白泉社花とゆめコミックス、
ほのぼのな作風でお馴染みの川原泉作品をエロくするスレッドです。
妄想を語るもヨシ、キャラにハァハァするもヨシ、小説をうpするもヨシ、
エロな方向から川原泉作品を愛でましょう。
前スレや保管庫などの案内は、
>>2にあります。
乙カレーパンもっきゅもっきゅ。
前スレ734で容量オーバーしてしまいました…
後2レスで補完なのですが、もういいですかね?>ミソ・スープの濡れ場シーン
半端ですが続けちゃいます。経過がわからない方はスルーお願いします。
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ミソ・スープは混沌する(カット部分補足再生)
その6.
シドニーはそんな郁の間に体を摺り込ませると、そっと郁の片足を立てた。
「郁さん、そのまま力を抜いて 僕に捉まっていてくださいね」
「は…?」
ぼんやりとしている郁の火照った中心に、熱く硬いものが押し当てられた。
魔法の指ですっかり蕩けさせられた郁の内部に、シドニー自身がゆっくり入ってくる。
甘い疼きが 鈍い痛みを伴って、郁を襲ってきた。
「…ん…っ…んん…っ」
口を開くと『痛ーい!』と叫びそうなのを、郁は口を閉じて堪える。
気遣う様に侵入してくるシドニーを体内に感じつつ、
痛みと共に襲い来る未知の感覚で、郁は シドニーにしがみ付いていた
両腕の拳を、思わず握り締めてしまっていた。
「郁さん、ごめんなさい。痛いですよね」
「す、すんません…ち、ちょっと刺激が強いよーです。ハワードさん…」
シドニーは微笑みながら、郁の頬から髪を子供をあやす様に撫で始めた。
「ほら、また間違えた。シドニーですよ、郁さん」
郁は頭を撫でられながら、自分の中でシドニーが脈打つのを感じていた。
痛いのだが、シドニーの魔法の指が郁を撫でてくれると不思議と安心していく。
「…も、もう頭がぐるぐるで…んん…っ!」
髪を撫でながら、郁の中でシドニーがゆっくり動きながら囁く。
「シドニーと呼んで下さい、郁さん」
「し、しどにー…」
「よくできました」
シドニーは嬉しそうに微笑むと、柔らかく郁の背中に手を回してきた。
そして、揺り篭の様にゆっくりと シドニーは郁の体を揺さぶり始める。
暖かいシドニーの腕の中で揺られながら、郁の痛みは段々遠のき、
満たされる様な安堵感と、泣きたくなる様な感情が高まっていった。
すすり泣く様に声が洩れ、やがてそれは切ない声に代わってゆく。
固く握り締めていた郁の拳はいつしかシドニーの背中を弄り、
胸に当てた額からシドニーの鼓動も波打っているのを感じていた。
やがて 揺り篭がブランコのように激しく揺れ始め、
シドニーは少し苦しそうな表情をすると、抱きしめた郁の中に精を放った。
郁はシドニーの温もりを感じながら、ぼんやりと柔らかい宙を彷徨っていた。
>>12 その7.
「…とーさん、ねーちゃんが持ってたのミソ汁の鍋だったよ。
今日はミソ汁抜きの昼食だぁ」
「そうか、夜は店屋物になるかもしれないなぁ」
「あ!それなら俺、ウナギがいいなー」
「明人のおごりなら特上でもいいぞ。とーさんは」
島崎家に取り残された家族は呑気な昼食を親子二人で食べはじめた。
のどかな日差しのする冬の日だった。
郁はシドニーの腕の中で、自分の頬をつねっていた。
「いてっ!」
「郁さん、どうしました?」
「い、いえいえ、なんでもないです〜!」
…やっぱり夢じゃなかった。
頬をつねるまでもなく、郁もシドニーも生まれたままの姿で
ベッドに横たわっているし、郁の身体にはまだシドニーが触れた感触が生々しく
残っているのだが…。
あまりの展開の速さに郁はまだ信じられない気持ちだった。
無我夢中でミソ汁の鍋を抱えて走ってきて数時間後、
まさかシドニーとこういう関係になろうとは 郁にとっては青天の霹靂だった。
「郁さん、後悔しているのですか?」
シドニーの青い瞳が郁を覗き込むと、郁はまた赤面にした。
「…してないです…しどにー」
ガラスのように透明な人はにっこり微笑むと、
「よかった。これからもっと僕を知ってくださいね、郁さん」
と、再び郁を求めてきた。
不透明な世界の向こうには、こんな事もあるんだなぁ…と、郁は再び
陶酔の世界に引き込まれながら考えていた。
この後シドニーは郁が短大を卒業し英会話を覚えるまで日本で過ごす事になる。
ツーショットで撮られた週刊誌記事の切り抜きは、郁の抗議にも耳を貸さず、
シドニーの胸ポケットに大事な記念として収められていた。
郁はちゃんちゃんこを着ている自分の写真が恥ずかしかったのだが、
シドニーは、
「今度はペアのちゃんちゃんこで撮って貰いましょう」
と、笑って耳を貸さなかった。
…やっぱり外人の思考はよく理解できん…
郁はニコニコするシドニーを見ながら、諦めたように溜息をついた。
おしまい
被ってしまった部分はすみません。これでカット無しのおしまいです。
GJ!乙でした。
原作のシドニーの変人芸術家ぶりがうまく表現されていて、見事。
やはりシドニーたんは郁たんにキスしたりクンニしたりしても
曲のイメージを思いついてしまったりするんだろおか?
GJ!
朝からいいもん拝ませて貰いました。
シドニーはこのときの感動で1曲作ってしまいそうで怖いなw
>14
変人芸術家ぶり……ワロタ
今日初めてここを発見し、過去ログ読んできた。
読みたくて読みたくて仕方がなかった和馬×若菜が3本も!
嬉しくて、なきながら、萌えながらみていました。
和馬の鬼畜ぶりと若菜の翻弄され方が、本当にいずれの
作品も素晴らしかったです。
職人様、否、神、ほんとうに素晴らしい作品をありがとうございます。
三月革命その後 前スレの続きです。
書いている途中、他のコミックの影響を受けて2種類書いてしまってまだ途中ですが、
そのうちの一つを今回投下します。
原作のイメージと違っているかもしれませんので、気になる方はスルー推奨でお願いします。
三月革命 〜その後・ニューヨーク革命1.〜
― 花吹雪 熱海のはずが ニューヨーク―
「早紀子ちゃん、もうすぐ着くよ」
着陸のアナウンスが流れているのに、早紀子はまだ浩生の胸にに寄りかかり眠っていた。
「ん?もう熱海〜?」
「…違うって、ニューヨークだよ」
昔から寝起きの悪い早紀子は、シートベルトをはずされてもなかなか目覚めようとしない。
「ん〜、熱海に着いたら起こして〜」
無茶苦茶な事を言う人だ…。
「熱海はまた今度。さあ起きて、早紀子ちゃん」
「ん〜、もうちょっと…」
やれやれ…困った人だね。
浩生は眼を開けようとしない早紀子の顎を持ち上げると さりげなく唇を奪ってみた。
素早く侵入してきた浩生の舌の動きを感じると、早紀子は驚いて眼を開けた。
「…な、なになに!?」
「おはよう、早紀子ちゃん」
浩生がにっこり笑って唇を離すと、早紀子は顔を赤くして、小声で浩生に掴みかかった。
「ひ、浩生!あ、あんたってば、いつからそんな風にアメリカナイズされたの!
公衆の面前でなにしてんのよ!」
やっぱり夕べの事を覚えてないんだ。
赤面して慌てる早紀子を見ながら、浩生は顔が笑いに緩んでしまうのを止められなかった。
昨夜 挑もうとして怯んでしまった浩生に対し、大胆にキスを仕掛けてきたのは、
酔っ払っていた早紀子の方なのだ。
それから狭いエコノミーシートの毛布の中で、二人は何度も唇を重ねて抱きしめあった。
なのに今、シラフに戻った早紀子は赤面し、慌てまくっている。
ちょっと複雑だったが、なんだか浩生は可笑しくてたまらなかった。
「…何がおかしい? 浩生〜!」
「大丈夫だよ、早紀子ちゃん。どうせ回りも新婚さんばかりなんだから」
「そ、そーゆー問題じゃないっ!」
「でも ちゃんと起きれたでしょ?さあ、もうすぐ降りるよ」
浩生は早紀子の手を取ると、立ち上がるように引っ張った。
早紀子はまだ赤面しながらブツブツ文句を言っていたが、手を振り解こうとはしなかった。
「浩生。 あんたまさか、私が眠ってる間に変な事しなかったでしょ〜ね…?」
「してないよ。寝ている間はね」
「へっ…??」
更に困惑する早紀子を、浩生は満面の笑顔で 機外へと連れ出した。
>>19 〜その後・ニューヨーク革命2.〜
トランクを積んだタクシーの中で、浩生は早紀子と話していた。
空港を出る審査の時、浩生は早紀子がほとんど英会話が出来ない事を知ったのだ。
「早紀子ちゃん、英語の成績は悪くなかったのにね」
「うるさいわね…。授業とリアルトークは違うのよ。文句ある?」
早紀子が不機嫌そうに答える。
「文句はないけどさ、アメリカは日本より治安がよくないから一人で外を出歩かない事。
周りは日本人が少ないから 言葉がわからないと危ないよ、早紀子ちゃん」
浩生に説教され、早紀子は『だから熱海がよかったのに』とぶつくさ文句を呟いた。
早紀子はホテル代がもったいないからと、滞在中は浩生のアパートで過ごす事になっていた。
アメリカのアパート事情は日本と違ってルームメイトを募集するくらい広いので、
家族も反対はしなかった。
結婚を破談にしてまで浩生を選んだ早紀子は、世間的にはある意味『バツイチな女』なので
反対されるはずも無かったのだが、言葉が通じない住宅街で大丈夫かな と、浩生は
心配になった。
「ここが浩生のアパートかぁ、しばらく留守にしてたのに、埃もたまってないね」
アパートに着いた早紀子は、浩生の心配を余所に 珍しそうに部屋の中を見渡していた。
「うん、留守中掃除してくれるように手配して置いたからね。」
空き部屋に早紀子のトランクを運びながら、浩生は答えた。
早紀子が結婚していたら、このままここに戻って永住するつもりだったのだ。
「へ〜、結構優雅な生活してたのね、浩生ってば」
「優雅じゃないけど、広いでしょ。ベッドなんかプロレスできるくらい大きいよ」
早紀子の顔がまた赤くなった。
早紀子の反応を見て、浩生は嬉しそうに笑う。
「何、おかしな冗談言ってんのよ!こんな明るいうちから!」
「冗談じゃないよ。試してみる?早紀子ちゃん」
7年の歳月は同じくらいの背丈だった浩生は、もうすっかり早紀子が見上げるほどの身長に
成長していた。
こっちに来てから、浩生が主導権を握ってしまっているようで 負けず嫌いな早紀子は
なんだかとっても悔しくなった。
にじり寄る浩生をすり抜けると、赤い顔のまま用意された部屋に逃げ込んだ。
「ヒコーキに乗ってる時間が長かったんだから、シャワー浴びたらどっか連れてってよね!
それと、お風呂のドアを勝手に開けたら殺すわよ…浩生」
浩生にとって 早紀子ちゃんが自分に照れて動揺しまくる姿は、かなり新鮮だった。
これからしばらく過ごす生活を想像すると、思わず顔がにやけてしまうのだった。
>>20 〜その後・ニューヨーク革命3.〜
シャワーを浴びて着替えた二人は、ニューヨークの町に出る。
ニューヨークといえば、ミュージカル等の見所が有名だが 早紀子は狭い機内にいたんだから、
そんなものは見なくていい と言ってのける。
まるで張り合うように我が儘を言う早紀子も、また浩生にはなんだか可笑しかった。
「そうだ、まだ早いけど桜が見れる場所があるよ 早紀子ちゃん」
「…桜?ちゃんとした桜?梅や桃の木と間違えてないでしょーね?」
「…それ、いつの話だよ…。ちゃんとした八重桜だってば」
「へぇ〜…。よし、じゃそこに行こう!浩生」
やっとお気に召した提案に、浩生は早紀子を連れてブルックリン植物園に向かった。
ブルックリン植物園は4月下旬頃から桜祭りが始まる。
まだ時期も早く、人もほとんどいなかったが、気の早い桜は咲き始めていた。
「おー!ほんとに桜だ!なんだかタイムワープしたみたい!」
早紀子ちゃんは桜を見て嬉しそうに笑った。
浩生がホットドックとコーヒーを買ってきて、二人で並んで歩きながら食べる。
そして幼い頃、よくそうしたように 手を繋ぎながら、ゆっくり歩く。
「ここはね、"Cherry Esplanade"(桜の散歩道)っていって5月中旬まで桜が咲くんだよ。
渡米してからこの時期、よく一人で来ていたんだ」
桜の花びらを受け止めようと手を伸ばしながら、早紀子が浩生の言葉に振り向く。
浩生は懐かしそうに、桜の木に手を触れていた。
「ふぅん…そっかぁ…」
早紀子も感慨深い気持ちになって、異国の桜を見上げてみた。
桜の下で、早紀子と浩生は出会って離れ、そしてまた新しく出会った。
今はこうして異国の地で、やはり一緒に桜を見ている。
なんだか不思議な『縁』だなぁ…と思った。
そっと目線を下げると淡い色の花の木の下に立つ、大人になった浩生と視線が重なった。
「…こっちはまだ、少し寒いね」
コートは着ているが、風が少し冷たいのは本当。
だけどそう言って視線を逸らす早紀子の顔は少し赤かった。
「僕の側に来れば風よけになるよ、早紀子ちゃん」
浩生が『おいで』というように手を差し出した。
早紀子はデジャブーを感じたが、今度は手を握る代わりに浩生の胸に飛び込んだ。
浩生は自分の着ているコートに 早紀子をそっとくるんでくれた。
「うん。こうしてるとあったかい」
桜を見つめていると、なぜか素直な気持ちになれる気がする。
早紀子の背負っている猫は、桜が苦手なのかもしれない。
「早紀子ちゃんも暖かいよ」
浩生のコートに包まれて、抱きしめる力が強まるのを感じると、早紀子は黙って眼を閉じた。
どちらからともなく唇が重なる。
離れてしまった7年間を取り戻そうとするように、早紀子と浩生は互いの温もりを確かめ合い、唇を絡ませた。
>>21 〜その後・ニューヨーク革命4.〜
唇を重ねたまま、おずおずと浩生の手が早紀子の服の上から胸を弄りだした。
鼓動の速さを確かめるように、ゆっくり手を動かしてくる。
早紀子は拒絶せずに身を任せ、壊れ物を扱うような浩生の手の動きに 甘い吐息を漏らした。
早紀子の素直な反応に、浩生の鼓動も爆発しそうに早くなった。
「…すごくドキドキする。早紀子ちゃん」
しばらく早紀子の胸をさまようと、段々下に向かって手を降ろしていった。
探るようにしてスカートの裾から手を入れ始める。
更に鼓動が早まった。
ストッキングの上を滑るように、浩生の手が腰を撫でながら足の間をさまよい出した。
「こ、こら、浩生…!」
早紀子は浩生の手ががどこを目指しているか察し、顔を更に染めながら、慌てて浩生を止めた。
さすがにここで、これ以上はまずい…。
早紀子の巨大な猫が、早紀子の理性にストップをかけた。
「…ひ、浩生。もう、帰ろっか…。少し寒くなってきたし」
顔も身体も火照っていたが、早紀子は精一杯さり気なさそうに囁いた。
「うん、早紀子ちゃん…。でも少しだけ待って。…今、ちょっと歩きにくい…」
浩生はちょっと困ったように、早紀子の背中に腕を戻した。
早紀子は浩生の硬くなった股間がズボンを膨張させて当たっているのに気づいた。
「ごめん。不可抗力で…」
「う、うん…」
なんとなくお互い気恥ずかしくなって、それからしばらく無言で抱き合った。
…映画のようには決まらないもんだなぁ…
と、なかなか一線を越えられない二人は 同じ事を考えていた。
>>22 〜その後・ニューヨーク革命5.〜
しばらくして、やっと二人は歩き出した。
広い植物園から出る頃には いつしか辺りは夕暮れに近づいていた。
浩生はタクシーを止めようとしたが、早紀子はそれをもったいないと制した。
「地下鉄で来たんだから、地下鉄で帰ろ。贅沢は敵なのよ、浩生」
「でも、駅まで少し歩くし 夜は危ないよ、早紀子ちゃん」
「大丈夫。道は覚えてるし、まだ明るいじゃない。歩こ〜」
さっきまでの照れ隠しに、早紀子はどんどん歩き出した。
丁度タクシーを止めた浩生は、歩き出した早紀子を慌てて追いかけようとした。
早紀子は元来た道の記憶を手繰りながら、ずんずん先に歩いてゆく。
浩生はタクシーを断り、チップを渡すと 遠ざかる早紀子の背中に向かって思わず叫んだ。
「待てって!危ないから。早紀子!!」
急に浩生に呼び捨てにされた早紀子は、なんだかむっとして、更に歩みを早めた。
路地の前を通り抜けようとした瞬間、急に路地から黒い影が延びて来た。
いきなり早紀子のコートの袖を掴み、路地に引っ張られた早紀子はよろけてしまう。
「え?ちょっと何よ急に〜?」
追いかけてきた浩生は 路地に入り込む早紀子を見つけ、慌てて彼らを追いかけた。
「HOLD UP!」
「いきなり引っ張るなよ〜!ほーるどあっぷ?あに言ってんだ、この外人…?」
薄暗闇で早紀子は眼を細めて相手を見ると、手にピストルらしきものを握っている。
「早紀子!じっとしてるんだ!」
背後から浩生が青い顔をして走り寄り、数メートル手前で立ち止まった。
「浩生、目上の者を呼び捨てにするなって言ったでしょ!
…ところで何こいつ?なんか言ってるけど」
早紀子は青ざめている浩生を怪訝な顔で見ながら、隣の外人を指差した。
「さ、早紀子ちゃん…、いいから動かないで。指も指さないで!」
「Hei HOLD UP! Hurry!」
「ほーるどあっぷはりーだとぅ?…急いで手を上げろ?ここは横断歩道じゃないぞ」
「早紀子ちゃん、じっとしてて。それ、ストリート・ギャングだから…」
浩生はますます顔面が蒼白になっている。慌てて懐から財布を取り出そうとしていた。
「ストリート・ギャングって…ああ、路上強盗か…。えええっ!?本物?」
この地味な帽子とジャンパーにGパン履いた貧弱そうな男が、あの有名な路上強盗なのかー。
>>23 〜その後・ニューヨーク革命6.〜
早紀子は非現実的な出来事が自分に起こっている事に、全く実感がわいてなかった。
しかし、浩生は真っ青な顔色をして財布を取り出し、男に何かしゃべっている。
「何話してんの?浩生?顔色が悪いけど大丈夫?」
「大丈夫だよ、早紀子ちゃん。こういう時は財布を渡せば何もされないから、
大声出さずにじっとしてて。絶対助けるから」
「へ…?財布?ってまさか、その財布ごとこいつにあげちゃうの?
待て!浩生!財布ごとくれてやる奴がいるかーー!!やめろーー!」
だが、早紀子の呼びかけも虚しく 浩生は英語で早紀子の横にいる外人に何かを話し、
財布を投球姿勢に入った。
「早紀子ちゃん!動かないで!頼むから!」
財布が曲線を描きながら、この地味な服装の外人の前に投げられる。
あーーー!当面の生活費の入った財布を投げたな!浩生!!
もはや早紀子の耳には浩生の声は聞こえていなかった。
早紀子の全神経は投げられた財布に集中した。
財布財布財布!!生活費ーーーーー!!
―放物線を描いて落ちた財布を、地味な外人が拾おうとかがんだ瞬間―
「財布に触るなぁぁー!!」
早紀子の体が鮮やかに回転し、中腰の外人に鋭いローリング・ソバットを放った。
クリティカル・ヒットを受けた外人がよろめく。
ピストルを向けようとした胸板に、すかさず早紀子のジャンピング・ニーが炸裂する。
反動で倒れかけた地味な外人の鳩尾にエルボー・ドロップを落とすと、悶絶する強盗の
ピストルを持った腕ごと抱え、腕ひしぎ十字固めの体勢に入る。
「No!Nohooooo!」
「さ、早紀子ちゃん…」
浩生が唖然として立っているのを見て、早紀子は思わず叫んだ。
「浩生、財布!投げた財布拾って!」
>>24 〜その後・ニューヨーク革命7.〜
早紀子はしっかり決めた関節技に力を込めた。
技の決められた腕からピストルが早紀子の背部に落ちる。
「ほれほれ、外人。ギブアップか?それともいっぺん関節はずしてみるか?
プロレス・ファンをなめるなよー」
技を決められた地味な外人は、苦悶で何か口走っていた。
「Oh!No! Fuck You! You're a demon! No No Help Me My God!!…I'm killed!」
「…?あに言ってんだか、わかんねーよ。ギブアップと言わんか」
浩生は青白い顔色のまま固まっていたが、はっと我に返ると なにやら通行人に大声で叫び、
早紀子の元に駆け寄ってきた。
早紀子が技を決めている外人を一緒に抑えると、青ざめて引きつった顔で言った。
「さ、早紀子ちゃん、大丈夫?怪我は無い!?今、警察呼んで貰ったからね」
「私は大丈夫よ。それより財布!浩生」
「あ、はい!」
条件反射のように浩生は財布を拾う。
再び外人を抑えに来たが、手助けの必要がないほど早紀子の技は決まっていた。
地味な外人はなにやらずっと叫んでやかましい。
「外人は騒々しいなー、なんて言ってるの?こいつ」
「た、助けてくれ、悪かった、…かな?」
…とても放送禁止用語を叫んだ挙句、早紀子ちゃんを悪魔だ 殺されるから助けてくれと
言っているとは直訳できない…
ちょっぴり強盗に同情してしまう浩生だった。
「僕が代わるから、離していいよ。早紀子ちゃん」
「そお?じゃ、しっかり捕まえておいてね。」
早紀子は立ち上がると、文句を言いながら服の汚れをはたいた。
「あ〜あ、浩生ブランドのワンピースが汚れちゃった。7年も大事に着てるのに」
ふと、外人が落としたピストルを拾い上げる。
「へ〜、結構重くて本物みたいね。な〜んて、本物も見た事はないけどさ」
「…早紀子ちゃん、それ 本物だよ…」
「あ、そーなの?じゃ、クリーニング代替わりにもらっておくか〜」
「…けーさつが来たら渡しましょうね…」
「え〜。固い事言わないでもいいじゃん〜。いっぺん撃ってみたかったのよね」
「駄目です!」
…なんか、こーゆー場面でする会話だろーか…?
緊迫しているはずの場面なのに、あまりに呑気すぎる会話だ と、浩生は脱力感を覚えた。
そうこう言いあっている内に、異国の通行人と警官達が やっと駆けつけてきたのだった。
>>25 〜その後・ニューヨーク革命8.〜
地味な外人は、TVでよく見るお馴染みの制服を着たアメリカの警官に保護され、
浩生と早紀子は簡単な事情聴取に付き合わされた。
と、言っても 英会話のできない早紀子は浩生に全部任せたのだ。
警官の前では早紀子はすっかりおしとやかな猫をかぶり、強盗を捕まえたのは
「勇敢な浩生君」と言う事にさせてしまった。
まずいと有名な市警のコーヒーも味わう体験ができ、早紀子の渡米第一日目は
『恋愛関係以外』では中々有意義な日となった。
浩生自身は渡米生活4年の中で未体験な事ばかりが起こり、憔悴しきっていた。
まさか、ときめきの甘い生活初日が 命に関わるスリリングな一日になろうとは。
自分の人生の中で全く予想もしない、というよりしたくなかった出来事を経験してしまって、
とほほな気分だった。
むっつり静かに怒った浩生は、やっとアパートに帰ってくると 早紀子にお説教を始めた。
「…全く。早紀子ちゃんに銃が向けられてる間、こっちの心臓が止まりそうだったよ…。
ああいう時は、普通は財布を渡すのが最善の自己防衛なんだからね。
あんな無謀な真似は今後絶対しちゃいけません!」
シャワーから出てきた早紀子はパジャマ姿でソファに正座させられていた。
「だってさ〜、財布奪われたら私達が生活に困るでしょぉ…。つい必死だったのよ〜。
結果オーライだったんだし、そんなに怒らないでもいいじゃん。ね?浩生〜」
「財布より早紀子ちゃんの命の方が大事でしょうが!」
「…あのくらいの体格なら、勝てる自信があったんだもの。隙だらけだったし」
浩生は眩暈をおぼえながら、がっくり肩を落とした。
「隙だらけって…。早紀子ちゃん、大体 あの時繰り出した大技はなんだったの」
浩生自身、中学まではプロレス技をかけられた事はよくあったが、いつも対抗した事は
無かったので、早紀子の技があれほど実践で有効だとは予想だにしなかった。
特にあの打撃技の破壊力は、絶対見様見真似で憶えたものではないと確信があった。
「だからさ〜。浩生が寮に入ってから、プロレスの相手がいなくなっちゃったじゃない。
それで、通販で買ったサンド・バックに7年間、日々のストレスを打ち込んでたの。
ストレスの貯めすぎは体によくないからね」
早紀子は照れくさそうに でへへ〜と笑ってみせた。
毎日鍛錬してたのか…。
どおりで技が研ぎ澄まされてたよ…。
>>26 〜その後・ニューヨーク革命9.〜
「…早紀子ちゃん…」
「なーに?浩生」
浩生は真剣な顔で言った。
「今朝言った事は取り消す。…ベッドでプロレス技は絶対出さないでね…」
「や〜ね〜!そんな事するわけ無いじゃない!だから朝も冗談言うなって言ったでしょ」
早紀子はあっけらと笑い飛ばした。
「…そうだね…。確かにそう言ってたね…」
浩生も力なく微笑んだ。
早紀子ちゃん。早紀子ちゃんは、僕の想像以上に面白い人になってたよ…
浩生は諦めたように溜息をついた。
「私、浩生の器用で優しくて、寛大な所が好きよ」
早紀子ちゃんは、浩生を慰めるように 優しく頭を撫で抱えた。
浩生は早紀子のされるがままに、力なく答えた。
「僕も早紀子ちゃんの自由気ままなところが好きだよ」
ちょっと、危ない人だけどね…。
なるたけ早く雑務を済ませ、早々に日本に連れて帰ろう。
そして、熱海に行こうね 早紀子ちゃん。
…僕もゆっくり温泉につかりたいよ…
浩生は心の中で強く誓った。
「今夜は僕のベッドで寝る?プロレス無しの方向で」
「うん」
頭を撫でる早紀子の腕を取って浩生が聞くと、早紀子は頬を紅くして頷いた。
結局 浩生は早紀子がどんなに『変』でも、彼女のかぶっている巨大な猫ごと好きなのだ。
「じゃ、僕もシャワー使ってくる」
浩生は疲れた体を引きずって、バスルームへと姿を消した。
…やれやれ。これでお約束のオチだったらどうしよう…
大いにありえそうな展開に、浩生はなんだか不安だった。
続く
長い上に終わらなくてすみません
GJだ!
たくましいなぁ早紀子ちゃんw
浩生くんにちょっと同情してしまいつつも萌えました
GJ!
つ、つか、早紀子ねエさンテラワロス。
ダメな姉の最大な見本ですな。
原作のイメージと違うどころか、ほんとの続編みたいでGJです!
早紀子ちゃん、おもろすぎw
浩生くん、苦労するけどガンバレ!
続き楽しみにお待ちしてますw
31 :
保管庫中の人:2006/06/13(火) 23:46:16 ID:5hWvNxRC
スレログをUPして下さってる方にお聞きしたいんですが…。
保管庫からUPページへリンクを貼ってもよろしいでしょうか?
保管庫でもスレログを収録しようかとも思ったのですが、更新されている
ようだったので…。
不可でしたら、無理はいいませんので。
検討をお願い致します。
>>31 お疲れ様です。
ログ保管は取り急ぎ行った臨時のものですので、保管庫さんでログを
収録してもらえるなら、その方が皆さんも便利でしょうし私も助かります。
どうぞよろしくお願いします。
33 :
保管庫中の人:2006/06/14(水) 23:40:17 ID:xPyJf8Ic
>>32 回答ありがとうございました。
過去ログは保管庫へ収録させていただきました。
手持ちのデータでは保管しきれなかったのでとても助かりました。
本当にありがとうございました。
ここを見かけて過去ログ読んでみたけど、
SS投下されても2〜3レスしか感想が無く雑談さえないって、
荒れる時は活発だったのになw
現在、住人がSS職人以外では3人しかいないってことなのかw
違うスレに転向して投下した方が張り合いがあるんじゃないか?
職人さんよ?
>>35 間違えようが無いだろ
アンタ等がリンクしてたヲチスレの終盤は
三台婆スレの筆頭スレとして川原スレが有名だったんだからw
川原といえば自演・馴れ合い・粘着罵倒、ヲチスレ乗り込みと伝説になったしな
そら、住人も逃げる罠
それを知ってて投下してる職人も自演なのかい?w
おじゃましますよ。
あ、前スレの職人さんへ
史緒さんの「外交手段」に呆然としつつ、うまくまとまっててGJでした!
紐育革命の続きマッテル
自分は志貴×七緒さんの続き読みたひv(´・ω・`)
早紀子ちゃん、本当に原作のイメージそのまんまだわw
続きをwktkして待っております
> 保管庫中の人さま
お世話になっております。
保管庫中「俊介×和音・らしくなくても」の(1)が文字化けしてしまって
読めないのです。他のものは全て読めるので 何故これだけが読めないのか
よくわからないのです...
2chで教えて君をするのは心苦しいのですが 何か読めるようになるヒントは
ありませんか? IEの表示→エンコードは試してみましたが 文頭や文末に
微妙に半角文字が残ってしまって、完全に表示はしきれませんでした...
42 :
保管庫中の人:2006/06/15(木) 22:12:24 ID:vIyf5QjA
>41
ご報告ありがとうございました。
こちらで確認した上で、再度アップロードし文字化けは修正出来ました。
(私のPC上での確認のみですが)
再度ご覧になっても文字化けするようでしたまたご報告お願い致します。
対応させていただきますので。
43 :
41:2006/06/15(木) 22:50:02 ID:gHI46+U8
読めるようになりました!!
ありがとうございました〜!!
えっと前スレより投下させていただいている者です。
(どの作品かは聞かないで下さい(汗)
SSは書いていて楽しいし、川原作品はなんとなくイメージが膨らむんです。
下手糞なりに書いて投下して、例え一人でも読んで貰えるなら嬉しいですし、
喜んでもらえるなら木に登ってしまいます。
ただ、投下の間隔がちょっと迷います…
二日くらい空ければいいのかな?
前の作家様に失礼に当たらない投下間隔はどのくらいですかね?
色々書きたい題材があるので、お邪魔にならない程度に今後ともよろしくお願いしたいです。
他の作家様の作品も勉強になるので、期待してお待ちしています。
>>44 おー!職人さん、乙!
読み手としては川原作品、続けて読めるのは本当に嬉しいんですけど。
いくらでも読めちゃいますよ。
どーなんでしょうね?どのくらいがいいのか謎です。
詳しい方、教えてください。
>>44 投下の間隔は人それぞれなので職人さんが投下しやすいようにされるのが一番かと
他の職人さんのことを考えられるのであれば2〜3日くらい間を空ければいいのではないでしょうか
といっても今までそんなに間が空かずに次の作品が投下されたこともありましたよ
私はただの読み手なのであまり参考にならないかもしれませんが・・・
職人の皆様の作品をwktkしていつも待っておりますです
長編予定でエロもなかなか出てきませんが、
ブレーメンUを投下させてください。
連載中の作家様すみません。
これも連載になるので、お気になさらず続けて投下してやってください。
Imprinting―インプリンティング―その1. (ブレーメンU)
西暦2307年 大型輸送船ブレーメンUはルナ・ステーション5からの発進準備にかかっていた。
「航行システム、―起動」
「データ確認 OK」
「メインエンジン、始動」
「諸元入力、開始」
「座標セット、完了」
「HS(ハイパースペース)―始動」
「システム、オールグリーン」
クルー達が見守る中、キラ・ナルセは厳かに手を上げた。
「よし、ブレーメンU 発進!」
全長1600MのブレーメンUは、今日も澱みなく発進する。
色々あった処女航海から1年 86名の乗組員達はあいも変わらず正直に、
こまめに嬉しそうに一生懸命働いてくれている。
「キャプテン、今回もまたご一緒できてみな喜んでいます」
実直な副長のダンテ君がにこにこと館長席に挨拶に来た。
「やあ、ダンテ君。私もまた諸君等と仕事が出来て嬉しいよ。
皆も元気そうで何よりだ」
「はい!博士もキャプテンの元でより一層頑張る様にと励ましてくれました」
「モーゲンスタイン博士もお元気そうだな。今回のルートも前回と同じだが、
寄航先でレセプションがあるそーだから忙しくなるぞ。
できるだけ船内の空いた時間はゆっくり過ごすように伝えてくれたまえ」
「イエス・サー。あ、それとこれが今回の乗客名簿です」
ダンテ君は乗員名簿をインプットした電子モバイルを渡すと副長席に戻っていった。
―モーゲンスタイン博士とは、ダンテ君はじめ、ブレーメンUの乗組員全員の生みの親である。
と言っても、別にハーレムとかで子種をばら撒きまくったわけではない。
遺伝子工学とバイオ・テクノロジーを駆使した実験で優秀な子供たちを作り上げ、
英才教育を施したのだ。
子供達は、皆真面目で正直で 何より人間に喜んでもらえる事が至福の喜びと育てられた。
そう、我がブレーメンUのクルー達は 皆、博士の子供達。
『働く動物(ブレーメンズ)』なのである。
大型輸送船 ブレーメンUは、他社に先駆けてスカイ・アイ社が彼等を採用した、
モデル・ケースでもあったのだ。
>>48 Imprinting―インプリンティング―その2.
処女航海では色々な事件に巻き込まれた。
しかし、実直で勤勉で、気のいいクルー達とキラ達の活躍ぶりは 世間のブレーメンズに
対する評価や差別を改めさせた。
そしてその結果、働く動物達(ブレーメンズ)の諸権利の保護や
行動・思想・財産の自由を保障する新法案が連邦議会可決されたのだ。
今回 寄航先で行われる歓迎レセプションはそのお祝いなのである。
第一回目のワープが終わって暇になったキラは、いつもの様にオスカー航宙士と交代で
ダンテ君と休憩に出た。
「…やでやで。めんどくせーな〜。」
別名イレブン・ナインと呼ばれるほど誤差の少ない優秀なパイロットであるキラも、
元はといえば ジャパン・エリアの小市民だ。
晴れがましい歓迎式典なんぞ肩が凝るったらありゃしない。
…そんなもの、あのお気楽な社長かまねっこ(コピー)に任せておけばいいのにさ〜。
「キャプテンはパーティなんて何度も経験してるんでしょーね〜」
マウンテン・ゴリラのダンテ君がうっとりした尊敬の目でキラを見ているのに
気づき、はっと我に返る。
「うんにゃ。私はそーゆー派手な行事は好きくないのだ。
そう言えばダンテ君たちはパーテーは初めてだったな。今回の主役は君等だ。
気張らずに楽しんでくれたまえ」
キラがそう言うと、ダンテ君は目をきらきらさせて嬉しそうに言った。
「はい、サー。社長が出航前にクルーに正装を用意してくれたんですよ。
あんな立派な服まで頂いちゃって、みんなもう うきうきしてるんです!
きっと私達は最高にラッキーな職場と上司に恵まれてるんですねっ」
素直に感激を表わすダンテ君を見て、キラは少し恥ずかしくなった。
一般庶民とはいえ人間のキラは、ブレーメンズ達が味わった差別とは無縁だ。
保護法案が可決されたとはいえ、まだまだ辺境では辛い思いをしているブレーメンズも
いるだろう。
今回のレセプションは彼等への差別意識はナンセンスだ!というデモンストレーションでも
あるのだ。
『めんどくさい』などと口にしてしまったのは軽率だったな…。
照れ隠しに頭をポリポリ掻きながら、キラはダンテ君ににっと笑った。
「んじゃさ〜、ダンテ君は副長だから 私のエスコートをお願いしていいかなっ?」
「ええっ!?そ、そんな大役を私なんかでいいんですか?」
ダンテ君はびっくりしながらも感激で目を潤ませている。
「他に相手がいるならいいけどさ〜。きっとダンテ君がタキシード着たらかっちょえ〜ぞ。
私のほうが見劣りしそーだ」
半分以上本気の言葉だった。
なんせ、ドレスなんぞ生まれてこの方ほとんど着たことねーもんな…。
ダンテ君に恥をかかせないよう、後でこっそりマナーの勉強をしよお…。
>>49 Imprinting―インプリンティング―その3.
感激でうるうるしているダンテ君とキラは館内公園に向かって歩いていった。
公園内でいちゃついているカップルを見かけて立ち止まる。
「おや、ダ・シルバ夫妻じゃありませんか。わざわざこんな輸送船でご旅行ですか?」
この二人は惑星大企業 つまり我が社とはライバルの、Ωヴェリタス社・社長夫妻
なのである。
「お久しぶりです、キラ船長。私達もレセプションに参加しますの。
それで、思い出のあるブレーメンUにぜひと思いまして。ね?ラウル」
いつも清楚で愛らしい奥さんのジゼルがラウルに笑いかける。
普段はむっつり無愛想なダ・シルバ社長はジゼルの笑顔には逆らえない。
「うんうん、そうなんだよ。キラ船長また世話になるのでよろしく頼む」
―ラウル君、ラウル君。鼻の下が伸びてるぞ。
キラとダンテ君はそう言いたかったが、大人なので言わなかった。
四人で談笑していると、急にキラの頭上が重くなる。
「あなたもアブダクションしませんか」
くつくつくつ。
「…やあ、お前も元気そうだな…。リトル・グレイと23号」
すっかり居ついているリトル・グレイことくつくつ虫・自称『火星人』が
混じってきた。子分になった神秘の木・ドリアード(23号)も一緒だ。
「…相変わらず多種多様な人材を率いているな、キラ船長」
「まぁ、ステルス・スーツも着ていないのに リトル・グレイがこんなに懐くなんて。
さすがキラ船長は人望がおありですわ!」
ラウルの皮肉と純粋なジゼルの賛辞を笑ってごまかしながら、キラはリトル・グレイを
無視する努力をしていた。
リトル・グレイはそんなキラの頭上で相変わらず意味不明な事を言っている。
「フロイトはニューヨークで銭湯なんですよー」
「……」
キラの今にも怒髪天をつきそうな表情に、ダンテ君が助け舟を出した。
「キャ、キャプテン。せっかくだから皆さんでお茶でもしませんか?」
ジゼルもその提案に嬉しそうに賛同し、もちろんラウルも異存はなかった。
「そ、そだな。今日のシェフのお勧めでも食べに行くか〜」
リトル・グレイを頭上に乗せたまま、キラも気分を治して一同は食堂に向った。
>>50 Imprinting―インプリンティング―その4.
「へ〜、本日のお勧めはかぼちゃ素材のお菓子か」
かぼちゃ・パイにかぼちゃプリン、シフォンケーキ。
かぼちゃはジャパン・エリア民族の大好物だ。
すっかりご機嫌の治ったキラは、トレイを取るとセルフ・ブースに向った。
各ブースにいる、サルのミザール君・イワザール君・キカザール君達が笑顔で迎えてくれる。
「いらっしゃい、船長。今日もどれもおいしいですよ〜」
「うん、うまそーだね。全部食べちゃおっかな〜」
ニコニコしながらキラは各ブースからお菓子を受け取った。
「…ん?ブースがひとつ増えてないか?」
ブースのクルー達が気まずそうに笑ってごまかす。
「なになに…?駄菓子ブース?………」
ニコニコしていたキラがむっつりと不機嫌になった。
「…こんなブースを思いつくのは全宇宙でも限られている。
隠れてないで出てきたらどーだ?ナッシュ・レギオン!!」
ブースのカウンターから、照れくさそうに現れたのは スカイ・ブルー社長である、
ナッシュ・レギオンだった。
「やはりお前か…」
「や、やあ。キラ船長、ひ、久しぶりっ!」
「何度私の仕事に割り込んでくるんだ!また『まねっこ』に仕事を押し付けて来たんだろ」
キラの怒鳴り声を予測して避難体勢をとったナッシュは顔だけシリアスになって
言い訳をした。
「ま、待て。それは誤解だ、キラ。
私はより快適な渡航を考えて新しいアイデアを実践しに来たんだ!」
「新しいアイデアというのは、この駄菓子ブースか?」
ナッシュは嬉そーに笑って説明を始めた。
「ぴんぽん、ぴんぽーん!
やっぱさ、輸送船とはいえ娯楽の店があった方がいいと思うんだよ。
ほら見て。スニッカーズからふ菓子まで、色々あるんだよ〜。
君も楽しいと思うだろ?ダンテ君」
気のいいダンテ君は、目を楕円形に白くさせると苦しそうに笑った。
「そ、そうですね〜、社長」
ダンテ君の同意を得られたナッシュは嬉しそうにお菓子の紹介をする。
キラの堪忍袋がぶちっと切れた。
「ばかもの!!うちの優秀なクルーは、そんなジャンクフードは食わん!
直ちにブースを撤収して甲板掃除でもしてろ!それとも宇宙を漂流したいか?
バカめ、バカめ バカめ!!」
あまりの迫力と大声に、レストランにいた者たち全員が釘付けになった。
「そ、そんなに恐ろしい顔で怒鳴らなくてもいいじゃんか〜…。
ダンテ君だって褒めてくれたじゃない」
壁にへばりつきながら、ナッシュはダンテ君に助けを求める目つきをした。
「す、すみません…。私は嘘をつくと目が楕円形の白目になるんです 社長」
申し訳なさそうにダンテ君がトドメをさした。
「えー!そんなぁ…」
情けない顔をしたナッシュに、キラは冷徹にブース撤去を命じた。
>>51 Imprinting―インプリンティング―その5.
「さすが キラ船長。私が嫌味を言う暇すらなかったな」
ラウルが可笑しそうに後ろで話していた。
「ラウルったら…。レギオン社長がちょっとお気の毒ですわ」
キラの怒鳴り声に驚いていたジゼルも、二人のやり取りを思い出して笑ってしまう。
「でも、何故レギオン社長はわざわざキラ船長が怒る事をなさるのかしら?
今回はレセプション出席が目的なのだから、堂々と社長として乗船できるでしょう?」
ジゼルは不思議そうにブースを撤去しているナッシュを見た。
「あいつは昔からバカだから、私にはわからんよ。何故私に聞くんだ、ジゼル」
ジゼルは噴出しそうになりながら言葉を濁した。
だって、ラウルとレギオン社長って どこか根本的な性格が似ているんですもの…。
素直じゃないところとか、私生活では不器用なところとか、ね。
それを言うときっとラウルは不本意だと怒るだろうから、ジゼルは何も言わなかった。
続く
全然エロくなくてすみません
職人さん、乙!
うわー!ブレーメンUだ!嬉しい!
どんな展開になるか、楽しみです。
WKTKして待ってます。
スニッカーズに禿藁。
>>52 なかなか進まなくてすみません。まだしばらく続きます
Imprinting―インプリンティング―その6.
「…あったく。毎度毎度ろくな事をしない奴だ。第一また乗客名簿に記載がないじゃないか」
キラはぷりぷり怒りながら席についた。
「まあまあ、船長。社長は前回クルーとして登録されてそのままなんですよ」
優しいダンテ君が必死にとりなそうとする。
「…この渡航が終わったら、名簿から削除しておくよーに」
「イ、イエッサー!」
ラウルとジゼルはもう何も言えず笑いを堪えるだけだった。
「…またやってくれましたね。ナッシュ・オリジナル」
大画面の向こうで、超A級アンドロイドのナッシュ・コピー(まねっこ)が怒っていた。
「や、やあ。まねっこ。相変わらず見つけるのが素早いね」
オリジナルの方がたじろぎながら、卑屈に笑っている。
「当たり前です!
初回の遠足からあなたはイレブン・ナインの船にばかり忍び込んでるんですから。
大体今回のレセプションは、私が専用機で出席するはずだったでしょう!
何故じっと仕事をしてらんないんですか!あなたは!」
アンドロイドの三白眼は怖いが、キラに怒鳴られる方が恐ろしいナッシュは 既に
免疫ができていた。
「君は有能だから安心して任せられるんだよ、まねっこ。
帰ったらちゃんと仕事するからさ〜、今回は見逃してくれよ」
自分で自分のご機嫌を取る図というのも奇妙なものだ。
「今回だけという言葉は聞きあきました。
ところで、今回はダ・シルバ夫妻が搭乗しているそうですね」
まねっこは珍しく話題を変えてきた。
ナッシュは『しめた!』と思って話題に乗って来る。
「そーなんだよ。ラウル達こそ自社の専用機に乗ればいいのにさ。
あったく、あのヨコシマおじさんめ。仲直りしたからっていちゃついちゃってさー」
「そうじゃないでしょう、オリジナル。
公式の催しに夫婦で出席するのは社会的にも対面が保てます。
あなたはなんですか!そんなおちゃらけたセーラー服を着て遊び歩いて。
もういい年なんですから、いつまでも独り身でうろうろしてたら笑い者ですよ。
あなたがグズグズしてるなら、私が勝手にデータから選んで花嫁をもらいますからね」
「えーっ!?ちょ、ちょっと待ってよ。まねっこ!
いくらなんでもそれだけは代理じゃ済まないって!」
ちくしょー!ラウルの奴がうちの船に乗ったりするからいけないんだ!
ナッシュは心の中でラウルに毒づいた。
>>55 Imprinting―インプリンティング―その7.
「ともかく。いつまでも駄菓子だ、遠足だとちゃらちゃらしてないで、
もっと社会人であり大企業の社長だという自覚を持ってください。
アジア・エリアの諺に『仏の顔も三度まで』とありますからね。
既に三度は越えてますから、もう猶予はありませんよ。
もっと自分に責任を持つ事と身を固める事。できなければ実力行使します」
「ま、待ってよ!まねっこ!」
何度も影武者をさせられてきた超A級アンドロイドのまねっこは、焦るオリジナルを
無視して通信を切ってしまった。
キラに怒られ、まねっこに脅され、ナッシュは途方にくれてしまった。
…だってさー、初めての遠足に行くまでは会社が恋人で男女交際もした事ないんだよ?
いきなり身を固めろって言われても、周りに女性の影なんてさあ…
女性…?と考えたナッシュの脳裏にキラの顔が浮かんだ。
そう言えばキラも女性だし、私の駄菓子好きという秘密もまねっこの事も知っているし。
一緒にいても疲れない稀有な人材だよな…
ナッシュは改めてキラの事を考えてみた。
途端に初めての遠足の時と、ついさっき怒鳴られた記憶が鮮明に浮かんできた。
「こ、怖っ…!」
思わずナッシュは身がすくんでしまうのだった。
「…甲板の掃除でもしよ…」
すごすごとナッシュは掃除用具を取りに通寝室を後にした。
「へっくしょん!あ〜、ちっきしょーめ」
女らしさとは程遠い仕草でキラがくしゃみをした。
「船長、お風邪ですか?」
ダンテ君が振り返ってティッシュを渡してくれる。
「んにゃ、きっと誰かが噂してるんだな。あのクソ社長に決まってるが」
ずびびと鼻をかみながらキラが決め付ける。
「そ、そんな…。船長、考えすぎですって」
ダンテ君は困ったようにフォローを入れる。
「うんにゃ。ここで人の陰口を叩くのはあいつしかいない」
ブレーメンズ達は陰口や嘘は言えないのだ。
ふと、ブリッジを見渡すとウサギのシルビア航宙図士とオスカー航宙士が 居心地悪そうに
しているのに気がついた。
「シルビア君、オスカー君、君達こそ体調が悪いんじゃないか?」
心配になってキラが尋ねる。
「い、いえ船長 なんでもないんです…」
「そうか?なんだか顔が赤いぞ?」
シルビア君もオスカー君も気まずそうに下を向いてしまった。
「な、なんでもないんですけど…。その、船内の声が私達には聞こえてきちゃうんです」
ブリッジでは唯一の女性クルーであるウサギのシルビア君が小声で言った。
「……あにが?」
キラには何も聞こえないのできょとんとしていた。
>>56 Imprinting―インプリンティング―その8.
客室の一室ではラウルとジゼルが船室の小窓から星を眺めていた。
二人とも、シャワーを浴びてバスローブ姿だった。
「綺麗…」
うっとりと宇宙を眺めるジゼルにラウルは気の利いた言葉も出なかった。
「やっぱり我が社の専用機に乗ればよかったかな?
安いだけあって、部屋の備品も貧乏臭いよね」
そわそわして落ち着かないラウルにジゼルは微笑んだ。
「そんな事ないわ、ラウル。私、あなたと結婚するまではもっと狭い部屋で暮らしていたのよ。
それに、あなたが一緒に居てくれる様になって 実はとっても嬉しいの。お城なんかより素敵」
ラウルは赤くなって自分の妻に見とれてしまった。
「そ、そーかい?君がそう言うなら、案外悪くないよね」
「え、えーと。ジゼル、そろそろ眠くないかい?横になって体を休めた方がいいと思うんだが」
ラウルの意図する事はわかるのだが、あまりにロマンティックもないセリフにジゼルは笑ってしまう。
「そうね、ラウル」
微笑むジゼルの愛らしさに、ラウルの理性が吹き飛んだ。
ジゼルを抱き上げると、そのままベッドに横たえる。
頬を染めたジゼルの唇にラウルの唇が重なった。
華奢なジゼルに舌を絡ませながら、不器用な手つきでバスローブの紐を解く。
バスローブの下から一糸纏わぬジゼルの肢体が現れた。
若く瑞々しい体にラウルはしばし見とれてしまう。
…えーと…こんな時は、どう言えばいいんだ…?
初めてでもないのに、毎回ラウルはジゼルにかける言葉に迷う。
「ジゼル、き、綺麗なのは君だよ」
う、どもってしまった。
もうラウルの不器用さを理解しているジゼルは、ラウルの努力を赤くなって受け止めた。
「ありがと…。ラウル、嬉しいわ」
瞳を閉じたジゼルに再び唇を重ねると、ラウルは互いのバスローブをはがしてベッドの外に放り投げた。
>>57 Imprinting―インプリンティング―その9.
そのままジゼルの耳朶を軽く噛むと、ジゼルが吐息を漏らす。
ラウルはすっかり舞い上がり、ジゼルの胸を愛撫しながら 唇を耳朶からうなじへと
降ろしていった。
堪えようとしても、ジゼルは声が出てしまう。
「ラ、ラウル…外に聞こえないかしら…」
「大丈夫だと思うよ。これでも一応客室だからね」
ラウルはもう抑えが利かず、ジゼルの乳房を弄りながらもう片方を口に含んだ。
ジゼルは恥ずかしそうに、押し殺した喘ぎ声を放つ。
その声をもっと聞きたくて、ラウルはジゼルの乳房に揉みしだく腕を残しながら
顔を下半身に下げていった。
「…あ…っ…」
ジゼルの足を広げ敏感な中心部に顔を埋めると、ジゼルは背中をしならせて
甘い声を放った。
未成熟な肢体と裏腹に、ジゼルの中心は充分に潤っていた。
ラウルはジゼルをこうしたのが自分だと思うと嬉しくて、ジゼルから湧き出す光る蜜を
ゆっくりと舐め取ってゆく。
「ラ、ラウル…そんなにしたら恥ずかしいわ…」
羞恥と快感で身体中を染めたジゼルが反応しながら囁く。
ラウルはもう夢中でジゼルの中心を貪っていた。
ジゼルの感覚が高まってゆくと共に、忍び出る声も大きくなってくる。
「ラウル…もう駄目…お願い、来て…」
ジゼルは途切れ途切れの声で、切なく恥ずかしそうにラウルに哀願した。
ラウルももうジゼルとひとつになりたくて我慢が出来なかった。
ジゼルの中心から顔を上げると、痛いほどに屹立していたラウル自身を
ジゼルの中心にあてがい、潤うジゼルの中に埋め込んでいった。
「…ん…んんっ…あぁ…っ!」
ラウルとジゼルが溶け合うと同時に、ジゼルの切ない喘ぎ声が室内に木霊した。
>>58 Imprinting―インプリンティング―その10.
ガシャン!
ブリッジではシルビア君とオスカー君が赤い顔で椅子から落ちた。
「ど、どーしたんだ!?二人とも」
キラが驚いて駆け寄る。
「あの、船長…わざとじゃないんですけど、私達の聴覚はヒトの数万倍なんです」
「うん、そーだよね。各自の特徴を博士が残してるはずだ」
「そ、それでですね…客室の声もある一定の高さだと聞こえてきちゃうんですー」
「ふむふむ…?あー!!そっか!ダ・シルバ夫妻だな?」
「は、はい…すみません すみません、わざとじゃないんですけどー」
シルビア君は真っ赤になって泣きそうな顔をしている。
…しまったぁ、そういうトラブルもあったんだな…。
ブリッジ以外のクルーもきっと困っているだろう。
「アンブレラ!各部屋の防音Lvを上げられないか?」
キラは急いでコンピューターに問い合わせる。
「スミマセンーキャプテン。ボウオンレベルハMAXデス。コマッタネーコマッタネー」
…機械が困ってどーすんだよ。
「とりあえず防音センサーを強化してもらうから、それまでは医務室でイヤーウィスパーでも
もらって凌ぐ様、他のクルーに伝えてくれたまえ」
「イエス・サー…」
甲板掃除を終わらせたナッシュが、モップを担いで医務室の前に来ると、
クルーや他のブレーメンズ達が医務室入り口に並んでいた。
「ど、どしたの?みんな。集団食中毒でもあったのか!?」
驚いたナッシュが問いかけるが、みんな顔を赤らめて答えない。
「ねね、どしたの?怒らないから言ってごらん?」
しつこく問い合わせようとするナッシュの耳が引っ張られた。
「痛っ!いたたっ!」
耳を引っ張る主は、キラその人だった。
「あにすんのー?キラ船長。掃除なら今やってきたよ!痛いから耳離して!」
涙目で医務室から離されたナッシュはキラに聞いてみた。
「みんな、どしたの?インフルエンザかなんか?」
「…ちげーよ…。社長、このブレーメンUには弱点があったぞ」
「?弱点?なにが どこが??」
キラの発言に驚いてナッシュは聞いてくる。
ナッシュはいきなり赤い顔をしたキラにグーで殴られた。
「痛ーい…あにすんだよー!?キラ」
「ええい!乙女にそんな質問するな!アンブレラに聞け!」
キラは怒って、すたすたと歩き去った。
…乙女はいきなり男を『グー』で殴らないと思う…
>>59 Imprinting―インプリンティング―その11.
ぶたれたほっぺを押さえながら、ナッシュはアンブレラに聞いてみた。
「みんな、どしたの?アンブレラ」
「アンブレラ、コタエマス。マスター。
トウキハ ボウオンレベル8デハ カンビ フリョーデシタ」
「え?どゆ事?」
「ヒトデ イウ フーフノ イトナミガ クルーノ チョウカクニ キコエテマス」
「ふーふの営みって?」
「……」
アンブレラはしばらく絶句して言葉を検索した。
「マスター、ニンゲンガ コドモヲ ツクルトキノ サギョウチュウニ ダスコエデス。OK?」
「?子供を作る作業…??あーっ!そっかー!ダ・シルバ夫妻か」
やっと意味がわかったナッシュだった。
「そだね、ブレーメンズの聴覚を見落としてたよ…。早速防音Lvをあげる手配をしよう。
しかし、ラウル達も厄介だなぁ」
柱の影でアンブレラとナッシュの会話を聞いていたキラは呆れてしまった。
…厄介なのは、おめーだよ…。なんでそんなに鈍くて社長が出来るんだ?
本当はコピーが全部 仕事をやってたんじゃないのか…?
「やれやれ。無能な上司の元で働く社員は苦労するぜ」
キラは溜息をつきながらブリッジへと戻った。
プライバシーがクルーに筒抜けとも知らない ダ・シルバ夫妻はまだ激しく愛し合っていた。
「ラ、ラウル…私…もう…」
激しく貫かれて、ジゼルは達してしまいそうだった。
「う、うん…ジゼル、一緒に行こう…」
ラウルはジゼルの腰を押さえて、腰を打ち付ける動きを早めた。
客室とはいえ、簡素なベッドが激しくきしむ音を立てる。
ベッドが壊れそうな軋みを立てた時、二人は同時に達した。
汗ばんだまま、二人はベッドの中で抱き合っていた。
「ジゼル、…君、いつもとなんだか違ってたね。素敵だったけど」
照れくさそうにラウルが囁く。
「な、なんでかしら…すごく感じちゃったの。ラウルもいつもより激しかったわ」
真っ赤になってジゼルが小声で答えた。
「わ、私もなんだか興奮しちゃって…。もう1回したいけど腰に来そうだ…
もう、おじさんだからかなぁ…」
ジゼルは赤い顔のままくすくす笑った。
「ラウルはおじさんじゃないわ。大事なだんな様なの」
ジゼルの言葉にジーンと来たラウルは、欲望と腰痛の心配の間で戦っていた。
―医務室の前では、純朴で比較的穏やかな性質のブレーメンズが腰を抜かして呆けていた。
翌日、整備班を急がせて夫妻の部屋だけ防音Lvを12にしたのは内緒だった。
続く
なかなか本題に入れないまま続きます…飽きてしまったらスルーでお願いします
グーで殴る乙女ワロスw
そ れ で こ そ 川 原 ヒ ロ イ ン だ
>>60 正直このコメディ調で続くなら、エロ希薄でも俺は楽しめるw
今回のダ・シルバ夫妻のように、ちょっとだけエロ表現もありの
コメディというのもありなんでないかい?
そう来たかー!!て感じですw
自分もエロ分薄くても気にならないです。
板的にアレなのかもだけど、個人的には面白ければ良いんでないかと思うし。
GJです。続き楽しみにしてます。
ブレーメンすっごく読みたかったから嬉しい!
ナッシュは鈍感でこそナッシュ。
キラは凶暴でこそキラ。
漸くキラを女性として意識するのかと思いきや、「怖っ……!」ってw
今後の展開に期待します!
あ、ひとつだけ……
ナッシュが社長さんやってる会社の名前→スカイ・アイ
ブレーメンだ!
キラの暴力はナッシュへの愛情表現だと信じてます(笑)
続きwktkして待ってます!
殴られるナッシュには誰も同情してないのなw
>>60 エロ期待してる方、進行遅くてすみません… しばらくエロ無しが続きます。
Imprinting―インプリンティング―その12.
さて、第一の寄航予定だったカルナックは去年超新星の爆発で消えてしまったので、
第一寄航は惑星イザナギになる。
双子星にイザナミがあるのだが、こちらは男性がステルス・スーツを着ないと降りられないのだ。
つまり、イザナミに普通に降りた男性は種無しブドウになってしまうからなんだな。
防音Lv12にはしたものの、まだブレーメンズ・クルーはイヤーウィスパーのお世話になっていた。
こりゃLv20位にしないといかんなぁ、とキラは後でナッシュに直訴するつもりでいた。
イザナミに着くまでは、ここは我慢だクルー達よ…。
おかげで寝不足のクルー達が休憩中に公園でよく昼寝をする姿が見られるようになった。
イザナミまではまだしばらくかかるし、ダ・シルバ夫妻は相変わらず昼夜を問わずラブラブだ。
「やでやで…」
キラは溜息をつきながら公園内でぼーっとしていた。
ダンテ君は猫科やげっ歯類ではないので、まだましな方だったがオスカー君や
シルビア君、コアラのモモ君やライオンのトマス甲板長も眠そーだった。
みんなでぼんやりしている所に、カンガルーのアームストロング船医がやってきた。
「皆、眠そうですな。キラ船長」
「やあ、ドクターも昼寝かい?」
「いやいや、イヤーウィスパーもそろそろ足りなさそうなので積荷の一部を使っていいか
聞こうと思いましてな。社長…じゃなかった、ナッシュ・クルーはご一緒では?」
生真面目なドクターがナッシュの姿を探して周りを見渡した。
「あ〜、この時間は甲板掃除じゃないかな。あのお調子者は」
キラが軽い気持ちで答えると、ドクターはキラの隣にどっこいしょと腰掛けた。
「そーいえば、この間ナッシュ・クルーを『グー』で殴ったでしょう?船長」
「あ〜…。そんな事もあったかな?あいつ、わざわざドクターに言い付けたのか?」
キラはむすっとして『あいつめ〜』という顔をした。
「いやいや。社長は言い付けたりしませんよ。頬にどう見ても鉄拳の跡がありまして。
ブレーメンズはご存知のように人に傷つけられる事はあっても傷つける事は出来ません。
そーなると、誰が殴ったかは一目瞭然ですな」
アームストロング船医はチラッとキラの拳を見つめた。
「うっ…。マザー・グースかよ…」
だ〜れが殴った ナッシュ・レギオン ってか?
「気の毒に、社長は奥歯がぐらぐらになってましたぞ?」
「ううっ…な、軟弱者め〜。きっと駄菓子の食いすぎで虫歯だったんだな」
キラは気まずそうにむにゃむにゃと弁解した。
>>66 Imprinting―インプリンティング―その13.
うとうとしていたモモ君が目を覚ますと、素朴な瞳で聞いて来た。
「船長は私達には優しいのに、なぜ社長には冷たいのですか?」
素朴に質問されて、キラは戸惑ってしまう。
いつの間にか居眠りしていたクルー達も目を覚まして、キラの答えを待っていた。
「社長も船長にあんな仕打ちをされても されても、懲りないですよねえ…。
うちに居ついてるリトル・グレイみたい。そもそも、社長とはどうして知り合ったんですかあ?」
「なんで社長は船長の船にばっかり乗るんでしょうね?
他にもいっぱい船をお持ちなのに。そんな所もリトル・グレイそっくり〜」
質問攻めにあったキラはたじたじとして汗をかいてしまった。
「う、う〜ん…。別に冷たくしているわけではないのだが。そんなに皆でいっぺんに質問するなよ〜
そ、それにさすがに リトル・グレイに社長を例えるのは可哀相なんでないかい?君達」
キラはクルーに囲まれて、たじたじとした。
ライオンのトマス君がボソッと言った。
「私達は元々一夫多妻制ですが、人間は基本的に一夫一婦制ですよね。
私達の元の習性では力を誇示してどっちがボスかを決めるんです。
これを『マウント』というのですが、この船では船長が社長を『マウント』してるんじゃないかな?」
一同は納得したように頷いた。
「ま、待て待て。ここでの彼には確かにクルーをさせているが、この船の持ち主はあくまで
社長のナッシュ・レギオンだぞ。マウントなんぞする訳はなかろー?」
ここで納得されては敵わんと、キラは必死で否定した。
何とか皆を納得させる言葉はないものかと考え込む。
そしてある結論をはじき出した。
「社長が私の船に執着するのは…Imprintingじゃないかな、と私は思う」
「インプリンティング…ですか?なんです、それは」
トマス君が聞いてくる。
アームストロングドクターは、キラの仮説を興味深そうに耳を傾けた。
「Imprinting、っちゅーのは20世紀前半ごろの学説でね。
コンラート・ローレンツっちゅー人がした実験結果なんだ。
つまり、『生まれて初めてみた、自分より大きくて動くものを親と思うようになる』
っていう、いわゆる刷り込みのことだな。
社長は元々社長業より船乗りになりたかった人なんだけどさ。
3年前に奇策を取って 初めて宇宙旅行に出たのが私の宇宙船だったんだよ。
だからじゃないかな〜と私は思うぞ。駄菓子好きとかいう秘密も握ってるしな」
何とかうまく説得できた…かな?
