>1
乙悦。
このスレでも神が素晴らスィ(*´Д`)ハァハァ を投下して下さりますように…。
>1
乙悦〜。
スレのますますの発展を願って。
>>1 乙悦
前スレ753さんの降臨を期待(・∀・)ワクワク
>>1 乙悦でつ。
過去の神々の再降臨と新たな神の降臨によりこのスレの益々の繁栄を願って。
>1
乙悦
今後も賑わうといいですな。
>7
見てきたけど、向こうの1の必死さにワロタ。。
そんなに泰麒タンハァハァを見たいのか…
9 :
前スレ753:03/08/11 14:36 ID:e4ylAIlc
前スレに予告したものです。
良作の中一発目からエロなし非常に気が引けるのですが
即死防止のために貢献したいと思いまつ。
公務を終えた景麒が外廊を歩いていると、同じく職務から解放されたらしい主人に出逢った。
仕事上がりの陽子は何処か解放的な貌の下、手に場違いな手桶を持っている。
景麒は陽子に一礼し、顔を上げたついでに「何故そんなものをお持ちなのですか?」と問うた。
「これか?見た通り『お風呂セット』。園林の先に露天風呂があるだろう?これから皆で入ろうかと思って」
「…湯浴み…ですか…」
呟くや否や、景麒の脳裏にほわわーんと、いま目の前にいる主人の裸身が思い描かれる。
――水気を帯びて艶めく肌、上気して薄く赤らむ頬、湯気に当たった熱っぽい目元…。
(――いい…っ!!)
瞬間的に浮かび上がった不埒な想像に、景麒は思わず生唾を飲み込んだ。手は無意識の内にぐっと拳を握っている。
(主上の入浴姿…ッ!こ、これは、そそられる…!是非見たい!!――…って何を考えているのだ!!)
一瞬の内に巡った葛藤に、景麒はふるふると頭を振って妄想を追い払った。
陽子は、突然馬のように頭を揺らしだした景麒を見て怪訝な貌をした。
「どうした?虫でもいたのか?」
「な!なな・何でもありませんよ?」
「…なら、別にいいが」
あからさまに挙動不審な姿ではあったが、この下僕が読めない行動を取る事は珍しくなかったので、陽子は深く追及しなかった。
外廊の曲がり角から、同じく入浴道具一式を木桶に詰め込んだ祥瓊と鈴が現れる。
「御待たせ」
「あ、うん。…じゃ、行くから」
陽子は友人等に返事をすると、傍らで固まっている景麒に声をかけた。
「ど、どうぞごゆっくり…」
心此処に在らずな状態で、景麒は機械的に応答する。
女史と女御はそんな宰補を不思議とも思わず頭を下げ、女王に連れ添って一路露天風呂へと向かった。
景麒は溌剌とした声で談笑する三人の娘――特に自分の主人――を惚っと見送る。
景麒の頭の中には、既に一度取り払われた妄想が卑猥さを増して帰ってきていた。
遠ざかる後ろ姿にそれが重なる。
――軽く結い上げた洗い髪。曲線を描くうなじに髪を濡らす雫がポツリと垂れて肩から前へ落ち、胸の谷間に…。
(駄目だ駄目だ!妙なことを考えるんじゃない!!これは主上に対する不遜だ!冒?に値するっ!!)
(…がしかし、普段は見られぬ主上の艶姿…。見たくはないか?…というか、本当は心の底から見たい!…今日はそれを見られる千載一遇の好機ではなかろうか…?)
(愚かな!一国の宰補たろう者が主人の入浴姿を隠れ見るなど破廉恥な事を…ッ!)
(――…だが見たい……!)
胸襟の内側では理性と本心が必死で鬩ぎ合っている。その間も、妄想が肥大してもうもうと突っ走っていった。
――湯けむりに霞む身体の曲線。水際で湯に慣れるために爪先がそっと沈む。ふくらはぎが水壁を通して輪郭を失い、半開きの唇から熱い吐息が零れる…
(――――理性など要らん…ッ!!)
媚態を想像した景麒の脳内で、何かがブチっと音を立てて切れた。
「………ふふ……っ」
俯き加減の顔から不可解に明るい笑声が漏れる。
(不埒な行い?それがどうした!私は獣だ!!ふしだら上等だ!!欲の赴くままに動いて何が悪い!!!)
欲望を正当化し、良識をかなぐり捨てると景麒は勢い良く顔を上げ、園林に向かって早足で歩き始めた。
(王宮内は私の庭!園林の露天…だったら絶景の場所があった…!其処に行くには…)
景麒は口角を妖しげに上げ、瞳を爛々と輝かせて王城を突っ切る。最早、頭の中には覗きの方略しか考えていない。
…影の中では芥瑚が、自分が手塩にかけて育てた麒麟が論理思考を打っ飛ばして下世話な目的を遂行しようとする姿を察し、「台補…情けのうございます」と己の羽毛に顔を埋めて溜め息を吐いていた。
巡回前の小休止を取っていた虎嘯は陽子達三人が手に桶を持って園林に降りるのを見、声を掛けた。
「よう。桶なんか持って何処行くんだ?」
「この先の露天風呂に」
陽子が答えると、虎嘯は顎を軽く撫ぜて「ああ、あすこか…」と呟いた。チラリと流れた目線は赤髪王の後ろに控える少女達に注がれる。
「…三人でか?」
「ああ。…何か?」
いや、と虎嘯は生返事に答える。
(――この三人で風呂…か)
思わず三人の入浴現場を想像する虎嘯。
――湯に浸かり、或いは岩場に腰掛けて一日の疲れを癒す娘達…
「…いーーー…なぁ…」
「ん?何が?」
知らず内に紡がれた虎嘯の呟きに、陽子がきょとんとした貌をする。
「い・いや、きょ、今日は暑かったから風呂で一汗流すのもいい…ってことだ」
真実を秘匿すべく、虎嘯は慌てて言葉を取り繕った。
「うん。一足先にのんびりさせてもらうよ」
「はは、気兼ねしないでゆっくりしてくれ」
虎嘯が笑って言うと少女達も微笑む。
「じゃ、お先に」
大僕に労いをかけると陽子達は園林に足を踏み出した。
虎嘯は三人を見送りながら、めくるめく女湯の露天風呂を思い描く。
(若い御嬢ちゃん方の入浴か…。そりゃぁさぞかしイイ目の保養になるだろうなぁ…)
(…おいおいおい馬鹿か、俺は。年甲斐もねえこと考えるな!)
(だが、男たるもの女風呂に惹かれないわけはねえっての…)
(いや、それはそうだが…。しかし…覗きは拙いだろう。見付かったらどうするんだ?)
(覗き?人聞きの悪い…って、ん?覗きか。…そうか…露天だからな。ふとした拍子に誰かが見てしまうかもしれない…そっちの方が問題だ!!)
ニヤリ、と虎嘯は薄笑いを浮かべた。
(御嬢ちゃん方が安心して入浴出来るよう見張るのも、護衛の一種だ!)
恐るべき脳内変換を起こすと虎嘯は「――…ま、これも仕事だ」と呟いた。
周囲には自分一人しかいないが、やけに不自然な声量で、きっぱり・はっきりと『仕事』を強調している。
(べつにやましいことじゃねえ…。何かあったらいけないからな。不埒な奴が出ないかを見張るのも仕事、仕事、仕事の一つだ。…そうだろうよ?!)
この時、虎嘯は十人中十人が確実に『お前の方がよっぽど不埒だ』と判断を下すであろうニヤケ面を張り付かせていたが、幸か不幸か周囲には誰も居らず、それを指摘される事は無かった。
(…あそこは巡回域の間近くにあるんだよな…少し遠回りをすれば…)
虎嘯は口笛を一つ吹くと、「さて仕事仕事…」と小声で呟きながら園林に侵入し始めた。
部下達への指導訓練を終えた桓たいは休みがてら暇つぶしに園林を散策していた。
西に傾きはじめた強い陽射しの下を特に何をするでもなく歩いている。
――と、何処からか草木を揺らす物音と明るい話声が流れてきた。
若い女の声が一つ、二つ、三つ。この国の女王とその友人兼部下のものである事は容易に想像ついた。
(――しかし、何故こんな辺鄙な処から…)
桓たいは小首を傾げるも、瞬時にその回答に思い当たった。
(そうか、風呂だ!!)
王宮の不思議という物だろうか、この敷地内には唐突に露天風呂が造られていたりする。珍妙な場所にある為、その存在を知るものは少ないが、たまに人が出入りする事があるのだ。
(…これはまず、間違いなくあの三人が入浴する現場に当たったということだな?!)
その事実を確認すべく、桓たいは軽く目を凝らして木々の奥を覗き見た。
緑深く茂る枝葉に邪魔をされて確りと視る事は出来なかったが、襦裙らしき布が遠くの枝に掛かっているのが視界の端にちらりと映った。――そしてその生地の萌黄が今朝女史が身に着けていたものと同じ色である事を、桓たいは知っていた。
推測を裏付けて事実を確定し、桓たいはその場で硬直して考え込んだ。
今、桓たいの頭の中には『うら若い乙女達の入浴場面に出逢った』という現実と『それを知ったからどうするか』という行動の選択肢が広がっている。
その選択肢は三つである。
一、すかさず覗きに行く
二、気付かなかった事にして立ち去る
三、視には行かないが、この場に留まって声だけ聴く
(―――ど、どうする……?!)
心情的には一である。良識的には二である。その中間を取ると三になる。
(…こ、これは究極の選択だ…!)
本心は最初から一で決まっている。しかし、常識ある者としては二を選ばなければならないとは思う。三は両方を汲んでいる為、良心に悖る事無く心情を達する事が出来る。…しかし、どっちつかずという事でかなり中途半端な感じになるであろう事は想像に難くない。
(ああ、迷い処だ…!!)
いきなり現場にぶち当たった桓たいは三者択一の袋小路に当たっていた。
其処へ、黄色い声が追い討ちを掛けるように響いてくる。
「――…もう祥瓊ってば、早く全部脱いじゃいなさいよ」
「ま、待って。急かさないでよ。腰紐が絡まって…」
「如何遣ったらそうなるんだ。器用だな、祥瓊は。…ほら、脱がしてやるからこっちに来な」
「い、いいわよッ!何とかなるからっ…て、きゃあ!引っ張らないで!!」
順繰りに巡る少女等の声と衣服を解く音。
それを耳にした瞬間、桓たいは選択肢二と三を遠くの海に放り投げた。
(こんな会話を聴かされて我慢できるか!此処で引いては男が廃るッッッ!!!)
桓たいはもの凄い勢いで周囲を見回した。
左右に二回ずつ、鋭い視線を投げかけ、誰もいない事を確認する。
(誰も居ない!誰にも見られなければこれは自分一人の秘密…ッ!誰にも遠慮する事はない!!)
肚を括ると、桓たいは敵地に侵入するかのような慎重且つ迅速な仕草で茂みに入っていく。最早、回れ右をする気などさらさら無かった。
桓たいが木の蔭に消えた頃、巡回の振りをした虎嘯が訪れた。
虎嘯は何気なく周囲を巡り、ぶつぶつと「仕事仕事」と呟きながら頃合を見計らったように草の根を分け入る。
それまでには疾うに、先回りした景麒が絶景の展望点に着地していた。
勘付かれないほどには遠く、臨める範囲には近い距離で三人は三様の位置に着き、獲物が掛かるのを待っている。
――ちなみに景麒は自分の主人以外はあまり気に留めていない。
立ち昇る湯気に一帯は白く霞み、視界はあまりよくなかった。その上、湿った空気が肺に重たく思うように呼吸が出来ない。
熱気に蒸されて身体の表面体温は上がり、額には汗をかき始める。環境の所為なのか、それともこれからの出来事を予想して興奮した所為なのか、細かく言及は出来ないが、三人は早速木陰の隅で軽く息を上げていた。
「――…祥瓊の所為で時間掛かっちゃった…」
「悪かったわねぇ。鈴が急かすから焦っちゃったのよ」
「いいじゃないか。風呂は逃げないんだし」
「…ま・それもそうね」
鉤の字型に造られた岩場に近付く会話の声と足音。それが大きくなるにしたがって男三人の期待と鼓動も高くなる。
ぺた、と素足が石面を踏んだ。
(む?!)
(こ、これは…!)
(ああ、なんて事だっ!)
娘等の姿を捉えると同時に、三人は想像していなかった驚愕に目を開く。声をなくした後、三者同様に心の底から叫んだ。
(((―――布が邪魔だ…ッ!!!)))
岩陰に現れた少女達は各々身体を大きな綿布でくるんでいる。胸から太腿にかけてを完全に遮られて、男たちは少し失望した。
(…た、確かに最初から裸身で来る必要はないわけで…。隠すのも当然と言えば当然ななんだが…)
(同性同士なんだからそこまで拘る事もねえだろうよ…)
(か、肝心な部分が見えないではないか…。……いや、しかし、これはこれで悪くない気もする…)
努めて論理的に考える桓たい、率直に悔しがる虎嘯、落胆するも別の趣向を思いつく景麒。考えは三人ばらばらである。
処々思うことを胸に秘め、物陰に身を潜める者たちの存在を知らない娘達は暢気に歓声を上げていた。
「――うわぁ…ひっろーい」
「中々いい造りじゃない」
「だろう?わたしも初めて見たときはびっくりした」
水際に近付くと少女達の様子が陽光に当てられてはっきりする。
隠していてもふくよかである事がわかる祥瓊の胸。
吃驚するくらい華奢だと感じられる鈴の細い二の腕。
綿布の下からすらりと伸びた陽子の太腿。
(((――いい…!!!)))
一度受けた失望から立ち直り、男達は滅多に見られない少女の肢体に感動を覚えた。
(育ちのよさ、というものだろうか。祥瓊には衣を着せなくても全体から気品が漂ってくる…)
(鈴は細くて小さいな。あれが『女の子』っていうものなのか。強く抱いたら折れそうだな…)
(華奢ではないが無骨ではない。見事に均整が取れている…。主上は脱いでも御美しい…)
三人は鼻の下を微妙に伸ばし、水場の少女達に見蕩れていた。
湯前では娘達が湯に手を沈め、温度を確かめようとしている。
「ねえ、お湯加減はどう?」
「ちょっと待って。―――うーん。丁度いいくらいじゃないか?」
「熱すぎたりしない?大丈夫?」
「え?さあ。こんなものだよ」
鈴に訊かれて湯温を計っていた陽子は手のひらに軽く湯を掬って鈴に掛けた。
「きゃ?ちょっと!いきなり何するのよ!」
「口で言うより肌で感じたほうが早いと思って」
「だからって…。もう!お返し!!」
言うや否や、鈴はぱしゃりと陽子の膝に湯を掛ける。
「あ、やったなー?」
口を窄ませると、陽子は鈴に湯を掛け返した。
蓬莱出身の二人はばしゃばしゃと湯船の前で湯を掛け合っている。
「やめなさいよ、子供ねえ…」
一人陣中から外れていた祥瓊がやれやれと呟くと、それを聴いた二人は両手に湯をとって思い切り浴びせた。
胸元に湯を掛けられた所為で飛沫が軽く顔に掛かる。
「……………やったわねえっっ!!」
祥瓊は僅かに沈黙したが一声怒鳴ると勢い良く湯の中に入り、二人に目掛けてたっぷりと湯を被せた。
それを皮切りに、三人は膝まで湯に入り、滅茶苦茶に湯を掛け合う。
髪に肩に胸に。三人はあっと云う間にずぶ濡れになった。
きゃあきゃあという明るい嬌声が周囲に木霊する。
戯れる娘達の姿が陽に返って光っていた。
(((あーーー。いいなあーーーこういうの)))
じゃれあう姿を外で見ながら男達はホウと目元を和ませる。
(若い娘がやると絵になる…。本当にいい…。ああいう無邪気な姿を見るのは幸せだ…)
(可愛いっつったら怒られるんだろうが、それ以上の言葉が見当たらねえ…。つうか、俺も入りてえ…)
(若いと言うのはそれだけでよい事だ…。それにしても、なんというか…こ、声が…た、堪らない…)
素直に感動する桓たいと感情に忠実な虎嘯。その一方で景麒は邪なことを考えて一人高揚していた。
お湯かけごっこに飽きると三人娘は手の平で顔を扇ぎながら乱れた息を整える。
「あつぅい…」
「ちょ、ちょっとはしゃぎすぎた…みたい」
「ま、全くだ…」
頬を紅潮させ、熱気を逃がすように深く息を吐く娘等の姿が湯気の合間に見え隠れする。
湯に濡らされた綿布が暴れた所為で乱れ、見えるか見えないかの瀬戸際にまで崩れていた。
汗か湯か定かでないが額に張り付いた髪と水に濡れて光る肩口が艶かしくも見える。
(くぁ…っ!い、色っぽい…!清楚なのに色っぽい…!!)
(や、やばい。これは反則だろ?!無意識なのが却ってアヤしい…)
(い、息も絶え絶えに喘ぐ御姿…辛抱出来かねる…っ。ああ、一度その御姿で迫って頂きたいものだ…!!)
自己を主張し始めた下半身を抑えつつ、三人の獣は無為の媚態を食い入るように見詰めていた。
遠くから肴にされている事を露とも知らず三人娘は一度湯から上がり、身体の汚れを流した。乱れた綿布を僅かに解きなおし、前を隠して手桶で湯をかけている。
(結構用心深いというか、恥ずかしがっているだけなのか…。惜しい…)
(何で隠したままなんだ…。んあ?今ちょっと見えたかもしれない…!)
(み、見えそうで見えない…。これが延台補の仰っていた『ちらりずむ』というものだろうか…?き、際どさが………いい…っ)
余計な知識を理解した者を含め、各人共、裸身が露わになるぎりぎりの境界に一喜一憂している。その一方で、一頻り湯を浴びると娘達は湯船に身を沈めた。
小声で雑談、寛ぎの時間である。岩場の造りの所為か、然程大きくなくても声は良く通った。
「はぁ〜、いい気分だなァ…」
呟きながら陽子は思い切り伸びをする。すると留めの緩かった綿布がはらりと外れた。
(ん?!)
(おおおおお?!)
(み、見たっ!!見えたあああッッ!!!)
劇的場面に遭遇し、それを超絶景地点から見ていた景麒は鼻頭を抑えて前屈みになった。
(ああっやはり生は…!これは堪らんです!感動です!!主上最高です!!!い、生きててよかった…っ!!!!)
景麒は全身全霊で興奮しているが、それを漏らすと元も子も無いので何とか耐え忍んでいる。小躍りしたい身体を無理矢理抑え付けるものの、精神は半分昇天している。
(あー、いいもの見た…だが、頭から離れねえ…暫くはまともに顔合わせられんだろうな…)
横から艶肌を目撃した虎嘯は首の裏をトントン叩きながらぼんやりと目に灼き付いたものを思い描いている。
(せ、背中しか見られなかった…!なんとも口惜しい…っ)
丁度背面に居た為、一人裸体を見損ねた桓たいは今、初めて自分の居場所を呪った。
天国と地獄状態の事情を他所に、娘達は体形の話で盛り上がっている。
鈴が特に未成熟な印象の強い自分の身体に溜め息を吐いた。
「――…せめてあたしも、…こう、もうちょっとだけあってもいいと思うのよね…」
(いやいやいや、そんな事は無いぞ!!)
鈴の独白を聴き、虎嘯は激しく首を振る。
(確かに目立つ方ではないかもしれん!しかし細くて華奢で幼げで…守ってあげたくなるんだ!!だから嘆く必要は全くない!!)
虎嘯の心中に呼応したかのように、湯船では友人らが慰めの言葉をかけている。
いいじゃない、と明るく言う祥瓊。それに重ねて陽子が「そうだ。――…それはそれで『そっち系』の人にもてはやされるだろう」と言う。
(((…『そっち系』…?)))
傍観者達の脳裏に疑問符が浮かぶ。
(なんだ?それ)
(遠回しだな…。しかし、察するに俺は、もしかしたら『そっち系』とやらの人間なのか?)
(不可解な…。今度延台補に伺ってみよう…)
一様に溜飲を下げようとする観衆を他所に、祥瓊が鈴に向かい、悪戯っぽい貌で「そんなに大きくしたかったら手伝ってあげようか?」と問い掛けていた。
意思の疎通半ばに祥瓊は陽子に鈴を抑えろと命じる。
はいはい、という気軽な返事と共に陽子は鈴を後ろから抱き締めるように押さえつけた。
(((んぉああ?!!)))
予想だにしない展開に男たちは身を乗り出す。
(っくぅ…、女御め、羨ましい!!私も主上に後ろから『ギュっ』ってされたい……!!!)
完全に着眼点を逸して場違いに嫉妬する景麒。
(ぁああ!!いいなあ、陽子!!俺もあんな風に…抱き締めてみたいっ!!)
何処か間違えながら思わず羨望の眼差しを送る虎嘯。
(――な、何だか娘同士って…いやらしくていいなあ…)
新境地を開拓する桓たい。
そうこうしている間に、祥瓊が鈴の小さな胸を包むような仕草で触った。
(((おおおおおおっ!!!)))
益々読めない行動が起こり、先を見逃さん為に各地で限界ぎりぎりまで近付こうとする反応が現れた。
(おいおいおいおい!ちょっと待て!!羨ましすぎるぞ、それは!!)
最も前進率が高いのは虎嘯である。自分が覗きをしている事は殆ど忘れている気配だ。
(だ、大胆だな、祥瓊…!!なんとも言えん色香だ…!)
桓たいは、一応隠れなければならない事を覚えてはいるが、身体は言うことを聴かなくなっているらしい。
(女仙らがたまに遣っていたかもしれんが…。しかしこれは随分と妖艶な…!)
回顧しつつ目前の進展を期待して景麒はじりじりと間合いを詰めた。
「いやぁぁーーーん!!」
興味津々に注がれる視線の中、半蹂躙の目に遭っている鈴の悲鳴が湯気を切り裂く。
意図は違えど夢中で少女等の絡みを見ていた男達が懐中で『きたーーーッ!!!』と叫ぶと同時に、崩壊寸前で男どもの体重を支えていた垣根も限界を迎えた。
突然視界が反転して頭の中が真っ白になる。全員が全員一瞬放心状態だったが、刺すように注ぎ込まれた少女達の鋭い視線で男達は我を取り戻した。
(((ま、マズイ!!誤魔化さなくては!!!)))
「そ、その、…物陰から声がしたので、様子を見にきただけで、べ、別に湯浴みを覗くつもりでは」
反射的に身を起こしながら桓たいは虚偽交じりの自白をする。
「いや、これは巡回の一環で、決してやましい気持ちがあったわけじゃ…」
虎嘯は忘れかけていた言い訳をしどろもどろに零しつつ、足は既に後ろに下がっている。
「わ、わ、わわわたしは、主上の御身を案じてですね、あの、その…」
開き直って覗きをしていた景麒の頭に弁解の言葉は最初から用意されていない。
「「「やかましーーーーっ!!!」」」
ノゾキ行為を知った被害者の怒りが爆発。
「「「いーからさっさと引っ込まんかーーーーーッッ!!!!!」」」
力任せにぶん投げられた凶器の嵐。逃げ送れた景麒だけが直撃を食らったのは言うまでも無い。
「もー!!やだあっ!!」
「信じられない!!最っ低ッッ!!」
「馬ッ鹿どもがぁ…っ!!後で全員仕置きだ、仕置きぃぃ!!」
非難轟々、口々に迸られる罵声。周囲は俄かに騒がしくなる。
騒動の最中、鉤の字の向こう側ではひっそりと二つの影が湯を浴びていた。
「何かさわがしいね」
「そうじゃのう…まあ、仕方もあるまいて」
岩壁の端で桂桂に背中を流されながら、遠甫は「ふぉっふぉっふぉ。若いのぉ〜、皆の衆!」と言って陽気に笑った。
(おしまい)
前より長い割にエロなしですんません。
今度ちゃんとエロやってるの書くので勘弁してつかさい。
では。
>753さん
リ、リアルで読んでたんだけど、小休止でつか?
スレ立て初日からいいもん拝ませて頂いてまつ。
三者三様の反応がイイ!
モニターの前で爆笑しまくり。
続きはいつ来るのかなあ ワク(゚∀゚)ワク
ご苦労さまでした〜
激しく萌えさせていただきますた(;´Д`)ハァハァ
男共にそれぞれ個性があってワラタ。
しかし、彼らのキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!には思わず同調してしまいますた(w
げ、リロードしたはずなのに・・・続き来てたんだ。
改めて、乙悦!
