>1乙
即死回避〜
神のご光臨をお待ちしております
>1、乙です。
ガンガッテこのスレも育てようね
>1乙
此処もとうとう八枚目かえ。感慨深いねえ。
ところで司書殿は如何お過ごしかえ。
たまには顔を見せてくれろ。
乙。
このスレも栄えますように。
>1 乙。
まだかな?
oyu and hosyu
13 :
1乙:04/09/21 10:39:00 ID:nbjnK8Jm
>11
お湯?
@@@@
オツカレ( ^-)_旦~~
いな へヘ
いん // ⌒丶 .新
言と .(从ハ.从) ス
葉聞 .)§´∀`リ レ
かこ .(.‖∀‖.) !
|え U|_____|U
|の ∪∪
! !
保守
18 :
名無しさん@ピンキー:04/09/21 17:30:59 ID:5iGd518q
ホシュがてら。
妖魔や使令って、もっとこのスレで使えそうな気がする。
ヒンマンのエロ版みたいな人妖がいたりとか。
その人妖がとりつくと、もう誰もたちうちできず・・・(以下ry
あげてしまった・・・
その人妖のこと考えてたから・・・
イイネェ>19
その人妖はヒンマンとは逆で、人間の下半身のみという姿をしている。
黄海でいきなり出くわすとビクーリします。
>21
黄海って・・・・・・・・・・・・・誰と出くわさせるおつもりで?
otu
>22
種族名はヒンマンの反対でマンヒンっていうの考えたけど、
通称、下ヒンマンでもオケ。
珠晶の昇山時にも現れたが、あまりにも下品な話になるため、無かったことに
されている。
このような人妖なので麟を好み、つけまわしたりする。
麟のほうでは特に欲しい使令ではないが、目があってしまったら、使令に下す
しかない。にらみ合いを続けねばならない。例え相手の形状が変わってこようとも
目をそらすことはできない。それでたいがいの麟はマンヒンを保有している。
麒ほ場合はむしろちまなこになって、これを使令にしようと探しまくっている。
景麒が八卦の勉強を頑張ったのも、マンヒンを得たいというモチベーション
あってのことだ。おかげで前王を虜にすることもできたのである。
だが、現在はマンヒンの出番は無く、機を窺っているところである。
マンヒンの腕がにぶるといけないので、時々、桓タイにかしだして、
喜ばれているとのことである。
あるいは、珍満(チンマン)とかね。
本当に書いてみましたともよ、エロ人妖。
ふたなり主上と景麒なもので、もしかすると景麒が某棒を攻めている辺り801っぽくなってしまってるかも知れません。
賓満には亜種がいる。
いや、便宜上亜種としているだけで、本来は全く別の人妖なのかも知れない。
ともかく、その人妖の頭にあたる部分には人の顔の代わりに、人の陰部のようなものが付いていた。
雄と雌がいるが、これも恐らくは便宜上の分け方に過ぎない。
ただ、付いているのが、男根か、女陰かというだけの違いであろう。
「で」
陽子は口を開いた。
「その人妖は一体何の役に立つんだ?」
景麒は応える。
「わざわざ私が話さずともお分かりになりましょうに」
口の端ににやにや笑いが浮かんでいる。
――こいつは、その手の話をする時は妙に楽しそうになる。
陽子は思った。典型的なムッツリスケベだな、と。
「まあ、何となく想像はつくけど」
「それでほぼ間違ってはおられないと思いますよ、主上」
陽子は溜息をついた。
「何で私にそんな話をする」
「主上が、私の使令について聞きたい、と申されたからでは?」
「んなっ……。まさか、お前そいつを連れてるのか!?」
「はぁ」
何に使っているのやら。陽子は改めて、この麒麟の悪い意味での底の深さを知ることになったのだった。
――夜。
公務を終え、一人沐浴をする陽子の後ろから、見慣れた海月のような触手が伸びてきた。
「……冗祐か?」
何かあったのだろうか。
何故、冗祐がここにいる?
陽子は嫌な予感がした。
或いは、景麒が陽子を呼びに来たのかも知れないとも思ったが、それならば本人が来れば良いことで、使令を使う意味はない。
だとすれば考えられるのは、景麒本人が来られる状況にないという可能性。
それ程の、緊急事態。
「何があった、じょうゆ……!」
ざばりと湯から上がり振り返る。
と、思いきや、目に入ってきたのは、見慣れた冗祐の顔でなく……。
見慣れない形をした、
「……な、」
棒状の、
「……なっ、」
何か。
「何だっ、お前はぁっ!!」
大きく怒鳴り声をあげた陽子ををよそに、それはふわりと舞い上がる。頭の上を飛び越えて、再び陽子の後ろに回りこんだ。
「うわっ!」
逃げようにも、ここは湯の中。
足を取られて逃げ出せない陽子の首のうしろに、ごとんと長いものが乗った。あの『棒』が乗ったのだとわかった。冷たいぶよぶよとしたものが肌を伝って下に降りていくのを感じた。
「こら! お前、離れろ!」
冷えた糊のようなものが背中から腕を這う。同時に強くなにかが押し付けられる感じに、陽子はデ・ジャ・ヴを覚えた。
いきなりのことに、なかばパニックをおこしながら両手で首のうしろを払った時には、もうなんの手ごたえもなかった。
代わりに、股の間を覆った茂みから、見慣れない棒のような――そう、ちょうどさっきの偽冗祐の顔の部分に生えていた――ものが顔を覗かせていた。
確か、これは、小さい頃に見たことがある。
お父さんと一緒にお風呂に入ったときだっただろうか。
……などと、下らないことを考えるまでもなく、
「……景麒ぃぃぃぃぃッ!!!」
王宮に陽子の激怒した絶叫が響き渡った。
「……お前という奴は、自分の使令の面倒も見られないのか?」
「め、面目次第もございません、主上!」
服を着るのももどかしく、というか、こんな有様を女官に見せるわけにもいかず、陽子は裸に布を一枚巻いたままというしどけない格好のまま、景麒を叱り飛ばしていた。
「ひ、昼の主上との話を聞かれていたようで、殷恵が久々に張り切ってしまいまして……」
「インケイ?」
「そやつの名です」
「そんなストレートな……」
陽子は頭を抱えて、壁にもたれかかった。
それよりも、聞かなければならないことがある。
「で、こいつはどうやったら離れてくれるんだ?」
「それは、私が呼べばすぐにでも」
「じゃあ、すぐにでもやってくれ」
「は。……戻れ、殷恵」
景麒の鋭い声が響き渡った。
陽子の股間にあるものがその声に反応し、びくん、と動く。
しかし、離れない。
「景麒……」
「あれ、へ、変ですね……。戻れ、殷恵!」
再びの景麒の召還にも、そのインケイとやらは離れる気配を見せなかった。
「あ、はは。申し訳ありません、主上。駄目、みたいですねぇ……」
「あ?」
「さ、最近使ってやっていなかったので、どうも、た、溜まっているようです。これは、もう殷恵を満足させてやるしか、引き離す方法はないかなぁ、なんて……」
「ほう、そうか。ふふふ……」
陽子は、知らず知らずの内に笑っていた。
怒りも限度を越えると笑うしかなくなる、というのは本当のことであるらしい。
「で、聞くまでもないことだが、その満足させるというのはどうやればいいんだ?」
「や、やはり、一発ヌイてやるのが……」
「……さっさとやれ」
「は、はいっ!」
体を覆っていた布をめくり上げる。
だらりと垂れ下がった、インケイが露わになった。
その如何とも表現しがたい姿を見ているうちに、ふと陽子は気付いた。
怒りに任せてついやってしまったが、今、私のしていることは何だろう。
普段と違う形になっているとは言え、男性である景麒の前に秘所を晒している。
実は、ものすごく恥ずかしい事をしているのではないか。
と。
途端に、怒りとは違う意味で頭に血が上った。
一刻も早く、これを終わらせなければならない。
しかし、肝心の景麒はというと、何故か陽子の前で固まっていた。
その表情から察するに何事か逡巡しているようだ。
「何をしてる、景麒。早くしてくれ!」
「畏れながら、主上。わ、私にはこの行為、スレ違いではないかと思われるのですが」
「何が擦れ違いなんだ? 訳の分からないことを言うんじゃない」
「しかし……」
「頼むから早く終わらせてくれ。
……このままでは、恥ずかしくて死んでしまいそうだ……」
言葉の最後が消え入るように力を失っていった。
その陽子らしからぬ響きを聞いた景麒は彼女の顔を見上げる。
そして、その顔からつい今しがたまでの怒りが消えていることに気付いた。
瞳には涙さえ溜まっている。
「お願いだ、景麒……」
「主上……」
ずきゅーん。
景麒の心を何かが打ち抜いた。
「わかりました! 誠心誠意を込めて、私の持てる限りの力を尽くしましょう!
なに、毎日毎日三回は自分で弄っている代物です。やり方なら熟知していますとも!」
そう言うやいなや、景麒は手を伸ばし陽子の『もの』に触れた。
刺激しすぎないよう、初めはゆっくりと棹の部分に指を滑らせる。
「ん……」
慣れない感触に、陽子は思わず声を漏らした。
快感はまだそれほど大きなものではなかったが、恥じらいが手伝ったのかもしれない。
その甘い吐息に気を良くし、景麒はわずかに指の動きを早めた。
しかし。
程なくして、再び景麒の動きが止まる。
「……どうした?」
「おかしい……。勃ちません、主上……」
「勃たない?」
「はい。普通は、ここまですれば多少なりとも勃起の兆候が見えるはずなのですが、今回は全く……」
そこまで言って、景麒はある可能性を失念していたことに気付いた。
――まさか。
いや、あきらめるのはまだ早い。
他にも手はある。
「主上、ご無礼を!」
景麒は素早く手を伸ばすと、陽子の上半身を覆っていた布までも引き剥がした。
陽子は一糸纏わぬ姿になる。
「何をする!」
その言葉を聞かなかったことにし、景麒は陽子の胸に口を寄せた。
育ちきらぬまま神籍に入ったが故、未だ十代のあどけなさを残す慎ましい乳房に舌を這わす。
周りから徐々に中心へ、円を描くように動き、最後にその頂点にある桃色の乳首を口に含んだ。
転がすようにして舌先でそれをくすぐるうち、次第にそれはぷっくりと勃ちあがり、その姿を主張し始めた。
「……ん、景麒……」
陽子は何がなんだかわからないまま、その行為を甘受していた。
何故、突然景麒が手を動かすのをやめたのか、インケイでなく陽子本人を攻め始めたのか、理由はわからない。
景麒のことだから、突然発情してしまったとも思えなくはないが、その必死さを見る限り、今だけはそれはなさそうだった。
何より、陽子自身景麒の舌をもっと味わっていたいと思う。
「……あんッ!」
抑えが利かなくなる。
陽子は自分の身体の変調に気付いた。
熱い。
全身が火のようだ。
いつも――陽子だって自慰くらいはする――よりも激しく、わずかな刺激でも敏感に身体が反応してしまう。
まるで全身が性感帯になってしまったように、皮膚の表面をなでただけで気持ちがいい。
「……ねぇ、景麒ぃ……」
「何か?」
「……その、異形の賓満には性感を高める能力もあるのか……?」
「何をおっしゃる。元々その為の妖獣です。主上にあってはならないものが生じてしまったのは、あくまで性別の合わぬ賓満を宿したがための副次的な作用なのです」
「……嘘」
「ですから、恥ずかしがる必要はありません。別に主上が淫乱な女性になってしまったわけではないのですから」
「……平然と、そんな言葉を、使うな……ッ!」
「しかし、やはりというか、私の予想は誤っていなかった……」
「どうした?」
「殷恵をご覧になっていただけるか?」
陽子は言われるまま視線を下に降ろした。
「何だ、これは……」
陽子は当然、あれだけの快感を得ている以上終わりも近いものと思っていた。
しかし、股の間に鎮座するインケイは未だ全くその形を変えることなく、垂れ下がったままだったのである。
「何でっ? どうなってるんだ、景麒!」
「私も初めて知りました。この賓満は『雄』です」
「は?」
「何に憑依していようと、彼奴が求めるものは『雌』だということなのです」
「つまり……」
「私では、殷恵を絶頂に導くことはできない……」
陽子は絶句した。
「……何故だ、お前、いつも使っているようなことを言っていたじゃないか! ということは、男の手でも、その、何だ、絶頂させられるんじゃないのか!?」
「自慰というのは本質的に異性を想像して行うものです。殷恵はそれを私を通じて感じ取っているということでしょう。
しかし、今は、殷恵にとってみれば『男に責められている』という状況。全く、物を観察し、考える男根とは性質が悪い……」
悔しそうに景麒が呟いた。
「じゃあ、どうすれば……」
そう、陽子が尋ねかけたその時。
「どうしたの、陽子……っ!?」
扉が開き、祥瓊が顔を覗かせた。
「ご、ごめんなさい。さっき、陽子の大きな声がしたものだから、私何かあったのじゃないかと思って飛んで来たのだけれど……。
お邪魔だったみたいで……」
「待って、祥瓊!」
陽子が叫ぶ。
ぴくり、とようやく殷恵が反応した。
〈たぶん続く〉
>>37 乙です!
もしかして、景麒の後ろのショジョwを攻めるのかと思い期待しつつチョトドキドキしてたんですが、
祥瓊登場となると…どっちのシチュも捨てがたいw
39 :
名無しさん@ピンキー:04/09/22 10:01:49 ID:gonUJ1kR
>>37 乙です〜!!
職人様が、期待の新キャラ珍満(この種族名考えてくれた方dクス)
をさっそく活躍させてくださった。
自分は、雌の妖魔は女怪のみとのことなので、単に、珍満が女性にとりついた場合は
その人をものすごい淫乱にしてしまう、とかを考えてました。
つつしみ深い女性だと、
「いやぁぁぁ、珍満をつけるのだけはやめてぇぇぇ!!!」
とかね。
珍満には、男性に対しては、サイズアップ、絶倫化、テクニックを最高レベルに向上、
快感増強などの効果があると思います。
連続ですが
>>29〜37
これが珍満にとっての、物語の始まりである。
赤楽三年九月、上、珍満を遇し、立つ。
そういえば実家の近くに珍満ってラーメン屋がある
>42
食ったら妄想zenkaiか
景麒に雌のをつけてそこだけ女にした上で陽子にヤられるというのもいいな…w
45 :
名無しさん@ピンキー:04/09/23 15:26:12 ID:KezLYYbf
これより下、景×陽SS投稿させていただきます。
46 :
景×陽:04/09/23 15:31:47 ID:KezLYYbf
―――はじめは決まって、額。
向かい合って座った寝台の上でそっとそっと羽根の様に落ちてくる口付けを受けとめる。苦しいほどの鼓動はまだ私だけのもの。始まりの合図を一つ私に与えた後必ず微笑む、安心の表情。
「―――まだ、信じられないんです」
そう言ったのはいつのことだろう。今ではもう言葉にすることはないけれど。そうするうちに唇が額からゆっくりと下がってくる、私は目を閉じて体を包む腕にしがみつく。瞼に触れた唇に体がぴくり、と反応して微笑されてしまった。
「お可愛らしい、本当に」
公務では聞くことのできない柔らかな声で呟くと、私は目の前の半身を軽く睨みつけた。
「・・・・ばか」
「誉めているんですよ?」
「そんなもの、嬉しくない・・・・・っん、」
重ねられた唇は熱い、今までで一番、いつもそう思う。口内に入り込んだ舌が上顎をなぞる、体の中に湧き上がる波に気付いた。無我夢中で舌を絡めれば、波はゆっくりと満ちてゆく。
「ぁ、っ・・・は・・・・」
離れる前に必ず唇をなぞる、その癖が溜まらなく好きだなんて恥ずかしくて言えないけれど。呼吸がし辛くて荒い息を吐きながら体を預けた。胸に顔を押し当てて鼓動を聞いてみる、二人だけが共有する激しい心臓の音がただ嬉しくて。
「あ、あっ・・・・んっ・・・」
首筋を辿る唇と肌に直接触れた手の平に意識が飲みこまれてしまう、本当は少し・・・・怖い。
47 :
景×陽(2):04/09/23 15:37:47 ID:KezLYYbf
「主上、主上・・・・・」
けれど、呼んでくれるから。何度も何度も飽くことなく、手で唇で舌で、隅々まで余さず愛されて求められる。
いつも何も考えることができなくなるまで溶かされてから熱くて大きな何かが体の中へ入ってくる。ゆっくりと、時には乱暴に。誰よりも傍に近づける、その切なくて愛しい瞬間。
「今、私は誰よりも貴方に近い・・・・?」
心の内を読んだかのような言葉に頬が緩む。月明かりに照らされた金糸のような鬣。上から覗きこんでくる夜に濡れた紫。
その瞳に煽られて背中にまわした腕に力を込め、体を引き寄せて私から唇を重ねた。すると目を零れ落ちるかと思うほど大きく見開いてこちらを見つめてくる。
自分は信じられないほど強く求めるくせに求められると途端に驚いた顔をする、悪い癖だ。
「・・・景麒・・・?」
「本当に・・・・どれだけ貴方を愛せばいいのか、自分でも分かりませんよ」
呟きはとても小さくて苦しそうで、そして―――
48 :
景×陽(3):04/09/23 15:38:57 ID:KezLYYbf
「あっ、んっ、ぁっ・・・・・・・」
すぐに訪れる快楽の波が全てを押し流してしまう。突き上げられるたびに聞こえる己の声が恥ずかしくて耳を塞いでしまいたい。それなのに、その羞恥すら見透かされて。
「いい声です・・・・もっと聞かせてください、もっと」
「んんッ!!あっ、いや・・・・・だめっ、・・・・・!」
今ではもう私よりも私の体を知っている。一度引き出した楔をもう一度深く突き立てられ痛いほどに首を反らせた。
頂上が近い、体の中に溜まった熱がそれを知らせる。
硬く瞑った瞳を開けば目に飛び込んでくる、いつもの冷静な顔からは想像できない夢に浮かされたような表情、辛そうで甘いそれはひどく艶かしい。
「あ!やぁ、―――っ、ぁ…ああああ…っ!」
白い閃光が頭の中で弾けるのと、躰の奥深くに吐き出された熱い迸りを感じたのとは同じ瞬間。
「―――っ・・・景麒・・・」
体から力が抜けていく。息を吐くように名を呼べば身を屈めて額に口付けられる、始まりと同じ掠めるように優しく。朦朧とした意識の中ではっきりと感じた私だけが知っているその癖が、私をひどく幸せにした。
初心者?
上手いけどメール欄に半角でsageと入れてくれないか。
誰だ家庭板のパラヒキスレに誤爆したやつは(w
すんません、新作投下してよかでしょうか?
基本、尚 x 陽ですが、その他に泰麒なんかも登場しちゃいます。
エロ度少ないっす。しかも長い。
お目汚しですが、宜しくお願い致します。
雁国王都関弓。
天地を貫くように高くそびえる山の頂きには延王の居宮、玄英宮。
その正寝には一人、そわそわと落ち着かない様子の雁国宰輔、延麒六太の姿。
「延台輔」
そんな六太の背中に朗らかな声を掛ける涼しげな女性の声。
振り返ると六太は思わず破顔する。
「陽子!」
六太が嬉しそうに陽子に駆け寄る。朝日がきらきらと陽子の緋色の髪に反射する。自分を見守る
翡翠のような美しく優しい瞳。
「景麒はどうした?」
「一緒に来るよう言ったのだが、王と宰輔が同時に国を離れるのはよろしくない、と」
陽子が肩をすくめる。
「先だっての泰麒の蓬莱からの帰還に関するご尽力に関しては、主上より深く御礼申しあげて
下さい、だって」
「まあ、公式な訪問と言っても、迎えるのは俺と尚隆だからな。陽子もたまには気を抜くのが
必要だ、って気を利かせてくれたんだろ」
「そんなに気の利く奴じゃないと思うのだが・・・まあ、実際、景麒が傍にいるといつも見張られて
いるような気がして落ち着かないのは本当かな」
二人は顔を見合わせて笑う。
泰麒の帰還に関し、一方ならぬ尽力を賜った雁には早々に礼に出向かねばならないところ、安寧
にはまだ遠い慶国の女王である陽子は雑事に追われ、気がつくと丸一年が経ってしまっていた。
久しぶりに訪れる玄英宮は陽子にはどこか懐かしく、あたたかく感じられる。
(ここで、私は慶の王として立つことを決めたようなものだ――――)
陽子は遠い思い出に、一瞬身をゆだねる。
「じゃあ、俺はちょっと用事があるから行くけど、陽子は尚隆に挨拶でもして来なよ。あいつ、
かなり不機嫌だろうから」
「不機嫌?尚隆殿が?」
急に現実に引き戻されるように、陽子は六太に視線を戻す。
「俺の方が先に陽子に会ったってだけであいつ、絶対むくれてる。陽子に惚れてんだ、尚隆は」
「!」
絶句して赤面する陽子を横目に、六太はくつくつ笑いながら扉に向かった。
六太が扉の握りに手を掛けた瞬間、反対側からおもむろに扉が開いた。六太は思い切り顔を
ぶつけ、尻持ちをつく。
「延麒!」
陽子が慌てて六太のもとに掛けより、顔を押さえる六太をその腕に抱く。きっ、とぶつけた人間を
睨みつけると――――――
「――――――尚隆殿」
陽子は痛い痛いと顔を押さえる六太の髪の毛を無意識に撫ぜながら、その偉丈夫をぽかんと
見上げる。
「おい、小猿。いい加減に痛がる真似は止めて景王から離れろ」
「うるさいなぁ。お前、もうちょっと扉を開ける前に注意しろよ!」
六太が陽子の腕にしがみつきながら、尚隆に文句を言う。
「扉の前に人がいるかどうかなど、俺に分かる訳がない。どのように注意しろと言うのだ?」
にやにやと尚隆が笑う。
「屁理屈こねるなよ。だったらもうちょっとゆっくり扉を開けろ。これが陽子だったらどうするん
だよ!陽子の顔に傷でも作ったらお前、慶に出入り禁止になるぞ!」
「陽子だったら、扉を挟んでいても分かるさ」
さらりと尚隆が言う。
「いいから、離れろ」
ひょい、と六太を陽子の腕から奪い、持ち上げると尚隆は六太を廊下に出し、そのまま扉をばたん
と閉めた。
「おいっ、尚隆!俺を犬っころか何かだと思ってるのかよ!何だよ、その態度は!」
扉の向こうから六太の罵声が聞こえる。一しきり怒鳴った後、六太は足音高く立ち去って行った。
「すまんな、うちの麒麟は礼儀がなっていなくて」
肩をすくめて尚隆は言う。そして、いまだぽかん、とした様子で座り込んでいる陽子に尚隆は微笑
みながら声を掛けた。
「・・・どうした?お前も六太のように抱えてやらねば立ち上がれないか?」
「これは失礼を!」
陽子は顔に朱を昇らせながら慌てて立ち上がると、身なりを繕った。
「・・・惚れているからな」
尚隆はぽそりと言う。陽子はどきり、と最前の六太の言葉を思い出す。
(「陽子に惚れてるんだ、尚隆は――――――」)
「・・・六太は陽子に惚れているからな。いや、というよりは懐いていると言う方が正しいか。何せ
陽子が来たと言えば犬ころのように走って駆け寄っていく始末。陽子会いたさに、執務を放り出し
てちょくちょく慶に遊びに行ってるぐらいだからな」
くつくつと尚隆が笑う。
「いえ・・・延台輔には本当に親しくして頂いて。いえ、そうでなくて大国である雁の台輔にこのよう
に深い誼を結んで頂いて、何と言うか・・・あの・・・」
胸の鼓動は収まらず、陽子はしどろもどろに場に相応しい言葉を見つけようとする。
(もう・・・延麒があんな事言うからだ!)
尚隆はそんな陽子を目を細め眩しげに見つめる、と、ふと気付いたように陽子の髪に触れた。
「髪が・・・乱れておる」
突然鋭い痛みを受けたかのように、陽子の心臓が拍を一瞬止める。
「あっ、さっき、しゃがんだ時に髪留めが取れてしまったのかも・・・」
陽子はこれ以上ないまでに赤面した顔を隠すかのように、ぱっと下を向き、跪くと髪留めを探す
振りをして呼吸を整える。
「ほら、お前の足元にあるではないか」
陽子の瞳に合わせたのだろう、翡翠の飾りがついた髪留めをひょいと拾い上げると、尚隆が陽子
に手渡す。
「かたじけない」
陽子が尚隆の手から奪い去るようにして髪留めを手にすると、手を頭の後ろにあて、髪にそれを
留めようとする。が、陽子の手は震え、こつん、と音を立てて髪留めはまた床に落ちてしまった。
「見ておれんな」
ふう、と嘆息し、髪留めを拾ってやろうとしゃがんだ尚隆と、同じく慌ててしゃがんだ陽子の手が、
髪留めの上で重ね合わされる。
熱いものにでも触れられたかのようにぴくりと体を震わせ、陽子がはっと見上げると、そこには男
らしいがとても端正な尚隆の顔が間近にあった。陽子は息を詰め、尚隆を見つめる。尚隆は重ね
た手に一瞬、力をこめた。陽子は自分の手に万力の力を掛けられたかのように動けないでいる。
「陽子・・・」
尚隆がつぶやく。陽子は魅入られたかのように息さえ出来ない。
尚隆の顔が陽子の顔に近づく。
陽子がふっと目を閉じた瞬間――――――――
「大変だ!」
飛び込んできたのは蒼白な顔をした延麒六太。
はっ、と手を離し、陽子は立ち上がると咄嗟に自分の胸に手をやった。どき、どき、と打つ自分の
鼓動が部屋中に満ちているかのようだ。
尚隆は落ち着き払って六太に問う。
「どうした。何があった」
「李斎が、ぶっ倒れた泰麒を飛燕で運んで来た!」
「何だと!?」
尚隆が驚いたように叫ぶ。
陽子は自分の体からすっと血が下がるのを感じた。
「た、泰麒の様子は!?」
陽子は六太に詰め寄る。
「――――――わからない。今、黄医が診てる。命に別状はないらしい。でも、目を覚まさないまま
だ。李斎も深手を追っているらしく、別室で瘍医が診ている」
「・・・今、我らが出来る事はないだろう。だが、心配だ。六太、泰麒の様子を見に行くぞ。陽子、
お前も来い」
陽子は顔を硬くし、六太と尚隆の後に続いて部屋を走り出た。
部屋には髪留めが一つ、夢の名残りのようにひっそりと床に横たわっている。
牀榻に横たわる戴国台輔、泰麒。
その面は蒼白だが、苦しげな様子はない。むしろその奇妙に静謐な様子は、陶器で出来た人形を
思わせた。尚隆、六太、陽子の三人は枕もとにそっと近寄る。
「…死臭だ。血の、匂いも」
六太が顔を顰めて後じさる。黄医が綺麗に拭い取ったのであろが、表面的には全く窺えない血の
汚れでさえも、麒麟である六太にとっては辛い。
「血を流した李斎に抱きかかえられるようにして運ばれてきたんだ。血の匂いもまだ新しいので
あろう。六太、お前は無理をしないで下がっておれ」
尚隆は静かに言うと、六太を促し退室させる。
「…痛々しい。こんなにも痩せて…」
陽子は切なげに呟くと、見ていられないかといったように目を伏せる。
「あの荒れ果てた国で一年、逃げるように暮らしていたのだろう…後は黄医に任せ、しばし、そっとしておいてやろう」
陽子は自分よりも細い泰麒の指に触れると、慶の宝重である碧双玉をそっと握らせる。
(ああ、あの時無理を言ってでも、慶に留めれば良かった――――――)
陽子は後悔に身を貫かれ、体を震わす。尚隆はそんな陽子の様子をちらりと窺うと、ふう、と深い
溜め息をついた。
「・・・陽子、お前のその様子も見ておれん。内殿の俺の書房に居ろ。あそこなら誰にも邪魔をされ
ず一人で居られる。俺は李斎殿の様子を見てくるから、しばし待っておれ。よいな?」
「李斎殿のご様子は!?」
書房に尚隆が足を踏み入れた途端、陽子が待ちきれないとばかりに尚隆に駆け寄り、叫ぶ。
「無事だ。斬られてはいるが傷は深くない。ただ、消耗しきっている上に刀の傷だ。悪い風が入ると
いけない。少なくとも後四、五日は床から離れないようにとの瘍医の判断だ」
「そうか、ご無事であったか・・・」
陽子は胸を撫で下ろす。
「李斎は自分の事よりも泰麒の事を心配されていた」
尚隆が椅子に腰掛ける、話を続ける。
「瘍医が止めたにも関わらず、李斎は起き上がって私に語った・・・泰麒は阿選の手の者に暗殺
されかけたらしい」
陽子は絶句して、尚隆を見つめた。
「戴に戻り、李斎と泰麒は驍宗殿を探すかたわら、阿選に反意のある者を集め、謀反を企んだ。
が、その中に裏切り者が出た。それも一回や二回ではない。何度もだ。李斎一人では泰麒を守り
きれないから人を集める、人を集めると必ず裏切り者が出る。切りが無い、その繰り返しだ。血が
流され、何人も人が死んだ。そうでなくても国は荒れ果て、人々は飢え、路傍に倒れて野犬がそれ
を食む。ついに耐え切れなくなったらしい、泰麒が倒れた。悪い事にそんな折、阿選の手の者に襲
われた。泰麒を庇って李斎は敵に背中を斬られた・・・」
「私が、あの時、二人を慶に留めていれば・・・」
陽子が嫌々を繰り返すように首を振る。
「止せ。もう過ぎた事だ。第一、あの時、誰にも二人を止める事は出来なかった。もしあの二人を止
める事が出来たと考えるのであれば、それはお前の驕りだ」
むしろ冷たく、尚隆は言った。陽子は唇を噛みしめ、尚隆の言葉を聞く。
「陽子、だからと言って、あの二人を見捨てようと言う訳ではない。第一、このまま帰しても、同じ事
の繰り返しであろう」
「では、どうすればよいと!」
陽子が堪えきれず叫ぶ。
「六太を蓬山に飛ばした」
陽子が問うように尚隆を見つめる。
「問題はやはり泰麒がほとんど麒麟ではないと言う事であろう。角がなければ転変も出来ない。
使令も使えない。そしてこれは俺の悲観的な予想だが、王気を辿る事さえ今の泰麒には難しいの
ではないかと思う」
陽子は自分も心の奥底で感じていた事を口に出され、苦いものを呑みこんだかのように顔を顰め
た。尚隆はそんな陽子に微笑みかけ、言った。
「天に頼むのは俺の流儀ではないが今回は仕方ない。あれだけの怨詛と穢れを払った西王母だ。
角は無理でも、清められた使令が使えるようになっているかもしれない」
「そうだと・・・いいのですが」
「今はそう信じるしか、ないであろう」
玄英宮の夜が更ける―――
夜、陽子は与えられた客室を抜け出すと、正寝の一郭にある泰麒の臥室へと向かった。いくら
景王とは言え、夜更けに延王の許しもなく、正寝の病人のもとへ向かうのは非礼であろう。
しかし陽子はどうしても泰麒に謝りたかった。泰麒の安らかな寝顔を見て、そして眠る泰麒に許し
を請いたかった。馬鹿馬鹿しい、と尚隆なら言うであろう。しかし、目覚めた泰麒に謝っても、泰麒
の性格から考えて、むしろ陽子の謝罪が重荷になる。
(自己満足なのは判っている・・・)
陽子は正寝へと直走った。
泰麒の臥室の前まで来ると、そっと扉の向こうの様子を窺う。泰麒の様子が落ち着いたせいか、
中には付き添う人間の気配がない。陽子は音を立てないように、ゆっくりと扉を開けた。
「・・・中嶋さん?」
陽子は呼びかけられ、息が止まる。
泰麒は窓辺に置かれた椅子にひっそりと腰掛けていた。蒼い月の光を浴びた泰麒の顔は、陽子
にはいやに無機質に映る。
「泰麒・・・起き上がって・・・大丈夫、なの?」
泰麒は涼しく微笑む。
「これ、中嶋さんの物ですよね。お返ししなきゃ」
言って、両手から碧双玉を取り出すと、陽子に手渡した。
「景台輔から伺った事があります。慶国の宝重ですよね?お陰でずいぶんと・・・体が楽になりまし
た。御礼申し上げます、景王」
ぺこりと会釈し、顔を上げた泰麒の表情には変わらず、笑み。しかし、陽子にはその相貌がひどく
冷たく、硬く感じられる。陽子はその印象を振り払うかのように明るく話し掛けた。
「その、中嶋さんとか、景王とか言うの、何か気恥ずかしいから・・・陽子、と呼んでくれれば。
それに敬語とかも」
「うん、有難う、陽子」
顔に張り付いたような泰麒の笑みを見つめ、陽子は扉を背にしたまま話の継ぎ穂を見つけられ
ないでいる。
「あの・・・、泰麒、顔色が良いみたい。さすがは黒麒だね。碧双玉は確かにすごい宝重だけど、
それにしても・・・」
「李斎は・・・かなり悪いようだね」陽子の言葉を遮って、泰麒がぽつりと言う。
「さっき、李斎の部屋に様子を見に行ったんだ。血の匂いで、すぐ彼女の臥室がわかった。
ぐっすり眠っていた。あんな安らかな寝顔は久々に見た。李斎には・・・辛い思いをさせた」
「・・・多分、李斎も同じように思ってる。泰麒に辛い思いをさせた、と」
泰麒は黙して語らない。
陽子はつとめて明るく言う。
「多分明日、延王から正式にお話があるかと思うけれど、延台輔が蓬山へ向かった。使令だけで
も何とかならないものか、とお伺いを立てに。事によったら、泰麒の角も何とかなるかもしれない。
そうしたら、泰麒は元通り、麒麟となって王をすぐに見つけられる筈だ」
泰麒は沈黙を守る。陽子は自分の失言に気付き、軽く舌打ちをする。
「ごめん、泰麒は今でも麒麟だけど。そうでなく・・・」
「いいんだよ、陽子」
陽子は気詰まりな雰囲気に逃げ出したくなる。だが、陽子は感じる。陽子にまだ残る、蓬莱で暮ら
した「人」としての一部分が、泰麒の「人」としての部分から何かを伝えられるのを。
泰麒はふっ、と笑みを漏らす。
「・・・部屋から、出て行くのかと思った。僕が、こうなると他の人は――――勿論李斎も―――
気遣いなんだろうね、僕を一人にしてくれる」
聞こえるか聞こえないかの小声で泰麒はつぶやき、沈黙する。
陽子は、沈黙に耐えられないかのように、ふっと息を吐くと牀榻に腰掛けて、椅子に座る泰麒に
向き合う。しかし、見つめられても泰麒は黙したままだ。
長く、沈黙が二人を包む。
「・・・夢を、見る」
泰麒がつぶやく。
その瞳は陽子を見ない。痩せ細った相貌に、蒼い月光が差し、黒い瞳が妖しく光る。
「夢を見るんだ。毎夜。夢の中で僕は蓬莱にいる。僕のまわりには死が絶えずつきまとう。僕を殺
そうと人が僕に詰めかかる。窓から落とそうとする。地面に叩きつけられて、目覚める。目覚めて
も、同じだ。戴の民は僕に斬りかかる。蓬莱に居た時よりもまだ悪い。同じ国の民が僕を守ろうとし
て、斬られる」
陽子がまるでそこに居ないかのように泰麒は続ける。
「そんな夢はまだましだ。夢の中で驍宗様が僕を呼ぶ。僕はそこに行きたくてたまらない。でも阿
選が僕を呼ぶ。僕が辛い事を言う人が真実なのだと信じ、驍宗様の方には行かず、阿選に駆け
寄る。その途端、斬られる」
陽子は口を押さえ、何も言えない。泰麒は微笑みさえ浮かべ、続ける。
「斬られるのは僕じゃない。驍宗様が斬られる。僕はそれを見ながら、ただガタガタと振るえて
いる。驍宗様が言う――――」
陽子は瞳を潤ませ、泰麒を見つめる。
「――――『お前を許さない』、と」泰麒がぐらりと立ち上ると、陽子を牀榻に押し倒した。
「僕は仁の獣であるのに死を振りまく。自死する事さえ出来ない、麒麟だから。麒麟なのに王気が
辿れない。麒麟なのにあれだけの穢悴にまみれても僕は死なない。死ねない。さすがは黒麒、と
皆は言う。でも、僕は知っているんだ、自分が黒麒として生まれた訳を」
陽子は覆い被さる泰麒を見つめ、涙を一筋流す。
「証なんだ――――僕は呪われている」
泰麒は静かな表情に、変わらぬ笑みを浮かべている。泰麒は何事もなかったかのように、ゆっくり
と陽子から体を離すと窓辺の椅子に戻った。
「・・・泰麒?」
泰麒は返事をしない。陽子は近づき、泰麒を揺さぶる。泰麒の目は何も映していない。陽子は堪ら
ず泰麒に平手を張る。泰麒はがくがくと揺さぶられ、何度も平手を張られる。
「泰麒!泰麒!戻って来て!あなたは呪われてなんかいない!泰麒!泰麒!ここに、戻って
来て!」
陽子は涙を流し、泰麒を揺さぶり、叫び続け、もう一度強く平手を張る。
「・・・陽子・・・?」
まどろみから起こされたように、ぼんやりと泰麒は陽子に視線を戻す。
「ああ・・・良かった、ここに戻って来てくれたね。泰麒、辛かったよね。御免ね、何も出来なくて。
御免ね、御免ね、辛かったよね――――」
陽子は泰麒を抱きしめる。
泰麒は双眸にようやく陽子を認める。
「うん――――――、辛くて、か、悲しくて・・・僕があんな事をしなければと・・・」
陽子は泰麒に口づける。泰麒が口づけを返す。陽子が牀榻へと泰麒を導き、袍を脱ぐ。泰麒の
衫は陽子に取り払われ、陽子は裸の泰麒を抱きしめる。
泰麒が縋りつくように陽子にしがみ付く。
泰麒の唇は陽子の唇をむさぼる。飢えた子供のように、舌を吸い、食いつかんとばかりに唇を
噛む。陽子の唇は噛み締められ、血が流れる。泰麒は陽子のやわらかな髪を掴み、首をのけぞら
せ、その首元に無数の薔薇色の刻印を刻む。乳房をつかみ、その頂きを噛み、そして細身の体か
らは信じられない程の力で陽子の体をかき抱く。
「陽子の肌は・・・」
泰麒が、涙を一筋流す。
「人の肌は――――――あたたかい」
(つづく)
長くていつもすいません・・・
でも、半分、終了しました。今晩、また残りを投下します。
もちついて確認したはずが、また誤字あるし(号泣)
堪忍して下さい。もちついて、もう一回チェックします。
泰麒の硬くそそり立った肉棒が、陽子の秘所にあてられる。が、乾ききった陽子のそこは、泰麒を
迎え入れる事が出来ない。陽子は泰麒の肉棒を口に咥え、唾液で湿らす。陽子はそうして、自分
の中へと泰麒を導き入れる。
泰麒が陽子の中へと入り込む。唾液で湿らせたとは言え、陽子の小さな入り口は泰麒のそれを
なかなか寄せ付けない。ぐい、と泰麒の腰を引き寄せ、陽子は泰麒のものを無理やり自分の中に
迎え入れる。
激痛が陽子の身体を貫く。泰麒が動く度に、身体が引き裂かれるようにひきつれ、陽子はあまり
の痛みに泰麒の体を押しのけたい衝動に駆られる。が、陽子は泰麒を受け入れ続ける。
泰麒はまるで自分が犯されているかのように顔を歪める。
泰麒のひんやりとした肉棒に突きまわされ、陽子の膣が痙攣する。痙攣する度、泰麒のそれは
ますます大きくなり、陽子の中を圧迫する。
奥まで突き抜かれ、陽子の中の薄膜は破れ、敷布を紅く染めた。泰麒は血に酔い、ぐらりと体を
揺らす。が、己は硬くそそりたったまま、陽子の中にきつく包まれる。
張りすぎた己に痛みを覚え、かっと熱くなるのを感じた刹那、泰麒はがくがくと体を震わせ、陽子の
中に自分の精を放ち、気を失った――――――
(「蒿里!」)
自分を呼ぶ、懐かしい声。
(「戴台輔。大事なお話がございます。どうぞ、私のもとへ――――――」)
自分を呼ぶ、もう一つの声。その者は真摯な眼差しで、自分を誘う。泰麒はそちらの方へ顔を
向ける。
(「台輔・・・驍宗は死んだ・・・」)
すらりと腰に帯びた剣を抜く。
(「・・・驍宗を選んだ貴方が悪い――――――!」)
(阿選――――――!!)
瞬間、泰麒はひらりと身をかわし、誰よりも慕わしい人のもとへと駆け寄る。
(「・・・どうした、蒿里。そんな顔をして。私はここに居るではないか」)
「「驍宗様―――――!」」
泰麒は誰よりも、慕わしい、自分の主に向き合った。
(「・・・寂しかったか。すまぬな、お前の傍を離れて。だが、もう大丈夫だ。私はともにお前とある。
そうだろう?麒麟は王の半身だものな」)
微笑む驍宗が、泰麒を抱き上げる――――――――――
「驍宗様・・・」
泰麒が涙を流す。
「やっと・・・笑って下さった・・・」
泰麒は慶びに嗚咽を漏らし、傍らの柔らかな陽子の腕(かいな)に包まれる――――――――
陽子は、泰麒を抱きしめたまま、その髪を撫ぜ続けた。悪夢に怯え、眠れない夜を幾つ過ごした
のであろう。泰麒は胎児のようにまるまり、陽子の乳房を掴み、ぐっすりと眠り込んでいる。
陽子は、そっと、身を離し、碧双玉を再び泰麒の胸元に置く。泰麒は、それを守るかのように、
抱え込む。牀榻から降り、陽子は袍に身を包む。
月光は蒼く泰麒を包み込むが、それはまるで泰麒を守るかのよう泰麒の体中を覆い、むしろあた
たかく神聖に見える。陽子は泰麒が安らかな笑みを浮かべているのを見、そっと扉の外へと体を
滑らせた。
陽子が泰麒の臥室より出で、雲海に面する回廊を歩いていく。
と、そこには一つの人影――――――――――――――――
陽子はふらふらと、その人影へと歩いて行く。近づくと、人影は揺れ、朧(おぼろ)げになり、陽子は
まぼろしかと思う。陽子は、朧ろになるのは、自分の双眸から止めもなく涙が流れているせいだと
その男に触れるくらいに近づいて気付く。
「――――――――尚隆」
陽子は、声を掛けるとまぼろしが消え失せてしまうかのように、小声でその男を呼ぶ。
「尚隆・・・わたし―――――――」
尚隆は陽子を抱きしめる。
「尚隆―――――――――」
「何も、言うな」
尚隆は陽子を抱きしめた。
二人はきつく抱きあい、一分の隙も耐えられないかのように、お互いを引き寄せった。尚隆の唇が
陽子の傷ついた唇に優しく重ねあわされる。
尚隆は陽子を抱き上げると、回廊脇の階段を下り、待ち切れないかのように砂浜に陽子を横た
えた。
陽子はただ、その翡翠の瞳から涙を流し、尚隆を見つめ続ける。
尚隆はもどかしいように陽子の着物を、その大きな手で取り去る。陽子も震える手で尚隆の袍を
脱がせる。二人は生まれたままの姿で抱き締めあった。
冷たく凍った陽子の全身が、尚隆の身体に包まれ、溶けるようにぐずぐずと崩れる。
尚隆が、陽子の冷たい肌の一つ一つに接吻を重ねる。陽子は尚隆の唇が触れる度に、自分の
身体の鍵が開けられていくのを感じる。尚隆の唇で、戒めを一つ一つ解かれていくかの
ようだ。
波音が聞こえる。陽子は覆い被さる尚隆の肩越しに月が輝くのを見つめる。
尚隆の唇が耳元に触れる。耳朶を噛み、熱い吐息が吹きかけられる。陽子はその熱い空気に、
身を宙に放り出されるような浮遊感を感じる。
振り落とされないよう、陽子がひっしと尚隆を抱き締める。尚隆は背中に回された陽子の手を、
そっと外すと、その手を取り、指に接吻し、一本一本を優しく舐めていく。
指への接吻を続けたまま、尚隆の右手は陽子の乳房を揉みしだき、その頂点を柔らかく捏ねる。
陽子の口から思わず声が漏れる。
陽子の甘い嬌声を聞き、尚隆は己が堅くなるのを感じる。
陽子の細い腰を抱くと、尚隆はその腹に顔を置き、円を描くように舌を這わせる。陽子の柔らかな
肌が尚隆の舌に吸いつけられる。尚隆の唇は脇腹を辿り、陽子のしなやかな腰のくびれをその舌
に感じる。舌はそうして、充分にそのくびれを堪能すると二つの頂きに向う。
陽子の乳房は尚隆の大きな手ですっぽりと覆われ、指の間からその頂きだけが主張するかのよう
に紅く、顔を出している。尚隆はそれを口に咥える。小さな赤い果実は尚隆の口の中で味あわれ、
舐め、吸われ、まだ食べ尽くして欲しいかのようにぴんと固さを増す。
尚隆の指が陽子の身体を降りていく。降りていった指は薄い茂みに達すると止まる。陽子ははっと
一瞬身体を硬くするが、再びその大きな体躯に身を任せる。
尚隆は再び自分へと体を預ける陽子を確認すると、そっと、指を茂みにくぐらせ、更にその先へと
進んだ。冷たい体のそこだけはあたたかい。
指を湿らせる程度にしかまだ濡れぬそれに、尚隆が優しく何かをほどくように、そっと触れていく。
ひっそりと、身を隠して縮まる蕾を見つけると、尚隆は指先でその薄皮をなぞる。触れられる毎に
蕾はその存在を尚隆の指先に伝える。それは震え、大きくなり、尚隆の指先でころころと捏ねられ
る。
陽子がすすり泣くような声を上げ、熱い尚隆の体の下で身をそらせる。尚隆は柔らかな唇に接吻
し、指は蕾を花開かせんと刺激しつづける。冷たかった陽子の体が尚隆の熱を伝えられたかのよ
うにあたたかく、やわらかになる。
「ああ、尚隆」
耐え切れず、陽子は男の名を呼んだ。
尚隆の指先が蜜で濡れた。ほとんど熱い程の熱を帯びた陽子の秘所から、とくとくと蜜がこぼれ
出す。
尚隆は蜜を吐き出すその壷に、導かれる様に指を差し入れる。蜜は尚隆の指先を伝い、手の甲
にまで零れ落ちる。柔らかく蠢くその中を、尚隆の指が優しく掻き回す。掻き回される度、陽子の
体はぴくぴくと震え、ふるふると乳房は尚隆の体の下で揺れる。
尚隆は、緋色の髪に片頬を埋め、何かを堪えるかのように目を閉じている陽子の顔を自分の方に
向けるとその唇に、深く口づけた。
「陽子」
呼ばれて陽子は目をゆっくりと開ける。その愛しい男の優しい瞳に見入られて、陽子はいっそ悲し
いほどの気持ちになる。
陽子は背を起こされ、座り込んだ尚隆の腿の上に乗せられる姿勢になる。乳房は尚隆に吸われ、
蜜壷は描きまわされ、自分の腿にまで蜜が伝う。尚隆は陽子の細い腰をつかむと、自分の腰元に
近づけた。
陽子は尚隆のいきり立った肉棒に手を添えると、自ら秘所へと導いた。入り口に尚隆の肉棒をあ
てがうと、陽子は一気に腰を落とした。
熱い衝撃が身の内を貫く。
陽子は腰をつかまれ、ゆるゆるとその体を揺らされる。揺れるたびに、尚隆の堅いそれが陽子の
柔らかな壁を打ちつける。打ちつけられるたび、陽子は我を忘れて声を上げる。声をあげるごとに
一欠片一欠片、ひらひらと自分の意識が剥がれ落ち、どこか遠いところに飛んでいくのを感じる。
尚隆は腰をつかみ、一層深く自分の腰に下ろし、陽子の身体を深く裂く。
陽子は背を仰け反らせ、叫んだ。
尚隆はつながったまま、陽子を砂浜に押し倒すと、再びその中に強く、押し入った。
みっちりと陽子の中は尚隆を咥えこみ、蠢く襞は己を動かすごとにちろちろと舐める。蜜は溶けよ
と言わんばかりに尚隆を濡らし、ぬらぬらとした刺激に尚隆は飢えたように更に強く深く陽子の中
を突く。
陽子はもう自分がどんな姿でいるのか判らない。手がどこに置かれ、足が何に触れ、自分の唇は
何を貪っているのか判らない。ただ腰の奥が熱く、そこがどんどん大きな塊となって、自分の身体
を満たす。塊は大きく熱いものに突かれ、爆発しそうなほどになる。
(身体が―――――――ばらばらになる――――――――――!!)
陽子は絶叫した。
瞬間、陽子の中がきゅうと狭まった。無意識に陽子は尚隆の背中を引き寄せ、ぐい、と自分の腰を
突き出す。
尚隆はたまらず己から熱い精を放ち、叫ぶ。
「陽子―――――――!!」
二人は砂浜に崩れ落ちた。
李斎は順調に回復していった。
泰麒もすっかり回復し、歩き回って飛燕の様子を見に行き、ひょいと飛び乗って厩番を驚かせたり
している。
陽子は李斎に挨拶をすると、泰麒の部屋へと向かった。
「泰麒」
陽子が窓辺に座る泰麒に話し掛ける。その鋼色の髪にあたたかな朝の日差しがきらめき、頬には
うっすらと紅を差しているかのように見えるほど顔色も良い。
「もう、慶に戻らねばならない。だから、ご挨拶に」
「そう・・・」
二人は沈黙する。
「・・・陽子?」
「何、泰麒?」
「色々と――――――有難う」
泰麒が心からの笑みを浮かべる。
「礼には及ばない。泰麒が元気になって、良かった。延麒から聞いたと思うけど、使令も清められ
て使えるようになるみたいだし、本当に良かった」
「うん、本当に、陽子には何てお礼を言ったらいいか・・・」
「礼は延王と延麒に。私は何もしていない」
陽子は何事もなかったかのように晴れ晴れと言う。泰麒も、敢えて触れない。
じゃあ、と部屋を出る陽子の背中に泰麒が声を掛ける。
「陽子」
陽子は振り返り、日差しに包まれ、瞳を輝かせる泰麒を眩しそうに見やった。
「今でも、夢を見る」
泰麒の言葉に、陽子は訝しげに泰麒を見つめる。
「驍宗様が、笑って僕を待ってらっしゃる。何をしてたか、と微笑みながら、駆け寄る僕を抱きかか
えて下さる」
陽子はほっとしたように微笑みを浮かべた。
「僕には、わかる。僕でなくては駄目だ。僕でなくては驍宗様を見つけられない。驍宗様は僕を待
ってらっしゃる。きっと、戴国は――――――」
「――――――――救われる」
陽子が後を引き取って言う。
泰麒は陽子の手を取り、そっと握手をした。陽子もそっと握手を返す。
微笑みを浮かべたままの泰麒を残し、陽子は部屋を後にした。
「ええ、陽子、帰っちゃうのかあ!?」
不満げに六太が叫ぶ。
「もうちょっと居ろよお。せっかく泰麒も元気になってきたのに」
「そう言うな、六太。陽子も国を統べる身だ。そんなに長く他国に滞在する訳にもいかんだろう」
ぶつぶつと不平を漏らす六太に陽子は近寄って言う。
「ごめんね、延麒。でも本当にそろそろ帰らないと。景麒も顔に青筋立てて怒っているに違い
ないし」
「陽子ぉ」
延麒が陽子にしがみつく。
「おいこら、六太。陽子に抱きつくなと言っておる」
尚隆はひょいと六太を抱き上げると、乱暴に床に下ろした。と、ころりと六太の着物から何かが転
がる。六太はばっとそれを拾い上げると、隠しにさっと入れた。尚隆はちらりと、その様子に目を走
らせる。
「・・・尚隆殿、長きの逗留、大変お世話になりました」
陽子がうっすらと顔に朱を昇らせて尚隆を見つめる。尚隆も甘やかに見つめ返す。六太はその二
人の様子をじいっと眺めた。
「機会がございましたら雁国にぜひ又―――――」
「お前が来るには及ばんさ。俺達が、慶に足を運べばいいだけのこと。な、六太?」
「お前は来なくていいよ、俺だけ行くから」
六太がむくれて言う。
日の光に緋色の髪をきらめかせ、騎獣に乗った陽子が飛び立って行く。露台に近い高楼からその
様子を見守る二つの影。
「あーあ、行っちゃったなあ」
「また、会えるさ」
見下ろして、尚隆は傍らの麒麟に微笑みかける。
「・・・惚れているからな」尚隆がつぶやく。
六太は無言で尚隆を見上げる。
「我らは、陽子に惚れているからな」
言って、尚隆はとん、と指先で六太の隠しをつつくと、下へ降りる階段へと向かった。
六太は高楼に一人残される。
袍の隠しから、先程落としたそれをそっと取り出す。
陽子の瞳の色の翡翠が美しく飾られた、髪留め。
「・・・見られたな」
六太は軽く、赤面し、呟く。
六太は雲海を再び見やり、黒い点が波の影に溶け込んでいくのを見つめる。
こんな風に見守る、愛もある。
強い太陽のように照らす愛もある。
六太は窓から離れ、背を向けた。もう一度だけ振り返ると、既に雲海には何者の影もない。
「またな、陽子」
言うと、髪留めを握り締め、そっと六太はそれを隠しに入れた。大事そうにそこを押さえると、六太
は階段を下りていった。
玄英宮に、北からの爽やかな風が吹く――――――――
<了>
無意味に長く、エロも少なく、失礼致しました。
最後までお読み頂いた方、本当に本当に有難うございます。
◆4fSScbauBkさま乙でした。
長くなるってのは、そんだけ描写の細部にまで気を遣えてるってことで、悪いことじゃないと思いますよん。
乙です!前スレから読ませて頂いております。表現が綺麗というんですかね。いやらしくないエロというか。ギャグもシリアスもいいです!また楽しみにしてます
81 :
28:04/09/24 03:01:13 ID:OrRiDJan
氏の流麗な文章のあとでこんなんは恐縮ですが、バカエロ第二弾、投下させて頂きます。
今回は主上×祥瓊で。景麒ファンの方ごめんなさい。
というか、むしろ陽子&祥瓊ファンの方、キャラ壊してごめんなさい。
祥瓊は見た。
自分を呼び止める陽子の股の間に、あってはならないものがぶら下がっているのを。
「……前からあなたのこと、男の子っぽいな、とは思っていたのだけれど、まさか本当に……」
「違うっ! これは、ええと……。あぁ、もう面倒くさい! 景麒、お前が説明しろ!」
「祥瓊殿の仰るとおりだ……」
「おいっ!」
その刹那のことだった。
陽子の身体の自由が奪われたのは。
冷たくぞろりと肢体を伝うのは、戦場で幾度となく世話になったあの感触に間違いなかった。
宿主が危機に陥った時、闘う為の技術を肩代わりするのが賓満ならば、
宿主の前に異性が現れた時、それを満足させる性技を授けるのが、亜種――珍満。
戦場で時として賓満が宿主の自由を奪うのと同じように、ある限定された条件下では珍満もまた宿主の勝手を許さないのだった。
――主上。
頭の中で声がする。
――剛を以て制するがお好みか、柔を以て制するがお好みか?
「はぁっ?」
――剛を以てするならば、その力人に非ず。御前に在りし者、涙枯るるまで、抗うこと叶わぬよう陵辱の限りを尽くすが必定。
柔を以てするならば、その技人に非ず。御前に控えし者、魂に悦び沁むるまで、抗う気さえ起きぬよう愛撫の限りを尽くすが必定。
……そのどちらがお好みか?
「他の選択肢はないのか? ……というか、お前が離れろ」
――それは、できぬ。
「景麒っ、こいつを何とかしろ!」
しかし、景麒は静かに首を振った。その表情が何よりも雄弁に己の無能を物語っていた。
「くそっ……!」
陽子は歯噛みする。
より良き選択肢が残されていないのならば、最悪の結果だけは避けなければならない。
「わかったよ。祥瓊を傷つけることだけはしてくれるな……!」
――承知――!