>>67 Imprinting―インプリンティング―その14.
「へえー。では、船長は3年も前から社長とお知り合いだったんですね」
ロマンチストのモモ君がうっとりしたように想像している。
「モモ君、モモ君。…そんな色気のある話じゃないんだ。妄想しないよーに」
キラは『内緒だぞ』と口止めしてから、ナッシュとの出会いを話して聞かせた。
「いいかい、あの社長はね 休暇中の私に無理やり渡航命令を出したんだ。
その理由ってのが、壊れたアンドロイドの修理という口実なんだから笑っちまうよな。
生まれて初めての宇宙の遠足に行きたいからって動機だけで、
狂ったアンドロイドの振りをしてまで船に乗り込んで、善良な社員を巻き込んだんだぞ〜。
まあ、今思い出してもその努力と言うかアホさには、涙ぐましさを
通り越して感心しちゃうけどね。見上げたもんだよ、全く」
キラは3年前を思い出して、だはは〜と笑って見せた。
「はぁ…ものすごい事したんですね〜。社長って」
「だろだろ?そこが宮仕えの悲しさだよな〜。
それから何故か気まぐれを起こす度に くっついて来るんだよ〜。
まぁ、憎めないところも多いんだけどね。たまには怒りたくもなるってもんだろ?」
…たまにはじゃないと思うけど…
ブレーメンズは思ったが、口には出さずに笑っていた。
アームストロングドクターは、キラの話を興味深く聞いていたがImprintingについての補足説明をしてきた。
「船長、Imprintingには生まれて最初に見たものを『親』と懐く意味もありますが、他にも意味がありますぞ」
「…へ?どんな?」
笑いながら交代の為立ち去ろうとしていたキラが、きょとんとして聞き返してくる。
「たとえば、猛禽でいうと、刷り込みの対象には、親の他に将来の性的パートナーの意味もあるのです。
つまり、恋愛対象ですな」
「はぁ〜〜??」
キラは世にも不思議な事を聞いたという表情になると、いきなり笑い出した。
「あのお調子者がそんな対象で私を見るはずはないって、ドクター。
3年前に宇宙遠足をした時だって、1ヶ月近く二人きりだったのに何も無かったぞ?
昔から手のかかるおっちょこちょいだったんだ。ナッシュ・レギオンって奴は」
わっはっは、と笑いながらキラはブリッジへと戻っていった。
残されたクルーも持ち場に戻りながら、キラとドクターの話を総合していた。
「でもさ、船長はあれだけど 社長って船長の事が好きじゃないのかな?」
「あ、やっぱりそう思う?私は船長も社長のことまんざらじゃないと思うなー」
「…人間の恋愛って難しいねぇ…」
「だね、だね〜。私らみたいになんで正直に物を言わないのかなー?」
「ヒトって不思議だねぇ…」
ブレーメンズには人間の恋愛感情がよく理解できなかった。
そしてそれは、ナッシュとキラも同じだった。
>>68 Imprinting―インプリンティング―その15.
…あの駄菓子好きのお調子者が私に恋愛感情…?あるわけないだろ〜そんなもん。
ブリッジに向いながら、キラは船医の言葉を思い出していた。
すると、タイミングを計った様に 廊下の向こうからモップを担いだナッシュがやって来る。
「やあ、キラ。休憩はもう終わりかい?私も掃除を終えたところだよ〜」
ナッシュは呑気そうにキラに笑いかけた。
…こいつが私をねぇ…?キラは無言でナッシュを見つめてみる。
「そ、そんなに睨まなくても 手なんか抜いてないよー?」
…やっぱり、あり得ないな。
キラは独りで納得すると、焦っているナッシュに声をかけて歩き出した。
「…歯は大事にしろよ。おやつの後はちゃんと磨け」
「う、うん…??」
ナッシュは呆気に取られながら、キラの後姿を見送った。
惑星・イザナミまで後1ワープという所で、またまた まねっこから通信が来た。
「数日振りです、オリジナル」
「や、やあ、まねっこ。元気かい?」
「…元気ですよ。仕事も順調にこなしてますとも」
辛辣なまねっこの言葉にナッシュはたじろぐ。
「今日は、データとお知らせをするために通信しました」
「お知らせ?懸賞でも当たったのかい?」
「…冗談に付き合う気はありません。あなたの見合い相手をセレクトしました。
惑星・イザナミのレセプション会場にお出でになりますから失礼のないように願います」
唐突なまねっこの発言に、ナッシュは仰天した。
「ちょ、ちょっと待て。コピー!なんでいきなり決めるんだ?」
「いきなりじゃありませんよ。前から言っていたでしょう。
もういい年なんだから身を固めなさいと。
電子メールにデータを送付しておきましたから、ちゃんと見て置くように。では」
「こ、こら待て!まねっこ!」
またもナッシュの言葉に耳を貸さず、まねっこは通信を切ってしまった。
送られて来た電子メールには1枚の画像と経歴が書かれていた。
「アツコ・サクライW世…?マネー・バンクのお嬢様か。ったくもう、まねっこめ」
画像は美女だったが、ナッシュはただ戸惑うばかりだった。
「マスター ゴケッコンデスカ?メデタイ メデタイ メデタイネー!」
アンブレラが騒ぎ立てる。
「ちょっと黙ってくれ…アンブレラ」
…どおしよぉ…?こんなお嬢様とお付き合いしたら、駄菓子も遠足も無理じゃないか。
ず〜んと落ち込むナッシュだった。
(すみません、お見合い相手というとこの方しか浮かびませんでした)
>>69 Imprinting―インプリンティング―その16.
ブリッジでは、おしゃべりなアンブレラが情報を既にリークしていた。
「キャ、キャプテン!大変です!
社長…じゃなかった、ナッシュ・クルーがお見合いですって!」
シルビア君がキラに慌てて報告した。
「ほー。見合いかぁ、確かに嫁さんもらう年頃だからなー」
キラは内心驚いたが、所詮自分は社員であり小市民で保護者代わりだ。
いつかはこうなるだろうと思ってたのが早まっただけさ、と考えていた。
「じゃ、やはりイザナミに着いたら至急で防音Lvあげなきゃなー」
「船長、気にならないんですか?」
「なんで?あのおっちょこちょいも結婚すれば落ち着くだろ。
これで今後の仕事も邪魔されなくなるじゃないか。結構なことだ。
それより、そろそろ最終ワープでイザナミだぞ」
「イ、イエッサー!」
…結婚しても、駄菓子を食わせてくれる嫁さんだといいな、社長。
息子を嫁に出す母親の心境ってこんなものかなと、寂しく思うキラだった。
最終ワープが済み、ついに惑星・イザナミに到着した。
「さぁ、みんな。今夜はレセプションだ。正装して楽しんでくれ」
「アイアイ・サー!」
ブレーメンズはキラとナッシュが気になりながらも、初めてのパーティーに舞い上がっていた。
キラはイザナミの整備士に防音LvのUPを頼むと、自分も着替える為 自室に篭った。
実家の母親が衣装を送ってくれていたので開けてみてぎょっとした。
「かーちゃん…これを着ろと言うのかよ…」
キラもどんより落ち込んだ。
イザナミの歓迎レセプションは、豪華なホテルを借り切って行われていた。
タキシードに身を包んだダンテ君が、キラを会場までエスコートしてくれる。
「わぁ、豪華でにぎやかですねー!キャプテン!」
「…そうだな」
キラは喜ぶクルー達に力なく相槌を打った。
懐かしい顔ぶれが勢ぞろいしている。
皆、ブレーメンズにも好意的で キラは少し安心した。
>>70 Imprinting―インプリンティング―その17.
「キラ!珍しいドレスを着ているじゃないか」
タキシード姿に早速料理を取り分けた小皿を持って、ナッシュが近寄ってきた。
「ああ…。これはジャパン・エリアの正装で『振袖』っちゅーんだ。きつくてすんごく動きにくい」
「へ〜。変わってるけどよく似合ってるよ」
ナッシュは料理をぱくつきながら、お世辞らしきものを言う。
「…あんまりがっついて、タキシード汚すなよ?これからスピーチがあるんだろ?」
帯がきつくてあまり食欲がないキラは、不機嫌そうにナッシュに言った。
…くそぅ。自分ばかり うまそーに食いやがって!
「だいじょぶ だいじょぶ。私はこの格好には慣れてるからさ。
おいしいよ?キラも食べないか」
「…帯がきつくて入らんのだ。くっそー!次の惑星までにドレスを買うぞ」
食べる時は幸せそうなナッシュを、キラは恨めしそうに睨んだ。
お笑い芸人のような蝶ネクタイをした司会が ナッシュを紹介した。
「え〜、では 多大なる功績を挙げたブレーメンUの会社社長である
スカイ・アイ社のナッシュレギオン様に一言お願いいたします」
盛大な拍手が起こり、シリアスな顔をしたナッシュが壇上に上がった。
「ああしてると、別人みたいにかっこいいですね〜うちの社長」
ダンテ君が嬉しそうにキラに囁いた。
「そだなー。さすが27年も猫をかぶってきただけはある」
キラにさえ、とても隠れて駄菓子を食らっていたナッシュには見えなかった。
「当社は、先行してブレーメンズを採用した。何故かと言うと企業の原則に基づいたからである
企業の原則とは、それ自体常に冷静であるべきである。畢尭、状況には多様な局面が存在する。
故に私は一義的な判断は望まない。そして、あるいは―現象。
ましてやそれが無視し得ない現象であっても、我々は多角的視点という柔軟な方針を忘れてはならない。
ブレーメンズの誕生と存在意義は、この原則と現象にのっとったものであり、
過去の多大な功績から見ても 歓迎し、偉大な人材としてその存在を認めるものである」
「何やら小難しい事言ってるなぁ…。中身コピーと変わってるんじゃねーか?」
思わずキラが呟くほどの、普段との落差である。
スピーチが終わると、拍手喝采となり『ブレーメンズに幸あれ!』と、シュプレヒコールが飛び交った。
クルー達は感激してうるうると涙ぐんでいた。
「てへっ。どーだった?キラ。少しは見直したでしょ」
壇上から戻ってきたナッシュは、いつものお調子ものの顔に戻っていた。
「ま、まあな。いつもああなら、叱られないで済むぞ」
キラは皮肉っぽく言ったが、実はかなり見直していた。
そこへ、人ごみを縫って 一人の美女が進み出てきた。
ナッシュの見合い相手、アツコ・サクライW世様だ。
「はじめまして、レギオン社長。とてもご立派なスピーチでしたわ」
ナッシュは戸惑ったが、スカイ・アイ社長の顔を作り上げるとアツコ様に振り向いた。
「はじめまして、アツコ・サクライW世様ですね。ナッシュ・レギオンです」
アツコ様はにっこり微笑むとキラにも挨拶をしてきた。
「社長のご自慢の船長、キラ・イレブンナイン様ですね。今後ともよろしくお願いします」
「あ〜、ども。キラ・ナルセです〜お会いできて嬉しいです」
第一印象は中々感じのいい人でないかい?と、キラは思った。
>>71 Imprinting―インプリンティング―その18.
「お美しい方に出会えて光栄です。アツコ・サクライW世様。
ブレーメンUの副長をさせていただいているダンテと申しますです」
礼儀正しいダンテ君も、アツコ様に丁寧な自己紹介をした。
が、気がつかなかったのか アツコ様はダンテ君の挨拶には答えなかった。
「…?」
キラはちょっと不審に思ったが、ダンテ君は照れくさそうに頭を掻いた。
「あ、あれ…?私の声、小さかったですかね、キャプテン」
「うんにゃ。私にははっきり聞こえてたぞ ダンテ君」
アツコ様は何事もなかったように、ナッシュに擦り寄って会話している。
「踊っていただけます?レギオン様」
アツコ様はそう言うと、合図で音楽が流され、ナッシュとダンスを踊り始めた。
他の人間達もそれに合わせて踊り始めたが、ソシアル・ダンスなど習ってない
ブレーメンズはおろおろして壁際に寄ってしまった。
「船長。すみません、私達踊れなくって…」
情けなさそうに謝っているブレーメンズを気の毒に思いながら、キラはアツコ様が
ブレーメンズを無視している事に気がついた。
さっきのダンテ君への態度もそうだ。無視だ。差別だ。偏見だ。
「気にするな。今日の主役は君達なんだから胸を張れ。
日々、忙しく働く動物達がソシアルダンスを踊れるはずもないじゃないか。…これはわざとの嫌がらせと見た」
ブレーメンズを祝う席でブレーメンズに偏見とは何様だあ!?
キラは怒りに燃えたぎった。
「…そっちがそう来るならこっちにも考えがある。祝福してやるつもりだったが、やめだ!」
キラはダ・シルバ夫妻や呂先生・レオ達のところに行くと何やら耳打ちをした。
猫好きのレオはにっこり笑ってOKサインを出した。他の人達も快く同意した。
「君達、マイムマイムなら以前みんなで踊って覚えているな?」
キラはクルー達に確認すると、みんなで手を繋ぎ合わせた。
レオの合図で音楽が変わった。
正装の場には場違いな、「マイム・マイム」が流れ出した。
キラは得意の大声で叫んだ。
「さぁ、地球生まれの仲間達と異星人も、みんな輪になり手を繋いで踊ろう!」
ダ・シルバ夫妻・呂先生・連邦補佐官のレオ君、ブレーメンUが寄航した先で出合ったみんなが
大事なクルー達と手を繋ぎあい、マイムマイムの輪が広がり出す。
キラは振袖の裾も気にせずに、ばっさばっさと踊っていた。
ヒトもブレーメンズもリトル・グレイもアンドロイド・アリスも関係なく、マイムマイムを楽しそうに踊る。
>>72 Imprinting―インプリンティング―その19.
ナッシュと踊っていたアツコ様は呆然として、どんどん大きくなる輪を見ていた。
「私たちも混じりませんか、アツコ様」
ナッシュも混じりたくて うずうずしながらアツコ様を誘ってみた。
「わ、私 ケモノには慣れておりませんの。二人で場所を変えません?」
ハンカチで口を覆うアツコ様を見て、ナッシュはにっこり微笑んだ。
「残念ですね。私の会社にはブレーメンズは欠かせないのです」
そう言ってアツコ様の手を離したナッシュは、皆の輪の中に入っていった。
「楽しいかい?ダンテ君達」
ナッシュは音楽に負けないように大声で言った。
「はい!とっても楽しいです!社長!」
ナッシュが笑った。キラもみんなも笑っている。ブレーメンズも大喜びだ。
各惑星の代表達が、手に手を取って たりらりら〜の大円舞だぁ。
「…なんで4代続いてお見合いで振られなきゃならないのよ!」
アツコ様は悔しそうに、一人ハンカチを噛んでいた。
惑星・イザナミでのレセプションは大にぎわいのうちに幕を閉じた。
まー、これも私ららしくていーじゃないか。
すっかり着乱れて昔のジャパン・ホラーに出てくるサダコみたいになりながら、
キラは満足げにしんとした会場を見つめていた。
「しかし、やはりあいつには謝らないとな…」
キラは決意をしながらブレーメンUに戻っていった。
>>73 Imprinting―インプリンティング―その20.
ブレーメンUは工事中なので、クルーとリトル・グレイだけが残っていた。
タキシードからいつもの作業服に着替え、モップを持ったナッシュは部屋から出た。
すると、解けかけた帯に着崩れた振袖姿の女が部屋の外にボーっとうつむいて立っていた。
「ひぇっ!?」
ナッシュは子供の頃見たB級ホラーを思い出して、一瞬後ずさりしてしまった。
「えっと…社長、どうもすんませんでした」
よく見ると、気まずそうな顔をしたキラが謝っている。
「え?いや、その姿にはびっくりしたけどさ。素直に謝られるとそっちの方が怖いよ」
出会いがしらの恐怖で、しんぞーをバクバクさせながらナッシュが答えた。
「なにが怖いんだよ、しつれーな!私が謝ってるのは見合いの話しだ!!」
「…え?」
「アツコ様を怒らせちゃっただろ。悪かったと思ってるよ」
珍しく、キラが申し訳なさそうにナッシュに頭を下げていた。
「あ、ああ、そっちか…。そっちは気にしないでいいよ。
クルー達がパーティーでのけ者にされたんで腹を立てたんでしょ?
キラは怖いけどお人よしだし、怒る時はいつも筋は通っているから」
ナッシュは照れくさそうに笑いながら、キラの頭をぽんぽんと叩いた。
「ブレーメンズを差別する人は私もお嫁にはしたくないし。
それに、まだまだ私はキラと一緒に宇宙を旅していたいしね」
キラは戸惑ったような顔をして、独り言を呟いた。
「Imprinting…?」
自分で口にしてキラの顔は赤くなる。
ナッシュは相変わらず呑気に言った。
「え?なんて言ったの?それよりその格好、クルーも怖がるから早く着替えた方がいいよ。
さっきは私もほんとに一瞬しんぞーが止まった程怖かったから」
「……デリカシーのないやつめ!ちっとは乙女心を理解しろ!」
キラは顔を真っ赤にして、またもナッシュをグーで殴った。
…だから、乙女は男を『グー』で殴らないって…
「明日には工事も終わって出航だ。今夜は掃除免除で休んでよし!以上」
キラは着物をずるずる引きずりながら、踵を返して歩き出した。途中で立ち止まると、振り向いてびしっと言う。
「寝る前に駄菓子食ったら歯を磨いて寝ろよ!ナッシュ・クルー」
怒ると怖いし行動派だけど、誰より人間味溢れているのがキラなのだと、
ナッシュはもう 3年前から知っている事に気が付いていた。
優秀なパイロットであり、無謀で怖い人情家、それが彼女 キラ・ナルセなのだ。
なんだか矛盾する性格が可笑しくて、ナッシュは笑いながら答える。
「アイアイ、キラ」
キラは着崩れたキモノをずるずる引きずりながら自室に向かっていた。
うちの社長の性格を一言で現そうとするのなら「おっちょこちょい」他にも色々欠点はあるが
『駄菓子好き』とか『調子こき』とか。…が、結局の所 広量大度(心の広い人)ではあるのだ。
たとえ根拠に乏しかろーと、こんな姿勢が下の者を安心させるのかも。
この長所の前では多少の欠点など我慢できる…かな?とキラは素直に思い始めていた。
やっとこ題名が出せてまだ続きます…
>アツコ・サクライIV世
お見合いつーたらやはりこの方ですか!!w
しかも四代続けてお見合いで振られるって…w
そして「サダコ」。
GJ!!です、楽しませて頂いております。
続きも楽しみにさせて頂きます。
>>74 退屈なエロなし長編ですみません…
寄航先をイザナギのはずがイザナミに間違えてました
そこまで読んで下さった方は 脳内変換をお願いします
アツコ様テラワロス。
可哀想ではあるけど、ミカエルでの殿下とのお見合いと同じで、
ああいう役回りが似あってしまうキャラなのかな。
でも四代続けてお見合いで失敗しているということは、代々恋愛
結婚なのかしらん?w
アツコ様ワロス
続き楽しみにしてます
お見合い相手にはやはしアツコ様だよなw
にしても面白い!原作絵で場面場面を想像しちゃった。
続き、楽しみに待ってます!
ブレーメンU、すごい!萌え悶えてます。
まさしく原作の続きを読んでいるようですよ。
>だってさー、初めての遠足に行くまでは会社が恋人で男女交際もした事ないんだよ?
やっぱり、ナッシュはこのキャラ設定ですね。
続き、楽しみに待ってます!
保管庫中の人さまへ
保管庫の管理・更新いつもお疲れ様です。
妄想のバビロンを書いた者です。
この作品は何も無いときの暇つぶしにでも、
スレの皆さんに読んでもらえればと思って書いたものです。
読みたい方だけスレログ等で流し読みして頂ければ幸いです。
妄想のバビロンは全て保管庫には掲載しないでください。
宜しくお願い致します。
保管庫の管理が問題になった時、快く引き受けて下さって有難うございました。
おかげ様で素晴らしい川原作品を、いつもとても楽しく拝見することができます。
本当に感謝しています。
無理せず、これからも長く続けてください。
スレログをUPして下さった方へ
dat落ちしていた過去ログをまとめてUPして下り、
過去の萌え話を楽しく拝見することができて、本当に嬉しかったです。
おかげ様でかなりのネタを収集することが出来ました。
大変お世話になりました。有難うございました。
>>81 > 妄想のバビロンを書いた者様
え〜〜!もったいないですよ!
楽しく読ませていただきましたし、こちらの方が長くてお恥ずかしいです。
ぜひ保管庫へ希望します〜〜
>>74 まだ続くのか!とお怒りの方すみません。他の作家様も気にせず投下してくださいね。
Imprinting―インプリンティング―その21.
ブレーメンの航行はまだまだ続く。次の寄港地は花の惑星・フロリナだ。
各惑星でのレセプションもまだまだ続く。
イザナギで防音Lvを最強にしたおかげで、クルーにも安眠の日々が戻ってきた。
ブリッジではクルー達が、イザナギでのパーティーを楽しそうに話している。
「は〜。私、あんな綺麗なドレス着て立派なパーティーに出たの初めてです。楽しかったなぁ…」
航宙図士のシルビア君がうっとりとため息をつく。
「みんなで踊ったダンスも楽しかったですね〜」
マイムマイムを鼻歌で歌いながら、オスカー君も楽しそーだ。
「私たちは踊れなかったけど、二人ペアで踊るダンスも綺麗でしたよねっ!」
お茶を持ってきてくれたモモ君も、夢見がちな顔で思い出していた。
「う〜む。やはりクルー達に恥をかかせないためにもダンス位覚えさせておくか」
キラは船長としてクルーの事を考えた。
…社長に相談してみるか。
キラは立ち上がると、ダンテ君にナッシュの居場所を尋ねた。
「あ、社長はまた通信室で通信中です」
「そか、ありがとう。ダンテ君」
やでやで…。きっとお見合いの事でまねっこに怒られてるんだな、とキラは思った。
自分にもアツコ様の件では無関係とは言えないので、怒られてたら一緒に謝ってやるか。
「少し席をはずすので、指揮権を任せていいかな?ダンテ君」
「イエッサー、キャプテン」
生真面目なダンテ君にお願いすると、キラは通信室へと向かっていった。
案の定、オリジナルがコピーに大画面で叱られている。
「失礼のないようにと言ったのに、やってくれましたね〜!オリジナル」
アンドロイドの三白眼は、よっぽどオリジナルより迫力があった。
「あ〜…、私としても今回の件については、真に遺憾に思っているのだが…」
ナッシュはもにょもにょと弁解をしている。
ナッシュ同士のやり取りを見て、ぷっと吹き出してしまったキラが画面の前に歩み出た。
「や、やあ。まねっこ、おひさー!ちょっとお邪魔するよ」
「あれっ?キラ船長どしたの?」
ナッシュは驚いたようにキラを見ている。
「お久しぶりです。キラ・イレブンナイン、何か御用ですか?」
ナッシュ・まねっこは無表情でキラに挨拶してきた。
「いや、今回のお見合いの件では 私にも責任があるからさ〜。
あんまり叱らないでやって欲しいと減刑を願いに来たんだ」
「キラ〜…!」
ナッシュは感激してキラの後ろに逃げ込んだ。
>>84 Imprinting―インプリンティング―その22.
ナッシュ・まねっこは、人間臭く溜息をついた。
「まぁ、言われるまでも無く 今回のお相手はこちらのデータ確認が足りませんでした。
確かに今時まだブレーメンズに差別意識を持つようでは、社長夫人は務まりませんからね」
二人はほっとして、手を取り合った。
「だ、だよね だよね!まねっこ。わかってくれて嬉しいよ」
はしゃぐナッシュをちらっと見ると、まねっこは次の言葉を切り出した。
「そこで、新たにデータを入力して 新しいお相手をセレクトしました。
今度はブレーメンズに偏見を持たない事を条件に加えてあります。
これからデータを送信しますので…」
またも仰天したナッシュは、慌ててまねっこの言葉を遮った。
「ま、待て!まねっこ!セレクトはもういい。私は自分で相手をもう見つけたから!」
まねっこは 珍しく意外そうに驚いた顔をした。
キラもあの騒ぎの中でナッシュが相手を見つけたと言う事に驚いた。
「…ほう。あなたにしては手際が宜しい。で、そのお相手とはどこのどなたです?」
「うっ…!」
ナッシュは口ごもってしまった。
…あ〜あ。こいつ、苦し紛れに口から出任せを言っちまったんだろーな。
と、キラは背後にいるナッシュの相変わらずお調子こきに 呆れながら黙っていた。
ナッシュはキラの後ろでギョックンとつばを飲み込むと、意を決したように言った。
「ここにいるキラだよ、まねっこ。私は彼女を愛していると気づいたんだ!」
まねっこが驚いたように目を見開いた。
キラの方は、それ以上にびっくら仰天して後ろのナッシュを見上げた。
…よりによって、なんちゅ〜無謀なでまかせを言い出すんだ、こいつは!
そんなデマが通じるほど、超A級アンドロイドは甘くないぞ??
キラは呆れて物も言えなかった。
しかし、まねっこの反応は キラの予想を裏切った。
「…なるほど。イレブン・ナインでしたか。それなら、今までの行動原理も説明がつきますね。
それで、互いの意思は確認したんですか?オリジナル」
…そこで納得するのかよ!?
と、キラはますます驚いたが ナッシュはすがる目でキラを見ながらコピーに畳み掛けた。
「も、もちろんさっ!
彼女はまだ勤務契約中だが、契約終了後、結婚を前提に付き合ってるんだ。ね?ね?キラ!?」
『いや、それは初耳だぞ。社長』
キラは心の中で叫んだが、助けを求めるナッシュの視線に どう答えるべきか困っていた。
「そうなんですか?イレブン・ナイン。オリジナルの一人相撲じゃないのですか?」
…さすがだ。まねっこは鋭い。キラはコピーの洞察力に内心 感心していた。
>>85 Imprinting―インプリンティング―その23.
「キ、キラ〜!やだな〜、彼女 恥ずかしがってるんだよ まねっこ」
「…私にはそのように見えませんが?オリジナル」
ナッシュはまねっこの鋭い視線に、いちかばちかの博打に出た。
「よ、よし!じゃ証拠を見せるから納得しろよ!まねっこ」
ナッシュは意を決すると、いきなりキラを抱きしめて大画面に向かってキスをして見せた。
……い、いきなり あにすんだ!?こいつはーー!!
いきなり唇を奪われたキラは、あまりの驚きと予想外のナッシュの力強さで固まったまま動けないでいた。
しかもキスされる時、鼻をぶつける不器用さにも ちょっと呆れるキラだった。
唇を重ねあっている二人をしばらく見ていたまねっこは、納得したように言い残した。
「成る程。わかりました、いいでしょう。
私も覗き見は趣味ではないので、後はごゆっくりどうぞ。セレクトデータは消去します」
ぷちっとまねっこが通信を切った。
我に返ったキラは、まだ唇を重ねているナッシュを突き飛ばした。
「いつまでやってんだ!ばか者めが!第一あんな嘘を付いて、どーゆーつもりだ!?」
思わず赤面しながらナッシュに怒鳴りつける。
「だ、だってさ〜。キラが答えてくれないんだもん。咄嗟にああするしかなかったんだよ〜」
拳を振り上げるキラから逃げるように、ナッシュは身構えた。
「咄嗟に乙女の唇を奪う奴があるか!嘘ならもっとマシな嘘をつけ!たわけめが!」
「じゅ、順序は逆になっちゃったけど嘘じゃないんだよ!
私はキラが好きだって、こないだやっと気づいたんだ!」
鉄建に脅えながらナッシュは告白した。
「…はぁぁ!?」
拳を振り下ろそうとしたキラは、またも驚いて固まった。
「なかなか怖くて言い出せなかったけど、本当なんだ。私も自分に驚いてるんだよ キラ」
「…ちょ、ちょっと待て。話がよく見えないんだが…」
混乱するキラに、ナッシュは焦って告白を続けた。
「自分でも気づかなかったんだが、私は大雑把で乱暴な所もひっくるめて 君がどうも好きらしいんだ。
君の答えを聞く前に事後承諾になってしまった事は遺憾に思っている」
つ、つまりこいつはImprintingの恋愛対象として私を認識したって事か?
赤くなって固まっているキラに警戒心を解いて、ナッシュは続けた。
「えと、私の気持ちは今述べたとおりだ。急がないので、前向きに検討してくれると嬉しい。キラ」
キラは思いもかけなかった告白に動揺したが、政治的なセリフで告白するナッシュを
とりあえず『グー』で殴っておいた。
「ひ、人が真面目に告白してるのに 殴ることないやんか〜!キラ」
「あ、つい条件反射で…。ま、まあ君の気持ちには前向きに考えておくよ。では」
赤い顔のまま、キラは通信室を後にした。
キラはかなりびっくりしたが、驚いてもなるべき事はなるよーにしかならない。
自分も社長を見直した部分は多大にあるし まあ、なる様になるだろー。
と、思う事にした。
>>86 Imprinting―インプリンティング―その24.
勿論、この事件も おしゃべりコンピューターのアンブレラによって伝えられ、
ブレーメンズでは暗黙の了解として見守られる事になった。
「えーと、時間割を作っておいたので クルー達は空き時間に参加するよーに」
キラの提案で、公園内に小ホールが設けられた。
ブレーメンズがダンスの練習をする為である。
ブレーメンU内で ダンス教室が作られた事は、早速ニュースに取り上げられた。
講師はナッシュ・レギオンとダ・シルバ夫妻である。
「わ〜!楽しみだなぁ。船長、船長。船長は講師をなさらないんですか?」
わくわくしたブレーメンズがキラに聞いてくる。
キラは気まずそうな顔をして、咳払いをした。
「あ〜、私は色々と忙しい…っちゅ〜か、実は踊れないのだ。君たちと一緒に生徒をやる」
…フォーク・ダンスなら習ったんだけどね…
この提案をすると、ジゼル夫人は楽しそうに瞳を輝かせた。
「まぁ、素晴しいですわ!毎日がダンス・パーティーみたいでわくわくします。ね、ラウル」
「う、うんうん。そうだねー」
こうしてダンス教室が開催された。
講師たちの指導で、ブレーメンズはダンスのステップを習う。
さすが動物達は野生のカンがよく、少し教えれば見る間に上達していった。
「まぁ、みなさんとても上達が早いですわ!」
ジゼルがブレーメンズを褒めてくれる。
「ありがとうございます。ダ・シルバ夫人、ダンスってとっても楽しいですね〜!」
ブレーメンズも適度な運動とハイソなダンスを毎日楽しんでいた。
驚く事に、ダンスにかけては くつくつ虫ことリトル・グレイが非凡な才能を発揮した。
23号とペアを組み、ワルツ・タンゴ・ジルバと軽快なリズムで踊っている。
「ほぉ、意外な才能だな」
とダ・シルバ夫妻も驚いていた。
「…ところで、あそこはダンスじゃなくて格闘技でもやっているのかい?」
ラウルが指差す先では、ナッシュがキラに悪戦苦闘していた。
「ワン・ツー・スリー…いてっ!」
ナッシュが足を運ぶたびに、キラの足がぎゅむっ!と踏みつけるのだ。
「…キラ。もしかして、わざとやってない?」
「…そう見えるか。ナッシュ・クルー、私はこれでも真剣だ。
私の差し出す足の下に、お前の足があるのがいけないんだ!」
「いや…、普通ダンスは男性がリードして女性はそれについて来るんだけど」
「そーゆー差別はよくないと思うぞ。ほれ、続けろ!」
二人ともむっつりしながら組み合って、まるで『押さば引け、引かば押せ』と、
柔道の組み手のように見えた。
「ドレスやタキシードより胴着の方が似合いそうな雰囲気だな…。面白いけど」
「し、失礼よ、ラウル」
ジゼルも苦笑を隠せなかった。
「…誰にでも、得手・不得手ってあるんですねぇ…。」
ブレーメンズもフォローしきれずに苦笑していた。
『ムッキー!』と足元を見ながらステップを覚えようとするキラは、時々癇癪を起こして
ナッシュに足払いを仕掛けたりもした。
「いったーい!あにすんだよ、キラ」
「いや、隙があったからつい」
「今はダンスの練習でしょっ!真面目にやってよ。あったくもう…」
ダンス教室は、キラ以外のクルーにとっては順調な成果を上げていった。
>>87 Imprinting―インプリンティング―その25.
ワープが完了し、第二の目的地フロリナまで後数時間になる。
「う〜。いででで…」
ダンスの練習で生傷の耐えないナッシュはベッドに倒れこんだ。
ほとんどの傷はキラによっての打ち身だった。
「なんでダンスで打ち身を負うんだ…」
ぶつぶつ文句を言っていると、部屋をノックする音がした。
「はーい、誰?腰が痛いから、悪いけど勝手に入ってきてー」
電子ロックをはずすと、入ってきたのはキラだった。
「や、やあ。ナッシュ・クルー。昼間はご苦労だったね〜、お詫びにシップ持ってきたよ」
でへへ〜と笑いながら、シップの袋を見せている。
「腰を打ったのか?よしよし、私がシップを張ってやろう」
打ち身でうつぶせのまま動けないナッシュのパジャマをめくると、キラが腰にシップを張ってくれた。
…乙女はいきなり男性のパジャマをめくらないと思う…
ナッシュは思ったが、シップが気持ちいいので黙っていた。
「ねー、キラ」
「あんだい?ナッシュ・クルー」
ナッシュはちょっとドキドキしながら聞いてみた。
「この間の件、前向きに考えてくれてる?」
「ん〜?どの件だっけ〜」
「えーっ!?もしかして忘れてるの?」
キラの返事に、腰痛も忘れてナッシュが起き上がった。
「うっ…。いでででで!」
…やっぱり腰が痛かった。
キラはひとしきり笑い飛ばすと、笑ったせいなのか照れてるのかわからない赤い顔で言った。
「嘘だよー。忘れてないって。ちゃんと前向きに考えてるよ」
「ほんとかなぁ…」
全くそんな素振りも見せてくれなかったキラに、ナッシュは疑惑の目を向けた。
「疑い深いやっちゃな〜。ほれ、これが証拠だ」
かろうじて起き上がっているナッシュの唇に、キラの唇が重なってきた。
いきなりの行動にナッシュは驚いたが、かろうじて腰痛を堪えるとそのままキラを抱きしめた。
夢見心地でキラを抱きしめ、重ねた唇から舌を絡ませる。
絡み合った舌が互いを確かめ合っていると、突然キラがナッシュの頬を両手ではたいた。
「いてっ!なんだよ〜?キラ〜」
いきなり甘い世界から現実に引き戻されて、ナッシュはキラに文句を言った。
キラはしばらくナッシュを見つめると、ボソッと言った。
「…キスが甘い」
「え?私のキス、上手かった?」
ナッシュは照れて赤くなったが、次の言葉にしゅんとなった。
「違う。駄菓子を食った後は歯を磨けといっただろう!?
命令を聞かず、寝る前にチョコを食ったな?ナッシュ・クルー!」
キラはむっつりとすると立ち上がった。
「え〜やん…。肉体労働の後は甘いものが欲しくなるんだよ〜」
「言い訳は聞かん。命令違反につき、この続きはお預けだ。ちゃんと歯を磨いておけ」
そう言い残すと、キラはさっさと部屋を立ち去ってしまった。
ナッシュは腰痛で追いかける事が出来ず、呆然としたまま座っていた。
惑星・フロリナまでもうすぐだ。
申し訳ない。まだ続きます
>>83 そう言っていただけるのは大変嬉しいのですが、
まだまだ川原作品としては、修行が必要だと思っています。
優しいお言葉、本当にありがとうございます!
これで、また書く元気が出ます。
川原作品が沢山投下されて、本当に嬉しいです。
これからも、どんどん書いてください。
期待して、お待ちしています。
>二人ともむっつりしながら組み合って、まるで『押さば引け、引かば押せ』と、
>柔道の組み手のように見えた。
「はいからさんが通る」だー。懐かしいなあ。
やっと二人がお互いを恋愛対象として意識しだしましたね。
このあとどうやってエチーに流れ込むか楽しみです。
>妄想のバビロン作者さま
一読者としてはとりさげは悲しいですが、また作品ができたら
投稿していただけるような雰囲気。楽しみにしております。
柔道の組み手に見えるダンス…!
当たり前に川原絵で浮かんでしまって笑いましたw
本当にお見事。
長さはお気になさらずとも。
続き楽しみです。
92 :
保管庫中の人:2006/06/18(日) 01:53:39 ID:nj0pIMVc
妄想バビロン職人さま
了解致しました。
お申し出のあった『妄想バビロン』はスレログのみでの保管とし、保管庫へ
の収録は致しません。
(私個人としては大変残念ですが)
創作することの出来ない身としては保管庫の更新、管理くらいでしかスレの
盛り上がりに貢献出来ないのが歯がゆいのですが、今後の創作も一読者とし
て期待しております。
なんとなく、ダンスしながらキラがナッシュを片腕でリフトアップ
する様を想像……いや、宇宙なら重力も少ないし簡単かw
銀のロマンチックかw
わははw
>>88 Imprinting―インプリンティング―その26.
花の惑星フロリナに入航するとブレーメンズの憧れの星、ホワイトタイガーのシャキール君と
相棒のトム君が出迎えてくれていた。
連邦捜査官のシャキール君は ブレーメンズの第一期生で、皆の尊敬の的なのだ。
「ようこそお出でくださいました。レギオン社長、キラ船長 それとブレーメンUの諸君」
「やあ、シャキール君とトム君、久しぶり〜元気そうだね」
相変わらず颯爽としているシャキール君と気のよさそうなトム君は、花粉団子を手土産に
乗船してきた。
「今回はレセプション参加とそれまでの間のブレーメンU警護が任務なんです」
シャキール君が話す横で、相棒のトム君がにこにこと口を挟んできた。
「ブレーメンUの警護と言うのは名目で、ここで行われているダンス教室に我々も
参加して来いっていうのが任務なんですよ〜。
アリス・ファンタジオーソのブレーメンズも後から参加しに来ます。はい、これお土産です」
ナッシュが嬉しそーに花粉団子を受け取る。
「そかそか〜。レセプションまでは三日もあるから、きっとすぐに覚えられるよ。じゃ、早速レッスン会場に案内しよう」
キラもにこにこしながら二人を船内に案内した。
ホールでは、既にダンスをマスターしたブレーメンズが楽しそうに踊っていたが、
シャキール君の姿を見ると 皆嬉しそーに駆け寄ってきた。
「シャキールさん シャキールさん、ご無沙汰してます!また会えて嬉しいです〜」
クルー達も嬉しそーだ。
「やあ、今回はダンスの生徒としてみんなに教えてもらいに来たよ。よろしく頼む」
ブレーメンズは大喜びでシャキール君を歓迎し、皆で競って相手をしようとしていた。
後からすぐ、アリスの会社のブレーメンズも合流し ホールでは狭いので公園全部を解放して
ダンス教室が始められた。
やはり野生のカンが鋭いブレーメンズは、あっという間にステップをマスターしてゆく。
「う〜ん、さすがにブレーメンズは素質がいいね〜。
今回のレセプションは、ダンス・パーティーになりそーだな」
ラウルが感心したように呟くと、ジゼルも楽しそうに同意していた。
「…ただ、キラ船長がまだ問題だなぁ」
相変わらずナッシュが悪戦苦闘しながらキラを特訓しているが、足は踏まれるは、転がされるはで、
キラのダンスは前途多難に見えた。
>>96 Imprinting―インプリンティング―その27.
優秀なシャキール君はわずかの間にダンスをマスターすると、キラ達を見て聞いてくる。
「社長と船長は格闘技の披露でもするんですか?」
ペアを組んでいたシルビア君が、苦笑いしながら説明する。
「ち、違いますよ〜、シャキールさん。あれでも同じダンスを踊っているんです」
ブレーメンUのクルー達が二人の会話を聞いて失笑した。
…聞こえてるよ、シャキール君…
今日も何度目かナッシュを転がしたキラが、むっつりと呟いた。
「だから痛いって〜キラ。いい加減足捌きを覚えてよ。ち、ちょっと休憩」
まだ腰痛の残るナッシュが泣きそうな顔で苦情を言った。
「…ちっ、普段から鍛えてないから腰に来るんだ。ナッシュ・クルー。
いいもんねー。せっかくだからシャキール君に相手をしてもらおう」
「ええっ!シャキールさんにそんな無謀な事を…!」
ブレーメンUのクルーは狼狽したが、キラは気にせずシャキール君に申し込んだ。
「せ、船長。私は覚えたてなので、新しいステップはわかりませんよ?」
シャキール君は周りの雰囲気を察して不安になったが、にこやかなキラの申し出を断る事が出来なかった。
周囲が不安そうに見守る中、キラとシャキール君は踊りだした。
しかし、ナッシュの時とは違って 二人のダンスは一応様になっていた。
「ふ〜。楽しかった。何とかダンスはマスターできたよ。ありがとうね!シャキール君」
キラは満足そうに笑うと、シャキール君にお礼を言った。
「えええ〜!なんでなんで!?私の時は足踏みまくりだったのに!
やっぱりわざとだったんだな〜?キラ!」
ナッシュは納得いかない顔で、キラに詰め寄った。
「わざとな訳ねーだろーが。社長のエスコートがシャキール君よりヘタなんだろ。もっと精進しろ」
キラはずばっとナッシュに言う。
「シャ、シャキールさん、大丈夫でしたか!?」
アームストロング船医がシャキール君を心配して近寄った。
「はい。スリリングでしたが、足元に殺気を感じたらすぐよけましたので。ダンスとは奥が深いものなんですねえ」
シャキール君はやや緊張した表情で、キラとのダンスの感想を述べた。
>>97 Imprinting―インプリンティング―その28.
「うん、さすがはブレーメンズの星だ。キラ船長のダンス攻略法をいち早く見抜いたんだな。
殺気を感じたら足をよければ、普通に船長も踊れるわけだ。
普段から駄菓子ばかり食ってる奴は、咄嗟の判断が鈍いんだろう」
シャキール君の言葉を分析したラウルが、ナッシュに追い討ちをかけた。
「そ、それって 私がとろいって事…?」
ナッシュはがっくり膝を折ると、地面に両手をついて落ち込んだ。
「まぁ、レギオン社長ったら。
とろいと馬の格好をかけあわせてトロイの木馬の真似をなさるなんて、お茶目さんですわ!」
ジゼルはナッシュの格好を 笑いを取るパフォーマンスと勘違いして、屈託無く笑う。
「違いますよ…ジゼル。違うと言ってるだろ!降りろよ!ラウル」
四つん這いになったナッシュに跨るラウルを、ナッシュは大声で怒鳴った。
「なんだ。珍しく気の利いたジョークだと思ったのに」
ラウルはナッシュに跨ったまま、腕組をして高らかに笑った。
「腰が痛いんだから降りろってば!」
「やだ」
「ラ、ラウルったら…」
ジゼルのほうが恥ずかしがってラウルを止めようとしていた。
「うちの社長がΩヴェリタリスの社長にマウントされてる…」
ライオンのトマス君が複雑そうな顔で呟いた。
ナッシュはかっかと怒ったが、まだ腰が痛くて抵抗できないでいた。
『ち、ちくしょぉぉぉ!ラウルとキラのばかっ!』
心の中で罵倒するのが精一杯だった。
すっかり気をよくしたキラは、そんなナッシュに目もくれず 今度はオスカー君達とダンスのおさらいをしていた。
「船長と踊る時は、足元に全神経を集中した方がいいぞ。すごいスリルだから気をつけようね」
ブレーメンズの男性陣はこそこそと、キラと踊る時の心構えを伝え合うのであった。
ナッシュはアームストロング船医に担架で医務室に運ばれて、腰痛の治療を受ける羽目になった。
>>98 Imprinting―インプリンティング―その29.
ようやく三日後に腰痛も癒え、フロリナのレセプションはやはりダンスパーティーだった。
華やかなダンス会場で、今度は踊れるブレーメンズが 嬉しそうにみんなと踊った。
結局 キラのダンスにまともに対応できたのは緊張したブレーメンズばかりで、人間は皆、
練習時のナッシュと同じ目にあってしまった。
「まるで、『踊る凶器』ですな。キラ船長は…」
キラに足を踏まれ、転がされた招待客たちは 影でこそこそ囁きあった。
『な〜んだ、やっぱり私だけじゃなかったじゃないか』
内心プライドが復活して、ナッシュはにんまりしてしまう。
フロリナでのレセプションも、こうして大盛況で無事?に終わった。
フロリナには五日間の滞在予定だったので、クルーたちは交代でフロリナを観光する事が出来た。
ナッシュとキラは勤務時間が合わなかったので、各自で行動する事になっていた。
先に自由時間になったナッシュは、ブレーメンズ達と花粉団子の店に寄ったり、フラワーパークに遊びに出かけた。
一面の花に感激しているブレーメンズに、ナッシュは懐かしい話をした。
「初めてキラとここに来た時はね、あんまり花が綺麗だから花見をしながらおやつを食べたり、
キラ達に花冠を作ってお土産にしたんだよ。
その時は無断外出だったんで、戻った時は恐ろしい顔のキラにすっごく怒られたんだけどね〜」
乙女チックなモモ君が、『花冠』に興味を示した。
「しゃ、社長。その花冠って、私たちにも作れますか?」
他のクルーもわくわくしていた。
ナッシュはにっこり笑うと、クルー達に提案した。
「簡単だから作れるよ。船に残っているクルーにも、お土産に作って帰ろうか。
きっと、キラには作れないだろうしね」
「わぁ〜!すっごくいいアイデアです!社長」
ナッシュとクルー達は 張り切って花を摘み取ると花冠の製作を始めた。
花冠を抱えた一行は、ブレーメンUに戻るとみんなにお土産を配り歩いた。
ナッシュもキラに花冠を渡したが、今度は怒鳴られないで済んだ。
花をもらって怒る奴はそんなにいない。
冠をかぶせてもらったキラも、懐かしそうに笑った。
「あの頃は二人きりの遠足だったけど、今みたいな日が来るとは思わなかったね。キラ」
「そだな〜。あの時の社長は壊れたアンドロイドだと思ってたから、なんだか不思議だ。
今度はおやつを食い尽くさないで済んだんだな。ナッシュ・クルー」
「うん。ブースを撤去したから、まだ在庫はたくさんあるしね」
「くだらない思い付きをするな。…在庫を一気に食い尽くすんじゃないぞ」
全く。いつも一言余計で雰囲気を台無しにする奴だ、とキラは思った。
>>99 Imprinting―インプリンティング―その30.
その晩、キラが部屋に戻るとナッシュが訪ねて来た。
「どーした?社長。何か問題でも起こったか?」
いつに無く真面目な顔をしているナッシュにキラは尋ねた。
「問題じゃなくてさ。もうひとつお土産があるんで渡しに来たんだ。入っていい?」
「なんだよ、改まって。お茶くらいなら出すから入れば?」
キラの部屋に入ったナッシュは、ポケットから小さなはこを取り出した。
「…これ、船長へのお土産」
リボンでデコレーションされた小箱を渡されたキラは、ちょっと照れた。
「なんだろ?明けていい?」
「うん、明けてみて」
箱の中身は花粉団子の材料になる花をモチーフにしたネックレスだった。
ナッシュは照れながら、キラの反応を見つめていた。
「ほんとは指輪と思ったんだけどさ、サイズがわからなかったから。…気に入ってくれるかな?」
キラはほんのり頬を赤く染めると、恥ずかしそうに答えた。
「あはは〜。私、アクセサリーなんかもらったの初めてなんだよなー。可愛いデザインだね、ありがとう。ナッシュ・クルー」
嬉しそうなキラを見て、ナッシュもなんだか嬉しくなる。
「ね、つけてあげるよ。キラ」
「そ、そーかい?悪いね〜」
ナッシュは照れながら、慣れない手つきでキラのうなじにネックレスをつけた。
「うん。似合うよ、キラ」
「そ、そーかな?鏡は洗面台にしかないんだ。ちょっと見てくる」
立ち上がろうとするキラに、ナッシュが抱きついてきた。
「見なくても似合ってるって。…それより、今日はちゃんと歯を磨いてきたよ」
「そ、そっか。感心だな」
キラの顔がさっきより赤くなる。
「だからさ、こないだの続き…してもいい?」
ナッシュが顔を近づけてくる。
「…そーゆー事はいちいち聞くなよ。照れるじゃないか」
…よし!今度は怒られないぞ。
ナッシュは安心すると、キラに口づけをしてきた。
普段、怒声を上げる口とは思えないくらい キラの唇は柔らかい。
ナッシュは慣れない動作でキラの唇を味わいながら、舌を差し込んできた。
キラの舌に絡ませても、今度は叱られる事も無くキラはナッシュを受け入れた。
経験のないナッシュはドキドキしながらキラの唇を味わう。
無意識に息を止めている事に気づき、いったん唇を離して深呼吸すると、
今度はネックレスをしたうなじに唇をあててみた。
予想以上にキラのうなじは細くて柔らかい。
唇を這わせると、キラが小さな声をあげる。
普段聞いた事もないような、か細く可愛い声にナッシュはどぎまぎした。
もっとキラの素肌に触れたくなって胸元のファスナーを不器用に降ろし、
キラの胸元に手を滑り込ませた。
キラは一瞬ぴくっとしたが、怒る様子も無くじっとしている。
ナッシュは少し大胆になり、差し込んだ手で胸を弄り始めた。
…うわぁ。女のこの胸って柔らかい!
ナッシュは更にドキドキしながら、キラの胸を弄った。
すると、服の内ポケットに何かが入っている事に気づく。
もっと胸をじかに触りたい欲望と、胸ポケットにかさばる物への好奇心が葛藤した。
結局、胸ポケットのかさ張りが気になって それを取り出そうとした。
>>100 Imprinting―インプリンティング―その31.
「キラ…、胸ポケットに何か入ってるよ?」
胸のうちポケットを弄って取り出すと、なんとそれはスニッカーズだった。
「ああ、それ。こないだ甲板に落ちてたのを拾って忘れてた奴だ。
多分、君のだろうと思って返そうと思ってたんだ」
胸の内ポケットに入れられていたスニッカーズは、キラの体温で溶けかけていた。
「あああ!スニッカーズを体温に当ててたから、溶けちゃってるじゃないか!
こうなっちゃうと食べる時大変なんだよ!!キラ!」
やわらかく変形したスニッカーズを見て、ナッシュは悲壮な声を上げる。
赤い顔でナッシュを受け入れるつもりだった、キラの表情が険しくなった。
「…おい。この状況で、なんでスニッカーズの心配をしてるんだ」
「だ、だって〜!スニッカーズの保存は常温以下なんだよ!キラ!」
キラの表情がむっつりと怒りに満ちてきた。
「すると何かね?私よりその駄菓子の方が気になる存在ってわけなのか?ナッシュ・レギオン!」
キラの怒りに満ちた声にはっとしたナッシュは、慌てて弁解を始めた。
「そ、そんなわけないでしょ!ちょっと脱線しちゃったけど、気になるのはキラに決まってるじゃないか〜」
キラの瞳が怪しく光った。
「ほ〜お…。それじゃ証明してもらおうじゃないか」
「しょ、証明って……?」
キラはナッシュからとけかかったスニッカーズを取り上げると、床に落とした。
「今ここで、そのスニッカーズを踏んで見せろ!どうだ、できるか!?」
「ええっ!そ、そんなぁ…」
「やましい事がないなら出来るはずだ。さぁ、踏め!踏んで見せろ!」
「そ、そんな事はできない〜〜!!許してくれよ〜!キラ〜」
「ええい!この隠れキリシタン…じゃなかった、駄菓子マニアめ!!」
「お、お代官様ぁぁ〜〜!」
何やら問題点がずれているのに、もう気がつきさえしない二人だった。
「ヘイ彼女〜代官山で エコロジーしない?」
落としたスニッカーズを拾い上げて、リトル・グレイが頬ずりしていた。
「モヘンジョ・ダロはコロンブスなんですよ〜」
「……」
「……」
こうなってはもう続きどころではなくなってしまった。
「…速やかに退場したまえ。ナッシュ・レギオン」
「……ふぁい……」
スニッカーズに気を取られて失敗したナッシュは、すごすごとキラの部屋から退場した。
明後日には次の寄航地に向けて、また出発だ。
すいません、自分でもナッシュを殴りたくなりながら続きます
大笑いだ。
こうなったらいつお初にたどり着けるか、賭けたくなるw
踏み絵ならぬ踏みスニッカーズハゲワロタwww
凄いなあ、長さが全然気にならないや。
楽しいw
ブレーメンUって、原作からエロに持ち込むのが難しいと思ったけど、
こんなパロディに仕立て上げちゃうなんてすごい!
区切りの中にちゃんとお笑い要素が含まれていて、
小物やキャラクターがいきいきしてるし原作の雰囲気も壊れてない
スニッカーズや踊る凶器って…爆笑!!
作家様がナッシュをいじめてるのか、キラがいじめてるのかわからないけど
笑い悶えてつい最初から何度も読み返してしまうw
がんばれ、ナッシュ!ww
GJ!!で楽しみにしています!!>職人様
スレが伸びてるので見にきたら…連載ワロス!
さり気なく書かれた伏線や脇役の使い方がGJ!
エロパロっぽさは少ないけど、読みやすくて面白い
wktk
楽しすぎるよ職人様。GJです。
私も長さなんて全然気にならないくらい楽しい。
続き待ってますよ〜。
素晴らしい!今日も、萌え悶えてます。
キラとナッシュのこのじれったさが、たまらなくGJ!
毎日スレを読むのが、楽しくてしょうがないです。
続きが本当に楽しみです!
>>92 保管庫中の人さま
お返事、ありがとうございます。妄想のバビロンを書いた者です。
残念に思って頂けるなんて、本当に光栄です。
保管庫の更新、管理をして頂けるからこそ、そこにある素晴らしい作品を見て、
また新たな川原作品のファンや創作をしようという職人の方々が増えていくのだと思います。
もっと精進して納得のできる作品が書けるようになりましたら、その時はお世話になります。
宜しくお願いします。
>>101 Imprinting―インプリンティング―その32.
ブレーメンUはフロリナを出航した。
なんだか気まずくなってしまったナッシュとキラだったが、義理堅いキラは翌日の休暇土産にナッシュにお返しを渡した。
それは、フロリナ製・歯磨きセットだった。
次のレセプションは、プレリア ニヴォゼ メルカトル モルワイデ ペルティカを経由した後の惑星アスランである。
ブリッジに座っているキラは、首にかけたネックレスを持て遊んでみては、無言のまま
むっすりしたり、時たま吹き出したりを繰り返していた。
相変わらず、リトル・グレイはキラの側をうろちょろしている。
キラは敢てそれを無視しながら、クルーへいつも通り指示を出しているが、どことなく
不機嫌そうなので、クルー達は触らぬ神に祟り無しと どことなく緊張していた。
まぁ、よく考えるとさー。
社長と私が出会ったのは社長が27、私が19の頃で3年経つ訳だ。
その3年間というもの、社長の駄菓子好きやらお調子者という欠点は見抜いてきたが、
恋愛感情を持っているといわれたのはまだ半月も経ってない。
今まで気まぐれに人の仕事に便乗する、勝手なお邪魔虫 と認識してたんだから、
いきなり恋愛対象に昇格を希望されても、あの性格自体が変わるもんでもないんだよな。
しかも、告白されたのが ナッシュ・まねっこにお見合いを強要されての苦し紛れとも、
未だ充分考えられる。
もしくは『つり橋効果』なんじゃねーのか?とも考えられる。
心理学上の一説だが、
つり橋の上で上で出会った男女は、通常の状態で出会った男女に比較して、
お互いに強い好感を覚えることが、実験で確かめられた。
これは、つり橋の上という恐怖によって上昇した心拍数を、
恋による心拍数の上昇と錯覚することによるものである、という説だ。
よ〜するに、あんまし当てにはならないんだよな。
んじゃ、自分はどうだと言われると キラ自身もよくわからない。
出逢った頃は、ただのお調子者で食い意地の張った奴位にしか思ってなかったが、
3年間、特にこのブレーメンUの仕事についてからは 頼りになる奴でもあると
わかったし、何より心は広い奴、と見直す部分も多くあった。
んでも、彼に対してときめきやリリカルな甘い感情を抱いたかといわれると、
そーでもない。
元々私自身がそんな環境も少なかったしさ。
よ〜するに、自分でもよく自分がわからんのだ。
わからん者同士がじたばたしたって、しょ〜がね〜よな。
まぁ、あの男が女にアクセサリーを贈ろうとするだけでも進歩だと褒めておこう。
やっぱりなるよ〜にしかならない、とキラは結論をはじき出した。
思考中、にまにましたり むっつりしていたキラだったが、結論を出すとすっきりした。
…深く考えるのはやめた、その場任せとも言うのだが。
キラ船長がいつもの船長に戻って、クルー達はほっとした。
>>109 Imprinting―インプリンティング―その33.
一方、ナッシュの方は公園で 円筒とある電子ブックを抱えたまま考え込んでいた。
今まで男女交際なんかした事もないが、自分はキラが好きだと思った。
初めてのお見合いで、アツコ・サクライW世様を結婚相手として考えてみたが、
緊張と堅苦しさと、何より考え方が全く違って息がつまった。
それがキラには全くない。
初めて宇宙を一緒に遠足した時から、最初は演技をしていたものの それがばれても
態度が変わらなかったのがキラだった。
スカイ・アイ社長という肩書きがなくても、ナッシュ・レギオンとして扱ってくれる。
そりゃさ、乱暴者だし意地悪だし がさつな所も多いけど…。
やはり生涯を共にするのなら、キラ以外は考えられない。
なのにどうして上手くいかないんだろう…?
告白もした。
花も贈った。
指輪ではないが、アクセサリーも選んでみた。
ちゃんとオーソドックスな手順は踏んでるやんか〜!
キスもさせてくれたのに、そこから先に進めない。
一体、どこが悪いのさっ!?と、ナッシュは悩んでいた。
ダ・シルバ夫妻は年が一回りも離れているのに、ちゃんと結婚はしている。
年の差は12とこっちは7で、あんまり変わらないはずなんだが どこが一体違うんだ?
そりゃ、ジゼルはキラと違ってランボーでもないし大人しい女性だけどさ。
でも、相手は『あの』うっかりもんのラウルだぞ?
彼等に相談してはみたかったが、それはナッシュのプライドが許さなかった。
― 恋をして見て考える、変と言う字が似てる訳 ―
「あ〜!一句詠んでる場合じゃないんだよな〜!」
と、独り言まで言い出したナッシュの所に、アームストロング船医が訪れた。
>>110 Imprinting―インプリンティング―その34.
「おや、社長。公園で読書ですか?
なになに…?『白泉社のよくわかるシリーズ』、『君もこれで結婚が出来る!』……。
しゃ、社長。何やらお悩みなんですね」
アームストロング・ドクターは、間抜けなマニュアルを読んでいるナッシュに一瞬絶句したが、
船医として悩めるクルーのカウンセリングも行っているのだ。
「あ〜、ドクター。わかるかい?そーなんだよ。女心ってむずかしーんだよね」
「…ふむ。お相手は、キラ船長ですな?」
「えー!?なんでわかるの?」
驚いているナッシュに、アームストロング船長は苦笑した。
…そりゃ、誰が見たってわかりますって…。
「ちゃんと努力もしてるんだけどさ〜。すぐ怒らせちゃって上手くいかないんだよね〜」
どんより落ち込むナッシュを、アームストロング船医は慰めた。
「キラ船長は、少し普通の女性とは違うようですからな。
質実剛健、実直なタイプで思考も行動も素早い。やや男性的といえるでしょう。
だが、クルー達には尊敬され、慕われている。彼女の人間性がなせる業です」
「うんうん、そーなんだよね。私もキラをそう評価してるんだ。
それが恋愛対象となると、どーにも こーにも中々…むにゃむにゃ…。
もう少し温和になってくれればいいんだけどさ〜」
アームストロング船医も『う〜ん…』と考え込んでしまった。
「人間の恋愛感情は、どうもブレーメンズには理解しがたい複雑さですからなぁ。
あまり深刻にならず、誠実さを見せていくしかないのではないでしょうか。
……ところで、社長が持っている円筒に入った錠剤はなんなんですか?」
アームストロング船医が、ナッシュが大事そうに持っている円筒について聞いてみた。
ナッシュは、にぱっと笑うと嬉しそうに中身を見せてきた。
「あ、これ?これは錠剤じゃないよ。『マーブルチョコ』っていう、色彩の鮮やかな
伝統あるチョコレートなんだ!おいしいよ〜。ドクターも食べる?」
「……。い、いや、私は遠慮しておきますよ。社長。では」
悩んでいる時にも駄菓子を手放さないナッシュに、ドクターはキラに少し同情しつつ、
なんだかキラの怒る理由がわかるようで溜息をついた。
ブレーメンズや普通の動物達だって、求愛行動中に他のものに興味は示さない。
ましてやそれが駄菓子とあっては、キラ船長でなくても怒るよなぁ…。
二人の関係は前途多難そうだ、とアームストロング船医は思ってしまった。
>>110 Imprinting―インプリンティング―その35.
そんな二人の関係を余所に、航行は順調に進んでいた。
プレリア ニヴォゼ メルカトル モルワイデ ペルティカを経由し、次はレセプションの
行われる、惑星・アスランに向うところだ。
キラは航行が順調なので機嫌がよかった。ブレーメンズも相変わらず真面目に働いていた。
リトル・グレイもキラに懐きながら、23号を従えて船内を自由に闊歩していた。
ダ・シルバ夫妻もラブラブで、この航行中に子供が出来るかもしれなかった。
そして、ナッシュも相変わらず、セイラー・クルーとして甲板掃除に精を出していた。
キラとの関係は普通に食事を一緒したり、告白する前と全く変わらない態度に戻っていたが、ネックレスだけは着用してくれていた。
そんな時、キラの元に珍しく実家から通信が届いた。
「?勤務中に通信してくるなんてめずらしーな?なんだろ?」
通信室に向かう途中、ナッシュとすれ違い 実家から通信が来てると伝えると、
ナッシュはなんとなく気になって後についてきた。
「やあ、か〜ちゃん。久しぶり〜、どしたの?」
と、通信をオンにすると 大画面にキラを女らしく大人にしたような女性が映し出された。
「ほ〜、これが君の母君か。キラ」
ナッシュが珍しそうに見ていると、その女性はいきなり怒鳴り出した。
「どがんしたと?じゃなかやろう!あんたって子は!
あんた、何しとっのよ!?ナッシュ・E・レギオンって人から結納品が届いとるわよ!
結婚相手ば決めたなら、なしてまっと早く言って来なかと?
そいもお相手は、あんたの会社の社長げな言うじゃなか!?
お母さんびっくいしたじゃなかの!」
いきなりまくし立てられて、キラはびっくりして固まった。
さすがキラのか〜ちゃんだ。怒鳴り声もキラをバージョンUPしている。
「…は、はぁ?ゆ、結納品!?」
キラはびっくりしてナッシュを睨んだ。
ナッシュは『私じゃないよ〜』と言うように、ぶんぶんと首を振って見せた。
…コピーの仕業だ。二人は即座に理解した。
「か、か〜ちゃん、落ち着け、なっ?それは多分フライングだ。まだそこまでは決めてない」
しかし、か〜ちゃんは次なるダメージをキラに与えてきた。
「決めてもおらんとに、なんで結納品が届くのよ?
そいに惑星・アスランで婚約式ばすっって、招待状まで来とるわよ!?
