1 :
名無しさん@ピンキー:
不覚にもエドスに萌えてきてしまった…
そんなわけで
サモンナイト エロ小説&画像キボンヌスレその9です。
【PALETTA(パレッタ)】
エンターブレイン出版の季刊雑誌。
大体1月・4月・7月・10月の15〜20日頃発売。
毎号飯塚武史先生がサモンナイトのイラスト&コラムを掲載。
【過去スレ】 関連は
>>2以降
2 :
名無しさん@ピンキー:03/10/14 18:28 ID:USjo8M3J
'´ ヽ ソンナニ ミタイカエ?
/ i ioL」o!. 丶\\≧
. ζ<Ll ゚ー゚ノ!ζ <_,`*No
____.l/ζy/⌒ζ___ /⌒ \
_/ ヽ/ i / 'ヽ ヽ | | \
と\ / イ\/'ヽ \ .| |\ \
 ̄ヽ と\__ノ ̄ ノ / \ | | \ \
_ l /.| '"< 丿 ヽ| | | ヽ
丿 . //\__ \___ \ | | .| ノ ノ
`~ ~((  ̄ \__\ と__)\ | /| |
丿  ̄ ̄ヽJヽJ ̄ \ | | | |
_________________丿 | ⌒ヽ| ⌒ヽ
ヽi⌒) ヽ_i⌒)
ヽ,,,,,ヽ
4 :
5スレ724:03/10/14 19:33 ID:0ykGT3Y8
前スレまだ残ってるけどこっちに投下します。
書いてるうちに「あれ、これサモンナイトだったっけ?」とか思ってしまいました。
ここはさながら硝子の庭。
触れれば傷つく、虚構の輝き。
そして身体に絡んだ蔦は、きつく私を縛りつける。
──なんて脆くて、狭い世界。
煌々と、位置と光の姿を変えて廊下を照らすランタン。するりと抜ける、その持ち主の影かたち。
しなやかな足の運びに淀みはなく、見る者が見れば訓練されたものだと判る。
音もなく響きもなく、聞こえるのは油の焦げるかすかなそれのみ。
誰にも見つからず、誰にも気取られぬよう、静かに緩やかに歩みを進める。
とはいえこの場において、その挙動にさほどの意味などありはしない。
戦場でも敵地でもない、ここは自陣。
呼吸も、足音も、気配も、人間も殺さずいられる唯一の世界。
これはただの儀式。最も身体が覚えている動作を繰り返すことで平静を得るための、ただの無意識。
気がつけば震えている自分がいる。逃げ出したくとも、どこに行けばいいか判らない自分がいる。
冷汗が肌を伝い、身体の内側は次第に乾いていく。蝕まれるように、ずるずると熱は抜けていく。
それでも止まれない。止まるわけにはいかない。何よりも恐れるものは、自分が不要とされること。
どこか知らない地で生まれ、この世界で育った私は一人で生きていくには弱すぎる。
ならばしがみついてでも、ここに残り続けなければならないのだから。
──ああ。ここにもまた、殺さなければならないものがいる。
弱く幼い、私自身。
開け放たれた窓からは、夜を切り取ったように浮かぶ月。
淡く室内を染め上げる、霧がかった陰影。
夜目が利く私の視界には、透かされたように溶け込んだ、一つの影が見えている。
影は人型。顔を上げることもなく、私を捉える。
「来たか、茨」
「──はい。オルドレイク様」
無色の導師は、度々私を呼びつける。そして当然のように身体を求め、己の昂ぶりを鎮める。
今夜もまた、同じことだ。一礼をして、彼の前へと進んでいく。
寝台に腰掛けた体勢で、こちらの顔を見上げる姿。その口が開き、威圧的な声が響く。
「背中を向け、手を後ろに」
言われた通り、後ろ手に回し無防備な背中を見せる。がさり、と堅さと柔らかさを同時に持つ感触。
縄だ。その正体を見抜いたところで抵抗できるわけではないが。
手首を強固に締め付けられる。この状態からでは独力で抜け出すことは難しいだろう。
鬱血するほどではないが、痕にはなるだろうな、と他愛もないことを思う。
束縛と拘束による支配。自尊心の高い彼にはお似合いの性癖だ。今までも幾度か、経験がある。
「そのまま、いつものように」
「はい。──では、失礼します」
振り返り、身を屈ませる。その時、危うくバランスを崩しかけた。
思えば、手を使えない状態から始まるというのはこれが初めて。
だが、何を望まれているのかは見当がついた。
彼の衣服に顔を潜り込ませ、歯と唇を使って、なんとかズボンを下ろす。
眼前には布一枚。そこには女にはない膨らみがある。
それに一度だけ儀礼的な口付けをしたあと、まだ張り詰めていない男性器を取り出した。
頬にまとわりつく髪が鬱陶しいな、と思う。
自分の唾液が唇から零れ、拭うこともできぬまま首まで落ちていくのが気持ち悪い。
「ン……く、はァ……」
屹立した男性器を、根元から丹念に舐め上げる。唇で吸い付き、固めた舌先でつつく。
開いた傘のようになっている部分を刺激すると、熱い怒張が脈打つのがわかる。
丸みを帯びた先端を口に含み、舌を絡ませながら軽く上下に動かしていく。
不意に苦味を感じる。とろりと粘つく、唾液とは違う液体が口内に不快感を与える。
「あむ……ん、ふぅ」
一旦口を離し、透明な色をしたそれをついばむように吸い取る。
次は横向きに咥え、筋の裏側に舌をあてがって強めになぞる。手が使えないのは、やはり不便だ。
そう思いながらしばらく口での奉仕を続けていると、冷たい手が頭に置かれた。
途端、押しのけるようにされて後ろに転ぶ。見下ろす彼と眼が合った。
「次だ。こちらへ来い」
自分から突き放しておいて、随分と勝手なことだ。
とはいえそんな思考を口にも顔にも出せるわけはなく、言われた通りにするために立ち上がった。
彼に近付いていくと、肩を掴まれて引っ張られた。足がもつれ、寝台の上に投げ出される。
身体を強く打つようなことはなかったが、受身を取ることができずに手を捻ってしまった。
見ると、彼もまた寝台の上に乗って私の膝に手をかけた。
「脚を開け」
女の身体を気遣うことなどしない。彼にとってはただの道具に過ぎないのだから。
はい、と頷き、下着もタイツも着けたまま脚を開く。
すると、彼はまた縄を取り出して私の足首を片方ずつ、寝台の左右に固定した。
そしてもう一つ、黒い布で私に目隠しをした。
手足の自由と視界を奪われた世界。私を束縛する世界。
すぐ傍には私を貪ろうとする獣がいるのに、抵抗は許されない。
私は死ぬまで、この地の上で無駄な願いを抱くのだろうか。
「ふ……ッ、あ、あァ……!」
無防備に曝け出された私の秘部に、ぞわりとした感触が伝わる。
下半身の衣服は引き裂かれ、直に空気に触れているそこに、彼の息が吹きかかる。
熱く熱を帯びた、ぬめる舌が淵をなぞる。脚が固定されているために、逃げることもできない。
せめて、身体を折って耐えるくらいのことはする。
真っ暗闇に包まれた中で、感じられるのは体温、背筋を這う悪寒。
そして、反応する身体の疼き。思考を曇らせ、苛むように。
入口を割って、彼の舌が中にまで侵入してくる。内側の壁を、抉るように責め立てる。
「んぁ、は、ふぅ……ッ」
意志とは無関係に、喘ぎ声が漏れてくる。吐息の中に、色を持った嬌声が混じり出す。
次に何をされるかわからない。そうした不安が、繰り返される刺激をさらに敏感に伝えてくる。
ジン……とした甘い痺れ。身体の奥から滲み出るものがある。
筋張った指で拡げられ、中を強く吸われる。時折、軽く引っ掻かれる。
絶え間なく続く淫らな波。次第に不明瞭に歪んでいく理性。飲み込まれる。
「はあ、あぁ……ん、んぅッ!」
軽い絶頂を迎えてもなお、指と舌による責めはやまない。呼吸が荒くなる。
鋭敏になった感覚と、貪欲になりつつある身体が悲鳴を上げる。
いつまで続くのかと思われた意志と理性の蹂躙は、私が2度目の絶頂を迎える寸前に止められた。
「あ……やぁ」
炙られたような疼きを抱えて、私は自分の立場を忘れたような声を出す。
だが突然、私は異物によって新たな束縛を与えられた。
「! んむッ……」
口に感じる違和感。声を出すことができない。やがて、轡を噛まされたと思い至った。
ギシリと寝台が音を立てて軋み、彼が私の上に覆い被さっているのがわかった。
身体の中に押し入ってくる熱の塊。擦り上げ、身体全てが壊れていくような衝撃。
引き裂かれていく刺激に、悦びを覚える私の無様な姿。
なにも見えない視界の中で、彼の荒くなる息遣いが聞こえる。音を立てる結合部に火が灯る。
「……ッ! ンぅ、ふ……ッ」
汗が滴り、唾液が零れる。体液に塗れ、閉ざされた瞳からは涙がひとつ。
声を上げられずにいると、熱が溜っていく。それは思考を犯し、全身を淫らに淀ませる。
ぎちりと、手首の縄が鳴る。それは快楽ではないはずの、ただの痛み。しかし、それすら。
脚を固定する縄も。視界を奪う布も。口を塞ぐ轡も。私を縛る全てがきつく、甘くなる。
──なんて弱い身体。なんて壊れやすい、自我。
奪われ、縛られ、犯されてもなお、それに応えている。
爛れるように溶けていく意識の中で、侵略者が一際大きく膨張していく感覚を、捉えた。
「ン……ん、ぁ、ふ……ぅッ!」
意識が、爆ぜる。全身が、跳ねる。
吐き出される精を受け止めながら、私は浮遊感を覚えつつ、まどろみに落ちていくのを感じた。
目醒めた時には、私を縛るものは全て、消えていた。
腕や脚の縄も、眼の布も、口の轡も、そして彼──オルドレイクも。
部屋に私を残して、どこかへ去って行ってしまったらしい。
それでも拘束具だけは外してくれていた。締め付けられる痛みは、もうない。
手首には、赤くぐるりと巻きついた痕がくっきりと、残っていた。
これで終わりです。
前回のギャレオではっちゃけてしまった分、ちょっと真面目に書いてみました。
12 :
名無しさん@ピンキー :03/10/14 20:50 ID:SPWYtALI
たまにはクラレたんを・・・・・
>>724氏
グッジョブ!オルドレイクネタって初めてだよな?ここって。
ヘイゼルに萌え〜。
いつの間にかまとめサイトが…。
前スレ326ですが、532の「犬」は漏れでつ。
16 :
アティ搾乳:03/10/15 01:30 ID:ym4cqheQ
「さあ、時間よ。」
そう、私は繋がれている女に声をかけた。長く伸びた赤い髪。どことなく幼さの残る童顔。
と同時に、それとは不釣合いなぐらいの豊満な肉体。世の大方の男という生き物が食指を
伸ばしたがるような女である。
「は…い…。」
女の目に光はない。絶望と諦観に支配されたような目である。見飽きるぐらいに見た目。
私の組織の人間、おそらくは私自身も鏡で見ればこのような目をしているのだろう。
「じゃあ、始めるわよ。」
そういって、私は彼女の胸元へと手をゆっくりと伸ばす。私の指先が彼女の乳房に僅かに
触れると彼女はピクンと僅かに顔を歪める。吸い付くような柔らかな肉の感触。
餅を捏ねまわすような感じでその乳肉を揉み解す。
「あっ…ふぁっ…はうぁっ…」
甘い喘ぎ声が彼女の口から洩れる。私の指は彼女の乳房を外の方から乳首の方へと何度も
揉み込む動作を繰り返して近づいていく。その度に彼女は喘ぐ。
「うっ…くぅぅ…はっ…」
私の指が乳輪をなぞるころには彼女は発情期の牝犬のように、息を荒らげていた。
与えられる快楽を堪えようとし、それでも堪えきれず見せる雌の貌。
その顔が今の彼女の全てを物語っていた。
17 :
アティ搾乳:03/10/15 01:31 ID:ym4cqheQ
「ひゃうぅっ!!」
乳首の先端にかすかに触れると彼女は激しく反応する。上体を逸らしその双丘をたわわに
振るわせる。私は抑揚のない声で彼女に言う。
「やっぱり…感じるの…。」
「…は…はイィ…ひやぁ!!ひゃうぅぅぅっ!!」
言いながら私は指の腹で彼女の乳頭を軽くこする。たまらずに彼女はまたしても仰け反る。
「いい加減に慣れなさい。そうでもないともたないわよ。」
「…ひ…で…でもぉ…」
涙目で彼女は許しを請うかのような姿勢を示す。無駄な行為だ。私はかまわず続ける。
指で乳首をしごき、手のひらで乳肉を擦る。そのたびに敏感に反応する彼女。
私の手が彼女の胸を犯すたびに彼女の胸が赤みをおび、その乳首は硬く膨らむ。
勃起した海綿体のような弾力を彼女の乳首が持つようになったころには彼女の舌は呂律が
回らなくなっていた。
「も…もほふ…ひゃめへ…い…ひゃぁぁっ…」
彼女は今、快楽の波に理性が押し切られる寸前といったところだろう。僅かに哀れむよう
な目で彼女を見る。いっそのこと溺れてしまえば苦しむことはないだろうにと。
だが、どうでもいいことだ。所詮私には関係のないことなのだから。
「そろそろね…。」
頃合を見はかり私は彼女の乳房を、乳首をギュッと絞り込んだ。乳白色の液体がほとばしる。
18 :
アティ搾乳:03/10/15 01:32 ID:ym4cqheQ
「ひやぁぁぁっ…ミルクでちゃ…はひぃぃぃっ!!」
彼女の胸から勢いよく飛び出した液体。それが私の顔にもかかる。指先で救ってとり舐め
る。とりあえず味に異常なし。これならばあの雇い主も満足するだろう。
「らめェ…搾っちゃ…らめェェ…」
哀願する彼女は無視し、搾乳を続ける。母乳の出も異常なし。十分な量が今日も期待でき
るだろう。母乳を胸から射乳し続ける彼女。別に妊娠しているわけではない。そのように
体を細工されたのだ。彼女は元は私の所属する組織(正確にはそのパトロンの組織)と
敵対していたものだった。戦いに敗れ捕らわれた彼女はそこで陵辱を受け今では
このような実験体とされていた。女を乳牛へと変える実験。なにやら召喚術を利用した物
らしいがここでの説明は省く。用は幹部のあの男の悪趣味である。そんな悪趣味に付き合
わされるはめになったのが私。本業は暗殺なのに今ではこんな閑職。まあどうということ
もないけど。毎日、定期的に搾乳してそれを献上するのがここ最近(といっても数日前か
らだが)の日課となっていた。
「嫌ぁぁっ…もう…らめェェェ!!」
快楽に喘ぎながらも、彼女は恥辱に顔を震わせ涙を流す。無理もない。ついこの間まで
処女であった彼女はいまだ羞恥心というものを棄てきれないのだろう。先日、件の幹部に
純潔を奪われた時には思い人かどうかは知らないが男の名を叫びつづけていた。
そして今このように家畜として辱めを受けている。そのことを本心から受け入れることが
できないのであろう。もう少し調教が進めばそんなことも考える余裕もなくなる。
早い話が壊れたと呼ばれる状態。かつての私のように…。
19 :
アティ搾乳:03/10/15 01:33 ID:ym4cqheQ
「いひぃ…ひんっ…はぁぅぅ…あっ…」
ドロドロとした膿のような母乳が彼女の胸からひととおり出し終わる。一搾り目の完了。
老廃物のたまったものをとりあえず抜き終わる。これから二番搾り目に入る。
あの幹部が愛飲するのはこの二番目だ。私は器具を手に取る。
「これからが本番よ…」
「う…うぅ…」
すすり泣く彼女の胸に器具を取り付ける。なんでもロレイラルの技術の産物らしい。
当初は使い道のわからぬシロモノであったが、今ではその用途は明らかになっている。
パチンと引き金のようなものを入れる。と鈍い振動音が伝わってきた。
「きひぃぃぃぃ!!ひぃ…ひぐあぁぁ!!くぁぁぁぁっ!!」
振動音とともに器具は彼女から母乳を搾り出す。先ほど、アレだけの量を搾乳したという
のに彼女の胸からは乳液が大量に搾り出される。みるみるうちに瓶が満たされていく。
乳首周辺の部位を覆う器具は振動を伝えて、彼女の乳首とその付近の肉を搾る。
ドピュドピュと勢いよく綺麗な乳白色な液体が噴出する。
「止めて…くだ…ひゃひぃぃぃ…こんなの…もほふぅぅぅ…」
雌牛に改造されてから彼女の肉体で胸、とくに乳頭部はとりわけ敏感な性感帯と化していた。
20 :
アティ搾乳:03/10/15 01:34 ID:ym4cqheQ
その部分を執拗に責めつづけられているのだ。繰り返されるオルガニズム。何度も母乳を
噴出しながら彼女はイキ続ける。そんな彼女の乳肉を私の手は揉み込む。器具の手助けを
するかのごとく。
「一気にいくわ。」
「ほんな…これ以上されたら…私…くひぃぃぃ!!」
そう言って出力を最大にする。器具は激しく上下しながらより強い力で搾乳する。
それに伴いゴム鞠のように彼女の胸がブルブルと揺れる。
「ちぎれ…ちぎれちゃい…ますぅぅ!!おっぱいがぁ…あうぅぅぅぅ!!」
その激しい振動に苦痛が与えられるがそれとともに射乳のたびに押し寄せる快楽が相殺し
あう。苦痛と快楽。恍惚と恥辱。その狭間で彼女の精神は揺れ動いているのであろう。
母乳の噴出も終わりを迎えていた。最期の一搾りに彼女はその日一番の量の乳液を吹く。
「いひぃ…ひゃふ…いっひゃふぅぅぅっ!!」
鯨が潮を吹いたかのような噴出を最後に搾乳は終了する。ぐったりとなる彼女。
だが、まだ後始末が残っていた。
21 :
アティ搾乳:03/10/15 01:35 ID:ym4cqheQ
「さあ、後片付けよ。」
「あ・・・あふぁぁ…」
虚ろな意識で答えたのかどうか分からないような返事をする彼女。だがすぐにその顔が青
ざめていく。次に行なわれていく処理を恐れて。
「ゆ…許して下さい…それだけは…もう…」
涙声で訴える彼女。だがやめる訳には行かない。ちゃんと仕上げ処理をしないと後々
私の責任問題となる。私はポケットからあるものを取り出す。
「ちゃんと綺麗にしとかないと駄目だといわれているから…諦めなさい」
「そんな…そんなの…い…」
嫌がる彼女。それを押さえつけるのは多少手間取りはした。が私は目的を果たす。
挿入するのだ。彼女の乳腺に綿棒を…。
「いひやはぁぁぁぁっ!!ひあぁぁぁぁぁっ!!」
ひときわ大きな悲鳴を叫ぶ彼女。搾乳直後の拡張された彼女の乳腺は綿棒の挿入を可能に
する。綿棒で乳腺の中の汚れを処理する。これが後始末。自分の体の内側を異物でほじく
られる。その不快感と刺激は先ほどの搾乳をも上回る。
「あぁぁぁぁっ…うぁぁぁっ…嫌ぁぁぁぁっ!」
「いい加減に諦めたら…どうせ貴女は死ぬまで奴隷なんだし…」
泣き叫びながらよがる彼女に私は言い捨てる。こっそりその言葉の末尾に胸中で付け加える。
貴女も私もと…。
綿棒で乳腺を吸い出した後に僅かに残っていた母乳を口で吸出し、搾乳作業は完了する。
後はこれをあのいかにも悪人ヅラの幹部に届けるだけ。こうして本日の搾乳は終了する。
虚ろな瞳で倒れ付す彼女を残して…。
「あはうぅぅ…貴方ぁっ…とても…凄ひぃぃぃ!!」
「クククク、ツェリーヌ…。今日も我は疲れを知らぬわ…クハハハハハ。」
無色の派閥。その中でもひときわ強大な権力を握るセルボルト家。その夫妻の夜の営みは
今日も激しさを増していた。オルドレイクの豪壮なイチモツをツェリーヌはその肉壺
いっぱいで受け止める。グチョグチョといやらしい音を立てて繰り返されるピストン運動。
もう充分に時間は経過した筈なのに萎えるどころか…より精強さを増す。
「貴方ぁ…最近の貴方…ステキ…こんなに逞しい…」
「ククク、ツェリーヌ。愛するお前だからこそ我は疲れというものを知らぬ。」
後背位から挿入を楽しみながらオルドレイクは妻にのろける。
実はこの男この日ツェリーヌとの夜を迎える前に派閥の雌奴隷を相手に百人切りを達成していた。
(クククク、古の文献にあった滋養強壮の秘薬。想像以上の効果だ。)
いくら相手にしても疲労を知らずむしろ性交をこなすごとに力がみなぎってくる。
馬並に膨らんだペニスにツェリーヌの熟れた肉ひだがよく絡むのがとてもいとおしく感じる。
オルドレイク・セルボルト。女を子を成す道具としか見ないこの男も本妻のツェリーヌ
だけは本心から愛していた。彼は無色の力ある召喚士の務めとしてその優秀な子種を
より多くの雌に植え付ける役目があった。そのしわ寄せか…最近妻との性交に充分な
モノを与えられぬのが不満であった。
「下さい。貴方のを…はやくぅぅぅ!!」
「そう、焦るでないツェリーヌよ…。む、いくぞ。」
そういい、オルドレイクは満足行くまでツェリーヌの体に精を放った。
オルドレイク・セルボルト。後年伝え聞くところに寄れば百人の女に子を成し
その子供を派閥の兵として地獄送りにした非道の男。その子供で正式にセルボルト家の子として認知されたのは僅かに四名。その他は幼くして命を落としたり、人知れず棄てられ
たりした。盛んの王とも揶揄されるこの男が実は正妻だけは心から愛していたというのは
興味深いことだろう。その彼女との間には子はいなかったと言われる。
一説によれば子を為すことにより妻の愛が自分から子へと注がれるのを畏れたという。
その真偽は定かではない。
24 :
鬼畜野郎:03/10/15 01:40 ID:ym4cqheQ
久しぶりにエロ度の高いものを書きたくなったので書きました。
最後のオマケはなんとなく…。アズリアのほうがもう少しかかりますので
待っている方ゴメンなさい。ちなみに保管庫の618氏にお願い。
今回のこれは収蔵する時は一まとめでタイトル「アティ搾乳」にしといて下さい。
無色キタ━━━━━━━(・∀・)━━━━━━━━━!!!!!!
ヘイゼルキタ━━━━━━━(・∀・)━━━━━━━━━!!!!!!
オルツェキタ━━━━━━━(・∀・)━━━━━━━━━!!!!!!
待ちに待ってました。夫婦がラブラブで満足でつ。乙!
昨日はアク規制で投下できなかったマグアメですがただ今投下させて頂きます。
自分の文才を呪いたくなるような糞SSですが、最後まで読んでくれれば恐縮です。
アメルがこの世界に戻って来てからもう半年になる・・・
ネスや他のみんなはそれぞれの目的のためにこの森を出たが
オレとアメルはレオルドと一緒にこの森で暮らしていた。
何事もなく、平和に、のんびりと・・・・。
この半年世界中に満ちたカスラの風はこの木がほとんど吸収してしまった。
ただあの一件以来、ここがちょっとした観光スポットになったようで、
禁忌の森なんて呼び名はなくなり、アルミネの森が正式な名となり
この木もアルミネの木(まんまだけど)なんて呼ばれるようになった。
ここを訪れる人もちらほらいるが、まさかアメルがこの木から出てきた
なんて知るよしもないだろう。ましてやこの木が、元は召喚兵器の
遺跡だとは・・・。
それをのぞけば本当に何もない毎日。
今日もまた変わらぬ日々が続くはずだった・・・・。
朝・・・マグナはレオルドに起こされると寝ぼけ眼で顔を洗う。
台所ではいつも通りアメルが朝食の支度をしていた。
「あ?・・・おはようマグナ。」
いつもの笑顔で微笑むアメル。
およそ以前の生活からは想像もつかないような幸せな毎日だ。
マグナが朝食の前に郵便受けに手紙が入ってないか見に行ってみると
そこには派閥からマグナ当てに手紙が届いていた。
マグナはこんなところに住んではいるが、派閥から除籍された訳ではなく
時たま派閥に戻るよう手紙が来るのだ。
といっても2,3日で用事を済ませて戻ってくるので、
アメルは留守番をしていることが多かった。
ところが今日に限って一週間の長期滞在になりアメルは少し驚いた
様子だった・・・。
「それじゃあ行ってくるよ。」
「身体に気を付けてくださいね・・・。」
と少し不安げにアメルが聞いた。
「大丈夫だよ、一週間で帰ってくるから・・・あ、
お土産もいっぱい買ってくるから心配しないで。」
「そうですね・・・いってらっしゃい。」
アメルがそう言うとマグナとレオルドは出発した。
翌日、アメルは早起きして朝食の支度をしようとするが
マグナが居ないのを思い出した。
(そっか・・・居ないんだっけ・・・。)
アメルはまたベッドの中にくるまり目を閉じた・・・。
朝早く起きて朝食を作ることが日課になっていたアメルにとって、
マグナの居ない朝というものは少し寂しいものがある・・・。
それからまた5日経ち、アメルは玄関のドアを開け外に出た。
(今頃どうしてるのかな・・・。)
やけに落ち着かない。明日になれば帰ってくるはずなのに
なんだか遠くに行ったきり帰ってこないような気がする。
翌日・・・いつマグナが帰ってくるのかとアメルはそわそわしていた。
帰ってくればきっとおなかが空いているだろうと作っておいた料理も
とっくにさめている。
もう夜中の12時をまわったが、いっこうに帰ってくる気配がしない。
(どうしたのかな・・・・。)
そう思いながらずっと待ち続けて、気が付けばもう朝になっていた。
アメルは目を覚ますと周りを見回した・・・が、誰もいない。
次の日、また次の日とマグナは帰ってこなかった。
(明日はきっと帰ってくる・・・きっと。)
そう思いながらアメルは眠りについた・・・。
・・・・・
(あれ・・・わたし眠っちゃったの?)
アメルは目を覚ました。するとそこにはマグナの姿があった。
いつ帰ってきたのと言いかけたときマグナの前には
信じられない物が立っていた。
(え?・・・目の前にわたしが居る?!)
アメルはとっさにこれが夢であると悟った。
目の前では今から一週間前、つまりマグナが出かけた日の
出来事が起こっていた。
夢の中の自分が心配そうにマグナを見つめている。
「それじゃあ行ってくるよ。」
「身体に気を付けてくださいね・・・。」
と少し不安げにアメルが聞いた。
「大丈夫だよ、一週間で帰ってくるから・・・あ、
お土産もいっぱい買ってくるから心配しないで。」
「そうですね・・・いってらっしゃい。」
ほんの一週間前の出来事・・・しかし。
(ちがう・・・わたしはマグナに行って欲しくなんかない)
だが、自分の心とは対照的に夢の中の自分は笑顔で彼を見送っていた。
(ちがうの・・・行かないで・・・ちがう)
アメルが寝る少し前・・・
「ただいま!」
ようやくマグナが帰ってきた。手には大量の荷物を持っている。
レオルドもさらに大きい荷物を抱えて続けて家に入る。
「レオルドは先に休んでいてくれ。」
そう言うとレオルドは充電モードに入り動かなくなった。
「アメル?いないの?」
と、アメルの部屋を開けると、テーブル俯せになりながら
寝ているアメルが居た。
「アメル・・・・。」
彼女の寝顔を見たマグナは起こすのをためらい、そっと毛布を掛けた。
すると、
「いかないで・・・・。」
「寝言か・・・。」
一体どんな夢を見ているのか、いまはそっとしておこう。
そう思い部屋を出ようとする・・・。
すると、
「行かないでマグナ!!」
不意に後ろから抱きつかれマグナはドキッとする。
うわ!ど、どうしたんだよアメル!」
そうマグナが言うとアメルはそっと顔を上げた。
「え・・・、マグナ帰って来てたの?」
マグナはアメルの目にうっすらと涙が溜まっているのを見て
「もしかして怖い夢でも見てた?」
「わたし・・・マグナが・・・どこかに行っちゃう夢を見て・・、
それで・・不安で・・・。」
「いや、派閥で偶然フォルテ達に会って、引き留められてさ・・・。」
アメルの目からは、今にも涙があふれ出そうだった。
「ごめん・・・」
マグナはアメルを強く抱きしめる。
「もう何処にも行かないで・・・、ずっと一緒にいて。」
アメルの目から大粒の涙がこぼれ落ちると同時にいつもの笑顔が戻っていた。
「・・・ねぇマグナ・・・抱いて。お願い・・・。」
「いいの?オレ初めてだよ・・・。」
「うん・・・、初めての人はマグナって決めてあるから・・・。」
互いの目が合う。
少し照れた様子でマグナはアメルを抱き寄せるとそっと唇を重ねた。
「ん・・・っ」
やわらかい。そのまま口の中で舌が絡み合う。初めての経験に緊張しながらも
互いの愛を確かめ合うように深く
「んっ・・はぁ・・んん」
しばらく甘いキスに酔いしれていた二人だがマグナが不意に
アメルの服に手をかける。
「あっ・・マグナ、駄目ぇ・・」
「大丈夫、怖くないから。」
怖がるアメルに優しく諭す。荒々しく服を脱がされるとすでにアメルは息を荒げていた。
マグナはそのままアメルをベッドに寝かす。
更にブラを外すと服の上からは分からなかったアメルの
豊かな胸が露わになった。
「アメルって、以外と胸大きいんだね。」
「あんまり見ないで。恥ずかしいよ。」
アメルは顔を赤くしながら胸を隠そうとするが、マグナはその手を
掴んで深いキスをした。
「あ・・・んっ」
そのままアメルの胸に手を伸ばすと今まで感じたことのない
柔らかい感触。
(これがアメルの胸かぁ・・・)
マグナはこの胸をまさぐるごとに自分の理性が少しずつ失われていくのを
感じた。もちろんアメルも例外ではなく愛する人に胸を触られることで
身体が火照り始める。
「はぁ・・あっ・・んん、マグナ」
唇が離れると今度はその胸に吸い付くようにして優しくまめまわす。
「ひゃっ・・・ああっ、や・・はぁ」
アメルが耐えきれずに嬌声をあげると、自分の股間が
ひどく熱くなっていくのを感じた。
「マグナ・・・下のほう、濡れてるかも」
「うん」
予想通りアメルのショーツの割れ目に沿って愛液がしみになっていた。
マグナはそっと手を触れてみる。
「うわっ、すご・・」
ショーツの上から糸を引くのを見てアメルもマグナも更に興奮する。
そしてその上から指で割れ目をなぞってやると
「あっ!ふぅ・・ん、や・・なんだか・・わたし」
今まで感じたことのない快感に少し恐怖を覚えながら
アメルは身を激しくよじらせる。
だがマグナはもう辛抱出来なくなったのか、ショーツに手をかけ
強引にはぎ取りアメルの秘部を舐め回す。
「ぴちゃ、ぴちゃ、くちゅ・・・・」
「はぁっ・・ああ・・・マグナ、わたし・・変に・・」
さらにマグナはクリトリスをなで回し、歯で優しく摘みあげる。
「くにゅ、くにゅ・・・・」
「あ!・・駄目・・そこは・・はぁ、ん」
アメルの方も感覚が鈍くなったのか、そのことに抵抗せずなすがままに
快楽に溺れていった。
「アメル・・入れていい?」
「・・・うん。」
マグナは自分のモノをアメルの割れ目にあてがうと一度深呼吸をして
「痛かったら言ってね。」
マグナは一度入れてしまえば多分やめられないと分かっている。それでも
自分がこれからアメルを傷つけることに躊躇していた。
「いくよ・・・」
アメルの腰を支えながらゆっくりと挿入していく。
「んっ!・・・うう・・!」
アメルは歯を食いしばった。そして次の瞬間一気に膜を突き破る。
「んんんんんっ・・・・!!」
アメルは口を閉じて必死に痛みをこらえるが我慢できずに
「痛っ!」
「ご、ごめんアメル!」
そう言ってマグナは腰を引こうとするが、アメルの腕がしがみつく。
「やめないで!」
「でも痛いんでしょ?!」
アメルの秘部からは血がしたたり落ちていた。痛くないはずはない。
それでもアメルはマグナと離れるのが怖かった。
「もう何処にも行かないで!」
痛いのには変わりないのに、この人と一緒にいるとそれすら和らぐ。
マグナの心臓の鼓動が聞こえるだけで安らかな気持ちになる。
「わかった、動くよ」
数回腰を動かす。
「はぁ・・・!くっ・・ん・あっ!」
「アメルの中・・凄く気持ちいいよ」
アメルの痛みはもうほとんど無くなっていた。その代わりにこれまで感じた
事の無いような快楽に恐怖を覚え、今まで以上にマグナを抱きしめる。
「マグナ・・・怖い、わたし・・変に・・なっちゃう!」
「大丈夫だから!オレがついてるから!」
二人は快楽で自分を見失いそうになると何度も名前を呼び合った。
そうすることが互いの恐怖をぬぐい去ってくれたから。
だがその快楽ももう終わろうとしているのを二人は感じていた。
「アメル!オレ・・もうイキそう!」
「はぁ・・っ!わたしも・・・もう・・」
そして二人は再び唇を重ね、惜しむように抱き合った。
「あぁ・・ん!あっ・・ふぅん・・!」
マグナは絶頂を迎えようとして急に腰を引く。
「ダメ!中でしてマグナ!」
そう言うとアメルはマグナの身体にしがみつく。マグナも
二度と離さないように強く抱きしめた。
「くっ・・・!」
「マグナ!あああああっ!!」
アメルの中に熱いものが注ぎ込まれた。もう二度と離れないことを
確信した二人は再び抱き合う。
「・・・ごめん。中に出しちゃった。」
「いいの、わたし嬉しかったから。」
・・・・・・・・・・・・・・
気がつくとアメルは静かに寝息を立てて寝ていた。マグナに抱かれて
安心したのかどうかは知らないが可愛い寝顔にマグナは思う。
「もう二度と離さないから」
スマソ・・・。ほかの神達に比べたら糞みたいなSS投下して・・・怒っていたら謝罪します。
っていうかオレは何書いてんだぁ〜〜!!情けなくなってきた。
しかも後ろの部屋では中一の弟がひたすらGBAやってるし。オレがこんなモノ投下してるのに
気付いているのかいないのか。
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
数少ないマグアメのエロを堪能させてもらいますた。
激しく
∩
( ⌒) ∩_ _グッジョブ !!
/,. ノ i .,,E)
./ /" / /"
_n グッジョブ!! ./ /_、_ / ノ'
( l _、 _ / / ,_ノ` )/ / _、 _ グッジョブ!!
\ \ ( <_,` )( /( ,_ノ` ) n
ヽ___ ̄ ̄ ノ ヽ |  ̄ \ ( E)
/ / \ ヽフ / ヽ ヽ_//
さりげなく護衛獣がレオルドだったのでかなりウレスィ
GJナリ
どうでもいいけどハードボイルド刑事ってのは
ハンドルネーム?タイトル?多分HNだと思うけどレナード思い出すなあ。
「やれやれ…これで、どうにか一区切りついたようだな」
「そうですね…それにアズリア、貴方がいなかったら勝てませんでした。貴方がいてくれたから
シャルトスはウィスタリアスとして生まれ変わることもできたんです、本当にありがとう」
無色の派閥との決着後、私は海賊たちの船の船首で夜風に当たって海を眺めていた。そのとき、アティから声をかけられた。
ウィスタリアスはアティの心が力となっているらしい、アティは私からその力をもらったというのだ。
あの時はただ、あいつに活を入れてやろうと思っただけだったのが…それでもアティは感謝している、という。
しかし、なんて可愛い笑顔なんだ。軍学校時代から何も変わらないその笑顔…はぁはぁ…い、いかん。落ち着け、アズリア。
「けど、どうしてあんな無茶したんですか。私のために戦おうとしてくれたのは嬉しかったけど、
だからといってお互いに心配をかけるようなことはやめましょう、ね?」
「あ、あぁ…すまない」
あぁ、アティに叱れている、アティ、アティー!もっと叱ってーっ!
「あ、あのアズリア…?」
…はっ。
「すまない…イスラのことが…な」
許せ、弟。
「イスラにはきっとアズリアの声は届きますよ、その時は私たちみんな手伝います」
「ありがとう、アティ」
「…そ、そうだ。アズリアにお礼がしたかったんですよ。ちょっと後ろ向いててもらえませんか?」
月明かりで少しばかり照らされたアティの顔は少し赤いように見えた。なんなのだろう、お礼とは…まさか…
「いいですよ、こっちを向いてください」
「いった…い…」
言いかけた私の言葉は途中で遮られた。それは…アティの唇だ…って何ぃ!?
ア、アティの唇がわ、私の…こ、これは…キスなのか…!?
ちょ、ちょっと待て。私のファーストキスがアティなのか、アティなのかー!
ハァハァ、吸ってー舌入れてー好きにしてくれーアティィィィィ!
「…ズ…ア、アズリア…アズリア!」
「え?」
「え?じゃないですよ、その…早く後ろ向いててください」
「あ、あぁすまん」
い、いかん。落ち着け、アズリア。そんなことはないのだ、第一アティは女、私も女だぞ。そもそも女同士でキスなどと…
いや、アティならいいんだぞ。むしろ来てほしいくらいだ。…落ち着け、そうだ、ギャレオでも紫電絶華で刺してよう。
「いいですよ」
アティの許可が出た。では振り向くとしよう、待ち時間の間、ギャレオを何度か倒したしだいぶ落ち着いたようだ。
こういうとき、役に立つな。さすが副隊長。
「それで、お礼とはなんなんだ?アティ」
「いきますっ!」
「なっ?」
アティの顔がかけ声と共に近づいてくる、ま、まさか…本当に…
ちゅっ
「あー恥ずかしかった」
アティは私のほおにキスをした。想像とは場所が違ったがアティに…キスをされた…されたんだ。
ハァハァ、アティー!ビヴァ!アティィィィィー!!
「ご、ごめんなさい!その…キス…なんかしちゃって」
どうやらアティには私があまりの出来事に硬直してしまっていると思っているようだ。
違う!むしろもうちょっと横にずれてくれてよかったんだ!謝るなぁ…でも謝るアティも可愛いな…。
「な、なにをするんだ。いきなり…その…女同士だというのに」
「そ、そうですよね。その…お礼がしたいってスカーレルに相談したら
“そういうときは男も女も一緒、キスしてあげなさいな。もちろんホッペにね”って言うものだから…」
あのオカマの差し金か…そ、そんなことはどうでもいい。い、今はこの場をどうするべきかだ、
そうだアズリア=レヴィノス、こういうときこそ落ち着いてだな…
「やっぱり…嫌でした?」
あぁそんな目で見るなアティー!そんな艶めかしい目で私を見ないでくれーハァハァ…
嫌なことはない…むしろ最高だー!
「お、驚きはしたが…悪くはない…わ、私としては口が…」
駄目だ、これ以上一緒にいると襲ってしまいそうだ。とりあえず部屋に戻ろう。
先ほどの発言を咳払いで濁らせてアティに部屋に戻る、と言って私は逃げた。
「あら?センセのキスはどうだった?」
廊下を歩いているとその途中、スカーレルが待ち伏せていた。事の発端がのこのこと…
「お前があいつに変なことを吹き込んだのか」
「そんな言い方ないんじゃなーい?実は嫌じゃなかったんじゃない?」
く…鋭いな…いや、私は正常だ。断じてアティからキスされたことで舞い上がってなどいない。
「ま、いいわ。これあげる」
そういうとスカーレルは小瓶を私に投げた。
「なんだ、これは」
「ヤード特製の超媚薬。どんな相手でもイチコロよ」
「馬鹿馬鹿しい、こんなもの私が欲しいとでも言うと思ったのか?」
「別に欲しいからあげるわけじゃないわ、サービスよ、サービス。気が向いたら使いなさい」
これがあればアティは私のもの…ウフフフ…い、いかん顔に出すなよ、アズリア。
「…一応、もらっておく」
私はその媚薬を受け取り部屋へと戻った。
「がんばってね〜…フフ、どうなるかしら」
「媚薬…か」
私は部屋に戻ってベットに体を預けた。仰向けになってその小瓶を見つめる。
その小瓶には「大胆になるクスリ〜地味な男がここまで大胆に!?〜」などと書かれている。
ちょっと、待て。どこがどう媚薬なんだ…小瓶には説明書きが書かれていることに気付いた。何々…
“あなたの汗を染みこませた1粒を相手に飲ませたら相手はもうイチコロ。
食事や飲み物に混ぜても大丈夫よ By.スカーレル”とある。どうやら失敗作のようだ。
しかし怪しい。これでアティが私のものになるというのなら喜んで使うのだが…
よし、ここは一つ試してみるか。そうと決まれば今日はもう寝よう。
「あぁアティたん…ハァハァ」
「てやーっ!」
朝、目が覚めた私はたまたま外にいたカイルを誘い戦闘訓練をしている。
奴には汗をかいてもらわなければならないのでしっかりと動いてもらわなければならない。
そういうわけで私はカイルに対して紫電絶華を容赦なく仕掛ける。
「ぐあああっ…お、おいもうちっと手加減してくれよ」
「何を言ってる、これしきのことでへばるような奴ではあるまい」
「ったく…朝っぱらからこれじゃあこっちの体が持たないぜ」
「まぁ訓練に付き合ってくれてすまないな、ほらタオルだ」
「わ、わりぃな…」
「そこのお二人さーん、朝食できたよーっ!」
遠くからソノラの声がした。ちょうどいい、早速媚薬の効果の程を試させてもらおう。
私はカイルからタオルを奪い取ると、早々と船に戻り部屋に置いておいた媚薬を
1粒取り出すとタオルを絞って汗を染みこませた。そうしてできた媚薬を持って私は朝食へと向かう。
部屋に着くと幸い、誰もまだいないようだ。いまのうちにこの一粒をコップの水に入れた。
これは実験だからアティさえ飲まなければ大丈夫だ。そうしているとアティがやってきた。
「あれ?今日は早いんですね、アズリア」
「あ、あぁ目が早く覚めたものでな」
アティは昨日のことなど覚えていないような素振りだった。まぁいい、この薬が本物だった暁には
目の前にいる天使、アティは私のものだ…フフフ…ハハハ…
「ア、アズリア?」
「ハハ…あ、あぁなんだ」
「まだ寝ぼけてるんですか?さぁ早く席に着きましょう」
アティは目の前の席に座ろうとしていた。ちょっと待てそこは…!
「アティ、こっちに座れ、な?」
「え、あ、はい…」
私は強引にアティを他の席へ座らせた。そのどさくさに紛れて隣に座る。アティの隣ゲトーッ!
そして次々と席が埋まっていく、そしてあの席には誰が座るのだろう…あまりじろじろ見ても
怪しいだけだ、ここは視線を向けずにいよう。
「そんじゃ、全員揃ったし食べますか!」
カイルが言う。どうやら全員座ったようだ。さて、誰があの席に…!
その時私は見てはいけないものを見た気がした。いや、見間違えるはずがない。
あのむさ苦しい筋肉と角張った輪郭、一人だけ別世界のように空間を作り出す
筋肉の巨漢…ギャレオだ。しかも美味しそうに水を飲んでいる。
…ま、まぁカイルと奴がどうなろうと問題ないだろう。それよりも効果が本物かどうかが大切だ。
翌日、ギャレオが非常にやつれた顔をしていた。どうやら効き目は本物のようだ。
これはいける、これでアティは私のものだ…フフフ…ハハハ…。
しかし問題はどうやってアティに媚薬を飲ませるかだ、昨日のように食事に混ぜるのは
一番簡単だが失敗すればギャレオのようになってしまう。
私が悩んでいたところにスカーレルがやってきた、妙にニヤニヤしている。
「どうかしら?お薬の効き目は。バッチリでしょ」
「あぁ…確かにすごい効き目だ。あのギャレオの輪郭が丸くなるとはな」
「で、今度はセンセにそのお薬を?」
「何を馬鹿な…!冗談もほどほどにしろ」
「あらゴメンなさい…それじゃ失礼するわ…あ、そうそう。センセは今、ユクレスの村で
農作業の手伝いをしているわ。じゃね〜」
スカーレルが部屋から立ち去った。そうか…メイトルパのところか。農作業…よし!
私は早速、準備に取りかかった。アティに媚薬を飲ませるためには農作業で疲れたところを狙おう。
そのためにアティの大好物であるナウバの実やその他さまざまなブレンドを施した
ベリーデリシャスウルトラヘルシードリンク、アズリア汁を作りあげた。
あとはこのアズリア汁をアティに飲ませれば…今夜が楽しみだ。
夜も更けて私はアティを待った。結局アズリア汁は部屋の外で待機していたスカーレルに預けた。
どうもあのオカマはすべてを把握しているのが怖いがそんなことはどうでもいい。
既にベットの上に座り、アティがくるのを待機していた。そこへコンコン、とノックがする。
「カギはあいてるぞ」
「アズリア、ちょっといい?」
アティキター!カモーンカモーン!!
「なんだ?こんな夜更けに」
「ん〜その…ちょっと」
あぁ恥じらいアティ、さぁその体を私に預けてーっ!!
…アティが近づいてくる。あぁそのセーターに隠された豊満な胸が目の前に…目の前にぃぃぃ!
さぁ私に抱きつけ、押し倒せ、キスをしろー…って、
「ア、アティ何を…」
アティは私の後ろに回ると肩を揉み始めた。肩なんでいいんだ、胸を揉め、胸をだ!
「私のためにジュースを作ってくれたお礼です、毎日朝から訓練疲れてると思って」
そんなことはどうでもいい、媚薬の効果があったんだろ、なっ?そうだろアティ…アティたーん!
…それにしてもなんて上手な肩もみなんだ…ア…ティ…。
「あ…あぁ…いい…も、っとぉ…」
「や、やだ。何言ってるんです、アズリア」
「そ、それはだな。あまりにも上手だったから、つい…」
「よかった!じゃあもっとしてあげますね」
あぁ、アティに肩を揉まれている。たまらない、いい…いいわぁ…。
んっ…あぁ…はぁはぁ…もっと、もっとぉ…。
「それでですね、アズリア」
なんだ、アティたん。もう私は貴女の虜…いや、この場合アティたんが私の虜なのか。
「実は、言いにくいんですけど。せっかくのジュース、他の人にあげちゃったんです」
な、なにぃぃぃぃぃぃ。私の頭の中で後半の言葉が何度も響く。他の人って誰だ!?
「ギャレオさんが一番よく手伝ってくれたんです…ってアズリア?大丈夫!?」
「た、隊長どうしましたっ!?」
「ギャ、ギャレオさん!アズリアが突然倒れちゃって…」
「ここは私に任せておけ。ストラをかけておこう。アティは休むといいだろう」
「す、すみません。お願いします、ギャレオさん」
「あぁ」
「でもなんでギャレオさん、アズリアの部屋にいたんだろう、それもタンスの中から…
きっとかくれんぼでもしてたんですね」
「う…」
アティの言葉にショックで意識を失っていたようだ…ってなんでだ…。
「隊長、気が付きましたか」
ギャレオがなんでい、いるんだ…まさか…。
「隊長、じじ、自分は…た、隊長のことが…」
OK,落ち着けギャレオ。お前は早く檻に帰れ。よせ、やめろ。ち、近づくんじゃない…!
「いやああああああああああああああああああああああ」
「あら?センセ、どうしたの?」
「二人っきりの時は、アティって呼んで。スカーレル。」
「そうね、ごめん。アズリアの様子はどうだった?」
「イスラのことで大分思い詰めてるようで…ギャレオさんが今はそばにいてくれてます」
「そう、彼女ならきっと大丈夫よ」
「そうですね!」
「まぁ…彼女本当にセンセ狙いとはね…ギャレオに飲ませてよかったわ」
「…何か言いました?」
「なんでもないわ。さ、行きましょ」
翌日以降、アズリアは戦列を離れた。
そしてソノラに近づく毒蛇の影が…。
第3弾、投下させてもらいました。
アズリア視点で書いてみたんですが…難しい。
あと悪のりが過ぎたかも…。
アズリア汁は嫌ぁぁぁぁぁぁぁっ!!!
笑わせてもらいました。しかしここのアズリアはイスラに犯されたり
レックスとらぶらぶしたり、アティ萌えの変態だったり
ギャレオンに襲われたり、本当に忙しいお人ですな。
>>53 グッジョブ!テンション高いアズリアにワラタ。
ところで話の内容に質問するのはアレかもしれないけど、
これって最後の場面を読むと、アティはアズリアが狙う云々以前にスカーレルとデキていた、
ととらえたんだけど、そのあとの文を読むとスカーレルはソノラ狙い、ともとれるんだが…
どっちなんでしょう。
>>55 スカーレルは媚薬で楽しんでます、ということで。
偶然アティが惚れちゃってスカーレルもまんざらでもなく…といった感じ。
「ソノラ〜こんなのあるんだけど」ってことです。
アズリア素敵すぎ
.......乙です!
>>53 GJッス。アズリアはシリアスでも、崩れてても違和感ないのな・・・
にしても毎度ギャレオ、不幸・・・
59 :
一触即発:03/10/16 02:26 ID:YSZajPFZ
―サイジェント郊外、ガレフの森
猟師位しか入る者のいないこの森に珍しく来訪者があった。
影は、大小二つ。森を颯爽と擦り抜けるかのように移動する者達を知る人間はこう呼称する
シノビ、と。
そのうち影は森の中央付近、しばらく前寄生するキノコの魔物との戦闘によって開けた場所へと到着した。
「しかしまあ、アカネさんの方から修行に誘ってくるとは珍しい事もあるものですね」
「まあまあ・・・ではいきますよ、お師匠」
シオンが頷くのを確認すると、アカネは彼の周囲を旋回し始めた
それまで笑みを讃えていたシオンの顔に真剣味が宿ってゆく。
「忍法・多重分身っ」
「ほぉ・・・」
何も分身時に声を出す必要は無いでしょうに。そう失笑するつもりでいたシオンの口から出たのは
驚嘆の声だった。
「へへ・・・どうですか? お師匠」
シオンを取り囲むド派手な忍び装束に身を包んだ愛弟子全てが、同時に喋りだす
その数およそニ、三十といった所か。
(全ての分身から気配を感じる・・・随分と一人で修練を積んでいたようですね)
シオンが分身するのであれば、逆に全ての分身の気配を消し相手の動揺を誘う。
逆の発想とはいえ、弟子の上達ぶりに思わず舌を巻く。
(とはいえ・・・)
―全ての気配が等分されているという訳でも、ないですね
「そこですっ」
銃でいうところの抜き打ちの要領で懐から苦無を打ち放つ。流石に修練用に使われるものであるから
たとえ命中したとしても軽い打撲を負うだけで済む代物である。
丁度シオンの死角に位置していたアカネへと一直線に苦無は伸び、そして
ガッ・・・
「な・・・!?」
倒れた古木へとぶつかり、弾かれた。
「やりいっ」
慌ててシオンが振り返るとアカネが意外な場所から姿を表した。
60 :
一触即発:03/10/16 02:26 ID:YSZajPFZ
明らかに苦無を投げたのとは明後日の方角である。
「これは・・・私としたことがしてやられましたか。大分、修行をしていたようですね?」
「へへへ・・・」
(予想の範疇を超える動き・・・この子もいつまでも雛鳥ではない、か)
急な弟子の成長を嬉しくも、少々寂しくも思いながら照れ笑いを浮かべるアカネを見やる
「お師匠もうまく翻弄できたんだから、今度こそは・・・っ! では師匠、また後で」
「へ? アカネさん?」
あっけに取られるシオンを尻目に、アカネはそそくさとサイジェントの街目指して駆け出していた。
見る間に声を掛けられぬ所まで行ったかと思うとその姿を消してしまった。
「・・・・・・まだ幾分、精神修練が足りないようですね」
一本取られたのもシャクですね。そんな事を一人ごちながらシオンはしばらくの間修練に励むのだった・・・。
「ふぅ・・・久し振りにゆっくりできてるって感じだな」
「そ、そうだね・・・」
(チャンスっ、チャンスよカシス!)
フラットの昼下がり、家でくつろぎお茶を飲むトウヤの横でカシスは一人盛り上がっていた。
「だけどこう平和だとあれだな。どうも気が抜けちまっていけねえよ」
「はは。少し前までの慌しさが異常だっただけだろ?」
椅子に体重を乗せ背伸びするガゼルにトウヤが苦笑してみせる。仕事を早めに切り上げたエドスもまた
会話の輪に参加していた。
(とっ・・・取り合えずよ・・・先ずはトウヤをうまく外へ連れ出して・・・)
3人の談笑が進む中計画を練るカシス。既にトウヤ以外は目に入っていない
脳内で削除されているらしい。
「まあな・・・でもお陰で腕っぷしは鍛えられたってもんさ」
「だったらガゼル。お前も一緒に石切り場で働くか?」
「いや、そういう意味で言った訳じゃ・・・」
「ははは」
(そう! いざこざも片付いた今こそアタックのチャンスッ!)
「という訳でっ! さあ出かけましょうかトウヤ!」
だむっ、と唐突にテーブルに拳を叩き付け荒い息でトウヤに向き直るカシス。
61 :
一触即発:03/10/16 02:28 ID:YSZajPFZ
向かい側では驚いたガゼルが盛大に椅子から転げ落ちたり、お茶を吹いたトウヤの所為で
エドスがびしょ濡れになったりしているのだが無論、カシスには見えていない。いや、気に留めていない。
「何がという訳なのかは分からないけど、一体どうしたんだ・・・?」
「いいからいいから。外はいい天気だし歓楽街でお茶でもしましょう。大丈夫、任せて
エスコートは私がするから。だって私は行・動・派ッ!」
―今の君は行動派というより、暴走してるようにしか見えないけど
一瞬そう口にしようとしたトウヤだったがカシスの目の色が違う事に気付き、溜息をつく。
どうにも何を言っても伝わりそうに無い。
どちらにしろする事も無かったのだし素直にカシスについて行くか・・・
そう考え、カシスをなだめようとしたトウヤだったがサッと身を背後へ躍らせる。
めきばりどすん
とても楽しげなカシスを押し潰し天井からオレンジ色の塊が板ごと落ちてきた。
「やっほー、トウヤ」
「また随分と妙な所から出てくるもんだね、アカネ」
「だってほら、何時だか言ってたでしょ。クノイチが玄関から普通に入ってくるのは趣が無いとか・・・」
「あー・・・言った気がするよ、思い切り」
我ながら余計な事を言ったものだ。
リプレが怒髪天を突く所を想像しながら頬を掻くトウヤ。とはいえカシスは一連の流れで
沈黙してくれたようだ。アカネの下から呻き声がするが、とりあえず聞こえない事にしておく。
「で、今日はどうしたんだ?」
「ふふ・・・今日こそはアンタを負かしてやろうと思ってね」
不敵に笑い、自信たっぷりに腕組みをするアカネ。なお未だにカシスは下敷きになっている。
「ああ、”アレ”か。丁度暇だったし・・・喜んで受けて立つよ」
「そうこなくっちゃ! 場所は何時もの所。先に行ってるよ」
はしゃぎながらアカネは玄関から出て行った。
「帰り道は普通なのか。さて・・・盟約に従い、いでよ・・・ライザー」
「(゚д゚)ノ」
「すまないけどこの天井、直しておいてくれるかい? 道具は屋根裏にあったと思うから」
「(゚д゚)ノ」
「頼んだよ。夕方までには戻ると思う」
62 :
一触即発:03/10/16 02:29 ID:YSZajPFZ
「(゚д゚)ノシ」
こうして後には
「・・・私は・・・行動・・・派」
「・・・Fエイドはいるか?」
未だ呻き声を上げるカシスと、ライザーを手伝うエドス
白目を剥いたまま動かないガゼルが残されるのみであった。
「しかしアカネも懲りないね」
「そう言ってられるのも今のうちだよ、トウヤ。今日こそはアンタに勝つからね」
スラムの外れ、空家の屋根の上からアカネはトウヤを力一杯指差した。
事の起こりはアカネの修行にトウヤが付き合い始めたのが原因だった
己の分身の尽くを見透かされ、本物を当てられた彼女のプライドに火がつき勝負へと発展したのである。
現在の所勝敗は53戦0勝52敗1引き分け。その一回だけの引き分けもアカネが通りすがりの
召喚馬車に轢かれた事で勝負がお流れになったからである。この時は勝負が流れたばかりか
アカネ自身まで三途の川に流されかける悲惨な結果となった。
「苦節云ヶ月!今日こそは負けないよ」
「で、負けたときは何時ものお約束。分かってるよな?」
「うっ・・・」
にっこりと笑いかけるトウヤを見て赤面するアカネ。そう、この勝負負けた方にはそれなりの
”ペナルティ”があるのだ。
「え、ええいっ! いくよ・・・多重分身の術!」
「へぇ・・・」
屋根の上に、路地のあちこちに。アカネが次々と姿を表してゆく。
が、トウヤの余裕の表情は一向に消えることは無い。
「さあ、アタイがどこにいるか分かる!?」
「お、今度は皆が皆喋るんだな」
腕を組み、感心したかのようになんどもうんうんと首を振るトウヤ。
(へへ・・・そっちを見てる時点でアタイの勝ちは貰ったよ)
息を殺し、”本物”のアカネは暗闇の中でほくそ笑む。
(いくらなんでもトウヤだって、こんな所に隠れてるなんて分かりっこ無い無い)
63 :
一触即発:03/10/16 02:30 ID:YSZajPFZ
「はい、見つけた」
「そうそう見つかっちゃった・・・って、ええっ!?」
トウヤの声に上を見上げれば、仕掛けの布をずらしこちらを見つめるトウヤの姿
「どうでも良いけど・・・ある意味反則じゃない? これ」
「く・・・」
アカネが隠れていたのは路地裏の一角―更にそこに穴を掘り、土遁の要領で潜んでいたのだった。
分身が気配を発する分、気配を殺し潜んでいたアカネは非常に見つかりにくい・・・はずだったのだが
「なんで見つけられるのよ・・・」
「なんでと言われてもね」
「納得いかない! もう一回、もう一回仕切りなおしっ!」
「はいはい」
殆どムキになっているアカネに対し、苦笑してみせるトウヤ。苦笑しつつもその顔は何所か楽しげに見える。
「・・・で、俺の60戦59勝と・・・もう少し強くてもいいよ、アカネ」
「んふ・・・んちゅ」
結局その後何度も挑戦したアカネであったが、尽く一瞬で本物の位置を見破られてしまった。
そして結果的にアカネは”ペナルティ”を受けている。
「ん・・・んぶう」
薄暗い空家の中に移動したトウヤは腰を下ろし、アカネに自らの肉棒へ奉仕するように命じていた。
月並みではあるがペナルティの中身はずぱり、”敗者は勝者の言う事を何でも聞く”である。
(しかし何時見ても大きくて硬い・・・って、何考えてるかなアタイも・・・)
とり止めも無い思いが脳裏を過るが必死に否定するアカネ。しかしその間もけして
愛撫の手が止まる訳では無い。
舌先で肉棒の筋に沿い、つーっと舐め上げながら片方の手で睾丸を握り優しくマッサージする
「くっ・・・」
(相変らず、巧いよな・・・)
これもシルターンのクノイチの為せる技か。
幾分くだらない事を考えているうちに、射精感がこみ上げてきた
「ん・・・アカネ、俺そろそろ・・・」
「んむ・・・?」
快感に顔を歪めるトウヤと肉棒への愛撫を止めないアカネの視線が交錯する。
64 :
一触即発:03/10/16 02:31 ID:YSZajPFZ
不意に。アカネの目が細まる
「うっ・・・」
それまでトウヤの睾丸を愛撫していた手が、竿の付け根を押さえていた。
舌の方は筋から鈴口へと刺激の対象を移行させ先端から溢れる透明な液を舐め取っている。
「へへ・・・男の人ってここの根元を押えるとね、簡単には射精できなくなるんだよ・・・?」
そんな事を一体何所で覚えた?
たったそれだけのツッコミも入れる事が出来ない程、トウヤは追い込まれていた
イきたいのに射精す事が出来ない。にも関わらず快感ばかりは高まってゆく。
「くあ・・・あっ・・・」
自然と声が出る。もはや攻守は完全に逆転していた。
(そろそろ限界かな)
悶えるトウヤを見て押えていた手を放すアカネ
その代わりその口の中に肉棒を飲み込んでゆく。
先程までとは違う、ぬめりと生暖かさが肉棒を完全に支配した。
「う・・・っ・・・あ・・・」
同時に普段からは想像できない量の精液がアカネの口の奥へと解き放たれた。
「んん・・・っ!? ん、ぷあっ・・・」
その射精の勢いはアカネにとっても予想外だったのか、慌てて口を放す。
「うわ・・・すごいよトウヤ。まだ出てる・・・」
アカネの口から開放された後も暫くの間射精は止まらなかった。射精している間
アカネが手でしごき続けていたのも要因の一つだろう。
射精された白濁液はアカネの顔にまで掛かり汚していた。まだ暖かさの残るそれを
アカネは指で掬い上げ、舐め取ってゆく。
「顔までベトベト・・・ひあっ!?」
「なんだ、アカネだってもうビショビショだったんじゃないか・・・」
射精の余韻の残る頭で既にトウヤは反撃に転じていた。忍び装束の下に手を忍ばせ
既に濡れそぼっていたアカネの秘口を刺激する。
「んあ・・・ここで終わりなんて言わないよね?」
「・・・勿論」
頬を桜色に染め、持たれかかってきたアカネの耳元にトウヤは囁いた。
65 :
一触即発:03/10/16 02:32 ID:YSZajPFZ
「んあ・・・うああああっ」
「・・・っ」
既に愛撫を不要としていたアカネの膣は実にあっさりとトウヤの肉棒を受け入れた。
トウヤは先程までの体勢と変わらぬままで、アカネを抱きしめた。
丁度、騎上位でトウヤが上半身だけを起こすかのような姿勢となっている。
「さっき射精したばっかりなのに・・・硬い」
「少し激しくするけど・・・いいかい?」
「ん・・・平・・・うあっ!・・・や、激し・・・」
「だから・・・言ったろ?」
アカネが頷き終える前にトウヤは腰の律動を開始していた。急な事にアカネは驚きながらも
しっかりとトウヤの背に腕を回ししがみ付く。
ぷちゅぷちゅという水音が行為の激しさを一層強く自覚させ、快感を引き出す。
トウヤの手は形の良いアカネのお尻を鷲掴みにし、固定していた。
「んふああ・・・あああああああ」
内部を突き、抉るかのような動きでアカネの頭の中が真っ白になってゆく。
(うあ・・・こんなの凄すぎ・・・)
強すぎる快感から逃げようと腰を動かそうとするがしっかりとトウヤの手が掴んでいるためにそれも出来ない。先程までのおかえしとばかりにトウヤの動きが更に激しさを増した時
ことり
「・・・っ!?」
空家の外から物音が聞こえた。
アカネの心臓が跳ね上がる。トウヤもそのピストン運動を止めていた。
「何所に隠れようかな・・・」
(ア、アルバ・・・!?)
外から聞こえてきたのは間違いなくアルバの声。そして
「ん・・・」
「どうやら、ラミもいるみたいだね・・・」
66 :
一触即発:03/10/16 02:33 ID:YSZajPFZ
小声でトウヤが呟く。どうもかくれんぼをしているらしく、せわしなく足音がしている。
耳を澄ましてみるとフィズが数を数えているのが分かった。
「ど、どうすんのよっ!?」
板一枚を隔てた向かい側でこんな事をしているなど子供達は思うまい
焦るアカネを尻目に、トウヤはゆっくりと腰を動かし始めた。
「んあ・・・っ!?」
再び来た快楽の波に、思わず出そうになった声を慌てて押し留める
「そっか・・・この辺りの空家で皆は遊んでるって言ってたっけ」
「ト、トウヤ・・・アンタまさか」
―知っててわざわざ、場所を移動したの―?
