、千草はそのまま花の手入れに移る。
 もう一度大きな溜息が聞こえて、だけどそれ以上の言葉がかけられることはなくて。
「あ、そうそう。薫さんの手料理って食べたことあります?」
 あまりにもかけ離れた話題に、理解がついて行かない。
 手入れをしながら振り返る。
「いきなり何を言い出すんだ、君は」
「あ、もしかして、まだなんですか? 薫さんにしちゃ珍しいなぁ」
 ニヤリと口の端だけを上げて笑う木船にイヤな予感を覚えた。
 だから、こちらもわざとらしいほどに大きな溜息を吐いて、視線を前に戻す。
「薫さん、あれでかなり料理得意なんですよねぇ。先代も時々夫婦揃ってご相伴にあずかってたんですよ?」
「いくら常連さんだからって、それはないだろう。……いくら何でも常識が無さ過ぎだ」
 思わず天井を見上げる千草。
 異様なまでに豪快だった父親とソレに輪をかけてやかましかった母親の笑顔が目に浮かぶ。
「あははは、まぁ先代ですからねぇ。でもまぁ、それでご相伴にあずかったときに、言ってたんですよ。あの子の料理は優しい味だって」
 まるで我が事の様に嬉しげな表情で呟く木船に少し小首をかしげる。
 プライベートでも薫とのつきあいがあるのだろうか。
 そんなことを思いつつ、次の花の手入れに移る。
「それに、ホントにあの子の料理って凄いんですよ? きっと、話しを向けたら喜んでご馳走してくれると思いますから」
「あのね。手料理をご馳走になるなんて、姫野木さんとはそんな親しい間柄じゃないんだ。きちんとけじめは付けないといけない」
「……頭固いっすねぇ」
 木船の呆れ声に答えることなく、千草は手入れに没頭する。
 薫とはあくまで客と店主の関係でしかないのだ。
 それに、アスカの経営は苦しいと言うことはないが、それでもかつかつの商売でしかない。
 そんな状況で、薫に想いを告げることなど出来るはずがなかった。
474暗愚丸:2007/08/24(金) 07:50:25 ID:yCBw1Y4R
ということで、お目汚し失礼しました
次回はまぁ、早くて一月後くらいになりそうですが、頑張ります
基本的に山のないほのぼの恋愛ものの予定ですが、さてどうなる事やら
何はともあれ、読んで下さった皆様、ありがとうございました
では失礼
475無題:2007/08/24(金) 07:54:38 ID:eIeCiYrI
続き貼り
>>467
ありがとうございます
多分これで良いはず…


彼女は耐え続けた
そしてついに三か月程前に同級生の一人から告白を受けた

―やっと、やっと待ち望んだものが手に入った…!
彼女は久しぶりの喜びの感情がわいてきた
初めての恋人に今まで愛されなかった分愛してもらおうと、一生懸命彼に相応しい相手になろうと努力した
初めての性行為も怖かったが彼の為なら我慢できた

しかし
『あ?あんなのただの性欲処理に決まってんだろ!?誰が付き合うかよ!』

―!!………嘘…だ…
放課後、教室に用があって戻って聞こえてしまった彼の声
彼は彼女をただの『物』として、己の性格を処理するためだけに彼女を騙した

―…嫌だ…………
未だ聞こえる愛しいはずの声
聞きたくなかった言葉
信じていた者から裏切られ天国から地獄に再び落とされた
―…嫌ぁあああああああ!!!!!!!

ついに彼女は 発狂した
476名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 14:00:28 ID:Uifjz+s8
>>474
GJ!
こういう純愛系は大好物だ!!
477うふ〜ん:うふ〜ん ID:DELETED
うふ〜ん
478名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 17:24:53 ID:kYHfZ5Nd
>>474
GJ!!
すごくほんわかした
479名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 01:05:07 ID:sozGeNoQ
>>474
GJ!!続きをwktkしながら待ってます
480名無しさん@ピンキー:2007/08/29(水) 23:49:02 ID:NGHZ8hLj
とりあえず全裸で保守☆
481名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 00:37:30 ID:A8wpkkNX
正座して保守☆
482うふ〜ん:うふ〜ん ID:DELETED
うふ〜ん
483名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 23:21:56 ID:JW+57qem
保守☆
484名無しさん@ピンキー:2007/09/08(土) 21:37:55 ID:HSUiAigt
保☆守
485名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 23:37:04 ID:JNWOw1Bf
保守
486名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 12:50:24 ID:5jTa1fri
保守
487名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 05:41:46 ID:ro860zae
あげ
488名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 23:34:13 ID:xDqc/nE3
☆ミ
489名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 23:01:55 ID:ReCT2mGV
★ミ
490暗愚丸:2007/09/29(土) 00:35:04 ID:Nbi5GW3W
ども、お久し振りです、暗愚丸です。
前回の続きをひっそり投下。
微エロシーンがちょこっとあったりします。
それでは、『恋、薫る』はじめます。
491『恋、薫る』:2007/09/29(土) 00:36:03 ID:Nbi5GW3W
「いつも、すみませんね」
「いえいえ、気になさらないで下さい。あ、お手をどうぞ」
 差し出された手を握るだけで、鼓動が早まった事がとても恥ずかしく思える。
 薫だって分かっていた。
 千草が手を差し出してくれるのは、車を降りる為の手助けでしかないことくらい。
 それでも、千草とふれあえることが嬉しかった。
 千草がゆっくりと歩き出して、手を引かれて薫も後に続く。
 玄関口まで来た所で千草が手を離して、後ろに下がる。
「ご利用ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします」
 気配に合わせて千草の方に体を向けるのと、その言葉が来るのは同時だった。
 だから、薫も内心を押し隠して、微笑みを浮かべて頭を下げた。
「こちらこそ、いつもありがとうございます。それでは、失礼しますね」
 千草も同じように頭を下げていることを、薫は読みとっていた。
 だからこそ、嬉しくなる。
 目が見えない相手になら、口では謝りながら姿勢を変えない人間もいる。
 千草がそうではないのが嬉しかった。
 ぶろろろろ……と、車の音が去っていく。
 それが、薫にはすこし哀しい。
 千草が去る度に、もう少し家がアスカから遠ければいいのにと思ってしまう。
 それなら、もっと長く千草と同じ時間を過ごすことが出来る。
 初めて、恋情を覚えた人の側にいられるのだから。
「ふぅ……」
 そんな埒もない想いを振り払い、胸ポケットからカギを取り出しながら玄関に向き直る。
 手探りするまでもなく、カギを開ける薫。
 自分の家なのだ。それは出来て当たり前のことで、だけど人を招待する度にそのことで
驚かれることを思い出して、寂しさが胸に湧いた。
「ただいま」
 誰もいない家に、自分の声がむなしく響く。
 それでも靴入れの上に飾る紫蘭の香りが、ほんの一瞬浮かんだ寂しさを消してくれた。
 もう盛りを過ぎて乏しくなった香りに、心の中でお礼を言いながら丁寧に靴を脱いで三
和土から上がる。
 その間、全く周囲に手を添えたりはしなかった。
 確かに薫は目が見えないけれど、どこに何があるかは分かっている。
 色は確かにわからないけれど、形は触れれば分かるのだ。
 それに、例えば廊下の角やトイレのドアなどに、花を飾って香りで区別が出来るように
もしてあった。
 例え実際に目で見ることが出来なくても、周囲を視ることは出来る。
 ……ただ、花の香りで区別をするというのが、誰にでも出来ないことくらい、薫だって
理解していた。
 正確に言えば、同じ花の個体差を香りで判断すると言うことがだ。
 目が見えない人間は、他の感覚器官が発達するとよく言われているが、薫のソレはその
ような俗説を凌駕するもの。
 薫自身その能力は自覚していて、だから今の夢はパヒューマーになることだった。




 飾り気のない質素な部屋の中に薫の姿はあった。
 東側の壁には大きな衣装箪笥と、パソコンデスク。
 二年前に叔父から与えられたパソコンは、旧式ではあるがきちんと文章を読み上げる機
能があって、十分使い勝手が良かった。
 そして、西の壁一面を埋め尽くす大きな本棚。
 三分の一は調香や花などに関する本で、のこりはソレを点字翻訳したものだった。
 そんな部屋の中で、小さな溜息を漏らしながら薫は着替えていた。
 真っ白な袖無しのワンピースは、以前木船と一緒にショッピングに行ったときに勧めら
れたもので、本当は少し抵抗があった。
 二の腕を全て晒す服なんて言うのは、千草からはしたないと思われるのではないかと不
安だったから。
 だから、車に乗ってすぐに話しを切り出すことが出来なかった。
 脱いだワンピースを薫は机の上に載せる。
492『恋、薫る』:2007/09/29(土) 00:36:58 ID:Nbi5GW3W
 そのまま、ぺたぺたと全身をなで回し、時折指でつまんでみる。
「ん、大丈夫みたい」
 目が見えないけど、いやだからこそ、薫は自分の体型が崩れないよう常に節制していた。
 それは、今は亡き両親が言っていた、体型の崩れは不健康への第一歩という言葉に従っ
ているだけだったが、それでも感謝していた。
 それは、千草に綺麗な自分を見てもらえるから。
 同時に、薫はふと昔のことを思い出す。
 とても厳しかった両親。
 目が見えなくても自分で出来ることは自分でしろと、家事全般を自分で出来るように仕
込まれていたから、両親が亡くなってもこうして、一人暮らしを続けていける。
「……でも」
 こんな気持ちに関しては両親は一言も教えてくれなかった。
 薫自身、誰かを好きになるなんて、想像すらしていなかった。
 確かに薫も女で、愛や恋といったものには興味があったけれど、それは自分から縁遠い
場所で自分とは関係ない人たちに起きるものだと思っていたから。
 だから、とくんっと胸が脈打つ感触に戸惑うことしかできない。
 ……抗うことが出来ない。
 音もなく移動して、ベッドに腰をかける。
 柔らかなスプリングは音も立てずに、薫の体重を支えてくれた。
「んっ」
 薫は、右手でそっと自分の乳房を掴んだ。
 レースの入った清楚なブラに包まれた乳房は85のBと、160センチ近い身長からす
れば平均よりやや大きめで、すらりとしたスレンダーな体型のためか、一回り大きく見え
るものだった。
 やわやわと揉み込んでいくたびに、乳房から熱が湧いてじんわりと全身へ伝わっていく。
「ふぅ、ふぅ……んくっ!」
 ぎゅっと少し強めに揉んだ瞬間、全身が熱くなった。
 ぽつぽつと、全身に汗が噴き出て来る。
 今自分の胸を揉んでいるのが千草の手で、自分の上にいる千草が優しく触れてきている。
 そんな想像が脳裏を占めていく。
「こんなの、ダメ」
 呟きながら、さっき千草と絡めた左手を、顔に持ってくる。
 くんっ、とソコに残る千草の残り香を鼻腔に吸い込む。
「んっっ」
 同時に、じゅくりと股間が濡れた。
 微かに漏れてくるチーズのそれに似た匂いに、ちくりと胸の奥に痛みが走る。
 こんなはしたないことに、千草の残り香を使っている自分が凄く浅ましく思えたから。
「くんっ……ふぁっ! んくっ! はっ……ん」
 それでも、くんくんと何度も千草の残り香を求めていた。
 男性の体臭と様々な草花、それに土や水の匂いが入り交じった、千草の香り。
 その香りが、胸に乗せた自分の手を、千草のものだと錯覚させてくれるから。
 薫はあくまで香りを求める事をやめはしない。
 ブラの上からでも、乳首が堅くしこっている事が伝わってくる。
 それを、きゅっと摘んだ。
「ひゃんっ!」
 びりっと電気の様な刺激が走って、大きく仰け反った薫はそのままベッドに倒れ込んだ。
 くりくりと摘んだ乳首を弄るたびに、刺激が走る。
「ひぅっっ! ひぁっ! あんっ! あぁっっ!」
 口元から勝手に声が漏れだし、じゅんと股間が潤った。
 左手を伸ばして、下腹部から下着の中に差し込んだ。
 後ろの付け根から上に向かって、スリットを撫でる。
「んくっ! ふぁっ、あんっ! ひゃふっ! ダメ、こんなの、ダメ!」
 口ではそう言いながら、薫の手は動きを止めない。
 ブラをずらして、露わになった胸を掌で揉みながら、人差し指と中指の谷間に乳首を挟
み込んで刺激する。
「あんっっ、ふぁぁあっ! 千草さん、千草さん! もっと、もっとして下さいっ!」
 体の上に千草がいる。
 優しく声をかけながら体を触ってくる。
 ちゅくちゅくとイヤラシい音を立てながら股間を弄っている。
 きっと、優しく微笑みながら。
493『恋、薫る』:2007/09/29(土) 00:37:41 ID:Nbi5GW3W
 そう思った瞬間、全身が痺れるほどの快楽が一気にはい上がってきた。
「んっ! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
 思わず唇を噛み締めながら、頂に達する薫。
 びくびくと全身が震えて、全身に気怠さが広がっていった。


「……私、何をしてるのかしら」
 絶頂の余韻が去った後、薫の目からぽろりと涙が零れた。
 きっと千草は自分に恋慕を抱いてはくれない。なのに、欲情の相手として望むのが千草
だと言うことに、薫はいい知れない嫌悪感を抱いていた。
 優しい人だと知っている。
 優しく接してくれているのも事実。
 けれど、それはきっと薫が盲目だから優しくしてくれているだけ。
 目が見えない自分が好きだと言っても、千草には迷惑をかけるだけだろう。
 受け入れられないに決まっているし、むしろ、受け入れられる方が怖かった。
 ……恋情じゃなく、単なる憐憫で受け入れられるなんて、想像もしたくない。
 だから千草の隣にいるのを望めない。望んでは行かない。
「私は、どうして」
 けれど、千草の側にいたい。その隣にいたいと思ってしまう事を抑えられなかった。




 シャワーを浴びて部屋着に着替えた薫は右手に一本の笹百合を、左手に紫蘭の束を持っ
て廊下を歩いていた。
 玄関先まできた薫は、笹百合と紫蘭を一度床に置いて、靴置きの上に視線を向ける。
「今日までありがとう」
 呟きながら、そっと伸ばした手で花瓶に挿していた紫蘭を抜き取る薫。
 紫蘭の束にソレを足して、最後の笹百合を手に持つ。
 ソレを鼻先に持ってきて軽く香りを確認して、薫は微笑みを浮かべた。
「今日からよろしくね」
 そのまま笹百合を花瓶に差し込んで紫蘭を持ち上げた薫は、玄関に備え付けてあるゴミ
箱のようなものに手を伸ばした。
 ゴミ箱の様なもの――いわゆる生ゴミ処理機の中に紫蘭を入れていく。
 一週間、薫の役に立ってくれた花を生ゴミとして出すことなどしたくないから。こうし
て肥料として役立てている。
 不意に、ベルの音が鳴り響いた。
 慌てて胸元を探りロングストラップを引っ張って、携帯を取り出す薫。
 携帯を開き、軽く指でなぞって通話ボタンの位置を確認してから、電話に出た。
『やあ、久しぶりだね薫君』
「……伯父様、久しぶりです」
 電話の相手は母方の伯父、大林健三だった。
 三年前に両親が亡くなってから、薫の保護者兼後見人となってくれている人だった。
『その声を聞く限りは、元気そうで何より何より。わははは』
 その笑い声が、薫の疳に障った。
 両親が亡くなったとき、以前はつきあいの無かった親族達が、遺産をかすめ取ろうとし
たとき、ただ一人、大林だけが薫を助けて、全ての遺産が赤の他人と言っても過言ではな
い相手達に渡らないようにしてくれた。
 それだけではなく、薫が苦手な生活上の細々した事――年金や保険金、税金と言った諸
問題を、一手に引き受けてくれていた。
「それで、何の御用でしょうか」
 それでも、薫は心を緩きにはなれなかった。
 大林が両親の遺産を狙っているとか、薫自身に色目を使っているという訳では決してな
いけれど、なにか、薫の心にちくちくと棘のように不信感が刺さっているのだ。
『ああ、今月の支払いを済ませたので、その連絡だよ。それといくつかあってね』
 くくっと喉の奥で笑う声が、薫に不快感を覚えさせる。
 それでも、薫は感情を表に出したりはしない。
 一応は感謝しているのだから。
『いや、君に良い見合い話があ』「お断りします」
 それでも、大林の言葉が終わるよりも早く、薫は答えを返した。
494『恋、薫る』:2007/09/29(土) 00:38:24 ID:Nbi5GW3W
「私はまだ未成年です。そんな話題はせめて成人してからにして下さい」
『いやいや、そうは言うがね。君一人では大変だろう? それに、君もあと二ヶ月で二十
歳になるじゃないか。会うだけでも良いんだがね』
 大林の押しの強さに、薫は辟易する。
 今年で成人するのは確かだけれど、薫には見合いなんて最初からする気はなかった。
 両親の一周忌が終わった直後から、幾度と無く見合い話を持ってくるようになった大林。
 それもまた不信感の一因だった。
「結構です。私のような者が相手になるなんて、相手に迷惑でしょう」
『いやいや、相手も結構乗り気なんだよ。会ってみるだけでも良いんじゃないかね? 何、
若い者同士で話しをしてみるのも一興だよ』
「……伯父様、私は誰かと添い遂げるつもりは毛頭ありません。まだわかって頂けないの
ですか?」
 しつこく見合い話を勧めてくる大林に、苛立ちが抑えきれなくなってくる。
 普段なら出すこともない、険を含んだ声音に気付いたのだろう。
『わはははは。そうか、どうしてもイヤか。ならしょうがない。今回は諦めるとしよう』
 いつもの通り朗らかに笑いながら、大林が白旗を振る。
 そのままずっと諦めていて下さい。そんな言葉が口をついて出そうになって、薫は気付
かれないように深呼吸した。
「それで、用事はそれだけですか? ソレでしたら、切らせて頂きます」
『ああ、いや待ちたまえ。もう一つ言っておくことがあってね』
 どこか、真剣味を帯びた大林の声音に、薫は小首をかしげる。
 普段から何事も遊びの一環のように振る舞う大林らしくない声だったから。
 だから、ただ静かに大林の言葉の続きを待つ。
『君が望んでいる件だが、難しいと思った方が良い』
 言われて思わず唇を噛んでしまう。
 以前から、フランスに留学したい旨を、大林には伝えていた。
 パヒューマーの専門学校は日本にも存在するが、叶うならフランスに行って本場で授業
を学びたいと思っているから。
『障害者の留学となると、ややこしい問題がいくつか絡んでいるのだよ。第一の問題は、
介護者をどうするかだ』
「……向こうなら、きちんとした保険制度もあると思いますが」
『確かにあるとも。だが、障害を抱えた外国人が暮らすとなれば、また別問題なのだよ』
 大林の真剣な口調が、自分を傷つけまいとする為だと理解した。
 理解してしまった。
「そうですか。わかりました」
 それ以上は何も言わず、通話を切った。
 目が見えない事が夢を阻む現実がやるせなくて、薫は深い溜息を吐く。
 目が見えさえすれば、夢を追いかけることも出来るだろう。
 千草の隣に立つことも出来るだろう。
 けれど、薫の目は治療不能だと医者に匙を投げられているのだ。
「っ」
 漏れそうになった恨み言を、何とか飲み込む薫。
 暗い言葉は暗い現実を呼び寄せる。辛いときこそ笑顔で乗り切らないといけない。
 そんな両親の言葉が胸に刻まれていたから。
「…………しかたない、事なんでしょうね」
 それでも、声に辛さが乗るのは仕方なかった。
495暗愚丸:2007/09/29(土) 00:41:51 ID:Nbi5GW3W
前回レス下さった皆様、ありがとうございます。
ほのぼの甘系のつもりが、ちょいシリアスに入りかけでマズいと思ってる暗愚丸です。
一応、基本的にはほのぼの甘系の筈なんで、これ以上あさっての方向行かないよう気を付けます。
何はともあれ、今回お付き合い下さった皆様、ありがとうございました。
496名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 03:08:56 ID:dNPoE9u4
待ってました。GJ!
497名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 03:53:06 ID:eQAU5khf
>>495
シリアスもありだけど、甘くまとめていただけると美味しくいただけそうですw
萌え狂いますた、GJJJJJJJ!!!!!!
498名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 10:49:51 ID:8nz3WWkw
>>495
俺の中で神認定
499名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 15:38:41 ID:LfE76Loa
>>495
 
GJ!!
薫がちゃんと目が見えないながらも、生活してる感じが、健気でイイ!
イイコだから、幸せになって欲しいな。
続き、楽しみにしています。
500名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 03:10:45 ID:vfpSnHBo
500get
そして投下乙です
501名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 18:52:01 ID:KnS4vvQd
なんという過疎スレ保守
502名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 23:41:58 ID:0/CwjXe2
>>495
GJ!
続きを全裸で正座しつつ待つ。
503名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 22:48:17 ID:HAClLKxW
全裸☆保守
504名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 08:20:21 ID:tHL9SMSp
505名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 01:49:35 ID:UO1uYKaL
暫く来てなかったら、神の続きがー
待っているので、続きをお願いします
506名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 06:46:57 ID:SXvw3Vll
保守
507名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 06:36:19 ID:4+HkzdDs
今日は俺が保守するよ
508名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 06:44:55 ID:GbmcBPSq
いやいや、俺がする
509名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 07:08:54 ID:89WrTEwr
「………じゃあ俺が」

>>507、508「どーぞどーぞ」
510名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 09:42:08 ID:6Y/Onls9
もう見えないんだよね…。
511名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 20:08:00 ID:kBCytUyt
心配するな。俺が君の保守になるから。
512名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 13:28:24 ID:Ob0a+gr6
513名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 17:02:19 ID:zj5IvPRB
ここは一次創作のみでしょうか。
盲目ツンデレ美少女がヒロインの作品、「春琴抄」の
佐助×春琴ものを書き上げたのですが、
スレ違いであれば、専用スレのないSSスレに投下するつもりです。
514名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 22:18:44 ID:BQTNKnp7
>>513
盲目娘なら何でもアリだと思うが。
515513:2007/10/21(日) 23:36:53 ID:zj5IvPRB
レス有り難うございます。では、投下させて頂きます。

「春琴抄」召使佐助×盲目ツンデレ娘春琴、温いですがえちあり。
純愛と見せかけて擦れ違い愛なのでご注意を。
516513(1/5):2007/10/21(日) 23:44:22 ID:zj5IvPRB

 おまえは、どのような顔をしている。二人きりの部屋にたおやかに座した春琴が投げかけた
実に単純な問いに対して佐助が返したのは、え、あ、といった、一向に要領を得ない軟語だけ
だった。答えられないのみならばまだいいが、生意気にも動揺している素振りすら伺える。どうせ、
言い惜しむような面相でもあるまいに。おどおどと聞き苦しい狼狽を耳に入れるにつれて、
ぽっと揺らぐ行灯に映し出された齢十六の芙蓉に、次第に霜が降りていく。
「もう、ええ」
 薄紅の唇が、冷えた囀りを洩らした。ゆったりと閉じた瞼の奥から滲む険しさは、大阪に居を
構える薬種商、鵙屋の物見えぬ二女の手曳きを務める丁稚を、容赦なく射竦めた。

 万事が意のままにならねば、気が済まない。その上、晴れやかに笑うことも滅多にない。この
我儘かつ陰鬱な気質は、春琴が九つの折に患った眼病に端を発していた。幼くして瞳を
閉ざされた不憫さ故に、春琴は多分に甘やかされて育った。富裕の家に生まれたこと、それに、
音曲の才に恵まれたことが、彼女の驕慢を更に強めていた。だが、柔くも棘ある緑の若芽に
惜しみなく陽光を注いだのは、春琴より四つ年上の佐助に他ならなかった。
 元より、佐助は鵙屋に丁稚として奉公する身分だった。それが主家の妹娘、大阪では
『こいさん』と呼ばれる、の手曳きのみを任せられるようになったのは、彼が春琴と同じ趣味、
即ち音曲を嗜むようになってからだった。給金を溜めてこっそり買い求めた三味線の音を
洩らさぬため、そして主が住まう闇を訪うため、夜毎押入れで独り稽古に励んだ労苦は、
春琴自ら佐助へ音曲を教授するという形で報いられた。
 されど、春琴は年嵩の弟子に甘い思いに浸らせる暇など、一切与えなかった。師を気取った
十一歳の娘は、己が部屋に響く琴の音が乱れる度に『あかん、あかん』『阿呆』と散々に罵った。
挙句、覚えが悪い頭を撥でびしりと殴れば、佐助はひいひいと情けなく泣いたものだった。
 もっとも、流石に様子を見かねた二親に粗暴な振る舞いを咎められてからは、この学校ごっこも
終わりを告げた。春琴の小さな手を取って師匠の元へ導くのは、相弟子となった佐助だった。
故に、今では、彼女が佐助に稽古をつけることは殆どない。それなのに、夜更けに佐助を
部屋へわざわざ呼びつけた春琴の意は、音曲とは離れたところにあった。
517513(2/5):2007/10/21(日) 23:45:18 ID:zj5IvPRB
 知りたかった。この男のことを。佐助が鵙屋に上がった頃には、春琴は既に失明していた。
従って、春琴は常に付き従う佐助の顔すら知らなかった。田舎出の丁稚など、精々が歩く際の
杖、或いは用を足した後に手を清めるための柄杓程度にしか思ってはいない。にも拘わらず、
苛立ちとも言い切れぬ靄は、床に就いても寝付けぬほど色濃く春琴の心に広がっていった。
 いっそ、佐助を婿に迎えては。格式ある鵙屋の令嬢とはいえ、目が見えぬ娘が対等の結婚を
望むのは酷であった。それならば、と、親に昼間提じられた案を、佐助が仕えた七年間にて培った
気位を以ってにべもなく撥ねつけていた、だのに。
 春琴は、薄闇の奥へ右手を差し伸べた。常のとおり主の杖となるべく小さな掌を受けた佐助の
手を握る代わりに、更にその先へ伸ばした。やがて、三味線を手持てば類稀な妙音を奏でる指が、
ざらついた肌に触れた。軽く押せば窪む柔らかさは、頬だろう。
「こ、こいさん」
 永劫の夜に響く佐助の声が、乱れた。大きく息を呑んだのか、頬に添えていた指先が揺れた。
一々制止をかけたり故を問うたりしようものなら引っ叩いてやろうと目論んでいたが、佐助が無駄
口を利かず、春琴の望み全てを受け入れる性分であったことが幸いした。
 盲人は音で、指で世界を探る。早春に香る梅の木を撫でるような思いの元、春琴は平然と
佐助の面を吟味していった。真中で盛り上がっているのは、鼻だろう。些かずんぐりとしているそれを
何の気なしに摘んでみれば、ふが、という声が佐助の口から洩れた。敬する女主の戯れに身を
強張らせ、ともすれば荒ぎかねない息を懸命に殺していたのだろう。そこで受けた仕打ちに最後の
道すら断たれ、思わず呼吸に詰まったものとみえた。間の抜けた響きに、一切の景色と共に爛漫さを
失った春琴にしては珍しく、くす、と口許が綻んだ。だが、瞬間、鼻を塞がれたままの佐助の面を
微かに覆った影は、閉ざされた眼には映らなかった。
 顎、頬骨、唇、そして己と同じく閉ざした瞼を伝った指先の感触を頼りに春琴が描いた佐助の顔は、
子供の頃に見た大阪の男衆の垢抜けた姿とは、大分かけ離れていた。佐助のように田舎から上がった
他の奉公人の姿から察するに、恐らくは肌も浅黒いのだろう。所詮は想像にすぎないものの、彼女の
美意識に照らし合わせれば、佐助は到底美しいとは言い難かった。それでも、春琴はぴんと弾いた
絃の音の如き一語を放った。
「伽を」
 奪われるのは、癪だ。許すのは、更に癪だ。秘めるには烈しすぎる矜持を傷付けずに己を満たすには、
命じるしかなかった。
 拒否は、返らなかった。長い静寂のみが座敷を満たしていた。いや、静のみと表すのは、誤りだろう。
幼さを越えたばかりの二人は、身のうちに狂おしいほどの動を抱えていたのだから。
 だが、是とも否ともつかない宙吊りに、幾ら気難しいとはいえ、僅か十六の娘がそう長く耐えられる
筈もなかった。なんでもない、忘れろ。己の命を打ち消すことすら出来かねて、俯いた春琴が膝の上で
密かに拳をぎゅっと握ったそのとき、衣が畳に擦れた。はっと顔を上げた春琴の華奢な肩があの掌に
包まれた瞬間、もう後へは戻れないことを悟った。甘い恐れを知った小柄な身が、鼓動が、ゆっくりと
横たえられていった。
518513(3/5):2007/10/21(日) 23:46:26 ID:zj5IvPRB
 蝶のようだ。佐助は、思った。帯を解かれた裸身の左右に広がる藤の小袖は、故郷の草野にひらひらと
舞っていた蝶の羽に似ていた。
 他の者であれば、己が掌にて羽を休める可憐な命を、無情に握り潰すことに悦びを覚えたかもしれない。
しかし、佐助にとっては、掌に無惨な燐の輝きを散らせることは愚か、不浄なる息を吹きかけることすら
戒めねばならぬほどその蝶は尊かったし、また、そうでなければならなかった。
「眩しい」
 初めて目にした女人の肢体に佐助がただただ見蕩れているうち、微かに眉を顰めた春琴は呟きを象った
命を告げた。興を損ねたか、佐助は部屋の隅に置かれた行灯に慌てて目を向けてみるが、ちりちりと燃える
橙の加減が特に強いとは感じられなかった。だが、この気難しい女主は思いを直に表すことを好まない。
僅かな仕草や言のみから己の意を汲むよう、佐助に強いた。黙って席を立つのは厠へ連れて行け、
『暑い』は即ち団扇であおげ。手掛かりを見落とせば、意を誤って受け取れば、必ず機嫌が悪くなる。
傍から見れば理不尽極まりない仕打ちにも文句一つ言わず付き従ううち、春琴は佐助に対して一層の
苛烈さを以って接するようになっていた。容赦なき打擲や面罵も裏返せば佐助への甘えとも取れるのだが、
春琴は勿論、佐助もそれを認めようとはしなかった。春琴は慈悲深い女人ではなく、気高き女主でなければ
ならなかった。
 そのような春琴の気性に従えば、今の言は『灯りを消せ』という意味と思われた。皿の火をふっと吹き消すと、
息の音と弱まった光で命が遂げられたことを認めたのだろう、春琴の面に滲んでいた苦が薄らいだ。もっとも、
只ならぬ緊張に身と頭を強張らせた佐助は、彼女が下した命の本当の意には到っていなかった。目が見えぬ
春琴は、纏う物なき己を一方的に、それも他ならぬ佐助によって眺められることを嫌ったのだ。冷然に隠した
朱は、佐助がそれと悟る前に夜に溶け込んだ。
 とはいえ、絶対の忠心を捧げる佐助といえど、夜空に浮かぶ月に雲を重ねることは出来ない。虫籠窓から
差し込む月明かりに照らされ、血潮を秘めた身の代わりに、透き通るように冴えたからだが浮かび上がる。
袖から滑らせるように腕を抜いていくと、日当たらぬ深窓にて磨かれた白い肌が殊更に蒼みがかって見えた。
夢にも等しい幻に、己の衣を解くことも忘れた佐助は、更に主の元へ近づくために敢えて目を瞑ると、春琴に
覆い被さった。蝶は闇へ失せてしまったが、盲目の主と世界を分かち合う歓びは、この世に在するであろう
如何なる煌びやかな光景にも勝った。
 春琴は、熱い体に細い腕を伸ばそうとはしなかった。仕えられるのが当然であるかのように、或いは粗が
あれば即座に叱責を飛ばす三味線の稽古さながらに、黙って佐助の挙動を受け入れていた。少しでも
不興を買えば、何もかもが終わるだろう。給金でこっそり女を買い求めたこともない佐助が思いを遂げるに
あたって唯一心がけたのは、傷つけないこと。ともすれば外れかねない理性に畏敬の枷を掛けながら、
佐助はあたかも寝入っているかのように横たわる春琴と、静かに唇を重ねた。初めて二人が交わした口付けは
舌すら交えない稚拙なものだったが、頑なに引き結ばれていた唇が蕩けるほど柔らかな感触を返した瞬間、
この方のためならば、全てを擲ってもいい。決して誇張などではない思いを、佐助は心に刻み込んだ。
 着物に隠されている時は気づかなかったが、胸は思いの外豊かだった。身の丈五尺に充たぬ春琴の
すべやかな小足をも乗せられる佐助の掌でも覆いきれない膨らみに、触れた。さらりとした手触りに感じた
温もりは僅かだったが、食においても豪奢を好んだ春琴の肌は、佐助の指に押されるたびに弾んだ。
遠慮がちに五指をやわやわと埋めさせるうち、佐助は掌に些細な違和感を覚えた。手を退けながら指先で
探ると、先まで描かれていた曲線の頂には微かな尖りが生まれていた。人差し指で転がすように触れては
みるものの、主が抱き始めたささやかな悦びに舌で触れるなど、あまりにも畏れ多かった。だが、敬して止まない
女人の露な肌を前に、若い体では到底抑えきれない衝動が突き上げたのも、確かだった。せめてと恭しく
唇で触れると、懸命に人形を真似ていた体がぴくんと跳ねた。