こいは一体どう説明すっつもりなの?」
これにはキラも驚きまくった。
「な、なんだと〜〜!?そ、それはホントか?か〜ちゃん?」
キラのか〜ちゃんにびびりながら、方言がよくわからないナッシュが小声で聞いて来た。
「え?え?どゆ事?どゆ事?キラ。お母さんはなんて言ってるの?」
「まねっこの奴が、ジャパン・エリア伝統の婚約の品を送りつけて アスランで婚約式を
する手はずをしたらしい。どーすんだよ!社長!!」
「ええーっ!」
胸ぐらを掴れたナッシュもさすがに驚いてうろたえた。
『まねっこの、ばかーーーー!!』二人は心の奥底から叫んでいた。
>>112 Imprinting―インプリンティング―その36.
「キラ。そこにおっとは誰ね?」
こっちの映像も見られている事を忘れていた二人は、か〜ちゃんに聞かれて戸惑った。
「え、えと。これがそのナッシュ・E・レギオンなんだ…。か〜ちゃん」
「ど、どうも はじめまして。スカイ・アイのナッシュ・E・レギオンです〜」
二人はガマの油を絞るように、汗をかきながら紹介した。
か〜ちゃんは、途端に表情を社交モードに切り替えてにこやかに笑った。
「あなたがレギオン社長でしたか。いつもキラがお世話になっております」
か〜ちゃんも ちゃんと標準語は話せるのだ。
「それで、婚約式というのは本当なんですか?」
ナッシュは緊張しながらも少し照れくさそうにどもった。
「え、ええ。まぁ…。突然の事で、と、当方としてもご挨拶が後になりまして…。
そ、その件につきましては遺憾に思っておりますです。は、はい」
…おいおい!何を言い出すんだ!?
キラはナッシュの言葉にまたもびっくらしたが、さすがにか〜ちゃんの前では殴れない。
「まぁ、そうでしたか。てっきりジョークかと思っていましたが、それならすぐに準備しないと」
「ま、待て!か〜ちゃん、来るつもりなのか!?」
「何言っとっとよ。当たり前やろう。
そいにしても、なんかしゃっきりせん人ばいってことばい。
パンフレットの写真で見たのとはイメージが違う人だわ。
まぁ、そいならそいでこっちも準備があっけん切るわよ。じゃあね。」
か〜ちゃんは一方的にしゃべると通信を切ってしまった。
二人はしばし呆気に取られていたが、キラが先に怒りで我に返った。
「ナッシュ・レギオン。この始末はどうつけてくれるつもりなんだ!」
殺気を漲らせながら、ナッシュに掴みかかる。
「ま、待ってくれ、キラ。私も驚いてるんだ!と、とりあえず話し合おうじゃないか」
キラが拳を振り上げた時、当事者のナッシュ・コピーから通信が入った。
>>113 Imprinting―インプリンティング―その37.
「こんにちは、お二人とも。変わらず睦まじいようですね。安心しました。
今日はこれからの予定について報告する為に連絡しました」
「睦まじい?…そう見えるのか…まねっこ」
キラはむっつりしてまねっこを睨んだ。
「ま、まねっこ!ど〜ゆ〜つもりだ!?アスランで婚約式なんて聞いてないぞ!?」
画面ににじり寄る二人に、なっしゅ・まねっこは事務的に対応した。
「オリジナルに任せていたら、挙式もいつになるかわかりませんからね。
こちらでしかるべき準備は整えさせていただいたまでです。
キラ・イレブン・ナインのご実家にももう連絡はしてありますし、婚約指輪も用意しました。
後はお二人がセレモニーに参加するだけですから、ご心配なく」
「心配じゃねーよ!なんでそう性急に事を運ぶんだ!まねっこ!こっちの心の準備ってもんも
あるだろーが!」
キラが怒りながら画面に向かって怒鳴る。
「おや?結婚を前提としてお付き合いしているなら、婚約くらいは性急ではないでしょう?
それとも事情が変わったのですか?ナッシュ・オリジナル」
「じ、事情ってね…。まねっこ。二人の問題なんだからまねっこが決めるのはどうかな?」
「私は段取りを組んだだけで、実際婚約なさるのはお二人ですよ。何か問題でも?」
アンドロイドの疑惑の眼差しに、ナッシュは思わず怯んだ。
「だ、第一なんでお前がキラの指輪のサイズを知ってるんだよ!?まねっこ!」
また問題点がずれている事に、ナッシュ・オリジナルは気づいていなかった。
まねっこは、やれやれといった表情をすると澱みなく答えた。
「ブレーメンUや今までの業務に就任する時、個人パスワードとして指紋や声紋を入力するでしょう。
その時スキャニングしたデータを見ればわかることです。
そんな事も気がつかないから、あなたには任せて置けないんですよ、オリジナル」
「ううっ…!」
ナッシュは言われて初めて気がつき、悔しいいが言い返せ無くなった。
「ともかく、準備も公布ももう進行してますから 今更じたばたするのはやめなさい。
私はこれでもお二人を祝福してるのですよ。わかりましたね?では」
「待て!だから言いたい事だけ言って切るなよ!まねっこ」
既に切られてしまった通信画面に向かって叫んだが、返事は返ってこなかった。
>>114 Imprinting―インプリンティング―その38.
ナッシュはしばし途方にくれたが、相手がキラならそれでもいいか、と思いだしていた。
「…って事らしいよ。キラ。とりあえず婚約式くらいなら仕方ないね」
苦し紛れに笑いながら振り向いたナッシュを、キラはまたもグーで殴った。
「仕方ないね〜、じゃねーよ!なんでコピーに仕切り負けるんだ!あったく!」
なるようにしかならないと思っていたが、いきなりこの展開はなんなんだ!
キラは怒りまくったが、まねっこの仕事の速さには やはり敵わなかった。
「…もし婚約を破棄しても、結納金は返さんぞ。覚えておけよ、ナッシュ・レギオン!」
「わ、わかってるって。それに私は婚約どころか結婚を考えてるんだし…」
またもキラが拳を振り上げたので、ナッシュは急いで避難した。
「す、すぐにじゃないって!前向きに考えて欲しいといっただろ?暴力はやめてよー!キラ」
「考えてる間に結婚式まで行きそうじゃないか!もっと主導権を持たんか!」
怒る気力も萎えてきたキラは、脱力しながら通信室を後にした。
…そっかー。婚約という形式から入る手段もあったんだなぁ…
殴られた頬を押さえながら、ナッシュはぼんやり考えていた。
この情報はブレーメンUだけでなく、ネットワークを通しても公表されてしまった。
ダ・シルバ夫妻やクルーからお祝いを言われ、キラはどんよりと落ち込んだ。
サーバーの重さに落ち込みながら続きます…
職人様ぐっじょ〜!!!
コピー無茶苦茶やりよる(笑)
というか、ナッシュとキラの実状なんてお見通しの上でせっせと外堀を埋め
てるんでしょうな。
さ す が 辣 腕 社 長 (のコピー)
スニッカーズの次はマーブルチョコにワロタww
>ちゃんとオーソドックスな手順は踏んでるやんか〜!
根本的に間違ってるナッシュに爆笑!
船医もコピーも笑えすぎ
GJ!
いや凄い!
エロパロなのに、原作のオリジナル続編ラブストーリーみたいだ
続きが気になるし毎回ワロス!!
これからも期待してます!!
大した職人さまです! 仕事も早ーい!
ナッシュを応援せずにはいられません。よって、続きがとても気になるー
>もし婚約を破棄しても、結納金は返さんぞ。覚えておけよ
さすがキラだw絶対言いそうw
毎度不覚にも笑いのツボにはまってしまうGJ!
>>102 もう少しっぽいのに思わぬところで邪魔や後方支援(余計なお世話ともいう)が
入ってて笑えるよねw
賭けるとしたら後何レスだと思う?
婚約式が初夜になるかな、とwktk
確かに面白いが、あまり長期連載だと他の職人が投下しにくくないか?
少しは遠慮してやれよと思うぞ
書きたかったら途中でも投下するよ。
お気になさらずノシ
>>124 だな。
ちょっと調子に乗りすぎてんじゃね?
…調子に乗ってんじゃね?
とかいうレス読む方が、投下する気失せるよ実際。
…調子に乗ってんじゃね?
とかいうレス読む方が、投下する気失せるよ実際orz
いいじゃねーか、かてーこと言うなよ。
長くても全く気になりません。
むしろ、区切りごとに新しいSSを読んでるようでもあるし、
しっかりとしたストーリーで進展しているのでこちらも勉強になります。
続きを期待していますよ!!
> 882 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/06/20(火) 04:55:01 ID:dZJ8RQrg
> >857
> 連載物ってあまり長くなってくると読まれなくなるよ
> 新規の読み手も入りにくいし
「今回の投下分はここまで」とか書いてあるのであれば、
他の職人が投下するタイミングをはかることも容易にな
るのだし、特に問題になるまい。
実際複数の職人が連載を並行していたスレもあるのだ
し。
うん、別に長い連載でも気にならない。
むしろ定期的に落としてもらうと、スレが活気付いて嬉しいよ!
調子に乗ってんじゃね?なんてのは荒らしでしょ。
スルーでマターリしましょう。
>>131 その通り!複数の人が平行連載でもいいよね。
ちゃんと断り入れてすればいいし、
今書いている職人さんも気にしないで
投下してくださいって言ってくれてるしね。
>>132 本当にいいよね。スレが活気付くのは、嬉しいよ!
こんなに面白い作品だもの、他の職人さんたちだって、
創作意欲を刺激されてると思うな。
スルーでマターリ推奨!
134 :
102:2006/06/20(火) 10:09:42 ID:gAleIPvj
>>123 私は婚約式夜に貫通手前でorz…
を期待してますが。
かーちゃんの妨害とか。
あと20レスあっても足りないかなw
わがままですがニューヨーク革命も
続き激しく期待してます。
ヲチスレ?からコピペしてる人、凸はしないが鉄則だよ
婚約式の夜に、キラのかーちゃんが昔風に日本の仮祝言てことで、
二人を部屋に閉じ込めて『契れ!』と迫るとか…
今後の展開が気になって、このスレから目が離せませんよ。
続き、期待して待ってます。
GHQの人も忘れていませんよー。
実は三本平行しているのか…テラスゴス
楽しみすぎるよ。
>>137 本当に最近は楽しみな作品が多くて、嬉しすぎるよ。
投下されるのを気長に待ちますかね。
笑う大天使(スワップ風)の方も待ってますよー。
ブレーメンUの職人様へ
毎回面白すぎて、GJ!としか言いようが無いです。
あまりの萌えに妄想が膨らみすぎて、
自分の書く筆もサクサク進んでいます。
これからも、作品投下を期待してお待ちしています。
職人の皆様方へ
これから作品を投下させていただきます。
今日は前半だけの投下になります。
直後投下OKですので、ご遠慮なくどうぞ!
要注意!
妄想のバビロンを書いた者です。
しばらく来ないと言っておきながら、番外編を書いてしまったので投下します。
注意書きが長いので、読みたくない方は妄想のバビロンはスルーして下さい。
注意書き
番外編なのでこれを読まなくても、第二部に話は繋がります。
第二部は前回書いた通り、遅くても年末までには投下します。
前回の白昼夢の続きで、内容はシリアスレイプ夢オチものです。
前回鬼畜編の陵辱部分は今までの川原作品にレイプものが見当たらなかったため、
既に書きあがっていたものを、妄想オチとはいえ自主規制により削除しました。
でも、せっかく書いたので、その後の夢という形で削除部分を修正・加筆して
番外編として投下します。
レイプ夢オチもの、苦手な方は読まないでスルーしてください。
生殺しが嫌な方も、後半が投下されてからお読みください。
以上ご理解いただいて、宜しくお願いします。
《番外編・悪夢》
友理がその夢を見るのは、いつも明け方と決まっていた。
仁希の意思などお構いなしに、その体を蹂躙する夢―
細部まで鮮明なそれは、あの日に見た白昼夢の続きだった―
友理は仁希の白く細い首筋に舌を這わせ、徐々に下へと唇を移動させた。
―仁希の少し汗ばんだ肌の味―初めて味わう仁希の味が、友理に頭の芯が痺れるような陶酔をもたらす。
前を肌蹴させたシャツの中から手を背中の上の方に回し、先程ずり上げた下着のホックを外して手に取ると、
邪魔なそれを床に放り投げた。
腕を仁希の背中に回したまま、友理はお互いの肌を密着させるように強く抱き締めた。
熱い仁希の体温、その体の柔らかさ―上下するお互いの胸の鼓動―
もっと近付きたい。もっと、もっと、近くに―仁希を感じたい!
友理は仁希の背中に両手を彷徨わせながら、鎖骨辺りをきつく吸い上げ、白い肌に紅い所有印を刻む。
くぐもった声が仁希の咽から漏れた。
友理が仁希の様子を見ると、まだ必死に唇を噛み締め、ぎゅっと目を瞑っている。
まるで、悪い夢が早く終わることだけを願っているかのように…
悪夢に違いない―
今まで人畜無害だった幼馴染がいきなり豹変し、ただの欲望に従う獣に成り果ててしまったのだから―
「仁希…まだまだ、これからだよ」
友理は仁希の耳に、低い声で囁く。
その言葉に反応して仁希は目を開けると、友理を睨み付けるように仰ぎ見た。
「…おまえはだけは絶対、こんなことしないって思ってた…」
仁希の瞳に盛り上がる涙を見て、一瞬友理の心は罪悪感に揺らいだ。
しかし、そんな心の揺れも半裸で両手を縛られ、薄闇の中でしどけなく横たわる仁希の魅力的な肢体の前では、
何の障害にもなりはしなかった。
形の良い豊かな二つの膨らみは、仰向けになっていてもふっくらとしたその存在を強烈に主張している。
―華奢な細い首に、くびれた平らな腹、スカートから覗く白く細いすらりとした足、
そして、誰もまだ踏み込んだことの無い花園―
この体の全てを自分のものにできるなら、理性などいくらでも捨ててやる!
友理はふっと笑って仁希の頬に片手をやり、愛しむように頬から顎にかけてのラインをゆっくりと優しく撫でる。
少女から大人の女性に変わる前の丸みを帯びた輪郭―このままずっと見守り、大切にしたいと思っていた。
―仁希を―滅茶苦茶にしたい―
ふいに、友理の凶悪な欲望が叫び出す。
「…仁希、覚えておくんだな。レイプの大半は、被害者の顔見知りの犯行なんだよ」
そう言うと友理の顔からは笑みが消え、寒々しい光をたたえた瞳で、仁希を怖いくらいに見つめた。
「…だから、悪いけど俺も例外じゃあない」
友理はもう、どんな説得も受け付けないのだ。
そう感じた仁希は、再び唇を噛み締め、ぎゅっと目を瞑った。
瞳に盛り上がっていた涙が、仁希の眦からこぼれ落ちる。
「なるべく優しくするから…」
友理がそんなことを言ったところで気持ちが解れるわけもなく、仁希は更に体を強張らせた。
友理は再び唇を仁希の肌に落とし舌を這わせ、ゆっく肌を味わいながら二つの豊かな膨らみへと下降させて行く。
やがて淡い桃色の頂にたどり着いた。
まだ柔らかいそれを、友理は弾くようにちろりと舌先で舐める。
「ひゃぁっ!」
仁希の体が初めての刺激にびくりと跳ねて、本人が思いもよらない嬌声が唇から漏れた。
固く閉ざされていた口から発せられた声に友理は気を良くして、今度は口に含んで舌で転がすと、
柔らかな蕾は面白いように硬さを増してくる。
もう片方の膨らみにも手を伸ばし、力を入れずにやわやわと揉むと、
汗ばんでしっとりとした弾力のある質感が手に張り付くようで、夢見心地のように気持ちがいい。
「…やっ…やめろ…っ!やだっ!」
仁希は逃れようと身を捩った。
両手が縛られている以上逃れられるはずもなく、友理から胸への執拗な愛撫を受け、
その嫌悪感に仁希はただ体を震わせるしかなかった。
「…本当に、いや?」
唇を離した友理は両手の親指と中指で、愛撫で紅く色付き硬く尖った二つの蕾をきゅっと摘まんだ。
「あっ…!」
あまりの強い刺激に、思わず仁希は声を上げる。
甘い響きをもった切羽詰ったその声に、友理の男としての本能は益々昂ぶってきた。
「ほら…こんなに硬くなって、吸って欲しいって立ってる」
「うっ、うそだ!そんなことないっ…やぁっ!」
友理は仁希の片方の胸を手で形が変わるほどぐっと力を入れて握ると、
貪るように仁希のもう片方の乳房を口に含み、
それを甘噛みするよう歯を軽く立て、その中心を強く吸い上げた。
「…ふっ…くうっ…」
痛みのため仁希の強く瞑った眦から、再びすっと涙が伝い落ちる。
唇を噛み締め、声を出すのを堪えている。
その様子を見て友理の中に、制御のきかないどす黒い感情がふつふつと湧いてきた。
「我慢しないで、声出せよ」
制服のスカートを荒々しく捲り上げて手を入れると、一気に下着を膝まで引き摺り下ろした。
「…ひっ!」
息を呑む声を無視して、友理は必死に足を閉じようとして力を入れている仁希の両足の膝裏に片手を入れて持ち上げると、
空いている方の手で下着をするりと抜き取り、それを手に取った。
今日買ったお店で上下ともに着替えてきたらしく、ショーツも淡いピンクの可愛らしいものだ。
新品の下着の内側を見ると、小さなしみが付いている。
「へーぇ。下着、濡れてるよ。仁希…」
「えっ…」
驚いた仁希は目を見開き、友理を見た。
「無理やりこんなことされてるのに、感じてるんだな。ほら…」
人の悪い笑みを浮かべ、仁希の目の前に濡れた部分を晒す。
「う、うそだ…」
愕然とする仁希に追い討ちをかけるように、友理は呆れたような声を出した。
「口では嫌だ嫌だって言ってても、本当は嫌じゃないんだろ?」
手に持った下着を放り投げ、仁希の両足の間に無理やり体を割り入れる。
友理は両手でふくらはぎを掴み持ち上げると、その太腿を仁希の腹に押し付けるようにして左右に広げた。
「やぁーーーっ!」
人目に晒したことの無い薄い繁みが、友理の前で露わになる。
仁希は渾身の力で足を閉じようとするが、その前に素早く友理が両膝に腕を回し、
大きく足を開いた状態で動けないようにがっちりと固めてしまった。
友理はぴたりと閉じている秘裂を指で軽く開く。
赤味を帯びた桃色の花弁が現れた。
中心を指でそっと触れると、ぬめるような湿り気はあるが、まだ充分ではない。
「さっ、さわるなっ!」
「自分でさわったことくらい、あるんだろ?」
「誰がさわるかっ!」
「そっか…じゃ、最初から指はちょっときついか…」
そう言うと友理は仁希の足の間に顔を埋め、花弁に舌を這わせた。
「やっ…!」
わざとぺちゃぺちゃと音を立てて、唾液を絡め優しく優しく舐める。
誰も触れたことの無い花弁をそっと花開かせるために。
「やだぁ…はぁ…っ!」
未知の刺激に仁希の呼吸が荒くなり、次第に強張っていた足の力が抜けていく。
しばらくすると、中に隠れていた可愛らしい小さな花芽がぷっくりと顔を出してきた。
それを優しく包み込むようにして、友理は舌を上下に小刻みに揺らしたり、円を描くように優しく舐める。
「ああぁっ…!」
友理が抱えている仁希の両膝が細かく震えた。
両手の親指でそっと花弁を広げると、友理は尖らせた舌を蜜の滴る中心へと押し入れた。
「いっ…っ!」
仁希は舌が入った瞬間驚きの声を上げた。
自分で触れたことも無い場所への初めての侵入者に、腰が勝手にびくりと少し浮き、また沈んだ。
「やぁっ…!」
友理の舌が蜜の中をかき回すようにぴちゃぴちゃと動き回る。
うねる襞が友理の舌に絡みつく。
仁希は痺れるような感覚に体の力の全てが奪われて、動くこともできなかった。
「…はっ…はぁ…っ」
唇を離すと、友理は荒い息を吐いた。
先ほどから下半身が痛いくらいに熱く怒張しているのを、無理やり我慢していたがそろそろ限界が近い。
しかし、蜜と唾液で充分に潤った中心を指で更にほぐさなければ、
華奢な仁希の体に自分の猛り狂うものを入れるのは困難を極めるだろう。
友理は北欧系の血が混ざっているため、自分のものは一般の日本人男性に比べて、
かなり太くて長いほうだと自覚していた。
今までの経験から言っても、初めての挿入がかなりの痛みをもたらすことは間違いない。
少しでも仁希の負担を軽くしてやりたい、と友理は思った。
友理は抱えていた両膝から手を離し、仁希の膝を立たせた状態にした。
そして、仁希の中心がどのくらいの狭さかを確認するため、
両手の人差し指で少し力を入れてぐいっと横に広げてみる。
「いたたたっ!いたいっ!」
さっきまで友理に翻弄されて息も絶え絶えだった仁希が抗議の声を上げるが、
一切無視してその奥にあるものを見つめた。
純潔の証―狭い一点を取り囲むように、その紅の襞は存在していた。
それをこれから、自分の手で散らす―
男にとって女の初めての相手になるという甘い喜びと期待、
清らかなものを汚すという昂揚感に友理の胸はぞくりと震えた。
それも、何年も思い続けた相手の初めての男になる―たとえ、それが一生憎まれる結果になろうと―
まずは指を1本入れてみる。充分に濡れているため、すんなり入った。
2本に増やし抜き差しをしようとすると、仁希の体がふいに強張る。
「もっと、力抜いて…」
「そんなの、無理だっ!」
悲鳴に近い声で言われても、友理は止めるつもりはさらさら無かった。
紅く充血している花芽に唇を近付け、強く吸い上げる。
「あぁーーーーっ!」
仁希は甲高い声を上げて後ろに仰け反ると、びくびくと腰を小さく揺らした。
すぐに体から力が抜け、ぐったりとなる。
反応の良さに友理は驚きながらも、仁希の力が抜けているうちにと2本の指を一気に深く突き入れかき回す。
中で指を上にして曲げると、入口の少し上のざらざらとした辺りを重点的に攻めた。
しばらくそうしていると、甘い声が仁希の口から漏れ出した。
恍惚とした表情で、弱々しく喘いでいる。
「…あっ…あぁっ…んっ…はぁ…」
仁希は自分でそんな声など出していることさえわかっていないようだ。
気が急いて友理は指をもう1本増やし3本にすると、同じように繰り返した。
今度は仁希からは痛みの声は上がらない。
代わりに甘い吐息が弱々しく漏れただけだった。
充分に指で慣らしたところで、友理の我慢も頂点に達した。
ジーパンを脱ぐのももどかしく、ファスナーを下ろして下着から大きく張り詰めたものを取り出すと、
仁希の中心に己の先端をあてがった。
今日はここまでで失礼します。
あぁ〜、すごいすごい!賑わってますね〜。
どのお話も楽しんで拝見させていただいております。
素敵な作品が投下されて、感想が付いて、活発にレスが増えて。
スレ内での良循環が起きているんですね。
このスレを作り上げているすべての書き手さんと住人さんたちに感謝です。
おお!続編ですね!お待ちしておりました〜!
すみません、送信しちゃいました…。
続きです。
GJ!です!
うちのナッシュ君にもこれだけ行動力があれば…。
後半楽しみにしています!
なかなか進まずすみませんです。
相変わらず全然色気もないのですが、
なるべく頑張りますので続きを投下させてください。
飽きてしまった方はスルーでお願いします。
連載中の作家様すみません。
>>115 Imprinting―インプリンティング―その39.
「やぁ、ナッシュ。君もやっと人並みにパートナーが決まった様だな」
レストラン・カッシーニでナッシュとキラがお茶をしてると、ダ・シルバ夫妻がやって来た。
思わず顔が緩みそうになるナッシュだが、あまり喜ぶとキラの機嫌が悪くなるので、
なるべく控え目にラウルの言葉に答える。
「ま、まあねっ。まだ婚約するだけだけどさ」
「キラ船長、こんな奴を選ぶと後悔するぞ。今からでも我が社にとらばーゆしないか?
もっといい男と条件をいっぱい紹介しよう!」
ラウルが意地悪そうに、ナッシュを見ながらキラに話しかける。
「ラウルったら、失礼よ!気にしないで下さいね、お二人ともとてもお似合いですわ」
ジゼルがラウルをたしなめつつフォローする。
キラはジゼルのフォローにも力無く笑うだけだった。
「しかしなぁ…。今回はブレーメンズのレセプションがメインなのに、彼等にも悪いよな」
キラは精一杯の抵抗をしてみたが、気の良いブレーメンズはちっとも気にしない。
むしろ、おめでたい席に参加できる事が嬉しくて仕方ないようだった。
「婚約って、結婚しますよっていう約束の儀式なんですよね?船長!?
私達、そんな晴れがましい席に参加できるのも初めてなんです!
しかもそれがうちの社長と船長なんて!もう、嬉しくて、嬉しくて」
…う〜ん…こんなに喜ばれては、いつまでも仏頂面もできないな、とキラは思った。
「ま、まぁ、婚約式はおまけで、あくまで主役は君たちだからねっ。
あまり婚約式にこだわらず、そのつもりでいてくれたまえ」
「まぁ…キラ船長は相変わらずご謙遜なさる人格者ですわ。尊敬しちゃいます」
ジゼルの素直な賛辞に、キラはますます苦しそうに笑った。
「…ところで、ご両親は間に合うのかい?キラ。地球からアスランまでは遠いぞ?」
ナッシュはキラをバージョンアップしたような か〜ちゃんたちを心配した。
「ああ…多分、余裕で間に合う。
なんせ両親ともパイロットだし、うちのか〜ちゃんは宇宙海賊も真っ青のスピード狂なんだ…。
もし地球みたいにスピード違反というルールがあったら、真っ先に捕まるのはか〜ちゃんだな」
両親の話題に、キラは引きつった笑いをした。
「そ、そっか〜…。それは頼もしいなぁ」
なんとなく納得して、ナッシュも苦笑した。
その通り 惑星を跳ね飛ばすような勢いで飛ぶ小型宇宙船が、既に何度目かのワープに入っていた。
>>151 Imprinting―インプリンティング―その40.
惑星・アスランまで後十数時間という時だった。
アンブレラが緊急シグナルを警鐘する。
にわかに艦内が緊迫した。
「せ、船長!謎の小型艇が鬼気迫る勢いで本艦に接近中なのをレーダーで確認!」
「うわぁ、危なっ!もう肉眼でも確認できるところまで来ています!」
「せ、船長!接近中の小型艇が本艦に停止シグナルを出してきてます!ど、どーします?
このまま止めたらぶつかりそー!」
ブリッジのクルーも緊張した。
「あ〜、みんな。落ち着いてくれたまえ。アンブレラ、『停止了解』のシグナルを出してくれ」
キラが冷や汗をかきながら対応する。
「ダンテ君。悪いが小型艇を一機回収する。焦らないでいーから、本艦を一時停止してくれ」
「イ、イエス・サー!」
緊急シグナルを聞いて、セイラーの制服を着たナッシュがブリッジに駆け込んできた。
「な、なに?どしたの!?キラ」
「あ〜…。ナッシュ・クルーじゃなかった、社長。丁度良かった。
急いで私服に着替えてコクピットに来てくれ」
「どゆ事?どゆ事?うわっ!?凄い勢いの船だ!ま、まさか宇宙海賊?」
もう艦内の窓からも確認できる小型艇を見て、ナッシュも驚いた。
「…限りなくそれに近い暴走行為だが、残念ながら違う。あれはうちの両親だ」
キラがボソッと言うと、ナッシュもブリッジのクルーも驚いた。
「ええ〜っ!?操縦してるのは、船長のご両親なんですか!?」
緊急連絡用の立体モニターがONになると、気のよさそーなおじさんの立体映像が現れた。
「や、やあ、キラ。クルーの皆さんも驚かせて済まないね。悪いけど回収してくれるかな?」
気のよさそーなおじさんは、申し訳なさそうに照れ笑いをしている。
「…やぁ、と〜ちゃん…。久しぶり。相変わらず人騒がせな操艦をか〜ちゃんにさせてるな」
「ご、ごめんよ。自分がやるって母さんが聞かなくてさ〜」
謝ると〜ちゃんの横から、か〜ちゃんが身を乗り出した。
「ほれ、キラ。さっさと回収ハッチば明けんね!ぐずぐずしとっと、衝突してしまうじゃなかの!」
「や、やぁ。か〜ちゃん…。ってな訳だ皆。プライベートで申し訳ないが、回収準備を頼む」
「イ、イエッサー!」
「ダンテ君。すまんが指揮権をまた頼む。私はあのお騒がせ者達を迎えに行って来るよ…」
「りょ、了解!行ってらっしゃいませ。キャプテン」
キラは気まずそうに立ち上がると、ぼやきながらブリッジを後にした。
「やでやで…。ほんとに宇宙海賊だったら、レオ君に逮捕してもらえたのに…」
キラの後を追いかけてきたナッシュが苦笑した。
「笑ってる場合じゃないぞ、社長。敵は本腰だ。さっさと着替えてきたまえ」
「りょ、了解、キラ」
慌てて着替えに戻りながら、ナッシュは苦笑が止まらなかった。
成る程、あの両親からキラが生まれたのか。ものすご〜く納得できてしまった。
>>152 Imprinting―インプリンティング―その41.
物凄いスピードのままブレーメンUに乗り込んだ小型艇は、予想外にするっと着陸する。
「ほ〜、さすがベテラン。見事な腕だな」
息を切らせて着替えてきたナッシュが、着陸技術に感心した。
気圧室を通り抜けた小型艇のハッチが開くと、二人のクルーがブレーメンUに降り立った。
「は〜、ぶっ通しでワープしてきたから、父さんは疲れたよ」
「なんば情けなか事言っとっの。へぇ、キラ。中々よか船じゃなかの」
温厚なと〜ちゃんをどやしながら、か〜ちゃんはブレーメンUの第一印象を述べた。
「お、お疲れさん。と〜ちゃん、か〜ちゃん。予想外に早かったな〜」
キラが引きつった笑いをしながら両親を出迎えた。
「安い・速い・上手いが私らのモットーだからね」
か〜ちゃんがからからと笑う。
…吉○家かよ…と思いながら、キラがナッシュを紹介した。
「え、えと、こちらが我が社の社長、ナッシュ・E・レギオン氏だ」
「まぁ、わざわざ お出迎えありがとうございます。社長」
社交モードに切り替えたか〜ちゃんが、愛想よく挨拶をした。
「突然押しかけてすみませんでしたね〜。何しろGがすごくて、事前通信する余裕もなくて…」
と〜ちゃんが、か〜ちゃんをチラッと見ながら申し訳なさそうに挨拶をする。
「よ、よっぽどかっ飛ばして来たんだな…」
通信も出来ないほどのG(重力)がかかるスピードっていくつなんだよ?とキラは思った。
うわぁ…、さすがにリアルだと迫力も違うな。
ナッシュも緊張して、思わず笑いが引きつってしまった。
「え、遠路はるばるご足労願いまして ありがとうございます。お疲れでしょう、ナルセ夫妻」
「いえいえ、私らまだまだ現役ですから こんな距離位なんて事ありませんのよ」
…今回みたいな状況でなかったら、スカイ・アイにスカウトしたいところだ。
「と、とりあえず部屋を用意する間 レストランでお茶でも…」
「そ、そだな。と〜ちゃん、か〜ちゃん。案内するよ、こっちだ」
4人はカートに乗り込むと、船内レストランに向かった。
「ほ〜、立派な設備だねぇ。あんた、ちゃんとこんな大きな艦の船長が務まってるの?キラ」
「ま、ま〜な。…あまりでかい声を出すなよ、か〜ちゃん」
「いや、キラの声も年々か〜さんに似てきたと思うぞ。と〜さんは」
「と〜ちゃん、頼むから黙っててくれ…」
親子のやり取りを聞いていると、なんだかナッシュは可笑しかった。
真面目なダンテ君とマエダ君がキラ親子のテーブルに挨拶に来る。
「はじめまして、船長のご両親様。副長のダンテとセイラーのマエダです。
皆も挨拶に来たがっているのですが、まだ勤務中なので失礼しています〜」
マウンテン・ゴリラのダンテ君とカエルのマエダ君の挨拶に、か〜ちゃんはにっこりした。
「まぁ、姿勢が良くて逞しい副長ですね〜。それにクルーの皆さんも礼儀正しくて。
うちのキラがご迷惑おかけしてるんじゃありませんか?」
「いえいえ。船長にはとっても良くして頂いてますです、はい〜」
か〜ちゃんは、ほ〜っとうっとりした溜息を漏らした。
>>153 Imprinting―インプリンティング―その42.
「ブレーメンズはよく出来た子達が多いわねぇ。ちゃんとお世辞も言えるなんて。
こーゆー、がさつな子の元で大変でしょうけど、よろしくお願いしますねっ」
「か、か〜ちゃん。あまり余計な事を言わないでくれ…」
さすがのキラもか〜ちゃんの前ではかたなしだ。
「なんば言うとね。あんたが船長を努められてるのは、有能なクルー達のおかげなんだねぇ」
「はは…は…」
ずばずばと言われて、もうキラは笑ってごまかすしかなかった。
ダンテ君とマエダ君はにこやかに挨拶を返してもらえて嬉しかったが、ちょっとキラに同情した。
「そ、それでは我々は持ち場に戻りますねっ、船長」
「う、うん。私もすぐ戻るから頼むよ〜、ダンテ君」
「か〜ちゃん…、私に恥をかかせに来たのか?」
「何言っとっと。同僚の皆さんに親として挨拶しただけじゃなかの」
「まぁまぁ、母さん。キラも頑張っているようだから、もういいじゃないか」
歯に絹を着せないか〜ちゃんを、呑気そうなと〜ちゃんがとりなしていた。
ナッシュは無言で笑いを堪えるのが精一杯だった。
部屋が準備できたので、とっとと両親を追いやると キラは急いで部屋に両親を案内した。
部屋に入る際、と〜ちゃんがキラに『地球で頼まれた届け物』と言って、小さな箱を渡した。
「婚約指輪だそ〜だから、うっかり無くすなよ〜キラ」
「はいはい、わかったから。アスランまで、きちんとか〜ちゃんを見張っててくれ。と〜ちゃん」
やっと両親を部屋に押し込むと、キラはすっかり脱力していた。
「は〜、やでやで。アスランに着くまでに力尽きそーだ…」
「いいご両親じゃないか、キラ。それより、まねっこが作らせた指輪を見てみようよ」
「あ〜、指輪ね〜。はいはい」
投げ遣りになりながら、キラは小箱を開いてぎょっとした。
箱の中には物凄ーい、でかさのダイヤのリングが入っていて、キラを仰天させた。
「ほ〜。中々いい品を選んだじゃないか、まねっこめ」
ナッシュはまねっこの方が先にキラの指輪のサイズを知っていた事を根に持っていたが、
宝石には感心した。
「…中々じゃねーよ…。なんなんだ、この凶器のようにでかい石はっ!」
目が眩みそうな輝きのダイヤが入った箱を急いで閉じると、小市民のキラは狼狽した。
「あれ?してみないの?デザインが気に入らなかったかな?
まぁ、急場凌ぎでまねっこが作らせたものだから 気に入らなければ後で私がもっといいのを
プレゼントするよ キラ」
軽くこの巨大ダイヤを買いなおすと言うナッシュに、庶民のキラは殺意を覚えた。
…この、特権階級め!!だから金持ちは嫌いなんだ!
>>154 Imprinting―インプリンティング―その43.
「ねね、サイズ合わせてみて キラ」
むっつりとしたキラは、怒りと緊張に震えながら おダイヤ様のリングをしてみた。
キラの手にはめると、そのダイヤは予想外にでかく感じられた。
うぉっ!この輝きで、体が灰になりそーだ!一体いくらするんだ、このおダイヤ様は。
「うん、悔しいけどサイズはぴったりだね」
嬉しそうに笑うナッシュに、キラはボソッと言った。
「そうだな…。これからは左ストレートも練習しておくよ」
「え?ごめん、今なんて言ったの?」
「なんでもない」
キラはすぐに指輪をはずすと、またすぐ箱にしまいこんだ。
「あれ、はずしちゃうのー?どうせレセプションでつけるんだからしておけばいいのに」
ナッシュは不思議そうに見ていたが、キラは箱を胸ポケットにしまいこんだ。
「いや。仕事中は手に大きな物をつけていると支障があるからいい」
それだけ言うと、ブリッジに向かって歩き出した。
「?照れてるのかな…、キラは」
すたすたと歩き去るキラの後姿を、ナッシュは首をかしげながら見送った。
ブリッジに戻ったキラは、惑星・アスランに向けてブレーメンUを最終ワープさせた。
惑星アスランに到着すると、この1年で見事に開発が進んでいた。
C.D.Cのニッカネン君や惑星行政府代表のサリバンさん達が迎えに出てくれる。
今回のレセプションでは、例のエニグマ胞子による奇病を撲滅させた功績で、
副長のダンテ君やアームストロング船医とブレーメンUのメディカル・スタッフが表彰を受けるのだ。
「ダンテ君達、あまり緊張しないようにな」
これはキラにとっても嬉しいイベントだったので、すっかり機嫌も直ってニコニコした。
「は、はい〜。私達なんかが表彰されるなんて、びっくりです…」
生真面目なダンテ君達は緊張しながら、レセプション参加のための準備に部屋に戻った。
キラも着替える為に自室に戻り、しばらく箱を睨んだ後、しぶしぶ例の指輪をつけた。
さすがに今回はダンテ君にエスコートさせるわけにも行かず、にやけたナッシュに
エスコートされて レセプション会場に向った。
>>155 Imprinting―インプリンティング―その44.
レセプションが始まり、各代表のスピーチが済むといよいよ船医たちの表彰式だ。
「〜という訳で、我が星のかけがえのない命を救う為に尽力してくれたブレーメンズを、
ここに表彰させていただきます!」
ダンテ君達にスポットライトが当てられ、盛大な拍手を浴びながら壇上に導かれる。
サリバンさんとニッカネン君が厳かに、アームストロング船医やダンテ君達に
表彰状や勲章を渡してゆく。
「尚、アームストロング船医はこの業績で『統一連邦学術会議会員』にも選ばれております」
更に拍手が起こり、壇上にいるブレーメンズは照れながらも緊張しまくっていた。
「あはは、涙もろいダンテ君が涙ぐんじゃってるよ」
キラも拍手を送りながら、もらい泣き笑いをしていた。
他のクルー達も同様に、感無量といった顔で惜しみない拍手を送っている。
「ブレーメンズは人間に喜んでもらう事が何より嬉しいという存在だからね。
彼等にとっては当たり前のことをしただけなのに、こうして表彰される事なんて初めてだから、
感慨もひとしおなんだろうね」
珍しく、シリアスな顔でナッシュが呟いた。
「…そーだね。今後もこういうイベントなら歓迎したいな」
キラも素直に頷いた。
壇上の通信スクリーンでは彼等の父であるモーゲンスターン博士もうれし泣きしていた。
胸に輝く勲章をつけてもらったクルー達が照れくさそーに壇上から降りてくると、
最終最悪のイベントが始まった。
「ここで、もうひとつ明るい話題です!この度ブレーメンUを所有なさっている
スカイ・アイ社長、ナッシュ・E・レギオン氏とブレーメンUの船長をなさっておられる、
キラ・ナルセ嬢が婚約なさりました!」
…どこが明るい話題なんだよ…。キラの表情がどんより曇った。
浴びせられる質問を、『はぁ、まぁ、あはは』で交わしつつ、『早く終わってくれ〜』と
引きつった笑顔で耐えた。
「それでは、贈られた婚約指輪を見せていただきましょう!」
…あの凶器をか!?キラはぎょっとしたが、周囲の期待の目に気おされた。
しぶしぶ左手に凶悪に輝くおダイヤ様のリングを、投げやりな気分でかかげて見せる。
ナッシュは照れてはいるが満足げに、にまにましていた。
うう…。なんで善良なサラリーマンの私が、こんな芸人の記者会見みたいな見世物にならにゃいかんのだ!?
なんだかとっても理不尽に思えてくるキラだった。
フラッシュがたかれる中で、キラは『ええ〜い!お前等もおダイヤ様の光線を受けてみろ!』とばかりに、
左肘に右手を添えて、カメラにスペシウム光線を浴びせるポーズをとった。
「キラ…なんでそんなポーズ取ってるの」
駄菓子好きのナッシュはそのポーズがどんなキャラクターの取る意味かを知っていたので、
慌てて苦笑でごまかすしかなかった。
「効果音は『ジュワッチ!』ってところだな」
真面目な顔でスペシューム光線を放ち続けるキラの画像が、後日電子新聞の一面を飾った。
ブレーメンズ達と一緒の記念画像を取る時も、やはり同じポーズだった。
「へぇ、婚約会見のポーズも斬新なんですねっ!船長」
善良なシルビア君たちは、素直に賛辞を言ってきて、やっと少し罪悪感が浮かんだキラだった。
>>156 Imprinting―インプリンティング―その45.
やっと解放されると、か〜ちゃんが恐ろしい顔でと〜ちゃんを従えて来た。
「ゼンゼンこん子は、人様の前で恥ずかしゅうなかの?
母さん、穴があったら入りたかったわよ!あったく」
「いて〜な、人前でぶつなよ〜。か〜ちゃん」
と〜ちゃんは、困った顔で笑いながら黙っている。
「まぁまぁ、すいませんねぇ。社長。昔からこの子は落ち着きがなくって」
社交モードに瞬時に切り替えたか〜ちゃんは、ナッシュに向かって愛想笑いをする。
「い、いえいえ。慣れて…じゃなかった、そんな所も彼女の魅力ですから」
ナッシュはたじたじとしながら、か〜ちゃんの切り替えの早さに戸惑っていた。
「こんな子ですけど、末永く可愛がってやってくださいね」
「キラ〜。父さんは寂しいけど、お前は幸せになるんだよ〜」
とぼけた祝福を言いながら、か〜ちゃんはキラを掴むとこそこそ聞いて来た。
「…で、あんた達。実はどこまで行っとっの? 」
「どこまでって…。定期輸送船だからハップスと地球の往復だよ」
キラが答えると、か〜ちゃんがキラの頭をはたいた。
「ゼンゼン、アンタって子は鈍いんだとけん。
玉の輿に乗るんだとけんしゃきっとしなさいってことばい!さっさと既成事実ば作って孫ば抱かせるとが親孝行やろ?」
「な、なんてはしたない事を言うんだ!か〜ちゃん!!」
キラがぎょっとして反論する。
「もうオイたちも追い先短いんだとけん、目の黒いうちに孫ば抱かせて欲しかに決まっとるでしょ!」
か〜ちゃんは聞く耳も持たずにキラに言い放つ。
「いや…。老い先短い人が、あんな走行はしないと思うぞ…」
「せからしか!よか事、母さんの言う事ばちゃんと聞かんと 後でひどかわよ」
キラを脅すと、か〜ちゃんはナッシュに振り返り にっこり笑った。
「…?」
つられてナッシュもにっこり笑った。
…くそぅ…。人事だと思って、お調子者どもめ〜!
惑星・アスランの夜は更けてゆく。
本当に長いですよね…、申し訳なく思いつつも続きます…。
周囲が盛り上がって当人だけがおろおろする典型ですな。
キラの親戚一党がわらわらと宇宙船で乗り込んでこなかっただけ
マシというものか。
スレ伸びててうれしいな〜。
ブレーメン、恋愛してる2人だけじゃなくて
ちゃんと周りのブレーメンズも話に絡んできてるのがすごい。
キラの両親たちもいい味だしてるしw
>137
自分もGHQの続き待ってる!
一年以上越しで連載再開してくれたんだから、
また近いうちに再開してくれると信じて待ってるよ〜。
妄想のバビロンのエロさとブレーメンUのギャグが
絶妙なバランスで読めて眼福!
複数連載もいいね〜!!
両職人様ともGJ!!
しかし、ブレーメンU笑える
長さは気にしないで完走してください
>158
キラ一族がわらわらって…想像できてワロス!
ちょっと怖いってw
スワップまだかな〜
>真面目な顔でスペシューム光線を放ち続けるキラ
川原絵で想像できて笑えるw
キラの両親も川原ワールドっぽくていい!
毎回違った笑いでもうなんと形容すればいいやら…
凄すぎです職人さん!
ブレーメンズの表彰でナッシュが言うセリフに、
動物大好きな自分はほろっときちゃいました・・・
笑いあり、ほろっとしんみりあり、ギャグエロありで、
もうただただ続きを楽しみにしてます!
職人様GJ!!!
そう言えばキラはパイロット界のサラブレッドなのだったな……
キラ父のキャラがいい味出してて幸せな心持になりました。感謝。
>>157本日分、投下させてください。明日は休みします。Imprinting―インプリンティング―その46.
レセプションが終わってからも、キラの両親はブレーメンU迄ついてきた。
ナッシュも引っ張られて一緒にいた。
「なんだよ〜。と〜ちゃん、か〜ちゃん。アスランのホテルを用意してもらっただろ」
キラが疲れた顔で言うと、か〜ちゃんはさらっと言った。
「ああ、ホテルはキャンセルしたらお金返してきたんだわ。
艦内に客室を用意してくれたんだから勿体無いでしょ。ね?と〜さん」
「せっかくだから甘えようとも思ったんだけどね、キラ。母さんがこう言うからさ〜」
ちゃっかり者のか〜ちゃんを、と〜ちゃんはやや困ったように笑っている。
「まあ、い〜けどさ…。私は今夜は当直だぞ。大人しく部屋に戻れよ?」
「な〜にすましてるの。私らはあんたのお婿さんと少し話してるから、しっかり働きなさい」
「お婿って……」
キラは眩暈を覚えたが、ナッシュに小声で言っておく。
「…おい。あまり余計な話しはするなよ?社長」
「わ、わかってるって キラ」
ナッシュもキラのか〜ちゃんに押し切られて、かなり緊張していた。
「んじゃ、お疲れさん。私は仕事に戻るね」
キラはナッシュを残していくのは不安だったが、仕事だから仕方がない。
にこやかに手を振ると〜ちゃんとか〜ちゃんにナッシュを残し、キラはブリッジに向かった。
ブリッジでは、勲章をつけてもらったダンテ君を、他のクルーが取り巻いていた。
「あれ?ダンテ君。今夜は非番だろ?疲れてるだろうから、早く休んでいいぞ」
「それがですね、キャプテン。私、表彰されたのが感激で、今夜は眠れそーにないんです。
こんな綺麗で立派なものを頂いちゃって、もうドキドキしっぱなしで…。
キャプテンこそお疲れでしょうから、今夜は私が代わりますよ〜」
ダンテ君はまだ感激していて、半泣きしたように笑っている。
「すごいですねえ…副長。その勲章つけてると、まるでシャキールさんみたい!
私たちも これからもっと頑張ればもらえますかね?」
機関室長のミーシャ君達もブリッジにやってきて、ダンテ君と話していた。
「ドクター達も興奮して今夜は眠らないって言ってましたから、キャプテンはゆっくり休んでください」
そうか…、よっぽど嬉しかったんだなぁ。
キラもなんだか嬉しくなった。
「じ、じゃ、お言葉に甘えて今夜は代わってもらおかなっ?いいかい?ダンテ君」
「はい!どーぞ どーぞ!」
「悪いね〜、次は私が代わるからね。じゃ、今夜は休ませてもらうよ」
ダンテ君が満面の笑みで答えてくれたので、結局キラは当直を代わってもらう事にした。
>>165 Imprinting―インプリンティング―その47.
きっと今夜当直のクルー達に、勲章を見せてあげたいんだろーな。
なんでも励みを持てる事はいい事だ。
キラはにこにこしながら部屋に戻って、シャワーを浴びた。
実はさすがに疲れていたのだ。
「は〜…すっきりした」
シャワーから出ると、簡易冷蔵庫から冷たい麦茶を出してくる。
麦茶を飲みながら、星間チャンネルをつけると どこも今夜のレセプションを報道していた。
自分が婚約会見でスペシューム光線を発射している画面もばっちり映っていた。
「…後から見ると我ながら間抜けな事をしたもんだ…」
キラは恥ずかしくなってチャンネルを切った。
きっとクルー達はこれを録画してるんだろーな…。人生の汚点をまた残しちまったぜ。
勿論、善良なブレーメンズは そんな事は全く気にしないだろうが、それだけに自己嫌悪も
増すってものなのだ。
「ま、やっちまったもんは仕方ないさ」
キラは不要にでかいおダイヤ様のリングを金庫にしまうと、さっさと眠る事にした。
ベッドに入る用意をしていると、部屋のドアがノックされた。
『…?こんな時間に誰だ?』
当直を代わってもらったのを知っているのはブリッジだけだ。
キラはリストコムに向かって話しかけた。
「誰だい?」
するとリストコムから返事が来たのはナッシュの声だった。
「や、やあ。キラ。今ブリッジに行ったら、ダンテ君が当直を代わったって聞いたからさ。
さっきまで君のご両親と一緒だったんだよ」
「あ〜、ご苦労だったな。余計な事は話さなかっただろーな?」
めんどくさそうにキラが答えると、ナッシュが返事をする。
「う、うん。多分。と、ところでさ〜入り口じゃなんだから 入れてくれない?キラ」
「あ〜…、もう寝るつもりなんだが」
キラはか〜ちゃんの言葉を思い出していたので、ドアを開ける気にはなれなかった。
『さっさと既成事実ば作って孫ば抱かせるとが親孝行やろ?』
…無茶言うなよ、か〜ちゃん…。今夜はもう疲れちゃって、とてもそんな気分じゃないぞ。
「え〜、ちょっと位いいじゃないか〜。開けてよ〜キラ〜」
…知るかよ。
そう思っていたのに、いきなり電子ロックが勝手に開き、びっくりした顔のナッシュが立っていた。
>>166 Imprinting―インプリンティング―その48.
「な、なんで…?」
キラも訳がわからず、ただ驚いて立っているナッシュに聞いてみた。
「さ、さぁ…?キラが開けてくれたんじゃないの?」
ナッシュはきょとんとして開いたままのドアの前に立っている。
「わ、私は開けてないぞ!と、ともかく開いちまったら仕方ないから入れ。話を聞こうじゃないか」
キラは『しょ〜がね〜な〜』と思いながら、パジャマ姿でナッシュを招き入れた。
「麦茶でいいか?」
「う、うん」
またも冷蔵庫から麦茶を出すと、グラスを二つ用意して注いだ。
「…で?なんで声紋パスワードでしか開かない、個室のドアが開いたんだ?」
「だから知らないって。…そういえば、キラのお母さんが私のリストコムを見せろって言うから貸したけど。
それだけだよ」
キラは思わずぐらりとなった。
「…それだ…!」
か〜ちゃん…。やってくれたな!きっと声紋パスワードを勝手に入力変換したんだ…。
あの極道なか〜ちゃんなら、それ位朝飯前だ。
「え?え?それって、どれどれ?」
意味がわからないナッシュが聞き返すので、キラはむっつりして言う。
「…ナッシュ・レギオン。君は大事なリストコムを軽々しく他人に貸すのか?」
「え…。だ、だってキラのお母さんじゃないか〜。他人じゃないでしょ」
「他人だろ〜が!ともかくそのリストコムを見せたまえ。修整してみるから」
「う、うん…?」
キラはナッシュのリストコムを腕ごと奪うと、データをチェックしてみた。
船長権限の共通パスワードが勝手に変更されて、入力を受け付けなくなっている。
…こんな細かい芸当が出来るのは、と〜ちゃんだ…。
きっと、か〜ちゃんに命令されてやらされたんだな。
と〜ちゃん…。頼むからあんまり か〜ちゃんの尻に敷かれ過ぎないでくれよ…。
唯一味方だと思っていた、と〜ちゃんにまで裏切られて、キラはがっくり脱力した。
ナッシュの腕を抱えたまま、リストコムに顔を近づけてがっくりしているキラに、
ナッシュのもう片方の腕が伸びて来た。
「キラ…」
夢中になってリストコムに集中していたが、気がつけばかなりの至近距離を保っていて、
ナッシュはその気になりつつあった。
「ま、待て。これは誤解だ。ナッシュ・レギオン」
キラは焦って弁解したが、ナッシュの方は赤い顔をして顔を近づけてきた。
「ちゃんと歯も磨いてきたから、大丈夫だよ キラ」
だから、問題点が違うって…!と言おうとしたが、その言葉はナッシュの唇に遮られた。
>>167 Imprinting―インプリンティング―その49.
「……ん……っ…!」
さすがに三度目ともなると、もう鼻をぶつけては来ない。
軽くついばむ様に何度か唇を重ねた後、深く吸い込む様にぴったり唇を重ね、ナッシュの舌が
キラの唇の上をなぞった。
軽く下唇を噛まれると、キラの口が開いてくる。
開いた唇を割るようにして、ナッシュの舌がキラの口内をさまよい始めた。
柔らかくキラの歯や口腔内を泳いでいるナッシュの舌に、キラの頭の芯はくらっとしてきた。
まぁ、いっか…。
キラも抵抗を諦め、ナッシュの舌に応じ始める。
いつの間にか抱きしめられたキラの背中を、パジャマ越しにナッシュの手が動き始めた。
薄いパジャマの布越しに、ナッシュの手を感じて キラはぞくりとした感覚に襲われる。
段々と自分の力が抜けて、一人で立っているのが辛くなってきた。
「…ん…はぁ……っ…」
深く絡み合っていた唇を離すと、キラは溜息をつくように息を吐き ナッシュにしがみ付いた。
赤い顔をして、潤んだ目をしているキラに、ナッシュは再び軽くキスをすると、そのまま腕を移動して抱き上げた。
「お、おいおい…!」
いきなり抱き上げられたキラは赤い顔のまま、落とされないようナッシュにしがみ付く。
「落とさないから大丈夫だよ」
ナッシュはうっすらと笑いながら歩き出した。
白泉社の『よくわかるシリーズ』に、『女の子の憧れはお姫様抱っこ』とあったので、
ナッシュは密かにウエイト・トレーニングをしていたのだ。
――もちろん、これはキラには内緒である。
キラを抱き上げたナッシュは、しっかりした足取りで、キラのベッドへと向かう。
落とさない様 気をつけながらそっとベッドに横たえると、ナッシュは再びキラに覆いかぶさった。
唇を重ねあいながら、ナッシュは慣れない手つきでキラの胸に触れてゆく。
前回のインナーより薄い生地で、ブラもしていないキラの胸は柔らかく、力を入れて握ったら
潰れてしまうのではないかと ナッシュには思えた。
壊さない様、注意を払いながらキラの胸を弄る。その手の動きに反応して、キラが小さく吐息を漏らした。
その吐息に、ナッシュの鼓動は高鳴り 重ねた唇が首筋へと移動を始めた。
キラは赤い顔のまま、困ったような表情をして瞳を閉じている。
うなじに唇を這わせると、切なそうな小さな声を出した。
ナッシュはキラの反応に、甘い期待で更に胸が高鳴った。
>>168 Imprinting―インプリンティング―その50.
胸を弄っていたナッシュの手がパジャマのボタンをはずそうと動き出す。
赤い顔で瞳を閉じていたキラが、一層顔を赤くして囁いた。
「ま、待て……ナッシュ・レギオン。こんなに明るいと、やっぱり恥ずかしいぞ…」
「あ…、そ、そーだよね!ごめん、ライトは消すよ…」
ナッシュも赤くなって、ベッドサイドにある照明スィッチを手探りで消した。
途端に室内が真っ暗になる。
「ちょ、ちょっと暗すぎるかな…?」
「い、いや…、そんな事はないと思うぞ」
お互い暗闇の中で照れながら、再び唇を重ねる。
ナッシュは手探りでキラのパジャマを脱がそうと手をさまよわせた。
…やっぱりちょっと暗すぎたかな…?
キラの肩から胸を探りつつパジャマのボタンを苦労して探した。
「ど、どこだろ…?」
なかなかボタンが見つからず、ナッシュの声は少し情けなくなる。
しばらく体を弄っていると、急に素肌の手触りを感じた。
うわぁ…、キラってば大胆…!自分から脱いでくれたのか…。
ナッシュはかなり感激した。
「キラ…ありがとう」
ナッシュは素肌を弄りながら、キラの耳元で小さくお礼を言った。
「………え……?なに……?」
キラが小さな甘い声で言う。
「な、何ってその…パジャマをさ…」
そう言いかけて、ナッシュは少し違和感を覚えた。
……なんだか柔らかいけど、うなじと肌触りが違う気がするぞ?
キラのうなじはもっと柔らかくてすべやかなのに、胸はなんだか弾力がありすぎる。
「……??……」
不思議に思いつつ、ナッシュはその感触を確かめていた。
>>169 Imprinting―インプリンティング―その51.
…くつくつくつ。
聞きなれた笑い声と意味不明な声が聞こえてくる。
「ギムナジウムは夏休み、さもありなん」
「ま、まさか…!?」
驚いたナッシュが急いで手探りで照明をつけた。
すると、いつの間にやらキラとナッシュの間に、リトル・グレイが川の字になって横たわっていた。
「な…な…な…!」
あまりに驚いて言葉にならないナッシュに、リトル・グレイはくつくつ笑いをしながら
意味不明の言葉を話し続ける。
「サラマンダ、あんだるーしゃ」
「キ、キラ!?な、なにこれ なにこれ??」
キラも赤い顔のまま驚いていたが、ナッシュの声に我に返ると、リトル・グレイを殴り飛ばした。
「あぅち。ぐーてんもるげん…」
殴り飛ばされたリトル・グレイは 壁にびたんとへばりつく。
「こ、こいつ!また私のベッドに勝手に入ってきたな!!」
キラも真っ赤な顔で怒っているが、ナッシュはその言葉を聞き逃さなかった。
「キ、キラ!今、『また』って言ったよね!?ど、どゆ事!?よく一緒に寝てたの!?」
キラも困ったような怒り顔で溜息をついた。
「好きで一緒に寝てたわけじゃねーよ。こいつ、電子ロックをしてても解析不能なテレポートができるんだぞ?
気がつくとよく隣で寝てて怒るんだけどさ」
「そ、そんなぁ…!キラの浮気ものっ!」
ナッシュは動転して意味不明にキラをなじった。途端にキラの『グー』がナッシュの頬に飛んでくる。
「落ち着かんか!ナッシュ・レギオン、これは不慮の事故だろが!どこが浮気だ!?
相手はこのリトル・グレイだぞ!?よーく見ろ、ラージ・グレイの時みたいに 額にハートマークが出てないだろが!」
「あ…。…ホントだ…」
リトル・グレイは全部オスで、メスのラージ・グレイに欲情すると 額にハートマークが浮くのだ。
それは改良前のステルス・スーツを着用した者が確認済みの事実であった。
「どうでしょう?ヒマですから〜」
相変わらず意味不明なリトル・グレイだが、欲情ではなく 単にキラに懐いているらしい。
「ミネソタに、ミステリーサークル彫りゆかん」
くつくつくつ。
「事情はわかったけどさ…、これ どーするの?キラ」
ナッシュは情けない顔をしてキラに訴える。
「う〜ん…。困ったもんだな」
殴られても蹴られても、リトル・グレイもまた キラにくっついて来ちゃうのだ。
「まぁ、こうなったらしょ〜がね〜よ。ナッシュ・レギオン。今夜はこのまま寝よー」
「そ、そんなぁぁ…」
「しょ〜がね〜もんは、しょうがね〜だろ。何か対策は後で考えよ〜。私はもう寝るぞ」
リトル・グレイを背中に貼り付けたまま眠るキラの寝顔を見ながら、ナッシュは深く溜息をついた。
一難去ってまた一難。ナッシュは今夜も失敗した。
今度の障害はリトル・グレイだ。
すいません すいません。まだ続きます…
ガラナジュース吹いたw
あの状況で、さすがにもう邪魔は入らないだろうと思っていたけど、
まだ奴がいたとはwww
やられた!!
まさか、ここにこれが出てくるとは…予想外だった!
笑いすぎて腹いてー!w
伏線の張り方、ナイスです!!
脇役キャラがナチュラルにストーリーの中でうまく絡んでるのに脱帽!!
みんな個性豊かでGJ!!!
あー、今日も笑えたww
職人様、ありがとう!!
>>134 >123です。
貫通手前じゃないけど当たりだったねw
でも外れても面白かったので悔しくないw負け惜しみじゃないよー
すごく自然な話の進行、驚きだぁ…
ちゃんとキャラの役どころが要所で生きているのがすごい!
ちゃっかり者で極道なか〜ちゃんと、尻にしかれるキラ父に萌えw
よくわかるシリーズで勉強していたナッシュにも萌えww(するなよーw
なんでこんなSS書けるんだ!?
今度の障害をどうクリアするのか、もうこのスレから目が離せんぞw
>>171 連投ゴメン
ガラナジュースって…w
なんでこんな時間に?www
頼むよー!職人さんw
電車の中で声出して笑っちまった!
GJ!
>>174 チェリオの500mlのペットボトルのやつでして(^^;
薄いオロナミンCという感じで眠気防止に飲んでたもので。
>>176 ちょwww
SSも面白いけど、>174 と >176の会話もワロタw
やっぱ、面白い作品が投下されると雑談レスも笑えるね
スレを盛り上げてくれる職人さんと住人さんにマンセー!
>176 GJw
ブレーメンU、昨夜の分と今日の分、一気に読みました。またもやGJ!です。
いろんな場面が原作の絵で浮かんできて、笑っちゃいました。
ここまで読者に想像させることができる力量、感服しております。
今日で二人の初Hになるかと思いきや、また邪魔が…面白すぎますっ!
ここまできたら、もう、いくらでも引き伸ばして下さい。
どこまでも付いて行きますから!
明日はブレーメンU、最初から読み直してます。
これからの展開もすごく楽しみです。最後まで頑張って下さい。
申し訳ないです!
これから、妄想のバビロン番外編後半を投下します。
レイプ夢オチものです。ご注意ください。
読みたくない方はスルーして下さい。
シリアスな話なので、このまま幸せな気分でいたい方も、
今日は読まないでお暇なときの暇つぶしにでも読んでください。
昨日自分の作品を推敲していてかなり気分的に萎えてしまったのですが、
今日ブレーメンUを読んで復活しました。
素晴らしすぎます!ありがとう!ブレーメンUの職人様!