陽子に憑いた人妖はそう叫ぶと、事態を飲み込めず呆然としている祥瓊目指して歩を進めた。
再びぞろりとした感触が腕を走った。
そして、陽子の腕は真っ直ぐ祥瓊の身体に伸び、彼女を抱きすくめた。
「……陽子?」
「すまない。すぐ済むと思う」
陽子の頸が動き、祥瓊の唇を捉えた。
口蓋を分け入って侵入してくる陽子の舌に祥瓊は身を震わせた。
慶に身を置いてより、桓タイと睦まじくなった祥瓊ではあったが、その経験をしても陽子の技は鮮烈に過ぎた。
唇ごと、一瞬触れては離れ、次の瞬間にはまた深く奥へと差し込まれる。
合間にちろちろと動く舌先が祥瓊の口の粘膜を探る。
力強くありながら繊細。
無骨な力強さはともかく、その繊細さは彼女の想い人は持たないものであった。
そして、何より目の前にある顔はあの陽子のものなのだ。
桓タイのことは男として愛し、尊敬もしている。
しかし同時に、女として、友としてその想いを寄せているのは陽子なのだった。
その彼女が。
「ねぇ、陽子。これは、夢?」
「……夢にしてしまいたいのならば、それでもいい。いい思い出にはなりそうもないものね」
「そんなこと……っ……!」
ない、と続けようとした彼女の言葉は再び伏せられた陽子の唇に半ばで妨げられた。
祥瓊の唇を吸い続けながら、陽子の手は祥瓊の着ている服に伸びていた。
陽子の大声を聞きつけて慌てて飛んできた祥瓊だけに、その装いはしどけない被衫のままであった。
それゆえ脱がすことも容易い。陽子の腕は襟元から彼女の被衫に入り込み、そのままはらりと両袖を払い落とした。
形の良い祥瓊の乳房が外気に晒される。その乳房に、陽子の掌が触れた。
五本の指が触手のように祥瓊の乳房に絡みつき、揉みしだく。
一本一本がまるで意志を持っているかのように的確に、祥瓊の快楽の壷を押えながらくるくる蠢き、次第に中心の突起へと近づいていった。
掌を動かしている間も、接吻は止まない。
十本の指と舌と、合わせて十一の場所を同時に攻められているに等しい。
さらにもう一つ、祥瓊の下腹部をぐい、と押すものがあった。
陽子の股間で屹立する、彼女の『物』だった。
腰を振り、擦り付けるように祥瓊の女陰を刺激する。
既に溢れ出していた蜜を掬うようにして、何度も上下に律動する。その度、にちゃにちゃと淫靡な水音が立った。
これで十二。
さほど男性経験において熟練しているとは言い難い祥瓊に耐えられるはずもなかった。
ついに陽子の親指が祥瓊の胸の先端を捉えた。
爪弾くように、撫ぜるように、押し付けるように、引っ掻くように……。
ありとあらゆる動きをもってそこを攻める陽子に、祥瓊はとうとう屈服する。
全身が悦びの声を挙げ、背筋から指先まで電流のようなものが走った。
びくん、と腰がはぜ、膣口からはとろりとした陰液が垂れ落ちる。
「……ふ、ゎぁ」
塞がれた唇の隙間から漏れるように、湿り気を帯びた響きを秘めた吐息が彼女から零れた。
それを見て、陽子はくすり、と笑う。
「どうしたの? もう達してしまったのか? まだまだこれからが本番だというのに、祥瓊は可愛らしいな」
と、陽子は我に返った。
――待てっ、私は今、何を言った!?
初めは、意識と裏腹に勝手を働く自分の体に違和感を覚えていたはずだ。
それがいつの間にか、蓉子自身の感情も取り憑いた妖と一つになって、祥瓊を攻める事を愉しんでいたような気がする。
どうも、この殷恵という人妖に秘められた能力はまだ全て語られてはいないようである。
陽子は顔を上げ、まだ室内にいるはずの景麒を探した。
もし陽子に語っていないことがあるのならば、洗いざらい吐かせようと思ったのである。
いた。
が、景麒は二人からできるだけ見えにくい場所でしゃがんで何やら手を動かしていた。
時折、しゅじょぉ〜、とか何とか弱々しい声が聞こえてくる。
どうやら、彼は彼で一人お楽しみであるらしい。
陽子はそれを一目見て、助けを求めるのを諦めた。というより呆れた。
――仕方がない。もしこの妖が賓満と違って人の意識まで操るものなら、私は飲み込まれないように心を強く持つだけだ。
と、その時だった。
祥瓊が突然、陽子の乳首にむしゃぶりついた。
「ひゃんっ……!」
不意をつかれ、陽子は甲高い鳴き声を上げてしまう。
「ちょっと、祥瓊、何をしてるんだ! あなたまでそんなことするひつよ……。ぅあぁぁぁ……」
まだ、殷恵の能力で陽子は過敏になっているのである。
たとえ決意を固めた所で、その能力の前では無意味なのだった。
「やめ、ちょっ、お願いだ、祥瓊!」
「嫌よ。私ばかり苛められてるんだもの。私だって、陽子に『して』あげたい」
ちゅぱちゅぱと音を立て、祥瓊は陽子の乳首を吸い続けた。
「はぅんンッ……」
吐息を抑えることすらできない。
徐々に陽子の意識は再び妖に取り込まれていくようだった。
薄れゆく真っ当な自我の中で陽子は、それが祥瓊にあるまじき行為であることに疑問を抱いた。
いかに、陽子自身が彼女に与えた快楽が抗い難いものであろうと、祥瓊はこれ程までに淫猥な少女であったはずがない。
だとすれば。
――まさか、これも?
奴の能力だと?
その場にいる全てを巻き込んで、欲の渦に取り込んでしまうのだとしたら。
――なんて、厄介……――
そこまで考えた所で、陽子の最後の理性は、消えた。
89 :
81:04/09/24 03:14:50 ID:OrRiDJan
〈続く〉
……を入れ忘れました。
件の珍満くんが、エロ漫画等々にありがちな、まことに都合のいい代物になっているんですが、
このスレ的にこういうのはアリなのでしょうか?
アリです!
おおありです!
早く続き続き!
>88
自分で書いてみなよw
人に求めるのもいいけどジブンでするのもイイジャナイw
だめぽ?
たわわに実った珠晶の胸・・・?
パンツは下着にかえてホスイ。
>>93 常識的には腰巻きなんだろうけど、そこはそれ、蓬莱から延麒が万○きしてきた幼児用パンツという事で・・・
幼児パンツ…な、萎える。。゛(/><)/ ヒィ
>>88 そこで珍満の登場ですよ。昇山中の珠晶に次々と襲いかかる珍満の魔手!
>>94 珍満は知能が高いので、蓬莱にて独自のセンスでエロ買い物をしてきます。
おっ、新作が早くも投下されている!
珍満、いいねぇ。ナイスネーミング!続き、続き!
尚 x 陽も、イイ!前スレから見守ってました。今回も麗しい愛を楽しませて頂きました。
職人さん達、有難う!
>>96 変に知能が高いせいで、極端にマニアックな物にしか興味を示さない可能性がある。
「幼児用パンツ」とか「大人用紙おむつ」など・・・
99 :
名無しさん@ピンキー:04/09/25 12:33:48 ID:SSmLUZMc
>>98 いや、その人の好みを瞬時に理解し、本人さえもまだ気付いていなかった
その人にとって最も理想なものを持ってきてくれるのが珍満なんじゃないかな。
セクースの質も、取り付く相手によって替えてると思うよ。
微妙なセンスも理解してくれるのが珍満だ。
珍満様の続きを待つ間にしばしのお口汚しです。ドゾー
うららかな昼下がり――――
ようやく慶国への出入り禁止を解かれた延王と延麒が、(*筆者注 延王と延麒はさる理由から
出入禁止を言い渡されていた)久々の金波宮にてバカンスを楽しんでいた。
「いやあ、やっぱり金波宮はいい。仕事の電話が鳴らないだけでも気が休まる」
電話が何かも知らない癖に、若者ぶって蓬莱の言葉を使いたがりの長寿王小松尚隆。
「本当だな。玄英宮にいると官吏がうるさくって仕方ない。こちとら五百年も働き詰めなんだ
から、たまにはほりでーしないと、すとれすで死んじゃうよ」
こちらは毎日ほりでー、すとれす知らずのフラワーチルドレン雁国宰輔延麒六太。
「ときに六太、陽子を見かけたか?」
「ううん、まだ。すごーく、陽子、忙しいらしいよ。王って大変なんだな」
「当たり前だ。俺だって毎日毎日忙しくってそりゃあもう大変で…あ、祥瓊、酒が無くなってきた
から持ってきてくれ」
「私は貴男方の奚(げじょ)では御座いません!!」
ぷるぷると青筋を立てて怒るのは「芳国に一瓊あり」と謳われたほどの美女、祥瓊。
「いやあ、美人は怒っても美しいな」
全然堪えない様子で尚隆が笑う。
「大体、景麒と陽子をくっつけよう、って計画練ったの祥瓊だろー?俺ら、それに乗っただけなの
に慶に出入禁止にされちゃってさ…いや、祥瓊を責める訳じゃないんだけど」
「そうだ。お主を責める訳ではないが、陽子にも顔向けが出来ないし、景麒に至っては我らを見る
と卒倒しかけぬ程の怒りよう。いや、全く、お主を責めるつもりはないのだが」
ねちねちと、祥瓊を責める口調がいやらしい。
祥瓊も、まさかいい大人が(齢合わせて一千歳超え)あそこまで無体な真似をするとは予想して
いなかった。とは言え、二人を景麒と陽子のカップリング作戦に巻き込んでしまい、結果、二人を
慶国出入禁止にしてしまったという負い目がある。祥瓊は仕方なく、二人に酒をついだり、団扇で
扇いだり、奚のように尽くしていた。
「祥瓊ぃ〜、酒が足りないよ〜」
六太に催促され、祥瓊は鼻の穴を拡げんかの勢いで立ち上がると酒を取りに行く。
(くぉのーっ、猿王と小猿っ!!人の弱みに付け込んでぇっっ!この借りは必ず返してやるから見
てらっしゃいっっ!!)
ずんずんと肩を怒らせ廊下を歩く祥瓊。憤怒に燃えた祥瓊の目には前から歩いて来る人影も
目に入らない。なおもずんずん進んで行くと、案の定、どすんと――よけ切れなかったのであろう
――人影にぶつかってしまう。
「くぉのっ、何処に目を…!」
きっ、と目をひん剥き見上げると、そこには禁軍左軍将軍桓たいの姿。
「あらっ…、桓たい。失礼を致しました。どこかお怪我はなくて?」
途端に顔を赤らめ、しなしなと女らしく声を掛ける祥瓊。
「いやいや、俺は大丈夫だ。お前の方こそ大丈夫か?その美しい顔(かんばせ)に、毛筋ほどでも
傷を作ってしまったら、俺はどう償っていいか判らないからな」
「そんな、戯れを。私、困ってしまうじゃないの…」
全然困っていない風の祥瓊が目をハートにし、頬を桃色に染め、自分の想い人を見上げる。
「それはそうと、一体どうしたんだ、祥瓊?そんな勢いで廊下を歩いて、祥瓊らしくない。何か急ぎ
の用事か?」
はっと、思い出したかのように祥瓊が唇をかみしめる。
「ああ、聞いて、桓たい!延王様と延麒様ったらひどいのよ!」
かくかくしかじか、自分の都合の悪いところは端折り、祥瓊が経緯を説明する。
途端に桓たいの顔にも朱が昇る。
「何と!そのようなことで慶国随一の佳人を奚のように使うとは!いかな延王と言っても無礼に程
がある!俺が一言言ってやるから祥瓊は休んでおれ!」
ずんずんと廊下を歩いて行く桓たい。その後姿をうっとりと祥瓊が見つめる。
(「ああ、何て漢らしい…あのたくましい体にいつか抱かれてみたい…あっ、私ったらなんてはした
ない事を!ああ、でもやっぱり素敵…」
祥瓊が桃色の幻想にひたっている時、ちょうど桓たいは砂浜に茣蓙を広げ、宴会を繰り広げてい
る尚隆と六太のところに辿り着いた。
「延王殿、延台輔殿!女史をあのように奚のように使うとは何事ですか!祥瓊は公務に雑務にと
忙しい身の上!いかな延王殿と言えど――――――」
「まあまあ、桓たい。お前もまあ、一杯」
尚隆がとくとくとく、と杯に酒を注ぐ。
「桓たいもいける口なんだろ?この酒、雁国秘蔵の酒で、滅多に飲めるもんじゃないんだぜ」
(秘蔵の酒!!)
酒に目の無い桓たいは、途端に目尻を下げる。
「おっとっとっと・・・延王殿手ずからのお酌とはかたじけない。いや、今日は執務も一段落つきまし
たし、私も一つご相伴に」
くいっ、と桓たいが杯を空ける。
「旨いっ!何と言う美酒!」
「おおっ、さすが慶国禁軍左軍将軍ともなると飲みっぷりが違うな。雁の堅物どもに見習わせたい
ほどの漢っぷりだ!まあ、もう一杯」
いえいえ、延王殿の偉丈夫ぶりには負けますよ、いやいや桓たいお前こそ、おお、六太殿もお小
さい体の割にはイケますねぇ、とノリは既に新橋駅(筆者注*新橋は東京のサラリーマンのオア
シス)ガード下。桓たいは既に当初の目的を忘れて美酒に酔う。
そこを通りかかるは夏宮大僕虎嘯。
「将軍殿!何を昼間っから!」
呆れたように虎嘯が言う。
「おお、虎嘯、丁度良い所に。お前も来い。訓練も終わったところだろ?それともこの後、何かある
のか?」
「いえ、今日はとりあえずこれと言って・・・」
「じゃあ、来い来い」
ひらひらと尚隆が手を振る。
「ほら、虎嘯。延王殿もこう仰って下さっている。それともお前、延王殿の折角のお誘いを断るつも
りか?」
「そんなに言われちゃ仕方ねえ」
虎嘯はにやりと笑って腰を下ろす。
もとより、虎嘯は決まり事や風紀と言ったものに頓着しない男である。あっと言うまに三人に追い
つく程の飲みっぷりを見せ、酒が尽きると、いそいそと厨房へと自ら酒を補充しに行く始末。
「いやあ、たまにはこうやって男同士で飲むのもいいですなあ」
桓たいが目尻を赤くして言う。
「そうそう、慶はまだまだ人手が足りなくて、忙しくっていけねえ。こうやってたまに気を抜かない
と、すとれすが溜まっちまう、てもんだ」と、虎嘯。
やんややんや、と夕日が美しく雲海にかかるまで飲み続ける四人。
「冷えてきたな・・・」
六太がぶるっ、と身体を震わす。
「では、私の部屋で続きを、という事で如何ですか?」と、桓たい。
「それは良い。ではお邪魔するとするか」
尚隆が腰を上げると、皆はぞろぞろと続く。
夕日が、雲海に沈んでいく――――
時しばらくして桓たいの私室。
酒もたらふく飲み、皆の会話も落ち着いたところに尚隆が切り出す。
「そうだ、六太。お前、『あれ』、持ってきただろ」
「ああ、『あれ』か。持ってるよ」
「あれ」とは何だろう?と首を傾げる酔っ払い二人。
六太がごそごそと隠しから出すのは、美しい絵柄が描かれた、小さな紙の束。
「おおっ、これは美しい。これは何ですか?何か不思議な文様が・・・」と桓たい。
「これはな、蓬莱の遊び道具で『とらんぷ』と言うのだよ」
「「『とらんぷ』ですか!」」
訳も判らないくせに、神妙に頷く桓たいと虎嘯。
「子供だましかと思いきや、これがなかなか奥が深い。お前らも一局、どうだ?」
「「ええ、ぜひ一局!」」
頭脳明晰な桓たい、何事にも勘の鋭い虎嘯、二人はすぐ手順を覚えると、とらんぷに興じる。
「あーがーりっ!」
「また延麒殿が一番乗りですか!」桓たいが舌打ちをする。
「私はまた貧民になりそうです」虎嘯が嘆く。
「お前らはまだマシだ!俺なんか、また大貧民だぞっ」尚隆が発憤する。
四人ががやがやと、とらんぷを続ける。
と、そこにとんとん、と扉を叩く音。
「誰だ、こんな時間に。無粋な」桓たいが、重い腰を上げる。
扉を開けると、そこには慶国宰輔、景麒の姿。
「おお、景麒殿。こんなお時間にどうなさりました?」
「いえ、明日の朝議に関し、桓たい殿に確認致したい事が・・・」
酒臭い空気が渦巻く桓たいの部屋をちらりと覗くと、そこには天敵、尚隆と六太の姿。
二人と目が合うと、景麒は逃げるようにして扉を閉めかける。
「景麒殿!延王殿と延麒殿に事の経緯は聞きました。ここは仲を正す良い機会です。ぜひ、お仲
間に」桓たいが逃れようとする景麒の腕をぐっと掴む。
「そうですよ、景麒殿。それに、たまには私めのような下々の者とも誼を結んで頂きたい!」と、
虎嘯。
「景麒、お前もそう頑なになるな。台輔たるもの器大きく、ゆったりと構えてなくてはならんぞ」
自分のことは棚に上げて、説教する尚隆。
「そうだよ、景麒。それに結局この前の事で、お前も陽子と仲良くなれたんだから、少しは恩義を
感じろよ」押し付けがましく言う六太。
思いがけない景麒コールに、押し切られるように仲間に加えられる景麒。
「でな、これが赤くて丸々っとしてるのがはーと。もう一つの赤い菱形のがだいや。黒くて三つ葉の
がくろーばー。もう一つのがすぺーどだ」説明する尚隆。
「赤くて丸々っとしてるのがだいやですね・・・」
「あほっ、それははーとだよっ!お前、何回説明すれば分かるんだよっ!」
六太が切れる。
桓たいと虎嘯が冷たい目線で景麒を眺める。
景麒は居たたまれなくなる。が、矜持だけは高い男、景麒。
「札の説明はもう、いいですっ!早く、げーむの手順とやらをおしえて下さいっ!」
溜め息をつく四人に、景麒が一人、鼻息荒い。
「やったー、いっち上がり〜!」
「いやいや、延麒殿は本当にお強い。おっと、私も上がりです。また富豪ですか・・・」と桓たい。
「俺も上がり!平民だ。助かった」胸を撫で下ろす虎嘯。
「お前らっ、延王を差し置いて上がってどうする!くそっ、また貧民か・・・」
札をばさっと卓に叩きつける尚隆
四人の顔が景麒に向く。
そこには顔に朱を昇らせ、ふるふると身体を震わす、矜持だけは高い男、景麒。
「ど・・・ど貧民です・・・」
「・・・お前、ほんとにるーる、わかってんの?何回目のど貧民だよ」
六太が呆れる。
「判っております!だっ、大体、ど貧民は強い札を二枚も大富豪に渡さねばならない!これで勝て
という方がおかしいですっ!!」
景麒は自分が勝負弱いのを棚に上げて、怒声を上げる。
「あー、もう眠くなってきちゃったなあ」六太が欠伸をする
「そうですな、もう夜も更けましたし、今日はこの辺で・・・」いそいそと片付けを始める桓たい。
「しかし、慶国台輔がど貧民人生とはねぇ。とらんぷとは真、奥が深い」ひっひっと虎嘯が笑う。
「まあ、景麒。ど貧民とは言え、たかが遊びの席のことだ。お前の性根がど貧民に成り果てた訳で
はない。な、ど貧民?」
「「「「ぎゃーはっはっはっ!!!」」」」
四人がサラウンドで爆笑する。
景麒が卓をどん!と叩く。
「もう一局手合わせ願いたい!」
高らかに叫ぶ景麒。
「え〜、もういいよぉ。俺、眠いし。お前、絶対負けるし」
耐え切れないように六太が欠伸を繰り返す。
「景麒殿、物事には切りがございます。お悔しい気持は判りますが・・・」
桓たいがなだめる。
「いやっ、次は絶対に勝つっ!わっ、私がこのままで終わるはずがないっっ!!」
顔に朱を昇らせ激昂する景麒を眺め、尚隆が何か思いついたように、にやっと笑う。
「では、こうしよう。あと、一局、手合わせをする。が、負けたものは罰げーむだ」
「罰げーむですか?」
虎嘯が怪訝な顔を尚隆に向ける。
「そう、罰だ。大富豪になった者がど貧民に命令する。ど貧民はその命に必ず従わねばならぬ。
もっとも、それは他人を傷つけたり、物を盗んだり、そういった下卑たものでは決してならぬ」
「なる程・・・それは一興」
桓たいが富豪続きの人生の余裕を見せ、きらりと目を光らせる。
「それでも・・・やるか、景麒?それとも恐れをなしたか?止めてもいいのだぞ」
にやにやと余裕の笑みをたたえる尚隆。
景麒はふるふると震えると、静かに言った。
「判りました・・・やりましょう。ただし、それは他者を傷つけたりするものではないのですね?例え
ば・・・嫌がる主上に無理やり接吻をしたり、湯あみを覗いたり、可愛らしいお尻をそろりと撫でた
り・・・まさか背後から抱きついて乳房に触れたり・・・っ!!」
はあはあと喘ぐ景麒に、彼の心の底の望みを見る四人。
「そんなものは罰ではないだろう・・・」
尚隆が呆れたように言う。
「まあ、誰が勝つかは判らんが・・・漢同士の最後の戦いだ」
五人は自分が負けたいような負けたくないような複雑な胸中で最後の勝負に臨む。
「上がりだっ!!」
高らかに叫んで札を叩きつける、延王小松尚隆。さすが五百年の治世を誇る雁国王だけあって、
土壇場の勝負には一番の勝運を発揮する。
四人は、
(こいつの罰げーむだけは絶対に受けたくない――――――――)
と必死の形相で、たかがとらんぷに全身全霊をそそぐ。
「やった、富豪だ!」六太。
「ううむ、平民か」嘆く桓たい。
「危なかった!貧民だっ!」貧民の地位に喜ぶ虎嘯。
四人の顔が一人に一斉に向けられる――――
「・・・・ど、ど・・・・です」
「何だ?聞こえんな」
尚隆が耳に手をあて、景麒に身体を向ける。
「ど貧民です―――――――――――――――――――――――――っ!!」
絶叫する景麒。
その瞳は信じられないと言った具合に見開かれ、顔面は蒼白、呼吸は荒い。
「お前・・・男に二言はないな?」
尚隆が身体を景麒に傾け、尋ねる。
「・・・・ませぬ・・・」
ふるふると景麒が震える。
「聞こえぬなあ」
尚隆が更に景麒に身体を傾ける。
「ございませぬと言っておる―――――――――――!麒麟に二言はないっ!!!」
「そうか、天晴れ。よく言った」
ふっふっふっ、と尚隆の笑い声が無気味に金波宮に響く――――――――――
明けて翌日。
何事も無かったように空は爽やかに晴れ渡り、朝日は暖かく金波宮を照らす。
「・・・・なあ、浩瀚。景麒の様子がおかしくなかったか?」
陽子が朝議を終えた後、こそこそと浩瀚に尋ねる。
「左様でございますか?ああ、そうか。何でも、延王殿達との話がはずんで、夜更けまで起きてらっし
ゃったとか。睡眠不足ではないでしょうか?」
「そうか、尚隆達と・・・」
感慨深げに陽子が呟く。
「あいつ、仲直りしたんだな。じゃあ、私がいつまでも意地を張っても仕方が無い。今晩、歓迎の宴を
内々に開こうかと思うが、浩瀚、どう思う?」
「よろしいと思いますよ、主上。やはり雁国との縁を蔑ろには出来ないと、主上に進言致そうかと
思っていたところ。さすがは主上。夕餉を皆で、という事で如何ですか?」
「そうだな、浩瀚。そうしよう」
陽子が無邪気ににっこりと笑う。
景麒は朝議の後、ひっそりと自室に戻ると、身を震わせ、卓に臥したまま動けないでいた。
(くぉの、延王め―――――、何が下卑た罰ではない、だ!!確かに他者は傷つけない罰だ―――、
だが、だが、私の、私の矜持はどうなる―――――――――――――――っっ!!)
ぐらりと立ち上がり、ふらふらと窓の方に寄ると、景麒は眼下の園林を見下ろした。
そこには、束の間の休憩を楽しんでいるのであろう、陽子と祥瓊と鈴が、きゃらきゃらと楽しげにお喋り
に興じている。陽子は見下ろす景麒に気がつくと、ひらひらと愛らしく手を振った。
景麒はそんな陽子を見つめると、がんっ、と窓に額をぶつけた。
(くわぁ―――――――――――っ、あんなにも可愛らしく愛らしい主上!で、出来ないっ!あんな事
が出来る筈がないっ!くそ延王めっ!!でも、約束してしまった。麒麟に二言は無い。あの場には
桓たいも虎嘯も居た。私に二言があるという事をあの二人に見せる訳にはいかない・・・ああ、でも。
ああ、ああ、主上!いっその事失道してしまいたい―――――――――――――っっ!!)
主が聞いたら卒倒しそうな物騒な事を考える景麒。
がんがんと頭を窓にぶつける景麒を見上げ、三人娘は呟く。
「どうしちゃったのかしら・・・台補」と、鈴。
「忙しすぎて、すとれすが溜まっているのかもね・・・」と、祥瓊。
「今日の宴で、少しはそれが発散出来るといいのだが・・・」陽子が心配げに見上げる。
そして、日は落ち、宴の時間――――――――――
ごくごく内輪の者だけが集まった宴は楽しく進み、皆はよく飲み、よく食べ、会話も弾んだ。
陽子が場の雰囲気を壊さないように、そっ、と浩瀚に尋ねる。
「―――――――――景麒はどうした?具合でも悪いのか?」
「いえ、そのような事は聞いておりません。雑務を片付けてから、すぐにいらっしゃるという事を仰って
いたのですが・・・」
浩瀚が眉を顰めて言う。
「そうか・・・私が色々と不慣れな為に、景麒にはまだまだ苦労を掛けるな。今宵は特にねぎらって
やるとしよう」
陽子の優しく甘い声音に、自らの僕をねぎらう以上の感情を感じ、微笑みを漏らす浩瀚。
「・・・景台輔は幸せな方だ」
「えっ、何と?」
陽子が小首を傾げ、浩瀚に問う。
「いえ、別に・・・」
にこにこと笑う浩瀚に、自分の胸中を察せられたかのように赤面する陽子。
(景麒の仏頂面につられて、自分も奴を冷たくあしらってきたのかもしれない。たまには労ってやらな
いとな。もっと、大事にしてやらなきゃ駄目だよな。景麒は矜持だけは高いから、私から動かないと
何も始まらないし。始まらない?え・・・と、何を始めると言うのだ、私は?馬鹿馬鹿、陽子!何を
いやらしい事を・・・でも、うん・・・今晩なら、何となく・・・うん)
赤面し、甘い吐息を漏らす陽子。
そんな陽子の様子を窺い、そっと笑みを漏らす尚隆と六太。
「・・・遅いな、景麒は」
「・・・麒麟に二言はない。もうすぐだ・・・」
ふっふっふっ、と不気味に笑みを浮かべる雁主従。
そんな二人をそわそわと落ち着かない様子で見つめる桓たいと虎嘯。
刹那、扉がガタリと開いた。
「―――――――景麒!遅いぞ!」
陽子が扉の前に立ち尽くす景麒を見つめる。
「景麒・・・・・・?その・・・格好は・・・・・?」
眉を顰める陽子。
祥瓊と鈴と浩瀚はきょとんと景麒を見つめる。
青い顔をしながらも、口角が心ならずも上がってしまう桓たいと虎嘯。
これ以上ないくらいの笑みを浮かべる尚隆と六太。
陽子は蓬莱での遠い記憶を甦えらす―――――――――――
(―――――――これは何処かで・・・いや、でも、まさか―――――――!!)
「主上、御免――――――――――――――――――――――っっ!!!」
ばあっと、景麒がコートを開く。
その下は、全裸。
「「いやあぁぁぁ―――――――――――――――――――――――――――っっ!!!」」
祥瓊と鈴が絶叫する。
男たちはその一物を凝視すると、思わず唾をごくりと飲み込んだ。
(「こ・・・これは・・・デカい―――――――――――――――――――――――っっ!!!」)
絶句する男たち。
陽子はその場に昏倒した。
「主上、このままでは公務に差し支えます!」
すがる景麒。
「うるさいっ、変態麒麟!触るな、寄るなっ、近寄るなっ!お前は裸がいいのであろう?ならばそのま
ま裸で転変した姿のままでいろっ!!」
「しかし、主上――――――――――――――」
「うるさいっ!勅命だっ!!!」
足蹴にされて、景麒は床に倒れた。
「しゅ、主上ぉ――――――――――――――」
情けなく、言って景麒は愛しい主に縋る。もう一蹴り浴びて、ぐっ、と景麒が床にうずくまる。
「主上・・・」
陽子は景麒を後にし、すたすたと肩を怒らせ立ち去っていく。
(ああ・・・主上。誇り高き麒麟を足蹴になさるとは!でも・・・ちょっと・・・こういうのも良いかも
知れない・・・)
床で、妄想に暴走を重ねる景麒。
桓たいと虎嘯は一月の謹慎を浩瀚より命じられた。
二人に対する祥瓊と鈴の目線は限りなく冷たい。
延王と延麒は当然のように慶国無期限出入り禁止となった。
そして。
その後、王宮内の男達の景麒に対する視線が、畏怖を含んだものとなった――というのは別の話し。
宴に乱入する前、己をいじって大きくしておいたなどとは誰も知らない。
矜持だけは高い男、景麒。
今日も金波宮は平和に過ぎて行く――――――――――――――
<おわり>
職人様ご降臨を待つ間の、ちょっとしたお口汚しでした。スンマソン。
前スレの「陰謀」と合わせてご賞味頂けると、少しはマシになるかと。
お読み頂きまして、有難うございました!
追記です。
地方によっては「ど貧民」って呼ばないらしいのですが、語呂がいいので
「大貧民」と「ど貧民」を合わせて使用しました。
(これってPCコードに引っ掛からないですよね?最近は言葉を選ぶのが難しい・・・)
さすがにネタ切れなので、しばし引っ込みます。本当に今まで悪文、失礼致しました。
おもろいw
熊の口調が変だったけどなー
妄想が暴走する景麒ワロタ
◆4fSScbauBkさんに珍満が憑いてたら、
5人そろってモロ出ししてたことだろう。
三人娘のショック死だけは防いだ節度ある◆4fSScbauBkさんだ。
十二国的には、>115だけが正解なんだよ。
人の呼び方とか特に。
んでも面白かったし、うっかりなもまいさんにもなんだか萌えたよ。
また来てね。
コメント有難う御座います。
>熊の口調が変だった
そうなんです、前もキャラの口調についてお叱り受けたのですが。脳内消化してしまっていて。
まだまだ、甘いです、自分。タメイキ、ムズカシイナー
ネタも尽きましたし、これを機会に精進して帰ってこれたら、と思います。
声出して笑ってしまいました!面白かったです。景麒、変質者かよ!みたいな。また楽しみにしてます〜。
景麒のコートは六太が蓬莱で調達してきたのかな?
変態チックな景麒が哀れだけど可笑しくもあり・・・。爆笑!!
次回作も楽しみにしております。
思うのだが、4fSScbauB氏はどっちかつーとコメディタッチのが向いてないか?
シリアス物だと、氏も自覚してる口調も若干気になるし。
でも、上の方にある「北風と太陽」はいいですね。愛を感じます。
ネタを思いついたら、迷うことなく投下ヨロ。待ってます。
128 :
127:04/09/26 02:49:50 ID:qH9Sa3jV
すまん、ところでPCコードって何?
このスレは、初代からものすごい神が住んでいるね。
十二国記読んでよかったって心から思える。
俺も精進しよう……。
131 :
89:04/09/26 14:59:08 ID:pGY1KHO1
続きです。
珍満様が一人歩きし始めている現状、ここで投下するのはちょっと怖かったりして。
――不思議な気分だ。
今の私が私じゃないのはわかってるのに、意識だけははっきりしている。
ありえないことが起こってるのに、それを受け入れている。
私に男の子の『もの』が生えてしまって、それを目の前で祥瓊が愛しそうに舐めている。
これが夢でなくてなんだろう。
でも、確か。
この十二国にやってきたことも、かつての私から見れば非現実的な出来事なんだっけ。
だったら、もういいや。
いっそ、この幻に身を委ねてしまおうか。
部屋の中は、吐息と水音だけに満ちている。
ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ、と祥瓊がひたすらに陽子のを貪っている。
「さっきから本当に美味しそうに食べてるね。祥瓊は、それ、好きなのか?」
「んふ……ふきぃ」
「桓タイのとどっちがいい?」
「いまふぁ、よふこの」
祥瓊の舌技は決して洗練されているとは言えなかった。
さもあらん、本当なら彼女はまだまだ初な娘なのだから。
その身に人妖を宿している陽子ならともかく、祥瓊にそれを期待するのは酷と言える。
だが、真摯に陽子に奉仕し続けるその淫靡な表情と、陽子が発する問いに対するまるで娼婦のような受け答えが、陽子の気を昂ぶらせた。
「もっと奥の方までくわえてくれるか、祥瓊」
「こぉ?」
「もっとだ。喉の奥まで。飲み込むくらいに」
「んふぅ……」
陽子に言われて、祥瓊は健気にその通り動く。
が、慣れない事をするものではない。喉奥を突かれて、祥瓊は思わず噎せてしまった。
けほけほと咳き込む彼女の姿に、陽子は妙な愉悦を覚える。
「……無理、さすがに。窒息するかと思ったわ」
「ああ、すまなかったな。お詫びに今度は私が祥瓊のを食べてあげる」
陽子は祥瓊の手を引き、立ち上がるように促した。
「立つの?」
「その方が面白い」
言われるがまま、足を開いて仁王立ちになる祥瓊。
「いい子だ。自分からその格好をしたね」
「だって、この方が陽子もしやすいでしょう?」
「そうだね。……ならもう一つ。祥瓊、あなたの恥ずかしい所に手を添えてご覧」
「こう?」
「うん、いい。そしたら、きゅっと自分の手を使って開いてみせるんだ」
「……え?」
珍満の魔力がどこまで作用するものなのかはわからない。
だが、やはりある一線はあるらしい。
陽子の命令に、祥瓊は明らかに狼狽し、羞恥の表情を浮かべていた。
顔を赤らめ、陽子から目を反らそうとする。
陽子は、祥瓊のそんな姿も可愛いと思う。
でも、許してはやらない。
「嫌ならやらないよ」
それは殺し文句。期待に胸躍らせているはずの少女にとって、お預けをされることほどの衝撃はないはずである。
「どうする?」
陽子の浮かべる笑みは、優越感に満ちた強者のそれだった。
ご主人様はどっち? 瞳がそう語っているように祥瓊には思えた。
「……わかった。言う通りにする」
「ふふ。素直な子」
祥瓊はぴったりと閉じた割れ目の両脇に手を添え、静かに左右にずらした。
にちゃぁ、と粘っこい音がして蕾が口を開け、桃色の内襞が露わになった。
「綺麗な色だ。私はこういう可愛らしい方がいい」
「……うそ。陽子がそんなに色々な人のを知ってるわけないじゃない」
「私の中の人妖がそう言ってるだけさ」
そう答えてから、陽子は祥瓊の女陰に口をつけた。
わざわざ口を開くように命じておきながら、初めに触れるのは周囲からである。
接吻をするように、一瞬だけ触れて離す。
折角身構えていたのにまたしても期待を裏切られて、祥瓊は少し不機嫌になった。
わがままな子どもが不満を訴えるように口を尖らせる。
その表情を上目遣いで堪能し、陽子はくすりと笑った。
「仕方ないな、祥瓊は」
今度こそ陽子は本当に、しっかりと祥瓊のその部分を捉えた。
舌先を尖らせ、つぷりと差し込む。
襞の裏まで念入りに、ねっとりと舌を絡ませる。
「……や…ッ!」
甘い喘ぎが祥瓊の口から漏れ、程なくして膣口からは淫らな蜜が溢れ出した。
陽子はわざと音を立ててそれを啜る。
その音が引き金になって、祥瓊自身の昂ぶりもいや増す。
そんな祥瓊の様子を見て取り、陽子はさらに彼女を攻め立てるべく小さく顔を覗かせている肉芽にかりりと歯を立てた。
「ひゃぅッ!!」
一際高い祥瓊の叫びに陽子は満足し、さりとて休ませることもせずに祥瓊を攻め続けた。
「……あ、はっ……んッ…! やぁっ……!!」
吐息はもう、抑えようにも抑え切れない。
陽子の舌の動きに合わせて断続的に、何度も何度も零れ落ちる。
快感が高まるにつれ、祥瓊の全身は小刻みに震え、膝ががくがくと笑い出した。
「よぅこぉ……。らめぇ…、わたし、もう、たってられない…………」
「駄目だ。座ったら止めちゃうからね」
「んンッ……! なんで、さっきから……あッ! いじわるばっかりぃ」
「その方が、祥瓊が可愛くなるから、かな」
「ようこの、ばか……」
祥瓊は陽子の肩に手を置き、身体を支えた。
できることなら、再びあの恍惚を得たい。
ここで止められてしまうのは困る。
「じゃあ、一気に行くから」
陽子は祥瓊のそこから唇を離す。
代わりに、指を二本挿し込んだ。
まだこなれていない祥瓊の膣ではあったが、溢れた潤滑油のお陰か、さしたる抵抗もなくするりと奥まで入り込ませることができた。
挿し入れた指の第一関節を曲げ、天井を擦る。
「あぃッ!!」
祥瓊が大きな声をあげた。
「ごめん、痛かった?」
「ううん。ちがう……。今のが、いちばんよかった」
「なんだ。じゃあ、もっとやっても平気だな」
ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ……。
二本の指が生き物のように祥瓊の膣を掻き混ぜる。
細やかにして剛胆。じっとりと粘るような指遣いでありながらも迅い。
たった二本の指なのに、矛盾した要素を内に秘めているのがありありとわかる。
人間離れした、としか形容できないその動きに、祥瓊は気が遠くなりそうになる。
溢れた淫液が飛び散り、覗き込むように寄せられていた陽子の顔にかかった。
「やッ……! あぁッ……! ンぁあぁッッ!!」
祥瓊の嬌声がますます大きく、高くなる。
陽子は無言で、さらに指の動きを細かく、迅くしていく。
下腹部に淀んだ何かが一気に膨らんで、
弾けた。
「ひぁ、ぁあぁぁぁぁぁッッッ!!」
一度目よりも激しく肢体が脈打ち、意識が白い光に包まれる。
くたりと陽子の肩にもたれかかるようにして、祥瓊は膝をついた。
荒い息遣いだけが陽子の耳には届く。
「凄…ぃ……。こんなの、初めて」
「くたびれた?」
「ええ。……流石に」
「ふぅん。でも、休ませてはあげないよ」
「え?」
「私はまだ満足していない。一人だけ先に達してしまって悪い子だ」
「待って、それは、あなたが……」
「そんな言い訳、聞く耳持たないな。祥瓊が嫌らしいから私の舌で感じてしまったんだろう? 祥瓊が恥ずかしい娘だから、私の指でイってしまったんだろうが?」
「……」
「言い返せない? ふふ。正直でいいな。なら言ってご覧よ。私のこいつを挿れて欲しい、って」
何故だろう、その言葉を耳にした瞬間、突然また祥瓊の子宮が疼いた。
身体はくたくたに疲れているはずなのに、どこか満足していないような感覚。
祥瓊は視線を降ろし、陽子の股間に目を遣る。
さっきよりも大きくなっている。
天を睨むように屹立し、爛々とそびえる陽子の逸物は想い人の持つそれよりも、さらに一回り大きいように感じられた。
桓タイは恥ずかしそうにこう言っていた。
自分は半獣だから、持っている物も普通の人間よりは大きいはずだ、と。
その彼よりも。
……這入るわけがない。冷静に考えればそうである。
にも拘らず、祥瓊は、その巨大な逸物が自分の膣に分け入って来る所を想像し、そこがじわりと濡れて来るのがわかるのだった。
「どうした? さあ」
「……主上の……を」
「聞こえない。もっとはっきりと」
「主上の、おっきなのを、私の此処に挿れて下さい……。
それから、膣内(ナカ)を目一杯掻き混ぜてください……ッ……!」
「良く言えた」
陽子は腕を祥瓊の背中に回し、彼女をふわりとかき抱き、そしてそのまま、腰を持ち上げそっと床に横たえた。
「ゆっくり行くよ」
先端を膣口にあてがい、陽子はゆるゆるとその身を沈めていく。
「ほぐれているから、多分大丈夫だと思うんだ」
然り。二度の絶頂を経て、祥瓊の膣は既に蜜でどろどろになっていた。
それが一つの助けとなり、また、陽子の手によって弄られ、柔らかくなっていることもあってか、きついながらも陽子の陰茎は徐々に祥瓊に飲み込まれて行った。
「動くから。疲れているなら、じっとしているだけでいい」
「ん」
祥瓊は答えるだけで精一杯だった。
何しろ腹がぱんぱんに張っていて、それどころではないのである。
だが、それでも不思議と痛みは感じなかった。
陽子の技の故か、或いは。
「ねえ、陽子?」
「何?」
「聞きたかった、こと、何で、生えてる、の?」
途切れ途切れで不明瞭ではあったが、意味は掴めた。
――そう言えば、祥瓊にはまだこいつのこと説明してなかった。
これだけ巻き込んでしまって、今更だな、と陽子は思ったが、不誠実であるよりはましであろう。前後に腰を動かしながら、かい摘んで祥瓊に話す。
「そっか、だから、私、変……」
「まぁね。……祥瓊は妙だとは思わなかったの?」
「陽子、だからかと」
陽子はぼっと赤くなった。この人妖が人の心を操るとはいえ、その性質から考えれば心にもないことを無理矢理言わせる類のものではないだろう。
だから、今のは本当に祥瓊の心の片隅にある気持ちか。
「……嬉しい」
思いもかけなかった告白に、陽子は精一杯の気持ちを込めて、祥瓊の期待に応えてあげたくなった。
と。
陽子はふと、自分の今までの行為を省みて、急に恥ずかしくなった。
殷恵が取り憑いているのをいつの間にか忘れていたのに気付いたのである。
完全に殷恵に主導権を握られてから、確かに陽子自身も祥瓊との交合を愉しんでしまっていたように思える。
いや、だがそれも今更か。
ここまで来て、引き下がるわけにもいかないだろう。
(後悔して、自己嫌悪に陥るのは後でいい)
この際だ、もう羞恥心なんて捨ててしまえ。
「ねえ、殷恵。ずっと聞いているんだろう。私の身体を貸してやってるんだ。少しは私の希望も聞いたらどうだ?」
――何で御座いましょう。
「興奮するのはわかるけどね、さっきから祥瓊が辛そうなんだよ。少し、縮めないか?」
――私自身が、ということで御座いましょうか。
「そうだ。どうせお前、そういう能力も持っているんだろう? 今の主人は私だ。あまり勝手をするな」
――……承知。お許し頂けるならもう一つおまけをお付けするが、如何か?
「祥瓊を傷つけないなら、な」
腰の動きがぐっと楽になった。
陽子の希望は聞き届けられたようである。
きつ過ぎもせず、かと言って余りに小さくなるのでもない。確かに、これならば祥瓊に一番いいのかも知れない。
(悪い奴ではないのだろうが)
ただ少々やんちゃが過ぎる。
まあ、いいか。
陽子は考えるのをやめた。考えずとも、殷恵は最も祥瓊にとって良い形で陽子を動かしてくれるはずだ。
陽子はただ黙々と腰を撃ち続ける。
「ねえ、陽子。なんか中が変」
「どうかした?」
「でこぼこ、してる」
「でこぼこ……って」
おまけとはこれか。陽子は悟って、苦笑した。
奴め、形まで変わるのか。
――まったくもって、厄介な奴だ。
初めは仰向けの祥瓊に陽子が覆いかぶさる形だったが、幾度かの蠕動を経て、いつの間にか二人の体位は変わっていた。
四つん這いの祥瓊に、後ろから陽子が突き入れる、獣の如き。
俗にはこの形、男の側ばかりが快楽を貪り、女性は痛みを伴うばかりだとも言われる。
しかし、珍満の力を借りた交合にそのような心配事は無用であった。
人の交わりを知り尽くした淫妖は、どのような姿形であれ互いを満足させる術を知っている。
憑いた側だけでなく、その場に共にある者にさえ影響を及ぼし、共に高まって行けるよう、場を創り上げていく。
陽子は祥瓊の為に。
祥瓊は陽子の為に。
互いが最も心地よいと感じるように動き、そしてまたそれが自らを昂ぶらせることにも繋がって行く。
単純な前後の動きだけに留まることはない。陽子も祥瓊も、円を描くように二人の敏感な部分を擦りあげる。
「ふッンぅぅ……! んぁあッ!!」
「あァッ! ぁはァァっ!!」
狭い房間の中で、二人の嬌声が重なり合う。
次第に速度が増す。
擦りあげるような動きから、ひたすら撃ちつける動きに変わっていく。
激しく揺すられて、祥瓊の形の良い胸がふるふると震えた。
がくり、と祥瓊の腕が力なく折れる。
もう身体を支える力すら残されていないのか、牀榻の上にぺたりと顔ごと倒れた。
力なく開かれた口から唾液が流れ、敷布に染みを作っていく。
二人とも限界に近い。
「祥、瓊……!」
「陽子ぉっ……!」
最後の力を振り絞るようにひたすら腰を振る。
接合部がぶつかり合い、たぱたぱと音を響かせる。
「ふ、ぅぅンンンッ………!」
「祥瓊、イクのか!?」
「……陽子もぉっ、来てぇぇッ!」
「わかった、行くよッッ!!」
「いッ……あぁあぁあああぁあぁぁっ!!」
「うぁぁあぁああぁああぁぁぁぁぁっ!!」
どくんッ!!
二人は同時に達する。
尿道を通り、びゅくびゅくと祥瓊の膣内に液体が注ぎ込まれる。
陽子にとっては、決して持ち得ぬ器官が放つ、初めての体験。
何度も何度も、珍満が満足するまで止まらない。
最後の一滴まで搾り出し、二人は折り重なるように倒れこんだ。
――善き哉!
薄れる意識の中で、陽子はすっかり萎んだ珍満が体を離れて行くのを見た様な気がした。
* * *
「……と、いうことは、本当に祥瓊に出してしまったものに、害はないんだな」
「えぇ。あれは、殷恵が作り出したいわば幻のようなものです。余韻が冷めれば、なかったことになりましょう。
……そもそも、ここは蓬莱ではないのですから、仮に本物であったとしてもよもや妖の子を孕むなどということは決してありませんよ」
「はぁ……。それを聞いて安心したよ」
ことが終わって目覚めた時、陽子を襲ったのは、やはりというか何というか強烈な自己嫌悪。
振り返ってみれば、あまりにもあまりなことをしてしまったような気がする。
――しかし。
「それにしても、主上、祥瓊殿ばかりずるい。私のことも愛して頂けないでしょうか?」
「お前はずっと一人で愉しんでただろう」
「主上はご存知ないのです! 覗き見をしながら独り慰めるのと、実際二人で交わる心地よさの差を!」
「わかったわかった。……そうだな。じゃあ、もう一匹、雌型の方を見つけ出して来れたら考えてやるよ」
「ほ、本当ですね!」
「但し、公務は疎かにするなよ」
「勿論ですとも!」
言うが早いか景麒はすぐさま転変し、そのまま飛び出して行った。
陽子の言葉は全く耳に入っていない様であった。
馬鹿が。陽子は溜息をついた。
とは言え、陽子が端からそのような約束を守るつもりがない以上、お互いさまといえる。
「陽子」
「……祥瓊」
「台輔に頼んでくれたみたいね」
「ああ。あいつはああ見えて単純だからな。何の疑いも持たず飛び出して行った」
「約束、覚えてる?」
「今度は祥瓊が男役、だろう」
「覚悟しておきなさいよ。声が涸れるまで泣かせてあげるから」
「……楽しみだ」
――何だかんだ言っても、陽子の中にはくっきりとあの時の記憶は刻み込まれてしまっていた。
忘れろ、と言われても忘れようがない。それほどの快楽。
迂闊に嵌まると、それこそ道を踏み外しかねない。
ふと、陽子の頭の中に恐ろしい考えがよぎる。
もしかして、欲に溺れて道を踏み外す王は、皆これを知ってしまったためにそうなってしまったのではないか、と。
(まさかね……)
そんなに簡単に人は変わるものじゃない。
自分をしっかり持ってさえ入れば、そうそう乗っ取られる物じゃないだろう。
だが、どうしてもその考えを陽子は振り払えなくなってしまった。
(傾国の影に珍満の姿あり、か……)
だとしたら、
全くもって、本当に本当に、
――厄介な奴。
陽子は思った。
〈了〉
以上です。お付き合いありがとうございました。
珍満様お待ちしておりました〜!正に漢な陽子、素敵です(;´Д`)独りで耽る景麒のセリフに笑っちゃいました。
陽子かっくぃー! 漢の中の漢だ!
祥瓊を気遣って大きさを変える優しさが陽子らしいです。
もうベストカップルだと思います!
二人の長所を最大限に引き出してくれる珍満様も素敵です!
景麒が素晴らしい雌珍満を折伏できますように。
雄珍満憑き×雌珍満憑きとかのカップリングにも期待できそうですね!
大満足。
こうなったら次は陽子と祥瓊で鈴を攻めて欲しいものです
楽しませてもらいました。景麒が最後かわいいですね。
150 :
144:04/09/26 23:56:17 ID:pGY1KHO1
んー、たくさんのレスどうもです。
励みになります。
今回は何となく勢いでこんなSSを書いてみた次第ですが、
珍満様はこのスレが生み出した皆様の共有物なので、どなたか設定を生かして新しく書いてみるのも面白いんではないでしょうか。
……つーか、俺が読みたいw
>150
同意。
「図南の翼」の隠されたエピソードとか、
麟が見つめて折伏中に形状が変化する珍満とか、
蓬莱での初めてのお使いとか、
麒麟肉食べてハイパーになった珍満とか
>151
>麟が見つめて折伏中に形状が変化する珍満とか、
セクハラ?
>>151-152 折伏中に形状がモニョ^2変化したら、思わず吹いてしまって、逆に「珍満」取り憑かれてしまうな
ほしゅ
げしゅ
じしゅ
しゅしょう
しょうこう
あれ?誰もいないの?(゚Д゚;)
職人様、ぐっじょぶ!笑いすぎて腹いてえ〜!
ノシ
週末になれば、職人さんが落としてくれるんじゃないの?
◆4fSScbauB〜、ネタ、まだぁ〜?
漏いら、涙ぐんじまったよ、泰麒の独白。(北風と太陽)
それで「陰謀」みたいの書くんだもんなぁ、神!
ちんまんで書くって言うのは、職人さんの矜持が許しまへんか?
しかし、矜持の高い男、景麒、ワロタ。半起ちかよ!
162 :
名無しさん@ピンキー:04/10/03 05:28:19 ID:xm/MpY/z
陽子が祥瓊と鈴に責められるシチュエーションが一番萌えた
叩かれても殴られても聞きたい!!
なんでここはsageなきゃいけないんだ
ずっとageておけば人目につくし、SS投下もフエルト思う
こういうハツゲンはだめぽ?
広告を張られるからだよ
>163
2chの性質上、住人がマターリしてても通り魔みたいに荒しに遭う事もあるので
いつ何時、何が原因で荒れるか分らないからだと思う。>sage推奨
常時ageで人目につくと、それだけ無差別煽り荒しに目を付けられるリスクも
跳ね上がるので、自衛策としてsage推奨のとこが多いのでは。
あと考えられるのは、sageが出来ない=雰囲気読めない2ch初心者って事で
嫌がられるケースが多いというのもあるかと。
SS投下が増えるかどうかについては、ここは伏字無しでタイトルが入ってるから
見つける人はCtrl+F検索で辿りつく事が出来るから、ageとはあんまり関係ないのでは
専用ブラウザ使ってる身としてはageてようがsageてようが関係ない。
定期的に書き込みがあれば下の方にあってもオチることはないし。
上にあろうが下にあろうがマターリしてればなんでもいいけど、
変に上にあって嵐に遭うのも嫌なので
中に潜って予防できるならそれに越したことはない。
SSの投下量に関しては>165に胴衣だな。
167 :
名無しさん@ピンキー:04/10/04 01:25:28 ID:WtESXniu
おい・・・
管轄が違うといっても2ちゃんの分家みたいなもんだぞ、ここは。
サイトの貼り付けは晒し行為だ。
宣伝・私怨でも痛いが、お気に入りとか言うなら尚更貼るなよ。
>163
書き手さんによってまちまちでしょうが
ひとりの書き手としては
スレが上にあるときは
41以下に下がるまでは投下は控えたくなります。
>163
後ね、誰でもわかるスレッドじゃないからだよ。
十二国記を知ってる人にしか楽しめないスレだから、バリバリ上げちゃうと
知らない人の目にもついて迷惑なんだよ…。
後は他の人がこれまでに説明してくれたのでおK。
今週末あたり職人さん来ないかなー
それにしてもこのスレに来る職人さんは凄いよ。
俺なんて日々妄想ふけってるけど、全く創造に
つながらない。一度、個人的に書いてみるか…
自演乙
断定厨の住みかか、ここは。
マターリ汁
鈴はなんで景王様なんだろう
わざとなのか?
〃⌒ヽ、
〃ノ人ヽヽ 失胴した景麒が
ノ∪´_>`∪ ちょっとスレを
-= (_/ヽ_) 保守しにきました
失道した景麒が、エロ少ないけれど投下しに来ました。
長いです。すいません。
「どうしたんだ、景麒。お前、最近おかしいぞ?」
陽子は朝議の後、退出しようとうする景麒を呼び止め、部屋へと呼び戻した。
部屋にはまだ、朝議の熱気がこもっている。
朝議は荒れた。
陽子が監査の制度を取り入れると発言した。税吏の腐敗は著しく、その報告には信頼が置
けない。抜き打ちで書類を調べ、その正誤を問うべし-------------と。
「ただでさえ官吏は少なく、彼らは寝る間も惜しみ、慶に尽くしております。その忠義を
主上は疑われるのか」
「期待する事と信頼する事は別のものだ。官吏が如何に慶に尽くしているのかは判ってい
る。ただ、私は民が血と汗を流し、慶のために納めた税を適切に管理したいだけだ」
「適切に、とは聞き捨てなりません。官と言えど、我らとて慶の民。民の苦しみは我らの
苦しみ。この貧しい国を三代の王に仕え、支えて参りました。我らがこの国の民の気持を
一番に考えていると言っても過言ではありますまい。その臣の忠義を疑われるか!」
(新参者の王の癖に何を生意気な--------!)
