【妖怪】人間以外の女の子とのお話10【幽霊】

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1名無しさん@ピンキー
幽霊妖怪天使に悪魔、ロボットだってエイリアンだって何でもOK!
オカルト・SF・ファンタジー、あらゆる世界の人間以外の女の子にハァハァなお話のスレです。
これまではオリジナルが多いですが、二次創作物も大歓迎!
<前スレ>
【妖怪】人間以外の女の子とのお話9【幽霊】
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1099739349/

<過去スレ>
【妖怪】人間以外の女の子とのお話8【幽霊】
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1093106312/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話7【幽霊】
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1088018923/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話6【幽霊】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1084053620/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話5【幽霊】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1077123189/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話4【幽霊】
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1072/10720/1072019032.html
【妖怪】人間以外の女の子とのお話3【幽霊】
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1065/10657/1065717338.html
【妖怪】人間以外の女の子とのお話U【幽霊】
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1047/10479/1047959652.html
人間じゃない娘のでてくる小説希望(即死)
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1046/10469/1046994321.html

<保管庫>
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.gozaru.jp/
 →「オリジナル・シチュエーションの部屋その5」へどうぞ。
2名無しさん@ピンキー:04/12/12 21:32:31 ID:Ht++r37R
<関連スレ>
かーいい幽霊、妖怪、オカルト娘でハァハァ【その9】
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1067243766/
【獣人】亜人の少年少女の絡み2【獣化】
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1098261474/
【亜人】人外の者達の絡み【異形】
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1098260654/
ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α2
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1078822739/
触手・怪物に犯されるSS 4匹目
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1099847979/
猫耳少女と召使いの物語3
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1092588111/
魔法・超能力でエロ妄想 その2
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1093667653/
33 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:34:14 ID:Ht++r37R
http://sslibrary.arings2.com/sslibrary/o/original14-11.html の続き。


――ということで当日、僕たちは普通の出席者よりも、少し早めに会場へ向かうことになった。

「へ〜え。ずいぶん小ぢんまりとした教会だね」
「うん、そうだね」
同僚の式場である、教会を見上げてアイリスがひとことつぶやき、同意する僕。
教会は、郊外の大きな公園のそばにあり、まるで外国のどこかから、
そのまま切り取ってきたのではないかと思えるような、佇まいだった。

……僕もいつか、こんな場所でアイリスと、結婚式を挙げたいなあ。
よく考えたら、入籍が無理でも、式を挙げることは可能なんだし。
周りの人に、説明なんて出来るはずないから、二人だけで式を挙げるってのでも、いいのかも。

「?? お〜い、御主人サマ〜? どうしたの〜?」
「え、ええ!? い、いや何でもない…何でもない、よ……」
不意にアイリスの声がして、現実に戻ってくる。
アイリスは心配そうに、僕の頬っぺたを両手で挟み込みながら、話しかけていた。
僕は何故か、アイリスの顔をまともに見ることが出来なくなって、
視線を逸らしながら、アイリスの手を軽く握り返し、歩き始めた。

「え〜っと……。あ、すみません、彼女がシスターの役をするってことで、早めに来たんですが」
「あ、はい。……ちょっと、お待ちくださいね」
教会の入り口のあたりで、受付の支度をしている人に、アイリスを指し示しながら声をかける。
声をかけられた人は、僕たちをその場に制しながら、奥へと姿を消していった。
43 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:34:35 ID:Ht++r37R

「あ、アイリスさん。わざわざ無理聞いてくれて、どうもありがとう」
「ん〜、そんなに気にしなくていいよ」
待つことしばし、さっきの人と、係のおばちゃんらしき人ともに、
真っ白いタキシードを身に纏った同僚が現れ、アイリスに握手を求めてくる。
アイリスは、いつもの屈託の無い笑みを浮かべ、手を握り返していた。
「で、早速ですが、着替えはこちらにて、お願いいたします」
「あ、はいは〜い♪」
係のおばちゃん――あとで聞いたら、神父の奥さんだったらしい――が、アイリスを手招きする。
手招きに招かれ、アイリスはまるでスキップでもするように、足取りも軽く奥の部屋へと消えていった。
……凄い乗り気だなあ。途中で、尻尾とか生えちゃったらどうしよう?
「……新條、どうもありがとうな」
「ん? いやいや、礼ならアイリスに言ってくれれば、それでいいよ」
アイリスを見送る僕に、同僚が頭を下げてきた。……別に、僕が何かしたわけじゃ、ないんだけどね。
「そ、それにしてもさ……」
軽く手を振る僕だが、同僚はそれでも何か言おうとしてくる。……義理堅いというか、何と言うか。
「新郎さーん、花嫁さんの支度が整いましたので、お願いしまーす」
「あ。はーい、分かりました〜。……これから写真撮影なんだ。悪いけど、控え室でゆっくりしててよ」
「ん、ああ、ありがと」
と、同僚を呼ぶ声が聞こえてきた。声のほうを見ると、係の人が手招きをしている。
同僚は、係の人に返事をしながら、僕に声を掛けてきた。
……とは言ったものの、アイリスが着替えているんだし、ちょっと待ってるかな。
53 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:34:59 ID:Ht++r37R
カチャ

「あ、アイリ…………え?」
廊下の椅子に腰掛け、しばらくぼうっとしていると、不意に扉が開き、アイリスが姿を現した。
声を掛けようとして、思わず固まってしまった。

目の前には、アイリスがいた。それ自体は、驚くことでもなかったのだが、黒いゆったりとした修道衣と、
対照的に真っ白なベールを身に纏ったアイリスの姿は、まさしく聖女と呼ぶにふさわしかった。
……いや、聖女どころか、僕にとってはかけがえのない、女神サマなんだけど。
何となく、『アイリスを見ていると、聖職者を連想させる』という、同僚の気持ちが分かった気がする。

「あ………ま、待ってた、の?」
「い、いや…待ってたもなにも、すること無かったし………というか、えっと……」
ぽかんとしていた僕に、アイリスが戸惑い気味に声を掛けてくる。
僕は何と答えていいかわからず、ただ、しどろもどろに答えるしかなかった。と、
「さて……ほおう、これはまた……」
突然、背後から声がして、僕は思わず振り返った。
そこには、いつの間に現れたのか、神父さんが立っていて、アイリスを見て感嘆の声を漏らしていた。
「うんうん、とてもよくお似合いですね。……っと、失礼しました。私は橘、この教会で神父をしています」
「え? ……あ、ど、どうも……」
「あ、どうも初めまして。……アイリスと言います」
40半ばと思われる神父さんは、微笑みを浮かべながらアイリスを見ていたが、
はっと気がついたように、僕たちに礼をしてきた。
「そうか、アイリスさんですか。今日はよろしくお願いしますね。それで、早速なのですが、
式の進行についての、打ち合わせ等を行ないたいのですが、構わないですか?」
「は、はい。よろしくお願いいたします。………そ、それじゃ、またあとで、ね」
アイリスが、神父さんの言葉に頷きながら、僕を見て小さく手を振った。
「ああ、別にご一緒でも構わないですよ? あなたもただ、じっとしていては退屈でしょう?」
「えっと……じゃ、そうさせてもらおうかな?」
が、そんなアイリスを見て、神父さんは僕にも声を掛けてくる。
実際、式が始まるまで、ヒマをもてあますと思ってた僕は、神父さんの申し出を素直に受けることにした。
63 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:35:27 ID:Ht++r37R

「あ、あれ?」
「………アイリスさん、そのタイミングでは、新郎新婦が指輪を受け取れないですよ?
慌てる必要は無いのですから、新婦さんが誓いますと答えてから、お二人に差し出してください」
「は、はい……」
式場にて、神父さんと式の練習をするアイリスだが、指輪を差し出すタイミングを間違え、
神父さんにたしなめられて、少しオロオロしている。……こんなアイリスの姿を見るの、初めてかも。

「………で、新郎新婦がその結婚証明書に署名をされましたら、
列席された方々にご確認いただくために、高く掲げてください」
「高く掲げて………あ、は、はい」
さらに神父さんの説明は続き、アイリスは神妙な顔で頷いている。
……高く掲げるって、妙に間があったけれど、まさか宙に浮こうとか考えてないだろうね?

「さて、あとは本番をお楽しみ、ということで、ひと休みされるといいでしょう」
「あ……はい」
神父さんが時計を見て、アイリスに優しく声を掛けてきた。
アイリスは多少緊張気味に、ぎこちない笑顔で神父さんに返事をしている。……だ、大丈夫かな?
73 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:36:02 ID:Ht++r37R

「ふ〜…う」
「さて、いよいよだね」
「う…うん……。何だか急に、緊張してきちゃったかなあ」
さっきアイリスが、着替えをしていた支度部屋に戻り、ため息をつくアイリスに声を掛けた。
アイリスは僕の問いかけに、ぼんやりと宙を見つめながら答える。
「ははっ、アイリスでも、緊張することってあるんだ?」
「むっ。………御主人サマ、私の言うこと、信じてないの?」
軽口を叩く僕に対し、多少拗ねた表情で、くちびるをとがらせるアイリス。
「い、いや…そういうことじゃなくって……え? ちょ、ちょっと!?」
「ほらね? ちゃんと、胸がドキドキしているの、わかるでしょ?」
僕の言葉の途中で、アイリスがいきなり僕の手を取ったかと思うと、自らの胸に押しつけてきた。
言葉どおり、手から伝わるアイリスの胸の鼓動は高まっている。……そっか、そりゃあそうか。
「ご、ごめん。変なこと言い出し……ア、アイリス!?」
「………んっ。御主人サマ、こんな時にこんな場所で、何を考えているかなあ?」
胸から手を離し、謝ろうとするが、アイリスは手を離そうとせず、逆に僕の手ごと胸を揉みしだき始める。
驚きのあまり、手を振り切った僕を見て、アイリスは悪戯っぽい笑みを浮かべだした。
「……って、アイリスが手を………」
「……御主人サマのせいで、私、体が疼いちゃって……我慢、出来なくなっちゃった………」
「ア……アイリス………」
抗弁しようとする僕を意にも介さず、ゆっくりと修道衣の裾をまくりあげるアイリス。
――姿かたちはアイリスとはいえ、聖職者であるシスターが、自らの秘所をさらけだそうとしている――
そんな、どこか背徳的な姿に、僕は思わずゴクリと唾を飲み込んでいた。
「ね……御主人サマ………私を慰めて………」
「……あ、あ………」
誘うような視線に射すくめられたかのように、僕は操り人形のようにギクシャクとした動きで、
アイリスのもとに跪いた。――まるで、聖女に祈りを乞う信者のように――
83 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:36:23 ID:Ht++r37R

「んふ……っ……」
「……うわ…。もう、濡れてるよ………」
そっと、アイリスの下着に手を伸ばすと、アイリスは喘ぎ声を漏らし始めた。
薄いブルーの、紐で結わえるタイプのそれは、割れ目の部分がほんのりと湿っている。
「もう……ばか……あ、あんっ……」
抗議の声をあげようとするアイリスだが、湿っている部分を軽くなぞってみると、
途端に甘えた声をあげだす。僕はそのまま、なぞり続けてみた。
「あ…あんっ……あ、ああっ……」
壁に寄りかかり、全身をプルプル震わせるアイリス。……少し裾を支える手が、下がってきている。
「よい……しょっと」
「ん! ああっ! は…あっ……」
紐の結び目を外し、割れ目にじかに指を這わせてみた。
無意識なのか、アイリスはくぐもった喘ぎ声とともに、ほんの少しだけ両足を開く。
僕はそのまま、割れ目の中に指を潜り込ませた。すでに、中は熱い蜜で満たされていて、
指で隙間をこじ開けるだけで、割れ目から蜜があふれ出し、太ももを伝いはじめた。
「あっ! ああんっ! ご、御主人サマ……っ!」
顔をあげてみると、アイリスは顔を真っ赤に染め上げ、必死に目を閉じている。
その目の隙間から、わずかにこぼれる涙が、僕の心の何かを抉った。
「んっ! あっ! ああっ! ご、御主人サマっ! 御主人サマっ!」
割れ目の中に潜り込ませた指を、激しくうごめかすと同時に、太ももを伝う蜜に舌を伸ばしてみると、
アイリスは狂ったように嬌声をあげだし、わずかに腰を落とす。
僕はさらに、太ももから割れ目の付け根にちょこんと膨らんでいる肉芽へと、舌を這わせ続けた。
「む…むぐっ……っ…」
「くっ! ……っ! はっ! あ、ああっ!」
舌が肉芽に触れた途端、アイリスは両手を服の裾から離し、僕の頭を押さえ込んだ。
アイリスの、突然の行為に驚きながらも、僕はただひたすら、肉芽をペロペロと舐め続けていた。
93 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:36:41 ID:Ht++r37R

「あ……ああっ、イイ…イイようっ……」
しばしの間、舌と指を動かし続けていると、アイリスの声が甲高い声に変わってきた。
同時に、割れ目からあふれる蜜も量を増し、僕の咽喉を潤している。
「んふ…ん……っ、御主人サマ…御主人サマ……っ……」
「ぐ…っ、ア……アイ、リ……む、ぐ…っ……んぐ…ぐっ……」
さらに、僕の頭をぐりぐりと、自らの股間に押しつけてきた。……い、息、できない、かも……。
苦しさのあまり、思わず反対側の手を、アイリスのお尻に伸ばした。
すると指先に、何だか細長いものが触れる。無意識のうち、それを引っ掴んだ瞬間――
「うああっ! ご、御主人サマあっ!!」
アイリスが、悲鳴交じりの声とともに、腰を落とし始める。
「……ア、アイリス…く、首が……」
それとともに、押しつけられていた僕の頭も、さらに下へと押し付けられてしまったため、
かなり不自然な姿勢を余儀なくされてしまう。……こ、これ、シャレにならないって……。
さっきまでの苦しさとは、まったく違う苦しさを首に感じた僕は、
苦し紛れに握り締めていた細長いものを、上に向けて引っ張った。と、
「御主人サマ! しっぽ! しっぽ、らめえっ!」
舌をもつれさせながら、アイリスは僕に向かって叫び続ける。
すでに、アイリスの足はガクガクと震え、僕が太ももにしがみついていなければ、
立っていられないような状態だった。……え? しっぽ?
「……ひ、ひやあっ!? ご、ごひゅひんひゃまあ……」
握り締めていたものを、つつつっとなぞってみると、アイリスのお尻に突き当たった。
尻尾をなぞられたのが、よほど気持ちよかったのか、アイリスは甘えた喘ぎ声を漏らし続ける。
「ら、らめえ! ごひゅひんひゃま! ごひゅじんしゃまあっ!」
調子に乗った僕が、尻尾をゆっくりとしごき始めると、アイリスは僕の頭から、ぱっと手を離した。
103 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:37:23 ID:Ht++r37R

「ん? ……ア、アイリス?」
「ご…ごひゅじんひゃまあ………」
両手を動かし続けたまま、僕はスカートから頭を出し、アイリスの顔を見上げた。
アイリスは、顔を真っ赤にさせ、口元を両手で塞ぎ、必死に漏れ出そうとする喘ぎ声を堪えている。
……こんなアイリスの姿…初めて見るかも。
「あっ! あはあんっ! ご、ごひゅじんしゃまっ、ごしゅじんひゃまああっ!」
そんなことを考えながら、僕はひたすらにスカートの中で、両手を動かし続けた。
全身をブルブル震わせ、アイリスが絶頂に達しようとした、その瞬間――

コンコン

不意に、ドアをノックする音が聞こえ、僕はビクリと身をすくめてしまった。……い、いったい誰!?
「あのう……ちょっと、よろしいでしょうか?」
「……あ、はひ……どうぞ」
ドアの向こうから、鈴を鳴らしたような女性の声がして、アイリスはとろんとした表情で、返事をする。
……ちょ、ちょっと待て! どう考えても、よろしくないだろっ!
「……あんっ」
慌ててアイリスから飛び退ると、そのときに指かどこかが、
割れ目を軽く擦ってしまったのか、アイリスが甘えた声を漏らす。

ガチャッ

僕がアイリスから離れたのと、扉が音を立てて開いたのは、ほぼ同時だった。
――扉の向こうには、結婚式の主役である、同僚の花嫁がたたずんでいる。
「……あ、お取り込み中、だったでしょうか?」
「え? い、いや、そんなことないよ。それより、結婚おめでとう」
花嫁は僕たちを見て、申し訳なさそうな顔をしていたが、
僕は慌てて否定しながら、とってつけたように祝福の言葉を贈る。
……というか、アイリスの艶姿に魅せられて、自分が今置かれている状況を、
すっかり忘れていた気がする。同僚の結婚式場で、こんなことをする僕っていったい……。
113 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:37:57 ID:Ht++r37R

「この度は、どうもありがとうございました。こちらこそ、急に無理をお願いしたうえに、
お礼とご挨拶が遅れまして、大変申し訳ありません」
「そ、そんな気にするほどのことでも……」
僕が軽く自己嫌悪に陥っていると、花嫁はこちらへ歩み寄ってきて、ペコリと頭を下げてきた。
……ううん、たまに会ったことがあるけれど、ウェディングドレス姿だと、またイメージが違うなあ。
「あ、こちらこそ。どうも初めまして」
アイリスは気を取り直したのか、花嫁に頭を下げながら、右手を差し出している。
「どうも初めまして。今日はよろしくお願いいたします」
花嫁もにこりと微笑みながら、右手を差し出し、握手を交わした。……そういや、二人は初対面だっけか。
「……………」
が、彼女の手を握り締めた途端、アイリスは全身を緊張させ、わずかに顔を引きつらせた。
……な、何があったんだろう? イク寸前で中断されたから、不機嫌なのかな?
「………? ど、どうかなさいましたか?」
「…あ、い、いえ。ちょっと緊張してきたのかも。式が成功するように、頑張らせてもらいますね」
そう思ったのは、花嫁も一緒だったようで、心配そうにアイリスに問いかけているが、
アイリスは、すぐにもとの表情に戻り、彼女に微笑み返した。
……さ、さっきとは違う意味で、大丈夫かな?

「みなさ〜ん、時間で〜す。列席者の方は、中へどうぞ〜」
「あ。じゃあ、僕も行ってきますね。それじゃ、二人とも頑張って」
と、神父さんの奥さんの声がする。僕は式場へ向かいながら、二人に声を掛ける。
「ん、わかった」
「はい、ありがとうございます」
声を掛けられ、アイリスはウィンクしながら手を振り、彼女はペコリと頭を下げていた。
……って、これじゃアイリスは生殺しじゃないの。ま、たまにはいい………待てよ?
だとすると、何だか夜は、恐ろしいことになるような予感が……。
123 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:39:05 ID:Ht++r37R

――式に関しては、滞りなく進んでいた。さっきの練習で、神父さんに指摘されていた、
二人に指輪を渡すタイミングも、ばっちりだった。……ちょっと顔が火照っているようだけど、
果たしてあれは、式の緊張のせいなのか、さっき寸前で止められてしまったことによる、
欲求不満からなのか、どっちなのだろう?
ときどき、列席者のなかから、『あのシスターって誰だ? すっげえ可愛いな』とか、
『彼氏とか、いるんだろうか?』などといった、ひそひそ話が聞こえてきて、
そのたびに僕はどことなく、くすぐったさを覚えていた――


「あ、あれ? まだそのカッコ、しているの?」
「うん、着替えるの、面倒だったし」
無事式が終わり、披露宴の会場で、隣の席に座ったアイリスに向かってひとこと。
そう、アイリスの服はいまだに、修道衣のままだったのだ。さすがに、ベールは脱いでるけど。
……それって、式のためにって買ったドレス、無駄になってんじゃないの?
それに、まだ顔が火照っているような……これって、やっぱり……?
「や、どうも〜。……って、何なの、その服装? 実は修道女だったの?」
「どうも、こんにちは」
と、アイリスとは反対側の僕の隣の席に、同僚が腰をおろしながら、アイリスに声を掛けてきた。
……そっか。彼は式に参加しては、いなかったんだっけか。
「ああ、片山に指名されてたんだよ。シスターの役をやってくれって」
「なるほどね。でも、似合ってるじゃないの。後ろから見たとき、全然違和感無かったし」
僕の言葉に、同僚はあっさりと頷きながら、ビールに手を伸ばす。……おいおい、まだ飲むなよ。
「さて、皆様静粛に。ただいまから、新郎新婦が入場いたします。どうぞ、盛大な拍手でお迎えください」
突然、会場の照明が消え、司会者の声が聞こえる。……さて、いよいよ披露宴、か――
133 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:39:24 ID:Ht++r37R

「さて、と。山内は2次会どうするの?」
「ん? やめとくよ。今週も、お袋がこっちに遊びに来てるしさ」
無事披露宴も終わり、隣にいた同僚に問いかけてみると、同僚は肩をすくめて返事をした。
「あ、そうなんだ」
……てっきり、気に入った娘に声を掛けるために参加する、とか言うのかと思ったのに、
人間変われば変わるものだ。……それとも、佳乃さんが怖いのかな?
「まったく、今までこっちに来ることなんて、まったく無かったってのに、
孫が出来た途端に、ほいほい遊びに来るようになっちまって。で、おまえはどうすんだ?」
「ああ。何だか、彼らの同窓会になりそうだし、僕たちも帰ることにするよ」
同僚は、顔をしかめながら言葉を続け、僕に同じ質問を問いかけてきた。
僕もまた軽く首を振り、同僚に答える。……実は今回結婚した同僚って、結婚相手は幼馴染みだから、
列席者はほとんどが、彼らの元同級生ばかりだったのだ。
「そうか、それもそうだな。それじゃ、お疲れ」
僕の返事を聞いて、同僚は軽く敬礼の仕草をして、帰っていった。
……僕は、着替えに行ったアイリスを待つとするか。

「お待たせ、御主人サマ」
「ああ……って、着替えてないじゃないの!? ……まさか、その格好で帰るの?」
支度部屋から出てきて、にこやかに笑みを浮かべるアイリスを一目見て、驚きの声が漏れ出す。
アイリスの服は相変わらず、修道衣のままだったのだ。しかもご丁寧に、ベールまで被っている。
「……うん」
僕の驚きの声に、あっけらかんと答えるアイリス。……そんなに、その格好が気にいったのだろうか?
「それに、洗って返そうと思ったんだ。だったら持って帰っても、着て帰っても一緒だし」
ぽかんと口を開けている僕を見て、アイリスは言葉を続ける。……そんなもの、かなあ?
143 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:39:54 ID:Ht++r37R

〜まもなく、2番線に電車が到着します。白線より下がって、お待ちください〜

「ん。……ξσχν&πζν&&ιχ……」
帰り道、駅のホームで、アナウンスが流れたかと思うと、
アイリスは何やらブツブツと、呪文のようなものを唱えだした。
……傍から見ると、シスターが祈りを捧げているようにも、見えるのだけれど……?

「ね……御主人サマ……さっきの続き、しよ?」
「え? ア、アイリス……ちょ、ちょっと!?」
電車に乗り込むや否や、アイリスはとろんとした目で僕を見つめ、ゆっくりと服の裾をめくりあげはじめた。
……って、ここ、電車の中じゃないか!? い、いくら空いているとは言っても……!
「……どうしたの? 私…もう、ガマンできないよ……」
反射的に、抗議の声をあげようとしたが、アイリスは甘えた声を漏らしながら、僕ににじり寄ってくる。
「い、いや、我慢出来ないも何も、ここ……あ、あれ?」
思わず椅子に倒れ込んだ僕は、辺りを見渡しながら、アイリスに声を掛け、妙なことに気がついた。
……周りの人、僕たちを見ていない……?
「……大丈夫だよ、御主人サマ。魔法で私たちの姿、見えなくさせているから……」
「え……そ、そうな…の?」
「そう……だから、こんなことしても、誰も気にしないから……」
アイリスは、にっこり微笑みながら、僕のベルトをカチャカチャと外しにかかった。
「で…でも……あ、あうっ……」
なおも抗議の声をあげようとする僕に構わず、アイリスは下着越しに僕のモノを優しく撫で上げた。
その優しい刺激に、思わず声が裏返る。
「御主人サマ……お、お願い……」
「ア…アイリス………し、下着、着けてなかったノ?」
僕を椅子に押し倒し、アイリスは懇願するような声とともに、そのまま僕の顔の上に跨ってきた。
下着――ではなく、ヒクヒク震える割れ目が、じかに目に飛び込んできて、
驚きのあまり、僕は声を裏返しながら、アイリスに問い掛けた。
153 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:40:11 ID:Ht++r37R
「ご〜しゅ〜じ〜ん〜さ〜ま〜」
「う、うああっ!? ア、アイリスっ!?」
と、いきなりアイリスが、僕のモノを激しくしごきたてながら、抑揚の無い、ひくーい声をあげる。
不意の刺激に、僕は全身をビクリと震わせてしまう。
「誰のせいで、私がずっとノーパンだったと、思っているのかな〜?」
「え、ええ? だ、誰のせい……って?」
僕は、アイリスがもたらす快感に溺れかけながら、震える声で必死に問いかける。
……ずっとノーパンだった? い、いつから?
「も〜う。忘れたの〜? 私をイク寸前で放りだしたうえに、穿いてた下着まで持ってっちゃって〜」
「う…くっ? ア、アイリス……?」
恨みがましい声とともに手を止め、モノをぎゅっと握り締めるアイリス。
モノからいきなり、快感の代わりに突き抜けるような痛みが走り、口から情けない声が漏れ出す。
……ま、待てよ? 僕が持っていった?
アイリスの言葉を受けて、上着のポケットをゴソゴソ探ってみると、何か柔らかいものが指先に触れる。
恐る恐る、ポケットから取り出し、目の前まで持っていくと……
「…………あ」
それは薄いブルーの、紐で結わえるタイプのパンティだった。
紛れも無く、先ほどまでアイリスが、身に着けていた下着だった。
……そ、そういえばあのとき、僕が脱がしてそのままにしていたっけ……すっかり忘れてた。
「御主人サマったら……私に、あんな恥ずかしい思いをさせて、喜んでいたのね。……許せないっ」
下着を見つめ、しばらく呆然としていたが、アイリスの声を耳にして、現実に戻ってくる。
「ち、違うよ、ア…む、むぶうっ」
僕は弁解しようとしたが、アイリスがいきなり腰を落としたため、言葉が中断されてしまう。
……い…息が………。
「んふふっ……御主人サマ、本当に喜んでいたのね。もう、こんなにさせちゃって……んっ……」
再びモノを軽くしごきあげたかと思うと、アイリスはおもむろにモノを咥えこんだ。
モノから伝わる快感と、息苦しさがないまぜになってしまう。……こ、このままじゃ、このままじゃ……。
163 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:40:34 ID:Ht++r37R
「ぷ……ぷっはあっ!」
僕は必死に、両手でアイリスのお尻を抱え上げ、空間を確保した。……ああ、空気が美味しい……。
「んぐ……ん…んっ……」
「く…あ……っ、ア、アイリス……」
息苦しさから開放されると、途端にモノからこみあげる快感が、増したような気がする。
アイリスは相変わらず、ひたすらにモノをしゃぶり続けていた。
あまりの勢いに、じゅぽじゅぽと音まで聞こえてくる。
目の前に、ゆらゆら揺れるアイリスのお尻と、生き物のようにピクピクうごめく割れ目が見え、
割れ目が口を開くたび、隙間から透明な液体が滲み出している。……こ、これは……。
「んっ! ん…っ……んふうっ……」
「! ……っ、んっ……っ…ぐ…んぐ…っ…」
気がつくと、僕はアイリスの割れ目に、むしゃぶりついていた。
その途端、アイリスはくぐもった悲鳴をあげながら、モノに軽く歯を立ててくる。
「あ、あはあっ! ご、御主人サマんっ!」
僕がお返しとばかりに、割れ目に指を潜り込ませると、
アイリスはモノから口を離し、お尻を震わせながら、艶っぽい声で悶えだす。
「んふ…っ……んっ……」
「んああんっ! 御主人サマ、御主人サマっ!」
さらに、軽くくちびるで肉芽を咥えてみると、アイリスはモノをしごくことも忘れ、
歓喜の声をあげだした。割れ目からは蜜が次々とあふれ出している。
173 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:41:01 ID:Ht++r37R

「あっ! ああっ! あは、あっ! ああっ!」
……お、美味しい……もっと…もっと飲みたい……。
そう思った僕は、割れ目に潜り込ませていた指を、一心不乱にうごめかした。
まるで、割れ目の中の蜜をかきだすように。すると割れ目からは、
ぐちゃぐちゃという湿った音が響き渡り、僕の期待通りに、蜜がしとどにあふれ出してきた。
「ああんっ! あっ、あっ、ああっ、あああっ!」
「……んぐ…んっ……っ……」
僕は、アイリスの嬌声も気にならないほどに、ただひたすら、
あふれる蜜を飲み下すため、咽喉をゴクゴクと鳴らし続けていた。
「ご、御主人サマ! イッちゃうっ! 私もうイッちゃうようっ! 御主人サマあっ!」
「んふ……? ん…っ……んぐ…っ……」
不意にアイリスの声が、途切れ途切れな喘ぎ声になり、同時にピタピタと、何かが頬を叩く。
手に取ると、それはアイリスの尻尾だった。僕は何も考えずに、手に取った尻尾を口に含んだ。
「かっ! あ…ああっ! ご、御主人サマ……あ、ああ、あ、あっ、ああっ……」
「うあっ! ア、アイリスっ……」
途端に、アイリスが歯をカチカチ打ち鳴らす音が聞こえ、声だけでなく、全身をブルブル震えさせ始めた。
それとともに、モノを握り締める手にも力がこもる。
弾みで、僕はアイリスの尻尾に、軽く歯を立ててしまった。
「あっ! あっ、ああーーーーっ!!」
次の瞬間、アイリスは絶叫をあげながら、絶頂に達していた。
183 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:41:17 ID:Ht++r37R

「……はあ…はあ……ご、御主人サマ………」
「ア…アイリス……」
モノを握り締めたままのアイリスは、肩で息をさせながらこちらを振り向いて、僕に話しかけてくる。
僕はゆっくりと上半身を起こし、アイリスの顔を見つめようとして……固まってしまった。
向かいの席に座っている若い女性が、こちらをじっと見つめているからだ。
……も、もしかして、見られてる!?

「百乃〜、お待たせ〜。タイミングピッタリっ!」
「も〜、みぃったら、何言ってるのよ〜。あんたが遅れるって言うから、私も遅れて出たんじゃないの〜」

などと思っていると、彼女は電車に乗り込んできた、別の若い女性に話し掛けていた。
……見られていたわけじゃないのか。ああ、驚いた……。
「ん〜? 御主人サマ、どうしたのかなあ? 小さい御主人サマ、すっごいピクピクしているよ?」
「……くっ、アイリス……」
と、アイリスはいきなり、モノを軽くしごきながら、先端をちょんちょんとつつきまわし、
悪戯っぽい笑みでこちらを見つめてきた。
「もしかして御主人サマって、見られてると興奮しちゃう人、なのかなあ?」
「ちょ…そ、そん……あ、あうっ」
舌なめずりをしながら、アイリスは言葉を続ける。
否定の言葉を口にしようとしたが、急にモノをしごくピッチが増し、思わず体が仰け反ってしまう。
「御主人サマあ? 素直になったほうが、いいよお?」
「………………」
そんな僕を見て、修道衣姿のままのアイリスは、さぞ嬉しそうに微笑む。
見た目との、あまりのギャップの激しさに、僕は思わずゴクリと息を呑み、無言で頷いた。
……というか、どう考えても、彼女ってやっぱり悪魔、だよね……。
193 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:41:38 ID:Ht++r37R

「んふふっ……照れちゃって、かっわいい。……さ、御主人サマ……キテ……」
「……あ、ああ……アイリス……」
僕の頷きを、肯定の意と受け取ったアイリスは、嬉しそうな笑みを浮かべたまま、
ゆっくりと立ち上がったかと思うと、服の裾をめくりあげ、お尻をこちらに向かって突き出した。
真っ白いお尻の間には、先ほどから弄っていたおかげで、
完全に濡れそぼっている割れ目がヒクヒクと、まるで僕を誘うように、妖しくうごめく。
僕はフラフラと、ぎこちない足取りでアイリスに近寄り、両手でお尻を掴みあげた。
「…あっ……ご、御主人サマ……」
軽くお尻を揉みあげると、アイリスは座席の隅の金属の棒にしがみつき、
甘えた吐息を漏らし始める。……ああ、柔らかいお尻……。

「ご……御主人サマ…はっ…早くう……」
しばらくの間、夢中になってアイリスのお尻を揉み続けていると、
アイリスはじれったそうに、切なげな声をあげる。その目には、じんわりと涙が浮かんでいた。
「あ…ああ、いく…ぞ? アイリス……」
「うん……」
モノをアイリスの割れ目にあてがい、突き立てようとしたそのとき――

「へえっくしょいっ!」
203 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:42:14 ID:Ht++r37R

座席に座っていた、若者にしては、頭がかなり寂しい事態に陥っている男性が、くしゃみをした。
……ほ、本当に見えてない、んだよね?
「御主人サマああ……」
アイリスがなじるような、泣き出すような口調で、戸惑っている僕に声を掛ける。
……そう、さ。アイリスの魔法、だものね。大丈夫さ。
「………っ」
「ふ…あ、ああっ!」
気を取り直した僕は、ひと息にアイリスの割れ目へとモノを突き立てた。
途端に、上半身をビクンと震わせるアイリス。
すでに一度絶頂に達し、完全に濡れていた割れ目は、難なく僕のモノを飲み込んでいった。
「あ…ああ、ご、御主人サマ……何だか、いつもより、大きいみたい……」
「……ア、アイリスこそ……いつもよりも、きつく僕を締めつけてきてるよ……」
モノが完全に、割れ目の中に潜り込んだかと思うと、アイリスは肩で息を弾ませながらひとこと。
僕はアイリスの腰を抱えながら、耳元でそうささやいた。
事実、普段よりも遥かに強い快感が、僕たち二人を包み込んでいた。
「ああっ…アイリス……アイリス……」
「……っ……ご、御主人サマ……スゴイ…スゴイよ……」
うわごとをつぶやきながら、僕は夢中になって、アイリスに腰を突き動かした。
アイリスもまた、腰を前後に揺さぶり始める。……ああ、すごい…すごい、気持ちイイ……。

「ああっ……ア、アイリス……ぼ、僕…も、もう、イッちゃう…イッちゃうよ……」
「イッちゃう? イッちゃうの? はやく…はやくキテ……私の…私の中で、一緒にキテえっ!」
いつもよりも、締めつけがきついせいか、はたまたここが電車の中という特殊な環境のせいか、
早くも僕は、限界に達しそうになっていた。
が、僕の声を耳にしたアイリスも、腰を振り乱しながら金切り声をあげだす。……も、もうダメだっ!
「くっ……アイリスっ! アイリスっ!!」
「あっ、ああっ、ああんっ、あああーーーっ!!」
次の瞬間、僕はアイリスの中に向けて、精をほとばしらせていた――
213 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:42:52 ID:Ht++r37R

「はあ……はあ、はあ…はあ……」
僕は絶頂のあとの、ぐったりとした脱力感に襲われ、座席に体を投げ出していた。
周りの人間は相変わらず、僕たちの存在に気がついていない。
……でもこれ、本当に本当の出来事なのかな? よくAVとかでは、こういう企画があるけれど……。
「……んふ…っ……ご、御主人サマ……」
「な……何だい、アイリス?」
と、僕の首にしがみついていたアイリスが、甘えた声をあげながら、軽く耳たぶに歯を立ててくる。
気だるさが全身を包みながらも、僕は手を伸ばして、アイリスの頭をくしゃくしゃと撫で回す。
……ああ、幸せ……。
「ねえ……電車の中でスルのって、いつもより興奮した?」
「え!? ………う、うん」
アイリスの問いかけに、心臓が飛び出さんばかりに驚いたけれど、事実だったので素直に頷く。
「そうっか……。じゃあさ、私のこの格好と、どっちが興奮したかなあ?」
「え……ええっ!?」
僕の答えに、にっこり微笑んだアイリスは、自分の服を摘みながら、再び問いかけてきた。
……こ、これはさすがに……どっちがどうとかなんて、言えないでしょう……。
「ん〜? とぼける気かな〜? ………いいよ、小さい御主人サマに、聞くことにするからっ」
「あ……あうっ…ア、アイリス……」
返答に詰まる僕を見て、アイリスは軽く頬っぺたを膨らませたまま、
僕の足元に跪いたかと思うと、舌を伸ばしてモノを舐めすくった。
「んふふっ、小さな御主人サマ〜? 小さな御主人サマは、どっちが興奮しますか〜?」
「あ………あっ……」
アイリスは、モノに向かって話しかけたかと思うと、ぱっくりとモノを咥えこんだ。
電車の中で、しかも聖職者であるシスターの格好をしているアイリスが、
モノを咥えているという事実に、僕のモノはふたたび興奮し、膨れあがっていた。
223 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:43:21 ID:Ht++r37R

「………ぷはあっ。小さい御主人サマ、元気いっぱいだねっ。んふふ」
「う……あ…アイリス……うっ!?」
モノをしごきあげながら、先端をチロチロと舐めまわすアイリス。
舌先がカリ部分を掠めたとき、僕は堪えきれずに仰け反ってしまった。……あ、あれ!?
「ア……アイリス……お…降り過ごしちゃったみたい……」
仰け反った弾みで、窓の向こう側を見てみると、ちょうどいつもの駅を、出発したところだった。
「………え? あ、あら〜」
「あ、あら〜じゃないよ! この列車、急行なんだから、次の駅は当分先だよ!」
アイリスは僕の言葉を耳にして、ぱっと顔をあげ、窓の向こうの景色を見ながら、声をあげるが、
その口調が、あまりにも呑気すぎたため、僕は思わず声を上ずらせてアイリスをなじった。
「そうなんだ……。じゃあ次の駅は、あとどのくらいで着くのかなあ?」
「次の駅まで……? えっと……あと20分くらい掛かるはずだよ」
モノから離れたアイリスは、僕にまたがったかと思うと、
そのまま両肩を掴み、じっと僕の顔を見据えながら、問いかけてきた。
問いかけてくるときの、儚げな表情にドキリとしながらも、僕は時計を見ながら答える。
「そうか……だったら…だったら早速、続きを始めないと……」
「ちょ、ちょっとアイリス!?」
肩を掴む両手に力を込め、アイリスは独り言をつぶやく。
……こ、この展開は、もしかして……。
「だって……だって、次の駅までで20分、引き返して20分の、合わせて40分くらいでしょう?
早く始めないと……中途半端で終わってしまうじゃないの」
例によって平然とした顔で、そら恐ろしいことをつぶやくアイリス。その目は…やはり本気だ。
「ちょ、ちょっと待ってよ! いくら電車に乗ってる時間が結構あるからって、わざわざ……ん…んんっ」
ずっとエッチして、過ごさなくてもいいじゃない! と言おうとしたが、やはり例によって、
アイリスにくちびるを塞がれてしまい、その言葉が口から出てくることは、無かった――
……というか、このパターン、いったい何回目なんだろうか……。
233 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:43:42 ID:Ht++r37R

――翌朝――

「御主人サマ〜、朝だよ〜」
「ん? あ、ああ。お、おはよう、アイリス……ふあ〜あ……」
いつものように、アイリスがにこやかな笑みを浮かべながら、僕を優しく揺り起こす。
僕は寝ぼけ眼を擦りながら、ゆっくりと上半身を起こして伸びをした。
……あれからアイリスは、宣言どおり、車内にて続きを始めた。しかも往復で、きっちり2回。
さらに家に着いてからも、夜のお勤めの2回が、当然のように待ち受けていて……し、仕事休みたい。
「さっ、御主人サマ。朝ごはん、出来上がってるよ」
「ああ……って、ア、アイリス、そ、そのカッコ!?」
伸びあがった僕を見て、アイリスが優しく声を掛けてきた。
声を掛けてきたアイリスを、ようやく見て……僕は思い切り叫んでいた。
アイリスはまたも、昨日の修道衣を身につけていたのだ。
「どうしたの? この格好、そんなに変かな?」
「い…いや……へ、変も何も……続けて着るほど、気に入っちゃったの?」
軽く小首を傾げながら、アイリスは寂しげにつぶやく。
「ん〜別に。ただ何となく、御主人サマが喜びそうな格好を、してみただけなんだけど……」
くちびるに人差し指を当て、困り気味の顔で答えるアイリス。……そ、そんなこと言われると。
「い、いや。ちょっと驚いたけど、嬉しいよ、アイリス」
「そ、そう!? 御主人サマ、大好きっ! ……んっ……んんっ…」
僕の言葉に、アイリスは満面の笑みを浮かべながら、抱きついてきたかと思うと、
くちびるを奪ってきた。僕はそんなアイリスを、そっと抱きしめ返した。
243 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:44:00 ID:Ht++r37R

「ねえ……御主人サマ」
「な、ナに?」
ようやく布団から抜け出し、朝ご飯を頬張る僕を見つめながら、アイリスが声を掛けてきた。
その深刻そうな表情と口調に、返事する僕も、思わず声を裏返させてしまう。
「あのさ……しばらくの間、留守にしていい?」
だが続くアイリスの言葉に、僕はぽかんと口を開けるしかなかった。
「……………え? ど、どうしたの? 突然?」
「……お願い、ワケは聞かないで」
しばしの沈黙の後、詰め寄る僕の手を、アイリスはそっと握り返したかと思うと、
じっと僕を見つめ、儚げな笑みを浮かべる。
「で……でも……………」
「お願い」
「…………う、うん。わ…わかった………気をつけてね」
「んふっ。……どうもありがと………んっ……御主人サマ。ずっと、愛しているからね」
なおも口ごもる僕を見て、アイリスはふたたび、僕を諭すように語り掛けてくる。
その儚げな表情を目にしたとき、僕はそれ以上の追及を諦め、そう答えるしかなかった。
253 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:44:26 ID:Ht++r37R

――一週間後――

「ふう……アイリス………」
仕事を終え、自宅に戻った僕は、独り言とともにため息をつく。
あれからアイリスは、いまだに戻ってきていない。
……もしかしたら、愛想つかして出て行っちゃったのかなあ?
レンジに冷凍食品を放り込んで、スタートボタンを押しながら、僕は考え込む。
……いや、あの日、僕が会社に出かける前にも、アイリスは僕のことを『愛している』と言ってくれた。
だから、そんなことは無い……。無い、はずだ……。
「でも……」
心の中に、不安感が芽生え、どんどん大きくなっていく。
……何だかんだ言って、アイリスだって、結婚に対しての願望は、少なからずあったのだろう。
僕が『結婚して欲しい』と言ったときの、うっとりとした表情が、それを物語っている。
それを僕は、戸籍の有無にこだわって、式ひとつ挙げようともしなかった。
今思えば、あの日アイリスが修道衣を着続けていたのも、無言の抗議だったのかもしれない。

チーン

「もう……遅い、かな………」
レンジから、解凍完了の合図が鳴り響き、僕はゆっくりと立ち上がりながらつぶやく。
……帰ってきてさえくれたら、謝ることも、結婚式の話をすることも出来る。
でも……でも、帰ってきてくれなければ………。
263 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:44:42 ID:Ht++r37R

ガチャ

不意に玄関の扉が開く音が聞こえ、僕は反射的に、玄関に向かって駆け出していた。
「ただいま〜、今帰ったよ〜」
「ア……アイリス!」
そこには、いつもと変わらずに、優しい笑みを浮かべる、アイリスの姿があった。
何ともいえない感情がこみあげてきた僕は、迷わずアイリスを抱きしめていた。
「ご……御主人サマ!? ど、どうしたの?」
「ア……アイリス…アイリスう……」
突然のことに、アイリスは驚きのあまり、目をパッチリと見開きながらも、僕をしっかりと抱きしめ返す。
僕は涙声で言葉が言葉にならず、ただひたすら、アイリスの名をつぶやき続けていた。

「ア……アイリス………」
「よしよし。落ち着いてきたかな? いい子だから、続きは中でゆっくり話そうね?」
アイリスは、すがりついて泣きじゃくる、僕の頭をぽんぽんと軽く叩きながら、優しく諭してきた。
……ああ、アイリスが…女神サマが……帰ってきてくれた……。
273 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:45:00 ID:Ht++r37R

「で、何があったのかな?」
すぐ隣に腰掛け、僕をじっと見つめるアイリス。……も、何て言っていいのか……。
「……え、えっと…その……も、もうアイリスが、戻ってこないかと思って……」
「…………はあ?」
「だ、だから……アイリスが帰ってきてくれたから、凄い嬉しくなって、つい………」
ぽかんと口を開けて僕を見返すアイリス。僕はしどろもどろになりながらも、今の気持ちを口にする。
「御主人サマ」
「は、はい?」
そんな僕の言葉を遮るように、アイリスが静かに、それでもきっぱりと僕に呼びかける。
僕はまるで、先生に叱られた生徒のように、反応してしまった。
「御主人サマ? 私は御主人サマの妻だよ? 妻が夫の元を離れて、どこへ行くっていうの?」
「………ひぇ…ひぇっと……」
アイリスは軽く首を傾け、僕の両頬を軽く引っ張りながら、僕に問いかけてくる。
「……大丈夫だよ。私はどこにも行かないよ。前にも言ったでしょ? 私は御主人サマのそばにしか、
居場所なんてないんだし、御主人サマのそばにしか、居たい場所なんてないんだから」
「………アイリス………」
頬を引っ張る手をぱっと離したかと思うと、今度は手のひらで優しく包み込むように頬を撫でてくる。
胸にじんわりと、熱いものを感じた僕は、アイリスの手をそっと握り返していた――
283 ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:45:27 ID:Ht++r37R

「…………しょっと」
「ん? な、何それ?」
不意にアイリスは、片手を伸ばし、さっきまで手にしていた茶封筒を拾い上げた。
「戸籍謄本、貰ってきたよ」
「え、ええっ!?」
茶封筒を僕に差し出しながら、アイリスはあっさりとつぶやく。僕は慌てて、茶封筒の中身を取り出した。

――中身は、戸籍謄本と出生証明書を始めとする、公的証明書の数々だった。
さらに国民健康保険証と、パスポートまで入っている。

「ほ……本当だ……まさか、これを取りに行くために一週間も?」
「ん、まあ、そんなとこかな?」
僕はパスポートの中を確認しながら、アイリスに問いかけると、
アイリスは軽く首を左右に振り、曖昧な笑みを浮かべながら答えた。
「で……でも、どうやって?」
「んふふっ、それは秘密です。……でもこれで、法律的にも、ちゃんと結婚できるんでしょ?」
さらに問いかける僕を見て、悪戯っぽい笑みを浮かべたかと思うと、上目遣いに僕を見つめるアイリス。
……や、やっぱり、気にしていたのかな……? よ、よし……。
「………あ、ああ。そうと決まれば、さっそく入籍しに行こうか?」
「う……うん。そ、それもいいけれど………」
アイリスの手をとりながら、立ち上がろうとするが、アイリスは座ったまま、動こうとしない。
「ど、どうしたの!?」
「……その前に、夜のお勤めを済ませなきゃと思って……」
思わずふたたび座り込んで、アイリスの両肩を抱きながら問いかけた。
アイリスは、顔を真っ赤にさせながら、ぽそぽそとつぶやく。……なんだ、そういうことか。
「えっと……最後にシたのが、先週の日曜日だから…………」
と、宙を見て、指折り数えるアイリス。……え? ちょ、ちょっと待って。
「今日はじゅうろっか……む、むぐ……っ……」
数え終えたアイリスは、僕に向かってにっこりと微笑みかけてきた。
恐ろしいことを最後まで言われる前に、今度は僕がアイリスのくちびるを、そっと塞いだ――
29つぶやきマボ ◆MABOUp7up. :04/12/12 21:46:58 ID:Ht++r37R
>28
で……おしまいです。

とりあえず、これで即死は回避出来たはずでしょう。
あらためまして、新スレでもよろしくお願いいたします。
30マボと呼んだ人:04/12/12 21:58:10 ID:9jPcgBLN
開始早々マボさんがぁぁぁ…(昇天寸前
シスタープレイ&電車内で…ああ、特に後者はツボ中のツボです…

悶絶ついでに、質問を。
ここって、版権ダメでしたっけ?
ダメならダメでネタはあるし、OKでも…あ、構築してなかった。
31名無しさん@ピンキー:04/12/12 21:58:33 ID:bhmr/oJG
マボさん乙
相変わらずいい感じですね
続きと相関図期待しています
32名無しさん@ピンキー:04/12/12 22:12:05 ID:EIB1uIk7
新スレ乙

寧ろ相姦図期待してます

>>30
>1に「二次創作大歓迎」って書いてあるから多分桶。
こっちも期待してます。
33つぶやきマボ ◆MABOUp7up. :04/12/13 00:38:38 ID:D21s4TDF
>名づけ親氏
むしろバッチ来いと。

>31氏
相関図…図にすると分かりやすいですが、文章にすると何がなにやら。

>32氏
相姦図…よく考えりゃ、自分の話って相姦モノはほとんどないっすね。
      何かいいカップリングあります?(ぉ
34535 ◆ANYAt9rOT. :04/12/13 20:12:13 ID:giEj2MgE
もう、朝からモジュラージャックで吊りたいほどの…前スレをわざわざ使って申し訳ないです。

>>前スレ519さん
ありがとう御座います。もしかしてティエルは何時の間にかギャグ要員ですか…(w

>>30さん
ぜひっ!楽しみにしておりますよ〜。

>>◆MABOUp7up.
スレ立てお疲れ様でした。
シスター所か電車の中まで…止まる所がまったくなくて素敵ですよう。でも…何故に一週間もかかったのか
興味心身です。いったい何を…。

35名無しさん@ピンキー:04/12/14 07:24:00 ID:RJriFL/s
>>29
乙。次はいよいよ、幼馴染みの花嫁の初夜をうわなにするわえsrdtfgyふじこl

>>30
こちらも激しく期待大。

>>34
乙。ギックリ腰はキツイよねえ……。
36名無しさん@ピンキー:04/12/15 21:31:57 ID:BV2BewU6
今週のトリビアより、「桃太郎の続編」

〜桃太郎に滅ぼされた鬼が島の鬼の生き残り、赤鬼青鬼は、財宝を取り戻すために
 鬼娘を召使として桃太郎一家の下に送り込み、隙を見て暗殺をしようと企む(なぜか「たくむ」で変換できない)。
 人間に化けて、見事潜り込んだ鬼娘は、最初のうちは暗殺の隙を窺うが、次第におじいさんおばあさんの
 素朴でやさしい心に解きほぐされ、また桃太郎の誠実な人柄と、端整な顔立ちに心引かれ、悩んだ挙句、自決する。


つまりメイドさんとして送り込まれるわけですな。暗殺を企んでいた以上、当然、ツンデレなわけで、最後に自殺するような展開は
この続編が作られたのが江戸時代だったので、仕方がないから、現代風にやると死なないですまないかなぁ

ツンデレ鬼っ娘メイドー!
37名無しさん@ピンキー:04/12/15 21:53:15 ID:LP003SAk
いや、暗殺者=ツンデレは短絡的ではないか、兄弟?
ここは無表情系でいこう
38名無しさん@ピンキー:04/12/15 21:56:48 ID:oDNUVI17
何を言う

鬼の世界でもそれなりの地位にあったと思われる赤鬼の娘ってことはお嬢様だ。
当然、家事なんてやったことはないだろう。

つまりドジっ子メイドたんなんだよ
39名無しさん@ピンキー:04/12/15 22:17:49 ID:uvtIEeTP
誰か書け!!


…いや、書いて下さい御願い致します。
マジでm(_ _)m
40名無しさん@ピンキー:04/12/16 00:02:28 ID:OrF03NVj
いやいや気丈な性格で。
41名無しさん@ピンキー:04/12/16 08:51:01 ID:sXQ1+BI7
赤鬼といえば日本の昔話では鬼族の筆頭。
その娘なのだから紛れも無く「鬼姫」ですよ。
42名無しさん@ピンキー:04/12/16 11:13:55 ID:mZtzJ1Z1
和服の似合う鬼姫タン
43名無しさん@ピンキー:04/12/16 13:53:44 ID:cg9iEMYw
もののけ姫を思い浮かべてしまった。
桃太郎とか真顔で惚れたとか言っちゃうの。
鬼姫は真っ赤になってるのに無表情とか。
44名無しさん@ピンキー:04/12/16 17:56:56 ID:03LCy36g
「鬼姫」なら萌えるけど、「鬼嫁」ならちょっと怖い
45名無しさん@ピンキー:04/12/17 00:12:27 ID:6/ZErPCN
鬼嫁も萌える。
だが、鬼姉はもっと萌える……
きっと僕は駄目人間……

人外と全然、関係ないですね。
46名無しさん@ピンキー:04/12/17 00:45:12 ID:13gyaLmr
ここで>>45の希望のすべてをかなえるキャラを投入!

 | _
 | M ヽ
 |从 リ)〉
 |゚ ヮ゚ノ|  
+ミ⊂)} i !
 |_/ヽ|」
 |' 
47名無しさん@ピンキー:04/12/17 01:23:52 ID:mmDJVT3s
千鶴姉さん!千鶴姉さん!
48名無しさん@ピンキー:04/12/17 02:48:28 ID:xxB8IAXp
いや、千鶴さんみたいな天然ボケ系よりも、
楓たんみたいな無口無表情無愛想なクールビューティー系がいい。
何もないところでいきなりばたっとこけて、
でもって表情も変えずに立ち上がってほこりを払うと立ち去るんだけど、
実は耳だけがかーっとまっかっかになってて心もち足取りも速くなってたりすると、
ぼかぁ、ぼかぁも〜〜〜〜〜〜〜〜ぅ!!
49名無しさん@ピンキー:04/12/17 09:35:36 ID:HFa2uFrP
人間以外の女の子ということで
リズエルとかエディフェルの方向で(w
50名無しさん@ピンキー:04/12/17 11:48:03 ID:2tsaJtAP

 | _
 | M ヽ
 |从 リ)〉
 |゚ ヮ゚ノ| <>>49殺まーす
+ミ⊂)} i !
 |_/ヽ|」
 |' 
51名無しさん@ピンキー:04/12/18 01:12:51 ID:xuQ+OntB
>>50
だいたいあんたもう女の子じゃないs
52名無しさん@ピンキー:04/12/18 08:11:27 ID:9+M48C4J
女の子以外の人間?
53名無しさん@ピンキー:04/12/18 08:15:42 ID:D4kjbFGS
>>35だからそれは幼馴染みスレ行きだと・・・まてよ?
そうか! アイリスは新婚夫婦の初夜に乱入したんだ!
それで戻ってくるのに一週間もかかってしまったのかっ!
すなわちそれが>>34への答えだったんだよっ!(AA略

>>36前スレのムカデ姫みたいな感じだな
ムカデ姫作者さんカモーン!
54名無しさん@ピンキー:04/12/18 09:22:53 ID:6swlq5VQ
ムカデ姫作者じゃないと投下はいけないのか?
55名無しさん@ピンキー:04/12/18 09:34:08 ID:fKA9hGM7
>>54
どういう脳内錬金術を使えばそんな愉快な曲解が出来るんだ?w
56名無しさん@ピンキー:04/12/18 13:20:15 ID:zhL+tSIt
ベム×ベラのSSキボンヌ
57名無しさん@ピンキー:04/12/18 20:26:13 ID:y9e7s1wI
>>55
アレだ、前スレの「女だから云々」の考え方ジャマイカ?
58名無しさん@ピンキー:04/12/18 20:57:44 ID:uBds0XJD
ええと

主人公は人間の男の子。
その父親の再婚相手が実は鬼族の女王で
彼女には連れ子がいたため
鬼姫義姉と鬼姫義妹ができてしまった話とか?
59名無しさん@ピンキー:04/12/18 21:01:58 ID:jX+Y73Gz
>おに
むしろ議論すべきは

犬、猿、鳥を擬人化するか、また性別はオスメスどっちか

だとおもふ。

現在至高人157kb、もうちょいで終わる…かな…
60名無しさん@ピンキー:04/12/18 23:44:59 ID:uBds0XJD
せめて鬼姫従妹…
61名無しさん@ピンキー:04/12/19 00:22:06 ID:T+IFLFc8
62名無しさん@ピンキー:04/12/19 02:10:47 ID:TULd6KpO
なんだか話がループしているな
まぁ、ツンデレがいいとか、無表情系とか、ドジっ子とか、気丈な性格とか、鬼姉とか
すこし各人の好みがハッキリわかれちまったからな
ていうか、どれも鬼娘キャラに合うし、萌えるんだよなぁ
まあ、いざというときはシスプリ方式があるんだが
そこまでいうのは職人や神に重圧だからなぁ
63駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:01:45 ID:R4Qcn9sx
12月の日曜日、
世間は年末の忙しさに慌ただしくなる時期だが、
もうすぐ、クリスマス、そして冬休みと続く気楽な学生にとってはあまりそうでは無い。
オレが自分の部屋でぼ〜っとマンガを読んでいると、
コンコン
と軽くノックがされ、
「海外からみたいなのですが、なんて読んでしょうか?」
それとほぼ同時、
オレが返事をする前に、勝手に扉を開けたベアトリスが小包に貼られた伝票を睨み呟く、
「……はちせんほこ…やちほ…?」
最初来た時は窓からだし、今回も返事も確認せずに扉を開けて入って来ている、
普通に入ってくるよにその内、注意せねば……
……一人でしてる最中だったりしたら気まずい……
と頭の片隅で考えながら、
「八千矛(やちよ)武(たける)だろ?」
と、小包の差出人名を読めないで小首を傾げる彼女の可愛らしい様子に軽く笑いながら答え、
オレは彼女の差し出す小包を受け取り、
「少し早いけど、オレと美迦にクリスマスプレゼントだろうな」

その場で小包を開け、
「あっ、アイツ不精して誕生日プレゼントも一緒に贈って来やがった」
クリスマスの後、一週間ほどで来るオレたちの誕生日、因みに武は元旦、オレは2時間遅れで2日のプレゼントも入っていることを確認し、
毎年ながらオレに一緒に送った方が手間無かったと悔いながら、自分宛てと妹宛てに分け勉強机に妹のものを置く。

「…八千予さんって?」
プレゼントを置いたオレにベアトリスが尋ねてくる。
「一応、兄貴だな……双子に上も下もねえし、オレや美迦とは別の親戚にひきとられて何年も会って無いけど」
振り向くこともせず、詳しく話せば両親の不幸にまで話が行きしめっぽくなり兼ねない為、手短に答える。
が、そんな些細なやりとりのはずが、
「…お兄さん…居たの?」
返ってきたベアトリスの声がおかしい、震えている?
オレは焦って立ち上がると、急いで振り向いた。
64駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:03:41 ID:R4Qcn9sx
そこに立ってるベアトリスは、白い貌をうつむき、その場に立ちつくし何か考えていた。
「……居たがどうかしたのか?」
なにやら考えている彼女の肩にオレは手をかけ尋ね、
「…成さんに…お兄さんなんて聞いていない……」
返ってきた彼女の言葉に
そんな事、言った覚えない…と言いかけて思い出した。
そいえば、ベアトリスが一番最初に来た時に確認した『家族』は伯父と妹だけだ、
もちろん、それは正解だ。
別々に引き取られて以来、大人の暑中見舞いやお歳暮程度にクリスマスと誕生日プレゼントでの付き合いで『家』族とは言わないだろう?
オレや妹から言わせると武は親戚といった感覚だ。
だから、家族を聞かれて伯父と妹と言われて何も考えず、
ほとんど惰性で答えた。
……わけだけど、
「武が何か問題だったのか?」
オレは明らかに何かあると感じてベアトリスに向かって尋ねた。
「……成さんと双子で…兄……」
オレの問いかけにベアトリスは顔を少しうつむき、ゆっくりと自分の口の中で自分で言ったことを確認するように呟き、
「成さんの兄は敵対者以外には有りえません」
顔を上げた彼女ははっきりと言い切った。
65駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:04:34 ID:R4Qcn9sx
その言葉でまたオレに頭に疑問が浮かんだ。
「……そういうのは無しって話じゃなかったのか?」
もっともこの質問をしたところで、ベアトリスから答えが来ないのは判っている。
「私の聞いた話では、そのはずなんですけど……」
当然だ。
だから、ベアトリスはオレを迎えに来たんだ。
こっちでまだやる事が有るのに天に帰って来させようとはしないだろう。
……となると、その辺のこと知ってそうなのに残っている心当たりとなると……
オレの脳裏に先日会った少女(多分、見かけだけ)の顔が浮かぶ。
「別にうっちゃっておいても良いんだけど……知らない間に余計面倒な事になっても困るし……」
オレは自分にしか聞こえない位の声でそう軽く呟き、ため息とつくと、
ベアトリスに対して、
「良いか?
 絶対に槍は無しだからな」
と強く言う。
当然、突然何を言われたか解らないという顔をする彼女にもう一度、オレは
「頼むからっ!!」
と念を押して部屋から出た。
66駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:06:48 ID:R4Qcn9sx
オリビアが知っているかも知れない。
オリビアが知らなくても先の少女はなんたって自称魔王だ、知っている可能性は高いと思う。
部屋から出たオレは、そのまま靴を履き自宅から出て、
隣、つまりオリビアの家に向かった。
不意打ちで事情も知らずに兄貴に殺されるなんざ、オレはアベルじゃ有るまいし御免だ。
もっとも、向こうにわざわざ説明してくれる義理は無いんだが、聞ける限り事情を聞こうとオリビアの家の門をくぐろうとした所で、
それまで黙ってオレの行動を後ろから見ていたベアトリスがオレの腕を掴み、
「成さんっ!」
オレを止めようとする。
当然といえば、当然だな。
「仕方ないだろ?
 ベアトリス以外に事情知ってそうなのは他に居ないんだし」
「それはそうですが、悪魔に聞くなんて……」
言葉は弱いがそれとは裏腹にベアトリスはしっかりオレの腕をつかみ、凄い力で門から引きはがそうとしている。
しかし、悪魔全体を指してどうかは知らないが、オリビア個人はベアトリスのいう程悪くない気がする。
……結構、迷惑かけられててそう思うのも変だけど……
ずるずると少しづつ引きずられながら、なんとかベアトリスを説得しようと、オレが口を開いた。
その時、

「トリシアではないか?」
突然、頭の上、
ブロック塀の上から声をかけられた。
67駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:11:42 ID:R4Qcn9sx
声の主は例の少女だ。
ブロック塀の上で仁王立ちし腕を組み、前に会った時と同じくフリルをたっぷりあしらった黒いゴシック調のドレスに身を包みこちらを見下ろしている。
……それに、かけられた少女の言葉?
「ベリアス様」
ふとオレの頭に疑問がよ切った隙に、先に少女に反応したのはベアトリスだ。
ベアトリスはおそらく少女の名前であろう言葉を叫びながら、掴んだオレの腕を思いっきり引き寄せ、軽々と片手で引っこ抜き自分の体の後ろにオレを庇う。

……というかこの立ち位置って……
オレがふと思った事を、オレを見下ろしたままの少女に、
「惚れた女の後ろに庇われおって……情けないのう」
……的確に言われてしまう……
オレはその屈辱に対して、
「そっちだってカッコイイつもりだろうけどその格好、実は結構間抜けな格好なんだぞっ!!
 下から黒いタイツを透かして白いショーツが丸見えだぜっ!!」
とささやかな復讐をした。
もちろん、口に出したら人生終わりそうなので心の中だけで大声をはりあげた。
68駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:12:19 ID:R4Qcn9sx
……つもりが……
「……しっかり口から出ておるわ!」
怒号と共に、わずかに少女の体がふわりと浮いたかと思うと、
空中で二回半前転し、オレの頭上の手前でぴたりと一瞬止まる。
そして、その一瞬の後、
黒いタイツに包まれたすらりとした右足を目一杯伸ばし、
そのまま重力に任せて落下……

ゴズン
と彼女のかかとがオレの頭に的確にヒット、
そのかかとはそのまま、オレの頭をひっかけたまま振り抜かれ、
ドガッ!!
オレの額をアスファルトにめり込ませる。
「いててて……手加減しろよっ!!
 見ろよ、額擦りむいたぞ」
オレがめりこんだアスファルトから頭を上げ、前髪を持ち上げて擦り傷をアピールすると、
少女は人の頭大に破壊されくぼんだアスファルトと、オレの額のすり傷を見比べ
「貴公もいい加減、丈夫だな」
と呟く。
……どうやらこれ以上、文句を言っても無駄らしい。
原因が原因だから仕方ない気もするけど、ベアトリスもオレを庇うどころか心配もしてくれないし……
孤立無縁で喚いても空しい、
オレは男らしく額の痛みを我慢し立ち上がると、本題に入る前にベアトリス、少女のどちらというわけでもなく、
双方に先ほど気になったことを質問した。
69駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:17:29 ID:R4Qcn9sx
もしかして、
「二人とも知り合いなのか?」
トリシアは多分、ベアトリスの愛称だ。
それに少女はオレの知り合いだったらしいし、ベアトリスと知り合いでも不思議はない。
知り合いだったら、ちょっとは話がスムーズに進まないかなぁ〜
と期待しての質問だったのだが、
ベアトリスに
「成さんは忘れてても良いんですっ!」
とけっこう強めに言われてしまった。
……忘れててもって事はオレに関係有り?
スゲー気になるんですが?
もっとも、これ以上の追求はベアトリスが恐いのでしない。
そうオレが考えると、
「何のことはない、恋敵という奴だ」
と少女はあっさり答える。
……忘れよう厄介ごとの種は忘れるに限る。
オレがそう決心すると、少女は
「ところで主らはここに何をしにきたのだ?
 トリシアが好んでくるとは思えぬが?」
ベアトリスが打ち切ったことで先の質問は終わったらしく、少女は、オレの希望を裏切り話を進める。
……そう言えば用があって来たんだ。
危うく、更なる疑問に忘れそうだったよ。
オレは、ベアトリスを押し退け、
「成さん」
彼女の制止を無視し、一歩前に出てオレは武のことを少女に問いかけた。
「ああ…そんな事か。
 それは……」
オレの問いを聞いた少女は、あっさりと呟くとそのまま言葉を続けようとしたが、それを止め。
少し思案して、
「教えてもよいが、その代わりに余の話も少し聞いてもらうぞ」
と続けた。
70駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:22:18 ID:R4Qcn9sx
オレは少女に
「承知って意味の聞くじゃないだろうな?」
一応の確認をし、
「成さんっ!」
横でオレを止めようとしているベアトリスを
「話を聞くくらいなら良いだろ?」
と押しとどめ、
「もちろん、強要する気はない。
 判断はお前…いや、お前たちに任せる」
少女の返事を確認し、お前たちと言う言葉に多少ひっかかったがオレは、
「じゃあ、教えてもらおうか」
承諾の返事をする。
少女はその返事を聞き、話を始めた。
「簡単に言うと……奴にはやる気がない!」
……別に育ってもさすがはオレの双子。
と納得しかけたオレに少女は話を続けた。
71駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:23:01 ID:R4Qcn9sx
「一番の原因はお前が近くに居ないからだな」
「はい?」
思わずオレの疑問の声が洩れ、
少女はオレの声への答える。
「真面目にやっているのに、一番近くに居る事あるごとに雲隠れして怠けている奴の方が認められるとむかつくだろ?
 今回は、それが無かったってことだ」
それはつまり…
「オレが居なきゃ敵が居ないなら、オレは必要ないんじゃありますまいか?」
至極、当然なオレの疑問に横で黙っていたベアトリスが
「敵対者と戦うだけが成さんの仕事じゃないですから」
と答える。

……でも、今回は他にやること無いんだよな……
あ…だから、ベアトリスが迎えに来たのか。
オレが一人で自己完結して納得していると、少女が
「疑問が解けたなら、そろそろこちらの話をしたいのだが?」
と話しかけてくる。
「本当に話しだけですよ」
その声にオレより先にベアトリスが少女に念を押す。
72駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:26:33 ID:R4Qcn9sx
少女はベアトリスの言葉に小さく頷くと、話し出した。
「話というのは、オリビアのことなんだが」
「ん?」
少女の口からオリビアの名前が出た瞬間、
ベアトリスが息をのむ音が聞こえ、オレは思わず少女から目を外しオレはちらっとベアトリスを覗き見、顔色を伺う。
少し動揺しているような気がする。
「どうした」
ベアトリスを気にし注意をそらしたオレに少女が聞く。
「いや…続けてくれ」
少々の動揺くらいは仕方ないか……
どうせ、ベアトリスだけ帰ってろって言っても無駄だろうし、
そう思いオレは少女に話の続きを促す。
「率直に二人に聞くが、嫌いか?」
「はぁ?」
「えっ?」
突然の質問にオレとベアトリスの声が重なる。
73駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:27:13 ID:R4Qcn9sx
そして、
「またですか」
ベアトリスが呟く。
「また?」
その台詞にオレがベアトリスに訪ねると、
「いえっ!
 何でもありませんっ!」
とベアトリスは慌てて否定する。
……気になる。
が、気にしている間無く少女が答えを迫ってくる。
「どうなんだ?」

どうと聞かれても、少々面倒を起こされたりするけど
「嫌いではないよな……」
オレは嘘をつく理由も見あたらないし正直に答える。
「貴公は嫌ってはおらんのだな?」
少女は一瞬、優しく微笑んむとベアトリスを向き、
「トリシアも嫌ってはおるまい」
と優しく語りかける。
「そんなっ!私は彼女が嫌いですっ!」
即座に否定するベアトリスの声を少女は、きっぱりと否定する。
「ならば、なぜまだオリビアがここにおる?
 お前の方が強い…追い払えば良いではないか?」
74駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:29:22 ID:R4Qcn9sx
少女の指摘にベアトリスが困惑しうつ向き黙る。
そうか…二人は嫌いあっているとかそういう事はなかったのか。
そのベアトリスの反応に、
困っているベアトリスには悪いが、オレは少なくとも二人の間で派手なドンパチが起こる可能性が少ないと判ると、
少し肩が軽くなった気がした。
「で、それが?」
気を良くしたオレは少女に話の先を尋ねる。
「……」
少女は一瞬、視線を落とした後、
「トリシア、怒るなよ」
と付け足し話を続けた。
「二人でオリビアを抱いてやってくれぬか?」

……
………
…………
「ちょっと待ていっ!!」
唐突な少女の申し出に、止まってしまった思考の復活と同時にオレは叫ぶ。
「大声を出すな…うるさい」
少女はオレの抗議に対して、静かだが恐ろしい威圧感のある言葉を叩きつけ黙らせ、」
「大体、お前がほいほいと惚れられるのが悪いのであろうが」
何故かオレが悪いという事にしてしまう。
「意味解らないし……」
怒られたので、ひかえめなオレの抗議に、
少女は、
「これから、説明する」
と話しはじめた。
75駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:35:58 ID:R4Qcn9sx
彼女の話によると、
オリビアは理由は教えてくれないが今、力が非常に弱っているらしい。
普通に消耗しただけなら回復はするが、彼女の場合は根こそぎ消えてしまった為に回復出来ず、地獄の闇に戻るか、
他の力があるものから補わなければならないらしい……
……で、その後者の補充方法として抱けというわけだ……