友理は仁希の大きく開いた膝に両手を置き、ぐいっと体重をかけて腰を沈めて行く。
「うあぁっ!いたいっ!」
引き裂かれる異物感に、仁希は一瞬にして快楽の波の中から現実に引き戻された。
両手を縛られたままの仁希は、何が行われているのかを確かめるために首を起こして、
自分の激しく痛む部分を見た。
友理が苦しげな表情で、自分の中心に信じられないほどの大きさのものを突き立てている。
更に信じられないことに、まだそれはほんの一部分しか埋まっていない。
「友理っ!そんなのっ…無理だ!…お願いだ…抜いて…っ…」
嗚咽混じりに仁希は懇願した。
「…もう…やめて…お願いだからっ…」
仁希の悲痛な叫びも、最早友理の心に届きはしない。
今はこの情欲を満たすことしか、友理の心を占めるものはなかった。
「うっ…」
あまりのきつさに友理はうめく。
まだ入口なのに絡みつく仁希の襞が気持ち良くて、あやうく果てそうになるのをなんとか堪えた。
「…くっ…まだ全然…入ってない…のに…こんなんで、抜けるかっ!」
仁希の体が痛みから逃れようと上にずり上がるのを腰を掴んで引き寄せ、今度は仁希の両足を肩に担ぎ上げる。
外に出ている竿の部分も中に収めようと、友理は更に力を入れ勢いをつけて腰を打ちつけた。
誰も通ったことのない未開の道を、力付くでぐいぐいと押し広げていく。
かなりの抵抗はあったが難なくそこも突き破り、友理の全てが仁希の中へと収まった。
その瞬間、あまりの激痛に仁希は大きく目を見開き息を詰め、悲鳴を上げることさえも出来なかった。
痛みで涙がぽろぽろと仁希の瞳から溢れてくる。
「…はぁ…仁希…ほら、全部入った」
満足げに呟く友理の顔と繋がったお互いの部分を見て、仁希は絶望感に顔を歪め、友理から顔を背けた。
後から後から溢れる涙が仁希の頬を濡らしていた。
友理は肩に担ぎ上げていた仁希の両足を下ろし、両膝に手を当て太腿が水平になるように大きく足を開いた。
自分の全てを咥え込んでいる光景はとても淫らで扇情的で、友理の雄を更に刺激する。
粘液と混ざった破瓜の血が、脱がせ忘れた仁希の制服のスカートに黒いしみを作っていた。
もっと深く繋がりたくて、友理は仁希の膝裏に両手を入れて持ち上げると、自分の体ごと前に倒すように圧し掛かった。
一層深い所まで突かれて、仁希は大きく息を呑み、声にならない悲鳴を上げた。
ぴたりと絡みつく熱くぬめる襞の感触に、友理はじっとしていられず腰を少し引いては、また仁希の中へと進む。
結合部分から聞こえる粘液の擦れる水音が、友理を更に昂ぶらせた。
ゆっくりとした動きは、次第に荒々しく速度を増して行く。
友理は仁希を激しく揺さぶりながら、その度にふるふると揺れる双房にうっとりと見惚れていた。
ふと、仁希の横に背けた顔を見ると、眉を苦痛に歪めながら肌蹴たシャツの襟を噛んで必死に声を押し殺している。
相当苦痛を感じているだろうに、何が何でも声は出さない気なのだろう。
意地っ張りの仁希らしい。
苦痛に耐えていることはわかっているが、その様子は何とも言えない色気があって、友理を益々興奮させた。
いくら仁希が苦しがっていても、ここで止めることなどできるわけがない。
せめて縛っている仁希の両手を解いて、自分の背中や首に掴まらせ、
仁希が感じている痛みの少でも共有してやりたかったが、もうそんな余裕はどこにもない。
初めての仁希を気遣うこともできず、止めてやることもできないことが、ほんの少しだけ友理は悲しかった。
気持ちがいい―仁希が無意識に友理をぎちぎちと締め付けてくる。
いくら道筋を付けたとは言え、仁希の中はひどく狭く、押し戻されるような感覚の中、
友理は我を忘れるほどの快感に翻弄されていた。
このまま仁希の中で果てたい―今まで一度も考えたことのない思いが友理の頭をよぎった。
避妊は常に気を付けていた。
高校生の分際で女の子を妊娠させるなど、あってはならないことだ。
だけど、この一度のことで仁希が妊娠したとしたら…仁希は自分から離れられないのでは―
もし、本当に子供ができたとしたら…仁希を繋ぎ止めることができるかもしれない。
前に何かで読んだことがあった。
―レイプされた女性は妊娠しやすい―
常には無い精神的、肉体的な衝撃でホルモンバランスが崩れ、排卵が誘発されることがあると…
仁希は自分を一生憎むと言い切った。こんな機会はもう二度と巡ってはこないだろう。
卑劣な人間であることは、仁希を襲った時点で確定している。
(どうせ憎まれるなら、とことん落ちてやる!)
がくがくと揺さぶられ、その度に苦痛を訴えて仁希は低くうめく。
今まで感じたことの無い内臓をえぐられるような強烈な圧迫感―圧し掛かる重さ―
気が遠くなるような痛みは、仁希の体ばかりでなく、友理を信頼していた心まで一緒に引き裂いてしまった。
もうこれ以上の最悪の事態はこの世にはない―そう思っていた。
友理の次の言葉を聞くまでは―
「…くっ…仁希…中に…出すよ…っ」
「…えっ?」
苦痛に歯を食いしばり必死に耐えていた仁希の耳に、信じられない友理の言葉が聞こえた。
力付くで犯されたうえに、望んでもいない子供を宿す可能性があるなんて、絶対に嫌だ!
「…やっ…やだーーっ!」
仁希の拒絶の声も今の友理には興奮を煽るものでしかない。
絶頂は既に手の届く所まで来ていた。
「…責任は…ちゃんと取る…からっ…」
一旦ぎりぎりまで腰を引くと、友理は勢いを付けて仁希の中心を深々と最奥まで貫く。
「…くっ…んっ…!」
友理は狂おしい快楽の果てに、熱く滾る欲望の全てを仁希の中に注ぎ込んだ。
「いやあああああぁーーーーーっ!」
部屋の空気を震わすほどの絶叫が、仁希の口からほとばしる。
全てを放ち終わり弛緩した友理の体は、仁希の上へゆっくりと倒れ込んでいった。
はっと友理は目を覚ました。
びっしょりと寝汗をかき、心臓がどくどくと早鐘を打っている。
夢だったことに安堵の息を大きく吐き、上半身を起した。
カーテンの隙間から薄明かりが漏れている。もう、夜が明ける時間だ。
(…また、すげー夢を見ちゃったな〜)
友理の下半身は痛いぐらいに起立していた。
(は〜、まいった。とりあえず、始末をつけるか…)
欲望の処理が終わり、友理は再びベッドに横になるが眠れるはずもなく、
まだ生々しい感触を残している夢を反芻した。
最近よく見るようになった悪夢―醜悪な欲望―
この夢が抑圧された自分自身の願望なのだとしたら、なんて最低な人間―
自分の快楽のために、相手のことなど思いやることもしない。
起きているときには、無理やりすることなんて考えたことは一度もない。
それなのに、夢ではあれほどまでに嫌がる仁希を陵辱する…
陵辱だけでは飽きたらず、今回は更に妊娠までさせようとするところまで、
夢は進んでしまった。
夢だから自分の勝手な思い込みで子供が出来れば、
仁希が離れていかないなんて馬鹿げたことを考えているが、
実際の仁希だったら子供を産んだとしても、
『そんな父親はいらん。子供は一人でも立派に育てていく』
とか言いそうだ。
そうすると、父親の名前も絶対誰にも言わないだろう。
(ま、そうなっても、一目見れば俺の子だってばれるだろうけど…)
色々な国の血が混ざっている自分の子供―純粋なアジア系の顔には、とても見えないだろうと予想は付く。
もうかなりの末期症状。
思うだけじゃ、耐えられなくなってきた。
ちゃんと恋愛をして、仁希にもそういう気持ちになってもらって、
そういう関係にならなければ、今に本当に犯罪者になってしまう!
まずは、仁希に告白することだ。
冗談にして一笑に付されるかもしれないが、しつこく言い続ければそのうちわかってくれる―かな…?
敵はかなり手強い。十数年間ただの幼馴染の実績があまりにも大き過ぎる。
(このまま犯罪者になってもいいのか?良くないだろ?頑張れ、俺!)
―その後、友理が仁希に上手く告白できたかどうかは、また別のお話―
《番外編・悪夢》終り
妄想のバビロンはまだまだ第二部へと続く
こんなシリアスな暗い話を最後まで読んで下さった方々、ありがとうございました。
またそのうちお邪魔します。
川原作品の職人様方へ
妄想のバビロンの後は、直ぐに投下してくださって構いません。
ご遠慮なさらずに、どんどん投下してください。
スレが色々な作品で賑わうのは、一読者として大変嬉しいことです。
最近は特に多くの方の作品を読むことが出来て、大変感謝しています。
ブレーメンUの職人様はもちろんのこと、GHQ、笑う大天使、三月革命の職人様、
その他の新作品の職人様も期待してお待ちしております。
それでは、失礼します。
うぉ!!一日に2作品も!!
まさに一日で二度おいしいです!!し・あ・わ・せ(はぁと)
ブレーメンU職人様、
妄想のバビロン職人様!
スレ住人を勝手に代表してお礼を言わせてください!
ありがとう!ありがとう!フォント大きくして言いたい!
ギャグとエロのバランス、すんばらしい!
大笑いの作品の後、萌え萌え〜のエロw
豪華なスレだああーw
このお年頃の男の子なら、誰もが妄想するシチュですよねw
続きと他の作品の再開も楽しみに待ってます!
職人様がた、これからもがんばってください!
ブレーメンUの職人さんの作品はともかく面白い
番号見るともう51レスなのにまったく気にならない程
楽しい
でも、妄想のバビロン職人さんのきめ細かい心配りにも
すごく感動してしまう読者がここに。
>>139 >>179 すごく優しい。
下手したら、ブレーメンU職人さんが荒らしに潰されちゃう所をナイスフォローだ!
作品もエロ萌えだし、お互いが譲り合って多くの作品を読ませてもらえるスレって
少ないと思うよ
職人さん達、これからも応援してます
うお〜〜!また、いいもの読ませて、いただきました。
ナッシュお預け、かわいそすぎ!かなりワロタw
ナッシュの彼女いなかったって設定にもはげ萌え!
初々しい二人のやり取り、堪能しましたよ。
うおっ!友理はやっぱり巨根設定か〜。二人のお初が楽しみだ。
痛がる仁希を想像して…
「いっ、いだだだだだだっ!バカモノっ!そんなもん入れるなっ!死ぬっ!」
「ご、ごめん。でも、こうしないと俺のは入らないし…これで死んだ人、いないから大丈夫」
「大丈夫?…おまえ、そんなに沢山の清らかな乙女を毒牙にかけてるのかっ!」
「いや、その…あの…むにゃむにゃ…」
はっ!まずい!昼休み中になんちゅー想像を!
明日もまたブレーメンUの続きが読めるかと思うと、
今からどんな展開になるのか楽しみです。
連載中の職人さんたちも続き期待して待ってますよ!
妄想のバビロン様、GJ!でした!!
エロスの世界堪能させていただきました。
少し割り込みさせてください。
ミソ・スープは混沌する の番外編です。
原作は「ミソ・スープは哲学する」で、前スレから書いた
ミソスープのその後です。
ミソ・スープは混沌する〜番外編〜1.
薄暗い室内のベッドの中で郁は目を覚ました。
ほのかに家主のコロンの残り香がするベッドの上には、無造作にパジャマの上だけ
脱ぎ捨てられている。
「…?」
郁の目は家主を探して室内をさまよい、ぎょっとした。
薄暗い室内の片隅で、家主がなにやら円陣に囲まれてぶつぶつ呟いていた。
ふと、郁の視線に気がついた家主はヘッド・ホンをはずすとにっこり微笑んだ。
「やぁ、郁さん。起こしちゃいましたか、ごめんなさい」
家主のシドニー・ハワードが上半身裸のままシンセ何とかに囲まれていたのだ。
「あ、あにしてんすか。しどにー…」
「先ほど浮かんだインスピレーションを楽譜にしたためているんです。
郁さんもこちらに来て、コーヒーでも飲みませんか」
…あ〜、仕事ね。黒魔術で悪魔召還でもしてるのかと驚いたぜ。
郁は内心心臓をバクバクさせながら、ベッドの上にあったシドニーのパジャマを羽織って
側に行った。
結局帰国を延期したシドニーは、郁の家のすぐ側に豪華な1LDKのマンションを借りているのだ。
郁にコーヒーを渡したシドニーは、にっこり笑って上だけパジャマの郁を見ていた。
「な、なんすか?しどにー」
なんとなく居心地の落ち着かない郁がシドニーに尋ねた。
「郁さんは、ひとつのパジャマを二人で分かち合うということの意味を考えた事はありますか?」
「――滅多にないですね」
またこの外人の哲学的な禅問答かよ…、と郁は思っていた。
「本来一体であるべきの物を分離させて分かち合い、そしてそれを融合させる。
混沌とした世界にも、ある一定の法則と秩序があるんですよ、郁さん」
シドニーはそう言うと、背後にあるマホガニーの机にひょいっと持ち上げた郁を座らせた。
>>192 ミソ・スープは混沌する〜番外編〜2.
「ひょえっ!」
びっくりした郁の膝を掴むと、シドニーは閉じた郁の膝を開かせた。
先ほどまで一糸纏わぬ姿だった郁は、勿論パジャマの下は何も着ていない。
「ち、ちょっ……あっ…!」
いきなり開かれた足の中心部にシドニーの顔が埋まってゆく。
郁の太ももを、例の魔法の指が愛撫しながら シドニーの舌は郁の草むらをかき分け、
ついさっきまでひとつに溶け合っていた、郁の敏感な部分を探り始めた。
要するに、シドニーは『上だけパジャマ』というベタなシチュエーションに欲情したのだ。
椅子に座ったまま、シドニーは既に今日何度も愛した郁の敏感な女の部分を舐め始める。
小さな水音と共に郁の喘ぎ声が室内に響き始めた。
「…ん…っ…んっ…ああ…っ」
広いマホガニーの机に座らされた郁は、甘い刺激に耐えながらも倒れないように、
両手で上体を支えていた。
シドニーによって開花された郁の中央の突起物が顔をもたげ、それをシドニーとしたと唇が
転がすように玩ぶ。
磨き上げられた机に郁の愛液が広がり始め、上体を支えていた郁の腕が震え始めた。
溢れ出す愛液の源にシドニーの舌が差し込まれると 郁はびくんと仰け反った。
いつの間にかパジャマのボタンははずされ、郁には大きいパジャマが肩から滑り落ちてくる。
ぴんと尖った郁の乳首を、シドニーの指はまるでピアノを引くようにタッチングしながら
頭は郁の股間で動き続ける。
郁の足は宙を彷徨い、切ない刺激に もどかしそうに引き出しの取っ手を踏みあげた。
「し、しどにー…もう自力座っているのは…無理です」
溢れる泉と突起を攻め立てているシドニーに、郁は声も絶え絶えに懇願した。
郁の股間から顔を上げたシドニーが、微笑みながら囁いた。
「そうですか。郁さんが頭を打ったら大変ですね」
シドニーは肘までパジャマの脱げ落ちた郁の背中を片手で支えながら、ゆっくりと立ち上がった。
背中ではリズムを取るように、シドニーの指が動く。
立ち上がったシドニーは郁の紅潮した表情を楽しそうに見ながら、今度は乳房から乳首に
唇を彷徨わせた。
背中と胸に与えられる刺激で、郁はびくん びくんと反応する。
「郁さん。僕のインスピレーションに同調して、郁さんのここも溢れだしています」
散々唇と舌で刺激された郁の秘所を、シドニーの指が奏でる。
背中と胸と、一番敏感な部分の三点を刺激されて郁はもう息も絶え絶えだった。
「こ、高価な机に…染みがついちゃいます…しどにー…」
意識が飛びそうになりながら、小市民の郁はマホガニーの机を心配した。
>>193 ミソ・スープは混沌する〜番外編〜3.
背中を支えられながら机に座る郁にシドニーは微笑む。
「それは大した問題ではありません。僕にとってはこの瞬間の方が大事なのです 郁さん」
そう囁くと、シドニーは郁の方膝を肩に抱え ゆっくりとシドニー自身を挿入してきた。
「…んあ…っ…!」
脈打つシドニーを内部に感じながら、郁はシドニーにしがみ付いた。
パジャマの袖だけが、かろうじて郁のまとう衣服として残り、シドニーが動くたびに
微かな衣擦れの音がする。
シドニーが深く貫いてきた時、郁は仰け反って倒れ掛かり、机に頭をぶつけそうになった。
それをシドニーの腕がしっかり支え、郁を机に横たえる。
「郁さん、大丈夫でしたか」
「は、はぁ。頭は打ちませんでした。しどにー…」
「よかった」
シドニーは優しく微笑むと、今度は両膝を担いで郁の上に覆いかぶさる。
郁の両肩の上に手をかけ、シドニーは再び動き出した。
郁の奥深くまでシドニーが届くと、シドニーの顔が郁に近づく。
近づくたびに、軽い口付けをしながらシドニーは 絡み付く郁の内部を出し入れしていた。
郁は貫かれるたびに喘ぎ声を放とうとするが、シドニーの唇によってさえぎられる。
それが余計に切なくて、シドニーが引き抜こうとする度に郁は無意識に腰を浮かべ、
郁から出て行こうとするシドニー自身を郁の内部の襞が絡みつく様に引き止める。
妖しい水音が室内に響き、高まる郁の感性と共にシドニーは自身が締め付けられ、
シドニーも限界に近くなってきた。
「郁さん…僕はもう…」
シドニーも切なそうに囁くが、郁もまた限界に近く その声はもう聞こえなかった。
シドニーの動きが早くなり、電流を浴びたように動きが止まる。
郁は頭が真っ白になって、郁の中にいるシドニーごと体を収縮させ しばらくの後弛緩した。
シドニーは締め付けられながら、切なそうな表情で郁の中に爆発した。
>>194 ミソ・スープは混沌する〜番外編〜4.
汗と愛液で濡れた机の上で、二人は荒い息を整える。
郁はもやのかかった頭で、机の掃除を心配した。
一息つくと、シドニーは裸のまま郁をベッドまで抱き運んだ。
「郁さん、今日はCD一枚分の新曲が浮かびそうです」
シドニーは嬉しそうに呟いた。
「さ、さいですか…。それは良かったです、しどにぃ」
なんちゅ〜元気な外人だ。
郁は内心驚きながら、微笑むシドニーに笑い返した。
郁が微笑むと、シドニーはまたも復活してしまう。
「郁さん…」
またも覆いかぶさってくるシドニーに、郁は心の中で悲鳴をあげた。
『元気なのはいいけど、ちょっとは加減もしてくれぇ!』
ガラス細工の透明な人は、実はグラスファイバー素材なんじゃね〜か?と、
郁は思い始めていた。
朝になり、家族のために思い腰を引きずりながら郁が味噌汁を作っている。
食卓には、もう当然といった顔で シドニーがわくわくと正座して待っていた。
おしまい
郁さんとシドニーにこんなに早く、またお会いすることが出来るとは!
変な理屈をつけて、欲情するシドニーにワロタ!
郁さんにはかわいそうだが、復活いいぞー!いけいけー!
と思ってしまった…郁さん、すまん!
番外編きたーw
ブレーメンUがお休みなので、レスだけ覗きに来たらラッキーw
相変わらずシドニーと郁の会話に笑えました
悪魔召還って…郁らしいと笑ってしまったw
職人さん、GJです!
職人さま方、乙〜!
豪華なスレじゃ。住民の皆さん、日頃の行いがよっぽど善いんじゃろな。
ところで
>>189に地味に萌えてしまった。
あなたのことも職人さまだと思っていいですか?w
うう…50レス越えてしまってすみません
後しばらくお付き合い下さい
飽きてしまった方はスルーでお願いします。
>>170 Imprinting―インプリンティング―その52.
結局ナッシュはキラの部屋で、眠れぬ一夜を過ごしてしまった。
ハニワの様な顔で憔悴するナッシュの横で、安眠していたキラが目を覚ます。
「やあ、おはよー。社長、よく眠れたかね?」
「……」
どんよりとしたナッシュとは裏腹に、キラもリトル・グレイも元気いっぱいだ。
「さて、顔でも洗ってくるか」
キラが元気そうにベッドを降りると、憔悴して絶句しているナッシュにリトル・グレイが
くつくつ笑いをしながらポンポンと、哀れむように肩を叩いた。
なんだかリトル・グレイに負けた、と余計落ち込むナッシュだった。
一緒に部屋を出ると、キラの両親が通りがかった。
「あら〜、おはよう。お二人さん」
キラのか〜ちゃんはニコニコしている。
「お、おはようございます ナルセ夫妻」
ナッシュは気まずそうな顔で挨拶すると、自分も着替える為に自室に戻った。
「夕べは社長も相当張り切ったみたいね。あの疲れた顔見りゃわかるわ」
か〜ちゃんは満足そうにからからと笑う。
「…か〜ちゃん、残念ながら策略は未遂に終わったぞ。こいつのおかげでな」
キラの背中に張り付いているリトル・グレイがくつくつ笑った。
「…なんとね?なんもなかったと?」
か〜ちゃんの形相が変わる。
「ないって。あんまり暴走しないでくれよ〜、か〜ちゃん」
「まー!なんて鈍臭い子かとね、こん子は。せっかく母さん達が協力してやったとに!」
「しょ〜がね〜だろ。うちの艦はコイツがへばりついてるんだから」
「どうでしょう?ヒマですから」
くつくつくつ。
リトル・グレイがまるで勝ち誇ったようにくつくつ笑いをする。
「言い訳はよかから。あんたら、本当に結婚すっ気はあるの?」
か〜ちゃんは怒りながらも呆れた顔でキラに詰め寄る。
「だから、まだそこまで考えてないって〜。フライングするなよ〜。か〜ちゃん」
ぷりぷり怒るか〜ちゃんの後ろで、と〜ちゃんが困った顔で笑っている。
「そ、そ〜だよ。母さん。そんなに急いで嫁にやらなくてもいいじゃないか。なぁ、キラ」
「ワイは黙っていて!」
か〜ちゃんに一括されて、と〜ちゃんは後ずさる。
キラは、そんなと〜ちゃんに近寄ると、小声でぼそぼそ文句を言った。
「と〜ちゃん、社長のリストコムに船長権限パスワードにブロックかけたの、と〜ちゃんだろ?
あれ、なんとかしてくれよ〜!」
と〜ちゃんは困った顔でか〜ちゃんをチラッと見る。
「そ、そ〜したいのは山々なんだけどさ、キラ〜。ほ、ほら、父さんキラより母さんと
居る時間の方が長いだろ〜。ばれたらあの怒りが父さんに向くわけで…なあ?
父さんも辛いところなんだよ〜」
情けなさそうに笑うと〜ちゃんに、キラはがっくりした。
「ま、まあ、こいつが居る限り、か〜ちゃんの野望は果たせないから諦めろ。な、か〜ちゃん」
「あなたも、にゅあんすしませんか〜」
くつくつくつ。
「それ位で諦める母さんやなかとよ!覚えてらっしゃい!」
覚えていたくね〜よ〜!すたすたと去っていく両親の後姿にキラは心の中で叫んだ。
>>200 Imprinting―インプリンティング―その53.
その頃ナッシュは、自室で照明の調整と『よくわかるシリーズ』を読み返していた。
勿論、『よくわかるシリーズ』には、リトル・グレイの対処法などは載っていない。
「あ〜!もいちょっとだったのに〜!!どうしたらいいんだ!」
途方にくれるナッシュだった。
キラ達の廊下でのやり取りは、またもアンブレラによってクルーに筒抜けだった。
キラがブリッジに入ると、クルー達は同情した表情でキラを見る。
「な…なんだ?君達、やけに暗いが心配事でもあるのか?」
キラはクルーの表情にたじろぎながら質問するが、善良なクルー達は答えない。
「なんなんだ…?一体…」
怪訝そうな顔をしながら艦長席に座る。
「ま、まぁいっか。では、ブレーメンUは次の寄航地に向かって発進する」
「アイアイ・サー!」
次の寄港地はジェルミ スキャバレリ を経て、惑星・ハップルがレセプションだ。
惑星ハップルは、ブレーメンズ虐待で散々叩かれた グレイソン・ファーム社の
視察と、ブレーメンズ保護法可決がこのレセプションの目玉になる。
そして、この惑星がブレーメンUの折り返し地点ともなるのだ。
惑星・アスランを出航したブレーメンUは第一のワープを完了する。
ここで、またキラとダンテ君は先に休憩時間となった。
昨夜当直をしてくれたダンテ君は、仮眠室へと直帰した。
キラは朝食がまだだったので、レストランに行って遅めの朝食を取ることにした。
レストラン・カッシーニでは、悩みながらも朝食を食べているナッシュがいた。
「あ、キラ!こっち、こっち〜」
さすがに両親の前では、キラもナッシュに甲板掃除を命じられない。
朝食のメニューを選ぶと、ナッシュのテーブルに着いた。
さっき別れる時は落ち込んでいたのに、食べている時は元気を取り戻すナッシュに、
キラは少し呆れていた。
いつの間にか、またリトル・グレイもキラ達のテーブルに同席している。
そこにまた、ダ・シルバ夫妻が同席してきた。
「やぁ、婚約おめでとう、ナッシュ。キラ船長、会見の時のポーズは見事だったね」
ナッシュと同世代であるラウルもまた、キラのスペシューム光線を知っていた。
「ラウルってば。お二人とも益々仲が宜しくて安心しましたわ」
ジゼルが素直に祝福をしてくる。
「もうすぐ今回のレセプションの旅もハップスで終わりますね…。
私たちもずっと新婚旅行みたいで、すごく楽しかったですわ。ね、ラウル」
「そ、そだね。ジゼル、久しぶりの長期休暇だったねー」
ラウルも赤い顔でにまにまとする。
「そういえばそだなー。今回の航行も色々あって楽しかったね」
ジゼルとラウルに言われて、キラも今回の航行を懐かしく思い出していた。
惑星・ハップスに着いたら、このお調子者のナッシュも一旦は本来の社長に戻るだろう。
なんだかんだと言ってどたばたしていた航行も、もうすぐ終わりだと思うと感慨深かった。
キラが感慨深げにしていると、ラウルがこっそりナッシュに耳打ちをした。
「…で?どうなんだ、ナッシュ。もうキラ船長とは首尾を済ませたんだろ?
結婚式の予定は立てたのか?こっちもまたスケジュール調整があるからな」
好色そうに笑うラウルに、ナッシュはず〜んと落ち込んだ。
「…まさか、まだ手を出していないのか?相変わらず間抜けな奴だなー」
暗い顔をしているナッシュに、ラウルは追い討ちをかける。
「だってさー。そこにいる、リトル・グレイが邪魔するんだよー」
ナッシュは恨めしそうに、テーブルにいるリトル・グレイを睨みつけた。
ラウルは思わず『ぶわはははは!』と大声で笑ってしまった。
>>201 Imprinting―インプリンティング―その54.
「ラ、ラウルったら!ど、どうしたの?」
苦しそーに笑うラウルを ジゼルは周囲に謝りながら聞いて来た。
「だ、だってさージゼル。この二人、婚約までしたのにまだ清い関係らしいよ。
それも、その理由がリトル・グレイの妨害なんだって。笑っちゃうだろ?」
感慨深そうにしていたキラが、その会話を聞いてナッシュの足を蹴った。
「いてっ!ラウルのばかっ!でかい声で言うなよ!」
「そもそも そんな事を人様に話す方がおかしいだろうが!ナッシュ・レギオン」
キラの機嫌が悪くなる。
「まぁ…そういえば、この艦のリトル・グレイはキラ船長に懐いてるし、
キラ船長もこのリトル・グレイを見分けられるんですものね…。
困りましたね、何かいい方法はないのかしら?ね、ラウル。このままじゃお気の毒だわ」
痛いところを付かれて、キラはジゼルに苦笑するしかなくなる。
そーなのだ。いつの間にかキラはくつくつ虫を見分けられるほどになってしまっていた。
ラウルが閃いた様に提案する。
「あ!じゃーさ、誰かに頼んでステルス・スーツを着てもらえばいーんじゃない?
それならリトル・グレイの気もそがれるだろ?」
ラウルは自分の提案を得意そうに説明した。
「…で?誰にそんな損な役回りをしてもらうんだ?それにその提案にはいくつか欠点があるぞ。
ダ・シルバ社長」
キラはむっすりしながらラウルの意見を却下した。
「へ?この完璧な提案のどこに落ち度があるんだ?キラ船長」
プライドの高いラウルは、ちょっと傷ついてキラに理由を問いただした。
「まず第一に、そのステルス・スーツを着る犠牲者の選出だ。
うちの善良なクルーには、とてもそんな虐待みたいな事は頼めん。
第二に、ステルス・スーツを着て艦内をうろついたら、他のリトル・グレイまで来ちまうだろ。
そんな事になったら、我が艦は大パニックだ。
第三に、ステルス・スーツ着用者がいるって間は、私らがそーゆー行為をしてると宣伝してる
事になるじゃないか。そんな恥さらしなまねができるかね?ダ・シルバ社長」
「う、ううっ…!」
キラの理路整然とした反論に、ラウルもナッシュも納得せざるを得なかった。
「ま、そう言う事だ。こればっかしは仕方がないだろー」
「う、う〜ん…」
悩んでしまうナッシュとダ・シルバ夫妻を余所に、元凶のリトル・グレイは相変わらずだった。
「ど〜でしょう、ヒマですし」
くつくつくつ。
「ま、まぁ君達も頑張りたまえ」
苦笑と同情を残しながら、ダ・シルバ夫妻はテーブルを離れていった。
>>202 Imprinting―インプリンティング―その55.
その会話を聞いていたクルー達は、キラに『自分がステルス・スーツを着て個室に隠れている』と、
名乗り出てくれたが、キラはその気持ちだけで嬉しいと断った。
ブレーメンズの善良さは充分に理解しているつもりだ。
キラはそんな彼等にこれ以上負担をかけたくはなかった。
ブレーメンズもキラの好意を察し、内心役には立ちたかったが キラの好意を無駄には
したくないと、優しさには感動しながらも それ以上何も言えなくなってしまった。
「そんな心配そうな顔をするなよ〜諸君。別に焦らなくてもなるよ〜にはなるんだからさっ!
一応婚約もしてるわけだしな。…やや不本意な婚約ではあるが」
キラが明るく笑うほど、ブレーメンズはキラとナッシュに同情してしまった。
なんだかんだ言いながらも、ブレーメンUは順調に航行し、ジェルミ スキャバレリを経て、
いよいよ残すは惑星・ハップルだけとなった。
そんな時、またもやナッシュ・まねっこから通信が入ってきた。
「こんにちは、お二人とも。婚約式はご苦労様でした」
相変わらず表情を崩さずに、まねっこは挨拶をしてくる。
「…お前が連絡してくる時はろくな事がないんだよな。今度はなんだよ?まねっこ」
キラが不機嫌そうにまねっこに話しかける。
「もうすぐレセプションもラストですから、これからのお二人についての連絡です」
「ま、まだ何かたくらんでるのかい!?まねっこ。もう勘弁してよ〜」
ナッシュが情けない声を出す。
「人聞きの悪い事を言わないで下さい、オリジナル。
当然レセプションが終わったら、約束通り仕事に復帰していただきますので、まずはこれが
第一の連絡です。専用機を用意しておきますので、そのまま地球にお戻りくださいますね?」
お得意の三白眼でまねっこがナッシュを睨む。
「え、ええ〜っ!往復で戻るまではいいじゃないか〜!まねっこ、横暴!!」
ナッシュはシリアスな顔をしてまねっこに文句を言った。
しかし、まねっこは全く意に介さずに言葉を続けた。
「あに言ってるんですか!
こんなに長期間会社を放置してる社長がどこに居るんです?オリジナル」
…そりゃ、そうだよな〜。ダ・シルバ夫妻だってハップスから専用機で帰るんだし。
と、キラはまねっこの言葉に内心納得していた。
しかし、まねっこの次の言葉にはキラも驚愕してしまった。
>>203 Imprinting―インプリンティング―その56.
「それと、イレブン・ナイン。
あなたは惑星ハップスでブレーメンUの船長を解任していただきます。辞令は用意済みです」
「……えええ〜っ!?なんでだよ!ナッシュ・まねっこ!いきなり『リストラ』か!?
ちゃ、ちゃんとした理由を述べろ!納得がいかんぞ」
画面にかぶりつくようにしてキラがまねっこに詰め寄る。
まねっこは方眉だけを上げて、キラに説明をした。
「何を仰るんですか、イレブン・ナイン。あなたはもうスカイ・アイ社長の婚約者ですよ。
これからは社長夫人として、公式行事にも参加する身です。
ちゃんと自覚してくださらないと困りますね。結婚式までに花嫁修業をしていただかなくては」
ここで初めてキラは ナッシュがスカイ・アイの社長だと言うことを再認識した。
社長夫人になるという事は、確かにそういう責務も果たさなくてはならないのだ。
「ま、待て!まねっこ。私はそこまでまだ決心はしていないぞ!
それに、いきなり船長を解任したら誰が船長をやるんだ!!」
「その点もきちんと考えてあります。イレブン・ナイン。ブレーメンUの船長には、
副長のダンテ君を選出しました。空いた副長のポストには帰星後、わが社の社員を選出します」
ダンテ君が船長…?それはブレーメンズにとっては栄誉ある事だ。反対する理由は全く無い。
しかし、キラはまだ仕事を辞めるつもりなど毛頭なかった。
「せ、せめて地球に戻るまではこのままじゃ駄目か?は、話し合おう、ナッシュ・まねっこ!」
キラは必死になってまねっこを説得しようとした。
「駄目ですね。ハップスには私もお二人をお迎えに行きます。
それに、惑星・フロリナの アリス・ファンタジオーソから 結婚式は是非そこでと
依頼も来ていますので、これまでの業績から考えると適切でしょう。
わかりますか?もう時間は残されていないのですよ イレブン・ナイン。
連絡事項は以上です。それでは惑星ハップスでお会いしましょう」
またも言いたいことだけ伝えると、まねっこは通信を切ってしまった。
あまりといえば、あまりの展開に、キラはナッシュに八つ当たりをする気力すら無くし、
がっくり座り込んでしまった。
ナッシュが心配してキラを慰めようとするが、キラはうつむいて黙り込むと
「すまんが、一人にしてくれないか。ナッシュ・レギオン」
と、ナッシュの手を振り解いてしまった。
ナッシュは心配そうに振り返りながら、項垂れるキラを残して通信室を後にした。
…う〜ん、こんなキラならいつもの様に『グー』で殴られたほうが安心だよなあ。
却ってキラの沈黙が怖いナッシュだった。
>>204 Imprinting―インプリンティング―その57.
この情報も、アンブレラによってクルー達に伝えられた。
ブレーメンズはあまりに唐突な展開に慌てふためいた。
「じゃ、じゃあ、キラ船長とは惑星ハップスでお別れする事になるんですか!?」
シルビア君もオスカー君も泣きそうな顔になっていた。
船長候補に指名されたダンテ君も狼狽していた。
「私たちが今まで、こんなに良くしてもらったのはキラ船長が初めてだ。
いくら私を船長にと言ってもらっても、こんなのちっとも嬉しくないよ!
私たちの船長はキラ船長だけだと私は確信している!」
ブリッジだけでなく、艦内中がキラ解任のニュースに納得がいかなかった。
「で、でもさ。キラ船長と社長にとってはおめでたい事なんだよね…。
私たちの我が儘で、お二人の幸せに口を挟んでもいいのかな…?」
コアラのモモ君がボソッといい始めた。
アームストロング船医も、重々しくそれに同意を示した。
そう言われてしまうと、善良なブレーメンズは反対もしにくくなってしまう。
明るかったブレーメンズが、しょんぼりと悩んでしまった。
しばらくすると、キラがブリッジに戻ってきた。
またもクルー達がどんよりしているのに気づくと、キラはあっさりと笑った。
「なんだ なんだ!?君達が悩むなんてらしくないぞ!元気を出せよ」
またも涙もろいダンテ君がうるうるしているので、キラはダンテ君の肩を叩いた。
「もう通信はあのおしゃべりコンピューターから聞いてると思うが、これは名誉だよ。
ダンテ君!君なら立派に船長が務まると私は確信している!
それにまだ、最終地である惑星・ハップスのレセプションが残ってるじゃないか!
もう会えなくなるわけじゃなし、皆も普段どおり振舞ってくれたまえ」
「キャ、キャプテン〜!私にはまだ無理です」
泣きながら答えるダンテ君にキラはにっこり笑って言った。
「大丈夫だよ、ダンテ君。君なら立派な船長になれる。ハップスにつくまでに私も協力するよ」
吹っ切った様なキラの笑顔に、クルー達は戸惑った。
「やっぱり船長はお嫁さんになる事を選んだのかなぁ…。寂しいけど、それなら祝福しないとね」
ブレーメンズはまるで巣立ちする時の子供のように、寂しいような 嬉しいような、
複雑な気持ちでキラを見守る事にした。
惑星・ハップルまでは後十数時間だ。
すみません、もうじきラストスパートですがまだ続きます…
すみません、見直したつもりがまたもやミスがありました。
惑星ハップスではなく、ハップルです。
申し訳ないですが脳内変換お願いします
くつくつと生温くお待ちしております。
208 :
sage:2006/06/23(金) 15:16:39 ID:6VUyzpJG
ずっとロム専でしたが、リトル・グレイに負けたナッシュ・オリジナルに萌えて
出てきましたよ。
思いも寄らない展開に、我泣き濡れてかにと戯れています。
なんとレベルの高い職人様でしょう。
あまりのうまさに思わず帽子を食べてしまいそうですww
>>208 嬉しいのはわかるが、おーい!あがっちゃったぞー!
sageは名前ではなく、今度からE-mail (省略可) のところに入れてちょうだいな。
マターリとお願いしますね。
本当に萌えすぎ!職人様すげーですよ!
これからもこの調子で突っ走ってくだされ!
210 :
208:2006/06/23(金) 16:15:34 ID:6VUyzpJG
あきゃ〜すみません〜。
これで良いですか。
211 :
209:2006/06/23(金) 16:44:34 ID:pTFeoU1b
>>210 おお!良きかな、良きかな!
人の忠告を素直に受け入れてくださる度量がおありになる。
素晴らしいことですぞ!
これからもこのスレを盛り上げてくだされ!
ミソスープ番外編もブレーメンも相変わらずレベルが高いなぁ。
ここんとこの進行が神がかってて毎晩ここに来るのが愉しみだ。
ブレーメンU復活GJ!
ちゃんと順を追って話しが進展してますねー
もうじきラストスパートというのがちょっとサミシス…
できればずっと続けて欲しかったり…
ああ〜明日がまた楽しみだ!!
>>205 Imprinting―インプリンティング―その58.
『船長と社長を祝福しよう!』
これがブレーメンズの暗黙のテーマとなった。
…なったはずなのだが、なんだかブレーメンズはしっくりできず、不思議だった。
いつもオフの時間には一緒にチェスをしていたヨシダ君が、今日はナッシュの相手をしてくれなかった。
レストランに行くとナッシュの大好きな『チョコレート・ムース』がお茶菓子だったので、
「キカザール君、大盛りにしてねっ」
とナッシュがわくわくして頼むと、キカザール君は快く笑って返事をしてくれたのだが、
盛り付けられたのは、他の皿に比べてほんのちょっぴりだった。
「……?」
廊下を歩いていると、図書員のアベル君が本を積んだカートで勢いよくナッシュに激突してきた。
「あ、すみません すみません〜!だいじょ〜ぶですか?しゃ、社長」
「う、うん。だ、だいじょ〜ぶ、君が余所見なんて珍しいねっ…アベル君」
な〜んかみんな変だよね…?
ナッシュは不思議に思いながら、キラに殴られた歯の治療で、アームストロング船医を訪れた。
「う〜む…。皆、お二人を祝福したい気持ちはあるはずなんですが…。
やはり、キラ船長が社長と結婚して船長解任、というのがキーワードなのかもしれませんな」
「そ、それってもしかして怒ってるの…?解任は私が決めたわけじゃないんだよ〜」
「クルーもそれはわかっているはずですよ。ただ、やはり無意識に納得いかんのでしょう」
アームストロング船医は、ナッシュに同情するように話しかけていた。
「と、ところで、ドクター。今削ってるのって、け、健康な歯じゃないのかな…?痛いんだけど」
ナッシュは冷や汗をかきながら、アームストロング船医に聞いてみた。
「おっと、こりゃすみません。社長」
…船医も例外ではないようだった。
皆、表面上は普段と変わらず愛想もいいのだが。何故かナッシュは理不尽さを感じてしまう。
「気のせいじゃねーのか?みんな普段どおり真面目に陰日向なく働いてるぞ?」
ナッシュの話しをキラは笑い飛ばした。
「そうかなぁ…?嫌われる事をした覚えもないんだけどね」
だが、確かに今夜の夕食のメニューは キラに比べてナッシュの盛りがかなり少なかった。
そんな数時間を過ごしたブレーメンズは、こっそり集まって反省会をしていた。
「思うんだけど、今日の私らの社長への態度ってやっぱり感心しないよね」
「あ、あれ?おかしいな〜。私たちは社長も好きなはずなのに、勝手に手が…」
「あ、やっぱり?私もそ〜なんだよね。無意識に社長に意地悪しちゃってるみたいなの」
「いけないよね。ちゃんと祝福してあげなくちゃ!」
元が善良なブレーメンズは、自らの無意識下の行動に自己反省を感じてはいたのだ。
>>214 Imprinting―インプリンティング―その59.
その晩 ナッシュが部屋に戻ると、キラから部屋に来ないかと船内通信が入った。
珍しいなと思いつつ 部屋を訪れると、部屋の中ではガウンを着たキラが待っていた。
「こんな時間までどこかに行っていたのか?ナッシュ・レギオン。
もう甲板掃除はしなくていいんだぞ?」
通信室で別れた時とはうって変わって穏やかそうなキラに、ナッシュは何やら戸惑った。
「う、うん。ちょっと所要を済ませていたんだ。それより君こそどしたの?キラ」
「か〜ちゃんがさ〜、新しい寝巻きを寄越してさ。それ着て社長に見せろとうるさいんだ。
一応形だけでもいう事を聞かないと、またやかましーからな。
悪いけどアリバイ工作に協力してくれ。ちょっとした話もあることだしな。
まあ、そこじゃなんだから、入って来いよ。ナッシュ・レギオン」
「う、うん…?」
ナッシュはなんとなく戸惑いながらキラの部屋の中に入った。
「また麦茶でいいか?」
「う、うん」
冷蔵庫に向ってナッシュの横を通るキラの髪からはシャンプーの香りがした。
ナッシュはまたもドキッとしたが、部屋の中には やはりリトル・グレイがちゃっかり
ソファでくつろいでいた。
もう予想はついていたので、あまりがっくりしないよう心がけた。
くつくつくつ。
「インドでは、象がとってもつよいんだぞう」
…やはり覚悟はしていても、がっくりくるのに変わりはなかった。
「ヤマトは国のまほろば、宇宙戦艦トマト〜」
くつくつくつ。
「まぁ、待て。ちょっと実験してみたい事もあるんだ」
キラが苦笑しながらも、目線をリトル・グレイまで下げて話しかけてみた。
「キミは意味不明の返事しかしないが、私らの言葉は理解してるんだよな?リトル・グレイ」
「さて、それはど〜でしょう?」
くつくつくつ。
キラはこめかみに血管が浮かんだが、拳を握りながらも忍耐強く言葉を続けた。
「そしてムカつく奴だが、実は歌や踊りが得意な紳士的な宇宙人でもある」
「スイカの種はとらなくては」
くつくつくつ。
「そんなキミは人間の男女が一部屋に篭ったら何をするか知ってるのかね?リトル・グレイ」
くつくつ…く…つ…。
リトル・グレイのくつくつ笑いが止まった。
「いいか、教えてやるぞ。リトル・グレイ、本来男女が一部屋に篭るとな…」
キラがリトル・グレイにひそひそと囁いた。
「男が女に○○を××して、しかも△△を◇◇する上に、むにゃむにゃをうにゃうにゃと…」
リトル・グレイが脅えたように、くつくつ笑いをやめて後ずさった。
「しかも××を▲▲して、ピーがポーとしちゃうんだ!ど〜だ?知ってたか」
(伏字は放送禁止用語なのでお見せ出来ません)
「か、返して戻して北方りょ〜ど!」
リトル・グレイは赤面しながら後ずさると、震えながらふっと部屋の中から姿を消した。
>>215 Imprinting―インプリンティング―その60.
「や、やった…」
キラは赤面しながらも、リトル・グレイに『勝った』と思った。
ふ〜…。恥ずかしい勝利だったぜ…。
「キ、キラ。あのリトル・グレイをどうやって撃退したんだ!?」
驚きながら問いただすナッシュに、キラは赤面しながら咳払いした。
「あ〜、今まで奴の意味不明な発言をデータにして思い出してみたんだ。
すると、奴の発言は意味不明だが下品な言葉は一切使ってなかったんだな〜」
「ふむふむ」
「そ、そこで思いっきり下品でスケベな話題を出せば利くんじゃないかと推理したのだ。
図書館で官能小説を借りてきて、はずかし〜ボキャブラリーを覚えておいたのさっ!
意味不明だし、口に出すのはかなり抵抗があったが、これが見事に利いた訳だな」
ナッシュは感心したように息をついた。
「ほ〜。さすがはキラ!…ところで、どんな本を借りて何て言ったの?」
ナッシュがワクワクドキドキしながら聞くと、キラは真っ赤になって拳を振り上げた。
「わ、わかった。ごめん!もう聞かないって〜」
官能小説にも心惹かれたが、ナッシュは改めてキラの危機的対応行動に感心した。
さすがはイレブン・ナインと呼ばれるだけはある…。
しかし、ナッシュはもっと重要な事に気が付いた。
気が付けばお邪魔虫も消えて、室内には今二人きりじゃないか!
うわぁ…。
ナッシュの心臓は期待で高鳴った。
「で、でさ〜キラ。お母さんが寄越したっていう寝巻き、今着ているの?」
「…さっき、か〜ちゃんがそれを着るまで部屋を出て行ってくれなかったからな」
キラは寝巻きの上に羽織っているガウンの胸元を慌てて押さえた。
「それ、私に見せろって言われたんでしょ?…見せてくれないの?キラ」
隠されると益々期待が高まるナッシュに、キラは赤い顔をして怒った。
「ば、ばかもん!こんな恥ずかしい寝巻き見せられるか!」
「え〜、いいじゃん〜。見せてよ〜キラ」
近づこうとするナッシュを牽制する様に、キラは身構えてファイティング・ポーズをとった。
案の定、ナッシュはびびって歩みを止めた。
「なんですぐにそうなんだ、君って奴は!ナッシュ・レギオン!」
「だ、だってさ。私達、もう婚約したんだよ?」
キラは緊張感のずれてるナッシュにふぅ、と溜息をついて見せた。
「まぁ、少しは落ち着けよ、社長。今夜は話しもあるって言っただろ?」
「う、うん…?」
てっきり『グー』が飛んでくると思っていたナッシュは、キラの溜息に戸惑った。
>>216 Imprinting―インプリンティング―その61.
昼間、通信室で一人にしてくれと 手を振り払ったキラを思い出す。
言い様のない不安を覚えながら、ナッシュはソファに腰掛けた。
「あ、あのさ、キラ。昼間まねっこが言った事はあまり気にしないでいいよ。
解任の件は明日私が何とかするからさ」
精一杯慰めるつもりでナッシュはまねっこの解任発言を撤回宣言した。
しかしキラはゆっくり首を横に振った。
「いや、ブレーメンUの船長をダンテ君にするのは私も反対じゃないんだ。
むしろ、彼等にとってはブレーメンズから船長が生まれるって事は喜ばしいし、
今後を考えても歓迎すべき事だと思う」
「え……?」
キラの発言はナッシュの予想の範囲外だった。
驚いているナッシュに、キラは作り笑いで誤魔化しながら続ける。
「実を言うとさ〜、婚約も深く考えず成り行きでど〜にかなると思っていたんだよな。私ってば。
でも、よく考えてみたら婚約の後には結婚が待ってるのは、当然といえば当然だ」
「う、うん。そーだよね」
ナッシュはキラが何を言わんとしているのか、よくわからずに混乱しつつ、
だはは〜と笑いながら言われる言葉に オウム返しに頷いていた。
キラはナッシュの正面に立つと、まっすぐ見つめて聞いてきた。
「ただな〜、大財閥の社長夫人という立場は 私に相応しいと思うか?社長。
パーテーの出席やらお愛想笑うが似合うか?ダンスができるか?…できね〜し、全然似合わんだろ。
私は今まで宇宙飛行士としての人生しか歩んでないし、この仕事も気に入っている。
よーするに、社長夫人なんてガラじゃね〜んだよ。君も、そ〜は思わないか?社長」
『社長夫人なんてガラじゃない』という言葉と、キラが自分をさっきから『社長』と
敢えて呼ぶ事に、ナッシュの不安は高まった。
「で、でもキラ。ジゼルだって元々はイザナミで炭鉱を仕事にしていたんだしさっ。
キラだって社長夫人くらいはすぐ慣れるんじゃないかなっ??」
さっきまでとは違った意味で、ナッシュの鼓動は早まった。…それは不安という名の鼓動だ。
「…だからさ〜。慣れるとかじゃなく、なりたいか否かなんだよな〜。
わかるだろ?はっきし言うと、私は社長夫人にはなりたくないんだ。社長」
ナッシュの不安は的中した。
「で、でも!私は君が好きなんだよ?キラ」
思わずナッシュは立ち上がるとキラに向かって叫んだが、キラはあっさり答えてきた。
「うん。不確定要素は多いけど、私もナッシュ・レギオンという人物は好きだよ」
まるで予想外の返事だった。
ナッシュは初めてキラの口から自分を好きだと言われた事に舞い上がった。
あまりにあっさり言われたので、拍子抜けもしたのだが ともかくナッシュは感動してしまった。
>>217 Imprinting―インプリンティング―その62.
だが、ちょっと待て!?感動している場合なのか!?
…思わず自己感動してしまったが、我に返ったナッシュは自問自答しつつも聞き返した。
「じゃ、じゃあ、何も問題はないじゃないか!?キラ」
キラは珍しく自分に反抗してくるナッシュに、しばらく戸惑いながら考えた。
「だからさ〜。ナッシュ・レギオンという人物と、スカイ・アイという大企業の社長ってゆ〜のが、
私の中ではどーにも符合しないんだよ〜。
今更悪いとは思うけどさ〜。私が婚約したのはナッシュ・レギオンで、社長じゃなかったんだ。
だから、社長夫人というのも無理なんだよ。…わかってくれないかな?」
言葉を選んだつもりだが、やはり口にすると気まずいと思うキラだった。
ナッシュはしばらく呆然としたが、キラが結婚を拒否している事がわかると猛然と抗議した。
「そ、そんなの納得できないよ!ナッシュ・レギオンもスカイ・アイ社長も同じ私じゃないか。
そ、そりゃ社長業はまねっこに、仕事を押し付けたりもしてるけどさ〜…、むにゃむにゃ…。
と、ともかく!私はナッシュ・レギオン一個人としてキラが好きになったんだよ?
社長として好きになって欲しかったんじゃないって、キラの方こそわかってくれないかなっ」
目の前に居るのに、キラが遠く感じてしまう。
ここで負けたらキラを永遠に失ってしまうと感じ、ナッシュはここぞとばかり必死になった。
「キラが望むなら、結婚してからも仕事は続けても 私は全然構わないんだよ。
頼むから、そんなに重く考えて あっさり『No』の結論を出さないでよ〜!」
あ〜!これが仕事での社交的なスピーチなら、こんなに緊張しないのになぁぁ!!
ナッシュはもどかしい気分を味わいながら、使い慣れない言葉を尽くしてキラへの説得を続けた。
喪失への不安から、思わず強引にキラを手元に抱き寄せる。
「お、おい!落ち着けって!そ〜ゆ〜お気楽な訳にもいかんだろ。もっとよく考えろよ」
キラはナッシュの思わぬ底力と、不器用な説得にちょっと驚いていた。
「ちゃんと考えてるよー。キラはナッシュ・レギオンとしての私は好きと言ったでしょ?
私だって優秀な社員とか船長じゃなく、キラがキラでいるから好きなんだよ。
…ね、ホントに私の事を好きなの?も一回答えて、キラ」
いきなり問い詰められたキラは、顔を赤くしてもごもごと言う。
「う、うん。女に二言はない」
ナッシュはやっと安心してキラを抱きしめると、背中をポンポン叩きながら言った。
「だったら大丈夫。ちゃ〜んと なんとかなると思うよ、きっと」
…またお気楽者がなんか言い出したよ…。何の根拠があって大丈夫だと言い切れるんだ?
それなのに、怒り出す前に思ってしまった。
いくら決心して言ってみても、こいつの『大丈夫』には、なんだか妙に納得しちゃうんだよな。
どんなに頑張ってみせたって、ここまでお気楽なナッシュに頑張られたらしょ〜がない。
これ以上の主張はもう無駄だと、キラは溜息をついて諦めた。
>>218 Imprinting―インプリンティング―その63.
「やでやで…。君には負けたよ、ナッシュ・レギオン」
ナッシュの腕の中で、キラはぽつんと呟いた。
さっきまで泣きそうな程必死だった、ナッシュの顔が ぱっと明るく輝き出す。
「ほんとに?前向きに検討して、善処した答えに変えてくれた?キラ」
「…いきなりまた怠惰な経営者みたいな言い方をするなよ〜。思わず殴りたくなるぞ。
女に二言はないと言っただろ」
…やっぱりこいつはお調子者だ。
キラはこの成人同士らしくないやり取りに、間抜けさを感じて苦笑するしかなくなった。
ナッシュは にぱっと笑いながら、少し大胆になって聞いてみた。
「…じ、じゃあさ〜、さっき言ってたお母さんのくれたってゆ〜寝巻きも見ていい?キラ」
抱きしめていたナッシュが、いきなりキラのガウンの紐に手を伸ばしてきた。
…いきなり次はそ〜来るのかよ!!いくらなんでも変わり身早すぎだろ!?
「あっ、こら!それとこれとはまた別だ!よさんか、ナッシュ・レギオン。このスケベー!」
慌ててナッシュの腕から逃れようとすると、動いた弾みでキラのガウンの紐が引き抜ける。
解けたガウンの下に着ていた寝巻きは、薄いキャミソールみたいなネグリジェだった。
「く、くっそ〜!あの極道か〜ちゃんめ、娘にこんな破廉恥な服を着せやがって!」
真っ赤に怒ってネグリジェを隠そうとするキラに、ナッシュの鼓動は再度期待で高鳴った。
「す、すっごく大胆…い、いや。斬新なデザインの寝巻きだね…。キラ」
古風に色っぽいナイトウェアに、ナッシュのヨコシマな鼓動は 昔古い映画で見た、
蒸気機関車の様にやかましくなる。
赤い顔で抗議しようとするキラを口づけで黙らせ、ナッシュはまたもマニュアル通り、
『お姫様抱っこ』でキラをベッドに運び始めた。
寝巻き姿を見られてしまったキラは、もうこうなりゃどうにでもなれ…。
という、なかば『悟り』の境地に入っていた。
キラをベッドに降ろすと、ナッシュはいそいそ練習した成果とばかり、照明の光度を調整する。
前回ほど真っ暗ではなく、かろうじてお互いの顔が見えるくらいの明るさにした。
「あ、明るいと恥ずかしいけど、この位ならいいかな?キラ」
「う、うん…。い、い〜んじゃないかな?」
『もうどーでも…』
そんなキラの心の呟きも知らず、ナッシュはドキドキしながら自分も服を脱ぎ始めた。
ワイシャツのボタンがもどかしい。
野性的にボタンを弾き飛ばして脱ぎたい所だが、焦るナッシュにそこまで考える余裕はなかった。
シーツにもぐりこんだキラは、ナッシュが服を脱ぐのを見て 照れて頭を隠していた。
どうにか服を脱ぎ終えたナッシュが、間抜けなセリフでキラの被っているシーツをめくった。
「え、えーと。で、では。お、お邪魔します…」
思わずぷっと吹き出しそうになったが、真面目な顔のナッシュを見て、キラは無言で目を閉じた。
なんでシリアスになれないんだ!と落ち込みながらも続きます…
イイ味出てるな〜。この調子で作者様共々最後まで行ってくれ、ナッシュ・レギオン!
この二人好きなんで、毎回楽しみにしてます。
脇役キャラも含めて、言動がそれっぽいと言うのか、説得力があるっすね。感服。
リトル・グレイ紳士説、確かにそうだ! 何だかんだ言っても、下品にはなってないよな。
こっそりスーツにしがみ付く時だって、腰の辺りをくいくいしようが、不思議に生々しくはない。
目の付け所がイイな〜。
今回もイイ!!
接近戦にもつれ込んでもシリアスになれない二人に萌えw
ナッシュをいぢめてしまうブレーメンズの気持ちにも萌えw
実は純情だったリトル・グレイにも萌えww
毎回笑わされて降参です!!職人様!!
今回の続くも期待を高まらせてナイスというかおあずけ気分だ
頑張って突っ走ってください!!
リトル・グレイの中の人がたわば先輩みたいに思えてきたw
うわ〜!とうとうここまで、たどり着いちゃいましたかっ!
今回も萌えすぎて、自分でもどうしていいやら…
もう、このままずっと、このまま〜っ!
終わっちゃ、いやだ〜っ!やだやだっ!
と大人気なくも駄々をこねてみました。
そろそろ終盤ですかね…嬉しいような。寂しいような。
完結まで頑張って下さい。応援しています!
妄想のバビロンを書いた者です。
今度から投下するときは、このトリップを付ける事にしました。
実は修行の一環で、他スレに妄想のバビロンの修正・加筆したものを
投下してみようと思っています。
その時このトリップを付けて投下します。
もし他スレで発見しても同一人物ですので驚かないで下さい。
そして、もし偶然発見された方がいらっしゃったら、黙ってスルーしてください。
宜しくお願いします。
ここからチラ裏なので、読みたくない方はスルーでお願いします。
住人の皆さんがかなり厳しい批評をしているスレなので、
自分自身良い勉強になると思っています。
そこで、散々へこまされてきます。
SSを書くきっかけになったのがこのスレだったので、
もっと川原作品に近いものが書けるようになるまで精進してきます。
それでは、これからも川原作品の職人様方の萌え作品を読みながら、
自分でも萌える作品を書けるように頑張りたいと思います。
沢山の作品の投下を、心よりお待ちしております。
ご了承いただけたら、レス返しは不要ですので、
このままマターリとブレーメンUをお楽しみください。
>>224 ◆xkjIPyS/3o 様こと妄想のバビロン作家様:
真摯な姿勢に思わず尊敬してちゃぶ台をかじってしまいます。
修行なさる必要はない力量は充分お持ちだと思うのですが…。
こちらの方こそ、住人の皆様の優しさに甘えてとんでもない長編を
許していただいている身ですので、むしろ修行が必要なのは自分だと
思うのです…(汗)
でも、チャレンジ精神と向上心を持つ事は素晴しいですよね。
凱旋を心からお待ちしております!!
頑張って早くご帰還くださるように応援しています。
住人の皆様:
もうしばらくと言いながら、ここまで長くしてしまいましたが
後しばらくご辛抱してお付き合いくださいませ。
飽きてしまった方は、題名をNG指定するなどでスルーをお願いします。
>>219 Imprinting―インプリンティング―その64.
同じシーツの中に潜り込んだはいいが、過去の失敗を思い出すと ナッシュは緊張してしまう。
…え、えーと…。歯はちゃんと磨いてきたぞ。
駄菓子も今日は手元にない。
お邪魔虫のリトル・グレイはキラが撃退してくれた。
…他にまだ何か罠があるんじゃないか?と疑り深くなるナッシュだった。
思わず辺りを警戒してしまう。
隣では悩ましいナイト・ウェアのキラが静かに横たわっている。
「ま、まさかこれ、夢オチでしたとかって事はないよね…?」
心の中で呟いたはずが、声に出ている事に気づいていない。
赤い顔で目を閉じていたキラが、ナッシュの独り言を聞いて目を開ける。
「…疑うなら、ほっぺを殴って確認してみるか?ナッシュ・レギオン」
さすがにこの状況で、『グー』で殴られるのはもう勘弁だ。
「い、いや。心配しなくていいよ キラ」
丁重に申し出をお断りすると、恐る恐るキラを覆ったシーツをずらし、キラを挟んで
『腕立て伏せ』の姿勢をとった。
うわぁ…!近い!思わず二人は目がちかちかした。
至近距離で見てみると、キラのナイト・ウェアはほとんど素肌に近かった。
…男女交際はした事がないが、ナッシュも一応健全な男だ。
隠れて『えっち』な画像や映像だって、勿論見た事はある。
しかし、今眼下にあるのは生身の女性。しかも相手はキラなのだ。
思わずくらくらして、鼻血が出そうになるナッシュだった。
いかん!落ち着け!ナッシュ・E・レギオン!!
ナッシュは自分を叱咤すると、まるで短距離のスタートダッシュを切るように、
キラの体に覆いかぶさった。
唇を絡めながら、キラの胸元に結ばれている細いリボンを引っ張ると、ナイト・ウエアの
前がするりと解ける。
はだけたネグリジェの間から、キラの丸みを帯びた曲線が露わになって、
ナッシュはまたもうろたえた。
「ホ、ホントに大胆な構造の寝巻きだね…キラ」
「…いちいち感想を述べるなよ〜!ナッシュ・レギオン」
キラは余計に赤くなって顔を逸らす。
「あ…、そ、そーだよね。ごめん」
明らかに動揺している自分を自覚しながらも、はにかむキラに興奮する。
再び唇を重ねると、ナッシュは貪るように舌を絡めた。
「……んっ……」
キラは少し苦しそうな吐息を漏らすが、ナッシュに貪られるがままに呼応した。
鎖骨から落ちそうになっているナイト・ウェアの肩紐の下に手を差し込み、破かないように
ナッシュは肩から紐を下ろしてゆく。
キラもナッシュの動きにあわせ、肩紐から腕を抜いてくれた。
緩やかな胸の曲線にナッシュの掌が重なると、キラはぴくっと体を振るわせた。
>>226 Imprinting―インプリンティング―その65.
ナッシュ・機関車は暴走を始めてしまう。
重ねた唇を離すと、今度はキラのうなじから鎖骨をを貪り出した。
柔らかく、滑らかな肌の感触を味わうように夢中で吸い付き 舌を動かす。
小さなキラの吐息と共に、ナッシュが吸い付いた場所には うっすらと赤い跡が点在してゆく。
夢中で鎖骨周囲に吸い付き、舌を這わせているナッシュの整えられた前髪が、乱れ落ちてきた。
本来ウェーブのかかったナッシュの髪から発する、ヘア・トニックとナッシュの香りがキラの鼻腔を
刺激し、キラは今までになくナッシュの存在を身近に感じて戸惑ってしまう。
パジャマ越しに触れた感触よりも柔らかく熱いキラの胸を、初めはおどおどした手で弄る。
掌で覆うように掴むと柔らかく変形し、掌から伝わってくるキラの胸の拍動を ナッシュは
くらくらしながら感じていた。
知らず知らずの内に、その感触を弄る手が段々大胆に動き出していく。
キラは赤い顔のまま、切なそうな吐息を漏ら始めた。
マシュマロのようなキラの乳房を揉みしだきながら、ナッシュは二つの胸の頂点にある、
小さなサクランボの様な突起を発見し、思わず乳房ごとそれを頬張った。
「…あ…っ…!」
思わず声を発したキラは、恥ずかしそうに自分の指を咥えて声を出すまいとした。
一瞬、キラの発した声にドキッと動きを止めたナッシュだが、恥らうキラの意外な姿に、
益々心臓の動きは加速した。
再び乳房を口に含むと、キラは声を押し殺して反応する。もう、ナッシュは止まらなかった。
ババロアのように柔らかい胸を、ナッシュは舌で押しつぶすようにじっくり味わう。
ナッシュの口内に含まれたサクランボの様な突起物が、口の中で固く尖ってきた。
そっとそれを甘噛みすると、指を咥えたまま耐えているキラの口から 小さな声が偲び洩れる。
甘い声に胸を打ち抜かれたように受ける衝撃の反動で、ナッシュは先端にむしゃぶりついた。
時に吸い付き、時に舌で転がしながら 夢中になって味わいつくす。
片方を味わいつくすと、もう片方もまた同じように味わった。
ナッシュ・機関車の暴走は、どんどん加速されてゆく。
ナッシュの片手は乳房を揉みしだきながら、残る片手をウエスト付近まで撫で下ろし始める。
キラはその刺激で背中をしならせながら、我慢している声が段々堪えきれずに漏れ出してしまう。
ウエストに重なっているナイト・ウェアをすり抜けると、ナッシュの片手はキラの緩らかな
ヒップに到達した。
ショーツに覆われたままのヒップの柔らかく弾力性のある感触を愉しみながら、ナッシュは
片手を乳房に残したまま、キラの体の曲線に沿って舌を這わせ降ろして行く。
小さな悲鳴を噛み潰すように キラは途切れ途切れに甘い声を放ち続ける。
舌がキラのへその部分に到達すると、ナッシュはキラのナイトウェアの裾をたくし上げた。
しっかり閉じられた両足の付け根に、小さなショーツで隠されたキラの中芯部が視界に入る。
支援
いつもwktkして読んでます
>>227 Imprinting―インプリンティング―その66.