侮蔑の気持を隠そうともしない古参の官の言葉に、陽子はうんざりして、溜息をつく。
「・・・そんな事は言っていないだろう。どのような官吏でも、その職務を監視する機関
が必要だ、と言っているだけだ。それの何が問題だと言うのだ」
「これ以上の負担を我らに問われるつもりか!」
朝議は紛糾し、怒鳴らなければ陽子の声も伝えられない。浩瀚の取り成す言葉も、興奮し
た官達には伝わらない。
陽子は溜息をつき、後ろに控える景麒を見やると、彼は心此処に在らず、と言った風にぼ
うっ、としている。
「確かに実際的な政にまでお前が関わる必要はないのだが・・・それにしても、お前、全
く話を聞いていない様子だったぞ」
陽子が顔を顰めて景麒を見やる。
「・・・申し訳御座いません」
「謝罪をして欲しい訳ではない」
「申し訳ございません」
陽子は、ただ謝罪を繰り返す景麒を睨みつけたが、ふう、と溜息をつくと顔を背けた。
「・・・しっかりしてくれ。忙しいのは理解っている。疲労も溜まっているだろう。だが、
体調が悪いのであれば、そう言ってくれ。黙っていられても、私には判らない」
なおも、うつむき黙する景麒をちらりと見ると、諦めたように陽子は首を振り、背を向け
て場を後にした。景麒はうつむき、その場に立ち竦む。
と、また、すたすたと景麒に向かってくる足音が程なくして聞こえてきた。
顔を上げると、苦虫を噛み潰したような陽子の顔。
「・・・悪かった。言い過ぎた。誰より慶の事を考えてくれているお前なのに。八つ当た
りだ」
陽子は苦笑すると続ける。
「本当に心配しているんだ。顔色も良くない。食事もあまり取っていないと女官から聞い
ている。何か、私に出来る事はないか-------------?」
心配そうに己を見上げる、少女の真摯な、視線。
景麒は視線に耐え切れずに顔を逸らすと、ようやく一言吐き出す。
「申し訳ございません------――――本当に、何でもないのです。ですから、お気になさ
らないで下さい」
「だが――――――」
「本当に、大丈夫です」
陽子はまだ何か言いたげに、景麒の顔を見つめたが、そうか、と一言言うと、部屋を後に
した。
景麒は部屋に一人残される。
窓からは、柔らかい春の風が吹き込む。だが、景麒は冷気をあてられたかのように、身を
震わす。ゆっくりと椅子に腰を下ろすと深い、溜息をつく。
主の優しい気持の一つ一つが、返って、辛い。
信頼すべき者も在らず、ただ一人、己だけが味方だった事はとうの昔。
外からは、一時の休みを楽しんでいるのだろう、きゃらきゃらと軽やかな少女達の笑い声
が聞こえる。
通りかかった大僕や、将軍が少女に声を掛ける。
その声は気さくではあるが、自らの王に対しての尊敬の念を隠せない。
少女はそれに気付きもしないかのように軽口を叩いて相手を笑わせる。
王宮だけではない、民もまた明るくなった。
街に降りると、民たちの顔は輝いている。
確実に、この王宮から新しい風は吹き、それは街へと降りている。
その風はただ一人の少女から発せられている。
暖かい風が窓から吹きこむ。そよそよとそれが景麒の頬に触れる。景麒は卓の上、祈るか
のように手を組み、目を瞑ったまま立てないでいる。
外からは変わらず、涼やかな少女の声。
景麒の髪は、ふわり、と窓からの風に揺らされる。景麒は自分の髪を揺らすのが少女の指
だったら、と想う。
少女の顔を自分を覗き込む。その指が自分に触れる。そのしなやかな体が自分へと投げ出
される。自分の腕は少女を抱く。強く―――――――――
ひときわ高い笑い声が外から聞こえ、はっ、と景麒は我に返った。
そして、苦笑する。
(己のこの感情を知ったら、主上はどう思われるであろう?嫌悪するか。哀れむか。いっ
そ、憎まれ厭われた方がどんなに楽であろう――――――-)
景麒はようやく立ち上がると、室を後にした。
「私はあまりに性急に物事を進めすぎているのだろうか?」
正寝の書房に浩瀚を招き、陽子は浩瀚に茶を手向ける。
浩瀚はそうですねえ、と首を傾け、一口茶を口に含むと言った。
「性急、というのとは違うかもしれませんね。むしろ、『違和感』とでも言うのでしょうか」
「どういう意味だ?」
その心配げな陽子の幼げな表情に、浩瀚は顔を緩めた。
「そのような顔をされる事はないですよ、主上。このように、主上と忌憚無く会話を交わ
せる機会がある者にとってはそうではないのかもしれませんが・・・そうでない者にとっ
ては、主上の言う事為す事全てが新しく、慣れないのでしょう」
「しかし、同じ事を続けていては進歩はない」
憮然とした様子で陽子が言う。
「そうは言っても、やはり人とは変化に慣れぬもの」
うーん、と言って陽子は卓に肘をつく。
「難しいな・・・緩やかな変化を待てる程、慶は豊かではない・・・」
頬杖をつき、どこか遠いところに視線を彷徨わせる陽子を静かに見つめる浩瀚。浩瀚の頭
の中には、変化についていけない古顔の官の顔が次々とよぎる。と、浩瀚は思いついたよ
うに顔を上げると陽子に問うた。
「ところで主上、台輔は具合でもお悪いのですか?」
いきなりの問いに陽子はぴくりと体を震わすと視線を浩瀚に戻した。
「・・・それは、私も気付いていた」
ふう、と長く陽子は溜息をつく。
「このところ、全く朝議にも集中していない。仏頂面はいつもの事だが、何というのだろ
う・・・」
「覇気がない」
浩瀚が言うと、陽子が頷く。
「そう、そうなんだ。覇気がない。あいつは麒麟の癖に、嫌に凄みのある奴だった。朝議
でも、あいつが一声発するだけで、官がはっとして場が静まる事だって一度や二度じゃあ
なかったのに」
はあ、と再び溜息を吐く陽子を見やって浩瀚は呟く。
「・・・まるで、恋をしている男のようですね」
「恋だと――――――――?」
目を見開き、あんぐりと口を開けている様子の陽子を見やると、浩瀚はくつくつと笑った。
「いえ、ものの喩えですよ。いつも気がそぞろで、上の空。気が付くといつも主上の方を
見つめている」
「馬鹿馬鹿しい」
ふん、と鼻を鳴らす陽子の顔がうっすらと紅潮しているのを眺めると、浩瀚は優しい視線
でその若い主を見つめた。
「そうでなくても、王を慕う麒麟の気持は我々には計り知れないもの。もう少し、台輔と
お話をされてみては如何ですか?主上も忙しさにかまけて、台輔殿とゆっくりお話しも暫
くされていないご様子」
「――――――景麒と今更何を話せと言う。私だけがべらべらと話して、呆れた顔で見られ
るのが落ちだ」
「そうでなくて。ご一緒に居られる時間が大事なのですよ」
陽子は顔を顰めて浩瀚を見やる。
「―――――冢宰に置かれては、うまく話題を変えた訳ではないよな?」
「いえ、いつでも政の話は受け付けますよ。ただ、今回はそれよりも火急の案件があった
ような気が致しまして」
「火急の案件な・・何だかお茶を濁された感じだが」
己を睨めつける陽子を見つめ、浩瀚はそっと微笑む。
初めは違った。
私には判らない、私には手に負えない、そう繰り返す主に辟易した事も数え切れない程。
何も判らない主を蔑ろにし、官達は好き勝手に朝議を進める。
何度怒りと悔しさであの小さな肩を震わせていた事か。だが、それを見つめる己には、仁
の獣には相応しくない程の冷たい気持しかなかった筈。
街に降り、市井の人間にまぎれて、ようやく微笑むようになった小さな少女。
(同じ事の繰り返しか――――予王様の時のように、平凡な人生を貴方は歩まれたいのか。
貴方は、王を、慶を捨てるのか―――――)
が、己の小さな憂慮は吹き飛ばされる。謀反に加わり、慶に巣食う獣を公にした。結果、
主は信頼すべき者を得た。
そして、戴台輔の帰還劇。
隣国の大国、雁の王を動かし、天でさえ成し得ない事を成し遂げた。
陽子、と皆呼ぶ。
女史や大僕、延台輔――――そして延王。愛情をこめ、皆、陽子、と己の主を呼ぶ。
主は自分には見せない、心からの笑顔を向ける。
生臭い事を話さなくてはならないから、お前は退室してくれ、と何回言われただろう。
こんな時、延王だったらどうするだろう、と何度呟かれたか。
彼女は一人で立ち、歩き始めた。だが、その瞳は誰の背中を見つめている?
半身なぞ、まやかしだ。
彼女を王に選んだ時点で、私の存在価値は無くなった。
景麒は呟く。
私は、遅すぎた。
守るべきときに、彼女を守らず、支えるべきときに彼女を支えなかった。
あの微笑みを、己に向けてもらいたくとも、今はその術もない。
景麒、と怒ったように自分を見つめるその顔。
強引に裾をつかんで己を引き止めるその華奢な指。
一人露台で夜空を見つめる寂しげな小さな背中。
どうすれば良かった?己は、仁と慈悲しか知らぬ身。このような感情をどのように放てば
良いと言う?
ああ、己は麒麟であって麒麟ではない。己の主に、このような邪な感情を持つなぞ。
その声に、さらさらと揺れる髪に、細い指に、その全てに欲情する。
その袍を脱がし、生まれたままの少女を見つめたい。
その瞳が己だけを見つめ、その耳が己の声だけを聞き、その全てを己のものにしてしまい
たいなぞ―――――
深夜、景麒は自らの寝所である仁重殿の自室で、眠れないで榻に腰掛けたまま、ただ溜息
をつく。
と、とんとん、と扉を叩く音。
景麒には立ち上がる気力もない。だが、なおもとんとん、と叩く音がするので、ゆるりと
立ち上がり、扉を開ける。
「・・・景麒、大丈夫か?」
そこには心配そうに見つめる主の姿があった。
「・・・大丈夫か、とは。何事でしょう?」
ふっ、と微笑むと主が己の手を引く。
「そんな不機嫌な声を出せるくらいだから大丈夫なんだろう。景麒、散歩に行くぞ」
あまりに突然の申し出に、ただ景麒は黙して語れない。
「さ、行くぞ。皆が寝静まっている時にする散歩もオツなものだ。実は見てもらいたいも
のもあるんだ。行こう」
景麒はそのまま導かれるように手を引かれ、仁重殿を後にする。
「すごい、いい場所があるんだ。景麒だって知らないと思う」
陽子はどこか浮き浮きとした様子で景麒の手を引く。
景麒は、夢でも見ているかのような気持で、ただ、手を引かれ、歩を進める。
正寝と仁重殿の間に、園林がある。その奥へ奥へと主は手を引いていく。雲海を背にし、
小さな小川沿いに陽子は歩いて行く。
その間、景麒はその腕を掴む陽子の小さな手の暖かさを感じる。振り払いたいのに、振り
払うべきなのに、振り払えない。
(天よ――――今一時だけです。私を、お許しください―――――)
陽子の揺れる髪を見つめ、景麒はただ歩を進める。
うっすらと陽子が汗ばむくらいに歩いたところに、小さな、庭があった。
そこには一面の紫の花―――――
「ちょっと、すごいだろう?誰もこんなところまで来ないから」
にっこりと陽子が笑う。
ちょこん、と腰を下ろすと、横の芝をとんとん、と叩いて景麒を誘う。
景麒は腰を下ろすと、その芳香と月夜にうっすらと輝く紫の花々を見つめ、呆けたように
何も言えない。
「―――――これは、この花は、見たことがありません。これは、慶の花ではない・・・」
ようやく一言吐くと、陽子がそっと笑う。
「種明かししちゃうと、私が、種を蒔いた」
景麒が陽子に顔を向ける。
「そんな、怖い顔をするな。たまには、こういう気晴らしを必要だろ?延王に種を貰い受
けて、植えたんだ。紫の、花の種が欲しいってねだって」
(延王に―――――)
胸の奥底で、どろりとしたものが湧き上がる。脳裏には、己の主にの無邪気な笑顔を、宝
物でも愛でるように見つめる延王の顔が浮かぶ。
沈黙する景麒に構わず陽子が続ける。
「小さく、弱々しく見えても、強い、花の種が欲しい、って。紫色の花―――お前の瞳と、
ちょうど同じ色」
照れたように陽子が下を向く。
「景麒、私はいつも言葉が足りない。でも、仕方がない。言葉が出てこないんだ。何を話
したらいいのか、何て話したらいいのか分からない。だから、花を植えた。肥料を与え、
水をやり、いつ咲くかいつ咲くか、とこの庭に足を運んだ。咲けば咲いたで、ここで何度、
思いを馳せたか――――」
(「何に、いえ、誰に、一体思いを馳せたのです――――?」)
景麒は体中が熱くなり、湧き上がるどす黒い感情がに吐き気さえ覚える。堪らず、口元を
抑える。そんな景麒を心配そうに見つめると、陽子は景麒の腕にそっと触れた。
「景麒、お前が最近、体調がすぐれないのは判ってる。夜更けにこんなに歩かせてすまな
かった。でも、どうしても見せたかったんだ。だって――――」
「――――判っております。このように美しい、珍しい雁の花々をお見せ頂いて、本当に
感謝申し上げます」
景麒は陽子に皆まで言わさず、そう吐き捨てるように言うと、会話を断ち切るかのように
立ち上がった。
「景麒―――?」
陽子はきょとんとした顔で景麒を見上げる。
「私は、何か気に障るような事を言ったか?」
心配げに見上げる陽子の瞳。その揺れる瞳を見ると、景麒は己に何か凶暴なものが湧き上
がるのを感じた。その細い少女の肩を、がくがくと揺さぶりたい。そして、その紫の花の
上に押し倒し、その花を散らしてしまいたい――――――
景麒はその衝動を抑え付けるように、深く息を吸い込み、ぐっと歯を噛み締めると、よう
やく、口を開いた。
「あなたは私に――――何を共有せよと言うのです?そのようなお話を聞かせる相手は、
私でなくても、他にもっと相応しい方がいるでしょうに」
吐き捨てるように言うと、景麒は背を向け、逃げるようにその場を後にした。
「景麒!どうしたんだ――――?」
陽子は、月明かりの下、一人残される。
花が、香る。
陽子は、膝を抱えるとそっと涙を流した。
月夜が花を照らす。風がゆるゆると花びらを揺らすが、それは一枚も散らず、風が吹くた
びにふくふくとした香気を発する。
「・・・みたいだ」
陽子がつぶやく。
「弱々しげに、儚く見える。でも、散らない。風にも、強い日にも、冷たい夜にも負けな
い。水をやる私をいたわるように咲きほこる」
陽子は一筋、涙を流す。
「この花を、二人で見たかっただけなのに・・・」
陽子は思い出す。
今となっては夢のような蓬莱の事。
学校に現れ、跪いた一人の男。
(「許す、とおっしゃい――――――――!」)
暗い、海を渡った。憎しみを受け、ただ己が存在する事だけで厭われた。掌を貫かれ、飢
え、霞んでいく視界の中、この世界に連れこんだ男を恨んだ。
王になった後も、その冷たい麒麟の背中を何度恨んだ事か。
「景麒みたいだ、この花は」
いつしか分かったのだ。彼の不器用な優しさが。
厳しい言葉を吐いた後の切なげな顔、自らを慰めるように差し出されてすぐに引っ込めら
れる手、己を見つめる寂しげな優しい瞳、露台で、独り悔しさに身を震わす自分を見つめ
ていたあの視線―――――
いつもいつも見守っていてくれた、己の半身。
その声を聞きたくて、何度わざと突っかかったか。その不機嫌な顔も、愛おしかった。
謝ると、困った御方だ―――とかすかに笑う。その笑顔を何度、眠りに落ちる前に繰り返
し思い起こしたか。
その腕は、胸はあたたかいのか。その優美な指はひんやりと自分の顔を覆うだろうか。そ
の吐息は甘いのか。そしてその唇は―――――
(とんだ、茶番だ。花も、私も、景麒にとっては重いだけ――――)
陽子は膝を抱え、声を殺して涙を流す。
「主上」
呼びかける、声。
陽子は、ぴくりと体を震わす。が、涙に濡れたその顔を上げられず、その膝に顔をうずめ
たまま。
かさり、と草を踏みしめる音がして、その気配は己の隣に静かに移った。
「・・・失礼を致しました。主上のお話を途中で遮るような真似を」
きっ、と陽子が景麒を睨みつける。
「同情か?憐れむのか、お前は?ならばここではっきりと言っておく。そんなものは私に
は必要ない。そんなものは要らないんだ!」
ほとんど絶叫するかのような陽子の言葉に景麒は驚く。
「お前のその曖昧な優しさが、慶を滅ぼしかけたのを忘れたか!もう、行け!お前に恋慕
を抱いた主なぞ構わず――――――とっとと、行け!」
景麒はその言葉に衝撃を受け、一言も発する事が出来ず、身動きさえ出来ない。
「聞こえなかったのか?行け。道を誤るような真似はしない。前王と同じ轍は踏まぬ。
だから、安心しろ。夢だったと、今なら、己を欺ける。だから、行け――――――」
最後は涙声になり、ほとんど聞こえなかった。
だが、景麒は理解した。
(ああ、私は、何と言う誤解をしていたのか――――――)
陽子は声なく、泣いた。
その背中の何と小さい事か。
景麒の頭は真っ白になり、その体が意識の外で、動いた。
陽子は子供のように軽々と抱き上げられ、そして、ゆっくりと紫の花の中に横たえらた。
「何をする―――――!」
陽子は叫ぶ。暴れる陽子を、そっと、だが強い力で景麒が押さえつける。月明かりの下、
景麒の顔はまるで、初めて会う男のように、陽子には映る。
景麒はもう己を止められない。抑え付けていた言葉が口から零れ出すのを頭の隅で感じる
のみ。
「ずっと、ずっとあなたに恋をしていた。あなただけを想い、あなただけを見つめ、その
表情のただ一つでさえも見逃したくなく、ただこの瞳はあなたのみを追うばかり――――」
陽子は目を見開き、景麒の顔を見つめる。
「慕う心はあまりに強く、あなたの声だけが聞こえ、あなたしか見えない。こんな麒麟で
もあなたは良いというのか。こんな私でもあなたは想って下さるか」
陽子は自分の耳が信じられない。
「これは―――――――夢だろう?」
景麒が頷く。
「夢です。禁じられた、甘い――――夢」
陽子は震える手で景麒の顔にそっと触れる。
「だがお前は、こんなにも―――――――暖かい」
「ならば、私たちは今まで悪夢を見ていたのでしょう。これこそ、現(うつつ)」
景麒―――――。
呼ぶ声は唇でふさがれ、頭はその腕にかき抱かれる。
景麒、景麒、と陽子はただ呟く。
「どれほどあなたに触れたいと思っていた事か」
陽子はそう言う景麒にひしとしがみついた。
景麒の熱い腕がそれを受けとめる。
どくどくと体が脈打ち、景麒は生まれて初めて、己の体に、血が流れているのを理解する。
触れられた場所が、その存在を誇示するかのように、熱く、脈打つ。
景麒が陽子の着物を脱がす。その陽に愛された肌は、月の光りの下でもなお、美しく光る。
景麒の指は、その美しい曲線を愛おしむようになぞる。
陽子はその指でなぞられるたび、電流でも走ったかのように、ぴくりぴくりと体を震わせ、
耐えるように景麒にしがみつく。
陽子はその肌に触れたくて、景麒の着物を取り除く。着物を一枚剥ぐごとに、伝えられる
体温は陽子の体を熱くし、その熱さを直に感じたくて、一分の隙も作りたくなくて、陽子
は一層力を込めて景麒を抱きしめる。
陽子は我を忘れそうになりながら、頭の隅で考える。
(私の体は、ちゃんと動いてくれるか?景麒を悦ばせられるよう、私の指は、口は、私の
体の全てはちゃんと動いてくれるか―――――――?)
陽子の体は期待を裏切らない。
その指は、優しく景麒の髪を梳き、唇は景麒の胸に押し当てられ、その乳首を優しく噛む。
その一つ一つに、景麒は切なげな溜息を漏らす。
陽子の腿に、熱く、堅いものがあたる。陽子はそれをそっと、両手で包む。茎の根元を握
り、片方の手でゆっくりとそれを上下にしごく。唇は胸にあてられ、その滑らかな肌を舐
め、乳首を含み、それを吸い上げる。
景麒は腰がずんと重く、熱くなるのを感じる。
その手は陽子の背中を抱き、唇は愛しい少女の口内を蹂躙する。手は次第に下に降りてい
き、その柔らかな尻を掴む。そのとろけてしまいそうな感触を楽しむと、景麒は唇を徐々
に降ろしていき、首筋に自らの刻印を刻み、胸元にその花を散らす。柔らかな頂きに唇が
辿りつくと、手もその頂きへと導かれ、青く堅い果実を柔らかくするかのように執拗に揉
む。舌と手で、乳房を愛撫し続けると、堪らず陽子はああ、と声を漏らし、顔を背けてし
まう。景麒はその甘い声にますます己が堅くなるのを感じながら、舌で乳房の頂点、その
小さな木の実のようにつんと立つ、乳首をかりりと噛む。
「ああっ」
陽子が体をくねらせ、脚を景麒の脚に絡ませる。
景麒は手は乳房を揉みしだきながらも、その木の実の周囲に舌をくるくると這わせ、そし
て乳首をちろちろと舐めつづけ、若い木の実を一層堅く大きく実らせようとする。赤く色
づき始めた木の実は景麒の口で、一層強く吸われ、噛まれ、味合われ続ける。
景麒の手はそろそろと茂みへと移っていく。そろりと指をはわすと、まどろみから目覚め
たようにぴくりと陽子が体を震わす。景麒は一瞬、躊躇ったが、その指を奥へと這わせた。
陽子は自分でも触れたことのない、その己の奥へと入り込んでいく景麒の細い指を感じる。
最初に感じたのはとろりとした暖かい蜜が流れた事。指が動くたびに、その蜜がこぼれだ
し、くちゅくちゅと言う音を立てる。そこから背中へと、背中から頭の芯へと、感じた事
のない快感が駆け上がっていく。陽子の脚は我知らず、拡げられ、そして景麒の指はます
ます深く入っていく。その天井に指をあてられ、陽子は思わずぎゅうと、景麒の熱く堅い
竿握る。
「くっ・・・」
景麒は思わず声を上げるが、その秘所に深く入りこんだ指の動きは止めない。それは二本
に増やされ、壁を掻きまわし、そして抜き差しを繰り返す。
陽子は背をそらし、嬌声を上げた。が、すぐにその声は噛み締めた唇に閉じ込められる。
景麒は構わず、陽子の中の広さと柔らかさを確認するかのように、執拗に指を動かす。
ゆるゆると指は動かされ、そのたびに陽子の腰は動き、一層強くその顔は地面に押し付け
られる。
「主上」
呼ばれ、陽子は汗にまみれた顔をゆっくりと景麒に向ける。
「あなたの、声を聞きたい。もっと、もっと」
血の滲んだ陽子の唇を、そっと景麒が吸う。
「だって・・・」
陽子が恨めしげに景麒を見つめる。
「恥ずかしい」
景麒は愛しくてたまらないかというように、その体を抱きしめると、己の中心で熱を増す
自分自身に陽子の手を導いた。
陽子は微笑みを漏らす。
「熱い・・・最初に触れたときより、ずっと」
「これを、あなたの中に入れてもよろしいか?」
陽子はこくりと頷いた。
景麒は陽子の手に導かれ、痛い程張った竿を秘所へと進める。その先端をつついてみるが、
いかな指で愛撫を繰り返し、壷からは蜜が溢れているとは言え、それが収まるだろうかと
躊躇する。
だが、陽子の指は景麒のそれを早くおさめようかのするように自分の中へ急きたてる。
「よろしいのか?」
「馬鹿。何度も、聞くな」
言うと陽子は景麒の竿を先端にあてがうと、腰をぐいとあげた。
景麒の先端がするりと入り口に引き込まれる。竿の引っ掛かりの部分まで、陽子の中に収
められると、我慢出来ずに景麒はぐいとそれを陽子の中に全て収めた。
「きゃあああっっっっ!」
陽子が絶叫する。だが、すぐにまたその唇を噛み、陽子の唇からは更に血が滲む。
景麒は再びその傷ついた唇に接吻をし、己を陽子の収めたまま、問う。
「お辛いか――――――?」
そっと、体を離そうとする景麒の腰を陽子がその手で制する。
「痛い。でも、嬉しい。だから、もっと頂戴。景麒が、欲しい」
景麒は、その言葉だけでもう充分だと感じる。そのくせ、自分のものは相変わらず痛い程
に張り詰めたままで、腰は無意識に陽子の体を突く。
陽子は痛みに顔を顰め、目をきつく閉じる。突かれるごとに、体が壊れそうな感覚に襲わ
れる。もう我慢出来ない、と景麒の体を押し返そうとした時に、腹の奥にずん、と熱いも
のがやどるのを感じた。
景麒は陽子の痛みを堪える表情を見て、己を抑えようとする。だが、その陽子の中のきつ
さと、ひくひくと蠢く壁、おのれを舐めつくす襞の一つ一つに絡め取られ、己の意識とは
反対に体はひたすらに陽子を求める。
景麒は陽子の膝の裏側を抱えあげると、一層深く己を突き刺した。
「あああっっつん!!」
陽子は最早、悲鳴を止められない。
景麒もその動きを止められない。
深く深く、刺し、腰の動きは小刻みに、なっていく。
陽子の頭から意識が薄れていく。どんどん、腹の奥が熱くなり、そこへと意識が集まって
いく。突かれ、刺され、己の体と心がどこかに飛びそうになる。
その瞬間、景麒がとどめの一突きを入れた。
「主上――――――!」
その瞬間、陽子は完全に意識を失った。
気付くと、月明かりの下、陽子は暖かい腕にくるまれている事に気付く。柔らかな花の匂
いと景麒の香りが鼻腔をくすぐる。
陽子はそっと景麒の腕に口づけ、そして唇に接吻をする。
体は生まれ変わったかのように柔らかく、そして体の芯は甘く痺れ、また景麒を求めてい
るのを陽子は感じる。
軽やかな接吻はまたすぐに深く、熱情を含んだものになり、景麒は再び陽子の体を花園に
横たえる。
陽子の髪が緑の葉の上に放たれる。景麒の優美な指が、その肩に腕に乳房に触れるたび、
陽子は歓喜の声をあげる。
二人は生まれたままの姿で、紫の花を散らし、お互いの体をその花の色で染め上げる。
陽子は景麒を再び体内に迎え、その、まだ新しい痛みに涙する――――歓喜のあまり。
祝福するかのような花々の芳香の中、二人はただ貪欲に体を重ね合う。
その魂までも、共有するかのように、何度も、何度も―――――――
「延王」
正寝にまで、前触れなしにひょっこり現れる尚隆に陽子は苦笑する。
「いつもながら、突然のお越し」
「まあ、いいではないか。誰も俺がここまで来るのを止めないからな、実際」
延王の来訪とあれば、止められる者もいないだろう、と陽子はくすくすと笑う。尚隆も判
っているのだろう、にやりと笑う。と、ふと何かに気付いたように尚隆が目を細める。
「お前―――――」
すっと尚隆の手が伸ばされ、陽子の腕を掴む。
「打ち身か?痣が―――――」
ばっ、と陽子は手を引き、その腕を隠す。
「見せてみろ」
「いえ、痣ではありませんから――――」
「だがしかし、そのような紫色の―――」
言って、尚隆はああ、と破顔する。
「花が、咲いたようだな」
陽子は軽く俯く。
「あれは、染料になる花なんだ。あの花を使うと、それは美しく布が紫に染め上げられる。
ただ、肌につくとその色がなかなか取れない。言っておけばよかったな」
陽子は無言でぷいと横を向いたまま。
尚隆は訳が判らず、はてと考える。
と、そこにばたばたと祥瓊が駆け寄ってきた。
「陽子、大変!台輔がお怪我をされたみたい!」
「景台輔が?」
尚隆が声をあげる。
と、尚隆の来訪に気付いた祥瓊が、深く礼をする。
「これは延王の御前で挨拶もせず、失礼を致しました!どうか非礼をお赦し下さい」
深く、礼をしたままの祥瓊に、尚隆がいいから面を上げて事情を説明しろ、と詰め寄る。
「それが・・・」
祥瓊がちらりと陽子に視線を走らせる。が、陽子は心配する様子もなく、どこか憮然とし
た様子で横を向いている。
「――――――それが、先程、私は小川の傍で暇を頂いておりました。と、近くで水音が
するのでそちらの方に行ってみたところ台輔のお姿が。着物を膝まであげて、小川に足を
浸していらっしゃって。声を掛けるのも躊躇われたので、失礼ながらそのまま様子を窺っ
ていたところ、台輔の膝に大きな紫色の痣が―――――――」
尚隆がはっとしたように視線を陽子に走らす。祥瓊はそれに気付かず、話を続ける。
「お痛みになるのでしょうか。膝を水で冷やされてらっしゃいました。何度も何度も手拭
で膝を拭かれて。あのような、大きな痣。さぞやひどく転ばれたか、どこぞへぶつけられ
てしまったのか――――」
陽子が祥瓊の話に割って入る。
「祥瓊、良い。景麒は、大丈夫だから」
陽子が視線を合わせぬまま、呟く。
「でも、陽子。あんな大きな痣―――――」
「祥瓊、景台輔は怪我をされた訳ではない。大丈夫だから、下がっておれ」
にやにやと尚隆が微笑む。
「でも・・・」
祥瓊は釈然としない表情で尚隆と陽子を見やる。尚隆は何か含んだような笑みを浮かべ、
傍らの陽子は顔に朱を昇らせたまま、あちらの方向を見つめている。
「祥瓊、ちょっと、下がっていてくれ。ごめん」
陽子にも言われ、祥瓊は室を後にする。
「なるほど・・・」
尚隆がくつくつと笑う。
「何が、『なるほど』ですか」
陽子は我慢出来ずにきっと尚隆を睨みつける。
「いやあ、何でもないさ。そのような顔をするな。しかし・・・なるほど」
相変わらず、くつくつと笑いつづける尚隆に我慢出来ずに陽子が思わず叫ぶ。
「延王!何がそんなに可笑しいのです!」
「可笑しい訳ではない。ただ――――」
「ただ、何ですか!?」
「あの麒麟にも血が通っていたのだな――――――と。景台補は見る目がある」
「延王!」
叫ぶ陽子を引き寄せると、尚隆はその陽子の赤らんだ頬にふっと唇をあてた。
「―――――!!!」
陽子は絶句する。
「口止め料としては安いものだろう?」
かっかっと笑って、尚隆が正寝を後にする。
陽子は呆然としてその場に立ち竦む。
その頬に手をゆっくりとあてると、苦笑した。
「景麒には言えないなあ・・・」
初めての、秘密。
でも、これから長い長い時を彼とは過ごす。
一つくらいの秘密はあっても、いいのかもしれない。
「大体、あいつが無用心に、あの紫に染めあがった肌を晒したりするから」
ぶつぶつと文句を言いながら、陽子は笑みが止められない。
と、花の芳香がふわりとあたりに漂う。
愛しい人の足音がする。
どんな顔で迎えよう。
ふくれてみせるか、怒ってみせるか。
でも、陽子は判っている。きっと笑顔で彼を迎えてしまう事を。
ひんやりとした手が己の背中に触れる。
そして、ふわりと抱きしめられる。
陽子は我知らず、微笑んでしまう。
そして、呼んでしまうのだ、その愛しい人の名を―――――
しかし開いた唇は覆われてしまう。甘い、口づけで。紫色の花束が、床に落ちる。
暖かい日の光が花園に降り注ぐ。
その一箇所だけが、踏み荒らされたように散ってしまっているのは、二人の秘密。
かの花は、王宮のどこにも飾られる事もなく、ただ、二人の再びの訪れを待って、
咲きほこる。
長く、永く、咲き誇る――――――
<了>
長いですね。エロも少ないですね。ごめんなさい・・・
最近、新作投下が少ないようだったので、それに甘えて投下してしまいました。
お読みくださった方、本当に有難う御座いました。
眠くてふらふらなので、寝ます。失礼致しました。
お休みなさい、神。
朝から禿萌えなSSをありがとう。
流れるように美しい文章ですらすらと一気に読んで
しまいました。
紫の膝の人……!
激らぶ――――(゜∀゜)――――!!
もどかしい二人のラブラブっぷりが、ハートを鷲掴みですわ。
乙神!
前スレにも書いてる人がいたけど
ここへはエロだけじゃなくてお話を読みに来てるんだって改めて思った。
脇キャラがいい味出してるから
余計に二人の絡みが切なくて愛しい。
だから、紫の花の汁が目の回りにつかなくて良かったと思ったのはナイショにしておくね。
209 :
名無しさん@ピンキー:04/10/09 14:45:08 ID:nllrqqv4
神よ! 名調子堪能させていただきました。
ただ、1点だけ気になった。浩瀚は、景麒のことを、「台輔(たいほ)」とは呼んでも
「台輔殿(たいほどの)」とは呼ばないのでは?
だって、「台輔(たいほ)」自体が、宰輔(さいほ)の尊称だし。
それを除けば、全て乙悦な名文で感動すら覚えた〜。
紫の花が咲き乱れる中での 情の交わし合い、なんてこの主従にピッタリの
ロマンチックさですね。 万葉集よりも魅惑的。
またこういう名文なSSの投下、期待し申し上げる。
ああ、マリみての「ロサ・キネンシス様」って言わないのと同じか。>台輔
>>206 >>紫の膝の人
不覚にも、笑ってしまった。
ああ、また人の呼び方を間違えてしまいました・・・すいません。
口調とかも、まだまだ「?」という部分があるかと思いますが
お許しください。精進しまする。ごめんなさい。
>紫の膝の人
禿藁。私も書いてて、色んなところに染み作ってる景麒を考えて
ギャグへと進んでいきそうでした、実際のところ。
213 :
名無しさん@ピンキー:04/10/09 21:03:15 ID:nllrqqv4
212(景・陽、「秘密の花園」の作者様)さま、
209で感想カキコした者ですけど、浩瀚の口調はさておき、
作品、超・気に入りましたんで、勝手に(個人的)に、
御作品を、万葉集の額田王(ぬかたのおおきみ)の有名な歌にちなんで
『あかねさす』と名づけちゃ駄目?
紫(むらさき)という色を使ったテーマなので。。。。。
しかし、陽子の破瓜の痛みを気遣いながらも、自らのオトコ(麒?)としての
生理的な男性衝動に抗えずに、身体が動き続けてしまう景麒、
萌え♪ でした、です。
もしかして、『慶主従FIRST LOVE』と同じ作者さま?
あのSSも好きだったけれど、こちらの景・陽、「秘密の花園」も
大好きです。 またこのようなSS、是非投下して下さい♪
でも浩瀚ってこんなもんでない?
新作キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!
紫の花なんて叙情的でいいよいいよー
気持ちを素直に表現できずに、そっけない態度をとる景麒がいいね
行き違う二人。読んでて、やきもきさせるじゃないかチクショイ!
個人的にはもっとこの関係でじらして欲しかったかな。
でもいいものを読ませてもらいました。ありがd
鈴は陽子が大好きだよね
陽子が舐めろと言えば鈴はアナルでもマンコでも喜んで舐めるよ
217 :
163:04/10/10 14:24:00 ID:HdwwHfQM
アリガトン
よーく分かったw
ここの住人は優しいね(-_☆嬉しくて涙が出るよ。
マジでアンガト
紫の花、ロマンティックで良かったです。
このスレの神はエロだけじゃなくてそれ以外の物(周囲の家具とか
今回の花とか)の表現も素晴らしいですね。
219 :
212:04/10/10 16:30:00 ID:hHswfz54
皆さまコメント有難う御座います。本当に本当に、励みになります。
でも、口調とか人の呼び方とか、まだまだ至らないところが多くて。
このスレは優しい人たちばかりですね。(涙)
>213
『慶主従FIRST LOVE』の職人様ではないのです。ごめんなさい。上の方では
「陰謀」とかお目汚しを投下しております。
「あかねさす」そんな素晴らしいタイトルを頂く程の作品ではありませんが
お好きに名づけて下さいませ〜
以前もSS投下させていただきました者です。
以下、景×陽投下させていただきます〜
登極当時、最初から、自国の麒麟とうまくいくのだろうかと陽子は思っていた。
陽子と景麒はどこか似た者で共通点がないわけではないが、景麒はとっつきやすい性格とは言い難かったし陽子と景麒の出会いは最悪だった。
それでも、麒麟とは一体何なのかと知ると、僅かばかり心が動いた。
麒麟が天意に束縛された生き物、王に縛られた獣。王のために生き、王のために死に・・・それなのに王を慕う、と。
あの一度会っただけの横柄な男がその麒麟で、その彼が私の半身だ、と思うとなぜか不思議で憐れな気がした。偽王軍を討ち果たし、景麒を助けに州城に攻め入ったとき、あの憮然とした物言いが健在だったことが可笑しく、可愛らしい気すらした。
だから、なんとかやっていけるだろう、と思っていたのだが実際金波宮で供に過ごし始めると彼との接し方にひどく困惑した。それは、その景麒の不器用な接し方や説明不足な部分ではなく・・・・。優しく励まされたり、慰められたりする時に感じるのだ。
その時、どうしてか、陽子は眩暈に似た感覚に襲われた。
その頃、それが、どうにも気になってしまうのでひたすら陽子はその事を忘れるように努めていた。
―――どうしてなんだろう・・・・
この疑問はしばらくの間、晴れずにいたのだが。
和州の乱にて、ようやく平穏を迎え、玉座に戻って自身がこの慶東国の王なのだと改めて自覚を得てから数ヶ月経ったある日、陽子は女官の噂話を耳にした。
彼女らは宮の主がまさか間近で聞いているなど思いもつかないようで、ああだ、こうだとお喋りしている。
「・・・だからね、予王の時と違うと思うのよ・・・・」
ピクリ、と陽子の耳がこれをとどめた。
「そりゃあ、違うでしょうよ。今の主上は胎果でいらせられるし」
盗み聞きとは気が咎めるので陽子はその場を去ろうとした。しかし、扉が開いているので、自室に行くためにこのまま通り過ぎればこの目立つ髪の色で彼女らは気付いてしまう。
「気概は十分。私は、良い王におなりになると思うわ。ご気性も清廉でいらっしゃる。それにお若くて多少向こう見ずのようだけど 着飾れば初々しくてお綺麗な方だしね」
これを聞いて、陽子はますます行くことはできなくなった。本人の目前で噂話をしていたことを知られるのも彼女らにしてみれば嫌だろう。
それにしても・・・と、くすり、と声をあげそうになって陽子は笑いをこらえた。しかし、なんとも、面映い。
「先の予王もお綺麗でいらしたけどね。でも、台輔にお頼りになるばかりの方だったからね」
「そうよ、台輔から見たら、初めて主らしい主でしょう。きっとよい国をお造りになられると思うわ」
一人の女官がいやね、違うわよ、と微笑した。
「そういう意味じゃあないのよ。主上が良い王におなりなのだというのは私だって思うわ。勿論、麒麟は良い王なら余計に慕うだろうけども。けれど、そうじゃあなくて」
くすくす、と笑う声に、陽子は一体どうゆうことなのか知りたくなって聞き入った。
「台輔があんな目で予王を御覧になっていた事あって?」
―――・・・・・え・・・
「少なくとも、あんな眼差しで予王を御覧になってはいなかったわ」
一通り話が終わったあと、陽子はその部屋を通り過ぎず、回り道をして自室に戻り、部屋の長椅子に横たわって額の上に両手を重ねて考え込んでいた。僅かにぼぅっとしていたと思う。
「景麒の視線が・・・予王と私と違うのか?」
ぽつり、と独りごちた。
予王は景麒に恋した王。結果的にそれが彼女を破滅させた。麒麟は、麒麟。人の恋心など理解の範疇ではないのだろう。けれど彼が王を慕う気持ちに変わりはない筈。なのに、私と予王と違うというのか?
「・・・まさか、な・・・」
しかし、陽子の耳は赤くなっていたし、なぜか胸が早鐘のようだ。起き上がり、陽子はしばし逡巡する。
「見ている限り、別にあいつが私になにか思っているとは考えにくいよな・・・」
やはり、陽子の知る景麒は表情に乏しい。そこに、女史の祥瓊が扉を叩いた。
「陽子、そろそろ執務に取り掛かりましょう、って台輔が」
「あ、ああ・・・」
―――なぜ、こんなにそわそわするんだろう。今までこんなこと無かったのに・・・。
そして、一礼して部屋に入ってきた景麒と目が合って、陽子の鼓動は急に高まった。
慶東国の新たな王として登極して早一年。赤子王朝一周年の式典が滞りなく終わった日の夜、自室の扉を叩く音に陽子は目をやった。
「―――主上・・・夜分遅くに申し訳ございません。・・・宜しいでしょうか?」
その声の主―――それが自分の半身であり、ここずっと自分に物思いを抱かせている相手だと分かり、陽子は自分の胸がトクンと響くのを感じた。
「ま、待って景麒」
慌てて臥牀から降り、自らの手で扉を開けた。ほのかに差し込む月明かりに金の鬣が淡く光った。
「まだお休みにならないようでしたら、少し、お時間をいただけませんか?」
「ああ、構わないが・・・珍しいな。まあ、入って」
「いえ、そうではなくて・・・主上にお見せしたいものがあるのです。私について来て下さいませんか?」
「―――私に、見せたいもの?」
こんな夜は初めてだった。
王朝の一周年と何か関係しているのだろうか、と考えてみたが、今は公務以外のことで景麒と一緒に居られることが陽子を満ち足りた気分にさせていた。
「それで、どこに行くつもりだ?」
「それは、ついてから・・・」
階段をこつこつと下る音が響く。どうやら地下へ向かっているらしい。
しかし、かすかに夜の冷たい風が吹いてくるのも感じる。
―――外へ通じているのか?
いろいろ場所を想像してみるが、どうにもさっぱり予測できず、景麒の横顔をちらりと覗いてみても、視線に気がついて微笑するだけで、何を考えているかもわからない。ただ、視線が合うとどうしても自分が反射的に顔を背けてしまうことしかわからなかった。
そして階段は終わりを迎え、そこにあった扉を開くと、唐突に目の前に淡く白い光が飛び込んでくる。
「これは・・・」
辺りを見渡すと、そこには月夜に照らされた花畑が広がっていた。
白く、美しく咲き乱れる花々が、ゆっくりと吹いてくる風に吹かれてその花弁を空へ舞わせる。
「綺麗・・・」
ぼうっと見惚れながら呟くと、景麒は小さな笑みを浮かべて言う。
「これを一緒に見たかったんです」
「・・・いっしょに・・・?」
ふっと景麒の方に振り返ると、彼も目を細めて花畑を見つめていた。
目が合うと、景麒は微笑んだが、それがなんとなくいつもと違う気がするように感じた。
「・・・主上が、どんな花をお好みが分からなかったのですが、自分で色々と植えてみたんです。こうやって、花畑になるのに今日まで掛かりました」
「お前がこの花全部を・・・?」
あからさまに意外だという顔で見つめ、陽子は正直に思ったことを口にする。
結構失礼な物言いにも、景麒はいたって真面目に答えた。
「ほとんど、無理矢理と言っていい形で私は主上を蓬莱からこちらへ連れてきてしまいました。何もかもが蓬莱と違う世界で、暮らしていくのは大変なことです。まして、知らない世界、知らない国の王になるなど・・・・・。
それが、早一年が経ちました・・・。日々、主上は政務でお疲れになっています。少しでもお心の休まる場所でもあれば・・・と、思いまして・・・」
と、そう言って景麒はじっと陽子の瞳を覗き込んだ。
「お気に召して、いただけたでしょうか・・・・・」
紫の瞳が月明かりの中、淡く輝き、金の鬣が風にきらきらと靡いた。
絡み合う視線を外せずに、そしてその視線の強さに陽子の胸は外まで聞こえているのではないかというほど、高鳴っていた。
「・・・・・・あ、ありがとう・・・本当にここは、綺麗だ」
止まらない胸の鼓動を聞かれはしないかと、心配になりながら陽子はしどろもどろに答える。そんな陽子の様子を愛しげに見つめ、景麒は陽子の手をそっと取った。
↑
すいません、ちょっと一息。まだ続きます。
パクリイラネ(・A・)
どこかのサイトで読んだ気がする……。ご本人ですか?
「主上・・・」
陽子は握られたままの手に、熱さを感じながら顔を真っ赤にしている。
「・・・・・お慕いしています、主上。
―――先王に道を誤らせた麒麟でありながら、次の王に恋情を抱くなど、あってはならないことだと自分に言い聞かせてきました。けれど、私は、あなたを愛しています・・・・・」
真剣なその表情は、軽くかわせるようなものではなくて、陽子の言葉を待っていた。
「・・・・っ・・・」
言葉が出ない陽子を、景麒はじっと静かに見つめている。
周りを風にのって舞っている、名前も知らない白い花の小さな花びら達が、月の光を受けてさらに白く儚く輝く。風が通り抜けるたびに花びらと共に揺れる陽子の深紅の髪は、本人の意思を表すように、何かを探しているかのようにふわりと揺れていた。
「私は・・・」
どれほど時間が過ぎたのか、陽子はやがてぽつりと呟いた。
「・・・私は王だ・・・王と、麒麟との間に愛情など成立してはいけない・・・・・。先王と、同じ轍を踏んではいけない・・・・・」
そう言うと陽子は顔を俯かせる。
視線の先の足元を見て、初めて自分が震えていることに気がついた。
「でもっ・・・」
「主上・・・」
苦しそうに声を絞り出す。
景麒の声が上から降ってくるが、今顔をあげたらこの顔を見られてしまう、そんな思いで陽子は下を向いたまま言葉を紡ぐ。
「でもっ!!私は・・・私はっ・・・」
「お許しを・・・」
景麒は無理矢理言葉を探している陽子の、震える小さな身体をそっと抱きしめる。
月明かりに照らされて、二人の影が伸びていた。
抱きしめられて、はっと陽子が顔を上げると、素早く唇をさらわれる。
「んん・・・」
一瞬思わず驚いて逃げようとしたが、やがて陽子はそれを受け入れた。
初めての口付けは、優しくて、切なくて、少しも嫌ではなくて、知らず知らずのうちに入ってきた舌にも口を閉ざしてしまう事はなかった。
「っふ・・・ぁ・・・」
しばらくして唇を離すと、は陽子の目じりに光る雫をすくい上げて、腕に陽子を抱きしめたまま囁く。
「愛しています・・・・・」
景麒の瞳は、なんだか吸い込まれそうで、怖い。
「・・・・・・私は・・・」
不安げに見上げる陽子に、景麒はふわりと微笑みかける。
その微笑みが胸にずきんと響いて、陽子は景麒の背中に手を回し、軽く抱きしめた。
「わ、私も、お前のことをずっと想っていた・・・・・だけど予王の二の舞になってしまったらどうしようって、・・・恐くて・・・・・。けれど、私もお前を愛している、だから・・・っ・・・!」
扇情的な表情に理性の箍を外され、景麒は終わりを聞かずに陽子の唇を封じて言葉を遮り、貪るように、何度も何度も口付ける。
激しく求められる口付けにとうとう陽子は自分で身体を支えきれなくなり、身体を預けるようにして景麒に抱き留められる。ようやく唇が離れ、荒い息を吐いて肩に顔を埋めてぼうっと背後に広がる美しい花畑を見つめてそう思っていると、唐突に景麒が口を開いた。
「主上、私と一つになりませんか」
一瞬何を言われたのかわからなくて、そしてその意味を理解するとまだほんのりと赤かった頬がさらに赤みを帯びた。
「・・・な!だ、だけど・・・!」
「・・・嫌・・・・・ですか?」
「え、その・・・嫌というわけじゃ・・・」
その思わず出てしまった言葉に、景麒は腕に力を込めてそのまま陽子の身体を持ち上げた。
「では」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!!そんないきなり・・・!」
慌てて腕から逃れようとするが、足は空を切るばかりで固く腰に巻きついた腕はどうしても外せない。
「・・・いきなり、ではありません。もう、ずっと前からあなたをお慕い申し上げていたんです。やっと想いが通じたんですから・・・」
綺麗な景麒の瞳が、だからどうか逃げないで下さい、と語りかけてくる。
「景麒・・・」
「いい・・・ですか?」
「・・・」
決死の思いで陽子は首を小さく縦に倒した。
「・・・許す」
景麒は再びぎゅっと腕の中の主を抱きしめた。
「主上、私と一つになりませんか」
一瞬何を言われたのかわからなくて、そしてその意味を理解するとまだほんのりと赤かった頬がさらに赤みを帯びた。
「・・・な!だ、だけど・・・!」
「・・・嫌・・・・・ですか?」
「え、その・・・嫌というわけじゃ・・・」
その思わず出てしまった言葉に、景麒は腕に力を込めてそのまま陽子の身体を持ち上げた。
「では」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!!そんないきなり・・・!」
慌てて腕から逃れようとするが、足は空を切るばかりで固く腰に巻きついた腕はどうしても外せない。
「・・・いきなり、ではありません。もう、ずっと前からあなたをお慕い申し上げていたんです。やっと想いが通じたんですから・・・」
綺麗な景麒の瞳が、だからどうか逃げないで下さい、と語りかけてくる。
「景麒・・・」
「いい・・・ですか?」
「・・・」
決死の思いで陽子は首を小さく縦に倒した。
「・・・許す」
景麒は再びぎゅっと腕の中の主を抱きしめた。
暗い寝室、景麒の臥牀に陽子はそっとその身体を横たえられる。
「主上・・・」
顔中に口付けを降らせながら、景麒は自分の臥牀に横たわっている陽子の衣服をゆっくりと剥がしていく。だんだんと露わになっていく陽子の身体は、心なしか淡く輝いているように見えた。
「ちょっ・・・景麒・・・」
最後の一枚を取り除かれると、陽子は頬を赤く染めて顔を横に背ける。
景麒は、目の前に横たわっている陽子の裸体をぼうっと見つめていた。
「・・・そんなにじっと見ないでくれ」
何も言わずにただじっと熱っぽい目で見つめる景麒の視線を身体中に感じる。
恥ずかしさに慣れず、陽子の顔は未だに真っ赤なままだった。
「なぜですか?こんなに綺麗なのに・・・」
陽子の言葉に、景麒はすっと深紅の髪の一房を掬い上げ、口付けを落とす。
「あ・・・」
感覚がないはずの髪の毛の一本一本から、景麒の唇の感触が伝わってくるような気がして、身体が震えた。
「けい・・・き・・・」
「どうしました?」
「景麒も・・・脱いで・・・私だけ、恥ずかしい・・・」
身体の内側が燃えているような感じがして、その熱さに躰をよじらせながら陽子は懇願するような声を出す。
「そんなことですか、いいですよ」
そう言って、景麒は上着を脱ぎ始めた。
そしてふと思いついたように、唇を陽子の耳元に寄せ、悪戯っぽくささやく。
「・・・脱がせて下さい」
「なっ!!」
陽子は赤い顔をさらに真っ赤にさせて無理だとはっきりと言う。
「そ、そんなことできるか!!」
「だめですか?」
「だめだ!」
きっぱりと言い切るレナスの言葉に、陽子は少し考え込むようにして呟いた。
「そうですか・・・でしたらこのままでも構いませんね。脱がなくてもできないわけではありませんから」
自分が裸体をさらしていることさえも耐えがたいほど恥ずかしい事なのに、さらに脱がせろと無茶を言う景麒を恨めしそうに見つめながら、仕方がなく了解する。
「・・・・・わかった」
「あ、そのままの格好で構いませんから。どうぞ」
「ちょっ・・・!」
起き上がろうとしていた陽子の肩を押し、その身体をすとんと再び臥牀に縫い付けると、景麒はご丁寧にも陽子の手を取って自分の上着の襟元を持たせた。
「・・・・・・」
クラクラするほどの恥ずかしさを覚えながらも、陽子はなんとかゆっくりと上着を脱がせようとした。が、恥ずかしさで手が震えて全く進まない。
思わず目に涙を浮かべた陽子を見て、景麒は思わずふっと笑い声を漏らした。
「本当に可愛い人です。見ている私の方が緊張してしまいますよ」
襟元に伸ばしていた陽子の手を掴み、唇を寄せる。
「??ぬ、脱がさなくていいのか?」
わけがわからないながらも、陽子は、やらなくてもいいらしいとわかってほっとした様子である。
「これぐらいでそんなに緊張するというのも・・・」
「悪かったなっ!」
まだ小さく笑っている景麒の言葉に、少しかちんときた。
むすっとしている陽子に、すみませんと未だに笑いながら謝ると、景麒は陽子を泣かせるほど苦しめた上着をスルリと脱ぐ。
「・・・・・・」
想像していたよりも均整の取れた身体を、陽子は思わずじーっと見つめてしまった。
「・・・主上、何をそんなに見てるんですか」
「あ、と・・・もっと、華奢だと思ってたから、つい・・・」
言われてはっと我に返ると、陽子は見入っていた事を少し恥ずかしく思って取り繕うように言う。
くすりと笑うと悪戯っぽく耳元で囁いた。
「これでも、いつでもあなたを無理矢理組み伏せる力ぐらいはあったんですよ?」
そう言って耳朶を甘噛みし、舌で舐め上げると、陽子の口から甘い吐息が漏れた。
「ん、っふ・・・・・景麒、く、くすぐったい」
その感触に、瞑った瞼に軽く口付けると、陽子は景麒の頬を両手で包み込み、耳元に唇を寄せて甘く囁いた。
「・・・・・景麒、私・・・幸せだよ・・・」
見つめられる潤んだ瞳と紅潮した表情に見とれていた景麒は、私もです、と微笑みながら導かれるように口付ける。
入り込んできた景麒の舌を、陽子は不器用に迎える。
深い口付けを、息をつく暇もないほど何度も何度も繰り返す。
「は・・・あ・・・」
貪るような口付けから解放され、陽子は深く息をついた。熱く火照っている躰が、頭をぼうっとさせる。
「主上・・・」
「・・・あ・・・」
景麒は陽子の唇から離れると、ゆっくりと右手を取りその甲に愛しげに口付けた。そしてそのまま陽子の全てに自分を残すかのように、赤い印を至る所に落としていく。
「主上・・・愛しています」
「・・・ん・・・ぁ、景・・麒・・・」
優しく這わせていた唇が、胸へと下りていった。陽子の躰に心地よい刺激が走る。
胸の頂を口に含ませて舌で転がしながら、景麒はゆっくりと静かに景麒を愛撫しはじめた。
細腰に腕をまわし、残った右手は陽子の柔肌の上を這いまわる。そして景麒は、ゆっくりと口で愛撫をしていない胸を揉みしだく。
「っぁ・・・」
力の入れ具合を変えるたびに、その柔らかな丸みは形を変化させた。くすぐったさと、そしてそれとは違う何かが陽子の吐息を熱くさせる。
「あっ・・ぁあ」
陽子が焦らされるような感覚に我慢できなくなったあたりで、景麒は手に力を込める。押しつぶされた乳房から強い刺激が走って、一気にくすぐったさは快感に変化した。
そして同時に景麒は口に含んでいた頂に軽く歯を立てる。
「っ、ふぅ・・・ぅ・・・んぅっ・・」
次から次へと迫りくる快感に、陽子は歯を食いしばって声を殺すが、唇がいう事を聞かない。
「主上・・・」
腕のなかで震える主を、心の底から愛しいと感じる。
私だけのものだ・・・・・・
景麒は熱に浮かされたように、胸からつい、と離れ、そのまま太腿へと手のひらを滑らせた。
ゆっくりと、身体ごと下へずらしていく。小さな音を立てて口付けながら、同時に手は太腿の内側に入り込み、隠された秘部に辿り着く。
「だっ・・・だめ・・・!」
初めて触れられるその部分。
そこを守るように茂る柔らかな体毛をかき分けて、指をさらに内側へ進める。
柔らかな亀裂を何度も往復させると、陽子は声をあげて愛液を新たに染み出した。
指先から伝わってくる感触と、耳元に聞こえる陽子の声が景麒をさらに熱くさせる。
「はっ・・・ぁあっ、ああぁっ」
そのうちに、探り当てた亀裂の先端の突起をくっ、と押すと、レナスの躰が跳ねるように反応した。
「あっ・・あっ・・・」
指を入り口から内部につぷりと進入させると、陽子はびくりと躰をこわばらせる。
柔らかな感触が、心地いい。濡れた陽子の中が熱く景麒の指を迎えた。
初めて異物を向かえるそこはやはり窮屈で、しかし分泌される潤いが奥へと指をすすませる。
指全体が熱い。
のけ反るようになった姿勢のまま硬直している陽子に、景麒は思わず声をかけた。
「・・・主上・・・大丈夫ですか?」
「ん・・・」
少し心配そうに言った景麒の問いに陽子は小さく震える首をなんとか縦に振った。大丈夫だということらしいが、とてもそう見えないほど陽子は快楽に追い込まれているように見える。
根元まで入った指をゆっくりと絡め取るように中を出し入れすると、躰を痙攣するように震わせながら苦しそうに、それでいて甘い声が陽子の口から漏れた。
「あっ・・・・・・はあ、ああぁ・・ん!」
断続的にあがる声に、景麒の意識ももう耐えられなくなってきた。
痛いほど彼の下半身は陽子を求めている。
景麒が未練げに指を引き抜くと、愛液が小さく糸を引いた。
「ふぁ・・・」
突然の喪失感に、陽子は声にならない声を出す。
「はぁ・・・は・・・」
指から解放されたレナスは、息を大きくつきながら褥を握り締めていた手を緩めた。
「景麒・・・?」
しかし、腰をいれようと陽子の脚を開いた景麒をみて、再び躰をこわばらせる。
「け、いきっ!やっ!怖い・・・!」
「主上・・・大丈夫、大丈夫ですから・・・」
景麒のそれは、先ほどまでの指なんかよりも比べ様もないほど大きくて、それが自分の入ることができるとは、全く思えられなかったのだ。
景麒の愛撫で陽子の下口は微かに開いていて、中を覗かせて誘っているように見える。
陽子の脚の間に身体を入れると、景麒はそのままゆっくり腰を推し進めた。
「・・・・・・っ」
陽子の熱く濡れた温もりを感じた瞬間、いいようのない刺激が景麒の身体に走る。
心地いいその刺激を感じながら、陽子の入り口へと自身を導く。
景麒は腰に力を入れ、静かに入れていった。
「はっ、あぁっ・・・!!」
苦しそうに顔を歪ませながら、陽子は景麒の背中に腕をまわし、しがみつくように離さない。強い締めつけが景麒を圧迫する。
しかし、穴全体は柔らかく濡れているので、痛みよりも強烈な快感が景麒を襲う。
「っ・・・」
弾けそうになる意識を抑えながら、ゆっくりと、しかし一気に奥へと進ませる。
「―――――っ!!」
陽子は声にならない悲鳴をあげながら、景麒にしがみつく手に力を入れた。それは、景麒の背中に爪を立て、紅い線を何本も作っていたが、景麒も陽子も気にできないほど相手に溺れていた。
「あっ・・ぅぁっ・・・あぁっ」
進むうちに、一瞬支えるような感じがして、それでも押し進んだ瞬間、陽子の身体に今までにない痛みが走った。
「っ景麒!景麒っ!!・・・」
涙を流しながら、その痛みの激しさに、唇を噛み締め、景麒の身体にすがりつく。同時に、陽子の最深部まで到達した景麒も、限界を感じていた。
「・・・主上っ・・・!」
熱い感覚が、景麒の身体を駆け巡る。
一気に出された景麒の精は、きつく締まった陽子の中に一滴も残さず収まっていく。
「ああぁっっ――――――景麒・・・・・っ!!」
一度、二度と景麒から熱い液が迸る。目の前が真っ白くなるほどの快感と激痛に、己の半身名前を呼びながら、陽子は意識を飛ばした。
陽子が窓から差し込んでくる明るい光に重い瞼を開けると、起きた事に気がついたらしい景麒がふわりと微笑みかけてきた。
―――あれ・・・なんでここに景麒が・・・?ってあぁっ!!そうか・・・そういえば昨夜・・・
甘い疼きを残す下半身が昨日の事を事実だとはっきりと告げていた。
陽子は寝惚けてあやふやだった記憶を取り戻すと、思わず夜の事までも鮮明に思い出してしまって、恥ずかしさに思わず褥を顔まで引っ張り上げる。
「おはようございます、主上」
「・・・・・景麒!・・・お前、血は大丈夫だったのか・・・!?」
普段見たことがないようなとびきりの笑顔につられて顔が綻ぶが、陽子は昨夜の自分の血の穢れに気付いて景麒に詰め寄った。
「恨みのない血であれば、さほどは障りません。ご心配には及びません」
「そ、そうゆうものなのか・・・?