「そんな理由で女性を抱けるかよ…」
普通ならベアトリスが凄い剣幕で断りそうだが、黙っているのでオレが反論する。
それに対して、少女は
「そうだろうな。
 だから、オリビアは余が治そうとしても拒んでおる。
 幸い、トリシアは弟との縁が切れておらぬお蔭で、貴公の光をオリビアのための闇に変えられる」
と、補足の説明をする。
それを聞いたオレは胸が締め付けられるように感じた。
目の前の少女を拒み、オレなら良い……
というオリビアの気持ちに、自分で動揺しているのが解る。
オレはなるべく声にそれが出ないように質問した。
「ほっとくとどうなる?」
「存在が消える」
即答された少女の答えはショックだった。
消える?
オリビアがどこにも居なくなるってことか?
混乱する頭でようやくに考えて、
「じゃあ、地獄とやらに一度帰って……」
言いかけたオレの言葉を少女が遮る。
76駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:36:37 ID:R4Qcn9sx
「帰れば、もう二度と貴公には会えぬ」
そして、ベアトリスに向かい、
「その辛さはトリシアには解るであろう?」
と諭すように声をかけ、オレたちの答を待つ。

……二度とオリビアと会えない。
いや、それ以前に彼女が消えてしまう。
正直、前提条件が卑怯だと思った。
それが無ければ、ベアトリスが一番好きだ。
ベアトリスだけで充分だ。
それだけで済む話である。
しかし、この彼女の居ることが当たり前になってしまった数箇月を過ごしたオレはオリビアが居なくなるという条件を振り切れる程、彼女が嫌いではない。
いや、正直に言うと好きなのだろう。
ベアトリスに判断を任せる手もあるが、この判断をベアトリスに任せるのはずるいんじゃないかと思った。

オレは意を決し口を開いた。
「オレはオリビアを助けたい」
オレの返事にベアトリスが息を飲む音が横で聞こえ、罪悪感がオレの肩に重くのしかかり、
永遠とも思える沈黙の後、
「成さんがそうおっしゃるなら……」
とベアトリスが言って何かを確かめるようにオレの手を握ってくれる。
少女はオレたちの返事を聞くと一度、目線を落とすとオレたち二人に軽く微笑み、家の中に案内する。
77駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:39:57 ID:R4Qcn9sx
家の中に通され、案内された二階の寝室でオリビアは多少、息を荒くつきながらベッドの上で寝巻きを乱し眠っていた。
その様子は確かに何らかの患いである。
「……気づかなかった」
ずっとこうだったのか?
それとも今日昨日の事だろうか?
どっちにしろ、オレは近くに居ながら全く気づけなかったことが情けなかった。

そんなオレの胸中を無視して、少女の無遠慮な声がかかる。
「さっさと、始めよ」
「って、おたくはいつまで居るんだよ……」
「何なら混ざってやろうか?」
こっちはいろいろと悩んでいるというのに……
「……とっとと出てきゃあせっ!!」
オレは少女を押し出すように、寝室から追い出し扉を締める。
もっともこいつらが本気で入るつもりなら、扉や壁なんて意味ないんだがそこまではしないだろう。
78駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:40:39 ID:R4Qcn9sx
オレは扉から離れて、オリビアの眠っているベッドを振り向くと、
「成さんにベアトリス?」
オリビアが上体を起こしこちらを見ていた。
先ほどの大声のせいで、起こしてしまったらしい……
状況が飲み込めず困惑するオリビアにオレは彼女の傍らまで近づき、先ほどまでの話をオリビアに説明し、
最後に
「オレはオリビアが好きだから抱きたい」
と、自分の言葉を付け足す。
「本当に?
 ベアトリスはそれで良いの?」
オレの言葉に戸惑うオリビアがオレの後ろに居るベアトリスに問いかける。
……オレもそれは恐くて聞けなかったから、当然気になる。
オレとオリビアに注目されベアトリスは、
「……成さんがそう言うなら仕方ないじゃないですか……
 見殺しにする程、貴方の事は嫌いではないですし……」
と少し不機嫌そうではあるが、
なんとか許容範囲かな?程度に聞こえる声色で答える。
79駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:43:11 ID:R4Qcn9sx
「じゃっ天使様の気が変わらない内に……」
オリビアはオレの腕をひっぱると唇を奪う。
「二人だけでなさったら意味ないじゃないですかっ!!」
ベアトリスは、そう言うとオリビアからオレを引き離し、自分の後ろに回す。
声が多少、高ぶっている。
オリビアがオレに口づけをするのを見て、ベアトリスの殺していた感情が出てしまったのだろうか、
オレのベアトリスが一番好きなのに、オリビアもほっておけない弱さが彼女の心を殺してしまっているのだろう……
今更ながら、迷い後悔しはじめ動けなくなったオレの横でベアトリスは自ら服を脱ぎ去り、スラリとした白い裸体の胸と薄い金色の茂みを両手で隠し、
ベッドに一歩向かいってオレを振り返ると、
「成さん…も脱いでください」
とオレの迷いを察して、声をかけてくれる。

その声に我を取り戻したオレは
「……御免」
と自分にしか聞こえない声で呟き、いそいそと服を脱ぐと既に寝巻きをはだけ下着を脱いだオリビアの居るベッドの上に乗って、
横で待つベアトリスをベッドに導く。
80駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:45:45 ID:R4Qcn9sx
ベアトリスの背丈のわりに驚くほど細く軽い裸体を傍らに抱き寄せ、
「で、普通にすれば良いのか?」
勝手のわからないオレは抱き寄せたベアトリスに訪ねる。
「はい…普通で構いません。
 あとは私が致しますから」
オレは返事を聞くと、
ベアトリスの細い肩の肌の感触、重さ、
オリビアのはだけた胸もとから覗く白い胸、足の付け根にある黒い茂み、
そして狭い空間に立ちこめた二人の甘い匂いに興奮し、痛いほどに起立したオレは直ぐにでも二人に入れたくなる衝動を必死に抑え、愛撫を始めた。

オリビアに膝立ちで跨り、
彼女の体に体重を掛けてしまわないように、膝に力を入れて注意しながら、右手で彼女のボリュームの有る胸をその丸さにそって、寝巻き……所謂、ネグリジェの上から撫で、
「は……んっ……」
彼女の喘ぎを聞きながら、
骨盤の形のはっきりと解る細い腰、そして
くちゅり…
と、湿った音をたて、すでに黒い茂みをやや湿らせている彼女の秘裂へ指を這わせて行きながら、
左手はベアトリスの肩から腰、そして彼女の秘裂へ這わせてゆっくりと刺激してゆく。
「んん…」
オレの指が蠢く度にベアトリスの口からくぐもった息が漏れ、
序々にその入り口は濡れ、
二人の呼吸の度、一層強く部屋に甘い匂いが立ちこめていく。
81駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:49:04 ID:R4Qcn9sx
二人を愛撫しながら、
どっくん…どくん……と、やけに自分の心臓の音が大きく聞こえるようになった頃、
「ぁん…さっきから、私に当たってるね」
オリビアが限界まで大きく硬くなったオレのモノに指を這わせ、指の腹を往復させてくる。
「……っん…」
決して強い刺激ではない中に、それに慣れた頃時々、彼女の長い爪がオレのモノにひっかかる事で不意うちに強い本来は痛みであるはずの刺激が加えられ、オレは思わず声を洩らしてしまう。

「……ん…」
何度目かオレの声が漏れ、指に感じる心地よい暖かさと滑った感触がその刺激とあわさり溺れるようにオレの意識を濁し始めた時、不意に自分自身にかかった圧力が増した。
ベアトリスがオリビアの指の絡むオレの先端から溢れた先走りを延ばしながら、オリビアと同じように指を這わせ、
空いた片手でオレの顔を引き寄せ、唇を合わせる。
柔らかい彼女の唇の感触が、オレの唇に強く…強く…押し付けるように合わせられ、
彼女の温かく柔らかい舌がオレの歯茎を…舌を…その付け根を…口蓋を嘗めつくしていく。
82駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:51:47 ID:R4Qcn9sx
「くっ…」
オレは限界に近いことを感じたオレは、愛撫していた手を止めオレ自身に添えられた二人の手を握り、
「…ちょっと待って…」
そのまま二人の手をモノから離すと、じっと射精感が過ぎるのを待ちオリビアの上から降りる。

「…えっと」
三人でするには…いつもとの勝手の違いに違和感を感じながら、オレは少し悩み……
「ベアトリス、オリビアの上に跨ってくれる?」
と提案するが、
「えっ…それは……」
短く驚きの声をあげた彼女は顔を耳まで真っ赤にしてうつ向かせると、オレの提案を柔らかくだか拒否する。
「正常位以外、嫌なのよね?」
そのやりとりを見ていたオリビアは、そう言い微笑むとベアトリスがうつ向いたまま頷く。
それを確認したオリビアは自分の体を重そうに横にずらし、ベッドの中央を空ける。
「私が上になるわ…貴方はいつも通りに……」
オリビアが動くのが辛いのはその重そうな体の動きから判る。
それでも彼女は体の負担の少ないだろう下をベアトリスに譲り、ベアトリスがベッドの中央に横たわると、互いの割れ目が合わさり合うように体を重ねる。
83駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:55:06 ID:R4Qcn9sx
オレの目の前に二人のピンク色の花弁が並ぶ、
「……っ」
オレは息を飲み二人につい見入ってしまう。
オリビアの方が露が多く、ほんの少し赤みを帯びているように見える。
「二人、交互に愛すれば良い?」
オレは確認するでもなく多分、自分に言い聞かせるために呟くと、ベアトリスの中に押し入った。
「くっ、あんっ……」
熱く痛いほどに狭いベアトリスがオレを押し潰さんばかりの圧力で締めあげる。
オレが、その圧力に抵抗にし抜き差しすると彼女が苦しげに喘ぐのに合わせて柔軟にオレを包み込む。
そして抜き出す瞬間、大きく揺れベアトリスの小さな芽の先端がオリビアのそれにこすれ、
「ああっ!」
「っん!」
二人に声を上げさせるほどの刺激となった。
オレはその刺激がさってしまう前に目の前で焦れて濡れているオリビアのなかにベアトリスから抜いて、すぐに自身を埋めた。
ベアトリスと違い、圧力という感じでなく絡みつくという感触がオレにまとわりつく。
「あふん……あっん」
オレはそのまま深く、押し入ろうとしてとんでもない事に気づいた……
身長が足りない……
一応、成長期だから伸びてはいるが、
まだ170に達しないオレの身長、というか足の長さで膝立ちのままでは、オリビアの背丈で後ろから余裕を持って動くことが出来ない。
オレは一瞬、考えたが仕方なく膝を少し浮かせその勢いで、彼女の絡みつきを振り切るように一気に突き入れた。
「ああああっ!!」
勢い良く限界まで突き入れられたオリビアの口から長い声が上り、その声と共に崩れ落ちそうになるオリビアの腰をオレは両手で掴み支える。
「手…暖かい…」
弾む息のまま、オリビアが呟くのを聞きながらオレは膝が自然と降りるのに任せ、オレ自身を彼女のなかから抜き出す。
84駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:58:47 ID:R4Qcn9sx
オレは何度か二人の間の往復を繰り返し、
彼女たちはその度に喘ぎ、躯が揺れる度に起こるこすれ合いに声を上げた。
そして、
オレが自身の限界を感じ、最後とばかりに強くベアトリスの中に付き入れると、
「ああっ、んっ!!」
大きくベアトリスの背がのけぞりその動きに、彼女の体のなかに収まったオレ自身も引きずられるような方向に刺激され、強く強く達する。

「ふう……」
息をついたオレは、いつも通り後始末をするためティッシュを探し辺りを見渡す。
「……ずるいわ」
ティッシュの箱が見つからずどうしようかと考え始めた時、
ぽつりとオリビアが呟いた。
「ベアトリスのなかで出して……私も欲しいのに…」
……そうは言われましても……
オレが反論、というか言い訳をしようとした口を
「んっ」
オリビアが体を捻り抱きつき、キスをして塞ぐ。
85駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 06:59:34 ID:R4Qcn9sx
そして、口を離し
「まだ、出来るわよね?」
と、今のキスのお蔭で再び固くなったオレ自身を握り、
完全にこちらを向くと、余韻でぐったりしているベアトリスを膝立ちで跨ぐと、腰をオレに擦りつけるようにしてオレのモノを再び自分のなかに収めた。

「っ!」
一度、達して敏感になったモノを再び、なかに押し入れた刺激にオレは後ろに倒れそうになるのを両手でふんばり、
繋がったまま、オリビアを腰に乗せてベッドのバネを利用してその勢いで、抜き入れする。
「ぁぁあっ……!」
オリビアのなかをオレ自身が動く度に、ベッドのきしむ音と潤みきったそこから粘度の高い湿った音が彼女の声と重なり響く。
「くっ…ん」
痛みに近い刺激に、食いしばったオレの歯から息が漏れ、
その刺激は二度目でありながら、簡単にオレに耐え難い射精感に導く。
オレはその感覚に焦るように、激しく腰を動かし、
「あ、はあっん……ああっ」
激しくなった動きに合わせ洩れるオリビアの声を聞きながら、あっけない程に再び達した。
86駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 07:02:35 ID:R4Qcn9sx
ー・ー・ー・エピローグ・ー・ー・ー

「はぁ…はぁ…」
二度目とは思えないほど精をオリビアのなかに放ったオレが、そのままオリビアの躯を抱き締め呼吸が整うのを待っていると、

バタンッ

と派手な音をさせ、扉が開いた。
「もう遠慮してせぬか……」
例の少女だ……
「聞いているこっちはたらんぞ」
かなりお怒りのようだ。
「全く、貴公は昔からデリカシーが足り…いや、皆無だっ」
酷い言われようだ……
オレが弁護を求めようと、オリビアを見ると
「あっ」
オリビアは翼を出したまま眠っていた。
それは、いつか見たコウモリの翼でなく黒い色には変わらないがベアトリスと同じ鳥類の翼であった。
…ってそんな事はどうでも良い。
見るとベアトリスも余韻にひたったまま眠ってしまったようだ。
つまり、じりじりとプレッシャーと共に近づいてくる少女に対してオレへの助け舟はどこからも来ない。
「つーかこの二人も同ざ…い……」
オレの言葉は最後まで言い切れずに、少女の右拳に掻き消された……
「余の方がトリシアより先に……」
オラオラかそれとも無駄無駄かという程のパンチラッシュの中で聞こえた少女の台詞は、面倒なので聞かなかった事にしておこう。
オレはそう決めて意識を手放した。
87名無しさん@ピンキー:04/12/19 07:20:09 ID:R4Qcn9sx
やっと、最初に決めた駄目人間と天使は1vs複数のハーレム路線になりました。
……長かった。
というかエロSSの主人公として駄目人間だ……
悩むなとにかくやるべしと自分で思いつつも書けません、御免なさい。

>◆ANYAt9rOT.さん
良いですね。
せっかくの裸エプロン、でも気づいてもらえない。
ほのぼのと甘く楽しい雰囲気が凄く好きです。
続きも頑張って下さいね。

>◆MABOUp7up.さん
アイリスさんの「慰めて」が凄くツボです。
更にエッチも多い。
甘々が好きな僕は最後に唇を奪って16回を最後まで言わせない所で止めを刺されました。
88 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 07:22:21 ID:R4Qcn9sx
>87
に名前入れ忘れました。
89名無しさん@ピンキー:04/12/19 07:46:26 ID:BGXMsy2P
モツカレ〜


リアルで楽しませて頂きました。
んで,磁界……次回は4Pですか?
90名無しさん@ピンキー:04/12/19 09:27:48 ID:6lu6/zrR
成の兄の話がさっぱりわからないんですけど・・・・。
いきなり名前が出てきて「敵対者?」って聞かれても・・・・。
しかもベリアスが説明してくれるのかと思ったらあっさり流されるし・・・・何がなにやら。
91マボと呼んだ人:04/12/19 11:13:34 ID:RBxQFt31
>>90
武さんのことは正樹くんの話でちょこっと語られてました…よね?
(確かたまにプレゼントを贈るくらいしか接点のないお人だったような)

3トンさん(I3tGz4xJ9E氏)のお話は(他の方もそうですが)成くん、正樹くん、銀次くんの三人が中心になっています。
別の話の伏線があるかもしれないので要チェックです。

近況:現在書き進め中です。…最初エロくしないかもしれませんが…
92名無しさん@ピンキー:04/12/19 13:54:30 ID:3fWgtAYn
>>90
前世からの因縁がある、って事じゃ有るまいか?
若しくは、前世が悪魔側の陣営だった、とか。
確かにちょっと説明下手だよな。もうちょっと文章を練って欲しいとは俺も思う。
93名無しさん@ピンキー:04/12/19 14:25:44 ID:Mhq2JC+i
森精の人マダカナ
94駄目人間と天使6 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 15:47:36 ID:9yaHZH21
「一番の原因はお前が近くに居ないからだな」
「はい?」
思わずオレの疑問の声が洩れ、
少女はオレの声への答える。
「真面目にやっているのに、怠けている奴の方が認められるとむかつくだろ?」
そこで一旦、切って少女は、
「貴公は自分の中身が天使だとは知っておろう?」
オレが頷くのを待って少女は続ける。
「神が創ったもっとも優れた天使の兄弟の中でも、奴は常に神を補佐し身を粉にして働いたが、
 いざ、世界が出来てみれば、神に認められ神のひとりごである人の元に神の子として送られることに決められた天使は、事あるごとに雲隠れしさぼっていた弟のおまえだった……
 奴が神の決定に不満を持ち、真意を問ただそうと逆らっても仕方有るまい。
 事実、多くの天使は奴の言い分に納得し、ともに神に逆らったしな……おかげで奴は反逆者として堕たというわけだ」
「それはつまり…
 オレは面倒な仕事を命じられた上に、そのせいで兄に恨まれたって事ですか?」
……泣けてきたよ。
「まぁ、そうだな。
 お蔭で神から離反した奴は常におまえと共に有り、争うことが仕事になったわけだが、
 今回は、奴もむかつく弟が居ないからやる気になってくれん…困ったことだ」
他人事と言わんばかりに、少女はあっさりと答える。
「それって…オレが居なきゃ敵が居ないなら、オレは必要ないんじゃありますまいか?」
至極、当然なオレの疑問に横で黙っていたベアトリスが
「敵対者と戦うだけが成さんの仕事じゃないですから」
と答える。

……でも、今回は他にやること無いんだよな……
あ…だから、ベアトリスが迎えに来たのか。
オレが一人で自己完結して納得していると、少女が
「疑問が解けたなら、そろそろこちらの話をしたいのだが?」
と話しかけてくる。
「本当に話しだけですよ」
その声にオレより先にベアトリスが少女に念を押す。
95 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/19 15:52:51 ID:9yaHZH21
>>94>>71
の差し替え文になります。
ご指摘された説明不足を、端折った部分をちょっと補足程度に書きました。
96至高人:04/12/20 10:15:21 ID:H/Q5LfXp
ひとしきり互いの股間を愛し合い、口を離して一息つく。
「大きくなるものだな、男のモノとは」
エルフは男の逸物―彼女の舌により隆々とそそり立ち、小刻みに震えながら天を突く男根―を眺め、しみじみとつぶやいた。
自分の最も恥かしいところを見られている。その羞恥心がさらに男の性感を高め、男根がびくりと動いた。その気恥ずかしさを誤魔化すように男も「見た」感想を述べる。
「エルフになったら、下の毛も金色になるんだな」
その瞬間、男の顔の上でエルフの腰がピクンと跳ね上がった。
「うっ、うるさいっ。森精時代に見たこともないくせに!・・・・・・それとも見たのか?」
最後の一言の不穏な響きを感じ、男はこの話を切り上げることにした。
再び秘唇を口で割り開き、蜜に濡れた肉襞を嘗め回す。あふれ出す滴りを啜り込み、より深くを目指して舌を差し入れる。腰と顔とが密着し、うっすらと生えた無精ひげが女の肉豆をちくちくと刺激し、高まる性感に花を添えた。
「やっ、こ、こら、まだ話の途中・・・ええい・・・あむっ、ん」
話をはぐらかされたエルフは若干不満げだったが、ゾクゾクと腰から這い上がってくる快感に突き動かされ、再び男の逸物を咥えた。
97至高人:04/12/20 10:16:07 ID:H/Q5LfXp
ちゅ、ちゅくっ、ずちゅ、ぴちゃ、ず、ずずずず・・・
舐め、啜り、甘噛みし、咥え、再び啜る。
互いに互角と思われた交歓は、しかし、時間とともにエルフの不利へと傾いていった。
女の身体を下から支える男の腰は水面下に有り、水の上には亀頭部がわずかに出ているだけである。深く咥え込む為には顔を水に浸さなければならず、その間は呼吸ができない。
さらに息継ぎの間も男に秘唇を休む事無く責め立てられ、快感の水位はじりじりと押し上げられていく。
必死に気をそらすために女が男根を口一杯に含み、付け根にぴったりと唇を吸い付けていた時に限界は訪れた。
ぴちゃ、ちゅぷっ、ず、ずちゅうううううぅぅぅぅ
「ん、んふっ、んふうぅぅぅううっ!」
男根と唇の合わせ目からこぽこぽの漏れ出ていた気泡が、女の絶頂とともにごぽごぽと大粒のものになり、口腔内には酸素の代わりに大量の水が押し寄せてきた。
「けほっ、けほっけほん。そっ、そんなに強く吸うな・・・あそこが裏返ってしまいそうだ・・・」
「わりぃ、夢中になってやりすぎた。で、そろそろ、イイか?」
今にもはちきれんばかりの男根をもてあまし気味に、男は尋ねる。
エルフは蕩けるような艶めいた笑みでそれに答えた。
98至高人:04/12/20 10:16:54 ID:H/Q5LfXp
ざばりと音を立てて男は立ち上がり、エルフはそれにぴったりと寄り添った。二人は見つめあいながらそっと唇を交わす。女の両腕が男の肩にしなだれ掛かり、するりと音もなく水面から抜き出された女の右足が男の尻を引き寄せ、腰と腰との距離を狭めてゆく。
まもなく女の会陰は男の裏筋に触れた。
エルフの腰が小さな円を描き、しっとりと濡れそぼった恥毛が男の茎を刺激する。言葉よりも雄弁な女の誘いに男はいったん腰の密着を解き、左手を女の腰に回し、右手を己自身に沿え、先端を焦れる女に押し当て、下から上へと突き進んでゆく。
ず、ずずずずずずず
「あっ、ああぁぁああぁぁ・・・」
感極まった女は白い喉を見せて鳴き、全身を震わせて与えられる悦楽を享受した。そのまま押し入った男の先端は、女の最奥へと到着する。
男はその感触に満足し、しばらくのあいだやわやわと包み込んでくる女の膣内を愉しんだ。
違和感。話に聞いていたのと何かが違う。
力強くも気遣いを見せて入ってきた男の感触に陶酔し、己の締め付けにうっとりとする男の顔を満足げに、かつ熱の篭った視線で見つめていた女は、男の顔に浮かんだいぶかしげな表情に気付いた。
「おまえ「ち、違うぞ、私は処女だ初めてだ。」」
焦ってどもりながら、エルフは男に抗弁する。不貞を疑われて平然としていられるほど、エルフはすれてはいない。
「本当だ。誓う、私が愛した男はお前が初めてだ。ただその、激しい運動をしたせいで私の・・・その・・・膜はもう無いんだ・・・」
「膜」という言葉が恥ずかしかったのだろう。最後のほうは消え入るような小声だった。羞恥と申し訳なさで、耳は力なく下を向いていた。
だが、申し訳なさを感じていたのは男も一緒であった。いや、男の自責はエルフより大きかったといっていい。
好きな者同士が愛し合うのに純潔がそれほど重要か、必要不可欠か、違うだろう。なにより、エルフの言う「激しい運動」が、いつ、誰のために行われたものなのかに気付かないほど男は鈍くなかった。
99至高人:04/12/20 10:17:55 ID:H/Q5LfXp

「ホントなんだ。潅木を三連続で飛び越したときに股間にぴって痛みが走って、しばらくしたらずきずき痛んできて、それで」
「膜がもう無いってことは」
しどろもどろに説明するエルフを遮って、男は快活に言う。
「チョットぐらい激しく行っても大丈夫かな?その、もう我慢できそうに無い」
そういって笑いかけ、男は肉棒を痙攣させた。
「・・・ああ、遠慮しないで来てくれ、私もお前がたくさん欲しい・・・」
邪気の無い男の微笑みにエルフの強張りは消え去り、再び男に身を摺り寄せる。
「ごめんな」
そういって男はエルフの頬にキスをし、腰を突き込み始めた。

「あ、あぁぁぁあ」
「く、くうっ」
高く持ち上げられたエルフの右膝裏に腕を差し入れ、そこを支点にして腰を打ち付けあう。大きく股を広げることに連動していっぱいに開かれた女陰に、怒張しきった男根が打ち込まれている。
じゅぷじゅぷという水音は回を重ねるごとに大きくなり、元から不安定な姿勢に置かれていたエルフは一擦りごとに強くなる快楽に足を掬われ、男の胸へと倒れ込んだ。
ずんっ
「ひうぅぅぅぅッ」
「!んぅっ、で、射精ちまうっ」
エルフの全体重が股間の一点に集中し、限界まで打ち込まれた男の亀頭がエルフの胎奥を強く強く押し上げる。固柔らかいモノ同士が激しくこすれあうコリッとした心地良さに、前儀で高めあったふたりは抗し切れなかった。
100至高人:04/12/20 10:18:38 ID:H/Q5LfXp

どくっどくっどくっ・・・
はあ、はあ、はあ、はあ・・・
荒い息を吐きながら、全身を紅潮させてぐったりと身をもたせかけるエルフと、今にも崩れそうな膝で二人分の体重を支える男。
二人にとって不意打ちの絶頂により身体は達したが、精神は未だ満たされずに欲求不満を感じていた。
「この格好は不安定すぎる、やはり岸辺のほうがよくはないか・・・はやすぎるのは、不本意だ」
「いや、むしろこっちの方が・・・早いって言うな」
「え、ちょ、きゃあ」
男は女の双臀を掬い上げると、そのまま深みへ向かって歩いていく。澄み切った水のの冷たさが心地良く火照った身体を冷やした。
臍の辺りまで水に浸かると浮力が腕力と姿勢制御を援助し、意識を挿抜に集中することが可能になった。
細波が広がる。
身を取り巻く夜の水はどこまでも冷たく、容赦なく体温を奪ってゆく。でも、だからこそ触れ合ったぬくもりがいとおしく感じられる。
咥えて冷点を刺激されて敏感になった肌は感覚を鋭くし、絡み合う手と手、肌と肌、粘膜と粘膜の感触を強くはっきりと伝え合った。
外の冷と中の熱。そのアンバランスさが二人の性感に火をくべ、行為は激しさを増していった。
波が広がる。
101至高人:04/12/20 10:20:53 ID:H/Q5LfXp
「んっ、んんっ、ふっ、おまえのが、膣内で、っ、熱い・・・暴れッて、るぅ・・・ん、ちゅっ」
女は己の胎内を割り裂き、押し広げる男の感触に腰で小さく円を描いて答え、男の腰をしっかりと長い足で挟み込む。
また胎内からの快感を紛らわせるために夢中で唇をあわせ、一心に舌を絡めあった。
「んむっ、ちゅっ、はむ、ん、れろ、んくっ、む、ちゅうぅぅぅう」
男もその動きに情熱的に答え、舌を絡め、歯をこそぎ、口腔内をねぶり、唾液を分け合い、また舌を強く吸い込んだ。
その間も、腰の動きは止まらない。ゆっくりと大きく動かし、女の秘唇がじれたようにピクピクと痙攣し出したら早いペースで突き込む。
その一段階高い快感になじんだ腰が回り出したら最奥を強く押し上げ、女と逆回転の円を描く。
それが肌を合わせてから男が思いついた交歓の仕方だった。
「はあっ、はあっ、はあ、ああ、いい、イイの・・・腰、はうっ、うごいて、と、止まらないぃ・・・」
高まる性感にエルフは唇を離し、紅に上気した肌を喘がせて快感を伝える。潤んだ瞳は目じりに涙をたたえ、だらしなく半開きになった唇は「ああ、ああっ」と声を漏らす。
その口唇の端からは涎が糸を引いて流れ、紅潮した上半身に浮かんだ大粒の汗と混じって泉に波紋を描いていた。
普段は強気な彼女が見せる、今にも快楽に壊れそうな柔い女の姿。
その艶姿に男の怒張もサイズを増し、天井知らずに高まる征服欲と快感に突き動かされて、男はより一層激しく腰を突き入れた。
「はあぁぁあっ、はっ、激しいッ。くっ、くうっ、くうぅぅぅ、も、もうダメッ、イく、イくぅぅぅぅぅッ」
ガクガクと全身を震わせ、女は男に限界を告げ、
「で、射精るっ、お、おおぉぉオオッ」
男は女の胎奥で、堪えていたすべてを解き放った。
102至高人:04/12/20 10:21:26 ID:H/Q5LfXp
どくん、どくん、どくっどくどくどく・・・
「あああああぁ!ああっ、あっ、ぁぁぁぁぁ・・・」
「事故」である一度目とは比較にならない量の精液がエルフの胎内に迸ってゆく。
すでに限界に達し、身を大きく仰け反らせ、足をピンと伸ばし、必死に力を入れて男の首に絡めた手と結合する腰の二点で支えられた女体は、断続的に叩きつけられる男の精を浴びるたびにピク、ピクンと痙攣し、さらなる絶頂の高みに押し上げられていく。
やがて射精は止み、エルフの手は力を失ってスルリと解け、小さな音を立てて着水した。
肉も筋も蕩けて水面にたゆたう女の身体を、男の腰と手が繋ぎ止める。
そのまましばし、二人で余韻に浸った。
103至高人:04/12/20 10:22:19 ID:H/Q5LfXp
「あ、その、ちょっといいか?」
没我の恍惚から目覚めたエルフは男に語りかける。その声はどこかぎこちなく、もじもじと身を捩じらせ、上目遣いで探るように語り掛ける。
「少し手を離して欲しいのだが、ほんのちょっとの間でいいんだ」
切羽詰った響きの声に、男はピンと閃くものがあった。
「腹、冷えたわけね、漏れそう?」
「分かっているならいちいち聞き返すな!あっ、こら、腹をさする・・・なっ。すぐ戻るからおとなしく待て」
悪戯っぽく笑いながら腹部を擦ってくる男の顎に肘を入れ、エルフは身を翻して岸を目指す。くるりと視界に飛び込んできた女の細腰から尻への引き締まったラインが男の性欲をゾクリと煽った。
ざばり
がしっ
「こら!はなっ・・・はうぅっっ」
水面を割って駆け出そうとしたエルフの腰を後ろから捕まえ、再びいきり立ったものを秘裂に突き入れる。男の精を受け柔らかくほぐれていたそこはズプズプと逸物を受け入れ、肉の隙間から膣内に溜まった精液と愛液の混合物を水中へと放出した。
挿入の衝撃に力の抜けた身体を掬い上げ、膝裏に腕を回して抱えあげる。そのまま美脚を大きく割り広げ、ざばざばと浅瀬に向かって歩き出した。
「やあっ、こ、こんな格好、恥ずかしっ・・・ああっトイレに行かせろっ、も、漏れちゃうぅ」
「見せてくれ」
いまや水深は男の膝下までしかない。月光の元に乱れる裸身がさらされる。
104至高人:04/12/20 10:22:52 ID:H/Q5LfXp
小さな子供におしっこをさせる時の格好―秘所に肉棒が突き刺さっているという点は決定的に違っているが―をさせられ、羞恥に震えるエルフに男は自らの望みを告げる。
その内容の破廉恥さと、大きく開かれ肉棒を飲み込んでわななく自らの秘所の淫猥さ、時と共に高まる排泄欲求にエルフの意識はドキドキと昂まってゆく。
「やぁあぁぁっ、みるなぁっ、変態、ヘンタイぃ・・・ひゃうっ、腰、揺するなぁ、ああぁ」
「それでもいい。お前のすべてが見たいんだ」
懸命に尿意を堪えるエルフと、その抵抗を突き崩そうとゆるゆると腰を振る男。真摯な口調と逸脱した行動のアンバランスさが益々女の性感と羞恥を煽ってゆく。
「あっ、あっ、あっ、あうっ、くっ・・・・・・ひぃあぁああぁああっ」
かぷ、れろ、ちゅくっ
身を細かく痙攣させつつ我慢するエルフの耳を、男が噛んだ。長く尖る人間以上に敏感な感覚器が、仰け反るほどの衝撃を女の頭蓋に叩き込む。そのままじっくりと耳を嘗め回され、途切れることの無い快感がエルフの思考を桃色に塗り替えていく。
そしてその身体もまた、足の先から耳の先端まで桜色に染まっていった。
「やはぁぁぁぁあ、みみ、くちゅくちゅさせちゃぁ、らっ、らめぇぇ、ひうっ、いき、吹き込んじゃ、ガマン、できなくなっちゃ・・・」
耳に響く水音と快感、そして丁寧で執拗な舌使いにエルフの全身はガクガクと震え、ねっとりとした汗に怪しく艶光っている。理性が崩壊しかけても羞恥心はまだ機能しているのか、会陰はきゅっきゅっと引き締められており、尿意の決壊を防ぎ、男の肉棒に快感を与え続けていた。
「あぁぁぁぁあぁぁ、あん、あぁぁぅ、お、おねがい、だ、もう、トイレに、いかせっ、てぇぇ」
男は息も絶え絶えに懇願するエルフの耳から唇を離し、
「はぁ、はぁ、はぁ、はやく、降ろしッ、ひぅぅぅぅぅぅぅッ」
手付かずだった反対の耳を、勢い良く噛んだ。
105至高人:04/12/20 10:23:27 ID:H/Q5LfXp
「ダメぇぇぇェェェッ、でちゃうぅ、おしっこでちゃうぅぅぅぅッ」
ぷしゃあああああ
ちょろちょろちょろちょろ・・・
不意打ちの耳愛撫にエルフの我慢は限界に達し、股間から金色の液体が孤を描いた。
「あぁぁ、止まって、止まってぇ、だめ、とまらない、とまらないの・・・」
水音を響かせつつ水面を叩く液体は止まる事を知らず、二人ともその光景から目を背ける事ができなかった。
「見るな、見ないで、見ちゃダメ、・・・ああぁ、見られてる、見られてるぅ、私に恥ずかしいトコロ、見られちゃってるのぉ・・・」
エルフの脳内で、昂められた羞恥と快感がグチャグチャに入り混じり、それは熱の形をとって背骨をつたい、胎へと降ってゆく。
「あぁ、熱い、アツイ、イヤなのに、恥ずかしいのに、それなのに・・・アアッ」
胎内に降り積もった熱は膣内を怪しく責め立て、内部をウネウネと蠕動させてゆく。その感覚はみっちりと胎内に収まった男根にも伝わり、射精の欲求を高めていった。
男の腰が動く。
ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ
「ふぁあぁぁあっ、膣内、ずんずんしちゃ、暴れちゃ、ダメェッ」
「はっ、はっ、はっ、はっ」
シチュエーションと膣圧に昂奮が高まりきった男は、荒い息を吐きながら腰を突き込み続ける。その衝撃にエルフの腰が激しく揺らされ、小水はパチャパチャと広範囲に振り撒かれる。
その水音がより一層エルフの羞恥を煽り、連鎖的に増した二人の昂奮は加速度的に快感に置き換わっていった。
「ああっ、もう、射精るっ」
どくっ、どくっ、どくん・・・
「!ッ、あふぁあぁぁぁぁ、お、おしっこしながら、なっ、膣内で射精されてぇ、い、いっちゃう、いっちゃうのぉぉぉ」
どぷどぷどぷどぷ・・・どぷぅっ
ちょろろろろろろ・・・ちょろっ
「んっ」「はぁぁぁ」
男が最後の一滴を注ぎ終えたときに、エルフの放尿も終わりを告げた。
106至高人:04/12/20 10:24:21 ID:H/Q5LfXp
「ヘンタイ」 「・・・・・・」
もつれるように岸に這い進み、折り重なって二人は倒れ込んだ。仰向けになったエルフの胸に男は顔をうずめている。
「惚れた女のことをよく知りたい、という気持ちは分かるが、その、・・・ぉ、おしっこ・・・するところまで見たがるのは、やっぱり異常だと思うぞ」 「・・・・・・」
快感と羞恥の残滓に頬を染めつつ、エルフは男を糾弾する。
男は顔を伏せたまま何も答えない。良く見ると小刻みに身体が震えている。
「まあ、気持ちよかったことは認めるが、それ以上に恥ずかしかった。だから・・・何を震えている?」 「なあ・・・」
エルフは驚愕した。
男の声が、泣いている。
「俺・・・ほんとにこれで良かったのかな」
女の胸に顔を埋めたまま、男は慟哭する。
「あいつらがやったことは確かに人として間違ってる。でも、俺にあいつらを、・・・殺す・・・権利なんてあったのかな。」
内面の告白は続く。それは血を吐くような呟きだった。
「悪党をぶち殺して幼馴染の仇を討った。なのにこんなにも苦しい。
道を誤ったという点では俺だって同罪だ。何にも知らずに、何も知ろうともせずにのほほんと毎日を過ごしていたせいでアイツを傷つけて、あいつらを増長させた。そういう意味では、俺も立派な共犯だよ。
あの時はああすることが唯一の正しいことだと思った。でも、ほんとにこれで良かったんだろうか。今になって思い返すと、あいつらを切り殺した理由はアイツを助けたかったからというより、何もできなかった自分に腹を立てて、
その八つ当たりで暴れただけという方が正確だと思う。ああまで状況が固まってしまう前に、もっと何か、やれたことがあったんじゃないだろうか。
憂さ晴らしにアイツを辱めたあいつら、八つ当たりであいつらを殺した俺。
・・・やってることはおんなじだよ・・・」
107至高人:04/12/20 10:24:53 ID:H/Q5LfXp
女の胸を熱い雫が濡らしてゆく。朴訥で善良で不器用な田舎の若者。それが突如ぶち当たったあまりにも大きすぎる命題。
行動と責任、命と権利。
その時は殺すために張り詰めていた。
その後は愛するために高まっていた。
その内圧が緩んだ今、感じていた矛盾、後悔、迷いが一気に噴出してきた。
自分の目的のために他人を排斥すること。
悪を誅する行為自体が悪行のひとつの形。
生きていればいつかはぶつかる、そして死ぬまで繰り返されるであろう連鎖。
それに悩むぐらいなら割り切ってしまうほうが賢いのかもしれない。
しかし男は不器用で、ついでに青臭いほど若かった。
108至高人:04/12/20 10:25:26 ID:H/Q5LfXp
「いや、おまえは、あいつらとは違うよ」
エルフはかぶりを振り、優しく男の背を撫でる。
「村長の息子の長口上を思い出してみろ。自分の非を認めるような言葉があったか?村は貧しい、生活は苦しい、気晴らしも無い。だから俺は悪くない。
あいつが言ったのはそれだけだ。あのままほうっておいたら、何度でも似たようなことを繰り返すだろうな。
それに、抜き差し成らない状態にはまり込んでしまったら、取れる行動なんて限られてる。・・・殺すように仕向けたのは私だ。あらかじめ意識を誘導され、あんなものを見せられて、手に刃物を持っていたならああするだろう。
あいつらは下衆で、アイツは怠惰で、おまえは愚鈍で、私は冷酷だった。だからこうなった。
同じ人間を集めて何回やり直したとしても、きっと何度でも同じことが起こっただろう。だから」
そう言ってエルフは男の頭を抱きしめた。
「そう自分を責めるな、責任の四分の一だけ背負え、私も同じだけ背負ってやる。残りの半分はあいつらとお前の幼馴染のものだ。人の分まで背負うのはまだ早すぎる。
それに、私はあいつらが悪党だから死んだ、としか考えられない性格だ。同じようなことが起こったら同じようにしか動けないだろう。その点お前は違う。
『他に何かできたんじゃないか』と考えるということは、日常を送りながら「その状況」自体を避けようとする動きを産むとは思わないか?
私たちは、起こった出来事に対処することしか考えていない、できない。でもお前のような奴がいれば、お前と一緒ならば、「その状況」を起こさないように生きていけると思う。
だから、泣いてもいい、後悔してもいい、でも、お前らしさを諦めるな。」
そういって微笑むエルフの顔を初めて男は見つめ、再び彼女のまったいらだが優しい胸に顔を埋めた。
「・・・ありがとう」
109至高人:04/12/20 10:26:00 ID:H/Q5LfXp
「それにな、私は今、うれしいんだ」
男を抱いたまま、エルフは続ける。
「お前の幼馴染は、お前に隠し事をした。恥ずかしい自分の姿を恥じて内面を隠した。好きな相手にみっともない姿を見せたくないのは分かる。でも、それって信頼が足りないとも思わないか?
お前は私の前でみっともなく泣いて、グチグチと弱音を吐いて見せた。カッコ悪い事この上ないが、それは私を信頼してくれた証拠でもある。
・・・好いた相手の役に立てる。これは女の本懐だよ」
女の胸の中で男の頬が紅潮する。
純粋で明け透けな好意。
どこまでも真っ直ぐで力強い、心。
彼女の強さと美しさは外見だけのものではなかった。
「お前には助けられてばっかりだな。初めて会ったときも、真実を知らせてくれたときも、仇を討った後も、そして今も」
「一生かけて返してもらうから安心しろ。だから・・・」
そういってエルフは男を押し倒し、半萎えの逸物に唇を寄せた。
「一人で悩むな、溜め込みすぎるな。胸のうちにモヤモヤとしたものを残すな。私が全部受け止めてやる。・・・あむっ」
「とか言いつつナニやってるっ、ホントはオマエがヤリ足りないだけじゃないのかよっ・・・くはっ」
「ふふふ」
「不敵に笑うな、否定しろっ!」
「私はもう、気持ちいいところも恥ずかしいところもみんな晒してしまったからな。・・・夫婦で不公平はよくない。れろ、ちゅっ」
「あ、くはぁぁぁぁあ」
「村は逃げない。ヘタレたお前の内面の膿はここでみんな吐き出してゆけ。・・・旅支度をしっかりしておいてよかったよ、さすが私だ」
「俺のナニ握りながら浸るなぁぁぁぁぁあ!」
女の舌技に男はいい声で鳴いた。
・・・二人が村に着くのは、まだ先になりそうだ。
110至高人:04/12/20 10:26:44 ID:H/Q5LfXp
きしっ、きしっ
まっくらな闇の中、膝裏からお尻にかけて、暖かいぬくもりを感じている。
あれから一週間が過ぎた。その間、私とあいつは身体を重ね続けた。
気絶するまで交わり、目を覚まして保存食をかじり、喉を潤して一息ついてはまた身体を重ねる。
好奇心と愛情と性欲に任せてお互いの身体を探り続けた毎日だった。
当初、私はアイツの心労を癒すため、アイツは癒しと「無いほうがいい知らせ」を待つためにここに留まっていたのだが、
そんな理由はもうどこかに飛んでいってしまっていた。
ただ、気持ちがいいから。
それだけが今の私たちを支配している行動原理。
きしっ、きしっ
思うが侭に身体を屈曲され、口に肌に膣内に菊門に精液を浴びる、搾り取る。
劣情を思う端から口に乗せ、快感のあえぎを誰はばかる事無く響かせ続ける。
気持ちがよかった。
この為に生きてきた、この為に生きて行きたい。
何の迷いも無く今の私たちならそう言い切れる。愛とか好意とか欲情とか、そんなカテゴリーなどどうでもいい。
ただ言える「お前が欲しい」と。
111至高人:04/12/20 10:27:15 ID:H/Q5LfXp
きしっ、きしっ
・・・しかしまあ、ちょっとばかり行き過ぎたかもしれない。身をよじるたびに、拘束された両手首が擦れて音を立てる。
この一週間で数え切れないほど擦られ、削られ、抉られ続けた私の秘所は擦り剥け、粘膜が触れ合うだけでもひりひりと痛むほどだった。
しかし、それでも私はアイツが欲しかったし、アイツも私が欲しかった。
だから私はこう頼んだのだ。
「お願いだ。あそこはたくさん擦られてひりひりいたい。精液をすり込まれるとじんじんしてしまう。だから前を休ませて、代わりに私のお尻で気持ちよくなって欲しい・・・」
セリフ回しか、欲情に潤んだ上目遣いの視線か、待ちきれないように尻穴をほぐしていた指使いか、何かがアイツの急所を激しく抉ったらしい。
アイツは私をおもむろに抱え上げ、私にその辺の布で目隠しをして、ツタを切り取って両腕を手近な木に縛りつけ、足を肩に担ぎ上げて肉の切っ先を私の尻に当ててきたというわけだ。
目隠しも縛りも初めての行為だ、胸中が怪しく昂ぶる。加えて視界を遮る布はどうやら行為後に私の股間をぬぐったものだったらしく、混じり合った性液の匂いがムッと私の鼻を衝いた。
昂奮が高まる。
アイツはまだ私を担ぎ上げて菊座に熱い切っ先を宛がっただけだというのに、私の秘部からはトロトロと粘液が滴っているのが感じられる。
幾度と無く舌を、指を、肉棒を受け入れ続けた尻穴は、もはやわたしの第二の性器だった。
もう、我慢出来ない。耳が待ちきれないとパタパタはためく。
「はや・・・くっ、はやく突いてくれッ、私のお尻、めちゃくちゃに、してェッ」
ずぷぷぷぷっ
「ンはあぁぁぁぁあぁぁぁああ・・・」
112至高人:04/12/20 10:27:51 ID:H/Q5LfXp
お尻が、熱い。
火照ったアヌスを割り開き、火の様な切っ先が捻じ入ってくる。その感触に、私は身を仰け反らせて感じ入った。
「あぁ、熱いぃ、固いッ。それにピクピクいって、るぅ」
「くっ」
快感を送り込む熱い肉槍を離すまいと、私の肉は強く強く押さえ込む。その抵抗を押し切るように抽送が開始された。
ぬぷっ、ぬぷっ、ぬぷっ、ぬぷっ
「あっ、あう、あう、あうっ、激しッ、あン、わかる、ナカで暴れてるのの形がっ、よっく、わかるのッ」
視界が遮られている分、肌と胎内と想像力が鋭敏になっている。ねっとりと濡れて絡みつくアヌスと、激しく出入りしている逞しい肉棒の感覚とビジョンが脳を焼き焦がしていく。
きしっ、きしっぎしっギシッ・・・
私は汗に塗れた身体をを大きくよじらせる。激しく頭を左右に打ち振り、髪を振り乱し、背筋をくねらせ、縛られた腕を振り回して激しく喘ぐ。
「あぁっ、もっと強く、おく・・・っまでぇ、あんっ、あン、あンンッッ」
背中に樹皮の感触が伝わる。男は表面の滑らかな樹を選んだのだろうが、それでも樹皮は女の柔肌よりは固い。私の背は摩擦で擦り剥け、秘所のように真っ赤になっているだろう。
「あぁ、せなか、擦れてるぅッ、皮、剥けちゃう、むけちゃうぅ」
「・・・後で唾付けてやるから、もうちょっとガマンな」
「はぅぅぅうぅッ」
男が、私の、背を、舐める。
四つんばいになった私に背中からのしかかった男が、たっぷりと唾液に濡れた舌を私の表皮の剥げた敏感な背中に這い回らせる。
おそらくただ舐めるだけではないだろう。両手は後ろから胸を揉みしだいて来るだろうし、そそり立つ肉棒はまた私の尻、あるいは秘所へと荒々しく入り込んでいるに違いない。
そして私は幾度も鳴かされ、快感の叫びをあげながら絶頂を迎えるのだ・・・。
妄想が私の脳裏を犯し、身体への刺激と相まって快感の水位を押し上げる。
私の内腿がぎゅっと強張り、内膝に男の頚動脈が感じられた。
ビクビクと暴れる肉棒と、
ドクドクと波打つ首筋。
その二つの激しいリズムに私の秘所はとめどもなく潮を吹く。
113至高人:04/12/20 10:29:19 ID:H/Q5LfXp
「あはぁっ、ナカで、おおきくッ、なって、きた・・・」
アヌスの肉棒が細かく痙攣を始めた。先ほどからの一連の痴態は、すべて男に「見られて」いるのだ。男として平静ではいられまい。愛する男の興奮を粘膜でダイレクトに感じ取り、私は快感の階段の最後の一段に足をかける。
「はやく、はやくぅ、射精して、射精してぇ、私の、おしりに・・・アツイのいっぱい射精してぇぇぇぇッ」
「!」

私のお尻の中で肉棒がギクンと硬直し、そのまま萎えていく。
放出は、ない。
・・・この期に及んで焦らして来るとはアイツもうまくなったものだ。
だがこちらとしては堪ったものではない。もう少しでイけるところだったのにその直前で「おあずけ」なんてされたら、頭も心臓もアソコもどうにかなってしまう。
「なぁぁ、いじわるしないで、はやく、射精してくれ・・・」
蛇のように身をくねらせ、拘束を引き千切るように腕を暴れさせ、
「切ない・・・せつないんだ、あとほんのすこしでイけたのに・・・」
舌を伸ばして唇の周りの唾液を舐め取り、きゅっきゅっとアヌスを断続的に締め付け、
「おかしくなる、気が変になる・・・っ、だからはやく、はやくぅ・・・」
今迄で一番淫らに見えるように、私に注ぎこみたくてたまらなくなるように、雌としてねだった。
「アナタのその逞しいものでわたしのおしりずんずんしてェッ、いっぱいいっぱい溢れるぐらい精液注ぎ込んでおもいっきりイカせてェェェッ」
ずんっ。きゅうぅッ
「あッひぃぃぃぃぃぃぃぃッ」
腸が破れるぐらい激しく突かれた。腰の前後運動は激しいままに途切れる事無く続き、包皮を押しのけて立ち上がった敏感な肉豆を押し潰すように強く擦られる。
筒のようにしこり立った乳首をざらついた舌が乱暴に擦りたてる。
瞼裏に白い閃光が幾度も翻り、わたしの上下の口はパクパクと開閉し、はしたなく涎をダラダラと零し続ける。
114至高人:04/12/20 10:29:58 ID:H/Q5LfXp
「すっ、すごい、しゅごいぃ、いっちゃう、いっちゃうぅ・・・とまんない、とまんないよぉ、焦らされた分どこまでもイっちゃうぅぅ」
決壊する寸前まで高められた情欲に、それだけでも限界に達するほどの強力な刺激が重ねられ、わたしの理性は跡形も無く消し飛んだ。
「だめっ、ダメ、だめ駄目ダメらめらめぇ、もっ、もおらめぇぇぇッ。
ちょうだいちょうだいせーえきいっぱいわたしのおしりにどくどくいっぱいちょうだぁああいっッ」
「くっ、くはっ。待たせた分、たっぷり、射精すぞっ」
どぷっ、どぷぅっ、どぷぅぅッ
「!。!!。!!!。〜〜〜〜!!」
声すら出なかった。熱く激しく固体のようにたっぷりとしたものがアヌスに叩き込まれる感触に、わたしはただ仰け反ることしかできなかった。
注ぎ込まれている間中、全身の筋肉が悦楽に張り詰めてしまい、息をつく事すらかなわない。
それほどの絶頂だった。
どぷどぷどぷ・・・どぷっ
「〜〜〜・・・ふぅ」
「〜、〜、〜、・・・あぁ」
長い長い射精が終わり、彼の吐息を聞いて初めて、わたしは全身の力が抜けた。身体がぐんにゃりし、あたまがふわふわする。まるで宙を漂っているかのような心地良い余韻だった。
意識が白い闇の中へ堕ちていく、その時、

ぶつん

「ふぇ?ぇぇぇええ?」
腕を縛っていたツタが摩擦ですり切れ、わたしは本当に堕ちた。
115至高人:04/12/20 10:30:38 ID:H/Q5LfXp
ずるずる・・・どさっ

「あ、痛たたたた」
「だ、ダイジョブか?」
彼も虚脱していたらしく、あわてたような声が掛かる。
「もう、最後までしっかり支えてく・・・」
落下の衝撃で、目隠しが緩んでずれた。どんなものか忘れかけていた視界が広がる。
青い空、緑の森、愛しい男と、

ヒゲの中年の顔

「・・・」
声が出ない。中年を指差したままただパクパクと口が動く。
「あー、その、ヤってる途中でこのおっさんが出てきてびっくりして止めたんだけど」
苦い顔で歯切れ悪く男が説明する。
「お前があんまり過激にねだるから俺も止められなくなって、その」
そういえばこの中年に見覚えがある。武器を受け取りに言ったときに会った顔だ。
「どうしようか困ったらおっさんが左手で輪っか作って右手の指通すジェスチャーしてにやりと笑って後ろ向いて耳塞いだから」
ということは、もしかして・・・顔が赤くなる。
「そのまま最後までやっちゃいました。・・・焦らされたと思って、興奮、した?」
今までで一番いやらしいおねだりとめちゃくちゃに乱れてたところを他の人に見られてたワケ?!・・・顔の熱がゾクゾクと背骨を伝って胎内に溜まっていく。
「い、い・・・」
声が出ない。そんな私を見てオジサンはグッと親指を立ててにやりと笑い、
「お疲れさん」
「いやあああぁぁあぁぁあああっ、見ないでぇぇええぇぇええっ!!」
胎内の熱が爆発した。ぷしゃぷしゃと愛液を噴出しつつ、私の意識は真っ白になった。
116至高人―エピローグ―:04/12/20 10:32:19 ID:H/Q5LfXp
メエェェェ
メエェェェ

なだらかな草原に羊の鳴き声が響き渡る。ところどころに石や岩のある草原は標高2千メートルの高さにあり、空気はそれなりに薄く、ついでにかなり寒い。
夕暮れ時ともなればなおさらである。
羊毛のコートに身を包んだ男は白い息を吐きつつ、満足げに羊の群れを見つめていた。
「おうボウズ、今日も一日ご苦労さん。そろそろ帰るとしようや」
そんな男に親しげに声をかける中年が一人。耳こそ尖っているが、あまりにも「エルフらしくない」姿をしている。
一般的にエルフといえば『長身、痩躯、凛々しい』といった感があるが、男は身長150センチそこそこ、恰幅のよい胴回りは樽に似ていて、おまけに糸目で(若干下品に)微笑みっぱなしだった。
「ああ、おやっさん。そうですね」
クラウス=耳=ハミルトン
それはこの田舎風の気のいいおっさんのことあり、ついでに森の村で『獣』と呼ばれていた男の、エルフの村での後見人の名前である。
「しかしまあボウズ、おまえさん弓はド下手糞だったが、牧畜には才能あったなあ」
「これでも故郷では一番の狩人だったんですけどね」
エルフの身体能力―特に視力と聴力、運動性―は人間をはるかに凌ぐ。エルフの村での男の狩りの腕は、15の子供―半人前―とほぼ同等だった。
「今年生まれた羊、ほとんど生きてるしなあ。半分は死んじまうもんだと思ってたよ」
「ちょっとした工夫なんですけどね。うまく行って良かったですよ」
羊は元来臆病な動物である。ちょっとした物音でも散り散りに逃げていってしまう。
トラブル時は羊を「逃がさない」ために牧用犬や羊飼いが囲い込むようにして一箇所に固めるのがこれまでのやり方だった。
117至高人―エピローグ―:04/12/20 10:32:56 ID:H/Q5LfXp
「羊を『懐かせる』にしても今までじゃあ20頭がせいぜいだったからなあ」
「山羊のが頭いいし、根性ありますからね」
無論臆病な羊は、信頼する相手がいればそこに向かって駆け寄ってくる。しかし羊の信頼を得るのは並大抵ではない。一頭一頭手間暇かけて世話をすれば懐きもするが、
それは一度に飼える羊の数が制限されることも意味している。
だから、男は羊と一緒に山羊を飼った。山羊は羊と同じ飼育法が使え、羊ほど物に動じない。故に有事の際群れの「芯」として機能する。何かあったら羊は頼りがいのある「従兄弟」の周りに集まってくるというわけだ。
このやり方の適用で、男とクラウス二人で二百頭の群れを世話している。
「ま、こんだけの成果がだせりゃあ、胸はって嬢ちゃんの夫だって言えるぜ、俺が保障するよ」
「・・・初めは視線だけで穴が開くかって位ニラまれましたからねぇ」
「『期待の新人(イイ女)がオトコつきだった』となれば若い衆は獲物カッ攫われたと思うわなあ。・・・俺ンときもそうだったしなあ。」
うんうん、とうなずく人生の先達。
「いやホント、お前らを見てると若いころの俺らを思い出すよ。ラブラブなところとか。ニヒヒ」
「また一年前の話ですか?カンベンして下さいよ」
好色オヤヂその物の目線と声でからかうクラウスと、ひたすら照れる男。
「血相変えて『武器と鏑矢を用意してくれ』って嬢ちゃんが駆け込んできて一週間音沙汰なし。長が樹精に聞いても歯切れの悪い沈黙しか帰ってこない。
さすがに心配になって見に行ってみれば、いちゃいちゃいちゃいちゃしやがってまあ、ホント俺らの若いころみたいだったよ」
「え、あ、う。おやっさん、今だってハンナさんとらぶらぶじゃないですか。一ヶ月に一遍は『登山』行ってるし」
「おおよ、うちのカァちゃんは世界一の女だからな。手を出さないでいられるかい。それに外でスるのは気分がいいぞ。雄大な大自然、最高の女。これぞ命の洗濯ってモンよ」
「・・・それで次期村長になれなかったんでしょうに」
かっかっか、と大笑するクラウス。やれやれと男は首を振り、口笛を吹いて山羊と犬を呼ぶ。
118至高人―エピローグ―:04/12/20 10:34:12 ID:H/Q5LfXp
――エロオヤジそのものといったクラウスだが、実は先代村長から「ぜひ後継者に」と推挙されていた、村の有力者にして英雄である。
二十年前の戦争で義勇兵として出陣、野営地に夜襲をかけて士官多数を殺害、物資の大部分を炎上。結果敵は会戦時に右翼部隊を欠損。それにより戦力比逆転、中央部隊への包囲殲滅によりまさかの大敗を喫し、撤退。
その結果この地方の村々が炎上を免れた、という華々しい戦績を持つ。その功績として村長の娘を娶ったが、放心、妻とののべつ間もない淫行などといった乱行も目だった。
彼を変人として決定付けたのは「それでも当選確実」と言われた村長選出会議の日で、開始の時間になっても現われないクラウスを呼びにいった親友が「夏だと言うのに全身しもやけ」で臥せったクラウス・ハンナ夫妻を発見、
目を丸くする親友に「万年雪はきれいでいいぞー」と一言。・・・昼食後ふと思い立って夫婦で登山、そのまま雪の中で情交をなしてきたと言うのだ(ちなみに二人の局部、陰嚢、妻の尻穴の順で重症。雪の中で妻の尻に氷柱を押し込みつつ騎上位で交わったせいらしい)。
さすがにそこまでの奇行をなすヒトに村の長は任せられない、ということで彼は村長を落選(呼びにいった親友が村長拝命)、一種の名誉職である「相談役」を任されれることになったわけである。――

「俺がな、お前は俺に似てる、と思ったのはな」
「?」
クラウスは糸目を見開き、男の奥底を見通すように見つめた。
「あの時の、お前の目だよ。ありゃあ人を殺した奴の目だ」
「!」
男はエルフの村では詳しい話をしてはいない。ただ「彼女の夫だ、故郷は捨てた」とだけしか言っていない。
「しかもその殺しはやりたくてやった類のものじゃあない。何をやったらいいか分からず、ただそうすることしか思いつかなかったから殺した。
そいでもって、迷いとか後悔とかそういうモンで一杯になったあと、そいつを全部キレイに押し流した後に初めて出来る、透明な男の目だったよ」
「わかるん、ですか」
俺もそうだったしな。クラウスは小さく付け加えた。
119至高人―エピローグ―:04/12/20 10:34:49 ID:H/Q5LfXp
「それに村の『相談役』として、新入りのことについて調べないわけにもいくめぇ。南から来た奴については、樹精に聞けば丸分かりよ。若ぇのにずいぶんとヘビィな選択したもんだ。
それでいてそんなにも暢気でいられるのも、嬢ちゃんのおかげだろうな。
俺も、もしもカァちゃんがいなかったら、今頃おっ死んでるかマジモンの人殺しになってるよ。お前も多分そうだろ(こくん)。
・・・罪も後悔もやりきれなさも、みんな許してきれいに流してくれる。へっ、お互いイイ女を妻にしたモンだよ」
「はい」
万感の思いを込めて、男はうなづく。
「で、お前さんが捨ててきた故郷について、ちいっとばかし相談がある」
薄暗がりの向こうに、村の明かりが見えてきた。

「ただいま」
「おかえり、遅かったな」
家の戸を開ける。パチパチと爆ぜる暖炉の薪、妻の声。「家庭」のもつ暖かいぬくもりが男を出迎えた。
「ちょっとおやっさんと話し込んでね。悪ぃ」
「ふふん、その分じっくりシチューを煮込めた。今夜は自信作だ」
彼の愛する妻は得意げに胸を張る。その胸は一年前とさして変わっていなかったが、下腹部は大きくせり出していた。
120至高人―エピローグ―:04/12/20 10:35:22 ID:H/Q5LfXp
食卓に対面で座る。
じゃがいも、人参といった根野菜をぶつ切りにし、羊と山羊のミルクで煮込み、塩胡椒で味を調える。
焦げ付かないよう、野菜が煮崩れしないようにゆっくりとかき回しつつ、じっくりと弱火で長時間煮込むのがコツだ。
ライ麦、カラス麦を多分に混ぜた小麦のバケットに、これまた混ぜ合わせた羊山羊ミルクで作ったチーズフォンデュ。仕込んだ日によって味が毎回変わる。
素朴だが暖かい田舎料理が、食卓の上に広げられた。
ぐぅ・・・きゅるるるるるる
男の腹の虫を聞いて妻はクスリとわらい、
「では、食べるとしようか」
「いただきます」即答。
こうして夕食が始まった。

かちゃかちゃ「お、美味い」「(得意げに笑う)」「さすがに腕を上げたなあ」「(もっと褒めろ、とばかりに耳が動く)」
はぐはぐ「一年前はジャガイモも人参も丸ごと入ってたからなあ」「(ぴく)」「皮剥いたのって八ヶ月前からだっけ?」「(ぴくぴく)」
もぐもぐ「パンも外はカリカリで中はふんわりしてる」「(耳がちょっと落ち着く)」「ちょっと前まで消し炭みたいだったのに、すごい進歩だよ」「(ピク)」
ぱくぱく「ハンナさんの教え方がよかったんだろうな」「(ピクピク)」「でも」「(?)」
がつがつ「いつもご飯食べるたびに『結婚したんだなあ』って嬉しくなってたよ、それに加えて今日はとっても美味しい」「・・・」

「どした?なに赤くなってんの?」
「・・・ばか」
121至高人―エピローグ―:04/12/20 10:35:57 ID:H/Q5LfXp
食後―ちょっと前まではふたりして「あ〜ん」とかやっていたから結構食事に時間が掛かっていたが、最近はそうでも無い―椅子を隣り合わせに並べなおしてホットミルクなんぞを啜る。
そうして今日一日で何があったかを話し合う。

「わたしは家畜小屋の寝藁を取り替えたぐらいだな。お隣のハンナさん(36)と向かいのドロレスちゃん(10)が手伝ってくれたな」
「こっちは交易について非公式の打診があった」
「交易?」
男はクラウスの話した事を妻に語って聞かせた。

――今この村では、東の村に羊毛や毛皮を下ろし、代わりに穀物、野菜を受け取っている。
――今年はお前の改案のおかげで昨年以上に羊毛が取れそうだ。手すきの人間が増えた分、狩りの獲物も多い。
――しかし東の村の生産量は去年と変わっていない。
――となるといわゆる「過剰供給」に陥るわけだ。
――だからここは新たに南にある森の村との取引を始める必要がありそうだ。
――至高人でもないのに樹精に連絡を貰っている事と、一年かけてこの村の信頼を勝ち取ったことから、お前には人徳があると言える。
――お前の古傷を抉る事になるかもしれないが、
――その際の交渉役をおまえに任せられないか?