目でそう問うアカネにトウヤはにやりと笑ってみせた。その顔が完全に確信犯である事を示している。
「興奮・・・するだろ? スリルがあってさ・・・」
「ば、馬鹿・・・くは、うああっ?」
アルバ達が近くに来た時程ではないにしろ、腰の律動が激しくなる
にちにちという音もだんだん大きくなってきた。
冷や汗を掻きながら、片手で口を押さえ、片手でトウヤに捕まりながらも快楽を貪る事に甘んじるアカネ。
中断するにしても一度高まってしまった快楽はそう簡単には抑える事はできない。
「んんっ、んんんんん・・・!」
「ふふ・・・なんだ、アカネもそれなりに乗り気じゃないか?」
(駄目・・・もう止めらんない。気持ち良い、気持ち良い、気持ち良い・・・)
それまでトウヤの為すがままになっていたアカネであったが、何時の間にか自らもトウヤの動きに合わせ
腰を動かしていた。接合部から漏れる粘液質な音が強くなる。
「さて・・・そろそろイくよ、アカネ・・・」
快楽と羞恥心でおかしくなりそうになりながらも、なんとかコクコクと首を振ってみせるアカネ
と、何を思ったかトウヤの手がアカネの口を覆う手を除けた。そして・・・
「んんっ!? んん、んんんんんん〜〜〜!」
アカネとトウヤはディープキスをしたまま、絶頂に達した。
どくどくとアカネの中にトウヤの想いのたけが流れ込んでくる
(うあ・・・熱い・・・)
67 :
一触即発:03/10/16 02:34 ID:YSZajPFZ
「まったく・・・トウヤってとことん意地悪いよね」
「ははは。そうむくれないむくれない」
夕刻のスラム。ようやく落ち着いたアカネにトウヤはこんな事を説明していた
―空家にメイトルパの幻惑術をかけてあったから、アルバ達が入ってくる事は絶対なかったんだよ―と。
「ま、まあ・・・アタイも気持ち良かったからいいんだけど・・・それより!」
「うん?」
「どんだけ分身の術を磨いても本物を当てれるのは何故か、教えてくんない?」
「何故か・・・って言われてもね」
困った表情を浮かべるトウヤ。何故かアカネとは視線を合わせようとしない
「勿体ぶってないで、さあ!」
「ええと・・・同じ術をシオンさんが使ったとしても、多分見分けられないと思うんだ」
「?」
「つ、つまりは・・・」
「つまりは・・・?」
「相手がアカネだから・・・かな?」
「・・・・・・」
頬を掻きながら、小声で呟くトウヤ。無言のままその言葉の意味をゆっくりと反芻するアカネ
「な・・・ななななななに言ってんのよ!? ば、馬鹿じゃない?」
「顔赤いよ、アカネ・・・」
「アンタだって・・・トウヤだって赤いっての!」
「こ、これは夕日の所為で」
「アタイだってそうだよ!」
耳まで赤くしたアカネとトウヤの取り止めない言い争いはその後暫く続いた。
一方、フラットのアジトでは
「ふふ、今日もまたトウヤさんとアカネさんは二人して何所かに行っているようですね」
「あらあら・・・シオンさん。お弟子さんを取られて悔しいんですか?」
「あっはっは・・・そういうカシスさんこそ、相方を寝取られて歯痒い想いをしているのでは?」
「うっふっふっふっふ・・・」
68 :
一触即発:03/10/16 02:36 ID:YSZajPFZ
「あっはっはっはっは・・・」
「((((゚д゚;))))」
「・・・クロウツァの実、いるか?」
険悪な空気に包まれたシオンとカシスの間でライザーは身動きが取れず、ガゼルは倒れたままだった。
―今日もまたサイジェントはおおむね、平和である。
・・・ええと、取り合えず一言。
カシス萌えの方々、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
(´д`;)アカネたんハァハァ
GJ!
アカネたんもハァハァだが今回は
ライザー激萌え!!(藁
>>70 その通りだ!
ライザー萌えまくりだ(藁
なぜここまで萌えるかは解らんが
72 :
70:03/10/16 13:45 ID:vbZzJgzf
喋らないところと健気に手を振って見送ってくれるからではないのかね?
同志
>>71よ。(オルドレイク風)
漏れもライザーたん召喚してぇ〜!!
ということでトウヤ×ライザーをきb
グッジョブ!しかしアカネの一人称はアタシだったような?
_| ̄|○ヤッチマッタ・・・ハズカシイヨママン
75氏の言う通りアカネの一人称はアタシですな。
自分でも違和感があって書いてからサモンナイトプレイしてて気付きましたよ・・・
取り合えずアタイをアタシに脳内変換して下さると助かります。
・・・こんなんだからライザーの方に萌えられてしまうんだ・・・(´・ω・`)
夜会話のアカネで傷を癒しつつ軽く吊ってきます
セラブレイション
>>76 グッジョブ!倉庫に入れる再直します?そのまま行っちゃいます?
ばんがいちにメイメイさんキタ━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━ !!!
以前ポプリでパッフェルさんが出たけど、マジ吉川かば夫先生は神!!
81 :
SS?:03/10/17 16:32 ID:QRKECz0i
レシィ「おい、おまいら!!夕食ができますた。リビングに集合しる」
ヤッファ「ネタ詳細キボンヌ!」
レシィ「今日は、すき焼きですが、何か?」
ユエル「キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!」
エルカ「キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!」
モナティ「>あつし>ユエル ケコーン」
あつし「>ユエル(;´Д`)ハァハァ…」
ユエル「キモイヨ━!!」
エルカ「年齢詐称は逝ってよし」
モナティ「オマエモナー」
レシィ「--------終了-------」
エルカ「--------再開-------」
ユエル「再開すな!ボケが。それより肉うぷキボン」
レシィ「しらたきうp」
マルルウ「野菜age」
レシィ「↑誤爆スマソ」
ヤッファ「ほらよ、パナシェ>家族」
ユエル「神降臨!!」
マルルウ「野菜age」
ユエル「肉ねーよ!!」
マルルウ「野菜age」
ユエル「糞野菜ageんな!sageろ」
マルルゥ「野菜age」
モナティ「ジサクジエンカコワルイ」
マルルウ「野菜age」
エルカ「野菜age厨uzeeeeeeeeeeee!!」
モナティ「sageっていれれば下がると思ってるヤシはドキュソ」
ガウム「すき焼きは卵がないと(肉を美味しく食べるのは)難しい」
オウキーニ&シアリィ「イタイ種族がいるのはこの家ですか?」
ヤッファ「氏ね」
レシィ「むしろ混ざれ」
すみません 成長した生徒同士のエロはないんでしょうか?
オナニー真っ盛り妄想厨房は死ねよ
結局の所「恋人」なんていう甘く美しい名を持ったとしてもそこにいるのは「男」と「女」という他人でしかなく、
子が何時か親の手を離れていくように、そこに出逢いがあり別れもあるのは誰しも同じことなのは分かっている。
それでもその手を離すタイミングを失ってしまったのなら、
もう取り返しがつかないくらいにその手に依存してしまうのではないかと思うそれは
やはり独占欲という名のエゴでしかないのだろうか。
「先生さん、さよならー」
「先生、また明日!」
「ああ、また明日」
そう言って元気良く手を振る生徒たちにレックスは笑顔を返す。
生徒たちを見送りながら空を見上げればそれは綺麗な茜色をしており、
暖か味のあるその色は不思議と心を落ち着かせた。
一時でも永遠の愛を誓い合った人との別れを経験したあの日から、
時は流れあの時負った心の傷も既に塞がりつつあり、笑顔も自然に作れるようになった。
――今でも心が痛まないといえば嘘になるかもしれない。
けれど幾ら「愛」だなんて甘美な響きを持つもので結ばれていたとしても、
それは突き詰めれば曖昧なものでしかなく、二人の間には血の繋がりなんていう幻想もなければ同性の
ような気軽さもなかった事を考えればこうなるのは考えられない結末でもなかったのかもしれない。
そう言い聞かせて納得した。
冷静に考えれば今の自分を取り巻く環境だって十分すぎるほど幸せだ。
自分を必要としてくれる人がいて、居場所があって信頼できる仲間がいる。
昔どんなに望んでも手に入らなかった物を今は全て得ている。
これだけでもお釣りがくるくらいに幸せだというのに、これ以上を望むのは余りにも罪深いことだろう。
けれども思う。
一時の幸福や何れ覚める夢はその幸福感を鈍らせる不確定要素にしかならないのではないかと。
そんな事を考え過去の自分に嫉妬する惨めでいやらしい弱い心を捨てる為に、
願いにも似た約束を篭めた指輪は落としたフリをして捨てた。
生徒に付き合い蓮を飛んでる間に池に落とした。
それを捨てる瞬間、切なさや哀しみが浮かぶかと思ったが心には何も浮かばなかったのが不思議だった。
けれど結局あの日の為に用意した新しい指輪だけは捨てられなかった。
高価な物だから捨てるのが勿体無い。売れば多少お金になるかもしれない。
そんな言い訳をした所でそれは未練以外の何物でもなく、そんな女々しい自分に反吐が出た。
「先生?」
「ん、何だい?」
独りその場に残っていたスバルが彼にしては珍しく遠慮しがちに声を掛けてきた。
それにもう一度笑顔を作って答えた。
「どこか、痛いのか…?」
「…そんなことはないよ。どうしてそう思うんだい?」
真っ直ぐに見つめてくるその瞳が心を見透かしてくるかのようで痛い。
けれど笑顔を崩すわけにはいかなかった。
他人に、況してや自分の教え子にそんな弱い自分を覚らせることなど絶対に出来なかった。
「だって…今の先生の笑顔、空っぽで凄く寂しいよ…。オイラ、そんな先生見てるの嫌だ…」
「!」
こういう時、子供は酷く敏感で残酷だと思う。
大人なら気付かない些細な変化や、気付いても気付かぬフリをする深い部分にまで無遠慮に踏み込んでくる。
そんな残酷さや無遠慮さを愛しく思うか疎ましく思うかは人によって違いはあるのだが。
「…そんな事ないよ。最近ウィルに会ってないからそう見えるのかもね。でも大丈夫だよ。
明日、ウィルが久しぶりにお休みだから会いに行ってくるんだ。
帰ってきたらまた外の世界の話を沢山してあげるし、ちゃんとお土産だって買ってくるよ。
だからそんなに心配しなくとも大丈夫」
「…本当に?」
「本当だよ」
我ながら苦しい言い訳だとは思ったが年端のいかない子供を騙すのには十分だったように思う。
「先生…帰ってきたらまた元気になってるんだな?」
「うん。約束するよ。
だからスバルも俺のことなんか気にしないでもっと頑張って勉強してミスミ様を喜ばせてあげような?」
「…分かった。それじゃオイラももう帰るよ。帰ってきたら話、沢山聞かせてくれよな!」
「ああ。楽しみにしててくれよ!」
あまり納得していないようだったが取り合えずこの場を去ってくれたことに安堵を覚えながら
レックスは明日のことを考え苦笑いを浮かべた。
明日久しぶりに会う教え子にもこんな風に責められるのかと考えるとまた苦い思いを
しなくてはならないのかもしれない…と少しだけ気が重くなった。
「いや、もう本当に式場も衣装も間に合って良かった。
急な決定だったから無理かもしれないと思っていたんですがねぇ…」
「ええ、本当に。あとは式の日を待つばかりですな」
「これも天がこのご縁を祝福して下さっている証かもしれませんね」
軽い談笑を交えながらも全てが予め決められいたかのように着々と話は進んでいく。
余程この話が上手く纏まって欲しいのか、
家での態度が考えられないような父親の腰の低い態度にアズリアは心の中で乾いた笑いを浮かべた。
もう全てがどうでもいい。
他の男に抱かれる覚悟だってもう決めた。
心がなくともこうして家の都合のいい人形であれば自分は必要とされる。
それだけあれば十分じゃないか。
自分の存在意義を認めてくれる場所があって、自分を必要としてくれる人間がいる。
――たとえ自分の人格が認められなかったとしても。
哀しむ必要も嘆く必要もどこにもない。
本来なら誰かを想うことすら許されていない自分を一時でも愛してくれる人がいて、自分もその人を愛することができた。
一瞬であったとしてもそんな奇跡みたいな幸福感を味わえたのだ。それで十分だ。
そんな事すら知らずに死んでしまった弟のことを考えれば今の自分の現状は如何に幸福かと言い聞かせる。
守ってやれなかった大切な弟。
その命を奪ってしまった代償はこの身をかけて償おうと思う。
「アズリアさん?どうかなさいましたか?」
「あ…いえ、何でも…ありません……」
自分の顔を覗き込んでくる男に慣れない敬語で返事を返す。
近い内に自分と他人ではない関係になり、そして自分の体を抱きその種を植え付けるであろう男。
育ちの良さを感じさせる丁寧な言葉遣いが噛み合わない、大柄で筋肉質な体型の無骨な軍人という
印象が強いその男のことを好きか嫌いかで聞かれれば恐らく自分は嫌いではないと答えるだろう。
しかし嫌いではないからといって好きかと聞かれればそれはまた別の話ということになる。
特に恋愛感情といった意味での好き嫌いならば好きという言葉を出すには余りに不似合いな相手だと思う。
こういった不器用なタイプは嫌いではなかったが、出逢ったタイミングも立場も悪すぎた。
目の前の男と何度か二人で会って話したり、出掛けたりもした。
嫌悪感を抱くことはなかったが好意を抱くこともない。
どうでもいいと言い切ってしまえばそれまでだが、それでも自分の体に触れると考えるとどうしようもない抵抗を覚えた。
この男と話すときの堅苦しい言葉遣いも、妙に張り詰めた空気も息苦しくて仕方なかった。
けれど何れその息苦しさにも慣れ、その空気が当たり前となるのだろう。
まだこの身が幸福という甘い蜜で溢れていたあの頃、この幸せが永遠のものであると愚かに錯覚したかのように。
そこまで考えてまた心に乾いた笑みを浮かべる。
忘れると決めたはずなのにこうしてまたあの姿を浮かべる自分はなんて未練がましく浅ましい人間なのだと罵りを向ける。
自分で傷つけて捨てた癖に。
それなのに未だに指輪を捨てられずにいるし、過去に男がいたことも誰にも話せずにいる。
昔の男だと、笑い飛ばせずにいる浅ましい自分に嫌悪感を覚える。
「彼女の気分も優れないようですし、今日はこの辺にしておきましょうか」
その言葉と共に目の前の男が席を立つ。
それと同時に隣に座っていた父親も立ち上がりへコヘコとした態度で挨拶をする。
その姿は実に滑稽だ。今の自分のように。
「それではまた明日。ああ、アズリアさん。明日は本部の方へいらっしゃるんでしょう?
私も明日は本部の方へ用事があるので帰る際は是非声を掛けて下さい。式の前に少しでもお互いのことを知っておきたいですし」
「―…分かりました」
お互いの事を知ってどうなるというのか。
そこに愛は存在しないというのに。
政略結婚といういやらしい事実を嘘で固めた綺麗な響きを持つ感情で塗り潰そうとでもいうのだろうか。
馬鹿馬鹿しい。利害関係に感情を持ち込むなど愚かにも程がある。
そんなことを思ったが口にはしなかった。代わりに笑った。あの人のように。
けれど上手く笑えた自信はない。
「全く、あれだけにやけ面晒しておいて結局逃げられたんですか。
カッコ悪いことこの上ないですね。今の貴方は酷く滑稽です」
「―…相変わらず見事な毒舌で…。いや、全くもって仰るとおりですよ」
久方ぶりに会って早々自分の教え子に見事に言葉で切り捨てられ、レックスは苦笑いを返すしかなかった。
この教え子にだけは一生口では敵わない気がしていて今から先がとても不安だ。
「笑わないで下さい。今の貴方の笑いは痛々しくて見てるこっちが不愉快です。…で、原因は何です?
あれだけ幸せボケしてた貴方達が別れるなんて余程の事があったんでしょう?
言いたくないなら話さなくとも結構ですが、僕にはそれを知る権利があると思いたいですね」
ウィルの鋭い言葉にほんの少しだけ沈黙が流れた。少し間を置いてゆっくりと言葉が紡がれる。
「―…残念だけど、君が望んでいるような物語みたいな盛大な事件もなければ特別な原因もないよ。
ただ、時が経つにつれお互いの心が離れていった結果。でもさ、こういうのだけは仕方ないと思うよ。
寂しいことだけど、人の気持ちなんて変わって当然だしどんなに望もうとも他人を自分のものになんて
できない以上は心が離れていくのは自然なことだよ。俺たちは、お互いを想い合うには距離が離れすぎていたんだ」
「…本当に、それでいいんですか?」
続けられたウィルの言葉は指輪と共に捨てたと思っていた醜い欲望を思い出させて返す言葉を失くさせた。
それでいい、と割り切ったはずなのに他人に言われるとその意志が早くも
崩れてしまいそうになるほど自分の心は脆かったのかと実感して嫌気が差す。
「…これで良かったと、思ってるよ。彼女が幸せになってくれるならそれでいいって思ってるし、
俺も早くいい人探さなきゃなって思ってる。取り合えずウィルに先越されない様に頑張らないとな。
ウィルは頭もいいし顔も俺なんかより全然良いから学校でもモテるだろ?」
「はぐらかさないで下さい!…もういいです。僕も貴方たち二人の問題を深く詮索するほど無粋ではないですし、
この話題は終わりにしましょう。貴方が、それでいいと言うなら僕はそれで納得します。
それは貴方自身の問題で僕が口出しすることではないですし。ただそれでも僕は、
今の貴方は何時もの貴方らしくなくて酷く寂しい人間のように思いますけどね」
ウィルの言葉にレックスは笑う。その瞳に寂しさを残したまま自嘲気味に。
「―…ごめん。そして、ありがとう」
もうどちらが先生か分らないなと心の中で笑う。
知らない間に、ついこの間まで子供だったこの教え子は、とても大人に近くなっていたのだ。
厳しい言葉の裏に優しさや思い遣りを隠すこの子は、痛い所を避けて逃げてばかりいる自分より余程大人だ。
教え子にすら心配をかけさせる自分はなんて情けないんだろうと胸が軋む。
結局の所自分は何時まで経っても大人になれていないんじゃないかと思う。
体はもう大人なのに心はいつまで経っても大人になれないでいる。けれど子供のままでいられるような純粋さはない。
じゃあ自分は一体何なのかと問う。子供のままじゃいられないのに大人にもなれない。
中途半端で曖昧な存在。誰もが皆こんな不安や切なさを持て余していたりするのだろうか。
「…このまま僕の部屋に居ても気分は晴れませんし、外に買出しにでも行きましょう。
島のみんなにお土産でも買うんでしょう?付き合いますよ、今日は一日休みですし。
全く、貴方は何時まで経っても世話が焼けて仕方ないですね」
「あ、はは…そうだね、うん。お土産…買わないといけないもんな。
じゃあ今日は一日中ウィルに付き合って貰おうかな。
ウィル、可愛いから並んで歩いたらお似合いのカップルに見られるかもね?」
「…つまらない冗談は相手の怒りを買うだけだと思いますよ?
貴方、悪意のない余計な一言で女性を怒らせて平手打ち食らったり水ぶっかけられたりするタイプでしょう?
けど、そんなことしても笑顔一つで許される辺り得な人種ですよね。その辺は今後の為に見習ってもいいかもしれません」
「いや…そんな所見習われてもなぁ……」
今度は自然と苦笑いが浮かんだ。今は、自分を気遣う教え子の優しさに甘えようと思う。
そうすることが今の自分の精一杯のこの子へ対する思いやりであると思うから。
久方ぶりに心からの笑みを浮かべながら二人は軍学校寮の部屋を後にする。
その先の運命の皮肉ともいえるような未来を知ることもないままに。
人の人生が予め全て決まってるとして、それを運命と呼ぶならばそれはとても残酷であることが多い。
こうならなければいい、こうなって欲しくない。そんなことが現実になるなんてよくあることだ。
例えばそれは嫌いな人間と席が隣にならなければいいなんていうささやかなものから、
浮気がバレて修羅場中の夫婦の元へ愛人が殴りこんでくるなどという重いものまで時と場合に応じて様々な形となって現れる。
そうして、そういった事態は大抵は最悪のタイミングで巡ってくるのだ。
「…アズリアさん、聞いてます?」
「―…え?…あ、何でしょう……?」
自分の隣を歩く男に突然話しかけられアズリアは驚きに目を見開きながら答えた。
「いえ、ぼんやりとされているようでしたのでどうなさったのかなと」
「…すみません、最近は睡眠不足で……」
そんなのは嘘だった。けれど本当のことは決して言えなかったから嘘を吐くしかなかった。
きっと、この男は今までずっと自分に話しかけていてくれたのだろう。
しかしその言葉は耳に入ってもすり抜けていくだけだった。
どうでもいい言葉。心に届かず流れていく声。
それはあの人に出逢う前にずっと聞いていた音に似ていた。
顔を上げれば視界に軍本部とその隣に聳える軍学校の建物、そしてその横に寄り添うように建つ学生寮が鮮明に映る。
人生で一番幸せで大切だった時を過ごした場所。
それを見るのは今でも少し辛い。
鈍く甘い痛みが胸を過ぎる。その痛みは感傷と呼べるほど綺麗なものではないように思う。
胸を擽る痛みを抱えながら好きでもない男に肩を抱かれ、好きであった男と昔並んで歩いた道を歩く。
その肩に乗る手への不快感からか美化された過去への憧憬からかは分らなかったが言葉が詰るような感覚に襲われる。
肩を抱かれたまま、少年少女である学生と大人である軍人が交わる門への道を歩く。
耳障りな声を聞き流しながらも、もうきっとあのアルサックの木を見ることはできないだろうな、と思った。
彼と出逢って、再会を果たした場所。
そこで過ごした時の中の自分はまだ女ではなかった。
少女という曖昧で高潔であった刹那な時間の中で彼もまた男ではなく少年であった。
手を繋ぐ事すら気恥ずかしくて、好きだなんて言葉は絶対に口に出来なかった。
もう純粋だったあの頃には戻れない。どんなに願ったって時間はあの頃へ帰ることはない。
大好きだった学生服はもう着れない。
純粋な好意を持ち得たあの頃、結婚は好きな相手と幸せになる為にするものだと信じていた。
今はもうそんな甘い夢は見れない。
結婚なんて綺麗な言葉と美しい衣装で誤魔化しているだけで、
それは結局の所子供を産んで育てるだけの取り敢えずのシステムでしかない。
あの頃は口にするのも憚れたセックスだってそうだ。
好きな相手と心から結ばれて愛の結晶を産むなんて言えば聞こえはいいが、
実際愛がなくたって男と女は繋がれるし今は金で簡単に買う事だってできる。
少女だった頃憧れていた極彩色の物たちは触れてみれば
それは冷たいグレーをチープな金メッキで隠した醜いものでしかなかった。
それでもあの人の側でならそれすらも輝いて見えるのが不思議だった。
妥協や諦めを覚え、灰色に染まっていく現実の中で唯一鮮やかな色を持ったまま残ったもの。
今は胸を締め付けるだけのものでしかないそれが、あの頃は全てだった。
それまで男と女はお互いの欲望の対象物でしかなく、
愛だなんていうあやふやなもので繋がれることなんて絶対にないんだろうと思っていた。
だから女になるのが怖かった。女に変わっていく体も、澱んだ欲望を持つようになる心も嫌で仕方なかった。
でも今にして思えばそれはお互いに同じだったのだろう。
純真な少女であった頃から大切にし続けた綺麗な想いを穢れた欲望で汚したくないと、
どんなに強く願ってはいても一度触れ合ってしまえばそれはいとも簡単に崩れ、
そこに居たのはあの頃恋焦がれた少年少女ではなく一人の男と女だった。
それでも、あの頃指先に触れることさえ躊躇われたその体は温かくて、もうどうしようもなくなってしまった。
もう自分のことを愛してるかどうかなんてどうでもよくて、ただその与えられる快楽に甘い声を上げた。
そして生まれて初めて感じる痛みと快楽の先にあったのは薄汚れた大人の欲望ではなく、少女の頃に憧れた綺麗なままの幸福だった。
純粋な想いは灰色の世界に投げ込まれようともその形を変えることなく輝き続けていた。
それを信じたかった。
大人になってもずっと変わらずにあり続けるのだと信じていたかった。
そう願った想いは結局お互いの心をより深く傷つけるものにしかならなかったのだが。
「…矢張り、具合が優れないのですか?」
「―…あ、いえ…すみませ……っ!?」
聞き流していた声がいきなり近くで聞こえ、アズリアは思わず俯いていた顔を上げた。
上げなければ良かったと後悔した時にはもう遅かった。
「…な、ん…で……」
思わず声が出た。
「…アズリアさん?」
近かったその声すら遠くなる。
視界に映る鮮明な紅。それに交わる漆黒。それを引き立てる白い肌に蒼の双眸。
一番会いたくなかったその背中。
心臓が、跳ねる。
呼吸が止まる。
体中が痺れる。
指先が震える。
胸が潰れる。
心が壊れる。
振り向いたその貌と目が、合う。
視界から体中を愛しさが侵食する。
もう声を絞り出すことすら出来ない。
その姿を見た。それだけなのに。
「―…貴女は…」
「…お知り合い、ですか?」
立ち竦むレックスとアズリアを後目に、真っ先に声を上げたウィルの言葉にアズリアの肩を抱く男は返答を返す。
そのまま自分の腕の中の婚約者を見ればただひたすら言葉を失い、
少年の隣に立つ男を見つめるばかりで最早周りの存在など忘れ去ったかのような態度である。
その視線の先にいる男にしても、
言葉を失くし立ち尽くすばかりでその顔には信じられないという言葉が浮かんでいるようにすら見える。
徒事ではないない二人の様子を見れば、何も知らない他人の目から見てもこの二人の間に因果な絆があることなど明らかだ。
「知り合いも何もこの二人は…」
「ウィル!!」
強い声が言葉を遮った。荒く響くそれに、先に言葉を発した幼い体がビクリと震えた。
一瞬の間を経て、その声の主は穏やかな笑顔を作ると同時に落ち着いた口調で話し出す。
「…彼女とは学生時代に良き学友として一緒に勉学に励んだ仲です。
彼女はとても優秀で俺は何時も助けられてばかりでしたが…。
永らく連絡を取り合っていなかったのですが、偶然とはいえこうしてまた再会できたことを嬉しく思っています」
荒い声を発した同じ人物とは思えないほどに穏やかなその態度に、問を発した男も微笑を返す。
「ああ、そうでしたか。それでは今は矢張り軍属の方に?
差し支えなければ所属部隊などをお教え頂ければ嬉しく思います。
これから彼女の夫となる身としては彼女の交友関係なども知っておきたいですし。あ、宜しければこちらをどうぞ。
今さっき本部の同僚に配ってきた所なんですが予備が丁度余っていましたので」
そう言って懐から差し出されたそれは一通の封筒であり、
その裏側には今肩を抱き合う両人とその両親の名前が書かれてあった。
その封じ目は「寿」の文字が入ったシールで止められており、それだけで中を見なくともその正体は分った。
「本当に急な話で申し訳ないのですが都合が合えば是非ご友人をお誘い合わせの上、ご参加下さい。
身内のみの簡素なものでお恥ずかしい限りなのですが新たな人生に門出ともいえる日を
ご友人にも祝福してもらえる方が、彼女も嬉しいでしょうし」
「―……お誘い、ありがとうございます」
レックスは無理矢理声を絞り出した後ギリっと奥歯を噛み締める。
それでも表面上は平静を装おうと努めた。
封筒を受け取るその手が震えないよう全神経を集中させる。
そんな様をアズリアは茫然と見つめる。
これから人生を共にする好きでもない男と未だに未練を捨てきれない男が今目の前に居る。
振り解けない腕と、触れたくとも触れられない手。
偶然にしてはできすぎている。
もしあの時彼と再会したことを運命と呼べるならこれもその運命というものの一部だろうか。
だとしたらそれは力無き人間を弄ぶ性質の悪い物に違いない。
そう思い込む以外にこんな拷問のような時間に耐えなければならないことを納得する術を持たなかった。
願うべくは、光を湛えたその目が今の滑稽な自分の姿を映さないでいて欲しいということのみ。
それなのに、視線が一瞬でも合えばまるで目の奥から溢れ出るかのように電流にも似た熱が体中を巡る。
甘い切なさを伴って。
「…それじゃあ、俺達、用事があるんでこの辺で失礼しますね。
式は…都合が合えば友人を呼んで参加させて頂きます。それでは。二人の行く末に光があることを祈っています」
「ちょっ……貴方!」
そういい終わるや否やレックスは何かを言いかけたウィルの腕を強引に引き、道を引き返す。
その腕に引き摺られながらもウィルは納得していないのかそこに佇む二人を無言できつく睨む。
その眼が自分を責めている気がしてアズリアは逃げるかのように顔を背けることしかできなかった。
「どういうつもりですか、貴方は!」
腕を引かれるままに早足で自分の部屋へと戻ったと同時にウィルは激しい怒声を上げた。
普段年齢の割に落ち着き払っている彼にしては珍しく感情を剥き出しにした態度だ。
「あのままでいいと本当に思ってるんですか!?
封筒に書かれた名前と彼女の態度を見ればあれが政略結婚以外何物でもないことぐらい貴方にだって分ったでしょう!
なのにどうして貴方はそんなにも落ち着いていられるんです!?」
「―…本当に、そう見えた?」
「…どういうことです?」
低く暗いレックスの声にウィルは怪訝な態度を返す。
ウィルの目にはレックスは酷く落ち着いているように見えた。それの何処が違うというのか。
そんなウィルを見ながらレックスはずっとポケットに突っ込んだままであった利き手をそっと目の前に差し出す。
「…これは」
差し出されたその手は余りに強く握り締められていたせいか爪が深く食い込んでおり、鮮血が滲んでいた。
「…ずっと、震えててこっちの手使えなかった。今、君がいて本当に良かったと思ってるよ。
そうじゃなきゃ俺、たぶんあの人の事ボコボコにしてたから…」
その言葉を終えるとレックスは顔を伏せる。そしてそのまま言葉を続けた。
「…相手の幸せを祈って潔く身を引くとか、何も求めずに優しく見守るだとか…そういうのが
本当の愛の形だって頭では分ってはいるんだよ……でもっ…なんかもうどうしようもなくて…っ!」
好きな相手が幸せならそれでいいなんて嘘だ。
フラれた相手の幸せを黙って祈れる聖人君子のような人間などいるのだろうか。
人である以上誰もが皆多かれ少なかれ自分勝手なことに変わりはない。
それなのに、自らの幸せを考えない強い人間なんてこの世に存在するのだろうか。
――どうして人はこんなにも弱いのだろう。
人は皆旅人なのだとどこかの詩人は言った。
ならばその旅人は人生という名の長い旅路の果てに一体何を見、何を得るのだろう。
沢山の嘘や偽りを抱えて、それでも人は強く綺麗な生き物だと笑えるのだろうか。
こんなドロドロした醜い気持ちですら愛という美しい響きを付けられるのなら、
それは少年少女の憧れる綺麗な物ではなく大人の薄汚れたエゴでしかないのではないだろうか。
「…馬鹿な人ですね」
語尾が震えたその声にウィルは先程までの怒気を無くし、優しく微笑む。
「今の貴方はみっともないけど、それでも僕はそんな貴方が羨ましいと思いますよ」
優しいその声は思い遣りに満ち溢れている。
「相手の都合を考えられなくなるほどの強い想いは褒められた物ではないけれど、
それでもそれ程深く想える相手を見つけられて、その想いに忠実に生きれる貴方が僕はとても羨ましい…」
何時か自分もそんな相手が見つけられるだろうか。
醜態を晒してでも、それでも最後まで信じきることが出来るほど強く愛することができる人間。
そんな人に出逢えて結ばれたならそれはきっととても幸せだろうと思う。
それが逃避という名の快楽でしかなかったとしても、そこにある純粋な想いはきっと嘘ではないから。
そんなことを思いながらウィルは運命という名の奔流に必死に足掻く目の前にいる自分の教師を優しく見つめる。
その先の幸福を祈りながら。
なんで。どうして。
アズリアはレックスとウィルが去った後そんな言葉を頭の中で繰り返した。
結局、その姿を見ても声を出すことすら出来なかった。
それでも、その声に。眼差しに。反応してしまう自分がいる。
それまでどうでも良かった肩に置かれた手に吐き気を覚えるほどの嫌悪感を持つほどに。
あのまま再会することなく時が流れていれば、
自分はきっとほんの少しの嫌悪感を抱きつつも全てを諦めて家の道具になれたはずだ。
ようやく心の無くした人形になれると思っていたのに、また抑えきれない熱い想いを目覚めさせてしまった。
一瞬の邂逅。それだけなのに全身の細胞が息を吹き返した。
死装束のような白い花嫁衣裳が先に待つ今、そんなものを思い出しても苦しいだけなのに。
あの後虚ろな心のまま家へと帰ったのを覚えている。
だからきっと気付かなかったのだ。
隣で歩く男の目に狂気じみた暗い色が宿っていたことに。
一瞬の様な再会の、あの時の空気を求めるかのように捨てられずにいた指輪をそっと嵌めてみる。
嵌らなければ諦めもつくのに、簡素なそれはすんなりと指へと落ち鈍く輝く。
もう少しすればその指には別の輝きが宿るというのに、その眩しさに泣きそうになった。
どうして現実はこうも上手くいかないんだろう。
どうして心なんてものを持って生まれてきたんだろう。
愛しさも性欲も、体と切り離してしまえたのならもっと楽に生きられたのだろうに。
そんな不毛なことを思い、涙を耐えた。
顔を覆う手に輝く、リングが外せない。
「それは、あの男から貰ったものですか?」
「っ!?」
ノックもなしに部屋に入られアズリアは思わずベッドから跳ね起きる。
しかし、その腕を強引に押さえつけられ再びベッドに押し倒された。
「…一体何のつもり、だ……?」
「それはこちらの台詞です」
あまりのことに敬語を使う余裕すら忘れた言葉に冷たい声と強い力が返ってきた。
昼間の穏やかな態度とは全く違う、冷たい眼差しと獣の様な顔と自分を押さえつける力の強さに恐怖を覚える。
強靭な肉体から生まれる力に抗う術を持たず、
小動物が捕食者に怯えるかのように身を小さくして相手の様子を窺うことしか出来ない。
「…最初から様子がおかしいとは思っていたんですよ。
親同士が決めた婚約だから乗り気じゃなくとも仕方ないとは思っていたのですが、
それにしては反応が淡白でしたからね。けれどそれも他に男がいたと考えれば不思議じゃありませんね。
今日の貴女とあの男の反応を見てれば誰だって気付きますよ」
「そんな…あいつとはそんなんじゃ……」
彼を巻き込む事だけは避けなければ。そう考えて咄嗟に嘘を吐いた。
目の前の男が嘲う。下卑たその笑いは昼の顔とは全く別人のように見える。
「じゃあ、この指輪は捨てても構いませんね?」
「あっ…!」
そう言って指に嵌った指輪はあっさりと取り上げられる。
そしてその男はそれを持ったまま窓枠へと向かう。
その行動の意図を察して飛び出したが遅かった。
「やめて!お願い…それだけはっ…!」
だってもうそれしか繋がりがないんだ。
それ以外にこの手に残った物はなかったんだ。
たとえ幸せになれなくともそれさえあれば生きていけると、そう思っていたんだ。
だから、お願い。
けれど叫びと駆け寄った体を無視してその指輪は無情にも窓の外へと放り投げられる。
急いで目で追ってもそれは闇に紛れて見えなくなっていた。
「そ、んな……」
大切な思い出は無残にも投げ捨てられた。
そのことが心を壊すかのように鋭い痛みとなって胸に突き刺さる。
目の前が絶望という暗闇で染まる。
「これで…貴女の言葉が嘘だと証明できましたね」
男は満足そうな笑みを浮かべると虚ろな目をしたままのアズリアを抱き上げ、ベッドに投げ出す。
「っ、あ…!」
「可愛い顔して男を誑し込むのは得意なんですね。あの男もこの体で悦ばせてあげてたんでしょう?
…もうすぐ結婚をするというのにいい度胸ですね」
「ち、ちが…」
ベッドに打ち付けられた衝撃に耐え、顔を顰めながらも否定の言葉を発するアズリアの体はまた圧倒的な力でねじ伏せられる。
その力の強さ。狂気を宿した笑み。それは人ではないような気味の悪さがあって恐怖を覚える。体が竦む。
「ふざけるなぁああ!!」
「いやぁあああ!!」
両腕を片手で押さえ込まれ、空いたほうの手で衣服を剥かれ裸にされる。
怖い。助けて。誰か。
「やぁあああ!…すけて…助けて、レックス!!」
「ハッ、あんな男の名前、呼んだ所で無駄なことは知っているでしょうに」
「やめっ…いっ……あぁぁぁ!!」
愛撫とは呼べない強い力で胸を揉まれる。
痛い。苦しい。気持ち悪い。
全身が嫌悪感を示す。けれど強い力で押さえ込まれてる今抵抗する術はない。
「お願い…やめ……いやあぁあ!」
「今更何抵抗してるんですか。婚約が決まった時点でこうなることは覚悟してたことでしょう?
私たちの使命は一日も早く双方の血を引く子を成すことなんですから」
覚悟はしていた。
それでも心に決めていた覚悟と現実では大きすぎるほどの隔たりがあった。
そしてあの姿を見てしまったから、決心が鈍ってしまった。
覚悟なんて言葉、簡単に吹き飛ぶくらいに今はどうしようもない嫌悪感しか感じない。
「…ひっ…あ…嫌……」
カチカチという音共に目の前に現れるグロテスクな凶器にアズリアは身動ぎ逃げようとする。
屹立した男のそれを初めて見るわけではなかったが今眼前に晒されているそれは恐怖の対象以外の何物でもない。
それが今から自分の体を貫くと考えると、嫌悪感と恐怖でガタガタと全身に震えが走る。
「あ…いやっ…やめてぇっ!」
無理矢理脚を開かされ、ろくに濡らされてもいないそこに押し当てられた化け物に悲鳴を上げる。
しかしアズリアの抵抗も空しく凶悪な大きさを持つそれはアズリアの中へと侵入を果たす。
「ああ……ぁ…嫌ぁぁあああ!!」
アズリアの叫びも空しく突き入れられたそれは根元まで強引にねじ込まれる。
吐き気と嫌悪感で涙が浮く。
「うぅ……ひぁ…あぁぁ……」
ゴリゴリと内壁を擦り、性器内をかき回すそれに泣き叫ぶことでしか抵抗できない。
そんなささやかな抵抗ですらその行為を加速させる要素にしかならないというのに。
「はぅ…あっ……ぉ…ね、がい…抜いてぇっ…!」
「こんなに締め付けてくるのにまだそんな事言うんですか」
「ひあっ!あ…くぅぅ…あぁぁ!」
惨めに懇願するアズリアを嘲うかのように中で蠢く狂獣はその動きを早める。
奥に突き上げられる度悲鳴と共に絶望が胸に湧く。
自分の体が汚れていく感覚に涙が止まらない。
「はうっ!…ぅああ……やぁ……」
苦渋に耐え、ただひたすら嗚咽にも似た声を漏らすしかないアズリアに残酷な言葉が浴びせられる。
「…っ…そろそろ、いきますよ」
「い、いやぁっ…!それだけは…やめ……あぁ!」
思うが侭に膣内を蹂躙し、自分の中でビクンビクンと跳ねるそれにアズリアは拒絶を示すがそれは非情に無視される。
妊娠の二文字が恐怖と共に頭に巡る。
瞬間、微かな呻き声と共に膨れ上がった中のものから熱い迸りが放たれ胎内を犯す。
「あ、あぁっ!い…やあぁぁああ!!」
熱い液体が自分の中に広がっていくのを感じながらアズリアはすすり泣いた。
完全に自分は汚れてしまった。
もうあの人に愛してもらう資格すら失った。
その事実に涙が止まらない。
しかしそんなアズリアに掛けられた言葉は更に彼女を追い詰めるものでしかなかった。
「これで終わりじゃありませんよ。貴女は私の妻になる人間なんですからきちんと最後まで夫を満足させて下さい」
そう言ってまた腰を動かし始める。
その全てをねじ伏せる強引な力の前にアズリアは何度も犯されながら、
ただ泣きながら悲鳴を上げ続けることしかできなかった。
つづく
暗い上にもう本当に長くてスマソ(でもどこで切ったらいいか分からなかったので…)。
この1時半台の昼ドラのようなドロ沼的展開の話もあと2回位で完結だと思うのでもう少しだけお付き合い下さい。
名無しキャラとのエロは正直躊躇われたのですが(別になくても話を進めることはできるし)、
昔は名無しキャラにリプレ輪姦とかもあったのでいいかな…と。苦手な方、本当にスミマセン。
しかしこの話の捏造名無しキャラはアズリアパパンといい婚約者といい嫌な奴ばっかりですね…(苦藁
リィンバウムに漢字は普及してねえだろ…とか細かいツッコミはなしの方向で宜しくお願いします…
アズリアたん…・゚・(ノД‘)・゚・
畜生!!糞婚約者!俺がぶち殺してやるぅぅぅっ!!
仮にも隊長だったアズリアがあっさり力で押さえ込まれてるのにちょっと違和感。
アズリアたん・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
オノレ・・・
>>102、そっちは任せた!
漏れは糞アズパパをしばき倒しに行く!!
やばい・・・。・゚・(ノД`)・゚・。切ない
106 :
101:03/10/17 20:31 ID:TGWMt4PN
>>103 すみません…その辺は完全に自分の勉強不足力量不足です…。前スレの1回目投下分の
時から婚約者の説明に「鍛え上げられた肉体」やら「大柄で筋肉質な体型」やらと描写してた
んですが矢張り違和感ありますか…。バーベルとかの記録見ても同じ鍛えられた者同士でも
男と女の記録には凄く差があるので男と女の筋肉の質の違いとして片付けて貰えれば…と
思います。相手も隊長クラスのエドス系の男で強姦への恐怖、そして指輪捨てられた
精神的ショックで弱っていたという脳内補完で読んで頂ければ幸いです…。
>>103 アズリアは技で制する戦い方なので、相手が民間人ならともかく筋骨隆々とした軍人との力比べでは敵わないのは自然では?
>技のアズリア
まあ確かに「秘剣・紫電絶華」と「聖母プラーマ」あってこそのアズリアたんだしね
同時に仲間になる筋肉だけでTECダメダメなだれかさんとは違って
スカアティのお話、投下できる目処が立ったので報告。
思いついた場面から埋める癖の所為で話が進まない進まない、でかれこれ二月。
途中でカイアティ書いてた方の奴とおお、ネタがかぶってる!みたいな感じになってしまっ
たけど面倒くさかったのでそのままで行きます・・・・プロットから直すの面倒だし。料理のし
かたは大分違うと思うんで。
あとメルギトス×トリス・ネスティ×トリスで鬼畜で触手やら何やら入ったエロエロなの書いてたん
ですが、、そっちも目下(ンな恥ずかしいテキストを)デスクトップにて放置中・・・・いつか投
下するかも。というか書いたの去年あたりじゃなかったっけ?
このペースだと次回作への繋ぎの時期まで残ってそうですよううう。
112 :
111:03/10/18 00:57 ID:RLcr5Fdl
あれ、なんか改行が変だ
>>110 それは勇者王と合体する北極ライオンだw
ぬれるー
うふふうふ
フォフオフフ
フフフフフフ
何だか楽しそう…
116 :
名無しさん@ピンキー:03/10/18 19:48 ID:RhMRqunn
>>117 キールでも可。ほんでもって夏美かカシスが承認してくれるんだっけ?
どうでもいいが1の主人公は皆そろって声に違和感 特に野太い声の人
どうでもいいがSN1だと女主人公で魔王ルート時の声が頭痛い。
3のアティでカルマは?
現在キルナツで執筆中。明日には…
>>80 ばんがいち見たぞ!マジメイメイさんまんまで禿藁!!
124 :
名無しさん@ピンキー:03/10/19 02:09 ID:iRbhf4Nh
ら・・・ライザー萌え!!!
「うぅっ……あっ…ふぅ…ぅ…っく……」
独り取り残された部屋でアズリアは咽び泣くことしかできなかった。
汚された。何度も何度も中で汚い欲望を吐き出された。
その事実を噛み締める度に胸に絶望がせり上がり、涙という形となって外へ溢れた。
心も体もどうしようもないくらい汚されて、傷つけられた。
生きているのが嫌なくらいに。
それでも、これは正しいことなのだ。
近い内に婚姻関係を結ぶであろう相手との子を成すためのセックス。
それはきっと愛する人との先のないセックスより余程有意義で生産的なものなのだろう。
それでもこれは、男が力の無い女を一方的に嬲る暴力でしかないと思うのは、何故だろう。
意味があることなのに、どうしようもない哀しみしか浮かばないのはどうしてだろう。
――じゃあセックスって、何?
苦痛に耐えてでも本来の意味を全うする事が正しいことなのだろうか。
今の行為を正当化しようと色々考えてはみてもそれに答えなんて出なかった。
もしも、自分が男だったのならこんな目に合わなかっただろうか。
こんな惨めな思いもせずに、
あの人と愛し合うこともなく独りでも生きていける強さを持つことができただろうか。
今までずっと自分が女であったことを呪い続けて生きてきた。
どんなに頑張ったってその努力は認められず、色眼鏡で見られる。
苦しくて仕方のない毎日だった。
無理矢理自分を納得させて努力する孤独な日々。
その中で、生まれて初めて自分を認めてくれた人。
その人に抱かれたあの日、ようやく女に生まれて良かったと思えたんだ。
彼に愛される資格を持った体に、初めて誇りと喜びを感じたんだ。
昔望んだ男の様な太く力強い腕も強靭な肉体も手に入れることはできなかったけれど、
それでも彼を柔らかく包み込むことができる体を、生まれて初めて愛してやることができたんだ。
初めて抱かれた日の事は今でも忘れていない。
終始笑いが絶えなくて、そんなに色気のあったものではなかったのかもしれない。
死にそうなくらいに恥ずかしくて、どうしようもないくらいに痛かった。
それでも、近くに感じる吐息だとか、初めて見る表情だとかそんなものに体中が反応して。
ちゃんと好きな相手に初めてをあげられたのだと、ずっと好きだった人の腕の中で女になれたのだと、
そう思ったら痛みだけでなく嬉しさで涙が溢れた。
結ばれたその夜にずっと欲しかった言葉をもらった。
醒めない夢の様な、幸せな現実だった。
そこに焦がれた少年の姿はなかったけれど、
逞しい男に成長したその人は欲しくて欲しくて仕方のなかったその心と愛の言葉をくれた。
ずっと大切にしてきた想いを、側にいようという約束と共に指輪に篭めた。
結局それさえも手元には残らなかったのだけれど。
それは無情に捨てられ、残ったのは冷たい現実だけだったのだから。
そう考えたら、尚更涙が止まらなくなった。
どうして好きになってしまったのだろう。どうしてこんなにも好きなんだろう。
どうして忘れられないんだろう。
苦しいだけなのに。こんな想いを引き摺れば、いずれ心が壊れてしまうだけなのに。
それでも蘇る、その姿。大好きな声。力強い腕。少し冷たい指先。優しい笑顔。
この汚れた体はもう愛される資格を持たないというのに。それでも、想ってしまう。
あの人が好きだ。好きで、好きで、もうどうしようもないくらいに好きで仕方ないのだ。
他の男に犯されて、尚更実感してしまった。
どうしてこんなにも好きなのか分らないけれど、それでも愛されたくて抱きしめて欲しくて、心が悲鳴を上げる。
今すぐに抱きしめて欲しい。大丈夫だよって。また笑って。キスをして。そしてずっと側にいて欲しい。
叶わない夢。そんなのは分かりきっている。けれど愚かに願ってしまう。
「…好、き…大好き……だ、いす…き……!」
抑えきれず震えた声で零れたそれは、涙と共にシーツへと落ち、染みを残しただけだった。
それに返ってくる声もなければ、彼女の心を癒す優しい現実もない。
薄暗い部屋の中でアズリアは声を殺して泣き続けた。
島に帰っても、目に焼きついたあの姿が頭から離れなかった。
招待状の日付を見ればもうどうにもならないくらいに式の日は近かった。
今更足掻いた所でどうしようもない。全てが手遅れだった。
阿房みたいだと笑いを浮かべながら、それでもきっと自分は大脳旧皮質で動く生き物なんだろうな、と思った。
言葉を交わすことすらできなかったのに、それでも網膜から視神経を通って大脳までをただ一色が染め上げた。
理性がどんなに警鐘を鳴らしても、
溢れ出して止まらないそれは本能と言う名の愚かな感情なのだと頭で分ってはいても。
それでも止まらない。胸を焼くような愛しさが。
苦しくなるだけだと分かってはいても、思い出す。
大きめの学生服を着た少し気の強そうな少女の姿も、凛々しい軍服の下に脆さを隠した一人の女の姿も。
春の空気が暖かなあの日、二人は確かに恋に落ちていた。
同じベッドの中で同じ夢を見て、先の未来を語り合った。
今はもう何も残ってはいないけれど。
全て指輪と一緒に捨てたのだから。
「隊長」という肩書きと精一杯の強がりで隠していたあのか弱い肩を守ってあげたいと思っていたけど、
それすらも叶わなかったから、せめて誰かあの脆い心を自分の代わりに守ってあげて欲しい。
ああ見えて人一倍寂しがりで泣き虫だから、今も泣いているかもしれない。
自分も人の事を言えないのだけれど。
「レックス殿、少し宜しいですか?」
控えめなノックと共にドア越しにいきなり声を掛けられてベッドから身を起す。
窓から見える空には月がポッカリと浮かんでおり、人が訪ねてくるには余りに遅い時間だ。
「どうしたんだい、キュウマ?」
ドアを開けてその声の主の様子を見れば彼にしては珍しく焦りの色が浮かんでいる。
「その…こちらに、スバル様たちはいらしてませんよね?」
「…どういうことだい?」
こんな夜更けにあの小さな子供がまだ家路についていないというのか。
疑問が不安に変わる。
「それが…まだ城の方に帰られていないのです。
聞く所によればパナシェやマルルゥもまだ戻っていないようで…。
最初は教室の方でみんなで居残って勉強でもなさっているのかと重く考えてはいなかったのですが、
この時間まで帰ってないとなると流石におかしいと…。
今、ミスミ様やヤッファ達と共に一緒に探してはいるのですが、
何分この島における彼らの行動範囲は余りに広いものですから…。何か心当たりなどありますか?
今日、特に様子がおかしかったとかそんな些細なことでも構いませんから」
「―…ごめん、俺にも、分らないよ…」
そう言われて今日の授業風景を思い返してみても、特に変わった様子はなかったように思う。
ただスバルが何かを言いかけて止めた様な素振りを見せはしたのだが、その先の言葉は分からなかった。
何であの時先の言葉を聞いておかなかったと深く後悔する。
「俺も一緒に探すよ。どこを探せばいい?」
「それでは風雷の郷の外れの方を。
ミスミ様は城近辺を探すと仰っていましたし、他の地区も護人が手分けをして探していますから」
「分かった。もし見つかったら連絡するから」
「それでは頼みます」
そう言うとキュウマは風と共に一瞬のうちに姿を消す。それと同時にレックスも上着を羽織り、駆け出す。
心当たりは無くとも、一つずつ潰していけば絶対に見つかるはずだ。
平和になったとはいえまだ凶暴な悪行召喚獣が島のあちこちで見かけられる。
手遅れになってしまう前になんとしてでも見つけ出さねば。
「…どうしよう…見つからないよぅ……」
「諦めんなよ、パナシェ!絶対見つかるはずだって。だってオイラ知ってるんだ。
先生の指輪がなくなったの、ここでオイラ達と蓮飛びやった時だってこと。
だから…絶対ここにあるはずなんだ…。簡単に諦めんなよぉ!」
「そうですよぉ。マルルゥは…マルルゥはもうあんな先生さん見てるの嫌なんですよぉ!」
「でも…こんなに暗くちゃ…見つからないよ……」
「けど今見つけなきゃ先生はきっとずっとあのままだろ!?
昼だと大人たちに叱られるし……だから、今しかないんだ…」
「うん…ごめん……」
幾らかの会話を終えると沈黙と共にまたパシャパシャという水が跳ねる音が辺りを支配する。
音のした所から波が立ち、浮かぶ蓮がその動きに併せて流れる。
夜の冷たい空気の中で、それが全てになる。
そんな時が暫く経った頃、遠くからだんだん大きくなる音が聞こえてくる。
水面から出てそれが足音であると分かった時にはもうそこに辿り着いた影が言葉を発していた。
「スバル、パナシェ、マルルゥ!こんな時間にこんな所で何やってるんだ!!」
裏に安堵を隠した怒声が響く。その声に三人の体がビクっと震えた。
「こんな時間にそんなことしてたら…風邪引くじゃないか!
どうしてこんなことしたんだ!?ミスミ様やヤッファ達だって凄く心配してるんだぞ!!」
走ってきたのかその息は荒い。それでもその表情に厳しさと共に誰かを心配する優しさを感じた。
「…だって…仕方ないじゃないか……」
声を発したのはスバルだった。
「だって、先生は指輪を失くしちゃったから心が空っぽになっちゃったんだろ!?
心を…一番大事なものを捨てちゃったからそんなに寂しそうなんだろ!?
そんな先生見てるの嫌だったんだよぉ!オイラ達…笑ってる先生が好きだったから…。
だからこうするしかなかったんだよぉ!勉強…頑張るから……。本当はあんまり好きじゃないけど、
でも先生がまた笑ってくれるならもっと頑張るから…だからまた昔みたいに笑ってくれよぉ!
オイラ達先生の笑顔が大好きなんだよぉ!」
「っ!?」
――心を捨てた。
自分でも気付きたくなくてずっと目を背け続けてきた事実を突きつけられ胸が痛む。
別れを告げられたあの日、心なんてものなければと思った。
だからもう傷つかずにいいように誰にも言わずに捨てた。
けれどどんなに隠したって、それは滲み出てきてしまう。
その結果がこれだ。
「…ごめんっ!……ごめん…っ」
そう言ってその幼い体を抱きしめた。強く。強く。
冷えたその体に胸が熱くなる。
「先生…諦めないで、いてくれるよな?もう一度、笑えるように…」
「…諦めなくて、いいのかな……俺は…」
声が震えた。みっともない。顔を上げられない。
馬鹿みたいだ。それでも。選んでしまうことがある。
「先生…もう一度一緒に頑張ってみようよ。僕達も手伝うから」
「先生さん…マルルゥもまた先生さんと一緒に笑いたいですよぉ。
もう委員長さんはいなくなっちゃいましたけど、でも昔みたいにまたみんなで笑っていたいんですよぉ」
ああどうして。人はこんなにも優しいんだろう。
他人なんて怖くて怖くて仕方なかったのに。
それなのにどうしてこんなにも胸が熱いんだろう。
息が苦しい。唇が戦慄く。
「盛り上がるのは勝手だけど、私たちのことも忘れてもらっちゃ困るのよね」
「そうそう。この島の住人は子供達ばかりじゃないんですから」
少し遠くから優しい声が近づいてくる。
「みんな…どうして……」
「あんなに大きな声で話しておれば近くで探しておるわらわの耳には嫌でも入るわ。鬼姫をなめるでないぞ」
「まったく、世話が焼ける奴らだよなぁ」
「紛失物の捜索は少人数で行うより大人数で行うほうが能率がいいことは誰の目にも明らかですから」
「子供たちばかりにいい格好されては大人の面子が立ちませんからね」
「ここまでくれば皆運命共同体でしょう?今更水臭いですよ」
そう言って微笑んでくれる。
――他人を、好きになれて良かった。
自分以外の誰かがいて良かった。
傷つけられても、それでも誰かを信じることができて良かった。
だって人はこんなにも愛しい。
弱くても、脆くても。それでもどうしようもないくらいに愛しい。
「みんな…ありがとう……」
上げた顔に宿ったそれはずっと忘れていた微笑みという名の宝物。
ありがとう。
心からの言葉が溢れ出て零れた。
「…ない……どうしよう…見つからない……」
そう言ってアズリアは地面に膝をつき、手で草を掻き分ける。
昨日の夜に指輪を投げ捨てられた後、ずっと探しているのにそれは何処にもなかった。
手や服が汚れるのも構わず、屋根の下の地面を探し回っても未だに見つけることができない。
昨日の夜無理矢理植えつけられた絶望が消えない。
「どう、して……見つからない、の…っ!」
この暗く冷たい現実の中で唯一縋れる物さえ残らなかった。
どうして運命はこんなにも残酷なんだろう。
諦めなければどうにかなるなんて前向きに考えた所で現実は変わらない。
世界は想いを否定する。
気持ちは事実に敵わない。
それでも。分かってはいても諦めきれない想いがある。
触れたあの手の温もりを、貰った沢山の言葉を、信じてはいけないのだろうか。
「…つけなくちゃ……見つからなかったら…もう……」
呪文のように呟いて泥塗れの手をまた地面へと這わせる。
幸せになれなくてもいいから、せめて思い出だけはこの手に残しておきたかった。
一つでもいいから繋がりが欲しかった。
「あの指輪を探してるんですか?」
「っ!?」
突如背後から声を掛けられ、アズリアは身を竦める。
その声に昨日の恐怖が呼び起こされて、体が震える。
流石に今日はこの家に来ないだろう思って安心していたのに、こんな姿を見られた。
罵られて当然の醜態を晒してしまった。
先に続く言葉を考えたくない。
もうこれ以上詰られるのも冷たい現実を突きつけられて絶望の淵に落とされるのも怖くて仕方ない。
「…そんなに、あの男が好きなんですか」
「そんな…ちが…」
「何も違わないでしょう?」
そのまま強く髪を引かれる。
「い、痛っ!」
「昨日あれだけの事をされたのに、まだそんなことしてるなんて余程未練があるんですね。
もっと酷い事されなきゃ忘れられないですか?」
「い、いやっ…」
楽しげに吐かれる言葉に昨日の恐怖と共に拒絶を浮かべる。
相手はその怯える姿に満足気に微笑むと言葉を続ける。
最後の希望を打ち砕くかのように、冷酷に。
「安心して下さい。あの指輪はあの後すぐ拾って捨てておきましたから。
これで貴女は何の未練もなく妻としての役目に専念できますね」
「…う、そ……」
漏れた声が擦れた。
完全にあの人と自分を繋ぐ物は失われてしまった。
もう希望も救いもない。先にあるのは出口のない暗闇だけだ。
体中の力が抜ける。心が壊れた。
自分を引き摺るように掴むその腕の力に抵抗する気力すらもう湧かない。
涙も出ない。
ただあるのは虚ろな心と男の欲望を受け止める女という形をした肉の塊だけ。
死にたいのに死ねない。弟も、こんな気持ちで毎日生きていたのだろうか。
こんな辛いだけの日々をずっと。
「式はもうすぐです。それまでにあの男の事は私が忘れさせてあげますよ」
声が遠い。
ああなんで自分は生まれてきてしまったんだろう。
苦しい。生きていくことが。
あの人と出逢う前の独りきりで生きていたあの頃よりずっと。
寂しくて切ない。
夜の空気が水に濡れた体を冷やす。
交代で探しているとはいえこのまま続ければ本当に風邪を引いてしまうかもしれない。
「もう…いいよ、みんな……。指輪なんてなくたって、ちゃんと笑えるようになるから。
みんなのその優しさだけで十分だよ…」
これ以上自分の我侭で誰かを巻き込むのは余りにも勝手だ。
そう思うのに返ってくる言葉は優しい。
「みんな好きでやっておるのじゃ、気にしなくともよいわ」
「そうですよ。諦めるくらいなら最初から付き合ってません」
「でも……」
「そう言って貴方はまた諦めるの?」
言いかけた言葉をアルディラの声が遮る。
「簡単に諦めないでよ。たかが思い出なんて言ったって、
もし自分か相手が死んでしまったらそこには何も残らないのよ!?
肉体が滅びてしまった後に残るのは思い出しかない…なのに、それを簡単に諦めたりしないで!
諦めて捨ててしまえるようなものじゃないって貴方は知ってるんでしょう!?」
「―…ごめん」
安易に諦めを口にした自分が馬鹿だった。
言われた言葉を噛み締めてまた探す。
もしかしたら見つからないかもしれない。
見つかった所で何かが変わるわけじゃない。
それでも。諦めきれないこの気持ちは、恋と呼ぶには余りに稚拙で残酷だ。
月が水面に映るその中で静寂という空気が流れる。
それぞれの想いを胸に、一瞬のようでいて永遠にも似ている時が流れる。
その静かな水面のような空間に、小石を投げ込むかのように声が上がった。
「―…あった!あったよ、先生ぇっ!」
「!」
「本当に!?」
喜びに満ち溢れたスバルの声に皆が振り返り、駆け寄る。
歓喜の歌の様な声が夜の空気の中響く。
そんな中レックスはただ一人呆然と立ち尽くす。
「…良かった…先生…これでまた笑えるようになるよね…?」
みんなびしょびしょで、なかには自分の事じゃないのに泣いている人までいて。
格好悪いはずなのに、熱い何かがせり上がってくる。
抑えきれないそれが溢れ出しそうになる。
指輪を握り締めたスバルがレックスに歩み寄る。そしてそっとその手に握る物を渡す。
「先生の心を…笑顔を返すよ……」
その言葉に。指輪を受け取る指先が震える。
声まで震えて擦れる。搾り出すのがやっとだ。
「…ぁ、りがとう……っ!」
今更指輪なんて見つかった所でどうしようもない。
現実は変わらないし、離れてしまった心が戻るわけでもない。
もう取り返しがつかない所まできてしまっている。
それでもその泥に塗れて水によって冷たくなっても輝き続けるそれに、愛を誓ったあの日の情景が重なる。
ああどうしよう。もう止まらない。止められない。
諦めきれなかった想いが心を、体中を、支配する。
叶わないのに。伝わることなんてもうないのに。苦しくて切ないだけなのに。
諦めなきゃいけないのに。分かってるのに。
「―…そ、れでも……好き、なんだよ…っ!どうしようも、ないくらいにっ…!」
誰か溢れ出る罪深きその想いを止める術を教えて下さい。
愛しさを殺す術を。そうじゃなきゃきっと何時か心が潰れる。
この世界に、人なんて沢山いる。
大切な人だって沢山いる。
他の誰かを好きになるなんて簡単なことのはずなのに。
なのに頭に浮かぶのは、微笑むあの人。
触れたくて触れられなかった少女と、その面影を残すこの腕に抱かれてくれた、人。
どうしてこの腕はあの人を抱きしめたいと、強請るんだろう。
この心は、叶いようもない夢を愚かに見てしまうんだろう。
「馬鹿ね…今更気付いたの…?」
「ちょっとくらい我侭に生きても、バチは当たりませんよ」
「良かった…良かったですね、レックス……」
「ったく、本当に世話が焼けて仕方ねぇ野郎だな、お前はよ」
ヤッファがその大きな腕で頭に触れる。
クシャリと柔らかな髪が太い指に絡まる。
ここに居てもいいのだと、それが正しい事なのだというかのように。
優しい声が夜の闇に溶けて消えた。
礼服の釦を首元までキッチリしめた。
あれから驚くくらいに早く時間は流れた。
その間に何かをしたかと聞かれれば心の整理を付けたとしかいいようがない。
もう大丈夫。彼女を祝福できる。
優しく見守るという形を取る事だって愛の形には変わりはない。
二人にとって、今はそれがきっと一番いい未来に違いない。
暫くは痛みや切なさを伴っても、もう大丈夫。
今はもう思い出がこの手にあるから。
その思い出さえあれば強くなれるから。
いつか結婚して子供が出来た時に笑って話そう。
お母さんと出逢う前に、自分を救ってくれた人がいたことを。
その人が大好きだったことを。
美しい過去の思い出だと、まるで物語を読むかのように教えてやろう。
そんな風に考えられるようになったのも、きっとあの時指輪を見つけてもらえたから。
島のみんなには感謝してもしきれない。
「はぁい、セーンセ。準備できた?」
「…スカーレル?」
自分と同じようにきちんとした礼服に身を包んだスカーレルがそっと部屋へと入ってくる。
いつも中性的な服装をしているせいか、随分と印象が違う。
「なぁにボーっとしてんのよ。もしかしてアタシに惚れちゃった?
もぉ、いくら正装姿のアタシが美人だからって惚れたら火傷するわよ?
