かーいい幽霊、妖怪、オカルト娘でハァハァ【その10】

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1あなたのうしろにょぅι゛ょの霊が・・・
ここは幽霊、妖怪、妖精、魔女っ子からはては異次元人まで
オカルティックな存在の幼女、少女、娘、女性にハァハァするスレッドです。
エロ&萌え〜なSS、画像を随時募集中!
創作も収集もおかまいなし!

かーいい幽霊、妖怪、オカルト娘でハァハァ【その9】
http://sakura03.bbspink.com/eroparo/kako/1067/10672/1067243766.html
2名無しさん@ピンキー:2005/05/15(日) 22:08:33 ID:us5BdCv/
関連サイト
過去ログ&SS保管庫
http://tsukinowa.s1.x-beat.com/occult/
3名無しさん@ピンキー:2005/05/15(日) 22:10:12 ID:us5BdCv/
関連スレ

【妖怪】人間以外の女の子とのお話12【幽霊】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1112711664/
【獣人】亜人の少年少女の絡み2【獣化】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1098261474/
【亜人】人外の者達の絡み【異形】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1098260654/
4名無しさん@ピンキー:2005/05/15(日) 22:43:47 ID:/N2zKTl5

前スレ落ちたからどうなるかと思ったけど、立ててくれて良かった。
5名無しさん@ピンキー:2005/05/16(月) 00:30:17 ID:ED2CnDpY
>>1
6名無しさん@ピンキー:2005/05/16(月) 10:32:44 ID:Dr/eDAhH
憑依乙
7名無しさん@ピンキー:2005/05/16(月) 22:55:49 ID:Wgc7MwGg
スレ建て乙
8名無しさん@ピンキー:2005/05/16(月) 23:04:20 ID:9jZktf0i
1乙!!
このスレだけは落としてはならんので保守あげ
9名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 08:10:46 ID:Bd00MFvU
ちょっと上げときますね
10名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 21:04:25 ID:ytm7bYWR
即死基準ってどうだっけ。
けっこうヤバイ気がする。
11名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 21:59:30 ID:pGth3bG5
30以内だ急げ!!
ホント、このスレは地獄だぜファーハハハハハハハハハ
12名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 22:01:23 ID:ytm7bYWR
何日以内?あと20分でまる二日だ。
13名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 22:33:17 ID:ytm7bYWR
これは、私が小学生の頃の話です。学校からの帰り道、真っ黒な髪を腰まで
のばした女の子が、公衆電話の前に立っていました。その子が振り向いて
話かけて来た時に、その目が白く濁っていた事から、私は彼女が盲目である事
を知ったのです。その子は透き通った声で言いました「美加ちゃん、お葬式の
最中に悪いんだけど、私の代わりに電話をかけてくれる?」わたしは(何か
誤解されてるな)と思い乍らも、そこは突っ込まずに、それよりも彼女が何故
まよう事なく私の名前を言い当てたのか、知りたいと思いました。「どこか
で、会ったかしら?」すると彼女はクスクスと可笑しそうに笑い、本を
読むように饒舌に語り始めたのです。「クラスが違うから、知らなくても
無理はないけど、アナタの同級生よ。貴方は一組で私は六組。廊下の端
と端ですものね。でも私は、ずっと前からアナタを知っていた・・・。
目の悪い人間ほど、声には敏感なものよ。アナタはとても綺麗な声で、クラス
の人望も厚くて、よく皆の話題になってた・・・。だってアナタは優等生の
見本のような人ですものね。きっと私の頼みを聞いてくれると思ったの。
エゴイスティックな他の人たちとは大違い・・・・・・」
なにかが狂ってるような気がしました。それでも私は、その少女の
いう通りに、ダイヤルを回し(当時はまだダイヤル式の公衆電話でした)、
少女のいう通りに、受話器を渡したのです。
女の子は、電話の向こうの誰かと声を潜めて話しては、時々こちらを見て、
にっこりと笑いました。その電話が終り、少女が去った直後でした。私が、
気も狂いそうなほど恐ろしいものに取り憑かれていたことに気づいたのは。しかし
すでに遅く、ここで理由を詳しく説明する事はできません。ただ。
さいごに忠告します。この文章の意味を理解した者だけが、とりつかれる。そ
れが、この少女の呪いの
ルールなのですから。
14名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 22:38:28 ID:pGth3bG5
荒しだろうがなんだろうが書き込め!
ここだけは落とすな
15名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 23:20:58 ID:9WkyN1+o
即死回避。
16名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 23:21:41 ID:9WkyN1+o
即死回避
17名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 23:23:50 ID:9WkyN1+o
かいひー

ぶっちゃけこのスレ、纏めサイト読んでるだけなんだよな。
18名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 23:26:21 ID:9WkyN1+o
即死回避。
19名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 23:27:23 ID:9WkyN1+o
とりあえず30まで書き込んどくか。
20名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 23:28:52 ID:9WkyN1+o
しかし、30てだるいな。
21名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 23:30:51 ID:9WkyN1+o
まぁ、あと9レスだし。
22名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 23:32:51 ID:9WkyN1+o
あと8レスか。
23名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 23:35:45 ID:9WkyN1+o
あと7レス。
24名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 23:36:35 ID:9WkyN1+o
ところで、かわいいをかーいいと表記したのはアイナブリッジ大佐が最初だったんだろうか。
25名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 23:38:45 ID:9WkyN1+o
スレとは全く関係無いが、エロパロ板て時々凄いスレあるよな。
26名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 23:40:08 ID:9WkyN1+o
まぁ、そういうスレがあるってのは需要もあるって事なんだろうが…
27名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 23:42:19 ID:9WkyN1+o
人間の想像力って凄いなぁ…とつくづく思う。
28名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 23:45:10 ID:9WkyN1+o
…って言うか凄いのはヲタの妄想か?まぁ良いや。
29名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 23:45:48 ID:9WkyN1+o
これで20番台は終わりか。
30名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 23:46:58 ID:9WkyN1+o
あぁ、そうだ。実はお前らに耳よりな話があってな…
31名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 23:48:35 ID:9WkyN1+o
あ、30超えたから俺帰るわ。お疲れ、俺。
32名無しさん@ピンキー:2005/05/18(水) 00:20:48 ID:8VCjoYL5
耳寄りな話ってなんだーー
詳細キボンヌ
33名無しさん@ピンキー:2005/05/19(木) 00:22:15 ID:RpBRGj0A
ほっしゅほっしゅ
34某880 拉致された幼女〜モーショボー2〜:2005/05/19(木) 23:25:22 ID:RAuyB9vB
らしくないミスだ。同じ「狩り場」で続けすぎた。
私は今、不本意な男達に「職務質問」というものをされている。
二人の男達が私に見せた物は、「補導員」の証明書。
「お嬢さん、名前……教えてくれないかな?」
屈み込み、視線を私に合わせ語りかける優しげな男。
私はと言うと……怖がる「素振り」を見せ、黙秘を貫いている。
さてと……どうしたものか。
夜の繁華街。その脇道で一人たたずむ少女がいれば、補導員が声をかけるのは当然だろう。
しかもこの通りは、知る人こそ知る通り。男達が「春」を買いに訪れる通りだ。
そんな場所に少女が立っていれば、ますます放っては置けない。
「怖がらなくても良いんだよ」
私の頭を撫でようとする、もう一人の男。
私は頭で軽く手を払い、拒絶する。よほど怯えているのだろう……と思わせる為に。
繁華街には、様々な人々が集まる。故に補導員や警官も巡回を頻繁に行う。
そんな事、私は百も承知。
だからこそ、補導員や警官らしき者が近づいた時はすぐに身を隠す。
客と補導員くらい、「雰囲気」で区別出来る。少なくとも私には、それを察する「力」がある。
人間ではないから。私は長い年月「少女」で居続けている、モンゴルの妖怪。
その私が、この男達を補導員と気付かないなんて。何というつまらないミスだろうか。
「違うのかな……」
ぼそりと、頭を撫でようとした男が呟いた。
何と比べて違うというのか? 私は薄々気付き始めた。
私がこの男達を補導員と気付かなかった理由。一つは、客と勘違いした為。
この道は客か補導員か、あるいはただの通行人が通っていく。
私はこの二人を見かけた時に、客だと思った。
何故ならば、男達は私を見つめながら真っ直ぐに迫ってきたから。
それも、大通りからこの通りにはいる時には既に「確信」していたかのように。
普通の補導員なら、大通りから私を「偶然」見かけて、それから近づいてくる。
だから私は、その時点で近づく者が客か補導員かを見分けられる。
彼らは真っ直ぐに私の元へとやってきた。だから客だと勘違いした。
しかし、彼らは補導員だった。
何故確信して私の所に彼らはやってこられたのだろうか。
35某880 拉致された幼女〜モーショボー2〜:2005/05/19(木) 23:26:11 ID:RAuyB9vB
「いや……噂が確かなら……」
しゃがんでいた男が立ち上がり、小声で疑問を持った男に話しかけた。
私に聞こえないよう話しているつもりだろうが、残念な事に、私の耳は話し声を聞き取っている。
怯えた振りをしながら、冷静に。
視線を落とし、私は屈み込んだ。
むろん怯える演出なのだが、この間に私は情報を整理し冷静に判断を付けた。
噂か。これで疑問に答えが示された。
小学生「らしい」少女が、売春行為をしている。そんな噂が流れていたようだ。
同じ「狩り場」で狩りを続けていたが、噂が立つ事はないと甘い考えに捕らわれていた。
何故ならば、客の全てが罪悪感と屈辱感を抱える為、
わざわざそれを人に話す事がないと高をくくっていたから。
売春そのものが犯罪だが、相手が少女なら罪はもっと重い。
加えて、全ての客は「事」が終わった後に全財産からホテル代を除いて全て私に奪われている。
そんな醜態を、人に晒すものか?
確かに、「普通の」客はそうかも知れない。
だが同じ場所で客を狩り、ホテルに向かう事を繰り返せば
第三者……他の目撃者が「噂」をし始めてもおかしくない。
ついでに言えば、己の醜態を晒してでも
私との情事を「ロリコン仲間」に自慢する輩がいないとも限らない。
長く居続けすぎた。それが私のミスだ。
「大丈夫だよ。お兄さん達は怖い人じゃないから」
怖いかどうかが問題ではない。
捕まる事自体が問題なのだ。
逃げるか? いや、それは難しい。
残念ながら、私は少女……人間の少女と同じ背格好。
逃げ出したところで、大人の男二人を振り切る事は出来そうにない。
今立っている通り自体が細道である事もあり、他に逃げ込めそうな道はない。
左右を挟まれている以上、逃げるという選択肢は排除すべきだ。
では……ここは「とりあえず」大人しく補導されておこうか。
事情聴取が始まったところで、「保護者」を呼び出せば……その保護者がどうにかするだろう。
貸しを作るのは面白くないが、事を荒立てるのは望まない。
では、それまでは「怯える少女」を演じておくとするか。
36某880 拉致された幼女〜モーショボー2〜:2005/05/19(木) 23:26:44 ID:RAuyB9vB
「なぁ……」
立ったままでいる男が、しゃがんでいる男に声をかけ立たせた。
なにやら、様子がおかしいが?
「良いんじゃねぇか? 噂通りだとしてもそうじゃねぇとしても……こんな所にいるんだ。無理に連れていっても」
筋が通っていそうで、補導員としては少々荒っぽい内容。
「そうだな……まあ嫌がるのを無理矢理……ってのも悪くないな」
下卑た笑い声が漏れ聞こえる。もしかしたら、聞こえるように笑っているのか?
この展開は……「そういう事」なのか?
「ねぇお嬢ちゃん」
うずくまる私に、再びしゃがみ込み男が声をかける。
私は様子を見る為に、顔を上げずただ黙り続けた。
根気強い補導員なら、優しい言葉で何度も呼びかけるだろう。
「ちっ、めんどくせぇ。ほら、顔を上げろよ!」
ぐっと私の髪を掴み、強引に顔を上げさせた。
驚く私に、男は白い布を口と鼻に押し当てた。
この臭いは……クロロホルム。
何とも古い手を使う。
これで確信出来た。私に見せた補導員の証明書が本物かどうかは判らないが、
少なくとも、こいつらは真っ当ではない。
私はクロロホルムを嗅がされた事で、深い眠りにつく……「振り」をした。

*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
37某880 拉致された幼女〜モーショボー2〜:2005/05/19(木) 23:27:21 ID:RAuyB9vB
カチャカチャと、私の手首に「手枷」をはめている男達。
寝た「振り」をしている私は自分の状況を目視出来ないが、
音と感触でおおよその状況は解る。
私は今、どこかの一室に連れ込まれ、手枷足枷、ご丁寧に首輪まで付けられ
鎖でどこかに繋がれた様子。
予想通り、この手の「趣向」の持ち主らしい。
それも、本格的。
手枷はガッチリとハンドリストのようにはめるタイプで、手錠とは異なる。
首輪も感触から、ペットショップで売られているような物ではなく、ラバー制の人間用。
何より、手つきが慣れている。
私は自分の「ミス」そのものに多少誤りがある事も確信した。
同じ狩り場で続けすぎたミスは変わらないが、
補導員を客と勘違いした、というミスは無い。
こいつらは「客」だ。それもかなり質の悪い。雰囲気だけで判別出来る相手ではなかったな。
しかしこれはこれで、「面白い」展開になってきたではないか。
私はほくそ笑んだ。むろん顔に出さず心中で。
「そろそろ起きるんじゃないか?」
男の声で、私はそろそろ起きる時間なのかと知らされた。
臭いこそ知ってはいたが、クロロホルムの性質を熟知しているわけではない。
いつまで寝た振りを続けるべきか悩んでいたが、今が良い頃合いのようだ。
私は少しだけ間を開け、ゆっくりと目を開けた。
「……なに、ここ……えっ、なに? おじさん達……
え、ここどこ? なんなの?」
誘惑する縁起には自信あるが、こうして混乱する振りをしたのは初めて。
ちょっと演技に自信が無かったのだが、
ニヤニヤする裸の男達の反応を見る限り、問題はなかったようだ。
判ってはいるが、一応目視で状況の再確認をする。
私は裸で、手と足、そして首を枷で封じられている。
足の開閉は出来るが、手は拳二つ分程度の余裕だけで繋がっている。
男達も既に裸になっており、一人の男の手には私に繋がっている鎖が握られていた。
38某880 拉致された幼女〜モーショボー2〜:2005/05/19(木) 23:27:54 ID:RAuyB9vB
「おはよう、お嬢さん」
鎖を持った男が、わざとらしい挨拶をしてきた。
ああ、今まで会ったどの客よりも下卑た顔をするな。私は顔で怯え心で見下した。
少女との性交という快楽以上に、背徳行為に酔いしれる客の一部は
あくどく下卑た顔を作っていた。
私が見た中で、目の前の男二人が最も酷い。
それほど、今の「シチュエーション」がお気に入りなのだろう。
「なにこれ! いや、外して! なんなの! おじさん達……」
私が身をよじり出来もしない手枷外しに懸命な姿をさらす事で、男達はますます顔を歪ませている。
「それは出来ないねぇ、お嬢ちゃん」
ゆっくりと近づく男達。私は顔を引きつらせ、身を千々込ませて見せた。
「キミはね、これから俺達の「奴隷」になるのさ」
ああ、やはり。
奴隷という言葉に酔っている男達とは正反対に、私は呆れていた。
私は男が続ける言葉を予測した。
この男はこう言うだろう。「俺達の事は「ご主人様」と呼ぶんだ」、とね。
「俺達の事は「ご主人様」と呼ぶんだ」
ほらね。
この手の男達が何を考えているかなど、容易い。
まったく、何がご主人様だ。
主従関係というものは、信頼という絆で結ばれるもの。ご主人様など強制して呼ばせるものではない。
私に「従属心」など無いから感情で理解は出来ないが、
私の「人ではない」仲間達に従属に喜びを見出す者もいるが
自分の主は自分で決めている。強引に従わせては真の主従関係は築けない。
それくらいなら、私にも判る。
だがこの男達は、強引に出もご主人様と呼ばせ
私を四六時中犯し続けていれば
従順な奴隷になるとでも思っているのだろう。
バカバカしい。
39某880 拉致された幼女〜モーショボー2〜:2005/05/19(木) 23:29:02 ID:RAuyB9vB
「ど……どれい? ご主人様って、そんな……」
突然の事に理解出来ず怯える少女。まあこんな演技で良いだろう。
クックと笑う二人を見る限り、正解のようだ。
「毎日毎日、俺達と犯りまくるのさ。股が乾く事もないくらいになぁ!」
うわー、ひねりも品も無い台詞だこと。
「そんな……いや、放して!」
ここで私は、暴れてみた。
この手の連中は大人しくされるより暴れられた方が「やり甲斐」がありそうなので。
「ジタバタするな!」
私の首に繋がっている鎖を持ち上げ、男がすごんだ。
息苦しさに、私は動きを止めた。
「いや……いやぁ……帰して、お家に帰して……」
涙を流しながら懇願してみせる。
帰る家など私にはないのに。
「そうだな……大人しく言う事を聞いていれば、そのうち帰してやるよ」
嘘つき。そんな気などさらさら無いくせに良くもまぁ。
「ほっ、本当に?」
すがる思いで、尋ね返す。男達が求めている反応はこんな所だろう。
「ああ、約束する。だから言う事を聞け」
ふむ……ちょっと安直過ぎる気もする。
こんな事で、本当に人間のごく普通の少女は言う事を聞くのだろうか?
弱者ではない私は弱者の心理を理解出来ないが、
人間の少女を理解するよりも、この男達を満足させる事を意識した方が良いのだろう。
だとしたら、彼らの望む「スムーズな展開」に乗るとしようか。
私は黙って、何度も何度も頷く事で、彼らの「シナリオ」を進める事にした。
40某880 拉致された幼女〜モーショボー2〜:2005/05/19(木) 23:29:51 ID:RAuyB9vB
「よーし、良い子だ。じゃあまずは……コイツをしゃぶれ」
男達は自分達の股間を私の顔に近づけ、肉棒を見せつけた。
これまでのやりとりで興奮していたのだろう。完全ではないが既に肉棒は反り返っている。
ここで「しゃぶる」の意味を理解出来ない、ウブな少女を演じようかとも思ったが
こいつらは、私が「噂の少女」だと承知で誘拐している。
ならばあまり回りくどい事はせず、楽しんだ方が良いかも知れない。
私は恐る恐る唇を肉棒へ寄せながら、さてどう攻めてやろうかと考えあぐねた。
ここ最近、「少女」を演じ続けたせいか、久しく「全力」で楽しんでいないな。
なら、ここは一つ……
「なっ、なんだコイツ……」
舌先を尿道入り口に突き刺すよう押し当てながら、ゆっくりと口内へと肉棒を誘い込む。
充分に誘い込んだところで、私は唇を閉じる。
口内では舌先で肉棒の中をほじろうかという勢いで、グリグリと押し込む。
しばし後に、私は舌を肉棒の舌に潜り込ませ、口内で回すようになめ回した。
「うっ、ちょっ、ちょっと待て……」
待つつもりなど無い。
私は相手の反応を楽しみながら、今度は顔ごと口を動かし肉棒を唇でしごく。
その間も、舌は絡みつくように肉棒から離さない。
「やべ、もう……うっ!」
急に、尿道から勢いよく飛び出す液。
私は肉棒からすぐに口を離し、白く粘った液体を咳き込みながら吐き出した。
……早すぎる。
41某880 拉致された幼女〜モーショボー2〜:2005/05/19(木) 23:30:23 ID:RAuyB9vB
またか。私は心中でガックリと肩を落とした。
誘拐までするような男だ。もう少し楽しませてくれると期待していたが……
所詮ターゲットがか弱い少女。この程度か。
「お前、早すぎるだろ」
「っさいなぁ。ならお前やられてみろ」
間抜けなやりとりだなと思いながら、咳き込み続け気付かないふりをしていた私。
そんな私に突きつけられる肉棒。
顔を上げると、手で肉棒を押さえている男が私の頬に肉棒をぴちぴちと押し当て急かした。
この男も同じようなものだろうな。
諦めた私は、ならば色々と「数」を楽しむ事にしようと
先ほどの男とは趣向を変えてみる事にする。
肉棒の先からではなく、まずはその付け根、そこにぶら下がる「袋」から
「おお!」
驚く男を尻目に、私は小さな口で袋の片側、「玉」を一つだけ口に含み、舌でなめ回す。
そして自由のきかない手で肉棒を掴み、強く早くしごく。
手は中指だけ折り曲げて握っている。
こうする事で、普通に握るよりも強い刺激が部分的に与えられる。
下手をすると、このやり方は痛いだけになる。
だが少女の私の握力はそう強くはないし、「加減」くらいは心得ている。
案の定、この男も早々に果てた。
「はぁはぁ……そんな……」
快楽には満足したが、短すぎる快楽に不満と情けなさが入り交じっているのだろう。
42某880 拉致された幼女〜モーショボー2〜:2005/05/19(木) 23:31:06 ID:RAuyB9vB
「あっ、あの……これで許して貰えるんですか?」
私は「弱い立場」のまま、男達を挑発した。
「そっ、そんなわけないだろ!」
怒れる男はまた鎖を持ち上げ私を苦しめる。
こうしないと、自分の立場を保てないのだ。少女相手になんと無様か。
「これからだよ、お楽しみはな!」
そうあって欲しいものだ。私は怯えた瞳を向けながら期待にその瞳を輝かせた。
男は私を押し倒し、強引に足を押し広げる。
「ん? なんだコイツ……」
露わになる私の「股」は、既にたっぷりと濡れていた。
今までにないシチュエーションに興奮していたのは、なにも男達だけではなかった。
「へへっ、コイツ、俺達のを舐めながら期待していやがったな。もうこんなになってるじゃねぇか」
ぐちゅぐちゅになった私の股間に手を伸ばし、秘部を指でなぞる男。
触れられた事で、私はピクリと身体を反応させる。
「いやぁ……」
こんなにしてまで恥ずかしがるのもおかしな話だが、
その方が男を「燃えさせる」だろう。
ん? 「萌えさせる」と言うべきか? まあどちらでも良い。私を満足させてくれるのなら。
「何を今更嫌がってんだ。この淫乱奴隷が」
私は不自由な手で顔を隠し、言葉攻めを受け入れる。
「こいつ、もう調教受けてたんじゃねえか? さっきの「アレ」だって上手すぎるだろ」
ああ、そう思われるか。それは……まあそうか。
ここで、この男達が「初物」にこだわるタイプかどうかで、対応が変わる。
43某880 拉致された幼女〜モーショボー2〜:2005/05/19(木) 23:32:14 ID:RAuyB9vB
「そっ、そんな事はない……です」
これが言葉攻めのつもりなのか確認作業なのか。どちらにせよ、否定した方が無難だろう。
「へっ、あれだけの事をして、今更カマトトぶってんじゃねぇよ」
どうやら、言葉攻めを楽しんでいるだけのようだ。
そもそも、私があの「狩り場」に立っていた事で、
彼らは私を初めから「淫乱少女」と決めつけていただろう。
だとすれば、調教済みかどうかはあまり関係がないのかもしれない。
「おい、今まで何人の男と寝たんだ?」
さて、どう答えよう? まあ言葉攻めのつもりならば……
「さっ……三人……です」
かなり少なく見積もった。
「嘘付け! 三十人の間違いだろ!」
また鎖で私の首をぐっと持ち上げ、男が怒鳴る。
「はっ、はい……ごめんなさい、三十人で……す」
本当のところ、三百は超えていると思うが……流石にそこを馬鹿正直に答える必要はない。
「はっ、さすが売女だな。こんな歳で随分とやりまくってるじゃねぇか」
調子が出てきたのか、男達は自分達の優位を見せつける事で満足と興奮を得始めているようだ。
「おい売女。そろそろ欲しいんじゃねぇか?」
今度は指を二本、男は秘所の入り口をまさぐるように突き入れる。
「あっ……そ、そんな事……」
「こんなに濡らして、説得力がねぇだろ?」
ぐっと、指に力を入れる。私はそれに大げさな程反応して見せた。
「ほっ、欲しい……です」
実際、私はいい加減このくだらない言葉遊びに飽きてきた。そろそろ「次」を楽しみたい。
44某880 拉致された幼女〜モーショボー2〜:2005/05/19(木) 23:32:53 ID:RAuyB9vB
「なら、ちゃんとおねだりして見せろ」
卑猥な懇願を期待する男達。
私は飽きてはいたが、男達をより興奮させる為に、
彼らの望む的からは少しはずした懇願をしてみせる。
「私の……こ、ここに……入れて、くだ……さい」
「そうじゃねぇだろ!」
興奮した男は、もう力の加減が効かないらしい。力一杯、私の首を鎖でぐっと持ち上げた。
「お前は俺達の奴隷で、俺達はご主人様だ。なら、言い方ってもんがあるだろ?」
その答えを、年端もいかぬ少女に想像させ答えろと?
普通なら無理な話だろが、そこまでリアリティーにこだわる事もないか。
彼らにしてみれば、そうだな……アダルトゲームでもしている気分なのだろう。
あの、理不尽で強引な、そしてご都合主義の展開をお望みなら、
リアリティーよりもテンポの良さと「萌え」要素が重要か。
「わっ、私は、どうしようもなく淫乱な奴隷……です。どうか、ご、ご主人様の……その、固く……て、大きい、その、たくましいおチンチンで、淫乱な奴隷の、お、おまんこ……を、お楽しみ、くだ……さい」
我ながら、なんて台詞だろう。
普通の少女なら羞恥心で恥ずかしいのだろうが、
私は別の意味で恥ずかしい。よくもこんな台詞を言えたものだ。
しかし効果はあったようで、
男達の「たくましいおチンチン」は限界にまで反り返り、息もかなり荒い。
何かご主人様らしい事を言うのかと思っていたが、我慢出来なかったようだ。
リーダー格の鎖を持った男が、飛びつくように私の秘所に腰を押し当て、
それなりに固いが貧弱な肉棒を突き入れた。
45某880 拉致された幼女〜モーショボー2〜:2005/05/19(木) 23:33:59 ID:RAuyB9vB
「あはぁ!」
私は声を上げ、それを迎え入れる。
「あ、ん、そん、な……は、激し、く……あん、はぁ!」
狂ったように動かされる、自称ご主人様の腰。
まるで軽いダッチワイフで弄ばれるように、小さな私の身体は簡単に持ち上げられ荒々しく扱われている。
これくらい荒々しい方が、私も嬉しいのだが。
「おっ、おい。俺にも楽しませろよ」
出遅れたもう一人の男が、抗議の声を上げた。
「うるせぇ、黙ってろ!」
気の利いた言葉も出せない程、男は私に夢中だ。
だが心配はいらない。もう一人の男も、そう待つ事もないだろう。
「くっ、もう……うっ!」
腰の動きが止まり、強く私に押しつけている。
ドクドクと熱い私の「餌」が流し込まれている。
「どけっ! 次は俺だ!」
まるで奪われたお気に入りの人形を取り返すように、待っていた男は私を強引にはぎ取り、自分の前に連れ出した。
「ご主人様、今度はこちらの……あぁ!」
どうせなら次は別の穴をと思い、私は演技もせずに自ら尻を男に向けた。
興奮しきっている男は積極的になった私に何の疑問も感じることなく、
そして口上を最後まで聞かずに、もう一方の穴……アナルへと肉棒を突き入れる。
「い、いい! お尻、おしりぃ!」
この男達、一回一回が短い。そこで私は、声を出す事で自らを興奮させ
出来る限り一回一回から快楽を得ようと懸命になった。
もう、この男達は「やる」事しか頭にない。演技をする必要もないだろう。
「奥まで届いてる、届いてる! 良いよ、すご……ふごっ!」
不意に、私の口に何かが押し込まれた。
先ほど果てたばかりの男だ。途切れる事を嫌うかのように、この男も快楽を求め続けている。
「くちゅ、ちゅ……は、あはぁ! 美味しいよぉ……んっ、んちゅ……いい、気持ちいっ、あん、ちゅっ、くちゅっ……」
完全に私の色香にやられた男達。果てては突き入れ、動かしては出す。それを幾度も幾度も繰り返す。
私は久しぶりの「全力」に、身を委ねていた

*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
46某880 拉致された幼女〜モーショボー2〜:2005/05/19(木) 23:34:45 ID:RAuyB9vB
「ったく、この役立たずども!」
結局、完全に私を満足させるに至らなかった男達。二人がかりでこの程度か。
完全に体力を使い切り、気絶するまで腰を動かし続けた二人の男。
そんな性格的にも体力的にも技術的にもどうしようもないゲスな男達を目の前に、
私はこの行き場のない怒りと達しきれなかった興奮を持て余していた。
「……さて、どうしようかしら」
高まる感情をなんとか押しとどめ、私は「処理」をどうすべきか悩んでいた。
「もう、あの狩り場は使えないし……」
こんな男達にまで広まった噂。もう、あの狩り場で狩りは続けられない。
そう考えると、ここで「騒ぎ」が起きても問題ないだろう。
しかもここは、「連れ込み宿」ではない。
厳密にここがどこかは判らないが、この男達が「犯罪」に幾度も使用していた場所だろう。
ならば、ここで「変死体」が発見されても
世間を大きく騒がせても同情される事はないし、むしろ社会貢献になる。
ならば久しぶりに、「メインディッシュ」を頂くのも悪くはない。
メインディッシュ、それはもちろん、この男達の脳髄。
私「達」は元来、最終的に脳髄を喰らう妖怪。
だが私は……ちょっとした気まぐれで、それを控えていた。
控えてはいたが、脳髄の飲食を断絶していたわけではない。
ここで喰らう事に、後ろめたさなど感じる必要はないのだ。
「そうね……久しぶりに、いただきますか」
私は鳥の姿へ身を変え、クチバシで頭蓋骨をたたき割ろう……としたのだが。
音が鳴った。私の携帯の呼び出し音。
こんな時に誰だ? 私はタイミングを外された不機嫌さを隠すことなく、電話に出た。
47某880 拉致された幼女〜モーショボー2〜:2005/05/19(木) 23:35:40 ID:RAuyB9vB
相手は、私の自称「保護者」だ。
「もしもし! えっ! うん……え? うん……ああ、なら手遅れね」
保護者の電話は、ここ最近私の「狩り場」付近で悪質な事件が多発しているという警告だった。
補導員を装った男が、家出少女などに接近し、「いたずら」をするらしい。
未遂も多いが、実際に被害報告も出始めたらしく、保護者は心配して電話をかけたらしい。
もちろん、心配しているのは「加害者」の方。
私に加害者が近づいたら、無事でいるはずがない。それを保護者はよく判っていた。
保護者は人間と「人以外」の者達とのトラブルを解消する仕事をしている。
その為、必要以上に騒ぎを起こして欲しくないのだ。
「大丈夫よ。「まだ」生きてるわ……えっ? うーん、どうしようかなぁ……」
迷っている振りはしているが、流石にもう脳髄を喰らう気はそがれた。
保護者としては、命に別状無い限りは問題ない、というスタンスらしい。
むしろ犯罪者には法で裁けない徹底した「罰」を与えるべきだろうとすら考えている。
「なら、「交換条件」で……あら、判ってるじゃない……ええ! なによ、この前はスキュラ相手に「割烹着プレイ」までしたって聞いたわよ?」
保護者との「交換条件」は成立した。
私は携帯を切り、その携帯で撮れるだけの「羞恥写真」を撮りまくった。
もちろん、罰せられる男達の。
この写真を、仲間の妖怪に頼み込んであちこちにばらまくのが、「罰」となる。
変態プレイを好んだ二人だ。この「羞恥プレイ」もさぞや気に入って貰えるだろう。
そうだな……とりあえず「2ちゃんねる」という良い所があるらしい。
文車妖妃に頼んで、盛大にばらまいて貰おうか。
私は取り終えた携帯をしまい、急いで「帰宅」する。
仮住まいとなっている屋敷へ。
「交換条件」を満たして貰う為に。これでやっと、私の「うずき」を沈められそうだ。
48某880:2005/05/19(木) 23:43:33 ID:RAuyB9vB
以上です。

本当ならモーショボー以外も書きたいのですが
思いついたネタがモーショボーの物だったので、連続して彼女の話を投下します。
肝心のエロシーンが短めなのは、毎度の事なのでご容赦を。

で、今更ですがちょっとレス

>前スレ747さん
自分でやってみてビックリしましたw
まあ、あちらは特に検索されて問題はないと思っているので良いのですが
ちょっと、世のモーショボータソハァハァな皆さんに申し訳ないかなぁと思ってみたり。

>前スレ753さん
特に誰かに何か言われたから…などは意識してませんでした。
たまたま、モーショボーならこういう話の流れに、というところですかね。
前からモーショボーは書いてみたかったので。
筆者的には、本来「いちゃいちゃ甘々」が大好物なのでw
モーショボーの話は、自分の中で異例な方です。
49名無しさん@ピンキー:2005/05/20(金) 09:46:02 ID:4/UNqbKG
モーショボーまたキター!
独特の「引いた」視線が面白いっすね
GJっす

・・・しかし、主人公もこの後干からびるのかw
50名無しさん@ピンキー:2005/05/20(金) 09:52:14 ID:36SjXBhQ
ぐわー、モーショボーキター
相変わらずすごい文章力・・・尊敬しまつ
51名無しさん@ピンキー:2005/05/21(土) 09:02:25 ID:Ij0sO9zH
神のSSが投下されたのに人来ないな
52名無しさん@ピンキー:2005/05/21(土) 13:07:37 ID:PmPHti0n
人外スレ、亜人スレで満足して、幽霊スレまで巡回してる香具師が少ないんじゃねぇの?
勿体無い、専ブラでも使えってんだ
53名無しさん@ピンキー:2005/05/21(土) 17:02:01 ID:nEQWIzWq
単純に、新スレ立ったのに気付いて無いだけじゃないか?
前スレで告知される前に落ちたし
54名無しさん@ピンキー:2005/05/21(土) 17:34:34 ID:Ij0sO9zH
そうだとしたら定期的にage
55名無しさん@ピンキー:2005/05/21(土) 23:31:16 ID:ZAOBcfmE
>52
ま、昔から繰り返し言われてて、結局実現してない事だが、統合したらどうなんだろう。
今一つジャンル分けがはっきりしてないみたいだし、一つのシリーズでもスレをまたぐはめになる事も有るだろうし。
まあ今のままでも大きな問題はないみたいだが。
56某880:2005/05/22(日) 02:43:08 ID:FPfq+7nN
>55さん
ノシ
今スレまたいで色々投下しています。
自分の場合は、別スレで他の方の作品に対する書き込みで
「人外要素がないのが残念」といった評価を受けてらっしゃるのを見かけて
モーショボーの話はここで投下出来ないなと思い、こちらのスレへまたぐ事にした経緯がありました。
統合してくれた方が、私も楽ですが、統合しなくても問題は無いです。
他に話を書かれている方はどうお考えなんでしょうか?
自分は新参者なので、まだ状況が飲み込めてないところ多いのですが。
57名無しさん@ピンキー:2005/05/22(日) 04:19:35 ID:yBVOUfEi
適度に分散されていた方がスレの進行がゆるやかでよいと思いますう。
58名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 19:05:57 ID:KeNcwPAR
同意age
59名無しさん@ピンキー:2005/05/25(水) 01:47:17 ID:nFPqmy9P
実を言うと、携帯のメールに小説を作っている。
社会人なので遅々として進まず、それでも6000字超えた。でも、まだエロになってない。
完成したら投下するよ。…何ヶ月先になるか分からんがw
60名無しさん@ピンキー:2005/05/25(水) 06:56:37 ID:3oczQ4nd
山の神様は女性なので、山で物を無くしたらフルチンで踊ると、お喜びになって無くした物を持って来てくれるらしい。これで一本書くかな。
61名無しさん@ピンキー:2005/05/25(水) 22:13:51 ID:1Om3UWwU
期待age
62名無しさん@ピンキー:2005/05/25(水) 22:52:34 ID:wcPsQqEA
このスレって>>3の一番上のスレとどう違うの?
63名無しさん@ピンキー:2005/05/25(水) 23:48:31 ID:UfCWkVUG
>>62
成り立ちがちがう。
このスレはオカ板に炉霊(ロリな幽霊)にいたずらする話がメインで立った。
向こうは人外の女の子(女性)が出てくるエロパロ

向こうよりこっちの方が、ろり成分が多い?のかな
64名無しさん@ピンキー:2005/05/26(木) 01:43:48 ID:fuXBsmKo
なる
じゃあ性質的には殆ど変わらないと思っていいわけだね
65名無しさん@ピンキー:2005/05/31(火) 19:04:45 ID:BOr3RydS
カリッと保守age
66名無しさん@ピンキー:2005/05/31(火) 21:06:09 ID:m2aQWyt3
>60
水木しげるの妖怪事典にそんな話があったね。
67名無しさん@ピンキー:2005/06/01(水) 00:19:17 ID:TbEM7G0L
>>65
初心者かもわからんがsageでも書き込めば保守できるんだよ。
68名無しさん@ピンキー:2005/06/01(水) 00:21:37 ID:1R/C/p7q
sage進行じゃないんだろ?
人いないし、ageて人を呼んでも良いんじゃないかと思ったが邪魔だったか?
69名無しさん@ピンキー:2005/06/01(水) 17:50:04 ID:7pvv7S8C
話の流れぶった切ってすまないが
ここのスレ住人的にサキュバスが実在する漫画のキャラの格好で出てくるのはスレ違い?
その漫画のスレに書くとそこのスレ住人が怒りそうだからこっちに来たのだが
70名無しさん@ピンキー:2005/06/01(水) 19:15:57 ID:CXfBKRrt
流れのある話してないけどな〜
俺は古くからの住人じゃないからアレだけど、人間じゃなきゃいいんじゃない?
二次創作はダメとは書いてないし
どうしても心配なら>>3の一番上の所に投下すればいいと思うよ
71名無しさん@ピンキー:2005/06/01(水) 20:06:34 ID:1R/C/p7q
ようするに、サキュバスが実在する漫画キャラのコスプレをしているってだけで
その漫画の話って訳ではないんでしょ?
仮にその漫画の話だとしても、別に良いんじゃないの?
むしろ人いない状態だし、活性化に繋がればなお良いし
72名無しさん@ピンキー:2005/06/01(水) 20:25:11 ID:lr6c0x0t
おk
いまから書いて見るわ
73名無しさん@ピンキー:2005/06/01(水) 21:02:24 ID:TtXaEsfI
元ネタ漫画知らない人でも楽しめるようにキボン
74名無しさん@ピンキー:2005/06/02(木) 00:02:40 ID:lr6c0x0t
とりあえずさわりだけ書いてみる
携帯だから改行変だし初心者だから酷かったらいってくれ

薄暗くありとあらゆる物が散乱したその部屋に微かな水音が響く
「ふぅ」
その部屋の主は股間から、し尿の入ったペットボトルを放すと一滴もこぼさず男根をしまい、満タンになったペットボトルを隅に放り投げる
その男、杉田実は部屋の唯一の光源であるパソコンに向かい、顔を歪ませる
画面にはまだ小学校低学年くらいの女の子に肉棒が突き刺さり、肉欲に溺れる様が映る。
「このみタン」
実はその少女の名を呟き、己のものをしごく
左手でマウスをいじり、画面の中の少女が白い粘液で汚されると同時に実のものも同じ液体を吐き出す
吐き出したそれをティッシュに染み込ませ、丸めて捨てる
不意にぴんぽーんという間の抜けた音がイカの腐ったような匂いのするこの部屋に響く
「こんな時間に誰だよ」
75名無しさん@ピンキー:2005/06/02(木) 00:05:03 ID:lr6c0x0t
自分の大事な時間にやってきた訪問者を毒つきながらも実はそこから動こうとしない
再びチャイムが鳴らされる
「うるさいんだよ!!」
神経質な叫びを上げながらドアに手をかけ、一気に開ける
「きゃっ」
ドアに僅かな衝撃が走る、構わず全開にして不届きな訪問者を一括「二度と来るな!!!」
そこで初めて訪問者の姿を確認する。
腰まで伸びた艶のある金髪に多少日本人離れした外人特有の顔立ち
白い肌に僅かな黄色が混じっている辺りから白人と日本人のハーフだろう
意外なことに尋ねてきたのは少女だった、
実は呆気に取られる。まだ小学生くらいの子供が訪ねてきたからではない
少女は余りにも似すぎていた。しかも現実には存在しないはずの少女に
実は思わず架空の少女の名を呟く
「アナ・コッポラ?」
漫画、「苺ましまろ」第2巻で初登場したイギリス人と日本人のハーフ
6歳の頃から日本にいるため日本語は堪能だが英語が全くダメの小学5年生
架空の、ばらスィーが生み出した空想上の人間が、目の前にいた
76名無しさん@ピンキー:2005/06/02(木) 00:07:55 ID:ck4OY/kg
と書き込んだはいいが改めて見ると酷いな、次からちゃんと推敲せんと、
あとばらスィー大先生
申し訳ありません!!m(_)m
77名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 02:16:43 ID:PYSxJkg8
今ホットな幽霊
ttp://www.geocities.jp/ocult_utopia/

78名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 06:04:58 ID:Fjqt3obl
>>77
ナイス!現在進行形で切ない話だ。
79名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 06:52:14 ID:R97LbnUP
やべえ・・・
そのスレの1氏とピアタソとやらの話を書いてみてえ
そんな力量もないのにww
8076:2005/06/05(日) 12:02:30 ID:5hAsqj9N
なんか不評っぽいので辞めます
81名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 13:33:34 ID:iw1eWsk7
いや…不評と言うか、まだ何にも話が動いてないので
感想書きようが無いのよ。
82名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 14:01:06 ID:WRoQcYLL
元となる漫画を知らん俺から見れば
今の段階では感想も何も無いしな
まあ、反応無いから止めるなんて誘い受けっぽい事を書くようなら
止めた方が無難かもね
ここの住人人少な杉なのも問題なのかもしれないけれど
83名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 17:10:40 ID:kfU5aA5h
突然で申し訳ないんだが、前スレで掲載されていた『虹の月の教え子たち 』の話って、ひょっとして別のスレに移っていたりするんでしょうか?
楽しみに待っているんですが、みあたらないし、既存の分もまとめサイトに載ってないみたいなもので、疑問に思ったんですが…
84名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 21:48:33 ID:LM23sbjC
まとめサイトに収録されてるよ?
85名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 22:32:53 ID:WRoQcYLL
まとめサイトって>2のサイトだよね?
現行スレが前スレのままになってるね
上に上がってるSSもまだ無いし
もしかしてまとめサイトの管理人さんはここのスレに気付いてないのか
それとも放置されたのか?
86名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 02:44:41 ID:bEBcAbeL
>>84-85
すいません、>>2のまとめサイト見直してみたら、たしかに『虹の月の教え子たち 』ちゃんとありました。
勘違いしてたようで、お二方そしてまとめサイト管理してくださっている方、失礼いたしました。
m(_ _)m
87名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 08:49:21 ID:qKwQy0/R
>>85
気付いてますー。
一週間くらい家のPCいじれないので修正・追加はしばらく
お待ちください。すみません。
88憂さ:2005/06/07(火) 15:50:50 ID:kyW6KZW9
−押入れに潜む物−
今日もまた同じような一日が終わった。
俺の名前は「今分 浩」、フリーターで、いわゆる一人暮らし。
最近思うんだが、どうも最近の生活が面白くない。
大学までは山あり谷ありだった人生が、急に平野になったみたいだ。
朝起きて、仕事に行って、帰って飯食って寝る。
・・・そんな「同じ」毎日だ。
そんな何にもないような自分だが、仕事は人一倍やってる。・・・つもりだ。
なのに生活に困るほど金が無い、というのはどういうことだ。
「はぁ・・・」
虚しい溜息だけが自分一人だけの部屋に響く。
ふと、そんなとき。
―――ガタッ
「ん?」
確かに物音が聞こえた。押入れからだ。
「・・・ネズミかなんかか?」
と、三日前の新聞紙を丸め、押入れに近づく。
―――ガタッ
もう一つ。 もう空耳なんかではない。
「何なんだよ・・・」
俺は勢いよく押入れを開けた。
―――ドサッ
「きゃっ!」
(・・・?)
ネズミではなく、女の子が落ちてきた。
前スレの「思いがけぬ旅行」を書いた者です。
久々にSSを書こうかと思います。
とりあえず続きは後日です。
89憂さ:2005/06/07(火) 15:51:12 ID:kyW6KZW9
−押入れに潜む物−
今日もまた同じような一日が終わった。
俺の名前は「今分 浩」、フリーターで、いわゆる一人暮らし。
最近思うんだが、どうも最近の生活が面白くない。
大学までは山あり谷ありだった人生が、急に平野になったみたいだ。
朝起きて、仕事に行って、帰って飯食って寝る。
・・・そんな「同じ」毎日だ。
そんな何にもないような自分だが、仕事は人一倍やってる。・・・つもりだ。
なのに生活に困るほど金が無い、というのはどういうことだ。
「はぁ・・・」
虚しい溜息だけが自分一人だけの部屋に響く。
ふと、そんなとき。
―――ガタッ
「ん?」
確かに物音が聞こえた。押入れからだ。
「・・・ネズミかなんかか?」
と、三日前の新聞紙を丸め、押入れに近づく。
―――ガタッ
もう一つ。 もう空耳なんかではない。
「何なんだよ・・・」
俺は勢いよく押入れを開けた。
―――ドサッ
「きゃっ!」
(・・・?)
ネズミではなく、女の子が落ちてきた。
前スレの「思いがけぬ旅行」を書いた者です。
久々にSSを書こうかと思います。
とりあえず続きは後日です。
90名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 15:52:14 ID:kyW6KZW9
2連カキコすいません・・・。
91名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 18:47:58 ID:i71FS4v5
期待してお待ちしています
92名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 23:05:56 ID:PbCpworR
ありがちな出だしからどう動いて行くのか気になるな。
頑張って頂きたい。
9385:2005/06/08(水) 12:36:46 ID:pNCD5Lcx
>87
了解です。急かす様な事を書いてしまって申し訳ない
94某880 汚された淑女〜ヴィーヴル1〜:2005/06/09(木) 00:31:12 ID:V/7MPuNC
祖国フランスより遠方の国、日本。
私はここ東洋の島国で、イギリス出身の友人が入れてくれた紅茶を飲みながら
モンゴル出身の少女と談笑している。
普通に考えれば、とても奇妙な光景。
けれど、ここはこのような光景が日常の場。
ありとあらゆる国から、多くの「来客」が訪れる屋敷。
私も、そんな来客の一人。
「イギリス式で申し訳ないけど」
真っ白なメイド服を着た友人、シルキーが
お茶菓子となるスコーンをテーブルに置き、自らも席に着いた。
「とんでもない。私はこのスコーンを楽しみにしてますのよ」
世辞ではない。私は彼女の焼くスコーンがとても好きだ。
見た目は同じようでも、紅茶の種類や季節,天候
そういった事まで考慮して、甘味などを調整する気配り。
かの堕天使ニスロクも彼女のスコーンは絶賛する程。
「今度は是非、私にタルト・フィグ(イチジクのタルト)でもごちそうさせて下さい」
彼女とは、フランスとイギリスのティータイムについて熱弁を振るう仲。
私の申し出はつまり、「次は私が紅茶を入れます」という意味にもなる。
「楽しみにしてるわ」
互いに微笑み、入れ立ての紅茶で唇を潤わせた。
「私にはイギリス式もフランス式も、大差ないけどね」
脚をぶらぶらさせながら、モンゴルの愛らしい少女がティーカップに向けてふぅふぅと息を吹きかけている。
95某880 汚された淑女〜ヴィーヴル1〜:2005/06/09(木) 00:31:45 ID:V/7MPuNC
「それで、何の話をしていたの?」
スコーンを焼いている間、談話に加わっていなかったシルキーが私達に尋ねた。
「あれよ、この前の拉致事件。前に話したじゃない」
先日、この愛らしい少女……モーショボーが
人間の男二人組に拉致されるという騒ぎがあった。
むろん、彼女がただ拉致され暴行を受けた、という話で終わるはずがない。
結果としては、彼女が男達の「精」を吸い尽くし、
「お仕置き」と称して彼らの痴態を人間社会にばらまく、という事で幕を下ろした。
「大変でしたわね」
どちらが大変かと言えば、拉致を行った男達ではある。しかし同情の余地などあるはずもない。
「本当は脳髄も吸い取ってやろうと思ったけどね。ま、そこは「あいつ」に免じて「交換条件」で手を打ったけど」
あいつとは……今私達がいる館の主。
妖精学者という職に就く、人と私達の橋渡し役。
「そういう話、ないの?」
少女が私達に話を振ってきた。
「家付き妖精の私に、拉致は縁遠いわ」
白いメイドは苦笑いを浮かべた。
少女は拉致の体験談を私達に求めてはいないだろう。
ただ話の流れから話題を振ったに過ぎない。
「拉致とは違いますけど、私にはありますよ」
だから、私の言葉に二人は驚きの表情で顔をこちらに向けた。
「あるの!」
興味深い。そんなキラキラした瞳で、少女が好奇心旺盛に尋ねてきた。
「あまり、他人様に話すような事ではないのですが……」
私はこう前置きした上で、過去に受けた屈辱的な話を二人に聞かせた。

*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
96某880 汚された淑女〜ヴィーヴル1〜:2005/06/09(木) 00:32:17 ID:V/7MPuNC
それは、私がフランスの古城に居を構えていた頃の話。
主を失い、朽ち果てた古城には、「人」の気配は微塵もない。
あるのは、「人」ではない私の息吹。
私はここで、一人暮らしていた。
私達「ヴィーヴル」は群れず一人で暮らす者がほとんどだから。
これが当たり前の生活。
当たり前だが、退屈な日々。
やる事といえば、私が所有する「財宝」を自ら番をするくらい。
ただ日々をいつも通りに暮らしていた。
けれどごく希に、来客が訪れちょっとした刺激を残していく事もある。
私の財宝を狙う人間達。招かざる来客を軽くあしらうのが、時折訪れる刺激。
あまりに手応えが無い。だから「ちょっとした」刺激にしかならなかった。
そんな日々が続きすぎたのだろうか。
ある日、私は大きな油断……屈辱的なミスを犯してしまった。
喉を潤す為、私は龍の姿になり川へ向かった。
私の額には、特別な力が備わったガーネットがある。
川の水を飲む時、どうしてもこのガーネットが濡れてしまう。
それを嫌った私は、川の水を飲む時はこのガーネットを一度外してから飲んでいた。
この一時の隙。私はあろう事か、姑息でずるがしこい人間に
外しておいたガーネットを奪われてしまいました。
97某880 汚された淑女〜ヴィーヴル1〜:2005/06/09(木) 00:32:48 ID:V/7MPuNC
「やったぞ! 念願の「ヴィーヴル・ガーネット」を手に入れたぞ!」
男は私から奪い取ったガーネットを握りしめ高らかにかかげ、高らかに笑っている。
人がそれを保てば、膨大な魔力を授かる事が出来る。
その為、私からガーネットを殺してでも奪い取ろうと、時折私の元に訪れて来た。
しかし正面から私に挑み勝てる人間などそうはいない。これまでは軽くあしらってきた。
だからこそ、このような卑劣な手段で奪われるなど予想すらしていなかった。
いや、予想しなければならなかったはず。
人間とは、浅ましく卑劣な種族だと判っていたのだから。
「さっ、さあ! おぞましい龍め。まずは俺を財宝の在処まで連れて行って貰おうじゃないか!」
男はあろう事か、私に対し命令してきた。
このような命令など聞くまでもなく、すぐにでも頭から丸飲みしてやりたかった。
だが、私にそれは出来なかった。
黙って背を向け、私は男を背に乗るよう促してしまう。
「おっ……よっ、よし。大丈夫だな。伝承通りじゃないか」
男の言う伝承。
それは、ガーネットを手に入れた者は、元の持ち主……つまり私を支配できるというもの。
そしてその伝承に偽りはない。私は屈辱に心を焼かれながらも、男の命令には逆らえなかった。
悔しさに歯ぎしりしながら、私は男を背に乗せ古城へと帰っていった。

*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
98某880 汚された淑女〜ヴィーヴル1〜:2005/06/09(木) 00:33:20 ID:V/7MPuNC
「はは、はっははははは! 見ろよ、財宝だ……財宝だよ! これで俺は巨万の富って奴を手に入れたんだな! やった、やったぞ! ふははははは!」
ジャラジャラと、手で何度も金貨や宝石をすくい上げては指の間からこぼし、そしてまたすくう。
山積みされた私の財宝に跪き、男は高笑いを上げ続けている。
醜い。なんとも醜い生き物か。
こんな男に、今私の「全て」が握られている。
そんな自分が悔しく情けなく、そして悲しかった。
「くくく……金は手に入った。なら次は……女、だよなぁ」
醜悪な顔をこちらに向け、舌なめずりをしながら言い放った。
ああ、この世にこれほど醜い者がいようとは。私は直視に耐えきれず、視線を反らした。
「ちっ、おい! こっちを見ろよ!」
私のあからさまな態度が気に入らなかったのだろう。男は私に命名した。
ゆっくりと、私は男に視線を戻す。
「いい女だよなぁ……これがあんな化け物になっちまうんだから、おお怖い怖い」
古城にたどり着いてすぐ、男は私に人間と同じ姿になるよう命じていた。
男にとって、ガーネットを握っているとはいえ
「あんな化け物」の姿のままでいられては落ち着かなかったのだろう。
「おい……脱げよ」
下卑た男の目が、私の肢体をなで回すよう見つめている。
私は怒りに燃える瞳を男から反らすことなく、
身に纏っている服を一枚一枚、ゆっくりと脱いでいった。
意図していなかったが、これはちょっとしたストリップショーではないか。
男の顔がより醜悪ににやけていく。私とした事が、なんたる事を。
99某880 汚された淑女〜ヴィーヴル1〜:2005/06/09(木) 00:34:04 ID:V/7MPuNC
「化け物のくせに、いい身体してやがるぜ……くっくっくっ」
右腕で胸を隠し、左腕で股間を隠す。
その姿勢が「しな」を作る事になり、より私の身体をいやらしく見せる結果になっている。
小さな抵抗。その全てが裏目に出て、男を楽しませてしまっている。
そして最後の抵抗もしかり。
「腕をどけろ。ゆっくりとな」
言われるままに、私はゆっくりと腕を胸と股間から外す。
直立不動。一糸まとわぬ私は、憎しみをたたえた瞳で男を凝視しながら立っていた。
「怒った顔が凛々しくてそそるじゃねぇか。たまんねぇなぁ」
操り人形と化した私は、ただ黙っていた。
罵声の一つも浴びせたかった。まだ喋るなと命令されていない以上、それは出来る。
だが、私は口を開かなかった。
汚らしい言葉で男を罵れば、私はこの醜い獣と同列になってしまう。私にはそのほうが耐え難かった。
「それじゃ、やる事やって貰おうか」
いそいそと服を脱ぎ始める男。興奮しきり、あからさまに余裕がないのが伺える。
女性になれていないのが、見て取れる。
そうだろう。こんな男、誰が好き好んで寄り添うものか。
「しゃぶれ」
男はガチガチに固くした己の逸物を指差しながら、私に命じた。
あんなに汚らしい物を舐めろと!
しかし私は逆らえない。ひざまずき、醜い芋虫に唇を近づけた。
100某880 汚された淑女〜ヴィーヴル1〜:2005/06/09(木) 00:34:35 ID:V/7MPuNC
「いや待った! 折角だ、こっちから舐めて貰おうか」
男は反転し、汚らしい尻を私の眼前に向ける。
「舐めろよ、ケツの穴を舐めやがれ」
ワナワナと怒りに震える唇。それでも私は、男の尻に接吻した。
そして舌を伸ばし、チロチロと排泄口を突くように舐め始めた。
「くっくっくっ……あの、どんな英雄も返り討ちにあった化け物が、俺のケツを舐めてやがるぜ。たまんねぇなぁ、くっくっくっ……」
尻を舐められる事に快楽を感じている様子はない。
ただ屈辱的な行為をさせる事に快楽を得ているようだ。
反面、私は悔しさのあまり瞳を潤ませていた。
ちょっとした油断。人間を軽く見過ぎた報いがこれか? これではあまりにも残酷すぎる。
「よし、ケツはもういい。次こそこっちを舐めろ」
舐めるのを中断させ、再度反転し醜い芋虫を私の前に突き出す。
言われるまま、私は芋虫の先端をチロチロと舐め始めた。
「根本から舌全体で舐め上げろ! 俺を気持ち良くさせるんだよ!」
不慣れな私に、男は細かい指示を出してきた。私はただそれに従うだけ。
いや、微妙に違っていた。
私は芋虫の付け根から、舌を這わせ舐め上げている。それは命令通り。
だが、舐める時に「くぼみ」を意識し、そこを重点的に攻めている。
舌だけでなく、下唇も芋虫に当て、くすぐるよう包むよう、舐めている。
101某880 汚された淑女〜ヴィーヴル1〜:2005/06/09(木) 00:35:08 ID:V/7MPuNC
ガーネットの魔力か。私は気付いた。
男は「気持ち良くさせろ」と言った。この言葉に魔力が乗っていたのだ。
私はその魔力に操られ、男にとって最も「ツボ」を心得た娼婦に成り下がってしまった。
私の物だったガーネット。その宝石に私自身が変えられていく……。
「いいじゃねぇか……ち、もたねぇな。もういい」
極上のテクニックに、男の方が根を上げた。私は汚らわしい芋虫から唇を離した。
「横になれ。股を開け! 自分で「あそこ」を指で押し広げてよく見せろ!」
具体的な単語ではなくとも、言葉に乗せられた「意味」は命令として私を突き動かす。
命じられるままに、私は横になり、自ら脚を広げ、そして指で「あそこ」を広げて男に見せた。
恥ずかしさのあまり顔を背けたかった。
しかし先の「こっちを見ろ」という命令がまだ効いている。
高揚し真っ赤になった顔を私は男にマジマジと見られてしまっている。
「いい顔するじゃねぇか……なんだ、見られて感じているのか?」
感じてなどいない。男の言葉は疑問系であった為命令ではない。
男はまだ、命令の一つ一つに魔力が込められている事に気付いていない。
もしここで「見られて感じろ」と言われれば、私は露出狂になってしまう。
気付かないで……私は男の質問に答えぬまま、心で祈りを捧げていた。
「なんだ、まだ濡れてねぇな……やっぱ人間と違うのか?」
人間であっても、まだ直接何もされていない内からそう簡単に股を濡らしはしないだろう。
そんな事も理解できないだろうゲスな男は、
しかしにやついた顔をこちらに見せながらとんでもない事を口走った
102某880 汚された淑女〜ヴィーヴル1〜:2005/06/09(木) 00:35:40 ID:V/7MPuNC
「……なら、自分で濡らせ。オナニーを俺に見せて濡らせ」
ああ、悪魔の一言が発せられてしまった。
私は自ら押し広げていた指で、突き出た突起をいじり始めた。
ピクリ、と身体が異常なまでに反応する。
性に関して、私達の一族は人間程敏感でも貪欲でもない。
よって自慰行為など、これまでした事もなかった。
初めての自慰。私はやり方すらよく知らなかったこの行為を始めている。
言葉の魔力は恐ろしい。
具体的な言葉でなくとも、「言霊」となってイメージが全て伝わってしまう。
だから私は、男が望む通り私が最も「濡らしやすいツボ」を知らず知らず刺激してしまう。
コリコリと股間の突起をいじる度に、私はまるで落雷に見舞われたかのような衝撃を感じていく。
気持ちいい。私は初めての快楽に酔い始めていた。
「見せつけてくれるじゃねぇか……よし、もういいぞ」
命令通り、私の指は止まった。
まだ……足りない。
なんと言う事か。私は汚らわしい男の中断を喜ぶどころか残念にすら思うなんて!
私は汚されていく。なのに、何かを期待している。
この感情は何? 私は戸惑っていた。
そして……何かを待ちわびている。
「これだけ濡れれば充分だな……」
男は先ほどより更に大きくなった芋虫を自ら手に取り、私の秘所にあてがった。
103某880 汚された淑女〜ヴィーヴル1〜:2005/06/09(木) 00:36:10 ID:V/7MPuNC
ずぶり
汚らわしい物が、私の中に入ってきた。
男は夢中になって腰を振る。私は初めての性交に、混乱していた。
腰を打ち付けられる度に、快楽が脳まで駆け上がってくる。
私は耐えた。声を出すまいと唇を固く閉ざし、ぎゅっと目を閉じた。
私の中にあった、プライド。こんな男にされるがままになってたまるか。
しかし私の意地が、かえって男に恐ろしい「命令」を出させる事になるなんて。
「くそっ、黙ったまま「マグロ」になってちゃつまんねぇだろ。
声を出せ、よがれ、感じろ、自分から腰を振れ!」
意地もプライドも、全て崩れ落ちた瞬間だった。
「あっ、あん、はっ、ああ! ん、んん!」
突かれる度、腰を振る度、私は喘いだ。
快楽のままに声を出す事で、私はより一層さらなる快楽を招き入れていく。
気持ちいい。とても、気持ちいい!
「どうだ、気持ちいいか、言え! 気持ちいいんだろ!」
「はい、あっ、きもち、いい、です! あ、いい、いいです!」
気持ちいい。これは気持ちいいんだ。
私は初めての性交で極上の快楽を得ている。
この世に、こんな悦楽があるなんて。
今までの退屈な、しかし疑問にすら感じなかった日々が、過去の物へとなっていく。
新たに得た、感情。それはあまりにも大きく、私を狂わせていく。
「く、良すぎるぜ……よし、よし、一緒にいけ、俺と一緒に、いけ、いけ!」
「はい、あっ、もっと、はっ、いい、いって、いって!」
芋虫の口から、男の欲望が放たれる。
それを「中」で感じた瞬間、私は「命令通り」にいった。
初めて、快楽の頂点へ上り詰めた。
なんと心地よいのだろう。これが性交か。
全てが衝撃的で、理性が追いついていかない。
私は息を荒げたまま、僅かに残った意識にしがみつきながら余韻を楽しんでいた。
104某880 汚された淑女〜ヴィーヴル1〜:2005/06/09(木) 00:36:43 ID:V/7MPuNC
カツーン
甲高い音が、私の理性全てを呼び覚ました。
「しまっ……」
私は男を蹴飛ばし、音の鳴った方へ手を伸ばした。
そして取り戻した。私のガーネット。私の全てを。
あまりの快楽に放心状態だったのは私だけではなかったようだ。
男は気を緩めた瞬間、ずっと握りしめていたガーネットを汗で滑らせ落とした。
この一時は刹那。この瞬間が、私の全てを取り戻す唯一のチャンス。それを逃すことなく私は掴んだ。
裸体のまま、駆けだした男。私はゆっくりと姿を変え、羽ばたき一つで男に追いつく。
「ヒィッ!」
引きつった声。先ほどまでの優越感に浸った顔とは大違い。
私は時間をかけゆっくりと、この男をどう苦しめてやろうかと考え始めた。

*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
105某880 汚された淑女〜ヴィーヴル1〜:2005/06/09(木) 00:37:14 ID:V/7MPuNC
「そんな事があったんだ……」
信じられないと目を丸くし、二人が私を見つめている。
「それで……「覚えちゃった」わけ?」
少女の問いに、私は恥じらいながら頷いた。
ガーネットは取り返したが、男の命令によって変えられた私の「快楽」は残ったまま。
ガーネットの魔力は、私自身では扱えない。
よって私は、誰かに「命令」されないかぎり快楽を忘れる事が出来ないでいた。
「強制されながら行う性交……それに感じる、はしたない女になってしまいました」
自慰を覚えた私は、身体の「うずき」を沈める事はどうにか出来る。
しかし、心は常に最上の快楽を求めている。
どうにかしなければ。私は誰かにガーネットを奪われ「命令」されるのを待っている。
しかし誰でも良いというわけにはいかない。
私に残っていた意地とプライドが、ガーネットを託す相手を選んでしまう。
出来れば、モン・セニュール(私のご主人様)と呼べる殿方に……。
「もしかして、「ここ」に来始めたのは……それ?」
メイドの問いに、私は黙って頷いた。
妖精学者。彼ならば、私の悩みを解決してくれるかもしれない。
「ですが……話を切り出せないまま、今日までずるずると……」
殿方を相手に相談できる内容ではない。しかし殿方を相手に相談しなければ解決もしない。
意地とプライド、そして羞恥心が邪魔をしている。
しかしこれらが無くなってしまっては、もはや私は私ではなくなる。
そんなせめぎ合いを一人で続けながら、私は誰にも相談できぬまま悩み続けていた。
それを、こんな形で吐き出す事になるとは、思いもしなかった。
それだけ、溜め込んでいたものがもう喉元まできていたのだろう。
「なるほどね……判ったわ。私達に任せて」
「ま、あの「妖性」学者じゃちょぉっと不安かもしれないけどねぇ」
二人は互いの顔を見合わせ、笑っている。
ちょっと不安だが、彼女達なら私の助けになってくれる。不思議と私は安心していた。
そして事実、彼女達の助けにより、私の悩みは解消されるどころか
さらなる高みへと上り詰める事になるのですが……
その話は、また後日
106某880:2005/06/09(木) 00:43:04 ID:V/7MPuNC
以上です。
最後にある通り、今回のヴィーヴルはもう一つ繋がる話があります。
それはまた近日中に書きたいと思います。

「人間以外の女の子とのお話」スレでリクエストがあったヴィーヴルでしたが
人外要素がないのでこちらに投下しました。
ヴィーヴルは「上半身が女性で下半身が蛇」という説もあるのですが
自分は変身する説で書いています。
(人間時は普通の女性で、龍の時は巨大な蛇の身体にコウモリの翼、という奴です)
107某880 mon seigneur〜ヴィーヴル2〜:2005/06/09(木) 23:50:28 ID:V/7MPuNC
「セックスカウンセラー? おいおい、ちょっと待てよ」
モーショボーの言葉に、館の主である妖精学者が驚いている。
「どこのエロ漫画だよ。それともエロ小説か?」
あまりに現実的でないカウンセリングに、学者は呆れてらっしゃる様子。
「いいから、話を聞きなさいよ」
少女は私から聞いた話をかいつまんで、「ほぼ」ありのままを伝えた。
私が過去、下劣な賊に「ヴィーヴル・ガーネット」を奪われ純血を失った事。
そしてその事で性的な悩みがある事を。
「で、彼女の悩みを解決するには、あんたとやっちゃうのが一番なのよ」
少々下品な言い回しではあるが、少女が提案する「解決案」とは、つまりそういう事になる。
欲求不満なら、満たせば良い。少女の理論は正しいと思われるが
ただ解消するだけが問題ではない。
植え付けられてしまった性癖をどうするか。そこが一番の問題。
これは、ただ性交すればよいというものではなく
根本から治療する為には、「ヴィーヴル・ガーネット」を持った者に
命令を「上書き」してもらう必要がある。
その相手には、妖精学者が最適だろうと少女は言う。
108某880 mon seigneur〜ヴィーヴル2〜:2005/06/09(木) 23:50:59 ID:V/7MPuNC
「あれでしょ?「学者」って肩書きをコインでスクラッチすると「棹師」って出てくるんじゃなかったっけ」
「出るか!」
数々の「同族外の」女性と浮き世を流したと噂される妖精学者。噂は本当らしい。
「とにかく、今夜だけで良いから。大丈夫、「普通に」やるだけでいいんだからさ」
眉をひそめながら、学者が困った顔でこちらをチラリと見ている。
私は声を出さず、深々とお辞儀をした。これが決定打になったよう。
「……まあ、本人が望むんなら……」
彼の心配事は、少女の暴走だけで願い出ているのではないのか、という点だった様子。
私が頭を下げた事で、私も了解している事だというのが伝わったようだ。
「OK。じゃ、今夜頑張ってねー」
人ごとというか、楽しんでるようにすら見える少女は、私達二人に向け両手で投げキッスをし、テケテケと去っていった。
「あっ、あの……このような事をお願いするのは恐縮ではございましたが……よろしくお願い致します」
真っ赤な顔を向けるのが恥ずかしかった私は、再度深々と頭を下げる事で直視されるのを避けた。
「あっ、いや、その……じゃ、じゃあ、今夜ね……」
照れているのは彼も同様だったらしく、たどたどしい言葉を残しそそくさと場を立ち去っていく。
私はその場で、左手を胸に当て逸る鼓動を感じながら、それが静まるのをしばし待っていた。
これからの事を考えると、その鼓動は一向に沈んではくれなかったが。