519513(4/5):2007/10/21(日) 23:47:31 ID:zj5IvPRB
 耐えられなかった。己を止める間もなく、佐助は濡れた舌でそれをちろと啄ばんだ。小さな粒が唾に滑るなり
響いた、あっ、という微かな声を聞いて、漸く我に返る。やりすぎた。青褪めた佐助は咄嗟に身を竦めたが、
一向にしなる平手は飛んでこなかった。強烈な笞に備えるべく歯を食い縛っていた佐助が恐る恐る目を
開いてみると、皺がよるにも拘らず、口を引き結んだ春琴は身の下に敷かれた小袖を握っていた。閉じた
目元には、朱が滲んでいた。仄かな色の本意が丁稚に身を許す屈辱のみならば、たとえ無理に組み
敷かれようとも、拒めばいい。佐助にとって、春琴が放つ一喝は巨漢が振るう鉄拳より強いのだから。
 己を、見せまい。女主は、従僕と同じ苦しみを忍んでいた。
 他の者であれば、主家の令嬢という、容易に手が届かぬ女人との逢瀬を存分に愉しむことも出来た
だろう。だが、女を悦ばせる術を碌に知らぬほど未熟であり、何より、たった九つであった春琴を観音とも
思ってその可憐な手を日々曳くことさえ至上の歓びとしていた佐助にしてみれば、無造作を装って
投げ出された肢体は、寧ろある種の責め苦ですらあった。狂いそうな気を必死に押さえつけながら、
佐助は右手をなめらかな太腿の間へ滑らせた。夜に思うことすら主を汚すようで躊躇われたそこへ
遂に触れかけた矢先、いや、と震える声が、佐助を止めた。
 しかし、気丈な相貌に怯えが走ったのも、一瞬のことだった。迂闊にも佐助に弱みを見せたのが余程
心外だったのか、春琴は殊更に顔を顰め直した。その方が、佐助としても望ましかった。盲人が笑う様は、
どうも間の抜けているように感じられて、好きではなかった。心に押し擁く像は、完全であるからこそ、好い。
その姿を確かなものにするべく、佐助が密かに再び目を閉じれば、
「そないなとこ触れだなんて、わて、言うたか」
 家人の目もある。流石に大声を上げるわけにもいかなかったのだろう。下から響く鋭い囁きに責められた。
それなのに、とうとう見限られたかと竦めた身には、細い腕が絡められていた。佐助が驚く前に抱き寄せられると、
今やしっとりと湿った肌が浅黒いそれにひたりと重なった。押し付けるように重ねられた膨らみが、佐助の胸に
潰れた。
 彼女が投じた謎掛けの答えは、考えるまでもなかった。欲情、そうは思いたくなかったが、が赴くままに、
佐助は春琴を探り始めた。口の中と同じようなものかと思っていたが、違う。初めて触れた秘所は、
よく言われるようにしとどに濡れてこそいなかったが、柔く、繊細で、魅惑的だった。もっと味わいたくて
指で擦り上げるも、傷つけてはならじという慎重な指遣いでは却って焦らされるだけなのか、春琴は
女らしく括れた腰をむずかるようにくねらせていた。女の悦びを引き出す珠のことすら知らず、ただただ
指を蠢かせる佐助の耳元にて弾かれる、いやや、阿呆、といった言がえもいわれぬ艶を帯びていくまで、
そう時間は掛からなかった。
 直に舐めて湿らせることすら、思いつかなかった。荒い息を殺しながら緩めた下帯から現れた男根が
既に垂らしていた滴りなどでは、男を知らぬ春琴の苦痛を和らげるには足りなかった。二本に増えた指を
ひくつくように締めるようにはなったそこに窄まりを宛がい、少しずつ開いてはいったものの、狭く、
濡れきってもいない体は、当然、佐助を拒んだ。それでも交わることを互いに望むならば、猛る己を
捻じ込むより他になかった。痛い、と駄々を捏ねるように戦慄く声を、聞くまでもない。身を裂かれる
痛みを味わっているだろうに、春琴の腕ばかりは佐助を抱き締めていた。
 全てを埋め込んだ頃には、春琴は罵りすら上げなかった。硬く瞑った眦から、雫がつうと頬を伝った。
方や、滑りなき秘肉は加減を知らずに佐助を責めていたが、それすら佐助にとっては悦びとなった。
今にも爆ぜそうな心を抑え、衣擦れを響かせながら腰を引くと、この痛みを失うことを恐れるかのように
春琴は佐助を掻き抱いた。
「おねがい、わてを」
 微かな喘ぎは命ではない、願いだった。彼女が下す如何なる命をも果たすと誓った忠実なる僕は、
掠れた声を聞き届けるよりも早く、己を貫いた。
「ああっ」
 しなやかな身が、反った。藤の小袖が、乱れた。こいさん、こいさんこいさんこいさんこいさん、口の中で
呟きながら狂うがままに幾度も幾度も己を打ち付けるうち、
「さ、すけ……」
 か細くも熱い声で、名を呼ばれた。永遠に瞼を閉じた天女に焦がれて止まない卑屈な、だが唯一の
存在を知らしめようとするかのように、佐助は一際激しく突き上げた。ああ、と切ない声が闇に響いた瞬間、
ひとときのみ交わった思いが、爆ぜた。
520513(5/5):2007/10/21(日) 23:50:02 ID:zj5IvPRB
 熱い。しかし、あの夏の日のように暑くはなかった。華奢な体を圧さぬよう力を失った腕で己が
身を支える佐助の腕の中で息づきつつ、春琴はふわりとした夢心地に酔っていた。
 今ならば、見えるかもしれない。数多の贅を知る春琴が初めて与えられた甘い気だるさは、景を
奪われた娘に証なき希望を与えていた。未だ弾む胸元に掛かる確かな息遣いを聞くにつれて
込み上げる情を感じながら、春琴は己を頑なに閉ざす瞼をそっと開いた。
 何も、見えなかった。そこに広がるのは、常に彼女を包む仄暗い闇以外の何物でもなかった。
 当たり前だ。そんなことがあるわけがない。黒夜の夢に遊ぶあまり、つい馬鹿馬鹿しい奇跡を願った
愚かさに沈みゆく心を悟られぬよう、春琴は密かに息をついた。
 再び閉ざした瞼には、濃い影が走っていた。真を求めて開いた眼を覆っていたのは、杖代わりの
あの掌だった。月夜に暴かれた男の面相は、真摯に歪んでいた。

 光なき瞳を見ぬために。夢と現を材に彫り上げた尊き像が、皹割れぬように。
521名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 02:54:36 ID:lzV6uIwW
うん。
これもなかなか情緒があっていい。
522名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 21:37:34 ID:daot71Dv
>>57
俺発見
523名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 05:49:28 ID:wlq/S0aL
読みづらい・・・もう少し読者のことを考えた方がいいよ?
524名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 06:54:43 ID:hRyjuwAF
具体的な点とかアドバイスも添えるとよさ気
するとどうだ、次回作がお前好みの(ry
525名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 16:47:58 ID:erFOyPW7
ハアハアはしないがジーンときた
たまにはこういうのもいいかなー
526名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 18:49:26 ID:tI5wPg6e
久々に来たら、よい作品が上がってる。
漢字がいくつか読めないのが口惜しいが実に堪能させていただいた。
原典ではやってはいないんだっけ。
527513:2007/10/31(水) 21:16:27 ID:UIqCl6BC
イレギュラーな作品に、レス有り難うございます。

ご指摘いただいた読み辛さに関しては、
過剰な説明や繋がりの悪さといった心当たりがいくつかありますが、
何分原典が1933年に発表された作品ですので、
常用外漢字の多用や硬い言い回しなどについては、ご容赦を。
原典の雰囲気を保ちつつ読みやすく、を心がけたつもりなのですが、力不足でした。
あと、一発ネタなので次回はありません。付き合ってくれてありがとう。

>526
直接的な描写はないけど、やってます。
両親が勧めた結婚を「誰があんなヤツと!」と突っ撥ねてから一年後、
佐助そっくりの子供が産まれてる。それでも春琴は頑なに否定するけどね。
528名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 23:19:55 ID:TJ6Nkph3
……過去の偉大なる小説家に乾杯
529名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 10:51:37 ID:cgY+D4l5
GJ
530名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 06:52:20 ID:uarbUbx0
531名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 07:04:31 ID:UXkkSq+5
保守
532名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 23:28:50 ID:FyVXtyq3
533名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 13:28:36 ID:Up1P4AEt
保守
534名無しさん@ピンキー:2007/11/18(日) 19:51:40 ID:mQgcnpPE
535名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 12:13:33 ID:sZM1AdXH
圧縮回避保守
536名無しさん@ピンキー:2007/11/24(土) 03:12:10 ID:DZjqlSuD
保守
537名無しさん@ピンキー:2007/11/25(日) 21:20:16 ID:sEAc/jt3
☆!
538名無しさん@ピンキー:2007/11/27(火) 23:45:44 ID:OYrCHizp
保☆守
539名無しさん@ピンキー:2007/11/28(水) 01:43:51 ID:G2gya/9Q
540名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 22:12:51 ID:7P/9omXo
一ヶ月が過ぎた……
541名無しさん@ピンキー:2007/12/03(月) 15:58:57 ID:48/aXwm5
うんこっこw
542うふ〜ん:うふ〜ん ID:DELETED
うふ〜ん
543名無しさん@ピンキー:2007/12/03(月) 19:59:47 ID:HgHLeOgG
>>527
gj
ここんとこ続けて板でツンデレ春琴を見た。地味に流行ってるのか?w
ファンタジーみたいな物だよな。
544名無しさん@ピンキー:2007/12/03(月) 23:40:32 ID:+sM0mAed
いまさら・・・あからさますぎてワロスw
ばかじゃねぇの?www
545名無しさん@ピンキー:2007/12/04(火) 12:07:49 ID:uQuqqsok
ヘレンケラー女史も入るのかな。
546名無しさん@ピンキー:2007/12/04(火) 12:10:14 ID:qDrC4oVn
ほしゅ
547名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 00:32:25 ID:BfN51iKa
548名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 20:37:34 ID:vrgOO00v
神SSが投下されて一周年記念age
549うふ〜ん:うふ〜ん ID:DELETED
うふ〜ん
550名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 03:11:27 ID:+kJzBMei
携帯からマターリ書かせてもらうが宜しいかな


あの子が視力を失って半年近く経った。彼女の名前などは知らない
名前すら与えられていないであろう彼女からそれを聞くのは酷に思えたからだ。
彼女はただ私の部屋で見えないはずの外の景色を眺めている。
教祖の示す敵を討ち、見事に死ねば神の国へ行ける。
只それだけを教育されてきた彼女には、この安息は苦でしかないのかも知れない。
そして自分から光を奪った男、教祖の敵である男に生かされる事は、彼女にとってどれほど辛い事だろうか。



良かったら続き書きます
551名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 10:45:53 ID:qUR34GP/
おk
552名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 13:11:17 ID:2kUcSIRP
かまってちゃんうざいよ?
553名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 14:14:24 ID:pFR4iTCo
よし、このスレが好きだから言わせてもらおう。
一般的に誘い受けがうざいと言われるのは、
誘い受けをした書き手が即逃亡を果たしてしまう点にある。

叩かれても逃げない心、批判されてもくじけない心。
それがあるなら、最後まで投下し続けるべきだ!
真の評価は最後まで投下したときに貰うべき報酬なのだから。

これでスレストップかかったらごめんなさい。
554名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 03:34:58 ID:KNtPrvFj
ただ戦うために雇われた兵士である我々が敬意を持つほどに、奴らは誇り高い戦士である。
その戦士であった彼女が、敵である私に衣食を与えられ生かされているのだ。
彼らは掟によって、自ら生を絶つ事を許されていない。故に死地を求め、死を目指し戦い続ける。
私に傷つけ捕らえられた当初、彼女は自分殺すようにと乞い続けた。
自分の命を奪うために銃口を向けてきた敵を、私は幾度と無く殺してきた。
泣きながら助けを乞う者すら、私は無慈悲に引き金を引いてきた。
情報を得るために、残虐な拷問をかけた事も多々ある。
それを仕事と割り切り、命を奪う事に何ら抵抗が無くなっていた私である。
だが年端も行かぬのに自ら死を求め、それを乞う彼女に引き金を引くことはなぜか出来なかったのだ



少しずつ書いていきますが、ご容赦下さい


555名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 13:18:36 ID:Hx/Kes7s
>>554
だから誘い受けうぜぇつってんだろ低脳
細切れ投下でいちいち人の顔色うかがってんじゃねぇよ小説家気取りゴミが
ここはお前の日記帳じゃねぇんだよ
死ね
556名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 10:22:35 ID:kGs8OSkE
>>555言い方は激しいが数レスは書きためてから投下するのがいいよ
557名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 14:35:06 ID:fArgAKxM
シチュも文章も悪くないから思い切って書くといい。
ただ、まとめた方が印象がいいと俺も思う。
558名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 10:26:08 ID:MTZhByc0
唐突に投下

「……主様?」
 私はその言葉に顔を上げた。
 目を伏せたままの少女が、部屋の入り口に立っている。
「どうなされたのですか?」
 彼女の訝るような答えに、私は静かに立ち上がった。
 そのまま、彼女の肩を抱きしめた。
 触れた部分を通して、彼女の温もりが伝わってくる。
 それが嬉しいと思える自分自身に、私はただ苦笑を浮かべる。
「主様?」
「お前と、出会った頃を思い出していた」
 私の言葉に、彼女の肩がぴくりと震えた。
 彼女もその頃のことを思い出したのだろう、その記憶は辛く苦しいものの筈。
 彼女が、私の腕をそっと両手で掴んでくる。
 その腕の優しさに、彼女が優しさを秘めていることに、ただ胸が痛くなった。
559名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 10:26:49 ID:MTZhByc0


 ……私が、その妓廊に上がったのは、悪友の誘いに乗ったからだ。
 私とて木石ではない。男である以上溜まる物はあるし、無論いくつかの妓廊に上がったこともある。
 だが、彼に連れて行かれたその妓廊は、私にとってあまりにも異様なものであった。
 服を脱ぎ薄暗い風呂場に入った私は、そこにいる少女の姿に少し違和感を覚えた。
 妓廊といえば春をひさぐ場所だが、そこにいる女はただの売り物ではない。
 例えば歌、例えば舞、例えば音曲等に優れ、男を楽しませる技芸を持ち互いに同意に至って初めて体を重ねるもの。
 だが、この娘は既に服を纏わず、ただ道具のように扱われている。
 不快感を覚えた。
 彼女の前に椅子が固定されている。別段言われた訳ではないが、そこに渋々腰を下ろすと同時に、彼女が首を伸ばして私の逸物に舌を伸ばしてきた。
 ……目を伏せたまま。
 聞いたことがあった。
 幼い頃に目を針で潰して、口淫のみをさせる奴僕(ぬぼく)が存在すると言うことを。
 私とて、家には多数の奴卑(ぬひ)を召し使う身だ。
 妓姑も結局は奴僕だと言うことも解ってはいる。
 だが、不快感を止めることだけは出来なくて、私は彼女の肩をそっと押さえた。
「そのようなことはしなくても良い」
 必死に吸い付いて舐めしゃぶってくる仕草は、犬が主人に奉仕している光景を思い起こさせて、それが余計に許せなかった。
 あううく、と言葉にならない音を漏らす少女。
 この娘は道具として扱われてきて、言葉をまともに習うことも出来なかったか、……或いは、言葉を話すことを許されていないのか。
 おそらく前者だろうと言うことは見て取れた。
「良いんだよ、そのようなことは」
 私はそっと椅子から立ち上がる。
 この場所は不愉快だ。人を道具としてしか見ていない。
 妓姑達でさえ人としての生活を営んでいると言うのに、この娘は、否、ここにいる娘達は皆人として扱われていない。
「うぅう……あうぅく」
 不意に、ボロボロと彼女が涙をこぼしはじめる。
 達することなく席を立った私が怒りを覚えているのだと、勘違いしているのだろう。
 あるいは、此処の主に折檻を受けるのかも知れない。
 そう感じた私は、震える手を押さえた。
 私ならば、このような妓廊を取りつぶすことは可能だ。
 それだけの縁故と財産を持ってはいる。
 だが、この妓廊だけを潰した所で意味がないことも解っていた。
「……しかたがあるまい」
 私に出来ることは、ただ目の前の娘を引き取ることでしかない。
 それが偽善だと嗤われようと構わない。
 私は私に出来ることと出来ないことの区別は付けているつもりだ。
 無論、私が至尊の地位にあれば、この国にある全てのこのような妓廊を取り壊すことも出来ようが、それは私にはほど遠い地位だ。
「うぅぅ……」
 ボロボロと涙を流す彼女の前に跪いて、私はその目にそっと口づけた。
「んぅ……?」
 不思議そうな彼女を優しく撫でながら、私はただ彼女を抱きしめた。
560名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 10:27:36 ID:MTZhByc0


「主様……なぜ、私ではなく、ご主人様が泣かれているのですか?」
「……すまない。私に力があればお前だけでなく、あの妓廊にいた全ての者を救えたというのに」
 彼の妓廊は既にない。
 他の妓廊の主達が、その妓廊の妓姑の扱いに怒り、人を使って潰したのだ。表向きは。
 私には解っている。他の妓廊にとって、そこがあまりにも繁盛しすぎた故に、汚点を抉りだし潰したのだと言うことを。
 そして、潰された側の財産は、……金や建物だけでなく婦人や奴僕なども含まれたソレは、潰した側の所有物になる。
 彼女の輩達は、妓廊の隅で慰み者にされているか、牛馬の如く賤役につかされているかも知れない。
 ソレを思うだけで、胸の奥に痛みが走る。偽善者だと罵られようとも、この痛みだけは真実の物。
「主様、気になさらないで下さい。私は救われました。主様がいなければ、私も救われることは無かったでしょう」
 その言葉に、痛みが消えたわけではない。
 それでも、彼女の言葉が心にしみる。
「主様がおつらいならば、私の体で癒させてください。どうか私の中で辛さや苦しさを吐き出して下さい」
 その言葉に、胸の痛みを抑えて私は彼女を抱き上げる。
 ほんの一瞬身を固め、それでもすぐに私に全てを預けてくる。
 なんと愛おしいことか。彼女への愛しさは、私の地位や財産よりも、私を喜ばせてくれる。
 痛みを忘れるためではなく、否この痛みを忘れることなど有り得よう筈もないが、それでも今は彼女を抱きたかった。
 私は何も言わずに房に向かい、彼女を牀(ベッド)に乗せた。
「主様」
 目を潤ませて見詰めてくる彼女に、少しだけ笑いかける。
 ふと、思いついた言葉があった。
「ところで」
「はい?」
「いつになったら、良人(おっと)と呼んでくれるのかな?」
 私の問いかけに顔を赤くして、彼女は顔を逸らした。
561名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 10:28:20 ID:MTZhByc0
投下終了
562名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 13:15:12 ID:UiXoYaGw
>>561
細切れ投下で人の顔色うかがってんじゃねぇよクズ
自殺して死ね
563名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 14:52:24 ID:d+m4BxJt
561>>
短くまとめたSS、乙

562>>
批評家の方がまだましです、せめてSSを読んだ上で書いてください。
自演乙はいらないから、きちんとスルーしてくださいね。
564名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 17:44:57 ID:lw0x15E0
>>562
この節穴盲目人は他スレでも暴れてる批評厨です。
以降、スルーよろしく。
565名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 20:27:53 ID:vI8qkbXh
うん、いい仕事でした。
綺麗にまとまった短編を作れるのは羨ましいです。
自分の場合はどんどん冗長になるもので……
566名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 21:32:40 ID:5ej+b+GT
保☆守
567名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 10:32:11 ID:o+9lMfdO
568名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 10:45:26 ID:zXz9PwYK
来年1月14日から始まる、フジTVの月9ドラマ「薔薇のない花屋」

『物語は、小さな花屋を営みながら8歳になる一人娘を男手ひとつで育てている
 物静かな男の元に、ある日突然、盲目の美しい女性が現れるところから始まります』

……アレ?
569名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 00:27:25 ID:/urT9AIy
偶然って面白いやね
570名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 17:25:21 ID:LE4/sZ2U
緊急保守
571名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 18:12:50 ID:AUDJPsNf
あげ
572バイエルン発動機製作所 ◆JF./hUt3Ek :2007/12/28(金) 20:27:59 ID:BZufEO/Q
保守がわりに書いたネタを投下します。
エロ全く無いんで…、ご了承を。
続きはいつ書けるかわかりませんが、どうぞ。
573この想いは君だけに ◆JF./hUt3Ek :2007/12/28(金) 20:29:13 ID:BZufEO/Q
クロスターガルテン王国。大陸との交易を重視する海洋商業国家。
 首都プロスフィリオンの港は今日も盛況だ。
 海猫が騒がしく洋上を飛び交い、帆船や小型船が湾内を忙しなく行き交う。
 と、積み下ろしをしている水夫の一人が遥か水平線の彼方を指差して怒鳴る。
「見ろ、武装商船隊だ!」
「おお、今回も無事に帰ってきたぞ」
 見物人たちが歓声を上げる。水平線から続々と、一角鮫の紋章旗を掲げた船団がこの港に向かってきたからだ。
「さて、外国の宝石、香料、酒を買ってまた儲けさせてもらいますよ」
「ええ。いや、海賊も恐れる虎将『虎鮫のマルシャル』さまさまですな」
「全く。あの方がいれば海賊も異国の艦隊も恐れるに足らずですな、はっははは」
「海賊達も恐れをなしてココット家の家紋の翻る船は決して襲ってきませんわ」
 商人達はめいめいが勝手なことをいって笑いあう。
 ぼう、と、入港してくる先頭の船がひときわ大きな汽笛を鳴らした。

 プロスフィリオン港、三番埠頭。
 「全員、整列!!!」
 ざざっ。 
 武装商船隊副司令の『トロペット・ロス・ヘレンキームゼー』が乗組員達に向かいだみ声を張り上げる。
 彼の人生の約半分にあたる25年以上もの間、船隊勤務をしていたため、髪や髭が潮風で赤茶けている。
 そこから水兵達の間では『ロスの赤髭親父』の愛称で呼ばれている。
「提督殿の訓示に傾注!!!」
 一人の眉目秀麗な20代前半の青年が壇上に立つと、ロスに目配せする。
 半分立てた金髪に、きりっと引き締まった茶の瞳。
 制服を上から下までビシッと着こなした、一見海の男とは無縁なこの美青年が『マルシャル・フォン・ココット』通称『虎鮫のマルシャル』その人であった。
 弱冠22才にして、クロスターガルテン王国海軍武装商船隊最高司令官という立場にある。
「総員、休め!!!」
 ロスがまたしゃがれ声で怒鳴った。 
「皆、任務ご苦労だった。なお、国王陛下より一週間の特別休暇が全員に出ている。主計保で給金を受け取り、存分に羽を伸ばしてくるとよい」
 マルシャルは乗員に労いの言葉を掛ける。
 外見に似合わぬ謹厳実直な人柄で部下達に慕われている、いかにも彼らしい言葉だ。
「私からは以上だ」
「提督、私から一つ。いいかお前達、慰安所などで女と遊ぶ際には必ずゴムを付けろ。乗船の際、性病検査に引っ掛かったら、鮫のうようよいる海に突き落とすからな!」
 ロスの言葉に、どっ、と一同から笑いが起きる。
「では解散!」
 わっ…、と歓声をあげ、足早に思い思いの場所に駆けてゆく水兵達。
574この想いは君だけに2 ◆JF./hUt3Ek :2007/12/28(金) 20:30:37 ID:BZufEO/Q
「やれやれですな、若様」
 人影が疎らになった埠頭で、ロスはマルシャルに声をかける。
 ロスはマルシャルの父、海軍総督『アーテルハイド・フォン・ココット』の参謀長として長年勤めていた為、マルシャルを幼き頃より知悉していたからだ。
「いつもの事ながらご苦労様です、キームゼー殿」
 にっこりと微笑むマルシャル。親子ほどの年齢差があるが、互いに敬愛しあう仲だ。
「何の。それより若様、行かれないのですか? 確か…、『リエネラ・ウエストミュンスター』様…でしたな?」
「ええ…、陛下と父上に報告をしたら…逢いに…、行こうと思っています」
 マルシャルの端整な顔に、さっと赤みが差した。
「そうですか。しかし、若ほどの美貌と性格なら、言い寄る名家や貴族の女は星の数ほど居りましょうに…」
「私はそんな方々に何の興味もありませんよ。あの方だけです。私が思いを寄せるのは…」
「若にそこまで想われる女性は幸せ者ですな、ははは。ではシャルツホーフ城に参りましょうか」
「ええ、キームゼー殿」
 二人は王城の方に足を向けた。

 シャルツホーフ城、謁見の間。
 国王に型どおりの挨拶と報告を済ませ、列席していた父や側近達としばらくの間歓談したマルシャル。
「では、私はこれで」
「待て、マルシャルよ」 
 謁見の間から退出しようとするマルシャルを、国王…、『クロスター7世』が呼び止める。
「この間の話、もう一度考えてみてはくれぬかのう、マルシャルよ」
「お断りします、閣下。私はあくまで閣下の臣。その娘御を妻にするなど大それた事は出来ませぬ」
 言下に首を振るマルシャル。
「やはり駄目か。全く、お主に似て頑固で融通が利かぬのう…、アーテルハイド」
 国王が視線と言葉を向けた先には、マルシャルの父親のアーテルハイドが何食わぬ顔で而立していた。
 元老の一人で、今は前線から身を引き、後方で海軍全体の指揮を取っている。
「ええ、全くその通りでございます、閣下」
 悪びれもせず国王の下問に答えるアーテルハイド。
「やれやれ、親子揃って頑固者か。もうよい、マルシャル。下がってよいぞ」
「はっ。失礼いたします」
 マルシャルは一礼すると、クルリと踵を返し謁見の間から退出した。
「全く、マルシャルの堅物さにも困ったものじゃな? 由緒あるココット家もあやつの代で途絶えるぞ?」
「は。お前もよい年なのだから身を固めろ、とは口を酸っぱくして言ってはおりますが、こればかりはどうも…」
「はっはっは。お主も難儀よのう…」
575この想いは君だけに3 ◆JF./hUt3Ek :2007/12/28(金) 20:32:40 ID:BZufEO/Q
 王都プロスフィリオン南西、ゼテア地区。
 港が見下ろせる丘陵の一角に、その孤児院はあった。
「はい、では今日はここまでです。夕食の時間まで、お外で遊んでかまいませんよ」
 銀髪で長身の女性がピアノの前で子供達に声をかける。
 美しい顔立ちをしているが、その蒼い瞳は永遠に光を失っていた。
 彼女の名はリエネラ・ウエストミュンスター。24歳。
 生活苦の為、親に捨てられた孤児という出自でありながら、慈愛心に満ちた聡明かつ穏やかな女性で、院の子供達から非常に慕われている。
 物が見えなくなったのは幼少時の悲惨な食生活に起因する。
『はーい、リエネラ先生』
 孤児達が元気よく返事をする。と、そこへ。
「皆さん、マルシャルさんがお見えになりましたよ」
 ここザトルワ孤児院の院長、『プレラート・デ・リスタ』が、扉をギ…、と開け声をかけた。
 人の良さそうな中年の女性だ。
「やあ、皆。いい子にしてたかな? お土産を持って来たよ」
 リスタ院長に付き添われたマルシャルが、両手に一杯の荷物を掲げて入ってくる。
「あっ、マルーシャちゃんだ!」
「わーい、お土産、お土産!」
 子供達が嬉しそうに駆け寄ってゆく。たちまち、マルシャルは子供達に囲まれてしまう。
「ははは…、参ったな、コレは」
「こらこら、マルシャルさんを困らせないの。さ、皆さん。ミュッケとフローランがお外で遊んでくれます。行きなさい」
 リスタは二人の若い女性を呼ぶと、マルシャルの持ってきた土産を渡し、子供達を外に誘導させる。
室内にはマルシャル、リスタ、リエネラの三人だけになった。
「マルーシャ、いつも有難う、貴方のおかげでどんなにこの院が助かっているか…」
 深々と頭を下げるリスタを、マルシャルが慌てて助け起こす。
「い、いいんです、リスタ院長。私が好きでしている事ですから」
彼女が言っているのは寄付の事だ。マルシャルは海賊討伐、商人達から貰った礼金を、経営が苦しい院の為に全て寄付していた。
「マルーシャさん…。お帰りなさい」
マルーシャとはこのザトルワ孤児院のみでのマルシャルの愛称だ。
「リエネラさん…」
 杖をコツコツとつきながら、ゆっくりとした足取りで二人の前に来るリエネラ。
その様をマルシャルは複雑な表情で見ていた。
「ああっ、気をつけてください…」
「大丈夫です、マルーシャさん」
「で、でも…」
「ふふふ、大丈夫ですよ。ふふっ。マルーシャさんは本当に心配性なんですね…」
 敵国や海賊達から死神の如く恐れられる虎将も、子供達とこの女性にだけには敵わないらしい。
「さあ、私は邪魔ですから、これで。お二人でごゆっくり」
「え、い、院長?」
リスタがマルシャルの肩をポン、と叩くと、外に退出していった。
576この想いは君だけに4 ◆JF./hUt3Ek :2007/12/28(金) 20:33:14 ID:BZufEO/Q
 ぼふっ。
「うわっ、りりり、リエネラさん!?」
院長の後ろ姿を見送っていたマルシャルの体に、リエネラがぶつかる。リエネラの方が少し背が高いので、マルシャルの目線の辺りに彼女の柔らかそうな唇が迫っていた。
「あら、ごめんなさい、マルーシャさん」
「ち、近すぎます…、もう少し離れて…」
 マルシャルは端正な顔を耳まで赤めてリエネラに言う。
 多くの女性が思いをかける程の美丈夫であるにも係わらず、本当は女を抱いた事すらないような初心でシャイな男だった。
「ふふふ。顔、熱くなってますね…、どうしてですか?」
 ぺたぺたと、リエネラはマルシャルの頬を優しく手で撫でる。
「うう…そ、それは…」
マルシャルは答えに窮した。それは貴女を愛しているから、などとは言える訳が無い。
「潮の香りがします…。今度はどんな世界を見てきたのですか…? また聞かせてくださいね」
「リエネラさん…」
 胸が締め付けられるような想い。彼女の世界は、永遠の暗黒の中から聞こえ、香り、感じるだけしかできないのだ。
「マルーシャさん? 気分でも悪いのですか…?」
「リエネラさん、私、私は…」
「あっ…」
 そっと、マルシャルはリエネラを抱き寄せた。
「ごめんなさい…、私にもっと智と財と力があれば…、貴女に光溢れる世界を見せてあげられるのに…」
マルシャルの瞳から熱い涙が零れ落ちた。
「そんなコト…、気にしてはいませんよ。眼が見えぬ事で、逆に見える事もあるんですから…」
 優しげな見えぬ視線をマルシャルに向け、そっと金の髪を撫でるリエネラ。
「ごめんなさい…、『泣き虫マルーシャ』のままで…。もう少しだけ、こうしていてもいいですか…」
「ええ」
 慈母の様にニッコリと微笑むリエネラ。
「ありがとう…」
 眼の見えぬ人の優しく愛しい温もりが、マルシャルの心を満たしていった…。
577バイエルン発動機製作所 ◆JF./hUt3Ek :2007/12/28(金) 20:36:09 ID:BZufEO/Q
ここまでなんス。
続きは…、1/12くらいまでに何とか…。
ではこれで。
578名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 00:42:23 ID:ba4P4c3+
>>577
BMW氏乙 ('◇';ゞ ケイレイ
579名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 00:56:58 ID:u818z27k

感想は特にないです
580名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 11:38:22 ID:0ehsYyqM
今後も期待
581名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 09:48:57 ID:94W0Q+El
保守
582名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 01:11:52 ID:y/Ndxdb8
私が大航海時代好きと知ってのしわざか!けしからん乙

固有名詞や独自の世界観設定は最初の節で一気出しせず
少しずつ散りばめるといいらしいぞ
583名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 12:49:26 ID:WaNAUfxw
ほす
584名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 18:51:41 ID:BStyrEo4
これは期待。
スレの主旨から離れないでくれよ。
585名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 22:18:30 ID:jT1cZgur
保☆守
586バイエルン発動機製作所 ◆JF./hUt3Ek :2008/01/10(木) 12:34:06 ID:dWijqx+A
お待たせしました、BMWっス…。
多少は艶入ってます…
後編、ドゾー。
587この想いは君だけに5 ◆JF./hUt3Ek :2008/01/10(木) 12:35:59 ID:dWijqx+A
ー3週間後ー。
 深更のココット亭。
 一角鮫の家紋旗が夜風を受けて翻っている。
 豪奢な館の外見に比して、調度品は落ち着いた実用的なものでまとめられている。
 その華燭の光の中、激論を交わす親子の姿があった。
「どうして、私に黙ってそんな勝手な事をッ!!」
 椅子から立ち上がると、ドン、とテーブルを叩き、父親のアーテルハイドに詰め寄るマルシャル。
 常日頃、温和な彼からは考えられぬほど、怒りに震えた声で。
「もう、決まったことなのだ、マルシャル」
 ソファに身を沈め、パイプを燻らしながら、落ち着いた声で答えるアーテルハイド。
「父上! 閣下の娘御との婚姻は反対しておきながら、何故べーアラント王国の姫と! 気でも狂われたのか!」
 べーアラントとはクロスターガルテンの北部に位置する敵対国家だ。
 現在は休戦中である。
「両国の平和の為だ。一人息子のお前には伴侶が居らぬ。姫がこちらに嫁いでくれば、北からの脅威はさらに減ろう。
向こうにとっても、お前との結婚は大いに魅力的な筈だ。のう、『虎鮫のマルシャル』」
 アーテルハイドは眉一つ動かさず、パイプを吹かし諭す様に口を開く。
「…この時代、政略結婚など、何の意味ももたぬ、と常日頃仰っていたのは父上ではありませんか! 
それに相手は第6皇女で、向こうにとっては惜しくもない相手。知将と名高い父上らしくもないっ!」
 マルシャルは憤怒に身を震わせながら反論する。
「マルシャル、少し落ち着きなさい。あなたも、性急に過ぎます」
 マルシャルの母親、『ヴァネパル・フォン・ピネー・ココット』が窘める様にいう。
 プロスフィリオン有数の大商家、ピネー家の二女で、クロスター7世の仲介により、アーテルハイドの妻になった女性だ。
 商家の娘にありがちな気位の高さ、高慢さは無く、慎ましく賢い夫人である。 
「ヴァネー、お前には関係なかろう。私とてコレとは政略結婚のようなものだ。私心は捨てよ」
「貴方という人は…ッ、見損ないましたっ!」
 怒りのあまりバン、と机に両手を叩き付けると、外套を乱暴に掴み、部屋を出るマルシャル。 
「ま、マルシャル、こんな時間にどこへ?」
 母、ヴァネパルの声が追いかけるが、ドアの閉まるバタンという音とともに、答えも消えた。
「マルシャル…、あなた、いいのですか?」
「…放っておけ、ヴァネー。奴ももう子供の『泣き虫マルーシャ』ではない。王国の双肩を担う『虎鮫のマルシャル』なのだ」
 後を追おうとする妻に手を振って止めると、ふー、と紫煙を吐き出し、すっかり冷めた無糖のコーヒーに手を伸ばすアーテルハイド。
(賽は投げられた。もう後もどりは出来んぞ、マルシャル)
 アーテルハイドはコーヒーを飲み干すと、意味ありげに唇の端を歪めた。
588この想いは君だけに6 ◆JF./hUt3Ek :2008/01/10(木) 12:36:33 ID:dWijqx+A
 『ザールの宿屋』
 宿泊宿を兼ねながら、地下に酒場を併設している店。
 酔客の喧騒が、かすかに外に漏れ聞こえていた。
 カラン、コロンと、酒場の扉が開かれる。
「いらっしゃ…」
 皿を拭いていた無愛想な中年の男店主が来訪者に目をやる。
「おお? これは…、珍しい。さ、どうぞ」
 一瞬目を丸くした店主だったが、カウンターに手を伸ばし席を勧める。
「…ジンを瓶ごと」
「あー、マール産とキール産、ロッサとありますが」
「キールを…」
「…へい、お待ちを」
 ややあって、トン、とキール産のジンの中瓶とショットグラスが目の前に置かれる。
「ごゆっくり」
「ありがとう」
 余計な事は一切詮索しない。それがこの店主のいい所であった。
 タン、と一気にグラスをあおる。
「ごほっ、ごほっ…」
 普段あまり飲まない酒の強さに咽ていると、店内にいた娼婦達が声をかけてくる。
「あはは、綺麗な顔のお兄さん、いい飲みっぷりだねえ…。どうだい、私と一緒に飲まないかい…?」
「……」
 何も答えず、プイ、と横を向く。
「つれないねえ。まさか女とかじゃないんだろう?」
 もう一人の娼婦が長い煙管で煙草を吹かしながら隣に座ると、男にしては細身の身体に手を伸ばしてくる。 
「よせ、メアリ、ローサ。その方はお前達に全く興味が無い。客を取るなら、他を当たれ」
 店主が半分禿げた頭を掻きながら、ドスの聞いた声で凄みを利かせた。
 その声に、騒がしかった店内が水を打った様に静まり返る。
 元武装商船隊旗艦の甲板長として、水兵達を怒鳴り続けていた声と威厳はいまだ健在なり、というところか。
「わ、わかったよ…」
「何だい、せっかくの上客だと思ったのに…」
 ぶつぶつ言いながらも、カウンター席を離れる娼婦達。
「すみません。…頼みついでに、部屋は開いていますか?」
 その言葉に、また店主の目が見開かれる。
「…? …ええ、何室か。ここに、泊まるのですかい?」
「…ええ、お願いします」
 仔細あり、と理解した店主は数瞬のち、コクリと頷いた。
「…後で、上にいる女房に伝えておきます」
「ありがとう、ザールさん、訳も言わずに…」
「…いえ、お気になさらず…、…マルシャル様」
 マルシャルに名前を呼ばれた店主…『ザール・ブリュッケン』は、一瞬だけニコリと微笑んだ。
 ザールはかつて彼の旗下で戦い、負傷をきっかけに一線から身を引いた男だった。
「…しばらく、世話になるやもしれません…」
 端正な顔に似合わぬ沈んだ声で、ザールに頭を下げるマルシャル。
「…そうですか。今夜はどうぞ気の済むまで飲ってください…」
 複雑な表情で、ザールはまた皿を磨き始めた。
589この想いは君だけに7 ◆JF./hUt3Ek :2008/01/10(木) 12:37:56 ID:dWijqx+A
2日後。
「若…、らしくないですな…、将がこれでは、兵達に示しがつきませんぞ」
 部屋に駆け込んできたロスが呆れ顔で、寝台に毛布で包まっているマルシャルに告げる。
 すでに日は中天に座し、窓の外に見える無数の煙突から、竈から出る白煙がゆるゆると上がっていた。
「うう…、話しかけないでください…頭が、痛い…、水を…」 
 むくりと寝台から身を起こし、頭を押さえるマルシャル。
 どうやら完全に二日酔いのようだ。
 普段飲まない酒を大量に飲めばどうなるか、身をもって思い知る。
「全く、折り目正しい若が酒に溺れるとは、想像もしませなんだ。…ああ、折角の美貌が台無しですぞ」
 ロスの指摘どおり、見るも無残にやつれたマルシャル。
 ベッドの脇には酒瓶が何本か転がっている。
「キームゼーさん…、明日まで私は非番ですが…何の用ですか。もしや、敵が攻めてきましたか?」
 ロスは盛大に天を仰いで嘆息する。
「若…、何の用では無いでしょう。家にも帰らず、ブリュッケンの宿に泊まり、大酒を飲むとは。何があったんですか。私に聞かせてくれますまいか?」
 テーブルに置かれたデカンタから真水をコップに注いでマルシャルに渡すと、備え付けの椅子に座り問いただす。
「ふぅ…。…実は…」 
 マルシャルは一気に水を飲み干すと、重い頭と気分であの夜の事を語り始めた…。
 