用意するの大変だった分この美しさが余計に際立つ感じかしら?」
「あ、はは…惚れてはいないけど吃驚したなぁ。なんか印象が全然違うから」
「まあね。カイルなんてもう本気で笑えるわよ。ソノラは随分と可愛らしくなっちゃってるし。
ヤードはあんまり変わんない…ってゆーか相変わらず地味って感じ?」
「いや、スカーレル、それ禁句だから。俺も昔それ言ったら怒られたもん」
「あらやだセンセったら本人の前で言ったの?度胸あるわねぇ〜。
でもアタシたちみたいな育ちの悪いのが参加してもいいのかしらねぇ。招待状だって貰ってないわけだし」
「まあ向こうが友達誘って参加しろって言ったんだから大丈夫なんじゃないの?
身内のみとか言ってたから席なんて結構余ってるんじゃないかな?」
「…まあセンセが独りで参加するには辛いもんがあるわよねぇ。
アタシは綺麗な花嫁姿見たいから別にいいんだけど」
「―…ごめん」
「謝るんならカイルやソノラに言ってやんなさい。あの二人はまだちゃんと納得してないみたいだし。
アタシも微妙に納得してなかったりするんだけどセンセが決めたんなら文句は言わないわ。
今日、全てに決着をつけるんでしょう?」
「…うん」
レックスの声が少しだけ暗くなる。
「今日、彼女が幸せになるのを見届けたら、本当に全部捨てるよ。
前みたいに無理矢理捨てるんじゃなくていい思い出として消化する。
彼女にあげる予定だった指輪も、式の帰りに捨ててくるよ」
「―…そう」
短く返事を返したスカーレルの顔が曇る。ほんの少しだけ間を置くと彼はまたゆっくりと口を開いた。
「ねえセンセ、アタシね、文章を書いて生きようかと思ってるのよ」
「…それは作家になるってこと?」
「そうね。なれたら素敵だけど無理かもしれない。でも完成したら持ち込んでみるつもり」
初めて聞くスカーレルの夢にレックスは驚きを隠せない。スカーレルはそんなレックスの様子に構わず続ける。
「アタシのこの手はね…今まで奪うことしか知らなかったから…だから今度は何かを生み出す
ことができないかって考えて…そして辿り着いた結論。文章だったら海の上でも書けるでしょう?」
落ち着いたその声の先にあるのは何かを慈しむ優しい眼差しだ。
レックスはその目を見て答える。
「きっと…なれるよ。スカーレルだったら素敵な作家になれる」
「…ありがと、センセ」
力強い言葉にスカーレルは目を細めながら頷き、また言葉を続けた。
「アタシね、今一本の物語を書いてるの。出来上がったら一番にセンセに読んで貰いたい話。
その主人公はヒーローみたいな格好良さはないけど、いつも必死で足掻く、弱くて脆いどこにでもいるような人。
その物語の結末は、まだアタシ自身も知らないの。けどそれが幸福なものであればいいと思ってるわ」
スカーレルはそっと目を伏せ、レックスの肩に手を置く。
「ねえセンセ。アタシはね、ずっとセンセに憧れてた。
センセの自分の中の正しさを信じて走れる純粋さが羨ましくって仕方なかった。でも今は違う。
アタシはセンセの強さに嫉妬し、弱さを誇りに思う。だからもう少しだけ夢を見させて
欲しいと思ってしまうのは…やっぱり我侭かしらね……」
「スカーレル…」
伏せられていたスカーレルの目がそっと開かれ、目が合う。その瞬間にその顔は笑みを作る。
「フフ…ごめんなさい、今のは忘れて。センセはセンセの思う道を行けばいい。アタシはその選択を祝福するから」
そう言ってレックスから離れると部屋を出ようとする。
「それじゃまた後でね」
その言葉と共に部屋を後にする。その姿を見送りながらレックスは先ほどのスカーレルの言葉を胸で繰り返す。
馬鹿馬鹿しい。今更どう足掻こうと何も変わらないというのに。
祝福すると決めたはずなのに言葉一つで揺り動かされる自分の弱い意志が情けない。
――だって、今の自分は彼女に愛される資格を持たない。
彼女の大切な弟の命を奪っておいて、それなのに愛して欲しいだなんて勝手すぎる。
お前のせいじゃないと言われようとも守れなかったのは事実だ。
どうにかなるなんて無責任なことを言っておきながら結局守れずに見殺しにしている。
そんなのは殺したも同然だ。
それに自分は彼女を守る社会的地位も後ろ盾もなければ夢を守ってやる術も持たない。
力無き己を恨むと同時にどうしようもない現実に歯痒さを覚える。
それでも、こんな想いもいつかは仕方ないと諦めてしまえるような大人になるのだろう。
時間はただ流れていくだけなのだから。
花嫁とその友人席。
今日二人が向かう場所は触れることさえ許されない場所だ。
まるで一度離れてしまった二人の道がもう二度と交わらないとでも言うかのように。
つづく
20代前半という大人と呼ぶには余りに自分勝手で微妙な時期の中で若さ故に迷走し続ける二人の話も次でようやく
結論が出ます。大量に容量食い潰してしまって申し訳ない。しかも今回エロがないのに次回もなかったりします…。
連投のような形になってしまった上ツッコミ所満載ですがここまでくるともうご都合主義に頼るしか…(;´Д`)
人生でこんなに長い話は初めて書きましたが取り合えず長編物はもう二度と書くまいと決意し、
こんな痛い話ももう二度と書きたくないと思いました(苦藁
>>139 ぇえい!俺の嫌いなんだけど、メチャクチャ好きなんですよパターンを突っ走りおって!!
バンバン書いたって下さい。応援してます。
花嫁泥棒キボン
>>139 くうう、毎回毎回激しく良質なブツを・・・
ラストスパート御尽力くだされ
143 :
五里霧中:03/10/19 07:11 ID:J34DQJnp
夜中・トウヤの自室
今日もまた彼の日課が始まる所だった
「盟約に従い・・・いでよライザー」
「(゚д゚)ノ」
「さて、今夜もまた愚痴りたい訳で」
「(゚д゚)ノ゙」
「いつもながら、頼もしいね」
「(゚д゚)b」
「まああれだね・・・アカネとのエロースもちょっと新しい波が欲しいわけで」
「(゚д゚)y―┛~~」
「いや、流石に浮遊しながら遠距離招雷抜かずの4発プレイなんて無理。誓約者でも無理」
「(゚д゚)=З」
「まあ、器具を使うって案は良いね。ロレイラルから何か道具でも召喚してみるか」
「(゚д゚)ノ」
「他の娘? まあ・・・カシスはああだったりモナティは従順だったりするけど」
「(゚д゚)?」
「実は俺、ラミたんハァハァだったりするんだ」
「Σ(゚Д゚;≡;゚Д゚)」
「何だよ、人の趣味なんてそれぞれだろう?」
「;y=ー( ゚д゚)・∵.」
「成る程・・・リプレにばれたら確かに命取りだね。おっと・・・もうこんな時間だ」
「(゚д゚)ノシ」
「うん、おやすみ」
こうして今宵もまた、一人と一体はそれぞれの世界で眠りにつくのだった
・・・眠い頭で何か書くとロクな事になりませんな_| ̄|○
ワロタ
けど、トウヤって一人称は僕じゃなかったか?
>>125-139 …今更だが言わせて貰おう。
ア ン タ 神 だ よ
間違いなく。
クライマックスも期待してまつ。
>>143 ワロタ。コーヒー吹きまつた
トウヤもハヤト(クソ)も僕だったり俺だたり忙しい香具師ですよ
倉庫番です。大変失礼な質問で恐縮ですが、8スレ422氏って、8スレの4字熟語シリーズを書いた方ですか?
(偕老同穴とかロティエルとか)
こ、混乱しております…。
違ったら大変スマソです。その時は土下座させて頂きますんで。
そいからハードボイルド刑事はHNでいいんでしょうか?タイトルでしょうかな?
しかし新スレにもはやこんな沢山の作品が…!ハァハァ(;´Д`)。
相変わらず神々GJですな!
それにしてもライザー萌え♥
でも、昔の公式で一人称は「僕」だと明記してあったからな。
ゲーム中でも数回だけだし。
トウヤの一人称はコロコロ変わってた気もしますが、一応僕で
統一してたほうが良さそうですね・・・後後困りそうだ
後倉庫番殿422と四字熟語は同一人物です、はい
色々とご迷惑かけてる私が先に土下座させていただきます_| ̄|○
指定された場所は小さな教会だった。身内のみという話の通り、参加者は少なく親族に
新郎友人席に数人、新婦友人席に関してはレックス達とギャレオの姿しかなかった。
式場で顔を合わせたギャレオは何も言わなかった。怒る事もなければ、責めることもない。
ただ哀れんだような視線をレックスに向けただけであった。
参加者全員が座ってもまだ余裕があるその教会のレックスの座った席は真ん中の通路に一番近い場所であった。
彼女と結ばれた日に着た服を、今度は彼女の結婚式で着るなんてなんとも皮肉な話だ。
そんな事を思っていると真ん中の扉が重苦しい音共に開かれる。
隣に寄り添いあうようにして歩いてくる花嫁とその父親。
純白のドレスに包まれるその姿は見る者を惹きつけて止まない美しさがあり、その場にいた全員が息を呑んだ。
ただ、その表情はまるで心を失くしたかのように虚ろでそのドレスを
身に纏うには余りに不似合いなものだったのだが。
「本当に綺麗……」
「そうね…でも、どうしてかしら…何だか凄く哀しそうに見えるのは…」
ソノラとスカーレルが思わず声を上げた。
スカーレルはその声に寂しさを宿したまま、
そっと隣のレックスの様子を窺うが伸びた前髪によって表情を知ることはできなかった。
父親に手を引かれ、ヴァージンロードの先に待つ新郎の側へ寄り添うように立つ。
目の前の神父が誓いの言葉を読み上げる。
その声に泣きそうになった。
このまま自分は好きな男の前で好きでもない男とキスをして永遠の愛なんていうくだらないものを誓うんだ。
あれからずっとあの人の事を忘れようと努力してみたけれど、結局それはできなかった。
隣の男を愛することもできず、
昔の男への未練を捨てることも出来ずにこの場へ立っている自分はなんて惨めなんだろう。
すぐ側にいるのにどうして手が届かないんだろう。
助けて欲しいなんて。言う権利ないのに。どうして願ってしまうんだろう。
どうして心はこんなにも貪欲にあの人を求めてしまうんだろう。
こんな状況なのに、好きだと、思ってしまうんだろう。
口にはできない想いを胸で殺してアズリアは涙に耐え、顔を顰めた。
神父の声が耳に入って流れていく。
目の前で好きな女が別の男の物になろうとしているのを指を銜えて見ているしかない。
そんな状況にレックスは歯を食いしばって耐えるしかなかった。
祝福できると、それまでは思っていた。
彼女の為なら物語のヒーローのような男になれると思っていた。
彼女が幸せならそれでいいと。どんなことがあっても納得できると思って覚悟も決めた。
けれど、どうしてだろう。
実際目の前で繰り広げられている現実に。腹が、頭が、心の臓が、熱い何かで締め上げられる。
全身の骨が、軋む。
「…んで、だよ……」
「センセ…?」
「な、んで…笑ってないんだよ、彼女…っ!」
幸せそうに笑っていてくれたなら、それで良かった。
自分と同じ道を歩めなくともその先に幸せがあるならそれで全部納得できた。
なのにどうして。
「何で、幸せそうな顔してないんだよ…!どうして…泣きそうな顔、してるんだよっ…!」
あんな顔見たくない。させたくない。
嫌だ。彼女が笑っていないのはどうしようもなく嫌だ。
笑っていて欲しい。笑わせてあげたい。
熱い気持ちが爆発する。
「…ぃ、やだ……っ!」
「センセ……」
「やっぱり嫌だっ!!」
気が付いた時には飛び出して叫んでいた。
神父の声が止まる。会場の視線が集まる。それでも止まらない。
「こんなの…納得できないよっ!」
「一体、どういうつもりですか…?」
荒い声と静かな声がその場を支配する。二人の男の言葉が交差してその音が全てになる。
「君が幸せならそれでいいって…祝福できるって思ってた…。
だから全部諦めて此処に来たのに、どうして君は笑ってないんだよっ!?
幸せなら、そんな泣きそうな顔するなよ!そんな君は見ていたくないっ!
そんな顔させる男になんか渡したくなんかない!!」
「お前…言ってることが無茶苦茶だぞ……」
「無茶でもなんでも仕方ないだろっ!だって君のこと好きなんだからっ!!」
本能の叫びがそのまま声になる。愛される資格だとか理屈だとかそんなのはもう関係ない。
だってもう止まらないんだ。
そのまま歩み寄って彼女の両親の方へと向き、脚と手、そして膝を付いて頭をゆっくりと下げる。
額が地面に着いて、髪が床に散らばる。
「―…お願いします、娘さんを俺に下さい」
その一言に会場が水を打ったように静かになる。凛とした声が響く。
「勝手な…本当に自分勝手なことを言っていることは自分でもよく分かっています。
決して許されるようなことじゃないことも分かっています。それでも、遊びなんかじゃありません。
本気です。彼女じゃなきゃ駄目なんです。他の人じゃ駄目なんです。
彼女と二人で、幸せになりたいんです。それが俺の、生きる意味なんです」
「先生……」
伏せられた顔は上げられない。そのまま言葉が続けられる。
「俺は社会的地位だとか後ろ盾だとかそんなのは何もない無力な人間です。
貴方達から見れば屑みたいな人間かもしれない。それでも、生きてます。
屑でも、毎日一生懸命生きて、幸せになろうと必死です。俺の幸せは、彼女の隣にしかないんです。
俺は何の力もないけど、それでも彼女を守って幸せにすると誓います。
もし子供が産まれたらその子供も一生をかけて守ります。…少なくとも、
貴方達みたいに子供を家名や自分のくだらないプライドの為に犠牲にするような、そんな親にだけはなりません」
「…っ!」
その言葉にアズリアの両親の表情が歪む。止めるものを持たない声はそのまま流れ続ける。
「家名や家のプライドは…大事なものだとは思います。
それは今まで築き上げられてきた誇りの上に成り立つ大きな武器であることも知っています。
それでも俺は、一人の人間の人生を犠牲にしてでも守るべき物だとは思わない!
そこに誰かの幸福を犠牲にする程の価値があるとは思えない!!
俺は…家とかプライドだとかそんなの関係無しに彼女を幸せにしてあげたい。
一人の女の子として愛してあげたい。―…だから、お願いしますっ!」
その言葉に涙が浮いた。
ねえどうしてそんな言葉をくれるの。
だってあんなにも傷付けたのに。側にいればまた傷付けるかもしれないのに。
なのにどうしてまだ好きだと。愛してると、言ってくれるの。
だって何もないんだ。自分にはそんな言葉貰う価値なんてどこにもない。
誰かを傷付けることしか出来なくて、親の言いなりになるしかない。
そんな弱くて卑怯な人間でしかないんだ。
それでも、この人がいいと、選んでくれるの。
側にいて欲しいと、その頭を下げてまで、言ってくれるの。
どうしよう。そんな資格ないのに。それでも、嬉しいと、思ってしまう。
好きだと、思ってしまう。
「顔を上げて下さい。それだけ言えば、満足ですか?茶番はそろそろ終わりにしましょう」
その言葉と共に顔を上げる。怯えるな。弱さを見せたら、負けだ。
「…貴方は自分の言っていることの意味が分かってるんですか?
もし彼女が貴方の手を取れば彼女は家と軍を捨てることになる。
それでも貴方は彼女を幸せに出来ると、守りきってみせると言えるんですか?」
正しさを持った言葉が発せられる。その言葉に浮かぶ感情を押し隠す。
目を逸らすな。恐れるな。逃げることは許されない。
「確かに俺は、彼女の軍人としての未来も夢も守ってやることはできない…。
辛い思いや寂しい思いをさせるかもしれない。
それでも、一人の女の子としての幸せを守ってやれる自信はある。少なくとも、アンタよりかは」
「…っ……言ってくれますね…」
芋虫を握り潰した様な男の顔を見ながら立ち上がり、手を伸ばす。
そして言う。堂々と。
「アズリア、君が選んで。俺は…君に辛い選択を迫っているのかもしれない。
もしかしたらまた泣かせてしまうかもしれない。それでも、俺を選んでくれたら一生大事にするから。
もう二度と離したりしないから…だから……」
言えば全てが廻りだす。本当は少し怖い。それでも。
「俺の隣で、生きて下さい。君じゃなきゃ駄目なんだ。君が、いいんだよ」
体が弾かれたように歩を進める。あの手を求めて。
だめだ。もう止められない。想いが溢れ出す。愛しさと共に。
だってもうこんなこと本気で言ってくれる人なんていない。
これ以上好きになれる相手なんて見つけられっこない。
「アズリアっ!」
その足を止めたのは、大好きだった声。今までずっと自分を育ててくれた声。
振り返る。言葉にするのは怖い。それでも言わなきゃならない。
「父上…母上……ごめっ…なさい…。私は…生まれて初めて、貴方達の言う事に、逆らいます。
私は貴方達が大好きでした…。認めて貰えるのが嬉しくて…嫌われたくなくって必死だった。
それでも、私は…貴方達を選べません…。本当に我侭で…自分勝手な娘でごめん、なさい…。
愚かだと…一族の汚点だと罵られても構いません…。
それでも彼を幸せにしてあげたいから…二人で幸せになりたいから……だから行きます。
今まで、本当に…ありがとうございましたっ……」
その言葉を終えると同時に駆け出す。走りにくいヒールを脱ぎ捨てて、その手を求めて。
温もりが触れ合う。指先を絡めて、そのまま二人で走り出す。その顔には笑顔が零れてる。
風でヴェールが飛ばされ、花弁の様に空を舞う。
まるで物語の様な場面。その様子を誰もが皆呆然と見守るしかなかった。一部を除いては。
「まったく…本当に最後までヒヤヒヤさせる奴だぜ」
「先生カッコイイ…」
「本当にあの人はやる事成す事派手ですね…」
「まあいいじゃない。略奪愛の末駆け落ちなんてそうそう見れるもんじゃないし。それに…」
スカーレルは一度言葉を切ると微笑み、また言葉を続けた。
「理性とかモラルとか…そういうの全部踏み越えちゃうくらいに誰かを好きになれるのって、素敵なことじゃない?
どんなに苦しくっても諦められないほどの強い愛が、ハッピーエンドを呼び寄せちゃうのかもね?」
「―…そうかも、しれんな…」
明るいスカーレルの声に賛同したのは意外にも側で黙っていたギャレオであった。
そこには穏やかな笑みが宿っている。
「とりあえず、今日はご馳走だな!先生の幸せを祈って!」
「主役はいないかもしれないですけどね…」
そう言って笑い合う。
そんな海賊達とは逆に、その他の取り残された人間の表情はどれも曇っていた。
「アズリア…」
「あなた……」
笑顔を浮かべながら走っていく娘をただ見送るしかなかった二人は顔を伏せ、暗い声を出す。
ずっと見ることのできなかった娘の笑顔と頭を下げた男の言葉が頭に残って離れない。
今にして思えば、酷い仕打ちしかしてこなかった自分達を、それでも好きだと言った娘。
失ってから初めて気付く。その大切さに。今更後悔しても遅いというのに。
「私達は…何時から無条件にあの子の事を愛することができなくなっていたのだろうな…。
あの子が産まれた時は、あんなに純粋に愛してやれたのに…」
「まだ、やり直すことはできますよ」
返ってくる事がないであろうと思われた言葉に答えを返したのは意外にも
同じくこの場に取り残された、タキシードに身を包んだ男であった。
「どんなに取り返しのつかない事をしたと思っても、やり直すことはできます。
貴方も、彼女も生きてるんですから。私も、生きている限りは彼女に償いをしなければなりませんね…」
あの日嫌がる彼女を強引に自分の物とした。
たぶん一目惚れだったんだろうと思う。
だから彼女の心が他の男に向かっていると分かった時、どうしようもなく頭に血が上ってしまった。
力ずくでどうにかすれば他の男の事など忘れて自分の事しか見なくなるだろうと愚かに思っていた。
それでも、心だけは動かなかった。
そしてあの男は敵だらけのこの場から彼女の心をいとも簡単に動かし、臆することなく堂々と奪っていった。
完全に、負けだった。
「物理的制約に頼って関係を作る甘い時代はもう終わりなのかもしれませんね…」
だって世界は進化するから。
この世界が人の住む地である限り、世界は優しく進化する。
人は感情の生き物だから。
いつだって世界は感情中心に、誰かに優しく廻っている。
人は弱い。
誰かの言葉に迷いながら、現実という暗闇に呑まれながら生きている。
怖くて不安で、そんな中信じられるもの。
今この手を握る手が、囁いている。大丈夫だよって。
「…ここまで来れば、もう大丈夫かな」
手を握り締めたまま、走っていた足を止める。
振り返る、その笑顔。
心臓が高鳴る。
「…何か、すっごく久しぶりに、君に触った気がする」
声が近い。
「…とりあえず、ただいま」
「―…おかえりなさい…っ!」
涙で震える声で返したらいきなり抱きしめられた。信じられないくらいに強い力で。
「…会いたかった…っ!もう、離さない。離したくないっ…!」
少しだけ震えた体を強く抱きしめ返す。
ずっと、欲しかった温もり。呼吸が近くて安心する。
体中の細胞が叫んでる。この人が好きだと。
「…色々考えたんだ、君と離れてる間も、さっき飛び出した時も。
心臓が頭ん中入ったような気がするくらいに、色々考えた。君の夢の事とか未来の事とか…。
俺に君の夢を守る力はないのに、けれど気持ちは止まらなくて…どうしたらいいか色々考えて、
正しい答えを探したんだけど…結局見つからなかった。で、思ったんだ」
大好きな笑顔が、間近で、自分にだけ向けられる。
「明日の事は、神様にしか分からないから今俺達ができることってたぶん
目の前の今日の想いと幸せを守ることだけかなって」
人は弱いから、きっとできることなんて限られてる。
運命を変える力を持たないなら、せめてそれに抗って抗って、少しでも幸せな方に向く様に努力するしかない。
「神様なんて信じてないけどね。そんなあやふやな存在に任せられるほど人の命は軽くないよ。
…本当は、君の言葉も意思も無視して力ずくでどうにかするって方法も…考えなかったわけじゃないんだ。
でも俺はそんなに純粋じゃないから、たぶん力という方法に頼ってしまったら、
そこから一歩も進めなくなるって思ったんだ。…まぁ結局力ずくみたいな方法に
なっちゃったんだけど…でもちゃんと君の意思を確認してからだったから、いいよね?」
優しい声が流れる。甘く、囁くように。
「さっきも言ったけど、もう一度言うよ。もしかしたら俺は、
君に辛い思いをさせてしまうかもしれない。寂しいと泣かせてしまうかもしれない。
それでも、俺を選んでくれてありがとう。この世界に生まれてきてくれて、俺に出逢ってくれて、ありがとう」
なんで。どうして。そんなに好きでいてくれるんだろう。
こんなにどうしようもない女なのに。返せるものなんて、何もないのに。
「…お前の気持ちは嬉しいけど…私にはそんな言葉受け取る資格はない……」
「どうして、そんな事言うんだよ…」
笑顔が曇る。本当は言いたくない。言って拒絶されたらどうしよう。怖い。
でももう嘘は吐きたくない。自分の気持ちにも、この人にも。
「…汚されたんだ、あの男に……。何度も何度も中で出されて…もしかしたら…アイツの子供が、
このお腹にいるかもしれない…。なのにお前に愛される資格なんて……」
「…ごめんっ!ごめん…っ!」
小刻みに震える体をもう一度抱き締める。
何で、どうしてもっと早くに迎えに行ってやらなかったんだ。
どうして守ってやれなかったんだ。
どんなに自分を責めた所で現実は変わらない。それが歯痒い。
「…君の、気が済むまで殴っていいから…。こんな事で許されるとは思ってないけど…
でももうそんな思いさせないから…。絶対絶対、守り抜くよ君を…。俺の、一生をかけて。
だから、一緒に考えよう?もし、君のお腹にあの男の子供がいるとして、
それをどうするかは君が決めるしかないから…。辛いかもしれない。苦しいかもしれない。
でも、俺も一緒に悩むから。一緒に、考えるから…。もう君を一人で苦しませたりしない。
ずっと側にいる。約束するよ」
「うぅ…うぁ…あぁぁ……」
嗚咽が零れた。
どうしてこの人はこんなにも優しいんだろう。
本当なら責められて当然なのに。なのに全部許して愛してくれるなんて。
「な…んで…お前はそんなに、私の事を好きでいてくれるんだ…。
私なんて何にもない…どうしようもない女なのに…」
「自分を卑下するなよ。そんな事言ったら俺だって何にもないよ。
むしろもう嫌な所ばっかりで自分でも嫌になるよ…。
情けないし、女々しいし、甘い奴だってよく言われるし…。それでも君は、俺の良い所を沢山知ってるんだろ?」
その言葉にアズリアは無言で頷く。
それに笑顔が返ってくる。
「だったら、それでいいだろ。
独りきりだったら自分の嫌な所しか見えないけど、二人だったら良い所も悪い所も見つけられる。
俺の良い所は君が教えてくれればいいし、君の良い所は俺が教えればいい。
そうやって、生きていこうよ。きっと、どうにかなるから。幸せに、なれるから」
無条件で信じられる言葉。胸に湧く暖かな想い。
ああこの人を好きになれて良かったと。
「馬鹿みたいかもしれないけどね。それでも俺は、君に出逢えてなかったら、
あの言葉を貰えてなかったら、気が狂っていたかもしれないと、思うんだよ」
優しい声が歌のように流れる。
「俺はずっと化け物だとか、強い人だとかそんな風に言われ続けて生きてきた。
本当にそういうのになれればいいといつも願っていたよ。痛みも寂しさも感じない、そんな存在に。
でも、どんなに願ったってそんなのにはなれなくて…苦しかったよ、ずっと。寂しかった、とても」
幼い心が、誰もいない時間を抱えて大人になっていくことの意味を誰も考えてくれなかった。
孤独を抱えた子供の一日が、どれほど長いか、誰も分かってくれなかった。
「天才だとか化け物だとか、いつだって異質な存在だと見られたけど、そんなのは違った。
俺は…強くなりたいと願う、弱くて脆い、どこにでもいる普通の人だったよ。
そんな本当の自分を誰にも理解されないまま他人が怖くて怖くて仕方のない毎日だった。
そんな中で、君に出逢ったんだ。嬉しかったよ、自分を見てもらえるのが。
どうしようもないくらいに、救われたんだよ。小さいけれど、それは俺にとっては確かな奇跡だった」
ずっと、独りだった。もうずっと、長い長い間、独りだった。
気が狂いそうなくらいの長い時間、独りだったよ。
寂しくて、切なくて。だからこそ出逢ったのだろう。
誰も分かってくれなかった想いに、寂しさに、気付いてくれる人に。
まるで必然みたいに恋に落ちて、幸せになりたいと願った。
辛かった。苦しかった。でも二人で幸せになりたかった。
胸に生まれた想いを、諦めたくなかった。
「ねえ、俺は何にもないけど…でも君の側にいたいと、思うよ…。
弱いけど、無力だけど、君の為に強くなるから。死ぬまで君を守るから。だから、もう一度言うよ。
二人で幸せになろう?ずっと隣で、一緒に歩いていこう」
「…馬鹿。私は、お前じゃないと嫌なんだ…。お前じゃないと駄目なのは、私も同じなんだ…っ!」
自分を強く抱きしめてくる体をもう二度と離さないと、誓った。
生きているのが辛くて、死にたいと思ったことは何度もあった。
それでも今は思う。この世界に生まれて良かったと。
この人に出逢えて、この人を選んで良かったと。好きになれて嬉しいと。
辛かったこと、苦しかったこと、切なかったこと、嬉しかったこと。
過去の自分も今の自分も全てがこの人に繋がっていく。そしてこれからもずっと。
きっと永遠に。
出逢えたことから全てが始まった。
「―…ねえ、ちょっと手出してみて。左手の方ね」
「…何だ?」
差し出された手にそっと指輪を嵌める。あの日渡せなかったそれを今やっと渡せる。
「別れたあの日、渡そうと思って渡せなかったやつなんだ。
今日、君が幸せになるのを見届けたら捨てようと思ってたんだけど…今まで捨てなくて本当に良かったよね。
みっともなくても、最後まで諦めなくて、良かった」
新たに指に嵌るそれは今度こそ永遠の約束の証。篭められたのは愛の誓い。
「とりあえず、これからどうするか決めなくちゃいけないよね。
えっと、落ち着いたらまず君の両親と婚約者の所に謝りに行って…」
「お前…あれだけ派手に掻っ攫っておいて、またわざわざ謝りに行くのか……」
「だって心込めて謝ったら君との事、許してくれるかもしれないだろ。
そしたら、ちゃんと籍入れて…子供作って…そうなったらいいなって夢くらい見てもいいだろ?
もし駄目だったらその時はまた二人で逃げればいいし。やってみなくちゃ分からないよ。
それにあの男、何発か殴ってやらないと気がすまない」
「…そう言えば、お前が他人のことをアンタ呼ばわりしたの、初めて聞いたな」
「だって何かもう腹立って仕方なかったんだよ。
ただでさえ腹立つのにその上さっき君からあんな話聞いたら尚更許せなくなった」
「…そうか。とりあえず殺さない程度にしておけよ。
ああ、あとうちの父親に殺されないよう気を付けろよ。
あの人は気が短い上にすぐに手が出るからボコボコにされるかもな」
「う…痛いのは嫌だけど慣れてるからまあいいや。手足や歯の数本は覚悟してたし。
大事なのはそんなのじゃない。それに、見返りを考えればお釣りがきてもいいくらいだしね。
…んでさ、そういうの全部片付いたら、俺の故郷に行こうよ。
父さんと母さんに君を紹介したいし、村の人にも自慢したい」
近い笑顔。それに安心する。笑みが浮く。
「―…そうだな。お前の生まれ育った場所を、私も見てみたいな」
「じゃあ、今後の予定も決まったことだし、取り合えずこの服をどうにかしようか。
流石にウェディングドレスはヤバイ気がするし。
それに今の君は凄く綺麗だと思うけど、他の男が買った物だと思うと無性に腹立つ」
「…お前、結構心狭いな」
「それ、気にしてるからあんまり言わないでくれよ。…まあいいや、それじゃ行こうか?」
「…そうだな」
ここに辿り着くまでに失ったものを考える。
両親のこと、家のこと、夢のこと。
胸が痛む。淡く、寂しさを伴って。
それでも。今を愛しいと、思うのだ。
ねえ二人の傷は消えないだろうけど。
これからもきっと思い出していくんだろうけど。
それでも、残された傷跡も寂しさも切なさも大切な思い出にできるから。
だから歩いていこう。二人で、ずっと。
もう迷わなくてもいいように手を繋いで。
飽きるほどに、側にいよう。
遠回りをしてようやく辿り着いた物を、全部抱き締めて。
幸せになる為に、この旅路を歩いていこう。
差し伸べてくれる手がある。
それを握り返してくれる手がある。
触れ合う温もり。それが全て。
その手をもう二度と離さない。
私はここで筆を置こうと思う。この二人がどうなったか。その結末はこれを読む貴方が考えて欲しい。
未来の可能性なんて無限大だ。だから、貴方の考える結末はその可能性の内の一つであると、そう思うのだ。
そこにあるものが幸福なものであることを祈りながら私はこの物語の幕を閉じようと思う。
――――著者 スカーレル
「何ていうか、スカーレルが本当に本出しちゃうなんてあの時は思いもしなかったなぁ。
しかもその話のモデルにされるなんてこれっぽっちも考えてなかったよ。本当に人生何があるか分からないね」
一冊の本を閉じながらレックスは言葉を放つ。
「…本当にな。人生何が起こるか分からないといえば、
私とお前が他人ではない関係になって父親と母親になったのはきっと考えられない展開だったと思うぞ」
「だよねぇ。俺ももうお父さんだもんねぇ。
アイツの子供じゃなくて俺の子が産まれたのはやっぱり愛の差だね。
数年越しの愛の力は伊達じゃないよ。でもこの話、続きが書かれなくて本当に良かったよね。
この後の展開は何ていうかもう本当に生々しすぎるもんねぇ」
「お前は本当に入院したしな。でも傷を召喚術で癒すより入院を選んだのはお前の意志だからな」
「あ、はは…だって召喚術で直しちゃったらその痛み、すぐに忘れちゃうだろ?
そういうの、忘れちゃいけないって思うから。
そうやって負った傷が今の俺を育てて、そうして知った痛みが今でも俺を支えてる。そう思うから。
過去を否定する気もなければ美化する気もないけど、それでも俺は、俺の体の傷達を愛しく思うよ」
「そうか…」
春の暖かな風が二人の頬を撫でた。
初めて出逢って、再会したこの季節をまたこうして共に過ごせるのをとても幸福に思う。
「でも君の父さん、本当に容赦なくてあの時は本気で死ぬかと思ったよ。
あの時は肋骨が数本いかれたんだっけ?
でも、それでも君との関係を認めて貰えた事を考えたら安いもんだったかもね」
「…そうだな」
今でも思い出す。あの時の父親の姿を。
愛する人を散々罵って一方的に暴力を振るった後、
自分が軍人を続けることを条件に彼との関係を認めてくれた父。
ほんの少しだけ震えていたその背中を見た時に気付いた。
あの人が自分を理解しようとしなかったように、自分もあの人を理解しようとしていなかったのだと。
きっと高慢で強引なあの態度も、そうでなければ厳しい世界で生き残ってこれなかったからなのだろう。
彼もまた家名と言う呪縛に囚われた、自分と同じ不器用な人間だったのだ。
親という立場になった今ならあの人の強さも弱さもほんの少しだけ分かる。
「しかもお前、あの後あの婚約者も殴り飛ばしたしな。物語の主人公にあるまじき行為だな」
「仕方ないだろ…あの顔見たらなんかまた腹立っちゃったんだもん。
ちゃんと婚約破棄してくれたし、結納金も納めた分だけ返してくれればいいって言ってくれたけど、
やっぱなんか許せなかったんだよ。君が軍に残れるよう配慮するって言ってなかったらもっと殴ってた。
四発で済んだんだから安いもんだと思ってもらいたいね」
「でもその四発叩き込んだ場所が問題だろ。相手も私もてっきり頬か鳩尾に入れるだろうと思っていた。
だからあいつも腹筋しめて歯を食いしばってた様なのにお前は眉間と鼻と顎とこめかみに入れたからな。
あれ絶対折れてたぞ。凄い音したからな」
「何だよ、君はもっと手加減して欲しかったって言うの?」
「――いや」
アズリアは笑う、ニヤリと不敵に。
「スッキリしたな。あんなに爽快な気分になったのは久しぶりだった。
あの時の、本気で怒ったお前と私の父の一方的な暴力に文句一つ漏らさず最後まで
耐えたお前は、少しだけカッコ良かったな」
笑顔が浮かぶ。自然に。それが嬉しいと思う。
「何が起こるか分からないって言えば、俺はソノラがもうすぐお母さんになるのにも吃驚だなぁ。
何か今大変みたい。ほら、君はしっかりしてるからあんまり心配いらなかったけど、ソノラってあの
性格だから。何度も階段から落ちそうになったりしてカイルやスカーレルは生きた心地がしてないって」
「はは…でも生まれたらもっと大変になるぞ。お前はどっちだと思う?」
「女の子…じゃないかなぁ。希望も含めて。きっとソノラみたいな可愛い子が産まれるよ。
名前はどうするんだろう。うちはすんなり決まったけど、向こうはどっちにしても色々揉めそうだなぁ」
「そうだな…。よしじゃあ私は男に賭けるとするかな。
お前がはずした時の罰ゲームを今から嬉々として考えておくさ」
「…そういえばさ、君、前の賭け負けてまだ罰ゲームしてなかったよね?
今、その罰ゲームしてもらってもいい?」
「そ、そうだったな…。よし…なんだ、言ってみろ」
「うん、それじゃあね…」
レックスは一旦言葉を切る。その頬がほんのり朱に染まる。
「その、「あなた」って言ってみてくれないかな…?
ほら、俺達他人じゃない関係になったのに君に一度もそう呼ばれたことないから」
「それ言うならお前だって何時までも「君」のままだろう。人の事言えんな」
「じゃ、じゃあいいよ。言うよ。だから君も言ってくれよ」
「いいだろう。お前が言ったら言ってやる」
「うん…じゃあ、いくよ」
一度息を吸ってゆっくりと言う。
「お、お前…」
声が裏返った。
「あ、あ、あなた…」
思いっきりどもった。
何だか無性に照れくさくて顔の火照りが止まらない。
そんな二人をそっと見守る影が。
「初いのぉ」
「青いわぁ」
「若いですね」
「ったく、あいつらガキまで作っておいて何やってんだよ」
「何だか見てるこっちが恥ずかしくなっちゃいますね」
「皆さん、これは出歯亀というものでは…」
「いいんですよ、皆さんあの二人のことを優しく見守っているだけなんですから」
明らかに楽しんでいるだけのような気がしてならないが、深くは突っ込まないでおいた。
そんな外野に全く気付かず、二人は笑う。
「―…ぷ、はははは……駄目だよ、何か可笑しいよ。やっぱり今まで通りが一番だね」
「はは…そうだな。幾らなんでも違和感がありすぎる」
笑い声が辺りに響いた。その二人の元に遠くから走ってきた小さな影が駆け寄る。
その幼い体はレックスの服の裾をそっと掴むと、その手元の本をじっと見つめる。
「ん…?何だい、この本の続きを読んで貰いたいのかい?」
レックスの言葉にコクコクと首を縦に振る。
その子供の頭を優しく撫でながらレックスはゆっくりと言葉を続ける。
「ごめんよ…あの話はあれでお終いなんだ。でも安心して。
他にも海賊の話や聞かせたい物語は沢山あるから。
ところで、君があの物語に結末をつけるなら、どんなものがいいと思う?」
その問に幼子はほんの少しだけ頭を捻らせると、笑顔で答えを言う。
「そうしてふたりはいつまでもしあわせにくらしました」
「…そうだね。最後はみんなで幸せになれるのがいいね」
人の人生なんて一本の物語のようなものなのかもしれない。
次の頁を捲るまで何が起こるかなんて分からない。
先が読めないからこそ面白い。
未来への可能性なんて無限大だ。
だったら、その結末は幸せなものがいい。
誰もが皆幸せになりたがってる。
ハッピーエンドを迎えるために毎日必死で生きて、運命に抗ってる。
そうして幾つかの物語が出逢って、一つのハッピーエンドを呼び寄せるんだろう。
自分と彼女が出逢って、新たな物語を生み出したように。
「…君の物語が、幸せなものであることを祈っているよ」
そう言って愛しい我が子の頭をもう一度撫でる。
新しい物語は、まだ始まったばかり―――。
おわし
エロないのに長くてスマソ。この嫌になるくらい長い話もこれで完結です。
幾らなんでも電波妄想いきすぎでやり杉ですか(;´Д`) アズリアED脳内補完のつもりで
書き始めた話ですがまさかこんなに長くなるとは思いもしませんでした…。とりあえず自分的には
本編中で結ばれない二人のハッピーEDとお約束的展開とご都合主義ができたので満足です。
教会で式挙げた知人がいないので式のシーンや花嫁泥棒に関しては適当で申し訳ないんですが…。
書けなかった話や使えなかった脳内捏造設定もまだあるので需要があるかは分かりませんが
また暇ができたら後日談やこれと同じ設定を使ったソノラやパッフェルの話も書くかもしれません…。
こんなに捏造妄想甚だしい長い話に最後までお付き合い下さった方、本当にどうも有難う御座いました。
誰か他にもこの組み合わせで書いてくれないかなぁと期待しつつ暫くはまた名無しに戻ります。それでは。
おつかれさまでした!凄くよかったです。
最後がスカーレルの書いた小説として書かれているところなんてウマー。
>後日談やこれと同じ設定を使ったソノラやパッフェルの話
激しく期待しております!!
171 :
名無しさん@ピンキー:03/10/19 21:07 ID:Yxs5NwBU
>>169 今まで続きが気になって
しょうがなかったがこれでやっと
落ち着けるな
ありがとう
そしてGJ!
172 :
名無しさん@ピンキー:03/10/19 23:38 ID:xEf8mjbB
>>169 完結乙でした。いやすげぇって。売ったらベストセラー間違いないです。オレがこのスレに投下したマグアメがゴミに見えます。
何ていうか、適切そうな感想が出てこない…
ど う す れ ば い い ん だ
とにかく最高でつた。地の文に引き込まれまくりでした…
>>169 いや、なんかもう、ありがとうございました。
毎回文章に飲まれ、感情移入しまくりでした。
ああ…言葉が出てこないや。
本当、お疲れ様でした。
大作を書き上げた作者氏に敬礼!!
もうね、
アズリアたん「おめでとう」と。
作者さん「ありがとう」と。
漏れにはこんな月並みな言葉しか出せませんよ(つД`)
>>173 あ き ら め る な !!
・・・何、シャドゲは関係ないと?
最高!GJ!
最高でしたとしか言いようがないっす。
相手の婚約者をさり気なく殴ってるところも素敵だ。
179 :
名無しさん@ピンキー:03/10/20 02:12 ID:czmHr7Bi
最高の感動をありがとう。心から感謝いたします
月並みな言葉で申し訳有りませんが、感動しました。
エロパロ板で目頭を押さえることになろうとは…本当に御疲れ様です。
感動しました…。GJ!!
>>169 長い間お疲れ様でした。本当に感動しました。・゚・(ノД`)・゚・。
もう、ありがとうという言葉しか出てきません。
本当にお疲れ様でした。
次の作品も楽しみにしています。
教え子が試験勉強してる後ろで一気に読んでしまいました(最低だな、漏れ)。
最期にアズリアが幸せになっていがったよーーー!!
──十年前。
「あなたもセルボルト家の娘。ゆくゆくは立派な婿を迎えるのですよ」
特に魔力は重要です、と念を押す。
「かーさま、あたし『まおーしょうかん』するからおむこさんもらえないよ」
「あの人は抜けてるからどうせ計画は失敗します。わたしが保証します」
「わぁい。かーさまアイがないね」
「ええい!いきなり結婚するなどと言ったと思えば連れてきたのが我が計画を邪魔したこやつだと!?」
ちゃぶ台返しそうな勢いでまくし立てる、生え際前線後退気味の父。
「まあ年頃なのですから結婚自体に問題はありませんが……」
対照的に至って冷静な、修道女のような姿の母。
「知っての通り、我がセルボルト家はエルゴの王に仕えた由緒ある家柄。力の無い者を迎えるわけにはいきません」
(……まあその点については何の問題もないわねー)
カシスはつらつらと語る母の言葉を聞き流し、その「相手」に目をやる。
て言うか思いっきりエルゴの王、当人であるわけで。
「……というわけで、直々に力を試させてもらいます。
私のしもべと戦って勝てたならば、その力を認めましょう」
「……はあ」
釈然としない様子で頷くハヤト。何やらおかしな流れになってきた。
「では行きなさい、あなた」
「……ワシがか?」
「そうです」
「……ワシはお前のしもべだったのか?」
「無論です婿養子」
「…………」
こちらも釈然としない様子の父。どうやら立場は低いようだ。
あの親にしてこの娘あり、なのだろうか。
そういうわけで対峙する二人。
「……ひとつ聞いておくが、後悔は無かろうな?」
何やら含蓄深そうな響きがこもる。経験者は語るというヤツか。
しかしそちらほどではないにしろ、すでに尻に敷かれてるようなものなので。
こちらの返事がないのを了解と取ったのか、年に合わない長大な剣を構え、詠唱を始める父。
仕方なく、こちらも剣を抜いて構える。相手は強大だ。
「来たれ──」
爆音が響く。
防御体勢に入っていたハヤトの予想に反し、吹き飛んだのは横手の壁だった。
そして
デンデデーデンデデー♪ デンデデーデンデデー♪
響くテーマ。
もうもうと上がる爆煙の中から現れたのは──こちらは予想通りなのは言うまでもない。
色素をどこかに忘れてきたような顔色をしてはいるが至って健康体、バノッサである。
ちなみに後ろでギターをかき鳴らしてBGM演出しているのはお供のカノンだ。
「てめェはぐれ野郎!この○○○の×××──」
機関銃のように罵詈雑言をまくし立てながら近づいてくるバノッサ。
途中で何かをぶぎゅると踏んづけるが気に止めなかったようだ。
よく見ると爆発で飛んできたガレキに埋まっている父。手間が省けた。
「だいたいだなぁ、可愛い妹をいただこうってのに俺様の所をすっ飛ばして行くたぁどういう了見だ!」
可愛い妹? で、何でこいつの所に行かにゃならんのか。そもそも何でここにいるんだ。
「ちょっと待ってくれ。一セリフにつきツッコミ所は一つにしてくれよ」
「ツッコミ待ちじゃねェよはぐれ野郎!」
全身ツッコミ所のくせして矛盾したことを言うバノッサ。
「あたし、変態の兄を持った覚え無いんだけど」
自称兄に半眼でキツいツッコミを入れるカシス。
「誰が変態だ!」
裸にプロテクターくっつけたカッコのくせに矛盾(略
「とりあえず、ややこしいから少し黙っててくれ」
ハヤトは近くにあった10キロくらいありそうな花瓶を持ち上げると、ごっすとバノッサの頭に落っことす。
それだけで白目をむいてどさりと昏倒してくれた。
決着は付いた。一応。
「容赦のない苛烈なツッコミは強者の証。あなたの力を認めましょう」
「……そう、なのか?」
まあ話はまとまったみたいなのでOKだ。
「ではカシス、ゆくゆくは家を継いで立派に──」
「あーそれ無理。あたしお嫁に行くんだし」
ぴしり
固まる母。
「さて、帰ろっか?」
「そだな。何かどっと疲れたよ」
「元気出して。帰ったらマッサージしてあげるからさ」
「……ベッドの上で頼むな」
「えっち」
ほのぼのと会話しながら去っていく二人が見えなくなった頃、ようやく我に返る母。
しばし考え込むと、バノッサを揺り起こし
「こうなってはあなたに家を継いでもらうより他ありません。
あなたもあの人の息子のようですから。目元などあの人の若い頃によく似ていますし」
「_| ̄|○マジかよ……。俺様、母親似じゃなかったのか……」
お先真っ暗。額が明るくなっても未来を照らしてはくれない。
がっくりとうなだれるバノッサをぽいと放り捨てる。
「ところでそちらのあなた、もしかして嫁候補ですか?」
「……僕、男です」
──終われ──
_| ̄|○8スレの268ですゴメンナサイ。エロもなくてゴメンナサイ。
明らかに登場人物とかアレだけど全員生存の平和的ルゥトとか思って大らかな気持ちでひとつ。
何かレクアズで縁談うんぬんの話読んでると突発的に……空気読んでないね。
パートナーズのママンがツェリーヌさんじゃなかったらどうしようか……
>>189 たしかにエロ無いし直前のレクアズとは空気が違いすぎる
だがそれがイイ
グッドジョブだ
≦ // /
cN*´,_ゝ`| ハァハァ
{ ̄ ̄ ̄}
/ /ヾ||/ ̄ ̄ ̄ ̄/
__(__ニつ/ FMV /____
\/____/
問い詰めてもいいですか
|
| ≦ // /
|、- k、. cN;´,_ゝ`|
|ハ ヘ ).i { ̄ ̄ ̄}
|#゚∀゚ノl / /ヾ||/ ̄ ̄ ̄ ̄/
⊂ヽ ノ______(__ニつ/ FMV /____
\/____/
>>189 (*´Д`)<萌
バノッサに禿しくワライマスタ
全身ツッコミ所のバノッサにワロタw
>>前スレ268
H無くても268氏のSSはやっぱり藁えてイイ!
ラブラブなハヤカシに萌え。禿パパガンガレ
相変わらずGJなお手前ですた。
>>189 ナイスです。ボケボケな夫婦にもワラタ。
俺も何か書くか…パクリ小説でも書くか。
197 :
名無しさん@ピンキー:03/10/22 17:11 ID:m8n4Z1c9
ヤベェハゲワロタ
ば、ばのっさぁぁぁぁ
GJでさぁー
カノンたん(;´д`)ハァハァ
200
禿ドレイク萌え
7スレ705の関連物、「もしアティが帝国軍にいたら」です。
……すいません今回もエロなし妄想過多です。一応別のSSで挑戦はしているのですが、難しいよエロって
帝国海軍第六部隊。
それはエリートと目される帝国軍においての異端。
部隊を率いるのは一昨年軍学校を卒業したばかりの女仕官。
補佐は戦地での調達兵という経歴から、学校出身者(つまり殆どの上級軍人)とそりの合わない叩き上げの軍人。
構成員はといえば、様々な理由から他の部隊に居辛くなった者や、軍紀に外れる問題児の寄せ集め。
第六部隊への配属は、いわば最後通牒に近い。ここ以外に行く場所のなくなった軍人達の吹き溜まり。
だが、そんな外れ者揃いの部隊でも、任務は他と変わりはない。
旧王国との戦争が休止状態にある現在では、要人警護や凶悪犯罪の取り締まりが主な任務。
それがない時は訓練や書類整理といった、軍人に憧れる少年少女が幻滅しそうな退屈な仕事をちまちまと片付ける。
午後八時過ぎ。第六部隊事務室では、その退屈なお仕事に隊長以下三名が就いていた。
通常勤務時間はとっくに過ぎ、いわゆる残業というやつである。
「ったく、なんで俺がこんなこと……」
ぴし、と響いたのはペンに亀裂の走る音。
「―――残業は誰のせいだと思っているのだ紫電かますぞこの歩く始末書製造機がっ!!」
「落ち着いて下さい隊長! 今更ビジュに当たっても仕事は片付きませんよ!」
机をひっくり返そうとするアズリアをギャレオが必死になって止める。
一時間前にもひっくり返されて、書類とインクの散らばる惨憺たる有様からやっと回復したところなのだ。余計な仕事はもう増やしたくない。
「お前も口を慎め!」
「へいへい」
自覚とやる気に著しく欠ける返事をし、かったるそうに机へと向かう。
その横で小学生みたいに手を挙げたのは、隊付きの軍医、アティ。
「アズリアの発言に異議があります」
「何だ?」
「ビジュさんは始末書製造機じゃないですよ」
庇うのか、とアズリアの眉がはねたのを知ってか知らずか、
「だって始末書の添削及び代筆しているのは私ですから、その点からしたら製造機なのは私の方かと」
「貴様という男は、アティにどこまで迷惑掛けているかっ!」
抜刀する。このまま教科書に載せたいくらい見事な構えにほれぼれ
「……してんのは副隊長ぐれえだろうが! つか本気ですか隊長殿っ?!」
「当たり前だ! 今後の為に一度粛清を加え―――」
「ちなみに、ビジュさんの次に始末書の提出が多いのって、実はアズリアなんですよね」
……
気まずそうに剣を収め、再び書類整理に取り掛かる。
フォローの入らぬまましばし黙々と仕事を続けていると。
ノックが聞こえ、扉の向こうから線の細い少年が顔を出した。
「失礼します。……ああ、やっぱり姉さんまだ帰っていなかったんだ」
「イスラか。すまんが今日も遅くなりそうだと家の方に伝えておいてくれ」
「うん、分かった―――ところで」
少々訝しげな表情で首をかしげ、
「アティさん、ひとつ聞いていいかな」
「どうぞ」
「アティさんって軍医だよね」
「そうですよ」
「でもアティさんが今作ってるのは他部隊との交渉案みたいだけど」
「ええ、まあ」
「……それって参謀の仕事で、軍医のすることじゃないんじゃないの?」
空気の流れが止まる。
何故か沈痛な面持ちになった面々を前に戸惑うイスラ。
ふふ、とアティがあやうい笑い声を洩らし、
「そうですね、こういうのは参謀の仕事ですよね。参謀がいればですけど」
「……いないんだ」
「ええ。しかも仕官の中で一番交渉事に向いているのが一介の軍医の私というのがまた笑える話でして」
イスラは他三人を見渡す。
腹芸を嫌う隊長。筋肉が取り柄の副隊長。反抗心剥き出しの問題児。
これは無理だと納得した。
アティがすすっと近づいてくる。
「ものは相談ですけど、イスラさん参謀として我が隊に転属する気ありません?
出世が十年遅れたり給料が今の三分の二程度に減ったり士官用食堂に入りづらくなったりしますけど」
「転属するメリットがないじゃないか……」
「お姉さんと四六時中一緒」
一瞬ぐらっときた。
赤毛の悪魔は更に言葉を重ねる。
「颯爽と部下に命令するアズリアとか、息抜きに紅茶飲んでまったりするアズリアとか、
眠気を必死で堪えるも頭かくっとさせてその度に慌てるアズリアとか……見たくありません?」
見たい。ものすごく見たい。
「第六部隊に入ればそんなアズリア見放題……いたっ」
「……うちの弟に妙なことを吹き込むんじゃない」
ホチキス止めした資料の束でアティの頭はたき、アズリアはイスラへと苦笑を向ける。
「こいつの言う事はあまり気にするな。お前はお前の仕事を果たせばいいんだからな」
「……来て欲しい、とは言わないんだね……」
「……ん、何か言ったか」
「ううん何も。そうだ、僕も手伝うよ」
さりげなくアズリアとギャレオの間に割り込みつつイスラは邪気のない笑みを浮かべる。アズリアに『だけ』向けて。
そんな弟にもせつなそうな副官の様子にも全く気づくことなく、
「イスラが手伝ってくれるなら早く終わりそうだな……あ、でも隊務を部外者に任せるのはまずいか」
「いいんじゃないですか。特に見られて困るのもないし。
せいぜいどこぞのイレズミがまた問題起こしたのがばれる程度ですよ」
「……軍医殿よお、テメエ俺のこと嫌いだろ」
「何言ってるんですかビジュさん。私、貴方のこと下から数えて三番目に好きですよ?」
「それは『好き』の部類に入っているのか……?」
誰のものとも知れぬツッコミも、アティの妙につきぬけた笑顔の前では無力この上なく。
帝国海軍第六部隊。
寄せ集めの部隊は、今日もおおむね平和である。
GJ!
ああ、なんていうか・・・和むw
喧嘩しつつも仲のいい第六部隊に萌え。
こういうのを見るたびに選ばなかった主人公が軍側に居れば、と思うなぁ・・・
やっぱりビジュ萌え。
グッジョブ
ああ、自分もさりげなく腹黒いアティが書きたくなってきた。
>>202 グッジョブ!
イスラを説得する天然黒軍医アティ萌え。
GJですよ、モツ狩〜。
選ばなかった主人公が軍に居たら…
今でもする気が起きないのに、絶対にレックスを選ばなくなる。
アティたんがいる陣営を蹴散らすなんてできねぇw
>>210 俺は逆かな・・・
軍服版のアティ先生を見るためだけにレックスを使う頻度が上がりそう。
レクアティも好きだし。
夜会話でアティ先生の正面絵が見たいな・・・
GJ
姉に頼ってもらえないイスラの淋しそうな呟きがなんとも。
テンポよくて面白くて情景がぱっと頭に浮かぶ。
6スレ715氏の文章すげー好きです。
下から1番目と2番目がやたら気になるw
214 :
妄想:03/10/24 00:41 ID:HfS5C/ZB
敵として登場、帝国海軍第六部隊所属軍医、アティ
第7・8話登場時
アティ 軍医 召喚石2 機B/獣B(インジェクス・ドライアード)
誓約の儀式・機&獣 見切
第11話登場時
アティ 参謀 召喚石3 機A/獣A(インジェクス・ジュラフィム・ドライアード)
誓約の儀式・機&獣 見切 俊敏 ド根性
第12話登場時
アティ 参謀 召喚石3 機A/獣A(インジェクス・ナックルボルト・ジュラフィム)
誓約の儀式・機&獣 見切 俊敏 ド根性
Moveは3で一定、クラスチェンジは「軍医」→「参謀」→「紫電の左腕?」
典型的な召喚師タイプ。HP&DFは最低中の最低だが、MP&MAT&MDFはバカ高。
逃げ回りながら敵の癖にメディカルヒールとスペシャルヒール、ラブミーストームを
使いまくるというプレイヤー泣かせの行動パターンを取る(軍医なので)
二属性召喚師であり、専用召喚術を二つも持っている事から、
当初はプレイヤーに「仲間に加えるのは不可能だろう」と嘆かれていたが、
実はイスラEDクリア済みデータ(三週目以降)を使い、ある一定の手順を取ると…?
……なんて事になってたら、死に物狂いで三週目やる奴が増えてたんだろうなぁ
>>214 レックスは戦士系か…?MDF・MATはクソだがHP・AT・DFは最高ランクで威圧+大剣。
絶対攻撃+重装備か見切り+魔抗のどちらかか?しかしクラスが謎だ…。
敵として出るなら強化されて幻実防御やらガチンコアタック、勇猛果敢、返しの刃とか持っていそうだが。
召喚石は回復、憑依、状態異常のどれかが妥当か。自分にATアップ憑依だったら嫌すぎる。
選ばれなかった主人公は三週目より前のプレイでは12話でアズリア辺り庇って死亡ですか。
そんなことになったら…
ギャレオの存在価値がうわやめろはなせぎゃr
218 :
紆余曲折:03/10/24 07:18 ID:bQe/bUEj
「でも毎日毎日・・・あなたも飽きないもんよね」
「いいじゃないか。本人が満足しているんだから」
とある日の昼下がり。今日もまたここギブソン・ミモザ邸ではテラスでお茶会が進んでいた。
とは言っても本日は家主である二人しか出席はしていないのだが。
仲間達は各々、修行なり買い物なりと彼方此方に出かけていた。
「本人は満足って・・・最近ケーキの量が増えてきてる気がしてならないんだけど」
「君も食べれば良いじゃないか、ミモザ」
「遠慮しとくわ。あなたが食べるのを見てるだけでお腹一杯だもの」
(あなたみたいにいくら食べても太らない体質なら喜んで食べるだろうけど)
心中で自嘲気味にミモザは呟きアールグレイをひと啜り。
「あの、ミモザさん?」
「あら・・・どうしたのカイナ?」
しとやかな声に視線を移せば、エルゴの守護者であるカイナがちょこんと立っていた
「どうだいカイナ。君も良かったらケーキでも」
「いえ、今は遠慮しておきます」
空になったケーキ皿を山のように重ねたギブソンの誘いを微笑で断るカイナ
「何か探しもの?」
「ええ、似たようなものです。マグナさん・・・何処に行ったか御存知ではありませんか?」
「あの子? あの子なら買い物に出るって言ってたような・・・」
虚空を見上げ記憶を探っていたミモザだったがその口がにやり、と歪む
「カイナ・・・そういえば最近あの子と良く一緒にいるわよね?」
「い、いえっ・・・!? 別にそのような事は・・・」
反応良好。一寸突付いただけでカイナは赤面し、うろたえる
普段冷静な分こうした何処か慌てた顔は見ていて中々楽しいものがあった。
「・・・・・・ミモザ?」
「はいはい」
そして、相棒のジト目。こちらはもはや見慣れているだけに何を言おうとしているのかは直分かる
―その辺で悪戯も止めておけよ。まあそんな所だろう
「しかしまあ・・・カイナとあの子はちょっと似てる所・・・あるからね」
「似ている所、ですか・・・?」
219 :
紆余曲折:03/10/24 07:19 ID:bQe/bUEj
「あたし達に会った直前のカイナと、初めて派閥に連れてこられた頃のあの子の目が・・・
なんとなく似てるのよね」
「はあ・・・」
それだけ聞かされても今ひとつカイナは理解できないらしく首を傾げてみせる
「ま、それは置いておいて。多分あの子なら繁華街よ」
「はい。どうも有難うございます」
こちらの笑顔にカイナは同じく笑顔と会釈で返し、足早にテラスを去って行った。
「―まさかあの子がこんなに異性に興味を持つなんてね。正直ビックリしたわ。これもマグナ君の
魅力ってやつかしらね」
一年前の彼女を知っているだけに、驚きを隠せないといった調子で語るミモザ
「まあ、それだけ周囲と打ち解けるようになったって事だろう」
ギブソンが言う。見れば空の皿の量が倍になっていた。
「しかし・・・ミモザの言うようにあの二人は確かに似たもの同士かもな」
「ええ・・・」
二人とも、普段は見せないが奥に秘めているものがある
時折覗かせる”孤独を知る者の目”
寂しげで愁いに満ちていたその瞳には今は沢山の仲間が映っている。
「あの子達だから大丈夫だとは思うけど・・・ああいう目をした人って意外と・・・」
ここで紅茶を啜る。いくらなんでも危惧しすぎだ、と言葉ごと紅茶を喉に流し込んでゆく。
―そう、意外と脆い心を持っている
(私は・・・マグナさんの事をどう思っているのだろう)
繁華街を進みながらカイナはそんな事を考えていた
姉と再会したのは良いが、彼女は記憶を失っていた。
流石に落ち込んでいたカイナを特に励ましてくれたのはマグナだった
それ以後も何かにつけては彼はカイナと良く行動を共にし、ファナンでは祭りの見物にも出かけた
(マグナさんは・・・私の事をどう思っているのだろう)
考えが逆転し、頬が赤くなる
取り合えず嫌われているわけではないだろう。私が彼を嫌いでないように。
だが、この感情が彼を慕うものであるのだろうか?
220 :
紆余曲折:03/10/24 07:20 ID:bQe/bUEj
敬虔な巫女として、シルターンの鬼道のしきたりに従う以上異性との接触は皆無であった彼女には
胸の奥にあるその感情が何であるか、理解できずにいた。
(この感情が何であれ・・・今はただ、マグナさんと一緒にいられれば)
最近特に、そんな事ばかり考えてしまう。
それと同時に自らの格好が気になるようになっていた。
シルターンの、特に巫女の装束はこちらの世界では珍しいものだ
それだけに今こうして繁華街を歩いていても時折好奇の目を向けてくる者も少なくない。
戦いなれているだけにそういった気配には敏感である
逆に、沢山の者達から注目される事には慣れていない。
今は自分一人だという事がカイナの不安を煽った。
(マグナさん・・・)
自然と歩く速度は上がり、マグナの姿を探し繁華街を彷徨い歩く。
「・・・あっ」
数十分が経った頃、ようやくにしてカイナは見慣れた彼の姿を見つけた
顔が自然と綻び駆け寄る。
・・・が、その足はマグナの遠方で止まってしまった。
確かにマグナは居た。ただし女性を伴ってだったが
(アメルさん・・・)
間違いなくそれは仲間である豊饒の天使―アメルだった
雑踏の中で留まり、二人の様子を黙視する。見たくは無いと脳裏では否定するが
目を離す事が出来ない。
二人は雑貨屋の露店の前で止まり何やら楽しげに話している所だった。
会話の内容は距離と周囲からのざわめきで聞き取る事は出来ない。
(アメルさんのあんな表情・・・今まで見たこと無かったな)
普段から笑顔の絶えない彼女であったが、マグナと二人だけの時はこんな顔をするのか・・・
―まるで恋人同士の様に
(・・・恋人・・・)
自らの脳裏に浮かんだその言葉が頭の中で何度も繰り返される
同時に、鋭利な刃物で突き刺されたかのようにずきりと胸が痛んだ。
「・・・・・・っ」
221 :
紆余曲折:03/10/24 07:21 ID:bQe/bUEj
結局カイナは二人に声を掛ける事もせぬまま、来た道へと踵を返し駆けて行ってしまった
聞こえないはずのアメルの笑い声が聞こえるような気がして、カイナは足を早めた。
「・・・・・・あれ?」
「どうかしましたか?」
露店を見つめ、あれこれ悩んでいたマグナが不意に顔を上げた
小物を手に取り見ていたアメルが不思議そうな顔をする
「いや・・・今」
(カイナが居たような気がしたんだけど・・・)
だが今カイナはギブソン・ミモザ邸にいるはずだ。
気のせいだな。とマグナは軽く頭を叩く
「いや、何でもないよ。それより続けようか」
「変なマグナ。あ・・・これなんかどうです?」
くすくすとアメルが笑い、二人は再び露店を物色し始めた。
「・・・カイナ、いるかい?」
夕刻、繁華街から帰ったマグナは真っ先にカイナの部屋を尋ねていた
「・・・・・・?」
ドアをノックするが、何時ものような返事が返ってこない。何処か別の場所にいるのかと
マグナが去ろうとした所で中から応答があった。
「・・・どうぞ。鍵でしたら開いています」
普段と違ってか細い声に不安になりながら、マグナはそっとドアを開けた。
西日が窓から差込み、ベットに腰かけるようにして俯いているカイナを照らし出している
「・・・カイナ?」
明らかに普段と様子が違う。
「カイナ、何か・・・」
「いいんですよ?」
「え?」
くぐもった声で話し出そうとしたマグナをカイナが制す
「私なんかに気を使わずに、今日みたいにあの人の側にいても。私は別に何とも思っていませんから」
「やっぱりカイナも、繁華街に来てたんだ。でもそれは」
222 :
紆余曲折:03/10/24 07:23 ID:bQe/bUEj
「あんな事があった後ですし、尚更・・・アメルさんには誰かの助けが必要なはずでしょう?」
マグナの返答を待たずカイナはまくし立てる。その声は震えていた
封印の森での出来事。確かにあの一件はマグナやアメル、それにネスティにとって衝撃的なものだった
―だけど、それを乗り越えたからこそ俺達はこうしているんじゃないか?