*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
109某880 mon seigneur〜ヴィーヴル2〜:2005/06/09(木) 23:51:32 ID:V/7MPuNC
月が煌々と館を照らす、夜。
私は今宵の相手……館の主、妖精学者と食事を共にし、すぐに寝室へと向かった。
連れ添って歩く間も、私達は一言も言葉を交わさなかった。
二人とも照れており、そして緊張していた。
男女が交わす情事。それも初めての相手となれば、照れも緊張もしようというもの。
女としては、あまり男性に緊張ばかりされては不安になるが
私は少し、安堵していた。
数多の女性と、数多の夜を過ごしたとされる館の主。
そのような殿方なら女性の扱いに手慣れすぎて、むしろ軽率に扱われてしまうやもと思っていたが
今でも初めての相手にこれほど緊張する方。それだけ、大切にして下さるのだろうと
私はそう感じていた。
「あ、あのさ……一応「治療」だから、「命令」ばかりで言葉遣いも変になるけど……気にしないでくれ……」
あまりにぎこちない言葉に、私はクスリと笑ってしまった。
彼の緊張は、これがただの情事ではない事にもあるよう。
食事の時も、モーショボーとシルキーの二人に散々耳打ちされていたようだが
どうやら「命令」を忘れないように、ということを何度も聞かされたみたい。
彼は「ヴィーヴル・ガーネット」がどのような物かを知っている。
手にすれば膨大な魔力を物にし、私を服従させる事が出来る宝石だと。
しかし彼は、魔力と服従の効果が相乗し「言霊」となって私に深い影響を与える事は知らない。
私の性癖は初体験のトラウマ。そう、彼には説明してある。
つまり「命令の上書き」によって治療するのではなく
正しい……というと語弊がありそうですが……性交を行う事で治療とする、と彼は思いこんでいる。
これは「言霊の事を知ったら、気を使いすぎてまともなセックスにならない」という
モーショボーの助言に基づいて提案が成された事。
よって、これから彼が私にどのような「命令」をするかは予測が付かない。
もしかしたら、あの賊よりも酷い仕打ちをされるかもしれない。そうなれば治療どころではなくなる。
しかし、その様な心配は無用だろう。
この人ならば。
110某880 mon seigneur〜ヴィーヴル2〜:2005/06/09(木) 23:52:06 ID:V/7MPuNC
「では……お願いします」
私は自ら額のガーネットを外し、両手で彼にそっと差し出した。
彼は黙って私のガーネットを受け取ると、深く息を吐き出し、ぎゅっとガーネットを握りしめた。
「……キスをして……しろ。そして、俺を感じてくれ」
ああ、始まった。命令が。
口づけ。ただ唇を重ねるだけではなく、彼は「俺を感じろ」と申される。
身体に、ピリリと何か電気が走ったような感触を受けた。
言霊の力。優しく、暖かく、心地良い。
彼の言葉に乗せられる魔力と想いを全身で受け止め、私は急速に高揚していく。
私は命令に突き動かされ、そっと唇を近づける。
軽く触れた、二人の唇。そしてどちらかともなく、互いの唇の間に舌を割り入れていく。
くちゅ、と湿った音が軽く、しかし明確に耳へと届く。
その音が心を躍らせ、舌の動きを激しくさせる。
くちゅくちゅと、何度も立てられる音。私達は夢中で、舌を絡ませ唇を押し合う。
感じる。彼の情熱と愛情を。命令通り、私は彼の舌と唇から彼そのものを感じていた。
激しく、優しく、絡む舌。
これだけで全ての性交と成り得るのではないかと思える程に、私達は舌同士で抱き合う。
「……次は、俺の……し、尻の穴を、舐めろ。美味そうにな」
彼は私が賊に舐めさせられた事を聞いており、
「治療」の為には必ず命令するようにと言い含められていた様子。
恥ずかしそうに命令するその姿が愛らしい。
私は命じられるまま彼の背に周りひざまずき、彼のお尻の前に顔を近づけた。
そして彼の肛門へと舌先を伸ばし、舐めた。
111某880 mon seigneur〜ヴィーヴル2〜:2005/06/09(木) 23:52:37 ID:V/7MPuNC
……美味しい。私は彼に「美味しそうに」と命じられたからそう感じているのか。
それだけではない。何故かそう思える。
彼はモーショボーに言い含められていた事から、事前に「ここ」を丹念に洗っていたよう。
清潔にされていた為、排泄物の味はしない。
それでも、私には極上の果実のように美味しく感じる。
私は夢中で、ぴちゃぴちゃとなめ回す。
「くっ……気持ちいいよ……」
ピクリと、私は彼の言葉に身体を反応させた。
彼の言葉を聞き、私は悦楽を得ている。
ああそうか。「美味しい」とはこういう事か。私は身体でそれを理解した。
「そこはもういいから、今度は前のを舐めて……舐めろ。丹念に味わえ」
名残惜しそうに、しかし新たな「ごちそう」を味わえる喜びに心満たしながら、
私は顔を離し、彼が反転するのを待つ。
顔が離れた事を確認した彼は、くるりと反転し、
私の前にそそり立つ見事な肉棒を見せつけた。
思わず魅入ってしまう私。しかしそれでも唇は魅惑的な肉棒へと近づける。
軽くキス。そして舌を出し、根本から舐め上げる。
ゆっくり丹念に、命令通り私は肉棒を綺麗に舐め回す。
そしてくぼみの部分を今度はチロチロと小刻みに舌を動かし、やはり丹念に舐め尽くす。
「うっ……ん……」
彼の軽いうめき声ですら、言霊となって私に響く。
彼の快楽が、私の快楽。
私はいつの間にか、「奉仕」という「性癖」を新たに上書きされていた。
112某880 mon seigneur〜ヴィーヴル2〜:2005/06/09(木) 23:53:09 ID:V/7MPuNC
「今度は……そのままくわえてくれ」
下される命令。もはや命令そのものが悦楽になっている。
言霊の効果は私の、そしておそらく友人達の予想よりも遙かに上回っていた。
むろん、嫌ではない。むしろ至福。
私は夢中になって、まだ大きくなろうとする肉棒をくわえた。
舌で舐め回しながら、唇でしごく。激しく、愛おしく、私は頭を何度も前後させた。
「くっ……出る、そのまま飲んで……」
ビクッビクッと、肉棒が跳ねる。
彼が快楽の頂点に達した証が、私の口内へと流れ込む。
私は肉棒をくわえたまま、その証を全て、喉を鳴らし飲んでいく。
勢いが衰えても、私は全てを飲み込もうと吸引し肉棒の中に残っている物も吸い取り飲んでいく。
「……あはぁ、美味しい……」
私は微笑み、彼を見上げた。
そんな私の顔を見ながら、彼はゆっくりと私の髪を撫でる。
至福の一時とは、この事を言うのだろうか。撫でられる髪ですら、私に幸せと悦楽をもたらしてくれる。
「次は君の番だよ。足を開いて、俺によく見せて。そして、自分で「いって」ごらん」
これも、私が賊に受けた屈辱の一つ。
でも、彼の前で屈辱など感じる事はない。むしろ全てを見て欲しいとさえ思う。
ここでも、新たな「性癖」が上書きされている。
「なんだ、もう随分と濡らしているね」
広げた脚の間は、ずぶずぶに濡れていた。
こんな事、賊にされた時にはなかったのに。
あの時に「快楽」を覚えたからこうなったのか、
それとも彼に命令されて行ってきた「快楽」がここまで濡らせたのか。
おそらく、両方だろう。
私は彼に指摘された言葉すら言霊として受け取り、より濡らしているのを指で確認した。
113某880 mon seigneur〜ヴィーヴル2〜:2005/06/09(木) 23:53:42 ID:V/7MPuNC
「見て下さい……私が「いく」ところを……」
命令もされていないのに、私は恥ずかしい事を口走る。
羞恥心はある。あるからこそ、感じている。
私はその快楽を更に深める為、くちゅくちゅと音を立てながら指を動かした。
小さく突き出た突起と、その下にある深い穴。
私は両手の指でそれぞれをまさぐり、中からあふれ出る蜜をより増していく。
「はぁ、あっ、ん……見て、ちゃんと、見て……んっ、見て、ください……ああ!」
自然と、指の動きが速まる。
私は彼の視線を感じながら、声を上げ全てを快楽へと転換させていく。
「いい、いく、いきます! 見て、見て! ん、あ、ああ!」
ガクガクと身体が震える。私は、自らの指で頂点に達していた。
あふれ出る蜜が止まらない。
流れ出るままにしていたその蜜を、私は指ですくい一舐めする。
「あっ!」
蜜をなめたのは私だけではなかった。
いつの間にか私の股間に顔を近づけていた彼が、直接私の蜜を舐めている。
「いいよ、そのまま感じて」
私が彼のお尻を舐め回したように、彼が私の股間を舐め回している。
私は命令通り、彼の行為全てを感じていた。
自分の指とは違う感覚。同じ事のはずなのに、全く違う快楽が身体を突き上げていく。
114某880 mon seigneur〜ヴィーヴル2〜:2005/06/09(木) 23:54:14 ID:V/7MPuNC
「……それじゃ、行くよ」
顔を離し、彼は私の股間に己の股間をあてがっている。
そして、一気に、彼の肉棒を私の中へと突き入れた。
「ああ!」
その瞬間、私は声を荒げ迎え入れた。
「そのまま、感じて。「変な男」の事なんか忘れて、俺を感じて!」
変な男? 彼は誰の事を言っているのか……私には見当が付かない。
解るのは、今彼が全ての情熱を私に向けてくれている事。
何度も突き入れられる肉棒の快楽と共に。
「あっ、は、ん……い、いい、きもち、いい、です……」
突かれる度に上げられる、あえぎ声。私は命令通り、彼の全てを感じている。
「いいよ、気持ちいいよ……」
彼もまた、悦楽の声を上げている。その声はもちろん、私に言霊となって響きより私の快楽を増幅させていく。
彼は寝そべっていた私の半身を持ち上げ、ぐっと抱きしめた。
「今だけ、今だけで良い。愛してくれ。俺を愛してくれ」
私の心が、完全に束縛された瞬間。
愛という従属を命じられ、私はそれを喜びと共に受け入れている。
「はいっ、はい! 愛して、おります。愛して、おります!」
いつの間にか、私は瞳からポタポタと幸福の涙をこぼしていた。
我が一族の幸せ。女性しか存在せぬ我が一族の、最高の幸せ。
私はついに、手に入れた。
「いく、いきます! ああ、モン・セニュール! セニュール!」
我が君。私は何度も母国語で叫んだ。
「いきます、モン・セニュール! ああ、ああ!」
互いが同時に頂点に達する。
肉体の絶頂と、精神の絶頂へと。

*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
115某880 mon seigneur〜ヴィーヴル2〜:2005/06/09(木) 23:54:45 ID:V/7MPuNC
「ちょっ、それってつまり……」
ご主人様が私にガーネットを返却されてから、
私は此度の事を「全て」明かした。
言霊の事を。
「はい。おかげで、私は今とても幸せです、モン・セニュール」
私の悩みは解消され、そして幸せを得た。
これほど喜ばしい事はないはずなのに、ご主人様は戸惑っていらっしゃる。
「いや、でも……そんなつもりがあったわけでは……」
不可抗力。それは否めません。
しかし「責任」をとって貰わない事には、私が困る事になる。
「でもさ、俺は「今だけ」って言ったわけだから……君の「愛」は今夜限りなんじゃないの?」
ご自分の発言に責任を持とうとしないなんて。
それでも私はご主人様を攻めはしない。何故ならば、私はご主人様を愛しているから。
「おっしゃった「今」は、今夜だけという意味でしたか?
言霊は字面のままの意味ではなく、そこに込められた全ての「想い」が伝わります」
私は感じていた。ご主人様の愛と、そして言霊を。
今だけ。ご主人様は字面のままを言霊にはしていない。
永遠に。少なくとも私はそう受け取っている。
悪く言えば惚れっぽいご主人様。
それでも、あの時の言霊は本物で、そして責任を取ってくれると私は信じている。
「お願いがございます、モン・セニュール」
私は一度返されたガーネットを、静かにご主人様の前へと差し出した。
「私のガーネット、改めて受け取って頂けませんか?」

*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
116某880 mon seigneur〜ヴィーヴル2〜:2005/06/09(木) 23:55:18 ID:V/7MPuNC
「行ってらっしゃいませ、モン・セニュール」
翌朝、私はスキュラと同じメイド服を着込み、外出されるご主人様を見送っていた。
「……まさかこんな事になるとは思わなかったけど……結果オーライ?」
私と共にご主人様を見送っていたシルキーが、私に声をかけた。
「ええ。私、幸せですから」
微笑む私の額には、ガーネットが輝いている。
結局、ご主人様は私のガーネットを受け取っては下さらなかった。
ご主人様曰く、「言霊を上手く扱えない俺に、それは危険すぎる」と。
言葉の一つ一つに私が影響を受けてしまうのは、
私がいつしか私でなくなると、ご主人様は心配して下さった。
見方を変えれば、私の「愛」は偽りの愛。作られた愛だと言われた。
確かに、私のご主人様に対する愛は、言霊の命令があってこその物。
しかし私には、この愛を偽りだと否定するつもりはない。
そう暗示をかけられたから……といわれるでしょうが、それだけではないと、私は信じている。
117某880 mon seigneur〜ヴィーヴル2〜:2005/06/09(木) 23:55:49 ID:V/7MPuNC
「まあ正直、言うと思ったのよ。私にも言うんだもん。「愛」なんか知らないって言ってるのに」
いつの間にか横に並び立っていたモーショボーが、愚痴るようにこぼす。
「スキュラなんかに言わせると、「惚れっぽいけど、誰にでも本気なのが良いのよ」
なーんていうんだろうけど……どーなんだか」
愛を知らない少女には、理解しがたい話のよう。
いえ、彼女でなくとも、一般的には理解しがたい話でしょう。
それでも、私はご主人様の愛を信じている。
その「証」を私は指で触りながら、確信する。
ガーネットを受け取らない代わりに、ご主人様は「金の首輪」を私にはめて下さった。
我が一族が従属することを示す証。
妖精学者であるご主人様は、我が一族の仕来りを存じてらした。
ご主人様はこれを従属ではなく愛の証として、私にはめて下さった。
「さて、お掃除でもしてしまいましょう。色々教えて下さいね、先輩」
先輩は止めてと、友人が私を叱りながら共に屋敷内へと歩いていく。
人からは、偽りの愛だとか操られた愛だとか、言われるだろう。
私はなんと言われようが、一向に構わない。
退屈でしかなかった日々に別れを告げ、これからは毎日を充実して過ごせそう。
私は、愛を得たから。
118某880:2005/06/10(金) 00:03:27 ID:V/7MPuNC
以上です。

結局2話連続書き込みになってしまった。
良かったのかなぁ…ちょっと心配ですが、投下しちゃったからもう仕方ないですねw

ちょっと補足説明しますと、
「mon seigneur(モン・セニュール)」はフランス語で「私のご主人様」という意味になりますが、
「seigneur」は英語でいう「lord(ロード)」なので
ご主人様というよりは、君主とかそっちの方が意味として近いです。
また現在のフランスでは「mon seigneur」は「神様」の事を指す事が多いそうなので
乱用はご注意を…何処で使うのかは知りませんがw

それにしても、俺投下しすぎかな?
他の職人の方が書くSSも読みたいよ。
>88さん、その続きまってますからねー
他の方も投下していってよー
119名無しさん@ピンキー:2005/06/10(金) 00:59:11 ID:ZMYmAG6q
>それにしても、俺投下しすぎかな?
そんな心配まったく不要じゃないかな
マターリしすぎってくらいマターリしてるし、話も面白かったし
凄く楽しめたよ。GJ
120名無しさん@ピンキー:2005/06/10(金) 13:35:09 ID:7Vqw7Vua
>mon seigneur
「主よ」といったところか。
121名無しさん@ピンキー:2005/06/10(金) 14:52:35 ID:Y6mHbTMp
そんなとこか
まあなんにせよGJ
122名無しさん@ピンキー:2005/06/10(金) 16:07:33 ID:V9+101i/
「我が君」とかもアリかと。>mon seigneur
しかしまあ、ハッピーエンドだのぅ。大好きだ。GJ!
123名無しさん@ピンキー:2005/06/10(金) 17:29:49 ID:Y6mHbTMp
これはどっかのエロゲーですか?
そう思える程良くできてる
エゴ(studio-egoってエゴだっけ?)にでも2ちゃんに凄いのがいるって言ってみるか
124>:2005/06/10(金) 22:33:30 ID:bS7wz53J
「いたたたたぁ・・・」
「・・・大丈夫?」
と、とりあえず俺は声をかけてみる。
「あ、はい。一応・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あのぅ・・・」
かなり長い沈黙を破ったのは、彼女の方である。
しかし俺は、彼女に対しての山ほどある疑問を投げかけてみる。
「君、・・・誰?」
まずはこれからだ、その全身に黒衣を纏った姿から、泥棒にしては少し変だと思った。
彼女は少し間を空けて。
「何って・・・、貧乏神ですけど」
・・・・・・はぁ?びんぼうがみ?ビンボウガミ?
俺はいきり立って。
「おい!ふざけてるのか!?」
と、彼女に迫る。
「『ふざけてる』って・・・、貧乏神は貧乏神ですし・・・」
火が点いた。
「ちょっと来い!警察の突き出してやる!何やってたんだが知らんが、人ん家に勝手に入り込みやがって!」
と言い放ち、彼女の黒衣の袖を力ずくで引っ張る。
「痛ぁ!」
と言いながら抵抗していた彼女だが、女の力では男には抗えないらしく、ずるずると俺に引っ張られていった。
ガチャ!とドアを開け、とりあえず一番近くの交番を目指す。
しかしアパートの階段を降りる途中でそこの住民に話しかけられたとき、あることに気がついた。
「あら今分けさん、お一人でどちらへお出かけ?」
・・・お一人?
「え?あぁ!はいはい。ちょっとそこまで・・・」
などと言いつつ、混乱しながらとりあえず彼女を引っ張りながら自分の部屋まで引き返す。
125名無しさん@ピンキー:2005/06/10(金) 22:34:47 ID:bS7wz53J
バタンッ!
「どういうことだ!?」
もう一度彼女に問いかけてみる。
「だ〜か〜ら〜、貧乏神ですって。び・ん・ぼ・う・が・み!」
少しけだるそうに、そしてこれが最終告知だとでも言うようにして彼女は言った。
「・・・少し、時間をくれ」
俺は、混乱した自分を落ち着かせるべく、少しの間を要請した。
――俺は霊をとかの類は信じない方だし、最初彼女が死神だ、と言った時も、「こいつはきっと頭がおかしいんだ」と思っていた。
・・・が、実際にここの住人には見えてなかった様だ。
しかし何故俺にだけ彼女が見える!?
と、いくつかの考えを巡らせたあげく、ストレートに彼女に問いかけた。
「・・・もし、仮にもしあんたが貧乏神だったとしよう。しかし何故俺にはあんたが見えて他の奴には見えないんだ?」
俺は彼女の反応を伺った。
そして彼女は、少しくだけた口調で話し始めた。
「それはですね・・・、あなたが私の『取り憑き先』だったからですよ♪」
冷静さを取り戻した俺は、そのまま彼女に言った。
「続けてくれ」
「ご存知だと思いますが、私、貧乏神は人間に取り憑き、最後にはこの人間を殺すのが、俗に言う『仕事』なんですよ」
それは分かる、「貧乏神=人を貧困に陥れる」と言うのは、普通の人間なら誰でも知っていることだ。
・・・所詮は作り話での事なのだったが。
彼女は坦々と語り続ける。
「そしてその・・・」
「ちょっと待った」
彼女の話を聞いているとある疑問が浮き上がってきた。
「・・・何ですかぁ?」
「その・・・、何で俺がその『取り憑き先』なんだ?」
「『運』ですよ」
・・・は!?なんつった今!?
「つまりですねぇ・・・、今現在日本にいる1億3000万の中の『取り憑き先候補』の中から、たった一人が選ばれるんです!♪」
すいません、2,3日中に残りを書き上げたいと思います。それまでもう少し待っていてください。

126名無しさん@ピンキー:2005/06/10(金) 22:41:16 ID:BnMKKUFk
なんか萌え。でも貧乏神ってのがな…(w
127名無しさん@ピンキー:2005/06/12(日) 01:49:41 ID:chxqnlBs
信州は飯田市に、貧乏神を棄てられる神社がありまつよ!
128名無しさん@ピンキー:2005/06/12(日) 15:31:11 ID:1aoGpLhX
彼女の語尾のには力がこもっていた。
「喜べ」とでも言うのか、冗談じゃない。
「どうですかぁ?♪」
どうですか、じゃない。
確かに俺は今の生活に飽いていたが、いくら希少な体験でも不幸にはなりたくは無い。
・・・つまり俺はありえないほどの低確率でこんな傍迷惑なもんもらっちまったわけか。
そう考えると、自然のうちに彼女への怒りがこみ上げてきた。
「何ふてくされてるんですか?」
不思議そうな表情で、彼女は俺の顔を覗き込む。
そんな俺は、脳裏に「ある行為」を思い浮かべていた。
全く女っ気もない一人暮らしで、自分の部屋で女の子と二人っきりならば当然生まれてくる考えだ。
そして彼女への怒りは、俺をその行為を現実のものへと踏み込ませた。
129名無しさん@ピンキー:2005/06/12(日) 15:32:20 ID:1aoGpLhX
「・・・そうだよな」
「え、なん・・・」
と、彼女が言い終わらないうちに、俺は彼女を押し倒した。
――ドサッ!
「きゃあっ!」
そして一つ、彼女の唇と自分の唇を重ねる。
彼女は面食らった表情で俺と目を合わせた。
「ゃっ・・・!」
と声を漏らし必死に抵抗していた彼女だったが、先程の通り力ではどうにも出来ない様子だった。
そして俺は黒衣の襟元から、彼女の胸へ手を這わせる。
「・・・っ!」
彼女は瞳をぎゅっと閉じ、両の腕で俺を押しのけようとしている。
黒衣の上からは目立たなかったが、触ってみると彼女の胸はそれなりに大きかった。
唇を合わせたまま両手で彼女の胸をもみしだく。
唇が離れ、口が自由になった彼女が言った。
「何するんですか!」
俺は一旦彼女から身を離し、そして言った。
130名無しさん@ピンキー:2005/06/12(日) 15:33:33 ID:1aoGpLhX
「あんたが俺に勝手な事をしようってんだから、そのお返しさ」
彼女はこれまでの思いがけぬ出来事からの混乱を落ち着かせるように、俺の目を見て。
「確かに・・・、私が人間に見つかったのは初めての事ですし。なおかつ一人暮らしなら・・・」
等と、独り言を言っていた彼女はこう続けた。
「人間には『性欲』ってものがありますよね?」
・・・・・・!?
相当意外な質問に戸惑いながらも、俺は答えた。
「え?・・・まぁ、な」
彼女はニヤリと笑うと
「実は貧乏神にもあるんですよね」
といいながら、俺は「さっきのお返し」と言わんばかりに、彼女に押し倒された。
流石に不意をつかれてはなされるがままになるしかなかった。
「さっきのあなたの行動で、私、火が点いちゃいました♪」
と言い今度は彼女の方から唇を合わせてくる。
さっきとは真逆の展開に戸惑いながらも、俺は彼女と舌を絡めた。
ちゅ・・・ぷ・・・。
と、卑猥な音が部屋に響く。
幾分かの時が経った。
131名無しさん@ピンキー:2005/06/12(日) 15:35:44 ID:1aoGpLhX
「じゃあ・・・」
と彼女が言うと、その黒衣を脱ぎ始めた。
――綺麗だ。
と俺が彼女の輝くような裸体に見入っている隙に、彼女はすっかり大きくなった俺のモノに手を伸ばす。
するり、と彼女の細い指がズボンの中に入っていく。
ひんやりとした触感と、たまらない快感が同時に俺を襲う。
「うっ・・・」
と俺は呻き声をあげた。
彼女は俺の下半身を裸にすると、なおも攻撃を続ける。
盛んに手を上下に動かし、その行動に夢中になっている。
俺はしばらく天井を見つめながら、その快感に酔っていたが。
ふいに、さらにねっとりとした、極上の快感が俺の下半身を襲った。
彼女を見ると、その薄いピンク色の唇、そして可愛らしい舌で俺のモノを貪っている彼女がいた。
「うあぁ・・・!」
声を上げた俺に彼女がこういった。
「きもひいぃですかぁ?」
そう言って彼女はその口で上下運動を始めた。
132名無しさん@ピンキー:2005/06/12(日) 15:37:37 ID:1aoGpLhX
ちゅぶっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅびっ。
一心不乱に俺のモノを舐め続ける彼女。
精射感が近づいてきた。
「・・・そろそろっ、出るっ!」
と言った俺に、彼女は
「いいでふよ〜、そのまま出ひても♪」
俺のモノをくわながら言う彼女。
俺は彼女の頭を押さえつけ、モノを一気に彼女の喉元に突き入れた。
同時に
「びゅくっ!びゅるる・・・るる・・・、びゅっ」
と性を吐き出した。
彼女の喉元で「ごくり」という音がしたが。
「げほっ!げほっ!げほっ!」
咳き込む彼女、どうやら最後の一突きが効いたらしい。
「ひどいですよぉ〜、そういうのはちゃんと・・・」
と、少し涙目になりながら言った。
「ごめんごめん」
謝る俺。
「でも・・・、気持ちよかったですかぁ?」
「・・・うん」
「じゃあ私も・・・」
といいつつ彼女は寂しそうに体をくねらせる。
そう言った彼女に再び欲情したのか、俺のモノも再び大きさを取り戻す。
俺は何も言わず、濡れきった彼女の秘部に自分のモノをあてがう。
133名無しさん@ピンキー:2005/06/12(日) 15:38:26 ID:1aoGpLhX
――ずぶっ
という音と共に
「あぁんっ!」
と声を上げた。
「いくらでも声上げていいぞ、どうせ俺以外には聞こえないんだから」
そういって俺は運動を開始した。流石に滑らかに動く。
一つ腰を動かすたびに、彼女は声を上げる。
「あんっ!いぃ!気持ちいいですぅ!あっ!」
彼女も自然と腰を動かす。
お互いの液が混ざり合い、ますます卑猥な音が部屋に響いている。
そして彼女と三度唇を合わす。
息遣いの荒いキスは、彼女が息をするたびに彼女の唾液が大量に流れ込んでくる。
そして再び俺は腰を動かし始める。
ずっ、ちゅっ、ぐちゅ・・・。
「あん!あぁんっ!」
彼女の声はますます大きくなる。
「ゎたしっ!いっ・・・ちゃいま・・・す!!!」
彼女の言葉はもう途切れ途切れだ。
「俺もっ!そろそろいくよ!」
そういってまた一段と腰を激しく動かす俺。
「ああああぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!」
「びゅるるるるっ、うううぅぅぅ・・・」
絶叫に近い彼女の声と共に俺たちは果てた。
――落ち着いてから彼女は言った。
「人間とこんなに『いいこと』ができるなんて思ってもいませんでした」
満足げな表情の彼女は、こう続けた。
「でも私はやっぱり貧乏神です。あなたを殺すことが私の目的なのですよ」
俺は、「嫌な事思い出させやがって・・・」と思った。
そして彼女はこう言った。
「あなたが死ぬまで、私、ここの家に居ついてやりますからね♪」
といった彼女は、とても嬉しそうだった。
134名無しさん@ピンキー:2005/06/12(日) 15:43:13 ID:1aoGpLhX
以上です。
某880さんのSSを呼んでいると「自分ももっと精進すべきだなぁ・・・」という気になります。
これからもちょくちょく投下させていきたいと思います。

>>127さん、博識ですねぇ。
こいつ(主人公)及び自分は当然知りもしないですw
135名無しさん@ピンキー:2005/06/12(日) 18:01:30 ID:B27vT9qQ
身体に味噌塗って、しゃもじでペシペシと叩くと取りついた貧乏神を追い出せるとかって話があったな…
逆に焼き味噌が好きって話もあったような…
136名無しさん@ピンキー:2005/06/12(日) 21:29:36 ID:yr2V2l1Y
桃鉄思い出した w

焼き味噌カードって使うと貧乏神よってくるんだよな
137某880:2005/06/13(月) 00:15:18 ID:2eKtXQdz
>124さん
GJ!!
萌え貧乏神さんかわええ
貧乏に耐える代わりに毎晩エッチし放題
羨ましそうだが、さりげにキツイかも? そこは愛?
今後の投下も待ってますよー

>119-123さん
感謝
mon seigneurについては、120さんの「主よ」が今現在の使われ方のようです。
意味としては122さんの「我が君」が最も近いんですし
ヴィーヴルの性格からすれば、ご主人様より我が君の方が似合ってるかもなぁ。
今後書く事が又あったら、ちょっと使い分けてみます。
138名無しさん@ピンキー:2005/06/13(月) 00:22:32 ID:Emd8iOSD
グルームパーティーでかわいい押しかけ貧乏神みたいなネタあったな
139名無しさん@ピンキー:2005/06/16(木) 09:27:22 ID:d6XpReGi
このスレに本物の貧乏神が来そうなので保守あげ
140名無しさん@ピンキー:2005/06/18(土) 23:57:33 ID:vb84M075
貧乏神が既に来てる可能性があるので
 保 守 あ げ
141名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 00:39:28 ID:ILd0qFeO
いっそ、統合しちゃうか?⇒【妖怪】人間以外の女の子とのお話13【幽霊】
実際、某880さんのみたいに両方にまたがるシリーズとかあって、保管庫だと追跡しにくいでしょうし。
発祥が違っても中身は被るし、とくに厳密に分けたいという声がなければ、次スレあたりから統合しちゃっても良い気がする。
142名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 00:46:25 ID:w5CPebUn
>>141
その方がいい気がするスレ内容に変わりがない感じもするし…なによりスレ人工が少しでも増えるかと
143名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 01:01:44 ID:ILd0qFeO
あ、そーいや、ここの保管庫ってドコなの?
個別では見付かんなかったけど?
どなたか詳細プリーズ。
144名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 01:14:15 ID:uVc/LZqA
>>2が読めないってどーいう目してんだ?
145名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 01:18:08 ID:uVc/LZqA
>>141=143だったか。
ろくすっぽすれも読んでないのに統合とか言い出すなよ。
漏れはこのままでいいに1票。
146名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 01:47:17 ID:ILd0qFeO
スマソ、ここで探してたよ。
2chエロパロ板SS保管庫 http://sslibrary.gozaru.jp/
保管庫ってそこに統一してるんじゃなかったんだ。
保管庫が完全に別になってるんだったら、一つのシリーズなのに余計探しづらいじゃん。
ん、まてよ。同一シリーズを他スレとまたがらせなければいいのか。
147某880:2005/06/19(日) 03:33:38 ID:menGA83n
前にも書き込みましたが
>ん、まてよ。同一シリーズを他スレとまたがらせなければいいのか。
自分は「人間以外の〜」に投下してましたが
どうもあちらのスレでは「人外要素がない」と歓迎されないっぽい雰囲気が過去の書き込みにあったので
あえて分けて投下する事にしました
統合される分には問題ないというか、個人的には楽になるので助かりますが
とりあえず、統合の是非は別にして
俺はやはり、どちらかに統一して投下していった方が良いですかね?
148名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 04:13:52 ID:BrNL9nMf
総合の是非は別にして、思うように分けて投下すればいいのでは?
某880氏の言うように、向こうは幽霊にしろ何にしろ人外の要素がないと・・・って雰囲気があるし

統合については何か決定的な不都合が出てきてからでいい気がしないでもないけどな
今は、そりゃ多少は人少ないと思うけど、作品も投下されてるからなあ・・・
149名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 08:11:08 ID:w5CPebUn
ふむ…近い要素のスレであっても越えられない壁があるのか

SS保管庫が統合されてるんなら別に無理してスレ統合は必要ないのかな〜
150名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 08:54:18 ID:JgcAM6q8
俺も統合には反対。
人外要素あるえちがかけないだけだけどorz
151名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 10:03:11 ID:YDcDuoFY
・もともとこちらはオカ板の住人が多いのではないか?
 そんな人たちに人外・モンスター娘などのSSは読み辛いと思う。

・同様に人外スレの人たちにとって普通の少女の風貌の幽霊は(ry

・以上のことから統合しても混乱するか忘れた頃にまた分裂するかの悪循環になる予感

・そもそも保管庫が一つだなんて決まってない

・むこうの鯛に【幽霊・妖怪】が入っているので混乱しがちだけど、
 まぁこれは人外な風貌の妖怪もいるので仕方がないのか…

・個人的には某880さんにはメガテンスレに投下して欲しかったSSもあるけどあぁごめんなさいなんでもないでs

--------------
以上、全てのスレを巡回している漏れのチラシの裏。
152某880:2005/06/19(日) 13:51:24 ID:menGA83n
とりあえず、現状維持で投下していきますね
投下するのは先の話ですが

>151さん
>・個人的には某880さんにはメガテンスレに投下して欲しかったSSもあるけどあぁごめんなさいなんでもないでs
世界観がメガテンではないので避けました
正直、向こうの方が彼女について知っている人も多いだろうとは思ってたんですけどね

ところで、次のネタはある程度固まってまして
それが猫耳と狐耳の女の子なんだけど、ここでいいですよね?
専門スレがあったと思うんですが、流石に三っつに分けるのは気が引ける
以前に、俺が面倒w
つーか、そもそも俺が手広くやりすぎるのかなぁorz
153名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 14:56:39 ID:OqJMzIG8
>149-151のような意見がある以上、分けた方が良いでしょう。
分けたスレがあるということは、内容の重ならない・拒否反応のある住人がいるということです。
そういう方がいるのに、スレ違いのSSを投稿するのは荒れる元になるでしょう。
ですから、当該スレッドで投稿した方がよいと思います。

属性持ちは向こうを見る。見てない奴は属性がない。
ほんとジャンル分けは細かいぜ。フゥハハハァァァ―――っ
154名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 15:17:21 ID:w5CPebUn
>>152>>153
俺はむしろここか妖怪スレに投下して欲しいですが…というか、猫、狐の属性ってここか妖怪スレのどちらかしかなかったような気がする
猫耳〜のスレがありますがあれははっきりした世界観設定があった気がするので投下するにはそれに付随せねばならないかと。


などと希望を挙げてみる
155名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 15:49:42 ID:OqJMzIG8
この辺か?
【獣人】亜人の少年少女の絡み【獣化】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1118598070/l50
【亜人】人外の者達の絡み【異形】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1098260654/l50
猫耳少女と召使いの物語5
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1113392192/l50
156名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 19:53:37 ID:w5CPebUn
>>155
結構いっぱいあったね(´ω`)



まあ某880さんの意向のままに〜
157名無しさん@ピンキー:2005/06/20(月) 09:41:37 ID:oxwqk/ab
あ、猫耳少女と召使いスレはスレ独特の世界観が出来上がっているので注意ですよー
158名無しさん@ピンキー:2005/06/20(月) 19:11:45 ID:XS1qEFd0
>「mon seigneur(モン・セニュール)」
どうでもいいけど、これみて、モンシニョール(高位聖職者の称号?地位?)を連想した。
語源は同じなんだろうか。
159某880:2005/06/20(月) 19:21:49 ID:+6kXWzv2
猫耳&狐耳の話は、とりあえずここに投下する事になりそうです
一応、これまでの投下作品と同じ世界観だし。
とは言っても、投下するのは来月になるかと。
テカテカしなくていいので、しばらく待っててくださいませ。

属性の有無によってジャンル分けが細かいのは、本当に善し悪しですね。
細かい方が不平不満が少なくなって良い反面
俺みたいに節操なしは回るスレが多くなって大変だw
160某880:2005/06/20(月) 19:27:36 ID:+6kXWzv2
リロれば良かったorz

>158さん
自分が調べた時は、「mon seigneur」を語源として「monsieur(ムッシュ)」になったらしいですが
称号の話は初耳です。
ちなみに、下記のページを参考にしました
ttp://www2s.biglobe.ne.jp/~cama/france/lecon/lecon3/monsieur.html
「ma dame(マ・ダム)」もどこかで使えるかなぁと思ったり。
161某880:2005/06/20(月) 19:32:24 ID:+6kXWzv2
日本語が変だな
「自分が調べた時知ったのは」ですね
162名無しさん@ピンキー:2005/06/20(月) 21:34:57 ID:1qzsfW+l
>>159
またーり待たせて頂きます。

(´▽`)ワクワク
163名無しさん@ピンキー:2005/06/24(金) 22:29:26 ID:FqE27a8G
164名無しさん@ピンキー:2005/06/25(土) 03:08:40 ID:GubPkzge
165名無しさん@ピンキー:2005/06/27(月) 21:03:18 ID:qofSa9dy
保守萌え
166くなさん ◆DAYgAM2ISM :2005/06/29(水) 01:14:05 ID:usNblX0/
9レス使用で投下します
コテトリついてますので、気に入らない方はあぽ〜ん推奨
特殊属性・注意事項は特にありませんが、HR絶対駄目な方はスルーよろ


『サトリの化け物』
167くなさん ◆DAYgAM2ISM :2005/06/29(水) 01:16:38 ID:usNblX0/

 ひょっとして、獣道に迷い込んだんじゃないか。そんな懸念は、浮かんだ次の瞬
間には道脇の自動車が消し去ってくれた。
 まさか自殺じゃねえだろうな、と思って車内を恐る恐る覗き込んでみる。霊能探
偵社なんて名乗っているが、霊体験と縁が無いからやってられるだけで。一度でも
視たら、その時点で廃業するだろう。
 ま、それが社員一人の会社の気楽さだ。
 幸いにして、白骨死体も幽霊も乗っていなかった。ナンバープレートが外されて
いる事からも、単なる放置車だろう。
 安堵の息を吐きながら、体を伸ばして眼下を見下ろす。これでもか、と広がる森
を見て『自然との共存』なんて不可能だと認識を新たにした。木々の一本一本どこ
ろか、葉っぱの一枚一枚が人間の侵入を拒んでやがるようだ。心が安らぐどころか、
日が落ちたら迷い死ぬんじゃねえかという不安でたまらなくなる。
 さっさと仕事を済ませるべく、俺は足を速めた。
 今回の依頼は、金持ちの別荘調査だ。なんでも、その辺りには『サトリの化け物』
が出るという噂があるらしい。人の心を読むとかいう妖怪で、江戸時代に剣豪の目
を奪った奴だそうだ。
 相手が何であろうが、森崎霊能探偵社の仕事は大差無い。依頼された場所で写真
を撮りまくって、霊能者を名乗ってる奴に鑑定を頼むだけだ。
 この商売のコツは、ふっかけてくる霊能者をパスする事だろう。適当にそれらし
い事を、それらしい報告書にまとめれば金が貰えるんだ。なにもわざわざ、儲けを
減らす必要なんか無い。
 それにしても、
「『それにしても、こう暑くてはたまらない』と思っているな」
「誰だ?」
 唐突に聞こえた声に、辺りを見回してみた。前後は見通しの悪い道が続き、左右
は木で埋まっている。かなり注意したはずなのだが、人影はどこにも無かった。
 女の声のようだったが、幻聴か何かだろうか。
「『まさか、こんな山奥で女の強盗も無えよな』と思っただろう」
168くなさん ◆DAYgAM2ISM :2005/06/29(水) 01:17:53 ID:usNblX0/
 今度は、はっきりと後ろから声がする。激しく脈打ち始めた心臓を無視し、ゆっ
くりと振り返った。
 一人の女がいた。
 草木を掻き分けた音も、人が移動する気配も感じていない。とはいえ、剣の達人
でも無い俺なら気付かなくても当然だろう。これが一人でなく、五千人だったら怖
かったろうな。何が怖いって、俺の鈍感さが。
「『だが、本当に怖いのは今だに顔を伏せている女だ』と思ったな」
 長い髪が覆い被さり、女の顔は見えない。服装や体格だけ見れば、ハイキングに
来た若い女なのだが。
 残念ながら、手荷物の類を持ってなどいなかった。
「俺に何か用なのか?」
「『殺す気なのか』と思っているだろう。『サトリってやつか?』と思ったな」
 女が軽く笑う。なんて事の無い、息が洩れる音のはずなのだが。腕を覆い尽くし
た寒気は、容赦なく背中まで浸透していた。
 唾を呑むだけで、喉に異様な痛みが走る。逃げようにも足が動かない俺の前で、
ゆっくりと女の顔が上がった。
「……」
「なんだよ?」
「『美人だ。今まで見た女の中で、一番好みの顔かも』と思っただろう」
「ああ、思ったぞ」
 いわゆる美人顔だ。全体に細さを感じる、目の鋭い女。
 今まで、幽霊に出会った奴が逃げ出さないなんて馬鹿馬鹿しいと笑ってきた。取
り殺されるのをただ待ってる時点で、嘘臭いどころの話じゃねえ。怪談なんざ、走
って逃げりゃ済みそうな代物ばかりだ。
 だが実際に体験してみると、とても逃げようなどとは思えなかった。そんな勿体
ない事をする奴は、男の風上にも置けねえ。
「『むしろ、』って何を考えている!」
169くなさん ◆DAYgAM2ISM :2005/06/29(水) 01:20:14 ID:usNblX0/
「ざけんな! 俺の頭の中を見透かして、次々に先回りして追い詰めるのがサトリ
の化け物じゃねえのか。さあ言え、ほら言え、早く言え」
「『これじゃ変質者だな』と思っただろう」
「その前だ。それなら、ほら、今だ。俺が何と思ってるか、言い当ててみせろや」
 俺が詰め寄る度に、じりじりと女が退がっていく。どうせ化け物は触れないのだ
ろうからと開き直り、一気に距離を詰めた。
 間近で見る女は、息を飲むほどに美しかった。なるほど、これが人外の美という
やつか。ここまで綺麗になるのは、人間では難しそうだ。動揺からか、目元を赤く
させ少し焦っているのも色っぽい。
「言ってみろよ」
「『逃げないなんて、誘っているのか?』と思……違う、違うからな!」
 飛び退こうとした女の肩を掴み、引き留める。思った以上に華奢な体つきが、掌
を通して伝わってきた。触れるんだったら、何の問題も無え。いくら綺麗な女だか
らって、観賞用じゃグラビアと変わらないからな。
 じっとこちらを凝視する女の目を見ているうちに、吸い込まれそうになってしま
う。どうせ俺の考えなんてバレバレなんだと思ったら、躊躇う理由は無かった。
 ぐいと引き寄せて、そのまま唇を奪う。
 抵抗らしい抵抗も無く、と思った瞬間に女が身じろぎして暴れそうになる。頭を
真っ白にしようとしたのだが、かえって無茶苦茶な妄想しか沸かない。そんな雑念
も、舌で舌を追い回すうちに掻き消えていった。
 気が付いた時には、女の頭の後ろと腰を強く引き寄せていて。次の瞬間、こじ入
れられた彼女の腕で引き剥がされる。
 口と口を結ぶように繋がった唾液が、ひどく淫靡なものに見えた。
「違うと言ったはずだ。だから、その考えを捨てろ」
「『キスしようとしたのも、分かったはずだ。いくらでも避けられたのにさせたの
は、脈アリと見て良いな』と思っているぞ」
「いいから聞け。そもそも、私が話し掛けたのには理由があるんだ。だから、『そ
んなのは後回し』ではなく、私の話を聞け。待てと言っている!」
 待たない、と頭の中だけで答えながら再び口付けた。
170くなさん ◆DAYgAM2ISM :2005/06/29(水) 01:21:15 ID:usNblX0/

 コミュニケーションとは大変なもので、考えを適切な言葉にするだけでも苦労す
る。思っている事そのままを伝えようとしても、誤解や曲解など日常茶飯事だ。現
に、こうして口が塞がっていれば、女を口説く台詞一つ言えやしねえ。
 ところが、この女ときたらどうだ。
 柔らかいだの、すべすべしてるだの。正直な感想を抱くだけで、ストレートな反
応を返してくれる。こうまで可愛い相手は、今まで想像すらした事が無かった。
 ずり上げたブラに乳首が擦れるのか、鼻息に甘さが混ざってくる。そう思うや息
を抑え始めたので、股へ手を入れた。濡れた下着が、指に絡みついてきやがる。脇
から突っ込んで直に弄ると、女の息が荒くなってきた。
 口を離して、首筋の汗を舐める。赤くなった耳、吹きかけられる熱い吐息。足に
力が入らなくなったのか、俺の胸に女が顔を埋める。
 預けられた体重が、ダイレクトに俺の股間を刺激した。
「待て。頼むから、ちょっと待て」
「なんだ? 俺が何を考えてるのか、全部分かってるはずだろ。気に入らないんだ
ったら、いつでも殺れ。人間なんざ、どうせいつか皆死ぬんだ。てめえみたいな美
人に殺られるんだったら、それもまあ悪く無えさ。なんて言いながら、本当はぶる
ってるけどな」
 下着をずり降ろすと、たっぷりとした汁が糸を引いた。
 漲るマイサンは恥ずかしい事でもあったのか、穴があったら入りたいと主張して
やがる。仕方なくベルトを外し始めた俺に、女が問いかけた。
「名前ぐらい言え。そうか、森崎順平というのか。いや、趣味は聞いていない。お
前の身長体重を聞いて、私にどうしろというんだ」
「頭に浮かんだだけで、意味は無えよ」
「私の名前なら、高野和美だ。なんだその、つまらんというのは。変な期待をした
のは、そっちの勝手だろう。ああ、順平と呼べば良いのか? なんだ、呼び名くら
いで恥ずかしがるな」
 これ以上、妙な事を言われるのも願い下げなので、俺は口を封じる事にした。
「下ネタとは、親父臭いな」
「うるさい」
171くなさん ◆DAYgAM2ISM :2005/06/29(水) 01:22:37 ID:usNblX0/
 余裕があるようにも見えたが、下の口を塞ぐと和美のお喋りも止まった。柔らか
く包み込んでくる膣圧に、マイサンも喜んでいるようだ。あっさり口説けたから、
いつもこんな事をして男を漁っているのかと思ったのだが。
 次の瞬間、げんこつで殴られた。
「ほう。姦ってる最中でなければ、いつでも殴って良いんだな?」
「疑問に思うぐらい、当たり前じゃねえか」
 ここまで美人なんだから、黙ってたって男が寄ってくるだろう。少なくとも、安
売りするほど男に困るとは思えねえ。女に貢ぐ野郎なんざ、カスだとしか思って無
かったが。ここまで綺麗だったら、それもありかと思えてくるほどだ。ここまで綺
麗な造形は、見る事が出来ただけでも価値がある。
 前後に腰を動かしてる最中に、考える事じゃ無いだろうが。
「……まあ、うむ。そこまで褒められるのも、初めてだ」
「そんなわきゃ無えだろ」
「私が考えを読めると知るやいなや、男はみんな逃げていった。そうだな、お前が
初めてだからなんだろう。自分の考えが読み取られると知って尚、口説いてきたの
は」
 少し感動したぞ、なんて呟く和美は破壊力が凄過ぎた。
 腰を抱くようにして押し倒し、余すところなく膣内を味わう。吸い付いてくるよ
うな襞は、入り口が狭く、奥が膨らんでいた。
「大丈夫っ、だ。痛く、は無い」
「それ、聞いて安心した、ぜ」
 念の為に地面を探ってみたが、土の感触しか返ってこなかった。それから、ただ
無心に和美の体を貪り始めたはずなのに。両手両足でしがみつかれて、自分がそれ
を望んでいた事に気付かされた。
 引く時には絡みつき、突く時には迎え入れられる。奥へ奥へ誘うような膣の蠢き
が、俺の脳髄を犯す。
 そう思いたいだけなんじゃねえのかと、冷めた自分が一歩離れて嘲笑う。
 だが、すぐに和美が強く抱きついてきた。あっさり陥落した理性という代物は、
本能より大声で腰を振れと叫びまくる。押しても引いても、そこにあるのは快楽だ
け。
172くなさん ◆DAYgAM2ISM :2005/06/29(水) 01:24:10 ID:usNblX0/
 気が付けば俺は、大きく口を開けて呼吸を繰り返していた。
「我慢は、しなくて、良いぞ。私もも、う、んっ」
 甘い余韻を残しながら、和美が鼻にかかった声を出す。広がった髪の上で、汗に
まみれた綺麗な顔が揺れる。
 照れや体裁が無駄な相手に開き直り、俺は彼女を強く抱き締めた。
 セックスの最中、愛しさで狂いそうになるのも筒抜けなんだ。それと本能の成せ
る技か、相手の女を孕ませたいという欲望で満たされるのも。
 どくんっ
 吹き出した迸りと共に、焦りが背中を覆う。子宮口を捜し求める俺に気付いて、
和美が太股で導いてくれる。先端に滑らかな感触を味わい、安堵感に包まれながら
全てを吐き出していった。
、どくっ、どくどくっ
 勢い良く吐き出しながら、和美の上に倒れ込んだ。押し潰した胸が、心地よい弾
力を味合わせてくれた。
 横を見ると、頬を上気させて目を瞑る横顔があった。眺めるうちに、軽く顎を引
いて和美が頷く。まだ息を荒くさせながら、互いに伸ばした舌が絡み合う。その間
も陰茎は硬度を保ったまま、残った精液を流し込み続けていた。
「少し、休ませろ」
 休んだら続けて良いんだな、はっきり言って貰おうか。
「言えるか、馬鹿者」
 その返事だと、言ってるも同じだと思うんだが。しかし、『来て、来て』と淫乱
に誘われるより、こう、来るものがあるな。口に出すのは恥ずかしいが、こいつも
シたいわけだろ。
 などとニヤケていたら、拳骨で殴られた。

 満足するまで姦り倒した時には、日が暮れかかっていた。家に泊まっていけと誘
うので、流石にもう出ないと考えて殴られもしたが。おおむね平和に、山道を和美
の家へと向かって歩き始めた。
 暗くなってきたから、余計かもしれないが。本当に人を拒むような山奥だ。よく
もこんなところに、好きこのんで住んでいるものだな。
173くなさん ◆DAYgAM2ISM :2005/06/29(水) 01:25:58 ID:usNblX0/
「別に、好きで山奥に住む訳ではない」
「そりゃまあ、妖怪だから仕方無いんだろうけどよ」
「あのな、順平。お前は根本的に誤解している。私は妖怪じゃないぞ」
「そうなのか?」
 俺の疑問に、真剣な顔つきが返ってきた。こういう顔も良いな、等と思ったら目
つきが鋭くなったので、真面目に聞くと頭の中で連呼した。
 しかし、ふと思ったが。口に出さなくても会話出来るなら、俺が喋る必要なんか
無さそうだな。
「もう少しだけ、深く考えてみろ。私が一方的に話すばかりでは、傍から見たら変
に思われるじゃないか」
「なるほどな。けどよ、こんな山奥に人なんか来ねえだろ」
「それも、どうなるか分かんがな。お前の依頼人のように、別荘を買う人間が増え
るかもしれん。嫌がらせはしているものの、時流には逆らえぬものだからな」
 森と共に妖怪は滅びる定め、ってサトリの化け物じゃないんだったか。
「ああ。私は何百年も生きてなどいない。ただ他人の考えが読める、いわゆるエス
パーというやつだ。私の家系では、そういうのが時折生まれてくるらしい」
「やっぱり、都会は住み難いもんなのか?」
「お前の想像通りだ。始終、人の想念を拾っていては、やってられん。それがコン
トロール出来るまで、人里離れた山奥で暮らすんだ。一族の者は何百年も、そうや
って生きてきた」
 言葉の裏を読み合うのが、日本人の常みたいなもんだから。便利といえば便利な
ものの、通行人の頭の中まで流れ込んで来たら鬱陶しいだろうな。
 ちょっと想像もつかないんだが、安っぽい同情はかえって迷惑だろうか。
「気を遣わなくて良いぞ。私は、もう山を降りても大丈夫な能力は持っている」
「だったら、なぜ嫌がらせなんかしてるんだ?」
 それに嫌がらせどころか、あんな良い思いをしたんじゃ人寄せにしかならんだろ。
「殴り殺すぞ。サトリの化け物の振りで人払いをしていただけ、ってなんだ。妬い
てただけか。安心しろ、こんな形でシたのは初めてだ」
「妬いて悪いか、ちくしょう。別に、一度姦っただけで彼氏面する気は無え」
「なら、何度でも抱けば良かろう」
174くなさん ◆DAYgAM2ISM :2005/06/29(水) 01:28:07 ID:usNblX0/
 それを聞いた俺の反応を見て、くつくつと笑いやがった。
「順平。お前、からかい甲斐があるな」
「放っとけ」
「話を戻すか。私は良いが、人里離れた住処が失せれば後の者が困るだろう。それ
で守ろうとしている、のだが」
 ふうっと息を吐いて、和美が夕暮れに覆われた空を見上げる。
 出会ってから、大した時間が経った訳でも無い。俺が知ってるこいつなんて、一
面に過ぎないだろう。それでも、こんな姿は見たく無えと思わせられた。
「順平のように調査に来る者が、本当に現れるとはな。これはもう、」
「馬鹿、諦めてんじゃねえよ」
「ほらな、難しいだろ。その通りだ。サトリの化け物が出るだなんていうのは、今
じゃかえって人を招きかねん。だが、放っておいても別荘地化が進む。簡単では無
いのだ」
「うるせえ。がたがた言ってんじゃねえ」
 惚れた女の為に、ひと肌脱ぐくらい男の義務だってんだ。
「男だ女だと、時代錯誤な馬鹿だな」
「ジェンダーフリーなんか知るか」
 なんとでも言いやがれ、と突っ張ってみたのだが。和美が腕を絡めてきただけで、
俺の心臓は素直に脈打ちやがった。ヤる事はヤった仲だが、それはそれか。
「だが、そういう馬鹿は嫌いじゃない」
「とにかく、色々やってみようぜ。あれこれ試して駄目だったら、」
「諦める、か」
「悪かった。駄目なら、また別の手を考えりゃ良いだろ」
 そうだよな。口先だけ取り繕ったって、こいつには通用しねえんだ。励ますつも
りなら、心底信じなくてどうする。だいたい、何もしないうちから諦めるなんざ、
俺の趣味じゃ無え。
 決意を新たにする俺の手を、和美が握ってきた。
「ありがと、な」
175くなさん ◆DAYgAM2ISM :2005/06/29(水) 01:29:17 ID:usNblX0/

 森崎霊能探偵社、業務日記。
 和美を神域を護る巫女に仕立てて、依頼人のところへ連れて行った。霊能探偵な
んて怪しい代物を頼む奴だけに、相手は簡単に信じ込んだ。これはまあ、ずばずば
と相手の頭の中を読み取った和美の功績が大きい。
 人が近付いてはならない神域だ、なんて騙したら協力を申し出て来た。奴さんの
力もあって、暫く和美んとこの一族は困らないで済みそうだ。
 それはそうと、光熱費が増えてしまった。食費は減ったので不思議がっていると、
説教をされた。どうも、俺の食生活は偏っていたらしい。たまに一ヶ月ピザなんて
事もあったから、反論しようも無いのだが。
 というわけで和美の役職は、森崎霊能探偵社の助手兼経理兼調理場担当となった。


176名無しさん@ピンキー:2005/06/29(水) 06:39:03 ID:HtQ77hRw
またツンデレか。



激しくチンコ勃ちました。
ところでHRとは?なんだかわからないので思いきり身構えてしまった。
177名無しさん@ピンキー:2005/06/29(水) 09:47:36 ID:Op7h4tdA
地の文にしてない主人公の心情を突っ込むとことか、軽妙なノリで面白かった
GJ!

HRは「孕ませ」だと思うが、何処に要素があったんかワカンネ
178くなさん ◆DAYgAM2ISM :2005/06/30(木) 00:07:22 ID:FBAm5bYx
レスども〜
サトリ相手に一人称というのは、悪くない選択だったみたいで一安心

>HR
いや、以前「妊娠問わずに中田氏はHR明記汁」と言って荒れたスレが
あったもんで
179名無しさん@ピンキー:2005/06/30(木) 04:37:55 ID:JKW9f0fm
いいなあ。こういった雰囲気の話。
未亡人の大家とその娘が出てくるような形でいいから続編希望。
180某880:2005/07/02(土) 01:09:50 ID:yApppbjq
事前説明

今回登場する「仙狸」ですが、
「狸」と書いてありますけど、これは「山猫」の事です。
なので、ビジュアルイメージは
「ネコマタの山猫バージョン。でも尻尾は一本」
とイメージして読んで下さい。
181某880 宴の後〜仙狐&仙狸〜:2005/07/02(土) 01:11:28 ID:yApppbjq
我が屋敷には、来客が多い。
それも、フラッと訪れてはフラッと帰る、そんな「自由気まま」な連中ばかり。
それもそうだろう。来客のほとんどが自由気ままに暮らしている妖精や妖怪なのだから。
しかし中には、人間社会に溶け込み生活している者達もいる。
そんな連中は完全に自由気ままという生活は送れないが、
「思考が」自由気ままなのに変わりはない。
「まったく、今日の合コンは何ですの? ハズレもいいとこのではないですか」
持参した紹興酒を飲みながら、一人の女性が愚痴をたれる。
「んだ。「あいてぃー」だかなんだか知らねぇが、小難しい話ばかりでサッパリだぁ」
もう一人の女性が、頷きながらやはり愚痴をたれる。
俺は二人の会話を、かれこれ二時間は聞いているだろうか。
それも同じ話ばかり。「今日の合コンはハズレだ」「相手が悪い」の繰り返し。
これが今日だけの事、という訳でもなく
二人が訪れれば、大抵同じ話を聞かされる事になる。
そしてこういう日に限って、他に来客もいなければ、
シルキー達「住人」は「気を利かせて」二人に近づこうとしない。
つまり、愚痴を聞く相手は常に俺一人。毎回俺だけに背負わされる。
「……で、とっくに寮の門限は過ぎているわけだが?」
俺は返ってくる答えなど判っているが、あえて尋ねた。
繰り返される聞き飽きた愚痴に終止符を打たせる為に。
「もちろん、泊まっていきますわ。今更帰れませんもの」
「んだ。今帰ったら、まぁた失敗したかぁって寮のみんなに誤解されんべ」
誤解も何も、明確な「失敗」だろうが。そうは思ったが口にはしない。
合コン用の「勝負服」はとっくに脱ぎ捨て、
部屋着となっている仙衣(せんい)を着込んでいる時点で、泊まる気でいた事などは判っている。
ついでに言えば、普段は隠している「耳」と「尻尾」を完全にさらけ出している時点で
ある意味、二人とも気分は「帰宅している」ようなものなのだろうか。
二人は学園寮に住むルームメイト同士。社会的な「立場」は大学生という事になっている。
とはいえ、年齢まで人間のそれと同一ではない。
彼女達は少なくとも、千年は生きている。
千年を生きた狐と山猫なのだ。
182某880 宴の後〜仙狐&仙狸〜:2005/07/02(土) 01:13:14 ID:yApppbjq
「仮に、仮にですわよ。今回の合コンが失敗した原因が私達にあるとすれば、
選ぶ相手を間違えたところから失敗していたのですわ」
狐の黄色い耳をピクピクと振るわせ、三本に分かれた狐の尻尾をせわしなく動かしながら、
コップに注がれている紹興酒を一気に飲み干して「仙狐」は愚痴る。
仙狐は「九尾の狐」とも呼ばれる妖怪故に九つの尻尾を持つイメージが強いが、
尻尾の数は神通力の大きさに比例する。
仙狐になって、やっと人間の「大学生」に匹敵するだけの知恵を身につけたばかりの彼女は、
齢は千を越えるが、思考は大学生のそれと変わらず、尻尾も三本しかない。
「だとしたら、失敗したのは用意したアンタが悪いって事でねーか」
頷くだけだったもう一人の彼女「仙狸」が、
山猫の耳が付いた頭を軽く振りながら一本しかない尻尾を立てる。
彼女も仙狐同様、千を生き抜いた山猫なのだが、
やはり「成り立て」の彼女も知恵などは大学生と変わらない。
ただ尻尾は常に一本である為、仙狐のように尻尾で神通力の大きさを計る事は出来ないが。
「何よ、私のせいだと言いたいわけですの?」
「他に誰がおるだよ」
あー、こっちに流れたか。俺は「いつもの流れ」から、予測していた状況へ動き出したのを確信した。
エセお嬢様言葉とエセ田舎訛りの口喧嘩。
ある意味、どこぞの漫画や小説で頻繁に見られる「お約束」の展開が、
目の前で繰り広げられている。
二人とも、何処でこんな言葉遣いになったのか俺には判らないが
おそらく、仙狐,仙狸と成った時の環境に影響されての事だと思う。
が、どんな環境だとこんな言葉になるのか……そこが不思議だ。
言える事は、二人の性格などを考えると、とても「似合っている」というところか。
「そもそも、「どんな食事が好きですか?」なんて聞かれて、「ネズミ」って即答するあなたがどうかしているんです!」
「なしてかー!アンタみたく、知りもしねーで「フレンチ」だの「イタリアン」だの答えて、
深い話されてしどろもどろなっとるのもどーかとおもうべ!」
外面だけのお嬢様と、純朴そうに見える田舎娘。
お約束過ぎる二人のキャラクターに、俺は苦笑しつつ、ついぽろっと「本音」を呟いてしまった。
183某880 宴の後〜仙狐&仙狸〜:2005/07/02(土) 01:14:39 ID:yApppbjq
「お前達の好物は「男」だろうに」
ピクリと、獣の耳が四つ、反応する。
「あら……よくご存じですわね?」
「なら、早速「食われる」だか?」
あー……もう「こっちの展開」になったか。
ちょっと普段より早いが、いずれにしても「こっちの展開」に成る事は目に見えていたので、問題はない。
心の準備もとっくに出来ている。
それもそうだろう。二人は紹興酒を飲んでいるが、俺は二人に「三蛇酒」を飲むように勧められていたから。
三蛇酒とは、読んで字の如く、三種類の蛇……ハブ,まむし,コブラと薬草で作る、中国に伝わる精力酒の一つ。
日本ではハブやまむしのお酒が同じく精力剤として知られているが、それにコブラまで追加されているのだ。
しかも、薬草……一応妖精学者として薬草学も学んでいる俺には判るが、
あからさまに、マンドラゴラなど魔女が好みそうな薬草が使われている。
この酒は市販品ではない。この二人と三人の魔女が共同で造った酒だろう。
となれば、どのような効能があるのかなど飲まなくても判る。
そして飲んだ今なら、ハッキリと判る。
「食われる? おいおい、食うのはこっちだろ」
全身が熱い。特に「男」そのものが熱い。
気も、普段より強く荒々しくなっているのが自分でも判る。
俺は「自分から」女性に求める事は、あまりしない。
が、今は二人の挑発にあっさり乗るどころか
むしろ待ちきれなかったかのように席を立ち、ズカズカと近寄っていった。
184某880 宴の後〜仙狐&仙狸〜:2005/07/02(土) 01:16:04 ID:yApppbjq
むしろ待ちきれなかったかのように席を立ち、ズカズカと近寄っていった。
先ほど俺がこぼした発言も、早々に「この展開」にしたかった俺からの挑発だろう。
魔女による西洋の薬草学と、東洋の伝統的な精力酒。そして仙道における陰陽の知識。
これらを総合したあの酒は、俺を別人格かのように奮い立たせるには充分な効力があった。
「こんな酒まで用意して……回りくどいんだよ。身にもならねぇ反省会なんかしてねぇで、直接誘ったらどうだ?」
確かに、本音ではある。
毎回毎回、合コンに失敗しては館に訪れ、反省会という名の愚痴を聞かされ、
最終的には……朝まで「やらされる」。これが通例。
ただ普段は、積極的ではない俺をあの手この手で俺を酔わせてから強引に話を進めて……というパターン。
自分で言うのも情けない話だが、俺はどちらかというと「襲われる方」なのだ。
にもかかわらず、彼女達は「自分達から誘う」のを嫌う。
厳密に言えば、色香を使って誘いはするが、決定的な「言葉」は絶対に口にしない。
それが彼女達なりの、プライドなのだろう。
そこで考えたのが今回の……手っ取り早く「こと」に及びながら
あくまで自分達からは誘わない、新たなパターン。
「な、なによ……ちょっとあんた、酔ってんじゃないの?」
作戦通りとはいえ、あまりに俺が豹変した事に少々驚いている。
「あ? 早速食うだとかなんとか言ったのはそっちだろ?」
驚いてるのは俺自身も。
不思議と、心は冷静だ。ただ言葉遣いが乱暴になっているだけで。
酔った勢いで自分を失っているようではない。
全て「本音」で、俗に言う「酔った勢い」のような発言はしていない。
185某880 宴の後〜仙狐&仙狸〜:2005/07/02(土) 01:16:38 ID:yApppbjq
「あ、ら、乱暴はよくねぇだ」
「仕向けたのはどっちだ、あ?」
怯えた仙狸の俺は掴み、ぐっと引き寄せる。
少し涙目になっている。それがまた可愛らしいとさえ思う。思っているのだが……。
「なんだ、その目は……潤ませて俺を誘ってるのか?」
潤んだ瞳にすら、色気を感じて言い掛かりにするなんて。
いや、実際ドキリとする程色っぽいのも事実なのだが……。
「ちょっと、そこまでする事もないでしょう?」
仙狐が相棒を助けようと俺の腕を掴む。
俺はその腕を払い、反対に仙狐の胸ぐらも掴み引っ張る。
と同時に、仙衣は勢いよく切り裂かれ、仙狐の方胸が露わになった。
……いや、いくら何でも簡単に破けすぎだろ?
そもそも、俺は人並み程度の腕力しかない。
仙狐は長身だがスラッとしたスタイルを見る限り重そうには見えない。
仙衣はそのまま仙人が着る衣の事。
仙人が着の身着のまま生活を送ってもそう破けないくらいの強度はあるはず。
ついでに言えば、この仙衣はアルケニーが織った衣。
……そうか、「ここ」も仕込んだのか。
「はっ、自分から脱ぎ始めたか? 淫乱狐が」
脱いだというか、乱暴によって脱がされるように仕込んでいたのだ。
「そっ、そんな事有るわけ無いでしょ!」
露わになった胸を腕で隠しながら、抗議の声を上げる。
本気なのか演技なのか……半々といったところか。
なるほど……彼女達の「望み」は判った。今日は「そういう」のを望んでるのか。
なら……もう自分も制御が効かなくなっている。
誘われるままに、「ハメ」を外すのもたまには良いかもしれない。
186某880 宴の後〜仙狐&仙狸〜:2005/07/02(土) 01:17:34 ID:yApppbjq
「隠してんじゃねぇよ。お前も、とっとと脱いだらどうだ!」
胸を隠している仙狐の腕を掴み持ち上げる。
と同時に、掴んでいた仙狸の仙衣を強引に引っ張る。
案の定、仙狐は腕を引っ張られ立ち上がり、仙狸は仙狐同様仙衣を破られ上半身をさらけ出す形になった。
「良い格好だな、田舎娘が」
俺は倒れ込んだ仙狸を見下ろしながら仙狸が着ていた仙衣の切れ端を投げ捨て、
その腕で仙狐を抱き寄せた。
「ちょっ!」
抵抗の声を出し尽くされる前に、俺は仙狐の唇に蓋をした。
強引に舌をねじ入れ、仙狐の唇と舌をくちゅくちゅと音を立て味わう。
多少抵抗する「そぶり」は見せるが、仙狐の舌も俺の舌に絡みついてくる。
腕を掴んでいた手を放し、俺は抱き寄せたまま残りの衣を強引に脱がせ始めた。
脱がせると言うより、破り捨てると言った方が的確か。
衣の下には何も着ていない。
腰の帯びもはぎ取られた仙狐は、俺の腕に抱かれたまま全裸になっていた。
「随分、気分出てきたじゃねぇか」
もう、仙狐に抵抗の意志はない。初めからこうなる事を望んでいたのだから当然ではあるが。
「そんなこと、有るわけ無いでしょ……」
火照った顔。半開きの唇。快楽に潤んだ瞳。むしろ自分から押しつけてくるたわわな胸。
言葉と裏腹な行動に説得力などはない。
「ほう……じゃ、いいんだな?」
尻尾の付け根を軽く握り、三本ある尻尾の一本を軽くブラッシングするように先まで滑らせる。
「あ、はぁ」
軽く唇から漏れる悦楽の声。
こちらに向けられた瞳は、その続きを期待しているのが見て取れる。
だが、その期待に易々と応えるつもりはない。
187某880 宴の後〜仙狐&仙狸〜:2005/07/02(土) 01:18:06 ID:yApppbjq
「じゃ、そこで見ていろ」
「えっ!?」
俺はあっさりと仙狐を抱き寄せていた腕をほどき、彼女を突き放した。
勢いで倒れる仙狐を尻目に、俺は座り込んだままの仙狸を強引に立たせた。
仙狐の瞳には戸惑いが宿っている。対して仙狸の瞳には期待が宿っている。
彼女達は、強引に迫られるのを望んでいる。その為に仕掛けを施していた。
そこに乗っかった俺は、むろんそれを楽しむ事に決めていたが……
ただ彼女達のシナリオ通りに勧めるのは面白くない。
どうせ強引にするなら、彼女達の全てをさらけ出したくなった。
こう考えるのも、俺が強気になっているからだろうか?
「お前はどうだ? して欲しいのかどうかハッキリ言え」
期待していた仙狸の瞳に戸惑いの色が浮かぶ。
黙っていても、酒の効力で犯されるだろう。二人ともそう期待していたはずだ。
だが、彼女達は一つ計算違いをしている。
「俺はかまわねぇぞ? 誰でも。
判ってないようだから言ってやるが……なにも相手はお前達だけじゃないんだぞ?」
一瞬、二人は俺が何を言っているのかすぐには理解できなかった。
「そうだな……今夜はヴィーヴルにでも相手して貰おうか。
アイツなら強引なプレイだって喜んでくれるだろうよ。
くくっ、またアイツに惚れられちまうなぁ」
そう、俺には「発散」する相手が他にもいる。
彼女達の計算違い。それは「逃げ道」を完全に塞いでいなかった事だ。
千年を生きた二人も、まだまだ詰めが甘い。
まあこの場合……俺に節操がないと攻められる所でもあるわけだが。
188某880 宴の後〜仙狐&仙狸〜:2005/07/02(土) 01:19:10 ID:yApppbjq
「……どうやら、やりたくないようだな。じゃ、俺はヴィーヴルんとこに行くぜ」
仙狸の腕を放し、俺は部屋を出ようと扉に向かって歩き出した。
振り向かない。本音を言えば振り向いてすぐにでも二人を抱きしめたい。
そんな衝動と戦いながら、心ばかりゆっくりと、扉に向かって歩いていく。
突然、背後からガタッと音がした。
その音に驚いた俺は、思わず振り向いてしまった。
俺の目に飛び込んできたのは、俺が飲んでいた「三蛇酒」をラッパ飲みする仙狸の姿。
「……抱いて。抱いてくれろ。もう、我慢できねぇ」
……なるほど、考えたな。俺は彼女の突拍子無い行動の意味を理解した。
あくまで、三蛇酒を飲んだから。
今の発言は、酒のせいであって自ら口にしたのではない。そういう事にしたいのだ。
実際に、この酒は効果がある。俺がこんなに成ってしまっているのだから。
だが、即効性がある訳じゃない。飲んですぐに理性が崩壊するような代物ではない。
「……いいだろう、抱いてやるぜ」
だがそれを指摘してしまっては野暮。
プライドと性欲の狭間で、彼女が取った行動を評価してやるべきだろう。
「あ、あはぁ」
ぐっと両腕で、俺は仙狸を抱きしめた。それだけで、彼女は軽く腕の中で喘ぐ。
「んっ……はぁ……んちゅ……」
互いに押しつけるような口づけ。激しくも湿った音と、そこから時折漏れる悦楽の声。
「んっ! あはぁ……」
俺は抱きしめていた腕をほどき、一方を弾力ある尻へ、一方を柔らかい毛の感触ある尻尾へとそれぞれの手を伸ばした。
なで回し、滑らせ、双方に刺激を与え続けるたび、
仙狸は自分から俺に強く抱きつき、胸を押しつけながら腰を僅かだが動かし始めた。
彼女が腰を動かすと、当然俺の肉棒も擦られる。
「お、大きくなってくだ……熱い、もう熱いだぁ……」
立ちながら腰を動かすのは難しい。そう大胆な動きには成らない。
が、かえってその微妙な動きが刺激になる。
このままではまずい。さて、次はどう攻めようか。
189某880 宴の後〜仙狐&仙狸〜:2005/07/02(土) 01:19:44 ID:yApppbjq
そんな事を考えふと下を見下ろすと、
そこには取り残されていた仙狐が四つんばいになって俺達の「腰」をじっと見つめていた。
彼女の後ろには、空になった酒瓶。三蛇酒が入っていた瓶。
彼女も仙狸に続くように飲んだのだろう。
そして酒を言い訳にしてまで我慢出来なくなっている。
「はぁ……ああ……」
まるで犬のように舌を出し荒く息をする狐。
手はいつの間にか、自分の股間をまさぐっている。
「……欲しいか?」
俺は見下ろしながら尋ねた。
「……はい、欲しいです。私に……下さい」
滅多に口にしない、直接的なおねだり。それだけで興奮度がかなり増してしまう。
「良いだろう、二人とも四つんばいになって待て」
しがみつく仙狸も跪かせる。そして二人の顔前に、俺のそそり立つ肉棒を見せつけた。
「舐めろ」
短く命令すると、二人は目を輝かせ舌を伸ばしてきた。
まるで申し合わせたように、二人は取り合うことなく棹を片側ずつ譲り合い舐め始めた。
猫科特有のザラリとした舌と、犬科特有の長い舌。
異なった刺激が同時に俺の肉棒を攻める。
190某880 宴の後〜仙狐&仙狸〜:2005/07/02(土) 01:20:24 ID:yApppbjq
「くっ……出すぞ、口を開けろ!」
開けられた二つの口。そして顔。俺はそこへ容赦なく性欲の白い液を降り注いだ。
容赦ない、という言葉が本当に当てはまる程に、信じられない量が流れ出している。
これは酒の効果だろうか? 次々とあふれ出る白い液を、
二人は口で受け止め、そして口から零れる分を手で受け止め、
一滴たりとも逃さぬ貪欲さを見せつける。
二人はごくごくと飲み込み、そして手に溢れた分をまた口に運び飲み干し、
そして互いの顔にこびりついた物まで残さず舐め取ろうと互いの顔に舌を伸ばしている。
「美味しい……ああ、んっ、美味しい……」
「んだ……くちゅ……美味しいだぁ……」
淫靡だ。その光景はあまりにも淫靡だ。
当然のように、俺の肉棒はその光景に反応する。
「よし……そのまま二人とも抱き合うように寝ろ」
言われた通り、二人は仙狐を下、仙狸を上に抱き合ったまま寝そべる。
そして言われてもいないのに、二人は足をこちらに向け開いている。
俺は迷った。さて、どっちから入れようか?
「……もっと腰をくっつけろ。二人の「穴」をくっつけるんだよ」
ここに来て、俺は選べなかった。
酒の効果で荒々しくなっているが、根本の俺は変わっていない。
優柔不断なところが出てしまった。どうせなら二人同時に……などと考えてしまう。
情けない。攻めに徹しきれない自分が情けない。
191某880 宴の後〜仙狐&仙狸〜:2005/07/02(土) 01:20:54 ID:yApppbjq
「はっ、はやくぅ……」
「来て、来てけろぉ……」
今落ち込んでいる場合か。
俺は待ちこがれている二人の間に、固い肉棒をねじり込む。
「んはぁ!」
「く、はあ!」
二人の肥大した陰核が、俺の陰茎によって何度も擦られる。
その都度、二人は荒々しく喘ぎ出す。
理由付けの為に飲んだ三蛇酒が効き始めてきたのだろう。
「いい、あっ、はぁ! そこ……ん、んん!」
「そこ、は、ん……気持ち、あっ、いい、いいだぁ!」
野獣に戻ったかのように、二人は悶え叫ぶ。
三蛇酒の為に、まさに三匹の蛇になったかのように絡む俺達。
もう、理性などありはしない。ただ腰を振り、快楽をむさぼっている。
「いっ、いく! 行きます!」
「お、おらも……いくっ!」
「くっ……行くぞ、行くぞ!」
三人の獣が、吠えた。
そして大量の液を二人の間に流し込みながら、二人の上に倒れ込む俺。
しばし沈黙が部屋を支配する。
それも、ほんの一時。
「んっ……」
「くちゅ……はぁ……」
抱き合っていた二人が、互いの唇を求めていた。
俺はその湿った音を目覚ましに、すぐさま身体を起こした。
もう、理性など残ってはないな。
三匹の獣が、疲れ果てるまで互いを求め、舌を伸ばし、指を伸ばし、腰を振り続ける。それだけだった。