「だそうだ」
語り終えた夫を見る妻の目は厳しい。
122至高人―エピローグ―:04/12/20 10:36:35 ID:H/Q5LfXp
「で、お前はなんと答えた?」
「『とりあえず妻とよく相談してみます』と」
その答えを聞いて妻はほーっと長く息を吐いた。
「それで、お前はどうしたいんだ」
「俺は、やってみたいと思う」
妻の目がまた厳しくなった。
「森の村にはたいした特産品は無く、農作物も余っているとは思えないが」
「”街”との中間地点として機能してもらうさ」
「他の誰かにまかせられないか」
「エルフの皆は”街”の人間が嫌いだからね。・・・戦争のせいでさ」
「理由があったとはいえ、お前はあの村では殺人者だ。歓迎されるとは限らないぞ。遺族の感情も逆撫でするだろう」
「だからこそ、俺が償わないといけないと思う。樹精達から聞いただろ、今、アイツが老け込んじまった村長の代理として村をまとめてるって。
『臆病でよわっちくてかった者として、言いたい事も思うように言えない弱い人の立場にたってモノを考えることが出来る。
どこまでも搾取され続けた身の上だからこそ、歪んだ強者が何故搾取に走るのかを汲み取ることが出来る。
失った信頼を必死に取り返したからこそ、人の過ちを許すことが出来る』
基本的にえっちにしか興味がない「あの」樹精達がこんなに褒めるぐらいアイツが頑張っているんだ。
・・・力が足りなくて、俺は二度、アイツを助けられなかった。
でも今はしてやれることがある。「妹」を見捨てるような真似はしたくないんだよ」
妻の質問に夫が淀みなく答える。そのたびに妻の耳は角度を増して行き、瞳は不安げに揺れていく。
それに気付かず、夫は語り続ける。
123至高人―エピローグ―:04/12/20 10:38:49 ID:H/Q5LfXp
「それにさっき言ったように「俺が」やってみたいんだ。なんと言っても俺の故郷だしね。可能なら豊かな村になって欲しいと思う。
あそこ今は良くまとまってるみたいだけど、生産力が足りてないし、樹精たちが言うには今年の冬は厳しくなるそうじゃないか。
質のいい羊毛がたくさんあれば、防寒具にも交易品にも役に立つと思う。
村の知名度が上がれば人も集まりやすくなるだろうし、うまくいけばこのエルフの村以東の村々と”街”とだって仲直りできるかもしれない」
男の目は遠くを見、口は夢を語っている。その様は楽しげというか、やり甲斐、生き甲斐を見つけたと言うように輝いている。
それを見た妻の目線は床へと落ち、耳は力なく垂れていった。
「そしてお前はまた、あの娘に会うのだな」
「ああ、アイツなら話が通りやすいだろうし。・・・どした?」
「いや、お前を少し、遠くに感じて、な」
ぽつぽつと妻は夫に語りかける。
「今、お前の目はどこか遠くを見ていた。隣に私がいるのに、な。
今のお前には技術がある、それに基づく信頼もある。
あの時みたいに、わたしがあれこれと世話を焼かなくても、きちんとやっていけるという事だ。それが少しさびしい。
もし、このままお前が遠くに行ってしまったら、そこでお前を好いていた、今は村長代理のあの娘に、村の恩人として再会したらと思うと、不安になってな。
・・・ダメだなわたしは。妻ならば夫を信じなければいけないのに、こんなにも心が乱れている。わたしは弱くなった・・・」
そういって妻は隣にいる夫の肩に顔を埋めた。
その小刻みに震える肩を右腕でそっと抱き、夫は妻に問う。
「つまり浮気が心配だ、と」
こくり。うなずきだけで、妻は答える。
124至高人―エピローグ―:04/12/20 10:46:36 ID:H/Q5LfXp
夫は空いた左の掌を妻の下腹部に当て、ゆっくりと撫で擦りながら語りかけた。
「聞いてよマイベビー、お前のママはパパのこと信用してくんないんだよ〜よよよ」
真剣な告白に対するおちゃらけた態度に、妻の頭に血が上った。
「生まれてもいない我が子に泣き付くなっ」
きっと睨む視線が、やさしい微笑みに絡まった。怒りが矛先を逸らされ、たじろぐ妻。
「なあ」

語りかける男の声は、あくまで優しい。なだめるように妻の腹をやさしく擦りながら、ゆっくりと語り始めた。
「俺は確かに強くなったよ。一年前のようにお前に泣き付いたりしなくなったし、技とか信頼とか、そういうものも身についてきた。
そうなれるよう意識してがんばってきた。それは何のためだと思う?
お前に釣り合うような男になりたかったからだよ。あの日、支えて、守ってくれたお前を今度は俺が守ってやりたい、一緒に支えあって生きていく対等のパートナーになりたかったからなんだ。」
妻の目が大きく見開かれ、じわり、と涙が浮かんだ。
「この子ができたって分かった時からはさらにがんばったね。俺のオヤジは俺の誇りだった。小さかったころは『俺は村一番の狩人の息子なんだ』っていうのがおれのたった一つの誇りだったんだ。
ロクに獲物が取れなくてハラ空かしてた時も、オヤジが死んだときも、そのこと考えてたからなんとか乗り切れた。
この子が産まれたとき、誇りに思えるような立派な父親でありたい。だからやれることはしっかりとやり遂げたいんだ。
お前とこの子は、俺の人生の目標なんだよ。だから・・・いてくれないと、困る」
最後のほうはさすがに照れが入ったのか、頬を赤くして、そっぽを向きながら男は言った。
そんな夫の胸に、妻は抱きついてしゃくりあげた。
「・・・・・・わたしはバカな女だな。すぐ隣にいる、一番大切な人の気持ちすら見えていなかった」
「いやまあ、女の人は妊娠中情緒不安定になるっておやっさんも言ってたし。・・・不安にさせて、わるかったな」
125至高人―エピローグ―:04/12/20 10:47:26 ID:H/Q5LfXp
嗚咽を漏らす妻の頭をよしよしと撫でつつ、夫は続ける。
「お前を不安にさせると、俺が死ぬし。・・・妊娠一ヶ月目の悪夢の再来はなんとしても避けねば」
「あれはお前が全面的に悪かった!あの時はホントに不安だったんだぞ!」
目尻に涙を残しつつも、妻は顔を上げて反論する。
「夕食が終わったらソワソワと外に出かけて、三十分ぐらいしたら妙にすっきりとした顔で帰ってくる!それを一週間も繰り返されてみろ。
わたしは、ほんとに、自分の女としての魅力を、心の底から、疑ってしまったんだからな!」
「妊娠初期の妻に余計な負担をかけないように、外に出て妻の艶姿を回想してヌいてた、夫の健気な気遣いじゃないか」
「結婚して半年もしないで浮気なんてするようなダメ男に引っかかったかと思ってやりきれなくなったぞ!」
「だからって、帰ってくると同時に弓引いて、心臓狙って、座りきった目と地獄の底から響くような声で『相手は誰だ』はないだろーに。心臓止まるかと思ったわ!」
さっきの弱気は何処へやら、犬も食わないやり取りが開始される。その間も夫は妻の腹を擦り続けていた。
「それに加えて『お前のえっちな姿思い出してヌいてました』っていったらお前なんていった?『そんなもったいない事するな!わたしに一滴残らず飲ませろ!』
とかハズカシイセリフ大声で叫んだときには別の意味で心臓止まりかけたぞこのエロフ!」
さすさす
「なっ、それもこれもお前が毎晩のように、わたしにあんなことやこんなことやそんなことまでを、じっくりたっぷり気を失うまで繰り返しておきながら、
ある日いきなりぱったりやめたからだろうが!責任取れヘンタイ!」
さすさす
「なあ、おまえの母ちゃんスゲエ無茶苦茶言いやんの。間違ってもこういうところ似るなよ」
さすりさすり
「だ・か・ら、産まれてもいない我が子に泣き付くなと言ってるだろう、にぃっ」
さすりさすり・・・くちゅ
妻の腹を擦る夫の手は徐々に下へと移動しており、とうとう下着の隙間にもぐり、会陰へと到着していた。
「今までのやり取りで、もう濡れてるようなマジモンのエロフが言い訳しない」
「そのやり取りの最中に、えっちなイタズラ仕掛けるお前こそ紛う事無き変態であろうに」
126至高人―エピローグ―:04/12/20 10:48:01 ID:H/Q5LfXp
妻は(頬を上気させつつ)「ふふーん」と夫を見下ろす。
夫は(濡れた指先を舐めながら)「へっ」と妻をねめつけた。
このやり取りはジャンケンでいう「最初はグー」にあたる。
くわっ
「純情ぶりっ子真性エロフ!」
「アナルマニア大吟醸!」
夫赤面、妻勝利、通算成績五勝七敗十三分けで妻優勢。
第三者には理解し難いが、これがこの夫婦のコミュニケーションらしい。
結論:二人とも変だ。
「と言うわけで今夜はわたしが仕切る」
「ああ、また今夜も「愛してるー」とか大声で叫ばされながら妻の眼前でオナニーさせられたり、ナニの根元と四肢をぎっちり縛られながら一時間ぐらい騎上位で責められ続けたりするのね」
「・・・夕食をはだかエプロンで作らせて後ろから襲い掛かったり、あえておなかの掃除をさせずに後ろに入れる事を要求する男が純情ぶるな」
・・・二人して相当過激なことをヤッてます。
結論追記:二人ともいろきちがい。
ぶちぶちと言い続ける夫に、妻は微笑みかけた。
「でもまずは、優しくキスしてほしい・・・」
そういって頬を染めて目をつぶる妻に、夫はどきどきしながら唇を寄せ・・・





ガチャ
「おむかいのおねえさーん、おにいさーん、おふろあいたよー」
ほかほかと湯気を立てる向かいの家の少女の乱入に、赤面して離れた。
127至高人―エピローグ―:04/12/20 10:49:20 ID:H/Q5LfXp
傍に川や湖の無い村では、生活用水は井戸に頼っている。例外は風呂だ。
温泉、より正確には冷泉が村の比較的近くに湧いていたため、引いてきたそれを入浴に使っている(不純物が多いため、飲泉にはあまり向かなかった)。
風呂、とはいっても水量の問題があるため、熱した石に水をかけて湯気を出す、蒸し風呂の形式をとっている。三,四軒に一つづつ風呂棟を設け、交代で管理していた。
「後から行く、先に入っていてくれ」という妻を残し、男は一足先に風呂に着いた。ちなみに今日は最後の組だ。
室内は四畳ほどの大きさで、冷泉の流れと桶、炉とその上部の石と湯沸し用の鍋があり、芳しい木の匂いに満ちていた。
入室前に石を熱する炉に薪をまとめて放り込み、中に入ったら冷泉を掬って焼けた石にかける。じゅううぅ・・・と音を立てて湯気が室内を満たし、瞬く間に男は大量の汗を噴いた。
備え付けの白樺の枝を取り、浮き出た垢を叩いて落とす。ある程度垢を落としたところで湯を被って洗い流す。
そうこうするうちに妻がやってきた。
スラリとした長い足、下腹部の薄い陰り、妊娠線の浮き出た腹と、ほんの少しだけ大きくなった胸。その上の顔は目元をほんのりと赤く染め、長くしなやかな髪はそのすべてを恥らうように覆い隠していた。
「背中を流そう」
そういうと妻は固く絞ったタオルで丁寧に、力を込めて夫の背中をぬぐう。それは男がいつもやってもらっていることなのに、なんだか今日は妙にくすぐったい。
照れ臭さに耐えていると、背後から暖かくて柔らかいものが覆いかぶさってきた。
「おおきいな。おまえの背中は」
妻は夫の背に顔を寄せ、いとおしそうにほお擦りをする。陽だまりの猫のような表情だった。
「なんか今日はずいぶん甘えてくるじゃないか」
「そういう気分なんだよ」
湯気と流れる汗と鼓動だけが時を刻む時間。はたして五分か、十分か。
「今度は俺が背中を流すよ」
優しい沈黙に耐えかねたように夫は妻をそっと振り払い、彼女の身体を洗う。
妊婦に白樺はさすがにまずいので、タオルを使い丁寧にぬぐう。
128至高人―エピローグ―:04/12/20 10:50:01 ID:H/Q5LfXp
首筋、脇、胸、背中、力を入れすぎないようにして腹、尻、股間、足。
雰囲気が雰囲気なので男はエッチないたずらを仕掛けることはしない。と言うかできない。ふざけるてみせるにはあまりにもこの空気は優しすぎる。
だからただ、丁寧に妻の身体を洗った。
それでも妻は夫の手が敏感な部分を擦るたびに、ああ、ああっと小さく声を漏らす。湯気のせいだけでなく、頭に霞が掛かる。
「なぁ・・・」
「?」
身の内から溢れ出る何かに突き動かされるように、妻は夫に語りかける。
「その、まだ・・・キスしてもらってないんだが・・・」
桜色に上気した顔で、夢の中にいるような蕩けた声で、女は男に口付けをねだる。それは男の中の「なにか」を綺麗に打ち抜いた。
「は・・・むっ、ちゅっ、ん、んむっ」
気がつくと男は女を抱きしめ、唇を重ねていた。
やわらかい口唇と、あたたかい舌と、甘美な唾液が男をくすぐる。
不思議と獣欲は起き上がってこなかった。
身体を奪いたいのでも、快感を汲み取りたいのでも、思うが侭に自己を叩き付けたいのとも違う、不思議な欲求。
強いて言うなら、包み込みたい、であろうか。
「それ」に突き動かされるように、夫は妻の舌を優しく舐る。普段は遮二無二快感を貪り合おうとする妻は、ただ黙って舌を受け入れていた。
交歓のあいだに溜まった唾液を流し込む。それをコクコクと飲み下し、妻はほうっとため息をついた。
「続きはベッドで」
耳に口を寄せて囁く。言葉と一緒に吹き込まれた吐息にゾクゾクと身を震わせつつ、妻がうなずいた。

サウナ風呂でいちゃついてはならない。下手をすると脱水症状で命にかかわるのだ。
・・・同じ間違いを二度繰り返すことを「間抜け」というのだ。たしか。
129至高人―エピローグ―:04/12/20 10:50:35 ID:H/Q5LfXp
風呂の熱気と興奮を逃がさないようにして寝室に入る。ダブルベッドしかない部屋だ。
何も言わずに妻はベッドの縁に夫を座らせ、足の間に跪いた。
半立ちの肉棒を取り出し、いとおしそうに頬擦りをする。
「いっぱい、きもちよくしてあげる」
そういって、行為を開始した。
先端にちゅっと口付けし、亀頭部を含んでねっとりと舌で舐め転がす。刺激に反応して肉茎がそそり立ったところで唇を離し、舌を伸ばして全体をチロチロと嘗め回す。
「は、あん、あむっ、ちゅっ、れろ・・・はぁん・・・はむっ」
鈴口から付け根までまんべんなく唾液に塗れ、明かりを反射しててらてらと濡れ光る男根を、横笛でも吹くようにして甘噛みする。その間、抑えきれない快感の呻きが悩ましいメロディーとなって部屋を満たしていく。
その間細くてしなやかな指は下にぶら下がっている陰嚢を優しく揉みほぐし、じわじわと快感の水位を高めていく。
「ん、ふうぅっ、ああ、すごく、おおきくなってきた・・・」
はあ、はあ、はあ、はあ・・・
熱に浮かされたような妻のつぶやきに、夫の吐息が答える。不思議なのは、そこにはかすれたような響きが全くないことだった。

――普段の性交は、一言で言えばもっと荒々しい。例えるならば、理性を火にくべ、燃やし尽くして出来た隙間を欲情で満たす、と言った感じである。
しかし今の二人は、意識も理性もはっきりしたまま快感だけを高めていた。
粘膜の接触の仕方も普通と違う。いつもの妻の行為は快感を高めるための「愛撫」の趣が強く出るが、今の行為はひどく遠回りである。
男の性感をあおり、快感を引き出し、少しでも早く性交に至ろうとするのならば、感じるポイントだけを的確に突き、もっと鋭く昂ぶらせることが出来る。それだけの技術と経験、相性が彼女と男の間にはある。
それに対して今の行為はまるで快感など二次的なものに過ぎないと言わんばかりだ。少しでも多くの種類の行為を行い、夫に愉しんでもらおうとするような妻の気遣いがある。
あえて一言で表現するならば「奉仕」と呼ぶことができる――
130至高人―エピローグ―:04/12/20 10:51:20 ID:H/Q5LfXp
しゅる、にゅ、にゅる、ぬるっ、にゅるる・・・
はむっ、はくっ、れろ、ちゅ、ちゅうぅぅぅ
「はぁっ、あをっ、く、くぅぅっ」
先ほどとは手と舌の位置を切り替えて、妻の奉仕は続く。陰嚢を含み、内部の睾丸を唇で捕らえ、舌を一杯に使って口内で転がす。右、左、右、左と見せかけて右。
その間左手は大きく傘を張った亀頭を撫で、時折そのひとさし指で鈴口をくすぐる。陰嚢と男根への快感は先走りの液となってジクジクとしみ出し続け、いまや隆々とそそり立った男根を伝い流れ落ちていく。
その粘液を先ほどの唾液と絡めつつ、右手は大きくリズミカルに茎を扱いてゆく。にちゃにちゃという情欲をそそる音が大きくなっていき、妻の手はべたべたした混合液でドロドロになっていた。
それでもなお、まだ足りない、もっと感じて欲しいというかのように、妻の奉仕は止まらなかった。

「ん、んむっ、ぷはっ」
「うぅっ」
しばらく時がたち、陰嚢までが淫液で濡れ光るころになって、妻はまた唇を離す。夫は射精のタイミングをずらされ、残念そうなため息をついた。
その響きにクスリと妻は小さく微笑み、大きく口を開けると、男根を一気に飲み込んでいく。
ずぬぬぬぬっ、んくっ、んくん・・・
「あぁ、すごい、気持ちいいよ・・・」
「ふっ、ふふっ」
感極まって男は妻の髪を撫でる。しっとりと湿った金髪は男の指に柔らかく絡み、妻はその感触に目を細めて笑った。
口唇が男根の付け根にぴったりと触れる。
ちゅうううぅぅ、ちゅぼっ、ちゅばっ
白い頬がへこむほど強く吸い、そのまま頭を激しく上下させる。力を入れた舌は裏筋を押さえつけるように舐め、喉奥を子宮口に見立てて亀頭を締め上げる。
情熱的なディープスロートだった。
131至高人―エピローグ―:04/12/20 10:51:58 ID:H/Q5LfXp
「うっ、くうっ、くおぉぉぉッ」
「ふっ、ふっ、ふっ、ふぅっ、んぐうぅぅぅうぅ」
とろ火で炙られ続けるようなねっとりとした奉仕から一転した情熱的な口腔内性交に激しい快感に、夫は身を仰け反らせ、妻の髪を両手で掻き混ぜるようにして答えた。
射精を堪えるためではない。あまりに激しすぎる快感に身体が思うように動かず、全身の筋肉を無秩序に震わせるのが精一杯だったのだ。
放出という限界点を見失った快感は、天井知らずに高まっていく。どこまども、どこまでも・・・。
いっそさっさと出してしまって楽になりたい、とすら男は思ったほどだ。
「たぁっ、頼む、気持ち良過ぎてかえって、キツい・・・もう、もう、射精させて、くッ・・・れ・・・」
ちゅぽん
妻の唇がそそり立った肉棒から音を立てて離れ、唾液と先走りの混合液がパタパタとシーツに散らばる。限界まで膨張しきった肉棒が、ピン!と音を立てたかのように撥ねた。
「あ、うう、あおうぅぅおぉ・・・」
「何を言っているのか、わかんないぞ」
目の前が真っ赤に染まるような快感の鮮烈な刺激に、夫はただただ呻くばかりだ。そんな最愛の人の醜態に、妻はただ微笑んでからかう。そして、
「さあ、立って、わたしの後ろに回って・・・」
囁くように、夫を促した。
132至高人―エピローグ―:04/12/20 10:52:31 ID:H/Q5LfXp
ベッド、妻、夫。
東の窓から見て、三者の位置関係はこのように変化した。
良く乾かした、日向の匂いのする干草の敷布に、妻はうつぶせに上体を預ける。
そのまま膝を伸ばし、尻を高く持ち上げた。
「はあぁっ、わたしを、見て・・・」
そのまま両手で双臀を割り開き、前後の粘膜をさらけ出した。
長く、情熱的な口奉仕に昂ぶったのは夫だけではない。トロトロと粘液を垂れ流し、ヒクヒクと小刻みに開閉する前後の淫口は、上の口にも増して雄弁だった。
「あのときみたいに、いつもみたいに、わたしを感じて、確かめさせて・・・」
血の昇り切った夫の頭に、妻の囁き声が染み込んでくる。「冷静な判断」から最も遠い桃源郷に逝ってしまっている夫は、操り人形のようにそれに従った。
妻の細腰を、両手でしっかりと掴む。
ずぷぷぷぷぷぷっ
そのまま、己自身を濡れそぼった穴へと押し込んだ。
「んはあああぁぁぁぁ」
深く、満足げな女の嬌声が、まるで肉棒に押し出されるかように部屋に満ちた。
133至高人―エピローグ―:04/12/20 10:53:20 ID:H/Q5LfXp
ドクン
下方からせり上がってきた鼓動と共に、男の意識が現実に返ってきた。
幾度となく衝き立て、擦り、引き抜いて、注ぎこんだ女肉の感触が肉棒を包んでいる。無意識のうちに突き立てた場所は、
アヌス、だった。
妻の口により理性を失い、肉穴により現実に立ち返る己。
ああ、男は感嘆した。そして二つの事実をはっきりと悟った。
もしも自分が単なる生物として、雄として行動していたなら、突き込んだのは秘唇の方だっただろう。それが本能というものだ。
だが、彼女は妊娠している。そこに挿入していたら、母体と愛児、両方を損なっていたかもしれない。
しかし、そうはならなかった。
やはり自分は、骨の髄まで、寝ても醒めても彼女の夫なんだ、ということと、最愛の妻もまた、今自分の腕の中でそれを確認しているところだ、ということだ。
その確認を、最近少しばかり疎かにしすぎていたようだ。
どんな思いも、きちんと形にしなければ伝わることはない。
ならば、自分の思いの丈をきっちりと形にして、最愛の人に届けよう。
その想いから、夫は律動を開始する。
ずずずずずずずず、じゅぷぷぷぷぷぷぷ
「ふ、んんんンンン、はあぁぁぁああぁ」
ゆっくりと、力強く挿抜を開始する男根に、こなれ、火照り、ぬかるみきった尻穴は情熱的に答えた。
進入時は締め付けを緩め迎え入れ、退出時はぴったりと張り付いて離そうとしない。時折上下、左右に振られては肉棒を刺激する。
この一年で幾度となく繰り返されてきた行為だった。
大粒の汗が混じりあい、全身を紅潮させて喘ぐ。
何時しか夫の手は、地に引かれて若干量を増した妻の胸へと伸びていた。
そのまま揉み解す。
134至高人―エピローグ―:04/12/20 10:54:07 ID:H/Q5LfXp
ぴゅっ、ぴゅっ
「はぁああぁっ、おっぱい、吹き出して、るぅ」
母乳は夫の両手に溜まってゆく。その白い液体に塗れた左手を自らの口に、右手を妻の口に運ぶ
ぴちゃ、ぺちゃ、ぴちゃ
「ふっ、ふむぅううぅぅ、あむ、あん」
乳腺の働きによって変質した血液は、濃密な味を舌に伝えてくる。
命の味がした。
「ふふふ」
妻は夫の指をしゃぶりながら、幸せそうに笑った。
「わたしはお前によって女になり、恋をし、妻となり、嫉妬し、そして母になるのだな。・・・日々変化の繰り返しだ。」
交歓を交わしながら、しばし過去に思いを馳せる妻。そんな妻をじっと見詰める夫。

良く見ると、妻の肌を若干荒れていた。手には主婦の現実アカギレも目立つ。
夫自身も日々獣糞に塗れ、日差しに焼かれている身だ。
毎日の暮らしの中で、少しずついろいろなものが削られている。
疲労、苦痛、不安。
気楽さとはほど遠いものが、森の中ではなかったものがここには満ち溢れている。
にもかかわらず、こんなにも幸せなのは何故だろう。
尻穴で逞しい律動を受け止めつつ、次第に白くなってゆく意識の中で妻は自問した。
135至高人―エピローグ―:04/12/20 10:54:42 ID:H/Q5LfXp
光合成のかなわぬ身は日々の糧を求めて忙しく働かねばならず、有限のこの身はやがては老いて死ぬ。
耳を噛まれつつ、身を仰け反らせる。
でも、だからこそ、そう、だからこそ、
洗いざらしのシーツに顔を押し付け、涎と「あっ、あっ」と言う喘ぎを漏らしながら、
こんなにも「生きている」と言うことを感じられる。
ビクビクと体内で暴れ始めた肉棒を感じながら、
共に苦しみ、身を削る伴侶を、愛しい、と感じられる。
その胸のうちを言葉にして伝えた。

「射精して、わたしのなかを、貴方のでいっぱいにして」

口奉仕から今まで、夫の精巣で溜め込まれ続けていた精液が妻の尻穴へと注がれてゆく。
どくっ、どくどくどくどくどく・・・
「あぁ、あったかいのが、すごく、たくさん、いっぱい、はいってく、るぅ」
長い、長い射精だった。その精液を、入浴前にキレイにされた腸内は際限なく飲み込んでゆく。男根を受け入れる菊座は肉棒にぴったりと吸い付いており、内容物を一滴もこぼそうとはしない。
一刹那ごとに腸内を満たしてくる白濁の感触に、妻のピンと仰け反った背中は小刻みに震え、眼裏は白い霧の覆われてゆく。
「あっあっあっあっあっあっあっあっあっ・・・あぁぁ」
最後の脈動が途切れ、夫の輸精管の中身が注ぎ終わったときに、妻は絶頂の中で気を失った。
136至高人―エピローグ―:04/12/20 10:55:34 ID:H/Q5LfXp
ぐったりとなった妻の身体を両手で支え、夫は男根を引き抜いた。コルク栓を抜くような音と共に結合は解かれ、注ぎ込んだ精液がこぽこぽと際限なく流れ出してゆく。
夫はそんな妻の身体をベッドに優しく横たえ、溢れ出す精液をぬぐい続けた。
敏感になった粘膜をやわやわと撫でられ続ける感触に、やがて妻は目を覚ます。
「おはよう」
「あ、えあ、う」
夫の挨拶と行為に妻は赤面したが、力を抜いて最後まで身を任せた。溢れ出す物が無くなり、妻をきれいにし終えた夫も寝台にもぐりこんだ。
「今日も、良かった。たまには優しくするのも、その、いいな」
「命の洗濯、と言う言葉の意味が分かったよ」
夫の腕を枕に交わされる睦言。ひどく満ち足りた気だるさが眠気を誘う。
「なあ」
その感覚に抗い、妻が語りかける。
「わたしは、もう反対しない、好きにやれ」
「いいのか」
こくりとうなづく妻の目線はあくまで優しい。
「いろいろ分かった。シてる時のお前は無口だったけど、言葉よりたくさんのものが伝わった気がする」
「そうか」
137至高人―エピローグ―:04/12/20 10:56:09 ID:H/Q5LfXp
「もしかしたら単に欲求不満が解消されただけかもしれない。でも、なんでお前とするのがこんなに気持ちいいのか、そこまで考えたら答えは明白だった。」
「・・・そうか」
「それに、浮気を気にしてメソメソするより、お前の気持ちをわたしで釘付けにするほうが前向きだしな」
「ソウデスカ」
「お前が自分の望みのために生き、わたしもわたしの望みのために生きる。目線が違うところを見ていても、手を繋いで、寄り添って、確認して・・・」
「そうだよな、だって俺たち」
「夫婦だからな」
二人は顔を見合わせて笑いあった。
「あ、今、この子がぴくんって動いた・・・」
「名前、考えなきゃなあ」
男だったら、女だったら。ああでもないこうでもないと語り合ううちに、言葉は何時しか寝息へと代わっていた。
「・・・んぅ、愛してる・・・」
「・・・すー、わたしもだ・・・」

この日から三日後、男はエルフの村の代理人として森の村に赴き、
一月後、彼らの家は新たな家族を迎えることとなる。

至高人 終
138ながいあとがき:04/12/20 10:58:25 ID:H/Q5LfXp
読了お疲れ様でした。なんか途中スゲェ間が空きましたが、森精完結です。テキストトータル170kb分、お付き合いいただきありがとうございました。
持論ですが、「幸せな人生」というやつは分数の形で表現できると思います
分子(かなった欲求の数)/分母(願った欲求の数)
な感じ。欲求、というと煩悩むき出しなネガティブイメージが付きまといますが、「立派な人になりたい」「人に役立つことをしたい」とかもトーゼン含んでます。
その理想形である「=1」になる形のパターンを考えてみました。
分母を削る樹精式、分子を増やそうとする至高人式。
前者は人間では不可能(文明が進んでコンビニとかできてもダメです。システムを形成するのはやっぱりヒトですから)で、後者は決して1にはなりません。
どっちも不完全だけど、他の「生き方」思いつけませんでした(人外少女とエロる話では)。読んだ方は、どっちがマシだと思いますか。
この後この地方は毛織物産業の中心地として発達します。若干時代が下り、森の村の誰かさんが明礬を発見し、東の村では染料用の花とか栽培されます。交易路の発達により一番得をするのは樹精達でしょう。品定めが容易になりますから。
エロシーンはおかげさまで好評をいただけました。感謝です。いちおうルート分岐で対になるようにしてみました(尻とか尿とか)。
ただ、至高人ルートには明らかな欠点が有ります。それは「人外である必然性がない」こと。
はじめは「耳コキ」で「あはぁぁあ、わたしの耳で気持ちよくなってるのが分かるの・・・あっ、でてる、熱いのが耳の穴にびゅくびゅくって、ひうっ、あたまのナカ、ちょくせつ犯されてるみたひなのぉ」
とか考えてたんですが、「耳で擦って(お互い)気持ちいいのか?需要なさそう」とカット。
変更といえば最後の一回も「あひぃぃぃィッ、アナタにお尻犯されて、おなかの中でこの子が動いて、二人がかりでイかされちゃうぅ、おっぱいびゅくびゅく吹きながらいっちゃうのぉ」とかハードにいくのも考えたんですが、
ルート対比で変更。ハード派の方スイマセンデシタ。
あと、せめてメインの二人に名前つけとくべきでしたねやっぱり。
次はなんかこう、ただえろいだけの話とかやってみたいです。一穴二刺とか、器具姦とか、公開羞恥とか、多人数和姦とかは出せませんでしたしね。
139ながいあとがき:04/12/20 10:59:03 ID:H/Q5LfXp
もしも可能なら、某スレの3ー17○氏の前連載作の風呂場4(ぴー)シーンとかゲリラちっくにジャックして書いてみたい・・・デス
そのうち正式に申し込みに行く予定ですが、どうか氏がシャレの分かる人でありますように(南無南無)。

以下はツッコミへのレスです。
・下手人逃げて少女の立つ瀬は?
1、死体は嫌われ者である。2、少女は被害者を主張 3、彼女に下手なチョッカイかけると命が危ない(見せしめ効果) 4、男社会陪審員制は若い女性に有利
で「とりあえずの」安全は確保できます。その後、彼女は頑張って信頼を再度築きあげました。ちなみに村長の息子が彼女に渡していた薬が実はプラシーボの咳止めで、浣腸液のがよっぽど高価だった・・・というのは黒いデスカ?
・主人公DQN
これは想定どおり。作中でもちょっと書いたように、登場人物皆ちょっとダメ人間です。そっちのが手軽に話が作れます。でも、ダメ人間かどうかと言うことより、そこからどう変わっていくか、なにが原因なのかを解析するほうが大切ではないでしょうか?
性格って環境によって決められる面大きいですしね・・・
・主人公獣人
劣性遺伝で持ってるでしょうね。でも、獣化しないという事は、人間遺伝子優勢です(メンデルの遺伝の法則レベルの知識です)。
・『弓はHighlanderのたしなみ、情はDryadのたしなみだ。』は背反二者択一ではなく、比率として考えてください。樹精になると森精時より運動性が落ちるって事で(エルフになると上がります)。
・幼馴染ルートは?
ないですごめんなさいいんすぴれーしょんわきません。登場も伝聞だけ。コロンボのカミさんばりのカゲッぷりです。
前>279氏にでも期待してください。
140ながいあとがき:04/12/20 10:59:46 ID:H/Q5LfXp
>ムカデ姫の方
 ムカデは唾に弱いってそういうことだったのですか!慧眼です。さくっと読める短編で楽しませて頂きました。ネタが浮かんだらまた書いてくださいね。
 阿呆毛=アホ毛って珍宝or珍棒=チンポ的な言語変遷みたいでいいと思いますよ。
>シュレの方
 マッサージイイ(おっさん臭くてスイマセン)!あとハーレム状態が相変わらず冴えてます。多人数和姦・・・練習すべき課題だ、とか思ってます。
>マボの方
 TRPGネタ通じる方キター!個人的に大収穫です。あよ、キレのいい一言をさらっと言ってくれる前>523氏もいい味でした。
ちなみに「汝の欲することを成せ」のおおもとネタはアレイスター・クロウリーです。
なんのことかよーわからん!と言う方はここがヒントですw(SWもロードスも知らない人はさすがにいないか)
ttp://maru.boo.jp/text-s/for_adult/lodoss.html

>鬼ネタ
 いっそ年末企画でコンペにするw
141裏設定:04/12/20 11:04:18 ID:H/Q5LfXp
至高人
・樹精が希モチーフだったんで至高人は繭美・・・に似てないです。アナルっ娘なところだけです。
・アドバンスドウィザードリィRPG(ログアウト冒険文庫)のドローエルフにインスパイアされてみました。
・至高人は初めは「こうちじん」にするはずだったのですが「高知人」と一発変換されたので萎えて変更。B級映画「ハイランダー」とかハイヤーグランド(BGCアガルタ)とかが頭にあったっぽい。
・寿命は60年ぐらい(人間と変わらず)。同種、他種と交配可。生涯出生率は2人ぐらい。低いです。その分、数をこなして補おうとする傾向あり。
・エルフ村はアルム山のおじいさんの家(アルプスの少女ハイジ)みたいなイメージで。牧畜法はシートン動物記の狼王ロボが原型です。
・せっかくなのでエルフ=高地人、森精から変化したの(ハイ・エルフ?)を至高人と呼ぶことにしてみたり。
 至高人は基礎能力と性欲が三割り増しで、樹精に妄想電波を発信できます(受信はどの種族でもできます)。
 たまーに「先祖がえり至高人」も産まれたりします。
・一夫一婦制、貞操観念強し、離婚なんてもってのほか、浮気は即シケイです。その分未亡人とか凄そう。

その他
・二十年前の戦争=北の某国(人族中心)が取ったロシアばりの南下政策+アメリカ大陸を「発見」した清教徒のノリで発生。曰く
 「雪と氷に閉じ込められてきた諸君、我々の苦難の日々はこの肥沃な大地によって報われる!飢えることも凍えることも無い生活をわれらの手に、ジーク・ジ○ン!」な感じ。
 その勢いで「マミヤさんの村を襲うモヒカンバイク軍団」ちっくにやりたい放題。現地住民は団結して対抗+”街(人族中心)”に援軍要請。しかし「敵は強いし、ヤツラ山越えてこっちまで来るとは限らないし、イタイのイヤ」
 と”街”は静観を決め込む。イロイロあって某国は敗退。非道な行為により国際社会のいじめられっこ決定状態となり、そのまま亡国となる。
 襲ってきたのも人、助けてくれなかったのも人、ということで人族は評判を落としました。
・樹精ルートのテキスト、良く見直したら超興天使エスカレイヤー(アリスソフト)の和姦ルートに影響されたっぽい。テイストが似てます(文才は足元にも及んでませんが)
・おっさんに見られてた縛り姦でエルフが縛られてた木が実は樹精で、後の男の協力者。幼馴染と森の村のこと教えてくれたヒトです。
142マボと呼んだ人:04/12/20 13:46:02 ID:M9etXt+9
至高人のひとさんがぁぁ!

このバカ夫婦(褒め言葉)最高です。
特に「純情ぶりっこ真性エロフ」「アナルマニア大吟醸」の掛け合いが…(思い出し笑死
143名無しさん@ピンキー:04/12/20 20:20:33 ID:rC78Hudj
グッジョブ!!
興奮しますた。
144名無しさん@ピンキー:04/12/20 21:25:17 ID:JHFA3vh3
ゴッソサンでした
初期から注目していたのですが…
すばらしかったです!
両方ともそれぞれに幸せに成って良かったです…
エロもよかったです。
お疲れ様でした、次回作期待しています…
最後に一言…
ネ申キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
145名無しさん@ピンキー:04/12/21 01:22:17 ID:snSgRq1T
GJ!
146名無しさん@ピンキー:04/12/22 01:21:16 ID:xR1OGWJX
>140さん(後書きの所で呼んで良いのかな?)
両ルート完結、お疲れ様です。
いや、凄く文がエロくて羨ましい……
また、書いてくれるのをお待ちしてますね。
147名無しさん@ピンキー:04/12/22 10:52:20 ID:i8qY8e/c
乙カレー。
”エロフ”に爆笑しました。
樹精と至高人ルート。
両方面白かったですが、シチュ的には至高人の方が好きですね。
アナル多いしw。
148名無しさん@ピンキー:04/12/24 10:04:23 ID:S495luey
hosu
149名無しさん@ピンキー:04/12/24 12:39:36 ID:ub/tNHfE
《――テロリストグループは人質解放の条件として、
「人質全員がライザンバー2をノーミスクリアする事」との声明を発表しており、
人質解放には相当な時間を必要とするだろうと専門家は見ております。現在、国際警察機構は――》
 やれやれ、何だか最近、物騒な事件が多い気がするなぁ……
 近所の中華料理店の天井隅に取り付けられたテレビが放送している、
海外のテロ立てこもり事件ライブ映像を横目で見ながら、僕は陰鬱な気分で卵スープを啜った。
 『魔法怪盗団』の一件以降、“接触者”や“資格者”の活動が大人しくなったらしいので、
少しは世の中も平和になると思っていたんだけど……実情は正反対になっている気がする。
 こうした事件も、当事者以外にも納得はいかなくても理解はできるような整然とした理由じゃなくて、
『太陽が黄色かったから』『ウルトラ真ボスの弾幕がウボアー』
なんて無茶な理由で起こった突発的で意味不明な事件が多いんだ。
「理不尽な事件が発生しているのは、一般社会だけじゃないぞ」
「アタシ達退魔業界の方も、変な事件が多発して大変なんだからぁ」
 テーブルの向かいの席で、妖艶な金髪シスターさんとでっぷり太った髭モジャ大男が、
餃子と八宝菜を口に運びながら同時に傾く。
 以前の事件から何かとお世話になっている退魔組織の人達――
シスター・ゲルダさんとアルタン・ボブロフ氏だ。
 2人とも超一流の退魔師らしいけど、こうして見ると普通の人間に見え――
――るにはちょっと無理があるか。うん。
「変な事件?」
「この頃、新種の魔物が出没してな――」
 2人の話によると、最近、世界中で旧支配者や独立種族、
奉仕種族達『邪神』に似た性質を持つ魔物が出現しているという。
もっとも、本物の邪神なら人間の退魔師さんが退治するのは不可能だけど、
それらの魔物はなんとか退魔できるので、旧支配者達に似た別種の魔物ではないかと推測しているとか。
「でもォ、魔力波動係数とかアストラル認識パターンは『邪神』としか思えないのよね。
ねぇ、アナタの恋人さん達は何か知らないのォ?」
 10人前はありそうな中華丼を3口ぐらいで飲み込んでから、ボブロフ氏は首を傾けて見せた。
もちろん、“つぁとぅぐあ”さん達にそんな話を聞いた覚えは無いし、
僕自身にはその現象が何の事なのかさっぱりわからない。
「いや、すいません。初耳です」
「そうか……話を変えるが、赤松殿。君は魔法使いになってみる気はないかな?」
「……は?」
 僕はゲルダさんの餃子をくすねようとした姿勢のまま固まった。まぁ、当然の反応だと思う。
「もう一度言う。正式に魔術師としての修行を積んでみないか?」
 ゲルダさんのクールな美貌は真剣だった。冗談ではなさそうだ。
「な、なぜ僕が魔法使いに? こう見えても童貞は捨ててますし」
「何の話だ?……とにかく、君には魔術師としての素質がある――」
「ホントですか!?」
「――かもしれないのだ」
 かくっと15度くらい上半身を傾ける僕を尻目に、ゲルダさんは淡々と話を続けた。
「君のように、人知を超えた超高位存在と接触し、あまつさえ交わった者には、
後天的に魔術師としての素質が宿るケースがある」
「もっともぉ、こればっかりは専門の施設で調べて見ないとはっきりとは分からないけどねェ。
素質があっても正式に修行しないと何の力も得られないしぃ」
「は、はぁ……」
「最近、我々の業界も人手不足でね。
素質のある者は積極的にスカウトしているのだが……いかがかな?」
 魔法使いねぇ……僕とは全然縁の無い世界だと思っていたなぁ。
後天的な素質だから全然自慢できないけど……あ、まだなれるとは限らないか。
 うーん、それに……
「せっかくですが、僕にとんがり帽子で箒に跨る姿は似合わないと思うので」
 正直、魔法や超常現象の類は周囲にいくらでも使える御方がウジャウジャいるので、
使えてもほとんど意味無いよね。それ以前に興味も無いし。
「そうか、残念だな」
 台詞とは裏腹に、ゲルダさんの表情は僕の返事を予期していたように落ち着いたものだった。
「この件を引き受けてくれるのなら、私の餃子を盗もうとした件は不問にするつもりだったが」
「え?」
「ちなみにぃ、アタシの地元では盗っ人は手の指を切断されちゃうのよォ」
「え? え?」
 ――結局、よくわからない内に、
今回の食事は(なぜかボブロフ氏の分まで)僕が全部奢る事になった……トホホ。
 そんな話があった事なんて、忘れかけていたある日――
 あの『ユゴス総合病院』の一件から三日後……僕は自室でとろけていた。
「……暑い」
「……あぉん」
「……熱いぜ……熱くて死ぬぜ……」
 地球温暖化問題を深刻に考えてしまうくらい、今日はフルスロットルに暑い。
いくら真夏日とはいえ、日中の平均気温が38度というのはやり過ぎじゃないだろうか?
 こんな日は、たとえワイルドリザードが攻めて来ようと
エアコンの効いた部屋の中に引き篭もっていたいのだけれど……
「……わぅん、わぉぉん……?」
「……えーと、“しょごす”さんの話によると、修理にはあと3時間くらいかかるって……」
 舌を出しながら汗だくではぁはぁ荒い息を吐く“てぃんだろす”の頭を、僕は力なく撫でた。
 ……なぜ、こんな日に限ってエアコンが故障してしまうんだー!!!
 今、僕達は自宅の中でヴァーチャルサウナ風呂を体験していた。
 僕の家の冷暖房は、一台の親機が各部屋に冷暖房を供給しているシステムなんだけど、
肝心の親機が故障してしまったので、家中のエアコンがいかれちゃったんだ。
現在、“しょごす”さんがフルピッチで修理に取り掛かってくれているのだけど、
やっぱり南極製品とは勝手が違うらしく、直るにはまだ時間がかかるらしい。
うーん、この展開、誰かの陰謀を感じるなぁ……
「……せんせー……質問……」
 と、こんな環境の中でも普段通りの無表情を崩さない“いたくぁ”さんが――
――例によって、いつのまにか部屋にいた――片手を小さく上げた。
「何ですか?」
「あぉん?」
「……おめぇら……ウチになにする気だべか……」
 正座して湯呑を持った姿勢のまま、右半身をコアラの如く僕に抱き付かれ、
対照的に左半身を“てぃんだろす”に抱きつかれている“いたくぁ”さんの声は、
しかし、それでも無感情なままだった。
「いやぁ、“いたくぁ”さんって体温低いから、こうしていると冷たくて気持ち良いんです」
「わん、わわん!」
「……お前等……」
 さすが『吹雪の魔神』だけあって、“いたくぁ”さんの身体は夏場でも涼しい(気がする)。
今朝方エアコンが壊れていると“しょごす”さんに宣告されて以来、
ひょっこり姿を現せた“いたくぁ”さんを拉致して、
こうして“てぃんだろす”と一緒に抱き付いて涼を取っていたんだけど……
「……キミは……何処に堕ちたい?……」
 “いたくぁ”さんの無感情な声に、僕は確かな殺気を覚えた。
 さすがに5時間以上抱き付かれていると、“いたくぁ”さんも忍耐の限界のようだ。
いや、“てぃんだろす”が一緒にいなければ、
僕は彼女に抱き付いた瞬間に冷凍ヒモ無しバンジーする羽目になっていたかもしれない。
「そ、それじゃあ、喫茶店にでも行こうか!!」
 身の危険を感じた僕は慌てて“いたくぁ”さんから離れて、
“てぃんだろす”を引き剥がしながら、自分でも不自然なくらい明るく言ってのけた。
「くぅん……きゃうん?」
「外はもっと暑いって? うーん、バスかタクシーを使おうかな」
 数分後――“しょごす”さんにちょっと出かけてくると伝えた僕は、
“てぃんだろす”と一緒に玄関で靴を履きそろえていた。
背後に“いたくぁ”さんが佇んでいるけど、きっと彼女も付いてくるのだろう。
喫茶店で抹茶パフェでも食べる気なのかな。
「さぁて……」
 僕は軽く息を呑みながら、玄関のドアノブを掴んだ。
金属製のドアノブを通して、扉向こうの熱気がはっきりと感じられる。
憧れのパライソ(クーラーの効いた喫茶店)に辿り着くには、
これから真夏の炎天下という難所を潜り抜けなければならない……
……ああ、考えるだけで頭がクラクラしてきた。
「いくよ。“てぃんだろす”に“いたくぁ”さん」
「わん!」
「……地獄で会おーぜ……」
 覚悟を決めた僕は、灼熱地獄への扉を一気に押し開けた――!!

びゅぉおおおおおおおおお―――!!!(猛吹雪)

「…………」
「…………」
「……早く……行こ……」
 目の前に広がる純白の光景に、僕は唖然として固まった。
 雪混じりを通り越して氷混じりの暴風に、吐く白い息は一瞬で流されてしまう。
灰白色の猛吹雪に見え隠れする町並みは、全て白い雪と氷に覆い隠されていた。
「きゅ、きゅぅん」
 カタカタと寒そうに歯を打ち鳴らしながら“てぃんだろす”が僕にしがみ付いてきたけど、
僕にはその頭を撫でる余裕も無い。
 な、なぜに真夏の炎天下の中で猛吹雪が!?
 ついさっき、二階の自室で窓の外を見た際には、
陽炎が揺れる八月のヒートアイランドが見えていたのに……
まさか、二階から降りて玄関を開ける数分間の間に、真冬にタイムワープしちゃったの!?
 無論、いくら考えても僕に原因が分かる筈が無い。
 でも、こうしたわけのわからない現象の影には、
必ず彼女達の――『邪神』の存在がある事だけはわかる。
 そして――今回も、それは例外じゃなかった。
 『原因』は、向こうからまっすぐ、こちらにやってきたんだ。
「……!?」
 まともに目も開けていられない猛吹雪の中――その『影』だけは、なぜかはっきりと見えた。
 かろうじて人影だと分かる『影』は、接近するにつれその数を二体、三体に増やし、
その数が五体になった時――
「――よう、初めまして……かな?」
 影の一団の1人が、錆びた鋼のような渋い声を放った。
 灰色のコートが良く似合う、外国映画の場末のバーに登場しそうな、渋い三十路後半の中年男性だった。
ハードボイルドを愛する者なら、こんな男になりたいと願うかもしれない。
「勝手に自己紹介させてもらうぜ。俺の名は“脆木 薫(もろぎ かおる)”。あんたと同じ“接触者”だ」
「接触者!?」
 1年半前の出来事を思い出して、思わず身構える僕に、周囲の影が次々と名乗っていく。
 以前“ン・カイ”で見た事がある、茶色い全身タイツにミニスカサンタコスチュームを着た、
鹿の枝角を生やした気の強そうな美女――
「私は“いほうんでー”……って、お前、どこかで見た顔ね!?」
 ミイラみたいに全身に包帯を巻き、目の辺りから真っ赤な血を流している不気味な女性――
「“る、りむ、・しゃい、こ、ーす”」
 灰色のゴシックロリータ風ドレスを着た、手に石版を持つ金髪ショートカットの美幼女――
「はろはろー♪“うぼ=さすら”よ。姉さん元気してるー?」
 そして、着物の上にエプロンを付けた金髪の美しい和風メイドさん――って、
「“しょごす”さん!?」
「はイ、私は“しょごす”でス。初めましテ」
 驚愕する僕の目の前で、“しょごす”さんは深々と頭を下げてくれた。
間違い無い。服装は和風メイドだし、髪型はお下げじゃなくてロングストレートヘアだし、
目も糸目じゃなくて切れ長のシャープな眼差しだけど……
それ以外は美貌も声も仕草も身長もプロポーションも、僕の知る“しょごす”さんと全く同じに見える。
自分から“しょごす”って名乗ってるし。ど、どういう事だろう?
「ご主人様、呼びましたカ?」
 その時、背後からお馴染みの“しょごす”さんがひょいっと顔を出して……
次の瞬間、まるでテレポートみたいな勢いで、僕をかばう様に立ち塞がった。
「ア、貴方ハ!……19506057800499607112587さン!?」
「19506057800499607112578さン……まさカ、貴方の仕事先がここだったとハ……」
 2人の“しょごす”さんは、お互いを指差し合って、本気で驚愕しているようだった。
「えーと、どういう事でしょうか……分裂でもしたのですか?」
「いいえ御主人様……あの個体は“しょごす 19506057800499607112587”。
私と同型の“しょごす”でス」
 僕の疑問に即答しながらも、“しょごす”さんは身構えながら
向こうの“しょごす”さんから目線を離していない。どうやら、相当にヤバイ相手らしい。
 何だかよくわからないけど、向こうの“しょごす”さん――混乱を避ける為に、
向こうは“和風しょごす”さんと呼ぼう――と“しょごす”さんは、仕事上の同僚って事なのかな。
「すでに戦闘モードに移行していますネ……どうしてもやる気ですカ?」
「それガ、現在の私の最優先事項でス」
「そうですカ……ならバ、私もメイドとしての任務を遂行させてもらいまス!」
 一触即発の空気を纏って対峙する“しょごす”さんと“和風しょごす”さんだけど……うーん、
声質も口調もCV井上喜久子も全く同じなので、
傍から聞いてるとどっちの台詞なのかさっぱりわからないなぁ。
 その時、低い咳払いが吹雪の中に響いた。
「……おい、話を続けていいか?」
「「ア、申し訳ありませン」」
 さすが同型、台詞も完璧にハモっている。
 脆木氏は呆れたように肩をすくめると、どこか気だるい調子で僕に話し始めた。
「あんたに恨みは無いんだが、俺のオンナが吼えてるんでね。
悪いがあんたのオンナを襲撃させてもらうぜ」
「誰がお前のオンナよっ!! と、とにかく、こんな所で足止め食ってる場合じゃないわ」
 “いほうんでー”さんは真っ赤な顔で脆木氏を睨むと、いきなり僕に枝角を向けて、
ずどどどど〜って雪風を撒き散らしながら突進してきた……って、いきなり何スか!?
「わぉん!!」
 枝角が僕に激突する直前、“てぃんだろす”が服を引っ張ってくれなかったら、
僕は哀れ串刺しになっていたかもしれない。
「邪魔するぜ」
 ずどどどど〜っと地響きを立てながら玄関の中に突撃する“いほうんでー”さんに続いて、
脆木氏に“るりむ・しゃいこーす”さん、“うぼ=さすら”さんも勝手に家の中に消えていくのを、
僕は呆然と見送って――
「――って、“つぁとぅぐあ”さん達が危険で危ない!!」
 あの“いほうんでー”さんは“つぁとぅぐあ”さんを敵対視していたんだった。
あまりに急展開が続くので、ついぼーっと成り行きを見守ってしまった。
「あぉん!」
「不法侵入されてまス!すぐに排除しましょウ!」
「……喫茶店……行かないの?……」
 緊張感の無い1柱を除き、慌てて僕達は家の中に飛び込もうとしたんだけど……
「申し訳ありませんガ、これ以上先には行かせませン」
 あの“和風しょごす”さんが、どこか悲痛な面持ちで僕達の前に立ち塞がったんだ。
 さっきの話によると、“和風しょごす”さんは“しょごす”さんと同型の元戦闘型超絶生命体らしい。
つまり、泣く子も黙る荒唐無稽な戦闘力の持ち主って事だ。
うーん、どうしよう? できれば穏便に済ませたいんだけど……
「御主人様、ここは私にお任せ下さイ」
 そこにずいっと“しょごす”さんが1歩前に出た。
対峙する2人の目線の間に、見えない火花がバチバチと音を立てているような気がする。
「まさカ、あなたと戦う事になるとは思いませんでしタ」
「願わくバ、この展開は避けたかったのですガ……」
「あなたと私は機体スペック、武装、戦闘経験、固有人格、
メンテナンス状況等、全ての戦闘要素が互角――」
「すなわチ、任務への使命感と御主人様への忠誠心、戦いの信念が勝敗を分けまス」
「ならバ、この戦い私の勝ちでス!!」
「それは私の台詞でス!!」
 ウネウネグチョグチョガシャガシャカシャン……と、身の毛のよだつような効果音を響かせながら、
2人の姿が名伏しがたい戦闘形態に移行していく。
両者を中心に気流が渦を巻き、ゴゴゴゴゴ……と地響きが轟く。
あああ、また大怪獣バトルが始まるらしい。
「ここは私が引き受けまス。御主人様は今のうちに早ク!!」
「行かせませン!!」
「そうは行きませんヨ!!」
 両者の拳(?)が神速で交錯する!
「ショゴス流星拳!!!」
「ショゴス昇龍波!!!」
 背後からの爆風に吹き飛ばされるように、僕と“てぃんだろす”と“いたくぁ”さんは家の中に飛び込み、
そのまま勢いに任せて自室への階段を駆け上った――
 ――しかし、
「こ、の、先は、私、が通さな、い。“る、りむ・し、ゃ、いこ、ーす”の名、にかけ、て」
 自室の押入れの前には、新たな障害が立ち塞がっていたんだ。
 まるで四足歩行の獣のような四つん這いのポーズで、目を覆う包帯の奥から真紅の涙を流し、
青紫色のロングヘアを燃えるように震わせて、
ゆらゆらと体を揺らすように威嚇する“るりむ・しゃいこーす”さん。
スレンダーながら肉感的な血色の悪い肢体をボンデージ風に包帯で隠す姿は、奇妙な色香を感じさせた。
 一々確認するまでも無いだろう。どうにかして彼女にお引取り願わないと、
“つぁとぅぐあ”さんのいるン・カイへは行けないみたいだ。
 さて、どうすればいいのかな……
「あのぅ」
「SYAAAAAAAAA!!!」
 ちょっと声をかけただけで、ネコかヘビみたいに威嚇されてしまった。
とほほ、話し合いでの解決は無理っぽいなぁ。
「私、に近、づ、くな!、!」
 対処法を考える間もなく、いきなり“るりむ・しゃいこーす”さんの全身が青白く輝き始めた。
不思議な事に、青白い光は彼女の周囲2mぐらいの範囲に留まっているんだ。そして――
 …ぴき…ぱき…ぱりん…
「え、えぇ?」
 なんと、青白い光の範囲内にある、押入れの襖、テーブルの端、クッション、床の絨毯までが、
あっという間に漂白するみたいに真っ白に凍り付いて――粉々に砕け散った!?
「あ、あれは一体!?」
「……あれが……“るりむ・しゃいこーす”の力……万物を凍結させる魔力……
……あの光の中では……如何なる物質も……高温も……言葉も……存在も……信念も……
……神々すら……全てが凍りつき……白い静寂の中……崩壊する……
……あれが……かつて……古代ヒューペルボリア大陸を……たった1人で……滅ぼしかけた……
……異次元の邪神……『白蛆』!!……」
 僕の疑問を“いたくぁ”さんのやたら長い呟きが答えてくれた。
 なるほど。いまいちよくわからないけど、
いわゆる漫画とかでよくある『冷気』や『凍気』とか言われる力を使える神様らしい。
外があんな風景になってしまったのも、彼女の仕業か。
 白いキラキラとした結晶が部屋中を舞っているのは、ダイヤモンドダストという奴だろうか。
いや、これは凍結して砕け散った家具の破片か……
「……って、部屋!! 部屋が大変な事に!!」
 さすがに僕は慌てた。こうしている間にも、現在進行形で部屋がカチンコチンに凍りついているし!!
あああーっ!! やりかけの仕事のデータが残っているパソコンが、
まさに今、目の前で粉々にぃぃぃぃ!!!
「わぉおん!!」
 僕の動揺が伝わったのか、“てぃんだろす”が怒りのオーラを纏いながら
“るりむ・しゃいこーす”さんに飛びかかった。でも――
「私に触、れる、な、!!」
「きゃぅん!?」
 “てぃんだろす”の牙が“るりむ・しゃいこーす”さんに触れようとした瞬間、
“てぃんだろす”は襲いかかる姿勢のままピッキーンとマンガみたいに凍り付いて、
ごろん、と僕の足元に転がってきた……わーっ!!
「て、“てぃんだろす”っ!?」
「……はい……これ……」
 “いたくぁ”さんがどこからともなく取り出した湯気立つヤカンのお湯を、
フリージング状態の“てぃんだろす”にかけて氷を溶かすと、
「きゃいん、きゃうん!!」
 解凍された“てぃんだろす”は泣きながら僕の懐に飛び込んで、
寒そうにガタガタ震えながら僕の上着の中に潜り込んでカメさん状態になってしまった。
うーん、よっぽど寒かったんだろうなぁ。
「無駄、だ。、私、に触、れ、るもの、は全、て、が凍りつ、く」
 “るりむ・しゃいこーす”さんの口元がニヤリと歪む。
 うむむむむ……どうすればいいのだろう?
 僕は隣で湯呑の中身が凍り付いているので、かき氷製造機でガリガリと宇治金時を作っている、
“いたくぁ”さんの脇腹を肘で小突いた。
「“いたくぁ”さん、なんとかなりませんか?」
「……無理っス……オイラでも……奴に触れたら……カチンコチン……」
 あう、“いたくぁ”さんすら凍っちゃうんですか!?
某文献によれば、神様を凍らせるには絶対零度の数百倍の凍気が必要な筈なのに……
いや、彼女は対象に関係なく、全てを凍結させる事ができると“いたくぁ”さんがさっき言ったっけ。
恐るべし、“るりむ・しゃいこーす”さん。
 しかし、このまま足止めされているわけにもいかないし……どうすればいいのだろう?
 と、その時――手首に弱電流のようなむず痒さが走った。
「!?」
 これはもしかして、と思った瞬間、手首のミサンガがしゅるしゅると解けて、
瞬く間に恥ずかしがり屋な“つぁとぅぐあ”さんの幼女バージョン“おとしご”ちゃんが出現したんだ。
「“おとしご”ちゃん?」
 もう今の状況は把握しているのだろう。
“おとしご”ちゃんは“るりむ・しゃいこーす”さんをタレ目で見つめると、
また一瞬の内に黒い紐状に変化して、僕と懐の“てぃんだろす”、
そして“いたくぁ”さんの身体に絡み付いて――
「えぇ!?」
「わん?」
「……八甲田山……死の行軍……」
 セーターを編むように“おとしご”ちゃんの黒い髪が絡み合って、
あっという間に黒い毛皮の全身コートに変身した。
南極越冬隊員や冷凍倉庫の職員が着るような、
頭の上から足の指先まで完全に包み込むタイプの防寒着だ。
「ま、さか、お前、は“、つぁ、と、ぅぐあ、”神の…、…!、?」
 “るりむ・しゃいこーす”さんの氷の美貌に緊張が走るのを、僕は見逃さなかった。
「“いたくぁ”さん! “てぃんだろす”!」
 僕は2人に目配せすると、一気に彼女を押さえにかかった。
いや、さすがに僕は“いたくぁ”さんと“てぃんだろす”の後に続いたけど。
「わぉおん!! がるるるる!!」
「……寝技に入りました……残り30秒……」
「うぁ、ああ、あ、ああ…、…な、ぜ!? ま、まさ、か!?、」
 思わず拍子抜けするくらい、あっさりと“るりむ・しゃいこーす”さんは2人に押さえ込まれてしまった。
うーん、さすが“おとしご”ちゃんの毛皮。防寒対策はバッチリだね。
肌触りも“つぁとぅぐあ”さんの髪の毛に包まれてるみたいに気持ち良いし。
「な、ぜこの“お、としご、”、が私の、力への対、処法を、知ってい、るの、だ!、?」
 “るりむ・しゃいこーす”さんの方はこの事態に納得が行かないみたいだけど、
僕に言われてもよくわからない。ともあれ、なんとか第2関門クリアーってとこかな。
 ところが――
「ひゃ、う、っ! な、何を、する!、?」
「……お楽しみは……これから……」
 “るりむ・しゃいこーす”さんに跨る“いたくぁ”さんの瞳が無表情のままキラーンと光った。スゲェ怖い。
「い、やぁ、!、な、な、にをす…、…るっ!?、」
 “いたくぁ”さんの指が“るりむ・しゃいこーす”さんの薄めの胸を隠す包帯をちょっとずらすと、
思いのほか可愛いピンク色の乳首が顔を出した。そのまま白い指先が乳首を撫でまわす。
「んは、ぁ…、…な、っや、やめ、ろぉ…、…う、う、んっ!」
 乳首を摘み、乳輪を撫で、乳頭を潰し、乳房を揉み解す……
たちまち“るりむ・しゃいこーす”さんの声に甘い響きが混じり始めた。
「……予想通り……責められると弱い……以前も……人間にボコられて泣いて帰ってるし……」
「、く、そぉ…、…お、のれっ、!すぐ、に凍、らせて、…、…ああ、っ!」
「……無駄無駄無駄無駄……ユーの力は……もうミーが封じている……」
 無表情に勝ち誇る“いたくぁ”さん。相変わらず、
自分が圧倒的に有利な立場にあると攻め攻めな性質(タチ)だなぁ。
「……抹茶パフェを……食べ逃した恨み……食べ物の恨みは……怖いのよン……」
 やっぱり喫茶店の恨みだったか。どうりで自分からよく動くと思った。
「き、ゃ、ぁん、……だ、だ、めぇ…、…」
 “いたくぁ”さんの猛攻は続く。“るりむ・しゃいこーす”さんの身体を隠す包帯をあっという間に解くと、
その青白くて綺麗な柔肌に、再び包帯を巻き始めた――いや、縛り始めた。
「ん、はぅ!、き、きつ、い、ぃ……、」
「……完成……」
 瞬きを2・3回する内に、専門の縄師も裸足で逃げ出す見事な亀甲縛りが完成していた。
柔らかい腹部や臀部に容赦無く包帯が食い込み、乳房を強調するように寄せて、性器を擦り上げる……
さっきまで自分の身体を隠していた包帯に攻められる“るりむ・しゃいこーす”さんが切ない声をあげる度に、
その青白い肌が徐々に火照っていくようだ。
「……まだまだ……いくよ〜……巫女巫女ナ(ry……」
 台詞通りに“いたくぁ”さんの責めはまだ終わらない。今度はあまった包帯を縦に細く裂き、
ツンと立った両乳首にくるくると巻きつけた。
「んき、ゃぁ!、!」
「……リーチ一発……」
 続けて股間の薄い茂みにキスするように唇を当てて、
「はぁ、ぅ!!だ、めぇ…、…ダメ駄目だめぇ!、!」
 ちゅうちゅうと音を立ててクリトリスを吸い出した。ピンク色に輝く勃起したクリトリスに、
またもや器用に包帯を巻いていく。両乳首とクリトリスに巻かれた包帯は、
臍の部分で一本に繋がっているのだけど……
「き、ゃ、あああ、ああっ、!!、!」
 そこを掴んだ“いたくぁ”さんは、一気に包帯を上に持ち上げたんだ。
「痛ぁ、やああ、ああっ、!! だ、めぇ、あ、はぁう、っ!」
 自分の体重を乳首とクリトリスで支える事となった“るりむ・しゃいこーす”さんは、
苦痛と快楽の入り混じった悲鳴を上げながら身体を仰け反らせて――その口に、いきなり肉棒が挿入された。
「ん、ぷぅ!、?」
「わぉん!!」
 いつのまにか僕の懐から抜け出していた“てぃんだろす”が、
半泣きの表情で“るりむ・しゃいこーす”さんの小さな口に勃起したペニスをピストンしていた。
その顔は珍しく怒っているように見える。どうやら、カチンコチンにされた事が頭にきているらしい。
「ん、ぐぅぅぅ、ぷは、ぁ!!、い、やぁ、あむぅ、ぅ、ぅぅ……、」
 喉の奥まで挿入される肉棒にイラマチオされながら、
乳首とクリトリスを蹂躙される“るりむ・しゃいこーす”さんは、
ここだけ包帯を取られずにいる目の周りから血の涙を流しながら、
狂ったように悶え、喘ぎ、のた打ち回っているのだけど……
「あは、ぁ、うぅぅ、ぅきゃふ、ぅ!!、あ、は、ぁああう、ぅぅ、くぅん、んん…、…」
 その苦悶の中には、明らかに快楽の喜びがあった。
僕が彼女達を止めようとしなかったのも、“それ”があるからだ。
 やがて――
「あぉん!!」
 “てぃんだろす”が切なげに吼える。
「んぷ、ぅ!、?、ぁは、ああ、ぁああ…、…あ、あぁ、……、う、ぇええ、え……」
 恍惚の表情でペニスが抜かれると、
“るりむ・しゃいこーす”さんの口からねっとりとした濃い白濁液がドロリと流れ落ちた。
「……では……そろそろ……トドメファイナル……」
 “いたくぁ”さんはぐったりとしている“るりむ・しゃいこーす”さんの腰を抱きかかえると、
お尻をぺチンと軽く叩いてから、股間に埋もれる包帯を横にずらし――
小さく、しかしはっきりと口を開けたアヌスを指で突ついたんだ。
「か、は、ぁ!」
「……ここが……良いんでしょ?……」
「、あふぅ、あああ、あぁ、ぁああ、、ああああ―、―!!」
「……“てぃんだろす”……次は……こっち……この子は……同じ匂いがする……」
 楽しそうな無表情で彼女のアヌスにチュプチュプと指を出し入れする“いたくぁ”さん。
その度に“るりむ・しゃいこーす”さんは今まで以上に全身を震わせて反応する。
うーむ、北方系の神様にはアナル好きという法則でもあるのかな?
「きゅぅうん……」
 “てぃんだろす”はフラフラと“いたくぁ”さんに導かれるように
“るりむ・しゃいこーす”さんのお尻を抱きかかえた。どうやら、まだ満足していないらしい。
あの子は一度火がつくと止まらないからなぁ……
「お、願ぁ、い…、…早く、ぅ……」
「わぉん!」
 もう、“るりむ・しゃいこーす”さんは自分からお尻をふりふりして“てぃんだろす”のペニスを誘っている。
それに応えるように、“てぃんだろす”は勢いよくアヌスに肉棒を挿入した。
「んき、ゃあ、あ、あぁああ、あぅぅう、うう、ぁあ、ああああ、!!、!」
「はぁっはぁっはぁっ……あぉん! あぉおん!!」
 全身を包帯で拘束されてる“るりむ・しゃいこーす”さんを床に押し付けて、
文字通り獣のようにバックでアナルを犯す“てぃんだろす”。
その姿は快楽をむさぼり合う異世界の魔獣のように――美しかった。
「……うふふふふふ……まだまだ……」
 しかし、それでもまだ“いたくぁ”さんの攻撃は終わらない。今度は“いたくぁ”さんは僕を手招きして、
「……ユーは……前を……犯すべし……」
 そういう事を平気で提案しちゃうんだ。この神様ときたら。
「あ、いや、でも、僕は……」
「……そんな格好では……説得力無い……」
 “いたくぁ”さんの冷たい台詞もごもっとも。眼前の刺激的過ぎる光景に、
僕はさっきから股間を押さえて前屈み状態にあった。とほほ。
「……じゃあ、遠慮無くやらせてもらおうかな」
「……かもーん……」
 “るりむ・しゃいこーす”さんの快楽に喘ぐ顔を撫でながら、“いたくぁ”さんは再び僕を手招きする。
「それじゃ、よいしょ」
「……え?……」
 そんな“いたくぁ”さんの腰をひょいと抱えると、黒い着物の裾をぺろんとめくって、
相変わらず白くて柔らかくてすべすべなお尻を左右に割り、
薄桃色にすぼまったアヌスにいきり立つ怒張の先端を押し当てて――
「……違っ!!……」
「いただきます」
 一気に根元まで挿入した。
「……んぁああああ……ぁああああっ!!……」
 うーん、愛撫無しでいきなり入れるとやっぱりきついなぁ。
でも、生暖かく柔らかいゴムのような腸壁の感触は相変わらず最高だった。
これならあまり時間をかけずに達することができるだろう。
「……ぁああっ……ばかぁ……違うぅ……ぅうっ!……わたしは……“るりむ・しゃいこーす”を……
……かはっ!……犯せ……んふぅ!……とおぉ……」
「いやぁ、早く“つぁとぅぐあ”さんの所に行かなくちゃならないので、てっとり早く済まそうと」
 まぁ、“いたくぁ”さんがあまり調子に乗らないように牽制するのが本当の目的だけど。
 口では抵抗しつつも身体は無抵抗のまま、“いたくぁ”さんは四つん這いでアヌスを犯されている。
「んき、ゃぁあ、あん!、あ、あっ!、もっ、とぉ!、!」
 ちょうど反対側では同じ姿勢で“てぃんだろす”にアヌスを攻められる“るりむ・しゃいこーす”さんがいた。
鏡合わせのように向かい合いながら、快楽をむさぼり合う僕達は――
「、ああ、ぁあ、っ!!、あぁあ、あ、あ、あああ―、―!、!!」
「わぉおん!!」
「……きゃぅうん!!……」
「ううっ」
 ――同時に達した。
「は、ぁは、ぁはぁ…、…はあ、ぁぁ…、…」
「くぅぅん」
 オルガスムスに達した“るりむ・しゃいこーす”さんのアナルに精を注ぎ込みながら、
“てぃんだろす”も彼女の背中にへちゃっと倒れかかった。2人ともとても幸せそうだ。
「……ううう……ヒドイっす……」
 僕は“いたくぁ”さんのアヌスからペニスをズルリと抜き取ると、
尻たぶで綺麗に精液を拭い取った。されるがままの“いたくぁ”さんはとても悲しそうだ。
 さてと……そろそろ先に進まなきゃ。
「“てぃんだろす”、お願いがあるんだけど」
「……わぅん?」
 小さく尻尾を振って“てぃんだろす”は僕の呼びかけに反応を返した。
よかった。あのまま気絶したのかと思った。
「このまま“るりむ・しゃいこーす”さんを足止めをしておいて!!」
「わ、わうん!!」
 “てぃんだろす”は額に巨大な汗を浮かべながら敬礼すると、
“るりむ・しゃいこーす”さんのお尻を掴んで、一生懸命なピストンを再開した。
「……ぅ、うあ、あぁ、あああ、っ、!!、だ、だめ、ぇ……イ、っ、たば、かりだか、らぁぁあ、ああ、ぅ!!」
 再び“るりむ・しゃいこーす”さんの嬌声が部屋に響く。
 いや、別にエッチで足止めしろとは言ってないんだけど……まぁ、いいか。
「……で……私の……立場は?……」
 “いたくぁ”さんの呪怨に満ちた呟きを背に、僕は押入れの靄の中に飛び込んだ――
「……また……こんな役……しくしく……」
「あ、やっと来たわね! 遅かったじゃなぁい。ぶーぶー」
 闇の中を落下するような独特の感触が覚めない内に、
僕は新たな障害が目の前に立ち塞がっている事に気付いた。
 視界がはっきりするにつれて見えてきたのは、
暗黒世界の地平線の彼方まで広がる灰色のフレアスカート。
手に持つ謎の石版。光を放つような黄金の髪。
そしてどこか悪戯っぽい笑顔を浮かべた魂が蕩けるくらい可愛らしい美幼女の姿。
 確か、彼女の名は――
「“うぼ=さすら”よ♪」
 天使のような邪神の笑顔で、“うぼ=さすら”ちゃんはウインクしてくれた。
 し、しまった。つい勢いでン・カイまで来ちゃったけど、
僕1人だけで邪神の皆さんをどうにかできるわけないじゃないか。あああ、早くも僕ピーンチ!!
「ふーん」
 そして次の瞬間、思わず息を飲む僕の顔を、
胸の前5cmの距離から“うぼ=さすら”ちゃんが下から覗き込んでいた。
いつのまにこんな至近距離まで近付いていたのか、僕にはまるでわからなかった。
「あなたが姉さんのハートを射止めた人なんだ。うん、顔はパッとしないけど、
誠実で健康そうな個体じゃない。人間は顔じゃないしねぇ」
 誉められているのか馬鹿にされてるのか微妙な評価だなぁ……って、
「姉さんのハート? 射止めたって……僕が?」
「そうよ。あまつさえ子供まで孕ませちゃうなんて……
スゴイじゃない! 姉さんが人間と接触するなんて珍しいのよ?」
 子供を孕む?……ま、まさか!?
「お姉さんって、ひょっとして――!!」
 “うぼ=さすら”ちゃんの口元がネコっぽく綻んだ。
「そ。暗黒世界ン・カイの支配者。不浄なる父にして母。
偉大なる外なる神々の一柱。“三姉妹”の長女――ここでは“あぶほーす”と呼ばれているわ」
 そこで初めて、僕は“うぼ=さすら”ちゃんに対して、
敵対者に対する脅威をあまり感じなかった理由がわかった。
 髪の色とくるくる変わる表情を除けば、“うぼ=さすら”ちゃんは“あぶほーす”さんにそっくりなんだ。
 僕は間抜けな仕草で目の前に微笑む彼女を指差した。
「“あぶほーす”さんの……妹さん?」
「そ。人間の言う姉妹の概念とは全然違うけどね。
もう1人、私の妹に“ひゅどら”ちゃんがいるわよ。
ま、あの子は知的生命体を見ると首を刎ねて畑に植えちゃう趣味があるから、
遭遇しない方が身の為だけど」
 物騒な事をケラケラ笑いながら語る“うぼ=さすら”ちゃんは、
しかし悪意や敵意の類は全く感じられなかった。
どうやら、問答無用でデストロイされる事はなさそうだけど……
「いや、あの、僕が“あぶほーす”さんのハートを射止めたというのは誤解です」
「え〜っ!? 赤ちゃんまで作っておいて……認知してないのぉ!?
ひど〜い! 鬼畜〜! 極悪人〜! 女殺し〜! 油地獄〜!」
「いや、そうじゃありませんったら」
 こ、この誤解は色々な意味で早く解消しなくては!
 汗だくになりながら、僕はしどろもどろに事の顛末を説明した。
 “あぶほーす”さんとのセックスは、“ばいあくへー”さんを復活させる為のもので、
僕自身は単なる触媒に過ぎなかった事――
 でも、“ばいあくへー”さんが生きていたので、結局この試みは無意味となり、
人間として生まれた“ばいあくへー”さんの生まれ変わりは、
『魔法怪盗団』の1人“阿部 ホノカ”ちゃんの従兄弟に養子として引き取ってもらい、
今は普通の人間の赤ちゃんとして平和に暮らしている事――
 というわけで、確かにエッチはしたけど“うぼ=さすら”さんが思っているような事は一切無かった事――
「――以上です。分かってもらえましたか?」
「うーん……」
 “うぼ=さすら”ちゃんはネコっぽい仕草で額をこすって、
なぞなぞの答を考える小学生みたいに首を傾げた。でも、その口から出た言葉は――
「それで、姉さんとは週に何回くらいエッチしてるの?」
 ……ダメだ。全然分かってねぇ。
 僕はずっこけた際に岩にぶつけた後頭部をさすりながら、よろよろと立ち上がった。
「“うぼ=さすら”さん、僕の話聞いてなかったでしょ?」
「ちゃんと聞いていたよ? でも、そんな事どうでもいいじゃない」
 また、あの小悪魔的な笑みを浮かべながら、“うぼ=さすら”さんが僕を“見下ろす”。
その時になって、僕は初めて彼女が僕よりも背が高くなっている事に気付いた。
無論、急に大人に成長したわけじゃない。下半身のフレアスカート部分がにゅっと伸びて、
僕に身長を合わせてきたんだ。その理由は――
「んっ」
「ッッッ!?!?」
 あまりにも唐突な不意打ちキス――唇を合わせるだけの軽いキスなのに、僕は一発で脳天まで痺れてしまった。
すぐに彼女の顔は離れたけど、その感触はいつまでも僕の唇に残り、鼻腔一杯に甘い香りが広がる……
「……って、いきなり何ですか!?」
「えへへっ。ちょっと姉さんのダンナ様の味見をしたくってぇ」
 『悪魔は天使の姿で現れる』
 そんな格言を思い出させる、“うぼ=さすら”さんの魅惑に満ちたロリータフェイス。
思わず生唾を飲み込む僕の目の前で、鼻歌を歌いながら灰色のゴスロリ服が脱ぎ捨てられていく。
状況を理解する間も無く、“うぼ=さすら”ちゃんの上半身が露出する……
「…………」
 呼吸を忘れて僕はその裸身に見惚れていた。それほど美しい姿だった。
 夕日に照らされた淡雪色の柔肌は触れれば溶けてしまいそうなくらい艶やかで、
汚れ無き純真無垢な輝きを放っていた。薄く肋骨の浮かんだ胸元の先端には、
ほとんど素肌と変わらないピンク色の乳輪が微かに見える。
幼児特有の凹凸の少ない体格はお腹の中心でちょっとへこんで、可愛いおへそが見て取れた。
“うぼ=さすら”さんの時と同じく、下半身は見せてくれないけど……
「えいっ♪」
 突然、視界一杯にピンク色の乳輪が広がって――
肉付きが全く感じられない胸が、僕の顔に押し付けられている事を知った。
「うりうりうりうり〜♪ どう? 興奮するぅ?」
 無邪気に胸を擦りつける仕草に苦笑しながら、僕は舌先で乳輪を軽くノックした。
「やぁん……くすぐったいよぉ」
 舌先で押さえるだけで隠れてしまいそうなくらい小さな乳輪をクリクリと弄び、
時には平坦な胸全体をべろんと舐める。甘いミルクの味がした。
「あはぁ……ん……じょうず…ぅ」
 切ない吐息を漏らして僕の頭をぎゅっと抱きしめる“うぼ=さすら”ちゃん。
その乳輪の先端には針先のように小さな乳首の存在が感じられて、
彼女が本当に感じているのを伝えてくれた。
「えへへ……じゃあ、次は私の番だね」
 ぴちゃりと音を立てて乳首が僕の唇を離れる。舌先と彼女の乳頭にかけられた唾液の橋を、
僕は夢見心地で見つめていた。そう、この時すでに僕は『人外の誘惑』に囚われていたんだ。
「くっ!?」
 突然、僕の股間に強烈な刺激が走った。
いつのまにか僕の股間の位置まで身を屈めていた“うぼ=さすら”ちゃんが、
ズボンから勃起したペニスを取り出して、両手でゴシゴシと擦っているんだ。
 ……あの姿勢だと、彼女の下半身が消失していて、
床に広がっているスカートからいきなり上半身が生えているようにしか見えないけど……
……あまり考えない事にしよう。
「あははっ♪ すっごく立派だね」
 頬擦りするようにシャフトをしごき、小さな舌で亀頭全体をキャンディーみたいにペロペロ舐めて、
先端をちゅうっと吸いながら一生懸命咥えようとしてくれるけど、
「けほけほっ……やぁん、おっき過ぎて食べられないよぉ。ゴメンねぇ」
 彼女に僕のペニスは大き過ぎて、口に含むにはちょっと無理があるよね。
“うぼ=さすら”ちゃんは涙目で少し咳き込んで、ぷうっと可愛く頬を膨らませた。
「い、いや、十分気持ち良いです……」
 実際、彼女にペニスを擦られて舐められるだけで、いつでも爆発しそうなくらい気持ち良い。
こんな小さな子のどこにこんなテクニックが……
……いや、邪神の方々に外見年齢に相応しい道理を求める方が愚かなんだろうけど。
「うふふっ、ビクビクしていて可愛い♪ 怖ぁい♪」
 天使のように可愛らしく、魔女のように艶やかに、“うぼ=さすら”ちゃんはフェロモンを撒き散らしながら、
僕をそっと仰向けに横たえた。例のフレアスカートが広がっているので、岩肌の上でも全然痛くない。
そして、今にも射精しそうに天に聳え立つペニスの上に、“うぼ=さすら”ちゃんが跨った――と思う。
いや、“あぶほーす”さんの時と同じく、彼女のスカートの中に僕の下半身がズブズブと飲み込まれていったので、
お互いの下半身がどんな状態にあるのかさっぱりわからないんだ。
 そして――
「それじゃあ……いっただきま〜す♪」
「――ッ!!」
 僕の下半身が一瞬で蒸発した――そうとしか形容できない、名伏し難い感触が僕を襲った。
ペニスが――いや、フレアスカートに呑みこまれた下半身全体が、
ウネウネグチョグチョグチャグチャとしたおぞましい、そして凄まじい快楽に蹂躙されている。
気持ちいい。発狂しそうなくらい気持ちいい。得体の知れない『何か』に陰嚢の中の精子が全て搾り取られて、
次の瞬間に再び満杯の精子を吸い尽くされる……それを1秒間に数億万兆回繰り返されているのがわかるんだ。
コップの水中に落ちた一粒の塩の欠片――
自分の正気と魂が、そんな風に消えていくのが、絶対の真実として理解でき――
 ――ぺしっ
「にゃんっ!?」
 下半身を襲う激流は、マヌケな打撃音と同時に消滅した。
 “うぼ=さすら”ちゃんの背後に立つ人影が、彼女の脳天に触手チョップを食らわせて、
この逆陵辱を止めたのだと気付いたのは、
「ほら、しっかりしなさいな」
 漆黒のセーラー服を着た黒髪の美女――“あとらっく=なちゃ”さんが、
僕の両肩を掴んでズルズルと引っ張り出してくれた後だった。
「…………」
「何をしているのかって? えーと……可愛い妹が姉さんに会いに来たのよ。うん」
「…………」
「そういう事を聞いているんじゃない? ええとぉ……ちょっと摘み食いを……あはは」
 ぺしっぺしっ
「痛たたたっ!!」
 相変わらず感情が全く読めないぼーっとした無表情で、
“うぼ=さすら”ちゃんの頭に触手チョップを入れているのは、
銀髪ショートヘアのゴスロリ幼女――我等が“あぶほーす”さんだ。
「危ない所でしたわね。もう少し来るのが遅れたなら、完全に同化吸収されていたわよ?」
「あ、ありがとうございます」
 僕は仰向けの姿勢のまま、頭上から見下ろす“あとらっく=なちゃ”さんに頭を下げた。
「礼は結構ですわ。それよりも早く、その御自慢のモノをしまってくださいな」
「は?……はっ!!」
 “あとらっく=なちゃ”さんの嘲笑的な眼差しが見ているモノにはっとした僕は、
真っ赤になりながらズボンとパンツを手繰り寄せた。
ううう、こういうのって妙に恥ずかしいんだよね……とにかく、何とか危機は脱したらしい。
「…………」
「別にあの人間とは何でも無い?
またまたぁ、自己増殖以外で子供作っちゃうなんて、相当に入れ込んでる証拠――」
 ぺしぺしぺしぺしっ
「痛たたたたたたたたたっ!!」
 一方、“うぼ=さすら”ちゃんは“あぶほーす”さんの無言の剣幕にタジタジだ。
連続触手チョップを頭に浴びながら、きゃーきゃー逃げ回ってる。
でも、その姿はどこか楽しそうに見えた。やっぱり姉妹だからかな?
……2人のフレアスカートが完全に溶け合って一体化してるし。
「あら、こんな所でぐずぐずしていていいのかしら? 侵入者はずいぶん前に先へ行きましたわよ」
 そ、そういえばそうだった!
僕は慌てて起き上がりながらズボンとパンツを完璧に履き直した。自分でも器用だと思う。
「ありがとうございます。“あとらっく=なちゃ”さんに“あぶほーす”さん!!
……それで、できればお願いが――」
「あの御方を足止めしろと言うのでしょう? 承知しましたわ」
 “あとらっく=なちゃ”さんの唇の端が不敵に吊り上がる。
“あぶほーす”さんも触手チョップしながら無言で傾いた。
「ほ、本当にありがとうございます」
「ふふふ、世話の焼ける隣人との付き合いも、もう慣れましたわ」
 僕は何度も頭を下げながら、“つぁとぅぐあ”さんの元に駆け出そうとして――
「えっとぉ……赤松の英ちゃんだっけ?」
 “うぼ=さすら”ちゃんの楽しそうな声に呼びとめられた。
「さっきはゴメンねぇ。少しからかってみただけなの。
始末するつもりは初めから無かったから、堪忍ね?」
 チョップの猛攻に頭を押さえながらウインクする“うぼ=さすら”ちゃんの明るい微笑みを見て、
彼女の言葉に偽りは無い事を、僕はなんとなく悟りながら全力疾走していた……
「だって姉さんってば、精神感応で赤ちゃんの惚気話を何度もするから、
私も気になっちゃって……大っきかったよね♪ やっぱり姉さんも気持ち良かった?」
「…………」
「ぺしぺしぺしぺしぺしぺしぺしぺしぺしっ
「痛い痛い痛たたたたたたたたたたたたたたっ!!
ゴメン!! 秘蔵の石版見せてあげるから堪忍してよぉ!!」
「やれやれ……ね」