次回作もお待ちしています。
うま━━━━。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:. ━━━━い!!!
スクロールしながらクツクツ笑ってしまいました。乙華麗さまでした!
エロも楽しみ!
>>1さん
乙です。ついにこのスレも4スレ目に‥‥‥感慨深いものがありまつね。
そして、前スレ753さんお疲れ様でした〜
とりあえず六陽+景麒(発情期ネタ)何とか出来上がったので、自分も即死防止のため
投下させていただきまつ。
前振り長いですが、どうかご容赦のほど‥‥‥
「よぉ」
「‥‥‥‥降りてください、延台輔。今すぐに」
景麒は眉間に皺を寄せる。
はいはい、と面倒臭そうに返事をして、金の髪の少年は窓枠から飛び降りた。その様子をもはや
諦めの境地といった顔で見遣って景麒は溜息をつく。
「それで‥‥‥本日はまた、どのような御用でいらしたのですか」
「まあまあ。そんなにつんけんするなよー」
笑いながら運ばれた茶に手を伸ばす。
「用っていうか‥‥‥抜け出してきたんだ。俺、今アレだからさ」
「アレ?」
「そう、アレ。ああ、お前もだったよな?」
「‥‥‥‥貴方には関係ないでしょう」
「しらばっくれるなよ。調べはついてんだぜ〜?」
景麒は再び溜息をついた。「アレ」で解ってしまう自分が、少々悲しかったりする。そして、その心
境は如実に声色に出た。
「‥‥‥‥それなら女官にでも添い伏しさせれば宜しいでしょうに、何ゆえこちらにおいでになるのか」
「お前、自分が問題ないからって軽く言うなよ」
「ですが、延台輔」
六太はむすっとした顔で茶碗を卓に置く。
乙です!おいしくいただきました。
桓たいは一人だけ残念でしたね。
仕返しに男湯逆覗きな三人娘なんて想像までしてしまったり(w
泰麒捜索のときは廉麟・梨雪も加わってさらに豪華面子だったんだろうなあ
「あぁ?だってお前は陽子に慰めてもらってんだろ?」
「‥‥‥‥それは、まあ」
それは動かしようのない事実である。景麒は渋々頷いた。
「いいよなー。ウチなんて、最近は周期が来ると離宮に隔離されるんだぜ。尚隆のやつ、いろいろ
面倒臭いとか餓鬼にはまだ早いとか言いやがって!妓楼なんざ行くだけ無駄だし、蓬山に行けば
入り浸りすぎて玄君に叩き出されるしさ」
「それはお気の毒に‥‥‥」
景麒は深く同情したが、はっと気づいて相手に向き直った。
「お気の毒だとは思いますが、雁にお帰り願います。慶の民に手を出されてはたまらない」
「そう言うな。少しでいいからさ、ここに居させてくれよー。陽子にも会いたいしさ」
にかっと笑う六太を景麒は睨む。
「‥‥‥‥まさかとは思いますが」
「ん?」
「主上に手を出すおつもりではないでしょうね?」
「あはは‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥延台輔‥‥‥‥貴方という方は‥‥‥!」
いいかげん忍耐の限界に来て、景麒が使令を総動員しようとした、その時。
扉がぱたりと開いて、彼の主たる少女が小走りに駆け込んできた。
「景麒!延台輔がおいでだと聞いて来たんだが‥‥‥」
「よう、陽子ッ」
「主上‥‥‥‥‥‥‥‥」
苦虫を噛み潰したような顔の景麒を愛想笑いでやり過ごし、陽子は六太に向き直る。
「今日はどういった用向きで?延王もご一緒なのですか?」
「少し立ち寄られただけだそうです。それより主上、政務の方はどうなさったのですか」
「勝手な説明すんなよ景麒。ああ、今日は俺一人で来たんだ」
「延台輔!」
いちいち口を挟む景麒を、何だかいつもと役割が逆だなぁ、などと思いつつ陽子はたしなめた。
「景麒、お客様だぞ?そういう態度は礼を欠いていると思う」
すると、六太もすかざず言葉を添える。
「なあ、俺、陽子と二人で話がしたいんだ。悪いけどさ、人払いしてくんねぇ?」
「あ、はい。わかりました」
これを聞いて、景麒の眉間に更に深く皺が寄る。
「主上、せめて私は残らせてくだ」
「台輔も退出せよ。勅命だ」
陽子は最後まで言わせてはくれなかった。
景麒が渋々といった様子で退出したのを確認して、六太は切り出す。
「なあ、陽子。景麒の奴さ、今アレなんだろ?」
「アレ?‥‥‥‥‥‥あ、あぁ発情期です、か‥‥‥‥?」
あからさまに表現してしまったことに気づいて、流石の陽子も顔を赤らめた。
「そうそう。で、陽子が相手してやってるんだよな?」
「ええ、辛そうで見ていられなくて‥‥‥‥それが何か?」
「うん。実はさ‥‥‥‥」
怪訝な顔の陽子に、六太は思いっきり抱きつく。
「えッ?!な、ななな何ですか、どうしたんですか延台輔ッ」
「俺もなんだよ」
「は?」
「俺も、なんだ。辛いんだよ‥‥‥」
その言葉の意味するところを理解して、陽子は固まった。これは引き剥がした方がいいのだ
ろうか?と思いながらも、それは失礼にあたるような気がして腕を彷徨わせる。
見れば確かに辛そうだ。この微妙な、苦しげな表情には見覚えがある‥‥‥‥と、いうより
相手をしてやる前の景麒そのままだ。見るに見かねて己が身を与えてやってからは、あまり
見ることもなくなっていたが。
そう陽子が回想する間に、六太は陽子の腰に腕を回していよいよきつく抱きしめた。
「‥‥‥陽子‥‥‥‥」
やっぱダメかな‥‥‥でも、もうカラダの方は盛り上がっちゃってるんだけど、と六太は内心
がっくりする。諦めて腕を解こうとした時、その背に陽子の腕が回され、柔らかい感触が六太を
包んだ。
「‥‥‥夕餉の後、私の部屋までいらしてください。景麒や女官には話を通しておきますから‥‥‥」
驚いて、六太は陽子を見つめる。陽子は苦笑し、でも、と付け加えた。
「胎果の誼、ですからね?」
その夜。
キィ、と扉が開いた。そのまま六太は滑り込む。
「陽子」
「‥‥‥‥こちらへ。延台輔」
寝台へと招かれ、六太は手を掛けてその上に乗る。ギシリと寝台が軋んだ。
「‥‥‥‥いいんだな?」
「ええ」
短い問答を終えると、互いに腕を差し伸べあい、抱きしめあう。
唇を深く深く合わせた。
「ん」
そのまま六太は陽子を押し倒し、一気に夜着の前を開く。
「や‥‥‥ッ」
肌を初めて見られる羞恥に、陽子は思わず身体を固くする。それに構わず乳房を強く揉むと
艶かしい喘ぎ声が漏れた。
胸元に顔を埋めて、六太は乳首を吸い上げ、ねっとりと舌を這わせて嘗め回す。
「‥‥や、ああ‥‥‥ッ」
迫り来る快感に身体を震わせながら、陽子は六太の金の髪を掻き乱す。
柔らかに甘い香りが漂う。おそらく陽子の夜着に焚き染められているのだろう。その香りは
六太により陽子の性を感じさせた。自分とは違う性を持つのだと、当たり前だけれども思い
知らされる。
六太は舌を這わせながら夜着を乱していき、ついには陽子の肢体をあらわにした。
「あ‥‥‥」
小さく漏れた声に、思わず顔を覗き込むと、頬を染めて陽子は目を逸らす。見つめ返す瞳は
潤んで美しかった。
ぐっとこみ上げてくる欲望が、六太の心身を覆いつくしていく。
「‥‥‥悪いな。我慢できそうにない」
そう言って、陽子の反応を待たずにぐい、とやや乱暴に陽子の足を開かせる。指の腹で彼女の
秘所に触れると、そこは既に湿り気を帯びてきていた。
欲望に従って更に指を走らせる。
「あ、あぁ‥‥‥ッ!ん、んぅ、ふぁあ‥‥ッ」
六太の指を、ぬめる愛液が濡らしてゆく。そのまま、陽子の内部を指で探り、掻き回した。
ぐちゅ、と淫らな音が響いて、陽子が泣きそうな顔で六太を見つめてくる。その様が扇情的でたま
らなくて、六太はさらに激しく指を動かした。
陽子が目をぎゅっとつむって身を捩る。
「あ、あぁ、あああッ!!!」
背を大きく反らし、ついに陽子は高みに駆け上った。ぐったりとして、熱く火照った身体を寝台に
埋める。
荒い息をつく陽子を見下ろしながら、六太は自分の衣を脱ぎ捨てた。
「‥‥‥‥いいか?」
陽子が、快楽に侵されて朦朧とした意識の中で頷く。
それを認めると、六太は自身を宛がい一息に陽子の身体を貫いた。
「や、あぁッ!え、延、台輔‥‥‥‥ッ!あ、んぅッ」
一気に満たされ、快楽の涙を流しながら陽子は喘いだ。曖昧だった思考がついに霧散して、もう
何も考えられない。
「陽子‥‥‥‥ッ!」
たまりかねて彼女の名を呼んだ。女の熱いそこは、すぐさまぐいぐいと締め付けてくる。
六太は歓喜に喘いだ。積もり積もった欲望をようやく解放できるのだ。彼は雄の本能に呑み込まれる
己の仁性を感じたが、そんなことはもはやどうでもよくなっていた。
陽子の身体に覆い被さり、激しく突き上げて彼女を追い詰める。
「あん、あ、いやぁ、ああんッ!」
甘く啼きながら、陽子が六太を抱きしめてその背に爪を立ててくる。
後は頂点を目指して上昇してゆくばかり。
より深く結びつこうとして二人が抱き合うと、終着点が見えてきた。喘ぐ陽子の身体が痙攣する。
「あ、あぁあああああ━━━━━━━━━━━ッ!!!」
陽子が極みに到達するのと同時に、中がきつく締まる。その動きに促されて、六太も長く身のうちに
くすぶっていた欲を彼女の中に注ぎ込んだ。ああ、と大きく息を吐く。
抱きしめていた陽子の腕は外れ、はらりと寝台に落ちた。
「陽子、その‥‥‥‥」
六太は顔を赤くしたまま目を逸らす。
「‥‥‥‥ありがとな。なんか‥‥‥‥すごく、嬉しかった」
「あ、いえ。お役に立てたなら、良いのですが‥‥‥‥あの」
「ん?な、何だ?」
軽く頷いて促すと、陽子はもじもじと彼女らしからぬ小さな声で続けた。
「いえ、その‥‥‥‥す、少しは楽になったでしょうか‥‥?」
「あ、ああ。だいぶ良くなったと思う。。なんだか、とてもいい気分だ」
嘘ではなかった。彼女の優しいぬくもりに包まれて、快楽と、それ以上のものを感じたと思う。
「‥‥‥‥このまま朝までいたいんだけどさ、やっぱマズいよな。慶で慶の麒麟を差し置いて
ソレやったら、いくら何でもなあ」
陽子は思わず苦笑し、次いで困ったように肩をすくめた。
衣服をおざなりに身につけると、帰るか、と六太は呟く。窓を開け放ち、使令を呼んでその背に
乗った。それじゃ、と言おうとして、陽子と目が合う。
「延台輔!」
使令の背から、六太は陽子を見下ろす。
「また‥‥‥‥いらしてくださいね」
はにかんだような顔に、気恥ずかしさを堪えて六太は小さく手を振った。使令はぐん、と高度を
上げて風に乗る。
夜明けが近づいていた。
脱ぎ捨てた衣を拾い上げて羽織ると、陽子は寝台に腰掛けた。そのまま、横向きに身体を横たえる。
彼を助けることは出来たのだろうか。
恋や愛ではないが、それでも大切なのだと、伝えることは出来ただろうか。
ふう、と熱を帯びた吐息をつき、まだ熱い身体を持て余す。
「‥‥‥‥あ」
もう一つ、大事なことを忘れていた。
「景麒、怒ってるかな‥‥‥‥」
陽子は大きく伸びをして、とりあえずは口喧しい半身への言い訳を考えることにした。
思ったより長くなってしまいますた。
実は、この後景麒の懐柔(?)に失敗してなだれ込む話を考えてますが、どうなるかは不明。
それでは逝ってきまつ。
41 :
30:03/08/11 16:58 ID:nkRspxu8
>前スレ889さん
途中で邪魔してしまって申しわけありません。
六陽もリアルタイムでハァハァさせていただきました。
優しい陽子たんに萌え〜
続きも楽しみにしています!
うーんいきなり好スタートで良い感じ、職人様乙華麗様でしたー
>前スレ753さん
違う視点でも目いっぱい笑わせて頂きますた、景麒イイ!(w
>前スレ889さん
陽子タン優しいでつね、最後の照れてる二人が可愛くて萌え。
続きを期待してまつ。
>34 見るに見かねて己が身を与え
の話が読みたい。
好スタート四冊目(゚∀゚)
前スレ景麒の「馬のように首を振る」っていうのが
もう、なんともいとおしくて、おかしくて、ツボです!
かわいいよう!
湯煙も六陽も楽しませていただきました〜。
職人様おつかれさまです。
湯煙
三者三様の反応がかなり楽しかったです。
芥瑚…それは確かに悲しくもなるかも…(w
それにしてもこういう景麒もいいでつね。
内心は常にこうなのかもしれんな。
六陽
六陽好きなんで、かなり幸せ(゚∀゚)
照れる二人がかわいらしいでつ。
「我慢できそうにない」……なんだか大人な六太でイイ!
続きもまってます!
47 :
名無しさん@ピンキー:03/08/11 23:09 ID:Ia3wVgE0
小便してるとこを供麒に見られて赤面しつつ激怒な珠晶とか萌える。
湯けむり事情ワロタ
上手いな〜!!
もっと読みたいでつ
新しいスレは立ってるは、SSが二つも投下されてるは、
これが20時間足らずの間の出来事だとは。
前スレ753さん。「慶東国湯けむり事情」乙悦。
それぞれのキャラのかき分けが抜群。
サブタイトルでもクスッと笑えました。
前スレ889さん。六陽よかったでつ。
漏れも>見るに見かねて己が身を与え が読みたいでつ。
しょーもない寸劇に御感想下さりましてありがとうございますm(_ _)m。
エロ無しにも関わらず明確なお声をいただけてとても嬉しいです。
これはこれで終わりのつもりでしたが、なんだか
>>30タンのネタを見て(・◇・)オモシロソウ!と思いますた。。。
そしてここで御詫び。一応見直しているつもりでも誤字がでてしまうもので。
何ヶ所かあるのですが特に気に掛かったところを一つだけ。
『宰補の場合2』の景麒の独白が「冒?」になってる場所がありますが、あそこは「冒とく」です。
次から気をつけます。すいません・゚・(ノД`)・゚・。
>>前スレ889サマ
六陽よかったです。
六太可愛かったし、やさしい陽子がええかった。
最後ほんわかしますた。ゴチでつ。
漏れ的には >見るに見かねて も >懐柔に失敗して も読みたいでつ。
続きキヴォンヌ
今さらだけど1さん乙。
前スレ753氏 湯煙事情乙。
本番無しのエロでここまで萌え・笑えるとは楽しいでつね。
あっさりと壊れる仁獣景麒イイ!
前スレ889氏 六×陽乙。
自分キチク好きなんだが、やさしい陽子タンにそれ以上の良さがあった。
初夜編or/and懐柔編もキボン。
ひそかに前スレ「麒麟3兄弟と冷凍バナナ」のその後編も期待していまつ。
1冊目だか2冊目で恭の主従を思いついたものです。
なんとかまとまったので投下します。
お眼汚しスマソ(´ω`;)
53 :
恭主従:03/08/12 13:37 ID:Kcjdb6JC
(1/12)
珠晶が供王になり、10年の歳月が経った。
政り事など知らぬと言った珠晶だが、老獪な官を相手に一歩も引かず、長い間王のいなかった恭を瞬く間にまとめ上げていった。
国としての体裁が整い、妖魔の出現も目に見えて減ったある日の晩・・・珠晶は誰にも知られないようひっそりと星彩に乗り街へと出かけていった。
ただ一人、供麒だけはそれに気づき、使令に後を追わせ、珠晶の不在を悟られぬよう臥室付近から適当な理由をつけて人を払わせた。
そして、ひとり、主の帰りを待つこと1刻・・・。
月が空高く光を投げかける頃に珠晶は戻ってきた。
院子に音も無く星彩が降り立つと、その背中から荒々しく降り立つ。
月の光の中、今にも地団太を踏んで暴れだしそうな、そんな目に見えて怒っている雰囲気に供麒はかける声を失った。
誰もいないと思っていたらしく供麒を目に留めると一瞬ぎくりとしたが、珠晶は足音も荒々しく歩み寄る。
供麒が礼をとる間もなく、珠晶は簪をむしりとり帯を解き、着物の前を乱暴にはだける。
永遠に花開くことのないつぼみの肢体を月光にさらけ出し、髪を振り乱し、珠晶は供麒をにらみつけた。
今まで見たこともない主の行動にうろたえる供麒。
珠晶の迫力に気おされながら、それでもぎこちなく跪き礼をとる。
どうにもかける言葉がなく、それでもなにか言わなければと思った供麒が言葉を捜していると、形相とは裏腹に静かに珠晶は言い出した。
「供麒、命令よ。私を抱きなさい」
主の言葉が耳から脳に到達するまでかなりの間があった。
やっと意味が理解できた供麒は
「は、ではご無礼を・・・」
静かに立ち上がりはだけた衣ごと珠晶を横抱きに抱えあげた。
「これでよろしゅうございますか?」
54 :
恭主従:03/08/12 13:38 ID:Kcjdb6JC
(2/12)
供麒の言葉が終わるか終わらないうちに珠晶の頬が朱に染まり、供麒の頬を張る高い音がし、珠晶は供麒の手を滑り降りて牀榻に駆け込んだ。
残された供麒はそれを呆然と見送るしかなかったが、我に帰ると慌てて散らばった簪と帯を拾い上げ、珠晶の牀榻に駆け寄る。
「主上、お加減でもお悪いのですか?」
「なんでもないわよ!あんたなんかどっか行ってちょうだい!」
主の癇癪はいつものこと・・・だが、供麒は毎度の如くおろおろし、主の機嫌をとりなそうとする。
何度か声をかけた後、いきなり牀榻に下がった布が開いて珠晶が姿をあらわした。
朱に染まったままの頬とは対照的に、衣を脱ぎあらわにされた薄く膨らんだ胸は月光に青白く映った。
「じゃあもう一度言うわ。命令よ。私を抱きなさい」
いつもの挑戦的な瞳に射すくめられて、供麒は手にした簪を取り落とした。
「私の言っている意味はわかるわね?」
「ですが・・・」
さすがにここまで来て鈍い供麒にも主の欲していることが理解できた。
しかし・・・
ぐずぐずしている供麒に、珠晶は怒りをあらわにする。
「おやさしい麒麟に言った私がバカだったわ。
いいわ、頑丘でもそこらの大僕でもいいから呼んでちょうだい」
あまりの剣幕に慌てて女官を使いには知らせようとしたが、その台詞の意味を理解してさらに青ざめる。
「主上! そのようなことは・・・」
「私が命じているのよ。嫌とは言わせないわ」
「ですが、そのようなことは命じて行うことではないと・・・」
55 :
恭主従:03/08/12 13:38 ID:Kcjdb6JC
(3/12)
顔を赤くしたり青くしたりして大汗をかきながら、なんとか珠晶を思いとどまらせようと言葉を探す。
「貴女は供王なのですよ。めったなことをおっしゃらないでください」
供王という言葉が聞いたのか、朱晶は今にもかみつきそうな顔をやめた。
「・・・わかったわ。供王でなければいいのね」
そういうと、朱晶は牀榻から飛び降り、部屋の物入れから古い褞袍を取り出し、袖を通す。
かつて昇山のときに着ていた友人のものだった褞袍だ。
「主上、なにを・・・」
「街で身分を隠して男を引っ掛ければいいんでしょ。花街の宿でもいいわね。若い娘が好みの客だっているんでしょ」
主の破天荒な言動に慣らされた供麒も、さすがに体中の血の気が音を立てて引いていくのを感じた。
声にならない叫びをあげて、朱晶の褞袍を無理やり脱がせる供麒。
「・・・やる気になったの?」
「は? はぁあああ!ご、ご無礼を!!」
自分のしていることの大胆さに我に返って、ものすごい勢いで飛び退り床に頭を押し付ける。
もはや供麒の体をつたうのは冷や汗ではなく脂汗である。
思い込んだら己の道をまっすぐと進むことは昇山の時、王として采配を振るっているとき、嫌と言うほど見てわかっている。
その王がこうまで欲していることを、思いとどまらす言葉はもう思い浮かばなかった。
しかし、なぜ突然・・・
「主上、街でなにかあったのですか?」
供麒の問いに朱晶は答えず、かわりに足先で供麒の面を上げさせた。
「私がしたいと言ったらやるの。私がそこらへんの男とことに及ぶのが嫌なら、供麒、あなたが相手をするの」
56 :
恭主従:03/08/12 13:38 ID:Kcjdb6JC
(4/12)
凄みのある微笑に供麒は抗う術を持たなかった。
「恐れながら主上・・・その・・・経験は・・・」
「ないわ。でも大丈夫よ。お父様の書斎には読み物がたくさんあって、何をすればいいかはわかってるつもりよ」
あっさり答える珠晶に、供麒はうなだれるように叩頭し、御意とつぶやいた。
「遠慮は要らないわよ」
いたずらっ子のように供麒の耳朶に小さく囁く。
男ならその一言で奮い立つのだろうが、供麒にとっては死刑宣告となんら変わらない。
ため息を押し殺して、供麒は珠晶の髪をなでそのまま背中、細い腰を撫でさする。
くすぐったいのか陽気に軽口を叩き、供麒の着物の前を押し開いて厚い胸板を指先でなぞる。
すかさず細い腕を供麒の首にまわし引き寄せ、挑むように口づける。
遠慮がちに応えながら牀榻に珠晶を横たえ、押しつぶさないように覆い被さる。
改めて珠晶の桜色の唇におずおずと口づけ、丸みに乏しい少女のままの体を優しく壊れもののように愛撫しはじめる。
そして唇から首へ、耳朶へ、胸元へと、唇を、舌を這わせる。
膨らみかけた双丘までくると、供麒は心の中でお許しをとつぶやきながら小さな蕾を口に含んだ。
あっ、と、小さな叫びに、供麒は慌てて身を引く。
慌てて口を押さえる珠晶。
「・・・主上、やはりおやめになったほうが」
「いいから続けなさい」
気遣わしげに覗き込む供麒を睨みつけて先を続けさせる。
57 :
恭主従:03/08/12 13:39 ID:Kcjdb6JC
(5/12)
続きを・・・と言われても不器用な供麒、再び首筋に口づけるところから再開。
しかし、さっきまでとは違い珠晶の軽口が消え、顔からも余裕が消えた。
しだいに愛撫に応えるように頬を上気させ、呼吸が荒くなる。
双丘の小さな果実は小粒ながらも固くなり、供麒の舌の動きにかすかに震える。
少女らしい細い腰から肉がつきはじめたばかりの小さな尻をまさぐり、太ももの内側をゆっくりとなで上げる。
時折、珠晶の口から耐え切れず声が漏れる。
その度に供麒はびくりと手を止め、珠晶が睨みつけて先を続けさせるという状態が続いた。
遅々として進まない愛撫だが、経験のない珠晶にはかえってよかったらしい。
珠晶の体がゆっくりと愛撫を覚え、少しずつだが確実に高ぶり続けている。
いまや見ただけでもわかる程、薄い恥毛の下の秘裂は潤っていた。
供麒は決意を固めて、その秘裂に太い指をそっとあてがった。
今度は小さな悲鳴の変わりに長い吐息が上がった。
少女が落ち着くのを待って、肉付きの薄い秘裂にそってゆっくりと指を滑らせる。
吐息にかみ殺すような声が漏れつづけ、しだいに速度を上げる供麒の指に耐え切れず声があがる。
人払いをしているとは言えあまりの声の大きさに慌てて供麒は珠晶の口を己の唇で塞ぐ。
声があげられないように無我夢中で幼い少女の唇をむさぼり、口内を蹂躙する。
指は珠晶自身の液体も手伝って大胆に秘裂を動き回る。
急に褥を握り締めていた珠晶の両の腕が供麒の太い首に回され、普段からは信じられないようなものすごい力で抱きしめられた。
頂点に達したらしく背は弓なりに反り、強く吸い続ける小さな唇のほかは硬直したようだった。
どれほど長い間だったのだろうか、それとも一瞬だったのか。
58 :
恭主従:03/08/12 13:39 ID:Kcjdb6JC
(6/12)
硬直したときと同じように小さな体は突然弛緩し、長い、長い吐息を吐き出した。
息を吐ききると共に珠晶は力なく牀榻に横たわった。
乱れた髪が散る額には薄く汗が光る。
瞳は閉じられたまま。気を失ったのか、眠ったのか、供麒には判断がつかなかったので、額にかかった髪を整え衾を体にかけてやり様子を窺った。
珠晶に何の反応もないと見て取ると、供麒は小さな額に軽く口づけると音を立てないように静かに牀榻から立ち上がった。
はだけた前を形だけ整えると足を忍ばせてその場を立ち去ろうとしたが、着物の裾を掴む手があり、供麒は立ち止まった。
「・・・まち・・・なさい・・・」
気が付いたのか、寝ていなかったのか。
着物の裾を握ったまま珠晶がだるそうに体を起こした。
「まちなさいよ・・・まだ、ちゃんとしてないじゃないの・・・」
よろよろと牀榻から下りると供麒の前を再びはだけた。
「はじめてだからって馬鹿にしないでちょうだい! ちゃんと最後までやりなさいよ!」
激昂している珠晶の眼に涙が滲んだ。
荒々しく供麒の着物を剥ぎ取る。
王のあまりの様相に抵抗らしい抵抗も出来ぬまま、供麒は褌も脱がされてしまった。
そこには持ち主の心情を映したかのような宝重が自信なくうなだれていた。
自分を絶頂へと昇らせた当人が爪の先ほども興奮していない。
あまりの屈辱に、珠晶はわなわなと全身を震わせた。
「子供の体だから!? 大人の女じゃないから!?