*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
192某880 宴の後〜仙狐&仙狸〜:2005/07/02(土) 01:21:30 ID:yApppbjq
「いやぁ、良かっただなぁ」
「ホントねぇ。久しぶりに満喫させていただいたわぁ」
肌つやも良く、爽やかな朝を迎えている二人のお嬢さん。
「そいつぁ良かったねぇ……」
対して、干からびたようなり寝転がる俺は、ようやく動く唇で言葉を発した。
あれから、何度交わったのだろうか……記憶なんてあるわけがない。
「流石に……悪かったかしら?」
「いいんでねぇの? あんたも気持ち良かったべ?」
悪気なんて初めから無いくせに……あったら、初めからあんなに準備するものか。
「それにしても、凄い効果だったわね。勢いで飲んじゃったけど、あれでは私達も「陽」を放出してしまうところでしたわ」
「んだなぁ。だども、それ以上に沢山「陽」を出してくれて助かったべ。今度から、量に気を付けるべな」
彼女達の、本当の目的は……快楽だけではない。
これは、彼女達にとって「食事」のようなものだ。
陰陽五行において、二人は「女性」であり、「狐」「山猫」であることから「陰」の存在である。
その事から、二人は仙狐,仙狸として「陽」を求める。
つまり、男。そして精気。これがどうしても必要なのだ。
サキュバスなどの淫魔と大差ない……と言うと、少々強引か。
彼女達が合コンにこだわる訳は、「陽」を得る手段として必要だから……なのだが、
未熟な二人は、まだ男を「誘う」術に長けていない。
で、結局俺に「陽」を求めてくるのだが……。
193某880 宴の後〜仙狐&仙狸〜:2005/07/02(土) 01:22:01 ID:yApppbjq
「なあ……こんなやり方じゃ、いつまで経っても男を誘えないぞ?」
俺は妖精学者として、二人に求められたら断る事はない。
幸い、失った「陽」を取り戻す術も心得ているし、方法はいくらでもある。
故に「餌」にされるのは構わないのだが……このまま二人が「独立」出来なくなるのは心配だ。
「そうは言っても……ねぇ」
「んだなぁ……」
判っているのだろうか? 今回は……そりゃ俺も楽しませて貰ったが、合コンの成功率に繋がる手ではない。
まさかあの酒を、合コンの席に出すわけにはいかないだろう。あれは普通の人間には強すぎる。
「とにかく……いいや、ゴメン。ちょっと流石に疲れた。話は後で……」
陽を吸い尽くされた俺は、もう限界だった。
意識を失うように、睡魔が襲ってくる。
「なんだ……もうちょっと男心ってのも……さ……」
吐き捨てるように一言残し、俺は眠りについた。
「……なによ、その前に女心をあなたが知りなさいよ。ねぇ?」
「んだんだ」
二人の声は微かに聞こえたが、その意味を考えるゆとりなど刹那もなかった。
194某880:2005/07/02(土) 01:26:52 ID:yApppbjq
以上です。

初の3Pに苦戦した以上に
仙狸の口調が…イメージとして「訛りのある女性萌え」したかったんだけど
逆に、萎えちゃう人も多そうだな…そうだった人、申し訳ない。
もうちょっと、萌える訛りが書けるようにならないとダメだな。

>くなさん
GJ!
浮気出来なそうだなぁwでもこんな彼女ならいいか。
あらん限りの妄想をして、サトラセ羞恥プレイとかしてみたいw
195名無しさん@ピンキー:2005/07/02(土) 01:27:50 ID:+BFYK1Fl
GJ、い〜ですよ〜こーいう雰囲気好きです。
196名無しさん@ピンキー:2005/07/02(土) 01:59:18 ID:6oKEgfsl
確かに、正直なところ狸タンの口調には・・・
でもまあ話は面白かったよ
197名無しさん@ピンキー:2005/07/02(土) 07:23:17 ID:/sayvd7W
GJ!
妖狸と妖狐が、蛇酒を飲む辺りの動機づけが面白かったです

ところで妖精学者って、「妖に精をやる学者」の事だったのかと妙な納得w
198名無しさん@ピンキー:2005/07/02(土) 13:45:32 ID:ZD8PKvJT
欲を言うとちょっと訛りが変な感じは受けましたが…

GJ!!
個人的にこのシリーズは大好きなのでかなりよかったです。
是非また近々にこのシリーズを書いてくれたらなぁ、と…
欲張り過ぎか(;´□`)
199某880:2005/07/03(日) 18:37:54 ID:yoa7HzyQ
やはり仙狸の訛りはダメですねorz
毎回、何かに挑戦しながら書いているので、
どこかで皆さんをショボーンさせてしまってるのではとヒヤヒヤしていますが
今回、それが如実に出ちゃいましたね。申し訳ない。
それでも、とりあえず内容面では楽しんで貰えて良かったかな。

>197さん
>ところで妖精学者って、「妖に精をやる学者」の事だったのかと妙な納得w
早速何処かのネタに使わせて貰います。俺も気付かなかったw


>198さん
>是非また近々にこのシリーズを書いてくれたらなぁ、と…
カエレ!言われるまでは投下続けますので、また近いうちに。
ネタはもう用意してあるので、後は書くだけの順番待ちです。
むしろ、このシリーズしか書かない方が問題?
200名無しさん@ピンキー:2005/07/04(月) 00:25:56 ID:Idm93NE2
 三ミヽ ⊂⊃
  三ミ|
/⌒\(´・ω・)
川川川/ つつ━☆
  〜(  /
   (/゙∪
いまだ200へとー!
201709:2005/07/04(月) 01:50:11 ID:IYwDDqe6
−見える者達と見えざるモノ達−
ある日、俺がいつものように郵便受けをチェックすると、こんな紙が入っていた。
「幽霊とお友達になりませんか?」
という内容のものだった。
名前は書いてない、ただ裏面に「交わる会」とだけ書かれていた。
「・・・宗教団体かなんかか?」
と俺は些かの興味を持ったが、すぐにその紙を捨ててしまった。
二日後
また同じようにして紙が入っていた。
内容は前回とほぼ同じものだったが、今回は裏面に住所が記されていた。
「またか」
と俺はつぶやいたが、ますますその紙に興味を持ち始めた。
三日後
今度は俺の自宅に一人の男が来てこう言った。
「私達の会に入る気はありませんか?」
全身を黒い服で固め、さらに長髪で帽子だったので顔があまり覗えなかった。
「貴方に交わる気があるのなら、私達は喜んで貴方を受け入れます」
俺はずいぶん興味のあったことなので、もう宗教でも何でもいいと思い、その男に導かれるまま歩いていった。
一体何の目的で俺を執拗に誘うのかも知りたかった。
・・・ただの勧誘かもしれないんだけど、そうではない様な「予感」がしていた。

まだ構想しか出来ていないので、今週中には全部を書き上げていきたいと思います。
毎度毎度ぶつ切りで、本当に申し訳ありません・・・。
202某880 虐める幼女〜モーショボー3〜:2005/07/05(火) 23:13:21 ID:6DiU8Bh/
「狩り」あるいは「釣り」には、独自の鉄則がある。
生態系を乱さないとか……まあそんな事は私には関係ない。
環境を汚さないとか……それもどうでもいい話。
乱獲は行わない……うん、これは当てはまる。
むろん、乱獲の対象となる者達を気遣っての事ではない。
自身の為である。
私の狩り対象は、人間の男。幼女の姿をした私に欲情する変態が対象。
世のゴミを清掃しているのだ。感謝されるのが普通なのだが、
あまり乱獲すると、「事」が大きくなって色々面倒になる。
人間達の警戒心が強くなり、狩りがしにくくなったり、
逆に、噂を聞きつけよりおかしな人間が近づいてきたり。
狩りの仕方や、狩りの「結果」によっては、私自身が狩られる対象になってしまう事さえある。
その為私は、狩り場を転々とし、細々と狩りを続けていた。
しかし、そんなやり方に私は限界を感じていた。
自分で言うのも何だが、私は「腕」が良い。
どうすれば男が寄りつき、そして喜ぶのか。私は熟知している。
故に狩りそのもので困った事はないが、
寄りつく男に、「腕」が無い。
そもそも私……いや私達は、男を誘い脳髄をすする妖怪。狩り対象の「腕」など本来関係ない。
しかし私は、出来る限り脳髄をすすらないようにしている。
代わりに、「陽気」……精力とか生命力とか、その類を吸い取っている。
まるで淫魔だ。そんな自分が可笑しくもあるが、
これはこれで気に入っているあたり、私には「素質」があったのかもしれない。
しかし素質があるだけに、私は「快楽」も貪欲に求めている。
だからこそ、狩る相手の「腕」が重要になってくるのだ。
にもかかわらず……ここのところ雑魚ばかり。
そもそも、私の「網」にかかるような男は、
女性経験の少ない者か、あるいは特定の女を手元に置いておけない者のどちらか。
それすなわち、未熟なり。
よくよく考えれば、雑魚ばかりなのも仕方ないと言えるのだが……。
現状を嘆いても始まらない。私は一つ決断をした。
趣向を変えてみよう、と。
203某880 虐める幼女〜モーショボー3〜:2005/07/05(火) 23:14:37 ID:6DiU8Bh/
私は趣向を変え、相手の腕を問わず、かつ私が満足する狩りの方法は無いかと考えていた。
結果浮かんだ方法は二つ。
一つは、一度に多くの男を相手にする。つまり乱交だ。
以前、一度に二人の男を相手にした事ならある。
結果として二人とも「なってない」男だったため充分満足できなかったが
一人よりはマシだろうという事を学んだ。
ただ問題は、私が満足するには最低五人は必要だろうという事。
一度に五人は難しい上に、すぐに「事」が大きくなりやすいリスクがある。
なにより、五人を同時に狩るその方法も限定され、色々とやっかいだ。
こちらの解決策は、とりあえず保留している。
204某880 虐める幼女〜モーショボー3〜:2005/07/05(火) 23:15:12 ID:6DiU8Bh/
私は今もう一つの方法を試す為に、釣りで言う「入れ食い」の地へとやってきた。
秋葉原。
かつては「電気の街」と呼ばれていた繁華街だが、今は「オタクの街」へとその姿を変えている。
この地には、とにかく様々な「変態」が集う。
その中に、私が考えた「趣向」に見合う変態は必ずいるはずだ。
何故ならば、ここは入れ食いの地。
既に、ただ大通りを歩いているだけなのにもかかわらず
オークの化身かと思いたくなる男は、
すれ違いざまに私の事を何かのキャラクターに見立ててハァハァと息を荒げている。
かと思えば、逆にグールの化身かと思いたくなる男は、
モエーだのと叫び携帯をこちらに向けようとしている。
人を勝手に被写体にしようとする、その身勝手さ。まったく、ゲスな男だ。
この地が入れ食いなのは間違いない。ちょっと瞳を潤ませ近づけば、すぐに狩れる。
だが、私が狩ろうとしているのはこんな身勝手な男達ではない。
経験上、幼女を好む男達は自分が幼女を「攻める」事を望んでいる者が多いのを知っている。
まあ単純に、大の大人が幼女に「攻められる」事を妄想しづらいのもあるが。
しかし妄想し辛くとも、それを望む男はいる。必ずいる。
私のターゲットは、そんな男。
ここ秋葉原なら、そんな男を見つけられるだろう。
何せここは、幼女を好む男達の「比率」が多い、入れ食い場。
必ずどこかにいるはずだ……。

*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
205某880 虐める幼女〜モーショボー3〜:2005/07/05(火) 23:15:43 ID:6DiU8Bh/
見つけた。それもあっさり。
……そんなに攻められたいのか? 幼女に。
あまりにすぐ見つけた私は多少脱力したが、しかし見つかったのなら好都合。
見てくれは多少悪いが、酷いという程でもない男。
アダルトゲームの中古ショップをウロウロしていた男だ。
決定打になる特徴を持っているわけではないが、狩人としての「勘」は間違いないと告げている。
早速私はその男に近づき手を握りしめ、「ここで痴漢と叫ばれたくなかったら付いてこい」と、強引にホテルへと連れ込んだ。
「したいんでしょ? 私と」
徹底して今日は攻めると決めた私は、ホテルの一室に男を押し込んでからすでに「プレイ」を始めていた。
「なっ、その、したいって……」
ホテルでする事など、もう察しているだろう。
しかし幼女が、それも自分から、「そんな事」を口にするはずがない。
男の「理性」がそう脳内で囁いているのだろう。
「ふん。連れられるままホテルに来て何言ってるのよ。それとも、お金の事とか心配してる?」
金、という言葉が出た途端にビクリと男の身体が震えた。
いじめられっ子という訳では無さそうだ。
単純に、この状況に金という単語が結びついて色々と怖い想像へと発展しただけだろう。
おどおどする男の顔を見ながら、私はほくそ笑んだ。
ふむ、確かにちょっとこれは面白いかもしれない。
「お金の事はいいわよ。別にむしり取る来もないし、ここの代金も払ってあげるから。その代わり……」
私は男の膝を後ろから、力一杯に蹴る。
がくりと、間接を蹴られた男は膝を曲げ床に倒れる。間髪入れず、私は倒れた男を踏みつけて言った。
「全部、言う事を聞くのよ。いいわね?」
僅かに、男の頬が赤らんだ。そして黙って何度も頷く。
なるほど。この男、どうやら幼女好きは自覚しているようだが、
自分が「M」なのは自覚していなかったらしい。
潜在的なMか。これは面白くなりそうだ。
206某880 虐める幼女〜モーショボー3〜:2005/07/05(火) 23:16:48 ID:6DiU8Bh/
「あ、あの、その……」
これから「される」事には納得したようだが、男はまだ何か言いたそうにしている。
「なに? もう口答えをしようって言うの?」
ゲシゲシと、男の腰にかかとで何度も蹴りを入れる。
「いや、口答えじゃなくて、その……」
態度のハッキリしない男だ。その様子を見ると苛つき、蹴りに力が入ってしまう。
ふと、私はずっと男が手放さないでいた大きな紙袋が視界に入った。
紙袋はかなり大きい。しかしあまり重そうではない。何が入っているのだろうか?
「それをよこしな」
私は男の手から紙袋を取り上げ、中を確認した。
「ふーん、なるほど……これを着て欲しいの?」
男はしきりに頷いている。
中には、衣装が入っていた。間違いなく、男が着るような衣装ではない。
たしか、日曜の朝に放送されているアニメのキャラクターだったか。
詳しくは知らないのだが、知り合いの魔女達が「ふざけて」そのキャラクターに変身していたのを覚えていた。
サイズは、私にはちょっと大きめか。しかし着られないサイズではない。
207某880 虐める幼女〜モーショボー3〜:2005/07/05(火) 23:17:20 ID:6DiU8Bh/
「なんでこんな衣装を?」
当然の疑問だ。男は私の疑問になかなか答えようとしない。が、私が無言で三回程横っ腹を蹴り上げたら呻きながら答えた。
「ま、マユたんに着せようと思って……」
「マユたん?」
もしかして、こいつ既に「女」がいるのか?
いや……私の「勘」では、女がいるようにはとても見えないのだが……。
「あの、ら、ラブドールの彼女……です……」
ラブドール? 初耳だ。が、単語の組み合わせで何となく想像できる。
「……ああ、ダッチワイフね。なに、良い趣味してんじゃない、あんた」
顔を赤らめ、男がこちらを睨んだ。どうやら彼にとって触れて欲しくない領域のようだ。
「マユなんて名前付けたところで、所詮人形じゃない。その人形にこんな衣装を着せてやりたかったの? この変態!」
よほど悔しいのか、涙すらにじませている。
が、それだけではない。
息が荒くなっている。悔しいのも間違いないが、
奥底に眠っている「感情」にも火がつき始めたのも間違いなさそうだ。
「いいわよ、私がそのマユたんに変わってきてあげる。さ、あんたはとっとと服を脱いでな!」
ガンと力一杯男を蹴り、四つんばいになっていた男を横転させる。
私はさっさと衣装を持って脱衣場へ向かった。

*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
208某880 虐める幼女〜モーショボー3〜:2005/07/05(火) 23:17:56 ID:6DiU8Bh/
脱衣場から戻ると、男は全裸のまま正座して待っていた。
律儀というか、なんというか。
「ほら、着てやったわよ。どう?」
私はくるりと、回って見せてやった。
ワンピースの裾が、ふわりと浮く。私の生足と、そして何も履いていないお尻が、男の目に飛び込んだだろう。
そう、私は衣装の下に下着は着ていない。これからどうせ脱ぐのだから、この方が面倒が無くて良い。
もちろん、この方が男を興奮させるから、という効果も狙っている。
「……なに、早速立たせてるわけ? みっともないわね」
正座しているからこそよく判る。男は己の肉棒をいきり立たせている。
「立ってるわりに、ちょっと小さいんじゃない?」
私は衣装に入っていた靴を履いたまま、いきり立った男の棒を踏みつける。
「いぎっ!」
完全に力を入れて踏んでいるわけではないが、
靴を履いたままで、しかも小さめとはいえ膨張しているところを踏まれれば軽く悲鳴を上げたくもなるだろう。
「ふーん……痛いの? それとも……気持ちいいの?」
男は何も答えない。ただ赤い顔のまま荒く呼吸をするだけ。
それはもう、恍惚の表情と言って良さそうだ。
「こんな女の子にホテルまで付いてきて、あげく足で逝かされちゃうんだ。ねぇ、情けないと思わないの?」
まだ答えない。男なりの抵抗だろうか? このままでは面白くない。
「答えなさいよ!」
ぐっと、足に力を入れる。その時だった。
「ぐっ!」
男の短いうめき声と共に、白濁した液が男の腹にねっとりと飛び散った。
「あはははは、こんなんで逝っちゃったの? 変態だね、あんた」
罵倒されながら、男は目に涙を溜めている。
まだ悔しさはあるのだろう。だが、自分が「変態」である事を認めつつある。
209某880 虐める幼女〜モーショボー3〜:2005/07/05(火) 23:18:42 ID:6DiU8Bh/
「ねえ、まだ逝きたい?」
正座した男は、僅かに顔を上げる。顔のすぐ先には、私の顔。
口元を歪め、私は再度尋ねる。
「どうなの? これで満足なら止めるわよ?」
男にとっての理想が、今目の前にいる。家で帰りを待つ人形よりも魅力的な幼女が。
男の答えは決まったも同然。私は自信を持っていた。
「……まだ、逝きたい……です」
私は内心、ちょっとだけ安心した。
自信はあったが、予想以上の変態だったら人形を選びやしないかという不安が少しあったから。
「そう……なら、あの鏡に向かって四つんばいになりなさい」
部屋に置かれていた姿見に顔を向けるように、男を四つんばいにする。
私は男の後ろに回り、靴を脱いだ。
「ほら、存分に感じなさい」
私は足のかかとを、男の尻にぐりぐりと押しつけた。
「うぐっ」
短い悲鳴は、すぐに荒い息へと変わる。
男は正面を見た。そこには、アニメキャラの衣装を着た幼女に、尻を踏まれ喘いでいる自分の姿。
「こんなのでも興奮できるなんて、やっぱり変態よね」
罵倒で悔しさを感じる事は、もう無くなっているのか。息が荒くなるだけで男はじっと鏡を見ている。
210某880 虐める幼女〜モーショボー3〜:2005/07/05(火) 23:19:26 ID:6DiU8Bh/
「あなたが変態なら、そのまま自分のをしごいてみなさいよ」
私からの素敵なアドバイスに、男はゆっくりと従った。
片手で身体を支え、片手で自分のに公方を掴み、そしてゆっくり前後に動かしている。
「あはは、変態って認めたのね。ねえ、そうでしょ? 変態なら、「僕は変態です」ってちゃんと言ってみてよ」
男は頭を下げしばし黙っていたが、やがて口を開いた。
「僕は……変態……です」
言ったきり、男は尻を踏まれる感触を楽しみながら自慰に没頭した。恥ずかしさから顔を上げられないのだろう。
「よく言えたわね。折角だから、ご褒美を見せてあげる。さ、前を向きな」
男が顔を上げ、再び姿見を見る。そこには、スカートの裾をまくり上げ、股間を露わにしながら男の尻を踏み続けている私の姿が。
「いいわよ、私のを見ながらまた逝っちゃいなさいよ」
ぐいっと、足に力を入れる。男はより激しく手を動かしている。
ハァハァと荒くなる男の逝き。そして僅かに、私の息も荒くなってきた。
「うっ……」
短い声と共に、男の真下に敷かれたカーペットが白濁液によって汚されていく。
「あらら、本当に逝っちゃったのね。さすがはヘ・ン・タ・イ」
既に、侮辱も快楽か。男はただ荒い息を整えるのに必至だ。
「ぼさっとしてないの!」
私は強く尻を横から蹴り、男を仰向けに寝転がせる。
「ほら……いよいよお待ちかねの「これ」よ」
私は男の顔をまたぎ、先ほどまで鏡越しで凝視させていた私の秘所を眼前に見せつけた。
「舐めなさい」
私の命令に従い、男は私の秘所へ舌を必至になって伸ばす。
ピチャピチャと、軽い音が微かに聞こえる。
人形相手には何度も舐めていただろうが、生身は初めてか? ぎこちない舌の動きがもどかしい。
「……ああもう、いいわ、下手くそ」
このままでは、時間がいくらあっても快楽にまで到達しそうにない。私はまたいだまま、男の腰へと移動していった。
211某880 虐める幼女〜モーショボー3〜:2005/07/05(火) 23:19:56 ID:6DiU8Bh/
「もうおっ立ってるじゃない、変態。なら、大丈夫そうね」
手で触れてみると、ビクリと軽く跳ねた。
二度も逝ったばかりで、敏感になっているのだろう。だが二度も逝ってるからこそ、そう簡単に三度目はないだろう。
「さ、よーく見なさい。入れるわよ」
男のものを自分であてがい、私は一気に腰を落とす。
「んっ!」
「くっ!」
思った通り、流石にここで三度目へと達する事はなかった。
しかし男の肉棒はビクビクと私の膣の中で脈打ち、すぐにでもまた出してしまいそうな雰囲気はある。
「ちょっとはもってよね……ん、あ、うふっ……んん」
激しく私は腰を動かし、男の「もの」を楽しんだ。
「ちょっ……胸ぐらい、揉みなさいよ……ほら!」
なすがまま寝そべっているマグロ。私はマグロの手をとり、自分から胸にあてがった。
言われてやっと、男はぎこちなく手を動かしてきた。そして興奮からか、やっと腰もこちらに合わせ動かすようになった。
「そう、よ。これくらい、言われないでも、ん、しなさい、よ……あっ、ん……」
胸のブローチが邪魔なこともあって、衣装越しでは胸は揉みにくそうだ。それでも何もされないよりはマシ。
私はとにかく、ここで少しでも「成果」が欲しいと焦った。
快楽を与えるだけで、快楽を得られないのはあまりにも理不尽。
腰を振り、私は貪欲に快楽を求めた。
「ほら、もっと……ね、もっと、突き上げなさい、よ……ほら、もう少し、だから……」
このままでは、男の方が早いだろうか?
焦った私は、とうとう片手で自分の胸を揉み、そして残った手で自分の陰核をまさぐり始めた。
「あ、いい、やっぱり、自分でした方が……い、ああ、あんたも、もっと、あっ、んん!」
これでは自慰と変わらないのでは? ふとそんな事も思ったが、いよいよ迫ってきた「頂点」に、そんな疑問も吹き飛んだ。
「もう少し、いいわ、そのまま、ん、あっ、そろそろ、あっ、ああん、はっ、いい、い、んっ!」
三度目だというのに勢いよく噴出される液。それを膣の奥で感じた時、私はやっと「成果」を得た。

*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
212某880 虐める幼女〜モーショボー3〜:2005/07/05(火) 23:20:28 ID:6DiU8Bh/
「んー……」
私は腕を組み考えていた。
隣では、累計六回も頑張った男が白目をむいている。
「無駄って程じゃないけど……」
今回考えた「趣向」は、結論から言えば「満足」出来る程の物ではなかった。
よく考えればそうなのだが、男がマゾでも、私がサディストでなければ意味がない。
MかSかと問われれば、間違いなく私はSだと答える。
しかし、今日徹底してサディスト役を演じてみたが、満足は得られなかった。
肉体的な快楽を求める私には、精神的快楽は性に合わないらしい。
今日は鞭だ蝋燭だと道具は使わなかったが、使っても結果は同じだっだろう。
精神的な快楽か……ふと、考えた。
そういえば、愛は精神的な快楽……らしい。そんな事を「あいつ」が言っていたのをうっすらと思い出した。
だとしたら、愛を知らない私には精神的な快楽とは縁遠いのだろうか。
愛を欲しいとは思わないが、精神的快楽を得られないのはちょっと悔しい気もする。
「となると……乱交しかないのかなぁ」
残された手は一つ。しかしこちらはリスクが大きい。
さて、どうしたものか。
「……考えるのは後ね。とにかく、今日をどうしよう」
正直、物足りない。ここで脳髄でもすすれば満足できそうだが
折角「実験」に付き合ってくれたこの男にそこまでするのは僅かばかり哀れに思う。
「ま、お家に帰って人形で満足できなくなってたら可愛そうだけどね」
実験の為に眠っていた性癖を引き出された男。もう元には戻れないだろう。
その代わり、極上の快楽を与えてやったつもり。それで良しとして貰わなければ困る。
いや、私が困る事は何一つ無いのだが。
「さてと……まあ、今日の所は普通にあと三人くらい狩りましょうか」
ここは入れ食い秋葉原。獲物はすぐに見つかるだろう。
「そうだ……折角だし、今日は「コスプレ」を楽しもうかな」
子供サイズのコスプレは少々品薄かもしれないが、探せばあるだろう。
男に合わせたプレイをする事で、少しでも快楽が増すのなら、コスプレも悪くない。
ホテル代と着ていた衣装と、そしてちょっとだけ「色」をつけた現金を置いて、
私は早速秋葉原の大通りへと戻っていった。
213某880:2005/07/05(火) 23:27:57 ID:6DiU8Bh/
以上です。
事前注意を書き忘れたorz
今更ですが、
「今回の話は、男が調教される話ですので、ご注意下さい」

モーショボーも3話目ですが、
今回は今までの彼女と違った面を書いてみましたが…どうだったでしょうね?
話そのものが、かなり特殊な話ですので、好み分かれそうですね。
自分としては、もうちょっと
「モーショボー(幼女)が」女王様をしているんだ、というところを強調したかったのですが
んー、そもそもSM系に関して勉強不足ですかね。
SMありきより、シチュエーションとか話ありきで書いているのも原因の一つかなぁ

で、もう予告してるようなものなのでw、4話目も今構想を練っているところですが
どうリスクを回避させようかな…そのアイデアが浮かび次第、また投下に来ます。
214名無しさん@ピンキー:2005/07/06(水) 00:20:27 ID:qQwo6c0J
昨夜に続いて今夜もまた投稿かよ。ペースはぇ〜なぁ〜。
女王様×M男は苦手なので、中身はパスしましたが…
215名無しさん@ピンキー:2005/07/06(水) 02:13:22 ID:5SXxlyjA
個人的に幼女には抵抗あるので感想はなんともな感じです。ごめなさい…orz
しかし展開はいい感じかと思われるので次回に期待で。
特にリスク〜あたりのアイディアが楽しみなので、がむばってください〜
216名無しさん@ピンキー:2005/07/06(水) 02:42:53 ID:hUYHb7Rz
これはこれで面白いと思うけど・・・
いや、俺にこんな趣味は・・・こんな趣味はない、筈だ・・・
なのに何でだろう? 今までこの板で読んだ文章の中で一番ハアハアな心地になっちまった・・・
そんな自分に軽く欝orz
217名無しさん@ピンキー:2005/07/06(水) 22:38:58 ID:kYBWhflm
218某880:2005/07/06(水) 23:09:18 ID:iZMIt7Od
やはりかなり人を選ぶ話になってしまいましたね。
覚悟はしていたので気にはしていませんが
むしろスレ住人の皆さんに申し訳なかったかな。
…と書いて何ですが、次も似たような話になるっぽい
とりあえずあと一回だけ、お付き合い下さい。
その後はもうちょっとストレートにハァハァ出来る話を書きますから。

むしろ、皆さんの好みの傾向を知りたい。
作品に活かすとか以前に、興味本位で。
219名無しさん@ピンキー:2005/07/07(木) 02:31:47 ID:bHFQD95u
漏れが一番萌えた人外マンガは文句無しにKANA
あと切な系ではセンチメントの季節はおすすめ
220名無しさん@ピンキー:2005/07/07(木) 03:09:37 ID:xsjYX/im
ろりもばいーんも、和姦も強姦も輪姦も搾乳も妊婦も何でも好きですが(スカは勘弁)、強いて言うなら
五感描写式(視、聴、嗅、味、触)より六識描写式(眼、耳、鼻、舌、身、意)のほうが好きです。
ヤッてる人が何考えてるのかをしっかり書いたあと、「もう何も考えられないぐらい感じちゃってます」
の領域まで昂ぶってる様を見るのが好き。
そういう意味では悩める女の絶頂による開放が好きなのかもしれません。

とゆーわけで、精神的に生煮えのままグダグタしてるモーショボーたんが結構ツボです。
できたら、そんな彼女が派手にイキまくるようなクライマックスが見てみたいです。

これからも執筆頑張ってください。
221名無しさん@ピンキー:2005/07/07(木) 20:36:23 ID:FwD8a2YQ
やっぱ好みは清純。
勝気、弱気、強気、委員長、アーパー、etc…
何でもかまわんが、唇も処女も彼氏のためだけに取っておき、生涯一途なのがいい。
222名無しさん@ピンキー:2005/07/07(木) 21:14:01 ID:ljDfFv8B
おまい・・・
223名無しさん@ピンキー:2005/07/07(木) 22:14:36 ID:l/tZwE4A
>>218
登場人物がアホな、ギャグ・ほのぼの系の話が好み。某880氏には悪いが、
このスレではくなさん氏のSSが一番ツボにはまった。
224某880:2005/07/08(金) 01:00:36 ID:5+vud2YQ
事前注意

今回の話は
乱交,女王様×M男
といった要素があります。ご注意下さい。
225某880 傅かせる幼女〜モーショボー4〜:2005/07/08(金) 01:01:22 ID:5+vud2YQ
複数の男を狩り、乱交し、後腐れ無く捨てる。
果たして可能なのか? 私は一人、腕を組みそれを考えていた。
私はまず、「実例」をあげ考えてみる事にした。
実例…ようするに、実際に人間の男を「捕食」する多種族の例をあげて考えてみよう、という事。
まずはサキュバスやリリム。彼女達は正真正銘の淫魔であり
ありとあらゆる手段で男達を誘惑する。
主に夢の中に侵入する方法が古典的だったが
最近はもっと大胆に、直接接触し魔法を掛けたり
中には「店」を構えて待ちかまえたりもしているらしい。
彼女達の場合は世の情勢を睨み目立たないように活動する術に長けている。
その術とは、ズバリ魔術。
彼女達は元来魔力に秀でた種族である為、
「事」が明るみに出ないよう隠蔽するのに魔術を惜しげもなく使える。
私はと言えば、魔力というより「霊力」や「妖力」に近いものならあるが、
それで魔術のようなまねごとは残念ながら行えない。
よって、彼女達のやり方は参考にならない。
では他の種族はどうか。
私の友人である「仙狐」と「仙狸」。
彼女達は「陽力」を得る為に男を欲している。
が、彼女達は私より狩りが下手だ。むしろアドバイスをしてやらないととすら思っている程。
その代わり、二人は「あいつ」に取り入る事で上手く目的を果たしている。
ある意味で、狩りをするより効率的かもしれないが……とりあえず今の私には参考にならない。
彼女達と同族の、もっと「狩り」が上手い者達も、
一人の男に取り入る事をやり方として好むので、やはり参考にはならないか。
他の種族だと……手当たり次第に捕食してアッサリ見つかる者もいるが、むろんそんな方法は却下。
やはりサキュバスやリリムのように、魔術を用いるか
仙狐や仙狸のように、男に取り入るかのどちらかしかないのか。
すると……困るな。私は腕を組み直して唸った。
226某880 傅かせる幼女〜モーショボー4〜:2005/07/08(金) 01:02:24 ID:5+vud2YQ
「……誰か助っ人を頼むか……」
魔術の力を他から借りる手もある。
例えば、サバトを開く魔女達がそうだ。
彼女達は信仰する悪魔や神,精霊などから魔力を授かり、それを用いている。
あるいは自ら薬草などを使い怪しげな薬を作り、それを用いる事もある。
幸い、私には三人の魔女が友人にいる。彼女達なら、私の相談に乗ってくれるだろう。
「……いや、それは危ないわ」
私は浮かんだアイデアをすぐに却下した。
魔女に頼み事をするのは危険だ。
そもそも、彼女達は見返り無しには動かない。
対価分より低い価値に見積もってくれる事もあるが、しかし僅かでも見返りは要求する。
むろん、逆もあり得る。そしてそのリスクは、後になってみないと判らないケースが多い。
リスクが如何ほどになるか読めない相手との交渉程、危険な物はない。
そもそも、私は男を狩るテクニックなら自信はあるが
魔女との交渉事などとても出来そうにはない。
私は危険な賭はしない。するくらないら、そもそもこんなに狩りについて真剣に悩みはしないのだ。
227某880 傅かせる幼女〜モーショボー4〜:2005/07/08(金) 01:02:56 ID:5+vud2YQ
……そもそも、いつからだろうか? 私がこんなに狩りに悩むようになったのは。
日本に来た当初、私は普通に男を狩り、やる事をやって脳髄をすすった。
そうか、そうしている内に「あいつ」に見つかって……それからか。
そうだ、狩りについて交わしてもいない「約束事」を一方的に与えられ
私はその約束事を「なんとなく」守っているだけ。
それでこんなに悩むのなら……いっそ、あの約束を反故してしまっても良いのではないか?
「……んー、とはいえねぇ……」
別に、「あいつ」に対して何か義理立てる必要はない。
だが「あいつ」との約束を反故すれば、多くの友人を失う事になる。それは避けたい。
「……結局、振り出しに戻ったわ」
悩んだ末、現状は変わらぬまま。時間ばかりが過ぎていく。
「とりあえず……今日の獲物を狩りに行きますか」
煮詰まってしまっては、何も浮かばないだろう。
私はとりあえず考える事を諦め、街に出る事にした。
いずれ解決案が浮かぶかもしれない。焦っても良い結果は生まれないのだから、じっくりいくしかない。

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228名無しさん@ピンキー:2005/07/08(金) 01:03:44 ID:5+vud2YQ
「とはいえ、やはり悠長に構えてもいられないか……」
その日の夜になって、私はもう焦っていた。
本日三人目の狩りを終え、私は又腕組みしながら考えていた。
入れ食いの地、秋葉原。
そもそも、ここで手っ取り早くと考えている時点で、私は焦っているようだ。
三人も相手すれば、それなりに満足するかと思っていたが
どうもダメだ。やはり簡単に食いつくような男は私を一行に満足させてくれない。
同じ三人なら、他の地で時間をかけて狩った方がまだ満足度が得られただろう。
いや……確かにその通りだが、それも微々たる差でしかないかもしれない。
むしろそう思ったからこそ、時間を惜しみこの地で狩ってみようと思った訳なのだが……。
「まったく、デカイのは腹だけか」
私は気を失って横たわっている男の腹を踏みつけた。
短小,早漏,包茎。判っていたが数をこなせばどうにかなるという私の考えが甘かった。
腹を見れば判っただろうに。この男に体力なんてないことくらい。
一人の男に対して、こう毎回腹を立ててはストレスばかりが貯まる。
そもそも、「精力」「生命力」だけなら一人で充分。それも週に一度で良い。
私が求めているのは、肉体的な快楽と満足。
ストレスは発散させたいのであって貯めたいのではない。
やはり早急に、手を考えなければならないか。
私は早々に着替え、男の財布からホテル代だけを残して中身を抜き取り、部屋を出て行った。
そしてホテルの出入り口を出たところで、不意に声をかけられた。
「ああ、やっと見つけた!」
やっと見つけた? 顔を見れば、見覚えのある顔。
しまった。こんな失敗をしでかすとは。私は待ち伏せされていたのだ。
狩り場にもよるが、私は男を連れ込むホテルは出来る限り毎回変えている。
むろん、このような待ち伏せを回避する為など、私に関して迫る調査の手を逃れる為にだ。
だが、秋葉原周辺には手頃なホテルがない。
多少歩けばあるのだが、その距離に狩った男が根を上げるのだ。
その為、私は同じホテルを使ってしまった。
それも、ここ秋葉原で最初に「実験」したホテル。
そう、私に声をかけてきた男は、あの「調教」を施しマゾに目覚めた男だった。
229某880 傅かせる幼女〜モーショボー4〜:2005/07/08(金) 01:05:17 ID:5+vud2YQ
「やっと会えました……ああ、僕の女王たん」
女王「たん」? 「様」じゃないのか?
いや、驚くところが違うだろう。どうやらそれなりに私は動揺しているらしい。
「ずっとずっと女王たんの事が忘れられなくて……ここで待っていれば何時か会えると信じて待ってました、ああ、良かった……」
涙ぐみながら話し、男は私の前で跪いた。
ある意味ストーカーだな。まあ、どうしても再会したいならここで待ち伏せる以外方法がないのも確かだが……
しかし、あれから確か一週間以上は経っているはず。それまでここで待ち続けていたのか?
変なところに執着心と根性があるのは、「オタク」と呼ばれる人種だからこそなせる「技」なのだろうか?
「お願いします、女王たん。僕を奴隷にして下さい!」
周囲に人はそう多くないが、だからこそ周囲に響く声。そして幼女に道ばたで土下座する男の姿もよく見える。
恥ずかしくないのか? 少なくとも、私は今凄く恥ずかしい。
「ちょっ、とにかく、こっちに来なさい!」
私は男の手を取り、とりあえずホテルに戻り、新たに部屋を借りそこへ急いで連れ込んだ。
「あんたね……あんなとこで何やってんのよ!」
部屋に入るなり、私は怒鳴った。
男は土下座した時の勢いも失せ、怯えるように答える。
「あ、いや、だって……やっと会えて……それで、その、奴隷にして欲しくて……」
奴隷? 先ほども口走っていたが、奴隷とはまぁ……。
確かに調教はした。マゾに目覚めさせたのは私だ。それは認める。
だが、また調教して欲しいとか、また虐めて欲しいとか、そう言われるならまだしも、
もういきなり奴隷なのか……刺激が強すぎたのだろうか?
230某880 傅かせる幼女〜モーショボー4〜:2005/07/08(金) 01:06:39 ID:5+vud2YQ
「あんた、自分の言ってる事、意味判ってるの?」
きつめに、私は返答を求めた。
少し男の息が荒い。こんなやりとりですらもう興奮しているのか……それとも、単純に再会できた喜びで興奮しているのか。
「も、もちろん……だって、僕の「フラグ」が立っちゃったし、もう女王たんの奴隷にして貰わないと「トゥルーエンド」にならないし……」
はい?
フラグ? トゥルーエンド?
意味は判らないが、この男は何か勘違いというか、思いこんでいるというか……有り体に言えば「いっちゃってる」ようだ。
まいった。まさかこんな事になるとは……これは私のせいなのだろうか? それとも、この男の資質が元々こうなのだろうか?
両方……なのだろうな。そもそも、この男の資質を見抜いて、私は「実験」を行ったわけだし。
さて、どうしよう。
間違いなく、このままでは面倒な事になる。
いっそ、この後良い思いだけさせてやって逃げるか、
それとも二度とこのような事がないように脳髄をすすってしまうか……
私はしばし黙り、考えていた。
231某880 傅かせる幼女〜モーショボー4〜:2005/07/08(金) 01:07:10 ID:5+vud2YQ

この沈黙に耐えられなかったのか、それとも男が私の考えに感づいたのか、口を開き奴隷になる「条件」を述べ始めた。
「じょ、女王たんの事は誰にも言いません。奴隷にしてくれたら何でもします。だから、お願いします!」
再び、男は幼女に向かって土下座し、そのまま床に額を押し当てている。
思いこみが激しいというのは、ちょっと困った物だな。
というか、ここまで熱狂できるというのが信じられない。
この男にとって、あのプレイはそんなに気持ち良かったのだろうか?
肉体的には確かに限界まで搾り取ったが、ここまで陶酔する程だったのだろうか?
いや、彼はマゾに目覚めてこうなっている。
私には理解できない「精神的快楽」がよほど心の深層にまで響いたのだろう。
精神的快楽はこんなに凄いものなのか?
彼のは「愛」とはほど遠いだろうが、だからこそ僅かに興味は湧く。
興味は湧くが、しかし何でもしますとここまで全面降伏してしまう心理というのは怖い気もする。
……ん、まてよ? 何でもします?
今この男、なんて言った?
私は男の頭を足で踏み、男の言葉を確認する。
「誰にも言わない? 何でもする?」
ぐいぐいと、足に力を入れ男の額を床にこすりつける。
「は、はい! はい! 誰にも言いませんし何でもしますから!」
あった。こんな所に解決案が。
私は長い事悩んでいた問題に、ようやく終止符が打てそうだとほくそ笑んだ。

*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
232某880 傅かせる幼女〜モーショボー4〜:2005/07/08(金) 01:07:43 ID:5+vud2YQ
あれから、私は早速入れ食いの地秋葉原へ戻り、探した。
奴隷候補を。
昨今、人間社会では男が女を監禁し社会問題になっているようだが
その逆は寛容なのか? と思うくらい容易に、二人程確保に成功した。
とは言っても、「監禁」まではしていないし
逃げられても相手が幼女なら警察に駆け込めないし信用もされないし、むしろ疑われるだろうと高をくくってはいた。
調教の仕方は、最初の「一号」とほぼ同じ。
素材選びで一号よりも慎重に行ったので、肉体的な不満も少ない。
中身はもちろん、一号と同じような性癖を持つ男。
そして秋葉原で見つけた事もあってか、「思いこみ」も一号に近い。
こうして、二号と三号の調教に成功。晴れて、三人の「奴隷」を私は手に入れた。
そう、こうすれば良かったのだ。
そもそも私の中にあった「男を捨てる」という概念は、
使い捨てというか、脳髄をすすれば残るのは動かなくなった死体だけで
まさに捨てる以外に価値がなかったから。
けれど私は、脳髄をすすらなくなった。しかし概念だけは残っていた。
その為に面倒な事が後から後から出てきたが
手元に残しておく事で口封じにもなり、面倒が解消された。
そして何よりこの解決案で大きな収穫は
男達の「腕」を調教によって上げさせる事が可能、という点。
奴隷にした時点で彼らは言う事を何でも聞くが、
テクニックの向上はテクニックで。
私の持つ「腕」を餌に、男達に様々なテクニックを、それも私好みの物を教え込んだ。
これで肉体的な快楽は問題ない。
彼らに対する精神的快楽は、特に気を使う必要はなかった。
そもそも「幼女に奴隷となって従う」という事だけで、彼らはマゾ的な満足を得ている。
後は、適当に罵倒するなり虐めるなりすればいい。本格的な道具やら技術はいらない。
魔術に頼らず、取り入るのではなく取り入れさせ、私は問題を解決できた。
233某880 傅かせる幼女〜モーショボー4〜:2005/07/08(金) 01:08:15 ID:5+vud2YQ
「もう準備は良いみたいね」
私は男達を全裸のまま正座させ、並ばせている。
私はと言うと、男達のリクエストに応え「全裸にエロメイド服」という姿。
本来奴隷に着せるはずのエロメイド服を着た幼女に、調教される。
そのシチュエーションがたまらないらしい。
まあ、これくらいのリクエストには「女王たん」として答えてやらないと。
服のデザインは、何かアダルトゲームに登場する物らしい。
これを作って欲しいとアルケニーに頼んだ時の、彼女の顔は今でも忘れられない。
「なに、もうそんなにしてるの? 毎回毎回、本当に呆れるわ」
三人の肉棒は、既にはち切れんばかりに膨張し、天に向かってビクビクとそそり立っている。
「それじゃ、始めて」
私は三人の前に椅子を置き、そこに座った。
男達に向け足を広げ、私の秘所が見えるように。
そして男達は、自らの手で肉棒をしごき始める。目の前の私を「オカズ」に。
私は今まで男の肉棒を長持ちさせる為に、挿入前に手や口で抜いてやっていた。
しかしその手間はもういらない。
こうして屈辱的な自慰行為をさせる事で、私にとって長持ちさせる為の下準備が出来
彼らにとっては精神的な悦楽が得られるのだ。
「必至ねぇ……ほら、頑張りなさい。ご褒美は目の前よ」
私は自ら秘所の「膜」を指で押し広げ、彼らに中を見せた。
私自身は、別に男達の自慰を見て興奮する事はないが、まあこれも「女王たん」としてのサービス。
三人はものすごい勢いでしごいている。今彼らは競争をしているから。
先に出した者から順に、私の好きなところを舐められる。その為の「射精大会」なのだこれは。
「く、うっ!」
一人、一号が逝った。白濁液をまき散らしながら、彼は真っ先に私の元へと駆け寄ってくる。
234某880 傅かせる幼女〜モーショボー4〜:2005/07/08(金) 01:08:59 ID:5+vud2YQ
「相変わらず早いな。早すぎるのは本来……こら、慌てるな!」
椅子ごと私を押し倒そうかという勢い。
私は迫る一号の顔目掛け蹴りを入れたが、むしろその反動でひっくり返ってしまった。
「あ、す、すみません!」
慌てて駆け寄り、椅子ごと私を起こす一号。
折角手に入れかけた「ご褒美」を無駄にしてしまったかと、焦っているのが見て取れる。
もちろん、私は罰を与える。
「……褒美無し。そこに立ってなさい」
普通のSMなら、「お仕置き」も一つのプレイなのだろうが、私はプレイにするつもりなど無い。
小学生に叱られ立たされる教師。立場を逆転させた、そんな光景だ。
「いっ、やった!」
続いて三号が逝き、私の元へとやってくる。むろん慎重に。
「よし、では好きなところを舐めなさい」
真っ先に三号は、私の股間に顔を埋めた。
まずは舌先で陰核を突く。そしてゆっくり力を入れ初め、すくい取るように舐め上げる。
「んっ……だいぶ上手くなったわね」
私に褒められ気をよくしたのか、三号がしばらく陰核を舌で攻め続けた。
「はぁ、やっと……」
二号が達し、私の元へとやってきた。目で合図を送ると、二号はすぐさま乳頭にむしゃぶりついてきた。
唇で小さな乳輪を覆い隠し、舌先で乳輪の先を小刻みに舐め続ける。
「お前もいいぞ……ほら三号、「そこ」だけでいいのか?」
陰核ばかりを舐めていた三号は、舌を僅か下にずらし、より顔を埋め、陰門へと舌を押し入れてきた。
くちゅくちゅと、湿った音が漏れ始める。
235某880 傅かせる幼女〜モーショボー4〜:2005/07/08(金) 01:09:46 ID:5+vud2YQ
「いいぞお前達……一号、特別に尻を舐めさせてやっても良いぞ」
むしろ私が求めているのだが、それを表に出す事は絶対にしない。風格を保ちつつ、私は一号に命じた。
一号は椅子の舌に潜り込み、舌を懸命に伸ばしている。
椅子は中央部分に穴が空いており、そこから尻を舐められるようになっているが、
やはり直接尻に顔を埋められない分舐めづらいのだろう。
直接肛門に舌は届かないが、その周囲をレロレロと舐め始めた。
「……ん、三人とも、上達したわね……だけど、まだまだよ」
軽く喘ぎ声が出そうになるのを、私は抑えた。
本当に、短期間でよくここまで上達したものだ。
私の調教が良かった、というのももちろんだが
彼らはとにかく、一途な程に懸命だった。それが上達に繋がっている。
良くも悪くも、のめり込みやすいのがオタク。それが良い方向へと向かったという事か。
……まあ人間社会に置いて、これが「良い方向」かどうかははなはだ怪しいが。
「なに……もう我慢出来ない?」
私は二号の、先ほど以上に膨張している肉棒を手で軽く叩いて言った。
我慢出来ないのは、むしろ私の方。
三人がかりとはいえ、奴隷達がこうも私に肉体的快楽を与えてくれるようになるとは。
236某880 傅かせる幼女〜モーショボー4〜:2005/07/08(金) 01:10:28 ID:5+vud2YQ
「ならいいわ。そろそろ、入れさせてあげる」
私の言葉に、三人はすぐさま舌を離し、そして「定位置」に立った。
入れさせる前に、私はいつももう一度射精させている。
ただし、今度は私の手と足で。
陰門を舐めていた二号は股間をこちらに向け寝そべり、肉棒を私の両足に挟まれている。
残った二人はそれぞれ私の脇に立ち、手でしごかれている。
「攻めるのは上手くなってきたけど、攻められるのは相変わらず弱いわねあなた達」
すぐにでもまた射精しそうなのが、ビクビクと跳ねる脈を直に触れる事でよく判る。
「良いわよ、そのまま出しちゃいなさい」
言われて三回もしごかないうちに、三人はほぼ同時に白濁液を放った。
手にしていた二本の肉棒から放たれた白濁液は、私の顔に勢いよく降りかかった。
私はそれを拭いもせず、口元に掛かったものだけをペロリとなめ取った。
その様子を、三人はじっと凝視していた。
「こんな子供に逝かされるなんてね。そしてこんな子供の中に入れたいだなんて……本当に、あなた達って変態よね」
何度も何度も言われ続けている罵倒。それなのに、それだから、彼らは興奮している。
「出したばかりなのに、もう固くして。流石変態ね。いいわ、入れてあげる」
私は肉棒から手を離し、椅子から立ち上がった。
寝そべったままの二号に近づき、股を開きまたがる。
手には彼の肉棒。それを陰門まで導き、私は一気に腰を落とす。
「んっ!」
思わず、声が出てしまう。そんな私の声に、三人が明らかな反応を示すのはいつもながら見ていて面白い。
大人としては平均的なサイズだが、幼女の身体を持つ私には大きい肉棒。
既に充分濡れていたとはいえ、充分にキツイ。
にも関わらず、私はこれ以上を求めていた。
237某880 傅かせる幼女〜モーショボー4〜:2005/07/08(金) 01:11:09 ID:5+vud2YQ
「さあ、良いわよ……」
二号の上に覆い被さるよう寝そべり、尻を突き出す格好になる私。
三号が私の尻に、ローションを塗る。
そしてその手を拭き取る間も惜しみ、ぬめる手で尻を掴み、肉棒を尻にあてがう。
「ぐっ!」
私は自分の中に、二本の肉棒が差し込まれているのを感じている。
ああ、ようやく手に入れた快楽。苦しみながらも、私はこの感触を楽しんだ。
「ほら、動かしなさい」
言われて動く、二人の腰。
奴隷としての連携はかなり取れるようになってきた。二人の腰は息を合わせ動かされている。
「くっ、あっ、いいわよ……ほら、あなたのも……」
残された一号。彼の肉棒を私は招いた。
眼前に突きつけられる肉棒。私はそれを手に取り、口へと運んだ。
「んふっ、くちゅ……んっ、ちゅっ……はふぅ……んん」
三点攻め。穴という穴を、私は攻められている。
そう、私は攻められている。やっと、私はテクニックを用いて攻められるようになった。
突き入れられる肉棒。擦られる肉棒。かき回す肉棒。
三本の肉棒、私によって鍛えられた肉棒が、私に快楽を与えてくれる。
「は、いいわ、もっと激しく、もっと、ん、くちゅ、んちゅ、はふ……」
非力で受けるばかりだった今までの男達とは違う。
忠実に、力強く、私をよがらせる肉棒を、やっと手に入れた。
238某880 傅かせる幼女〜モーショボー4〜:2005/07/08(金) 01:11:40 ID:5+vud2YQ
「いい、いく、そろそろ……ん、んちゅ……んん、いく、いくわね、い、いいわよ!」
あくまで逝かせてあげる。その態度を崩してはならない。
これからも忠実な奴隷を手元に残しておくのなら。
攻められてはいるが、むろん私も彼らに持てるテクニックを駆使して答えてやっている。
締め付け、擦り、舐め上げる。
先に二度出していなければ、とっくに根を上げていたはずだ。
そう考えると、彼らはまだまだ成長過程か。
つまり……これ以上の快楽も期待できるのか?
「ん、い、いくのね、さ、い、一緒に、ん、んちゅ、んふ……ん、ん、んん!」
脳天に電撃が走る、そんな快感。それは三カ所の穴に白濁液が注がれれた瞬間でもあった。
「ん、はぁ……良かったわよ、あなた達」
私は素直に、三人を褒めてやった。
息も絶え絶えながら、恍惚とした表情を浮かべる三人。私は彼らのそんな顔を見て、微笑んだ。
「さあ、次行くわよ。ポジション変えなさい」
恍惚の表情が、多少引きつる。
だが、「女王たん」の命令は絶対。三人はお互いの場所を変え、四回目の射精に望んだ。

*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
239某880 傅かせる幼女〜モーショボー4〜:2005/07/08(金) 01:12:16 ID:5+vud2YQ
「なんか、最近機嫌良いな」
シルキーが入れてくれた紅茶を楽しんでいるところに、「自称」保護者が話しかけてきた。
「まーねー。なんたって、私は「女王たん」だから」
「は? なんだそれ」
奴隷の事は、保護者に話していない。話したところで問題はないのだが、変に勘ぐられるのは面倒だ。
保護者は、私の「狩り」を黙認していた。しかし同時に心配もしている。
私と、相手になった男達の両方を。
脳髄をすすらないかという心配と、後は……私が男と「干からびる」までやるので、それも心配らしい。
まあ、それ以上に何かと私の事を聞いてくるのだが……何を心配しているのやら。
たぶん、今の「女王たん」の事を話せば、むしろ喜ぶかもしれない。
奴隷を手に入れた、という事に関してこの保護者は顔をしかめるだろうが
本人達が望んでいるならと、たぶん容認する。そういう人間だコイツは。
「そういや、なんか最近色々とアルケニーに「コスプレ衣装」を作らせてるんだって?」
口に含んでいた紅茶を、私は吹き出しそうになった。
別に口止めしていたわけではないから、知られて当然なのだが……直接尋ねられると恥ずかしい。
「別に良いでしょ……」
と、恥ずかしさからかこんな言葉しか口に出来なかった。
「いや、悪いって話じゃなくてさ。なんかアルケニーが「これだけ衣装を作るって事は、同じ人に見せてるんじゃないか」って言ってたからちょっと気になって」
そうか……アルケニーの推理は正しい。
確かに、私自身がスキュラのようにコスプレマニアでない限り、そんなに何着も必要はないはいず。
となれば、同一の相手に色々と見せるのが目的なのだろうと考えるのは自然だ。
240某880 傅かせる幼女〜モーショボー4〜:2005/07/08(金) 01:12:48 ID:5+vud2YQ
「相手を絞ったのか? まあそれなら……大事にしてあげろよ」
私の頭を軽く撫で、保護者は微笑みながら行ってしまった。
なによ……言いたい事だけ言って、勝手な事考えて。
言われなくったって、折角手に入れた奴隷。長持ちさせるわよ。
あいつらだって、なんか張り切ってるし……。
なんだか、身体を鍛え始めたり生活態度を改めたりしてるみたい。
それが奴隷としての勤めです、なんて言ってたなぁそういえば。
まあ、毎回白目むくまで付き合わされると、流石に自分の身体を心配もするか。
それにしても……いいのを手に入れたわ。
テクニックも付いてきたし、調教するのも楽しくなってくる。
なにせ、全ては私の快楽へと返ってくるんだから。
私は狩りを卒業して、これからは「女王たん」として楽しんでいく。
モーショボーという「種」としてかなり異端な生活を送る事になってきたが
別に、こだわりはない。ようは、私が楽しめればいいのだから。
そのついでにあいつらが楽しめるならなお良い。それだけ。
さて、今夜は何処まで楽しめるのかな。
私は足をばたつかせながら、シルキーに紅茶のお代わりを頼んでいた。
241某880:2005/07/08(金) 01:19:20 ID:5+vud2YQ
一回上げちゃったorz

とりあえず、書いてみましたが…
なんか全体的な長さの割りにエロシーン少ないですね。申し訳ない。
とりあえず話としてだけでも楽しんで貰えれば。

あと、好みに答えて下さった皆さんどうも。参考にします。

>220さん
ちょっと気にして書いてみましたが、いかがでしょうかこんなので。
派手じゃないですねorz

>223さん
>某880氏には悪いが
いえいえ、お気になさらずに。
自分もくなさんさんのツボでしたよ。
ほのぼのもいいですよねぇ。

では、次こそハァハァして貰えるのを投下できるように、しばしネタ作りに励みます。
242名無しさん@ピンキー:2005/07/08(金) 02:24:08 ID:R78RgYBo
正直、奴隷トリオを羨ましいと思った。
前回のと合わせてGJ!
243名無しさん@ピンキー:2005/07/08(金) 03:56:09 ID:h5p6wl5h
GJ
面白かったよ
244220:2005/07/12(火) 07:02:23 ID:XEG+inKp
遅ればせながらGJ!
確かに派手じゃなかったですが、きちんと三穴責めてるし、これはこれでイイ!

こーしてモーショボーたんは狩猟/採集時代から牧畜時代に移ったわけですなw

でも「女王たん」っていう表現は初めて見ました。
某妹姫の「兄くん」ばりのエポックメイキングだと思います。
245名無しさん@ピンキー:2005/07/12(火) 11:25:28 ID:xu3X61Ko
女王たんハアハア

> こーしてモーショボーたんは狩猟/採集時代から牧畜時代に移ったわけですなw
モンゴルなら遊牧?
246名無しさん@ピンキー:2005/07/12(火) 21:12:05 ID:oONbZkOf
男「モーショボーさん。暑い日が続きますね〜」
モーショボー「そっかな〜、夏は暑くて当たり前でしょ。むしろ暑い方がいいよ」
男「なるほど、猛暑望ですか」
<打撃音><絶叫><沈黙>
247名無しさん@ピンキー:2005/07/12(火) 22:16:12 ID:Yi959DKz
そして何かをすする音
248名無しさん@ピンキー:2005/07/13(水) 11:33:18 ID:2Mvcx3AF
デスラー…いやモショボたんの前ではうかつに冗談も言えませぬw
249名無しさん@ピンキー:2005/07/13(水) 20:31:55 ID:XHBgQDze
京極夏彦で出てきたんだが、
水子を紙に祭り上げる憑物を『オショボ神』という地方があるそうだが、
モーショボーたんと関係あるのかね?
オショボ神もその姿は幼女なんだが。
250名無しさん@ピンキー:2005/07/14(木) 10:49:14 ID:sqT7Eno8
もー(´・ω・`)ショボーン
251名無しさん@ピンキー:2005/07/14(木) 16:54:19 ID:c1xtWcCi
>>249
んー、十中八九関係ないと思う。単なる偶然でない?
※ 以下は独断と偏見と予想と妄想で語るので話半分で聞いて下され
ポイントは『幼女』の適用範囲ってどれ位?ってトコにあると思う。
モーショボーは「恋をせず死んだ少女(意訳)外見10歳前後(らしい)」
(昔の)モンゴルは女=繁殖用財産扱い+略奪婚の風習があったコトと、当時の生産力の低さ、
民話、説話、非普遍宗教段階の物語とは、日常生活を滞りなく行わせる為の縛りであること(宗教学用語で言うタブーってヤツ)を加味すると、
(例:イスラムのブタ禁食=当時ブタの寄生虫が深刻な問題だった=食うと死ぬから食べちゃダメ 追記:現代では理由の必要ない宗教上の慣習に意味を移行済み)
「嫁入り前に死んだ少女が男を食い殺す」という悪い事するモーショボーは「繁殖に使われる前に壊して無駄にすることへの戒め」=今貧しくても口減らしに子供殺しちゃだめです、いずれ繁殖に必要になるモノだから、
的な由来である可能性が高いです。

あと、オショボ神って水子でしたっけ?あれって「富の偏りの説明」の為の童子神でなかった?
例のアレには「オショボはつけるものではない、出て行くことが役割だ」って書いてあったはずです(ちょっと曖昧だけど)
まあ、水子であれ座敷童子変形であれ、水子の幼女「ベビーではないコドモ=次世代関係」や座敷の「出て行くコドモ=富関係」とモーショボーの幼女「嫁入り前のコドモ=妻関係」ではニュアンスが別物でズレが大きすぎます。
とすると、「ディヤウス(インド)=ゼウス(ギリシア)のような、同一モチーフが人の移動による文化の伝播によって広まった」
的な類似とは考えにくいでしょう。

また、人間に発音できる音には限りがあり、意図せず似てしまうことは多々あります
(例:フランスにはサトーやカトーといった姓があるが日本の佐藤や加藤とは一切関係は無い)
そもそも、モーショボー関係の資料少なッ!調べ辛ッ!
・・・メガテンレベルで無いモーショボーの文献・知識持ってる人いたらガツッと正解言ってくだされ。
長々とスマソ・・・でも、「何でそうやねん?」ってトコまで少しでも踏み込むとドウシテモ字数食っちゃうんですTT
252名無しさん@ピンキー:2005/07/14(木) 20:24:16 ID:yzUP8ZOI
>>249
その知識を生かして何か書いてくれ。
253名無しさん@ピンキー:2005/07/16(土) 01:22:06 ID:YWUmb5ap
一瞬、民俗学板に来たのかと思った。
254名無しさん@ピンキー:2005/07/17(日) 03:05:52 ID:3rPqtFkx
発音が似ていて意味レベルで関連の薄いもしくは無い2つの事象をむりやりねじ曲げて意味付け、
関連づけて解釈していくと歴史物SFやミステリとして面白いものになるかもね。
MMRやその他のトンデモ系は大概この手の論理の飛躍でごまかす手法だし。
神々の指紋とかね。
255名無しさん@ピンキー:2005/07/18(月) 10:34:02 ID:SIrgSr5l
>意味レベルで関連の薄いもしくは無い2つの事象をむりやりねじ曲げて意味付け
ペンネームとかでよくあるよな。
エロ漫画家の小本田絵舞は、実は本名を「いまえだもとこ」というとか。
256名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 04:09:33 ID:jLJSCkSu
>>255
それは普通アナグラムと云うんでは?
MMR繋がりならノイズが足りない。
257名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 21:16:25 ID:46ATSWAw
小ネタを1本投下します。
258名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 21:16:54 ID:46ATSWAw
ドアを開けるとかぼちゃ頭がいた。
大学進学を期にこのボロアパートで1人暮しを始めてから1年と半分。
その間、新聞の勧誘やら公共料金の取り立てやらあなたの幸せを祈らせてくれやら色々な客が来たが、
今目の前にいるのはその中でもかなり異質な存在だった。
頭には目と口を刳り抜いた大きなかぼちゃを被り、首から下は地面まで届く真っ黒なマントで完全に覆われている。
頭の位置は俺の胸までようやく届く程度。
頭頂部のかぼちゃの厚みを考えれば、実際の身長はさらに低くなるだろう。
確か、外国の風習でこんな格好をするものがあったような。
「――――――?」
子ども特有の甲高い声で何かを言われたが、上手く聞き取れなかった。
「あ、えー?」
答えに詰まる俺に、かぼちゃ頭はカクンと首を傾けて、
「trick or treat?」
今度は心構えができていたおかげで、何とか聞き取れた。
トリック? 手品か?
オアは「〜か〜」だったよな。
トリート? 何だったっけ? トリート……トリートメント……シャンプーか?
まずい、せっかく聞き取れても意味がよくわからない。
「あーあー、あい、きゃんと、すぴーく、いんぐりっしゅ、おーけいおーけい?」
俺がたどたどしくそう言うと、かぼちゃの中から小さな溜め息が聞こえた。
ちょっとカチンと来るが、ここは日本だ。
日本語を喋らないヤツの方が非常識なのだ。
「お兄さん、馬鹿ですね」
溜め息に続いてかぼちゃの中から響いてきたのは、呪文のような英語でもなく、溜め息でもなく、流暢な日本語だった。
259名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 21:18:16 ID:46ATSWAw
「日本語が喋れるなら最初から日本語喋れ。あんまり大人をからかうもんじゃないぞ。
 だいたいこんな時間に子どもが1人で出歩く……」
年長者として説教の1つもしてやろうとすると、
「あの程度もわからない人に、大人面されても困ります」
冷淡にそう返された。
ム、ムカツクガキだ。
「まあ仕方ないから日本語で言ってあげます。いたずらか、もてなしか。
 お馬鹿なお兄さんのためにさらに意訳すると、お菓子をくれなきゃいたずらするぞ、です」
「もう勝手にしてくれ……」
付き合い切れなくなった俺はドアを閉めた。
幸いにも、ドアの隙間に足をねじ込まれたりすることもなくドアは閉まり、部屋の外と中を隔絶する
「まったく、なんだったんだ一体……」
最近の子どもはわけがわからん。
そんな年寄りじみた思いを抱きながら振り返ると、目の前に肌色の壁があった。
「うおわぁっ!?」
反射的に後ろに飛び退り、さっき閉めたドアに背中から貼りついた。
少し距離を置いて見れば、そこにいたのはさっきのかぼちゃ頭だ。
体を覆っていた黒マントがめくれ上がり、その下から少女の裸体が惜しげもなく晒されている。
平坦な胸も、くびれという単語とは無縁のウエストも、ぴっちり閉じた無毛の性器も、固そうな臀部も何もかもが。
少女がマントの下に身に着けていたのはストライプ模様のオーバーニーソックスだけ。
どう考えても隠す場所を間違っている。
「お菓子をくれなきゃいたずらするぞ」
驚いている俺を虚ろなかぼちゃ頭の眼窩の中から覗きながら、少女はさっきの言葉を繰り返す。
それに対する俺の答えは、
「バ、バカ! お前なんで裸なんだ!?」
260名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 21:20:30 ID:46ATSWAw
「ツッコミ所はそこですか」
少女は呆れたようにそう言うと、天井をトンっと軽く蹴った。
そのまま空中でくるりと反転して床に立つと、重力に従って再び黒マントが少女の身体を一分の隙なく覆い隠す。
ん?
「あ、お前、今、天井に!? だいたいどうして中にいるんだよ!?」
ま、まさか、子どもの仮装じゃなくて、マジモンの……?
「気がつくのが遅すぎますよ。さあ、そろそろ本当にお菓子をくれないと……」
この程度では済みませんよ。
言外にそう言われているのがわかった。
「わ、わかった、わかった。お菓子を渡せば帰るんだな?」
「もちろんです。こちらにもジャック・オ・ランタンとしての誇りというものがありますから嘘は言いません」
ジャック・オ・ランタンとしての誇りなんてものはよくわからなかったが、とにかく俺は部屋の戸棚に向かった。
とはいえ、甘いものが苦手の俺の家に、子どもが好みそうなキャンディーだのチョコレートだのがあるはずもない。
自分の間食用に買い置いてあったのは――、
「こ、これでいいか?」
部屋まで付いてきたかぼちゃ頭にスナック菓子の袋を渡す。
「見たことがないお菓子ですね。まあいいでしょう」
偉そうにそう言いながら、かぼちゃ頭は袋をあけると天井を見上げ、頭の上で掲げた袋を傾ける。
かぼちゃ頭が何をしようとしているかは気付いていたが、黒マントとは対照的な病的なまでに白い喉に意識を取られ、
俺は一瞬制止するのも忘れて動きを止めてしまった。
黒地に、赤い唐辛子をモチーフにしたキャラクターが描かれた袋から、リング状のスナック菓子が零れ落ちる。
それらは全て、かぼちゃに開けられた口に吸い込まれていった。
261名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 21:23:10 ID:46ATSWAw
「ぶふぅっ!?」
かぼちゃの中からバリボリという音が聞こえた直後、かぼちゃに開けられた口から中途半端に咀嚼されたスナック菓子が噴き出した。
それはまさに岩の割れ目から噴出するマグマを連想させる光景。
「けほっ……けほっ……な、なんですか、これは……けほっ!」
「バ、バカ、小さいお子様は気をつけろって袋に書いてあっただろ」
俺が渡しといてなんだが、あんな食べ方すれば誰だってそうなるだろう。
いやしかし、妖怪さえも暴君の前では平伏すというのか。
さすがとしか言いようがない。
「あな、けほっ……あなたという人は……」
「ま、待ってろ、今、水を……」
さすがに罪悪感に駆られて流しに走ろうとした俺の目の前で、かぼちゃ頭の姿が掻き消えた。
「もう、許し、けほっ、てあげません。って締まりませんね、これでは、けほっけほっ」
背後で聞こえた声と、首筋のちくりとした痛み。
「え、あ……」
いきなり意思に反して膝から力が抜けた。
そのまま前に倒れ込みそうになった俺の襟首を、背後から小さな手が掴んだ。
一瞬だけ感謝したが、それはすぐに撤回される。
その手は俺が倒れるのを防いではくれなかったのだ。
グイッと引っ張られ、前にではなく後ろに倒れてしまう。
仰向けに倒れた俺を、当たり前だが感情が一切読み取れないかぼちゃ頭が見下ろしていた。
262名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 21:24:52 ID:46ATSWAw
「な、何をした……?」
手足が痺れて動かせない。
「人間にとっての毒だと思ってもらって結構ですよ。動けないだけで、別に命がどうこうなるというものでもありませんけど」
ようやく咳は治まったのか、それでもまだ少し苦しそうに、掠れ気味の声でかぼちゃ頭が言う。
「あなたの事をただの馬鹿だと見くびっていました。まさかあんな騙し討ちをするような人だったなんて」
「ま、待て、別に悪気は。だいたい俺だって、あんな食べ方するなんて思ってなかったんだ」
「言い訳なんて結構です。お菓子をくれなかったらどうするか。ちゃんと言ってありましたよね?」
「待ってくれ。うちには甘いものなんてないんだ! だから……」
かぼちゃ頭が沈黙する。
まるで俺をどうやって殺すのかを考えているかのように。
「な、何でもする! だから殺さないでくれぇ!」
「それなら、最後のチャンスをあげます」
懇願する俺に、かぼちゃ頭はそう宣言すると俺の頭を跨いでくる。
頭がマントの中に入り、一瞬何も見えなくなった。
「な、何を……」
闇に目が慣れると、黒マントをわずかに透けてきた蛍光灯の光でかろうじてものが見えるようになる。
黒マントの中、数十センチ先にあるのは、さっきも一瞬見た少女の未成熟な性器。
マントの中に篭る、甘ったるいミルクのような少女の体臭に頭がクラクラする。
「お菓子がないなら、別のことで私をもてなしてください。わかるでしょう? お兄さんは“大人”なんですから」
縞模様のニーソに包まれた膝が曲がり、少女のそこが近づいてきた。
「あ、待て……」
制止の言葉を遮るように、少女のそこが俺の口を塞いだ。
263名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 21:26:51 ID:46ATSWAw
「死にたくないんでしょう? それとも、生きたまま心臓を抉り出されてみますか?」
少女が何を望んでいるかはわかったが、すぐにそれに従えるほど俺の順応力は高くなかった。
そんな俺を急かすように、少女は俺の胸に指を置く。
今にも服を突き破って、皮膚の下まで潜り込んできそうなその感触に、俺の中でその行為を躊躇わせていた何かが音を立てて切れた。
「ふふ、そうですよ。一生懸命やってくださいね。気持ち良くなかったら……」
マント越しで少しだけくぐもった少女の声を聞きながら、俺は一心不乱に舌を動かした。
足を開いていてもまだ閉じ合わさっている割れ目に舌先を割り込ませ、開いた隙間を舌全体で舐め上げる。
まだ小さな肉粒を見つけて、そこを固くした舌先で転がすことも忘れない。
「その調子です。あは、最初からこっちにすれば良かったですね」
割れ目の奥から、俺の唾液とは違うトロリとした液体が染み出してくる。
舌で舐め取ると、それは文字通り蜜のような粘度と甘味をもっていた。
「やっと素直になってくれたみたいですから、ご褒美をあげますね」
胸に置かれていた指が離れ、代わりに股間にその指が触れてきた。
ジッパーを下ろす音。
トランクスがずらされると、外気に撫でられた俺のそこがビクンと震えるのがわかった。
死の恐怖と、無理矢理とはいえ見た目だけなら年端もいかない少女の性器を舐めているという事態に、俺の性器がすでに異常に昂ぶっているのが自覚できる。
「こんなに大きくしてるなんて、お兄さんはお馬鹿さんな上に変態さんですね」
クスクスと笑う少女の視線を感じて、さらに血液が集まっていく。
そこへ体温を感じさせない冷やりとした少女の細い指が絡み付くと、得も言われぬような快感が込み上げてきた。
264名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 21:28:18 ID:46ATSWAw
「私が気持ち良かった分だけ動かしてあげますから、がんばってくださいね」
少女は言葉通り、俺が大きく舌を動かすとその分刺激を強くしてくれる。
いつしか俺は無理矢理やらされているわけでなく、自分の快楽欲しさに、舌を動かし始めていた。
それに応えるように少女の蜜も量を増し、もはや舌で舐めるだけでは追い付かず、口を窄めて啜り上げても間に合わないくらいになっている。
マントの中に充満した、頭の芯を痺れさせるような少女の体臭も一層濃密になり、夢を見ているような浮遊感が全身を包んでいった。
希薄になっていく現実感の中で、ただ一つ、鮮明に脳を揺さぶるのは股間から送り込まれる快感。
腰の裏に、欲望の塊が溜まっていくのがわかる。
爆発するのはもうまもなくだった。
「ビクンビクンしてきましたよ。もう限界なんですか?」
少女が手を離す。
中断された行為に抗議するように、続きをねだるように、俺は舌の動きを激しくさせた。
「あは、あははは、そんなにガツガツしてると、みっともないですよ」
舌を尖らせて、少女の中へと挿入する。
中で乱暴なまでに舌をくねらせて刺激するのに、いつまでたっても少女は指を戻さない。
もどかしくてもどかしくて、いてもたってもいられなくなった。
265名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 21:30:17 ID:46ATSWAw
ただひたすら行為の再開を願って舌を動かしていると、少女の性器が位置を変え始めた。
体勢を変えようとしているのだ。
俺の頭の上で起こしていた上半身を、ゆっくり前に倒していく。
それに合わせて少女の性器がより下向きになって舐めやすくなった。
「最後は特別サービスですよ」
俺の股間の方から少女の声が聞こえてくる。
ペニスにかかる、指とは対照的に熱の篭った少女の吐息。
次の瞬間、刺激を待ちわびていたペニスが温かい粘膜に包まれた。
舌先で感じた少女の中にも似た感覚。
ただ、敏感になったそこで感じる少女の口内は、ぬるぬるとして燃えるように熱く熱く――、
「きゃっ!?」
突然エビのように身体を跳ねさせた俺に、少女が驚いたように飛び退いた。
「な、何するんですか!?」
ペニスに走る激痛に、いきなりの反撃に抗議の声を上げる少女に構っている余裕もない。
まだろくに動かない身体で、それでも打ち上げられた魚のようにジタバタとのたうち回った。
俺の暴君が暴君のせいで!
さっきまでの夢見心地も一瞬で吹き飛んだ。
「バ、バカヤロウ、お前、口の中、ヤバイって」
「ん? あー、そうですね。確かに口の中、まだヒリヒリしてますからね。でもそれは自業自得でしょう?」
「うおおー、死ぬ、もげる、焼けるぅっ!?」
「もう、仕方ありませんね」
呆れたように、というより100%呆れた声でそう言いながら、少女の指が俺の首に触れる。
266名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 21:31:42 ID:46ATSWAw
チクリとした痛み。
次の瞬間、全身を貫く激痛が薄れ始めた。
それと同時に意識も一気に闇に落ちていく。
俺は、死ぬのか……?
痛みから解放された俺の脳裏に、そんな考えがよぎる。
「殺したりはしませんよ。しばらく寝てれば、起きた時にはそれも治まっているでしょう」
遠くなっていく少女の声。
「せっかく気持ち良かったのに、興醒めしてしまいました。ですから、私も今日はこれで帰ります」
瞼を上げていられなくなり、視界が闇に包まれる。
「続きは来年。お菓子は、用意しておかなくてもいいですから」
それが俺が意識を失う前に聞いた、最後の少女の声だった。
267名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 21:32:54 ID:46ATSWAw
ここまでです。
268名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 22:26:36 ID:DQTafrF+
GJ。季節はずれだが南瓜少女に萌えたよ。
残念ながらツルペタなのは趣味に合わんが、また来るってのは萌えなシチュですな。
続きを希望します。