 漆黒の闇の中に、発光する水晶柱だけが誘導光のように連続して輝いている。
この輝きの後を追って行けば、“つぁとぅぐあ”さんの元に辿り着ける事が、なぜか僕には理解できた。
「“つぁとぅぐあ”さん、大丈夫かなぁ」
 自然に独り言が漏れる。まぁ、“いほうんでー”さんの方は、
前回簡単に撃退できた事もあって、あまり脅威は感じていないんだけど……
 『脆木 薫』
 あの固茹でな男に、僕は得体の知れない雰囲気を感じていた。
特に危険な感じはしないんだけど、何か普通の人間とは違うような……
「“るりむ・しゃいこーす”に“うぼ=さすら”は撃退したようだな」
「うおわっ!?」
 いきなりすぐ隣から声をかけられて、僕は情けない悲鳴を漏らしてしまった。
 幼い身体を凶悪な拘束具で雁字搦めに縛り、
真紅のツインテールをなびかせて空中を滑るように並走するのは――
言うまでもなく“がたのそあ”さんだ。
 どうやら、考え事をしていたせいで気付かなかったらしい。
「何を驚いている」
「い、いや。何も」
 全力疾走とは別の原因で、心臓がバクバク言っているのがわかった。
 アイマスクとギャグボールで顔を隠している所為で、何を考えているのかは声質でしか判別できない。
この口調なら特に不機嫌ではなさそうだけど……この御方、怖いからなぁ。
他の神様達は軽い冗談を言っても笑って許してくれるか無視すると思うけど、
彼女は問答無用で石化しそうな気がするし。
「残る侵入者は2名だ。瞬滅するぞ」
「え? 手伝ってくれるんですか?」
「仮の宿とはいえ、我が住処に土足で踏み込む者は許さぬ。皆殺しにしてくれるわ」
 うわ、何のよどみもなく言い切ったよこの御方……やっぱり物騒だなぁ。
「何か不遜な事を考えなかったか?」
「い、いいえ、いえいえ。そんな。別に」
「……考えておったな」
 そして、ようやく“つぁとぅぐあ”さんの元に辿り着いた僕達が見た光景とは――
「んぁああっ! ひゃうぅうん! だ、ダメぇえええ……ああうっ!!」
「んんん〜やっぱり“いほうんでー”さんの太ももは美味しいですねぇ」
 まるで触手のような髪の毛の束に絡み取られて、全身の性感帯を責められている“いほうんでー”さんと、
彼女の股間に顔を埋めて、太ももをスリスリしながら秘所を舐る我等が“つぁとぅぐあ”さん。それに――
「わははははっ! このかくてるとやらも美味しいでござるなぁ!……ひっく」
「そいつはオレンジブロッサムだ。飲み易くていいだろ?」
 地面に敷いたピクニックシートの上で、真っ赤な顔で酒盛りしている“ゔぉるばどす”さんと、
シートの上に様々なお酒を並べて、彼女にカクテルを作っている脆木氏の姿だった。
「んんぅ? ひでぼんさんですねぇ……御一緒しませんかぁ?」
 唖然としている僕を、“つぁとぅぐあ”さんがほんわかとした蠱惑的な仕草で誘惑する。
その艶姿は“いほうんでー”さんとのレズプレイで湯気立つように火照っていて、
あまりの色香に理性が根こそぎ粉砕されそうだ。
もし、“るりむ・しゃいこーす”さんと“うぼ=さすら”ちゃんに最後の一滴まで精を搾り取られていなかったら、
僕は何も考えずに“つぁとぅぐあ”さんに突撃していただろう。
「す、すみません。ちょっと野暮用があって……ところで、“つぁとぅぐあ”さんは大丈夫でしたか!?」
「何が大丈夫なのですかぁ?」
 ……全然大丈夫みたいだ。よかったよかった。
「ふわぁっ!! いやぁ……またイクっ、イっちゃうっ!!」
 ミニスカサンタ服を剥ぎ取られて、
茶色の全身タイツ姿のまま“つぁとぅぐあ”さんの髪の毛に責められる“いほうんでー”さんは、
おそらく何十回目かの絶頂を迎えて全身をびくびくっと痙攣させた。
 まぁ、この光景はある程度予測できていたんだけど……問題は、あっちの方だ。
「貴様……何をしている」
 “がたのそあ”さんが拘束具の隙間に青筋を浮かべながら、
ケタケタ笑っている“ゔぉるばどす”さんに僕の疑問を代弁してくれた。
「んあぁ〜? “がたのそあ”殿にひでぼん殿も一杯飲むでござるかぁ?」
 ポニーテルを振り乱し、上着も肩が肌蹴て豊満な乳房が半分丸出しになっている
“ゔぉるばどす”さんの姿に、普段の凛々しい女戦士の面影は何処にも残っていない……
「何をしていると聞いている!!」
「いやぁ、怪しい曲者の気配を感じて捕らえたのでござるがぁ……その曲者が供物を捧げてなぁ……
……ひっく! それがまた美味しいのでござるよぉぉ」
 ようするに、酒で懐柔されちゃったわけね……
「まぁ、そんなわけで俺は捕まり、俺のオンナもあんたのオンナに……ほれ、あの始末さ」
 脆木氏は新たなカクテルを“ゔぉるばどす”さんに渡しながら、絡み合う2人の邪神に向けて顎をしゃくった。
「あんたがこうしてここにいるって事は、“るりむ・しゃいこーす”と“うぼ=さすら”も負けちまったって事かな?」
「え、ええ……まあ」
 脆木氏は、拍子抜けするくらいあっさりと両手を上げた。
「そんじゃ、降伏するぜ。俺達の負けだ……つーわけで、そろそろ俺のオンナを開放してやってくれないかい?」
「あ、はい……“つぁとぅぐあ”さーん」
「はぁいぃ〜」
 数分後――
「しくしくしくしく……なんでもっと早く止めてくれなかったのよぉ!! このダメ信者ぁ!!」
「いやな、お楽しみの所を邪魔しちゃ悪ぃと思ってな」
 泣きじゃくる“いほうんでー”さんに後からチョークスリーパーをかけられる脆木氏――
「はぁはぁはぁはァ……やはり千日戦争(サウザンドウォーズ)になってしまいましたカ……」
「この勝負……引き分けですネ……」
 あれからずっと“しょごす”さんと拳で友情を語り合っていたらしい、
全身に×字の絆創膏を貼りつけている“和風しょごす”さん――
「うふふ、ふふ、…、…気、に入っ、たわ、ぁ」
「わ、わぉん!!」
 顔をトロンと惚けて、ジタバタ暴れてる“てぃんだろす”に頬擦りしている“るりむ・しゃいこーす”さん――
「もう、姉さんってば相変わらず照れ屋なんだから……痛たたたたたっ!!」
 頭に串団子みたいなタンコブを生やしながらも、
まだ“あぶほーす”さんに触手チョップを食らっている“うぼ=さすら”ちゃん――
 唐突で脈絡の無い襲撃者達は、退散しようとしていた。
「なぁ、いいかげんに諦めようぜ?」
「ま、まだまだよっ!あいつにギャフンと言わせるまでは諦めないわ!!」
「ギャフン、ね……」
 肩をすくめる脆木氏は、“いほうんでー”さんの頭を慰めるように撫でながら、
僕に祈るように片手を掲げた。
「そういうわけだ。また俺のオンナが遊びに来るかもしれないが……ま、適当にあしらってやってくれ」
「誰があんたのオンナよっ!!」
「わかったわかった。今回は戦略的撤退といこうぜ」
 うーん、なんだかよくわからないけど、向こうは向こうで大変そうだなぁ。
「今回の事は後で埋め合わせさせてもらうぜ。邪魔したな」
「首を洗って待ってなさい! 食っちゃ寝旧支配者!!
今度こそあんたをボコボコにしてやるんだから!!」
「また遊びにきてくださいねぇ」

「次回のメンテナンスは何時でしたカ?」
「×××万秒後でス。
また88075983015449002477500269887844さんと一緒にお食事しましょうネ」
「アイ、コピー。約束ですヨ」

「さあ、帰、ろ」
「きゃうん! わん!」
「あの、“てぃんだろす”持ってっちゃダメです」
「ち、ぇっ」

「姉さんまたねっ。今度はダンナ様を貸してくれると嬉し痛たたたたたっ! 冗談だってばぁ」
「…………」

 三者三様――じゃない、五者五様な言葉を残して、
不可思議な襲撃者達は闇の中に消えて行った。
「ばいばぁい……また遊びに来てくださいねぇ」
「……喫茶店……行こ……」
「わん、わわん!!」
「ふゥ、久しぶりに手足触手を伸ばせましタ。たまには実戦もいいですネ」
「妹様、最後まで誤解していたみたいね」
「…………」
「またぁ、かくてるとやらを沢山持ってくるでござるよぉ〜〜〜ひっく!」
「……彼奴等もそうだが、結局、我は何の為に出て来たのだ?」

 ホント、あの御方達は何しに来たんだろう?
 あまりにも当然ながら、僕にはその理由がさっぱりわからなかった……
 ……何気なくズボンのポケットに手を入れた時、指先に『それ』が当たるまでは。
 その日の夜――

 カランカラン……

「いらっしゃいまセ」
 黒ずんだ樫の木の扉を押し開けるとほぼ同時に、
あの“和風しょごす”さんが深々と頭を下げて僕を迎えてくれた。
「あ、どうも」
「カウンター席へどうゾ」
 隣市の繁華街の外れにあったカフェバー『夏の終わり』は、
60年代のアメリカの場末の酒場を連想させる洒落た内装のカフェだった。
いや、もちろん当時のアメリカ風俗なんて知らないから、勝手な想像だけど。
「よう。思ったよりも早く来たな」
 バーテンダー姿の脆木氏は、カウンターの中でグラスを磨きながら僕を迎えてくれた。
あまり流行っていないのか、貸切にしてくれたのか、店内に僕以外の客はいない。
“るりむ・しゃいこーす”さんと“うぼ=さすら”ちゃんの姿もなかった。
“和風しょごす”さんは直立不動の姿勢で入り口の脇に控えている。
「さっきは悪かったな。詫びに何か奢らせてもらうぜ。好きなのを注文しな」
「ええと……マティーニを」
 こういう時にどんなカクテルを注文すれば良いのかなんてさっぱりわからないから、
知っている名前をテキトーに注文してみたんだけど、案の定、悪い例だったみたいだ。
脆木氏はほんの少し眉を寄せると、
「あれは女子供の飲む酒だ。男ならこいつで行きな」
 氷も入れずにグラスの中に注がれた琥珀色の液体を、僕は少し恐縮しながら受け取った。
酒にはあまり詳しくない僕には、ブランデーか何かとしかわからないけど。
 脆木氏も同じ酒を自分のグラスに注いだ。乾杯する気配も無く、一気にあおる。男っぽい飲み方だなぁ。
僕も真似しようかと思ったけど、間違い無くむせるから止めておこう。
「こいつは男のハートを動かすガソリンだ。定期的に補給しなきゃな」
 臭い台詞がまた似合うんだこれが。僕が言っても“いたくぁ”さん辺りに無表情で爆笑されるだろうな。
「ええと、これについてですが……」
 しばらくこの雰囲気を楽しみたかったけど、僕は意を決して本題に入った。
 カウンターの上に置いた名刺――これが僕のポケットに入っていた異物だ。
ここに記載されていたカフェバーの住所と、殴り書きのメッセージに導かれて、僕はここに来たんだ。
「指示通りに1人で来たか。律儀な事だ」
「まぁね」
 実は手首のミサンガに“おとしご”ちゃんがいるけど、それを告げる必要は無いだろう。
それに“和風しょごす”さんがいるという事は、こっそりと護衛を連れて来る事を予期していたに違いない。
 名詞のメッセージでは、お互い一対一で話し合う事になっていたのだから。
 僕は一口琥珀色の酒を飲んだ。かなり強い酒らしく、
一口で胸の奥まで熱くなる。それが僕の肝を座らせた。
「本題に入りましょう。僕達に迫りつつある、かつてない巨大な驚異とは何ですか?」
 脆木氏は無言でグラスにお代わりを注ぎ、
しばらく琥珀色の液体を揺らしてから、独り言のように語り始めた……
「俺達に迫り来る脅威というのは正確じゃないな……
脅威が迫っているのは、俺達のオンナ、『邪神』に対してだ」
「邪神に危機が?……“つぁとぅぐあ”さん達にですか!?」
「そうだ。それも超ド級の奴がな……下手すりゃ俺達のオンナだけじゃなく、
この地上から全ての旧支配者達が消えちまうかもしれねえぜ」
 あまりに荒唐無稽な内容に、僕は絶句するしかなかった。
あの偉大過ぎる超絶的な力を持つ『邪神』達が……消える? そんなバカな……
「“混沌化”……って言葉に聞き覚えは無いか?」
 ごとっ
 思わず僕の手からグラスが滑り落ちた。
『ユゴス総合病院』での出来事が、走馬灯のように高速で僕の脳裏に浮かぶ。
あの『大帝』と呼ばれる謎の怪人の言葉……それに、その単語が含まれていた。
「“混沌化”……貴方はそれを知っているのですか?」
「ああ、詳しい原理までは知らないが――」
 脆木氏の話によると“混沌化”とは、
簡単に言えば『特定の空間や物体が邪神の力を滅茶苦茶にしてしまうように汚染される現象』を差すそうだ。
“混沌化”された空間に入ったり物体に触れると、
邪神とその眷属は全ての力を失ったり、逆に力が暴走してしまう。
力を失った邪神は、肉体も精神もそれこそ人間レベルの存在にまで落ちぶれてしまうし、
暴走した邪神の力は、『擬似旧支配者』とも呼ばれる未知なるモンスターや超常現象を生み出す……
 『ユゴス総合病院』における“ゔぉるばどす”さん達の力の喪失と“み=ご”さん達の暴走――
 先日、中華料理店でゲルダさん達が話していた新種の魔物――
 ――全てがこれで説明できる。
「そんな“混沌化”が爆発的な勢いで地球上に広がっているんだ。
邪神達がどうなるか……説明するまでも無いだろ?」
「な、何とかならないんですか!? 皆が協力して頑張れば――」
 脆木氏は静かに首を振った。
「無理だな。地球上の全ての旧支配者が――いや、外なる神々が加わっても、
“混沌化”の拡大を防ぐ事は不可能だろう。何しろ『あいつ』が元凶なんだからな」
「……『あいつ』?」
「あらゆる外なる神々の中でも、最高位にある究極の邪神の一柱――」
 ぴしり――
「『這い寄る混沌』だ」
 世界の何処かで、何かが軋んだ。
「……『這い寄る…混沌』……」
 その『名前』を呟いた瞬間――僕の心臓が凍結したのがはっきりと感じられた。
 それが途方も無く恐ろしい意味を持つ『名前』である事が、絶対の真実としてわかるんだ。
 理性ではなく――狂気の元に。
「『這い寄る混沌』はここでは“ブラックメイド”と名乗っているらしい。
そいつが何の為に“混沌化”なんて胸糞悪いものを世界中に広げているのかは謎だ。
そもそも邪神が何を考えているかなんて人間風情に理解できるわけがねぇ。
ただ1つ、確実に言える事は、このまま“混沌化”が進行すれば、
全ての邪神が地上から駆逐されちまうって事実だ」
 頭の中が真っ白に漂白されるような戦慄が走る。
 このまま“混沌化”が広がれば……“つぁとぅぐあ”さんに、“いたくぁ”さんに、
“てぃんだろす”に、“しょごす”さんに、“おとしご”ちゃんに、“ばいあくへー”さんに、
“あぶほーす”さんや“あとらっく=なちゃ”さんに……みんなに会えなくなってしまう!?
 しかし、その戦慄すらも『まだ半分』に過ぎなかったんだ。
「そいつが、迫り来る脅威の1つだ」
 ごとっ
 脆木氏の言葉に、僕はもう一度グラスを落とした。
今度は中身をこぼしてしまい、琥珀の水溜りがカウンターに広がっていく。
脆木氏も僕も、それを拭き取ろうとはしなかった。
「もう1つ、それよりも直接的な危機が迫っている」
「それは……一体なんですか!?」
「『大帝』だ」
 再び、あの病院での戦慄が僕の記憶中枢を掻き乱した。
 白い――白い――どこまでも白い。残酷なまでに純粋な白――
「『大いなる深淵の大帝“のーでんす”』――それが『大帝』の名だ」
「『大帝』……“のーでんす”……」
「そいつは外なる神々の中でも特別な存在の1つで、旧支配者達をも軽々と封印する怪物って噂だ。
邪神達にとっては、ある意味『這い寄る混沌』よりも厄介な存在らしい。
そいつがこの地上で活動を開始したんだよ」
「活動……とは?」
「『邪神狩り』だ」
 “混沌化”と同じ種類の戦慄が、僕の背筋を凍らせた。
「なぜ『大帝』が邪神を始末して回っているのかはわからない。
ある旧支配者は徹底的に滅ぼしたのに、別の旧支配者には見向きもしないって感じで、
必ずしも全ての邪神の脅威になるとは限らないらしい。
だが、俺達のオンナにとって非常に危険な存在である事に変わりは無ぇんだよ」
 沈黙が世界を支配する。
 “混沌化”に『大帝』――正直、それが何を意味するのかは全くわからない。
 しかし、それがとてつもない脅威となって、僕達に迫りつつある事だけは、
絶対なる真実として確信できた。確信できるんだ。
 何か、とてつもない事が起きようとしている――
 ……それにしても、
「あのぅ、1つ聞いてもいいですか?」
 厳格な教師に質問する心地で、僕は小さく片手を上げた。
「なんだ?」
「……なぜ、この事を僕に教えてくれたのですか?
別に僕を仲間に誘おうとか、そんなつもりではなさそうですし……
今日の襲撃も、僕とこうして話し合いの場を設ける為だったのでしょう?」
 脆木氏は無言で僕に向かって――いや、
カウンターテーブルにこぼれたブランデーに向かって手を差し伸ばした。
 そして――
「えっ!?」
 僕は目を見張った。ビデオを巻き戻すみたいに、こぼれたブランデーがグラス目掛けて動き回り、
独りでにグラスを這い上がって、きちんと中に戻ってしまったんだ!
「これは……なんですか!?」
 脆木氏はつまらなそうに片手をぷらぷら振って見せた。
「俺はちょっとした『魔法』が使えるんだ。
まぁ、魔法といっても手品程度の事しかできないチンケなものだがな」
 パチン、と脆木氏の指が鳴ると、グラスの中でブランデーが渦を巻いていく。
「この力は先祖代々受け継がれていった。その源流を探ると、
今から40万年前のヒューペルボリア大陸の魔道師にまで遡るらしい」
 渦の回転は、徐々にスピードを上げていく。
「そいつの名前は“モルギ”――何でも“いほうんでー”神に仕える神官だったそうだ」
 なるほど、だから今の脆木氏も、“いほうんでー”さんの接触者になれたのかな。
 でも、それと僕に脅威を教えてくれた事に何の関係が?
「その御先祖様は、魔法の力だけじゃなくて、あるメッセージを代々伝えるように子孫に命じていた。
つい最近の世代まで、そのメッセージがどんな意味を持つのかさっぱり分からなかったそうだが……
あんたに、そのメッセージの内容がわかるかい?」
「いや、そんな無茶な」
「もう教えてあるぜ」
「は?」
「そのメッセージの内容はこうだ。
『西暦20××年、八月○日、日本国○○県○○市○○町のカフェバー「夏の終わり」にて、
ツァトゥグア神の接触者である“赤松 英”に以下の情報を伝えるべし。
“2つの脅威が迫っている。それは――”』……ってな」
 今までで最大級の衝撃が、僕の脳味噌に叩き付けられた。
 40万年前の魔術師が……なぜ僕にメッセージを?
しかも、今迫りつつある危機をって……どういう事だ?
「話はまだ終わっていないぜ」
「えっ?」
「ちなみに、そのメッセージは神官モルギ自身があんたに伝えたかったわけじゃなくて、
彼の友人――最初はライバルだったそうだが――が、神官モルギに頼んで代々継承してもらったそうだ。
神官モルギとその子孫、そして俺はそいつのメッセンジャーに過ぎない」
「その、モルギ氏の友人とは?」
 かしゃん!
 内部回転の圧力に耐えられなくなったグラスの破砕音が、合図のように店内に響く。
「古代ヒューペルボリア最大最強最高の大魔道師。
禁断の魔術書の著者。最もツァトゥグア神に愛された男――
どうやら、あんたはその男かその男の知り合いの子孫らしいな。身に覚えはないか?」

 ゲルダさんは言った。
 ――『君には魔術師としての素質がある』――

「その男の名は――“魔道師エイボン”」
 ――同時刻。
「……はい……はい……確かに、時間的余裕はありませんね」
「……はい……しかし、それは……」
「……はい……そこまで『大帝』は動いていると……はい……」
「……はい……可能性は低いですが、やってみます」
「……はい……はい……」
「……はい……承知しました。“はすたー”様」

続く
1レス目に名前を入れるの忘れました……_| ̄|○

なぜか個人情報がバレてるし……_| ̄|○

今年中に完結させたかったのですが、無理かな……_| ̄|○

では。
191名無しさん@ピンキー:04/12/24 16:13:18 ID:UcF32nXp
|)神
|・)神来
|・∀)神来て
|・∀・)神来てた
|(・∀・)神来てたー!
|( ´д`)ハァハァハァ…ウッ
|___〇
192名無しさん@ピンキー:04/12/24 16:18:13 ID:FfM3VCUT
読んだあとしばらく茫然自失しちまったよ・・・。
凄い。上手くいえないけど、SAN値減るほど感動してしまった。
いよいよ大詰めか・・・。見たところ後3,4話位か。
ありがとう。そして、乙カレー。
193名無しさん@ピンキー:04/12/24 16:30:05 ID:fP8k+r/W
194名無しさん@ピンキー:04/12/24 16:38:28 ID:m68D/Bnv
>>190
G.O.O. JOB!!!!です。いよいよ大詰めですか…。
脆木←モルギに気がつかなかった私は神話ファン失格ですな。

> 1レス目に名前を入れるの忘れました……
一読すれば何方かは明白ですよ。ドンマイ

> なぜか個人情報がバレてるし……
む、それはいけません。
御身のご病気を聞いてスレ住人達がいろいろと心配しましたが、
そこに御身にとっての行き過ぎや悪意の介入があったのでしょうか。
申し訳ないと思う住人の一人として、申し訳ありません。

> 今年中に完結させたかったのですが、無理かな……
予定がなかなか実現できないのは邪神ならぬ人の世の常ですよ。
お身体に障らぬよう続けてください。

あと、いまさらの事後報告ですが、より読みやすい構成やレイアウトを考えつつ、
「萌エロクトゥルフ万魔殿」にも各話を収録・掲載させていただいております。
何か不都合がございましたら「神話萌えスレ」の方でお申し付けください。
195名無しさん@ピンキー:04/12/24 17:27:19 ID:RdoOSAOE
>ウルトラ真ボスの弾幕
St.2にすらいけないさ!ふん!
196名無しさん@ピンキー:04/12/24 17:51:40 ID:0gELnQa0
水枕の代わりとして5時間も地味に活躍したいたくぁさんに抹茶パフェを奢ってやってください。
197名無しさん@ピンキー:04/12/24 18:13:10 ID:64umO9sI
ニャル様JR━―━―━(゚∀゚)━―━―━― !!
今回もSANがガリガリ削られる思いですたw
198名無しさん@ピンキー:04/12/24 19:28:21 ID:yB9ky/TR
お前はもう来るんじゃねえ!
見ててムカつくんだよ!死ね!
199マボと呼んだ人:04/12/24 19:28:48 ID:mB5roS5I
ああ、今回も楽しませていただきました。(恍惚

前に予告したものが完成しましたので、一括うpります。

ttp://www.degitalscope.com/~mbspro/userfiles_res/database/231.txt
(エロは無し)
200名無しさん@ピンキー:04/12/24 19:35:05 ID:yB9ky/TR
>>149-190
調子に乗るなよこの野郎…
お前なんかいなけりゃいいのに…
いい気になるな!一度終わった話を何度も書き足すな!
保管庫に収録されていい気になってるんだろ!
消えてくれ!
201名無しさん@ピンキー:04/12/24 19:40:37 ID:FfM3VCUT
>>200
ちょっと落ち着けよ。なんか嫌な事でもあったのか?
202名無しさん@ピンキー:04/12/24 19:47:08 ID:rkqfdO/d
>>201
関連スレにまで出没して作者さんに粘着している奴だから無視しろ
203名無しさん@ピンキー:04/12/24 19:56:36 ID:B+J5z5vl
思ったより来るのが早かったな>いつもの粘着
ご苦労なこった
204名無しさん@ピンキー:04/12/24 20:17:36 ID:0gELnQa0
ある種、有名税みたいなモンですな。気にせず頑張って頂きたい。
205名無しさん@ピンキー:04/12/24 20:24:14 ID:yB9ky/TR
もう書くな!
206名無しさん@ピンキー:04/12/24 21:13:08 ID:XlDmh/tB
GJです〜。それにしても大帝はノーデンスでしたか・・・。
てっきりアザトースだと思ってました(汗
207名無しさん@ピンキー:04/12/24 22:28:11 ID:ieELT4ld
>>202
便乗叩きかも知れんがね。

いずれにせよ、精神が不調気味なようで、まあ気の毒な限りさね。
208名無しさん@ピンキー:04/12/24 22:42:56 ID:ieELT4ld
業務連絡

件ノ人物 和解セリ




ID:yB9ky/TRよ、祭はもう終了だ。
209ムカデ姫作者 ◆AXKsZxbjas :04/12/25 07:04:24 ID:aA+04YqB
お久しぶりです。
前回は感想ありがとうございました&返信遅れてすみません。
調子悪かったパソがやっとこさ復旧し、
クリスマスということで新作投下しようと思ったんですが
エロシーンまで間に合いませんでした…。
取り合えず完成部まで投下させて頂きます。
挨拶その他はあとがきにて…
210黒いサンタ ◆AXKsZxbjas :04/12/25 07:05:50 ID:aA+04YqB
時は12月24日。
世間一般じゃあ性なる夜と呼ばれてる、カップルのための日だ。
ま、独り者の俺に取っちゃ関係ないけどな。
残り物で作った夕食を食べながら、俺はぼんやりとエロビデオを再生していた。
クリスマスということもあり、時期限定とかいうのを借りてきたんだが、
ねーちゃんがサンタ帽を被っていること以外、ただのAVと代わりゃしねぇ。
…このねーちゃん、前に見たAVでネコミミつけてたな。もういいや、OFF。
あーあ、わびしい…。
漫画やなんかじゃこういう時、ミニスカサンタなおねーちゃんが表れて
「今夜は私がプ・レ・ゼ・ン・ト♪」とかいって
あんなことやこんなことしてくれるのになぁ…。
ホント現実は地獄だぜフゥハハハー orz

「なら地獄に来てみるか?」
いきなり後ろからそんな声がして、俺はビクッと振り向く。
そこは散らかりきったいつもの台所。出しそびれた大きな黒いポリ袋が5つ。
…5つ?
昨日の時点じゃ3つだけだったはずだぞ?
いつこんなに袋出したかなぁ…。
「誰がポリ袋だ誰が」
「うわぁっ!?」
ポリ袋だと思っていた黒い塊の一つがのっそりと起き上がる。
ツヤのない、煤けた真っ黒いローブに身を包んだ、人の姿。
布の隙間から冷たい目だけが俺を見下ろしている。
「な、何なんだ?! あんた一体…」
「お望み通り、サンタだ。もっとも、悪い子に来るサンタだがな」
211黒いサンタ ◆AXKsZxbjas :04/12/25 07:07:15 ID:aA+04YqB

人間、突っ込み所がありすぎると固まってしまうものらしい。
その格好のどこがサンタやねん!
もしもし警察ですか、不審者が…。
悪い子って何だ悪い子って。
声くぐもってて男か女かわかんないな。
そんなことをぐるぐる考えていると……
「赤いサンタは良い子のためのサンタだ。
悪い子には黒いサンタがおしおきに来る。
私は不審者などではない。サンタ認定委員会からも特別認定書をもらっている。
お前が悪い子と認定されたのは部屋の散らかり具合。ろくにバイトも就活もしない
生活態度。親からの仕送りでのうのうと遊び暮らす腐った根性。
これらを総合してのことだ。分かったか?」
「う゛っ…」
一気に早口でまくし立てられ、俺は思わず黙り込む。
考えを口に出してはいないし、弱点だらけの私生活もずばりその通りだ。
ただの人間じゃなさそう…。もしかして、本当にサンタ?
「最後に」
突然に声質が変わる。曇りのない、まっすぐな声。
口元を隠していた襟は下ろされ、形のいい顎と唇が露わになる。
深く被っていたフードの下から現れたのは、流れるように艶やかな黒髪。
どこか冷たい感じだけど、震えが来るような美しい瞳。
「私は女だ。ブランサという」
表情一つ変えず、その人…ブランサさんは言い放った。
俺の結論:美人だからなんでもいいや!
212黒いサンタ ◆AXKsZxbjas :04/12/25 07:09:09 ID:aA+04YqB

「で、どういったご用件なんでしょうか?」
俺は速攻で部屋にスペースを作る。そのままでは座れる隙間もなかったので、
ゴミやら私物やらは壁際にかき寄せ、座布団にお茶など出しつつブランサさんの
態度を伺う。
「そうだな…」
ペットボトルから注いで暖めたお茶を一口すすると、視線はそのままに
手元にあったポリ袋をがさごそやり始めた。
「決まりではこういうものを贈ることになって…ってぇ!?」
ブランサさんの顔色が変わる。身体中がビリビリっと震えた…ように見えた。
ばふーっ!!
次の瞬間、ゴミのつまったポリ袋が俺の顔面を直撃していた。

「紛らわしいものを放置しておくな!! ゴミ袋の口は縛っておけ!」
だばだばと水道で手を洗いながら、ブランサさんはおかんむりだ。
…ゴミ袋と自前の袋間違えたのはそっちなのに。
ま、ソロ活動した後の湿ったティッシュなんか掴んだら無理もないか。
俺は赤くなった鼻を擦りながら苦笑いする。
「まったく…とりあえず、だ」
ぴゃっぴゃっと水滴を払い、コホンと小さく咳払いをすると、
改めて自前の袋から何かを探すブランサさん。
ちょっと顔が赤いのは気のせいだろうか?
「覚悟はしておけ。私は赤いサンタのようには優しくないぞ」
…やっぱり気のせいだったみたいだ。
氷のような微笑で薄汚れた袋をまさぐってるのは、なんか怖い。
その袋、もしかして生きもの入ってません?
中で得体の知れない動きしてるんですけど…。
213黒いサンタ ◆AXKsZxbjas :04/12/25 07:11:49 ID:aA+04YqB

 俺の恐怖心を煽りながら、ブランサさんは怖い顔で何かを取り出す。
「メリークリスマス。悪い子へのプレゼントを贈ろう」
魂も凍るような声と共に、差し出されたものは!

牛モツ・特価398円。

「………」
「………」
 牛モツ・特価398円。
スーパーなんかでよく売ってる、パック詰めの牛モツ。
ご丁寧に50円引きのシールまで貼ってある。
ブランサさんが袋から取り出したのはそれ以外の何物でもなかった。
 懇親のギャグが思いっきり滑ったときの重苦しい雰囲気が部屋を包む。
痛い…これはハッキリいってかなり痛い。つか、いたたまれない。
確かにきっついおしおきだ。
「…えーと、ごめんなさ」
「間違えたぁぁぁっ!!」
 俺が謝りの台詞を言い終えるより早く、ブランサさんの絶叫が部屋に響いた。
「やっちゃったぁ…本当は逆光で袋から血まみれの内臓掴み出して、その後
『どうしてくれようかねぇヒッヒッヒ…』って魔女みたいに
やるつもりだったのに、これじゃコントじゃない…。ああ、失敗したぁ〜」
 さっきまでのクールさはかけらもなく、頭をがしがし掻きながら取り乱すブランサさん。
その姿があんまり面白くて&可愛くて、俺は爆笑したいのを必死でこらえた。
空気を変えるために何とか別の言葉を搾り出す。
「と、取り合えず、一緒にこれ食べませんか? 鉄板ならありますし」
214黒いサンタ ◆AXKsZxbjas :04/12/25 07:13:37 ID:aA+04YqB
 じゅうじゅうと音を立てて、特価・更に割引で348円の牛モツが焼けていく。
薄く切った、というより皮ばかりの野菜も一緒だ。
動物の内臓以外にはジャガイモの皮なんかも悪い子用プレゼントの項目に
入っていたらしい。
 ま、ビンボーしていた時期もあるんで、これはこれで食べれなくはない。
「どうしてこういうことになっちゃったのかなぁ…」
 鉄板を挟んでビールをちびちびやりながら、複雑な表情のブランサさん。
黒尽くめのサンタな女の人と向かい合って鉄板をつついているのは、
よく考えると結構シュールな光景だ。
「人間誰でも失敗あるから、そんなに気にしない方がいいよ?」
「私、サンタなんだけど」
「細かいことはいいじゃん。牛モツおいしいし」
「そうね…」
 かなり凹んでいるようだが、食欲はそれなりにあるらしい。
牛モツが次々口の中に消えて行く。
それに比例するかのように増えて行くビールの空き缶。
…食費、浮くどころか赤字だなこりゃ。
215黒いサンタ ◆AXKsZxbjas :04/12/25 07:16:54 ID:aA+04YqB

「らいたいれぇ、あらしだって赤いサンタやりらかったわよ! ひっく」
 足元に10本目の空き缶が転がる頃、ブランサさんは完全に「出来あがって」いた。
冷たい感じだった目元はトローンと下がり、ほんのり赤くなった指先が色っぽい。
ローブの襟も緩み、ちょっと覗けば鎖骨が見えそうだ。
「普通さ、サンタと言えば赤じゃない? 黒いサンタもあるって知ったのは
偶然だったのよぉ。で、なんか面白そうだなーって赤黒両方の資格試験受けたら
両方通っちゃって。そしたらさー、『黒いサンタは数が少ないからそっち優先しろ』
って上司がいうのよ!? 暗いし地味だし嫌われるし、
言葉遣いは注意されまくりだし、あの時余計な好奇心
出さなきゃよかった…って、聞いてる?」
「聞いてる聞いてる。それで?」
 こんな感じで、俺はしばらくブランサさんの愚痴に付き合っていた。
サンタの資格試験やら上司やら想像もしないことがポンポン飛び出すんで
それほど退屈ってわけでもない。
「あーあ、仕事やめちゃおっかなぁ…」
 ひとしきり愚痴をこぼし終わると、ブランサさんはテーブルに頬づえを着いた。
「仕事なんて、あるだけマシだよ。いっくら会社回っても門前払いされてさ」
「言うねぇ、無職クン。私がここに来た理由はなんだったかな?」
「…生活態度が悪い子認定された。サボっててゴメン」
「あはは、正解〜」
 ケラケラ笑いながらブランサさんは俺の背中をバシバシ叩く。
特別悪い子は袋でぶっ叩いているというだけあって、ちょっと痛い。
「じゃあ正解者には〜」
不意に背中を叩く手が止まる。同時に唇に広がるビールの匂い。
 軟体動物のような舌が唇の中を一回り。
俺からすっと離れたブランサさんの口元からは、一本の唾液の糸が伸びていた。
「…おねーさんから、キスのプレゼント。な〜んちゃって」
それが、始まりの合図だった。
216 ◆AXKsZxbjas :04/12/25 07:22:14 ID:aA+04YqB
というわけで時間切れです。自分の遅筆が恨めしい…。
今回は通常の文体ですが大丈夫でしょうか?
なんとか年内には完成させたいです。
次回以降はネタだけなら割とストックあるんですけどね。
バイクなおにゃのこと走りながらえちしたり…

> ◆ANYAt9rOT.さん
台詞がとにかくえろいです。ショタ属性はなかったはずなんですが
ユート君…いいなぁ

>マボさん
今更ですが新スレ乙です。電車内シスタープレイ…
まさに萌えの超特急ですわ

>鬼姫書いてー
面白い素材だとは思います。
ただ年増偽善者さんとその妹達も大好きなので、イメージが
引きずられてしまいそうな気が…アレ、気温ガ…?

>至高人のひとさん
エロいわ爆笑だわボリューム凄いわで、正直羨ましいです。
この夫婦の子供は大物になりそうですね、色々とw

>ひでぼんのひとさん
お身体の方はもう大丈夫でしょうか?
今回も沢山の小ネタと独特なシチュエーションに感動させて頂きました。
綾k…じゃない、“うぼ=さすら”さんにGJ
217名無しさん@ピンキー:04/12/25 11:11:39 ID:GqafY/S+
ドジっ娘いいなあ。
普通ドジっ娘といえばメガネ&気弱がデフォルトらしいのですが
個人的には気の強いドジっ娘ってメチャ好きです。僕は賛成ですが。
ドジやらかした後に顔が赤くなって主人公に八つ当たりするのも最高です。
ともかくGJ!
218名無しさん@ピンキー:04/12/25 19:40:10 ID:aBqXO8W5
クリスマスぷれぜんと、ダブルで来たー!わはーい

>ひでぼんのかた
”いほうんでー”ちゃん、イイですねぇ・・・とくにチョークスリーパー(そこかい)
”あぶほーす”ちゃん、すごくイイですねぇ・・・子煩悩なところとか

・・・これじゃあただの萌え狂うダメなひとですね。
ライザンバーはVならPCエンジンでやったことがあります。グラフィックとかBGMとかR-Type風でカッコイイと思いました。
八甲田山は最後には脱いじゃうので防寒具ネタならアムンゼンとかいかがでしょう?・・・最後遭難して死んじゃいますが。
バツの字絆創膏って「三つ目が通る」ぐらいしか知らないです。
キャラ立てて、きっちり伏線とか張って(最後”はすたー”様ってことは次はあの人再臨?)、ネタまで盛り込まれててほんと毎回楽しみです。でも、目下最大の関心事は
 『大帝』とブラックメイドとはヤれますか?
だったりします(だめじゃん)。
読中、読後、次回待ちの時間をすべて、わくわくとしてすごしてます。ありがとーございました。

>むかでひめのかた
 お早い再臨にただひゃっふーと叫んでます。モツ焼き、美味しそう・・・。
筆の速さに関しては私も常々悩んでます。客観的な速さというより、脳内と指先の進行度合いの差というか、
「頭の中ではラストシーンまできっちり仕上がってるのに、どうして俺はエロシーンの手前で赤面して止まってるんだー」
というやつです。・・・思ったりしますよね、ね、ね(強引)!
 彼女の袋から次に何が出てくるのかどきどきしつつ完成を御待ちしています。

クリスマス何もしてなかったから、お正月ぐらいおせち料理の一品代わりになにかうpしたい森精書きでした。
219名無しさん@ピンキー:04/12/25 19:41:04 ID:aBqXO8W5
>おに 
予告

いかなる手を使っても、勝たねばならない。
ガッ!
女の繊手とは思えない衝きが、足元に突き刺さった。
「桃太郎!首を洗ってまっていろ!」
・・・
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんとむすこのももたろうがくらしていました。
・・・
「そちらの方に、何か用事があったような気がします。とてもとても、大切な用が・・・」

とか書いてみてたりします(一部抜粋)。で、ちょっと助けて欲しいのですが、
・鬼娘と犬猿雉の名前なにかイイのありませんか?
名前が考えられません(切実)頭の中では「おに子、ポチ、モン吉、ぴーこ」で仮置きしてますが、
そんな名前では恥ずかしくてうpれませんTT
「こんなのどうよー」とか有ったら、なんか書いといてもらえませんか?
スレのみんなのネタをオラにわけてくれ。
220名無しさん@ピンキー:04/12/25 20:16:47 ID:AKoyHTcX
>>219
んー。登場人物の名前ねえ。
とりあえずキャラのノリだけでも教えてもらわないと想像できんわけだが。でも一応案。

・鬼娘=彩女
「殺め」と引っ掛け。ダークにエロティックな感じで。
ってこれ、天誅のヒロインの名前だったような・・・。

・犬=たまき
たまき。誰が何と言おうとたまき。ご主人様に良くなついている犬耳っ娘で。確定。
いやちょっと待って石投げないであwせdrftgyふじこl(ry

・猿=明日華
適当。

・雉=疾美
大阪弁で喋る商売人風の娘で。

あらすじ〜桃太郎は鬼が島から帰ってきて、人外美少女三人とハーレムで豪遊してました。
そこで鬼娘が乱入してきて、「何しとんじゃおんどれぇぇぇっ!」と6人を吹き飛ばしました。
おしまい。
ってわがまま多すぎだな。これじゃ自分で書いたほうが早いや。
全く参考にならなくてすまん。
221名無しさん@ピンキー:04/12/25 22:14:34 ID:xMJ/HaD6
西洋風
鬼娘→オークガール→オクガル→クル→栗→栗菜
犬→ドッグ→どつぐ→つぐ→鶫
猿→モンキー→もんきい→もうくい→いくうも→伊も→伊奈
雉→バード→葉アド→葉→瑶子→はるか

猿と雉はムリヤリです。
222名無しさん@ピンキー:04/12/25 22:40:54 ID:cbXXGrL0
るりむ・しゃいこーすさんの外見のネタ元ってひょっとしてライダー?ハァハァ
>>220
たまきんだけは勘弁してください……あの女を連想するんですorz
223名無しさん@ピンキー:04/12/26 09:56:58 ID:UcqNsvq8
トリビアネタまで使うおまいらのアレ、とくと堪能して貰ったぜ
224名無しさん@ピンキー:04/12/26 16:06:39 ID:y6A7ypfA
>>222
ワラタ

犬娘といえば、あかりだろ(w
225名無しさん@ピンキー:04/12/26 18:35:38 ID:bpYDD5Sp
>>222
ええ? そんなえろちっくなライダーなんて見たことありませんですよ!?

それとも今年見逃した劇場版剣に・・・?
226名無しさん@ピンキー:04/12/26 18:45:06 ID:34NeAlNV
桃太郎の続編って、江戸時代(桃太郎本編は確か室町)に出来た、
今でも沢山あるゲームのED後を妄想して書いた二次作品みたいな物だし、
桃太郎自体も吉備津彦をモデルにした二次作品みたいな物、二次作品は日本の由緒正しい文化と言えるわけですね。

犬娘といえば僕的にはマージ。
マイナーな上に馴染み難い外国人名で御免。
227名無しさん@ピンキー:04/12/26 18:59:02 ID:+SJjHj8N
>225
Fate ライダー
でぐぐれ
228名無しさん@ピンキー:04/12/26 23:37:32 ID:NMcmpuE1
>>226
粗も多いが人外ヒロインいっぱいのいいゲームだったな
229名無しさん@ピンキー:04/12/27 04:09:50 ID:dPnwHWBA
ひでぼん作者様(前はこういう呼ばれ方だったような…)乙カレ様です。
名前の由来に気づかなかった漏れはまだ全然ダメっぽってコトですね。
名前間違えたのもそのせいか…。ヒモなしバンジーはもう体験落下済みなので今度はひもアリで首吊って(ry

ええと、陶子さんのエプロンってこんな感じでしょうか?
ttp://akm.cx/2d2/img/4196.jpg

リアルでめぞん観てなかったからどうにも資料少なくて (´・ω・`)
それなりに自分で”piyo piyo”イメージ検索したりとかしたですよ。ええ。
今見たらめっさ投げやりなヒヨコのデザインだった事に気付いたり。
ていうかなんだあのTシャツ外人は(汗
230名無しさん@ピンキー:04/12/27 04:13:27 ID:3DUfmhrT
か、神だ・・・・・邪神が舞い降りたぞー!
231また間違えた( ;゚Д゚):04/12/27 04:18:24 ID:dPnwHWBA
透子さんでしたマジスイマセン
232218:04/12/27 07:34:56 ID:UxCb08cj
OK!るインスピレイション沸きました。
執筆開始です。

>220さん、その設定で書いてみませんか・俺のもっと欝っぽくなりそうです。
233名無しさん@ピンキー:04/12/27 18:42:40 ID:KXvKq+Nx
>>222
ライダーというよりも某所のルリム・シャイコースの絵そのまんまなのだが…
海外のC.A.スミスのファンサイトにも貼られていたしな
234名無しさん@ピンキー:04/12/27 23:18:55 ID:dLZdGi3e
>>233
先生! 身体に包帯巻いてる所しか共通点が見当たりません!
目から真っ赤な涙は原典の描写とほとんど同じだし。
まぁ、似てる似てないの基準は人それぞれだけど。
235235 ◆MABOUp7up. :04/12/28 00:42:18 ID:daVqN3Cl
http://sslibrary.arings2.com/sslibrary/o/original13a-8.html の続き。


「はあ……はあ…はあ……」
「………ひ、久弥君………こ、これ……あなた、まさか……?」
「……あ……あ、ああ……」
肩で息をさせる、久弥の耳と尻尾をまじまじと見つめ、雪枝が驚きの声をあげる。
だが、久弥は射精の快感からか、全身をピクピク震わせ、声にならない声を漏らすのみだった。
「ん〜、ん〜」
「こおら、千奈美ちゃん。久弥君から離れて。まったく……お風呂に行きますよ?」
久弥の精液にまみれた、千奈美の髪の毛を軽くさすりながら、雪枝が呆れ気味にひとことつぶやく。
その千奈美は、未だに久弥の尻尾に頬擦りし続けている。
「久弥君も、続きはそこで、ね?」
「う…ああっ、あっ……」
雪枝は、手についた精液を舐めすくいながら、久弥のペニスの先端を、
もう片方の指で軽く弾いたかと思うと、耳元でそっとささやいた。
久弥は一瞬、ビクンと体をすくませたかと思うと、呆けた顔で雪枝を見返しながら、コクリと頷いた――
236235 ◆MABOUp7up. :04/12/28 00:42:39 ID:daVqN3Cl

少し時間は遡って、一階の風呂場では――

「さて、亮太さん、まずは体を流してさし上げますえ」
「あ……ど、どうも……」
葉子さんに促され、腰に手拭いを巻いたまま、風呂場の椅子に腰掛ける僕。
「?? どうしたんどすか? こちらですえ……?」
だが、葉子さんの怪訝そうな声が背中越しに聞こえ、僕は思わず振り向いた。
そこには、いつの間にかピンク色のマットが敷かれていて、葉子さんが笑みを浮かべて座っている。
……こ、これってもしかして……。
「さ、どうぞ、亮太さん……」
「は、はひ……」
葉子さんの目が光った――ような気がした――次の瞬間、僕はまるで、
何かに操られているかのように、フラフラと立ち上がり、そのままマットの上に寝っ転がった。

「さ…いきますえ、亮太さん……」
「う、うん……」
石鹸を自らの体にまぶし、泡まみれになった葉子さんが、僕に向かって声を掛けてきた。
僕は夢うつつの状態で、コクリと頷く。
「んふ……ん…っ……んんっ…」
「あ、ああっ……や、柔らかくて、気持ちイイ……」
と、葉子さんは僕の上に圧し掛かり、そのまま自らの体を押しつけてきた。
思わず口を突いて出る感想。……よ、葉子さんの下腹部が…ア、アレとぶつかって……。
「んまっ……。そんなこと言ってくれるなんて……ん…んふっ……」
葉子さんは嬉しそうに微笑みながら、体の揺さぶりを大きくさせる。
……その頭に、犬のような耳が生えているような気がするけれど、多分それは気のせいだと思う。
237235 ◆MABOUp7up. :04/12/28 00:43:04 ID:daVqN3Cl
「……っ、亮太さんたら……もう、こんなにさせちゃって……嬉しい」
「っ……よ、葉子さ……あ、ああっ……」
不意に、葉子さんが後ろ手に、大きく膨らんでいた僕のモノを撫ですさりながら、耳元でささやく。
背筋を走る、ゾクゾクした刺激に震えながら、僕は喘ぎ声を漏らしていた。
「さあ……ここは念入りに、綺麗にしないと、ね?」
「……は…ひ……」
上半身を起こした葉子さんは、モノを優しくしごきながら、微笑みかけてきた。
虚ろな表情で、コクリと頷く僕。……やっぱり葉子さんの頭に、犬の耳が見えるけど、それは幻覚だろう。
「それにしても……ホンマに、立派なおちんちんどすわあ……っ…あ、ああっ……」
「………くっ……うっ………」
言いながら、葉子さんは自らの下腹部を、モノに擦りつけてくる。
微妙な刺激に、僕は思わず身をよじらせながら、息を詰まらせていた。

「………亮太さん……いきますえ?」
「……う、うん………っ」
しばらくの間、葉子さんはモノに下腹部を擦りつけていたが、不意にその動きをピタリと止め、
モノの先端を、割れ目に半分近く潜り込ませながら、僕に語りかけてくる。
僕は快感に脳が痺れ、葉子さんの言葉に対し、半ば反射的に頷いていた。
238235 ◆MABOUp7up. :04/12/28 00:43:23 ID:daVqN3Cl
「………っ、は、ああっ!」
「! あっ! あ…っ!」
僕が頷いた途端、葉子さんは腰をすとんと落とした。
その直後、下腹部から凄まじいまでの刺激が響き渡り、思わず声が出てしまう。
葉子さんは上半身を仰け反らせながらも、腰を上下に揺さぶりだした。
「あうう、あっ! はああっ!」
腰を上下に揺さぶるたびに、葉子さんの口から悲鳴に近い喘ぎ声が漏れだす。
未だに泡まみれの、葉子さんの形のいい胸が、ぷるぷると波を打っている。
……も、もう、我慢できないかも。
「んあ? ……あっ?」
僕は繋がったままの状態で、葉子さんの右足を抱えながら上半身を起こし、葉子さんを横に寝かせた。
怪訝そうな顔を見せる葉子さんに構わず、僕は葉子さんの右足を肩に担ぎながら、腰を動かし始めた。
「あっ! ああっ! あああっ!」
僕の頭の中に、葉子さんの喘ぎ声が響く。その声に導かれるかのように、僕は腰を動かし続ける。
結合部からは、グチャグチャと湿った音が鳴り響き、白濁した液体があふれ出していた。
「はああっ! 亮太さんっ! もっと、もっとキテえっ! もっと激しくしてえっ!」
「……っ、葉子さん……葉子さんっ……」
髪を振り乱し、あられもない声で叫び続ける葉子さん。
昼間のにこやかな姿からは想像もつかない、獣のような艶姿にすっかり僕も興奮していた。
「ああっ! 亮太さんっ! 亮太さんっ!」
「く…っ……、よ、葉子さ……んっ…」
葉子さんの声に呼応するかのように、僕は腰の動きを早める。
……さ、さっき一回イッたけれど……も、もう限界、かも……。
「よ、葉子さんっ! イッちゃうっ! イッちゃうよっ!」
「な…中に……。お、お願い、中に、中に出してえっ!!」
「……うっ……ううっ!」
振り絞るような、僕の声を耳にした葉子さんは、懇願するように叫び声をあげる。
その目に光る涙を目にしたとき、僕の理性も限界に達し、あっさりと葉子さんの中で果ててしまった。
239235 ◆MABOUp7up. :04/12/28 00:43:41 ID:daVqN3Cl

「あ……ああ、す…凄い、よかったです……」
風呂の壁にもたれ掛かり、絶頂の余韻に浸る僕を見て、葉子さんがひとこと。
葉子さんのお尻から、ふさふさした茶色い尻尾が生えていて、機嫌よさそうに揺れている。
……ああ、よっぽど気持ちよかったんだろうなあ……。
「ぼ…僕も、気持ちよかっ…………」
僕は夢見心地のまま返事をしようとして、あることにようやく気づき、固まってしまった。
……な、何で尻尾が生えてるの!? し、しかもまだ、犬の耳は生えているし!
「……あら嫌だ。あまりにも、亮太さんが良すぎたから、つい出てきちゃいましたわ……」
僕が尻尾を凝視しているのを見て、あっさりと答える葉子さん。
まるで、『陽が昇るから朝になる』くらいに、平然と。……って、も、もしかして彼女って……。
「そう、亮太さんの想像どおり、ウチは狐の妖狐どす。……大丈夫ですよ。
バレたからって、口を封じるような野暮はしません。ただ単に、このことを忘れてもらうだけでっから……」
身の危険を感じた僕は、ゆっくりと出口に向かって這い出そうとする。
が、葉子さんの目が妖しく光ったかと思うと、指一本動かすことが出来なくなった。
……そうか、あの耳は犬じゃなくて、狐だったのか……って、そうではなくて!
「だから大丈夫やて、言うたでしょ? さ……ウチの目をじっと見て………」
「あ…う……」
慌てる僕の手を優しく握り締め、葉子さんは妖しく微笑む。
と、葉子さんの目を見ていると、体の力が抜け、抵抗しようという気が薄れてくる。
「うふふ……そう、素直がいちばん、どすえ………」
すっかり大人しくなった僕を見て、葉子さんは嬉しそうな声をあげながら、そっと僕の眉に舌を這わせる。
……あ、何だか気持ちいい、かも……。
頭がぼうっとして、意識が薄れてきたそのとき――
240235 ◆MABOUp7up. :04/12/28 00:44:01 ID:daVqN3Cl

「あ〜っ! 二人とも、なにやってるのおっ!?」
「………ち、千奈美!?」
不意に浴室内に、甲高い声が響き渡った。
その声で我に返った僕は、首を巡らせて声の主を確認し、思わず驚きの声をあげていた。
浴室の入り口には、一糸まとわぬ姿でこちらを睨みつけ、
頬っぺたをぷくりと膨らましている、千奈美の姿があったのだ。
「え? な…何故? く、薬が……?」
唖然としているのは僕だけでなく、葉子さんも一緒だったようで、戸惑いの声を漏らす。
……な、何? 薬って?
「どうしたの、千奈美ちゃん? こんな夜中に大声なんか出しちゃっ………あら、まあ」
と、千奈美の後を追うように、今度は雪枝さんが浴室に入ってきた。
雪枝さんは、千奈美を軽くたしなめたかと思うと、こちらを見て目を丸くさせている。
……こ、これは…ま、まずいかも……。
「……っ!? ひ、久弥さマッ!?」
いっぽう、葉子さんは雪枝さんの隣で、じっと立ち尽くす久弥君を見て、声を裏返させている。
……え? ひ、久弥『さま』?
「な…何故……何故、久弥さまが………」
声を震わせ、口をパクパクさせる葉子さん。
よく見ると、久弥君にも耳が生えていて、尻尾が生え……え?
……何だか、尻尾がたくさん生えているように、見えるのだけれども。

「ま……まさか、あなたたち、久弥さまを……!」
不意に、葉子さんの髪の毛が、ざわっと逆立ったような気がした。
と、その手には真っ赤に燃える炎が、立ち上り始めた。……や、やばくない? これ?
241235 ◆MABOUp7up. :04/12/28 00:44:35 ID:daVqN3Cl

ジューッ

「あ……」
と思った次の瞬間、千奈美が葉子さんの手にシャワーを当てて、火を消してしまった。
葉子さんは、自分の手と千奈美の顔を交互に見つめ、狐につままれたような顔をしている。
……って、葉子さんが狐だったか。
「も〜う。葉子さん、なに勘違いしているの〜? 久弥くんが、わたしたちの部屋に入ってきて、
寝ている雪枝さんのおっぱい、揉んでいたんだよ〜?」
シャワーをかざしたまま、千奈美は呆れ顔でつぶやく。……そ、それ本当?
「! ……な、なな……な…そ、そんな………」
「嘘だと思ってるの〜? だったら、久弥くんに聞いてみなよ〜?」
僕も驚いてしまったが、葉子さんはそれ以上に動揺し、口をパクパクさせている。
千奈美は、そんな葉子さんの態度を見て、不満げにくちびるを尖らしていた。
……ま、千奈美は悪戯はするが、嘘はつかないけどね。
「………ひ、久弥さま……ほ、本当なのですか?」
床にへたり込み、放心した表情で、葉子さんは久弥くんに尋ねた。
「……………………ご、ごめんなさい、葉子さん。千奈美ちゃんの言うとおりです……」
「な……なんてことを…………」
久弥君は顔をうつむかせ、黙りこくっていたけれど、やがて覚悟を決めたのか、ぼそぼそと喋りだした。
葉子さんは久弥君の答えを耳にして、ため息とともに、何度も首を振り続けていた。
……『なんてことを』って、葉子さんが僕にしたことは、問題無いのでしょうか?
242235 ◆MABOUp7up. :04/12/28 00:44:51 ID:daVqN3Cl

「お、お二人様………も、申し訳ありませんでした」
風呂からあがり、僕たち5人は大広間に集まった。
葉子さんは額を床に擦りつけ、今にも泣き出しそうな声で、千奈美と雪枝さんに詫びてきた。
……本当に僕に関しては、どうでもいいの? いや、気持ちよかったのは確かだけどさ。
「ま、まあ、それはいいんですけれど……何でまた、私たちに一服盛ってまで、
亮太さんにあんなことを、なさったりしていたのですか? とても、お金目当てには見えませんが」
雪枝さんは、差し出されたお茶をずずっと啜りながら、葉子さんに問いかけた。
……さっき、一服盛られたばかりらしいのに、警戒心って言葉はないのですか、雪枝さん。
「それは……その………あなた方だけの、胸に秘めていただけますか?」
「何言ってるの〜? あんなことしておいて、内緒にしろって……ゆ、雪枝さん?」
ぱっと顔をあげ、上目遣いにこちらをじっと見つめる葉子さん。
そんな葉子さんに、千奈美はぷっくりと頬を膨らませて食って掛かろうとするが、
雪枝さんに肩をポンと叩かれ、さも意外そうな顔で、雪枝さんを見返していた。
「まあまあ、千奈美ちゃん。大したことは無かったのだし、あまり目くじら立てても、仕方ないでしょう?」
「で、でも……」
「千奈美ちゃん」
「は…は〜い」
優しく諭す雪枝さんに、千奈美は不満げな声を漏らすが、再び雪枝さんに諭され、
不承不承ながらもコクリと頷いた。くちびるを尖らせたままなのが、千奈美の不機嫌さを現している。
243235 ◆MABOUp7up. :04/12/28 00:45:18 ID:daVqN3Cl
「さて葉子さん、私たちが今夜見聞きしたことは、口外しないと約束は致しますが、
その代わりにあなたたちも、包み隠さず話していただけますね?
多分、内緒にしておきたいのは、あなた方の耳と尻尾に関することでしょう?」
頷く千奈美を見て、にっこりと微笑んだ雪枝さんは、葉子さんに向き直り、
静かに、それでもきっぱりと言った。虚言は許さないという、毅然とした態度で。
「あ……は、はい……。実はウチたちは、見てのとおり人間ではなく、こちらの久弥様は、
九尾の狐の末裔で、ウチは代々、九尾の狐様にお仕えする、妖狐の家系の生まれだったのです」
「ええっ!? ひ、久弥くんがあっ!?」
葉子さんの言葉に、真ん丸な目をさらに大きく見開き、久弥君をまじまじと見つめる千奈美。
……というか、久弥君のあの尻尾を見たら、どう見ても九尾の狐にしか見えないと思うけど……。
「まあ、千奈美ちゃん。夜中ですよ、お静かになさいな。
……それにしても二人暮しということは、九尾の狐一族は、もう久弥君しかいないのですか?」
「い、いえそれは……なんとも言えませぬ。一族は散り散りになって、久しいので」
軽く千奈美をたしなめながら問いかける雪枝さんに、葉子さんは首を振りながら、寂しく答える。
……一族、ということは、昔はもっとたくさんいた、ということなのかな?
そういえば、夕食を食べているときに、出身地の話をしてたら葉子さん、顔を曇らせちゃったっけか。
何か、そのことと関係があるのかな? でもあまり、深く関わらないほうがいいのかも。
244235 ◆MABOUp7up. :04/12/28 00:45:41 ID:daVqN3Cl
「……なるほど。それでは、最初の質問に戻ります。
何故、亮太さんとお風呂場で、あんなことをなさっていたわけで?」
雪枝さんも、僕と同じ考えだったようで、次の質問を葉子さんに投げかけた。
……何だか知りたいような、知りたくないような……。
「そ、それは……ウチが人の姿でいつづけるためには、妖力が必要なのですが、
その妖力の源である殿方の精を、時々いただかなくてはならないわけで……」
……ということは、僕は葉子さんの妖力の、補給源だったということですか。
そうだよね、何の理由も無く、ひょいひょい女性が寄って来るほど、僕がモテるはずがないものね。
「ふうん。じゃあ、久弥くんも?」
「! ……い、いいえ。久弥様は…九尾の狐様は、
ウチたち妖狐とは、桁違いの妖力の持ち主なので、そんな必要は無いのです……」
千奈美の質問に、葉子さんは一瞬はっとした表情を見せたかと思うと、ゆっくりと首を振りながら答える。
「そっか〜、そうだよね〜。そもそも久弥くんの場合、もらっていたんでなくて、出していたんだし〜」
「ち、千奈美ちゃん!」
葉子さんの答えに、千奈美は納得したように、うんうんと頷きながら、にっこりと微笑む。
思わず久弥くんが、顔を真っ赤にさせながら、千奈美に向かって叫び声をあげていた。
「って言うかさあ、葉子さんの精をもらう相手って、久弥くんじゃダメなの〜?」
が、そんな久弥くんに委細構わず、千奈美はふたたび葉子さんに問いかけた。
……人間と九尾の狐じゃ、違うんじゃないの?
245235 ◆MABOUp7up. :04/12/28 00:46:09 ID:daVqN3Cl
「えっ!? な、なな……そ、そんなとんでもない! ひ、久弥さまに手を出すなんて……!
ウ、ウチは久弥さまが大人になるまで、しっかりと見届ける義務があると言うのに、
も、もしそんなことをしてしまえば、ウ、ウチはご先祖様に、な、何と申し開きすれば……!」
「別にそんなの、どうでもいいじゃな〜い。散り散りになったのなら、文句を言う人も、いないんでしょ?」
千奈美の言葉に、葉子さんはあからさまに動揺し、どもりまくっている。
そんな葉子さんを見て、嬉しそうに言葉を続ける千奈美。……本当、嬉しそうだな、おい。
「し、しかし………!」
「それとも、別に理由があるのかなあ? 久弥くんじゃ、ダメだって理由がさあ」
顔を真っ赤にさせ、口ごもる葉子さんに、千奈美はなおも詰め寄る。
……それにしても、ちょっとやりすぎじゃないか?
「まあ、千奈美ちゃん。それはお二人の問題なのですから、私たちが口を挟むことじゃないでしょう?」
「え〜。だって〜」
などと思っていると、雪枝さんが千奈美をたしなめ始めた。
当然のごとく、千奈美は不満げな声を漏らす。……でもこれは、雪枝さんの言うとおりでしょう。
「だっても何も無いですよ、千奈美ちゃん。……葉子さん、事情はよく分かりました。
約束どおり、今夜のことは私たちの胸にしまっておきます。どうも、お邪魔いたしました」
「あ…は……はい……」
ポンポンと、千奈美の頭を軽く撫でながら、すっくと立ち上がる雪枝さん。
葉子さんはぱっと顔をあげ、雪枝さんにペコリと礼をしてきた――
246名無しさん@ピンキー:04/12/28 00:49:26 ID:tPiwcGmH
支援?
247つぶやきマボ ◆MABOUp7up. :04/12/28 00:54:08 ID:daVqN3Cl
>235-245で続きます……。って、今年中に終わるんだろーか?