胸中で呟くマグナ
「どうしたんだよカイナ。急に・・・変だよ?」
未だ俯いたままのカイナの肩に触ろうとマグナが近づく。
「・・・来ないでください!」
その体を、顔をあげたカイナの手がどん、と突き飛ばしていた
「っ!?」
たたらを踏むマグナ。感情に身を委ねたカイナの手からの衝撃は思いのほか強く不意だった事もあり
マグナの手に握られていたものは床に落ち、金属音を立てて転がった。
「あ・・・」
自分のした事にハッとなり、両手を口元へと持ってゆくカイナ
マグナは無言のまま、部屋の隅に飛んでいってしまった”それ”を回収する
「・・・カイナと会って、大分経つからさ」
落下の仕方が悪かったのか、”それ”は装飾が破損してしまっていた。
「この間、カイナの言う件で励まして貰ったお礼と・・・これからもよろしくってつもりで贈り物がしたかったんだ・・・俺ってセンスないからさ。アメルにも手伝って貰ってたんだ」
「ああ・・・」
マグナが破損した装飾の破片を回収する。―花の装飾の付いたかんざしは壊れても尚、綺麗だった
「はは・・・何か誤解されちゃったみたいだね」
寂しそうに笑うマグナ。カイナはもう、何と言って良いのか分からない。
「・・・そろそろ夕食だから、カイナも遅れないようにね」
「あの、マグナさ」
カイナの声は閉じたドアによって遮られた。起こしかけた身体を再びベットへと落としてしまう
窓から入ってくる光を受けた背中が、震えている。
「私は・・・私は・・・」
どうしようもない気持ちが留めなく吹き出して来る。
ぱたぱたと白いシーツの上に涙が零れ落ち、染みを広げていく。
223 :
紆余曲折:03/10/24 07:24 ID:bQe/bUEj
胸のうちから溢れる後悔の念と同じ様に、深く・・・じわりと広がってゆく。
「・・・え、えっと・・・おかわりいいかい? アメル」
「あ、はい」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
気まずそうに朝食のおかわりのやりとりをするモーリンとアメル
普段の賑やかなはずの朝食は今日に限って互いに沈黙し落ち着きがなかった。
「なあマグナ」
と、この空気を作り出している当人に対してネスが語りかける。
自然と期待の篭った眼差しが彼へと向けられた。
「今日の討伐の事なんだが」
「ああ・・・朝食が済んだら玄関に集合した後、出掛けよう。じゃ・・・ごちそうさま」
・・・そっちの話かよ
途端に落胆に満ちた空気が流れる。
大分朝食を残したまま、マグナは自室へと戻っていった
「・・・ごちそうさまでした」
軽く口の周りを拭うと、カイナもまた席を立った
「ふぅ・・・どうしたんだ、あの二人は・・・」
ネスティの言葉を皮切りにあちこちから安堵の声が漏れる。
「分かってたら、何とかしてくれても良いじゃないの・・・」
パンを齧りながら恨めしそうな目を向けるミニス
「分かっていたからこそ何もしなかったんだ。あいつの事だ・・・
何か言ったとしてものらりくらりと言い逃れるだろうしな」
「とにかく・・・あの二人だったらきっと自分達で答えを見つけてくれるはずです」
やがて各々食事を済ませると盗賊討伐の為に部屋に戻ってゆく。
(血筋や記憶の事ならともかく・・・色恋沙汰ばかりはな)
マグナの部屋を一瞥したネスティもまた足を自室へと向ける
そして・・・
「あの二人、体調が優れないんでしょうか。フォルテ様」
224 :
紆余曲折:03/10/24 07:26 ID:bQe/bUEj
「シャムロック、お前・・・」
一人、根本的に理解していなかった。
「出てきて、シルヴァーナっ」
ミニスの呼びかけに応じて現れた白いワイヴァーンが野盗達を蹴散らしてゆく。
高温度の火球によって湿原の水が蒸発し、大量の水蒸気を生み出した。
「ちっ・・・召喚師が・・・」
劣勢に戸惑いながらも槍使いが獲物を構えなおす。だがそれよりも早く水蒸気を抜け
マグナが下段から大剣を振り上げていた。
「・・・・・・!?」
槍が柄を切断された事に野盗が動揺するが、そのまま意識は衝撃と共に四散していた。
返す刃によって打ち据えられた野盗みがそのまま大地へと倒れ付す。
「マグナ! 少し先行しすぎだ!」
ネスティが叫ぶ。はっとしたマグナとネスティ達との距離は大分開いていた
肉弾戦の苦手な彼等を護衛でき、かつ召喚術に耐性があるマグナがいるのといないのとでは
大分戦況が変わってくる。
「一度こっちに戻れ! 体制を立て直す」
周囲に目をやりながら一喝するネスティ。焦りはないがやはりマグナの調子が違うことには
不安を感じていた。
(剣のキレは普段よりもむしろ良いくらいだが・・・)
ヤケとも取れる勢いでマグナは敵に攻撃しその尽くを倒している
素早い動作ではあるがそれだけに危うくも見て取れた。
「あれ・・・? カイナは?」
ミニスの声に舌打ちするネスティ。マグナばかりに気を取られカイナの事を失念していた
普段常に背後を守りその場にいるという認識が油断に繋がったのだ。
(マグナの事をとやかく言える立場じゃないな・・・)
「俺が探してくる。リューグ、此処は頼む」
「チッ・・・さっさと行ってこいよ!? まだこいつら伏兵がいそうだ」
敵の剣を斧で止めながらリューグが声を掛ける。一口に野盗討伐と言っても
毎回同じ強さの相手が出てくるはずもない。今回の者達は連携も巧く、中々に苦戦させられていた。
225 :
紆余曲折:03/10/24 07:29 ID:bQe/bUEj
「冷静に動けよ、マグナ!」
「俺は冷静だよ」
「!・・・マグナっ、右!」
半ば悲鳴に近いミニスの声が辺りに響く。ネスティの声に振り向いていたマグナの横手から
野盗が迫り飛び掛っていた
「・・・・・・」
だがその気配を察知していたのか、マグナは僅かに身体を逸らし相手の突撃を回避していた。
たたらを踏みそうになる盗賊の背に大剣を持ぬ手での裏拳が飛び、瞬時に昏倒させる。
「・・・・・・うわ、痛そう・・・」
元々接近戦に備え召喚師達は体術を好んで習得するがマグナのスタイルはいわばその延長線上にある。
フォルテやリューグ程の腕力はないがこの特異な戦い方が戦士として彼等を凌駕している要因だった。
(・・・カイナ)
(私は一体どうしたら良いのだろう)
戦闘中にも関わらず、カイナの思考は完全にそちらに向けられていた。
―つまらぬ嫉妬と誤解からマグナを傷つけた
その事が心中にもたげ彼女の動きを鈍くしている。
自らが孤立してしまったのにも気付いてはいたが、マグナと顔を合わすのが辛い為
その足取りは自然と重くなってしまっていた。
もっとも、周囲にはオニマルの電撃によって麻痺し身動きが取れないまま倒された野盗が
数人転がっていたりはするのだが。
(とにかく・・・謝ろう)
自分を戒め、気合いを入れなおす意味を込めて頬を叩くカイナ。
自らの足で進まなければ状況は動かない
鬼人の谷で一人時を過ごしていた彼女にそれを教えてくれた者達は今、遠くサイジェントの街である。
「・・・さっきの爆音の位置からして皆さんはこの先かしら」
動き出そうとする彼女の死角で、外道召喚師が詠唱を終える。
(殆ど俺たちは壊滅状態だが・・・その礼はきっちりといただかせて貰うぞ)
召喚師の口が大きく歪んだ。
「斬り裂け、闇傑の剣よっ」
226 :
紆余曲折:03/10/24 07:30 ID:bQe/bUEj
「―――!?」
悲鳴は突き刺さる漆黒の刃によってかき消される。
「マグナさん!?」
「後ろだ、カイナ!」
召喚術を叩き込んだ姿勢のままでマグナが叫ぶ。
振り返り、視界を奪われた召喚師に向けてカイナは素早く苦無を飛ばした。肩と太腿を貫かれた召喚師が
その場に崩れ落ちた。
「油断大敵だよ、カイナ」
「マ、マグナさん・・・」
「行こう。皆心配してる」
「あの・・・昨日はすみませんでした。私・・・」
戻ろうとするマグナの服を掴み、半泣きにの顔で謝るカイナ。そんな彼女を見てマグナは微笑していた。
「気にしないでいいよ。かんざしは残念だったけど、カイナがあんな風に怒ってくれた事がむしろ嬉・・・」
と、マグナの目が見開かれ急にカイナを突き飛ばした。
「な・・・!?」
パァン・・・ッ
味気ない程、その音は軽いものだった。
一瞬何が起こったのか分からず音のした方を振り向くカイナ。先程倒れ付した召喚師が笑っている
その手には煙を流す一丁の銃が握られていた。
―一丁の、銃!?
どさり、と今度は側で重い音。
「・・・あ・・・」
カイナの視線が、身体が硬直する。
「いや・・・いやああああああああああっ!」
既にその絶叫はマグナには聞こえていない。
彼の白い服が胸の辺りから赤く染まっていくばかりだった。
うーむ・・・毎度毎度拙い文章で申し訳ない
一応前後物って方向で。エロが入らなかった_| ̄|○
>>152 遅ればせながらレクアズ御疲れ様でした。
>>189 カノンは元々バノッサの嫁みたいな存在j(ry
>>203 ビジュ萌え
>>227 先が気になる文章で大変嬉しく思うがひとつ。
シャムロックにワラタ!最高だ。
久々に書きました。続き物とは別の話ですが。
ヤドアティはいつまで引っぱるつもりだ自分…。
青空が爽やかに広がる午後、風雷の郷・ミスミの屋敷からは温かな湯気がもうもうと立ち込めていた。
正確には屋敷の裏、と言ったほうが正しいのかもしれない。
そこは外面を積み重ねた石壁で覆われ、その中からはほのかな硫黄の匂いが漂う。
アティ達は今日、ミスミからの誘いを受けてその場所に訪れることとなったのだ。
「――にしても、ジャキーニの奴らが温泉を掘り当てちまうとはなあ」
うきうきとした面持ちで言ったのはカイルだ。
目の前のジャキーニはその言葉に、満足そうに口の端を吊り上げる。
「ふふん。おぬしらがこうやって戦いの日々に疲れた体を癒せるのも、ひとえにワシらのおかげと
いう事じゃ!感謝せいよ?」
「まあ、今回くらいはそう思っても悪かねぇな」
「……それがわらわの屋敷の埋蔵金目当てで地面を荒らしていた結果だったという事を除けばな」
「ッ!!」
背後でつぶやくミスミの声に、ジャキーニはビクリと肩を震わせて振り返る。
埋蔵金など埋まっているわけがなかろう、ミスミはそう言って溜め息をつくと、曇らせた美貌を
すぐに笑顔へとすりかえた。
「しかし、結果よければすべて良しじゃ。……それに、島の者達よりも一足先に、この島の為に
いつも戦ってくれておるおぬしらに温泉を楽しんで貰いたいと、こやつはわらわにそう言っておってな。
なかなかいい所もあるものじゃと思うて、今回の所は目をつむってやる事にしたのじゃ」
「そ、その事は言わんでくれとあれほどっ!!」
ミスミの言葉にジャキーニは頬を赤らめ、うろたえる。
その様子に思わず笑みをこぼすアティ達の前で、目を伏せ、照れくさそうに髪の毛をかくジャキーニ。
カイルはそんな彼をからかうようにひじでつついていた。
「でも……私達だけ先に温泉を楽しんだりしちゃっていいんでしょうか?なんだか悪い気がしますけど」
「気を遣うでない。里の者たちも、おぬしらに是非と言うておるしな」
だがアティは困ったように眉をひそめ、口元に指を当てて唸っている。
彼女のお人よしにも困ったものだと皆が苦笑するなか、その場にいたスカーレルがポンと手を打った。
「それじゃあ、せっかくだから護人達も誘ってみればどうかしら?彼らだっていつもアタシ達と一緒に
戦ってるワケだし」
「それはいい考えかもしれませんね。皆で日々の疲れを癒すというのも悪くはありませんよ」
スカーレルの意見にうなずくヤード。
アティはしばらく黙っていたが、やがて口元の手を下ろすと、その顔にようやく笑顔を浮かべてみせた。
「――そうですね。皆さんの心遣いは素直に受け入れるべきです!護人の皆さんも誘って、今日は
思いっきりくつろいじゃいましょう!」
「うむ、そうするといい。それにわらわの屋敷にも、今日はおぬしらの部屋を用意しておるのでな。
旅行気分で羽を広げるとよかろう。というわけでほれ、脱衣所へ案内してやろう」
そう言って歩き出すミスミに連れられて長い廊下を歩くなか、ふいにアティの肩に誰かの手が置かれた。
温かい手。肩に目をやると、そこには彼女の見慣れた形の手が。
ところどころに傷のあるそれは、カイルのものだった。
「なあ、先生よ」
やけに嬉しそうな表情で背後からアティの顔を覗き込み、彼女の小さな肩を両手で掴む。
「どうしたんですか?カイルさん」
首だけをそちらに向けるアティに、カイルはその耳元へ口を寄せる。無意識に吹きかけられる耳への
吐息に彼女が頬を赤らめると、カイルは小さな声で囁きかけた。
「温泉に入ったらさ。カラダ、流しあいっこしようぜ?」
「――――ッ!」
瞬間、アティの頬の赤らみは最高潮に達した。
「がッ!!」
突然立ち止まったアティの頭にカイルは勢いよく顎をぶつけ、両手で顎を押さえながらうめく。
アティは慌てて振り返ると、謝るでもなく、頬から湯気が吹き出そうなほどに顔を紅潮しながら
カイルを見上げた。
「なッななな何言ってるんですか!!そんな、皆の前でそんな事できるわけが――」
「言っておくが……混浴の温泉は用意してはおらぬぞ」
早口でまくしたてるアティの傍らで、ミスミが冷めた口調でつぶやく。
すると、それまで困惑するアティにニヤニヤとした笑みを浮かべていたカイルの表情は、一瞬にして
凍りついた。
――いや、そんな生易しい顔ではなかったかもしれない。
絶望――、今のカイルの表情は、まさにそう形容するにふさわしい代物であった。
「……なっ……」
半開きの口を震わせ、カイルはミスミを見つめる。
「なんだとこの野郎ォォ―――ッ!!混浴がねぇって、それはこの俺に対するささやかな嫌がらせか!?
普通温泉イベントっつったら混浴が定番で、俺が温泉に入ったらアティが先に入ってたりして思わず赤面しながらも
『背中、流しますね?』とか言ってくれつつ俺と流しあいっこし始めて、その時に俺がアティの背中にある傷を
見つけて『これ……戦いでつくっちまったモンか?』『ご……ごめんなさい、カイルさん』『なんでお前が
謝んだよ、バカ。どんなに傷ついたって……お前は綺麗だぜ』なんて甘い会話を交わしつつ濡れ場に突入して俺らが
湯の中で愛し合いつつお互いが絶頂を迎えようとした矢先に誰かが入ってきて思わず俺達は都合よく置かれてた
岩の陰に隠れつつもまだやり続けてて、そいつに気づかれるんじゃねぇかと気が気で仕方がないアティに俺が
『声出すと気づかれちまうぜ?』とか言って対面座位で突き上げまくるような、そんな展開がお約束って
もんだろォ!?そんな期待をお前は初っ端から裏切るってのか!?」
はあはあと息を切らせながらカイルは顔を上げる。
「…………」
だがしかし、すでにそこには誰一人として残ってはいなかった。
「ってオイ!人が話してる最中に勝手に行くんじゃねぇ!!」
鼻息を荒げながら叫ぶカイル。
その時、背後で自分のコートを軽く引っぱる者がいる事にようやく気づいた。
振り返るとそこには――……。
「……わかる。わかるよアンタの気持ち。実は俺も、たまたま温泉に入ったらその場面に居合わせちゃって、
ドキドキしながら気づかない振りして二人の声に耳を傾けてる展開を……」
「…………」
溢れ出る鼻血を手で押さえながら言うナップに、カイルは無言でその頭を力強く撫でつけていた。
「貴女の所のバカ船長……相変わらずね」
脱衣所にて、落ち着きのある静かな声でアティに声をかけたのはアルディラだった。
「ば……バカって言わないでください」
目を伏せて引きつった面持ちでつぶやくアティに、アルディラはふぅ、と小さく溜め息をつく。
「クノンがオウキーニにいい鍋をプレゼントしたいっていうから、ミスミに尋ねようとここに来てみれば……
彼が一人で廊下で叫んでるのを偶然目にしちゃうなんてね。……ああ、でもナップもいたかしら」
「アティ様。私達の故郷・ロレイラルには温泉というものが存在しておらず、それに関するデータは
残念ながら持ち合わせておりません。よろしくご指導のほどを」
無駄のない動きでてきぱきと服を脱ぎ始めるクノンを目に、アティは身構えるほどのものでは、と苦笑する。
「…………」
その横で脱ぎ散らかすように服を籠の中へ放り込んでいるのは、ソノラだった。
自分の胸を見下ろしながら、時たまアティやアルディラのほうに目をやると、悲しげに溜め息をついている。
「いいなぁ……みんな胸があって」
アティは当然のこと、アルディラにも、その整ったプロポーションにふさわしい形の胸が誇らしげに
揺れている。アルディラのほうはそれほど大きいというほどでもないが、ソノラは胸に関しては大抵の女性に
羨望の眼差しを向けたくなってしまうらしい。
しゅんと落ち込むソノラを見つめながら、アルディラはしばらく顎に指を当てて考え込むと、口元に軽く
笑みを浮かべた。
「そういえば……胸って揉むと大きくなるってよく言うわね」
そう言って視線を向けた先は、アティの豊かな胸だ。
「なっ、なんでそこで私を見るんです!?」
「アルディラ様。アティ様はカイル様に胸を揉まれ続けたせいで、あのような成長を遂げる事ができたの
でしょうか」
そう言うクノンの表情は真剣そのものだ。
看護用ロボットである彼女は人体の仕組みに詳しいといえど、ロレイラルの世界ではそのような俗説は
聞いたことがなかったらしい。興味津々という風に身を乗り出し、アティに詰め寄る。
「胸を揉まれた――たったそれだけの事で胸が大きくなるというのですか?アティ様」
「しっ、知りませんよそんなの!!」
頬を真っ赤に染めながら、アティは首を横に振ってあとずさる。
「あーっ!ズルイよ先生!秘密はよくないよ!?」
「知りませんってばぁ!もう許してくださいよーっ!!」
「はぁーっ……。極楽極楽っと」
タオルを頭に乗せたまま、カイルはゆったりと温泉の心地よさに目を細めていた。
酒の入った銚子と盃を乗せた盆が水面を泳いでいる。
ヤードの前に浮かぶ盆には何故か緑茶の入った湯呑みが乗せられており、それはあまりにも奇妙な
光景であった。
「ええ……最高ですね」
ずず、と茶をすすりながら答えるヤードは、自分がいかに不自然な行動をおこなっているかを
理解していないらしい。
「それにしても、何てムサ苦しい状況だこりゃあ!?男四人!!酒を酌み交わしたって盛り上がるもんも
盛り上がらねぇよ!!」
「贅沢言わないのカイル。こうやってゆっくりできるだけでもありがたいと思わなくちゃ」
そう言ってスカーレルは盃に酒をつぎ、ぐいっとあおる。
温泉に浸かっていたために体温が上昇していた事もあってか、酒の回りは思ったよりも早いらしい。
酒の酔いにほんのりと頬を染めながら、スカーレルは盃の酒を飲み干すと同時に大きく息を吐いた。
「はぁっ……、この一杯が最高なのよねぇ」
「オヤジくせぇ事言ってんじゃねぇよ……。あーあ、何か温泉ならではのハプニングなんてのは起こらないもんかねぇ」
ぶくぶくと口元まで湯の中に浸かり、カイルはがっくりと肩を落とす。
そんな彼のそばにそろそろと近づいていったのはナップだった。
「なあ、カイルッ」
ナップは歳に似合わないニヤニヤとした表情を浮かべると、カイルの腕を引っぱった。海賊一家と過ごすうちに
船長の悪い所に感化されてしまったのか、もともとこういう性格だったのかは分からないが、この少年が
これから先純粋な心を持って育っていく望みは果てしなく薄いだろう。
「おう、なんだ?やっぱりお前も男だらけの温泉は嫌だってか?」
自分の考えに賛同してくれたのがこんな少年だけという事に一瞬悲しさを覚えたが、この際文句は
言っていられない。くしゃくしゃとナップの頭を撫でながら笑う。
「あのさ、何も面白い事が起こるのは同じ湯船の中だけってワケじゃないだろ?」
「え?」
ナップの言葉に、カイルはしばらくのあいだ黙り込む。
しかし次の瞬間、何かに閃いたかのように目を見開くと、派手な水音を立ててその場から勢いよく立ち上がった。
「そうだ、女湯!!」
瞳を輝かせながらカイルは拳を握り締めると、さっそくというように温泉から飛び出し、男湯と女湯を隔てる
仕切りの板へと体を張り付かせる。
「……カイルさん。覗きはよくありませんよ」
背後でヤードが注意を促すが、カイルは板から体を離そうとはしない。
「覗きなんかしねぇって。……やっぱよ、女湯っつったら、女同士ならではの会話ってあるだろ?
胸が大きいだとか、誰が誰を好きだとか……」
「む、胸ッ……?」
思わず身を乗り出すヤードを引きつった顔で止めるスカーレル。
「そんな事で盛り上がれるような歳じゃないでしょ、アタシ達は……」
「で、ですがスカーレル!やはりこういうイベントは温泉ならではのアレというかッ……!!」
これだから、と肩をすくめるスカーレルは再び盃に酒をつぎ始める。
もともと酒が好きだった彼は、この里で作られたシルターン風の酒をとても気に入っていた。帝国でこれと
同じようなものを飲んだ事はあったが、やはり本場の味とは比べものにならないものだ、と感心する。
「…………」
二杯目、三杯目とスカーレルは酒をあおっていった。
「女湯……あんま声が聞こえねぇなあ……」
「耳のくっつけ方が甘いんだよカイルは!もっとぴったりと!」
「……こ、こうか?」
ナップのアドバイスらしき言葉に、カイルは眉をひそめながらも耳を仕切り板へと密着させる。
何ゆえそこまで盗聴もどきの行為に必死になってしまうのかは、カイル本人でなければわからない事であった。
「――揉むと大きくなるっていうのは本当よ?」
「そ、それくらい私だって知ってますよ。だって実際……」
「あら、ウブな顔して結構やるじゃない」
「か、からかわないでくださいっ」
「ふふっ、それじゃあ……揉んでもっと大きくしてあげようかしら」
「そんな!これ以上……あッ、やめっ……」
「うふふ……体のほうは素直みたいね」
「き、聞こえてるんでしょう?カイルさんっ!わ、私を助けっ……!」
「無駄よ。彼は助けになんてこないわ。――それにほら、ちょっと揉んだだけでこんなに……」
「あッ、やっやめっ……」
「…………」
カイルとナップの額からは汗が滲み出ていた。
それは温泉の熱気によるものではない。
「……俺の視界から見えてねぇからって、調子に乗ってんじゃねぇぞ……」
握り締めたカイルの拳に血管が浮かび上がる。
「――さっきから気色悪い会話を繰り広げてんじゃねぇよお前らッ!!」
「……カ、カイルさん。助けてください、この酔っ払いが……」
「ふ……ふふふっ。オカマの手コキでこんなに大きくしちゃうなんて……恥ずかしくってお婿の貰い手も
なくなっちゃうわね」
カイルが叫んで振り返った先には――酔っ払いのオカマと地味な男がもつれ合う醜態が晒されていた。
「何だかうるさいねわ、男湯のほう……。どうして男っていうのはああも無駄に騒ぎたがるのかしら」
仕切り板の向こう側から聞こえる騒動を耳にし、呆れたようにアルディラはつぶやく。
そんな彼女の腕を慣れた手つきで揉みほぐしながら、クノンは静かに首を横に振ってみせた。
「彼らの行動は無駄ではありません、アルディラ様。あれはおそらく、こちら側の女湯に対して芽生えた
欲求を押さえる為の反動かと」
「……余計に嫌だわ」
せっかく疲れを癒す為に温泉に浸かったというのに、これではかえって精神的な疲労を抱えて帰ることに
なってしまうのではないのか。そう考え、額に指を当てて気だるそうに目を伏せるアルディラ。
「ええ、まったくですね。知的で美しい女性のおっしゃる事はすべて真実――私はそう思いますよ。
子種を蒔くしか能のない下等な雄猿どもには、それを否定する権利もなければ資格もありません」
「…………」
あきらかに場違いだと思われる『声』に、アティ達は静まる。
少し高めの、落ち着いてはいるが何故か妙に鼻にかかる声色。
彼女達は首をその声が聞こえた方向に向け、ゆっくりと振り返った。
「やあ、身も心も魂もお美しいお嬢さんがた。私もご一緒させて頂いていますよ?」
「――って、どうして貴方がここにいるんですかフレイズさんッ!?」
その背後には、いつの間にやら石造りの縁にひじを乗せ、ゆったりと湯に浸かるフレイズの姿があった。
濁り湯のおかげでお互いの体は見えてはいないが、突然の事に女性陣は慌てて彼から距離をとろうと
中腰で後退していく。
「ははは、この程度の事で恥ずかしがられるとは可愛らしい」
「いや、アンタのやってる事が異常なのよ!ここって女湯だよ!?フレイズは男じゃん!!」
すかさず突っ込みを入れるソノラに対し、フレイズは困ったような笑みを浮かべて肩をすくめる。
「お嬢さん?私は男である以前に『天使』なのですよ。その私があんな汚らしい男共の浸かった
湯に体を沈めでもしたら、神に浄化されしこの身が堕天使へと変貌するやも――」
ゴッ!!
笑顔で語るフレイズの頭部に風呂桶が命中したのはその時であった。
さらに一つ、また一つと風呂桶は彼のもとへと降り注ぐ。
「うわ、あいたッ!な、何ですかお嬢さん!?乱暴はよくな……」
翼を広げてその身を覆うが、風呂桶は次々とフレイズ目掛けて飛んできている。彼は思い切って
風呂桶のやってくる方へと振り返った。
バシッ!!
それと同時に、彼の顔面に茶色のタワシが突き刺さる。
「うがぁ――――ッッ!!!私の美貌がぁッ!!」
「何が美貌だ、このエロ天使が!!」
やや上のほうから聞こえるその声に振り返ると、そこには仕切り板の屋根によじ登り、肩に風呂桶を積む
カイルの姿があった。
下半身は一応タオルで隠してはいるが、もともとたいした大きさではないタオルは、彼の下半身を
隠すには多少きわどいものがある。
「俺らの浸かった湯が汚ねぇだと!?女湯に堂々と入るだけでは飽き足らず、俺らの悪口まで言うたぁ
いい根性してるじゃねぇか!!」
フレイズは顔に突き刺さったトゲを抜き取ると、大声でわめくカイルを無言で見据える。そのこめかみには
青筋が浮かび上がり、痙攣を起こしていた。
「仕方ないでしょう、汚いのですから!仮に私が堕天使へと変貌せずとも、この純白の羽が、そちらの湯で
黄ばみでもしたらどうなさるおつもりです!?クリーニング代は貴方がたの命で支払って頂きますよ!?」
「あーあ、安心しろ!黄ばむ前に俺がお前の羽をむしり取ってやるからよ!!」
「ヒッ!!何て野蛮な!!これだから人間のオスは……」
二人の凄まじい口論に口を挟めるものは、この場には存在しない。
もはや堂々と女湯に男が二人も侵入しているという事態にすら、彼女達は気づく事ができなかった。
「……温泉というものは大変にぎやかですね、アルディラ様」
相変わらずいつもと変わりない調子でクノンが言う。だが当のアルディラはがっくりとうな垂れたまま、
無言で重い溜め息を吐いていた。
ふとその時、クノンの視界に何か見慣れぬものが映る。
「……?」
何か筒のようなものが、水面から顔を覗かせている。温泉の一部なのだろうか。
だが彼女の目から見て、それは特に気に留めるほどのものではないと判断されたのか、クノンはその後
すぐに視線をアルディラへと切り換えていた。
「まったく……、せっかくの温泉でまで騒がなくったっていいじゃない。若いからってあんまり
暴走ばっかするのはよくないわよ、カイルぅ?」
そういうスカーレル自身もすっかりハメを外したように酒をあおり、その口調はろれつが回らなく
なり始めていた。何を思ったのかヤードの緑茶で酒を割り、さらにそれを喉へと流し込んでいく。
「ス、スカーレル!何て事をするんですか!?酒をお茶で割るなんて、邪道にもほどがあります」
「うるさいわね手コキ」
「うわあああッ!!思い出させないでください!!」
ヤードは髪をかきむしると、青ざめたまま絶望の眼差しを水面へ向ける。
……酔っ払いのオカマの手コキで勃ってしまった男の顔が、目の前に揺れている。
「……の、脳内変換しなさい、ヤード!あれはアティさんの手だったんだ。アティさんの……」
すでに、男湯、女湯ともにとても正常と呼べる状況ではなくなっていた。
――そんな温泉の様子を、隅のほうで密かに見物している人物が一人。
「俺達は……こんな馬鹿な連中と必死になってやり合っているというのか……?」
大きな体に浅黒い肌。逞しいその身をたっぷりと湯に浸しながら、引きつった面持ちで彼らの様子を
眺めていたのは、ギャレオだった。
「……あら、貴方は帝国軍の副隊長サンじゃないの」
彼のつぶやきでようやくその存在に気づいたスカーレルは、多少驚きつつも、酔いの心地よさに笑顔を
浮かべながらギャレオに話し掛ける。
「な、なんでオッサンがここにいるんだよ!?」
ナップは慌てて周囲を見回す。が、彼の仲間が隠れている気配はない。
「心配するな。部下は連れてきてはいない。俺達がたまたま偵察でこの辺を歩いていたら、妖精の娘に
『兵隊さん、せっかくだから温泉に寄ってくですよぅ』と言われてな」
そう言ってギャレオは湯を手の平にすくい、バシャバシャと顔を洗う。ヤードはその時、ナップと
ギャレオが並ぶと何気に親子のように見えることに気づいてしまったが、あえて何も言わずにいた。
「ところでさっき、『俺達』って言ったわよね?それって……」
スカーレルの言葉に、のんびりとくつろいでいたギャレオの表情が固まる。
彼の言わんとする事を察し、ギャレオは低くうなると眉間にしわを寄せ、目を伏せた。
「……ああ、来ておられるさ。もちろん」
ちらりと女湯の方へ視線を向け、すぐさまそれを戻すギャレオの額には汗が伝っている。
その言葉にスカーレルはそう、とうなずくと、仕切り板の屋根に目をやる。
そこには相変わらずカイルが座っていた。相変わらずフレイズと罵倒しあっているようだ。
「だいたいテメェみたいな八方美人のナンパ野郎が、女に相手にされるわけがねぇだろ!?この変態天使が!!」
「おっしゃいましたね?では仮に私が変態天使だとすれば、貴方はそれを遥かに上回るのではないですか!?
所構わずアティさんに欲情しているでしょうに!!レベルアップしてクラスチェンジしてごらんなさい、
今の貴方なら、きっとクラス名の欄にはこう書かれてあるはずです。『 肉 棒 船 長 』と!!」
「んなワケあるかぁッ!!」
戦場と化した温泉に顎まで浸かりながら、アティは苦笑を浮かべて二人のやり取りを眺めていた。
彼女自身も内心カイルと二人で温泉に入りたいという淡い願いを抱いていたのだが、現実はそう上手くは
いかない。ロマンチックどころか、ゆっくりと温泉を楽しむ事すら不可能となってしまった今、願う事は
とりあえず、二人の耳障りな口論を早々に打ち止めにして欲しいというものだけだった。
とりあえず風呂桶がこちらに飛んできては困ると、アティは後ろへ下がる。
その時、彼女の背中に誰かの体がぶつかった。
「あっ、ごめんなさい」
慌てて振り返るが、不思議な事にそこには誰も見当たらない。
「……?」
おかしい。たしかに人の体にぶつかる感触だったのだが。
「……ねえ、先生」
ソノラの声に振り向くと、彼女は人差し指をアティの後方へと向けている。
その時、ぷくぷく、とアティの背後で泡音が聞こえた。
「!?」
慌てて後ろに目をやると――濁った水面から一本の竹筒が顔を出し、そこにはうっすらと
人影らしきものが揺れていた……。
つづく
ウホッ!男だらけの露天風呂…。
むさ苦しくてスマソ。
次はお色気でも入れよう。
ざっと自分で読み直してみたけど、なんかワケのわからないSSですね、これ…。
続きどうしよう…とりあえずヤドアティ書こうかな…。
『肉 棒 船 長』を始め、色んな所で笑かして頂きました。
つーかフレイズを筆頭に良い方向に各キャラ壊れすぎw次回で出てくると思われる『あの人』の暴走にも激しく期待を。
ヤドアティも楽しみに待っております。
>>227 微妙に遅レスだが続きを激しく期待。2物でしかもマグナやカイナはあまり見かけないし。
とゆーかカイナはここでは初めてか?そしてシャムロクにワラタ
>4スレ815氏
いたるところで爆笑。
あなたの作品本当に心から大好きだ。続き楽しみに待ってるよ!
>4スレ415氏
あ ん た 最 高 だ よ !
滅茶苦茶面白かったよ。続きにも期待してます。
自分のペースを大事にこれからも頑張って頂きたい。GJ!
微妙に
>>246のメル欄が気になってしまう…。SO3?
エロ天使萌え
レックスとアティは兄妹で、選ばなかった方は帝国側で出てきて
兄妹にもかかわらず恋愛エンドがあって、とか欲しいな。
まあアティに「お兄ちゃん」って言って欲しいだけなんだけど
>227
すごい続きが気になる・・・GJ!
>4スレ815氏
爆笑!いつも笑わせてもらってますぜ
>>249 それじゃ犯罪になっちまうんでせめて「似た境遇で生きてきた為、実の兄弟のように仲が良い」
とか「幼馴染」辺りにしとこうぜ?まあ前者だとカイル・ソノラと被るわけだが…。
しかしそんな事になったら超えそうで超えられない関係にハァハァしちまいそうだ。
レクアティは実際同時存在していないのに人気みたいだし、同時存在で恋愛EDがあったら
確実に一番人気のカプになりそうだな。
252 :
251:03/10/25 13:25 ID:ClSUqlDj
「兄弟」じゃなくて「兄妹」か…_| ̄|〇
SSネタ考えててふとした疑問が浮かんだんで聞いてもよろし?
リィンバウムの文化レベルってどんなもんだと思いますか?
各家庭に電気は通ってんのかとかダムとかはあんのかとか病院の設備はどれくらいだろうかだとか。
携帯や車や電車なさそうだが…。でも召喚鉄道はあるんだよなぁ…。
召喚術なんてあるんだし、実際の中世やらと比較してもしゃあんめ。
だいたい、現代(らしきとこ)から召喚されてる香具師も居るんだし。
ひょこひょこ召喚して取り寄せられるロレイラルに至ってはこっちの世界を凌駕してるし。
SS作者が「ある!」といえばなんでもある!
……でいいんじゃね?とか思う人間が一人
都月マジックでどうとでもなります。
>>251 むしろその犯罪的展開こそがイイ!とヤヴァイ事を言ってみる。
医者ってのはストラ使える香具師がメインなんだろうか
>>253 電気は通ってないんじゃないかな?
あったとしたらゲーム中にもっと描写がありそうだし。
部屋の中も蛍光灯よりランプとか。
テレビも車もなさそうだから、リィンバウム自体は普通のファンタジー系の文明では。
「……なにこれ」
アティの後ろに立つ謎の竹筒を目に、ソノラはおもむろにそれに近づいていく。
しかしその竹筒は水面でピクリと動き、そそくさとその場から離れていこうとする。
筒の先端からは、水中に沈んでいるらしき『本体』の呼吸が繰り返され、荒々しい息を吐き出していた。
「アルディラ様。これは……」
クノンの言葉に、アルディラはそれを見つめながら口元を引きつらせていた。
……いつだったか。敵に気づかれる事なく忍び寄る方法として、竹筒を咥えて水中に潜るというものが
あった気がする。
それをおこなうのは確かシルターンの……。
「……シノビ」
ぷつりと、アルディラの脳内で何かが切れる音が聞こえた。
「キュウマぁッ!!貴方がこんなくだらない事をする男だとは思わなかったわ!見損なったわよ!!」
勢いよく立ち上がり叫ぶ彼女に、水中のそれは驚いたのかゴボッと息を漏らす。慌てて息を
吸い込もうと思ったのか、竹筒から息をつぐ呼吸音が一瞬聞こえたが、怒りの形相を浮かべた
アルディラに、その筒は素早く奪い取られてしまった。
ゴボッ、ゴボゴボゴボッ!!
奪い取られた筒を取り戻そうとそれは手を伸ばすが、目配せしたアルディラに応じたクノンが
水中のその頭を押さえ込み、ぐいぐいと両手で沈めていく。
「ちょ、ちょっとアルディラ!そんな事したらキュウマさんが呼吸困難に陥っちゃいますよ!?」
「大丈夫よ。彼は腐ってもシノビだもの。いざとなったらうつせみの術で逃げる事ぐらいできるわ」
慌てふためくアティの横で、奪い取った筒を弄びながらアルディラは「ここにはホント、ロクでもない
男しかいないわね」と溜め息混じりにつぶやく。
しかし、クノンに押さえつけられている「キュウマ」は一向に忍術を使って逃げる気配をみせようとしない。
「アルディラ様。このままでは呼吸機能が停止する恐れが」
「術を使って逃げないという事は、まだまだ余裕って事でしょう。バカにしてくれるわね」
「はあ」
頭をなおも押さえ込みながら、アルディラの言葉にクノンは相槌を打つ。
「で、でも逃げられるのならこんなに抵抗はしていないでしょう!?」
確かに。水中の「キュウマ」は顔を地に突っ伏した状態でバタバタと手足を動かし、もがいて
いるようだ。その姿は見えてはいないが、激しく揺れる水面からはその抵抗する様子が見て取れる。
「……あ、あのさ、アルディラ」
その光景を眺めていたソノラが、ぽつりと言葉をもらす。
「なに?」
「確かにそこの覗き魔は竹筒を使って水中で呼吸してたみたいだけど……それが『シノビ』だって
証拠はないんじゃあ……」
「…………」
アルディラの目元がわずかにひくついた。
クノンの下の人物の動きはすでに弱々しく衰え、その抵抗も陰りを見せ始めている。
つう、とアルディラの頬を冷たい汗が伝った。
「――クノン!手を離しなさい!!」
「はい」
叫んだ彼女に、クノンは両手を離す。
……だが、クノンに沈められていたそれは、一向に水面から起き上がる気配はない。
しかし、そう思った矢先、その人物の頭らしきものが濁り湯から姿を見せ始めた。
「よ、よかった。まだ意識があったんだぁ」
安堵に胸を撫で下ろすソノラ。
みるみるその人物は姿を見せていく。
頭の頂点。後頭部。首。背中――……。
「ってこれ起き上がってんじゃなくて浮かび上がってんじゃん!!!」
浮かび上がった体はそのままぐるりと反転し、空を見上げる。
「!!」
その正体に、アティは驚愕の表情を浮かべた。
――短めの黒髪に、起伏に乏しい胸。白目を剥き、湯で鼻血が顔中に広がったその顔。
それはまぎれもなく……。
「――アズリアじゃないですかッ!?」
呼吸困難に陥り、壮絶な苦しみを味わっていたはずの彼女の顔は、なぜか異様なまでに幸せな笑みを
浮かべている。ソノラが存在に気づくまでに、アティの背後で何をおこなっていたのか。
それは本人のみが知る事だ。
――しかし、死人に口なし。
「勝手に殺すなッ!!私はまだ死なんぞ!!」
ぐるりと白目が回転し、目蓋の中でスロットの如く黒目が下りた。
意識の覚醒したアズリアは水中で地を蹴ると、背後へ向けて高々と飛び、一回転するとしなやかに
両足を地面へと下ろす。体を覆うバスタオルの裾がひらりと揺れた。
バスタオルの隅にかかれている『帝国温泉』という文字は、学生時代の修学旅行で訪れた先の旅館の
名前だ。おそらくあの時に勝手に備品を着服したのだろう。物持ちのいい女だ。
「……久し振りだな、アティ。砂浜で相撲を一戦交えて以来だな」
濡れた髪をかきあげ、流し目で冷たい笑みを浮かべるアズリア。
状況が状況でなければ、学生時代のアズリアファンの後輩達が卒倒しそうなほどの華麗な仕草。
だが常識離れした彼女の存在を前にしては、さすがのフレイズさえも無言のまま口を半開きにし、
唖然と彼女を見つめていた。
「出やがったなこのイカレ軍人!!テメェまで女湯に忍び込みに来やがるとはな……」
カイルは乗っていた屋根から飛び降りると、つかつかとアズリアの方へ歩み寄る。
「いえ、むしろアズリアは女性ですし、何もこんな方法で忍び込む必要なんてなかった気が
するんですが……」
「……え?」
アティの言葉に、驚いたように首をかしげたのはアズリアだった。
しばらく口を開きながら空を見上げると、突然ハッと息をのむ。
「そういえばそうだった!私も女だ!」
「って忘れてたのかよ!!」
「……くっ……!」
カイルが思わず突っ込むが、アズリアは彼の存在など気にも留めず、頭を抱えてうずくまる。
アティの入浴を覗くという願望ばかりが先走り、自分が女の身である事を完全に忘れてしまっていた。
男ばかりの軍の中で生活していた事が原因だったのか。妖精の少女に温泉に誘われた直後、必死に
なって呼吸用の手ごろな竹を探し回ったあの苦労はなんだったのだろう。
そういえば、今日は朝食中に部下につられて盛大なゲップをやらかしてしまった。近くに座っていた
ビジュが、食欲を減退させられ果てしなく迷惑そうな表情を浮かべていた事を思い出す。
「フッ……自分が女であることを忘れてしまうとはな。……アティ。どうやら、私は芯から軍人に
なってしまったらしい」
「いや、軍じゃなくて、お前自身にもともと問題があるんじゃねぇの――」
ドッ!!
「がはッ!」
手近にあったフレイズを投げつけ、アズリアはカイルの言葉をさえぎる。
カイルに覆い被さるフレイズは、一糸まとわぬ姿で唸っている。そんな彼に蹴りを入れて上からどかすと、
カイルは再びアズリアに向き直った。
「……ど、どうして私はこのような扱いばかりを……」
フレイズはやけにつややかなお尻を突き出しながら体をくの字に折り曲げ、蹴られた腹の痛みに苦悶の
表情を浮かべている。
「おい変態女!事あるごとに俺らの休日を邪魔しにきやがって!いいか、アティは俺の女なんだ、テメェは
お呼びじゃねぇんだよ!」
「カ、カイルさんっ」
俺の女、という言葉に全員が反応し、アティに視線を向ける。
だがその視線が二人の熱愛を冷やかすものでもなければ羨望の眼差しでもないというのがとてつもなく
悲しい。アティは女湯で恥ずかしげもなく喚くこの男が自分の恋人だという事を、この場ではどうしても
認めたくない気がした。
「アティが――貴様の女、か。フン」
思いのほか、アズリアは彼の言葉にも冷静さを保ったままでいる。しかもその口元には笑みさえ浮かべていた。
アズリアは目を伏せて静かに含み笑いをもらすと、再び目蓋を開いた。
「――調子に乗るなよ低脳色欲煩悩男ッ!!貴様の存在はカイルという名の男ではない!カイルという名の
ついた器にぶら下がっている肉棒――それが貴様の本体なのだろう!?」
そう叫んでビシッと指先をカイルの股間へ向けるアズリア。その指は小刻みに震えている。
「……何言ってんだ?お前」
突然の意味不明な彼女の発言にカイルは口を開いたまま眉をひそめるが、アズリアはその指を口元で
左右に振ってみせると、チッチッと軽く舌を鳴らす。
「フフッ……覚悟していろ。貴様の『肉棒船長』の異名とも今日でおさらばだ」
「名乗ってねぇよ、んな異名!!」
意味ありげな笑みを浮かべながら、アズリアはいつもの彼女では考えられないような潔さで背を向けると、
そのまま脱衣所へと足を運んでいった。
「……な、何なんだよアイツは?」
「彼女は学生時代からああいう人でしたからね」
冷めた目で顔を引きつらせるカイルの横で、アティは相変わらず呑気な笑顔で答えていた。
「ふぅ……しばらくはどこかで時間でも潰すか。ギャレオが出てくるのも待たなければならないしな」
脱衣所で軍服を身にまといながら、アズリアはつぶやく。
ここの所まともに体など洗う事ができなかった彼女にとって、今回の温泉はまさに、シルターン風に
言えば地獄に仏といえる代物だった。
しかも至近距離でアティの裸体を拝む事ができたのだ。これで一か月分の燃料補給ができた。しばらくは
アティの裸体を夢に見ながら安らかな眠りを楽しむ事ができるだろう。
――ふいにアズリアは棚に入っている他人の衣類に目をやる。
すると、白い服やら黄色い服のあいだに置かれている赤い服が視界に映りこんだ。
……アティのものだ。
「…………」
ごくり、とアズリアの喉が鳴る。
「い、いかん!何を考えているんだ私は!?」
慌てて視線を彼女の服から床へと向ける。
――しかし、そこには更に。
「ウホッ!」
純白のフリルがあしらわれた華やかなパンティ。それはアティの服が置かれている棚の、ちょうど真下に
落ちていた。
我を忘れ、反射的にアズリアはそれに飛びつく。
パンティを両手で持つと、すかさず左右に広げてみる。大きめのフリルで目立つようなデザインにも関わらず、
その白さが清廉な雰囲気を保っている。まさにアティが履くにふさわしい下着だ。
「……あぁ……」
恍惚とした眼差しを向け、艶やかな溜め息をもらすアズリア。
「さっぱりしたねーっ」
しかしその時、突然背後の扉が開き、バスタオルに身を包んだアティ達が温泉から上がってきてしまった。
「ッ!!」
アズリアはとっさに手に持っていた下着を隠そうとするが、いい場所が見つからない。
下着を持っているところを見られでもしたら、アティに言い訳のしようがない。アズリアの背中を、
焦りの汗が伝う。
「――どうしたんですか?アズリア」
彼女の声に、アズリアの肩がビクリと震える。かがめていた首を持ち上げると、アズリアはしばらく
ためらいながらも、おもむろにアティに振り返った。
「……んぅっ……?」
不自然なまでに膨らんだアズリアの頬。
まるでおたふくのような間抜け面に、背後のソノラとアルディラは凍りついていた。
「な、何やってるんですか?アズリア」
「んーっ、んんっ」
ぶんぶんと首を横に振り、膨らんだ頬に不自然な笑みを浮かべると、アズリアはその場を一目散に
立ち去っていった。
――彼女の飛び出していったドアを眺めながら、ソノラはアティに視線を投げかける。
「先生、さっきのあの人、様子が変じゃなかった?」
「う〜ん……。あっ、何か美味しいものを独り占めして食べてたんでしょうか?もう、アズリアったら!」
不満気に頬を膨らませるアティに、ソノラは違うでしょ、と冷静に否定した。
……ある意味、正解だったのかもしれないが。
「やれやれ……ひどく元気なお嬢さんでしたね」
疲れきった声で温泉から上がってきたのはフレイズだった。
さも当たり前のように、腰にタオル一枚という姿で、髪の毛と体から雫を零しながらペタペタと歩いてくる。
「ちょっとフレイズ!アンタ、着替えまで女子更衣室でやってたわけ!?」
「もちろんですよ。あんな男共と一緒に服を脱ぎ着するなんてまっぴらごめんです」
そう言いながら鼻歌まじりに服を手に取るフレイズ。
「だ、だからって、ちょっとは躊躇してみせなよ……」
完全に開き直っている彼に、呆れたようにソノラがつぶやく。
まだ下心丸出しの様子をみせないだけマシではあるが、これが彼にとって当然の行為とされているのも
たまったものではない。
「……カイルといいアズリアといい、このフレイズといい……、アティ、貴女の周りにはどうしてこうも
変な連中ばかりが集まってくるの?」
本日何回目の溜め息だろう。アルディラは大きな溜め息をつくと、がくりと壁にもたれかかった。
「アルディラ様」
「……なに?」
「アルディラ様は、その中には含まれてはおられないのですか?」
「……それ、どういう意味……?」
「……やってしまった」
盗んでしまった……アティの下着を。
両手に広がる純白の下着を前に、アズリアの鼓動は激しく脈打っていた。
愛する人の物を断りなしに盗んでしまった事に罪悪感が芽生えていないといえば嘘になる。
しかし、今はそれよりも彼女の下着を手に入れた事に至福の喜びを感じていたかった。
「すまないアティ……!代わりといっては何だが、このパンティは私が一生大事にするからな!!」
一方その頃、女子更衣室ではフレイズが珍しく額に汗を浮かべながら、周囲を見回していた。
「どうしたんですか?フレイズさん」
「ないっ……私の下着がないぃッ!?」
つづく
あと2回くらいで終われると思います。ギャグなのに長くてスマソ…。
次あたりにエロが書けるといいなあ。
純愛アズリアも好きなのに、自分が書くとなぜこうなるのか…。
GJGJ!!
腹よじれた……今回フレイズがいいなw
フレイズが他キャラの上空を通り過ぎる時、上を見上げると「フリルパンツ」がッ!
>>268 それ、味方にもダメージだw
高い所に上ってる時も下から見上げると「フリルパンツ」が見えるのか!?
GJ!
アズアティのバカさ加減が大好きなので(*´Д`)アハン
上で文化レベルに関する疑問が出てるんで便乗して聞きたいんですが
帝国とか旧王国の軍の階級とかも適当に作ってしまっても大丈夫でしょうか…。
余程突飛な設定じゃない限りある程度捏造しちゃっても大丈夫ですかね?
>>271 捏造自体はかまわん
だが話に関係ない脳内設定をだらだら並べられたら読む気が削がれる
そのことは注意してくれ
ぺしぺし。ぺしぺし。
「ふぁ……。おはよ、テテ」
頬を叩いて起こしてくれたテテに声をかけると、しゅたっと手を挙げて返してくる。
朝。清々しい朝。
そして気持ちのいい目覚め。
今日は何かいいことありそうな予感すらしてくる。
こんな日は野盗狩りでもして、財布をいただきつつ城に突き出して懸賞金の二重取りでも…
「よし。朝食だ」
ハヤトは着替えをすませると、朝の運動なのか、しゅしゅっとシャドーボクシングしているテテを頭に乗せて部屋を出た。
「おっはよー!」
どすっ!
リビングに顔を出すなり横殴りの衝撃に出迎えられた。
唐突に揺れた頭の上でテテがわたわたとバランスを取っている。
「ああ、おはよ」
猛烈なタックルをかましてきた茶髪の少女──カシスに軽く挨拶する。
脇腹に響くタックルももう慣れた。初めの頃は背骨がずれるかと思ったが。
これも愛情表現の一種だと思うとこれはこれで嬉しかったりする。
ぎゅっと抱きつかれて、控えめなりにも胸の感触が伝わってくる。
こっちは単純に嬉しい。
はて。何か違和感。
くっついてるカシスをはがすと、頭のてっぺんから見下ろしていく。
じっと見つめられて、いやんと照れたり。かわいい。が、これは別にいつも通り。
OKわかった、服装だ。
いつものローブではなく、ブラウスにスカート。そしてエプロン。
古代中国において無敵を誇った豪傑、英布将軍。彼は同時に無類の食通でもあり、自らの料理を振る舞い部下をねぎらったと言う。
だが彼は戦場での返り血は誇りであるが、畜生の血で汚れるのは不名誉であるとし、甲冑の前面に布をかぶせていた。
このことから、調理の際にかける布を「英布絽(えいふろ)」(絽は布の意)と呼び、それが諸外国に伝わる過程で「エプロン」に変化した。
なお、漢の浪漫と言えば統計的に「裸エプロン」が最上位に挙がるのは羞恥……もとい、周知の事実である。
ちなみに2位は「裸に男物のシャツ」であることは言うまでもない。 ────民明書房刊「料理の鉄人28号」
そんなことはどうでもいい。エプロンと言えば家事の際に着用するものだ。そして朝の家事。となると──
「あ、あの、カシスさん?なにゆえエプロンなんか付けてらっさるのかな?」
「へ? そんなの決まってるでしょ。朝食作ってたの」
やはりか。今までの経験からして、ここは逃げの一手に限る。
「い、いや!残念だけどお腹減ってないから──」
ちょうどその時、ぐううう〜〜とお約束というか、基本に忠実な腹の音が。
「いいいい今のはテテの鳴き声で!俺は別に──!」
失敬な、と言わんばかりに頭の上で地団駄を踏むテテ。許せ。
しかし苦心の言い訳もどこ吹く風。カシスはキッチンから持ってきた皿を並べ始めた。
テーブルに並んだ料理。見かけは悪くない。むしろ普通だ。
だが、すさまじくイヤな予感が頭をちらつき、不安が澱のように溜まっていく。
と、ハヤトが手を付けあぐねているところ、てくてくと歩いてきたテテが無造作に料理のひとつを飲み込んだ。
びし
異音を立ててテテが石化する。
「…………」
「…………」
沈黙の中、カシスは取り出したラムルカムルの葉を細かく刻んでぱらぱらと振り掛け、ぷすりとフォークに刺し
「はい、あーん」
にっこり笑って差し出した。
「ちょっと待て。お前この状況でまだそれを食べろと」
「味は良いかもしんないじゃない」
「いや、そー言う問題じゃなくてだな」
「はい、あーん」
「うぅ……ぅ……光が……広がって……はっ!?」
いろいろとヤバげな夢から目覚める。時計を見るともう昼をまわっていた。
完食。今回もかなりきっつい感じだった。
もはやスペシャルボディも夢ではないのか。胃袋ばかり強くなっても仕方がないが。
こんこんと控えめなノックの後に、少し開けたドアの隙間から茶髪が顔を覗かせる。
「え、えっと……大丈夫?」
「ああ、もー慣れたよ」
カシスはおずおずと中へ入ると、ドアを閉めてそこにもたれ掛かった。
さすがにこう何度も失敗しては落ち込むのだろうか、大きなため息など吐いている。
さて、何でこうまで壊滅的な味になったりするのか。
外見がマトモになっている分上達してはいるのだろう。初期は目も当てられなかったし。
そもそも要所要所で味見でもしてればここまでは行かないはず──
ふと、怖い考えが浮かんだので聞いてみる。
「してるよな、味見」
「ううん」
OK。まず原因の一端を確認。
「……何でしてないんだ?」
「だってキミのために作ってるんだし、あたしが先に食べるのはダメかなって」
いや、それは違うだろ。喜んでいいものか微妙だ。
「仕方ない、ちょっとコーチしてやる。ここ座れ」
ちょいちょいと手で示すと、カシスはハヤトの横に腰を下ろしながら尋ねてくる。
「……キミって料理できたっけ?」
「ふふん、もちろんだ。リプレに教えたことだってあるしな」
「ホント!?」
きらきらと尊敬の眼差しが飛んでくる。まあウソは付いてない。ラーメンとか。
〜ステップ1 素材を見極めろ〜
「料理の基本はまず素材だよな。やっぱり大抵の物は新鮮な方がいい。
野菜とかは見ればだいたいわかるけど、そうでないのは触って確かめるのも手だ」
腕を組んで話すハヤトに、ふんふんと聞き入るカシス。
「具体的に言うと──」
やおら組んでいた腕をほどくと、カシスの胸に無造作に手を伸ばしてむにゅと揉む。
「んっ…… って!い、いきなり何すんのよ!」
あわてて胸にくっついた手を振り払うと、ずざざっと大きく後ずさる。
が、ハヤトは話はまだ終わってないぞ、と腕を捕まえて引き寄せ、後ろから腕を回してがっちりとホールドした。
そしてブラウスの前をはだけさせると下着の間に手を滑り込ませて円を描くように撫でまわす。
「触ってみるとよくわかるけど、新鮮な物は瑞々しくて張りがある」
優しく揉むと手に吸い付いてくるような瑞々しい感触。
「ちょっ……や、やめ……んぁっ!」
弱々しく抵抗しながらも声に艶が混じる。ううむ、新鮮。
「指でつついて軽く押し返してくるくらいがいいらしいぞ」
「やっ……ふぁっ!」
きゅっと突起を押し込むと少し固くなって押し返してくる。
「でも肉なんかは新鮮なのより少し寝かせてからの方が美味いとか」
手を引き抜くと、そのままベッドに寝かせてやる。
〜ステップ2 味見はアグレッシブに〜
「味見って言ってもただ味を見るだけじゃない」
ベッドに寝かされたカシスは全身にうっすら汗をにじませ、荒い息を吐いている。話聞こえてないかもしれないが。
「舌全体の感覚を使って舌触りを確かめるんだ」
のしかかるように覆い被さると、唇を重ねて深く吸う。
小さく開いた唇を割って舌を侵入させ、口内をなぞり、舌を絡め合う。
レモンの味……ではないが、意識がとろけるほどに甘い。
その間に手はスカートをめくり上げてショーツの中へ入っていく。
「んぅ……んむ……ふぁっ……」
舌が絡むたびに指を飲み込む秘所から愛液があふれ、重ねた唇の間から喘ぎ声が漏れ出す。
銀糸を引きながら唇を離す頃には、ショーツはぐしょぐしょに濡れていた。
「もう……頭真っ白で……何言ったかぜんぜん覚えてないんだけど……」
「こーいうのは頭じゃなくて体で覚えるんだよ」
古人曰く『考えるな、感じるんだ』
むしろしっかり感じろと。
ハヤトは無用になったショーツを強引に引っ剥がして愛液あふれる源泉に口を付けた。
「ふああっ!」
くたりと伸びていた体に電流が走る。
割れ目に舌をねじ込んで中を擦るように刺激していくと、嬌声を上げて仰け反るように体が跳ねる。
「うーむ、微妙なしょっぱさ」
「あんっ……へ……変なこと言わないでよ……」
「その中にほのかな甘みが……これが愛の味ってやつか」
水音を立てて舐め回しながらアホなことをのたまうと、ずちゅるると一気に吸い上げる。
「あっ……へ……変なこと言わないでよバカああぁっ!」
少々色気に欠ける感じでカシスの快感は頂点に達した。
活き……もとい、イキがいいなどとオチが付いたところで今日のレッスンは終了です。
──と思いきや、ぐったりしていたカシスが起き上がって、焦点の定まっていない目でこっちを見つめている。
OK落ち着け。何か目が異様だぞ。
ふらふらとこめかみに手を当て、力のない敬礼をすると
「……実践に移りまーす」
がばっと抱きつき、有無を言わさず強烈なキスをかましてきた。
激しく吸われ、入ってきた舌に口内を蹂躙される。
──ちょっと待て。俺より数段上手いし。
枝を落とすようにざくざくと意識が切り落とされていく。
唇を離し、垂れた唾液を舐め取る。その舌の動きだけでも淫靡な感じだ。
うつろな視界の中で、カシスの顔がふっと沈む。
何をしているのか気付いた時には、ズボンの戒めを解かれて自身が飛び出していた。
「お、おい!何してんだ!」
じっと見つめていた屹立するそれを、カシスの繊細な手が柔らかく包む。
「うっ!」
そっと指が触れると自身がびくっと大きく痙攣する。
「……新鮮?」
「……聞くな」
彼女の手が触れている、と考えるだけで下半身からこみ上げてくるような感覚が押し寄せる。
ぬめりとした舌が伝わり、唾液が糸を引いていく。
「くっ……や、やめ……」
止めようにも、まるで神経がそこに集中してしまったかのようで手足が動いてくれない。
できることと言えば歯を食いしばって必死に堪えることぐらいだが、それもいつまで保つことか。
「んっ……は、ぁ……」
喘ぐ彼女の呼吸が触れるたび、ぞわりと背中がに寒気が走り、何かが弾けそうになる。
もうぎりぎりの所まで来ているのにまだ終わらない。
カシスの口がそれを飲み込んでいく。
生温かい唾液にまみれていく感触。狭い中でびくびくと震えるそれを押さえつけるような舌の動き。
悦に入った息遣いが過敏になった神経を通して快感を脳髄に叩き込んでくる。
「うっ……も、もう……」
はむ、と軽く歯を立てられる。それが限界だった。
「くっ……は、離れ……!」
もう遅い。止めることもできず熱いものが通り過ぎ、口内で弾け飛んだ。
「んっ! んむっ……!」
叩き付けられたそれを嚥下し、彼女の喉がこくりと動く。
ようやく止まるとカシスは唇を離すと
「けほっ、うぇ〜、苦い〜……」
軽く咳き込み、苦しそうな感じで喉を押さえた。
「もう!変な物飲まさないでよ!」
と、いつもの剣幕でまくし立ててくる。
じゃあこんなことやるなよ、とか突っ込みたかったが聞きゃしないだろう。
「こっちは繊細な女の子なのよ!? 妊娠したらどーするのよ!」
いや、しないだろ。口から卵でも産むのかお前は。
あられもない格好しているのも気に留めず、わめきながらぽかぽかと殴ってくるカシス。
まあこっちも悪いし謝っておいた方がいいか。
「わかったわかった、悪かったよ。今度はちゃんと下の口に──」
「バカ!」
もう一度押し倒そうとしたハヤトの顔面に鉄拳が突き刺さった。
その後、カシスの料理は特訓の成果?もあって、めきめきとは行かないまでも、普通に食べられるほどには上達した。
ついでに「食後のデザート」はいつも美味しくいただいていたりする。
投下終了。
毒を食らわば調理人まで。真っ昼間っから何やってんだこいつら(´Д`)
一回イったカシスたん得ろモード発動。これでも得ろ描写がんがったつもりなの。
あと料理関連のことはあんまり突っ込まずに流してぷりーづ。
安西先生……純愛とか書きたいです……
ても、こっ恥ずいセリフを書いてるとギップルが降りてきて進まなくなるので
どうしてもネタというか掛け合いに逃げてしまうんです。
しかも4スレ815氏みたいなキレもないしなアハン
誰か純愛を書ける元気をオラに分けてくれヽ(`Д´)ノ
しかしアホなのはバイトとはいえ仕事中にこんなこと考えてる漏れの脳ミソ。
(´д`*)アハン
GJですた
282 :
名無しさん@ピンキー:03/10/25 23:58 ID:0BMgyvbr
ハヤト×クラレットもいいよね
ギッポォ──(゚∀゚)───ル!!!!!
オヤジさんから受け継いだお盛んっぷりですか
口から妊娠ハァハァ
>『料理の鉄人28号』
こんな小ネタをさりげなく混ぜられる時点で手遅れかと思われます(・∀・)
毎度毎度書き手の皆様レベル高杉でつ。がんがって下され
>毒を食らわば調理人まで。
禿藁。
食後のデザートはやっぱり体にクリームとか塗ってご賞味でつか?(ハァハァ
>>266(4スレ815)さん
グッジョブ!思いきり笑ってしまいました。開き直ったフレイズ…イイ!
あと自分の中では、アズリアはああいうキャラとして定着してしまった。
ゲームやっててても、何とりつくろってんだよアズリア、
本当のお前はいつもハアハアしてるくせに?と思ってしまう…重症ぽ。
この続きも、あとヤドアティも楽しみにしてますね。
ハヤカシ〜!!
相も変わらずハイレベルなSS、GJ!