「・・・普通こうゆう事は男の方が気遣うものだと思っておりましたが・・・主上こそ、大丈夫ですか」
逆に返された問いに、頬を染めて戸惑いがちにこくんと頷くと、景麒は恥ずかしさで言葉も出ない陽子の頭を、下に置いていた右腕でふわりと包み込む。
「本当に、嬉しいんです。あなたは今私の腕の中にいる・・・これ以上の幸せは、ないです」
「・・・私も・・・」
陽子もおずおずと景麒の身体を抱き返して応える。
「私も・・・。幸せだ・・・」
抗えない現実を忘れさせてくれるひと時の幸福を、思う存分味わう。
―――もっと早く、こうしていれば良かった。
そんなことは出来なかったと知りつつも、そう思わずにはいられない、初めての温もり。
抱きしめてくれている景麒の温かさに、自分の全てを委ねたくなる。
「景麒・・・」
「・・・どうしました?」
景麒の胸に身体を預けたまま、陽子はぽつりと言った。
「私・・・このままずっと・・・」
「ううん、これからもよろしくな、景麒」
力なく微笑む陽子の顔をじっと見つめて、景麒は再び陽子をぎゅっと抱きしめた。力強く、何物からも守るように・・・決して、お互いが離れないように。
「こちらこそ・・・。私はずっとあなたのお傍にいます・・・ずっと・・・永遠に」
「・・・景麒・・・」
そう言って二人は朝一番の口付けを交わす。
その幸福な朝はそうして始まりを迎えた。
乙でした。
…ところでレナスって誰ですか?(´・ω・`)
この作者が十二国のとか、何のキャラか知らないけどレナスって人の出るのとか、
集めてきて継ぎはいだんだよ。
まんまよそで見た一節があるし。
220よ、227と228はスルー?
243 :
名無しさん@ピンキー:04/10/13 21:30:51 ID:rkYhEAfH
ヴァルキリー?
名前だけ変えた盗作か。
今度は自分で書いたものを投下してくださいねw
盗作は駄目よw
人物設定もめちゃくちゃだし、盗作するにしても編集がヘタクソ。
逝ってよし。
ヽ、 l / ,/´
`ヽ'⌒iヽ! _.-、_ト、 、/_/ /
| \l',_j-` ̄:..:..:..:.`/:./冫´、 _,,. -‐:.'´- ̄ヽ
/i'ヽ }ヽl!:..:..:..:..:..:..:..l|:.l!:':..:..:..:.`'´:..:./ ` ヽ }
,' ヽ,r'j}:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..,.-‐:、:..:..:..:..:,ヘ 二'‐ {
{ r{llllリ:..:..:..:..:..:..:..:..:.,イ0lllli.}ヾ :..:..:!、 ヽ. 〈` !
ヽ. ^'^ ,r〃''イ:..:..:.. 'ヾllllllllァ;ノ :..:..:冫/ ヽ }
イ´ , ( 、 `~´´ :..:ヽ.' ,. -' /
/_,,./ ヽ '´ ', .:..:.l__:.ヽ-_.,/
,,.-'i´_,l | ''-!、, :..:.l:.「`~´
,. '´ ,,;ベ j. 人. ヾ:、ヾ:}、 `ヽ、 :..:i;..l
/ ,.r' /ヘ.ヽ-イ `ヽ、 ヽノ ヽ、 `ヽ:.ノ:..l マターリ
, ' ,/ / `ゝ、ヽ、,,_ `~´ ヽ \..;.‐'^ヽ:.l
/ / / / -< ̄ ヽ:..:..:..:..\
/ / / / ', :.:.ヽ:..:..:..:..!ヽ
i ,' ,' / ', :..:..:ヽ:..:..:..i, ヽ
i l / i .:..:..:..:.ヽ:..:..:l ヽ
! ` / l:..:..:..:..:..:.ヽ:..:
……以前もSS投下という言葉が気になるのは自分だけ?
>>248 いや俺もカナーリ気になってたんだが
さらに殺伐とした雰囲気になりそうだから
黙ってた…けど気になる
本当に前にもSS投下したことがあって、わざわざそう申告するなら
どのスレのどの作品かも書くのが普通じゃないだろうか。
盗作を落とすにあたって、スレ住人を信用させようとハッタリをかましたか
以前も盗作を落としたか、じゃないか? このバレ具合から前者だと思うが…
この場合SS=Stole Story(盗んだ話)だから予告は正しかったとか言ってみる
stolen storyな
と揚げ足を取ってみる。
_ _
_ _ 〈>´ ̄`くノ
〈>´ ̄`くノ 〃ノ人ヽヽ
(从ハ从) ノノ´<_`从{ みんな マターリしる
)§´∀`リ. }ハ Y ハ {
( ハ† _)ハ ∪| | ∪
U|_____|U |___|_|
∪ ∪ U U
マターリしたいんでギンギンな股間を鈴で宥めてくるわ。
正直昨夜のアヌメの被害妄想爆発&浅野に対してボケまくりな鈴に激しく萌えた。
鈴かわいいよ鈴
>>253 猫耳な景麒は微妙だけど、陽子はいい感じだ。
陽子かーいーよ陽子
漏れは相手役の元ネタが気になる……。
変態メガネなら少し許す。(*´Д`)ハァハァ
一二国スレが落ちてから、陽子タソAA見るの久しぶりだ。
>>254 やはり鈴は泣かせてなんぼの女だ(;´Д`)ハァハァ
鈴をバター猫に仕立てる
個人的なリクエストですが
前スレの祥×桓ネ申に尚×陽で書いて欲しい。
職人さんが他の作品を落としにくくなるから
特定のカップリングでリクエストするのはやめれ
263 :
261:04/10/16 01:15:56 ID:AKZwxJ0y
264 :
名無しさん@ピンキー:04/10/17 03:51:30 ID:r78h7d4g
<242さん、観察眼するどいですね。
220さんの投下したPRESENT のタイトルSS 内容が悪くないだけに、
剽窃した作品だと知ると、ちょっとガッカリです。
確かに文中、レナス、レナス、って出てきたから頭の中が???になったけど。
レナス、ってYahooで検索かけたら、確かに RPG(ロール・プレイング・ゲーム)
みたいですね。そんなに十二国記と内容がかぶってるのだろうか?
逆に気になったりして。
でも220さんが、レナス(ヴァルキリー)のRPGのファンで、同時に十二国記も
ファンでいらして、それでレナスの2次小説として書いたものを、景・陽バージョン
に改訂してここに投下した、ってことはないのかナ?
いずれにせよ、チトがっかりしたことは確か。
ところで、レナスの主人公の声やってるひと、十二国記の中で、秋官長(靖共とつるんで
悪徳をきわめていた女の人)の声やってた声優さんと同じみたいですよ。
>264
レナスの声は冬馬由美さん
秋官長は金月真美さんですよ
>264
名前変えた上で複数のSSをツギハギしてるとの事なので
キャラ名改変投下ではないと思う。
つーかキャラ名改変SS自体、逆に言うと
「全く違うキャラ名に変えても違和感ないような、
原作の雰囲気微塵も残してないSS書いてます」って
言ってるようなものだから、まっとうな書き手ならあまりやらないだろうし
「首すげ替えSSでも萌えるならいいじゃん」とか言って
擁護する厨な読み手がいる事もこの手のパクりが後を絶たない一因。
あと、ageは
>>163-170でもあるように、ここじゃ歓迎されない。
agesageが分らないなら半年ROMれ。
267 :
266:04/10/17 10:21:01 ID:1A6EEAwu
>264の
>そんなに十二国記と内容がかぶってるのだろうか?
>逆に気になったりして
に関して、
「ヴァルキリー」の方もやった事があるんで追加してみる。
「ヴァルキリー」は、世界観や固有名詞を北欧神話から取っている事もあって
固有名詞の殆どが横文字。
和風の国があって、漢字名前のキャラもいる事はいるけど、
十二国とは殆どと言っていいほど内容が被らない。
小説とゲームと、元ネタのジャンルが離れてるからバレないと思って
改変投下したとしたなら、更に悪質。
ここで早々に発覚したのは、ゲーム系等他スレと
かけもちの人がいたからではないかと思うよ。
って自分がageてどうするorz
レナスタンに魂狩られて逝ってきます.
269 :
264です:04/10/17 13:54:54 ID:r78h7d4g
> 266&267様、ご丁寧な解説ありがとうございました。
確かにおっしゃる通り、盗作はイカンですねー。
同じ景・陽カップリングのSSでも、前出の「秘密の花園」の書き手(作者)
さんの方が、文章力というのか筆力の力量というものを感じました。
個人的に、ヘンリー・ミラーよりスゴイと思った。
あと、agesage 私も初心者なので意味がわからないです。
このサイトを時々覗くのに、必須というか知ってなきゃいけないことですか?
あと半年ROMれ、という意味がわかりませんでした。
って私(264)に対しておっしゃっておられるのでしょうか?
スンマセン、愚問ばかりで、267師匠、おこらんで下され。
誰か誘導してやれ
補足
271の教えてくれたurlをクリックして、
表示されたページの左下の your request is ってところのurlを再度クリックするんだよ。
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| 次でボケて!!! |
|________|
へヘ ||
// ⌒丶 ||
(从ハ从) ||
)§´∀`リ ||
( ハ† / づΦ
〃⌒ヽ、
〃ノ人ヽヽ
ノノ@u@从{. <ボケるとはなんですか
}ハ Y ハ {
∪. つ |∪
|___|_|
U U
/〃⌒`ヽ
i /``~ヽ
ノ d|i|´_ゝ`) ・・・また一匹、使令が死んでしまった。
( / Y ハ
∪| | ∪
| | |
ノ丿ハヽゝ __,,,,,,
,.-'''"-─ `ー,--─'''''''''''i-、,,
,.-,/ /::::::::::::::::::::::!,, \
( ,' i:::::::::::::::::::::;ノ ヽ-、,,/''ー'''"7
`''| |:::::::::::::::::::::}
! '、:::::::::::::::::::i
'、 `-=''''フ'ー''ヽ、::::::::::/ヽ、-─-、,,-'''ヽ
\_/ ヽ--く _,,,..--┴-、 ヽ
``" \>
ゲーム版のオリキャラSSとか、杉本ネタとか読んで見たかったり。
277 :
260:04/10/19 15:53:05 ID:woP+wxTH
>>262 ごっ、ごめんなさい。
この手のスレに来たのは生まれて初めてなので。
\r'≦ミ>、 \
lh" ーj‐l
Yト、. ロ/あえて言おう!!
├─五_ ____
,イ三」i>Ll.i<ミト、く__ノ
/ ,i \ 羊 / ト、/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
|
r'≦ミ>、
lh" ーj‐l
Yト、. ロ/あえて言おう!!
├─五_ ____
,イ三」i>Ll.i<ミト、く__ノ
/ ,i \ 羊 / ト、/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄]
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|
オレが杉本でいずれは蓬莱に帰ってくることがわかってるんなら、
十二国では酒池肉林の限りを尽くすけどな
>281
杉本がそれをしなかったのはお前じゃないからだ。以上。
>>281 どんな世界でも変わらない価値というものがあるんですよ。
ああ、あなたが原作をちゃんと読んでさえいれば・・・。
>283
つまり、向こうの人もDQNじゃ嫌だとでも…?
杉本では今一だと…!?
や、俺は好きですが。
285 :
≠283:04/10/21 22:54:43 ID:AY8Txtdr
違うだろ(笑
原作でセックスを思わせる描写というと伎楼しかなくて。
子供を作るという目的がない以上、
十二国においてセックスは売春以外に存在しないのでは……。
本当かどうかはともかく、著者の
「私のキャラをエロネタに使うんじゃないわよっ」
という声を聞いたような気がした。
その結果として、十二国の世界にも性行為が存在することを認めちゃったようなもんだけど。
エロパロ板でこういう話しちゃった以上、フォロー入れておく。
著者がどう思っていようと、その通りに読者が受け取らなければいけないということはないと思うし、
本当に著者がそう思ってるかはわかんない。
十二国記のエロパロやめろというつもりはない。
ってゆうか祥瓊タンハァハァ。
うがちすぎでは?(w
そういえば前スレの桓祥祭りは最高だったな。
保守。
流石に今回は被害が半端じゃ無いので、蝕とか言う冗談も自粛しとこう。
こんなかで「あずみ」読んでる人はいるかな。
陽子はあのくらいの肉付きかと思ってる
さまよってた時は痩せてただろうけどなー
最近 SS職人さんの投稿少ないですね。
以前のスレで「慶東国湯煙り事情」という作品大爆笑で気に入ってたんだけど。
またあーいう良品SS読みたいです。
SS神 降臨希望!
>>287たん
漏れも桓祥読みてー!!!
神光臨待ちまつ!!!
292 :
名無しさん@ピンキー:04/10/28 18:58:52 ID:lD5V31xu
期待age
>>287,291
禿同。前スレの桓祥祭り禿しく萌えーーー!!(*´Д`)ハァハァ
特に「慕情」職人さん、サイコーでした。
今まで読んだ桓祥エロスの中で一番萌えまつた。
保守。
食欲の秋で、陽子たんにせっせとおやつをあげてた向こうのスレを思い出す。
ほしゅ
>294
。・゚・(ノД`)・゚・。
漏れもやってたよう・・・
可愛かったなぁ陽子タン・・・
今更ながら中の人GJだ。
AA系のスレで一番好きだったなあ。
一ニ国記のころか
へヘ
// ⌒丶
( 从ハ从)
)§´∀`リ お茶いかが?
( ( つ旦O
と_)_)
主上キ------(゜∀゜)-------タ-----------!
陽子タソ久しぶり!
飴どうぞ( ´∀`)つ>○<
陽子タンキタ━*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*━!!!!!
御煎餅あるよ。(ノ∀`)つ●
へヘ
// ⌒丶
( 从ハ从)
)§´∀`リ あめありがとう
( (つ>○<O
と_)_)
おせんべいは次の陽子タソが頂きます↓
へヘ
// ⌒丶
( 从ハ从)
)§´∀`リ なんでも食べちゃうよ
( (つ●⊂)
と_)_)
へヘ
// ⌒丶
( 从ハ从)
)§´∀`リ お煎餅ありがとう
( (つ●O
と_)_)
じゅういちがつなのか。
きのうひさしぶりに陽子タンがきた。
おかしをあげたらありがとうっていって
なんでもたべてくれた。
ひさしぶりにしあわせになった。....¢(..)・・・と。
久々にきて驚いたよ(w
いや、可愛いけど。
まだログとってあるよ、あのスレの。
ご降臨、感激しております主上。
「蓉ぉ〜可〜!」
たったったったっ
「まぁ、泰麒」
ひしっ
「蓉可〜」
ぎゅーっ
「まぁまぁ」
すーーーーーっ、くんくん
(相変わらず、酸ぃい〜なぁ)
さ、さんぃい?
310 :
小野腐由美:04/11/07 08:28:08 ID:jXdY1s/2
>309
漢字もろくに読めない奴らにアテクシの作品を読んでいただきたくないです。
へヘ
// ⌒丶 寒い日には
( 从ハ从) 暖かいコタツにおミカン。これ最強。
)§´∀`リ _
|\ ̄ ̄ゝつ旦⊂ノ,,っ ̄\
/ \\ (⌒) \
ノ \\ (⌒(⌒) \
/ \|| 二二二二二二二二|
\ / / ハ
\ / ヽ
\ ハ __ __ \
 ̄ ̄  ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄
萌え〜(*´∀`*)
>>308 『蓉可』という記述に、
なんつーマニアックなカップリングだ……という感想を抱いてしまう俺は負け組。
ああ、マニアックだな。
陽子は、尿意を催していた。
本来なら隠れて小便したかったけど、楽俊と話がしたかった。
陽子は、楽俊と一緒に川岸まで行った。
彼女は、仕方なく彼の目の前で立小便する覚悟を決めた。
「私は、今から立小便をする。」
彼女は、堂々と言った。
「陽子、どうやって立小便やるのだ。」
彼は、疑問に思って聞いてみた。
「もちろんチャックを開いてやるさ。」
彼女は、ごく自然に答えた。
「それで、本当にできるのか。」
彼は、不思議そうな表情で聞いた。
「だから、パンツの股の部分を手でずらして女性器だけを出して・・・」
彼女は、言葉を続けた。
「手を使わずに股に力を入れて思いっきり大きく女性器を開くのだ。」
彼女は、淡々と答えた。
「陽子は、それで上手にできるのか。」
彼は、あえて聞いてみた。
「うん、尿道口から猛烈な勢いで小便を出す。」
彼女は、さらに言葉を続けた。
「小便は綺麗に飛ぶから、私の女性器は全く濡れない。」
彼女は、淡々と答えた。
「陽子、最後まで勢い良く出せるのか。」
彼は、不思議そうに言った。
「小便は九割ほど出したところで急に止めるから、私の女性器は全く濡れない。」
彼女は、さらに言葉を続けた。
「私の女性器は全く濡れないから拭かない。」
彼女は、淡々と答えた。
「陽子、わかったよ。」
彼は、彼女の説明を理解した。
「ああ、わかってくれたらいいんだ。」
彼女は、かっこよく言い放った。
彼女は、その場で立ったままズボンのチャックを開いた。
このあと、陽子のエッチに続けられるだろうか・・・
ズボンのチャック・・・
もはや突っ込みは不要だ。
ずいぶん個性的な作品が投下されてますね
コピペ改変にマジレスすなや。
きっとみんな淋しがりや
柳国の牢は男女同房か・・・。
まあ、おはぎでもたべながらお茶飲んで、まったり保守しませう。
寒くなりましたねえ。
旦~● 旦~● 旦~● 旦~● 旦~● 旦~● 旦~●
イタダキマス●(・∀・)つ旦
また冬がきますねぇ・・・
へヘ
// ⌒丶
( 从ハ从)
)§´∀`リ 頂きます
( (つ●⊂)
と_)_) 旦~
陽子タン!いえ、陛下・・・
ひとけ(雑談レス)の少ないスレッドに一条の光(AA陽子タン)がキタ━(゚∀゚)━!!!!
・・・にしても、一般AAスレのほうがギャグエロネタ炸裂で、
21禁スレのがマターリしているのが不思議だ(普通逆じゃないのか)。
いや、こっちの陽子タンは和み萌えなので好きです(*´д`*)。
むしろ変わらないでほしいくらいに。
寒くなってきたから、おでんドゾー
(ノ∀`)つ-●△□-
廉麟はきっとオデンとか鍋とかを知らない。
麒麟は生臭ダメだろ
あの家族の中で廉麟はどんな位置づけにあるんだろ?
>>332 うわ、みすった。俺としたことが。 orz
もちろん奏麟です。
宗麟、なw
336 :
334:04/11/16 22:06:57 ID:eVh3DoLD
轟沈だ・・・。 OTZ
なんで、エロパロスレでその話題を振るのかよく分からんが
600年も一緒にいてたら、ほとんど家族同然なんじゃない?
長年一緒に暮らしている親戚のお嬢さん的位置づけか?
600年処女といってみる
血に酔う
γ´⌒`ヽ
|//`'(从)
ヽd`∀´リ 私と要君ネタまだかしら
( つ旦O
と_)_)
職人さんはいずこへ・・・
正直、これではなぁ……と思う(w
職人さんも他のスレとの掛け持ちが多かったり、忙しいのでは?
他のスレ見てて「これって・・・xxx書いた職人さんだよなぁ」って
思う事あるし。
>>338 長男の嫁だと思う。
片想いしていた次男はショックで風来坊生活に。
冬のハラシマもあるんじゃねーの?
つか、ハラシマ時期はいつも閑散としてるけど
>332 宋麟
・・・・・ペット。 ↓
338>600年も一緒にいてたら、ほとんど家族同然なんじゃない?
家族も家族、ほとんど娘扱いじゃないかと。
利広の世話を焼くお姉さんがマイ脳内設定。
漏れも優しく嗜めてホスィ(;´∀`)アアン
皆さんどこの十二国記Novelサイト中心に見てます?
(…って、やっぱこうゆうこと聞くのはダメなんでしょうか)
聞くのは自由だけど、答える人がいるかどうか。
ただでさえ少ない十二国記18禁ものがこれ以上減ると寂しいんで
俺はお気に入りは晒す気しないよ。
その質問自分もしてみようかと思ったけど、2ちゃんに個人サイト
を晒すのはいろいろ問題ありそうだからやめたよ。
お気に入りは小説サイトだけじゃなくてマンガやイラストのサイトも
あるけど、よく行くのは小説サイトが多い。
景陽の小説サイトですごくいいのが2つほどあってほぼ日参してます。
まあいいとか悪いとかは個人の好みなので、自分が好きってだけですが、
そのうち1つは開設からそんなに経ってないのにカウンタの回りが
めちゃ早いから、隠れた人気サイトかも知れない。
>353
・・・そこ、ロボよけしてないんじゃ。
とりあえずアレだね。
「自分のお気に入りは2ちゃんに晒すな」。
もとから管理人が蝶・ちゃんねらならともかく、
2ちゃんにURLが知れた所為であらゆるタイプの人間が押し寄せ、
閉鎖になったサイトとか少なくないし。
自分、ちゃんねらを思いっきり公言しているイ多管理人ですが何か
べつにねらーだって公言しててもイタイとは思わんが。
むしろそういうレスのほうがイタイとマジレス。
357 :
sage:04/11/26 01:26:04 ID:LRJEEY3u
前、荒れてた人?
だとしたらこのレスも本人かも怪しいな
ねらーによる・ねらーのための・ねらーのサイトもあるし。
言わなくても判る場合もあるし。
つうかねらーで管理人なんて掃いて捨てるほどいるし。
>357
絡みたかったらちゃんとsageやってかつ他所でやれ。
>356氏 失礼しました。
>357氏 ?多分、人違いでは?
>358オマエモナー
つか全レスした上でとぼけてるあたり
本人ですかw
餅つけ。
管理人がねらーだろうとなかろうとサイトがオモしろければ
それでいいw
>354
>・・・そこ、ロボよけしてないんじゃ。
そう言われてみれば、してないかものしれない・・
まさかhit数が多いのってそのせいだったのか・・!?
それって管理人さんに忠告したほうがいいのかな
万一目をつけられて、つぶされたりとか
してほしくないしなあ
ロボ避けしなくても良いサイトは残る。
1、だから安心して良いよ
2、だから早く忠告しなきゃね
1だよね?
そういう問題じゃないような気がするが…
>362
1件心当たりがあるがそこカウンタのIP重複チェックしてないみたい
リロード押すたびにカウンタが回ってく・・
違うサイトかもしれんが。
自分の心当たりはバカウンターじゃなかったよ。
367 :
351:04/11/28 13:17:11 ID:aUfWm3b1
つまらん質問してすいませんでした。
最近、ぱったりと投稿がなくなったなー
好きなスレなんで気長に待つか…
>368
至日までご無事で
天命を持って主上にお迎えする。
これより後、詔命に背かず、御前を離れず、
_| ̄|○ 忠誠を誓うと誓約申し上げる…
○ <断る
ノ|)
_| ̄|○ <し
○
ノ|)
_| ̄|○ <し
↑
ここがニードロップ
すでにどうでもいい雑談スレとかしてるな
桓祥こないかなー
>>374 特定のカフ言うのは投下しづらくなるからやめとこう
きっと年末だし皆忙しいのさ。余裕ができたら投下したいがひとまずマターリ待ちます
↑上のはカフじゃなくてカプですスマソ
陽子は狼狽していた。
自分が処女を捧げるのは絶対に彼―――そう決めてはいたが、いざその時が来ると恥ずか
しくて居たたまれない。
「おい、陽子」
「はいっ、延王!」
呼ばれて陽子は大声で返事をする。
「やたら、返事いいのな、お前・・・」
色気の欠片も無い大声で応えてしまった事に陽子は後悔する。
(あー、こうじゃないだろ、自分!もっと、女らしく・・・落ち着け、自分!)
陽子は落ち着こうとばしばしと自分の両頬を叩く。
静寂の中、その色気ゼロの音が高らかに響く。
陽子はぶつぶつと「落ち着け、落ち着け・・・」と呟きながら、尚隆の臥室をうろうろと
歩き回る。
「なぁ、陽子・・・お前、さっきからうろうろ歩き回って、こっちまで落ち着かないぞ」
陽子ははっ、と気付いたように歩を止める。
「そ、そうですなっ」
微妙に裏返った声に加えて、緊張しまくっているせいで口調が思わずおっさんになる陽子。
尚隆は溜息を一つ吐くと、牀榻の自分の隣をぽんぽんと叩いた。
「まあ、こっちに来て座ったらどうだ?」
(「き、来たーーーーーっ!」)
陽子は意を決して、ゆっくりと尚隆の方へと向かった。緊張のせいか、同じ方の手足が
同時に前に出て、侍歩きになってしまう陽子。
尚隆は軽く頭を振って、それを見ないように目をふせた。
陽子は牀榻へたどりつくと、ゆっくりと腰を下ろした。
尚隆は顔を上げ、陽子の瞳を見つめた。
「陽子」
「は、はひっ」
尚隆はまじまじと陽子の顔を見つめた。すると、ふっと顔をそらした。
「・・・今日は止めよう」
「えっ!?何故ですっ!?」
がしっと陽子は力強く尚隆の腕を掴んだ。
「・・・お前も緊張しているようだし。焦っても仕方が無い。ゆっくり時を待とう。な?」
輝く笑みを向けられて、陽子はぽーっとしてしまう。
(ああっ、延王ったら何て優しいの!これこそ大人の男!私の目に間違いはなかった!!)
陽子が退室した後、尚隆はふう、と深い溜息を吐いた。
「鼻毛の処理くらいしてくれよ・・・」
延王は意外と神経質だった。
湯浴みをし、香油を体にすり込んだ陽子の体から柔らかな香気が立ち昇る。
ほんのりと上気して薔薇色になった頬が艶かしい。
尚隆は陽子の頬に手を添え、瞳をじっと覗き込んだ。
「・・・いいのだな?」
こくんと陽子は頷くと、瞼を閉じた。
前回の失敗を踏まえて、陽子はなるべく口を開かないようにしている。
本当は緊張で叫び出したいくらいだったが、それを堪えてぎゅうと唇を噛み締めている。
「陽子、そんなにきつく唇を噛むな。血が、滲んでいるではないか」
男らしい太い指がそっと陽子の唇に触れる。
陽子はぴくんと体を震わせると、ゆるゆると唇を解放してやった。
軽く開いた唇から、尚隆の指がするりと口内へ侵入する。
陽子はおずおずと指に舌を這わした。
最初はぎこちなかった陽子の舌が、徐々に大胆になって、飴をしゃぶるように、ぺろぺろ
と指を舌の上で転がし始める。
「良い子だ」
尚隆は面白そうに言い、陽子の口から自分の指を引き抜くと、今度は陽子の指を手に取り、
それを自分の口へと誘った。
ざらりとした舌に指を絡め取られ、尚隆の巧みな舌技になぶられて、指先からじんわりと
快感の波が押し寄せて来る。陽子は思わず声をあげる。
「指先だけでそのような声をあげるのか、お前は?」
「だって・・・」
陽子は見上げて尚隆の顔を見ると、眩しいものでも見つめたかのように目を細めた。
「綺麗」
陽子はぽつりと呟く。
「何がだ、陽子?」
「あ、いえ・・・男の人にこんな事を言うのは変なのですが・・・」
陽子は尚隆の胸に自分の顔をうずめ、小声で続けた。
「延王は綺麗だな、って思って」
尚隆の顔は端正ではあるが女らしいところは一欠けらも無い。だが、陽子の瞳には朱く
濡れた唇は艶かしく、その瞳は遊女のように自分を誘って見える。
「ああ・・・」
陽子は深く溜息を吐き、無意識に呟く。
「私の・・・姫」
「はあ!?陽子、お前、今、何と!?」
がばと陽子の体を引き離し、尚隆が問う。
「え・・・?私、何か言いましたか?」
陽子はきょとんと尚隆を見つめる。尚隆は深く溜息を吐いた。
「・・・今日は、止そう」
「え、延王!」
「・・・お前もまだ、緊張しているようだし。焦っても仕方が無い・・・ゆっくり時を
待とう。な?な!?」
再び尚隆の気は挫かれた。
漢、陽子。まだ時は熟さず。
箸休めにもならん作品ですが・・・失礼しました。
神様降臨はまだかなぁ。
でも師走ですしね、気を長くして待つ事にします。
ワロタw
続きキボン
ワラ
時が熟すのはいつかw
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
GJ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
え…延王が姫、陽子が王子!?
いい!!最高!!
夜風が金波宮を吹き抜ける。
秋とは言え、夜になると風は殆ど真冬のものと思える程に冷たい。
正寝の一角、王の寝所にも、建物の隙間を縫って冷たい風が入り込む。
「――――主上、お身体が冷えます」
「なら、お前が私を温めてくれれば良いではないか」
しどけない薄物だけの姿で、陽子は牀榻に身体を投げ出している。
景麒はそんな陽子を正視せず、椅子に座ったまま静かに視線を下に落としている。
「一晩中そうして椅子に座っているつもりか?」
ちらりと景麒が何か言いたげに陽子を見やった。
「抱かぬなら、帰れ」
陽子はほとんど笑い出しそうな声でそう言うと、くるりと寝返りを打って、景麒に背を向けた。
ゆらりと気配が動き、ぎし、と牀榻が軋んだ。
牀榻に腰掛けた景麒はしばらく陽子の後姿を見つめていた。
そして、そっと主の髪に触れる。景麒はその白く細い指を、緋色の絹の中、ゆっくりと
彷徨わせた。
陽子はうるさそうにその手を払うと、ゆるりと景麒の方へ体を向けた。
煙るような紫の瞳が自分を見つめている。その無表情な顔からは一欠けらも感情が
感じられない――――陽子以外の人間だったら。
「そんな、目をするな」
陽子は吐き捨てるように言う。
そんな、哀れむような目を、するな。
陽子はほとんど凶暴とも言えるほどの憤怒に駆られて、景麒の着物を剥ぎ取った。
白磁を思わせる白い景麒の肌に、ついこの間の睦み事で陽子がつけた痣が、痛々しい様子
でまだ残っている。
はっとして陽子は痣を見つめ、その一つに手を触れた。景麒がその手に自分の手を重ねる。
陽子は景麒の手をゆっくりと離すと、疲れきったかの様に牀榻に身を横たえた。
「興がそがれた―――帰れ」
「真夜中に呼びつけておいて、帰れ、でございますか…」
景麒はあくまで静かな声音で呼びかける。
「こっちの勝手だ」
景麒は陽子を無理やり己の方に向けると、その身を抱き締めた。
「止せ―――」
唇は景麒の唇で荒々しく塞がれ、陽子は諦めたように体から力を抜いた。
陽子の薄物が剥ぎ取られ、冷え切った景麒の身体が陽子の身体に重なる。
「景麒・・・」
陽子は弱々しく言うと、瞳を閉じた。
仙骨のせいで麒麟の身体は軽いはずなのに、自分を覆う景麒の身体はずっしりと重い。
両手首を掴まれ――決して強くは掴まれていないのに――陽子は抵抗が出来ない。
(「抵抗出来ないのではない、しないだけだろう―――?」)
男の声が耳元で聞こえた気がした。
陽子はその幻の声を振り払うかのように頭をぶるぶると振った。
両手首を掴まれたまま、陽子は景麒の口づけを受けた。唇はこじ開けられ、舌はざらりとした
景麒の長い舌で絡め取られる。
腿に景麒の熱く張ったものがあたる。冷たい体の中、景麒のそこだけが、熱い。
冷たい手が陽子の乳房を掴む。強く揉まれ、陽子は思わず痛みに声を上げる。
陽子は景麒の体を押し返そうとする――が、景麒は構わず荒々しい愛撫を続け、陽子の肌
に薔薇色の染みをつけていく。
(「このように無数の愛の残滓を肌に――どのようにお前の僕に言い訳するつもりだ?」)
笑う男の声が陽子の耳に響き渡る。
陽子が震える声で呟く。
「もっと、強く、抱け」
景麒は無言で愛撫を続ける。
陽子の髪を掴み、首をあらわにさせ、接吻をする。
冷気の立ちこもった部屋に、景麒の吐息が白く浮かび上がっては消える。
気付くと陽子の体は後ろから抱き抱えられ、景麒の吐息が耳元にかかった。
耳朶をゆっくりと舐められ、甘く噛み締められて、吐息が耳の奥へと吹きかかる。
景麒の舌は耳元から首筋へと、首筋から背中へと徐々に降りていき、景麒はその舌で陽子
の体の輪郭をなぞるように肌をなぶっていく。
つつ、と背中を下から上へ舐めあげられて、陽子はたまらず嬌声を漏らした。
その声に刺激されたのか、景麒の熱い一物は更にぴんとそそり立ち陽子の尻をつつく。
景麒は舌を乳房に移動させ、その頂きを味わい始めた。
景麒の手の中、ふるふると陽子の乳房は揺れる。
乳房の先端を舌で丹念になぶり、唇で柔らかく吸い、そして景麒は歯で軽く噛み締めた。
執拗に頂きを刺激されて、陽子はたまらず身をよじった。
「ああ・・・ん・・・」
体は景麒の体で押さえられ、声は接吻で止められ、陽子が感じ始めた快感は逃げ場を
失い、腰の奥の方へと集まっていった。
とろり、と蜜が零れるのを陽子は感じ、それを隠すかのようにきゅっと脚を閉じた。
が、景麒の強い力に脚は簡単にこじ開けられ、陽子の秘所へと景麒の指は難なく行き着く。
ひんやりとした指がするりと陽子の中に入った瞬間、陽子は思わず嬌声を上げ、背を
反らした。
「もう・・・いいだ・・・ろう?帰・・・れ」
陽子は景麒を見上げて言う。だが景麒は無言で陽子を見つめ、その指はぬちゃぬちゃと音を
立て、陽子の中を刺激する。
「ああっ・・・!」
くくっと景麒の指が曲がり、天井の敏感なところを刺激する。陽子は景麒の顔の前に乳房
を突き出し、顔を顰めた。
細い指がそれ自身意識を持っているかのように壁を刺激する。景麒の指が動くたびに、陽子
の中はひくひくとリズムを合わせるように痙攣した。
景麒は指を抜くと陽子の尻を掴み、ぐい、と自分の方へと引き寄せた。
熱く太いものが陽子を貫く。
陽子は思わず声を上げた。
「景麒――――」
あの日。
金波宮に延王が訪れているのは気付いていた。
ぱたぱたと廊下を駈けて行く主上の姿。頬を薔薇色に染めて、その瞳はきらめき、いつもより
唇さえ紅くつややかな気がする程。
主上、と声を掛けるのが躊躇われた。
景麒はそっと姿を隠し、陽子が駈けて行くのを見守ると、自分の住居である仁重殿へと
戻った。
夜、胸騒ぎがして自らの主の寝所へと向かった。
台輔と言えど、王の寝所へ許しもなしに向かうなぞ礼を欠くにも程がある―――そうは言って
も、景麒は胸の中の不安に押しつぶされそうで、気が付くと着物を着替えて足は主の寝所へ
と向かっていた。
とうに夜は更け、全ての者が眠りに落ちているはずの時間、王の寝所には灯りがともされて
いる。
「ああっ・・・、やめて――」
愛しい主の悲鳴が聞こえ、景麒は走った。
寝所に近づき、扉をすぐに開けなかったのはその悲鳴が命の危険を知らせるものではないと
とうに気付いていたから。
景麒は聞こえてくるもう一つの声に身を凍らせた。
「やめてと言うか、景王よ。抵抗すればよいではないか。ああ、判ってる。抵抗出来ないので
はない、しないだけだろう?」
くっくっくっと男の声が響く。
「延王、ひどい・・・」
すすり泣くような声がする。その弱々しい、そして媚を含んだ声は己の愛しい主とは思えない
ほど。
「ああ、陽子。お前の体は男を狂わせる―――!」
陽子は獣のように声をあげ、淫靡な音が扉を挟んでさえも聞こえた。
景麒は今すぐ立ち去らねば、と自分に命じる。だが、体が動かない。
「愛しているの。愛し――あーーーーっ!!」
景麒の心が、ぱりん、と割れた。
「このように無数の愛の残滓を肌に――どのようにお前の僕に言い訳するつもりだ?」
面白そうな延王の声が聞こえる。
「気付いているのだろう?あいつがお前を見つめる瞳―――あれは恋した女を見つめる男
のものだぞ」
ははっ、と延王が笑う。
「景麒の話はお止め下さい、延王」
悲しそうな主の声。
「良いではないか。戯れの後には似つかわしい」
「これを、戯れとおっしゃるのですか!」
くっくっと延王が笑った。
「――まだまだ、若いな。慶台輔とお似合いだ」
「景麒は―――」
涙を含んだその声で自分の名前を呼ばれた瞬間、景麒は駆け出した。
その次の日だ。主が己を自分の寝所に呼んだのは。
怒ったような顔をして、自分を抱け、と命じた。
自分に何が出来ただろう?
着物の合わせからのぞく薔薇色の染み。
(「愛しているの―――」)
自分には決して向けられない叫び。
慶の民の事だけを思い、自らは何も欲しない愛しい主。
だが、たった一つ願った人は主の心を粉々に砕いた。
そして、私の心も、砕かれた。
自分に出来る事はその薔薇色の染みに、一つ一つ接吻を加えて自らの愛の残滓に変える事
だけ―――
尚隆は泣きそうな顔をしている少女を見つめていた。
「まだまだ、若いな。慶台輔とお似合いだ」
「景麒は――」
瞳にたまっていた涙が、一滴、はらりと陽子の頬を伝って流れた。
「――景麒は、私に恋なぞしておりません」
「何故、判る」
「判ります。私は景麒に一番近い人間です」
「一番近いからこそ判らぬ事もある」
尚隆は着物を羽織るとごろんと牀榻に横になった。
「お前も、何か着ろ。風邪でも引いたらどうする」
陽子はゆらりと立ち上がると、床に散らばった着物を拾って身に付け始めた。
その様子を見つめていた尚隆が、陽子の背中に声を掛ける。
「お前、いい加減にしろよ」
陽子はその怒気をはらんだ声にびくっとして尚隆の方へと振り返った。
「お前は俺を何だと思ってる?五百年も生きてきたから痛みも感じないと?私の心が鉄で
出来ていて傷つかないとでも思っているのか?」
陽子は訳が判らないといった様子で尚隆に向き合った。
「何を――おっしゃっているのか・・・」
呆れたように尚隆は首を振った。
「判らないと言うのか?お前、俺に抱かれている時、何を、誰の事を考えていた?」
陽子はぴくりと体を震わせた。
「愛しい男がおのれを抱いてくれないからと言って、他の男を使うな。使われる方はいい
迷惑だ」
陽子は黙したまま、動けないでいた。
「自分が抱いている女が自分を愛しているかいないかくらい、馬鹿な俺にでも判る」
尚隆の瞳は真っ直ぐに陽子の目を射抜いた。
「お前は俺を慶台輔の替わりにしたんだ」
「そんな事は―――」
陽子は叫んだが、ぱちんと軽く尚隆に平手を張られて皆まで言えず、頬を押さえた。
頬を押さえ震える陽子を見つめると、尚隆は寂しげに微笑み、陽子の頬に触れた。
「まあ、良しとするか。こんな風に切羽詰らないと判らない事もある。特にお前の場合はな」
「延王・・・」
扉へ向かい、取っ手に手をかけた尚隆が背を向けたまま呟いた。
「・・・居たぞ」
「えっ、何とおっしゃいました?」
尚隆が扉を開けるとびゅうと冷たい空気が室内に舞い込んだ。
「景麒が、さっき居たぞ」
呆然とする陽子を置いて、尚隆は去って行った。
景麒、どこから聞いていた?
景麒、どこまで聞いていた?
私は臆病だから、聞けない。
私に触れた男の名残りを全て消してくれ。
私をお前の全てで覆ってくれ。
お前を愛している。
でも私は臆病だから、言えない。
今日もお前を呼ぶ。
今日もお前に私を抱けと命ずる。
私たちは馬鹿だから、こうやって体を重ねる事でしか確かめられない。
景麒、冷たい月が見つめてる。
いつか、お前を暖かい陽の光のように包めるのだろうか。
遠回りとしたな、と笑い合えるのだろうか。
今の私に出来る事はただ牀榻に横たわり瞼を閉じ、お前が扉を叩く音を待つ事だけ。
扉が開き、冷たい風が吹き込む。
お前は椅子に腰を下ろす。
お前は静かに私を見つめている。
私はいっそ泣きそうな気分になる。
お前の言葉の一つ一つに胸が張り裂けそうなくらい切ない気持ちになる。
景麒―――
「―――主上、お身体が冷えます」
「なら、お前が私を温めてくれれば良いではないか―――」
<了>
お粗末様でした。ほんのお口汚しですが、お読み下さった方、有難うございます。
視点が変わりまくって、判りにくいですよね。
甘甘のも良いのですが、こういう微妙なカンジはどうでしょうか・・・
皆さまの審判を待ちます。失礼しました。
乙!!!
初めてリアルタイムで投下に遭遇キタ━━(゚∀゚)━━!
文がしっとりしててすごく雰囲気があって好きだ。
尚隆には申し訳ないが、この二人には幸せになってホスィ…。
397 :
395:04/12/07 01:00:03 ID:h3PovrSO
ああ、またやってしまいました。
慶台輔→景台輔、ですね。
住人様に何回も優しく指摘して頂いたのに・・・
辞書登録しなおします。すいません。やっぱり焦って投下はよろしくないですね。
陽子さんの初体験の続きももうちょい練って、続きを落とせたら・・・と自省。
久々景陽キタ━━(゚∀゚)━━!!
GJ!!
GJ!!
き、き キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!! ♪♪
イイ(・∀・)!
GJ!
でも職人さん自らおっしゃっている通り、ちょっと解りにくいかも。
視点と時制がころころ変わるせい?
でも好きですよ、こういうの。
キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!
2ヶ月近く投下されなかったのに、2日連続じゃん
時系列どうりに書かれてないから読みづらいって
意見があるけど、そんなことないよ。(・∀・)イイヨイイヨー
つーかやっぱり誤字が気になった。
職人さんも気付いてるみたいだから、ちゃんと原作読み込んでね。
マイパソだったら単語登録しちゃえば?
ただ待機が泰麒になったり首相が(ryになったりするかも知れんが。
乙です。でも途中違うカポーとか特殊シチュ入ってる時は注意書きキボンです
>>405 確かに、特定の作品に特化した辞書入れると、
ちょっとした単語も面白になったりするよね。
408 :
名無しさん@ピンキー:04/12/09 17:49:01 ID:bxP4TpvW
age(゚Д。)
解り難いかねぇ?自分は割と平気。
二ヶ月振りに投下してくれたから持ち上げる訳じゃなくって
素直に楽しめましたよん。
職人さん、GJですた。また投下してね。
だーかーらー、分かりにくいかどーかじゃなくって
誤字脱字をしないというのは最低限のマナーでしょ、ってハナシ。
例えば「ああ、景麒」を「ああ、景気」にしちゃったら興ざめでしょうが。
まあ、それは極端な例だけどさ。
投下してくれればどんな作品でも「GJ!」てのは職人さんの為にもならんだろ。
誤字くらい脳内変換すりゃいいじゃん。
マナーっていうほどのことか?w
ここは職人さんに厳しいスレですね。
投下するにも躊躇うわ。
まぁ、自分も誤字は
>>410みたいに目くじら立てるほど気にはならないけど
職人さんも投下前にじっくり見直してみることでもっといい作品になるかもしれないしね
でもどんどん投下して欲しいよ
413 :
395:04/12/10 01:04:31 ID:Pj679m8N
あらら・・・ごめんなさい。拙作のせいで、なんか雰囲気が殺伐と・・・。
ここは厳しくはないけれど、決して甘くはないスレなのでコメントの一つ一つを
とても参考にさせて頂いておりますです。
初期の作品は改行も滅茶苦茶、三点リーダーじゃなく「、、、」だったし、
あとキャラの口調についてもアドバイス頂いたり。
実際、初期の自分の作品読むのが恥ずかしいですもの、あまりにもひどくって。
精進して、しっかり推敲して今後とも投下します&一読者として神々の降臨待ってます!!
>>413 中身がよければ無問題。こだわりなさ杉か?
”、、、”や”。。。”や”!!”等を乱用すると腐女子か年齢疑われるし、
一般的にあまり美しい文章とは思われないだろうから使わないのが無難。
人の指摘で気づく前にもっと本を読んだり他の投稿をみると勉強になるかもな。
自分が読みやすかったりイイと思った文章がどんなふうに書かれてるかとかさ。
偉そうでスマンが俺も一応モノカキだから。まったり応援してる。
次回作楽しみにしてるよ。ガンガレ!
保守
陽子のスリップ脱がせたい(アニメ版)
疑問。腕力と乳は反比例するのか?
っていうか藻前等に質問です。
しなびた婆ちゃんの乳、ぺったんこのガキの乳、若い乙女のマッチョ筋肉な乳だったら
ど れ が 良 い ?
乳ぬきで、若い乙女一択。
抜きかよ!
乳ぬきでょぅι゛ょ一択。ハァハァ
ウワァァァンヽ(`Д´)ノ
誤字くらいスルーか
そっと指摘するくらいにしろ!
閑古鳥が鳴いているじゃないか〜
みんな最後の追い込みなんだよ、きっと(´ー`)y-~~
そういう漏れも仕事が年末進行で手も足も出ない。
萌えはあるのに・・・_| ̄|○
保守りつつょぅι゛ょは抜くほど乳がないと思う>419
そこが抜き処なんだけどな
ここも終わりか…
スマン
書いてない訳じゃないんだが
蓬莱の仕事が忙しすぎて
なかなか常世に渡れないのだ
職人さんからのクリスマスプレゼントはないのかな。
ドキドキワクワク・・・
Å
〃⌒ヽ、
〃ノ人ヽヽ
ノノ*´Д`从 私なんて、主上に置いてきぼりにされましたよ
}/ Y ハ { 今日は「くりすます」とやらで主上はどこぞへ
おでかけです。
Å
〃⌒ヽ、
〃ノ人ヽヽ 主上は何やら赤い服を着て
ノノ*´Д`从 騎獣に乗って行きました。
}/ Y ハ { 誰と会うつもりなんだか・・
Å
〃⌒ヽ、
〃ノ人ヽヽ ちなみに私がかぶってるのは主上の部屋に
ノノ*´Д`从 置いてあった蓬莱の帽子です。
}/ Y ハ { 蓬莱人には見なれたものなのでしょうか
Å
〃⌒ヽ、
〃ノ人ヽヽ 主上は大きな袋を背負ってでかけました
ノノ*´Д`从 「さんた」になって里家に届けものをするのだとか。
}/ Y ハ { 主上のお考えはよくわかりませんが
挨拶だけは主上の真似をして
みなさん、メリークリスマス
430 :
名無しさん@ピンキー:04/12/24 19:40:41 ID:j8O/2Oi8
Å ’ * パーン!! ・
〃⌒ヽ、 。’* *
〃ノ人ヽヽ * ・。 ・
ノノ*´Д`∇ 。
}/ つ/つ
〃⌒ヽ、
〃ノ人ヽヽ
ノノ*´Д`从
}/ Y ハ { あわわわわ・・ものすごい音がした上に
スレが上がってしまいました。
それではみなさん、さようなら。
ラストでワロタw
景麒、めりくりw
めりくりー w
景麒かわいいなw
436 :
パシリ:04/12/25 02:32:34 ID:SOUkiTOa
はじめまして。
エロ神様のパシリ・壱号
略して、パシリといいます。
微妙ですが、書けたので投下します。
二人目の王にお仕えして、どれだけの月日がたっただろう?
主上は私が思う程には、私の事を好いてないのだろうか?
呼び出しは、いつも突然で忙しければ来なくて良いとおっしゃる。
私はいつも、主上の邪魔にはならないか?嫌われはしないか?
いつだって戦々恐々と顔色を伺いながら、お呼びする。
「主上、お待ちを…」「主上」「主上どうか…」
対する主上の言葉は素っ気なく冷たい…私がそう感じるだけなのか?
今夜も、唐突に呼ばれ小寝へと赴いた。
「主上、入りますよ。」
人払いされたのか、人気のない部屋へ一言かけ入って行く。
主上は書き物をしていたのか、机に突っ伏して軽やかな寝息をたてていた。
何用で呼ばれたのだろう?
牀榻を見やり、薄掛けを一枚取り そっと肩にかける。
すでに夜も遅い…今日はおいとましよう…
この分なら今日中でなくとも良いだろう…
そっと部屋を出ようと動いたらカタリと机に当ってしまった。
主上はその小さな物音で目が覚めてしまったようだった。
「あぁ、景麒…来てたのか…」
主上は寝呆け眼を擦りながら立ち上がり、私の傍に来た。
私の前に立ち止まり、顔を覗き込んでくる。
「主上…何用でしたか?」
「ふふっ、何を心配そうな顔してる?」
覗き込んだまま、楽しそうに言う主上の顔は何処か緊張してる様にも見えた。
「いえ…こんな夜も更けてから、いったい…」
主上はニコリと笑い、私の手を握り牀榻へと向う。
「主上…いったい…」
グイグイと手を引っ張り牀榻へ腰掛けると
戸惑いながら見つめる私に、熱い眼差しを向けてくる。
手を握ったままだ…何だろう…握った手が熱い
ふっ…と目蓋を閉じてから、ヒタと私の目を見据える主上。
…何を言われるつもりだろう?何かまたやってしまっただろうか?
「景麒、よく聞いてほしい。」
「はい。」
主の命令なら聞くのは当たり前だろうに?
「景麒は私の事が好きだろうか?」
「はっあ?…?」
麒麟が主を好きなのは当たり前だが…
聞かれた内容に驚き声を上げてしまった。
「だから、私の事をどう思うか聞いてる。」
「はい、好きです…ですが、いったい何故…」
主上は立ち上がり、私の唇に軽い音をたて口付けた。
ぎゅっと抱きついて来て、いつに無い甘い声で
「好きなんだ、景麒…」
抱き締めることも、離れることもできずされるがままに身をまかせる。
「主上…」
思わず呟くと、主上は私の胸に顔を埋め
「陽子…と、呼んでほしい…」
主上は蓬莱が懐かしいのだろうか…?
胸が千切れる様な痛みを感じて思わず呻く…
主上は私の呻きを聞いて、辛そうに顔を上げる。
「景麒…」
その顔を見て、心が引き裂かれそうな程軋む
「無理を言わせただろうか?」
咄嗟に頭を振り
「いいえ…ただ…そんな風にお呼びするのは、失礼のような気がして…」
再び顔を私の胸に埋めながら
「お前にそう呼んでもらいたかった、ただそれだくなんだ…すまない。」
私はそっと主上の肩を抱いた。
「陽子…」
はじめて呼ぶ主上の本当の名前…主上の手がスッと
私の胸元を滑り、キュッと布地を掴む。
「景麒…もっと呼んでくれ…」
もはや逆らう事はできない、言われるまま囁く。
「陽子…陽子…陽子…っ…」
名を呼ぶ事に、胸の中が熱くなる。
「……にっ……」
小さな…小さな声で何か言われた気がして問う。
「今、何か…?…」
顔を上げ、私を見つめる陽子の目は熱く潤んでいた。
「…っ…景麒っ…無理は、承知だっ…たのむ…その…私の傍にっ…」
あぁ、なんて事を…私の様に抱いてはいけない思いを
抱くものに対して、何と無防備な言葉を…っ…
「景麒っ…」
陽子の呟きに耐えられず、牀榻に倒れこむ。
「あぁっ…景…麒っ…」
「横で添い寝するだけですよ。」
牀榻の中、赤い髪が広がり私の胸がチリチリと焼けそうだった。
「ありがとう…景麒…好きだ、大好き…」
そう言うと、フッと目蓋を閉じパタリと手が力を失い
軽い寝息をたて始めた…私は陽子が寝たのを確認し
まじまじと顔を見入る、どうしたら私の心が伝わるだろう…?
「う…んっ…景…麒っ…」
夢に見る程、私は貴女の傍にいるのだろうか?
私は夢の中の自分に、今まで抱いた事のない感情を抱き
そっと、陽子の首筋に口付けた。
甘い香り、滑らかな肌…思わずキツク吸い上げる。
窓から僅かに差し込む月光の中、陽子の首筋に
小さな赤い花が咲いてゆく…明日、きっと驚くだろう。
想像し、クスリと笑みが零れ…私も目蓋を閉じた。
―了―
441 :
パシリ:04/12/25 04:56:30 ID:SOUkiTOa
ど、どうでしょう?
できれば感想を頂けると幸いなんですが…
あんまり、エロが少なくて申し訳ない。
三太さん
ありがとー!
けーき、キャラが違うね。話し方が別人。
∩ ∩
| つ 「,"|
!,'っ_ ⊂_,!
/ ・ ヽつ
▼,__ |
(´<_`从・| 私を呼びましたか?
(| 、)|
| ・・|
ヽ._・ν
U"U
乙!慶主従はカワイイね
景麒の口調、そんなに気にならなかったよ。
同人だし、キャラ解釈がちょっとずつ違うのが見てて楽しいです
ここのスレ、キャラが違うとか
マジで煩い
手前のために書いた訳じゃねーんだから好みに合わなくても文句言うなヴォケ>443
…漏れだって昔、自分的絶対固定カプの男を他のおなごとカプにされて泣いたけど、その気持ちはチラシの裏に吐いたぞ。
それが当然だ。
447は「絶対固定カプ」なんてある人間がここ見てる時点で自業自得。
キャラの話し方が違うってのはまた別の話では?
まあ解釈が違うってことでいいと思うけどね。
自業自得だ。確かに。
という訳で後半二行はスルーしてくだちい。自分の言いたいのは最初の一行だけなんで。
〃⌒ヽ、
〃ノ人ヽヽ
ノノ´<_`从{
. }ハ Y ハ {
∪| | ∪
|___|_|
U U
>443 一体、仙でないあなたに私の口調とやらなの何がおわかりか?
「許すとおっしゃい」「裸で御前にはまかりかねる」
「さあ・・・・」以外の口調を聞いたことがあるというなら伺いたいものだ。
〃⌒ヽ、
〃ノ人ヽヽ
ノノ´<_`从{ もう 牀榻では、これもんでありますから
. }ハ Y ハ
∪| | ∪
|___|_|
U U
いや、エロなしの心理劇なら、会話くらい納得いくようにやってくれないと
萌えるとこないだろう。
スルーするつもりだったけど、なんか尾をひいてるから443擁護に回ってみる。
自演等の煽りは無用。
文章だけで絵がない場合、キャラの区別は口調も重要だとオモ。
キャラ名すげ替えても普通に読めそうなのは
「こいつ誰だよ」と言われても仕方ないんじゃね?
ギャグは別な。
好みに合わないんならスルーしとけや
此処は文章力向上スレですか?相談スレですか?おまいらは先生ですか?
感想おながいしまつとか書いてて
誉め言葉じゃないと臍曲げるお方が多いんだな。
なら最初から「ホメテホメテvvv」と書けばいいのに。
456 :
パシリ:04/12/27 07:36:01 ID:h3WhI+XF
どうもです。
感想ありがとうございます。
うちの慶主従はキャラが全然違ってます。
なので、あーやっぱりなー とね
話が可愛いのも、この一本だけですしね。
反応を見てみないと決められない事が
この先にある話を投下する・しないに
関わってたので、正直ありがたかったです。
温かい目で見守って下さった皆様
ありがとうございました。
また、注意して下さった皆様も
ありがとうございました。
この先は、結構ひどい話になりますので封印します。
本当に色々、ありがとうございました。
では、失礼致しました。
確かに口調とか重要なのかもしれないけど、そんなこといちいち指摘
してたら職人さんが投下しにくいと思う。
ここのスレの住民は贅沢だな。
458 :
パシリ:04/12/27 13:41:31 ID:h3WhI+XF
ここは比較的、職人さんが多いので
大丈夫だと思われるし。
読んでる方達も女性が殆どのようですし
やはり、口調とか振る舞いは引っ掛かる
要因になってしまうと思うし。
私がいつもいるところは二人しか
いないから、たぶん私のようなヘタッピでも
なんとか、持ちこたえる事ができただろうし。
やはし、職人さんが多いトコはレベルが高いし
それだけ、クオリティの高いモノが求められても
しかたないと思いますよ。
だからこそのチャレンジのしがいが有と
思われるし、思いましたしねぇ。
だから、ここはこれで良いと思いますよ。
いや、私が言うのもなんですが(;^_^A
>458
それ以前にお舞さんのエロパロ歴が気になるというか・・・。
書き手として色んなスレに住もうと考えるなら言動にはもう少し注意を払った方がいいよ。
パシリ・・・ ウザ。
>458
まず日本語覚えてから来い、な?