「しかし、妙な話ですな」
 聞き終わったロスが、首を傾げてそう口を開く。
「…妙、とは?」
 マルシャルが訝しげに聞きなおす。
「……。ベーアラントとわが国は代々犬猿の仲。それに我々は、あの国の艦船をかなり屠り、また鹵獲していますぞ。
むこうの王やギルド(商人の組合)からは恨み骨髄に思われているのは周知の事実。その国が、政略結婚などを持ち込むものでしょうか?」
 ロスは続ける。
「それに、先日私は国王陛下にお会いしましたが、その様な話は一切出てきませなんだ。当人のアーテルハイド殿からもです」
 マルシャルの目が見開かれる。
「バカな? 私は確かに、父上から…」
「もしや」
「?」
「考えられる事は二つ」
「二つ?」
「一つはアーテルハイド様の言われる事が真実で、独自に動いたという事。ですが、これが疑わしいのは先程私が述べた通り」
「…はい」
「もう一つは…、アーテルハイド様は若様、貴方を試しているのでは」
「え…、私を?」
「ご存知ないのですか? ザトルワ孤児院は、ゼテア地区から立ち退きを命じられていることを」
「!!! な、何ですって!」
 ロスのその言葉は、マルシャルの酔いを醒ますに充分な衝撃だった。
  
「…大商家のクライン家があの地に館を建てたいと、再三に亘って地主と役人に賄賂を送り、3週間内に立ち退かねば取り壊す事が決まったのだ」
「まあ。そんな事をしたら、子供達の居場所が…」
「ああ。だが、マルシャルが想いを寄せる院の女性、リエネラ嬢と結婚すれば話は別だ」
「成程…。ザトルワ孤児院の権利はココット家とピネー家が買い取るという訳ですか」
「そうだ。そして、賄賂の件を閣下に訴える。そうなればクライン家とて諦めざるを得まい」
「…あなたも、ただでは済みませんよ?」
「…フ、覚悟はできている。結果がどうなろうと、私は総督の座を辞すつもりだ」
「そういう事なんでしたの。得心が行きましたわ」
「ヴァネー、お前は嫌か? 財無き盲目の娘は?」
「いえ、見かけや財などより、心で息子が選んだ方です。誇りに思いますわ」
「そうか、私も同感だ。後はあやつが先に進めるかどうか、だ。私に出来ることは、ここまでだ」
「あの子なら、大丈夫ですよ、きっと…」
「そうだな…」
590この想いは君だけに8 ◆JF./hUt3Ek :2008/01/10(木) 12:39:20 ID:dWijqx+A
翌日の夜。
 物憂げな秋の冷たい雨が、朝から降り注いでいた。
 それはまるで、闇の中、悲しみに沈む心の流す涙のように。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
 ザトルワ孤児院に続く坂道を、傘もささずに走る一人の青年がいた。
 どれくらい雨に打たれたのだろう…、金の髪を乱し、軍服はじっとりと重く。
 それでも、前を、前だけを見て走る。
「バカだ。私はバカだ…」
「何も、何も知らなかった…」
 躓き、ドシャリと転ぶ。
「行かないと…、リスタ院長…、院の皆、そして…」
 端正な顔が泥で汚れても、気にせず前に進む。
「リエネラさん…」
「この想い、思いは…貴女だけ…」
 決意を胸に秘めて。
「はぁ、はぁ…、もう少し…?!」
 孤児院の窓ごしに、外の様子を伺う銀髪の女性の姿が窓の明かりを通してかすかに見えた。
 誰よりも優しく、そして愛しい人。
「リエネラさん…」
 そう、口に出して呟いたとき…
「あなた、マル…シャル?! どうしたんです? こんな時間に? それにその格好」
 傘を差し、ランプを照らして巡回していたリスタが驚いた顔で近づいてきた。
「あ、リスタ院長…」
「話は後です。中に入りなさい」
 
 来客室。
 殺風景な部屋で、暖炉の他には、寝台と座椅子、テーブルしか無かった。
「夜分申し訳ありません。それに、服まで貸して戴いて」
 タオルで頭を拭き終えたマルシャルがリスタに礼を言う。
 今着ている服は町人が着ているありふれたシャツにズボンだ。
「いいのよ。しかし、酷い格好でしたね」
 リスタが暖炉に薪を放り込み終えると笑う。
「…面目ありません」
 しょげる若き提督。
 颯爽と武装商船隊を指揮し、『虎鮫』の異名をとる男とはとても思えない程だ。
「で、何の用なのです? 今夜は」
 椅子にゆっくりと腰掛け、リスタはマルシャルに問いかける。
「…立ち退きの話、何故私に言ってくださらなかったのですか?」
「それを聞いて、どうするの」
「…私では力になれない、と?」  
「今の貴方には関係ないでしょう? マルーシャ」
「な…?! ここで世話になった私は、ここが第二の家なのです! …それに、子供達は何処へいけというのですか!」
 思いもよらぬ言葉に、血相を変えて詰め寄るマルシャル。
「リエネラを諦め、ベーアラントの姫と結婚する貴方に、関係はありません」
 そんなマルシャルの思いを突き放す様に、冷たく言い放つリスタ。
「な、誰に、そのようなことを!」
「どなたでも良いでしょう? 貴方は外見や家柄で女性を選ぶような子だったのね」  
「違います…」
「見損ないましたよ、マルーシャ、いえ、マルシャル・フォン・ココット殿」
「…違う、違うッ…」
 院長の冷たい言葉に、わなわなと肩を震わすマルシャル。
「何が、違う、と? もはや、貴方の心はあの子に無い…」 
 思わずマルシャルは椅子から立ち上がると、語気を強めて叫ぶように言った。
「違うッ!!! 私が心の底から愛している女性は、リエネラ・ウエストミュンスター殿、ただ一人だけですッ!」
591この想いは君だけに9 ◆JF./hUt3Ek :2008/01/10(木) 12:40:23 ID:dWijqx+A
 マルシャルの心からの吐露に、にっこりと微笑むリスタ。
「…よく言えましたね、マルーシャ…、リエネラ、入っておいで」
 と、声を掛ける。
「え…?」
 ゆっくりと扉が開き、リエネラが杖を付きながら入室してきた。
「マルーシャ、さん…、今の言葉、本当ですか?」
 頬を薔薇色に染めた盲目の女性は、戸惑う様に口を開く。
「リスタ院長…、これはッ?!」
 同じく顔を赤めたマルシャルが、狼狽しながらリスタに訊ねる。
「フフフ、ごめんなさいね、貴方を試したのよ」
「は、はあ…」 
「孤児院の件ならば心配はいりません。お父上が全て上手く取り計らってくれるそうです」
「父上、が?」
「そう。2日程前、訪ねてきて、ね。硬軟両方で交渉する、と。リエネラ、ここへ座りなさい」
「はい、院長」
 リスタは立ち上がると、リエネラを自分が座っていた椅子に導く。
「…父上…。」
「それと、今夜はここに泊まり、明日家に帰りなさい。もう、宿に世話になってはいけませんよ」
 まるで院の子供に諭す様に喋ると、ポンと、マルシャルの肩に手を置くリスタ。
「全て、お見通しですか…、はは、院長と父上には敵わないや…」
「さて、後は二人の時間。ゆっくりと話しなさい」
「え、ちょ…院長先生ッ!」
 扉に向かい歩むリスタを、慌てて引き止めようとするマルシャル。
「もう貴方は子供ではないでしょう? マルーシャ」
 バタン、と扉が閉じられ、部屋の中にはマルシャルとリエネラだけが残った。
 
「マルーシャ…、いえ、マルシャルさん」
「はっ、はい! な、な、な何です?」
 リエネラに名前を呼ばれ、マルシャルは狼狽して聞き返す。
「…さっきの言葉…、本当ですか?」
 蒼い瞳が、マルシャルの顔を射抜く。まるで全て、見えているかのように。
「あ…、そ、それは…くしゅっ」
「くしゅ?」
 リエネラは首を傾げる。
「あの、実は、ここに来る途中に雨に打たれてびしょ濡れになってしまいまして…くしゅっ」
「まあ、風邪を召したら大変です。寄宿棟にお風呂が沸いてますから。案内します」
 リエネラは杖を掴むと立ち上がる。
「え、でも」
「もう皆済ませましたから、どうぞ」
「は、はい…」
 リエネラはマルシャルの手を取る。
 重ねる手の暖かさが、マルシャルにはとても嬉しかった。
592この想いは君だけに10 ◆JF./hUt3Ek :2008/01/10(木) 12:43:32 ID:dWijqx+A
「ふー。生き返りました」
 湯船に身を沈めながら、マルシャルが呟く。
(それはよかったです)
 浴槽の扉越しに、リエネラが答える。
《どうしようか…、リエネラさんに面とむかって想いを伝えなきゃいけないのに…》
 マルシャルが思案に暮れていると、ゴソゴソと、扉の向こうで衣擦れの音がする。
「あの? 何を?」
(いえ、お背中を流そうかと)
「はい?」
 一瞬、意味がわからなかったマルシャルだったが。
「〜〜〜〜〜〜〜ッ! い、いけませんッ! で、出ま…」
 ザバリと湯船から出たが、すぐに凍りついたように動かなくなる。
「? どうしたんですか?」
 浴室の扉が開き、リエネラが全裸で入ってきたからだ。
 膝まで垂れた長い銀糸の様な髪に、二つの豊かな丘。
 長身でありながら無駄な贅肉はなく、目が見えない事を除けば、神が造りたもうた芸術品の様な美しさだった。 
「あう…、あ、いや…、な、何でも、ないです」
 一糸纏わぬ姿のリエネラの裸体を直視出来ず、マルシャルは直ぐに『右向け、右!』の号令の様に背を向けた。
 本当にこの男が名将の聞こえも高い『虎鮫のマルシャル』なのだろうか。
「…?、あ、背中向けてくれたんですね。そのまましゃがんでくださると有難いのですが」
 ペタペタと手探りで、マルシャルの背に手を触れるリエネラ。
「ひゃうッ? りょ、了解!」
「石鹸を取ってくださいますか?」
「りょ、了解です」
「クス…、軍人さんですよ? 口調が」
 リエネラは可笑しそうに笑う。形無しだ。
「うう…」
「んしょ、んしょ」
 マルシャルの背中をゴシゴシと洗うリエネラ。
「はい、後ろ終わりました」
「あ、アリガトウゴザイマス…」
「はい、次は前ですね」
「は? い、いや、絶対ダメです、それは!」
 猛然と反対するマルシャル。
「どうしてですか? 私の瞳は見えないからいいと思いますが」
「わ、私がダメなんです!」
「? 何言ってるかわかりませんが?」
 背後からぴとりと身を寄せ、腹部にタオルを持った手を伸ばすリエネラ。
 柔らかな感触が、マルシャルの背に当たる。
「ひゃああッ、ちょッ…? な、何をっ!」
 慌てて立ち上がろうとするが、相手は目が見えない事を思い出し、身動きがとれない。 
593この想いは君だけに11 ◆JF./hUt3Ek :2008/01/10(木) 12:44:51 ID:dWijqx+A
「前を洗うまでです…? あら、ここは?」
 と、リエネラの手が、マルシャルの大事な部分に触れる。
「ひゃぅッ、ソコは…、ソコだけは、絶対ダメぇッ…」
「? どうしてです?」
「…き、汚いですから…」
「じゃあ、綺麗にして差し上げます」
 逆効果だった。石鹸をつけたタオルで握られる。
「え、だ、ダメッ…、ダメですぅ…ああぁ…」
「んしょ、んしょ」
 リエネラのほっそりした手が上下する。それにつれ、マルシャルの背に感じる二つの柔らかな感触も擦れる。
「あぅ…、クうっ…」
 思いを寄せる人に大事な部分をタオル越しに扱かれ、自身が益々増大する。
「…何か、どんどん大きくなってきますね」
 タオルを取ると、こんどは泡まみれの手で握る。
「だ、ダメぇ…、そんなに動かしちゃぁ…」
「手の中で胸の様に脈を打って、凄く熱くて硬いですね。? 何か先の方から液体が出てきましたけど?」
「り、リエネラさんッ…」
 まるで女性のように、口に手を当て、快楽に身悶えるマルシャル。
「ああ、コレを全部出せばいいんですね」
「ち、ちが、違…、あッ…」
 マルシャルの瞳が潤む。もはや、己の限界が近い。 
「アッ…、は、わたし、私、もうッ…!」
 ビクリ、と性器が手の中で跳ね、先端からどくどくと劣情を吐き出す。
「あ、何か、たくさん出てきましたね。綺麗になった証拠でしょうか?」
「はぁ、はぁ、は…、はい、もうとても、ですから、これ以上は…」
「息が荒いみたいですけど? 湯当りしましたか?」
「…は、はい、そういう事にしておいてください!」
「? はあ。じゃあ、出ましょうか」

「マルシャルさんの身体、とても暖かいです」
「そ、そうですか…」
 雨音が静かに窓を叩く部屋で、マルシャルとリエネラは一つベッドの中に居た。
 風呂から出て、寝具に着替えたリエネラが、一緒に寝ようと提案してきたのだ。
 マルシャルは真っ赤になって否定したが、結局は従った。
「ふふ。昔はよくこうして一緒に寝てたじゃないですか…」
「そう、ですね…。あの頃の私は弱虫で、よく院のみんなに苛められて泣いてたっけ…」
「で、ついた名前が『泣き虫マルーシャ』でしたからね」
「リエネラさんはいつも頭を撫でて慰めてくれました」
「ええ。泣き疲れてよく私の膝で眠っていましたね。女の子みたいな顔らしいから、皆ちょっかいを出したかったんでしょうね」
「うう…、リエネラさんの意地悪」
「ふふっ」 
 一つ一つ過去を辿り、とても穏やかな気分になるマルシャル。
 心臓の鼓動はだいぶ落ち着きを取り戻したようだ。 
594この想いは君だけに12 ◆JF./hUt3Ek :2008/01/10(木) 12:45:30 ID:dWijqx+A
「…私も好きです、マルシャルさんの事が」
 突然のリエネラの告白に、虚を突かれるマルシャル。
「え? リエネラさん…」
「ずっと、あの頃からずっと」
「……」
 そっと、リエネラはマルシャルの胸に顔を寄せる。
 銀の髪がさらさらと、流れるようにマルシャルの胸にかかる。
「諦めていたんです。大変見目麗しく、名家ココット家の一人息子で、王国の要。私は眼が見えぬ、孤児の娘」
「……」
「だけど…私は…」
 リエネラの蒼き瞳から、大粒の涙が零れ落ちる。たとえ光を失おうと、その機能だけは忠実に働いていた。
「リエネラさん」
「あっ…」
 ギュっと、マルシャルはリエネラをベッドの中で抱きしめる。
「泣かないで。私を外見や家柄でなく、心から見てくれた女性は、貴女一人。私のこの想いは、貴女だけ。私が貴女の光になりたい…」
「マ、マルシャルさん…」
「はは、やっと、伝えることが、できた…」
 そっと、マルシャルはリエネラを解放する。
「私なんかで…本当に良いのですか?」
 リエネラは頬を赤めながら、見えぬ視線をマルシャルの顔に向ける。
「もちろんです。貴女のほかに、妻を娶る気はありません…」
「マルシャルさん…」
 リエネラはまた、マルシャルに身を寄せる。
「どうしました?」
「お休みのキスを…」
「あ、は、はい…」
 そっと、リエネラの額に唇を近づける、が。
「あ、唇にですよ?」
「ええっ?」
「ふふ、はい…」
「武装商船隊司令の私でも、貴女には敵いませんね…」
 やれやれと嘆息するマルシャル。そして、瞳を閉じたリエネラの唇に自らの顔を近づける。
 そっと、二人の吐息が、闇の中で交わった。

-----------------------------------------------------------------------------

 その後、正式にマルシャルはリエネラを妻として迎えた。
 ザトルワ孤児院の権利はピネー家とココット家が買取り、クライン家は多額の金を受け取り諦めた。
 父のアーテルハイドはその件で海軍総督の職を辞したが、王の強き勧めにより、海軍士官学校の校長を務める事となった。
 後任の海軍総督にはトロペット・ロス・ヘレンキームゼー『ロスの赤髭親父』が就任した。
 これにはマルシャルが辞退したことと、その強い推挙があったからとされている。
 
 ベーアラントとクロスターガルテンはその後、25年の長きに渡り戦闘が繰り返されたが、最終的にクロスターガルテンが勝利した。
 この長き戦いには、一人の銀髪碧眼の海軍司令がおおいに活躍した事が知られている。
 女人の如き美しい容姿でありながら、勇猛果敢で、敵の捕虜にも極めて寛大公正な扱いをし、敵味方無く尊敬を集めた男。
 誠実で一本気な父と、盲目でありながら心優しき母の間に生まれた子。
 『銀帝』シャルル・フォン・ココット。
 彼の名前は正史に深く刻まれることだろう。
 
 −FIN−
595バイエルン発動機製作所 ◆JF./hUt3Ek :2008/01/10(木) 12:47:21 ID:dWijqx+A
はい、御終いっス。
スンマセン、潤いのある描写が少なくて…。
ま、某はコレで…。
それでは。
596名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 13:37:05 ID:dDk+NSsg
>>595
うざいっすw
597名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 22:10:35 ID:1Il9G+q5
>>595
GJでした

>>596
お前は一体幾つのスレに寄生しているんだ?
598名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 00:04:53 ID:mknNnwVn
>>595
エロ成分が少なかったのは残念でしたがGJでありました

人が少ないスレにしか寄生しないチキン自宅警備員発見
599名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 00:31:49 ID:5vNDXYSk
>>598
自演自画自賛きめぇw

>人が少ないスレにしか寄生しないチキン自宅警備員発見
そっくりそのままお前に返すぜw
ライバルがいない過疎スレにしか投下できないヘタレチンカス野郎がw
死ねや
600名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 00:56:01 ID:tbU6tFb/
>>599
この節穴盲目人は過疎スレでしか暴れる事の出来ないかまっての自演批評厨です。
このレス以降、スルー&あぼーんよろしく。
頭の可哀相な輩は完全に無視しましょう。

601名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 23:02:54 ID:Mmtu2VLd
人工無能ぐらいスルーしようぜ
602名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 23:32:02 ID:ELp62afF
>>595
今更ですが、良い仕事でした。世界観が凄く心地よかったです。
603名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 22:43:03 ID:jMxdu6J0
保守☆
604名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 04:05:31 ID:yuDK+Ymj
>>595
いまさらながら激しく乙でした。
605名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 22:59:38 ID:gY8wcegP
保☆守
606名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 22:09:08 ID:SsSKrEJ3
hosyu
607名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 03:09:50 ID:7HapM6k3
おほほっ
608暗愚丸:2008/02/10(日) 21:58:40 ID:TIc/eDz+
えー、思い切りしばらくぶりですが、暗愚丸です。
やっとこさ、続き書けたので投下します。
それでは、『恋、薫る』にお付き合いください。
609『恋、薫る』:2008/02/10(日) 21:59:15 ID:TIc/eDz+
 薫が来店した日から三日後はアスカの定休日で、千草は車で三十分ほど掛かる巨大なシ
ョッピングモールに足を伸ばしていた。
 目的はほぼ1フロアを占有している、市内でも有数の品揃えを誇る巨大書店。
 趣味で読む文庫本や雑誌くらいなら、近所にある小さな本屋で買えるけれど、やはり専
門書の類を買いそろえるなら大型書店に足を運んだ方が効率が良いのだ。
「……ふぅ」
 それでも、流石にハードカバーの専門書ばかり六冊も抱え込んでいる自分に、溜息が
出てしまうのは仕方がないことだった。
 元々、読書自体はさほど嫌いではないけれど、千草が好んで読んでいたのは文庫本の小
説くらいでしかなかった。
 専門書を読むようになったのはアスカを継いでからのこと。
 花のことで分からないことはアスカに聞けと、近隣の花屋や卸でさえ口にする程に父の
知識は尋常でない豊富さを見せていた。
 そんなアスカだから、玄人も裸足で逃げ出すほどに詳しい常連客が多く、再開してから
は千草の方が教わる事の方が多いくらいなのだ。
 そんな状況では、常連客が去っていっても文句は言えない。
 それに、父の遺品には殆ど本がなくて、一体どこからアレだけの知識を得ていたのかと、
訝る程で。
「あ」
 そんな考え事をしながら見ていた棚に、以前から気になっていた洋書『An orchid ency
clopedia』の文字が見えて思わず手を伸ばす。
 その瞬間。
 ふわりと、今まで感じたことのない爽やかで甘い香りが、鼻腔をくすぐった。
 間髪入れずぽんっと肩を叩かれて、千草はすぐに振り返る。
「店長、休みの日まで勉強ですか? 相変わらず精が出ますね〜」
「……あ、あの、飛鳥井さん。こんにちは」
 背後には、ニヤニヤと笑う木船と、その腕に自身のそれを絡めている薫が立っていた。
 木船が身につけているのは青いホットパンツに白のタンクトップ、その上から黒のデニ
ムジャケットを羽織っていた。
 その姿がやけに様になっていて、仕事中の少々野暮ったささえ感じさせる衣装とのギャ
ップに内心で苦笑して、薫の方に視線を向けた。
 白いラメ入りで肩口がひも状のキャミワンピースに、丈と袖が短い白のジャケットを付
けている姿に、一瞬目を奪われた。
 全くと言っていいほど日焼けをしていない薫には、白い衣服はよく似合っていて濡れ羽
色の長い黒髪と、大きな黒目が印象的に見える。
 脇に白杖を手挟んでいなければ、そして、木船の腕に身を任せていなければ、確実にナ
ンパされるであろう愛らしさに、胸の奥が小さなさざめきを起こした。
「あ、あの、飛鳥井さん?」
 戸惑ったような薫の声に、千草ははっと我に返る。
「あ、こんにちは、姫野木さん。今日は木船君と一緒に買い物ですか?」
 問いかけながら、やっぱり薫と木船にはプライベートでの付き合いがあったのかと、妙
なことを得心していた。
 ただの常連客に対するには――いくら人当たりの良い木船にしても――なれなれしすぎ
ると以前から思っていたのだ。
「はい。前から欲しいと思っていた本がありましたから」
「んで、私が薫さんの目の代わりに参上してるってわけです」
 にかっと笑う木船の仕草は普段の仕事中にはあまり見られないモノで、それに新鮮なモ
ノを感じながら、それでも視線はすぐに薫の方に向いてしまう。
 なぜここまで薫に惹かれるのか自分でも分からないが、それでもこうして偶然であえた
だけでも心弾むモノを覚えていた。
「そうですか、それで、どのような本を探されているのですか」
「実は買う予定の本が売り切れていたんです」
 呟きながら、困ったような表情を浮かべる薫。
「それ以外に欲しい本もありますけど、あまり数を買っても、翻訳して貰うのが申し訳な
いですし」
「翻訳、ですか?」
 洋書でも買うつもりだったのだろうかと、そんな考えが疑問符として声に乗った。
 それに気付いたのか。
 ふるふると首を左右に振って、微笑みを浮かべた薫が口を開く。
「点字に翻訳して貰わないと、私には読めませんから」
610『恋、薫る』:2008/02/10(日) 22:00:24 ID:TIc/eDz+
 その様子に、ニヤニヤと笑った木船がそのまま背中を向けて、歩いていく。
 それ以上言葉を発することは出来なかった。


 しばし呆然と、立ちつくす千草。
 不意に背後から咳払いの音が聞こえて、振り返った千草は慌てて横に身を躱す。
「すみません」
 どことなく軽薄そうな印象を与える顔立ちの中年男性が、ちらりと、こちらとその隣に
いる薫に視線を向けてきて、何か言いたげに唇を歪める。
 すこしむっとしながら、それでも千草はその男性に背中を向けた。
「姫野木さん、それじゃいきましょうか」
 今日はこれ以上本を買う気になれなくて、そのまま薫の右手をそっと握る。
 ぴくんっと、薫が小さく肩を揺らして。
「あ、あの飛鳥井さん」
「はい、なんです?」
 少し困ったような声音に訝りながら、千草は薫に問いかける。
 一瞬、繋いだ手に力が込められて、それからゆっくりとふりほどかれた。
「あの、出来れば、腕を……」
 恥ずかしげな声に、一瞬何を言われたのか分からなくなってしまう。
 木船がしていたように腕を貸して欲しいのだと、一拍遅れて気付いた。
「あ、その、人通りが多くて普段あまり来ないところだと、手を惹かれるだけでは不安な
んです」
 慌てたように言葉を放つ薫に、内心の落胆をかき消して左腕を突き出す千草。
 そのまま、薫の右手を導いて腕を掴ませた。
「その、ごめんなさい」
「いえ、気にしないで下さい」
 恐縮した様子の薫に言葉を返しながら、千草は出来るだけ平静を装いながら答えを返す。
 ただ捕まるのではなく、そのまま手を動かして、まるで恋人同士がするように腕を絡ま
せてくる薫。
 しかもすり寄ってくる薫の肌の感触や、甘さと爽やかさを兼ね備えた香りに、少しだけ
心臓が跳ねた。
「それじゃ、行きましょうか。ここを出てから行く予定だったところはありますか?」
「いえ、特には。……ただ、木船さんお奨めの甘味処に行ってみたいと思いましたけど」
「甘味処……、このモールにある太平庵かな?」
「はい、確かそんな名前でした」
 そんな他愛もないやりとりをしながらゆっくりと歩き出す千草。
 薫が隣にいて話しが出来る。
 それだけでも嬉しさを感じていることに、今更ながら自分が薫に惹かれているのだと、
千草は強く意識した。




 太平庵で穏やかな時間を過ごした後、千草は薫と共にモール内を適当に歩いていた。
 そのまま、一件の化粧品店の前で、薫が足を止める。
 薫が一歩を踏み出すのに合わせて移動しながら、香水コーナーの前まで移動した。
「……その、ごめんなさい。こんな所まで付き合わせてしまって」
 試用の香水瓶に触れながら薫が申し訳なさそうな声音で話しかけてくる。
 その言葉に、ただ苦笑が浮かんだ。
「気にしなくても良いですよ。僕も特に予定はありませんでしたから」
 それは事実で、けれど真実は半分しか含まれていない言葉。
 確かに予定は無いけれど、こうして薫と過ごせる時間は格別の楽しさを感じさせてくれ
る。
 それを素直に口に出来るほど、千草は子供ではない。
「そうなんですか?」
 不思議そうな薫の問いかけに思わず首を傾げて、問いかけるより早く薫が少しだけ影を
感じさせる笑顔を浮かべた。
「飛鳥井さんなら、お付き合いされているでしょう?」
 そのまま続いた言葉に、思わず呼吸が止まった。
 一呼吸遅れて、何を言われたのかが理解できて。
611『恋、薫る』:2008/02/10(日) 22:01:05 ID:TIc/eDz+
「え、あ、いや、僕にはそんな相手はいませんよ」
「そうですか? 飛鳥井さんなら、結構女性に人気がありそうな気がしますけど」
 不思議そうな薫の言葉に、苦笑を浮かべたまま千草は頭を振る。
 千草自身は、女性に人気があるとは思えないのだから、それは当然のことで。
 けれど、口にすることを忘れてしまう。
「えと、姫野木さん。それでこちらでは何を買われるんです?」
「あの新製品の試用コーナーまで、お願いできますか?」
「はい」
 薫の言葉に従って、試用コーナーまで移動する。
 試用瓶に手を伸ばそうとする千草を遮って、薫がそっと繊手を伸ばした。
 そのまま瓶の口にそっと触れて、けれど中の香を確認した様子も見せず、何度か頷く。
 それをいくつかの瓶で試してから、薫が一つの瓶を指さした。
「あの、飛鳥井さん。こちらの製品を取って頂けませんか?」
「はい、分かりました」
 薫の指した物と同じ商品を手に取りながら、それでも今の光景に覚えた疑問を隠すこと
が出来なかった。


 ……商品を購入して、化粧品店を出た後。
 広いデパート内を歩きながら千草は思い切って口を開いた。
「ところで」
「はい?」
 どことなくそわそわしている薫に内心で訝りながら、千草は問いかけをそのままぶつけ
る。
 下手に取り繕った方が薫を傷つけることになると思えたから。
「さっきの店で、確認せずに商品を選ばれたみたいですけど、大丈夫なんですか?」
「え、ああ、先ほどのあれですか?」
 こちらの問いかけに目を伏せる薫。
 同時に、掴まれている腕に、きゅっと力がこもった。
 その仕草に僅かな迷いを感じて。
「あ、ご迷惑なら」「いえ、そんなことはありません」
 そう言ってから顔を上げた薫が、微笑みを浮かべたままこちらに顔を向ける。
「その……、以前言いましたよね。私は音楽よりも薫りにこだわりを持ってしまうと」
「ええ」
 薫の真剣な声に気付いて、静かに答えを返す。
 こちらも真剣な気持ちで聞いていることが伝わったのだろう、薫の手にこもっていた力
が抜けた。
「目が見えないと、他の五感が発達するとよく言うらしいですが、私の場合、嗅覚が非常
に優れているらしいんです。きちんと比べたわけではないですけど、犬と同程度みたいで
す」
 その言葉があまりにもあっけらかんとしていて、だから千草はわざと笑顔を作った。
 きっとその能力のせいで、目が見えないこと以上に厄介なことがあっただろうに、それ
を平然と語れる薫の強さに気付いたから。
 なのに、薫の強さに悲しさを覚えたことなど、悟られたくなかったから。
「そうなんですか。だから、ウチの店で花の位置とかが簡単に分かるんですね?」
「ええ、そういうことです」
 出来るだけ明るい声音で答えを返して、薫のうなずきにも笑顔を向けた。
 けれど、また薫がそわそわしていることに気付く。
「えと、姫野木さん。どうかされました?」
 薫が僅かに頬を朱に染めて、こちらに顔を向けてくる。
「すみません……、女性の店員さんが周りにいないでしょうか?」
「えと、ちょっと待って下さい」
 その言葉と落ち着きのない様子で、薫がトイレに行きたがってるのだと察して。
 そんなことを理解してしまう自分に少々恥ずかしさを覚えたまま、千草は軽く周囲を見
渡す。
 ちょうど、デパートの店員が歩いているのが見えて。
「あ、そこの店員さん、ちょっとすみません」
 薫を連れている状態で追いかけることも出来なくて、その場から声をかける。
 周囲を歩いている人々が胡乱気な目を向けてきたが、そんなことには意を向けたりしな
い。
612『恋、薫る』:2008/02/10(日) 22:01:43 ID:TIc/eDz+
 ただ薫が困っていることを解決する方が、千草にとっては大事なことだから。
「あ、はい。何か御用ですか、お客様?」
 笑みを顔に貼り付けて、けれど目が訝るように見詰めてくる。
 そんな店員の様子に内心で少し怒りを覚えたけれど、それを覆い隠して千草は薫の手を
腕からそっと外した。
「すみません。彼女が用事があるので、少しお願いします」
 呟きながら、薫の手を女性店員に向けて伸ばす。
 その仕草と薫が白杖を手挟んでいることで、やっと女性店員も薫が盲目なのだと気付い
た様子を見せた。
「お客様? 何の御用ですか?」
 少し眉をひそめて、憐憫を顔に浮かべる女性店員。
 それにもまた、僅かな苛立ちを覚えて。
 けれど、薫が女性店員にだけ聞こえるような小さな声を放つのを、黙って聞いていた。
「はい、分かりました。お連れ様、しばしお待ち頂けますか?」
「お願いします」
 女性店員が、不意に優しげな微笑みを浮かべてこちらを見詰めてくる。
 そこはかとない好意らしきものを感じながらも、千草は女性店員に連れられていく薫を
静かに見送った。


 そして、薫と女性店員の姿が見えなくなったタイミングを見計らったように、携帯が四
季・冬第二楽章を奏でた。
 それは仕事関係の着メロで、だから誰がかけてきたのかは、画面を確認するまでもなく
分かっていた。
「で、なにか言いたいことがあるのかい、木船君?」
『え、あははは……、いや、こっちもいろいろあったんっすよ』
 微妙にざらついた電話音声に、僅かな苛立ちを覚えた。
「何が色々あったのか、是非聞いてみたいんだけどね? あの状況でいきなり姫野木さん
を置いていくなんて、一体何を考えているんだ、君は」
 だから、声音が鋭くなるのはしょうがないこと。
 掛かってきたタイミングでも、木船がこちらを伺っていることが理解できたから。
『いやまあ、アレっすよ』
 説明になっていない言葉と、くすくすとそれに続く笑い声がまた苛立ちを増幅させて。
「何がアレなのか、きちんと説明して欲しいんだけどね。……勤務査定って言う物を考え
た方が良いんじゃないかな?」
『て、てんちょーの横暴ー! 私事に公事を絡めるのはどうかと思うっすー!』
 途端に不機嫌になる木船の声。
 不機嫌なのはこっちの方だと、声を荒らげようとして。
『大体、けしかけたのは確かにあたしですけど、決断したのは薫さんなんですからね』
 思ってもいない言葉に、二の句が継げなくなる。
『強引だったって言われてもしょうがないですけど、でも、店長と一緒の時間を過ごした
いって願ったのは、薫さんなんですよ。店長だって、嬉しかったでしょ?』
「そ、それは……」
『いい加減、見てるこっちがじれったいんですよ。店長も男だったらここらでびしっと決
めちゃいましょうよ。薫さんの事、好きなんでしょ?』
 強引な木船の決めつけに答えることが出来ずに、千草は溜息を返した。
 薫が好きかと言われれば、好きに決まっている。
 けれど、自分の告白はきっと薫の迷惑になるに決まっている。
 そう思えばこそ、気持ちを伝える気持ちにはなれないだけ。
「良いかい、木船君。今度電話をかけてきたら、本気で怒るからね」
『あ、ちょ、てんちょー!?』
 強引に通話を切って、ポケットに携帯を収める千草。
 木船の行動が好意から出ていることは分かっているけれど、自分の想いをかき回された
くない。
 その思いだけを胸に抱いて、千草はもう一度溜息を吐いた。
613暗愚丸:2008/02/10(日) 22:03:22 ID:TIc/eDz+
と言うことで、思いっきり遅くなってすみません。
前回レスくださった皆様、ありがとうございました。