ギップルは漏れが退治しておくので純愛挑戦キボンヌ(藁
就活中にSS考えてる漏れよりよいと思われ。
きょぬー巫女さんのキャラが掴みにくい・・・(泣
なんかヘボでキモい小説で埋め尽くされてるな。
ギャグ小説を書く場でもないだろ、ここ。
自サイト作ってそこで書けよ。
3発売前はもっと良質の小説ばかりだったのにな。
今は糞ばっか。
同意。エロメインでおつまみにギャグならまだしも、逆は萎える。
公式の小説厨が書いたようなのは勘弁。
人が減ったのもそこら辺に原因があるんじゃネーノ?
とりあえず突っ込むところには突っ込んでおくが、
発売後時間が経てば人は嫌でも減るぞ
ここはエロなしでもOKってことになってるみたいだし、別にいいんじゃない?と思うが。
嫌ならスルーすればいいし。
あと人が減ったのは発売してから結構たったのもあると思う。
>>291 >サモンナイト エロ小説&画像キボンヌスレその9です。
>>1にはこうある。エロなしOKなんて書かれてない。
エロ小説をキボンしているスレッドでギャグ小説投下されてもな。
ヘボ&ギャグを完全否定するつもりはないが、公式の小説厨の現象でもわかるように
ヘボ&ギャグ率が多くなると、「この程度でもいいなら漏れも」みたいにどんどん増殖するわけよ。
そして普通にエロを書いてた人はその雰囲気について行けずに去ってゆく、と。
自分は288や289が良質エロssを書いてくれるだろうと期待することにするよ。
文句ばっかり垂れる奴がいると神も降臨しづらいだろうしな。
>>293 まったくだ。
>>292 それほどまでに現状を憂いているというのならば、
ここは一つ憂国の士として、先陣きって目の覚めるような濃厚エロを
迷える大衆の前に示してもらいたいものだ。口ならなんとでも言える。
公式行かねーからどのレベルがヘボでどのレベルから良質なのかここでの基準がよく分からん。
各々の好みが純愛好きと鬼畜好きに分かれるように、その辺も個人差がある気がするんだが。
288や289が良質レベルと言える物の良い見本を示してくれると期待しているよ。
>>292 いや、ここには普通のエロSSも投下されてるじゃないか?
ここにSSを書いてる人は利益があって書いてるわけじゃなし、
あくまで趣味の範囲で書いているものなんだから、批評するのはどうかと思う。
293氏がいうように、SSを書かない読むだけの人間が文句をいう権利はないと思うが。
なんか定期的にこのスレには288や289のようなのがくるなあ……。
釣られるな
スルーしる
なんでちょっとでも文句が出ると、「じゃあお前が書け」で終わらすかね。
「自分はヘボだけどこの現状はちょっと…」ってヤシには意見言う権利ないと?
それだったら「”じゃあお前が書け”としか言えないヘボ」なヤシにだって意見言う権利ないだろ。
それに、ギャグSSやヘボSSに文句言った連中がなんで「SSを書かない読むだけの人間」だとわかるんだ?
もしかしたら昔神って言われたことだってあるヤシかも知れないだろうに。
>>298 「じゃあお前が書け」と言った人間がヘボだとも限らない。このスレで神と呼ばれた事がある
書き手さんが参考にする為にも見本に見せて貰いたいと言ったかもしれないだろ。
文句を言う人間はたいてい自分で解決策を示そうとしないから。
文句を言うだけで、後は他人任せ。場が荒れようが気にしない。
自分は正しいことをしているんだからってね。
だから文句言うくらいなら気に入らない作品はスルーしとけ。
少なくとも文句言うよりは場の雰囲気は壊れない。
ヘボだろうがなんだろうが、スレの空気が悪くなってるよりよっぽどましなんだから。
>>299 そうだな。
だから文句が出ても、気に入らないならスルーすればいいって話。
>>300 ”ギャグが蔓延してる「場の空気」”なんてむしろ壊れたほうがいいだろ。
それこそ「神も降臨しづらいだろうしな。」、こんな空気じゃ。
>そうだな。だから文句が出ても、気に入らないならスルーすればいいって話。
と思うのなら、
>”ギャグが蔓延してる「場の空気」”なんてむしろ壊れたほうがいいだろ。
なんて言わなければいい。読むのがいやならスルーしろ。
そもそも他の書き手だってどんな雰囲気だろうがSSができればアップするだろう。
ギャグが多いからって自分のSSの投下を控える意味なんてないし。
まあなんつうか文句つける香具師はもうちょい言い方考えろということだ。たぶん煽りだとは思うけど。
例えば『俺はギャグよりエロが読みたいな。もっとエロエロな作品キボンヌ』
という言い方ならそう角もたたんだろう。
つうわけで職人の方々。抜けるようなエロをキボ〜ン。
自分のSS投下を控えるっていうか、書く気がしなくなる。
別にサモ以外に書くものないわけじゃないし。
ここ見てると本当に公式まんまだな。
みんなで楽しんでるんですから本来の掲示板の使い方と違ったっていいじゃないですか!
みたいな空気。
公式のようにSS一個にスレッド一つならまだしもここは全部見えるし。
SSの冒頭にカップリングや内容(ギャグ・鬼畜・純愛など)が書かれているわけじゃないから途中まで読まなきゃならんし。
そりゃエロ求めてここ来た奴がSS一個最後まで読んだらギャグ落ちでエロはなかったとかいったら萎えるわ。
>>304が今までどんな神SSを書いてきたかは知らないけど
それにしても偉そうですね( ´,_ゝ`)プッ
ちょっと書いてくれてる職人さん達にはキツイこと言うけど
非エロOKって場の雰囲気に甘えないようにはして欲しい。
エロとギャグを両立した作品を書くことは充分可能だと思うし
過去にもそういう作品はあったから。続き物とかでエロ描写の入らないパートが出たり
あんまし無理にエロ入れるとバランス崩したりするときもあると思うけど
基本はエロってことを頭に置きながら書いて欲しいなと俺は思う。
つーか非エロなんて読みたくねーよ。
ギャグ物は基本的にスルー。読んだって時間の無駄だし。
なんだこの流れ(´д`;)
ちょっと聞きたいんだけど続き物や長編物の場合どれくらいの割合でエロ描写入ってればいい?
毎回エロあるのが理想なんだろうけど話の流れとかもあって入れられないパートも出てくるので…。
前後編物で後編しかエロないとかいうのもやっぱりアウト?
それとやっぱりここでは話の完成度とかよりエロいかどうかのが重要?
エロに持ち込むまでのシチュを作るのが長い上エロ描写があんまり巧くないんでせめて
一本の話として綺麗に終わらせようとするとエロなし部分が長くなったりするんですが
やっぱりそれもウザイですか…。
俺は書くときはできるだけ毎回エロシーンは入れようとしてる
エロ無し部分が長くなることに関してのジレンマは確かにあった
昔シリーズで書いてた時はエロが無いカキコ分がエロのカキコ分を超えないようにしなければ
という脅迫観念に駆られたこともあった。もっと本音では綺麗にまとめたいなと思うこともあったけどな。
だからこのスレの非エロも許容の風潮は作品自体の完成度を高めるためにはありがたかった。
でも職人さんには悪いけど最初から非エロ前提の話には少し違うんじゃないかなあと思ったね。
作品自体の完成度高めるために結果としてエロが薄くなるのは結構だけど最初から非エロ前提というのはどうかなあと…。
エロの分量に関しては人それぞれだと思うから各自の判断で自由にやればいいと思うけど
まったくのエロ無しというのは↑でガイシュツのスレもあることだし、そっちでやってはどうかと思う。
じゃあ書き手として漏れも便乗しようかな
「下ネタ系のギャグ」はエロなのかギャグなのか?
少なくとも露骨でドギツ過ぎるのは普通の掲示板とかじゃ無理だし
あと獣のような貪るキスとか、胸やクリいじる表現だけで終わるのは
エロとして許されるのか?許されないのか?
同じ様に手コキやフェラ、果てはアナル緊縛スカトロ鞭打ちがあっても、
やっぱり股に突っ込んでフィニッシュ迎えんと真のエロとは呼べない?
メル欄に「非エロ」「ギャグのみ」とか入れるようにするとか。
他のスレで見たことある。んで見たくない香具師は専用ブラウザでアボーン
個人的には、良質のSSが読めればそれでいい。
ギャグでもエロでも。
クレクレくんが感謝の心を忘れたらいけないよ。
ギャグっていうか非エロは移動しろよ。
いいスレあったんだから。
ギャグも短かいのとか中に入ってるだけなら別にええよ
そんなやっきになって追い出す必要もないんじゃないの
エロにひたすら飢えた未成年の厨房が粘着しているスレはここですか?
まず、この流れじゃ投下する作者様も投下しにくいからやめようYO
嫌ならみなきゃいいじゃないか。心狭いなぁ
>>314のそれやったらいいかもね
そうだな。この辺で止めておいた方がいい。結論として↓を考えてみたんだがどうか。
・嫌な物はスルーが基本。見たくないやつは専用ブラウザでアボーンしたり汁。
・非エロはできれば↓で。もしこちらに投下する場合はメル欄に「非エロ」「ギャグのみ」などを明記。
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1064501857/l50 ・エロありのギャグは可。エロあり長編物の場合は話の都合上エロなしパートが出ても許容。
・話の完成度を上げる為ならばエロが薄くなっても構わないができるだけ配慮する。
ギャグや非エロ移動は職人さんには厳しいかもしれないがここがエロパロであり、粘着がいる
以上また文句が出る可能性があるから人がもっと少なくなるまでは移動したほうがいいと思う。
俺はそれでイイと思う
まぁ何でもいいがこの雰囲気で投稿してくれる奴はいないだろうという事はわかってるよな?
すみません。荒れる原因になったのって、多分私の長ったらしいアズアティが原因ですよね…。
次はエロを入れられると思うので。ごめんなさい。
なんかSS書く気が突然起こったので、調子に乗ってたみたいです…。
一応書き出したからには最後まで書きたいと思うんで、とりあえず今回のやつだけでも
完結させてやってください。
あと、なんか今ヤドアティの続き書いてたんですが、流れ切ってしまってもいいですか?
投下後に余計マズイ雰囲気にならなければ…。
>>321 雰囲気雰囲気言うが、
これまでの雰囲気に納得のいっていなかった連中やちょっと疑問を感じてた連中もいるんだ。
>>319がせっかくいい新ルールを提案してくれてるのにすべてをブチ切ろうとすんなよ。
そうですね、明日にします、スマソ。
ただこの険悪なムードじゃ誰も投下しねーよと言いたかっただけじゃないのか?
ああ、そういう意味か…。
319のようにきっちり仕切りたいなら、313も言ってるように
どの程度までが非エロなのかを明確にしてくれると有り難い。
“非エロは可か不可か”と同じレベルの問いだってことは分かってるが、
正直319の範囲じゃ判断出来んよ。
判断できるだろ、それくらい。
少年漫画じゃNGだけど青年漫画じゃOK。
18禁と銘打たれてるものと、そうでないもの。
テレビ放送できるものと、できないもの。
それの違いさ。
いや、それで良いなら単純なんだけど。
微エロとか、313氏の言うような下ネタギャグとか、ギャグとエロが7:3ぐらいのとか。
そういうのが良いのか悪いのか結局はっきりしないから。 特に後ろ二つ。
(別にいますぐ投下できる奴があるわけじゃないけれど)
投下後に「そういうのはヤメロと言っただろ」と言われると悲しいしな。
実際、以前に別スレで似たような目にあった人を見かけてるもんで。
そういえばレシユエの後日談まだぁ〜
マターリ
ここのスレでエロの話しか読まない人って、続き物とかのエロなしパートとかはちゃんと読んでる?
それともエロシーンしか読んでない?
個人的にはエロよりストーリー読む方が好きなんで。
>>329 個人的意見だけど微エロであれギャグであれエロさえ入ってればOKなんじゃないかと思う。
ただギャグなのに続き物で1回の投下分に一度もエロがないとかは止めておいた方がいいかと。
微エロの判断は人によって違うだろうが手コキやフェラくらい入ってれば大丈夫なんじゃないか?
今一番問題になってるのは非エロ前提の話の投下についてみたいだし。
下ネタギャグについてはよく分からん…。
>>332 自分は読んでる。このスレはエロより話で魅せる人も多いし、前後の関係知ってる方が萌える。
個人的にエロは話を盛り上げる要素くらいに思ってる。
あ〜あ、もうここも終わりだな…何で俺が見てるスレはいつも最後にこうなっちまうんだろ。
>>334 要するにどこにだってこういう人達がいるってこと。
その点は諦めるしかないんじゃない?
ちょっと見てない間に、なんなんだこの流れは……
イイ!(・∀・)
今までの雰囲気も嫌いじゃなかったけど、
やっぱり2chなんだしスレが荒れるのもアリだね。アリ。面白い。
エロ有ろうが無かろうが、自分はとりあえずどうでもいいけどもっと荒れてくれ。
というか、この雰囲気では投下する神がいなくなるって言うけど、
神は趣味でやってるんだからそんなことないかと。投下する人はする。安心しれ。
エロ無い神はちょっと遠慮気味になるだけ。それも落ち着けば降臨してくれるさ。
ビックノン!
ビックノンビックノンビックノーオオーオオーオオオー!!
デンデンデンデンデンデンデッテデー
ンニャンニャムジン!
ヤファヤファビロウ!!
ユーキャーンメージーンビーッビーックーノーォオーン!!!
>>336>>337 おまいさん方のレス見たら何だか和んでしまたよ…。不思議と心がマターリとしてしまった。
これも2チャンネラーの性かい?取り合えず神様方、できればここまで出た意見を少しでも
いいんで参考にしてまたガンガッテ下さい。職人さんがいなくなってしまっては成り立たないからな。
「んっ……、うっ……!」
冷たい唇が、アティのそれに強引に重ねられている。
それをおこなっているのは、先ほどまで彼女の事を、身を挺して守ろうとしていた一人の青年であった。
アティの体を抱きこみ、身を引き寄せるようにして、角度を変えながら幾度も濃厚に口付ける。
そのたびに彼の舌はアティの口内を蹂躙し、唾液を絡めていく。
(どうしちゃったんですか……、ヤードさんっ……!?)
彼が正気でない事は一目瞭然だった。
あれほど召喚獣から受けた傷に苦痛を感じていた彼が、今ではその感覚すら消えうせたかのように、
その身を自由に動かしている。
だが、彼の束縛のない行動に対し、その体から滲むおびただしい鮮血はあまりにも不似合いな
光景であった。
明らかに軽傷とは呼べない傷。腹部に滲んだ血は、もともと深い灰色だったローブを赤黒く
染め上げていた。
「んぅっ……!ヤード、さんっ。お願いですから……」
何とかヤードの体を押しのけようと、アティは彼の肩を掴む。
――ぐしゅ。と、水を含んだ綿を握り締めたかのような、嫌な感触がアティの手の平を包み込んだ。
「ひっ……!」
悲鳴を漏らし、慌てて手を放す。
彼女の手の平には、真っ赤な血がべっとりと塗られたようにこびり付いていた。
とっさに視線を彼の肩に向けると、アティが乱暴に掴んだ為に出血の治まっていた肩の傷は再び口を開き、
新たな鮮血を溢れ出させている。
口を開いたまま言葉を失うアティの頬に、ぽたり、と雨漏りのような血の雫がいくつも零れ落ちる。
「…………」
それでもヤードは顔色一つ変えないまま、アティを組み敷いていた。
「ヤードさん、正気に戻ってください!どうしてこんな事になっちゃってるんですか!?こんなっ……!」
なおも喋ろうとするアティの口を煩わしいと感じたのか、ヤードは彼女の両手を頭上で押さえつけると、
空いたほうの手で自身の懐を探り出す。
そこから取り出したのは、透明色のサモナイト石――さきほど彼が、危険を承知で召喚に使用したものだった。
ヤードはそれを掴んだまま、指の間接部分でアティの口をこじ開ける。と同時に、彼女の口内にその冷たい石を
乱暴に押し込んだ。
「あぐッ……ぅ……!」
アティの小さな口には、それを入れる事は多少困難である。口が切れるというほどではないが、
限界近くまでこじ開けられ、顎と口内に痛みが走った。
しかしこうされてしまった以上、その苦痛を彼に訴える事もできない。
いや、『今の彼』には、例え願ったとしても何も聞き入れてはくれないだろう。
――どうしてこんな状況になってしまったのか。アティは赤らんだ瞳から涙を浮かべ、困惑した表情で
ヤードを見上げる。
「…………」
その時、一瞬彼が笑みを浮かべた。
「ぁ……」
先ほどから顔色ひとつ変える事のなかった彼のようやくの変化に、口を塞がれながらも恐怖に凍りついた
アティの顔がわずかにほころぶ。
――しかし、彼女の心に一時だけでも灯った希望の火は、次の瞬間、儚く消え去る事となった。
ビッ……!
ヤードの手がアティの赤いワンピースにかかると、それは普段の彼からは想像もできないような力で
無残に引き裂かれる。
「ッ!!」
そこから露わになったブラジャーを乱暴にたくし上げると、アティの豊満な乳房が彼の目の前に晒された。
突然胸部を外気に晒され、肉体的な肌寒さと精神的な悪寒が彼女の体を満たしていく。
だがヤードは、そんな彼女の怯えるさまを楽しむかのように先ほどの笑みを浮かべると、震える彼女の
乳房にそっと指を這わせた。
……びくり、とアティの体が震える。
カイル以外の男に触れられた事のない場所。恐怖に身を包まれているはずなのに、羞恥心とともに
アティの頬が上気立つ。
ヤードはそのまましばらく指で撫でつけ、手の平で乳房を包み込み、ゆっくりと揉みしだいていく。
「あッ……は……」
強引に与えられる優しい快楽に、アティの口からは無意識に甘い声が漏れる。
経験の少ない彼女は男にもたらされる愛撫に慣れておらず、その心地よさに耐える事ができない。
アティは細めた目をゆっくりとヤードに向ける。
「…………」
その目は男に嬲られる彼女を嘲笑うように見下していた。
笑みを浮かべる口元は彼らしい品性のあるものだが、その普段との変わりのない形がかえって不安感を煽る。
これならばいっその事、完全に人が変わってしまったと思えるほどに下衆な表情をしてくれていたほうが
マシだとさえ思えた。
しばらく愛撫を続けた後、彼は指先で固くしこったアティの乳首をつ、となぞる。
わずかな声とともにアティは首を横へとよじり、口から熱い吐息を漏らす。
……それと同時に、サモナイト石によって開かれたままの口から唾液がだらりと零れ落ちた。
「あぅっ……」
地面へ向けて糸を引く、粘りのある唾液。
慌てて首を正面へ向けると、その情けない仕草がたまらなく可笑しいのか、ヤードは相変わらず声を
出さずに肩を震わせながら笑む。
そうしてアティの頭を掴むと、もう一度彼女の顔を強引に横へと向かせた。
「は……っ」
口内からこぼれる唾液。
アティが恥ずかしさのあまり目を伏せると、その胸部にふわりと何かが覆いかかった。
柔らかくて、細かい。くすぐったさえ覚えるその感覚に身をよじると、次の瞬間、その胸の頂点を生温かいものが
ぬるり、と滑った。
突然の感覚に、目を見開くアティ。
とっさに視線を下へ向けると、彼女の胸の上に、ヤードがその顔を伏せている光景が瞳に映った。
彼の舌が伸び、アティの尖った乳首を丹念に舐め上げていく。わざと音を立ててしゃぶり、彼女の羞恥心を
煽らせていく。
もう片方の乳房を手に取ると、突起した乳首を指先で強く押し捻ってみた。
「ッ……」
痛い。
――はずなのに。
どういう事なのだろう。その痛みがなぜか心地よく思えてしまう。
恐怖と悪寒に覆われる心の内とは裏腹に、自身の体は彼からもたらされる行為に熱を帯び始めている。
(そんなはずは……。だって、こんなに……)
おかしい。
今もこの心臓は怯え、震え続けているというのに。
ヤードは口に含んでいたアティの突起を軽く吸い上げてみせる。
「ッ!」
アティの背中をぞくりとしたものが駆け巡る。
だが、今度の感覚は今までのものとは明らかに違うものだった。
彼女の頬が火を灯したように熱くなる。
震えていた体は何かを求めるかのように疼いている。
(な、なんで――)
更にヤードは露出したアティのうなじに顔を近づけると、彼女の形の整った耳に舌を這わせ、耳たぶを甘噛みする。
彼の吐息が耳をくすぐり、その心地よさに肌が粟立った。
――明らかに今、彼の行為に快感を覚えている自分がいる。
理由は分からない。世の中には媚薬などという、強制的に相手を性的な興奮状態にさせる薬があるらしいが、
ここにはそんなもの――。
「ッ!」
アティはその時、ひとつの可能性にたどり着いた。
――視界の片隅に映る、自分達を襲った植物形の召喚獣の残骸。
ヤードはあの時、息を吸い込むなと、そう叫んだ。
あの召喚獣が撒き散らした雪のような白い粉……。あれが、今目の前にいる彼を狂わせた原因なのだとしたら。
その原因となるものに、自分も何らかの影響を受けてしまったのだとしたら。
「は……」
ヤードの口から熱い息が漏れ、アティの首筋をねっとりと舐め上げていく。揉みしだかれる乳房の快楽と
相なり、彼女の体は熱を帯びていく。
……原因を予想できたとして、この状況を解決できる糸口へとは繋がらない。
ただひたすら彼に体を嬲られ、アティはそれに耐えるしかないのだ。
ようやくヤードが弄んでいた乳房から手を放すと、彼は手をそのままアティの下半身に向けて滑らせていく。
……まさか。
アティの唇がわずかに震える。
「…………」
ヤードは舌を出し、彼に似つかわしくない冗談めいた笑みを浮かべると、その大きくしなやかな手を
アティのスカートの下へと潜り込ませた。
「あっ……かはっ……!」
アティが抵抗しようと身をよじる。
「!」
しかし、それと同時に自身のふくらはぎに鋭い痛みを感じた。
今まで痛さを忘れていたわけではなかったが、そこで残骸と化している召喚獣のツルに肉を裂かれた部分――
痛みのあまりその感覚が鈍っていた箇所が、足を動かす事によって再び痛覚を甦らせてしまったのだ。
足を引き裂かれるような、酷い激痛。
アティの目に涙が滲む。
だが目の前の彼は、そんな事には当然のことながら構いもせず、その手をアティの中心へ向けて進めていく。
スカートの中で指先に引っかかった薄い布地。
ヤードの手はそれを指先でつまむと、ゆっくりとアティの足から滑り下ろしていった。
「ッ!!」
二本の太ももに絡みつきながら下りていくそれが、自身の下着なのだという事は目で確認せずとも
明らかな事である。
下半身を襲う涼やかな開放感が、それを嫌というほどに彼女の脳に知らせようとする。
膝元までそれを下ろすと、ヤードはいまだ彼女の下半身を覆うスカートに手をかけた。
――唇を震わせ、首を横に振って拒否を表す彼女の思いも、もはや届きはしない。
彼の手は、手にしたそれを引き裂くほどの力で腰上まで引き上げる。
割り込まれた彼の体。アティにその足を閉じる願いは叶えられなかった。
(……もう、駄目っ……)
下半身を剥き出しにされ、アティは羞恥に頬を紅潮させる。
彼はアティの肩ひざを持ち上げると、それを真横に押し開いた。
「ッ……!」
ヤードの眼前に晒されるアティの秘部。
薄紅色のそれは、アティの精神を無視した身体の昂ぶりを確かに証明していた。
わずかだが花弁の奥から滲み出る、愛液の光り。
女が性的な興奮を感じた時。男を受け入れる時に滲ませる、欲情の涙。
……自分がカイルに愛される時、その蜜壷から幾度も溢れさせるものだ。
ヤードは持ち上げていた膝を解放すると、手の指を揃え、彼女のその場所へともっていく。
「――はぁっ、あ……っ!」
冷たい指先が、アティの膣内へと侵入を果たしていく。
まだ充分に濡れていないそこは、彼の長い指を受け入れるには多少窮屈だった。
強引に押し込まれる指の痛みに、アティは眉を歪め、目を伏せる。
すると、ヤードは指を挿入したまま手の平を上向かせた。そして親指を傾けると、無防備に晒された
アティのクリトリスを擦るように撫で上げ始める。
「う、ぁッ……!」
ぴくんとアティの背筋が跳ね、ヤードを飲み込む膣肉が動く。
――心は嫌だと訴えているはずが、体は彼の愛撫を求めている。火照った体は最も敏感な部分を刺激され、
その身にうっすらと汗を滲ませた。
クリトリスを撫でられ、犯されている膣からは指が抜き差しされるたびに卑猥な音が立つ。
……どうして。愛しているわけではない男性にこんな事をされて、なぜ濡れているのだろう。
そう考え、襲い掛かる快楽の波から思考を遠ざけようとするが、波は絶え間なくアティの思考を追い、支配しようと
働きかける。
しばらくすると、ヤードは膣内を掻き回していた指をゆっくりと引き抜く。透明の粘液が絡む指先に彼はじっくり
視線を這わせ――やがてそれを舌先で舐め取った。
穏やかな表情にその仕草はあまりにも不自然で、アティにとっても耐えようがないほどに恥ずかしい光景。
その羞恥心が再びアティの興奮を煽り、愛液を滲ませていく。
「…………」
淫靡に潤った彼女の秘部。
ヤードに優しく蹂躙されたそこは男を求めるように痙攣し、愛液を滴らせている。
彼はそれを見つめると、静かに自身のローブを解いた。
――彼がこれから何をしようとしているのか。
それは考えずとも明らかな事であった。
……実際は、考えたくもない事なのだが。
「は……っ」
アティは怯え、身じろぐが、ヤードはその行動をやめようとはしない。
片手で器用にベルトを外すと、閉ざされていたファスナーに指をかける。
ゆっくりとそれを下ろしていくと――彼の屹立した性器が、そのすき間から顔を覗かせた。
「……ぁ……」
初めて見た、カイル以外の男の性器。
今までに彼以外の人のモノを見た事はなかったので一般的な比較はできないが、ヤードのそれもカイルと
同等の大きさを誇っている。
それを目にしたアティの頭はまるで沸騰したかのように熱を帯び、視界は揺れるような感覚に陥った。
耳が熱い。きっと今の自分はみっともないほどに紅潮しているのだろう。
――ぐい、と彼の手がアティの足を押し広げ、彼女の下半身を引き寄せる。
それと同時に、熱を持った彼の一部が、アティの潤った花弁にあてがわれた。
「――――!」
固い肉塊の感触。
それが今、自分と交わろうとしている瞬間であった。
「……あはぁッ……!あ……ッ!」
アティは慌てて声を上げるが、口内の石がそれを妨害し、まともに声をあげる事ができない。
頭上の腕も、ヤードの異常なまでの腕力の前では動かす事すらできないでいる。
……やめて。お願いだから。
涙で視界が震えている。
いつも物腰の柔らかい、穏やかな青年。悩み事があるとよく相談に乗ってくれた、優しい彼。
だが想い人ではない男と交わるなど、そんな恐ろしい事ができるわけがない。
それに――あれほどまで自分の事を守ろうと必死になってくれた彼に、守るべき対象であった自分を
傷つける事など、させたくはない。
――ぐ、と入り口に痛みが走る。
「ッ……!」
これはきっと、彼の。
アティは涙の溢れる目を固く閉じる。閉ざされた目蓋からは、涙が伝っていく。
アティの体のあちこちに付着した血。
それはすべてヤードの体から流れ出たものであった。
今、目の前にいる彼の。
彼がアティを、命を賭けて守り抜いた証。
『貴女は――私が守ってみせます』
彼があの時口にした言葉が、アティの耳に焼き付いていた。
つづく
348 :
4:03/10/27 20:49 ID:ui70++uK
場の流れ読んでないいきなりの投下でスマソ。
片方無言で片方喋れない状況…。すさまじい無音っぷりになってしまいました。しかもかなり殺風景な感じの文章に。サモナイト石って口に入るんだろうか。
とりあえず攻めるヤードが書きたかったんですね。でも絡みだけで一話使って肝心の話の内容がない状態に…。
あと1,2回で終われると思いますが、多分エロは少ないと思います。
たしかにギャグの続き物で二回もエロがないと、自分のつたない話を読んで下さってる方もうざったくなるかもしれない。ギャグが主体になりすぎる話はやりすぎないほうがいいですね…。
三連続で投下してスマソ。しばらくは自粛したいと思います。
途中で送ってしまった…。
改行めちゃくちゃに。
いやいや、GJ!
去らないでくれ
>>4スレ815氏
GJです。
去るなんて言わんでこれからも投下してください
ん?
いや…別に去るんじゃ…。まだここで話は書かせてもらいたいですし。
なんか書きすぎなんで抑えようと思っただけで…。
あ、
>>344の「肩ひざ」は「片ひざ」です。
>4スレ815氏
GJ!
どちらとも続きが気になる焦らし(´Д`)プレイ
や、ここでのギャグSSはアレだな。
エロ漫画雑誌に連載してるショートギャグの位置づけであって欲しい。
ま、たまにゲノムみたいなエロを喰っちまう存在もあるけどさ。
なんつーかそーゆー、その、なんだ、
わかってくれ。雰囲気で。
>>354 おまいさんこそ雰囲気読め。
今がどんなに前向きな空気だったかわからんのか?
>>354 エロの入ってるギャグSSであればいいんだろ?
それとも「ギャグ」というジャンル自体が嫌なのか?
そんな事言ってたら一気にスレが寂れるぞ。
いや、中途半端にギャグが入ってもね。
エロ漫画やSSにギャグはまじで寒いのよ。
>>357 朝からやめれ。
嫌ならスルーすればいいだけの話。
ところで、今フレイズ×ファリエル書いてるんだけど需要ある?
>357
俺はエロ漫画とかにギャグが入っても全然寒いとは思わない。
実際にプロでもオチとしてギャグで締める時は多々あるし。
どっちかというとそういうのを毛嫌いするのは少数派。
人に自分の好みを押しツケンジャネーヨ
要はギャグでも構わないけれど、長さは短めであくまでエロに重点を置いたギャグであって
欲しいとかそんな感じか?ギャグメインでなくエロのおつまみ程度にして欲しいって事か?
まあぶっちゃけ言いたい事も分からんでもないが。ギャグやコメディも面白いがやっぱり
ギャグ場面やギャグ作品ばかりが続くのも何だかなぁという気もするし。
個人的な事を言うとキャラの人格破綻や暴走っぷりに頼ってしまいがちなギャグは話の
作りとかに関してはやっぱり真面目な話には劣ってしまうこともあって、短いからこそ味が
出るとゆーか短い中にどれだけの面白さを詰め込めるかが勝負の様な気がしないでもないし。
長いと逆にしつこさやウザさを感じてしまうって意見は分からんでもない。
何だか色々言ってしまって申し訳ないが職人さんはこういう意見もあるんだ程度に考えて
貰えれば嬉しい。とゆーわけで何事もなかったかのように再開。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
んじゃ、出かけに一つ明るく景気が良くなるような話題を。
>>330 実はちゃんと書いてますよ、後日談、ちまちまと。
もうとっくの昔に、後日談というか続編みたいな形になってるけど。
色々詰め込みすぎたら前のさらに二倍近くの長さになっちゃったのが悩みですが。
現在のところの完成度は75%程度。
テーマは『獣々しくも』+『違和感の無い』+『愛のある妊婦姦』。
作りながらうpするってのが出来ない体質なんであれですけど、
まああと一ヶ月以内には完成させて二週間くらいかけてまとめて出すので乞うご期待。
>>362 マジですか!楽しみにしてます。がんがってください。
ところで思ったんだが、非エロ、エロよりギャグ多めの話の投下が駄目だというのなら
いっそのこと保管庫のBBSのほうに「非エロ、ギャグSS投下スレ」みたいなのを
一つ作らせてもらって、そこに投下するというのはどうだろう。
せっかくBBSがあるんだし、そういう風に使わせてもらう事はできないかな。
それらの作品に対するレスもそこでしたり。
非エロが排除されることで今までの非エロ萌えSSが読めなくなるのは寂しいし。
よそのエロくないSS投下スレに投下しては、見過ごしてしてしまう可能性もある。
でも保管庫のBBSでなら取りこぼす心配もないし。
駄目かなあ。
…あ、でもBBSのテンプレを読む限り投下は駄目なのか。
読みたくないのならスルーすればいい話じゃないのか?
メル欄に一言打ちこんどけば「無駄な時間」とやらもかからなくてもすむだろうし
ギャグだけなのはアレかもしれんが、エロの中にあるのなら無問題だと思うんだがな
367 :
光風霽月:03/10/28 20:57 ID:lxGpilEG
「大・・・夫。もう傷・・・完・・・・・・塞・・・りましたよ」
「よかった・・・で・・・・・・でも私は」
―微かに声が聞こえる
(そうか、俺は・・・)
マグナの意識が次第に鮮明になってゆく
湿原で召喚師に狙撃されようとしていたカイナを突き飛ばし、そのまま胸を撃たれて・・・
(我ながら、間抜けなもんだよな)
だが、それ以上にカイナが無事だったかどうかが気になっていた
その事に気付き改めて苦笑する
(・・・ふう・・・惚れた男の弱みって奴かね)
そこでようやくマグナは自分がベットに寝かされている事に気付いた。
「私は・・・マグナさんに何と言ったら良いのでしょう」
「・・・カイナさん?」
アメルとカイナの声。カイナの声がどこかしら震えている
「だって・・・私の所為で・・・傷ついて・・・今度は命まで・・・」
「マグナが撃たれた事だったら・・・多分そのままカイナさんが撃たれていたほうがこの人は傷ついて
いたんじゃないかしら」
「え・・・?」
「何時だってマグナはそうですよ。自分が傷つく事よりも大切な誰かが傷つく方がこの人にとっては
何倍も辛いんだから・・・治療してる時だって、うわ言で貴方の名前を呼んでた位だし」
―それだけに、私のほうが妬けちゃいます
言葉の後半を心中でのみ呟いてみせる
「・・・・・・」
カイナを見ると頬を染め、やや困惑した表情を浮かべていた。そんな様子にアメルは微笑し
「それじゃ・・・後はよろしくお願いしますね。マグナが起きたらネスティがまた『君は馬鹿か?』って
言っていたって伝えておいてください。他の皆も心配してたって」
「はい・・・」
「ああ、それと」
「・・・・・・?」
ドアを開ける直前でアメルが振り返った
368 :
光風霽月:03/10/28 20:59 ID:lxGpilEG
「自分が悪いと思うなら、逃げずに謝らないとね。―気持ちを伝えないと何も変わらないですよ」
「ありがとうございます、アメルさん・・・」
閉じたドアに向け、カイナは暫く頭を下げていた。
部屋を静寂が支配していた。
ちろちろと、ランプの明かりが燻る音が耳へと入ってくる
「・・・マグナさん、そのまま聞いていてくださいね」
ベットの横にある椅子に座ったまま眠るマグナの顔を見、呟くカイナ
「殿方とじっくり顔を合わすのはやっぱり・・・今でも馴れないですから今のうちにちょっと練習させてください」
すっと息を吸い込む
「先ずは・・・ごめんなさい。早とちりや不注意の所為でマグナさんに迷惑を掛けてしまいました」
膝の上に組んだ手に、ぎゅっと力が入っている
「それと・・・今更なのかもしれないけど、やっと・・・自覚した事を言わせて貰います。
―私は貴方の事が・・・大好きです」
一息に言い切り、片手で胸を押さえる。マグナが眠っているのも分かっているはずなのに鼓動は既に
早いものへと変わっていた。・・・と
「俺も、君の事が好きだよ」
膝の所にあった白い手をマグナの手がぎゅっと握っていた
「え・・・!? マ、マグナさ・・・」
慌ててマグナの顔を見ると軽く微笑み、上体を起こす彼の姿。
突然の事にカイナは熟れた果実のように顔を紅潮させ目を白黒させる。
「いいいいいいつ・・・から?」
「そうだな・・・カイナとアメルの会話の終わりごろからかな?」
「そ、そうですか・・・。傷は痛みませんか?」
「アメルの癒しの力かな? 多少違和感はあるけど・・・」
マグナが胸に巻かれた包帯を擦ってみせる
「銃弾は貫通していましたから・・・そのお陰で治療は楽・・・」
カイナはその後の台詞を紡ぐ事ができなかった
彼女の身体はマグナの手で絡み取られ、身体へと抱きかかえられていた。
「マグナ・・・さ」
369 :
光風霽月:03/10/28 21:00 ID:lxGpilEG
「怖かったんだ」
ぎゅっと、カイナを抱く手に力が篭る
「あのまま、誤解されたまま・・・君がいなくなるかもしれないかと思った時には身体が動いてた」
「それは・・・それは私だって同じです。撃たれた貴方を見て・・・ネスティさん達がいらしていなかったら
正直・・・正気を保てていたか分かりません」
そのままカイナはマグナに寄りかかる。
「カイナ・・・もう暫く、このままでいいかな・・・」
「・・・はい」
「カイナ・・・」
マグナの手がカイナの髪を撫でる
「・・・はい?」
「・・・キス・・・していいかな?」
「・・・はい」
窓から月明かりが優しく、部屋へと降り注ぐ。
青白い光に照らされベットへと横たわるカイナの姿は神秘的で綺麗だった
(明かりを消したは良いけど、あまり意味はなかったかな)
恥ずかしいので部屋の明かりを消して欲しいと言うカイナに従ったのは良いが寧ろ今の方が
はっきりと彼女を確認する事ができている。
「・・・・・・」
当の本人は緊張の為、そんな事はすでにどうでも良くなっているようではあるが。
「カイナ、着痩せするタイプだよね」
「ん・・・ふあっ」
形の良い乳房を両手に納め、撫でるようにしてマグナは手を動かしてゆく
乳房を弄ばれがらも指でぷっくりと勃った乳首を刺激され、その度カイナが甘い声を上げた。
「ああっ・・・や、駄目です・・・そこ・・・はっ」
そんな彼女の様子に、マグナの愛撫は弱まるどころかその度合いを強くしてゆく。
今度は口に含むと、乳首を軽く甘噛みしていた
「やあ・・・っ!? あああああっ」
ベットに横たわったカイナの身体が仰け反り、ビクビクと痙攣する。
370 :
光風霽月:03/10/28 21:02 ID:lxGpilEG
(ひょっとして・・・もうイっちゃったのか・・・?)
マグナ自身としてはまだ、ほんのさわりにしか過ぎなかっただけに少々動揺していた。
もっとも・・・だからといってその手が休まる訳ではないのだが。
「凄いな・・・こんなに溢れて・・・ぐちゃぐちゃになってる」
「だって・・・それはマグナさんが・・・」
「だっても何も。確かに弄ってるのは俺だけど、反応してるのは・・・カイナだろ?」
「きゃふっ!?」
口での胸への愛撫を続けてたまま、空いた手が軽くカイナの陰核をなぞっていた。やはり過剰なまでに
反応し、嬌声を上げるカイナ
(駄目・・・マグナさんが、マグナさんが触っているって思っただけで頭が・・・真っ白に・・・)
マグナの愛撫一つ一つに反応し、声を上げ、秘口からは愛液が溢れ出る。
シーツにできた染みはその大きさをみるみる広げていった。
「はぁーっ・・・はぁーっ・・・はぁーっ・・・」
度重なる愛撫によってカイナはぐったりとし、その息も荒い。
(これだけ濡れてれば・・・平気かな)
「カイナ・・・」
虚ろな目をしていたカイナだったが、マグナに呼ばれ彼の怒張を見てその意識を取り戻していた
(私を見ていて・・・あんなに大きく、波打ってるんだ・・・)
不思議と、恐怖は沸かなかった。
「マグナさん・・・早くいらしてください。これ以上されたら・・・私、おかしくなってしまいます」
自ら誘うような言葉を吐いている事にカイナは驚く。しかしそれだけ自分が素直に慣れているという事に
対する驚きのほうが大きかった。
「分かった・・・それじゃ、いくよ」
「はい。あ・・・んんんっ!」
自らの身体に熱いものが侵入してくる感触。そして一息に何かが突き破れる感覚と痛み。
自然と、シーツを握る手にも更なる力が篭ってゆく。
「カイナ・・・大丈夫?」
心配そうにカイナを見下ろすマグナ。カイナはそこで初めて、自らが泣いている事に気付いた。
「大丈夫・・・大丈夫です。確かに痛いですけどそれ以上に嬉しく・・・てっ」
371 :
光風霽月:03/10/28 21:03 ID:lxGpilEG
シーツを握っていた手を放し、マグナの頬へと両手をあてがう。
「平気ですから・・・動いて下さい。もっと、もっとマグナさんを感じていたいんです」
多少ぎこちないながらもカイナは笑いかけてみせた
「カイナ・・・」
彼女の気持ちに応えるかのように、マグナは注挿を開始する。最初は彼女の身体を気遣いながらゆっくりと
動いていたが、最初からかなり濡れていた事もあって締め付けは強いものの楽に動かす事ができた。
「んふ・・・あっ・・・あああっ」
数分も経たないうちにカイナの口からも嬌声が漏れ出す。愛撫の時にも思ったことだったが
素質があるのかな・・・などと下世話な想像がマグナの頭を過ぎる。
マグナに身体を委ねきりだったカイナも、何時の間にかくねくねと腰を動かし快楽を貪っていた。
動きが激しくなった分、肉と肉がぶつかり合う音もより大きくなり
ぱんぱんという音とちゅぷちゅぷという音が室内を満たしてゆく。
「や・・・? マグナさんっ・・・マグナさんっ・・・!」
「く・・・カイナっ」
マグナの腰が奥まで突き出されると同時に熱い飛沫がたっぷりと放出されてゆく。
「あ・・・ああ・・・あ・・・熱いです」
ぬぷりと抜かれた肉棒からは未だに白濁液がトクトクと飛び出しカイナの肌に降りかかった。
こぽり、と苺色の混じった精液が秘口から溢れ出た。
「カイナ・・・」
「あっ・・・」
絶頂の快感冷めやらぬカイナの身体をマグナが抱き上げる。
「もう一度・・・ね?」
「はい・・・」
マグナに誘われるがまま、カイナは再び彼と口付けを交わしていた。
「まったく・・・君は油断しすぎだ」
「そう言うなよネス・・・咄嗟だったんだからさ」
「君は馬鹿か? そこで狙撃者を倒してこその召喚師だろう? そもそも―」
反論の隙もない程速射砲のように説教を続けるネスティ
「ネスティも素直じゃないわよね。一番心配してたクセに」
372 :
光風霽月:03/10/28 21:04 ID:lxGpilEG
「そう言わないの、ミニスちゃん。あれも一つの愛なんだから」
「まあ分からなくもないけど・・・」
「あら・・・?」
何とか言い訳をしようと会話のタイミングを伺っているマグナの様子を楽しそうに見るカイナ。
その髪に付けられていたかんざしにケイナの目が向いていた
「カイナちゃん・・・それちょっと壊れてるけど、いいの?」
「ああ、御姉様。これはこれで良いんですよ」
大事そうにかんざしに触れ、笑ってみせるカイナ
(このかんざしは、二人の絆の証ですから・・・)
縁とは複雑なものである。常に絡み合い、一方向にのみは伸びていない。
数多くの可能性があり、人々はその一つ一つを手繰り寄せ進んでゆく。
マグナとカイナが出会ったのもまた・・・偶然の積み重ねの一つなのだろう
(なればこそ・・・トウヤさん、カシスさん・・・これも貴方達のお陰ですかね)
届くはずが無い。そう分かっていても
サイジェントにいるであろう彼等に、カイナは感謝の意を向けた。
―一方サイジェント
「だから、どっちにするのかって聞いてるの!」
「いや聞いてるも何も・・・俺はアカネの事が」
「黄泉の瞬きっ!」
ぼうぉぅぉーん、どどむっ
「がふっ・・・!?」
「よく聞こえなかったんだけど・・・もう一度言ってくれる?」
「むむーっ! むむむーっ!」
「黄泉の瞬きっ!」
ぼうぉぅぉーん、どどむっ
「さあ、どっちになの・・・?」
(いっそ殺してくれ)
攻撃的な相方を持ったのもまた・・・縁なのであろう
>>218の続きです。短いです_| ̄|○
個人的には間にギャグのみだろうが挟まってくれたほうが
書き易くなる気がするんですが・・・
まあ、へちょ書き手の一意見ですんで(´・ω・`)
>>373 グッジョブ!カイナは柔らかそうで抱きごこちがよさそうだ。
そうだね。全体が上手くまとまっていればギャグのみのパートもあってもいいような気はする。
真面目な雰囲気だけでずっと書き続けるのも難しいし。
…だけどそれにも限度があるという事かなあ。
でもシリアスの中にいきなりギャグを入れるのも不自然だし、やっぱり書き始めたら
内容がほとんどギャグか、シリアスだけかのどちらかになってしまう。
>>373 GJ!マグカイは初めて見たカプだけど面白かった。
>>374 内容がほとんどギャグかシリアスのどちらかになるって意見には納得。
だからこそ書き手さんにはギャグ書く時の限度や話の長さ、エロとの分配とかは考えて貰いたいかな。
シリアス長編物は話で読ませる物が多いのに対してギャグは勢いが先走って話や文に
甘さが目立つ物も多いし。個人的には上で出てた非エロはともかくちゃんとエロが入った話
ならギャグでもメル欄に一言打ち込んでおけばOKというのは賛成かな。そしたら嫌な人もスルーできるだろうし。
>ギャグは勢いが先走って話や文に甘さが目立つ
そう、これなんだ。
もともと文章力はアレだが、自分の投下したギャグSSを横のバーでスライドしながら
流し見をしてみたら、元の出来以上にヤバイくらいにヘボく見える…。
そう言えば、2スレ目にいた同人うpの人もういないのかな?
当時はアク禁喰らってたみたいだけど。
漏れ、あの人の書いたヤツをもう一度読みたい。
>>375 そのへんは作家技量しだいだろ
うまく両立してる神もたくさんいる
漏れとしてはおもしろくもないシリアス長編物をだらだら読まされる方がよほど苦痛
まあスルーするがな
まあ、自分を投影した最強オリキャラがでてくるのに比べれば、ここのどんな作品もマシだよ。
どうやら此処にはギャグ苦手な人やシリアス長編物が苦手な人もどちらもいるみたいなんで
投下の一番最初のカキコ分だけでもいいからメル欄に「ギャグ」や「長編物」と入れてみては
どうだろうか?と提案してみる。もしくはタイトルに前編・後編を入れるとか。
作家さんの負担になるならこのまま無視しても構わないが読む前にそれが分かってれば
苦手な人はスルーできるから文句も出なくなるんじゃないかと。
>>380 それは俗に言う夢小説というやつか…?
この話題を引っ張る必要があるのか?
なんの目的も持たずに持論を宣うだけじゃ良い方向には進まんぞ。
せめて自分がスレをどういう方向に持っていきたいのか考えた上で議論しる
>>364 それやると誰も書かなくなるよ。
SSを投下する前に説明を投下するのは駄目か?
そうやっている神もおられるが。
メル欄だと確認しないヤシもいるんじゃないかと。
でも、そういう説明があると読む気が失せるもんかな?
>>380 ドリーム…ガクガクブルブル((((゚д゚;))))…
ドリームと言えば、リンカーが完全にオリキャラ(あの4人ではない)
になってる小説見た。
あれよりは遙かにいいと思う。
>>381 >>383 というか、問題とされてるのはそう言うことじゃないぞ。
スレ全体の流れとか在り方とか、そういう話。
そもそもギャグかシリアスかなんて少し読めばすぐ分かるだろ。
その程度の労力も惜しむヴァカは放置
そうだね。スマソ。
>>382を読む前に投稿してしまったよ。
漏れもこのスレ好きだからよい方向に行くのを期待してる。
とりあえず…
>>373 グッジョブ!!!
投下前か後に2,3行でいいからカップリングや内容(ギャグ/シリアス/鬼畜/純愛)とか書くのは賛成。
>>385 シリアスに見せかけて最後で落とすギャグだってあるだろ?
(だから”投下後に”も入れたんだがな)
>>385 確かにギャグかシリアスか、どんな雰囲気(鬼畜、純愛)かなんて少し読めばわかること。
それすら面倒なら先にオチのところを見て短編シリアスでこれなら読める、とでも思ったら読めばいいよな。
文句言うなら読まなければいいし。
分かってるとは思うんだが、むやみやたらに規則作ると確実に寂れるぞ
>>387 ん?
シリアス装ったギャグなら「これはギャグです」なんて書けるわけがないが。
投下後にとか意味わからんし。 なんの効果があるんだよ。
激しく話題が変わって申し訳ないが。
>>376 何だかもう一人の自分が書いた様な意見で激しく共感してしまったYO!
幾ら面白かったと言われようとも後で自分で流し見してみると思わず声を上げてしまう位に
ヘボく感じてしまう切なさみたいな…。勢いはあっても後で見ると展開が強引だったり
文に結構粗があったりして鬱に…。他にもこういう人間がいて安心した。
ギャグの文章が甘いって…読んでるだけの人間が何様のつもりだ?
っと言葉足らずだった。
当然文章の甘さを指摘するのはいい事だろうが、自分の好みだけで推し量るのはどうかとも思う。
そろそろこの話題終わりにするべ。
>>375が書き手ではない保障はどこにもないし。
もしかしたらここでギャグとシリアス両方書いたことのある人で自分の作品も含めて全体的
な物見て
>>376や
>>390な様な事を薄々感じていたのかもしれないし。
それでも文章センスの良し悪しの選別はよっぽど目が達者な人でない限りは個人の好みの
範疇だとは思うが。
とゆーか、何時までも引っ張っても仕方ないしここは大人しく神の降臨を待とうじゃないか。
え?流れを切る為にも自分で書けって?(´・ω・`)
>>393 ささ、書きまっしょい
文章のアラとかは投下した後で気付いて凹む事は多々ありますな。
叩いてくれとまではいかないけど、此処をこうすればもっと良いのでは程度に
アドバイスが貰えると書き手としては嬉しいかも。
このカプ好かん、とかはどうにもならんけど
ともあれレックス×ミスミ投下しま
395 :
意気軒昂:03/10/29 09:56 ID:gB69CSc1
今日も空が青い。鳶がくるくると旋回を続ける様を見ながら緑茶を一啜り
「のどかじゃのう・・・」
「ええ、まったくです」
屋敷の縁側でゲンジとレックスは平和を満喫していた。
「しかし若造。お前さんの正座姿も大分サマになってきたの」
「はは・・・」
風雷の里で暮らすようになってから少しずつではあるがレックスは
シルターンの習慣を身につけるようになっていた。正座もまたその一つである
「そういえば・・・奥方は何をしておる?」
「ああ、確か倉で色々処分してるはずですよ」
「なんじゃ・・・お主、手伝いもせんでワシの相手をしておったのか?」
「いえ、俺も手伝おうとしたんですが・・・春画なんかの処分はわらわに任せろと押し切られまして」
「春画・・・スバルが見た奴かのう」
少々前に起きた事件の発端が、リクトの残した春画だったというのは
ベソをかいていたスバル本人の談である。
「で、御老体と話でもして待っていろ・・・と。個人的には興味があったんですが」
「ふむ・・・まあリクト殿との思い出の品が多いだけに、一人で作業したいというのもあるんじゃろうな」
「まあ、ゆったりとお茶でも・・・」
と、レックスの目つきが鋭くなり庭の方に降り立った
「む・・・どうした?」
「倉から妙な魔力の動きが見えます。これは一体・・・?」
レックスが危惧から、足を倉へ向けようとしたその時
「きゃ―――っ!」
「な・・・!?」
「奥方の悲鳴・・・!? 若造!」
ゲンジが声を掛けるよりも早く既にレックスは駆け出していた
埃がもうもうと入り口から溢れ出る倉へと、躊躇せず突っ込んでゆく。
「ミスミっ、大丈夫か!?」
「・・・その声、レックスか。わらわはここじゃ」
甲高い声。レックスは思わず首を傾げる
396 :
意気軒昂:03/10/29 09:57 ID:gB69CSc1
「ミス・・・ミ?」
薄暗い倉を進むレックス。と、足元の違和感に目を凝らす
(着物・・・しかもミスミのじゃないか)
「おお、良く来てくれた」
くいくいとズボンの裾を引っ張られ、レックスは視線を落すと
「・・・・・・」
「どうした?」
そのままの姿勢で凍り付いてしまった。
「御主・・・そんなに背が高かったかのう? む、なんじゃこのぶかぶかの着物はっ」
そこにはミスミ様の面影を残した、小さな少女が佇んでいた。
「・・・で、ミスミ様じゃ飽き足らずそんなょぅι゛ょを連れてきて何の話があるっていうの?」
「開口一番、何を言い出すかな・・・」
「飽き足らずも何も、わらわはミスミ本人じゃアルディラよ」
集いの泉に集まった面々に動揺が浮かぶ
「おいおい・・・確かに言われて見りゃあ、面影はあるが・・・」
「何でこんな風にちっちゃくなっちゃったですか?」
小さいとは言ってもマルルゥよりは遥かに大きいのだがミスミ様の体躯は丁度人間で言う所の
10歳程度の状態になってしまっていた。流石に普段使っている着物では身体が入らないので
今はスバルの着物を着ている。スバルと背もそう変わらないので、並んで立っているともはや
姉弟と間違われてもおかしくはないだろう。
「それがのう・・・わらわにもよく分からないのじゃが、この時計に触れた途端光が発散されての。
で、気付いてみたらこのザマじゃ」
可愛らしい声でまくしたて、古い懐中時計を皆の前に見せるミスミ様
小さな手には少々大きい銀細工の時計は年代物らしく、今はその針は動いていない
「ん・・・こいつは」
「どうやらメイトルパの召喚術が作動するようになってたらしいっていうのは分かったんだけどね。
俺だけじゃそこまでだったから皆に助力が頼めないかと思ってさ」
「―これは憑依召喚を応用した時間退行用のアイテムね」
どこか懐かしい、といった様子の眼差しを時計に向けたアルディラが応える。
397 :
意気軒昂:03/10/29 09:58 ID:gB69CSc1
ヤッファ辺りが分かるだろうと思っていたレックスはやや驚くが、道具の危険性の方が気になっていた。
「退行・・・って、鬼でこうなんだから人間が使ったらそれこそ胎児とかまで戻っちゃうんじゃ」
「いえ。召喚獣―まあこれはクロックラビィの亜種なんだけど、そっちが憑依する前に対象の
種族を判断してるからミスミ様みたいに一定の年頃にまでしか退行しないわ」
「成る程・・・」
「どうでも良いがアルディラ、なんで融機人のお前がメイトルパ専門の俺より早く分かっちまうんだ?」
憮然として言い放つヤッファ。多少悔しそうである
そんなヤッファにきょとん、とした眼差しを向け
「何でも何も・・・これ多分、あの人―ハイネルがリクトに贈った物よ?」
そんな事を言った。
「ハイネルさんが・・・リクトさんにだって?」
「どういうこった?」
「昔よく私にこれを使って『眼鏡ょぅι゛ょハァハァ』って夜な夜なプレイしてたもの」
「・・・・・・」
場が硬直する
「懐かしいですねぇ。あの時はよく混ぜてもらって3人で楽しんだんですっけ」
「やあねえ、ファリエル。私は貴方が言うほど楽しんでなかったわよ。変な性癖に困ってただけ」
「いーえ、姉さん。覚えてますよ・・・あの時一番声を上げてたのは姉さんです」
「そんな事ないわ・・・それは貴方の方でしょう?」
ハイネルさんの性格が良く分からなくなってきた・・・とげっそりした顔で落ち込むレックスの顔に水滴が
落ちてきた。晴れてるはずなのにと上を見上げるとフレイズが泣きながら集落へと飛び去るのが見える。
流石にショックだったのか、飛び散る涙で虹までができている
(でも、これをネタに一発妄想にふける気なんだろうな・・・フレイズ)
「ま、まああれだ・・・多少憑依が強力だから祓いの儀式は効かねえかもしれねえが、憑依術ってのはどんなに強力なものでも一日が限界だからな。ほっときゃ直るだろ」
「そっか。ひとまずは安心だね、ミスミ」
「ふむ・・・一日はこの格好か。ならば逆にこの身体を生かさねば損というものじゃな。スバル!」
「何? 母上」
398 :
意気軒昂:03/10/29 09:59 ID:gB69CSc1
「今日はわらわは幼少に戻ったつもりで思い切り遊ばせて貰う所存じゃ。御主らの仲間に入れてもらうぞ」
「そういう事ならおいら達にまかせてよ! マルルゥ、パナシェも呼んで蓮飛びして遊ぼうぜ」
「いいですね。早速いきましょう」
声を掛ける間もないまま、小さくなったミスミ様はスバル達と一緒に里へと駆けていってしまった。
はしゃいだ彼女の姿はどうみても歳相応の少女でしかない。
「行ってしまわれましたね、御館様」
「まあ・・・童心に還って遊ぶ事ができてるみたいだからミスミには良かったかもね」
「そうですね・・・ああして親子水入らずで遊ぶ機会はそうそうないでしょうし」
「さて。キュウマ、少し手伝ってくれるかな? 倉にまだ他にもややこしい道具が残ってるかもしれないし・・・
春画もさっさと処理しちゃいたいからね」
「御意に」
「そういう事なら俺も手伝うぜ」
「あれ・・・ヤッファにしちゃ珍しいね」
「ほっとけ。ただ此処に居るといい加減、おかしくなりそうなんでな」
「・・・ああ、確かに」
「早く参りましょう」
苦笑しながら引き上げてゆくレックス達を尻目に、アルディラ達の話はさらにその危険度を増していた
「だから・・・あの人は縛るのも結構好きだったわよ。五日に一度は私を縛ってたし」
「え?・・・でも三日に一度は自分を縛らせてませんでしたっけ?」
「ふう。遊んだ遊んだ」
「しかしまあ・・・良く体力が持ったもんだね」
夜更け。湯浴みも済ませさっぱりとしたミスミ様はぼすん、と己の布団へダイブしていた。昼間のうちにレックスが外に日干しにしていた所為か良い香りが鼻腔をくすぐり、何ともいえぬ心地よさをミスミに与える
「ふふ・・・体力自体は大人のままだったようじゃからな。最近少々運動不足かと思っておったがまだまだ、子供には負けておらんかったらしい」
布団をごろごろと転がるミスミ様を楽しそうに見つめるレックス。
隣の部屋では筋肉痛にうなされたスバルが眠っている
ミスミに付き合わされた結果がこれである。マルルゥやパナシェもまた似たような状態なのだろう
御疲れ様・・・とレックスは軽く同情の意を寄せた。
399 :
意気軒昂:03/10/29 10:00 ID:gB69CSc1
「さあ、明日も早いんだからもう明かりを消すよ?」
「むう・・・わらわとしてはまだ少々、遊び足りないのじゃが・・・」
ぶすっとした表情のミスミ様に構わずレックスはさっさと明かりを消してしまう。
「ああっ、趣の無い奴めが・・・」
「はいはい」
部屋が漆黒に包まれてからも尚、文句を言っていたミスミ様ではあったが暫くするとそれは整った寝息へと
変わっていった。流石にミスミ様もまた疲れていたのだろう。
(まあ・・・何だかんだ言ってそれなりに楽しませてもらったかな)
ハイネルさんも妙な物を作ったものだよな・・・と考えながらレックスの意識もまた混沌へと沈む
(・・・・・・ん?)
レックスは何かが自分の布団の中で蠢くのを感じ、目を覚ましていた
意識が混濁しているのと身体の感覚から、眠ってからさほど時間が経っていない事を自覚する。
(一体何が・・・)
ふと視線を隣の布団へと向けると、そこにはあるはずのものがない
「・・・・・・」
無言のまま布団をめくってみる。案の定そこには
「ミスミ・・・何やってるんだ?」
「あ、いやな・・・その・・・あはは」
照れくさそうに頬を掻いてみるミスミ様の姿があった
「で・・・どうしたんだい? 俺の布団に潜り込んだりして」
「それがのう・・・体躯が小さくなってしまった所為か、どうにも普段の布団では大きすぎてかなわん。
それで落ち着かぬものじゃからつい、お主の布団にな」
「それだったら、起こして言ってくれれば良いのに」
「ばっ・・・馬鹿者。一緒の布団で寝てくれなどと言えるものか」
顔を赤くし、ぺちぺちと胸板を叩いてくるミスミ様。大きかろうと小さかろうとこの辺りはやはり彼女らしい
「一緒の布団で寝てくれも何も、しょっちゅうそれ以上の事をしている気も・・・」
「や、やかましいやかましいっ!」
ミスミ様の顔が更にその赤みを増す。この顔を見る度、レックスは彼女を虐めたくなるのだった。
「で、結局俺は一緒に寝たほうがいいのかな・・・?」
400 :
意気軒昂:03/10/29 10:01 ID:gB69CSc1
「ぐぬ・・・っ」
笑いかけてみせると、今度はミスミ様は黙り込み困ったような表情をみせる。
「く・・・頼む」
(勝った・・・)
心中でそう呟きながらも、ミスミ様を抱き寄せ布団をかけ直した。
互いの息遣いだけが褥に木霊する。
(・・・・・・いかん)
珍しくレックスは動揺していた
結婚してからというもの、常に同じ部屋で眠っていたし睦み合いを繰り返してはいたのだが
このように一緒の布団でただ眠る、という機会は少なかった。その為か柄にも無く妙に興奮している
(おいおい・・・だからって今のミスミは・・・)
ちらり、とミスミ様を見てみる。幼い体躯を折り曲げすやすやと眠るミスミ様。着物が少々着崩れている為
小さな桜色の乳首が間から覗いて・・・
(ううっ・・・)
―ょぅι゛ょに反応してどうするよ
自らの愚息がみるみる硬質化していくのを考えながら頭を抱え、身悶えるのを必死でこらえる
取り合えず明日の夜まで堪えなければ・・・そう考えるレックスの下半身が妙に生暖かい
小さな何かに先端を刺激されるというのはこんな感覚ではないのだろうか。こうねっとりと・・・
(・・・ねっとり?)