キラのショーツの中心部は、小さな染みが広がり出していた。
「キラ……感じてくれてるの?」
小さく喘ぐキラは真っ赤になって答えない。
その仕草が益々ナッシュを興奮させて、閉じられたままのショーツの上から染みの溢れる
中心部に ナッシュは顔を埋めていった。
両手でヒップを弄りつつ、堅固に閉じられた足を開こうと努力するが、中々うまく叶わない。
固く閉じられた三角地帯の隙間を、ナッシュはもどかしそうに腕で支え、顎で押し開いた。
両足に頭を挟まれたまま、ナッシュの眼前に染みの広がったショーツが現れた。
足で挟まれているせいなのか、動揺しているのか ナッシュの頭はずきすきし始める。
挟まれた頭を腕でカバーするように開いて固定すると、
ナッシュはショーツ越しからキラの染みの広がる部分に舌を這わせた。
キラがびくんとしたように体を仰け反らせ、思わず両膝を立てると 少し頭を挟む力が緩んだ。
そのままショーツの上から舌を這わせていると、ショーツの下にあるキラの中心上部が 段々
固く尖ってきた。
ショーツから薄く透けて尖る先端を、恐る恐る指先でなぞってみる。
キラは辛そうな声を発しながら、ナッシュの舌と指にに反応してしまう。
「お、おい…!……なんだかそれ、おっさんみたいでやらしいぞ……!」
ショーツ越しから愛撫をするナッシュに、キラは途切れ途切れに苦情を言った。
「え…?お、おっさんぽい…?ご、ごめん」
夢中でむしゃぶりついていたナッシュは、キラの言葉にちょっとショックを受けた。
少し考えると 両肘を立ててキラの腰を持ち上げ、濡れたショーツを引き摺り下ろす。
「こ、こら!いきなり脱がすなよ!えっち!」
キラはびっくりして足を閉じようとしたが、ナッシュの頭が邪魔で閉じ切れなかった。
「ど、ど〜しろってゆ〜のさ、キラ」
キラの文句にナッシュは困ったが、視線は目前にある薄い茂みにロックオンされていた。
ショーツの中で溢れていたのは、キラの透明な液だった。
桜色に染まったキラの中心部は、柔らかそうな襞の間からうっすらと開き溢れ出る透明な液体で
艶やかに濡れ、ショーツ越しから感じた先端は まるで紅身を帯びたタピオカのようだと
ナッシュは見とれながら思った。
キラは自分でもじっくり見た事もない部分をナッシュの目前に曝していると思うと、羞恥心で
動揺し、足を閉じようと力を込めた。
だが、ナッシュの両腕でしっかり固定された足は閉じる事が出来ない。
益々募る羞恥心は、キラの意思に反して蜜のような液体を泉のように溢れさせてしまう。
「……あ、あんまり見るなよ、ナッシュ・レギオン!」
消え入りそうな声でナッシュを罵倒するのが精一杯だった。
>>229 Imprinting―インプリンティング―その67.
くらくらしているナッシュには、キラの罵倒も耳に入らない。
溢れ出る液の泉の元がどこにあるのか、タピオカのような突起や溢れている液体はどんな味がするのか、
ナッシュの頭の中はその探究心でいっぱいだった。
ナッシュの指がキラの茂みをかきわけ、タピオカのような突起に触れるてみる。
「…ひゃぁ…っ!…な、なにしてんだ…く…っ…ダ、ダメだって…」
キラの体がびくんと跳ね上がりながら、驚いたように抗議をする。
ナッシュ・暴走列車は動きを止める事が出来ない。
つるんと柔らかい感触に、思わず唇を当ててしまう。
「…んん…っ!や、やめんか…ナッシュ…」
キラは未知の刺激に体を仰け反らせ、ナッシュの刺激に翻弄される。
ナッシュ自身もキラの反応に驚きながら、やめる事が出来ない。
クリームを舐め取るように、キラの襞の間から溢れる液をすくう様に舐めあげ、溢れる源を
舌で確かめるように探り続ける。
「…ん…っ…だ、だからもうやめろって……!」
びくんびくんと仰け反るキラは、その反動で起き上がろうとするが、その度に与えられる
局部への刺激で起き上がる前に倒れこんでしまう。
抜けて行く力を振り絞って股間に顔を埋めるナッシュの頭を押し下げようとする手が、
だんだん切なそうにナッシュの髪を掻き乱す動作に変わってゆく。
もう、声を押し殺す事も出来なくなり 自分でも驚くほどか弱い声が喉から押し出ていた。
夢中でキラを貪るナッシュの舌が溢れ出る泉元を探り当てる。
舌を差し込んでみると、またもキラは仰け反り 小さな悲鳴をあげる。
奥深いキラの泉元の内部は蜜が溢れ続け、熱く柔らかい内部の襞がナッシュの舌の侵入を拒んだ。
顔を少し離すと、今度は指を入れてみる。
柔らかい襞が指に絡みつきながら、キラの内部はナッシュの指を根元まで受け入れる。
もうキラは抵抗する事もなく、ナッシュの与える刺激にただただ翻弄され続けていた。
二本の指が、キラの内部に侵入しては離れてゆく。
充分に潤ったキラの泉元はナッシュの指の動きを妨げることなく、潤滑に受け入れ、反応する。
ナッシュはもう自爆寸前だった。
ぐったりしたように潤んだ瞳で紅潮しているキラを見つめながら、ナッシュは起き上がると
痛いほどに猛ってしまった自身を、キラの泉元を確認しながら押し当てる。
「だ、大丈夫かな…?痛かったら、ごめんね キラ」
破裂しそうな心臓と自分自身を抑えつつ、ナッシュは前もってキラに謝る。
「…も、もうここまで来たら覚悟は決めたぞ。決心が緩まないうちに来い!ナッシュ・レギオン」
…いや、そんな生死を覚悟した言い方しなくても…。
ナッシュはキラの言葉に苦笑したが、おかげで少しリラックスできた。
「で、では。ナッシュ・レギオン初号機、出撃します!」
キラにつられて自分も間抜けな言葉を発してしまった。
狙いを定めた目的地に向かって、ナッシュ自身はキラ内部へと潜入を始めた。
>>230 Imprinting―インプリンティング―その68.
指で確認した時と違って、予想以上にキラの内部はきつかった。
固いベールと内部の壁が入り口の守りを固めている。
充分に潤っているものの、中々スムーズに通してくれず、ナッシュは少し強引に侵入をした。
「…つっ…!」
キラが苦痛に眉間をゆがめる。
「だ、大丈夫?キラ」
キラはぎゅっと眼を閉じたままナッシュにしがみ付いた。
「ひ、怯むな、ナッシュ・レギオン!かまわず突撃しろ」
「……う、うん…。じゃ…」
いざとなると怯みながら、ナッシュはキラの肉壁をかき分け突入した。
キラの初めてのベールを破ると、猛るナッシュは一気にキラの奥深く行き止りまで到達した。
「……〜〜っ!」
キラが声にならない声で歯を食いしばる。
キラの内部はかなり狭くて熱かった。
少し締め付けられただけで、ナッシュは暴発しそうな自分を必死で制御した。
「…は、入った?…」
「う、うん…キラ。成功したよ」
「そ、そか……」
キラはほっとしたように溜息をついた。
すると、今まで固く締め付けていたキラの内部の力が緩む。
「キ、キラ。動いてもいいかな」
「う、うん」
ナッシュはドキドキしながらキラの内部を動き出した。
絡みつくキラの中の襞にぞくりとした快感を感じながら動き始めた。
最初は再び挿入する際あった抵抗感が だんだんと潤って滑らかになる。
相変わらずキラはまだ痛そうだったが、ナッシュ・機関車は再び発進した。
うわっ!うわっ!今、自分はキラとひとつになってるんだ!
ナッシュは改めて自覚すると、またも高まる動悸で抽送を続けた。
痛そうなキラの顔が少しずつ緩んでくる。
ナッシュが貫くと、小さな喘ぎをもらし始めた。
吐息がナッシュの髪にかかると、ナッシュはまたもくらくらしながら腰の動きが早まってゆく。
突然、頭の中で、ナッシュ・機関車が勢いよく汽笛をあげた。
汽笛と共に、抑えていた欲望はキラの内部で暴発した。
>>231 Imprinting―インプリンティング―その69.
全てをキラの中に放ち終えたナッシュは、今までの緊張と興奮から解放され、
キラの上に倒れ込むように覆いかぶさった。
まだ呼吸も荒く、動悸も治まらなかったが、満ち足りた気分に満たされていた。
「……おい、だいじょーぶか?ナッシュ・レギオン」
ナッシュの下で、キラが心配そうに覗き込む。
…普通これは逆のセリフだと思うんだが…。
「う、うん。だいじょーぶ。キラこそ大丈夫だった?…痛かったでしょ」
乱れた髪をかき上げながら、ナッシュは紅潮したまま 眼下にいるキラを気づかった。
「い、痛かったけどさ。最初はそ〜ゆ〜もんだと知ってたからな」
キラも赤い顔で答えた。
ナッシュは照れて何を言うべきかわからなくなっていた。
「し、知ってたのか〜。お母さんから聞いたの?それともリトル・グレイ撃退で読んだ本?」
「……。どのくらい痛かったか、体で教えて欲しいか?ナッシュ・レギオン」
思わず失言したナッシュは、キラの殺気を感じて慌てた。
「い、いや。痛い思いはもういっぱい知ってるから…」
まだキラの中にいるナッシュが、思わずすくみ上がった。
本気でびびるナッシュに、キラは吹き出してしまった。
キラの笑顔に安心したナッシュは、つられて笑うとキラを抱きしめる。
「ねぇ、キラ」
「…あんだい?ナッシュ・レギオン」
「あのさ…。もう一回してもいいかな?今度は痛くないと思うよ?」
「お、おいおい。私はもう少ししたらワープ準備があるんだぞ!?」
「大丈夫だよ。ちゃんと寝かせてあげるからさっ」
初回で緊張していたナッシュは、再度挑戦とばかり キラに覆いかぶさった。
惑星・ハップルまで後10時間弱だ。
やっと開通しましたが、まだ続きます。すみません…
キラ!最高だよ!!!
・・・ナッシュ・・・おまい面白すぎる!!!
職人様GJです!!!
楽しいぃぃぃ!!!
さすがナッシュ、こんな色っぽい感慨にもどことなく食い物への憧憬が混じっているw
さすが宇宙の食欲魔人ナッシュw
貫通式おめでとうございます。
でも多分ブレーメンズの面々には聴覚でバレバレ?ww
ついにここまで来たか〜!
頑張ってくれてる職人様、乙です!!
しかしエロまで笑ってしまうw
初号機って…ワロスww
確かにナッシュはそういう設定だよなw
なんだか終わりが近いと思うと寂しいよ…
最終まで頑張ってください!
できたら次回作の構想も期待します!!
>>236 伏線、伏線w
ダ・シルバ夫妻騒動で、防音Lv上げてたはず。
これを見越して夫妻を登場させたのもあるんじゃないかとw
>突然、頭の中で、ナッシュ・機関車が勢いよく汽笛をあげた。
この部分があまりに「ナッシュならありそうだ」と思えて笑いが止まらないよ。
続きが楽しみだなー。
原作のイメージのままこういうの書けるってすごいです。
>>232 Imprinting―インプリンティング―その70.
「…ん…っ…んんっ……は…ぁ…っ」
ベッドのスプリングが軋んだ音を立てている。
ベッドに腰掛けたナッシュが肘にキラの片足を抱えて開脚させ、背後から繋がっていた。
ナッシュは膝にキラを抱え、後ろから回した腕で乳房を揉みしだきながら、
キラを持ち上げては根元まで貫く動作を繰り返している。
ウエイト・トレーニングで鍛えた成果と、ベッドのスプリングを利用したトランポリン効果だ。
片足を抱え上げられているキラは 体の自由が取れず、ナッシュの腕に掴りながら
揺り動かされる度に奥底まで貫かれ、すすり泣く様な声を放ち続ける。
結合部からは二人の交じり合った愛液が、淫らな音を奏でていた。
「……も、もう…ダメだって…! そろそろブリッジに…戻らないと…あっ…」
「う、うん……。も、もうちょっと……!」
ナッシュはキラの残る片足も抱え上げ、両足を抱え上げた体勢で背後からキラを貫き始めた。
更に奥深くまでナッシュはキラを貫き、上下に揺さぶる速度を速める。
「…んぁっ!……あっ…あっ…ああっ…!」
ずん、と奥まで差し込まれると、キラの内部に熱いものが迸った。
キラは痙攣するように仰け反ると、掴んでいたナッシュの腕に爪を立てる。
ナッシュは自らをキラの内部に強く押し付けたまま、全てを放ち終わっても
キラを離さず抱きすくめていた。
結合部からは新たに交じり合った二人の愛液がじわじわと溢れ出てきた。
やっと開脚された足を解放されると、キラは脱力して背後のナッシュにもたれかかった。
全身がまだ鋭敏になっているキラの体を、ナッシュの掌が名残惜しそうに弄り続ける。
息を弾ませながら、まだ結合したまま キラの体を弄ぶナッシュに、息を整えながら文句を言う。
「な、なにがもう一回だよ…。 結局寝る暇もなかったじゃねーか……! 」
汗まみれになったナッシュが、やはり息を切らしながら 背後で気まずそうに笑う。
「ご、ごめん…。なんだか暴走が止まらなくなっちゃって…」
既に照明は明々とついていた。
あれから結局何度も求められ、ブリッジに戻る刻限が近づいたキラがベッドから降りようとした時、
ナッシュが『もう一回だけ』と背後から抱きすくめてきて、今に至ってしまったのだ。
「もう今度こそ離せよ。仕事だっちゅ〜てんだろが! 殺す気か、あったく」
キラはガウンを拾いあげて体を隠すと、ナッシュの膝の上から立ち上がった。
内股に伝い落ちる液をガウンで隠しながら、よろよろとバスルームに向う。
おかしな歩き方をしているキラに、ナッシュは心配して声をかけた。
「だ、大丈夫?足元が怪しいけど キラ」
キラはまた欲情されてはかなわんと、ナッシュから逃げるように足を早めた。
「……まだなんか股に挟まってるみたいな違和感がある。このスケベめが!」
……あったく。初めての乙女に無茶こきやがって。
やっとバスルームに逃げ込めたキラは、脱力しながらシャワーのセンサーをONにした。
まだベッドでにまにましているナッシュに『さっさと下船準備をしておけ』と言い残すと、
ややガニ股でブリッジに向うキラだった。
>>240 ブリッジに戻るとさすがにガニ股では恥ずかしい。
無理して普通を装うと、やっとの思いで艦長席迄たどり着く。
ブリッジにいるクルー達は、もうすっかりワープ準備を整えていてくれた。
副長のダンテ君の采配ぶりは中々のものだ、とキラは感心する。
「船長、HS動作確認。システム・オールグリーンです」
「うん。では、これより惑星ハップルに向けて最終ワープを開始する」
「アイアイ・サー!」
「ふ〜、これで後は着陸までオートモードだ。
ここでレセプションも最後だから、みんなもう少しの間頑張ってくれたまえ」
ワープが完了するとクルー達も緊張が解ける。
さっきまでと交代で、ダンテ君とオスカー君が休憩になった。
しかし、ダンテ君もオスカー君も他のブリッジのクルー達も出て行こうとはしなかった。
「…? どしたんだ? 休憩に入っていいんだぞ?」
キラが怪訝な顔をしてクルー達に声をかけると、クルー達はうるうるしながら寄って来た。
「キャ、キャプテン…。私達、惑星・ハップルの仕事が終われば お別れなんですよね。
だから、今は少しでもキャプテンと一緒にいたいんです〜」
涙もろいダンテ君は既に涙を浮かべている。他のクルーもしんみりしていた。
「や、やだな〜。そんなに湿気っぽくなるなよ〜!まだレセプションもあるじゃないか。
少しでも体を休めておいた方がいいぞ。君達は折り返してまた出航だろ」
キラは雰囲気に戸惑いつつも、クルー達を元気付ける。
「わ、私はこ〜ゆ〜のは苦手なんだ。頼むからみんな普通にしててくれよ、なっ?
ほ、ほれ。休憩するクルーは解散してお茶でもして来いよ」
なるたけ明るく笑い飛ばして、キラはクルー達を休ませた。
……やでやで。イザナギで防音Lvを上げておいて正解だったぜ。
真面目なクルー達の不安を余所に 自分は『ナニ』してましたとは、絶対に言えん。
防音Lvを見直す原因となったダ・シルバ夫妻には感謝だな、とキラは思った。
ほっと艦長席でくつろいでいると、リトル・グレイが擦り寄ってきた。
「パラボラアンテナ、二死満塁〜」
くつくつくつ。
「…お前もいい加減、タフな奴だな〜。リトル・グレイ」
キラは頭上でいつも通り意味不明のリトル・グレイに苦笑する。
「ど〜なんでしょう?アメダスは」
くつくつくつ。
「よしよし、お前も今夜のレセプションは楽しめよ リトル・グレイ」
さすがのキラも、今回はリトル・グレイを殴り飛ばす気にはならなかった。
暇を見ては他のクルー達もブリッジのキラに会いに来る。
つくづくブレーメンズは気のいい職員ばかりだと、キラは彼等との出会いに感謝した。
>>241 すみません。題名を入れ忘れました。Imprinting―インプリンティング―その71.です
>>241 Imprinting―インプリンティング―その72.
惑星・ハップルに着陸すると、今回は荷造りも待っている。
折り返しの航行に搭乗しない予定のキラは、今夜でこの部屋ともお別れである。
レセプション終了後は、惑星・ハップルで用意されたホテルに宿泊するのだ。
慣れ親しんだこの部屋ともお別れかぁ。
始めてブレーメンUに乗り込んでから、今日まで色々な事があったよな〜。
驚いたり、笑ったり、怒ったり、危険な事もあったけど、今ではみ〜んないい思い出だ。
キラは様々な出来事を思い出しながら、部屋の中を見渡した。
…あのお調子者の若葉マーク・スケベ男はちゃんと部屋に戻ったようだな。
自動ベッドメーキングされたベッドを見ると、キラはちょっと赤くなった。
荷造りを終え、キラは懐かしそうに もう一度自分の個室を振り返ると、
ゆっくりブレーメンUを後にした。
この星にはまねっこも、オリジナルの強制送還をする為に来ている筈だ。
またやかましい事を言われるんだろ〜な…。キラはちょっとげんなりした。
ホテルで名前を言うと、予約されたルームナンバーのパスワード登録をする。
40階…?VIPルームじゃね〜か。な〜んかやな予感がするな、と根っからの庶民であるキラは思った。
声門照合で部屋に入ると、やはりそこはスイート・ルームだった。
「やあ、キラ。お疲れさんっ! なかなかいい部屋だよねっ」
馬鹿でかい部屋の豪華なソファに腰掛けているナッシュが、満面の笑顔でくつろいでいた。
…や、やっぱり同室かよ…! キラはがっくしその場にへたり込んだ。
「キ、キラ どしたの?そんなところに座り込んじゃって」
「…なんでもない。ちょっと疲れただけだ ナッシュ・レギオン」
キラはむっすりと答えると、また抱き上げられてはたまらんので 勢いよく立ち上がった。
「そ、そっか〜。結局寝る暇もなかったもんね。シャワーを浴びて少し休んだら?」
へらへらと笑っているナッシュに、『…誰のせいだよ!』と内心殺意を抱きながら、
キラはバスルームへと向った。
バスルームを開けると、まるでジャパニーズ・銭湯のような広さに またもあんぐり仰天する。
入り口で固まっているキラに、ナッシュはにこにこ笑いながら近寄ろうとした。
「浴室もまぁまぁの広さだよねっ。
ほら、キラが疲れて来ると思って、ちゃんと湯船にお湯も入れておいたんだよ〜。…一緒に入らない?キラ」
自分で言って照れながら笑うナッシュは、明らかに発するキラの殺気に竦んで立ち止まった。
「じょ、冗談だよ〜! そ、そんなに恐ろしい顔で睨まなくてもい〜じゃんか〜! キラ〜」
ヨコシマな期待を膨らませていたナッシュが、キラの迫力に怯んで後ずさった。
キラは無言で殺意を漲らせながら、バスルームのドアを内側からロックした。
バスルームから出ると、これまた無用に豪華な寝室の入り口で キラは呆れてしまう。
天蓋付きの巨大なベッドが部屋の中央にで〜んと鎮座していた。
分厚く高価そうな天蓋のカーテンを開くと、キラはまたも脱力した。
「……お前も少しは『加減』って物を学べよ! ナッシュ・レギオン」
巨大なベッドの中央に、まるで尻尾を振りながら食事を待つ犬の様に 嬉しそうなナッシュが、
正座して待っていた。
むっつりと無言で巨大なベッドの片隅に上がったキラは、モーニングコールをセットする。
いそいそと近寄って、キラを抱きしめようとするナッシュを、キラは思い切り突き飛ばした。
リングの様に広いベッドに放り出されたナッシュが、情けない声で抗議する。
「ひ、ひどいよ〜! キラ。ちょっと位い〜じゃんか〜!」
「やかましい! 貴様の『ちょっと』はあてにならん! 第一見ろよこれ!
スカーフでもしないと隠せんじゃないか! このバカ者が!」
キラは赤くなって怒りながら、首筋から前胸部につけられた ナッシュのキスマークを指差した。
「ご、ごめんよ〜! 初めてだったからつい夢中で…。もう跡はつけないからさ〜」
「黙れ。ともかく私は少し寝るんだ! お前はあっちで駄菓子でも食ってろ!」
キラは問答無用でナッシュをベッドから追い立てると、レセプションまで仮眠を取った。
>>243 Imprinting―インプリンティング―その73.
モーニングコールで目覚めると、キラは着替えを抱えてベッドルームから出た。
既にタキシードに着替えたナッシュが、照れくさそうにキラを出迎える。
「お、おはよ〜。 キラ。 よ、よく眠れたみたいだねっ」
「あ、ああ。 おはよう、社長」
めげてないナッシュに、キラはちょっと眩暈を覚えた。
……ホントに駄菓子を食ってたのかよ!
テーブルに散らばった空き袋を見て、キラは呆れたように溜息をついた。
…コイツの頭の中には、実は駄菓子と性欲しかね〜んじゃねーか?
駄菓子と同列、という自分の仮説に穴が見出せず、勝手に怒りを覚えるキラだった。
何とか苦労してスカーフでキスマークを隠すと、ナッシュと一緒にレセプション会場に向う。
今回は、ブレーメンズ虐待問題に協力してくれたメンバーが勢揃いしていた。
ヘルツォーク事件で知り合った連邦捜査官のレオ少佐とシャキール君を筆頭としたフロリナ支局。
超新星爆発で小惑星・ナッシュに移民した、元惑星カルナックの子供達と住人達&23号。
夫婦喧嘩の仲裁で、惑星イザナギ・イザナミの落盤事故を回避したダ・シルバ夫妻と惑星管理局。
エニグマ胞子奇病事件で関わった、風水師の呂先生と C.D.Cのニッカネン君やサリバン議長達。
おじ〜ちゃんの遺産を相続し、ミーシャ君をとらばーゆさせようとしたアンドロイド・アリスと
遺言執行人兼、弁護士のマルチネスさん。
動物好きが高じて、勘違いした動物保護団体『ジャックと豆の木』を作ったジャック君。
いつも意味不明な『地球外知的?生命体』リトル・グレイ。
花粉団子のチェーン店の店長達。
皆、ブレーメンUとは関わり深い面々だ。
わいわいとにぎやかに囲まれる中を、一人の黒猫が駆け寄ってきた。
グレイソン・ファーム社のブレーメンズ虐待を、命がけで直訴してきたポー君だ。
「やあ、ポー君。久しぶりっ!仲間達と元気でやっていたかい?」
初めて出会った時、人間不信に陥っていたポー君はもういない。
「うんっ! みんな元気でいい職場で働いてるよ。
でねっ。オレさっ オレさっ!
今はモーゲンスターン博士のとこで ほーりつのべんきょーをしてるんだっ!」
ポー君は照れながらも、嬉しそうに報告する。
「そっかー! ブレーメン初の連邦議会員はきっとポー君だね」
ナッシュがにっこり笑ってポー君の肩を叩く。
「あのさっ あのさっ! オレ、ブレーメンUに出会えてホントに良かったよ!
人間もやな奴ばかりじゃないって教えてくれた、キラ船長と社長には感謝してるんだなっ!」
泣きそうになりながら、ポー君は嬉しそうにお礼を言う。
そんなポー君の会話を聞きながら、ブレーメンUのクルー達も もらい泣きをしてしまった。
後ろから遅れて同行してきたモーゲンスターン博士も嬉し泣きをしながら頷いている。
「ポー君、ポー君。君の気持ちは、よ〜っくわかるよ!!
ここにいる我々もブレーメンUに助けられた者ばかりだからねっ!」
参加している招待客も、口を揃えてブレーメンUのメンバーに感謝の言葉を言い始める。
>>244 Imprinting―インプリンティング―その74.
キラをはじめとするブレーメンUのクルー達は、みなの賛辞に照れて緊張してしまった。
「い、いや〜! そんな事はないって! みんなの協力があったからこそだよ。
そ、そんなに大袈裟に言われると 困っちまうよなっ!? みんな」
キラが照れて頭を掻きながら、ブレーメンズのクルー達を振り返る。
クルー達はみんな、感無量で滂沱の涙を流していた。
「へ〜。 中々活躍してたんじゃないの! この子も。ね、父さん」
キラのか〜ちゃんが、驚きながら感心する。
と〜ちゃんは感動的なシ〜ンに やはりもらい泣きをしながら、『うんうん』とただ頷いていた。
「……それで、その後のグレイソン・ファーム社はどーなんだ?レオ君」
「それはこれから発表されるが、心配はいらないぞ。キラ船長」
猫好きのレオ君は、ポー君を無理やり頬ずりしながら笑っていた。
ラウンジの盛り上がりに おろおろしていた司会者が、やっと出番だと咳払いをする。
「参加の皆様方や、映像でご覧になっている皆様に報告します。
ブレーメンズ虐待問題で取り沙汰された、グレイソン・ファーム社は 現在連邦管理局が
定期的に視察を行い、新しい上層部の元で きちんとした労働基準を設けて運営されています。
勿論、現在は虐待などは全く行われておりません」
わっと歓声が上がり始める。
「そして、この問題を発端に可決された『働く動物達の権利と保護法』は、今や惑星通信を通して、
各惑星で多大なる支持を受けております!」
どわ〜っと湧き上がる歓声と共に、盛大な拍手が広がった。
嬉しくて思わず拍手しながら涙ぐむキラの肩に、ナッシュの手がそっと回された。
「善かったね、キラ」
「う、うん。ナッシュ・レギオン」
キラも素直に頷いて、ナッシュの肩に頭を預けた。
それを見ていたか〜ちゃんは、満足そうにからから笑う。
と〜ちゃんは、やはりちょっと寂しそーだった。
盛大な拍手と歓声に、司会者はちょっとたじろぎながら 次の言葉を続けた。
「そして、この問題解決に多大なる貢献をしてくれた『ブレーメンズU』のクルーの皆さんに、
今回改めて 感謝状と、惑星平和奨励賞が授与される事になりました!」
これにはキラもクルー達も驚いたが、周囲の皆はにこにこ拍手を送りながら、
壇上へと花道を開けてくれる。
さすがに全クルーが壇上に上がるのは無理なので、ステージの前で表彰式が行われた。
表彰状と記念のメダルを首にかけられて、ブレーメンズ達はまたも感動してしまった。
鳴り止まぬ祝福の拍手がどんどん盛大になり、記念画像のフラッシュが次々と点滅する。
招待客たちも交えての、団体様の集合画像も納められた。
今回最後のレセプションは、こうして最大に盛り上がりながら幕を閉じた。
>>245 Imprinting―インプリンティング―その75.
「素晴しいレセプションの旅でしたわ! レギオン社長、キラ船長!お別れするのが残念です」
Ωヴェリタスの専用機の入り口まで見送ったキラとナッシュに、ジゼルは感動しながら
お礼を言った。
「うん、素直に有意義な旅だったよ。今度会う時は君らの結婚式だな。
ちゃんと招待状は送って来いよ? ナッシュ」
珍しく皮肉も言わずに、ラウルが微笑みながら言う。
「う、うん! 勿論さっ。私は君と違って『うっかりもん』ではないからねっ。ラウル」
言わなくてもいい事を、照れたナッシュは思わず言ってしまう。
「……。結婚式の引き出物が『駄菓子』だったら全世界にリークするぞ、ナッシュ」
二人の間に険悪なムードが流れ始めた。
キラとジゼルは、この二人の会話にフォローを入れるだけ無駄だとわかっているので、
苦笑したまま黙っている。
「あっ!父さん、いたいた! キラとレギオン社長!」
背後から、相変わらず元気な か〜ちゃんが、と〜ちゃんを引き連れて沈黙を壊した。
「な、なんだよ。か〜ちゃん、と〜ちゃん。あれ? もしかして帰るのか?」
キラはクルー服に身を包んだ、と〜ちゃん か〜ちゃんを振り返った。
「とりあえず親の出番は終わったからね。仕事の注文が待ってるんだわ。
『時は、金なり』って ゆ〜でしょ! 遊んでる場合じゃないわよ。 ねっ父さん」
「う、うんうん。そ、そ〜だよね…。母さん…。
キラ。元気で頑張ってるキラに会えて、父さん嬉しかったよ。
花嫁姿を見て泣かない様に努力するからな〜。仲良くやるんだぞ〜」
元気で短気なか〜ちゃんに引っ張られながら、と〜ちゃんは、「仲良くな〜」と、
エコーを残しつつ小型艇に向かって去っていった。
「…バイタリティのある御両親だな。キラ船長…」
険悪だったムードを壊されて、拍子抜けしたラウルがキラの両親を見送っている。
キラとナッシュは苦笑してしまった。
「ま、まぁなっ…。 うちの両親は元気だけが取り得だからさっ」
キラが苦しそーに、フォローと言えないフォローを言う。
「あ…。ラウル、そろそろ私達も出航みたいよ」
ジゼルが専用機から出されている合図に気づく。
「おっと。じゃ、いこーか、ジゼル。じゃ、じゃあまたな!ナッシュ、キラ船長」
ダ・シルバ夫妻も仲良く手を繋ぎながら、専用機へと姿を消した。
なんだか急に静かになった搭乗室に、寂しさを覚えるキラとナッシュだった。
そこに、背後の搭乗ハッチが開き ナッシュ・まねっこが現れた。
うは〜、我ながら長いと思いつつ まだ続きます…
ナッシュ・まねっこ来たー!!
職人様、感無量です!
よくぞここまで書き切ってくれると感動です!!
本当にラストが近そうで、なんだか寂しいなー!!
でもまだ続きが読めるのは嬉しい!
頑張ってください!!
3Pキt(殴
ナッシュふたりかよw
身が持たねぇww
>若葉マーク・エロ男
にワロタww
覚えたてだから激しく絶倫なんだねww
それにしてもキャラの個性といい、笑いとちょっとほんわか、
たまにホロリとさせられちゃうストーリーには毎回思う
アンタ、すごいよ!!職人さん!!ただただGJだよ!
ラスト・スパートがどうなるのかすごい楽しみだ!!
おお〜!今日も更新されてる!
職人様、乙です!
エロもいいけど物語りも萌えますな〜
キラの両親サイコー
ハップルのレセプションで全員集合も凄い!
GJ!!
これでまた一日頑張れます!
wktk
>>246 Imprinting―インプリンティング―その76.
「で、出たな! ナッシュ・まねっこ!」
キラは思わず身構える。ナッシュはキラの後ろにそそくさと避難した。
「こんばんは。イレブン・ナイン。長い休暇を満喫したようですね、オリジナル」
相変わらずのポーカー・フェイスだ。
まねっこの方が実物より威厳も風格もあるんじゃね〜か?とキラは思った。
「や、やあ。まねっこ。職務代行ご苦労だったね〜。今までどこにいたの?」
たじたじしながらキラの背中越しにナッシュ・オリジナルが声をかける。
「人が多いので、混乱させない様に今まで専用機に身を隠していたんですよ。オリジナル。
レセプションは成功した様で何よりです」
…そりゃいきなりスカイ・アイの社長が二人現れれば驚かれるよな〜。
「さて。これからの予定ですが」
事務的に切り出すまねっこに、ナッシュはたじろぎながら提案した。
「こ、こんな所で立ち話もなんだからさ〜。ロビーにでも行かない?まねっこ」
まねっこはジロリとお得意の三白眼でナッシュを睨むと、話を続けた。
「相変わらず人の話を聞きませんね、オリジナル。
周囲の混乱を避ける為に隠れていたと言ったはずですが。
まぁ、いいでしょう。話を続けます。お二人には明朝お部屋まで迎えを伺わせます。
その足で、専用機にて帰星して頂きます。ここまでは、もうお話してありましたね」
びしっと突っ込みを入れられてナッシュは怯んだが、冷や汗をかきながら言い返す。
「だ、だからさ〜。なんでそう強引なのかなっ? 第一キラの解任はクルーも納得してないぞ。
ブレーメンズがストライキでも起こしたら、どーすんのさ? まねっこ!?」
ナッシュのキラ解任反対意見に、まねっこは眉も動かさず答えた。
「その件につきましては、先程ブレーメンUに戻ったクルー達に通達して来ました。
ちゃんと辞令もここにあります。
それに、善良で誠実であるブレーメンズが お二人の結婚を邪魔するはずもありませんし、
ましてやストライキなど行うはずもありません。みなさん、納得してましたよ」
「え〜! ウソだね! まねっこ。絶対納得なんかしてないよ〜!
現に私はキラ解任の知らせを受けてから、クルーに意地悪されたもん! 」
食べ物の盛り付けを減らされた事や、カートで激突されたり、健康な歯を削られた記憶を
呼び起こしながら、ナッシュはまねっこに食って掛かった。
「ああ。それでしたら クルー達からオリジナル宛に、謝罪文を預かってきました」
まねっこが事務的に電子伝言板をナッシュに渡す。
確かにクルー達からの謝罪文が記載されていた。
…う〜ん。どこまでも正直者で善良なんだな…、ブレーメンズは。
一緒に謝罪文を読みながら、キラは苦笑いをしてしまった。
>>253 Imprinting―インプリンティング―その77.
ナッシュ・まねっこは邪魔された連絡事項の続きを話しだした。
「お分かりいただけましたね?明日は高速船で一旦地球に帰還していただきます。
そして、ブレーメンUが惑星・フロリナに到着する頃に併せて 結婚式を行っていただきます。
アリス・ファンタジオーソから新イベントとして、ファンタジー・ワールドでの結婚式という、
プランが提出されておりますので、これは両社にとってもいい宣伝になるでしょう。
それまではお二人には地球で過ごしていただきます。特に仕事の引継ぎも山ほどありますからね。
覚悟しておいてください、オリジナル。連絡事項は以上です。では明日お迎えに上がります」
言いたい事を言い終わると、まねっこは くるりと踵を返して専用機内に戻っていった。
「だから、自分だけ言いたい事を言って消えるなよ〜! まねっこ!」
ナッシュとキラが引きとめる間もなく、専用機入り口のハッチは閉じてしまった。
「…おい。やっぱり結婚式まで決まってたじゃないか! ど〜すんだよ!ナッシュ・レギオン」
キラがむっつりしてナッシュに詰め寄る。
「だ、だけどさ〜。キラ、私達ももうその…もしちゃった訳だし、結婚式はいいんじゃないかなっ。
仕事の件は、地球に戻ってからキラの選り取りみどりにできる様に絶対するから!
こ、これだけは約束するよっ!ねっ?」
ナッシュは必死にキラの怒りを解こうと、降参のポーズをしながら答えた。
む〜っとナッシュの胸ぐらを掴んでいたキラも、諦めたように溜息をついた。
「毎回コピーに仕切り負けしてんじゃね〜よ! …した=結婚ってのも短絡的だろ。
なんで そういつもお気楽なんだ…。ナッシュ・レギオン」
「お気楽じゃないよ〜! わ、私だって一応男の責任も考えてるんだから短絡とか言わないでよ。
ちゃんと責任を取るつもりだったから避妊もしなかったし、キラも受け入れてくれたでしょ?」
キラはちょっと赤くなったが、やれやれ、と言うように首を振った。
「…社長をやってると知らんだろーが、女性クルーは航行時にホルモン・バランスを崩さない様、
ちゃんと調節する内服が義務付けられているんだ。従って、妊娠はありえないんだな〜、社長」
「ええ〜〜っ!? そ、そなの? そんなのやめなよ〜! キラ。私は早く赤ちゃんが欲しいよ〜」
ナッシュは驚いてキラを掴んだ。
久しぶりに、赤くなったままキラの『グー』が飛んできた。
「欲しいよ、じゃね〜だろ。出産するのは君じゃないんだぞ? ナッシュ・レギオン」
「そ、そりゃそ〜だけどさ〜…。そ、それじゃ『結婚』もダメなの? キラ」
頬を押さえながらナッシュが情けなさそうに聞いてくる。
「…う〜ん。まぁ、今すぐって話じゃないからな。前向きには考えとくよ。さ、もう帰ろうぜ」
「う、うん…」
すたすたと歩き出すキラの後ろを、とぼとぼついてくるナッシュだった。
>>255 Imprinting―インプリンティング―その78.
ブレーメンUでは、表彰のメダルを各自首にかけたまま クルー達は口数が少なかった。
いつもなら、無条件で喜び感動する場面なのだが ナッシュ・まねっこに辞令を受けたクルー達は、
本当にこれでキラとお別れなのかと思うと寂しかった。
シルビア君とモモ君が、何やら黙ってブリッジの上方に額縁を飾り始めた。
「…? 何してるんだい? シルビア君とモモ君?」
副長席に座っていたダンテ君が、目を潤ませながら聞いてくる。
「船長たちとの思い出の画像を飾ってるんです〜。副長。今日の画像もあるんですよっ!
これならいつでもキラ船長と一緒みたいでしょ?」
泣き笑いをしながら画像を飾っているシルビア君とモモ君に、ダンテ君は涙ぐんだ。
オスカー君も立ち上がると、シルビア君とモモ君の作業を手伝い始める。
「…フロリナについたら、また船長に会えますよねっ!? そしたらまた画像が増えます〜。
船長の花嫁姿、楽しみだなぁ〜」
オスカー君も泣きながら、ブリッジのあちこちに記念画像を飾った。
「そ、そ〜だよねっ! 惑星・フロリナではまた会えるんだ! 元気出さなきゃ」
他のクルーもブリッジに入ってくると、飾られた画像を見ながら泣きべそをかきつつ笑った。
―見上げた画像には、婚約会見の時のキラのスペシューム光線画像が何枚もあった。
>>256 Imprinting―インプリンティング―その79.
「だからさ〜。そんなにしょぼくれるなって。嫌だとは言ってないだろ〜? ナッシュ・レギオン」
ホテルのスイートに戻ってからも、キラが最初から避妊をしていた事を知ったナッシュは、
なんだかしょんぼりしてしまっていた。
「か、勘違いするなよな〜。避妊目的で内服してたわけじゃないんだぞ?
あくまで自己管理義務を遂行してただけだ。女性クルーはみんなやってる事なんだぞ?
ほれほれ、航行規則法にもちゃ〜んと書いてあるから見てみろ」
「うん…さっき見たよ。キラ」
いつものお調子者が、ここまでしょんぼりしていると、な〜んか調子が狂ってしまう。
「よし! 今回は許してやるからこれでも食え。後で歯は磨くんだぞ?」
キラは奥の手段として、スニッカーズをナッシュに手渡した。
ナッシュはちょっと驚きながら、スニッカーズを受け取った。
「あ、ありがと。キラ」
受け取ったはいいが、いつものように がっついて封を開けようともしないナッシュに、
キラは目を丸くした。
「ど、どーしたんだ!? 熱でもあるのか!? それともさっきのパンチで歯が折れたか?」
キラが心配そうにナッシュの額に手を当てたり覗き込んでみる。
「熱もないし、歯も折れてないって。…あのさ、キラ。私は本気でキラが好きだよ」
額に当てた手を握り締めるとナッシュは囁いた。
「…? うん。だから私も好きだって言っただろ、ナッシュ・レギオン」
キラが『今更何言ってんだ?コイツ』と思いながら答える。
…な〜んか違うんだよなぁ。そりゃ、『むにゃむにゃ』もさせてくれたけどさ…。
こんなにあっさりした反応は『よくわかるシリーズ』にも載ってないぞ?
どこまで本気で言ってくれてるのか、本意がどうもわかんないんだよな〜…と、
ナッシュは思っ迷っていた。
どんよりしているナッシュに、キラは決心して囁いた。
「しょ〜がね〜な〜。じ、じゃあ、私はこれからお風呂に入るけど、一緒に入るか?」
「え……」
ナッシュはキラの大胆なお誘いに驚いた。
キラは気まずそうに赤い顔をしてそっぽを向いている。
「べ、別に是非にとは言わんが。…せっかくでかい風呂だしな。じ、じゃ入ってくる」
言い訳っぽく付け足すと、キラはそそくさとバスルームに消えていった。
ナッシュの頭の中で、機関車が出発の汽笛を鳴らした。
たった今まで くよくよしていた事も忘れ、ナッシュの鼓動はスタートを切る。
今なら、踏めと言われれば スニッカーズも踏めるかもしんない!
そう思いつつ、ちゃっかりスニッカーズをテーブルに置くと、ナッシュはあわただしく服を脱ぎ、
バスルームへとダッシュした。
>>257 Imprinting―インプリンティング―その80.
勢いよく入り口を開けると、泡立てたスポンジで体を洗おうとしていたキラがぎょっと驚いた。
…本気で来たのかよ!?
「ど、どーでもい〜けど、ピーくらい隠して入って来いよ! は、恥ずかしくないのか?
…見てるこっちが恥ずかしいぞ!」
「ご、ごめん」
シャワーのセンサーをONにすると、見る間に浴室は湯煙に満たされた。
ボディ・ソープ噴出のスイッチを押すと、ナッシュは急いで掌で泡立てる。
「そ、それよりさ。私が洗ってあげるよ! キラ」
「…な、なんか手つきがやらしーぞ!? おい」
自分で言い出したものの、あまりのナッシュの切り替えの早さにキラは戸惑い、後ずさった。
既に元気になってるピーを隠そうともせず、ナッシュの掌がキラに触れる。
数時間前まで手に馴染ませていたキラの素肌を掌でこするとキラの体が泡にまみれ始める。
ソープの泡が潤滑にキラの体の曲線を滑らせてくれた。
揉み上げるように両胸を泡立ててこすりながら、ナッシュはだんだん泡を広げてゆく。
広がる泡と共に、キラの身体が掌の中で反応を始める。
「……あっ…ん…っ…こ、このスケベ……っ…」
「大丈夫だよ。…ちゃ〜んときれいに洗うからね」
洗う為に泡立てる作業は、まるで生クリームでキラの身体をデコレーションしている様だ。
夢中でキラの身体中を生クリームで飾りつけると、キラの反応も艶かしくなってゆく。
泡で滑るキラの身体の新鮮な手触りに、ナッシュはまたも暴走を始める。
「…んぁっ…! そ、そこは…じ、自分で洗うからいいって…! …んんっ!」
ナッシュの掌はキラの足の付け根の敏感な部分を泡立てていた。
「ダメダメ。いくら洗っても溢れてきてるよ…キラ」
キラの中心部は泡だけではなく、キラ自身の液で 益々ナッシュの掌の動きを潤滑にする。
キラの体が仰け反りながら反応し、甘い声を放ち続けた。
膝ががくがくして、立っていられなくなったキラを浴槽のヘリに座らせると、
ナッシュは更に念入りに、自分を結合させていた部位の襞を洗い流し続ける。
「…し、刺激するほど溢れちゃうだろ…っ…! …んっ…」
キラはスポンジを握り締めたまま、ナッシュの背中にしがみ付く。
意図的にではないが、ナッシュの背中が泡でこすられていた。
キラの手とスポンジが自分の背中を彷徨う刺激で、ナッシュはまたもくらくらした。
暴走を始めたナッシュ・機関車は、燃料を注がれた様に加速する。
「キ、キラ…」
夢中で泡まみれになっているキラの足を抱え広げると、猛り立っているナッシュ自身を、
キラの中心に突き立てた。
「…ああっ…ば、ばか!…こんな所で…っ…!」
既にキラの身体は不本意ながら、ナッシュを受け入れる準備ができていた。
キラの内部は言葉と裏腹に、ナッシュを容易く受け入れてしまう。
背後に滑り落ちないように、スポンジごとナッシュの背中に必死でしがみ付きながら、
もう抑える事もなく 完全に喘ぎ声を放ってしまう。
突き上げる度にナッシュの身体は泡だらけのキラの身体にこすり付けられ、
二人とも、いつしか泡だらけの雪ダルマみたいになっていた。
ナッシュは新たに見出した快感で、夢中でキラを貫き続ける。
どんどん二人の泡ダルマは巨大になり、ナッシュが思い切り深くキラを突き上げようとした瞬間、
足元の泡で滑ってしまった。
ザブン!と盛大な音とお湯が飛び散り、二人は結合したまま浴槽に落ちてしまう。
ついでにその衝撃で、ナッシュ・機関車は汽笛を上げて キラの中で爆発した。
>>258 Imprinting―インプリンティング―その81.
「ぶはっ…! ば、ばかもん! 溺死するかと思ったじゃないか!」
潜水した二人が慌てて浴槽から顔を浮かび上がらせると、キラが文句を言った。
「ご、ごめん。滑っちゃって…。 で、でもさっ。結局二人とも身体を洗えちゃったよねっ!?
これがホントの一石二鳥…な〜んちゃって」
照れながら笑ってごまかすナッシュの頭は、3年前に出合った頃の髪型に戻っていた。
狂ったアンドロイドを演じていたナッシュを思い出し、キラは怒りも忘れて声を上げて大笑い
してしまう。あれは『演技』だけじゃなかったんじゃね〜か?
「そ、そんなに可笑しかったかな…?」
声を出して笑うキラに、ナッシュはちょっと戸惑った。
「い、いや…。今のつまらん冗談じゃなくてさ。その髪型、初めて会った頃と同じだな。
ナッシュ・レギオン」
「そ、そう…? あ、濡らしたから整髪材が落ちちゃったんだな」
ジョークを一言『つまらん』と言われてショックだったナッシュだが、笑い続けるキラを見ていると、
またもおかしな気分になってくる。
「どっちの髪型の方が好き? キラ」
泡の浮かんだ湯船の中でナッシュはキラを抱きしめると、湯しぶきを上げながら唇を絡めてきた。
「…んっ…よ、よせよ!…いい加減のぼせて、ホントに溺死体が二つ浮かんじまうぞ」
「そ、それもそうだね…。あがろっか」
泡塗れの身体をシャワーで洗い流すと、タオルで身体を覆うキラを ナッシュはまたも抱き上げた。
そのまま寝室に向うナッシュに、キラは慌てながらも高そうな絨毯に流れ落ちる水滴を見下ろす。
「お、おいおい。まだ身体が濡れたままだぞ。床やシーツが汚れちゃうだろ!?」
そんなキラに、ナッシュはに〜っこり笑う。
「大丈夫だよ。キラ。どうせすぐに汗まみれで濡れちゃうんだから」
濡れたままベッドに降ろされたキラは焦り出した。
「また今夜も寝かせない気か!?」
構わず挑んでくるナッシュはにこにこしながら言い放った。
「だいじょ〜ぶ。帰りはゆっくりでいいからねっ」
「ひぃ〜っ! ちょ、ちょっと待て! 待てって! ナッシュ・レギオン!」
更に抗議しようとしていたキラは、覆いかぶさるナッシュ・機関車の暴走出発に
またも無理やり引きずりこまれてしまった。
――その晩 巨大なベッドは休むことなく軋む音を立て、キラの悲鳴に近い喘ぎ声が響き続けた。
>>259 Imprinting―インプリンティング―その82.
「航行システム、―起動」
「データ確認 OK」
「メインエンジン、始動」
「諸元入力、開始」
「座標セット、完了」
「HS(ハイパースペース)―始動」
「システム、オールグリーン」
「…… 」
ブリッジのクルー達は、いつもの調子で発進の掛け声を待ってしまった。
皆が思わず振り返る。
やはり艦長席は無人だった。
誰もいない艦長席は、妙に大きく感じられた。
しばらくブリッジのクルー達は沈黙してしまう。
「ダ、ダンテ副長…じゃなかった。艦長、お願いします」
同じく無人の艦長席を見つめていたダンテ君が、はっとしたように振り返り、
かつてのキラがしていた様に、厳かに片手を上げた。
「ブ、ブレーメンU、発進!」
「イ、イエス・サー!」
ダンテ君の掛け声で、ブレーメンUは惑星・ハップルを出航した。
「…ダンテ船長。 艦長席に移らないんですか?」
オスカー君が、今や船長となったダンテ君に声をかける。
「…うん。せめて地球に戻るまでは、私にとってあの席は、キラ船長のものなんだよ。
我が儘かもしれないけど、それじゃダメかな?」
ブリッジのクルー達は、何も言わずに照れくさそうに微笑むだけだった。
みんなも同じ気持ちだったのだ。
ダンテ君は、恥ずかしそうに涙ぐみながら頭を掻いた。
「ダメだな。君はもう立派な船長だろ。もっと胸を張りたまえ ダンテ君」
いきなりブリッジのしんみりした空気を壊す声が響き渡った。
ブリッジの入り口で、気まずそうに笑うキラが、Vサインをしながら立っていた。
>>260 Imprinting―インプリンティング―その83.
「キ、キラ船長…!? 」
「ど、どうしたんですかっ!? わ、忘れ物を取りに来たとか? もう出航しちゃいましたよ!?」
「ど、ど〜しよ〜!? い、今ならまだ引き返せますから!! 機関室に連絡を…」
慌てふためくブリッジのクルーに、キラは気まずそ〜に微笑んだ。
「いや、引き返す必要はないよ。確信犯だから。といっても登録名簿はいじってあるんだけどねっ」
呆気に取られているクルー達を尻目に、キラはブリッジ内を見渡して驚いた。
「うわっ!? なんじゃこりゃ!? ま、まるで遺影のようだな…。
あ〜っ!こ、婚約式の恥ずかしい画像まであるっ!!」
恥ずかしい画像の数々に、キラは思わず動揺した。
シルビア君が済まなそ〜に謝った。
「す、すいません。船長…。 それ、私達が飾ったんです。思い出が欲しいと思って…」
キラは焦ってシルビア君に笑いかけた。
「いやいや。 怒ってるわけじゃないよ〜、シルビア君。
びっくりしただけだから気を悪くしないでくれ。ところで、臨時副船長はいらんかね?ダンテ君」
ダンテ君が先程までの涙を浮かべたまま、驚きながら聞いて来た。
「キャ、キャプテン…社長と先に地球に戻ったんじゃないんですか?」
「おいおい、もうキャプテンは君だろ? ダンテ君。いや、ダンテ船長」
はぐらかす様に笑うキラの元に、他の部署のクルー達がなだれ込んできた。
「キラ船長が乗ってるってホントですか!? うわ!! ホントに船長だ!!」
狭いブリッジがごった返す。
アームストロング船医がクルーをかき分けてやって来た。
「船長…。もしかして、黙って出てきたのでは?」
真面目で善良なブレーメンズ達は、ドクターの言葉に驚いてしまう。
キラはでへへ〜とごまかし笑いをしながら、ボソッと答えた。
「バレたか〜。実はそのと〜りなんだ。だから出航まで隠れてたのさっ!」
嘘のつけないブレーメンズは、キラの行動に呆気に取られる。
キラはナッシュが『むにゃむにゃ疲れ』で眠っている隙に、こっそり抜け出てきてしまったのだ。
「まあ、なんとかなるだろ〜。もう出航しちゃったしな」
し〜んと静まり返るブリッジの中で、一人苦し紛れに笑うキラだった。
「な、なんだよ〜。みんな。そんなに深刻になるなって!
大丈夫。なんとかなるが、うちの社長の口癖だったろ?」
「うん。よく覚えていたね キラ」
クルーで溢れかえるブリッジの後方から、またも聞き慣れた声がした。
これにはキラもぎくっとして身構える。
「しゃ、社長まで!?」
ブレーメンズがモーゼの十戒のように道を開けると、ナッシュが笑いながら入ってきた。
>>261 Imprinting―インプリンティング―その84.
「やあ、キラ。危うく置いてきぼりを食らうところだったよ〜。ひどいじゃないか〜」
「な、なんで…? お前は帰らないとまずいだろ〜!? ナッシュ・レギオン」
キラが後ずさりながらナッシュに言う。やはり黙って逃げてきたので気まずいのだ。
「大丈夫。何とかなるって〜 ね? みんな」
…いや、普通ならないと思いますけど…。
ブレーメンズはそろってそう思ったが、誰も口に出さずに苦笑していた。
ナッシュはへらへら笑うとポケットから何かを取り出した。
「そうそう。キラ、これ忘れ物だよ」
それはキラがナッシュの寝てるベッドに残してきた伝言板と婚約指輪だった。
伝言版には大きなフォントで書き置きがしてあり、猫科のクルーには読めてしまう。
―ごめん すまん。 これは私の我が儘だ。 見逃してくれ、すまんかった Fromキラ ―
伝言板にはそう書かれていた。
ナッシュはにこにこ笑いながら、それをキラに渡すと お気楽そうに言った。
「これでお互い様だから、怒らないよねっ? キラ」
「うっ…」
「そうそう、一緒に置いてあったプレゼントだけは貰ったよ〜。 キラ」
伝言と一緒にお詫びの印として、駄菓子セットを置いてきていたのだ。
「…こ、このちゃっかり者め!」
今回は完全に自分の負けだ、とキラは思った。
「……あ〜あ。きっと今頃まねっこが怒り狂ってるぞ? ナッシュ・レギオン」
溜息をつきながらキラは呟くと、ナッシュはいつものように呑気に言う。
「…大丈夫だよ、きっとね。そういう訳だからダンテ君、キラを副長にしてくれないかい?」
呆然としていたダンテ君は、珍しく強い意思表示をしながらはっきり言った。
「いいえ。いくら社長の命令でも、それだけは聞けません!」
生真面目なダンテ君に、キラもナッシュも戸惑ってしまう。
「お、おいおい〜。そんな冷たいこと言うなよ〜ダンテ君。
なんなら普通のクルーでいいからさ〜。仕事をくれよ〜」
ダンテ君ははっきり首を横に振った。
「いいえ。聞けません。ブレーメンUにいる限りキラ船長はキャプテンです」
緊張していたブレーメンズが『うわぁ』と歓声を上げた。
「そ、そりゃダメだろ!? ダンテ君。せっかくの名誉ある役付きじゃないか!!
もう、ブレーメンUの船長は君だよ!」
予想外の言葉に、キラもナッシュも慌ててしまう。
「だって。なるよ〜になるのがスカイ・アイ社長のモットーでしょう? もう覚えましたよっ!
私にはキラ船長が本艦にいる限り、キラ船長が船長なんです。
さぁ、艦長席に座ってくださいよ〜。キラ・キャプテン!」
ダンテ君はまたもうれし泣きをしながら、艦長席へとキラを運んで座らせる。
>>262 Imprinting―インプリンティング―その85.
「…君達ブレーメンズは欲がないのかい? ダンテ君」
居心地悪そうに艦長席に座ったキラが、戸惑いながら尋ねてみる。
「欲は勿論ありますよ〜。私の今の欲は『キラ船長に船長でいて欲しい』です〜。
きっとみんなも そうだよねっ?」
ダンテ君がにこにこしながら振り返って聞くと、クルー達も嬉しそうにうんうんと頷く。
「ローマは一日にしてならず。三塁ベースをぶっちぎれ〜」
くつくつくつ。
「ほら。船長が戻ったらリトル・グレイも戻ってきましたよ〜」
「い、いや…。そいつは元々クルーじゃないし」
アームストロング船医が笑いながら言う。
「船長。ブレーメンUのクルーは皆、いつの間にか船長にImprintingをされていたんですな。
元々ブレーメンズには『働く事』と『人の役に立てる事が喜び』という基本感情しかありません。
ここのクルーの大らかさや、自信、そして船長を慕う気持ちは、船長によって『刷り込み』
されたものです。
モーゲンスターン博士が『生みの親』なら、キラ船長は本艦の『育ての親』という訳ですな」
「Imprinting…確かにそれがぴったりですっ! ドクター!」
ダンテ君が頷くと、クルーやアンブレラまで「ソデスネー アンブレラ ナットク」と納得する。
「ま、待て。私はまだ未婚の乙女だぞっ!? いきなり総員68名+αの子持ちにすんなよ〜!」
以前何気なく使った「Imprinting」が、まさかここでも出てくるとは!
キラはびっくら驚いたが、クルー達を見ていると『ま、いっか』と思い始める。
なるよ〜になっちまったって だけだよな〜。
「無事解決で、い〜じゃんか。キラ。今夜はみんなで船内パーティーでもしようよ」
やはりImprintingされたナッシュがお気楽に笑う。
「いいですね〜! じゃあ、ダンス・パーティーでもしますか? 社長」
オスカー君が楽しそ〜に言うと、ナッシュは思わず引きつった笑いに変わった。
>>263 Imprinting―インプリンティング―その86.
「さて、みんな持ち場に戻ってくださ〜い。そろそろ第一回目のワープですよ〜」
ダンテ君が楽しそうに言うと、ブレーメンズは元気に返事をして持ち場に戻った。
「では、キャプテン。指揮権をお任せします」
「う、うん…」
キラは機関室にワープ実行の確認をすると、アンブレラにデータ確認をさせる。
「副長、ワープ自質量修整値を入力せよ」
「アイアイ、修整値入力完了」
「航宙図士、現在位置をプロットせよ」
「アイアイ、プロット完了」
「航宙士、HS座標を確認の後、入力せよ。ベクトルは0−4−0」
「アイアイ、確認完了。ベクトル入力OK」
「アンブレラ、確認!」
「アンブレラ、 サイシュウHSザヒョウチ カクニン オール・グリーンデス」
「サンキュー、アンブレラ。機関室、主動力及びHS起動せよ。これより管制を引き渡す。
よろしく頼むよ、ミーシャ君」
「アイアイ、機関室了解しました。船長」
「それでは、ワープを実行する」
「アイアイ・サー!」
ブレーメンUは惑星・ハップルから第一ワープを完了した。
つまり、結果的には二人とも まねっこを置き去りにトンズラこいちゃったってわけだ。
ワープが完了し、ブリッジが交代で休憩を始めると ナッシュがキラに擦り寄ってきた。
「でさ〜。キラ。今回は私達、一緒の部屋でいいよねっ?」
ナッシュがにこにこしながらキラの耳元で囁いた。
勿論ブリッジに残ったクルーには筒抜けだ。
―キラは無言のまま、またもナッシュをグーで殴った。
長らくお付き合いくださっている住人様に感謝です。
次回でやっと最終回なので、もうしばらくご辛抱下さいませ。
ここで出てきたのが、キラ逃亡をあらかじめ予想していたまねっこじゃなく
てよかったw
でもまねっこのことだから、二人の逃亡も見越しているかもしれんけど。
ブレーメンU職人様、ひたすら乙です!!
エッチなシ〜ンまで決まらないナッシュに萌えw
ブレーメンズの健気さに萌え萌え!
そして、ラストをどうオチにするのかすごくwktk
まねっこの逆襲があったりしてw
お風呂に落ちる二人にワロタ
次回で最終回か〜楽しみでもあり寂しくもあり
wktkして待ってます
wktk(AA略
とうとう次回ですか…
毎日のようにSSを読める時間は、まさに至福の時でした。
最終回wktkして待ってます!
ダンテ副長、いい奴だ。
毎回新しいネタで笑わしてもらいました
気がつけば凄いレス数なのに、
全く飽きずに毎回毎回楽めたw
最終回までがんばってください
全くだよなあ…
物凄い文章量だよ?
でもここまで全く飽きずに楽しく読ませて貰ってる。
凄いことだよ。
とうとう終わるのか。
いっそ名残惜しさすらあるな。
最終回も楽しみにしてます。
いろいろと懐かしくなって原作を読み返してしまった。
このスレは永久保存版だ!
HDに取っておこ〜っと。
>>264 Imprinting―インプリンティング―その87.
殴られた反動で、ナッシュが艦長席の段差から足を踏み外して落ちてしまう。
「いった〜い…。ひどいよ〜! キラ〜」
「しゃ、社長。だいじょ〜ぶですかっ?」
シルビア君が心配して駆け寄ると、アンブレラが通信の知らせを告げてきた。
…予想以上に早かったな。
ナッシュ・まねっこからの通信に、キラは慌ててアンブレラに告げた。
「あ〜、アンブレラ。こ、この艦には私達はいないぞ。留守電にでもしておけ」
「キャプテン〜 ワクセイ・ツ〜シンニハ ルスバン・キノウハ ナイデスネー。
キンキュウレンラク セツゾク サレテマス コマッタネー コマッタネー」
…だから機械が困ってど〜すんだよ。
「やでやで…」
げんなりした顔で立ち上がると、仕方なく通信室に向う。
「お前も来るんだろ? ナッシュ・レギオン」
「う、うん…」
頬をさすりながらナッシュはキラと通信室に入った。
大画面に映ったナッシュ・まねっこは珍しくポーカーフェイスを崩していた。
「や、やぁ。まねっこ。調子はど〜だい?」
ナッシュが珍しく、まねっこに余裕のにまにま笑いをしながら話しかける。
「どーもこーもありませんよ! なんちゅ〜事をしてくれたんです! オリジナル!
わ、私の精密なAIを破壊するつもりですか? うわっ!!」
鈍い音がして、一瞬まねっこが画面から姿を消した。
「…? ど、どーした!? まねっこ! お、おい何かしてきたのか? ナッシュ・レギオン」
いつもと違うまねっこに、キラが驚いてナッシュに尋ねる。
「う、うん。ちょっと時間が足りなかったけど、どうやら間に合ったみたいだね」
ナッシュは楽しそ〜な笑いが隠せなかった。
―― 話しは数時間前に遡る。
ナッシュとキラを迎えに行った、スカイ・アイのSPがスイートの部屋をコールする。
「お迎えに上がりました。社長とイレブン・ナイン」
スイートのドアが開くと、へらへら笑いをしたナッシュと、むっすりしたキラが立っていた。
「で、では、このまま専用機に向いましょう」
あまり動揺しないSP(護衛)が、ナッシュが着ている作業服を見て相棒のSPに小声で囁く。
「お、おい。なんで社長はあんな格好をしているんだ?」
「さ、さぁ…? あ、新手のプレイ用のコスチュームかも…」
「も、もうお二人はコスプレする迄進んでいたのか! さ、さすがは画期さを誇る企業家だ」
SP二人は赤くなりながら、ボソボソ話しつつ、二人を専用機まで送り届けた。
>>275 Imprinting―インプリンティング―その88.
ずっとへらへら笑っているナッシュを、専用機で待っていたまねっこが迎え入れる。
「お帰りなさい、オリジナル。ようこそ、イレブン・ナイン。
……お気持ちは察しますが、そのにやけた笑いは感心しませんよ。オリジナル。
もっとしゃきっとした表情をしていただけないものですかね」
まねっこの皮肉にも、ナッシュは変わらずへらへら笑いを保っていた。
まねっこは、やや呆れた顔をすると、今度はキラに向かって話しかけた。
「…。 さて、イレブン・ナイン。地球に戻る間にも花嫁修業はしていただきます。
どうやら社交ダンスが苦手のようですね。
ダンス教師を用意しましたので、レッスンをしてください」
ピッ…!