チャンスなんで、前々から考えていたネタを一言。
「トリック・オア・トリート 〜犯してくれなきゃイタズラしちゃうぞ♥〜」
269名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 00:13:46 ID:CbO+UFqc
GJ!
ロリ趣味は無いんですが、面白かったです
つか焦らし

ところで>268の、「はいかYESかどっちだ?」に近いなw
270名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 00:34:54 ID:fsPwXNDo
GJ。萌えたよ

どうでもいいけどトリック・オア・トリートと聞くとどうしてもSHを連想してしまう
あのシーンの演出は秀逸だった・・・
271名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 19:21:00 ID:gQZnU/jw
かぼちゃ頭の続きを投下します。
272名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 19:21:53 ID:gQZnU/jw
あれから1年近くが経とうとしていた。
去年あのかぼちゃ頭が俺の前に現れた日、10月31日まではあと1週間。
あの出来事の次の日、俺は床の上で目を覚ました。
夢かとも思ったし、むしろ夢であってほしいと心から願ったが
痛みこそほぼ引いていたものの剥き出しのままで若干赤みが残った性器と、床に散らばった暴君の破片が夢ではなかったことを証明していた。
正直どうせ2年契約だったわけだし年度末には引越しも考えたが、予算がそれを許してくれなかった。
あそこまで安い物件は他になかったのだ。
というより、あそこは安すぎた。
思い返せば、住み始めた時はそれこそ幽霊でもでるんじゃないかと警戒していたんだ。
ただ1年半何事もなく過ぎたせいで忘れていたわけだが。
まあ、よく考えれば引越しまでしなくても、相手が来る日が決まっているのだから、その1日だけ誰かの所に転がり込んでいればいい。
そう思って帰宅した俺は、それが甘すぎる考えだと言うことを思い知らされた。
273名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 19:23:47 ID:gQZnU/jw
の部屋がある2階に上がる階段脇の郵便受けの前で、俺は立ち尽くす羽目になった。
原因は郵便受けに入っていた1通の手紙だ。
封筒には切手も宛先もなく、裏面には目と口を刳りぬかれた妙にファンシーなかぼちゃのイラストがあった。
恐る恐る開けてみれば、中には
『10月31日、家にいなければ誰かが死ぬ』
などという嫌すぎる1文が、しかもご丁寧に赤いインクで書かれている。
しかも血が滴るような感じまでわざわざ演出済みだ。
本当に甘かった。
せめて1ヶ月前から避難していれば知らぬ存ぜぬで通せたのに。
見てしまった以上、さすがに無視はできないだろう。
仮に俺が死ぬと書いてあったら、どこかに避難して死なずに済めばそれで胸を撫で下ろせる。
だが、誰かとなると、俺が死ななくても、俺のせいで誰かが死んだんじゃないかとこれから一生寝覚めが悪くなること請け合いだった。
本当にあのかぼちゃ頭がこれを実行するかどうかはともかくとして、だ。
こうなれば開き直るしかない。
要はあのかぼちゃ頭とそういう行為をすればいいわけだ。
正直あんなちんちくりんは全くもって趣味じゃないが、それでも肉体的に刺激を与えられれば、
相手がよほどアレでない限り快感を感じてしまうのが悲しい男の性。
問題は、それこそ、子種と一緒に命まで搾り取られるんじゃないかとか、これから一生付き纏われるんじゃないかとかそういう話だ。
それはまあ今後考えるとして――今年死んだら考える暇もないが――、こうなったら今年は諦めて相手をしてやるしかない。
俺はそう決心した。
274名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 19:24:41 ID:gQZnU/jw
ドアを開けるとかぼちゃ頭がいた。
頭には目と口を刳り抜(中略)好をするものがあったような。
「おかえりなさい、お兄さん」
少女の言葉が象徴するように、俺と少女の立ち位置は約1年前とは正反対だ。
少女が中で、俺が外。
“約”1年前の逆。
俺の手にはさっき郵便受けで取ってきた手紙。
「ま、待て待て待て! まだ1週間あるだろ!」
あわてん坊のかぼちゃ頭がハロウィン前にやってきたなんて歌はねえ!
「その手紙を届けに来たんですけど、面倒くさいのでついでにそのまま寄っていこうと思いまして」
世界を行ったり来たりするのって結構大変なんですよ、などと少女は説明する。
「それなら最初からこんな手紙届けようとするな!」
「そうでもしないと、お兄さんのことだから逃げ出すのではと」
図星だった。
というか普通に逃げるだろ。
さっきの決意もどこへやら、俺はあっさりと怖気づいていた。
「まあ、玄関で立ち話もなんですから、さっさと上がってください」
「ここは俺の家だ!」
もちろん借りてる部屋だけど。
それが俺にできるせめてもの抵抗だった。
275名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 19:25:34 ID:gQZnU/jw
部屋に入って鞄を置いた瞬間、かぼちゃ頭の姿が掻き消えた。
「させるか!」
とっさに前に飛びながら身体を反転させる。
俺だってこの1年間何も対策を講じていなかったわけじゃ――、
「あれ……?」
背後に現れていると思ったかぼちゃ頭はいなかった。
「フェイントですよ」
さっきまで少女がいた場所、つまりは今現在の俺のすぐ後ろから聞こえる声とともに、首筋に指先を当てられる。
あの小さな痛みはまだないが、いつでもそれができるということは説明されるまでもなくわかっていた。
「trick or treat?
 どうしますか? 去年のように動けなくされて私にいたずらされるのがいいですか?
 それとも今年はお兄さんが自分の意思でもてなしてくれますか? 選ばせてあげますよ」
どっちも嫌だ。
そう言えば勝手に前者になるんだろう。
「お、俺が、やる」
せめてものプライドが、俺にそちらを選択させた。
276名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 19:28:21 ID:gQZnU/jw
「なあ、一応聞いておきたいんだが、これしたら俺の命が吸い取られるとかって……ないよな?」
「ありますよ」
こともなげに言われて、俺は絶句する。
「でも別に死んだりはしないですから安心してください。お兄さんぐらい若くて健康な人なら、1週間くらいだるさが続く程度ですよ」
1週間。
そのだるさというのがどれくらいかは知らないが、命丸ごとに比べたらまだ安いものか。
「どうしてもというなら強壮剤みたいなものを打ってあげましょうか? そうすれば、これから1週間はむしろ通常の何倍も元気になれますよ」
「どうせその後、反動で1ヶ月苦しむとか言うんだろ」
「いえ、1年です」
「遠慮しとく」
「そうですか、では始めましょう。さて、どんな風にしてくれるんですか」
布団の上にちょこんと座り、丈の余った黒マントを花のように床に広げながらこちらを見上げてくる。
左右にカクカクと揺れるかぼちゃ頭が、少女の期待を代弁していた。
どうするべきか。
よく考えたら、勝手に向こうにやらせておいた方が楽だったんじゃないかと、今更後悔の念が湧いてくる。
見た目だけは幼い少女であるこのかぼちゃ頭に、自分から何かをするというのはさすがに気が引けた。
とはいえ、見た目だけは幼い少女であるかぼちゃ頭に、にいいように弄ばれるのもやはり気が進まないのも確かなのだが。
「そのかぼちゃ、脱がないのか?」
別に本当に頭がかぼちゃなわけではないだろう、たぶん。
「素顔を見せるのは生涯のパートナーだけと決めていますから。申し訳ありませんが、お兄さんには、まだそこまで気を許しているわけではありません」
いや、むしろそれは歓迎すべきことだ。
277名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 19:29:39 ID:gQZnU/jw
「なあ、生涯のパートナー以外と、こういうことしていいのか? やっぱ止めといた方が……」
案外貞操観念が強そうなさっきの言葉に期待して、そう聞いた。
「これは人間で言えば食事ですから。お菓子を食べるのと大して変わりません。
 私達の恋愛は、もっと精神的なものですよ」
にべもなく却下された。
「そろそろしてくれないと、私がしますよ?」
「わ、わかった、じゃあとりあえずマントを脱いで、向こうをむいて四つん這いになってくれ」
咄嗟に出た言葉は、さすがにかぼちゃの顔に見られているとやりにくいと言う理由からだ。
最初の宣言通り、今年は基本的に俺に従うつもりなのか少女は素直に指示に従った。
肉付きの薄い、まさに青い果実とでも言うべき尻がこちらに向けられる。
さすがにこれに欲情するほど俺も人間止めてないぞ。
「知り合いのサキュバスのお姉さん曰く、征服欲の強い男性がこの体位を好むそうです。
 まして年端もいかない少女相手に、それを要求する人は重症だとも」
「ぐ……」
「ささ、早く早く。さもないと……」
誘うように揺れる双丘。
俺は仕方なくそれに手を伸ばす。
なんというか、結局この少女にいいように弄ばれている気がする。
しかも中途半端にこちらの意思を出せることで逆に屈辱的な気すらしないでもない。
278名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 19:30:54 ID:gQZnU/jw
足の隙間から手を差し入れると、少女のそこはもうわずかに湿りを帯びていた。
「1年間我慢してましたから、しっかりお願いしますね」
それを広げるようにさすっていると、徐々に滑りが良くなってくる。
俺は開き直って自分のペニスを取り出した。
半立ちにすらなっていないそれを、少女の愛液で濡れた手で何度か扱いてある程度の硬度を持たせる。
こちらの準備ができたところで少女の後ろに膝立ちになった。
「あれ、もう入れてしまうんですか? それはそれでいいんですけど、さっさと終わらせようとしてません?」
「いや、足をもっと閉じてくれ」
少しだけ物足りなさそうな声音でこちらを振り返った少女が素直に足を閉じる。
俺はその閉じ合わさった少女の太股の隙間に挿入した。
どこか性器を連想させる肉の隙間に、まとわせた愛液の滑りを利用して潜り込ませる。
張りのある太股に両側から挟まれて、さらにペニスが硬度と体積を増した。
「ふふ、すごい熱くて硬くなってます」
ペニスの存在を肌で感じ、一転して上機嫌になった少女の声を聞きながら腰を上げていく。
すぐにペニスの上側が、少女の性器に触れ合った。
「んんぅ……」
より敏感な場所でペニスの熱を感じたのか、少女が吐息を零しながら背筋は震わせた。
279名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 19:32:53 ID:gQZnU/jw
そこからは本来の挿入のように腰を前後に動かしていった。
ぬちょぬちょという卑猥な音を立てながら、お互いの性器が擦れ合う。
「ふあ、こ、これ……結構、すごい、です……」
腰を引く時に、ちょうどカリ首の返しが、硬くなった少女の淫核に引っかかるとピリピリと痺れるような快感が生まれる。
それは少女の側も同じように、いや俺以上に強い刺激になっているらしい。
ようやく主導権を握ることができたような気がして、俺はさらに攻勢をかけた。
前に手を回し、先端というにはあまりに土台の膨らみがない、中心と呼ぶのがふさわしそうな乳首へと指を伸ばす。
立派に硬くなっているそこを潰すように指で押し込んだり、爪の先で弾くようにも刺激する。
その刺激を覚えこませたところで、あえて一番敏感な場所から指を離し、焦らすようにその周辺をなぞってもみた。
その全てに少女は敏感に反応する。
もちろん腰の動きは休めない。
いつのまにか、俺は少女を感じさせることに没頭していた。
去年のような死の恐怖や、自身の肉体的快楽欲しさからではない行為。
欲しているのは、俺の方が一方的に少女を翻弄しているという精神的な快感。
元々そんなつもりではなかったのだが、確かにこの体位は少女が言った通り征服欲を強く満たしてくれた。
「はっ、やぁ……右と左で、違くて……こんなの我慢でき、ひぅ!?」
少女の愛液でぬめっている右手と、せいぜい表面に薄く汗が浮いているだけの左手。
それらがそれぞれ少女の弱点らしい乳首を責めたてる。
左手だけなら痛みが勝っていたかもしれないが、ぬめりのある右手と、さらには股間からの刺激が混ぜ合わさるとそれすらも快感として捉えているんだろう。
280名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 19:34:35 ID:gQZnU/jw
「は、あ、だめ、だめえぇぇ!」
四つん這いの少女の腕がピンと張り、背中が弓なりに反り返る。
そのままガクガクと痙攣した後、力を失った腕がカクンと折れ、突っ伏してしまった。
ただし腰は下からのペニスと、さっきまで両胸を責めていた両手が横からがっしりと固定しているせいでまだ高く掲げられたままだ。
むしろ腰だけを高く掲げた今の体勢はひどく獣欲を刺激する。
「や、今、イッたばか、ふわああああ!」
今度こそ、少女の中へとペニスを埋没させていく。
中は煮えたぎる蜜に満たされていて、腰を進めるたびに結合部からゴポゴポと溢れ出し少女の内股を流れ落ちていった。
「あ、流れてく……それに、中、入ってるぅ……」
少女が呆けたようにそう呟いた瞬間、彼女の中が激変した。
膣襞がまるで1枚1枚別の生き物のように、途中まで挿入したペニスに纏わり付き、中へ中へ引き込もうとする。
「く、あ……」
背筋を駆け抜けた恐怖で、反射的に腰を引こうとする。
だが、中へ引き込もうと蠕動する膣洞の流れに逆らうことで刺激が一層強くなってしまった。
そのあまりの激感に、今度は腰を引くことに恐怖を覚える。
完全に外に出るまでの、わずか数センチの移動だけで気が狂ってしまいそうだった。
やむを得ず流れに従うように腰を進めると、今度はペニスと膣の接触する範囲が広まったことで快感が倍増する。
行くも地獄、戻るも地獄、いやこの場合天国だろうか。
辛うじてその場に留まることで刺激に慣れようとして、けれどそれすらも許されなかった。
281名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 19:35:42 ID:gQZnU/jw
「止まってたら、駄目ですよぉ……、もっと……もっとくれないと」
少女が淫靡に腰をくねらせはじめる。
「うあ、ちょ……待っ……」
刺激を減らすために何とか少女の腰の動きに合わせようとするのだが、まるでこちらの考えを読んでいるかのように裏をかかれて自滅する。
搾り取られる、そんな言葉がこれ以上当てはまる状況はなかった。
さっきまで感じていた優越が一瞬で砕かれる。
代わりに心を占めていくのは抗い難い射精の予感。
せめてもの意地が、その敗北の瞬間をわずかでも遅くしようとあがいた。
けれど、それもほんの一瞬のことでしかない。
「で、出るっ!?」
「んあああああ!」
容赦なく搾乳するかのような激しさでペニスを握り締められる。
その圧力は最初は精液の流れを押し止め、けれど次の瞬間その圧力さえ振りきった熱い流れが輸精管を走り抜けていく。
自慰の時とは比べ物にならない愉悦に脳が焼かれ何も考えられなくなった。
ただただ少女の1番奥で白濁液を噴出させる事だけが俺の全て。
自分の中の何かが抜けていく感覚。
これが生気を吸われるという事なのか。
「あははははは、出てる、いっぱーい出てる!」
強すぎる刺激に朦朧とする意識の中で少女の狂気じみた哄笑が聞こえた。
282名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 19:37:28 ID:gQZnU/jw
射精時の快感も自慰の数倍なら、終えた後の虚脱感は数十倍だった。
最後の1滴まで注ぎ込んだ後、身体を支えている事すらできず横に倒れこんだ。
萎えた性器をしまう事すらできない。
すでに黒マントを纏ったかぼちゃ頭が横に立ち、こちらを見下ろしていた。
「なかなか良かったですよ。お兄さんも気持ち良かったでしょう?」
少女の声音にもわずかに興奮の余韻とでも言うべきものが感じられるが、指一本動かせない俺と、平然と立つかぼちゃ頭。
立場の違いを思い知らされる。
悔しいとは思わない。
そんなことを思えるだけの気力は今の俺にはなかった。
「私、お兄さんのこと気に入っちゃった。もしかしたら、いつかはこのかぼちゃの下も見せてあげられるかもね」
少女の口調がいきなり砕けたものになる。
それが何を意味するかということですら、考えるのが億劫だ。
何か、とてつもなく重要な事のような気がするんだが。
「じゃあ、また来年だね」
その言葉が耳に届いた直後、少女の姿が掻き消えた。
さすがに仰向けに寝ている俺の背後に現れる事はない。
いきなり静かになった部屋で、俺はもう瞼を支えている事ができなかった。
283名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 19:38:36 ID:gQZnU/jw
ここまでです。
284名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 21:27:16 ID:cWUZTPP7
おはやい続きに感謝!

>いつかはこのかぼちゃの下も見せてあげられるかもね
この展開に期待します。
無理矢理剥ぎとって「責任とって下さいね」ってのもありかもな…

>知り合いのサキュバスのお姉さん
が泥棒猫になったりして…

>強壮剤みたいなもの
婚姻の時にはそれを使って、その後南瓜少女がかいがいしく看病してくれたりして…
285名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 23:08:30 ID:A2KGJDLW
これほどかぼちゃで萌えられるとは思わなかった・・・
大変GJ!でした
286名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 00:39:56 ID:66HSWTd8
パンプキンヘッズ!パンプキンヘッズ!
いや、面白いですわ。年度襲来物は、間の日常感じられると良いですね

>強壮剤みたいなもの
つか、むしろ頭取る時に渡す決まりかなんかの代物なんじゃ?
毎回ダウンしてたんじゃ、どうにもだし
287名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 01:03:29 ID:enW+zD5I
>>285
激しく同意。

before→かぼちゃか…

after →か、かぼちゃイイ!ヽ(´▽`)/

とにかくGJでした!勝手に続きを期待
288名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 01:08:34 ID:Wqxni38G
顔が見えないはずのに脳内変換でツンデレ美少女がおすまし顔で……
透視能力とか妄想力で顔見た場合は生涯のパートナーにしてくれますか。
289名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 01:32:19 ID:y1hS1y+W
むしろ細い指先で心臓貫かれて生涯を終えます
290名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 03:30:31 ID:1CK7nfN0
書ける内にという事で、連続で続きを投下させていただきます。
今回はかぼちゃ頭には少しお休みしていただいて、南ではなく西の瓜頭の話です。
291名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 03:31:38 ID:1CK7nfN0
ドアを開けるとスイカ頭がいた。
大学進学を期にこのボロアパートで1人暮しを始めてから3年と少し。
その間、新聞の勧誘やら公共料金の取り立てやらあなたの幸せを祈らせてくれやらかぼちゃ頭やら色々な客が来たが、
今目の前にいるのはその中でも2番目くらいに異質な存在だった。
頭には目と口を刳り抜いた大きなスイカを被り、首から下は地面まで届く夥しい量の緑色の蔓が縒り合わさっているマントのようなものに覆われている。
頭の位置は俺の顎までようやく届く程度。
頭頂部のスイカの厚みを考えれば、実際の身長はさらに低くなるだろう。
確か、昔見たテレビ番組でこんな格好の怪物を見たような。
「あ、あの初めまし……」
「ちゃんと種は出して食え。以上」
駄目元でドアを閉めた。
背後を取られないように背中をドアに貼り付けて警戒する。
それにしても油断していた。
今はまだ7月も終わっていない時期。
せめて秋が来るまではと思っていたんだが、別のやつが来るとはさすがに予想外だった。
部屋の中に突然現れる様子はない。
「あの、開けてください。お願いします」
ドア越しに聞こえる声は必死さが滲み出していて、思わず開けてやりたくなる魔性の声だ。
「一応聞くが、壁抜けとか瞬間移動とかはできないのか?」
「え? あの、わたし、そういう高等なものはまだ……」
あのかぼちゃ頭の例からして、正直ドアを閉めても無駄だとは思ったんだが、諦めなくて良かった。
心からそう思う。
292名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 03:35:27 ID:1CK7nfN0
「突然お邪魔したことはお詫びします。でも、わたし、決して怪しい者ではありません」
「悪いが、俺はお前以上に怪しいやつを世界で1人しか知らない。
 つまりはお前は俺にとって世界で2番目に怪しいやつなのでドアは開けられない。帰ってくれ」
「そんな……あ、紹介状、持ってきてるんです。これを読んでいただければ……。こ、これです」
ドアの隙間から1通の封筒が差し込まれる。
表面には確かに紹介状という文字。
裏面には案の定、見覚えのあるかぼちゃのイラストがあった。
やっぱりあのかぼちゃ頭の差し金か。
中身を読まずに破り捨てるというのも考えたが、それでも一応は見てやることにした。
あのかぼちゃが直接持ってきたら破り捨てただろうが、今来ているのはあいつほど悪いやつではなさそうな気がする。
こちらを油断させるための罠かもしれないが。
『お兄さん、お元気ですか?
 私はお兄さんに会えなくて寂しい日々を送っています。
 お兄さんもきっとそうだと思うので、今回は私の大切なお友達をそちらに送ります。
 その子はまだ人間から生気を吸ったことがありません。
 つまりは初めてだから優しくしてあげてください。
 ちなみに1人でする時はいつもお尻を使ってるから、そっちでよろしくね(はぁと)』
あ、あのかぼちゃ……。
だいたい脅迫状ならともかく、紹介状でどうして血文字風にする必要があるんだ。
手の中で自称紹介状がくしゃりと音を立てる。
「読んでいただけましたか?」
「ああ、読むには読んだが……。悪いが、俺もそうひょいひょい生気を吸わせてたら身が持たないんで帰ってくれ」
「そんな!?」
よほど紹介状の事を信頼していたのか、スイカ頭が悲痛な叫び声を上げる。
293名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 03:40:37 ID:1CK7nfN0
「お、お願いします。わたし、もうあなたしか頼る人がいないんです。このままじゃ、わたし……」
語尾が掠れて、代わりにしゃくりあげるような息遣いがドア越しに伝わってくる。
声自体は少女のものだったから、さすがに多少罪悪感を覚えないでもなかったが、俺は声を出さない。
しばらく待っていれば諦めて帰るだろうと、そう思っていた。
「……っく、しかた、ひっく、ありません……」
予想通り、中からの反応がなくなってしばらくすると、ペタペタと離れていく足音が聞こえ始めた。
悪いな……。
心の中でだけ一応謝っておく。
よく考えれば、俺が謝る義理はないというか、いきなり来て生気を吸わせろなんて、俺は街のほっとステーションじゃないぞ。
と、数歩分だけ聞こえた足音が聞こえなくなった。
あのかぼちゃみたいに消えたのか?
だけど、それなら最初の数歩分も必要ないような。
世界を行き来する仕組みなんてわからないが、帰るには助走が必要だったりするんだろうか。
助走?
何かとてつもなく嫌な予感が……。
「もし、まだ扉の近くにいるなら離れていてください。危ないですから」
涙混じりの警告に、俺の背筋に戦慄が走る。
俺の大切な敷金が!
俺が反射的にドアノブに手をかけたのは、ちょうどスイカ頭が一歩目を踏み出したのとほぼ同時だった。
開いたドアの先、振り上げたスイカ頭の右腕に蔓が巻き付いて円錐形を成している。
しかもご丁寧にぎゅるぎゅる回って、いかにも貫通力満点という感じがした。
294名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 03:42:05 ID:1CK7nfN0
「あ……」
スイカの中から驚いたような呆けたような声が聞こえた。
「よ、避けてください。もう止められません!」
言葉通り1度走り出したスイカ頭の勢いは止められないらしい。
ドアの代わりに俺の胸目掛けて向かってくるスイカ頭の右腕(漢の浪漫風)。
とっさに半身になってそれをかわすことができたのは、本当に幸運だった。
「……っ!?」
その凶悪な右腕が触れてはいないはずの、俺の服の胸部が破れて散った。
おまけに思わず放り出していた自称紹介状も同じ運命をたどる。
そこから覗いた肌までには傷はないが、まともに食らっていたらと思うとぞっとするどころじゃない。
俺の前を通り過ぎたスイカ頭は、そこからさらに数歩進んでようやく足を止めてくれた。
「ふう、危ないところでした」
蔓が解けて露わになった右腕で、額のあたりを拭う仕草をするスイカ頭。
「危ないところじゃねえ」
思わず後頭部を小突くと、スイカのせいで重心が高いのか、こちらが引くほどの勢いで盛大に転倒した。
「な、何をなさるんですか……?」
「それはこっちの台詞だ。開けてもらえなかったら破壊して強硬突破って、どんだけ過激派なんだよ」
かぼちゃに比べれば良心派かと思ったのに。
「で、ですけど、わたし、本当にここを追い返されたらもう……」
ドア越しに聞いた嗚咽を、今度は目の前で聞かされる。
何というか、かぼちゃとは別の意味で厄介な相手っぽかった。
295名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 03:44:05 ID:1CK7nfN0
「ほれ、飲め」
コップに注いだ麦茶を差し出してやると、スイカ頭は礼を言って受け取った。
あの日のかぼちゃ頭のように天井を見上げて、高い場所から麦茶をスイカに開いた口めがけて流し込む。
今回は麦茶だから噴き出したりはしない。
結局あの後、力づくで外に放り出したら今度は何をされるかわからなかったから仕方なく部屋に上げた。
まああの時点ですでに入っていたわけなんだが。
「わたし、落ちこぼれで、リィナなんてあんなに小さくても、もうちゃんと1人で相手を選んで生気を吸ってるのに、
 わたしはまだ1度も吸ったことがないんです。それで悩んでたら、リィナがちょうどいいカモがいるから紹介してあげるって」
リィナというのがあのかぼちゃ頭の名前か。
「生気を吸ったことがないって、それで死んだりしないのか。餓死って言っていいのかしらないが」
「あ、一応、まだ自分では吸えない子どものために、代替物があるんです。ですけど、いつまでもそれに頼っているわけにもいきませんし……」
子ども用の代替物、人間で言うとまだ咀嚼できない幼児用の流動食みたいなものか?
「リィナは適当に見繕って無理矢理吸っちゃえば勝ちみたいなこと言うんですけど、
 わたし、やっぱりこういうことはちゃんと相手の了承を取ってからするべきだと思うんです。
 でも、わたしがお願いしても人間の皆さんはなかなか首を縦に振ってくださらなくて」
まあ普通は首を縦に振らんわな。
にしても、やはり良心派だ。
それがどうしてドアをぶち破るなんて行動に出るんだ?
それを聞くと、
「リィナが言ってたんです。あの人間は照れ屋だから最初は嫌がるかもしれないけど、実は心の中では喜んでるって。
 嫌よ嫌よも好きのうちって言うんでしたか? だからちょっとくらい無茶してもいいよって。むしろ喜ぶよって」
それにわたし、本当にここが最後の希望でしたからと、俯きながら説明してくれた。
何というか話を聞くにつれ、あのかぼちゃ頭に腹が立ってきて、それに反比例するようにこのスイカ頭に肩入れしたくなってくる。
やつはそこまで計算してやってるのか?
正直、このままこのスイカ頭を追い返す気がかなり失せつつあるのが実感できた。
296名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 03:45:14 ID:1CK7nfN0
「そういえば、お前は名前あるのか?」
「え、あ、すみません、申し遅れましたが、わたし、カノと言います。本来なら1番最初に……」
「いや、途中で遮ったのは俺だったから、謝らなくてもいい。というより俺が謝るべきか。すまん」
「そ、そんなこと!」
自分で落ちこぼれだと言っていたが、その劣等感のせいかやたらと腰が低い。
そんなカノの姿に、数日だるさが続くくらいなら協力してやってもいいか、そんな気持ちにはなっていた。
幸いにも試験期間は終わっているし、夏休みなら数日寝て過ごしても死にはしまい。
「あー、で、一応聞いておくんだが、お前、カノに生気を吸われると、そのスイカ頭の身体になるとかって……ないよな?」
唯一の懸念事を尋ねる。
それさえなければ、まあなけなしのボランティア精神を発揮してやってもいい。
「……え?」
カノが動きを止めた。
スイカのせいで表情は読めないが、まるで図星を突かれて動揺している気配が滲み出しているような一瞬の沈黙。
「ちちち違いますそんなことありませんあるわけないじゃないですか本当に絶対にそんなことありませんからご安心ください!」
「どう考えても焦ってるだろ」
「本当です。本当にそんな事ないのに、わたしを見ると皆さんそう仰って怖がるんです。
 どうしてそんな根も葉もない噂が立ったのかわかりませんけど、そのせいで、わたし……」
そしてまた嗚咽を漏らし始める。
どうやらその誤解でよほど苦労してきたらしい。
まあその誤解がなくても、たいていの人間は生気を吸われるのを嫌がると思うが。
とはいえ、見てるこっちが居たたまれなくなった。
「あー、わかった、わかったからもう泣くなって。俺のでよければちゃんとやるから」
半ば投げやりな気分で、俺はそう言っていた。
297名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 03:46:31 ID:1CK7nfN0
布団の上で横向きに寝ているカノの身体を覆っていた蔓が、うぞうぞとスイカの中に引っ込んでいく。
リィナの黒マントとは違って、どうやら頭のスイカと繋がっているらしい。
その下から現れるのは、やっぱり少女の裸体だった。
リィナに比べれば、一応申し訳程度ではあるが凹凸があるその体型。
とはいえ、やはり外見年齢だけで言えば、俺より随分下にしか見えない。
「で、それは何だ?」
俺の目に止まったのは手首と足首にそれぞれはまったわっか状の蔓だ。
手は背中側に回されていて、まるで拘束具のような、というか、拘束具そのもの。
いつもこんな状態でいるのかとも思ったが、玄関破ろうとした時は確かに右手を振り上げていたし、
足だって見えはしなかったけどピョンピョン飛び跳ねているようには感じられなかった。
「あ、あの……」
カノが何かを言いよどむようにモジモジしている。
俺の見ている前で、白かったその肌がほんのりと桃色に染まっていった。
「あの、わたし、こういうこと初めてで……」
「ああ、確かにそう聞いたけど」
「初めてって、痛いんですよね?」
「まあ、人間の場合は少なくともそうらしい」
俺は男だからどれくらい痛いのかはわからないし、それが妖怪にまで当てはまるのかはもっとわからないけど。
「わたし、細かい作業は全然駄目なんですけど、力だけは結構あるんです。それで痛かったり怖かったりで無我夢中になって暴れたりすると……」
ああ、確かに床くらい抜けるかもしれない。
というより万が一密着している俺の身体に振り回した手足が当たったりしたら……。
298名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 03:48:15 ID:1CK7nfN0
「自分では外せないように設定してますので、お手数ですけど終わったら解いてくださいますか?」
「あ、ああ……。だけど、そんなことしていいのか?」
「……? 何がですか?」
「例えば俺がカノが動けないのをいい事に外に放り出すとか、無理矢理そのスイカを剥ぎ取ったりとかしたらどうするんだ?」
あまりにも警戒心が薄すぎることへの忠告のつもりだったんだが、それを聞いたカノは全身をビクンと強張らせた。
「そ、そんなこと、しませんよね?」
その声は、今にも崩れそうなほど震えている。
「ああ、怖がらせて悪い。もう少し警戒した方がいいぞってことが言いたかっただけで、少なくとも俺はそんなことしないから」
「そ、そうですよね。リィナもあなたのことは馬鹿だけど人はいいって言ってましたから、信じてました」
心底ほっとしたように、全身から緊張を抜いてカノが言う。
にしても、あのかぼちゃ、今度来たら……。
「心配してくださってありがとうございます。でも、わたしも誰彼構わず信用するわけではありません。
 リィナから聞いていた話と、少しですけど今日お話して、それで……」
まあそう言われると悪い気はしない。
「あ、あと、これから口も塞ぎますので、そちらもご心配なく」
「お、おい、何もそこまでしなくても」
蔓でさるぐつわみたいにでもするんだろうか。
手足を拘束した上にさるぐつわの少女を相手にって、さすがにそれは犯罪的過ぎてやりにくいことこの上ないぞ。
「で、ですけど、きっと怖いとか痛いとか言ってしまうと思うんです。それともそういう声を聞きながらの方がお好きですか?」
頼むから、勝手に人を鬼畜扱いしないでほしい。
ただまあ、これがかぼちゃ頭なら嘲笑を込めての台詞になるんだろうが、カノの場合、本心からこちらの好みに合わせようとしてくれているのがわかる。
わかるからこそ、
「いや、やっぱりそれで頼む」
そう言うしかなくなってしまった。
299名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 03:49:46 ID:1CK7nfN0
「あ、口の方は自分で取りますので、終わった後に解くのは手だけで結構ですから」
それが、カノがはっきりとした発音で言った最後の言葉だった。
続いたのは、たぶん「はい、これで大丈夫です」と言っているんだろうなと辛うじて想像できる程度の呻き声。
まあ、俺もスイカの中までは手を入れるつもりはない。
それをしたらカノの場合ショック死してしまいそうだ。
そんな事を考えながら、横たわるカノの身体を仰向けにした。
虚ろなスイカの目が多少は気にはなかったが、それは意識的に頭から切り離す。
そうすると、後ろに回された手のせいで、自然と突き出されるような状態になった下腹部が俺の目を釘付けにした。
その視線を感じているのか、カノは恥ずかしそうに太股を擦り合わせている。
それでも逃げようとはしないのがいじらしくて、俺はこんな状況なのに胸が温かくなるようなそんな錯覚を感じてしまった。
横に膝を付き、右手を下腹部に、左手を胸へと伸ばす。
さわさわとした産毛の感触と、大きいとは言いがたいがリィナにはなかった確かな柔らかさ。
それらをそれぞれの手の平に感じ、俺の方も股間が突っ張っていくのがわかる。
「はっ……はぅ……ん……」
そのまま壊れものを扱う慎重さで撫でていると、スイカの中から聞こえる吐息が少しずつ熱を帯びてくる。
両の手の平には、汗とは違う湿り気と、小さいながらも自己主張する肉粒の感触が生まれはじめた。
ある程度、カノの身体が温まってきたところで、例の紹介状の最後の1文を思い出す。
カノは何も言ってなかったが、あの性格だと自分から後ろでとは言いにくいだろうから、
その辺を考えて、リィナが気を回したんだろう。
最初あの紹介状を見た時は頭痛を覚えたが、初めてあいつに感謝したかもしれない。
となると仰向けでは難しいか。
別にあれ以来この体位が病み付きになったというわけではないのだが、
結局うつ伏せにして腰を上げさせるという、リィナに挿入した時の体勢になってしまった。
300名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 03:50:47 ID:1CK7nfN0
後ろに回り込んで、カノが分泌した液体を指先に念入りに纏わせる。
その指先を、カノが好きだという窄みに当てた。
「ふぅ!?」
よほど敏感なのか、それだけで全身を震わせるカノ。
クニクニとマッサージするように指を動かすと、その下にある割れ目からトロリと新たな蜜が滴り落ちていった。
それを改めて指先で掬い取り、もう1度窄みに当てた指に力を入れる。
すると驚くほど簡単に、そこが俺の指先を飲み込んでいった。
「んんんぅ……」
刺激を求めるようにカノの尻が左右に揺れる。
俺は空いている左手をその丸みの上に置き、やわやわと揉み解すように指を蠢かせた。
薄く汗をかいたカノの肌はしっとりと手の平に吸いついてきて、さらにその胸とは微妙に異なる柔らかさがいつまでもそこを触っていたいと思わせる。
弱点らしい尻を内側からは指で、外側からは手の平全体で刺激され、カノの震えがどんどん大きくなっていった。
そして――、
「ふうううううぅ!!」
指先がキュッキュっと締め付けられる。
それまでもトロトロと絶えず蜜を零していた割れ目が、プシュッという音ともに潮を吹いたのが、背後にいる俺の位置からははっきりと見えた。
301名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 03:51:56 ID:1CK7nfN0
カノが1度達したところで、俺の方もペニスを取り出した。
扱くまでもなく勃起したそれを、リィナにしたようにカノの性器に擦り付けて愛液を塗していく。
十分に濡らしたところで、今度は指の代わりにそれを窄まりに突き付けた。
一瞬、リィナに挿入した時の事が頭をよぎって、俺は喉を鳴らしながら腰を引いてしまう。
「ふあぅ……」
けれど媚びるようなカノの吐息が、さらに俺を昂ぶらせて迷いを捨てさせた。
「んあああああ……」
カノのそこは驚くほどの柔軟性を発揮して、俺のものを飲み込んでいった。
カノの中は、リィナとは別の意味で格別で、思わず腰がブルブル震えてしまう。
入口が痛いほど締め付けてくる反面、その先はふんわりと包み込むような感触で迎えてくれた。
だからといって刺激が物足りないわけではなく、腸壁と亀頭が擦れると、じんわりとした痺れるような快感が込み上げてくる。
1度根元まで埋め込んでから、腰を前後に動かし始めた。
その動きに合わせて、カノがふっふっと小刻みな吐息を零し、
そこに苦痛の色がないことに安心して、俺は動きを徐々に激しくしていく。
と、そこで、この体勢で前後に揺さぶると、カノの首への負担が大きそうなことに気がついた。
人間じゃないから平気かもしれない。
それにそれを言ったらリィナだって同じ条件だったんだが、まああの時は彼女に翻弄されてそんなとこまで気遣う余裕なんてあるわけなかった。
302名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 03:53:39 ID:1CK7nfN0
カノの太股に手を回して、一気にその身体を持ち上げる。
それこそスイカを絞った時のように溢れ出ていた液体で手が滑りかけたが、それでもカノの体重は驚くほど軽く、持ち上げること自体に苦労はない。
布団の上にあぐらをかいて、前にカノを抱えた状態。
「んんんぅ……」
体勢が変わったせいで刺激される場所も微妙に変化したのか、カノが呻き声を上げる。
その状態から腕の力だけでカノの身体を上下に揺さぶった。
目の前で上下するスイカの模様が若干あれだったが、体を近づけた事で、秘めやかながらも甘みを帯びたカノの体臭が鼻をくすぐっていく。
スイカの中で反響する吐息も、よりはっきりと聞き取れるようになった。
「ふひゃあああ」
肩甲骨のあたりに舌を這わせると、突然の不意打ちにカノが高い声を上げる。
目で、耳で、鼻で、口で、そして彼女の体重を感じる腕と性器で。
カノの存在を全身で感じながら、徐々に俺も上り詰めていく。
それに合わせるように、カノの吐息もスタッカートを効かせたものへと変化していった。
「くっ……」
限界まで我慢していたものを、一気に解放してカノの中に注ぎ込む。
繰り返し繰り返し溢れ出していく精液とともに、以前感じた生気を吸われる感覚が襲ってきた。
リィナの時は、まるで自分の全存在がペニスを通して流れ出していくような激しさに対する本能的な恐怖があった。
けれどカノの場合、それすらもどこか遠慮がちな感じで、ほぼ同時に絶頂に達したらしいカノの括約筋の収縮を感じる余裕すらある。
ようやく噴出が終わり、ゆっくりとカノの身体を下ろしてペニスを抜き取ってから、言われていた通り手枷を外してやった。
303名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 03:56:54 ID:1CK7nfN0
自由になった手で、足枷とさるぐつわを外す。
そうやって言葉を取り戻したカノの第一声は、けれど俺の想像していたものとは違っていた。
「ひっく……ひどい、です……」
嗚咽混じりに糾弾されて、俺は狼狽した。
「ど、どうしたんだ?」
「だ、だって、わたし初めてだったのに、いきなり…………お尻で、なんて」
最後の言葉に俺の全身に冷や汗が浮かぶ。
ま、まさか、あのかぼちゃ頭、嘘を教えやがったのか!?
「わ、悪い、気持ち良くなかったか!? 1人でしてる時はいつもそっち使ってるって聞いたから……」
我ながら言い訳じみた言葉だとは思いながらも、そんなことを口走ってしまう。
「……っ!?」
対するカノの反応は、息を詰め、桜色に染まっていた肌をスイカの果肉もかくやというほど染め上げるというものだった。
「う、うわああああ!」
身体を反転させ、大音量の泣き声を上げながら走り去ろうとするカノの手を反射的に掴む。
このまま別れるなんて、いくらなんでも後味が悪すぎる。
「すまん! 何でもするから許してくれ! なんだったら今からもう1回前で……」
すぐさま意識を失うほどではないが、正直身体の芯のあたりに無視できない疲労感が溜まってはいた。
だけど、それでカノの心の傷が少しでも癒えるのなら――、
「うおわっ!?」
振り払うようにカノの腕が動くと、俺の身体が軽々と宙を舞った。
さっき、カノの体重は驚くほど軽いと思ったが、それでも俺が全力だしてもカノをここまで軽々とは振り回せないぞ。
汗や愛液に濡れていた手は、その遠心力に抗いきれず、そのまま壁まで投げ出されてしまう。
次の瞬間、背中に来た衝撃が俺の意識に止めを刺し、遠ざかっていくカノの足音と泣き声、
そして数十分前に辛うじて命拾いした扉が結局破壊される嫌な音を聞きながら、俺は意識を失った。
ああ、俺の敷金が……。
304名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 03:58:24 ID:1CK7nfN0
ここまでです。
一応あと1回で終わらせる予定で、週末の内にできればと思っています。
305名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 04:02:50 ID:Yl+SnbR2
>>304
GJ。
ただスイカ頭というと 「幽幻道士 来来!キョンシーズ 」のコイツが連想されてしまい・・・orz
ttp://www.geocities.jp/rairai_yugen/character/suika.html
306名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 05:10:36 ID:Bc6a9Yqo
>304
なにこの萌エロっぷり。GJとしか言えませんぜ旦那!

そして余韻ぶちこわしありがとう305。
307名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 16:54:31 ID:enW+zD5I
>>304
GJです!
お早い続編に感謝します。

にしても、かぼちゃとスイカなのに…
野菜に萌えてしまう俺もうだめぽ…orz
308名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 20:28:35 ID:Rl4S0JDu
萌えました。
西瓜なら…
むしろ蔦ドリルよりも、種マシンガンの方がらしいきがする。
顔を見せなくてもOKなのは、小説ならではだろうね。
漫画でやられたら顔を見せないのは大きなマイナスだ。
309名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 20:53:02 ID:1CK7nfN0
ということで最終話を投下します。
310名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 20:53:48 ID:1CK7nfN0
「こんばんは、お兄さん」
「リィナ、お前……」
10月31日、三度俺の部屋の前に現れたかぼちゃ頭に、俺はいきなり掴みかかった。
実際には手が届く直前、霞のようにリィナの身体は掻き消えてしまって、伸ばした手は宙を泳ぐ羽目になったわけだが。
「くっ……」
不意打ちを警戒して周囲を見回した。
けれどリィナの姿は見つからない。
いつ来るのか、しばらく神経をすり減らす時間が続き――、
「お兄さーん、何やってるのー?」
部屋の中からのんきな声が響く。
力ずくでどうにかなるとは思っていなかったが、やはり無理だったらしい。
部屋に戻ると、まるで自分の家のような気軽さでリィナはテーブルに肘をついて座っていた。
せめてものの抵抗と睨み付けてやっても、それで動じた様子もない。
「やだなぁ、そんなに見つめられたら照れちゃうよぉ」
そんなことまで言い出す始末だ。
また掴みかかりたい衝動を必死で押し殺して、俺も腰を下ろした。
311名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 20:55:03 ID:1CK7nfN0
この3ヶ月というもの、俺はずっとあの時のことを後悔し続けていた。
かといって、こちらからどうこうすることなどできず、ただ向こうから接触してくる日を待つだけの毎日。
もしかしたら、今日この日にカノも一緒に来てくれるのでは、などと調子のいいことも考えていなかったわけではないが、さすがにそれは甘すぎたらしい。
とはいえ、普段は決して交わらない世界を繋ぐ存在が目の前にいる。
正直リィナのことは許せないが、それでも今は彼女だけが頼みの綱だった。
「カノは……どうしてる?」
「もう、せっかく1年ぶりの再会なのに、いきなり他の女の子の話?」
「茶化すなって! 俺がどんな気持ちで……」
「あー、はいはい、わかりました。どうって聞かれても以前とあんまり変わんないかな。1回経験すれば自信がついて、
 あんまり気負わずにできるようになると思ったんだけど、あれ以来お兄さんに会いに行くわけでもなければ、他の人間の所にも行かないし」
「どうして、あんな嘘書いたんだよ?」
「嘘?」
本当に心当たりがないとでも言うように、かぼちゃ頭の顎に当たる部分に人差し指を添えて、頭を左右にカクカク傾ける。
「紹介状のことだ」
「紹介状? あー、私がお兄さんに会えずに寂しい日々を送ってるってところ?
 あれ、まあ誇張はしてるけど丸ごと嘘ってわけでも……」
「そんなどうでもいいところじゃなくて、最後のとこだ! カノが、その、1人でしてる時……」
熱くなった頭でも、さすがに具体的には言いにくい。
「それは別に嘘じゃないよ。ついでに言うと寂しい云々はどうでもいいところでもないけど」
リィナはあっさりとそう言った。
312名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 20:57:13 ID:1CK7nfN0
「カノ、身体の方が準備できても、いつまでたっても人間としなかったから。
 私達にとって身体の疼きは、人間で言う所のお腹の虫が鳴る程度に自然なことだから、そうなると自分で鎮めるしかないでしょ?
 なのに、前は初めてする人のために取っておくんだって言ってほとんど手をつけなかったの。
 で、たまたまカノの場合そこ以外で1番いいのがお尻だったってわけ」
「だけど……」
「カノ、感じてたでしょ? ホントに弱いもんね」
確かに、愛液の分泌量とかすごかったけど、その後のことを考えるとやっぱり。
「私としては、前って初めてだとやっぱり痛いし、まず最初はカノの好きな後ろでして、
 人間とするのが1人でするより何倍も気持ちいいって知ってほしかったから、ああいう感じにしたんだけど。
 それでお兄さんのことが気に入ったら、改めて前でしたらどうかなってね」
「だけど、俺の所にこないってことは……」
覚悟はしていたけど、嫌な想像だった。
「さっきも言ったけど、あれからカノは他の人間の所にも行ってないの。どうしてだかわかる?」
「それは……俺のせいで、あれが嫌いになったから、か?」
あれによって生気を摂取するカノにとって、それはきっと命に関わることだ。
人間にしてみれば、ストレスを与えて拒食症にしてしまったみたいなものだろうか。
3ヶ月ずっと俺を苛んでいた罪悪感がさらに大きくなっていく。
いっそ俺のことは嫌いになっても、他の誰かとでもしていてくれれば。
俺個人の感情としては手放しで喜べることではなかったが、それでも今聞いた現状よりはマシだ。
そうだ、俺はカノのことが罪悪感からとは別の理由で忘れられなくなっていた。
だけど、それでも、まずはカノ自身の命が大切なことは言うまでもない。
313名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 20:59:03 ID:1CK7nfN0
「お兄さん、お馬鹿さんっていうか、鈍チンさん?」
やれやれとでも言いたげに、リィナが額に手を当てて首を振る。
「カノはね、お兄さんに操を立ててるから他の人の所に行けないの。
 だけど無理矢理聞き出した限り、結構ひどい去り方をしたみたいだから、怖くてお兄さんの所にも来られない。
 おかげで1人でする回数だけ増えて、毎日その声を聞かされる私はさすがにそろそろ……」
「リィナ!」
いきなり部屋に別の声が響き渡った。
それはずっと聞きたいと願い続けていた少女の声。
リィナの姿が掻き消え、次の瞬間、テーブルの天板がべこりと歪んだ。
まあ飲み物とか置く時に気をつけさえすれば、多少歪んでいたってまだ――、
「あ、ご、ごめんなさい。すぐ直しますから」
少なくとも俺の目にはひとりでに、テーブルが完膚なきまでに崩壊していく。
声がなければ、ただの怪奇現象だ。
いや、もちろん彼女の存在自体怪奇現象なわけだが。
「カノ、いるのか?」
ベキンと音を立てて、まだかろうじて残っていたテーブルの最後の破片が粉々に砕け散った。
「そこまでやったなら、もう隠れていても無駄でしょ?」
いつのまにか壁際に移動していたリィナがそう言うと、テーブルがあった場所にいきなりカノが現れた。
314名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:00:48 ID:1CK7nfN0
「ホントはもうちょっとお兄さんとお話して、決定的な一言を言わせてからと思ったんだけどね」
「だ、だって、リィナがあんまり恥ずかしいことばっかり言うから!」
カノはこちらを一瞥もせず、リィナに抗議した。
それがこちらを意識してないが故のものではなく、むしろ逆だと言うことはいくら鈍チン呼ばわりされた俺でもわかる。
「まあ、あれだけ聞けば十分でしょ?」
満足そうなリィナの声音に、妹を見守る姉のような慈しみを感じるのは俺の気のせいだろうか。
身体の大きさからすると完全に逆の立場なんだけど。
「お兄さんも感謝してよね。馬鹿力のカノをここまで引っ張ってくるの、結構大変だったんだから。
 まあ、本人もなんだかんだで本心では来たがってたから、抵抗って言っても表面上のものだったけど」
「カノ……」
もう1度呼びかけると、ようやく恐る恐るといった感じでカノがこちらを向いた。
もちろんスイカ頭は被ったままだけど、それでももう会えないかと思っていた相手との再会に、胸がいっぱいになる。
「ご、ごめんなさい! わたし、あの時自分のことで頭がいっぱいで……」
スイカ頭を振り落とすほどの勢いで頭を下げるカノ。
「本当はすぐに謝りに来ようと思ったんです。でも、きっと怒ってるだろうって思ったら怖くなってしまって……」
カノの言葉に嗚咽が混じり始める。
本当に、カノは涙もろい。
「カノ、もういいから。俺の方もあの時嫌われたって思って、それで……」
ゆっくりと歩み寄っても、あの時のようにカノは逃げ出さなかった。
「あー、なんかこの感動の再会の立役者が激しく無視されてる気が」
なんかノイズが聞こえるが、今はそんなこと気にしてはいられない。
カノの小さな身体を抱き締める。
腕の中でしゃくりあげながら何度も謝るカノが、心から大切だと思えた。
背中に回した手には何本もの蔓の感触、頭を撫でる手にはスイカの皮の感触が返ってきたけれど。
315名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:01:41 ID:1CK7nfN0
「ということで、再戦いってみよー!」
無駄に陽気なリィナが宣言する。
「なあ、本当にお前も一緒にするのか?」
改めてカノとそういうことをすることに異論はないが、そこにリィナが混ざるというのはさすがにちょっとどうかと思った。
優しいから言葉にはしないが、きっとカノだって同じ意見だろう。
「それが2人の中を取り持った恩人に対する言葉? そもそも私がいなかったら、最初に出会うことすらできなかったのに」
「いや、それは感謝してるけど……」
「あ、あの、わたしはリィナが一緒でも……」
「ほら、カノだってこう言ってるじゃない」
言ってるんじゃなくて、言わされてるんじゃないのか?
「あの、やっぱり少しだけ怖いから、リィナがいてくれた方が心強いかなって」
俺の心中を察したカノが、今度は俺にそう言ってくる。
「あ、べ、別にあなたとするのが怖いとかそういうことではなくて……」
「ああ、わかってる」
「あー、だから私を無視するの禁止ー!」
このままだと収拾がつかなくなりそうだったので、結局俺が折れた。
316名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:02:51 ID:1CK7nfN0
服を脱ぎ、2年前の時のように今度は俺が布団の上に仰向けになる。
同じく蔓をしまって首から下は裸になったカノが、俺の腰を跨いだ。
別にリィナの薬で動けなくされているわけではないが、初めてだからカノが自分のペースで動ける方がいいだろうというリィナの勧めに従った結果だった。
そのリィナは、今日はサポートに徹すると宣言して、カノの背後で彼女を支えるように控えている。
こうしてみると、目口付きのスイカとかぼちゃが並んでいるのは結構シュールな絵面だよな。
「そ、それじゃ、いきますね」
少しだけ震えの混じる声でカノは言う。
今回はさるぐつわはなしだった。
前回それのせいで終わるまでカノの気持ちに気付けなかったというのもあるし、できればカノの言葉をちゃんと聞きたかったからだ。
痛がる声が聞きたいなんて鬼畜な理由ではなくて。
俺の胸のあたりに、カノの両手が置かれる。
今回は手足の拘束もなしだった。
いざとなったら私が止めるからと、リィナは気軽に言っていたが、多少の不安がないわけでもない。
それでも、2人の性器が徐々に距離を詰めていくと、余計な心配は頭の中から勝手に抜けていった。
カノのそこからは、わずかに液体が滲み出している。
それはこれからすることへの期待だけではなく、恐怖からくるものも少なからずあるんだろう。
それでもカノはゆっくりとではあっても、徐々に腰を下ろしていった。
317名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:03:52 ID:1CK7nfN0
先端が触れ、くちゅりと小さな音を立てた。
閉じ合わさっていた性器の形が歪められて、中に溜まっていた愛液が俺のペニスを伝い落ちて自然と準備を整える。
「ほら、カノ、がんばって」
耳元で――お互い被り物があるから実際にはそれほど近づけることはできないが――リィナが囁きかける。
「う、うん……」
接触したところで1度は止まっていたカノの腰が動きを再開する。
ミチミチという音が聞こえてきそうなほど、カノのそこは狭かった。
痛みもかなりあるのか、カノが息を詰めている気配がスイカ越しでも伝わってくる。
それでも、カノの腰は逆戻りすることはなかった。
ゆっくりと、さっきまで以上にゆっくりとではあるが、徐々に俺のペニスがカノの粘膜に包まれていく。
痛みを和らげるためか、リィナの両手が後ろからカノの胸に回された。
小振りながらも確かに存在するその膨らみが、リィナの手の平の中で形を変える。
指の隙間から覗く桜色の突起は、まるで嵐の海に浮かぶ小船のように、リィナの手の動きに翻弄されていた。
俺も少しでもその助けになればと思い、痛みに震えるカノの太股に手の平を当てる。
汗の浮いたそれを撫でさすっていると、やがて先端が今まで以上の狭さを感じ取った。
318名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:04:58 ID:1CK7nfN0
その狭さから想像される激痛に慄いたように、さすがにカノが動きを止める。
やっぱり止めた方が、喉まで出かかったその言葉を俺はかろうじて飲み込んだ。
カノは動きを止めたままで、小さな深呼吸を繰り返す。
俺もリィナも、言葉は挟まず、手だけを動かしながら、カノの覚悟が決まるのをじっと待ち続けた。
「い、いきます……ぐ、うぅ……ぁ……」
肉を無理矢理引き裂くような感触。
それを感じてからは、それまでが嘘のように一気に進行していった。
それは別にカノの苦痛がなくなったせいではない。
むしろ痛みが大きすぎて、ゆっくりと動かすことすらできなくなったんだろう。
1番奥を先端でノックすると、長い息を吐きながら、そこでようやくカノは動きを止めた。
苦しそうな息遣いが聞こえてくる。
そしてペニス全体に絡みついてくるような、カノの中の気持ち良さ。
思わず上下に動かしてしまいそうになる腰を、俺は理性を総動員して押さえ込んだ。
319名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:07:05 ID:1CK7nfN0
「う、動き、ますね……」
それがカノの決意に対して失礼なものであることはわかっていても、無理するな、そう言ってしまいそうになる。
無理をするといったら、この時点でもうすでに限界以上に無理をさせているのだ。
それでもカノは耐えてくれている。
ペニスで感じる快感よりも、もっと強い幸福感が胸に広がっていった。
カノの腰が、今度は徐々に上がっていく。
外に出たペニスの表面には、わずかに赤い色が纏わりついていた。
その純潔の証も潤滑油として、カノの腰が上下する。
最初は怯えるように、探るように動いていた腰の動きが、いつしか徐々に変化していった。
膣内のある1点をペニスの先端に擦り付けるような小刻みな動き。
「はぅ……あ、ここ……」
どうやらそこが1番感じるポイントらしく、吐息に甘えるような色が混じり、中もより熱くぬめっていく。
俺はその場所や、特にどの角度でそこを擦るとよりカノが感じるかを頭に刻み込んだ。
最初は苦痛の呻きの影に隠れていた快感の喘ぎが、少しずつ立場を逆転させて前面に現れてくる。
「あ、くる、くるぅぅぅ!」
俺の身体の上でカノの全身が痙攣する。
さらに強くなった締め付けに危うく俺も達しそうになったが、首の皮1枚で何とか踏みとどまることに成功した。
射精できなかったことを残念に思う気持ちと、まだカノのことを感じていられることへの喜びが、ないまぜになって込み上げてくる。
相手がカノでなければ、1度出してしまってもそのまま2回戦と行けなくもないのだが、
さすがに生気を吸われると、ある意味で物理的にと言っていいほどの強引さで精神の糸が断ち切られてしまうのだ。
もちろん、今はカノ以外とこんなことをするつもりはないんだけど。
320名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:08:25 ID:1CK7nfN0
「カノ、イッちゃった? ちゃんと気持ち良かった?」
「う、うん、こんなにすごいなんて思わなかった……。痛いのと気持ちいいのが一緒になって、もう何が何だかわからなくなって……」
リィナの問いかけに、カノはうわ言のように答えを返す。
「でも、お兄さんはまだみたいだよ。熱いの、出してもらってないでしょ?」
「え? あ、す、すみません。すぐに……あ、あれ? やだ、身体が……」
1番奥まで飲み込んだ状態で、もぞもぞとカノの身体が動く。
それで生み出されるのは、もどかしいようなささやかな快感。
どうやら身体を支えるだけで手一杯で、腰を上下させるだけの余裕はもう残っていないらしい。
実際、俺の胸についているカノの腕は、今にも折れそうなほどガクガクと震えていた。
気持ちいいことは気持ちいいのだが、さっきまでに比べると微弱過ぎる刺激に焦らされているようで居ても立ってもいられなくなる。
どうするべきか。
いっそ俺が手を使ってカノの身体を上下させてやった方がいいのだろうか。
この体位にしたのはカノが自分のペースで動けるようにということだったが、1度達して解れた今ならもう大丈夫な気もする。
そんな風に迷っていると、
「もう、仕方ないなぁ。お兄さん、胸の方、お任せしていい?」
突然リィナに言われ、意識を引き戻される。
「え、ああ……」
そして俺は反射的に頷いていた。
321名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:10:21 ID:1CK7nfN0
それまで太股をさすっていた手を、息遣いに合わせて小さくふるふると震えるカノの両胸に伸ばす。
硬くなっている先端を指で摘んだり、手の平全体で圧迫すると、その度にカノの中が反応してくれた。
一方で手が空いたリィナは、今度はそれをカノの腰へと下ろしていく。
右手は前から、左手は後ろから。
「ふひゃあ、や、そこ、だめぇ!」
結合部のすぐそばにある肉真珠を、リィナの細い指が転がし始める。
そして、左手の指が、カノの最大の弱点を責め始めた。
隣の肉洞に進入してきたリィナの指を、肉壁越しに俺のペニスが感じ取る。
それがクイッと動くと、ばね仕掛けのようにカノの腰が跳ね上がり、膣襞がペニスをぞろりと舐め上げた。
そのまま抜けてしまうのではと心配するあたりまで上がってしまった腰が、今度は重力に引かれて下りてくる。
「や、止まらない、あ、あああ!?」
足に力が入らないのか、かなりの勢いで下りてきたカノの身体を迎え撃つように、ペニスが子宮口を強かに打ち据える。
1度絶頂を経験し敏感になっていたカノを2度目の頂きに追いやるのに、その衝撃はそれだけで十分だったらしい。
カノの背中が反り返り、ただでさえ窮屈だった膣洞が再びぎゅうぎゅうとペニスを締め付けた。
またリィナの指が動く。
「ま、まって、こんなのむりぃ!」
本当に腸壁にスイッチでもあるみたいに、それに合わせてカノの身体がまた跳ねる
「お、おい、いくらなんでも、ちょっと無理させすぎじゃ……」
気持ちいいのは大歓迎だったが、さすがに心配になってリィナに声をかける。
「大丈夫、大丈夫。カノ、気持ちいいよね?」
「うん、いい、いいよぉ! こんなのおかしくなっちゃう! 奥をガツンってたたかれると頭の中真っ白になっちゃう!」
スイカ頭をブンブン振りながら、カノが叫ぶように言葉を放つ。
そして、一気に倍増した快感に、俺の方にも限界が近づいてきた。
溜めに溜めた白濁液がペニスの中を通り抜けていく感覚。
「カノ、俺も……」
「はい、来てください! わたしも、わたしもぉ!」
カノが何度目かの絶頂に打ち上げられるのとほぼ同時に、先端が爆発したと錯覚するほどの射精が始まった。
322名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:11:37 ID:1CK7nfN0
もうお馴染の虚脱感の中で、はぁはぁというカノの息遣いを聞く。
今にも落ちそうになる瞼を必死に支えている俺の視線の先で、こちらもぐったりとしているカノは背後のリィナに身体を預けていた。
俺達の性器はまだ繋がったまま。
萎えつつあるペニスに、2人分の体液を感じている。
リィナが何かを囁いている声が聞こえてきたが、内容までは聞き取れなかった。
「え……あ、無理だよぉ……」
何か無茶な注文をされたのか、カノが力なく首を振った。
「もう、まだそんなこと言って……」
今度は呆れたようなリィナの声もちゃんと聞こえてきた。
「おい、あんまりカノを困らせるなって」
「あれ、お兄さん起きてたんだ。私もちょっと頂いたから、もう寝てるかと思ったのに」
て、てめえ……。
道理で3ヶ月前にカノとした時より疲労が激しいわけだ。
2年目、リィナに根こそぎ吸い取られた時にも引けを取らないくらい全身がだるい。
「まあ、それならそれで好都合。……えいっ!」
『あ……』
突然のリィナの暴挙に、俺とカノの声が重なった。
リィナはカノのスイカ頭の両側に手を添えて、そのまま万歳でもするかのように――。
323名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:12:40 ID:1CK7nfN0
スイカの中にしまわれていたらしい、長い黒髪がばさりと広がった。
初めて見るカノの素顔が、それこそ皮を剥いたスイカのように一瞬で真っ赤に染まり、その目が大きく見開かれる。
「うきゅぅ……」
次の瞬間、まるでブレーカーが落ちたように、変な声を出しながら、カノの全身からわずかに残っていた力が抜けた。
どうやらショックのあまり気を失ってしまったらしい。
そしてまたスイカ頭がカノの素顔を隠す。
「どうだった、お兄さん、カノの素顔は? 私だって見たことないんだから光栄に思ってよね」
ちなみに今もちゃんと目をつぶってたからねと、かぼちゃ頭の外からでは確認しようのないことを言う。
「あんまり無茶させるなって」
「嬉しくなかったの? 好みじゃなかったとか?」
「いや、そうじゃなくて。俺は嬉しかったけど、だけどこういうのは本人の意思を尊重すべきであって」
「カノ相手にそんなこと言ってたら、お兄さんがヨボヨボになっても見れなかったよ。良くて死の間際に冥土の土産として見せてもらえるかどうかってとこかな」
「それは……」
あんまり嬉しくないけど、それでもやっぱりカノのことを第一に考えたい。
「生気を吸うのと一緒でさ、まずは無理矢理でも1度やっておくべきなんだよ」
そこで1度言葉を区切り、
「でないと、いつもカノは本当に欲しいものを諦めちゃうんだから」
寂しそうにそう言った。
その声音に、俺は初めていつもふざけているリィナの、かぼちゃの下のという意味ではない素顔を垣間見た気がした。
324名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:14:47 ID:1CK7nfN0
「さてと、じゃあ私は先に帰るね。カノは朝にでもなれば目を覚ますと思うから泊めてあげてよね。背負って帰るのも大変だし」
身体だけは大きいんだからと、さっきの感じを一瞬で振り払ってリィナは笑みを含んだ声で言った。
抱えていたカノの身体を俺の横に寝かし、ご丁寧に布団までかけてくれる。
2人並んで布団に入った俺達を、嫌味の欠片もない微笑みで見下ろすリィナの素顔が見えた気がした。
もちろん実際にはかぼちゃ頭がいつもの表情で見下ろしていただけだったけど。
「じゃあね、お兄さん」
そしてリィナの姿が一瞬で掻き消える。
それを見届けると、さすがにそろそろ瞼を持ち上げているのが限界になってきた。
ただ、何かが頭の隅に引っかかって、小指一本程度の頼りなさではあったけど俺の意識が繋ぎとめられる。
なんだ、さっき感じた違和感は?
「あ……、あいつ」
初めて去り際に来年という単語を使わなかったんだ。
まさか、もう来ないつもりなのか?
来るな来るなと思っていたけど、本当に来なくなると思うと、自分でも勝手だとは思うが言いようのない喪失感に襲われる。
それを癒してくれるのは、隣から聞こえるカノの小さな息遣い。
リィナはリィナなりに、カノに義理立てをしているんだろうな。
カノの考え方だと、俺がカノ以外と行為に及ぶのはあまり嬉しくないことだろう。
もちろん相手がリィナなら、絶対に言葉には出さないだろうけど。
一方的に押しかけてきて、一方的にカノを送りつけてきて、一方的に仲を取り持って、そして自分は去っていく。
思えばこの2年間はリィナに振り回されっぱなしだった。
もちろんあいつが来ている時は当然だし、いない間もだ。
だけど、こうやって振り返ってみると案外悪くなかったよなと、そう思う。
大切なものも見つかったしなぁ。
俺は初めてリィナに心から感謝して、意識の闇に沈めていった。
325名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:16:22 ID:1CK7nfN0
翌朝、目を覚ますと、隣ではまだカノが眠っていた。
全身には例の倦怠感が纏わりついていたし、そのまま起き出さずにカノの寝顔(当然スイカ頭)を眺めて時間を潰す。
目を覚ましたら、またしばらく離れ離れになるんだから、今の内にしっかり見ておこう。
1年に1度しか会えないなんて、織姫と彦星みたいだった。
と思ったが、かぼちゃ頭がハロウィンに来るというのはわかるが、スイカ頭も決まったときにしか来れないんだろうか。
もしかしてカノの場合、ある程度ちょくちょく来れたりしないだろうかと、調子のいい考えが頭をよぎる。
「ん、んん……」
スイカの中から聞こえるカノの息遣いが少し変化する。
それは目覚めの予兆。
案の定、すぐにカノはむくりと上体を起こした。
「あ、あれ……?」
スイカ頭がキョロキョロと周囲を窺っている。
「おはよう」
いつまでも気付いてくれないのが寂しくて声をかけた。
スイカ頭だと下方向は死角になっているんだ。
そう思わないとやっていられない。
「え? あ、おはようございます。え、ええと、わたし、どうして……」
頭の中で昨晩のことを再生しているんだろう、カノの動きはしばらく止まる。
最後まで行きついたらまた気絶するんじゃないだろうかと心配していると、
「あ、あああ、あの、み、見ました、か?」
主語は抜けていたけど、それくらいはわかる。
「まあ、一応……」
嘘をつくことも考えたけど、カノに取って大事なものだからこそ、そこで偽るのは気が引けた。
「ふぅ……」
起こしていたカノの上半身がまた力を失って倒れてきたのを、俺はとっさに腕を伸ばして支えることができた。
326名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:17:34 ID:1CK7nfN0
「あ、すみません。大丈夫ですから」
どうやら気を失うところまではいかなったらしい。
泣き出すかとも思ったが、それもなかった。
ショックが強すぎるとかえって泣けないものなのかもしれないな。
「あの、それで、リィナは……?」
若干ふらつきながらも再び身体を起こしたカノに合わせて、俺も起きる。
「先に帰るから、カノは一晩泊めてやってくれってさ」
「えええええええええ!!」
スイカの口から素っ頓狂な叫び声が上がる。
「ど、どうしたんだ、いきなり?」
「だ、だって、わたし、リィナがいないと帰れないんです」
予想外の言葉だった。
「え、でも夏は1人で来たんじゃないのか?」
それともリィナの送り迎えつきだったんだろうか。
だけどそれなら顔を出していきそうなものだけど。
「ええと、わたし達の世界とこちらの世界の間を行き来するのは、結構大きな力が必要なんです」
以前リィナもそんなことを言っていた気がする。
「わたし達の力って結構波がありまして、わたしは夏、リィナは今の時期に一番力が強くなるんです」
どうやら被り物は趣味で選んでいるわけではないらしい。
ん、でもかぼちゃって夏野菜じゃなかったか?
あれ、でもハロウィンに使われるってことはやっぱり秋なのか?
「つまり、カノの場合、夏しか自力で行き来できないってことか?」
今はそれほど重要じゃない余計な考えを振り払って、1番大事なことを確認すると、カノは申し訳なさそうにスイカ頭を縦に振った。
327名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:18:44 ID:1CK7nfN0
あのかぼちゃ、そんな大事なことを忘れて……いや、わざとか。
リィナの意図が読めた。
「あ、ですけど、せっかくこちらの世界にいるんですから、ちゃんと力を蓄えれば夏まで待たなくてもきっと帰れます」
わかりやすく無理に明るくした声でカノは言う。
「でも、それって、人間と……するってことだろ?」
自分でも意地の悪い言い方だとは思った。
だけど、カノのことは好きだが、そうそう頻繁に吸われていたらさすがに俺1人では身体が持たない。
俺のその物言いにカノはシュンと肩を落として俯いてしまった。
「あ……、ええと、それなら来年の夏まで待ちます。それならそんなに生気も必要ないですし、
 1年くらい、わたし1人でも何とかやっていけますから」
わたし1人でも、か。
何とか俺に迷惑をかけまいと言葉を紡ぐカノに、俺は心の中でだけ溜め息をついた。
俺を頼ってくれればいいのにと思う。
まだ学生で収入はバイト代くらいだけど、カノは人間と違って生活するだけでお金がかかるというものでもないだろう。
いる場所を提供するだけなら、狭いし古いけど今の俺でも可能だ。
そして少なくとも俺はカノが一緒にいてくれた方が嬉しい。
リィナもそう思ったから、わざとカノを置いて1人で帰ったんだろう。
あいかわらずやり方が強引過ぎるとは思うけど。
とはいえ、俺も少しはそれを見習った方がいいのかもしれない。
カノとの付き合いが長いリィナが選択したその強引さは、確かにすぐに遠慮するカノ相手には有効なんだろう。
328名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:20:12 ID:1CK7nfN0
「どうしても帰らないといけないのか?」
「え……?」
「ずっとこっちの世界にいたらまずいのか? 長くいると問題があるとか」
「い、いえ、そういうことは。中にはこちらにずっといると体調を崩す種族の人もいますけど、わたしは特に……」
「それなら、一緒にいてくれないか? もちろんカノが嫌じゃなければ、だけど」
結局最後に一歩引いてしまう。
リィナの真似は、まだまだ俺には難しい。
「で、ですけど、そんな……」
「俺はカノにいてほしい。これは俺の一方的な気持ちなのか?」
「そ、そんなことありません!」
力強く否定されてほっとする。
大丈夫だとは思っていたけど、それでも心のどこかで不安があったのも事実だったからだ。
「ほ、本当にいいんですか?」
「むしろ俺の方が頼んでいるんだけどな。まあ俺はカノにいてほしいとお願いして、カノがそれを叶えてくれる。
 カノはここに置いてほしいとお願いして、俺がそれを叶える。これでおあいこってことでどうだ?」
そんな風に提案すると、
「は、はい! わたし、ここにいさせてほしいです!」
ようやく、カノがそう言ってくれた。
今度こそ、俺は胸を撫で下ろす。
「じゃあ、これからよろ……、っ!?」
直後、いきなりカノの背後にかぼちゃ頭が現れた。
329名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:22:07 ID:1CK7nfN0
それはリィナではなかった。
サイズは2回りほど小さいし、その下に身体もなく、目と口を刳り抜いたかぼちゃだけがプカプカ宙に浮いている。
もう1つリィナと違うことは、その左右の眼窩がピカピカと交互に点滅していて――、
「いけません! 目を閉じてください!」
突然の事態に固まった俺の視線をたどり、振り返ったカノが叫ぶ。
その言葉に、俺は反射的に目を閉じた。
その上からカノの小さなすべすべした手の平が当てられる。
よほど慌てているのか、ものすごい力で押し倒され布団に押し付けられた直後、瞼と手の2重の防御を突き破って閃光が俺の瞳を焼いた。
眼底に痛みを覚えるほどの光はすぐに消えて、当てられていた手の平が外される。
「大丈夫でしたか?」
心配そうなカノの声に恐る恐る目を開けると、多少チカチカするがちゃんと彼女のスイカ頭が見えた。
「何だったんだ、今のは……」
カノがいなかったら、直接見て目が潰れているところだったろう。
「リィナの、対テロリスト用特殊閃光爆弾、形式番号 plb-01 “きらっとちゃん”です」
聞いているだけで頭痛のする内容を、カノはすらすらと諳んじた。
「犯罪者の方を殺さずに無力化するために、爆発の力を全て光に集約させた爆弾です。
 リィナが作ったんですけど、光が強すぎてショック死する方が多数出たので本来の目的にはあまり……」
立派な殺傷兵器じゃねえか。
「あ、でも、建物などは破壊せずに中の犯罪者さんを一掃できるって、別のところではかなり評判がいいんです。
 リィナ、薬とか爆弾とか、そういう色々なものを作るのが趣味ですから」
何度か使われた薬は、別にジャック・オ・ランタンとかいう種族の能力じゃなくて、自作だったのか。
330名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:22:53 ID:1CK7nfN0
「ちなみに同コンセプトで、今度は音だけに力を集約させた plb-02 “ずばっとちゃん”は、
 強すぎる音は普通に周囲一体を吹き飛ばすということで、あまり意味がないものに」
「ああ、もう説明はいいから。にしても、じゃあリィナはまだこっちにいるのか?」
帰った振りをして盗み聞きしているというのは、確かになぜ思いつかなかったのかと後悔するほどありそうな話だった。
「いえ、たぶん条件発動式の罠だと思います。決められた条件を満たすときらっとちゃんが出現するように設定されていたんだと」
「それは、1回で終わるんだろうな?」
「その辺は、リィナに聞いてみないと……」
「カノはその罠とやらを解除できないのか?」
「わ、わたしは……」
「ああ、細かい作業は全然駄目なんだったよな。俺が悪かった」
「うぅ……」
「とにかく避難するぞ。いつあんなのが現れるかわからん以上、この部屋に留まるのは危険だ」
いる場所くらい提供できると思っていた直後だったが、この際まずは当面の安全を図るのが得策だった。
布団を剥ぎ取るとカノが小さく悲鳴を上げる。
そういえばお互いに裸のままだったのを忘れてた。
カノの方はスイカ頭から蔓を出して身体を覆い、俺も布団の脇に脱いであった服を手早く着る。
「よし、行くぞ。って、いくらなんでも、カノはその姿じゃまずいだろ」
首から下はサイズは絶望的に合わないにしても、俺の服でとりあえず何とかできなくもないが、スイカ頭はどうするか。
まさか外へ出るのに脱げとも言えない。
331名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:28:50 ID:1CK7nfN0
「そうだ、カノって姿を消せるんだろ?」
「え、あ、はい、一応」
いいぞ、それなら何の問題もない。
「じゃあ、さっさとそれを頼む」
「あ、はい。外套型多目的デバイス plm-02c “新緑の外套”、ステルスモード、オンです」
カノが纏っていた蔓の表面がざわりと波打ったかと思うと、一瞬でカノの身体が見えなくなる。
「はい、これで大丈夫です。ちなみにこれもリィナが作って……」
「いや、待て、頭が全然消えてねえ」
身体隠して頭隠さなかったら、スイカ頭がプカプカ宙を漂っていてかえって怪しいぞ。
「あ、でも、新緑の外套は身体しか」
「ここに来たときは頭も見えなかっただろ?」
「それは余った材料で作ってくれたオプションパーツを使っていたので……」
空中にカノの細い右腕が現れて、ある方向を示す。
その先には確かに新緑の外套とやらと同じ素材っぽい風呂敷のようなものが落ちていた。
「ならそれをさっさと使ってくれ」
「そ、それが、あれは本体――あ、この頭なんですけど――と直接繋がっていないので、力を充填しないと再利用は……」
「あのバカ、最初から頭まで隠せるようにしとけってんだ」
「で、ですけど、スイカ畑に隠れるならこれで十分だよって」
「外が一面スイカ畑だったらな!」
いつ爆弾が現れるかというプレッシャーについ声を荒げてしまう。
カノに当たっても仕方ないことはわかっているのに。
332名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:29:59 ID:1CK7nfN0
「ご、ごめんなさい……」
俺のやつあたりに、カノは自分が悪いとでも言うように謝ってくれて、罪悪感が倍増する。
「い、いや、別にカノが……、っ!?」
また現れた。
とっさに目をかばうと、直後に閃光が炸裂する。
それを何とかやり過ごして頭を働かせる。
2度目の爆発で、少なくとも単発のものでないということは判明した。
そうなると、まさか2回で打ち止めとは考えにくい。
かといってこのままではカノを外には連れていくこともできない。
1人で逃げるわけにはいくらなんでもいかないし、どうしたらいいんだ。
本当に外が一面スイカ畑なら……。
「そうだ! ちょっと我慢しててくれ」
「え……きゃっ!?」
スイカ頭の下に手を伸ばし、掬い上げるようにして見えないカノの身体を持ち上げる。
いわゆるお姫さまだっことかいう状態だ。
そこからカノの身体の下側に回していた両腕の内、右腕だけを持ち替えて、逆にスイカ頭の上からぐるりと回した。
これなら他人からはスイカを脇に抱えた一介の学生に見えるはずだ。
「しっかり掴まっててくれ」
「は、はい……」
戸惑いを感じさせる返事ながらも、見えない蔓が動きを妨げない程度に絡みついてくるのがわかる。
それで十分安定したことを確認して、俺は部屋から飛び出した。
333名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:31:14 ID:1CK7nfN0
階段を下りたところで、俺は郵便受けに半分突っ込まれた封筒を発見した。
裏面には例のかぼちゃのイラスト。
昨晩部屋から消えた後、ここに寄って入れていったのか。
回りくどい真似をするやつだ。
中には3つ折りにした紙が2枚入っていた。
どうやら俺とカノにそれぞれ宛てたものらしい。
ちなみにカノを抱えたままでは手紙を読めないので、今は彼女を下ろしている。
横にスイカを置いて手紙を読んでいる一介の学生を装うために、カノには目口を地面に向けてスイカ頭を地面に付けてもらっている。
身体は見えないが、要は土下座をしているような体勢で申し訳ないが、今は我慢してもらうしかなかった。
『お兄さんがこれを読んでいる頃には、私はもうこちらの世界にはいないと思います。
 でも、カノがいるから寂しくはないですよね。
 カノのこと、大切にしてあげてください。
 もし泣かせるようなことがあれば、私が許しませんからそのつもりで。
 ちなみにどんな風に許さないかというと……』
その続きは、例の罠の説明だった。
カノが泣くことで爆弾が現れる設定らしく、しかも部屋に対して仕掛けたものではなく、あくまで俺とカノに対して仕掛けてあるらしい。
つまりは俺達がどこにいても、カノが泣けば、俺の所に爆弾が現れる。
当然2人が離れた位置にいてもだ。
さっきの状況を思い出す。
2回目は俺がやつあたりしたせいか。
でも1回目は――、
「なあ、カノ、最初に爆弾が出た時、泣いてたのか?」
周囲に人がいないことを確認して尋ねる。
「あ、はい、嬉しくて、つい。嬉しくても涙って出るんですね」
嬉し泣きにも制裁が発動するのかよ。
その見境なさに、俺は頭を抱えるよりほかにできることがなかった。
334名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:32:50 ID:1CK7nfN0
結局外にいても避難したことにならないことがわかって部屋に戻ってきた。
「泣くなって言っても無理だろうから、とにかく泣きそうになったら宣言するように」
「わ、わかりました」
それがせめてもの対応策だろう。
あとは来年の夏になってカノが帰れるようになったら、それで何とか連絡をとって解除させるしかない。
唯一の救いは、俺の周囲に他の人間がいる時は発動が抑えられるということだろう。
さすがにリィナも無闇に死者を出すつもりはないらしい。
その代わり、その後1人になったとき利子付きで清算する羽目になるらしいが。
ついでに言えば、カノのスイカ頭は目の部分に通過する光を適度な量に調整する機能があるからきらっとちゃんは効かないらしい。
それでどんなに明るい場所でも、逆にどんなに暗い場所でも少しでも光があれば、普通に見えるんだそうな。
しかもその穴は光を一方にのみ通過させるとかで、外から覗かれても中が見えなくて一石二鳥だとか。
「ああ、そうだ、こっちはカノ宛てだ」
もう1枚の手紙をカノに渡す。
3つ折りになっていた手紙を開いてそこに視線を落としたカノは、
「もう、リィナったら……」
どこか嬉しそうに、そう呟いた。
「何て書いてあったんだ?」
カノが短い文が書かれた面を見せてくれる。
そこには――、
『カノ、幸せになってね。
 ただし吸いすぎには注意すること』
そう、あった。
もちろん今までの全ての手紙同様に文字は血文字風で、2つ目の文章はようするにやりすぎるなってことなわけで、その辺俺としては苦笑するしかない。
だけど最初の文には、確かにあいつの偽りない真っ直ぐな気持ちが込められていた。
そして三度現れるきらっとちゃん。
どうしてリィナが泣かせた分まで、俺が責任を取らなくちゃいけないんだ。
そう思いながら、俺はとっさに目を覆った。
335名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 21:34:07 ID:1CK7nfN0
ここまでです。
336名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 22:49:29 ID:V7f7uDOF
GJ!
なかなか萌えではありますが、リィナとくっつかなかったが少々不満。
337名無しさん@ピンキー:2005/07/24(日) 00:48:30 ID:KuDkM5FO
そうそう、やや消化不良な感
あれでパンプキンヘッドが、まるで無関心ならともかく
切なさ台無しにしたのは、その辺の狙いかとも思うんですけどね