あたしだってこれでも23なのよ! 誰よ、子供のままにしたのは!!」
59 :
恭主従:03/08/12 13:39 ID:Kcjdb6JC
(7/12)
「抱きなさいよ! 麒麟は慈悲の生き物なんでしょ!? 王の命令には従うんでしょ!?」
泣きながら詰め寄る珠晶に、供麒はただおろおろとかける言葉を探した。
いつもの珠晶ならこんな理不尽な物言いはしない。
癇癪を起こすこともあるが、それだって道理にはずれたものに対する正しいと言える怒りだった。
一体、街へ下りて何があったのだろうか・・・
供麒の脳裏にいくつかの思い当たることがよぎる。
それらが正しい答なのか確認するには、珠晶本人に問えばいいのだが・・・
供麒は少しの間迷ったが、意を決した。
「本当によろしいのですね。体がお小さいからといって容赦は出来ないのですよ」
脅すように低い声でそう告げながら、珠晶の細い腰を抱き寄せる。
怒りに震える珠晶の頬は朱に染まっているが、肌そのものは色を失っていて冷たい。
とても愛や肉欲でつながりを求めているわけではないと体が訴えている。
「望むところよ」
珠晶の減らず口に供麒は何も応えず、その小さな体を牀榻に横たえた。
再び口づけからはじめる・・・しかし、今度は先ほどとは違い濃度の高いものだ。
先ほどと同じようにゆっくりと供麒の舌は肌の上を這いまわる。
しかし、その動きは宣言したとおり容赦なく、珠晶を気遣う様子は欠片もなかった。
双丘の蕾を優しく容赦なく吸い上げ、耳朶を噛み、足の指1本1本を含み、指の間を舐めあげた。
行為こそ優しいが、快感のツボを責めつづける。
60 :
恭主従:03/08/12 13:40 ID:Kcjdb6JC
(8/12)
耐えられず珠晶は絶え間なく声をあげつづけるが、もう供麒は手を止めることはなかった。
ももの内側に跡がつくような口づけを繰り返し、両の足を広げるように持ち上げた。
珠晶は肩と供麒の手だけで支えられるような格好になった。
当然、蜜をたたえる秘所は供麒の目の前になる。
繁りの薄い秘裂にゆっくりと舌を差し入れる。
さらなる快感が珠晶の体内を走る。
珠晶は抗うように身をよじるが足はがっちりと逞しい腕につかまれていた。
供麒はわざとゆっくりと小さな突起や花弁を舌で弄ぶ。
のぼりつめる珠晶に呼応するように蜜壷から蜜があふれ返る。
小さな唇が極限の悲鳴をあげるが供麒は珠晶の体が弛緩することを許さなかった。
絶えず刺激を与えつづけさらに高みへと押し上げる。
すでに衾褥は珠晶が掴み引っ張るために見る影もなく、その上にいやいやをするように力なく首を振る珠晶の髪が乱れ広がる。
供麒の終わりのない執拗な責めに、いつしか唇から漏れるのは快楽を通り越した苦痛の嗚咽に変わった。
ふいに供麒は珠晶の腰を牀榻におろした。
珠晶は責め苦から開放されて安堵の息を吐いた。
何も考えられずに体を投げ出したまま、眼だけで供麒を見やる。
今までの動きとは裏腹に供麒は微動だにせず、膝立ちのまま静かに珠晶を見下ろしていた。
怒っているのか、悲しんでいるのか・・・
月明かりを背にしているので供麒の表情は窺えないが、いつも見知っている大柄のくせに気弱そうな仁獣ではなかった。
視線をふと下に向けると、そこには隆々と反り返った宝重があった。
61 :
恭主従:03/08/12 13:40 ID:Kcjdb6JC
(9/12)
さきほど珠晶が目にしたのとはまるで別のもののような大きさに、珠晶はさぁっと青ざめる。
この後なにをするのか、知識としてだけだが十分に承知していた。
「い、いや・・・」
「これは異なことをおっしゃられる。お望みになったのは主上でございましょう」
供麒は静かに言い放った。
確かに自分が望んだことである。
しかし・・・そそり立つそれは見るからに珠晶の身に余る大きさであった。
「お待たせして申し訳ありませんでした。私も準備が整いましたのでやっと主上にお応えできるかと思います。
それとも、お待たせしすぎて主上のお気が変わられたのでしょうか?」
供麒はにやりとして膝で珠晶ににじり寄った。
「・・・困りましたね。私はともかく、コレはおとなしく諦めてはくれないのですよ・・・。
主上。せっかく主上の為に用意したのですから今しばらくお付き合いください」
供麒が覆い被さるようにして珠晶の膝に手をかける。
珠晶は身をよじって供麒から逃げ出そうとしたが、四肢が思うように動いてはくれず乱れた衾褥に幾度もつまずいた。
「追いかけ捕まえるのもまた一興・・・」
供麒は牀榻の端に押しやられていた自分の着物のひとつを取り上げると珠晶の上に広げ、着物ごと小さな体を捕らえた。
うつぶせのままの細い腰を押さえつけ着物をめくりあげる。
珠晶の細い足と小さな臀部が露わになる。
着物で上半身は身動きが取れず、暴れる両足も膝を広げられてもはや抵抗にすらなっていない。
確認する必要もないほど濡れそぼった小さな秘裂に、供麒はゆっくりと宝重の先端を押し当てる。
珠晶は声にならない悲鳴をあげ、身を硬くする。
62 :
恭主従:03/08/12 13:40 ID:Kcjdb6JC
(10/12)
「お覚悟はよろしゅうございますか?」
低く囁くようにつぶやく。返事など最初から聞く気もない問いだ。
秘裂の入り口と小さな突起を先端で弄び、破瓜への秒読みを告げる。
腰にかかる手に力がこめられるのを感じ、珠晶は硬く目を閉じる。
しかし、次の瞬間。
ひょいと持ち上げられ珠晶の体は宙に浮いた。
着物にくるまれるように横抱きにされ、供麒の渋面と向かい合った。
「命じて行うものではないと申し上げましたでしょう。
こういうことは本来、双方が心から相手を欲しなくては成り立たないものですよ」
あっけにとられる珠晶の眼を覗き込んで、供麒は噛んで含めるように静かに言った。
渋い顔のままとは言え、供麒には先ほどまでの容赦ない雰囲気はなかった。
いつもの供麒が、いつもと変わらず少し眉間に皺を寄せて珠晶を見ていた。
珠晶は安堵と羞恥が入り混じって、子供のように泣きじゃくり始めた。
供麒はその小さな体を包むようにそっと抱きかかえて、黙って珠晶が泣き止むのを待った。
臥室に差し込む月光の影が傾き、時が過ぎるのを教える。
やがてしゃくりあげる音が小さくなり、小さく鼻をすする音が聞こえた。
落ち着かせるように珠晶の髪をなで、背中をさする。
「・・・街で何があったかお聞きしてもよろしいですか?」
ころあいを見計らって供麒はずばり問い掛ける。
63 :
恭主従:03/08/12 13:42 ID:Kcjdb6JC
(11/12)
さすがにばつが悪いのか照れ隠しなのか、珠晶はしばらくぶつぶつと言い訳がましいことをつぶやいていたが、ふくれっつらをしながらポツリポツリと今日の出来事を語り始めた。
「・・・恵花を迎えに行ったのよ」
「たしか、幼馴染の家生の娘でしたね」
「そう、戸籍がないから結婚も出来ないし、お父様の所にいたって家の為に働いて一生過ごすだけだもの・・・本当は王になったときに一緒に連れて来るつもりだったんだけど、私ですら右も左もわからない宮中なんだもの、恵花には荷が重いと思って・・・」
言葉を途切れされて着物の端で眼を押さえる。
「やっと、最近、政も官も落ち着いてきたし、なにより私の目が城内に届くようになったから、恵花をつれて来れると思って。
でも、いきなり連れて来るわけにはいかないから、まず今日は会って話をしようと思ったのよ。そしたら・・・」
ふたたび珠晶の眼から大粒の涙がこぼれ始める。
「恵花は大人になっていたわ。そうよ、もう10年も経つんですもの。胸も腰も膨らんでて、汚れて手も肌もガサガサで・・・でも、とても綺麗だったわ。
みんなが寝静まってからこっそり自分の部屋から抜け出して、恵花は納屋に行ったのよ。
そしたら家の使用人の一人とこっそり会ってて、そして・・・」
最後のほうは涙に消えていた。
言われずともそのあと何があったのかはわかる。
外に出る自由も異性とめぐり合う自由もなくても、成長をすれば体が異性を求めるものだし、また、自由のない家生であっても目を盗んで快楽を得ることくらいはできる。
堪らず星彩に飛び乗って振り切るように屋敷を後にし、町の上を通り過ぎた時、ふと街中の里木に眼が行った。
かすかな灯りの中に白く浮かび上がる里木には多くの飾り紐が結び付けられており、多くの実がなっていた。
どこかで赤ん坊の泣く声と、子供をあやす歳若い夫婦の声がする・・・
「あたしだって、あたしだってあのまま王にならずにいたら・・・大人になっていたら・・・」
言葉の最後のほうは嗚咽に消えていった。
10年前、少女だてらに国を憂い昇山までした珠晶のことだから、王にならなくても学校に進んだり官を目指したりして、おそらく普通の女性のような恋や肉欲に進むことはなかっただろう。
64 :
恭主従:03/08/12 13:42 ID:Kcjdb6JC
(12/12)
しかし、姿形の変わらぬ官に囲まれた珠晶にとって、下界の人々の営々と積み重ねられてきた変貌を目の当たりにして、あまりの差に愕然とするのも理解できる。
知人がみな老いていく、自分ただ一人が取り残されていくような錯覚と焦燥感。
官となり、仙籍に入ったものがみな一度はその孤独に陥る。
王とて例外ではなく、孤独に耐え切れずに王位を退くものも少なくはない。
しかし、供麒はいま腕の中で涙をこぼしている少女が、じゅうぶん乗越えられる人間だと信じていた。
「・・・すばらしいことじゃありませんか。みんなあなたが頑張ったからですよ。
飢餓にも妖魔にも怯えずに暮らせるようになったから、人は愛しい者と心安らかなひと時を過ごし、子をなすことができるのです。
その平穏をあなたが作り出したのですよ・・・主上」
時折こうやってつまづいた時は麒麟の自分が少し手を貸してやればよい。
いや、この少女は手を差し出してやらずとも自分で立ち上がるだけの強さを持っている。
だからこそ、供麒はこの娘に王気を感じたのだ
「主上は主上ですよ・・・お歳も外見も関係ありません。今までもこれからも主上はご自分であることに自信を持ってください。
そして、きっと主上の前にも現れますよ。王であってもそうでなくても『珠晶』というその人を見て好いてくれる人が・・・」
なにしろ、時間はいくらでもあるんですから、と付け足して。
供麒の言葉に着物の端で涙を拭い、顔をあげる。
そこには月明かりに照らされた供麒の優しい瞳があった。
その瞳に見返されて、珠晶は再び泣き出した。
孤独から開放された安堵の静かな嗚咽・・・
震える小さな肩を抱き寄せ、供麒は飽くことなく珠晶の髪をなで続けた。
やがて空が白み始める頃、泣き疲れて寝てしまった珠晶を起こさぬようそっと褥に横たえ、あどけない寝顔の額にそっと唇を寄せる。
「・・・元気になったらいつもの勝気なあなたでいてくださいね」
(終)
>52
乙悦!
珠晶の迷走ぶりから切ない葛藤がつたわってきます。
途中から立場が逆転してはらはらしました。
こんなにかっこいい供麒を見たのは初めてです。ほ、惚れる…
温かいお言葉を下さった皆様、ありがとうございますた(つД`)ウレシイヨ ママン!
「見るにみかねて編」と「懐柔失敗編」に関しては、少なくともどちらかは書きたいと思って
おりまつ。キナガニオマチイタダケレバ‥‥‥
>>52 供麒カコイイ!
良いモノを見せていただきますた。
主従カプ好きな自分には感涙ものでつ。
アニメで萌えてしまったのですが尚隆×驪媚‥‥‥‥禿げしくマイナーで同士居なそうだけど
好きでつ。
こういう大人の男×大人の女は自分には書けそうにないので、どなたかイケそうな職人様
降臨キボーン。
52さん恭主従ヨカターー!!
あの
>普通に抱っこして平手打ち
が、こんな話になるとは思ってなかったよ。
>64・・・すばらしいことじゃありませんか。
で始まる言葉に供“宰補”を感じた。短い中にいろんなものが詰まってて、心に沁みた。
昔、慶主従で(動機は違うが)そんな話を考えたことがある。
できた作中に、しっかり(何度か)終わらせてから説教を始める景麒が・・・
そのうちひっそりうpします。
供麒、褌なのか・・・と小声で言ってみる。
越中かな、と私も小声で呟くなり
あれ、脱がすの大変じゃぁないですか?長いし、結び方ややこしいし・・・。
珠晶頑張ったのですね。
>64
感動しますた。
供麒が素敵すぎまつ
70 :
名無しさん@ピンキー:03/08/12 22:58 ID:uh1jXwcB
>>53-64 供麒が最高じゃぁーっ!!!!良い物読ませて頂きました。う〜ん感動。
でも、こういう供麒を見ると景麒が以上に子供に見えてくるのは私だけ?
sage忘れ・・・鬱になった・・・。
あぼーん
新作をどこよりも早く更新!!無修正麒麟SS投下です。
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萌え麒麟がいっぱいだよ…(*´∀`*)ハァハァ
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/泰麒/延麟/景麒/供麒/廉麟/塙麟と何でも揃っています!!
>73
いい仕事してますね〜。
新作入荷。在庫多数、迅速投下ってここのスレのことか・・・
>52
乙です。
供麒があんなにいいキャラだとは今まで考えてなかった。
珠晶との組み合わせにものすごく納得してしまいました。
供麒カッコイイ!!
こんなにかっこいい供麒、初めてー!
惚れまつ
最後までやってもいいけど、やらなかったのがかえってイイ!
76 :
名無しさん@ピンキー:03/08/12 23:32 ID:HKO//VX/
>52
恭主従キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━ !!!!!
大好きな二人なので、嬉しかった。
しかも供麒がかつて見たことないくらいカコイイ!!
惚れた・・・
>73
普通の広告かと思いきや…ワロタ
けど待って!なんで雁が麟!?
77 :
76:03/08/12 23:33 ID:HKO//VX/
ageてしまった・゚・(ノД`)・゚・。
ごめんなさい
>76
間違えちゃったんだよ(つД`)ウワァァン
延麟→延麒ね。あと氾麟抜けてた
_,.
(""" )
ノ(∞)( ナンデ ダカナイノヨ!!
((,_((()))
(リ♯`Д´リ | | ガッ
と V V) | |
Y△/ノ 人 _,....,_
/ ) < >' ⌒ヽヽ ∩ ミニアマル オオキサデスノデ・・・
_/し' //. V(´<_`;リ//
(_フ彡 }/ Y { /
……采麟タンもいないよ……
>>52さん
供麒の仁獣ぶりがすごくよかったです。
81 :
名無しさん@ピンキー:03/08/13 11:23 ID:I0tptgK1
宗麟タンは?
>>52 供麒ってばオトナだわ、カッコイイ!!こんなに素敵な供麒見たの初めてかもー
ごめん、sage忘れた・・・
お詫びに私も何か投下できるようにがんがってみる。
あたたかいコメントありがdです・゚・(ノД`)・゚・ウレシクテナミダガ
読みたいものは自分で書こうと思ったのですが、なかなか難しいです。
供麒が主導権を握っていられる状況、を考え始めたのですがなかなか難しいですね。
ちと、説教くさくなってしまったのが自分的に恥ずかしい(´ω`;)
>供麒、褌なのか・・・と小声で言ってみる。
いや、どうなんでしょうね。
下着の意味くらいで書いたんですけど。
個人的にはぴっちりしたビキニパンツきぼんぬ(ワラ
んで、実はまた蛇足があって・・・
これを投下するとせっかくの供麒のイメージ壊れちゃうかもしれないけど、
やっぱり、コレでこその恭主従かと。
(1)
翌朝。
朝議の席には夕べのことなど微塵も感じさせぬ、いつもの珠晶の姿があった。
ただひとついつもと違うことは、供麒と意図的に眼を合わさないことだった。
今までも珠晶の機嫌を損ねれば同じようなことがあっただけに、周りの官も特に気にもとめてないようだった。
午前中の政務を滞りなく終え、午後の政務の為に一旦仁重殿の自室へと向かうと、なにやら女官があわただしく行き来していた。
何事かと女官の一人を捕まえて問いただそうとしたら、「昼餉を一緒に召し上がりたいと、先ほどから主上がお待ちでございますよ」とにこやかに言われ、引っ張られるように自室に押し込まれてしまった。
陽の当たる露台に出された卓にはすでに食べられるように皿が並べられ、傍らの椅子には珠晶が雲海を眺めて座っていた。
突然のことに供麒が声をかけあぐねていると、珠晶はさっさと女官をさがらせた。
「座れば? 部屋の主に立たれてるとあたしの立場がないじゃない」
珠晶はぶっきらぼうに言いながら、卓のほうに向いて座りなおした。
ああ、いつもの珠晶だ、と少し安堵して向かいの椅子に腰掛ける。
「食べないの? 冷めるわよ」
そう言って、供麒の返事も待たずに箸をとる。
話し掛けるきっかけもないまま、しばらくふたりとも無言のまま黙々と食べ物を口に運んだ。
王や宰補と言えども普段の昼食は簡素なものなので、あっというまにあらかたのものを食べ終わってしまった。
供麒は空になった皿を少し脇に寄せ、食後用に置かれていた桃を甘い汁に入れて冷やしたものを小椀にとりわけ珠晶の前に置いた。
「・・・夕べはごめんなさい・・・」
少しうつむいてぶっきらぼうに珠晶がつぶやいた。
供麒は新しくいれかえたお茶を差し出した。
「・・・体はつらくないですか?」
(2)
うつむいたまま珠晶は首を振る。
「私も不慣れなので、少々性急にことを進めてしまったので申し訳ありません」
「供麒は悪くないわ。私が命じたんだもの。
・・・私、供麒にひどいことを言ったわね」
供麒はそれには答えず、お茶を一口すすった。
珠晶ももうそれ以上は何も言わず、冷えた桃を口に運んだ。
ふたりは再び無言で食後を過ごした。
しかし、もう珠晶は拗ねた表情ではなく、供麒も眉間の皺が消えていた。
ふたりで王城に来てから10年経った。
これから先、どれほどの時を一緒に過ごすかは天のみが知っている。
どれほどの永劫の時になろうとも、ずっとこの小さな王と共にありたい。
「ところで、ひとつ聞きたいんだけど・・・」
桃を食べ終え、お茶の椀を弄びながら珠晶が口を開いた。
「アレだけのことをやって、でもあたしはまだ処女と言えるのかしら?」
いきなりの発言に供麒はお茶を吹きだした。
「な、なにを・・・」
「最後までやってないし・・・でも、ほとんど寸前までやってるし」
思案しているところを見ると、本当に純粋に疑問に思っているらしい。
(3)
「やっぱりどっちつかずはおかしいわよね。あそこまでやったんだからやっぱり最後までしたいし。
それに、よく考えるとあれよね。わざわざ探さなくても『私』をずっと見てくれる優しい麒麟がいるんですもの・・・」
いたずらっ子のよう微笑んだ珠晶はすっかりいつもの珠晶だった。
今までの感慨深い想いは瞬く間に飛んでしまった供麒は、いつものように渋面で冷や汗を流した。
「命令はしないわ。でも、これからもよろしくね」
(ほんとに終わり)
恭まんせ━━━(゚∀゚*)━━━!!!職人様乙悦です。
この先何百年間もこの調子だったらおもしろいなぁ…w
リアルタイムで読めた━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!
もしかしたら供麒に初めて萌えたかもしれません!!供麒ハァハァ...
職人さま、ありがとうございまつた。
「一旦反り返った宝重」を、あの後どうおさめたのか
妄想が止まらないんでつが・・・(*´д`)ハァハァハァハァ
>83職人様、乙です。
ココまで読むと、落ち着いた感じがする。
普段は珠晶に鼻面引き回されてるけど、やるときはやるという供麒キャラ、好きです。
萌えました!!!
ステキです。恭主従、ステキすぎです。
供麒に新しい一面が!!職人さん万歳!このスレ大好き。
>82
範主従書いた職人さんも反省投下でしたよね。頑張ってください(*´д`)
>80-81
采麟タンと宗麟タンがらみのSSってそういえばないよね
>84
(*´д`)ハァハァ
供麒の情けないイメージが払拭された感じ。
職人様愛してまつw
>52=83
乙です!
不慣れな供麒萌え・・・
94 :
81:03/08/13 21:01 ID:JYArfFZA
ageたお詫びに書いてみた。
超短い上にエロなしで申し訳ないでつが、暇つぶし程度にはなるといいなあ・・・
「王を選ぶのは俺達麒麟にとって勿論重要なことなんだけどさ、
選んだのが王か女王かってのが麒麟にとってはかなり重要なんだよな。」
寝台に横になったまま聞く陽子の隣で雁国の麒麟は言葉を続ける。
「王が道を誤ったり誰かに殺されない限りは同じ王に仕え続ける訳だろ?
勿論短命の王朝もあるが奏のように大王朝になるときもある。
王や麒麟は基本的に誰かと婚姻関係を持つことはないから
王と麟、女王と麒は必然的に夫婦みたいなものなんだよな。
でもさ、俺みたいに王と麒になっちゃった場合は悲惨なワケ、
だって俺みたいに見た目は子供でも中身は大人な男な訳だし
まあ大人の男であるかぎりは色々とあるワケで、
尚隆なんかは一人で街に下りて適当に遊んでるみたいだけど俺はこの髪だし子供にしか見えないだろ?