>>458氏はただ2ch慣れしてないだけで、この板の年齢制限は満たしているんだよね?いやちょっと気になったから…
458氏がいいたいのは、
・職人が比較的多いから、このスレの住民は投下作品に多少難癖つけても大丈夫だと思っている。
・女性の読み手が多い(と思われる)ので、(キャラの口調・振る舞いなど)見る目が厳しいのではないか。
・自分が常駐しているスレは書き手が二人しかいないので、難癖をつけられたことは無かったし問題なくやってこれた。
・クオリティの高いこのスレはチャレンジのしがいがあると思いやってみたが、駄目だった。
でも一つの経験としてこれはこれで良かったと思う。
ちょっと意訳入ってるけどこういうことかな。
とりあえずもちついて下さい。
個人のドジーンサイトでも、そういう語りをやりすぎると、作品が良くても引かれちゃうよ。
「私を抱け…抱け…景麒」
嗚咽に混じった女の色香に呼ばれた男は膝を折った。紫の瞳が見つめるは己が主。同時に国を滅ぼそうとする美しき女王の姿。
「御戯れはお止め下さいませ」
景麒の悲痛な叫びが臥室に響き渡った。
「戯れか…」
臥牀で肘を付き、寝そべる陽子の目はただただ虚ろなものでしかない。その瞳が輝き、信念と慈愛に満ちていた頃の少女はすでに存在しないのだ。
共に国造りに燃え、手を取り合った男がいない。ただそれだけで陽子の心は壊れた。
「まだ間に合います」
景麒は膝をつく。やつれた姿であっても、麒麟の鬣は幾分も艶を無くしてはおらず、渇いた唇は必死で彼女を止めようと声を紡ぐ。
本当ならば、こうして傍に在るのすら辛いのだろう事は陽子にも理解出来た。けれども、一度狂った時間はやすやすと正常になる事はない。
「―何が間に合うのだ?誰が…誰が」
浩瀚を殺したのだ、そう言いたかった言葉は結局声に出すのが叶わなかった。
「…浩瀚がこのような事態を望んでいたとは思えません」
「口ではなんとでも言えるな。」
目前の者が彼を死に追い遣ったのではないと分かっていても、胸に渦巻いた感情は消えてはくれない。寝ても覚めても思うのは我が子のように慈しんでいた民が浩瀚を殺害したという事実だけ。
陽子はくつくつと喉をならす。着崩した被衫からは形の良い両胸が惜しげもなく見え、結い上げた髪は乱れ落ち、朱をひいた唇は悔しげに誇示している。
「最初から慶には女王など必要なかった…」
「そのような事は決してございません」
景麒の視線が彼女を捉えた。実際、こうして真正面から向き合うのは久しかった。王の半身だと言われても、この数百年間、彼女の傍に在り続けたのは自分ではなく、慶の冢宰だったのだから。
国は栄え、同時に民が憂うのは少なくなっていた。―慶に女王は要らぬ。懐達と言われたのも遥かな遠い昔の事。紅髪を持つ女王の評判は諸国の王や民にまで広まり、先だっては大国と銘打っていた雁をも抜きん出た。
「―女王が不満ならば、恋をした女が不満ならば…私を殺せばよかった」
陽子の瞳から涙が流れ落ちた。目を閉じれば、公私共に支えてくれた男の顔が鮮明に思い出せる。重ね合わせた肌の温かさや、耳に響く声。全てが何を引き換えにしても愛しかった。
「主上…」
小刻みに震えている陽子の肩を景麒はそっと抱きしめた。麒麟の本能がそうさせているのか、それとも自分の中にあった男なのか。
「…抱いてくれ…私を…」
自分の胸の中ですすり泣く陽子の顎をすくい、景麒は唇を合わせた。しかし、返って来る体温は冷たかった。何度、舌を絡めあい、きつく吸ったところで陽子の肌は熱を持たない。
それでも、景麒は彼女を抱いていく。次第に戯言であり、遊戯でもある哀しい宴が繰り広げられていった―。
景麒の指が陽子の胸をさわり、固くなった蕾を弄る。
「あっ…はぁっ」
「よろしいですか?」
答えの代りに陽子は嬌声を出す。艶やかな女の色香に後押しされるかの如く、景麒もまた執拗に彼女を責めていく。耳やうなじに舌を落とし、所構わずに印をつけていった。
そして愛撫の手は陽子の花びらへと侵入する。しっとりと濡れたそこは景麒の指を待っていたかのようだった。
「ふぁ…あん…やっ…」
どれ程長い時間を生き続けて来た少女もこの時ばかりは十六の娘に戻っていた。二度とは戻れない故国に別れを告げ、歳相応以上に肩肘をはり、歯を食いしばって生きていた時も、父母が亡くなった時も決して己に課せられたものを忘れる事がなかった。
「―あ…こう…浩瀚…」
無意識の内に呟くは生涯でたった一度愛した男の名。
少女の心を封じ込め、ただただ陽子は王として生きていた。望む望まなくとも、そうしなければいけなかったからだ。けれど、浩瀚は彼女に恋を教え、陽子またそれに溺れた。慶国に恋は禁句だと聞いていても、知っていても。
「…お前…など…お前など…ああ、景麒―!!」
髪を振り乱し、陽子は景麒の頭を掴む。与えられる快感に翻弄されながらも、胸に芽生えてしまった憎しみの感情は更に増す。
―景麒が憎い。民が憎い。国が憎い。
狂おしく切ない気持ちを抱きながら、陽子は景麒に抱かれる。憎く、それでいて愛しい己の半身。貫かれ、動かれ、交わす言葉は嬌声のみ。
「はっ…あ…う…んん―!」
月の明りに染められた景麒の上半身には汗が飛び散り、陽子も甘い吐息を出すが、いくら体を重ね合わせても、それは単なる快楽の共有でしかない。
終りも破滅も、何もかも、陽子と景麒に明日はなかった…。
了
>>463-464 乙っす。
たまにこういう終末ネタが来るけど
短編としてまとまってると思う。
ただ、どうして民が浩瀚を殺したのかが今ひとつ腑に落ちない。
女王に恋を仕掛けたから?
でも何百年も一緒にやって来たんだよね。
もうひとつ具体的なきっかけがないと(説明しろってんじゃないが)
この浩瀚の不在が際だたない気がする。
そこを一押しすると
陽子と景麒の哀しさに凄みが出たと思う。
偉そうに書いてごめんね。
467 :
名無しさん@ピンキー:05/01/01 11:41:01 ID:8DFR9fSY
へヘ
// ⌒丶
(从ハ从)
)§´∀`リ.
/\ヽ//ヽ
| \─∞-| ヽ
丿 \ ̄/ \
/ /Xヽ |
\ / \_|
 ̄ヽ_____/
あけましておめでとう
今年も素敵なSSを、よろしくね
主上、スレの住人に本年の初勅をお願いいたします。
へヘ
// ⌒丶
(从ハ从)
)§´∀`リ.
/\ヽ//ヽ
| \─∞-| ヽ
丿 \ ̄/ \
/ /Xヽ |
\ / \_|
 ̄ヽ_____/
嫁の「夫の実家帰り」を廃す。
年賀のお土産もしなくてよろしい。
わたしのお母さんも、469さんのようなことを考えていたんだろうか。
わたしには、「女の子はお嫁に行くのが一番いいのよ」としか言わなかったけれども。
469さんと、全国のお嫁さんの苦労が報われると良いのだが。
ほんとうはね、SSの有る無しは大きな問題じゃないんだ。
今年もみんなが元気で、この場所に集まっていければと心より思う。
わたしからはそれだけだ。
>470はもしかしてオカンがいないのか?
釣り?漏れ釣られた?
>>471 >>468での初勅お願いを受けてのレスなんじゃないかな。
ああいう家庭で育った陽子だったら…みたいな。
マターリ今年も楽しむ所存です。
わおスレ汚しスマソorz
>472トンクス
陽子と楽俊は、二人で散歩に出かけた。
堯天の街を出て北東へ少し歩いたところにある川の河川敷で、陽子と楽俊は休憩することにした。
陽子は、急に激しい尿意を催した。
「あっ、ちょっとションベンしたくなってきた。」
彼女は、川岸に立って川のほうを向き、その場で立ったままズボンのチャックを開いた。
さらに、パンツの股の部分を手でずらしてマンコだけを曝け出した。
そして、両手でズボンのチャックとパンツの股の部分を押さえた。
彼女は、手を使わずに股に力を入れて思いっきり大きくマンコを開いた。
彼女のマン毛も、やっぱり髪と同じ赤色だった。
楽俊は、驚いて陽子に尋ねた。
「陽子、まさか立小便するのかい?」
陽子は、落ち着いて彼の質問に答えた。
「ああ、そうだよ。景王になってからは、なぜか立小便のほうが気持ちが落ち着くのだ。」
楽俊は、まだ疑問だった。
「陽子、お前は女なんだぞ。ちょっと・・・?」
陽子は、自信ある返答をした。
「楽俊、心配しなくていい。まあ、とにかく見てみろ!」
このとき、陽子は楽俊を圧倒する雰囲気を醸し出した。
彼女は、括約筋の力を抜き少しでも勢いよくしようと下腹部に力を入れた。
ピューーーーと、彼女のマンコから水鉄砲のように勢いよくションベンが弧を描き噴出してきた。
ションベンは、かなり遠くまで飛んで川の水面が泡立っていた。
なんと、陽子のマンコとマン毛には一滴のションベンもかかっていなかった。
「あー気持ちいいーなー!」
陽子は、久しぶりに開放感を味わっていた。
「でもさ、陽子・・・。チンチンが無いのに立小便するのは恥ずかしいことだぞ、少しは慎めよ。」
楽俊は、陽子を諌めようとした。
「楽俊、何を訳の分からないこと言ってるの・・・?チンチンなら、ここにあるじゃないか。」
楽俊には、陽子の言葉が理解できなかった。
「陽子、どこにチンチンがあるのかな・・・?立小便というのは、チンチンから出すものだぞ。」
楽俊は、常識の範囲内でしか物事を考えられない人物であった。
「だから、ちゃんとションベンはチンチンから出してるじゃないか。」
しかし、べつに陽子は怒っているわけでもなかった。
「あっ、陽子・・・!まさか、それがチンチンだというわけではないよな!?」
楽俊は、陽子のマンコを指した。(右手の人差し指をマンコの近くまで近づけた、ただしマンコに触れてはいない。)
「ああ、それがチンチンだ!」
なんと、陽子は自分のマンコをチンチンだと言い切ったのである。
「ちょっと、陽子・・・。これはチンチンじゃないよ・・・。」
楽俊は、マンコをチンチンだと言い切る陽子の言葉が理解できなかった。
「もし、それがチンチンでなければションベンがかかっているはずだ・・・」
「ションベンがかかっていないということは、それがチンチンである証拠ではないか。」
陽子は、ションベンがかかっていないことを理由にマンコではなくてチンチンだと主張したのである。
「陽子、もういいよ・・・。」
楽俊は、陽子を諭すのは不可能だと悟った。
楽俊が諦めたのを感じ取った陽子は、密かに満足感を得た。
しかし、表情には出さなかった。
ちなみに、陽子は自分が漢であることを自覚しているが男になりたいという願望は全く無い。
「陽子、かなり溜まっていたのかい。」
楽俊は、陽子のションベンが猛烈な勢いで出続けているのを見て感じた。
「ああ、20日ほど忙しくてションベンする時間も無かったからな。だからこそ、今は最高に気持ちいいんだ!」
陽子は、気持ち良さそうに答えた。
ちなみに、高位の仙籍や神籍に入ると一般人の何倍もションベンを溜められる。
「私のションベンは、なかなか終わりそうにないな。楽俊、雑談して時間を潰そうぜ。」
陽子は、退屈そうにしている楽俊を気遣った。
「そうだな、でも何を話せばいいんだ・・・?」
楽俊は、何か良い話題はないかと考え始めた。
そのとき、そよ風が吹いた。
陽子のマン毛が靡いたが、それでもションベンは乱れなかった。
はじめまして。
桓祥で日常甘甘もの。
初エロ初投下、迷いましたが「犯って後悔するのが漢だ」と。
注)桓たいの名前は字が出ないので[桓堆]で代用しています。そのへん脳内変換で。
お嫌な方はスルーでお願いします。
では。
はじめまして。
桓祥で日常甘甘もの。
初エロ初投下、迷いましたが「犯って後悔するのが漢だ」と。
注)桓たいの名前は字が出ないので[桓堆]で代用しています。そのへん脳内変換で。
お嫌な方はスルーでお願いします。
では。
はあっと吐いた乳色の息が、ふうわりと闇に流れる。
その白と夜の黒との対比は、目にいっそう寒かった。
暖かな慶国の、今が最も寒い時期だ。
──慶でこれでは、かの国の人々はもっと寒い思いをしていることだろう。
「はやく春にならないかしら…」
廊屋を渡りながら、祥瓊はひとり呟いた。
陽子の勉強に付き合っていたら、思いの外遅くなってしまった。
と、廊の角を曲がったところで向こうから誰かやってくるのが見え、祥瓊は眉をひそめた。
何故このような時間にひとり内殿を出歩く者がいる──それも佩刀して。
思わず身構えた祥瓊は、しかし、その顔を見て力を抜いた。
また同時に笑みがこぼれる。
「──桓堆」
禁軍左将軍青、彼女の恋人だった。
「祥瓊か?」
彼もまた、祥瓊の姿をみとめて破顔する。
「よかった、探していたんだ。こんな遅くまで大変だな」
「いいえ、あなたこそ。それより、どうしたの?帰りは明後日だと聞いていたのだけど」
彼が出かけたのは一週間前。地官長大司徒らと共に、某州で行われている治水工事を視察してくるよう命じられたのだった。
「うん、往復にそれほど時間がかからなかったもんで、予定がずいぶん早まったんだ」
「そうなの…」
言いながら、祥瓊は己の顔が染まっていることを自覚する。
妙に気恥ずかしくてうつ向き、それからふと顔を上げた。
「そういえば、わたしを探していたのよね?何?」
「ああ、うん。まあ大した用じゃあないんだが」
桓堆は首の後ろを掻きながら、照れ臭そうに笑った。
「会いたかったんだ。それで、今夜うちに来ないか、と」
「行くわ」
思わず即答した祥瓊に笑って、桓堆はその手をとった。
桓堆の官邸に着くと、まず二人で食事をとった。
疲れているだろうに、待っていてくれた彼の優しさが嬉しかった。
次に交代で湯を使う。
借りた衣装に身を包み、彼女が房室で待っていると、しばらくして桓堆が出てきた。
座っているのも何だと思い、祥瓊は二人分の茶を煎れた。
並んで長榻に腰かけ、旅の間の出来事を話す。
二杯目を飲み終ったところで、桓堆は語るのを止めた。
茶器を置き、空いた両手で祥瓊の顔を包む。
「──寂しかったか?」
まるで確認するような口調で、祥瓊に尋ねる。
「ええ、でももう慣れてしまったわ」
それは本当ではないけれど。
会えなければ辛い、でも言っても仕方がないから。
あなたは、と問い返せば、
「俺も、会いたかった──向こうでは一日がやたら長かったな」
最後の方は、なかば呟くように。
そして抱き締めていた体を少し外して彼女に軽く口づけ、問うた。
「泊まっていくんだろう?」
「あら、今さら帰れと言うの?」
ふふっと祥瓊が微笑むと、桓堆は大仰に胸を撫で降ろした。
「今夜は冷えるからな。祥瓊がいないと、凍えてしまう」
そう笑って、彼は彼女の簪を抜き取った。
そうして流れ落ちた紺青の髪を、愛しげにすく。
「知らなかった。わたしって火櫃だったのね」
「そりゃ、ずいぶん別嬪な火櫃だな」
ふたりで笑い合い、再び口づける。
「ん…」
それは先刻のとは違い、深く激し」
「──いいわ、大丈夫だから」
「牀榻まで、歩けるか?」
立ち上がった桓堆が手を差し出すが、腰が砕けてうまく立ち上がれない。
祥瓊が首を横に振ると、桓堆は彼女の体を抱き上げた。
祥瓊は彼の首に腕を絡める。
以前、そうした方が抱きやすいのだと、彼に言われたのを思い出したのだ。
↑すみません、張り付けミスりました。正しいのはこちら。
〜〜〜〜〜
そして抱き締めていた体を少し外して彼女に軽く口づけ、問うた。
「泊まっていくんだろう?」
「あら、今さら帰れと言うの?」
ふふっと祥瓊が微笑むと、桓堆は大仰に胸を撫で降ろした。
「今夜は冷えるからな。祥瓊がいないと、凍えてしまう」
そう笑って、彼は彼女の簪を抜き取った。
そうして流れ落ちた紺青の髪を、愛しげにすく。
「知らなかった。わたしって火櫃だったのね」
「そりゃ、ずいぶん別嬪な火櫃だな」
ふたりで笑い合い、再び口づける。
「ん…」
それは先刻のとは違い、深く激しい。
舌で唇を辿れば、祥瓊は軽く口を開いて桓堆を迎え入れる。
夢中になって舌を絡め、互いの体に回した腕に力をこめて。
「…かんた…くるし…っ」
余りにも強い桓堆の力に、堪えきれず祥瓊は声をあげた。
彼ははっと我に返り、彼女の体を放す。
「すまん、祥瓊。つい」
「──いいわ、大丈夫だから」
「牀榻まで、歩けるか?」
立ち上がった桓堆が手を差し出すが、腰が砕けてうまく立ち上がれない。
祥瓊が首を横に振ると、桓堆は彼女の体を抱き上げた。
祥瓊は彼の首に腕を絡める。
以前、そうした方が抱きやすいのだと、彼に言われたのを思い出したのだ。
「重いでしょう」
困ったように言う祥瓊に、桓堆は笑う。
「大丈夫だ、祥瓊は軽いから」
「でも」
「そうだな……あの鉄槍と比べたら、鳥の羽根か、花の花弁ほど軽いかな」
「それは言い過ぎだわ」
顔を見合わせ笑って、そのまま寝間へ入る。
牀榻の掛布を剥ぐと、桓堆はそこに祥瓊を降ろした。
そして衣の前をはだけると、自分も牀榻に上がった。
祥瓊はその桓堆の動作を横になったまま見つめていたが、彼が覆い被さってくると、ゆっくりと瞬いた。
「祥瓊」
「なあに?」
呼ばれて少し緊張気味に微笑むと、
「好きだ」
桓堆は彼女に三度目の口づけをした。
そして、できるだけ丁寧に、彼女の衣を剥いでいく。
──やがて、真白な彼女の一糸纏わぬ体が現れた。
牀榻の上は月の明かりに照らされ、その姿は薄く輝いているよう。
桓堆はその瓊姿に、唇を落としていく。
ときおり少しきつく吸えば、玉の肌に紅色の花がひとつふたつと咲いていく。
祥瓊はくすんと鼻を鳴らし、笑いながら身をよじる。
「やだ、くすぐったい」
「……祥瓊もやってみるか?」
桓堆が何か面白いことを思いついた子供のような顔で、首をかしげる。
「え?」
「ここに、俺がお前のものだという印を」
彼が示しているのは、その首筋。
赤い跡がついてしまえば、官服でぎりぎり隠れるかどうかの、その位置。
「だけど──いいの?」
「なに、誰かに尋ねられたら自慢してやるまでだ。金波宮屈指の美女につけられたって」
いかにも彼らしい瓢瓢としたもの言いに、祥瓊は失笑し、わずかにうなずいた。
「……じゃあ」
よし、と桓堆は笑うと、彼女を抱き起こして座らせた。
祥瓊は彼の首筋へゆっくりと手を伸ばし、小さく尋ねる。
「いいのね?」
「何度も言わせてくれるな」
照れくさそうな声に、祥瓊はこくんと喉を鳴らし、緊張しながらそこに口づける。
唇を離してはまた触れ、数度目に思いきって吸う。
ちゅっと音を立てて離れると、そこには真新しい花が咲いていた。
「あ……」
「ついた?」
「ええ……何だか、嬉しい」
ふふっと笑いながら、彼女はその跡を見る。
彼に自分の印を刻むことは、何か喜びを帯びた行為だった。
「そうか」
言って笑うと、彼は祥瓊の顔にかかった髪をかきあげ、額に口づけた。
祥瓊は思わず身を縮めて目を閉じる。
その首筋を舌でなぞり、鎖骨をぺろりと舐める。
「あっ」
彼女は小さく哭き、そのまま牀榻に崩れ落ちた。
彼の動きが戯れ混じりのものから、祥瓊の官能を刺激するためのものへと変わっていく。
熱をおびた愛撫に応えるかのように、彼女の声もまた甘くなっていく。
「……ああ、桓堆」
恋人の名前を呼ぶその声には、堪らないという響き。
彼は今舐めた場所を軽く食み、そのままゆっくり肌の上を這い下る。
すると豊かに盛り上がった乳房があり、その頂上には淡い赤紅色の蕾がのっている。
桓堆の手にもあまるほどの乳房は、ふわふわと自在に形を変える。
その柔らかな弾力を楽しんでいるうちに、祥瓊の息が上がってきた。
「っふ…あぁ……」
「……っ」
そのさまに、桓堆の獣の性が扇られる。
衝動的に彼女の左胸にむしゃぶりつき、蕾を舌であやすように転がし、吸う。
「ひぁっ!」
突然の強い刺激に、白い躯が弓なりにのけぞった。彼はもう一方を指でひねり、軽く弾く。
「あっ、やぁ……ん」
口と指と、左右交互に刺激すれば、桓堆の下で、祥瓊の体が跳ねる。
「っ…かんたい……っ」
鳩尾から腹を指でなぞり、茂みをくすぐると、そこはすでに湿り気を帯びていた。
それは彼女の悦びの証拠。
「よく濡れているな」 笑い含みに桓堆が言えば、涙を湛えた目で彼女は彼をねめつける。
「そんなこと、言わないでっ」
「でも、本当のことだ」
「……あなたのせいじゃないの」
「やめるか?」
「そんな……」
わかっている。彼はただ祥瓊が恥ずかしそうに求めるのが嬉しいのだ。
そんな彼が憎く、いつもその小さな罠にひっかかる自分は、さらに悔しい。
「祥瓊?」
彼が答えを促す。
ああ、なんてずるい──だけど。
「……やめないで」
「ん?」
「あなたが欲しいの」
小さな声でそう言うと、彼女は真っ赤になって横を向いた。
「俺もだ」
桓堆は、言って心底嬉しそうに笑うと、秘園に指を遊ばせた。
柔らかい毛を何度か梳くと、密壺のふちをゆっくりとなぞる。
「うん……」
祥瓊は焦れたように眉をよせる。
もっと強く、大きな刺激が欲しい──何より目が、そう語る。
それに応えて、桓堆は花芽をつまみ、軽く揺さぶった。
「あぁっ」
祥瓊の声が、ひときわ高くなる。
「そこ、だめえっ……」
「さっき、欲しいと言ったんじゃなかったか」
「でも……あっ、やだ……きついのぉっ……」
構わずにこりこりと芽を弄んでいると、彼女の瞳から涙がこぼれた。
愛しい恋人のその紫紺は朝焼けの色、滴の一粒でさえ惜しくて桓堆はそれをそっと舐めとる。
「桓堆……」
「祥瓊は、本当に綺麗だな」
「ん……」
そのまま体をずらし、濃紺の茂みに顔をうずめる。
「やっ、やだ、恥ずかしい!」
こうするのも初めてではないのに、祥瓊はいつも嫌がる。
けれど彼はそれを許さず、逃れようと身をよじるその脚を掴み、固定する。
普段の彼女とは対照に野生的な強い香りに、彼は理性を奪われかける。
先程の愛撫で、泉には密液が溢れていた。
桓堆は小さな花芽を舌で刺し、転がす。
「あっ…あぁっ」
泉の密液をすすると、じゅるじゅると濡れた音が響き、それが祥瓊の羞恥と、それに比例する快楽とを否応なくかきたてる。
「あぁんっ」
愛しむようにそこを甘噛みし、強く吸うと、祥瓊はがくがくと震えて軽く達した。
袖で口まわりを拭うと、桓堆は祥瓊の耳を甘噛みし、囁く。
「祥瓊、もう……」
いいか、と彼は問うが彼女は言葉がつけないらしく、ただこくこくと頷く。
よく見えないが、その顔も体も朱に染まっているのだろう。
実際、牀榻に入る前よりその肢体は随分熱かった。
桓堆はいつの間にかはだけきっていた衣を脱ぎ捨てる。
「いくぞ」
彼女が再び頷くのを見て、その両足を大きく割り、ゆっくり侵入していった。
「ひ、ああっ」
祥瓊の頭の中に火花が弾ける。
「うぅ……」
締め付ける力の強さに、桓堆が低くうめく。
祥瓊もまた苦しさに似た快楽に言葉にならない声をあげながら、彼のそれをを獣の唸り声のようだと思った。
最奥まで挿入を果たすと、桓堆はゆっくりと動き始めた。
「少し力を抜いてくれないか」
「だってぇっ」
無理だと言うように首を横に振る彼女を見、彼はいきなり胸の小さな蕾に吸い付く。
「ふぁ……ぁんっ!?」
祥瓊の体から力が抜けたのを見ると、彼はぎりぎりまで引き抜いたものを一気に突き立てた。
「ぅあっ」
祥瓊の爪が、桓堆の背に何条もの細かな傷をつくるが、彼には気にならない。
互いの汗が、喘ぐ声が、影が、ひとつに溶け混ざり合っていく。
繋がったまま祥瓊の花芽を摘むと、彼女の締め付けが一段と強くなり。
桓堆は腰を大きく打ちつけながら、限界が近いことを感じる。
「一度、出すぞ」
「んっ……あ、きてぇ……」
祥瓊が頷くと、桓堆はいっそう激しく動き始める。
「ああっ……ん……」
「うっ」
桓堆の体が一瞬揺れ、喘ぐ祥瓊をきつく抱き締めて、彼は精を放った。
同時に祥瓊も達する。
「ああ……」
彼が自分の胎内で脈打つのを感じ、祥瓊は胸が一杯になる。
愛する人とつながって、ひとつになって。
それが嬉しくて、だからその分彼が出ていく瞬間は、いつも何か名残惜しい気がする。
互いの息が整うまで、しばらく抱き合って横になっていた。
桓堆は土の臭いがする、とふと祥瓊は思った。
それも自分の生まれたあの国の凍った大地ではなく、この暖かい国の、豊かな。
「……祥瓊?」
「なぁに、桓堆」
呼ばれて、まだ少し赤い顔で祥瓊は問い返す。
「もう、いいか」
え、と問い返す間もなく、桓堆は彼女をうつ伏せに組みしく。
「ちょっ……桓堆?あっ!」
うなじに口づけられて、祥瓊が声をあげる。
達したばかりの体は敏感で、どんな刺激も強く感じてしまう。
奏でれば鳴る、まるで楽器のようだ。
「──まだするの?」
祥瓊が尋ねると、桓堆は笑う。
「動いていないと、凍えるだろう」
「……だけど」
この男は疲れというものを知らないのか
── 一日中騎獣に乗っていれば、なかなか消耗するものなのに。
祥瓊はなかば呆れるが、体はもう反応し始めている。
「いいわ……」
はぁっとついた深い吐息は溜め息か、それとも快楽によるものだったか。
──結局その日ふたりが眠りについたのは、日付が変わってからだった。
―終―
数々の投下ミス、すみませんでした。
497 :
名無しさん@ピンキー:05/01/06 17:16:39 ID:/weOsxeV
んがァ〜!鼻血ブフォッ!激しくいいです!
この2人好きなんだよな。美女と野獣。
また書いてください。(;´Д`)ハァハァ
GJ!
また読みたい
>>474 >楽俊は、常識の範囲内でしか物事を考えられない人物であった。
>ちなみに、陽子は自分が漢であることを自覚しているが男になりたいという願望は全く無い。
ツボに入って受けまくった。
しかしチ○チ○はともかく、 マ○コからショ○ベ○はでないだろうに。陽子、保健の授業はちゃんと出たのかと小一時間・・・
>>482 GJ!!
この2人、とてもいい感じです。
501 :
名無しさん@ピンキー:05/01/07 23:56:22 ID:K7dLJ0Ur
長編投下します。
景麒×陽子です。
規制掛かったらすみません。
至らないところあると思われますが、
御付き合いいただけると幸いです。
――それは、あの気配が途絶えた時から始まった。
暗闇から伸びてきた何かに気道を握られている感覚。
幾つかの時を経ても尚、目に見えない細長い糸に、ちりちりと首を締め上げられている。
蜘蛛の糸のようにねっとりとした何かは、折り重なって鎖を成し、冷たく柔らかに息の根に絡まる。
頭の先から足の先まで、地面に落ちた影すらも縫い込んで、この身を捕らえて縛り付ける――。
廊屋へ抜ける扉を開けると、ぴんと張り詰めた冷気が流れ込んできた。
空の色が網膜に染み入るように青くて、景麒は一瞬、目を伏せる。
吐く息の白さで冬が傾れ込んで来ているのが判る。
――冬はあまり好きではない。
背筋を整えると、回廊に足を踏み出した。
池に張る氷の冷たさ、雪の白さ。
冬の寒さは死にゆくものの岐路に似ている気がして、好きにはなれない。
あれは春だったか、と景麒は思った。
自らが死の淵に陥り、それを解く代わりに彼女――嘗ての主――が此の地を去った。
あの頃の記憶は殆ど無い。
しかし、氷の中に閉じ込められたかのように、心身が冷え切っていたのは覚えている。
春とは到底呼べない――そんな寒さの中に居た。
季節は巡り、それから何度目かの春が来た。
しかし、あの時覚えた痛みと植え付けられた恐怖を忘れ去るには、日が浅過ぎるようだ。
景麒は昏い瞳で水中庭園を見遣った。
睡蓮が空を見上げたまま漫ろに揺らぎ、何処からか舞い散った落葉が水面に波紋を描いた。
「失礼します」
景麒が書房に入ると、奥の書卓で何やら書物を読んでいた赤髪の少女が顔を上げた。
「何だ。どうかしたのか?」
彼女は見慣れた青年の顔に微笑を零す。
それだけで部屋が明るくなった気がして、景麒は何となく安堵の息を吐いた。
「いえ――執務は済まされましたか」
「ん?ああ、何とか。今は、遠甫に出された課題をあげようとしていた」
奥に入り、景麒は横に座ってもよいかと尋ねた。
「当たり前だろ」
陽子は笑った。
椅子を引き、景麒は陽子と角で隣り合うように座った。
「お前の方は?」
職務の如何を問われ、「少し手隙になりましたから」と景麒は答えた。
そうか、と彼女は呟き、『課題』に目を落とす。
取り立てて用がある訳ではないが、単に同じ時間を共有する為に来た事を理解している声色だった。
景麒は閊えながらも書面の文字を読み下す陽子の横顔を眺める。
陽子はその視線を受けながら、ぽつりぽつりと取り留めの無い事を尋ねては、捻りの少ない回答が来るのを待っていた。
「…そういえば」
読み取りが一段落した処で、陽子は冊子を閉じる。
「祥瓊からこういう話を聴いたんだ」
そう言って陽子が話し始めたのは、小説の一節だった。
――…遥か昔、商家に生まれた一人の娘が居た。
彼女には恋人が居たが、故あって離れ離れになってしまう。
恋人は別れ際、自らの身代わりにと娘に極彩色の小鳥を与えた。
娘はその小鳥を大事にすると約束し、よく面倒をみた。
毛色鮮やかなその小鳥も主人の心を理解してか、よく懐いていた。
しかし、それから間もなく乱が起こる。
街は悲鳴と炎で埋め尽くされ、娘の家も戦火に焼かれた。
娘は逃げ遅れてしまい、小鳥と共に、燃え盛る屋敷に残された。
せめて小鳥だけでも、と娘は籠を放すが、小鳥は娘の傍を離れない。
どんなに追い払っても小鳥は外に飛び立たず、娘と一緒に炎の海に消えた――という、悲劇の話だった。
「祥瓊は美しい話だと言ったけど、わたしは何か後味が悪くて」
苦手だったな、と陽子は苦笑する。
景麒はその笑顔を、少し心苦しい面持ちで眺めた。
――諸共に。
慕った主人と逝けたなら。
苦い思い出が目蓋の裏に蘇った。
「……主上は」
「ん?」
「何故、苦手だと…?」
中途半端な問い掛けに陽子は小首を傾げて考え込んだ。
「そうだな。……折角放したのに、一緒に死ぬこともないんじゃないかって思ったから」
それを聴いて、景麒は視線を床に落とした。
――そうだ。目の前の彼女なら、きっとそう考えるだろう。
「――…主上ならどうなさいます?」
俯いたまま、陽子の顔を見ないで訊いた。
「小鳥を、どうしますか?」
わたしだったら?と陽子は軽く笑う。
「逃がすさ、勿論。どんな手を使っても」
膝上に置かれた景麒の拳にきゅっと力が篭る。
「助かるものを、無闇に死なせたくはないからね」
そう言って、陽子は立ち上がった。
椅子と床の擦れる乾いた音を、景麒は意識の外で聞いていた。
力一杯握り締めた拳が小刻みに震えている。
その傍らで、陽子は別の書を探しに書架に向かった。
景麒は、微かな衣擦れを響かせて席を離れる陽子の後姿を見送る。
無意識の内に伸びた右手が、その背を求めて空を掻いた。
しかし、声無き指先の呼び掛けに、陽子は気付かない。
行き場の無い掌は、力無く椅子の脇に沈んだ。
――数日後。陽子は冢宰からある報告を受け取った。
「景麒の様子が可変しい?」
陽子は冢宰を振り返った。
書卓から陽子を見上げる浩瀚は肯定するように頷く。
「何か塞ぎ込んでおられるようで。話をしていても上の空、と言いますか。
小さな手違いもよく起こされますし、何よりここ数日は普段以上に口数が少なくていらっしゃいます」
陽子は腕を組み、窓枠に凭れた。
陽子の下僕は寡黙を通り越して言葉数を話さない。
しかしそれは、無駄な会話をしないというより、単に話題領域が狭いだけなのだ。
その性質の所為で偶に意思が擦れ違う事があるのだが――。
陽子は最近の彼に纏わる記憶を手繰り寄せた。
――取り立てて変わった事はなかった気がする。が、塞いでいると指摘されれば、思い当たる様子がない事もない。
「……そう、言われれば、確かに…」
陽子は小さく独りごちた。
「御心当たりが?」
「いや――」
訊かれても思い浮かぶものが無く、陽子は首を横に振る。
そうですか、と当てが外れて落胆したように浩瀚は言い、軽く溜息を吐いた。
「また、何か仲違いでもされたのかと思いました」
「…そんな、しょっちゅう喧嘩しているようなことを…」
陽子が若干膨れると、そうですか?と今度は揶揄を込めて浩瀚は陽子を見上げた。
「朝議で怒鳴り合いをなさったのは、いつのことでしたか。数えるには両手で足りる程度しか経っていないと思いましたが?」
「……お前な」
苦虫を噛み潰した顔での睥睨をさらりと躱し、浩瀚は理知的な笑みを浮かべた。
「それでも、喧嘩出来る内が花でしょうから。真に擦れ違っては、思うことを率直に伝えることも儘ならなくなります」
「………あぁ…」
陽子は視線を落とした。
上辺だけの遣り取りが人の間に何を齎すか、それは陽子もよく知っている。
「…分かった。何とかしてみるよ」
是非、と浩瀚は賢しげに頷く。
「矢張り、主上と台輔の押し問答が見られないと、臣下一同落ち着きませんし」
「……一言余計だ」
陽子の渋面に対し、浩瀚の横顔はさも涼しげだった。
午が過ぎる少し前に執務を終えた陽子は、州庁に向かった。
予定通りなら、景麒は州候の職務に就いている筈だ。
殿を越え、奥まった書房に辿り着くと、陽子はそっと中を覗いた。
書房の中央で、景麒が複数の書簡を広げている。
その貌だけ見ると、全く普段通りに見えるのだが。
陽子は声を掛けず、暫しの間彼を見ていた。
景麒は、書簡の一つを手に持ち、中身を検めている。――しかし、視線はある行から一向に動かない。
――惚けている。
如何にも心焉に在らず、と云うような面持ちでただ只管同じ処を眺めている。
その奇怪な様を観察すべく、陽子はもっと深くに覗き込んだ。
景麒の書卓には書簡がうず高く積んである。
それらが仕事量の多さを物語るが、それにしては散らかり過ぎである。
(…らしくないな)
神経質な彼らしからぬ散乱振りに陽子が首を傾げた時、端の方にある書簡が一つ、落下した。
どさっ、と重量感のある音が室内に響く。
しかし、景麒はそれでも動かなかった。
(…気付いていないのか?)
流石にそれは、と思い、陽子は身を乗り出す。
たっぷり、呼吸を二十回終える迄、景麒の行動には変化が生じなかった。
書簡が落ちてからかなり間を置いてから景麒は漸くそれに気付いたのか、鈍々とした仕草で床に手を伸ばした。
その時、肘が書簡の山に当たり、追い討ちを掛けるように山ごと床に滑り落ちた。
先刻より三倍喧しい音を立てて書簡が散らばる。
鈍臭い、というか見ていられない。
緩慢にそれを拾う景麒の姿を見、陽子は大きく息を吐いた。
大体、と陽子は思う。
大体、陽子が此処に来てどれくらい経っているのか。
普段だったら、書房に着く以前から気付かれているのに。
陽子の気配なら何処に居ても分かると言った癖に、今はその様子がまるで無い。
(――…確かに、可変しい。と言うより、異常だ)
陽子は意を決し、すぅと息を吸った。
「景麒」
遠くからの呼び掛けに、景麒は意識を取り戻した。
いつの間にかまた考え込んでいたらしい。
――そういえば、書簡を床にぶち撒けたらしいが、それがいつだったか覚えていない。
半ば無意識で床に散らばったものを拾い集めていたようだ。
状況を解し、声の方に目を向けると、半端に微笑した主が入り口から半身を覗かせているのが見えた。
――全く気付かなかった。
知らず内に身辺を散らかした事より、彼女が其処に居る事に呆けた。
「今、いいか?」
陽子は堂室の入り口に立ったまま尋ねる。
「――え、あ、はい…」
「なら、おいで」
陽子は手招きして景麒を外に連れ出した。
広徳殿から園林に降り、二人は奥まった四阿まで足を伸ばす。
座らないか、という陽子の誘いに引かれ、景麒は木目の上に腰を落ち着けた。
「…なぁ」
少しの沈黙の後、陽子は言い辛そうに口を開いた。
「お前、何か、気に病んでいることはないか?」
景麒は陽子の問いに沈黙を作る。
「その…さっきも呆っとしていたようだし。些細な間違いも、多いと聞く…」
「…申し訳ありません」
「いや、謝ってほしいわけじゃないんだ。そもそも、お前の手が足りないのは、わたしが未熟な所為だから。
…だから、そういうのを咎めているんじゃなくて、ただ――」
心配なんだ、と陽子は言った。
「お前、自分自身のことは何にも言わないだろう?わたしは千里眼の持ち主じゃないから、お前が何か気にしているか、気付かないこともある…」
上手く伝えられず、しどろもどろになるのを押し切り、「だけど」と陽子は続けた。
「でも、独りで、思い悩んで欲しくないんだ…」
景麒の頭を悩ます事は、陽子の手では如何する事も出来ないかも知れないけれど。
しかし、知らず内に何かに苦しんでいるのかと思うと、辛い。
何も出来なくても、せめて話を聴きたい。
そして、痛む事があれば分かち合いたいと思うのは、我儘だろうか?
陽子は口を噤んで背の高い青年を見詰めた。
景麒の紫瞳が静かにそれを見返す。
「――…主上」
僅かな間の後、景麒は口を開いた。
「なんだ?」
「……抱き締めても、よろしいですか」
陽子はきょとん、と景麒を見詰めた。
彼が今、何を言ったのか。
暫しの間逡巡し、さっと顔を赤らめた。
「――は、な…何を急に」
「…いけませんか?」
重ねてくる声に、陽子は益々頬を上気させる。
「いけませんか…って…なんで、そんなこと…」
思わず目を伏せたが、景麒はそんな陽子をじっと見詰めた。
陽子には、景麒の意図する事が解らない。
今、そんな文脈が出てくる場面ではなかった筈だが。
しかし彼は、巫山戯ているわけではなく、至極真面目に訊いてくる。
それが余計気恥ずかしくて、陽子は顔を耳まで赤くした。
「…い、いちいち訊かなくったって…」
上目遣いに景麒を見遣る。
「そんな、了承なんか得なくたって、――お前には、許してることだろ…っ」
耐え切れず、再び目を伏せた。
景麒は陽子の手に自分の手を重ねて握る。
「構いませんね?」
「お、同じことを訊くな!恥ずかしい…!」
陽子がそう言い切るのと同時に、景麒は掴んだ掌を強く引き寄せた。
ふわ、と一瞬身体が軽くなり、次の瞬間に陽子の身体は景麒の胸に落ちた。
冷たい指先が陽子の首筋を巡り、反射的に身震いをする。
滑り落ちないように、陽子は景麒の背と腕に縋り付いた。
目を閉じて、布越しの存在に意識を凝らす。
――嗚呼、この背が好きだ。
流れにそぐわないとは分かっていても、実感してしまう。
麒麟特有の性質なのか、男にしては華奢な肩。
耳元に掛かる呼吸が擽ったい。
胸が高鳴って、目の前がくらくらする――。
景麒は息を落とし、固く陽子を抱き締めた。
彼女の気持ちが、震えそうなほど嬉しい。――それだけに、今、心に溜まっている事を伝えるのが躊躇われる。
陽子の髪が乱れないよう、気を付けながらそっと頭を抱き寄せた。
陽子が上気して艶めいた首を動かし、景麒を見上げる。
瞬き、視線を交えると、どちらからとも無く鼻先を寄せた。
つい、と一瞬口唇が重なる。
触れ合う事を覚えた唇は二度目に出逢った時、一度目のそれとは比べ物にならない熱と勢いで重なった。
「ふっ――…んん…っ…」
触れるだけだと思っていたのに、それより激しい口吻けをされて、陽子はたじろぐ。
「けい――?」
動揺して思わず景麒を離すが、唇は直ぐ様捕まって、自由を奪われた。
「…んぁ……っ」
逃げ出しそうに離れたがる顎を押さえられ、覆い被さった唇に、唇を吸われる。
景麒は二度三度と、何度も離れては重なる口吻けを繰り返し続けた。
「――……」
爪の先が白くなるほどの強さで景麒の衣を握り締めていた陽子の手から力が抜ける。
脱力した身体を抱き、最後に一度、長く口吻けてから景麒は陽子を離した。
ぽうっとした顔の彼女を見詰め、愛しそうに再び強く抱き竦める。
ぽつん、と聞こえるか聞こえないかの囁きが漏れた。
「…――――いで――…」
間近での呟きに、陽子は目を見開いた。
――結局、何も解らなかった。
夜着に着替えた陽子は、寝衾の上に寝転がってぼんやりと思った。
聴きたかった事は何も聴けず仕舞い。
それどころか、謎が深まった。
あの時、景麒が何と呟いたのか。
幾度訊いても、彼は「何でもありません」としか答えてくれなかった。
そして最後には、「忘れてください」と言い出す始末。
陽子は深い溜息を吐いた。
――あれは「何でもない」という雰囲気ではなかった。
唇に、指を滑らせる。
唇の先に、昼間の感触が今にも蘇るよう。
深くは無いが、熱く激しい口吻け――。
言いたくて言えない何かを訴える瞳。
――自分の所為だろうか?
彼が俯くのは。
陽子は唇から指を離し、指先を見詰めた。
爪先が夜灯に揺れてきらりと光る。
あの呟きは、陽子に向けられていた。
だとしたら、景麒を悩ませているのは陽子自身だ。
――わからない。
溜息を吐かせる原因の多くに心当たりがある。
それでも、曇り貌に裏腹な行動を取らせる理由が考え付かない。
「莫迦者が…」
口吻けにはぐらかされたまま、何一つ変わってはいない。
(――言われもしない言葉の裏を読めるほど、わたしは人間が出来ていないんだ…!)
勢いよく起き上がり、陽子は臥台から飛び降りる。
薄着に一枚、上掛けを重ねて陽子は夜の仁重殿に赴いた。
景麒は臥台で眠るでもなく惚っとしていた。
昼間の事を思い出し、浅薄さに自分を嗤う。
彼女を抱き締めた時、零れた言葉。
――愚かな事を。
言わないつもりで居たのに、本人を目の前にすれば、ああも容易く理性が崩れる。
怪しまれただろう、と景麒は寝返りを打った。
何を言った、とあの後何度も訊かれた。
しかし、上手く躱す手段を思い付かず、忘れろと言うのが精一杯だった。
左腕に、彼女の縋り付いた感触が残っている。
――言えない。こんな独り善がりな事は。
もし、軽蔑されたらと思うと、恐怖で足が竦んだ。
(――…主上?)
思案の半ばで、景麒は覚えの深い気配を感じ、半身を起こした。
すると間もなく、入り口の方から呼び声が掛かる。
「……景麒?…入っていいか?」
「――!ど、どうぞ…っ」
珍しく慌てた居応えに、陽子はそっと牀榻に入った。
「寝てたか?すまない」
動揺しながらも、景麒が臥台の上に起き上がろうとする様子が見える。
「いいよ。そのままで。わたしがそっちに行く」
悪かったな、と言い、陽子は景麒が半身を寝かせる臥台に腰掛けた。
「…こうして来たのは、ちょっと、訊きたいことが、あったからなんだ」
陽子は正面を向いたまま、景麒の顔を見ないで口火を切った。
「その…昼間のこと…、凄く気になって。…何と、言ったのか」
――嗚呼、矢張り。
景麒は思い、自分の行動に小さく憤った。
「…ですからあれは。何でもありません。忘れてください…!」
「忘れられるか」
短く吐き捨てると、陽子は景麒を振り返った。
「そんな…悲愴な貌をして…。その何処が何でもないって言うんだ」
陽子の指が景麒の顔に伸びる。
「いつもの無表情はどうした。……今も泣きそうな貌をしているくせに、説得力がない…」
泣きそうな貌はどちらだろう、と景麒は頬を包む陽子の左手を取った。
碧眼から涙を落としそうな声色――しかし、そんな様をさせているのは自分自身だと思うと、景麒の胸は痛んだ。
手の平を返し、そっと口吻ける。
「…本当に、何でもないんです…」
同じ言葉を繰り返すと、陽子は目を伏せた。
「…――お前は、嘘が下手だ」
「嘘など――」
「景麒」
陽子が景麒の言を遮った。
掴まれている手を折り、指を絡ませる。
「…はっきり言って、わたしは頼りないと思う。
満足に読み書きも出来ないし、山ほど抱えている問題を、一人で片付けられない。
いや、仕事だけじゃない。人間として、欠けてる部分が多いと思う。
――けど、聴かせて欲しい。お前が溜め込んでいること。お前が、何をわたしに望むのか。
…王としてすべきことを望まれたらそれまでだけど、一人の人間として――わたし自身に望まれた想いなら…。
それくらいは、叶えたいんだ。…だから、聴かせてくれ…」
じゃないと、もう眠れそうにないんだ――陽子はそっと呟いた。
――絡まった指先から伝わる熱が、怯懦に挫ける心を溶かしていくようだ。
景麒は逸らさずに見詰めてくる視線を受けながら思った。
喉の奥に痞えているのは、言ってしまえば他愛も無い事だ。
何だそれ、ときっと彼女は呆れるだろう。
だが、これには心の奥深くに刺さった棘が絡み付いている。
影のように絶えず付き纏い、蜘蛛の巣のように手足を束縛する想いが――。
きゅ、と口の端を絞ると、景麒は陽子を抱き寄せた。
臥台に引き上げられた陽子の足から履が脱げて転がり落ちる。
予想外の出来事に驚く陽子を、景麒は昼間していたように、強く強く抱き締めた。
そして意を固めると、彼女の耳元で囁く。
「――――…手離さないでください……」
今度ははっきりと聞こえた言葉に、陽子は景麒から胸を離した。
「…何だ、それ…」
景麒の予想していた言葉を、陽子は怪訝そうに訊き返す。
「――私を、放してしまわないで、ください…」
「……どうして…。何故、そんな…」
陽子は唐突過ぎる彼の願いに軽く狼狽した。
景麒は混乱する陽子を凝っと見詰める。
陽子が景麒の哀願にも似た眼差しと視線を重ねる事、暫し――ふっと光が湧いたように思い出した。
「――まさか、あの話の所為…?」
指を折り返し数えるまでもない程前、雑談がてらに話した『悲劇』。
その時、景麒が「小鳥を如何する?」と訊いて来た事を思い出した。
「…あの、小鳥の答えを、自分自身と重ねたのか…?」
彼が否定もしないので、陽子はそれを真実と判断した。
「莫迦…っ」
陽子は頬を紅潮させ、ふるふると頭を振った。
「あれは物語じゃないか。第一、お前は小鳥なんかじゃないし、お前を籠の鳥だと思ったことは一度も無い…!」
激高して否定を強調する陽子を、景麒は哀の目のまま見詰める。
「莫迦だな、どうして……」
陽子が繋いだままの掌に力を篭めると、景麒はその手を強く握り返してきた。
「――…恐いのです…」
「こわい…?」
「また、置き去りにされるのかと思うと――」
(――あ――…)
陽子は、景麒が不安がる事の意味を、漸く理解した。
目の前がくらりと重く翳る。
景麒の最初の主人は、自らの所為で瀕死に陥った彼を救う為、禅譲――それは王にとって、死を意味する――を行った。
彼女が位を降り、彼が陽子を探しに来たから、陽子は今、此処に居る。
陽子の目の端が歪む。
「――…っ置き去りだなんて…違うだろう?予王は」
「解っています…!」
聴きたくない、と言うように景麒は強い口調で遮った。
「……解って、いるんです。私を救う為――ひいては、この国の為に、あの方は位を譲られた。頭では、そう理解出来ました」
――気配が消えた時の感覚は、そうそう伝えられるものではない。
鋭い刃で馘斬らるような恐怖感。
その次に陥ったのは、底の見えない闇に取り残されたような絶望感。
――そして。
「…ですが、本心が、納得出来なかったんです。――……私は、あの方に見捨てられたのだと…!」
――あれほど離さないと言っていた癖に。
景麒は俯き、目を閉じた。
――『彼女』と過ごした日々は、時間にして六年ほど。
玻璃細工の花のように脆く、儚い人だった。
その茎が折れてしまわぬよう、守らなければ、支えなければと思っていた。
しかし、何がいけなかったのだろう。
彼女は歪んでしまった。
彼女の独占欲は、玻璃の蔓が絡み付くように、きつく冷たく全身を縛る。
彼女の嫉妬は、鋭い玻璃の棘となって多くの人を傷付けた。
『――景麒…愛しや…離さぬぞえ…』
毎朝毎晩、彼女は呪言のように囁いた。
彼女が天命を失い、自らが病に倒れた時、死を覚悟した。
どんなに愚かで非道に満ちても、唯一自分だけは彼女の味方でなくてはならなかったのに。
守れなかった。救えなかった。――ならばせめて、この命は彼女に捧げよう。
それが償いで、同時に望みでもあった。
恋慕った彼女と共に死ねるなら――。
――けれども。
彼女は一人、先立った。
それは、彼女の最後の優しさで、最大の裏切りでもあった。
景麒は空いた手で顔を覆った。
――忘れていた筈の、額に掛かる髪を撫でる感触が克明に蘇る。
最後のあの日、彼女は病に臥す景麒の元を訪れた。
彼女は憐憫の眼差しを向け、細い指先で窶れた顔をそっと撫ぜてくれた。
羽毛が触れるような軽い口吻けをし、小さく『許してくれろ…』と囁き、一筋の涙を零した。
去り際、何処へ行くのかと手を伸ばしたが、彼女は弱弱しく微笑うだけで答えてくれなかった。
それからどれ程の時間を経てか――彼女の気配が絶ち切られた。
その瞬間、滝壺に突き落とされた気がした。
解放の代償に、あらゆる責め苦が心を塞いだ。
それでも、心の片隅に微かな安堵感があった。
絆を断たれた事――。それによって、病の辛苦や、彼女の呪縛のような恋着から逃れられた。
彼女の醜悪な様をもう見なくてすむかと思うと、小さく安心した。
しかしそれに気付いた時、酷い自己嫌悪に陥った。
自分が浅ましく下らない存在に思えて、自分自身に吐き気がした。
「――…本当は、後を追ってしまいたかった…」
苦渋を吐き出すように、景麒は言った。
――自己嫌悪が治まると、惜別の痛みがじりじりと肺を焦がした。
王宮に、彼女の残り香があっても、彼女の姿は何処にも無い。
それを意識する度に喉元からせり上がる哀しみ。
今まで感じ得なかった胸を掻き毟る想い――きっと、あれを寂しいというのだろう。
寂寥に押し潰されて死にそうだった。
否、いっそ死んでしまいたかった。
「…不図気付くと、どうすれば果てることが出来るのかと考えることがありました。
簡単には死ねずとも、その方法はある。……けれども、実行は出来ませんでした。
苦難に喘ぐ人民の声が聞こえる――麒麟としての本能がそれを許しませんでした」
死にたい――死ねない。
陽が暮れるのを見る度に、葛藤が頭の中に吹き荒ぶ。
彼女が残してくれた命だから、大事にしなくては。
――そう考えても、何故、置き去りにしたのだと思う事が止められない。
ぱた、ぱたんと、指の隙間から見える敷布に水滴が落ちるのが見えた。
「……何故、主上がお泣きなさいます……?」
褐色の頬に涙を伝わせ、陽子は「わからない」と呟く。
小さく首を振った後、景麒の頭を抱き寄せた。
声を殺し、小刻みに震える陽子の背中に、景麒は躊躇いながら手を回す。
――いっその事、こうして素直に泣ければ楽に成れたのかもしれない。
しかし、どれ程悔やんでも、悲しくても、不思議と涙は流れなかった。
暫くして、陽子は静かに景麒から離れた。
涙に濡れた瞳で景麒を見詰める。
その貌がとても綺麗だと、景麒は場違いな事を思った。
「――…今でも、後を、追ってしまいたいと思うことがあるのか…?」
掠れた声で陽子が問い掛ける。
景麒は静かに首を横に振った。
「……貴女に出逢えてしまったから…」
――現金なものだと、自分でも思う。
仮令どんなに時が経っても、『彼女』を忘れる事は無いだろう。
生まれて初めて仕えた主人なのだ。きっと、一生忘れられない。
しかし、あれほど慕っていた『彼女』への気持ちは日を追うごとにどんどん薄くなって消えていく。
簡単に傾く心に嫌悪しながら、目の前の光に惹かれるのを止められない。
それが麒麟の本能に因るものか、景麒の本心がそうさせているのかは判らない。
ただ、今、膝の上に抱える少女が、愛しくて、愛しくて仕方がない事だけは事実だ。
――だからきっと、この少女から突き放されたら、生きてはいけない。
「…偽り事に聞こえるかも知れません。調子がいいと、お怒りになっても仕方ないでしょう。
…ですが、今から申し上げることは、紛れも無い真実です…」
涙で貼り付いた髪を梳き、耳に掻き上げる。
首筋から陽子を引き寄せ、瞳を逸らさずに一息で告げた。
「――貴女を、愛しています」
陽子は柔らかく微笑むと「信じる」と言った。
瞬くと、一筋雫が落ちる。
景麒が指先でそれを拭うと、今度は陽子から近付いて景麒に口吻けた。
合わせるだけの唇が離れ、景麒は陽子の肩口に顔を埋める。
「……御願いです…私を取り残さないでください…!」
――無様な。
吐き出した本心は非道く手前勝手で、呆れるほど臆病なものだ。
それでも、繋いだこの手を離さぬようにと願わずには居られない。
もう、愛しき者を失いたくはない。
「――…それが願いか…?」
ゆっくりと呟かれた言葉に、景麒は目を上げた。
憐憫とも哀情とも取れない彩(いろ)を映した瞳が景麒を見詰める。
「わたしに望むことは」
繰り返した問いに、景麒は頷いた。
「……――はい」
不思議な光を湛えた陽子の瞳が歪む。
「それじゃあ、お前の願いを叶えることにはならない…」
面映げに陽子は言った。
「もとより、わたしはお前を手離す気は無いんだから」
瞳にこめかみに、緩く口吻けをくれて、陽子は景麒に額を寄せる。
「お前はわたしを、買い被り過ぎだ。…わたしはそんなに独占欲が浅くない…。失えないよ、こんなに愛しいもの…」
陽子はぴりりと震える指先を翳し、「震えてるんだ、判るか?」と景麒に訊いた。
「……如何したらいいか……。本当は、こんなこと思ってはいけないんだ。……でも、気持ちが抑えきれない……」
嬉しいんだ、とささめいて、陽子は再び涙を零した。
「不謹慎だって解ってる。自分勝手だとも思う。
だけど、お前を手離さなくていいと――それを、お前が望んでいるのだと思うと、嬉しくて」
素直に沸き立つ歓喜か、それとも浅墓な自分への憤怒か。――或いは、その両方かも知れない。
「こんなことを言ったらお前はわたしを嫌うだろうか?