手紙に「また来年」の一言でも欲しかったかなあ、と思いつつ・・
GJ!
338名無しさん@ピンキー:2005/07/24(日) 02:14:11 ID:bfGwEnaS
衝動的にジャックランタンを造った俺が来ましたよ
ttp://www.imgup.org/file/iup59892.jpg.html
339名無しさん@ピンキー:2005/07/24(日) 04:03:51 ID:9e8fj31K
だがそんな飄々としたかぼちゃタンが萌えだ
GJ!
340某880:2005/07/24(日) 18:13:52 ID:Q2/cJue/
南瓜&西瓜の方の話はまだ続くような気はするのですが、
書き上がったので投下しちゃいます。
豚切りになってしまったら申し訳ない。

それと、事前注意というわけではないのですが
今回の主人公(男)は、今まで投下してきた「妖精学者」の主人公とは別人です。ご注意下さい。
341某880 偶然〜つらら女〜:2005/07/24(日) 18:14:46 ID:Q2/cJue/
その日、夜は非常に暑かった。
熱帯夜、という言葉ですら生ぬるい。それほどに暑い夜だった。
世間的に見れば、今日一日だけが暑かったわけではない。
だが俺にとっては今日一日だけが特別だった。
何故ならば、突然エアコンが壊れてしまったから。
厳密に言うと、エアコン本体は壊れていない。
リモコンが壊れたのだ。
一昔前は、像が踏んでも壊れない筆箱があったらしいが
なら今は、人が壁に投げつけても壊れないくらい頑丈なリモコンにすべきだと俺は言いたい。
むろん、この際俺がリモコンを投げつけた事に対する罪を問うてはいけない。
……ムシャクシャしてやった。今は反省してる。
ともかく、既に店は閉まっている時間。買い直すにしても明日にならなければ無理だろう。
幸い、扇風機はある。これで今日一日ぐらいは過ごせるかと思っていたのだが、考えが甘かった。
普段からエアコンの恩恵を受け続けていた俺は、扇風機だけでは我慢出来ない。
元々暑がりな上に、この猛暑だ。とても耐えられない。
そこで俺は一計を案じ、今こうして買い物をして帰宅している途中だ。
両手一杯のロックアイス。俺はコンビニでありったけのロックアイスを買い占めた。
これを桶に移して扇風機の前に置けば、涼しい風が来るはず。
かなり非経済的だが、今日一日だけならまあ仕方ない。
これで、問題は解決する……はずだった。
342某880 偶然〜つらら女〜:2005/07/24(日) 18:15:16 ID:Q2/cJue/
「くっ……そぉ! おめぇ!」
両手一杯のロックアイスをガシャッと派手に道ばたへ置き、
俺は両手を何度も上下に振った。
重い。とにかく重い。
片手に五袋ずつ。つまり約5キロ。
持てない重さではないが、長時間持って歩くにはキツイ重さ。
加えて、コンビニの袋が手に食い込むので痛い。
何もこんな暑い中で、ウエイトトレーニングみたいな事をしなくても……
涼しくなる為のはずなのに、俺は大量の汗をかき息を荒げている。
着ていたTシャツはずぶぬれだ。
こんな事なら自転車で来れば良かった。
歩いていける距離なら、自転車を出すのも面倒だなと思ったのが裏目に出た。
何事も、無計画すぎるな俺は。思い立つとすぐに行動してしまう。
行動力がある、と言えば聞こえは良いが
無鉄砲、という言葉の方が俺には合っているだろう。
「ったく、なんなんだよ今日は……」
今日は厄日だ。もう、そうとしか思えなかった。
思えば、今こうして重いロックアイスを運ぶハメになった原因は、リモコンの大破。
そのリモコンを投げつける程に腹を立てていた原因は……いや、それはいい。
思い出して又腹を立てるのも面白くない。
そもそも、腹を立てる事が筋違いだ。
まあ、怒りの矛先は己の不甲斐なさなのだから……そう思うからこそ腹が立つ。
343某880 偶然〜つらら女〜:2005/07/24(日) 18:15:48 ID:Q2/cJue/
「……はぁ。もういいよどうでも」
思えば、今の状況はかなりバカバカしい。
そんな自分の姿に溜息をつき、怒りを静めた。
「さて、もうちょいだ」
地べたに置いたコンビニの袋をまた握る為に、俺は腰を屈めた。
「……ん?」
ふと屈めたまま見つめた先。道の向こうで、人が倒れている。
「酔っぱらいか?」
ここは住宅街。酔っぱらいが寝転がる光景もありえる場所ではあるが、それにしても珍しい。
しかもよく見ると女性のようだ。
こんな暑い中、酔っぱらっているとはいえよく寝ていられるな。
いや、寝ていたくて寝ているのではないのだろうが。
なんにしても、道の往来で女性が一人寝そべっているのは良い事ではない。
俺はガシャガシャと氷を鳴らしながら、寝そべっている女性に近づいた。
氷の音がうるさかったのか、女性は俺の接近に気付き寝そべったままこちらに顔を向けた。
俺は立ち止まった。
女性の顔を見て、俺は足を止めてしまった。
女性の顔は頬の肉がそぎ落ちたかのように酷くやつれ、まるで髑髏に皮だけを張り付けたよう。
よく見ると服はずぶぬれになっており、女性の周囲も湿っているのが街灯の明かりだけでもよく判る。
あまりの光景に、俺は立ち止まったままで声すら出せなかった。
どうして良いのか、その判断が全く浮かばない。
344某880 偶然〜つらら女〜:2005/07/24(日) 18:16:19 ID:Q2/cJue/
ちょっとした、ホラー映画のワンシーンみたいだ。判断は出来ないのにこんな事だけは思いつく。
だが……不思議な事に、驚いてはいるが怖くはなかった。
理由は……よく判らない。おそらく、もう驚きで判断力が鈍っている為何じゃないだろうか。
なんて、こんな事は冷静に分析するのに足はまだ動き出そうともしない。
ここはそれこそ、悲鳴を上げて逃げ出しても良いような光景だ。
そうしなかったのは、あまりに驚き足がすくみ上がってまだ動かないからだろうか。
それもある。それもあるが、それと同時に、
俺は女性……長い髪と濡れた服からそう推測しているのだが……その女性が「生きている」と確信したからだろう。
こちらに顔を向け、顔同様かなり細くなっている腕を微かに動かしながら、女性は何かを呟いている。
これもそれこそホラー映画のワンシーンみたいなのだが、俺は女性の反応を見て「生きている人間」と判断したようだ。
足がようやっと動き出した時、その足は逃げる為に後方へ動いたのではなく、
女性の言葉をハッキリ聞き取ろうと前へと動いていた。
「どうしました? 大丈夫ですか?」
女性の前で屈み、俺は問いかけ続けた。
女性は唇を振るわせ、呟いた。
「こ……氷を……」
氷? こういう時に「水」を求めるシーンなんかを映画やドラマで見る事は良くあったが、氷をねだられるとは。
そして何という偶然か。氷なら今大量にある。
俺は置いてきた氷の山をすぐ取りに戻り、それを持って戻ってきた。
そして中から一袋を取りだし開け、小さな氷を一欠片、女性の唇へと運んだ。
女性は弱々しく震える唇を自ら氷に近づけ、そしてちゅるりと氷を飲み込んだ。
そう、飲み込んだ。いくら小さいのを選んだとはいえ、一口で飲み込める大きさではなかったのに。
345某880 偶然〜つらら女〜:2005/07/24(日) 18:16:49 ID:Q2/cJue/
「もっと……」
考えている暇など無かった。俺は求められるままに氷を一欠片つまんでは女性の口へと運び続ける。
次第に小さな物はなくなり、徐々に大きな氷を運ぶ事となっていく。
流石に一口で飲み込めなくなったのか、女性は二三度かみ砕いてから氷を飲み込むようになっていく。
そしていつの間にか、女性は半身を起こし、氷の袋を自分で掴みむさぼり食うように氷を口へ次々と運んでいくようになった。
一袋を食べ終え、そしてすぐに自ら封を開け二袋目へ。
あっけにとられていた俺は、少し気が付くのが遅かったが、女性が三袋目に手をかけたところである変化に気付いた。
女性の顔に精気が戻り、頬の肉も膨らんでいる。骨張った腕も肉が付いたかのように以前より膨らんでいる。
どうなっているんだ? 俺は軽いパニックに陥っていた。
先ほどまでは、さもゾンビか何かかと思える程にやせ細り倒れていた女性が、
今は細身ながらしっかりと身体を起こしている。
そしてガツガツと、俺が買ってきたロックアイスを食べ続けている。
ホラーといえば、そうかもしれない。しかし恐怖はない。
俺はこの衝撃的だが不思議な光景に、目を釘付けにされていた。
そして最も衝撃的だったのは、女性が五袋目に手をかけた時だった。
「せっ……先輩?」
透き通る白い肌と、濡れた美しい黒髪。そして元に戻った頬。
その顔は、見覚えがあった。
見覚えがあったなんてものではない。
ずっと眺めていたいと思い続け、そして今日、早く忘れなければと願った、その顔を。
「きっ……君……どうして……」
先輩は今の今まで、氷に夢中で俺の存在を気に留めていなかったのだろうか。
俺が声をかけた事でやっと気付いたらしい。氷を分けてくれたのが会社の後輩だという事に。
「あっ、俺この近くに住んでますから……それより、気にしないで食べてて下さい。沢山ありますから」
なんとも間抜けな言葉。しかしこれ以外に言葉が浮かばなかった。
先輩は流石に、先ほどまでのようにガツガツとは食べなくなったものの、それでも氷を気まずい空気の中食べ続けていた。
先輩にとって氷は、死活問題なのだろう。
あの誰とも判別付かなかった、痩せこけた状態からここまで回復したのは、氷を食べている為なのだろう事は、なんとなく判る。
だが……何故氷? そういう病気なのだろうか?
そもそも、先輩が何故ここに?
346某880 偶然〜つらら女〜:2005/07/24(日) 18:17:20 ID:Q2/cJue/
「あの……助かったわ。ありがとう……」
六袋目を平らげたところで、先輩は俺に礼を述べた。
「いえ……」
それしか、言えなかった。
他に、なんて声をかけて良いのか判らなかった。
数時間前の事を考えると……言葉なんか出てきやしなかった。
そんな俺の様子を、先輩は少しだけ勘違いして受け止めていた。
「ごめんね……驚くよね、誰だって……あの、出来れば誰にも言わないで欲しいの……この事は……」
「いえ、そういうんじゃなくて、その……」
咄嗟に、俺は先輩の言葉を塞いだ。勘違いして欲しくなかったから。
「その、あの……俺まだ、先輩の事、その……」
結局、言えたのはここまでだった。
言えなかった。これ以上は。言ってしまっては、お互い又辛くなりそうだったから。
いや、辛いのは俺だけかな。先輩は結局、何とも思ってないんだろうし……俺の事は。
「……そうね、そうだったわね。ごめんね、自分の事ばかりで……本当に、ね……ごめん……うぅ、ごめん、な、さい……ひっく……ん……」
急に、先輩は泣き出してしまった。
俺は又、軽いパニックに陥ってしまった。
女性を泣かせてしまった。そんなつもりなんかこれっぽっちもなかったのに。
どうすれば良い? 女性の扱いに不慣れな俺は戸惑っていた。
「あの、先輩、泣かないで下さい……と、とにかく、送りますよ。先輩の家はここから近いんですか?」
先輩は軽く頷いた。
とにかく、落ち着ける場所が欲しかった。
距離的には自分の家が最も近いと思ったが、女性を男の家に連れ込むのはまずいだろうと判断し、
先輩の家を選択したが……これで良かったのだろうか?
なによりまず、この場を離れたかった。
今先輩の服はびしょぬれ。服は透け、下着がクッキリと見えてしまっている。
こんな状態のままで道の往来に立ち続けるのはまずかろう。
俺は目のやり場に困りながら、先輩の案内の元、彼女の家へと向かった。

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347某880 偶然〜つらら女〜:2005/07/24(日) 18:17:53 ID:Q2/cJue/
「あの……上がっていって。話したい事が……話さないといけない事があるから」
先輩の家に着いた時。俺はすぐに帰ろうと思っていた。
やはり、気まずい。
そもそも、一人暮らしの女性宅に男が一人入るのは、まずかろう。
そうでなくとも、今日という日は色々とありすぎた。
先ほどの事も、そして……その前も。
しかし先輩は、俺を招いた。
それを断る理由はない。いや、理由以前に断れないと思う。
話さないといけない事。それは間違いなく、先ほどまでの光景についてだろう。
まるで干からびたかのように倒れていた先輩。そして氷を食べただけで回復した先輩。
俺はこの事を誰かに言うつもりなんて無い。しかしそう伝えても先輩は半信半疑のままだろう。
なら一度全てを聞いて、どうにかして先輩の信用を得た方が無難だ。
たとえ、今気まずい間柄だとしても。
「はい、では……お邪魔します」
ドアを開け玄関に入る。その刹那、俺は激しく身震いした。
寒い。
熱帯夜の中、汗をかきながらここまで訪れてきた身に、強烈な冷気が包み込んだ。
冷房が効いている、なんてものではない。効き過ぎだ。
「ふぇ……フェックション!」
急激な冷気に当てられ、俺は大きなくしゃみをしてしまった。
なんだ、この寒さは。尋常ではない。
「あっ、ごめんなさい……「君には」寒すぎるよね。あの……ちょっと温度調整するから、外で待っててもらえるかしら……」
両腕で自分の身体を抱きしめ振るえ始めた俺に、先輩は平然と一時退室を求めた。
寒くないのか? しかも服は濡れているというのに。
疑問は感じたが、それを特に口へ出すことなく、俺はドアの外へ出た。
348某880 偶然〜つらら女〜:2005/07/24(日) 18:18:24 ID:Q2/cJue/
待つ間、俺は色々な事を考えていた。
今日という一日は、後先考えずに先走る俺の性格が、様々な「事」を起こしてきたな。
ムシャクシャしてリモコンを壊してしまったのもそう。
安易な冷房方法を思いついて、氷を大量に買い込んだのもそう。
そして先輩と気付かずに助けたのも……。
まさか先輩に、こんな形でバッタリ出くわすなんて思いもしなかった。
俺は明日、どんな顔をして出社すれば良いんだろうなんて考えていたところだったのに。
「あんな事」を伝えたばっかりに気まずくなった中で、明日どうやって先輩と顔を合わせればよいのだろう。
そんな事を考えていた矢先に、まさか明日どころか今日また会うなんて……。
俺の中で、先輩に対する「不思議な事」を考える余地はなかった。
ただひたすら、先輩との「仲」をどうすれば良いのか。そんな事を考えていた。
明日会社で会うどころか、この後すぐ彼女の部屋で顔を合わせる。
その時、俺はどんな顔をすれば良いのか……。
「あっ……もう、いいわよ。入って……」
具体案など何も浮かばないまま、俺は再びドアを開け、彼女の部屋へと入った。
「まだ寒いよね? あの、男の人のコートとかは無いから……これでも羽織ってて……」
手渡されたのは、厚手の毛布。それを肩からかけ全身を包みながら、俺は部屋の奥へと招かれるまま進んでいった。
毛布からは防虫剤の臭いがする。おそらく俺に渡す為に、慌てて押入から引っ張り出してきたのだろう。
「あっ、適当に腰掛けてて……」
部屋の中は、こぢんまりとしていた。
テレビなどの電化製品やタンスなどの家具が一通りそろった、まさに一人暮らしをしている人の部屋。
一点、ベッドがウォーターベッドなのが一人暮らしの割りに豪華だと思わせるくらいか。
インテリアなどは少ないが、殺風景という程でもない。
床がフローリングなのが、畳好きの俺にはちょっと居心地悪い。
むろん、居心地の悪さはフローリングだけのせいではなく
一人ぐらいの女性の部屋に入って来たという緊張感と
そして、未だにどんな顔を先輩に向けて良いのかに苦悩している自分のせいだ。
今そんな事で悩んでいるなどと思われてはいけない。
俺は中央に置かれた座卓の前に腰を下ろし、出来る限り平静を保とうと必至になった。
349某880 偶然〜つらら女〜:2005/07/24(日) 18:18:55 ID:Q2/cJue/
「ごめんなさい、あの、ポットとか無くて……」
麦茶の入ったグラスを俺の前に置きながら、先輩は詫びている。
「いえ、お構いなく……」
この寒い部屋では、確かに熱いお茶が欲しいところだが……
いやむしろ、緊張で喉が渇いてきた今なら、麦茶の方が都合良かったかもしれない。
俺は一口軽く麦茶を喉に流し込み、すぐにグラスを置いた。
コトっという音が室内に響いた後に、しばし場を沈黙が支配した。
話したい事がある。そう言って先輩は俺を部屋に招き入れた。
だが先輩は、その話を切り出せないでいる。
そんなに切り出しづらい話なのか? いやまあ、よく考えればそうだろう。
冷製に考えれば、確かに先輩が倒れていた時の状況。そして氷を食べ始めてから回復するまでの状況。あれは異常な光景だ。
その説明となれば、言葉を選ぶのも慎重になるだろう。
今先輩は、辛い立場なのだろう。
確かに、気になる事ではある。でも無理に聞く気はない。
先輩が心配しているのは、俺が方々で言いふらしやしないかという事なんだろう。
なら、俺から安心させてあげるべきかな。
俺に出来る事なんか、それくらいだから……。
「あの、さっきも言いましたけど、俺はその……人に言ったりとかはしませんから。だから言い辛かったら無理……」
「違うの!」
どちらかと言えば大人しめの先輩が声を荒げるところを、俺は初めて耳にした。
驚き固まっている俺を見て、先輩は小さな声でごめんなさいと謝罪し、上げた腰を下ろしていた。
「……信じて貰えるかどうか判らないけど……聞いて欲しいの」
改めて、先輩は話を始めた。
350某880 偶然〜つらら女〜:2005/07/24(日) 18:19:26 ID:Q2/cJue/
「私は……「つらら女」という、妖怪なの」
「つらら女……ですか」
どこかで聞いたような記憶もあるが、鮮明に思い出せない。何時何処で聞いた名前だろうか?
「イメージは雪女と思って貰えれば大丈夫かな……厳密に言うと違うのだけれど、普通の人から見れば大差はないから」
雪女みたい、という事で思い出した。
つらら女。確か老夫婦だか若い男だかの家に訪れた女性が、
勧められた風呂に入浴する事になってしまい、溶けていなくなってしまうという話だったような。
「私は……見ての通り普通の人間と見た目は変わりないのだけれど……身体はつらら、つまり氷で出来ているの」
先輩の話によると、つらら女……先輩は身体が氷で出来ている為に、部屋はエアコンの設定限界まで温度を下げ続け、
そして寝る時はよく冷えた氷水を入れたウォーターベッドで寝るとの事。
日常生活では、夜こうして貯めた冷気を「妖力」で維持し持ちこたえているのだとか。
それでもやはり暑いところは苦手で、場合によっては溶けてしまうらしい。
そう、先ほど道ばたで倒れていた先輩のように。
「あのままだったら私、溶けて無くなる……つまり死んでいたわ。あなたは命の恩人だわ……ありがとう」
ああ、だから服や髪があんなに濡れていたのか。あれは先輩が溶けて出た水分なのか。
あの状態から回復するには、溶け出した水分と冷気の補給が必要だったらしい。それを一度に行える氷は、まさに特効薬となっていたそうだ。
「そうだったんですか……いや、偶然とはいえ良かった。先輩を助けられて」
本当に、奇跡としか呼べない偶然。それで先輩の命が助かったのならこんなに喜ばしい事はない。
今の今まで、まさか生死にまで関わる事だったとは思いもしなかっただけに、
俺は急に事の大きさを実感し、大きく安堵の溜息を漏らしていた。
351某880 偶然〜つらら女〜:2005/07/24(日) 18:19:56 ID:Q2/cJue/
「あの……ね、君。驚かないの?」
「え?」
突然、先輩が妙な事を聞いてきた。
「いやだって……私は妖怪で、その……」
ああそうか。そう言われればそうだ。
どうにも、先輩を発見した時の衝撃が強すぎて、その謎が解けたところで落ち着いてしまっていた。
「もしかして……信じてない……かな?」
「いやいや、そういう事ではなくて……」
俺は慌てて、先輩の言葉を否定した。
「信じてますよ。だってあんな場面に出くわしたんですから……
いや、それよりも先輩の命が危なかったんだって事の方が驚きで……助かって良かったなって……」
素直に、思っていた事をそのまま伝えた。
むしろ今度は、俺が信じてくれているのかを先輩に問いただしたい気分だ。
「正直に言えば……妖怪だつらら女だと言われても、実感に欠ける、というか……いまいちピンと来ないというところはあります。
でも、妖怪だろうがつらら女だろうが、先輩は先輩で、それに変わりはないんですよね?」
先輩はこくりと頷いた。
「ならそれで……特にこうなんていうか、その……どうでも良いって言い方は変か。なんて言えばいいんだろう……」
上手く言葉が出て来ない。そんな自分にいらついてしまった為か、
俺はもう口にしないでおこうと思っていた言葉を、つい言葉にしてしまった。
「俺がその、先輩の事を好きな気持ちに変わりはないですから……」
言ってしまってから、俺は自分が口にした言葉に気付いた。そして寒い室内の中で頬が急速に熱を帯びていくのを実感している。
「あ、いや、ごめんなさい、迷惑でしたよね……すみません」
そう、迷惑なだけだ。
俺は今日、先輩に告白した。
時季はずれの人事異動で、先輩が本社に移転するという話を聞いた。
その話を聞いた俺は、いても立ってもいられなくなり、
終業直後に先輩を呼び出し、告白した。
そして俺は……見事にふられた。
その腹いせに、家に帰るなり物にあたり、そしてリモコンが壊れ……今に至るのだから、なんという巡り合わせか。
入社以来、ずっと面倒を見て貰っていた先輩。
まさにキャリアウーマンという彼女にずっと憧れていた俺は、何時しかそれが恋に変わっていた。
学生みたいな恋だなと自分で自分を笑いもしたが、気持ちは止められなかった。
そんな先輩が、本社に栄転。もう会えなくなると思った時には、告白する事を決めていた。
思い立つと止まらない。今日ほど、そんな自分の性格をこれほどまでに呪った事なんか無かった。
それなのに俺は、また軽々しく好きだなんて口にしてしまうとは。
迷惑なだけだろう。自分の軽率さにつくづく呆れるばかりだ。俺はその場でうなだれてしまった。
352某880 偶然〜つらら女〜:2005/07/24(日) 18:21:38 ID:Q2/cJue/
「君は本当に……入社以来変わらないわね」
先輩はそういって微笑んだ。どこか暖かで、でもどこか寂しげな、そんな微笑み。
「真っ直ぐで、危なっかしいくらい熱くて……「冷たい女」の私には、ちょっと羨ましいくらい」
対面に座っていた先輩が、俺の方へ、俺の隣へ、近づいてきた。
「告白してくれたのは……嬉しかったの。本当は凄く嬉しかったの」
先輩の手が、俺の手に触れる。ひんやりと冷たい手から、俺はなにか「温もり」を感じていた。
「でも……でもね、嬉しかったから……断るしかなかったの」
俺を見つめる先輩の瞳は、溶けてしまうのかと思える程に潤んでいた。
「だって私……妖怪なのよ? つらら女という、妖怪なのよ……見たでしょ? 私はあんな風に溶けてしまう、妖怪なのよ……」
触れていた手は、いつの間にか俺の手を握っていた。
「ほら、手だってこんなに冷たい……それでもまだ、私の事を好きだなんて言ってくれるの?」
俺は先輩の手を払いのけた。
そして払いのけた手で、俺は先輩を抱きしめていた。
「好きです、好きです! 妖怪だろうとつらら女だろうと、先輩は先輩です! 好きです、俺は先輩が大好きです!」
抱きしめた先輩の身体は、とても冷たかった。
その冷たさはかえって、熱くなりすぎる俺には心地良いくらい。
知性も品もない、小学生のような三度目の告白。けれど俺は、自分の言葉に全ての持ちを込めていると自負している。
先輩がつらら女である。その事実の重要性なんて、俺には考えてもよく判らない。
大切なのは、俺は先輩が好きだという事。それだけで俺は充分だと信じている。
「……ありがとう……私も、好きよ。君の事、好きだよ……」
背中に冷たい感触。先輩の腕が回されていた。
強く強く、俺達は抱きしめ合っていた。
そしてどちらからともなく、唇を重ねていた。
353某880 偶然〜つらら女〜:2005/07/24(日) 18:22:12 ID:Q2/cJue/
「んっ……これがキスか……」
僅かに触れた唇を離した時、先輩が呟いた。
「ファーストキス。私「こんな」だから、男の人の手を握ったのも、こうして抱きしめて貰ったのも初めてだったのよ」
意外だった。いや、言われれば納得出来るが、
先輩はガキ丸出しの俺とは違い「大人の女性」という雰囲気そのままの女性だから
恋愛も一通り経験していると勝手に思いこんでいた。
そんな先輩のファーストキス。その相手が自分だと知らされた時、俺の心臓が一段階早まったのを感じた。
「セカンドキスは、もっと「大人の味」を楽しませて」
再び触れあう唇。そしてその唇を割るように舌が伸びる。
テクニックなんて無い。二人はただがむしゃらに、お互いの唇を、舌を、求め合った。
「んっ……ちゅ、はぁ……くちゅ……」
まるでアイスキャンディーを舐めているような、それほどに冷たい感触。しかしその冷たいアイスキャンディーはねっとりと口内を動き回る。
「キスって……いいわね。あなたの熱で口の中を解かされそうだわ」
そしてサードキス。
俺は羽織っていた毛布を投げ捨て、抱きしめていた腕を緩めた。
そして自由になった手を片方、ゆっくりと先輩の胸へと伸ばした。
「あっ、ちょっとまって……」
俺は驚いたかのように手を素速く引っ込めた。
焦りすぎだろう。熱烈なキスを繰り返したからと言って、ことを早急に運びすぎたか。
女性の扱いになれていない俺は、先輩の一言に萎縮してしまった。
「その……ちゃんと……服を脱がせて、ね」
はにかんだ笑顔。俺は先輩の微笑みにコクコクと頷くだけ。
すっと立ち上がった先輩は後ろを向き、一枚一枚、ゆっくりと服を脱いでいった。
俺はその光景に見とれながら、急ぎ自分の服を脱いでいく。
俺が脱ぎ終えてもまだ、先輩は下着姿だった。
全裸になった俺は正座をし、後ろのホックを外そうとしている先輩の姿を凝視していた。
はらりと落ちるブラジャー。そしてゆっくりと下ろされるパンティ。
そして手で胸と股間を隠した先輩はこちらへ向き直った。
354某880 偶然〜つらら女〜:2005/07/24(日) 18:22:43 ID:Q2/cJue/
「綺麗だ……」
透き通るような白い肌とは、まさに先輩の為にある言葉だろう。
そして長い黒髪が肌の白さに映え、双方の美しさを際立たせている。
「そんなに見つめないで……」
それは無理というものだ。
「良く見せて下さい、先輩……胸も、「そこ」も……」
先輩は軽く目を閉じ、恥じらいに耐えている。それでもゆっくりと、手をどけていく。
露わになった、胸と秘所。
綺麗だ。もうそれしか言葉が浮かばない。
むろん、興奮もしている。だが性的な興奮と共に、絵画を見るような芸術的観点でも先輩の美しさに引き込まれていた。
「男の人に見せるのも、もちろん君が初めてなのよ……」
その一言が、俺に性的興奮の方へ傾かせた。
「なら、こんな事をされるのも初めてですよね……」
俺は四つんばいのまま先輩ににじり寄り、秘所に顔を近づけた。
「あん!」
ぺろりと、俺は茂みに覆われた秘所を一舐めした。
かき氷を食べた時のような、ひやりとした感触が舌に伝わる。
そして更に顔を近づけ、俺は本格的に秘所の中枢、陰門と陰核を何度も何度も舌で弄ぶ。
「ん、あっ、なんか……んん、やっ、あん!」
先輩の手が、俺の頭をぐっと力を込めて掴む。
初めて感じる感覚に戸惑いながら、しかし先輩は求めている。そう、手が俺に伝えてくれる。
今この時程、自分の未熟さを悔やむ事はない。
俺はただがむしゃらに、先輩の秘所を何度も舐めるだけ。
もっと気持ち良くなって欲しい。先輩が初めてなら尚更。
しかし俺のテクニックではたかが知れている……。
355某880 偶然〜つらら女〜:2005/07/24(日) 18:23:15 ID:Q2/cJue/
「いい、気持ちいいよ……自分でするより、あっ! 気持ちいいんだ……」
前言撤回。
俺は無我夢中でしゃぶりついた。
テクニックがどうとか、気にしている場合じゃない。俺は今俺に出来る事を先輩にしてあげたい。
舌と唇が、冷たさで若干痛みすら伴ってきた。
それでも俺は、ひたすらに先輩を愛し続けた。
次第に、俺の舌と唇から湿った音が漏れだしてきた。
「そんなに、音、立てないで……はっ、恥ずかし……んっ!」
こればかりは、先輩の言う事は聞けない。
俺は顔も左右に動かしながら、激しく音を立て先輩の秘所を舐め続けた。
とろりとした先輩の愛液が舌に絡みつく。
まるで先輩が中から溶け出してきたかのように、止め処なくあふれ出てくる。
「お願い、これ以上は……切ない、し……ほっ、本当に、溶けちゃう……」
先輩を喜ばせる事ばかりに夢中になっていたが、もう俺の「息子」だってとうの昔に準備は整っている。
焦りたい気持ちを必至に堪えながら、俺はゆっくり立ち上がり、先輩をベッドへと導こうとした。
「待って」
それを先輩が止めた。
「ベッドは冷たくしてあるから……君には耐えられないと思うの……」
そうだった。先輩のベッドはウォーターベッドになっていて、中はキンキンに冷えた冷水になっていると言っていた。
となると、床で? しかし直接ここに先輩を寝かせるわけには……。
俺は床に投げ捨てられていた毛布を敷き、そこに先輩を寝るよう導いた。
「優しいね、君は」
そういって微笑む先輩を見られるなら、俺はなんだってしますよ!
毛布に全裸で寝そべる先輩を、俺は改めてマジマジと眺めた。
本当に綺麗だ。
こんな女性を、妖怪だとかそんな「小さな事」で、どうして嫌いになれようか?
この人を好きになって、本当に良かった。
356某880 偶然〜つらら女〜:2005/07/24(日) 18:23:46 ID:Q2/cJue/
「その、初めてだから……」
握り拳を口元に当て、視線をそらす先輩。そんな態度も表情も初々しく、可愛らしい。
「いっ、行きますよ……」
俺は自分の息子を握り、先輩の秘所へと導く。
「っ!」
判ってはいたが、先端が先輩に触れた途端、あまりの冷たさに驚いてしまった。
「あっ……」
その冷たさに、そうでなくとも心臓が胸を突き破る程に緊張していた俺は、更に緊張してしまい、
急速に息子がしぼんでしまった。
「あ、あの……」
折角、折角これから先輩と……何やってんだ俺。
情けない。こんな、こんなところでこんな事になるなんて。
俺は焦った。とにかくすぐにでも回復させようと、握ったままだった息子を必至になってしごき始めた。
しかし、その手に触れる冷たい感触が俺の行為を止めた。
「大丈夫よ……焦らなくて良いから、ね」
半身を起こしていた先輩が、優しく微笑みかけながら俺の手に触れていた。
そしてそのまま足を後ろに回し四つんばいになる。
優しく俺の手を息子からどけ、先輩が変わりに軽く握る。
息子全体に冷たい感触。縮み上がると思っていたが、先輩が握ってくれているというその光景に興奮し、縮むのを踏ん張らせている。
光景だけじゃない。俺はこれから起こりそうな展開に期待と興奮、そして驚きもあったから。
「ちょっ、先輩……」
一度先輩は見上げるように俺を見つめ、そしてゆっくりと顔を俺の息子へ、唇を俺の息子へと近づける。
「あむ……ん……くちゅ……ちゅ……」
冷たく、それでいてねっとりとした感触が息子の全身を包む。
ひんやりとした先輩の舌が、息子の上へ下へと動き回る。
「そんな先輩、汚いですって……」
口では言うが、むろん本心はもっと続けて欲しい。
「……さっきのお返し」
一度口を離した先輩が、見上げながら一言。そして再び俺の息子を口に含む。
「んちゅ……ん、ちゅ……ん……」
先輩がぎこちないながらにも一生懸命に舐めてくれる。それだけでも心地良い。
ちゅぱちゅぱと聞こえる湿った音も、直に感じる感触も心地良い。
そして俺を縮み込ませた冷たい感触すら、今ではむしろ癖になりそうな程に心地良い。
357某880 偶然〜つらら女〜:2005/07/24(日) 18:24:16 ID:Q2/cJue/
「せっ、先輩、そろそろ……」
本当はこのまま続けて欲しい。先輩の口の中に放ちたい。
しかし、早く先輩と一つになりたいのも本音。
先輩にも感じて欲しい。先輩と共に感じたい。
ゆっくりと唇を離した先輩は三度見上げ微笑んだ。そして自分から毛布の上に先ほどと同じように寝そべった。
もう失敗は出来ない。俺は先輩の腰に自分の腰を近づけ、息子にしっかりと照準を定めさせた。
「行きます……」
少しだけ、先輩の顔が強張る。
一瞬躊躇してしまいそうになる俺の心。だが俺はその心を奮い立たせ、一気に腰を沈めた。
「んっ!」
唇を強く閉じ、目を伏せ、先輩は痛みに耐えている。
先輩の陰門は充分に濡れていた。思ったよりもスムーズに腰を落とせた。
しかしもちろん、途中に一つの「壁」もあった。俺はそれを一気に貫いた。
その証が、二人の結合部分より僅かにしたたり落ち、毛布に赤い染みを作る。
「大丈夫……ですか?」
先輩の閉じたまぶたから、僅かに光る雫が。
「大丈夫……痛いけど、それより、嬉しいの……」
まぶたを開け、潤んだ瞳をこちらに向けて先輩は言う。
「私も、私でも……こうして「女」になる事が出来たんだね……ありがとう、ありがとう……」
礼を言われるとは思わなかった。
そんなにまで、先輩は自分の出生を気にしていたなんて。
オフィスでは凛々しく業務をこなしている先輩の姿ばかり見てきた。
そんな先輩の、弱い面を見た。可愛らしい面も見た。
色々な先輩を見た。全てが愛らしい。
そんな女性を「女」にした喜びに、俺は感激すら感じていた。
「そんな、俺の方こそ……ありがとうございます」
先輩が「女」になったと同時に、俺も「男」になった。
繋がったまま礼を言い合う二人。そんな状況に二人して笑い合った。
358某880 偶然〜つらら女〜:2005/07/24(日) 18:24:47 ID:Q2/cJue/
「あの……動かします」
笑顔のまま、こくりと先輩は頷いた。
「んっ! ん……んっ、あっ……んっ、くぅ……ん……」
腰は思ったよりは滑らかに動いた。痛みに耐える先輩を気遣い、俺はゆっくりと腰を動かし続ける。
先輩が声を上げる度に、息子を包む先輩の中がきゅっと締まる。ゆっくりであっても、その締まりだけで果ててしまいそうになる。
俺は耐えた。いきそうになるのを耐えながら、ゆっくりと腰を動かし続けた。
先輩にも気持ち良くなって欲しい。その一心で。
「んっ、あっ……んふ、ん……あっ、いっ……ん、あっ!」
僅かに、先輩の声色に快楽の色が混じり始めている。
初めから感じる女性は少ないと聞いた事がある。たぶん未熟な俺では、先輩を「最後」まで導く事は出来ないだろう。
それでも、少しで良いから感じて欲しい。俺は必至になって腰を振り続ける。
「いい、よ……ん、きみ、が、いきたくなっ……ん、たら、いって、いい、から……」
優しく、先輩の手が俺の頬に触れる。
「うれしい、の、こうして、きみ、と、ひとつに、なれる、だれけ、で……だか、ら、ね……いって、いって、ほしい、の……」
幸せそうに、先輩が笑う。
「いって、うれしい……なかで、いい、から……この、まま、わたし、に、きみの、を、ね、おねが、い……」
腰の動きに歯止めがきかない。優しくゆっくりと思いながらも、激しくなっていくのが抑えられない。
痛みはまだある様子だが、先輩は笑顔を絶やさない。
「いきます、先輩……くっ、いきます、いきます!」
どくどくと、先輩の中に俺のものが流し込まれていく。
どちらからともなく、二人は唇を近づけ、そして触れあっていた。
「先輩、その、俺……」
自分ばかり満足して、先輩を最後まで導けなかった。その不甲斐なさを詫びようとしたその時、先輩の指が俺の唇に触れた。
「仕方ないわよ、初めてだったし……それに、その……何度もすれば、あの、き、気持ち良く、なれるっていうし……」
はにかんだ先輩は、本当に可愛らしい。
「これだけじゃ、ないでしょ? これからだって、もっと、その……愛して、くれるわよね?」
返事の変わりに、俺は再び先輩の唇に自分の唇を当てた。
「やっ、ちょっ、もう? もう、あっ、ん!」
繋がったままだった二人。俺はゆっくりと先輩の中で膨張していた自分の息子を、また大きくゆっくり動かし始めていた。

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359某880 偶然〜つらら女〜:2005/07/24(日) 18:25:18 ID:Q2/cJue/
「あの、先輩……一つ訊いて良いですか?」
三度目にして、どうにか先輩を最高潮とは言わないまでも満足してもらえた。
その後二人して、床に寝そべったまま余韻を楽しんでいた。
とはいえ、俺は流石に裸のままでは寒すぎるので全身を毛布でくるませて貰っているが。
「どうしてあんな所で倒れていたんですか?」
先輩との愛を確認し終えた後、この疑問が急速に頭の中へ浮上してきた。それを俺は包み隠さず尋ねてみた。
「あっ、あれはその……」
視線をそらし、先輩は恥ずかしそうにしている。
「よっ、酔っぱらってて……その……」
酔っぱらった? 最初こそ酔っぱらいかと思っていたが、本当に酔っぱらいだったと言う事なのか?
「君に告白して貰って、でもそれに答えてあげられなくて……私、とても悲しくて、それでその、一人で……」
先輩の話によると、悲しみを酔って忘れようとかなり飲んだらしい。
元々つらら女は身体が氷で出来ている為、アルコールには強い体質らしいのだが、
その許容量を超えるお酒を浴びるように飲んだらしい。
そして泥酔した先輩は、記憶無いまま千鳥足で街をふらつき、
気が付いたら熱帯夜の中で身体が動かせなくなっていたらしい。
「えっと、つまり……俺のせい、ですか?」
偶然俺が通りかかったから良かったものの、あのままでは先輩は溶けて無くなっていた可能性だってあった。
俺が告白したために、先輩の命が危険にさらされる事になっていたなんて。
「バカね……何言ってるのよ」
つん、と先輩は人差し指で俺の額を軽く突く。
「君が告白してくれたから、巡り巡って「今」があるんじゃない」
告白し、ふられた俺は八つ当たりでリモコンを壊し、氷を買いに出かけた。
先輩は告白され断り、その寂しさから酒を飲んで泥酔し、道ばたで倒れてしまった。
そして二人は再会し……「今」がある。
全てが偶然。偶然の積み重ねで、「今」がある。
「君のおかげだよ。ありがとう、告白してくれて」
唇に、もう何度目かも判らない冷たい感触が伝わる。
「でも、先輩は……本社にいってしまうんですよね……」
そう、そもそも告白しようと思ったきっかけは、先輩が栄転するという話を聞きつけたから。
折角先輩と結ばれたのに、数日後には離れてしまう。
「え?……ああ、そういう事。だから告白してくれたんだ」
それなのに、先輩は笑っている。何がそんなに可笑しいのだろう?
「行かないわよ、本社には」
俺は耳を疑った。今なんて言いました?
「確かにね、本社に行かないかって話はあったわ。
でも私はほら、つらら女だから、都会の人混みや暑さには耐えられないのよ。だから断ったの」
つまり、俺が聞いたのは先輩が噂の段階で決定事項ではなかったと言う事か?
たぶん、よく聞けば栄転の話は噂だと判ったはず。
だが何事も先走りしやすい俺の性格が、話もよく聞かずよく考えず、告白へと突っ走らせたんだろう。
普段は後で後悔する事の多い俺の性格だが、今日ばかりは感謝している。
「だから、ね。これからも君の先輩で、そしてこれからは……君の恋人、だね」
頬に冷たくも熱い感触。部屋の温度も先輩の体温も冷たいが、二人の心はとてもとても熱くなっていた。
360某880:2005/07/24(日) 18:34:57 ID:Q2/cJue/
以上です。

モーショボーとは一転して、甘々のを書いてみました。
しかしエロシーンより前提が長すぎますね。もうしわけない。
どうしても、萌えの為にはあの長さが必要かなと…
まあ、ならエロシーンをもっと長く書くべきなんでしょうけどorz

> こーしてモーショボーたんは狩猟/採集時代から牧畜時代に移ったわけですなw
>モンゴルなら遊牧?
まさに遊牧ですよね。奴隷君三人はやる時以外は野放しだし。

>南瓜&西瓜の方
GJ!!
続きがあるとしたら、豚切りもうしわけないです。
というか、続きがあって欲しいです。
361名無しさん@ピンキー:2005/07/24(日) 22:17:17 ID:g5Pxt0Pz
>>335
GJです。
かぼちゃの方とくっつかなかったのはあれ?な感じでしたがこのストーリーも個人的には満足でしたw

できれば続きを期待。
362名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 00:12:24 ID:VXBU2Moi
激しくどうでも良いですが、(大抵の?)エアコンは本体に応急運転スイッチがついてる…かも。
内部にあったりするので気付きにくい…かも。
363名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 00:44:58 ID:7uUqqYHW
>つらら女


伏線部分は冒頭に説明して貰っといた方が、話に入り易かったかと
ネタ的に、行き倒れ→氷食う→先輩!?で驚きが欲しいですから
364名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 02:49:38 ID:4al/cEx+
一応西瓜と結ばれるまでの話としてはあれで最後でもいいかなぁと思ったので最終話としていたんですが
せっかくですのでぼんやりと考えていたその後の話を投下させていただきたいと思います。
365名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 02:52:07 ID:4al/cEx+
11月最後の金曜日、俺は足取りも軽く家路をたどっていた。
カノと暮らし始めてから、もうすぐ1ヶ月が経とうとしている。
あれからカノと相談して、直接あれをするのは月1回、最後の金曜日ということに決めた。
俺にはよくわからないんだが、本来生気というものは身体から勝手に出ていかないように栓が閉まっている状態らしい。
カノやリィナのような存在は、その栓を緩めることができて、その栓が緩んだ状態で絶頂を迎えると生気が溢れ出すんだとか。
つまりは吸い取るとは言ってもチューブを絞るみたいなものじゃなくて、あくまで溢れ出やすくなるようにして、自然と漏れ出したものを取り込む仕組みらしい。
この辺のことは本人の意思で抑えることができなくて、カノによって射精を導かれると、
たとえ精液を直接中に出さなくても生気は溢れ出てしまうため、そうそう直接はできないのだ。
結局俺達が考えた苦肉の策は、お互いに自慰行為を見せ合うくらいのことだった。
もちろん目の前で乱れるカノの姿はひどく扇情的で、それはそれで興奮するのだが、やっぱり直接触れてみたいし触れてほしいという思いは拭い切れない。
しかもそれをした1回目に、カノが達した瞬間涙を零したらしく例のきらっとちゃんが現れたのだ。
おかげで2回目以降、俺は目隠しをした状態での行為を余儀なくされた。
何も見えない状態で、カノの喘ぎ声を聞きながらの自慰行為。
変な性癖に目覚めたらどうしてくれるんだと、あのかぼちゃ頭に文句の1つも言わないとやっていられない。
そんなわけだから、今日の足取りが軽くなるのも当然というところだった。
まあ目隠しはやっぱり必要になるんだろうけど。
366名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 02:52:51 ID:4al/cEx+
「ただい……なんだこりゃっ!?」
扉を開けると、部屋の中は朝の状態から一変していた。
天井といわず壁といわず床といわず、一面に植物の蔓がはびこっている。
「カ、カノっ!」
窓すら蔓に覆われて薄暗い部屋の中、壁に1つだけ収穫し忘れたかのようなスイカ頭が見えた。
力なく項垂れているスイカ頭の下にある膨らみが、そこにあるのが被り物だけでないことを証明している。
とっさに駆け寄ろうとして、けれどそれは適わなかった。
足がまるで床に根を張ったように動かない。
見れば、床の蔓が俺の足に巻きついて自由を奪っていた。
しかも現在進行形で螺旋状に登ってきつつある。
「ん、んぅーー! んんんぅーーー!!」
呻き声に顔を上げると、項垂れていたスイカ頭がこちらに顔を向けていた。
聞こえる声は、カノと初めての行為の前に聞いたものに似ている。
身体だけでなくスイカの中も蔓に侵食されているんだ。
助けたいのに、どんなに力を込めても足はびくともしない。
それどころか、もう膝まで蔓に飲み込まれていた。
367名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 02:53:44 ID:4al/cEx+
「お兄さん!」
突然聞こえた叫び声。
直後、それまで全く動かなかった足がふっと軽くなった。
それと同時に薄暗かった部屋が、全く何も見えない暗闇に満たされる。
「な、何が……?」
それにさっきの声は確かに……。
「良かった。ぎりぎりセーフだったね」
すぐ間近で聞こえた声は、間違いなくリィナのものだった。
「リィナ、いるのか?」
「ああ、お兄さんはこの中じゃさすがに見えないよね」
その言葉とともにぼんやりと光る球状の物体が目の前に現れた。
頼りない光でも、さっきまでに比べれば随分とましになった視界に、俺はもう会えないと思っていたかぼちゃ頭の少女を発見する。
身に着けているのはかぼちゃ頭と、縞模様のオーバーニーソックス。
要するに、ほとんど裸の状態。
「お、おい、何でそんな格好なんだよ!?」
「だって、マントはこっちで使ってるんだもん」
リィナが周囲を示す。
改めて見回せば、周囲は黒い布のようなもので全方位覆われていた。
どうやら現在俺達は直径2メートルほどの球体の中にいるらしい。
指で触れてみると確かに布のようなさらさらした触感なのだが、向こう側に鉄板でもあるように押しても全く凹んだりはしなかった。
黒マントの中で、目の前にはリィナの裸体という状況が、初めて彼女と会ったときのことを思い出させる。
頭の芯を痺れさせ、思考力を奪っていく甘い体臭が不意に鼻をくすぐった。
368名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 02:54:57 ID:4al/cEx+
一瞬呆けかけた俺を引き戻したのは、外から聞こえたカノの呻き声だった。
「一体これはどういうことなんだよ! それにお前、もう来ないんじゃないかって……」
「私もそのつもりだったんだけど、カノにあげた新緑の外套の暴走反応があったから、慌てて駆けつけたの」
暴走という不吉な言葉に俺の心が冷える。
「どういうことなんだよ!」
自分でもそれしか言えないのがもどかしい。
けれど、この状況は俺の想像できる範疇を超えていて、少なくとも俺よりは事態を把握しているリィナに頼るしかなかった。
「こっちの空気が合わなかったのか、ううん、もしかすると合いすぎたのかも。
 とにかく、本来ならきちんと制御されているはずの新緑の外套が、その制限を越えて異常成長し始めたらしいの」
「らしいって……、カノは、カノは無事なのか!?」
「暴走はしてても、カノを絞め殺すほどの力は出せないから大丈夫だと思う。相手が人間ならともかくね。
 だから、むしろホントに危険だったのはお兄さんの方だよ」
あの時、リィナが助けてくれなければ、蔓に巻かれて全身の骨を粉々にされるか、それとも窒息させられるか、とにかく危なかったらしい。
「なら、俺の時みたいに、早くカノも助けてやってくれよ」
「それは……」
いつも歯切れのいいリィナが言葉を濁す。
「お兄さんは足だけだったし、蔓も末端だったから何とかなったけど、カノは……」
全身を飲み込まれている上に、本体だというスイカ頭の1番近くにいる。
救出に伴う困難は俺の比じゃないことは、俺でも容易に想像がついた。
369名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 02:55:37 ID:4al/cEx+
「なら、どうするんだよ。いつまでもここに閉じこもってたって」
今もカノは苦しんでいるのに、自分だけ安全な場所にいるのが、ひどく悪いことのような気がした。
俺が出ていって蔓に巻かれたって何も状況は好転しないし、
そもそもこの考え方は俺だけでも助けてくれたリィナに失礼なものだとわかってはいたが。
「ううん、閉じこもってるのが1番いいんだよ。これだけの急激な成長、消費するエネルギーだって膨大だから、
 このまま待ってれば、そう遠くない内に勝手に自滅するはず」
「そ、そうなのか……」
一瞬安堵しかけて、けれど解決策を話すにしては随分沈んだリィナの口調に逆に不安が大きくなる。
その不安を肯定するように、外から聞こえるカノの呻き声が、わずかにその調子を変化させた。
最初は気のせいかと思うほどわずかだった変化が、徐々に否定できないほど大きなものになる。
「お、おい、これって……」
リィナは顔を俯かせていた。
何かに耐えるように、その小さな手が握り締められ、細かく震えているのが見える。
「足りなくなったエネルギーを、カノから補給しようとしてるんだよ……」
搾り出すような声音で、リィナはそう言った。
370名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 02:56:29 ID:4al/cEx+
「何とかならないのか? このままじゃ……」
いくら絞め殺されはしなくても、力を全部吸い尽くされたら……。
「たぶん、大丈夫。いくら吸い取ろうとしても、本人の命に最低限必要な分までは吸い取れないはず。
 もちろんその後は衰弱してるから、そのままほっとくと危ないけど、すぐにお兄さんが補給してくれれば、きっと……」
「たぶんとか、はずとか、そんなんで大丈夫なのか!?」
「わかんないよ! こんなこと私だって初めてなんだから!」
思わず声を荒げてしまった俺に、リィナがそれ以上の、涙混じりの絶叫で答えた。
「……ごめんなさい。こんなの私らしくないよね」
一転して静かな、けれど震えの混じる口調でリィナが言う。
確かにリィナらしくはない。
リィナはいつも余裕があって、俺やカノをからかってその反応を楽しむことを生き甲斐にしているような、そんなやつだった。
そんなリィナが取り乱した姿なんて、それこそ最初の年の暴君以来だ。
そして今回の取り乱し方はあの時とは桁違いで、俺は呆気に取られ、沸騰していた頭が一瞬で冷えた。
冷めた頭に込み上げてくるのは圧倒的な自己嫌悪。
カノを助けることもできず、リィナを追い詰めるようなことしか言えない自分が心底嫌になる。
「リィナ、悪い。俺……」
「ううん、悪いのは私だから。私がこうなることを予想できなかったから……」
自責の念が滲み出すようなその言葉に、何か言わなければと思った瞬間、メキッという音とともに周囲の球体に突然歪みが発生した。
371名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 02:57:42 ID:4al/cEx+
「いけない!」
リィナが慌ててマントに触れると、その歪みは一瞬で元通りになる。
けれど元通りになった球体の代わりとでもいうように、リィナがその場にへたり込んでしまった。
「おい、リィナ!」
抱き上げると、平坦な胸が忙しなく上下していて、かぼちゃ頭の中からは荒い息遣いが聞こえてきた。
「だ、大丈夫。ちょっと疲れただけだから」
そうこうしている内にまた別の場所が凹む。
「くっ……」
俺の腕の中でリィナが手を伸ばして壁に触れると、そこもすぐに元通りになる。
そしてそれと引き換えに、リィナの息遣いはより一層苦しげなものになった。
「そうだ、お前瞬間移動できるんだろ? それを使えば……」
カノを残していくのは気が引けたが、このままじゃリィナが持ちそうにない。
それこそ死ぬほど心配だが、直接命に関わるまでは力を吸い取られないというリィナの予想を、今は信じるしかなかった。
「駄目だよ。あれは私1人しか移動できないから。私が外に出たら、これを維持できなくなっちゃう」
リィナの言葉に、俺は本当に自分が足手まといにしかなっていないことを痛切に思い知らされた。
リィナ1人なら、彼女がこんなに苦しむことはなかったんだ。
「悔しいなぁ。いつもなら、これくらいどうってことないのに。短期間に2回もこっち来たから、ちょっと消耗してるみたい。
 でも、大丈夫、お兄さんのことだけは絶対守ってあげるから。でないとカノに申し訳が立たないもんね」
こちらの世界に来るには、かなり大きな力がいるとは聞いていた。
そして、リィナが前回来てからまだ1ヶ月しか経っていない。
そこで、初めて俺は自分にもできることに気が付いた。
372名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 02:58:59 ID:4al/cEx+
「なあ、俺の生気じゃ足しにならないのか?」
「え、でも、カノが……」
「あ、そうか、カノにもやらないといけないから……。悪い、また俺、考えもなしに……」
自分のバカな頭を殴りたくなる。
それで少しでも中身が良くなるなら迷わずやっていただろう。
腕の中のリィナは少しだけ息を落ち着かせて、何か考え込んでいるように黙っていた。
そして、
「ねえ、お兄さん、私を抱いてくれる?」
しばしの沈黙の後に紡がれた言葉に、俺は息を飲んだ。
「お兄さんから生気をもらえれば、これの維持どころか、たぶん直接カノも助けられると思う」
「本当か!? ならどうして、もっと早く……」
「だって、私、もうお兄さんとはしないって……。カノに悪いから……」
リィナの声はいつのまにか完全な涙声になっていた。
「ホ、ホントは私もお兄さんのこと……。
 でも、でもカノも私と同じくらい、ううん、私以上にお兄さんのことを想ってるってわかったから、だから私は……」
力の消耗が、リィナの自制心を抑えているのか、嗚咽混じりに彼女は胸の内を吐露し始めた。
俺への気持ちとカノへの気持ちの間で板ばさみになって悩み続けたこと。
そして自分の気持ちにケリをつけるために俺達を一緒に住まわせて、自分はもう会わないと誓ったこと。
「リィナ、もういいから」
リィナの自分自身を責めるような言葉を俺は遮った。
俺はいつもカノのことばかりで、リィナのことを全然考えていなかったと思い知らされる。
そんな俺の前で、リィナがどんな気持ちで明るく振舞っていたのか。
もちろんカノへの気持ちは今でも変わらない。
けれど、今はリィナのこともカノと同じくらい大切だと思えた。
調子のいい考え方かもしれないけど、それでも俺は……。
373名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 03:00:21 ID:4al/cEx+
球体の下面にリィナの身体を横たえる。
まずはちゃんと準備をしないと。
「あの、お兄さん、私の方はもう準備できてるから」
「え……?」
こちらの心中を見透かしたような言葉に出端を挫かれる。
「お兄さんにしてもらえるって思ったら、それだけで……。ごめんなさい、エッチな子で……」
見ればリィナのそこは、確かにもう明かりが放つ燐光を反射して煌いていた。
「謝ることないって。むしろそんなに想ってもらえて嬉しいくらいだから」
これなら大丈夫そうだと判断して俺は自分のものを取り出し、何度か扱いて準備をする。
「あ、お兄さん……」
リィナの足をM字に折り曲げ、その中心にペニスを宛がうと、不意にリィナが口を開いた。
「どうした?」
「あ、あのね……」
1度途中で言いよどみ、けれど次の瞬間吹っ切ったように言葉を続ける。
「私、お兄さんがカノを助けるために、仕方なくしてくれてるってわかってる。
 でも、でもね、繋がってる時だけ、その時だけでいいから、私のこと恋人だって思ってほしいの。ダメ、かな……?」
俺の中にあったカノへの後ろめたさを見透かしたようなその言葉に、俺は胸を締め付けられた。
反射的に謝ろうとして、すんでの所で思い止まる。
リィナが望んでいるのは、そんなことじゃないと思ったからだ。
「リィナ、それは違う。俺はカノのこともお前のことも大切に思ってる。軽い男だって軽蔑されるかもしれないけど……」
「ううん、そんなことないよ。嬉しいな……」
よほど消耗が激しいのか弱々しく、けれど幸せそうにそう呟いたリィナが、たまらなく愛おしかった。
「ごめんなさい、時間がないのに。来て、お兄さん……」
その言葉に誘われるように、俺はリィナの中に侵入を開始する。
2度目になるリィナの中は、前回の時とは全く違っていた。
あの恐怖すら覚えるほどの強すぎる刺激は鳴りを潜め、代わりにねっとりと絡み付く優しい感触が俺のものを出迎えてくれる。
力の消耗がリィナの心の仮面を剥ぎ取ったように、これこそがリィナの本来の感触なんだと、そう思えた。
374名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 03:01:49 ID:4al/cEx+
「は、ぁ……気持ちいいよ……ごめんね、カノ……でも、気持ちいいの……」
カノへの後ろめたさは、リィナの中にも当然ある。
俺も挿入前にはああ言ったけど、それが簡単に無視できるものじゃないのは当たり前だった。
その中で、俺達は互いに高め合っていく。
今もマントの外からはカノのくぐもった喘ぎ声が聞こえてきていた。
徐々に切羽詰った感じを帯び始めたそれから、カノが最初の頂きを越えようとしているのがわかる。
カノの消耗を抑えるためには、早く俺も達しないといけないとは思った。
だけど、リィナにもできるだけ感じてほしい。
射精を導くために自分の快楽だけを追い求めて動くのは、リィナを道具としか思っていないようで嫌だった。
そんな葛藤を感じながら俺は腰を動かしていく。
「あ、は、早く……しないと……」
少しでも締め付けを強めようと、リィナがM字に開いた両足を閉じようとする。
「ふあ、あ、だめ……こんなの、感じすぎちゃう……」
けれど強くなった快感に怯えるように、また力を抜いてしまった。
「リィナ、無理しなくていいから。俺にまかせて」
思わずそう言ってしまった瞬間、外からカノの絶頂を知らせる声が響いてきた。
それと同時に聞こえてくる、ミチミチという音。
「そんなっ!?」
俺の下にいるリィナが驚いたような声を上げる。
「なんだ、今の音!?」
「あ、えと、たぶん、カノの力を吸ってさらに成長してるんだと思う。急激過ぎる成長で軋んでるんだと……」
次に聞こえてきたのは、まるで鉄板をハンマーで殴り付けたような音だった。
マントの1箇所が凹み、それがすぐに修復される。
けれど、その修復が完了しない内に次の打撃が加えられ、徐々に凹みが大きくなってきた。
俺達の危機を察したのか、外から聞こえるカノの呻き声も一段と大きくなる。
375名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 03:02:51 ID:4al/cEx+
「そろそろ、限界かな……」
「リィナ、諦めるな。くそ、こうなったら……。リィナ、ちょっと我慢してくれ」
こうなってしまっては形振り構ってはいられない。
俺は一刻も早く射精するために、がむしゃらに腰を振り始めた。
「ちょ、あ、はげし……こんな……あぁっ!」
突然激しさを増した腰使いにリィナが悲鳴にも近い声を上げる。
だが、この俺の判断は自分の首を締めるものでしかなかったとすぐに思い知らされた。
いつマントを破って蔓が雪崩れこんで来るかもしれないという焦りと、苦しそうなリィナの呻き声に対する罪悪感が、かえって射精を遠ざけてしまう。
「くそっ、どうして……」
普段ならリィナの中は入れただけで達してしまいそうなほど気持ちいいのに、今はどうしても最後まで行くことができない。
「ね、ねぇ、お兄さん……かぼちゃ、取ってくれないかな……?」
「リィナ、こんな時に何言ってんだ!?」
「こんな時、だからかな。誰にも見せないで死んじゃうなんて嫌だし、お兄さんなら、ううん、お兄さんには見てほしいの……」
「縁起でもないこと言うなって! すぐに俺が……」
焦れば焦るほど遠のいていく射精の予感。
それどころか、リィナの中にいながらにして硬度が落ちてきてすらいるのが自覚できる。
そしてそれがさらに焦燥感を煽る悪循環に陥っていた。
376名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 03:03:42 ID:4al/cEx+
「ごめんなさい。でも、カノほどは可愛くないかもしれないけど、かぼちゃの顔よりはお兄さんの好みだと思うんだ。だから、ね……?」
それを肯定することは、顔だけでどうこう言っているみたいで気が引けたが、実際かぼちゃ頭が性欲を掻き立てるかと言えばそれはない。
むしろ全く変化しないそれは、マイナスですらあるのも確かだった。
「あはは、お兄さんダメだよ。女の子の方がこう言ってるんだから、男の人が恥かかせたら」
それでも迷っている俺をからかうような調子のその言葉も、弱々しい今のリィナの声音では胸を痛ませることしかできない。
けれど、逆にその事が俺に決心をさせた。
「私はマントから右手を離せないし、お兄さんは片手で身体を支えてないとだから、一緒に、ね?」
リィナがかぼちゃ頭に左手を添える。
俺も右手1本で身体を支えて腰の動きを継続させながら、左手をかぼちゃ頭に添えた。
「2人の、共同作業だね。いくよ、……せーの」
リィナの合図に合わせて、手を動かす。
かぼちゃ頭がスライドし、その下から現れた顔に、俺は思わず言葉を失った。
377名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 03:04:14 ID:4al/cEx+
かぼちゃ頭の下には、かぼちゃ頭があった。
一回り小さくなってすらいない。
2人の手の中にあるかぼちゃ頭の底面の穴は絶対通らないだろうサイズだ。
何が何だかわからない。
予想外の事態に呆然としてしまった俺を我に返らせてくれたのは、皮肉にも外から響いてくる打撃音だった。
元は完璧な球形だったマントは、今ではかなり歪んでしまっている。
「さて、いくら私の“異次元マント”でも、もうホントに限界かな」
新しいかぼちゃ頭の中から、そんな言葉聞こえた次の瞬間、ペニスを包み込んでいた粘膜の感触が突然消滅する。
俺達を守ってくれていたマントも消失し、床を埋め尽す蔓の上で四つん這いになった俺は、ボロボロの格好で立つカノを発見した。
普段は足元まで届く新緑の外套を構成する蔓が、今は途中で千切れそれぞれの長さが不揃いになっている。
378名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 03:05:23 ID:4al/cEx+
「ふむー! んんんぅーーー!!」
何が何だかわからないまま立ち上がった俺に抱き付いてくるカノ。
「カノ、助かったのか? 何言ってるか、わかんないんだけど」
「ふむ?」
そこでやっとまともな言葉になっていないことに気付いたように、カノは両手をスイカの中に入れた。
さっきも聞いたミチミチという音。
「ぷはぁっ……リィナは、リィナはどこですか!?」
「え、あ、さっきまでいたんだけど……」
ようやく言葉を取り戻したカノに問い詰められて、俺は狼狽してしまう。
そういえばカノと最初にした時も、その後の第一声で俺はうろたえたんだよなと、そんなことを思い出した。
「あーあ、あとちょっとだったのにな。生気を吸うようになって、カノの馬鹿力にもさらに磨きがかかったってことか」
俺からは正面、カノにとっては背後になる方向の壁際に黒マントを羽織ったリィナが姿を現した。
「リィナ、これはどういうこと!?」
「お、おい、カノ、別に暴走はリィナの責任じゃ……」
振り返り、珍しく声を荒げたカノの背中に俺は思わず声をかける。
「違うんです。今日のお昼頃、リィナが来てお話してたんです。それで、そろそろあなたが帰ってくる頃だって言ったら、突然あんなことに……」
なんか、聞いてた話とかなり違うぞ。
暴走反応があったから、大慌てで駆け付けたって。
のんびりお喋りしてたなんて話はこれっぽっちも……。
カノとリィナの話は食い違っている。
その場合、どちらが信頼に足るかといえば、そんなものは考えるまでもなかった。
379名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 03:06:30 ID:4al/cEx+
「リィナ、お前騙したのか!?」
「だってー、あれくらい演出しないと、お兄さんしてくれないかなーって」
悪びれず言うかぼちゃ頭に、俺は怒りを通り越して呆れる以外にできることはなかった。
そうだ、こいつはこういうやつなんだ。
「もう……」
俺より付き合いの長いカノも、いくら怒ってもそれこそのれん相手に突っ張りを連打するようなものだと思ったのか溜め息をつく。
「ほら、早くしまってください!」
今度はこっちを向いたカノに怒られる。
言われてみれば、俺は萎えた性器を出しっぱなしだったんだ。
「あ、いや、これは……」
浮気の現場を押さえられた夫のようにしどろもどろになりながら、下着とズボンを上げた。
あの最中はかなり真摯な気持ちで2人のことを考えていたんだが、こうなってしまうとどうにもバツが悪い。
「別に構いません。本当は構いますけど、でも、相手がリィナですし、わたしを助けるためでもあったんですから」
中での会話は聞こえていたらしい。
それはそれで助かるような気まずいような。
「リィナ、いくらなんでも度が過ぎるぞ」
その気まずさを誤魔化すように、俺は改めてリィナに抗議する。
「あはは、でもカノも気持ち良かったでしょ? 中までは入らないように設定してあったから、ちょっと物足りなかったかもだけど」
「わたし、あんなので感じてないもん!」
カノが涙声で叫ぶ。
もう、なんというか、滅茶苦茶だった。
どうしてこんなことになったんだ?
今日は月に1度のカノと直接できる素晴らしい日になるはずだったのに。
380名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 03:07:52 ID:4al/cEx+
「で、暴走がうそなら、どうしてリィナがこっちに来てるんだ。俺はてっきりもう来ないと思ってたのに」
「まあ、2人の仲を取り持った立場としては、さすがに1年もほったらかしにするのは無責任かなって思って様子を見にね」
ああ、今年の内に来るから、また来年って言わなかったのか。
紛らわしいことを……っていうより、わざと勘違いさせたんだろうな。
「ちなみに結婚祝もちゃんと持ってきたんだよ。というより、こっちが今日のメインの目的かな。と、その前に掃除しないとね」
リィナがそういうと部屋を埋め尽くしていた蔓が蠢き、掃除機に吸い込まれるように彼女のマントの中に吸い込まれていった。
体積的にはどう考えても無理な量だったが、名前からしてどうせ中は4次元だか異次元だかになっているんだろう。
「では、改めて、じゃじゃーん」
効果音とともにリィナがバサリとマントを翻すと、床の上に肌色の物体が出現した。
「私の新発明、名前はそのまま“カノちゃん2号”ってことで」
それはデパートのマネキンから腰の部分だけ切り取って持ってきたような、そんなものだった。
ただし、デパートのマネキンにはない、女性器までもがきっちり再現されている。
「で、これが付属品」
リィナがマントから出した右手には、思わず目を背けたくなるほど精巧にできた男性器の模型が乗っている。
カノなんて実際に顔を背けているほどの生々しさだった。
その付属品――付属品という扱いに多少思うところがないわけでもないが――を見れば、床にあるものの用途も多少想像がつく。
「2人とも直接できなくて悶々としてるって思ってさ。どうせ、お互いに1人でやってるとこ見せ合うとか、そんな感じでしょ?」
俺達の考えることなんてお見通しとばかりの言葉。
いや、実際その通りなんだけど。
「だから、俺はそのカノちゃん2号に突っ込んで、カノは付属品を突っ込めと、そういうことか?」
「そうそう、そういうこと。ちゃんとサイズ硬さ温度等々、完璧に2人のものを再現してるから臨場感抜群なのは保証付き」
381名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 03:09:04 ID:4al/cEx+
「そんなデータいつのまに……」
「別に型取りして作ったわけじゃないよ。もっと合理的かつ実用的に、まあ原理としては呪いみたいなものかな?」
「呪いって、お前……」
呪いのアイテムに突っ込むのなんて死んでも嫌だぞ。
「ああ、別に呪いって言っても害があるわけじゃないよ。あくまで本物のデータを再現するための原理として採用してるだけ。
 この国にも人形を相手に同調させて、人形に与えた損傷を本人に反映させるってのがあるでしょ?
 これはそれとは逆に、本人の状態をこちら側に反映させることでリアルタイムで本物と同じになるの」
「でも、リィナ、わたしは……」
「わかってるよ、カノ。いくら本物そっくりでも、お兄さんの以外を入れるのは嫌だし、お兄さんが自分以外に入れるのは嫌だって言うんでしょ?」
「う、うん……」
あまりに直接的な表現にカノは俯いてしまう。
「その辺も大丈夫。なにせ、ある意味本人のものだから」
リィナが屈みこんで、作り物の男性器を作り物の女性器へと挿入した。
「ふひゃあぅ!?」
いきなりカノが鼻から抜けるような声を上げて、腰が砕けたように座り込んでしまう。
「カノの方は感度良好。次は……」
「うわっ!?」
いきなりズボンの中のペニスが温かいものに包まれて腰が抜けそうになる。
「うーん、ちっちゃくなってるからいまいちかな?」
不満げにリィナが呟いて、男性器を前後させる。
ズボンの中であっという間にペニスが硬度と体積を増し、そこから生まれる快感が加速度的に高まってきた。
「や、やぁ……大きくなって……」
足元ではカノがお腹を押さえて身を震わせている。
俺も膝がガクガク震え始めて、立っているのも辛くなってきた。
さっきはあれほど遠かった場所が、あっけないほどの早さで近づいてくる。
382名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 03:10:01 ID:4al/cEx+
「とまあ、こんな感じで、双方向に情報のやりとりがあるの。ちなみにオプション設定で動きのトレースもできるからね」
「わ、わかったから、もうやめてぇ……」
カノの言葉に、リィナが模造ペニスをぬぽんと抜き取った。
それでようやく股間を襲う刺激が中断される。
本物はズボンの中にあるのに、表面の粘液が気化する際に熱を奪っていくのすら感じられた。
「ほら、カノ、立てるか?」
「は、はい……」
へたり込んでいたカノに手を伸ばして立たせようとする。
「ちなみにカノちゃん2号の方は、穴の中だけでなく表面もばっちり」
「ふやあああん」
俺の手を取って中腰になっていたカノがまた尻餅を付いた。
見ればリィナがカノちゃん2号の尻にさわさわと指を這わせている。
「リィナ、本当に怒るよ!」
「はいはい、もうしないってば」
誠意の欠片もない口調で両手を挙げるリィナ。
非常にまずい状況だった。
この状態は、バカに刃物どころか、ミサイルの発射スイッチを握られているようなものだ。
383名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 03:11:41 ID:4al/cEx+
「なあ、お互いにしてる感覚を共有するだけなら、どちらか1つでいいんじゃないか?」
俺はリィナを取り押さえるチャンスを窺いながら問いかけた。
本人はどうせ瞬間移動で逃げるだろうが、せめてカノちゃん2号からだけでも遠ざけないとカノが危ない。
持ち運びできるサイズの付属品の方はどうしようもないから諦めるしかないが。
「ん、まあね。でも一応2人とも感覚だけじゃなく、ちゃんとした物があった方が臨場感あるかなって。
 ついでに本人とのリンクを切れば、純粋に1人用の道具としても使えるし。
 それにさ、これなら2回戦、3回戦も全然余裕なわけ」
それは、確かに少し魅力的な話だった。
直接するとどうしても俺の方が1回で限界になってしまう。
「あとはまあ、こっちは色々な使い方もできるしね」
リィナが萎えてだらりとしている付属品の方を掲げて見せる。
「例えばこれを入れた状態でカノに買い物に行かせて、快感に耐えながらお使いをこなしていく姿を影から見てるのとか好きでしょ?」
「お、お好きなんですか……?」
いつリィナの魔の手が伸びるかわからないから立つのは諦めたらしいカノが、こちらを見上げながら聞いてくる。
「勝手に人の趣味を捏造するな。だいたいカノを買い物に出せるわけないだろ」
「ま、それもそうだよね。でも、こっちは少し反応してるみたいだけど? ほほほ、身体は正直よのう?」
確かにリィナの手の中の模造ペニスは、微妙に元気を取り戻していた。
不覚にもさっきリィナが言った状況を想像してしまったのだ。
「じゃあ逆に、カノがこれを入れた状態でお兄さんに買い物に行ってもらうとか? 影から見てるだけなら姿消せば問題ないでしょ?」
「カ、カノ、そういうの好きなのか?」
「ち、違います! リィナの言うことを真に受けないでください!」
危ない危ない、あと少しで俺達の信頼関係にひびが入るところだった。
384名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 03:13:09 ID:4al/cEx+
「ちなみに2人で直接する時も役に立つんだよ。これを使えば前と後ろ両方に入れてもらえるんだから。
 指とは違うこれで、両方いっぺんにしてもらうなんて、想像しただけでドキドキしてこない、カノ?」
「う……」
悪魔の囁きに乗せられてつい想像してしまったのか、カノが恥ずかしそうに呻く。
そしてカノちゃん2号の割れ目からは、一滴の蜜が零れ落ちるのが見えた。
「カノの場合、まあしないだろうけど、男の人を2人用意すればできるけどね。
 でもお兄さんの場合、本来なら2ついっぺんに感じるなんてできないんだから興味あるでしょ?」
「ぐ……」
今度は俺に向けられた言葉に、俺もつい想像してしまう。
まだ1度ずつしか経験していないカノの2つの穴の感触を同時に。
思わず喉を鳴らしてしまい、リィナの手の中の模造ペニスがさらに元気を増した。
「そ、想像しないでください!」
足元から怒られる。
文字通り、俺はリィナの手の平の上で弄ばれていた。
「で、まあこれはおまけのおまけのおまけの使い方なんだけど……」
「ま、まだ何かあるのか……?」
「これがあれば、私とカノ、1度にお兄さんにしてもらえるんでーす!」
結局1番の目的はそれじゃねえかと突っ込むだけの余裕は、もう俺には残されていなかった。
385名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 03:14:28 ID:4al/cEx+
布団の上に2人の少女が重なっている。
マントを脱いで仰向けになっているリィナの上に、蔓を収納したカノが四つん這いで覆い被さる状態。
縦に並んだ2人分の性器に、俺はつい動きを止めていた。
「どしたの、お兄さん、あまりに豪華な眺めに見とれちゃった?」
リィナがからかうように言い、カノが恥ずかしそうに腰をくねらせる。
それだけで、俺のものは限界まで勃起して痛みすら感じるほどだった。
「まあ、下の方がもうちょっと成長しててくれると申し分ないんだけどな」
「む、そういうこと言うんだ」
俺のせめてもの反抗に、リィナが手に持っているこちらも限界まで勃起した模造ペニスを撫でまわす。
「ま、待てって、そんなことしたら……」
正直気を抜けば一瞬で出してしまいそうになっている。
さっきマントの中でリィナとしたから、今射精したら間違いなく生気を吸われてダウンしてしまう。
「じゃあ、さっさとやる。カノも、もう待ちきれないってさ」
「リ、リィナ……」
その言葉でカノの中が収縮したのか、控えめに咲いた花弁から、トロリと溢れ出した蜜がリィナのそこまで滴った。
本人はああ言っていたけど、蔓の責めはかなり巧妙だったらしく、カノのそこはもう完全に準備が整っている。
リィナに関しては言わずもがなだ。
だから俺はカノの腰を掴むと、自分のそれをカノの秘芯に宛がった。
それに合わせて、リィナが模造ペニスを自分の秘所に宛がうのが見える。
リィナが手を離すと、まだ先端が触れているだけで刺さってはいないそれが、けれど倒れることもなく宙に固定されていた。
「はい、これで後はお兄さんの動きをトレースするから」
試しに先端だけカノの中に埋めてみると、模造ペニスの方もひとりでにリィナの中に潜っていく。
386名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 03:16:17 ID:4al/cEx+
そして2つの異なる感触が、まとめて俺の脳に昇ってきた。
ギュッと締めつけるカノと、ねっとりと纏わりついてくるリィナ。
予想以上の快感に、俺は意識して尿道を締めないと即座に暴発してしまいそうになる。
「ふああ、は、入ってきます……」
「わ、私も……来てるよ」
口を開けばその拍子に出してしまいそうで、俺は無言で腰を振った。
さっき出せなかった分を取り戻すように、1番奥まで突いては、一気に引き抜く。
途中、前回覚えたカノが最も感じる場所を重点的に擦り上げることも忘れなかった。
「ああ、や、すごい、やっぱり、これぇ……」
「あは、さっきよりおっきくて、奥まで突いてくるよっ!」
不意に、四つん這いになっていたカノの背中がガクッと下がった。
その状態で肩が8の字を描くように揺れる。
「カ、カノ、やだっ、それ感じちゃう」
「リィナ、いっつもわたし達を困らせるからお返しだよ」
リィナの慌てたような声に、一瞬遅れてカノが胸の先端を、リィナのそれと擦り合わせていることに気が付いた。
そういえばカノはそこが弱点だったんだと思い出す。
「そ、そういうことなら……」
さらにそのお返しとばかりにリィナの手がカノの弱点に伸びる。
387名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 03:17:07 ID:4al/cEx+
「ふやああ、そこ、だめなのぉっ!」
アナルに指を入れられたカノがあっさり音を上げる。
「ふふん、カノが私をどうこうしようなんて、100年早、ひぅっ!」
お返しのお返しのお返しなのか、またカノが胸を押し付ける。
そしてまたリィナが。
2人が相手の弱点を責めるたびに、あられもない嬌声を聞かされ、膣の収縮に責められる。
その堂々巡りは俺にとってはたまったものじゃなかった。
我慢するにも限界がある。
「く、出る……」
マントの中でのことが嘘のように、俺はあっけないほど早く限界を迎えていた。
大量の白濁が走り抜けていく。
模造ペニスの方にも射精機能があるのか、その刺激さえも2倍、いや、相乗効果で何倍にも感じられた。
『ふあああ、あついの、出てるぅ!』
射精の瞬間、まるで申し合わせていたように2人の声が重なった。
幾度かの痙攣の後、カノが力を失ってリィナの身体に覆い被さる。
俺もその上に倒れそうになって、それでも何とか最後の力を振り絞って横に倒れることができた。
388名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 03:18:22 ID:4al/cEx+
目すら開けていられないほどの虚脱感の中で、カノとリィナの声が聞こえてくる。
2人とも乱れた息遣いを整えるように、大きく息をしながら何かを話していた。
「もう、リィナもしてほしいなら、素直にそう言えばいいのに……。好きなんでしょ?」
「あはは、まあね。だって、これ、気持ちいいし」
「違うよ。リィナがわたしの気持ちに気付いたように、わたしだってリィナの気持ち知ってるよ?」
「ん、どういうこと?」
「わたし、リィナならいいよ。だからリィナも一緒にここに……」
「……ダメだよ。だって、お兄さん見てると、からかいたくて仕方なくなるんだもん。一緒にいたら、お兄さんの頭の血管切れちゃうよ」
衣擦れの音と、ペニスが抜ける感覚。
ただ、確かにペニスが抜ける感覚があったにも関わらず、俺の本来のそれはまだ温かな粘膜に包まれている。
「はい、これ。せっかく作ったんだから有効に使ってね」
「リィナってば……」
「また来るから、そんな顔しないでよ。今はカノに会いに来るって口実もできたから、ちょくちょく来れそうだしさ。じゃあ、お兄さんにもよろしくね」
「リィナ!」
残っていた本来のペニスも抜きとられ、もうリィナの声も、息遣いすら聞こえなくなった。
389名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 03:20:09 ID:4al/cEx+
「起きてますか?」
「ん、何とか……」
別に狸寝入りのつもりじゃなかったけど、俺が入っていくべきじゃないかとも思ったから黙っていたんだ。
「すみません、今日は色々」
「別にいいさ。あいつはああいう性格だし、皆無事だったわけだから嘘で良かったよ」
「あの、マントの中でリィナが言っていたこと、嘘もいっぱいありましたけど、本当のことも……」
「ああ、わかってる。でもまあ、また気が向いたら来るんだろうし、今はそれでいいんじゃないかな」
本人もちょくちょく来るって言ってたしな。
「あ、そういえば爆弾のあれ、解除させるの忘れてた」
今更ながらに思い出した。
てことは、またしばらく神経をすり減らす日々が続くのかと、うんざりしていると、
「それなら、お昼の内に」
そう言われて、安心した。
考えてみれば、残ってたら今日のやりとりで1度も発動しないわけないか。
安心すると眠気が倍増した。
「あの、わたしとリィナ、どちらが大切ですか?」
突然、そう聞かれた。
問い詰めるような声音ではなく、やわらかな優しい声音で。
「どっちもじゃ、ダメかな?」
「いいえ。わたしも、あなたとリィナ、どちらも大切ですから」
「ああ、悪い、さすがにそろそろ……」
「あ、はい、ごめんなさい、お疲れのところ。では……おやすみなさい」
直後、頬にやわらかな感触が触れた。
とっさに目を開けようとしたけど、瞼はもう1ミリたりとも動かない。
もったいないなぁ。
そう思いながら、俺は意識を沈めていった。
390名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 03:23:50 ID:4al/cEx+
ここまでです。