かといって後々面倒なことになるから宮中で働いてる奴に手を出す訳にもいかないんだよ。」
「色々大変なんだな」
呟く陽子にうなずいて上目遣いにちらりと扉の傍に怒りに震える人物を見やる。
「だからと言って主上に手を出して良いことにはなりませんっ!」
最近何かと忙しく、なかなか主と一緒に過ごすことができなかった景麒なのだが、
珍しく今夜は早く仕事が片付き、久しぶりに甘い夜をとうきうきしながら陽子の元へやってきた。
扉を叩き、返事を待ちきれずに扉を開けると寝台の上には愛する主と隣国の麒麟。
ショックのあまり言葉もない景麒に対しての六太の言い訳が冒頭の言葉だったのだ。
「・・・えーと、そろそろ俺帰るわ、じゃあな陽子」
そそくさと服を身に付けて窓から逃げるようにして六太が去り、
気まずい空気が流れる中、陽子は俯いてぼそぼそと弁解を始める。
「その、六太くんも周りに女の人が居なくて寂しかっただろうし
私も最近仕事ばかりに追われていてストレスが溜まっていたし・・・って・・・わっ?景麒っ・・・んっ!」
陽子を寝台に押し倒し、深く口づけた後で景麒は主の目を見つめて囁く。
「私が主上と離れていて寂しくないとお思いか?すとれすが溜まっていないとでも?」
再び強く口づけされて陽子は目を閉じ、そっと景麒の背に手を回す。
──今夜はどうやら眠らせてもらえそうにない、明日の仕事に支障がでないと良いのだが。
97 :
81:03/08/13 21:09 ID:JYArfFZA
これだけで終りだったり。お目汚しスマソ。
>83
ああ、これでこそ恭主従!素敵でつ。
>>88タン同様”「一旦反り返った宝重」を、あの後どうおさめたのか”が
どうにも気になりますのでよろしければ書いてくだちい(w
>81=95
あああああ、激しく続きが読みたい・・・その前も( ゚∀゚)-3
「一旦反り返った宝重」は・・・きっと彼のことですから、珠晶を抱っこしている間中ずっと
今年の収穫とか治水工事の予定とかつぶやいていたに違いない(ワラ
それでも静まらなかったら、自家発電か女怪でも・・・
きっと発情期でももんもんと耐えているんだろうな、彼はヽ(´ー`)ノ
きっと女仙たちに散々おもちゃにされたので女性に対して積極的になれないとか・・・
半角二次元板の泰麒キュンハァハァスレにて「十二国記お絵かき掲示板」が生まれました。
エログロすぎるもの以外ならなんでもщ(゚Д゚щ)カモォォォン!
∧_∧
( ;´∀`) おまいらの煩悩を今度は 絵 に し て み な い か ?
人 Y /
http://w1.oe-guri.com/bbs/harutuki/bbs.cgi ( ヽ し
(_)_) というか描いて下さいおながいします。
>83
供主従萌えますた(;´Д`)ハァハァ。後日談もイイ!
100 :
前スレ552:03/08/13 23:17 ID:+lu1TC9x
ただいま皆さん!
崑崙山脈から帰ってまいりました。
はい!お土産の552崑崙のお饅頭ですよ。
いない間にリクが何件かあったようで大変恐縮です。
完成し次第投下しますので、もう少々お待ちください。
すみません。
sage忘れました。
>>100 異様にハイテンションだな、とりあえずモチツケ、そしてsageろ。
あぼーん
>>98 人間の男ならおかんの顔でも思い浮かべれば
即萎えだろうに、麒麟は大変でしょうね(w
>女仙たちに散々おもちゃにされた
供麒の蓬山受難編を期待してしまいそうです…
>81 「ageたお詫びに書いてみた。」
なんと有り難いお心がけなことか・・・。
乙なショートショートでした。ゴチです。
>83
供麒のキャラを壊さずに新しい面を見せて下さって、好きです、これ。
自分も「一旦反り返った宝重」の行方が心配でつ。
>73
グッジョブ。うざい広告を逆手に取る技にワロタ!
この際細かいことは追求しないで楽しませてもらいました。
タイミングの方が大事だもんね、この場合。
>100 お帰りなさい。
落ち着いたらSS投下よろしく。
と偉そうにマルチレスつけてごめん。だって一日経っただけでこんなになってるんだもん。何か一言書きたくなるじゃありませんか。
実は宋麟がらみの話を書きかけてるんだけど、萌えないというか理屈っぽいというかで止まっているのら。
こうして発表しちゃえば追いつめられて書くかも知れないと浅知恵を働かせてみるテスト。
>>104 ワラタ>おかん
職人さまの思惑スルーして、勝手に脳内妄想してたのは、
反省した主上が「一旦反り返った宝重」をお口で…とか(*´д`)ハァハァハァハァ
供麒がロリコンと言う話があったけど、実は珠晶のほうもファザコンだったりして・・・
などと考えて(;´д`)ハァハァが止まらなくなった昼下がり。
仕事しろよ、漏れ( ゚Д゚)
夢三章を聞いてから采麟たんのょぅι゛ょボイスが耳から離れません
采王はばあちゃんだからなぁ……やっは尚隆か(;´д`)
ちょっぴりSな玉葉様に仕込まれる采麟たんもイイかもしれぬ…
ちっとこねくり回してきまつ
玉葉様に仕込まれる采麟たんもいいが、やっぱり砥尚と絡む采麟たんが見たい。
111 :
山崎 渉:03/08/15 16:33 ID:7WSqfyM8
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
あああ………恭主従(・∀・)イイ!!
これこそ私の読みたかった供麒だよぅ!
神が降臨なされた……本当にいいもの読ましてもらいました!
ありがとうございます!
どうしても「さんし」が漢字変換出来ない…
>113
汕子・・・
「さんずい」か「やま」で部首変換してもダメ?
出来ました。あっけなく出来すぎて恥ずかしいです。
○| ̄|_
杉本さんで、どなたか!
十二国記辞書を入れたら、簡単だよ。
もう景麒ドテーイ説唱える(てか、で書く)人はおらんのかな。
男優さんとしては動かしづらいもんな。
自分、予王とはしてなかった派なんだが、このスレ見てたら、女仙とはしてたかもって
気がしてきたよ。
>116
一体どんなシチュで絡めと言うのか・・・_| ̄|○
浅野×杉本や杉本×卓なんて見てみたいかも。
杉本さん賓満インストールで(ry
122 :
名無しさん@ピンキー:03/08/16 21:10 ID:DVg0zr6d
今ちょっと毛色の変わったとこで幼泰麒×李斎をセットアップ中。
俺的にはテーマは「年齢を超えた純愛」なんですが見た目はエロです。
マズいかな?
あぼーん
劉李斎は、戴国の女性将軍である。
李斎は、激しい尿意を催していた。
李斎は、泰麒と一緒に木陰まで行った。
彼女は、その場で立ったまま下着の股の部分を手でずらして女性器だけを見せた。
彼女は、手を使わずに股に力を入れて思いっきり大きく女性器を開いた。
泰麒は、驚いて李斎に尋ねた。
「李斎殿、その姿勢で小便して大丈夫なのですか。」
彼女は、落ち着いて彼の質問に答えた。
「泰麒、私は慣れてるから大丈夫ですよ。」
彼は、彼女の自信ある言葉を信用した。
彼は、彼女の放尿の邪魔にならないように少し離れた場所に避難した。
ピューーー!と尿道口から、水鉄砲の水のように勢いよく黄金色の小便が弧を描き噴出してきた。
やはり我慢していたためか、小便は彼女の予想より遠くまで飛んだ。
遠くのほうでは、泡立ちながら水溜りができていた。
彼女は、冷静に放尿を続けた。
彼女が放尿を始めてから3分が経過した。
やっと、彼女の小便も終わりに近づいていた。
彼女は、尿道口をキュッと閉めた。
尿道口から水鉄砲の水のように勢いよく弧を描き噴出していた黄金色の小便が、急にプチッ!と切れて止まった。
女の女性器は全く濡れていなかった。
「泰麒、やはり私は立小便に慣れてるでしょう。」
彼女は、女性器を開いたまま彼に聞いた。
「李斎殿、見事です。」
彼は、驚きの表情で返答した。
「だから、私は手っ取り早く立小便したのですよ。」
彼女は、優しい声で言った。
彼女は、彼に女性器を見られたことを恥ずかしく思わなかった。
彼女は、女性器を拭かずに閉じた。
122=127ということで良いの?
124-126はコピペか。
このコピペ見飽きた・・・ウザイ。
130 :
名無しさん@ピンキー:03/08/17 00:51 ID:vme74IpX
127に、126の続きを書いてほしいな〜♪
エロっぽく書いてくれることを信じて待ってるよ・・・
>130
どうでもいいがsageろや。
コピペの続きなんていらん。
>130って前スレの時からこのコピペの続き欲しがってるヤシか?
この手の同好の士が集まってるスレって他にあったと思うんだが。
134 :
投下待ち:03/08/17 14:42 ID:Om7LAfcO
景麒はしばらく話の糸口を探していた。
小さな麒麟は身を竦めるようにする。
「・・・自分が情けなかったからです。このままずっと女仙をイか
せられないのか、と思って」
言っているうちにまた涙を睫毛に溜める。
「お泣きくださいますな。また私が女仙たちに叱られます。」
泰麒は目をしばたたく。
「景台輔でも女仙に叱られたりするんですか?」
「しますとも。女仙は麒麟に遠慮がない。私の場合だと、『勝手だ』とか、
『終わったらすぐ寝すぎ』、だとか」
「泰麒は女仙がそんなに気になりますか?」
「はい。あんなによくしてくれるのに。せめて喜ばせてあげたいのに、
そんな日は来ないんじゃないかと思ったら・・・」
「女仙を気になさいますな。あれは泰麒のお世話を申し上げるためにいるもの。
泰麒が女仙の主なのですから」
「でも・・・」
泰麒は俯く。
「ぼくにはそんな風に思えません」
「泰麒は変わっていらっしゃる」
「そうでしょうか・・・」
それがまた、切なげな声だったので景麒は慌てた。
・・・・
「恐れながら・・・景台輔は・・・・なんと申しますか、
こう・・・・泰麒と路線が同じとは申し上げかねる方・・」
禎衛に皆まで言わせず、玉葉は声をあげて笑う。
「確かに、景台輔はお強いが勝手な方よの。しばらく泰麒と
お付き合いあそばして、少し泰麒を皆習われるがよろしかろう」
という、玉葉に心配されるほど、えち〜が自分勝手な景麒と
相手に気を使いすぎでうまくいかない泰麒を妄想しました。ごめん。
まあ、あれだ。足して二で割れればね。
136 :
122:03/08/17 17:51 ID:pz3qNzzK
昨日上げてしまった馬鹿もんです。
他の皆さんに倣ってお詫びに一筆投下します。
予告した泰麒×李斎は煮詰まって先に進まないんで別のものです。
しかもかなーり甘めに仕上がってますんでお口に合わないかもですが。
どうかこれで勘弁してください。
「私ね、ずっと不思議に思ってたことがあるんだ・・・・」
牀榻に仰向けに横たわったまま、呟くように陽子は言った。
「何がだ?」
「蓬莱ではね、男と女が交わることの本来の意味は子供を作ることなの」
「そうなのか・・・・ちょっと驚きだな」
「だけど、それだけじゃないよ。今の私と楽俊みたいに・・・・そういう為でもあるんだ」
陽子は少し顔を赤らめ、上体を起こして見下ろしている愛しい彼の目を見つめながら言う。
「でも、もともとは子供を作る為に男と女の体の違いはあるの。だとしたら、こっちの世界の男と女の
体の違いは何の為にあるんだろう、ってそう思うと不思議なんだ・・・・」
「ふーん、考えたこともなかったな・・・・ほんとのところは分かんねえけど、男と女が仲良く出来るよう
に天がそうお作りになったんじゃねえかな・・・・そう言う意味じゃおいらは天に感謝してる・・・・」
楽俊は陽子の赤い髪を撫でながら言い、何か言いかけようとした唇に軽く口づけした。
(私も感謝してるよ・・・・楽俊に会わせてくれたこと・・・・・)
「楽俊・・・・」
碧の瞳が楽俊を見上げる。
「何だ?」
「・・・・もっと楽俊と・・・・・したい・・・」
「何い?もう三回もしたのに?」
その声には疲労の色が感じられる。
「だって・・・私達滅多に会えないんだよ。私はもっといっぱい楽俊を感じたい。楽俊はそうは思わないの?」
「そりゃあ、おいらだってそうだ・・・でもなぁ陽子、男ってのはそんなに短い時間に何度も出来るもんじ
ゃあねえんだ・・・・身体の準備が出来ねえと気持ちも盛り上がらねえ、そういうもんだ」
「時間が短いのは楽俊のせいじゃないか」
陽子は口を尖らせた。
「ぐ・・・・」
「あ、ごめん・・・・言い過ぎた・・・」
「いまのはちっとグサッと来たぞ・・・だけどそうさ・・・おいらのせいだ・・・不甲斐無いよ」
「ううん、私が身勝手なこと言い過ぎたんだ、ごめん」
陽子は楽俊の胸板に頬を寄せてうつ伏せになる。
「ほんとはね、こうしてるだけでもすごく幸せなんだ・・・でも身体の中で何かが騒ぐの。もっと、もっと
って・・・私ってもしかして淫乱なのかな?」
「景王陛下はお盛んでいらっしゃる・・・」
楽俊は揶揄するように言い、苦笑した。
「ばか・・・・私をこんな風にしたのは楽俊なんだから、責任は取ってもらうから」
陽子は二人が掛けていた薄い掛け布を跳ね除け、身体をずり下がらせた。
「責任て・・・よ、陽子?・・・・何を・・・お、おい・・・」
呆気に取られて見下ろす楽俊の両腿を跨ぐように腰を落とした陽子はすっかり萎えきったそれに手を添えた。
「正寝の書庫にね、挿絵の入った本が沢山あったんだ・・・字はあまり読めないけど何を意味してるのかは
すぐに分かった・・・男の人の・・・悦ばせ方・・・・ん・・・」
ゆっくりとそれに口をつけ舌を絡ませる。
「ん・・・んふ・・・・・ん・・・・」
「あああ・・・よ、陽子、慎みがないぞ・・・・あ・・・お、おぉ・・・」
陽子の唇や舌の動きはぎこちないものだったが、それでも楽俊を感動させ、奮い立たせるには充分だった。
瞬く間に固さを取り戻し、肉の樹となった楽俊の男は陽子の口の中で脈打つ。
「もうこんなに・・・・」
息苦しくなるほどに怒張した楽俊を解放して陽子は呟いた。
「そりゃ、こんなことされたら元気になるさ・・・でもな、何だかおいら複雑な気分だ・・・・嬉しいけど
陽子にこんなことさせていいのかな?って・・・・気持ちいいのは確かだが・・・・」
「私は全然嫌じゃないよ。楽俊が好きだから、楽俊が気持ち良くなるんだったらどんな事だって出来る・・・・
それに、楽俊だって・・・・私の、その・・・・キスしてくれただろう?」
「きすって何だ?あそこを舐めることを『きす』って言うのか?」
「ばか!知らない!」
視線を逸らした陽子は再び楽俊の肉樹を口の中に誘い入れ、丹念に舌を這い回らせた。
「あわわわ・・・・陽子!そんなにしたらおいら、もう持たねえ・・・」
「気持ち良かったら、このまま最後までいってもいいよ・・・・」
陽子の口の中で果てる姿を想像した楽俊はその淫らさに思わず身震いする。
「い、いやそりゃ駄目だ!・・・・おいらは陽子と一緒に良くなりたい」
楽俊は少しばかり未練を感じながらも身体を起こし、陽子を抱きかかえて体を入れ替えた。
「いいよ・・・いつでも・・・」
仰向けになった陽子は太腿を擦り合わせ、気持ち顔を背けて目を閉じた。この時だけはどうしても恥ずかし
さが先に立って嬉々として身体を開くような真似だけは出来ない。だがそういう恥らいがちな仕草が男の征
服欲をくすぐり一層興奮させることなど経験に乏しい陽子が知る由もない。現に楽俊はそんな陽子の姿に俄
然燃え上がるのだった。
楽俊は陽子の両脚を持って大きく広げると、その間に割って入った。天に向かって漲っている肉樹に手を添
えてそっと陽子の花びらの中心にあてがう。くち・・・と湿った音が陽子の耳にも聞こえた。
侵入する位置を定めようと楽俊が先端を上下に動かすと陽子の花芯から透明な糸が伸びて敷布に落ちた。
「陽子、さっき拭いてたのにまた随分溢れてるぞ・・・・」
「やだ、言わないで・・・・」
(実際あたしって淫乱なのかな?・・・・こんなにエッチに溺れるなんて思ってもいなかった・・・・)
「あ、ぅん・・・」
ゆっくりと先端が陽子の花びらを押し分け、笠の部分が侵入して入口を潜り抜けてくるのが手に取るように分かる。そして楽俊を奥へ奥へと誘う様に蠢き、歓びのしるしを止めど無く溢れさせていることも。
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
陽子は思う。初めて楽俊が入って来た時も痛かったのはほんの一時のことで、初めてにも係わらず陽子は何度も歓喜の声を上げた。破瓜もなかった。恐らく楽俊の言うようにこちらの世界では、これは男と女が睦み
合うためだけに存在する器官で間違いないのだろう。
「楽俊・・・・気持ちいい?」
「ああ・・・すごく」
喘ぎながら楽俊は腰を振りたて、その度に葛湯を掻き回すような濡れた音が牀榻に響く。
「嬉しいよ・・・あ、はぁ・・・私の、身体で楽俊が気持ち良くなって、ん・・・くれるの・・・・すごく
嬉しい・・・あ、ああっ・・・私も・・・気持ちいいよ」
陽子は楽俊の背に手を回し、しっかりと抱きしめる。
「陽子・・・おいらもう・・・・」
楽俊は苦悶の表情で抽送を速める。熱い肉樹が押し込まれ、引き出され、それに纏わり付く陽子の内奥が
もたらす快感に陽子もさらに激しく翻弄されてゆく。
「あ、ん・・いい!・・・いいよ・・・楽俊、私ももう・・・・あ、ああっ!く、来る!」
「よ、陽子ぉ!行く!」
楽俊は陽子の身体を壊さんとばかりに深々と杭を打ちつけ、深奥へ向かって夥しく白い樹液を放った。
「ああっ!ら・・・ く・・・・ 」
陽子は体内に叩き付けられる熱いそれを感じて、頂へと昇りつめるのだった。
王に定められたことは天命であると人は言う。陽子はそれを運命として受け入れこそしたが、天に感謝など
する気はない。ただ精一杯出来ることをやるだけだ。陽子に与えられた道はそれしかない。
だが楽俊と出会うことが天に定められた運命だったなら、陽子はそれを感謝せずにはいられない。
そう思うと、知らず涙が溢れ、頬を伝った。
「陽子・・・・」
楽俊の指が滴を拭う。嬉しい、この人とひとつになれたこと。この人に愛されること・・・・
「楽俊、大好き・・・・」
「ひとつ分かったことがある」
「なに?」
楽俊の腕に抱かれて横になっている陽子は訊き返した。
「その・・・つまり、陽子の身体は気持ち良過ぎるんだ。だからおいらが早いのは陽子のせいでもある」
「・・・そうなのかな?自分じゃ分からないけど・・・・」
陽子は首を傾げた。
「そうさ。でも陽子にゃ申し訳ねえし、こんな言いぐさは失礼なのか知れねえが・・・・おいらはちょっと
得した気分だ」
「ううん、いいよ。楽俊が気持ち良くなってくれるんなら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?」
「ん?どした?」
しばしの沈黙
「それ、他の女の人の身体を知らなきゃ分かる事じゃないよ・・・・・・楽俊!」
いつの間にかネズミの姿になった楽俊が身を屈めて逃げようとしている。
「どういうこと?私以外の誰かと寝たの?」
背後から素裸の陽子に捕まり羽交い締めにされ、楽俊は観念した。
「え、延王が・・・」
「延王?」
「どうしても付き合えって妓楼に無理やり・・・・」
陽子は怒りに震えている。
「だからって、そんなの断ればいいじゃないか」
「おいら断ったんだよ、でも女を悦ばせる技を身に付けるのも陽子の為になるって言われてつい・・・」
「私の為?・・・・ばか!そんなの私相手に練習すればいいじゃないか」
「そうは言っても陽子・・・・男ってそういうとこじゃ見栄を張りたいもんなんだよ・・・・」
「見栄なんかいい!楽俊は私の身体、好きな様にしていいんだ!・・・・・あ・・・///」
自ら発した、まるで慎みのない言葉に陽子は赤面した。
「と、とにかく・・・もうそんなとこ行っちゃやだよ・・・・我慢できなくなったらいつでも言って欲しい。
いつだって飛んで来るから」
「すまねえ陽子・・・・もう二度と行かないから」
照れ隠しに陽子は楽俊を抱きしめる。ふかふかした毛皮が素肌に心地良い。
(実際私の方が我慢できなくなりそうだな・・・・ま、いいか)
その後二人は朝まで更に何度も求め合い、妙につやつやとして満ち足りて帰って行った陽子と裏腹に、
半ばミイラ化した楽俊は翌日の講義の記憶がなかった。
陽子も楽俊も何故延王が二人の秘めた関係を知っているのか、この時はまだ気付いていなかった。
大学の寄宿舎を出た楽俊が住む延王の用立ててくれた家、その寝室の壁には大きな鏡が張り付けてある。
それは六太が蓬莱より持ち帰りしもの、蓬莱での名をまじっくみらーと言うとか。
−了−
おそまつさまでしたm(__)m
リアルタイムきてます〜〜(・∀・)〜〜〜!!!
ハアハア、いい感じ。ハアハア。
>「あああ・・・よ、陽子、慎みがないぞ・・・・あ・・・お、おぉ・・・」
ワロタ
か・・・神!
甘々楽陽最高!
乙悦!
まじっくみらーって。
延王様、悪趣味だなー。(w
>妙につやつやとして満ち足りて帰って行った陽子と裏腹に、
>半ばミイラ化した楽俊は翌日の講義の記憶がなかった。
>>122さん・・・(藁
>>134-135 本歌取りグッジョブ
やったーーー!!!楽陽待ってました
楽しませて頂きました。幸せー
150 :
122:03/08/17 23:46 ID:ocaduIlC
拙い文をお褒め下さってうれしい限りです。
しかし予告した筈の李斎×泰麒の方は遅々として進まず、
挙句に楽陽の後日談なんか書いて逃避してみたり(汗
前半の状況説明に走りすぎて異様に長くなるわ何だか母子相姦モノっぽくなってしまうわで・・・
リクがなければ虚海に投げ棄てようかとも思ってます。
>122
無理に捏ねまわしてもダメになるだけだから
虚海投棄はともかく、里木の根本にでも埋めて
お話の卵果が実るまで忘れたふりをするのが吉かと思われ。
いつかどこかでなんとかなるでしょ、それで。
誘い受くさい。
ひそかに藍滌様の湯殿編を待ってまつ。
質問!見る側ですか、見られる側ですか>153
確か前回範をかいた職人さんが次作仕込み中だったはず。。それ待ちです。って職人さんには重いかな?ハンセイ
範西
突然ですが、萌える十二国SSの条件ってなんですかね?
>157
ぶっちゃけ人それぞれだと思うが、漏れ的には
・口調や思考が原作を大きく逸脱していない
・記述上の日本語が破綻していない
・展開に説得力がある
・カプがツボ
であれば大抵は反射的に萌える。
内容が面白くても敬語が破綻してれば萎えるし、キャラが崩れてても嫌だ。
上手く原作風味を盛り込みつつ、適度にエロ。これ最強
>156
どゆ意味?
>158
十二国記に限らずエロパロの基本だよね。
あ、敬語が…てのはこの十二国ならではかも。
>159
範西=ハンセイ ではないかと。
あ///そか。ありがとう160さん。
>>160 敬語もそうだけど単語(用語?)も難しいです。
牀榻=寝台とか。そのまま使うのが良いのかなって思うけど、
アニメしか見てない人には読めないですよね。
原作みたいに振り仮名付けた方がいいんでしょうか?
あと悩むのは下着の描写か。資料がない・・・
で、今下着をもとにあるネタを構想中・・・
うちの麒麟はパンツをはかない。
by陽子
素朴な疑問なんだが、子供が木になるってのにセクースするのかな?
必要ないべ。どうするよ、退化して性器がなかったりしたら・・・・・・。
(´・ω・`)ショボーン
>164
その手の話題は全ネット上十二国記関連サイトで散々ガイシュツだが、
ここにいる以上、単純に「性行為=生殖行為ではない」と割り切るしかあるまい。
だいたいが避妊してまでセクースするのって人間と一部のチンパンジーだけだろ。
それ以上のディテールは、この場では書きたくないし。
>>164 その辺はラノベ本スレだの初心者スレでも話題に上るがぶっちゃけ不明。
ただ妓楼がある=何らかの性的嗜好を満たす行為はしている、とは思われる。
…綺麗でちょっと色気アハーンな姐ちゃんと御食事会するだけとかいう場所でなければ、だが。
いや、つーかそれを考えればここの存在意義なくなるべ?
ま、パロディなんだから(その上エロ)、ある程度の矛盾は目を瞑りまひょ、とな。
>163
それは勅命により、でつか?