――きっとわたしは、お前を同じ苦境まで追い詰める。それでもお前を手離せない。手離したくない」
景麒は伸び上がり、陽子の瞳から溢れる雫を吸い取った。
されるがままに、陽子は目を閉じる。
そして再び目を開けた時、陽子の瞳からはあの不思議な彩は消えていた。
「――後悔しないな…?」
陽子の細い忍び音が夜気に落ちる。
「今、此処でわたしに打ち明けたこと…お前の願い――お前の命を、わたしが握ること」
「…本望です」
景麒は低声で囁き、一息置いて続けた。
「手離されるくらいなら、いっそ殺されてしまいたい」
景麒の告白に、陽子は微笑む。
その微笑がぞっとするほど艶やかで、景麒は思わず見惚れた。
「……殺してあげるよ。もう絶対に退いてやらない。死んでも朽ちても、お前の魂は未来永劫わたしのものだ」
陽子は毒々しい台詞を吐きながら、少女の仕草で縋り付く。
倒錯した意志と手付きに、景麒の肌が粟立った。
――それは、命を懸けて従うと盟を交した主人に殺められるという、最も悲惨で苛酷な最期。
(――…嗚呼、それでも)
景麒は思った。
それでも、この真紅の御枷に縊れて朽ち果てるなら、その痛みすら幸福なのだろう。
残酷な末路が、愛してやまない女性の手に掛かるという、生涯の内で最も幸福で甘美な瞬間である事――。
その瞬間を想像し、魂の奥に埋め込まれた崩壊という名の恐怖への緊迫と、
煩悩に組み込まれた悦楽への期待に胸を掻き乱され、呼吸すら妖しくなった。
錯乱に溺れる景麒を抱き締め、愛してるよ、と陽子は言った。
「隠してた本心ごと、愛してる」
歪な情愛の動くが通りに、陽子が景麒の頬に顔を摺り寄せる。
陶然とした心地のまま、景麒がそれに応えて顔を動かした。
「…やっとお前に触れられた気がする…」
陽子の忍び声に、半ば恍惚から目を醒まし、景麒は不思議そうに視線を疾らせる。
「だってこんなこと、今まで一度だって言って来なかったじゃないか。お前自身の我儘や、忸怩を初めて見たよ」
陽子は微笑む。
―― もっと見たい。
動かぬ表情の下に眠らせている本性を。
―― もっと聴きたい。
言の葉に掛からぬ想いを。
―― 知ったら、きっと、もっと愛しく思う。
鼻先を当て、視線を交じらせた。
「教えて、ほしいんだ。…もっと、お前のこと…――」
熱情が唇から迸る。
末尾は声にならなかった。
その前に、唇が重なる。
どちらから近付いたかは判らない。
ただ、言葉の前に身体が動いていた。
口吻けはその日交したどれより荒く烈しく、互いを求め合う。
加減を忘れた唇が深い契りを結ぶ。
陽子の肩から音も無く上掛けが落ち、臥台の下に沈んで絹の光沢を放った。
二人は固く抱き合ったまま降り注ぐような口吻けを連ねる。
口先で甘く噛んでは吸い合って、息を重ね続けた。
次第に触れ合うだけでは飽き足らず、舌が伸びる。
「――…っは…」
舌が雪崩れ込んだ事に怯み、陽子の顎が離れた。
「…お嫌いですか?」
耳元から差し入れた手で陽子の頭を捕らえたまま、景麒は小声で問う。
陽子は頬に血を昇らせてふるると首を振った。
それを見止めるや否や、景麒は陽子の口を塞ぎ、緩んだ口許から舌を入れる。
「…ふ……っ」
苦しげに愁眉を寄せる貌が危うげな色香を醸した。
景麒が舌先で前歯を舐めると陽子の肩が小さく跳ねる。
「――ぅ…んっ」
歯をなぞり、柔らかな粘膜を転がすように舐め上げた。
景麒の舌が口内を弄るたびに陽子は甘い息を漏らす。
絡んでは離れる舌に意識を飛ばされないよう、陽子は景麒の夜着に爪を立てた。
次第に、ただ玩ばれるだけだった陽子の舌先が意思を持って動きだす。
甘く絡む舌に景麒が驚くと、陽子は一度きつく舌を巻き付かせ景麒から離れた。
「驚いたか?」
恥じらいを見せる一方で、陽子は意地悪っぽく蠱惑的にふふと笑う。
「お前が教えてくれたことだろう…?」
「――――…っ」
苛烈な女色に引き込まれ、景麒は陽子の身体を倒した。
目蓋、鼻筋、頬――順々に吸い付く口吻けを落とし、てらてらと光る口唇を舐めなぞる。
陽子の唇が解けて景麒を中に導いた。
敷布の上では、繋ぎ続けた手が漸く切り離され、愛しい者を感じようと動き始める。
汗ばんでべとつく掌は思いのままに相手の身体を撫で回した。
貪るように口吻けながら、景麒の右手が陽子の首筋を巡り、隆起した胸の膨らみに落ちる。
片手で包んで少し零れるほどの乳房に触れると、熱い鼓動が短い間隔で刻んでいるのが判った。
「…――まだ、慣れませんか?」
肌を合わせる度に陽子の胸は激しい拍動を繰り返す。それは初めて抱いた時から変わらない。
しかし陽子は、景麒の首に腕を絡め、婀娜っぽく首を振った。
「違う――なんか、興奮する…」
口吻けただけ、身体をなぞられただけなのに、身体の奥が蕩けそうに熱く疼く。
陽子は熱に浮かされたような吐息を漏らすと、裾を崩し、寝衾の上に膝を突き立てて景麒の腰元に摺り寄せた。
「…可変しいんだ…熱くて…頭が、どうにかなりそう…」
昂ぶりに潤む瞳が魔性に揺らいで景麒を射抜く。
「――…身体が、お前が欲しいって、叫んでる…っ」
溢れそうな処で堰き止められていた欲情を弾けさせるには、十分な響きだった。
景麒は陽子を寝衾に沈めるように、深く強く口吻ける。
艶に狂った勢いに任せ、欲望が動く通りに嬌姿を弄繰り回した。
耳を噛み、首筋を舐めて鎖骨の窪みを吸う。
「…ぁんん…っ」
布の上からでも判るほど浮かび上がった乳房の突起を爪で掻くと、陽子が悩ましげな声を漏らした。
擦るように乳房を揉み、鎖骨から首を上に滑らせて未だ痕の付いていない綺麗なままの首筋を舐る。
気紛れに吸い上げ、或いは歯を立てると、陽子の吐息は荒くなった。
景麒の首を抱える陽子の指が、静かに襟口から中に入る。
しなやかに後ろ首をなぞる感触に景麒が顔を上げると、陽子は色っぽく微笑んで景麒の無防備な耳朶をぺろりと舐めた。
滑り込ませた掌が前合わせを緩く掃う。
顕わになった肩に唇を寄せ、雪のように白い肌をきつく吸い上げ、赤い花を散らすように痕を付けた。
「今日のこと…」
吐息交じりの忍び声が景麒の耳を擽る。
「…現の証だよ…」
「――――…ならば、消えないように強く刻み付けてください…」
目を合わせ、その晩何十回目かの接吻をした。
熱く舌を絡ませ、唇を吸い合う。
長い長い口吻けの末、名残惜しそうに口を離すと、粘る糸が吸い足りないと言うかのように二人の舌先を結んだ。
「…消えたら、また付けてやる。何度でも、いつまでも…」
「――――主上……」
横たわったまま強く抱き合う。
そして二人は肌を重ねたまま、互いの身体を侵していった。
景麒は陽子の乱れた襟を開き、唇で胸元に花を咲かす。
陽子は景麒の頭を抱き、首筋に鮮やかな蕾を築いた。
目で指で唇で、感じられるもの全てを使って互いを感じ合う。
口を滑らせ、陽子は景麒の喉を軽く噛んだ。
ぞわりと景麒の全身が総毛立つ。
――それはまるで、研ぎ澄まされた殺意を突き立てられるようだった。
一縷の畏怖と度を超した官能に恐悦する。
裸の乳房を愛撫し、約束の証拠を陽子の身体に残しながら、景麒は腰に絡む陽子の脚に手を滑らせた。
太腿の外側をつつと撫で上げる。
裾を捲って桃尻を撫で回すと、陽子の腰が軽く浮いた。
帯を解き、隔たるものを外して素肌に触れる。
気怠く開いた内股を指の腹で揶揄い、紅い茂みに手を沈めると、指先に粘液が絡んだ。
昂ぶりを告げる言葉の通り、陰の花は先から綻んでぬるぬると蜜を溢す。
「ん……っ」
厚みのある双葉を挟むように撫で擦ると、景麒の背を弄る陽子の手先が引き攣った。
「ゃあ…ぁんっ…」
ふくりと起き上がった雛尖を捏ね、花の入り口をなぞって淫らな露に指先を浸す。
濡れた人差し指と中指を中に捻じ込んでぐちゅぐちゅと掻き回した。
「ひぁ…ぁ、あぅ…!」
送り込んだ指を深めに沈め、浅瀬に引き上げる事を繰り返す度、陽子は甘美な啼き声を上げる。
――痴情に暮れる貌が妖しく美しく、途轍もなく扇情的な事を、彼女は知らないだろう。
快楽の波に震える女体を爪弾きながら、景麒は冴えた欲情が滾るのを感じた。
甲高い嬌声が鼓膜を伝って脳髄に響く。
淫悦に悶えて瞳を潤ませる姿を見るだけで、下腹の中心がいきり立つ。
汗ばんだ身体が放つ女の香りに悪酔いしそうだ。
「ぁ、ああぁん!!けいきぃ…っ」
甘い悲鳴が景麒を呼んだ。
「だめぇ…もう、我慢できな…っ――景麒が欲しいよぉっ…!」
卑猥な思いが生んだ大粒の涙が、陽子の頬にぽろぽろ零れる。
――どれだけ深く愛撫されても、身体の芯は違うものを求めている。
もっと熱く、大きく、激しいものを。
足りない。
全然足りない。
足りない足りない足りない。
――早く連れて行って。快楽の果てに見えるところまで。
「けぇき…おねがぃ…」
科を作り、情欲の染み付いた声で懇願する。――まるで娼婦のように。
淫靡に強請る陽子が景麒の思考を狂わせる。
――可愛い。
景麒が汚れた指を抜くと、掻き出された愛液が肌を伝って敷布の上に滴り落ちた。
陽子の足元に座した景麒は、ぬめる肌で陽子の左足を掬い、自分の肩に担ぎ上げる。
指先に纏わりつくもので裸身に透明な線を描き、膝頭に口吻けると陽子が短く啼いた。
――可愛い。
心根が、仕草が、反応が、嬌声が、表情が――彼女を形成する何もかもが愛しく目に映る。
景麒は指先に残る粘液を丹念に舐めてこくりと飲み下した。
独特の味が喉を通る。
その一部始終を、陽子は霞む視界で眺めていた。
痴態に恥じ入りながらも、昇り詰める直前に放置された快感を欲して、陽子が綺麗な顰み貌を作る。
景麒はその貌に見惚れ、胸を高鳴らせた。
――あまりの愛しさに、いっそぐちゃぐちゃにしてしまいたい。
嵩じた愛情が赴くまま、景麒は自分自身を陽子の身体に貫き通した。
「――――あぁぁぁっ…!」
陽子は指とは固さも質量も全く違うものが身体の中に這入って来るのを感じ取った。
腰の下がじんじんする。身体の火照りが止まらない。
掬い上げられている脚の分まで景麒と深く繋がる。
支えの甘い腰ががくがくと勝手に動いた。
景麒は侵しただけで達しそうな陽子の腰を強く引き寄せる。
「ひぁ…っ」
肉付きのよい脚を抱いて、景麒は動き始めた。
身体の中で蠢く景麒が強烈に快楽を掻き立てる。
「ふは…ぁんん…っ――」
内壁が擦れ、奥が掻き乱れる度に、陽子の喉は淫らな喘ぎを奏でた。
行き場の無い手が空を彷徨い、顔に落ちる。
陽子は爪を噛んで押し寄せる淫楽に耐えた。
高みに昇る陽子の姿が景麒の劣情を盛り上げる。
丸みを帯びた腰を抑え、奥に突き上げた。
「あぁ…っ!」
陽子は果敢ない悲鳴を上げる。
その傍らで、腰を打つ衝撃は次第に加速し、大きくなっていった。
「…め…っや…ぁ、んぁ…っ」
身体の奥からせり上がる快い痺れは神経を蝕み、陽子の身体を暴走させる。
担がれた脚が天を目指して伸び上がり、冷たい石の床に影を落とした。
「ぁっ、あ、…ぅ、あんっ」
震え、まともに動かない両腕を、陽子は枕から上に伸ばす。
爪先が臥台の頭にぶつかった。
木目を探り、細工の施された柵を握り締める。
仰向けで柵にしがみ付きながら、打ち上がる振動を迎える。
悦楽の波を正面から受け止めると昂ぶりが激しさを増した。
「――っは…あぁあああん……っ!」
波の最高潮で陽子の背が弓なりにしなり、臥台から浮き上がる。
同時に、景麒を包む秘肉がきゅっと締まった。
「は…ぁ…、ふ……ぅ…」
荒く乱れた呼吸を繰り返し、力なく横たわる陽子から、景麒は自身を引き抜いた。
ひくひくと痙攣する肉の花から粘液まみれの茎が現れる。
景麒は肩に担いだ陽子の脚を外し、陽子を横向きに寝かせた。
双丘を口吸いながら唇を背骨に昇らせる。
背を上へ上へと愛撫し、項に歯を立てると、陽子の肩がぴくんと跳ねた。
背に痕を付ける傍ら、乳房を弄くる。
「んぁ、んっ…」
柔らかで、それでいて執拗な撫和に、陽子は声を色めかせた。
表皮を這う感触全てが淫らな快さに変わり、陽子を色欲の渦に引き込む。
過敏な身体が刺激を吸い、快楽という名の信号になって陽子を犯した。
下肢から卑猥な蜜が溢れて陽子の脚を汚す。
景麒はただ啼くばかりの陽子を抱き起こした。
脚を開かせ、陽物が天を向いた胡坐の中心に座らせる。
「――はん…っ」
達したばかりの身体が二度目の侵入に打ち震えた。
景麒は陽子を抱き竦め、後ろからの愛撫を続ける。
脇腹を擽るように撫で、乳房を揉みしだいた。
その一方で、肩甲骨の出っ張りを丹念に吸う。
背筋を舐め上げると陽子の身体が前に崩れた。
陽子は臥台に手を突き、前のめりになった身体を支える。
軽く押したら倒れそうなほど、覚束ない腕付きだった。
それを見止めた上で、景麒は陽子の腰を掴み、静かに腰を打ち付け始める。
「ん…っふ…、あぅ…!」
一度絶頂を極めた陽子の身体は敏感に反応し、直ぐまた快楽の階段を昇り始めた。
陽子は敷布に爪を立てる。
ずんずんと芯を突く感覚に腕ががくがく震えた。
「ぁ…やぁっ…あ、あ――っ」
焚き上げられた高揚が肘を折った。
顔から崩れ落ち、獣のような嬌声を上げる。
だらしなく開いた唇から唾液が零れ、顎を伝って敷布に落ちた。
肌を打ち付ける乾いた音が牀榻に響き渡る。
「っあ…っ――――!」
陽子は再び愉悦の極限に達した。
身体の下で景麒を包む花の襞が淫らに蠕動する。
景麒は淫欲の彼方まで追い詰めた身体を抱き、尚も激しく打ち続けた。
消耗し、自由を奪われた少女の姿に罪悪感を抱きながら昂奮に胸を躍らせる。
――乱れ髪に無数の花の痕が妖しく映えた陽子の身体は、これ以上にないほど淫靡に穢しく、美しかった。
情事の姿に昂ぶり、一気に限界を迎える。
景麒は二、三度腰を強く突き上げ、溜め込んだ欲望を吐き散らした。
乱れて荒い息のまま静かに陽子から離れ、そっと横顔を見詰める。
陽子は視線の定まらない目で何処かを見ていた。
景麒は朦朧とした陽子を抱える形に姿勢を入れ替える。
寝衾を手繰り寄せて、抱き締めるように包み込んだ。
後ろから手を伸ばし、陽子の目蓋を覆う。
長い睫毛に彩られた翡翠の瞳は、目隠しに目を閉じた。
同時にかくりと首が折れ、景麒の身体に体重が掛かる。
景麒は光を閉ざしたその手で、陽子の艶やかな肌に掛かる紅い髪を一房掬った。
さらりと掌に落ちるそれは陽の下で見ると眩いばかりの紅だが、今は闇夜に堕ちる月光の青白い光で紫に染め抜かれている。
普段の目に沁みる朱色も好きだが、これはこれで美しい。
胸に湧き上がる愛しさを移そうと、梳った髪に軽く口吻けた。
引き寄せた髪から零れる清らかな香りに、頭の芯がじんと痺れる。
蕩けるような香りで肺を満たし、満足げに少し微笑うと、静かに目を閉じた。
陽子は夢の切れ間から現実に引き戻されるように目を醒ました。
薄く目を開けると、まさしく目と鼻の先の至近距離に、小奇麗な顔が在る。
首を廻らせ、闇の色を見た。
視界が海中に居るような蒼なのは、煌々と輝く月明かりの所為なのか、夜明けが近いからなのか。
時刻の判断がつかない。
しかし、望むらくは夜がもう少し続く事だった。
何にも隔てられる事なく、ただ傍に居たい。
遅い夜明けを願いながら、静寂に耳を澄ませた。
深く意識を絞ると、幽かな寝息を摘み取れる。
この安定した音律を聞くのが、堪らなく好きだった。
目を閉じてその規則正しい音に聞き入りながら、陽子は思った。
景麒の告白を聴いて、涙した時。
何故泣くかと問われ、彼にはわからないと答えたが、本当は、その答えを知っていた。
――嫉妬した。未だに彼を縛り付ける、前の主人に。
杞憂に苦悩し、怯える景麒の姿を可哀相だと思った。
愛するものと死に別れる事を思うと、胸が張り裂けそうになる。
彼がそれを経験していると思うと、悲哀が募った。
しかし、その一方で、前の主人がそれほど彼に思われていた事、未だに彼を支配し続ける事に憤りを感じた。
彼女の境遇は惨憺たるものだった。
けれども、今は同情したくない。
死して尚、彼の心に残り、捕らえているのが赦せない――。
醜い、と、陽子は昏い瞳をする。
恋に狂った女の末路を肌で感じ、背筋が凍りつくようだった。
だが、陽子が彼女と同じ轍を踏む事はない。
彼の息の根を止めるのが自分であると確信している。
彼は一途に陽子を想うし、仮令何かに目移りしても、最後には陽子の処に還って来る。
――だから、一生彼を守る。
血に弱い彼を、彼の代わりに下僕達が護るように。
誰にも傷付けさせない。この命を刈るのは、陽子の手だけだ。
誰にも渡さない。前に仕えた主人にすら、譲ってやらない。
――気が触れたような独占欲だ。どうしようもない。
陽子は自嘲した。
眠りに着く景麒の姿を惚っと臨む。
頬を寄せ、「ご免」と呟いて口吻けた。
――穏やかな最期を、保障出来ない。きっと、陽子を選ぶ前に死んだ方がましだと思わせるくらい悲惨なものになる。
けれど、陽子は彼を手放さない。
怨まれても、蔑まれても、今日彼がそれを望んでしまったから。
――結局は籠の鳥だ。
陽子自身が檻となって景麒を囲い続ける。
檻は頑丈で狭苦しいものだ。
「…嘘吐きは、わたしの方だな…」
陽子は呟いた。
――唯一人の人に、知られたくない事が、あった。
関係が深まる度に、想いが色濃くなる。
相手を想い、相手に想われたいと欲する心。
繋がる事で、想いは安堵の心地に揺れる。
しかしそれとは裏腹に、暴かれたくない本性が静かに顔を覗かせる。
相手を想うが故の不穏な想いは、行き場を無くして自らを傷付ける。
膿んで歪んだ傷口をひた隠し、素知らぬ貌で逢瀬を重ねる。
そうやって身体を一歩近付ける毎に、心が一歩後退る。
大事だから知られたくない。知られたら、きっと軽蔑されてしまう。――それが何よりも、恐い。
嫌われて距離を置かれる位なら、気持ちを隠したままがいい。
本心を押し殺しても、傍に居られるならそれで構わない。
――だがその言葉こそ、本当は嘘だった。
本当は知ってほしかった。解らせたかった。
どんなに醜く、傲慢でも、受け容れてくれる事を望んでいた。
――その上で、近付きたかった。
今まで景麒が近付けなかったのは、陽子自身の所為でもある。
陽子が心を隠していたから、景麒は陽子の心に踏み込んで来なかったのかもしれない。
でも、これからは違う。
一歩ずつでいい。小さくとも、心の内を教えて欲しいし、知って貰いたい。
――仮令それがどんな本性でも。
時間を掛けて壁を溶かして、一寸ずつ分かり合っていきたい。―― 一生を、共にする相手だから。
陽子が目蓋を上げて姿勢を崩すと、掌に温かい指先がぶつかった。
今まで何かを手にしていたように、不自然な姿勢で置かれている白い掌。
不器用でも、慈しんで触れてくるこの掌が、狂おしい程に愛しい。
肌の内から生まれる情を伝えたくて、陽子はそっと手を取る。
甲に軽く口付け、指先から指を絡ませた。
――こうして手を繋いでいれば、夢でも逢えるだろうか。
同じ『今』を少しでも共にできるように。
夢が重なるようにと願いを籠めて、また夜に堕ちた。
――翌朝の朝議は、普段より少し遅れて始まった為、終わる時間も遅くなった。
景麒は廊屋を一人、歩いている。
昨日まで頭を悩ませる事が消え、気分は晴れ晴れとしていた。
横から吹く風が木々を揺らして葉を踊らせる。
廊屋の中心で、不図景麒は足を止める。
顔を上げ、園林を眺めた。
目線の先には、朝議が終わった早々、何処かに姿を消した女王と、彼女が引き取って世話を見ている奄の後ろ姿がある。
二人が談笑する様に、景麒はほんの僅か、表情を和ませた。
「――景麒」
視線に気付いて振り向くと、陽子は景麒に微笑みかけた。
桂々と別れ、廊屋に足を向ける。
何故か手を後ろにしたまま近付いてきた陽子は、景麒の傍に着くや否や、「ちょっと屈め」言った。
戸惑うと、「いいから」と彼女は言う。
意味も解らぬまま景麒が腰を折ると、陽子は彼の耳に花を挿した。
「良く似合うよ」
そう言って陽子は悪戯っぽく微笑う。
「――…主上っ!お戯れになっている場合では――」
眉根を上げ、景麒が頬を赤らめて花を取ると、陽子は軽く笑い声を上げた。
「――ああ、春めかしいですね」
横から掛かった声に、陽子達は目を向ける。
「こ、浩瀚」
変な場面を見られた――陽子は恥ずかしげな貌をした。
「失礼。台輔を探しに参りましたところで、主上がその花をお手にしておられましたから」
「花?」
照れて挙動不審になる陽子を他所に、浩瀚は花を眺めて頷いた。
「御存知ありませんでしたか?こちらでは、それが咲くと春が訪れると言われております」
へえ、そうだったんだ、と陽子は呟く。
「ならば、お前も一本どうだ?」
陽子は手にした花の内、一輪を浩瀚に差し出した。
浩瀚は微笑み、「有難く頂戴致します」と言ってそれを受け取る。
「男所帯に一輪の花。目が華やぎます」
何を言うか、と陽子は微笑った。
「――…さて、と。台輔の貌も恐いし、そろそろ戻るか」
先刻から何か言いたげな雰囲気を臭わす景麒を揶揄するように陽子が言うと、景麒は貌を渋めた。
「…顔は、生まれつきです」
「ふうん?その眉間の皺もか?…苦虫が取れなくなっても知らんぞ」
陽子は嫌味を引っ掛けると、踵を返した。
「――さ、参りますか」
赤い影を見送り、浩瀚は景麒を促した。
浩瀚は、沈黙に歩く景麒の姿をちらりと見て、思った。
――何やら調子が戻られたようだ。
朝議の最中、女王の傍らに付いて臣を見据える宰輔は、前日の惚け振りが嘘のような凛然さを湛えていた。
覇気すら見せる横顔。――あれでこそ、孤高不恭の名に相応しい。
宰輔が元に戻ったのは、偏に彼女の御蔭だろう。
昨日、なんとかする、と陽子はそう言った。
そして実際、彼女は『なんとかして』みせたのだ。
主君の効果は絶大なものだと、浩瀚は感心した。
「――平素に戻られて安心致しました」
浩瀚の言葉に景麒は無言で首を傾ける。
「この処、ご様子が優れないようでしたので」
「…そうか。それは…心配を、かけた」
呟き、景麒は顔を前に戻した。
いえ、とぶっきら棒な景麒の物言いに、浩瀚は首を振って口を噤む。
再び落ちた沈黙の間、浩瀚は先刻の二人の遣り取りを思い出し、表情に出ないようにそっと微笑った。
あの光景も普段通りだ。
――否。
思った端に違和感を覚え、否定する。
その前のじゃれ合いは、恋人達の振舞いそのものだった。
主従を包む空気に甘さが増したような。
浩瀚は行く先に落ちた景麒の縦長の影を見ながら少し意地の悪い事を思い付いた。
「…そういえば、今朝方主上がお遅れになったのは、身支度に時間が掛かられたからのようで」
「――…ああ」
奇妙な間を置いて景麒が相槌を打つ。
――それは、朝から湯を浴んだ事と、首筋の痕を隠す衣装が中々見付からなかった為である。
景麒も同じ目に遭ったので、理由は充分良く解っている。
ただ、女王の支度より時間が掛からない為、然程遅れずに済んだだけの事だ。
「珍しいですね」
「…そうだな」
またも、変な間が空く。
「…台輔。御首筋に何やら…」
浩瀚が何かを言い切る前に、目を見張るような速さで、景麒の手が首筋に伸びた。
かさり、と乾いた音を立て、指先に何かが引っ掛かる。
乾いた木の葉に拍子抜けをし、はたと気付いて景麒は浩瀚を振り返った。
「ぁあ、落葉でしたか」
技とらしい浩瀚の口振りに、景麒は自分が謀られた事に気付いた。
「…浩瀚…」
浩瀚は不穏な景麒の視線を涼しげに受け流した。
「――何事も、程ほどになさってください」
「…っ言われずとも」
景麒は浩瀚から目を外し、不機嫌そうに答えた。
――睦まじき事。実に春めかしい。
浩瀚は目を細め、手元の花を見遣る。
下賜された花を眺め、そういえば、と浩瀚は少し微笑んだ。
何重にも連なる花弁は、目に鮮やかな紅の色。
それは、女王の髪と同じ色の花だった。
彼女が春を呼んだかのように、園林の中で緋色の花が咲き誇る。
目にも温かな季節が舞い込むのが解った。
≪了≫
終了です。
長時間、ありがとうございました。
初めてリアルタイムで遭遇しました。
描写が美しくて、エロ以外の物語にも引き込まれました。
職人さんありがとう!
語彙が豊富ですね・・・うらやましい。自分も本読まなきゃ('A`)
陽子のションベンの勢いは、まだまだ猛烈な勢いで出続けていた。
「楽俊、堯天の街は素晴らしいだろう。」
陽子は、自慢げに話しかけた。
「うん、宿屋も娯楽も揃って良い場所だよ。」
楽俊は、堯天の街が気に入っていた。
そのとき、再び風が吹いた。
陽子のマン毛が再び靡いたが、やっぱりションベンは乱れなかった。
その様子は、ちゃんと楽俊にも見えていた。
しかし、陽子も楽俊も全く気にならなかった。
「楽俊に気に入ってもらえて、私も嬉しいな。」
陽子は、ちょっと満足した。
「これも、みな陽子の功績だな。」
楽俊は、陽子の統治を褒めた。
「いや、そんなことはないさ。官吏がよく働いてくれるからだよ。」
陽子は、官吏の働きを高く評価していた。
陽子のションベンの勢いが少し弱くなった。
それでも、まだションベンが激しい勢いで出続けていることに変わりなかった。
「陽子、まだ終わらないのかい・・・?」
楽俊は、陽子のションベンが激しい勢いで長く出続けていたので驚いていた。
「いや、まだ終わりそうにないな。楽俊、もう少し雑談を続けようぜ。」
陽子は、すごく気持ち良さそうに答えた。
「じゃあ、陽子・・・。祥瓊と鈴は、ちゃんと元気にしてるか。」
楽俊は、二人のことが気になっていたのである。
「あの二人なら心配いらない。二人とも、楽俊に会いたいって言ってたぞ。」
陽子は、祥瓊と鈴が楽俊に会いたがってることを伝えた。
「そうか、嬉しいな。今度、暇があったら遊びに行くよ。」
楽俊は、すごく嬉しそうだった。
「私も、また楽俊が遊びに来てくれることを楽しみに待ってるよ。」
陽子は、楽俊が忙しいことは理解していたのである。
さすがの陽子も、ションベンが終わりに近づいたので勢いが弱くなってきた。
このままションベンを出し続けていたら、そのうち勢いが弱くなってマンコにションベンがかかってしまう。
彼女は、ここでションベンを止めることにした。
しかし、彼女は必死にションベンを止めようとしたが止められなかった。
「陽子、そろそろ止めないと・・・?」
楽俊は、陽子を諌めようとした。
「いや、まだ私のションベンは勢いがある、止めなくても大丈夫だ。」
陽子は、こんなときでも堂々としていることが大事だと自覚していた。
「でも、そろそろ止めたほうがいいぞ!」
楽俊は、既に状況を感知していた。
「楽俊、わかってるよ。私も、もうすぐションベンを止めるよ。」
陽子は、まだ冷静さを失っていなかった。
しかし、陽子のションベンは徐々に勢いを失いはじめていた。
そして、ションベンの勢いがもう少し弱まったらマンコにションベンがかかってしまうところであった。
プチッ!
陽子は、ぎりぎりのところでションベンを止めることができた。
もう少し勢いが弱まれば、ションベンがマンコにかかるところだった。
危ういところではあったが、マンコとマン毛に一滴のションベンもかからずに終わることができたのである。
でも、思い通りにションベンが止められなかったという意味では立小便に失敗したともいえるのである。
「あー気持ち良かった!」
陽子は、久しぶりに膀胱が空になってスッキリしたのである。
まだ僅かな量のションベンが膀胱に残ってはいるが、その程度なら彼女に残尿感は無かった。
「でもさ、陽子・・・。もう少しでお漏らしになるところだったぞ!」
楽俊は、陽子に忠告したつもりだった。
「ああ、楽俊。今回の立小便は失敗だったと思う、でも私は立小便をやめるつもりは毛頭無い。」
陽子は、立小便に失敗したことは認めたが今後も立小便は続けるつもりであった。
ただ、楽俊にマンコを見られている恥ずかしさから緊張してしまったことは反省した。
彼女は、景王として毅然とした態度で挑むことを肝に銘じた。
彼女は、マンコを紙で拭かずに閉じた。
このあと、まだ続きがあるのだろうか・・・?
549 :
名無しさん@ピンキー:05/01/10 23:58:02 ID:MiIRXEhx
あげたほうがいいかな
人がいないなあ。おととい辺りからBBSの具合も悪かったようだが。
>502の兄貴には、もう少し短く書いてほしいと思っているんだ。
行為も心情も非常に丁寧に描写されているけれど、
必然性を感じないんだよな。
この若い景麒と陽子の場合には。
たとえば鬼畜や末世なら、相応のお膳立ては必要なんだろうけどね。
むしろ貴方の文の流れをそこなっているように思う。
貴方は二冊目からいる人だと思うのだが。
あのスレ住人がチ○コ握り締めて総立ちになった「二度目の夜」の
端的な描写と文章運びの巧みさを今でも神と思っている。
突然現れて批判すること、過去の作品を引き合いに出すことの
非礼をお許しいただきたい。
もし人違いであるなら、全くの不当な批判を重ねてお詫びしたいと思う。
>>550 漏れまだ読んでないよその「二度目の夜」気になる!
552 :
名無しさん@ピンキー:05/01/12 23:54:32 ID:RQEbIypq
>>544 >陽子のマン毛が再び靡いたが、やっぱりションベンは乱れなかった。
>陽子は、ぎりぎりのところでションベンを止めることができた。
ツボに入って受けまくった。
しかし、 なんでマ○コ拭かないのだ?
>>547 うーん慶史赤子伝の注といったような趣のエピソードみたい
レス下さった方々有難う御座います。
>550
お察しの通り、2冊目から時々投下させて頂いている者です。
過去の話を覚えておられるようでとても嬉しい。
的確な御指摘を有難う。
参考にさせて頂きます。
そんだけ溜められるのだとしたら、おっきい方はどうなるんだろう?
体育館一杯分のう○こを出した、体操選手の「フン・ズマリー」の
様になるのであろうか?
2冊目からの職人さんとかってまだいたのかー。なんか感激。
昔の職人さんはもういないのかと思ってた。
かくいう自分は1冊目からの古株住人なわけですが。
すとれすの作者さん、好きだったなあ。
一冊目って、凄いな。羨ましい…自分五冊目からの新参者だから。
ここ、もう過疎でだれもいないかとオモタ
>552
なんで拭かないんだ?
かかってないからだろ。
忘れた頃に来るネタだけど、ちょっとずつ立ち小便の技術も
上がっていっているようだ。
なんで、立小便の技術が上がっていると思うの?
自分も一冊目から追いかけてる。時の流れは早いな。
まあここはエロパロだから…字書きスレではないしね
勢いと煩悩の赴くままに萌えネタ話マンセー
最近は神が降臨しないなー
前スレから祥瓊に本番おあずけくらってる桓たいの再臨をひそかに待っています。
>>547 陽子は恥ずかしい思いをしたけど、人生としての良い教訓を得られて値打ちがあったかもね。
ただエロいというより、何か大切なことを教えてくれたような気がする・・・
>>563 その大真面目なレスに吹いたというか和んだというか…
最近のこのスレ微妙に無神経だったりマターリできない時が
あるから余計和んだ。
>563
マジレスしていい?
どこがエロいの?
>>565は女性かな?
男の中には放尿シーンに発情する奴もいるのさ。
567 :
名無しさん@ピンキー:05/01/15 23:39:24 ID:xr6cgPs9
>>547 陽子は、まだマンコをしまっていないのでは・・・?
ということは、まだ話が続く余地は残ってるなあ
>>566 多分♀かと・・
自分も♀なんで、たびたび出てくる「放尿」ネタにまったくエロを感じる事が出来ない。つ〜か萎える(?)まっ読み飛ばすだけだけど。
最近までこの手のネタがエロいとはまったくわからなかった(ただの嫌がらせかと・・・)・・・(感覚的に「おなら」とかと同じく嫌悪や羞恥心があるだけなんで)
>>568 同意。自分も女なのでエロを感じることはできかねます。
シュールで面白いと思ふ。
性別など関係ない!
心の眼で読むのだ
結構女性多かったんだな…。いや歓迎だけど。
まあ俺も男ながら801別館に行ってたりするわけだが。
性差の垣根なしもこういうことに関してはいい。
職人さんはもっと分かりやすい。神ならどっちでもイイ!!(゜∀゜)が
>>567 あっ、ほんとだ!
陽子、まだマンコ出したままだな
でも、やっぱ普通にマンコしまって終わりかなあ?
え?エロだったんですか?
あんまりにもアレだから
ずっと嫌がらせだと思ってた!!
クレしんレベルの。
ぞーうさん、ぞーうさん♪
まあ、男の俺から見ても
>>547からエロスは感じないしなあ。
半分ネタか嫌がらせが入ってるってのは間違いじゃないかも。(そうでなかったらすまん)
放尿プレイっていうのは羞恥プレイの延長線上にあると思うのだが、
リアル女性でも羞恥妄想ってするもの?
……と中学生並の質問をしてみたり。
>>575 職人さんには本当に申し訳ないが
俺も荒らしだと思ってたよ…
>577
少なくともあたしはしないなー。>羞恥妄想
どうなんだろうね?
>>577 >>579に同じく。(羞恥プレイ)自体、強要されるとかなり鬱陶しい。喜ぶので少しは付き合うが・・・
故に「羞恥プレイ」ネタの場合、相方のそれ相応な反応が描写されてはじめて楽しめる。
最初は荒らしと思っていたが、
とぼけた味わいが次第に病みつきになった。
萌えはせんガナー
582 :
では:05/01/17 23:47:02 ID:wkNBGMyV
ありがちカプでありがちネタだが、誰も居ないうちに投下します。
多分4レスくらい。
それはいつもの如く、最愛の主の機嫌を損ねたことから始まった。
と言っても本当に立腹するようなものではなく、只、供麒が愚図で
仕方なく起きたことだったから
「だから罰として…そうね、伽をしなさい」
「は?」
聞き返す顔面にくつが飛んできた。
「仕事での粗相は仕事で、そうでない時の粗相はそうでない時に
贖うのが当たり前でしょ?ホラ、返事は」
一生懸命に考えていたらもう片方のくつも飛んできた。
「へ・ん・じ・は」
「は、はい主上」
慌てて答えれば、きりりと吊り上っていた形の良い眉が下がり、
優しく笑む。
「そ、いい子ね」
主が優しく撫でてくれるのならもう何でもいい。供麒はそう思って
しまった。
しかし、己の臥室の扉が音も立てずに開くのを感じるまで、供麒は
すっかりそのことを忘れていた。
「…供麒ぃ?」
怒りのあまり珠晶は声まで笑っていて、それを聞いた彼は恐怖に声も
出せない。
「あんた、まさかあたしの言ったこと忘れてたんじゃないでしょうね」
臥牀の上に上り、未だ横たわる供麒に馬乗りになってそのまま首を絞め
そうな空気を漂わせて問う。
「しゅ、主上、申し訳っ」
「言い訳はいらないわ。でもお仕置きはさせてもらうから」
言うなり珠晶は自らの被衫の帯を解いた。そしてそれを供麒の手首に
ぐるぐると巻きつけ、臥牀の透かし彫りの飾りに結びつける。
「利広が教えてくれたのよ。解く手順を無視して引っ張るとキツくなる
縛り方」
そう言ってくすくすと笑うが、供麒は彼女のはだけた被衫の向こうの白い
肌に目を奪われ聞いていなかった。
幽かな明かりの中で、その躰は内側から光を放つかのようにそっと闇に
浮かび上がる。
珠晶の指が供麒の被衫にかかり、帯を中途半端に解く。
「主上、あの、お…お止めくだ…」
「あたしは伽をしろと言って、あんたはそれにはいと答えたのよ。忘れ
たの?」
「で、ですが、あの」
諦めの悪い言葉を塞ぐ柔らかな唇。それを拒めるわけは無い。
長く淫らな口付けが、もともと無いに等しい供麒の思考能力を奪う。
帯が完全に解かれ、少女が呆れたと笑った。
「もう勃っちゃってたの?」
嘲りの響きを含んだ揶揄にさえ興奮してしまう。それを恥じる下僕を冷や
やかに見て、珠晶はそこに触れないように注意深く身体をずらし、肌を撫で
たり柔く引っ掻いたりする。
「…は、ぁ、しゅじょぅ…っ」
「なあに?」
「っ手を、外し…て、くださっ」
切れ切れの懇願は叶えられる筈も無い。
「却下。お仕置きだって言ったでしょ。何がしたいの?代わりにしてあげる
から言って御覧なさい」
言えるわけが無いのを承知で最高に優しく訊いてやる。熱に浮かされたような
涙目の下僕が憐れで思わず笑ってしまいそうだ。
案の定答えは無く、珠晶の舌と指が胸の二点を弄るたびに供麒の吐息はただ
切羽詰っていくばかり。
「し、主上っ…どうか、手をっ」
「あんたもしつこいわねぇ。駄目って言ってんの、わかんない?」
顔を覗き込んで溜息をつけば、本気で泣きそうになっていた。
「あんたはあたしが命じたことも忘れて寝てたんでしょ?大人しく罰を
受けなさい」
と言いつつ、焦らすのにも飽きてきたので放置されていたそれに顔を寄せる。
「出したら喰いちぎるわよ」
と厳命して先端をついばんだ。舐め回すたびに彼の腹筋が痙攣するのを眺め、
それを唾液でべとべとにしていく。そして精一杯口を大きく開けて含んだら、
情けない悲鳴と共に熱い迸りが珠晶の喉めがけて噴出された。
半ば予想の範疇だったとは言えあまりに言うことを聞けない駄目さ加減に、
喉奥に飛び込んできたものはそのまま飲み下し、口に残っているものは吐き
出し屹立に滴らせながら
「…っあんたねえ…」
と、それ以上は言う気さえ萎えてしまった。
「す、すみ、すみませっ」
「……もう、いいわ」
本気泣きが入っている供麒を苛めれば更に鬱陶しいことになるから、諦めて
可愛がることにした。
それは硬度も大きさも変わらずにあるが、唾液と白濁でドロドロになっている
から少しは入りやすいだろう。
手で支えて向きを調節し、跨って腰を動かし入り口に宛がう。
「…供麒」
「は、い」
「中でなら、何回イってもいいわよ」
にっこりと笑って言って、背筋を反らしながら腰を下ろしていく。やはり大きさ
がきつくて何度も息を吐いて、ようやく全て収まった。また下僕が大きく痙攣し、
放出される気配。
「…ん、うんっ」
こちらも快楽に身震いして眉を寄せる。体格差が有りすぎて珠晶だけが動くのは
少し辛いから、そろそろ許してやろうか。そう思って手を伸ばし拘束を解いて
やった。
「さ、今度はあたしも悦くして頂戴?」
噛み殺し過ぎたのか掠れて声にならない返事の後、高貴な騎獣は珠晶を乗せたまま
激しく跳ね、揺さぶり始めた。
「ひ、あ、ぅん、ん、あん、ああん!」
先程までとまるで別人のように、泣きそうな顔で爪を立てて縋り付き首を振る。
その仕草がどうしようもなく愛しくて、貫いたまま口付けた。
● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
最後の二つの命令は従うことが出来、珠晶が気を失うまで攻め立てたせいで次の
日は揃って朝議を欠席する羽目になった。
目測誤ったorx
蝕起こして逃亡します
>>583-587 供麒かわいいよ供麒(*´Д`)
と、つい思ってしまった自分はどうなんだろう…
情けないほどアフォで素直な供麒って可愛い…よな…?
…何はともあれ乙でした!
この作品の二次創作SSは
聞きなれない単語+堅くて流麗な言葉を使う人が多いけど
そういった言葉が少なかったし、短めだったので、すげー読みやすかったです。
>>583-587 ハァハァ(*´Д`)
アンタ神!!萌えをアンガトン!!供麒も可愛いが、Sっけたっぷりの女王サマンは
最高に素敵だ!!時間があったらこれからも投下してくれ。
最高じゃー!
また降臨してたも〜
さらっと書いてあるけど、「利広が教えてくれたのよ。解く手順を無視して引っ張るとキツくなる
縛り方」って、やっぱりそういう事する間柄なのかな?
>592
気になってたなってた!!!!
是非、こちらの方もSSもお願いしますっ!!!!!!!
初期の頃とは大分住人も変わったんだなあ…
>>572 数字板から来ました。もーどう呼ばれようとかまわんさ。
男性で別館をご覧の方がいらしたとは何か嬉しい。
よかったら、面白かったところとか気持ち悪かったところとか教えてくれませんか?
ここで障りがあるならあちらででも。
創作向上の為とかではなく、単なる興味から訊いてるので
ウザかったらスルーでよろしく。
縛りを入れるが難しい…。
緊縛無しの利珠でも可ですか?
>597
ぶっちゃけショタ属性が少しあるので泰麒ネタを求めてた>572です。
女性には延麒が一番人気なんだなと。
とにかく文章のレベル高いのが驚いた。
エロの描写にも普通に萌えられたよ。
結構女性の方が描写が細かいというか、ねちっこくていいですね…。
って俺もスレ違いレスすまん。
利広×珠晶が激しく読みたい。
利珠見たいハァハァ(*´Д`) 利珠っハァハァ(*´Д`)
漏れに煩悩を!
601 :
名無しさん@ピンキー:05/01/21 16:16:28 ID:CODVUQOE
利珠見たいーーー!!!! 激しくキボン (*´Д`)
静まり返った臥室内に響く、濡れた音と荒い呼吸。
「ずいぶん淫乱な子になったね。初めてのときが嘘のようだ」
「それは、誰の所為だと思ってるのかしら?」
他人事のような揶揄への反論は、舐め回しているものに唇をつけたままでする。
利広は眉一つ動かさないが、『それ』は表情より余程正直に震え、また口へと
呑み込まれる。唇から顎へ、そして顎から蕾の胸へ、うす白い液体がとろとろと
滴った。
流石に全てを咥えることは出来ず、更に舌を伸ばしても根元には届かない。
珠晶は諦めて顔を引き、はあ、と溜息を吐いて、開けすぎてだるくなった顎を
押さえた。
「少しは反応してくれないとつまんないわ」
拗ねて見せれば、利広がそれは心外だという顔をする。臥牀の上でのやりとりは
全てが暗黙の了解上の茶番劇のようなもので、これもその一部。
「しているだろう?…その可愛いお口でしゃぶられて、もうすっかり準備が出来て
しまった」
「それは良かったわ。ね、今日はどうするの?」
おやおや、と苦笑する利広。腹の上に抱き上げて、珠晶の腰に回した手をもう少し
下へと滑らせた。滑らかな丸みを鷲掴み、渓谷の窄まりへと指を軽く捻じ込む。
「そんなにお待ちかねだったのかい?」
「や、あん!」
返事は出来ず、身を反らして大きく震えた。
そこは何回か前に利広に開発されてからというもの、数ある弱い箇所の一つとなって
いた。
「君は虐められるのも好きみたいだから、思い切り虐めてあげようと思って」
耳に直接吹き込まれる囁き。
「そ、んな事っ、ないわよっ」
意地を張ればどうなるか、なんて承知で逆らった。
「へえ?」
指がぐりっと動く。
「違ったかなあ。珠晶、こうやってされるの好きじゃなかった?」
「ひぁ、あ、あ、くっ、違、う」
一番狭い入り口で止まった指をぐりぐりと動かされ、無防備だった胸を啄ばまれて
悲鳴を上げながらも、否と首を振る。
「ふうん。…こんなに嘘吐きで悪い子には、お仕置きが必要かな」
そう言うと利広は珠晶を下ろし、自分の荷物の中から束ねた紐を取り出した。
「な、何?」
「縄だと多分、痕がついちゃうからね」
わざと見当違いの答えを返し、戸惑う彼女の両手首を後ろ手に縛った。続いて両足首も、
そしてそれらを纏めて背後で拘束する。
「珠晶は気に入るかな?」
手と足をつなぐ紐が短いせいで、必然的に背を反らし大きく膝を開く格好になってしまう。
珠晶が頬に朱を上らせた。
「こんなの、き、気に入る、わけっ、ないじゃないっ」
「…おやおや。我侭なお嬢さんだ」
苦笑して手を伸ばし、少し肩を押せばころりと転がった。
「きゃあっ」
窓から差し込む月光に、ほころび始めた紅梅の蕾のような肉襞が濡れ光る。利広はそこに
指をあてて弄る。
「折角持ってきたのに、そんなことを言われると私も悲しいなぁ」
口先だけで言いながら指を殊更にゆっくりと動かした。敏感な芽も軽く触れただけで
通り過ぎ、蜜壷の中に指を一本だけ挿し入れる。
「んぅ…う、や、もっと…ぉ」
「うん?」
男性にしては割と細いその指は緩慢に出入りを繰り返し、時々快感のギリギリ外側を
掠めるだけ。暫らくそれが繰り返され、臥室の中、珠晶のすすり泣くような喘ぎが響く。
「やあっ、ね、お願い…」
「どうして欲しい?ちゃんと言えるだろう?」
拘束の所為で自ら快楽を追うことができない珠晶は、教え込まれた肉欲を刺激するだけの
状態に耐え切れず、あっさり服従した。
「ゆ…び、もっと、いっぱい入れっ…掻き回し、てっ」
「指を、何処に?」
「あ…あた、しのっ…やらしっ…とこぉ」
「ココかな?」
言うと同時に三本に増やされた指が珠晶を押し広げる。
「ひあぁんっ!」
甘い声が跳ね上がる。望み通りぐちゅぐちゅと音を立てて掻き回され、尻が震えた。
しかしそれが直ぐに引き抜かれる。
「やぁんっ、だ、めぇ」
涙の溜まった瞳で身をくねらせ不平を訴えるが、利広が濡れた指をぺろりと舐め、彼女の
口元へとやれば従順に舐める。
「べとべとだね…でも珠晶、本当は指より好きなモノが有ったんじゃない?」
「ん…ふっ、はぁ、んっ」
己の愛液を舐め取りながら縋るように何度も頷いた。期待で体が更に熱く疼く。促す利広。
「分かるね?」
「……り、利広の、おっきいのを…」
ごくり、と唾を呑み込んで続ける。恥ずかしくて堪らない。
「硬くて…おっきいの、あたしの、いやらしい穴に、い、入れてっ…!」
言ってから羞恥にか欲情か、珠晶は強く目を瞑った。その目尻から一粒の雫が零れ落ちた。
「よく出来ました」
と微笑んで、大きく開いている脚の間にそれをあてた。正直なところ、利広だってもう
そんなに待てるわけではなかったから、そのまま押し沈めていく。狭い穴が、指など比較
にならないほどに大きく拡げられていく。
「は、あ、あぁ…ん、入って…く、る…ぅ」
恍惚とした呟きが珠晶の唇から落ちる。
「今、凄くいやらしい顔してるよ、珠晶」
その揶揄に返事は無く、聞こえているのかさえあやしい。
「本当に、淫乱な子だ」
呟いて太ももを掴み、自分を強く押し付ける。身悶えることさえ許されない珠晶が高く
啼いた。
● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
「そう、そこをぐるっと巻いてから」
「こう?…で、ここに通すのね?」
「そうそう。それで締めて出来上がりだよ」
「……なんだか利広が来るたびに、妙な知識が増えるような気がするわ」
「でもまあ、知っておいて損はないと思うけどね。あ、騎獣には駄目だよ?」
「当たり前じゃない。そんな可哀想なことしないわよ」
「…そうだと良いけど」
ご期待に添えるかどうかは甚だ怪しいですが、続きをどうぞ。
なんとか縛り(のようなもの)も入れられて良かったです。
それでは失礼しました。
607 :
名無しさん@ピンキー:05/01/21 23:57:47 ID:/QFL/Mvr
キター―――−―――――(・∀・)!!!!!!!!!!!
神光臨!!!! 乙です!最高!萌えをありがとうm(__)m
しかもちゃんとロリ女王×駄目下僕に続いちゃってるのがスバラすぃ!!!
また、さらっと書いてあるけど、「あ、騎獣には駄目だよ?」って、言葉通りのことなのかな?
オレ的解釈だが。
利広が言ったのは供麒のことだけど、珠晶はわかってないっぽい
という事じゃねえの?
>>599 スレ違いの質問にレスありがとう。私も泰麒のSS読みたいです。
男性で別館に泰麒のSS書きたいという方はおられないのでしょうか?
もしいらっしゃったら、よろしくお願いします。
専用スレ立てるといいかもしれません。
上手い人多いですが初心者もOKとあったと思うし気軽に書けると思います。
板違いたいへん失礼しました。
逃亡しておりました602-606です。
>607さん、ありがとうございます。
そんなに萌えて頂けたのならとても嬉しいです。文書き冥利に尽きますよ。
保守
近頃、神は隠遁なさっておるようです。
615 :
名無しさん@ピンキー:05/01/31 09:34:59 ID:X+hiSR+v
藻前が書け!呼び水となるんだ!
私には出来かねます。許すとおっしゃい!
この無能が!
私にはペンを走らす趣味は無い!
人多杉じゃなく、本当に過疎なんだ
620 :
名無しさん@ピンキー:05/02/01 12:17:28 ID:5ntnj78c
このスレでは、立小便ネタはだめなのか?
とりあえずageずに聞かれていれば、おまえの質問に一住人として
答えただろうなと思う。
へヘ
// ⌒丶
(从ハ从)
)§ ゚∀゚リ. | | ガッ
とハ† _ ) | |
Y /ノ 人 〃⌒ヽ
/ ) < >ノ人ヽヽ ∩
_/し' //. V(´Д`从リ /
>>616/618
(_フ彡 }/ Y { /
な へヘ
ん // ⌒丶
麒と .(从ハ.从) 景
麟使 .)§´∀`リ 麒
かえ .(.‖∀‖.) !
|な U|_____|U
|い ∪∪
! !
今日『魔性』読んだんだけどさ、景麒もアレだが廉麟も結構な(ry
美人だし常世で役に立ってるから良いのか
というか、漣モノって無いね。鴨が立派な野菜作ってるのに
野菜が何か?
野菜プレイ?
このスレでは、立小便ネタはだめなのか?
へヘ
// ⌒丶
.(从ハ.从) 許
.)§ ゚∀゚リ す
.(.‖∀‖.)
U|_____|U
∪∪
ちょろちょろ投下したあとに
わざわざageて「エロまでどうつなげんの」とか
自作自演しなきゃいーんじゃないの。
あったところで俺は読まないけど。
結論。
漣は自分には無理だ
〃⌒ヽ、 <保守
〃ノ人ヽヽ 。 o
ノノ*´_>`从 職人さんが来ないので自家発電
}/ Y ハ { ,* ゚. 。
∪| ∩ミ 。 ・ おかずは主上のセーラー服です
| ωつ +.* o
U ...U
>628
じゃあ、どこの国なら大丈夫なんだ?
へヘ
// ⌒丶
(从ハ从)
)§ ゚∀゚リ. | | ガッ
とハ† _ ) | |
Y /ノ 人 〃⌒ヽ
/ ) < >ノ人ヽヽ ∩
_/し' //. V(´Д`从リ /
>>629 (_フ彡 }/ Y { /
な へヘ
ん // ⌒丶
麒と .(从ハ.从) 景
麟使 .)§´∀`リ 麒
かえ .(.‖∀‖.) !
|な U|_____|U
|い ∪∪
! !
632 :
628:05/02/08 08:49:19 ID:4fnWTmv0
>630
暫らく連続してる国だから。
>630の質問に対する>632の回答は不適切に感じる。
確かに…。改めて
ここ暫らく投下が続いている国。
また利広と珠晶とか如何でしょう?