>◆ANYAt9rOT.氏
……前スレの最後にて、思い切り呼び捨てにしてましたでした。ども失礼しました _/\_  ,,,,○
>何故に一週間もかかったのか
ギクリ

>35氏
>花嫁の初夜
ギクr(略

>53氏
な、なんだってー!(AA略

>◆I3tGz4xJ9E氏
続きキター! 3Pキター!
……ベアトリスがトリシアって……だとすっと、何故ベアトリスと名乗る必要があったのやら?
何故ベアトリスは武の存在を知らなかったのか?
おまけにベリアスって名前が、ベアトリスと微妙にかぶってしまったりするし(←そりゃ読解力が無いだけじゃ)
で、ベリアスの外見と言動を見て、某格ゲの新キャラを連想する自分……。
しかし、オリビアも羽が羽根になっちゃったし、武も物語に絡んできそうだし、何かが起こりそうな展開ですな。
今後に期待期待。
248つぶやきマボ ◆MABOUp7up. :04/12/28 00:55:53 ID:daVqN3Cl
>至高人の作者氏
……いやはやお見事でした。クラウスの旦那、いい味出してるな〜。
で、二人の結婚後のやりとりも爆笑モンでした。
個人的には>128の最後のひとことがツボにハマって、
思わず画面に向かって「ヤッたことあるんかい!」とツッコミを入れてました(w
ただ、生まれてくる子供の将来が、かなり心配だったりしますけど(w


>◆SNuCULWjUI氏
おー。いよいよ風雲急を告げる展開……って、聖闘士聖矢かいなと。
”ばいあくへー”さんの生まれ変わりって、人間として生まれたんだ〜。
どんな展開になるのか、楽しみに待ってます〜。

>名づけ親氏
服装といい、寝こけている場所といい、いったい何者なんですか、この蟹女は。
というか、「ポチッとな」は自分も口癖になってしまっとるんで、主人公に妙な親近感を抱いてしまったり(w
続きをお待ちしとりますですよ〜。

>◆AXKsZxbjas氏
牛モツを取り出した時点で、一気に庶民臭くなったブランサに乾杯。
早く続きが見たいです。

>246氏
すみません、こんなのえんえんと書いてました(l|l・ω・)
249銀次君とランプの魔神5 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/28 07:17:27 ID:y7qEZa++
「ほら…ダチの付き合いで買ったんだ。
 仕方無いからやるよ…」
俺は言い訳めいていると自分でも感じながら呟くと、
友人たちに『無理やり』買わさせられたジルへのクリスマスプレゼントを、リビングでドラマの再放送を見ているジルに差し出した。
「……」
最初はジルはわけが判らないと言った風でそれを見てキョトンとしていたが、
「ああ」
と呟き、
「な〜るほど、
 ようやく銀ちゃんも素直になって恋人へのクリスマスプレゼントを贈ってくれたわけだ?」
と、すぐに今日がクリスマスと言うことに気づき、ぽんと手を叩く。
「俺のダチ、ほら?前に勉強教えにきた成と正樹!
 あいつら二人ともが恋人出来て浮かれてて、プレゼント買うのに俺をつき合わすから仕方なくだな……」
250銀次君とランプの魔神5 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/28 07:18:18 ID:y7qEZa++
恋人だ、などと嬉しそうに言われ照れて混乱した俺の口から反射的に、今の今まで自分に言い聞かせていた言い訳が溢れてくる。
その俺の言い訳を一通り聞いてジルは、嬉しそうに輝かしていた瞳をふせ、
俺に手渡されたプレゼントを俺に押し戻すように無理やりに握らせ返すと、
「そ……
 こんなに一緒に居て、私は銀ちゃんの事……
 ずっと好きなのに…銀ちゃんは私を好きになってくれないんだ……」
と小さく呟くと、
サイドボードの上に飾ってあった、例のランプを取ると、
「じゃあ、居ても仕方ないよね?」
ちょっと待て?
それって?
頭の切り替えが状況に追い付かない俺を置いて、ジルは
「バイバイ…」
一度振り向いて、リビングから出て
「ちょ…」
バタンと、ちょっと待てと俺が言う間もなく、玄関が開閉する音が聞こえる。

「……いや、冗談だろ?」
いつもの悪ふざけに決まっている。
どうせ、玄関を中から開け締めして俺の様子を廊下で伺っ
ているに決まっている。
俺は回らない頭、重い手足にもどかしさを感じながら、
「そういうタチ悪い冗談は良そうぜ」
俺はリビングから顔の覗かせ、廊下を覗き見る。
251銀次君とランプの魔神5 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/28 07:22:34 ID:y7qEZa++
俺の覗いた廊下はそろそろ、日が沈む時間の為に薄暗くなり静まり返っている。
「……マジかよ」
誰も居ない廊下の静けさに、全身の力を吸い取られるように膝から力が抜け笑いながら崩れようとしていく。
「…っ」
俺は廊下の壁を掴むと、その足がそのまま崩れるのを防ぎ、堪える。
廊下のどこにもジルが居ない……
俺がくだくだと言ってたから、愛想をつかした?
でも……
頭ん中読めるんだから知ってるだろ?
俺の気持ちは?
なのに……
「なんでだよっ!!」
今かしか崩れるのを堪えたばかりだったはずなのに、それが嘘のように喪失感が反射的に足を動かし廊下を蹴り、
玄関まで走り、そのまま扉を開け、そこを走り抜け……
252銀次君とランプの魔神5 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/28 07:23:48 ID:y7qEZa++
ガンッ!

と、俺は何かに躓きマンションの外廊下を壁にしこたま頭を打ちつけた。
たんこぶの出来た額の痛みを堪え、躓いた原因を確かめると
「遅い…」
玄関の下に延ばされた褐色のすらりとした足……
「遅い…遅い…おっそーい」
ジルだ……しかも、何やらぼやいている……
どうやら、最初の俺の予想…隠れて様子を見ているは当たってたらしい、
だた、廊下か玄関の外かの違いだけで……
安心し額の痛みも忘れへたり込む、
その間にも、俺に浴びせられるジルのぼやきは序々に言葉が強くなり、
「私が出てから、銀ちゃんが追いかけて出て来るまで1分16秒もたってるっ!
 普通は部屋出ちゃう前に止めるでしょっ?普通はっ?」
文句に変わり、
そして、
「これはちょと罰ゲームが必要ね」
……言いがかりになってきた……
253銀次君とランプの魔神5 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/28 07:26:40 ID:y7qEZa++
「ここで私を満足させなさいっ!!」
「はぁ?」
……言いがかりを始めた時から予想はついてたが、またとんでも無いことをジルが言い出した……
「だ・か・ら……
 ここでしてって」
「……アホか…
 そんなことして、誰かに見られ……」
さすがに人に見られたら…いや、声や音を聞かれただけでマズイ……それ以前に、よく考えると慣れてしまって違和感を忘れてたが、ジルは部屋着、
つまり、いつも通りの水着同然の踊り子のような服……
この服を見られただけでマズイじゃないか?
そう思って、却下しさっさと部屋に戻るように言おうとした俺の口を言葉が最後まで行かない内に、ジルが口付けして塞ぐ。

「せっかく、こんなイイ事で許してあげるって言ってるのに断ると…本当に出てっちゃうぞ?」
俺の唇から唇を離したジルは、微笑みさっさと俺の服を脱がしにかかる。
もうどうでも良いや……
経験上、こうなったら何を言っても無駄だ。
ほとんど自棄に諦めた俺は、人が通らない事だけを祈ると俺のセータを丁度頭から抜いて脱がし終わったジルを抱き締めながら、彼女の腰にかかった布の前垂れを止めた紐を解いた。
254銀次君とランプの魔神5 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/28 07:29:05 ID:y7qEZa++
ぱさり
と、軽い音をたて俺の手から通路にジルの腰布が落ち、
褐色の彼女の肌と白い下着が露になり、そのコントラストが俺の興奮を煽る。
俺はジルを片手で抱き寄せ、
空いた片手で、細い腰から丸みのある女性の躯を撫でまわしながらなぞっていく。
「……ん」
彼女の口から幽かな声が漏れ、
その声に俺の股間がうずく。

その疼きのもどかしさから来る苛立ちが、手が達した彼女の大きな胸を多少、乱暴に揉みしだかせる。
彼女の柔らかい乳房に指が食い込み、手のひらには彼女のブラのすべすべした感触が伝わってくる。
その心地良い感触が俺に伝わり、
序々に彼女の躯に熱がこもり、愛撫をせがむように次第と俺の手の中で揺れはじめる。
俺はその要求に答え、
彼女を支えるもう一方の手も、彼女を落としてしまわない程度の範囲で動かし、
彼女のショーツの中に後ろから手を差し入れると、太股の内で閉じて合わさる秘肉を指で開き、その中に指を入れると蠢かす、
「あん……ぁん……」
俺の両の手の動きの度、
ジルの体から汗と甘い体臭が吹き出し、
その口から呻き声が漏れ出す。
声を聞かれたらマズイという状況でのその声が、更に俺に妙な興奮を促す。
255銀次君とランプの魔神5 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/28 07:31:10 ID:y7qEZa++
夢中になって俺が指を彼女のショーツの中で動かすと、
くちゅり…
くちゅり…
と、濡れ始めてきた彼女の音が指先から聞こえてくる。
気のせいか、その音もいつもよりも大きいような気がする……
異様な興奮とプレッシャーに動悸と呼吸が自然と大きくなり頭が沸騰し、モノははちきれんばかりに痛いほど大きくズボンを押し上げているが、
さすがに最後の一線を越える踏ん切りがつかない。
そんな俺にじれたのかジルは抱き締めた俺の手を解くと
「床…冷たいから、今日は後ろから……ね」
くるりと俺に背を向けると、
ずるりとショーツを下げ壁に手をつき俺を誘う。
傾きかけた陽に照らされた張りのある褐色の尻、
そして、二つに丘に埋もれた蜜で濡れた秘裂の視覚的な刺激が、俺に最後の後押しをした。

俺は、鼻息を一つ大きくつくと、
ズボンから先走りに濡れいきり立った自分のモノを取り出し、ジルに後ろから覆い被さるように体を重ねると、
両手で彼女の胸を掴み、そのたっぷりした重量を手のひらに感じながら彼女を支えて、
「あ、あっい……あぁ!」
ゆっくりと、彼女の中に押し入っていった。
256銀次君とランプの魔神5 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/28 07:33:58 ID:y7qEZa++
後ろから抱きすくめ挿入した俺はゆっくりと腰を動かしながら、ジルのうなじに吸い付き、
「あ…ん」
舌で嘗めながら唇を耳にずらして、甘噛みした。
「はぁんっ」
耳への刺激にジルの蜜の量が増え洪水となり、俺のズボンを湿らせ、俺の腰の動きを滑らかにする。
「あ…あっ……いい…」
滑らかに加速していく俺の動きに、ジルは腰がくねり崩れ落ちそうになる躯を、鼻にかかった甘い声を漏らしながら壁に捕まり支える。
俺はその間にも吸い付くような彼女の内壁の抵抗に抗い、突き上げる。

その激しさにジルが顔をのけ反らせ、声を上げ
「あー、あぁ」
ようとした時、夢中で忘れかけていたが状況を思い出し、
マズイと思うと同時に、俺は彼女の口に抑え声を遮る。
「……っ」
彼女の声を遮った代償に歯が手のひらに食い込み微かに痛み、歯を食いしばって息を吐き出した。
「銀ちゃん、大丈夫?」
その俺を気遣ってジルが声を掛けてくれるが、
俺は心配してくれた事に対して感じるよりもジルが今、必死で俺がしているのに、俺の心配を出来る…その余裕がある。
その事に何となく…いや、はっきりとしたショックを受け、
ムキになってガムシャラに彼女を激しく突き上げた。
「ちょ…あぅ……んぐぅ…」
口を押さえられながら激しくされ、ジルの少し苦しげな声が聞こえるが、俺は構う精神的な余裕も無くそのまま達した。
257銀次君とランプの魔神5 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/28 07:38:38 ID:y7qEZa++
ー・ー・ー・エピローグ・ー・ー・ー
「済まん」
事が終わり部屋に戻り、冷静になった俺は今ジルに土下座している。
「銀ちゃんは、ああいう風に無茶苦茶なやり方されて女の子が気持ち良いって思っているんだ〜」
すでにジルの嫌味は30分ほど続いてる。
「思ってません…御免なさい」
その間俺はひたすら謝っている。
今回は俺が悪いと思う……
やり始めた原因は兎も角……
「あっ!今、原因は私に有るとか考えたっ」
「……済みません…ちょっと考えました」
心が読めるんだから、俺が反省してるの判るんだしいい加減に許してくれても……
そう俺が思った時、
「確かに、これ以上言っても無駄みたいだし、時間がもったいないね」
土下座してた俺の前にどかっと座り込んでいたジルが立ち上がると俺を見下ろし、
「で、今日のデートプランは?」
「へ?」
いきなりの言葉に彼女を見上げた俺の目に、
「恋人とクリスマスでプレゼントしか用意して無いわけじゃないんでしょ?」
かなり期待しているという事が一目で解るほど、瞳を輝かせているジルが映る。
258銀次君とランプの魔神5 ◆I3tGz4xJ9E :04/12/28 07:39:41 ID:y7qEZa++
……が、
「考えてませんでした、ご免なさい」
本気でプレゼントを渡すことで一杯一杯で忘れてた。
「そう…じゃあ仕方ないわね」
再度、頭を下げ土下座する俺にジルは優しい声で、
「じゃあ、代わりに今夜はほんっっっっとに私が満足するまで銀ちゃんには頑張ってもらうからね」
とんでもなく恐ろしい提案をし、
「ちょ…」
ちょっと待てと言いかけた俺の襟をつかみ上げ、喉を服で締め無理やり言葉を制止すると、
そのまま占領した自分のベッドルームまで俺を引きずって連れていった。

結局、俺は翌日の正午にジルが空腹を訴えるまで解放される事はなかった……
2593トン ◆I3tGz4xJ9E :04/12/28 08:59:43 ID:VPwcWV7l
トリシアというのは、銀次郎が銀次と呼ばれたりするような感じの一般的なベアトリスの愛称で特に別の名前というわけでは無いんですけど、わかり難かったかな……
ついでなので、黙っているつもりでしたが、ここで謝っておきます。
ベリアスは実は最後の一文字は誤字してました、御免なさい。
もっとも、名前は別に違ってても多分、むしろ宗教関連の名前は違ってた方が支障は無いからこのまま押し切りますけど……

>森精の作者さん
完結、お疲れ様でした。
寝覚めが悪いからとか、言いながら他の女性も元に行く(と思われる)男のために下準備したり、かなりカッコイイ女性の素晴らしいエッチ、堪能させて頂きました。

>◆SNuCULWjUIさん
物語は佳境、
それも気になるんですが、老人の手のノーデンス様がどういうキャラになるのかも楽しみだったりします。

>199さん
3トンの名前を頂いておきますね。
(愛さんとか言われなくて良かった……)
それはともかく、キャラ数が多い話が広がりそうなタイトルにまだ触り部分なのにわくわくしてます。
頑張って下さいね。

>◆AXKsZxbjasさん
お酒を飲みながらのブランサさんの愚痴が可愛い。
それに悪い子へのプレゼントがキスなんて……羨ましいじゃないですか。

>◆MABOUp7up.
九尾の狐でしたか。
葉子さんはためらっているけど、久弥君とのこれからに期待しても良いんですよね?

260マボと呼んだ人:04/12/28 11:38:19 ID:tDPDDZau
えーっと、ちょうど荒らし(嵐)のど真ん中に投下しちゃったもんですから、
誰も読んでくれないかな…と弱気になっていました。

>マボ様
親近感ですか、それはどうもです。
…すんません、九尾って聞いて真っ先に浮かんだのがナ○トのイメージでした。

>3トン様
ギニャァァァ!そ、そんな…恥ずかしくも嬉しい限りです…
ぢつはどこをどう呼ぼうかって出てきた言葉が3トンなんです。

>ひでぼん作者(作者代理)様
エイボン来たっすか!いよいよ「何で赤松英はひでぼんと呼ばれるか」の謎に迫るわけですね!(違う

次こそエロを…!
261名無しさん@ピンキー:04/12/28 13:06:34 ID:C/BLtwtm
今気付いたのだがひでぼんの書はあと3回で終わるのかな?
ぼ、で、ひ
262名無しさん@ピンキー:04/12/29 07:23:46 ID:/hvkhzoj
逆に言えばあと3章も壮大な物語が考えられるわけで。
いたずらっ娘ニャル様がひでぼんをどう扱うかが見物だなぁ
263名無しさん@ピンキー:04/12/29 07:29:23 ID:/hvkhzoj
>>229
クトかわいいよクト
264名無しさん@ピンキー:04/12/29 10:49:13 ID:ifEV/ipb
ごめん、ちょっと質問したいんだけど…14って何?
保管庫のひでぽんの書とかに書いてあるんだけど…よくわからん。
265名無しさん@ピンキー:04/12/29 11:03:37 ID:lRPu9Q0Y
14って言われても…
266某作者 ◆SNuCULWjUI :04/12/29 12:05:35 ID:BeV2rjOQ
>14
J.H.ブレナン氏の傑作ゲームブックシリーズ「ドラゴンファンタジー」(原題GRAILQUEST)に登場する定番フレーズです。
このシリーズでは毎回『14』というセクションはゲームオーバー場面になっています。
この事から、ゲームブックファンの間では『14へ行け』というのは「君は死んだ」と同義語の定番ネタとして使われます。
まぁ、知ってる人にしかわからない単なる小ネタなので、あまり気にしないでください。
267名無しさん@ピンキー:04/12/29 21:36:17 ID:1jeVfQk8
狸と猫と人魚の作者さんはどうしたのかなあ・・・
今年もあとちょっとで終わっちゃうよ・・・
268名無しさん@ピンキー:04/12/29 21:45:01 ID:3+meLgxB
>>267
ネコの人はまだ希望はあるかも知れんが
狸と人魚の人は駄目でしょもう
269名無しさん@ピンキー:04/12/29 23:46:03 ID:HMujC2v8
>>229
群馬ですか そうですか

>>266
おお、いよいよ完全復活?
心配したですよ
270名無しさん@ピンキー:04/12/30 03:00:38 ID:rSKFl+He
>>266
なるほど、そうだったのですか。
教えて下さって、ありがとうございます。
271名無しさん@ピンキー:04/12/30 12:56:11 ID:HZEM0uPL
>>229
そ れ 絶 対 ひ よ こ じゃ な い



群馬って(;´Д`)
272マボと呼んだ人:04/12/30 20:17:29 ID:ggBu4DmX
第二話投下。
ttp://www.degitalscope.com/~mbspro/userfiles_res/database/251.txt
タイトル決めました。『バイヲな彼女』です。
273名無しさん@ピンキー:05/01/01 16:51:54 ID:POvtudc5

             / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ,__     |  今年も職人さんが来てくれますように・・・・
    /  ./\    \_________________
  /  ./( ・ ).\       o〇      ヾ!;;l;::lilii|//"
/_____/ .(´ー`) ,\   ∧∧         |;;l;;::|liii|/゙
 ̄|| || || ||. |っ¢..|| ̄  (,,  ) ナモナモ    |;;l;;::||iii|
  || || || ||./,,, |ゝ iii~   ⊂  ヾ..        |;;|;l;::i|ii|
  | ̄ ̄ ̄|~~凸( ̄)凸 .(゙  ,,,)〜 wjwjjrj从jwwjwjjrj从jr
゙゙""""゙゙"""""""""""""""""""""""""゙゙   ゙゙゙   ゙゙゙゙゙゙゙     ゙゙゙

「大変です!!“つぁとぅぐあ”さんに“しょごす”さんに“てぃんだろす”に“あとらっく=なちゃ”さんに
“あぶほーす”さんに“ゔぉるばどす”さんに“がたのそあ”さんに以下省略さん!!
赫赫云々で“混沌化”に『大帝』が大変な事に!!」
「まぁ、それは大変ですねぇ……今日の供物も美味しそうですねぇ」
「それだけの情報でハ、対処法を考察するにはデータ不足かと提言しまス」
「わぉん?」
「興味ありませんわね」
「…………」
「“のーでんす”殿は盟友でござるから。話せばわかってくれるでござるよ」
「気に入らぬが、確証の無い話に躍らされるのはもっと気に入らぬ」
「……しくしく……」
 ……ダメだ。みんな緊張感が無い。
 脆木氏からの情報の危険度とは反比例して、
それを聞いた皆さんの反応は拍子抜けするくらいあっさりとしたものだった。
 いや、人間の僕が慌てるような話でも、それが神様にとっても脅威だとは限らないだろう。
各々に対処法があるのかもしれないし、
“しょごす”さんや“がたのそあ”さんが言う通り、これは確証のある話とはとても言えない。
脆木氏の話の根拠は全て状況証拠に過ぎないうえに、僕を騙そうとしている可能性もあった。
 確かに、これだけの内容では神様達を動かすには役不足……じゃない、力不足なのだろう。
「でも……何かが起こってからでは遅いんだよなぁ」
「んん〜? どうかしましたかぁ?」
 相変わらず慈愛に満ちた魔性の美貌で、
おっとりと僕を上から覗き込む“つぁとぅぐあ”さんの髪を、僕は指先で弄んだ。
 脆木氏の襲撃(?)から1週間――彼から得られた情報を必死に“つぁとぅぐあ”さん達に伝えたにもかかわらず、
見事にスルーされた僕は、どこか釈然としない気持ちで日々を過ごしていた。
仕事も身が入らなくて、締め切りを三日もオーバーしてしまう始末だ。担当の佐野さん、ホントごめんなさい。
 ――で、当面の仕事を終えた僕は、“つぁとぅぐあ”さんの供物を捧げた後も、
こうして膝枕してもらいながら久しぶりにごろごろしているんだけど……どうも落ちつかない。
普段の僕なら、“つぁとぅぐあ”さんの太ももの気持ち良さに陶酔しながらデレデレ甘える場面だった筈だ。
「ひでぼんさんは心配なのですねぇ……でもぉ」
 僕の心中を読み取ったのか、慈母の表情で“つぁとぅぐあ”さんが僕の頭を撫でた。
「ひでぼんさんはぁ、そんな時はどうしたいのですかねぇ?」
「どうするって……まず話し合います。それが駄目なら――」
「駄目ならぁ?」
「逃げます。できれば皆を連れて」
 きっぱりと、僕は言い切った。
 相手が人間程度では到底太刀打ちできない超高位存在だから逃げるんじゃない……いや、確かにコワイけど。
1年以上前の『接触者』達との戦い、そして最近の魔法怪盗団達による『銀の鍵争奪戦』で、
もう戦う事自体に辟易してしまったんだ。
 戦うくらいなら――誰かと傷付けあって、大事な方達を危険な目に会わせるくらいなら、
後ろ指差されようとも、逃げる方がいい。
まぁ、傍目には死ぬほどカッコ悪いけどね……とほほ。
「それならぁ……どんな相手からも逃げられる秘密道具を魔改造で作ってあげますねぇ」
「ははは、そのうちお願いします」
 しばらく無言の時間が過ぎた。無言で髪を弄くる僕の顔を、
優しく妖艶な寝惚け眼で“つぁとぅぐあ”さんが見つめている。
その半開きの瞳の色はどこまでも深くて、無限の大宇宙が収まっているかのようだ。
「……“つぁとぅぐあ”さん」
「んん〜?」
「エイボンさんって、どんな人だったんですか」
 『最もツァトゥグア神に愛された男』――脆木氏の言葉を聞いてから、僕の心に深く楔が打ち込まれていた。
ひょっとして、胸にくすぶる焦燥感の正体はこれだったのかもしれない。
 “つぁとぅぐあ”さんは僕の女だ!――なんて主張するつもりはない。
相手は神様だし、過去に誰かと人間的な男と女の付き合いがあったとしても、
僕がそれについてとやかく言う権利はない。
それ以前に、“つぁとぅぐあ”さんほどの美人――じゃない、美神にそんな経験が無い方が不自然だろう。
 過去の男の事を聞くのは、女性に対する最大の侮辱の1つだと言われている――
しかし、それでも僕は聞かずにはいられなかった。思っていたよりも、僕は嫉妬深いのかもしれない。
「エイ…ボン……じゃと?」
 その時――“つぁとぅぐあ”さんの美貌に、
今まで見た事も無い種類の影が差したのを、僕は見た。見てしまった。
「エイボン……奇妙じゃな。彼奴と遭遇した記録はあるが、
肝心の詳細情報は“予”の記憶中枢機構にプロテクトがかかっておる」
 “つぁとぅぐあ”さんの美しさは何も変わらない。聖母のように慈愛にあふれ、女帝のように威厳に満ちた、
女神と魔王の完璧な融合――しかし、それは僕の知る“つぁとぅぐあ”さんじゃなかった。
「メモリーされた情報を検索する事ができぬ。
しかも、このプロテクトは予自身が施したものだと? 如何な理由がエイボンという男にあるのじゃ?」
 この口調は何!? その姿は――僕の目の前にいる『邪神』は、本当に“つぁとぅぐあ”さんなのか!?
 しかし、次の瞬間――
「んんん〜よく思い出せませんねぇ……大変申し訳ありませんですぅ」
 ふにゃっとした笑顔で頭を下げる彼女の姿は、僕の知る“つぁとぅぐあ”さん以外の何者でもなかった。
「い、今のは……いったい?」
 恐る恐る尋ねる僕の顔を、その柔らかく繊細な指がそっと包む。
「過去の情報を思い出そうとしましてぇ、
ちょっと『昔の私』に戻っただけですからぁ……あまり気にしないで下さいねぇ」
「は、はぁ」
「それよりもぉ」
 “つぁとぅぐあ”さんの手が僕の頭をそっと持ち上げて、
あの天上天下唯我独尊な爆乳の谷間にゆっくりと導いた。
その顔は、あの妖艶で淫靡な淫魔王のそれに変貌している。
「久しぶりにぃ……どうですかぁ?」
「は、は、はいぃ!!!」
 視界一杯に広がるタプタププルプルな白い乳房の大洋に、僕は思う存分むしゃぶりつこうとして――

 どっか〜〜〜ん!!!

 ――爆風に吹っ飛ばされた。
 岩肌一面に“つぁとぅぐあ”さんの髪の毛が無かったら、
全身を叩きつけられた僕は大怪我していたに違いない。
 な、なにが起こったんだ……
「……ごめんなさい。着地に失敗してしまった」
 視界の中の星々が数を減らすにつれて、僕の目の前に立つ人物の姿が明瞭になっていく。
その人物の名は――
「“ばいあくへー”さん!!」
 涼風のように清く透明な美貌。スレンダーな裸身を隠す蒼い羽衣。清流のような長い蒼髪。
背中から覗く機械の翼――僕が見間違える筈も無い。
「お久しぶりです“ばいあくへー”さん!」
「……ごめんなさい、近頃ずっと忙しくて……貴方に会える時間が取れなかったの」
 僕の手を彼女の繊手がきゅっと掴んだ。
「……ずっと、貴方の事を思ってた。やっと会えたのね……嬉しい」
「“ばいあくへー”さん……」
「あのぉ〜〜〜それで何の御用ですかねぇ〜〜〜」
 思わず見詰め合う僕と“ばいあくへー”さんの間に、“つぁとぅぐあ”さんの顔がにゅっと割り込んできた。
そのおっとりとした美貌は普段と何も変わらないけど、
周囲の膨大な髪の毛がザワザワと不穏に蠢いているのを見て、僕は慌てて“ばいあくへー”さんの手を離した。
「……“つぁとぅぐあ”様、突然の無礼を御許し下さい。我が主の御言葉を伝えに参上しました」
 さっきの夢見る少女のような眼差しはどこへやら。
きりっとした真摯な態度で“ばいあくへー”さんは右手の拳を左手の掌で包み、
“つぁとぅぐあ”さんに深々と一礼した――僕と“つぁとぅぐあ”さんの間に割り込むように。
「ふむぅ、“ばいあくへー”さんの主といえばぁ、
『名伏し難きもの』“はすたー”さんですねぇ……元気してますかぁ?」
 “つぁとぅぐあ”さんの髪の毛が“ばいあくへー”さんの身体をひょいと持ち上げて、僕から遠ざける。
「……はい、御健在です。ですが、その御身が危険に晒されています」
 “ばいあくへー”さんの背中に金属のウィングが展開して、目にも止まらぬスピードで僕の傍に降り立つ。
「危険ですかぁ……それは何ですかねぇ?」
「……『大帝』と呼ばれる、恐るべき外なる神々の襲撃です」
 『大帝』――その単語に戦慄する僕の左右の手を、“つぁとぅぐあ”さんと“ばいあくへー”さんが同時に掴む。
「『大いなる深淵の大帝』“のーでんす”さんですかぁ……話には聞いていますねぇ」
「……はい、それを踏まえて主の要件をお話します。
主とその眷属を、この暗黒世界ン・カイに避難させて欲しいのです」
 痛みを感じるギリギリの強さで、
大岡捌きみたいに僕を左右に引っ張り合う“つぁとぅぐあ”さんと“ばいあくへー”さん……って、
「……って、さっきから何をやっているんですか!?」
「いいえぇ」
「……別に、何も」
 とてもそうは見えない。
 何だか微妙な空気になってきた――その時、
「御主人様、お電話でス」
 いきなり背後から聞こえたお馴染みの声に、
現状を打破したかった僕はチャンスとばかり振り向いて――さすがに少しビビった。
 例によって“しょごす”さんが糸目を綻ばせていたんだけど……上半身だけしかないんだ。
しかも上下逆さの姿勢で。下半身はおそらく僕の家にあるのだろう。
お腹の部分がヘビみたいに伸びて、ン・カイからの出入り口に消えている。
「で、電話? 誰からです?」
「シスター・ゲルダさんからでス。至急話をしたいト」
「わかりましたっ!……というわけで、失礼します」
「えぇ〜」
「……あっ」
 僕は左右の手を同時に振り解き、全力疾走で修羅場から退散した。
「はい、電話代わりまし――」
『赤松殿っ!! あれは一体なんなのだ!?』
 コードレスフォンの受話器を耳に当てた瞬間、ゲルダさんの絶叫が鼓膜に突き刺さった。
いつもクールな彼女とは思えないくらいの興奮振りだ。
「あ、あれって何が?」
『知らないのか? 窓の外を見てみろ!!』
「はぁ」
 受話器を持ちながら窓の方に向かおうとして、昼間なのに外が異様に暗い事に気付いた。
 慌ててベランダに飛び出して――僕は絶句した。
 空が無い。
 ただひたすら真っ黒な空――無論、夜になったわけじゃなかった。
天球全てが闇色1色に染められているんだ。
 いや、よくよく見れば小さな青い光点が、黒い紙の上に砂を撒いたみたいに点在しているのが見える。
しかし、星々ってわけじゃなさそうだ。
これは一体!?
「くぅん……」
 いつのまにか傍にいた“てぃんだろす”が、不安そうに僕の足にしがみつく。
僕は呆然と受話器に呟いた。
「あ、あれはいったい……何ですか?」
『……巨大宇宙戦艦だ』
「はぁ?」
『NASAからの情報だ。全長5万km以上――地球の直径の4倍もの巨大な宇宙戦艦が、
突如太陽を隠すように大気圏上空に出現したんだ!!』
 ごん
 ベランダの手すりにぶつけた僕の頭を、“てぃんだろす”が心配そうに撫でてくれた。
 ……“つぁとぅぐあ”さん達と出会ってから、
色々と無茶苦茶なものを見てきたけど、これはトップクラスだなぁ。
『どうかしたのか? とにかく、あんな荒唐無稽な存在は『邪神』以外の何物でもないだろう。
君は何か知らないか? 世界中が一触即発の大混乱状態だ!!』
「えーと、あれは――」
「……名伏し難きもの“はすたー”……」
 いつのまにか隣で抹茶シェイクをずぞぞぞぞっと啜りながら、
“いたくぁ”さんが例によって説明的口調で勝手に解説してくれる。
「“はすたー”って……“ばいあくへー”さんが言っていた、あの?」
「……いえす……あいどー……」
 うーん、つまりあの荒唐無稽級宇宙戦艦に乗って“はすたー”さんが来ちゃったって事かな。
「えー、そういうわけで、あれは“はすたー”さんとかいう旧支配者さんです」
『は、“はすたー”だと!! あの『名伏し難きもの』が降臨したというのか!!』
 ゲルダさんの叫び声は悲鳴に近かった。
『……念の為に聞いておくが、まさかあの邪神も君が関係しているのか!?』
「あ、いや、その、あの、ええと」
「御主人様、“つぁとぅぐあ”様からの伝言でス『居候おっけぇですねぇ』だそうでス」
『やはり君の関係者かぁ!!!』
 ……“しょごす”さん、もう少し小声でお願いします。
あああ、今度会った時には滅茶苦茶怒られるんだろうなぁ。
「えーと、そういうわけで“はすたー”さんはすぐにン・カイで引き取りますんで。それじゃまた」
『なに!? こらっ! ちょっと待って――』
 がちゃん
 受話器を親機に置いて、溜息を吐くと同時に、
 ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
 視界の全てがぶれて見えるくらいの振動が、四方八方から響いてきた。
 はっとしてベランダの外を見てみると――
「わぉん!」
「……来るよ……」
 僕は息を飲んだ。
 闇色の空に点在していた青い粒が1箇所に集まってきて、青い光の玉みたいになったんだ。
しかも、その玉はどんどん大きくなっていって……そして、青い光点の正体が判明した。
「こ、これは!」
 青い光の正体――それは、透明な蒼髪を風になびかせた鋼の翼を持つ天使達。
「“ばいあくへー”さん!?」
 何千何万、いや何億もの光点は、全て“ばいあくへー”さんだったんだ。
しかも、全員こっちに向かって突撃してくるぅ!?
「うっひゃあ!!」
 慌てて伏せる僕の頭上を、数え切れないほどの“ばいあくへー”さんが猛スピードで通過して、
押入れの中に消えていくのを、僕は驚愕を通り越して呆然と見送っていた……
 数十分後――
「わんっ」
 “てぃんだろす”に揺り動かされて我に返った僕の目の前で、
最後の“ばいあくへー”さんが押入れの中に消えていく。
 ははは……すごいもの見ちゃったなぁ。
「……“ばいあくへー”は……奉仕種族だから……量産型……宇宙中に……沢山いる……」
「はぁ」
「……それよりも……“はすたー”が……来るよ……」
「は?」
 ドドドドドドドドドドドドドドドドド――!!!
 さっきの揺れが電動カミソリに思えるくらいのとてつもない振動が、世界中に轟くのを僕は感じた。
 部屋中の家具が床に崩れ落ち、直ったばかりのエアコンまでもが落下する……って、わー!!
 ――その後に起こった事をどう説明すればいいのやら……
 何か黒い巨大な質量が目の前に迫って来る――僕に認識できたのはそこまでだった。
 地球の数倍もの巨体がベランダから『にゅるん』と部屋の中に入り込んで、
そのまま押入れの中にズルズルズルル〜〜〜っと消えていったなんて、
人間が認識できる範疇を超えてるよ……
 でも、これは事実だ。その証拠に、
今ベランダの外には強烈な真夏の日差しが何事も無かったかのように照り付けている。
「御主人様、皆様がお呼びでス。ン・カイへ参りましょウ」
 “しょごす”さんに声をかけられるまで、僕は放心したままだった――
「こういう事は、ちゃんと相談して欲しいわね……ま、深淵の橋造りを邪魔しなければ文句はありませんけど」
「…………」
「おお、ずいぶん賑やかになったでござるなぁ」
「……くだらぬ」
 暗黒世界ン・カイの広さは無限大――以前、そう言われたっけ。
でも、こうしてあの超巨大宇宙戦艦と数億体の“ばいあくへー”さんが、
ごく当たり前のように頭上に浮かんでいる光景を見るまでは、ある種の形容表現かと思っていた。
 今、僕の目の前にはいつものメンバーの他にも、ン・カイの神様達も全員集合している。なぜかというと――
「“はすたー”さんが『大帝』さんと『這い寄る混沌』さんの情報を持ってきてくれたそうですねぇ。
居候の家賃代わりだとかぁ……やっぱり近くに図書館があると便利ですねぇ」
 ――というわけで、今後の対策の為に、
超巨大宇宙戦艦の中にいる“はすたー”さんに会いに行く事になったんだけど……
「なぜ、僕も一緒に行かなければならないのですか? 僕はただの人間ですよ!?」
 超巨大宇宙戦艦内部の、SF映画みたいなとにかくメカメカしい通路を歩きながら、
僕は隣を歩く“ばいあくへー”さんに愚痴をこぼしていた。
「……“はすたー”様の御意志なの。ごめんなさい」
「あ、いや、別に“ばいあくへー”さんに文句言ってるわけじゃ」
 しどろもどろになる僕を見て、“ばいあくへー”さんはほんの少し口元を綻ばせた。
それは機械的なまでにあらゆる動作が洗練された彼女が見せる、人間的な感情の発露だった。
 さっきから通路を何人もの“ばいあくへー”さんが通りかかる。
皆、“ばいあくへー”さんにそっくり――というより型にはめたみたいに全く同じ姿なんだけど、
こうして優しい表情を見せるのは、僕のよく知る“ばいあくへー”さんだけだった。
もし、彼女が他の“ばいあくへー”さんの群れの中に紛れても、僕はすぐに彼女を見つける事ができるだろう。
「ふにぃ……もう歩き疲れましたねぇ」
 僕を挟んで“ばいあくへー”さんの反対側には、“つぁとぅぐあ”さんが一緒に歩いているんだけど……
“ばいあくへー”さんの動作とは対照的に、ぐで〜〜〜っとひたすらダラダラで面倒臭そうだ。
「まだ5分も歩いていないじゃないですか」
「……運動不足……」
「わぅん」
「そもそモ、歩いていませんシ」
 そう、“つぁとぅぐあ”さんは自分の髪の毛をベッドみたいな形に変形させて、その上にでれんと寝転がっている。
その髪の毛がスライムみたいにズルズル這いずり回って移動しているんだけど……
思えば、こうして“つぁとぅぐあ”さんが自分から動くのを見るのは滅多に無いなぁ。
最後に見たのは土星に海水浴に行った時ぐらいかな?ホント、とことん怠惰な御方だ……
「……ここが中枢ルームです」
 と、そんな事を考えている内に、僕達は“はすたー”さんがいるという目的地に辿り着いていた。
重々しい金属製の扉には時折物騒な放電や光のラインが走り、爆発的な怪しさを醸し出している。
「この中に“はすたー”さんがいるんですね……どんな神様なんですか?」
「……え?」
 息を飲む僕の問いかけに、“ばいあくへー”さんはほんの少し困惑したような表情を見せた。
「……どんな神様って、見てのとおりよ」
「は?」
「……ああ、性格の事を聞いているの?」
「へ?」
 何だか会話が噛み合わない。僕はもう一度問い掛けようとして――
『おお、やっと来たか。ドアの封印は解除しておるで。さっさと入りや』
 思わず拍子抜けするくらい明るい調子の女性の声が、扉の向こうから響いてきた。
「……では、御案内します」
 “ばいあくへー”さんが扉に手を当てると、その表面に幾筋もの光が走り、
ワンテンポ遅れてガシャガシャガシャンと機械音を響かせながら四方八方に複雑な組み合わせで開いていく。
こんなに複雑な動きで開く意味はあるのかな?
 まばゆい光が扉の奥から漏れる。
 そして、その中にいる“はすたー”さんが、ついに僕達の目の前に――!!
「いやー、いきなりお邪魔しちゃって悪かったやね。ま、茶でも飲んでゆっくりしてってや」
 石油ストーブの上のヤカンがシュンシュンと湯気を吐いている。
 障子に襖に畳敷きの和風な部屋の中央に置かれたコタツの中には、
ジャージの上にどてらを着たぼさぼさ頭の物臭そうな美女が、ミカンを剥きながら片手を上げて見せた。
 ……あれが……“はすたー”さん?
「くぅん?」
「むむ、どうしたのでござるか? アゴが外れそうな顔でござるよ」
 “てぃんだろす”と“ゔぉるばどす”さんが心配そうに僕の顔を見上げてくれたけど……
「あ、いや、ちょっと宇宙船のスケールと艦長さんのギャップが……」
「宇宙船? 艦長?……ああ、ひでぼん殿は勘違いをしているでござるな」
「は?」
「あんちゃん、タダだからちょっとこれ見てってや」
 “はすたー”さんはいきなりコタツのかけ布団をばばっとめくり上げた。
赤外線ヒーターの淡い赤光の中には、色っぽいおみ足が――無い。
いや、足だけじゃなくて下半身そのものが無かった。
どてらの中の機械の身体は、腰から下が数百本の配線と化して、床に直接接続されているんだ!!
「えーと……これって、まさか……」
 口をぽかんと開いて呆気に取られている僕に、“はすたー”さんは緑茶を煎れた茶碗を差し出した。
「今、あんちゃんとこうして話しているのは、中枢ユニットの端末に過ぎないンよ。つまり――」
「つまり、この宇宙船そのものが……“はすたー”さんなんですかぁ!?」
 ごく当たり前のように頷く皆を見て、
僕は改めて『邪神』は人間の想像を遥かに超越した存在なんだなぁ……と思い知らされていた。
「――それで、代価の情報とは何かしら?」
 “あとらっく=なちゃ”さんが優雅な仕草で湯呑を傾ける。
安っぽいお茶も、彼女が飲むと雅な茶会の席に見えるから不思議だ。
 僕と神様達は、“はすたー”さんに勧められたお茶を飲みながら、
本格的に彼女の話を聞こうとしているんだけど……
「……くー」
「わぅうん」
「……羊羹は……洋館で……」
「…………」
 真面目に――といってもコタツで温まりながらだけど――“はすたー”さんと向かいあっているのは、
“しょごす”さんと“あとらっく=なちゃ”さんと“ゔぉるばどす”さんと“がたのそあ”さんとオマケの僕だけで、
“つぁとぅぐあ”さんは案の定コタツに包まって寝てるし、
“てぃんだろす”も犬というよりもネコみたいにコタツの中に潜り込んじゃったし、
“いたくぁ”さんはひたすらお茶と茶菓子を貪ってるし、
“あぶほーす”さんはぼーっとしてるしで……相変わらず、みんなゴーイングマイウェイだなぁ。
「あの連中は放っておけ。さっさと情報を吐いてもらおうか」
 思わず同席の場から逃げ出したくなるくらい剣呑な“がたのそあ”さんの剣幕を、
「まぁまぁ、そう慌てなさんな」
 “はすたー”さんは軽く片手を振って受け流した。
「くだらん話だったら、只では済まさんぞ」
「『這い寄る混沌』と『大帝』の真の目的……というのは、家賃代としては不足かねぇ?」
「なんト――!!」
「そ、それは本当でござるか!?」
 “しょごす”さんと“ゔぉるばどす”さんが、
お煎餅と羊羹を頬張りながら“はすたー”さんの顔を覗き込んだ。
ああ、緊張感が無い……
「セラエノ図書館で偶然見つけてなぁ。
ま、そこの人間はんにも分かり易いように、これからじっくりねっとり丁寧に教えたるわ」
 ぽんぽん、と“はすたー”さんが金属製の手を叩く。
すると何処からともなく2人の“ばいあくへー”さんが出現して、“はすたー”さんの両脇に正座した。
その手には拍子木と三味線が握られている……って、柏子木と三味線!?
「はーい、みんな注目や」
 続いて“はすたー”さんがどんっとコタツの上に置いたのは――小松崎茂みたいなタッチで、
黒いメイドさんと白い陰陽師みたいな人が戦う絵が描かれた古臭い紙芝居だった……
「そんじゃ、楽しい楽しい情報公開の始まり始まり〜♪」
 唖然とする僕を完全に取り残して、“ばいあくへー”さん達の柏子木と三味線をBGMに、
“はすたー”さんの紙芝居が始まった――

チョン、チョン、チョンチョンチョンチョンチョンチョン……(柏子木の音)

――『たいけつ! 『はいよるこんとん』“ブラックメイド”対『大帝』“のーでんす”!!』――

べべん♪(三味線の音)

 ああ、なんということでしょう!!
色々な世界でわるいことをしてきた『はいよるこんとん』“ブラックメイド”が、
ついにこの世界にもやってきたのです。

ブラックメイド:「はっはっは! この世界でもたくさんいたづらしてみんなを困らせてやるぞ!」

 “ブラックメイド”は、とりあえず『白い少女』こと“あざ■■■”をふっかつさせようとしました。
なぜなら、“ブラックメイド”のいんぼうといえば、“■■とー■”のふっかつというのがお約束だからです。

ブラックメイド:「よーし、まずは下じゅんびだ」

 まず“ブラックメイド”は、世界じゅうの『邪神』に働きかけて、
世界じゅうの人間に『接触者』と『資格者』をしゅつげんさせました。
なぜなら、“■■■ーす”をふっかつさせるしょくばいとして、それらのそんざいが欠かせなかったのです。
ああ、“ブラックメイド”はなにを考えているのか!? きっとわるいことに決まってます。

のーでんす:「まてまてぇ! そうはいかないぞ」

 その時です、色々な世界で“ブラックメイド”とたたかっていた『大帝』“のーでんす”が、
しつこく“ブラックメイド”を追ってこの世界にやってきました。
“のーでんす”はせいぎの味方なので、“ブラックメイド”のいたずらをやめさせようとします。

のーでんす:「『資格者』や『接触者』がいると“あ■■■す”がふっかつしてしまうのか。
でも、わたしはせいぎの味方だから、人間をやっつけることはできない。
こまったなぁ……そうだ。『接触者』や『資格者』に力をあたえている邪神をやっつければ、
そうした人間は力を失うだろう!!」

 ああ、なんてめいわくなことをおもいつくのでしょう。
“のーでんす”はてあたりしだいに邪神達を封印していきます。

ブラックメイド:「うわー、『接触者』と『資格者』がいなくなっちゃうと、“■ざ■ー■”がふっかつできないよ。
こまったなぁ……そうだ!」

 “ブラックメイド”は、またわるいことをおもいつきました。

ブラックメイド:「いくぞ! “混沌化”ビーム!!」
 なんということでしょう! “ブラックメイド”は、世界のあちこちを“混沌化”させてしまったのです。
“混沌化”とは、邪神をクルクルパーにして力が出なくなってしまうふしぎな結界のことです。
“混沌化”された世界には“のーでんす”も手がだせないので、
“ブラックメイド”はいっぱいいたずらができるのです。

のーでんす:「ようし、こっちもいいことを知ったぞ」

 一方、“のーでんす”もいろいろ調べて“あざとーす”ふっかつには
“くとぅるふ”と“はすたー”と“くとぅぐあ”の『資格者』がひつようなことがわかりました。
これからは、この三神をやっつけるだけでいいのです。

ブラックメイド:「ようし、それならこっちはどんどん“混沌化”を広めてやるぞ」

 “ブラックメイド”はどんどん“混沌化”を広めていきます。
“のーでんす”は“くとぅるふ”と“はすたー”と“くとぅぐあ”にターゲットをしぼりました。
 はたして、2人のたたかいはどうなるのでしょうか!?

 次回につづく。

 ベンベンベンベンベンベンベンベンベベベベベベベベン……べべンッ!(三味線の音)

 チョン!(柏子木の音)
「――というわけで、ウチが狙われている事が判明したので、
慌ててハリ湖からン・カイへ逃げ出して来たんや」
「は、はぁ……」
 “はすたー”さんの紙芝居の内容は、僕にとっても理解の範疇を超えかけている。
僕はあいまいに相槌を打つ事しかできなかった。
 その『白い少女』“あ――おかしいな? 名前が思い出せない?――
――が復活するとどうなるのかはイマイチわからないけど、
とりあえず『這い寄る混沌』と『大帝』の当面の目的は判明した。
 だけど――
「えーと、質問なんですが」
「はい、そこ」
 控え目に片手を上げた僕を、すかさず“はすたー”さんが指差す。
「どこをどう考えても、単なる人間の僕が必要な場面が見当たらないんですが……
……なぜ僕を呼んだんですか?」
 “はすたー”さんはばつが悪そうに頭をボリボリと掻いた。
なまじ目を見張るような美女なだけに、そのだらしない態度のギャップにずっこけそうになる。
「ま、確かにあんちゃんは単なるごく普通のありがちなその他大勢的希少性皆無の一般小市民や」
 ……そうはっきり言われるとトホホだなぁ。事実だけど。
「だけど、あの『這い寄る混沌』と『大帝』相手には、単なる人間なあんちゃんの方が向いてるんや」
「はぁ?」
 素っ頓狂な声が出るのも無理はないよ。どう考えればそんな結論が出るんですか?
「なるほど、そういう事か」
「確かに、切り札は赤松様かもしれませんわね」
 でも、僕以外の皆は納得したように頷いていたりする。どういう事なの?
「『大帝』は、拙者と同じくひでぼん殿たち人間に友好的な邪神なのでござるよ。
ひでぼん殿が拙者達の傍にいれば、おいそれと手は出せぬのでござる」
 すかさず“ゔぉるばどす”さんが僕の疑問に答えてくれたけど……それって、盾役!?
「大丈夫ですヨ。『大帝』様が人間に危害を加えたとしてモ、
銀河系の果てに置き去りにするぐらいですかラ」
「全然大丈夫じゃないし!!」
 “しょごす”さんにツッコミチョップを入れる僕だけど、
心配そうな目で僕を見てくれているのは“ばいあくへー”さんぐらいだ。トホホ……
「そして、『這い寄る混沌』の方でござるが……
こちらは少々複雑な理由で、人間がいた方が有利なのでござる」
「何故に!?」
「『這い寄る混沌』は、あらゆる『邪神』の中でも究極の存在の1つなのよ。
その神格は、あの“しゅぶ=にぐらす”神や“よぐ=そとーす”神に匹敵、
あるいは上回るとさえ言われていますわ」
「あの御方が本気を出せバ、全世界全宇宙全次元で対抗できる存在は皆無だと思われまス」
「だが、彼奴の本質は『混沌』。様々な面で我々『邪神』にとって“例外的存在(アウトサイダー)”なのだ。
だが、それゆえに彼奴は“ある絶対的な世界の法則”からも逸脱している」
 困惑する僕に、皆は丁寧に解説してくれた。まるで、僕に何かメッセージを託すように。
「ある絶対的な世界の法則……?」
 いつのまにか置き上がっていた“つぁとぅぐあ”さんが、正面から僕の瞳を見つめながら、
普段の彼女からは想像がつかないくらい明瞭な声で、その『法則』を口にした。
「それは――」
 刹那――
 鼓膜の破れそうな爆発音は、爆風と同時に襲いかかった。
 “ばいあくへー”さんが素早く僕をかばって、
同時に“つぁとぅぐあ”さんの髪の毛が身体を包んでくれなかったら、間違いなく僕は即死していただろう。
 鼓膜を揺さぶる爆音の残響が消えかける頃、
交代するようにエマージェンシーコールが半壊した部屋中に響き渡った。
「なんや! 何事や!?」
 “はすたー”さんのコタツの周囲に、光学的なスクリーンが何十枚も浮かび上がった。
もちろん何が書いてあるのかさっぱりわからないけど、
超高速でスクリーンを流れる文字を見るだけで、何か非常にマズイ事態が起こっている事は想像がつく。
「あかん!!」
 悲鳴のような“はすたー”さんの叫び声。
「『大帝』“のーでんす”の襲来や!!
ど、どうしてここが分かったん!? 偽装工作は完璧だったのに……」
 突然、“はすたー”さんを除く全員の身体が青く輝き始めた。
あれっ? と撫でようとした自分の身体が――すり抜けた!?
「あんた等をウチの外にテレポートさせる! なんとかあのイケズを撃退してや!!」
 次の瞬間、僕達はのんびりとしたコタツ部屋から暗黒の世界に転移させられていた――その直前、
僕の耳に、“はすたー”さんの衝撃的な呟きが突き刺さったんだ。
「まさか、内通者がいるのか――」
「――ッ!!」
 暗黒世界ン・カイにテレポートさせられた僕は、まず周囲の光景に絶句した。
 地平線――闇の彼方まで、何千何万、いや何億体もの“ばいあくへー”さんが、半壊状態で地に伏していたんだ。
「……なんて事を」
 僕のよく知る“ばいあくへー”さんも、自分の仲間の惨状に絶句している。
 でも、今の僕には彼女を慰める余裕は無かった。

 白

 どこまでも、果てしなく、無限に白い。あまりにも純粋過ぎる邪神――
 『大帝』――『大いなる深淵の大帝』“のーでんす”さんが、再び僕達の前に姿を見せたんだ。
 突然、巨大な爆音と閃光が頭上から僕達に襲いかかり、“のーでんす”さんの純白の姿を赤く照らした。
 上空に浮かぶ超巨大宇宙戦艦こと“はすたー”さんの船体のあちこちから爆発と炎が吹き上がり、
その巨体が僕から見て遥か後方に落下していくのが見て取れる。
僕達が船外にテレポートするほんの短い間に、
“はすたー”さんVSのーでんすさんの勝負は決着がついていたんだ。
 恐らくとどめを刺そうとしているのだろう。優雅とさえ言えるゆっくりとした動作で、
“のーでんす”さんは“はすたー”さんの元に足を進めようとして――
そこで初めて、彼女は立ちはだかる神々とおまけの僕に気付いたようだ。
「退け。貴殿達に用は無い」
 病院跡の時と同じ、独り言のようにも聞こえる独特の口調で、
“のーでんす”さんは僕達に閉じた扇子を向けた。
特に敵意も悪意も感じさせない口調だったのに……なんと、僕を除く全員が彼女から1歩後退りしたんだ!
 それくらい危険な存在なのか……あの『大帝』は。
「ちょ、ちょっと待つでござる。“のーでんす”殿」
 恐る恐るといった感じで、“ゔぉるばどす”さんがなだめる様に両手を前に掲げた。
「“のーでんす”殿の立場もわかるでござるが、ここは穏便に話し合いで――」
「もう一度だけ言う。そこを退け」
 どんな凄腕ネゴシエーターでも交渉を諦めるだろう、あまりにきっぱりとした拒絶の言葉。
 再び――信じられない事に――皆の間に動揺が走るのを感じられた。
僕も光の速さで明日にダッシュで逃げ出したい所だけど、
“ばいあくへー”さんの上司にとどめを刺させるわけにはいかない。
“つぁとぅぐあ”さん達も、邪神同士の義理なのか人間には理解できない異界の思考なのか、
この場から立ち去ろうとするものはいなかった。
 そして――今度は警告は無かった。
 “のーでんす”さんの行動――それは、広げた扇子を僕達に向かって少しだけ煽いだ。それだけだ。
 それだけなのに……現に僕自身はそよ風が吹いた感触も無かったのに、
「あれぇ〜」
「……車田吹っ飛び……」
「きゃいん!!」
「きゃあああア!!」
「……ああうっ!!」
「くうっ!!」
「…………」
「なぜ拙者までぇ〜」
「いやぁん!!」
 僕以外の皆が、手首のミサンガまでが木の葉のように吹き飛ばされて、
猛烈な勢いで岩肌に叩き付けられた!!
「み、皆さん!?」
 死んだり気絶した御方はいないようだけど、
みんな苦しそうな呻き声を漏らしながら地に伏して、起き上がる事もできないでいる。
単に吹き飛ばされただけじゃなくて、
“のーでんす”さんの邪神パワーで深刻なダメージを受けてしまったんだろう。
「…………」
 ――いや、1人だけがよろよろと起き上がった。灰色のゴスロリドレスを着た銀髪の美幼女は、
しかし普段のぼーっとした無表情に明らかな苦悶の影が刺している。
「…………」
 地面に広がる灰色のフレアスカートがざわざわと波立つと、そこから太い触手の群れが飛び出して、
猛烈な勢いで僕をかすめて“のーでんす”さんに襲いかかる!!
「児戯だな」
 しかし――“のーでんす”さんが扇子をぱちんと閉じただけで、
迫り来る触手の群れは根元から細切れに分断された。
「“三姉妹”が揃っているならともかく、今の貴殿が私に勝てると思うか?」
 『大帝』――『大いなる深淵の大帝』“のーでんす”――邪神すら封じる最強の『旧き神』よ。
 その残酷なまでに白く無垢な姿は――なぜそんなに美しいのか。
 再び、魔性の扇子が開いた。
「去ね」
 “あぶほーす”さんのドレスとフレアスカートが瞬時に千切れ飛び――
今度こそ、“あぶほーす”さんは大地に沈んだ。
「……ぅう」
 僕は呻き声を漏らす事しかできなかった。四肢は今にも崩れそうなくらいガクガクと震え、
胃の奥からすっぱい物がこみ上げてくる。
汗が滝のように吹き出して、そのくせ背骨が凍り付いたように悪寒が走る。
気絶したくても恐怖が大き過ぎて気絶できない――あまりにも圧倒的な『力』を前にして、
僕は瀕死のナメクジよりも無力な存在だ。
 僕の存在など目に止まらぬように、『大帝』が僕の脇を通り過ぎようとする。
 “はすたー”さん達は、僕が切り札となるかもしれないと言った。
 とんだ戯言だ。
 僕に何ができる?
 あんな理不尽なまでに強大無比な究極の力を前にして、ちっぽけな人間に過ぎない僕に何ができる?
 何もできる筈が無い――それは絶対の真実。いや、真理だ。
 ……それなのに。
 でも、それなのに。
「ダメです」
 僕は両手を広げて、“のーでんす”さんの前に立ち塞がった。立ち塞がっちゃったんだ。
「退きなさい」
 静かな声が、翁面の奥から聞こえた……ような気がした。きっと気のせいだろう。
あの恐ろしい邪神が、あんなに優しそうな声を出す筈がない。
「ダメと言ったらダメです」
 対照的に、僕は強めの口調できっぱりと言いきった。
 後ろで呻いている“つぁとぅぐあ”さんが、“いたくぁ”さんが、“てぃんだろす”が、“しょごす”さんが、
“おとしご”ちゃんが、“ばいあくへー”さんが、“あとらっく=なちゃ”さんが、“あぶほーす”さんが、
“ゔぉるばどす”さんが、“がたのそあ”さんが……今まで僕を守ってくれた最愛の神様達が、
僕になけなしの勇気を与えてくれたんだ。
 今度は僕が、皆を守る番だ。
「え、えーと、とにかくまずは話し合いましょう!! お茶でも飲みながらのんびりと!!
秘蔵の『世界の超偉人1000万人伝説』のビデオでも見ながら!!」
 ……問題は、具体的にどう守ればいいのかさっぱりわからない事だけど。
「退きなさい。この世界の住民のために必要な事なのだ。それはそなたも例外ではない」
「だだだ駄目だめダメ!!」
 そっと僕を押し退けようとする“のーでんす”さんを、思わず僕は抱き止めてしまった。
華奢で柔らかな女性特有の感触と甘い香りが胸一杯に広がって、僕の心臓がドキリと脈打つ。
「そ、そうだ!! “はすたー”さんにお願いして、
もう『接触者』と『資格者』を作らないようにすればいいんじゃないでしょうか?」
「無駄だ。『接触者』はともかく『資格者』は当人の意思に関係無く出現する。
“ブラックメイド”がそのように処置したのだ」
「と、とにかく乱暴な事はやめましょう!! 戦争反対!! ラブアンドピース!!
みんなでIMAGINEを歌いましょう!!」
「……困った人間だ」
 溜息と苦笑が入り混じった声。それはどこか可笑しそうに響いた。
「事が済むまで、しばらくドリームランドで休んでもらおうか。“ないとごーんと”達に接待させよう」
 今度は僕にゆっくりと扇子が向けられる。
 やばい!!――そう背筋が凍りついた瞬間だった。
 ズブズブズブズブズブ……
「え?」
「……これは!」
 僕と“のーでんす”さんは同時に叫んだ。
 2人の足元が――固い岩肌が泥のように柔らかくなって、身体が底無し沼のように沈んでいく!!
「の、“のーでんす”さん!?」
「違う、これは私の力ではない」
 その言葉を最後に、僕達は闇の中に飲み込まれていった――
 闇の世界――それを一切の光が無い世界だと仮定すると、ここは闇の世界じゃないだろう。
 確かに周囲は果ての無い闇一色が広がっているんだけど……
もし光が無いのなら、こうして自分の身体が見えるわけがない。
 まるで黒い紙の上に、僕の写真を切り抜いて貼り付けたような、奇妙な空間だった。
 認識できるのは、自分の身体だけ。人っ子1人どころか、砂粒1つも存在しているようには見えな――
「気をつけなさい。ここは既に彼奴の領域だ」
 ――いや、僕以外にも確かな存在があった。
 闇の中でより一層映える純白の姿――“のーでんす”さんがいつのまにか僕の傍にいたんだ。
 思わず身構える僕だけど、“のーでんす”さんからは何の敵意も感じられない……
……って、僕に対しては初めからそうだったかな?
「えーと……彼奴って?」
「あれだ」
 扇子の指し示した方向には、何も見えない――ように見えた。
 “それ”は、闇に溶け込み――いや、闇そのものだったからだ。
 
 黒

 黒い。
 ただひたすらに黒い。
 長い黒髪に揺れるヘッドドレスも黒い。ワンピースのメイド服も黒く、清楚なエプロンドレスも黒い。
ニーソックスも靴もカフスも手袋も、何もかもが黒かった。
顔すらも、なぜか逆光になってよく見えないんだ。
 あまりにも純粋な黒――
 他の全ての色を侵蝕し、食らい尽くす黒――
 黒とは、世界で最も狂暴な色じゃないだろうか。
 そんな『黒』の具現が、目の前にいる。
「ふっふっふ……久しぶりニャルラ〜」
 その台詞が眼前の黒いメイドさんから発せられた事に、しばらく気づかなかった。
 思わずコケそうになるくらい、マヌケな口調だったからだ。
「私は誰かって? 名乗れと言われれば教えてあげましょうニャルラ〜」
 いや、聞いてないし。
「私の名前は――」
「えーと、“ブラックメイド”さんですよね?」
 “ブラックメイド”さんは闇の中でずるっとずっこけた。何も落ちて無いのに器用だなぁ。
「な、なぜ私の名前を知っているニャルラ!?」
「いや……以前、露店で会った事があるし。それに、さっき久しぶりって自分から言ったじゃないですか」
「そういう事はさっさと忘れるニャルラ! 格好がつかないのニャルラ!!」
「はぁ」
 両手を振り上げてむきーっと威嚇する“ブラックメイド”さんに、僕は曖昧に相槌を打った。
「では、改めて名乗るニャルラね……こほん。私の名前は――」
「出たな。ヘッポコ邪神」
 的確な“のーでんす”さんの呼びかけに、
“ブラックメイド”さんはすてーんと見事なズッコケを見せてくれた。
最近、漫画でもあまり見なくなったよなぁ。このズッコケ。
「だだだだだ、誰がヘッポコ邪神ニャルラ〜!!」
「お前の事だ。この超ヘッポコ邪神」
 くわっと顔を上げて怒鳴りつける“ブラックメイド”さんを、げしっと“のーでんす”さんが蹴り飛ばす。
「超まで付けるなんて酷いニャルラ!!」
「黙れ。このウルトラヘッポコ邪神」
 げしげしげしっと“ブラックメイド”さんにストンピングを食らわせる“のーでんす”さんの肩を、
僕は恐る恐る叩いた。
「あのぉ、可哀想だから弱いもの苛めはやめましょうよ。
苛めカッコ悪い。いくら相手がヘッポコだからって――」
「お前もヘッポコ言うなニャルラ!! それに私は弱くないニャルラ!! むしろ最強の邪神ニャルラ!!」
「お前は黙ってろ」
 ぐしっと顔を踏み潰される“ブラックメイド”さん……うーん、見事なまでに説得力が無い。
 “のーでんす”さんは心の底から疲れきったような溜息を吐いた。
「そなたはもう知っているようだが……このヘッポコは、確かに最高の神格を持つ究極の邪神の一柱だ」
「そういえば、そんな話でしたね……信じ難いけど」
「このヘッポコの本質は『混沌』――それは私やそなた達人間の価値基準において、
『邪悪』と称される概念に相違無いだろう。
現に、こいつは様々な異世界や平行次元で、数多くの陰謀を企ててきた……だが」
 ぐしゃっともう一度“のーでんす”さんは“ブラックメイド”さんの顔を踏み潰した。
「こいつの陰謀は、そのことごとくが失敗しているのだ!
それも遥かに格下の存在や、あまつさえ単なる人間にも敗北している!!
このヘッポコのお陰で、我々『邪神』のイメージがどれだけ低下しているのか理解るか!?
『邪神なんて雑魚じゃん』と言われているのだぞコイツは!!」
「は、はぁ」
 ぷるぷる震える“のーでんす”さんの怒りの表情が、仮面の奥からも伝わってくるようだ。
ついでに“ブラックメイド”さんも“のーでんす”さんの足の下でピクピク痙攣している。
「私と同胞は、そうしたヘッポコな陰謀を止めようと、
数多くの異世界でこのヘッポコやその眷属達との戦いを繰り広げてきた。
我々が完全勝利して、そうした邪神達を封印し、『旧き神』と呼ばれるようになった世界もあれば、
無念にも敗北して、我々の存在自体が無かった事にされた世界もあった」
 そこで初めて、“のーでんす”さんが僕にここ一連の事件の成り立ちを説明している事に気付いた。
「それが私の戦いの理由だ。“ブラックメイド”が陰謀を企んでいる以上、
私はそなたの住む世界を守るために戦わなければならない」
 仮面越しの“のーでんす”さんの口調は穏やかだ。もう僕に敵意を持っていない事は明らかだろう。
「“のーでんす”さんが僕達の住む世界を守るために戦っいるのはわかりました……でも」
 だからといって、彼女の行動を手放しで認めるわけにはいかない。
彼女が“ブラックメイド”さんと敵対している具体的な理由が不明瞭だし――
――まぁ、例によって人間の僕には理解できない理由なんだろうけど――
“つぁとぅぐあ”さん達を何の躊躇いも無く傷付けた事も許せない。
「でも、僕や僕の友人にとって大切な存在を傷つけられようとしているのに、
黙っていられるほど僕は人間できていないんです。
お願いします。なんとか別の方法を見出してもらえませんか?」
 “のーでんす”さんの返答は早く、そして鋭かった。
「その所為で、世界が滅びるとしてもか?」
「なっ?」
「この“ブラックメイド”は確かにヘッポコだが、世界最高位の究極存在である事も事実だ。
彼奴の陰謀は、確実に世界に恐るべき災厄をもたらす。
そなたは平然と自分の欲望と世界を秤にかける部類の人間なのか?」
 僕は言葉に詰まった……というより、
『世界の命運と自分の大切なものと、どちらを優先するのか?』と言われて、
即答できる人間の方がおかしいだろう。
あらゆる意味で平凡な小市民的思考の持ち主である僕に、明瞭な答が出せる筈が無い。
「わかりません……ですが」
 だから僕は、自分が思っている事をそのまま正直に話した。
「僕は自分にとって大切なものを守りたいし、その為に世界を滅ぼす度胸もありません。
ですが、あなた達『邪神』なら――僕の知る、偉大なる力を持つ神々なら、
その2つを両立させる事ができる筈です。だって、不可能を可能にできるのが『神様』でしょう!!」
 自分でもびっくりするくらい、大きな声が出てしまった。
 “のーでんす”さんは、黙って僕を見つめている。
もちろん僕の言葉に感銘を受けてるわけじゃなくて、
我侭を言う子供をどうやってなだめようかと考えている母親の様に見えた。
 その時――
「それなら、本当の意味で『不可能を可能とする』万能の存在を紹介してあげるニャルラ」
 ――嘲笑が聞こえた。
303名無しさん@ピンキー:05/01/01 23:38:44 ID:Vp0fjb12
急展開キテター!!
「貴様……なにっ!?」
 先程と同じように、突然、暗黒の底無し沼が生じて、“のーでんす”さんの身体が沈んでいく。
声をかける間も無く“のーでんす”さんの姿は闇の中に消えて、
「しばらく大人しくしてるニャルラ〜」
 後は、僕と“ブラックメイド”さんだけが、闇の世界に取り残されていた。
 ……って、この状況は物凄くマズイんじゃあ!?
「ふふふのふ。やっと2人っきりになれたニャルラね〜」
 痛そうに鼻頭を押さえながら、ずずいっと“ブラックメイド”さんがにじり寄る。
正直、あまり怖さは感じないけど、相手はあの『這い寄る混沌』さんだ。
今まで遭遇してきた邪神さん達の中でも最大級の脅威なのだろう。たぶん。
「不可能を可能とする、万能にして究極の存在――
それを君が望んでいるのなら、私と最終的な目的は同じニャルラ」
 じりじりっと、あと数センチでキスできちゃう間合いまで“ブラックメイド”さんが接近する。
鼻先が触れ合うくらいの距離なのに、なぜかまだ彼女の顔は逆光のままで見えないんだ。
「その目的を果たす為に、君に協力してもらうニャルラ!」
 ごちん
 頭の中で火花が散り、ワンテンポ遅れて鼻先に激痛が走った。
“ブラックメイド”さんが、いきなりヘッドバッドを食らわせてきたんだ。
彼女にとっても予想外の事態だったらしく、僕達は2人で仲良く顔面を押さえて呻いていた。
「い、いきなり何するんスか――!?」
「ご、ゴメンニャルラ。ちょっとキスに失敗したニャルラ」
 は? キス?
「君にちょっとした処置を施すニャルラ。大人しく協力しやがれニャルラ」
 じりじりっと再び這い寄ってくる“ブラックメイド”さん。このパターンは……もしかして……
「ぶっちゃけエッチシーンだから、とっととセックスするのニャルラ」
 うわー! ホントにぶっちゃけちゃったよコイツ……
「さあさあ、早く若い野獣の欲情を私に注ぎ込むニャルラ〜!!」
「いや、いきなりそう言われても……」
 気の抜ける口調、よく見えない顔、メイド服の意義がわからない貧弱な体格……
ここまでセックスアピールが皆無だと、男って生き物は興奮できないんです。
「せめて、ボク口調の爆乳眼鏡な古本屋さんになってくれませんか?」
「あんな人間に気合負けするようなヘッポコ化身になるのは、もう嫌ニャルラ」
 どっちがヘッポコなのか……つーか、敵を作る発言は勘弁してください。
「あ、さては着衣よりも裸に興奮する即物的な性癖の持ち主なのニャルラね」
「いや、別にそんな事は」
 僕の意見は完全に無視して、“ブラックメイド”さんはいそいそと嬉しそうに漆黒のメイド服を脱ぎ捨てた。
そして、ついに彼女の裸身が露となり――
「……はぁ」
「こらそこぉ!! 裸見て溜息吐くなニャルラぁ!! スッゲェ失礼なのニャルラ!!」
 だって、凹凸がホントに少ないんだもん。
“てぃんだろす”や“あぶほーす”さんみたいに、ロリータ的な色香があるわけじゃないし……
ホント、ここまで僕の好みから外れた女体も珍しいよ。
まぁ、普段から美し過ぎる女神達の裸身を見ているので、基準が高過ぎる面もあるかもしれないけど……
あ、“ブラックメイド”さんも神様か。
「むむむぅ〜〜〜こうなったら、私の超絶テクニックでイかせてやるのニャルラ!!」
 微妙な空気の中、いきなり“ブラックメイド”さんが僕を押し倒して、股間をまさぐり始めた。
さすがヘッポコでも邪神様。得体の知れない力で僕の身体の自由は完全に奪われている。
 ぽろん、と力無くうなだれる僕のペニスも取り出された。
「ニャはははは〜すぐに元気にしてあげるニャルラ〜」
 そして、彼女は僕の一物を、文字通り『咥えた』――ガブッと!!
「くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」!!!」
「どうしたニャルラ? ちゃんと人間の言葉で喋るニャルラ」
 不思議そうに首を傾ける“ブラックメイド”さんを尻目に、僕は股間を押さえて悶絶していた。
男が絶対に味わいたくない激痛に、脳味噌と股間が沸騰しそうだ。無論、イヤな意味で。
「いきなり歯を立てて噛みつく人がいますか―――!!! ガブって音がしたよガブって!!!」
「男なら細かい事は気にしないのニャルラ」
「細かいことじゃねえ〜〜〜!!」
「メンド臭くなってきたから、邪神パゥワーで勃起させるニャルラ」
 一欠片も悪びれた様子を見せない“ブラックメイド”さんがフィンガースナップを決めると、
魔法のように(いや、魔法そのものだけど)僕のペニスは力強く直立した。
つーか、初めからその力使ってくださいよ。
「それでは、初物をイタダキますニャルラ」
「いや、初物じゃないし――ッ!?」
 ヘアの一本も生えていない、スジすらもよく見えない性器を露出した“ブラックメイド”さんは、
あお向けに寝かせた僕の上に跨り、そのまますとんと腰を下ろして――
「ぃぃぃいいい痛ってぇニャルラぁぁぁあああ!!!」
 闇の世界に絶叫が轟いた。
 そりゃ前戯もしないでいきなり挿入すれば、痛いのが当たり前だよなぁ……
そんな感想を抱きつつも、いざ挿入すれば勝手に腰が動いてしまうのは、悲しい男のサガという奴かな。
「痛い痛い痛いぃぃ!! も、もっと優しく……ニャルラぁ!!」
 そうは言われても、かなりきつい事を我慢すれば、
彼女の中は見た目のトホホさに反してとても具合が良かった。
自然に凹凸の無い胸に指を這わせて、あまり勃起していない乳首をコリコリと弄んでしまう。
「ふわぁ! いたぃいたぁああ……ああうぅ!!」
 “ブラックメイド”さんの悲鳴にも、甘い声が混じり始めた。
それがなんとなく面白くて、つい激しく腰を叩きつけてしまう。
僕達はいつのまにか対面座位の体位で、激しく求め合っていた。
 ――そう、この時すでに僕は“ブラックメイド”さんの術中に陥っていたんだ――
 そして――
「ニャルラぁああああ!!!」
「ううっ」
 “ブラックメイド”さんが絶頂を迎えると同時に、
僕も彼女の中に精を放ち――そして、彼女の顔を見てしまった。
『這い寄る混沌』の真の顔を――
僕が今まで遭遇してきた女神達なんて、田舎の小娘にしか思えない、真の美貌を――
真の美しさを――
真の美を――