何やら電子音が聞こえると、むっすり押し黙っていたキラが反応する。
「…初期プログラム起動。 」
「? 何を言ってるんですかイレブン・ナイ…ぶっ!」
いきなりキラがまねっこを『グー』で殴った。
「あ、あにすんですか!? イレブン・ナイン!」
いきなりグーで殴られて 吹っ飛ばされたまねっこが驚く。
キラは黙ったまま、まねっこの前でシャドー・ボクシングを始めていた。
へらへら顔のナッシュが笑った顔のままキラに近寄る。
「あ〜、まだやっぱりデータ入力が不完全でしたね〜。ちょっとパワーを抑えないと」
キラのうなじをへらへらしたナッシュがまねっこの前で弄り始める。
「オ、オリジナル!! 人前で発情するのはおやめなさい! 何の真似ですかっ!」
まねっこはアンドロイドとはいえ、目の前でいちゃつくナッシュを注意した。
「あ、すいません。私はスカイ・アイ社長じゃないんですよ。ナッシュ・コピー」
へらへら笑いをしている後頭部に手をかけると、ナッシュの顔が剥がれ落ちた。
その下からは、まねっこも馴染みのある顔が照れたように笑っている。
その人は、まねっこ製作にも関わった、超A級アンドロイドの整備スタッフだった。
「あ、あなたが何故オリジナルに変装してここに居るんです!?
ま、まさか…そこにいるイレブン・ナインは……!?」
「そそ。君と同じ超A級アンドロイド、キラ・コピーですよ。いうなれば君の妹ですね」
「…ダンスの練習するか? ナッシュ・レギオン」
キラ・まねっこが、ナッシュ・まねっこの胸倉を掴む。
「いやぁ。発注されてまだデータ入力が社長からの基礎データしか完了してないんですが、
ともかく急いで届けろと連絡を受けまして。
メンテナンスも兼ねて搭乗しろって命令で、ついでにSFXのマスクもかぶらされたんです」
「や、やってくれましたね〜〜!! ナッシュ・オリジナル!」
文句を言う間もなく、キラ・まねっこに足払いをかけられて、ナッシュ・まねっこは横転する。
整備士は、困った様に笑いながら またもキラのうなじをいじり始める。
「地球に着くまでには、もう少しデータ修整しますからね。ナッシュ・コピー。
あなたもそろそろメンテナンスをしておきましょう。壊されたら大変だ」
「と、ともかくオリジナルに通信を…!」
キラ・まねっこに引っ張られながら、ナッシュ・まねっこは必死で通信をONにした。
>>276 Imprinting―インプリンティング―その89.
―― そして、時間は現在に戻る。
キラは呆れ果てて、開いた口が塞がらなかった。
一体で宇宙船が三台も買えるほど高価な超A級アンドロイドを、ポンと購入してしまうナッシュに
まず呆れた。
……だ、だから金持ちって奴は嫌いなんだぁぁ!
しかも、それが自分のコピーというのにも呆れるを通り越して仰天極地だった。
あの無表情で自分達を散々振り回してくれたまねっこが、自分のコピーに殴り倒される。
小気味いい反面、キラはかなり複雑だった。
ナッシュは面白そうに笑いながら、ナッシュ・コピーに通信する。
「あ〜…、彼女は私から見たデータしか初期入力されてないからねっ。まねっこ。
まだ生まれたての赤ちゃんと同じなんだ。しっかり教育してあげてくれたまえ。
あっ! でも、勝手にえっちな事をしちゃ駄目だぞ!?」
ナッシュ・まねっこは、キラ・まねっこに引きずられながら 恨めしそうに睨んで来る。
「あに言ってんですか! アンドロイドには自我性欲なんてプログラムされていませんよ!
そ、それよりこのランボーさは作為的じゃないんですかっ!? オリジナル!」
またもまねっこが、キラ・まねっこに足を踏まれて画面から消える。
「……おい。ナッシュ・レギオン! 君の目から見た私のデータはあんななのか?
いくらなんでも。あんなに乱暴じゃねーだろっ!」
キラが殺意を抱きながらナッシュに詰め寄る。
ナッシュは苦笑しながら、たじたじと避難体勢を取る。
「だ、だからさ〜。ま、まだ彼女はキラの入力データが足りないんだよ〜。
その、むにゃむにゃをする以前からのキラの行動パターンだけだからねっ…。
ちゃんと時間をかけてメンテナンスすれば、立派なレディになるって!」
「ほう…。つまり今の私はレディじゃないと言うわけだな?」
「うっ…! そ、そんな事は言ってないでしょっ? ま、まだ未完成なんだよ〜。
時間もかなり足りなかったからさ〜」
……基礎データだけでも本人そっくしの行動パターンを取ってるけどね……。
ナッシュは内心そう思っている事を、絶対口にしないよう決意した。
「じゃ、じゃあねっ、まねっこ。そ〜ゆ〜訳で頼んだよ。
フロリナのイベントはちゃんとこなすからねっ」
「お、お待ちなさい! オリジナル! あ〜っ! や、やめなさい!キラ・まねっこ!」
「ダンスが下手なのはお互い様じゃね〜のか? ナッシュ・コピー」
キラ・まねっこがナッシュ・まねっこを振り回した反動で通信が途切れた。
「ね? なんとかなったでしょ? キラ。あの調子なら、しばらくまねっこも大忙しだよ」
客観的に自分のコピーが ああも粗暴だと、さすがのキラも脱力する。
「……あれじゃ今度はホントにナッシュ・まねっこが壊れるかもしれんぞ…」
「大丈夫だよ、キラ。その為に整備士も契約して一緒に居るんだからねっ」
…結局の所。ホントにこいつは どこまでもお調子者で、根っからの呑気者なんだな…
キラは思わぬナッシュの手腕というか荒唐無稽ぶりに、改めて呆れ驚いた。
>>277 Imprinting―インプリンティング―その90.
――それから。
ブレーメンUはもと来た航路を順調に戻りつつ、惑星フロリナを目指していた。
夜と昼とでは主導権が逆転するナッシュとキラだったが、毎晩寝ずに求められてはたまらない。
ナッシュはまたもセイラーとして、甲板掃除の任務が与えられた。
昼間思い切りこき使って、夜は寝かせてしまおうとするキラの陰謀だった。
それでもナッシュはめげていない。
公園の木陰で休憩を仮眠に当てていたキラを見つけると、こっそり忍び寄ってきたりする。
首筋に絡みつく舌と、弄りながら服を脱がせようと掌を動かすナッシュにキラは起こされる。
「……ば、馬鹿! やめんか! 個室以外では防音処理をしてないんだぞ! …んっ…」
アンダー・ウェアごとブラをたくし上げ、キラの乳首に吸い付きながら ナッシュの手が
キラの股間に伸ばされる。
「そ〜っとすれば大丈夫だよ…キラ。ほら、キラだってこんなになってるし…」
ナッシュはキラの溢れる液の源を、音を立てて指で刺激する。
「…んんっ…! …」
「声を出しちゃダメだって。キラ」
「…む、無理言うな! ……あっ……!」
危うく陥落しそうだったキラだったが、なんとか理性が打ち勝った。
「…い〜加減にしろっ!」
ナッシュはグーで殴られ、蹴飛ばされた。
「いたた…。 た、たまにはい〜じゃんか〜! キラのけちっ!」
「黙れ。そんなに元気があるなら、艦外掃除もして来い! ナッシュ・クルー!」
はだけられた衣服を整えると、キラは怒って公園を出た。
…アームストロング船医に頼んで、仮眠時は医療室のベッドを借りるか…。
キラはこれ以上睡眠不足ではたまらんと、頭を悩ませていた。
聞こえてしまったブレーメンズは顔を赤らめながら囁いた。
「あ、あのさ。社長とリトル・グレイって、やっぱり似てるよね…」
「う、うん…。めげない所はそっくしだね…。どっちの方がタフなのかな…?」
「う、う〜ん…?」
「さてや南京玉すだれ〜」
くつくつくつ。リトル・グレイが23号を引き連れて、ナッシュの前で踊りだす。
夜になると、ナッシュ・機関車が暴走する時間だ。
「……やっ…そ、そんなにしたら……ダ、ダメだって…! 」
ベッドのスプリングを軋ませながら、キラのタピオカのような突起物と溢れる泉元を貪り続ける。
「…すごいよ、キラ…こんなに一杯溢れてる…部屋では我慢しなくていいからね」
「……そ、そっちこそ…たまには我慢しろって! …ああっ…!」
昼間お預けされた分も取り戻そうと、ナッシュはキラが達するまで キラの股間に顔を埋める。
「……も、もう……んぁっ! ……」
キラが痙攣するように達すると、やっと満足したナッシュがキラの中に入って来る。
更にベッドのスプリングが軋み始め、キラの中を突くナッシュの汗とキラの液が、シーツの上に
点在した染みを広げてゆく。
ナッシュ・暴走列車は汽笛を上げるまで止まらない。
身体を重ねる回数が増すごとに、暴走距離は長くなっている。
キラが意識を失いそうになる頃、やっとナッシュは汽笛を上げて 暴走を解放させた。
>>278 Imprinting―インプリンティング―その91.
しばしのインターバルの間に、キラは定時内服をしようと錠剤を遮光瓶から出して絶句する。
「……これは何のつもりだ? ナッシュ・レギオン」
「え?いつもの薬でしょ? やだなー、キラ」
キラのホルモン調節の内服瓶から、色鮮やかな錠剤が転げ出していた。
「……どー見ても『マーブル・チョコ』にしか見えんのだが」
ナッシュはベッドの中で嬉しそうに答えた。
「あ、やっぱりばれた? キラも詳しくなってきたねっ。そっちの方が健康にいいと思ってさ」
キラは無言でマーブルチョコを握り締めると、さっさと服を着始めた。
「ああっ! なんで着ちゃうのさ〜!? まだまだこれからなのに〜」
「…やかましい。この馬鹿者めが! 時間をずらしてはいかんのだ。ドクターに貰ってくる」
「あああ〜っ! 待ってよ〜! キラ〜!!」
むっつりと怒りながら、寝室にナッシュを残し、医務室に向うキラだった。
…あったく! 何を考えてるんだ! あのお調子者め。
怒りのキラは頭痛がするからと、今夜はそのまま医務室に泊めて貰った。
ブレーメンUは、そんなキラの苦労も乗せながら 順調な航行を続けていた。
ついに惑星・フロリナに到着する。
アンドロイド・アリスをはじめ、惑星・ハップルに招待された面々が既に集まっていた。
キラのと〜ちゃん・か〜ちゃんもそこにいた。
「アルス・ファンタジオーソでの挙式とは、お前にしては洒落ているな」
ダ・シルバ夫妻も到着していた。
「みなさ〜ん! アリス・ファンタジオーソへようこそ! 新郎新婦の用意が整うまで、
当施設のファンタジー世界をお楽しみ下さ〜い!まずはハローワークへどうぞ」
アンドロイド・アリスが元気に営業活動をしている。
招待客は『ハロー・ワーク』で様々な職業の姿に変わる。勿論衣装はフォログラムだ。
…やでやで。結局こうなっちまうのか。
花嫁衣裳を着せられながら、花嫁御陵はむっつりしていた。
まぁ、これもまたなるよ〜になった結果か。ケ・セラ・セラってやつなんだな。
キラも もう諦めて、真っ白で派手なベールをかぶせられる。
控え室で待つと〜ちゃんが呼ばれて来た。と〜ちゃんの職業はキラと同じお笑い芸人だった。
もうバージンではないのだが、やっぱり泣いちまった と〜ちゃんが、バージンロードを
エスコートしてゆく。
足を引っ掛けて転びそうな長いベールは、シルビア君とモモ君がいそいそと支えてくれた。
…この役は、我もと立候補するブレーメンUの女性クルーがくじ引きで決めたのだ。
「…あったくもう。ジャパン・民族の婚礼衣装といえば白無垢なのに!」
か〜ちゃんは直前まで不満そうだったが、高そうなウェディング・ドレスを見て、微笑んだ。
ちなみに、か〜ちゃんの職業は 戦闘に赴く女王様だった。
バージンロードの終点では、ナッシュ・レギオンが嬉しそ〜に緊張しながら待っている。
神父による、お決まりの誓いの言葉を言わされると、横にいる坊さんがしゃしゃり出る。
「では、固めの杯を交わしてください」
三三九度かよ! 見事に和洋折衷で意味不明な結婚式だった。
キラもナッシュもこの儀式には、思わず苦笑いで固まった。
>>279 Imprinting―インプリンティング―その92.
儀式が終わるとフォログラムが変わり、披露宴は三月お茶会の会場へと変化する。
「この様に、場所を移動しなくても、さまざまな設備が映像でお選びいただけます!
結婚式場には、是非アリス・ファンタジオーソをお選び下さい」
チェスのクィーンが、今日は真っ白なフォログラムに姿を変えて説明する。
招待客は、多彩な変化とファンタジーの雰囲気を堪能した。
「花嫁のお色直しも、瞬時でプログラムが変えてくれます!」
キラのドレスが艶やかな色や、派手なデザインのドレスに変化する。
ブレーメンズも招待客も、わっと歓声を上げて楽しんだ。
「……おい。これって結婚式というより、完全にアトラクションCMじゃないのか?」
「う、うん…ま、まぁ斬新でい〜じゃないか。 キラ」
まるでマネキンのように着せ替えられて、キラの笑いは引きつった。
…実際には着替えていないというのが 妙に庶民的でいいのだが。
「おめでとう! レギオン社長! キラ船長! 」
「おめでとうございます!! 船長、社長! 」
「キラ〜!! 綺麗だよ〜!」
と〜ちゃんが、か〜ちゃんにすがって泣きながら祝ってくれる姿も見える。
「コペンハーゲン、二死満塁に 微笑んだ〜」
くつくつくつ。
それなりに緊張はしてるのだが、モデル・ケースとしての結婚式と披露宴で、
なにがなにやら。まさにアリス世界のマッド・パーティーだった。
「お食事とお茶は、フロリナ名物『花粉団子』チェーン店が提携されています。
アリスの世界のキャラクターが皆様のテーブルにお運びしま〜す」
ハートのクィーンやハンプティ・ダンプティ達が現れ、給仕をしてくれる。
「忙しい、忙しい。忙しくないけど忙しい〜! 」
お馴染みのアリス・ランドの懐中時計を持ったウサギ君がアトラクションで走り回る。
彼も今年ブレーメンズ養成学校からアリスに就職したブレーメンズだ。
走り回るウサギ君は、シルビア君と目が合うと、お互いぽっと赤くなった。
この結婚式の映像も、全惑星に向けて放映された。
宣伝効果は見事成功といえるだろう。
>>280 Imprinting―インプリンティング―その93.
アリスが嬉しそうに駆け寄ってきた。
「レギオン社長、キラ船長。今日はありがとうございました!
これからも私、おじいちゃんの分まで頑張っていきます! ミーシャ君もありがとう!」
ミーシャ君は嬉しそうにアリスの笑顔に頷いた。
アリスはちょっと顔を赤くしてキラにこっそり囁いた。
「あの…。キラ船長。コンピューター・アンブレラにもよろしくって言ってください。お世話になったから」
「うんうん。わかったよ。アリス君」
このおかしな結婚式をみんなが祝福してくれた。ちょっとしたロマンスも芽生えそうだ。
改めて、ブレーメンUは様々な出会いや経験をしてきたと感慨深いキラとナッシュだった。
様々な職業姿の招待客に囲まれて、各所で記念画像が執り行われる。
「ね、ねぇ。キラ。この精巧なフォログラムを利用したホテルがあってもいいと思わない?
ファンタジオーソ挙式後のオプションでさ。せっかくだから我が社でプランを考えてみようかなっ」
衣装が即座に変わるのを見ていたナッシュは、ヨコシマな野望プランをキラにこそこそ囁いた。
「……。」
皆々様の集う披露宴で、新郎は 花嫁御陵にグーで殴り飛ばされた。
カシャッ。
殴り飛ばされた瞬間も、しっかり記念画像に納められた。
混乱した結婚式と披露宴は、どたばたとお笑いの内に幕を閉じた。
翌日、忙しい参加者達は それぞれの専用機で帰ってゆく。
ブレーメンUの発進地送迎窓からは、アリスと花粉団子店店長が手を振っていた。
キラが厳かに手を上げる。
「では、ブレーメンU、発進する」
「アイアイ・サー!」
こうしてブレーメンUは 今日も明るくお気楽に、定期ルートを航行するのだ。
―エピローグ―
オリジナルに色んな事を押し付けられたナッシュ・まねっこは、
回路がショートしそうに怒りながら、二人が地球に戻る日を待っていた。
「オリジナル〜! 私の人工知能が破壊されても知りませんからねっ!」
「…ほれ、ナッシュ・まねっこ。次のダンス教師を呼ばんか」
今日もナッシュ・まねっこだけでなく ダンス教師達が元気に転がされていた。
〜 おしまい 〜
>>281 Imprinting―インプリンティング 住人の皆様方へ感謝を込めて
こんなSSを最後まで投下させてくださってありがとうございました。
心の広い住人様方のご好意に甘え、ブレーメンUで書いてみたかったエピソードを
自由にのびのびと書かせていただく事ができました。
長きに渡りお付き合いくださった方々、飽きてもスルーしてくださった方々、
いくら感謝をしても足りません。
誤字を許してくださった事は、申し訳なくて 穴を掘りたい恥ずかしさです。
ラストがちょっと駆け足でしたが、いずれまた番外編などで書けたらと思います。
その時はまたよろしくお願いします。
川原スレに感謝と共に、これからも色々なSSを読ませていただける事を願っています。
今度はもっと短期で終わるSSを心がけ、皆様に読んでいただける様に頑張ります。
それでは、本当にありがとうございました。
>>282 いつも楽しく読んでいました。
もし気が向きましたら、番外編も投下していただければ嬉しいです。
一読者として、月並みではございますが、
本当にありがとうございました!!
>>282 素晴らしい!素晴らしい!素晴らしい!
リアルタイムで遭遇できて感激です。
オリジナルのその後と言われても思わず納得の素晴らしい作品でした。
番外編もあるとのこと、今からとても楽しみです。
ともあれ、お疲れ様でした。
こんなにも楽しませてくださって、心からありがとうございます。
>>282 ブレーメンU職人様、お疲れ様でした!
ラストまで笑わせていただけて、感無量でございます!
すごい長編でしたが、強引さもなく自然に楽しく読めました。
終わってしまうのが悲しいですが、番外編や新作をまた期待しています!
職人様、GJ!
ナッシュのヨコシマさが加速されていくのも笑えました!
>>282 おつかれさまでした。
最後の最後にきてキラのコピーというネタに驚かされるとは。いい意味で
裏切られました。
しかしナッシュ・まねっこカワイソスw
>>282 連載お疲れ様〜。とっても楽しませてもらいましたぁ〜。
「あの絵」で読みたいと思ったのは私だけではないはず・・・
長編連載お疲れ様でした。
毎日スレを覗くのが楽しみで仕方なかったです。
一度も無駄な回がなく、
構成の見事さに舌を巻きました…
クルーとまねっこ達の息災を祈りますw
長編執筆大変お疲れ様でした。これだけの素晴らしい作品を書くのに、
どれだけの時間と手間が掛かっていたことか……つД`)・゚・。・゚゚・*:.。
想像するだけでも自然と頭が下がります。
尊敬を通り越して崇拝してしまいます。まさに神です、神!
ほとんど毎日のように楽しませてもらえて、本当に嬉しかったです。
少し休養なさって、また萌えの趣くまま頑張って下さい。
たくさん励まされました。ただただ、感謝の一言です。
本当に良い作品をありがとうございました。
番外編の投下wktkして待ってます。
終わってしまいましたね…。
職人様、お疲れ様でした!
一服の清涼剤を残した素晴しい作品でしたー
なんだかすごく寂しい様な気持ちです。
またこんな連載ならいくらでも読みたいなー!
連載中はとても充実した日々でした。
次回作を期待しています!
あぁ〜〜面白かったー!!
原作の二人はほのかな進展があるどころか、最終回では絡むことすらなくて。
ブレ好きとしてはそれがとても心残りだったのですが、今回このお話で
未消化にも思えていた部分を脳内補完させていただきました。
浮かぶのがカーラ絵まんまなのはもちろんですが、静止画像じゃなく
movingというか、動いてる絵で見えるような感じさえ受けます。
このお話の中で唯一原作に忠実でない部分『キラとナッシュが恋愛展開』は
こんなふうに展開してくれたらいいな…と思う理想的な形なのかもしれません。
読んでいて幸せ〜な気持ちになれるお話でした。282さん、どうもありがとう!
またいつかお話を拝見させてくださいね。大作お疲れ様でした。
NY革命のかた(黄色いアレか?と思いつつ)、スワップ大天使のかた、
バビロンのかたの第二部、それからGHQのかた(しつこいようですが)、
続きを期待しながらまたーりとお待ちしております!
職人様、ありがとうございました。
本当に楽しませていただいた、毎日でした。
感謝をこめて拍手を送りたい!
ぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱち
ブレーメンU連載中、ナッシュは何回グーで殴られたのか数えてみたりw
>>294 意外と少なかった。
93レス中8回w
まねっこが1回+書かれてない分だと思うw
まだ連載途中の方々には申し訳ありません。
まったり進行ですが 投下させてください。
大地の貴族の酪農青年・智彦さんと郁子お嬢様のまったりSSです。
お気に召さない場合はスルーでお願いいたします。
9月はなやんでる(大地の貴族) Act1
……ピ ピピッ ピピッ ピピッ ピ……カチッ。
目覚ましの時計で目覚めたクララ牧場の経営者・倉沢智彦青年(28)の朝は早い。
毎朝5時に目覚めては、牧場仕事に精を出す。
「あ〜。今日もいい天気になりそ〜だ…」
牛舎に餌を持って行くと、毎度の事ながら空の牛枷が目に付いた。
先月パーティー会場から郁子さんをさらう時、キューピッドになってくれた白牛のバースだ。
「…やれやれ。またもや朝の散歩か…」
やたら器用で頭のいいバースは、毎朝ご丁寧に開けた牛舎の戸を閉めて 朝の散歩に出かけるのだ。
毎日ともなると、智彦もさすがに諦めて せっせと次の仕事に取り掛かる。
朝露に濡れた草を食べながら、バースはフォンタナ・ゴールドと和んでいた。
『しかしよ〜、お前の持ち主も毎朝ご苦労なこったな。フォンタナ・ゴールド』
『健気な乙女心という物を、君は理解する必要があるぞ。バース』
『お前な〜。そゆ事言ってると妹のエリザベスを紹介してやらね〜ぞ?』
『君に似ず、彼女は確かに美人だしな』
仲がいいのか悪いのか、白い牛とサラブレッドは呑気に皮肉を言いあっていた。
「おはようございます。智彦様、毎朝お疲れ様です」
エプロン姿で朝食を用意していた郁子は、朝の仕事を終えて戻った智彦に笑いかけた。
「あ、おはよ〜ございます。郁子お嬢さん」
白いフリルのオリーヴ・ノンノ姿がよく似合う このお嬢様を見ると、28になる智彦青年は
なんだかとっても照れくさい。
親の躾が行き届いているのだろう、郁子が手際よく並べてくれた食卓に座る。
「い、いつもすみませんね〜。お嬢さん」
「いいえ、こちらこそ勝手にキッチンを使わせていただいて。
無作法者と、お気を悪くなさらないで下さると嬉しいですわ。智彦様」
智彦の言葉に、郁子はおっとり照れくさそうに笑いながらご飯を盛り付けて渡した。
つい先日、郁子に言い寄るカモメ眉毛の緋川家の信行氏から、颯爽とバースで郁子を
連れ去ったのに、二人の関係は今だこんなにぎこちない。
「え、え〜と。
前にもいいましたが、その『智彦様』と様付けで呼ぶのはやめてくれませんか。お嬢さん」
話題に詰まった智彦が気まずそうに話しかける。
郁子は困ったように顔を赤らめて、エプロンをいじり始める。
「あ…。ご、ごめんなさい。お気に障るのでしたね、すみません。ついいつもの癖で…」
深々と頭を下げて謝る郁子に智彦は なんだか罪悪感を感じてしまう。
「いや、謝らんでいいです。謝らんで。気に障ってるわけじゃなく、そーゆー呼び方は
あまりにこの実情にそぐわんでしょ。
特にあなたみたいな人から様付けで呼ばれると、僕は返事の仕様がないんですよ」
……なんと言っても郁子は正真正銘の『お嬢様』で、自分は酪農の人なのだ。
しかしにこにこしていた郁子は、智彦の言葉にいきなりず〜んと落ち込んでしまう。
「申し訳ありません…。ご迷惑だったのですね。
で、でも私は『職業には貴賎はない』と教わりましたし、私自身もそう思っています。
……どうお呼びすればご満足いただけるのでしょう? 努力いたしますわ」
何気なく言った言葉が郁子を傷つけてしまったと驚いた智彦は慌てて言葉を訂正する。
「いや、そんなに恐縮しないで下さい。どうやら言い方が悪かったようで申し訳ない。
僕が呼ばれ慣れてないだけですから、普通に呼んで下さればいいんですよ。お嬢さん」
どんより落ち込んでいた郁子の表情が途端にぱっと明るくなる。
まるで気まぐれな晴れ模様のようだ、と智彦は思わずつられ笑いをしてしまう。
>>297 9月はなやんでる(大地の貴族) Act2
郁子は少しはにかみながら、頬を薄くさせて智彦を見上げた。
「そ、それでは私の事も『お嬢さん』ではなく名前で呼んで頂けませんか?智彦様」
「あ…。 はい、そうですね。で、では『郁子さん』でよろしいですか?」
郁子は嬉しそうに顔を赤らめて微笑んだ。
「はい。智彦様」
「じゃ、じゃあ、郁子さん。お味噌汁のお替りをいただけますか?」
「はい! ただ今お持ちしますね。 智彦様」
にこにこしながら椀を受け取る郁子を見ながら智彦は苦笑した。
結局自分は『様』付けのままで、郁子お嬢さんは『郁子さん』になってしまったからだ。
お嬢様の笑顔には敵わないな、と智彦は思った。
朝食が済むと働き者の智彦青年は牛の乳搾りを済ませると、動物達を放牧する。
牛たちは夕方まで、のんびり草を食べたり楽しく遊んだりするわけだ。
勿論、白牛のバースは勝手に自ら放牧を楽しんでいるわけだが。
『おい、バース。お前んとこのご主人は も少しなんとかならんのか?』
朝食の後片付けを終えた後、郁子は嬉しそうにフォンタナ・ゴールドに報告しに来たのだった。
「ラッキー。今日は智彦様と前より少し親密に、有意義な会話ができてしまいました!」
『呼び方をを”郁子さん”、”智彦様”に変わっただけの、どこが親密で有意義なんだ?
あったく。見合いの席から簒奪という真似までやらかしてあの進展のなさ。
見てるこっちが歯痒いったらありゃしない!』
『あ〜。それについては俺も感じていたぞ。フォンタナ・ゴールド。
お前んのとこの嬢ちゃんも、いい加減おっとりお気楽だからな〜。
あれで満足してる辺り、世間知らずもいいとこだが、うちの智彦もな〜。
あれでも一応スケベな野心は抱いてるはずなんだが、おじょ〜様には遠慮しちまうんだな。
今更カッコつけようっってのも、おーきな勘違いなんだって気づいてないんだよ』
『…君も相変わらず自分の主人に対して、言いたい放題言うね〜。バース。
だが、君の意見はもっともでもある。 しょ〜がない、また我々が一肌脱いでやらないか?』
『んだな〜。 あったくお互い気苦労が絶えないよな〜、俺達も』
牛とサラブレットに勝手に心配されている、何も知らない呑気な智彦と郁子だった。
>>298 9月はなやんでる(大地の貴族) Act3
―― さて、放牧をした間も智彦青年はこまめにせっせと働いている。
牛舎の掃除や干草作りに精を出し、さらに畑で農作物をせっせと育て、
その上器用にもバターやハム・チーズ・バターなども手作りする。
それを付近の住人や近くを訪れる観光客相手に時々商人したりもするのだ。
今日もせっせと畑仕事を始めると、郁子がそわそわと近づいて来た。
「智彦様。私も何かお手伝いできませんか?」
うんこ座りでジャガイモと戯れていた智彦青年は、逆光に照らされて笑う郁子を見上げる。
「いやいや、郁子さんに こんな汚れる仕事はさせられませんよ」
由緒正しいお嬢様に酪農作業は無理だろう?
「あ、私は平気なんです。牧場の仕事も牛も好きですし」
「手がガサガサになりますよ?」
「ガサガサではいけませんか」
屈託なく笑う郁子に、智彦青年は戸惑ってしまう。
「…いや。僕の母親もそーだったから…」
「それなら」
郁子は嬉しそうにほんわか笑って言う。
「私もガサガサがい〜です」
さわやかな風と郁子の無邪気な笑顔に、智彦青年は思わずときめいてしまうのだった。
「このお芋を掘り起こせばよろしいんですの?」
「は、はい。あ、軍手をした方がいいですよ。ちょっと持ってきます」
隣にしゃがみこんだ郁子のハイソな香りに戸惑った智彦は、思い出したように言うと
軍手を取りに家に戻った。
……参ったなぁ。
あの時は勢いに任せてさらってしまったけど、ホスト時代はゴージャスなご夫人や
お年寄りばかりが相手だったから、ああも純粋培養なお嬢様の扱い方には戸惑ってしまう。
あんな無垢なお嬢様に、よからぬ事をしたいと思うなんて邪道だよな〜。
智彦も、智彦なりに自分自身と戦っていたのだ。
結局、それから郁子は智彦の作業を手伝わせてもらって満足しながら屋敷に帰った。
「郁子もいい色に日焼けして、健康そうな姿になりましたわね」
夕食の席でのんびりなごやかな両親が会話をする。
「ええ、お母様。今日は智彦様に牧場のお仕事を教えていただきましたの」
あの日から、智彦との仲がほとんど両親公認となった郁子が嬉しそうに話す。
「ふむ、大地に触れ合う事は人間性を豊かにしていい事だ。そう思いませんか、母さん」
「ええ、そうですわね。あなた。こうしておいしい物もいただけますし、智彦さんには
何かお礼をしなくては」
のんびりした両親に智彦を褒められて、とっても嬉しい郁子だった。
「そうですわ。お母様。私何かお礼を考えます! 」
何を送れば智彦様は喜んでくださるかしら? と郁子はにまにま考えた。
>>299 9月はなやんでる(大地の貴族) Act4
翌日も朝早くから郁子は智彦の牧場にいそいそと日参する。
「おや? 珍しく朝の散歩に出ていないのか? バース」
牛舎の餌を持っていくと、珍しくバースが脱走していない事に智彦は驚いていた。
バースは馬鹿にしたような横目で智彦を見ると、もそもそと餌を食べていた。
朝食が済むと、郁子はにこにこ智彦の後をついてくる。
「郁子さん、牛舎の掃除は身体に匂いがひっつきますよ」
「大丈夫ですわ。智彦様。私、牛も大好きですから」
めげない郁子に苦笑しながら、牛舎に入ると掃除を始める。
郁子も智彦の姿を見様見真似で掃除を始めた。
脱走していないバースの近くまで歩み寄ると、バースにもにっこり挨拶する。
「おはよう、バース。今日はフォンタナ・ゴールドと遊ばないんですか?」
元々目つきの悪いバースは、無邪気に笑いかける郁子を見ると 大きな鼻面をなすりつけた。
「きゃっ」
どでかいバースの鼻面を擦り付けられた勢いで、郁子は思わず吹っ飛んでしまう。
「だ、大丈夫ですか!? 郁子さん! こら、バースあにやってんだ! 」
郁子の悲鳴で慌てて智彦が郁子を助け起こそうと駆け寄ってきた。
「だ、大丈夫です。ちょっとびっくりしただけで……。騒いですみません、智彦様」
智彦の手を借りながら、郁子は照れくさそうに立ちあがろうとした。
その時、バースがまるで『やあ』と言うように 偶蹄目で智彦の背中をポンと叩く。
牛にとってはただの『ポン』でも、人間にとってはまるでハイキックだ。
「うわっ!? 」
思わず智彦は助け起こした郁子の上に覆いかぶさるように倒れてしまう。
「バース……。 なんちゅ〜事をするんだ! 郁子さん、すみません」
いきなり背中をどつかれて倒れた智彦は、バースに文句を言いながら起き上がろうとする。
しかしバースは起き上がろうとする智彦にまたも偶蹄目をお見舞いした。
「……痛てて…… 」
さすがにダブルでどつかれると、智彦もすぐには起き上がれないダメージだ。
「だ、だいじょーぶですかっ? 智彦様!? 」
バースに悪態をついていた智彦は、自分が今郁子を組み敷いた格好になっている事に
始めて気づいた。
郁子の方は、最初に倒れこんだ時から智彦のアップに目をちかちかさせて赤くなっている。
「だ、大丈夫です。すみません、郁子さん! す、すぐ起き上がりますから……」
腕立て伏せの姿勢で起き上がろうとする智彦だったが、バースの偶蹄目に二度も背中を
叩かれた痛みが走り、再び郁子の上に倒れこんでしまう。
>>300 9月はなやんでる(大地の貴族) Act5
「くっそ〜! バースのばかっ! す、すみません郁子さん。重いでしょう?」
見下ろすと、すぐ眼前に郁子の赤い顔があり 智彦はおもわず思考が真っ白になった。
「い、いえ……。私は平気ですけど、智彦様はどこか痛めたのでは? 」
郁子はバースに蹴られた智彦の背中を思わず心配して摩り始めていた。
背中に回された郁子の手の感触に、『いかん! これはお嬢様の無邪気な心配だ! 』と
智彦は自分に言い聞かせたが、外れてしまった理性の箍はどうする事も出来なかった。
郁子の手を背中に回されながら、思わず智彦は郁子の唇に自分の唇を重ねた。
突然のファースト・キスに驚いて目を見開いた郁子だが、ずっと恋してきた智彦の行為に、
思わず赤面しながら眼を閉じて 回した手に力を入れてしまう。
柔らかく智彦の唇が郁子の唇の上をなぞりはじめると、郁子は何も考えらず息を止めた。
柔らかく湿った物体が、郁子の唇をなぞり始める。
それが智彦の舌だと気付く迄、しばらくかかった。
息を止めていた郁子が我慢しきれず、うっすらと唇を開いて吐息を放つ。
すると、開いた唇の隙間から 智彦の舌が郁子の口内に入り込んできた。
口内で艶かしく動く智彦の舌に、郁子はどう反応していいかわからない。
思わず背中に回した手が、智彦の服を掴んでしまう。頭の芯がくらくらとしていた。
絡ませる智彦の舌が、重なった唇から小さな水音を立てている。
唇を離すと、互いの唇を結ぶ透明な糸が伸びてぷつりと切れた。
智彦は郁子の瞼や頬に軽くキスをしながら、その唇を郁子のうなじに移動させる。
滑らかな舌が首筋に触れると、郁子はぞくりとするような甘い感覚に襲われた。
気が付けば、郁子の胸元のボタンははずされ 智彦の手が郁子の胸元から差し込まれている。
未知の感覚に、思わず郁子は小さな声を漏らしてしまった。
「……あっ……!」
郁子の甘く小さな声で、やっと智彦は我に返る。
「す、すみません! 郁子さん! 」
慌てて胸元に差し込んだ手を引っ込めると、智彦は慌てながら郁子に謝った。
「い、いえ……」
郁子は内心がっかりしながら、起き上がった智彦から赤くなって視線を逸らす。
「ふ、服が汚れてしまいましたね…。申し訳ない。着替えをお貸ししますから、戻りましょう」
「は、はい……」
郁子は冷静な智彦の応対に、甘い期待をしてしまった自分を恥じた。
手を差し伸べられて立ち上がると、服を整えながらしょんぼりと智彦の後から家に着いて行った。
…… あ、危なかった。あんな場所で欲情してしまうなんて、お嬢様には恐れ多い事だ。
冷静を装う智彦の胸中は、実はかなり動揺していた。
まったり進行ですが続きます。
新作キタ------!
のどかな牧場のどこで初志貫徹するのか
wktkして続き待ちます!
ああ、智彦が踏みとどまってくれてヨカッタ。
場所が場所だけに気になってたんだよなーw
やんごとなき郁子さまが
藁まみれになるだけならいいけどギューフ○まみれはちょっと・・・ww
書き上がったので、一気に投下してしまいます。
大地の貴族の続きです。
和姦なのですが、場所は外になりますので、苦手な方はスルーでお願いします。
>>301 9月はなやんでる(大地の貴族) Act6
『なんであそこで思いとどまっちまうんだかな〜? 智彦の奴』
せっかく粋な計らいをしたバースは、ふてくされたように呟いていた。
『あったくだな。純情乙女が折角覚悟してカモーン状態だってのに、あの体たらくは何事だ! 』
盗み聞きしていたフォンタナ・ゴールドも、智彦が途中で怯んでしまった事に腹を立てていた。
『あそこまで行ったら貫き通すってのが男ってもんだよな! フォンタナ・ゴールドよ』
『うむうむ。全くそのと〜りだ! なんなら私の奇蹄目もお見舞いしてやればよかったと思うぞ、バース』
ミッション1に失敗した白牛とサラブレットは、ぶつくさ智彦の悪口を話し合っていた。
シャワーを借りながら、先程の出来事を思い出しつつ 郁子は赤くなりながら落ち込んでいた。
……いやね、私ったら。変に期待をしてしまって。
智彦様に慎みのない女と思われていないかしら。穴があったら入りたいくらいだわ。
それでも智彦が触れた唇と首筋に手を当てると、思わず赤くなってしまう。
智彦に借りた着替えを羽織ると、洗濯機で洗った服を浴室に干して郁子はダイニングに戻った。
「と、智彦様。シャワーとお洋服をお貸しいただきました。ありがとうございます」
「あ〜、いえいえ。ぼろい服で申し訳ないです 郁子さ…ん…」
絞りたての牛乳をグラスに注ぎながら、郁子に渡そうと振り向いた智彦は思わずグラスを床に落としてしまった。
貸したのは智彦のシャツとGパンだったのだが、郁子が着ているのは上のシャツだけだった。
シャツはちょっとしたミニのワンピース並みの長さだったが、シャツから覗く郁子の生足に、
智彦の動悸は早まり、目のやり場に困ってしまう。
「し、下は履かないんですか? 郁子さん」
落としたグラスとこぼれた牛乳を処理しようと慌ててゾーキンを握り締めながら、
智彦の目は宙を彷徨う。
「あ……。す、すみません。お借りしたGパンは私には少し大きすぎて……」
「そ、そうですね。男物の服しかないから、郁子さんには大きすぎたかなっ!
で、でも少しそのお姿は 僕には目の毒です……」
「す、すみません! お目汚しですよねっ! ごめんなさい!」
智彦の言葉に、郁子は膝を隠そうとしながら俯きかける。
そうすると、ダブダブの襟元から 今度は郁子の胸の谷間が見えてしまう。
……うわっ!こりゃ蛇の生殺し状態だ!! 智彦はまたも理性と戦い始めた。
「い、いえ…。お目汚しどころか眼福……いやいや! 郁子さん。
そ、その…。ぼ、僕も一応健全な男ですから、そ〜ゆ〜お姿を見せられると、
さっきみたいに野生本能の血が……むにゃむにゃ……」
動揺した智彦は、自分が何を口走ったのか後から気付いて焦りまくった。
赤くなりながら言葉を濁す智彦に、智彦以上に赤くなった郁子が呟く。
「あ、あの……。わ、私さっきの事は智彦様だから嬉しかったです……」
「えっ……? 」
お嬢様の大胆発言に、智彦は思わずゾーキンを絞ってしまった。
>>305 9月はなやんでる(大地の貴族) Act7
なおも赤くなりながら郁子はおずおずと智彦を見つめた。
「こ、こんな はしたない事を口走ってしまう私って変ですよね!!
ごめんなさい…。お嫌いにならないで下さい 智彦様…」
智彦はぎゅうぎゅうに絞り上げたゾーキンを引きちぎりそうになりながら口走った。
「お、お嫌いになるはずはないです!!
で、でもお年頃のお嬢様がそんな事を軽々しく言っちゃ〜いけません!
お、男はみんな狼になるんですよっ!? 」
郁子は消え入りそうに恥ずかしげな顔で囁いた。
「と、智彦様が狼なら、私は怖くないです……」
絞り上げていたゾーキンが、ブチっと断末魔の悲鳴をあげて智彦の手の中で引き千切れた。
吸い寄せられるように智彦の足は、はにかんで俯く郁子の側に向かってしまう。
ダブダブのシャツを着ている郁子の肩に手を回すと、智彦は躊躇いがちに尋ねる。
「……本当に怖くありませんか?」
智彦に触れられた郁子は一瞬びくりと身体を硬直させるが、赤い顔のまま頷いた。
その清純無垢な仕草に、智彦はまたも理性を失ってしまう。
思わず郁子を抱きしめると、再び唇を重ねてしまった。
さっきより長く濃厚なキスをしながら、ダイニングテーブルに寄りかかった郁子のボタンを
手馴れた動作ではずしてゆく。
先程の郁子のハイソなコロンの代わりに、自宅の石鹸の香りが智彦の嗅覚を刺激した。
シャツの下からは、お嬢様らしい白で統一された下着が現れてくる。
郁子は恐る恐る智彦の背中に腕を回し、先程と同じく必死で背中の布にしがみ付いていた。
清楚な白のブラの背中に手を回し、ブラのホックをはずすと華奢な体とは反比例した、
ふくよかな胸のふくらみが解放される。
首筋に舌を這わせながら、智彦の掌がそのふくよかな胸を這い回り始める。
郁子は赤い顔で智彦にしがみ付きながら、与えられる刺激にぎゅっと目を閉じて耐えていた。
時折放つ小さな吐息が切なそうで、智彦の欲望を高まらせる。
白いブラから解放されたふくらみの先端が薄いピンク色からやや濃いピンクに変わり、尖り始めた。
智彦がその先端を啄ばむ様に口に含むと、郁子は小さく声を放った。
舌先で先端を転がすと、郁子は身を震わせるように反応し小さく甘い声を放ち続ける。
「す、すみません……はしたない声を出してしまって……」
郁子は紅潮した表情で、途切れ途切れに謝ってくる。
智彦は郁子の胸に顔を埋めながら微笑んだ。
「いいんですよ。郁子さんの可愛い声が聞けて、僕も嬉しいです」
そう言うと、再び郁子の先端を舐め転がした。
智彦の言葉に安心した様に 郁子は身体を仰け反らせるように反応し、甘い声を放ち続ける。
>>306 9月はなやんでる(大地の貴族) Act8
胸の膨らみを味わいながら、智彦の掌は郁子のウエストの括れを彷徨いつつ、
真っ白なショーツへと移動していた。
ショーツの中央部に到達すると足の隙間から指を滑らせる。
「……あっ……! 」
触れられた瞬間、郁子は感電したようにびくりと身体を強張らせた。
「……やはり怖いですか? 郁子さん」
智彦は郁子のショーツの中心で指を止めると、顔を胸から耳元に移動して囁いた。
郁子は智彦にしがみ付いたまま、赤い顔でうつむいて無言で顔を横に振った。
「こ、怖くないです……。ちょっとびっくりしただけです 智彦様…」
消え入りそうな声で答える郁子の表情を楽しみながら、智彦は止めた指を動かし始めた。
「……あっ……あん…っ……! 」
郁子は泣きそうな表情で、甘い声を放ち始める。
指でなぞるショーツの中央が段々と湿り気を帯びてきた。
……おっと、お嬢様の清潔な下着を汚しちゃいかん!
智彦は郁子のショーツに手をかけて、ゆっくりそれを脱がそうとした。
―― その時である。ピンポーン!!ピンポンピンポン!!
慌しく玄関のインタホンを鳴らす音がした。
「おい! 酪農青年! お客様だぞ!! さっさと接客せんか! 」
聞き覚えのある男の声がして、二人はその場で固まってしまった。
「か、カモメ眉毛ですわ!! 」
半裸状態の郁子は、赤い顔のまま智彦の胸に隠れるようにして慌てふためいた。
「まいったな……。閉店の看板を出して鍵を閉めておけばよかった。
郁子さん、申し訳ありませんが浴室にでも身を隠していただけますか」
智彦もかなり下半身が切羽詰っていたのだが、いきなりの来客にがっくり萎えてしまった。
慌てて浴室に駆け込む郁子を残念そうに見送りながら、溜息をついてダイニングのドアを開けた。
「客を待たせるとはいい商売だな。元ホストの酪農青年! 」
見るからに偉そうな態度のこの客は、郁子に言い寄っていた緋川財閥のバカ殿こと、信之だ。
「あ〜……。お待たせして申し訳ありません。今日は何かお買い上げですか?」
「ふん! 表に郁子さんの馬が繋いであるから、ついでにバターでも買いに来てやったんだ!
郁子さんは来ているんだろ? 」
あ〜、フォンタナ・ゴールドも隠して置けばよかった……。
智彦は思いながら、営業スマイルでバターを取り出した。
「ああ。お嬢さんは今散策に出かけられているんですよ〜。毎度ありがとうございます。
はい、バターです」
傲慢な物言いに内心ムッとした智彦だが、そこは営業スマイルでなんとかやり過ごす。
「いいか!? 元ホスト。お前もいい気になってんなよ。
僕はまだ郁子さんを諦めたわけじゃないんだからなっ! また来るぞ! 覚えておけ! 」
カモメ眉毛の信之氏は一方的に言い放つと、愛馬のスター・ハーベストに跨って去っていく。
それを見ていたバースとフォンタナ・ゴールドは、暗黙の内にバースの妹・エリザベスを刺客に放った。
エリザベスの色香に惑わされたスター・ハーベストは またも暴走し、飼い主ごと
自然の作った水溜りにどぷんとはまって泥だらけになった。
「お、おのれ〜!! 2度ならぬ3度までも!! 覚えてろよクララ牧場! 」
北海道の草原に、カモメ眉毛氏の怒りの叫びがこだました。
>>307 9月はなやんでる(大地の貴族) Act9
仲良くXサインをするバース達だったが、またしても未遂に終わった智彦と郁子には
不満たらたらだった。
『大体よ〜。据え膳食わぬは男の恥だろ!? なあ、フォンタナ・ゴールド! 』
『うむ。 不可抗力とはいえ智彦氏はどうも詰めが甘すぎるな。バースよ』
『牛馬の苦労も知らずとはこの事だわね〜。に〜さん』
『君もそう思うかい? ミス・エリザベス』
『おいおい、勝手に人のいも〜とを口説くんじゃね〜よ! フォンタナ・ゴールド! 』
牛馬達の思いを余所に、結局盛り上がったムードを壊された智彦と郁子はその日はそのまま
別れを告げた。
『お嬢さん、がっかりなさるお気持ちはわかりますが、元気を出してくださいよ〜』
フォンタナ・ゴールドは郁子を慰めたが、郁子たちには彼等の言葉はわからない。
しかし郁子は赤い顔のままにこにこしていた。
「智彦様へのプレゼントのアイデアが浮かびましたわ! フォンタナ・ゴールド」
にまにまと騎乗しながら帰路につく郁子だった。
―― その晩、郁子は自室で何やらごそごそと製作をしていた。
翌日またもクララ牧場を訪れた郁子は智彦と目が合うと互いに照れ笑いでごまかした。
朝食を済ませ、またも牛舎掃除に付いて来ようとする郁子に智彦は言った。
「牛舎はやはり危ないですから、ここは僕がやりますよ。
郁子さんはすみませんが玄関で店番をしていてください。またバースに吹っ飛ばされたら大変だ」
「は、はい……。お役に立てなくてすみません、智彦様」
郁子はちょっとがっかりしたが、智彦を大人しく見送った。
「ああ…。私ってやっぱり役立たずだわ。
前途ある酪農青年である智彦様のお役にも立てないなんて。
……でも今日は昨日仕上がらなかった作業を終わらせてしまいましょう」
郁子はにまっと笑うと、持ってきた大袋から製作中の物を取り出して作業にかかった。
智彦が昼食に戻ってくると、慌てて荷物を袋に隠す。
「……? 何かなさっていたんですか? 郁子さん。 あ、夏休みの課題とか? 」
「お、おかえりなさいませ。智彦様。ま、まあ そんなものです。お昼の支度はできてますわ」
「お忙しいようでしたら、店番もなさらないでいいんですよ? 無理しないで下さいね」
智彦は郁子が用意してくれた昼食を食べながら気づかってくれた。
「お気づかいありがとうございます。でも、もう終わりますの。そ、それでですね 智彦様」
「…はい? 」
「もうすぐ夏休みも終わりですから、今夜はご一緒に花火をしていただけません? 」
「花火ですかあ……。風流ですね。でもあまり大きな音がするのはまずいですよ?
うちの動物達が驚いちゃうんで…」
「そ、それは勿論ですわ。大きな音のするものは避けました。我が儘を聞いてくださいます?」
「我が儘と言うほどではありませんよ。わかりました。
おうちの方にはきちんと門限を許して貰ってくださいね」
郁子は嬉しそーに笑うとご飯のお代わりを渡した。
「はい! ありがとうございます、智彦様。 私も夜に間に合うよう頑張りますわ! 」
「……? はい、頑張ってください。それじゃ僕は午後の作業に戻りますね」
「いってらっしゃいませ!」
郁子は午後の作業に出かける智彦を両腕をふって見送った。
「さて。それでは残りを頑張りますか! 」
郁子はまたも玄関先に座ると作業を始めた。
>>308 9月はなやんでる(大地の貴族) Act10
するとまた、けたたましく呼び鈴を鳴らしてカモメ眉毛の信之氏が訪れた。
「おい! 元ホスト! またもや郁子さんを誘惑してるな! 」
無遠慮に玄関を開けて入って来る信之氏は、玄関にいる郁子と目が合った。
「や、やあ。郁子さん。財閥令嬢ともあろうお方が、こんな所で何をしてるんです? 」
郁子は無愛想に作業を続けながら答えた。
「ご覧の通り、お店番ですわ。カモメ…じゃなかった、信之さんはお買い物ですか? 」
「なんと! 鷹司家のご令嬢に店番をやらせるとは! 何て奴だ! 元ホストめ! 」
郁子は営業スマイルなど身に着けていない上、智彦様を侮辱されてむっつりした。
「…あのですね、信之さん。お店番は私がお願いしてさせていただいているんです。
それに、智彦様を『元ホスト』と連呼なさるのはやめていただけません?不愉快ですわ」
「うっ……」
「お買い物目的ではないのなら、ご遠慮いただけません? 信之さん」
傲慢不人なカモメ眉毛も、家柄・財産・社会的地位の三拍子を備えた金の卵である郁子の、
ご機嫌を損なうのは得策ではない。
しかし、おとなしい娘とばかり思っていた郁子にびしっと言い渡される事には内心驚いた。
むっつりしながら作業をしていた郁子は、最後の糸を挟みで切るとにぱっと笑った。
「できた! 」
笑顔になった郁子に、カモメ眉毛は言い寄るチャンス!と話しかける。
「一所懸命なさってましたが、なんですか? それは? 」
「あら。まだいらっしゃいましたの? これは智彦様にと縫った浴衣ですの。
今夜はお揃いの浴衣で花火をするんです。あ、あらいけない! そろそろ夕食を作らなくては。
では、信之さん ごきげんよう」
郁子は出来たての浴衣をラッピングすると、キッチンに向かって立ち上がった。
「ま、待って下さい! 郁子さん。
前々から聞きたかったんですがなんで僕は『信之さん』で、アイツが『智彦様』なんです!?」
振り返った郁子は眼を点にしてしばらく考え込んでから答えた。
「さぁ……? 」
それだけ言うと、郁子はもう答えずに いそいそとキッチンに向かっていった。
「さぁ…って、それだけですかぁぁ!? 郁子さん〜〜! 」
返事は返ってこなかった。
夕刻になって智彦が帰宅すると、浴衣姿にエプロンをした郁子が出迎えた。
「お帰りなさいませ! 今日も一日ご苦労様でした 智彦様」
「ど、ど〜も……。随分涼しげな出で立ちですね、郁子さん」
いつもの乗馬服とはまた違った新鮮さに、智彦は照れくさそうに戸惑った。
「はい。花火には浴衣がいいかと思いまして。……似合いませんか? 」
袖を見下ろしながら郁子が恥ずかしそうに聞いてくる。
「い、いやいや。なんともそそられ…いや、お似合いですよ。郁子さん」
郁子はまたも嬉しそーに にぱっと笑う。
「さぁ、お夕食の準備はできてますわ。お食事をなさったらお風呂をどうぞ」
「は、はい」
夕食を済ませ、風呂から上がると 一変して郁子の顔は泣きそ〜になっていた。
「ど、ど〜したんですか!? 郁子さん!? 」
さっきの笑顔はどこへやら、泣きべそをかいている郁子に智彦は驚き 聞き返した。
「……実は、智彦様をびっくりさせようと こっそりお揃いの浴衣を作っておいたんです。
確かにここに置いたはずなのに、それが跡形もなく消えてしまっていて……」
……ああ、昼間何かやっていたのはそれだったのか。
手縫いの浴衣とは、さすがはお嬢様だ。と、智彦は思わず感心してしまう。
>>309 9月はなやんでる(大地の貴族) Act11
「今夜に間に合うように頑張ったのに、どこに消えてしまったのかしら!? 」
感心していた智彦は、泣きそうな郁子をなんとかなだめようとする。
「ま、まあまあ。僕の為に作ってくれた事だけでも嬉しいですよ。
見つかったら着せていただきますから、そんなに悲しい顔をしないでください。
今夜はこのままでもいいじゃないですか。ね? 花火をしましょう」
落ち込んでいる郁子を慰めながら、智彦は郁子を連れて外に出た。
玄関を出ると、カモメ眉毛が誇らしげに踏ん反り返って立っていた。
「あ〜〜っ!! そ、その浴衣……!! 」
「ど〜です? 和風の私もなかなかでしょう? 」
郁子が夜なべをして縫った浴衣を纏い、カモメ眉毛は高らかに笑いながらトリプル回転を
して見せた。
慣れない回転のせいで足元をややふらつかせながら、固まっている郁子の肩を抱くと智彦に言う。
「ど〜だい? お似合いだろっ!?
やはり元から溢れ出す気品と言うものは生来のものだからなっ! わかったか、元ホスト! 」
怒りに震える郁子と、呆れて呆然としている智彦に 信之は勝ち誇ったように笑ってみせる。
二人が怒る前に怒り出したのは、バースとフォンタナ・ゴールドだった。
『いい加減にしろっ! このお邪魔虫め!』
信之の浴衣の襟を咥え上げたフォンタナ・ゴールドが、信之を無理やりスター・ハーベストに乗せる。
バースが尻尾でスター・ハーベストの尻を叩くと、スター・ハーベストは条件反射で走り出した。
『な、何をするんだ! この国産馬とへぼ牛めが! 』
スター・ハーベストはサラブレッドの条件反射で走りながら、バースたちに悪態をつく。
ドップン!
またも暗闇の中で泥沼にはまった信之とスター・ハーベストだったが、今夜はそれでは済まなかった。
散々怒りに燃えたフォンタナ・ゴールドと、クララ牧場の牛や豚達が後ろ足で土をかけ始める。
「こ、こら!! やめんか!! この家畜どもめが! 」
毒づく信之達に土は降りそそぎ、泥沼を埋め尽くした後は踏み固められた。
「おい! 掘り出せ! 生き埋めにする気か!? 」
馬と人間の頭だけを残して踏み固められた泥沼を、動物達は後にする。
『運がよければ、誰かが発掘してくれるだろ〜さ。そこで頭を冷やしてろ! 』
『郁子お嬢様の縫った浴衣は気の毒だけどな…』
『気にすんな。じょ〜ちゃんはまた縫えばいいのさっ! フォンタナ・ゴールド』
バース達は気が済むと、クララ牧場に戻りだした。
>>310 9月はなやんでる(大地の貴族) Act12
怒る前に、対象を連れ去られた智彦と郁子は呆然と消え行く動物達を見送っていた。
辺りはしんと静まり返り、満天の星と若草の香りだけが取り残されている。
しばらくして我に返ると、郁子は智彦に謝りだした。
「す、すみません。智彦様。私がしっかり管理していなかったから……」
智彦はにっこり笑うと郁子の肩に手を置いた。
「いいじゃありませんか。でも、とても上手に縫えていましたね。あの浴衣。
また来年にでも縫ってくださると嬉しいです」
「でも、せっかく智彦様に差し上げたくて縫いましたのに……」
まだ落ち込んでる郁子に、智彦は耳元で囁いた。
「では、今年はこの浴衣を僕にくださいませんか? 」
智彦は郁子の着ている浴衣を引っ張った。
「こ、これは智彦様の寸法には合いませんわ」
困った顔をする郁子に、智彦は笑いながら言った。
「着る訳じゃありませんよ。浴衣ごと僕はいただきたいんです」
「は……? 」
きょとんとしている郁子を抱き上げると、智彦は柔らかい草むらの上に座らせた。
「僕が狼になっても怖くないと仰いましたよね? 郁子さん」
「は、はい……。智彦様」
「空を御覧なさい。丁度今夜は満月です。狼男に変わる夜ですよ」
智彦は笑いながら郁子を草むらに押し倒した。
唇を奪われながら見上げる空には、降るような星と満月が明々と照らされていた。
「と、智彦様……! こ、このような場所では誰かが通りませんか……?」
郁子は鼓動を早めながら、赤い顔で囁く。
「……ここは一応僕の私有地です。もう誰も来ませんよ」
唇を絡めながら答えると、智彦は浴衣の帯を解き始めた。
帯を取り去ると、郁子のうなじから鎖骨に舌を這わせ始める。
郁子はもう智彦のなすがまま、またも背中にしがみ付いた。
「……浴衣の下には、ブラはつけていないんですね」
胸元から差し込んだ掌が郁子の素の胸に触れる。
郁子はびくんと反応しながら小さな声で頷いた。
浴衣を肩まで脱がせると、郁子のふくよかな胸が露わになる。
智彦はその感触を掌で楽しみながら、先端を口に含んで舐め転がし始めた。
郁子の唇から小さな声が洩れ始める。
白い胸は、まるで十五夜の月見に飾る餅の様に白く柔らかかった。
若草と智彦の香りに包まれて、郁子の顔は紅潮しつつ 不思議な感覚に支配される。
浴衣の前をすっかり露わにされると、智彦の指は郁子の胸の先端をもて遊びながら、
唇と舌は郁子の肋骨から腹部へと彷徨い始めた。
指と舌が動くたびに郁子は仰け反るように反応し、甘い声を放ち続ける。
広い空間と涼やかな風が、智彦の舌で湿った肌を刺激してゆく。
郁子はくすぐったいような、気持ちいい様な 形容し難い感覚に視界が揺らいだ。
「……今日は怖くても止められませんよ、郁子さん」
「は、はい……智彦様……」
智彦の手がショーツにかかり、滑るように脱がされてゆく。
郁子は恥ずかしさで気が遠くなりそうだった。
>>311 9月はなやんでる(大地の貴族) Act13
恐らく 郁子自身すらじっくり見た事はないであろう、郁子の敏感な中心部が、
小刻みに震えながら智彦の眼前で桜貝のように閉じられていた。
閉じられた隙間からは、透明に輝く液体がうっすら溢れ出ている。
智彦は閉じられた貝の合わさる部分に、そっと舌を走らせた。
「……きゃっ……! と、智彦様……。そ、そんな所は……ダ、ダメです……」
びくんと電気が走ったように郁子は仰け反ると、恥ずかしそうに足を閉じようとする。
「今夜は僕に全てくださるんでしょう? 郁子さん」
「……そ、それは……は、はい……」
「今の僕は狼ですから」
泣きそうな顔で眼を閉じている郁子の表情は、清楚で可愛らしい。
智彦は再び郁子の桜貝をこじ開けようと、舌を動かし始めた。
郁子の身体は舌の動きに呼応して反応しながら切ない声を放ち続ける。
すすり泣くような声が、段々甘い声に変化し始めた。
ゆっくりと閉じられた貝が左右に開き、中央の突起はピンク色にそそり立っている。
その下の肉壁からは透明な液体が溢れだしていた。
智彦はその郁子の秘密の場所を見つめながら、シャツを脱ぎ 股間のジッパーを下ろした。
ジッパーを降ろすと、既に固く猛った智彦自身が解放される。
下半身を自由にすると、智彦はまた郁子の貝の中身に舌を動かし始めた。
中央の突起を吸う様に啄ばむと、郁子は泣いている様な声を上げて反応する。
溢れる液の源に舌を這わせると、眉間にしわを寄せて切なそうな表情で甘い声を放つ。
智彦の舌で充分溶き解された郁子の柔肉に、智彦の指が差し込まれた。
「……んっ! ……」
またも郁子は痙攣したように身体を硬直させた。
智彦は舌で突起を刺激しながら 郁子の力が抜けるまでゆっくり指を出し入れする。
溢れる液が指の動きを潤滑にし、奥深くまで受け入れられると内部の壁をノックした。
「……ひゃっ……!? と、智彦様……なんだか変な気持ちです……」
智彦は郁子の柔らかい内部の襞をくすぐるように刺激しながら、指の抜き差しを止めずに聞く。
「どんな風に変ですか……郁子さん」
「……! ……う、うまく表現できません……あぁっ! 」
説明させるうちに郁子の内部はぎゅっと痙攣し、しばらく指を締め付けた後弛緩した。
郁子は急に黙り込み、虚ろな瞳を彷徨わせながら 狂おしげな吐息をひとつ吐いた。
智彦は自分の脱いだシャツを郁子の腰の下に敷くと、脱力した両足を抱え上げた。
弛緩し、溢れ出る源に智彦自身をあてがうと 入り口を自身で広げるように動かしながら、
埋め込み始める。
ぼんやり宙を漂っていた郁子の瞳の焦点が合い、ひっ…と驚いたように見開かれた。
郁子の瞳が 今まさに繋がろうとする部分に向けられる。
その表情が驚きと恐怖に変わり、慌てて郁子は眼を閉じる。
「……やっぱり怖いですか?」
先端だけ挿入した状態で、智彦は最終確認をする。
郁子は閉じた瞼から涙を溢れさせているが、気丈に首を横に振った。
そして、背中に回した手に力を入れて 無言で続行を表明する。
>>312 9月はなやんでる(大地の貴族) Act14
やはり古くより由緒正しいお嬢様は、おっとりしてるようでも気丈である。
智彦は郁子の意志を確認すると、そのまま奥に突き進んだ。
狭い内部の襞をかき分け、根元まで到達すると郁子は一瞬声にならない悲鳴をあげた。
「頑張りましたね……郁子さん」
郁子は小さく短い吐息を漏らしながら、智彦の背中から首へと絡めた腕を移動して、
智彦の頭を抱きしめた。
それを合図のように智彦は郁子の内部を動き出す。
智彦自身も処女を相手にするのは初めてで、中々加減がわからなかった。
内部は充分に溶きほぐしたつもりだが、まだ辛そうな表情になんだか罪悪感を覚えてしまう。
しかし溢れる液は潤滑に智彦を受け入れ、きつく締め付ける感覚に 智彦自身も溺れていた。
困惑しながらも挿出を止められない智彦を受け入れつつ、郁子の眉間のしわは段々緩み始めてくる。
唇から無言の声を発していた郁子が、段々切ない声を放ち始めた。
智彦も限界の近さを感じ、腰の動きを早め始める。
その動きに呼応して、郁子の胸も大きく揺らいだ。
激しく突き上げる内に智彦はついに限界を感じる。
「郁子さん、ごめん! 」
智彦は郁子の内部から自身を引き抜くと、郁子の腹部に自分の欲望を解き放った。
郁子は自分の腹部の上に熱いものが解き放たれるのを身動きできずに感じていた。
全てを解き放った智彦は、荒い息を整えながら 自分のシャツで自らの白濁した液を拭き取る。
そしてゆっくり郁子を抱き上げて座らせると、軽く唇を重ねた。
「浴衣ごといただきました。郁子さん。ありがとう」
笑いながら浴衣を着せてくれる智彦に、郁子は真っ赤になりながら囁いた。
「……シャツが汚れてしまいましたわ。智彦様……」
智彦は破瓜の印の付いたシャツを丸めると、照れくさそうに笑った。
「気にせんでください。今は夏だし自宅まではすぐですから、このまま戻れますよ。
立てますか? 郁子さん」
「は、はい……。なんとか……」
そして二人はクララ農場の家に向かって歩き始めた。
フォンタナ・ゴールドやバース達クララ農場の動物達は、やっと事を成し遂げた二人に安堵した。
『あったく。世話が焼ける主人たちだよな〜』
『んだな。オレ達が見張ってなかったら通行人が通ったかもしれないぞ? 』
『まぁまぁ。ともかく無事に成し遂げたんだからいいじゃないか〜』
『んだんだ。さ〜オレ達も牛舎に戻ろ〜ぜ』
動物達の悩める夏休みももうすぐ終わる。
おしまいです。読んでくださった方、お疲れ様とありがとうございました。
>>313 おぉ!リアルタイム遭遇
ご馳走様でした。
宇宙の動物たちも、地上の動物たちも、進展しないヒトに
やきもきしているんですなぁw
GJ!!