つまり羞恥プレイ…?
てことは、景麒はやっぱりマゾなんか。
趣味の問題になるけど、感じにやたらとルビ振ってあるSSは萎え。
活字ならルビを小文字で横に振れるけど、()とかで文字の後に追記すると
文章全体のリズムを悪くする
170 :
訂正:03/08/19 03:23 ID:oB6B4Mae
うちの麒麟にはパンツをはかせない。
by陽子
うちの麒麟はパンツをはいてくれない。
by陽子
うちの麒麟はパンツをよくかぶる。
by陽子
安心したまえ。
セックスはちゃんと十二国記の世界にあるぞ。
遠甫が言っていたんだから確かだ。
・・・正しくは、野合だけどな。
↑要するに、結婚してない人とのセックスのことだよん。
163-170-171-172
次第に道を踏み外す景麒(w
171は幼児プレイか?
153のカキコ読んで予定外に範書き始めちゃいました(つД`)しかしなかなか進まないので公表して自分を追い込んでみる自虐プレイ……スマソ
うちの麒麟は結局何もはいていない。
by陽子
178 :
名無しさん@ピンキー:03/08/19 21:47 ID:EPlWWCVS
>177 いやいや。
景麒のM耐性によりますよ。
内心喜んでたりしたら、延長ですね。
内心喜んで羞恥プレイしてる景麒と陽子女王様・・・萌え
どなたか鬼畜女王様系のネタ構想中の職人様いませんか
もしも十二国の世界にセクースがなければ、
小松のお兄さんはたまらないだろうね。
>182 もう、「うふふ」なキモチで娼館に行っても
手を握るだけとかだっりして(w。
そうなったら、500年の治世を生かして、娼館にも
蓬莱風のアレやソレを・・・じっくり伝えこんだりして。
前スレにありましたね。秀逸でした。
セオリーで行けばSMは主従逆転が王道だけど、
陽子と景麒だと普段陽子が絶対優位って訳でもないから微妙・・・・
嫌がる陽子に無理やり○○プレイ景麒というプロットならあるんですけど
185 :
184:03/08/19 23:56 ID:HYofN8dI
>>184 前スレのあのSSで、自分の中の景麒M度がMAXになりますた(w
嫌がる陽子に無理矢理、っていうのもいいですね。
プロットあるんでしたらぜひ!
やおいの匂いがしますが…
なんか皆様の文章力が凄すぎて自分のへっぽこぶりに自信がなくなってきました・・・・
文章修行にでも逝ってこようか・・
>184
鬼畜風味は特に展開や言葉が適当だと萎える。
と呟いてみるテスト。
注文スマソ。期待sage
>>184 嫌がる陽子タソに無理やり‥‥‥烈しく見たいでつ
切実にキボーーーーーン。
陽子タソにイヂワルしまくるシチュに萌えるんで、プロットあるなら是非。
>184
無理矢理景麒いいねえ。
陽子はいぢめられてても強気なのをキボン…期待してます。
漏れも自分を追い詰めるために祥瓊×楽俊を・・・とつぶやいてみる。
それと珠晶レヅものも・・・
193 :
名無しさん@ピンキー:03/08/20 11:03 ID:LIR8F+4d
あの文鎮を使って景麒をいじめたおすってのもイイでつね。
175氏はじめ、首絞め隊の皆様のss投下心待ちにしています!頑張ってください(・∀・)
あぼーん
(陽子、陽子、助けて・・!)
(この國を、みんなを・・。)
足音が迫ってくる。胸に抱いたもの、これだけは見せてはならない。
それは希望だから。民の、人の、死んでいった子達の希望だから。
「この娘を始末すれば終いだな。」
背中を向けてうずくまる彼女に迫るいくつもの刃。絶対にばれてはならない。
奪われてはならない。陽子のことを知られてはならない。
男たちはまだ気付いていない。蘭玉が胸に抱いたもののことを。そうして無造作に刃を突き立てた。
「ぐぅっ・・ぎぃぁぁっ」
目が白目をむいて見開いた。美しい顔が醜く歪む。刃は腰骨の横を抜けて子宮まで届いていた。
二人が立て続けに刃を振るう。一つは肩胛骨の下から入って胃袋を、もう一つは背骨の脇から大腸をそれぞれ傷つけていた。
「あれ、おかしいな。こいつ悲鳴あげねえよ。身じろぎもしないし。」
「面白いじゃねえか。ただ殺るだけには飽きてたんだ。ちょっと遊ぼうぜ」
「ぐ・・っ・・ぎぃ・・!」
男たちは次々に刃を繰り出す。どれも確実に致命傷だった。男たちはなぶり殺しを楽しんでいた。
身じろぎ一つしない蘭玉の顔を上げて、体内深く刃をさし込む。そのたびに醜く歪む顔をみて何とも言えぬ快楽に浸っていた。
だが、彼らには彼女がそうまでしてかばおうとするものが分からなかった。
飽きた男たちはその場を離れる。蘭玉は体中に剣を突き立てられたままであった。
それでもまだしばらく息があったが、やがて生命の灯火は消えた。
そうして最後までうずくまったままであった。
その胸に玉爾を抱いて。
>196
スレ違いだ。
あるか知らないが専用スレに逝け。
>>196 激しくスレ違い。グロ系は苦手な人が多いしそれよりなによりここはエロパロだし。
でも「虐殺モノ」ときちんと表記してあるのはちょっとエライとオモタ。
199 :
184:03/08/20 21:37 ID:VW7A0I6+
すんません。夕べ言いっぱで寝ちゃった・・・
意外とニーズがあるんで皆さんの御期待に添えるよう頑張ります。も少し待って下さい。
あと祥瓊×楽俊を知ってしまった陽子が・・・・というのも設定だけあるんですが、
こっちはまだ筋が全然決まってないんで>192さんの動向を窺おうと思います。
>192さん期待してます。
あとグロは止めて下さいマジで!自分は麒麟なのかと思えるほどグロ耐性がないんです。
自分の鼻血だけは平気ですが。
192でつ。
うわ〜い、プレッシャーが・・・(つд`)
ほのぼの路線のつもりですが、もじもじ楽俊がどう対するかで全然進まない可能性も否定できない・・・(・ω・;
203 :
175:03/08/21 01:15 ID:53qblfrH
すみません間違えました。。
で、いじくったあげくエロ無しになってしまったのですが投下させてください。表記に「エロ無し」入れるんで、お忙しい方はスルーでお願いします…
藍滌は背を向けて体を流している。
ま…またミス…ごめんなさい…
――カポン―
「…綺麗…」
情事の後の汗を流してもらい、梨雪は湯船から湯気の向こうの主を眺めていた。
藍滌はこちらに背を向けて体を流している。
髪を結い上げたために露わになったうなじはその辺の女よりも女性らしい。
薄く見えてもしっかりと厚みのある肩と胸。臥室では分からなかったが、
腹には程よく筋肉がついている。女性のようにくびれた腰、しかしその下の
尻は女性のそれとは対照的な固く締まった男性のものだった。全身に漂う妖艶
な空気はほんのりと湾曲した背中が作り出しているのだろうか。
―背中、流したいな…
先程の行為で梨雪は充分に満ち足りている。今あるのは、綺麗なものに触れてみたいという欲望だけだった。
「ぅう…ふぅ…」
情事のような色っぽい声を発して藍滌が湯に入る。水面に波を立てず、爪先からすべるようにして梨雪と少し距離をとって座った。
「露天はいいねぇ。湯が熱くても頭が冷えて長湯できるえ」
「そうですね」
喉元に先程自分が必死に吸い付いた痕が見える。火照りのせいか、遠目にも白い肌のそこここに紅い痕が散っているのが分かった。
―綺麗…
梨雪は吸い寄せられるように主に近づいて、くつろいで投げ出された太腿にちょこりと腰掛けた。
「これこれ…簡単に男の膝に乗るものではないよ」
藍滌は苦笑して梨雪に湯をかけた
「主上以外には致しませんもの」
肩に手を置いて紅い痕に舌を這わせる。色の薄い箇所を吸い直し、色の変化を楽しんだ。藍滌が少しばかり身じろぎをしながら、ほつれかかった梨雪の鬣に指を入れて結いなおす。
「まだ、足りなかったえ?」
痕を探してあちこちと体を探る梨雪の腕を掴んだ
「え?あ!ち…違います!えーと、主上は綺麗だな、と思って」
すぐさま膝から降りようとしたが、主が腕を放さないのでそのままの体勢で話し続ける
「綺麗だと思ったら触りたくなっちゃって」
ヘヘと梨雪はいたずらっ子のように笑って見せた。
「梨雪……私は男なのだよ」
「えぇ、分かってます。でも、男の人の美しさだけじゃなくて…」
「いや、分かっていないね」
梨雪の言を遮って藍滌が続ける
「分かっているとは言えないよ。男というものにこんな事をして…」
頭を傾げる梨雪にふわりと笑みをよこして、藍滌は腕をグイと引っ張った。
体がピタリとくっついて梨雪の下腹部に藍滌の腰が擦り付けられる。
「え…っ///」
恥ずかしさで逃げようとしても、背中を抱きとめられて逃げられない。
「梨雪…」
耳元で字を呼ばれる。低めの声に背筋が震えた。
「慰めて、くれるのじゃろ?」
クク、と藍滌がいたずらっこのように笑った。
―-終わり
…なんか本当にごめんなさいでした。。顔洗って出直してきます(つд`)
風呂ハァハァハァハァ/lァ/lァ//ァ//ァ(;´Д`)
擦り付けられるで濡れますた。
ごちそうさまです。
範風呂のお話イイ!!
読んでるこちらの方までのぼせ上がってしまいますた。
職人様また来てくださいね〜。
乙でした。
>175さん
セリフが好きです。
毎回なにかしら自分にヒットするセリフがあるんだ。
今回は「梨雪……私は男なのだよ」
普通に聞いたらどうってことないのに、このシチュだとも、萌え〜〜〜。
212 :
196:03/08/21 10:19 ID:8WTe6LRl
じゃあ敢えて聞くがレイプの後虐殺する(もしくは途中)は可ならんか?
ちゃんとセクースはあるよ。あとは好みの問題ということにはならないのか。
>212
レイプまでで止めてもらえないでしょうか・・・
虐殺入ると一気に萎える・・・
>212
ネタあるんでしたら読んでみたいです。注意書きつきで。
175さん乙です。範風呂やはり萌えます。やっぱり台詞回しが絶妙です
梨雪萌え氏にしそうでつ。
>194
陽子が密かに文鎮その他匠の国ならではのものを取り寄せて景麒いぢめという妄想が連鎖的に(w
パンフとかもあったりして
陽子「今日はどれを取り寄せようかな」
景麒「・・・・・・・」
175です。駄文に感想ありがとうございましたm(__)m
>212
自分もやはり虐殺は…ですが、好きな方もいらっしゃるでしょうから、投稿の際は注意書き付きでお願いします。
&皆様に質問させてください。宗麟って利公のことなんて呼ぶと思いますか?
>212
自分虐殺は苦手です。まして蘭玉なだけに不憫で。
でも196だけなら禿しくスレ違いだけど、セクース入るなら
後は嗜好の問題だから、
注意書きさえしっかり入れておけば桶かと思うよ。
>175さん
お風呂の二人、和みました。微妙に子供っぽい梨雪がカワ(・∀・)イイ!!
そして氾王はなんか源氏みたいだw
あっ、リロードしてないうちに被った!
>215
公的には「太子」、指摘には「利広様」…、なイメージです。自分の中では。
閑かな房間に、ぴちゃぴちゃと、水を啜る音だけが聞こえる。淫らな音。
「凄いね、溢れちゃうよ、祥瓊?」
碧の瞳が上目遣いに私をみる。意地悪く微笑んで。
陽子は私の股の間から顔を上げると、濡れて汚れた口元を拭った。
「指、入れるよ」
「あっ」
無意識に裾を掴む。吐息がかすれて震えた。
「ちょっと激しくしようか」
「くぅぅ・・ぁ・・」
くちゃくちゃと、音はどんどん速く激しくなる。痛いくらい強く私の膣内を掻き回す。私は知らず知らず陽子の衣に爪を立てた。
「ちょっと抜いてみようか・・わあ、何これ、ぐちゃぐちゃじゃないか、糸引いてるよ」
見せつけるように掬ってみせる。掌に溜まった白い粘液。
「ねえ、このお汁はなあに?」
私は黙って顔を背ける。そんな私の手首をギュッと掴む。
「だめだ。ちゃんと言うんだ」
「・・バカ」
「聞こえないよ。はっきり言って」
「私の・・アソコの・・お汁・・です・・」
「よく言えました」
「うっ」
陽子が私の口の中に指先を押し込む。
「ちゃんと飲みなさい」
手を傾けて少しずつ注ぎ込む。私は黙ってそれを飲み干した。
少しむせかえる。そんな私を彼女はじっと見つめる。
「かわいいな、祥瓊って・・」
陽子が迫ってくる。私はそっと目を瞑った。ねっとりと口づけをかわす。陽子はその間、私の髪をなでていた。
「ぷふぁっ」
ようやくのことで唇と唇とが離れると、後に掛かる銀色の橋。
息苦しくて、私が涙目でむせていると
「ねえ、こんなの使ってみようか・・?」
「な、何よ、それ・・!」
「蓬莱から取り寄せたんだ。」
陽子がなにかいじくると、妙な音とともにうねうねと、それは独りでに動き出した。
百合ネタキター!
続き期待しております。
>212
趣味の違いが大問題になるから、801は早々に分離したわけで。
虐殺スレたてればいいじゃん。
>>221に同意。
ただし「十二国記」単独だと乱立の恐れもあるので、
「虐殺・下ネタSS専用スレッド」とかでキボン。
(この際下ネタも一緒に分離してホスィ(;´д`)
>>124-126はただの糞コピペだけどナー)
「十二国」虐殺モノを書いた職人さんは、
その都度このスレに告知する、ってことでどうでつか?
>>221-222 禿同
801は隔離されてるんだから虐殺、スカも別スレでキボン。
自分かなり苦手なんでうっかり読んじゃうとかなり鬱なんだよ・・・
>>221-223 ハゲド
>222の意見が建設的かも。
タイトルに内容を謳ってイヤならスルー汁といわれても、
虐殺ネタ、スカネタはそこにあるからスルーせにゃと思うだけで鬱だ。
それぞれ単独スレを立てれば同好の士が集まると思うよ。
すんません、801ってなんですか?
>225
ネタ・・・じゃないよね。
>1を見て、関連スレに飛ぶべし。
227 :
226:03/08/22 02:37 ID:ingbyqEm
あ、自分もスレ分離には賛成。
801はダメでも百合はいいのか?
>>226 ああ、矢追か。ごめんね、前スレの801が何か悪さして
おんだされたかとおもったよ(w
漏れ的には百合は可
同じく漏れも百合は可。 むしろ推奨!
漏れ的にエロは和姦が一番(・∀・)だが、ゴカーン・SM・炉利・百合までは
(*´д`)ハァハァだな。
雲子押っ子や死体でハァハァするヤシをどうのこうの言わんけど、
やはりスカ・虐殺ネタは801のように別スレ立てた方がいいと思うナリ。
232 :
218:03/08/22 15:17 ID:I/hAEC39
続きいる?文章下手だし、百合だし、引かれてないか心配・・。
正直スカや虐殺云々より、住人の反応がショックだよ…
皆口汚く(・∀・)カエレ!!とか言ってるわけじゃなく、
むしろ落ち着いて話してるしちゃんと提案も出してる。それはいいことだと思う。
だけど…。
……多分自分はここのスレ住人にも夢持ってたんだな。
うまく説明できないけど…ただ寂しい。
>232
続きお願いしまつ。
鬱加減を吹き飛ばすようなもんを! プリーズ!
>>233 夢ってなんですか?具体的にどういうことか気になる。
正直夏厨出まくりのこの時期によりにもよってエロパロ版で
スレの方向性を真面目に討議することになるとは思わなんだ。
自分は801、スカ、虐殺は別スレ推奨派。(百合は萌えはしないがあっても気にならん)
嫌悪感を抱く人が多いものは下手に同居してうっかりタイトルに内容を入れ忘れて
苦手な人の嫌な反応を見るよりは、そういう趣味の人達で固まってた方が盛り上がれると思う。
自分としてはスカや虐殺を全く読まんわけじゃないけど十二国パロでは求めてないんだよなぁ
ところで、もしかして、ここって女性が多いんでしょうか?
(続き)
「いやっ・・そんなのいやよ・・!」
でも、陽子は許してくれない。掴んだ腕に力を込めて逃げられないようにする。
そうしてその先端を私の口にあてがった。
「・・・・」
私は観念して、それを口に含む。
「んむっ・・んん・・」
「そうそう、それでいいんだ。上手いじゃないか・・もっとこう舌を使って舐め回して・・」
「んんっ・・あむっ・・」
「いいよ、素敵だ」
陽子はそれを喉の奥までつっこんだり、奧から抜いて先の方を舐めさせたり、小刻みに出し入れしたり、色々なことをする。私はただそれに没頭した。そんな私に興奮したのか、陽子は顔を上気させはじめる。
「ん・・ぷふぁっ・・」
しばらくして、陽子はそれを抜いた。溜まっていた唾液が私の肌を伝って床に滴る。
「ねえ、私も感じてきちゃった。そろそろ入れさせて・・」
「ん・・」
「これを私のものだと思って。ね?」
「うん・・」
私は寐台に横になり、黙って股を開いた。顔を背けて横を向く。
陽子が覆い被さってくる。軽く口づけを交わすと、
「いくよ」
そうして、無造作に私を貫く。
「はあぁっ・・ふあぁ・・っ・・!」
「ふふっ、根本まで飲み込んじゃったね・・」
ああ、私の中に、陽子が、入ってくる・・
「いや・・動かさないで・・」
「駄目だよ。気持ちいいんでしょ?ほらほら」
必死に手首を掴むが、陽子はかまわずに小刻みに動かす。
「ひぃっ・・ああっ・・」
「感じやすいんだな、祥瓊って。イジメ甲斐があるなあ。こらこら、暴れないの」
「うぐっ・・ひぐっ・・うっ・・」
「そうだ。スイッチ入れてみようか。」
「・・?・・・あっ?あっ、あああっ!」
「どう?いいでしょ、これ?」
「いやああ・・ああっ!・・ダメ、ダメ・・」
いやぁ・・頭まで、痺れて、くる・・
「凄い音だね。出し入れの度にくちゃくちゃいってるよ?」
そう。あの音、だけが、染み渡る。閑かな、閑かな、房間に。どんどん、速く・・。
「ああっ、いいよ祥瓊・・私も・・凄い・・いいよ、イッていいよ、イッていいよ・・イッて!・・はあっ・・ああっ!」
こうして今夜も、私と陽子は爛れた関係を繰り返す。
(終わり)
218様、乙悦!
私は801苦手ですが、百合はいけるので萌えました〜。
同じく私も矢追は苦手ですが百合はOKなのでいけました。祥瓊カワイイ
矢追は駄目ですが虐殺ものなどはOKです。あの程度なら。しかし、もしかして自分は少数派なのかと思う今日この頃
長編に行き詰まって逃避してしまいました。
逃避中に青年泰麒×李斎を思いついたのでうpしちゃうよ。
ヤマなしオチなしイミなし、エロネタオンリー
逃避ネタゆえに自分でシチュなんて考えて無くて、
背景に前スレの驍宗×李斎をイメージしてます。
驍宗×李斎の作家さま、ごめんなさい。
闇の中、手がひとりでに動く。
この国に戻ってからというもの、この逃げ隠れする毎日の中から、何度もよみがえってくる思い出。
ただ一度だけ身体を重ねた男の愛撫の記憶が繰り返し李斎を苛み、今夜はとうとう己の身体に手を這わせてしまった。
襦裙の袷から手を忍ばせる。
ーーーあの方は胸に巻いたさらしをはぎ取って、執拗に乳首を弄っていた。
指先が乳首を抓む。
ーーーあの方はご自分のものへ口で奉仕せよ、とお命じになった。
舌先が白い歯列をなぞる。
ーーーあの方は口を吸いながら私の秘所を・・・
思い出したが、秘所を弄る事は出来なかった。
未だに慣れることのない、利き手の喪失。
「ぁぁ……、っ!!」
小さく漏らした吐息が驚きで途切れる。
誰かが李斎の腹を掌で押さえていた。
手早く襦裙の裾を割り、今度は直接に李斎の陰毛に覆われた丘に掌を当ててくる。
当てた掌から中指が独立した生き物のように曲げられ、李斎の秘所に差し込まれる。思い出だけで濡れそぼったそこに。
指はすぐに増やされ、2本の指が李斎の中を弄り、くちくちと音を立てた。
(何者!)
誰何の声は押し当てられた唇で遮られる。声を出そうと開いていた口に速やかに舌が差し込まれた。
舌は器用に動き、李斎の驚きのあまり縮こまったそれを難なく追いつめる。
ぬめるような動きで絡め取り、小刻みな動きで刺激を与える。
堪らずに李斎は応えてしまった。闇の中、誰とも判らない相手なのに。
いや・・・、本当は判っていたのだ。
日が落ちてからようやく泊めてもらえる農家を見つけた。そこの納屋に一緒にいる相手。
唇を離し、一筋だけ細く差し込む月光の中に、身を起こした相手の輪郭を認める。
「……泰麒……」
鋼の色の髪をした美しい青年が、李斎を見つめて薄く笑った。
「声を出さないで」
囁きよりも小さな声でそう命じると、李斎のうなじに唇を当てる。
いつでも逃げ出せるように寝るときでも纏ったままの襦裙は、李斎自身の手で既にゆるめられていた。ゆるんだ袷を難なくくつろげ、開かれてゆくそこに順番に唇を這わせてゆく。
「李斎が誰を思って慰めているのか、判ると思います」
唐突に核心に触れられて李斎はたじろぐ。
「あの方は李斎が欲しくて、そして僕に嫉妬なさっていたんです。子供の僕がてらいなく李斎に甘えられるものだから」
声に微かに笑いが混じる。どこか懐かしげな色合いを帯びた囁き。
乳房が掴み出され、うっとりと頬ずりされる。頬ずりはやがて唇での愛撫になり、そして舌でべろりと舐めあげられる。
「思っていたとおり、柔らかくて滑らかだ」
固く屹立した乳首を指先で弄り、優しく口に含む。
もう7年近くも前、最後に李斎を抱いた男とは対照的な、優しくそそるような愛撫だった。
「!………」
こんなことをしてはいけない、そう理解ってはいても、驍宗を思って自分で火をつけた身体は愛撫を受け入れてしまう。
「ご自分の部屋で李斎を抱いたとき、あの方はわざと僕がお部屋を訪れる時間を選ばれた」
ちゅくっと乳首が吸い上げられる。まだ短い青年の髪がさらさらと李斎の乳房をなぶった。
意識する間もなく太股をすりあわせてしまう。
「たった一年ですが、僕は蓬山で過ごしたので、閨での作法について一通りのことは教わっていました」
宥めるように泰麒の手が伸び、再び李斎の秘所への愛撫を始めた。
「は……ァ…」
「声を出さないで、人に気取られる」
窘める口が李斎の口を塞ぐ。声を出すまいとする一心で、李斎は自分から泰麒の唇を貪った。
抑えた激しさで互いの口を吸い合いながらも、泰麒の指は李斎の感じやすい所を責め続ける。とろりと潤いをたたえたそこから聞こえる粘った音は、他の何よりも大きく聞こえてしまう。
泰麒が口を離した。それを追って未練ありげな舌先が唇からのぞく。
「舐めて、李斎の中に入りやすくして下さい」
袴の前を解いて、泰麒は己のものを李斎の口にあてがった。
何のためらいもなく李斎は舌を当てた。左手で根本を押さえ、先端から奥へ向かってくわえこむ。
あんなに小さかった泰麒が相手なのだという罪悪感がかすかに頭をよぎる。しかし、現実に目の前にある男の器官は十分に発達し、もう濡れそぼっている自分の蜜壺をそれで刺し貫いて欲しいという肉欲の方が強く支配していた。
濡らすのが目的だから、舌で全体を丁寧に舐める。舐められるに連れて大きさを増すそれを追って、うす桃色の李斎の舌が淫靡に見え隠れする。
よくできた、という風に李斎の頭が撫でられ、大きくなったものが口から引き出された。
「だから、あの夜、驍宗様のお部屋でどんなことをしていたのかも、大体はわかりました」
ーーーあの夜、男に貫かれながら限界まで息を潜めていた、あの時。あの子供は中で起きていることを察していたというのか。
唾液をまぶし、てらてらと光るまで舐めあげられたそれに手を添えて、泰麒はゆっくりと李斎の中に入った。
「ああ、やはりいい」
満足そうに耳元で囁く。熱い息がかかる。
「驍宗様は、僕が大人になる前に李斎を完全にご自分のものになさっておきたかったんです」
身体を繋いだままで李斎の乳房を弄りながら泰麒は話し続ける。
「まだ子供だった僕のどこに敵愾心を持たれたのかは判りませんが、こうなってみると強ち杞憂だったとも言えないかも知れませんね」
「ーー泰麒」
「黙って堪えて。動くよ」
ゆっくりと動き始めたそれは、久しぶりに男のものを受け入れる李斎の蜜壺を容赦なくこね回す。
ーーー初めてではないのか、この方は・・・。
左手を口に当てて声を抑えようとした李斎だが、それでは足りないと気づいて手巾を取って口に押し当てる。しかしそれはすぐに泰麒に奪われてしまった。
「あなたの顔が見たいんだ。僕のもので感じているのに声を堪えている顔がね」
それが恥ずかしくて顔を背ける。
ーーーこの主従は似たところがあるのかも知れない。
王と宰輔、二人の男の肉体を受け入れた自分にだけ判る、いざというときの強引さ。
泰麒の動きが激しくなった。しかしあくまでも静かに、音を立てないように。
ーーーそう、この冷たいまでの冷静さも似ているのかも。
李斎の身体が高まってゆく。自分の中を突き上げ、こね上げる青年の強さと若さにすべてを委ねてしまう。
「はぁっ…うっく……んんっ…」
上りつめた李斎の中に、泰麒は思い切り精を注ぎ込んだ。
李斎の頭をそっと抱き取って、泰麒は耳元で吐息のように囁き続ける。
「李斎、僕がいます。あなたのすぐそばには僕がいるんです。
だから夜ごと、驍宗様を思って声を殺して泣くのは止めて下さい」
女の人が男を思って流す涙は悲しすぎる・・・。
泰麒のその声を本当に聞いたのかどうかは判らない。
二人は余韻に浸ることもなく手早く身仕舞いをする。
動きにくそうな李斎に泰麒は手を貸した。
股間を拭き取り、胸元の袷を直す。直すときに一度ずつ、乳首にそっと唇を触れた。まるで何かの儀式のように。
「明日は琳宇に入りますね」
何事もなかったかのように小声で話しかける泰麒。
「そのことは日が昇ってから考えましょう。今は少しでも身体を休めないと」
掠れた声でそんな風にしか答えられない自分の弱さが哀しい。
二人はそれぞれの寝場所に別れ、夜明けまでの短い間を惜しんで眠りについた。
〈 了 〉
>>243-246 キタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!