>>某880さん
つらら女、入れようとしたところで萎えてしまうというシチュが好みだったので
主人公のテンパリ振りが楽しかったです。
投下のタイミングに関しましては、私の方も書けた段階で投下していますので、お気になさらずに。
391名無しさん@ピンキー:2005/07/27(水) 01:46:39 ID:6rX+9awg
萌えますた。GJ!
392名無しさん@ピンキー:2005/07/29(金) 02:35:36 ID:3cgYEiAQ
抜きますた。GJ!
393名無しさん@ピンキー:2005/07/30(土) 23:47:07 ID:aZRIyIn3


よーやく読めました
顔見ちゃったら我慢以外で腎虚回避不能、って理解で良いのかしら?
394名無しさん@ピンキー:2005/08/01(月) 10:47:38 ID:TTe8WduK
395名無しさん@ピンキー:2005/08/01(月) 18:59:27 ID:tJAlxfFK
考えているネタがあるんだが…どーも某妖精学者さんとネタが被る…
違うのは日本の妖怪メインで、主人公の性格がキャット空中三回転ほどねじ曲がっているくらいだしなぁ。
396名無しさん@ピンキー:2005/08/01(月) 21:13:12 ID:TfuJ8zO2
ワクワク期待mage
397某880:2005/08/01(月) 21:21:04 ID:C7imxNMK
>395
気にされないで良いんじゃないですか?
少なくとも、俺は気にしないと思いますよ。
同じ(被る)ネタでも書く人によって「趣」が変わるから、違ったハァハァが出来るだろうし。

というかそれ以前に
ネタが被ってもハァハァできる女性が変わればそれだけで違うハァハァが出来そうだしw
主人公の性格が違うなら尚更
というわけで、>395さん期待してますよー
398名無しさん@ピンキー:2005/08/01(月) 21:44:06 ID:mjeb/oa2
>>395
期待してますよ。
>>397
新作待ってます。
399名無しさん@ピンキー:2005/08/01(月) 21:59:46 ID:tJAlxfFK
よーし、某氏に許可もらったのでパパ頑張っちゃうぞー
週末までにはどうにか書き上げたいが…頑張ろう
400名無しさん@ピンキー:2005/08/02(火) 23:50:38 ID:s89pOOU/
いまだ四百GET!
401名無しさん@ピンキー:2005/08/04(木) 23:58:40 ID:w0FT3Mnc
hosyu
402名無しさん@ピンキー:2005/08/10(水) 00:15:42 ID:NnrxCzLD
保守っとこうかな
・・・吸血鬼ネタ浮かんだから書いてみよう
403名無しさん@ピンキー:2005/08/13(土) 00:32:13 ID:x36CFJ4c
まとめサイト見れなくね?
404名無しさん@ピンキー:2005/08/13(土) 06:41:42 ID:u9tS99MJ
見られるけど?
405名無しさん@ピンキー:2005/08/15(月) 08:03:16 ID:M68VWIvu
関係ないスレからのリンクで保管庫のSS(あまのじゃくたん)を見て
ハァハァしながらここに来たんだけど。
幽霊とかオカルト系のスレって二個あるよね?
一体どう違うんだろう?
自分も一応SS書く人間だから書いて投下したいんだけど、
これだとどっちに投下すればいいかかなり迷う。
406名無しさん@ピンキー:2005/08/15(月) 11:34:37 ID:Ebox0cN0
もうなんどもでた話題
407名無しさん@ピンキー:2005/08/15(月) 11:49:32 ID:aiZiaAVy
>>405
あまのじゃくたんにハァハァしてもらえたなら、是非こちらに
投下していただきたいです。
408名無しさん@ピンキー:2005/08/15(月) 16:05:56 ID:DUY4DIgc
>>405
その話は散々出てるが、結局は


あなたが好きなほうに投下してください
409405:2005/08/15(月) 18:21:52 ID:G+v5ebS+
ちょっとログ読んだりして分かった。
基本的には姿が人間か亜人よりかで分かれてるんだね。で、こっちの方がより炉だと。
自分は炉スキーだからこっちで書かせてもらうね。
410名無しさん@ピンキー:2005/08/15(月) 21:04:04 ID:3lByKE7r
409様期待してまつ。ガンガッてください。
411名無しさん@ピンキー:2005/08/20(土) 21:12:59 ID:jH7EkmMO
補修
412名無しさん@ピンキー:2005/08/21(日) 01:00:25 ID:h0Gd7wA3
超ほしゅっ
413名無しさん@ピンキー:2005/08/23(火) 01:08:13 ID:BgUR5WEO
しかしこのスレ、ホントに良い作品ばっかだなぁ…。俺的には南瓜&西瓜が好きだなぁ。まとめサイトの分も含めて一冊(一冊じゃ済みそうにないが)の本として出版できないかなぁ?
414名無しさん@ピンキー:2005/08/23(火) 01:30:53 ID:7Jp6v2fj
>>413
PDAに入れて読むと吉
415名無しさん@ピンキー:2005/08/23(火) 04:47:37 ID:haA6E/Il
触手スレの方にリンクがあって知ったんだけど、南瓜の人は個人のまとめサイト持ってんだよな。
ざっと見た感じ、あっちの方がメインで南瓜みたいなヒロイン側が人間じゃないのは結構異端っぽかったけど。
416名無しさん@ピンキー:2005/08/24(水) 00:32:52 ID:pSQgc794
>>414
いや、それだとこのスレを知ってる一部の人しか楽しめないと思うんだ。せっかくこんなに素晴らしい作品がたくさんあるのに、それじゃあもったいない。そこでもっとたくさんの人に知ってもらうのに一番効率的な媒体が、書籍として出版することだと思うんだ。
417名無しさん@ピンキー:2005/08/24(水) 00:46:57 ID:pSQgc794
>>416続き
このスレに限らず、ほとんどの職人の皆さんのSSって「プロの小説家なんじゃないか?」って思えるくらいクオリティが高い作品だから、そうやって世間に発表するべきだと思う。
418名無しさん@ピンキー:2005/08/24(水) 00:50:40 ID:pSQgc794
>>417続き
実際、某880氏の妖精学者シリーズはプロの作家さんの作品と比べても何ら遜色ないし、某880氏の他の作品読んでも非常に高いクオリティに感動&勃起させてもらった。だから何らかの形で世間に公表した方が良いよ。いざとなったら自費出版で(俺の)。
419名無しさん@ピンキー:2005/08/24(水) 01:24:30 ID:jT/8a+0t
夏(略
420名無しさん@ピンキー:2005/08/24(水) 02:24:53 ID:pLymBm9p
夏厨(略)
421名無しさん@ピンキー:2005/08/24(水) 05:21:39 ID:0aDFBFlJ
1から全部読んできた。
某880氏や南瓜&西瓜氏
サトリ氏や他の書き手さん達GJ!その他住人達の雰囲気もいいし
もう…なんていうか……






お前ら
>>1-420が大好きだ!
(*;´Д`)ハァハァ
422名無しさん@ピンキー:2005/08/24(水) 11:57:22 ID:BuJwmq7E
また夏ry
423名無しさん@ピンキー:2005/08/27(土) 01:20:44 ID:IzQ/TULv
hosyu
424名無しさん@ピンキー:2005/08/27(土) 10:42:21 ID:7TJuNAms
なんでもかんでも夏厨夏厨って言ってるから
雰囲気悪くなってね?
そうでなくとも人少ないのに
これ以上職人さんが投下し辛い雰囲気にしてどーすんだよ
425名無しさん@ピンキー:2005/08/27(土) 14:25:45 ID:MOlmZF/T
夏厨と言ってるほうが荒らしなんで、何事もなかったかのようにスルー汁。
426名無しさん@ピンキー:2005/08/27(土) 19:51:11 ID:4Zw6oGmd
(゚Д゚)グォラ〜!!黙ってほっときゃいいんだよ
427名無しさん@ピンキー:2005/08/28(日) 05:11:13 ID:TN06REcF
モーショボーの話がこれに似てる
http://homepage3.nifty.com/hirorin/bishojo1.htm
428名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 15:05:02 ID:dxmF1duX
言っちゃ悪いが金をとれるほどの出来ではないと思う。
本にするにしても完結されているものでないと読者にも受け入れがたいし。
いや投下されている作品自体は好きだけど商業用としては期待はできない。

だから小金集めは諦めな>>416-418
429名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 16:03:44 ID:DIY5Xcsu
スルーすべきなんだろうけど

微妙に、そうやって投下してくれている職人さんのテンション下げる様な書き込み
何故今更するのかね?
430名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 23:14:53 ID:DFRYLJ+f
つヒント〔同じ奴〕
431名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 03:43:23 ID:mlEN+YXP
つまりアレだろ?
西瓜の人の続編とか色々期待できるし、880氏や他の職人さんの作品待ちでハァハァ汁ってことだ。

俺に相違ある奴はかかってk・・・・あ、カノたんドリル蔓状態でどうしtqwせdfgふじこlp;@
432名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 21:52:43 ID:VOWgURiX
携帯から見つけた画像だけど、俺の脳内でのカノとリィナの素顔のイメージにかなり近かったので
ちと巨乳杉か?w
://o.pic.to/20q0
433名無しさん@ピンキー:2005/08/31(水) 03:44:52 ID:4qxz1aTd
まだまだ、夏は終わらない…
434名無しさん@ピンキー:2005/09/01(木) 09:42:05 ID:zeA89toH
>>432
ここで二年前のエロゲ画像見るとは思わなんだ
435名無しさん@ピンキー:2005/09/01(木) 20:20:50 ID:8qQlmciG
別スレのSSだけど、ここに合ってるかも
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1122473179/115-118
436名無しさん@ピンキー:2005/09/02(金) 03:16:01 ID:yHatx+BC
これって正体キツネなのか?
手の込んだつまみ喰いだなぁ
437名無しさん@ピンキー:2005/09/05(月) 12:27:56 ID:VpXQzVgT
ほす
438名無しさん@ピンキー:2005/09/10(土) 01:12:36 ID:/1J6GKuS
このスレの最初の方で向こうのスレとの統合話が出てたけど、結局あっちとの違いは人外性の有無だよね?でも向こうの方にだってまさにオカルト娘そのものの幽霊の夕那とかいたよね?
せめて保管庫だけでも統合してほしいな。中途半端に分けるよりは。
439名無しさん@ピンキー:2005/09/10(土) 12:22:21 ID:wPNrOT1a
保管庫を管理している有り難い方々に失礼だな
そこまで言うなら、君が保管庫を作ったらどうだ?
440名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 22:12:30 ID:e2E7XAZQ
なんでそんなに必死に統合したがるのかがわからん。
441名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 23:07:12 ID:SyLUidsL
きっと本棚の本をジャンル別に整頓しておかないと気がすまない性質なんだろう。
それか、専用ブラウザの使い方を覚えられないか。
442名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 20:25:08 ID:VpfOEFk8
オカルトと人外の違いが分からない、21歳未満だからだろ?
つか、スレ読めば空気の差にも気付くと思うんだけどな
両方投下したけど、俺がこっちに書いたの向こうに落としたらスレ違いだし

あっちは女の子の人外性
こっちは話のオカルト風味

熟女とマザコンが似て非なる趣好なのと同じさ
443名無しさん@ピンキー:2005/09/13(火) 18:05:36 ID:J+FmEhsb
構うなよ。どうせ釣りだろ。しかしここ、最近閑散としてるな…
444名無しさん@ピンキー:2005/09/13(火) 21:58:09 ID:JzVP4NXV
一ヶ月以上SS投下無いからね
まあ、投下するような雰囲気にもならない閑散ぶりだからなあ
445名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 00:47:57 ID:P7YACYmU
保守しますよ
446ロリコップ:2005/09/18(日) 17:36:09 ID:GG9IzlPb
豪華客船ふぐり丸、某海域で消息を絶つ。乗客、乗員のほとんどは通りかかった船に救
助されるも、若き航海士の自然薯健一郎さんの行方が分からずじまい──某月某日の
朝刊には、各社ともこんな見出しが躍った。

紙面には彼の家族を始め、友人や同僚などの嘆きが載せられ、悲観ムードが漂っている。
その訳は、現地の軍や警察がいくら捜索しても、健一郎を発見できなかったからだ。某海
域には人食い鮫が頻出すると言われ、危険な場所と認識されている。今日で海難事故から
丸一日が経つ事を考えれば、健一郎はもはや海の藻屑と化していると思われても不思議で
はなかった。が、それはさておき、某海域にある小さな島では──

「さーて、メシでも喰うかな」
と、今、自分が話題の渦中にある事も知らずに、自然薯健一郎がのん気に昼食を頂く所
であった。
「おっ、炊けてる、炊けてる。美味そうだ」
空き缶で炊いた銀シャリに、浜辺で拾ってきた海草を足した混ぜご飯が、健一郎の食欲を
そそる。これが、この小島に流れ着いてから食べる、初めての米飯だった。
「美味い!やっぱり、米の飯は美味いなあ・・・」
あらためて、自分が日本人だと実感させられる。自然薯健一郎二十三歳。只今、漂流生活
の真っ最中であった。
447ロリコップ:2005/09/18(日) 18:08:29 ID:GG9IzlPb
「さて、腹もくちたし、島の探険といくか」
飯を一粒残らずたいらげた後、健一郎は流れ着いた小島の散策に出かける事にした。
遭難している時は、何よりもまず水の確保が最重要課題となる。幸いこの小島には、森
がある。という事は、どこかに真水がある筈で、よしんば水源が無くとも、木々を使って水
を得る方法が使える訳だ。水産高校出身で海の男を自称する健一郎は、そういった知識
を備えているので、今の状況をあまり悲観視していない。

「おっと、その前に浜辺に何か流れ着いてないか見ていくか。さっきみたいに、食い物が流
れ着いているかもしれんしな」
浜辺には健一郎とともに流れ着いた、ふぐり丸のなれの果てが残骸となって溢れていた。
先ほど頂いた米もここにあったのだが、濡れていたので健一郎はすぐさま炊いて食った。
残りは後で炒って保存用にとっておく。こうして、救助が来るまでの間、命を繋ぐつもりだ
った。そして、健一郎が浜辺までやって来ると、役立ちそうな物がたくさん打ち上げられて
いた。

「おお、こりゃ結構な物が流れ着いてるぞ」
健一郎はまず、某ブランドのトランクを開けた。中にはチョコレートやお菓子がたくさん入っ
ている。甘いものはカロリーを稼ぐためには、まことにありがたい食べ物だ。次いで、ライタ
ーを見つけた。これも火を起こす際、重宝する。こうして健一郎が夢中になって、流れ着い
た物を漁っていると、残骸の中に埋もれた人の姿を発見した。
448ロリコップ:2005/09/18(日) 18:30:03 ID:GG9IzlPb
「人だ。しかも、生きてるぞ。ふぐり丸の乗客かな」
健一郎から五メートルほど向こうに、十歳前後の女の子が残骸に埋もれながらもがい
ている。見れば、金髪碧眼の愛らしい少女だ。健一郎はすぐさま駆け寄り、少女の手を
取った。が、しかし──

「ありゃ?」
健一郎は少女の姿を見て驚いた。なんと、彼女の下半身は魚そのものになっているで
はないか。これはもしや、噂に聞く人魚であろうかと健一郎が呆けた顔をしていると、少
女は悲しそうな顔でポロポロと涙をこぼし始めた。
「怯えてる。俺が怖いのかな」
男前とは言わないが、そんなに悪党面でもなかろう。健一郎自身は、自分の姿をそう思
っている。だが少女は、まるで今にも殺されんばかりの表情で、涙ばかりを流すのであ
る。これには自称、海の男も参った。海に出て荒波を乗り越える術は学んだが、女の子
の機嫌を取るのは、まったく知らないからだ。

「人魚か・・・まさか、本当にいるとは思わなかった」
おそらく自分と同じで、何かの理由で大破したふぐり丸の残骸と共に、浜辺へ寄せられた
に違いない。人魚は体のあちこちに細かい傷があり、体力も消耗しているように見えた。
健一郎は怯える人魚を優しく抱きかかえ、残骸の中から出してやった。
449名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 18:43:06 ID:5GGDBPJj
紫煙
450ロリコップ:2005/09/18(日) 19:11:59 ID:GG9IzlPb
「ア・・・ア・・アア・・」
「なんだ、言葉がしゃべれるのか。英語、通じるかな。はじめまして。俺の名前は自然薯
健一郎。日本人です」
「ケ・・ン・・イチロウ」
「おっ!そうそう。やった、俺の英語もまんざらじゃないな」
コミュニケーションがとれて、思わず喜ぶ健一郎。相手は人魚とはいえ、女の子。レディ
とまではいかないにしても、丁重に扱うのが万国共通のルールである。ただ、上半身が
裸なので、目のやり場には困ったが、それはご愛嬌というものであろう。

「傷は浅いな。このまま海に帰してやっても、大丈夫そうだ」
健一郎は残骸の無い浅瀬まで足を運び、人魚をそっと海に返した。心優しい海の男は、
迷い子のような人魚を捕まえておこうとは思わない。このまま、彼女が本来いるべき場
所へ帰してやるのが、自分の取るべき行動だと思っている。それを察したのか、人魚は
暴れる風でもなく、静かに海へ戻っていった。

「気をつけてお帰りよ」
そう言って手を振る健一郎を、人魚は何度も何度も振り返っては見た。時おり、彼女も
同じように手を振って笑顔を見せた。助けてくれてありがとうとでも言いたげに。
「さて、俺も流れ着いたものを漁って、島の探険に行かないとな」
人魚を見送ってから、健一郎は再びやるべき事を開始した。こうして、彼の遭難第一日
目は過ぎていったのである。
451名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 19:14:31 ID:syaZ44G8
期待しまくりんぐwwwww頑張ってwwwwwww
452ロリコップ:2005/09/18(日) 20:32:46 ID:4xWsWMUP
その晩、健一郎は浜辺に座り込んで、あらためて自分の置かれた状況というもの
を把握する事にした。まずは、所持品の整理からだ。

「食い物はまあまあ揃ってるな。ふぐり丸の残骸がそのまま流れてきたのが、幸い
したか。後はライターとナイフがありがたい。刃物は作るとなると、ずいぶん手間が
かかるからな」
沈没現場からどれぐらい流されたのかは不明だが、救助はおそらく一両日中には
やってくるに違いない。しかし、だからと言って無駄に持ち物を消費するのは間違っ
ている。常に最悪の事態を考えつつ、希望は捨てない。それが海の男だと、健一郎
は諸先輩から教わっている。

「水は森の中で汲めるし、この島はいい環境だな。これなら、かなり頑張れそうだ」
昼間のうちに島の中を探険したが、ここは直径数キロ程度の、地図にも載らない孤
島のようだった。幸い、森の中に川があって、水に困る事は無さそうである。動物の
姿はせいぜい鳥ぐらいで、食いつかれるような猛獣の類は姿を見せなかった。まあ、
島の規模を考えれば、大型の哺乳類が生息できる環境ではなく、寝込みを襲われる
ような心配はしなくて良さそうだった。
453ロリコップ:2005/09/18(日) 20:56:22 ID:4xWsWMUP
「さて、体力を温存するために、少し眠るか」
焚き火を絶やさぬようにして、健一郎は拾ったシートで作った簡易テントの中へ潜り込
もうとした。と、その時である。浜の浅瀬に、何やら光る物が現れたのは──

「ん?なんだ?」
目を凝らしてみると、それは人影だった。水に濡れた人が、月の光を受けて輝いている
のだ。健一郎は慌てて立ち上がり、浅瀬に向かって走り出す。もしかして、ふぐり丸の
乗客かもしれない。健一郎はふらふらと歩く人影へ迫った。すると、
「ケンイチロウ!」
と、人影はたどたどしくも、自分の名前を呼ぶではないか。さては知り合いか。健一郎は
胸を躍らせた。
「船長ですか?それとも、志水さん?向島か?それとも幸太か?」
健一郎は声を張り上げ、ふぐり丸で喜怒哀楽を共にした仲間たちの名前を呼んだ。が、
しかし、そこに立っていたのは、昼間助けてやった、あの人魚であった。

「あれ?」
ぺたぺたと濡れた浜辺を歩いてくるのは、間違い無くあの人魚である。金髪碧眼で愛らし
い顔は、健一郎にも見覚えがあった。だが、彼女には、自分と同じ二本の足があるでは
ないか。その上、素っ裸ときた。健一郎はさっそく、目のやり場を困らせた。
454ロリコップ:2005/09/18(日) 21:29:17 ID:4xWsWMUP
「ケンイチロウ!」
人魚は両手を広げ、健一郎の腕の中へ飛び込んだ。ひんやりとした肌だったが、異性の
肌を知らぬ海の男は、ただそれだけで目を白黒させている。

「昼間のお礼を言いに来たの。助けてくれてありがとう」
人魚は濡れ髪を手で梳きながら、助けてもらった礼を述べた。しかも、きわめて発音の良
い英語で。
「あっ!すごい流暢な英語!昼間はほとんど喋らなかったのに」
「私たち人魚は、昼間はあんまり喋れないの。だけど、夜ならこうやってケンイチロウと喋
れるし、足だって、ホラ」
人魚はすらりと長い足を指差して、これ以上ない笑顔を見せた。こうなると相手はただの少
女となんら変わりない。健一郎はたちまち赤面した。

「私、ローレライっていうの。覚えてね、ケンイチロウ」
「あ、ああ。ローレライね。覚えたよ」
「ねえ、ちょっと座らない?話したいことがたくさんあるの」
「う、うん。そうだ、テントの中で話そう」
おかしな事になった。健一郎はそう思いながら、ぴたりとくっついて離れない少女の柔肌に
酔っていた。普段、禁欲的な生活をしている海の男ゆえ、裸の異性と抱き合う事に慣れて
いないのである。たとえその相手が、年端もゆかぬ少女だとしても。
455ロリコップ:2005/09/18(日) 21:51:31 ID:4xWsWMUP
「ねえ、ケンイチロウって、沖の向こうに沈んだ船に乗ってたんでしょ?」
「ふぐり丸が沈む所を見てたのかい?」
「ううん。私、その時鮫に追われてたの。すごくしつこくて、エッチなやつなんだけど、そい
つが言ってたの。向こうで人間どもの乗った船が沈んでるぜって」
そう言われてみれば、この海域は人食い鮫が良く出る所だと聞いている。健一郎は無事
でここまで来れた己の強運さに、あらためて感謝した。

「鮫って、人魚を襲うのかい?」
「うん。でも、食べられる訳じゃないの。そいつは、エッチな事をするために人魚を追うの
よ。今までだって、私のお友達やお姉さんたちが、たっくさん!・・・エッチな事、されちゃ
った」
ローレライは、たっくさん!という所を強調した。よほど、その鮫は女好きなのだろう。しか
し、人魚はどうやって子孫を残していくのだろうか。健一郎は不意に、そんな事を思う。

「ねえ、ローレライ。人魚はどうやって、子供を作るんだい?」
「聞きたい?ねえ、聞きたい?」
「後学のために、是非とも聞きたいね」
「そう。それじゃあ、教えてあげるわ」
ローレライが意味ありげに呟くと、表の焚き火が風も無いのに消えてしまった。夜空に月
があるおかげで外は明るいが、テントの中はほの暗くなる。
456ロリコップ:2005/09/18(日) 22:05:31 ID:4xWsWMUP
「あのね、ケンイチロウ。人魚は、どちらかというと魚よりも人間に近いのよ。それは、何
となく分かるでしょう?」
「うん」
「ケンイチロウは日本人って言ったわよね。だから知らないかもしれないけれど、この辺
じゃ人魚は満月の夜になると、美しい歌声で船乗りを惑わせ、船を沈ませるという話があ
るの」
「そうなんだ・・・」
健一郎は何となく眠くなっていた。きっと疲れているのだろう。まぶたが段々、重くなって
きた。

「実を言うと、船を沈めるのは人間の男が必要だからよ。本当の事を言うと、ケンイチロウ
が乗ってた船は、私たちの仲間が沈めたの。だっておかしいでしょう?嵐でもないのに、
船が沈むなんて」
「そう・・・だね」
「私たち人魚は、人間の男と交尾するの・・・交尾したら、あとはポイよ。そうすると、絶対
に次の世代へ同じ血が混じらなくてすむからね。だから、人魚は女しか生まれないの。
男を使い捨てるというシステムが、古くから伝わってるのよ」
「ふ・・う・・ん」
もう、眠くてたまらない。健一郎は朦朧としながら、ローレライの話に耳を傾けていた。
457ロリコップ:2005/09/18(日) 22:23:58 ID:4xWsWMUP
「今から私とケンイチロウは一つになるわ。そして・・・サヨナラよ。ごめんなさい。助けて
もらっておいて、あなたを死なせてしまうなんて。でもその代わり、この世で一番の官能
を味わってもらうから・・・ねえ、ケンイチロウ服を脱いで」
「ああ・・・分かったよ」
健一郎は言われるがままに、着ている物を脱ぎ始めた。意識はあるのだが、体が思うよ
うにならない。気がつけば、夢と現(うつつ)の狭間で、精神だけが滑っていくような感覚に
包まれていた。健一郎はこれまで、こんな体験をした事がない。

「ああ、これがケンイチロウのコックね。素晴らしい固さだわ。ちょっと、経験した事がない
不思議さよ。日本人って皆、こうなのかしら」
ローレライが健一郎の肉棒に縋りつき、愛らしい唇でそれを愛撫し始めた。舌をチロチロ
と出し、尿道口をしつこく舐める姿は、見かけよりもはるかに年季が入っている。

「気持ち良い?ねえ、気持ち良いって、言いなさいよ」
ギリギリと引き絞られた弓のように反り返る健一郎の肉棒をしゃぶりながら、ローレライ
は目を細めて笑った。一方、明晰夢を見ているような健一郎は、声を出す事すらままな
らない。肉棒が得た快感でいくらか意識は明るくなったが、いかんせん体が動かないの
だ。その上、この状態から抜け出そうという気力も沸かない。
458ロリコップ:2005/09/18(日) 22:39:47 ID:4xWsWMUP
「ん───ッ!んふ───ッ!」
ローレライが肉棒を食いちぎらんばかりに吸い始めた。その吸引力は凄まじく、健一郎
はビクビクと全身を震わせ、彼女の言う官能とやらを堪能した。
(気持ち・・・いい・・・な)
もう、健一郎は思考能力の大半を失っている。口唇愛撫の愉悦だけが感覚として意識の
中へ残り、それが燃えつきかけたろうそくの炎のように煌いていた。この炎が燃えつきた
時、俺は死ぬ。健一郎は直感的に、そう思った。

「ああ、美味しいわ・・・ケンイチロウのコック。一回きりでサヨナラなんて、もったいないく
らい・・・じゃあ、そろそろこっちで頂こうかしら」
ローレライは健一郎を寝かせ、その上に立った。そして、ほぼ直角に立ち聳える肉棒を
跨ぐと、自らの手でそれを胎内へ押し込んでいく。

「ふううッ!お、お肉がめくれちゃうわ。ケンイチロウ、あなたのコック傘が大きく開いてて、
ステキよ。ああ・・・」
肉棒が少女の女芯めがけて打ち込まれている。一センチ、また一センチと、その存在を
値踏みするかのように、ローレライは腰を落として異性の強張りを飲み込んでいった。
459ロリコップ:2005/09/18(日) 22:59:08 ID:4xWsWMUP
(俺はここで死ぬのか)
眠い。泥のように眠りたい。健一郎にはもう、落ちかけた心を高揚させる気力は無かった。
ただ、目の前で自分の肉棒を貪り、狂ったように腰を振る少女の姿が、何故だか美しく見
えた。これが船乗りを惑わせる、人魚の魔力なのだろうか。そろそろ意識も薄れてきて、
健一郎は薄目を開けるのが精一杯の状況だった。

「あああ!ケンイチロウ、私、来てるわ。ああ、あなたも来てッ!」
ローレライは腰を小刻みに動かし、わなわなと震え始めた。その直後、健一郎の肉棒は
少女の胎内でキューッと締めつけられ、今際の瞬間を迎える。
「はあうッ!」
絶頂を迎えたローレライは髪を振り乱し、自分の体を抱きしめるように手で覆った。健一郎
もほぼ同時に達し、彼女の中で大量の子種を放出する。だがその瞬間、不意に彼は落涙
した。

「ふうッ・・・いい気持ち。あら、ケンイチロウ。どうして泣いてるの?」
異変に気づいたローレライは、手のひらを健一郎の頬に当て、問う。
「よく分からないけど・・・なんだか君が美しく見えて、涙が出たんだ。へへ・・・おかしいかな。
これから死ぬっていうのに」
その言葉を聞いて、ローレライは顔をしかめた。嬉しいとも悲しいともつかない、複雑そうな
表情である。
460ロリコップ:2005/09/18(日) 23:17:20 ID:4xWsWMUP
「・・・そろそろ俺は、あの世へ行くみたいだ」
もう、眠くて目を開けていられない。健一郎は体から力を抜いてしまった。
「ケンイチロウ!」
「ありがとう、ローレライ。君のおかげで、一人寂しく死なずに済むよ。本当にありがとう」
「バカ!お礼なんて言わないで!」
「あり・・・が・・とう」
すでに指一本動かすほどの力も無い健一郎は、そのまま黙ってしまった。しかし──

「ケンイチロウ!」
と叫ぶ、ローレライの涙声だけは、頭の芯で何度も響いていた。


それから十年後──ある新聞の地方記事に、こんな話が載った。

一人の青年が、無人島を買い取って、自給自足の生活を送っている。内容としては、奇人
変人を紹介する類の、バカニュースだ。ちなみに、その青年の名は自然薯健一郎。かつて
沈没した、豪華客船ふぐり丸の船員だった男である。
461名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 23:25:39 ID:5GGDBPJj
これは辛抱たまらんですな。
462ロリコップ:2005/09/18(日) 23:34:11 ID:4xWsWMUP
「なになに、自然薯健一郎氏は熱く語る。エコロジーとエロジジイはどこか似ている!
若者よ、自然に帰りなはれ!だってさ、母ちゃん。俺、こんな事、言った覚えは無いけ
どなあ」
「ふうん。でも、新聞ってそういうものでしょ?ある程度脚色しないと、面白くないもん
ね。おっ、父ちゃん、中々、男前に写ってるじゃないの」
煎餅を食べながら、ローレライは新聞を見てほくそ笑む。ちなみに彼女は今、健一郎
の事を父ちゃんと呼んでいた。

「なんの、母ちゃんも色っぽく写ってるぞ。ちょっと年喰ったけど、まだまだ十代に見え
るな。そのせいか、幼な妻って書いてある」
「うふふ。まあ、人間から見れば、あたしはようやく女子高生って所だからね。本当はも
う、二百年近く生きてるんだけどねえ」
「俺は、母ちゃんが若くて大変だよ。特にあっちの方」
「バカ!何言ってるんだい。まだまだ、頑張ってもらうからね」
今年三十三歳になる健一郎は、ローレライを母ちゃんと呼ぶ。そう、二人は今、夫婦な
のである。
463ロリコップ:2005/09/19(月) 00:01:04 ID:4xWsWMUP
十年前、結局ローレライは健一郎を殺せなかった。情が移ってしまったのである。しかし、
それでは人魚としての掟を破る事になるので、仲間の元へは戻れない。じゃあ、どうすれ
ば良いのか。ローレライは悩んだ挙句、日本に移住する事に決めた。人魚は綺麗な海と
愛する人がいればどこでもやっていける。彼女はそう言って、健一郎と共に暮らす事に
決めたのである。

「もうすぐ子供たちが帰ってくるな。母ちゃん、迎えに行かなくていいかな」
「ほっとけばいいよ。ウチの子たちは、みな泳ぎが達者だから」
夫妻の間には、もうすぐ十歳になる小学生を始め、五人の子供がいる。全員、女の子で
平日は隣の島にある小学校へ通っていた。人魚の血を受け継いだせいか、五人とも水泳
が大得意で、毎日泳いで通学している。幸い、地上生活も長いので尾ひれと足を自在に
操り、人間と人魚をうまく使い分けているらしく、今のところは何の問題も無さそう。

「おっ。そう言ってる間に、帰って来たぞ」
青い海を優雅に泳いでくる五つの影が健一郎には見える。あれは紛う事無き我が娘たち。
今日も無事に帰って来たかと、頬が緩んでいる。
「冷やし飴でも作っといてやるかな」
「父ちゃん、あんまり子供を甘やかしちゃ駄目だよ」
「分かってるさ。でもなあ、疲れて帰ってきてるだろうし・・・」
彼も年頃の娘を持った父親らしく、何かと心配なのである。
464ロリコップ:2005/09/19(月) 00:16:33 ID:LOjOdl1c
「さて、私は海をひと泳ぎして、夕飯のおかずでも取ってくるかね」
「頼むよ、母ちゃん。俺、ウニ食いたい」
「あいよ。任せな」
ローレライが服を着たまま、断崖絶壁から海へ飛び込んだ。実は彼女も、最近は人間
生活に慣れたせいか、海と陸を自由自在に行き来している。昔のように、昼間は喋れな
いという事も無くなった。いわば、水陸両用。ズゴOクのような存在である。

「相変わらず泳ぎが速いな。まるで、人魚だ」
そう言って、健一郎は思わず笑ってしまった。当たり前ではないか。ずいぶん人間社会
に馴染みはしたが、ローレライは人魚なのである。そんな事まで忘れさせるほど、今の
二人は普通の暮らしを送っていた。

「父ちゃん、ウニ見っけたよ」
「サンキュー、母ちゃん。愛してるよ」
「バーカ」
海の中を優雅に泳ぐ妻を見て、健一郎は思った。この暮らしがいつまでも続けば良いと。
その時、水平線に沈みゆく太陽が海を茜色に染め、照れるローレライの赤らんだ頬を
隠してくれた。

おしまい
465ロリコップ:2005/09/19(月) 00:23:09 ID:LOjOdl1c
確かずっと前に、ジャミロ桑井とかマイケル支援家とかいうコテで書いたような
気がします。イングウェイ丸出珍だったかな・・・もう一個の人外スレだったかも
しれません。
466名無しさん@ピンキー:2005/09/19(月) 00:28:13 ID:u0tGvjDs
GJ!

リアルタイムで堪能させて頂きました
海の男(・∀・)イイ!!
「かあちゃん」呼ばわりの幼妻といい、潮臭い話ワロスw
467名無しさん@ピンキー:2005/09/19(月) 00:34:24 ID:EqWOl4D8
御疲れ様です。
以前のコテ名?爆裂してますね。
468名無しさん@ピンキー:2005/09/19(月) 04:51:01 ID:yP94R9XE
GJ!
最後の夫婦の会話に
ズ〇ック吹いたwww
469名無しさん@ピンキー:2005/09/20(火) 00:01:10 ID:llQZYXys
>人魚は綺麗な海と愛する人がいればどこでもやっていける。
なんかグッときた。凄く良い。
470名無しさん@ピンキー:2005/09/21(水) 05:43:27 ID:4TEf6aKr
だれか ねた たのむ
471名無しさん@ピンキー:2005/09/21(水) 13:15:09 ID:03VP/Rsa
最近なんとか男の真似みたいな書き込みを見ると無性に腹立たしい

472名無しさん@ピンキー:2005/09/21(水) 13:35:18 ID:4TEf6aKr
どれくらいで落ちるのか分からないから保守代わりに書いただけだい
いくらVIPPERでも、他の板では大人しくするのが俺のクオリティなんだい
ただ、VIPの常識に囚われてるからそこをどうにか理解して欲しいんだい

あと、ネタをネタとして受け取ってほしかったかな
473名無しさん@ピンキー:2005/09/21(水) 19:28:37 ID:uhGLt7T0
ネタとして腹立たしいって言ってんじゃないの?471は
474名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 00:10:49 ID:MViHTH7X
なんでこー、ここはすぐに殺伐とした雰囲気になるんだ?
475名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 00:59:41 ID:4kt3GnD7
必死に形成するはずだったマターリした空気が失われていく様はとてもとても悲しいものだ。
476名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 01:04:04 ID:l4S07xRe
お言葉ですが、少佐殿が「マターリ」などと口になさるのはいかがなものかと思うであります
477名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 01:35:23 ID:x8Zwnj1J
殺伐age
478名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 22:41:34 ID:X1M6e9VZ
シーフードヌードルの汁にシーチキンとマヨとごはん入れて食ったら
まじうまくて驚愕
47911:2005/09/23(金) 23:08:40 ID:zkS+oznH
画霊で書いてみたい
480名無しさん@ピンキー:2005/09/24(土) 15:15:28 ID:JleArEZn
>>475-476
            ・・
想像以上にヘルスレ住人の手は長い
481名無しさん@ピンキー:2005/09/26(月) 23:18:26 ID:PizYHuxr
穂守
482名無しさん@ピンキー:2005/09/27(火) 22:35:15 ID:Icv+Mb/OO
(oYo)チェイ
Vipperって要は格好つけのNEET達だろ?どうせVipperであることが格好いいとか思ってる奴らしかいないんだろうな。

ん?反論か?いつでも聞いてやるが?ま、Vipperにまともな意見いえる奴なんていないか。所詮それがVipクソリティ
483名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 01:23:08 ID:Y+bI45O5
vipperだとかクオリティとか他板でいってる奴は所詮新参。
クオリティとかwwwwとか言ってれば俺もvipper!ってか?
しかも電車男はvip関係ないんじゃね?

484名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 01:33:41 ID:YQwWqi+G
>>482>>483
言ってる事はわからんでもないが、何故ここに書く?
485名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 01:38:50 ID:8GVCYNRH
多分>>472に反応したんじゃないか?わからんが
486名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 02:26:11 ID:YQwWqi+G
ああ本当だ…
一週間も前の話になぁ…
487名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 09:44:09 ID:yliOIh4A
それだけ過疎ってるということさ…
投下はおろか雑談も無いぐらい寂れてるからな
一体何人ぐらいがこのスレを見てるんだろう
488名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 09:59:56 ID:Q3dyZWTz
しきりに「過疎」とか「寂れ」を強調したがる人がいる。
489名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 11:23:33 ID:20HWgh5W
てか意外と人いるじゃまいか
490名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 00:28:31 ID:bceXv2k5
静かな方が好きなんだけど、にぎやかのも嫌いじゃないよ
491名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 22:04:43 ID:VJJZ0BiT
お向かい共々、大荒れのヨカーン
492名無しさん@ピンキー:2005/10/05(水) 01:19:44 ID:DVV3xqDV
なんで最近近隣スレと一緒に荒れ始めてるんだ…
SS待ちながら保守
493名無しさん@ピンキー:2005/10/09(日) 22:01:14 ID:2cPO/FlO
文才のない漏れがネタを投稿

あらすじ

1000年前、平安の都に災いを為す大妖怪が封印された
時は流れ21世紀、主人公の青年(年齢=彼女いない暦)は
ひょんなことから封印をといてしまう


そこに現れたのは・・・
494名無しさん@ピンキー:2005/10/09(日) 23:21:05 ID:UHVORJ9N
うしおととら
495名無しさん@ピンキー:2005/10/10(月) 00:15:44 ID:/nMEz9JO
魎呼
496名無しさん@ピンキー:2005/10/10(月) 22:23:02 ID:sTpFb2H+
即興で作品を作ってくる。
>>493のやつをな
497名無しさん@ピンキー:2005/10/12(水) 00:51:56 ID:snkAP7ur
期待
498名無しさん@ピンキー:2005/10/12(水) 01:14:01 ID:PQeo6Hzq
>>496
おにいちゃん。。。即興ってもう二日目だよもん。。。
499名無しさん@ピンキー:2005/10/12(水) 08:01:26 ID:L9us/C1y
即興とはいえ、そうそう短時間で書ける物でもないだろ
期待しているのは判るけどさ

まあ、無責任に期待させるコメントだけ書き込んで
何もしないってのはどこのスレでもある事だけどさ
500名無しさん@ピンキー:2005/10/12(水) 14:00:33 ID:BMo1rq/M
短時間で書くから即興じゃないのだろうか
なんにせよワクテカしつつ待っております
501496:2005/10/12(水) 21:23:10 ID:vXPlDjde
今から約1000年前・・・京都ー平安京ーから物語は、はじまる。

平安京・大内裏にある陰陽寮の一室に男がいる。月を一人みている。
そんな男の後ろに音もなく、女が現れた。
「何かあったのか、幽姫?」
「六条大路と東京極大路の交わる所にて物の怪が出ました」
「そんなものは、晴明にまかせておけばよかろう」
幽姫と呼ばれた女は、多少怒った声で
「安倍晴明様はただ今、帰省中です。都にはあなた様しか陰陽師はおりません、橘仲成様。」
やれやれといった風に立ち上がりながら、仲成はつぶやいた。
「帰省ってもどこが実家なんだよ。晴明のやつは」

「へ、陛下をおまも!!?」
グチャ。おそらく天皇の護衛だったその男は一口で巨大な鬼に食われた。
モゴモゴと口を動かし、次の獲物をねらうが、もはや護衛はおらず
残っているのは牛車だけ。鬼が、手をのばして牛車にさわろうとした瞬間、
「五行・溢水、行雲行水!」
鬼はバラバラになった。切ったと思われる男の手には、細身・諸刃の直剣。橘仲成である
                                                                            
502496:2005/10/12(水) 22:11:40 ID:vXPlDjde
夜。
「まったく、あれぐらいの雑魚は自力でどうにかしてもらいたい」
先日の天皇に対する物の怪の襲撃に関して、橘仲成が不平を言っている。
「いくら私が優秀な陰陽師でも体がもたない、お前だってそう思うだろ?幽姫」
誰もいない空間に向かって話す。
「第一、あんな位の鬼が、この都の結界に進入できるはずがないのだが…」
「また、言ってる。今日の夜伽はなしでいい?毎夜毎夜、あなたの愚痴を聞きながら警護する私の立場も考えてよ」
どこからともなく現れた幽姫が仲成に向かって言い出した。
「こんないい女にそんな話ばかり話していると愛想つかされちゃうわよ?」
そういいながら、仲成が寝ている布団に近づいていく、といきなり手が伸びてきて
布団の中に引きずり込まれた。
「仕事の夜伽はなくていいさ。もう一つの方をやってもらう。
第一、式神は主人を嫌うことなんてできないだろ?」
更に仲成は言う。
「嫌なら、消えていなくなれば、いいのではないか?何故、消えない?」
「うっ…だって…あなたと…私…で…したいし…」
と顔を真っ赤にしながら言い返す。仲成と幽姫が唇を重ね夜はこれからというときに
「仲成様起きて下さい!紫辰殿に鬼があらわれますた!」
503496:2005/10/12(水) 22:51:03 ID:vXPlDjde
「鬼!?紫辰殿にか?」
仲成は幽姫との行為を中断させられていらついていたが、少年の報告はそれでも驚くに値した。
「はっ、はい!なんでも陛下の寝室にでていると、言われてます。」
最高の結界をぬけて、なお且つ寝室にでそうな鬼。仲成には、覚えがあったが
今は急いで、紫辰殿に向かうことを優先する事にした。

「やっ…やめて…くれ…」
「あはっ!バカだねぇ…止めてっていってやめるわけないじゃん
第一、あんたのここが喜んでいるからしてあげているんだよ?」
部屋には一組の男女が性交していた。男は女から今で言う“手コキ”をされていた。
「うっ…うっ…で…出る…」
プシャャャャャ。もはや精液は白濁していなく、粘性もなく、もう尽きたはずなのに、
この女の唇が体にふれると、肉棒がいままで以上に元気になってしまう
「なぁに、今さっきからでない言ってたのにまだまだでるじゃない。あと何回出せば気がすむの?」
と再度、手コキを開始したとたん、寝室に誰かが入ってきた。
「そこまでだ、幽艶。陛下から離れてもらおうか。」
仲成は殺気全開で女に話しかけた。
「あら、あなたも交じりたいの?だったらもう片方の手でしてあげるわよ?」
504名無しさん@ピンキー:2005/10/12(水) 23:10:54 ID:V5I0iKaD
もしかして今書いてる?
505496:2005/10/12(水) 23:54:14 ID:vXPlDjde
途中送信…orz

と声こそは、ふざけているが、雰囲気は完全に戦闘状態である。
「姉様…」
いつの間にか、幽姫が仲成の隣に現れていた。
「あら、幽姫じゃない。久しぶりね。でも、残念だわ。そんな男の子供を身ごもった
妹なんて私いらないから。今日、その男とともに殺してあげる。」
「できるものならやってみやがれ。」
そういう、仲成の手には、あの鬼を切った溢水があった。
「幽姫、式符になっておけ!くらえ、斬!!」
「五行相克、土克水」
幽艶もまた、呪文を唱えた。
仲成の剣と幽艶の呪文が反発しあう。しかし、仲成の剣が幽艶の体を貫くことができた
「ふふ、おめでとう。でもあなたは今の衝撃で体はだめになってるわね。
でも私は、こんなことでは死なないわ。つまり…」
「つまり、お前の負けなんだよ。俺の目的は命と引き替えできさまを封印することだ!!幽姫、子供は頼むぞ」
「やっ、やめ…」
「やめるかぁ!!・・・・・封印!!」


ここから、物語は始まる。
506名無しさん@ピンキー:2005/10/13(木) 00:00:51 ID:vXPlDjde
>>504
いえいえ、そういう訳じゃないです。宣言した日にかきあげたんですけど
かきこめなくて、いろいろ試してたらPSPは書き込めるってことで、
なれないPSPでかきこんでるんですよ。
だから、一レスあたりの時間が、いつもの何倍もかかるんです
507名無しさん@ピンキー:2005/10/13(木) 10:01:11 ID:dTaDtz1q
うpろだにtxtをあげてリンクを貼るとか。
508名無しさん@ピンキー:2005/10/13(木) 21:48:54 ID:Ufjp0fcT
即興の人GJ! なるべくなら早く続きをキボン
509名無しさん@ピンキー:2005/10/21(金) 22:35:19 ID:V+ssDO+K
ほっしゅ
510名無しさん@ピンキー:2005/10/26(水) 10:50:40 ID:QezVx44e
ほす
511某880 前夜祭〜魔女×3〜:2005/10/27(木) 00:51:38 ID:tEnVA7BC
「Trick or Treat!!」
突然、俺の部屋に三人の女の子が訪れてきた。
驚いた俺だが、すぐに冷静さを取り戻し、
いくつかのおかしな点をすぐに問いただす事にした。
「ハロウィンは明日だろ」
今日は10月30日。ハロウィンの前日だ。
イベント好きな商店や遊園地などではもうハロウィンの装飾などがされているが、本番は明日。
気が早い、と言えばその通りだが、むろん彼女達は日付を間違えたわけではない。
「それと、どうしてハロウィンでその衣装なんだよ」
ハロウィンのコスプレと言えば、カボチャの仮面や道化,魔女の格好などが一般的。
その他にも色々衣装はあるが、基本的に子供が着るような可愛らしいのや
いわゆる「仮装」と言えるような衣装を着るのがポピュラー。
しかし彼女達が着ている衣装は……言い方を変えれば子供「風」なのだろうが
あからさまに「狙って」着ている、言うなれば「コスプレ」としか思えなかった。
仮装とコスプレ。似ているようで、間には底知れない大きな壁がある。
「似合わない?」
俗に言う「ゴスロリ」衣装の少女が、
スカートの裾を持ち上げ、クルリとターンして俺に尋ねた。
正直に言ってしまえば、非常に似合っている。
似合っているから問題なのだ。
「あ、目をそらした。と言う事は似合ってるって事ね。ふふ、相変わらず照れ屋なんだからぁ」
水色のワンピースに白いエプロンドレス。こちらは「アリス服」と言うべきか。
リボンを付けた頭を軽く傾けながらイタズラっぽく一人微笑んでいる。
彼女達との付き合いも長くなってきた。
それだけ俺を「からかう」のも手慣れてきているだけに
俺の仕草一つ一つでこちらの心境を悟ってしまう。
「へぇ、これくらい「幼い姿」でも欲情出来るようになったんだ。ホント、エッチねぇ」
極めてノーマルな、ピンクのロリータ服を着た一人が、追い打ちをかけるようにからかう。
もっとも、このような衣装を着てここに訪れる時点で「極めてノーマル」とはとても言い難いのだが。
「欲情言うな! 俺はロリでもペドでもねぇよ!」
実際その通りだと思う。同じ衣装を彼女達の「今の姿」と同じ歳の女の子が着たとしても
可愛いとは思っても欲情とまでは行かない……と、思う。
彼女達だから、こう、反応してしまうのだ。
彼女達の「正体」を知っていて、そして彼女達が何を求めて来たのかを知っているから。
「頼むから、せめて「それ相応」の姿になっててくれ」
俺の主張を素直に受け入れた彼女達は、すぐさまポンという音と共に煙で自身の姿を包み隠した。
そして煙が晴れた時、彼女達の姿は背も服も大きくなり、成人女性になっていた。
「あらホント、「反応」が段違いね」
いちいちこちらの心理やら脈やら「どこぞの大きさ」やらを探られ比較されるのは心地良い物ではない。
まあその、見て判る程にズボンの一部が「張っている」状況にしてしまう俺も俺なのだが。
見慣れているはずなのだが、彼女達が「その気」に成った時の姿は非常に魅力的で性的興奮をさせられる。
むろん彼女達から立ち込める「香水」に、そうさせる成分が色々含まれているからと言うのもあるのだが。
そこまで色々互いに解っている状況でからかわれるのは、やはり面白くはない。
流石の俺も眉間にしわを寄せ、不機嫌な声で再び尋ねた。
「で、何しに来たんだ? あんたら魔女の本番は明日だろ?」
そう、彼女達は魔女。悪魔レオナルドから魔力を授かった魔法使い。
彼女達魔女は年に八回、「サバト」とよばれる「祭」を行う。
その祭は、端的に言えば酒池肉林。「理解ある」男性や淫魔を招き、乱交する祭。
元々ハロウィンはサムヘインというサバトを、キリスト教徒が取り入れた祭なのだ。
512某880 前夜祭〜魔女×3〜:2005/10/27(木) 00:52:48 ID:tEnVA7BC
「判ってるくせに。いっつもそうやっていつも焦らすんだから」
と言うより、君達からわざわざ押しかける用は一つしかないでしょ?
それも、こちらの賛同も聞かず無理矢理。
彼女達の姿を見た段階で俺は既に諦めているが、小さな小さな抵抗くらいしても良いではないか。
「明日は儀式的な祭じゃない。それはそれとして、ちゃんと「一般的」なハロウィンも楽しみたいなと思って」
これから行われるであろう「ぷちサバト」は、けして一般的ではないはずだが。
「というわけで、Trick or Treat!! イタズラされたくなかったら、美味しいの、頂戴」
そう言って、アリス服の魔女が椅子に座っている俺の手を引き、立たせた。
そして彼女はしゃがみ、ズボンのベルトを外しにかかる。
「結局、やる事は同じだろ」
呆れなが俺はしゃがみ込んだ魔女を見下ろした。
ベルトをいじりながら見上げる彼女は、少し頬を膨らませながら言った。
「もう、こういうのは雰囲気を楽しむものでしょ?」
雰囲気を大事にするなら、押しかけってのももう少し考えるべきではないかと俺は思う。
「そうそう。雰囲気を楽しむだけでエッチも感じ方が変わるんだから」
いつの間にか後ろに回っていたロリータ服の魔女が、ベルトが外れたばかりのズボンを下ろし、
そして下着も手早く下ろしながら俺に抗議する。
「雰囲気ってなぁ……台無しにしているのはむしろあんたらだろ?」
とてもハロウィンという雰囲気の衣装ではないし、
押しかけて来て最初にする事がズボンを下ろすというのは、言語道断。
「そうね。なら、ちょっとだけ演出しましょうか」
残っていたゴスロリ衣装の魔女が、俺の顎に手を伸ばし、軽く引き、自らも顔を俺に近づけた。
「我らが主よ。今宵、我ら三人の渇いた心に慰めを」
言い終わるや顎を引く手に力を込め、そして唇を重ねてきた。
「求めるは、心潤す快楽」
アリス服の魔女が言葉を継ぐと、既に反り返っている肉棒に接吻する。
「差し出すは、潤った心全て」
ロリータ服の魔女は尻の肉を両手でぐっと開き、顔を底へ埋め下を菊座へと伸ばしてきた。
三つの舌が、ナメクジのようにぬめぬめと俺の各部を責め立てる。
「どう? 雰囲気出たでしょ?」
一度唇を外したゴスロリの魔女が、妖艶に俺へ微笑みかけ、再び唇を重ね口内へ舌を入れてくる。
誓いの言葉は、まるでサバトのよう。俺を彼女達の主、悪魔レオナルドに見立てた演出。
確かにこれで、ハロウィンではなくサバトの雰囲気が濃厚になってきた。
そして彼女達の舌も言葉通り、潤いを求めるように俺の舌を、肉棒を、菊座を、はいずり回るように蠢いている。
あくまで言葉は演出で、儀式的意味合いはなく、何の効力もない。
しかし効果はある。
俺はゴスロリ魔女の頭の後ろに手を回し、軽く力を入れより引き寄せた。
そしてより強く唇を押し当て、激しく相手の舌に絡み付く。
「んっ……やっとその気になってくれたのね……ちゅ……くちゅ……ふふ、どんどん大きくなってる……美味しい……んっ、くちゃ……」
肉棒のカリ周囲を舌で念入りに舐め上げながらアリス服の魔女は根本を軽く手でしごきながら、同時に指先を袋の下にはわせ撫でている。
「元からその気だったんじゃない? お尻、キレイにしてあるわ……ちゅっ……期待してたんでしょ?……くちゅ、ん」
期待していたかはさておき、予測はしていた。
なにせサバトの前日は必ずと言っていい程押しかけてくるから。
俺はサバトに参加しない。参加出来る立場ではない。
それが不服なのか、魔女達は毎回前日にサバトへ参加するよう勧誘に訪れ、
最終的には色仕掛けで参加の承諾を得ようとしていた。
しかし俺が絶対に参加しないと知るや、このように「ぷちサバト」を開始してしまう。
そしてここ最近は、もう勧誘すらしないですぐに始めてしまうようになっていた。
「ん……キスだけで濡れてきた……ほら、判る? 音、聞こえる?」
ゴスロリのスカートをまくり、始めから下着を履いていなかったらしい恥部へ手を伸ばしくちゃくちゃと音を鳴らしている。
見ればアリス服の魔女も片手でスカートの中に手を入れている。後ろのロリータ服の魔女も同じ事をしているだろう。
舌が奏でる唾液混じりの湿った音と、指が奏でる愛液混じりの湿った音。
一つ一つはさして大きな音ではないが、計六つのハーモニーは耳に良く届き脳へ直接淫靡な刺激を与えてくる。
513某880 前夜祭〜魔女×3〜:2005/10/27(木) 00:54:03 ID:tEnVA7BC
「……そろそろ出ちまう」
これだけ多方面から刺激を受けてはたまらない。俺は限界が近い事を宣言する。
「待って、最初はみんなに頂戴」
慌てて唇を放し、ゴスロリの魔女はアリス服の魔女の横にしゃがんで並ぶ。ロリータ服の魔女も前に回り逆隣に並んだ。
「ん、行くぞ!」
魔女の手に導かれ、俺は勢いよく白濁液を振りまいた。
口を開けそれを待ち受けていた彼女達の顔に、白濁のペイントがされていく。
「あは、相変わらず良い味」
口に入った分をわざとらしく音を立てながら味わっている。
アリスとロリータの二人は、お互いの顔にかかった俺からの「Treat」を舐め取り合っている。
舐め合うのに夢中な二人の様子をチラリと確認すると、
ゴスロリの魔女は黙って後ろに倒れ、スカートを手でまくり上げ股を開いた。
今のうちに、という事だろう。
三人の淫らな様子にすっかり当てられていた俺は、既に息子を立派に「独り立ち」させていた。
順番でもめ始めるよりも、このまま素直に誘われた方が良いだろう。
そう判断した俺は迷うことなく、誘う陰門へ息子をあてがった。
「んはぁ!」
一気に押し入れられたゴスロリ魔女は、甲高い声を上げた。
そして流石に、この声に残った二人が気付く。
「ちょっとぉ、抜け駆けはずるいわよぉ」
一応抗議はするが、俺達二人の行為が止まるとは思っていないだろう。
「い、ん、あいかわら、ず、いい、わ……んっ、もう、いきそう……あんっ!」
服の上から自分の胸を激しくもみ上げながら、俺に同調するよう腰を動かしている。
悩ましい腰と手の動き、そして服の上からでも判る豊かな胸。
露出はほとんど無いのに、ゴシックな服がとても卑猥に見える。
「ほら、さっさと逝っちゃって。後が支えてるんだから」
置いていかれた二人が、左右からそれぞれゴスロリ魔女の手の上に手を当て、胸の愛撫を手伝っている。
「まって、て、ん、ほんと、に、もう……んっ! もう、すぐ、いっ、いく、いっ……んんっ!」
二人の腰が止まる。そしてビクッビクッと時折痙攣するようにまた動く。
しばしの余韻。その後で腰を引くと、彼女の陰門からは大量に流し込んだ白濁液と彼女自身の愛液が交じり合い、
黒いスカートを内側から濡らしていった。
514某880 前夜祭〜魔女×3〜:2005/10/27(木) 00:54:34 ID:tEnVA7BC
「次は私ね」
アリス服の魔女が、膝で立っている俺に抱きついてきた。
そして片方の腕を解放すると、空いた手で俺の息子を軽く握った。
出したばかりですぐには回復しないはずの息子は、もういきり立っていた。
彼女達から立ち込める特殊な香水の香り。そして彼女達の汗や愛液から漂う臭い。
それらが俺の鼻を通り脳へと刺激を与えてくる。魔女特有の、香りによる媚薬効果だ。
「ちょっと足開いて……ん、入れるわよ……」
自身も膝で立ち、入れやすいように足を開く。
俺は彼女のスカートを持ち上げ、迎える恥部を露わにしてやった。
「はあぁん!」
自ら腰を押し当て一気に自分の中へと俺を迎え入れた彼女は、やはり大きな歓喜を上げた。
「三度目なのに、まだこんなに、ん、大きいなん、て……すごい、いい、すごいわ……」
それは俺自身も思っていた。よくもまぁ、こんなにも大きくなれるものだと。
魔女の香りが最大限の効果をもたらしているのは間違いないが、それだけではないだろう。
ピタリと、まるで俺の肉棒の為に作られた「鞘」のように、彼女の中は収まりが良い。
そんな膣の中にあって、ヒダがよく俺の肉棒に絡む。こうなっては大きくなる以外どうなるというのだ。
「さ、あなたも早くしてね。手伝ってあげるから」
いつの間にか、ロリータ服の魔女がアリス魔女の背後に回っていた。
そして動く腰で揺れるスカートを後ろから片手でまくし上げ、
何時用意したのか、もう片方の手に持っていた貼り型を尻に向け一気に付き入れた。
「いやぁ! ん、それ、あぁ、気持ちいい……」
そもそも、貼り型は「魔女の道具」として知られている。
自慰行為は立派な背徳行為。
逆に言えば、背徳の限りを尽くす彼女達は貼り型の使い方に長けている。
アナル用の貼り型で攻めるのも攻められるのも、彼女達の得意とするところなのだ。
「二穴攻め、いいわ、もっと、ん……奥まで、お願い、んっ!」
俺にしがみつき、前後から突かれる衝撃と快楽に打ち震えている。
リクエスト通り、俺もロリータ服の魔女も、奥へ奥へと責め立てる。
「いい、いく、もう、いっちゃ、んっ! いっ、いっちゃ、いっちゃう、あふぁ!」
ぐっと締まる両腕と膣。搾り取られるように、俺も三度目の白濁液を吐き出した。
515某880 前夜祭〜魔女×3〜:2005/10/27(木) 00:55:12 ID:tEnVA7BC
「やっと私の番ね。ねぇ、私はこっちにお願い」
スカートをめくりこちらに尻を向けている最後の魔女。
両手で自ら尻の肉を横に押し広げ、菊座を恥ずかし下もなく俺に見せつけている。
そして陰門には、別に用意していたであろう貼り型が既に刺さっていた。
四連続目。にも関わらず、もう息子は元気だ。
部屋中に充満している媚薬の霧が、俺を休ませてくれないらしい。
「ひあぁっ!」
自分であらかじめ濡らしていたのだろう。肉棒はすんなりと腸の中へと押し入っていく。
「くっ……きくわぁ、あなたの。さあ、遠慮な……んっ! もう、せっかちなん、あっ、はぁん!」
言われるまでもなく、俺は他の二人同様激しく腰を動かし彼女が求める物をガンガン付き入れていく。
彼女も自ら入れていた貼り型を激しく出し入れし、追随する。
その貼り型が肉の壁を伝わり、俺の肉棒にも刺激を与えてくる。
「い、い、ん、もっと、おく、い、いい、きも、きもち、ん、いい、ん、あっ、い、いっちゃう、ん、いく」
腰の動きに合わせ小刻みに喘ぐ魔女。貼り型の動きもより激しくなってきた。
「いく、おしりで、いっちゃう、いっちゃうの! い、いっちゃ、ん、んんっ!」
四度目。それでも勢いよく、俺は素速く抜いた肉棒から白濁液をピンクのロリータ服にぶちまけた。
「ふぅ……」
流石に四連続も放っては、俺も一息大きく吐き出したくもなる。
そしてふと顔を上げると、いつの間にか服を脱ぎ捨てた二人の魔女が絡み合っていた。
「さぁ、本番はこれからよ」
手招きする二人に、抵抗する術はない。
俺はふらふらと四つんばいになりながら近づき、二人の間に埋もれていった。

*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*

目を覚ますと、部屋には俺以外誰もいなかった。
いつの間にか寝入っていた俺。あれからさて、何度逝ったのか……二桁を超えたところでもう記憶も定かではない。
そもそも、魔女の媚薬は非常に強い薬だけに、色々と幻覚を見たり意識があやふやになったりと、危険な面も多い。
そんな媚薬に身体が慣れている俺だから大丈夫なのだが、
ここまで慣れる程、魔女の媚薬を少しずつ盛られ続けている俺の人生にちょっと疑問を感じてしまう。
唐突に現れては唐突に消える。
妖精学者としては敵対関係にあるはずの魔女。俺はそんな魔女達に弄ばれている。
こんな関係、他の妖精学者から見ればとても出はないが信じられない事だろう。
「ん……なんだこれ」
机の上に、何かが置かれていた。
カボチャで作られたハロウィン用のランタン。その中には、アロマキャンドルと薬瓶が二本。
そして手紙が一通入れられている。
手紙によると、アロマキャンドルは性的な疲れをいやす効果があり、薬瓶の中身も同じような物らしい。
好き勝手やっていくが、アフターケアだけは万全だ。
そして手紙には続きがあった。
「……まったく、もうちょっと素直にやってくれてもなぁ」
以前から頼んでいた、薬の配合レシピ。薬草を用いたドルイド式のレシピで、安全性は高い。
魔女は薬剤師として高い技術と知識を持っている。
俺も妖精学者としてそれらの知識を得なければならないのだが、彼女達には遠く及ばない。
そこで彼女達に助力を願う事が非常に多い。その見返りが、昨夜のような「ぷちサバト」になる。
合意の上での関係。俺は魔女と取引をしているのだ。
「まったく……」
そして最後の一文に、俺は顔をしかめる。
誓いの言葉に偽りはない。我らの心は主の物
この「主」は、素直に考えれば悪魔レオナルドのはずなのだが……
彼女達の本心は何処にあるのか。読めるはずがない。
そもそも、俺は彼女達の「真の姿」を見た事がない。
昨日訪れた時の少女の姿も、その後変えた大人の姿も、そして普段の老婆の姿すら、本当の彼女達ではない。
それなのに、本心を見抜けるはずなんかない。
ただ、少しは「良い方」へ解釈したくなるのがスケベな男心という物で……
こうやって今後も弄ばれていくんだろうなと判っていながら、
俺は彼女達が置いていった薬瓶の中身を飲み干した。
516某880 ◆/Mgq/8agL6 :2005/10/27(木) 01:01:26 ID:tEnVA7BC
以上です。
人数多いと大変だ

そうそう、別のスレで色々言われちゃってる状態なんですが
こっちにも投下した事で、まぁ察してくださいね。大人ならさ

ただ、俺の話って「オカルト要素」ってあるの? というのはちょっと気になってます。
オカ板から派生して建てられたとか、新参者なのでスレの事情をよく知らずに
ここに投下するようになってますけど、需要にあってるかどうか、今更疑問なんですよね。
とか書きながら、投下は続けそうですがw
517名無しさん@ピンキー:2005/10/27(木) 09:36:05 ID:0udcoBUL
幼女によってたかっていいように弄ばれるシチュイイ(;´Д`)'`ァ'`ァ
オカルト要素ってそんなに厳密に考えて読んでる香具師もすくないんじゃ?