次回こそは、少しは早めにお送りできると良いなぁと思ってます。
それでは、また次回、いつになるか分かりませんがお会いしましょう。
614名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 22:48:51 ID:sUxFpKDN
ついにSSきたー!
GJ
615名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 00:29:30 ID:DcvzInG+
どれだけ待ったことか・・・

何はともあれGJ!!!
616名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 02:52:58 ID:dZi/AI+b
>>613
いい!すごく いい!
あなたのペースで、二人のこと 教えてください。
617暗愚丸:2008/02/11(月) 07:52:12 ID:Zet2tSLf
えと、ごめんなさい。
609と610の間が、何故か抜けてました(汗
その部分を投下します。
618『恋、薫る』:2008/02/11(月) 07:52:49 ID:Zet2tSLf
「ああ、なるほど」
 薫の声には微塵も暗さを感じなくて、だから千草も同じ様に重さを消して明るく答える。
 薫自身が気に病んでいないことを察したつもりになって、勝手にこちらが痛さを覚える
ことほど失礼なことはないと、千草は思っているから。
 薫と会話を交わせることが楽しくて、更に口を開こうとした千草は、一拍ずれて木船が
ジト目でこちらを睨んでいることに気付いた。
「あ、どうしたんだい、木船君」
「別に〜、お二人が楽しいんでしたら、あたしは別に構いませんから〜」
 わざとらしく伸ばした語尾に、少しだけむっと来る。
 確かについ、薫に注視を向けてしまったのは事実だが、それでもココまであからさまに
不満をぶつけられるいわれはないはずだ。
 それでも、それを表には出さずに、口を開こうとして。
「あ、丁度よかった」
 不意に、ぽんと手を打ち合わせる木船。
 その変わり身の速さに訝るよりも早く、にっこりと笑ってこちらを見詰めてくる木船。
 それが、嫌な予感を感じさせて。
「あー、木船君?」「てんちょー、あたし用事思い出したんで、薫さん任せるっすね?」
 千草の問いかけに、木船が笑ったまま答えを返してきた。
 一瞬、何を言われたのか理解できなくて。
「……は?」「え?」
 思わず漏らした声が、薫のそれと重なった。
「今日用事あったの、すっかり忘れてたんですよね。薫さんゴメンね?」
「え? でも、今日は先しゅ!?」
 いきなり、木船が薫の口元を手で塞ぐ。
 そのあまりにも突然すぎる動作に、千草は反応することが出来ない。
「てんちょー、ちょっと待ってて下さいっすね?」
 ニヤニヤと笑いながら、薫の口を押さえたまま、離れたところに引っ張っていく木船。
 その様子に唖然として。
 周囲にいる何人かの客に胡乱気な視線を向けられていることに気付いた。
 けれど、今はそんなことはどうでも良いこと。木船と薫が、ぼそぼそと話し合ってる様
子に目を奪われてしまう。
 何を考えているのか分からない木船の行動に、けれど、少しだけ期待を抱いている自分
に気付いて千草は苦笑を浮かべた。
 自分には急ぎの用事はない……、むしろ、叶うなら薫と少しでも同じ時間を過ごせたら
良いなとも思っている。
 けれど、自分から誘うわけにはいかないから。木船が、間を取り持ってくれるなら有り
難いと、本気でそう思った。
 そんなことを考えている間に話しが纏まったのだろう。
 木船が薫を連れてまたこちらまで戻ってくる。
「ってことで」
 しゅたっと右手を挙げる木船に、文句を言おうと口を開けて。
「あの!」
 薫の大きな声に、そのまま言葉を失った。
 茫漠とした視線を大体千草の顔あたりに向けてくる薫。
 その頬が僅かに赤らんでいることに、胸の奥がまたとくんとさざめく。
「その、ご迷惑で無ければ、一緒に見て回って頂いても、構いませんでしょうか」
 少しづつ重ねられる言葉に、薫の緊張を感じて。
 けれど、その顔に浮かぶ含羞(はにか)みに、薫が自分といてくれることを望んでいる
のかもしれないと淡い期待を覚えた。
「迷惑だなんて、そんな。それより、僕なんかでよろしいんですか?」
「飛鳥井さんになら……」
 そう言ってうつむく薫の姿に、浮かんだ思いをかき消す。
 好きになったとしても、自分の気持ちを伝えられない。そう思ったから。
「んじゃ、あたしは先に帰るっすね。お二人ともごゆっくり〜」
 ニヤニヤと笑いながらそんなことを言って背中を向ける木船。
 気恥ずかしさのあまり、顔が赤らんでいることを自覚しながら、それでも千草は木船を
睨む。
「木船君、そう言う言い方はどうかと思うよ」
「木船さん、そのあまりそう言うことは」
 薫と言葉が重なって、思わず言葉を失ってしまう。
619暗愚丸:2008/02/11(月) 07:57:34 ID:Zet2tSLf
レスくださった皆様、ありがとうございました。
てか、投下したはずなのに反映されない時があるこの謎仕様、
どうにかならないだろうか……orz

>>609 >>618 >>610-612

えと、レスアンカーの順番にお願いします。
それでは、失礼します。
620名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 08:30:14 ID:hq9qagSQ
>>613
楽しみに待っていました!
ご自分のペースでこの先の話、是非とも読めることを期待しております。
621名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 10:07:11 ID:mOej4dZB
>>619
長文を投下した際、先頭に空白行があったりすると問答無用で弾かれるらしいです。
それはそうと、良い仕事でした。楽しんで読ませていただきました。
622名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 13:48:19 ID:0I5DcC+5
GJ!
続きを気長にまつyo!
623名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 14:34:14 ID:8cWvwGcv
GJ!

でも犬の嗅覚って人間が出す微弱な磁場を嗅ぎ分けるとか聞いたんだが、人間にも出来るもんなのかな
624名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 22:14:32 ID:T7n3UMmW
これは?携帯だけだけど
ttp://courseagain.com
625名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 11:01:59 ID:J+tXZhC1
>>624
コピペウザ、死ねばいいのに。
626名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 09:07:43 ID:+AreoOyb
ほしゅ
627名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 00:52:14 ID:pLsPEbrg
ほす
628名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 08:21:48 ID:RVn9ocCi
ふと思ったんだが、この手の話に出てくる障害者の方って、性別問わず大体優しいよな。
薄幸の代償って考え方なのかもしれんけど。
629名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 09:38:32 ID:ei4IhbY0
障害者と薄幸は繋がらんけどな
ま、ストーリーにするには、引き籠もりでワガママなキャラクターより、
優しいキャラクターの方が、話しになりやすいからじゃないかね

そう言えば、ジャンルが違うけど障害者の殺人鬼が主人公って映画があったな
630名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:36:36 ID:gNAz7JKM
あれだろ、座頭iうわっ何をするやめ(ry
631名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 02:31:41 ID:C+Athu8D
ほっしゅ
632名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 02:35:24 ID:Ypga+RzL
>>630
セブンだろww
633名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 23:23:29 ID:MAa/A1ko
保☆守
634名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 04:05:45 ID:usR1Tk1z
>>629
精神か肉体かで大きくニュアンスが違うな>障害者の殺人鬼

そういえば障害者総合スレが立ってた
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1204098249/l50
635名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 23:07:05 ID:Jnc3La5H
>>634
たしか、脳性麻痺の障害者だったな>障害者の殺人鬼
しかも演じてる人が実際にその障害を煩ってて、本名で映画に出てたとか

しかし、その総合スレはすぐ落ちそうな気がする
盲目聾唖ならドラマとしてみれるけど、身体欠損までいくとイタイ気分の方が強いし
636名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 08:59:33 ID:flmsRyjy
海外発のかたわ少女あたりがそのスレに直撃の内容だな。
637名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 18:53:29 ID:mDWctN8Y
 保守ですよ。

 でぃわ☆
638名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 18:54:04 ID:mDWctN8Y
 保守w
639名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 21:00:12 ID:/od8XUsm
盲目の娘って誘拐されたり監禁されちゃったりしたらどうしょうもないよな…
640名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 02:34:04 ID:PTzXdna2
>>639
そこに彼氏が助けに来るのが王道だろう
641名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 15:19:30 ID:y2XZ5VRQ
 保守ですよ〜♪

 にぱっ☆
642名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 15:23:08 ID:y2XZ5VRQ
 ねむいかもw
643名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 12:52:03 ID:R12BCfzl
保守
644名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 02:12:44 ID:uLGAfLRZ
新作を待ち焦がれつつ保守!
645名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 19:09:53 ID:cNiXblWC
保守ですね
646名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 19:08:40 ID:1dLBwcwb
保守ですか
647名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 12:37:40 ID:1aS45TW+
あげ
648名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 06:32:11 ID:6BkM9Si1
保守☆
649名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 16:35:29 ID:l41RQECY
盲舞
650名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 02:34:18 ID:zu7eT8Qi
651名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 16:34:07 ID:cGcMV+Mr
ひそかに期待しています
保守です
652名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 08:31:56 ID:PcnzxLxi
保守ですよん
653名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 01:01:43 ID:T5US1nUu
保守
654名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 02:05:03 ID:rZD0ato3
hosyu
655名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 22:05:17 ID:USZ8Zkti
保守っです
656名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 19:38:36 ID:vY4AYWUU
>>655
「保守っ子です」って読んだ






俺の頭はどうかしてるのかもしれない
657名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 22:40:54 ID:XWmp89DT
 穏やかな曲が室内に満ちて。
 そのまま、窓から流れ出していく。
 彼女のしなやかな指が揺れる度、グランドピアノから放たれる音を聞くだけで、背筋がゾクゾクと震えた。
 前からわかっていた。
 彼女の記憶力と再現力が並外れていることは。
 けれど、今目の前で弾いたばかりの曲を耳コピーして、しかもアレンジまで加えている
ことが信じられなかった。
 そして、最後の音を鳴らし終えて、彼女が鍵盤からこちらに顔を向けた。
 視線が合わず、こちらの顔から少し外れたところに顔を向けている彼女。
 けれど、口元には自信満々の笑みを浮かべて、こちらが見ていることを想像していることは理解できた。
「ふっ、これでどうよ!」
 ピースサインまで向けてくる彼女に、思わず苦笑を浮かべる。
 そのまま、肩を竦めて降参の意を表した後、少し遅れて口を開く。
「ああ、そっちの勝ちだよ。ったく、信じられない奴だよな」
 にやにやと笑っている彼女を見ながら軽く首を振る。
「へへんっ! 目が見えない分、あたしゃ耳が良いっていつも言ってるでしょが。伊達に飛び級で音大入った訳じゃないんだからね」
「ま、耳が良いのは認めるけどな」
 黙っていれば、深窓の令嬢が通用するような愛らしい顔立ちで、豪放磊落を絵に描いたような気っぷの良い表情を浮かべる彼女に、ただ苦笑が浮かぶ。
 我が侭と言うよりは、ただまっすぐなだけ。
 だからこそ心惹かれて、今ではこうしてともにいることが普通になっていた。
「んじゃ、罰ゲーム」
 にやりと、どこか親父臭い笑みを浮かべる彼女。
 椅子ごと体を回してこちらに向いてきた彼女が、胸元のタイをしゅるりと外す。
「ふふっ、いつも以上に気持ちよくしてよね」
「はいはい、お姫様には逆らいませんよ」
 こちらもすぐに歩み寄って、彼女の肩に手を乗せて口づけを交わす。
 焦点の合わない瞳を真正面から見つめ返しながら交わす口づけは、胸の奥にざわめきを起こす。
「ん……ふぅ」
 彼女の吐息を聞きながら、柔らかな胸元に手を伸ばして、シャツの第2ボタンと第3ボタンだけを外して、ブラをあらわにしようとして思わず面食らう。
 そっとキスを途切れさせて、彼女に笑いかけた。
「おいおい、ノーブラって最初からその気だったのかよ」
「ふんっ、もしあたしが負けたら、あんただってあたしとHするつもりだったんでしょ。だったら丁度良いじゃない」
「……そりゃ、確かにその通りだけどさ」
「ほら、馬鹿言ってないで、とっとと続きしなさいよ。それとも、あたしからしないとだめ?」
 そんなわけ無いだろうと言う言葉を飲み込んで、もう一度キスをしながら体をまさぐり始めた。
 窓からは穏やかな風が、緑の香りを伴って入ってくる。


 ……そんな保守日和の一日。
658名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 00:03:20 ID:ZylmTiUf
自信満々のヒロインってのも新鮮でいいな
GJ!!
659名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 21:53:19 ID:nVSWYcYP
わずかなつかみでキャラの魅力が立ってるな
保守と言わず続き期待
660名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 05:53:11 ID:ioDwclgU
続き期待上げ
661名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 00:14:07 ID:3uqA1hcw
保☆守
662名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 04:29:26 ID:IG/+CRTf
663名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 21:05:00 ID:/sW0BXFR
664名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 22:07:31 ID:aHfmc/LB
665名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 22:10:25 ID:88x+flr9
666名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 22:35:43 ID:iA75zrsQ
わしゃそんなこと教えたか!

春琴抄ほしゅ
667名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 08:06:32 ID:hKS5Eqs3
関連スレ
盲目少女とスレエッチ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/sureh/1191604760/
668SS保管人:2008/05/23(金) 18:29:37 ID:VD0uOSUt
2chエロパロ板SS保管庫
http://red.ribbon.to/~eroparo/


スレ住人の皆様、このスレに投稿されたSSを当方の保管庫に収蔵させて貰っても宜しいでしょうか?
669名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 20:19:23 ID:WQ1T+c7M
お願いします
670名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 23:04:14 ID:k+LAFDGy
>>668
非常に助かります。ぜひとも宜しくお願いします。
671SS保管人:2008/05/24(土) 01:57:40 ID:5xMv//dE
とりあえず問題無さそうなので「オリジナル、シチュエーション系の部屋」の15号室に収蔵させて貰いました。
672名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 02:08:09 ID:yGqfi5fI
乙です!
673名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 23:59:51 ID:URPRURAZ
ho
674名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 14:01:41 ID:iI0PHMnP
syu
675名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 22:55:04 ID:RpV/QzH+
保守揚げ☆
676名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 21:09:42 ID:3pR3IiMX
あ…あの、保‥守しても…いいですか?
677名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 23:02:13 ID:ZTuVWG48
>>676
おk
678名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 20:42:56 ID:Fmie9wyy
☆保守☆
679名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 21:51:58 ID:nwdaEhMW
680名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 02:37:25 ID:/oFskT3A
681名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 01:25:21 ID:2AOkCf0p
誰もいないから新ジャンル「盲目」でも見てくるか
682名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 16:56:48 ID:JnLaSUTQ
ほsh
683名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 00:03:56 ID:HqLmY7H/
保守
684名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 17:48:00 ID:99p3nhE3
新作に期待><
685名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 20:40:42 ID:0ze+RrIR
686名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 23:04:00 ID:KYmShATG
687名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 19:32:35 ID:5ucJJnfl
688名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 22:39:32 ID:jz0rb9gb
ほ☆し★ゅ
689名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 02:21:18 ID:DlZlS/es
保守☆
690名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 22:47:20 ID:7AjkWx0k
691名無しさん@ピンキー:2008/07/27(日) 22:28:23 ID:NyngC/Ie
ほしゅ
692名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 18:23:36 ID:rrYLwMk2
保守
693名無しさん@ピンキー:2008/08/02(土) 22:53:49 ID:chtQnKRf
盲目少女「いやあぁっ!!誰か…助けてくださいっ…!」
みたいな展開いいなぁ
694名無しさん@ピンキー:2008/08/05(火) 10:17:29 ID:mamj958I
「ダメダメね〜」
 最後の音を鳴らし終えた瞬間掛けられた言葉に、肩を竦める。
「いや、俺声楽科だし」
「何言ってんのよ、高瀬が言ってたわよ。あんた昔はピアノコンクールで大抵入選してたらしいじゃない」
 にんまりと笑う彼女に、苦笑を浮かべた。
 確かに、子供の頃は幾度か挑戦したピアノコンクールで入選してたのは事実だけど、あれは嫌々やらされていた。
「高瀬教授も、俺のこと引き合いに出すのはいい加減止めてほしいな」
「そりゃ、無理でしょ。小学校のころからピアノのカテキョしてもらってたんでしょ? 期待の弟子がピアノやめて声楽に行ったって、いつも泣いてるわよ」
 当の高瀬教授に、希望の星と言われている彼女に言われても、ただ苦笑を返すことしかできなくて。
「でもまあ、楽器はしばらく触らなかった衰えるものだし、しょうがないさ」
 俺は天才じゃないから。その言葉は彼女に聞こえないように飲み込んだ。
 周囲から天才呼ばわりされていて、実際才能としか言い様のない技術を見せつけられることはしばしば有るけれど、彼女が思いもつかないほど努力をしていることは知っているから。
「そりゃ言えてるわ。今日は、ってか今日もあんたの負けだもんね。さーて、何をしてもらおうかな」
 にかっと笑う彼女。
 その笑顔がほんの少しだけこちらからずれてるのは、しょうがないことだと解っている。
 だけど、やっぱり少し心苦しい。
「でもさ。負けは認めるけど、そっちの得意技ばっかりじゃなくて、こっちの得意技でもやらせて欲しいところだな」
「ん? カルーソーでいく、それともオ・ソレ・ミオ? 生憎声楽系の曲のレパートリーなんてあんまり持ってないのよね」
 そう言いながら自信満々と言った様子で笑う彼女は、相変わらず綺麗だった。
 ……恥ずかしいから面と向かって言う気はないのだが。
「ま、レパートリーがそんなたくさん有る方がおかしいしな」
「まあね。あたしも基本ベートーベンだもん」
「リストやショパンって気は無いのか?」
 ピアノ系で行くならその二人は避けられないと思うのだが、彼女は逆にそちらには全く触れようとしない。
 それが前から不思議だった。
「だってさ。その二人って、もろフジ子・ヘミングの持ち曲でしょ。あたしゃ障害者ピアニストだからね。第二のフジ子・ヘミングとかって持ち上げられるなんてことになった虫唾が走るわよ」
「ああ、なるほど。らしい発想だな」
 一度は聴力を失い、それでもピアニストとして成功したフジ子・ヘミング。
 そんな有名すぎる人物がいれば、ただ障害者という繋がりだけで直ぐ第二のフジ子・ヘミングなどとマスコミは言い出すもの。
 そんな風に誰かに擬されるのを良しとするほど彼女のプライドは低くないこと見せつけられた。
「へへん、そりゃあんただって同じでしょうが」
 彼女の言葉に、苦笑を浮かべるだけで応えない。
「知ってるわよ、あんたが声楽に行ったホントの理由」
「ん? なんのことだよ」
「男声なのにアルトなんて普通に出るからでしょ、声楽行ったの」
 それは確かに事実。というよりは、事実の一部。
 そのことを指摘しようかどうか迷いが浮かび、そんなこちらを無視して彼女が椅子から立ち上がった。
 そのまま、椅子に立てかけていた白杖を取り上げて、周囲を探りながらこちらに近づいてくる。
 それを助けることなく、彼女が近づいてくるのを待つ。
 あくまで彼女とは対等の関係だから、彼女が助けを求めない限りはこちらも一切助けないのだ。
 彼女が、すぐそばに来て抱きついてきた。
「で、競争者が少ない方を選んだだけなんしょ。あんた、他人を蹴落とすのきらいだしさ」
 ……全部読まれている事実にただ笑うことしかできない。
「ま、そんなあんただから、あたしは目を掛けてるんだけどね。目はみえないんだけどさ」
 あははとわらう彼女をきゅっと抱きしめた。
「お? いきなりどうしたわけ?」
 胸元にいる彼女が顔を上げてこちらを見つめてくる。
 さすがに抱き締めた状態だと、目がずれることもなくしっかりと視線が合った。
「んー、何となくシタくなった」
「あはは、いーわよ。どうせ、この時間にここに来る酔狂なのなんてあたし達以外にいないんだしさ」
 窓から見える空はどこまでも青くて、夏を強く感じさせる。
 だから、抱き締めたままの彼女と唇を重ねた。
 ……そのまま胸元に手を入れると同時に、彼女がこちらの股間をさすってくる。
 互いに服を脱がしあいながら笑顔を向け合う、盛り上がりの時間は蝉時雨だけが知っていた。


 そんな、夏の盛りの保守。
695名無しさん@ピンキー:2008/08/05(火) 20:29:02 ID:+7U28xVF
保守乙
696名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 01:51:04 ID:hdYXbwCj
これはなんとすばらしい保守だ♪
697名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 02:33:46 ID:idwy0UnS
しかし、保守SSはあっても肝心の投下がここしばらく無いのはどうなんだ
このスレで1000行ったら終わらせたほうがいいかもね
698名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 05:53:58 ID:BBv3onjO
それでも俺は「恋、薫る」を待ち続けているんだが。
ハッピーエンドでほんわかしたい。
699名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 23:54:42 ID:yMX9Mu4L
700名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 20:22:56 ID:b9SEEeKP
保守
701名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 23:01:02 ID:crMMYIz+
☆☆
702名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 20:24:14 ID:3FH/srWr
☆☆☆
703桐漱:2008/08/29(金) 23:15:53 ID:UCdyG1EG
 どうもお尋ねします。この辺りでついさっき、保守の声が聞こえてきて駆けつけたんだけど、誰の保守かな? そう言えば君は随分欲しそうな顔をしてるね。
 えぇと、うん。
 そうだ一つだけど物語をプレゼントしてあげる。短いけど我慢してね?
 それじゃ、また後で。
704桐漱:2008/08/29(金) 23:16:38 ID:UCdyG1EG
「明(アキラ)……」
「はい、何でしょうか?」
「お前がウチに来て何年になる?」
「三日後でちょうど五年になります」
「そうか、もうそんなになるか……」
「はい。ご主人様には本当に感謝しております。目の見えない私が奴隷として売買されていた、あの地獄から助けていただいたのですから。
 何度ご主人様の元にいられる事を感謝しても足りないほど、私はご主人様に感謝しております」
「……そう言えば、最初の頃のお前は見ていて悲しい程荒れていたっけか。今となっては懐かしい思い出だ……」
「そ、それを言わないで下さい……あの頃は……その……」
「ハハハ……分かった分かった。……ところで明」

「? はい、ご主人様」
「今日もする気かね?」
「――ご主人様は……嫌、ですか……?」
「いや、寧ろして欲しいくらいだ。ただ、何かお前に悪い気がしてな」
「……ご主人様は忘れがちですが、私は奴隷ですよ? ご主人様のモノですよ? ご主人様が心を痛める事なんて何もないですよ。
 それに……私自身半分好きでやっているんです。ですからいきなり、例えば掃除中とかに無理矢理始めても私は一向に構いません」
「……そうか」
「そうです。……ではご主人様、今日のご奉仕をさせて頂きます」
「……あぁ」
「失礼します」
705桐漱:2008/08/29(金) 23:18:06 ID:UCdyG1EG
 以上。気が向いたらまた来ます。墜ちることがないようにノシ
706名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 00:14:00 ID:Whdnu2Sa
保守投下乙
707名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 02:36:00 ID:cEUbLMt3
GJ
708名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 22:40:07 ID:ZOtKAid2

そういや盲目の娘って見えない分触覚とかが発達してるから凄いらしいね。
709名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 23:26:20 ID:RJDplrl8
ほにゅ
710名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:05:12 ID:dr+LdJhf
むにゅ
711名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 00:13:58 ID:fnTDV0Kz
ぽにゅ
712暗愚丸:2008/09/06(土) 12:03:12 ID:UgKZNp0n
えと、偉い久方ぶりです、暗愚丸です。
やっと上がったので、続き投下します。
『恋、薫る』、続きです。
713『恋、薫る』:2008/09/06(土) 12:04:00 ID:UgKZNp0n
「何を考えているんですか、木船さん」
 千草からいきなり引き離された形になった薫は、珍しく言葉に苛立ちを乗せてしまう。
 木船の言葉があまりにも唐突すぎたから。
 今日の外出は先週の頭から決まっていたことなのだ。
 なのに、急に今になってそれをキャンセル――しかも、千草に案内の役目を押しつけよ
うなんて、非常識にもほどがある。
 それを言葉にしようとして、不意にぎゅっと右手を掴まれた。
 その強さに、思わず口にしようとした言葉を飲み込んでしまう薫。
「薫さん、自分の気持ちを偽ったりしちゃだめだってば。薫さん、店長のこと好きなんだ
よね?」
 あまりにもあっけらかんとした問い掛けに思わず頷いて、薫は慌てて首を左右に振って
見せた。
 人に自分の思いを見透かされた恥ずかしさと、それを無防備に認めてしまった自分への
情けなさに、唇を噛んだ。
「だったらさ、行動有るのみ。薫さんは女のあたしが見ても惚れ惚れするほど綺麗なんだ
もの。ちょっと身体寄せて愛の言葉をささやくだけで一発だって」
 木船の言葉に、不満が顔に浮かんだことを自覚する。
 千草がそんな色仕掛けに反応する人間だなどと、薫は思っていないから。
「あのね。薫さんは、凄く綺麗なの。女の私でも羨ましいって思うくらいスタイルも抜群
なんだから、その気になればどんな相手だって好きになってもらえるんだって」
「……そんなことは、ありません」
 自分の目は何も映さない。
 どれだけ望んでも愛しい人の姿を見ることが出来ない。
 そんな自分が、受け入れられるはずがない。
 そう思ってしまうことが苦しくて、手挟んでいる白杖に手を伸ばして掴んだ。
「あのさ」
 不意に、木船の声の質が変わった。
 普段のどこかおどけた様子が抜け真剣なものへと。
「かおっちゃんがさ、店長……千草さんのこと諦めるのなら、取っちゃうよ?」
 懐かしい呼ばれ方に、その想いが真実なのだと気付かされた。
 言葉が見つからなくて、ただ唇を噛む。
「千草さんは、いい人だよ。いい人過ぎて危なっかしいくらいに。だから、私みたいなち
ゃらんぽらんな人間でも惹かれちゃうんだ。だけど、かおっちゃんが相手なら、私は諦め
られるよ」
「木船さん」
「名前で呼んで」
 ぴしゃりと、叩き付けられるような勢いで投げかけられた言葉に、薫は口をつぐむ。
 木船が、『木船』になってからは、一度も名前で呼んだことはない。
 木船自身がそう望んだから。
「……志織さん、私は」
「私が、千草さんとバージンロードを歩いてもいいんだ? かおっちゃんはその脇役にな
るだけでいいんだ? それじゃあ、私が」
「ダメです」
 気がつけば、志織の言葉を止めてしまっていた。
 蚊の鳴くような小さな声だったけれど、それでも志織の言葉を止めたのは事実。
「だめです、そんなの」
 千草が自分を選んでくれるはずはない。
 そう心に言い聞かせてきたのに、その千草が他の誰か――志織を選ぶところを想像した
とき、胸の奥をかきむしられるほどの痛みが走った。
 それは、きっと諦められない、諦めきれないから。
 そこまで気付いて、薫は自分の欲深さに嫌気がさす。
「やっと、認めたね」
 優しい声音に驚き、思わず白杖から手を離した。
 その仕草でこちらの驚きに気付いたのだろう、くすくすと志織が笑いを漏らす。
「薫さんはさ。自分の目のことがあるからしょうがないけど、いつも引っ込んでるでし
ょ? でも女の子なんだから、たまには我が侭になっても良いと思うよ?」
「志織さん?」
「あはは、もしかして、あたしが本気でてんちょーのこと好きだって思った? こうでも
しないと薫さん、自分の気持ちに従おうとしないもんね。ちょこっと一芝居打ってみまし
たー」
714『恋、薫る』:2008/09/06(土) 12:04:37 ID:UgKZNp0n
 けらけらと笑い出す志織。
 その声を聞きながら、薫は胸の奥の痛みを堪えていた。
 志織のさっきの言葉は、本気だった。
 確かに耳は人並み程度だけれど、それでも冗談なのか本気なのかくらいは、声音で聞き
分けられる。
「志織、さん」
「あ、名前で呼ぶのやめてよね」
 茶目っ気たっぷりなその言葉に、薫は小さくため息を吐く。
「あたしはさ、別に良いんだよ。てんちょー以上にいい人いるかも知んないしさ。なにし
ろ、薫さんの初恋だもん、ちゃんとかなえさせてあげたいじゃない」
「木船さん」
 胸の奥が痛む。
 志織の――木船の気持ちがあまりにもわかりすぎるから。
「だからさ、頑張って自分の気持ちに素直になってみようよ。ね?」
 木船の言葉に、薫は胸の奥の痛みを噛み締める。
 その優しさの裏にどれだけの痛みがあるのか、想像できてしまったから。
 だから、言葉を使うことなく、ただ頷いた。


「ってことで」
 朗らかな声を上げた木船の言葉に背中を押された気がして、薫は息を吸い込んだ。
「あの!」
 その声が、自分が思ったよりも大きくて、恥ずかしさのあまり顔に血が集まっていく。
 けれど、一度口にした言葉は取り消せるはずがなくて、小さく息を吸って言の葉を舌に
載せた。
「その、ご迷惑で無ければ、一緒に見て回って頂いても、構いませんでしょうか」
 ただただ恥ずかしくて、顔が熱くなっていることを自覚する。
 それでも、止められなかった。
「迷惑だなんて、そんな。それより、僕なんかでよろしいんですか?」
「飛鳥井さんになら……」
 心臓が高鳴る。
 もしかしたら、千草も自分と一緒にいることを望んでくれているのかも知れない。
 薫には、そう思えたから。
「んじゃ、あたしは先に帰るっすね。お二人ともごゆっくり〜」
 不意に、傍らから聞こえてきた、木船の揶揄するような声音に、恥ずかしさがこみ上げ
てくる。
「木船君、そう言う言い方はどうかと思うよ」
「木船さん、そのあまりそう言うことは」
 だから放った言葉が、千草と重なってそれ以上何も口に出来なくなってしまった。
 そして、木船が去ったあと、ただ呆然とその場に立ちすくんでしまった。
 ごほんっと、どこか不満そうな咳払いと、やけに濃いオーデコロンの香りとが背後から
伝わってくる。
 その濃すぎるオーデコロンの香りの下から、更にバラの香りと非常によく知っているよ
うな匂いを感じた気がした。
 けれど、その身近な匂いがどこから来ているのか考えるよりも早く。
「姫野木さん、それじゃいきましょうか」
 千草の声が聞こえて、同時にきゅっと右手を掴まれた。
 とくんっと心臓が跳ねて、小さく肩が震えてしまう。
 千草に触れられていると思うだけで嬉しくて、それでも、もう少し近くにいて欲しくて、
薫はそんな自分の欲の深さに内心でため息を吐いた。
「あ、あの飛鳥井さん」
「はい、なんです?」
 優しげな言葉と訝るような声音。
 それに応えるために、一度きゅっと力を込めて、そっと千草の手から己のそれをそっと
ほどいた。
「あの、出来れば、腕を……」
 自分の眼が見えないことさえも利用しようとする、女の性にすこし哀しくなる。
 けれど、もう止められない。……否、止めたくない。
「あ、その、人通りが多くて普段あまり来ないところだと、手を引かれるだけでは不安な
んです」
715『恋、薫る』:2008/09/06(土) 12:05:12 ID:UgKZNp0n
 それでもそんな言葉を口にしてしまうのは、やっぱり恥ずかしいから。
 そっと右手を掴まれて、千草の腕に導かれる。
「その、ごめんなさい」
「いえ、気にしないで下さい」
 呟きながら、木船にするときのように掴むのではなく、腕を絡めて寄り添う薫。
 草花や土に水、そして体臭が混じった千草の薫りが、すぐ間近にあって包み込まれてい
るような感覚に、とくんっと心臓が音を立てた。
 伝わっていないだろうかと、少し不安になる。
「それじゃ、行きましょうか。ここを出てから行く予定だったところはありますか?」
「いえ、特には。……ただ、木船さんお奨めの甘味処に行ってみたいと思いましたけど」
「甘味処……、このモールにある太平庵かな?」
「はい、確かそんな名前でした」
 千草の言葉に応えて、その歩みに合わせて薫も歩き出す。
 誰かの腕に手を預けて歩いたことはあるけれど、千草に身を預けるようなこの体勢は、
今まで一度も感じた事のない安心感と、高揚感を覚えた。




 千草に案内された甘味処は、漆や木の匂いとお甘い餡や苦い茶の香りが入り交じった薫
りが漂っていた。
 客同士の会話のかしましさと、その薫りがこの店のレベルがかなり高いことを教えてく
れている。
 少しだけ安堵しながら、薫はウエイトレスの案内と千草に助けられて、椅子に腰を下ろ
す。
 注文を済ませて、対面に座っている千草の方に、顔を向けた。
 きっと、少しずれた方向を向いてるのが、少し心苦しい。
「姫野木さんは、甘味処には良く来るんですか?」
「いえ。外食は苦手ですから」
 微笑みながら答えを返す。
 一人だけで利用するのは、他の客の迷惑になることが多いから、苦手だった。
 どうしても、他人より食事がゆっくりしたものになることや、匂いが余りに混じりすぎ
て気持ちが悪くなることも理由の一つ。
「そうなんですか。そう言えば、姫野木さんは結構料理されていると聞いたんですが、得
意料理は?」
 そんなこちらの気持ちを酌んでくれたのか、別の話題を振ってくる千草に、内心で感謝
しながらそっと頷く。
「そうですね……、和食だったら、大体の料理は出来ます」
 呟きながら、少しだけ焦りが生じた。
 若い男性なら、和食なんかよりも洋食や西洋料理の方が好きなのだと、ラジオや木船と
の会話で聞き知っていたから。
 だから、少しだけ慌てて訂正をしようとするよりも早く、
「和食ですか、それはいいですね」
 羨ましそうな千草の言葉が聞こえた。
 思わず、小首を傾げてしまう薫に、千草の困ったような笑い声が届く。
「いえ、最近食事がレトルトやコンビニ弁当に外食なので、そう言う手料理の類に縁がな
いものですから」
「……飛鳥井さんなら、手料理を作って下さるような方がいるのでは無いんですか?」
 少し、ぶしつけな質問をしてしまった自分に対する嫌気と、もし千草にそんな相手がい
たらと思うだけで痛む心に、薫は名心で歯がみする。
 こんな気持ちに翻弄されるのが、あまりにも辛かった。
「いやまあ、僕は女性には全くモテないですからね」
 自嘲の響きに、胸の奥が苦しくなる。
 千草に特定の人がいない嬉しさと、そんなことはないと否定しそうになる自分の、浅ま
しさに。
 けれど、木船の言葉を思い出して、そんな気持ちを追い払う。
 『たまには、我が侭になっても良い』と、そう告げてきた木船の思いを、裏切りたくな
いから、自分から一歩踏み込んだ。
「でしたら、こんどご馳走して差し上げましょうか?」
「え?」
716『恋、薫る』:2008/09/06(土) 12:06:09 ID:UgKZNp0n
 千草の驚きの声に、薫はゆっくりと語を繋ぐ。
 とくんとくんっと、胸の奥の疼きが強くなっていくのを感じながら。
「飛鳥井さんのお父様とお母様にも、ご馳走した事もありますし、食べて頂けるなら私も
嬉しいです」
 自分からこんな風に誘うのは恥ずかしいけれど、それすらも心地よく感じる事に、薫は
内心で苦笑する。
 好きな人と話が出来ることが嬉しくて、自分から動いていることに、新鮮な驚きを覚え
たから。
「えと、いや、でも、ご迷惑じゃないですか?」
 戸惑ったような千草の声。
 そこにイヤがるような感情は全くないことが、薫の背中を押してくれる。
 唐突な誘いに嫌気を見せない千草も、もしかしたら自分に好意を持ってくれているのか
も知れない。
 薫には、そう思えたから。
「いえ、迷惑なんて事は……」
「失礼します。団子羽二重と冷やしぜんざいをお持ちしました」
「あ、はい。僕の方が冷やしぜんざいを」
 千草の声と同時に、漆塗りの盆が目の前に置かれたことを匂いで確認して、その上から、
生醤油と餡の団子の香りが届く。
 共に添えられている急須からは煎茶の芳香が放たれていて、それが質の良さを感じさせ
た。
「それでは、ごゆっくりどうぞ」
 ウエイトレスの言葉に小さく頷いて、まずは左側にそっと手を伸ばした。
 急須と団子の位置は大体香りで解るけれど、お茶碗がどこにあるのかが解らなかったか
ら。
 手を伸ばして茶碗の位置と形を確認する。
 それだけ出来れば、十分だった。
 だから、急須へと手を伸ばす。
 予想より小さくて持ち手を探すのに少し苦労したけれど、それでも自分で手にとって茶
碗に注いだ。
 茶碗のほぼ半分ほどで一度注ぐのをやめて、急須を元の場所に下ろす。
 その時点でやっと気付いた。
 わざわざ、こちらが用意出来るまで、千草が木製の匙に手を伸ばしていなかった事に。
「飛鳥井さん。私の事など気になさらず、先に召し上がってくださっても良かったのに」
「ああ、いや。姫野木さんこそ、気にしないでください。僕自身が好きでやっているだけ
なので」
 その言葉に、言いたいことも言うべきことも飲み込んで、ただ笑顔を向けた。
 ここで謝っても、あるいは礼を言っても千草の気持ちを無にするだけだと気付いたから。
「それで、あの、今度ご馳走させて頂けるでしょうか」
「そうですね、また機会があれば」
 今はまだ、その言葉でガマンして、生醤油団子の串をそっと持ち上げて、その先端の団
子をあむっと口に含む。
 その美味しさに、思わず表情が変わった。
「ふぅ、美味しいですね」
 同時に千草の声が聞こえた。
 それが本当に美味しそうに聞こえて、今度、来るときは冷やしぜんざいを頼んでみても
いいかも知れないと、そんなことを考えながら。
 ……その時も、千草と共に、これたらいいなと薫はそんなことを思っていた。