再び、今度は自らの布団を取り去ってみる
「・・・何をしてるんですか・・・?ってまあ、見たままだとは思いますが」
「んぷ・・・?」
亀頭を包んでいた口を解き放ち、あどけない表情に疑問符を浮かべてみせるミスミ様。その口と肉棒の間に粘液の糸が延び今のミスミ様の容姿とのギャップがどうしようもなく妖艶に感じさせる。
「口淫だと思うのじゃが」
「まあそうなんだけど・・・くあっ、舌を這わせないでくれるか?」
「何じゃ、何がいけない?」
困ったような顔をしながらもあくまでもその手は肉棒を上下に擦る事を止めない
「いや・・・だって今のミスミはょぅι゛ょそのものなわけで」
ふっ・・・とミスミ様は笑うと手淫を止め、立ってみせた
401 :
意気軒昂:03/10/29 10:02 ID:gB69CSc1
「ほれ・・・」
「・・・っ」
しゅるしゅると着物を下へと落すミスミ様。薄暗い部屋の中、華奢な裸体が外気に触れる。
その未発達の身体・・・その太腿を透明な液がつたい流れていた。
「わらわとて・・・流石に抵抗はあるがのう。だがそれ以上に、興奮してしようがないのじゃ・・・ほれ、今もこのように留めなく雫が溢れ出ておる。・・・ひょっとして、お主もそうなのではないか?」
くすりと笑ってみせるミスミ様の顔を見た所でレックスの理性の箍は瓦解していた。
「ん・・・んぷ・・・あふ・・・流石に全部は・・・入りきらんかの」
レックスの肉棒をその小さな口で含み、くぷくぷと出し入れする。その口ではやはり亀頭の少々下までが限界なようで、その分巧みに舌と手を使い愛撫を繰り返す。
「無理はしなくていいよ・・・しかし、毛一本生えてないな」
「そういう事を言う出な・・・きゃんっ!?」
愛液の溢れ出る淫口へとレックスは指を侵入させ、肉壁を掻き回す。その度雫はその分泌量を増し
レックスの厚い胸板にぽたぽたと滴り落ちる。
「成る程ね・・・身体は小さくなってても、感度は変わらない、と」
「んぷあっ・・・やは・・・そこ・・・弱・・・っ!?」
愛液でヌルヌルとした指の腹を使い、陰核の皮を剥き直接くりくりと刺激を与える。流石にこれは強烈だったのかミスミ様はその口を解き放ち嬌声を上げる。
そのままビクビクとニ、三度痙攣するとかくりと腰を落とした。
「くは・・・あ・・・はぁーっ・・・はぁーっ・・・」
「どうする? ここでやめておくかい?」
「ば、馬鹿を申すな・・・良人を満足させてこその妻というものであろうに」
「分かったよ。それじゃ・・・よいしょっと」
「きゃっ・・・!?」
ひょいっと、ミスミの両の太腿を掴み抱きかかえるレックス。幼い秘口が大きく開かれ、露になる
「こ、このような格好・・・」
「まあ普段ならちょっと大変な体位だけどね。今は軽いから楽々・・・」
「む・・・わらわが重いと申すか?」
「いや・・・そういう訳じゃないけど。それはともかく・・・いくよ」
肉棒がじぷじぷと小さな秘口に沈んでゆく。ミスミ自身の体重もそれを助ける為、みるみる肉棒は奥へと
誘導されていった。
402 :
意気軒昂:03/10/29 10:04 ID:gB69CSc1
「く・・・か、はっ・・・」
「流石に・・・凄い締め付けだ」
(普段以上に・・・大きく感じる・・・っ・・・擦れて・・・っ)
「・・・動くよ?」
「ちょっ・・・待・・・んあああっ・・・やはあああああっ」
レックスが腰を突き上げた。それだけ、それだけの動きであったはずなのにミスミの脳が白濁する
軽く絶頂にも達してしまったのだがそれにはお構いなしといったようにレックスはピストンを開始した
「ああああっ、凄い・・・っ膣が擦れて、頭・・・白・・・」
「くあ・・・」
二人とも、感じている刺激が強いのか言葉が紡ぎ切れない。
その代わりなのか、腰の動きは激しくなり室内に水音を撒き散らす。
互いの荒い息遣い、嬌声、接続部から生み出される粘着質な水音
そして異常なまでの興奮が絶頂へと二人の身を誘導していく。
「やあああっ、も・・・駄目っ、いく・・・いってしまうっ・・・!」
ミスミ様の身体がガクガクと痙攣し始める。と同時に膣が収縮し肉棒を締め上げた。
「ぐあ・・・うおおおっ!?」
獣のような声を上げたまま、レックスは思いの滾り全てをミスミの肉壷へと解き放った
「んふああ・・・あああああああああああっ」
身体が大きくびくん、と震える。
一拍置いて脱力したかのようにミスミ様の両手がだらんと垂れる。
「く・・・ふっ」
レックスの肉棒が引き抜かれると、入りきらなかった白濁液がぼたぼたと布団へと零れ落ちた。
403 :
意気軒昂:03/10/29 10:04 ID:gB69CSc1
翌日。学校へ向かう道すがら
「ヴァー」
「どうしたの? 父上・・・嬉しいんだか絶望してるんだか良く分からない顔して」
「いや、気にしなくていいから」
「・・・?」
首を傾げるスバルを尻目に溜息をつくレックス
(まさかょぅι゛ょであんなに興奮するとは・・・結局何度したか覚えてないし)
魔剣の持ち主になると性癖まで一風変わったものになるとでも言うのか? と自問自答してみる。
ミスミ様はミスミ様で昨晩の睦み合いがえらく気に入ったらしく、アルディラに例の時計の使い方を
教わりに出掛けてしまった。駄目だったらヤッファの所へも行きかねない勢いであった
(ミスミもまあ・・・気に入ってたみたいだし結果オーライなのかね)
―とは言うものの、縛りを入れてみようなどとミスミ様が言い出したらどうしよう
そんな七割の不安と三割の好奇心を振り払い、今日も授業にいそしむレックスだった。
エロ有。否シリアス・・・って所です
定義付けはしにくい_| ̄|○
エロ描写はもうちょっと長めの方が良いのですかねぇ
ぐっどじょぶ・・・・いい仕事っす・・・
ょぅι゛ょときましたか・・・
グッジョ!何時もラヴラヴな夫婦に萌えさせて貰ってますがまさかょぅι゛ょでくるとは…。
アルディラ、ハイネル、ファリエルの関係にワラタ
GJ!
ょぅι゛ょミスミ様(;´Д`)ハァハァ
ょぅι゛ょアルディラ想像して(;´Д`)ハァハァ
話はSNに登場したキャラのみで書くこと。
あまりオリジナルキャラを出したりするのは好ましくないと思いますから。
オリキャラを出すなら個人サイトでお願いしたいです。
次に、内容はオリジナリティのあるもの。
これは当然ですかね?
自分で考えた「とある話のその後、その前」みたいなのは結構好評だと思います。
ED後の話や、印象深かったあのシーンの前にあのキャラは……!などなど
毎晩1時間弱しか時間がない自分としては、読む時間のかかるSTORYって言うのはやっぱりきついんで(苦笑
小説とかは好きなんですけどねv
ちょっと画面をスクロールさせたくらいで終わるくらいのSSは読みやすくていいですw
>>408 なに命令してんだよ
おまえ偉そうだぞ
このスレはおまえのスレか?
このスレにオリキャラが出張ってたりオリジナリティが無くておもしろくないSSがあるのか?
せっかく神が降臨して荒れたスレが復興しようとしてる時になんで話を蒸しかええそうとする
少しは空気嫁
>>408 本気なのか釣りなのか煽りなのかどっかからのコピペなのかは知らないがむやみやたらに
規則作れば神は去っていく一方なんだから少しは寛大な心で見ようや。
自分の好みに合わない話はスルーすればいいだけの話なんだから。あと言い方も考えような?
職人さんは書き手の好みに合わせるより自分の書きたい話を書きたいように書くのが一番いいと思うし。
411 :
410:03/10/29 22:51 ID:jqEMRq3T
書き手の好みじゃなくて読み手の好みだたよ…_| ̄|○
あ、あと釣られてスマソ。スルーするべきだったか…?
412 :
長井秀和:03/10/29 23:03 ID:Q3OQIjyD
>408は21歳未満だ。間違い無い。
確信は無いが間違い無い。
>>408 いきなり出てきて仕切りだすな。
時間がないなら休みの日にでもまとめて読め。
つか、オリキャラってアンタ
まぁ、最初の三行だけはこのスレ住人の大半が同意だとは思うが
落ち着いてきたと思ったらまたこれだ…
408が何のつもりかは知らんが同じようなことを何度も蒸し返されるのは不快だな。
いくつか読んでみたが・・・正直面白いとは思いませんでした。
インターネット上にSSを載せるのであれば、しっかりと内容を練り、
文を推敲し、公衆の眼前に出しても大丈夫だと判断してから投稿してください。
なんだか、「思いつきで何となく」載せたような気がします。
違っていたらスイマセン
なんだかひどく批判的な文章になってしまいましたが、これだけ言っておきます。
「自分はSSを否定しているわけではありません!細心の注意を払って投稿して欲しいんです。」
これは、より良いSSを書く上でも大事だと思うので。
SSを書くのはいいけど、読むだけの側としては良い作品を読みたいです
ごめん、思いつきでなんとなく載せてます。
419 :
名無しさん@ピンキー:03/10/30 00:03 ID:hOm2xl8c
絵描き板のURLはって
釣り確定だな
みんなスルーしる
このスレの住民優しすぎです。
各自、放置という言葉を100回書き取りするように。
次の神の降臨を(;´Д`)ハァハァしながら待ちましょう
ごくごく個人的にクノンタン待ち(;´Д`)ハァハァ
423 :
419:03/10/30 00:13 ID:hOm2xl8c
いや本当にすまん
sage忘れてた。。
てことで
貼って
そんなつもりは無いのに、いきなり否定されると、
「オマエが書けや」な気分にもなる。
…何様だよ。俺もオマエも
それじゃあ便乗してごくごく個人的にスカーレルタン待ち(;´Д`)ハァハァ
とりあえず書き手さんは、読み手に合わせて読んでもらえる話を無理して書く必要なんてないよ。
各々書きたいものを書いてくれればいい。
読み手はその中から自分の読みたいものだけを読めばいい。
ファリエルタソの憑依プレイ待ち(;´Д`)ハァハァ
ベルタソの言葉責めしながらの手コキプレイ待ち(;´Д`)ハァハァ
ハヤトとリプレのハァハァSSキボンヌ
何度も読んでみたが・・・正直21歳以上とは思いませんでした。
2ちゃんのエロパロ板上に意見を載せるのであれば、しっかりと内容を練り、
文を推敲し、公衆の眼前に出しても大丈夫だと判断してから投稿してください。
なんだか、「思いつきで何となく」載せたような気がします。
間違いないでしょうがスイマセン
なんだかひどく厨臭い文章になってしるようですが、これだけ言っておきます。
「自分は408を否定しているわけではありません!細心の注意を払って投稿して欲しいんです。」
これは、より良い意見を書く上でも大事だと思うので。
批判や意見を書くのはいいけど、大人としてはきちんと筋の通った意見を読みたいです
もしかして、431タンはアリーゼタン?
21禁板でアリーゼタンみたいなょぅι゛ょになじられるなんて、
なんて苛烈な素敵体験!そこに痺れるあこがれるゥ!
さて寝るか。
アリーゼたん、21禁板なんかに来たらあゃしぃお兄さん達に
(;´Д`)ハァハァされちゃうから
厨房板に帰ったほうがいいYO!!!
漏れも寝るわ。
_,,..、-―-- .,
,..-''" `ヽ
三|三 ,. '" _,,... - __ ヽ、
>>1 イ `< / ,..=-‐''~ ̄_ ~'''- 、 ヽ
 ̄ , ′ /,,..-'''"~ ̄::: ̄~'''-ヽ, ヽ _|_
∧ / ,、'7:::,:'//:::,:´/∧::、:::゛,:::::ヽ、 ゙', |_ ヽ
/ \ / .......//,:///!',:://// ',:::!!:::!i::::ヽ:, ...゙, (j )
l ........./n,V:;l;j]トi、」ト:{:{ }!}」j:,l!:}:::!l:゙, ...〉
└┼┘ ゛, .......,';「rll:´kr_テ'::「` | ヽノ_」Lメl::;;ll!l:l./ _ヽ_∠
.|_|_| ゛、../ ハ l!::l| 「!-'lj r'::/`/イ,:ノノ |!' lニl l |
__ ,ソ//:::|!:::l!  ̄ '-" ,'::イ!../' l─| l 亅
/ /://::;;ハ::::ll\ _ ' ,,::':::,!l:|
´⌒) ノ:イ/:/;/;;`ヾ、_ ` 、 _ .イ::く;;ノメ!、
-' ,. '"',イ;'::/;/;;;-'"(⌒ヽ ,,_!ヽ、;;;:!:::!::| ヘヽ
_,,-"/..'/:::/;;;-'" !_ヽ/´,,‐''_`、`''-.,,:! ゙';ヽ、
.,-'":;; ',/,,',.-< ゙'〈 '",-'┐ ,,'"ス、 ゙;:、、、
,.-'"::;;/.'/',/^ヽ``、、 ゙, <ノ ノ' / ,ハ, ゙;:'; ヾ、
../"/:;;/ '‐'/,「`ヽ、 ` 、 = __ ゙、 'v'"/`、' 'l ',::', ヾ、
l' /::;'" ,.:';:"/;;! `.ー、~''ーニ.,ハ, ハ'" ヽ, ゙, !::;! ヾ!
!:/ /:/ /:/;ト、 ...゙, | _| \_,ノ::.\= 、._ l ,!、 l::;! ll
!:! ,//' /::/::ハ ',.. ゙',l ,-',-ト、 `'ー-、ヽ, 7./l ト`、, !ノ 丿
'、 // /:/:,/_,,l ゛、.. ゙',. ヽ:Vヾ、、、_ ~///,ノ l;;:',ヾ'
/,' ,!::/!ll`i;;;| ヽ.. ヽ `/: ヽ ニニ‐=/ノr' ,' l;!l,:l 'ヾ;、
,!:! !::l'l:!l::!;;:::ハ ヽ、. ソ' : ........,~7, ,l / !;;!ll!! ヾ;、
435 :
名無しさん@ピンキー:03/10/30 06:39 ID:chQDhg3M
.,∧、 .,∧、
.r-‐i'''''''''''i''''‐-、 .r-‐i'''''''''''i''''‐-、
o| o! .o i o !o o| o! .o i o !o
.|\__|`‐´`‐/|__/| .|\__|`‐´`‐/|__/|
|_, ─''''''''''''─ ,、 / _ |_, ─''''''''''''─ ,、 / _
, '´ ` ‐、 , '´ ` ‐、
/ // ‐ー くー ヽ / // ‐ー くー ヽ
| ! ! ,r(、_>、 .| | ! ! ,r(、_>、 .|
.| ! j ト‐=‐ァ' .| .| ! j ト‐=‐ァ' .|
| ` `二´' | | ` `二´' |
'i _ ノ' 'i _ ノ'
`''─ _ _ ─''´ `''─ _ _ ─''´
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 皇太子さまが 二匹あらわれた! ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
436 :
名無しさん@ピンキー:03/10/30 06:40 ID:chQDhg3M
. -‐- .,. '  ̄ ` . _,.-―- 、__,,....ィ
, ´ ヽ i ヽ '-、
/ \ l , ト 、 ~ヽ.___,,,...,.
/ ` 、‐ ' 'z__ l ,>-‐'' ,/
i 人 l、 ヾ `´ //
/ ,ィ / ヽi ヽ. l、 ,| / /
"i /^ヽ! / !,/ ∧ |,/ | ハj そ 人 パトラッシュ…おじいちゃんは
i l ハ i/ <・> ∧ l/ / ゙ヾ. ヽ、 プレミアマックになれるかな?
゙l. ヽ_ <・>ノ ,.. - ..、 '; !~
/ヽ! ,ィ/ )● ;' ;' ` :, ヽ!
/ _Y ヽ ┣━ /_ ':, ━ ; ヽ,
〃´ ̄ 亠─----;:>- 、. /,,. '; ,, _ ` 、 _ ,,, .. ' ;"
i'´  ̄ __ ,,.. -`<´ ;: '",:' ,:' ` - 、 ,,.. --‐ /
/l ,. - ´ / ヽ`´,. ' ` ~ /l
i ! / / `'`i ,.-‐ 、 , , ,. -‐' |
. l i / l ! ` -: ' ' ィ i
l ! / l \ ,...、__,,.-'' /;' l
| ヽ/ ! `-:イヽ-' / / ;リ
| i ` ~ ´ / ;'
437 :
名無しさん@ピンキー:03/10/30 06:41 ID:chQDhg3M
rー、
」´ ̄`lー) \
T¨L |_/⌒/ ←
`レ ̄`ヽ〈
| i__1
_ゝ_/ ノ
L__jイ´_ )
| イ
| ノ--、 r'⌒ヽ_
ゝ、___ノ二7 /´ ̄l、_,/}:\
|ーi | l_/ /__ィ::. ゝ~_ィ´:; ,ゝ
__〉 { (T´ |1:::. \_>、};;_」
'ー‐┘ ! ` ̄''ァ一 、\ ヽ} ←
〈` ̄ ̄^`¬ノ .::〔 ̄´
1 ヽ .:::レ ヽ、
|_イー-、_;;j|_:. ゝ、
__,,,... -- |. {―――‐フゝ、 〉 -- ...,,,__
_,, -‐ ´ ,r|__ト, 1ニノ ー'´ ` ‐- ,,_
, ‐ ´ └―'´ `
・・・書けども書けども煽りは無くならず
じっとSSを見る。
投稿した後で気付いたけど改行のバランスが悪いなぁ・・・_| ̄|○
まあ・・・出来る事はただ書く事位しかないし
その辺り気をつけよう(´・ω・`)
408タソには自分も触りたくなったけど放置してたが・・・結果h(ry
ともあれひっそりとネスルゥでも書いてます
>>438 ガンガレー。ちゃんと頑張りを見てる人はいますよ。ネスルゥは名前見た時から気になってた
カプだけに期待。自分じゃあの二人の絡みが想像できないんで…。さて自分も何か書くか…。
書けば煽りがなくなるわけじゃないけど書くことしかできないしなぁ。
毎晩1時間弱しか時間がない自分としては、読む時間のかかる釣り・煽りって言うのはやっぱりきついんで(苦笑
プチ祭りとかは好きなんですけどねv
ちょっと鼻糞ほじってる間に読み終わるくらいの釣りレスは読みやすくていいですw
インターネット上で釣りをするのであれば、しっかりと内容を練り、
文を推敲し、公衆の眼前に出しても大丈夫だと判断してから投稿してください。
なんだか、「思いつきで何となく」載せたような気がします。
違っていたらスイマセン
なんだかひどく批判的な文章になってしまいましたが、これだけ言っておきます。
「自分は釣り師さんを否定しているわけではありません!細心の注意を払って釣りをして欲しいんです。」
これは、より良い獲物を釣り上げる上でも大事だと思うので。
語尾に「v」「 w」を書くのはいいけど、読むだけの側としては良い釣りレスを読みたいです
釣りイラネ
釣銭はいるがな
>>408と
>>417の2つは、公式掲示板からのコピペ。
[ 32691 ] まあ、個人的には・・・ - 流おたる [email] 2003年10月29日(水)21時29分 cm069.kita4.catvnet.ne.jp
まずは、話はSNに登場したキャラのみで書くこと。
あまりオリジナルキャラを出したりするのは好ましくないと思いますから。
あくまでも「公式サイトの掲示板」ですのでv
オリキャラを出すなら個人サイトでお願いしたいです。
次に、内容はオリジナリティのあるもの。
これは当然ですかね?
自分で考えた「とある話のその後、その前」みたいなのは結構好評だと思います。
ED後の話や、印象深かったあのシーンの前にあのキャラは……!などなど
ちなみに、自分としてはあまりSSが多いのは好きではないです。
毎晩1時間弱しか時間がない自分としては、読む時間のかかるSTORYって言うのはやっぱりきついんで(苦笑
小説とかは好きなんですけどねv
ではでは・・
[ 24349 ] どんな物かと読んでみたが・・・ - 流おたる [email] 2003年10月28日(火)21時47分 cm194.kita1.catvnet.ne.jp
正直面白いとは思いませんでした。
エルゴの王が誕生するまでの話、というか、
リィンバウムの成り立ちを少し違う視点(?)から書いたというのは分かりましたが、
このSSで何が言いたいのか全く分かりません。
ただ事実を叙述しているだけとも取れます。
また、別のものに例えて書いていましたが、
何をかいているのか分からない所があったように思います。
それと、途中から文尾の表現が変わっているのも気になります。
それでは、どんなに良い内容だったとしても評価が落ちます。
あと、インターネット上にSSを載せるのであれば、しっかりと内容を練り、
文を推敲し、公衆の眼前に出しても大丈夫だと判断してから投稿してください。
なんだか、「思いつきで何となく」載せたような気がします。
(↑違っていたらスイマセン)
ここは小説投稿掲示板ではありませんので、お忘れなく。
それと最後に。
わざわざSSを引っさげてこなくても結構です。
書いている人は楽しいのかもしれませんが、SSが好きでない人も多数います。
それならば、誰かの企画か挨拶スレにでもレスをして復帰してもいいと思います。
なんだかひどく批判的な文章になってしまいましたが、これだけ言っておきます。
「自分はSSを否定しているわけではありません!
細心の注意を払って投稿して欲しいんです。」
本文の内容には多少矛盾していると思いますが、
これは、より良いSSを書く上でも大事だと思うので。
ではでは・・
SSを書くのはいいけど、読むだけの側としては良い作品を読みたいです
コピペレスした奴も、それに必死に反応した奴も公式厨と同レベル。
>443
バカッ!野暮ッ!唐変木ッ!!
言わなきゃアリーゼタンということで心置きなく抜けたのにッ!
アヒャ
エロ魔剣タソ止まっちゃった…?
好きだったんだが(´・ω・`)
>>419のことは俺も謝るからさ。
誰か絵描き板のURL貼ってくれないか?
虹鯖が落ちてて全然見れん。
>419はどうか知らんが
URLなくして描き込めない絵師さんも少なくないと思う。
この通りだ。頼む。
今は問題無く行けるが>虹
IEだと見える。
漏れが使っているタブブラウザだと見えないな。
>>450 神レベルの絵師はパソコンも上級者で2chブラウザを導入してることが多い。
まあ、そうとばかりは言えないが、
>>452に同意で絵師を巻き込むなよ。
>452 >454
自身が絵師でした。
変な書き方してスマソ。
やっぱ見れん…。
できれば絵板の方を頼む。
親切に説明してくれている人に囲まれた、面倒臭がり家でしたとさ。
おしまい。
今までで女キャラでエロネタに使われてないのってもういないよな?(サローネ除く)
男キャラで使われたことがないのはギャレオ、キュウマか?(ゲンジ除く)
キュウマは発売前はミスミと、とか思ってたが実際は全然そんな感じしないしな。
女として意識してるイベント皆無だし。
ギャレオの相手といったら…アズリアくらいか。
ギャレオはあんな性格でも顔が美形ならイオスのように人気も出たろうにな。
>>457 3前提で考えてるのが悲しい。
せめて「3で」って入れてくれ・・・
キュウマがまだ使われていない事が意外だ。アティやミスミとか絡めそうなキャラはいるのに。
ギャレオは…夜会話で選べないしなあ。
>>458 1,2、クソ入れると使われてない男キャラ多すぎで書ききれませんよ。女は昔に全キャラ
犯すシリーズで全員使われた気がするが。
わざわざキュウマやギャレオなんか使わんでもよかろう
>>460 何かその一言に思いっきり納得してしまった。
萌を追求していく上で必要とされない二人なのか…。
ここで使われるのはレックス、カイル、スカーレル、ビジュ、イスラ、ヤッファあたりか。
ヤッファは凄いよな。本編では中途半端キャラ筆頭なのに、
ここではわりかし活躍してるし。
合法的に獣姦に持ち込めるのが売りか?
「本編では」って…
ヤッファが中途半端なのは戦闘中だけなw
ヤッファはタフガイにしてナックルキティとセイレーヌ持たせれば
中途半端じゃなくなるさ。
え? 所詮はマルルゥとの協力召喚でなきゃ使わない?
・・・まあそうなんだけd(ry
ネスルゥ投下します。多少強姦風味なんで苦手な方はニゲテー
466 :
千変万化:03/10/31 10:56 ID:CWZC52LM
「まったく…どれだけ僕やアメルが心配したと―」
また彼が彼女の名を言葉に含む。
困ったような表情を浮かべるマグナを、彼は言葉巧みに―いや…これは違う。
使っている言葉自体は難しいものだがその内容は大抵の場合異口同音で
締めくくられる。そう、今の様に。
いつもの和やかな情景。笑う仲間達。
暖かな雰囲気と安堵感。
―だが、何故だろうか?
気づけば彼が彼女の側に居ることが…笑いかけ話している事が胸を締め付ける
ようになったのは。
そんな胸を庇うかのように両の手を胸元で合わせる。
「…? 御気分でも悪いんですか?」
「シャムロック…お前、そればっかりだな」
「ん…何でもないの」
やや足早に、ルゥはその場を立ち去っていった。
「む…」
文献に目を通していたネスティの耳にノックの音が聞こえてきた。元より彼の部屋
を訪問する人間は少ない為、音には敏感になってしまう。
「ネスティ…いるかな?」
更に珍しい事もあるものだ、とネスティは首を捻る。とは言うものの居留守を使う
わけにもいかないのでドアへと向かう。融機人である証―機械が露出している部分
などを見られることを忌む彼は常に自室には鍵を掛ける事が習慣づいているだ。
「こ…こんばんわ」
「珍しいな。君が僕の部屋にわざわざ来るなんて」
「来ちゃ駄目だったかな…?」
「いや、別段そんな事もないが…」
ややおどおどしながら見つめてくる褐色の少女の姿にネスティは自らの違和感が
更に膨らんでゆくのを感じた。
467 :
千変万化:03/10/31 10:59 ID:CWZC52LM
(砂糖…砂糖、と)
ネスティは引き出しを開け、滅多に使うことのない砂糖の入った小瓶をルゥに
手渡した。
「紅茶には…砂糖を入れる方だったよな?」
「うん、ありがと。でもネスティ…そっちの小瓶は何?」
手渡された瓶から砂糖をティーカップに投擲しながら、不思議そうにネスティの
持っている物を指差すルゥ。透明な硝子の瓶には手渡された瓶と同じく白い粉末
が入っていた。
「ああ…これは塩さ」
「はい?」
「沿岸区域で採れる…」
「いや、それ位ルゥだって知ってるよ・・・ただ、どうして紅茶に淹れるのかなって」
「そりゃあ美味しいからさ」
言うが否や小匙で塩を掬い取りティーカップへ落すと掻き回し、紅茶を啜る。
「うん。やはり小匙一杯が丁度良いな」
「・・・・・・」
そんな彼の様子をルゥは疲れた表情で見つめる。味音痴だとマグナ達から聞いて
はいたものの、ここまでとは思っていなかったらしく少々退いていた。
「それで・・・何か用事があったんじゃないのか?」
ティーカップを皿へと置きネスティはルゥを見つめ返す。
「そ、そうだった・・・ええとね」
ベットの端に腰掛けるルゥは視線を逸らし、もじもじとし始めた。
時間が掛かりそうだな・・・とネスティは二杯目の紅茶へとその口を付ける。
彼が口を付けるのとほぼ同時、ルゥは決心したかのようにネスティに顔を向けると
きっぱりとこう言い放った。
「ネスティって、アメルの事が好きなんだよね?」
ぶびゅり
無表情、無表情のままのネスティは思い切り紅茶を吹きだした。飛ぶ紅茶の
射程上にはいなかった為、ルゥへの被害は皆無である。
「何故また・・・そう思うんだ?」
468 :
千変万化:03/10/31 11:02 ID:CWZC52LM
自らが紅茶を吹いた事は一切気にせず―もっともそちらが気にならないほど
実際は動揺しているのかもしれないが―勤めて冷静な声で聞き返すネスティ。
「ネスティを見てると、何時の間にか目がアメルにいってるもの。マグナに
説教してる時だって妙にアメルを引き合いに出すじゃない?」
「・・・・・・」
(えらくストレートに、そして核心を突いてくるんだな・・・この娘は)
改めてルゥを見つめる。その目は普段には無い程真剣そのものだった。
―言い繕ったとしても無駄だろうな
多少の言い訳も、見た目以上に聡明な彼女には通じまい。
「君以外は・・・気付いてるのか?」
「ううん。多分気付いてないんじゃないかな」
軽くルゥの質問を肯定しながらも探りを入れるネスティ。彼が頻繁にアメルを見て
いた事に気付く程、ルゥが彼を見ていたという事実には気付かない。
「そうか・・・」
「アメルは・・・アメルはマグナの事が好きなんだよね」
「そうだろうな」
きり、と胸が痛んだ気がした。
「マグナは・・・カイナの事が好きなんだよね」
「・・・ああ」
(それ位、僕にだって分かっているさ・・・)
マグナの瞳がアメルを向いていなかったとしても。彼女の目がネスティに向かう事
は無いだろう。ネスティ自身にしてもまた、融機人としての罪の記憶が負い目となり
その気持ちを打ち明ける事は無い。否・・・できずにいた。
「わざわざ・・・そんな事を言いにきたのか?」
自分でも少し口調がきつくなっている事には気付いていたものの、それを
押し留める事ができないネスティ。
「ううん・・・あの・・・あのね?」
再びルゥが視線を逸らす。その頬はやや紅潮していた。
「ルゥじゃ・・・アメルの代わりにはなれないのかな・・・?」
「・・・・・・」
ネスティの頭が混乱する
469 :
千変万化:03/10/31 11:04 ID:CWZC52LM
(今・・・彼女は何と言った? アメルの代わり・・・?)
他人の気持ちに対しても・・・自らの気持ちに対しても実に真っ直ぐな事を言う。
封印の森で暮らしていた為、他者と接していなかったからだけというわけでもない
のだろう。純粋に言葉をぶつけてくる・・・そこがルゥらしさと言えた。
―純粋、真っ直ぐ
ネスティの顔がその二つの単語に歪む。
(何故こうも・・・)
―アメルにしろ、ルゥにしろ自分には無いものを持っているのだ?
そんな感情が暴発し、気付いた時には
「きゃあっ!?」
ぼすっ・・・と多少重い音をさせ、ネスティはルゥをベットへと押し倒していた。
「ネ、ネスティ?」
「代わりをする・・・そう言ったよな」
「う、うん・・・」
間近で見るルゥの表情は困惑と羞恥心で満ちていた。何も知らず、無垢な瞳。
そんな彼女を滅茶苦茶にしてしまいたい。ネスティの心の奥から黒い感情が
吹き出し、そしてそれは実行に移されていた。
「じゃあ・・・頼もうかな」
「本当・・・うれ・・・んむっ!?」
ルゥの手首を己の手で拘束したまま、その唇を奪う。舌を侵入させ硬く閉じた口を
抉じ開け、口内を荒々しく蹂躙する。
「んん・・・んんーっ! んぶ・・・んううう・・・」
当初は抵抗していたルゥだったが、やがてネスティの舌に自らの舌を絡ませ始めた。
押えていた手からの何時の間にか力が抜けている。
それを確認したネスティの手が彼女の胸を覆う布へと伸び乱暴に下へと引きずり
下ろした。固定されていた金具がブチブチという音を立てて外れ、豊満な褐色の
乳房が外部へと露出した。
「ぷあ・・・ネスティ・・・? なんでこんな・・・」
口を開放されたルゥの目には怯えからか涙が溜まっていた。だがそんな訴えすら
ネスティの嗜虐心を大きくさせる役にしか立たない。
470 :
千変万化:03/10/31 11:08 ID:CWZC52LM
「君が望んだ事だろう・・・?」
「や・・・痛い、痛いよっ・・・」
冷たい表情のまま、力を込めて乳房を揉みしだく。形の整った双丘がゴム鞠のように
その形状を変える。動かす手を止めないまま、ネスティの口が乳首へと伸び
含んだかと思うとそのまま甘噛みに移った。
「きゃうううっ」
強引な愛撫にも経験の浅いルゥの身体は敏感に反応した。背を仰け反らせ
震えると快感を高めてゆく。
「なんだ・・・もう感じているのかい?」
「気持ちよいけど・・・こんな・・・こんなっ・・・」
弱弱しい声で抗議するルゥ。先程までは瞳に溜められている程度だった涙は既に
頬を伝い、流れ落ちていた。その閉じかけていた目が見開かれる。
「すまないが・・・僕も気持ちよくしてくれるか?」
「あ・・・」
ルゥの視線が目の前に突き出されたネスティのイチモツへと注がれる。欲望に従い
大きくそそり立ったそれはドクドクと脈打っている。
(これが男の人の・・・)
本からの情報しか持っていなかったルゥとしてはそのグロテスクな物との邂逅は
非常に衝撃的だった。だが一瞬躊躇したものの、結局はその口を恐る恐る
肉棒へと近づけてゆく。
ぴちゃ
「く・・・」
拙い動きでルゥの舌が亀頭を這い回る。たどたどしい動きではあったがその
ぎこち無さがネスティの情欲を煽る。
「これでいいの・・・? ネスティ、気持ち良い?」
「ああ。だが少し刺激が足りない・・・なっ」
「むぐっ!?」
ネスティの腰が突き出され、肉棒がルゥの口膣の奥深くへと挿入された。
異物の侵入にルゥの口は肉棒を押し戻そうとしたがネスティは彼女の後頭部を
押さえつけ、それを妨害する。
471 :
千変万化:03/10/31 11:11 ID:CWZC52LM
「むぐあっ・・・んぷうううう」
「悪いな・・・舌だけじゃ少々物足りなくてね」
「んん・・・んんんっ」
頭を固定したままネスティは腰を律動させる。分泌された唾液によってその度
ちぷちぷという水音が漏れ出る。
無理強いされているというのにも関わらず、何時の間にかルゥの方も舌を動かし
賢明に肉棒へと這わせていた。
「く・・・ルゥ。このまま出すぞ」
ネスティの注挿がその激しさを増す。ルゥがまた苦しそうな声を上げるが
快感を貪るネスティはそれを黙殺する。そして大きくその腰が震えた。
「くお・・・っ」
「んん、んん!?」
喉の奥へと大量の白濁液が迸る。ドクドクと放出されるそれを吐き出す事もできず
ルゥは喉を鳴らし、嚥下してゆく。
「ぶあ・・・っ。げほっ・・・げほっ」
だが量が量だった為か全てを嚥下する事は出来ず、ネスティがその口を開放すると
同時に身体をクの字に曲げ、シーツの上に精液と唾液の混ざり合った物を
ぼたぼたと溢した。
「ふう・・・流石に量が多かったか」
「うう・・・うっ・・・酷いよ、ネスティ・・・」
「仕方無いだろう? そもそも誘って来たのは君の方じゃないか。それに・・・
まだ終りじゃない」
「まだ終りじゃないって・・・ひゃっ・・・そっちは・・・!」
半ば悲鳴に近い声を上げるルゥ。だがそんな彼女に構う事無くネスティは彼女を
またベットに捻じ伏せると下半身を覆っていた布までも剥がしにかかった。
「うん・・・? これは」
「駄目・・・駄目ぇ・・・っ」
羞恥心からか、顔を真っ赤にし涙声でルゥはその顔を両手で覆った。露出した
秘部は既に濡れそぼりてかてかと妖しい光沢で包まれている。
「何だ・・・僕のを口に含んでいる時にもう濡れてたのか?」
472 :
千変万化:03/10/31 11:14 ID:CWZC52LM
「や・・・言わないでよお」
「だがまあ濡れているのなら問題無いな」
「え・・・?」
一瞬その言葉の意味がルゥには理解できなかった。が、直にその意味を
知ることとなる。気付けばぴたり、と秘部に肉棒があてがわれていた。
「それ・・・っ」
「うや・・・うあああああっ!?」
一息にネスティがルゥの中に侵入してきた。何かが身体の奥底で突き破られた
痛みがルゥの頭を灼き焦がす。濡れていてはいたものの、所詮は
申し訳程度である。痛みはかなりのものだった。だがそれも意に介さず
ネスティが動き始める。
「痛っ・・・いた・・・あああっ」
「く・・・たいした締め付けだ」
抜くのにも差し込むのにも、強烈な締め付けの為にかなり困難ではあったが
ネスティは更に力を込め前後運動を続ける。
「ううっ・・・いやああ・・・ああああ・・・」
ネスティが腰を突き動かす度、ルゥの乳房がぶるぶると揺り動かされる。
「・・・・・・」
無言のままネスティはその乳房を上から掴み、硬く屹立した乳首を指の間に
挟むとぐりぐりと回転させる。
「はう・・・うあっ!?」
それまで苦痛を伴うだけだったルゥの声に多少ながらも甘いものが混じる。
上下左右、巧みに腰を動かしたまま今度はルゥの顔に自らの顔を接近させて
ゆく。片手で頬を伝う涙を拭ってみせた。
「うううっ・・・ネスティ・・・ネスティ・・・」
うわ言のように自分の名を呼ぶ彼女の口をそっと唇で塞ぐ。それと知るや今度は
ルゥの方から舌を絡ませてきた。相変らずその動きはぎこちなかったがこちらも
それに応え、じっとりとした愛撫を繰り返す。
「んぷあ・・・はああっ・・・あっあっ・・・」
ネスティが唇を離す頃にはルゥの口から漏れるものはもはや嬌声だけとなって
いた。それを確認すると身体を離し、挿入はしたまま彼女の身体を反転させる。
そして再び身体を前へと突き出した。
473 :
千変万化:03/10/31 11:18 ID:CWZC52LM
むぶり、と膣内に対する刺激が変わる。
「ひぅっ!?」
背後からより深く侵入してきた肉棒に、顔を半ばシーツにうずもれさせたルゥの
目が大きく開く。
先程までのゆったりとした動きとは対照的に、ネスティはルゥの形の良い尻を
両手で押えると激しく突き始めた。
「やああっ・・・うはあ・・・っ・・・あああああっ!?」
ぱんぱんと肉の爆ぜる音が響き、白と褐色の肌がぶれながらぶつかり合う。
更に大きくなった刺激の為、淫らな声を上げるルゥの口はだらしなく
開かれっぱなしとなり零れる唾液はシーツを濡らしてゆく。
「やあああーっ、ルゥ・・・変だよっ・・・何か変だよおおっ・・・!?」
「何が変なんだ?」
激しく律動する身体とは対照的に淡々としたネスティの声。それだけに妙にこの
部屋の情景からは浮いていた。
「さっきまで・・・さっきまであんなに痛かったのに・・・っ、今は・・・ひうっ・・・
もっと、もっと強くして欲しいって・・・何で・・・? うあああっ」
「そうか。じゃあ望み通りにするとしようか」
これでもかといわんばかりにネスティの腰がルゥの膣を掻き回す。
「あああっ・・・奥に、奥に当たってるよ」
途端に締め付けが強くなる。不意打ちにネスティ自身もまた限界へと押し上げ
られてゆく。快楽を長く貪る術は知っているものの、一旦始まった絶頂までは
流石に止める事はできない。
「く・・・ルゥ、いくぞ」
「うん、うん・・・ルゥももう・・・やあっ・・・あああああああああっ!」
先程あれほど出したとは思えない程の量の精液がルゥの中に流れ込む。
「うあああああ・・・あつい・・・あついよぉ・・・」
二人とも一気に脱力し、ベットへと倒れこんだ。
(・・・僕は、馬鹿か?)
純粋な思いをぶつけられ無茶苦茶にしたくなった。
474 :
千変万化:03/10/31 11:20 ID:CWZC52LM
しかも・・・思い人の代わりにしてだと・・・?
一時の感情に突き動かされ、取り返しの付かない真似をしてしまった。
何度似た過ちを繰り返せば良いのだろう・・・と顔を歪める。
(畜生・・・)
どうしようも無い焦燥感に駆られるネスティの頭に何か暖かい物が触れた
「・・・ルゥ?」
気付けばルゥがその身を起こしネスティの頭を撫でていた。
「嫌だった? ルゥが小さい頃、良くおばあちゃんがこうして泣きそうなのを
我慢させてたんだけど」
―僕は子供じゃ・・・
そう言い返そうとして押し留めた。
(自分に無い物を持っている他人に対して癇癪を起こし、暴れる。
はは・・・今の僕はそれこそ子供と変わらないじゃないか・・・)
「ルゥ・・・すまなかった。僕は・・・」
「え? 何が?」
「何がって・・・君は初めてだったっていうのに、あんな無理矢理・・・」
「へ・・・? こういう事ってさっきのネスティみたいに、男の人が強引に
するんじゃないの? ルゥが読んだ本には・・・」
そこまで言ってしまった、というように慌てて口を噤んでみせるルゥ。
―一体どんな本を読んだんだ?
「だがルゥ。今ので分かっただろう・・・? 僕は君が考えているほど・・・
綺麗な人間じゃ無い」
「んー・・・そもそも、ネスティの言う綺麗な人間って何?」
「それは・・・」
(君はアメルのように純粋な・・・)
「どんな人だって、怒ったり・・・憎んだり、好きな人が他の誰かと
一緒にいて嫉妬してたりするんだよ。最初からキレイな人なんて
いるわけないじゃない」
「・・・」
「それにね?」
475 :
千変万化:03/10/31 11:24 ID:CWZC52LM
「普段はあんまり見れないけど・・・今みたく、皆の事を気遣ってくれてる所が
ルゥは・・・す、好きなの」
沈黙が部屋を包む。顔を見ないままでもルゥがうろたえ始めているのが
ネスティには感じられた。
「なあ・・・ルゥ」
「な、何?」
「もう暫く・・・こうして頭を撫でてくれないか? 妙に落ち着くんだ」
きょとんとした表情を浮かべたルゥだったが、その顔は直に破顔した。
「・・・うんっ!」
・・・・・・
「しかしだな、ルゥ。男が強引なのが普通だと思うなんていうのは間違っている」
「そうなの?」
「そうだ。確かに書物から知識を得るというのは身近で最も確実な手段ではあるが
その分実践が伴わない。時には自ら他人に聞くことも必要なんだ」
「おー・・・」
そんな事他人に聞けるか、と言うツッコミが浮かんできそうなものではあったが
素直にネスティの講釈に感心し、ぺちぺちと拍手してみせるルゥ。
「でもネスティ。という事は・・・ネスティがルゥに正しい方法を
教えてくれるって事?」
ネスティの額に一滴の汗が生まれる。
「い、いや・・・今のは言葉のアヤであって」
「ルゥは今からでも構わないんだけど」
興味津々、といった様子でネスティに寄りかかりルゥが見上げてくる。
寄りかかった際にふにゃり、と乳房の感触がした。無論の事ルゥは未だ全裸である。
「・・・・・・」
自らの愚息がその固さを取り戻すのを実感する。
(・・・やっぱり僕は馬鹿だな)
結局強姦にもなりきってないって罠
割かしこの二人は動かしやすかったのでネタ浮かんだらまた書いてみます。
GJ!密かに茶芋で萌えますた。
ルゥたんが読んだ本が気になるw
GJです!
ネスルゥ分がたっぷり補給できました。
479 :
名無しさん@ピンキー:03/11/01 08:09 ID:J0UGDp9M
カイナは置いといて
ネスアメ、ネスルゥにモエモエでした。GJ!
ネスアメいいなぁ(*´Д`)モヘー
ネストリに隠れがちだが、この二人も(・∀・)イイ! ね。
ここで一番人気のあるカップリングといったら何なんだろう。
アティ受けなら何でも?
>>481 以外に皆好みのカプはバラバラだったりしてるな。
前スレの最後辺り見てみると特に
前スレ>>843-
>>892で各々の好きカプ・書いて欲しいカプが書いてあったわけだが。
暇なわけじゃないが興味があったので纏めてみた結果↓
6票ハヤト×カシス 5票マグナ×アメル 4票レックス×アズリア・レックス×アティ
3票トウヤ×カシス・ギブソン×ミモザ
辺りが安定した人気?他であまりお目にかかれないせいか男主人公カプが健闘。
今やったらまた違った結果になったりするんだろうか…。ちなみにその他少数意見は↓
パッフェルとヘイゼルは別々に考えますた。
2票トウヤ×ナツミ・レックス×ベルフラウ・マグナ×ルゥ・マグナ×パッフェル・レシィ×ユエル
カザミネ×カイナ・ハヤト×アヤ・レックス×ソノラ・カザミネ×カイナ&ケルマ
1票ヤード×アティ・トウヤ×アカネ・ヤッファ×マルルゥ・ファリエル×アティ・クノン×アティ
アリーゼ×アティ・ヴァルゼルド(バグ)×クノン・トリス×ハサハ・パナシェ×ベルフラウ
トリス×レシィ・リューグ×ミニス・ハヤト×クラレット・マルルゥ×アティ・カツヤ×エミ
アルディラ×アティ・ウィル×アティ・パッフェル×レックス・ギャレオ×アズリア
マグナ×トリス・アルディラ×クノン・キール×ナツミ・マグナ×ハサハ・アティ×スカーレル
ナップ×パッフェル・レックス×アルディラ・キュウマ×ミスミ・ミニス×レシィ×ユエル
オルドレイク×ツェリーヌ・レックス×ヘイゼル・レシィ×モナティ・レシィ×エルカ
ネスティ×アメル・クノン×アルディラ・ミニス×トリス・ハサハ×トリス・ユエル×トリス
マグナ関係・リプレ関係
>>456 >親切に説明してくれている人に囲まれた
全然親切じゃないじゃん。
結局アド貼ってないワケだし。
出てきたのは回りくどい香具師ばっかり。
>>483 ウホッ、最愛のカイアティに一票も入ってない…。
>>485 読みたいカップリングの方の要素が強いからまだあんましかかれていない組み合わせに
票が多く入ったと思われる。
ソノラって発売前は人気の出るキャラだと思ってたのに、あんまりエロネタないねぇ。
使いにくいんだろうか。
あとカップリング的にもしっくりくるものがないとか。
カイル×ソノラのエロなんてあると思ってたのに皆無だもんな。
まあ実際カイソノでどんな展開でエロにもっていけばいいか想像つかないけど。
ソノラは人気自体はアティ・アズリアの次ぐらいなんだろうけど
エロだとやっぱ使いにくいね。レックスあたりと純愛を読みたいな。
勉強の時間にいう事を聞かないミスミに腹を立てたヤードが
おしおきするシチュエーションキボン。
…機会あったら自分で書くか…。
IDがインポ。
読みたいカプではなく好きカプを1、2、3、クソでそれぞれ一つずつしか挙げちゃならんと
いう話になったら
>>483は大きく変わりそうな予感。
漏れはここの職人さんのお陰でそれまでどうでも良かったカプが凄い好きになったりしたしな。
>>487 カプ単位で萌の人とキャラ単体で萌な人がいるからカプ的にしっくりくる人がいないソノラは
不利なのかもしれん…。あとそんなに色気がないからエロに待って行きづらいというのもありそう。
ソノラ関連でネタバレ話だが…
カイルとソノラはまるで本物の兄妹のように先代に育てられては来たものの、
実は血は繋がってはないらしい
(カイルは元漁師の子で、ソノラは海の事故で両親を亡くした所を拾われた?)
というわけでこの萌えシチュを最大限に利用できるカイソノの神降臨キボン
>>492 それを踏まえててもソノラは妙にエロは書きにくいんだよな
ゲーム中でソノラと会話してても、奥手っぷりが強くて
逆にエロを書くの躊躇しちまったよ。
書けるとすれば・・・レックス×ファリエルで肌を重ねられない二人の為に
ソノラが自らに憑依するように薦めて、ある意味の3Pに突入とか
そん位かな・・・って書く気か漏れは
やっとエロまでこぎつけることができましたが、どうしよう…長すぎました。
ギャグと無駄に長そうなSSが嫌いな方は10数レス先まですっ飛ばしてください。スマソ。
あと一回で終わらせてみせますんで…。申し訳ない。
温泉から出た後、アティ達はオウキーニの振る舞ってくれた料理を囲み、賑やかな宴会をおこなっていた。
浴衣姿での宴会は、まさに旅行気分のものだ。
その場にはなぜか敵であるアズリアとギャレオも半ば強制的に参加させられていたのだが、ギャレオはともかく
酒の入ったアズリアはその暴走ぶりもいつにも増して凄まじく、大声で軍歌を歌いだし、更にはギャレオの腹に
顔を描き、腹踊りを命令したりと散々な状態であった。
「あはははっ……もう、アズリアったら、あんなにはしゃいで」
アティはそんな彼女を見ながら、ジュースを片手に楽しげに微笑んでいる。
「ま、日頃の疲れやストレスくらいはこういう場所で発散させなきゃな」
そう言いながら盃を口に運ぶカイルは、現時点で一体何本目の酒を飲んでいるのだろう。彼の目の前には
六本もの銚子が転がっており、隣りで一緒に盛り上がっているスカーレルが彼についでいる酒の数も含めれば……。
指折り数えていたアティのほうが、想像で酔いそうになってしまう。
「カイルさんがお酒に強いのは知ってますけど……気持ち悪くならないんですか?」
「ああ、何だかちょっと気持ちよくなってきたかな〜ってくらいだな、今んトコ」
頬をかすかに赤らめながら上機嫌に答えるカイル。すると彼はアティの手元にあった盃を手にし、
スカーレルの持っていた銚子を取りあげた。
「あ、ちょっとカイル。何すんの」
「ったく先生は!こんな時まで遠慮すんなっての。みんな盛り上がってんだからよ、思いっきりハメ外そうぜ?」
そう言うなりカイルは盃にトクトクと酒をついでいく。温められたシルターン風の酒。その程度の量でも
湯気とともに舞い上がる匂いは、酒に弱い者にとっては少々きついものがある。
以前ゲンジがこの酒を、彼の故郷である『ニッポン』で作られているものと味がよく似ていると言っていた。
帝国でも人に勧められて口にした事はあるが、アティはこの酒をあまり好きではなかった。
「う……」
笑顔で突き出される盃。……何だか前にもこんな事があった気がする。
「センセ、このバカに無理して合わせなくてもいいのよ」
アティの困った表情を見落とさなかったスカーレルが、呆れたようにカイルを流し目で見ながら言う。
だがアティは慌てて首を横に振り、カイルの手から盃を受け取った。
「べ、別に無理なんてしてませんよっ?いただきます!」
無言でスカーレルが肩をすくめる傍ら、アティは盃を満たす酒に視線を落とす。
……冷えたままなら何とか飲める事もできるだろうが、熱気を帯びたその酒は、顔を近づけると強い匂いが
鼻を突く。
アティはしばらくためらっていたが、決心して目をつむると盃の縁に口をつけ、ぐいっと一気にあおった。
「……はぁっ……」
喉を通り抜けた酒に、まるで胸が火を灯したかのように熱を持ち始める。不味いというわけではないが、
飲んだ後はどうも気分が悪くなってしまう。
盃をひざに置いたままうつむくアティを目にし、カイルは慌てて彼女の顔を覗き込んだ。
「あ……わりぃ、先生。このくらいの量でもちょっとキツかったか?」
「ううん、大丈夫です。あはは……きゃあっ!」
赤らんだ顔で笑顔を浮かべるアティ。その時突然、彼女の背後に何かが覆い被さった。勢いで畳に
突っ伏しながらも、アティは背中にのしかかったものを確認しようと首だけを振り向かせてみると。
「アティィ〜ッ!この馬鹿男の酒を飲むなら、私の酒も飲めぇ!!」
「ア、アズリア!」
顔を真っ赤に染めたアズリアが、ろれつの回らない口調で銚子をアティの頬にピタピタと押し当てる。
……その息はむせ返るような酒の匂いだ。
「あの、でも私、今ので充分……」
「なにぃ!?こいつの酒は飲めて、私の酒は飲めんというのか!?」
その姿はまるでどこぞの口うるさい身勝手な上司のようだ。ある意味間違ってはいないが。
アティは酔っ払った彼女から逃れようと、その部下のギャレオに視線を向けるが、彼は触らぬ神に祟りなし、
とでもいうように目を伏せて黙々と酒を飲んでいる。
ここで断れば、アズリアは酔った勢いで取り返しのつかないような暴走ぶりを自分達に見せるつもり
なのかもしれない。
アティはしばらく唸ると、やがて小さく息を吐いた。
「わかりました。貴女のお酒も飲みますから――」
「よし飲め!たらふく飲め!」
「ぶふっ!!」
言うなりアズリアは銚子をアティの口の中に押し込み、その中身を彼女の口内に勢いよく流し込んでいく。
飲み込まざるをえない状況に、アティはそれらを強制的にすべて飲み干すはめになってしまった。
「お、おい!ムチャクチャすんじゃねぇよ!」
「はははははっあはっあっははははは」
けたたましい笑い声で畳を転がるアズリアは、すでに軍人としての面影を残してはいない。……カイルは今後
どんな機会があろうとも、この女にだけは酒は与えまいと心に誓っていた。
「……うぅ……っ」
ますます酔いが激しくなってきたアティは、口元を押さえながらよろよろと立ち上がる。
「大丈夫?センセ」
このアティ萌えバカコンビに付き合うからこんな事になるのよ、とでも言いたげな顔でスカーレルは
アティの体を支える。アティは苦笑しながら礼を言うと、眉をひそめて額を押さえた。
「ごめんなさい……、部屋でちょっと休んできます」
「おい先生、もう行くのか?」
戸を開けて廊下に出ようとするアティに、慌ててカイルは立ち上がり、彼女の肩を掴む。
そもそも自分が彼女に酒を勧めたせいでこうなってしまったのだ。アズリアのそばでカイルがアティに
酒を飲ませていて、それを黙って見過ごすアズリアではない事くらい分かっていたのに。
このまま部屋に戻っていくアティを酒を片手に見送れるほど、カイルも無神経な男ではない。
「わかった、俺が先生を部屋まで送ってくよ。そんなフラついた足で歩いてちゃ、いつ転んでもおかしく
ねぇからな。……えーっと、客室は上の部屋だったか」
アティの片手を掴んで隣りを歩くカイルに、彼女は赤らんだままの頬ですみませんと言う。
「そんじゃあ部屋に――」
その時カイルの肩を、背後から掴みかかる者が。
――もしやアズリアか。
カイルが恐る恐る振り返ると……そこにいるのはしかめっ面で彼を見るスカーレルの姿があった。
「なんだ、お前か……」
ホッと息をつく彼にスカーレルは呆れたように目を伏せると、カイルの耳元に口を近づける。
「……宴会でハメ外すのは勝手だけどね、センセの部屋でまで外しまくるんじゃないわよ。彼女、
酔ってるんだから」
「……わ、わかってらぁ」
「ふぅ……」
割り当てられた彼女の部屋にたどり着き、カイルはアティを座布団の上に座らせると、自分もそのまま
畳の上に胡座をかいて座り込んだ。
アティはいまだに赤らんだ顔のまま、ぼんやりとした面持ちで畳を見つめている。
「まだ気分悪いか?」
「ん……まだちょっと」
熱を持った頬を押さえるアティ。
カイルは宴会場を出る際にスカーレルに持たされた、濡らしたタオルを彼女の頬にそっと当てる。
「…………」
しばらく二人のあいだに沈黙が続く。
何か言わなければ。カイルがそう思った矢先、アティが口を開いた。
「あの……やっと、二人っきりになれましたね。今日は朝からずっとみんなといましたから」
「ああ、そうだな。そういえば」
「温泉も男女別でしたしね。せっかくだから、カイルさんと一緒にのんびり浸かりたかったなって思って
たんですけど」
その言葉にカイルの頬が赤らむ。
カイル自身も彼女と同じ思いを抱いていたのだが、まさか自分がのんびりどころか温泉の中で男女の
楽しみを期待していたなどとは口が裂けても言えない。ただ相槌を打ちながら照れ笑いを浮かべる。
すると彼の肩に、ふわりと心地のよいものが重なった。
――アティの髪の毛だ。
アティはうっすらと目を開け、酒の酔いに頬を染めながらトロンとした眼差しでカイルを見上げている。
「あはは……どうしてでしょう?お酒は苦手だったのに、酔うと何だか気分が舞い上がっちゃって」
そう言って彼の片腕に自分の二の腕を絡めると、アティはぽすんと頭をカイルの胸に預け、
その身をもたれ掛けた。
酒が原因か、カイルに触れる彼女の体は熱を帯びている。お互いに浴衣姿という事もあってか、
肌に感じる相手の体温はいつも以上にはっきりと感じ取る事ができる。
……もちろん、その鼓動も。
「……ドキドキしてますよ?カイルさん」
胸に顔をうずめたまま、アティは鼓動を高鳴らせる彼の顔を、視線だけを向けて見上げた。
当たり前だろうが。カイルはそんな彼女を同様に視線で見下ろしながら内心つぶやく。
部屋に二人っきり、恋人の熱い柔肌を体に感じながら興奮しない男など、この世にいるわけがない。
それに。
「…………」
彼女の崩れた襟元から覗く、豊満な胸の谷間。
酔いでほのかに朱を帯びた、柔らかなふたつの山が寄り合う光景。
……今すぐにでも見たい。揉みたい。そして吸いたい。
徐々にカイルの中から、もやもやとした淫らな感情が湧きあがっていく。
カイルはそっと手を差し出すと、アティの髪を撫でた。彼の手の動きと同時に、シャンプーの香りが
鼻をくすぐる。
優しく、どことなく甘い香り。
確かユクレス村の果実を使い、ラトリクスで作ったものなのだとクノンが言っていた気がする。
「……どうしたんですか?」
何も言わずただ赤い髪を触るカイルに、アティは首をかしげる。
カイルはその言葉に笑みを浮かべると、髪を撫でていた手を彼女の頬へ向けてゆっくりと滑らせた。
アティの柔らかい頬は火照り、潤っている。
「いや、な。温泉で二人でゆっくりできなかった分、しばらくここでお前とゆっくりしていこうか……と」
そう言うと同時に、アティの顔をふっと影が覆う。
――柔らかいが、かさついた感触。
「んっ……」
カイルの唇が、アティのそれに優しく重ねられる。
突然の事にアティは一瞬驚いたように目を大きく開いたが、やがて唇を味わうように深く重ねられ、
時折放しては再び吸われる心地よさに目を細めていく。
「は……」
ようやくお互いの唇を離すと、アティは気恥ずかしさに頬を染めながら、酒の味が残る自分の口を
押さえ込んだ。
「ほ、ホントにいきなりなんですからっ……」
「ははは、わりい。どうやら俺もちょっと酔いがまわってきたみたいだな」
「ウソでしょう。カイルさんはお酒に強いじゃないですか」
それはそうなんだが、と苦笑するカイル。
だが酔っているという彼の言葉はウソではなかった。
アティに密かに想いを寄せていた頃、彼女と顔を合わせるときにはよく酒を飲んでは緊張を解きほぐそうと
していたのだが、どれだけ飲んでも彼は酒に酔う事ができなかった。
あの時は自分が酒に強いからだとばかり思っていたのだが、今考えれば、あれは酔わなかったのではなく、
酔う事ができなかったのではないか。
緊張のあまり酒を楽しむ事のできなかった自分が、今はその美味さに酔いしれている。
それはきっと自分がアティと心を通じ合えたからなのだろうと、カイルはそう思えた。
……それならば、今は自分の意志を、その『酔いの勢い』とやらに任せてみるのもいいかもしれない。
カイルはアティの肩を掴んで引き寄せると、彼女の耳元に口を近づけた。
「……なあ、アティ。せっかくだし、宴会が終わるまで俺達はここで、しばらく二人っきりで楽しもうぜ?」
「え?ここで、って言っても、ここには何も――」
そう言いかけた時、アティの表情がわずかに止まる。
――浴衣の内側から太ももを撫でる、温かくて大きな感触。
それが何か気づいた時、アティの頬が一気に紅潮した。
「カ、カイルさんッ!?」
いつのまにやらカイルの手はアティの浴衣の中へと忍び込み、彼女のなめらかな太ももをまさぐっていた。
以前ミスミにご馳走してもらった『餅』という食べ物に勝るとも劣らない肌触りと感触。
酔いがまわって彼女の体が火照っていた事も相成って、その太ももは手に吸い付くようであまりにも
気持ちがいい。
真っ赤になりながらうろたえるアティの襟元を掴むと、彼は更にそれを左右へ開く。
「あ、あのあのっ……」
広がった襟元から、薄いピンク色のブラジャーに包まれた胸が顔を覗かせる。そのフロントホックを
外そうと伸ばしたカイルの手を、アティは慌てて掴んだ。
「……ま、待ってください。いきなり……あの、そういう事は」
「いきなりじゃなければいいのか?」
アティの言葉を遮り、カイルが口を挟む。
「そ、そうです。こういう事は、ちゃんとムードのある時にっ」
「俺ら、さっきまで充分ムードあったと思うんだがなぁ」
そう言って冗談めかして自分の唇をトントンと指すカイルに、アティは先ほど交わした口付けを思い出し、
思わず顔を赤らめる。
確かに雰囲気はあるといえばあるのだが、何といっても今はお互いに酒が入り、軽く酔いの混ざった
状態にある。そんな時におこなう『行為』に、彼女の望むようなムードというものが果たして当てはまるの
だろうか。
「でも、やっぱりちょっと……」
アティは困ったように微笑むと、カイルの手を胸から放し、彼から少し体を離そうと後ろへ振り返った。
しかし。
「――ダメだぜ」
背後からカイルの手が伸び、ぐい、とアティの体を抱きすくめる。
「ちょっ……カイルさんっ?」
アティの耳に彼の吐息がかかる。酒の匂いが混ざった呼吸とともに、カイルは言葉を続けた。
「ホントに嫌ならやめとくけどよ。せっかく珍しく酔っ払ったお前を抱けるチャンスを、みすみす見逃すほど
俺は甘くねぇぞ」
カイルの中では、酒と性欲は一体と化しているのだろうか。酔い心地にまかせた彼の行動はいつも以上に
積極的――というよりも強引だ。
アティの腰を抱く腕を彼女の胸の方へと持っていくと、彼は指をそのままブラジャーの中へ差し込む。指先を
撫でるように胸に這わせ、アティが思わず声を漏らすと、カイルはブラジャーのホックに再び指をかけた。
「あっ……」
途端にブラジャーの正面は頼りなく開き、その中からアティの丸い乳房がぷるんとこぼれ出る。外したブラジャーを
畳の上に置くと、カイルは両手を彼女の浴衣の中へと滑り込ませた。
「んふっ……ぅ……!」
アティの前で交差した彼の手が、浴衣の中で彼女のふたつの乳房を押し上げるように揉みしだき
始める。欲望に準じたように動く彼の手はいつもと同じく温かいが、その手に余るアティの乳房――
もといその体は、それ以上に熱を帯び、与えられる愛撫に快楽の震えを起こしている。
「カイ……ル、さん。それ以上はっ……」
息も絶え絶えに、アティは自身の浴衣の中で動くカイルの手を取り払おうと、彼の腕を掴む。しかしその力は
あまりにも弱く、払うどころかまともに掴む事すらできていない。
カイルは荒々しくも優しく愛撫しながら指先で胸の中心をたどり、乳首を探り当てる。すでに硬く尖った
先端を左右同時につまみ上げると、アティの背筋がわずかに反った。
その反応を楽しむように、彼はアティのうなじに唇を這わせ、音を立てて口付けていく。
「やっ……やだ……」
目元を赤らめ、身をよじるアティの顔を、カイルは後ろから覗き込む。目が合うと、彼は確信的な意地の悪い
笑みを浮かべた。
「まあ、アティがそこまで嫌だってんなら今すぐにでもやめるぜ」
「ぅ……」
分かっているくせに。
恥ずかしさのあまり無意識に口から拒否の言葉を漏らした時は、いつもそう言って行為を中断しようとする。
これまでにも何度か体を重ね、その性感帯を知り尽くした彼の愛撫をアティが拒むはずがない事ぐらい
カイルは当然分かっている。
……だからこそ、彼はあえて言っているのだが。
どうする?と笑顔で尋ねるカイルに、アティは紅潮しながら目を伏せると、震えるような吐息を静かに
漏らしながら小声で答えた。
「……つ、続けて……ください」
羞恥をこらえたアティの返答に、カイルは満足気に頷くと、乳房を弄んでいた片方の手をそこから
抜き取る。その手をそのまま彼女の下半身のほうへ滑らせ、腰の帯はほどかずに浴衣の裾をたくし上げた。
――眩しいほどに白い太もも。細いが程よく肉のついたアティの足は、カイルのやや無骨な手とは正反対の
印象を受ける。
「じゃあ、遠慮なく」
カイルの言葉と同時に、体を更に背後から抱きしめるように引き寄せられる。片手で乳房を撫でながら、
もう片方の手はアティのピンク色のショーツをくぐり、内側へと侵入していった。
「んっ……!」
薄い茂みを指先で掻き分け、彼の指が陰唇の淵をなぞっていく。
すでに潤っていたアティの秘部からは愛液が滲み、前後に動くカイルの中指に粘りながら絡んでいく。
「何か……えらく濡れてるな。酔うと感じやすくなるタイプなのか?」
「し、知りませんよそんな……あっ……」
慌てて首を振るアティの言葉を、カイルの行為がさえぎった。
二本の指が同時に膣内へうずまっていく。狭いために挿入の抵抗感はあるが、濡れた肉壁はそれを
奥へ誘うように包み込み、飲み込んでいく。
内側に広がる快楽にアティは折っていた足をよじり、片膝を立てた。足先が握り拳を作るように丸まった
様子が、彼女の体の昂ぶりをあらわしていて面白い。
胸の中心の肉を親指と中指でつまみ、ぷっくりと突き出た乳首を人差し指でくりくりと弄ぶたびに、
アティの口からは甘い吐息が絶え間なく漏れる。
「はぁっ……、ん……。カイルさん、そんな、あんまり……」
動かさないで、と反射的に言いかけた口をアティは慌てて閉ざす。そう言えばまたカイルは意地悪く
止めてみせるのだろう。
カイルが指を膣内へと沈めるたびに、そこは淫らな音を立て、愛液を溢れさせていく。痙攣する膣肉は、
指を抜こうとすると追い求めるように絡みついた。
手をショーツに差し込んだままその布地を浮かせると、薄暗いショーツの中、愛液で濡れた自身の手が
カイルの視界に映りこむ。
「ん……酔っただけで、いつも以上の感度だな。これからは俺の部屋に来た時は、事前に一杯やっとくか?」
「お、お酒ばっかり飲むのは体によくありませんよっ」
「はははっ。そんじゃあ、酒を飲む以外でもっと気持ちよくなれる方法を教えてくれよ、先生?」
そう言ってカイルは指を引き抜くと、彼女の充血したクリトリスを軽くつまみ上げた。
「ひぁッ……!」
その刺激に、アティは悲鳴にも似た嬌声をあげ、体を跳ねる。
「もっと気持ちよくなれる方法って、他にねぇかなあ」
二本の指の間で転がすようにクリトリスを押しながら、カイルはアティの耳元で囁くように尋ねる。そのまま
もう一方の手で、閉じようとする彼女の太ももを開かせた。
カイルの巧みな指の動きに、アティの体はますます熱を帯びていく。もっとも敏感な部分に与えられる
刺激は、彼女にとってあまりにも強すぎた。
「そ……んな事しなくても、充分っ……あぁッ……!」
その時アティは一際大きく体を震わせ、背筋を痙攣させた。
熱のこもった弱々しい息を吐きながら、彼女は全身の力が抜けたように、ぐったりとカイルの胸に
体重をかける。
「……はぁ……」
恍惚としたうつろな眼差しをカイルに向け、アティはカイルの胸からずるずると後頭部をずり下ろしていく。
そんなアティを上から覗き込み、カイルは彼女の顎に手を添えて上向かせた。
「ひょっとして、もうイッたのか?」
「ッ!!」
カイルの言葉に、アティは顔から湯気を立ち上らせそうなほどに頬を紅潮させる。
その時、体を下へずらした拍子に、彼女の背後に何かが当たった。
……これは、もしかして。
「俺のこっちのほうは、まだ出番待ちなんだが……」
「あっ……わわわっ!」
当たっていたものが何か気づき、アティは慌てて身を起こす。だが上半身を起き上がらせた所で、カイルは
再びアティの体を抱きすくめた。
アティの腰の後ろ辺りに彼の下半身の昂ぶりが押し当てられるが、本人は知ってか知らずか、更にアティを
抱き寄せる。
「これだけ濡れてるんだし、もう大丈夫だよな。アティ?」
「え……えっと……」
何が、と言わずとも分かっている。さんざん愛撫を受けておいて、それで終わりなわけがない。
腰に触れる、熱を帯びた硬いものが求めているもの。
それは……。
「じらさないでくれよ。俺のほうもそろそろ限界がきてるんでな。ぶっちゃけた話、早いトコやっちまいてぇんだ」
「あ、う……」
そう言って突然アティのショーツに手をかけるカイルに、アティは顔を赤らめたまま振り返る。
彼は自らの性欲旺盛ぶりに苦笑していたが、その荒い息遣いはどうにも抑える事ができないようだ。心なしか、
さきほど以上に彼の体温は上昇している。
確かにここまでしておいて拒むのも彼が気の毒だし、拒む理由もない。恥ずかしいという気持ちも、
今まで何度も行為をおこなってきた彼女にとってはもうどうしようもないものだ。
アティは目蓋を薄く伏せると、強張らせていた体から力を抜き、こくりと頷いてみせた。
「わ、わかりました」
「おう。それじゃあ……さっそく」
カイルはアティの腰を浮かせると、彼女のショーツを太ももの中ほどまで下ろしていく。途中で愛液が
弧を描くように、離れていく秘部とのあいだで糸を引いた。
ここまで濡れていたのかと、アティは思わず赤面する。
背後で布擦れの音が聞こえ、彼が自身の浴衣の帯をほどいているのだという事に気づき、アティの鼓動が
早まっていく。
「いくぞ?アティ」
そう言ってカイルは彼女の腰を抱き上げると、その体を膝の上へと乗せた。てっきり仰向けに寝かされる
ものだと思っていたのだが、その行動にアティは目を丸くする。
「あの、カイルさん?こんな格好じゃ、そういうコトはできないような……」
「いや、このままやる」
言うなり彼はアティを抱きしめたまま前かがみになる。そしてアティの腰と太ももの裏を掴み、
彼女の背中に体を密着させた。
同時に濡れた蕾に、カイルの硬い熱があてがわれる。
「あっ……」
反応したアティの口から吐息混じりの声が漏れる。
ぐぐ、と先端を押し込むと、愛液で濡れそぼった花弁はそれを受け入れ、膣内へと飲み込んでいった。
「んっ……くぅ……」
カイルが体内へ入り込んでくる感覚にアティは目を細め、畳の上で拳を握り締める。
ゆっくりと亀頭を包み込んでいくアティの熱い肉壁の感触を確かめると、カイルは両手を彼女の左右の
太ももの裏へまわした。
そのまま体を抱き抱えると、前倒しにしていた体を彼女ごと一気に後ろに引いてみせる。
ちょうどカイルの腰の真上に乗ったアティは、彼と繋がった状態のままだ。
カイルが抱えていた太ももから力を抜くと、アティの体は彼の中心に向けてみるみる下がっていった。
「ちょ、カイルさんっ……!……うっ……」
アティの体が下に向かっていく事で、カイルのペニスは彼女の膣にみるみる沈んでいく。この体勢では
体を起こす事も引く事もできないため、アティは逃れられない痛みに眉を歪めた。
「辛いか?アティ」
根元まで飲み込み、わずかにうめいたアティにカイルは顔を覗き込みながら尋ねる。
行為そのものは慣れてきてはいるが、やはり急に挿入されて快楽を感じるほど彼女の体はセックスに
溺れてはいない。
だがアティは首を横に振ると、荒い呼吸を交えながら笑顔を作ってみせた。
「ちょっと、キツイですけど……しばらくすれば慣れると思います」
「や、痛いならいつもの体勢でもいいんだが……」
「……だってカイルさん、この格好でやってみたかったんでしょ?」
「…………そうだけどよ」
そう言われてカイルは困ったように頬を赤らめる。
「私、結構丈夫ですから。……ちょっとぐらい痛くても平気です」
「……まあ、それならお言葉に甘えて」
カイルは再びアティの太ももの根元を掴むと、ゆっくりと彼女の腰を持ち上げ、突き上げる。アティもそれに
合わせて腰を動かし、なるべく痛みを感じる事のないよう、自身で受け入れる角度を探し当てる事にした。
「ッ……、は……」
静かな部屋に、くちくちと男女の濡れた性器の擦れ合う音だけが響いている。その音と同時に酒と愛液の
混ざった匂いが鼻をくすぐり、二人の興奮を無意識に高めていった。
いつしかアティも、カイルを受け入れていくうちに自分が心地よいと思える角度を見つけたようだ。息を
荒げながらも頬を染め、艶かしく腰を動かしている。
カイルもそれに合わせ、片手を彼女の腰に添えた状態で、上下に揺れる乳房を愛撫する。アティの赤くなった
耳たぶを唇で咥えると、やはり色の通りにとても熱い。お互いの繋がっている部分に指を滑らせると、
カイルに貫かれている膣からは、畳に小さな水溜りを作るほどの愛液が溢れ出していた。
「あっ……カイルさんっ、私、もう……はぁっ……」
「んッ、俺もそろそろ……」
ますます締め付けてくるアティの膣をもう少し楽しみたいと思う気持ちはやまやまだが、このまま
引き抜くのをもったいぶって、膣内で射精してしまってはさすがに困る。
そろそろ限界だろう、とカイルがアティの腰を持ち上げようとすると、彼女はそれを拒むように首を振った。
「外で出さなくても平気です。今日……大丈夫な日ですから」
「なに!?本当か!」
いつもはそういう時期でもあまり中には出させてくれなかったものなのだが。
これも酒の魔法なのかとカイルは酒に感謝を繰り返しながら、嬉々としてアティの腰を掴み、
激しく突き上げる。
「あっ、ちょっとだからってあんまり激しくされるのはッ……あっ、あぁッ!!」
予想外のカイルの猛攻撃に、アティは慌ててもがき始める。
さすがに一方的に乱暴に突き上げられては、どれだけ濡れていようと痛いものは痛い。だが欲望の
先走った今の彼にアティの言葉は届いてはいなかった。
「んぅっ……!カイルさんッ!さ、さすがに痛ッ……あぅッ……!」
やはり耳に届かず。
「ふぅ、はぁっ、……んっ、いくぞアティッ!!」
カイルは額に汗を滲ませながら声をあげ、腰を一際激しく突き上げた。
「いっ、痛いですってばぁ!!」
「――何事ですかアティ殿ッ!?」
突然、タン!と彼らの正面の窓がふすまごと開き、蒼白した面持ちで部屋に飛び込んできたのは
キュウマだった。
「…………」
状況が飲み込めず、沈黙する三人。
キュウマの目の前には、浴衣姿でご開帳したアティと、彼女を膝に座らせたカイル。そしてアティの中心を
貫いているものは……。
「……あの、ここ二階ですよ?」
「シノビ、ですから」
「……どうしてこの部屋に?」
「外で巡回をしておりましたら、偶然この辺りで悲鳴のような声が聞こえまして。……あの、こちらから
質問してもよろしいですか?」
「はい……どうぞ」
「お二人の状況は……?」
「…………」
ぷっ、とキュウマの鼻から血が飛び出す。
それでもなお出続ける鼻血は彼の顎を伝い、床に滴り落ちる。
「………………あ」
ぐるりとキュウマの目が反転した瞬間、彼の体は後ろへ傾き、音もなく夜の闇へと消えていった。
――その直後に、何かが地面へ叩きつけられるような鈍い音。
「うわああキュウマの野郎が二階から落ちた――ッ!!」
「カイルさん、彼の様子を見てきてください!私は……ちょっと足腰の立つ状態じゃありませんからっ」
え、と顔を引きつらせるカイル。
「そ、そんな、久し振りに邪魔の入らねぇ展開だと思ってたのに――」
「早く!キュウマさんが亡くなる間際に見た光景があれだなんて嫌すぎます!!」
涙ぐむカイルを同情する気など、さすがのアティにもない。尻を叩く勢いでカイルを部屋から追い出すと、
アティは慌てて窓際に駆け寄り、恐る恐る下を覗き込んでいた。
――その様子を、天井の穴から覗く目がひとつ。
「おのれ肉棒船長め……!アティを相手に背面座位とはうらやま……、い、いやらしいっ」
薄暗い天井裏。駆け回るネズミを背にバナナをむさぼりながら一部始終を盗み見ていたのは、
一匹の猿――ではなく、アズリアだった。
「前回の出張りっぷりとは打って変わって、完全に蚊帳の外ですね、隊長」
「言うなギャレオ!」
宴会場からアティを連れ出し、帰りが遅いと思っていたら案の定これだった。
この様子ではアティが彼に種付けされるのも時間の問題だろう。
ならば、それを回避させる方法はただひとつ。
アズリアは手にした剣を握り締め、口元に笑みを浮かべた。
(覚悟しろ、肉棒船長……。次こそが――貴様の最後だっ!!)