漏れはこのスレしか読んでないので他スレで何があったのか知らないけど
別スレの揉め事を持ち込むのは避けていただきたい。
518某880 ◆/Mgq/8agL6 :2005/10/28(金) 00:27:13 ID:QmN8jnSq
もめ事を持ち込むつもりはないんですが
俺がここと別スレにそれぞれ投下しているのが気に入らない人がいるらしく
その別スレにて「かーいい幽霊〜スレに統一しろ」という書き込みがされてしまって荒れました
書き込みから見て、こちらのスレの住人なのは間違いないので
>516の書き込み=意思表示をしました
不快に思われた方がいらしたら申し訳ありません

万が一もめ事を持ち込むような事になりましたら、潔く撤退しますので
それで勘弁してください
519名無しさん@ピンキー:2005/10/28(金) 03:22:06 ID:leZPT9QA
いろいろ荒れてたのは知ってるが、今のままでいい気がする
三つ四つに分散してるならまだしも、たった二つしかないんだから揉めてまで統合統合言う必要ないと思うんだけど…

てかあれだけ荒れた時点で明らかに意見まとまらないから無理ぽ。
520名無しさん@ピンキー:2005/10/30(日) 12:08:32 ID:SVTusEWV
さて、今日は待ちに待ったハロウィン。
カノとリィナ再臨期待age。
521名無しさん@ピンキー:2005/10/30(日) 22:06:18 ID:KS7tjkwG
(0゚・∀・)ワクワクテカテカ
522名無しさん@ピンキー:2005/10/30(日) 22:57:23 ID:1ZNT1SdB
TRICK(受け) or TREAT(攻め)

さぁ、あなたならどっち?
523名無しさん@ピンキー:2005/10/31(月) 00:20:10 ID:sJ2HfRvR
TRICK and TREAT

でお願いします
524名無しさん@ピンキー:2005/10/31(月) 01:08:25 ID:2hlkmuuL
ところで、>>415が言ってる個人サイトのURL知ってる人いる?いたら教えて欲しいんだけど……。
>>258-266
>>272-282
>>291-303
>>310-334
>>365-389
を読んでてスゲェ気に入ったんだよ。
525名無しさん@ピンキー:2005/10/31(月) 01:41:19 ID:0yDLY0mQ
つ裏式保管庫
526名無しさん@ピンキー:2005/11/01(火) 00:29:19 ID:vwjPNvsH
結局再臨しなかった悲しみ………orz
527524:2005/11/02(水) 18:34:09 ID:uf7t8TDs
>>525
触手スレ漁ってたら見っかった。ドモ
528名無しさん@ピンキー:2005/11/08(火) 17:41:36 ID:zdc8jtGF
モーショボーの続きがよみてぇ
529名無しさん@ピンキー:2005/11/15(火) 18:50:26 ID:te9wTh7w
ほす
530名無しさん@ピンキー:2005/11/16(水) 03:48:33 ID:u/HQlG4j
おいおい誰もいないのか?
531名無しさん@ピンキー:2005/11/16(水) 07:57:20 ID:IUINY3eP
上で職人さんが投下してくれてもスルーするくらい
人が居ないのはたしか

反応無ければ職人さんも来なくなって当たり前だし
532名無しさん@ピンキー:2005/11/17(木) 21:13:09 ID:uYGDPPC8
>>527
触手スレあさったけど見つからなかったよ…orz
ヒントくれるとうれすぃ。
533名無しさん@ピンキー:2005/11/18(金) 00:48:50 ID:bHLBLm3G
>>532
://kemokain.h.fc2.com/
534名無しさん@ピンキー:2005/11/18(金) 01:28:08 ID:gL64ozjx
>>2の保管庫にリンクあるがな
535名無しさん@ピンキー:2005/11/20(日) 20:32:09 ID:KYWCZK7Q
うお、ありがとう、いってみる!
>>2 の保管庫ももう一回突撃する!
536名無しさん@ピンキー:2005/11/20(日) 20:34:59 ID:KYWCZK7Q
見っけたよありがとう!
537某880 姉となる幼女〜モーショボー5〜:2005/11/21(月) 23:24:48 ID:BpVGRa38
僕はお姉ちゃんが大好きだった。
それが原因で、僕はロリコンになってしまっている。
姉、つまり年上の女性なのだから、姉が原因でロリコンになどはならないのが普通だ。
だが、僕は違った。
僕の大好きな姉は、幼い頃に事故に遭い死んだ。
だから僕の中の姉は、幼いまま止まっている。
二度と会えない、しかし恋い焦がれる女性。それが僕の姉。
このままではいけないと自覚している。しかし感情や性癖はそう簡単に改善されるはずはない。
もしかしたら僕は、一生正常な恋愛をすることなく、一人のまま死んでいくかもしれない。
それも悪くない……最近では開き直って、そんな事すら思うようになっていた。
僕は今、秋葉原にいる。
萌えの聖地。僕にとって「姉の代理品」となる各種アイテムがそろう街。
世間から見れば変態であるロリコン関連の商品が、ここではおおっぴらに陳列されている。
僕はそんな変態の中でも、更に深い変態の部類に入るだろう。
別にそんな分類はどうでも良い。
人に迷惑を掛けることなく、自分の欲求を満たせるのだから、悪い事ではない。
僕は今日発売されたばかりのロリ系SMエロゲー「週監 僕の妹」を予約券と交換してきたところだ。
タイトルは「妹」だが、僕は脳内でこの文字を「姉」に変換して、今夜は夜通しプレイするつもりだった。
明日は休日。思う存分、姉との一時を満喫出来る。
その予定だった。
しかし僕は、このロリ聖地秋葉原で、運命的な出会いをしてしまった。
そこに、姉がいた。
いや、姉の訳がない。姉はとうの昔に死んだから。
仮に生きていたとしても、僕よりも年齢は上。死んだ当時の姉そのままの姿でいるはずがない。
しかし、偶然であったその子は、僕が長年恋い焦がれてきた姉その者だった。
「……なに? 何か用?」
じっと見つめる僕に気付いた、姉に似た少女。
僕は見つめていた目を更に見開き驚いた。
声も、話し方も、そして何気なく髪をかき上げる仕草まで姉にそっくりだ。
「おっ……お姉ちゃん……」
「は?」
思わず口走ってしまった僕の言葉に、少女は怪訝そうな顔で僕を見つめ反応を返す。
「どう見たって、あんたが私より年下には見えないけど?」
その通りである。僕の中では少女が姉に見えても、
僕以外の人から見たら彼女は僕の妹、あるいは娘にすら見えてしまうほど見た目は離れている。
「ごっ、ごめん……あんまり死んだ姉に似ていたからつい……」
今の僕はとても格好悪いだろうな。
一歩間違えれば、新手のナンパにも聞こえそうだ。
「ふーん……新手のナンパって訳でも無さそうね」
少女も同じ事を思っていたらしい。
それにしても、本当によく似ている。瓜二つとはまさにこの事か。
無理に違う点を見つけるなら、姉より少女の方が言葉がキツイところ。
「でも、私に興味あるってのは変わり無さそうね?」
そして、姉よりも妙に色気があるところ。特に紅をさしたかのように真っ赤の唇が魅惑的だ。
少女の言葉に、僕は頬が急速に火照るのを僕自身実感した。
そしてそれは、少女にも見た目で明らかに伝わった。
「そうね……そろそろ四人目も悪くないか」
四人目? 少女の呟きに疑問を持ったのは一瞬の事だった。
「私に興味があるなら、付いてきて。とても「良い事」が待ってると思うから」
迷うことなく、僕は今夜の予定を大幅に変える事にした。

*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
538某880 姉となる幼女〜モーショボー5〜:2005/11/21(月) 23:26:22 ID:BpVGRa38
話をするつもりでいた。だから二人で静かに話せる場所に行きたかった。
しかしまさか、少女が「こんな所」に僕を連れてくるなんて予想すらも出来なかった。
「もしかしてラブホは初めて? なんかあんたって見た目童貞っぽいけど、どうやらその通りみたいね」
手慣れた様子で部屋を選んだ少女と違い、僕はホテル街を歩いている時からおどおどしていた。
姉しか愛せない僕は確かに、童貞だ。女の子とまともに付き合った経験なんて無い。
だからこんな所に来る機会だって、今まであるはずもなかった。
その機会に、まさか姉にそっくりな少女が巡り合わせるとは。
「ねぇ……あんたってもしかして、シスコンでロリコン?」
唐突な質問は、全くずれることなく的の中心を射抜いた。
声も出せず驚く僕を見て、少女は自分の予想が的中した事を知ったようだ。
「まあ、そんな性癖見抜かれて驚くのも無理ないか。私にはね、そういうのを見抜く嗅覚があるのよ。例えあんたみたいなど変態でも、ね」
男の扱いには手慣れた様子。こんな少女なのに。
彼女からしてみれば、僕が少女を姉と間違えた事や少女に興味を持っている事から推測したのだろうが、
その推測術は、少女の歳で身につけるにはあまりにも尚早ではないかと思う。
しかし少女は見た目以上に様々な経験を積み重ねているようだ。
一体、何者なんだろう? 見た目通りの少女ではない事は確かだが……。
「ねぇ、ど変態の君。あんたは「こんな物」に興味はある?」
少女がベッドの上に立ち、僕の目の前で自らスカートを持ち上げる。
僕の目は、スカートの中に隠れていた少女の下半身に釘付けとなった。
少女は下着を履いていなかった。露出した、まだ毛も生えぬ恥丘が露わになっている。
「大ありって所ね。いいわよ、触るなり舐めるなり、好きなようにして」
まるで催眠術にでも掛かったかのように、僕は四つんばいになってふらふらと少女の方へと近づく。
そしてじっと少女の恥丘を観察した後、ぺろりと舌を伸ばした。
「んっ、いきなり舐める方を選ぶなんて……やっぱり変態ね」
少女の言葉に頬を赤らめながら、しかし初めて味わう女性の味に、僕は夢中になっていた。
テクニックとか、そんな物は童貞の僕が持ち合わせているはずもなく、
ただ夢中になって舌をぴちゃぴちゃと音を立て舐め回すだけ。
いつの間にか、僕は更に顔を押し当て、少女の腰に手を回しより密着させていた。
息をする事すら忘れる程、僕は舌を動かし続ける。
「ほら、ただ舐めるだけじゃダメよ。舌を「中」に入れるように……そう、上手じゃない」
言われるままに、僕は舌を矢尻のようにピンと伸ばし、少女の「中」へと押し入れていく。
ぐいぐいと顔も近づけ、懸命に奥を舐めようと必至になった。
「クリトリスって解る? そこより上にある……そう、それよ。それも丁寧に舐めなさい」
僅かに突起した陰核。僕はそこを舌先でアメ玉を転がすように、丁寧に舐めていく。
「んっ、いいわよ……そう、上手ね。もっと舌で突いてみたり……そう、それよ。んっ、いいわ、もっとやってごらんなさい……」
少女が徐々に快楽の声を上げるようになってきた。
それが嬉しくて、僕は言われるままに陰核や陰門を舐め続けていった。
「んっ……もういいわ。ご褒美をあげるから、立って服を全部脱ぎなさい」
もう少し舐めていたかったと気持ちが少し尾を引いたが、僕は言われるままに服を全て脱ぎ去った。
「あら、童貞の割りには「良い物」持ってるじゃない……皮もむけてるし」
全裸で直立している僕。少女は僕のぶら下がった肉棒を手でちょんちょんといじりながら、感心していた。
「あら?……あはは、でもやっぱり童貞君だね。こんなんでも良かった?」
軽く少女にいじられた事、そして何より少女に全てを見られている事。
それらが僕を興奮させ、そしてその感情は僕のに公方へダイレクトに伝えられた。
上へと向き始めた肉棒を、少女は嬉しそうに眺めている。
539某880 姉となる幼女〜モーショボー5〜:2005/11/21(月) 23:27:43 ID:BpVGRa38
「それじゃ、ご褒美ね」
少女はそう言うと、小さな口で肉棒の先端をくわえ込んだ。
唇はカリの部分を刺激するよう何度も往復され、そして舌先が尿道を突く。
小さな手は僕の「袋」を優しく撫でるよう持ち上げ、そして軽く揉み始める。
「あぁ……お姉ちゃん……」
経験した事もない、快楽の大波。その攻めに耐えきれず、僕は快楽の声と共に思わずお姉ちゃんと口走ってしまった。
まだ名前も聞いていない少女。でも僕にとって彼女は、どうしても姉以外には思えなかった。
僕の言葉に反応してか、少女は「ご褒美」を中断してしまう。
「……いいわよ、私の事を「お姉ちゃん」と呼んでも。その方が気持ちいいんでしょ?」
姉は僕に許可を出し、ご褒美を再開させる。
しかも今度は、空いた方の手で棹を擦りだしている。
四点攻め。こんなご褒美は生まれて初めてだ。
「おっ、お姉ちゃん……もう……」
だらしないと自分で思いながらも、もう我慢出来なかった。
僕は姉に射精が間近である事を告げた。しかし姉はちらりと僕を見上げるだけで、まったく手も舌も唇も休める事はない。
「もう、でっ、出る……んっ!」
大量の白濁液を、僕は姉の口内に射精した。
姉はそれを喉を鳴らしながら飲み込み、そして管に残る白濁液まで吸い出していく。
「……ごちそうさま。どう?……って聞くまでもないわね、あれだけ出したんだから」
僅かに口元から零れた僕の子孫を指ですくい舐め取りながら、姉は見上げながら微笑んでいた。
その仕草、そして何より叶わないと思っていた夢が今、現実になっている。
その事実が、僕の肉棒を奮え立たせていく。
「早いけど、流石に元気だけはあるわ。もうこんなにしてるなら、すぐに入れられそうね」
姉はそういい、スカートをまくったままベッドの上に寝そべり、そして足を大きく開き僕に見せた。
「ほら、入れたいんでしょ? お姉ちゃんの中に。いいわよ、遠慮なんかしないで早……んっ!」
僕は姉の言葉を最後まで聞くことなく、自分の分身を姉の中に付き入れていた。
そして姉をしっかりと手で支え、狂ったように腰を動かし始めた。
「もう、んっ、せっかちね……いいわ、その代わり、気持ち良く、させてよ……んっ」
僕は無我夢中で腰を振り、姉の中と、時折漏れる姉のあえぎ声に息を荒げていった。
自分が童貞を失った事を忘れる程無我夢中に。
「そう、いいわ、もっと深く、そう……んっ、その調子、続けて、あっ、ん、いいわよあんた……」
姉が満足げに微笑んでいる。ああ、僕はお姉ちゃんを悦ばせているんだ。
その幸福感が心地よかった。獣のように腰を奮いながら、心は充実感に満ちあふれていく。
それが油断だったのか、それとも童貞だった僕の限界が来ていたのか。
「ちょっ、ん、もう逝っちゃったの?」
いつの間にか、僕は姉の中に二度目の射精をしていた。
「まあ……仕方ないわね。ついさっきまで童貞君だったんだから」
うなだれる僕を、姉は優しく慰めてくれる。
ますます、この少女が僕の姉に思えて仕方ない。
実の姉も、普段僕をイジメながら、肝心なところでは優しかった。そんな姉だったから、僕は大好きだった。
540某880 姉となる幼女〜モーショボー5〜:2005/11/21(月) 23:29:11 ID:BpVGRa38
「ほら、休む暇なんて無いのよ? 仰向けに寝なさい」
言われるまま僕が仰向けに寝そべると、姉は愛らしいあんよを懸命に広げ僕の上にまたがった。
むろん、またがる位置は腰の上。
「今度はお姉ちゃんがしてあげる」
手で僕の肉棒をしごきながら、姉は不敵に微笑む。
再度充分な堅さになった僕の肉棒。姉はそれを、自ら自分の陰門へと導く。
「んっ!」
そして一気に腰を下ろした。
「ふふ、若いだけあって、ん、まだ元気ね……ほら、お姉ちゃんを、ちゃんと満足、させてよね」
二度も果てた僕と違い、まだ一度も達していない姉。
今度こそ、姉を満足させなければ。
強烈な快楽を感じながら、僕は下から姉の腰に遭わせ突き上げていく。
「ね、服の上からで、いいから、お姉ちゃんの、胸、揉んで、ね、んっ」
小さな手が僕の手を引き上げ、姉の胸に押しつける。
僅かに膨らんでいる姉の胸を、僕はがむしゃらに揉み始めた。
揉む、というよりさすっていると言った方が表現としては適切だろう。
手に集中すると、腰が止まってしまいそうだったから。
何より、姉の胸は服の上からと言う事もあり、揉める程大きくはなかったから。
「がんばって、もうすこし、だか、ら、あっ! いい、もっと、ても、んっ、こしも、うごかして……あはぁ!」
姉の声は次第に、喘ぎ一色になってきた。
もう少し、もう少しで姉を悦ばせてあげられる。
「いく、いけるわ、あんたも、んっ! いき、いきなさい、あっ! んっ、ほら、いくの、よ、ねっ、んぁっ!」
僕もそろそろ三度目の限界を迎える。しかしそれは、姉をちゃんと悦ばせてからだ。
「ほら、もっと、ん、いける、いく、いくから、ほら、んっ! いい、いく、いくわよ、いく、いく、いく、いっ、んっ……んはぁっ!」
ピクッと姉が身体を震わせ背を反らせたのと、僕もベッドの上で背を反らせたのは、ほぼ同時だった。
三度目だというのに、僕の射精は止め処ない。
姉が立ち上がり僕の物を引き抜いた瞬間、まだ残っていた二度目の白濁液もあり、
小さな姉の中からだらだらと大量の白濁液が垂れ流れていく。
「どう? お姉ちゃんに二度も出しちゃった感想は?」
そんな事、言葉に言い表すなんて出来やしない。
不可能だと思っていた願望。それが成された今、僕はこの上なく幸せだった。
541某880 姉となる幼女〜モーショボー5〜:2005/11/21(月) 23:29:58 ID:BpVGRa38
「随分気持ち良かったみたいね。それじゃ、その分キッチリ頂く物は頂きましょうか」
頂く?
ああそうか。おかしいと思っていた。
僕は姉に会えた感動ですっかり思考が停止していたが、今なら色々と考える事も出来る。
初対面の女の子が、いきなり男をホテルに連れ込むか?
彼女が見た目通りの年齢でないのは、どことなく感じていた。
そして男慣れしている事も。
彼女はおそらく、売春婦だ。男を連れ込み、身体を好きにさせる代わりに金銭を要求する商売女。
だろうな。そうでなければ、彼女か僕をこんな所に連れ込むわけがない。
僕の推理は間違いない……と思っていた。
しかし、真実はもっと意外で、そして信じられない物だった。
「あんたの脳髄……たっぷり吸わせて貰うから」
ニヤリと口元をつり上げた少女の顔が、徐々に形を変えていく。
ホラー映画でも見ているのか。最先端のSFXのように、少女の顔は、そして身体は、一羽の鳥へと変貌していく。
「大丈夫、すぐに済むわ。痛みを感じる間もなく、すぐに吸い尽くしてあげるから」
あまりの事に身体が硬直してしまったのか、僕の身体は全く動かない。
だが、僕の心に焦りはなかった。
不思議と、この状況を僕は受け入れていた。
願望を叶えて貰った代償。彼女の言葉に、僕は何処か納得していた。
そもそも、ここまでの出来事すら夢のよう。その終演が悲劇でも、それはそれで良いのかも知れない。
現実に目を向けることなく、姉を追い求め続けた、これが僕の罪なら、受け入れるのが当然だろう。
「……じゃあね。新鮮で良かったわ、弟君」
彼女のクチバシが、振り下ろされる。
僕は咄嗟に目をつぶった。
そして、しばらく時が流れる。
まだ意識がある? 僕はそっと目を開けてみた。
「……冗談よ」
クスクスと笑う姉が、目の前にいた。

*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
542某880 姉となる幼女〜モーショボー5〜:2005/11/21(月) 23:30:33 ID:BpVGRa38
「あの、彼が「四号」なんですか? 女王たん」
裸の男達が三人、首輪を付けて正座をし並んでいる。
彼らは姉が飼っている「奴隷」……らしい。
あの日、僕は姉から「真実」を聞いた。
姉はモンゴルで生まれたモーショボーという妖怪である事。そして奴隷を三人飼っている事。
その上で、姉は僕を誘ってきた。
「あんた達と一緒にするんじゃないわよ!」
姉は持っていた鞭で、質問をした男性を叩く。
それを嫌がることなく、むしろ悦んで受け入れる男性。
ああ、やはり姉が言った通りの人達なんだ……。
「この子はね、私の「弟」なの。だからあんた達とは格が違うのよ、いいわね?」
姉は自分の事を語った上で、僕の身の上を聞いた。
そして姉はこう提案してきたのだ。
私の弟にならないかと。
むろんこの弟というのは、ごく普通の姉弟の事ではない。
快楽を求め合う、つまり僕と姉の趣向に遭わせた義姉弟にならないかという誘い。
僕が断る理由なんか、何処にもなかった。
「あの……よろしくお願いします」
三人の視線が痛かった。嫉妬に満ちたその視線が。
「なにその目つきは。私が決めた事に不服でもあるの?」
再び乱れ撃たれる鞭。
姉はここへ連れてくる前に言っていた。ちゃんと奴隷達には力ずくでも説得させると。
なるほど、姉の言葉は本当にそのままの意味だった。
「いい、この子は私の弟。私が決めた事なんだから、ちゃんと受け入れなさい!」
嫉妬に満ちた目が、徐々に違う、なんか危ない方向の色を帯び始めている。
なんとなく、このまま「プレイ」に流れていくんだろうなぁと、僕は苦笑いを浮かべながら状況を見守っていた。
実の姉は、その当時の年齢から考えても、こんな趣味は持ち合わせていなかった。
しかし……僕にはこの「女王たん」が、本当の姉にしか思えなかった。
姉の話では、モーショボーに転生した事で、人間だった頃の記憶は無くなるらしい。
そもそもモンゴルで生まれた以上、似ていても僕の姉だった事はないだろうと言っていた。
しかし……僕の姉は、モンゴルで死んでいる。
家族でモンゴルへ観光に来ていた時、姉が付き添いと共に乗馬していた馬が急に暴れ、
そこから落馬し運悪く頭を打って……そのまま死んでしまった。
この話に、姉は驚いた。がしかし、姉はそれでも記憶がない以上自分が僕の姉であったかどうかなど何も確証がないという。
小説や漫画のように、奇跡的に記憶が蘇るといった事もあり得ない。
何より、妖怪に転生した以上血の繋がりはもう関係ないと。
「ほら、これ以上つまらない事言うと、脳髄を吸い取るわよ!」
鞭を振るいながら言う姉の言葉は本気ではない。何故なら、姉はもう脳髄を吸い取る事を止めたから。
僕は思う。姉がモーショボーとしての本能とも言える脳髄の吸引を止める事が出来たのは
姉に世話を焼く人々のおかげと、そして姉に、愛があったからではないかと。
人間だった頃の姉は確かに、異性への愛は知らなかったと思う。
だけれども、家族の愛は知っていたと……そう思う。
姉がモーショボーになったのも、そしてわざわざモンゴルから日本にやってきたのも
全ては僕と再会するためなんじゃないか。
こんな事、姉に話したら鼻で笑われるだろう。でも僕はこれが真相なんじゃないかと信じて疑わない。
「今日は罰として、そこで私と弟が愉しむのを見てなさい」
少し息を切らしながら、姉は「放置プレイ」を申し渡した。
うーん……正直、見られながら姉と「する」のは気が進まない……が、姉が望むなら僕は何だって受け入れる。
そういう意味では、僕も彼ら三人の奴隷とあまり変わらないかもしれない。
「ほら、あんたもぼーっとしてないで。跪いて舐めなさい」
レザーの女王たんルック。大切な部分だけパックリと開き、恥丘が露出している。
そしてそこは、しっとりと濡れていた。
「うん、お姉ちゃん」
僕は悦んで、姉の恥丘を丁寧に舐め始めた。
543某880 ◆/Mgq/8agL6 :2005/11/21(月) 23:34:56 ID:BpVGRa38
以上です

実は元々全く違う話のアイデアとして考えていた物を
モーショボーのリクエストがあったのでこちらへ変更して書いてみました。
元のネタと共通しているのは「幼女なのに姉」というところ。
モーショボーのイメージとは又かけ離れた設定になりましたが
個人的にはこれもありかなと気に入っています
544名無しさん@ピンキー:2005/11/22(火) 01:15:45 ID:KX0BgbNY
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!
GJ!!
545名無しさん@ピンキー:2005/11/22(火) 01:19:21 ID:sOAkHS0n
ちょっとホロリとしたエロでした
GJ
546名無しさん@ピンキー:2005/11/22(火) 09:58:01 ID:5IwF5RPD
GJ! GJ! GJ!!
547名無しさん@ピンキー:2005/11/22(火) 12:50:39 ID:5czXnaIR
超GJ!!!
モーショボータン最高です!
このシリーズはハマるな〜w
548名無しさん@ピンキー:2005/11/23(水) 12:27:31 ID:ID7GCyse
もう妖怪としか生きられない
人間の頃の記憶も、ない
でも今のモーショボーたんに、ずっと少年の姉であり続けて欲しいなと思うのでした。

やっぱりどのスレにあってもジャンルを超えて楽しめるよGJ
549名無しさん@ピンキー:2005/11/28(月) 21:10:09 ID:AwduezJp
 
550名無しさん@ピンキー:2005/12/05(月) 01:01:18 ID:hePR3NNh
保守
551名無しさん@ピンキー:2005/12/08(木) 13:46:38 ID:3EqJgciZ
 
552名無しさん@ピンキー:2005/12/14(水) 10:49:37 ID:LMp/A0c8
たまに、覗いた事のないスレを廻って良作佳篇に出会い、とても驚く。
GJ!
553名無しさん@ピンキー:2005/12/15(木) 05:18:35 ID:OyBnHInr
ようこそこちら側へ
554名無しさん@ピンキー:2005/12/18(日) 11:33:57 ID:yLpU6b4C
オカルトシステム強制発動!
555名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 08:36:01 ID:wggLTOK/
作品投下期待保守
556名無しさん@ピンキー:2005/12/31(土) 03:21:50 ID:7TlAZQtt
保守
557名無しさん@ピンキー:2006/01/01(日) 02:07:59 ID:gDaQqxrK
おけおめ〜
558名無しさん@ピンキー:2006/01/01(日) 02:23:58 ID:TElr9KhF
>557
あけでと〜
559名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 00:05:36 ID:BoMa5tBB
保守あげ
560某880 見えない絆と見える少女:2006/01/09(月) 02:19:40 ID:AbQJpJ6X
朝、目を覚ますと……純白のパンティーが目の前にあった。
もっと厳密に言えば、スカートの中から純白のパンティーが見えた。
そしてスカートから伸びる小さな足は、俺の鼻に押しつけられている。
どこから入り込んだのか、見知らぬ少女が俺の顔を踏んでいるようだ。
見たところ10歳くらいだろうか? 少女は僕の顔を見下ろしながらクスクス笑っている。
子供のいたずらにしては、少々度が過ぎている。人の顔を踏みつけ笑うなんて、何様だ。
「どけろ!」
俺は少女の足を掴み、それをどけた。そしてすぐに布団から跳ね起きる。
突然足を捕まれた少女は驚いているようだ。
「誰だ、君は。勝手に人の部屋には行ってきちゃダメだろ。それに人の顔を踏みつけるなんて、行儀が悪いし失礼だろ!」
俺は子供相手にかなり大きな声で怒鳴り叱る。
感情的にはなっているが、子供相手と言うことで一応気を使っているつもりでいる。
しかし少女はここまで激しく叱られるとは思ってもみなかったのか、キョトンと惚けたままだ。
「コラ、話を聞いているのか? だいたい、何処の子だ君は。それにしてもどうやって俺の部……」
「ねぇ、見えてるの? 私のこと」
叱られているという自覚が無いのだろうか。少女は俺の言葉を遮り妙な質問をしてきた。
「は? あのねぇ、大人をからか……」
「見えてるのって聞いてるの! 見えてるんでしょ? ね?」
妙なことをしつこく尋ねてくる。
見えていて当然だろう。見えなければ踏みつけられている事に気付かないし叱ることも出来ないのだから。
何がしたいのか。何が言いたいのか。少女の言動はいささか理解しがたい。
子供特有の、珍妙な行為。
人の部屋に入ってくるのも顔を踏みつけるのも、そして訳の判らない質問をするのも、
特に意味はないが本人は至って真面目なつもりで行う、そんな無意味な行為なのだろうか。
と……冷静に分析するよりも早く、俺は……キレた。
「いい加減にしろ! 散々悪戯して、ごめんなさいも言えないのか!」
近頃の子供は、本当に躾がなっていない。
自分が子供だった頃のことなどは棚に上げ、俺は目の前の少女を更に怒鳴りつける。
ここまで激怒するとは思わなかったのか、あるいは何故怒っているのかすら理解できないのか、
少女は仰天し目を見開いている。
そして見開いたその目が潤み、ごめんなさいと言い出すまでの小一時間、俺は説教を続けていた。

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561某880 見えない絆と見える少女:2006/01/09(月) 02:20:18 ID:AbQJpJ6X
「座敷童?」
散々説教をした後で、少女に色々と「訳」を問いただしたところ、出てきた答えがこれである。
少女が言うには、自分は座敷童という妖怪で、自分を見てくれる人を探し続けていたとのこと。
座敷童は本来、子供には見えて大人には見えない妖怪として有名。
しかし彼女の場合、大人はもちろん、子供にも見えないらしく、子供達の前でいくら自分をアピールしても全く気付かれないらしい。
誰にも気付かれない存在。それはつまり孤独を意味している……というわけでもないらしい。
彼女の場合、同じ妖怪なら存在に気付いて貰える。故に孤独とは感じないという。
にわかには信じがたい話だ。
そもそも、人間には見えないはずなのに俺には見える、と言う時点で既に信じがたい。
そこで彼女を連れ外に出て色々試した。
行き交う人々の前に少女が飛び出し、反応を見てみるという試みを。
老若男女、様々な人に試していく少女。確かに彼女が言うように、全く誰も彼女の存在に気付く様子はなく、何をされても無反応。
もしかして俺以外の全ての人が、俺にドッキリでも仕掛けているのか?
それはむしろ、彼女の言う座敷童という話よりも信じがたいこと。つまりは彼女の話に嘘はないと言うことになる。
これでとりあえず、彼女が無断で俺の部屋に入ったことには納得が出来る。
俺に悪戯をしたのも、気付かれないことを前提にした、彼女なりの「一人遊び」に過ぎないらしい。
「でもああいうことは、見られていないからってして良い事じゃないだろう」
俺はまた軽く説教をした。
「ごめんなさい……」
素直になった彼女は、反省の言葉を口にした。まぁこの事はこれ以上攻めるべきではないな。
一通りのことは不可思議ながらも納得がいき始めた。
がしかし、納得できない点が一つある。
「で……なんで俺には見えるんだ?」
これはむしろ、少女も知りたがっていた。
「もしかして、お兄ちゃん妖怪?」
それは断固として違う……はずだ。
しかし俺が妖怪なら全てに説明が付いてしまうのが怖い。
妖怪である少女と対話しているときには全く感じていなかった悪寒を、俺は今更背中で感じ始めていた。

*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
562某880 見えない絆と見える少女:2006/01/09(月) 02:21:49 ID:AbQJpJ6X
「いや、大丈夫ですよ。あなたは間違いなく普通の人間です」
そう俺を「診断」したのは、一人の「ドクター」だった。
ドクターとは言っても、医者ではないらしい。「学者」という意味でのドクターらしい。
妖精学者(フェアリードクター)。そういう職業を名乗る人物が、今俺の目の前にいる。
少女を含めた妖怪達の間では有名な人物らしく、
妖怪あるいは海外からやってきた妖精などといった、人ならざる者達と人間との間に起きるトラブルを解消するのが主な仕事らしい。
このドクターは人間と層でない者達とを見分ける力があるらしく、
人間かどうかは一目見ただけで判別できる、と語っていた。
そのドクターが俺を診て人間だと断定してくれたことで、俺はひとまずホッと胸をなで下ろせた。
「でもさ、じゃあなんでこの人には私が見えるの?」
同席している座敷童の少女がドクターに尋ねたいる。不安が取り除かれたところで、俺もそこは非常に気になった。
「んー……俺……いや失礼。私と同じ能力を持っているわけではないようだからねぇ……現に今「見えていない」ようだし」
見えていない? 何が?
俺にはまだ座敷童の少女は見えている。何か俺に見えていないものがあるのか?
と、首を傾げたその時だった。
「ばぁ!」
「ぬわぁ!」
俺は奇妙な奇声を上げ驚き、座っていた椅子から転げ落ちそうになる。
突然、俺の目の前に小さな小さな女の子が現れた。
大きさは人形程の女の子。背中に羽根が生えており、それを羽ばたかせ俺の目の前を飛んでいる。
「そいつはピクシーという妖精でね。今見た通り、普段は人間から見られないように姿を消すことが出来るんだよ」
そのピクシーが姿を消している姿を、俺は見つけることが出来なかった。
しかしドクターと少女には見えていたらしい。
二人とも俺と違いピクシーが消えていても見つけることが出来る能力を持っているから。
「驚かせて済まなかったね。だが今見た通り、君は普通の人間同様、姿を消した妖精や妖怪を見る力はないんだよ」
これもまた、俺が妖怪などではない証拠でもあるとドクターは言う。
563某880 見えない絆と見える少女:2006/01/09(月) 02:22:21 ID:AbQJpJ6X
「にも関わらず、その子は見えるというのが……何かの「因果」があるのかもしれないなぁ」
俺のようなケースは珍しくはないらしい。
例えば幽霊など、その幽霊が強く恨みを持っている相手にだけ姿を見せ、他の人には見られない、というケースは多々あるという。
となれば、俺と少女の間に何らかの因果、縁があるのかもしれないというのがドクターの診断結果。
ドクターは俺に、最近近所や親戚筋で子供が亡くなったか、付き合っていた女性が子供を下ろしたことなどないかなど、いくつか質問をしてきた。
「そもそも座敷童というのは日本全国で見られる妖怪でね。元々は子供の霊だったというケースもあるんだよ」
他にも家の守り神だとか色々とあるらしいのだが、本来は「家」に取り憑く妖怪で、一個人にだけ見えるようなケースは珍しいとのこと。
そもそも子供に見えない座敷童ということ自体が珍しく、しかもふらふらと彷徨っているのも珍しいらしい。
いわば「野良座敷童」。今までこのような座敷童は彼女以外ドクターも知らないらしい。
ここまで珍しい座敷童が見えるのなら、俺はこの少女と何らかの強い繋がりがあると考えるのがごく自然なのだとドクターは言う。
「もし君の回りで近頃亡くなった子供がいれば……と思ったけど、その線はないか……」
他にも、俺がロリコンなのかといった質問までされたが、これも否定した。
もし俺がロリコンなら、俺が強く願うことで見えるようになったのかもしれなかったらしいが……それは是非とも否定したい。
他にもあれこれと考えられる原因を調べたが、結果として「不明」のままで終わってしまった。
「まあ、原因を判別できても出来なくても、結果として「君には見える」という事実は変わらないから」
さじを投げたドクターは無責任なことを言う。
確かに彼の言う通りだが、原因が判らないままというのは少し気味が悪い。
そして、判らないままというのは一つ大きな問題を抱えることになってしまう。
「さてそれより……どうするね、これから」
どうする? ドクターは何を言っているのか最初判らなかった。
「彼女のことだよ。君に「見える責任」というのはもちろん無いが、しかし見える以上何らかの繋がりがあると私は思っている」
顎二手を当てながら、ドクターはとんでもないことを言い始めた。
「どうかな? 君のためにも彼女のためにも、しばらく「同居」してみては」
「……はぁ?」
俺は間抜けな声を上げると共に、じわじわと何かよく判らない「汗」をかき始めていた。

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564某880 見えない絆と見える少女:2006/01/09(月) 02:23:17 ID:AbQJpJ6X
あれから数ヶ月という時が流れた。
結局、俺は少女の強い希望とドクターのねばり強い説得に負け、座敷童との同居生活を始めることになった。
突然10歳の女の子と同居することになった俺の生活は……表向きはそれほど変わらなかった。
それもそうだ。他の人には見えない少女は世間的に「いない者」とされる。
ついでに食事も必要とせず、衣類は着ているが脱ぐことが無いので洗濯の必要がない。
つまり生活費の上でも、彼女はいないも同然だった。
がしかし、彼女は実在している。家では彼女が俺の帰りを待っている。
そしてあれやこれやと俺に構えとまとわりついてくる。
幸い俺はアパートに一人暮らし。
他の人には見えない少女と話をしている姿を見られる事がないので、「何か一人でぶつぶつ言う危ない人」を家族などに目撃されることはない。
とはいえ、やはり俺には見えているわけで、少女もそんな俺にまとわりつくわけで……色々と大変なのは間違いない。
「でね、河童の奴が「相撲は強いんだから、絶対に勝つ」なんて言ってたんだ。なのに負けたじゃない、素人に。もうね、あの時の悔しそうな顔ったら無かったよ」
先日行われた総合格闘技の話題を俺に話す少女。
俺がいない昼間は他の妖怪仲間達と遊んでいるらしく、よく俺にその事を報告してくる。
まるで学校での出来事を両親に話す小学生のように。
「まあ、ほとんど勝ったとのない選手だったからなぁ……」
そして俺も、まるで少女の両親のように、その報告に合わせ話をする。
同居生活を始めた頃は流石に戸惑ったが、今ではこの生活に馴染んでいる。
ごく自然と馴染めたことに、俺は今更ながら驚いてはいるが。
彼女が座敷童だとか、そのあたりは意識していない。意識したところで意味はない。
何故俺にだけ見えるのか、というのも気にはなるが気味が悪いとはもう感じなくなっていた。
それほどにまで自然な関係になっていた俺達なのだが、ここに来て、大きな問題が一つ浮上してきた。
「さてと……そろそろ寝るかな」
夜も深まり、二人で見ていた深夜番組も終わったところで、俺は床につこうとした。
「私はどうしよっかなぁ……」
少女が今後の予定を悩み始めている。
彼女は睡眠を必要としないため、寝ることがない。
俺が寝ている間は一人暇になるので、テレビを見るなりゲームをするなり、あるいは出かけ妖怪仲間と遊んできたりしている。
無邪気で悪戯好きではあるが同居生活での「ルール」はしっかり守っている。
初めて出会ったときの「説教」が効いているのだろうか、寝ている俺の邪魔をするようなことはしない。
このような事もあり、生活時間のズレは問題にはなっていないのだが……。
「今日は文車妖妃ちゃんと夜通しおしゃべりをするとか言ってなかったっけ?」
俺は本人から聞いた彼女のスケジュールを口にした。
「あっ、そうだった。ピクシーちゃんもカハクちゃんも来るんだったっけ」
手を叩き彼女が嬉しそうに話す。
「じゃあ出かけてくるね。おやすみぃ」
そう言い残し、彼女は善は急げとすぐに飛び出していった。
よほど楽しみなんだな……などと、思いやる余裕は今の俺にはない。
しばらく様子をうかがい、彼女がいきなり戻ってこないのをじっと確認する。
5分経過。もう戻る気配はない。
よし! この機会をどれだけ待ったか!
やっと、やっと巡ってきたチャンス。これを逃す手はない!
俺は棚の奥へ厳重に隠していたDVDケースを取り出し、それをそそくさとセットし始める。
共同生活を始めるようになってから生じた問題。それは俺の「性処理」だった。
俺も年頃の男。それなりに性欲は堪る。
しかし少女がいては、それを簡単に発散することが出来ない。これが問題だった。
ならば「外」で処理すれば良いのだが……残念ながら、懐がそれを許してはくれない。
普通に家族と同居しているのならば、家族が寝静まったときにでも処理すれば良いだろうが……同居している少女は四六時中起きている。
となれば、チャンスは彼女が出かけているとき。すなわち今しかない!
画面に映るAV。俺はズボンもパンツも下ろし、食い入るように画面を見つめ、待ってましたと熱くなっている自分の肉棒を握りしめた。
「そこ、そこ舐めてぇ……あん、気持ちいいわぁ」
画面の向こうで揺れる胸と部屋に響く喘ぎ声に興奮する俺。
久しぶりの性処理だからか、頂点へ一気に登り詰めていく。向こうも俺も「動き」が激しくなっていく中……。
565某880 見えない絆と見える少女:2006/01/09(月) 02:24:09 ID:AbQJpJ6X
「手伝ってあげようか?」
聞き覚えのない台詞が聞き覚えのある声で俺の耳にどいた。
驚き振り返ると、同居している少女がいつの間にか帰ってきていた。
「ちょっ、おま……」
登り詰めた興奮は一気に冷め、そして混乱した俺は意味不明なことを口走っていた。
「借りてたゲームを持っていくの忘れちゃって。ああいいよ、手伝ってあげるから。特に時間決めてなかったから何時行っても構わないし」
俺とは正反対に、少女は至って冷静だった。それがかえって俺を混乱させる。
混乱は人の動きと思考を完全に止めてしまう。
何も言えず何もしない俺に、少女は当たり前のようにしゃがみ、俺の肉棒を握り始めた。
そこで流石に俺も正気を取り戻した。
「ちょっ、待て! 何してんだよ」
既にしぼんでしまっている肉棒から少女の手をほどき、俺は彼女の行為を止めた。
「え? だからお手伝い。男の人って一人でするよりやって貰った方が良いんでしょ?」
子供が何を言い出すか。俺はまた面くらい、しばし思考が止まってしまう。
「ああ……ごめんなさい。こういうのは普通恥ずかしいんだっけ」
ペロリと舌を出す少女。その様子から……どうやら判っていて言い出したようだ。
悪戯好きな彼女が俺を驚かせようとしている。それは判るが、それにしても、ちょっとこれは……。
「あはは、大丈夫だよ。私「そういうの」見慣れてるから」
いや、そういう問題じゃないだろ。見慣れているとか、そういう……ん? 見慣れている?
「ほら、私が「野良」してた頃。今みたいなことをしている男の人を沢山見てきたよ。だからどういう事なのか、どうしてするのかとか、そういうのは判ってるから」
僅かに俺が眉間にしわを寄せたことで、俺が色々疑問に思っていることを感じ取ったのだろう。少女が色々と語り出した。
「だから、私そういうの全然平気だから。むしろ遠慮しなくても良かったのに」
見た目は10歳の女の子だが、しかし彼女は妖怪であり、人間の女の子とは全く違う。
しかしだからと言って、ああそうですかと続きが出来るわけでもなく……相手が誰であれ、こういうのを見られること自体恥ずかしいことなのだから。
「ほら、「そういうお店」に来たとでも思えば平気でしょ?」
そういうお店には、10歳の女の子はいないぞ。
ませた10歳の女の子でも、ここまで色々と耳年増にはならないだろう。耳どころか、彼女の場合は見てきている分知識は豊富で確実だ。
そしてこれらの行為に抵抗も羞恥心もない。
「我慢してると色々身体に悪いよ? 手伝ってあげるから堪ってるの出しちゃいなよ」
そして再び、俺の肉棒を握ろうとする彼女。
どうも彼女は悪戯というだけでなく、本気で手伝うつもりらしい。故に俺は余計に戸惑っている。
戸惑いながら俺は色々抵抗したが、戸惑っているが為にか、いいからいいからと繰り返す彼女に押される形で握らせてしまった。
つけっぱなしのAVを前にして、今更大人ぶれないところもあったからだろうか。
とりあえず、そう自分に言い訳をしてみる。
566某880 見えない絆と見える少女:2006/01/09(月) 02:24:45 ID:AbQJpJ6X
「そのまま画面見てて」
見ててと言われても、流石に視線をそちらへ移せない。
俺は少女が懸命に俺の肉棒を小さな両手でしごく姿から目を離せなかった。
「どう? 気持ちいい?」
戸惑う俺の心とは裏腹に、しっかりと肉棒はいきり立ちその興奮度合いを示している。
そしてしっかりと、俺は快楽を感じていた。
罪悪感と共に。
「いいから気にしちゃダメだよ。私こういう事しかしてあげられないし」
俺の顔色をうかがいながらも、手は懸命に動かし続けている少女。
その顔は、俺と同じように戸惑っていた。
その戸惑いは、行為に対してではないのだろう。俺が素直に彼女の「好意」を受け入れないが為の戸惑い。
「私じゃダメ? ねぇお願い……折角私のこと見てくれる人に出会えたんだから、これくらいのことさせてよぉ……ずっと、一緒にいたいのぉ」
その一言が、俺の心に響く。
そうか。彼女は確かに孤独ではなかったが、寂しさを感じなかったわけではなかったのか。
子供にも見えない異端の座敷童。自分の存在意義に戸惑いを感じていたのだろう。
だからこそ、野良となり様々な人を観察しちょっかいを出してきた。
そして俺に巡り会った。その喜びはとてつもなく大きかったのだろう。
それだけに、彼女は出来る限り俺と一緒にいたかった。
しかし俺はどうしても、彼女を避けたい時がある。それが自慰行為をするとき。
その時すらも離れたくない、寂しがり屋の座敷童。
そんな彼女が考えついたのが、自慰行為の手伝い……ということか。
「……気持ちいいよ、とっても」
俺は少女の頭を撫でながら微笑んだ。
そして少女は満面の笑みを浮かべている。
罪悪感が消えた……と言えば嘘になる。まだどこかに道徳心が引っ掛かっている。
しかしそれ以上に、彼女の気持ちに答えてやるべきだという感情が勝った。
素直に受け入れようと決めた途端、鬱積していた気持ちが解放され急速に肉棒から快楽がざわめく波のように押し寄せてきた。
「もうすぐ? 逝って、出して」
言うなり、彼女は小さな口からちっちゃな舌をちょんと突き出し、肉棒の先端を軽く舐め始める。
手も舌も、とてもぎこちない。しかしそのぎこちなさがかえって新鮮で心地良い。加えて彼女の懸命さが伝わり、心の奥底から快楽を感じられる。
「くっ、もう……出る!」
「きゃっ!」
あまりの心地よさに、俺は肉棒を彼女から放すのを忘れそのまま白濁液を解き放ってしまった。
結果、彼女の顔にそのまま射精する形になってしまった。
「あはは、顔射だぁ……う、ちょっと苦いねこれ……」
少女の顔に粘り着く白濁液。彼女はそれを嫌がることなく、垂れてくるのを指ですくいながらペロリと舐めた。
その姿に、俺は興奮したのだろうか。気付けばしおれたはずの肉棒はもう既に天に向けそそり立っていた。
「まだ元気だね……」
ツンツンと悪戯っぽく、指で俺の肉棒を突き出す。それに答えるかのように、ピクピクと軽く動き出す肉棒。
567某880 見えない絆と見える少女:2006/01/09(月) 02:25:20 ID:AbQJpJ6X
「……ねぇ、オナニーだけじゃなくてさ……折角だから……」
立ち上がりながら、少女がもじもじと言い出す。
そしてスカートの中に手を入れ、初めてであったときに見た白い下着を脱ぎ始めた。
「してみようよ……見たことはあるけど、やったことはないんだ……ね、お願い」
俺の中で再び、罪悪感が首をもたげる。
いくら何でもそれはまずいだろう。
しかしそんな道徳心とは別に、興奮している自分がいることにも気付いていた。
今更、自分がロリコンではないと自信を持って言えるわけではない。
しかし俺は彼女が少女だから興奮しているのではないと、これだけは自信を持って言える。
愛しいのだ、彼女が。
俺も思い始めていた。ずっと側にいて欲しいと。俺達を結びつけた知らない絆を、更に深めたいと。
「お兄ちゃん……お願い、して欲しいの……」
ちょこんと座りスカートをめくり、そして小さく細い足を広げる少女。
その奥は濡れて光っていた。年端もいかぬ女の子に見えるが、そこだけは熟女のような反応を示している。
そういえば、同居を決めたときにドクターが言っていた。
見た目や性格は子供でも、「心」は大人なのだと。だからその心を大切にしてあげて欲しい、と。
どこかで、俺も彼女の「心」を感じ取っていたのだろうか。
親子のように、兄妹のように接していたつもりだったが、心では男と女として付き合っていたのかも知れない。
むろん自覚はない。今の今までは。しかし今はハッキリと、自覚している。
いきり立つ俺の肉棒と、濡れに濡れている彼女の陰門が、その証拠として反応をしっかりと示している。
俺はゆっくりと少女に近づいていく。
大きな期待と、僅かな不安を瞳に映し、俺をじっと見つめる少女。
自分の手で肉棒を握り、しっかりと固定させる。
そしてそれを、とてもとても小さな陰門へと近づけていく。
「んっ……入って、いっ……んんっ! はぁ……入った……」
予想を外し、若干きつかったもののすんなりと彼女は俺を迎え入れた。
充分に濡れていたこともあるが、彼女が少女なのは見た目「だけ」だったのもあるのだろう。出血もないのが、その証拠とも言える。
「動いて……ね、お願い……」
言われるまでもない。俺はゆっくりと、腰を動かし始めた。
入れたとき同様、スムーズに動く腰。
しかし中はそれなりにきつく、まるで先ほど小さな手でぎゅっと握って貰った時と同じような圧迫感と心地よさがある。
「ん、い、これ、これが、セッ、クス、なんだね……ん、気持ち、いいよ、お兄ちゃん……」
満面の笑顔にうっすらと涙。
痛いわけではない。悦んでいるのだ。
快楽の悦びと、一つになれた喜び。
繋がるべくして出会い繋がった二人。その悦びを俺達は全身で感じていた。
「い、ん、きち、いい、ん、あ、はぁ! ん……ね、キス、キスも、おにい、ちゃん……」
求められるままに、俺は彼女の小さな唇に覆い被さるよう唇を重ねた。
そして中でチロチロと動くちっちゃな舌に自分の舌を絡めていく。
「んっ、くちゅ……ちゅ、ん、んちゅ……んはぁ! ん、あは、ファーストキスだぁ、じゅんばん、が、んっ! へんだよ、ね、あはは、んっ! あっ、いい、きもち、いい、おにいちゃん」
言われてみるとそうだ。俺は彼女の舌をファーストキスよりも先に肉棒で感じ、そしてその肉棒を彼女に入れながらのファーストキスか。
なんと淫乱な。しかしなんとなく、自分達にはお似合いだとさえ思える。
「あっ! なんか、くる、きてる……いく、いくの、かな? わた、わたし、いっ、いっちゃ、んっ!」
俺もそろそろ限界が近づいていた。
出来れば一緒に。そう願いながら俺は動かす腰をより激しくしていく。そして細く小さな腰も懸命に動いていた。
「くる! くるよ! おに、おにいちゃ、ん、んはぁ! いっ、いく、いっちゃ、うっ、んっ、ふわあぁぁ!」
ビクビクと彼女が身体を震わせると同時に、俺は彼女の中へと白濁液を注ぎ込んでいく。
「ふあぁ……ん……気持ち良かったぁ。これがセックスなんだぁ……えへへ、気持ち良かったね、お兄ちゃん」
俺は少女の髪を撫でながら、頬に軽くキスをしてそれを返事とした。

*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
568某880 見えない絆と見える少女:2006/01/09(月) 02:25:54 ID:AbQJpJ6X
しばらく余韻を愉しんだ後、俺達は同じ布団に入り抱き合っていた。
「そういえば、出かけなくて良いのか?」
聞けば、そもそも今日出かける用事はなかったのだと少女は白状する。
つまり、俺と「このような仲」になる為のフェイク。
出かけると言えば必ず自慰を行うだろうと計算していたらしい。
そこまで見抜かれていたことに、俺は気恥ずかしさを感じずにはいられない。
「でも良かった。ちゃんとお兄ちゃんと一つになれて」
ぎゅっと、小さな腕で俺の腕にしがみつく。
妹が兄にじゃれる仕草。そして彼女が彼氏に甘える仕草。
俺は幸福感とちょっとした罪悪感に包まれた。
やはり、まだ良かったのかどうか悩む自分がいる。
しかしこれも、近いうちに良かったのだと確信できるようになるだろう。
彼女は10歳の女の子ではない。座敷童という妖怪の「女性」なのだから。
「それにしても、お兄ちゃんやっぱりロリコンだったんだねぇ」
「それを言うなよ……気にしてんだぞ、今」
どんなに言い訳をしようとも、やはりロリコンと見られるんだろうなぁ、こうなると。
まあ……強く否定できないのなら仕方ない。
それよりも大切なことがあるんだから。
「ロリコンじゃなくて、俺はお前に惚れただけだ」
自分で言いながら、急速に顔を赤くしていくのを自覚する。
そして同様に、彼女も顔を赤らめていった。
どうして俺は、俺だけが、彼女を見ることが出来るのか。これは未だに謎だ。
謎ではあるが、理由なら判る。
こうして結ばれるためだ。
真っ赤な頬よりも赤い唇を互いに重ねながら、俺はこれだけは確信していた。
569某880 ◆/Mgq/8agL6 :2006/01/09(月) 02:31:00 ID:AbQJpJ6X
以上です。

モーショボーに続いてロリキャラを書いてしまった。
俺はロリではないはずなんだがなぁ…いやマジで。
とりあえず、モーショボーとはかなり方向の違うキャラになったので、
分けて楽しんで貰えたらなにより。
ちなみに、「何で見えるのか」というのが謎のままですが
別に後々判るようになるとか、そういうのは考えてません。
あくまでこれ1話のみの読み切りのつもりで書いています。
もちろん、何か思いついたら書くこともあるでしょうけど
続きはあまり期待しないで下さいね。
…期待されるような作品だったかどうかという問題もあるしねw

問題はむしろ、さりげなく俺3連続投下になっていることかと…
570名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 04:36:59 ID:f8UOHTT9
某880氏、ほんわかしててよかったです。

出来れば続き希望に一票。
571名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 09:43:25 ID:ZtmB06i4
一瞬のチャンスにすかさずエロDVDを取り出すところが正常な成人男子。
どう見ても普通の人間です。本当にありがとうございました。
572名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 10:33:23 ID:A0AL5dVL
座敷童タンGJ!
萌マスタ(´Д`)…保管庫に入れないのだが、tsukinowa.ではなくなったのですか?
573名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 05:59:24 ID:LzzTFlOt
GJ!
設定云々なら、『野良』はままありますが
『数ヶ月経っても生活は変化しない』は膨らみそうですね

連投はお気になさらず
なかなか新規の職人さん来ませんしね、ここ

・・ところで、マケボノは俺も観ましたw
574名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 10:45:11 ID:ufNhxuJq
SS投下期待age兼保守
575名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 00:08:14 ID:KXscIAT1
保守
576名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 02:26:42 ID:0iYgvVVW
保守
577名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 00:00:12 ID:2ipUxrEA
保守代わりにネタ振り

角煮覗いてて、隠語吐きまくる家電製品も良いかと思った
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1123106875/686
光線銃氏リスペクトな付裳神って感じで

・・ああ、なんか浮かんできたw
そのうち掃除機で書いてみる
578名無しさん@ピンキー:2006/01/22(日) 14:08:39 ID:02/5eIzL
お向かいの前スレに似たようなノリのPC付裳神があったな
579名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 03:20:21 ID:kH/XOBLp
hosyu?
580名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 17:36:20 ID:JfVjQYMb
保守
581名無しさん@ピンキー:2006/02/02(木) 17:40:21 ID:xAPtIR2a
タイミング的に鬼娘ネタなどを期待しつつ保守。
582名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 00:52:35 ID:o2gInA09
読まれた…orz
583名無しさん@ピンキー:2006/02/05(日) 01:41:42 ID:bvUMSPWi
裏式な人のところにあったね。
584名無しさん@ピンキー:2006/02/07(火) 18:11:08 ID:6dZ5Ca29
年明けてからまったく覗いてなかったが、俸880氏のすごいSSがあって今股間が大変興奮している
585名無しさん@ピンキー:2006/02/09(木) 13:59:48 ID:qp5Gi83g
>>583
カボチャの流れならここに落としてくれてもいいのに思いながら保守。

もし>>582氏が鬼娘ネタで書かれたのならぜひ投下してほしいな。
この手の季節ネタで先読み? されるのはしかたないことだし。
586名無しさん@ピンキー:2006/02/12(日) 22:26:39 ID:EmO9vGoO
433KBか、700くらいで限界かな?
587名無しさん@ピンキー:2006/02/15(水) 23:45:20 ID:N5lNQE9s
今週の「あいこら」はなんだか凄かった。
588名無しさん@ピンキー:2006/02/25(土) 15:44:10 ID:Vp191jVG
保守
589名無しさん@ピンキー:2006/02/26(日) 18:17:45 ID:hqXz82VZ
abe
590名無しさん@ピンキー:2006/03/03(金) 01:09:28 ID:XjARo5TD
埋もれ杉
591名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 07:45:49 ID:xpL/KVbT
投下してみます。
592名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 07:46:37 ID:xpL/KVbT
物陰から女がこっちを見ていると思ったら

ヘビ女だった。
まじうぜぇ・・・声かけて損した・・・



俺「うぜぇヘビかよ」

蛇女「そう言わないでよ♪」ニョロニョロ

俺「ついてくるなよ」

蛇女「冷たいわね」ニョロニョロ



上半身は人間だからだまされたよ
593名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 07:48:05 ID:xpL/KVbT
蛇女「ならなんで声をかけてきたの?」ニョロ

俺「いやこっちみてたし・・・顔かわいいなって思ったから」

蛇女「かわいいなんて言われるとハズカシイ♪」ニョロニョロ

俺「でも下半身がヘビの時点でひいた」

蛇女「えぇ・・そんな些細な事で・・・」ニョロ

俺「いやすごく大事なことだと思うんだが・・・」

蛇女「でもアタシおっぱい大きいよ?」ニョロニョロ

俺「でもの意味がわからないし」

蛇女「むむ・・スタイルだっていいんだから上から92・58・58だよ♪」ニョッロニョロ

俺「でもヘビだろ?」

蛇女「まぁそうだけど・・・」ニョロロ
594名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 07:49:14 ID:xpL/KVbT
蛇女「とりあえずここは寒いからお家にはいろ♪」ニョッロニョッロ

俺「どうしてもついてくる気かよ('A`)」

蛇女「ヘビはね執念深いの^^諦めなさいw」ニョロニョロロ

俺「すぐ帰れよ・・・」


蛇女「へぇ〜お部屋綺麗にしてあるんだね」ニョロ

俺「まあな、変な汁とかだして汚すなよ」

蛇女「あ〜ヘビの事馬鹿にしてるでしょ〜汁なんてださないもん」ニョロロロ

俺「そうか、ならいいけど」

(はぁなんだか変な事になってきたな。まあビールでも飲んで落ち着くか)

蛇女「アタシも飲みたいな♪」ニョ

俺「あ?あぁほら」
595名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 07:50:24 ID:xpL/KVbT
蛇女「おいしい〜♪」ニョッロ

俺「ヘビが酔っぱらったらどうなるんだ?」

蛇女「ツマミに人間食べたくなっちゃうかな〜」ニョロロロ

俺「ちょ!!!」

蛇女「冗談冗談w」ニョロニョロ

俺「冗談がこえぇよ・・・」


しばらく2人でお酒を飲んだ。

蛇女「うぅん・・・眠くなってきちゃった」ニョロ…

俺「そっか、外寒いだろうしな寝てっていいよ」

蛇女「アリガトォ…ムニャムニャ…」ニョロ

俺「はやいな寝るの('A`)」

(こいつ下半身ヘビじゃなかったら良かったのに・・・)
596名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 07:51:36 ID:xpL/KVbT
(よく見ると色っぽいな・・・おっぱい少し触ってみようかな・・・)

俺「ぉーぃ」ツンツン

蛇女「ムニャムニャ…」ニョロリ

(しっかり寝てるし触っても平気だろ・・・)

ムニュムニュ・・・ものすごくやわらかい・・・

よし、下半身見ないようにしておっぱいに顔うずめてみよう

あぁあぱふぱふ最高だぁーーー

このまま乳首とか舐めちゃおうか・・・
597名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 07:52:41 ID:xpL/KVbT
それは乳首を口にふくんだ時におこった。

シュルシュルシュルーーーー

俺「うわああああああああ」

蛇女の下半身がとつじょ俺の体に巻きついたのだ。

俺「ぐああああくっくるしいいいぃ」

巻きついた部分にとてつもない圧力がかかった。

蛇女「んぅ。。。あれ?どうしたの?」ギュウー

俺「お前がまきついてんだろうが!」

蛇女「ありゃりゃ・・・ごめんなさい・・・」シュルル

俺「ゲホゲホ…どう言う事だよ('A`)」

蛇女「身に危険を感じると反射的に絞め殺しちゃうの…」ニョロ…

俺「たのむよ、そういう事は先に言っておいてくれ」

蛇女「ごめんなさい…」ニョ…ロ

俺「なんかもうしらけたし寝るわ('A`)」

蛇女「おやすみなさい」ニョロニョロ
598名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 07:53:42 ID:xpL/KVbT
そして夢を見たのであろうか

蛇女「さっきはごめんねぇ」

俺「ん・・ぁぁ、俺もおっぱいとか触ったのが悪かった」

蛇女「お詫びって訳では無いですけど・・・」

俺「!!!」(下半身も人間になってる!)

蛇女「あまり長い時間変化できないの・・・」

俺「ちょ!」

そういうと蛇女は服をすべて脱ぎ俺の体を舐め始めた。

俺「うぅ・・・あぁ気持ちがいい・・・」

蛇女「そういってもらえると嬉しい」ペロペロ
599名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 08:00:51 ID:xpL/KVbT
よく見ると舌は蛇のように長かったがどうでもよくなった。

蛇女は俺にキスをしてきた。

長い舌が俺の口の中に入ってきた。

ちゅ・・・ぬちゃ・・・ちゅぱ・・・

俺「ん・・うぅ・・・もっと」

蛇女「感じてくれてる…♪」

俺「もう入れたい・・・」

蛇女「そうね・・・アタシもあまり変化してられないし・・・」
600名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 08:02:25 ID:xpL/KVbT
蛇女は俺に跨る形になった。

蛇女「じゃあいれるね・・・」

俺「はやく・・・」

ぐにゅ・・ずりゅりゅ・・・

俺「!!うぁあ!」

入れたと同時にすごい締め付けがペニスを襲った。

中はものすごく熱く溶けてしまうような感触が

蛇女「ぁぁ…ん、んっ」顔を火照らせて一生懸命動いている。

俺「ああぁ出そう」

ぐちゅぬちゃにゅちゃにゅちゃじゅぼぢゅぼ!