このカップル良いです。萌え
青年泰麒かわいいです。
萌えーーー!
何もかも分かってた泰麒(・∀・)イイ!
乙!ちょい強引な泰麒(・∀・)イイ
>215
部下(?)だし、「利公」なイメージ。
陽子×蘭玉の百合か杉本ネタ書こうかと思うのですがどうでしょう・・
杉本ネタ是非キボーン。
>>215 遅レスだが、宗麟が利広を呼ぶ時…。
本人が放蕩息子で家空けがちだが、600年も『家族』やってんだから
余所余所しい『太子』は無いと思うんだよね。
でも一応主人の息子だから呼び捨ても無いような。
何となく『利広様』な感じ。
卓朗君、という意見は一つもなし?
まあ私も利広様に一票を投じるわけだが。
陽子×蘭玉が見たいな。
ここにssを投下してる方はサイトを持ってたりするんだろうか?
この職人さん達の作品を、もっと読んでみてぇよ〜〜
エロがなくてもいいんだ!エロを上手くかける人なら、エロなしも上手いはず!
なんてことをエロパロスレでわめくのは場違いだな。すまそ
大体、サイト持ちでもここで名乗ってくれるわけがないしな。。。
陽子攻めで景麒を鞭でしばくのはやり過ぎでせうか。
チョト妄想してしまった私の脳内は腐っているやも・・・
>256
自分もそれ思ったことあります。何だか文体でバレそうで迂闊に投稿出来ないような感じもしますが
>256, >257
十二国記でサーフィンしてて、偶然ここに投稿した人のサイトを見つけたことがある。
一編だけだったけし、裏ページだから偶然か根気がないと見つからないかも知れないけど。
ちなみにIDでばれると思うので断っておくが、自分はサイトは持ってないでつ。
259 :
184:03/08/23 23:21 ID:2YMcYVPZ
予告通り【景麒が嫌がる陽子を無理やり編】が出来ました。
しかし・・・・書き終えてみると恐ろしく長い!チョト設定に凝り過ぎ感が(汗
自分は甘党でラブの嵐?なものを書いてるのが常なんですが、今回のには愛の欠片もありません。
ある意味景麒の捻じ曲がった愛情表現とも取れますが・・・・
何しろ長いです。事前に断りましたんで
ナゲ━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━ ヨ!!!!!と言うクレームは勘弁してくださいね。
職人の端くれでつ。
サイトは持ってるんだがもともとがイラスト描きなのでSSは載せてない・・・
というか自分のサイトは十二国コンテンツ自体がないでつ(ニガワラ
>>184=259
長編オケ。
景陽好きなんで張り切って投下カモーン!
262 :
184:03/08/23 23:31 ID:2YMcYVPZ
じゃあ逝きまつ。前半はかるーく読み飛ばして下せえ。
>>259 景陽もの好きなのでお待ちしてまつ
>256=258、260
なるほど・・・自分もサイト持ってますがここに投下する時は文体に気をつけて
間違ってもサイトUPはしないようにしまつ
「主上、内密に相談したいことが――」
「わざわざ正寝まで来るなんて用件は何だ?私は疲れた。何かするつもりならお断りだ」
陽子は無愛想に訊いた。夜更けに景麒がわざわざ訪れて来るのは二つに一つ――
それは良くない報せか、或いは――
「つれないことを仰る」
「お前につれないなんて言われると無性に腹が立つな・・・」
そっちか――陽子は思った。大方非常識で落ち着きのない主を身体を繋ぐことで懐柔しよ
うとする肚なのだ、この小賢しい麒麟は。
「一度身体を許したからってお前の女になった訳じゃない。いい気になるな!」
「そうですか、では肝に命じておきましょう。それはさておき話というのは外でもない、
実は非公式にですが近々延王と延台輔がお見えになります」
「何の話だ?近々っていつ?」
無表情に話題を切換える景麒。その意図が読めない陽子は怪訝そうに眉を顰める。
「最後までお聞きを。我が国もそろそろ落ち着いてきたとは言え、安寧にはまだ程遠いの
が実情。民を慮り税を軽くしようにも蓄えがなくては成り得ません。折りしも雁州国延王
のご提案により、非常に高度な取引きの末、援助の確約を取りつけました」
「そんな話は聞いてないぞ」
「私と延王、延台輔の三名にて決めた事ゆえ」
そうやっていつもいつも私を蔑ろにして・・・・陽子は腹立たしく思う。
「いくら私が物を知らないからって何でそんな大事を勝手に決める?・・・・まあいい、
それで?取引きって言うからには何か条件があるんだろう?」
今日に始まったことじゃない、勝手にしろと言った風情で陽子は訊いた。
「条件としては破格です。何しろ主上自らお二方をもてなすだけで良いと」
「何それ?」
陽子は首を傾げて何を考えているのか分からない己の麒麟を見上げる。
「今宵はその為の衣装の試着と予行演習を」
「い、衣装?ちょっと待て!何だか話が怪しくなってきた・・・・・・・・・」
直感的に何やら身の危険を察知した陽子は椅子を引き、立ち上がって景麒との距離を取ろ
うと後ずさった。
「芥瑚、延台輔より預かった例のものを・・・冗祐、主上のお召し替えを手伝って差し上げよ」
陽子はほんの一瞬何処からともなく姿を現した冗祐を見たがそれは音もなく姿を消した。
「な?あ、・・・・ちょ・・・・冗祐!私の身体を勝手に動かすな!・・・・・・・こらー!」
「目の前で着替えられては興が削げると言うもの。私は寝間にてお待ち申し上げる」
そう言い残して景麒は書斎から立ち去った。
「これは一体何の冗談だ?景麒?・・・・まったく、冗祐め、ご丁寧に髪までお下げにしてく
れて・・・・大体いつからお前は許可もなく私の寝間に立ち入れるようになった?」
そこには憮然とした陽子が立っていた。景麒が蓬莱で出会った姿そのままに。
「延台輔が蓬莱で調達して下さいました。是非とも主上のせーらーふく姿を見たいと。
延王もそれは楽しみにしていらっしゃった」
陽子の憮然とした様にも頓着せず景麒はただ服の説明だけを淡々と語った。
「ふん、手の込んだことだ。恐れ入るよ」
言いながら陽子はつかつかと景麒に歩み寄る。その内に怒りを秘めて。
「ですがそれは主上があちらでお召しになっていたのと同じ物、主上にとっては特に恥ず
かしい格好でもありますまい」
涼しい顔で景麒が言う。いくら自分が怒りの様を露わにしてもまるで意に介さないこの
小憎らしい麒麟に、陽子はいささか拍子抜けする。
「それはそうだけど・・・大体こんな物着てお酌をするだけで延王が援助下さる筈・・・・!」
言葉を切らした陽子の顔が見る見る青ざめてゆく。
「そうか、お前私を・・・・・・私を売ったんだな!延王も台輔も私の身体が目当てなのか!」
「蓬莱の娘たちが収入を得るにはそれが理と聞いております」
平然と答える景麒。陽子は地団駄を踏んで抗議する。
「理じゃない!」
聞き分けの無い、と言わんばかりに景麒は溜息をついて答えた。
「私とて身を裂かれる思いなのです。しかし慶の民を思えばこそ、どうかお察し頂きたい」
「心にも無いこと言うな!大体何が予行演習だ!まずは自分が、ってことじゃないか!」
陽子は自分より頭二つほど大きい従僕の胸座を掴んだ。
「嫌と仰る」
冷ややかにに見下ろす景麒。
「当たり前だ!」
「当たり前とはいささか腑に落ちない。私と主上は一度は結ばれた仲」
衫を握る手が一瞬緩む。
「あ・・・・“あれ”はちょっとした気の緩みと言うか・・・・私がめげてた時に、お前が上手い
こと付け込んだからだ!」
陽子には一瞬景麒の唇の端が上がったように見えた。
「あれほど乱れておいて、飽く迄本意ではないと仰るか・・・・ではそう言うことにしておく、
早速始めるとしよう」
「な、何を、私は許すなんて言ってないっ!」
景麒は怒りに震える陽子の手首を掴んだ。
「もう決まったこと。初めから許しを乞う気などない。冗祐、主上を楽にして差し上げよ」
ぞろりとした感覚が手足を伝わり、次の瞬間ふっと全身から力が抜けてゆく。
「あ?・・・・な、何をした?」
言いながら陽子はその場にへたり込みそうになる。
「冗祐にいつもとは逆の働きをさせただけです」
崩れ落ちそうになった陽子を景麒は軽々と抱きかかえ、牀榻に横たえる。
「こんなことしてただで済む・・・・・んぐ!」
「主命には背けぬゆえ、暫くそのお口は塞がせて頂く。ついでにこちらも・・・・・」
景麒は予め用意しておいた布帯を使い陽子の口に猿轡を噛ます。更に別の布帯で目隠しを、
両の手首を牀榻の頭の方の飾り柱に括り付けた。仰向けに寝かされた陽子は両脚以外の自
由をすっかり奪われてしまった。尤もその脚さえも満足に力が入らないのだが。
ご丁寧に履き替えさせられた黒い革靴を脱がせ、床に放りながら景麒は言う。
「このせーらーふくとやら、とても王の着る物とは言えません・・・・・この様に脚を曝け出し
ひらひらと心許無い裳裙など・・・・しかし、主上には不思議と良くお似合いだ・・・・・」
景麒の指先が白い靴下の指先からゆっくりとふくらはぎを、膝を撫でまわす。
「普段は男の身なりばかり、態度もそう、まるで女であることを否定するかのように・・・・
だがこうして見るとやはり主上は御美しく、紛うことなく女であられる・・・・・」
やがて景麒は上着の裾をゆっくりとずり上げた。たわわに実る、とまでは行かないが
充分にその存在を主張している二つ胸のふくらみが姿を現す。そしてそれを覆い隠すのは
純白の蓬莱の下着。その下着に飾られた刺繍を指でなぞりながら景麒は言う。
「本当に・・・・良くお似合いだ」
下着の上を指が這い回る感触に思わず陽子は顔を背ける。
「何も見えないのに意味のないことを・・・・・それ程までに嫌だと言いたいか」
景麒は懐から真新しい筆を取り出す。かなり太目のそれは陽子の物だった。未だ書に不慣
れな陽子はあまり太い筆で物を書くことはしていなかった。
「全く主上は呆れるほど頑物。少しお仕置きをせねば」
不意に陽子は脇腹を掃き上げる毛の感触にびくん、と跳ねた。
「!んっ!んん――――っ! んむっ!っん゙―――――・・・・」
普通ならばくすぐったさに激しく跳ねまわるところだろう。だが冗祐に力を奪われた陽子
はくねくねと身を捩らせ、脚をぱたぱたと弱々しく振るばかり・・・
力は抜けていても感覚はそのままらしい。延々と続く苦悶の責めに陽子は息絶えてしまう
のではないかとさえ思った。だがそれは不意に途切れ、景麒の声が聞こえた。
「私に要らぬ命令をしないと約束するなら楽にして差し上げるが」
陽子は何度も首を縦に振る。そして口を塞がれていた猿轡も取り去られた。
「っはぁ、はぁ、はぁ・・・・・・はぁ、はぁ・・・・・」
やっと解放された口で荒い息を整える陽子。動ける限りに暴れたせいで太腿まで露わにな
った姿を見下ろしながら景麒は言う。
「少しは素直になられたか?」
「ふ、ふざけるな!今すぐ、ん!んぐ・・・・」
景麒は陽子の口に指を突っ込んだ。
「何と愚かな・・・・一晩中でも苦しみ続けたいと?それをお望みか?例えそうしたところで
もはや人ではない主上はその程度で息絶えることも無いでしょうが」
今度は激しく首を横に振った。景麒が指を抜く。
「はぁ、はぁ・・・・約束する・・・・もう命令はしないから、それだけは勘弁してくれ・・・・・」
「多少態度に問題があるようですが、ふん、まあいいでしょう」
景麒は軽く鼻で嗤う。
「さて、主上がどれほど素直になられたのか確かめてみましょう。腕の戒めを解くのはそ
れからです」
景麒の手が陽子の背中に回され、下着の留め金を外す。
肩紐のない型を用意していたのはこの為だったのかと陽子は今更ながら呆れた。実際のと
ころは目隠しされていて分からないが、今目の前で景麒が自分の露わになった乳房をまじ
まじと見つめている、そう思うと身体がかっと熱くなってくる。
「美しい・・・・」
言いながら景麒は乳房をそっと包み、柔らかく揉みしだく。陽子は身を固くする。
未だ熟しきっていない少女のそれ、そしてこの先もずっとその瑞々しさを失わない果実。
景麒は飽く迄も優しく、ともすれば頼りないほどの弱い力で陽子の二つの丘を愛撫する。
「主上、女性の乳房とは何の為にあるのでしょう?蓬莱でもこちらでも答えは同じかと」
手の動きに同調するかのような穏やかな響きで問い掛ける。
「・・・・・子供に、乳を与える為・・・・」
徐々に陽子の息遣いが深くなる。安らかな心地良さ、でも何かが足りない・・・・
景麒の指先は外側から円を描くように頂近くの濃茶の暈を掠めまた遠ざかる。
「では王と成り、生涯子を授かることも、子に乳を与えることも叶わぬ主上の乳房は?」
「・・・・・・」
景麒は同じ動きを繰り返し、或いは下から持ち上げるかのように乳房を優しく揉みしだき
ながら訊く。だが頂にある更なる快感を呼び起こす呼鈴には決して触れようとしない。
指先が呼鈴を縁取る暈を掠めるたびに一層陽子の息を深く、切なく染めて行く。
「どうした?分からぬと?」
陽子は答えない。そんなこと、口に出して言える訳が無い。
「ならば教えて差し上げよう」
「ひぁっ!」
景麒の指先が愛撫を心待ちにしていた両の乳首をきゅっと摘まんだ。陽子の身体に疼きと
も痛みともつかない電流が奔り、身体がびくん、と跳ねる。
「主上のここは何の為にあるかと訊いている!」
「・・・・ん、やぁっ・・・・・あん・・・・」
くすぐられ、転がされ、摘まれるたびに意志とは裏腹に声が漏れてしまう。
「子に乳を与える為のものにしては随分とおかしな声を上げられる」
その声には多分に嘲りの笑いが含まれている気がしてならず、陽子は屈辱に震えた。
「すっかり固くなってしまいました。解してあげましょう」
景麒は指の腹で捻りつぶす様にそれを――容積を倍ほどに増し、つんと固く上を向いた
陽子の胸の蕾を乱暴に揉み解す。
「あ・・・いやぁ・・・・あぅ」
痛みと快感が綯い混ぜになり陽子は子猫のような泣き声をあげ、身を捩った。
「ご気分でも悪いか?」
「最・・・低・・・・・」
陽子は精一杯の虚勢で吐き捨てた。誰が気持ちいいなどと言ってやるものか。
「それでこそ我が主。そうでなくてはこちらも遣り甲斐がない」
景麒は北叟笑む。
刺激が止み、上半身に覆うようにあった景麒の気配が遠ざかる。赤黒く膨れ上がった蕾に
残る痺れと共に陽子は身体が疼き出すのを感じていた。
そして自らの意志とは裏腹に、じわりと融け出した蜜が滴となって溢れ出すのを。
景麒の気配が足許に移動して蓬莱の裙をめくり上げていた。
「主上、大変なことをしてくれましたね。この蓬莱の下着は延台輔が体を張って手に入れ
られた雁国の秘宝。それに染みをお付けになるとは・・・・どういうおつもりか」
足許から声がする。
「つもりって・・・・・だって私は・・・・違う、お前のせいじゃないか!」
「何故?そもそもこの染みは何ですか?どう言う理屈で私のせいだと仰るか説明を」
「そんなこと・・・・・知らない」
「自分の置かれている立場というものが未だ分かっておられないようだ。そうやって白を
切るつもりなら・・・・」
「ま、待て!つまり・・・・それは・・・・・・汗だ」
「ほう?汗、ですか・・・・・ならばどのように汗が出るのか検証させて頂く」
景麒は陽子の純白の下履きに手を掛ける。それをするりと抜き取り、大きく脚を開かせる。
「あっ・・・・」
「主上のここを見せて頂くのは初めてでしたね。このように充分な灯りの下で検分させて
頂けるとは恐悦至極」
「やだ・・・・・」
目隠しをされていても牀榻の周囲が妙に明るいのは分かった。
「主上の女の場所は綺麗で、いやらしい」
景麒の息が陽子の太腿の付け根辺りに生暖かく当る。間近で見られている。そう思うと顔
から火が出るほど恥ずかしかった。
だが景麒は見入っているだけで何もしようとはしない。
時には指で陽子の扉を広げ、花弁に隠されていた内奥を覗き見る。その度に陽子の身体は
湿った音を小さく響かせた。それでも景麒は花弁にもその奥にも決して触れようとはせず、
ただ脚の付け根や髪よりはやや濃い赤褐色の織毛を撫でたりするだけだった。
陽子はじれったさに駆られ、半ば投げ槍に口走る。多分に別の意をこめて。
「触りたいのなら、触ればいいだろう」
「ふっ、そんな手に乗るとでも?お願いすれば触って差し上げても良いが、如何か?」
「・・・・・・・」
「まあいいでしょう。ところで先ほど使ったこの主上ご愛用の筆ですが」
ぴくり、と陽子が身動ぎする。
「どうも書き物に使われた様子がない。しかも置いてあったのは書斎ではなく其処の卓子
の引出しに・・・・」
言いながら景麒はおもむろに敏感な陽子の桃色の真珠にそれをそよがせる。
「ひぁ!・・・・ん・・・・あんっ」
秘裂をなぞり、真珠を掃き上げる度に穂先は湿り気を帯び、徐々に収束して行く。
「これは高価な物、しかも書を書く為にある。それをこのような戯れに使われるとは困っ
た御方だ・・・・」
「そんなこと・・・ぁ・・私・・・して・・ない・・・んっ、あ!ひぃっ!」
指で押し広げ剥き出しにした真珠を筆先でくすぐる景麒。
「この筆には主上のここと同じ匂いが染み付いておりましたよ」
「!・・・・・そ、そんなの・・・知らない・・・あ、はぅ」
景麒は更に筆を細かく振動させる。
「ぁ、あ、あ、あぁ―――っ!」
陽子は一気に高みへと上り詰め掛け、両脚を突っ張る。たが頂きを目前にしたところで筆
先は遠ざかった。
またしても中途に置き去りにされたことに陽子は苛立ちを覚えていた。だが同時に気付い
てもいた。焦らされることで今までの何倍もの快感を得られることに。
そうして次に来るであろう更なる快楽にいつの間にか期待している自分に。
そんな陽子の心中を察してか知らずか、景麒は陽子の目隠しを解いた。
陽子は眩しさに目を瞬かせる。それ程までに煌煌と灯火が灯されていたのだ。
陽子は思い出したように投げ出した脚を擦り合わせ、頬を朱に染め顔を背けた。
「そろそろ直に触って欲しいのでは?それとも・・・・貴方の“汗”をこの私の舌で舐め取っ
て差し上げようか?」
景麒の意地悪な問い掛けに陽子は無言で首を横に振った。
「全く強情な御方だ。ではご自分でされているようにこの筆で良いのですね?」
景麒は陽子の答えを待たずに脚を開かせ再び筆を遊ばせる。
「は、ぁ・・・・・」
「こうやって自らを慰めていらっしゃったのですね?・・・・」
陽子は答えない。だがもう否定もしなかった。景麒の前には何も隠し通せない。就寝前、
それを使った切なく淫靡な一人遊びはもはや日課と呼べるほどになっていたのだから。
筆の動きは打って変わってごく単調に、ただ所在無く撫で回すだけになっている。
――足りない、もどかしい・・・・もっと早く、もっと激しく尖ったところを擦って!――
言葉にする勇気はないが、無意識のうちに陽子は腰をもそもそと揺らしていた。
「欲しいのでしょう?もっと」
耳元に囁く景麒の声に促されるように陽子は頷く。
「では言って下さい。どこを、どうして欲しいのか」
「そこ・・・・じかに・・・・して欲しい・・・・・」
消え入るような声でそれだけ言うのがやっとだった。だが景麒は冷たく言い放つ。
「そこでは分かりません。はっきりと仰い・・・・そう、蓬莱の言葉で」
「い、言えないよ・・・・そんなこと・・・・あっ!」
いきなり景麒の指先が僅かに陽子の扉を潜り抜けた。だが指は浅く潜ったまま動かない。
「いつものように命令されればよろしかろう」
陽子は恨めしそうに景麒を睨んだ。
「だってさっきは・・・・」
「今だけは結構ですよ。遠慮無く何なりと申し付け下さい、美しい私の主よ・・・・」
景麒は空いた手で陽子の髪を撫でる。
「ずるい・・・・・そんなのずるい」
陽子は潤んだ目で抗議する。こんなにまで辱められているのにもう止めよとも言えない、
そんな自分が歯痒く、何故か愛おしくもあった。
「ご用がないのならこれで失礼する」
手をそこから離そうとする景麒。その従僕の手首を陽子は掴む。その耳に主の声が響く。
「主命を遣わす」
震える声で言った。
「私の・・・私のおまんこ、触って、舐めて・・・・景麒のおちんちん入れて欲しいの!」
「御意に・・・・」
「あっ!そこ駄目・・・だめぇ・・・・」
「ここがそんなによろしいか」
景麒は深く浅く陽子の反応を確かめるように腰を使う。
「ち、ちが・・・・だめ!・・・・・変に・・・なりそう・・・・・いやぁっ!」
泥濘を歩くような音が陽子の歓喜の哭き声と交じり合いながら広い牀榻に何度も響く。
陽子の脚は景麒の腰に絡み、しっかりと捉えて離さない。
「こんなに溢れさせて」
「そんなこと言ったってぇ・・・・・いや!もうだめ!あ、あ、あ―――――っ!!」
全身を硬直させながら陽子は達し、そしてぐったりと崩れた。
「随分と派手に濡らしてくれた」
手首の帯を解かれ、漸く全ての服を取り去られ、陽子は抱き起こされた。陽子は今更なが
ら裸にされたこと、そして景麒の指差すそこを見た恥ずかしさに思わず顔を背けた。
陽子の尻のあった辺りの敷布がぐっしょりと濡れ、その色を濃くしている。
それが自らがあられもなく乱れ、溢れさせた歓びのしるしだと思うと居た堪れない。
「主上は殊の外満足された御様子。ですが私は未だこの有り様だ」
それはまだ天を仰ぐように熱り立ち、びくんと脈打っている。陽子はそれをちらりと見遣
り、そして目を背けた。身体の奥で消えかかっていた火が熾火のように再び紅く燃え出す。
景麒は腹這いになり、生まれたままの姿となった陽子の股間に顔を埋める。
「あ・・・ん」
陽子は自由になった両手を景麒の頭に添えた。景麒の舌が陽子の花園を散策し、真珠を磨き上げると、陽子は仰け反る身体を何度も景気の顔に押し付けた。