相変わらずご主人様思いの動物たちもGJ。手段がいささか乱暴だがw
浴衣で野外が似合う季節になって参りましたな。
GJ!!
このカップルも好きなので嬉しかったですよ。
萌えと笑い(この場合くすくす笑いに留まらず爆笑まで行ってしまうのが特に好ましい)
を両立させてくれるSSが自分は特に好きなんだけど。
本当に凄いなあここの職人様方はw
おお〜!前スレで話題になっていた 大地の貴族だ!
これって川原作品の中でも純粋培養のお嬢様と
ちょっとクールな酪農青年だから難しいと思ってたけどGJ!!
バースとフォンタナ・ゴールドが活躍していてこのスレは動物三昧ですなw
動揺してゾーキンを絞りちぎってしまう智彦青年に萌えw
大地の貴族だからエチーも大地と星空なんですかね〜?
なんだかシチュも萌えでしたw
逆襲されるカモメ眉毛にもワロタw
楽しく読ませていただきました!乙です!
大地の貴族の職人さま、G(グレート)Jですv
いや、もう牛舎でなければ・・・w
言葉が足りずに失礼しました。
むしろ牧場の大地で星空のもと、なんてロマンティックなシチュ!
ご馳走さまでした!!
GJでございます こうなってくれてよかった!!
実は、タイトルの
「9月はなやんでる」 (大地の貴族)を
「9月はなんでもやる」(大地の貴族)と勘違いしていて
初回から「智彦様ったら今回は気合い入ってるな」と……
ごめんちゃい
>320
ナカーマがいて嬉しいです。
自分は
>>317の、
>くすくす笑いを
くつくつ笑いと読んでました…
ステルス・スーツ着て逝って来ます。
大地の楽園GJ萌え!でした〜
>320
>321
ワタクシめも仲間に入れてくだされ……。
連続ですみませんが、またも投下させてください。
眠さに負けて途中ですが、明日にでも残りは投下します。
愚者の楽園、まったりバージョンです。
8月からはあせってる(愚者の楽園) act- 1
九州南部K県のアバンギャルドなトロピカルイメージのI市には、愚者達の集う楽園がある。
愚者と言っても『失楽園』や『エデンの東』のようなシリアスさはない。
よーするに、『日本農園』というちっさな園芸農家なのだ。
頭頂部に落下してきたヤシの実がご縁で 経営者の安楽死…いや安楽氏と知り合った麻子は
フルーツの現物支給が目的で、日本農園の安楽さんに 夏休みからバイトとして雇って貰っていた。
そのついでのような関係で、姫野家の三姉妹は 経営者の友人と共にその個人農家に出入りしている。
割と目立つタイプの姉の育子と妹の葉子は、最近 安楽さんの幼馴染たちといい雰囲気だ。
姉の郁子は浄泉寺の天光さんとゆーお坊様と、妹の葉子はアロハ市役所の竹之内さんと、
なんだかんだ言いつつ仲がいい。
そんな姉と妹にはさまれた次女の麻子は、夏休みが終わっても 人柄のいい安楽さんの農園で、
今日も元気にバイトしていた。
様々なフルーツや観葉植物に囲まれた日本農園は、まるで南国の楽園だ。
仏様のように人柄のいい安楽さんは、仕事の合間にいろいろな植物の事を教えてくれる。
愛情を持って育てている植物達の話しをする時の安楽さんは、やや照れつつも嬉しそーだ。
そんな安楽さんの説明を聞いている麻子も、なんだかとっても幸せな気分になる。
「これがペピーノ、あっちがグァバとフェイジュア。レイシ、バンレイシ、トゲバンレイシ。
みんなとっても おいしいんだぞ〜 」
南国のジャングルのよ〜な農園の片隅に腰掛け、今日も楽しそ〜にフルーツの話をしている
安楽さんを見つめながら、麻子も幸せそ〜に うっとり笑って聞き入っている。
「はいはい。そーでしょーとも〜」
最近、安楽さんの笑い顔を見ていて 幸せな気分になれるのは、支給してくれるフルーツが
おいしいからだけではないと、麻子は思い始めていた。
常に褒められがちな気の聞いた人と違って、麻子はどっちかっちゅ〜と周囲に埋没してる人だ。
よって、人様に褒められる事など滅多になかった。
しかし、経営者の安楽さんは麻子の仕事に対する姿勢を褒めてくれる上、大事な品評会に出品する
テーブルヤシの命名まで任せてくれた。
すっかり舞い上がった麻子は安楽さんの元で働く事を、汗を流し、土を耕し、緑と共に生き
クリエィティブでアップ・トゥ・ディトな天職だとゆー飛躍した結論を出していた。
>>325 8月からはあせってる(愚者の楽園) act-2
麻子はいつしか安楽さんの傍らで、虹色に輝く楽園を夢見始めていた。
「あ〜。フェイジョア〜。これってもう少ししたら食べられるんですよね〜? 安楽さん」
「うん。これはね〜、秋になれば実が熟して、食べ頃になると自分で落ちて来るんだよ。
パイナップルとバナナとマンゴーを混ぜこぜにしたよ〜な味がするって評判でね。
まだ日本ではあまり馴染みは薄いんだけど、なんと花びらもこれまた甘く食べられる上、
香りもとってもい〜んだよ」
「へ〜…。 潔くて素敵な果物ですね〜。実りの時期が待ち遠しいです〜」
わくわくしながら麻子はフェイジュアの木を見上げた。
「実ったら、一番に食べさせてあげるからねっ! 麻子さん」
「う、うわぁ〜! ホ、ホントですかぁ〜!? うれしーです! 」
満面の笑顔でよだれを堪えながら、麻子はにぱっと笑う。
そんな麻子の笑顔につられて、安楽さんも思わずにぱっと笑う。
しかし、夏休みが終わっても こうして通ってくる麻子に、安楽さんはちょっと迷った様な
表情をした。
少し首をかしげた安楽さんは、なんとなくビクターの犬に似ていると、麻子は初対面の時から
思っていた。
「な、なんすか? 安楽さん? あ。私もしかしてよだれ垂れ落としてました!? 」
思わず口を拭う麻子に、安楽さんは苦笑いした。
「いや、よだれは垂れてませんって。麻子さん。ただ、麻子さんはもう高三でしょう?
こうしてバイトに来てくれるのは助かるんだけど、受験の方は大丈夫なの? 」
今時の娘さんにしては珍しく、農家でアルバイトをしよーとゆー、麻子の心意気は嬉しいのだが
安楽さんは麻子の進路を心配してしまう。
「あ〜……。進路ですか…。私の第一志望は、『ここで このまま働きたい』なんですが…」
麻子は照れくさそ〜に、頭をポリポリ掻きながら笑ってみた。
安楽さんは麻子のお気楽な答えに戸惑ってしまう。
「う、う〜ん……。なんと言ってもうちは しがない弱小農家ですからねぇ…。
今だって、お給金を支払う余裕がないから 現物支給とゆ〜、しみったれた経営主なもんで…。
就職には、あまりお勧めできないんです。麻子さん」
困ったような顔をする、人柄のいい安楽さんに 麻子は少し赤くなりながら詰め寄った。
「い、いえ! 雇用条件には充分満足してるから、い〜んです!
わ、私はできれば このままず〜っと安楽さんと働きたいなと思ってるわけでして……! 」
自分で思わず言い切ってしまうと、麻子はぼっと顔から火を噴くよ〜に赤面した。
勢い任せで告白をしてしまったわけなのだが、素直で人のいい安楽さんには、残念ながら
麻子の真意がきちんと伝わってはいなかった。
困った顔のままの安楽さんは、麻子の頭をポンポンと叩くと 諭すように言い聞かせる。
「社会人になる娘さんのお給金が現物支給とゆ〜訳にもいかんでしょう。
農家なら余所にもあるし、そんなに勢いで進路を決めちゃ〜いかんですよ。麻子さん。
……もう一度、きちんと進路を見直した方がいいですよ」
「は、はあ……。」
思わぬ肩透かしを食らってしまい、麻子はなんだか落ち込んだ。
>>326 8月からはあせってる(愚者の楽園) act- 3
その日はフルーツを渡しても なんだか元気なく帰っていく麻子を見送ると、その晩、
人柄のいい安楽さんは 日本農園の帳簿を見ながらそろばんをはじき出した。
「う〜ん……。 やっぱり今の現状じゃ、人を雇える余裕はないよなぁ……。」
思わずエンピツをかじっていると、幼馴染の天光さんと竹ノ内さんが遊びに来た。
「なんだ? やっぱり人手不足で悩んでいるのか? 史郎」
天光さんが呑気そーに安楽さんがにらめっこしている帳簿を覗き込む。
「うんにゃ。そ〜ゆ〜訳じゃないんだが、かくかくしかじかと ゆ〜訳でさ〜」
「おいおい。マンガじゃないんだから、『かくかくしかじか』じゃわからんだろ〜が! 」
竹ノ内さんが安楽さんに突っ込みを入れる。
……そりゃ、そーだ。
突っ込みを入れられた安楽さんは、昼間の育子の進路相談を二人に話してみた。
天光さんと竹ノ内さんは目を点にして そろばんを握り締めている幼馴染を見つめた。
「……そんで、麻子さんを雇えるかど〜か、計算してたのか? 史郎」
竹ノ内さんが珍しい物を見るように、安楽さんを見つめなおす。
安楽さんは真面目な顔をしながら答えた。
「……? そりゃ、考えるだろ? 彼女には今まで一所懸命手伝って貰ってるんだし。
第一志望がうちで働きたいって ゆ〜なら、善処したいと思うじゃないか」
天光さんは、思わず数珠を持ったまま 安楽さんの頭を殴った。
「お前は一体いくつになるんだ!? 史郎。
なんで麻子さんの言葉を額面通りに受け止めてんだよ!? 馬鹿正直にも程があるぞ!
この罰当たりめが! 」
「いきなりぶつ事ないだろ〜!? あにすんだよ、お前は〜」
竹ノ内さんは、笑いを堪えながら 安楽さんと天光さんの間に入った。
「ま、まぁまぁ。史郎は元々こ〜ゆ〜奴じゃないか。天光。
あのな、史郎……。麻子さんの言葉は進路希望じゃなくて、告白だろ〜? 普通わかるぞ? 」
「そ、そなの……? 」
安楽さんは、びっくりした様に二人の幼馴染に聞き返す。
二人とも呆れたような顔をしながら、『うん、うん』と頷いた。
安楽さんは、昼間の麻子の様子と 自分の言った間抜けな答えを思い出して 赤くなってしまった。
「ま〜、進路希望といえばその通りだが。も少しお前も考えろよ〜! 史郎。
わかったら、とりあえず飲もうや。檀家さんがくれたお神酒だ」
天光さんが帳簿を閉じると、安楽さんの机に ドンと日本酒の瓶を置いた。
竹ノ内さんが コンビニで買ってきたおつまみを広げると、戸惑う安楽さんを巻き込んで、
その夜は三人で飲み明かした。
>>327 8月からはあせってる(愚者の楽園) act- 4
翌日麻子が気まずそ〜に日本農園を訪れると、安楽さんはどんよりとした顔で 薬剤散布していた。
安楽さんの珍しく暗い表情を見た麻子は、昨日の発言のせいかと思い、焦って謝った。
「あ、安楽さん。昨日は軽はずみな事を言ってしまってすんませんでした。
あれから一晩考えて、とりあえず農学部を志望しよ〜かな〜、な〜んて決めてみました。
だ、だから 実習も兼ねて頑張るので、『クビ』なんて言わないでください〜! 」
制服姿で謝る麻子の言葉に、安楽さんは照れくさそ〜に頷いた。
「クビなんて言いませんよ〜。農学部にしたんですね。そ、それはよかった」
「あ、あの〜。お加減でも悪いんですか? お顔の色が優れませんが。安楽さん」
麻子が心配そうに安楽さんの額に手を当てる。
昨日天光さんと竹之内さんに言われた言葉を思い出し、思わず麻子にドキッとする安楽さんだった。
「い、いや。これは夕べ天光達と飲みすぎたんで、二日酔いなんです。お恥ずかしい…」
心配そうに覗き込む麻子の顔が、なんだかまともに見られなかった。
「あ。じゃ〜、着替える前に 私ちょっくらポカリでも買って来ますよ! 二日酔いにはいいそーですからっ! 」
「あ、気を使わなくていいですって! 」
安楽さんが引きとめる間もなく、麻子は制服のスカートを翻し 走り出した。
走り出した麻子の後姿を見つめながら、安楽さんは考えた。
大学時代ならいざ知らず、今や農家のおじさんである僕を うら若き乙女の麻子さんがねぇ…?
フルーツに例えるなら、まだ成熟する直前の娘さんだぞ?
そ、そりゃ〜麻子さんはいつも一所懸命だし、素直で可愛いと 僕も好感は持ってるけどさ。
なんとなく地味な自分に 麻子が好意を寄せてくれているとは信じられない安楽さんだ。
ポカリを抱えて走ってくる麻子を 妙に意識して照れてしまう自分に戸惑った。
すいません、今日はここまでで続きます。
すいません。
>突っ込みを入れられた安楽さんは、昼間の育子の進路相談を二人に話してみた
育子ってねーさんじゃないですか…間違いでしたorz
麻子に脳内変換をお願いします…。
wktkでお待ち申し上げております。
わー、安楽さんと麻子さんだー。
最近いろんな川原作品が読めて、嬉しいです。
wktkして待ってます。
続きを投下させてください。中々エロに入れません…。
まだ出ていない原作に挑戦中です。
つまらなかったらスルーでお願いします。
>>328 8月からはあせってる(愚者の楽園) act- 5
『ひょ〜たんからコマ』とは、この事だと麻子は思った。
勢い任せで告白してしまい、一時は自己嫌悪で落ち込んだが 人柄のいい安楽さんは 笑って
麻子の気持ちを受け入れてくれた。
……ちょびっと、勘違いしてる節はあったのだが、それでも麻子がご機嫌だった。
『ああ、やっぱり私は農業人を志してよかったっ! 』と、にまにましながら下校準備をしていた。
「お〜い、姫野〜」
意気揚々と下校しようとする麻子を、間延びした声が引きとめた。
担任の数学教師のせんせーだった。
「お前さ〜、進路希望を『農大進学』に変えただろ〜?
その志はせんせー、すご〜く立派だと思うぞ。しかしな〜、この点数はまずいんじゃないか? 」
先日行われたテストの結果を、せんせーは水戸黄門の印籠のように取り出して渡して寄越した。
それは毎日農業にいそしみ、勉学を怠けていたおかげで惨憺たる結果だった。
「……ま、そ〜ゆ〜訳だから、来週追試な? 頑張れよ〜、姫野〜」
―― 急転直下。
あまりな数学の点数と追試の言葉に、麻子の高揚した気分は一気にしぼんでしまった。
とぼとぼと 日本農園に向うと、安楽さんが少し赤くなりながら麻子をにっこり出迎えた。
「あ、おかえり〜。 麻子さん。今日はキゥイがよく熟してるから、持って行きなさいね」
仏様のよ〜に慈悲深い安楽さんの笑顔は、麻子にとっては砂漠のオアシスだ。
思わず一瞬、追試も忘れ やはり赤くなって笑い返してしまう。
「た、ただいまです〜。安楽さん。うわ〜、キゥイか〜! 楽しみだなぁ〜 」
このオアシスを失わない為には、例え寿命がへろーとも 追試をクリアせねばと思う麻子だった。
しかし、数学は麻子にとっては天敵だ。
したがって 数学教師も地獄の閻魔様の様に思えてしまって憎かった。
頑張って農作業をする麻子だったが、追試を思い出すと思わずユーウツな溜息をしてしまう。
「……? ど〜したの? なんだかいつもの元気がないようだけど。 麻子さん」
溜息に気付いた安楽さんが、麻子を不思議そうに振り返る。
「あ、仕事中にすんません。ちょっと来週数学のテストがあるのを考えてまして……」
進学するといった手前、『追試』だとは とても言えない。
「あ〜。 受験生だもんね。麻子さんは。それなら無理しないで家で勉強していいんだよ? 」
安楽さんは好意で言ってくれるのだが、麻子はこのオアシスからは離れたくない。
「と、とんでもないですっ! 私は日本農園で働く事が唯一の楽しみなんですからっ! 」
断固とした決意に燃える麻子の顔を見て、なんだかちょっと可笑しい安楽さんは笑ってしまう。
「なにもそんな、命を削るよ〜な決意を表明しなくても……。
あ、じゃあ こ〜しませんか? 作業が終わったら、僕が勉強を見てあげますよ」
仏様の申し出に、麻子は恐れ多くて 思わず大きな鉢を持ち上げてしまう。
「そ、そんないつもお忙しい安楽さんに、余計なお手数をおかけする訳にはいかないです! 」
自分の背丈ほどもある鉢を抱え上げてる麻子を見て、『力持ちになったな〜』と思いながら、
安楽さんはまたも笑う。
「心配しなくても、フルーツはちゃんと支給しますよ。僕も家教のバイトはした事あるし。
しょぼいボーナスだとでも思ってください。毎度現物支給ですいませんが…」
なんだかやっぱり勘違いしている様な安楽さんだが、一緒にいられる時間が増えると、
麻子は思わず舞い上がり、教師を『閻魔様』呼ばわりした事に懺悔した。
>>333 8月からはあせってる(愚者の楽園) act- 6
作業が終わると事務室で、安楽さんとの数学のお時間だ。
だが、いくら安楽さんが教師でも 麻子の数学苦手がいきなり解消されるはずもない。
安請け合いをしてしまったが、これはちょっと難関かも…と安楽さんは苦笑いした。
「うう……。折角教えてくださってるのに、物分りが悪くてすんません……」
「いやいや。頑張る姿勢が大事ですよ。
そ〜だ。明日の日曜は朝の作業はいいから、お昼頃来て続きをしましょう。
そんなにめげないで。じゃ、今日はもう遅いから、キゥイを持って帰りなさい」
「はい……」
思わぬ所で恥をさらしてしまった麻子は、しょんぼりしながら帰宅した。
明日は少しでも汚名挽回をしなくては! と決意した麻子は夕食が済むと、
現役女子大生の育子の部屋になだれ込んだ。
最近急に仏門に傾倒した郁子は、にまにましながら写経をしている。
「い、育子ねーさん! 頼む! 私にす〜がくを叩きこんでくれないか!? 」
「え〜…。あんでよ? アンタ、安楽さんに教わってるんじゃないの? 」
洋風のインテリアにそぐわないお寺の机で写経していた育子さんは、めんどくさそーに仰った。
「教えてもらっては いるんだけどさ〜…。
あまりに物分りが悪すぎて、いたたまれないんだよ〜。頼むよ〜! ねーさん! 」
「まあねぇ……。 安楽さんが苦労する姿が浮かぶわ。言っとくけど私は甘くないわよ? 」
「う、うん。耐え忍んで見せるともさっ! 頼む! 」
愚妹の為に、郁子はハチマキを締めてテーブルを広げた。
「いてっ! なんで『ご飯しゃもじ』で殴るんだよ〜!? 育子ねーさん! 」
妹のミスを見つけると、どこからか取り出したのか しゃもじを握った育子が殴る。
「ほら、座禅で『喝』を入れるじゃない? それに似た物を用意してみたのよ。
いっぺんやってみたかったのよね〜! 」
楽しそ〜に『ご飯しゃもじ』を握る郁子は けらけらと笑った。
そんな二人の様子を、末っ子の葉子がパックしながら覗きに来る。
「な〜に? 随分楽しそうね〜? 」
もう夏も終わるのに、アロハ・パジャマを着た葉子は パックを剥がしながら入ってくる。
二人とも、安楽さんの幼馴染、天光さんと竹ノ内さんの影響を強く受けているのだ。
育子に喝を入れられ、葉子に夜食を差し入れてもらいつつ、麻子は夜更けまで数学三昧をした。
>>334 8月からはあせってる(愚者の楽園) act- 7
翌日。
数式を頭の中で暴れさせながら、麻子はちょっぴりおめかしして日本農園を訪れた。
天気がいいので、おべんと〜等も持参してみた。
「おっ!? 来たね〜。 この作業だけ終わらせちゃうから、ちょっと待っててねっ」
いつ見ても穏やかそ〜な 安楽さんの笑顔に、麻子もにっこり返してしまう。
いつも休憩に座る、木陰のビーチマットに腰を下ろすと 働く安楽さんに見とれていた。
やがて安楽さんがやってくると、二人で小さなマットに腰掛ける。
「天気もいいから、ここで勉強しましょ〜か」
「はい。おべんと〜等も作ってきました〜」
二人は狭いビーチマットに腰掛けながら、数学の教材を開き始めた。
昨夜 散々姉の育子にどつかれながら予習したおかげで、今日はいくらか勉学もスムーズだ。
「おお、いい調子だ。やればできるじゃないか! 麻子さん」
密着した状態で、安楽さんは嬉しそうに麻子の頭を軽く叩く。育子の容赦ない『喝』とは大違いだ。
思わず麻子の顔は赤くなり、安楽さんから顔を背ける。
「あ…。ごめん。今日の麻子さんは作業服じゃなかったね。汗臭かったな? 」
人のいい安楽さんは、ど〜も勘違いをしながら 焦って自分の袖の匂いをかいだ。
「いえ、臭くなんかないです! ……私、安楽さんの匂いって好きですから」
ここまでダイレクトに言えば、さすがに安楽さんも気付いて赤くなる。
「や、やだな〜。
お年頃の娘さんがそんな事を発言しちゃうと、まるで誘惑されてるみたいじゃないですか。
軽々しく危うい発言しちゃいけませんよ。麻子さん」
照れ笑いでごまかそうとする安楽さんに、麻子はいい加減じれったくなって黙ってしまう。
丁度その時フェイジュアの実がひとつ、麻子の膝の上に落ちてきた。
「おっ!? 今年初めの収穫だな。麻子さん、食べてみますか? 」
丸々とした緑の果実を拾い上げた麻子に、話しを逸らすチャンスだと安楽さんは笑ってみせる。
「フェイジュアの実って、た、食べ頃になると自分で落ちてくるんですよね。
……私もこの様に、潔くありたいです」
麻子はフルーツを握り締めながら、決意したように安楽さんに言ってみた。
>>335 8月からはあせってる(愚者の楽園) act- 8
麻子の大胆なアプローチに、安楽さんは焦り驚き 戸惑ってしまう。
なんとかこの場をごまかそうと、頭をフル回転させてみるが、麻子のひたむきな瞳に射すくめられる。
こんなシチュエーションが日常から遠ざかって久しい安楽氏は、胸の動悸が高鳴った。
「……途中で怖くなっても、男はすぐに引き返せませんよ? 」
麻子は黙り込みながら俯くと、目を閉じた赤い顔を安楽さんに差し出した。
安楽さんはパニックを起こしたが、年頃の娘さんにこんな真似迄させて、
ここで怯んだら失礼だし、何より自分自身が抑え切れそうに無くなった。
恐る恐る麻子の肩に手をかけると、おっかなびっくりキスをした。
作業服ではない麻子の服は肩を覆う布がなく、こんがりと日焼けした素肌の感触がする。
柔らかい唇と、瑞々しい素肌の感触に 仏の様でも健全な青年である、安楽さんの理性は吹き飛んだ。
軽いフレンチ・キスで留まろうとした安楽さんの唇が、麻子の唇をむさぼり始める。
思わず舌を差し込んでしまった安楽さんは、麻子の舌に自分の舌を絡ませた。
いかん! いかん! と思いつつ、安楽さんはもう自分を止められない。
麻子の舌がおずおずと 安楽さんの舌を迎え入れ、甘酸っぱい感覚に 安楽さんはくらくらした。
麻子の首筋に唇を這わせると、少女独特の甘い香りがする。
首筋に触れられて、麻子の体がぴくっと反応した。
「あ…。や、やっぱり僕はシャワーも浴びてないし、まずいですよね! 」
安楽さんは、はっと我に返ると慌てて麻子から身体を離そうとした。
だが、農園でのバイトで すっかり腕力の付いた麻子の腕は、安楽さんにしがみついた。
「いいんです。私、安楽さんの匂いは好きですから……」
恥ずかしそうにしながらも 力強い麻子の腕力に、安楽さんは観念した。
せめてもと、着ている作業服を脱ぎ払い 安楽さんは麻子を抱きしめた。
再び濃厚なキスをしながら、安楽さんは麻子の背中のファスナーとブラのホックを取り外す。
日焼けしていない麻子の白い胸を見つめながら、ゆっくり麻子を押し倒した。
横になっても型崩れしない、麻子の瑞々しい胸の膨らみに、思わず感動してしまう。
まだ完熟しきっていない果実のようだと安楽さんは思ってしまった。
その膨らみに掌をあてると、熟してはいないが予想以上に柔らかい。
うわぁぁぁ……。
安楽さんの掌は、麻子の胸をまさぐり始めた。
胸を揉みしだくと、麻子の身体は恥ずかしそうに反応を始めた。
みるみるうちに、胸の頂にある小さな果実が成長してゆく。
植物とは違う成長の早さに戸惑いながら、安楽さんはその小さな果実を口に含んだ。
麻子はびくんと仰け反ると、小さな声を発する。
口に含んだ舌越しに、麻子の鼓動が早まるのを安楽さんは味覚で感じ、自分の鼓動も早まった。
安楽さんの掌と口で、麻子の胸は成長してゆく。サイズが大きくなるわけではないのだが、
動きにあわせて体がしなるように反応するのだ。
安楽さんが刺激するたび、麻子は甘い吐息を放つ。
>>336 8月からはあせってる(愚者の楽園) act- 9
仏の安楽さんは、煩悩の虜になってしまった。
麻子の胸を弄びながら、片手が麻子のスカートを捲くり 下着の中に滑り込む。
またもビクッと麻子の身体は仰け反った。
柔らかい果肉のような麻子の中心は、安楽さんの指に果汁が溢れるのを確認させた。
指を動かすごとに、麻子の果汁は溢れ始める。
安楽さんは果汁を溢れさせる果実の中心にゆっくり指を差し込んだ。
麻子は真っ赤に顔を成熟させながら、途切れ途切れに声を放ち、安楽さんにしがみ付いた。
麻子の内部を安楽さんの指が彷徨い始める。
柔らかい果肉の内部は まだ熟しきらずに狭く、指に絡みついてくる。
麻子の股間の果肉のやや上から、新しい果実が芽吹きだした。
安楽さんは麻子の下着を下ろすと、麻子の秘密の果肉に顔を埋めた。
そんな所に口をつけられるとは思わなかった麻子は狼狽する。
「あ、安楽さん……そ、そんな所は汚いです……! 」
麻子は電気が走るような感覚に驚きながら、安楽さんを止めようとした。
「……汚くなんかないですよ。とっても綺麗でおいしそうです」
安楽さんはそう言うと、麻子の停止も聞かずに麻子の果実を貪りだした。
安楽さんの舌が麻子の秘密にしていた果肉と果汁を味わいだすと、麻子は自分でも驚くような
甘い声をあげてしまう。
身体はびくびくと反応し、ビーチマットから落ちそうだった。
段々麻子の頭に靄がかかり、声はすすり泣くような喘ぎに変わってしまう。
安楽さんはやっと麻子の果実から顔を離すと、作業服の下を固定する邪魔物を下ろした。
仏のように穏やかで人柄のいい安楽さんにはそぐわない、暴れん坊の安楽さんが下半身から飛び出した。
麻子はびっくりして暴れん坊の方の安楽さんを凝視してしまう。
安楽さんは照れて困った顔をしながら、下半身の暴れん坊を麻子の果肉にあてがった。
「……だから言ったでしょ? こうなっちゃうと男は引き返せずに困ってしまうんです……」
麻子はちょっと怯みながらも、真っ赤な顔でクビを振った。
「こ、困らなくていいです……。 わ、私も力仕事で鍛えてますから! …… 」
安楽さんは照れた様に笑いながら、麻子にあてがっている安楽さんを少し麻子の中に埋めてみた。
麻子の身体はビクッと跳ねると硬直した。
>>337 8月からはあせってる(愚者の楽園) act- 10
「麻子さん。……こ〜ゆ〜時は力は込めない方がいいんです」
「そ、そ〜なんですか? 」
「はい。力を抜いてくれた方が、痛みは少ないと思います。深呼吸できますか? 」
「や、やってみます……」
麻子は言われたとおり、安楽さんに捉まりながら ゆっくり深呼吸をひとつした。
それに併せて麻子の内部の力が緩むと、安楽さんは麻子の中に入ってきた。
……やっぱり痛い……
いきなり深く入ってきた安楽さんを、麻子は思わず力んで締め付けた。
ただでさえ狭い麻子の内部で締め付けられ、安楽さんは思わず暴発しそうな自分を堪えた。
「え、え〜と。麻子さん、なるべく力を抜いてくれますか」
「す、すんません! や、やってみます……」
「い、いや……。痛いのに無理を言って、こっちこそごめんね」
麻子はもう一度深呼吸を始めた。
内部が少し緩んで、安楽さんは動けるようになる。少しずつ小刻みに、麻子の中で動き始めた。
またも麻子は無意識に 痛みで力んでしまったが、麻子の果汁が安楽さんを保護しはじめて、
安楽さんの動きは段々スムーズになってきた。
しがみ付く麻子の腕に力が入ると、安楽さんの腰の動きも早くなった。
貫かれるたびに麻子の背中はしなり、腰が浮き上がる。
安楽さんも汗を流しながら 麻子の中を一所懸命動いていた。
相変わらず痛かったが、麻子は痛みとはまた別の感覚が 段々安楽さんと繋がる部分から生まれてきた。
安楽さんの動きと共に、小さな声が勝手に出始める。
麻子の声に興奮して、安楽さんの腰の動きが激しくなった。
……や、やばい。 もう限界だ!
安楽さんは麻子の果汁にまみれた自身を引き抜くと、すぐ横の地面に向けて精を放った。
「ご、ごめんね。まさかこうなるとは思ってなかったから、何の用意もしてなくて……」
精を放ち終えると、安楽さんは麻子の上に倒れ掛かりながら謝った。
「い、いえ……」
誘ったのは、こっちだし……。麻子も避妊の事は失念していた。
そして、外に元気よく放たれた、安楽さんの精を見ながら内心驚き 赤くなった。
一息つくと二人は服を着て、恥ずかしそうにお弁当を食べ始める。
麻子はさっき安楽さんが放った物を見ながら、ボソッと聞いた。
「……安楽さん。あれも植物の肥料になるんでしょ〜か? 」
安楽さんは思わずご飯を詰まらせながら、慌てて麻子のよこしたお茶を飲んだ。
「と、年頃の娘さんは そんな質問をしちゃいけません!
ま、まぁ……一応タンパク質だから…むにゃむにゃ…って、聞いちゃいけません! 」
赤い顔をして慌てる安楽さんの頭上に、またひとつフェイジョアの実が落ちてきた。
……食べ頃になると自分から落ちてくる潔さ。なんだか麻子さんそのものだなあ。
甘い香りの果実を拾いながら、安楽さんはそう思った。
おしまい
うわぁ〜リアルタイム遭遇しちゃったよ!
職人さんありがとう!ありがとう!
麻子さん農大受かるといいね〜
…「植物の肥料」にこっそり笑いましたよ。
続き来てたw
大地の貴族と愚者の楽園はまだ無かったので嬉しかったです!
無い作品に挑んでくれる職人様精神 GJ!です!
愚者の楽園は3姉妹の恋愛もからんでるから姉と妹もいいですね〜
安楽さんは善人だけど ものすごく奥手そうだもんな〜
麻子さんも積極的になっちゃうわけかw
肥料は与えすぎると枯れちゃいますよw>安楽さん
楽しく読ませてもらいました。
脇役が生き生きしてるのもナイスです!
次は何に挑戦してくれるのかwktkしてお待ちしています!
後出てないのはなんだろう?
GJ! 安楽さんはやはりお人柄のよい方でいらっしゃる。和みました。
>後出てないの
個人的にずーっと待ってるんだけど『アップル・ジャック』って出てる?
あと『森には真理が〜』。
暴れん坊の方の安楽さんwww
激しくツボりました。ありがとう!
『名誉』挽回
『汚名』返上
間違いが気になってしまった…
>>342 アップル・ジャックは久美子ちゃんのカプだけだっけ?
森には…もないですね〜。森は難しそうw
どっちも読んでみたいので、書いてくれる事を祈ります!!
>>343 必ずしも使用法は間違いじゃないみたいですよ?
つ 「汚名挽回」を調べてみた。
汚名挽回:
名誉が失われた状態から巻き返しを図ること。不名誉を挽回する。
典型的な日本語の言い間違いと評される言葉。『汚名返上』と『名誉挽回』を混同して生まれたと言われる。
「名誉挽回」=「名誉を取り戻す」という意味から、
「汚名挽回」=「汚名を取り戻す」=「過去に何らかの過失を犯した人が、
再び同類の過失を犯すこと」という意味だと皮肉るケースも見られる。
しかし、「挽回」という言葉には「(昔の良い状態を)取り戻す、回復する」という意味のほかに
「(今の悪い状態から)巻き返しを図る。盛り返す」という意味も持っている。
後者の意味で「挽回する」を使った表現に「退勢(頽勢)を挽回する」がある。
GJ!大地の貴族と愚者の楽園は和むねー。
笑いもありで、素晴らしかったです。
ほんわかほのぼのした気持ちになりました。
ありがとう。職人さん!
>>341 確か2スレか3スレくらいにあったような気がする。
『アップル・ジャック』 は大きくなった久美子ちゃんと透くんだったかな?
あと『森には真理が〜』もあったよ。どちらもすごく萌えました。
川原作品の職人さん方は、みなさんレベルが高いよ。
保管庫にあるから、読んで悶えてください。
本日新刊「レナード現象〜」購入。
聡真君×遥ちゃんがツボにじゃすとみーとwwww
なにか書いてみようかななんてなw
347 :
345:2006/07/03(月) 22:24:24 ID:74jQ5FGo
>>341 今確認したら両方1スレでした。申し訳ない。
>>346 ナカーマ。自分も今日買って読んだ。
聡真君×遥ちゃんがツボってところ同じ。
四年後くらいを想像して、書いちゃってください!
なんでもOK!ヨロシク!
大学生の聡真君が女子高生の遥ちゃんの制服姿を見て萌えとか。
社会人になった聡真君が遥ちゃんの勉強見てあげたりとか。
いいね〜。いいよ〜。なんでもど〜んとこいだ!
あー、私も総真くん×遥ちゃんが一番好きだなー。
いいよねぇ、悩む青少年w
毎日のように良い作品を読ませてもらえて幸せです。
一本のドリンク剤よりも元気が出ますよ。
これで、明日も頑張れます!
悩む青少年いいねぇ!レナードを除けばまだ出てないのは、
月夜のドレス、ゲートボール殺人事件、かぼちゃ計画、
メロウ・イエロー・バナナムーンくらいかな?
新作チャレンジ・リハビリを目指してるへっぽこ職人です。
2作を読んで頂いた読み手様、ありがとうございます。
レナード現象には理由(わけ)がある は、サイトで立ち読みをしたんですが
まだ購入していません…。近所では売ってなかったorz
森には心理が…は読んだのですが収録されてる本がどれだったか…??
皆様の意見はとても参考になります!!
残り容量も少ないですが、また投下させてくださいませ。
いつも住人の皆様の広い心で安心して投下させていただき感謝しています。
351 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/04(火) 22:28:07 ID:u8XsdS0x
a
>>350 森には〜:単行本(花ゆめ)ならミカエルの2巻だったかと。
文庫は・・・忘れちった。
『森には〜』の文庫版は美貌の果実に入ってるよ。
あとまだ出てないのは、『殿様は空のお城に住んでいる』かな?
ちょっこり未出を調べてみました。
『月夜のドレス』『メロウ・イエロー・バナナムーン』
『ゲートボール殺人事件』『殿様は空のお城に住んでいる』
『かぼちゃ計画』『ロレンツォのカエル』
と新刊シリーズ辺りでしょうか。
やっと新刊読んだ。
聡真君と遥ちゃんがほのぼのしてて可愛い!
連れ去られそうになってるときの遥ちゃんのオロオロした顔も
その後の血相変えた聡真君も両方萌えるよ。
すごく歳の差あるように見えるけど、実際は他のカーラ作品カプに比べると
全くたいしたことない程度だよね。
ファンになって十数年、ミカエル公式HPのブログで
初めてカーラ教授のお顔を拝見した。
自画像の通りで、なんだかとっても嬉しかった。
『殿様は空のお城に住んでいる』 と言うと、公式カップルは
鈴姫の両親、殿様と鈴姫、家臣とへのへのもへじ細君、
だと思うんだけど、需要としては殿様と鈴姫なのかな?
家臣と細君。いやマジで。
360 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 02:14:42 ID:KGZEBAjA
あの時代の武家には珍しく恋愛結婚だもんな。
睫毛バサバサの男前な帯刀釆女(字はうろ覚えスマソ)とへのへのもへじ細君。
あげちまった!申し訳ないっ!松茸と共に切り捨ててくれっ!!
>>316 (`Д´)ノバシッ
みねうちだからしんでません
ワロタ
レナードようやく読めた!私はたっくんと日夏が好きかも。
どんな風に真面目に付き合ってるふりしてんだろうかと思うとwktk
最後のコマが意味深なんだよなー
>>359.
>>360 家臣とへのへのもへじ細君を細君の一人称で書いてみます。
殿様と鈴姫は難しそうなんだけど、家臣と細君は子供までいるから書けそうです。
3〜4日待ってね。
>>361-363 ワロタ
>365
wktk
レナード買った!
そしたら驚いたよ!
ブレーメン職人様の作品、インプリンティングが
あの子〜の作品中に使われてる!
なんか感動!!
思わず読み返しちゃったw
何度読んでも楽しい連載だー
番外編書いてくれるといいね!
すごい作品だったと改めて感動!
368 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/11(火) 22:44:01 ID:RwoZZnHU
……バカ?
あの子〜の連載がいつあったと思ってるんだ。
おっとageた。すまん。
んー?分かってて書き込んでると思うんだが。
ともあれ細君をワクテカして待ってる。
>>368 コミックス派だっているだろ〜に。
いきなりバカ?
何優越感に浸ってんだか
そういうレスがこのスレのクォリティ下げてると思わんのかね?
過去作品はどーでもいいのか。。
職人様も気を悪くするだろ
空気嫁
たった一コマのセリフとSSが関連してたら喜んで何が悪い?
せっかくいい雰囲気を台なしにしてくれるバカだよ、おまいさんw
まあまあ、マターリといきましょう。
つ且~~ 茶デモドーゾー
色々な作品wktkして待ってます。
>371
いい雰囲気だったのはおまいさんだけだろ、まあもちつけ
喜んで悪いとは言わんがまあちょっと過剰反応だろうなーとは思うぞ
>>371 勘違いで喜んでるから指摘されただけのことだろ。
コミックス派だろうがなんだろうが、普通に考えれば
単にSSの方が漫画をまねたのだとわかるだろ。
大人の対応しような。こういう時はスルーに限るよ。
お〜!新作wktk!
連載途中の職人さん方も、期待して待ってますよ。
>>374 バカ?
勘違いはどっちか考えような
二次が原作真似ないで、どう表現するんだw
婆スレと呼ばれてた頃と全然変わんねーのなw
良作頼むわ>職人さんよw
ただし原作真似ると後からこう評価する婆いるから
覚悟はいるぞw
>>376 >>367をもっかい読もうな。ブレーメン職人の虹作品じゃなくて。
バカは職人さんじゃなく367だよ。
「インプリンティングがレナード現象に使われてる!」なんて書き方じゃ
主と従を取り違えたと思われても仕方ないよ。
ネタ元がわかって感動したままに筆が走ったんだろうけどさ。
ついでに揚げ足取るけど、レナード現象はブレーメン虹の原作じゃないぜ。
原作者の別作品だけどな。言葉は正確に使おうや。
2chの殆どのトラブルはスルーによって回避できる
うむうむ。もうそんな季節か……夏だもんな〜。
熱くもなるでしょうが、マターリ行きましょうや。
えとImprinting―インプリンティング職人です。
5日ほど前からOSが逝ってしまいまして今泣いております。
(書きかけのSSがぁぁぁぁ!!)
まだしばらく修復はかかるのですが、治ったら投下させてください。
新作読めるのはまだPC治ってからですが、楽しみにしております!
Imprinting―インプリンティング連載中はいい加減自分でもあきれるほど
スレ容量も使わせていただきましたし、住人の皆様の好意でなんとかラストまで
投下できたことに感謝しています。
でも一応もう終わった連載ですので、新しい職人の方々や できたら次回作に
期待をしていただけますようお願いします。
駄作ではございましたが、一応長期にわたった作品なので自分では愛着もあるし、
このSSが元でここが荒れる事はなって欲しくありません。
どうぞお忘れくださるか、スルーしてくださりますようお願いします。
また新作で頑張りますので、その時またよろしくお願いします。
我侭ですが意を汲んでくださりますようお願いします。
今後の川原スレの発展と連載の再開、新作を一読者として楽しみにしています。
長文にて失礼しました。
おお!ブレーメンUの職人様、お元気でしたか。乙です!
PCトラブルとは、また災難でしたね〜。
早くPCの修復が終わることを心から願っております。
wktkして待ってますよ。
>380
この流れで「あなたのSSの所為で」荒れたなんて思う馬鹿は流石に居ないでしょう。
(…だよな?居たらもう笑うしかねーわ)
新作、次は何処からネタ持って来てくれるかと楽しみにしてます。
あれだけの大作の後だとプレッシャーとかもあったりするのかも知れないけども。
のんびり気楽にやって下さい。
…愛想無い書き方しか出来なくて申し訳無いが。
>>380 うわ〜それは大変!そして、かなり残念!
このスレもレスは400もいっていないのに、もう400KBを超えました。
なかなかの盛況ぶりですね。素晴らしい!
これも職人さん方の頑張りがあってこそです。
次スレか次々スレ辺りでお会い出来るのを楽しみにしてますから、
のんびり良作を書き上げてください。
データの移動が終わらないImprinting―インプリンティング職人です。
おはようございます…
レスよく見たらちょっと誤解があるようなので。
レナード現象〜はまだ注文中で読んでないんです。
よって、Imprintingがそれに使われているというのはまったくの偶然です。
動物(ブレーメンズ)=Imprinting=ナッシュとキラの関係にも似てるなと
つけた題名なのです。
あまり今後良作を期待なさらないでくださいね(涙)
長期姫連載だったので、リハビリとして投下したのが大地の貴族と愚者の楽園ですので…
(その後連続投下の天罰か、PCが壊れたのです)
レナードが届くのが楽しみです。
人気らしく在庫が少ないそうで、直接取り寄せなんですよ。早く来ないかな〜
それと『ロレンツォのカエル』は未読です。
勉強不足ですみませんが、どなたか収録単行本を教えていただけますか?
PC復旧までに読んでみようかと…
殿様は〜は好きな作品なのでSS楽しみにしています!!
そうだったんですかっ!すごいですね〜。
ブレーメンUから今までの投下、すべて良作で素晴らしい。
いつも楽しませて頂きました。
偶然の一致っていうことは、たまにはありますよ。
お気になさらず、気楽に新作に取り掛かって下さい。
『ロレンツォのカエル』は自分も未読ですが、
文庫版の『小人たちが騒ぐので』に収録されています。
収録作品は小人たちが騒ぐので、ロレンツォのカエル、0の行進です。
家臣×細君、前編でございます。
プロットをいい加減にした結果、筆が滑ってやたらと長くなりました。
こいつら一応恋愛結婚なわけで、結婚に至るまでの紆余曲折を
書かねば面白くない!と、エロくはない筆致でダラダラ続きます。
暑気払いにご笑納くださいませ。
帯刀さんの名前は「妥女」って幼名につける名前ではないので、
子供の名前(和馬)から勝手に「雄馬」と名付けました。
「八重」は細君の公式設定名です。
生まれたばかりの赤子は猿のような顔をしていると申します。
しかしながら、我が子が生い育つにつれて、
人の子とは違う…有体に申さば案山子に似てくるのを
目の当りにした両親の思いはいかばかりでありましょうか。
父、母も親類縁者にも行く末を案じられたわたくしは、
十四になると江戸表の奥向にお役をいただくこととなり、
藩の御用を仰せつかる『吉田屋』の者と共に国許を離れ、
幾日かの旅を経て江戸の上屋敷に入ったのでございます。
しばらく身を休めてから、次女中としてのご奉公が始まり、
そのうちに若年寄の香椎様に目をかけていただき、
表使いへと取り立てられ、『みよ』の名を頂戴したのでございます。
表使いに出世しましてからの楽しみは、なんと言っても
我が弟、孝太郎と時折会えるようになったことでございます。
孝太郎は当家の若殿、景之さまと同年で、
七つの頃よりお小姓としてお側近くにお使え申し上げております。
秋のある日のこと、若君様のお忍びでの芝居見物に
このわたくしも同道せよ、とのお沙汰が有り、
江戸に参りましてから初めての街歩きに出掛けることとなりました。
本来ならば若君様のお出掛けにはそれなりの身分の、
それなりの年齢のお目付け役が付く筈ですが、
年若い若君様は窮屈をお嫌いになったのでしょう。
小姓の姉であり、奥女中でもあるわたくしに
お目付け役の白羽の矢が立ったのだと思います。
勿論、若君様に気付かれないように
御身の周りに目を配る者は別に幾人か付いてございます。
お屋敷の門の側で落合いましたのは、若殿の景之様、
弟の孝太郎、他に三名のお小姓衆の方々。
その中に帯刀家の雄馬様のお姿をお見かけした時には
懐かしさに思わず涙がこぼれそうになりました。
雄馬様とわたくしは二つ違いの幼馴染でございます。
孝太郎と雄馬様が同い年なので、
小さい頃はわたくしも混ぜていただき、
隠れ鬼や虫取りなどをして良く遊んだ間柄でございます。
道々、昔話に興じ、芝居も目に入らぬほどでございました。
それより後、孝太郎が奥向と中奥のあいだにある『皐月の間』に
訪ねてくる折には雄馬様もいらっしゃることが時々ありました。
親族以外との面会は禁じられているはずではありますが、
大殿様ご鍾愛の美々しいお小姓を一目見たいと思う者、
二度三度とご覧になりたい方々が多くいたためか
取り立てて何かを言われることもございませんでした。
「雄馬様はいつ頃ご元服なさるのですか?
もう十五におなりの筈にございましょう」と訊けば、
「大殿様が『今しばらく名残りを惜しみたい』と仰られますので…」
とお答えくださいます。
「八重様も奥勤めには慣れましたか?」と気遣ってくださいますので、
「はい、もう三年になりますれば。朋輩の方たちも良くしてくださいます」
とお答え申し上げます。
このような他愛のない会話は不思議とわたくしを和ませるものでありました。
季節は移り変わり、大殿様はご逝去あそばされ、光樹院と諡号されました。
殿様のご体調が思わしくなく、江戸でのご政務を若君様が執られるようになり、
幕府のお許しを得て国許にもお入りになられ、
それ以来、秋吉田の御家中はうす雲が折り重なるように
少しずつ光を失ってゆくことになりました。
あれほど身体はご壮健、明朗闊達でいらした景之様が
「御病弱で奇矯のお振舞い多し」
として廃嫡されるなど夢にも思わないことであり、
景之様を直にお見知りする者にとっては
この上ない衝撃を味わうことになったのです。
御次男の信之介君が新たに世子となられました頃、
ぽんぽこ山の麓の寺にお預けの身となっておられた
景之様の異変を知らせる早が国許より届きましたのでございます。
誰もが言葉を失う、あってはならない異変でございました。
国許の孝太郎からは何事か含みのある文が届き、
雄馬様もあまりのことにすっかり憔悴しきって
心ここに有らずといった風情でございます。
お父君がお亡くなりになり、妥女の名を継ぎましても落とさぬ前髪が
土気色の顔を隠し、隠しきれぬ悲哀が身の周りに漂っております。
どうお慰めしてよいのかわからず、わたくしもまた悲しみの只中にあり
言葉を交わすこともなく時だけが過ぎ、日が暮れてゆくのでございます。
薄暗がりのなかで雄馬様の白い肌は浮かび上がるようにそこに有り、
長い睫が影を落とす頬には光るものがございます。
そのお姿が目に焼きついてはなれず、
わたくしはお役目に支障をきたすようになってしまいました。
二年前からは祐筆の末席に取り立てられたわたくしは
反古を量産する役立たずになってしまい、
祐筆頭の澤野井様から度々お叱りを受けることになりました。
「『葛井』の名をいただいたからと言って、屑ばかり生まずともよいものを」
と仰られますと、身の置き所がなく、恥かしい気持ちでいっぱいになります。
十四の時からご奉公に上がり、一生を鳴沢家にお捧げすると決めた身。
二十歳を過ぎ、年増と言われる年頃になって
二歳も年下の御家中の方に懸想するなど、
あってはならないことでございます。
しかしながら、年が明ければ雄馬様もご元服されて、
ゆくゆくはご妻女を娶られることになるでしょう。
『皐月の間』にいらっしゃることもなくなり、
遠くから雄馬様のお幸せと帯刀家のお栄えを神仏に祈り続ければ、
この心もいずれは静まり、落ち着いてゆく、と思うことが
わたくしの唯一の慰めになったのでございます。
396 :
386:2006/07/15(土) 01:44:35 ID:j1VfcdWN
とりあえず、今日はココまでです。
年が明けて前髪を落とせばエロくなります。
…多分。
また明日の夜に参ります。
殿様〜、キター!仕事が早いですね。
wktkして待ってます。
序章にぐっとひきこまれますた。
案山子・・・すばらしすぎるセンス。
wktkです。
>>386 話に起伏がない
レス無駄に多くて読みにくい
カーラ様風味が全然ない
無駄に長い
悪いけどぜんぜん萌えないし
面白くないわ・・・・・・・・・
誘い受けした挙句がこの程度かよ?
まだまだ話はこれからだろう?
少なくとも自分は完結まで読んでみたいね。
面白くなければ、スルーかNG登録をお薦めするよ。
wktk!続き待ってますよ。
夏になると増えるのでしょうか…?
SSは一所懸命書いているので、いきなり否定されると凹みます。
ここは住人の方々が見守ってくれるスレなので、
安心して投下できるからこそ次回作も浮かぶんですよね。
>>400さんに同意です
家臣×細君職人様、
続きがんばって完走してください。
フリーズしながらもがんばって見に来ます
PCの熱風を浴びながら熱く応援しています!
(まじ暑いです…)
>>401 400に同意なのは私もだが、あなたが一生懸命SS書くのはあなたの勝手。
それに対し、どういうレスをするのも読み手の勝手ってことは覚悟しておいた方がいい。
いきなり否定される程度で凹んてたら、2chでSS書いてられないよ。
(ピンクは2chじゃないとかのアホな反論は却下ね)
いい事ゆーじゃんw
言論は自由なんだ
駄作を駄作とゆーのもこれまた自由なんだよ!
オマイ勘違い野郎だが
わかってんなら駄作とはっきり家
アホくさい
>>402 > 一生懸命
一所懸命が正しい。
恥ずかしいからちゃーんと
辞 書 引 い て か ら 偉そうな事を家w
言論は自由だけど、何書いて投下するかも職人さんの自由だろう。
自分の好みじゃないものは、読まずに華麗にスルーして下さいよ。
読みたい人もいるんだしさ。
家臣×細君職人さん、応援してますよ。頑張って下さい。
これからの紆余曲折の展開、wktk!
>>404 関係ないけど。
いっしょう‐けんめい【一生懸命】イッシャウ─?形動・副?
全力を尽くして物事をするさま。懸命。一所懸命いっしょけんめい。
「─な姿が心を打つ」「─に努力する」「─働く」
◇「一所懸命」から出た語。
今 で は 「 一 所 懸 命 」 よ り 一 般 的 。
402じゃないけど、辞書引いたら一生懸命は載ってたな。
一瞬どうだったかな?と思っちゃったよ。
日本語はまだまだ奥が深いのう。日々勉強じゃ。
>>402=
>>406 =
>>407 ID変えて(・∀・)ジサクジエーン!!
アカラサマ杉テラワロス
も少し 大 人 に な れ !!
何が辞書引いただよw
漢字の四字熟語検定では落ちる事確定だなw
いっしょう‐けんめい(イッシャウ‥)【一生懸命】 (「いっしょけんめい(一所懸命)」の変化)
1 (形動)命がけで事にあたること。一心に骨折ること。いちずな気持になること。
「一生懸命に勉強する」*浄・仮名手本忠臣蔵‐三「主人一生懸命の場にも有合さず」
2 引くに引けないせっぱ詰まった場合。ことの決するせとぎわ。
*浄・摂津国長柄人柱‐四「今が一生懸命、生死の境」
3 重大なこと。たいへん。*伎・油商人廓話‐四幕「揚代が無駄になっては一生懸命ぢゃ」
Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition)
411 :
406:2006/07/16(日) 01:18:13 ID:yCQXzXcs
自作自演も何も…漢検持ってるから、え?と疑問に思っただけ。
自分は
>>402でも
>>407でもないよ。
>漢字の四字熟語検定
ってなんですか?思わずググってしまいましたよ(検索結果0)
人を非難する前にもっと日本語を勉強してくらはい。
皆さん、そろそろスルーをして続編を待ちませんか…
相手にするほどからまれるだけではないでしょうか
職人様、お気を悪くなさらずぜひ続きをお待ちしております
いい子ぶってんなよ
それも自演だろw
釣られやすい婆どもがw
殿様は病床にあり、景之さまがあのようなことになられて、
今年の正月はお屋敷中がひっそりと静まりかえっております。
表は例年の如く人の行き来があり、体面を保っておりますが、
奥向はお使えする主もなく、殿様のお渡りも長く途絶えておりますれば
火の消えたような有様で、年始の行事も滞りがちでございます。
そんな折の明るい知らせと言えば、
卯月には信之介君がご元服あそばされることと、
予てより話のあった信之介君と譜代の名門であらせられる椿森藩主、
高坂伊豆守様のご息女鈴姫様とのご縁談が正式にまとまりましたことでございます。
殊に後者は奥の者達を少なからず活気付かせるものでありました。
雄馬様は若君様に先んじて前髪を落とされることになった由にございます。
これで又少し距離が遠くなることに寂しさを感じはいたしましたが、
安堵する気持ちのほうが優っていたのも真実でございます。
実家から妹、志津の縁談が調った旨、文がありました頃に
雄馬さまが『皐月の間』にお出でになって、この如月にご元服なされること、
晴れ姿を国許の母君様のご覧に入れるよう
殿様からの格別の配慮をもって一時、帰郷を許されましたこと、
色々お話くださいます。
わたくしの妹のことも気にかけてくださって、
お相手の辻村様の人となりなどお教えくださいます。
文なり、祝いの品なり届けてくださるとのお言葉に甘えて
国許に立ちます前にお寄りくださいますようお願いいたしました。
奥には出入りの小間物屋がおり、色々見比べ、
朱塗りの差櫛、銀細工の簪など買い求めました。
人並みに生まれた妹が、人並みのご縁を得て嫁ぐのですから、
まことに喜ばしく、ついつい財布の紐もゆるむのでございます。
飛脚に任せれば手荒に扱われることもあるでしょうが
雄馬様にお預けすれば大事に運んでくださるでしょう。
如月の中頃を過ぎて、雄馬様がお約束どおりいらしてくださいました。
晴れてご元服なされて、精悍さを増したように見受けられます。
もう、どこから見てもご立派な帯刀妥女様でございます。
『皐月の間』の庭をはさんだ向こう側の見物客も
今日はいつにもまして多うございます。
ご元服のお祝いを申し上げましてから
妹への贈り物や、したためました文などお預けして、
茶菓をおすすめしてから思い切って申し上げました。
「帯刀様も元服されて、もう童の姿ではないのですから、
こちらへは二度といらっしゃらないでくださいまし」と。
妥女様は「何ゆえか」と問われますが、真実など申せるはずもございません。
ただ「決まりでございますから」としかお答えできませんでおりますと、
妥女様はいつもは開け放しております障子を閉め、
五〜六間ばかり向うの人の目をさえぎっておしまいになります。
わたくしは何かお気に障ることを申し上げてしまったのでしょうか。
顔は険しく、射るような瞳でわたくしをご覧になります。
次の瞬間、妥女様はわたくしの手を取り、
その胸にかき抱いておしまいになられました。
あっと言う間のできごとでございました。
妥女様の腕の中で身動きも許されず、唇を吸われ、なす術もございません。
殿方というのは元服されるとこのようなことまで学ばれるのでしょうか。
わたくしは何も考えられず、妥女様に翻弄されてしまい、
体中から汗が吹き出ては流れてゆくのでございます。
どれほどの時間そのようにしていたのか、
長い時間のように感じられましたが、ほんの束の間であったのかもしれません。
妥女様がわたくしを放されましても、わたくしは息を整えるのに精一杯でございますのに、
なんとも澄ましたお顔でこちらをご覧になります。
まだほんの幼い少女の頃に縁の者に
「跡取り娘であったのなら御徒の家からでも婿の来手があったろうに」
と言われても、奥勤めに上がって表使いを任されたのは
「あれでは間違いの起こしようもないからだ」と陰口を言われても
それも宿世とあきらめもいたしましたが、醜女にも五分の魂がございます。
このように遊び女のような扱いを受けて、傷つかないはずがありません。
わたくしはこの世に生まれてから初めて人を憎く思いました。
妥女様をお恨みする気持ちがどこからか溢れてまいりました。
「いくらご冗談でもあんまりななされようでございます」と
周囲に漏れないように声を顰めて抗議いたしますと
「冗談などではありません。国許に帰りましたら、
駒田様に八重殿をお許しいただけるよう、お願い申し上げる所存」
と時候の挨拶でもするかのように、当たり前の顔をして仰います。
呆然としているわたくしをよそに、妥女様は冷めたお茶を飲み干し、
食べかけの茶菓を懐紙に包み、託の品を持って立ち去っておしまいになられました。
狐に抓まれたような、体よく誤魔化されたような気持ちでおりましたが、
妥女様のお言葉に偽りのないことが示されたのは
国許の父から早飛脚が届いた時でありました。
兎に角、代々家老職を勤めます帯刀家と
郡奉行の我が家では家格が違いますし、
多少身分違いであっても麗しい女人であれば
誰もが納得するでしょうが、相手はわたくしでございます。
国許のお城でも城下でも噂はひろがり、
瞬く間に江戸表にも飛び火したのでございます。
わたくしが妥女様に求婚されたと知って、
親しくさせていただいていた方々も俄かに冷たくなってしまわれました。
わたくしでは妥女様のお相手になりようはずもないから
『皐月の間』での面会もお目溢しいただけていたのでありますし、
蓋を開ければ針の筵にいるような居心地の悪さでございました。
朋輩からのなんとも形容しがたい嫌がらせは日を追うごとに酷くなり、
香椎様からも、一時、暇を取って国許へ帰るよう仰せがあり
わたくしは江戸を離れることになったのであります。
八年前、一生奉公のつもりで参りました同じ道を
まさか暇を出されて逆に辿るとは思いもいたしませんでした。
親にも兄弟にも迷惑をかけずに、自分の食い扶持は自分で稼ごうと、
この顔を晒してお役目一途に――時には寄り道もございましたが――
励んでまいりましたのに、このままでは本当に結婚でもせねば、
一生孝太郎の厄介者で終わりそうでございます。
ツマンネ
いー加減ヤメレ
とりあえず今日はココまでで…。
どうにか微エロ(口吸いで微エロとは言わないか)までもってきました。
結納とかはサクッと端折って、次こそは本番を。
もうしばらくお付き合いくださいませ。
妥女豹変シーンがツボでした。
本番wktkして待ってますw
>>414 GJ!!
しっとりした文体が大奥っぽくてイイ
江戸時代の風俗も、しっかり把握して書かれててすごいなぁ…。
続き楽しみに待ってます(・▽・)
>>424 乙です!!
がんばって完走してくださいね
続き楽しみにしていますwktk
不眠で見張りカヨw
婆は暇でいいな♪
また来るぜ!
毎晩寝ずに家事してんのか?婆
駄作職人もっと励め!
クダラネ作品でスレ汚すなよ
>422
少なくとも自分は、この独特の雰囲気ある文章は好きだな。
采女の澄ました感じとよく合ってると思う。オチ(完結)まで楽しみにしてますよ
乙!
続きwktkしてお待ち申し上げます
ひとのに文句つける暇あるんなら
スレヲチするより話を書いたら?
拙巧を論じたいなら、まずはオノレ自身が
どれだけ上手いかここで証明するべき。
言うは易し。
っーわけで書く技量がない人はスルー。
職人さん乙ですノシ
恋愛結婚の二人がこれからどうなるか楽しみw
根本的に勘違いw
> しっとりした文体が大奥っぽくてイイ
> 独特の雰囲気ある文章
> 江戸時代の風俗、しっかり把握して
してねーよ!適当になこといってんじゃねえw
検索の仕方も知らない婆がナニほざいてんだかw
原作の欠片もない書き方&内容のないオリシチュ。
投下するスレ間違えてねーか?
時代劇でエロスレに逝け!身の程を知るだろうぜ
夏だから五月蝿い虫が発生してますね。
恒例のことなので慌てず騒がずが一番!
自作自演・婆はNGワード。これを見たらスルー推奨。
>>434 テメーがまずつけろ。
水増しIDのトリで人多そうに見せたのはまだヲチャの記憶にも新しいぞw
水増しID増員はここの得意技だもんな?
ここのやつ等のやる事は頭悪杉
人に頼むときはまず自分が名乗れやw
同じトリがいないのは予測済みだがw
家臣×細君職人さん、乙です。
これからどうなるかwktkで期待してますよ。
ところで、以下独り言にて失礼。
ヤフーブックスでカーラ教授のインタビュー記事を発見!
レナードの高校のシリーズをこれからも続けていく予定だそうで、
とても嬉しい。これで、また川原作品の萌えネタが広がるな〜。
来月は雑誌に『その理屈には無理がある』も掲載されるらしいしw
今はレナードを読んでいるが、来月はこれを読んで、
気長に職人の方々の新作や連載を期待して待ってます。
>>424職人様
GJです。続き楽しみにお待ちしております!