 楽しい時間はあっという間に過ぎていくことを、薫は実感していた。
 新しいフレグランスを手に入れられたことも、自分のすこし人と違う体質を受け入れて
もらえたことも、薫には嬉しいこと。
 その後少し恥ずかしいことはあったけれど、過ぎてしまえばそれも大切な時間。
「ご迷惑をおかけします」
「いえ、気にしないでください」
 ガチャッ、といつものバンとは違う、車のドアが開く音が響く。
 それがいつもよりも低い位置だと言うことと、車の中から千草の香りが流れ出してきた。
717『恋、薫る』:2008/09/06(土) 12:06:50 ID:UgKZNp0n
「それじゃあ、少し身をかがめて、右足を斜め前に」
「はい、っ!?」
 千草の言葉通りに動こうとして、足を滑らせてしまう薫。
 間髪入れず、背中にたくましい感触を覚えた。
「あ、だ、大丈夫ですか!」
 慌てているのが如実に解る声音に、薫はただこくこくと頷く。
 なかば抱き締められているような体勢に、鼓動が早まっていくのを感じながらそれでも
ゆっくりと足を伸ばして、車の中に足を入れた。
「あ、そう、そのまま」
 声で誘導してくれる千草に感謝しながら、やっと車のシートに腰を落ち着ける。
 同時に、背中から千草の腕が抜けて、それが少し寂しさを感じさせた。
 こちらの思いには、気付いていない様子で、千草がバタンとドアを閉めて。
 途端に、先程感じたよりも強い匂いが、薫を圧倒した。
 普段世話になっているバンだと、様々な草花の香りが立ちこめていて、千草自身の匂い
はあまり感じられない。
 けれど――多分軽自動車だろうと思う――車の中には、その香りがほとんど無くて、千
草自身の体臭の方が濃く漂っていて、鼓動が更に早まった。
 千草の残り香を、一人遊びに使ってしまっていることを思い出してしまったから。
 その瞬間、がちゃりと音が鳴って、思わず薫は肩を震わせた。
「お待たせして、すみません。っと、姫野木さん?」
 すこし遅れて、千草が車内に入ってくる。
 バクバクと五月蠅い鼓動を必死で鎮めて、薫は微笑みを作った。
「なんでもありません、はい」
 少し自分でも慌てているな、と思いながらそれでも答えを返して、薫はシートベルトに
手を伸ばした。
 けれど、予想した位置に無くて、思わず焦ってしまう。
「……ん」
「あ、もう少し上の後ろ側です」
 千草の声に応えるように手を伸ばして、やっとシートベルトに手をやって、ゆっくりと
引き出す。
 それだけの行為に、これだけ時間がかかってしまうことに、ほんの少し辛さを覚えた。
 カチリと、シートベルトの締まる音がして、同時にエンジン音が響いた。
「それじゃ、行きましょうか」
「はい」


 しばらく、無言の時が流れていた。
 さっきからクラシックの曲が続けて流れていて、その音の波に薫は何となく身を任せて
いるけれど、その音楽よりも鼓動の方がうるさくて、少し辛かった。
 それは、千草の匂いに全身を包まれているからで、……はしたない気持ちがわき上がり
そうになるから。
 不意に、それまでと違う曲がかかって、驚きに少しだけ口を開けた。
 正確に言えば、違う演奏家による同じピアノ曲。
 先程の演奏家の弾き方が、機械仕掛けかと間違いかねないほどに正確で技術的に洗練し
完成されたものだということは、いくどかバンで送られるときに流れている別の演奏家達
による同曲を聴いていたから解っていた。
 けれど、今かかっている曲は、別格に感じた。
 先程の演奏家の正確さとも、また別の演奏家の緩やかさとも違う、言葉では言い尽くせ
ない不思議な響きが、胸の中にすっと入ってきた。
 今まで音楽に対して感じたことのない、その不思議な感覚に翻弄される。
 ただその曲が終わるまでの時間を、薫はその奇妙な感動に包まれながら名残惜しさと共
に楽しんだ。
 ただ、千草の車にたまたま乗った状態でかかっただけの曲。
 それを聞き流しにしたくなくて。
「あの、飛鳥井さん」
「はい?」
「先程の曲を演奏をされているのは、なんという方なんですか?」
 思わず問い掛けていた。
 同時に、同じ演奏家が別の曲を弾き始めた事に気付く。
 それが、カルーソーと言う名の曲で、歌がメインのものだと言うことを思い出すのと同
718『恋、薫る』:2008/09/06(土) 12:07:23 ID:UgKZNp0n
時に、以前聞いたそれよりも高い声の男声が響き始める。
 その男声の響きとピアノの響きが重なり合って、不思議な感動を覚えた。。
「新進気鋭の天才女性ピアニスト、西院麗音(さいいん れね)と言う人ですね」
 その答えに、どこか不思議そうな響きを感じて、薫は首を傾げる。
 何となく、千草らしくない感情だと思えたから。
「いえ、実はこの女性は盲目のピアニストで、薫さんが初めて気にされた演奏家がたまた
まそうだった偶然が、不思議に感じたんですよ」
 その仕草が伝わったのだろう、千草が説明を続けてくれる。
「因みに、今歌っているのは岡戸鷹人(おかと たかひと)と言って地でアルトが出る結
構珍しい歌手で、麗音と同じ音大出身ということで、結構コンビを組んでることが多いん
です」
 そこまで詳しいことを言われても、薫には今一よくわからなかったけれど、このピアニ
ストと歌手が、互いに認め合っていることと、だからこそ高め合ってることは感じられた。
 もしかしたら、男女の関係なのかも知れない。
 そんなことまで考えてしまうのは、自分が女だからなのだろうか。
 その思いに内心でため息を吐いて、薫はそれでも聞いたばかりの人名を口に上らせる。
「西院麗音さんと、岡戸鷹人さんですか。覚えておきます」
「あ、よければ、僕のCDを貸しますよ」
 こんど、木船と出かけたときに買ってみるのも良いかもしれない。
 そう思っていたから、千草の言葉は渡りに船で、けど、それとはまた別の意味で嬉しさ
を感じていた。
 千草から貸してもらえると言うだけで、ただの行きつけの店の店員と常連、以上の関係
になれた気がしたから。
「ありがとう、ございます」
「どういたしまして」
 少し他人行儀なやりとりのあと、互いに笑い声を漏らす。
 そう出来ることが嬉しかった。


 そして、車が停止したことに、名残惜しさを覚えた。
 時間的に、自分の家に着いたのだと、薫には理解できたから。
「すこし、待ってくださいね」
 シートベルトを外す音が聞こえて、車のドアが開く音を耳にする。
 慌てて、薫も自分のシートベルトを外して、同時にガチャッと薫の側のドアが開いた。
「えと、お願いします」
「はい、どうぞ」
 おずおずと差し出した手を、千草が握ってくれる。
 それだけのことが嬉しくて、ゆっくりと車から出る薫。
 やっぱり、馴れない車から降りるのは少し辛くて、千草にすがりつくように立ち上がる。
 一瞬、自分の胸を千草の腕に押しつけるような形になって、心地よいしびれを覚えた。
「ありがとうございます」
 その気持ちを慌てて隠しながら、薫は千草に頭を下げる。
 ……その先を、求めそうになった自分に、恥ずかしさを覚えながら。
「いや、気にしないでいいですよ。本と香水を運びますね」
「あ、ここで、大丈夫です」
 普段から綺麗にはしているけれど、やっぱり千草を迎えるときはきちんと片付けてから
にしたい。
 千草が離れて、トランクを開く音が聞こえてくる。
「荷物をお渡ししますね。重いから気をつけて」
 すぐ戻ってきてくれた千草の言葉に頷きながら手を伸ばす。
 重さはさほどでもないけれど、千草がそう言ってくれることが嬉しくて。
 薫は微笑みを浮かべた。
「それじゃ、そろそろ失礼しますね」
 けれど、千草のその言葉を聞いた瞬間、胸の奥が痛くなった。
 それは、このまま普通の、ただの店員と常連客の関係に戻りたくないから。
「あ、あの!」
 だから自分から声を掛けた。
「はい、なんですか?」
 不思議そうな千草の声に、小さく深呼吸する。
 トクトクと、胸の奥の鼓動が少し早くなっていることを自覚する薫。
719『恋、薫る』:2008/09/06(土) 12:08:07 ID:UgKZNp0n
 だけど、止まりたくなかった。木船の気持ちを無にしたくないと言う気持ちもあったか
ら。
「その、またこうして一緒に出かけてもらえますか?」
「……僕なんかで、よろしいんですか?」
 否定されても文句は言えなかったのに。
 千草の声音に、嬉しさと喜びが混じっていることを感じ取って、薫は小さく息を呑んだ。
 それは、千草も自分と共にいる時間を楽しんでくれているから。
「私は、飛鳥井さんと一緒に出かけられると、嬉しいです」
 だから、おずおずと、それでもはっきりと薫は自分の思いを告げた。
「では、また今度お誘いします」
「ありがとう、ございます」
 一瞬湧いた喜びの涙を隠すように、薫は軽く頭を下げて携帯を取り出した。
「あの、これが、私の携帯です。出来れば登録して頂けませんか」
 自分で登録するのは少し辛いことと、
「あ、機種同じなんですね。じゃあ、すぐ登録しますから」
 木船に教えてもらった千草と同じ機種を、使っているから。
 千草が登録してくれているのを、感じ取りながら、薫は喜びを覚えていた。
 ……この先、もしかしたら千草と共にある未来を選べるかも知れない。
 そんな期待感に浸っていたから。
720暗愚丸:2008/09/06(土) 12:09:43 ID:UgKZNp0n
前回レス下さった皆様、ありがとうございました。
遅くて本当にすみません。
今年中に続きは投下したいなぁと思ってます。

それでは、失礼します。
721名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 12:48:28 ID:GP0+ZE6t
職人に対して〜、敬礼っ!
722名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 13:33:15 ID:NB6p0pom
>>720
待っていました!
土曜の昼にこんな甘酸っぱい気持ちにさせるとは・・・

のたうちまわっちゃいましたよw

楽しみにしています!
723名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 22:54:16 ID:TYIA07l0
GJ!
保守ネタとのコラボまであるとはw
724名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 05:38:55 ID:gHb0U7qe
>>720
キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!!
725名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 23:40:12 ID:NiRTEHkJ
>>720
ぐっじょーぶ
726名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 04:57:33 ID:TXvQeYID
>>720
相変わらず薫が可愛くてニヤニヤが止まらないってレベルじゃねーぞ!

続き、楽しみに待ってます
727名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 20:13:04 ID:4QxJlOtj
>>720
このスレはじめてきたけど一気に読んでしまった
GJです!!
728名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 00:49:59 ID:9VfzisjR
ほしゅー
729名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 01:44:47 ID:B2g7uY7X
盲目の少女は、
見た目にこだわらないからダサい
運動不足で太りすぎか痩せすぎのどちらか
みんなが気を使って甘やかすせいで空気読めない
食べ物をよくこぼすし一人じゃ風呂入れないから毎日は入れない
臭い&汚い
730名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 06:43:38 ID:K6zREYmX
>>729
いいからリュックとクリーム色ズボンとポーチをやめてくれ
731名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 15:57:33 ID:ezt/u9Hp
しかしフィクションでは盲目の美女or美少女ってよく出てくるよな
なんでだろうか
732名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 19:48:13 ID:c5GI3Zd5
西院麗音(さいいん れね)と岡戸鷹人(おかと たかひと)は保守ネタの二人でFA?
733名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 20:39:43 ID:wxHfjNQf
>>731
「深窓の」とかを先頭に付けると威力が増すからではないか?
734名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 21:52:56 ID:IGEzs5b4
赤外線センサーとか装備しているからね
735名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 23:42:46 ID:leRCHJZF
>>733
深窓の係長(35)
736名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 00:00:27 ID:+0ithk1O
>>735
それリストラ対象じゃねーかwww
737名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 01:02:09 ID:/XkmuHYz
昨日のドラマ見てたら盲導犬ネタが読みたくなった
738名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 02:28:25 ID:oBrqpT9f

「深窓」より「薄幸の」というフレーズに
とんでもない威力を感じる…

プラスアルファでロリが付けば
無敵だと思う…



しかし周りは理解してくれないze


739名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 10:19:39 ID:qyf61s0b
チャンピィには泣いた
740名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 10:34:35 ID:r0gCCMHA
チャンピィィィー!
俺も感動したわ、感動系のドラマは感動の押し売りっぷりが苦手だが
動物モノには感動してしまう……

741名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 16:15:03 ID:iqW3pgyf
「衝撃」とか「眩惑」とか「素晴らしき」とかいうフレーズにも
とんでもない威力を感じる…

プラスアルファで十人揃えば
無敵だと思う…



しかし周りは理解してくれないze
742名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 06:15:53 ID:YyPwgWZQ
保守
743名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 17:39:35 ID:DNUVH8Or
保☆守
744名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 08:43:00 ID:+ztCy/aa
hoshu
745名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 15:54:26 ID:Urqf6hk1
保☆守
746名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 11:05:34 ID:QYUVbH/P
「おい、右手押さえろ右手っ!」
「何言ってる、両手纏めて縛っちまえ!」
「足も固定してやりな!」
 必死で抵抗するけれど、どこに誰が居るかも解らない状況で、しかも複数の男に押さえ込まれて、抗いきれるはずがなかった。
 両手を高々と上げられた上で縛られ、両足は大きくわり開かれている状態で固定された。
 それが悔しくて、猿ぐつわを噛み締める。
「よし、これで動けなく出来たぜ。へへ、つーか、役得だよなぁ」
「だな、あの西院を好き放題出来るなんて、あり得ねえ話だしなぁ」
「へへっっ、この話を持ってきた俺に感謝しな」
 周囲にいるのは三人の男。それを耳で聞き取るのと、同時に男がのしかかってくる。
 さほど長いとも言えない人生の中、生まれて初めて盲いている我が身を恨んだ。

 鷹人との休憩時間を利用して逢い引きする為に、いつものピアノ室に向かっている最中だった。
 いきなり白杖を奪われ、怒鳴ろうとするよりも早く、猿ぐつわを噛まされた。
 そのまま抱きかかえられて、どこかの教室に投げ込まれたのだ。
 まさか、大学の構内でこんな無法な事をされるとは思ってもいなくて。

「んじゃ、まずはこの無駄にデカい胸からだな」
 襟元に手が入ってくる。
 その手が滑っているのが気色悪くて、何とか身をよじった瞬間。
「ーーーーっっっ!!」
 一気にシャツを破かれた。そのまま乱暴にブラを引きちぎられた。
 悔しくて、涙が浮かんだ事を自覚する。
 何も映さない目に、それでも怒りを浮かべて相手の顔があるであろう方向を睨み付けた。
「おい、こいつホントに目見えてないのか? 思いっきり睨んできてるぜ」
「ダイジョウブダイジョウブ、単なる虚勢って奴だろ。性格悪ぃからな、こいつはよ」
「違いない」
 ゲラゲラと下品な笑い声を上げる男達。
 それが悔しかった。
 単に自分の実力に自信を持っているだけなのに、それを性格が悪いと言われるなんて、心外だった。
 けれど、まともに考える事が出来たのはそこまでだった。
「っっ!?」
 いきなり、右の胸を力一杯握り締められた。
 強烈な激痛に涙が零れ、喉の奥から音が漏れる。
「へへっ、これくらいのデカパイなら、挟んでこするのも楽そうだよな」
「おいおい、そりゃもっと後にしてろよ。まずはしっかり味わってからだよ」
 その声と同時に、左の胸の先端に吸い付かれた。
 吐きそうなほどの気色悪い感触。
 身体を揺すぶって抵抗する事しかできないのが悔しい。
 そう思うのと同時。
「んんーーーーーーーーーっっっっ!!」
 股間をこすり上げられた。
 胸と股間から来る感触はただただ気色悪く感じるだけ。
「へへっ、濡れてきてるぜ。襲われて感じるなんざ淫乱な証拠だぜ」
 股間の方から聞こえてきた声に、怒りと悔しさを覚えた。
 そんなのは、単なる身体の防御反応。
 いつの間にか、胸の先端を左右同時に吸い上げられて、その部分が硬くなっていることを自覚する。
「おう、こっちも乳首硬くなってきてるぜ、へへっこんな淫乱だってんなら、もっと早く襲っちまえば良かったな」
「胸もデカいし、顔も良いしな。ま、性格が最悪だけど」
 またも不愉快な笑い声の合唱。
 あんた等みたいなクズどもにそんなことを言われる筋合いなんてない、と、口をきけたらその言葉を投げつけていた。
 大体、声で大体どういった連中かは解っていた。
 滅多に受業に顔を出さず、出してもほとんどだべってるだけの落ち零れ連中。
「んじゃ、そろそろパイずり行ってもいいよな?」
「あ、パンツどうする? 足開いてるからおろせねえんだけどよ」
「ん? 千切っちまえ、どうせ役立たずになるんだから」
 こんなクズどもに見られてしまう、それが悔しくて苦しくて、それでも叫ぶことなく男達がいるであろう場所を睨む。
 パンツの裾にゆびが入ってくる感触に、身体が勝手に震えた。
 引きちぎられる、その恐怖に目を瞑りそうになる。
747名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 11:07:14 ID:QYUVbH/P
 不意に、教室のドアがノックされた。
『っ……』
 男達が息を呑む感覚。
「んーーーーっっっ! んんぅぅっっ!!」
 それを見て取るのと同時に、麗音は喉奥から声を絞り出した。
「お、おい、黙らせろ」
「ど、どうしろってんだよ」
「うるせえ、黙ってろっ!」
 うろたえたような男達の声のあと、頬に強烈な衝撃を受けた。あまりの痛みに、頭がくらくら来て意識が飛びそうになる。
 男達が狼狽しているのを感じて、もう一発殴られるかも知れないと言う恐怖を噛み千切って、喉の奥から出しうる限りの音を放った。
「ああいお(鷹人)っっっ!!」
 ばがんっ、とすさまじい破砕音が響く。
 きっとドアが叩き破られた音。
「麗音っっっ!」
 そして、聞こえてきた声に、安堵の涙が浮かんだ。
「て、手前ぇ!?」
「お、おいっっ! こいつがどうなっても良いのかよ、近づくんじゃねえ!」
「そうだっ!」
 ぴたりと、顔に冷たい金属が押し当てられる感触。
 それがナイフか何かだと言うことは、理解できた。
「こいつが傷物になっても良いのかよ!? あ? 解ったら下がれ、下がりやがれ!」
「麗音」
 鷹人の冷静な声が届く。
「お前の人生は、俺が背負ってやる。だから、顔の傷くらいはガマンできるか?」
『な、何言い出しやがる手前ぇっ』
 狼狽のあまり声が重なる男達を無視して、麗音はただ首を上下に動かした。
 ぴっと、頬に痛みを感じた。
「ひっっ!?」
 男達の一人が喉の奥から悲鳴を上げた瞬間、ごしゃっと何かがつぶれるような音が響いた。
 自分の周りにいた男達が、慌てて逃げ出していくのを感じて。
 同時に、カシャカシャと携帯カメラのシャッター音が響いた。
「逃げたか」
 鷹人の声が響き、ごすっとやけに重いモノが床に叩き付けられる音が聞こえた。
 同時に駆け寄ってくる気配。
「大丈夫か?」
 普段と変わらない声が届いて、安心感にぼろぼろと涙がこぼれ出すのを感じながらこくこくと頷いてみせる。
 両足が自由になって、両手を縛っていたモノが外される。
 猿ぐつわが外されるのと同時。
 腕を伸ばして、鷹人の身体を探す。
「ん、どした、麗音?」
 その声で位置を確認すると同時、鷹人を思いきり抱き締めていた。
「……った」
「ん?」
 優しく抱き返されて、頭を優しく撫でられる。
 安心感が幾重にも増していく。
「怖かった……怖かったんだからねっっ!」
 らしくない言葉だと思いながら、それでも一度口を突いて出たモノは取り消せなくて。
 涙がこぼれるのを止めることも出来ず、鷹人に必死にしがみついた。
 目が見えない事が悔しくて、あんな連中に身体を自由にされるのが苦しくて、けれど何より怖かったのは、鷹人以外の誰かに身体の中に入ってこられること。
 けれど、それを言葉で説明出来るはずは無かった。
「大丈夫、大丈夫だからさ」
 優しい抱擁を受け手、ただ泣きながら何度も頷く。
 それくらいしか、今は思いを返す手段が見つからなかった。




 そんな、少し心苦しい保守。
748名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 01:42:29 ID:d/CLtCX6
これはもはや保守ではない。
神GJ。
749名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 10:38:19 ID:axu5S+Bk
            \     _n         グッジョブ   /
              \   ( l     _、_       /
               \   \ \ ( <_,` )    /
                 \   ヽ___ ̄ ̄  ) /
   _、_  グッジョブ      \    /    / /  _、_   グッジョブ
 ( ,_ノ` )     n        \∧∧∧∧/   ( <_,` )     n
 ̄     \    ( E)       < の  グ >   ̄     \    ( E)
フ     /ヽ ヽ_//        <      ッ >  フ     /ヽ ヽ_//
─────────────< 予  ジ >───────────────
   ∩               <      ョ >
   ( ⌒)       ∩ グッジョブ < 感  ブ >       |┃三     話は聞かせて
   /,. ノ      l 'uu       /∨∨∨∨\      |┃  ガラッ    もらった
  / /      / /"    /         \     |┃ ≡   _、_   グッジョブ
  / / _、_   / ノ     /    グッジョブ   \  |ミ\__( <_,` )
 / / ,_ノ` )/ /    /|    _、_     _、_   \ =___    \
(        /     /\ \/( ,_ノ` )/( <_,` )ヽ/\≡   )   人 \
 ヽ      |   /   \(uu       /     uu)/  \
750名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 16:22:58 ID:lujEVVb/
GJ!!すげー短いのに読み応えあった。ハラハラしちゃったよ。
751名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 00:21:02 ID:3RsuG7DW
保守ってゆうレベルじゃねーぞ
752名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 21:21:28 ID:04Q7h7Gg
保守☆
753名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 22:32:30 ID:SIZQ7MNd
754名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 22:34:09 ID:qHbZVRLz
 人の腕にすがると言うのがこんなに気分が良いとは思っても見なくて、だから少し浮ついた気分で歩いていた。
「……ホントにいいのか」
 その言葉に、こくんと頷いてみせる。
 もうとっくに気持ちは固まっているのに、まだ心配そうにしている鷹人に思わず苦笑が浮かんだ。
「でもだな」
「あたしが一度決めた事を翻すわけはないでしょ」
 襲ってきた三人と――鷹人が調べ上げてくれた――ソレを依頼した同窓生の女性を、告訴することに決めたのだ。
 無論、それがどういう目にあわされることになるかも知っている。
 警察にどんな行為をされたか、などと言うこと以外にも、それ以前の経験だとか、女性なら普通苦にするようなことを平気で聞かれると言うことは理解している。
「大体、なんで襲われた方が悪いわけ? 襲った連中が悪いんじゃない。そう言う奴らには社会的制裁が加えられるべきなのよ」
 ぎゅっと、鷹人の腕に強くしがみついて、怒りを露わにする。
 許せなかったのだ。
 鷹人以外の誰かに触られたことが、蹂躙されそうになったことが。
「だけど」
「そ・れ・に」
 鷹人の言葉を強引に遮る。
 気持ちは嬉しいけれど、もう決めたのだから。
「あたしはコレだもん」
 そう言いながら自分の目を指さす。
 生まれたときから何も映さなかった瞳。それに悔しさを覚えたのはあの連中に襲われたあの一度だけ。
 そんな悔しさを感じさせられたのが腹立たしくて、だけど、今回の件では同時に自分の方が有利だと解っていた。
「目が見えない相手を複数で襲って、両手と両足を縛った上に事に至ろうとしたんだもん。これでもまだ和姦だなんて言える人間がいたら、あたしは本気で噛み付くわよ」
「まあ、それはそうだが」
「だから良いの」
 目が見えなくても、耳があった。
 それが人並み優れていて、だから選んだピアニストへの道。
 そこに、あんな腐った連中がいることが許せなかったのだ。
「悪い、麗音」
 唐突な鷹人の言葉に、わざとらしく小首を傾げてみせる。
 何を言いたいのかは解るけれど、それにきちんと応えるのは少し癪だったから。
「……お前が公にしようとしてるのは、俺のせいだろ」
 その核心を突いた言葉に、思わず苦笑が浮かぶ。
 結局、全部見透かされていることが、少し悔しくて、とびっきり嬉しい。
「さあ、なんのことでしょう?」
「校舎のドアをぶち破って、教壇たたき壊してしまったから、な」
 確かに、その通りだった。
 そのことで鷹人が放校処分にされそうだと聞いたから、そして、その元になったあの連中は何食わぬ顔でいたから。
 ……襲われた事実も、穏便に済ますという名目で無かったことにされてしまったから。
 けれど、ソレを正面から認めたくはなくて。
「ま、確かにアレには驚いたわ。ってか、消火器でぶん殴ってドアを叩き破った上に、教壇ぶっ壊すなんて、らしくないんじゃない?」
 あの助けられたとき、落ち着いてからどうやったのかを聞いたとき、思わず爆笑してしまったことを思い出して、また笑みが浮かんだ。
「あの時はつい、な」
 その声の響きで、そっぽを向いたことに気付く。
 照れてるのが丸わかりで、だから、もっと恥ずかしがらせたくなる。
「大体、あたしが告訴するつもりになったのは、あんたのおかげだもん」
 言いながらその腕を胸の谷間に挟み込む。
 少し背伸びして、そのまま耳元に唇を寄せた。
755名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 22:35:17 ID:qHbZVRLz
「だって、あんたがあたしの人生背負ってくれるんでしょ? だったら問題無いし」
 頬の絆創膏を軽くさすってから、歩き出す。
 顔の怪我と言うことで病院で診て貰って、とりあえず一週間もすれば消える程度の傷らしいと聞いている。
 けれど、その傷の心配をして病院に着いてきてくれた鷹人の優しさにも触れていたから。
「だから、覚悟してよね」
 笑顔で告げた瞬間、鷹人が微妙に身をよじって首を明後日の方向に向けたのを感じた。
「……ちょっと、いきなりどうしたわけ?」
「あー、いや、なんでもない」
 応えてくれないことが不満で、手を伸ばして鷹人の顔の辺りに持って行く。
 上手く場所を確認すると同時に、その頬を指でぷにぷにと押しこむ。
「ど・う・し・た・わ・け?」
 言葉に節をつけながら、それに合わせて頬を押すと、観念したように鷹人がこちらの手を握って横にのけた。
 同時にこちらに顔を向けてきたのが伝わってきて、なぜか咳払いをしたりする様子に小首を傾げた。
「その、だな」
「うん」
「さっきの、覚悟、って言ったときのお前の笑顔が、すごく可愛く見え、ぐっっ!」
 顔が一気に熱くなって、言葉を全部聞くよりも早く肘鉄を脇腹に叩き込んだ。
「い、いきなりなんてこというのよ、あんたは!」
 更にごすごすと何度も肘鉄を叩き込んでいく。
 そうでもしていないと嬉しさと恥ずかしさで口元が緩んでしまいそうだったから。
「あいた、痛、痛いって!」
「自業自得よ、そんなこっぱずかしい事を言う方が悪い」
「いてっ! 言わせたのは、お前だろ。こら、もう止めろって」
 脇と肘の間に鷹人が手を差し込んでくる。
 何となく恥ずかしくて、こっちの方がそっぽを向いた。
「むー、恥ずかしいヤツ」
「お前ね」
 どことなく苦笑の気配を感じるのが悔しくて、あくまでそっぽを向いたまま応えない。
 鷹人にいいように扱われるのは、何となく癪だから。
「麗音、恥ずかしいことを言わせといて、我が侭言う口はふさいでやる」
「んーっ!?」
 鷹人の呟きに疑問を浮かべるよりも早く、唇に柔らかいモノが押し当てられた。
 キスされている。
 その事実に気付いて、ここが町のど真ん中だと言うことを思いだして。
 けれど、抵抗することなく、鷹人の唇を受け入れた。
「……ふぅ」
「このすけべ」
 鷹人の唇が離れると同時にそんな言葉をはき出して、けれど口元が緩んでしまうのを抑えきれない。
 町中で周りから見られているような状態で、なのに口づけをくれたことが嬉しい。
 嬉しすぎて、表情が上手く制御できない。
「すけべで、わるかったな」
「うん、わるい」
 びしっと言ってのけながら、ぎゅっと腕を強く抱き締めて軽く引っ張る。
「お?」
 軽く伸びをして手を伸ばして顔の位置を確かめる。
「でも、そんなあんたが大好き!」
 言うと同時、今度はこちらからキスをした。


 そんな、甘い未来を望む(少し気が早いけど)保守
756名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 00:21:43 ID:ehGyS+ok
あ・・・甘い・・・!
757名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 00:30:19 ID:kDXnrjBe
ぎゃあああああああ!甘い!甘い!甘い!素晴らしく甘い!
見えないからなんだ、見えないからこそ素晴らしいじゃないか!
声と手触りで分かるその感触が読んでいて身悶えます神GJ!
758名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 21:00:47 ID:xnmbm3FL
素晴らしいデス
759名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 11:14:25 ID:LHHXIg4N
         / ̄ ̄ ̄フ\               _       ノ^)
       // ̄フ /   \            .//\     ./ /
      //  ∠/  ___\___  __//   \   / (___
    // ̄ ̄ ̄フ /_ .//_  //_  /      \./ (_(__)
   // ̄フ / ̄////////////         |  (_(__)
 /∠_/./ ./∠///∠///∠//      ∧ ∧ /) (_(__)
∠___,,,__/ .∠__/∠__/∠__/       (´ー` ( ( (_(___)
\    \ \/ ̄ ̄ ̄フ\ \ \_ \  _   /⌒ `´  人___ソ
  \    \ \フ / ̄\ \ .//\  //\ / 人 l  彡ノ     \
   \ _  \//___\/∠_  //   < Y ヽ ヽ (.       \
    //\///_  //_  ///     人├'"    ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   //  //.////////∠/      ヽ-i ヽ__  ヽ
 /∠_//./∠///∠// .\\       `リノ ヽ |\  ヽ
∠____/.∠__/∠__/∠フ\.\\      c;_,;....ノ ヾノヽ__ノ
760名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 21:10:01 ID:EwzoOJ3S
保守☆
761名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 21:48:32 ID:OfqAkxo6
762名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 18:11:51 ID:u0TSCssC
763名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 12:28:36 ID:kIVh3EWq
764名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 18:17:34 ID:UIwAuAZ2
765名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 18:26:58 ID:VC63B3hJ
766名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 19:59:17 ID:+i1XZSJg
767名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 22:29:00 ID:swP5HH6D
768名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 22:38:37 ID:l55P7BQc
769名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 00:11:13 ID:FA7Ydar7
 ほほをなで回す君の指に、私は恋をしたんだよ。
 視力を失って自暴自棄になっていた私に、生まれたときから見えなかったと呟いた君の言葉はとても苦しかったんだよ。
 だから、あの時は恥ずかしくて、嫌われたと思ったのさ。
 ふふっ……、まあ君は目が見えないことを、苦痛だとも特別だとも思ってなかったからね。
 でも私は違ったんだよ。
 幾度も口にしたが、イラストの仕事で、私の名前はそれなりに知られていたんだ。
 けれど、視力を失った途端、私の周りにいてちやほやしていた連中はみんないなくなった。
 だから、目が見えないだけで、私自身の価値はゼロになった、そう思ってしまった。
 ……ああ。
 そんなことはないと、今なら言えるさ。
 君が隣にいてくれるからね。
 はは、自分から振ってきたのに、恥ずかしがってる君は可愛いな。いや、スマン、悪かった、私が悪かったよ。
 君が私に興味を持ってくれたことが、私の支えになってくれたんだ。
 だから、ずっと、言いたかったんだ。
 ありがとう。
 君がいてくれて、本当に嬉しくて、楽しかった。
 目を失ってから過ぎた日々こそ、私は本当の人生を生きてきたとそういえる。
 だから、ありがとう。
 君の幸せを、私は願っているよ。

「……鬱陶しい映画だったわね」
「そうか?」
 視聴覚障害者にも楽しめるよう配慮された映画。
 その音楽を任されたと言うことで招待された試写会から出たところで呟いた麗音に小首を傾げた。
 大体、仕事を受けた時点で、どんな内容の映画かは聞いていたはずなのに、わざわざそんなことを言うのは、何となくらしくないと思う。
「なにが、目が見えないだけで価値がゼロになった、よ。あんな言葉が出てくるなんてわかってたら最初からこんな仕事受けてなかったわよ」
「ん? 映画に合わせて曲を入れてたんじゃなかったのか?」
「あー、演出やってるのがさ、この曲弾いてくれ、あの曲弾いてくれって言うのに合わせて嫌々弾いてただけ」
 そんなやり方は麗音らしくない。
 けれど、それを問いただす気にはなれなくて。
「でもさ、あの映画、最後のオチが強引すぎたと思わない? 別に話自体の数十年後が悪いって言うんじゃないけど」
「まあ、確かにな」
 それまであった状況説明のナレーションもなく、画面も黒一色で主人公の会話だけ。
 しかも、相手と会話しているように見せてはいるが、当の相手の言葉が一切無い、
まるで全ては無かったんだと言わんばかりのオチには、あまり良い印象が浮かばない。
「大体、目が見えないぐらいで離れてくような連中は、他にどんなことが有っても離れていったに決まってるじゃない。
なのに、まるで、目が見えなくなったことが諸悪の根源みたいに描かれるのってムカつくわ。ったく、マネももうちょっと仕事選んで欲しいわ」
 こちらの腕に全身を預けてくる麗音の言葉に、ただ苦笑が浮かぶ。
 あの事件で、臆すことなく堂々と糾弾した麗音は、そのピアノの腕と相まって、一躍時の人となっていた。
 あるプロダクションに仮所属することになった麗音は、けれど、マネージャーと上手く言っていないとは聞いている。
「けどだな、あのマネージャーさんも、お前のことを思って仕事選んでくれてると思うんだが」
「あたしのことじゃなくて、あたしの商品価値の事を思っての間違いでしょ」
 確かに、今回の障害者に配慮した映画の曲に、障害者を使っているとなれば話題性はあがるだろう。
 その指摘は、だから的確で、小さくため息を吐いた。
「ん?」
「いやまあ、言いたいことを言うのは自由だが、あまり敵を作らないようにな」
 麗音はただ自分自身の感情と技術に真っ直ぐでいるだけだと、解ってはいる。
 けれど、その真っ直ぐさを許せない人間が、世の中には存在するのだ。
 あの時、麗音を襲わせた女性のように。
「別に作ってるつもりはないわよ」
 不意に、口の端を上げてにやりと笑う麗音。
「それに、あんたがいるもん。あたしはね、地球の全ての人間から嫌われたって、あんた一人が見ていてくれるならそれでいい」
「……恥ずかしいこと言うんじゃない」
 その思いが真実だと解ってはいる。けれど、あまりにも真っ直ぐすぎるのが恥ずかしくて。
 鷹人は苦笑と共に強引に唇を重ねた。
 愛おしさを言葉にする恥ずかしさを紛らわせる為に。


>>761-768のコンビネーションに乾杯
770名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 15:33:17 ID:cuJbhVTB
>>769
うわあああああGJ!!!!!!!
771763:2008/11/07(金) 21:22:59 ID:5WKuLCa/
ごっつぁんです!
772766:2008/11/07(金) 23:42:06 ID:lfNEQ+Aa
ごちになります
美味しく頂きました
773名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 18:49:48 ID:pNHH/nuW
おまいらいい奴だな!