「はぁぅ・・・・ひっ・・・・・いぃっ!」
景麒は身体を入れ替え仰向けになる。陽子は意を察して景麒を跨いでその顔に自らの秘所を近付ける。そして勢いを失わずに脈打っている景麒を口に含んだ。
静まり返った夜更けの寝間に猫が水を舐めるような音と陽子の時折悩ましげになるくぐも
った吐息だけが聞こえてくる。
景麒は頃合いを見計らって――ずっと狙いを付けていた、だが敢えて触れもしなかったそこ――陽子の可憐な菊の蕾に舌を這わせた。
「あっ?!そこは・・・・・だめだ!そんなとこ・・・・汚い・・から・・・・だ、めぇ、あ、あぁん」
唾液を擦り込むように丹念に舐め上げる。口では嫌がった。何より顔を覆い隠して逃げ出
したくなるほど恥ずかしい。なのに何故か抵抗できずに陽子は目を閉じ、心ならずも蕾に
這いまわる舌の奇妙な感覚をつぶさに感じ取ろうとしてしまう。
陽子は景麒の肉樹を舐ることも忘れ、思いも拠らなかった場所に這いまわっている舌の感
触に翻弄された。
「んっ、・・・・・・あ、や、汚いよ・・・・だめだってば・・・・・いけない・・・・・景麒・・・・」
景麒は舌を尖らせ、きゅっと締まった蕾にねじ込んだ。入口をくぐり抜けるまでは、押し返されるようなきつい抵抗があったが、ぬるん、とそこを抜けると後は意外にもすんなり
と奥へと進んだ。
「あ、あぁん・・・・・・い、いやぁ・・・・・」
そこへ初めて男の舌の侵入を許した陽子は想像すらし得なかった甘美で倒錯的な快感に身
をくねらせた。景麒は舌をゆっくりと出し入れした。
「あ、ああん、何?・・・・・・・あ、あっ、ちょっと待っ・・・・・や、やぁぁ・・・・」
景麒は舌が痺れて感覚がなくなってしまうほど陽子の可憐な菊の蕾を責め続けた。
「あはぁん・・・・いやぁぁ、もう、もうだめ!変になりそう・・・・・・・・」
陽子はあられもない痴態には不似合いな可憐な三つ編みの髪を振り乱しながら、蕩けるよ
うに延々と続く甘美な感覚にどっぷりと浸かっていった。
やがて景麒が顔を離した。陽子は肩で息をしながら景麒の身体の上に突っ伏している。
「後ろも随分と具合がよろしいようで」
「・・・・そこは・・・・駄目って言ったのに・・・・」
陽子は顔を伏せたまま答えた。
「だが決して止めろとは言われなかった」
言われて陽子はどきりとし、ひどく赤面した。消えてしまいたいほど恥ずかしい。
だが陽子の身体は如実にその歓びの様を示している。ぽってりと充血して膨らんだ花弁が
蠢いていて、奥からは愕くほどの量の歓びの雫を溢れさせ、透明な糸を引く様に太腿を伝
っている。陽子の大切な宝石はひどく大きく膨れ上がっている。景麒は肉棒に力が漲って
くるのを感じていた。
「獣の格好になりなさい」
憑かれたように陽子は景麒に命じられるまま、ゆっくりと四つん這いになる。
景麒は溢れ出す陽子の蜜液をたっぷりと幹に塗りつけると陽子の茶褐色の蕾にあてがった。
「ちょ、ちょっと待って・・・・・そこは!」
陽子の顔が恐怖に引き攣る。
「力を抜いていないと痛い思いをする」
執拗な舌の愛撫で十分柔らかくなってはいるものの、かなり強い抵抗がある。
「だ、だめ・・・・お願いだからや」
最後まで言わせず景麒は腰に力を入れ突き出した。
亀頭の先がねじ込まれ、陽子が悲鳴をあげた。
「あっ、い、いたいっ、・・・・だめっ!そんなの無理・・・・入らないよ」
陽子は尻を捻って逃げようとする。景麒はそんな陽子の腰を抑えつけると熱きり立ったも
のをゆっくりと沈めて行く。
「ひぃぃっ!」
「入りました」
「ああっ、痛い・・・・」
苦痛に陽子の表情が歪む。景麒はじっと動かずに陽子が落ち着くのを待った。
「まだ痛みますか?」
「少し・・・・・でも何だか変・・・・」
痛みは和らいできた。圧迫感がある。だがそれだけではない。身体の奥が熱い。
「動いてもよろしいか」
陽子はこくん、と無言で頷く。さんざん虐められ、挙句こんな酷いことをしておきながら
自分を気遣う景麒が何だか無性に可笑しかった。
景麒がゆっくりと腰を引く。
「あ・・・うぅ」
景麒が動くたびにもう一つの洞が疼く奇妙な感覚、そして何より後の穴を犯されていると
言う背徳感が陽子の中に新たな波を呼び起こす。
「お尻が、熱いよ・・・・あっ・・・・んんっ・・・・・はぁん・・・」
どうしてこんなに感じてしまうのだろう。恥ずかしいのに、苦しいのに、気持ちいい。
「貴方は今何をされている?言って御覧なさい」
「・・・私の・・・んっ・・・・お尻の穴に、あぅ・・・・・景麒のおちんちんが入ってる・・・・あっ」
得も言われぬ愉悦の波に身を任せる陽子は途切れ途切れに恥ずかしい言葉を吐き出す。
「ああぁ・・・・いいの、・・・・・すごい・・・・・お尻の穴が感じるの・・・・・もう、変になりそう」
自ら発した言葉に陽子は更なる快感を呼び覚まされる。
蜜壷から溢れ出した溶液がぺたぺたと当る景麒の袋に纏わりついて糸を引く。
「景麒・・・お願い・・んっ・・・もうすぐなの・・・・前の方も・・・・・あ、あん・・・・弄って・・・・」
景麒は長い肉幹を抽き挿ししながら指先を陽子の蜜壷に挿し入れる。
「あ、いぃっ・・・・気持ちいい!・・・・・あ、あ、あ、もっと!」
指先が既に硬くなっている陽子の真珠を軽く摘んだ。
「あ、あっ、だめっ、いくっ!いっちゃうぅ!」
「くっ・・・・主上!・・・・・」
陽子は一気に昇りつめ、がくっとくずれ落ちる。後の窄まりがひくひくと痙攣し、呼応
するように景麒も溜まりに溜まった己の欲望を夥しく陽子の中に放出した。
景麒は陽子の身体を抱きかかえて腰を下ろした。この夜初めての口づけを交わしながら。
「達してしまわれたか?」
陽子は答えなかった。聞えていなかったのかも知れない。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・・」
景麒はまだ繋がったままの陽子の腰を持ち上げ、肉棒を退けた。敏感になっている陽子の
身体が摩擦に反応してびくっと跳ねる。牀榻に身体を投げ出した陽子の息遣いに合わせて
可憐な蕾が呼吸している。やがてそこから自らの吐き出した白い粘液が溢れ出すのを景麒
はただじっと見詰めていた。
煌煌と牀榻を照らしていた灯火もいつしか消えていた。ただ澄んだ夜空に輝く眩しいほどの
月明かりだけが青白く部屋に射し込んでいた。
「どうやらこの趣向は主上にも愉しんで頂けた御様子。宴が楽しみです」
「・・・抵抗できなかったんだから仕方ないじゃないか!身体が勝手に反応しただけだ・・・・」
食い付く様に陽子は景麒をねめ上げる。
「抵抗しようと思えばいくらでも出来た筈、冗祐などとっくに退がらせていますが?」
「!!・・・そんな・・・いつから・・・・・・」
「くすぐっている間に。今までろくに抵抗もせず、辱められるがままにいたのは全て主上
ご自身が自らの意志でなされたこと。本当は愉しまれていたのでしょう?」
「そんな・・・・・私、私は・・・・」
力無く項垂れる陽子。陽子は景麒の勝ち誇った高らかな笑い声を初めて聞いた。
不意に涙がこぼれた。
――憎たらしい。女の身体を知り尽くし、主である自分を翻弄し続けるこの従僕が。
そして悔しい。思うにままならず快感を貪る自分の身体、いや心が――
――私は堕ちて行く・・・・辱められ、汚されて・・・・でも・・・私はそれを望んでいたのではない
か?・・・・そう、確かにそうかも知れない・・・・・・だって良い子でいたい、在り続けたいと願
っていた私はこの世界にはいないのだから ――
−了−
280 :
184:03/08/24 00:05 ID:emOW11Ey
ごめんなさい!もうこんなの出しませんから今回だけ許して!
>>184=259
乙!!PCに張りついてリアルで読んでますた。
強引すぎる景麒イイ!ラブラブ景陽も良いでつがこんなのも萌えー
でもどんなに陽子が嫌がろうと景麒が無理やりだろうと
この主従に関しては何故か愛があるように感じてしまうのは
ラブラブ景陽読み過ぎて自分の頭が腐ってるんですかね(ワラ
雁主従おもてなし編もお待ちしておりまつので是非ともよろしく。
キタァァァ(゚∀゚)ァ( ゚∀)ァ( ゚)ァ( )ァ(` )ハァ(Д`)ハァ(;´Д`)ハァハァ
リアルタイムでじりじりしながら読んだよ、グッジョブ!
うわーい、リアルで見てしまった。
虐げられている景麒もいいけど、主上を手玉に取る景麒もイイ!
延王喜びそうだな…セーラー服…。
184さんお疲れ様です。
強引景麒×なすがまま陽子、大変美味しゅうございました。
184さん乙です。
リアルでハァハァ・・・萌えつきますた
無理矢理景麒もいいでつ
>>184 乙華麗!!!!
久々に強気な景麒が新鮮で萌え氏にそうでつ。
続きもおまちしておりまつ(;´Д`)ハァハァ
>184
長いからこそ楽しめました。
景麒のイヂワルな言葉責めに萌え。
陽子の態度がだんだん変わってくとこもイイ!
でも下着とか制服とか汚しちゃって、延主従に援助を値切られたりしないかと(w
>>286 予備があるんじゃなかろうか…>制服その他
実はコスプレ用に他にも色々な御召物を調達してきてたりして(;゚∀゚)
288 :
184:03/08/24 01:01 ID:emOW11Ey
うう、皆さんいい人だ.・゚・(ノД`)・゚・。
次作はまだ未定です。雁主従おもてなし編?についても未定。
鈴にもセーラー服着せてあげようかな、なんてぼんやり思ったりもしてまつが・・・
何か延王って達者そうだけど色気がないっつーかそんなイメージがあります。
仁王立ちになって笑いながらはっはっは!パンパン!とかやってそうで・・・
実は前作は>141なんですがそっちの続きも書きたいなとは思ってます。
後は煮詰まってお蔵入りした幼泰麒×李斎お姉様
案だけの祥瓊×楽俊に嫉妬心を燃やす陽子・・・・辺りかな。
>>286 いいや、むしろ汚れている分プレミアがついて慶国上位の援助がされるかも知れんぞ。
290 :
184:03/08/24 01:08 ID:emOW11Ey
間違えました。前作は>137でつ。
ちなみに服を脱がさなかったのは新品よりも身体に馴染んでだ方が延王が喜ぶかな?
と言う景麒(私)の配慮でした。
>184
ステキステキステキ!!!!
下克上なのも(・∀・)イイ!ですね〜。
雁主従おもてなしの後、それをネタにまた意地悪を言う景麒も見たいです。
とにもかくにもグッジョブ!
>256
ここに投下もするけど、自サイトでエロも書いてる。
自サイトでは出来ないことをここでやらせてもらってる感じ。
文体には気を付けてるけど、書き癖とかもあるから
分かる人には分かるだろうと腹は括ってまつ。
もしかしてバレたのって漏れ……(w
グッジョブ(゚∀゚)
援助の条件に女の体を売るとは…ただ楽しみたいだけなのに、素直になれない景麒の言い訳だと思って読んでました。が、延王編も気になるぅ
>>184 グッジョーーーーーブ!!!(;´Д`)ハァハァ
されるがままの陽子タソ萌え。
つーか、個人的には陽子タソの処女をちゃっかり頂いている景麒にビクーリ。
なので付け込まれる陽子タソ初夜編をキボン。
>>184 >祥瓊×楽俊に嫉妬心を燃やす陽子
184さんは神とお見受けしました。
ゼヒゼヒ おながいしまつ(゚∀゚)!!!
184さんグッジョブでした。
(失礼な注文をした189です。某所で見た萎え萎えなゴカーン物のせいと思ってお許しください)
強引なプレイに萌え死にました。次作も期待。
たまにはこんなエロ娘陽子もいい。
乳首の描写とか焦らされて期待してしまうところとか、綺麗過ぎなくてリアルで萌えた。
>184
すげえっ!>137といい、あんた神だよ!爪の垢でも煎じて飲ませてもらいたいくらいだ。
次回作、期待しています!!
>184
グッジョブでした!! 次回作も期待してまつ。
>251
陽子×蘭玉キボン!
299 :
251:03/08/24 21:41 ID:xFliKlwd
184さんが上手すぎて自信喪失気味。ちょっと修行せねばな・・
300 :
184:03/08/24 22:13 ID:5kQ4puov
お褒めの言葉本当に嬉しいです。まるで泰麒に舞い上がらされた李斎の気分。
でも激しくプレッシャーが(;゚Д゚)ヒイイィ!
とにかく皆さんの期待に応えられるように頑張ります。
取敢えず次作は>294さんのリクで逝くつもりでつ。ラブラブハピーEDにできるかなあ?
雁主従おもてなし編はプロットに時間かかりそう…気長に待ってホスイ…
>祥瓊×楽俊に嫉妬心を燃やす陽子
このしちゅえーしょんイイ!
期待してます!!
さーてと、筆でも買ってくるか…
とりあえず、続きが出来たので投下します。
繋話なので正直、面白くありません。アシカラズ。
前回までのあらすじby麒麟4姉妹
氾麟:ええと、どんな話だったかしら?
廉麟:確か・・・延・景・泰の3台輔が戯れに景王にバナナを食べさせたとか・・・・。
宗麟:そう言えば、そんな話でしたね。
采麟:まったく、女の子をなんだと思っているのかしら。男って本当にバカよね。
(一同、同意)
「景麒。悪いが頼まれてくれないか?」
ふと陽子は、明後日の方向を見ている自分の僕に声をかけた。
「冷えたから、温かい御茶を持ってきてほしいんだけど・・・・・」
それを聞いた景麒の表情がさっと曇る。
・・・・・勃っているから立てない。
禅問答を思わせる事を主に言うわけにはいかない。
景麒の目が泳ぐのを捉えた六太が口を開いた。
「陽子、良ければ俺が・・・・」
景麒はホッと肩をなで下ろした。
だが、それもつかの間の事だった。
「俺が暖めてやるよ(はぁと)」
六太は爽やかに微笑みながら言った。
とんでもない発言に三人がぽかんと口を開けている中、六太は素早く立ち上がると陽子のひざにまたがった。
六太は慌てて閉じようとする陽子の口に、空かさず自分の指を突っ込んだ。
「大丈夫だ。すぐ済む」
いやいやと首を振る陽子を抱き寄せ、柔らかだがひんやりとした唇を軽く吸う。
「・・・・・こんなに冷えちゃって・・・・」
顔を近付けたまま、ふふっと笑った。
そして、六太はするりと陽子の口の中に舌を侵入させた。
そっと撫でるように舌で内部をなぞり、強張った陽子の舌を優しく解きほぐしていった。
次第に陽子の口の中は次第に本来の温度に戻って行く。
やや白くなっていた頬は元の血色か、それ以上に赤みを射していた。
一通り舐めまわすと口を離し、ふぅと息をついて陽子の瞳を覗き込む。
「女の子は体を冷しちゃだめだぞ。」
そう言うと、にっこりと微笑みかけ静かに膝から降りた。
六太は陽子の肩をポンと叩くと自らの荷物を手に取り、すたすたと背を向けて歩きはじめた。
「それじゃ。俺、用があるから。」
ひらひらと手を振って立ち去ろうとする六太に一人の男が近付いてきた。
「では、私がお見送りを・・・・・」
景麒は能面のような顔を心持ち引きつらせている。
「荷物をお持ちしましょう。」
そう言うと景麒は気味の悪いくらい丁寧な手つきで六太から荷物を取り上げた。
そして、腹を抱えるような姿勢で六太に付いて行った。
「・・・・・黄医を呼んでおこうかな・・・・」
頬杖をついて独りごちる陽子を嵩里は横目で伺う。
・・・・・どうやら景麒は腹痛を催していると思ったようだ。
つと嵩里は空を見上げ、意を決したかの様にバッと立ち上がった。
「・・・・・・ああ、そうだ。僕、州候の仕事について延台輔に是非ともお聞きしたい事があったんです。僕とした事が、すっかり忘れていましたよ。」
嵩里はあたかも今、思い出したかのように、さらりと長めの台詞を言い放った。
そして、陽子に向かってにっこりと微笑みかけた。
「中島さん、ちょっと失礼しますね。」
景麒と同じように前屈みの姿勢で嵩里は二人の後を追って行った。
再び取り残された陽子は先ほど六太とふれ合った自分の唇をそっと指でなぞると、ふぅと息をついた。
嵩里は二人の去っていった方向に進んだ。
目を閉じて耳を澄ますと、どこからか途切れ途切れに声が聞こえて来る。
「・・・・・こっちかな。」
嵩里は声がより大きい方の茂みの中に分け入った。
繁る草を踏み、小さな岩をいくつか跨ぎこした。
木立の間から雲海が見える。
道を違えたか・・・嵩里がそう思った瞬間、すぐそばから景麒の声が聞こえてきた。
さらに深く踏み込むと、景麒が六太を断崖絶壁に追いつめている姿が目に飛び込んできた。
「私の主上になんて事をするのですか!」
潮風が耳元で激しく渦巻いていて、よく聞こえない。
だが、景麒は確かにそう言ったようだ。
嵩里は、ぐっと奥歯を食いしばると、二人の側に寄っていった。
「そうですよ、酷いじゃないですか、延台輔!」
景麒の隣に立ち六太を睨みつける。
だが、六太は「これだから子供は」と、でも言うかの様にふっと笑った。
「言っておくが、抜け駆けじゃないぞ。」
景麒は額にピリリとシワを寄せ、さらに詰め寄る。
「では、なんと?」
六太はちょっと肩を竦ませると、しょうがないなと言うように続けた。
「だからな、次はお前らの番だって事だ。」
景麒と嵩里は一瞬頭の中が真っ白になった。
六太は棒立ちになっている二人の間を通り抜け、自分の荷物の上に座った。
「そんな事、僕には無理ですよ。」
嵩里は困ったような顔をして、軽くうつむいてしまった。
「それにあの方の事ですから、そんな事をしたら・・・・」
景麒は手を口に当てて絶句した。
陽子の強情さを考慮に入れると、無理に手込めにしようとしたら無傷では済まないだろう。
それどころか水寓刀の錆になってしまうかもしれない。
そんな思いが景麒の胸をかすめた。
だが、六太は肩をちょっと竦めると、しれっと言い放った。
「さっき陽子に薬を仕込んでおいた。」
嵩里は思わず固唾を飲み込んだ。
「周到な・・・・・・・!」
景麒は苦虫を噛み潰すように言い放つと、さっと駆だした。
「あっ!僕だって・・・!」
そう言うと嵩里は素早く転変した。
そして、あっという間に景麒を追い越し陽子の元へと走り去っていった。
「若いっていいなぁ・・・・・・・・・・、単純で。」
六太は二麒の金の光の名残を楽しげに眺めながら、そうつぶやいた。
「悧角!沃飛!撮影準備だ。」
六太はそう言うと、自分の荷物からスチールカメラを取り出すと、素早く望遠レンズを取り付けた。
そして、沃飛の用意した迷彩服に身を包むと、悧角の背に身を臥せるようにして跨がり、静かに二人の後を追っていった。
「ふあぁ・・・・・・・・・どうしたんだろう。妙に眠たいな・・。」
陽子は鈴に持って来てもらったお茶を飲みながら大きなあくびをした。
目にうっすらと涙を浮かべ、ぼんやりと手元を見つめている、
眠気に耐えきれず、とうとう机に伏してしまった。
その健やかな眠りを妨害するかの様に風を渦巻かせて嵩里が飛んできた。
「え?何?」
陽子が彼と確認する間もなく、嵩里が陽子に飛びついてきた。
「ああああっ、中嶋さんっ。ゴメンナサイ!ゴメンナサイィ!!」
嵩里は獣の姿のまま、蹄を器用に使って陽子の服をめくり上げた。
陽子は嵩里を犬か猫のように感じたのか、抵抗と言えば鬣を掴んだ位でほとんど夢現つと言った所のようだ。
鬣に触れられた嵩里は増々いきり立ち、本能のまま陽子の股ぐらに鼻先を突っ込んだ。
そして、べろりと獣特有の長い舌を出すと、探るように舌先でそっと撫で始めた。
ぬるりとした独特の刺激に陽子はピクリと反応し、無意識のうちに嵩里の長い首に足を絡ませてきた。
そのすらりと伸びた足は、しだいに脱力し嵩里の体を這う様に滑り落ちていった。
その途中で、つと、嵩里の患部に触れてしまった。
「っあ!」
爆発寸前だった嵩里は、たったそれだけの刺激で全ての物を解き放ってしまった。
雄としてのプライドが木っ端微塵になってしまった嵩里は暫し呆然としていた。
だが、陽子が自分の精液でべたべたになっている事に気が付くと、沈んだ気持ちとは裏腹にあっという間に復活してしまった。
さすが、黒麒だけある。
やや冷静になった嵩里はようやく人形に戻った。
そこに景麒がようやく飛んできた。
「・・・・・・・・・・!」
景麒の目の前にいたのは、白い液にまみれたまま眠る主と未だビンビンの隣国の麒麟だった。
うなだれて陽子を見つめていた嵩里はゆっくりと景麒に視線をまわすと自嘲の笑みをもらした。
安心したのか情けなく感じたのか景麒は溜息を漏らした。
「・・・私がお教えしましょう。」
景麒はそう言いながら二人に近付いてきた。
嵩里に横で見ている様にと指示をすると、ばさりと服を脱ぎ捨てた。
そんな光景を見ている者が一人だけいた。
だが、二人は未だ、全く気付いていないのであった。
[次回予告]
・・・景麒です。
ずいぶんと厳しい夏ですね。
主上は泳ぎたいと毎日のように仰っております。
しかし、あんなみすぼらしい衣を着られては、
王の品格が疑われてしまいます。
これは、何としてでも阻止せねば・・・・。
景麒の性教育
蒿里、筆おろしをする。
六太玉砕?
の3本です。
お暇でしたらどうぞ。
うわぁ、つまんね。エロもギャグも無い。
マジでゴメンなさい。
吊ってきます。
>スチールカメラ!
>若いっていいなぁ!
>さすが黒麒だけある!
前スレ552さん、激藁
麒麟四姉妹のあらすじも、景麒の次回予告も楽しいです。
つづきを正座してお待ちしてまつ!!
313 :
名無しさん@ピンキー :03/08/25 21:14 ID:CNbIpX0P
>前スレ552さん
漏れも激しくワロタ!
続きを首を長くして待ってまつ
>>313 麒麟は首の長い動物ではございませんよ!?