蛇女「アタシもいきそう・・・」

俺「いくうう」

ずぴゅうう・・・・・びゅっぴゅううう ビクンビクン

俺「ハァハァ…ハァ…」

蛇女「アリガトウ…」
601名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 08:04:09 ID:xpL/KVbT
気がつくと朝だった。

まわりを見渡したが蛇女の姿は無かった。

(うーん、なんかすごい夢だったな・・・)

ふとテーブルを見ると

俺「!?」

そこには手紙と蛇の抜け殻が置いてあった。

「お手紙でごめんなさい。昔アタシが小学生に苛められていて
殺されそうだったのをアナタ助けてくれたよね。アタシすごく
嬉しかったんだ。こんなお礼しかできなくてすいません。
そしてアリガトウ♪」・・・・・・・・・・・・・('A`)



この抜け殻、財布に入れておこう。


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長くてごめんなさい。以上です。
602名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 09:18:39 ID:3P3l3Ado
なんかほのぼのした。
603名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 13:13:18 ID:7SlPFTL1
だが抜けない
604名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 21:13:33 ID:awNSafoh
筋はグッドだからもっと描写をおおおおお
6053枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/09(木) 23:47:30 ID:/WLk9tnU
1本投下します。
事前注意として、そこまでハードなことはしてないつもりですが
一応むりやりっぽいので和姦以外は絶対駄目だという方はスルーしてください。
あと、メインは後ろの穴なのでそれが駄目な方もご注意ください。
6063枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/09(木) 23:48:23 ID:/WLk9tnU
一度足を踏み入れれば、どんなに健脚な者でも横断するのに数日を要する深い森。
そのほぼ中心、1本だけ不自然なまでに背の高い大樹の横枝に、1人の少女が腰掛けていた。
年の頃はまだ十にも満たない程度だろうか。
彼女がその矮躯を乗せているのは、万が一そこから落下しようものなら、いかに枝葉が緩衝材になったとしてもただでは済まない高さにある枝だ。
だというのに、目が覚めるような真紅の着物に身を包んだその少女がその顔に浮かべているのは恐怖に強張るものではなく、退屈極まりないといった感じの緩み切った表情。
止むことのない風に、肩にかかる程度の艶やかな黒髪と、大きく広がった鮮やかな袖をなびかせる。
少女は足を振り子のように前後させ、はるか遠く、空の彼方に茫洋とした視線を放り投げていた。
「暇じゃのう……」
見るからに柔らかそうな桜色の唇。
そこから紡がれるのは外見相応に甲高い、少女特有の声色だった。
しかし、それとは対照的に妙に年寄りじみた彼女の口調。
呟きとともに吐き出された小さな溜め息は、まるで長すぎる生に倦んでいるような印象すら感じさせる。
「ここのところ、さすがにちぃと派手にやりすぎたか……。
 まさか1月もの間、誰も来んとは思わなんだ」
少女は再び溜め息混じりに呟いて、1月ほど前の出来事を思い出す。
その時少女の餌食になったのは、二十歳前のずいぶん綺麗な顔立ちの娘だった。
外見だけなら自分よりはるかに幼い少女に組み敷かれ、女の体の中で最も秘すべき場所に舌を這わされ悶える姿。
羞恥に頬を染め、力なく首を振ってかすかな抵抗の意を示していた彼女の様は、少女の嗜虐心をよく満たしてくれた。
(あの娘はなかなかの上物じゃった)
せめてもの暇つぶしにと、娘の見せた反応を1つずつ思い返していたその途中、少女の形のいい眉が不意に片方だけ跳ね上がった。
「ん、んん?」
くりくりとした大きな瞳を数度瞬かせ、空に向けていた視線を下げる。
その顔からは、直前までは存在していなかった期待の色が滲み出していた。
眼下には一面に広がる緑の海。
幾重にも折り重なって生い茂る枝葉の色に占められていて、土の色などほとんど存在しない。
それでもわずかに開いた隙間から、少女の視力は目当てのものを見つけだしていた。
「くふふ……見慣れぬ顔じゃが、旅人かのう?」
先ほどまで延々溜め息ばかり漏らし続けていた口元が、にんまりと三日月型に歪められる。
「見るからに間抜けそうな面構えじゃ……」
暗がりに潜んだ猫のようにその瞳の奥に光を宿し、くくっと喉を鳴らす少女。
その時、木々達の頭を押さえつけるように、一際強い突風が少女の周囲を吹き抜けていった。
それまでも辺りを満たしていた、潮騒にも似た葉擦れの音が一気に高まる。
「――――」
その中で、少女はまた何事かを呟き、そしてあろうことかそのまま枝からその身を躍らせた。
風に煽られ誤って、ではない。
自分の意思で、まるですぐそこには彼女を受け止めてくれる固い地面があるかのような、そんな何気ない動作でだ。
先刻の少女の呟きは、風が抜けていった後も余韻のように続いている木々のさざめきにたやすく呑まれ、誰の耳にも届かない。
もっとも、元より少女の声が届く範囲に、それを聞く人間など存在してはいないのだが。
待っていても、普通の人間は普段彼女がいるこの高さまでのぼってはこない。
そんな物好き、いるはずがなかった。
木登りを楽しむためだけに、あやかしが住むと噂されるこの森に足を踏み入れるものなどいないのだ。
だからこそ、彼女はさきほど枝葉の隙間越しに見た男を迎えに、自ら人の住む地面の上まで降りていかねばならなかった。
この森に縛られ、その外までは足をのばせない彼女にとって、時折森に入ってくる人間だけが退屈を紛らわせるための唯一の遊び相手だ。
約1月ぶりに訪れたこの好機を、みすみす逃せるはずがなかった。
ほどなくして、少女の姿が翡翠の海に飛び込んでいく。
彼女が座っていた枝に残る小さな揺れ。
それだけが、そこに彼女がいたことを証明するように長く長く続いていた。
6073枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/09(木) 23:49:10 ID:/WLk9tnU
(さて、久方ぶりの客人じゃからのう)
木陰から男の姿を確認し、次々と思いつく彼女なりの“もてなし”案をふるいにかけては絞り込んでいく。
少女は別段、森に入ってきた人間を取って食ったりしてはいない。
基本的には人にあらざる力を用いて驚かし、無力な人間が慌てふためく様を眺めて楽しむだけ。
それなりに気に入った相手からは、先日の娘のように精気を頂くこともあるのだが、その量はあくまで命に別状ない程度でだ。
森から出ても数日は倦怠感が続くはずだが、精気を吸った相手に関しては森の端――もちろんその者がもともと目指していた方向のだ――まで運んでやっている。
人の足でこの森を抜けようとすれば、少女にわずかな精気を吸われた程度の比ではない疲労を伴うのだから、それぐらいは我慢しろと言うのが少女側の見解だった。
(にしても、なんじゃあの出で立ちは……)
彼女が手を貸さなければ数日がかりになる森の横断に挑むにしては、男の荷物はあまりにも少なすぎる。
加えて、男の顔に怯えの色がないことも少女の心に不審を生んだ。
(わしのことを知らぬというわけでもなかろうに、まさか本当に物見遊山が目的ではあるまいな)
自分のことを恐れるあまり人間が全く寄りつかなくなるというのも困るのだが、だからといって軽く見られて気分が良くなるはずがなかった。
(これは少々灸をすえねばならんようじゃ……)
そろそろ両手の指で足りる程度にまで数を減らしていた案の中からさらに幾つか、比較的穏やかなものを消去していく。
(とはいえ、あまりやりすぎてまた誰も来んようになってはつまらぬからのう……難しいところじゃ……)
「そろそろ出てきたらどうだ」
(――ッ!?)
少女が普段腰を落ち着けているあの大樹ほどではないが、それでも彼女の小柄な体を隠すには十分過ぎるほどの大木。
その裏に身を潜めて詰めの選定作業に没頭していた少女は、突然聞こえてきた男の声に目をしばたたかせた。
まさかと思いながらも顔を覗かせてみれば、男の視線は真っ直ぐこちらに向けられており、少女が近くにいるだろうと思ってとりあえずかまをかけたというわけではなさそうだ。
自分の領地とも言えるこの森の中で相手の方から発見されたことに、少女は少なからぬ衝撃を受けていた。
「こちらはお前さんと話をしにきたんでな。
 いつまでもこそこそと隠れられていては、俺としても帰るに帰れぬのだ」
何か発声法に秘密があるのか、特に大声というわけではないのに男の声ははっきりと聞き取れる。
だが、少女はそのあまりの内容に、自分が何かの聞き間違いをしたのではないかと思ってしまった。
(こ、このわしが、こそこそ隠れておるじゃと……)
ふつふつと怒りが込み上げてくる。
客観的に見ればこそこそという部分はともかくとして、隠れていたというのは事実なのだが、だからと言ってそのような言い草を許せるはずがなかったのだ。
6083枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/09(木) 23:49:49 ID:/WLk9tnU
「おぬし、調子にのるのもたいがいにせぬと、怪我では済まさぬぞ」
半ば本気の脅し文句とともに姿を現した少女を見て、男は軽く目を見開いた。
比較的整った部類に入るであろう三十路前の男の顔に、ようやく浮かんだ驚きの色。
それを読み取り、少女としてはわずかに溜飲が下がる思いだった。
(じゃが、この程度で今までの無礼を許すつもりはないぞ……)
これからさらに情けなく崩れていくだろう男の顔を思い浮かべ、表面上は威圧の視線を緩めることなく、心の内で小さく笑う。
動きを止めた男に対しさらに畳み掛けようと、少女が口を開きかけたその時だった。
「く、ははは……」
それを制するように、男の笑い声が突如として梢の隙間を響き渡っていく。
前触れもなくいきなり笑い出した男に、さすがに少女も眉根を寄せた。
少女の記憶の中にも、恐怖のあまり顔を引き攣らせながら乾いた笑い声を上げ始めた人間の姿はいくつもある。
だが、今目の前で腹を抱えて笑い続ける男の姿はそれとは全く雰囲気が異なるものだ。
それはむしろ、怯え惑う人間を前にして少女の方が見せるはずの態度。
そして今、男の前にいるのは他ならぬ少女だけ。
(ま、まさか、この男……)
少女の視線に、今まで以上の迫力が込められる。
にもかかわらず、男の笑いは一向に収まる気配もなく、それどころかますます大きくなりつつあった。
「い、いい加減にせぬか!」
少女の一喝に、ようやく男が顔をあげる。
「いや、すまんすまん……。
 まさかあの程度の挑発で出てくるとは思わなんだでな」
その目尻に大粒の涙すら浮かべて、そんなことを言う。
「この、痴れ者め……」
こちらもまた男と同じく――原因となる感情は全く逆のものだが――瞳を潤ませながら、少女が声を搾り出す。
その顔が茹で上げられた蛸のように朱に染まり、それが逆に男の笑いをぶり返させた。
本来一方的に弄ぶばかりで、その逆には全く慣れていない少女の中で何かが切れる。
「わ、悪い、別に馬鹿にするつもりは……」
せっかくの謝罪の言葉も、それが笑み混じりでは火に油を注ぐ結果にしかならなかった。
「もう遅いわ!」
少女が叫ぶのとほぼ同時、彼女の力を受けた周囲の木々が一斉にざわめきその存在を変質させる。
何本もの枝が急激に伸び始め、獲物を狙う蛇さながらにその身をくねらせながら男の体に殺到したのだ。
「お、おい、ちょっと待てって。
 俺は話し合いにだな……」
男の体を絡め取ろうとする無数の枝。
それらを紙一重のところで回避しながら男が慌てて制止の言葉を放つ。
だが、そんなもので止まるほど、少女の中で燃え上がった炎は小さくなかった。
「ええい、ちょこまかと逃げるでない!」
「む、無茶を言うな……ええい、仕方ない……」
懐に手を入れる男の姿に、少女は内心ほくそえんだ。
1度はやり過ごしても、すぐさま反転して襲い掛かってくる枝達は、その数もあっていつまでも身のこなしだけで処理できるものではない。
(大方、刃物でも出すのじゃろうが、そのようなもので……)
ただの枝ならともかく、今や彼女の支配下にあるそれが普通の刃物でどうにかなるはずがないのだ。
当てが外れて愕然とする男の様を思い描き、暗い喜びに打ち震えていた少女だったが、男が実際に懐から取り出したものに目を疑った。
6093枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/09(木) 23:50:25 ID:/WLk9tnU
あろうことか、それは1枚の紙切れだったのだ。
指に挟まれたそれの大きさは、男の手の平よりは2回りほど小さいだろうか。
白地に朱墨で、蚯蚓がのたうち回ったような模様が描かれた長方形の札。
その間も常に男に襲いかかっている枝に対し、あまりにも頼りないそれに一瞬怒りも忘れて少女は噴き出した。
「くくっ……そんなもので、いったいどうするつもりじゃ?」
嘲笑混じりに問い掛ける少女に、男もまた笑みを返す。
「なに、こうするのよ」
男が腕を一閃させると、その手の先から札が離れる。
普通ならそのまま地に落ちるはずの放たれた札は、あたかも餌を狙う燕のように宙を真っ直ぐ滑空した。
「ほう……ただの紙ではないか」
重力も空気抵抗も無視したその動きと、それが狙っているのが枝ではなく他ならぬ少女自身であることに彼女は感心したような吐息を漏らした。
そしてついに枝によって手足を絡め取られた男の姿を視界の端に捉えながら、枝の隙間を縫うようにして自分目掛けて一直線に向かってくる札を叩き落すべく腕を振り上げる。
避けるなどという考えは、少女の頭には一瞬たりとも浮かんではこなかった。
「なっ!?」
少女の手と札が接触しようとしたまさにその時、いきなり札の動きに変化が生じた。
それまで重力をないがしろにしてきたつけをまとめて払うように、ほぼ直角に下へと向きを変えたのだ。
一瞬で地面付近まで降りたかと思うと、今度はその動きを下降から上昇に切り換える。
その最下点は、ちょうど少女がその身に纏う真紅の着物の裾の高さだ。
札の予期せぬ動きに驚いて、一瞬とはいえ動きを止めてしまったのが少女の過ちだった。
「ひゃん!?」
股間を真下から平手打ちされたような衝撃を受け、少女の体が浮き上がる。
不意をつかれたとはいえ、少女がその幼い外見に相応しい悲鳴を上げてしまったことを悔やんでいたのも束の間、少女の股間に貼り付いた不埒な札は、最初の衝撃だけには留まらず更なる効果を発揮し始めた。
(な、なんじゃ、足が……)
いきなり意思とは無関係に震え出した両足に、少女は心の内で当惑の言葉を迸らせる。
必死に抑えようとしても、それまでは当たり前のように彼女の体を支えていたその両足が、今では全く言うことをきかなかった。
膝が折れ、たまらず両手をついて、なんとか地面に這いつくばることだけは回避したが、それでも獣のように四つん這いになった姿勢はとらされてしまう。
その屈辱に奥歯を噛み締める少女の耳に、すぐそばから土を踏み鳴らす音が聞こえた。
「――!?」
はっとして顔を上げた少女は、そこに立つ男の姿に絶句した。
(馬鹿な……さきほど確かに……)
枝が男の手足を絡め取ったその瞬間を、少女は確かにその目で見たのだ。
にも関わらず、動きを封じられているはずのその男が、何食わぬ顔で自分の目の前に立っている。
彼女にしてみれば、とても信じられぬ光景だった。
6103枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/09(木) 23:51:06 ID:/WLk9tnU
「そう睨むな。
 ただな、お前さんの行いは近頃少々度が過ぎておったのだ」
言いながら、男は懐から新たに2枚の札を取り出した。
少女の股間に貼り付いているものより小さなそれらは、男の手から落ちるとそれ自身が命を持っているかのように宙を飛び、首元から着物の中に滑り込んでくる。
「くっ……」
札が皮膚の上を滑っていく感触に眉を寄せる少女。
やがて2枚の小札は左右の胸の中心にまで到達すると、そここそが自分達の居場所とばかりに動きを止めた。
「別に命まで取るつもりはない。
 だが、少々灸をすえてやってほしいと里の者に頼まれたのでな」
灸をすえる。
奇しくも、さきほど少女自身が男に対してしようとしていたことだ。
「人間如きが、このわしに灸をすえるなどと……思い上がのもたいが――ぅぷ!?」
憎憎しげに言葉を紡いだ少女だったが、それを最後まで言いきることはできなかった。
(……くっ……腕までも……)
胸に貼り付いた札によるものか、腕の自由まで奪われたのだ。
上半身を支えていることもできなくなり、地面との口付けを強制される。
四つん這いよりさらにひどい、男の足元で尻だけを高く突き上げた服従姿勢。
口の中に広がる土の苦味に、ますます屈辱感が募っていく。
(わ、わしとしたことが、なんという――ぁ、こ、今度はなんじゃ!?)
自らの身に起きた新たな異変に、少女の心は惑乱する。
札の貼り付いている場所。
そこに突然焼けるように熱を感じたのだ。
一瞬本当に札が燃え上がっているのではないかと思い肝を冷やしたが、どうやらそうではないらしい。
それでも札の放つ高熱が皮膚の下までじわじわ浸透してくると、少女の心にさすがに焦りが込み上げてくる。
胸や腹の奥がじくじくと疼き始めるその感覚。
それは少女にとって全く覚えのない感覚ではなかった。
(み、認めぬ……このようなもの、認めてなるものか……)
精気を吸い上げるため、人間と体を重ねた経験などもう数え切れないほどにある。
だが、その全てにおいて主導権は少女の方が握っていたのだ。
彼女から与えられる人の限界を越えた悦楽に悶え泣く人間の姿を見ることこそが、少女にとっては何よりの悦びだった。
故にこうして一方的に与えられる快楽を大人しく受け入れるなど、彼女の矜持が許さない。
(何も感じぬ……感じてなどおらぬ)
意思に反して勝手に己の内で燃え上がりつつある性感を、少女は必死に否定し続けた。
6113枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/09(木) 23:52:35 ID:/WLk9tnU
「どうやら効いてきたようだな」
「な、なんのことじゃ……ぅぁ!?」
男の手によって地面の上に仰向けに転がされる。
尻だけ突き上げた姿勢からは解放されたが、だからといって少女の側の屈辱感がそれで和らぐはずもなかった。
ほっそりとした少女のものと比べれば、無骨としか言いようのない男の指によって肌を露わにされていく。
体の自由を奪われた少女は屈辱に顔を歪めながら、ただその行為を受け入れることしかできなかった。
帯を解かれ、着物の合わせを開かれる。
そのまま襦袢や裾よけまでも剥ぎ取られると、少女の凹凸の少ない体の前面を隠すのは、彼女にとっては忌々しい札だけになってしまっていた。
男の手にあったときは確かに朱墨で描かれていた文様の色が、いつのまにか黒くなっている3枚の札。
それらによって最も大切な場所だけは男の視線から隠されているが、そもそもその札自体が男によって貼り付けられたものなのである以上、結局のところそれらはかえって少女の屈辱感を煽る役にしか立たなかった。
「ふっ……く、ぅぅ……」
男の指が封の上から秘唇をなぞってきた。
それだけで少女は押し殺したものではあるが、確かに男の行為に反応した吐息を零してしまう。
たいして力を込められてもいないのに、まるで胎の奥を力いっぱい引き絞られたような感覚んい襲われるのだ。
「ふむ、見た目のわりに、こちらの反応は上々のようだな」
「こ、この……調子に、のりおって……」
冷静に分析するような男の声音と、油断すればすぐさま漏れそうになる甘い吐息を懸命に噛み殺しながらの少女の声音。
その違いに、少女はお互いの立場の差を改めて思い知らされる。
(……く、ぅぅ……だが、こ、これは……)
羞恥と憤怒、そしてこれは少女としては認めたくないものだが快感によって、顔が一層燃え上がる。
「胸の方も、先端だけは1人前だな」
いつのまにか、平坦な胸に貼られた札の下で、小さな突起が自己主張を始めていた。
「くぁ!? そ、そこは、やめんか」
それを札の上から押し潰され、必死に堪えていた制止の言葉をついに口の端に乗せてしまう少女。
それほどまでに、札の力によって感度を高められたそこからの刺激は鮮烈だったのだ。
男の指に捏ねられると、そこから生まれた極彩色の稲妻が手の先足の先まで走り抜けていく。
自分の意思では動かせず、力なく放り出されていた少女の四肢。
それが駆け抜ける胸悦に、打ち揚げられた魚の如くのた打ち回った。
「や、やめぃというのに……ひぃっ……こ、この……」
唇の端から泡立った唾液が垂れ落ちていく。
それがわかっているのに、それを止めることも、拭うことも許されない。
できるのはせいぜい力なく首を振ることぐらいだ。
不意に、頭の中に1月前に犯した娘の姿が蘇ってきた。
涙とよだれで顔をしとどに濡らしながら、弱々しく懇願する娘の顔が。
(わ、わしも、今、あのような……)
あまりの無力感に目頭が熱くなる。
涙など絶対に零すまいと必死に目に力を込めても、1度意識してしまうと後から後から湧き出してくるその液体をいつまでも留めておくことなどできなかった。
最初の1滴が零れ落ちれば、あとは堰を切ったようにとめどなく溢れ出してしまう。
6123枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/09(木) 23:53:13 ID:/WLk9tnU
「やれやれ、何も泣き出すことはあるまいに……」
見た目だけなら十にも届かない幼子なのだ。
さすがに罪悪感を覚えたのか、男は困ったように手の動きを止めた。
「ぐ……っく、お、おぬし覚えておれよ……ひっく……」
嗚咽混じりに、それでも怨み言を漏らす少女に男は溜め息をつく。
「どうだ? 反省しているというなら、ここで止めてやってもいいが……」
その口調は明らかにこれ以上は気が進まないといった風で、それが逆に少女の気持ちを逆撫でる。
「だ、誰が……この程度で、参るものか」
それがただの強がりであることなど少女自身、そしてもちろん男の方もわかってはいた。
とはいえ、いくら強がりでもそう答えられてしまっては男の方も引き下がるわけにもいかない。
「本当に、いいんだな?」
「す、好きにするがいい。
 こんなもの、蚊に食われた程度にも感じぬわ」
嗚咽こそ何とか収まりつつあったものの、まだ震えが隠しきれていないその口調。
それでも溜め息とともに肩を竦めると、男は少女の足首を鷲掴みにした。
そのまま少女の体を折り曲げるようにして、頭の方まで足先を運んでいく。
無理矢理取らされた、頭の両脇に膝を付け目の前に自分自身の股間を突き付けられた無様な体勢。
一分の隙間もなく秘所に貼り付いている札の表面には、その下の性器の形がはっきりと浮き彫りになっている。
薄く開いた割れ目の端では胸と同様小さな蕾が札を突き上げその存在を誇示し、その下ではすでにかなりの範囲に染みができてしまっていた。
どんなに否定しようとも、少女が感じてしまっているという何よりの証。
追い討ちをかけるように漂ってくる、かすかな酸味をともなった淫臭に少女は辛そうに顔を顰めた。
「ここでは仕置きにならんし、蓋もされておるからな――」
目の前に突き付けられた秘所に指先を置かれ、不自由な全身を痙攣させて少女は身悶える。
だが、そこを離れた指が次に触れてきた場所に、驚きのあまり息を詰まらせた。
「――こちらを使わせてもらうとしようか」
少女から見て札に覆われた秘所の向こう。
肉付きの薄い尻たぶの中心にある菫色の窄まりに触れられることなど、少女にとっては初めてのことだった。
少女の知識に、そこを用いた行為のことなど最初からありはしない。
そんな彼女が今までは常に主導権を握っていたために、そこは完全に手付かずの状態で放置されていたのだ。
6133枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/09(木) 23:53:50 ID:/WLk9tnU
「お、おぬし、ふざけておるのか!? そのような場所……」
「ふむ、やはり使ったことはないのか」
目に見えて動揺する少女の様子に、男は自分の推測が正しいことを確信する。
「ならば、きちんと解してやることにしよう」
言うやいなや、男はその窄まりに顔を寄せていく。
未知の行為を前に混乱し、著しく処理能力を低下させている少女の頭では、制止の声をかける暇すらなかった。
「ひぃ……」
そこに触れるぬめりを持った感触に喉が引き攣り、悲鳴とも吐息ともつかない声が自然と口から零れ出す。
最早怒りの色は失われ、ただただ恥辱に身を震わせる少女を尻目に、男はさきほどの言葉を証明するように丹念にその周辺に舌を這わせていった。
(あ、ありえぬ……こんな、こんなことで……)
細めた舌の先端で皺の1本1本をなぞられる。
尻の谷間から発生する、経験したことのないむず痒さに少女は懊悩した。
居ても立ってもいられなくなるそれと呼応するように、胎奥の疼きはさらにその熱を高めていく。
札に染みを作っていた蜜液が、ついに札だけでは留めきれずに外まで溢れ、肌を伝い始めていた。
「ひぅ!? い、いいかげんにせぬかぁ……」
全身に浮いた汗の珠とは決定的に違う、粘度のある液体がへそのあたりを滑っていく感触。
それに一瞬気を取られた隙を突き、男の舌が少女の中にまで滑り込んでくる。
慌てて締めようとしても、もう手後れだった。
「く、くふぅ……」
むしろ締めつけることで逆にその舌の存在を鮮明に感じてしまい、少女は鼻息を荒くする。
実際には指先ほども入ってはいないのに、まるで全身を余すところなく内側から舐り回されているような錯覚に、新たな涙が溢れ出していた。
男の舌と、少女の不浄の門が奏でる水音が、ますます大きくなっていく。
しばらくして、ようやく男の口がそこから離れた時には、もう少女は息も絶え絶えの状態に追い込まれていた。
6143枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/09(木) 23:54:35 ID:/WLk9tnU
すでに減らず口を叩く気力すらなく、ただただ口を大きく喘がせて荒い息をついた。
しかし、わずかに与えられた休息の時間も、再びそこに宛がわれた指の感触によって終わりを告げられる。
「も、もう……やめぬか……」
「嫌だというならしっかり締めておけばよかろう」
男からかけられた無慈悲な言葉。
自分の股越しに見る男の顔は、さすがにここまでの行為のせいか、わずかに冷静さを欠いているように少女には見えた。
もし最初の段階で降参していれば。
そんなことを一瞬考えてしまい、なけなしの矜持でそれを振り払う。
「どうした? ずいぶん簡単に入っていくようだが」
男の言葉通り、唾液に塗れたそこは軽く力を入れられただけでも、貪欲に指を飲み込んでいってしまう。
「ふ、札のせいで力が入らぬのじゃ……。
 でなければ、どうしてこのような辱め……」
男にというより、自分自身に言い聞かせるように少女は呟き唇を噛み締める。
そうしていなければ、舌よりは細いが、代わりにはるかに奥まで届く指に体内をくすぐられ、あられもない声を抑えられなくなりそうだった。
今は厳重に封をされ、ただただ空しく蜜を吐き出し続けている細道の奥。
そこにある子壷を裏側から引っ掻かれるようなその刺激に少女の思考が後戻りのできないところまで掻き乱されていく。
そしてまた、唯一の救いにも思えた舌よりも細いという点すらも、2本目が埋め込まれたことで失われた。
本数が増えたことで別々の場所を同時に責められ、もはや為す術もなく翻弄される。
腸の中、こりこりと掻かれた場所がひりつくような熱を帯びたように少女には感じられた。
そこを指を開かれたことによって流れ込んできた冷たい外気によって冷やされる。
「は、ぁぁ……それは、だめじゃ……それをやられると、わしはぁ……あぅ!?」
火照る腸内を冷却される得も言われぬ心地よさ。
自分でも気づかぬまま頬を緩ませていた少女だったが、指を一気に引き抜かれる鮮やかな刺激に表情を強張らせた。
体内に押し入っていた異物が抜けて嬉しいはずなのに、刺激が失われた体内が物足りなくてしかたがない。
(わ、わしは何を考えておるのじゃ……?)
彼女の気持ちを代弁するように、ようやく解放された窄まりは物欲しげにひくつき、その前にある陰門からはさらなる蜜が零れ落ちている。
立て続けに与えられた紛れもない快感に、少女の意識には限界が近づいていた。
霞む視界の中、立ち上がり覆い被さってくる男の姿。
その股間には隆々と聳え立つ男の象徴があった。
「そ、それはだめじゃ……今、それを入れられたら……」
もちろん少女にとって、それ自体は初めて見るものではなかった。
(じゃが、あれで腹の中を抉られるなど……)
押し当てられる剛直を精一杯広がって咥え込もうとする少女の菊門。
それを彼女は、どこか他人事のような気持ちで眺めている。
まるで心と体が分離してしまったような感覚。
手足が全く動かせないことが、それに拍車をかけていた。
だがそれもほんの数瞬のこと。
亀頭の半分も埋まらぬ内に、少女はそのあまりの太さに息を詰まらせ、それが間違いなく自分自身の体を蹂躙していることを思い知らされた。
6153枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/09(木) 23:55:12 ID:/WLk9tnU
実際の温度自体はそれほど変わらないはずなのに、これに比べたら舌の温度など温いと言わざるを得なかった。
(な、なんという熱さじゃ……)
その熱に加え、圧倒的なまでの硬度と直径がその存在感を指の何倍にも高めている肉の凶器。
大きく膨らんだ亀頭の形に合わせ、少女の狭穴が限界を越えて広がっていく。
カサの部分を何とか通過させたところでかろうじて息をつけたが、太さはそこが頂点でも、全体として見ればまだ半分すらも遠いのだ。
理屈ではありえないとわかっていても、根元まで埋め込まれようものなら先端が口から出てしまうのではないかという妄想すら浮かんでくる。
少女に覆い被さっている男の方も、込み上げる快感を必死で押さえ込んでいるのか、長く細い息を鼻から抜いていた。
深く深く潜り込んでくる男の昂ぶり。
その熱によって、薄壁越しに存在する子宮がじりじり炙られていく。
ほどなくして、男のものの先端が、壁のようなものを突き上げる感触があった。
どうやらそのあたりで腸が曲がっているらしい。
(まさか、このようなことで自分の中を知る羽目になろうとはの……)
体を内から圧迫されることによる息苦しさに眉を顰めながら、自嘲気味にそんなことを思う。
と、男がそれまでとは逆に、今度はじりじりと腰を引き始めた。
かえしのようになっているえらの部分で腸壁をくまなく摩擦しながら、彼女にその味を覚え込ませるように、ことさらゆっくり下がっていく。
みっちりと詰まっていた肉の塊が抜けていくことで湧き起こる、内臓を丸ごと引き摺り出されるような軽い恐怖。
その一方で、熱を持った腸壁を外気で冷やされた時のような、苦痛の後に与えられた解放感に意識の底をさらわれた。
男はぎりぎりまで腰を引いたところで、またも動きを反転させる。
入れ替わり立ち替わり訪れて、少女の心を弄んでいく圧迫感と解放感。
もはや否定しようのない肛悦の中、白濁する意識とは裏腹に感覚だけは男のものの表面に浮いた血管の形すら頭の中で再現できるほど研ぎ澄まされていた。
「し、尻をほじられて、感じるなど……」
自らを追い詰めるような卑猥な言葉。
それが自然と口を突いて出てしまったことに、少女は内心驚きを覚えていた。
だが一方で、自ら口にしたその言葉が、より一層自分の体を燃え上がらせたことを感じ取る。
理性よりも先に、本能の方がいつしか少女が感じ始めていた被虐的な快楽を倍増させる術を悟っていたのかもしれない。
「どうやらそろそろ限界のようだな」
その変化に、それまで黙って腰を振っていた男が口を開く。
その声も多少上擦ってはいるようだが、それでもまだ多少を余裕が感じられる声音だった。
相手の思うままに絶頂に追いやられる。
普段の少女なら到底大人しく受け入れられるものではなかった。
だが今の彼女には言い返すだけの余裕もない。
下手に口を開けば、そのまま達してしまいそうなほど彼女の体は、そして今や心も昂ぶっていた。
唇を噛み締め、そのわずかな痛みにすがり付くようにしてその波を押し止める。
だが、それですら男に対する抵抗心からではなく、どこかでこの愉悦を少しでも長く味わっていたいがためであるように思えてしまう。
それほどまでに初めて味わうこの行為は、強制的に少女の体を昂ぶらせる札の力を借りているはいえ魔性の魅力を秘めていたのだ。
札によって力を奪われたことで自分の中に生まれたぽっかりとした空隙。
そこにドロドロに煮えたぎる悦楽の果汁を流し込まれたような、そんな感覚だった。
6163枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/09(木) 23:55:47 ID:/WLk9tnU
「くはぅ!?」
一線を超えぬよう懸命に堪えていた少女の身体を、突然浮遊感が包み込んだ。
持ち上げられたということに思い至った瞬間、体内の逸物がぐるりと回る。
実際に回転したのは少女の矮躯の方なのだが、それまでとは違う刺激は少女が必死になって築き上げていた防壁の隙を見事に擦り抜け直撃した。
再び、仰向けにされる前の尻だけ突き上げた屈辱的な姿勢を強要される。
男が腰の前後動を再開させると、さきほどまでとは異なる場所を重点的に擦り上げられ少女は悶絶した。
広げられた着物越しとはいえ地面に顔を押し付けられ、同時に腰を左右から掴む男の手指が、まさに青い果実と呼ぶに相応しい芯に固さの残る尻たぶに食い込んでいる。
それらですらも、今の少女にとっては初めての被虐快感にどっぷり浸かる助けになった。
どんなに意思が耐えようとしても、延々快楽を注ぎ込まれ続ければ限界は来る。
(さ、さすがにもう堪えられぬ……)
まして意思が折れてしまえば、もうそれを止めるものなどどこにもなかった。
少女の心が、法悦に至るための最後の数段を一気に駆け上がる。
「だ、だめじゃ、くる……きてしまうのじゃ」
怯えるように、それでいて期待するように鳴いた少女の体が細かい痙攣を起こし始めた。
ここぞとばかりに腰を叩き付けてくる男。
「くぅうぅぅうぅぅぅ!」
最奥を一際強く突き上げられ、その瞬間少女はついぞ味わったことがないほどの壮絶な絶頂へと打ち上げられていた。
6173枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/09(木) 23:56:25 ID:/WLk9tnU
「どうだ、さすがにもう反省したであろう?」
繰り返された問いに、少女は荒い息をつきながら小さく首を縦に振った。
悔しさを感じないわけはなかったが、それに対する抵抗は随分薄れてしまっている。
むしろその被虐感に胸を高鳴らせてしまうほどに、少女の心は作り変えられていた。
そして何より、気をやったばかりのこの状態でさらなる責めを課せられなどしたら、本当にどうにかなってしまいそうだったのだ。
「よし、それならば仕置きはここまでとしよう」
それを見て満足そうに頷くと、男は剛直を引き抜き始めた。
完全に抜き取られると、すぐには閉じられなくなった菊門から空気が流れ込み、燃えるように火照った腸内を冷やしていく。
その感触に魂まで抜けそうな吐息を漏らす少女の姿に、以前の面影はもはやなかった。
ただその感覚に身を任せ、敷物にしている自らの着物を汗や涙、唾液などで濡らしていく。
(ど、どうしたというのじゃ……?)
しばらくそのまま心地よさに身を任せていたのだが、いつまでたっても腰を掴む男の手が離れていかないことに不審の念が湧き上がってきた。
問い掛けようと思った矢先、しばらく放置されていた秘所の入口に何かを突き付けられ、少女は目を白黒させた。
何かもなにも、それはどう考えても直前まで少女の後ろの穴を犯していたもの以外に考えられない。
「な、なにをしておる――ひぅあ!?」
男のものが、今度こそ本来それが入るべき場所に挿入される感触。
その衝撃に、少女はあられもない声を迸らせた。
しかもあろうことか、その挿入は貼られたままだった札の上から行われているのだ。
「なに、俺の方はまだ終わっていなかったのでな」
濡れそぼった膣襞に札を擦り付けられる。
外側に貼られていただけで、奥にある子宮までも燃え上がらせたその札。
それを奥の奥、まさに子宮の入り口にまで押し込まれる。
ただでさえ気をやったばかりで敏感になっているというのに、そこへそれだけの暴虐を加えられてはたまったものではなかった。
(や、焼ける……わしのなかが焼けてしまうぅ……)
焼き鏝を突き込まれたような激感に、たまらず少女の全身が激しく震え出す。
札の力が一気に少女を昇り詰めさせ、行きの一擦りだけで少女を2度目の絶頂へと導いていく。
「だ、だめじゃ、今は動くでないぃ……」
少女が達している間すら、新たに中を抉られて、そこからさらに1段階上の絶頂へと押し上げられる。
「ひにゃぁぁぁぁ!」
胸のあたりで何かが爆発したような衝撃に、もはや恥も外聞もなく悶え泣く。
視線をやれば、右胸に貼りついていた札が男の手によって剥がされていた。
真っ赤に勃起した小さな蕾が、外気に晒され震えている。
「やめ、それはだめじゃぁ……」
男の手が左の胸にも伸びていく。
「遠慮などするな。
 それとも、そんなにこの札が気にいったか」
嘲笑混じりの背後からの声。
「ち、ちが……じゃが、じゃがぁ……」
目の前でゆっくりと剥がされていく胸の札。
そこで弾ける火花が散るような悦感に、少女の頭の中が真っ白の塗りつぶされる。
「俺も、出すぞ――」
胎奥で起きた熱い迸りを感じた直後、少女の意識の糸がぶつりと切れた。
6183枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/09(木) 23:57:01 ID:/WLk9tnU
虫の音すらない森の中、小さな焚き火が揺らめいている。
じっとその炎を眺めている男の横に、広げた着物の上に寝かされた少女の姿があった。
数刻前にあれだけ乱れていたのが嘘のような安らかな寝息。
「まったく、こうして寝ておれば無害そうな娘なのにな」
男の呟きに反応したわけではないだろうが、やがて規則正しかったそれにわずかな変化が聞き取れるようになる。
「う……わしは……」
起こした上体から、毛布のようにかけられていた襦袢がするりと滑り落ちる。
露わになった肌を隠すこともなく、ぼんやりと周囲を見回す少女。
その視線がまずは揺れる炎に引き付けられ、次にその横にいる男に向けられた。
「お、ぬし、は……、――ッ!」
激しすぎる行為の余韻か、随所で断線を起こしていた少女の頭が男の姿を確認したことで本来の働きを開始する。
「まあ、待て。
 とりあえず着るものだけは着てくれぬか」
言われてようやく、少女は自分が何も身につけていないことに気が付いた。
6193枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/09(木) 23:57:33 ID:/WLk9tnU
「今までのことは、わしも少々やりすぎかと感じておったのじゃ。
 反省しておる。
 じゃから、そろそろ力を返してくれんか?」
まだじんじんと焼けるように疼く下半身から努めて意識を逸らし、身支度を整えた少女が殊勝な調子でそんなことを言う。
札を剥がされ体の自由は取り戻したものの、奪われた力はまだそのほとんどが戻ってはいなかった。
(力を取り戻したら、どうしてくれようか……)
口にしたこととは全く逆のことを考えながら、それでも表情だけはいかにも反省しているといった感じのもの。
「いや、そのことなんだがな……」
それを向けられた男は、引き攣った笑いを浮かべながら懐から2枚の小札を取り出した。
胸に貼られていたそれを剥がされた時の感覚を思い出し、思わず胸に手を当てる少女。
彼女の見ている前で、札にかかれた模様の色が黒から朱へと戻っていく。
その変化に呼応するように、少女の中に馴染み深い自分の力が帰ってきた。
(……くくく、たやすいのう)
ほどなくして札の色が完全に戻る頃には、少女の力は普段の2割ほどまで回復していた。
(ずいぶん少ないが、残りはあのでかい方か……。
 今度は油断して不覚を取るような真似はせぬ)
黒い思考が顔に出ないよう細心の注意を払いながら続きを待つ少女だったが、なぜか男は最後の札を取り出そうとはしない。
(まさか、勘付かれたのか?)
「どうしたのじゃ? 早うしてくれぬか……わしは心の底から今までの行いを悔やんでおるのじゃぞ」
「いや、言いにくいんだがな……」
少女の、表面上は真摯な視線を受けた男が、不意にある方向を指差した。
つられるように視線を向けると、そこにあったのは――。
「ま、まさか!?」
駆け寄って摘み上げると、持ち上げたそばからぼろぼろと崩れ落ちるそれに、少女は口をあんぐりと開ける。
2人分の体液に散々浸され、挙句にかなり激しい挿入でずたずたに擦り切れたそれは、紛れもなく少女の股間に貼り付いていたあの札だった。
ぎぎぎ……と実際に軋むような音が聞こえてきそうなぎこちない動きで、少女が男の方に向き直る。
「いや、俺も途中からつい我を忘れてだな……」
そのことに関しては男の方も計算外だったのか、乾いた口調でそう説明する。
その言葉に、少女は行為の途中から男の様子が微妙に変化していたことを思い出す。
もしかすると、人を惑わす彼女の力がわずかではあるが、この男にも影響していたのかもしれない。
(だとしても、じゃ……)
「い、いったい、どうしてくれるのじゃ?」
ぷるぷると震えながら、地の底から響くような低い声を絞り出す少女。
「悪い!」
さすがにこれには気圧されたのか、体を地面に投げ出し土下座する男。
次の瞬間――、
「悪いで済むかーーー!」
少女の絶叫が静寂に沈む夜の空気を引き裂いたのだった。
6203枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/09(木) 23:58:15 ID:/WLk9tnU
以上です。
621名無しさん@ピンキー:2006/03/10(金) 00:53:16 ID:S1ZArOe6
正直、賞賛せざるを得まい。

この女の子は山姥の範疇に入るんでしょうか。三枚のお札だけに。
622名無しさん@ピンキー:2006/03/10(金) 03:34:14 ID:IcxX+t18
GJ
イイヨイイヨー
623名無しさん@ピンキー:2006/03/10(金) 11:03:42 ID:YzVvf2pi
口調も文体もストーリーも雰囲気もキャラクターもアニャル属性もオチすらも
全部俺のドツボにピッタリだよコンチクショウ!!!
禿しくゴッジョブ!!
624名無しさん@ピンキー:2006/03/11(土) 06:35:35 ID:ohWXOXdN
GJ!
全く反省してない辺りが可愛いですなw
6253枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/11(土) 19:30:05 ID:3Z4bHv92
続きを投下します。

ちなみに、これ以降は保管庫管理人さんへの個人的な連絡なのですが
私は一応某所では裏式などと名乗っている人間ですので、これを個別に保管庫に入れていただく必要はありません。
もし既に作業を始めてしまっていたら、余計な手間をかけさせてしまい申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
6263枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/11(土) 19:30:39 ID:3Z4bHv92
「しみったれた村じゃのう」
周囲を見回しながら少女が率直な感想を口にする。
村の者が聞けば気分を害することは疑いようのない台詞だが、彼女がそう感じたのも無理はなかった。
まだ夕暮れ時だというのに、全ての家がすでに固く戸口を閉め切り、見渡した範囲で出歩いている人間が1人もいないのだ。
少女の感覚はその奥に潜んでいる人間の気配を感じ取ってはいるのだが、そうでなければ打ち捨てられたばかりの廃村と言われれば信じてしまいそうになる、そんな村だった。
「あまり滅多なことをいうな。
 極力外出を控えるよう、俺が便りを送っておいたのだ」
少女の無礼な言葉を聞きとがめた男が注意をするが、少女は男の声など聞こえぬとばかりにそっぽを向いた。
「だが、予想以上に深刻なようだな」
以前の様子を思い起こし、男も思わずそんなことを呟いてしまう。
外の世界に出てまだ1月も経っていない少女にとってはもちろん初めての地だが、男の方は以前に1度この村を訪れたことがあった。
その時は直接招かれたわけではなくたまたま立ち寄っただけなのだが、その際に狐憑きの少女を治療したことで繋がりができ、今回は問題を解決するために直接呼ばれたというわけだ。
村から少し離れたところにある洞窟に住みついた性質の悪いあやかしを退治してほしいというのが、今回男が受けた依頼だった。
男がその報せを受け取った時点では村人への直接の被害はまだなかったそうだが、旅人の一団が襲われ何人かは命を奪われたらしい。
そしてほうほうの体で転がり込んできた彼らからそのことを聞いた村長が、慌てて男に助けを求めたというわけだ。
静まりかえった村の中を進んでいくと、ほどなくして目当ての家の前にたどりつく。
他の家と比べれば多少大きめのその家も、今は全てを拒絶するように完全に門戸を閉ざしていた。
「遅くなって申し訳ない。
 村長はおられるか?」
呼びかけてからしばらくすると、声だけでは確信が持てなかったのか、中から白髭を蓄えた老人が恐る恐るといった風に顔を覗かせた。
それでも男の姿をその目で確認すると、老人の顔に一転して喜色の笑みが浮かぶ。
「おお、お待ちしておりました! さあさあ、どうぞ中へ――」
首を長くして待ち続けていた男の来訪を心から喜び、中へと招き入れようとするのだが――、
「――と、おや、そちらの方は?」
そこでようやく男の背後にいた少女の姿に目を止める。
「ああ、これは――」
「嫁じゃ」
男の説明を遮るようにして少女が言葉を割り込ませる。
その言葉に目を剥いた男と村長の様子に、少女は心地よい愉悦を覚えていた。
6273枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/11(土) 19:31:24 ID:3Z4bHv92
「まったく、悪ふざけにもほどがあるぞ……」
宛がわれた部屋で布団の上にあぐらをかき、ほとほと困り果てた様子で男が愚痴を零す。
一方でそれを受けた少女の方は、男とは対照的に晴れやかな笑みを浮かべていた。
先刻、嫁という単語で男2人をまとめて凍りつかせた少女だったが、その後も無理矢理初めてを奪われただの、傷物にした責任を取りたいと言うから嫁いでやっただのと言いたい放題だったのだ。
「ふん、いい気味じゃ。
 だいたい、そうそう間違ったことを言っていたわけではあるまい。
 もちろん、おぬしの嫁になるなど死んでも御免じゃから、そこだけは偽りじゃがの」
その言い草に男は再び頭を抱えた。
思い出すのは自分に向けられた村長の視線だ。
少女の容姿が幼過ぎる故、さすがに頭から信じるなどということはなかったが、それでも男の慌てぶりなどもあり、まんざら嘘ではないのかもしれない程度には思われたらしい。
それでも今この村にとって男の存在は必要不可欠なものであって、下手なことを言って気を悪くされたらまずいと言葉を濁していた村長の様子を思い返し、男は改めて大きな溜め息をついたのだった。
「まあ過ぎたことを言っていても始まらん。
 俺はもう寝るぞ」
普段なら寝るにはまだ早い時間だが、明日のあやかし退治に備えるために男は布団に潜り込んだ。
そのまま目を閉じていると、旅の疲れもあってかほどなくして規則的な寝息を立て始める。
それを確認した少女は、その顔に浮かべていた表情を全く別のものへと切り換えた。
本人としては断固として認めたくないところだろうが、それは紛れもなく不安の色だ。
ほんの1月前までは自分の中に当たり前のように存在していた大きな力が失われたことで生まれた、どうしようもないほどに大きな空虚感。
それが津波のように胸に押し寄せてくる。
昼の内は初めて訪れた土地で様々な物を目にし、そして時には今日のように男をからかうことでそれを紛らわせているのだが、夜になりこうして1人になるとどうしてもそれを意識せずにはいられなかった。
肉体的、精神的に強すぎる衝撃を受けて気を失うことはあっても、少女は人間のように休息の為の眠りを必要としない。
以前はむしろ夜の静寂こそを好んでいたはずなのに、今では朝がひたすら待ち遠しく感じられるようになっていた。
「まったく、わしの目の前で暢気に寝こけおって……。
 わしはおぬしのことを恨んでおるのじゃぞ……」
当然、そう語りかけても返事はなかった。
短い時間ながら共に旅をしてきて知ったのだが、男は一度床につくとかなり深くまで眠りに沈む。
その無防備な姿を見ていると、少女は自尊心がわずかに傷付けられるのと同時に、今までに覚えたことのない妙に穏やかな気持ちまでもが芽生えてくることを感じていた。
(まあ、寝込みを襲うなどという真似は、わしの流儀ではないしの……)
言い訳のようにそんなことを思う。
6283枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/11(土) 19:31:57 ID:3Z4bHv92
(さて、このような村では外に出ても何もなさそうじゃし、どうしたものか……)
どうやって朝までの時間を潰すかと思案していると、この家の前での男の様子が脳裏に蘇った。
(それにしても、あれは傑作じゃった……)
ほんの軽い気持ちで口にしただけで、まさかあそこまで効くとは思っていなかったのだ。
予想以上の男の慌てぶりを思い出し、喉の奥は鳴らす少女。
だが、不意にその表情を引き締めると――、
「嫁、か……」
誰にともなく呟いた。
距離を置いてではあるがそれなりに長く人間の姿を見続けていたから、人間達の婚姻という習慣は知っている。
人間の夫婦というものが、森に住む動物達が繁殖のためにつくるつがいとは、多少意味合いが異なるらしいということもわかっているつもりだった。
夫婦で森に入ってきた人間に手を出した時、妻のことを身を挺して庇う夫もいれば、置き去りにして逃げ出そうとする者もいた。
この男はどうだろうか。
その力が及ばぬような存在が目の前に現れた時、もし自分が横にいたら……。
(……何を考えておるのじゃろうな、わしは……)
再び笑みを、だが今度は自嘲的なそれを浮かべて、男の寝顔から天井へと視線を移す。
そのまま小さな溜め息をひとつ。
力を失ったことによる唯一の収穫は、あの森から出られるようになったことだった。
あの森にはもちろんそれなりの愛着はあるが、それでもたまに訪れる人間を相手にするだけの日々に飽いていたのも事実だった。
それで、責任を取れと脅して無理矢理男の旅に同行してきたわけなのだが――、
(実際、わしのことをどう思っとるんじゃろうか……)
それが気にかからないといえば嘘だった。
強く拒絶されたことはないが、果たしてそれは責任を感じて我慢しているだけなのだろうか。
(そもそも、こやつに責任があるかどうかすら疑わしいというのにな……)
力を奪ったのは確かに男だが、そもそも男にそうさせたのはそれまでの自分の行いであり、行為の際に男を暴走させたのも恐らくは自分の力だ。
面と向かっては絶対に口にするつもりはないが、男に対して多少の申し訳なさを感じてしまう時もある。
それを自覚して、少女は頭を掻き毟った。
(……あー、だめじゃだめじゃ、何を考えておるのじゃ! こやつはわしの力を奪ったにっくきやつ。
 利用できるだけ利用して、力が元に戻ったらきっちりとその報いを受けさせるに決まっておるじゃろうが。
 そのために、今はわしの方が我慢して共に行動をしてやっておるのじゃ)
自分に言い聞かせるようにそう思考を巡らせると、少女は自らの考えに満足げに頷いてみせた。
(なにせ、外の世界は広いからの。
 力を取り戻した後で、改めてこやつを捜すというのはいかにも面倒そうじゃ。
 そうと決まれば、まずは……)
「ほれ、さっさと起きぬか!」
少女のつま先が、布団越しに男の背中に突き刺さった。
6293枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/11(土) 19:32:40 ID:3Z4bHv92
「……な、何をするのだ、お前は?」
まだ眠りについたばかりだったところを、これ以上ないほど荒々しい手段で叩き起こされ、さすがに男の声に険が篭る。
「うむ、今宵はおぬしの精気を頂くことに決めたのじゃ」
それに動じることもなく少女は高らかに言い放った。
「……なんだと?」
薄い胸を誇らしげに張っての少女の宣言に、男が唖然として間抜けな声をあげる。
いきなり叩き起こされた挙句、精気をよこせなどと言われてはそれも無理からぬことだった。
平たく言えば抱けと言われているわけなのだ。
共に旅をするようになって1月ほどになるが、もちろんそんなことは今まで1度もなかったというのに。
「わしとしても甚だ不本意じゃが、これも力を取り戻すためじゃ」
いかにもこの男が相手では不満だと言わんばかりの口調だが、その口元は本人も気づかぬ間に微妙な綻びを見せていた。
「勘弁してくれ……どうしてもと言うなら、明日の晩でもいいだろう」
男としては明日の仕事のために極力消耗を避けたいという思いからの言葉だったのだが、それが少女の癇に障った。
(これではまるで、わしが抱いてくれと懇願しているようではないか――!)
言い出したのは間違いなく彼女側なのだが、そんなことを当然のように頭の中から押し出されていた。
「おぬしの都合など知ったことか! だいたいわしが力を失ったのは誰のせいじゃと――」
「わかった、わかったから、もう少し声を落とせ」
甲高いだけに少女の声はよく響く。
ただでさえ、今この村の者はあやかしに対して過敏になっているのだ。
精気をどうだの力がどうだの、こんな言い争いを家人に聞かれたら、それこそどう言い訳したらいいのかと、男としては気が気ではなかった。
「ふん、おぬしは大人しく、わしの言葉に従っておればいいのじゃ」
男の言葉に従ったわけでもないが、少々取り乱していたことを自覚して少女はわずかに声を落とす。
そしてそのまま服を脱ぎ始める少女を男は呆れたように1度見やると、これ以上やりあっていても貴重な睡眠時間を削られるだけと観念したのか、自らもまた服を脱ぎ始めたのだった。
6303枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/11(土) 19:33:19 ID:3Z4bHv92
仰向けに寝た男の股間に跨って、少女が腰を上下させていた。
すでに2人とも一糸纏わぬ姿になっている。
明かりを消した部屋の中、聞こえてくるのは2人の結合部からかすかに響く水音と、熱を帯びた少女の息遣いだけ。
始めるにあたり少女が指定したのは、森に入ってきた男を相手にした時、彼女が最も多く選択していた騎乗位だった。
この体位で、激しすぎる快楽に歪む男の顔を見下ろすことが、かつての彼女にとって最も大きな楽しみの1つであったのだが――。
(なにゆえ、こやつは平然としておるのじゃ!?)
今、彼女の下にいる男の顔は、全く感じていないというわけではないのだろうが、それでも想像していたものとは全く異なるものだった。
「どうじゃ、出したいのなら無理に我慢せんでもいいのじゃぞ?」
必死に表に出さないように我慢しているだけではないのか。
そんな淡い期待を込めて言ってみるのだが返ってきたのは――、
「いや、できればもう少し大きく動いてくれんか」
そんな言葉だ。
(……な、なんじゃと?)
大の男に、お願いだからもう止めてくれと涙ながらに懇願されたことは幾らでもあった。
だが、物足りないなどと言われたことは1度としてなかったのだ。
その言い草に少女の頭に一瞬で血が上った。
薄闇越しでもそれを見て取った男は自分の失言に気づき、即座に頭を巡らせる。
そして短いながらも共有したこれまでの経験から、最適と思われる言葉を選んで口にした。
「い、いや、焦らされるのは辛いのだ。
 さきほどから浅いところばかりを往復されておるからな」
「……ぬ?」
男に言われて初めてそのことに気づいたように、少女が眉間に皺を寄せた。
「ふん、そうじゃ、焦らしておっただけじゃ……この程度で音を上げるとは、おぬしもたいしたことないの」
だがすぐにそれを消し去ると、得意そうに鼻を鳴らして言い放つ。
(わしとしたことが、気づかぬ内に手心を加えておったなどとはな……。
 やはり共に旅などしてきたせいで、知らず情が移っておったのやもしれぬ)
そんなことを考え、今度こそ深く腰を落とし1番奥まで男のものを呑み込んだ。
「……く、ぅ」
意図の有無はともかくとして、これまでの少女の動きは結果的には男の言葉通り焦らすような形になっていたのだ。
その上で与えられた強い刺激に、さしもの男の顔にも変化が生じた。
小さくではあるが吐息を漏らし、その身をぶるりと震わせる。
ようやく引き出した男の変化。
だが少女の側にそれを確認しているだけの余裕はなかった。
(……な、なんじゃ、今のは?)
胎奥を突き上げられた瞬間、まるで頭の先まで貫通されたような衝撃を受け、危うく悲鳴を上げそうになっていた。
情けない声を出さずに済んだのは、本当にたまたま運が良かったとしか言いようがない。
いや、むしろ声を出す機能すらも一瞬失わせるほどに強烈な衝撃だったのだ。
その後を追うように、背筋を戦慄が這い上がってくる。
男の腹に両手を付き、その余韻が消え去っていくのを待っていた少女だったが――、
(……どうしたというのじゃ、わしは……)
消え去るどころか、時が経つにつれ膣内の男のものがますます膨張しているような錯覚にすら囚われる。
焦燥感に追い立てられる少女の脳裏を過っていくのは、森の中でこの男にそこを貫かれた時の忌わしい記憶だった。
思い出してはいけないと思えば思うほど、よりはっきり、どこまでも鮮明にあの時の快感が蘇ってくる。
この段になってようやく、少女は先ほどまでの自分が男に手心を加えていたのではなく、自分の守るために無意識の内に腰の動きを小さくしていたのだということを悟ったのだった。
6313枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/11(土) 19:33:57 ID:3Z4bHv92
「どうかしたのか?」
いきなり動きを止めた少女を訝しみ、男が声をかけてくる。
それで我に返った少女だったが、今度はこれからどうするべきかで葛藤を余儀なくされた。
今回のことは、少女の側が強要したのだ。
まさか怖くなったからこれ以上は続けられないなどと、口が裂けても言えるはずがない。
だからといって、このまま続ければ自分がどうなってしまうのかわからなかった。
いや、こうしている間にも事態は刻一刻と悪化していっている。
動いてもいないに、彼女の性感は加速度的にその熱を高めていっているのだ。
(どうする……どうすればいいのじゃ?)
焦れば焦るほど、思考は千千に乱れてまとまる気配すら見せてくれない。
それでも、このまま男のものを受け入れているのは危険だということだけは痛いほどわかった。
漏れそうになる吐息を必死に噛み殺し、男のものを引き抜いていく。
(……くぁ、こ、これしきのことが……)
大きく広がった凶悪なかえしの部分に、膣襞を根こそぎ削り取られているような感覚に身を震わせる。
そこから生まれるめくるめく媚電流によって足から抜けていきそうになる力を、少女は懸命に引き止め、掻き集め、少しずつ腰を上げていった。
今、足の力を抜いてしまえば、自らの体重で再び子宮口を突き上げられてしまう。
そうなってしまえば、もう自分の力で抜き去ることなど到底できそうになかった。
少女の顔が苦悶に歪む。
皮肉にも、彼女自身が選択したこの体位が、今や彼女を苦しめる最大の要因になっていた。
「……くぅ……んんぅ……はぁぁ……」
苦闘の末、なんとか完全に抜き去った頃には、全身から滝のように汗を流し息も上がり切っていた。
「お、おい……」
男の声にはそんなたただならぬ彼女の様子を心配しつつも、当然入口付近まで上がったら戻ってくると思っていた少女の腰が、そのまま完全に離れていってしまったことに対する落胆の色が含まれていた。
男の股間のそれは、未だ萎えることなく天を向かってそそり立っている。
涙に滲んだ視界に映るそれは、今の少女にとって恐怖の対象でしかありえなかった。
(な、何とかこれを果てさせぬことには……)
追い詰められた少女の思考に、天啓のようにある考えが閃く。
己の自尊心を傷付けずこの状況を脱する方法。
(こ、これじゃ!)
少女は疲労の色濃いその顔に、努めて小憎らしい笑みを浮かべると――、
「おぬしなぞ、これで十分じゃ」
そう言って男のものに手を伸ばしたのだった。
6323枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/11(土) 19:34:33 ID:3Z4bHv92
手の平に感じる熱はそれですら体の芯に響いてくるような気さえするが、それでも我慢できないほどではなさそうだった。
自分の淫水によって滑りが良くなったその表面を擦り立てる。
「どうじゃ、さっさと果てるがい――ッ!?」
わずかに余裕を取り戻し、男の顔を見てやろうと上げた少女の目に飛び込んできたものは、不満げに眉を顰めてこちらをじっと見据える男の視線だった。
男の瞳の奥に宿った常ならぬ迫力に気圧されて、思わず扱いていた手を離してしまう。
「な、なんじゃ、その目は……、――うぁっ!?」
いきなり身を起こし少女の矮躯を押し倒しにかかる男。
その様はまるで手綱を放された暴れ馬のようだ。
(いきなりどうしたのというのじゃ……そ、そうじゃ、この男、最中になると性格が……)
実際にはそれはこの男特有のものではなく、少女と体を重ねた者全てに起こっていた現象だった。
むしろあやかしの力に対する耐性がある分、男のそれは程度としてはかなり抑え目の変化なのだ。
今までそれを気にせずいられたのは、偏に人間側が暴走したとしても以前の少女は力づくでそれを押さえ付けることができていたからだった。
「よ、よさぬか! 動くなと言ってあったはずじゃ!」
自分が主導権を握るために、始める前に一方的に言い付けていた取り決めを持ち出しても、今の男は耳を貸そうともしない。
そして単純な力比べになってしまえば、力の大半を失い、さらには今までの行為で心身ともに消耗している今の彼女では自分よりはるかに体格に優れる男の体を撥ね退けることは困難だった。
「あそこまでしておいて、手で済まそうなどというのはあんまりだろう?」
獣欲を目に滾らせて、ぞっとするほど低い声で男が囁く。
「そ、それは……じゃな……」
ただでさえ男としてみれば、寝ているところをむりやり起こされ強制された行為だった。
だというのに、始めてみれば少女がしたのは焦らすような中途半端な動きだけ。
少女の力なりなんなりで体の自由を奪われていたならともかくとして、そうではなく自分の意思だけで腰を動かすことを抑えていた男の理性はむしろ賞賛に値するほどのものだろう。
だが、さすがにそれにも限界があった。
6333枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/11(土) 19:35:10 ID:3Z4bHv92
「そ、それは駄目じゃ!」
左手1本で少女を押さえ付け、男は空いた右手で布団の横に置いてあった荷物から札を1枚抜き取った。
それを見た少女の顔が恐怖に強張る。
だがどんなにもがいても、力強い男の腕の1本すら外すことはできなかった。
「なに、同じ失敗はせんから心配するな。
 だが、何分ここは他人の家だでな」
「な、なにを言うてお――うぷぅ!?」
小さな唇を完全に覆うように札を貼られ、少女が息を詰まらせた。
さすがに鼻までは塞がれていないせいで呼吸はできるが、言葉を奪われた少女は焦燥を募らせていく。
だがその一方で、怒りとは別の熱がその胸中にじわりと染み出していることに当惑もしていた。
それは、この男によって1月前初めて感じさせられた背徳的な被虐の悦楽。
体を押さえ付けられ、言葉までも奪われたことで、忘れようとしていたそれが心の底からその身を起こし始めたのだ。
口を塞がれたことによる息苦しさが、それの目覚めをさらに加速させる。
手足が痺れるように感覚を失っていき、男の手によって体を返されうつ伏せにされると、少女の抵抗は目に見えて弱くなった。
「ふむぅ――!?」
森の時と同様、尻だけを持ち上げられ、そのまま一息に体の中心を貫かれる。
その一突きで、少女の心は粉々に砕けそうになっていた。
目の奥で火花が散り、鼻から熱い吐息が抜けていく。
「ふむ、締まりも濡れ方も段違いだな。
 やはりお前さん、責められる方が感じるのではないか?」
崩れそうになる少女の心に拍車をかける男の言葉。
それでもかろうじて言葉の代わりに首を振り、せめてもの抵抗をしていられたのも、男の指が少女の尻の中心に宛がわれるまでだった。
下手にそこを締めようとすれば、かえって前に突き刺さっている逸物の存在をより強く感じる羽目になる。
だからといって、そこにまで男の体の一部を受け入れてしまえば、今以上に感じさせられるのは火を見るよりも明らかだった。
どちらを選んでも結局は快楽から逃れられない残酷な2択。
それでも迷う少女の心中など意にも介さず、男の指は侵入を開始した。
「んんぅーーーーっ! ああぁぁぁぁぁ!?」
初めて経験する2穴責めは、少女の想像をはるかに超える悦びを頭の芯まで叩き込んできた。
肉でできた薄壁を両側から擦り上げられ、少女の背中が反り返る。
思うように声を出せないせいか、送り込まれた快感が出口を失い体の中で暴れまわっているようにすら感じられた。
自然と涙が溢れ出し、首の動きに合わせて汗と一緒に周囲に散らばっていく。
1度目の頂きは、すぐそこまで近づいてきていた。
6343枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/11(土) 19:41:25 ID:3Z4bHv92
一応あと1回分あるのですが、スレ容量が限界近いので一端ここで止めます。

重複するとまずいので、この書き込みから10分後に板検索をしてその時点で立っていなければ
勝手ながら次スレを立て、即死回避も兼ねて続きを投下したいと思います。
635名無しさん@ピンキー:2006/03/11(土) 19:55:02 ID:3Z4bHv92
立てました。

かーいい幽霊、妖怪、オカルト娘でハァハァ【その11】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142074376/
636名無しさん@ピンキー:2006/03/12(日) 12:30:33 ID:o+KxnX29
>>592-601

GJ!面白かったです!

>蛇女「むむ・・スタイルだっていいんだから上から92・58・58だよ♪」
そしてここで吹いたw
637名無しさん@ピンキー:2006/03/16(木) 18:06:09 ID:Mh6wrhK/
638名無しさん@ピンキー:2006/03/16(木) 18:07:25 ID:Mh6wrhK/
639名無しさん@ピンキー:2006/03/16(木) 18:41:15 ID:upA4Uac7
うめ
6403枚のお札 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/16(木) 19:59:09 ID:cmzRlMUI
ドアを開けると、部屋の真ん中で人が倒れていた。
しかも全裸で。
反射的にドアを閉めて表札を確認。
間違いなく、俺の家だった。
つーか、俺の持ってる鍵で開けられたんだから俺の家以外にありえないか。
なら、さっきのはなんだ。
幻か?
疲れてんのか、俺?

恐る恐るもう一度開けてみた。
やっぱりいた。
うつ伏せだからよくわからんが髪の長さからして……女か?
けど小せえ。
ガキ真っ盛りだ。
家に帰ったら裸の幼女が倒れてたんです本当です信じてください。
無理だ。
俺なら絶対信じねえ。

「おい、何やってる」
近づいて声をかけてみた。
へんじはない、ただのしかばねのよ……うだと思ったら変な音が聞こえてきた。
文字にするなら、ぐきゅるるるるるぅ〜ってとこだろうか?
めちゃくちゃテンプレートな腹減り音だった。
その音で目を覚ましたのか、床にべったりと貼りついていて微動だにしなかったガキが顔をあげる。
「お前が、ここの住人ですの?」
声は掠れて目も虚ろ。
まさに息も絶え絶えレッドゾーン。
「あ、ああ……そうだけど、お前ここで何やってんだ、ていうかどうやって入った?」
至って正当な俺の質問に対し、ガキの目付きが一瞬険しくなったと思ったその瞬間、
「責任取りやがれ、ですの!」
それまでの様子が嘘のように、ガキがいきなり飛びかかってくる。
いきなり過ぎて、とっさには反応できなかった。
床から1メートル以上は飛び上がったガキの身体。
その足の付け根にはぶらんぶらんしたものではなくて、1本の縦筋が存在している。
やっぱり女だったか……つってもこんなつるぺた俺の趣味じゃないが、なんて思っている間に俺は押し倒されてしまった。
641 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/16(木) 20:00:24 ID:cmzRlMUI
ガキの手がズボンの前を開け、トランクスを引き下げる。
「ちょっ、おま……!?」
ぼろんと転がりでたあれを、なんの躊躇もなく咥え込むガキの姿に俺は我が目を疑った。
疑った……のだが、どんなに目を疑っても、そこから生まれる包まれるような温かい感触は視覚以上にそれが現実だと教えてくれる。
「けっ……まじぃ、ですの」
一度口を離して悪態をつき、また咥え込む。
わけがわからんぞ、このガキ。
てか、他人様のものを勝手に咥えといてまずいとは何事だ。
「はっはほ、はひやはれ、へふの!」
咥えたままで喋られると、微妙な振動が先端にくる。
加えて、絡み付いてくる舌のぬめりと温かさ。
「な、なんだ、この舌の動き!?」
ダイナミックかつ繊細なその舌遣いに、俺のあれはあっという間に硬くなっていく。
というか、それに留まらず情けないほどあっさりと、
「あ、や、やめて……でる、でちゃうぅ!?」
なぜか乙女ちっくに達していた。

「ふん、濃さはまあまあ、ですの」
妙に男前な仕草で口元を拭いながら、俺のものをそう評するがきんちょ。
ほめられた、のか?
「お、お前はいったい……」
立ち上がり、こちらを見下ろすガキの視線。
「人はあかなめと呼ぶですの」
あ、あかなめぇ?
「最近、どこの家のお風呂も掃除が行き届いていて垢がないですの。
 でも、いかにもボロっちくて掃除してなさそうなこの家ならと思ったですのに」
ひどい言われようだった。
確かにこまめに掃除しているとは言えないが、そもそもうちは風呂なしトイレ共同の安アパートだ。
「期待を裏切られた時のショックと言ったらなかったですの。
 だから、代わりにお前を食ってやったですの。
 光栄に思いやがれ、ですの」
そう言ってガキは踵を返すと、壁を擦り抜けて部屋から出ていってしまう。
お、俺のあれは風呂の垢の代用品、なのか。
それは……あんまりだ。
射精後の脱力感に襲われながら、俺はそんなことを考えていた。
ていうか、これなんてエロゲ?
642 ◆B7ddJTHdWw :2006/03/16(木) 20:01:33 ID:cmzRlMUI
埋めネタに。
ちなみに>>640のタイトルは間違いですので気にしないでください。
643名無しさん@ピンキー:2006/03/16(木) 20:19:19 ID:mfN9Nij1
こっそりとおまけが!
笑いましたw

ヤマト氏の出会い編かと思いました。
644名無しさん@ピンキー:2006/03/16(木) 21:03:15 ID:LiN7Kkgb
口調が某ドールにしか思えないw
が、GJ!
645これで埋まるかな ◆B7ddJTHdWw
ドアを開けると、部屋の真ん中でガキが寝っ転がってマンガ雑誌を読んでやがった。
まあ、明かりが点いているのは見えてたから来てるのはわかってし、
他人の家でくつろぎまくってるのも最初からこいつに遠慮なんてものは欠片だって存在してなかったからいいんだけどな。
「遅過ぎですの!」
俺が入ってきたのに気付いて、雑誌(もちろん俺の)を放り投げ、さっそく抗議の声と盛大な腹減り音を響かせる。
「悪い悪い、ちょっと用事があったんだって」
なんで俺が謝ってるのかはよくわからなかったが、まあ一応はそう言ってやる。
たぶん、待たせたのは事実だろうから。
「言い訳なんて聞きたくないですの。
 さっさと出すもの出しやがれ、ですの!」
まったくどこのヤンキーだよ、こいつは。
呆れながらもいそいそあれを取り出す俺も、まあなんと人のいいことか。

「なあ、昨日はどうして来なかったんだ?」
"食事"が終わると、いつものようにさっさと出ていこうとするあかなめ娘の背中に思い切ってそう問いかけてみる。
あの日以来、ほとんど毎日のようにこいつはうちに来て、俺のあれを要求するようになった。
ほとんどというか、昨日を除けば完全に毎日だ。
「最近お前のが薄くなってたから休ませてやったんですの。
 ありがたく思いやがれ、ですの」
「そ、そっか……」
振り返ったあかなめ娘はなんかめちゃくちゃ偉そうだったが、まあそれはそれとして、こいつなりに気を遣ってくれていたらしい。
ただ、薄くなったと言われるのは男としてかなりショックだったが、毎日絞られたらそりゃあ仕方のないことだと思うぞ。
「どうしてそんなこと聞くですの?」
微妙に刺々しい口調。
言外に、余計なことを聞くな的オーラをバンバン発散させている。
その空気にちょっと躊躇いつつ、それでも一応昨日から考えていた提案をしてみる俺。
「いや、その、なんだ……どうせならうちに住んだらどうか……とか思ってだな。
 いちいち来るのも面倒だろ?」
ああ、俺は何を言っているんだろう。
でも昨日気付いてしまったんだ。
帰ってきた時、部屋に誰かがいるということがどれだけ素晴らしいかを。
「絶対! イ・ヤ・ですの!!」
断固拒否された。
薄い発言に続いて、またしてもちょっとショック。
「お風呂のない家に住みついたあかなめなんて噂が立ったら、末代までの恥ですの」
妖怪には妖怪なりの世間体とかがあるらしい。
ただ、それを言ったら、毎日精液で腹を満たしているあかなめもどうよとか思ったけど、もちろん口にはしなかった。
地雷とわかりきっているものを嬉々として踏みにいくほど、俺はマゾじゃない。
「そっか……悪いな、お前の都合も考えないで……」
「……リカ、ですの」
再びこちらに背中を向けたあかなめ娘が、唐突にそんなことを言う。
「……リカ?」
「名前ですの。
 人間なんかにお前呼ばわりされるのは不愉快ですの。
 だからこれからは名前で呼ぶですの」
名前を教えてくれた事はもちろんだが、変な事を言ったからもう来ないんじゃないかってちょっと思っていただけに、これからという言葉が少し嬉しかった。
「あ、ああ、わかった」
「それと……さっきの話」
「……え?」
「お風呂のあるところに引越したら……考えてやってもいいですの」
最後はかなり早口に言って、壁を擦り抜け出て行ってしまう。
「あ、おい、ちょっと待てよ」
いつものように独り残された部屋。
そこで俺は、部屋探し、少し本気で考えてみようかなんて考える。
いや、それよりまずは亜鉛摂取が先だろうか。