GJ!
774名無しさん@ピンキー:2008/11/12(水) 20:27:33 ID:6T8N4g/a
775名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 18:49:01 ID:E/0ttQ4U
776名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 18:58:29 ID:r3RbcOlM
777名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 18:22:42 ID:Ja76JCpv
778名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 04:39:18 ID:cFHU6IhW
779名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 14:09:12 ID:3PH86GHN
780名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 19:29:39 ID:6gc3wQFi
781名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 20:19:52 ID:vNyCe9wk
782名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 22:46:31 ID:3PH86GHN
783名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 23:10:23 ID:Fv4B7l6v
784名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 01:09:49 ID:Nobmi9BD
785名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 02:05:39 ID:pw8uTQwB
786名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 14:41:05 ID:aiMtrzU/
787名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 20:00:49 ID:HtlrHHUE
788名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 00:21:14 ID:Ex5ps+7L
789名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 00:42:29 ID:reWIiCjm
790名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 01:05:37 ID:7bgirFil
ほらふきなおんがくかともいちど
目が見えなくなる前に会ったほらふきな音楽家を探して旅をする少女のお話…

むかし、あるところに病気を患った少女がいました。
彼女は退屈だったので庭に出た所、庭の木に向かって何かを書いている男がいました。
なにをしているのか、と問うたところ、彼はこの木の精を歌にしていると言った。
彼女は彼に興味を持ち、度々部屋に招いた。そして外の世界の話を聞いた。
大ウナギとの戦い、一角牛との死闘なんて言う話も出てきた。
彼のおとぎ話の様な冒険話は毎夜行われた。彼女の闘病生活唯一の楽しみとなった。
ある晩父親に気づかれて、追い出されてからは彼は来なくなった。
やがて彼女の目は光を失った。それと引き替えに体の病は治った。
そしてある晩、彼女は杖を持ち家出しました。そして幾多の危機と困難を乗り越えた彼女は
ある村に留まりました。そこで懐かしい声を聞きました。
彼は彼女に気づくなり求婚しました。受け入れた彼女は結婚しました。
二人は村一番のいい夫婦になり、二児を設けたということです。 めでたしめでたし 
791名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 01:10:21 ID:7bgirFil
ヤが増えてた!!!
童話テイストにしてみたんだが失敗した…
次のお題は
ヤ からスタート
792名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 17:10:05 ID:Q1olpl72
793名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 17:23:57 ID:7bgirFil
794名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 18:13:17 ID:wIUeDhON
795名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 22:41:50 ID:XbFrbJTk
796名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 23:51:29 ID:CqhC8Mu3
797名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 23:55:11 ID:7bgirFil
798名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 01:38:24 ID:uiO+wijT
799名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 09:20:41 ID:iJmo8MN7
800名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 16:52:34 ID:s7EuhUQF
801名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 17:33:52 ID:0wGwLrnp
802名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 18:06:38 ID:NQ3afyWZ
803名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 18:54:29 ID:uiO+wijT
804名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 19:17:44 ID:hG55gO/3
805名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 20:39:44 ID:NQ3afyWZ
806名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 21:37:26 ID:ZecKpzoO
807名無しさん@ピンキー:2008/11/26(水) 01:35:00 ID:ABzMfOie
808名無しさん@ピンキー:2008/11/26(水) 10:55:13 ID:HWjaTE1c
「てか、アンタも妙なモノマネが良くできるわよね」
「ん?」
「だって、マイナーすぎるでしょそんなの」
「そうか?」
「ヤンバルクイナのマネとか、バドンっ! いはっ!?」
「お、おい、いきなりどうしたんだ?」
「ひ、ひははんは〜」
「おいおい、らしくないぞ。ほれ、見せてみろ」
「あー」
「ん、大丈夫みたいだな」
「うー、ははひはい。ははら」
「ん? ……て、待て麗音、なんでしがみつく」
「はひっへひはっへふへほ」
「ちょっ、こらっ! なんでいきなり発情して、んーーっ!」
「ちゅっちゅぷ…………」
「んぅ」
「ふふっ、大分マシになったわ」
「……お前なぁ」
「何よ、ってあれ? おなか当たってるわよ」
「……しょうがないだろうが」
「ふふっ、スケベ」
「笑いながら、さすってる時点で、お前も十分スケベだろうがっ!」
「そう言うあんただって、んっ! こ、こらっ! 胸元から、手入れるなぁ」
「お前が先に始めたんだろうが」
「だ、だからっ! さ、先っぽっっ! 弱いって、言ってるでしょっ!」
「お、お前こそっ、くっ! 首舐めるな」
「あ、アンタが悪いんでしょ」
「お前、が、悪いんだろう」
「こ、こらっ! スカート、まくるんじゃ、ないわよっ、ふぁっっ!」
「ちょ、おま、ベルト外すな!」
「んくっ! ひあっ! はふっ! や、も、濡れちゃっ! ま、負けないんだからっ!」
「くぅっ」
「ひゃふっ! やだ、先っぽ、やだって! ひぅっ! ちょ、そこダメ! クリいじっちゃ、ダメっ。や、もうイくっ!?」
「きょ、今日はやけに早い、なっ! ちょ、こら、それは!」
「ふ、ふんっ、あんただって、んくっっ! 先が、ふくらんで、イキそう、なんでしょう。ひぁんっ! ま、負けないん、だからっ!」
「くっ、ぅ」
「ひゃん、ひくっ! ふぁっ! や、やだ、イく、イく、イッちゃうっ!?」
「く、俺も、だ」
「ひぁぁぁあああああああっっっっ!!」
「くっっ!」
「……はぁはぁ…………ふぅ、やだ手の平べとべと。もう、どうしてくれるのよ」
「お、お前が、悪いんだろ。ま、手で全部、受け止めてくれたのは助か、って何してる!?」
「アンタので手が汚れちゃったから、舐めとってるんだけど? あ、そか、ゴメンゴメン、早く続きしたいよね?」
「そう言うことを言ってるんじゃ……いや、いい」
「って、あれ? なんでいきなり抱きついてくるわけ? あ、今日は立ったまま?」
「覚悟しろよ、お前が煽ったんだからな」
「覚悟って……ひっ! ちょ、こらっ! やめ、やめなさいよ! こ、こんな! 恥ずかしいってば!」
「ん、しーしーポーズは恥ずかしいか?」
「あ、当たり前でしょっ! だから下ろ、ひぁぁぁああああっっっ!」
「……ほれ、下ろしてやったぞ? って、あれ? 入れただけでイッちゃったのか?」
「わ、悪かったわねっっっ!! 久しぶりで、気持ちよすぎちゃったのよ!」
「そうか、悪かったな。でも俺はまだだから!」
「や、こらっ! 今敏感、だからうご、うごくなぁっっ!」
「悪い悪い」
「お、思ってない、ひぐっっ! でしょっっ! この馬鹿、ふぁあっっ!」


 このまま、オチなしで保守
 ……このまま1000まで行くのもきついなぁ
809名無しさん@ピンキー:2008/11/26(水) 13:36:05 ID:V5rsx+6U
>>808
GJ
ほのぼのすぎてワロタw


…一文字リレーそろそろ自重しる
810名無しさん@ピンキー:2008/11/26(水) 17:30:55 ID:U64zVzRi
無理矢理感にワロタw
とにかくGJ!!!!!
訳分からん題からよく小話作れるものだ…感心した!
811名無しさん@ピンキー:2008/11/26(水) 19:34:28 ID:mO1CApVs
お題振りは、せめてもうちょっと、書き手が受け取りやすいものにしようぜw
それはそうとGJ!
812名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 01:37:28 ID:DPCmaPpb
813名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 21:47:15 ID:HiGPdfhj


でももはや冒頭の部分しかお題が残っていない件w
いや、全編通してこのお題で続けるほうが無理だけどさw
814名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 00:00:08 ID:CDjEDGSw
815名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 11:23:30 ID:DnQY5tU4


個人的にはそろそろ麗音と鷹人の馴れ初め話が聞きたい。
鷹人に対してまだ遠慮も恥じらいもあった頃の麗音w
816名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 18:05:26 ID:rzAsOdjr


>>815
お前このタイミングでそれ言うと二人の馴れ初めが最中絡みになっちまうだろうがw
817名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 09:15:41 ID:AnVFjpjr


ネ申様にお供えもの〜
>ttp://up.mugitya.com/img/Lv.1_up79990.jpg.html
818名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 17:11:23 ID:kEjYVTgs
819名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 19:19:33 ID:rtaHyPdE
820名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 01:54:06 ID:SjJjmF2K
鷹人麗音、短編投下
非エロ注意
821『好きな人の手』:2008/12/10(水) 01:55:43 ID:SjJjmF2K
 それは、何の変哲もないごく普通の一日になるはずだった。
 講義が終わって帰ろうとした矢先。
 岡戸鷹人は不意に足を止めて耳を澄ました。
 非常に微かではあるが、ベートーヴェンのピアノソナタ、『熱情』の第一楽章がどこからか流れてきたのだ。
 現在でこそ篠原学園大学音楽部声楽科に通っている鷹人だが、篠原学園初等部にいた頃はピアノコンクールで勇名を馳せていた。
 だからこそ、その曲の弾き方に興味を覚えた。
 曲全体のテンポが、今まで聞いた事のある演奏の中でも特に速いのに、それでもクラシックの範疇にギリギリ踏みとどまっている事に、おもしろく感じる。
「JAZZでもやってたのかな」
 ぽつりと呟きながら、鷹人は曲が聞こえてくる方向に向かって歩き出す。
 そして、たどり着いたピアノ室の前。
 聞こえてくる曲の、テンポの速さと音の強さ、その解釈の見事さに、ぞくりと背筋が粟立つ。
「凄い、な」
 ぽつりと呟く鷹人。
 今まで聞いたことのあるベートーヴェンのピアノソナタの中でも、一〜二を争うほどだと素直にそう感じる。
 けちを付けようと思えば、いくらでも粗が見つかるのは確かだ。
 試験でこのような弾き方をすれば、確実に赤点が決定するだろう。
 けれど、その全てが一つに纏まったとき、完璧ではなくても完全なのだと感じられた。
 曲名通り、自身の内にある熱情をはき出しているような激しさが、特にそう思わせるのだろうか。
 そんな疑問を感じながら、廊下の壁に背中を預けて、曲に耳を傾け続ける。
 歯切れ良く紡がれた音が見事な連なりへと替わり、ついに曲が終わった。
 そのまま、今度はベートーヴェンのピアノソナタ『月光』が始まる。
「久しぶりに、弾いてみるのもいいか」
 その素晴らしい曲調に心を委ねながら、そんな言葉を口にする。
 この演奏家にはどう足掻いても勝てない事は解っていた。
 ピアノという楽器に対する情熱の多寡が、それほど違っているのだ。
 それでも、捨てたはずのピアノ演奏の楽しみを思い出させてくれたことが嬉しかった。
 気がつけば、『月光』も終わりに近づいていて、そろそろ帰らないとヤバい時間だと言うことを思い出す。
 本当は、最後まで聞いていたかったけれど、仕方がない。
 ため息を吐いて、鷹人は歩き始めた。




 翌日。
 ピアノ室に向かった鷹人は、廊下を歩いてくる一人の少女に気付いてそのまま脇に寄った。
 廊下の真ん中を白杖で探りながら歩いている少女。
 しっかりと瞼を開けて真っ正面に向けているけれど、それでも目の焦点がどこにもあって無い、深窓の令嬢と言った面持ちの少女が、そのまま通り過ぎるのを見送った。
 一拍遅れて、彼女の事を思い出す。
 ピアノ室を借りるために話を通しに言った、ピアノ科の講師で鷹人にとっては小学校の頃家庭教師もして貰っていた高瀬教授が、百年に一度の逸材だと持ち上げていた飛び級で大学に入ってきた少女だと。
「確か、西院麗音、だったかな」
 凄まじいまでの自信家で、しかも演奏技術はパーフェクト。
 時折口にする鋭すぎる批評のせいで、多少嫌われていると言うことも聞いてはいる。
 それでも、関わり合いになることなど無いはず。
 だから、予約していたピアノ室に入り込んだ。


「ふぅ……やっぱりダメだな」
 数年のブランクが有れば当然のことだが、中々思うように弾けない。
 その事にいらだたしさを感じた。
 それに、以前のレパートリーだったショパンではなくベートーヴェンを弾こうとするのが間違いだったのかもしれない。
 それでも、まだ弾き足りない気分だった。
「よしっ」
 上手く弾けないのは仕方がない。
 そう割り切って、鷹人はまた鍵盤に指をおいた。
 楽譜はもって来てないけど、もう数え切れないほど聞き慣れた曲だ。
 耳コピーである程度は弾くことが出来る。
 だから、前奏を弾きながら、呼吸を整えた。
「……che bella cosa」
 オ・ソレ・ミオを弾きながら歌う。
 敬愛する、パバロッティの歌い方を基本に、自分流のアレンジを加えながら。
822『好きな人の手』:2008/12/10(水) 02:00:27 ID:SjJjmF2K
 誰かの弾いた曲に合わせて歌わされるのとは違う、自分の思うままに弾きながら歌えることに、新鮮な驚きと意外な楽しさを覚えた。
 だから、今は作詞作曲を自分でやるのが、普通になったのだろうかと、そんなことを思う。
 同期の学生の中には、クラシックは高尚、低俗なj-popなんかは耳が汚れる、なんてことを言う人間もいるけれど、鷹人はそんなことを思ったことは無論ない。
 だから、オ・ソレ・ミオを歌い終えると同時に、最近聞いたpopsをゆっくりと自分のテンポで歌えるように弾き始めた。
 存分に歌って、最後に音を鳴らすのと同時。
 パチパチと拍手の音が聞こえてきた。
 思わず、手を止めて、ピアノ室の入り口に視線を向けた。
「いいもの、聞かせて貰ったわ」
 白杖を脇に手挟んだ西院麗音が、立っていた。
 持ち直した白杖で周囲を探りながら近づいてくる西院。
「てかまあ、ピアノ科にアンタみたいなのがいるなんて知らなかったわ」
 そう言って、にっこりと笑う西院が、鷹人のすぐ目の前で立ち止まる。
「いや、俺ピアノ科じゃないんだけど」
 苦笑と共に答えを返して、椅子から立ち上がる鷹人。
 誰かに聞かれながら、「自分」の歌を歌うのが気恥ずかしくて。
「あれ、もう終わり? もっと聞かせて欲しいんだけど」
 気安い口調で問い掛けてくる西院。
 顔立ちや物腰から何となく想像していたのとは、全く違う言葉遣いに苦笑が浮かぶ。
 そう思った途端、西院がくすりと楽しげに笑った。
「ん?」
「アンタって、わかりやすいね。なるほど、コレだったらあの音になる訳よね」
 一人で頷く西院に、鷹人は首を傾げる。
 何が言いたいのか解らなくて、けれど、問い掛ける気にもならない。
「あ、珍しく楽しげに弾いてる人がいるなーって思って来たのよ」
「そう聞こえた?」
「ええ、他の学生……てか、講師も含めて、型を守るのに必死で楽しげにやってるのって、他にいないんだもの」
 その的確な言葉に、何となく苦笑が浮かぶ。
 その感想は、声楽科の鷹人も同じように持っていたから。
「まあ、学校だからしょうがないよな」
 呟きながら、奇妙な違和感を感じていた。
 初対面相手だったらもっと丁寧に話すべきで、普段ならそうしている筈なのに、なぜかそんな気になれない。
 それに、あまり人に見せない自然な笑顔が浮かんでいることも、自覚できるだけに余計不思議だった。
「解ってるけどさ、なんか聴いてると誰も彼も忘れてるっぽく感じるのよね」
「何をだ?」
「楽しくてこの世界に入ったんじゃないのかなぁってね」
 西院がそう言って浮かべる苦笑に、頷いて同意を示す。
 確かに、技術を覚えるのに汲々としていて、楽しんでやっている学生の方が少ないように見える。
 楽しいだけで続けるのは難しいと言われるのは解っているけど、逆に楽しくないものを続ける方が難しい。
「あ、ところで、アンタの名前は?」
「ん? ああ、俺は岡戸鷹人。そっちは、西院麗音だよな?」
「やっぱりアタシの名前は知ってたか。ま、コレだから、覚え易いもんね」
 そう言って自分の目を指さす麗音。
 あまりにも率直で、目が見えないことに一切引け目を感じていない態度が気に入った。
「まあ、ソレもあるけど、ピアノの腕がめちゃくちゃ上手いって聴いてたからな」
 そう言った瞬間、にかっと嬉しそうに笑う西院。
 その笑顔に、ほんの少し胸の奥がさざめいた。
「まあね〜。上がいるのは事実だけど、ここの学生や講師程度じゃアタシには全然敵わないんだもの」
 自信満々と言った言葉に、思わず苦笑が浮かんだ。
 これだけの事を口にして、それでも多少嫌われる程度で済んでるというのは、周りがそれを認めるほど上手いと言うこと。
 だから、何となく、彼女のピアノを聴いてみたくなる。
「じゃさ、その腕前披露してくれよ。西院の弾く曲を聴いてみたい」
「ん? 別に良いわよ、アンタの前だったら、気取った演奏しないですみそうだしね」
 そう言ってゆっくりと周囲を探りながらピアノの前に移動して、椅子に座る西院。
 ふと、こちらの方――頭半分ほど右にずれた辺り――に顔を向けてくる。
「ん、なんだ?」
 けれど、おおよそでもこちらの位置に合わせようとしていることを感じて、苦笑と共に問い掛ける。
「演奏料、払ってよね?」
「む、じゃあ、大平庵のバナナ最中でどうだ?」
「いいわよ。あ、それと、アタシのことは西院じゃなくて麗音って名前で呼んでよね。アタシも鷹人って呼ぶからさ」
「ああ、解ったよ」
823『好きな人の手』:2008/12/10(水) 02:01:22 ID:SjJjmF2K
 初対面の筈なのに、どうしてそんなに気安くするのか。
 初対面の筈なのに、どうしてこんなに気安くできるのか。
 その理由が自分でも理解できないまま、それでも西院――麗音が演奏を始めるのを、鷹人は黙って聞こうとして、目を見張った。
 昨日、聴いたのと同じ曲調で麗音が『熱情』を弾き始めたのだ。
 その事に驚き、同時にこういう偶然も良いものだなと、そんなことを思う。
 けれど、そんな思考よりも、今はただ彼女の作り出す音に身を任せていたい。
 その思いに、全てを委ねた。




 麗音は、ため息と共にピアノ室に入っていった。
 白杖で周囲を探り、音でそこにいることを読み取ってピアノの傍に行く。
 すーすーと、寝息が聞こえてくる。
「……まったく」
 ため息を吐きながら白杖を振り上げて、その源の辺りに軽く振り下ろした。
「あいたっ!」
 こつんと音を立てるのと、鷹人が声を上げるのは同時。
 んー、っと喉の奥から声を出す鷹人に、伸びをしてるのを確認して、もう一度ため息を吐いた。
「おはよう、鷹人。てか、寝ながら待つなんて、アンタもお大尽になったもんねぇ?」
 にっこり笑うと同時、うっ、と鷹人が息を詰めた。
 その声の源辺りに顔を向けて、手に持っていた袋を突き出す。
「はい、大平庵のバナナ最中。今日はコレ食べたいって言ってたよね」
「あー、うん」
 鷹人の声に訝る節が有るのを聞き取って、麗音は小首をかしげる。
「いや、これ見てお前と初めてあったときの事、思い出したんだ」
 何気ないその言葉に、とくんっと心臓の鼓動が速さを増した。
 やっと、思い出してくれたのだと、期待感に心がはやる。
「ほら、俺がここでピアノ弾いてるときにさ。お前が唐突に入ってきて、拍手しただろ?」
 言われた、内心で深いため息を吐いた。
 このバカは、まだ思い出していないのだと、気付かされたから。
「あの時の演奏料もコレだったと思ってな」
「はいはい、でもまあ、最中で思い出すなんて、変な話よねー」
 だから、わざと鷹人の言葉に話を合わせる麗音。
 思い出していない相手に、自分から話題を振って思い出させるなんて、麗音の主義ではないのだから。
 だから、内心でもう一度ため息を吐きながら、渡した袋をがさがさとさせる鷹人の様子に、小さなイタズラを思いついた。
「鷹人」
「ん?」
「あー」
 声から判断した、鷹人がいるあたりに向かって、口を開いて待つ。
 空気が凍るような音が聞こえた気がして、けれど麗音は気付かないふりをして、ソレをじっと待っていた。
「ったく」
 苦笑の気配と共に、口に最中が押し込まれる。
 あむっ、とその半分くらいを囓り取って残りを押し返した。
「はい、間接キス」
「……いまさらそんなので照れる間柄かって」
 そんな風に返してくる鷹人が、それでもきちんと自分で食べているのが聞こえて、何となく嬉しくなる。
 けれど、まだ思い出していない鷹人に、僅かな苛立ちがあったのも事実で。
 だから、かもしれない。
「そういえばさ、鷹人って好きな女のタイプってどんなの?」
824『好きな人の手』:2008/12/10(水) 02:01:59 ID:SjJjmF2K
 そんなことを聞いてしまったのは。
 自分と全く違うタイプだと答えられるのも、自分のようなタイプだと答えられるのも、なんとなくイヤだと思っていたのに。
 イヤだと思っていたはずなのに。
「俺のタイプ……、ていうと麗音だな」
「は?」
 想定外の答えに、思わず思考が固まった。
「いや、恋人がそのまま俺のタイプだってっ!?」
「恥ずかしすぎること言うなっ!」
 ほとんど反射的に白杖を振り上げて、振り下ろした。
 嬉しかった。
 鷹人がそれだけ自分のことを思ってくれているのだと、麗音には感じられたから。
 耳まで熱がこもっていて、きっと赤くなっているだろうと麗音は思う。……と言ったところで、自身の状態と子供の頃から周りに言われていた言葉から、そう思うだけでしかないけれど。
 それでも顔がにやけるのを押さえられなくて、それがあまりにも恥ずかしすぎて、もう一度白杖を振り上げて振り下ろす。
 ひゅんっ、と小気味良い音が聞こえた。
「ちょっ! こらっ! 待てっ! 自分から振ってきたんだろうが!」
 鷹人の声が先程よりも高い位置から届く。
 言うまでもなく椅子から立ち上がったのだと理解して、それでも関係なく前に出た。
「あ?」
 その足が、何かを踏んだ。
 そう感じた瞬間、麗音はバランスを崩す。
「え、あ、あれっ!?」
 慌てて手を前に伸ばしかけて、慌ててその手を引いた。
 下手をすると手を痛める、そのことが怖かった。
 けれど、予想とは裏腹にがっしりとした腕に、抱き留められる。
「アホ」
「アンタが、恥ずかしいこと言うからじゃない」
 耳元で呟かれた優しい言葉に、また頬に熱がともる。けれど、即座に言葉を投げ返して思う。
 本気でどういうタイプが好みだったのかと。
「あー、まあ、俺が好きなタイプっていうか、気になるタイプって言うのはだな」
 まるでこちらの思考を読んだようなタイミングの鷹人の声に驚いて、鷹人の顔の辺りに自身のそれを向ける麗音。
 とくんとくん、と心臓の鼓動が早まっていくのを、麗音自身理解していた。
「多分、ほっとけない子だろうな」
「ほっとけない子?」
 今一、意味がわかりにくい鷹人の言葉に小首を傾げる。
 ソレを見たのだろう、鷹人が倒れかけていたこちらをひょいっと抱き上げてきた。
「えと、ありがと」
「どーいたしまして、お姫様」
 少し投げやりな鷹人の言葉、それが照れくささ故だと言うことを、敏感に読み取っていた。
 何しろ、こうして恋人として付き合うようになってもう一年も経つのだ。
 しかも、向こうと違って麗音の判断材料は耳だけ。
 声だけでどう思ってるのか位は、簡単に判断できる。
「で、なんでそんなタイプなのよ?」
 椅子に座らされて、何となく残念に思いながら問い掛ける麗音。
「俺がさ、まだ初等部にいた頃、高瀬教授の命令で古関高校で行われたコンサートに行かされたんだ」
 その言葉を聞いた瞬間、胸の奥のさざめきが強くなった。
「そこで、コンサート始まる前に一人の女の子と出会ったんだよ。その子がなんか俺の服の裾を付かんで、俺と手を握りたがってて、なんとなくほっとけなかったんだ」
「へぇ、そうなんだ」
 相槌を打ちながら、けれど、口から出そうになった言葉を何とか飲み込む。
 ……あの時、手を握りたかったのは、見えないのだと知られたくなかったから。
 まだ子供だった頃の、ソレは思い出だった。
 親に連れられて行くことになったコンサート。
 その場で、悪ガキ達に白杖を取られて、そのままむちゃくちゃに引っ張り回されて、どこに居るのか解らなくなった。
 その時、声を書けてくれたのが、自分を体育館の入り口まで連れて行ってくれたのが、鷹人だったのだ。
「まあ、その子とはその後あってないんだけど、あれ以来何となくそう言った困ってる子をほっとけなくなったんだよ」
 その言葉と同時に苦笑の気配が伝わってきて、少し強引に鷹人の腕の辺りを捕まえる。
「麗音?」
「スるわよ」
 あの幼い頃の大事な思い出は、鷹人にとっても大切になっていた、そう感じられただけでも今は十分だったから。
 鷹人曰く初めての、麗音からすれば二度目の出会いの時。
 麗音が足を止めてピアノ室に入ったのは、聞こえてきた曲の弾き方が、自分を案内してくれたあの少年の弾き方だと同じだと気付いたから。
825『好きな人の手』:2008/12/10(水) 02:02:39 ID:SjJjmF2K
 だから、今こうして同じ時を過ごせるのが嬉しかった。
「おいおい、まさかそんな子供の頃の相手に嫉妬してるのか?」
「バカ、そんなわけないでしょ」
 言いながら満面の笑みを浮かべる麗音。
 口で説明するのが面倒臭くて、覚えてくれているのならそれだけで良いと思えて。
 だから麗音は鷹人を強引に引き寄せて、顔を上げた。
 鷹人からの口づけを受けるために。