狂気首相・・・すごい変換をしてしまった
供麒と珠晶キボン
スレ私物化を懸念してるんじゃないのか
>634
随分長いこと投下はないだろう、漣は。
632=634です。
暫らく拙作の投下が続いているので、今は遠慮させてもらいます。
日本語が不自由なレスをつけてしまってごめんなさい。
640 :
塙麟日記:05/02/09 22:43:23 ID:wsE7oUxr
2月9日
今日主上に不快を覚えた。
胸元腰元をじっと見つづけていらした。
セクハラの定義は無いのではっきりとは申し上げられないが
きっとあれがそうなのだと思う。
口臭も感じた。
仙は病まぬゆえ歯周もまた清めずとも安なりなどとおっしゃった。
2月10日
主上が昼頃
「麒麟は血に病むゆえ初体験をいとうか」と言ってらした。
不快を露にしたら
「眉間のしわもまたいとしきかな」と。
2月11日
景麒がつれてきた景王となる女性を見て
「うぅむ…処女と見た…」
とおっしゃった。
その後景王暗殺を意気揚揚と語っていらした。
「殺害にはエロスが関わらねば」
等と言い三文小説のような残虐非道の殺害方法を考えてらした。
641 :
廉麟日記:05/02/10 04:28:55 ID:Vzkf4Cs1
2月9日
今日は庭園にて主上のお手伝いをしました。
とは言っても相変わらずお優しい主上は、
私が?ぎたて果実の入った籠を運ぼうとすると
後ろからそっと手を添え一緒に運んでくださりました。
肩越しに主上を見上げると、とてもお優しそうに頷くので
幸せな気分になりました。
2月10日
今日、畑仕事をする主上を見かけたのでそっと近寄ると、
汗をかいていらっしゃるのか、頭に巻いた布をさらと外しました。
そのお姿があまりに凛々しく男らしいので堪らず、
後ろから抱きついてしまいました。
しかし主上は嫌がる様子も無く、そっと微笑み返してくださいました。
そして私の手を取り・・・・
とても幸せな一日でした。
2月11日
今日、目が覚めたら私は主上の腕の中にいました。
私の隣で微かな寝息を立てている貴方を、心から愛しく思いました。
主上の腕に抱かれていると、
日ごろの嫌な思いも総て消えてなくなってしまうよう。
私は貴方のものです、主上。心から愛しています。
642 :
名無しさん@ピンキー:05/02/10 14:11:56 ID:xvk6sptM
>640-641
凄まじい落差にワロタ
塙麟…。・゚・(ノД`)・゚・。
644 :
挿し絵:05/02/11 10:12:34 ID:YwAe/KN5
〇
((( /ヽ
_|> ̄|○ ))) や、やめ・・・
珠晶が供王に即位して三年目のことであった。
珠晶は、鉦担と共に諸州を巡察することにした。
そして、連檣の郊外を流れる川に差し掛かったとき
珠晶は、激しい尿意を催していた。
珠晶は、川岸でオシッコすることにした。
珠晶は、衣服を捲り上げてその場にしゃがみ込んだ。
鉦担は、珠晶がオシッコすることを察知して
密かに、珠晶のワレメを覗き見ることにしたのである。
珠晶は、そのことに勘付いた。
しかし、これ以上オシッコを我慢できなかった。
珠晶は、仕方なく彼の目の前でオシッコする覚悟を決めた。
「鉦担、あたしの恥ずかしいとこを覗くつもりなんでしょう!」
「・・・」
鉦担は、珠晶に勘付かれたことを悟って震えるあまり声も出せなかった。
「いいわ、こんなところで勝手にオシッコするあたしが悪いのだから文句は言えないわ。」
「珠晶さま!」
鉦担は、珠晶の度量の大きさに改めて心から尊敬の意を表した。
鉦担は、珠晶の股間を覗いた。
珠晶は、恥ずかしかったが仕方が無いと割り切った。
そして、パンツの股の部分を手でずらしてワレメだけを見せた。
珠晶のワレメには1本の毛も生えていなかった。
鉦担は、珠晶のワレメを見て興奮が高まった。
珠晶は、すごく恥ずかしかった。
鉦担を殴りたいくらいだった・・・
しかし、勝手にオシッコする自分が悪いと自覚しているから実際に鉦担を殴るつもりは無かった。
珠晶が見せているのはワレメの部分だけで、肛門など他の部分は全く見えていない。
そして、これが唯一の救いでもあった。
珠晶は、そう肝に銘じて自分を納得させた。
珠晶のオシッコは、まだ始まっていない。
この世界の人間は、どんなに激しい尿意を催していても急にはオシッコを始められないのである。
「鉦担、安心して・・・。あたしが悪いのだから、決して殴らないわ。」
珠晶は、殴られるかと思って心配している鉦担を安心させてあげるために優しい一声を掛けた。
「珠晶さま!」
鉦担は、珠晶に名君の器があると悟った。
このあと、しばらく鉦担は珠晶のワレメを覗き続けていた。
そして・・・
珠晶のワレメが急に充血した。
「珠晶さま!放尿が始まったのですね?」
鉦担は、珠晶のワレメを覗き続けていたので小さな変化も見逃さなかった。
「そうよ、いま放尿が始まったわ。」
珠晶は、恥ずかしかったが鉦担の洞察力を評価した。
珠晶は、まだ1滴もオシッコを出していない。
ちなみに、この世界の女性はオシッコが出るときワレメが充血するのである。
そして、この世界ではワレメが充血した時点を放尿開始と定義しているのである。
珠晶は、まだオシッコを1滴も出していないけど放尿は始まっているわけである。
珠晶は、本当にオシッコが出ているのと同じ感覚だった。
簡単に説明すると、架空のオシッコみたいなものである。
珠晶は、恥ずかしいのは変わりないが爽快感で紛らわすことができた。
実際にオシッコが出始めるまでには、もう少し時間が必要だった。
つまり、放尿初期の状態であった。
このあと、しばらく鉦担は珠晶のワレメを覗き続けていた。
そして・・・
ピューーーーと、珠晶のワレメから水鉄砲のように勢いよくオシッコが噴出してきた。
オシッコは、かなり強い勢いで噴出して地面が泡立っていた。
珠晶のワレメはオシッコでビショビショに濡れていた。
「珠晶さま!かなり溜まっていたのですね?」
「そうよ、鉦担。あたし、さっき連檣の居酒屋で飲み過ぎたわ。」
珠晶は、恥ずかしかったが冷静だった。
「珠晶さま!拭く紙なら、私が用意しております。」
「鉦担、気持ちは嬉しいわ。でも、あたしは恥ずかしくて拭けないわ。」
「珠晶さま!でも、その御心境は私にも理解できます。」
「あたしのオシッコは、なかなか終わりそうにないわ。鉦担、雑談して時間を潰すわ。」
「そうですね、でも何を話せばよろしいのでしょうか・・・?」
鉦担は、何か良い話題はないかと考え始めた。
このあと、珠晶と鉦担は数分ほど雑談で盛り上がった。
ただし、珠晶は鉦担にワレメを見られている恥ずかしさで赤面していた。
しかし・・・
さすがの珠晶も、オシッコが終わりに近づいたので勢いが弱くなってきた。
チョロチョロチョロチョロ・・・
珠晶の長かったオシッコが、やっと出終わった。
しかし・・・
珠晶のワレメは、まだ充血を維持していた。
珠晶のワレメはオシッコでビショビショに濡れていた。
でも、充血が解消するまでは拭くことができないのである。
「珠晶さま!まだ放尿は終わっていないのですね?」
「そうよ、まだ放尿は終わっていないわ。」
珠晶は、恥ずかしかったが冷静だった。
ちなみに、この世界ではワレメの充血が解消した時点を放尿終了と定義しているのである。
珠晶は、もうオシッコを1滴も出していないけど放尿は終わっていないわけである。
珠晶は、オシッコが出ているのと同じ爽快感を維持していた。
ワレメの充血が解消するまでには、もう少し時間が必要だった。
つまり、放尿末期の状態であった。
このあと、しばらく鉦担は珠晶のワレメを覗き続けていた。
そして・・・
珠晶のワレメの充血が急に解消した。
珠晶は、充血が解消した瞬間にパンツから手を離してワレメをしまった。
珠晶は、放尿終了と同時にワレメをしまったのである。
珠晶は、立ち上がって衣服を整えた。
そして、鉦担も立ち上がった。
「鉦担、安心して・・・。今回のことは、誰にも話さないわ。」
珠晶は、不安を拭いきれない鉦担を安心させてあげるために優しい一声を掛けた。
「珠晶さま!」
この出来事があってから、鉦担は珠晶に心から忠誠を誓うようになったのである。
次からコテか鳥付けてくれ。
この際「尿」をNG行きでいいやな
>1 SSを投下する際は、カップリング(A×B)と特殊な場合は傾向(レイープ、鬼畜など)を事前申告のこと.
見やすいところに『続く』『終わり』等の区切りを入れることを推奨。
sage進行推奨。
1をちゃんと守っている人に、
>3 カップリングや作風など、自分の趣味嗜好に合わないSSに対して、文句を言うのは止めましょう。
コレはなかろう。
漏れから立小便ネタ奪わんでくれ
わりと気に入ってるんだ。
萌えはせんガナー
遅レスになるけど、凄まじい巧主従も好みでした。
塙麟…・゚・(ノД`)・゚・。
どっちかっつーとパンツやズボンのチャック等、
「十二国記でなくてもいい内容」なのが。
あのキャラがこれを…というのがいいんじゃないのだろうか。
それを言ったらエロだって、二次の必要ないじゃんという人もいるだろうし
特殊ネタも結構好きだな。強姦輪姦鬼畜プレイとかも好きだ。
3P緊縛目隠しとかな
キャラ萌え出来れば元ネタ設定無視しても問題ナシってか
>656
十二国記という作品において、カップリングやエロの描写自体が
>元ネタ設定無視
じゃまいか。
じゃあ、何のためにこの板の、このスレにいるんだ。
それとも何か、おまいさんが世界観、キャラ観が完璧に原作に則した
話を投下して下さるというのか。 (*´Д`)ハァハァ
今の流れは投下しにくいと仰るのか。
気になされる事もあるまい。ここは大人板。嫌ならスルーが原則の場ですぞ。
お……お待ち申し上げておりますぞ! (*´Д`)ハァハァ
658 :
塙麟日記:05/02/13 10:36:05 ID:lFOp5nNH
2月13日
一日遅れてしまったが昨日の日記から書くことにする。
2月12日
夜陰に乗じ主上が自室にいらっしゃった。
相変わらずのフェザータッチで責められたが熱中できるほどの
テクニックはお持ちでない。
演技など心得の無い物を求められるのは、辛く心苦しい。
達されるまでに要した時間は2分。
2月13日
主上がもしも身罷られたら、この日記は官によって読まれるのだろうか。
主上が身罷られるような事はけして考えたくは無い物だが
フェザータッチから一文字とって「麩王」と、ここに記しておく。
…しかし、私は、主上には健康賢帝として有り続けて頂きたいと願うばかり…
2月14日
思いつくような形で出た送り名は才の先々帝に良く似ている。
自分の才覚の無さを自覚せざるをえない。
麒麟としての才覚にも自信を失い、心痛む日々である。
今日は蓬莱ではバレンタインという祭事だと主上がおっしゃった。
蓬莱を厭うていらっしゃるのにこう言ったことのみは
きちんと覚えていらっしゃって、献上物と交配を必ずお求めになる。
で、何をあげたのさ
あんたのそこはかとなく池沼くさい語り口が、受け入れられない人も多いんだろうな。
漏れは笑うところだと思っているわけだが。
hosyu
特定の職人さんを褒めるのは何ですが。
何個か前のスレの慶国三人娘温泉覗かれハナシの職人さんと、同じく何個か前のスレの
利広x尚隆x陽子のオチが碁石ネタの職人さんの雰囲気が好きだ。
どっちの職人さんも最近忙しいのか書いてないようだが。ちとマニアな俺・・・
保守
665 :
廉麟日記:05/02/17 02:38:26 ID:UtrNMqq1
保守って?
何日くらいカキコがないときえちゃうんだっけ?
物知りな人、教えてたもれ
↑オーメンgetおめ。
ありがとう。ところで職人様は何処におわすか
そなたが職人となるのだ!
>670
ありがとう、一つ賢くなったよ!
自分も投下したくて頑張ってるけど、途中で詰まったよ。
よりによって最中でスランプorz
最近あのネタが嫌だこのネタが嫌だ、
キャラが自分の見解と違うから直せ、
評論させろ、たたかせろ、
みたいなのがいっぱい出て来るじゃん。
虹なんだから気楽に読んで流すなりハァハァするなり。
割り切り出来ない奴多すぎて投下しづらい。
>>672 うん、理解るよ。
正直「あー、この雰囲気だと投下しづらいカモ」と思う時があるのも事実。
でも一職人のはしくれとして、そういうのも有り難いと思うけど。
万人が認める作品を投下するなんてプロでも無理だけど、
たくさんの人が「面白い!」って言ってくれるのって嬉しいよ、職人として。
ここのスレの人たちは比較的厳しいけれど、ノーコメントよりは批判のが数倍嬉しい、自分は。
672様も新作投下、お願いします。いつでも素敵な作品を読むのは至福の一時ですから。
674 :
673:05/02/19 00:17:06 ID:f8pitbp2
あ、ごめんなさい!
「新作投下お願いします」は
>>671さんに対してでした。頑張って!
妖も、そしてオナニスト景麒も(推定)眠っている丑三つ時・・・
場所は金波宮正寝。
慶王中嶋陽子の男子禁制の寝所にただ一人、足を踏み入れるのを許された男、
「無駄に長生きはしてないぜ」延王小松尚隆。
彼はその熱い吐息を陽子に投げかけていた。
するりと着物の合わせ目に尚隆の指が入り込む。
「あっ、そこは・・・」
「・・・この場に及んでそのような事を」
にやりと尚隆は笑うと、ぱたんと陽子の体を牀榻に押し倒し、更に合わせ目の奥へと指を
入り込ませた。指は焦らすようにゆっくりと堅く張り詰めたふくらみに近づく。
息を詰め、陽子はぎゅうと瞳を閉じ、身体を硬くした。
「陽子、陽子」
呼ばれて陽子は瞳を開ける。
「力を、抜け。そんなに硬くなるな」
くつくつと尚隆は笑う。
「それとも陽子、ひょっとして―」
尚隆の言葉に陽子は夢見ごこちで返答する。
「ひょっとして・・?な・・・んですか?」
「――怖いのか?」
これ見よがしな可笑しげな尚隆の笑顔が憎らしい。
だがその邪気の無い笑顔が一層愛しくて、陽子は尚隆の胸に幼子のように顔をうずめた。
「はい。少しだけ・・・」
自分の腕の中、小さく震える陽子を見つめ、尚隆はかろく微笑む。そうして合わせ目から
するりと自分の指を引き抜いた。
「そうか、怖いか・・・」
そして、尚隆は限りない優しさをこめて両腕でそっと陽子を抱き締めた。
「ならば、しばらくこうしていよう」
「延王・・・」
尚隆の優しさに陽子は切ない程の幸せを覚えた。
自分の腿にあたるものは熱く堅くそそり立っているのに、愛しい男は急かす事なく自分を
ゆったりと抱きしめてくれる。
どくどくと血潮を送りこむ熱い程の尚隆の堅いそれを感じ、陽子は思い切って、そっと自分の唇で
尚隆の唇を塞いだ。
尚隆は驚いたように陽子の顔を見つめると、ふっ、と笑って接吻を返した。
接吻は甘く、深くなり、陽子を抱く腕にも力がこめられる。
陽子はうっとりと尚隆の口付けに酔った。
「ああ・・・延王。ずっと、ずっと・・・」
「ずっと?」
「ずっと、お慕い申しておりました―--」
(ずっとずっと、こんな風に貴方の腕に抱かれることを願って・・・)
陽子は瞳に涙を浮かべ、尚隆の瞳を見つめた。
尚隆は陽子の瞼に接吻し、涙を舐め取ってやる。陽子は溢れる涙を受け止めてくれる男の
存在が嬉しくて、大きな尚隆の身体にすがった。
ゆったりと尚隆の温かな腕の中、陽子は安心しきって尚隆の胸に自分を預けた。
尚隆は陽子の身体を――決して女性としては華奢ではない身体を――赤子を抱くように
簡単に軽く、くるりと包み込む。
(尚隆、尚隆、あなたは私をただの市井に生きる一人の女にしてしまう――)
陽子はその温かな胸に抱かれ、その広い胸の中、とく、とく、と規則正しく打つ鼓動を
子守唄にいつしかうとうととまどろみ始めてしまった。
「・・・陽子?」
尚隆が陽子を見やると陽子は幸せそうな顔をし、早くもすやすやと寝息を立て始めている。
くすり、と尚隆が笑う。
「まあ・・・こういうのも有りか・・・」
尚隆は苦笑しつつ、起こさないようにそっと陽子の体の下から手を引き抜いた。
「ん・・・」
すると、ころんと陽子が寝返りを打ち、陽子の体を尚隆が背中から抱く体勢になった。
尚隆は陽子の髪に顔を埋め、その甘い香りにうっとりと瞼を閉じた。
その、時。
ぷぅ。
陽子の下半身から何とも可愛らしい放屁の音がした。
尚隆はその小さな奥ゆかしい音にくつくつと笑いを漏らす。
そして、いかにも愛しいと言った風にそっ、と陽子の腰を抱きかかえた。
その、時。
バホッ!!
先程の放屁よりも、かなり景気のいい音が陽子の下半身から鳴り響いた。
「こ・・・これは・・・」
尚隆が驚きに目を見開く。
その、時。
ヴァヴァヴァ、ヴァッホーンッ!!
「がっ・・・!」
尚隆は呼吸を止めた。
(強烈だ!強烈過ぎる!!陽子、お前は何を食って生きてるんだあーーーっ!?)
尚隆は思わず牀榻から転げ落ちた。
肉好きの景王陽子、ちょっぴり便秘がち。
好きな人には溜まらないであろう芳香だが、繊細な長寿王延王の気には全く召さず。
今日も陽子の心は桃色の夢の中、身体は放屁で軽快にド・レ・ミを奏でる。
ファの音を出す前に処女を捧げる事は出来るのか。
音階コンプが先か、非処女への道が先か。
いずれにせよ、漢、陽子。いまだ時は熟さず・・・
<とりあえず 了>
ウッヒャーーーーッウ!
スレ住人2年目にして初リアルタイム、キターーーーーッッ!!
「了」にせんと、つづきもヨロ。拙予想、「音階コンプ」(←茶吹いた)よりも
処女喪失の方が先かと。
この漢陽子?シリーズ好きだ
>「無駄に長生きはしてないぜ」延王小松尚隆。
↑の辺りで脳内でゴングの鐘が響きますた。ワロタ
頑張れ、尚隆w
ワロタw
グッジョブ!!
自分も漢・陽子シリーズ大好きだ!ノシ
職人様GJ!
尚隆は一年くらい経ったらまた夜這いするんだろーな…屁こかれた事なぞ忘れて。
寒くて早朝に目覚める。ちゃんと火を絶やさず焚いておけよ。全くこの城は使えない女官
ばっかりだ。一しきり部屋で暴れて机をぶった斬り、窓の瑠璃を割る。夜に部屋に戻るま
でにきっちり直しておけよ、ヴォケどもが。
だらだら朝議を続けてる阿呆どものケツを蹴り上げる。浩瀚のケツを蹴り上げたところで、
麒麟の野郎が今か今かと尻を浮かして息を荒くして待っていやがる。ひたすらウザい。
顔にワンパン喰らわして失神させる。
昼メシ。不味い。果物と葉っぱばっかで腹が膨れると思ってんのか、馬鹿が。
「肉持って来い、肉ぅっ!!」びびった奚が血が滴るようなレアステーキを持ってくる。
仁重殿まで行って景麒の前でそれを喰らう。また失神しやがった。ヤワな奴だ。
腹ごなしに熊と剣の練習。強い。さすがナニがでかいだけはある。悔しいから倒れた拍子
に懐を開いておっぱいポロリさせて見せつける。その隙をついて股間を蹴り上げてやった。
ティムポを押さえてヒイヒイ言っている。いい気味だ。
三時のおやつ。祥瓊と鈴で猥談。フェラはしないけどクンニは当然という事で意見の一致
を見る。その後、オナ技の実演会。流石にばばぁ達の技は一味違う。三回程イク。部屋は
香ばしい匂いに包まれる。
遊びに来てた延麒が深刻な顔をしている。景気づけにセックルする。ピロートーク。
ショタコンの王を持った延麒の苦労話を聞く。こっちも素人童貞の麒麟を持つと大変なん
だ、とお互い鬱自慢。最後は逆駅弁で締め。小さいながら延麒のテクはあなどれない。
犯王からクサが届く。上物だ。さすが「犯」王だけある。
キマリメなまま、晩メシに突入。焼肉7人前を喰らう。明日の屁は臭そうだ。
部屋に戻るときちんと片付けられている。女官を呼びつけ褒めてやる。背中に舌を這わし
ただけで声を上げる。ウブな女官だ。萌えて、指でひたすら責めてやる。気が付くと窓
から金髪が見え隠れしている。あいつの変態さ加減にはウンザリだ。ムカついて、女官の
締まりのいいマムコから指を引き抜く。イク一歩手前で止められて、恨みがましげに女官
が見つめるから、ムカついて縛って部屋の隅に放置させておく。
就寝。今日も慶は平和だった。自分の手腕に満足しながらオナる。やっぱりオイラは天才
だ。平民ども、感謝しろよ。
漢な陽子が好きでちと脱線。
オソマツ。駄文、失礼しました。
六太とヤっちゃってる!!!
完全漢の陽子に脱帽。GJ!
漢通り越してオヤジ化しとるがなw
女官にちょっかいかけてるところがエロい。GJ!
(゚∀゚)b グッジョブ!
「犯」王ワロス
692 :
名無しさん@ピンキー:05/02/24 23:26:00 ID:qwcKmlIY
平日に投下があった・アヒャ(゚∀゚)と思ったらこんなんばっかりかよ。
ROMってるヤシが思ってる事を言っても良いか?
「息子がギンギンに立つようなネタ投下が欲しいんだよーーっ!!」
ちとスキーリ。本音は大事だぜ、皆の衆。おさらば。
>692
藻舞さんが書きな。そして投下をしなされ。
ご子息をギンギンに立ち上がらせて書くんだ。
自分は笑えるネタも好きだ。職人様GJ
694 :
名無しさん@ピンキー:05/02/25 19:49:16 ID:F4xyHrMx
あが
投下します。
楽俊×祥瓊です。
傾向:鬼畜系です。楽俊が好きな人は読まないで下さい。
雁国は様々な面で蓬莱風を取り入れた国として知られているが、ここ柳国も負けたものでは
ない。ある面に関しては。そう、それは性風俗である。雁国がこの点においてはまだまだ後発
であるのに対し、柳は進んでいた。色ごと好きの雁王は官への遠慮からか、今まではこの点お
ける進取に積極的ではなかったが、ついに時は熟したのだろうか、楽俊という優秀な人材を柳
へと派遣した。柳における蓬莱風性風俗見聞のためである。
さて、大学生楽俊は柳において祥瓊という女性に出会った。賢明なる楽俊はすぐにこの女性
が芳国元公主であると気付き、又、彼女もこれを認めた。
もともとは慎みを重んじる楽俊であったが、そこは学問好きの彼のことである。柳において
様々な蓬莱風性風俗に接し学問的に探求するうち、その知識を実践において用いてみたいと思
うようになっていたのである。知識があることとそれを用いることとはまた別である。しかし
楽俊はただ知識だけの秀才ではない。それを活用することにおいても彼は優れていた。それを
性学においても確認してみたかった楽俊である。また、柳で性学の情報収集に没頭するうちに、
慎み深い彼も知らず知らずのうちに研磨されてきたのか、慎みの気持ちよりも興味のほうが先
に立つようになってきたようだ。
さて、人を雇った楽俊。ここはそのようないかがわしいことをする為の宿だ。部屋の中には
雇い人に捕らえられ繋がれた祥瓊がいるはずだ。楽俊は扉の取っ手に手をかけると「祥瓊いる
か」と声をかけながらひげをそよがせた。
祥瓊は背後に楽俊がホタホタと近づく気配を感じた。体はある程度しか動かせない。腕は天
井からの綱に、脚は床の鎖に繋がれている。動かせはするがはずすことは出来ない。
その後ろ姿に楽俊は目を見張るしかなかった。そして鏡に映る彼女の像。この部屋は前方と
右側の壁が鏡張りになっている。後ろ姿も鏡に映る像も楽俊には目新しいものだった。祥瓊の
衣装である。蓬莱風の全身にぴっちりとした衣装をつけ、祥瓊はいつもの厚着の面影が無い。
性情報収集の過程において楽俊は様々な衣装・体つきの女性を見てきたが、これほどまでに淫
靡な光景は初めてであった。
彼女の体の線は余すとことなく出ていた。ほっそりとした体にバランスが悪いほどの大きさ
の乳房。それはぷりんとした釣鐘型で前方に突き出、重力知らずのようだった。そして細過ぎ
るウェスト。この国で見たどの性風俗の女より乳房周りのサイズとウェストのサイズの差が大
きいことは明白だった。そして尻。それはいやらしい形の弧を描き上向きの形をなしており、
蓬莱風の衣装の尻の左右を分ける縫い目の部分はかなり上部で食い込んでいる。その下にはも
ちろんすらりと長い足が見える。
楽俊は唾を飲み込んだ。ここ柳に来てから性の疫学調査も行ったがこのような尻は女性器の
締まりの良さを現しているものだからだ。その部分が男にとり歓びをもたらすものである程、
尻はますます上がっているはずなのだ。この形ならいかばかりか…。これでは「私のモノって
最高よ」と言っているようなものである。
「おい、祥瓊」
と言いながら楽俊は彼女に近づいた。
「おいらが雁王のために性研究をしてることは話したろ。祥瓊にも協力してもらうからな」
「外道!」
楽俊に祥瓊はきつい言葉を投げた。
「この私が芳の元公主であることを忘れたの?! 恥を知りなさい! 私の高貴な体に手をか
けるなど…半獣ごときに許されるものではないわ!」
祥瓊が怒りに体をふるわせる。淫らな形の乳房が小刻みに揺れた。美しい脚を踏ん張ったた
め尻の筋肉が動きその双丘の卑猥さが増す。
「ふん…そのことを役人に告げられてもいいのか? だまってて欲しいなら協力してくれ。祥
瓊も学術研究の大切さってものを理解したほうがいいぞ」
「う…」
痛いところを突かれ祥瓊は黙るしかなかった。そして楽俊はいきなり人間形態に変わった。
「きゃああああ…!」
いきなり見せつけられて祥瓊は悲鳴を上げた。おそれ多くも公主たる自分にこのような無礼
なものを見せつける男など今までにいなかったからだ。そう、祥瓊はいやらしい体つきに似合
わず処女だった。
「あ、いや…いやっ」
祥瓊は目を瞑って耐えた。目を瞑り暗黒の中に今見た物を忘れ去ろうと必死に集中している
とき、祥瓊は体の真後ろに楽俊が密着したのを感じた。
「いやあっ!」
「目を開けねえか。開けねえと役所に、」
「あ、開けるわ、開けてるわ、だから役所はやめて!」
楽俊は後ろから祥瓊の乳房を揉みしだいた。あまりのことに祥瓊は動転する。
「あっ、あぁっ、…手をどけなさいっ」
そのとき今までに無い感触が祥瓊を襲った。今までいやらしく乳房をこねていた楽俊の手の
指が遂に乳首に触れたのである。今日まで楽俊はこのような愛撫の仕方にも研究を積んでいた
のである。敏感すぎる程に敏感な祥瓊が耐えられるはずもなかった。
指は乳首とその周辺を執拗に攻め続ける。
祥瓊は声を上げまいと必死に唇を噛むも楽俊の緩急自在な責めに自然と声が洩れてしまう。
それが堪らなく恥ずかしい。公主たるこの自分が。しかも目を瞑ることを禁じられたせいで、
鏡に映る像が目に入る。
「うーん、何かごそごそするな。あ、乳帯か」
楽俊は気付くとウェストのところで切れている着衣をペロリと上に引き上げた。たくし上がったそれの下にブラジャーからはちきれんばかりの乳房が自己主張する。楽俊はその
黒いブラジャーの紐を持ち込んだ挟みで切り取った。次にそのカップをペロリと下方にめくる。
「おお」と楽俊がほれぼれとした声を上げるのと「いやあっ!」と祥瓊が恥じらいの声を上げ
たのとは同時だった。鏡にはたくし上げられたピッタリとした着衣と、下げられたブラジャー
とに挟まれることによって強調された乳房がにょきりと映っている。楽俊はたまらず背後から
揉み上げ、さらに乳首周辺を様々に刺激してやった。このような乳房にはあまりにもお似合い
な光景だ。手の動きにつれ乳房は形を変え乳首も形を変えたり位置を変えたり…。
揉み続けられるうち祥瓊は公主たる自分の体がもうどうしようもない感覚に支配されるのを
感じていた。声が泊まらない。息が上がる。体が悶える。
そのうちやっと乳房が自由になったと思うと手は下のほうへ下がってきた。体をよじって避
けようとするが愛撫は止まらない。このままでは手は下がり続け、最も敏感な部分を触られて
しまうのも時間の問題である。
「それだけはっ…! 触らないでぇっ」
しかし指はそこに到達した。
「んっ!」
そこをまさぐられ祥瓊は尻をもじもじとうごめかす。
「お願い…私は公主として崇められ大切に…扱われてきたの。こんなふうにされていいわけは
…ああぅっ!」
少し攻撃が止んだ間に喋りかけると、最大限の快感を与えられてしまった。
とうとう楽俊は祥瓊を黒のTバックパンティー一枚のみの姿にしてしまった。
その後部の紐と祥瓊の体との間に指を入れキュッっと上に引く。
「あう!」
パンティーは祥瓊の体に食い込む。
「お願い! ゆるめてっ」
ぎりぎりと食い込み続ける。
「いやっ…」
「今どうなってるか言ってみねえか? 役所に突き出されたくないんだろ? 元公主」
「あ…あっ…」
「言えないか?」
「んっ…言うわ…あっ…く…食い込んで…あン、手を離してぇっ!」
言葉による責めにも卓越してきた楽俊である。
その後、楽俊は前方に回り、乳首を口で責め立てる。唇が歯が舌が、きつくゆるく自在に刺
激を加え祥瓊はこの世の終わりとばかりにもだえだ。
両の乳房が楽俊の手で中央のほうへ寄せられる。きゅっと力を入れると左右の乳首がひっつ
くぐらいの近さになる。それを楽俊は一度に口に入れしゃぶり吸い上げた。あまりのことに
祥瓊は思わず脚に力が入り美尻を緊張させる。
口と手が離れると急な斜面を描く乳房はぷるんとはじけて元の形に戻ろうとし、乳首は温か
い口から涼しい空気へと解放される。唾液で濡れた乳首には乳房がぷりんとはじけたときに
起こった空気の動きさえ敏感に捉える。
(全く見事な乳房だ…)
楽俊は感嘆する。技術の進んだ蓬莱ではこのような乳房の形を目指し整形手術なるものを受け
る者もいるという。だが、このお高くとまった元公主は生まれつきそれを持っているのだ。
次に楽俊が取り出したのは蓬莱製ポラロイドカメラであった。
「入ってこいよ」
部屋の外に向かい声をかけると宿の男が好色そうな表情で入ってくる。扉の外に控えていた
のだ。
「前に教えたようにこれで写真をとるんだ」
楽俊はそう指示をし、いよいよ本番行為に向かう構えを見せた。立った姿勢で愛撫を加える
光景を何枚か撮らせ、祥瓊に見せる。
「これなんだかわかるか」
「あ…なんなのっ! こ、これはっ…!」
「これを公表されたくなければ縛めを解かれても逃げようなどとしないことだ」
寝台に移された祥瓊は這って逃げる構えも見せるがもはや形だけだった。這う体勢のまま、
パンティーをはぎとられる。濡れすぎているのがばれてしまった。
そのままさらに乳房や尻を揉みしだかれ、仰向けにされさらに揉まれ、局部に顔を埋めこま
れ、今までで最大級の恥辱を受ける…。公主たる者の秘所が半獣ごときに舐め回され舌を入れ
られ…。自身はいつからか甘く切ない声を上げ…。
だが、それを最大級の恥辱と思ったのは間違いだった。祥瓊は半獣に獣のようなポーズをさ
せられてしまったのだ。そしてバックから激しく突かれまくる…祥瓊の処女は破られた。
(私は…公主なのにっ…)
そして楽俊の柳への研究旅行は終わった。祥瓊は雁に連れ帰られ、その後、性研究のモルモ
ットとして身を捧げた。この研究は実を結び、雁を始めとする諸国はその恩恵を受け人々は
性を充分に楽しみ充実しながらも性に溺れない毎日を送ることができるようになったのである。
いかにも賢明で研究熱心な楽俊の業績である。彼はその慎み深さをなげうって学問に見を捧げ
たのだ。遂には楽俊は雁大学の学長にまで昇りつめ人々の尊崇を一身に受けるようになった。
長らく研究に用いられた祥瓊は、その後建てられた性博物館に寄贈され、そこで飼育を受け、
来館者は彼女を好きに触ってよいこととされたため、来館者は列をなし途切れることはなかっ
たという。 (了)
終わりました。自己満足なこれに、どれくらい共感してもらえるか微妙です。
よければどなたか同じ設定で別バージョンとか続編風書いてくれたら最高
なんですが…そんな奇特な方はいないような気もhします…。
後半部もっとじっくりと読みたかったな
でもグッジョブ!
GJ!
でも、何かが職人さんの中で脳内消化されている気がしないでもない。
(イコール 読者に優しい文章じゃない)
ギャグなのかシリアスなのか、読んだ後に「?」が残るし。
偉そうに言っちゃったけど、これからも投下ヨロ。待ってるよ。
ブラにパンティーにモルモットとカタカナ連発されるとちょっと萎え。
蓬莱の衣装はどこで入手したんかね…延麒にもらったの?w
>同じ設定で別バージョンとか続編風書いてくれたら
という言葉に萎え。
>707
親切に評論してくれて、とっても萎えます。
712 :
ご注意:05/02/27 18:33:29 ID:6GIEbqW8
王様版の頑珠投下します。
第三者からみればロリコソですので、そんな頑丘がお嫌な方はスルーしてください。
互いに惹かれあっていた。それは知っていた。だというのに
言い訳を見つけては逃げてばかりで、彼女の心を認めるべき
唯一のものでありながら否定し続けてしまった。
その償いは、己の身体に彼女の存在を深く刻み付けること。
彼女の孤独の空虚を身を以って埋めること。
顔を傾け、深く口付ける。舌を差し入れれば細い肩が大きく
震えた。少し怯えているようだが、拒む様子は無い。今まで
ずっと触れ合うだけの口付けだったから差異に戸惑っている
のだろう。
絡ませ吸い上げ、後頭部を支えるように回した手を動かして
髪を撫でる弾みのように装って耳を擽る。
「んんっ…!」
即座に反応が返ってきて嬉しくなった頑丘は、飢えた獣のように
珠晶の呼吸を求め、唇を舐った。やっと我に返って解放したら、
軽い酸欠になってしまった彼女はくったりと
してしまっていた。
「わ…悪い。…大丈夫、か?」
震える指で懸命に彼の腕を掴み、零れた唾液で艶やかに光る半開き
の唇からは荒い呼吸と共にちらりと舌が覗く。思わず生唾を飲み
込んだ男の胸の内など知るはずも無い珠晶は、健気にも微笑んで
頷いた。
「だいじょう、ぶ、よ。…全然平気。っていうか、嬉しい」
「無理をするなよ」
「して無いから。大丈夫だってば」
こうなったら絶対に言うことを曲げないから、そうか、と言って
抱き上げて臥牀に運ぶ。
繊細な玉の細工を扱うように丁寧に降ろし、額と頬に口付けをして
目を覗き込んだ。
「どうする?」
卑怯臭いと思われるかもしれないが、彼女の体調や気持ちを何より
優先すべきだと思ったのだし、今更急ぐことはないとも思ったから。
珠晶は迷うことなく真っ直ぐに見つめ返してきた。
「これ以上、何を待つの?」
「辛いぞ」
「望むところよ。…お願い、離れたくないの」
頑丘はもう一度頬に口付け、『俺もだ』と囁いた。
時間をかけて丹念に触れていく。怖い思いだけは絶対にさせないように。
栄養が良かったのか、十二歳で成長が止まってしまった割には意外と
胸も膨らんでいる。そんなことを考えながら、唇より少し濃い色の
先端を舌で転がし弄る。微かな喘ぎが耳に悦くて、いつの間にか、
まるで十代の頃のように夢中で貪っていた。
愛撫が珠晶の躰の周囲を、螺旋を描くように降りていく。雄としての
彼はこんな風に触れるのかと、半ば意外な気持ちでそれを享受し、
少しずつそんなことを考える余裕も無くなってきているのを自覚する。
苦しくないのに、呼吸が浅く、荒くなっていく。
指が腰から外腿へと逸れた。
「ひゃ、ぁっ」
思わず声が出て、慌てて自分の口を塞いだ。彼が顔を上げ、
「塞ぐな」
と手を外してしまう。
「だって、声が」
「出るもんだろ」
事も無げに言われ、女心の分からない男にじれったくなって睨んだ。
「…何だ」
「――恥ずかしいのよっ」
「ああそうかい」
やはり一言で片付けられ、文句は口付けで塞がれた。そうして、愛撫が
再開された。
腿が擽られる。
声が、続けられる口付けの所為で余計にいやらしく響き、余計に興奮を
煽る。
「ん、ふぁっ…ひぁ、あ、ふ、はあ…」
刺激と酸欠とで頭の奥が痺れていく。それに呑まれてしまいそうで懸命に
縋りついた。
呼吸が解放されて、彼が指を数本まとめて咥えるのをぼんやり見上げる。
そして充分に唾液を絡ませた指が、珠晶の薄い肉で護られた場所へ触れる
のが分かってびくりと震えた。
「…怖いか」
気遣う問いに首を横に振る。もちろん頑丘もそんな嘘はお見通しの上で
「ちゃんと言えよ?」
今度は縦に。そうしたら額に軽く口付けをくれた。それだけで嬉しくて
泣きそうになってしまうのを片腕で抱き寄せられ、もう片方の手が珠晶の
肉を掻き分けるのを感じる。脚の間に頑丘の脚が割り込んで閉じられない
ようになっている。
外気がひやりと触れ、そして
「ひゃあん!」
濡れた指が触れる感触に体が跳ね、小さく悲鳴を上げてしまった。しかし
今度は頑丘も止まったりしない。人差し指と薬指で肉蓋を軽く拡げ、中指
をそっと秘裂にあてる。その冷たさが、刺激をより強く与える。
「ゆ…ゆ、び、冷た…っ」
「あ?―ああ、緊張してるからな」
「そう、なの?」
当たり前だ、と苦笑交じりに言われた。
「お前は熱いな」
何が、ときょとんとして一拍後に爆発するように真っ赤になった。それを
見た頑丘が噴き出す。くつくつと肩を震わせる男に文句を言うこともでき
ず悔しくて、掴んでいる腕を思い切り抓った。
中指が僅かに力を込め、切れ間に潜り込んできた。言った通りの熱い雫を
掬い取り、くちゅくちゅと周囲に広げる。掠れた悲鳴のような喘ぎも潤い
も涸れることはない。眉を寄せ、今にも泣きそうな顔がたまらなく可愛い
と思う。
やがて見つけた入り口に、指の先を侵入させる。また、細い躰が震えた。
「痛い?」
「ち…ちが…。な、んか、変な…」
これは嘘ではないようだ。初めてそこに異物が入ってきた違和感だろうか。
肩を抱く腕に力を込めなおし、なるべく彼女が安心できるようにして指の
先一寸ほどの出し入れを繰り返す。僅かずつ深く長くしていき、やがて
もう一本。節くれだった指を二本とも呑み込む頃には濡れた音も大きく
響くようになっていた。
「あんっ」
指が抜かれ、甘えた声が出た。瞼に口付けが降り、自分を抱き締めてくれ
ていた腕が抜かれる。何をするのかと彼を目で追えば頑丘は珠晶の脚の間
に移動して、両膝を?んで左右にゆっくりと押し開いていく。大きく両脚
を開かされ、彼が少し前に移動して、珠晶は固く目を瞑った。しかし膝裏
を抱えあげられ
「心配するな。まだだ」
「…え?」
問い返すのとほぼ同時に、先刻まで彼の指が入っていたところを濡れた
ものが触れる。
「ひぁっ!?」
陸に飛び出した魚のように上体が跳ねた。
「ひ、あっ、やぁん、あぁっ!」
「…怖いか?」
こくこくと頷いた。
「そうか……だが、傍に…ここに、ちゃんと居るからな」
「…うん」
その言葉が何より嬉しかったから、彼を信じて、されるがままになること
にする。
再び舌が這い回り始めた。それはとても優しく珠晶の性感を導いていく。
ゆっくりと昂らされた快感が珠晶を呑み込む。
「んあっ、は、あっ、や、なん、…くっ、る、ぅ…っ!!」
それを受けて再び芽を吸い上げた。
唾液と愛液で濡れそぼったそこに再度指を侵入させ、念入りに慣らす。
それでも不安が残るほど彼女の腰は細く、その身体は小さかった。
この期に及んでまた躊躇した彼に
「平気だから…だから……お願い…」
と、か細い声で言う。ねだるのがとてもはしたなく思えて恥ずかしくて、
不安で今度こそ泣いてしまいそうになった。
また抱き締められ、密着する。そこに何かが押し当てられ、押し込もうと
する。
「…イ…ッ!!」
漸く、彼がなぜそんなに躊躇していたのか理解した。無理だ、と
叫ぶことさえできないほどの明確な体格差。頑丘の肩に顔を強く押し
付けて耐えようと試みた。ボロボロと涙が溢れ、強く目を瞑る。
「…止めるか…?」
掠れた低い声が耳に届く。正直なところ、体が引き裂かれるのでは
ないかと恐ろしくて、今すぐ逃げ出したかった。しかし強く首を振り、
怖気づいた自分を追い払う。
今逃げても彼は決して珠晶を責めたりしないだろう。そして、もう二度と
触れないだろう。
それがわかったから、止められるのは嫌だと訴えた。
更に大きく押し開かれていく。痛みと圧迫感に呼吸が止まる度、彼は
動きを止めて珠晶の背を撫でて落ち着くまで待ってくれた。腕を回して
いる背中が汗ばんで、声にならない呻きが時折聞こえて
「痛い、の…?」
と尋ねた。
「は?」
「だ…って、辛そう」
何のことかわからなくて一瞬考え込んでしまう。わかって、呆れた。
「…お前、人のこと心配してる時か」
「だ、だってっ!」
「安心しろ。痛いとか辛いとかじゃない」
それから耳元に口を付け『気持ち悦いのを我慢しているんだ』と囁いた。
理解して、羞恥で物凄い顔になっているのを軽く笑う。
こんな、言ってしまえば『小娘』に本気で戯れたりしている自分が
可笑しくて仕方が無い。そしてそんな自分も悪くないと思ってしまう
あたり、まさに『付ける薬も無い』というのだろう。
ここまでしてしまったのならと、腹を据える。
「あと少しだから、我慢できるか?」
答えの代わりに柔らかな唇が触れた。
侵入される圧迫感に、違う感覚が混ざり始めた。痛みと似ているが、
違う。それを覚えるたびに、珠晶の秘所が戦慄く。段々と痛みがそれに
圧されていく。
(…あたし、おかしい?こんな、初めてで凄く痛いのに…)
深く長い溜息。全部入りきったのだろうか。正直これほどまでに痛くて
苦しいとは思っていなかったが、それが、彼が自分を欲しいと思って
くれた故にもたらされるものならば、
「―嬉しい」
そう呟くと、また
「無理するな」
髪をくしゃりと撫でられた。優しいその手が珠晶の快感を刺激する。
「――くっ…」
大きく蠢いた肉壷に、彼は思わず呻く。
「――お、前、不意打ち、は…っ」
言ったところでどうしろと言うのか。分かっているが言わずにおれない、
快楽の苦役。
「だ、だいじょ…ぶ?」
まずい、と思った。その顔は、まずい。
不安で泣きそうで、それでも堪えようとする、その健気でいじらしい顔。
いつもの小憎たらしさも小賢しさも影を潜めている。
泣かせたい。目茶苦茶に突き上げて揺さぶって、壊してしまいたい。
頭の後ろの方で、獣が目覚める。
「珠、晶……」
オスという獣と、人としての理性のギリギリの拮抗。
「う…動くが、…我慢、できる、か?」
「あ―――、う、ん…平、気…ンぅ」
最後まで待てず唇を奪う。丹田に力を込めて、口付けたままゆっくりと
動き出した。
一旦退いて引き返すときの抵抗感が背筋を泡立てる。
「――ふ、んぅ、あ、ぅあ…」
か細い声がひっきりなしに零れる。ほんの少しずつ、そこが絡みつき
始める。呼吸を解放してやれば、閉じることを忘れた唇が舌足らずに
彼の名を呼ぶ。雨のように降らせる口付けで応える。
肌が汗ばみ、溶けてしまいそうなほど交わる。
「んっ、あ…ん、ぁ、やっ、んんっ…ふ、あぁ…」
甘い喘ぎが耳を犯していく。彼女が感じていることは明白で、それが
何より嬉しい。
どんどん溢れ出す潤いで、結合部は熱く濡れそぼつ。それが肌をより
敏感にし、より密着させていく。
「あんっ、あ、ああっ、や、ぁ、や、あ、あ、あっ」
激しく動いても、もう痛む様子は見受けられない。今は快楽に追われ
翻弄されることしかできないらしい、その泣きそうな顔が愛しくて
たまらない。もっと、乱したい。
自分の悦さより、彼女が反応する場所を重点的に攻めていく。肩口に
爪が食い込んだ。何かから逃れようとするかのように首を振り腰を
引くのを許さず引き寄せ、深く打ち付ける。
嬌声が段々と切羽詰ってきた。縋り付いてくる躰を受け止め、背筋を
撫でる。
揺さぶられるたびに抑えられない嬌声が響いた。啼きながら、迫り
来る高みに恐怖する。宥めようとして触れる温もりが、逆に珠晶を
そちらへと押し出す。
「ひあ、あ、は、あ、…あああっ…!」
快楽が弾け、一拍遅れて全身が反り返った。それからまた一拍置いて
喉が物を飲み込む時のように、そこが大きく蠕動した。
腹の中でなにかが迸り当たる感覚を朦朧とした意識の端で覚えた。
思い出したように繰り返す痙攣と共に力の抜けた躰。腕が、縋り付いて
いた彼の肩からぽとりと落ちる。全身が上手く動かせず、絶頂の余韻に
震えることしかできない。
頑丘が身を震わせ、溜めていた息を吐いた。そうして珠晶の上にくずおれる。
心地よい重みと体温、そして荒い呼吸のを繰り返す胸の動きが直接感じ
られて、何故だか胸が詰まって涙が零れた。
綺麗に拭ってくれ、ねだる度に口付けもくれた。袍子を着なおして、臥牀に
沈む珠晶の傍らに腰を下ろす彼。艶やかな長い髪を撫でる、無骨な手。
「――――明日、発つ」
ぽつりと告げた。人でなしな行いだと分かっていた。その責めを甘んじて
受けようと思っていたのに、珠晶は
「そう」
とだけ返す。たった一言の返事に、自虐などお見通しだという揶揄が隠れて
いるような気がした。頭のいい女だと思う。いい女だと。
「見送りは要らんから、お前は休んでいろ」
「…気をつけてね」
互いにそれから何も言わず、ただ手を繋いでいた。やがて穏やかな寝息が
聞こえてきて、そっと手を放す。窓から差し込む幽かな光に彼女の目元が
煌いた。顔を寄せてその雫を拭い、静かにその場を後にした。
以上です。お目汚し失礼しました。
遅レスですが>695-705さんGJです
712さん、乙です、GJです。
珠晶が常になく、いじらしくていいですねぇ。
このスレのお陰で、珠晶に対して「普段は名実共に女王様だけど、
ことに及ぶ時には少女らしい可愛らしさ炸裂」ってイメージが
定着してしまいました。
頑×珠もいいなぁ、と認識。ごちそうさまでした。
ウホッ。不遇の日々が嘘のように連日のウプ。
が、如何せん、神の降臨には程遠いんだよ。
このスレの住人はちっとやそっとの作品じゃあ我慢できねぇ。
>>696>>713、GJだが、藻前さん達の作品は登場人物を他の名前に置き換えても
何となく通じちゃうような感じがしていけねえ。ここのスレは甘くねえってこった。
忌憚ない意見を吐くのがここのスレの美徳だと思ってたんだが、どーよ、住人さんよ?(涙目)
余計なお世話だ
いやいや、723さんGJ!
頑珠悪くないねぇ・・・・寧ろ好きになったかもな
その調子で利珠も激しくキボン ハアハア
>>725 藻前さんが、神となりまず手本を見せればいいのだ!
がんがれ
「じゃあ、お前が書けよ」ってのも
「こんなんじゃ駄目駄目。神降臨キボンヌ」のレス、どっちもどーでもいいよお。
素直に投下を喜ぼうぜ。子供じゃないんだからさ、気に入らなければスルーすれば
いいんじゃないの?ここ何ヶ月か過疎スレってたんだから、喜ぼうぜ。
もう、投下しづらいよ、こんな雰囲気ぢゃ。
柳国の者です。感想いろいろありがとうございます。
>>706 後半端折ってしまいました。もう少し時間かけて最後までしっかり書くよう
心がけたいです。
>>707 ギャグもシリアスもと欲張り過ぎました…。次回はギャグで書きたいです。
>>708 便宜上…。乳帯でもぶらじゃーでも何か変だし。
>>709 劉王・劉麒・三公が輸入するか触で大量に流すかしてると思います。
エロは柳国の名物なので。値段は高い気がする。
>>710 「堕ちていく高慢女」を違う人の発想で読みたい。
>>711 親切に評論を評論してくれた評論ですね。
>>723 ありがとうございます。723様GJです!
>>725 正直なご意見ためになります。十二国記らしい作品ということなら
珍満が印象に残ってます。脳内でアニメ化して珍満が何もない地面から
ズサッっと登場するシーンとか陽子の背中にヒョロシュ〜と吸い込まれ
るシーンを楽しんでいます。
>>726 題材がセックルや恋愛だとどうしても普遍的な面が出てくるかと。
エロパロに限らず商業ベースの作品でも。別に誰が何を言おうと個人的
に楽しめればOKというのは同意です。
ありがとうございました。
ヘタレの全レス(゚Д゚)ウゼェェェ
新規さんが増えたのは嬉しいけど、何となく2ch初心者なのかなという気がする。
若い感じがするというか。とにかく活気づいてきたのはうれすい
でも見てる側の人も大人なんだからさ、煽るようなコメント止めとこうよ。
ここは文章力向上スレじゃないんだし、下手すりゃ中傷すれすれになるし
>>713-722氏に関しては
GJ! に
できればタイトルをつけて頂きたいというのと
できれば通し番号をつけて頂きたいというのを
読み手の甘えとしてつけ加える。
もしかして以前投下してくれていたif書きさん?
おはようございます。
お褒めのお言葉、厳しいご指摘ありがとうございました。
他の方の降臨を楽しみに待ちつつ精進したいです。
>732さん
その節は見苦しいところをお見せしました…。
あと、言い訳を。
書いていたらやたら長くなって、改行数がいくつまでOKなのか
わからなかったもので、通し番号を怠りました。すみません。
まさかとは思ったがif 書きさんだったのか。
自分if書きさんの作品好きだから、また投下してくれて嬉しい限りだ。
王様バージョンの頑珠も激しくGJです!
if書き氏、元気になって良かったね
ありがとうございます。・゚・(ノД`)・゚・。
若さに頼って、おかげ様で回復できました。
それでは雲海に潜って来ます。レス消費、すみませんでした。
712-723様、スレ消費なぞ戯言を!!
あなた様の作品、堪能しました。エロくていいっすねぇ。
触発されたので、これこそスレ消費の拙品をば。
私は慶国台輔景麒。
あまりのイケメンぶりに前王は私に恋慕し、しまいには禅譲する始末。美しさは罪だ。
今日も女官達が熱い視線を私に送る。それに気付いた主上が軽く私の裾を引っ張り、
口を尖らせる。可愛い方だ。前王に比べて、いささか女らしさには欠けるが。だが、
その男っぽいとも言える、ぶっきらぼうな言動とは裏腹に、簡素な袍の下からも判る
柔らかな体の曲線。夏物の一重の袍の下に眠る熟しかけた女体が、陽の光に透けて
私をそそる。思わず三歩下がって、その様子を眺める。
ふっ、初心な方だ。私の熱い視線に気付いて、赤面してすたすたと早足で逃げて
しまわれる。
「そろそろ夜這をかけるか・・・」
ふっふっふっと景麒があやしく笑った。
私は景王中嶋陽子。
まだまだ安寧には程遠い慶国を統べるのに、学ぶ事ばかりの毎日だ。
だが官吏の整理も順調だし、なかなか良い調子で基盤を築き始めているのではないかと思う。
だが、問題がない訳ではない。
今日も景麒がにやにやと女官にいやらしく秋波を送っている。
見かねて、裾を引っ張って睨みつける。振り返った景麒の瞳はぎらぎらと脂ぎっていて、思わず、
後じさってしまう。今にもその手がうねうねと自分の袍の合わせ目に伸びてきそうな気がして、
刺激を与えぬよう、駆け出さずに早足でその場から逃げ出す。
いつまでこんな変態麒麟に我慢しなくてはならないんだろう。いつまで、って私が死ぬまでか。
ああ。
先日も、耐えかねた祥瓊が・・・
「陽子、もういい加減我慢出来ないわっ!あのいやらしい舐めるような目つきっ。この前は奚が
お尻を撫でられたって私に泣きついてきたのよっ」
祥瓊は口から火でも吹きだしそうな勢いで陽子に詰め寄る。
「そうは言っても・・・」
相手は台輔だし、一応、麒麟だし・・・と、もごもごと言う陽子を前にし、祥瓊は床をだんだんと
踏みつけて主張する。
「台輔だろうが、麒麟だろうが、して良い事と悪い事があるのよっ!!この前なんて、
この前なんてね、わ・・・私の前で――」
「しょ、祥瓊の前で?」
ほとんど顔面を蒼白にして、祥瓊はその美しい顔(かんばせ)を陽子の顔面1ミリのところまで接近
させた。
「て・・・・て・・・」
「て?」
陽子が首を傾げると同時に祥瓊は絶叫した。
「転変したのよーーーっ!!麒麟から人型へーーっ!判る?判る、陽子?つまり、全裸、素っ裸、
まっぱを私に見せつけたのよーーーーっ!!」
美しい喉を仰け反らせ、祥瓊が叫んだ。
陽子は祥瓊の告白に思わず絶句した。景麒がした暴挙はもとより、普段は誰よりも
女らしく雅びな祥瓊の口から「まっぱ」というあけすけな言葉が出たことに、ただただ
茫然とする。
「判った・・・景麒には、きつく注意しておく」
とだけ言うと、陽子は俯いてとぼとぼと歩き始めた。
祥瓊はその寂しげな陽子の後姿を眺めて溜め息を吐く。
「全く、どうして陽子だけがあんな変態麒麟をあてがわれなきゃいけないのかしら!
延台輔、戴台輔、氾台輔に廉台輔。みんな、素晴らしい麒麟達なのに。ああ、それより
陽子よ。思いつめて自分を犠牲にするような行動に出なきゃいいけど・・・そう、犠牲に・・・」
はっ、と思いついたように祥瓊は顔を上げると、すたすたとあちらの方向へと
走って行った――
陽子は迷っていた。
どのように切り出そうかと。あけすけに注意したら、矜持「だけ」は高い景麒の事、
逆上して何をやらかすか知れない。かと言って、柔らかに言っても超絶的に鈍い景麒には
伝わらないだろう。
「ええい、案ずるより何とやら―――」
陽子は景麒の部屋の扉を開けた。
開けると、榻でうつらうつらとしている麒麟の姿。眠っているその神獣の姿は、神々しく、
とても昼間にあのようなオイリーな視線を女たちに送っていた人と同一人物とは思えない。
陽子は軽く景麒の額に手をあてる。
「うう・・・ん」
景麒が軽く寝返りを打つ。
「景麒、風邪を引くぞ。眠るなら牀榻へ移れ」
陽子の母性本能がその寄るべない景麒の様子に刺激される。景麒がその瞳をうっすらと
開けた。
「眠くて・・・動けま・・・しぇん。御手をお貸し頂けるか?」
「仕方のない奴だ」
溜め息を吐き、陽子はその手を景麒に伸ばした。
景麒は陽子が己の寝所に近づいてきているのを気付いていた。腐っても麒麟。王気くらい
はどれほど離れていても判る。準備万端、己の主上がもっとも弱いところ――母性本能――
をくすぐろうと、わざと薄物一枚で稚く(いとけなく)榻に横たわる。
扉が開かれると、陽子の袍にたきしめられた香のかおりが景麒の鼻をくすぐる。衣擦れの
音をさせながら、まっすぐに陽子が自分に近づいてくる。ほっそりとした腕が自分に
伸びる。景麒は思わず堅くなりそうな一物を押さえた。
「景麒、風邪を引くぞ」
(くわぁあーーーっ、か、可愛いっ!熟女もいいが、やはり私にはこれくらい可愛らしい
処女がツボだっ!)
ドクンドクンと一物に血が集中し、「勃起!勃起!」と叫んでいる。景麒はぎゅうぅと
押さえて何とかそれを鎮めた。
薄目を開けて見上げると、己の主上が心配げに自分を見つめている。
「動けましぇん」
思わず、言葉が幼児プレイになる景麒。
「仕方のない奴だな」
甘やかに笑って陽子は景麒の腕を取った。
「動けましぇん」
先ほど感じた神聖な麒麟の姿は何処へやら、そのいやらしい媚びた声に陽子はひたすら
鬱になる。
「仕方のない奴だ」
形ばかりに引きつった笑みを作ると、陽子は乱暴に景麒の腕を取った。
(いいか、陽子。これは麒麟だ、お前の片割れだ・・・だから、上手く説明するぞ・・・
「皆が御前に迷惑している」。違う違う、そうじゃないっ。ああ、何と云えばこいつを
傷つけず、真実を伝えられるのだ・・・)
陽子は、自分の不遇さにほとんど涙目になって景麒の腕をひっぱり、いささか乱暴に
彼の体を牀榻に下ろした。どさっ、と音がする。自分の乱暴な行為に一抹の後悔が襲うが、
ぎらぎらとした景麒の瞳を見つめていると、その罪悪感もあっと言う間に消え失せる。
「景麒、景麒」
陽子は悲しくなって呟いた。
「もう・・・どうしたら良いのか私には判らぬ」
(「お前のそのいやらしい目、その下卑た言葉が吐かれる口。お前の衝動をどのように鎮め、
この王宮の女たちを守ったらいいのか私にはもう判らぬ。ああ、私の不甲斐なさが、力の
無さが口惜しい――私は愚かだ―――」)
陽子は絶望感に襲われ、涙を堪えその場を立ち去ろうとする。
「景麒、景麒」
頬を薔薇色に染めて、主上がうっとりと己を見つめて囁く。
「もう・・・どうしたら良いのか私には判らぬ」
涙を浮かべ、恍惚の表情を浮かべる陽子を見て、景麒はほとんど有頂天になった。
(主上!そんな切ない顔をされて!あー、もう駄目駄目駄目!やっちゃうよ、
やっちゃうよ、やっちゃうよ?)