 美しい。
 グロテスクなくらい美しい。
 吐き気を催すくらい美しい。
 泣き叫びたいくらい美しい。

 美しい。美しい。美しい。美しい。美しい。美しい。美しい。美しい。美しい。美しい。美しい。美しい。
 美しい美しい美しい美しい美しい美しい美しい美しい美しい美しい美しい美しい美しい美しい――
 美し美し美し美し美し美し美し美し美し美し美し美し美し美し美し美し美し美し美し美し――
 美美美美美美美美美美美美美美美美美美美美美美美美美美美美美美美美美美美美美――

 ――僕の魂に、『それ』の美しさが刻み込まれ、穿かれ、抉られ、侵蝕されていく――
 ……そして、僕の魂の、最後の欠片が、今、消えた……

 あはははははははははははははははは…………

 闇の世界には

 混沌の哄笑だけが


 続く
308名無しさん@ピンキー:05/01/01 23:54:54 ID:3iNXfsua
主人公死んじゃった
309ツァトゥグア信奉者 ◆r7nnPP0.C. :05/01/02 00:19:08 ID:V/SOWRRF
「車田吹っ飛び」 ワロタ
310名無しさん@ピンキー:05/01/02 00:21:18 ID:eNdZslEP
主人公死亡記念パピコ


多分復活して終わる気がする
311名無しさん@ピンキー:05/01/02 01:11:18 ID:H4ba1S6P
なんかシリアス分が濃くなってきた
次回はあざ■■■登場かな?
そういえばひでぼんがあざりんに最初に会ったのは去年の今頃だったな

どーでもいいことだが“つぁとぅぐぁ”さんも居候じゃなかったっけ?
家主の許可を取らずに“はすたー”さんを居候させようとしてたけど…
つーか家主が何も言わないからほかの邪神達も勝手に居候しているという設定なのかな?
312312 ◆MABOUp7up. :05/01/02 05:55:47 ID:m/g8BCEj
「…………はっ!? はあ……はあ…はあ…」
女――いや、女と呼ぶにはまだ若いかもしれない――少女は、唐突に目を覚ました。
「ここ……は?」
ゆっくりと上半身を起こし、辺りを見渡す。そこは、ビルの路地の奥にある、小さな空き地だった。
路地のほうからは、行き交う人たちの喧騒が聞こえてくる。
夜空を見上げると、満天の星とともに、真ん丸の月が、少女を薄ぼんやりと照らし出していた。
――私は、私は何をしていたの? こんなところで?
だが彼女は、自分が何故ここにいるのか、ここで何をしていたのか、が思い出せなかった。
「寒……い…」
思わず身震いをして、両手で自らの肩を抱きしめる。
それはそうだろう、厚手のコートを身につけていても、その寒さが伝わってくる季節だ。
にも関わらず、少女は半袖のTシャツに、膝上10センチほどのスカートしか、
身にまとっていなかったのだ。どう考えても、この季節にはそぐわない。
「帰ら……なきゃ…」
立ち上がった少女は、寒さを紛らわせようと二の腕を擦りながら、ポツリとつぶやいた。
――帰る? ……いったい、どこへ?
歩き出そうとした足が、ピタリと止まってしまった。
そう、帰る場所すらも、今の少女には、思い出すことができなかったのだ。
313312 ◆MABOUp7up. :05/01/02 05:56:09 ID:m/g8BCEj

「……っと、お嬢さん。こんな時間に、こんな場所で、いったい何をしているのかな?
夏に、あんな事件があったというのに………それとも、ひとりで肝試しにでも来たのかい?」
「えっ!?」
不意に背後から声がして、少女は驚きの声とともに振り返る。
いつからいたのか、そこには、一人の浮浪者風の初老の男が立っていた。
――夏の事件? 肝試し? いったい何のこと?
「しかも、そんな格好をしているんだ。さぞ寒かろうに。よしよし、俺たちが暖めてやるよ」
「……っ!?」
少女が首を傾げていると、不意に目の前の男とは別の声が聞こえ、手首を何者かに掴まれる。
「い……いやっ……は、離してください…っ……」
掴まれた手首を振りほどこうと、少女はもがくが、男の手はピクリともしなかった。
「へへっ、つれないこと言うなよ。せっかくのクリスマスなんだから、楽しもうじゃないか……っ」
「! ……っ……ぐ…うっ……」
手首を掴んだ男は、ニヤニヤした笑みを浮かべたまま、少女のくちびるを奪った。
少女は突然の出来事に驚き、目をパッチリと見開いて、男を凝視していたが、
ぬめぬめとしたものが、唇の隙間から口中へと潜り込もうとしてくる感触を覚え、
それから逃れようと、必死に口を閉じ、身をよじらせる。
「ん! んんっ! ……っ! ………」
だが突然、背後から胸を鷲掴みにされ、口が開いてしまう。
その隙を見逃さず、ぬめぬめしたものは、少女の口の中へと入り込んできた。
「ううむ……まだまだ未発達、ってところかな。まあ、これはこれで……」
「!…っ! んふっ! !……」
最初に少女に声を掛けた初老の男が、少女の胸をゆっくりと撫で回しながら、耳元でささやく。
羞恥心に顔を真っ赤に染める少女だが、くちびるを塞がれているため、荒い鼻息しか出てこない。
胸と口中を、見ず知らずの男たちに弄ばれる屈辱と恐怖に、少女の目から涙がこぼれていた。
314312 ◆MABOUp7up. :05/01/02 05:56:33 ID:m/g8BCEj

「……っ。さて…と、いよいよ……おい、じいさん。胸ばっか揉んでないで、しっかり手ぇ掴んどけよ」
ようやく少女から口を離した男は、胸を揉み続けている初老の男に向かって声を掛けた。
声を掛けられた初老の男は、無言で少女の両腕を押さえつける。
それを確認した男は、少女の両足を膝のところを抱えるようにして、持ち上げた。
「いっ! いやあ! いやあっ!!」
二人の男によって、四肢の自由を奪われ、宙に浮く感覚を覚えた少女は、
首を振り乱しながら悲鳴をあげる。
「よい……しょっと。こっちはどうなっているかな?」
少女の悲鳴に委細かまわず、男は少女の股間に体を押し入ったかと思うと、
スカートをめくり上げ、真っ白なパンティに手を伸ばした。
「やあっ! やめて! やめてえっ!」
「こら、暴れんじゃねえよ………おい」
男の手から逃れようと、必死に身をよじらせる少女を見て、男は初老の男に目配せする。
目配せとともに、二人の男はいっせいに、少女を押さえつけていた手を、ぱっと離した。
少女は重力の法則に従い、地面に落下する。
「……っ! く…う………」
「おい……こっちが下手に出てるからって、いい気になるんじゃねえぞ。黙っておとなしくしてろや」
背中を地面に打ちつけ、声にならない悲鳴をあげる少女。
少女の顎を掴み上げ、男は凄む。少女は無言で、目に涙を溜めながら、じっと男の目を見返していた。
315312 ◆MABOUp7up. :05/01/02 05:56:48 ID:m/g8BCEj

「フン……それじゃ……っと」
少女がおとなしくなったのを確認した男は、ゆっくりと少女のパンティをずりおろした。
たちまち、剥き出しになった恥丘と、産毛よりも、少々硬くなった程度の恥毛が姿を現す。
「なんだ、もじゃもじゃじゃねえか。たまには手入れくらいしろよな」
「……っ……」
少女の恥丘を撫で回し、恥毛を掴みあげながら、男が大げさに肩をすくめながらひとこと。
恥辱からか、先ほど凄まれた恐怖からか、少女は目をぎゅっと閉じ、声を押し殺していた。
「しかし……こっちの方は、あまり遊んじゃいないようだな。こりゃ、楽しみだ……っ…」
「! っ! ……!」
言いながら、男は少女の秘裂に舌を這わせた。その途端、少女はビクンと腰をうごめかせる。
さらに男は、秘裂を指でこじ開け、秘裂の中へと舌を潜り込ませた。
「っ! ん! んふ! んっ……!」
「だんだん、気持ちよくなってきたかい? そういう声は、我慢しなくていいんだよ?」
腰をよじらせながら、くぐもった悲鳴をあげ続ける少女。
その悲鳴に、艶っぽい色が混じっているのを感じ取った初老の男が、少女の耳元でそっとささやく。
「んっ……ん…んんっ……」
「やれやれ……仕方ないねえ。お前さん、ちょっといじめすぎだよ」
だが、少女はぎゅっと閉じた目から涙をこぼし、必死に首を振り続けながら、悲鳴を押し殺している。
そんな少女の様子に、初老の男はため息をつきながら、少女の股間に顔を埋めている男に声を掛ける。
「へへっ、大丈夫だって。これから、ヒイヒイ泣き叫ぶことになるんだからよ」
「! あっ、ああっ!」
男はぱっと顔をあげ、初老の男に向かって笑みを返しながら、少女の秘裂の合わせ目に、
ちょこんと出っ張っている薄皮に手を伸ばした。同時に、少女の体が弓なりに仰け反る。
316312 ◆MABOUp7up. :05/01/02 05:57:14 ID:m/g8BCEj

「ほらほら、どうした? 気持ちいいのか?」
「…っ! あ……あっ……」
男は人差し指で、出っ張りを撫で回しながら、少女に声を掛ける。
少女は下腹部から伝わる刺激に、全身をブルブル震わせながら、必死に漏れ出す声を抑えていた。
「まったく……強情というか、何というか……ま、いいか」
自分で少女に黙ってろと言ったのを棚に上げ、男は大げさに、呆れたような声をあげながら、
薄皮をそっとめくりあげた。すると、濃いピンク色に充血した肉の芽が姿を現す。
「あっ! あ、ああっ」
「さて、と。それじゃ、お楽しみといくとするか……」
剥き出しになった肉芽に、男が舌を這わせた途端、少女は全身をピクリと震わせ、甲高い声を漏らす。
そんな少女の痴態を目の当たりにして、我慢の限界を迎えていた男は、
上半身を起こしながら、ズボンとパンツを一気に膝までずり下ろした。
股間には、興奮して天を向いた男の赤黒いペニスが、待ち切れないとばかりにビクビク震えている。
「え? あ……い、いや…いやあ……」
男が少女の秘部に、ペニスの先端を押しつけると、少女はいやいやと首を振りながら、声をあげる。
だがその声は、先ほどの脅しが効いているのか、まるでささやくように、弱々しい。
「………っ、と」
「あぐ! か……あ、あ、い、痛い、痛いーっ!」
男は少女の腰を抱え上げたかと思うと、一息に自分のペニスを少女の中へと潜り込ませた。
同時に、少女は目を見開き、堰を切ったように悲鳴をあげながら、体をもぞもぞとうごめかせる。
317312 ◆MABOUp7up. :05/01/02 05:57:31 ID:m/g8BCEj

「ひっ…あ、ああ、いや…ぬ…抜いて…抜いてえ……っ…」
「く…っ。すっげえ……気持ちイイ……」
少女の悲鳴も意に介さず、男は腰を動かした。その動きは、相手を気遣う優しさなど微塵もなく、
ただただ自らの快楽を貪らんとするだけの、荒々しい抽送だった。
「いや…痛……痛…あぐうっ!?」
涙を流しながら、男の腰の動きに合わせ、息を突くように悲鳴をあげ続けていた少女だが、
突然、初老の男性が、自らのペニスを少女の口中へ突きたて、その悲鳴を途絶えさせる。
やや斜めから、奥に突き立てられたせいか、少女の頬がペニスそのままの形に膨らんでいた。
「うぐ…う……ぐ…え…ええっ……」
少女は恥垢まみれの、物凄い匂いのするペニスを無理やり咥えさせられ、吐き気がこみあげていた。
「ああ…いい、お嬢さん……こいつは極楽だ………」
「ぐ……ぐぐ…っ、むぐ、むぐうーっ!」
恍惚とした表情で、初老の男は少女の頭を押さえつけ、腰をゆっくりと前後に動かす。
初老の男とは対照的に、少女はこみあげる吐き気と、秘部から伝わる痛みに、涙を流し続けていた。

「…っ、イクぞ、イッちまうぞ……このまま…中に出しちまうぞ……っ」
「ぐ? うぐ? ぐう……っ……」
少女と繋がっていた男が上ずった声をあげ、ラストスパートとばかりに腰の動きを早める。
口をペニスで塞がれ、頭を押さえつけられながらも、少女は必死に抵抗の声を漏らそうとしていた。
「うっ! ううっ!」
だが男は、軽く上半身を仰け反らせながら、少女の中へと、その欲望の結果をほとばしらせていた。
318312 ◆MABOUp7up. :05/01/02 05:57:49 ID:m/g8BCEj

「はあ…はあ……へへ、まだ慣れてないせいか、すっげえ締め付けだったぜ。じいさん、代われよ」
少女からペニスを引き抜き、肩で息をさせている男は、初老の男に声を掛けた。
「やれやれ……私がまだイッてないのに、交代とは……まったく、近頃の若い者は……」
「何言ってんだ。こんな孫みたいな娘に、てめえのチンポ咥えさせる時点で、じいさんも十分に
若いだろうが……っと、お前のスケベな汁で、ぐちゃぐちゃに汚れちまったんだ、綺麗に舐め取れよな」
渋々といった表情で、少女の口からペニスを引き抜いた初老の男を見て、
男は悪態をつきながら、自らのペニスを少女の口に含ませた。
「ひゅぐ……ぐ……うっ……ううっ……うぐ! うぐ〜っ!?」
少女は嗚咽の声をもらしながら、男のペニスを口に含んでいたが、
不意に頭を前後に激しく揺さぶられ、くぐもった悲鳴を漏らす。
「てめえ、何やってんだよ? 俺は舐め取れって言ったんだぞ? ちゃんとチンポに舌を絡ませろや」
「うぐ……っ、う、うう………」
男の凄みにビクンと身をすくませた少女は、しゃくりあげながらも、舌先を男のペニスにそっと這わせた。
「さて、と。俺は……」
初老の男が、少女の両足をゆっくりと広げ、ペニスを突きたてようとしたそのとき――

「何だよ。お前たちだけで、楽しんでいるんじゃねえよ。俺も混ぜてくれよな」
「お? ああいいぜ。………ほら、起き上がれよ」
「あぐ……う……」
不意に、中年の男が下卑た笑みを浮かべながら、近づいてきた。
男は、少女の頭を揺り動かしながら、中年男に返事をしたかと思うと、
少女の髪の毛を引っ掴んで、上半身を無理やり起こさせた。
「さて、と。それじゃあ遠慮なく」
中年の男は、ズボンとパンツを脱ぎ捨てたかと思うと、膝立ちになった少女の秘部に、
先走り液で濡れそぼっているペニスを、そっとあてがった。
319312 ◆MABOUp7up. :05/01/02 05:58:05 ID:m/g8BCEj

「ヒューッ。おっさん、初めて見たけど、俺のよりも立派じゃねえか。人は見かけによらねえなあ。
俺のでさえ、キツキツだったのに、おっさんのが入るのかねえ?」
露わになった、中年男のペニスを目にして、男が口笛を鳴らしながらつぶやく。
事実、中年男のペニスは、今少女が咥えさせられている男のペニスに比べ、
長さといい、太さといい、優にひと回りは大きかった。
「なあに、大丈夫。さっき出したお前さんのが、いい潤滑液になるだろ」
「なるほど、それもそうだ、なっ、と!」
「! ぐ…っ! ぐっ!」
少女の背後に回った初老の男が、両手で少女の胸を揉みながら、二人に向かって言う。
その言葉が終わったか終わらないかのうちに、中年男は少女の秘裂の中へと、ペニスを潜り込ませた。
が、やはり少女の幼い秘部では、中年男のペニスは大きすぎたようで、
半分ほど潜り込んだところで、ペニスの侵入は止まった。
少女の目からは、痛さを伝える涙が次々と零れ落ちている。
「やれやれ……ぐちょぐちょだから、大丈夫かと思ったら、ここまでか。仕方がないな……」
中年男は、軽くため息を突きながら、ゆっくりと腰を上下に動かし始める。
ペニスが少女の中へと潜り込むたびに、秘唇が巻き込まれるように姿を消し、
少女から出てくるたびに、巻き込まれていた秘唇が、外に向かって捲れあがっていた。
あまりの苦痛に、少女の意識は何度も飛びそうになっていた。が、
「おら、目ぇ覚ませよ。ちゃんと咥えてろよ」
「ぐっ! ぐぶ……っ!」
そのたびに、ペニスを咥えさせていた男が、少女の頬を叩き、現実の世界へと引き戻させていた。
320312 ◆MABOUp7up. :05/01/02 05:58:21 ID:m/g8BCEj

「……さて、そしたら私は………」
「ひぐ! ぐっ! ぐううっ!?」
少女の胸を揉み続けていた初老の男が、自分の人差し指を舐めながら、
ポツリとつぶやき、少女の菊門へと指を滑らせた。
突然の感覚に、少女はビクリと身をすくませ、悲鳴を漏らす。
「ん、なかなかいい締まりをしているな、これは」
「! 〜〜っ! っ!」
そう言ったかと思うと、初老の男は自らの人差し指を少女の菊門へと潜り込ませた。
声にならない悲鳴をあげ、体を仰け反らせる少女。
「う、うおっ!? な、何だっ!?」
いきなり、少女の締まりが増し、驚き混じりの声をあげる中年男。
「うむ。やはり、この娘は前よりも後ろのほうが楽しめそうだ。さあ、挿れるよ」
「っ! ぐっ! ぐう〜っ!」
「こら、暴れるんじゃねえって、何度言ったら分かるんだよ?」
初老の男は頷きながら、少女の菊座に自らのいきり立ったペニスをあてがった。
意図を察知した少女は、必死に逃れようとするが、前を貫かれているため、
身動きも取れず、男に凄まれてしまい、ただブルブル震えることしか出来なかった。
「大丈夫だよ。力を抜けば、そんなに痛くは無いのだから………ん、っ……」
「んぐ〜っ! ……い、嫌あっ! お、お願い、抜いて! 抜いてえっ!!」
初老の男は、少女のお尻をペタペタと何回か軽く引っぱたいたかと思うと、
少女の菊座にペニスを潜り込ませる。あまりの痛さに、少女は全身を仰け反らせた。
仰け反らせた弾みで、少女の口からペニスが外れ、叫び声があふれ出す。
「うおっ、す、すっげえ……さっきより締まりがよくなってるし……じ、じいさんの……感触が……」
「馬鹿野郎、誰が口を離していいって言ったよ」
「ぐっ……ぐ…う………ううっ…」
上半身を震わせながら、中年男が歓喜の声をあげる。
同時に、男が乱暴に少女の髪を引っ掴み、ペニスを咥えさせながら、腰を前後に揺さぶりだした。
321312 ◆MABOUp7up. :05/01/02 05:59:20 ID:m/g8BCEj

「く……っ、もう俺、限界だぜ……中に出してもいいのか?」
「ああ、構うこたねえよ、俺も一回目は中に出してたしよ」
中年の男が、腰を揺り動かしながら、押し殺した声をあげる。その声に笑いながら、男が答える。
「そ、それ…じゃ、遠慮なく……っ!」
男の声に安心したのか、中年男は少女の中へと大量の精液を放出させていた。
だが中年男は、少女の中で果てても、しばらくの間、腰の動きを止めずに、快感の余韻を貪っていた。

「くっ……ふう…ふう……すげえよかったぜ……っと」
ようやく、中年男が腰を引き、少女からペニスを引き抜いた。
同時に、ペニスが引き抜かれてもぽっかりと開いたままの少女の秘裂から、
おびただしい量の、どろりとした液体が零れ落ち、地面を汚す。
出血もしていたのだろうか、白い液体の中には、わずかに赤い色も混じっていた。

「うく……こ、これは私もたまらん……もう、イッてしまう……」
「お、じいさんもイッてしまうのかい? そのまま、天国に逝っちまわねえようにな」
少女の胸を、背後から荒々しく揉みしだきながら、初老の男も消え入りそうな声でつぶやく。
男の笑い声も意に介さず、初老の男は必死に腰をガクガクと動かし続ける。
「ん…っ、ん……っ!」
やがて、初老の男は全身を震わせ、少女の腸内目掛けて、射精していた。
322312 ◆MABOUp7up. :05/01/02 05:59:47 ID:m/g8BCEj

「さて、と。……俺も、そろそろ……」
少女の小さな口に、自らのペニスを咥えさせ、腰を揺さぶっていた男も、限界が近づいていたようだ。
「おい、どうする? 顔にかけたほうがいいか? それとも飲ませちまったほうがいいか?」
既に絶頂に達し、後ろでシケモクを吸っている二人に向かって、男は問いかけた。
「ん? そんなの、お前さんの好きにすればいいだろう」
「ああそうだ、今日はクリスマスだろう? 嬢ちゃんの顔で、ホワイトクリスマスを見てみたいかもな」
「………ったく、んなことを思いつくとは、ホントおっさんだねえ……。じゃ、リクエストに応えて……っと」
中年男の言葉に、男は呆れながらペニスを少女から引き抜き、ペニスを握り締めた。
「……っ、くっ! ううっ!」
男は自らの手で、ペニスを何回かしごいたかと思うと、ペニスの先端から2回目とは思えないほどの、
大量の精液が噴き出し、半ば放心状態にある少女の顔を、白く染め上げていった――
323312 ◆MABOUp7up. :05/01/02 06:00:39 ID:m/g8BCEj

「へへっ。それじゃ、2回戦と行くとしようか」
しばらくの間、肩で息をしていた中年男は、ゆっくりと立ち上がり、少女に向かって声を掛けた。
一度果てたにも関わらず、ペニスはふたたび、その大きさを取り戻している。
「あ……あ、あ、ああ……」
「何だよ? 俺たちせっかく結ばれたってのに、冷てえじゃねえかよ?」
少女はいやいやと首を振り、座った姿勢のまま、ゆっくりと後ずさっていた。
涙と精液にまみれたその顔は、恐怖に怯えきっている。
ニヤニヤと、笑みを浮かべた中年男が、少女の肩に手を触れたとき、少女は気を失った。
「ちっ、そんなに怯えることも、ねえだろうに」
「でもまあ、かえっておとなしくしてくれてっから、コトに及びやすいんでないの?」
気を失った少女を抱え上げ、眉をしかめる中年男に向かって、男がポツリとひとこと。
「何を言ってる。嫌がる相手を無理やり、ってのが燃えるんじゃねえかよ」
「ったく、悪趣味だねえ。まあいいさ、おっさんがしないのなら、俺が始めるよ?」
振り向きざまに、中年男は返事をするが、その返事に男は呆れかえり、少女の両足を掴んだ。
「待て待て、誰がしないと言った」
「………って、結局ヤルのかよ。おっさん、いい死に方しねえぞ?」
男の手を掴み、ゆっくりと首を振る中年男を見て、心底呆れた、という表情で男は言った。
「ああ、いい生き方が出来れば、それでいいんだよ。………ほーっ、こりゃ綺麗な肌だあ」
中年男は悪態をつきながら、少女の服に手をかけ、力任せに引き裂いた。
たちまち、少女の透けるような真っ白な肌が、目に飛び込んでくる。
膨らみ始めた少女の胸を、ゆっくりと撫で回しながら、中年男は感想を漏らす。
「いい生き方ねえ……こんなホームレスやってて、んなこと言われても、説得力ねーって」
肩をすくめて、男が立ち上がったそのとき――
324312 ◆MABOUp7up. :05/01/02 06:00:55 ID:m/g8BCEj

「あ〜……。お楽しみのところ、申し訳ないのだが……彼女を離してやってくれないかな?」
「ん? 何だ、お前は?」
不意に路地のほうから声が聞こえ、男たちはいっせいに振り返った。
そこには、タキシードのような服を着こなした、若い男が腕を組み、慇懃な笑みを浮かべていた。
「いやいや、ちょっと彼女に用があるのでね。君たちには特に用はないし、今日はクリスマスという、
聖なる夜らしいからね。穏便にしておいてあげるから、彼女を離してやってくれないか?」
「おい、そんな態度で『はい、そうですか』なんて、答えるとでも思ったのかあ?」
若い男は、慇懃な笑みを崩さずに、少女の元へ歩み寄ろうとする。
そんな態度が気に入らなかったのか、男がバタフライナイフを取り出し、若い男の前に立ちはだかった。
「おや? そんなモノを取り出して、どうするというのかね? まさか、わたしを切りつけようと?」
「この状況で、ほかにどんな使い方をしろってんだ? あんま、人を舐めてんじゃねえぞ、コラ」
さも以外、という表情で、若い男は男を見返した。
男は、ナイフを手元でカチャカチャと器用に動かしながら、若い男に向かって凄む。
「ふうむ。せっかく、わたしが穏便にしてあげようと、言っているのに……。
まあいい、とりあえず切りつけてみてごらん。もし君が、万が一にも、わたしを傷つけることが出来たら、
その勇気に免じて、見逃してあげることにしよう。その代わりに、失敗したら君の右腕をいただくよ?」
「あ、お、おい……」
「スカしたことばっか、抜かしてんじゃねえやっ!」
若い男は、大げさにため息を付きながら、男に向かって言った。
最後のひとことに、声の質が変化したのを感じ取った初老の男は、警告の声をあげようとしたが
間に合わず、ナイフを持った男は怒号とともに、若い男に向かって切りかかっていた。
325312 ◆MABOUp7up. :05/01/02 06:01:16 ID:m/g8BCEj

「………あ、あれ?」
「フン、話にならないな………」
男は不意に、素頓狂な声をあげた。確かに、若い男に切りつけたはずなのに、手応えがまるでない。
まるで煙のように、姿を消してしまったかのようだった。
さらに男は、ナイフを握っていた右腕の感覚が、まったく無いことに気がついた。
首を傾げる男を嘲るような、若い男の声が聞こえ、男はその方向を向いた。
すると、いつの間に移動したのか、空き地の傍らに置いてあった、大きなゴミ箱に腰掛けながら、
くちゃくちゃと音を立てて、何かを食べている、若い男の姿が目に映った。
「遅い、遅いよ、君………しかし、思ったよりもマズイね、これ。悪いけど、やっぱり返すことにするよ」
「え? こ、これ……? う、うぎゃああっ!」
若い男は顔をしかめながら、口にしていたものをペッと吐き出し、
手にしていた残りを、男に向かって放り投げた。足元に転がる『それ』を見て、男は悲鳴をあげた。
『それ』はまさしく、ナイフを握り締めた、男の右腕そのものだったからだ。
同時に、男の右肘から鮮血が、まるで噴水のように噴き出し、地面を赤く染め上げていく。
たまらず男は、右肘を押さえながら、ばしゃりと音を立てて、血溜まりの上に倒れこんだ。
そんな男の様子を、若い男は顔色ひとつ変えずに、じっと見つめていた。

「……おっ、と。ぬるぽ」

ガッ

不意に若い男は、声をあげながら、ゴミ箱からひらりと身を翻らせた。
その直後、コンクリートの破片がついた鉄骨が、彼の頭を掠め、鈍い音とともに地面に叩きつけられた。
もし、ほんの一瞬でも遅れていたら、コンクリートは若い男の頭を直撃していただろう。
だが、その一瞬の差によって、若い男には傷ひとつついてはいなかった。
326312 ◆MABOUp7up. :05/01/02 06:08:32 ID:m/g8BCEj

「どうやら君も、穏便に済ませたくは無いようだね?」
「あ…あ………ぐがあっ!?」
若い男が、鉄骨を振り下ろした姿勢で固まっている中年男に向かって、
軽く右手を差し出したかと思った次の瞬間、右腕がまるで触手のようにしなり、
驚きの表情を浮かべる中年男の顔を、やはり触手のように伸びた、五本の指ががっしりと覆った。
中年男は、若い男の手を振りほどこうと、必死にもがくが、若い男の手はびくともしなかった。
「むんっ」
「げ…げえ……っ…………ぐぼおっ!?」
若い男は、軽く声をあげたかと思うと、右腕を振り上げ、中年男をビルの壁に叩きつけた。
さらに、若い男の右腕の付け根が、ブクリと膨らんだかと思うと、
その膨らみがまるで波を打つように、腕の先端へと伝わっていき………

パンッ

膨らみが、手のひらに届いたと思った瞬間、風船が破裂したような音が、辺りに響きわたった。


「さて、と……。それで、わたしが彼女を連れて行くのは、納得していただけたかな?」
右腕が元に戻った若い男は、慇懃な笑みを崩すことなく、初老の男に向かって声を掛けた。
ビルの壁には、未だに四肢をビクビクと痙攣させている、中年男の体がぶら下がっていた。
首から上は……無い。代わりに、本来なら男の頭があるであろうと思われる場所から、
円形に飛び散った鮮血が、ビルの壁を赤く染めていた。
「………あ、あ、ああ……」
初老の男は、熱いものでズボンを濡らしながら、ただガクガクと頷くのみだった。
「ふむ……わずかではあるが、二人よりは長生きしているだけあって、理解が早いようだ。
こういうときは、何と言うのだったかな? ……ああ、そうそう。それじゃあ、よい年を過ごしたまえ」
若い男は、気を失っている少女を抱きかかえたまま、
初老の男に向かって声を掛けながら、空き地を後にした――
327312 ◆MABOUp7up. :05/01/02 06:08:58 ID:m/g8BCEj

「う……うんっ……。え? こ、ここ…は……?」
少女がふたたび目を覚ますと、そこはベッドの上だった。
ゆっくりと上半身を起こしながら、誰に問いかけるでもなく、独り言をつぶやき――
「目が覚めたかい、お嬢さん」
「ひっ!? だ…誰!?」
返事があったことに、飛び上がらんばかりの勢いで、驚いていた。
――そうだった……私は、あの男たちにいいように弄ばれて……。
少女は、気を失う前の情景を思い返し、思わず身震いしながら、目の前の相手をキッと見返した。
「ううん……。何か勘違いしているようだけど、わたしはあの3人とは、何の関係も無いよ。
まあ彼らとは違う意味で、お嬢さんに用があるのは、一緒なんだけど、ね」
椅子に腰掛け、ワイングラスを手に取りながら、男は肩をすくめる。
「あ……あの3人から、私を助けてくれたのは……あ、あなた……ですか?」
「ん、まあ。結果的には、そうなるのかな?」
少女から、ほんの少しだけ警戒心が薄れ、上目遣いに男を見つめる。
ワイングラス越しに、夜景を覗き込みながら、さも興味なさそうに男が答えた。
「そ……そうだったですか。疑ったりして、ごめんなさい。……で、あ、ありがとうございました」
「いやいや。それについては、結果的にと言っただろう? 気にすることなどないさ」
それでも礼を言う少女に、男は苦笑いしながら返事をする。
「あのう……それで、私に用がある、と言ってましたけど………」
「ああ、そうだな。まあ、それはさておき、そのままだと、
わたしの目のやり場に困るから、シャワーでも浴びてきたらどうだね?」
「え? あ……は、はい……」
男に言われて、ようやく少女は、自分の服がズタズタに引き裂かれ、
前がはだけていたことに気がつき、顔を真っ赤にさせながら、浴室へと駆け込んでいった――
328312 ◆MABOUp7up. :05/01/02 06:09:24 ID:m/g8BCEj

シャワーを浴びながら、少女は考える。
――でも、私は……あそこで何をしていたの? 何故、あの場所にいたの?
考えながら、もっと肝心なことに気がついた。
――私は…私は、何者なの?
少女は、自分が自分の名前すら、覚えていないことを、ようやく思い出していた。

ガラッ

そのとき、不意にドアが開き、男が浴室へと入ってきた。一糸まとわぬ姿で。
「泣いているのかい?」
「………え?」
一瞬身構えた少女だが、男に優しく声を掛けられ、自分が泣いていることに気がついた。
「…あ、ああ……あ、ああ〜っ!!」
胸にじわりと、熱いものがこみあげてきた少女は、お互い一糸まとわぬ姿であることも気にせず、
男の胸にすがりつき、子どものように大声をあげて泣き出した――


「大……丈夫、かい?」
「……ご、ごめんなさい……ごめんなさい……」
少女を抱きしめ返し、優しく頭を撫でながら、男は少女に優しく語りかけた。
ようやく泣き収まり、クスンクスンと鼻を鳴らしながら、何度も謝罪の言葉をつぶやき続ける少女。
「さっきの話なんだが……君が、欲しい。……こんなときに言うなんて、卑怯だと思うかい?」
「い、いいえ……。でも……」
男は少女を抱きしめたまま、じっと目を見つめ、ゆっくりとささやいた。
少女は、そんな男の真摯な視線から目を逸らし、戸惑い気味につぶやく。
「でも……?」
「や、やさしくして……くださいね?」
「ああ、安心したまえ。何もかも、忘れさせてあげるよ……」
少女のつぶやきに、男はこれ以上無いくらいの優しい笑顔を見せ、そっとくちびるを奪った。
329312 ◆MABOUp7up. :05/01/02 06:09:44 ID:m/g8BCEj

「いくよ……」
「え、ええ……」
男の言葉に、ベッドに横たわった少女はゴクリと息を飲み、全身を震わせた。
覚悟を決めたのは自分とはいえ、ついほんの少し前まで、見ず知らずの男たちに弄ばれていたのだ。
いくら、目の前の男は違うと頭で思っていても、体がそのおぞましい体験を思い出してしまう。
「大丈夫……目を閉じて、力を抜いて……」
「は、はいい……」
そんな少女の緊張を解くように、男は少女の隣に横になり、そっと耳元でささやいた。
耳元に息を吹き込まれ、ゾクリとした感触が全身を駆け巡り、思わず身悶えしながら返事をする少女。
「ん……っ、んんっ……」
さらに耳たぶを、舌先でなぞられ、思わずくぐもった声を漏らしてしまう。
「可愛い……可愛いよ………」
「っ……んっ……」
耳たぶをなぞられながら、優しくささやかれ、少女は身をよじらせ、顔を赤く染め上げる。
「………あっ」
男はそうっと、少女の胸の頂に手を伸ばした。少女は小さな悲鳴とともに、軽く上半身を仰け反らせた。
「…あ、ああっ、あは……あっ……」
さらに男は、もう片方の胸の頂に舌を伸ばし、軽くチュッチュッとくちびるでついばんだ。
それだけで、少女はあられもない声を漏らし続けた。
「あっ! そ…そこ! は…あ……」
急に少女が両足を閉じ、下半身をくねらせ始める。男が、少女の下腹部に手を伸ばしたのだ。
「……大丈夫だよ。わたしに任せて……」
少女の恐怖心を拭い去るように、男が優しくささやく。
その言葉が効いたのか、少女は力を抜き、自らゆっくりと両足を開き始めた。
330312 ◆MABOUp7up. :05/01/02 06:10:03 ID:m/g8BCEj

「……さあ、力を抜いて。何も考えないで」
「……………」
男は少女の手を握り締めながら、優しくささやいた。
少女は、目を閉じたまま無言で頷き、ただ男の手を握り返していた。
「………っ」
「あ、ああ……あっ……」
おもむろに、男のいきり立ったペニスが、少女の秘部へと潜り込む。
次の瞬間、少女の脳裏からは、男によって顔面を精液まみれにされた記憶は、消え去っていた。
「いい……気持ちいいよ……」
「…あ、ああっ……」
男はゆっくりと、腰を前後に動かし始める。それとともに、男たちに嬲られた忌まわしい記憶が、
少女の脳裏からは徐々に消え去り、代わりに男によってもたらされる快感が、脳の割合を占めていく。
「気持ちいい……気持ちいいよ………由美子……」
「……っ、あ、ああっ……」
男の腰つきが、まるで叩きつけるような勢いになり、さらにはうわ言のように、
名前を呼ばれたときには、文字通り、何も考えることが出来ず、
何も思い出すことが出来ずに、ただただ男に身を任せていた。
――そう、少女自身が、自分の名前を覚えていなかったことも、覚えていないくらいに――

やがて、男が少女の中へ熱い体液を迸らせた頃には、少女の記憶は何ひとつ残っていなかった。
331312 ◆MABOUp7up. :05/01/02 06:10:33 ID:m/g8BCEj

「さて、と………」
「…………」
男はゆっくりとベッドから体を起こしながら、足元を見つめた。
そこには、いつからいたのか、全身をガクガク震わせながら、土下座している人影があった。
「久しぶりだね。で、私が眠る前に、頼んでいたものは、調達できたのかい?」
「い、いえ……そ、それが、その……」
ベッドで眠る少女の頭を軽く撫で回しながら、男は人影に声を掛ける。
人影は、ビクンと身をすくめたかと思うと、歯切れ悪くしゃべり始めた。その声は、体と同様に震えている。
「どうしたんだい? まさかとは思うが、出来なかったわけじゃ、ないよねえ?」
「あ、あとひと息だったんです! ……あ、あそこで…あそこで邪魔が入らなければ……!」
さも以外、というふうにゆっくりと語りかける男に、人影はぱっと顔をあげて叫び声をあげていた。
ぞっとするくらいに美しく整ったその顔は、恐怖に青ざめ、引きつっている。
「ううん、わたしは過程を聞いているのではないのだよ。大事なのは、あくまで結果、だよ。
わたしは眠る前に、君になんて頼みごとをしたかな?
それで、わたしの頼みごとは成功したのかな? しなかったのかな?」
「………し、しなかった……です」
男は肩をすくめ、女性に向かって話しかける。あくまでも感情を表に出さず、穏やかに。
だがそれだけで、男の顔をまともに見ることが出来なくなった女は、
ふたたび顔を下げ、ただひとこと、ポツリとつぶやいた。
「へえ、これは驚いた。だったらなおのこと、過程なんてどうでもいいじゃないですか。
――君は失敗した。それがすべてなのですから」
「で、ですが! この鎌までも、あっさりとへし曲げられ!」
ベッドから立ち上がり、衣服を身にまといながら、男は女のほうを見もせずにつぶやいた。
女は、ぱっと顔をあげ、背後に隠し持っていた物を差し出す。
それは、柄の部分がぐにゃりと折れ曲がった、巨大な鎌だった。
332312 ◆MABOUp7up. :05/01/02 06:10:57 ID:m/g8BCEj

「ほう? 失敗した挙句に、わたしが貸した、大事な道具まで壊してしまうなんて………。
どうやら、君には罰が必要みたいだね」
服を着終えた男は、ようやく女のほうを振り向き、女が差し出した、折れ曲がった鎌を目にして、
眉をしかめながら、女に向かってそう言い放ったかと思うと、パチンと指を鳴らした。
「な! お、お許しを! ……な、なあっ!?」
懇願するように、男にすがりつく女だが、不意に背後から、何者かに抱きつかれてしまった。
振り向いた彼女が目にしたものは、先ほどまでベッドに倒れこんでいた少女だった。
少女は無言で、女のくちびるを奪ったかと思うと、慣れた手つきで女のローブを脱がしにかかった。
女は抵抗しようとするものの、指一本動かすことも出来ず、ただただ、少女の為すがままになっていた。
「あ……あ、ああっ…あんっ……あ、…あ、ああっ……」
ローブが床に落ち、一糸まとわぬ姿になった女の体を、少女の手がまさぐる。
たちまち女は同姓の、それもまだ年端もいかない少女の愛撫によって、歓喜の声をあげ始めた。
「え? あ……い、嫌あ! 嫌あっ! やめてえっ! 助けてえっ!!」
荒々しくベッドに押し倒された女は、恍惚とした表情を見せていたが、
少女の股間にそびえたつモノを見て、思わず息を飲み込み、子どものように泣き叫んだ。
――少女の股間には、女性にも関わらず、勃起したペニスが二つ、生えていたのだ。
しかも、先端は少女の胸まで届こうかという、常人離れした大きさだった。
さらに幹のあちこちには、半円形のコブがいくつもついていて、それぞれのコブが妖しくうごめいている。

少女は身動きが取れない女の両足をゆっくりと広げ、そそり立ったペニスを、
まだ濡れきっていない、女の秘部と菊座へと突き立て――


「やれやれ、『元』が人間ならば、こんな程度か……。
まさか、このわたしが自ら、出向かわなくてはならなくなるとはな……」
女と少女の交わり――いや、ここまで来ると、一方的な拷問にすぎない――を、椅子に座って、
眉ひとつ動かさずに眺めていた男は、やがてため息を突きながら立ち上がり、部屋をあとにした。
男が立ち去ったあとも、部屋の中では、この世のものとは思えない、女の絶叫が響き渡っていた――
333つぶやきマボ ◆MABOUp7up. :05/01/02 06:13:52 ID:m/g8BCEj
>312-333で続きます。
自分のタイムカレンダーは、ご覧のとおり、一週間ズレております。
……などという遅筆の言い訳はさておき、皆様あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたしますです。


>◆I3tGz4xJ9E氏
・クリスマス・ジルバージョン キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
強がり言いながらも、銀ちゃんの元から離れないジルの姉御がイイです。
・んにゃ、トリシアは愛称だったですか。これも自分の読解力の無さの為せる技なんで気にせんでくらはい。
・名前の間違い……自分はかつて、てめーで名づけておきながら、これでもかというほどに、
しっかりと漢字を間違えていたキャラがいましたが何か。

>名づけ親氏
・ちなみに「ポチッとな」の次は「アラホラサッサ〜」と口走るのが定説な自分。
・なるほど。蟹女は生体兵器だったのですか。道理で道路っ端のゴミ捨て場で寝てたわけだ(違
それにしても、天然なんだかわざとなんだか、ボケボケのフィーナがいいですな。
何だかまるで、主人公にツッこんでもらうのを待っているような。
……って、多分あーゆーのがそばにいると、主人公と同じ気持ちになってしまうんだろーけど。

>◆SNuCULWjUI氏
・うげげ。まさに続きが激しく気になる展開。
・とゆーか、大事な箇所をガブリとヤラれた挙句、魂まで消された日にゃ……((( ;゚Д゚)))
おかげで思わず、腰が引けてしまいましたですが。
・その前に、何でエイボンの名を耳にして、“つぁとぅぐあ”さんの態度があんなになったのかにも興味があったり。
334名無しさん@ピンキー:05/01/02 10:02:09 ID:PrKzreDw
((((((;゚Д゚))))))ガクガクブルブル
335名無しさん@ピンキー:05/01/02 10:11:32 ID:M5/2e8Pi
あのときの死神カー!!
よもやこんな風に絡んでくるとは……。
あとぬるぽには吹きましたw
336名無しさん@ピンキー:05/01/02 10:16:22 ID:0/sYQHIX
ブラックメイドのヘッポコ振りワロタ
337名無しさん@ピンキー:05/01/02 14:25:47 ID:N3+baKcw
前から思っていたことなんだが・・・
「名伏しがたい」じゃなくて「名状しがたい」
じゃないっけ?



いやほんと、「ひでぼんの書」いつも楽しく
よませて貰ってます。ただちょっと気になって・・・
338名無しさん@ピンキー:05/01/02 14:51:16 ID:/lDKJ6N9
西洋に風桃太郎ネタ(>>36)で書こうかなとかいってみるテスツ…

世界観は異世界っぽいですが。
339名無しさん@ピンキー:05/01/02 14:51:52 ID:/lDKJ6N9
×西洋に風邪桃太郎
○西洋風に桃太郎

風邪の又三郎かよ。
340名無しさん@ピンキー:05/01/02 14:53:42 ID:/lDKJ6N9
しかもさらに変換ミスってるし・・・_| ̄|○。
341マボと呼んだ人:05/01/02 15:00:57 ID:7CMWpk/N
ニャルラー!!(落ち着け

>ひでぼん作者様
完全復活おめでとうございます!ていうかブラックメイド一丁!(こら
ああ、間抜けな口調、よく見えない顔、貧相な体型…ツゥゥボォォだァァァァ!(落ち着けやこら

>マボ様
アラホラサッサ〜…ですか…
…すびばせん、どこで出てきたのか忘れちゃいました…<死神さん

今回は説明に手間取ったせいでボロボロですが、次はちゃんと書かせていただきます。
342某作者 ◆SNuCULWjUI :05/01/02 16:03:29 ID:SDxBG3n9
Q:「名伏しがたい」じゃなくて「名状しがたい」じゃない?

A:『伏』という字は、「にんべん」に「犬」と書きます。つまり、『人犬』という状態です。
人が犬状態ですよ? これは永井豪的グロ表現じゃなければ、
肉奴隷を犬扱いして露出調教でハァハァという、エッチ小説としては実に理想的な展開となります。
それに比べて、『状』という字は「しょうへん」に「犬」と書きます。つまり『小さい犬』という状態です。
小さい犬なんて可愛くてラブリーでプリチーで某金融機関CMみたいに借金してまでチワワを買うような仮にも一家の大黒柱ともあろう立場にある人のやる事じゃねーだろという、
日本の将来を心配してしまう展開となります。
そうした背景を持つ2つの漢字を見比べれば、たとえ正確な日本語としては間違っていても、
あえてエッチ小説に相応しい方を選択するというのは、ごく基本的な執筆テクニックであるわけがなく単なる誤字です。
343名無しさん@ピンキー:05/01/02 16:39:15 ID:Vba1hbyQ
このQ&Aも久しぶりだな。
344名無しさん@ピンキー:05/01/03 01:15:56 ID:yLQAG6Gn
“つぁとぅぐあ”さんと“ばいあくへー”さんの女の戦いが
すさまじいというか
萌えといいますか。
345名無しさん@ピンキー:05/01/03 03:37:56 ID:1tTMZ8zk
>>337
あれ?
「名付ける」「名前を付けて理解の及ぶものとする」という意味で「名伏す」
そういうことができないから「名伏しがたきもの」ってことなんじゃないの?
346名無しさん@ピンキー:05/01/03 04:45:03 ID:yRav3L6a
>>345
原典だと、基本的には「名状しがたい」、つまり言葉に表せないようなナリをしているってことになってる。
まあ作者さんが誤字といっているんだからいいじゃない。
347名無しさん@ピンキー:05/01/03 12:44:42 ID:FFObPxvB
ひでぼん作者さんに質問!
>>279の大岡捌きって、裁きの誤字ではなかろうかと
何かひでぼんが三枚におろされそうな

>>333
うわ、マボさんには珍しいダークな展開
当然あの男は、最後に地獄の苦しみを味わうわけですよね?

>>339
風邪の又三郎ワロタ
何かめちゃくちゃ弱そう
桃太郎待ってますよ

>>341
おお、SFっぽい展開
こういう話好きなんで、続き楽しく待ってますよ
348某作者 ◆SNuCULWjUI :05/01/03 15:19:24 ID:ivagWzyv
Q:大岡捌きって、裁きの誤字ではなかろうか。
A:昔、こんな事がありました。
「199X年、世界は核の炎に包まれ(以下省略)
 カサンドラ獄長(本名、大岡よしお)の前に、2人の女囚サソリと彼女達に二股かけていた囚人が引き出されました。
 女囚サソリ達「「彼は私の男よ!」」 囚人「そんな、どちらもステキだから選べないよ……」
 女囚サソリ達「「獄長様、彼がどちらの男なのか裁いてください!」」
 獄長は鼻毛を抜きながら言いました。
 獄長「両側から男を千切れるまで引っ張りあって、多く残った方のものだ」
 こうして、男の所有権はきちんと決められたのでした……めでたしめでたし」
以上は、カサンドラ獄長のムチはどうやって兜の中に収納できたのか?という疑問に対する答の1つであり、
同時に、二股かけたり複数の女性の間で優柔不断のまま選べずにいるようなバカヤロウ男は、
魚を捌くみたいに三枚におろした方がいいという格言的エピソードです。
この事から、あのひでぼんの状態では左右に引き裂かれても仕方がないぞと八方美人的男って最低よね?と訴えるために、
あえて作者は『裁き』ではなく『捌き』という漢字を使用したという事実は全く無く、ぶっちゃけ誤字です。
349名無しさん@ピンキー:05/01/03 15:28:04 ID:No7J7Fpf
このQ&Aも保管庫に収録されるんでしょうか

( 0Y0)ヤッパイチリューダヨナ (特殊音声)ノサクシャサンハ ナニヲヤッテモ ユルサレルンダカラ
( 0M)ヒィゾ(0w0)ヒィゾ(H0 )
350名無しさん@ピンキー:05/01/03 17:05:55 ID:V1NIDlP+
お正月にひでぼんの書キテタ。

>「くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」!!!」

この時ひでぼんさんはキーボードを目の前にして左から右へ吹き飛んだに違いない。
351名無しさん@ピンキー:05/01/04 00:39:09 ID:DPo6m5oU
日テレに化身を使って出てみたニャルラ。
手品をやったニャルラ。
みんな観たニャルラ?
352名無しさん@ピンキー:05/01/04 14:55:56 ID:Io+nHLhj
保管庫にある作品のうちマボさんの作品教えてもらえますか??
353名無しさん@ピンキー:05/01/04 15:37:27 ID:68kIjVQi
かーいい幽霊、妖怪、オカルト娘でハァハァ【その9】
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1067243766/l50

このスレとここってどう違うの?
354名無しさん@ピンキー:05/01/04 17:30:14 ID:4nJawmAi
その質問、定期的にでるなぁ

過去にいろいろ議論したけど
もう忘れちゃったよ。
355名無しさん@ピンキー:05/01/04 19:45:50 ID:ATNT0Cc3
その議論は覚えてない俺がスレタイだけで判断してみる
>353は実在するしないは置いておいといてとりあえず日常に
近い気がするノンフィクションのみでで、ここはファンタジー
とかのフィクション含むって感じ?

ただこれだとネス湖のネッシーの精その名もネシ子なんて
キャラクターを作った場合はどっちに分類するかが難しい。
356名無しさん@ピンキー:05/01/04 19:46:17 ID:NEdM1kJv
かーいくない幽霊、妖怪、オカルト娘はこっち。
357名無しさん@ピンキー:05/01/04 20:55:28 ID:6bpqCwWG
>>356
あやまれ!てぃんだろすにあやまれ!
まあいたくぁさんは別として(カキーン
358名無しさん@ピンキー:05/01/04 21:38:19 ID:ZXZFJ3/t
   ∩___∩         |
   | ノ\     ヽ        |
  /  ●゛  ● |        |
  | ∪  ( _●_) ミ       j
 彡、   |∪|   |       >>352
/     ∩ノ ⊃  ヽ
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

>>357
つーかクトの神って、幽霊でも妖怪でもオカルト娘でもない希ガス。
359マボと呼んだ人:05/01/04 23:15:00 ID:y4Rty7mH
…要するに

ここ=人外全般
>>353=オカルト関係

って結論だった気が。

近況:3分の1も進んでねぇ orz
…投下しても反応されないから、まあひっそり行きます。
360名無しさん@ピンキー:05/01/04 23:23:06 ID:YDU54Kvb
一回、どっちらかが容量いっぱいになって
統合しようかどうしようか話し合って
結局新スレが建って統合しないことにしたハズ。

もともとオカ板にあったのが移動してきたのが向こうのスレ(だったはず)。
なんで、幽霊・妖怪やオカルト少女などのエッチな怪談・オカルティックなエロ話という感じ。
>>355にように現代社会の話や昔話のエロパロなど非ファンタジーが向こうで
エルフや神話とかファンタジー色が強いのがこっちということで
そんとき話がまとまってたような希ガス。
361名無しさん@ピンキー:05/01/04 23:27:48 ID:YDU54Kvb
>マボと呼んだ人
ちゃんと読んでるから安心しる
でも、昔から感想文苦手な人なのでゴメン
とりあえず、いいと思ってるよん
362名無しさん@ピンキー:05/01/05 13:13:52 ID:5NSepkZ0
>>マボと呼んだ人
漏れも読んでますよんw
ていうかバイヲって初めVAIOかと思たolz

 あはははははははははははははははは…………

 闇の世界には

 混沌の哄笑だけが

 続く

「あはははははははははははははははは…………」

 そして、その哄笑が、自分自身が笑っている事に気付いた時――

「あははははははははははぅうわぁああああああああああ――っ!!!」

 僕は絶叫しながら、唐突に目覚めた。

「うわぁああああああああああ――っ!?」
 むにょん
 ばね仕掛けの人形みたいな勢いで跳ね起きた僕を、何か柔らかいものが受け止める。
「目が覚めたか」
 しばらく、目の前に何があるのかわからなかった。
暗闇から急に明るい場所に出た時と同じように、視界が白くハレーションを起こしてくらくらする。
やがて、目の前にあるのは白い光源ではなく、汚れ1つ無い純白の白装束である事に気付いて――
「うわぁ!!」
 もう一度、僕は素っ頓狂な声をあげて高速後退りした。
「気をつけなさい」
「え?」
 警告はちょっと遅かったみたいだ。
 ベッドの端から滑り落ちて、見事に脳天逆さ落としを決めた僕は、
あまりにも白く清過ぎる『大帝』――“のーでんす”さんの姿を、上下逆さに確認する羽目になった……
すまぬ。“ブラックメイド”に引き込まれた虚数空間からの脱出に手間取り、そなたの救出が遅れてしまった」
「あ、いや、こちらこそ」
 数分後、これまた染み1つ無い真っ白な包帯を頭のコブに巻いてもらいながら、
僕はなんとなく申し訳無い気分で“のーでんす”さんに頭を下げた。
最近、誰彼構わず頭を下げまくってる気がするなぁ。
 “のーでんす”さんの話によると、僕の魂が完全に混沌の渦に飲み込まれるギリギリの所で、
彼女が救出してくれたそうだ。後1歩遅かったら、僕の魂は混沌の渦の中で完全に破滅していたらしい……
……混沌の渦って何? やっぱり死亡患者カードを隣に移動するのかな。
 “ブラックメイド”さんの姿は、いつのまにか消えていたらしい。
“のーでんす”さん曰く、あのまま逃げ出すようなタマじゃないらしいけど……ヘッポコだからなぁ。
 まぁ、それはそれとして――問題は別のところにあった。
「……ところで、ここはどこなんでしょう?」
 僕と“のーでんす”さんがいる部屋――八畳の洋室に配置されている家具は、
“しょごす”さんが毎日シーツを替えてくれるベッド。
いつのまにか“いたくぁ”さん愛用の湯呑が置かれたちゃぶ台。
半分ぐらい“てぃんだろす”が読む漫画が詰まった本棚。
幾多の修羅場を共に乗り越えてきた仕事用のパソコン――
そう、ここは僕の自宅の私室に間違い無かった。
子供の頃につけた壁の傷も、先日“てぃんだろす”が転んでアイスココアをぶちまけた絨毯の染みも、
全てが僕の記憶と相違無い光景だ。窓の外も、いつもの町並みが広がっている。
 しかし――
「ここはそなたのいた世界ではない。“ブラックメイド”が作り出した偽りの世界だ。
彼奴が何を考えてこのような世界を作り出したのかは謎だが、
ここから脱出するには内側からでは少々骨が折れるな。外からなら比較的楽だが……」
 なるほど。“のーでんす”さんの言う通り、ベランダから外を見ても人っ子一人歩いていないし。
年中渋滞している大通りには車が一台も無い。
それ以前に、虹色に蠢く空に漆黒の太陽が輝いているのは、異世界の証明としては露骨過ぎた。
「でも、脱出してからはどうするんですか?」
 とりあえず僕はお茶を煎れて、ちゃぶ台の向かいに立つ“のーでんす”さんに勧めたけど、
彼女は見向きもしないで壁のあちこちを白い手でさすっていた。
隠し金庫でも探しているみたいだけど、たぶん外に出る方法を探しているのだろう。
「無論、“ブラックメイド”の陰謀を打ち砕く」
 返事は1秒の間も無い速さだった。
 思わず、湯呑を傾ける手が止まる。
「……だが、“はすたー”達を直接封印する解決法とは、別の方法を考察してみようかと思う」
「本当ですか!?」
「あくまで考察だ。他に解決方法が無ければ、私は躊躇わず最初の手段を選ぶぞ」
 “のーでんす”さんの声には少し笑いの因子が含まれているように聞こえた。
「不可能を可能とするのが神の本領ならば、少しは神様らしい所を見せてやらなければな」
「ありがとうございます!!」
 僕は心の底から感謝しながら、“のーでんす”さんの後姿に頭を下げた。
 ……さて。
 僕はお茶を飲み干してから立ち上がり、“のーでんす”さんの背後に忍び寄った。
「“のーでんす”さん」
「なにか――」
 ガッ
 重く乾いた音が部屋に響く。鮮血が白い髪をばっと赤く染めた。
「なっ……!?」
 よろめく“のーでんす”さんの頭に、続けて何度も何度もゴルフクラブを叩きつける。
折れ曲がったゴルフクラブが翻る度に、真っ赤な血が線状に飛び散って、
部屋のあちこちに奇妙な交錯線を描いた。あーあ、また掃除しなくっちゃな。
 ぱきっ!
 顔面に命中したゴルフクラブが翁の仮面を叩き割る。
人間で言えば三十代前半くらいの、クールで冷徹そうな素晴らしい美貌が露出した。
肌も眉も歯も白く、瞳と紅を塗った小さな唇だけが、黒く赤い。
僕が遭遇してきたあらゆる『邪神』の皆さんの中でも、最高ランクの美女だけど、
こうしてかち割られた頭からダラダラ血を流している姿を見ると、興醒めだね。
 ぼきっ
 ありゃ、ゴルフクラブのヘッド部分が取れちゃった。ちょっと勿体無いなぁ。
「……な……なにを…する……のだ……」
 ぐったりと床に伏したまま、息も絶え絶えな様子で僕に血まみれの顔を向ける“のーでんす”さんに、
僕はにっこりと笑いかけた。
「いやぁ、“つぁとぅぐあ”さん達に酷い事したでしょう。ちょっとお灸をすえようと思いまして」
 “のーでんす”さんは震える手で僕に扇子を向けて……何も起こらない。
「……馬鹿な……くっ…私の……力が……封印…されているだと…っ!?」
「あ、それは“混沌化”ですよ」
「…なっ……まさか……そなたが…!」
「ちょっと“ブラックメイド”さんに魔改造されましてね。
今の僕は“のーでんす”さん専用の“混沌化”発生装置みたいなものです。
僕を助けてこの世界に来た瞬間から、貴方は何の力もないただの女になっちゃったんですよ」
「くううっ……!!」
 唇をかみ締めながら、片膝立ちしようとする“のーでんす”さんだけど、
僕は湯呑の中から拳銃を取り出して、彼女の両肩と太ももを撃ち抜いた。
「くあぁああああっっっ!!!」
 無様に床に崩れ落ちて、のた打ち回る“のーでんす”さんを見下ろしながら、
僕は拳銃をマッチ箱の中に仕舞った。この世界の中では、僕は万能の力を使えるんだ。
「神様の力って面白いですね。さぞ僕達人間がちっぽけに見えた事でしょう」
“のーでんす”さんを仰向けに蹴り転がして、腹の上にまたがり、白装束を引き千切る。
想像通りのボリューム満点な白い乳房がぶるんとまろび出た。
仰向けなのにしっかり天を向いた見事な爆乳は、薄いピンク色した小ぶりな乳首の形も良いし、
成熟した女性特有の腐肉のような感触も心地良さそうだ。
「や…やめろ……正気に戻…ぁああ!!」
 また五月蝿く喚き始めたので、乳房をぎゅっと握り締めて黙らせる。
愛撫ではなく、手の痕が痣となってずっと残りそうなくらい乳肉の弾力を試してやった。
乳房が瓢箪みたいな形に変形するのが面白くて、
僕は爆乳の根元から乳首の先端まで、色々な場所で握力測定と洒落込んだ。
「んぁあああっ!! 痛あぁ……やめろっ! あうぅ! やめてぇ……」
 ――数十分後、紫色に変色した乳房は倍くらいに腫れあがって、乳頭から脂肪混じりの血を垂れ流していた。
「……え…ああぅ……ううぅ……」
「いい歳して泣かないで下さいよ。神様のくせにみっともない」
 おっぱいで遊ぶのに飽きた僕は身体の向きを変えて、
“のーでんす”さんの腰を背中側から抱きかかえた。
両足首を天井隅から伸ばした鎖で縛り、無理矢理開脚させる。
こうすると、彼女の無防備な股間が丸見えだ。
「ううぅ……やめ…てぇ」
 震える声での懇願をスルーして、白袴の股の部分を引き裂く。下着は付けてないらしく、
白く柔らかそうな陰毛に彩られた性器とむちむちした尻肉に半ば隠れたアヌスが顔を出した。
ふーん、白いヘアなんて始めて見たよ。
「あーあ、毛がボーボーですね。あまり処理してないでしょう? 性器どころかアヌスの周りにまで生えてますよ」
「…そ、そんな事は……ぅううっ!」
 みっともないので、十数本まとめて指先で摘み――一気に引き抜いた。
「ひゃうぅ!!」
 抜けた毛穴からビーズ玉みたいな真紅の鮮血が滲み出る。白い肌と相俟ってとても綺麗だ。
「…はぁ…はぁ……んぐぅ!?」
 捨てるのも勿体無いので、抜いた陰毛は“のーでんす”さんの口の中にねじ入れる。
「ほら、よく噛んで食べて下さいよ。自分のなら嫌じゃないでしょう」
 嫌悪感に顔をしかめさせながら吐き出そうとするけど、
「いたぁああっ! やめてぇ! 食べるっ! 食べますからぁぁ!!」
 鬱血している乳房をもう一度握り締めると、涙を流しながら喜んで陰毛を咀嚼してくれた。
そんなに美味しいのか。じゃあ、もっと食べさせてあげよう。
 ぶちっ ぶちっ ぶちっ ぶちっ――
「んはぁ! 痛っ! いたぁああ!! あむうぅぅ!!――」
 数分後――少女のように一本の毛もない性器周辺は、毛穴からの出血で真っ赤に彩られていた。
「ひっく……ううぅ…なぜ……そなたは…ううっ……」
 最後の一本まで自分の陰毛を食べさせられた“のーでんす”さんは、
何が悲しいのか大粒の涙を浮かべてべそをかいている。本当に泣き虫だなぁ。
「…混沌に……飲まれてはいかん…自分の意識を……くうぅ」
 何だかブツブツ呟いているけど完全に無視して、僕は剥き出しになった性器を指で弄ってみた。
外見年齢にそぐわない綺麗な性器だった。ビラビラも小さいし、色も綺麗なピンク色だ。
クリトリスもほとんど皮に包まれている。どうやら、セックスの経験は皆無かそれに近いらしい。
「“のーでんす”さんって処女ですか?」
「な、何を言って…ぁああ」
「じゃ、確認してみますね」
 僕は足元に散らばっている、彼女愛用の扇子を拾い集めた。
とりあえず10本くらい束ねて、ほとんど口の開いていないヴァギナの上に立てる。
 そして――
「あぁあぐぅううああああぁやぁああああああ――!!!」
 全体重をかけて挿入した。
「痛ぁいたあああぁいぃいい!!! だめぇだめだめダメぇえええ!!!」
 全身の骨がバラバラになりそうな勢いでのた打ち回る“のーでんす”さん。
よほど痛いのか、銃弾を撃ち込まれた手足までばたつかせている。
どうやら処女だったらしく、純潔の証がヴァギナから溢れ出てるけど……
この出血量は、単に膣壁を傷付けただけかな。
それにしてもこの暴れ方。膣口を直径15センチ以上に広げられたくらいで大げさな。
「ん、ちょっと引っかかったかな?」
 扇子の本数が多過ぎたのか、さすがにちょっと入れにくいけど、
扇子の上を拳でガンガン叩いて無理矢理押し込む。
「んくふっ!!」
 突然、“のーでんす”さんの身体がビクっと痙攣すると、そのまま動かなくなってしまった。
ダメだなぁ。勝手に気絶するなんてマナー違反ですよ。
 とりあえず、アナルにも同じ数の扇子を叩き入れた。
「あがぁ!!」
 たちまち絶叫を上げて跳ね起きる“のーでんす”さんの股間を弄びながら、
僕はこれからの楽しい日々に思いをはせていた――
 3日後――
「んぐぐぐぅ……んぐぅ! んふぅぅ!!」
「何言ってるのか分かりませんよ」
 まぁ、口の中に直径5cmのバイブを喉の奥まで突っ込まれていては、
しゃべるどころか呼吸も大変だろうけど。
「じゃあ、次はハンドミキサーを入れてみましょうか」
「んふぁぅ!」
 天井から両足を広げるように逆さ吊りにされて、
全身を鎖で雁字搦めに拘束されてる“のーでんす”さんが、必死の表情で首を左右に振った。
しかし、どんなに態度はつれなくても、その白い肌は赤く上気して、瞳は快楽に蕩けている。
乳首の先端とクリトリスに刺さった点滴から、常時高濃度の媚薬が注入されているからだ。
「じゃあ、いきますよ」
「んぐぐぅ!」
 “のーでんす”さんの股間に突き刺さっていたビール瓶を抜き取り、
愛液でべチョべチョに濡れて開きっぱなしのヴァギナに、入れ違いでハンドミキサーを挿入した。
御家庭で手軽にホイップクリームが作れる、金属製の洋梨みたいな形をしたアレだ。
ちなみに、アヌスの中には熱々のゆで卵を十個入れてある。
「んうんぅんんんぅぅぅ……」
 涙目で僕に何か訴えようとしている彼女だけど、気にせず僕はスイッチを入れた。
「んぐはぁうううううううう!!!」
 機械的な音を立てて、勢いよくハンドミキサーが回転を始めて、膣肉を滅茶苦茶にかき回す。
愛液が白い泡となって噴水のように噴出して、本当にホイップクリームみたいだね。
 ……こうした一連の行為は、全てこれから始まる陵辱調教の為の基礎訓練だ。
“のーでんす”さんは本当にエッチの経験が少なくて、基本的な事から教えなければならない。
まずはどんな物でもヴァギナとアヌスで受け入れられるようにする為の訓練から始めなくちゃ……
「んふううぅぅぁああっ!!」
 突然、にゅぽんにゅぽんにゅぽん……とマヌケな音を立てて、
彼女のアナルからゆで卵が立て続けに飛び出してきた。
どうやらハンドミキサーの刺激が強過ぎて、御尻の方が我慢できなくなったらしい。
「あーあ、まだ5時間しか経ってないのに……お仕置きですね」
「んんん、んふぅうう……」
「代わりに入れるものを以下から選んでください。
1.猛獣用大型スタンガンを最大出力で挿入後放置。
2.硫酸浣腸5リットル注入後放置。
3.食肉性の毒蟻を一万匹挿入後放置。
……あ、放置期間は48時間ね」
「んぐんんんっ!! んっ! んんん〜!!」
「イヤイヤしてもダメです。まぁ、これで最後だから安心してください。終わったら実戦演習です。
浮浪者5万人全員を満zokuさせるまでノンストップで輪姦されてもらいます……
……ところで、まだ選べないのですか?」
「ん、ん、んんんぅううう!!」
「仕方ないですね。全部入れちゃいましょう」
「んぐぅうううううううう――!!!」
 3週間後――
「はふぅ…んぐぐ……ぷはぁ…ご…ごひゅじん……さまぁ……」
「ん? どうしたんですか?」
 椅子に座って文庫本を読んでいた僕は、
股間に顔を埋めている“のーでんす”さんの髪を掴んで引き上げた。
つい数週間前までは光り輝くように白く美しかった長髪は、今や血と汚物のマーブル模様に染色されている。
「……も、もふ……げんかひ…でふぅ……おねがひひまふぅ…うぐぐぅ……ださせ…へぇ……!!」
 口調が不明瞭でよく聞き取れないけど仕方ないかな。
1週間以上もの間、彼女の小さな口には大き過ぎる僕の勃起したペニスを、
一切休憩無しでフェラチオさせているんだから。もう顎もガタガタだろう。
この姿勢のまま精液と糞尿を何リットル飲ませた事か。
トイレに行かなくていいのは便利だけどね。
「だふぁせ…ふぇぇ…ださせ…へぇ……!!」
 どうやら、何か『出して欲しい』って言ってるらしいけど……
金属の棒を組み合わせた、相手を土下座の姿勢で固定させる中世の拷問拘束具から開放して欲しいのかな?
確か、半日も着けたままにしておくと発狂するくらい苦しいらしいけど。
 それとも、アヌスに注入したゼリー状グリセリン浣腸液を排泄したいのかな?
10リットルも入れるとお腹がまるで妊婦みたいだね。
アナル栓をしてから1週間以上経過しているから、ウンチと一緒に発酵している頃かな。
その時――
「おねがひよ……いい子だからぁ…もう、やめまひょう……」
 “のーでんす”さんの苦痛に震える美貌に、今まで見た事の無い表情が宿った。
 それを見た――見てしまった僕の心の中に、ありえない“情感”が浮かぶ……
 ……そんな筈が無い。
 父子家庭で育ち、顔が似ているわけでもない、
今まで写真でしか見た事の無い人を思い出すなんて、どうかしている。
 今、何か途方も無く間違った事をしているような……
 ……そんな筈は無い。
 そうだ……今はお口の奉仕が下手な“のーでんす””さんの為に、フェラの特訓をしているんだった。
「勝手にフェラを止めたらお仕置きだって言いましたよね? じゃあ2本目行きましょうか」
「!!…い、いひゃあ…! ごふぇんなふぁい! ごふぇんなふぁあぃい!!」
 再び恐怖に顔を引きつらせながら、血の滴る口で必死に奉仕を再開する“のーでんす”さんだけど、
僕は容赦無くその顎を押さえて、目の前で医療用のペンチをカチカチと打ち鳴らせて見せた。
 いや、もちろん健康的な歯を引き抜くなんて残酷な事はしないよ。
「引き抜くのは親知らずだから大丈夫ですよ。まだ3本も残ってますし、小顔美人になれますよ」
「いひゃあああああああああ――!!!」
 泣き叫ぶ“のーでんす”さんの唇から、絶叫と共に鮮血と砕けた歯が滴り落ちたのは次の瞬間だった。
 3ヶ月後――
「……171…172…173……」
ストップウォッチに表示される数値を読み上げながら、僕は足元の巨大な水槽をつま先で蹴飛ばした。
これは『そろそろ引き上げるぞ』という合図だ。
まぁ、聞こえているとは思えないけど。
 水族館でしか目にできないような巨大な水槽には、ドロドロとした白濁液がが充満している。
ちょっと半径100m以内には近付きたくない猛烈な悪臭が漂っているのは、
この中身が全て男の精液――ザーメンだからだ。
正直、僕もあまり傍に寄りたくないけど、ガマンして天井からぶら下がる鎖を掴んだ。
そろそろ引き上げの準備だからね。
「……174…175…176……」
 この鎖は天井の滑車に繋がっていて、そこから折り返して水槽のザーメンの中に消えている。
時間が来たら鎖を引けば、水槽の中の鎖に繋がった物も引き上げられるという仕組みだ。
「……177…178…179……」
 よし、もう時間だ。右手の鎖に力を込めて――
「……180!!」
 気合を込めて引っ張った。
白い水面がゆっくりと盛り上がり、鎖に繋がれた“それ”が出てくる。
初めは白い粘液の塊にしか見えなかったけど、粘性の高い白濁液が水面にボトボトと落ちるにしたがって、
白い人型のシルエットと化した。確認するまでも無く、これは“のーでんす”さんだ。
元々白い人だから、全身白濁液に染まってもあまり違和感は感じられないね。。
「んぶぅ…げふっ! ごほごほっ!! がはあぁ!!」
 全身からザーメンを滴らせてる“のーでんす”さんの表情は、
ドロドログチョグチョの白濁液でよく見えないけど、とりあえず苦しそうなのは苦悶の喘ぎ声で分かる。
 調教が始まってから散々嬲られていた爆乳は、天井から伸びる鎖にぐるぐる巻きにされて、
そこだけで吊るされた彼女の全体重を支えているので、
白濁液の下からでも赤紫色に腫れ上がっているのが見える。
でも、苦悶の原因はそれだけじゃない。
 数日前から、こうしてザーメンプールの中に3分間沈めては、、10秒間だけ息継ぎの為に引き上げるという、
水責めならぬザーメン責めの拷問を繰り返している。
スライム状の精液の所為でまともに息継ぎできなくて、酸欠の苦痛に発狂せんばかりに苦しんでいるけど、
それも苦悶の理由の1つでしかない。
「あぐぐぐぅぅうううう……あがぁ!! だ、だずげ…でぇ……ごぼっ!!」
 クールな彼女がここまで悶絶しているのは、股間に突き刺さった三本のチューブの所為だろう。
ヴァギナとアヌスと尿道に挿入されたチューブからは、毎分50リットルの勢いで周囲のザーメンが注入されて、
子宮に腸に膀胱が破裂するギリ戯りの所で、今度は排泄させるという、
強制浣腸と強制排泄を繰り返し強制されているのが、最大の理由だろう。
今の“のーでんす”さんは、数十秒おきにカエルみたいにお腹を膨らませては、
元の体型に戻るという、生きた風船と化していた。た。
 こうした一連の精液拷問は、彼女が先日、命令を完遂できなかった事への、いわばお仕置きだ。
 『全裸で正午の町を歩いて、遭遇した全ての『男』の精を、
口と性器とアナルにそれぞれ1回ずつ出させて回収せよ』
 これが今回の命令だった。最近の調教としてはかなりお手軽な部類だけど、
たまには彼女にも楽をさせないとね。
案の定、命令の内容を伝えると“のーでんす”さんは大喜びしてくれたよ。
泣きじゃくって僕の足にしがみ付くくらい。
いつまで経っても僕の足から離れようとしないので、結局蹴り飛ばしながら町に送り出したけどね。
 性欲旺盛な中高生、不良やヤクザに輪姦されるのはまだマシな方だった。
maだ精通も来てないだろう幼児や80を超えてそうな老人にまで股を開き、
土下座しながら私を犯してくださいとお願いして、
最後には無理矢理逆レイプする彼女の姿は本当に笑えたよ。
 大爆笑だったのは、上品そうな老婦人が散歩させていたチワワの雄にまで襲いかかって、
犬のペニスにむしゃぶりついた事だった。
結局、この事で警察を呼ばれて一悶着あった所為で、ノルマを達成できなったんだけどね。
痴女として逮捕された神様なんて、“のーでんす”さんぐらいのものかな。
 ……さて、そろそろ10秒たった。また彼女をザーメン漬けにするとしよう。
「んぷはぁ…おねがいじまず!! おねがいじまず!! ゆるじでぐだざいぃ……」
 “のーでんす”さんの懇願は完全に無視する。
彼女って照れ屋さんだから、こうして本心とは裏腹な事をつい言っちゃうんだよね。
 ……と、そこで僕は大事な事を思い出した。
「あ、これ付けるの忘れてました」
「あうぅ!!」
 乱雑に彼女の爆乳とお尻に点滴の針を突き刺す。
繋がれたカテーテルの先には、薬液を入れる空のガラス容器があるんだけど……
そこに、すくい取った白濁液を注ぎ入れた。
「ひっ! ひやあぁ!?」
 自分の血管に次々と注入される精液を見て、“のーでんす”さんが短い悲鳴を漏らす。
「どうせザーメン漬けにするんだから、身体の中からやった方が早いと思いまして」
「いやぁあああぶうぅぅ……」
 すぐに鎖を手から離したので、“のーでんす”さんの悲鳴はと中でザーメンプールの中に消えた。
 うーん、もうザーメンの匂いと成分が完全に彼女の身体に染みついちゃったから、
人間を相手にするのは無理っぽいかな。
今度から、隣町の競馬場の馬に相手させるとしよう。
ノルマは1日千頭ってところかな。
378名無しさん@ピンキー:05/01/05 18:20:12 ID:/Irl88bG
支援カキコ
 3年後――
「きゃううっ! いたい、いたぁい!! あははぁ……もっとぉ」
「ほらほら、ちゃんと大人しくしてください」
 涎を垂らしながら僕の股間にむしゃぶりつこうとする『雌豚』の身体を、
タイル敷きの床の上に押さえ付けて、僕は彼女の“洗浄”を再開した。
 蝋燭の火傷、鞭の打傷、ロープの痕、ピアスの穴、その他様々な拷問の痕跡が、
永久に消えない傷跡として刻まれた“のーでんす”さんの肢体は、それでも処女雪ののように白く、
夢のように美しく、成熟した大人の色香を漂わせている。僕はその上に無造作に粉末洗剤をまぶし、
「ぎゃああああぅぅうううぁあああああ――!!!」
 サビ取り用の金属タワシで、渾身の力を込めて擦り出した。
固い金属の牙が容赦無く彼女の白い肌をえぐり、擦過傷から真紅の血が溢れ出る。
全身余す所無く金属タワシが這いまわり、“のーでんす”さんは絶叫をあげながらも、
「あぐぐぅう……もっと、もっとぉ! もっとイジめてくださいぃ!!」
 瞳を蕩けさせた歓喜の表情で、快楽の雄叫びも漏らしているんだ。
 うむむむむ、ちょっと調教が上手く行き過ぎたかな?
今や彼女は拷問以上の調教にも喜びの声を出すし、どんなに凶悪で恥ずかしい命令にも素直に従う。
肉奴隷として完成しちゃったんだ。これからどうしようかなぁ……
「あはぁ…んぐぅうう……痛いぃ…いいのぉ……」
「こらこら、勝手に入れちゃダメだよ」
 ちょっと目を離した隙に、こうして自ら自ら便所ブラシをヴァギナとアナルアナルの中に挿入して、
ゴシゴシ磨きながらオナニーするくらいだ。
「いう事聞かないなら、こうだ!」
 僕は彼女を浴槽の中に蹴り落とした。
「んぎゃああぁああううううううう!!!」
 たちまち絶叫が浴室に響き渡った。浴槽の中には、
唐辛子の絞り汁とto食塩水のブレンドが60度の熱さで充満しているんだけど……
「あああぅうううっ!! 痛ぁづいぃぃ!! ぃいいっ! いいよぉ!!」
 赤熱の水飛沫の中でのた打ち回りながらも、彼女の声と美貌には歓喜の嬌声があった。
その淫欲に狂った雌豚の姿に、かつての誇り高き『外なる神々』の面影は何処にも無かった。
 やれやれ、本格的ni次のステップを考えないと……
 その日の夜u――
「ほら、起きてください」
「んあぁ……? ごひゅじんさまぁ……」
 久しぶりの睡眠から叩き起こされた“のーでんす”さんは、
僕の姿を見止めると、子犬のように足元へ擦り寄ろうとして――
「ぇ?……なに…これは……」
 ――自分の身体の惨状に気付いたようだ。
「ぃやあああああああああ――!?」
 いや、ちょっと寝ている間に身体を魔改造しましてね。
 只でさえバストサイズが100cmを超えてる乳房は、
今や片方の乳房だけで直径が1mを超える大きさに肥大化して、
直立しても乳房が膝ひざまで届く巨大な肉の塊になっている。
形の良かった乳首もグろテスクに奇形化して、
男のペニスよりも大きく勃起した乳首からは常時母乳がドクどくと溢れ出ていた。
「いやぁあああああぅぐうぅうう!?」
 改造された自分の乳房があまりにショックだったのだろう。狂ったように泣き叫ぶ“のーでんす”さんだけど、
その超乳を無造作に蹴飛ばすと。、、たちまち悲鳴に快楽の嬌声が混じった。
 このふざけたサイズのち房は、性感を通常の千倍に調整してあるんだ。
「あふぅ! ひゃがぁああああっ!! だめぇ!! あうぅううぐぅううう!!」
 しばらく全体重をかけてぐりぐりと乳房を踏み躙る。
そして、ビクビクと震えながら勃起する乳首を握り締めると――
「きゃあうぅ!!」
 まるでホースから水を撒くみたいに、母乳の噴水が天井にまで吹き出した。
「乳絞りしているみたいで面白いですね」
 左右の乳首を交互にしごき、絞り上げると母乳も交互に噴出して、
僕と“ノーでんす”さんの身体を白く染めていく。母乳はヨーグルトみたいにkoくて、甘かった。
「あぐうぅぅ!! だめぇ!! やめてぇ!!」
「じゃあ、こっちの方をやりましょうか?」
「……えっ?」
「ああ、おっぱいが邪魔で見えないんですね」
 焦燥した美貌に疑問の影を浮かべた“のーでんす”さんの超乳を、
よいしょっと気合を入れて左右に広げる。けっこう重労働だ。そして、乳房の谷から顔を見せたのは――
「きゃあああああああ――!?」
 絶叫が轟いた。
 まぁ、無理も無いかな。自分の股間から太さ15cm、
長さ80cmの勃起きしたペニスが生えているのを目撃すれば、
女なら悲鳴を上げない方がおかしいだろう。
「ちょっとクリトリスをペニスと交換させてもらいました。ふたなりってのもオツなものでしょう」
「ぁあああ……あああ……ああああっ!!」
 まだ興奮状態にある彼女を尻目に、、僕は両手で彼女のペニスを掴んだ。
大き過ぎて、とても片手じゃしごけない。ちょっとシャフト部分を擦っただけで――
「ふひゃああああぐぅうううう!!!」
 ペニスの先端から、火山の爆発みたいな信じられない量の精液液が噴出する。
初めての射精の感覚に、“のーでんす”さんは脳味噌が焼き付けた心地だろう。
ペニスを掴む手を上下させる度に――いや、ペニスに触れているだけで、
とめどなく白濁液を射精する“のーでんす”さんの姿は、
その超乳も相俟ってまるで奇怪なオブジェのように――美しかった美しかった。
「今の貴方なら、こんな事もできるんですよ」
「ひゃぐうっ!!」
 僕は超乳の両乳首を掴んで左右に広げ、天天天を貫くペニスを乳房の谷間に足で押し込み、
再び超乳の門をを閉じると、ペニスは亀頭だけを残して完全に乳房の中に隠れてしまった。
そのまま乳首を交互に上下させると――
「うひゃあうぅぅ!! だめぇ!! らめぇええええ!!!」
「自分の胸で自分のペニスをパイズリできるなんて、すごいですねぇ」
 左右の超乳でゴシゴシ擦られた“のーでんす”さんの巨大ペニスが、
yoり勢い良くザーメンを射精する。同時に勃起した乳首から母乳も噴出させた。
「あぶぶぅう!?」
 僕は白目をむいて痙攣しながら喘ぐ“のーでんす”さんの頭を摘むと、
超乳の間から顔を出して射精を続けるペニスの亀頭を無理矢理咥えさせた。
初めてのフェラの快感に爆発したた大量のザーメンが、直接喉の奥に注ぎ入れられる。
「んぶふぅぅうううう!!!」
「セルフフェラまでできるなんて、もう1人だけで何でも楽しめますね。羨ましいなぁ」
 自らの精液と母乳で溺れている“のーでんす”さんの異様な姿を見て、
やはりこの人体改造プレイの方向性は正しかった事を悟った悟ったさとった――
 3世紀後――
 “のーでんす”さんは「んぐぶふうぅう」と喘ぎながらぼくのぺにすをくわえてあえいで、超乳tおぺにスから射精をどんどん射精しつづけてワンワンなきさけんでいるそれをみながら背中にむむを無を鞭をたくさんあびせました、。