 甘い、甘い時間を共に過ごすために。
826名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 02:05:39 ID:SjJjmF2K
投下終了。
普段レス下さってる皆様、ありがとうございます。
とりあえず所用で、来年の二月入るまでは投下できそうにありません。
またいずれ、お会いしましょう。ソレでは失礼
827名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 11:27:11 ID:mbTk793F
GJGJGJ!!一足早いX'masプレゼントthx!!
遠慮も恥じらいもないけど最中はキター!!w
828名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 17:36:48 ID:z+5OrMCX
GJと言わずにはいられない!
829名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 21:48:43 ID:G3kjvKZB
若干人外だが依存スレに盲目SSが
830名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 05:40:28 ID:6qBBwH+i
保守
831名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 22:50:27 ID:NTpQnA0j
SS保管庫とか以外に、盲目美少女が出てくるSSがあるサイトみたいなの無いんだろうか。
探せば結構あると思うんだが…
832名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 15:52:36 ID:OOruIaPR
盲目だけど回避
833名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:22:55 ID:m9n+BjeM
死ぬな!
834名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 23:39:23 ID:DRlATCdB
保守
835名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 22:46:35 ID:szP7djAJ
保守☆
836名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 23:33:54 ID:f8PbY/Fu
保守。
暇なら盲目の人がでが出てくること話をあげていかないか?
というわけで「仔犬のワルツ」
837名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 14:38:51 ID:wkedCqae
「ケータイ捜査官7」22話・こころのひかり
838名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 23:00:33 ID:1Q2xDfDa
鬼灯の島
839名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 23:57:53 ID:cCedUxDQ
保守
840名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 01:23:14 ID:KRVZU8Qg
DARKER THAN BLACK
841名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 00:57:01 ID:HJICWCN0
保守
842名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 14:21:06 ID:YXiHZGDV
 光がないというのは、一体どういう事なのだろうか。
 瞼を閉じても、俺の瞳には光が見える。瞼を透けてくる光が、俺には
真の闇をもたらしてくれない。
 真夜中になっても、俺の瞳には光が見える。月や星が、雲の向こうから
でさえもその存在を主張し、俺に真の闇をもたらしてくれない。
 だから、そう。俺には、彼女がどんな気持ちなのかなんて、本当の所は
理解できないんだ。
843名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 14:21:36 ID:YXiHZGDV
「いいよ、ゆー君」
 彼女はそう言う。理解しようとしてくれるだけでいいと、俺の頬に手を差し
伸べ、俺の存在を確かめるように、ゆっくりと撫でながら。
「わたしは、ここに君がいてくれるだけでいいよ」
 にっこりと笑う彼女の瞳に、光は無い。
 彼女は、瞼を閉じなくても、昼の日差しの中でも、常に暗闇の中にいる。 
 だから、彼女は俺の存在を確かめる為に俺に手を差し伸べてくれる。
 俺の事を求めてくれる。
 その事が――情けない事に、俺はどうしようもなく、嬉しかった。
「ん……ゆー君……」
 彼女の身体を抱きしめる。ゆっくりと、彼女が驚かないように手で触れ、
腕をまわし、ゆっくりと抱きしめる。
 少しでも、俺の事を彼女に感じて欲しいと。
 少しでも、俺が彼女の事を感じられるようにと。
「ちょっと……痛い」
 きつく抱きしめすぎたのか、彼女が痛がる。俺は慌てて力を緩めた。
「ん。いいよ……大丈夫」
 彼女の柔らかさに、彼女がここにいるという実感に――俺の心は昂ぶって
いく。彼女もまた、俺がここにいるという実感に、頬を染める。
「……来て、ゆー君」
「ん……」
 服をゆっくりと脱がせる。すると、真っ白な下着と、それに負けないくらいに
白い肌が露わになる。何度見ても、その美しさには毎回目を奪われる。
 俺も裸になり、彼女を抱きしめた。
「あ……」
 美しいだけではなく、心地よくもある彼女の肌の感触。彼女を抱きしめたまま、
下着を脱がせ、その感触を全身で味わう。
「あ……む……」
 唇も、柔らかく、心地よい。
 何度味わっても、それは変わらない。
「ん、あっ……あんっ」
 彼女のそこもまた、綺麗な色をして、柔らかい。そして、そこは既に濡れていた。
「いいよ……」
 既に準備の整っていた自分の物を、俺はゆっくりと彼女のそこに突き入れた。
「んっ……んぅうう」
 いつも、彼女はその瞬間は苦しそうな顔をする。初めての時から、今も。
 しかし、何度か交わった経験が、彼女の心地よい部分を俺に教えていた。その
部分を意識して先端で突くと、彼女の表情も緩み、快楽を訴え始める。
「ああ……いいよ、ゆー君……気持ちいいっ……んぁっ」
 彼女もまた、俺の快感のツボを心得ていて、そこに力を加えることで、俺の
その部分を絶妙に刺激していく。
「んっ、んっ、あっ、ああっ、来……ちゃうっ、来るよ、ゆーくんっ!」
 あっという間に、俺と彼女は上り詰めていき、そして――
「あああっ、くっ、ふぁぁあんっ!」
 甲高い彼女の叫びと、俺のうめき声。同時に、俺の物から吐き出された白濁が、
彼女の腹部を白く染める。そのまま俺は、彼女の横に倒れこむように横になった。
「……はぁ……ああ……気持ちよかったよぉ、ゆーくぅん……」
 甘えるような声で、俺の身体に手を伸ばす彼女の瞳を、俺は不意に覗き込んだ。
 そこには、俺は映っていない。何も、何一つとして映っていない。
「こうしてると、凄く安心できるね……ゆー君がここにいるって」
 抱きしめ、繋がる事で、温もりを共有し、互いがそこにいると実感する。
 彼女にとって、俺がいると実感できるのは、俺に触れている時だけなのだろう。
声を聞いても、気配を感じていても、それでも……不安なのだろう。
 でもそれは……俺だってそうだ。彼女に、自分を実感してもらえてると、そう
実感できるのは、彼女に触れてもらっている時だけ――
「ゆーくん……わたしねむくなってきちゃった……」
 ゆっくりと瞳を閉じ、寝息を立て始めた彼女の髪を撫でながら、俺はもう一度
彼女の唇を味わった。眠りの中で応えてくれる彼女を愛おしく思いながら、俺は
絶対に彼女を守っていこうと、そんな決意を新たにした。
                                          終わり
844名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 14:25:40 ID:YXiHZGDV
ここまで投下です。
845名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:40:19 ID:rTb0ZTXh
おおお!GJ!
そうだよな、何も見えないっていう世界ってどんなんだろって
俺もいつも思うぜ。
ところで「ゆーくん」って>>156の?
846名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 20:20:41 ID:YXiHZGDV
このスレッドは今回初めて訪れたので、たまたまですね。
関係はありません。
847名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 22:29:29 ID:66j3Jrdu
そういや一人称違うしな、なんつー偶然。GJです。
848名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 22:53:26 ID:jDxwyJqj
保守
849名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 22:38:16 ID:waAs+U7t
>>836に従って「川べり」
850名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 17:49:18 ID:IAVi3T3/
保守AGE
851名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 10:47:40 ID:cKKghM0x
「ねぇ、おばあちゃま!」
「何だい」
「女の子の話、また聞かせて!」
「そうだねぇ、また聞かせてあげようか…
昔、昔。あるところに、女の子がおりました。女の子は何不自由なく育てられました。
しかしその女の子は我儘ばかり言っていたから、神様が怒っちゃったのでしょうね。
女の子は突然、目が見えなくなってしまったのです。
神様は言いました。お前の我儘の罰だ、光を失ったのは自業自得だってね」
「神様はひどいわ!」
「女の子のお父さんは、目の見えなくなった女の子を嫌い、山の中のお城に閉じ込めました。
友達もいなくなり、我儘も言えなくなりました。女の子は真っ暗闇の中、絶望しながら毎日を送りました」
「そんな…」
「ある日のこと。女の子に、一人の男の子が声をかけます。
「そこの美しいお嬢さん、どうしてあなたは泣いているの」と。
女の子は言いました。「私は目が見えないのです」
男の子は女の子の手を握って言いました。
「おやおや、それは大変でしょう。では私が、あなたの目になって差し上げましょう」
世間の人はそんな彼をあざ笑いました。彼はとても醜い顔の男だったのです。
でも女の子は何も言わなかったわ、だって…」
「その人の心が美しいってわかっていたから!」
「その通り。女の子はこうして、余計な物を見なくて済む世界で幸せに暮らしました。
…さ、お話はこれでおしまい」
「おばあちゃまのおめめも見えないのでしょう?もしかして女の子っておばあちゃまなの?」
「さぁてねぇ?さ、早く寝なさい」
852名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 12:30:28 ID:pdZm0vsG
こんなの見つけた
ttp://fairy-succubus.sakura.ne.jp/01_Novel/02_Sucubbus_Alice/Succubus_Alice12.html
長すぎて最後まで読んでないけど
853名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 12:43:52 ID:pdZm0vsG
>>851
短いながらもグッジョブ
おじいちゃまがブサイクなのか気になるな
854名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 14:35:59 ID:iRC790AH
でも若い頃ブサイクな人って爺さん化した時にダンディになる確率結構高い
855名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 10:27:23 ID:8rTVdQuJ
>>852
盲目なのはその話だけなのな
856名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 01:49:03 ID:9dFHs8Ow
保守
857名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 00:34:54 ID:0l593Bq9
新作こないかな
858名無しさん@ピンキー:2009/03/25(水) 22:58:17 ID:BNdVX3jB
投下します。
お気に召していただければ幸いです。
859名無しさん@ピンキー:2009/03/25(水) 22:59:15 ID:BNdVX3jB
夏の日差しが肌を焼き、火照った肌をそよ風が冷ます。
蝉が短い余命を振り絞って夏を叫び、むっとするような草いきれが辺りを満たしている。
比較的田舎のこの辺は、都会と違って季節ごとに違った匂いがする。それも、当たり前のことと思っていると気づかないのだけれど。
太陽が眩しい。今日は確か、日中35度以上になるとか言ってたっけ。道路には逃げ水が見えるし、まさしく真夏日だ。
こんな日は家に篭って、クーラーをガンガン効かせてアイスクリームを食べつつ、のんびりプレステでもやっていたいところだけど、
今日ばっかりはそうもいかない理由がある。
うっかり蟻が上ると焼け死にそうな道路を歩き、夏の草の匂いを嗅ぎながら、この後食べる西瓜の味を想像しつつ、やや早足で歩く。
どこもかしこも、窓全開の家をいくつか通り過ぎ、目的の家の前に立つ。俺はチャイムも鳴らさないで、自分の家のようにドアを開けた。
「ワンコ、おっはよー」
「おー、もう来たの?早いねー」
俺の声に応えたのは、もちろん犬じゃない。れっきとした人間の女の子だ。
家の奥から、パタパタと『ワンコ』が走ってくる。その顔は、何とも嬉しげだ。
「……うん、間違いなくタカちゃんだ。あ〜っと、ちょっと待ってね。まだ何も言っちゃダメ」
俺は何も言う気はなかったんだが、彼女はそう言うとしきりにフンフンと鼻を鳴らした。
「これはわかりやすいねー。タカちゃんの今日の朝ごはんは、納豆ご飯とお味噌汁、具は……わかめと油揚げってところかな?」
「さすがワンコ。相変わらず冴えてるね」
「えっへへ〜、『ワンコ』だからね」
自分でそう言いつつ、嬉しそうに笑う彼女。よく変わる表情とは裏腹に、その目は俺の遥か向こうを見ているようであり、
まるで義眼のように動くことはない。
「そうそう、昨日のワールドカップ聞いた?」
「んー、お父さんがテレビで見てたから、一緒に聞いてたけど、やっぱテレビはダメダメだねー。『ゴールゴールゴール!!』とか
騒がれたって、状況が全然わかんないんだもん。本人の心境の実況はいいから、ちゃんとプレイの実況して欲しいよ」
「ああ、あれは確かにちょっとうるさかったね」
「やっぱり、私は野球派だなー。それをラジオで聞くのが一番!」
喋りながら、彼女はどんどん先を歩いていく。俺は当然のように、その後をついていく。ワンコは階段を昇り、部屋のドアを開け、
中に入るとベッドにポンと飛び乗る。俺は彼女の前の床に腰を降ろす。
「ああっと、ジュース探すの忘れてた!悪い、タカちゃん探して持ってきてくれる?」
「まったく、この家は客にお茶も出さないのか〜?」
「当家はセルフサービスとなっております。予めご了承ください」
「はいはい、わかったわかった。ワンコのグラスも持ってくるよ」
俺は再び立ち上がり、階段を下りて台所へと向かう。勝手知ったる他人の家、とはよく言ったもので、この家のことは我が家のように
よく知っている。何か変化があれば、恐らくはここに住んでる彼女よりも、だ。
グラスとウーロン茶のボトルを取り、彼女の部屋に戻る。
「ほい、ウーロン茶とグラス」
「ありがとー」
嬉しそうな顔で、しかし目だけは全く動かさず、ワンコは手を前に伸ばす。それにグラスを触らせてやると、ようやく彼女はそれを掴む。
彼女は、視力というものを持っていない。生まれつきそうだったらしく、だから『見える』というのがどういう事かも、彼女は知らない。
860名無しさん@ピンキー:2009/03/25(水) 23:00:20 ID:BNdVX3jB
相当不便があるとは思う。が、それは目の見える立場から見た時の話であり、元々見えないのが普通である彼女は、そうでもないらしい。
「……あれ?これウーロン茶じゃないよ。麦茶だよ」
グラスに中身を注いだ瞬間、ワンコが言った。
「え、マジで?でも、ウーロン茶のボトル…」
「あー、そういやお母さん、麦茶淹れといたって言ってたっけ。ラベル剥がさないでそのまま淹れたなぁ〜」
彼女に視力はない。しかし、その代わりに残った4つの感覚は、恐ろしく敏感だ。彼女の場合、特に嗅覚が敏感で、それがあだ名の
由来の一つでもある。
彼女の本名は、『椀田 香奈子』という。ずば抜けた嗅覚と、この『椀』と『子』あるいは『香』を取って『ワンコ』とか『ワン公』が
本人公認のあだ名になっている。ただ、さすがに『ワン公』はちょっとあれなので、俺はもっぱら『ワンコ』と呼ぶことにしている。
「そうだ、西瓜はお風呂場で冷やしてあるよ」
「よっしゃ、それマジで楽しみなんだ。あとで塩取ってこようか?」
「あ〜、塩振るなんて邪道〜。西瓜はやっぱり、そのままかぶりつきでしょ!」
ワンコとの付き合いは、幼稚園の頃からになる。
当時、俺は彼女が盲目だなどということは知らず、また知ってもそれがどういうことなのか、よく理解できなかった。
「椀田ちゃんはは目の見えない、可哀想な子なので、みんな仲良くしてあげてね」
これが、俺達の保母さんの言葉。でも、ワンコは『可哀想な子』という扱いをされるのを嫌った。そして俺は、あっちこっち普通に
歩き回り、遊びまくる彼女の目が見えないなんて信じられず、他の友達とまったく同じ扱いをしていた。
それが功を奏した……という言い方はおかしいが、とにかくそれが彼女とその親御さんに気に入られ、いつしか俺は彼女と大の親友に
なっていた。
そのおかげで、多少のいじめみたいなものは受けた。『可哀想な子』に対して、『とても親切にしてあげてる』自分達はなぜか
受け入れられず、その可哀想な子を他とまったく同じ扱いをする俺だけが好かれたのだから、それはわからないでもない。
おまけに、だ。ワンコは結構可愛い。目がいつも真っ直ぐ遠くを見つめている以外は、それこそ10人中8人が可愛いと言うほどだろう。
そのせいもあって、男連中からは、はっきりといじめられたと断言できる。小さい頃から可愛かったが、あれから10年以上経った今は、
その可愛さにさらに磨きがかかっている。
彼女の気性は真っ直ぐで、俺がいじめを受けるようになってから、ますます周りを嫌い、相対的に俺と仲良くなった。そしてさらに
いじめが悪化し、という悪循環に陥ったが、卒園後に彼女が盲学校に行ったことで、それもやがて消えた。
しかし、俺とワンコの付き合いは途切れず、家が近いこともあって、今ではこうしてお互いの家を行き来するほどの仲になっている。
他人から見れば付き合っているように見えるかもしれない。実際、俺はそうありたいと常々思っているのだが、ワンコの態度を見る限り、
ただの幼馴染止まりの気がする。昔はお互い『大きくなったら結婚しよう』みたいなことを言ってたんだけどな。
まあ、それはそれでいい。変に意識しない分、こうしてお互いの家に平気で出入りできるわけだし。一緒にどうでもいい話をして、
西瓜でも食べてジュース飲んで、ロケット花火を聞くのも、なかなか幸せだ。普通の高校と盲学校の授業の違いとか、何気に興味深い
話も色々と聞けるし、ワンコも普通の高校の話を聞きたがる。
「にしても、あっついよぉ〜。クーラーかけてるのに、どうしてこんな暑いの〜?」
不意にそう言いだすワンコ。言われてみれば、確かに異常に暑い。エアコンは壊れているのか、それとも外が暑すぎるからなのか、
その吹き出し口からは熱風しか流れてこない。俺は設定を見ようと、リモコンを手に取った。
「そりゃ、今日は真夏日……おいおいおい、いくら設定温度18度にしたって、これ暖房になってるぞ」
「うっそ!?あー、そういえば変なボタン押したような気はしたんだよね。こういう時ばっかりは、目が見えないって嫌だね」
「見えなくっても、エアコンから熱風が出てる時点で気付けよな」
二人とも、おかげさまですっかりつゆだくである。効きが悪いとは思ってたが、まさか真夏に暖房をかけているとはビックリだ。
「う〜、エアコン効くようになるまでは地獄だぁ……扇風機とかも使おうかな〜」
言いながら、ワンコはTシャツの裾をパタパタやっている。
ワンコはベッドに座り、俺は床にいる。つまり俺は彼女を見上げる形になっている。その状態で裾をはためかせるものだから、
ちらちらとおへそが見え、膨らみかかった胸までがたまに覗く。もちろん、彼女は気付いていない。
861名無しさん@ピンキー:2009/03/25(水) 23:01:23 ID:BNdVX3jB
おまけに、汗だくになっているせいで、ワンコの白いTシャツはその下にある物を透けさせてしまっている。家にいるからか、ワンコは
ノーブラだ。白いシャツの中に、僅かにピンク色の突起が見える。
「あっつぅ〜。麦茶飲んでも体冷えない〜。もういっそ、麦茶頭から被ろっかな?あはは」
笑いながら、ワンコはベッドの上で体育座りに座り直した。健康的な半ズボンの隙間から、これまた白い生地が覗いた。
正直、俺には刺激が強い。おへそに胸チラにパンチラのトリプルパンチだ。健康優良日本男児がそんなものを見せられれば、当然のように
生理現象が起こる。止めようとしても、こればっかりはどうにもならない。
普段は剥けていない俺のブツが完全に戦闘態勢に入った瞬間、ふとワンコの表情が変わった。
「……ん?」
「え、な、何?」
彼女はしきりに、クンクンと匂いを嗅ぐ。そしてベッドから立ち上がり、少しずつ俺に寄って来る。
「な、何だよ!?」
「……なんか、知らない匂いがする。何の匂い?」
何となく想像はついた。が、その正体など言えるわけがない。だが、言わなければワンコは絶対に匂いの元を突き止めようとする。
言うも地獄、言わぬも地獄。絶体絶命とはこういうことを言うのかと、俺ははっきりと悟った。
どうにも出来ないまま、ワンコが俺の体の匂いを嗅ぎ始める。困ったことに、俺達が気になった物を見なければ気が済まないように、
彼女は気になったものの匂いの元を突き止めないと気が済まないのだ。
「おい!ちょっ……ワンコ、やめっ…!」
「ん?あれ?」
俺の膝にでも付こうとしたのだろうか。ワンコの手が、狙いを逸れて俺の股間に触れた。
「……何だろ?なんか硬いよ?」
「い、い、い、いや、その、それは……その…」
「……匂いも、これかな?何、これ?何持ってるの?」
言いながら、ワンコはこともあろうに、それが何か確かめるように撫で始めた。ジーパンの上からとはいえ、初めて他人に、しかも
女の子に、その上他ならぬ彼女に触られ、俺は一気に限界を迎えそうになり、必死で叫んだ。
「おい、よせってば!お、お前が触ってるの、俺のっ……そ、その、チンコだよっ!」
「え、チン……きゃあっ!!」
ワンコは手を放し、慌てて飛びのいた。そして、何か恐ろしいものでも触ってしまったかのように、俺のあそこを触った手を胸に
抱えている。
しばらく、気まずい沈黙が流れた。何を言っていいのか、まったく見当もつかない。
やがて、ワンコが恐る恐る口を開いた。
「……タカちゃんのこと、全部知ってるつもりだったん……だけどな」
「そ……そうか」
「でも、さ」
少し言いよどんで、ワンコは恥ずかしそうな笑みを浮かべた。
「まだ、知らない匂い……あったんだね…」
「そりゃ、まあ……こんなとこの臭いなんて、普通嗅がねえし」
「……あの、さ…」
「な、何?」
「それ……触っても、いい?」
「はっ!?」
予想を遥かに超えた質問に、俺は思いっきりうろたえた。だが、彼女は少し恥ずかしそうに笑う。
「だぁって、タカちゃんのこと、全部知りたいんだもん」
「だ、だからって、何も触ること…!」
「触らないと、よくわかんないもん。ほら、昔はお医者さんごっことかやったじゃない?あれの延長ってことでさ」
「高校にもなって、お医者さんごっことかできるかよ!」
「いいでしょー!私とタカちゃんの仲なんだから!」
言い出したら聞かないのは、ワンコの困った気性の一つだ。もう、こうなってしまうと手がつけられない。
862名無しさん@ピンキー:2009/03/25(水) 23:02:26 ID:BNdVX3jB
少し考えて、俺は口を開いた。
「……んじゃ、触ってもいいけど、俺もワンコの見たい」
「ええっ!?そんなの不公平だよー!」
「どこが不公平だ!?ワンコのは不公平どころか理不尽じゃないかっ!」
「だ、だって、見られるんだよ!?」
「触られるんだよ!?」
「私は見ないもんー!」
「見えないだけだろっ!ワンコが触りたいのと同じで、俺は見たいんだよ!」
ワンコは、むうっと頬を膨らませている。こう言えば、さすがに諦めてくれるだろう。
と、思ったんだが。
「じゃ、いいよ」
「えっ!?」
「だって、そうじゃないと触らせてくれないんでしょ?だ、だったら、別に、その、それぐらい、いいかなって」
「い、いやいや。そんな無理しなくたって…」
「うるっさいなー!いいって言ってるんだからいいの!その代わり、ちゃんと触らせてもらうからね!」
ダメだった。逆に、彼女をムキにさせてしまった気がする。
止める間もなく、ワンコはズボンを脱ぎ、パンツに手をかける。さすがにそれは一瞬躊躇ったが、えいっとばかりに引き下げた。
昔は一緒にお風呂入ったりしてたが、さすがにその頃の記憶とはだいぶ異なっている。ただの筋一本だったのが、今ではぷっくりと
丸い突起が見え、何よりつるつるではなく、薄っすらと毛が生えている。あだ名の割りに成熟は遅いらしい。
「こ、これでいいんだよね?」
「え……あ……ま、まあ…」
「じゃ、タカちゃんも早く脱いでよ。私だけじゃ馬鹿みたいじゃない」
さすがに、ここまで来ると俺も諦めざるを得なかった。いくら見えていないとは言え、彼女の目の前で脱ぐのは抵抗があったが、仕方なく
ズボンとトランクスを脱ぎ捨てる。それを音で察知すると、ワンコは恐る恐る俺のモノに手を伸ばした。
僅かに、手が触れる。それに反応してそこがビクンと震えると、ワンコは驚いて手を引っ込めた。
「い、いきなり動かさないでよー」
「しょうがないだろ、それは勝手になるんだから」
「ふ、ふーん、そうなんだ?ま、それじゃ、しょうがないけど…」
もう一度、ワンコは手を伸ばす。今度は動いても驚かず、形を確かめるように柔らかく握ると、そっと撫で始める。
「うわぁ、何かすごくあっつい……動いてるっていうか、脈打ってるし、硬いし。何だろ、先っちょの方はつるつるぷにぷに」
「あ、あまり動かすなよ」
「棒、だね。あ、何か筋みたいのがある?ふーん、先っちょのぷにぷにのとこは少し膨れてるんだ」
ゆっくりと撫で続けるワンコ。それだけでもかなりの刺激なのに、彼女は俺のそこに顔を近づけ、ふんふんと匂いを嗅ぎだす。
その吐息がまた、俺のモノを刺激する。
「んー、何て言えばいいのかな。いい匂い、ではないよね。でも、タカちゃんの匂い…」
言いながら、ワンコは愛おしむように撫で続けている。別にエロい事を意図してるわけじゃないんだろうが、その拙い刺激がたまらなく
気持ちよく、俺の我慢もとうとう限界が来た。
「や、やばいっ!ワンコ、出る!」
「えっ?出るって何……きゃっ!?」
直後、俺は彼女の顔に思いっきりぶっかけてしまった。ワンコは弾かれたように身を引き、動悸を鎮めようと、胸に手を当てている。
863名無しさん@ピンキー:2009/03/25(水) 23:03:24 ID:BNdVX3jB
「おしっこ……じゃ、ないね。すごい匂い……栗の花そっくり」
言いながら、ワンコは顔にかかった精液を指で掬い、それを摘むように触っている。
「ぬるぬる……だけど、ちょっとべたべた?なんか、ペリッて感じもする。これ、確か精液、で、いいのかな?」
「う、うん。ごめん、その……って、おい!?」
精液を掬った指を、ワンコはそのままぱくっと口に咥えた。
「ん〜、口に入れると生臭くってえぐい味〜。でも、これが、タカちゃんの味……えへへっ」
顔にかけてしまったことを怒るでもなく、むしろそれを舐め、嬉しそうなワンコ。その姿に、治まりかけていた俺の愚息が再び勢いを
取り戻していく。そして、一つの衝動が、俺の中でどうしようもないほどに膨らみ始める。
「ワンコっ!!」
「きゃあっ!?」
気がついたときには、俺は彼女を押し倒していた。俺の体の下に、驚いた彼女の顔がある。その目は見えてはいないが、彼女は確かに
俺を『見て』いる。
勢いで押し倒しはしたものの、すぐにはその先に移る勇気がなかった。ワンコはワンコで、びっくりしたような、怖がっているような、
そんな表情をしている。
自分の心臓の音がうるさい。こんなにでかい音が出るんだと、初めて知った。彼女にもそれが聞こえてそうな気がして、
何だか気恥ずかしくなる。実際、ワンコのことだから聞こえているかもしれない。
しばらく、俺達はそうして見詰め合っていた。やがて、沈黙が気まずさを帯び始めた辺りで、俺は口を開いた。
「……俺、ワンコとしたい」
「え……え、えっと、それじゃその辺で野良犬…」
「茶化すなよ!俺、本気で言ってるんだぞ!」
俺の腕の下で、ワンコの体が、かぁっと熱くなった。
「大体、あんなことされて、我慢しろって方が無理」
「そ……そう、なの?」
ワンコは相当にうろたえているようだったが、よくよく考えてみると抵抗というものを一切してこない。
そのことに気付いた瞬間、彼女は恥ずかしげに微笑んだ。
「でも、ゴムとか持ってないよね?」
「え?あ……まあ、確かに…」
「それでも、する?」
「……いや、その…」
俺が言葉に詰まった瞬間、彼女は思いもよらない台詞を吐いた。
「私は、いいよ」
「えっ!?」
「なぁにそんなに驚いてんの。だってほら、覚えてない?」
ワンコはややうつむき加減で、顔を真っ赤にしながら続ける。
「私さ、幼稚園のとき、絶対タカちゃんのお嫁さんになるって、言ってたんだよ」
「あ、ああ、それは俺も覚えてるよ。てか、俺もワンコと結婚するって言ってたよね」
そう言うと、彼女は嬉しそうに微笑んだ。
「あの気持ち……今も、変わってないんだよ」
一時は鎮まりかけた衝動が、再び凄まじい勢いで頭をもたげてくる。もはや、俺の中にはここでやめるなどという選択肢はなかった。
864名無しさん@ピンキー:2009/03/25(水) 23:04:10 ID:BNdVX3jB
「……ワンコ」
赤みの差した頬を撫で、そっと頭を抱く。その意図を察してくれ、ワンコは形式的に目を閉じてくれた。
頭を抱き寄せ、震える唇を重ねる。彼女の唇は柔らかく、温かかった。その温もりが、お互いの震えを鎮めてくれる。
いつしか、ワンコも俺の首に手を回している。自分から積極的に唇を押し付け、俺の首を強く抱き寄せてくる。
少しだけ、舌を入れてみる。ワンコの体が一瞬ピクリと震えたが、すぐに自分からも舌を絡めようとしてきた。俺もそれに応え、
彼女の舌に舌を絡める。その柔らかい感触は、今まで感じたことがないほどに、気持ちいい。
舌でじゃれあい、互いの口の中を味わうように、口蓋を、歯を、舌でなぞる。時には呼吸も忘れ、俺達は互いの温もりと感触を求め合う。
一体どれぐらいそうしていたのか、俺達はどちらからともなく唇を離した。互いの唾液がつっと糸を引き、切れて落ちる。
「タカちゃんの味……また、知っちゃったね」
俺の遥か向こうを見るような目で、しかし声だけは、しっかりと俺に向けられている。そんな彼女が、たまらなく可愛い。
「……その、今日は、お父さんとお母さんは?」
いきなり気になった疑問を、ワンコに尋ねる。すると、彼女は恥ずかしげに笑った。
「今日は、二人ともお出かけだから、夜まで帰ってこないよ。だから、気にしないで大丈夫。それより、さ」
「ん?」
「続きは、ベッドで……ね?」
言われてみれば、床でするのもないもんだ。軽く謝ってから、俺はワンコを抱き上げ、ベッドに寝かせた。
ついでに、着たままだったシャツを脱がし、俺自身も裸になる。
「や、やっぱり恥ずかしいねー。こうやって二人して裸になるのなんて、何年ぶりだろ?」
「10年は経ってないね。お互いだいぶ変わってるけど」
言いながら彼女の体に手を這わせると、ワンコはその手を掴んできた。
「あ、待って。私も、タカちゃんの体、触りたい」
「見られて触られて、じゃ、不公平だって?」
「ん、そういうこと」
ワンコが触りやすいように、隣に寝転がる。彼女の手が、俺の顔を撫で、頭を撫で、体を撫でる。
「やっぱり、じっくり触ると違うね。ほんとに、なんて言うか、男の子の体って感じ」
独り言のように言うと、ワンコは俺の胸に顔を埋めた。そして、大きく息を吸い込む。
「それに……男の人の、匂い…」
「……ワンコだって、だいぶ変わった」
頬からうなじをなぞり、肩を通って僅かな膨らみ程度の胸を触る。
「んっ…!」
ピクンとワンコの体が震える。一瞬手を止め、そして全体を手で包むと、優しく捏ねるように揉みしだく。
「んあ……あぅっ!」
「ここだって、前より大きくなったし……昔より、もっと可愛くなってる」
「はぅ……う、ん…!も、もう〜、うまいんだからぁ」
彼女の胸は、すごく柔らかい。ふわっとした感触で、程よく俺の力に抵抗する張りがある。あまり大きくはないが、これぐらいが
ちょうどいい気もする。
「それに、ここ」
胸から手を滑らせ、お腹を撫でながら腰に移り、そして申し訳程度の茂みに覆われた割れ目に触れる。
「あっ、やっ…!タ、タカちゃんん…!」
途端に、ワンコの体がビクンと跳ねた。空いている手で彼女の体を抱き締め、俺はその割れ目を何度もなぞるように撫でる。
指を割れ目に沈ませると、全体がじっとりと指を包んでくる。そのまま軽く擦ると、その締め付けがきゅっときつくなる。
その締め付けを楽しみつつ、そこで存在を主張する小さな突起を撫でてやると、ワンコはビクビクと体を震わせる。
「や、やだっ!タカ……タカちゃっ……そ、そんなしちゃダメぇ!私だけイッちゃうよぉ!」
叫ぶように言うと、ワンコは俺の腕を捕らえた。
865名無しさん@ピンキー:2009/03/25(水) 23:05:05 ID:BNdVX3jB
指を離してやると、割れ目から粘り気のある液体が糸を引く。
「はぁ……はぁ……タカちゃんに触られると、すごく気持ちいい…」
それを聞いた瞬間、ちょっと意地悪な質問を思いついた。
「じゃ、俺以外が触るとどうなの?」
「え、ええ!?そこ突っ込むぅ!?」
ワンコは顔を真っ赤にし、明らかにうろたえたが、すぐにどこか開き直った表情になる。
「ま……いいや、言っちゃう。自分でするより、ずっと気持ちいいよ」
「え……あ、そう…」
「何よ〜!タカちゃんだって、どうせしてるんでしょ〜!?わ、私だって、その、しないわけじゃないんだから!」
「へえ、ちょっと意外」
「もう〜、雰囲気ぶち壊し〜」
そう言って、ワンコは笑う。釣られて俺も笑う。
「でも、俺もワンコのこと、まだ知らないところあったんだね」
「……そうだよ。私だって、タカちゃんのこと全部は知らない。あんな匂いがして、あんな味がして……どんな顔、してるのかも」
その言葉に、少しだけ胸がちくりとした。
「私だってそんななんだから、タカちゃんだって、私の知らないところ、いっぱいあるよ。匂いとか、タカちゃん鈍いもんね」
「俺が鈍いんじゃない、ワンコが敏感すぎるだけだよ」
「今はさ、もう一つ、お互いのこと知ろうよ。タカちゃんは私の、私はタカちゃんの……あそこの、感覚」
意外にストレートな誘いに、霞みかかっていた雰囲気が復活する。
そうだ。俺がワンコを抱きたいのと同じで、彼女も俺に抱かれたいと思ってるんだ。だったら、もう遠慮することはない。
「そうだね。なあ、ワンコ」
「ん?なぁに?」
「大好きだ」
「……改めて言われると、恥ずかしいけど、嬉しい」
ワンコの体に手を触れたまま、彼女にのしかかるように位置を変える。それを感じると、ワンコは自分から僅かに足を開く。
いよいよ、俺自身をそこに押し当てる。ワンコの体がピクンと震え、その手が不安げに俺の体を掴む。
「大丈夫、ゆっくりするから」
「う、うん。あんまり、痛くしないでね」
どうにも不安げなワンコ。そっと、お互いの肌を合わせる。そうすると落ち着くのか、彼女は俺の首にしがみつき、ぎゅっと自分の方へ
引き寄せてくる。
俺の胸に、彼女の胸が当たる。柔らかくて、温かい。そして、彼女の鼓動が、俺の胸に伝わる。
「……あ、あはは。タカちゃんも、心臓ドキドキ言ってる」
「そりゃ、俺だって初めてだし。ワンコ……いくよ」
「……うん」
ゆっくりと、腰を突き出す。割れ目が少しずつ開かれ、先端にぬるぬるしたのが絡みつくと同時に、中がぎゅっと締め付けてくる。
「あっ……は、入ってきてる、入ってきてるよぉ…!」
少し怖いのか、ワンコの腕にぎゅっと力が入る。少しでも落ち着かせてあげたくて、俺も彼女の体を抱き返す。
ゆっくりと腰を進めていく。彼女の中はやはりきつく、俺の侵入を拒もうとするように蠢動している。
「んっ……うくっ……あっ…!」
ワンコは目をぎゅっと瞑り、その眦には涙が浮かんでいる。やはり痛いのだろうか。
そう思った瞬間、不意に何か中で引っかかったような感触と、それを強引に押し分けたような感触が伝わってきた。
「うあぁっ!い、痛ぁっ!」
「いてっ!?」
俺の背中に、ワンコががっちりと爪を立てた。なんか、爪が肉に食い込んだような感触があったが、気のせいだと思うことにする。
866名無しさん@ピンキー:2009/03/25(水) 23:06:02 ID:BNdVX3jB
何かが、俺のモノを伝う感触。ふと目を落とすと、俺とワンコの繋がっているところから、一筋の血が流れてきた。
「あっつつつ……タ、タカちゃん…!ごめん、ちょっと……動かないで…!」
「ワンコ、大丈夫?」
俺が尋ねると、ワンコは目にいっぱいの涙を浮かべつつ、嬉しそうに笑った。
「えへへ……私、本当にタカちゃんとしちゃってるんだね。私、今までで、一番嬉しいよ」
痛みを堪えて、それでもそんな事を言う彼女の姿は、とても可愛かった。思わず気の済むままに腰を動かしたくなったが、その衝動を
全力で抑え込む。
「ワンコ、大丈夫?」
「ん、平気…。血出ちゃってるみたいだけど、タカちゃんにも血出させちゃったから、おあいこ」
一瞬何のことかと思ったが、どうやら背中の話らしい。血の臭いがするんだろうけど、俺と自分の血の臭いをどう嗅ぎ分けたのやら。
最初は荒かった彼女の呼吸も、少しずつ落ち着いてくる。中は時々、痛みを堪えようとするように、ぎゅうっと締め付けてくる。
「動いても、いい?」
頃合を見計らい、尋ねる。ワンコはまだ少し辛そうだったが、嬉しそうに微笑み、こくんと頷いた。
ゆっくりと腰を動かす。途端に、彼女の中は強く締め付けてきた。中はぬるぬるしていて、痛いほどにきつく、温かい。
「んあっ、あっ、うぅ…!タ、タカちゃん…!」
ワンコが俺の名を呼び、強く抱きついてくる。触れ合った肌の暖かさが気持ちいい。
部屋の中に、ベッドの軋む音と湿った音が響く。彼女の肌は汗でじっとりと濡れ、流れた汗が俺の汗と混じる。
根元まで突き入れれば、先端が奥にぶつかり、ワンコが喘ぎ混じりの息を吐く。抜き出せば、それを引き止めるように膣内が締め付け、
苦しそうに息を継ぐ音がする。
「ワンコ、好きだ、好きだよ…!」
「あんっ!あっ!タカちゃん……わた、私もぉ…!」
汗で湿った体を抱き合い、どちらからともなく唇を重ねた。必死に舌を絡めてくる彼女の姿が可愛らしく、俺はその顔を見ようと、
大人しめのキスをする。ワンコは俺を感じようと、激しく舌を絡め、時には頬までもを舐めてくる。
無意識のうちに腰の動きが速く、強くなり、彼女を気遣う余裕もなくなっていく。
「ワンコ、もうやばい…!また出そう…!」
「タカちゃん……タカちゃんの、感じさせてぇ…!私の中で、タカちゃんもっと感じさせてぇ!」
いつしか、ワンコは足を俺の腰に絡め、自分から腰を動かしていた。さすがに中で出すのはまずいと一瞬思ったが、抜こうにも腰を
がっちり捕らえられているので無理な話だった。
「ワンコ、ほんとにもう出る!う、ぐっ……ああっ!」
最後に、一際強く腰を叩きつけ、俺はワンコの中に思い切り精液を注ぎ込んだ。俺のそれに合わせて、彼女の膣内もヒクヒクと震える。
「うぁ…!じわって、温かくなったよぉ……私の、中に……体の中に、タカちゃんのが出てるぅ…」
放心したように、ワンコは呟いた。その顔には、想いを遂げられたという喜びの表情が浮かんでいた。
彼女の中で、何度も何度も俺のモノが跳ね、その度に精液を吐き出す。その動きも少しずつ弱くなり、やがて止まる。
それでもしばらくの間、俺達はそのままだった。二人して荒い息をつき、快感の余韻に浸っている。
「タカちゃん……好き」
俺の顔を、見えない目で見つめながら、ワンコが呟いた。
「俺も、大好きだよ」
俺達はまた、キスをした。今度は軽くて、唇を啄ばむようなキス。恋人同士の、ほんのじゃれあいのような、そんなキスだった。
お互いを気遣うように、俺達はずっと、そうしていた。
867名無しさん@ピンキー:2009/03/25(水) 23:07:31 ID:BNdVX3jB
ワンコと結ばれてから、もう二ヶ月になる。あの後、俺達は汗だくのままクーラーを効かせた上に西瓜を食べ過ぎてお腹を壊し、
しかも夏風邪を引き、散々な目に遭った。まあ、それは大した問題でもない。
中に出した時は、俺は本気で責任を取る覚悟だった。が、冷静になってよくよく考えると、この後の学校とか仕事とか、色々厄介な
問題が出てきたため、正直毎日が戦々恐々と言った感じだった。が、つい先日ワンコから『生理来たよー』と明るい報告があったので、
その心配からも解放された。
で、今俺はワンコの家にいる。恋人同士と言ったって、俺達の場合、付き合いが長い。結局、呼び方が変わっただけで、関係はほとんど
変わっちゃいない。
「いや〜、それにしてもお互い若かったよねえ。ほんとに赤ちゃん出来ちゃってたら、タカちゃん高校中退しなきゃかもだもんね〜」
「たかが二ヶ月で、若かったもないもんだろ。はい、麦茶」
「ありがとー。……でもさ、赤ちゃん出来なくて、私もホッとしたけど、だけどちょっと残念、かな」
いたずらっぽい笑みを浮かべ、彼女は続ける。
「だって、ねー?赤ちゃん出来てたら、私タカちゃんのお嫁さんになれたんだもんねー」
「本気でその覚悟はあったけどさ。でも、やっぱりまだ早いよ、俺達には」
「だよねー。それに、よく考えたら、タカちゃん法律的にまだ結婚できないや。あはは!」
一頻り笑ってから、ワンコは少し表情を改めた。
「でもね、また別のとこでは、やっぱり出来なくて良かったって思ってる。だって、これは私の夢だもん」
漠然として、抽象的で、だけど最も的確な表現だと俺は思った。
「なんで、夢のままがいいか、わかる?」
「ん?……その方が、楽しいから、とか?」
「ぶっぶー。残念。正解はね…」
今までの表情から一転、ワンコはにやりと笑った。
「この夢は、私でも『見られる』夢だから、でしたー」
「とんちかよ!」
「でも叶うって確定してるし、夢とも違うっぽい?うーん、でも夢が叶うのが確定なんて、私の人生バラ色って感じ」
「お前、バラがどんな色か知らないだろ」
「赤いって事ぐらい知ってますー。……赤ってどんな色か知らないけど」
「知らないのに使うなよ」
「はいはい、言い直せばいいんでしょ〜?『私の人生バラの香り!』これでどうだ!?」
「……聞いたこともない表現だ…」
「まあいいじゃん、なんかすごそうで。にしても、タカちゃんって他の人が言わないような暴言、普通に吐いてくれるから好きだよ」
「それは褒めてんのか、貶してんのか」
ものすごく、いつも通りの光景。恋人同士とは言うけれど、何だかあまりピンと来ないというのが本音。
でも、それはそれでいい。変に意識しない分、俺も彼女も居心地がいいんだから。
ただ、最近少しだけ、ワンコに対しての認識が変わった部分がある。
彼女の目は、俺の方を向いていても、その遥か向こうを見ているように見える。
その目は見えていない。だけど、彼女の言葉通り、『夢を見ること』は出来る。
きっと、彼女は匂いを頼りに俺を探し、その目は俺のいるその先にある、彼女の『夢』を見つめているのだろう。
こんなこと、恥ずかしくて口には出来ないし、ましてワンコに言えるわけもないけれど。
「それより、さ。今日も、お父さんとお母さん、帰りが遅いんだけど…」
ワンコが、顔を赤らめながら言う。
「ちゃんと、ゴム持ってきてる?」
「もちろん。そこは、男の義務としてね」
「えへへ。また、タカちゃんのこと、いっぱい感じられるね!」
今は、これでいい。彼女の夢見た夢を、現実のものにしてあげられるまで。
『家族』になるまでは、『恋人』でいよう。お互いの匂いを、隣同士に感じていよう。
それまでは、彼女と一緒に、夢を見続けていよう。俺は、密かにそう思っている。
868名無しさん@ピンキー:2009/03/25(水) 23:09:02 ID:BNdVX3jB
以上、投下終了。
それではこれで。
869名無しさん@ピンキー:2009/03/25(水) 23:09:21 ID:JVKPPPEs
お疲れさま
870名無しさん@ピンキー:2009/03/26(木) 00:57:57 ID:v0rV2pTW
ん、GJ

小動物的で可愛いな、ワンコ。
人生バラの香り って言うのが面白かった。
871名無しさん@ピンキー:2009/03/27(金) 04:17:15 ID:TCMIzb3I
GJ。たまに思い出したよーに力作が来るから侮れんな。
872名無しさん@ピンキー:2009/03/27(金) 14:06:41 ID:geaZk+dM
久しぶりに良いものをいただいた
GJ!
873名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 05:08:38 ID:Nf9gRlXz
ヤバいワンコ可愛い、ヤバいワンコ可愛い。大事なことなので二回言いました。
初々しさと爽やかさにキュンキュンきた。
874名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 10:25:09 ID:JHnw42ox
GJ!!
ごちそうさま
875名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 18:28:50 ID:qXSDRhaV
すばらしい!初々しくて萌えまくった!
876名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 18:36:24 ID:UHdVo32Q
投下GJ
877名無しさん@ピンキー:2009/03/29(日) 01:17:58 ID:9mXsfr5W
GJすぎるぜ……ワンコ可愛すぎるぜ
まさか人々から忘れられたと思われていたこのスレにこんなGJな作品がやってくるなんて!