立ち去ろうとするよ陽子の腕を取り、景麒は待ってましたと言わんばかりに、
自分の下に組み敷いた。
「主上・・・私に任せてください。何も、考える必要はございません」
ふっふっ、と景麒の口から涎が止めもなく流れる。
陽子は自分が自国の台輔下に組み敷かれているのも忘れ、ただ、その獰猛な光を放つ獣の
瞳の下で体を凍らせた。
(「そうか・・・私が犠牲になれば良い・・・のか。私の身一つで、金波宮が平和になるの
であれば――いや、この国が平和になるのであれば――」)
陽子はあきらめたように力を抜いた。
「景麒、景気。聴こえているか?私を誰だと心得る?景王だ。慶東国の王だ―――
お前が何を奪おうとも、私の心の矜持だけは――」
その唇は荒々しい景麒の接吻に塞がれた。
初心な主上は接吻の仕方も知らぬと見え、ただ己に身を任している。その瞼は堅く閉じ、
美しい若草色の瞳は今は見えない。体が震えるごとに、まだ青い果実の匂いがふくふく
と誘うように発せられる。
高熱におかされた病人のように、ぐったりと柔らかな陽子の体に景麒の一物はギンギン
にそそり立つ。
(「いいよー、いいよー、そういう脱力系もかなりそそるよーっ!もうっ、この天性の媚態、
堪らんっ。主上、全部、丸ごと、上から下まで、表から裏まで私に任せて下さいーーーっ!」)
景麒は自分の着物をがば、と取り払い全裸になると、発情期の動物のように己の
そそり立った熱い一物をぐいぐいと陽子に押し付けた。
その、時――――
「漢・陽子」をしばらく書いていたので、初心な陽子さんを書きたくなりまして(汗)
古参の方、新人さん方々、この板は本当にすさまじい職人さん方がいっぱいで
自分なんて投下するのにいつまでたってもドキドキです。
明日、また続きを投下させてください。お口汚し、失礼つかまつります・・・叩頭。
な、生殺し・・・
>>748様。
す・・・スンマソン。
当方、早漏気味でして、推敲に時間をかけようかと。
ええいっ、技量より勢いだぁっ。続き投下させてもらいやすっ。御免っ!!
ええええッ!?
そこで止めますか職人様!!
大きな音を立てて、扉が開いた。
陽子は、はっと目を見開きそちらの方向に視線を走らせた。
「陽子――」
顔面蒼白な祥瓊が、あんぐりと口を開けている桓たいとともに戸口に立っている。
「ぶ、無礼者っ!ここを何処と心得るっ!このような深夜に、先触れも無しに私の部屋
に訪れて良いと思っているのかぁっ!!」
くわっと目を見開き、はぁはぁと、威厳の一欠けらもなく全裸で怒鳴り散らす景麒。
その身体の真ん中にそそり立つものにちらりと目を走らせ、祥瓊は慇懃に跪いて礼をする。
「非礼な行動とは重々承知。景王にぜひとも奏上致したい火急の儀があり参上した次第
でございます」
桓たいが同じく、ちらりと景麒の一物に目を走らせ膝を折る。
「このような時刻、かような訪問が条理を外れた振るまいと言う事はもとより
承知しております。ただ、祥瓊――女史が申しております通り、火急の儀でありまして」
二人の視線がひたと景麒の一物に注がれる。
景麒はようやく己のあられもない姿に気付いたように、着物をまとって立ち上がる。
「火急の儀、火急の儀と阿呆みたいに繰り返しよって!そのような緊急の奏上、
ぜひとも聞きたいものだぁっっっ!!」
般若のように絶叫する、(一応)仁の獣、景麒。
桓たいがしらっと慇懃に対応する。
ワラ。あなたのテンポというかノリが好きです。
続きお待ちしてます。
「台輔にお聞かせするのは・・・その、いささか、生臭な話しでございまして」
興奮している景麒の鼻に、ぷぅんと吐き気をもよおす匂いがようやく伝わる。
「血――」
見ると、桓たいの着物の袖にうっすらと赤黒い染み。
「うげっ!」
景麒が牀榻に転がり込んで敷布にくるまる。
「くっせーーーっ。お、お前等、出てけ、出てけっ!この神聖な場所からとっとと
立ち去れぇーーーっ!!くっせぇーーーっ!!」
こめかみに青筋を浮かべ、景麒が絶叫する。
陽子は祥瓊に手を取られ、牀榻を後にした。
景麒は鼻に敷布をあてがったまま、はぁはぁと深夜の侵入者を睨みつける。二人は
陽子を抱えるように、そのかぼそい肩を抱きながら扉をゆっくりと閉じた。
くす、と祥瓊が扉を閉める瞬間景麒を見つめ、ふっと目を逸らすと笑った。
「―――意外と、お小さいのね」
桓たいもほんのコンマ一秒景麒の身体の中心にに視線を走らせ、目を逸らして笑う。
「こら、祥瓊。不敬な事を。だが―――確かに。小さいな・・・台輔の――」
くっくっと桓たいが笑う。祥瓊がそれを諌めるかのように止めを指す。
「桓たい、不敬よ。いくら仮性だからって――」
ばたん、と扉が閉まった。
景麒の耳にぐゎんぐゎんと祥瓊と桓たいのフレーズが駆け巡る。
(「意外と――」)
(「お小さいのね――」)
(「確かに――」)
「「小さいな・・」」
(「仮性だからって」)
小さい、小さい、小さい、仮性、仮性、仮性――――
「『小さい』だとーーーーーっ!!??『仮性』だとーーーーっ!!??」
景麒の高い矜持は、祥瓊・桓たい両タッグのカウンターを喰らい、興奮のあまり、崩れ落ちた。
昏倒。
そして、暗転――
「祥瓊、祥瓊」
自分の裾をひっぱる祥瓊をとどめて、陽子が問い掛ける。
「もしかして―――いや、もしかしくなくても、お前達、助けてくれたんだな?」
ふふふ、と祥瓊は桓たいと視線を交差させる。
「助けた、って・・・何の事かしらねぇ、桓たい?私たち、火急の用件があったのよね?」
「そうだ、祥瓊の言う通り。もう、これは急ぎで主上に伝えねば、と」
くすくすと笑う祥瓊と桓たい。
そんな二人を訝しげに見詰める、陽子。
と、陽子が桓たいの着物の裾に広がる血色の染みに気付いて眉を顰める。
「何が――あった。また、謀反か」
諦めたように、陽子がその美しい瞳を曇らせる。
祥瓊と桓たいは視線を合わせると爆笑した。
「何だ、お前達。笑い事ではないであろう。桓たい、申してみよ」
陽子は生真面目に桓たいに詰め寄る。
「いやぁ、主上。謀反なぞ・・・ただ今、金波宮には『一匹』を除いて、主上に危害を
加えようとする不遜な輩は存在しませんから」
くっくっと面白げに祥瓊が笑う。
「陽子、陽子。延王から、この世の三大美味と謳われる雁国の六太鶏が――」
「『ろくたどり』ぃぃぃぃ?」
陽子が目を丸くする。
「そう、六太鶏。その肉を味わう事、夢のごとし。味わったが最後、それ以降に喰らう
肉は地獄の如し、って言うくらい美味な鶏が――」
桓たいが後を引き取る。
「――送られてきてな。先ほど、俺が絞(し)めた。新鮮なうちに味わって頂きたく、
鈴が塩で味付けてる筈だ。いやはや、匂いだけでも飯の一合は食べられる程の――」
「桓たい、さっき摘み食いしたでしょ!主上を前に何て不遜なっ!」
「イタタタツ!耳を掴むな、祥瓊っ!感じてしまうではないかっ・・・いや、そうでは
なく、摘み食いなぞ・・・。はっ、毒見の事か?いやはや、手羽のところが何とも・・・」
にやにやと桓たいが顔をゆるます。
「ほらぁ、やっぱり食べてるじゃない!」
甘い声で祥瓊が桓たいを叱る。
陽子は呆気に取られた様子で二人のじゃれ合う様子を眺めると、くつくつと笑った。
そうして、二人に抱きついた。
「祥瓊、桓たい――有難う」
景麒の獣の匂いを振り払うように、陽子はぎゅうと清らかな二人に抱きつく。
祥瓊と桓たいは、目を合わせて、ふっ、と微笑む。
「矜持だけは」
祥瓊が言う。
「お高い台輔のこと」
桓たいが続ける。
陽子は笑った。
「―――しらばくは大人しくするだろう、景麒の奴」
「だって」
祥瓊は呟く。
「『おちいさくて』」
桓たいが続ける
「『仮性の』」
三人の朗らかな笑い声が金波宮に響き渡る。
陽子は胸の奥で、微笑む延王の姿を思い浮かべ、今宵の悪夢を追い払った。
(「延王、延王、聴こえてますか――貴方は、又も間接的であれ、私をお救いくださった・・・」)
陽子はほろりと涙を流した。
そして、景麒。
後日、景麒は蓬山に飛んだと言う―――
カップリングが何か書いてくれないかな。
「お見捨てにならないで下さい」
景麒の声に、王母の眉だけがぴくりと動いた。
「私には大きく、長い、そして剥けた一物が必要です」
「皮を取り除いても、何ができるようになる訳でもない。――お前、その身体で女を喜ばせ
ることが出来るかえ」
情感もなく言われ、景麒は一物を握り締めた。
「それでも―――必要なのです」
「何のために?」
問われて、景麒ははっと言葉に詰まった。
「それは・・・それが当然だからです」
「当然とは?」
景麒を勃起しかけ、そして萎えた。そもそも自分は、何故こうまでして極太長大皮剥けに
なりたいと思っているのであろう?
「・・・分かりません」
「ただただ嫌じゃと駄々を捏ねる童のようじゃの」
なぜなのだろう?景麒は考え、ふと口を突いて出てきたのは、景麒自身にとっても意外な
言葉だった。
「なぜなら、もしも己が勃起しないなら、それは私のせいだからです」
「――お前の?」
「うまく言えましぇん。そういう気がするのです」
王母はやはり言葉もなかった。いかなる表情もなく、じっと双眸を何もない宙に据えて
いる。やがて彼女は景麒の方へ視線をやった。
「・・・皮は取り去ろう。それ以上のことは、いまはならぬ」
彼女は言って、機械的な動作で景麒のそれをしごいた。
「逝け。そして、戻るがいい」
逝った途端、轟音を立てて、景麒の精液が玉座の前に流れ落ちてきた。
その後、景麒のナニがどうなったのかは常世には伝わっていない――
<とりあえず了>
GJ!!ハゲワロタw
王母様、触ったら汚いよ!
761 :
737:05/03/01 00:41:45 ID:UCeusTO+
>>758様
すいません、御覧の通りアホ話しなので特にカップリングとかは無いのです。
「漢な陽子」さんの裏の話し、ヨタ話しくらいに流し読みしておいてください。
お粗末様です、ホント。すいません。読んでくださった方、貴重なお時間を有難うございます。
gj!
ワロタ。けいきのかんちがいっぷりすごく(・∀・)イイ!!
景麒→陽子メインギャグ微エロとか表記してほしいということなのでは。
私は景麒→陽子好きだから平気だったけど
,! \
,!\ ! \ ふぅ……
i \ l \,,..__
,i′ ,\___,,--―l \::゙'冖ーi、、
i :;\::::::::::..l `'‐、、
/__,..;:r---―-、,..__. ,;'il:;} .;:::`L__
,.:f''""゙゙゙´ 、 ̄ヽ,// ...::::::l;;;:;;::::
_/ ...... 、 \//、 ::::::::リ;;:::::::::....
// ......:;::::::::::::. ヽ、\ ゙ヽ ヘ ● ....:::::::::i';;;;::::::::::::
;;/ ::::::::::::;;;;;ノ ̄\:: 〉 〉゙'、 `ヽ_ノ ......:::::::.;;;:ノ:;;;:::::::::::::
/ ..::::、__;;ノ;;;`ヽ_/: / /⌒)メ、_ノ/ .....:::::;;;/;;;:::::;;:::::::::
..:::イ;;.ヽ::;;;;;;;;;(__ノ /'"..:::::::::::::/ ...............:::::::::::;;;,;ノ;;::::::::::::::::
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〃⌒ヽ、
〃ノ人ヽヽ <私のものがあまりに立派だと民が劣等感に
ノ(´<_`从リ さいなまれてしまうので、あえて程ほどにしているのです。
}/ ハ { 短小包茎の民が憐れなのです。
∪ ∪リ
| (u)|
U ..U
青白いヤツがよく言うぜ
>>739-759 あなたさ、私の好きな景麒をよくもそこまで落としてくれたわね…
でも。
駄目だっ。笑ってしまう自分が憎い。キーボードが噴き出した赤ワインで汚れたわよっ。
ズバリ言うわよ。
「あんた、阿呆だぁ」
これからも、投下ヨロシク…、
く、悔しいorz。
769 :
名無しさん@ピンキー:05/03/03 14:23:51 ID:Krx6QA1U
あが
破瓜の出血でも麒麟はダメダメでつか?(w
じゃないの?鼻血でも怪我の出血でもソレでも血には変わりはないから。
しかし陽子タンと景麒の場合、
陽子タン処女→景麒血に弱い→でも穢れの血じゃないから景麒の変態パワーで無問題
がこのスレではデフォです。
「『か、仮性』だとーーーっ!!??」
景麒は絶叫して、がばと起き上がった。
「は・・・ゆ、夢か」
そして敷布を払うと、朝日の下、美しく屹立している己の一物に目をやり、宝物でも愛で
るようにそっと触った。
「く・・・く・・・くっ・・・」
景麒の口から苦しげな息が漏れる。と、景麒は発作でも起こしたかのように、背を大きく
反らして叫んだ。
「くわぁーはっはっはっ!!愚民ども、見たいか、見たいか、見たいかっ!?見たいよな、
見たいよな、見たいと言えぇぇぇっ!見ろ、この漢らしい皮剥けチンコをーーーっ!!」
景麒は牀榻からすっくと飛び降りると腰を突き出し、ふるふるとチンコを振った。
「ふっふっふっ・・・今なら、このチンコで人をもばっさり斬れるっ!!」
朝からハイパーモードな高血圧景麒。塩辛いもの食べ過ぎ。そろそろ成人病検診の年頃。
「・・・と言う事で、やはり秋宮が言う通りだ。残念だが、・・・は刑場へ引き渡すしか
ない、と私は思う」
「ご武断ですな、いつもながら。迷う事もないと見える」
官吏の一人が嘲笑を隠そうともせず、吐き捨てるように言った。
先王の許で専横を欲しいままにしてきた賊臣達を、躊躇もせず刑場へと送りこむ陽子に
官吏たちは冷たい目を向けていた。
いつかは自分達の番が来るのではないか――という恐れをごまかすかのように、古参の
官吏達はひたす己の王が暗愚であるという考えに固執し、己の矜持を保っていた。
(「小娘の癖に――何をお前は判っていると言うんだ?」)
言葉には発せられないが、その表情には陽子への反感がありありと表れている。
陽子は人の命を奪う意味を誰よりも知っていた。罪人の骸を埋める為の穴を、夜更けに
眺めに行き、涙に暮れた事は一度や二度ではない。土が新しく盛られた荒地に、誰が
花を手向けているのか――知る者はこの場には誰もいないだけ。
凍りつくような冷たい空気の中、朝議が終わり、官吏達が溜め息を付きながら席を立つ中、
陽子はじっと席に座って体を強張らせていた。
「――主上」
低く響く声が陽子の面を上げさせる。
「心を鬼にして裁けば人非人かのように言われ、そうでなければ手ぬるいと言われる。
主上、何をしていても王とは常に非難の的に――」
浩瀚はそこまで言葉を継ぐと、陽子の瞳に浮かんだ柔らかな光に沈黙した。
(いいんだ、浩瀚。判っているー―)
浩瀚は、最前の己の言葉がまるで小さい少女に対するもののようだった事に気付き、
深く恥じ入った。
「僭越でした。ご無礼を――」
「浩瀚、浩瀚」
陽子が柔らかに微笑む。
「有難う」
浩瀚は思わず笑みをこぼさずにはいられない――心が熱くなる。
(ああ、この方は決して小さい少女なぞではないのだ。誰よりもこの国を憂え、救おう
となさっている。何者にもかえがたい、ただ一人の王なのだ――)
浩瀚は深い敬慕に叩頭したい衝動を堪えつつ、深く礼をするとその場を後にした。
陽子は変わらず、冷たい空気の残る部屋に座り込んでいた。
その肩に軽く触れる冷たい手――
「主上」
背後に気配を殺して、朝議の間ずっと無言で居たのであろう――振り返ると景麒が己を
心配げに見つめている。
「景麒。すまぬな、お前がまだ居たとは気付かなかった。ずっと――」
「ずっと――?」
景麒が深い紫色の瞳を煙らせて陽子を見つめる。
「ずっと、そうして見守っていたか、至らぬ主を」
苦笑する陽子をかろく見つめ、景麒は小声で呟いた。
「至らないのは、私でございましょう。そう、おっしゃらないで下さい」
陽子はたった一人で、この冷たい場所に居たのではないという事に気付き、そっと景麒
の手を握る。
「お前には、いつまで経っても苦労をかける」
陽子は悲しげに笑った。
景麒は朝議の間中、きょろきょろと官吏達を見回していた。
たっぷりとした重ねの着物の上からは、男たちがどのような一物をぶら下げているのか
判りようもない。
(ったく、使えねぇ奴に限って厚着しやがって!お前等みたいな底辺の人間はまっぱで
来いよ、まっぱで!その粗チンが恥ずかしいのは判るけどよっ。おい。おい、お前だよ、
浩瀚。訳知り顔で主上を見つめてこくこく頷いてるんじゃねぇっ!何だ、そのうなづきは?
イク寸前なのか?イク寸前、お前はそうやって阿呆みたいに首をカクカクさせんのかっ?
このムッツリめっ!どうせ、皮も剥けてねぇんだろーが、けけけっ。それに引きかえ俺の
チンコは――)
景麒は己の一物を握り締め、誇らしくてたまらないかのようにそっと擦る。
(おっとっと、いけねぇ、いけねぇ。皮が剥けたら感じやすくなっちまったのか、すぐ
スタンダップしようとするからな、俺の息子は。くっくっくっ、いつ主上にお披露目
するか――)
己の肉棒を驚愕と恍惚の表情で見つめている主を想像して、景麒はにやにやと笑った。
暴走シベリア特急レベルの妄想から冷めると、室には自分と陽子だけなのに遅まきながら
景麒は気付いた。
チャンスとばかりに景麒は陽子の肩に手を伸ばした。
「主上――」
「ずっと、そうして見守っていたか、至らぬ主を」
景麒は初心な主の熱い視線を受けとめると、甘く囁いた。
「至らないのは、私でございましょう。そう、おっしゃらないで下さい」
(処女ですもんねっ、そりゃあ、自分から誘いはかけられないってのは判ってますよぉ。
そんな誘う目で見ないで下さいっ、た・・・立ってしまうではないでしゅかっ)
景麒は爽やかに涎を拭う。
主は大胆にも、ぎゅぅぅと景麒の手を握ってきた。
「お前には、いつまで経っても苦労をかける」
景麒の頭の中には逐次通訳者がいて、その言葉はこう翻訳された。
(「いつまで経っても誘い一つかけられないおぼこ娘で御免ね?でも、もうそろそろ――
そろそろ私・・・きゃっ。いやん、私からは言えないわ。あ・な・た・か・ら、
誘ってよ。景麒ぃ、苦労かけちゃうわね」)
熱い瞳に見つめられ、景麒は堪らず、がばと己の主を抱き締めた。
「け、景麒――?」
冷たい麒麟の仮面が剥がれた。
抱き締められ、驚愕した陽子だったが、ふっ、と体から力を抜くと景麒を抱き締める。
陽子は――待っていたのだと思う。
台輔ではない、神獣ではない、麒麟ではない――友としての景麒の存在を。
あたたかで柔らかな景麒の腕の中、陽子はうっとりと瞳を閉じた。
「景麒。待ってたんだ。そう言う風に私を見てくれる事を」
陽子は親愛の情をこめて景麒を見つめる。
「お前は――変わった。急に蓬山に行ったと思ったら、ずいぶんと涼やかな顔でこの王宮
に戻って来て。しかめつらが消えて」
ふふっ、と陽子は微笑む。
「一皮剥けたみたいに。何があった?言って見ろ」
陽子は清らかに笑った。
「待ってたんだ、そう言う風に私を見てくれる事を」
崩れ落ちそうに、ぐずぐずと主上の腰の奥の方が熱くなっているのを景麒は感じた。
(そうでしょ、そうでしょ。勘の良いあなたの事、私のチンコがバージョンアップしたの
を気付かないはずはないですよね?エロいね、もう、脱帽っ。俺のチンコも脱帽してるよっ)
景麒がはぁはぁと息を荒げる。
そして、頭に血が上りきった景麒の耳に、極めつけのフレーズが突き刺ささった。
「一皮剥けたみたいに」
主上が舌なめずりしてそう呟くのを聞いて、景麒のチンコの角度は90度を超えてそそり
立った。
「主上―――っ!!」
がば、と景麒は陽子に抱きついた。
陽子は思いがけない強さで己を抱く麒麟の強い腕と、荒い生臭い息、そして太腿に先ほど
からつんつんとあたる、何か堅い異物に不審を感じて景麒を仰ぎ見た。
「景麒――?」
「景麒――?」
あまりにも甘やかに呟く己の主を前に、常日頃もないけれど今日は更に倍増して存在
しない理性を失い、景麒が己の腰を陽子の下半身にぐいぐいと押し付ける。
「ほ、欲しいと言って――」
「はぁ?景麒、何を――。おまえ、重い、重いってばーーーっ」
景麒はついには床に陽子を押し倒した。
そしてがば、と着物を取り去り己の下半身を露わにし、絶叫した。
「欲しいと言って。欲しいと言え。俺のチンコが欲しいと言えぇぇっっ!
俺の名前を叫ぶんだぁっっ、こ、こ、この売女ぁーーーーっ!!」
陽子は狂気にとらわれた己の半身である(一応)神獣を仰ぎ見ると絶句し、
恐怖で目をきつく閉じた。
その、時――
782 :
773:05/03/03 23:43:01 ID:A4b3DE3W
一応、前回の続き、です。
平日だし、ゆるーく書いてみました。
週末に後半投下しますね。お目汚し、スマソ。書くたび、下手糞だなぁ、って反省してます。
読んでくださっている奇特な方、本当に有難うございます・・・叩頭。
では、また。
お帰りなさい職人様ノシ
先日も感じた事ですが、そんなに卑屈に
ならなくても良いと思いますよ。
陽子の深刻さと景麒のアフォさの
落差に爆笑
784 :
名無しさん@ピンキー:05/03/04 00:26:21 ID:4G6G5fer
これは、けっこうきつい。わりきらないと…。
おもろいよ!
神
生殺しだぁ〜
気になる!
786 :
名無しさん@ピンキー:05/03/04 15:09:42 ID:ejFHYjEq
すばらしい…ここまでエロギャグにできるとは
あなたは神です
どんな落ちがつくのか楽しみにしてます
第一部の落ちで死ぬほど笑わしてもらいますた
「んがっ!!」
どすっ、という鈍い音がし、景麒は奇声を発すると白目を剥いたまま陽子の上に倒れた。
重い景麒に押しつぶされ、陽子は観念したかのように、ただひたすら身体を強張らせ
目を閉じ続ける。
(ああ、ああ、こんな獣が最初の相手なら、延王に身を捧げておけば良かった――)
陽子は恐怖と嫌悪に身体を凍りつかせ、胸の中でひたすらに愛しい人の名前を唱える。
と、爽やかな風が一瞬自分に吹き付けたような気がして――己の身体の上の獣の重さまで
軽くなったようだ――陽子は恐る恐る目を開けた。
涙に曇った瞳に愛しい人の姿――陽子はごしごしと瞳をこする。
間違いない、その精悍で男らしい、誰よりも愛しい男の顔が己を見つめている。
尚隆は陽子の体の上から軽々と景麒を引き離し、持ち上げるとドサリと床に景麒を
投げ捨てた。
うぐぐ、と喘ぐ景麒に逆延髄を見舞って完全に失神させると、尚隆はふわりと陽子を抱き
かかえて椅子に座らせた。
「あの、延王?何が、一体――?」
訳が判らないといった風に、陽子の視線は青白いチンコをむき出しにして床に倒れこんで
いる景麒と、優しく微笑む尚隆の顔の間をさまよう。
「景麒の頭をひどく殴りつけてしまったが――まあ、これ以上あいつが阿呆になる事は
ないだろう。許せ、陽子」
先ほどの鈍い音、あれは尚隆が景麒の頭に渾身の一撃を与えた音だったのだ。
「延王、延王」
陽子は涙を堪え、己の愛しい人を見つめた。
尚隆は陽子の体をあくまで優しく抱きとめる。その胸は大きく、広く、陽子は安心
しきって身を預けた。尚隆は陽子を抱きとめたまま、赤子を抱いた母のように陽子の背中
を軽くさすってやる。
「・・・お前の顔を久しく見ていなかったからな、何やら気になって飛んできたしまった。
金波宮に着いた途端、景麒の絶叫だ。周りのものは『いつもの事ですから』なんて言って
いたがどうにも胸騒ぎが止まらん。駆けつけたら、この始末だ」
陽子は嗚咽をおさえ、ようやく尚隆の瞳をのぞきこむ。
「――お前が、俺を呼んだ気がしたんだ、陽子」
「延王」
陽子は耐え切れずに涙を零した。
「延王」
「俺を、呼んだか?」
「はい」
「何度もか?」
「はい」
こくこくと、陽子は馬鹿のように頷く。そうして、支えを失ったかのように陽子は尚隆の
胸に身を預け、はらはらと涙を流した。
(何度も、何度も、貴方を呼びました――いいえ、今日この時だけの事ではありません。
あなたに恋焦れ、幾夜あなたの名を――尚隆)
陽子は尚隆に強くしがみつき、赤子のように泣きじゃくった。
陽子は尚隆に長いことなだめられ、気をようやく落ち着けた。
そして、誰にも邪魔されないよう、特別に尚隆を己の書房に招き、ぽつぽつと語り始めた。
「私はいろんなことを言うのだけど、どうも突飛な事らしいんです。たとえば――性欲が
ありすぎてたまらない台輔を救済する為、妓楼のようなものを王宮内に設けられないだろ
うか、と言ったら、諸官にも唖然とされてしまいました」
「・・・妓楼を王宮内に?」
目を見開いた尚隆に、半ば照れて、陽子はうなずいてみせる。
「そんな変なことじゃないと思うんですけれど。麒麟にだって性欲を発散させる場所が
あるべきだと思うんです。こうして欲しいとか、こうならないだろうかとか、こういう
格好でプレイしたいとか、掛け合うことができてもいいと思うのです。どうすればツボな
のかは景麒自身が一番良く知っている訳だし。あの余りある性欲が発散出切れば王宮の女
たちも安全だし。でも、どうも突飛過ぎて理解を得られないみたいなんです・・・」
陽子が溜め息をついて顔を上げると、尚隆はまじまじと陽子を見つめていた。
「・・・あれ、やっぱり変ですか?」
「うむ・・・そうではないが。陽子はすごいな、と思って」
「すごいと言われるような事じゃ・・・その、延王?そんな風に見つめられると何か
気恥ずかしい感じです」
尚隆はかすかに笑う。
男らしい尚隆の顔を仰ぎ見て、陽子は顔に朱を昇らせて呟いた。
「延王は、あの・・・百戦錬磨でらっしゃるんですよね?」
「まあ、それ程でもないが」
尚隆の声には己のチンコに対する誇らしい色が深かった。
「では・・・余計に当てにさせてもらおうかな。もともと私は男の体の仕組みには全然興味を
持っていなかったから、漠然とした知識や、思いつきだけでものを言っているところが
あって」
「俺も素人童貞のことは判らないに等しいぞ。童貞の時期は本当にわずかのことで、
しかも人一倍ナニはでかかったし、すぐ剥けたし、最初から腰のグラインドはピカ一
だったし・・・」
「いろいろ知恵を貸してもらえると嬉しいです。特に、延王には当面、景麒の代弁者に
なってもらえると」
尚隆が「えっ、やだよ、あんな変態の代弁者になるのっ!」と言いかけた時だった。
隣で騒がしい物音がした。祥瓊の、何事ですか、という叫びが聞こえた。
景麒か、と陽子が腰を浮かすと同時に書房の扉が押し開けられた――
書房に乱入してきたのは、景麒だった。その血走った瞳を見て、陽子は眉をひそめる。
「――何事だ」
景麒を睨みつけると、景麒は一物をぐいと持ち上げた。
「あなたは、私のチンコを蔑ろにしすぎる」
落ち着き無くチンコを握って、景麒は尚隆を睨みつけた。
「ヤリチンを人並みに扱い、慶への訪問を許したのみならず、よりによってふ・・・ふ、
二人きりで深夜に仲睦まじく語らっているとはぁっっ!!やったのか、もう、やったのか?
バッコバコか!?抜かずに六発くらいはやったのか!?こ、このヤリマンめぇっっ!!」
陽子は顔に朱が昇るのを感じた。
「ヤリチン、だと!?」
「俺のチンコに泥を塗り、ヤリチン猿王を宮中深くに連れ込んで宮城を汚した。私の剥け
チンを軽んじ、ヤリチンを側に侍らすのは、結局のところ、俺の剥けチンが眩しいからだ
ろうっ?猿相手にならば、いまだ処女であることを引け目に思う必要はないからな。
――思い上がりも甚だしい。いつまでもお前が処女であることを俺が許すと思うなっ、
こ、このいマグロ女めぇっっ!!」
陽子は絶句した。ただ目を見開き、喘ぐしかない陽子に代わり、ずい、と前に出たのは
尚隆だった。
「陽子、ここは俺に任せろ」
「しかし――」
己のみならず、愛しい尚隆をも愚弄され、陽子は悔し涙を滲ませる。
「いいから、行け」
陽子は氏ねと言わんばかりに己の麒麟を睨みつけると、部屋を出て行った。
興奮する景麒を冷たく見返して、尚隆は爽やかに微笑んで言った。
「お前は、包茎には見えないな」
「違うに決まってんだろ、ヴォケッ!剥け剥けのにょろにょろだっ。羨ましいか、
ばーかっ!!」
「・・・お前が?剥け剥け?」
尚隆の素っ気無い口調に、景麒は更に激昂する。
「うるせーよっ、短小猿王っ!!ショタコンの分際で俺に軽々しく話し掛けてん
じゃねーよっ!!」
あくまで涼しげに見返す尚隆の自信に満ちた視線に、チキン景麒は思わず後じさった。
尚隆は穏やかに続ける。
「どうしてお前のような短小の男が陽子の破瓜の相手になろうなぞ考えたりした?」
「俺が主上の破瓜の器だと思ったからだよっ!!」
「・・・大層な自信だな」
「自分に自信を持つ事は良い事だって、玄君も言ってたんだよ、この猿がぁっ!!」
「過大な自信は身を滅ぼすぞ。お前は処女がどのようなものだか分かっているのか?」
蓬山の女仙達に身を任すしか能の無かった無能ノーテク景麒に処女が分かろう筈も無い。
景麒は頬に血が上るのを感じた。
「分かりまくりだっ。そう見えないのか!?」
では、と尚隆は景麒に冷淡な目を向ける。
「この先は自力で切り抜けるんだな。言っておくが処女の痛がりようは半端じゃないぞ?
血は出る、泣き叫ぶ、暴れる。無理に入れようとすれば、間違いなくお前は『余裕の無い
素人童貞』と言われるだろう」
「ふん、さすがにヤリチンともなると、言う事が違うじゃねぇか」
「女は素人童貞の玩具ではない。女とはまたがるものではなく、喜ばせるものだ。
漢の責務を背負うと言うことが分かっていれば、自分が破瓜の器だなどとは口が裂けても
言えるものではない」
「分かってんだよ、うるせーよ、じじいっ!クンニしろって言うんだろ?右から左から、
上から下から、舐め舐めしてヒイヒイ泣かせるんだろ?」
「それをお前が、正しく果たせると?」
景麒は叫ぶ。
「そんなこと、俺に出来るはずないじゃねーかよーーーっ」
「景麒、お前――」
「俺は素人童貞で、処女のことなんて何にも知らねぇんだよ。蓬山に行って、ようやく
皮剥いてもらったくらいなんだっ。オナテクだって貧しいのに処女を喜ばせられる
訳ねーじゃねーかぁっ!俺が本当の破瓜の器なら、主上の方から夜這に来るってん
だよ!!」
「それが分かっているなら、なぜ陽子を襲いつづける?」
「義務だと思ったからだよ!!」
景麒は絶叫する。
「・・・そうか」
「俺に言わせれば、処女がどんどん居なくなっていくっていうのに、他人事の顔をして
られる男の方が異常なんだよ。エロってもんを全然分かってないんだ。違うか?」
「そうだな」
「処女は大変だ、そんな無茶な、って、――どこが無茶なんだよ!俺だって、俺だって、
ようやく仮性を克服したってのに、剥けチンコのお披露目の機会さえ与えられない――」
尚隆はうずくまった景麒の肩に触れる。
「泣かなくて良い。お前は良くやった」
景麒は身を起こして、袖で顔を拭う。
「・・・夜這する気がねーなら、オナって我慢すればいいんだよ。オナるってのが当然っ
て顔をして、右手とのつきあい方を極めればいいんだよ」
「・・・確かにな」
景麒は顔を上げると尚隆を見つめた。
「なんだよ、お前、すげー良い奴な。お前・・・」
「なんだ?」
尚隆は爽やかに微笑む。
景麒はにやりと笑うと、尚隆にずい、と近づいた。
「お前、ホモだろ?」
景麒は仕方ねーな、とくつくつと笑うと尚隆の一物をぎゅうぅと握った。
「俺のチンコを舐めたくて仕方ない、って顔に書いてあるぜ。ったく、回りくどいやり方
しやがって・・・欲しいなら欲しいって言えよ、俺のチンコ様をよ」
景麒はしゃがみこむと、ひらりと尚隆の着物の裾を上げて下半身を露わにさせた。
「ウホッ。でかいな、俺の口におさまるか――」
尚隆の膝蹴りが景麒の顎に直撃し、景麒は後ろにバタリと倒れた。
「ゲホッ。何だよ、そういうのが好みか、延王さんよ。俺っち、ちょいとMの気があるって
よくぞ見抜いたな。さすがヤリチ――」
尚隆の右ストレートが見事に決まった。
どすどす、と鈍い音が金波宮に響く。
殴られつづけ、パンチドランカーになった景麒がどうなったのかはまた別の話し。
それはまたいつかの機会に――
<とりあえず、了――>
797 :
773:05/03/04 23:37:39 ID:B6JPa9/1
本日も雪の中(←関東地域限定かな)、お仕事お疲れ様でした。
疲れた頭にとどめをさすかのごとく、アホ話しを投下してすんません。
しっかし、景麒はさる事ながら陽子が白痴になっていくのが・・・書きながら号泣。
私は前スレからの新人職人なので、すげー、恥ずかしいっすよ、いまだに投下すんの。
また、ネタが出来たら投下させて下さい。お粗末でございました。叩頭。
読ませていただきますたm(_ _)m
爆でやんす。また お待ちしております。
お疲れさまです&笑いをありがとうございます職人様w
真君と珠晶の台詞が最低な事に…(←誉めているつもり)
ギャグでもカプとか傾向を書いて下さい。
エロありとか無しとか少しだけとかも。
ギャグでも、景麒は普通の敬語or丁寧な言葉の方がいいと…言っちゃってスマン
つ、角をもういっぺん封印してやりてぇ。
久々にエロで笑わせていただきました。
景麟のぶちきれぶりが最高です。
またお待ちしています
800上二行同意。
別にどんな内容でもいいんだけど
>1のお約束として傾向の明記はしてもらいたい。
804 :
773:05/03/05 00:23:28 ID:hrCjPSZA
>ギャグでもカプとか傾向を書いて下さい。
>エロありとか無しとか少しだけとかも。
おっしゃる通りです。申し訳御座いません。
ギャグでも、一応約束は守らなくてはなりませんよね。御免なさい。オナニー投下っした。
本当に、ここの住人さんたちにどれだけ拙文を磨いて頂いているか忘れた事はないです。
肝に銘じて、失礼のないものを投下します。有難うございます。
また、いつか投下させて下さい。
テラワロタw
慶も長い事ないな、こんな麒麟じゃ。
禿ワラタww
続編期待!
角煮の住人みたいな景麒に乾杯
809 :
◆3uxoYdMuks :05/03/05 11:49:06 ID:xdGs60fd
810 :
◆3uxoYdMuks :05/03/05 11:51:30 ID:xdGs60fd
つ トリップのつけ方 >773
名前欄に「#好きな数字列」を入れるだけ。半角でね。
とてもかんたんだよ
>809-810
どうかしたの?
誰もいない内に投下します。短い上、そんなにエロ分は無いかも…。
そろそろ皆さん飽きてらっしゃるかもしれませんが、利広+供麒×珠晶で
予定としては四レス分です。
糸の切れた人形のように臥牀に落ち、荒く速い呼吸を繰り返す珠晶。
拘束は未だ解かれず、視界も奪われたままだ。
そんな姿を満足気に眺め、被衫を軽く羽織って利広は部屋の出口へ
向かう。
「りこ、ぅ…?」
か細い声が捜し求めるのに曖昧な返事を返して扉を開け、『それ』を見下
ろした。辛うじて相手に聞こえる程度の静かな声で
「――私の後になってしまって申し訳ないんだけど、良かったら 如何
かな?」
そこには大柄な男が膝を抱え蹲ったまま、彼を呆然と見上げていた。思い
もよらない展開と問いかけに供麒は言葉も出ない。そもそもここにいる事を
気付かれていたとは思わなかった。そんな心の内をお見通しだと言う様に
利広は微笑む。その瞳の闇が彼を引きずり込む。
重ねて促されておずおずと立ち上がり、招き入れられた。堂室に満ちている、
情事直後特有の臭い。目が、臥牀の上にぼんやり浮かびあがる白い躰に釘付け
になった。その少女が掠れた声で言う。
「どうしたの…?」
不自然な体勢。よく見れば彼女は両手を後ろに回したままで、目隠しもされて
いる。その、あまりに背徳的な光景に吸い寄せられるように供麒が歩み寄って
いく。それを眺めながら利広は卓子の上の酒を含んだ。
汗に湿った肌に触れ、小さな胸に舌を這わせた。達してから時間が経って落ち着き
かけた快感を無理に揺り起こされて苦しそうに呻く。そんな彼女を労る様に舌と指
で丁寧に慰撫していく。目隠しを外すことも出来ずに戸惑う珠晶の膝が掴まれ、
大きく開かれた。
「――り、利広…?」
返事はない。代わりに与えられた口付けと共に、先刻まで彼を呑み込んでいた
場所にまた何かが当たる。先刻利広が放出した精と珠晶自身の愛液で十二分に
ぬめっているから、珠晶の細い躰には過ぎるような大きさでもゆっくりと受け
入れていく。
「んんっ、あ、あう、や、違…だ、れ?」
それは明らかに利広ではなかった。大きさも固さも見知らぬ別のもので。
しかし間近に聞こえた吐息の聞き覚えのある響きに珠晶は驚愕した。
「まさか、き、供麒っ?うそ、なんであんたが…んぁっ、う」
辛うじて全て納まってしまったそれの先端が、最奥を圧迫して思わず喘いだ。
「いつも私とだけじゃ、珠晶がつまらないかなって思ってね」
利広が漸く口を開いた。
「だ、だからって、あたしに一言の断りもなくっ!」
「主上は、私ではお気に召しませんか?」
「っそういう問題、じゃ…う、あ、やあっ、あん、ば、かぁっ、ばかっ、やっ」
混乱している頭が整理されるより早く、勝手に動き出されてそれ以上言葉を紡げなく
なり切れ切れの罵りしかできない。
いつもと違う箇所に当たる。大きくて僅かに柔らかく思えるものが、珠晶の腹の中
で穏やかに暴れまわる。
「珠晶ときたら先刻散々イッたばかりだというのに。そんなに台補のは悦いんだ?」
「や、違っ、う…!そん、な、あんっ!」
「――恐れ入ります」
「違うって、言って…んでしょっ!この…っ」
噛み付かんばかりの反論も、全く説得力がない事は珠晶自身が一番知っていた。
それよりに自分の言っていることすらも、もうよく解らない。つい先刻まで交わっ
ていた情夫の目の前で、半身に犯されて悦んでいるという背徳感が珠晶の強靭な筈
の理性を駆逐していく。
激しくなっていく動き。押し込まれるたびに短く高い嬌声を上げることしかできない。
「目の前でそんなによがられると妬けてしまうというか、落ち込みそうだよ」
言葉と真逆に落ち込んでいる深刻さなど微塵も無さそうな声が耳をすり抜けていく。
利広はくつくつと笑いながら歩み寄ると、彼女の目隠しを外した。焦点の合わない瞳に
映るものは意味を失い、供麒と繋がったまま上身を抱き起こされて呻く。唇をこじ開け
て侵入した舌が吸いにくくて、相手の顔が自分とは上下逆さまだと示す。そんなこと
さえも、もう、どうでも良い。思考を真っ白に焼くような悦楽に痙攣した。
目の前に座った麒麟の床につけたままの頭を、臥牀に腰掛けた彼女の小さな素足が
容赦なく蹴る。
「―――ふざけんじゃないってのよ。アンタ、一体いつからあたしの意思を無視して
あたしの身体を好きにできるほど偉くなったのよ」
「――も、申し訳ありませ…」
「当たり前よ。ケダモノに申し訳なんてあるわけ無いでしょ?この上、寝惚けたこと
言わないで頂戴」
「…はい、主上…」
蹴り、踏んで、また蹴る。怒鳴り飛ばさない代わりに、静かに、ただひたすらいびり
倒す。
「…珠晶、台補は本気で泣き出してるし、そのくらいで…」
「あら利広、あなた、主犯の癖にとりなせると思って?」
「―――怒ってるんだね」
「ええ、とても」
最高に可愛らしい笑顔と声で答えた。怒鳴らないのは下腹と内腿と腰と肩と上腕と、
とにかく体中が痛いからだ。
「誰かさんたちが散々好き勝手してくれたお陰で今日は仕事にならないわ。丸一日、
公務が滞って出た損失はどうしようかしらねぇ?」
「―――わかったよ。一つ、何か無理を聞こう」
利広は軽く両手を挙げ、降参した。
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
リアル投下 キタ━━━━━━((゜∀゜))━━━━━━ !!!!!
以上です。
こ、今度はキャラ挿げ替えはやりにくい筈…。
それでは、失礼しました。
供王がナニを要求したのかだけは〜〜〜
教えてたもれです〜〜〜〜
つか、エロくてめちゃめちゃイイ!
>809-810は。トリップ付けない職人さんに、とりっぷ付けをうながしてるんじゃんねーの?
読むほうは別に誰が投下してくれようと関係ないのだが。区別したい奴もいるんだろ。
つーか、読んでたら判るけどな、フツーに。
最初はトリップつけてても、止めた職人さんもいるしな
初期とはかなり変わったみたいだからね
トリップつけてる人はいなかったよな。軽い数字コテならあったが
グッ・・・・・・・ジョブ!!
喘ぐ珠晶(゚∀゚)サイコー!
822 :
名無しさん@ピンキー:05/03/06 01:18:33 ID:OT+CQJFi
タマネギは、氏んでしまえ〜〜〜っっっ!!!!!
スマソ、誤爆ですorz
>819氏
解説ありがとうございました。
お褒下さった方も、ありがとうございます。
投下して、恥ずかしさのあまりリロードせずに逃亡していましたw
…>816さん、いたんですね…orz
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ちょ、ちょーとまって!!!今日もこれから変態景麒が何か言うから静かにして!!
, ,-;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:,. ヽ─y────────────── ,-v-、
/;:;:;:;:;:;:ミミ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;`、 / _ノ_ノ:^)
/;:;:;:;:彡―ー-、_;:;:;:;:;:;:;:;| / _ノ_ノ_ノ /)
|;:;:;:ノ、 `、;;:;:;:;:;:i / ノ ノノ//
|;:/_ヽ ,,,,,,,,,, |;:;:;:;:;:;! ____/ ______ ノ
| ' ゚ ''/ ┌。-、 |;:;:;:;:/ _.. r(" `ー" 、 ノ
|` ノ( ヽ ソ |ノ|/ _. -‐ '"´ l l-、 ゙ ノ
_,-ー| /_` ”' \ ノ __ . -‐ ' "´ l ヽ`ー''"ー'"
| : | )ヾ三ニヽ /ヽ ' "´/`゙ ーァ' "´ ‐'"´ ヽ、`ー /ノ
ヽ `、___,.-ー' | / / __.. -'-'"
| | \ / | l / . -‐ '"´
\ |___>< / ヽ
〃⌒ヽ、
〃ノ人ヽヽ <ぬるぽ
ノ(´<_`从リ
}/ ハ {
∪ ∪リ
| |
U ..U
>>826 _ _
〈>´ ̄`くノ
(从ハ从)
)§´∀`リ. | | ガッ
とハ† _ ) | |
Y /ノ 人 〃⌒ヽ
/ ) < >ノ人ヽヽ ∩
_/し' //. V(´<_`;从リ/
(_フ彡 }/ Y { /
828 :
名無しさん@ピンキー:05/03/07 22:28:31 ID:z3zHpVPL
神降臨期待あげ
829 :
名無しさん@ピンキー:05/03/08 00:25:03 ID:BKGSjTYw
ここでNGネタはあるの?
830 :
名無しさん@ピンキー:05/03/08 00:28:08 ID:nQQXFX7V
強いて言えばおしっこくらいか?
遅まきながら、
811−815さんGJ!めちゃめちゃ良かった!!!!!!!
出来たらこの一つ前即ち利珠もキボン
放尿ネタ、自分は嫌いじゃないよ。
放尿しててもエロけりゃ良いだろ
マターリ行こうよ
ここであれこれ言っても、特殊な好みの人からしたら、
ゲリラ的に落すことにも楽しみがあるんだろうし。
あ、放尿は嫌いじゃないよ
835 :
名無しさん@ピンキー:05/03/09 14:11:11 ID:9CVZfCOt
エロもパロも良いけど・・・・
キャラが変わり過ぎるのは
嫌だ!!
836 :
名無しさん@ピンキー:05/03/09 14:36:32 ID:gNKmwqms
わりきれ
ドジン誌と同じだな。神に出会えれば嬉しくて顔が緩むし、ある程度はキャラが壊れてても
許容できる。何様っていわれるかもだけど、やっぱり著しくそのキャラの個性とか無視され
たり酷い扱いされると悲しい。
どちらにせよ、読むかどうかは自分で選択できるんだけど。
↓エロい放尿を体現したSSドゾー
839 :
名無しさん@ピンキー:05/03/09 22:29:16 ID:Jc1mM5LY
>>474-478,
>>544-547や
>>645-648などの放尿ネタは、筋書きの棒読みに近い印象があるね
これでは、エロになりそうにない
あと、キャラが変わりすぎたり酷く扱われすぎるのも考え物だなあ
しかし、このような放尿ネタでも職人さんの手で上手に書き換えてくれたらエロくなると思うよ
ちなみに、良い発想も含まれているかな
特に、珠晶のワレメが充血するという部分は良かった
まあ、どんなに駄作でも決して無駄では無いということだ
っていうかネタのコピペでしょ?名前だけ挿げ替えてるだけだし
キャラも何も無いんじゃ?
贅沢を言えば、尿よりも猟奇グロをゲリラ的に落とされると困るかな。
昔あった蘭玉陵辱鬼畜猟奇物は面白かったから、注意書きがあれば平気。
あくまで架空の話なら楽しめる。
843 :
名無しさん@ピンキー:05/03/11 21:21:54 ID:k06OJIdW
蘭玉陵辱鬼畜猟奇物懐かしいな〜〜
あのあとアニメで蘭玉が殺される回では重ねて見ちまったよ
845 :
名無しさん@ピンキー:05/03/12 22:52:47 ID:P5twf5Cn
書庫の管理人さんって、どうされちゃったのだろう?
ご無事ならいいんだけど
847 :
名無しさん@ピンキー:05/03/14 14:48:44 ID:LiiL4KBn
蒼猿age
遅れてきた驍宗×李斎萌え者でつ。
過去ログの泰国祭りらへんで反芻ハァハァ(:´Д`)するしかないのでせうか。
職人様お願いします、新作投下してくだされ。
いまさらでつか・・・逝ってこなきゃダメでつか・・・
キャラが壊れすぎて嫌な方もいるかと思いますが、自分は壊れてる景麒シリーズ、
好きですよ。
私は嫌いです
私も、嫌いです。
>>850ー851
景麒萌えの人たちにはツライのねw
素人のパロごときにいちいち目くじら立てなくても。
生真面目なヒトたちだ
>852
好きという自由があるならば、好きじゃないという自由もある。
穏やかにスルーするのが肝要。
・・・というのも大きなお世話だがな。
嫌なら見なきゃいい。お約束さえ守って頂ければどんなマニアックなのも
投下おkだと思う
嫌い嫌いと声高に言うなよ
とりあえず空気悪。
「嫌い」というな「苦手」と言え。
嫌いな人もいれば好きな人もいる、
万人に受ける物語なんて存在しないんだから、
いやなものはスルー推奨としか言えないなぁ。
どこに居たんだ、こんだけの人が
自演の沙汰でなければROMが多い証拠。
呪いがかかってて、ヤッてもヤッても次の日には体は処女に戻って
しまい、やる度に激痛&出血しちゃう女の子
の話をなんかで読んだ事あるんだけど何だったか
思い出せない。
珠晶タソがそうだったらハアハア(*´д`;)
エロパロ板初めて来たのですが、「女の子だもん・陽子」シリーズに激しく
笑わせて頂きました。前の方でもレスがついていましたが、テンポが良くて
読みやすいですねー。
あそこまで逝っちゃってると、景麒の壊れ具合が清々しいほどです。
そして大真面目に景麒のアホに付き合える延王萌え。
神の皆様、これからも楽しみに&応援しております。
やっぱりROMの人が多かったんだな。
連休明けに新作キター!と思って開いた人達、ご愁傷様(笑
改行変でスマソ
自分で言っておいてアレだがよくあるネタだったらしいorz
蒼猿×陽子 言葉責めオンリー キボンヌ
>>865 その唐突さと微妙な殺伐さが初期のスレらしくていい感じだ。マジで。
867 :
名無しさん@ピンキー:2005/03/22(火) 21:47:33 ID:N9rGMyZS
860>>まずは生理を経験してから発言してください
まあもちつけ
869 :
名無しさん@ピンキー:2005/03/22(火) 22:06:48 ID:FBYEMI1d
景気
常世には生理はありませんと言ってみる。
ところで以前、上がってると投下するのをためらってしまうって言ってた職人様が
多く居らっしゃったと思うんだけど、上げるの止めない?
γ´,,、,^ヾ、
ク _,´,__ヽソミ ageようがsageようが
彡〈<__,° ,ミ 来ない時は来ないんだよぉ
/| /^ヽ
新作なんか来やしないのさぁ
原作の続きなんか出るもんか…キャラキャラww
主上はただいま執筆中ですから!
他の話をな
>873笑って、泣いた。
それで、まだ新作無いんだ?
んーヘボ話投下しちゃおうかなぁ・・・・迷いまつ。
カナーリ前に出ていた鬼畜陽子タン+浩瀚がドテーイ景麒を食って苛め抜く話が読みたい。
ネ申降臨を待っていたが、やはり色んな意味でチャレンジャーでないとむずいか
涙の景麒君日記〜景王陽子編〜
が読みたい。職人さんもういないのかな。
天命を持って主上にお迎えする。
これより後、詔命に背かず、御前を離れず、
忠誠を誓うと誓約申し上げる… or2
>879
ぷりぷりした尻の景麒キタ━━━━━ヽ(゚∀゚)ノ━━━━━!!!!
〃⌒ヽ、
〃ノ人ヽヽ <覿面の罪より恥ずかしい赤面の罪が有るらしい
ノ(´<_`从リ
}/ ハ {
∪ ∪リ
| |
U ..U
どうした、景麒?
半壊してるぞ。
〃⌒ヽ、
〃ノ人ヽヽ 陽子タンハァハァ
ノ(´<_`*从リ
}/ ハ {
∪ ∪リ
| (u)|
U ..U
へヘ ズン
// ⌒丶 ____ l|
(从ハ从) |l |:::::::::::::::::::::|
)§´∀`リ. ミ ... |:::::::::::::::::::::|
(ハ† _)⊃(二二二二二|:::::::::::::::::::::|二)
U|_____| . |:::::::::::::::::::::| ─┛
∪ ∪ . |____| 彡
⊂⌒)〃ノ人ヽヽ∩
`ヽ_っ| ̄ ̄| グチャ
他国の領土を侵したのが覿面の罪、他国の麒麟を犯したのが赤面の罪
突然胸を押さえ階を転がり落ちるのが覿面の罪、突然一物を掴んで擦り始めるのが赤面の罪
体中から大量の赤い血が流れるのが覿面の罪、竿先から大量の赤玉が出るのが赤面の罪
体が海綿の様にに変じ臣が指で押すとフニャフニャなのが覿面の罪、
海綿体が木綿の様に変じ臣が触ってもフニャチンなのが赤面の罪
さすが主上と称えたのに起きたのが覿面の罪、またか台輔と呆れたら起きたのが赤面の罪
采の遵帝は覿面の罪で逝去したが、景の麒麟は赤面の罪で人去した
>885
テラワロス!!!!
パチパチパチ
〃⌒ヽ、
〃ノ人ヽヽ 陽子タンハァハァ
ノノ*´д`从
}/ Y ハ { ,* ゚. 。
∪| ∩ミ 。 ・ 最近投下がないので自分で抜きますた
| ωつ +.* o
U ...U
へヘ
// ⌒丶
>>889 (从ハ从)
)§´∀`リ. | | ガッ
とハ† _ ) | |
Y /ノ 人 〃⌒ヽ
/ ) < >ノ人ヽヽ ∩
_/し' //. V(´<_`*从リ/
(_フ彡 }/ Y { /
ようやく小野主上も本腰を入れ始めるんだな…秋目処らしいが
今日言われた事は例え本当でも信じられない。
893 :
sage:2005/04/04(月) 19:58:46 ID:nu4bW5eD
age
894 :
名無しさん@ピンキー:2005/04/05(火) 22:49:57 ID:Y64ri1iR
892
黙りゃ!それ以上、下賤の口を開こうものなら、天になりかわって妾がそちを八つ裂きにするが、かまわぬか
し、下のお口をハアハア
896 :
名無しさん@ピンキー:2005/04/08(金) 00:38:01 ID:xd4DdMve
ぬるぽ
へヘ
// ⌒丶
>>896 (从ハ从)
)§´∀`リ. | | ガッ
とハ† _ ) | |
Y /ノ 人 〃⌒ヽ
/ ) < >ノ人ヽヽ ∩
_/し' //. V(´<_`*从リ/
(_フ彡 }/ Y { /
過疎のように見えつつ人がいるこのスレが好きだ。
職人様の投下があればさらにいうことなしだ。
899 :
名無しさん@ピンキー:2005/04/08(金) 20:00:24 ID:mN0Yz2pT
どんなネタでもOKですか?
テンプレ通り特殊な傾向なら注意書き・カプ表記きっちりやれば大丈夫じゃないかな。
エロパロなら。
同意。
ただし改変コピペねたはなるべく勘弁な。
今日の朝議で久しぶりに景麒の意見を聞こうと思って横を見たら
やたらと近くに立っていたので驚いた。
以前、一ヶ月くらい前だが、見たときは1メートルくらい離れていたのに。
なんだか顔が赤いような気がするしどこか遠くを眺めているような気もする。
……
………勃ってないか?
厚ぼったい服のせいでよく分からないがそれでもこう近くに寄られると
膨らんでいるのがはっきり分かってしまう。
そうか!発情期か!!
すっかり忘れていたが去年の発情期はひどかった。
発情期で敏感になっているせいかすぐイッてしまうへたれのくせに
やたらと回数だけは多くて付き合うのに苦労した。
しかたない、忙しい時期だが景麒にはしばらく麦州にでも視察に行ってもらおう。
今まで琅燦ネタにした話ってあったっけ?
うおっageてしまった・・・orz。
申し訳ない・・・。
>>902 ヘタレな景麒に付き合い、業を煮やして麒麟を苛める陽子様
というあたりを誰か詳しく
楽陽ものを書いてる所なんだけど、楽陽を一貫して楽×陽で書くのって
なかなか難しい。
どうしても導入部分が陽楽になってしまうよorz
>>906 いいんではないですか?
待ってます〜!
>>906 おお!楽陽大好きです!正座して待ってますノシ
+ +
∧_∧ +
(0 ・∀・)
(0゚つ旦O +
と__)__) +
910 :
名無しさん@ピンキー:2005/04/12(火) 22:51:11 ID:zaBWCQ94
足痺れちまった_| ̄|○