「今度こそ間違いないわ!! ここが“つぁとぅぐあ”の接触者がいる空間よ!!」
「本当だろうな? その台詞はもう20回は聞いたぜ」
「う、うるさいわね」

お腹の中には大量の規寄生虫」野卵卵が入っているのde孵化してたく散出てきて妊婦みたいでででです 「んはぁああああ」となき差叫んで1ます面白い

「しかし、こうもあっさり人格乗っ取られるとは情けねぇ。御先祖様が泣くぜ」
「仕方、な、かろう。、『這、い寄、る混沌、』を、相手に、
こ、こま、で自分、を維、持で、きるだけ、でも、大、したも、のだ」
「“うぼ=さすら”様の意見に同意しまス」

koんどは手足を切断し様かなそれとも内臓を取り出してチ塗れファックも良いな面白そうだな楽しそうだなあハハハハハハ助けてはハハハハハハは母は八はハハハハハハ歯は八派はh誰か母は八はハハハハハハハハハハハハ助けてハハハハハハハハハハハハー=〜

「“混沌化”は消せるか?」
「ん、“のーでんす”ちゃん専用にチューンナップされてるけど、なんとかしてみせるわ。
この“うぼ=さすら”ちゃんに任せなさい♪」

 ハハハは八は歯は八八はハハハ八はハハハハハハハハハハtasuketeハハハハハ八八ハハハhhっはああああああっはっはハハハ八は
『それ』は、突然はじけた。
「うわぁああああああああああ――っ!?」
 むにょん
 ばね仕掛けの人形みたいな勢いで跳ね起きた僕を、何か柔らかいものが受け止める。
「目が覚めたか」
 しばらく、目の前に何があるのかわからなかった。
暗闇から急に明るい場所に出た時と同じように、視界が白くハレーションを起こしてくらくらする。
やがて、目の前にあるのは白い光源ではなく、汚れ1つ無い純白の白装束である事に気付いて――
「うわぁ!!」
 もう一度、僕は素っ頓狂な声をあげて高速後退りした。
「気をつけろ」
 へ?
 何かが背中に激突した衝撃に、慌てて振り返った僕は見たものは――
「こんなに早く会う事になるとは思わなかったがな」
 とにかく渋くて男臭いワイルドな中年男性――“脆木 薫”氏。
「なーんーでーぇ、あの食っちゃ寝旧支配者の信者を助けなきゃいけないのよぉ!?」
 ミニスカサンタで全身タイツなヘラジカ美少女――“いほうんでー”さん。
「それ、が、古よ、りの契、約だ、」
 裸身にボンデージファッションのように包帯を巻いた血涙の美女――“るりむ・しゃいこーす”さん。
「御無事のようで何よりでス」
 “しょごす”さんにそっくりな和服にエプロンドレスの――“和風しょごす”さん。
「姉さんのダンナ様を、見捨てるわけにもいかないしね♪」
 灰色のゴスロリドレスの金髪ショートカットの美幼女――“うぼ=さすら”さん。
 あの時の襲撃者達が、再び僕の前に現れたんだ。
 脆木氏1人ならともかく、物騒な神様も連れて来ているので、思わず身構える僕の肩を、
「やめなさい。そなたを混沌の呪縛から解放したのは彼奴等だ」
 “のーでんす”さんの白い手が、そっと止めてくれた。
なぜか、あの翁面は付けてなくて、魂が蕩けそうな美貌を晒している。
 彼女の話によると、“ブラックメイド”さんに魔改造された僕は、
自分自身が“混沌化”の媒体とされて、“のーでんす”さんを封じ込めるために操られていたらしい……
……いや、洗脳されていたので全然覚えていないけど。
 このまま僕は“のーでんす”さんと一緒に混沌の渦に飲まれて破滅する所だったんだけど、
ギリギリの所で脆木氏達が助けてくれたそうだ。
その事について脆木氏にお礼を言うと、
「気にするな。これも先祖からの伝言だ……もっとも、これに関しては実行するかどうかは、
俺の自己判断にまかせると言い伝えられたがな」
「え?」
「気にするなと言っただろう」
 相変わらず、脆木氏は脆木氏だった。男が惚れるタイプって言うのかな。カッコイイ。
 あ、そういえば……僕は“のーでんす”さんに向き直った。
「……ところで、洗脳されていた僕って、何か変なことしませんでし――」
「な、何もしていない。詮索無用だ!」
 ちょっと彼女のイメージとはズレた仕草で、僕の疑問はぴしゃりと封じられてしまった。
な、何か変な事でもしちゃったのかな?
「えへへ〜♪ あのね、“のーでんす”ちゃんったらねぇ……きゃあ!!」
 ニマ〜っと子悪魔チックに目元を綻ばせて、何か言おうとした“うぼ=さすら”さんは、
“のーでんす”さんが振った扇子に吹き飛ばされて、壁にびたーんと貼り付いてしまった。
「……えーと、本当に何もなかったんですか?」
「詮索無用だ! 忘れろ!」
 妙にドギマギしている“のーでんす”さんを見ると、とてもそうとは思えない。
「そ、そなたがした事も私が受け入れた事も、全ては“ブラックメイド”が悪いのだ。うん、間違いない!!」
「ちょ、ちょっと落ちついてください」
 僕は動揺しまくっている“のーでんす”さんを落ちつかせるために、その肩を軽く押さえた。
「あっ……」
 ただそれだけなのに、“のーでんす”さんは腰からふにゃふにゃと崩れ落ちて、
僕の下半身にしがみついては、
「……さまぁ」
 なぜか陶酔した表情で、僕の股間に頬擦りしたんだ……って、
「“のーでんす”さん!?」
「……はっ!? い、いや、何でもない。すまぬ。どうやら“混沌化”の影響が抜け切っていないらしい」
 咳払いしつつ僕から離れて、あの翁面を付けながら立ち上がった時には、
もう僕の良く知る“のーでんす”さんの姿形を取り戻していた。
「さて、夫婦漫才はそこまでにして……そろそろここから抜け出さないか?」
 ぶっきらぼうに煙草に火を点ける脆木氏の意見は、とても建設的なものだった。
一見、僕の自室に見えるこの空間も、窓の外の風景を見れば、異世界の一部である事が一目瞭然だ。
「私にまかせろ。あのヘッポコが作った世界など、すぐに抜け出せ――」
「ヘッポコ言うなニャルラ!!」
 僕達が凍り付いたのは、その発言の内容ではなく、
その台詞が想像もできない人物から発せられたからだ。
 脆木氏――彼にとっても本意ではないらしく、驚愕の表情で自分の口を押さえている。
それなのに――
「よくもよくも私の邪魔をしてくれたニャルラ!! もう怒ったのニャルラ!!」
 あのマヌケな甲高い女声は、明らかに脆木氏が喋っているんだ!!
「いけない!!」
「やめてぇ!!」
 周りの邪神の皆様が、血相を変えて脆木氏に殺到する。しかし――
「バイバイ♪ ニャルラ〜♪」
 絶叫と鮮血は同時に噴出した。
 ――聖書によると、女は男の肋骨から生まれたらしい。心臓や肝臓、胃袋という説もあるとか。
 この光景は、『それ』の再現なのかもしれない。
 仰け反る脆木氏の胸を内側から突き破り、
血と肉片を撒き散らしながら出現したのは――黒き無貌のメイド!!
「“ブラックメイド”ならぬ、“ブラッドメイド”ニャルラ〜」
 言葉通り、血塗れの“ブラックメイド”さんは、えっへんと無い胸を反らして、
ビクビクと痙攣しながら床に崩れ落ちた脆木氏の傍に降り立った。
「脆木!!」
「御主人様ァ!!」
 絶叫しつつ脆木氏の元に駆け寄ろうとする“いほうんでー”さんと“和風しょごす”さんを、
「無、駄……、も、う致、命傷だ、」
 “るりむ・しゃいこーす”さんの包帯が押し止めた。
 “うぼ=さすら”さんと“のーでんす”さんが、
苦渋の表情で“ブラックメイド”さんの前に立ちはだかる。
「相変わらず趣味が悪いわねっ!!」
「お褒めに預かり光栄ニャルラ〜」
 “ブラックメイド”さんはニヤリと嘲笑すると、慇懃無礼に頭を下げた。
「勝ち誇っていられるのも今のうちだ」
 “のーでんす”さんの扇子が、バッと乾いた音を立てて開いた。
「どうせ貴様のヘッポコな陰謀など、いつものように無様に頓挫するのだからな」
「陰謀が……頓挫したニャルラ?」
387名無しさん@ピンキー:05/01/05 18:32:37 ID:/Irl88bG
再び支援カキコ
 ぴしり

 その瞬間――異変がおきた。
 初めはその異変に気付かなかった。ほんの些細な変化だったからだ。
 “ブラックメイド”さんの黒い顔に、ひび割れが走るのを些細な変化と言えるならば。
「私の陰謀が頓挫した事など、1度もないニャルラよ。
向こうは勝ったと勝手に思っているかもしれないけどニャルラ」

 ぴしり……ぴしり……

 ひび割れは徐々に広がっていく。まるで、“ブラックメイド”さん自身の身体を侵蝕するように。
「私は様々な異世界で様々な陰謀を企み、そして陰謀を粉砕されてきたニャルラ……
しかし、それが『本当の目的』の為の伏線に過ぎなかったとしたら?
私の敗北すらも、計画の中に含まれているとしたら?」

 ぴしり……ぴしぴし……ぴしぴしぴしぴし……ぱりん!
 ひび割れは今や全身に広がり、その身体が見る間に崩壊していく。
 そして、その中から『彼女達』の姿が――

「考えてもみなさいな。どう油断すればライオンがナメクジに負けると思う?」

「邪神の陰謀が」

「本当に人間ごときに」

「止められるとでも思っているの?」
 かしゃあああああん!!!

 黒き神は砕け散り――
「うふふふ」
「くすくす」
「あははは」
 ――黒き神が誕生する。
「お前達は……新たな『化身』か!!」
 “のーでんす”さんが緊張の気をまとって身構える。
 新たな黒き神――それは最初、燃える三つの目を持った怪物に見えた。
しかし、次の瞬間には燃える瞳は三つに分かれて――
――悪夢の中でしか見られない、究極の美を誇る3体の少女達と化したんだ。
ゴシックロリータ風の黒いドレスも、眼帯で片目を隠しているのも、残された単眼が放つ真紅の輝きも、
唇に貼り付いた嘲笑も、全てが同じ――唯一、眼帯の形状の違いだけが、3人を区別していた。
「もう」
「あの姿は」
「飽きちゃったから」
 黒き少女達は自分のスカートの両端を軽く持ち上げ、優雅に一礼した。コピーしたように全く同じタイミングで。
「わたしは“ラト”」
「わたしも“ラト”」
「わたしだって“ラト”」
 そう自己紹介して、黒き神の少女――“ラト”は鈴が鳴るように笑った。嘲笑だった。
「それが新たな『化身』の名か……相変わらず安直だな」
「だって」
「それが」
「お約束だもん」
「気をつけろ……もう、奴はヘッポコな“ブラックメイド”ではないぞ」
 “のーでんす”さんに言われるまでもない。
無邪気に微笑む“ラト”達の姿に、僕は底知れぬ恐怖を味わっていた。
それは、今まで遭遇してきたあらゆる邪神の恐怖の中でも、間違いなく最大のものだった。
3人の赤い単眼が――黒い魔獣の燃える三ツ目に見える。
「異世界における全ての陰謀は、本当の目的の為の伏線に過ぎないと言ったな……
ならば、この世界における貴様の陰謀、『“■ざとー■”復活』も、伏線に過ぎないというのか?」
「“■ざとーす”復活?」
「“あざ■ーす”復活?」
「“あざとー■”復活?」
 “のーでんす”さんの言葉に、“ラト”は一斉に首を傾げて――
――そして、次に言った言葉を、僕は永遠に忘れる事はなかった。
 告白すれば、僕にその発言の意味はさっぱりわからない。
でも、それなのに、“ラト”が何かとてつもない言葉を、決してありえない言葉を言った……
……それだけは理解できたんだ。






「“あざとーす”なんて」

「もう、いらない」

「もっといいものを見つけたの」




 沈黙――とは、少し違うと思う。
 『世界が静止した』……そんな抽象的な表現が、この場合は適切かもしれない。
 それほどの意味が、その言葉には込められていた。
「“■■■■■”が……もう必要無いだと!? どういう意味だ!!!」
 あの“のーでんす”さんですら、動揺しながら激昂している。
他の神様達ですら、唖然としているようだった。
 僕なんてちっぽけな存在は、ただ道端の石ころの様に佇むだけだ。
「それはもう始まっているの」
「そう遠くないうちに」
「明らかになるよ」
 “ラト”の黒い姿が、黒く滲んでいく。
「その時、皆は知るんだよ」
「この物語が、この神話が」
「アザトース神話とも」
「ヨグ=ソトース神話とも」
「ニャルラトテップ神話とも呼ばれる事無く」
「“―――神話”と呼ばれる真の理由を――!!」
 その黒い滲みが、僕の部屋の押入れにあるン・カイへと続く黒い靄と同じだと気付き、
そして、その意味に愕然とした時――
「うふふふ」
「くすくす」
「あははは」
 『這い寄る混沌』“ラト”の姿は、闇の中に消え去っていた……
「御主人様!! 御主人様ァ!!」
「ねぇ! アンタなら傷を治せるんでしょ!! 早くしてよぉ!!!」
「……ごめん。これは私にも無理なの」
「『、這い寄、る混沌、』、の与、えた傷、だ。無理だろ、うな、」
 彼女達の必死の声が耳に届いて、ようやく僕は我に帰った。
先刻までの衝撃的な出来事に、しばらく放心していたんだ。
「脆木さん!!」
 脆木氏を囲む彼女達の間に、僕も加わる。
“るりむ・しゃいこーす”さんが巻いたらしい包帯越しにも見える、
胸の内側で爆弾が破裂したような無残な傷は、赤子が見ても致命傷だと判断するだろう。
ひゅぅひゅぅと吐く細い息が、徐々に小さく短くなっていくのがわかった。
「……こうなる…事は……わかっていたんだ…が……ドジったぜ……」
「喋ってはいけませン!!」
 “和風しょごす”さんが涙を流しながら傷口に手を当てる。けど、もう……
「ごめんなさい……僕を助けようとしなければ、こんな事には……」
「気に……ごふっ……すんな…」
 真っ赤な泡を苦しそうに吐きながら、しかしそれでも脆木氏は男臭く唇を歪ませる。
「先祖からの……うぅ……言い伝えには……この事も…含まれていた……
……当初は……助ける気なんて…グッ…なかったぜ」
「じゃあ、なぜ!?」
「……そんな…ごふっ…顔するな……“のーでんす”神に……“はすたー”神の……
……潜伏場所を…ぐうぅ……教えたのは……俺……なんだ…ぜ」
「――っ!!」
それから脆木氏は弱々しく、しかし明瞭に語り始めた。
止められる雰囲気ではなく、止める意味もなかった。
 “はすたー”さんの潜伏場所をリークする事と引き換えに、
“いほうんでー”さん達は封印しないように“のーでんす”さんに頼んでいた事――
 しかし、結局は“のーでんす”のターゲットに自分の『接触神』は含まれていなかったので、
リークは無意味に終わった事――
 そうなると、“ブラックメイド”の“混沌化”の方が脅威となる。
“ブラックメイド”と対抗する為には、
僕と一緒に“混沌化”の罠に陥った“のーでんす”さんを助ける必要があったという事――
 そうすれば、自分が死ぬと祖先からの言い伝えには警告されていたにもかかわらず……
「……俺は…自分のオンナを…ぐぅっ…守れれば…それで……よかった……
……アンタが死のうが……自分が…死のうがな……」
「脆木さん……」
 もう、ほとんど呟きにも聞こえない弱々しい声なのに、
彼の言葉一言一言が、自分の心に突き刺さるのを感じた。
「…がはっ!……いいか…自分の…ぐぅ…オンナを…守る……のは……男の…義務で…本懐だ……
……げほっ!……その為なら…どんな事を…しても……たとえ…世界が……滅亡しても……
……お前も……男なら…理解できる……はずだ……」
 そして、最後にはっきりとした声で――
「お前も男なら、自分の女の為に生きてみろ」
 ごぼり、と大きな血の塊を吐き出して、脆木 薫氏の命は終わった……
「御主人様ぁぁァ!! ゴシュジンサマァアアアア!!!」
「……死ねなんて……あたしは命令した覚えはないわよ……バカっ!」
「こ、れも、さ、だめ、だ」
「……いつ見ても慣れないのよね。こーゆーの……」
 うめき声1つ出せずに、ただ呆然と座り込む僕の前を、
脆木氏の遺体を抱いた“いほうんでー”さん、
“和風しょごす”さん、
“るりむ・しゃいこーす”さん、
“うぼ=さすら”さんが通り過ぎていく。
何か僕に話しかけたような気もするけど、ほとんど耳には届かなかった。
 脆木氏が死んだ事への驚愕と悲しみ。『邪神』と接触した者に待ち受ける運命の予兆。
彼を動かしていた先祖の言い伝えと、その背後にいるという“魔道師エイボン”――
 様々な感情と情報が入り乱れて、頭の中が混沌の渦のようだ。
 脆木氏の遺体と四柱の接触神がこの世界からいなくなっても、僕は動けずにいた。
「そなたも、元の世界に帰るが良い」
 静かで優しい声が、僕の背中にかけられるまでは。
 ゆっくりと振り向いた先には、仮面を外した“のーでんす”さんの微笑があった。
限りない慈愛に満ちた。優しく。そして強い。
「その扉から出れば、そなたは元の世界に戻れる。もはや邪神を狩る気はない。
今更“はすたー”達を封印しても無意味のようだからな。
そなたはその命が尽きるまで、好きなように生きるがいい」
「……“のーでんす”さんは、これからどうするのですか?」
「“ラト”と――『這い寄る混沌』と決着をつける」
 静かに、そして力強く“のーでんす”さんは言い切った。
その瞳に宿る力強い意思。そして限りない慈愛……
彼女が邪神と戦う時、仮面を付けている理由がわかった気がした。
「またいつか、会う事もあろう……さらばだ」
 『大いなる深淵の大帝』の――“のーでんす”さんの姿が消えていく。
彼女は、なぜあんな強大な敵に立ち向かう事ができるのか。
なぜ、世界の為に戦う事ができるのか。な
ぜ――己を滅茶苦茶に陵辱した相手に、そんな笑顔を向けることができるのか。
 そんな彼女に――
 優しい彼女に――
 強い彼女に――
 誇り高き彼女に――
 微笑む彼女に――
 ――僕は、あるイメージを想像した。
そして、自分でも理由がわからないまま、自然にその言葉が口から出たんだ。

「おかあさん……!」

 “のーでんす”さんは、ほんの少しだけきょとんとした後、
目元を優しく綻ばせて――夢のように消え去った……
 ……元の世界に戻ってからの僕の生活は――ある意味、予想外な事に――
今までの生活と何も変わらなかった。
“はすたー”さんも、“ばいあくへー”さん達を連れてハリ湖とやらに帰っていったし。
 まぁ、“つぁとぅぐあ”さんに供物を捧げに行く度に、
1人居残った“ばいあくへー”さんと“つぁとぅぐあ”さんとの微妙なバトルを見る破目になったのが、
些細な変化かもしれない。
 “ゔぉるばどす”さんと“がたのそあ”さんは、ン・カイに居候を続けている。
自分の住処に“混沌化”の影響が無くなるまで居着くらしいけど、戻れるのは何時になる事やら……
 僕は今までと同じように、“つぁとぅぐあ”さんに供物を捧げ、“てぃんだろす”と遊び、
“しょごす”さんの料理を食べ、“いたくぁ”さんにお茶を強奪されるという、
のほほんとした平和な日常を過ごしていた。

 ……“それ”を目撃するまでは。

「こ、これは……」
 いつものようにン・カイに向かおうとしていた僕は、
押入れの中で心臓を氷の手で握り締められる感覚を味わっていた。
 暗黒世界ン・カイへの扉が――あの黒い靄が――薄れている!?

続く
 先の展開が思いっきりバレバレですが、予想カキコは勘弁してくださいm(__)m

 今回の誤字はわざとやっていますので、指摘は無用です。いや、ホントに。

 皆さんの想像通り、次回で終わります。

 では。
398名無しさん@ピンキー:05/01/05 18:45:43 ID:/Irl88bG
乙カレー
399名無しさん@ピンキー:05/01/05 20:42:02 ID:xVJc0UZl
す、すげえ……これが作者さんの実力か!
本家本元に引けをとらないくらいの名状しがたさ、まさに混沌、まさにクトゥルフ!
SAN値が下がる!下がりまくる!

God Jobという言葉しか思いつきません……お見事です。
400名無しさん@ピンキー:05/01/05 21:04:01 ID:tbMurfw7
かゆ うま
それにしても人間の想像力とかいうものは果てしなく限界を超えて、
もし混沌化後の事をひでぼんが「覚えていたら」とか想像して発狂してしまった。
・・・もう俺のSAN値は残っていないらしい。

それはともかく乙。既にかける言葉が見つからないけど乙。
401名無しさん@ピンキー:05/01/05 22:17:20 ID:/02/ffXy
あえて注文をつけるなら、他の書き手さんのように、猟奇・鬼畜シーンの前には
断りを入れて欲しかったなあ。普通のエッチシーンだと思ってモロに読んじゃったよ。
402名無しさん@ピンキー:05/01/05 22:21:12 ID:ex6CI+zm
>400
ひでぼんは憶えているんじゃない?

>己を滅茶苦茶に陵辱した相手に

って書いてるし。
403ツァトゥグア信奉者 ◆r7nnPP0.C. :05/01/06 00:30:00 ID:tEwrrC9W
鹿教団も滅んだ事だし、
我らの天下じゃ(ノンストップ浅知恵)
404名無しさん@ピンキー:05/01/06 01:29:34 ID:Rtt/1iHp
>>403
毎度思うのだが、何で書き手さんでもない、感想しか書き込まない人が、
わざわざコテとトリップ付けて出てくるの?
405名無しさん@ピンキー:05/01/06 01:35:04 ID:pnAWiWKk
この手のおばかコテは居てもいいと思うよ。
406名無しさん@ピンキー:05/01/06 01:47:11 ID:0m12L9n4
宇宙開拓史とアニマル惑星を思いだした俺はドラエモフの生贄になってきます。
407名無しさん@ピンキー:05/01/06 02:16:23 ID:jhPA0T0n
亜母刃派は歯葉ハ羽波葉はは母は耙媽…
ヤベェちょっとあてられてたよ。
(  )←ニャル
4089- 346:05/01/06 03:59:30 ID:lPzX1NgU
>ひでぼん作者様
まさにGod Job!! と褒め称える事しかできません。

いつか、『魔法怪盗団はいぱーぼれあ』で、
“ばいあくへー”さんの生まれ変わりの話が出る事を、
楽しみにしております。
409名無しさん@ピンキー:05/01/06 05:17:43 ID:ci2k38So
脆木氏ィィィィィッ! …くそぅ、かっこいいなぁ。
狂気描写と言い、流石としか言えませぬ。God job。
最終話、楽しみに待たせていただきます。
410いつかのあいつ:05/01/06 10:25:58 ID:A0EZUgz4
GODが降臨してる真っ只中にビクビクしながら投下してみるテスツ・・・
---------------------------------------------------------
むかーし、むかーし、
あるところ…じゃなくて西の西のそのまた西の腐る程西の国に
おじ〜さんとおばぁ〜さんがおりました。
二人の老夫婦は余勢を別に山に芝刈りにも川へ洗濯にもいかずマターリ暮らしておりました。
ある日、お婆さんが気分転換に川へ散歩にいくと、
なんと人間の半分はあるんじゃないかってくらいでかいモモが流れてきました。

〜えぇ、その時は本当に我が目を疑いましたよ。まさかあんな物体が流れてくるとは…〜
(リーラー・J・ニコラスの手記から抜粋)

とりあえず食料として家に持ち帰り、このままじゃどこにも置けないから
爺さんが桃を半分に斬ると、なんか人間の赤ちゃんが中にいました。

二人はその子に「桃太郎」と名づけませんでした。
「ピーチ」とも名づけてません。
普通に「ルーク」と名づけました。

ルークはすくすくと育っていきました。
ルークは「この爺さんと婆さん、不死身なのかな…」と思う程18年経っても元気な二人に
海の向こうのオークがいる島にオークを征伐にいくと言いました。
オーク達は時々島から出ては略奪の限りを尽くしていたのです。
411いつかのあいつ:05/01/06 10:35:16 ID:A0EZUgz4
爺さんはキビダンゴという東のお菓子を渡して激励しました。
ルークは「なんでこんな物を持ってるんだ?」と思いました。
婆さんはオーク達を倒したら肉が減りかけてるからちょっと肉を持ち帰ってきて下さいね、と言いました。
ルークは「明らかにおかしいだろ」と思いました。
何はともあれ旅に出ました。
途中でなんかケルベロスとピカチュウとフェニックスが仲間になりました。
仲間に何か変なのがいますが気にしちゃあいけません。
一人と三匹は海を渡り殺戮の限りを尽くし、略奪されたお宝とオークの肉を持ち帰りました。
そしてルーク(と三匹)は英雄になりましたとさ。めでたしめでたし。

それから二年後。
オークの島に動く影があった。
島の首領のレッドオークのドレッドととその妻、ブルーオークのルーブル。
二人はちゃっかり隠れて生き延びていた。
そして二人は娘を作った。おい、そこのお前、変な想像はするなよ。所詮モンスターだぞ。
その娘は禿げ上がる程驚く速さでアッ!と言う間に16歳の美少女に成長した。
「ふふ、これだけ美麗ならばあの男も惑わされるだろう」
「そうね……さぁ、行きなさい。貴女の最初の仕事よ。メイドとして奴の家に乗り込み、
 我らの敵を抹殺するのよ!」

こうしてメイド…もとい鬼の娘、クレアはルークの家へと向かっていったとさ。
めでたし、めでたし。めでたくねーよ。終わってねーよ。
 
412いつかのあいつ:05/01/06 10:37:23 ID:A0EZUgz4
まだエロくもないし本題に入ってないですが続きます(`・ω・´)プロローグってことで。
413名無しさん@ピンキー:05/01/06 11:02:59 ID:CZnIB1Zl
脆木氏を見ていてピンクのトレンチコートが良く似合う
不死身の人の死に様を思い出した。
414森精の人:05/01/06 11:35:03 ID:M4qXY2bj
>ひでぼんの方
 クライマックスキター!ブラックメイドと”のーでんす”さんのやり取りが・・・トムとジェリーみたいで笑える、とか思ってたら思いっきりひっくり返された。スゴイです。
”のーでんす”さんに蹴散らされた”はすたー”さんと量産型”ばいあくへー”さんが「戦闘機一機に壊滅させられるSTGの敵軍団」みたいで哀愁を誘いました。

それにしても
>混沌の渦って何? やっぱり死亡患者カードを隣に移動するのかな。
には驚愕です。STG,TRPG,漫画、ゲーム、映画、ゲームブックだけでなくカードゲーム「ダイナマイトナース」とわ!
正直何者!?とかモニターの前で震えてました。
完結編をお待ちしています。


・・・やっぱり”――”さんもすくぅるみじゅぎ、なのかなあ?
415名無しさん@ピンキー:05/01/06 11:46:09 ID:/kdvsMtP
>>410
ピカチュウは猿じゃない、
とどうでもいい事は置いといて続きカモン!
416名無しさん@ピンキー:05/01/06 13:46:51 ID:QGmsG6Cb
MABOUさんは他のスレでも作品書いたりしてますか?
教えてください。
417いつかのあいつ:05/01/06 17:24:19 ID:6v5L5Fdv
そんなこんなで鬼娘クレアはメイドとしていともたやすくルーク家に侵入した。
で、またーりと一年が経過した。


どたどたどた。
現在、クレアは床掃除中である。
(全く、何でこのクソ寒いのに雑巾なのよ!)
ルーク家の掃除用具はほうきと、ちりとりと、はたきと、雑巾と、バケツ、これだけである。
オークを打ちとった褒美はあるのに何故掃除機とか買わないのかっていえば、
ルーク本人の意見によるものである。
「やっぱ、掃除って機会でやるより人の手でやった方がいいと思うんだよね」
とのことで。

(それにしても、ジジイとババアが別の国に移住していったのは嬉しい誤算だわ)
爺さんと婆さんは昨日、に平穏な国に移住していった。
「あっちの国の方が、面白いモンスターがいるらしいからの」
変な老夫婦である。
(これで気兼ねなく、ヒッソリと奴を殺すことができる…!)
とかボンヤリ考えていたらバケツにぶつかった。
どんがらがっしゃんばしゃん。
@言う間にクレアはびしょぬれになった。
すぐに音を聞きつけ、ルークが駆けつけてきた。
「何、どうした?大丈夫か?」
「あ、はい…平気です…なんともないです」
たちがあろうとしたら再びこけた。(床濡れてるから。)
「本当に大丈夫か?」
「だ……大丈夫です………」
418いつかのあいつ:05/01/06 17:42:45 ID:6v5L5Fdv
「別に、もう十分綺麗だから…ムリにやらなくてもいいぞ?」
「あ、いや、これも仕事ですしっ!」
「まぁまぁ、今日はもう休め。体壊すといけないから」
と、流石(一応は)勇者。軽々クレアをお姫様抱っこして
ベッドの方へ運んだ。
ちなみに現在一時(夜中の)。
クレアはずっと計画を練りながら掃除してたので時間が経つのが気づかなかったのだ。
ちなみに当のクレア本人はと言うと。
(何コイツ!軽々しく私を持ち上げるんじゃないわよっ!
 あ、でも顔近くでみるとカッコイ…じゃない!そうじゃなくて…殺すから!ぶち殺し!)
なんか混乱してた。

深夜三時。
クレアはまだ寝ていなかった。
隣にはルークが羨ましいぐらいグッスリ寝ている。
ちなみに二人で同じベッドで寝てるのは、
ルークがウッカリでかいベッドを二つ買っちゃったからである。
「……今なら殺すことができる…!」
今更の様に呟きながら、コッソリと鍵をかけておいた引き出しから
ナイフを取りだす。
「…今までだったら…殺気を感じとられて殺せなかった…だが!」
そして、ルークの胸の上に構える。
「ずっと一緒に暮らしてきて…意識の波長を全て理解した今なら殺せる…」

「長かったぞ…ここまで………!………さらばっ!」
419いつかのあいつ:05/01/06 17:54:28 ID:6v5L5Fdv
──
ナイフは、ルークに触れるか触れないかの位置で止まっていた。
「………何故……」

「何故、私は………」


それからのクレアは、いつもに増してボンヤリしてる様子であった。
心配になったルークは色々と彼女が元気になるよう取り組んでみたが、全て失敗だった。

そして数週間後の朝。

「あ〜〜〜〜〜〜よく寝た〜〜〜〜〜っ………
 ………あれ?クレア?」
ルークが目覚めると、横で寝てるはずのクレアの姿はなく、かわりに手紙が置いてあった。
「何だコレ?えーと、ルーク様へ……」

『ルーク様へ。
 今まで申し訳ございませんでした。
 私は貴方に嘘をついておりました。
 私は、貴方が殲滅したオークの生き残りの娘です。
 父上と母上の命で、メイドになりすまし、貴方の元へと潜入したのです。
 それは貴方を殺すためでした。
 私はメイドとして、貴方を殺すために一年、機を伺っていました。
 ……ですが、結局は私は貴方を殺すことができませんでした。
 何故なら、私は知らずしらずの内に貴方を愛してしまったからです。
 でも、今さら貴方にこの思いをうちあけることはできず、
 だからといって父上と母上の元へ戻るわけにもいきません。
 悩んだ末、私は自らの命を絶つことにしました。
 今までありがとうございました。 そして、最後までご迷惑をかけて申し訳ありませんでした。』
420いつかのあいつ:05/01/06 18:14:05 ID:6v5L5Fdv
「………ッ!」
瞬時に、彼は駆け出していた。
家中探したが、どこにもいなかった。
(……この辺で……人気のない所………)
彼は、ハッとした顔つきになったかと思うと、外へ駆け出していった。
起きたばかりで、パジャマに裸足なのも忘れて。


ほとんど誰も近寄ることのない森に、クレアはいた。
木にかけた縄で、今にも首を吊る所だった。
「さようなら──父上、母上、─そして、ご主人様…」
と、その時。
森の奥からもの凄い勢いで突進してくる影があった。
「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!」
そいつ─ルークは、今まさに縄に首をかけようとしているクレアを押し倒した。
「何考えてるんだよお前!!自殺なんて……誰も喜ばないだろ!!」
「…ご主人様………でも、私は…」
「お前が良くても俺は絶対許さねぇぞ、こんなこと!!」
「でも!……私…もう……んむっ…!?」
──泣きながら何かを言おうとしたクレアの口を、ルークが唇で塞いだ。
「なぁ、頼むよ…死なないでくれよ……」
クレアを体を、きつく抱き締めながら言う。
「………好きなヒトに…死なれたくないんだ……」
421いつかのあいつ:05/01/06 18:14:26 ID:6v5L5Fdv
(´・ω・`)あれ、こんなシリアスな話にするつもりじゃなかったのに…
422名無しさん@ピンキー:05/01/06 18:34:22 ID:pnAWiWKk
頑張って続きを(・∀・)カケ!
423名無しさん@ピンキー:05/01/06 21:50:34 ID:K4VyRPm2
すでに忘れられてる気がするネコの続きです
いろいろと暴走してるかも
424猫の話3:05/01/06 21:52:02 ID:K4VyRPm2
 夕刻
 コンパの誘いを断り、強引な勧誘を蹴り倒し、家へと驀進する僕。
 なんせ今晩はっ、これからっ、ずううぅっと、朝までっっっ。
「……」
 うう、ダメだ、顔がニヤケてしまう。
 傍から見たら変態だよ、これじゃぁ……
「はあぁ……」
 朝から妄想が止まらなかったからなぁ……
 鈴音さんのあんな姿や、こんなあられもない格好だとか、
 め……めぇいっぱいご奉仕とか……えへへ……
「陽一さま」
 ああ、いかんいかん、ついに幻聴まで聞こえてきたよ。
 幾らなんでもこれじゃあ、病気だよ。
「陽一さま?」
 だからダメだってば。
「えい♪」
 ピト。
「おひょぁっ!?」
 いきなり首筋に冷たい感触がして、飛び上がってしまった。
「だ、だ、誰っ!?」
「お帰りなさいませ、陽一さま」
 買い物袋を提げた、鈴音さんでした。
 その手に冷鮮ものを持っている。
「あ、す、鈴音さん、ただいま」
「はい」
 鈴音さんが柔らかく微笑んでいる。
「お早いお帰りですね」
「あ、あはははは、そりゃ、まあ、ね……」
 ふふ、と鈴音さんが微笑む。
425猫の話3:05/01/06 21:52:24 ID:K4VyRPm2
 夕陽に照らされたその微笑は見惚れるほど綺麗で、
「……」
 思わず顔が赤くなってしまう。
 鈴音さんの顔がまともに見れない。
「あ、えと、鈴音さん、一緒に帰ろうか?」
「ええ」
 鈴音さんの買い物袋を代わりに持ってあげる。
「……ぁ」
 鈴音さん、何か言いたそうな、困った表情をしてたけど無視。
 その代わり、空いた手で鈴音さんと手を繋ぐ。
「……」
「……」
 何とはなしに二人して無言。
「……陽一さま」
「なあに?」
「……えっと……今日のお夕飯、期待しててくださいね」
「いつも期待以上だよ、鈴音さんの料理は」
「……はい」
 そうして、二人手を繋いで家路に付くのでした。
426猫の話3:05/01/06 21:52:54 ID:K4VyRPm2
 …………………………………………
「……」
 あれから、夕飯も食べ終わりました。
(精のつく食材が多かったのは気のせいじゃないと思う……)
 お風呂は夕飯の前に済ませちゃいました。
 ちなみにいま、鈴音さんが入っております。
 壁一枚隔てた向こうから、鈴音さんが着物を脱ぐ衣擦れの音とか、シャワーの音とか、
「あうぅ……」
 かなり、その、クるんですけど。
「あぁ〜〜」
 ゴロゴロ、と意味もなくベッドの上を転がっているバカ一人。
「陽一さま?」
 いきなり、何の前触れもなく、お風呂上りの鈴音さんが僕の顔を覗きこんでまして
「わあぁっ!?」
 みっともなくベッドから転がり落ちる僕。
「よ、陽一さまっ!? あ、あのだいじょうぶですか?」
 かなり強く頭を打っちゃって、一瞬目が眩んだんだけど
「陽一さま、陽一さまっ」
 お風呂から上がったばかりの鈴音さんに抱きかかえられる。
(……うわぁ)
 目の前に頬を上気させた鈴音さんの顔。
 お風呂上りの、その、シャンプーのいい匂い。
 寝巻き代わりの襦袢ごしから押し付けられる、鈴音さんのたわわな膨らみ。
「……」
 鈴音さんが心配そうに僕を見つめている。
 その瞳が、ちょっと潤んでいて……
「……鈴音さん」
 この瞬間、僕の理性はガラガラと崩れたのでした。
427猫の話3:05/01/06 21:53:29 ID:K4VyRPm2
「鈴音さんっ!!」
「きゃ?」
 鈴音さんを抱き上げ、ベッドに押し倒す。
「あ……」
 鈴音さんが何か言うより早く、その唇をふさぐ。
「ん……ん……」
 しっとりとした唇に何度もキスする。舌で舐め回す。
 両手で、鈴音さんのその大きな胸を、無我夢中で揉みしだいてしまう。
 そして、僕は胸元に手を差し入れ、乱暴にはだけさせようとして……
「…………」
 ぴたり、と手が動かなくなる。
 手だけじゃない、身体が金縛りにあったみたいで動かない。
「あ……」
 僕は恐る恐る顔を上げた。
「……」
 あ、あうぅ、鈴音さんの目が、瞳が、猫化してる。
 妖しく光っているっ。
「陽一さま……」
「あ……ぁ……」
 怖い、目茶苦茶怖い。
 鈴音さんがニィッと笑い、その白くほっそりした手を伸ばす。
「ぅ……」
 その指先は、爪が異様に伸びていて……その手で、僕の顔や、首筋を撫で回す。
 口元から、鋭い牙が見え隠れして、真っ赤な舌が、唇をちろりと舐めている。
 今の鈴音さんは、獲物を狙う肉食獣だった。
428猫の話3:05/01/06 21:53:58 ID:K4VyRPm2
「くす、くすくす……」
「あ、ああぁぁ……」
 うぅ、顔とか首に爪が当たってチクチクするよぉ……
「よういちさま……」
「は、はいぃ」
 鈴音さんの指が、僕のおでこをチョンとつく。
「乱暴なことをしたら『めー』なんですよ」
「……」
 こくこくと、頷くしかできない。
「ふふ、おしおき、しちゃいます」
 は、はううううううううっっっ
「えい♪」
 いまだ金縛りにかかっている僕は、簡単に鈴音さんに組み敷かれてしまう。
 鈴音さんの指が、僕のパジャマを剥ぎ取っていく。
「陽一さま……たくましい……」
 露になった僕の胸に頬擦りしながら、うっとりと呟いている。
「す、すずねさ……ひっ!?」
 刹那、鈴音さんの、その手が一閃する。
 一閃、二閃。
 そのたびに、その鋭い爪が、すっすっと僕の身体を傷つけていく。
「動かないで、くださいね」
 動く事なんて、できるわけ無い。
 鈴音さんの爪は、薄皮一枚切る程度で、チクチクするだけなんだけど……
「はぁ……陽一さまぁ……」
 鈴音さんの息が荒い。
 鈴音さんが凄く怖い、身体が凍りつく、だけど……
 その妖艶な美しさに、目を離すことが出来なかった。
「ん……」
 それから、鈴音さんのちょっとざらついた舌が、ぴちゃぴちゃと身体の傷を舐めまわす。
「うあぁ……」
 ざらざらした感触とネットリとした感触。
429猫の話3:05/01/06 21:54:29 ID:K4VyRPm2
「甘い……」
 鈴音さんが恍惚とした顔で、傷から滲み出る血を舐め取っていく。
 そして、空いた手で全身を弄ってくる。
 鈴音さんの指が、繊細な動きで僕の胸を、その、乳首を摘み転がしてくる。
「んっ! あぁっ!? す、鈴音さぁん……」
 まるで電撃を流されてみたいな快感が、僕の身体を駆け巡る。
 こ、これじゃあ、立場が逆だよぉ……。
「ん、あ、ふあぁっ!!」
 鈴音さんの愛撫に身悶えする僕を、
 鈴音さんが上目遣いで笑ってみてる、すごく楽しそうに笑っている……。
「す、鈴音さん……」
 すでに僕の肉棒は、痛いくらいに屹立してて、鈴音さんの柔らかな下腹部を圧迫している。
 鈴音さんが、パジャマ越しに僕の息子を撫で回しながら一言。
「ここも……引掻いちゃおうかしら……」
 僕が全身全霊をかけて首を横に振ったのは言うまでも無い。
「嘘です。そんな事は絶対にしません」
 そういって、鈴音さんが僕の唇をふさぐ。
 僕の稚拙なキスとは比べ物にならないほど、ネットリと絡みつくエッチなキス。
 鈴音さんの舌が僕の唇を割って入り、トロトロした甘い唾液と柔らかな舌が、僕の口内を思うまま蹂躙してくる。
 その間にも、鈴音さんの手は僕の肉棒を取り出し、直に愛撫してくる。
「ん……ちゅ……あむ……」
「ん……んぅっ……」
 鈴音さんの手が袋を揉み、竿をしごき、先走りでヌルヌルになった先端を撫で回したり……
 動けない僕の身体を、鈴音さんは良い様に弄んでくる。
「はあ……」
「ぷあ……」
 鈴音さんが、ゆっくりと口を離す。
 僕たちの間を、銀色の糸がつーっと垂れた。
430猫の話3:05/01/06 21:54:45 ID:K4VyRPm2
「鈴音さん、もう……」
 金縛りを解いて欲しい……もう、限界……。
 それに、僕も鈴音さんを触りたい。
「だめです♪」
 鈴音さんがにっこりと笑う。
「うぅ……」
 泣きそう。
「まだまだ、おしおきはこれからです」
 鈴音さんがゆっくりと僕の下半身の方へ移動する。
 先ほどから撫で回している僕の怒張を見つめ、舌なめずりをして、
「まずは……悪い膿を出してしまいましょうね」
 そういって、鈴音さんはカリ首にキスをして、舌を這わしてきた。
431書いた人:05/01/06 21:56:58 ID:K4VyRPm2
すいません、ここまでです
……鈴音さんの方が乱暴なことしてますが、あれです、単なる口実です
鈴音さんはえちぃの時、自分が主導権を握らないと我慢ならない人なのです
432名無しさん@ピンキー:05/01/06 22:05:17 ID:Gifg31t2
乙カレー
433名無しさん@ピンキー:05/01/06 22:11:23 ID:0Yl2RIsO
勃起しますたハァハァ
434名無しさん@ピンキー:05/01/07 08:10:09 ID:j3n6g/2H
鈴音さんキタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!!!!
435マボと呼んだ人:05/01/07 22:17:30 ID:wfXnbBoP
ttp://www.degitalscope.com/~mbspro/userfiles_res/database/261.txt
第三話です。

>ひでぼん作者様
新作キ……「い」?
ああ、ひでぼんが漏れのブラックモードに並ぶほど黒く…
ところどころで「たすけて」と入っている辺り情けな…いや、なんでもないです。とりあえずモロギ氏にご冥福を…

>鬼娘様
あう、いいところで止まってるし…
ああ、メイドさん万歳(こら

>猫作者様
す、鈴音さぁぁぁん!(落ち着け
ああ、いぢめキャラ万歳!

おまけ
ttp://cgi.search.biglobe.ne.jp/cgi-bin/pict/search?q=%A5%D5%A5%A3%A1%BC%A5%CA
こんなん出ました…(多すぎ…)
436名無しさん@ピンキー:05/01/07 23:57:01 ID:5JVw0BKk
乙ー。
エッチになると途端に無口になるフィーナ萌えー。
437名無しさん@ピンキー:05/01/09 01:06:46 ID:g7RwBjGN
>>435
あ、グランディアのフィーナだ…
懐かしいな。
438名無しさん@ピンキー:05/01/10 14:28:00 ID:/C0cf0I9
今気付いたんだが、
ひでぼんがいぼんになってうわなにをするやめaMdjmGAdMDjADMTPg
アヒャ(・∀・)!!
439名無しさん@ピンキー:05/01/10 17:28:59 ID:2FxXMlvy
>>438
まず >>397 を読んで誤字でないことを再確認した後に、
>>276-277 を読み返し、さらに >>261 の発言の意味を
よく考えてみませう(・∀・)b
440名無しさん@ピンキー:05/01/10 17:43:02 ID:rNq3UQF9
>>261は俺だけど
>>439
>視界一杯に広がるタプタププルプルな白い乳房の大洋
この辺のことを言ってるのかな?
441名無しさん@ピンキー:05/01/10 18:06:18 ID:cby1bSkY
莫迦め、エイボンもモルギも皆死んだわ。
442名無しさん@ピンキー:05/01/11 06:47:35 ID:01HRD8Ut
なるほど書き直されていく物語っつー事ね。
塗り替えられていく、書き替えられていくのほうが正しいか?
関係無いが、失い続けてしまうアルバム思い出した
443某作者 ◆SNuCULWjUI :05/01/11 17:38:33 ID:SFUggXZH
えー、何とか最終話完成しました。
ですが、かなりの長編になってしまい、容量的に現行スレに収まるとは思えないので、
投稿は次スレまで延期します。御了承下さい。(改行って想像以上に容量食うんですよね……)

……あと、先の展開を予想するのは結構ですが(バレバレだし……)、
それを書き込むのは勘弁してください……orz
444名無しさん@ピンキー:05/01/11 18:17:38 ID:zjU3/vUn
>>443
そんな書き込みをされたら無理やりにでも
次スレを立ててしまいたい自分がいる。
445名無しさん@ピンキー:05/01/11 19:10:45 ID:tniemUtI
>>443
じゃあ最終話は当分お預けですか・・・orz
446名無しさん@ピンキー:05/01/11 19:51:28 ID:7sBLZomu
とゆーか、あぷろだにあげたら1レスで終わると思うの俺だけ?
447名無しさん@ピンキー:05/01/11 20:12:22 ID:bmo3d2Gp
作者さんの判断で いいじゃない
448名無しさん@ピンキー:05/01/11 22:05:44 ID:o+Q1od3F
あれだ、技巧を凝らすとするとスレに張らなきゃいけなかったりするからな。
449名無しさん@ピンキー:05/01/11 22:22:22 ID:HxMIsbZJ
よし!
じゃあ今から1000まで、一気に埋めよう!
450名無しさん@ピンキー:05/01/11 22:48:57 ID:I97YfvO4
賛成ーっ!!さぁ埋め埋めっ
451名無しさん@ピンキー:05/01/11 23:10:36 ID:IoCTu1+A
ばいあくへー埋めぽ
452マボと呼んだ人:05/01/11 23:52:02 ID:ZOrM6jvl
あー。他の作者さんの立場が…(ン・カイで暴れられて困り気味のつぁとぅぐぁさんっぽく)

>○い…じゃない、ひでぼん作者様
お待ちしております。病み上がりでもありますししばらくお休みください。

誰も突っ込まなかったので(突っ込んで欲しくないが)一言。

「フィーナ多すぎ…orz」

イース、グランディア、ファイアーエムブレム…(どれも未プレイです。)
探してみたらオリジナルにも…なんとなく某神坂さんの心境…(ルナという名前が某黒猫とかとかぶっていた)
あと感想ありがとうございます。…こんなクレクレ君ですいません。
453名無しさん@ピンキー:05/01/12 02:09:05 ID:ylExG7V5
>>443
これまでの投下を見るに、1回につき最大でも60kb未満です。
このスレの残り容量は80kb程。
今までと比べて極端に長いのでなければ大丈夫だと思いますが。
454名無しさん@ピンキー:05/01/12 03:27:14 ID:/wl7Yym2
>>453
「今までと比べて極端に長い」んじゃ無いのか?
まあ、それは作者さんの判断に任せるとして。

正直、今から1000まで埋めるより80kb使うほうが早いと思う。
だから、俺らで小ネタSS書いて容量埋めようぜ。
エロ有り無し不問、妄想を思うままに書きなぐれ、って感じで。
・・・やっぱり他の作者さんの迷惑だな。
455名無しさん@ピンキー:05/01/12 08:07:02 ID:nbJZD1Hj
>>431
たまにゃー組み敷かれる鈴音さん、てのが見たいっす
456名無しさん@ピンキー:05/01/12 16:04:00 ID:O74s0G4/
賛成
このスレは大半がオリだから、そのオリSSのパロが見てみたい。

ところで、埋めるとかほざいた奴はほんとにSAN値が0みたいだな。
457名無しさん@ピンキー:05/01/12 23:55:21 ID:mboXdJde
俺なんか書こうかな…



















神じゃないから叩かれるだろうから止めとく
458名無しさん@ピンキー:05/01/13 00:02:52 ID:A/3ZIPQv
>>456
それだけ最終話に期待してるってことよ。
459名無しさん@ピンキー:05/01/13 00:48:31 ID:7ZRRqOWq
>>457
書け書け。存分に書け。
例えどんなヘタレた作品でも俺は努力を認めてやる。
というか「神」なんて称号は後からついてくるものだ。初めからくっついてる訳じゃない。

さあ どうした?
まだ78kb残っているぞ かかってこい!!

妄想ネタを出せ!! スレを変化させろ!!
コピペを再構築して立ち上がれ!! 駄文を書いて投下しろ!!
さあ夜はこれからだ!! お楽しみはこれからだ!!