俺もバラの香り〜云々のくだりはおもしろいと思ったな
878名無しさん@ピンキー:2009/03/29(日) 21:51:37 ID:exMkUAcp
GJ!
忘れた頃に良作が投下されるから、このスレから目が離せない。
久々に心温まる良作ですな。
879名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 03:06:26 ID:ItrBQqBr
幼馴染みっていーなー
GJ!
880甘露と茨:2009/03/31(火) 22:00:02 ID:TqMJ48Bh
エロさ微妙で重苦しめな奴を投下します。

重いの苦手な方はスルーしてください




ー…………ー

硬質な音がした。上を見るとキラキラと舞落ちてくる光がある。その中の大きなものが視界いっぱいに広がり…………


「っいやあぁっ!?」
私は毎朝自分の悲鳴で目を覚ます。が目は何も映さない。と、震えながらもがく私は誰かに抱き締められた
「ミー、ダメだよ……」
目が完全に見えなくなる前から付き合っていたリョウだ。
彼は私がこうなってから私の世話を一手に引き受けてくれている
私とリョウは今、あることと戦っている



生れ付き右目が見えない私は若干の不便と戦いながらそれなりに充実した日々を過ごしてきた
そんな日々は去年春、とあるビルの最上階からガラス窓が落ちた事故で終わりを迎えた。
落ちたガラスの破片、その一つは私の顔、それも見えていた左目へ縦に深々と突き刺さり、顔に痕を与え視覚を奪っていった

この事故の直後から私は最後の光景を繰り返し夢見るようになり、
またガラスや陶磁器が割れる音を聞くと錯乱状態になるようになった
PTSD、そう呼ばれる精神疾患はほぼ生涯にわたり患者と親しい者達を苦しめる

今の私はリョウに依存しなければほぼ何もできない女になっている
それでもリョウは愚痴をこぼす事無く私を愛し、支えてくれる。それは間違いなく救いだった。
「……おはよ、リョウ」
落ち着きを取り戻した私はリョウを抱き締め返した。
これで朝の儀式はようやく終わる

リョウが朝ご飯をどうするか聞いてきた。今日は洋食な気分なのでパンとスープを頼んだ
さて、彼が調理してるうちに着替えを済ませないと…………
とここでふと昨日のことを思いだす

リョウがうっかり皿を割ってしまい、私の気を逸らすために六回戦ほどヤッたはずだ……

私は方針を変えてまずはシャワーを浴びることにした
881甘露と茨:2009/03/31(火) 22:04:42 ID:TqMJ48Bh




「っいやあぁっ!?」
隣で眠っていたミーが微睡みを穿つ叫びをあげた
左目を通る痕は涙に濡れ、時に血を混じらせた流れを作る
右目がもともと見えてなかった彼女は……毎朝、自分が左目を失明した事故の夢を見て目を覚ます
正確には夢での叫びで目を覚ますのだが……
いずれにせよ極度のトラウマで一人では耐えられないであろうことは容易に想像できる
医師もまた彼女がPTSDに陥っていると診断し、最も近くにいる俺にその対処の仕方を教えてくれた
「ミー、ダメだよ……」
俺は震えもがくミーを力強く抱き締め、落ち着くようあやす。
ダメと言うのは彼女がもがく際に怪我をする恐れがあるからだ
目が見えなくなってから彼女の四感は先鋭化しつつあるため、どうしても必要な行動だ

ミーを抱き締める間にあの事故の日を思い出してみる
デートのために訪れたビル、俺はあの事故の時、運よくトイレに行っていた
手を洗っている最中に響いた硬質な音、ついで相次いで聞こえてきた悲鳴。
胸騒ぎを覚え、ミーが待っている場所に駆け付けると…………
床中にガラス片が散らばり、一部が人や床に突き刺さっていた
赤茶色の石を敷き詰めた床はそれより暗い赤の液体で染まっており…………
そしてミーはその一角で顔から血を流して泣き叫んでいた……
ミーを失うかもしれない、あの時のえも言われぬ恐怖は二度と忘れられない
そしてある意味において、ミーは居なくなってしまった
「おはよ、リョウ……」
儀式の終わりを告げる……落ち着いたミーの声が聞こえた
「おはよう、ミー。今日は何にしようか?」
「んー……ハムエッグトーストにーコンソメスープがいい」
「あいよ。」
俺はミーのリクエストに答えるべく布団から起き上がり、キッチンに向かった……
と、ミーが部屋から出て浴室に向かう音が聞こえる

そういえば昨日は彼女の気を逸らすために六回程頑張ったんだったな……
彼女はこの一年でどんどん敏感になり、ついでに言うと締まりもすごくなったためこっちまで鍛えられてしまったのだ…………



今回はここまで
次回投下が「昨日」の話になるか「次の気を逸らすための夜」の話になるかはネタの降り方次第になりまーす
882名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 22:28:55 ID:f3Sulg4a
おつかれさま
883名無しさん@ピンキー:2009/04/01(水) 17:51:12 ID:+NQq7Jhx
エイプリルフールに「見えるようになったんだよっ」
と一生懸命騙そうと努力する健気な娘と言う電波ががが
884名無しさん@ピンキー:2009/04/01(水) 21:26:56 ID:UkRvl16x
ごごご
885名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 02:08:20 ID:uVLKWC+H
保守☆
886名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 04:42:01 ID:+jw0mlmf
「もー私がいなきゃ何も出来ないんだから…」って言われたいです
887名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 12:48:43 ID:9s45S+N2
盲目っ子が見えるようになると、
昔見た世紀末の詩ってドラマの影響で、
ここの住人的には最低のバッドエンドな結末しかイメージできん
888名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 20:24:33 ID:aHjW1LDI
先天的な盲人はリハビリが滅茶苦茶大変な上に大して見えるようにはならないからな
889名無しさん@ピンキー:2009/04/10(金) 20:02:51 ID:ohAOvdRi
890名無しさん@ピンキー:2009/04/10(金) 20:21:20 ID:g/e6le7K
しゅ
891名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 17:47:44 ID:6e5HSXnH
892名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 22:26:59 ID:f5roDUsC
ここ最近で盲目の美少女といえばやはり「ヘレンesp」のヘレン
893名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 22:37:13 ID:cp47xn9w
あの子は聴覚とかもだから、正確にはまたちと違うのかもだけどね
894名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 07:34:10 ID:apith7Ei
895名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 13:44:02 ID:OG7m/nY3
保守
896名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 23:57:06 ID:S3+D8lMU
水月はちと古いか
897名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 20:12:14 ID:GyEAPDkN
保守
898名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 19:00:21 ID:bmpuJ/mU
ほしゅ
899名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 18:49:40 ID:K2+gW7dG
>>896
問題ないぜ
900名無しさん@ピンキー:2009/04/27(月) 14:08:45 ID:+Rm5UX7S
よさそうなスレなのであげとこう
901名無しさん@ピンキー:2009/04/28(火) 11:29:59 ID:8L4t8Vl7
かぼタンのスレはここですか?
902名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 22:02:17 ID:AxIFwxCX
保守
903名無しさん@ピンキー:2009/05/07(木) 05:15:25 ID:Kv8NgbhD
「ねぇ、お茶を持ってきてくださらない?」
「あー、はいはい。持っていき…あいたっ!」
「いっ!?…痛いじゃないの!どこを見てあるいてるの!?」
「いや…どこも見てないな」
「はぁ!?」
「いやな、お前さんの目が見えないってのをちょっと体験してみようと思って目隠しをしてみたんだ。
歩くことすらままならねぇ、こんなんじゃまともに暮らせねぇな」
「…からかってるの?」
「まさか!真剣さ。気高くわがままなお前さんの苦労を理解するためのな」
「…あの」
「ん?」
「そんなことはしなくていいわ。それより…私の目になってくださらない?」
「…視力0.5だがそれでもいいか?」
「ええ、0よりずっとマシですもの。…それとお茶、淹れてくださる?」
904名無しさん@ピンキー:2009/05/08(金) 11:33:23 ID:OxollE8C
ヴァルキリープロファィルの詩帆がいい
盲目だけど歌で軍の戦意を鼓舞する。本人の意ではないけど
905名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 11:09:46 ID:vYAlQR3M
あの子可愛いよな
906名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 22:43:11 ID:x0Q9WwF+
たまには上げつつ保守
907名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 23:34:34 ID:0+d31xKk
会話とかの顔グラはかわいいのにステータス画面が怖いのと、
あの赤鎧のビシャモンもどきとくっついてしまうのが残念でならない@詩帆
908名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 01:08:29 ID:VVKHmpB+
たしかブレイズオブディスティニーってエロゲの主人公の姉が盲目だった
エロもよかったけど普通にSRPGとしても面白かったような記憶
909名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 07:55:53 ID:cSwHdYKY
あれは主人公がいい男だった
910名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 12:21:33 ID:d1MQzVm3
いろんなスレ放浪している者だが、何か書こうか?
ここに投下して良いものか、少し迷い気味だ
911名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 14:36:12 ID:zFPhy7qg
>>910
全然問題無いので投下して下さい
912名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 15:03:13 ID:d1MQzVm3
分かった。まず注意書き

・エロで随分だらだらと長引いてしまった
・妄想力はそれなりも、想像力がゼロに等しいので、無難なシチュ
・勢いで書いたが基本エロは苦手

では投下
913名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 15:08:50 ID:d1MQzVm3
 盲目の幼馴染、名緒。
 彼女に会いに、僕は家まで来た。
『恵太くん。今日は私たち、どうしても家を空けないといけないから、名緒の面倒を見てあげてくれないかしら』
 おばさんは実の両親のように、僕に良くしてくれている。
 それに彼女と一緒にいられる、というだけでも、断る理由が無い。

 僕は合鍵を使って家に入ると、すぐ手前にある襖を開けて、部屋に入る。
 物音に反応し、畳に座っていた彼女がこちらに顔を向けた。
「恵太くん?」
 入り方で家族との区別が付くらしい。
「当たり。今日は一日、僕が一緒にいるよ」

「え? でも、せっかくのお休みなのに…悪いよ」
 彼女は白いブラウスに、紺のスカート姿。
 セミロングの黒髪はきれいに整えてあり、どこぞのお嬢様にも引けを取らない。
 その上顔も良いとくれば、美少女との形容が何ら不思議でない。僕は見るだけでどきどきする。
「名緒とデート出来るなら、休みの一つや二つ、全然惜しくないから」

 彼女の顔がぽっと染まり、恥らうように背ける。
 昔から大人しかったけど、まさかこんな風になるなんて――思わず顔がにやけてしまう。
「デートって……もう」
 そう言うと再び向き直り、ゆっくりと腰を上げる。
 以前は補助がないとふらついて倒れることもしばしばだったけど、今は一人で立ち座りも出来る。

 立ち上がった彼女は、僕の方に足を踏み出した。
 一歩一歩はとても短く、手は目の前に突き出してバランスを取るように、慎重に。
 やがて、彼女の掌が僕の腹部に当たる。
「あ、いた」
 彼女の顔が安心したように綻ぶ。

 僕の高さを把握している彼女は、ここまで来ると感覚で大概を掴む。
 少しだけ手探りをした後、掌は僕の頬を包んだ。
 柔らかい感触。そして、ほんのりと温かい。
「良かった…恵太くんだ」
 手がゆっくりと僕の目や鼻や口に触れていく。

 僕も両手で彼女の頬を包む。
 その顔は小さくて、僕の手がとても大きく思えてしまう。
 彼女の頬もまた、ほんのりと温かい。
「恵太くんの手、ひんやりして気持ち良い」
 その感触に神経を集中させるかのように、見えない目をつむる。

 キスが、したい。
 今すぐ抱き締めたい。
 会ったばかりなのに、もうこんなに愛しさが込み上げてくる。
「……どうしたの? 今日は、何もしないの?」
 そんなはずない。僕は抑制を捨て、彼女と唇を重ねる。

「ん――」
 一瞬反応はしたが、すぐに順応してくる彼女の体。
 僕の舌を優しく受け入れ、控えめながらも乱される。
 手は顔を滑るように下り、僕の鎖骨で止まる。
 僕も頬から手を落とし、首・肩・背を通して腰に回す。

 家に二人だけの時の、秘密の時間。
 そう、デートだ。何に縛られることもなく、ただ愛し合える――。
 おじさんやおばさんの目を盗んで、バードキスなら何度もしたけど、これはそういつでも出来るものじゃない。
 だから、余計に激しく求め合ってしまう。
 そのまましばらく、僕らのフレンチキスは続いた。
914名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 15:10:36 ID:d1MQzVm3
「ぷはっ――」
 ようやく終わるキス。唇をゆっくりと、引き離す。
 すると彼女は目を開き、切なそうに僕を見つめる。
 見えていないはずなのに、視線はしっかりと合っている。心と体はまだ、シンクロ状態。
「……しようか」

 部屋の隅にまだ引かれたままの布団。
 彼女の体をゆっくりと抱きかかえ、その上にそっと下ろす。
 落ち着かない様子で、僕の方に顔を向けたままの彼女。
 寄りかかるようにして、僕は肩に手を置く。
「うっ…」

 怖いのか、彼女は体を仰け反らせた。
 そう言えば抱いたのはまだ二回だけ。どちらも夜で、まともな時間にやるのは初めてか。
「心配しないで、ね」
 僕はそう言うと、再び唇を唇で塞いだ。
 嫌がる素振ながらも、体の力が抜けていく彼女。

「……はぁ…い、いきなりすぎるってば…もっとゆっくり――」
 でも、我慢出来ない。僕は彼女の体を抱き締める。
「名緒…好きだよ」
「ひ、卑怯だよそんなの…私だって――あっ!」
 首を噛むと、びくんと反応する彼女。感度は既に強く研ぎ澄まされている。

 僕は背後から彼女の体を抱えるように座る。
 そして両手を回し、二つの膨らみをそっと掴む。
「んうぅっ」
 大きすぎない程度で形も弾力もちょうど良い。以前と比べると大人になった。
 彼女は僕と会い、キスをして、交じ合うたびにどんどん魅力的になっていく。

 揉むだけでも高揚するけど、その内布越しでは満足出来なくなる。
 僕はブラウスのボタンを外し、中に手を差し込む。
「んふっ…!」
 段々と漏れる声が大きくなっていく。
 視覚がない分、彼女は他の感覚が鋭い。だから、こうした愛撫にも多分人一倍弱い。

 硬い感触のブラと、柔らかな胸。強く揉めば、その都度彼女は切ない声を出す。
 体が熱い。そしてどんどん下に血が行き、波打ち出す。
 ブラの隙間から更に手を入れ、突起から撫で回す。
「んんっ…ううっ…」
 快感に抗うように、体を捩る彼女。

 右手が胸を弄っている中、余った左の使い道。
 彼女の曲げた膝に触れると、徐々に付け根の方へと這わせて行く。
「あっ…いやっ…」
 スカートの中、太腿に触れ、何度か焦らしを入れる。
 そして膨らみへと、指をかける。

「あんっ…!」
 じっとりと濡れた布は、触れる僕にも興奮を誘う。
 二度三度、線をなぞるように這わせ、また存分に焦らせる。
 彼女が僕の腕を思わず掴んでくる。止めてほしいのか、それとも早くその先に行ってほしいのか。
 構わず布の中に手を入れ、熱く湿った女の部分を擦る。

「ふ…ああっ…い…や……!」
 更には穴に手を入れ、掻き回す。
「――や、いくぅっ!!」
 いきなりドバっと僕の指にかかる液。それは布を通って滴り落ちるほど、たくさん出てくる。
 そして力が抜けたのか、彼女は背中から僕にもたれかかってきた。
915名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 15:12:04 ID:d1MQzVm3
「けい…たくん…」
 涙目で天を仰ぐ彼女が、どうしようもなく可愛い。
 僕はまたキスをする。
 何度繰り返しても、飽きない。気持ち良い。
「……はぁっ…恵太くん…背中にずっと、当たってる」

「今度は、私が――」
 彼女は向き直り、僕のジーンズのボタンを外し、チャックを下ろした。
 怒張したそれは既に下着で抑えきれないほどで、染みすら作っている。
 手でそれをしっかりと包んだ彼女は、優しく撫で始めた。
 痛い。そして形容し難い快感。

 下着まで脱がし、彼女は直に僕のそれに触る。
 そして、顔を近付けてくる。こつん、と鼻にぶつける。
 何をするかと思えば、舌を出して先端を舐めてきた。
「うっ!」
 だめだ、これは効きすぎ――!

 精が溢れ出て、彼女の舌と顔にべったりとかかった。
「ああっ…!?」
 僕は慌てて近くのティッシュに手を伸ばし、彼女の顔を拭く。
「ごめんっ、まさか――」
「……苦い」

 彼女の積極性には驚いた。まだどきどきが収まらない。
「服、脱ぐね」
 そう言うと、彼女は改めてブラウスのボタンを外し、袖から腕を抜く。
 細く白い両腕に、鎖骨、括れた腰周り、へそと僕の目を釘付けにする。
 続いて半分取れかかっているブラを、背中に手を回して外す。

 ぱたっ、と覆うものが落ち、視覚に飛び込んでくるきれいな双丘。
 恥らう素振が余計に僕の心と下を刺激する。
 今抜けたばかりなのにも関わらず、もう張り詰めてきた。
 そして彼女は立ち上がると、今度は下を脱ぎ始めた。
 スカートがすとん、と下に落ち、僕はそこから徐々に視線を上げていく。

 やがて一番大事な部分に目が止まる。そこにはぐしょぐしょに濡れた下着が一枚のみ。
 彼女はそれに手をかけ、下に引き下ろす。
 つーっと糸が引き、露になる彼女の隠された部分。
 脱ぎかけてよろける。僕は立ち上がって、その体を抱き止める。
 僕が最も好きな女性の裸体が、体に密着している。

「恵太くんも脱いで――」
 自分だけこんな格好じゃ恥ずかしい、とでも言いたげに。
 僕も手っ取り早く服を脱ぎ捨てた。一糸纏わぬ姿になって、改めて彼女を抱く。
 ――今度は一緒に、行こう。
 そう心に決めてキスをし、僕らは布団に倒れ込む。

 潤んだ瞳で僕を見る彼女。
「恵太くんの顔…きっと凄くエッチな顔だ」
 普段はあんなに大人しくて、慎ましいのに――。
 なのに今は恍惚とした表情にすら見えて、僕の心に最後の火を付ける。
「挿れるよ」

 三回目だしずいぶん濡らしたので、彼女が痛がる様子はない。
 ただ静かに目をつむり、受け入れる。そして重なる。
 彼女はこの体勢を望む。しっかりと顔を合わせて、キスをしたいからだと言う。
 愛しい。無茶苦茶にしてしまいたいほど。
 僕が腰を動かし、彼女は抱きつくようにして、喘ぐ。
916名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 15:13:56 ID:d1MQzVm3
 唇をまた重ねる。これまで以上に濃厚に、激しく舌で犯しあう。
 大きな胸が、僕の胸板で上下に動き、擦れる。
 手もお互いにしっかりと絡めたまま、離さない。
 きつく強く、下を受け入れてくれる器が、何にも増して気持ち良く、そして僕の理性を奪う。
 時間さえも、分からなくなる。

 歯止めが利かなくなり、突き上げてくる勢い。
「……はぁ…もう――無理っ!」
「う…んっ――!」
 下が、体のどこよりも熱く、濃いものを噴き出す。
 彼女は言葉すら出せず、悶えるように震えながら、それを体で受け止めた。

「……」
「……」
 僕らはベッドに横になったまま、しばらく休んでいた。
 まだよく考えたら朝だ。これからどうしよう?
 そんなことを今更考えていると、突然彼女が起き上がった。

「……もっと順序を踏んでしたかったのに」
 僕も起き上がると、彼女をまた抱き締める。
「ごめん。でも名緒に触れられたら、気持ちが収まらなくなっちゃって」
 と、彼女が手で僕の頬を見つけて、ぐいっと伸ばした。
「せっかく恵太くんが来るかなって思って、お洒落していたのに――あ〜あ」

 僕らはシャワーを浴びた。
 如何わしいことは一切なし。後でするかもしれないけど……。
 多分、もっとゆっくりあの格好を見てほしかったんだろうし、褒めてほしかったのかな。
 彼女は僕の補助こそ拒否しなかったが、やや不機嫌な感じに見えた。
 シャワーが済んだので、浴室を出てバスタオルで体を拭く。

「代わりのに着替えるから、外に出てて」
 足元には既に次の着替えが準備してあった。こうなることを予測? まさかね……。
 大丈夫かな、と思いつつ僕は外で彼女を待った。
「お待たせ」
 出て来たのはスモックにホットパンツというラフなスタイルの彼女。これはこれでまたそそる。

「とても似合うよ」
「本当に? さっきとどっちが?」
「どっちも似合う」
「適当に言ってるでしょ。ふん、だ」
「あー名緒、ごめんってば」

「――そうやってキスするか抱き締めれば、良いと思ってるんだ」
「機嫌直してよ、名緒。どっちも名緒が可愛くて、選びきれないんだってば」
「……もう。怒る気もなくなっちゃった。ねぇ、だったらもう一度ちゃんと、好きって言って」
「好きだよ、名緒。名緒の全てが好き」
「…私も、大好き」


以上です
917名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 18:40:55 ID:WxhbRs+X
GJ
918名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 09:20:10 ID:8rRPqBVl
GJ〜!
919名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 22:14:51 ID:0/i5cjbi
あれ、いつの間に投下されてたのか……
GJ!朝からこれだと夜にはもうぐちゃぐちゃになってるんじゃないか
むしろそうなってほしいがw
920名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 10:37:42 ID:obYrYBkw
            \     _n         グッジョブ   /
              \   ( l     _、_       /
               \   \ \ ( <_,` )    /
                 \   ヽ___ ̄ ̄  ) /
   _、_  グッジョブ      \    /    / /  _、_   グッジョブ
 ( ,_ノ` )     n        \∧∧∧∧/   ( <_,` )     n
 ̄     \    ( E)       < の  グ >   ̄     \    ( E)
フ     /ヽ ヽ_//        <      ッ >  フ     /ヽ ヽ_//
─────────────< 予  ジ >───────────────
   ∩               <      ョ >
   ( ⌒)       ∩ グッジョブ < 感  ブ >       |┃三     話は聞かせて
   /,. ノ      l 'uu       /∨∨∨∨\      |┃  ガラッ    もらった
  / /      / /"    /         \     |┃ ≡   _、_   グッジョブ
  / / _、_   / ノ     /    グッジョブ   \  |ミ\__( <_,` )
 / / ,_ノ` )/ /    /|    _、_     _、_   \ =___    \
(        /     /\ \/( ,_ノ` )/( <_,` )ヽ/\≡   )   人 \
 ヽ      |   /   \(uu       /     uu)/  \
921名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 14:20:23 ID:jwdgxY9r
GJ!
922名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 01:10:07 ID:FF7I87IN
GOODJOB!
923名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 12:05:26 ID:yUedBHdm
グッジョブ!!
924名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 23:44:03 ID:KHCzEBiP
GJ
名緒たんかわうぇええなぁ
925名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 23:28:24 ID:PhTFAC0J
GJ!
926名無しさん@ピンキー:2009/06/10(水) 01:45:23 ID:5VQktpQa
始めは即死と思ったが、えらい伸びたな。
ここなしには生きて行けなくなった…
927名無しさん@ピンキー:2009/06/12(金) 00:34:26 ID:qG+TxAuK
もう900も超えて次スレの可能性まで出てきたわけだ!
928名無しさん@ピンキー:2009/06/15(月) 20:08:50 ID:Qdfxu8Dn
見えなくても保守くらいなら…
929名無しさん@ピンキー:2009/06/15(月) 23:33:01 ID:cyEKDxIb
実際次スレって970くらいでいいのかな?
それじゃ大きく進まない限り当分大丈夫?
930名無しさん@ピンキー:2009/06/16(火) 13:51:04 ID:Ijf7+2au
985ぐらいでも余裕余裕ー
931名無しさん@ピンキー:2009/06/16(火) 23:43:43 ID:orJuakns
いや、980を過ぎると一日書き込みがないだけで落ちるから
その前に立てないと厳しいような
932名無しさん@ピンキー:2009/06/17(水) 00:31:02 ID:xEdaEepZ
まあ今後の流れだろうな
このままのスピードだったら980でいいんじゃないだろうか
933名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 00:51:37 ID:0lbd9N6z
ほしゅAGE
934名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 01:27:35 ID:ei62PI1k
ほしゅ
935名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 20:14:32 ID:TuIW8n+F
盲目の少女を立体迷路に置き去りにしたい
936名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 22:14:39 ID:T9HN788T
酷い!
937名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 23:03:10 ID:qZJkqkbl
案外スルスル脱出できそうだな
938名無しさん@ピンキー:2009/06/22(月) 01:07:38 ID:Q+mJaG+i
迷路で右手をずっと壁につけて歩くと
必ず脱出できるって聞いたことあるけど本当なのかな?
939名無しさん@ピンキー:2009/06/22(月) 01:16:24 ID:sobBCfWC
左手でも構わないけど、立体でなければ100%脱出できる
ただ効率が良いかどうかは知らんけどw
940名無しさん@ピンキー:2009/06/22(月) 08:55:43 ID:vVUedW9L
その方法だと独立した壁があったらアウトだ
941名無しさん@ピンキー:2009/06/22(月) 21:19:17 ID:a4ZBO2BK
そのやり方って「入口から出口まで」100%行けるやり方じゃないのか?
942名無しさん@ピンキー:2009/06/22(月) 22:05:58 ID:P5zzao7X
右手法は分かれ道を右から総当りで当たって行く方法だから
独立した壁側が出口(階段みたいなの)じゃない限りいつかは出れる
943名無しさん@ピンキー:2009/06/22(月) 22:21:11 ID:RgWVSBEM
右手法が通用しない迷路が開発されたと昔聞いたが…
944名無しさん@ピンキー:2009/06/22(月) 23:42:13 ID:QxiDxmwV
そうなんだ
945名無しさん@ピンキー:2009/06/23(火) 00:21:20 ID:iRzrXiuo
>>937
こういうことか

「うーん、こっちから風が吹いてくる。入ってきた方に向かって吹いてたはずだから、出口はこっち側か。
音の響き方から考えると、この道は行き止まりかな。それに外の匂いも薄いし。
風が感じられて、匂いが強くて、音が響かない方に行けばいいだけなんだから、楽勝楽勝!」
946名無しさん@ピンキー:2009/06/23(火) 03:22:23 ID:NjssnDUI
つまり>>935が涙目で迷ってるところを盲目っこに助けられるわけか
947名無しさん@ピンキー:2009/06/23(火) 04:23:33 ID:8Vy+h06P
異常聴覚だけでもあれば何とかなりそうだな
そして迷路を出た暁には、心眼を体得していると
948名無しさん@ピンキー:2009/06/23(火) 19:40:29 ID:NjssnDUI
ティンぺーとローチンのコンビネーションですね
わかります
949名無しさん@ピンキー:2009/06/24(水) 20:49:22 ID:W0n2FmYB
暗闇での戦闘なら普段から見えない方が強い
って何のネタだっけ?
950名無しさん@ピンキー:2009/06/25(木) 20:57:25 ID:ND9B7b7I
950
951名無しさん@ピンキー:2009/06/28(日) 04:00:11 ID:K2BtkpDr
「恋、薫る」の続きが待ち遠しい今日この頃
952名無しさん@ピンキー:2009/07/01(水) 15:21:56 ID:hQdSuOFb
良スレあげ
953名無しさん@ピンキー:2009/07/01(水) 23:34:44 ID:ziEYhRmV
最近ではヘレンespがいいね
954名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 17:00:18 ID:5GnFatDO
955名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 21:26:31 ID:iyA+zz7T
956名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 23:49:57 ID:eKM2RGrG
957名無しさん@ピンキー:2009/07/05(日) 22:08:27 ID:5OKJXYv1
958名無しさん@ピンキー:2009/07/05(日) 23:58:21 ID:Q+Z4sFVM
959名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 01:26:36 ID:tohwTLRu
960名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 07:45:38 ID:ZQSmYh2a
961名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 08:38:53 ID:RDWqQBWs
962名無しさん@ピンキー:2009/07/08(水) 20:28:20 ID:b188+31X
963名無しさん@ピンキー:2009/07/08(水) 21:48:48 ID:EeKoch4a
964名無しさん@ピンキー:2009/07/08(水) 22:02:30 ID:c9ou1MG4
965名無しさん@ピンキー:2009/07/08(水) 23:53:47 ID:IMowmpwE
966名無しさん@ピンキー:2009/07/09(木) 00:47:11 ID:TY8BEWt0
967名無しさん@ピンキー:2009/07/11(土) 01:26:58 ID:/gHwRJ9U
ほつれ髪を隠さない美乳???
968名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 02:15:52 ID:gdzHcNof
もう次スレはここに合流でいいんじゃね?

【心と】  障がい、不自由のある日常  【身体】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1204098249/
969名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 22:47:27 ID:khR0+/LI
異議なし
970名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 04:46:44 ID:SplLK+fq
合流だな
971名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 05:21:29 ID:UFjYp6yH
病弱少女スレも過疎ってますけど、そことも合流しますか
972名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 16:32:42 ID:8tLdU7Ik
それは病弱スレの住人が決めること、こっちが口出しするいわれはない
973名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 15:59:49 ID:GZj+GhQo
合流したら保管庫はどうなるんだろう
974名無しさん@ピンキー:2009/07/21(火) 08:27:18 ID:ryhdQ/Bo
管理人さんにメールすればいいんじゃね?
975名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 03:14:03 ID:ZPRAUlCK
残り少ない
976名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 02:36:23 ID:SDZGVXhX
私の目ね、あとひと月見えていればいいほうなんだって……。
だから……これからの一生分、貴方の顔を見せて。
残り少ない視力を、ぜんぶ貴方に使いたいの。
977名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 22:51:13 ID:BO9GNbg/
976…
978名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 01:21:06 ID:uEMSpOGR
何て事を言うんだ
979名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 03:50:02 ID:X4lEb4ra
いいスレだった
980名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 10:01:44 ID:RTPB9Tlr
もう三年近くなるのか。
981名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 11:21:33 ID:HjN/bL9C
思い出深い
982名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 20:47:38 ID:T7vdGbKW
   _,,,
  _/::o・ァ  
∈ミ;;;ノ,ノ  
  ヽヽ
983名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 22:05:37 ID:rvSmGhHP
いいスレだったが自分はここでお別れのようだ
984名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 02:06:11 ID:fRCvjVbL
>>982
可愛い
985名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 17:35:39 ID:fD7zWb7X
振りかえってみれば、全ては>>1の「セックスしたい」という一言から始まったんですねww
今後は合流先のスレで投下を期待します。
986名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 23:24:06 ID:nLf6LPIT
          ,>─.:::.──- .ィ─-、._
    __┌.、/          \/:::::|
    |:::::::∨′  .: : : : : : :. : : :.  ',::::::::}
.   ,ゝ::::/ : : : : : : : : : : :ト、:: : : :  :∨::::゙i
    {::::/  ,.! ! !:.:.|:.| :| :| ', :!:!:}: : : ',;;;;ィ゙
    ヽ ! .{: :{:| | | 」|:.| :|: :ィ‐十ト|:|:} : : }:::::\
   / |/{ |.!.| {斤人|ヽj\| .レ゙リリル: :ノ::::ィレ′
   ヽ:::::.{',从|レィ==、   ィ==x .リ/:|」|  よろしくお願いします
     ├┤| :沁 ::::::::    :::::::: ノ/: : !
     |:.:.|',| : :人    r─‐┐  ハ/  /:|
     |:.:.|::| : : |> , `.-- ' ,∠// /! :|
     |:.:.|::|   .:|ィ‐=_,,} ー  {.__//゙ /_.| i|
     |...:|::| ! :リ.|::::{_   __.//゙ / ヽ!|
     |:.:.|:.| ! / /_,ヽ.∠ィ'/ /─=||
     |:.:.|:.| / /─'、,..ィ‐-、_,..|:|  |_    ||
987名無しさん@ピンキー:2009/08/02(日) 00:46:05 ID:J51oDkn1
こちらこそ
988名無しさん@ピンキー:2009/08/02(日) 17:04:04 ID:Dg9xvENS
長い間お世話になりました
989名無しさん@ピンキー:2009/08/02(日) 17:46:02 ID:z9Bgs3EK
寂しいな。
990名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 02:02:09 ID:IHznybb5
お疲れ様
991名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 02:08:03 ID:zelbJCSH
楽しかったよ
992名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 12:09:03 ID:wShPYS4y
993名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 12:57:13 ID:0tJ6aCg/
2006/09/27(水)からあったのか
994名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 14:53:20 ID:zelbJCSH
歴史を感じますな
995名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 15:15:14 ID:TlGPFC1v
( ´Д⊂ヽ
996名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 15:26:13 ID:YiegjaQ7
【心と】  障がい、不自由のある日常  【身体】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1204098249/
997名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 15:35:05 ID:QtCKH2mL
管理人さんも有り難うございました…
998名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 15:57:09 ID:ECCSC+91
お別れです
999名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 16:04:49 ID:/UhLuSh1
1000名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 16:05:16 ID:/UhLuSh1
1000
10011001
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。