レナード夕べ不在通知でさっき届きました!
やっと読めましたよ…
どんな田舎なんだ(涙)
「小人たちが騒ぐので」持ってました…すみません。
教えてくれてありがとうございました。
読み返してみます(汗)
>>437さまの独り言に便乗。
ミカエル学園に続く新しい学校ですね〜
短いスカートのユリアナ学園も面白そうだし、
この三校が関係した原作も出ないかなとwktkです。
組み合わせ的には妄想が広がります〜
でもまずは連載をwktkで…
暑いので皆さんも体調とPCにはお気をつけください。
もう夏ですね。
綺麗な文章が良いですな。
読みながらどうしてもあの絵柄で思い浮かべてしまって、ついつい笑ってます。
続き楽しみにしてます。
職人さんGJ!
決まりも守れない馬鹿は放置して書きたいだけ書いてください。
それにしてもなんか変なのに好かれてしまったようですね。
例の騒動の時に出てきた連中かな。
>>440 放置しろといいつつ、しっかり相手してるアホw
ヲチスレでここの婆が突撃してから三大婆スレは注目されてるんだよw
婆は何代祟るんだ?w
駄作は駄作とこれからもいい続ける
俺を止められるものはどこにもいないw
>>440 > 決まりも守れない
決まりってなんだよwテンプレには駄作はスルーしろとは書いてないぞ?
きれいなだけの文章が読みたいなら古典の教科書でも読んでろボケが
どんなに暴れても疑いは「例の騒動の時に出てきた連中」になるんだw
思い切り暴れようジャマイカwwwwwww
墓穴掘ってるのがわからないのかね?ここの連中は。
ブレーメン連載中もほかの職人に迷惑だから連投控えろというレス無視したの
おまいらだろw
その後感動したって書き込みをバカと決め付けたのもナw
自分の意見しか受け付けない脳みそは塩水で洗ったほうがいいぞ?
アサ知恵振り絞ってもスルーしきれない更年期どもが集まるスレだ
仕方ないのかもナw
GHQだってスワップ大天使だって続き書く気もねーのに催促されて五月蝿かろうw
三月革命もそうだろ?
連載ってのは完結しなきゃ意味がねえ。
しかし駄作を続けるのはそれ以上に 最 悪 だ
某スレの「私の居場所」と同じだナw
そのうち自称ゴーストでも出るんじゃないか?
この古典コピー職人に比べりゃ妄想のバビロン職人のほうがまだましだったな。
あいつもブレーメン職人に追い出されたようなもんだろ
また投下させてくれってお前な…他人の迷惑も考えろよ
おまえ一人がスレ占領してたから駄作職人しか残らないんじゃないか
ちっとじゃ自覚しろ!!
PC壊れたのは自分のいうように天罰だなw
…馬鹿が沸いてるな。
もう夏休みか。
毎日暑いですね。まあ、夏ですからしょうがないですね〜。
こんな暑い中大変でしょうが、職人さんたちはガンガン投下して下さい。
応援してますよ!
そう言えば、笑う大天使の映画が昨日から始まりましたね。
原作のことを忘れて、期待しないで見に行こうかなW
職人さん、続ききてたー!
wktkして待っとります
采女wktkwktk(AA略)
自分も何か書けたらなぁorz
殿と鈴姫もたぶん可愛い
久々に来たら
采女キテタキテタキテタ---
控えめな八重の恋の成就と
もちろんエロも
すごく楽しみです。
あー、夏が来たねー。
>>445 夏はガキも家にいるのにエロ見て語ってるなよアホどもが!
股間も夏で干からびてるのかw
真夜中の大奥駄作作家引っ込め!
ブレーメン職人はもう出てくるな!
>>448 書いてみろよw
批評してやるZE
>>446 映画か。そんなものもあったっけ。
ネタを仕入れるつもりで観にいこうかなぁ。
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1152530203/306 306 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/07/17(月) 16:14:36 ID:1HTMAdeg
投下予告って、何の意図でするのかなあ?
そんなことしてる暇があったら、さっさと完成させて、推敲して、投下しちまいたいと思わないんだろうか。
307 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/07/17(月) 16:16:21 ID:SW5mcMxl
>>306 自分もそれ思う。それよりも何よりも、予告をするだけして結局ナシのつぶてとなる輩のなんと多いことか。
あれは滅茶苦茶格好悪い。それなら予告なんぞしないほうがマシだと感じるので無駄だと思うんだけど。
308 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/07/17(月) 16:25:43 ID:NEdWsXcP
1.完成してないけど、反応は見たい
2.完成してないけど、書いてるよってアピール
3.完成したけど、反応は見たい
4.完成したけど、他の作者さんと被らないようにしたい
5.ものすごくエロいのができたんで、お前ら全員チンコ握って待ってろ
309 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/07/17(月) 16:29:17 ID:VruJ7rpg
ほぼ1なんじゃないかなあ
310 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/07/17(月) 16:35:57 ID:v3kI6RMj
「需要」を気にする自称書き手の何と多いことか
324 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/07/17(月) 18:11:54 ID:quW6XpYS
俺が予告好きじゃないのは予告どおり投下してくれるSS書きに会ったことがないからだな。
「○○のネタで今書いてます。明後日くらいに投下予定」とか
「今推敲中なので終わったら投下します」とか期待あおっておいて
結局1週間後とか平気でやりやがる。
それで遅れた理由が「ごめんなさい推敲中に気になる点が出てきて〜」とか
「ホスト規制されててダメでした」とか何回も聞いたような理由ばっかり。
アンタ前もおんなじ理由で遅れてなかったっけ?
タダで読むんだからあまり文句は言いたくないが
いつもそうだから「予告いらないから出来上がってから投下しろや!」と言いたくなるよ。
>>453 これの該当職人
GHQ 大天使スワップ
予告しといてもう何ヶ月だ?
それと三月革命か。
予告しても駄作=今の職人
予告しないけど連続投下大杉=ブレーメン作家=自分のスレと勘違いしてないか?
あ〜あ、訳の分からない因縁までつけ始めてるよ…
ミソ・スープとブレーメン職人さんが降臨しなかったらこのスレ閑散としてただろ
思うんだが
あんた
>>367?
>>368のレスは確かに乱暴だったがいい加減やめれば?
368も「へ〜よかったね」かスルーしておきゃ良かったんだよ
もう遅いけどな
些細なことから荒らしは生まれる
いちいち律儀にレスせずスルーすることが一番
四字熟語の時も思ったが、なぜスルーできないんだ>ここの一部住人は
いらんトラブルを拡大させてるのがわからないのかね?
そういう自分もスルーできなかったが。
>>455 それはここの住民がそいつらしかいないからだw
レスのつく時間が集中してるの見れば水増しレスでマトリックス気取ってるのがもろバレだろー
過疎してまともな住人は
さっさとケツまくってアホな争いを高みで笑ってんのさw
それが賢明だからな
単発ID乙w
>>452 噂で聞いたけど、映画はかなり原作とは違ったものになってるらしいよ。
ネタの仕入れになるかどうか……期待はしない方がいいと思われる。
制服も変だけど、なんといっても史緒さんがくわえているはずの
アジのひらきがカップ麺だってさw
時代の流れかねぇ〜。でも、学校で焚き火はしてるんだろうか?
>>459 あぁ、原作に忠実だなんてカケラも期待してないからw
たとえて言うなら劇場版「ときめきメモリアル」くらい原作無視
だとしても、そのズレっぷりを笑いに行こうかと。
>>460 それはイイ考え!原作知らない人は、面白かったって言ってたな。
和風チャーリーズ・エンジェルだったかな?を目指したらしいしw
笑えることは間違いない!
>>455だが。
前後のレスと一緒にするな
SS投下時より荒らしが来てる方がスレが活性化してうれしいのか?オマイラ
普段ROMしてる身だが、最近余りに見苦しいので出てきただけだ。
それから、やはりネタとしてとか書くと誘いうけに見られる
これはどこのスレでも同じだ。
SSは予告なんぞせず、黙黙と投下。
前スレでも他所でも普通そうだろ。
予告や書いてみようかなんてのは叩かれて当然だ
荒らしにつけ込ませるようなチャンスを与えるなよ
(´・ω・`)それは知らんかったがな!
>>461宛てだっただがや……リロしてなかっただがや……
(´;ω;`)
八年ぶりの故郷、八年ぶりに仰ぐ鳴滝のお城、
どんなに気持ちが沈んでいても、
古里の空気を思い切り吸い込みますと、心が晴れ晴れといたします。
妥女様は入れ違うように秋吉田を離れ、お顔を拝見することは叶いませんでした。
耳に入ってくる噂話では、帯刀家の親類の方々は
とうに二十歳を過ぎた女に跡取は産めまいと反対なさった由にございます。
尤もなことでもあり、今は亡き光樹院様ご鍾愛の美貌を誇る妥女様に
わたくしに似た子が出来るなぞ、考えるだけでもぞっとしたのでございましょう。
わたくしは父にも母にも似ておりませぬが、
わたくしの子がわたくしに似ないという保障はないのですから。
わたくしは宙ぶらりんなままに日々を過ごすことになりましたが、
不思議と穏やかな落ち着いた気持ちでおります。
空を流れる雲のように風の吹くまま運命に身を任せることにいたしました。
妥女様からは「母も親類も説き伏せるゆえ案ずることなかれ」と
便りをよこしてくださり心づよく、頼もしく思い、嬉しさがこみ上げてまいります。
藤の花房も開き、朝顔の花を見納める頃になりますと
反対する方々も一人折れ、二人折れ、仲人も決まり
紅葉が散る頃にはご縁も整い、次の春の妥女さまのご帰還を待つことになりました。
庭の桜の蕾がふくらみ始め、お殿様の国入りの季節を告げております。
私の胸も我知らず高鳴り、傍から見ても浮き足立っているのが
わかるようで、どうにも気恥ずかしい日々でございます。
思いもかけぬ嫁入り支度を調えるために、父はほうぼうに借財をつくり、
気苦労をかけてしまっておりますが、愚痴一つ言わず祝ってくださり
親の有難味をしみじみと感じるのでございます。
春の日の昼餉を食べてから湯をつかい、髪を高島田に結い、
この日のための晴れ着を身に纏い、夕暮れ時もまぢかに迫ると
丸に三ツ星の提灯を持った帯刀家のご使者とお差し向けの駕籠が到着し、
綿帽子を被って乗りこみましてございます。
婚礼も滞りなく済み、白い夜着に着替え、
元結を切って髪を解きがてにし、妥女様をお待ちいたします。
居た堪れないような、逃げ出したいような気持ちでおりますと、
廊下を歩く足音が近づき、障子を開けて妥女様が寝間にいらっしゃいました。
一年以上会わぬ間にすっかり貫禄を増され、
城下一の若侍と申し上げても過言ではありますまい。
「八重殿、お疲れではありませんか」と優しくお訊ねくださいますが、
なにもお答えできずにおりますと、少し困ったようなお顔をされて、
行灯の灯りを吹き消しておしまいになります。
闇の中で戸惑っていると妥女様の手がわたくしをしっかりと捉えて
お側に引き寄せられたのでございます。
大きな掌で背中を撫ぜたりしながら、あの時よりも長く唇を吸われ
夜具の上に押し倒されて、大きく息をつかれます。
わたくしは思わずうろたえて妥女様の身を押し戻そうといたしますと
「八重殿、私はこの日をずっと待っていたのですよ」と仰られます。
年若いくせに色事などの耳学問に長けた者を耳年増と言うそうですが、
わたくしのように本当の年増でありながら何も知らない者をなんと言うのでありましょうか。
けれども、何も知らないなりにわたくしもこの日をずっと待ち焦がれていたように思います。
夜着の前をはだけて手を差し入れられて、わたくしの乳房を
緩急をつけて揉みしだかれましたり、その先を吸われましたり、
まことに忙しいことでございます。
わたくしの口からは妖しげなため息が漏れ出て、
頭がぼんやりとしてまいりますと、今度は裾をはだけて
わたくしの膝と膝のあいだにご自分の足を捻じ込んでおしまいになります。
腿の内側を撫ぜられて躰がぶるりと震え、力が抜けてまいりますと
旦那様の指が更に奥へと進められ、わたくしの女陰(ほと)へと触れましてございます。
何かが湧き出ているようで、その昔蛙取りなどした時のような
ぬるぬるとした感触がひろがってゆくようでございます。
女はその身にすべからく泉を備えて生まれ落ちるのでございましょうか。
撫ぜられるごとに潤いを増し、まるで意思でもあるかのように
ひくひくとするその中に指を差し入れられたりいたしまして、
始めのうちこそ少々痛うございましたが、
いくらもしないうちに慣れ、旦那様の指の動きに合わせて
わたくしの躰も知らず知らずのうちに動き出してまいります。
突如として旦那様はわたくしの両足を大きくひろげて、
あろうことか頭をわたくしの股座に埋め、
女陰(ほと)を唇で吸ったり、舌で舐めたりつついたりなさいます。
世の者がみなこんなことを普通にいたすものでしょうか。
春画など少しは見ておけば良かったと後悔することしきりでございます。
けれども、なにが正しいのかわからない時は、やはり、
何事も旦那様の思し召しの通りにいたせばよろしいのでしょう。
頭は霞掛かって右も左も定かではなく、天地さえわからぬ有様。
もう己の指先一つ思うままには動かせず、
何もかもが旦那様の思うがままでございます。
なんと心地よいのでありましょうか。
しかしながら、その内、旦那様がこの身に圧し掛かってきて、
目交(まなかい)に火花が散ったような衝撃に襲われましてございます。
焼けた火箸を押し込まれているような苦しさで息も出来ませぬ。
楽あれば苦ありと申すように夫婦のことにも様々な苦楽があるようでございます。
旦那様はわたくしの頬を撫ぜたり、
瞼や鼻先に口付けたりして、優しく労わってくださいます。
そのうち大きく息を吸ったり吐いたりしているうちに
旦那様は「八重、八重」と何度もわたくしの名を呼びながら
身を進めわたくしの奥の間までいらっしゃいました。
身を引き裂かれるような痛みにじっと耐えておりますと、
旦那様は「いつまでもこうしているわけにも…」と
誰に言うともなしに呟かれて、そろりそろりと身動きなさいます。
わたくしは旦那様の夜着を両手でつかみ、
しがみ付いてどうにかこの痛みを遣りすごすことに専念いたします。
旦那様は身動きの最中にもわたくしの躰をくまなく愛しんでくださり、
わたくしからも旦那様の頬に口付けたりいたしますと
更に可愛がってくださって、晦日事の甘い悦びと
この上ない淫らさとを二人で分かち合うのでございます。
旦那様の動きは次第に速くなり、わたくしもこの荒々しさに慣れ、
寧ろ好ましいほどで、もっと欲しくてたまらなくなります。
声に出して申し上げていたとしたら、はしたないことでございます。
わたくしの中でなにかが爆ぜたような気がして、
それきり気が遠くなりましてございます。
遠くで聞こえる明け六つの鐘、雀の鳴き声に起こされて
段々ではありますが目が覚めてまいりますと、
庭先から木刀が空を切る音が聞こえてまいります。
旦那様はきっと、晴れた朝には剣術の稽古を、
雨の朝には書見をしてすごされるのでしょう。
わたくしもぐずぐずとはしておれませず、起きだして髪を結うのでございますが、
節々が痛み気が定まらないためか、慣れない故か
髷をうまく作ることができませんでおりますと、
実家から付いてまいった侍女のサトが静かに部屋に入り、
手早く丸髷を作り、鬢や髱も直してくれます。
顔を洗い、着替えを済ませた頃に旦那様も寝間へお戻りになり、
諸肌を脱いで汗を拭っておいでです。
わたくしはつい目を逸らしてしまい、
あわててお着替えをご用意いたしましてから
仏間での礼拝を済ませ、朝餉の用意されたお勝手の方へ向かいます。
麦飯を盛った茶碗を盆にのせて差し出しますと、
旦那様は黙って懐から袱紗を取り出し、わたくしの方へお寄越しになられます。
この手に受けてひらいてみますと、濃く、黒く塗られた漆に
金の蒔絵で八重桜をあしらったとても美しい差櫛でございます。
わたくしはこれほどの幸せは夢ではないかと思い、
自分の頬を思い切り抓ってみるのでありました。
やっとこさ、エロ完遂であります。
(エロシーン正味7スレ未満ってorz)
受身側一人称のエロってどうも艶かしい仕上がりにはなりませんね。
30スレの長きにわたりお付き合いくださいまして、ありがとうございます。
今日、本屋でミカエルの映画化特別本(全話掲載でDVD付きらしい)
見かけました。買われた方いらっしゃいますか?
まだ用量はございましてよ。
NEXT職人さん(屮゚Д゚)屮カモーン でございます。
>>477 眠れなくてのぞいてみたら続きが…! GJGJ!
喘ぎ声や台詞が無いのが逆にエロくて…堪能致しました。よかった、寝てなくてw
>>477 新鮮なカプで面白かったです!
でももう終わりですか…
今度はぜひ采女様視点のお話を読みたいですw
おお!GJ!
何も知らない八重殿可愛い!
なんか妥女様も手馴れているしw
ありがとう!待ってた甲斐がありました。
>>477 (´・ω・`) GJ!両想いの二人のお話で、幸せな気持ちになったがな
(´・ω・`)つ◎ お礼にドーナッツどうぞ〜
(´・ω・`)つc□~ コーヒーもあるがな
(´・ω・`) わしも頂くがな
つc□~
(´-ω-`)=3 ぷは〜ぁ!良作読んだあとのコーヒーは上手いがな
つc□~ 違いがわかる大人の味だがな
>>477 最後まで中身が薄かったな…
駄作乙!!
> まだ用量はございましてよ。
> NEXT職人さん(屮゚Д゚)屮カモーン でございます。
舐めとんのかこのクサレ職人が!!
やっぱお前、私の居場所職人だろ!?
長編書きといい連投やらこのスレにはろくなやつがいねぇな
スレが腐れてるからかW
>>477 乙でした!
レナードの話もそろそろ来ないかな〜と、職人さんの出現をwktkしながら待ってます!
>477
鴉カァで夜が明けて、ってさらりとした感じがまた良いね
ほとんど台詞が無い中で「八重」って名を呼ぶのが凄くエロく感じました
乙です!
(´・ω・`) ぷにぷにすべすべやわやわほっぺすてっぺじゃんぺ
遥ちゃん可愛いがな
わしも媒介変数表示の曲線に於ける面積を求めてみたいがな
レナードシリーズは妄想のし甲斐があるけど、
改めて、川原キャラを恋愛関係に持ち込むことの困難さを
感じる…。
>>486 確かに……かなりの困難だが、やってやれないことはない。
その妄想をもっと育てて膨らませるんだ!
人には簡単にそう言えるけど、自分は無理だ……すまんorz
どなたか萌えるエロなの頼みます。wktk
映画。司城さんちのお嬢さんが、関西弁だと風の便りにきいたorz
490 :
488:2006/07/21(金) 20:29:04 ID:4rkP9q2g
>>489 そうかσ( ̄▽ ̄;)が時勢に遅れていただけか。
早速、本を買いに逝ってくるよ。
491 :
486:2006/07/21(金) 21:49:45 ID:3a35NVhu
質問。ラブシーンでは
日夏さん・搭宮くんという表記がいいか。
晶さん・たっくんという表記がいいか。
どっちがしっくり来ます?
>>491 だからそういう誘い受けするなと…
己のセンスで書き上げ、黙って投下しろよ
いつからここは予告や誘いうけの容認されるスレになったんだ(´Α`)
493 :
487:2006/07/21(金) 22:21:42 ID:4Fdgf7y6
>>486 おお!妄想が育ったんだ。すごいよ〜!エロイよ!
い、いや、エライよ!
>>491 描写だったらカーラ君風に日夏さんと塔宮くんかな〜。
でも、どんなでもわかればいいよー。書きやすいのが一番さ。
タラシのたっくんか〜。どうなるか、楽しみだw
494 :
486:2006/07/21(金) 22:39:01 ID:3a35NVhu
じゃ、誘いうけじゃないという意味合い且つ証拠で今まで書いた分、投下します。
男女のお付き合いというものに3の倍数ルールが存在するらしい。
三週間目は、全国模試のオンパレード。六週間目は、力試しにと私立大学受験。九週間
目――つまり、三ヶ月目はセンター試験と私立大学入学試験が真っ盛り。四ヶ月目、五ヶ
月目は国公立大学受験に明け暮れて。
そんなルールがあったのだと知ったのは、搭宮君との隣の席になってから五、六ヶ月も
経った卒業式間近の頃。
あー、そういや確かにビミョーな頻度でユリアナ高校のお嬢ちゃん方と出会ったなぁと
日夏さんは遠い目をして思い起こしていた。
まさかそんなことを期待して、搭宮君との帰りを待ち伏せされていたとは思わなかった。
――と云うより、晶さんはそういう現場にはたっくんに任せっきりで、それじゃ、とひ
とこと二人に告げて帰っていっていたのだ。
己が撒いた麦の穂は己が手で刈り取るべし。
その収穫された麦が、パンになるのかどうかは、取り敢えず日夏さんは知らない。
当たり前だ。
なぜなら、搭宮拓斗くんと日夏晶さんの間にそういうものは存在しないのだから。
模試に受験が真っ盛りな時期にサカって冷めるのを期待されても困る。何しろ二人の間
に横たわる関係は、不純性異性交遊ではないのだ。だからと云って、純性異性交遊と表現
するものではないだろうし、敢えて簡潔に云えばお手々もつながない清い関係。ユリアナ
高校のお嬢さんたちの期待に添うべき現実さえも存在していない。
――否、存在しない筈だった。
話は少し遡る。
堅実な道として法曹界に進むことに決めたらしい搭宮君は、司法試験合格率の高い私立
KO大学を受験することにしたようだ。日夏さんは熟考の結果、国立の石橋大学を受ける
ことにした。
晶さんにすれば、まーくんと和解を果たした搭宮家の方々には、たっくんとここで違う
大学に行っておいて有耶無耶のうちに付き合っている“ふり”を自然消滅させたかったの
だ。だから、どうせ進むのならば金額的負担が少ない国公立大学がいいと思っていた。
だからKO大学にすすむであろう搭宮君を快く見送るつもりでいた。
彼からとある提案を受けるまでは。
「は?」
今、何と仰いましたか?
日夏さんが聞き返したことで、搭宮君はバツが悪そうに暫く辺りに目を泳がさせた後、
再度、日夏さんを見て口を開いた。
「だから、真面目なお付き合いのふりを止めたいと言ったんだ」
いや、それは分かってる。
「うん、そりゃ分かる。私、石橋大学行くつもりだし。搭宮君、KO大だから丁度いい機
会だしね」
日夏さんがそう言うと、搭宮君は少し眉根を寄せた。
「俺も石橋大の法学部、受けた」
「はい?」
「だから、そういう話」
「いや、だから、って分かんないんだけど。私が尋ねたいのは搭宮君が喋ってた後半の
方」
「だから、進学したら真面目なお付き合いをしてくれないかと言った」
「誰が?」
「俺が」
「誰と?」
「日夏と」
所謂、5Wのみの言葉の応酬である。超エリート校文系クラスの同窓生が交わす会話に
しては、かなりおかしい。
日夏さんはてっきり搭宮君はKO大学法学部に行くものだと思っていたし、小市民でこ
つこつと勉強している彼にはそれだけの学力があった。それは言い換えれば、石橋大学法
学部をすらーっと通過できるとも言える。
しかし。しかし、だ。自分は確か石橋大学が第一志望だとたっくんに言ってなかったよ
うに記憶している。
どこから仕入れたんだその情報。
「私らが両方進学できたら? 何のために?」
「真面目なお付き合いをしたいから」
「誰と?」
「日夏と」
「誰が?」
「俺が」
会話は堂々巡りを呈していた。
>>494 誘い受けだなんだといちゃもんつけてくる人はスルーするがよろし
相手するとかまってもらえたことが嬉しくてまた来るんだから
続きをwktkして待ってるぞノシ
498 :
494:2006/07/21(金) 23:11:19 ID:3a35NVhu
いや、意見を聞きたかっただけなんだけどね、
いちゃもんに一時であれ腹が立ったのは事実。
続きは書くけど、今度はいちゃもんはスルーするようにする。
つか、いちゃもんつけられると書く気が失せるという事が
自分で書いて如実に分かった。
>>498 つかみはOK!これからの二人の展開が楽しみだ。
wktkして待ってるよ。
冷静にスルーする書き手さんたちは、今までもそうだけど尊敬に値するよ。
耐性を付けて、ガンガッテ!応援してる。
>>494 言い訳代わりに急いで書いたのが丸わかりだけどなw
たった2レスで何が証明だよ
なんで最近投下される度アンチが沸くかなぁ?
夏だからヤブ蚊みたいなもんですかね
ベープでも炊きますか
職人さんが戻ってきてくれるのは嬉しいことですね。
気にせず続きをがんばってください!
もうすぐ次スレだし、気分も一新して楽しくまた〜りいきましょう〜
wktkして続きをお待ちしています
5W1Hの会話、いかにもあの二人らしくて上手いなぁ。
最終ページのあの絵が浮かんで来たよ
2ちゃんで職人するには、荒らし耐性がないと駄目だからなぁ
「いちゃもんつけられると書く気が失せる」というのは本音なんだろうけど、
こんなこと書いたら、荒らしを喜ばせ、勢いづけるだけだよ
>>505 んだんだ。以前、メイプルを途中で放り出した彼女を思い出すワシ…。
>>44です。
486:純性異性交遊職人様、続き期待しております!!
考え方は今も変わっていません。
>SSは書いていて楽しいし、川原作品はなんとなくイメージが膨らむんです。
>下手糞なりに書いて投下して、例え一人でも読んで貰えるなら嬉しいですし、
>喜んでもらえるなら木に登ってしまいます。
SSは読んでいただけてなんぼですし、ほかの方々の作品も励みになります。
486:純性異性交遊様の作品で次スレくらいでしょうか。
懲りずに今後も投下させていただきますのでよろしくお願いします!
ま、2ちゃんに投下するのなら何言われても耐えにゃならん。
それが出来んのなら、投下せず自分のブログででもやっとくべき。
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。..||
|| ○重複スレには誘導リンクを貼って放置。ウザイと思ったらそのまま放置。||
|| ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。 .||
|| ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。 .||
|| ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。 .||
|| 荒らしにエサを与えないで下さい。 Λ_Λ シャキーン ..||
|| ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて \<Ф♯Ф> 頭のおかしい人は相手しない。
|| ゴミが溜まったら削除が一番です。 \⊂⊂ | これキホン。 .||
||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧____ | ̄ ̄ ̄ ̄|_______||
( ∧ ∧__ ( ∧ ∧__( ∧ ∧  ̄ ̄ ̄ ̄
〜(_( ∧ ∧_ ( ∧ ∧_ ( ∧ ∧ は〜い、先生。
〜(_( ,,)〜(_( ,,)〜(_( ,,)
〜(___ノ 〜(___ノ 〜(___ノ
>>494 (`・ω・´)ノ ほーもびと〜こぞーりーて〜
『真面目な人には裏がある』の二人らしくて笑ったがな
イケメン兄ちゃんたちは出てくるんかな?
wktkで待ってるがな!
以前控え室にあったコピペからの一部引用ですね
>ま、2ちゃんに投下するのなら何言われても耐えにゃならん。
>それが出来んのなら、投下せず自分のブログででもやっとくべき。
執拗に文法や細かい事をつついてくる嵐氏さんは自称『書き手』か元『書き手』に
多いそうな…
ご自分の体験をご自分で他人に再現しているらしいですが、淋しいことですね。
>509レスは今後も文句をつけるぞという脅しにも見えますが、
ちゃんと読んでくれる人がいるのなら ノープレブレムでしょう。
嵐氏の方にしたって、そのSSを読まなきゃ文句もつけられないのですし、
職人の方々は気にしないでいいのではないでしょうか?
SSは読んでもらってなんぼ。
批評は次の肥やしにすればいいのですし、ただの因縁としか見えないなら哀れに思ってスルー。
それくらいは分かっていると思います。
投下する職人さんたちは。
凹んでも書く気が失せても、立ち直ることはいくらでもできるから エロパロ板はなくならないのでは
ないでしょうか。
長文ですが私的見解を述べさせていただきました。
その理屈で言うと、立ち治れず作品も書き上げられず投下もできないヘタレが嵐かw
納得いくな
今後沸いたらそう認定で生暖かくニヤニヤしながらスルーすればいーw
嵐にそれでも続ける勇気と根気があるなら職人復帰できるはずだしなw
ヘタレだから匿名でこきおらししかできんのだろ
哀れみさえ感じるが度が過ぎればウザいだけだ
自覚もないんだろ?w
正にクズ。
放置してやろうぜ
>>513 ちょっと過激発言で余計刺激かも知れないので言葉は選びましょうw
でも実際ブレーメン職人さんだって連載中「長い」とか言われてたし
ブレーメン職人さんも家臣×細君職人さんも投下中に割り込みレス入れられたり
してたけど、きちんと完結させたのは賞賛すべきだと思います。
割り込みレスは”支援”とか書かれていても実際は投下中割り込みレス入れるのは
マナーがよくないことです。
支援を装った嫌がらせにも見えちゃいますが、まったくめげずに最後まで完走したのは
読み手が思うより強い精神力を持ってるからとも考えます。
結果が出せない人に、他人をとやかく言う権利はありません。
なんて自分も過激でしたが
結論としては職人さんを応援し続けますのでがんばって欲しい、という事です
>>514はちなみにMIXIのSS職人コミュから来ているものです。
多分>>512->513も同じ。
職人さん経由で知ったスレですが、自分たちはこのスレを見守っています
嵐君、君の発言も面白おかしく見て笑わせてもらってるよw
コミュじゃ控え室とは別なチャットも掲示板もあるからね
連投失礼。
>>509 じゃ、あんたは何言われても耐えて投下してるわけか?
どのスレのどの作品かぜひとも教えて欲しいもんだなw
みんなで見に行って評価してやるよ
それともやはりただのヘタレか?w
>>516 何か言われてる時点でそこまでの作品しか投下できてないって事だろw
だからしつこく書いてるんだ
荒らしに追い掛けられてるからとか、言い訳で逃げるか黙るだろ
卑屈な奴を相手にすんなw
>>518 誤爆じゃないし。悪いけどあんたよりよく知ってるわ、俺
>SS書きの控え室
前からそこは知ってるし。
MIXコミュ参加者、ここ出身多いしI
>SS書きの修行場
過疎ってるしw
>>509= >518じゃね?
書き手はそこに逝け、そこにSS投下しろといってるんじゃねーの?
自治気取った追い出しかよ
>>518 SS書いててSS書きの控え室見たことない奴なんかいるのか?
>>518 ここはあんたのスレじゃないだろ。
それだけ誘導するからには書き手なんだろうが、どの作品だ?
それとも自称〜の口か?
スレ私物化する住人がいて、嵐が沸いて過剰反応
今に至る
今リアルタイムでこのスレ見られてるって分かってレスしてるのか?
一応代表で意見書いてるんだが
ま、いいや。
毎週土曜にはIRCで #SSを語る談話室 ってのをやってるから
直接文句言いに来れば?
川原泉コミュもいくつか参加してるぞ
じゃーな
(´-ω-`)=3 スルーできない困ったちゃんは嵐がな
(´・ω・`)ノシ======●)`ω・) 半年ROMるがよろしいがな
(´;ω;`) ……わしもROMるがな
顔文字やAAの多用はやめとけ
住人の精神年齢低く見える
覚えたてで使いたいならAA板逝け
石橋大学の入試には確実に手応えは感じた。
……頑張って受験勉強するんじゃなかった。
ちょっとだけ日夏さんはそう思ってしまった。
『俺と日夏が、二人とも石橋大学に方核していたら考えて欲しい』
――そんなこと言われてもねえ……
高校内のタラシはたっくん一人ではない。いつの間にか、搭宮君と日夏さんが(表向き
には)真面目なお付き合いをしているという話は別の面々から伝わり、今や3年F組では
公認の仲だ。
今更、草壁さんにも相談できやしない。
兄貴がバジリスクだったら、弟はコカトリスだった。
なんつーオチだ。
そして日付は、卒業式当日に戻る。
最後のSHRが終わった後、女子トイレに映った己の姿を見て、日夏さんはネクタイの
形を少しだけ正して教室に戻った。
担任の先生がいなくなった教室には、生憎と伝説の樹やら伝説の教会なんてものもない
この高校の名残を惜しむ級友達の交換サイン会と化していた。
どこから取り出したのやらさっき担任から渡された卒業アルバムに各々蛍光ペンやボー
ルペンで裏表紙に色々と書き込んでいる。
日夏さんのアルバムは――トイレに行き間際に渡した草壁さんが持っていた。
自分が不在のうちに草壁さんの他にも数人が書き込んでいてくれたらしい。人間関係を
円滑に進めてきた日夏さんだけあって、概ね好意的なそれなりのメッセージが頂けている。
「日夏さんは石橋大だっけ?」
「うん、そう。まだ合否は出てないけどね」
草壁さんは自分では読む専門だと言っていたが、そこは彰英高校文芸部。小論文の腕で
某有名私立大学文学部に推薦入学が秋には決まっている。
「大学は違うけれど連絡は頂戴ね。そういや搭宮君の方は?」
草壁さんにそう言われて、冬服に衣替えした後の席替えで遠くなった搭宮君に日夏さん
が目を向けると、彼は彼で級友たちと色々と書いている。
“軟派の搭宮”・“たらしのたっくん”も一小市民らしく丸くなったもんだ。クラスの
面々がそれを日夏さんのお陰だと思っていることを除けば。
「KO大に行くんじゃないの?」
少しだけ唇の端を引き攣らせた日夏さんの発言に、草壁さんは暫し目を瞬かせてから曖
昧に笑った。
いや寧ろ、行ってくれ。石橋大よ、あのコカトリスを落としてくれ。
日夏さんは心の中でそう呟いた。
「今週末なんて家族揃って、卒業記念の御会食だよ……やでやで」
「それはそれは御馳走様」
そりゃ確かに草壁さん的には萌えシチュかもしれないが。
こうなるなら、後期日程もセンター配点ではなく入学試験があるところを受けりゃよか
った。
「御馳走っつーか御愁傷の方。なんかこー前期日程が終わってから色々起こって面倒臭い
…」
日夏さんは肩をおろして溜め息ついた。
「…まあまあ、どうせ稼ぎ頭のお兄さん達が奢ってくれるんでしょ? 高価いの食べとく
いい機会なんだし」
私だったら、一回で二度面白い――もとい、美味しいそんなチャンス逃さないわねと草
壁さんは応えた。
ああそうさ。他人事の兄二人とたっくんだけの話なら、すごく面白いのに。
傍観者として。
>>514 おいおい、支援を嫌がらせって……
どこから来ててもいいが、エロパロ板に書きこむなら、
板の常識ぐらい知っててほしいな。
>>527-528 悪い、読み込みが途中までで気づかなかった。
連載途中でなかなかレスはつけづらいが、
頑張れ。
>>529 今まさにSS投下中って時に割り込みレス入れるのは支援でも荒氏でもマナー悪いだろ
普通に考えればわかりそうなもんだが
>>514が一般常識
せめて続くと職人さんが書くか、投下が終わってから支援レスが常識
保管する時だって邪魔だろ>割り込みレス
よそのスレや控え室で聞いてみろや
どっちが常識知らずなんだかな〜ここの住人は
両職人氏もよく我慢してたと思うぞ
>>531 ん?連続で投下しているとホスト規制がかかるから、
それを解除する為の支援でしょ?
>>532 私もそう思って支援とかしてたのだがマナー違反だったのか
知らなかったよ・・・orz
>>533 ちゃんとマナーにのっとった行動だ。
531の感覚が変なだけだ。
騙されちゃダメだ。
>>531 すみません、別に我慢もしてなかったし、マナー悪いとも思いませんでしたが…
読んでもらえただけでありがたいんですとご理解いただけませんか?
投下中は文字制限や改行の整形で必死なので投下後気がつくくらいですので、
逆に何の返事もしない形でこちらが失礼かなと迷ってたんですが…
SS投下後の気持ちは
>>282を読み返していただけたら、と望みます。
それよりも 先日も書きましたが、もう終わった連載は終わったものとして
扱っていただきたい、という気持ちのほうが強いです。
現在も新作投下中で楽しみにしてますし、もうすぐPC復旧も終わるし、
過去を振り返るより今後を考えたいのですが…
連載中なら改める事もできますが、終わった連載を今更無かった事にはできません。
終わったSSは終わったものとして、今の連載や新作をワクテカして待ちませんか?
>>532 ああ〜!!そうだったんですか!
支援ありがとうございました!!
今更遅いですがお礼を言わせていただきます(遅いって
>>531 神経ナイロンザイルかよw
心配してやる価値もなかったな
勝手に慣れあってろ!
アホくさい
>>535 の書き方が変でしたので修正です。
>現在も新作投下中
違う職人様の新しい作品が投下されている途中でワクテカ
という意味です。
楽しみにしていますね!
>>532 SS投下くらいで規制にかかるのはよほど他所でも書き込みまくってる奴だけだろ
アホか
うんうん、私も新作楽しみにしてる。
今までの職人さんのお話も、楽しみに読み返してるけどさw
みんな、かてーことゆーなよ。
せっかくのSS投下なんだから、もっと大人らしく和やかに。
>>528 おお!お兄様たちが登場される予感wそれもまた一興ですな。
真面目になったたっくんと日夏さんの組み合わせは、草壁さんじゃなくても、
自分的にはかなりの萌えシチュですぞ。
たっくん、日夏さんを押して押してまくれ〜!
押し倒してしまえ〜!!wktkwktk!
>>542 訂正
×押して押してまくれ〜!
〇押して押して押しまくれ〜!
す、すまん。萌え興奮しすぎて、間違えた……orz
とにかく、続き期待して待ってます。
544 :
486:2006/07/23(日) 00:58:54 ID:3YUc1QGB
Wordで校正にひっかかったのに直し忘れてた(′∀`)ボ
<<527
方核→合格
>>540 きみは2ちゃんねるのプロかもしれないが、ここにも素人はたくさんいる。
むろん書き込み歴が長くても素人、ってのも多い。
つまりそういうことだ。
釣られてみますた
>>545 まあ、なんだ、落ち着け。と書く私は
>>532だったりして。
折角みんながスルーしてるんだ、ちっとだけ我慢してくれ。
夏休みは厨が多くなるのだな、気にすんな。もぎゅもぎゅ。
英国が輸出できるものはビートルズとテーブルマナーの二つだけ。そんなジョークを以
前どこかで聞いた。
そんなことはこの際どうでもいい。
・ナプキンは折り目を手前にして膝に置きましょう。
・パンは左側のものから取ります
・フォークを右手に持ち替えて使ってはいけません(仏国式では右に持ち替えても構
いません)。
・スープは英国式ならば、手前から奥にすくいます。仏国式は奥から手前にすくいます。
「うがぁあぁ」
どっちじゃぁぁ〜
呻いて日夏さんは寝そべりながら読んでいた『簡単テーブルマナー』と書かれた小冊子
を床に放り投げた。
――合格してしまった。晶さんも。
たっくんも。
何の因果か一緒に合格発表を見に行く羽目になってしまった。ま、同じ大学を受けたの
だから当然と云えば当然だが、試験を受けに行く時はわざと別行動をとられたのにはムカ
つく。
だから発表板を見て自分の番号を見つけた瞬間、喜びのジャンプがキックという形で搭
宮君の足に偶々当たってしまったことを、日夏さんは謝罪しなかった。それどころか、搭
宮君が自分も合格してそれ見たことかと鼻先で笑った時、己が合格の喜びの余りの振りで
ガッツポーズをして腕をあげ、殴っておけばよかったとさえも思っている。
日夏さんは部屋のクローゼットから出して皺を伸ばしているチョコレート色のストラッ
プドレスを見た。親戚の結婚式の為に買ったもので今まで一回しか着なかったものを、ま
た身に着ける日がこうも早く到来するとは考えてもいなかった。
たっくんはあの提案以来、その事に関して晶さんとの会話で触れていない。いつも通り
の付き合っているふりだ。表向きはそうなっているのだから、一緒の大学に合格発表を見
に行っても、搭宮家の方々にはおかしいことでもない。
やっぱり駆け引きなんだろうな。そう思う。慣れているのだと晶さんには思わされる。
とゆーか、なんで自分がたっくんのことで悩まにゃならんのだ。
合格発表は一昨日。明日はお昼に仲良く会食。来週には入学手続きをしなければならな
い。
「あ゛ーー」
取り敢えず、明日は――
晶さんはぼんやりと天井を眺めた後、目を閉じた。
明日は、ナイフとフォークを外側から使おう。
日夏家の三人、搭宮家の三人、それぞれの家の長男二人。計八人は横浜の某一流ホテル
に現地集合という約束だった。
晶さんは道中、かなりの事情を省略して便宜上、搭宮家の御次男とお付き合いしている
ことになっている旨を両親に伝えた。いきなり、向こうからそれを知らされて、また耳に
瞬膜を張られては困る。息子が嫁に行った上に、娘まで彼氏持ちという現状に日夏さんち
の父君のショックは慮るに哀しいものもあるが、母君の方では、まーくんの弟だから顔も
いいんでしょそのまま付き合っちゃえば、と冗談のつもりで冗談になっていない発言まで
飛び出した。
到着したロビーで、日夏家の三人を出迎えたのは会食を言い出した長男二人。
受験の所為で中々会えなかった兄に近寄って行った晶さんを、まーくんと葵兄ちゃんが
立ち上がって迎えた。フォーマルなスーツを着崩した雅斗さんはもちろん、葵さんもネク
タイこそしてあれ春らしいシャツとジャケットの配色がなかなか決まっている。
晶さんを中心点とした場合、両手に花のように見えるが、ちらちらとこちらを御覧にな
ってらっしゃる奥様方お嬢様方、実情は違うんですこれは。
そんな視線も意に介さず――というあたりのまーくんはさすがだ――、晶さんの肩を軽
く叩いて、いいドレスで可愛いねと葵さんに笑ってみせた。
葵兄ちゃんも三つ編みをふんわりとおろした晶さんににっこりと微笑んだ時、ぶぉんと
小さく自動ドアが開く音がした。
搭宮家ご一行だ。
重厚な御家柄に相応しく、たっくんの歳でさえもディレクターズ・スーツという高いシ
ロモノをお召しで、そんなスーツにも負けない雰囲気は由緒ある金持ちな家なのだと一目
で分かる。
日夏さんちの両親に挨拶をした後、たっくんが晶さん達の方に近づいてきた。
しかし、目はどうしてか三白眼だ。
ん? なんで?
じわじわとその時が近付いてますな〜。
盛り上がって参りました。さあ、行け!たっくん、押し倒せ!
いやいや、冷静になれっ!ここは人目が……
たっくん、場所移動だ!日夏さんを連れて上の階へ!
す、すみませんorz
勝手に脳内妄想してしまいました。wktkで続き待ってますよ〜。
楽しませて頂いてます。
続きも楽しみだー。
いいとこで終わってますね〜。
冒頭のマナーのにキれる当たりが
かーら節っぽくっておもしろかったです。
>>549 自分は一部を除いてレナードは未読なんだが
「息子が嫁に行った」の一文で俄然読みたくなってしまった。
>>549 ここまでの書き方でわかったんだが
純性異性交遊職人=大天使スワップ書きかけ職人だろ
投下して続きなら続くと書くのも読み手に対する気配り
たった2レスで何もないってのはまだ投下があるのかと混乱を招く
続くなら続くと書け
>>550 …バカ?
勝手に一人で妄想して盛り上がってろ
過剰反応しすぎなんだよ
わざとらしい
まあ、いいじゃねーか。かてーことゆーなよ。
>>1にもあるじゃねーか。
妄想を語るもヨシ、キャラにハァハァするもヨシ、小説をうpするもヨシ、
エロな方向から川原泉作品を愛でましょう。
「書きこむ前に。。。おやくそく。」にも書いてあるだろ?
【ロビーのお約束】 削除の要件(禁止されること)
荒らし依頼・ブラクラの張付け等第3者に迷惑がかかる行為
アダルト広告・勧誘・悪質な掲示板宣伝などのアドレス等張りつけ
煽り・煽りに対する返答・叩き・誹謗中傷等(差別発言等含む)
コピペ・アスキーアート等必要以上の張り付け
または第3者に迷惑が掛かる行為や発言であった場合は削除対象にします
第三者が不快に思うような発言は注意すべし。
続くと書いて欲しければ、その旨を職人さんに教えてあげればいい。
推測で人を決め付けて判断するのはイクナイ!
そんなこと言ってると、頭のおかしな人の判定基準に合致しちゃうぞ。
自分も夏の暑さにやられたぜ……賢くなるまで放置してください。
では、以降放置でお願いします。スルーできるものこそ勝利する。
夏本番ですから、みなさんも書きこむ前にを良く読んでね!てへっw
出たよ自治厨
お前>532 >542 >545だろ十分お前もおかしいから安心汁
過剰なのは俺も感じた
自画自賛を疑う程にな
そういう意味では俺を不愉快にする発言だろ
お約束とやらを自分自身にあてはめてレスつけろやw
>549乙です!
ふいんき(ry)があってwktkしながら読ませていただきました
続きはまだかー
続きが気になるからこそ、
「今日はここまで」があったらなあと
思ってしまうんですよね。
どうかめげずに頑張って頂きたい。
楽しみにしてます。
スワップもそうだったが中途で投げ出す位なら最初から誘い受けも投下もするな
大体2レスってなんだよ
ちゃんとラストまでプロット立てて書いてるのか?
大長編でも書くつもりなら、最初から前置きしろ
今回はここまでともないし、前回からのアンカーも無い
いくら職人が過疎してるスレでももっと読み手に優しい投下をしたらどうだ
中 途 で 投 げ 出 す 職 人 らしいといえばらしいけどな
> いちゃもんに一時であれ腹が立ったのは事実。
> 続きは書くけど、今度はいちゃもんはスルーするようにする。
>
> つか、いちゃもんつけられると書く気が失せるという事が
> 自分で書いて如実に分かった。
普通自己語りは嫌がられるが、愚痴までたれる職人も珍しいw
他人のせいにして投げ出すのは楽でいいよな
(゚∀゚)アヒャヒャ
561 :
486:2006/07/25(火) 05:14:26 ID:s1zedLx6
んじゃ、続くのには、最後の文の後に
⇒
っていれますね
562 :
486:2006/07/25(火) 05:16:12 ID:s1zedLx6
そう思っているうちに、肩に置かれていたまーくんの手が離れた。晶さんなんてすっか
り肩に手が触れていたことなんて忘れていた。
「あいつ、ほんとにからかい甲斐あるね」
こそっと早口にまーくんが晶さんに囁いた。
触媒が自分じゃなければ、の話だ。
はははと晶さんは乾いた笑いを返した
近づいてきたたっくんに晶さんは軽く会釈した。
「合格ならびに卒業おめでとさん、愚弟」
「――前の部分だけもらっとく」
僅かないらえの後の返答に、情れないなぁ、とまーくんボヤきながら弟の方を通り抜け
様に叩いて、搭宮家のご両親の元に向かっていった。そのまーくんの後を、葵兄ちゃんが
ほんとにおめでとうと言いながら早足に追う。
「え……えーと」
根が真面目なたっくんの機嫌が悪い。そんな時のたっくんは非っ常に扱いづらいことを
晶さんは知っている。きっと、実の兄のまーくんならもっと知っているハズ。
放置プレイかよ。
本日はお日柄も良く……というほど晴れてもなく、お足元の悪い中……といえるほど悪
天候でもない。どーにも表現し難い春の灰色の雲り空。
天気の話題が一番無難でないときもある。
「ま、――馬子にも衣装はやめてくれよたっくん、ありきたりだから」
「という事は、自分でも似合ってると?」
「うっ!」
冷ややかに返されたたっくんのツッコミに、晶さんは墓穴を掘ったことを知った。
確かにこの言い回しは、一応のところ、褒め言葉に引用される。
言わなきゃよかった…。
「日夏」
「何?」
晶さんの麻薬犬並に鋭い鼻腔の奥をくすぐった本日の香水は、ジャンヌアルテスの
CO2のオートパム。いわゆる男性用。
最近のたっくんときたら、女物の香水なんて香りやしない。そして、そこには女の影も
なければ、男の影もない。
「来週、入学手続きだけどさ」
ソウデスネ。
「おまえ、どうすんの?」
そりゃさ、たっくんのことは嫌いじゃないさ。
「…たっくん」
息の吸い方を忘れたように、晶さんは名前を呼んだ。
「何?」
今度はさっきの晶さんと同じように、たっくんは応えた。
「真面目にたっくんと付き合ったらどうなる?」
「――どうしようか?」
そう言われてたっくんは、晶さんの肩口で小さく笑った。
両家のご両親は上座に。取替えっこのように、搭宮家の前には葵兄ちゃんと晶さんが、
日夏家の前にはたっくんとまーくんが座る。
一応のところ、卒業祝いなので晶さんとたっくんは真ん中の席に並べて座らされて、そ
の端のところを両家のご長男が固めると思っていただければいい。
「それじゃ、拓斗君も大学は石橋大に?」
日夏さんちの母さんときたら、さっきの晶さんの話を聞いてからたっくんに興味津々だ。
「もともと第一志望でしたから」
嘘をつくな嘘を。人に黙って受験したくせに。
「もともとじゃなくて晶さんが行くから第一志望に変わったのよね」
と搭宮家の母。
ああ、その発言に邪気が無いというのも性質が悪い。父さんの視線が晶さんには
ビミョーに痛い。
唇を浸すぐらいだけのことを許された晶さんとたっくんの生まれ年の、つまり18年も
のの赤ワインに、オードブルの自家製テリーヌ、メインディッシュの横文字のなんとか風
味のウズラ肉、ワインにと出されたチーズに、デザートはシェフにお任せかア・ラ・カル
ト。
晶さんも歓談の傍ら、しっかり全部口に運んだわりには、食った気がしない。
しない気がするのは、間違いなくたっくんの隣という針の筵という状態のせいだ。なり
たくて主賓になっているわけじゃないのに。
食事が終わって、帰り間際、晶さんは葵兄ちゃんのジャケットの裾を掴んだ。
「ごめん、兄ちゃん。今日寄らせてもらっていい?」
晶さんの様子に少し怪訝な顔をしてから、葵兄ちゃんは頷いた。
「いいよ。雅斗さん、構わないよね?」
今日は自分が運転して来てるし。
「それじゃ、父さんと母さんにそう言ってくるよ」
まーくんが承諾の意を見せたのを確認した後、葵兄ちゃんは日夏家の両親の方に向かっ
ていった。
コカトリスは不機嫌そうで、バジリスクはなんだか愉しそうだ。
⇒
>>561 愚痴吐くばかりか逆切れ起こして行数で誤魔化しに出たか
素直に「続く」や「今回はここまで」と書くのがそんなに悔しいのか
なにが⇒だクリックしたら自動で次に行くのかよ
それに前回からのアンカーはどうしたんだよ
またも2レスだし('A`)
読者舐めてるな
この逆切れ書き手は
半年ROMした後滝にでも打たれて出直して来いや
にぃちゃん達楽しみにしてます!
早起きしたら続き来てた〜!乙です!また続きwktkして待ちますね
恥ずかしながらコカトリスについて今頃調べてみました。
コカトリスって香りや卵で攻撃するんですねー。
だから元たらしのたっくんも香りにこだわってるのかな?w
以下、知ってたらすみません>他の方々
読み=【コカトリス】スペル=【Cockatrice】
別名=【コカトライス、コカドリ−ユ、コッカドリール、コッカトリス、バジリコック、バジリスク、バジリスクス】
種別=【魔獣、怪物、合成獣】
使用する力=【石化視線】
『ウィザードリィ・』のコカトリス:石化 『超魔界村』のコッカトリス:卵(ミニウイング)
『ロマンシング・サガ』のコカトリス:石化、尻尾】 出身=【フランス】
名前の由来は、古スペイン語の「ココトリス(鰐)」。
英語の「クロコダイル」と語源は同じである。
「バジリスク」の変種とされる。または、雌雄関係にあるという。フランスを中心に棲息する。
容姿は様々な言い伝えがある。
鶏冠のある雄鶏の体にドラゴンの翼、蛇の尾を持つとか、胴体は鱗がびっしりとある蛇で、
頭は鶏冠がある鶏、羽と二本の鳥の脚を持つという。
この怪物に見られた者は石になるといい、吐く息は毒で、植物を枯れさせ、飛ぶ鳥も落ちるという。
「バジリスク」は雄鶏に弱いといわれるので、まるでその弱点を克服させたようなものが誕生したのだという。
この怪物は堆肥の上に産み落とされた雄鶏の卵から生まれるとか、雷の晩に雄鶏の卵が孵ると生まれるという。
また、鶏と蝦蟇の間に生まれたものであるといい、蛇の特徴が強いと「バジリスク」、
鶏の他の特徴が強いと「コカトリス」と呼ぶ。
『ウルガタ聖書』には、ヘブライ語で有毒の爬虫類の名を「コッカトリス」と訳している。
登場作品
ファンタジーの世界ではよく登場するので有名である。砂漠、廃虚などに単体で棲んでいる場合が多い。
あるいは少数の群れを作っている事もあるという。
『ウィザードリィ・』(パソコン)
ゲームではそれほどの強敵ではないが、石化能力が厄介な相手である。攻撃回数が多い。
『超魔界村』(スーパーファミコン)
巨大怪鳥。「暗黒の密林」のボス。伝説のように石化や毒の能力はない。
しかし、卵を吐き出し、自分の子供の「ミニウイング」を戦わせることができる。
外見は半人半鳥のようで、茶色い羽毛に緑のとさかを持つ。
首は伸縮自在で獲物を捕獲するのにもってこいである。ここでは「コッカトリス」と呼ばれる。
『妖精郷の騎士』
邪悪な魔術師の護衛兼使い魔として登場する。
『ロマンシング・サガ』(スーパーファミコン)
毒蛇や蜥蜴などの爬虫類を主食としている鶏(にわとり)が、巨大なモンスターとなった。
翼は毒素で紫色になり、薄青い、蜥蜴の尻尾を持つ。
首や前脚まで鱗が揃っており、並みの刃では歯が立たないが、翼の生え際や下腹にないのが唯一の弱点である。
麻痺性の毒を含んだ蛇を大量に食べていた為、くちばしには上級の石化の法力が備わっている。
一瞬にして標的を石にする他、尻尾を使って強烈なダメージを与える。
出典=【『アルカニア城の決闘』(ONE-ON-ONEシリーズ)
『ウィザードリィモンスター事典』 編著/石埜三千穂 JICC 『エピソード 魔法の歴史 黒魔術と白魔術』 G・ジェニングズ著 市場泰男訳 教養文庫
『幻獣辞典』 ホルヘ・ルイス・ボルヘス マルガリータ・ゲレロ 柳瀬尚紀訳 晶文社
『幻獣博物図鑑 ファンタジック・モンスターの系譜』 新人物往来社
『幻想世界の住人たち』 建部伸明と怪兵隊 新紀元社 『幻想動物事典』 草野 巧著 シブヤユウジ画 新紀元社
『幻想博物誌』 澁澤龍彦 河出文庫 『西洋魔物図鑑』 江口之隆 翔泳社
『超魔界村』 カプコン 『超魔界村 完全攻略本』 徳間書店 『モンスター・コレクション ファンタジーRPGの世界』 安田均/グループSNE 富士見文庫
『妖精郷の騎士』 デイ・キャンプ&プラット 『ロマンシング・サガ』 スクウェア 『ロマンシング・サガ大事典』 NTT出版】
へえ、名詞としては知ってたけど、
これまで触れる機会も案外無かったんで細かいことは知らんかった。
自分には興味深かったのでありがとう。
漸くちゃんとカプ成立ってことかな?
まだ一筋縄では行かなそうだがw
続き楽しみに待ってますよ。
続きキテター!毎日のように読めて幸せです。
wktkで待ってますよ。
>>566 詳しい説明ありがd
聞いたことはあったけど、よく知らなかった。
バジリスクとコカトリスか〜。バジリスクの方がうわてな気がするが、
負けるなたっくん。日夏さんとの未来は明るいぞ!
569 :
486:2006/07/25(火) 18:14:49 ID:ArQEFb/w
すみません。今夜〜明日朝の投下は無理になりました( ̄Λ ̄)
それは残念!でも、自分のペースで頑張って下さい。
wktkして待ってますよ。
ところで、そろそろ次スレを立てた方がいいと思いますが、
立てちゃってもいいですかね?
それとも、もう少し後にします?
もうそろそろやばそうですね。
立ててもいいんじゃないでしょうか?
誰もいないと思っていたら、お返事があったので立てますね。
大人のスレなのになんですが、今度はテンプレ1にお約束を入れたいと思います。
こんな感じでどうでしょう?
【お約束】
基本はsage進行でマターリと行きましょう。
作風など自分の趣味嗜好に合わないSSに対しては、文句を言わずにスルーしましょう。
評価や指摘をするのなら建設的にいきましょう。嗜好の押し付けはいけません。
煽り煽られは荒れのもと。こいつはヤバイと思ったらレスはやめてスルーしましょう。
何か他にも入れた方がいいですかね?
追加と一部手直ししてみた。
【スレ住人のお約束】
・基本はsage進行で。マターリと行きましょう。
・自分の趣味嗜好に合わないSSは、文句を言わずにスルーしましょう。
・煽り煽られは荒れのもと。ヤバイと思ったらレスはやめてスルーを。
【投下する職人さんにお願い】
・陵辱モノ、百合モノ、801風味なモノなど読者を選ぶ作品の時は、
投下の前に注意書きを書いてください。
1にすぐに注意事項というのもどうかと思うから、1は今のままで
最後の文章だけ↓これにしてはどう?
>お約束とお願いは
>>2、スレや保管庫などの案内は、
>>3にあります。
574 :
572:2006/07/25(火) 23:54:28 ID:kSGkdyi0
手直し乙です!簡潔でいいですね。これで行きましょう。
それじゃ、早速テンプレを手直しして、立ててきます。
まだこっちも少し残ってますよ。あと7KBくらい。
全然関係ない話ですみませんが、今このスレを読み直していて気付いたんですけど、
名無しさん@ピンキーの@が大きいのと小さいのがあるのはなぜでしょう?
例えば
>>531〜540,554,556,559,564,566が@が小さくて他は大きい。
単に家のPCが変なのかな?他の方はどう見えてますか?
何か違いはあるのでしょうか?どなたか教えてください。
>>576 もしや手打ちしている人が居るのでは…。
空欄にしたらデフォで名無しさん@ピンキーってなるのを知らない人が。
すみません。532〜534は除きます。
早速ありがとうございます。それって結構大変ですよね。
やっぱり小さく見えますか?
>>579 うん、小さく見える。
531 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/22(土) 19:05:35 ID:O2kNbehS
577 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/26(水) 01:11:36 ID:deWjFTdo
多分手打ちだなw
それ本当ですか?ちょっとやってみよう!
さんが抜けてたorz 今度こそ!
>>581 >>582 どちらも手打ちですが……ならないので、他の理由がありそうですw
すみません。遊んでしまいましたorz
↑@を半角で打っているってことですよー。
↑@を半角で打っているってことですよー。こんな風に。
なんてーこった!それは盲点だった……
馬鹿な実験に付き合ってくださって、ありがとうです。
前の人のレスからコピペしてた自分は一体…
テスト
あああああ本当だ!
無記名で良かったのかorz
お騒がせしました
>>587 えええぇ〜!!もしや、今まで名前欄いれてたんですか?
あ、589に書いてあったorz
長々と、自分で振ったスレと関係ない話題ですみません。
もう、やめときますね。
>>590 はい…
PC壊れて初期化したので、目に付いたレスの名前欄をコピペして今まで…
1回投下すれば記憶してくれるので気づかず今まで…
なんって馬鹿だ〜〜<自分;;
お騒がせいたしました
>>592 ほんとだ…コピペすると無記名と比べて下線が若干長くなってますね
手抜きせず手打ちか無記名で良かったのですね
ひとつ賢くなりました
いやもう…返す言葉もありません。
よりによってコピペした方がorz
死んで詫びれは゛?w
しかし疑問を持ってくれたお陰で、最近沸いている奴の特徴がわかったねw
天然なのか、天然のフリして追い詰めているのか分からなかったんだ。
私も最初は知らずに一生懸命打ち込んでいたし、ドンマイw
阿保か
こっちはわざと使い分けしてるんだよw
>596みたいな馬鹿が必ず引っ掛かるからなw
あまりに気がつくかねーから続けて笑わせてもらったぜwww
バレたからには潜伏スッケドナ
オマイらにわかるかな?w
早起きは三文の徳――by俊介
厨坊に自治厨認定された私が通りますよw
ふむふむ。これはなかなか興味深いですね。レスを読んでいて大体一人でID変えて
自作自演だと思っていたら、やっぱりそうだった。
既に見切った。文章に癖がある。それを直さない限り直ぐにわかるさ。
みなさんもこのレスを見て、よく復習をしておいてくださいね。
次スレも潜伏するようだし、スルーが基本!自治厨の自分も放置でお願いします。
夏の暑さにやられてましたが、少し賢くなった気がします。
RPGで言うなら――レベルが1上がった。賢さが3ポイント上がった――こんな感じでw
集約すると以下が原則ですね。
(´-ω-`)=3 スルーできない困ったちゃんは嵐がな
(´・ω・`)ノシ======●)`ω・) 半年ROMるがよろしいがな
(´;ω;`) ……わしもROMるがな
そう言う意味では自分もウザイ奴なのは自覚済み!
平和なうちはROMってますからw
保管庫の中の人さん、いつもありがとうございます。
次スレもよろしくお願いしますね。
要は
自分で話が書けない
投下に文句しかつけられない
そんな嵐が阿呆だと。
妬み嫉みはおそろしや
まあ、そんなところでしょうな。
一度でもSS書いたことのある奴なら、大変さもわかるので職人さんを
悪く批判してモチベーションを下げるようなことはしないだろう。
書いたことがないから、何にでもいちゃもんを付ける。
513〜517、519〜524のレスも一見職人さんを擁護しているようで、
実際はスルーしている住人を煽ってスレを荒れさせようと自演している。
大体すぐに切れる荒しがあれだけ煽られているのに出てこない不自然さ、
更には誘導されて大人しくなるどころか切れまくる。
こういうのにはスルーが一番!住人一人ぐらいが何か言って後はスルー。
傾向はバッチリ!対策は荒しにアンカーレスは絶対付けないこと!
川原泉にエロパロスレができるとは…
つーか、もう次は6スレ目だしw
新人さん、いらっしゃい!
お約束を守ってマターリと楽しんで頂ければ、大歓迎さ。
次スレで職人さんの投下をお待ちしましょう!
ID変わってるかもしれませんが
>565と>587-589 >592-593の名前コピペしてた「ばか」です…
>565は荒らすつもりで書いたのではないので、ご気分害してたら
すいません すいません (コカトリスの説明)
自分が興味があったし、早速険悪そうなレスがついてたので、
話題を変えたかっただけなんです。
他意はありませんので ご理解くださると助かります。
職人様続きwktkでお待ちしています。
無実の>565さんを指してしまった…orz
>566でした
夏だから2ch初心者さんも多いんだろうな〜。
変なトラップとかに引っかからないように、しっかりROMった方がいい。
だからと言って、ROMって得た情報が本物とは限らないこともある。
嘘を嘘と見抜ける目が養われるまでは、変な事には手を出さない方が安全だ。
そして、いつかは立派なSS職人さんになってくれ!沢山の良作を読ませてくれ〜!