早く(ハリー)!
早く早く(ハリーハリー)!!
早く早く早く(ハリーハリーハリー)!!
460名無しさん@ピンキー:05/01/13 01:11:45 ID:cmlPZQVx
いなくなった、もしくは戻ってくる見込みのない人の、
話の続きを妄想したり作成してみたりするってのはどうだろう?
461名無しさん@ピンキー:05/01/13 01:37:00 ID:0uaTMdiB
このタイミングでかなり長い間投下していなかった人間が投下するって言うのはアリですかね?
462名無しさん@ピンキー:05/01/13 01:56:45 ID:l/R+0L3p
>>461
大蟻ですよ!
463名無しさん@ピンキー:05/01/13 02:47:31 ID:DXVif3Uu
>>458
期待するのはいいんだが、
他の人も居るんだからはしゃぎすぎは止めような。な?
464320-それではお言葉に甘えて。-:05/01/13 03:31:06 ID:0uaTMdiB
「ふう……風呂、上がったぞ」
「さつきお姉ちゃん、一緒に入ろっ?」
「え、でも、私は……」
「いいんですよぅ。さ、一緒に入りましょう?」
「女同士で中のいいこったねえ……ほれ、ぬるくならないうちに入ってきちゃいな」

雪女、さつきが徹の居る(と思われる)街へやってきたその日の夜。
さつきは、自らの危機を救ってくれた卓一行について行き、卓宅にてとりあえず一泊することとなった。
そうなるまでを説明するには、昼までさかのぼることとなる。


「はい、さつきさん、ケーキですよ」
「あ、ありがとうございます……」
甘そうなショートケーキを乗せた皿が、さつきの前に置かれる。
さらにその隣に、なんだか高そうなティーカップが置かれた。淹れられたものは香りから察するに、紅茶だ。
ティーカップを手に取り、芳香を楽しむように、さつきがすぅーっ、と息を吸う。
そして一口。
「……おいしい」
「上手く淹れられたみたいでうれしいです。それ、セーデルブレンドっていうんですよぉ」
レイチェルはうれしそうに微笑みながら、さつきの正面に座っている男……卓の前にも、紅茶の入ったティーカップを置く。
「レイチェルは普段抜けてるんだが、なぜかこういうのは上手いんだよな」
「抜けてる、は余計です」
子供みたいに頬を膨らませふてくされるレイチェルに苦笑いしてから、卓はさつきに向き直る。
「で、さつきちゃんの今までの話を総合すると……カレシに待ちぼうけを食らって、追ってきたと」
「お兄ちゃん、そういう言い方は失礼だよ」
妙なまとめ方をした卓を、卓とさつきの両者が見えるように座っていたシルフィが諌めるが……。
「カ、カレシ、ですかあ……」
当のさつきはそんなことはまったく気にせず、「カレシ」というワードに反応し、ぽややんと悦に浸っている。
あさっての方向を見ながらぽっと頬を赤らめているその姿は、どこか危ない。
465320-Snow-:05/01/13 03:31:49 ID:0uaTMdiB
「でも、その肝心のカレシがどこにいるのかまでは把握できてないわけか。そして、途方にくれているところに、そこの天然戦乙女がやってきたと」
「天然は余計ですっ」
またも頬を膨らませ、プリプリという効果音つきで怒るレイチェル。しかし卓は相手にしていない。
「はい……そのとおりです」
さつきは、改めて自分がどれだけ無謀なことをしようとしていたかを実感し、すまなそうな表情のままうつむく。
「まっ、分からないんだったら探すしかないよな。なにかあてはあるのかい?」
「いえ……あるとしたら名前と、この腕時計くらいしか……」
自分の腕につけてある腕時計を見せてから、はあ、とため息をついて、さらにうなだれてしまう。
「名前は分かっていても、この街の中、ってだけじゃなあ……いかんせん範囲が広すぎる」
ふむ、と言いながら、卓は思案しているような仕草をとった。
シルフィも口出しはしないようにし、卓の決断のみを待っている。
といっても、シルフィの考えが、裏切られるようなことはないだろうが。
「四人ならどうにかなるよな」
「え?」
さつきがあわてて顔を上げる。
正面には「なんかまずいこといったか?」といわんばかりの笑みを浮かべている卓と、なにか満足そうな笑みを浮かべる姉妹二人。
そう、彼女たちのしっている男なら、ここで見捨てるなどといった選択はとらないものなのだ。
それを確信していたからこそ、シルフィは口を出さなかったのである。
……レイチェルはどうだか分からないが。
「んじゃあ、とりあえず明日から捜索開始ってことで」
「え、あの」
「行くあてもないんだろう?だったらうちを使えばいい。三人でも広いんだよ、ここ」
「使うって、その……」
「あ、そのことなら大丈夫ですよ。卓さんは困っている女性に手を出すほど外道じゃありませんから」
「そうそう、お兄ちゃんはきちんと段階を踏むんだから……って違うでしょ!」
にこにこしながらまったく的を得ていないことを言うレイチェル。
顔を真っ赤にしながら、どこからか取り出したハリセンでツッコミを入れるシルフィ。
話は済んだから飯でも食うか、などと言いながら台所へ入っていく卓。
あまりに話が唐突すぎて、遠慮の言葉も何も出ないさつきは、結局、このまま雰囲気に流され、卓一行に世話になることになった。
466320-Snow-:05/01/13 03:32:25 ID:0uaTMdiB
「ねえねえ、さつきお姉ちゃん」
「ん?どうしたの、シルフィちゃん」
女性だけの浴室。
身体を洗うさつきに、湯に浸かりながらシルフィが話しかけた。
レイチェルはシルフィの後ろで、「あぁ、ヴァルハラヴァルハラ〜」とかなんとかつぶやきながら、気持ちよさそうに湯に浸かっている。
さっきまでシルフィに対して敬語だったさつきも、いつのまにか打ち解け、すっかりお姉さんっぽい口調になっている。
さつき本人も、「お姉ちゃん」という響きに、あまり悪い気がしていないようだ。
「お姉ちゃんが好きな人って、どんな人なの?」
純粋な好奇心から出たその質問に、さつきは恥ずかしそうに、それでいて本当に幸せそうにはにかみ
「えへへ……あったかい人っ」
とだけ言った。
「え〜、それじゃ分からないよ〜」
唇を尖らせてつまらなそうにつぶやくシルフィ。
「それじゃあ、お風呂あがったらたっぷり教えてあげる」
「ほんとっ?じゃ、早く上がろっ」
湯船から飛び出そうとするシルフィだが、後ろに居たレイチェルがそれを制した。
「フィー、さつきお姉ちゃんはまだ湯船にも入ってないんだから、もうちょっと待ちましょう?」
大人びた、母親のような微笑でそんな風に言われては、シルフィもしたがってしまうというものである。
仕方なく湯船に肩まで浸かり、じれったそうに動き回るシルフィと入れ違いに、レイチェルがさつきに近寄る。
「普段は大人びてますけど、こういうときは幼いでしょう?」
昼の卓の口調を真似するように言ってから、ウィンクをするレイチェル。
大人びたその外見とは裏腹なそんな行動に目を細めながら、さつきはうなずく。
「でも、できるだけ早く上がっちゃいましょうね?」
ひそひそと耳打ちをするレイチェルに対して、さつきの頭の上にハテナマークが浮かぶ。
「どうしてですか?」
レイチェルはもう一度ウィンクをして、
「決まってるじゃないですか。私も聴きたいんです、さつきさんの好きな方のお話」
と、悪戯っぽく言った。

その後浴室を出るまで、さつきがずっと二人に急かされていたのは言うまでもない。
467320-Snow-:05/01/13 03:33:50 ID:0uaTMdiB
不意に、脱衣所の扉が開く音がした。
「おう、ようやく出たか」
女三人寄ればかしましいたあよく言ったもんだ。
あんなに謙遜してたさつきちゃんも、今じゃあんなに仲良くなってるし。
「あれー?お兄ちゃん、何やってるの?」
湯上りのためかほんのり頬が赤いシルフィが、パジャマ姿のまま、俺のとこまでとことこ歩いてきた。
可愛らしい猫の絵が柄の、シルフィらしいパジャマだ。
洗い立てでさらに輝きを増すその髪からは、シャンプーのいい香りがしてくる。
「ん?いや、暇だったからちょっと調べてたんだ」
「さつきお姉ちゃんの、彼氏さんのこと?」
俺はその言葉にこくりと頷いてから、電話帳を閉じた。
もしや自営業だったりするのではと思い見てみたが、やはり意味はなかった。
どうせ暇つぶしにやったことだ。落ち込んだりしているわけじゃない。
なにより、まだスタートすらしていないからな。
「詳しいことは明日から調べてくさ」
「そうですね。それでは、明日のためにも早く寝てしまいしょう」
シルフィと同じ柄のパジャマを着て、さらに三角帽のようなファンシーなナイトキャップを被っているレイチェルが言った。
……ほんと、こいつの趣味って見た目に合っているのか、合っていないのかわかんねえ。
「あ、あのぉ……」
脱衣所の扉の陰から、ひょっこり顔を出すさつきちゃん。
困ったような笑顔のまま、ダボダボのパジャマの袖を振って見せた。
「これ、ちょっと大きすぎるような……」
どうやらレイチェルのパジャマを着ているようだが、レイチェルの身長が比較的高めだったためか、ぜんぜんサイズが合っていない。
ていうか……さつきちゃん、ちょっと縮んでない?
468320-Snow-:05/01/13 03:34:31 ID:0uaTMdiB
「きゃーっ!」
と、ダボダボのパジャマを着ているさつきを見たとたん、レイチェルが奇声をあげながら、さつきちゃんに抱きついた。
「ああああ、ちょっとミニマムなサイズになって……かわいーですーっ」
そういやあいつ、かわいいものに目がなかったんだった。
突然の変貌に、さつきちゃんは目を丸くして驚いている。
シルフィは頭を抱えて嘆息している。……まあ、そうだよな。
さつきちゃんに頬ずりしながら、なにやら熱をもったため息をついている戦乙女が一人。
俺、こんなやつに導いてほしくないや。
「ああ……ちょっぴり見える胸元もそうですけど、やっぱりダボダボの袖口からほんの少し見える指先が萌え〜、ですぅ」
「も、萌えってなんですかぁ!なんだかすごく危険な香りがする言葉なんですけどぉ!?」
さつきちゃんはいよいよ、身の危険を感じ始めている。
「さっ!さつきちゃん、今夜は一緒に寝ましょう!そしてキャッキャウフフといろいろなことをしましょう!」
光速よりも早く寝室へ行ってしまうレイチェル。もちろん、さつきちゃんを抱えて。
ドアがバタン、と閉められるとともに、さつきちゃんの悲鳴が聞こえた気がするのははたして、気のせいか。
「あっ……そ、それじゃあおやすみ、お兄ちゃん!」
そのあとを、シルフィがあわてて追いかけ、そのまま勢いよくドアを開けて寝室に飛び込んでいった。
もう一度聞こえてくるバタン、という音。甲高い声、悲鳴。
……なんだ、何がおきているんだ。
居ても立ってもいられなくなり、俺はドアの前まで駆けつけた。
そ〜〜っとドアに耳をくっつけてみる。
「あぁ、雪女なだけに、まさに透き通るような白い肌です〜、うらやましいです〜」
「やっ、ちょっ、やめ……ひゃうっ!」
「おっ、お姉ちゃん!何やってるのよぉ!」
「それにこんなに瑞々しくて、ハリがあって、スベスベして……たまりませ〜ん」
「だめ、だめですぅ……そんなことしたらぁ……はぅんっ」
「お姉ちゃん……お願いだから、そんなはしたない真似…ってきゃああ!?」
「ふふふ、フィーも見てるだけじゃ寂しいでしょう?」
「嫌……いやぁぁぁぁーーー…(フェードアウト)」
469320-Snow-:05/01/13 03:35:11 ID:0uaTMdiB
まずいな、こうなったら、突入してヤツを……
と思いドアノブに手を伸ばすと。


ギギギギギ……


俺がドアノブに触れるより早く、扉が開いた。
……あのー、なんで別に老朽化してるってわけじゃないのに、こんな不気味な音がしますか?
しかも部屋の中真っ暗で何も見えねえし!怖えよ!
とか思っていると、暗闇の中に、突然ギラリと光るものが現れた。
「うひぃっ!?」
「……卓さん」
な、なんだ、レイチェルの眼か……ってなんでこんなに禍々しい光り方してますか?
「卓さん」
レイチェルが俺の名前をもう一度呼んだ。
ていうか、なんか妙なエコーがかかっててほんと怖いんですけど。すっげえ邪悪な感じが漂ってくるし。
「な、なんだよ」
ここで気圧されるわけにはいかない。
俺は暗がりで表情も十分に見えないレイチェルを精一杯睨めつけた。
「今入ってきたら……」
見えなかったレイチェルの表情が、徐々に見えてきた。
笑顔だった。
怖い!怖いよ!僕こんなに誰かを恐れたことないよママン!
完全に萎縮してしまった俺に、まるで母親のように優しく語り掛けてくる邪悪な戦乙女。
「滅しますよ?」
470320-Snow-:05/01/13 03:35:53 ID:0uaTMdiB


バタン。


……なんつーか。
マジだった。あいつの目はマジだった。
ダメだ。死ぬ。ていうか確実に消される。塵芥も残らずに抹消される。ヤバい。今のあいつはヤバイ。
何がヤバイって今の言葉に誇張とか嘘とか冗談とか脅しとかそういう含みが一切ない。ヤバすぎる。
ヤバイ。レイチェルヤバイ。思わず有名なコピペをパクっちまうくらいヤバイ。
「………」
しかし。
「………ふふ」
俺の身体は恐怖ではなく、武者の震えを起こしていた。
残念だったなレイチェル、お前の脅し(といっても本気みたいだが)は、逆に俺の中に眠るドラゴンを呼び覚ましてしまったぜ!
止められない、今の俺は誰にも止められないぜ!
滾る命の片道切符〜 ただ逝くだけさ〜♪
そんな歌もあったなと思いつつ、俺はドアノブに手をかける。
全身を襲う重圧、しかし俺はそれを気合だけで振り払う。
そのまま勢いを殺さずにドアノブを回し!
俺は!
ドアをあけ!
身構え!
心の準備をし!
部屋へと突入した!!
そう、シルフィとさつきちゃんをヤツの魔の手から救うために!!
行け行け俺!逝け逝け俺!字が間違ってる気がしないのが怖いぜ!
僅かに残った恐れを殺し、俺は力の限り駆け込み、先手を取ろうとしたそのとき――――――!!
471320-Snow-:05/01/13 03:36:28 ID:0uaTMdiB
「きゃっ、な、なんですかぁ!?」
「な、なんで入ってきてるのよおにいちゃん!」

「……アレ?」
なんだ?
俺はてっきり、レイチェルがさつきちゃんとシルフィにあんなことやこんなことをしているのかと思っていたのデスガ・・・・。
なんで皆さん楽しそうにキャッキャウフフ笑いながら話してますか?
なんでこんな「女だけの秘密会議」的な雰囲気出てますか?
そしてなぜ俺に枕やらなにやらが投げつけられてますか?
「おにーちゃんのエッチー!ヘンタイー!インキンモチー!」
「ちょ、ちょっとまて、別に俺はインキンじゃねえよ!ていうかノーパン派だから風通しいいし・・・ってうぉっ!」
レイチェルは、さつきちゃんと一緒に困ったように笑っているだけだ。
くそっ!全部演技だったのか・・・!
「早く出て行ってよー!!」

カツン。

・・・まずいぞ。
レイチェルにではなく、シルフィに殺られる……!!
そう直感した俺は、急いで女の園から逃げ出し、隣の寝室へと向かった。


「なんか……孤独だなあ」
壁のむこうから微かに聞こえる楽しげな笑い声を聞きながら、俺は一人ごちた。
こういうときは、男が入るべきじゃない時なんだろう。
だったらおとなしく寝るとしよう。
布団を頭まで被りながら、まだ納得いかない自分を無理やり眠りの世界へと引きずりこんだ。
起きて聞いてるわけにもいくまい。
……好きな人のことについての話題じゃあね。


眠りにつけたのは、それからしばらくしてのことだったが。
472320-あとがき-:05/01/13 03:40:40 ID:0uaTMdiB
はい、というわけで間が開くのが当たり前になってしまった320です。
みなさん、あけましておめでとうございます。
……覚えていただけているか不安ですが。
ともあれ、これを期に少しは昔のペースでかけるようになればいいな、と考えております。
名無しの方々、そして書き手の方々、どうぞよろしければ、よしなに。

……すっごい今更ですが、私クトゥルーについても勉強してきましたよ。
全集もきちんと読みましたし。ええ、たしかに初めて見たときはケルトと間違えましたよ。
だって某マンガにどちらのネタもでてくるんだもーん。ティンダロス症候群とかさー。
まあ過去の恥を彫り上げるのはこのくらいにいたしまして。
皆々様の作品、楽しみにさせていただいております。
感想を書いていますと、1レスどころじゃすまなくなるので割愛させていただきますが、ご了承ください。

それでは。
苦情等々ございましたらどうぞよろしくおねがいします。
473名無しさん@ピンキー:05/01/13 04:13:46 ID:VEL0xMgy
GJ
474マボと呼んだ人:05/01/13 17:00:01 ID:Tj0RxnIg
>320氏
乙です。…えーと、誰だっけ?(初期の投下人だろうが、俺)

>>457
どうぞお書きくださいな。初心者も大歓迎…ですよね?
>>459さんもアーカードの旦那になって望んでますし。
475名無しさん@ピンキー:05/01/13 21:11:55 ID:62OGdnjq
というかそもそも了解を取る必要自体無いです。
書きたくなったら素直に書く、
面白かったら素直に「面白い」って言う。
それだけ。

というわけで、「あなた」の頭の中身も見せてくださいな。
476名無しさん@ピンキー:05/01/14 00:31:00 ID:zBkYaVeR
>>320のひと
雪女さつきキタ━━━━━━\(゚∀゚)/━━━━━━ !!!!!
ちゃんと覚えてますよ。
477名無しさん@ピンキー:05/01/14 01:54:42 ID:WZKejLn5
320氏乙。
もう続き書いてくれないのかなあ、と思ってた。
良かった。
478名無しさん@ピンキー:05/01/14 20:17:43 ID:GhDV86hd
457の者ですが…弱気な事書いちゃってすみませんでした。
やっぱり書きたいものがあったので、お話書いてきました。
最初は、ひでぼんのパロディっぽいクトゥルフ物を書こうと思ってたんですが
書いてるうちに自分の色が強く出てきて…殆どオリジナルみたいになってしまいました。
ひでぼんの世界のイメージで読むと違和感ありまくりだとは思いますが
まあ、そこはクトゥルフ神話ベースの別の話という事で…。

それでは投下させていただきます。
479Nekomimi Colors:05/01/14 20:18:32 ID:GhDV86hd
私は最近不思議な夢を見るようになった。
真っ白な…ううん、そうじゃない…「白」そのものが私に語りかけてくる夢。

「目覚めの時が来た…失われし汝の真なる名は…」

その「白」は私にそれだけを伝えて消えてゆく。
真なる名?今の私は…本当の私じゃないの?


私の名前はいろり、ネコミミが好きな事以外は、ごく普通の高校2年生。
黒くて長い髪が私の自慢。

今日は久しぶりに友達とお買い物。
そろそろ待ち合わせの時間だけど…。
「いろりちゃん!おまたせー!」
私の後ろから、元気な声が聞こえてくる。
幼馴染の珠姫ちゃんだ。
「おはよう、珠姫ちゃん。…あれ?楓ちゃんは?」
「あれ…さっきまで一緒にいたのに…うわっ!!」
珠姫ちゃんが見たのは、同じく幼馴染の楓ちゃんが、パンツ丸出しで転んでいる姿だった…。
「うにゅ〜…痛いよ〜…。」
私と珠姫ちゃんは楓ちゃんの手を取り、起こしてあげる事に…。
…何も無いところで転んじゃうなんて…楓ちゃん、ドジっ子過ぎるよ…。
「ぱんつ…見られたかな〜…?」
怪我してるかどうかより、パンツが見えてるか気になるって…でもまあ、気持ちは解るけど。
480Nekomimi Colors:05/01/14 20:19:07 ID:GhDV86hd
いつもの何気ない姿。
そんな私達を、誰かが見ているような気がした。
振り返ると、真っ白な装束を身に纏った女の人がそこにいた。
「…やっと会えたね…いろり…。」
女の人の声は、あの夢の声と同じだった。
思い出した様に周りを見渡すと、私と女の人以外の人は、みんなその場で固まっていた。
…時間が…止まってるって事…?
すると突然、女の人は仮面をつけてこう言い出す。
「目覚めの時が来た…失われし汝の真なる名は…」

やめて!聞きたくない!本当の名前なんて知らない!
助けて…!誰か助けて…私は…私のままでいたいのに…だれか…たすけて…。

「ゾ・カラール」

私の中で、何かが壊れたような気がした。

「……り!…い…り!」
誰かが私を呼んでいる。
「いろり!大丈夫!?しっかりして!!」
「いろりちゃん…目を覚まして…お願い…!」
泣いている。二人の女の子が泣いている。
何の為に?…私の…為?
「…大丈夫だよ…私は…。」
そう言うと、二人は泣きながら抱きついてくる。
「私」は…大丈夫…。
481Nekomimi Colors:05/01/14 20:20:06 ID:GhDV86hd
私を心配していた二人と別れて、家に帰ってきた。
折角の休日だったのに、私のせいで買い物が出来なくなってしまった。
あとでもう一度、電話でも謝らないと…。

私の名前はゾ・カラール…生と死を司る神…だった。
だけど…今の私はいろりという普通の人間…。
「どっちが本当の私なんだろう…。」
そんな不安が、私の心の中を多い尽くしてゆく。
「考えてもしょうがないか…お風呂入ろっと。」
脱衣所で服を脱いでる時、違和感に気がついた。
目を凝らして鏡を見ると…。

「うわっ!ネコミミだ!」
みみみみみみみ、ミミ!?ネコミミ!?
…うわ…しっぽまで生えてる…何で?ゾ・カラールって…こんな神様だっけ?
…わかんない…ますますわかんない…。
自分が…「いろり」なのか「ゾ・カラール」なのか…。
そう思うと、鏡に映った自分が、得体の知れない存在の様に思えてきた。

お風呂から上がった私は、二人に電話を掛けた後、夢でも見てるんだ…と思いながら、静かに布団の中へ潜り込んだ。
…でも…朝起きてみると…。

「ネコミミついてるー!」
夢じゃなかった…。こんな姿…誰にも見せられないよ…。
482Nekomimi Colors:05/01/14 20:21:04 ID:GhDV86hd
その日、私は学校を休んで一日中家の中に閉じこもっていた。
ベッドの中でネコミミをいじる…ちょっと気持ちいい…。
このままずっと眠っていたいな…。

…気がつくと外は真っ暗で、時計の針は12時を回っていた。
「目が覚めた?ネコミミのお姫様。」
目の前に、黒い髪で真っ黒な服を着て、女の子みたいな顔をした…ネコミミの男の子がいた。
「え〜っと…どろぼー…さん?」
うわ、私何言ってるんだろ…早く警察に…。
「ま〜てまてまて、俺は悪い奴じゃないよ〜。」
…窓から不法侵入してる時点で悪い人だと思うけど…。
「俺の名前は黒菜。お姫様を迎えに来たんだよ。」
「私…を?」
「そう。『大いなるもの』ゾ・カラールをね。」
…なんでその名前を知ってるんだろう…?あの白い女の人の知り合いかな…?
「ねえ…黒菜…さん。白い服を着た女の人の夢とか…見た事ある?」
黒菜さんは困った顔になった。
「…やっぱり…『大帝』に会ったんだな。」
タイ…テイ…?そう呼ばれてるんだ…あの人…。
「今から話す事をよ〜く聞いて欲しい。…急には信じられないかも知れないけど。」
483Nekomimi Colors:05/01/14 20:21:39 ID:GhDV86hd
黒菜さんの口から出てきたのは、恐ろしい事ばかりだった。
遠い昔、私達人間が生まれてくる前に「旧神」と「外なる神々」や「旧支配者」達との戦争があった事。
そしてその戦いで多くの命が消えていった事。
「アザトース様やニャル様が悪いように言う奴等もいるけど…そうじゃないんだ。」
…そう、彼曰く「幾千の宇宙に存在する悪い心」が形となり神様達の心を狂わせて、争いを引き起こしたのだと言う。
そしてその邪悪な影が今、私達の世界を少しずつ飲み込もうとしていて、
黒菜さんのご主人様や『大帝』が必死になってそれを食い止めようとしている…と。

「…それで、お前の力を貸して欲しいんだ。」
少しだけ考えて…私は…。
「そんな話、信じられません。」
「な!?」
黒菜さん、ゴメンなさい。やっぱり警察に通報します。
「待てってば!…じゃあ、そのネコミミは?なんで生えてきたんだ?…お前がゾ・カラールの生まれ変わりって事の印じゃないのか?」
「…そんな事…言われても…私…わかんない…。」
胸が熱い…涙が止まんないよ…。
「…ゴメンな…いろり…俺はお前を守りたくて、ニャル様に無理言って逢いに来たんだ。」
…えっ…?
黒菜さんがぎゅっ、と私を抱きしめてきた。

「…私…自分が…何者なのか判らなくなって…怖かったんです。」
私は…黒菜さんに自分の考えを全て話した…。
「…俺も…昔は普通の人間だったんだ…でも…いろいろあってさ…。」
黒菜さんも、自分が怖かった時期があったけどそばにいてくれる人がいたから…今の自分がいるんだって事を…私に話してくれた。
「ふふっ…ふふふ。」
「なんだよいろり…。なんか変な事言ったか?」
「ううん…違うよ。黒菜さんも…私も一緒なんだって思ったら…寂しくないなって…。」
黒菜さんは、顔を真っ赤にして私の方を見つめていた。
484Nekomimi Colors:05/01/14 20:23:00 ID:GhDV86hd
「いろり…俺と契りを交わしてくれ…。」
「契り…って…何ですか?」
「…平たく言うと…交尾の事だ。」
「え…?交尾って…あの…えっち…ええ〜!?」
いい人だと…思ってたのに…!やっぱり悪い人だったんだ…!
ケータイケータイ…。
「おいおい…聞いてくれいろり…俺は…お前に死んで欲しくないんだ…。」
?…よくわかんない…。
「…どういうことですか?えっちする事と、死んじゃう事に何の関係が…。」
「お前達『邪神』は人間の思いによってこの世に形を成すことができる。
逆に…お前の事をみんなが忘れたら…お前は消えて無くなる。いなかった事にされる…それが…神にとっての死だ…。
邪悪な影は…人間の記憶の中から、邪神達の存在を忘れさせようとしてるんだ…。」
そんなのやだよ…!パパもママも、珠姫ちゃんも、楓ちゃんも…みんな私の事を忘れちゃうなんて…!
「でも…俺とお前の魂の絆を結べば…お前が消えてしまう事は無い。
 もしみんながお前を忘れても…俺はずっと忘れない。つまりはそういう事だ。」
「…でも…えっちなんてした事無い…。」
「心配するな。うちの妹…双子なんだけど、二人とも『お兄ちゃんの赤ちゃん産みたい!』って言ってくる位なんだから。まだ10歳なのにだぞ。」
「…最低です…黒菜さん。」
485Nekomimi Colors:05/01/14 20:23:38 ID:GhDV86hd
でも私の体は、寂しさのせいなのか黒菜さんを受け入れる準備を始めていた。
体が熱くなっているのが判る。
…やっぱり…この体…変だ…!
「ひゃうん!」
黒菜さんが、いきなりパンツをめくって私のしっぽを勢い良くしごきだした。
「や…やめてぇ…あうっ!いやっ!はう…ん…!」
「すごいな…しっぽでこの感度かよ…。チンポ入れたらどうなるかな…。」
「そんな恥ずかしい事…言わないでぇ…!ううっ!」
黒菜さんはひたすら手の勢いを強めていく。
…何…?…お腹が…熱い…!いっちゃうの…?私…しっぽで…!?
「おかしく…なっちゃうぅ…うあっ、ふああっ!!」
「いっちゃえ…!いろり…!しっぽで…いけっ!」
「うあっ、ああっ、うあ────────っ!!」
体がびくっ!と大きく跳ねた瞬間、股間から熱いものが勢い良く噴き出す。
しっぽで…いっちゃって…お漏らしまでしちゃった…。
「あう…おしっこしちゃったよう…。」
「…パジャマと下着…脱がないといけないな…。」

私はゆっくり汚れた服を脱いで、裸になった。
…黒菜さんがじっとこっちを見てる…ネコミミからしっぽ、爪先までじ〜っ、と。
「…きれいだな…いろり…。」
名前を呼ばれると、体が反応してしまう。
私がベッドに寝転がると、黒菜さんも裸になって私のそばにやって来た。
顔をじっと見つめる…ぴょこぴょこ動く耳がカワイすぎる…。
こうしてみると、本当に女の子みたい…。
「いろりは…初めて?」
「…はい。」
「そっか…痛いかもしれないけど…してよかったって思えるように…頑張るから。」
黒菜さんと唇を重ねる。
…生まれて初めてのキス…。
486Nekomimi Colors:05/01/14 20:24:25 ID:GhDV86hd
「いろり…口で…してくれる?」
黒菜さんが私の目の前におちんちんを突き出してきた。
うわ…男の人のって…こんな風になってるんだ…凄い…。
…ちょっと恥ずかしいな…でも…。
「が、がんばるっ!はむっ!…ん…ん…んむ…。」
じゅる…ぴちゃ…ちゅっ…にちゅっ…くちゅ…。
「はあっ、はあっ…いろりの口の中…あったかい…。」
そう言いながら黒菜さんは、私のネコミミをふにふにといじってくる。
「ぷは…耳はダメ…集中できないよう…。」
残念そうな顔をした黒菜さんをよそに、私は口でのえっちを再開した。
ちゅっ…ぴちゅ…ぴちゃ…ぺちゃ…ぺちゃ…ぴちゃ…。
黒菜さん…気持ちよさそう…なんかうれしいな…。
さっきまで寂しかったのに…今は…黒菜さんがいると思うと…寂しくない…。
「ううっ!いろり…いろり…出すよ…全部飲んで…!」
「んんっ!?」
びくっ!どくっ!どくっ!びゅーっ…びゅーっ…。
口の中が何か熱いものでいっぱいになる。
…これが…黒菜さんの…精液…。
生臭い匂いが、鼻を突き抜けていく。
「んん…んふ…んんっ…んー…んー……」
苦くて臭かったけど…頑張って飲んだよ…。
「吐き出しても…良かったのに…。」
「いいの…黒菜さんのだから…飲みたいって思ったの。」
「……いろりっ!」
「ふえ?うあっ!!」
いきなり抱き付かれちゃった…。
487Nekomimi Colors:05/01/14 20:25:20 ID:GhDV86hd
黒菜さんが私の上に覆い被さってくる。
私の方は、もう準備万全だった。
「ひとつになるんだね…。」
「うん…頑張るよ、いろり…。」
くちゅ…ぬちゅっ…。
入ってくる…!おちんちんが…私の膣内に…!
「ううっ!うう────────────っ!!」
痛い…痛すぎるよ…壊れちゃうぅ…!!
「いろり!大丈夫だから!すぐに…終わるから…!」
「だい…じょう…ぶ…だよ…私…すごくうれしい…!」
痛みよりも、喜びで胸がいっぱいになった。
…ひとつに…なっちゃったんだ…。
488Nekomimi Colors:05/01/14 20:26:15 ID:GhDV86hd
ぐちゅ…ぐちゅ…ずちゅ…ぐちゃ…ぐちゃ…ぐちゅ…ずちゅ…ぬちゅ…。
いやらしい音が、部屋中に鳴り響く。
「いろりのココ…血で真っ赤だよ…。」
「やっぱり…血…出てたんだ…あうっ!…うぅん!」
「あ…カワイイ声が出るようになって来た…!」
そう言うと黒菜さんは腰を突き動かすのをやめて、おちんちんを私の膣の奥にぐりぐりと押し付けてきた。
「うう…ああっ!ぐりぐりしちゃ…だめ…!きもち…よすぎるぅ…ふあっ!」
気持ちいいよう…もっと…もっとして欲しい…!
「いろり…好きだよ…!いろり…いろり…!」
腰を動かしながら、黒菜さんはうわ言の様に私の名前を呼び続ける。
「もっと…はうぅ…!なまえ…よんで…!いろりって…もっと…よんでほしいのー!」
「うん…いろりの中…あったかくて…すっごく気持ちいい…!いろり…!」
名前を呼ばれる度に体がどんどん熱くなってきて、自分でも愛液が溢れてきているのがよく解る。
「あうっ!うあっ!いっちゃうよぅ!しっぽでいくより…もっと…いっちゃうよー!!」
頭の中が…ふわーってなって…だめ…もう何も考えられないよ…!
「にゃっ!?」
く、黒菜さん!?耳…噛んじゃだめ!!
「いろり…!カワイイ…!本当に…カワイイ!さっきまで大人しかったのに…ホントはこんなに淫乱だったなんて!」
「うにゃ!うにゅっ!ああっ!みみいじられるといっちゃうの!あ、だめだよう!おかしくなる!
 おちんちんが!いろりのなかぐちゃぐちゃにしてるぅ!!うにゃ!にゃうぅ!!」
来る…なんか…来ちゃう…ああっ…!
「いろり…!出すよ…いろりの…中に…!!」
「くろなさん!いっちゃうのぉ!いろりいっちゃうの!はじめてなのにー!!はじめてでいっぱいいっちゃうのー!!
 あうぅ!うにゃ!うにゅ!あにゃっ!!あっ!あっ!ああっ!にゃっ!ふにゃあ───────────!!」
びくっ!びくっ!びゅうっ!!びゅるっ!!びゅーっ!びゅーっ!びゅーっ…。
お腹の中に、黒菜さんの子種が流れ込んでくるのを感じながら、私は眠りにつこうとしていた…。
「…くろなさん…だいすき…だよ…。」
489Nekomimi Colors:05/01/14 20:27:25 ID:GhDV86hd
気が付くと、私は新しいパジャマを着てベッドの中にいた。
…何だか体が重いな…。
外はもう明るく、時計の針は10時を指している。
「黒菜…さん?」
彼の姿はもう無かった…。
でも、ベッドの横に脱ぎ捨てられた、お漏らしして汚しちゃったパジャマと、シーツに付いた血の跡が、黒菜さんと過ごした夜が夢ではない事を示していた。
「…私の事、守りたいって…言ってたのに…嘘つき…。」
ふと、テレビの前に置いてある小さいテーブルの上を見ると、何かメモのようなものが置いてあった。
…まさか…そう思った私はそれを手に取った。

「いろりに逢えた事…永遠に忘れない。」

…やだ…。
そんなのやだ。
いなくなっちゃいやだよ…!
「ひっく…ひっく…くろなさん…ひとりにしないで…!」
490Nekomimi Colors:05/01/14 20:27:57 ID:GhDV86hd
「何泣いてんだよ…カワイイ顔が台無しだぞ。」
…え?くろな…さん?
黒菜さんが窓から部屋の中に入ってくる…よかった…いなくなっちゃった訳じゃなかったんだ…!
「ごめんな、驚かせて…俺の事を信じてくれてるか…試してみたんだ。」
「…ばか!…黒菜さんのばか…!本当に…いなくなったら…ひっく…。」
「俺がお前を一人にするわけ無いだろ?こんなかわいいネコミミ娘、放っては置けないよ。」
「くろな…さん…う…うわ────────ん!!」
「泣くな泣くな。これからそんなのじゃ大変だぞ。」
…そっか、私の力が必要だって…言ってたっけ…。
「ぐすっ…大丈夫…だよ。私…黒菜さんの為なら頑張れるから!」

そうだよね、私は私のままでいいんだよね。
私はいろりでもあり、ゾ・カラールでもある…。
どっちも、私自身である事には変わらないって事、生まれて初めて恋をした人が教えてくれたから…。


「負けないで…いろり…私はいつでも見守ってるから…。」
491あとがき:05/01/14 20:36:10 ID:GhDV86hd
以上です…全然クトゥルフらしくないな…。
前々から「大いなるもの」がメインの萌え話って聞いた事無いなー…なんて思ってたんで
名前の響きが気に入ったゾ・カラール様をネコミミ娘にして
書いてみました。(脳内ではタマシュやロボンもネコミミだったり…。)
初めて投下しようと思ったので、書いてる時も今も緊張してSAN値が無くなりそうな状態です。
またお話が出来たら投下させてもらおうと思います。
492名無しさん@ピンキー:05/01/14 21:01:58 ID:dH6GW7Lv
んー、ちょっと冒頭の、大帝に真の名をつけられるところが唐突過ぎるような・・・。
普通なら「あなたはゾ・カラール」なんて言われたら「は?なにソレ?アンタ誰?」って
なるとこなのに、そこを通り越していきなり「わたしはいろりなのかゾ・カラールなのかどっちなんだ」って
悩んじゃってるところが不自然な気がス。あとはおおむね良かったと思うよ。
493マボと呼んだ人:05/01/14 21:36:40 ID:kmaULjeh
>>492
それは「ご都合主義」(通称「お約束」)ですよ。
そんな事を主人公が言ったら「ばいおれんす☆まじかる!」じゃないですか。

それはともかくGJでした。クトゥルフ抜きでも面白いです。
俺自身「クトゥルフネタいいかも…」とか思ってました。で思いついたのが
・いごーちゃんと組んで精神憑依で強化
・ミ=ゴさんと組んで肉体改造
……どっちも戦闘が絡むお話ですが。あはははは。

「バイかの」は新キャラだそうかと思っとります。…前から話に出てた人ですよ。
494名無しさん@ピンキー:05/01/14 21:58:50 ID:AzKPv+RK
ゾ・カラールって、また、微妙なものを…サルナスの三神の一柱だっけ?
それはいいとして、設定が、ダーレスというか銀の弾丸っぽいと思った。
あと濡れ場のセリフがみさくらっぽい
495名無しさん@ピンキー:05/01/14 23:27:46 ID:GhDV86hd
レスありがとうございます。
初めての事なので嬉しいです。
>>492
確かに大帝との会話はもっと詳しく書いても良かったかな…と。
大切な出会いの場面ですし…。
>>493
楽しんでもらえて嬉しいです。
クトゥルフ分は殆ど入ってなかったですね…タイトルもネコミミだし。
>>494
なんとなくみさくら調かも…とは自分でもちょっと思いました。
496名無しさん@ピンキー:05/01/15 09:38:12 ID:NwV8fk0k
GJですた。なかなか面白かったよ。
でも、ちょっと全体的にペースが速すぎるかな、と思った。
今度書くときはもうちょっとペースを落としてどろぉりと濃いのをおながいします。
497497 ◆MABOUp7up. :05/01/15 13:32:30 ID:817q/5KN

「ひくっ……敏則…さあんっ……」
「お、おい夕那……」
クリスマスの夜、二人でケーキを食べながら、軽くシャンパンで乾杯した、まではいいのだが……。
「敏則さあん……夕那、クリスマスプレゼント買うの、すっかり忘れちゃいましたあ……ひっく……」
「わ、わかったよ、仕方ないじゃないの」
顔を真っ赤にさせて、とろんとした目つきで俺ににじりよる夕那。
……まさか、こんなにアルコールに弱いとは、思っても見なかった。
いくら幽霊だとは言っても、実年齢は……だろうしな。
でも、俺が夕那くらいの年の頃はシャンパン程度で、ここまで酩酊にはならなかったがな。
「だから……今日のところは……夕那で…我慢してくださあいっ……ん…っ、ん……」
「ん、んっ……」
俺の首筋にしがみつきながら、くちびるを寄せてくる夕那。
夕那から、シャンパンの香りに混じって、ほのかに香水の甘い香りが漂ってきた。
「きゃっ、と……敏則さあん……」
「ゆ、夕那……愛してるよ、夕那……んっ……」
そう思った次の瞬間、まるで香水の香りに誘われたかのように、俺は気がつくと夕那を押し倒していた。
……もっとも今日は、久々に夕那を抱こうという下心は、最初から持っていたわけなのだが。
何せ、前に夕那を抱いたのは夏のことで、しかも学校で宿直中に、だからな。
あれ以来、すっかりご無沙汰になってしまったわけだし、今日はとことん……。
498497 ◆MABOUp7up. :05/01/15 13:33:21 ID:817q/5KN

「あっ……敏則さん……」
ブラウスのボタンを、胸の辺りの一個だけを外して、隙間から手を潜り込ませた。
「あ、あれっ? 夕那、ブラジャーなんて、していたんだ……」
「……そ、そうですよお。いつか言ったじゃないですかあ。まだまだ成長期なんだって……あんっ」
胸を覆う下着の感触に、思わず声を漏らした俺に、夕那はくちびるをとがらせて抗議する。
……そういえば、前に夕那を抱いたときも、そんなことを言ってたっけか。
「ご、ごめんごめん。じゃあ実際に、どこまで成長しているか、確かめさせてもらおうか?」
「……っ、あっ、ああっ……」
軽く夕那に詫びながら、ブラジャーの隙間へと手を潜り込ませ、胸を軽く撫で上げてみる。
すると夕那は、ピクンと軽く体を震わせて、可愛い声をあげだした。
「うん、感じやすさは変わってないみたいだな?」
「…あっ、そ、それ…は、あ、あっ……っ……」
すでに、すっかり硬くなっていた乳首を、指と指の隙間に挟めて軽く揺さぶると、
夕那はうわずった声を漏らし続ける。……この反応、本当にたまらないな……。
「んじゃ……こちらは…っと」
「ああっ! と、敏則さんっ!」
もう片方の手でスカートをめくり上げ、下腹部に指を這わせる。
途端に、夕那は目をぱっちりと見開き、叫び声をあげだす。
「と…敏則さ…っ! は…あ……っ、あ……あっ……」
さらにパンティの上から、秘所にあたる部分をなぞりあげると、夕那は体を仰け反らせた。
興奮してきた俺が、ひたすら胸と秘所に添えた手を動かし続けると、
夕那は下半身をもぞもぞさせながら、手の動きに合わせるかのように、甘い吐息を漏らし続けた。
499497 ◆MABOUp7up. :05/01/15 13:34:27 ID:817q/5KN

「はあ…はあ……あ、ああ…と、敏則さんっ……」
肩で息をして、焦点の定まらない目で俺をじっと見つめる夕那。
すでにパンティは、夕那自身からあふれる蜜で、ぐちょぐちょに濡れている。
……そろそろ、いいかな?
そう思った俺は、上半身を起こして、夕那のパンティをゆっくりと脱がせながら、
自らもズボンとパンツを膝まで下ろし、いきり立ったモノを露わにさせた。
「夕那………」
「あっ! と、敏則さん! ちょ、ちょっと……!」
モノを夕那の秘所にあてがい、ひと息に中へと潜り込もうと思った瞬間、
不意に夕那の目に生気が戻り、両手で慌てて、俺の腰を押さえながら言った。
……何だ? 何があった!? 今夜は、無理にお尻を奪おうとは考えていないぞ!?

「………ええっと、確かこの中に……あ、ありましたです!」
「へ? そ、それって……」
戸惑う俺を他所に、夕那は床に転がっていた巾着に手を伸ばし、ゴソゴソと何かを取り出そうとする。
やがて顔をパッと輝かせ、巾着から抜いた、その手にあるものは………。
「そう、避妊具です!」
夕那は、くりっとした目で俺をじっと見つめながら、にっこりと微笑んだ。
……そ、それにしても、ゴ…ゴムって………。
「避妊は大事です! 子どもが出来ちゃったら、どうするんですかあ?」
「こ、子どもって……」
「夕那、確かに敏則さんとの子どもが欲しいですけれど、今はまだ早いです!
敏則さんも、家族3人を養う余裕なんて、まだ無いですよねえ?」
唖然としている俺を見て、夕那がピシリと俺の鼻先に避妊具を突きつけながら、言葉を続ける。

……確かに、前職での貯金があるにはあるが、将来何があるか分からないのだから、
おいそれと手をつけるわけにはいかないし、教師になって日は浅いから今の収入は少ないし、
まったく、痛いところを付くな……って、よく考えたら、家計簿付けてるのは夕那なんだから、
家計がどういう状況なのか、俺に聞かなくてもよく分かるだろうに。
……ああそうか。だからこそ家族計画を考えての、避妊具の勧めなのか……。
まったく、見かけによらず、意外としっかりしてるよな……。
500497 ◆MABOUp7up. :05/01/15 13:35:14 ID:817q/5KN

「はい、それじゃ早速、着けてくださいっ」
「………えっ?」
夕那の声がして、現実に戻ってきた。夕那は避妊具を握らせようと、俺の手を握り締めてきた。
……ちょ、ちょっと待て。正直に言うが、俺は避妊具の着け方を知らないんだが。
もちろん、使ったことが無いわけじゃないのだが、そのときはいつも、相手が着けてくれたわけで……。

「どうしましたかあ? 敏則さん?」
「え…あ、その……」
例の上目遣いで、俺をじっと見つめる夕那。その目には、多少疑問の色が浮かんでいる。
……ん? ちょっと待てよ?
「つーか夕那、お前酔ってないだろ」
「あ、バレちゃいましたかあ。しっかたないですねえ」
俺は感じた違和感を、そのまま口にした。
すると夕那は悪びれる様子も無く、ペロリと舌を出しながら返事をしてきた。
……よ、よし、こうなったら。
「じゃあ夕那。お前が着けてくれよ」
「え?」
「言い出したのは、お前が先だろ。酔ってるフリして騙した罰だ、お前がコレを着けるんだ」
「……あ、あのう。夕那、コレ使ったことないんで、上手く着けれる自信が無いんですけどお……」
自分のモノを指差しながら、夕那に命令する俺。夕那はくりっとした目を、
さらに大きくぱっちりと見開いたかと思うと、そっと小さく挙手をしながら小声でつぶやく。
……ああ。確かに、最初に夕那を衝動的に押し倒してしまったときから、いつも生挿れ中出しだったよ。
「大丈夫だって。とゆうか、やれ」
「は……はあい、わっかりましたあ」
俺は胡坐をかいて、夕那に向かって腰を突き出しながら、あくまで命令口調で言った。
……実際のところ、装着方法を知らないからなんて、口が裂けても言えないしな。
夕那は、名指しされた生徒みたいに、緊張そうに返事をしたかと思うと、
ゆっくりと上半身を起こしながら、ゴムの包装をビリビリと破き始めた――
501497 ◆MABOUp7up. :05/01/15 13:36:16 ID:817q/5KN

「じ……じゃあ、着けます」
「あ、あア……」
おずおずと、上目遣いに俺を見つめながら、モノに手を添える夕那。
俺は出来るだけ、平静を保つように鷹揚に返事をしていたが、
やはり内心が現われたのか、声が裏返りかけてしまった。……おい、落ち着け、俺!

「……よ、よい…しょ……っと。……あ、あれ?」
夕那は右手で俺のモノを握り締めたまま、モノの先端にあてがったゴムを、
左手の親指と人差し指で、挟むようにして伸ばそうとしているが、上手くいかずに戸惑っている。
……というか、これはこれで、擦れて気持ちイイのだが。……だが、それにしても……。
「な、なあ……子どもに靴下を履かせるように、してみたらどうだ?」
……モノを握り締めるんでなくて、両手でゴムを持ってみたほうがいいのかも。
そう思った俺は、四苦八苦している夕那の頭を撫でながら、声を掛けてみた。
「あっ……そうですねえ、さすが敏則さんです」
夕那は、ぱっと顔を上げて、目からうろこが落ちたような表情を見せながら、ポンと手を叩く。
「ちょ、お、おい、夕那!?」
が、予想もしなかった夕那の行動に、俺は思わず声をあげてしまった。
「えっと……こうすれば………」
夕那は、いきなり俺の背後に回ったかと思うと、左右の手でゴムをモノに沿って、引っ張り始めたのだ。
……いや、確かにそうすれば、いいのかもしれないけどさ……。
「……っと、これで、いいのでしょうかあ?」
モノがゴムに完全に覆われたのを確認した夕那は、ゴムから手を離し、
背後から俺に抱きつきながら、上目遣いでこちらを見つめてきた。
その表情はまるで、出来上がった宿題を教師に添削してもらうのを、
今か今かと待ち望んでいる、生徒のようなそれだった。
「ん? あ、ああ。いいんじゃないか?」
俺は誤魔化すように、肩をすくませながら、鷹揚に答えた。
502497 ◆MABOUp7up. :05/01/15 13:36:48 ID:817q/5KN

「さ……敏則さん………」
「あ、ああ……」
ブラウスのボタンを外し、スカートをめくりあげながら、ゆっくりと両足を広げる夕那。
はだけた胸元の奥でブラジャーがズレて、胸の頂が見えそうで見えないのが、たまらない。
さらに、自ら大胆な格好をしてきたにも関わらず、頬を赤く染め上げている姿が、またそそられる。
俺はかすれた声で頷き、夕那の秘所にモノをあてがい、ひと息に突き立てた。
「ん……っ」
「ああ……夕那…」
夕那はぎゅっと目を閉じ、押し殺した悲鳴を漏らす。
生での挿入とは、一味違う感触に戸惑いながらも、
久々に、夕那と繋がったという事実と嬉しさが俺を支配し、夢中で腰を突き動かさせる。
「と、敏則さん……あ、ああんっ…あっ! ああっ! ああんっ!」
俺の抽送を始めると、夕那はたちまち、甘えたあえぎ声を漏らし始めた。

「……ゆ、夕那……夕那っ…も、もう俺……」
「あっ! あああっ! ゆ、夕那も、夕那も、イッちゃう! イッちゃううっ!」
抽送を開始して、さほど経っていないのに、早くも限界が近づいていた。
それはどうやら、夕那も同じだったようで、必死に俺にすがりつきながら、甲高い声をあげ続ける。
……お互い、久々だったし、それはそれで致し方ないかもしれないが。
「あっ、あっ! ああっ! ああーーっ!!」
「……くっ、う…うくうっ……!」
夕那の絶頂に達した声が、まるで何かの合図だったかのように、
俺は全身を痙攣させながら、あっさりと夕那の中で果ててしまっていた――
503497 ◆MABOUp7up. :05/01/15 13:37:27 ID:817q/5KN

「あ、ああ……ゆ、夕那……」
「敏則さん………」
絶頂に達してからしばらくの間、俺は身動きひとつ出来ずに、夕那に覆いかぶさっていた。
そんな俺の頭を優しく撫で上げながら、夕那が耳元でささやく。
だが俺は、夕那の呼びかけにも気づかないくらい、絶頂の余韻にのんびりと浸っていた。

「………敏則さん」
「ん、な、なんだい?」
俺が気づかなかったのに業を煮やしたのか、今度は軽く耳に歯を立てながら、呼びかけてきた。
その声にほんの少しだけ、有無を言わさぬ圧力を感じた俺は、慌てて夕那を見つめ返す。
「敏則さんもゴムの着け方、知らなかったんですねえ」
「え? ナ、なにヲ言ってるんダ!?」
夕那は俺の顔をじっと見つめ、不意に悪戯っぽく微笑んだかと思うと、なじるように言った。
核心を突かれた俺は、驚きながらも必死に否定した。が、動揺のあまり、声が裏返りまくっている。
「とぼけてもダメですよお。前にも言ったでしょお。夕那、敏則さんのウソは、すぐに分かるんだって」
小首をかしげながら、嬉しそうにウィンクする夕那。
……う。そういえばそんなこと、いつかも言っていた気がする。これは、観念したほうがいい、よな。
「……………………はい、そのとおりです。知りませんでした」
「……んっ。素直に認めたから、今日はこれで許してあげます。……愛してますよ、敏則さん」
俺が頭をさげると、夕那は俺の頭を引き寄せ、軽くくちづけをしたかと思うと、にぱっと微笑んだ。
……やれやれ……俺は夕那から、一生離れることが出来ないのかも、しれないな――
夕那にいいように手玉に取られ、また、手玉に取られることを、
心のどこかで嬉しがっている俺がいることに気づき、そんなことを考えていた。
504497 ◆MABOUp7up. :05/01/15 13:38:06 ID:817q/5KN

「いただきま〜す」
月曜の昼、俺は職員室で、夕那の手作り弁当を広げていた。
生徒たちは、既に先週末で冬休みに入っていたが、俺たち教師は残務処理があったため、
学校に来ていたのだ。……まあ、師走というくらいだしな。

『この、都会の片隅で、世にもおぞましい事件が起きました。
この路地の、奥の空き地で、ホームレスの男性たちが、何者かに、惨殺されていたのです――』
「まあ、この年の瀬に物騒な、ねえ?」
「そうですねえ。この村は平和そのもので、よかったですよ、まったく」
と、職員室で放送していたテレビで、芸能キャスターが仰々しい表情で語っていた。
同僚の教師たちが、お茶をすすりながら、感想を述べている。
……まったく、メシ時にそんな話題を放送するかよ。
俺はそんなことを考えながら、テレビを何とはなしに聞いていたが、
次の言葉を耳にして、思わず固まってしまった。
『――しかも、この場所は、今年の夏、少女が父親に、暴行された挙句に殺害され、
その遺体を、放置されていた場所でも、あったのです――』
「まあ、何か関係でも、あるのかしらねえ?」
「そうですねえ。どうなんでしょうか、まったく」
『――事件を目撃したと思われる、やはりホームレスの男性は、
現在、ショックからか、口が聞けない状態にある、とのことです――』
「まあ、恐ろしい。どんな殺され方だったんでしょう、ねえ?」
「そうですねえ。あまり想像したくない出来事ではありますがね。まったく」
相変わらず同僚たちは、のんびりと感想を話し合っていた。
だが俺の耳には、半分以上届いてはいなかった。
――父親に殺されて、遺体を放置された――このひと言が、俺の心に深く残っていた。
そう、この弁当の作り主である夕那のことが、嫌でも連想されたのだ。
505497 ◆MABOUp7up. :05/01/15 13:38:38 ID:817q/5KN

「やれやれ、結局こんな時間、か……」
結局、仕事が一段落ついたのは、すっかり日が暮れてからのことだった。
ま、明日から休みだし、たまには夕那と二人で、どこかに遊びにでも行くとするかな?
そんなことを考えながら、俺は家の中に入り
「な、なんだあっ!?」
思わず大声をあげていた。そこには、巫女姿の夕那がいたからだ。
「あ、敏則さん! お帰りなさいです!」
「……ど、どうしたんだ、その格好?」
にこやかに出迎える夕那を、俺は呆然と見返した。
「これですかあ? 今年、二人で一緒に、初詣に行きましたよねえ?
あの神社で、巫女のアルバイトをすることにしたんですよお。似合いませんかあ?」
「な…なんでまた?」
夕那の突然の宣言に、俺は目を丸くさせていた。……いや、似合ってはいるけど。
……というか”あの神社”に初詣行ったあとに、えらい初夢をみてしまった覚えがあるのだが……。
「えっとお、これからのことを考えて、せめて少しでも、家計の足しになればと思ってえ。
それに、敏則さんが仕事で頑張っているのに、私だけ家でじっとしているのもなんですしい」
「ううん……そんな、気にするほどの、ことでもないのに……」
人差し指を顎に当て、軽く首をひねりながら答える夕那。思わず俺は、反射的にそうつぶやいていた。
「……それとも敏則さんは、夕那がアルバイトをするのは、反対ですかあ?」
「え? あ、い、いや。そんなことないよ。夕那がしたくてするのなら、何も問題はないさ」
俺のつぶやきに、夕那は首を反対側に捻り、必殺の上目遣いでこちらを見つめてきた。
この目をされると、俺は夕那に逆らうことなど、できなくなってしまう。
……まあ、夕那も家でじっとしているより、どこかで何かしていたほうが、いい気晴らしになるだろうしな。
506497 ◆MABOUp7up. :05/01/15 13:39:10 ID:817q/5KN

「そうですか、じゃあ大丈夫ですねっ! でも、袴って初めて着ましたけど、何だか歩きづらいですねえ」
夕那は俺の返事に満足したのか、にぱっと微笑み、両手を広げながらゆっくりと歩き出す。
確かに慣れてないせいか、足取りがおぼつかない。しかし、それにしてもこれは……。
「な、なあ夕那。巫女の衣装って、その一着だけなのか?」
「?? いいええ、洗い替えということで、もう一着用意してくれましたけれど、どうかしましたかあ?」
きょとんとした表情で、俺の質問に答える夕那。……そうか、ならば。
「きゃっ!? と、敏則さんっ!?」
次の瞬間、俺は夕那を抱きすくめたかと思うと、ゆっくりと床に押し倒した。
目をぱっちりと見開き、俺をじっと見つめる夕那。その表情は驚きと戸惑いの色に染まっている。
「ゆ…夕那……このまま、しようか?」
「と、敏則さ……な、何を言って……んふ……ん…っ……んんっ…」
俺の申し出に、夕那は慌てふためいていたが、
押し倒した姿勢のままくちびるを奪うと、夕那はそっと目を閉じ、俺の背に手を回してくる。
俺は、そんな夕那をしっかりと抱きしめ返し、しばしの間、じっと体を重ね続けていた――
507497 ◆MABOUp7up. :05/01/15 13:40:16 ID:817q/5KN

「……んふ…っ、と、敏則さん……」
「ああ……夕那……」
くちびるを離すと、とろんとした目つきで夕那が俺の名を呼ぶ。
上半身を起こした俺は、羽織に手を掛け、ゆっくりと胸元を広げた。
すると、この前見たようなブラではなく、幾重にも巻かれたさらしが姿を現した。
「なあ…こんなことして、きつくないのか?」
夕那いわく、『まだまだ成長過程にある』胸を圧迫しているさらしを見て、思わず問いかけてしまう。
「え? ……少し。でも平気です」
「そ、そうか……。じゃ、じゃあ、緩めてやらないと、な………」
夕那は、ほんのり顔を赤く染めながら答えた。そんな夕那の仕草に興奮してきた俺は、
まるでどっかのエロオヤジみたいな台詞とともに、さらしを脱がしにかかった。
「……と、敏則さん……あっ」
脇のところで、さらしを留めていた安全ピンをそっと外し、夕那の上半身を抱き起こす。
驚きの声を漏らす夕那に構わず、そのまま胸を覆っていたさらしを、ゆっくりと解いていった。
「……ん。ちょっと赤くなっちゃってるな」
「敏則さ…あ、あんっ。あっ、あ…あ、ああっ……」
結構きつく締められていたのか、さらしの痕が胸に赤く残っていた。
俺が指先で、軽くなぞってみると、夕那は途端に甘えた声を漏らしだす。
そんな夕那の声に操られるかのように、俺は夢中で夕那の胸を揉み続けた。
508497 ◆MABOUp7up. :05/01/15 13:40:47 ID:817q/5KN

「あんっ……と、敏則さん………」
ふたたび夕那を仰向けに寝かせ、今度は袴の中に手を潜り込ませてみた。
太ももに触れた途端、ピクリと全身を震わせ、声を漏らしながらも、ゆっくりと両足を開き始める夕那。
「さて。それじゃ、こちらは………」
俺は夕那の下腹部へと手を伸ばし、もう片方の手で袴を捲り上げ……
「………って、お、おい夕那」
「………え? ど、どうか、しましたかあ?」
思わず呆れ気味に夕那に声をかけていた。夕那が不安げな表情とともに、俺をじっと見つめる。
「あ、あのさ……片方の裾に、両足いれちゃってるよ?」
「え? ………あ、ああっ」
俺は、足が入っていないほうの裾を、ヒラヒラと掲げ、苦笑いを浮かべながら夕那に教えた。
……確かにこれじゃ、歩きづらくもなるよなあ。
夕那は一瞬、きょとんとした表情とともに、目を丸くさせていたが、俺が掲げていた袴の裾を見て、
状況を理解したのか、ゆでだこのように、顔を真っ赤に染め上げていった。
「ははっ。でも、ま、このほうが脱がしやすいから、いっか」
「と、敏則さん……」
俺はパンティに両手をかけながら、夕那の耳元でそっとささやいた。
そんな俺の言葉に、夕那は目を潤ませながら、つぶやきを漏らす。
「それとももしかして、こうするのが狙いだったの?」
「! も、もうっ! 敏則さんの意地悪っ!」
が、続く俺の言葉に、夕那はふたたび顔を真っ赤にさせたかと思うと、
俺の胸元を両手でポカポカと叩きはじめてきた。
「痛っ、ちょ、冗談だって夕那」
「ふん。敏則さんったら……ん、っ…」
俺が苦笑いを浮かべながら謝ると、夕那はポカポカを止める代わりに、
頬っぺたをぷくりと膨らませ、くちびるをとがらせる。
そんな夕那のくちびるをふさぎながら、俺は両手で夕那のパンティをずりおろしていった。
509497 ◆MABOUp7up. :05/01/15 13:41:19 ID:817q/5KN

「ん……ふっ、夕那……」
「あっ……と、敏則さん……」
くちびるを離して上半身を起こしながら、ゆっくりと夕那の両足を広げる。
夕那の秘所は、処女みたいにピッタリと閉じあわされ、まるで一本のスジのようだった。
「…っ! あっ、あ…ああっ、あんっ!」
そのスジをつつっと舌でなぞり、そのまま先端にちょこんとあるクリトリスを軽く咥えてみた。
すると夕那は全身をくねらせながら、甘い声をあげだす。
「あふっ! あっ、あっ、ああっ!」
さらに俺は、両手で閉じあわされた秘所を押し広げ、その中へと指を潜らせた。
中はすでに、熱い液体で満たされていて、興奮した俺は、自然と指の動きが早くなってしまう。
「あっ! ダ、ダメ! 敏則さん! も、もう夕那! 夕那!」
夕那が上半身を弓なりにさせながら、甲高い声をあげだす。
それでも俺は、夕那への愛撫をやめることは出来なかった。
「あ、ああ、ああっ!!………」
俺が軽くクリトリスに歯を立ててみると、夕那は四肢を突っ張らせながら、絶頂に達してしまった。

「ゆ……夕那……」
絶頂に達して、ぐったりとしている夕那を見下ろしたまま、俺はズボンとパンツをおろした。
露わになったモノは、夕那の艶姿に興奮して、完全に勃ちあがっている。
「あっ……と、敏則さん……。あっ! ああっ! ああっ、あああんっ!」
夕那は虚ろな目つきで俺を見返し、つぶやき声を漏らす。
俺はおもむろに、夕那の秘所にモノをあてがい、一気に押し入った。
途端に、夕那の目がぱっちりと見開き、口からはあえぎ声が漏れ出す。
「と、敏則さ……あ、あはっ! あっ! ああんっ!」
「ゆ…夕那……。愛してる…愛して、る……っ……」
一度絶頂に達したばかりで、敏感になっていたせいか、夕那はたちまち絶叫に近い嬌声をあげる。
俺はまるで、夕那の嬌声に操られているかのように、ひたすら腰を動かし続けながら、
うわ言のように声を漏らしていた。
「くっ……う、ううっ!」
「あ、ああっ、ああーーっ!」
ほどなくして、俺はあっさりと絶頂に達し、夕那の中へと精をほとばしらせていた――
510497 ◆MABOUp7up. :05/01/15 13:42:17 ID:817q/5KN

「もうっ、敏則さんたらあ。ちゃんとゴム付けてくださいって言ったのにい」
「あ、あはは」
頬っぺたをぷくりと膨らませながら、抗議してくる夕那に、俺は笑って誤魔化した。
……正直、生挿れ中出しのほうが、気持ちよかったりするしな。
「笑ってる場合じゃないですよお。本当に子どもが出来ちゃったら、どうするんですかあ?」
「ん。人生、何が起こるか分からないんだし、なるようになるだろうさ」
夕那は中腰になり、袴をたくし上げかと思うと、股を広げて下腹部に力を込めながら、俺をなじり続ける。
俺は夕那の股間から、糸を引いてしたたり落ちる精液を、ぼんやりと見つめながら答えた。
……冷静に考えてみれば、人間と幽霊の間に、子どもが出来ることもないだろうし。
「も〜う、敏則さあん。そんな行き当たりばったりじゃあ、これからが大変ですよお」
精液がこれ以上出てこないのを確認し、股間をティッシュで拭いながら、夕那の説教は続く。
「大丈夫だって。夕那が、俺のそばにいてくれる限り、な」
「と、敏則さ……っ、ん……っ……」
夕那をそっと抱きしめ、耳元でささやいた。たちまち夕那の顔が真っ赤に染まる。
俺はしどろもどろになっている、夕那のくちびるをそっとふさいだ。
……そうさ、夕那がそばにいてくれるなら、俺は何があったって、頑張ることが出来るのだから――
511497 ◆MABOUp7up. :05/01/15 13:43:04 ID:817q/5KN

「……んっ。あ、そうだ、敏則さん」
「なんだい、夕那?」
くちびるを離した夕那は、思い出したかのように、俺に話しかけてきた。
「大晦日の晩って、泊まりになっちゃうんだけど、いいですか?」
「へ? 神社に? 何でまた?」
夕那の申し出に、俺は目を丸くさせた。
……確かに、元旦は忙しくなるだろうけれど、別に夜中は誰も来ていなかったじゃないか。
「えっとお。大晦日の日に、あの神社で結婚式をあげる人が、いるそうなんですよお。
で、次の日は朝早くから、初詣のお客さんで賑わうので、すっごく忙しくなるみたいなんですねえ」
「ふうん、そっか。じゃあ俺たちは、三が日が終わってから、ゆっくり初詣をすることにしようか?」
「あ、そうですねえ。……もちろん二人一緒に、ですよね?」
「ああ、もちろんさ」
夕那は俺の言葉に目を輝かせながら、例の上目遣いでじっと見つめてくる。
俺はそんな夕那の視線に、吸い込まれるように返事をしながら、ふたたびくちびるをふさいでいた――

続く
512つぶやきマボ ◆MABOUp7up. :05/01/15 13:44:18 ID:817q/5KN
自分のタイムカレンダーは(略
とゆーか、書きあがったデータを予備のメモリにバックアップ取ろうとしたら、
いきなりパソコンがぶち落ち、データあぼーんという楽しい事態が勃発しました。
さらに書き直そうにもテンション元に戻すのに、1週間近く掛かったし……。
皆様、バックアップは小まめにとることにしましょう。

>◆SNuCULWjUI氏
いよいよ最終回ですか〜。果たしてどんな展開が待っていることか……。

>いつかのあいつ氏
クレアさんの心の中の声がイイッス。
……とゆーか、何てイイところで続くのですか! さあ、早く続きを! さあさあさあさあ(略

>猫の人氏
まだまだ続くおしおき……楽しみにお待ちしてます。

>名付け親氏
納豆……かつて日本で、主人公に納豆を食わされてキライになった、某溜め軍人を思い出す始末。
でも突然主人公に襲い掛かるとは……羨ましい(ぉ
今回の話で、死神がどこに出てきたかは、分かっていただける……はずです、多分。

> 320氏
お久しぶりです〜。レイチェルの姉御の天然っぷりは健在のようで何よりです。

>491氏
猫耳万歳。続きに期待しております。
513491:05/01/15 13:52:20 ID:S40h4dGv
>つぶやきマボ ◆MABOUp7up氏
読ませていただきましたー。
夕那さん可愛い…赤ちゃん出来るといいな〜なんて思いましたよ。
もう二人のラブラブっぷりがたまらなく大好きです。
自分も頑張ります。

序盤で珠姫がいろりの名前呼ぶのが、ちゃん付けになってたのでちょっと修正です…orz
ttp://www.degitalscope.com/~mbspro/userfiles_res/database/271.txt
他の部分の内容は一緒です…スミマセン
514マゾの宅急便2:05/01/15 16:53:20 ID:wdFB/ZGP
「今月も厳しいなあ・・・はあ」
ルーマニアっぽい所から、迫害を逃れてきた魔女・・・と言えば物々しい
が、今ここでため息をついたのは、家賃二万五千円の安アパートに住む、
比較的人畜無害な魔女だった。その名をマリーといい、当年とって十二歳
の、世にも珍しいチビッコ魔女である。マリーは、ジャパニーズドリームを夢
見てこの国にいる。郵政民営化に伴う規制緩和で、宅配業務に自らが闖入
・・・否、参入し、会社を興す夢を──

「もっと、宅配の仕事をこなさなきゃ・・・でも」
マリーは日本に来てから、空飛ぶホウキを使った宅配便の仕事をしてい
る。彼女は魔女なので、それごときは朝飯前・・・と言いたい所だが、若干
事情があって、仕事があまりはかどらないでいた。それは何故かというと、
「魔女でありながら・・・ホウキにまたがって空を飛ぶと、あそこが濡れちゃ
うなんて・・・魔女失格だわ!」
そう、マリーは人一倍敏感な女を持っていた。魔女の定番アイテムの空飛
ぶホウキをまたぐと、股間に甘い疼きを感じてしまうのである。これは、彼女
が迫害を受けた故郷で受けた、マゾとしての調教に端を発している。

「敏感なんだよなあ・・・」
部屋の片隅に立てかけたホウキを見るマリー。すると、それだけで股間が
熱くなってくる。あの某きれが、自分に甘い愉悦をもたらせてくれると考える
だけで、たまらない気持ちになってしまうのだ。
「慣れることって、出来ないのかしら」
ホウキを手にとり、またがってみる。呪文は唱えずとも、ホウキはマリーの
言うことなら何でも聞いてくれる。しかし、これがやっかいなのだ。
515マゾの宅急便2:05/01/15 17:17:53 ID:wdFB/ZGP
「飛んで」
マリーの命が発せられると、ホウキは易々と宙に浮いた。すると当然、
彼女の足は床から離れ、ホウキの柄は少女の股間へ食いつく。
「ううッ!」
ジーンと熱いざわめきが、マリーの割れ目を襲った。それと同時に、彼
女の脳裏に故郷で受けた辱めの数々が浮かんでくる。
(可愛いマリー。わしのコックをしゃぶるんだ)
(やめて、おじさま)
マリーは、故郷では幼い娼婦の扱いだった。魔女狩りと称し、彼女が住
んでいた村では、毎夜のごとく男たちがマリーの家へ押しかけ、いわれ
のない陵辱にあけくれた。昼間は善人の顔を持つ者も、夜が来ると変貌
する。誰も彼も皆、マリーの体を求めて狂ったのだ。

(私、魔女だけど、誰にも迷惑かけてないわ。ママと二人で静かに暮らし
ているだけ。それなのに、どうしていじめるの)
(それが決まりだからさ。魔女は悪いやつなんだ)
(よして!私、何も知らないわ。何も悪い事なんかしていない!放して!)
(駄目だよ、マリー。言う事を聞かないと、縛り上げるぞ)
男たちは決まって、マリーを縄で戒めた。その上、獣の如き欲望は彼女
の母親にも向けられたのである。そうしてマリー母子は、共に尻を並べて
犯された。

(ああ!娘は、マリーはどうかお許しを!まだ、子供です!)
マリーの母は、自分はともかく子供には慈悲を!と叫んだが、その願いは
聞き入れられなかった。男たちはむしろ、母親の目の前で娘を嬲り者に
することを愉しんでいるようだったと、マリーは記憶している。
516マゾの宅急便2:05/01/15 18:11:49 ID:wdFB/ZGP
(ああ、ママ・・・)
(ああ、マリー・・・ママを許して・・・)
マリーは可愛いぬいぐるみを置いた、自室のベッドで男たちを迎え
入れた。そのすぐ隣では、彼女の母親も群がる男たちの辱めから
抗えきれず、なすがままになっている。男たちは入れ替わり立ち代
わり、母子の間を行き来した。特に、マリーの場合はその幼い体が、
男たちのあさましい欲望をそそってしまう。

(子供のくせに、なんていやらしいんだ)
(誘ってやがるぜ。さすがは魔女の子だ)
ベッドへ押さえつけられ、衣服を剥かれたマリーは、男たちの嘲りに
何の反論も出来ずに犯された。陵辱は破瓜に始まり、マゾへの調教
へと続く。それは、長い道のりであった。
(どうして、男の人はこんな事をするのかしら)
天井から縄で吊られたマリーは、男たちの辱めに身悶えしながら、よ
くそう思ったものだ。鞭やロウソクでの責め。アナルセックス。そして
輪姦・・・マリーはそれらによく耐え、また従っていった。それらを経て、
幾年かの月日が流れたとき──

『調教済みのチビッコ魔女』

という、ちょっと危険な香りのする少女になったのである。
517マゾの宅急便2:05/01/15 18:33:16 ID:wdFB/ZGP
その甲斐あってか、マリーはホウキにまたがると、己の体に刻まれた
マゾの部分を覗かせてしまう。ホウキは、調教された時に乗った三角
木馬や、体に打たれた縄を思い出させてしまうのだ。

「イクッ!」
忌まわしくも淫らな過去の記憶と現在がクロスし、股間への責めも助け
となってマリーは達した。と、その時である。彼女の割れ目に食いつくホ
ウキが、『イク』と『行く』を聞き間違えたのは。
「あ、あれれっ?キャーッ・・・」
ゴーッという凄まじい音と共に、マリーの体はアパートの窓を突き破り、
あっというまに空の上へ。どうやらホウキが、行けと言われたと勘違いし、
外へ飛び出したらしい。それも、マッハ2を超える猛スピードで。と、なれ
ば、当然アパートは・・・・・

「キャー!あたしの部屋が!」
すでにマリーは雲上の人ならぬ、魔女。振り向けば彼女が住んでいた
アパートはその衝撃で崩壊し、灰燼と化していた。安普請だったが、なに
より家賃が安かった。日用品もすべてあそこにある。しかし、マリーはあ
そこには帰れそうにない。帰れば、アパート崩壊の犯人として、お縄にな
ってしまう。
「イクの意味が違う!」
バカバカとホウキに八つ当たりをするマリー。しかし、相手は物言わぬ
ホウキ。いくら彼女が怒っても、粛然としている。
「うわーん!また、一からやりなおしだあ!」
帰る場所も無くした魔女の嘆きを、この日は街のあちこちで聞く事が出来
たというのは、後日談。ってことで、おしまい。
518名無しさん@ピンキー:05/01/16 07:59:13 ID:qEaRZayM
まさかの続編キテル━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!!!!
相変わらずの腰砕け系ギャグにワラタ
519名無しさん@ピンキー:05/01/16 10:47:33 ID:QIEuOzsO
GJ
まさか続編があるとはw

480kb過ぎたらDAT落ちの可能性だっけ?
そろそろ次スレかな?
520名無しさん@ピンキー:05/01/16 18:45:25 ID:HpX7k+GI

【妖怪】人間以外の女の子とのお話11【幽霊】
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1105867944/

dat落ちの条件
1)981発言以上あり、1日レスが付かなかった場合
2)480KB以上あり、1週間レスが付かなかった場合
3)nレス以下で1日レスが付かなかった場合(通称:即死・基本的に非公開が原則)
4)801スレ以上になった場合、発言のなかった順に101スレ(通称:圧縮)


……条件2)を満たしてますので、次スレ発動させましたです。
521名無しさん@ピンキー:05/01/16 18:50:08 ID:HpX7k+GI
>517
乙乙でっす。
で、次回は住む場所を求めるマリーの苦労ハァハァ話が待っているわけですね?
522名無しさん@ピンキー:05/01/16 23:32:54 ID:D2lMA0oT
アホな質問なのかもしれないんですが
ひでぼんの書の作者さんの
「魔法怪盗団 はいぱぁ☆ぼれあ 〜七つの願い〜」
ってどこかに掲載されているのでしょうか?
523名無しさん@ピンキー:05/01/16 23:40:19 ID:HwyyK8vN
>>522他スレでの返答の文章を転載
>>91 「魔法怪盗団 はいぱぁ☆ぼれあ」
作者師の言によると(【妖怪】人間以外の女の子とのお話8【幽霊】より)、
> 282 名前:なつかしいあなたへ ◆SNuCULWjUI :04/09/28 07:39:00
>
> 書き進めている内に、設定厨にありがちな、俺設定&俺キャラ暴走なオナニー作品になってしまい、
> 通常のHPに掲載するならともかく、2ちゃにUPするにはあまりに痛いとの判断で、中止する事にしました。
との事です。具体的には、
> 345 名前:書〜なつかしいあなたへ〜作者 ◆SNuCULWjUI :04/10/03 16:31:03
>
> 1、エッチシーンが少ない。
> 2、戦闘シーンばかり。
> 3、それ以前に、『人間以外の女の子』が登場しない。
近く、自サイトを開設してそこで公開するという話って書いてたよ。
524名無しさん@ピンキー:05/01/16 23:52:35 ID:D2lMA0oT
>>523
そうだったんですか、情報ありがとうございます。
なつかしいあなたへの最終章ともども
ゆっくり待つことにします。
525名無しさん@ピンキー:05/01/17 00:50:30 ID:QBFTwXH5
初めて買ったエロゲは天使人形。
これはエルフ・阿修羅・鬼?など人外しか出てこない夢のようなゲームだった

サリエラかわいいよサリエラ
526名無しさん@ピンキー
まだ落ちないか