「隊長、剣の奪回は……?」
つづく
だらだら長くてスマソ…。
次もエロは入ります、多分。
キュウマ・゚・(ノД^)・゚・
空蝉の術で回避したと信じたい…。
>>511 また今回も堪能させていただきました。GJッス
・・・しかし、自分の脳内でカイルのクラスが肉棒船長に固定されそうだ
我チンコアタック
ちょっと前にやってたレクアズ続き物設定を使った話投下します。
あの続き物の少し昔の話で二人がまだデキあがったばかりの頃だと考えて頂ければ幸いです。
別にあのクソ長い話読まなくても普通に読める話ですが、話そのものも出てくる
二人もどちらも頭弱めなのでご注意下さい。そしてそんなに短くもないです…。
あの二人ばかりもどうなのかと思ってベルの話も書いてるんですがもうちょい掛かりそうなので…。
男女の仲とは難しいものである。
特に「恋人」と呼ばれる二人の仲はより一層難しく、表面上の愛情だけでなく裏に打算や駆け引きが隠されていたりする。
人間には本能という物が備わっている以上男女がそういった仲になるということはごく自然なことだが、
そんな関係になった当初は戸惑いを隠せない人間も少なからずいるだろう。
特に、それまで円満な友人関係を続けてきた者達にとってはそれは時としてとても大きなハードルとなって襲い掛かってきたりする。
「それじゃ俺、お茶入れ直してくるよ」
「いや、私が…」
「俺が入れたいからいいの。キッチン借りるよ」
そう言ってレックスは目の前のテーブルに置かれた湯飲みを両手で持つとその場を立つ。
いそいそと部屋を出るその姿を見送るとアズリアは「はぁ」と盛大に溜息を吐いた。
「―…なんていうか、その、何時もと全然変わらないじゃないか…」
誰もいなくなった部屋でそんな事を呟いてみる。
――二人が俗に言う「恋人同士」という関係になったのはつい最近のことである。
友人兼良きライバル、敵同士、そして仲間…と様々な関係を続けてきた腐れ縁のような二人だが、
何の偶然かうっかり再会を果たしたその日に遂にそういった関係への第一歩を踏み出したのだ。
長年の片想いの末ようやく辿り着いた関係ということもあってか想いが通じ合ったその日の内に
恋人としてのステップを一気に駆け上がってしまった二人だがまだまだ残されているハードルは多い。
特に色気ということに関しては、友人という関係が長かったせいか全くと言っていいほどない。
そして今日はその「恋人」という関係になってから初めて二人きりで会った日だったりする。
お互いに期待半分不安半分という微妙な時期だ。
しかしそんな中、今日した事を思い返してみても何時もと同じ他愛のない会話やら剣の手合わせやら
取り留めのない世間話やら昔話という友人時代と全く変わらないことだけだったりする。
甘い会話や態度を期待していたわけではないが余りにも前と変わりのない態度に
自分達は本当にそういう色気のある関係になったのかと疑問すら覚えてくる。
「…いや、確かにあんな事したんだから立派にその、恋人同士というやつだよな…?」
アズリアは頭に浮かんだ疑問を振り払うように言葉にしてみる。
あの夜のことは今思い出してみても顔が火照ってくる。
あの時は勢いでやってしまったが今考えると物凄く恥ずかしい。
愛し合う男女が行って然るべき行為であることは頭では理解しているのだが
冷静になって思い返して見るとどうしようもない羞恥が湧く。
だって普段人に見せることなどないあんな所やそんな所まで見られた挙句
触られて舐められてその上とんでもない所にとんでもないモノまでぶち込んだりしてるわけで。
しかも相手が好きだった男だったりするわけだから尚更恥ずかしかったりする。
まあ、好きでもない男が相手だった場合は体に触れると考えるだけでもおぞましかったりするわけだが。
「―…今日も、するんだろうか…」
誰もいない事をいい事に脳内に渦巻く疑問が次々と口から垂れ流される。
こんな事を考えてるのは自分だけだろうか…と思いつつ今晩の事を考えると何となく気が重い。
抵抗や不安があるわけではない。現に一応備えてとして三枚セットで叩き売りの下着ではなく
きちんとした可愛げのある物を今日の為にわざわざ買いに行ったりもした。
しかし、だからといって羞恥が消えたわけではない。
それに会う度にやってたら、はしたない女と思われるのではないだろうか。など色々な事を考えてしまう。
好きな相手と二人で気持ち良くなるのは悪くはないが相手の事が好きだからこそ悩んでしまう。
人は両想いになると誰もが皆こんなにも悩んでしまうものなんだろうか。
これだったら片想いの方が楽だったのではなかろうかと思いつつアズリアはまた大きく溜息を吐いた。
「―…何で俺たち、いっつもこうなんだろ…」
アズリアが溜息を吐いているのと時を同じくしてレックスもまたキッチンで独り大きく溜息を吐いていた。
二人でいる時間が楽しくないわけじゃない。特に不満があるわけでもない。
むしろとても楽しいし幸せだとも思う。
しかし、どう見ても恋人同士という空気ではない。
傍から見てれば仲の良い友人以外の何物でもない雰囲気だ。
その空気に何だか物悲しくなる。
だからと言ってそういう色気のある雰囲気に持っていく方法があるかと聞かれれば、
それすらも持たないという答えしか返せず尚更切なくなる。
友達から入ったのが悪かったのかなぁなんて思いつつもとりあえず目の前の問題をどうするかで頭を悩ませる。
一番の問題はこのまま今日ここに泊まるか、帰るか。
泊まるという事はつまりはそういう事になるというわけで個人的にはそりゃもうとても嬉しいが、
それが果たして相手にとっても嬉しいことなのかと聞かれればそれは違う気がしてならない。
ある程度手練れた相手だったのなら何の躊躇いも持たないが、
ちょっと前まで処女だったという事を考えると悩まずにはいられない。
――ケダモノとか思われたらどうしよう。
そんなことを無意味に心配してしまう。
ヤる為に会いに来てるのかと問い詰められた挙句ケダモノやら大嫌いやら言われて
スピード破局なんて物を迎える事だけはなんとしてでも避けたい。
しかし手を出さないで帰って愛が疑われても困る。
友達から入った遠距離恋愛はなんて難しいんだと思いつつ
レックスは新たに温かな茶が入った湯飲みを手に部屋に戻る。
「お茶、入ったよ」
「ああ、すまない…」
とりあえず表面上は平静を装って相手の出方を窺ってみる。
レックスは試すかのようにアズリアの顔をじっと見つめる。
その視線に気付いてかそれまで湯飲みに向けられていたアズリアの顔が上げられ一瞬目が合うが、
それは即座に逸らされる。心なしか顔も少し赤らんでいるように見える。
――今の反応はどう取ればいいのか。
もしかして考えてる事を見透かされて思わず目を背けられてしまったのか。
これはダメって事か?その辺どうなのよ。
と、頭の中だけで自問する。
レックスがそんな阿房みたいな自問を繰り返している時、アズリアもまた同レベルのことで頭を悩ませていた。
じっと見つめてくる目が自分の心を見透かしてくるようで恥ずかしくて顔が上げられない。
あんな破廉恥な事を考えていたということだけは知られたくない。
こんな自分は相手の目にはどんな風に映っているのか。
その答えはあまり考えたくない。
「と、ところで覚えているか?学生時代にもほらお前が入れたお茶がだな――」
そんな考えを振り払いたくて口にした話題は先程まで繰り返されていた物とそう大差のないもので、
それに続いた会話と共に二人の労力は虚しく場の雰囲気はどんどん色気や
駆け引きといったものとは無縁のものへと戻っていく。
「それじゃ、そろそろ帰るよ」
あのまま他愛のない話を繰り返しながら昔のように二人で笑い合っていれば、
時が過ぎるのはあっという間であった。
日はもう沈み、月が高々と天に輝いている。
「そ、そうか…。宿はちゃんと取ってあるのか?」
「いや、まだだけど何とかなると思うし」
それだったらうちに泊まっていったらどうだ――。
胸にせり上がるたった一言が口に出来ない。
だってきっとこんな事思ってるのは自分だけなんだろう。
両想いのはずなのに何だか何時まで経っても一人で片想いしているみたいで切なくなってくる。
どうして自分は「帰らないで」の一言が言えないこんなに可愛げのない女なんだろう。
そう思っても言葉は思うように出てこない。
「…そんな顔、しないでよ」
俯いていると不意に近くで声がした。顔を上げようとしたらそっと抱き締められた。
「―…帰りたくなくなるから」
もう駄目だと思った。この温もりを手放したくない。
本能がそう叫んでいて抱き締め返す腕にも力が入った。
結局の所、駆け引きやら相手の気持ちなんかよりも本能が先走ってしまうのはやはり人の性だろうか。
そんな事を思っていると耳元にそっと唇が寄せられる。近づいた唇が囁く。甘く、熱を帯びて。
「…止まれなくなるけど、いいの?」
「―…いい」
短く返事を返した後、腕を首筋に廻して爪先で立つ。少し高い位置にある唇に自然に唇が触れる。
「…ん……んんぅッ…」
最初は触れるだけだったそれは段々と荒々しいものへと変わり、
唇を割って押し入ってきた舌がまるで生き物のように口内を動き回り、体が段々と熱を帯びてくる。
いやらしく絡み合う唾液と舌に体中が反応して興奮を目覚めさせる。
「…ふ……ぷはっ…―ってお前、せめてベッドに行ってからにしろ。そういう事は」
「あ、ごめん」
キスの後すぐにアズリアの服に手を掛けているレックスの手をアズリアは制すと
そのままベッドに向かおうとするが、途中で立ち止まると振り返り、少し遠慮がちに口を開く。
「…その、風呂に入ってからでは駄目か?」
「なんなら一緒に入る?」
その言葉にアズリアの右ストレートが綺麗に炸裂する。
といっても、加減されたそれは大したダメージにはならないのだが。
「もう二度とその口が聞けない様にしてやろうか?」
「すみません、失言でした…ってゆーか、せめて平手にしようよ。女の子なんだし」
「お前じゃなかったら紫電絶華を叩き込んでいた所だ。それだけで済んだんだからマシだったと思え」
この調子じゃ一緒にお風呂に入れるのは相当先になりそうだなぁと思いつつ
レックスはアズリアのその腕をグイっと強く引くと半ば強引にベッドの上に座らせた。
「我慢できそうもないって言ったら怒る?」
そう言ってもう一度軽く口付ける。その言葉にアズリアは少し頬を朱で染め上げると控えめに声を出した。
「―…灯り、消すんだったら許してやる」
「…そっか」
返ってきた答えに軽く返事を返しながらそっと灯りを消す。
そしてまた口付けてそのままその体をベッドの上に押し倒す。
その日交わされた何度目かのキスが終わると同時に長い指が衣服に掛けられる。
その手に対抗するかのようにアズリアもまたレックスの服に手を掛けた。
「そんなにがっつかなくても…」
「お前だって人の事言えないだろうが」
先を急かすかのようにどんどん剥ぎ取られていく衣服に二人で苦笑いを浮かべる。
恥ずかしさはあるが触れ合う体温は温かくて、先程までの葛藤が嘘のように晴れていく。
たぶんきっとこうしたいと思っていたのはお互いに同じで、
不安になる必要などどこにもなかったのだと温もりが教えてくれる。
これはたぶん自然なことで、きっと人である限り誰もが皆本能には逆らえないのであろう。
「ん…は……ぁっ…」
ゆっくりと胸への愛撫が始まる。
大きさはそれ程でもないが整った形をしたそれが手の中に収まり、丁寧に揉みしだかれる。
「やぁ……んぁっ!」
乳首を撫でるように擦られた後舌でなぞられ、高い声が上がった。
舌先で転がされたそれを甘く噛まれると快楽が全身を支配し、艶を帯びた声が抑えられなくなる。
アズリアの荒くなる息を感じながら、レックスは口での胸への愛撫を続けながらも手を秘所へと伸ばす。
「…ひぁッ!あッ…はぁ…ん……」
一番敏感な部分を指で擦られ、アズリアの口から甘い叫びが零れる。
秘口から愛液が溢れ、堪えようのない快感が頭を白く染めていく。
「…気持ちいい?」
不意にレックスが口を開く。その問にアズリアは与えられる快楽に耐え、更に頬を染めながら答える。
「ん…ぁ…ぅ……聞、くな…そんな…こ、と……」
「いや、でも二人で気持ち良くならなきゃ意味ないから一応聞いといた方がいいかなぁと思って。
俺ばっかり気持ち良いのも何か悪いし、前回痛い思いさせちゃったし」
意図的に恥ずかしいことを言わせようとしているのなら怒れるのに
純粋な好意で聞いてくるので始末に負えない。
それでも自分の欲望だけを優先させずにきちんとこちらの事も気遣ってくれるのは
やはりちゃんと愛されているような気がしてきて何となく嬉しい。
アズリアはレックスの言葉に黙って頬を染めるしかなかった。
そんなアズリアの態度を肯定と取ったのかレックスは先程まで指で弄っていた部分に今度は口を近付ける。
口付けると同時にアズリアの体がビクンと跳ねた。
そのままいやらしい水音を立てながら舌で愛撫する。
「あッ、ああッ…んんッ……ダ、ダメだ…そんな所…汚い、だろ…?」
アズリアの口から搾り出された言葉にレックスは一度顔を上げると少しだけ眉を顰め、言葉を放つ。
「君だって前、俺のあんな所舐めたんだからお相子だろ?
それに汚いなんて言うなよ。俺は綺麗だと思ってるんだからさ」
そこまで言ってまたその場所に口付ける。秘裂の間に舌を差し入れ、溢れる蜜をそれで掬い取っていく。
その度にアズリアのそこは轟き、その体は小さく痙攣した。
「はぁん…あッ…んぅ……ックス、も…いいから……」
抑えきれない快楽に身を委ねながら艶やかな声を上げ、両手で顔を隠すアズリアはなんとか言葉を紡ぐ。
その言葉にレックスは口を離すと今度はそこに大きく膨らんだ己の性器を押し当てる。
「それじゃ、いくよ…」
そう言って腰を少し持ち上げるとゆっくりと自身を押し入れる。
「あッ……んんぅッ…!」
熱の侵入に声が上がる。
処女ではないとはいえ、まだ一度しか男を受け入れたことのないそこは熱くきつく締め上げてくる。
「ごめん…大丈夫?」
その締め付けのきつさに相手の体を心配してかレックスが繋がったまま心配そうに問う。
そんなレックスにアズリアは少しだけ眉を顰めながらも笑いながら答える。
「だ、大丈夫だから…気、にするな…。い、いから続けろ……」
アズリアのその言葉にレックスはできるだけゆっくりと自身を奥まで押し入れる。
その感覚にアズリアは漏れそうになる声を抑える代わりにシーツを強く握り締めた。
奥まで押し入れた所でレックスが声を掛ける。
「アズリアの中…凄く温かい」
「…お前のも熱い、な……」
交わす言葉も吐息もひどく近い。恥ずかしさはあっても溶け合う体温に体の興奮とは裏腹に心は安らぐ。
「…動くよ?」
その言葉を終えるとレックスはゆっくりと腰を動かし始める。
「んぅッ…ぁ……あぅッ…!」
レックスが腰を突く度アズリアから声が漏れる。
締め付けはきついもののかなり濡れていた事もあり、以前に比べればとても楽に動くことができた。
「あ、ああッ、んんッ…!」
狭く、きつく締め上げてくるアズリアの中の心地良さにレックスの腰の動きも激しくなっていく。
その度にアズリアの口からは甘い声が漏れ、繋がった場所がいやらしい音を立てた。
「あッ、あんッ、んふぁッ…!…ックス…レ、ックス……!」
響く水音と強烈な快楽が理性を奪っていく。
気が付けばアズリアもまた自ら腰を動かし、より深い快楽を求めていた。
獣のように貪欲に快楽を貪り合う。
「ああッ、んあッ!レック、ス…私…わた、し……もうっ…!…ふぁッ、ああぁぁッ!」
「…ぅ、あ、アズリア…っ!」
アズリアが一段と高い声を上げ体を大きく仰け反らせる。
それと同時にレックスも素早く自身を引き抜くと、そこから溢れた白濁液がアズリアの下腹部へ降りかかった。
「アズリア……」
絶頂の余韻に浸り、肩で荒く呼吸を繰り返しているアズリアにレックスの顔がそっと近づく。
そしてそのまま目を閉じるとまた深く唇を重ねた。
「―…中で、出さないんだな」
「え?」
力強く温かい腕の中でアズリアはそっと呟く。その顔はほんの少しだけ桜色に染まっている。
「うん…まあ、子供できちゃったら不味いかなって…」
「―…すまない」
苦笑いと共に返ってきた返事にアズリアは俯くと小さな声で謝る。
できることなら彼の子供を産んでやりたいとは思う。ささやかな夢を叶えてやりたい。
それでも、それすらも許されていないこの身が憎いと同時に申し訳なさがこみ上げる。
本当ならこんな女に縛り付けておくよりきちんと子供が産めるような、
他の誰かに譲った方がいいのかもしれないと考えた事もあった。
けれどそう思うと同時にもう取り返しのつかない所まできてしまっている事を知っている自分もまたいて、
どうしてもその選択肢を選べずにいる。
「何で君が謝るんだよ。こうしている事を選んだのは俺自身の意志なんだから君に謝られる筋合いはないよ。
君が側にいてくれる。それが今の俺にとって一番大事な事なんだから」
「…そうか」
その言葉にそれまで胸を支配していた暗い気持ちが消え、暖かな感情が湧く。
何千何百という可能性のある未来。その中にはきっともっと幸せになれるようなものもあったはずだ。
夢を諦めずにいられる選択肢だってあったはずだ。
それでも自分の意志でこの未来を選び取ったのだと。今が大切だと。
それが当然の事であるかのように言ってくれるのはやはり嬉しかったし、それと同時に安心もした。
「…それとな、前も言おうと思ったんだが…その…胸、小さくて悪かったな…。
やっぱり男は、その…ああいうのは大きい方がいいのだろう……?」
しどろもどろになりながらも紡がれる声が段々と小さくなっていく。
口にするのは恥ずかしかったが、やはり長年のコンプレックスであり、
これからも付き合っていかなければならない問題だと考えると気になって仕方ない。
そんなアズリアの様子にレックスは笑う。
「君ってさ、結構細かい所気にするよね?
じゃあさ、君はもし俺がそこら辺の召喚師より貧弱な体だったりとか、
もしくはギャレオの数倍は筋肉付いてるあきらかにやりすぎな位に
マッチョな筋肉マンだったりとかしたら嫌いになるの?」
「―…いや、そんな事はないが」
嫌いにはならないけどでもそんな体のお前は嫌だな。とは言わないでおいた。
「要はそういう事だろ。俺は君のそういう所も含めて好きなんだから細かい事気にするなよ。
俺がこんなに惚れてるんだからもうちょっと自信持てって」
「…お前、今物凄く恥ずかしい事言ったぞ」
「つっこむなよ。言われると恥ずかしくなるから。雰囲気で流してくれよ、こういうのは」
微妙な空気の中二人の頬が赤く染まる。その様子に同時に吹き出す。
「はは…お前、自分で言ってて恥ずかしいと思ってるなら言うなよ」
「し、仕方ないだろ。照れ隠しで外して温度下げる奴よりかはマシだろ。
それに君が恥ずかしい事全然言ってくれないんだから俺が言うしかないじゃないか」
「お前、人のせいにするなよ…。女の扱いは下手な癖に恥ずかしい事言うのは得意だなんて本当に変な奴だな」
「変な奴って…俺みたいなダメな男を辛抱強く好きでいてくれた
どこかの物好きさんも同レベルじゃないの?」
「そんな女を選んだお前も物好きだろう?…結局の所、似た者同士ということか?」
「それでいいだろ?それとも君は今こうしていることを後悔してるの?」
「―…いや」
その言葉にお互いに笑顔が浮かんだ。
その瞬間に愛しさを感じる。
こうして自然に一人の女として、人間として、会話ができるのがとても嬉しいと思う。
軍人としての自分が守るべきものが国と国民なのだとしたら、
女として守るべきものはたぶんこの幸せなんじゃないかと深く思う。
「何だか変な話だよね。ちょっと前まで本気で敵対してた君とこうして同じ道を歩んでるなんて…。
夢を見てるんじゃないかって今でも思うよ。
俺はずっと…自分の歩んでいく道にはきっと誰もいないだろうと思っていたから…。
本当に変な話だよね。自分の中に他人がいることがたまに怖くなるなんて」
それ程までに独りで過ごしてきた時間が長かったから。
言葉にしなくともその寂しげな瞳がそう言っているような気がしてアズリアは胸が詰るのを感じた。
「フン…そんな事言ってられるのも今の内だぞ。その内私がお前の中にいるのが当たり前になるんだ。
お前が逃げたくとも逃げられないくらいに深く根を張ってどんなに独りがいいと言っても
そんな我侭言えない位に追い詰めてやる。その内私なしじゃ生きられない体になるぞ」
不敵に笑ってそう言ったら一瞬だけ鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をされた。その後また笑顔が浮く。
「君さ、人の事言えないよ。今相当恥ずかしい事言ったもん」
「―…お前のせいだ、馬鹿」
突っ込まれてアズリアの顔は茹蛸のように赤くなる。
そんな様が可愛いなぁと思いつつレックスはもう一度その体を強く抱きしめた。
「うん、でもありがとう。やっぱり俺はこの道を選んで良かったと思うよ。
…たとえどんな困難に襲われても君とだったら楽しいんじゃないかって思うし。
独りで歩く平坦な道より二人で歩く獣道の方がずっといいね。
とりあえず俺の今のささやかな夢はどんな荒れ道でも君の事護れる位に強くなることかな」
「…強くなるって言えばお前、この前ギャレオみたいになると言った割には何も変わってなくないか?」
その言葉にレックスの眉がピクッと跳ね上がる。やはり未だに気にしているらしい。
「う、うるさいなぁ!俺だって暇を見つけて鍛えてはいるんだよ!」
「けどそう簡単にはならない…か。不憫な奴だな…」
「不憫とか言うなよ!もうこうなったら勝負だね。君の胸と俺の胸、どっちが先に大きくなるか。
負けた方が罰ゲームで。きっと次会う時には厚い胸板が似合う男になってるだろうから君も吃驚するよ」
「そんな無謀な約束して後悔しても知らんぞ。負けて泣きっ面晒しても自業自得だからな」
そう言って笑い合う。
色気も駆け引きも何もないが、きっとこれが今の二人にとって一番いい形なんだろう。
どんな状況でも本能はきちんとついてくるから。だから安心して好きでいられる。
自分の望む未来を選び取れるだけの安らぎを見つける事が出来る。
今を愛しく思いながら二人はお互いに飽きるまで同じ未来を語り合った。
孤独に生きてきた寂しさを埋め合うかのように、ずっと隣で一緒に笑っていた。
おわし
一話完結型でちゃんとエロ入った話を書く練習をしてみたものの中身のない頭の弱い
恥ずかしい話にしかなりませんでした…。エロはもっと多めのが良いんでしょうか?
違和感無く心と体の距離が近い二人どころか二人して告白大会のバカップル候補生でイチャつき杉だ…。
そしてあんまり短くもならず分類するにしても微妙な代物でタイトルのセンスがなさすぎだよ…_| ̄|〇
>>4スレ815氏、6スレ22氏とてもGJ
アズリアは何やらせてもオケだ
前に漏れが来た直後に荒れてたのね……
純愛ってかネタに走らずラブってみようかと思ったらエロが入りそうにない罠
この様子じゃ非エロ投下はマズげだな
エロくない作品は〜スレは一人の連載が続いてて割り込めそうにないし
全くエロがないから、3ヶ月以上前に書いて放置してたのがあるんだけど……
需要、あります?
内容は、「レックス&ミスミのある一日」みたいな感じなんですけど。
レクアズ分補給完了。イイ出来でした
非エロも間合いを見計らって投下する分には問題ないかと。
非エロが続きすぎるのが問題視されてた訳ですし
>>529 一部の人間が非常に切望しております
>>529 漏れも読みたい。レックス×ミスミ大好き。
無意識的な服従。
悲しいかなパブロフの犬――帝国の書店で手に入るその書物を、レックスが知っていたかは定かではない。
けれど、まあ。
レックスという一人の人間が吹かれた笛に従うかのように、ただ一人の声を認知していると言うのは、間違い
無い事実なワケで……。
「――え? 何ですか?」
「いいから……のう、少しこっちに来てみやれ。ふふ、絶対に損はさせぬぞ?」
来なければ損をするという事じゃがな、と。
少女のように微笑む彼女には逆らえない。苦笑いで心中の嬉しさを隠して立ち上がる。
ここに足を運ぶようになり、やがて習慣と化して――湯浴みと宿泊までも(ちなみに、泊まった時は例外なく
隣でスバルが寝ていた)数度経験した身体が、着馴れなかったシルターン式の寝間着を普段着のように着こ
なしているのに気付いて、ふと今のような状況に至った経緯を思い出す。
――まるで、習性のように。
気付けば彼女を追っている視線を自覚した。
戦場での凛とした彼女、御殿で見せる柔和な表情。
どれにも共通して言えるのは、視線を捉えて離さない魅力。
一人の息子の母として、一人の女性として――自分を受け入れてくれるミスミの存在は、いつしか思考時間
の何割かを奪うほどに膨れていたのだから。
『何じゃ若造。それでは勉強を見に来ているのか、鬼姫の顔を見に来ているのか解らんではないか』
以前、彼女の客人は笑いながらこう言った――が、尤も、言われた方は笑い事ではない。
飲んでいたお茶を噴き出し、あたふたと狼狽し、スバルにからかわれ、客人――ゲンジには「なんじゃ、図星
か」と指摘されてますます顔は赤くなり、まさか数メートル先の縁側で黙想している当人には気付かれていな
いかと慌てふためいていた所をスバルに追及され、「なあ、先生? 先生さぁ、もしかして母上の事――」続け
るスバルを「つ、次の問題、これはね」と強引に口を塞ぎ、その日の気力を物の数秒で使い果たした事もある。
鬼の姫の顔を見たいが為、と言われれば不純な動機であるような気もするが、否定出来ないのもまた事実。
『度々顔を出してくれぬか?』との申し入れには、断る理由も見付けられなかった。
縁側の柱に寄り掛かったミスミは、悪戯っ子のようにレックスの手を引いて顔を正面に向けろ、と促す。
「百聞は一見にしかず、という物よ」
得意げに、無邪気に。
少女のように笑うミスミに釣られてその視線を追って、レックスは意図せずに声を上げた。
「わ……」
「壮観であろ? この時期だけの、わらわのお気に入りじゃ」
「凄いな、本当に。俺も、一目でお気に入りになっちゃいましたよ」
天然の赤光が、庭先を、視界一杯を覆っている。
池も木も家々も何もかもが薄い赤に染まって、その全てが鬼の御殿からは一望できた。
「む……世辞を申すでないわ」
「え……っ? そんな、俺はだって本当に――」
「ほう。にしては、集中力が散漫じゃな? 視線が泳ぎっぱなしではないか」
声に不満を滲ませて視線で抗議するミスミに、再度言葉を詰まらせる羽目になる。
否定できる要素はなかった。
何故ならそれも半分は事実で、残りの半分は柱に寄り掛かる彼女の顔を見ていたからで――上品な着物
から覗く白い肢体が夕日に当てられる様は、言い様もなく魅力的で、蠱惑的だった。
「……ちょっとそこに座りやれ」
「え、え?」
「早くしやれ!」
「は、はいっ!」
叱られた子犬のようにびくりと身をすくませると、借りられた子猫のように従う。
慌ててミスミの隣に正座し、どんな説教が待っているのかと思いきや、
「――え?」
不意打ち。
頬にくすぐったい感触が、肩には心地好い重みが――刹那の思考停止、再起動しての状況把握。ミスミが
寄り掛かってきたのだと気付いて、レックスは「な、な、な」と、声にならないうめきで返答した。
「ほれほれ、これで逃げられまい♪ いいから前を見てみやれ」
「いや、だってその、ミ、ミスミ様!?」
「ああもう! 大人しく集中せぬか! ……どうじゃ、悪くない眺めであろう?」
集中などできるわけがない。
じわじわと湧き上がってくる本能からの欲求は、互いの体温しか感じ取れない距離、虫の声一つしない状況
と相まって、秒刻みで理性を奪っていく。
本能が理性を駆逐しきる寸前。助け舟は、意外にも本人からやってきた。
「……偶にはゆっくりせよ。肩から力を抜いてみよ。無理しているそなたを見るのは、わらわとて辛い」
「あ……」
寂しげに言うミスミに、返す言葉を失う。
本心を見透かされていた気恥かしさと、罪悪感。それから、見ていてくれた事に対する嬉しさ……全部がな
い混ぜになって、言葉が形を成さない。
「よいか?」
「……はい」
続けられた言葉には、短く――本心から同意した。
うん、と満足そうに頷いて、ミスミは再び景色へと視線を移す。沈黙したままの本能に安堵して、今度こそレ
ックスも赤い景観に見入った。ゆるやかに流れていく時間をこうやって過ごすのも悪くないな、そう考え始めて、
「おお、そうじゃ」
「はい?」
肩に掛かった力が不意に消えて――代りに、少々強引な勢いで頭を掴まれた。
軽い浮遊感。意図を察するべくもないレックスの視界は、赤の景観からミスミの笑顔へ――間近で、その顔
を見上げる形へと変わっていた。
体が横倒しになっているのは解る。視線が上向きなのも解る。だったら、頭の下が柔らかいのがなぜかと言
えば、勿論。
「……ミスミ、様?」
「何じゃ? ああ、わらわの事なら気にするでないぞ。この程度で足は痺れたりせぬゆえな」
「そ、そうじゃなくって……っ!?」
「あ、これ。動くでないわ」
言うと、ミスミは膝上のレックスの頭を優しく抑えた。レックスはと言えば微動だにする事もできない有様で、
どうしてかと言えば耳の中に細い棒のような感触があるからで、
……ぶっちゃけ気持ち良かったのだ。
「ええっと……何してるんです、ミスミ様?」
「耳掃除じゃが。スバルは好きでのう……そなたは嫌いかえ?」
「そ、そんな事は……突然だったから、ちょっと驚いただけで」
「なら、よいであろ? ふふ。良人もな、最初は同じ反応で返しおった」
「……リクトさんが?」
「そうじゃとも。照れ隠しに悪態ついていた辺りはまるで違うがの……やはり、どこか似ておる」
「ミスミさ――」
「似ておるのじゃ、やはり……」
「……ミ――」
夕日が遮られる。
間近に迫った白い相貌。
――沈黙。
「……え、あ、あれ?」
「す、済まぬ……その、迷惑じゃったか?」
「え、だって、そんな事はないけど、ち、違う、そういう事じゃなくって、え、えええっ!?」
僅か、唇に触れた感触。それは――
「み、ミスミ様? あの、これって、その」
「そ、そんなに大袈裟にせんでもよいであろうに……」
「だ、だって……」
あの、と呼び掛けても返事はない。
そっぽを向いた彼女の顔が仄かに紅いのは、けして夕日のせいだけではなく――
くすりと笑うレックスに、「こ……これ、い、今なにを笑ったのじゃ!」告げるミスミの顔はますます紅い。
レックスはそんな少女のような反応を笑って、素直に告げた。
「だって、ミスミ様が可愛かったからさ」
「な……っ、ななっ、そんな・……な、何を言うて」
「ミスミ様」
「な、なんじゃ」
「ずっと――傍に居て下さい。そうすれば俺、絶対に大丈夫だから」
「な……レックス!?」
そこで、意識を手放した。
柔らかな感触に身を任せたまま、レックスの意識は眠りの縁へ――
――残されたミスミはといえば、顔全部を真っ赤に染めたまま数度瞬きを繰り返し、数回深呼吸。
ふと柔らかく笑って、レックスの髪に指を通し始める。
「まったく、大馬鹿者め……言われずとも、わらわはどこまでも着いて行くつもりじゃと言うのに」
それは、照れ隠しに告げた言葉で……そして、本心で。
この1ヵ月後、戦いは集結し――照れ隠しの言葉は本当になる。
――4年後。
夕焼けも深い秋、鬼の御殿。
「うう……ん、変わらないね、ここはさ」
「わらわ達が護ったのじゃ、変わらない為にな。当然じゃろう?」
大きく伸びをしたレックスを四分の一は呆れ、残りの全部で愛しく眺めて、ミスミは寧ろ自慢気に言った。
その自慢は、激戦を戦い抜いた中間達への尊敬であり、愛しい者を失った長い時を歩く辛苦――小さな
トゲが刺さったままの胸中との決別であり、
――何より、落ち葉が降る木々の中を隣に歩く夫を自慢する物だった。
「あはは、そうだね。でもやっぱり、秋が来ると思い出しちゃってさ。……やっぱり、嬉しいよ。こうしてまた、
ミスミ様と同じ景色を眺められるんだから」
「……これ」
「……あ」
言ってから、はっとした顔でレックスは苦笑いする。
「……ごめん、ミスミ」
「まったく……どうしていつまで経っても……スバルの方がよほど適応力が高いぞ? 式を挙げてその日
には「父上」じゃったからな」
「あ、あれは……う、うーん」
「まったく、しっかり頼むぞ? あの子の妹が出来た時、妻を「様」付けで呼んでいる等と言う事になっては
笑い話にもならぬからな」
「え? 今、何て……」
「な、何度も言わすでないわ! ……い、妹じゃ、妹。スバルの――」
「ほ、本当!? それって、つまり俺の……」
「じゃ、じゃから言わすでないと言っておるに!」
こつんと頭を小突かれて、レックスは照れたように笑い、ミスミは頬を染めたまま溜息を吐く。
こつんと頭を小突かれて、レックスは照れたように笑い、ミスミは頬を染めたまま溜息を吐く。
「……この間、ラトリクスに行ったであろ? あの時調子が悪くなって、その……クノンに話したのじゃ。そう
したら」
「妹……、って?」
「あそこの機械なら生まれる前に男子か女子か解るからの……って、何を言わすか、馬鹿者!」
「ご、ごめんっ! ごめん……あはは、でも、うん、嬉しい」
「な、何を今更……当然であろう、そんな事」
「……そうだね。あのさ、ミスミ」
なんじゃ、と言い掛け――不意打ち気味に口を塞がれて、
「な――」
「あの時の仕返し」
「……馬鹿」
「絶対に護るからね。この島のみんなも、スバルも、その、俺の子供も……ミスミも、絶対に」
「……うん、あなた」
余談だが、この1ヵ月後に、二人は一人の少女を家庭に加える事になる。
更に月日が流れ、大陸からの来訪者が訪れる事になるまでは数年。
「男子一人、女子二人」を希望していたミスミの願いが叶っていたかは、また別の話……。
すみません、改行規制が厳しくて何度もレスを消費してしましました。
最近ゲームに触れてなくて記憶が曖昧ですが、先ほど手を加えてしまったので、妙な形になってなければ幸いに思います。
GJです!
ほのぼの萌え(*´v`*)
グッジョブ
普通にマターリED後日談に入っていてもよさゲ
・・・・微萌
GJ!
すごい微笑ましいのがイイ!
またミスミ狙いでクリアしたくなってきた・・・
>>541-543 あ、お返事頂き、ありがとうございます。多分エロが書けないので、こんな内容ですが……。
笛の話を頭で出したのに、最後で全く引いてなかったので、反省してます。
この二人の話なら、書く時があれば、またいずれ……。
>>542氏の言われる様に、後日談みたいな形で書かせて頂きたいです。
規則からずれているのに貼らせて頂いて、ありがとうございました。
>>544 グッジョブ!エロなしでもたまにはいいかと。
ところでスバルって何歳なんだ?
もしやレックスより年上…?
つか、何か最近雑談減ってきた?職人さんの降臨を待つ傍ら萌え話もしようZE。
ちょっと思ったんだけど、ラトリクスにシャワーがあるのはアルディラの台詞で確認済みだが
他の場所の風呂とかはどうなってるんだろ。
シャワーみたいな近未来的なものは海賊船についてるんだろうか。ない気もするけど。
仮に風呂場の描写を書くとして、湯沸し機なんてないだろうし湯はどうしてるんだとか
色々思ってしまうわけだが…。船の中に普通に風呂場があるし、ドラム缶とかではなさそうだ。
シャワーみたいな近未来的な物はラトリクスのみって気はするが、一般家庭に普及している
風呂の構造は謎だな…。金の派閥とかならシャワーや湯沸し機位ありそうだが。
一般家庭の風呂は薪とか?
風呂の形状と萌えが繋がらんが・・・
>>545 少なくとも中世チックな海賊船には付いてないだろうな。
逆にシャワーの心地よさを気に入ったソノラやスカーレル辺りが
ラトリクスに入り浸ってそうだ。
エロパロで使いやすい男キャラと言えば誰だろう。
主人公のレックスは一番として、その次に多いのは誰だ?
ビジュも萌えネタはあるがエロはあんまりないよな。
そういえばナップって、エロガキそうな感じだがほとんどSSに使われてないな…。
シマシマさんか肉棒船長かと
盛んの王というそのためだけに存在するようなキャラクターがおりますよ!?
鬼畜物だったらオルドレイプ、バノっぴ、レイム様と三悪魔、イスラ坊やにビジュ
辺りかなあ。個人的にレイム様が一番使いやすそう。
バノッサはゲームで何度も返り討ちにしてるからな。
なんか襲っても成功しなさそうだ
でも実際盛んの王辺りなんかは使いやすそうであんまり使われてないなー。2のレイムが
徹底して「悪」だったのに対して3は皆微妙にダメポ臭が漂っているせいか決定打に欠ける。
ロッカはユエルやミニスとの絡みがあるのに全く使われませんな。リューグはモーリンとたまに
見かけるけど。
それと実は2じゃ主人公のマグナよりネスティのが使いやすそうな気がしてならないのは
マグナで絡み書くのが難しいから?人見知りの割にトリス、アメルとの絡みを始め召喚師
という設定上ミニスやルウ、ミモザとも意外に接点があるからか?多くのキャラと絡める方が
有利だろうし。
>>553 ロッカの場合良くも悪くも「いいお兄ちゃん」だからエロにもってきにくい
単にマグナは人気無いから書かれてないだけぽ(´・ω・`)
いや・・・漏れ、マグナ絡みは大好きなんだがな
でも書いてるのはネスルゥの続きってどういう事だ
マグナは初代〜二代目だと結構使われてたよ。相手はミニスが多かった気がする。
マグナ以上に忘れ去られているトウヤに誰か愛の手を…。
1キャラはマイナーだから使われる頻度は少ないな。綾とか夏美とか読みたい。あとクラレ。
リプレは使われるたびにレイプOR売春で不憫になる。ガゼル辺りと純愛が欲しい。
なんか最近無性にアメルを犯したくてしょうがない。
トウヤ人気ないよな。
俺はトウヤが1番最初だったから、1番愛着あるが。
トウカシ派ではあるが、ハヤカシ派が多いみたいだし
トウクラかトウリプかトウナツのどれかでも書いてみるか。
>556
トウクラキボン…
うわわ、トウカシ書いてクレー。マジ読みてぇ…!!
バノ綾とか考えてみたが、なんか口調がカイアティとかぶりそうだ…。
あと綾の性格がいまいちわからない。
天然じゃないよな?性格がひねくれてる?
>556
その中ならクラレかな。俺も本命はトウカシだけど。
クラレも使われるときは陵辱話が多かった気がするな。
1ネタは少ないから(特に男女物エロ)は話題が出て少し嬉すぃ
>>556 人気かどうかなんて気にするこたぁない。自分の書きたい物を書けばいいさ。
実際漏れもここの職人さんのSS見て好きになったカプとかあるから同士が増えるかもしれんし。
個人的にクラレの純愛とかあんま読んだ事ないんでクラ希望かな。
>>559 綾は個人的に天然+毒舌という気がする。時折出るあの鋭い一言は悪気があるのかないのか…。
個人的に綾好きなんでバノアヤ期待してます
今過去ログ調べたらトウヤ初代スレには名前さえ載ってなかったよ。
綾もほとんどないな。夏美はもうちょいあるけど小ネタぐらいの物が多いな。
カシスは最近のハヤカシ物と昔の調教シリーズか。
クラレはログ漁ったら夏美とのレズ小ネタと勇人に犯されるヤツと
カシス調教ものぐらいしか出番ない。
やっぱ1キャラは書きにくいのかな。
3は今までで一番まんべんなく男キャラがつかわれてるな、そういえば。
1だとハヤトウキーソルにオルドレとバノくらいか。
フラットのメンバーでエロは書きにくいよな、確かに…。
ラムダ×セシルとかイリアス×サイサリスとかあっても何か、何だろうって感じだし。
俺はトウナツがいいや、最初に選んだのがナツミだったから。
以前いろんなHPあさってみたけどナツミって無いねえ。
いや、単に探し足りないって事もあるかもしれないけどさ。
>564
ラムダとセシルって誰だっけ?
イリアス、サイサリスなら覚えてるんだけどさ
てか1の主人公は男ってハヤトとトウヤだっけか?
女キャラ以外殆ど名前忘れた。
「使われてない男キャラ」の話は散々出てるのに
「使われてない女キャラ」の話が全く出ないのは ど う い う こ と だ !
シアリィ・ケルマ・エルカ・クラレット・エミ・フィズ・ラミ・サイサリス
あたりは比較的他のキャラと比べて少ないほうと見た
(無論無い訳ではないしこの板でもまれに見るがな
純愛というか、普通にラブってみるテスト。
完全非エロなのでいらない人は10レスほどすっ飛ばして
あと話の流れ上、会話させるのに同級生として追加してるヤツは気にしない方向で
「明朝迎えに来る。その時は手間をかけさせないでくれると助かるがね」
蒼の派閥の議長、グラムスはそう言い残して去っていった。
「夜中の内に二人で逃げちまえ。適当にごまかしといてやるからよ」
「そういうわけにもいかないだろ」
ガゼルはああ言うが、派閥の監視が聖王国全土に広がっている以上、どこに逃げても見つかるのは時間の問題だ。
その上、身元不明では国境を越えて他国に逃げることもできそうにない。
『捕まらない』だけなら何とかなるかもしれないが、本気で死体の山を築くことになりかねないし、
こちらも人間、休む間もなく攻められれば遠からず捕まってしまうだろう。
その夜、ノックすら重々しくカシスが尋ねてきた。
部屋に入っても沈痛な面持ちで黙ったままでいる。
「どうしたんだよ。黙ってちゃわかんないぜ」
本来、こうして二人で時間を過ごすのは歓迎すべきところだが、こう重い雰囲気では逆に気が滅入る。
普段がやかましいほどに元気な彼女ならばなおさらだ。
まあ無理に聞かず、本人が言いたくなるまで待つか、とハヤトはそのままベッドに倒れ込んだ。
「ねぇ……」
それからしばらくして、カシスがようやく顔を上げ、重い口を開いた。
寝入りそうになっていたハヤトは頭を軽く振って眠気を払うと、体を起こして彼女に向き直り次の言葉を待った。
「あたしのこと……抱いてくれない?」
いきなりな言葉に耳を疑った。ついでにベッドからずり落ちそうな体勢を立て直す。
「お、お前……何言ってるのかわかってるか?」
早鐘のように打つ心臓を押しとどめ、何とか平静を保とうとする。
「うん……。これが最後の思い出になるから……」
また耳を疑った。
『最後の思い出』。最後。終わり。
「……どういう、ことだ……?」
もう暴れ出しそうだった鼓動も収まっている。
「連中にとってキミにはまだ利用価値があるだろうし、せいぜい派閥に軟禁されるくらいで済むだろうけど、
あたしはそうはいかないわ。何たってリィンバウム全体の裏切り者なんだから、生かしておく必要なんて無いよ」
「いくら何でもそんなこと──」
「派閥ってのは排他的な上に潔癖だから。それくらいは平気でやっちゃうよ」
そう言う表情から、以前の彼女に戻ったような感じを受ける。
それに死ぬことを恐れていない。むしろ受け入れてすらいるような。
「何で……そんな平然としてられるんだよ……」
「ん……、あたしのしたことを考えれば、仕方ないしね……」
「そうか……、わかった。目、閉じろ」
言われるままに目を閉じるカシス。
その頬に手を当て、引き寄せると──ぱかん、と頭を殴りつけた。
「いったぁ〜。何するのよもう!」
「やかましい。何が最後の思い出だ!」
びしっと鼻先に指を突きつけ、たまってた感情をぶちまける。
「そんなことしたらこっちはお前のこと思い出すたびにつらくなるじゃないか!
だいたい最後も何も、お前が死ぬわけないだろ!
もし連中がお前を殺すってんなら、全員ぶっ飛ばして助けに行くさ!」
「でも、あたしは……」
「他の誰が許さなかろうが、被害者の俺が許すから問題ない!」
一息にまくし立てて、大きく息つくこちらをぽかんと見つめるカシス。
そして──
「ぷっ! あはははは……! ホントにキミっていつもいつも無茶ばっか言うよね」
「やっと笑ったな。……でも、俺ってそんなに無茶なこと言ってるかな……」
生粋のトラブルメーカーが何やら自覚のないセリフを吐く。
「ま、さっきのことは……今回のことが終わったら──全部終わったら、な」
「……うん。約束、ね」
いつもの笑顔を取り戻すと、着けていたネックレスを外して手渡してくる。
「これ持ってて。キミってばいつもぽけっとしてるから、約束忘れないようにね」
「って、これ大事な物じゃないのか?」
「うん。だから貸しとくだけ。あとでちゃんと返してもらうから、大事に持っといてよ?」
そしてすべてが終わり、俺は帰ってきた。
──自分の世界へ。
あの日の夕暮れ、あの時の場所、あの時のままの学生服。
ただ一つ違うのは……その手に握っていたペンダントだけだった。
夜。何となく、外へ出た。
──嘘だ。奇跡でも期待しているってのか。
「アイツにもよく言われたっけな、バカだバカだって」
見上げると真円を描く月。まるで夜空に穴を開けたよう。
月は異世界への落とし穴。
俺の世界にも月がある、と口にした時、彼女はそんな話をしてくれた。
昔、召喚術というものがなかった頃、悪魔や鬼神は夜空の穴から攻めて来ていたと思われてたとか。
『もしかしたら、あの向こうがキミの世界かもね』
もしそうなら、あの向こう側では──
そんなことを考えて、ふと顔がほころぶ。我ながら現金だ。
まだ一日と経ってないって言うのに、会いたさがつのる。
『はぁ……。ホントにキミってお気楽なアタマしてるよね……』
──まったくだ。
『あれ? それってもしかしてデートのお誘いかな?』
── 一回くらいマトモに誘っとくんだったな……
『約束、だよ……』
──結局守れなかったな。……ごめん。
月明かりの下、今日も──来ない君を待ち続ける。
ホントにバカだな、俺は。
それからしばらく、空を眺めることが多くなった。
昼食後の気だるい昼下がり──この後は数学なのでなおさらだ。
そんなわけで、ハヤトは遠くの空を見上げて大きなため息を吐いた。
「もう二週間……。どう思う、アレ」
サンドイッチをぱくつきながら、ぼーっとしているハヤトを目で示すナツミ。
「あんな窓際で黄昏れてるよーなの、あたしの知ってるハヤトじゃないわ」
「まあ……確かに、新堂らしくはないが」
うんざりした口調のナツミに合いの手を入れるトウヤ。
いつもボケツッコミの矛先はハヤトに向くのだが、あんな調子ではうまく決まらず、
溜まったストレスがこちらに向きそうになるので戦々恐々。
「見るからに悩みの無さそうな新堂さんでも、一年に一度くらいはそんなこともあるかもしれませんよ」
ふらりと出てきてさらりとヒドそうなことを言うが、いたって笑顔のアヤ。
「ほぅ。で、そのココロは?」
「あのペンダントではないかと。カケラも似合ってませんし」
確かに似合ってない。そういえばヤツが黄昏れ出した頃から付けていたような気もする。
それらのピースがナツミの頭の中でかちゃかちゃと組み上がる。
「なるほど……。つまり『女』ね!」
「女って……新堂にそのテの話なんて聞いたことないぞ」
実際の所、ハヤトはかなり人気がある。が、元来のニブさ故に浮ついた話はいっさい出てこなかったりする。
「よぅし、あたしがそれとなく探りを入れてくるわ」
「ねぇ。あんた最近変だけど、ひょっとして彼女にフられたとか?」
がたん、とトウヤが椅子ごとコケる。
「どの辺がさりげないんだ……」
「口調や態度はとてもさりげないと思いますが……」
受け取り手のことを考えず会話のボールを投げつけてくるナツミに、うろんな視線を返すハヤト。
彼女の言葉を反芻する。
──彼女。何か違う。
「……そんなんじゃないよ」
にべもない返事をすると、また窓の外に視線を戻す。
一瞬考えたような「間」に、これは何かあると感じ取ると搦め手から入ることにした。
「その娘ってどんな感じ? 名前は? 年いくつ?」
まったく聞いてない風なハヤトに矢継ぎ早に質問をぶつける。
「あたしの方がかわいい?」
「それはない」
はっと気付いた時にはもう遅い。思わず突っ込んでしまった。
「ふふふ……引っ掛かったわね。さあ白状してもらおーか」
にんまりと悪魔のように邪悪な笑みを浮かべて、ここぞとばかりに切り込むナツミ。
「その娘どこにいるのよ? あんたと付き合うような変わった娘、実際会ってみたいわ」
「無理だよ。こっちには……いないからな」
それだけ言って顔を背けるハヤト。
その寂しそうな横顔に思わずどきりとしてしまう。十年来の付き合いだが、こんな顔見たのは初めてだ。
はっと息をのむナツミ。
こんな表情を見せるからにはよほどのことがあったのだろう。
別れた? いや、もしかして死別?
あの似合ってないペンダントも形見だとするなら頷ける。
「あ……。ご、ゴメン。ツラいこと聞いちゃったみたいね……
お詫びと言っちゃなんだけど、あたしの胸で思う存分泣くといいわ……」
さあおいで、とでも言わんばかりに両手を広げてみせる。
どんな思考をしたのかまるでわからないナツミを横目で見やるハヤト。
まあこの女が突飛な行動を取るのはいつものことなのでどうでもいい。
それより、ナツミとの問答であいつのことを考えてしまった。
無論、忘れたことなど片時も無いが。
一度意識してしまうと色々思い出してきてよけいに会いたくなってくる。
会いたい。顔が見たい。話がしたい。
こんなことじゃダメだ。何か別のことでも考えて気を紛らわせないと──
ちらりと目をやれば、ナツミはまだ例のポーズのまま。
本人は聖母か何かのつもりらしいが、ベアハッグ待ちにしか見えないのが悲しいところだ。
いっそのこと胸をわしづかみにでもして逃げてやろうか。
そんなことを考えてると、ふと、言い知れない感覚が走る。
確信があったわけではないが、予感のようなそれに従って椅子から立ち上がる。
「離れろ!」
強く叫んで大きく飛ぶ。
視界の端では案の定、トウヤがアヤの手を引っ張って飛び退いていた。
雷鳴めいた爆音が轟き、机や椅子やナツミが盛大に蹴散らされる。
もうもうと上がる爆煙が次第に晴れ、何かが姿を現していく。
茶色の髪、アンテナのようなくせ毛──埃でぼさぼさだ。
ローブのような見慣れた服──あちこち破れてボロボロになってる。
抱くと折れてしまいそうな華奢な体──擦り傷だらけで血が滲んでいる。
愛嬌ある顔立ち。その鳶色の瞳が何かを探すようにきょろきょろと動く。
そして「何か」を見つけると破顔し、駆け出した。
「ハヤト!」
忘れようもない声。
ハヤトは飛び込んできた少女を優しく抱きとめ、勢い余ってそのまま後ろに倒れ込んだ。
「お前……ホントに、カシス、か……?」
「うん! 声、聞こえたよ……。今度はキミが呼んでくれたんだね……」
「で、でも……どうして……」
こうして腕の中の重みを感じても、触れる体温を感じても信じられない。
「あ、これ……あたしのペンダント。この真ん中に付いてるのサモナイト石なんだ。
もしかしたら、これのおかげかもね」
「ホントに、本当……なのか……?」
未だ信じきれない顔をしたハヤトの頬をぎゅいっとつねり
「もう!そんなのどうでもいいじゃない! せっかく会えたんだから気の利いたセリフの一つも言ってよ!」
この言い草。確かに間違いなく本物だ。
言ってやりたいことはたくさんあったのに、うまく言葉になってくれない。
──いや、考えなくてもたった一言で十分か。
「……おかえり、カシス」
「……うん!ただいま、ハヤト!」
「さ〜て、一段落ついたところで色々と聞かせてもらおうかしら?」
……忘れてた。ここは二人だけじゃなかった。輪になった周囲から好奇の視線が降り注ぐ。
そんなことはお構いなしに、ごろごろと抱きついてるお姫様。少しは空気読んでくれ。
「あ、ペンダント返してもらうね。ちゃんと約束守ってもらうから」
と、ペンダントを外して自分の首に掛け直す。
「……え?」
「も〜、忘れちゃったの? あたしのこと抱いてくれるって、約束したじゃない」
瞬間。視線に怒気や殺気が混じり、刃のようにハヤトに突き刺さる。
一人だけ、新しいおもちゃを見つけた子供のようにらんらんと目を輝かせる女。非常にマズい。
「……逃げるぞ」
ハヤトはぽつりとつぶやくと、わがままプリンセスを抱え上げ、一目散に逃げ出した。
「よっしゃ、追い詰めるわよ! あたしに続けぃ!」
クラスの一同を煽動し、先頭に立って走り出すナツミ。
人ひとり抱えているとは思えないほど軽やかに階段を飛び降り、ダッシュで廊下を駆け抜ける。
充実感。いや、ぽっかり空いた穴が埋まっていくような充足感が心を満たしていく。
「やっぱ、お前がいないと始まんないな」
「あったりまえでしょ。あたしはキミのパートナーなんだから!」
投下終了。どうしてもしっとりと終わらない……
何か上手いタイトルとか思いつかなかったし。
やっぱこういうのは普通の健全サイトの人に任せる方が無難か_| ̄|○
エロ書いてるよりこっ恥ずかしいし……
でも1のノーマルなサイトってあんまり無い罠。
ここは感想クレ厨が誘い受け付きで非エロを投下するエロパロスレですか?
いい加減にして欲しい。
>>578 いらない人は見るなとあるのに見て難癖付けるか。
確かに少々誘い受け風味ではあるが感想クレクレでは無いだろうが。
おまえこそいい加減にしろ。
>>579 でもこのスレッドは非エロ前提の小説を書く場ではないだろ。
ただの純愛小説を投稿したいなら他に場所はいくらでもある。
「非エロはほどほどに」って結論が出てすぐコレか。
8スレ268、アンタこの前もハヤカシの非エロだったよな?
エロ書いてるよりこっぱずかしいならエロ書けって。
誰も非エロキボンなんて頼んでないんだから。
話を蒸し返すようで悪いが非エロを投下する連中はなんでここに
あげるんだ?ただのカプ厨&SS厨にしか見えんよ。
俺が同人板で見たのは自サイトにあげるのは恥ずかしいし感想ももらえないからって理由だった。
もうアフォかと思ったよ。要するにマンセーされたいだけだろ。
少し前にもめた時も「エロは正直どうでもいい」って言ってた奴いたよな。
カプ萌えだけでエロはいらないんなら投稿所作ってそっちでやって欲しい。
好きカプでもエロでもないものでログが流されるのはたまらん。
ここはエロパロなんだよ。幅広い萌えはあっても本質はエロを求めるスレ、つーか板。
3が出る前は黙って投下して黙って去る職人が多かったのにな‥。
サモナイのSSなんだから別に良いだろうに、と思うのだが。
このスレの職人さんは腕利きが多いし、エロ無しでも十分に
萌えられる。エロパロ板であるからエロ無しが叩かれるのも
解るが、SSの冒頭に注意書きを入れる等、気を遣っているの
は確か。
又、このスレにエロ無しを好んで書くと云う職人さんは居ない
だろう。このSSにしても続きと云う形でエロ突入があるかも知
れない。しかし住人が叩き行為を行うことでスレを離れる、若
しくはSS書きを辞める、と云う方が出て来るだろうことは想像
に難くない。
それ等がスレの活気を奪い、延いては自分の首を絞めること
に繋がることは理解しているだろうが、余りに排他的な行動を
採ることは止した方が良いと思う。
この際、是非をオール・オア・ナッシングの形で問うのではなく
双方歩み寄って妥協することが必要だと思うが如何だろうか。
以下、言い出しっぺとして提案をしてみる。
・基本はエロ有り。唯だ、余程続かない限り、詰まり偶に位なら
エロ無しがあっても許容する。
・エロ無しを投下された職人さんは、次回作になるべくエッチの
シーンを入れる様にする。但しこれは完結物の場合、続き物は
この限りではない。
・SS投下が無く、スレが寂れている様な時は、例えエロ無しでも
萌えられればOK。
こんな所でしょうか。間口を狭くし過ぎるとロクなことにならない
ので。後、決して仕切っている心算はありません。純粋に、今の
状況を打開したいと思っているだけです。
単純に、
エロなし小説はスレ違い…ということなのか?
またループになりそうだから話題変えるけどカップル・キャラ以外に
読みたいジャンルとかシチュとかあるかな?
俺はパイズリが読みたい。
板の指針は
『実在する人物の姿態を必要としない作品のエロ妄想・パロディ専門板です』
パロOKだよな。
で、このスレは
『サモンナイト エロ小説&画像キボンヌスレその9です』
パロと明記無しだからNG。
この歪みをどうにかするには、10のテンプレを替えるかスレを分割するかしか無いよな、もう。
ここまでエロ無しは市ね派が多いとなると・・・
とりあえず8スレ268氏を攻めないで欲しい。
268氏に純愛キボンヌと言った身、268氏に非難が来るのは堪えられん・・・
攻めるなら漏れを_| ̄|○スイマセンスイマセンスイマセン…
スレ分割は他板住人の顰蹙買うから止めといた方がいい。
まあ投下されるたびにこういう事になるからエロ無しは控えた方がいいなと俺は思う。
でも投下されたからといってあまり過敏な反応は感心しない。
エロ作品だってちゃんと投下されてるんだからそうそう毎回目くじら立てるなよ。
578=581もいってることに一理はあるけど言葉遣いが悪すぎる。
例え正論だったとしても言い方がわるけりゃ喧嘩売ってるようにしか聞こえなかったりするし
そこらへんは21以上の大人の対応をして欲しい。
まあ何だ、そんなにマジになるなって
サモンを愛する者、皆同士だ
ところでクラフトネタはあまり需要無いのか?
>>582 >このSSにしても続きと云う形でエロ突入があるかも知れない。
書き手本人が完全非エロだって明言している。エロ含む続編を想定の上の本編とも思えない。
もし本当にエロを含む続編があるなら、スレの主旨や住人のためにそれを明記すべきでは?
そうすればこんな論争は起こらなかったわけだしな。
他の人も言っているが、このスレッドはサモナイのエロ小説を投稿するスレッド。
エロ無しを投稿したいのなら、普通のファンサイトに投稿所はいくらでもある。
わざわざここに投稿する理由はない。
もしも、普通のサモナイ小説を投稿する場にエロを投稿したら荒らし同然の扱いを受けるだろう。
このスレッドにエロ無しを投稿するのはそれと同じ行為。
381氏の倉庫が404なんだが…
アカウント消されたとかなのかな…?
だとしたらショボーン(´・ω・`)
荒らし扱いするのはどうかと思うけどな。
気に食わないものをすぐに排斥しようとするのは良くないぞ。
それこそ荒らしじゃねーの?
歩み寄りとか譲歩とかしようや。書き手も読み手も。
>>591 381氏じゃないけど。
>2003年11月4日現在、システム不具合のため一部ユーザー様の
>データが破損しております。復旧まで少々お時間下さい。
>ご不便をおかけしますが、よろしくお願い致します。
鯖の問題みたいだよ。
>>592 >サモンナイト エロ小説&画像キボンヌスレ
ここはエロを投下するスレ。
別にエロ無しが嫌いってわけじゃないが、ここに投下すべきではないだろ。
歩み寄り、譲歩と言うが、結局はエロ無しを認めるか認めないかの二択だろ?
連載の中にエロ無しがあるのはかまわないと思う。
でもエロ無し前提は、「エロキボンスレッド」に投稿すべき作品ではない。
>>エロ無し書き手さん
エロ無し小説を、ここに投稿しなければならない理由は何?
普通のファンサイトの投稿所とかの方が感想もいっぱいもらえるし、こういった問題にもならないと思うが?
>>594 カプ厨なんて決め付けんな逝ってよし
・・・とカキコしようと思ったが、自分がココに801SS書かれたら叩くと言う考えと
エロ無し逝ってよしな奴らと考え方は同じなんだな・・・
268サマ、よろしければ今度別のトコで書いてください。
そうすれば未練無くココ卒業できるので・・・
カコイイくらい荒れてますね
>>589 無いとはいえないけどGBAをもってる人が少ないだろうから多分
分からない人の方が多いと思う その分書き手も少ないだろうし
何方か、このスレに憑依した妖怪堂々巡りを祓って下さいませんか
さておきトウヤ×サイサリス投下。エロは多分に含まれてます
599 :
川上之嘆:03/11/05 19:12 ID:fkv8QRrK
良い芳香が鼻をつく。
香りに誘われるがまま、トウヤは一口紅茶を啜った。
「ん・・・美味しいな」
「そうですか。お口に合ったようで何よりです」
少女の淡々とした返事。視線は彼ではなく手元の自動弓へと注がれている。
巻き上げ式のこういった自動弓は手入れを怠るとその精度を極端に低下させて
しまう。戦闘中などでは便利だが、小まめな整備が必要な分忍耐力の
無い者には不向きである。逆に・・・彼女にはふさわしいものではあるが。
小鳥の鳴き声を耳にし、ふと窓の外を覗く。サイジェントは今日も快晴。
雲ひとつ無い。風もどうやら弱いらしく工場の煙もほぼ垂直に空へと
伸びていた。
「平和だねぇ・・・」
「それは良いのですが・・・何かある度此処に避難してくるのはどうかと」
此処―すなわち騎士団詰め所のサイサリスが使っている部屋の事だ。
「いや・・・流石に城の中までは彼女達も追ってこないから、さ」
窓の外を覗いたまま、トウヤが呟く。
”いい加減、どっちの方が好きなのかはっきりしてちょうだい”
今朝方、カシスがその背にパラ・ダリオを召喚して聞いてきた。
それを見ただけでまあ・・・それが問いかけではなく単なる脅迫である事は薄々
気付いていたのだが、適当な言い訳を考えている所でアカネが乱入してきた。
それがまたカシスの頭上だったり、その事で二人が血で血を洗うドックファイトに
突入したり、これ以上家を破壊するなやるなら外でご自由にとリプレがすりこぎの
一撃で二人を昏倒させたりと、紆余曲折を経てろくに朝食も食べぬままトウヤもまた
外に放り出されたのだった。
「まあそんな訳でこうして朝食までご馳走になってるんだ」
「今ひとつ納得はいきませんが・・・そもそも、ぴしゃりと言い聞かせなければ
カシスさんも諦めないと思うのですが」
「カシスはちょっと極端な所があるからね。今までにも何度かはっきりと言って
るんだけど、そのタイミングに合わせてブラックラックを・・・」
600 :
川上之嘆:03/11/05 19:16 ID:fkv8QRrK
「それは確信犯と言うのでは」
「だろうね。だから最近はこうして彼女が頭を冷やすまで何処かでじっとしてる
のが一番の策になってるんだ」
やや重い溜息をつき、残っていた紅茶を一気に呷るトウヤ。
「・・・恋愛もまた命がけ、と先人も言っていますからね。そう言った意味では
カシスさんの行動もまた多少は理に適っているのかもしれません」
(命がけ・・・ってどちらかといえばカシスは奪う側のみなんだが)
サイサリスに対して心中で突っ込む。しかし普段からお堅いイメージがある彼女の
口から恋愛、の二文字がでてきた事にトウヤは軽く驚いた。
「良く父が言っていました。時には激しく、そして手段を選ばず。そうやって
父さんも母さんを陥れ・・・もとい、結婚したんだよと」
内容を詳しく聞きたいような、聞きたくないような事を言い出すサイサリス。
「・・・・・・」
この場にいればいずれ彼女がその先を話し出すような気がしたトウヤは
そそくさと退出の準備を始めた。が、どうも身体の動きがぎこちなくてしょうがない。
(ん・・・何だ・・・?)
戸惑うトウヤを見つめるサイサリスの目は相変らず淡々としている。
「カシスさんも召喚術など使わずとも・・・こうすればいとも簡単に対象が
補足できると言う事に気付けば良いのですけどね」
淡々としたその瞳の奥に危険な物を感じた時には既に―
トウヤの身体は床へと倒れこんでいた。
「・・・お目覚めですか?」
実際の所、気を失ったのは一瞬だったのだろう。
ろくに動かせない首を使い、状況を把握した限りトウヤはそう推測していた。
ベットの上、露出した下半身。
「罪人等が暴れる時に良く使う薬です。効果の程はその身で味わった分良く
お分かりになったのでは?」
そして、服を脱ぐ途中のサイサリス。
その光景に目が釘付けとなる。手で覆い隠そうにも相変らず身体は麻痺して
いる為それもままならない。
601 :
川上之嘆:03/11/05 19:17 ID:fkv8QRrK
「まさか君が・・・一服持ってくるなんて思いもよらなかったよ・・・」
「こうでもしなければ、私では貴方を繋ぎ止めておくことはできませんから」
どこか悔しげな、そして寂しげな声。
(本気・・・なんだな)
やがて一糸纏わぬ姿となったサイサリスは頭の後ろへと手を回し髪留めを外した。
ぱらり、と黒髪が開放される。
幼いながらもきびきびと騎士団を統率し、凛々しい射手でもあるサイサリス。
そのサイサリスが頬を染め、裸で目の前に佇んでいる。
もはや夢幻とも思えるその状況に頭がクラクラするのをトウヤは自覚する。
「・・・味気ない体型だと自分でも思うのですが・・・トウヤさんのここはしっかりと
反応してくださっているみたいですね。・・・嬉しいです」
身をかがめ、腹に付く程の勢いで屹立する剛直をやや興奮気味に見つめながら
軽く突付いてみせるサイサリス。小皿を裏返した程度の膨らみしか持たぬ双丘が
良く見えた事でトウヤは彼女が年下である事を再認した。
「こうして、トウヤさんの息遣いが間近で感じられる事ができるなんて・・・」
暫く愚息を弄んでいたサイサリスだったが、今度は自らの肢体をトウヤの上へと
重ね、目を閉じていた。
「く・・・」
彼女の下腹部が愚息に触れ、擦られる度トウヤの理性が飛びそうになる。
「・・・・・・」
しかしそこから、サイサリスの動きは進展しなかった。
やがて彼女から焦りの気配が色濃く出始める。
「なあ・・・サイサリス」
「・・・・・・なんでしょうか」
「もしかして・・・この先どうすれば良いか分かってない・・・?」
「・・・・・・っ」
サイサリスの身体が大きく震えた。どうも図星だったらしい。
(そういう事なら・・・)
「よいしょ・・・っと」
「きゃっ・・・?」
602 :
川上之嘆:03/11/05 19:19 ID:fkv8QRrK
普段は聞くことも無いサイサリスの可愛らしい悲鳴。トウヤはさっと身を動かすと
サイサリスをベットへと横たえる。丁度二人の位置が逆となり、トウヤが彼女を
押し倒したような体制となった。
「何故・・・まだ薬の効果は切れていない筈・・・」
トウヤが目でベットの下を見るように促す。
「いつの間に・・・」
ベットの下にはトウヤが呼んだばかりのシャンプーライムが動いていた。向こうも
このような場面に召喚されたのは初めてだったらしく、こちらを見て良いのか
恥ずかしそうにしている。トウヤは苦笑すると直に送還してやった。
「・・・トウヤさん」
「ん? どうかしたかい?」
「薬の効果も解けたというのに・・・逃げないのですか?」
「・・・どうして?」
「私は貴方を騙して・・・強引にでも関係を持とうとしたんですよ・・・それなのに・・・」
不安そうに呟くサイサリスにトウヤは苦笑してみせる。
「まあ・・・普通ならここまでされれば文句の一つも出てきそうなもんだけどね。
でも僕としては、ここまでして一緒になろうとしてくれたサイサリスの気持ちに
応えるのも良いかなって思ったりしてる訳で」
サイサリスの眼は驚きで暫くの間大きく見開かれたままだった。
だが気を取り直したのかゆっくりと言葉を紡ぐ。
「でしたら・・・今、この一時だけで良いのです。この一時だけ・・・普段恋人に
しているように私にも接しては貰えませんか・・・?」
トウヤはその返答の代わりにその口で彼女の唇を塞いでいた。
「ん・・・ふぅ・・・っくあ・・・あああっ」
また軽くサイサリスの身体が揺れる。
貞節を決め込み、自慰もした事の無かった少女の身体は驚くほど快感に
敏感であった。トウヤが経験豊富な事が相乗効果となり先程から彼女は絶頂を
繰り返している。
603 :
川上之嘆:03/11/05 19:21 ID:fkv8QRrK
もっとも彼女の場合、気持ちの高揚感というのも大きいのではあるが。
「ひうっ・・・」
(ゾクゾクする・・・)
ぼうっとした頭でトウヤの舌が首筋を舐めるのを実感した。
ベットの上に未成熟の身体を横たえ、ただただトウヤの愛撫に身を任せる。
「どうかな・・・気持ち良い?」
全身を丁寧に弄りながらトウヤが問いかける。
「そんな事言われても・・・分かりませんよ・・・」
嬌声に変わりそうになるのと堪えつつ、サイサリスは何とか言葉を絞り出して
みせる。どうにか普段の淡々とした口調にはなっていたもののその声は上ずり
自分でも驚くほど艶が篭っていた。
(本当に私の声なのでしょうか・・・今までに聞いた事・・・無い)
トウヤはその返事に満足したのか一旦身を離すと両膝を使い、彼女の股を
押し開いた。にちゃりとした音と共に桜色の秘口が露となる。
「・・・・・・あ」
声を上げたもののサイサリスは抵抗しない。寧ろ彼女の眼差しはトウヤの
剛直へと注がれていた。波打つその姿は先程見たよりも更に大きくなっている
ように思えた。そして、それを見て興奮している自分を自覚し鼓動をが早くなる。
「少し痛いかもしれないけど・・・平気かい?」
「構いません。痛みには慣れています・・・それが騎士というものです」
不思議と不安は無かった。軽く頷いてみせるサイサリス。
「じゃあ、力抜いて・・・」
「ん・・・っ」
体内に熱い異物が侵入してくる。鋭い痛みに身をこわばらせるがそれも一瞬の
事で、身体をえもいえぬ感覚が駆け巡る。
「ふう・・・あああっ!?」
サイサリスが身体をビクビクと痙攣させる。破瓜の痛みにも個人差があると言われて
いるが彼女にとって幸いだったのはその傷みが軽かった事か。
「全部・・・入ってしまいましたね」
接合部分に恍惚とした、不思議そうな視線を向ける。
604 :
川上之嘆:03/11/05 19:23 ID:fkv8QRrK
(これだけ愛液が出てるからな・・・よし)
「それじゃ、動くよ?」
「え・・・動くとは・・・あああっ!?」
サイサリスの脳裏が白黒に明滅し、身体が震える。
「ん・・・膣壁を擦っただけでイっちゃった・・・?」
「あ・・・ひっ・・・」
トウヤが軽く腰を揺する。それだけでサイサリスは声を漏らした。
(素質・・・なのか?)
もはや痛みを感じていないという事を確認すると、トウヤはゆっくりと腰を
動かし始めた。その動きは実に遅かったがその動きひとつひとつに対し
サイサリスは敏感に反応してみせる。
「うあ・・・はっ・・・ああああああ・・・」
「どうかな・・・気持ち良いのが分かるかい?」
華奢な身体が前後運動の度に大きく揺れる。声を上げ続けている為口を大きく
広げたまま、その両手でシーツに必死で掴まっている。
「そのような事っ・・・わかりま・・・せん・・・がっ・・・トウヤさんの・・・熱いものが私の
膣で暴れる度に・・・ビリビリと・・・電気が・・・走るみたっ・・・ひうっ・・・!」
「そっか・・・分からないか。それだったら」
「や・・・何・・・んんっ」
トウヤの腰が大きくグラインドし、コレまで以上に内側から膣壁が掻き回される。
急な動きにサイサリスの身体が限界まで、えびぞりとなった。
「こんな・・・は・・・うあっ」
「分からないんじゃ、もっと気持ちよくしてあげないとね?」
トウヤ自身も彼女の程好い締めつけを楽しんでいるのだろう。熱に浮かされたような
表情で不敵な笑みを作っていた。
「あああっ・・・そんな、これ以上されたら、私・・・私は・・・」
「うん・・・? 良く聞こえないな」
「きゃううっ!?」
605 :
川上之嘆:03/11/05 19:26 ID:fkv8QRrK
サイサリスに覆い被さるかのように身体を彼女に密着させるトウヤ。内部の奥を
突かれ、更には耳たぶを口で弄ばれ・・・サイサリスの意識は尚もその混濁の度合いを
強くしてゆく。
「はーっ・・・はーっ・・・いえ・・・間違い・・・でした・・・」
「間違い・・・?」
浅く律動を繰り返されている結合部では二人の混合液が糸を引き、ぬちゃぬちゃと
大きな音を立てている。そちらに意識を奪われつつも、サイサリスの口がゆっくりと
言葉を紡ぐ。
「はい・・・もう・・・どうなっても構いません・・・だから・・・もっと、もっと激しく・・・」
やっとの思いでそう呟くとシーツを握っていた手を放し、トウヤの背中へと回していた。
きゅっとその手に力が篭る。
「分かったよ。それじゃ・・・遠慮なく」
「〜〜〜〜っ・・・! はああああ、あああああっ」
トウヤの前後運動が加速する。それに伴い接合部からの水音がぱんぱんという肉同士が
激しくぶつかりあう音でかき消された。
「あああっ・・・や?」
サイサリスの背筋を何かが駆け上り、ゾクゾクとした感覚をもたらす。
「サイサリス・・・っ」
丁度絶頂が近くなっていたトウヤがその腰を離そうとする。それに感づいたサイサリスは
自らを貫く剛直を逃すいまいと、投げ出されていた足を腰に絡め、両手に更なる力を
込めて思い切り密着した。
「駄目です・・・今離れたら駄目ですよっ・・・」
「な・・・くうっ」
想像できない程の力で抱きつかれ、トウヤの心に隙が生まれる。そして気の緩みが
そのまま射精へと彼の身体を促していた。
「っ・・・!? やあああっ、あはああああああああっ・・・」
びゅくびゅくという効果音が相応しい程大量の白濁液をその身で受け止めたまま
サイサリスもまた絶頂にその身を委ねた。
「各員、くれぐれも隊列を乱すなよ」
606 :
川上之嘆:03/11/05 19:27 ID:fkv8QRrK
若き騎士イリアスの指揮の下演習へと向かう騎士団が街を進んでゆく。
と、何処からか炸裂音と悲鳴が響いてきた。
「む・・・?」
部下達に先へ進んでいるように命じ、喧騒の方へと歩いてゆく。
「さあ、今日こそはあたしを好きだって言ってもらうからね!」
「カシス露骨過ぎ・・・」
「いいからほら、足を動かせ足をっ!」
原因であった召喚師と誓約者、くのいちの追いかけっこを見たイリアスから
肩の力が抜ける。街の者にしろ彼にしろ・・・それはもはや風物詩に近いものだった。
「やれやれ。彼等も飽きるという事を知らないのかな。なあ、サイサ―」
傍らに同伴してきていた彼女に同意を求めようとした所でイリアスは軽く息を
飲んだ。
―サイサリスは彼等の様子を見たまま、一筋の涙を零していた。
しかし直に涙を拭うと、何時もの調子でイリアスに向き直る。
「・・・目にゴミが入ってしまいました」
「そ、そうか・・・」
「さあ。我々も早く行かねば置いていかれてしまいますよ」
「ああ・・・」
そそくさと歩み去るサイサリスを慌てて追って行くイリアス。
重なり合った二人はまた、別々の道を進んで行く。
泡沫の記憶を胸に抱いたまま、足早に進んでゆく。
地味な組合せですね。
乙!モテモテですねトウヤ君。サイサリスたん健気で涙。
ツッコんでおくと
>>600で『捕捉』を『補足』と間違えてるようです。
妖怪どうどうめぐりはかの有名なウサ耳娘、桜宮サヤとて祓うことのできなかった難敵(藁
放っておくのが吉かと。
>>609 それはお前。どうして煽るかねぇ。
別に組み合わせが地味だって感想を
>>607は持った、それだけの話。
「ダナーw 地味カプマンセー」とでも言い返せばいいじゃないか。
自分は
>>607から悪意は感じないぞ。文句とも思わない。
言っておくが、ここは「2ちゃんねる」だぞ?
>>607が煽りや罵倒の意味の書き込みだったとして、だからなんだ。
3発売後から馴れ合いが始まったようだが、昔はもっと殺伐としていた。
今回の作品、なんつーか、カプを含めて非常に新鮮な感じがしますたわ。
自分から迫ろうとして知識不足であたふた→立場逆転されるサイサリス萌え(・∀・)
楽しみました。GJ!
ところでエロが欲しくてたまらない10代の方々は、年齢偽ってその辺のサイトとかの裏ページのパスワード貰いに行こうとか考えないの?
さげ
>612
「しますたわ」か・・・ここはまんこくさいインターネットですね。キモキモ
非エロは板違いだと主張する奴は全員エロに飢えた10代だと言いたいのか?
死ねよ腐女子。お前こそ個人サイトで公開オナーニマンセーしてこい。
なんでもいいが、結論が出ない論議は短文でやってくれ。
わざわざ長文でやるメリットは全く無い。 書いてても疲れるだろ?
あと、放置という言葉を(ry
マターリしようぜ
非エロを批判している人は言い方はちょっとキツイがあながち間違っちゃいないよ。
それをエロを欲しがる必死な10代と決めつけるのはどうかと。
やっぱりエロパロだし。
セクースまではいかなくとも、ちょいエロめの描写はやっぱりちょっとくらい入れておいたほうがいいかも。
617 :
612:03/11/06 00:12 ID:dKjFjeAq
ものの見事に釣られてくれてありがと
>>614。漏れ男だしね。
しかし、最近は1や2の作品が増えていて良い感じですな。
とはいえ、ここらで一つ3の新たな作品が読んでみたいかも…とリクエストしてみるテスト。
みんなエロ入れろエロ入れろって……
まったく愚痴愚痴ネチネチとまぁ、粘着しやがって……
お前らはホントにエロが大好きなんだな……(´Д`;)
漏れもだ!(゚∀゚)
一時期スカーレルネタが多かった気がするんだが、最近ないな。
スカアティでも何でもいいのでキボン
一時期ビジュ(ry
スカーレルを情報が出るまでずっと女だと信じていた俺の青春カエセ!!
・・・という訳でスカーレル受けキボン
女体化でも801でも無くな。
ヘイゼル攻めスカ受けハァハァ
623 :
614:03/11/06 00:38 ID:M5gEKkjp
フィッシュオーン!(゚∀゚)
ネカマキモイよウワアアアアーン。・゚・(ノД`)・゚・。
つか俺もヘイゼルキボン。濃ゆいの。
あえてビジュと言っ(ry
いかん、ヘイゼルと絡んでた方がヨカタかね・・・
ともあれスカーレル×ソノラっす。
626 :
深謀遠慮:03/11/06 01:42 ID:BtXqCSKu
―風雷の里でレックスとキュウマが何やら会話している。
「また薬でも煉ってるのかい? キュウマ」
「ああいえ・・・御館様、これは薬は薬でも・・・」
「・・・成る程、毒薬か」
「ほう・・・お分かりになるので?」
「一応元軍人だよ? 士官学校で一通りの事は習ってるからね・・・って、まあ
普段から本の虫だったから自然とこっちにも詳しくなってただけだけど」
「ははは・・・貴方様らしいですよ」
「調合に使ってる草や蟲から見て、蟲毒―神経を害する類の物かな?」
「ええ。投具に毒を仕込むのはシノビの常套手段ですし」
「しかしまあ、これを見てると彼を思い出すよ」
「彼、ですか?」
「うん。組織から離れて、足は洗ったとは言ってたけどあれで中々・・・」
「・・・・・・」
今ひとつ頼りないランプの明かりを使い、読書に興じるスカーレル。
しかしこの恋愛小説を読み終えてしまえば次の港に寄るまでには大分間が
できてしまう。それを考えると退屈しのぎは必要であった。
と、彼の部屋のドアが控えめに叩かれる。
「どうぞ。来る頃だとは思ってたわ」
本を閉じ、ドアへと向き直る。ゆっくりと開いたドアの先にはトレードマークの
帽子を取ったこの船の小さな砲撃手が佇んでいた。
「や、やっほー・・・」
手をぱたぱたと振ってみせるソノラ。その動きは多少芝居がかっていた。
それは即ち彼女に普段程の余裕が無い事を意味している。
「はいはい。取り合えずドア、閉めてくれる?」
「うん・・・」
彼女がドアを閉め、スカーレルへと向き直った時には
「ん・・・」
627 :
深謀遠慮:03/11/06 01:44 ID:BtXqCSKu
「ん・・・」
「ん・・・!? んん・・・っ・・・」
彼は音も無く忍び寄って来ており、ソノラの唇を奪っていた。
舌と舌が絡まりあい、やがてどちらともなく唇を離してゆく。一旦見詰め合った
二人だったが、ソノラの方からその顔をスカーレルの意外と分厚い胸へと沈め
る。スカーレルの鼻腔を清潔な石鹸の香りがつく。
「あらあら・・・お風呂にも入って準備は万端、って訳?」
「い、いいでしょ・・・だってあたし・・・あたしっ・・・」
感極まる、といった様子のソノラの仕草にスカーレルは微笑する。
酒の勢いも手伝い、初めて彼女を抱いたのは一月前。
それから頻繁に二人は交わっていた。
元々気心の知れた二人ではあった事もあり、ソノラの方にも躊躇は無かった。
が、スカーレルは交わるペースをゆっくりと広げていった。
三日に一度、五日に一度・・・そして確か最後に交わったのは一週間前、甲板での事だった筈だ。
そして今夜、こうして身体の疼きを堪えきれなくなったソノラの方からとうとう
誘いをかけに来たという訳である。
「はいはい。ってあら・・・ちょっとソノラ」
「ひうっ・・・」
髪を撫でる一方でスカーレルの片手はソノラの下着へと侵入していた。そして
その手がはっきりと湿り気を感じ取る。
「もうこんなにしてるの? ちょっと前まではあんなに恥ずかしそうにしてたクセ
に・・・これも才能かしらね?」
「ううっ・・・あたしがこんなになったの、誰の所為だと思ってるのよ・・・」
「はいはい。それじゃ、責任を持ってあげましょうかね」
子供をあやすような口ぶりでソノラをベットへと誘導しテキパキと服を脱がして
ゆく。こういう時彼女の服の形状は便利なものでさしたる時間を経る事無く
ソノラはシミ一つ無い肢体をベットの上で披露した。
「本当、いつ見ても羨ましい身体よね」
「ん・・・あああ・・・」
スカーレルはそんな言葉を呟きながら彼女の身体へと指を這わせる。
628 :
深謀遠慮:03/11/06 01:46 ID:BtXqCSKu
一見ただなぞっているだけにしか見えないそれは絶妙に彼女の性感帯を刺激している。
元暗殺者にとったら急所も性感帯も大して変わらないわよ、というのは彼自身の弁である。
「ス、スカーレル・・・っ!」
悲鳴にも近い懇願の声を上げるソノラ。彼の予想以上にこの一週間でソノラの
情欲は掻き立てられていたらしく、このままでは泣き出しかねない顔になって
いた。
「せっかちね・・・まあ前戯も少なくて良さそうだし・・・と、そうだわ」
何かを思いついた、といった表情をするスカーレル。一方のソノラの顔には不
安の色が浮かぶ。大抵彼がこういう顔をしている時にはロクな事を考えていな
いというのは長い間の付き合いの賜物である。
「うう・・・流石にちょっと恥ずかしいんだけど」
「どうしたの? 文句があるなら辞めてもいいんだけど」
「っ・・・」
ベットへと横たわったスカーレルにソノラが馬乗りになっていた。
毎回主導権を握ってばかりでは詰まらないと考えた彼が思いついたのは早い
話、騎上位で睦み合うという事であった。
「ん・・・ふぅっ・・・!」
意を決したのかソノラはスカーレルの肉棒を掴むと自らの中へと埋没させた。
久方ぶりの感覚にその背筋をゾクゾクと快楽が昇ってゆく。
「や・・・何これ・・・っ・・・いつもより・・・凄い・・・」
「まあ当然よね。ソノラの体重の所為でより深く突き立ってるんだから」
最奥まで貫かれる感触に身悶えるソノラを軽く下から突き上げてみせる
スカーレル。
「きゃうっ・・・!?」
「ほらほら、何時までも一人で楽しんでないの。しっかりとアタシも気持ち良く
してちょうだいよ」
「う、うん・・・んっく・・・」
ぎこちないながらも上下運動を開始するソノラ。元々それほど造りの良くない
629 :
深謀遠慮:03/11/06 01:47 ID:BtXqCSKu
船のベットが二人分の重量でギシギシと嫌な音を立て始める。
暫くの間必死に動くソノラをじっと観察していたスカーレルであったが、彼女
の快感が高まり玉の汗を額に浮かばせるようになった頃には自らもその動き
に合わせるようにして、律動を開始していた。
「ひああっ・・・や、奥・・・突付いてる・・・」
動きの激しさにも関わらず肉棒を包み込む膣は千切らんばかりに締め付けて
くる。流石にスカーレルもそれには耐え切れなかった。
「やあ・・・あっあっ・・・スカーレル、あたし・・・」
「ええ・・・良いわよ。じゃ・・・しっかりと受け取って・・・ねっ」
「んやあ・・・あああああああっ」
最後に大きく腰を打ち込むと同時に自らの欲望の滾りを解き放つ。ソノラも
それとほぼ時を同じくして気をやったようだった。
「はあっ・・・はあっ・・・」
一気に脱力し、自らに覆い被さってくるソノラをスカーレルは優しく受け止め
る。その顔はやはり微笑していた。
(ま・・・当分は退屈しないで良さそうね)
「つまりはさ・・・彼自身が毒みたいなものなんだよ」
「はあ・・・」
「最初のうちは相手も、自らが毒にかかったなんて気付かない。そう、それこ
そこの蟲毒みたいにね。でも確実にじわじわと毒は侵食していく」
「・・・・・・」
「気付いた時には命取り。ま・・・この場合は彼から離れられないとでも言った
方が正しいのかな」
「暗殺者の技術・・・というものですか」
「いや。それとは別の魅力みたいなものかな・・・? と、それはともかく・・・
キュウマ、例の薬はできてるかい?」
「ええ。ですが過度の服用には注意してくださいね?」
「うん、分かってるよ」
(毒も結局は使い方、使われ方次第ってね・・・)
突発的に書いたんで誤字とかあったらスマンです(´・ω・`)
つーか明日も早いんだからさっさと寝とけよ漏れのバカ
スカソノ朝から補給ハァハァ、グッジョブでした!
しかしこれって、スカーレルのほうに愛はないの?(´・ω・`)
631>
suka-reru
633 :
名無しさん@ピンキー:03/11/06 16:26 ID:4iU0Q62E
好かーれる
さすがに人も減ってきたのか?発売してからもう4ヶ月か。
自分もぼちぼちSS書くか。
にしても
>>630氏はなぜこうも次々とウマーなSSを出し続けられるのか。
自分はパソコンで1ページ36行の枠に文字を埋めるのに1時間はかかるぞ…。
そりゃもう一日中パソコンに張り付くような状況で書かにゃならん。
635 :
607:03/11/06 20:27 ID:Iym7uf2o
ミニス絡みのエロSS誰か書いてくれませんかね
できればファミィママと親子丼キボンヌと言って見るが
過去スレで純愛も鬼畜も結構出し尽くし感があるからな<ミニス
炉閣下にやらせるのはなんか癪だし…
ファミィって単体でヤられることってないよね。
大抵マグナ相手にミニスと親子丼かミニスを人質に取られミニス共々レイム達にレイープのどっちかだな。
まあ純愛にするにしろ鬼畜にするにしろせっかく娘がいるんだから同時に味わいたいではないか。
倉庫にカップリング投票キテル――――!
バノッサ×アヤ風味な何か投下しときます。
しかし地味カプ言われて何か嬉しい漏れ_| ̄|○
643 :
内憂外患:03/11/07 00:16 ID:VofKbuIf
「よう、お目覚めか?」
「え・・・あれ?」
男の声でガバッと身を起こすアヤ。ざっと見回した所、何所かの空家のようだ。
(確か、セシルさんの所で話をしててすっかり遅くなって・・・)
繁華街からスラムへの最短の道を通ろうと普段は使っていない、人気の無い
道を歩いていたはずだ。そして後ろから誰かが後頭部を・・・
「ああ、道理で頭がズキズキする訳ですね」
「けっ・・・相も変わらずのボケっぷりじゃねえか、ハグレ野郎」
「貴方も相も変わらずの血色の悪い顔ですね、バノッサ」
「ぐっ・・・!?」
軽い挑発の言葉を受け、いとも簡単に額をピクピクさせるバノッサ。普段で
あればここから更に突っかかってくるはずなのだがどうにか堪えた彼は不敵
に微笑んでみせた。まあ・・・若干引き攣ってはいたのだが。
「く・・・くくっ、そうそう同じ手に掛かるかよ。今日の俺様は一味違うぜ?」
「まあ確かに、今日はちょっと違うみたいですね。今までならまだ正攻法
だったのに今度は夜道で背後からどつきますか。これじゃあもう古悪党
呼ばわりされても否定はできないんじゃないですか?」
「だ、黙れっ・・・お前、今の状況が分かってんのか?」
「手足を荒縄で縛られてて身動きが取れませんね」
「・・・分かってるじゃねえか」
「武器も取られてるみたいですし、抵抗するだけ無駄でしょうね」
やけに冷静に語りだすアヤにバノッサは計画が出だしから頓挫した事を
悟った。本来の予定であれば、ここで彼女が泣きそうになるとまではいかない
までも不安気な顔を浮かべるのをせせら笑ってやるはずだったのだ。
「ちっ・・・ともかくだ! この状況でいつまでお前が平気な面をしてられる
のか・・・見せてもらおうじゃねえかっ」
威勢良く叫び、バノッサは己のイチモツを露出させアヤの前に突き出した。
両膝を地面に付け身を起こしている格好のアヤの真ん前にそのグロテスクな
物はあてがわれている。
「くくっ・・・何、適当に楽しんだら路上にでも放り出してやるからよ。取り合えず
644 :
内憂外患:03/11/07 00:17 ID:VofKbuIf
は・・・ふおぉっ!?」
「ん・・・くぷっ・・・」
思わず間抜けな声を上げるバノッサ。自分が無理矢理彼女の頭を押える
までも無く、彼女は自らバノッサの肉棒を口へと埋没させていた。
ぬらぬらとした口内の動きは洗練されており、歯が当たる事も無い。暫くアヤ
は前後に頭を揺らしていたが程なくして肉棒を解放し、竿へと舌を滑らせた。
その一方で人差し指を鈴口へ乗せグリグリと動かす。
「ぬ・・・ぐっ・・・」
(こいつ・・・何時縄を解きやがった?)
不意打ちにバノッサが声を漏らす。そんなバノッサにちらりと視線を送った後
今度は亀頭にキスの雨を降らし始めるアヤ。わざと音を立て、唇をつける度に
軽く吸引されるのがもどかしくも心地よい。
(何だ・・・何なんだ!?)
一方的に攻められる事に動揺しながらも身体は素直だった。再び肉棒を
飲み込み、舌で弄んでいたアヤの頭をやおら掴むとバノッサは自ら、腰を前後
させ始めた。
「むぐう・・・っ!? んんん・・・」
アヤが苦しそうな声を上げるがそんな事はお構いなしに腰を振り続ける。
(へ・・・っ、そうだ、元々これが目的だったじゃねえかよっ・・・)
「むううっ・・・うむうううううっ・・・!」
「はあっ・・・いいザマだな、はぐれ野郎っ!」
と、快楽を貪るバノッサの嚢にアヤの手が伸びたかと思うとくにゃり、と
揉みしだいた。それがバノッサの射精を一気に促す。
「くおっ・・・!?」
「んっ・・・! ん・・・ふうっ・・・ふ・・・ぷあっ・・・」
咽返る程の量だった筈の精液を、アヤは全て嚥下していた。それでもまだ
物足りないとでもいうかのように射精して直の敏感になった肉棒へと舌を
這わせ、残っていた精液まで綺麗に舐め取ってゆく。
「うっ・・・」
その巧みな舌技に、再び不覚にも声を上げてしまうバノッサ。
645 :
内憂外患:03/11/07 00:19 ID:VofKbuIf
「で・・・バノッサ?」
「何だよ・・・」
「これで終わりって訳じゃ、ないですよね?」
クスクスと笑い出すアヤ。戦っている時相対するのとはまた別の顔を向ける
アヤに奇妙な戦慄を感じ始めるバノッサ。だがここで退けばそれは即ち敗北
であり、いつもと同じ結果に終ってしまうのだ。
「チッ・・・舐めるんじゃ、ねえぞっ!?」
「ひゃ・・・はあっ・・・うあああっ」
お世辞にも広いとはいえないあばら家の中にアヤの嬌声が木霊す。
バノッサはアヤに壁に手を付かせ、背後から犯していた。
既にアヤの方は服を脱がされており薄暗い室内にそのしなやかな肢体を曝け
出している。
「ふっ・・・ふうっ・・・」
息の荒いバノッサの手が乱暴にアヤの乳房へと伸びる。掌にすっぽりと
収まったそれはキルカの錬衣のような上質な触り心地を彼に提供し、自然と
その感触を楽しむ為バノッサの手から力が抜けていた。
「んんっ・・・! バノッサ・・・もっと深く・・・っ」
「黙ってろ・・・言われなくても存分に犯してやるよ・・・っ」
「ああ・・・うっ!?」
ドクン、とアヤの膣に精液が流れ込む。だがバノッサの肉棒はその硬さを衰え
させる事無く、更に注挿を続ける。
「んあ・・・元気ですね・・・」
狼狽したようなアヤの声。それを好機と見たか、バノッサはそれまで彼女の膣
を蹂躙していた肉棒をゆっくりと抜き出した。つぷっという粘着音を出したそれ
は既にアヤの愛液とバノッサ自身の精液にまみれ、独特の光沢をかもし出し
ていた。
「あら・・・?」
「へっ・・・物足りなそうな顔をしやがって。てめえにゃあこっちで十分なんだよ」
「なっ・・・!? そっちは違・・・」
646 :
内憂外患:03/11/07 00:20 ID:VofKbuIf
ピタリ、とバノッサの肉棒が宛がわれたのはアヤの下の穴・・・アナルの方
だった。流石にそちらにまで手を出されるとは思っていなかったのか、アヤが
如実にうろたえている。
「クク・・・そうだ、そうだよ・・・俺様はな、お前のそんな顔が見たかったんだよ・・・!」
「や・・・ああああああっ!」
腰へと力を込め、一気に己の分身をその狭き門へと侵入させていくバノッサ。
かなりの抵抗を予測していたのだが以外にもすんなりと肉棒は埋没してゆく。
「・・・?」
その事に若干違和感を感じたものの、秘口を犯していたのと同様の勢いで
動き始める。
「いや・・・あああっ・・・」
「流石にきついな・・・ククッ」
混合液が潤滑油になっているとはいえ、元々このような行為の為には使用
されぬ穴である。今まで以上の締め付けがバノッサを襲う。
「ほらよ・・・それじゃあぼちぼち、ラストスパートといくか・・・!?」
「ひあっ・・・やっ・・・激し・・・っ!」
バノッサの腰の動きがその強さを増す。アヤもそれに合わせるかのように
自ら腰を揺り動かしていた。塞ぐ物が無くなった秘口からは先程たっぷりと
膣に出された精液がボタボタと零れ落ちる。
「や・・・あああああっ・・・!」
「そら・・・受け取れよっ、はぐれ野郎!」
バノッサが腰を突き出した瞬間、三度目の白濁液が放出された。その量は
三度目と思えない程多くアヤの直腸を満たしてゆく。
「く・・・あっ」
アヤの足から力が抜け、その場に崩れ落ちる。ほぼ時を同じくしてバノッサ
もまた力を使い果たしたかというようにその場にへたり込んだ。
「く・・・くはははっ」
だがその口からは笑いが込み上げる。快楽以上に彼は己の劣等感が
払拭されるのを感じていた。
647 :
内憂外患:03/11/07 00:22 ID:VofKbuIf
(やったぞ・・・これで、俺様は・・・)
「あーあー・・・こんなに出しちゃって」
「・・・・・・」
やれやれ、といった調子のアヤの声。不吉な予感に駆られ慌てて前を見ると
アヤが立ち上がり、身体を掃除している所だった。
「な・・・?」
(馬鹿な。なんでもうこいつは動いてんだ・・・?)
「それにしても・・・バノッサ?」
呆れた目をした、まだ全裸のままのアヤが彼を見据える。
「な、なんだよはぐれ野郎」
「ヘタクソ」
「・・・っ!?」
言い知れぬ痛みが彼の胸を抉る。シャインセイバーの直撃が内部から炸裂
するとこんな感じであろうか。
「量はともかく、早いし・・・大きさも今ひとつだし。そんなのでよくオプテュスの
リーダーが務まってますね?」
「ぐうっ・・・?!」
ナニの大きさは関係ない、というツッコミすら今のバノッサからは湧き出て
来ない。ただただ衝撃が彼の身体を貫くばかり。
「アヤ! 無事か!?・・・っと・・・遅かったか」
「あらガゼル。心配して来てくれたんですか?」
「お前がオプテュスの連中に担がれて消えたっていうからな。心配して来て
見れば・・・案の定の結果かよ」
疲れた顔をしてみせるガゼル。同情の目は・・・バノッサに向けられていた。
「お前も馬鹿な事したな、バノッサ。夜のこいつは昼間以上に強敵だってのに」
「私の心配をしてくれたんじゃないんですか?・・・まあいいです。でも今夜
口直しに相手お願いできますか? バノッサの皮かむっててちょっとショックで」
「・・・!」
最後の一撃が決まり、バノッサの身体が完全に固まった。
「またか・・・? 今週何回目だよ・・・たまには少し休ませてくれ」
648 :
内憂外患:03/11/07 00:23 ID:VofKbuIf
「まあまあ。さ、お腹も空いたし早く帰りましょう・・・今日の献立は何です?」
「ラーメンだよ。あれ、俺も結構好きなんだよな」
「あら、ガゼルもラーメンの素晴らしさを理解してくれたんですね」
硬直したバノッサに、もはや二人の会話は聞こえていなかった。
「はあっ・・・はあっ・・・」
オプテュスのメンバーからの報告を受けたカノンはひたすら
スラムを走っていた。
まだ暴力沙汰ならなんとかなる。にも関わらずまさか・・・彼女を強姦するなんて。
止めなくては、という使命感を胸に抱きカノンは彼等がいるという空家に
辿り着いていた。深呼吸を一つした後、一気に突入する。
「バノッサさん! ・・・バノッサさん?」
カノンの目が鬼人化した時のように見開かれる。
濃い性臭の中、下半身丸出しのバノッサが室内の中心に倒れていた。耳を
傾けているとどうやらすすり泣きしているらしい。
「・・・何があったんです・・・?」
「聞くな・・・聞くんじゃねえ・・・」
―バノッサの心の傷が癒えるまでには、およそ一話分の時間が掛かったという・・・
毎度グッジョブです!
しかし
>>559で書いたバノアヤを自分も書いていた罠。
別にかぶってもいいよね…。しばらくしてから投下します。
しかし毎度思うのだが筆が早いなあ
いつ書いてんだろう?
こんなに早いペースで書けねえよ俺。
スゴイワほんま。
辛口アヤに萌!清楚で可愛いアヤもいいがやっぱりこれでこそアヤという感じがする。
バノッサが哀れすぎてむしろアヤより可愛げがあるようにすら見える(藁
ばのっぴに激しく萌えますた
バノ×アヤかと思ったらアヤ×バノでしたかw
アヤはやっぱりこういう腹黒になりやすいですな。
清楚系キャラだとクラレットと被るし。
続きでガゼル×アヤを見たいと言ってみる
職人さんGJ!朝から笑かしてもらいました。
ところでアヤはバノッサさん と、さん付けじゃなかったっけ?
と言ってみる。ごめん気になったんで。
649さんのバノアヤ期待ー。
>>655 普段はさん付けだけど、辛辣な言葉を吐く時は本音が・・・って事で
ワザと呼び捨てにしてみました、はい
そして漏れも649氏のバノアヤ期待
「イスラ……」
再び監禁室へとやってきたイスラたちを弱弱しいアティの声が迎えた。
しかしその口調とは違い、アティの瞳には未だに強い光が篭っている。
「ふーん……なんだ、まだまだ元気そうじゃないか」
アティの眼を見ると、イスラはつまらなそうに呟く。
これまでにもイスラや兵士たちにアティは何度も犯されていた。
だが、度重なる陵辱にもアティの心は決して折れなかったのである。
この気丈なアティをどうにかして堕したい。
そう思ったイスラは、ちょっとした趣向を思いついた。
そしてその趣向を隣にいた兵士に耳打ちする。
「な、何……?」
兵士とイスラがひそひそと話をしているのを見て、
アティは不安げな表情を浮かべた。
「じゃあ……頼んだよ?」
イスラの趣向を聞いた兵士はニヤリと笑うと、足早に監禁室から出て行った。
「……」
程なくして戻ってきた兵士は、二人の子供を連れていた。
「は、離せよ!」
「スバル……こ、怖いよ……」
強気な声と怯えた声が二つ。
その子供達を見た途端、アティの表情が凍りつく。
「ど、どうして!……スバルくん……パナシェくん……」
「先生っ!?」
スバルとパナシェもアティとの再会に驚きの表情をつくる。
アティが無色の派閥に捕らえられてからというものの、数週間ぶりの再会だった。
「せ、先生……ごめんなさい。ボクたちも先生を助けるために戦ったんだけど……
捕まっちゃって……う……っ、うううっ、ひっく、ひ……」
やがて二人の視界の外にいたイスラが愉快そうに声を掛ける。
「やあ、久しぶりだね。二人とも」
「イ、イスラ!」
スバルとパナシェに驚愕の声が上がるのは同時だった。
「ふふ……っ。こんな子供たちまで戦いに参加させるなんて、
君の仲間たちは君と剣を失って相当焦っているようだよ、アティ?」
「……っ」
自分の力の無さにアティは言葉を失った。
「お、おいらたちは自分から戦いはじめたんだ!先生は関係ないやい!」
恐怖を押さえそれでもスバルはイスラに激しく言葉を投げつける。
「おいらたちをどうするつもりなんだよっ!?」
だが、スバルの握り締められた震える拳をイスラは愉快そうに見つめるだけだった。
「安心してよ。別に君たち二人をどうこうするって訳じゃないからさ」
そう言葉にするとイスラの口元が邪悪に笑んだ。
「ただね……
君たちの先生が今どういう人間になったのかを教えてあげようと思ってね」
イスラがそう言うとアティの側にいた兵士が、
いやらしい笑いを浮かべながらアティの身体を掴む。
「な、何をする気なの!?」
「せ、先生!?」
不穏な雰囲気に慌てるアティを、
兵士たちはかまうことなく近くにあった椅子へと強引に座らせ、
その両手を背もたれ越しに後ろ手で拘束した。
そして柔らかな下着を剥いで両足を肘掛に乗せるようにして大きく足を開かせる。
「いっ、いやぁぁぁっ!」
アティの悲鳴が部屋の中に響いた。
ガッチリと椅子に拘束され、
教え子の前で大股開きとなれば、悲鳴が上がるのは当然だった。
しかし、この羞恥心がイスラの狙いだった。
教え子の前で、これ以上ない辱めを受ければ、
いくら気丈なアティでも精神的な負担は大きいだろう。
身も心も屈服させる。
そう考えたイスラは、更に辱めるべく背後から両手を伸ばすと、
片手でアティのそこを大きく広げてよく見えるようにして、
もう片手でゆっくりとそこを弄り始めた。
「あっ!いやっ!やめて、イスラ!お、お願い!やめてぇぇっ!」
身悶えるアティの姿を、スバルとパナシェは呆然と見つめる。
鬼人と亜人。
異世界の子ども二人には、
目の前で行われている行為に対するような知識は当然無い。
「や、やめろよ!先生に酷いことするな!」
口調を荒げるスバル。
イスラは二人に向かって、笑みを浮かべながら語り始めた。
「アティはね、今はこんないやらしい僕たちの奴隷になったんだよ。
もう君たちが思っているような立派な先生じゃないんだよ」
そんなイスラの言葉に、スバルとパナシェは困惑した表情を浮かべる。
「お、お願い……イスラ……も、もうこれ以上は……」
必死に哀願するアティを見て、イスラは悪い悪戯を思いついた子供のように笑った。
「それじゃあ、君の口から、あの子たちに言うんだ。
自分はいやらしい奴隷でもう二人の先生をする資格がないって」
「そ、そんな……そんなこと……言えません」
「だったら、ずっとこのままだよ。
それと、もっと君の恥ずかしい姿を見て貰わなくちゃならないからね」
イスラはそう言うと広げたそこの真ん中にある穴を指先で刺激する。
「やっ……んんっ、あっ……だ、だめ……やめて……あんっ、ああぁぁぁ」
感じる場所を刺激されたアティは、椅子の上で身悶えた。
その拍子にガタガタと椅子が音を立てる。
「……せ、先生……」
アティの口から漏れる甘い吐息にスバルとパナシェは表情を薄っすらと赤くする。
「ほら……早く言いなよ。
それとも……もっといやらしい顔をあの子たちに見せたいのかい?」
からかうような口調でそう言ったイスラは、
おもむろにアティの突起を覆っている包皮を引き上げ、
露出した敏感なそこを指先で刺激した。
「ひあっ!だめっ!そこはっ!んんんっ!あああぁぁっ!!」
大きな喘ぎ声上げるアティを見て、スバルとパナシェは驚いた表情を浮かべる。
「先生……?」
「やっ……だめっ!こんな姿見ちゃだめっ!」
必死にそう言いながらも、
アティのそこは徐々に熱を持ち始め、ネットリした液体が滲んできた。
そんな状況になっても、アティはイスラの言葉に頷こうとはしないでいる。
「仕方ないなぁ。どうしても言わないなら、
お仕置きをしなくちゃならなくなるけど……それでもいいのかい、アティ?」
「お、お仕置きって……」
イスラの言葉にアティは身体を強ばらせた。
そんなアティ見ながら、
イスラはおもむろにそこを弄っていた指を中にまで押し込む。
「ひっ!あああぁぁっ!」
アティの身体が椅子の上でビクンと跳ねた。
それでもイスラはかまうことなく、深く差し入れた指を乱暴に動かし出す。
「あっ!ああっ!やめっ……やめてぇぇぇ!」
悲鳴のような声を上げて身悶えるアティの耳元で、
イスラは諭すような口調で囁いた。
「もう指くらいじゃ満足しないでしょ?
丁度いいから、二人ので思いっきりココを掻き回して貰う?」
そういって、イスラはスバルとパナシェの表情を横目で見る。
二人の表情は困惑を示しているが、
初めて湧き上がる感情に戸惑っている様子も見て取れた。
それは二人が初めて味わう、異性に対する興奮だった。
イスラの言葉にアティの顔からは、血の気が引いていった。
「そ、そんな……それだけは……それだけは許して……お、お願い……」
「だったら……君の口からちゃんと自分の立場を、あの子たちに教えてあげなよ」
イスラの言葉に、アティは震える唇をゆっくりと動かし始める。
「わ、私は……いやらしい奴隷で……
もう二人の……せ、先生をする資格がないの……だから……」
目の前の教え子にそう言ったアティは、泣きそうな目でイスラを見つめた。
「も、もう……いいでしょう?その子たちを早く……自由にしてあげて……」
そう訴えるアティに、イスラは首を横に振って答える。
「まだまだだよ、アティ。もう一つ言って欲しいことがあるんだよ」
そこまで言ったイスラは、アティに言わせる台詞を耳打ちした。
イスラが囁いた言葉に、アティの表情が凍りつく。
「そ、そんなことまで……言わせる気なの……?」
愕然とするアティを、イスラはニヤニヤと笑いながら見つめた。
「あっははははは、そうだよ。ほらっ……早く言いなよ」
イスラはアティを急かすようにそう言うと、中に入れた指を激しく動かす。
「ふあっ……ああっ、だめ……う、動かさないで……
あぁぁ……言います……言いますから……」
その言葉を聞いたイスラは、指の動きを止めてアティの言葉を待った。
「わ、私は……こ、こんなことをされて……喜ぶ……へ、変態……なの……」
涙を浮かべながらアティが言葉を続ける。
「だから……私が教えたことは……も、もう忘れて……」
やっとの思いでそこまで言ったアティは、
恥ずかしさと悔しさに思わず唇を噛みしめてうつむいた。
「あっはははははは♪よく言えたね、アティ」
イスラが満足げにそう言うと、アティは震える唇で呟く。
「も……もう……いいでしょう?その子たちを……離して……」
「いや……まだだよ。せっかくだから変態の君が、
ご褒美を貰って喜ぶところも見せてあげなくちゃ」
そう言ったイスラの言葉に、アティは表情を青ざめる。
「な、何を……何をする気なの……?」
「君のココに……僕のを入れて気持ちよくしてあげるんだよ」
イスラがそう言うと足を押さえつけていた兵士たちが、
アティを椅子から引きずり下ろして押さえつける。
「きゃあっ!あっ……ああっ、いや……やめて…イスラ……も、もう……」
そう訴えるアティの後ろに回ったイスラは、
おもむろにズボンを下ろして硬くなったそれを取り出した。
そして少し湿っているアティの入り口へと押し当てる。
「いくよ……アティ……」
イスラはそう言うと、
ゆっくりと腰を前に突き出し、アティの中にそれを押し込んでいった。
「やっ、あっ、ああっ、入れちゃ……だ、だめ……んんっ!あああぁぁっ!」
ズブズブとそれが中へと沈んでいくと、アティの口からは思わず喘ぎ声が漏れる。
そんなアティの姿を、
目の前に立っているスバルとパナシェはキョトンとした表情で見つめる。
「だ、だめ……見ちゃだめ……目をつぶってぇぇ……」
目の前の二人にそう訴えるアティを、イスラは後ろから容赦なく突き上げた。
「ふっ……ああっ!動かないで……お、お願い……」
「動かないと気持ちよくならないだろ?」
イスラはそう言うと、腰を何度も前後させる。
「んっ、くうぅ……あっ、あぁん……」
硬くなったイスラのそれが、
アティの湿り気を帯びた女の部分を押し広げながら、
ゆっくりと出入りを繰り返した。
イスラのそれが擦れる度に、
アティの身体がビクビクと反応して、口からは吐息と一緒に甘い声が漏れる。
「どうだい?こんな先生を見るの、初めてだろう?」
イスラはアティを責め立てながら、呆然と見ている二人に声を掛けた。
「……あ……」
アティの前に立ち尽くしたスバルとパナシェは、
初めて見る女と男の情事に言葉を無くしていた。
身悶えるアティを見つめながら黙って頷く。
「いつもは偉そうなことを言ってる先生だけど、
本当はこんなにいやらしい女だったんだよ」
「そ、そんな……ああっ、ああぁぁぁ」
アティはイスラの言葉を何とか否定しようとするが、
開いた口からは漏れるのは喘ぎ声ばかりだった。
「まったく……自分の生徒の前でそんな声を出して……君は本当にいやらしいね」
からかうようなイスラの言葉に、
アティは羞恥で赤く染まり、思わず声を押し殺そうとするように唇を噛みしめる。
「くっ……んんんっ……あふっ……ぁぁぁ……」
必死に声を抑えようとしても、イスラの腰が前に出て、
深くまでそれが押し込まれると、どうしても吐息のような喘ぎ声が漏れた。
「ほらほら……遠慮しないで乱れなよ」
イスラはそう言うと、腰の動きを徐々に速めていく。
「……んんっ!あっ!だ、だめっ、あああっ、そんなに……
激しくされたら……声……出ちゃう……っ」
アティはイスラが腰を突き出す度に、閉じていた口をどんどん大きく開いていった。
そして全身を小刻みに跳ねさせながら、
掻き回されるそこからネットリとした液を溢れさせてくる。
「あっははははは……どんどん溢れてくるよ」
「い、言わないで……やっ、ああぁぁ……」
言葉で辱められ、性器を掻き回され、アティは屈辱にまみれていった。
そんな中でもイスラのそれに突き上げられる刺激に、身体は快感に打ち震えていく。
イスラをくわえ込んだそこは、
まるで離すまいとするかのように、グイグイと締め付ける。
「す、すごいや……こんな……締め付けてきて……たまらないね」
イスラはそう言いながら、アティのそこを何度も何度も突き上げる。
「だめっ、だ、だめっ、そんなに……されたら……
お、おかしく……あっ!あぁんっ!あんっ!ああぁぁんっ!」
一突き毎にアティの声は、どんどん大きさを増していった。
「くっ、出すよ……アティ……中にいっぱい……出すからね」
イスラはそう言うと、腰の動きをどんどん速め、
硬く反り返ったそれでネットリとしたアティの中を思いっきり掻き回す。
「ふあっ!あっ!ああっ!だ、だめっ!は、激しすぎて……あんっ!ああぁんっ!」
大きな声を上げて乱れるアティの姿を見ていたスバルとパナシェは、
あまりのことに怯えた表情を浮かべた。
「せ、先生……?」
そんなことにも気づかないアティは、ビクンビクンと全身を大きく痙攣させる。
「……んんっ!あああっ!あああぁぁぁぁぁっ!!」
激しい突き上げの最中、アティが一際大きな声を上げて身体を反らせた。
それと同時にアティの中はグッと収縮して、イスラのそれをきつく締め付ける。
「くっ……ううっ!」
イスラはその締め付けに、
思わず腰の動きを止めると、込み上げてきた感覚を抑えることなく放った。
「あっ!あぁぁ……あああぁぁ……おなかに……出てる……
あ、熱いのが……いっぱい……うぅぅ……あうぅぅぅ」
ドクドクと注がれる熱い性を受けて、アティは震える声で呟く。
「……ふふふっ。随分と気持ちよさそうな声を出すね、アティ。
そんなに中に出されたのが気持ちよかったのかい?」
からかうような口調でそう言っても、アティは何も答えなかった。
その代わり甘い吐息をハァハァと漏らし続け、口の端から涎を垂らす。
アティの中にたっぷりと注ぎ込んだイスラは、
視線を目の前のスバルとパナシェへと向けた。
「これで君たちの先生が、どんなにいやらしい先生だったかわかっただろう?」
イスラがそう声をかけると、
アティのあまりの痴態に二人は何も考えられないのか、黙って頷いた。
「あぁぁ……あっ、あぁぁぁぁ……」
アティは絶望的な表情を浮かべながら、その様子を見ていた。
「それじゃあ、その子たちを部屋に戻してくれ。
僕たちも今日はそろそろ引き上げるとしよう」
イスラは兵士にそう命じると、アティの中から果てたそれを引き抜く。
それが引き抜かれたアティの中からは、
イスラの出した液がドロリとこぼれて糸を引いて床へと落ちた。
二ヶ月ぶりぐらいの投下ですが、ここまでです。
スレッド7の439からの続きです。
前回はスカ(スカーレルではない)ですので、ご注意ください。
遅くなりましたが、前スレ618氏GJです。
倉庫大変使いやすく、見やすいです。今後も利用させてもらいますね。
名前が「タケシー大好きビジュ」と「アティ萌えイスラ先生」になっていた投下物は
自分が投下したものです。
作者別リスト作成の参考にどうぞ。
色々と大変かもしれませんが、管理がんばってください。
おお、久しぶり。これからもガシガシ書き込んでくだちい。
さて、容量480いったことだし新スレを誰か頼む。
アイテム攻めとか駄目ですか?
キャンディを下の口で舐めさせたり…
便乗(?)質問。男女物エロで女攻って許容範囲ですか?
投下前に注意書きすれば大丈夫でしょうか?
700レスいく前にもう500KB目前か。早いなあ。
流れが止まりましたな。
SSをアップするには中途半端な容量だし、SSがないと話題にかけるし…
そろそろ新スレの時期かな。
次のスレタイをどうするか決めちまおうぜ
このスレで色々もめた事だし、「エロ」はスレタイに入れておくべきなのかな。
あとテンプレにエロあり、なしについて書いておく必要もありそうだし。
だからといってエロばかり強調すると書き手さんが減ってしまいそうだ。
【なるべく】【エロく】……そのまんますぎ。
【なるべく】【エロく】…そのまんますぎて思わずワラタ
【なるべく】サモンナイト萌え10【エロく】
エロパロで10スレまでいく作品って凄いな。
不覚にも○○に萌えてしまった…
そんなわけで
サモンナイト エロ小説&画像キボンヌスレその10です。
【PALETTA(パレッタ)】
エンターブレイン出版の季刊雑誌。
大体1月・4月・7月・10月の15〜20日頃発売。
毎号飯塚武史先生がサモンナイトのイラスト&コラムを掲載。
基本的にSSはエロ有りの方向で。
続きものの場合はエロ無しのパートが入っていても可能。
【過去スレ】 関連は
>>2以降
みたいな感じかな…?
>>657 待ってましたGJ。こっそりビジュクノンも期待しております
次スレ行く前に質問。
「エロくない〜」スレにSS投下した際、こっちにアナウンスしてもいいですか?
>>679 今んとこそれが最良の方法な気がする。
こっちとしても是非読みたいし、そうしてくれると助かる。