>313
sageなされ・・・。
(E-mail欄に半角アルファベットで sage と入れるのじゃ)
316 :
256:03/08/25 22:37 ID:O2hnj9gG
>前スレ552サン
イイヨイイヨー!楽しませてもらったよ!続きもガンガッテくれ〜!
若い二人が、齢500歳の六太にもてあそばれてる感じが笑えたよ
次回予告の覇気のなさが実に景麒らしくて、脱力しちまった…(w
>職人さん達へ
「他の作品も読んでみたい」つーひとりごとでビビらせたとしたら、申し訳ない
少なくとも私は、この人そうかも?と見当をつけても、2chに投下してたでしょ!
なんて叫ぶつもりはないよ。ヒソーリコソーリと喜ぶだけですよ
でもまだ全然それらしきものにぶつかったことがない。から安心すれ(w
(´-`).。oO(十二国サイト持ちなら事情がない限り自分のとこにうpするんじゃ…)
>爆発寸前だった嵩里は、たったそれだけの刺激で全ての物を解き放ってしまった。
>雄としてのプライドが木っ端微塵になってしまった嵩里は暫し呆然としていた。
思いきり噴き出しました。
情けない蒿里イイ!!
前スレ552さん最高!
>前スレ552さん
麒麟の姿の泰麒と陽子の絡み、かなり来ました!
景麒の性教育って、実験台には当然陽子を使うんだろうな(ry
ところで前スレの終わり頃にちらっと
尚隆×陽子×景麒の3Pを考えたことがあると書いたものですが
果たして需要はあるのでしょうか。
3Pなんて許せない! と言う人が多かったら敢えて書いたりはしないけど
需要があるなら手持ちのプロットに肉付けしてみようかと思います。
>319
激しく挙手w 是非おながいしまつ!
>319
PC前に正座してお待ち申し上げますよ。
鼻息荒くして待ってます。フンガッフンガッ >319
ところで話は全然変わるけど、
某エロゲーのアニメ版ビデオにでてくる美○紀ってもろ久○綾なんだよね
たぶん、声優のAV出演みたいなもんなんだろーな
陽子がヒィヒィ喘いでるみたいでかなり萌える。(;´Д`)ハァハァ
つーわけで、ここの職人さんのSS読みながら音声聴いて補完してまつ
>319
ガリガリ君を食べながら待ち続けまつ。
(前々から考えていたが、このままでは終らないので予告して首締めるTEST)
夏が終る前に、夏にちなんだSSを景麒×陽子で一本落としたいのですがよろしいですか?
桶なら出来上がってからポーンと逝きたいのですが。
予告ウザイ。
327だけに限らないが、最近、終わらないから予告とか宣言とか
大杉。
いちいち許可取るのもウザイ。スカトロとかよほど特殊なケース
じゃない限りダメって言われるはずないのわかってて書いてる
んでしょ。そういうの、誘い受けって言うんだよ。
>>328 言い分は解らなくもないが、そう突っかからんでも。
まあ、マターリ。
「終わらないから予告」は自分は気持ち解るなあ。
そうすることでちゃんと書き終えられることってあるし。
もしかして釣り?
>>327 ガンガレー楽しみにしてまつ。
ポーンと来てくだされ。
漏れは読み専だけどさ、
別に一人が1つのSSで何回もしつこく予告してるわけでもないんだし、
職人さんが度胸づけ、景気付けに予告していかれるくらいいいじゃないか。
それがウザイ人はスルーするか書庫だけ見てたらいいと思う。
予告があると、投下が無いときも「あの予告まだかな〜」と
楽しみにできるし、スレも寂れずにいいしさ。
(今のところ嬉しいことにここが寂れる心配はないけど)
漏れはがんがって書いてくれる職人さんにはいくらだって誘われて応援(・∀・)スルゾ
職人さんたち気にせずガンガってくだされ。予告上等。
>327
ポーンと逝ってくれ!ダイジョブ、東京はやっと今、夏という感じだからw
ウザイと思うものをわざわざウザイと書き込まずにいられないってのは、
スレやらレスのつけ方やらを自分の望む方向性に向かせければ
気がすまないんだろうな。
言い分そのものはともかくとして、それを書く辺りスレの空気嫁って感じだ。
332 :
331:03/08/26 16:58 ID:g4lZC3tG
うわ、なんかせっかく>330がいいこと書いてくれてるのに、
微妙に雰囲気壊したな俺。スマソ
要はあれだ、俺も予告は全然気にならないほうだから、
職人さんたち頑張ってくれってこった。
たまたまタイミングが悪かったってことで、>327も気にせず頑張ってくれ。
関西の片隅で待ってるから。
漏れはウザイ。
だがそういう人のSSはスルーしてるので気にせず書きこんでくれ。
お伺い立てる人って自分の作品に自信ないの?
マイナーなカップリングだろうが、3Pだろうが内容が良ければ良作だって
思えるんだから、自信もって前触れなしに投下すればいいのにと思う。
それに、読み手が金払ってるわけでもないんだから、下手でも上手でも
文句言われたりしないでしょう?
それに、スカトロものとか虐殺ものでもない限り、予告して拒否されたりも
してないんだし。
書く側の端くれとして言わせてもらえば、自信なんてはっきり言ってないね俺は。
投下するときはいつもドキドキもんだし反応を見るまではすごく恐い。
エロ系の板は大人が多いせいか貶されるような事は滅多にないけど、
各板萌え系スレなんか容赦ない人が多いから。
伺い立てるのは自信とは別でいわばマーケティングだな自分の場合は。
書く側からもう一票
自分もいつも投下してからドキドキしながら反応待ちます。ここの住人さんは優しい人多いからダメだしは殆ど無いので、自分的にはレスの数で出来を評価してる。
伺いたてるのは首絞めるのもあるけど、「レスくれた人が待ってるからいいもの書かなきゃ」っていう鼓舞にしてる。待ってるっていわれると、本当に嬉しいんですよ…328さんみたいな人にはうざいんだろうけど
いつから多数決とることになったんだw
馴れ合いウザイ。自分語りウザイ。
伺いを立てないと書けないSSなら止めちまえ。
せっかくSS書いてくれるっていう職人さんがいるんだから、
ここで議論しまくってはスレの存在意義というものが揺らぐ。
>337
もちつけ。
お前さんの言いたいことはわかるが、言い過ぎ。
職人さんが減ってしまってスレが寂れたらどうすんだ
予告があるから度々投下されてないか
スレ覗くっていうのもあるけどな。
>祥瓊×楽俊に嫉妬心を燃やす陽子
クビを長くしておまちしてまつ。
漏れは本当に面白いと思ったものにしかレスつけないな。
ジビアだけどレス数って最大の感想だと思う
>>337 せっかくマターリしてるのに波風たてるなよバカ
おまえのほうがよっぽどウザイわ
>319
3Pカナーリ期待してますんで。
ハァハァハァハァ(;´Д`)-3
采麟タンと前の采王の絡みが見てみたいと言ってみるテスト。
失道前は「ハハハ采麟、立派な国にしてやるぞ」
「素敵v主上vv」な印象しかないのでw
342 :
319:03/08/26 21:52 ID:XmyX+rk4
内容が良ければ良作、ってのを判断するのは読み手であって
書き手側は、みんながみんなこれは良作だから読めといって投下してる訳じゃないと思う。
3Pは自分が危惧してたような拒絶反応を示す人がいないみたいだからがんがって書かせてもらうけどさ。
ものすごくいやがってる人がいるのを判った上で投下なんてことはしたくなかったんだよ。
レスをつけてくれた人たち、ありがとう。
苦手なカップリングやシチュエーションはス〜っとスルーしてるから
何が投下されたって全然気にならない。
職人さんが次々と景気よくポンポン投下されてるのは
見ていて楽しいっす。
>341
>「ハハハ采麟、立派な国にしてやるぞ」
>「素敵v主上vv」
禿藁。あんた素敵だよ!
>>343 上4行同意。
麒麟同志の話ってやっぱ難しいのかなあ?
六太×梨雪とかふと見てみたいと思ったり。
景麒×廉麟は・・・どうかな?
塙王に無理矢理やらされる塙麟×景麒とか。
……逝ってきます。
>345
廉麟て、景麒みたいな真面目で不器用な男に弱そうだからありかも。
>346
それイイ!!
景麒籠絡大作戦ですな。
>景麒と廉麟
今まで考えたことのなかったカップリングだ。萌え(;´Д`)ハァハァ
「こう、でよろしいのですか」
「いたっ!そ、そうじゃありません、景台輔。ここを、こう……。
女の敏感なところなのです。優しくしてやって下さいませ」
「申し訳ない。ですが私はこのようなことはちっとも……わからなくて」
「もう、しょうがない方ね。では私が言うとおりにやってみて下さいな」
いや、廉麟×景麒かw
玄君に招かれて景麒に閨事のいろはを教える廉麟、とか?
誰か書いてくれ・・・。
>346
獣姦ですか?(;´Д`)ハァハァ
それもいいなあ。
>>349 泰麒探索中にて。
「王と離れ離れでお寂しいでしょう。わたしがお慰めいたしますよ……?」
なんて言いながら廉麟に迫る景麒もいいかな、と思った。
でもこのシチュなら迫るのは誰でもオッケーだな(w
>>349 >玄君に招かれて景麒に閨事のいろはを教える廉麟、とか?
「玄君に抱かれて景麒に〜」かと一瞬オモタ
352 :
327:03/08/27 18:03 ID:Vd+q/nkW
昨日言っていた「夏にちなんだSS」が出来たのでポーンと逝きます。
お伺いしたのは、景×陽ばかりなのもアレかな、と思ったからで特に他意ははないんですが、
気を悪くする方も居られるようなので、次からは気をつけますね。
茹だるような暑さに堪えかね、公務と公務の僅かな合間に、「涼みに行く」と陽子は傍に控えていた祥瓊に言葉を残し、書房から姿を消した。
涼を求めて緑の茂る方へ足を向け、園林を突き進んでいく。
木陰の間を縫うように進む内に、彼方で冷涼とした水音が響いてくるのを耳にした。
背の低い木々を掻き分けて覗き込むと、その先に陽射しを跳ね返して光る水面が拡がっているのが見える。
涼やかなせせらぎは湧き出る泉からのものだった。
辺り一面に広がる碧面と、その奥に細い滝。清流は小さな水の帯となって何処かへ路を拓いているようだった。
陽子は草木を越え、水の端まで近付いた。
ほとりに膝を突き、指先をそっと、水中に浸す。
暑さに辟易していた身体にはなんとも心地好い冷たさだった。
――あまり深くは無さそうだ。
光を通して澄み切った水が底を明るく照らし出している。その様子から、水深が浅いのだろうと算段をつけた。
陽子は少し逡巡し、左右を見渡して人気が無いことを確認すると、襦裙を括る帯紐を解きはじめた。
――無茶をすると鈴には怒られそうだが。
ただでさえ暑いのに、更に熱さを呼ぶように重ね着している。少し位冷してやらねば身体がもたない。
陽子は内心で大袈裟に独白し、幾重にも渡り肌を隠すもの全てを脱ぎ去った。拭身用に犠牲にしようと決めた襦裙以外を、脱ぎ放しで草陰に放り出す。
髪を下ろすと、陽子はざぶりと水飛沫を立て、泉に飛び込んだ。
浮き上がる水泡に、水面が白く反射する。
浮力に上付いた足を水底につけ、真っ直ぐに立つと、泉の深さは陽子の胸より少し下である事が判った。
汗ばんだ肌を流す冷たさが、えも云われぬほど気持ちいい。
陽子はほんの少しだけ微笑むと、軽く跳ねて頭から水中に潜った。
背筋から臀部まで、滑らかな曲線を描きながら肢体が水に沈む。
暫し間の後、水幕を破った紅が表に現れて、きらきら輝く雫を空中に放った。
陽子は水面から顔を出すと、深く息を吸い込み、再び水の中に入った。
暑さを忘れたように、浅さの無い泉の中で水底を眺めたり蒼穹を仰いだりしながら人魚の如し様相で水に躍る。
そんな風にして水と戯れていた時、不意に木陰がざわめいた。
枝葉の擦れる音を聞きつけ、陽子は泳ぐのをやめて険しい目付きで音のした方に目を向ける。
「――そのようなお顔をなさるくらいなら、沐浴など初めからなさならければよろしいものを」
険しい貌で見据える陽子の三倍渋い貌をした景麒が草葉を分けて姿を現せた。
「……なんだ、驚かすなよ」
警戒を解き、陽子が眉尻を下げると、景麒は溜め息を吐いた。
「『なんだ』ではなく。妙な場所にいらっしゃると思えば、貴女という方は…」
「いいじゃないか、少しくらい。こう暑くては思考も鈍る」
「避暑を咎めているのではないですが?」
「じゃあ別に構わんだろう。気持ちいいぞ。お前も入るか?」
下僕の嫌味を躱し、陽子は気軽に言った。
「主上。」
景麒の渋面が濃くなる。陽子はそれを見て、「冗談だよ」と言って微笑った。
「淑やかにせよとは申し上げません。しかし、もう少し人目を憚る努力をなさって頂きたいものですね。…まったく。誰ぞに視られたらどうなさるおつもりか」
「こんな辺境、誰も来やしないよ。事実、誰にも見られてないんだし、そう怖い顔するな」
顰めっ面の下僕に苦笑いし、陽子は「もう少しだけだから」と言った。
「もう一泳ぎしたら上がるよ。だから、大目に見てくれ。…それに、そんなに心配なら、お前が見張っててくればいいだろう?」
景麒は憮然として、これには言葉で答えない。その沈黙を許諾と取り、陽子は「じゃ、頼んだよ」と言い残して水中に消えた。
光の射す泉の中央部まで悠々と泳いで廻る。
空に立ち込める熱気が嘘のよう――そう思った時、陽子は足から後方に強く引き寄せられた。
「!?」
突然の抗力に身体が対応出来ず、陽子は硬直した。その間も、身体だけが水を掻き分けて連れ去られる。素肌の腕に抱えられている、と云う事に気付くまで少し時間が掛かった。
「ッ!景麒、お前っ」
漸く状況を把握した陽子が首を後ろに向けると、視野に機嫌の悪そうな下僕の貌が映った。
景麒は主人を片腕に抱え、無言のまま平地とは反対方向の泉の端に向かう。
「は、離せ!」
「嫌です」
「こらっ!命令だぞ!聞け!!」
「聞けません」
「ふ、巫山戯るな!!」
「至って真面目ですよ」
泳ぐ速度は変えず、景麒は仏頂面で陽子の非難に投げ遣りに答える。
じたばたともがいてみせる主人を無視し、景麒はどんどん陽蔭の方へ泳いでいった。
片腕に主人を抱えたまま滝の方へ。陽の翳る泉のほとりの、少し窪んだ岩陰まで辿り着くと、景麒は漸く陽子を手放した。
圧迫を解く代わりに、頭上から薄く水の落ちる岩壁に両手を突いて陽子を壁と岩の狭間に押さえ込む。退路を封じてから、景麒は厳しい表情で主人を見詰めた。
腕の下では、同じく険呑な貌で、陽子が景麒を見返している。
岩肌を滑る水流が、絶えず陽子の髪と肌を濡らした。
「…人目が不安なら見張っていろ、と言った」
「ですからこうして見張っているのではありませんか」
「馬鹿を言うな!一緒に入る見張り方があるかッ!!」
「『入るか?』と仰ったのは主上の方です」
「だからアレは冗談だと…」
「生憎、笑えない冗談を受け付ける耳はしておりません」
「…お前、何様のつもりだ」
「貴女の忠実な下僕ですよ」
事も無げに切り返すと肘を曲げ、景麒は陽子に詰め寄った。じりじりと距離を縮められて、陽子は居心地悪そうな貌をする。
「何処が忠実…」
呟いた言葉は勢いを無くし、語尾が水音に消えてしまう。
――先刻から気になっている、抜けるように白い景麒の肌と角張った『男』の手。
陽子は、自分が裸身であることと、同じく相手も衣を纏わない姿で対面している事に、今更ながらどぎまぎしていた。
息が通うほど近くにいることを意識すると、無条件に頬が赤らむ。
景麒から背けた頬に雫が伝い、一条の流れを作った。
「如何なさいました?気兼ねなさらず沐浴なさいませ」
「…出来るか。」
透明な圧力に耐えかねて、陽子は自分から折れる事にした。
「…わ、悪かった。私が悪かったから…そう近寄るな」
「そんな口先ばかりの理解を頂いても仕方ありません」
景麒は逃げ場を欲する陽子の心情に反して更ににじり寄り、気拙げに逸らされる目線を追いかけた。
「軽はずみな行動は御控え下さいと常々申し上げているのに、主上は一向に解って下さらない。…言葉で御聴き届け願えないのであれば、身体で解って頂くほかありません」
「な、何を――」
考えている、と云う陽子の言葉は、脅迫した唇に塞がれて意味を為す前に潰された。
「――…っッ…!」
身体ごと引き離そうと抵抗する陽子の手の平は、逆に掴まれて壁面に押さえ付けられ、拘束を余儀なくされる。
逃げようともがくが、その行動が却って隙を作り、陽子は景麒の腕の中に完全に封じ込まれた。
重なるだけの唇から深さを求めるものが割り込んでくる。息継ぎもままならないほど長く唇を吸われ、舌を繋がれて陽子は苦悶の表情を浮かべた。僅かにずらされた唇の間で苦しげな息遣いを繰り返す。
「…ゃ…は、はなれ……」
「…お断りします」
景麒は一声返して再び唇を塞ぐ。今度は、力付くで押さえ込んだ身体の強張りが溶けるまで、唇を離さなかった。容赦の無い口付けで意識を麻痺させ、抗う気力を砕いてから、陽子の耳の下に唇を移した。水に冷された肌に熱を打たれて、陽子は軽く身震いする。
――触れる唇の温度が吃驚するほどの鮮やかさで身体に波紋を広げていく。
「……っ、景麒、…っ!」
陽子は黙々と唇を落とす景麒の真意を察し、細い拒絶を上げた。
もう遅いと言わんばかりの冴えた瞳で主人を見詰め、景麒は小さく囁く。
「…『誰も来ない』のでしょう?なら此処で何をしても、構わないじゃありませんか…?」
「そ、そういう意味じゃ…!」
なら、どういう意味です――と景麒は答えを期待せず呟き、冷たい胸元に舌を這わせた。
唇より鮮明な熱さが肌を通して身体の奥まで浸透する。びくりと大きく、陽子の肩が波打った。
「これは駄目だ!景麒っ、ほんとに…!!」
「…裸身を陽の目に晒すのは良くても、外で間合うのは御嫌と…?御恥ずかしいと申されるか」
「そ…っそれと…これとは、根本的にちがうだろ…っ」
「同じ事ですよ…」
囁きを残し、景麒の手は水を滴らせて陽子の首筋へ伸びた。水気を帯びて肌に張り付いた紅い髪を取り払い、髪で隠されていた上半身を明るみに出す。舐めまわすような景麒の視線が、陽子の羞恥心に火を点けた。
思わず上肢を抱き込み、身体を隠そうとするが景麒の腕はそれをやんわりと阻害する。
「…如何です?御恥ずかしいでしょう?」
自由を奪いながら、景麒は陽子の耳元で囁いた。
「い、嫌味ったらしい…!」
耳まで顔を真っ赤にし、陽子は景麒をねめつける。景麒はそんな陽子の視線を物ともせず、「主上が一度で御解りにならないのがいけない」と返した。
「…っ。――…分かったよ。もうしないから…だから離れてくれ…な?」
不承不承、という影が見え隠れはするが、陽子は極めて従順な仕草で上目遣いに願う。
景麒はそんな主人を暫し見詰め、薄く息を吐いた。
「――…そうしたいのは山々ですが」
半端な所で言葉を切り、景麒は陽子の手を取る。そして徐にその手を水面下に沈ませ、己の欠片にあてがった。
「!!!」
陽射しよりも高い熱を持ち、硬く立ち上がったものに触れさせられて、陽子は驚愕に目を見開く。
「私の身体も暑さに障ったようなので。これを鎮める手助けをくださいませんか?」
「…て、手助けって…お前、まさか」
狼狽する陽子の声に、景麒は言葉の代わりに行動で返した。掴んだ腕を引き寄せて裸の背を抱き、掌中に収まる細い肩に口付けを降らせる。遠ざけられていた愛撫が蘇って、陽子は軽い眩暈を覚えた。
「――ゃだってば…!こんなところで…!!」
「私としても不本意ですが、抑えきれそうにない。…これは、主上でなければ鎮められません」
「そんなん、お前の勝手じゃ…あぅっ」
抑制を忘れた景麒の掌が、熟れきる前に成長を止めた陽子の柔らかな乳房を下方から包み込んで撫で擦る。荒々しくなく、然りとて優しくもないその手つきは、表皮を冷されて敏感に成っていた花房の先端を、直ぐにでも伸ばさせた。
景麒の指先が花先を掠めて離れる。中途に与えられた刺激にすら、身体は機敏に応えた。
空から降ってくる水の冷たさと、素肌を弄る掌の熱さの不調和が陽子の中で快楽に変化していく。
意識の半分以上を愛悦に付け込まれ、陽子は抵抗らしい抵抗が出来ずに、自然と景麒の愛撫を受け入れていた。
それでも、最後の自制心を奮い立たせ、何とか宥めようと抗ってみせる。
「…や、やっぱり、駄目…。だって、まだ昼間だし…っ」
「――…夜まで待てたら、こんな御願いしませんよ…?」
景麒は弱々しく拒む陽子の腕をそっと払い、戯れに乳房の先を口に含んだ。敢えて触れられずにいた処を急に攻められて、陽子は甲高く哭いた。
甘い乳房を舌先で転がし、軽く歯を立てる。空いた方を指の腹で擦ったり爪先で擽ったりと執拗に弄ばれる内に、陽子の身体からみるみる力が抜けていく。
陽子の頭の中には、行為に対する抵抗が残っている。だが、このまま状況に流されてしまいたいと望む自分がいる事も拒みようのない事実だった。
――陽の光も、その熱すら冷めやらぬ内に、屋外で交わろうとしている。
潜在的な後ろめたさから忌避の念が沸くものの、それを意識すればする分だけ身体が昂奮してしまう。
危険や陰徳が、淫蕩に対する欲心を呼び起こして理性を殺した。
脱力した陽子の身体を水の浮力を借りて抱き込むと、景麒は体勢を入れ替えた。だらりと弛緩した陽子の脚を、折り曲げた自分の脚に架け、その間を縫うように掌を忍ばせる。
水圧に引き締まる太腿を撫和して水流に揺れる繁みに分け入ると、指先が水とは明らかに違う感触を捉えた。
ぬるりとねめる粘液を指先に絡ませ、若い双葉を揶揄うように押し広げた。鳥肌が立つほどの冷たさが陽子の中に入っていく。対照的な温度差が陽子を翻弄した。
「――ぁあ…っ!!」
腕も脚も、疾うに火照りを洗い流して冷めているのに、身体の中心は大気と同じくらいの熱を湛えている。
水中で、体内で。宥め透かしと抜き差さされ、気紛れに胎を掻き回される度に、隙間から水が入り込んでくる。異質物の侵入が教える甘い痛みですら性感の促進剤になって性欲に荷担し、突き抜けるような熱さが溢れ出して止まらなくなった。
――まるで快楽が身体の外に溶け出してくるよう…
濡れながら喘ぎ、涙声に似た歓喜の悲鳴で陽子はただ哭くばかりだった。
景麒は淫事に酔うその貌を悦目する。
本当の処、声を掛ける以前からずっと、水の中を泳ぎ回る陽子の姿を木陰から盗み視ていた。
陽の照り返しの中を泳ぐ姿を、ぞっとするほど美しいと思い、一時でも長くその姿を眺めていたくて、欲しくなるまで黙って遣り過ごしていた。
――最初からこうする事を目論んでいたわけだが。
景麒は無防備な陽子の耳をぺろりと舐めて悪戯に反応を窺った。
「…んっ…やぁん…」
泣き出しそうでそれでいて、何処か嬉しそうな貌が景麒を見詰めてくる。
こうして痴情に悶える姿には、美しさの他に、卑猥な艶やかさがある。
景麒は薄く笑み、荒く短い呼吸を繰り返す半開きの唇に、今日何度目かの口付けを落として舌を交えた。
陽子の腕が、景麒の白いうなじに緩く絡んでくる。景麒はその腕にも軽く接吻し、間近にある主人の顔を覗き込みながら言った。
「…もうよろしいですね?」
拒否する気などとっくに消え失せているが、それを口に出す勇気が持てず、陽子はただ、こくり、と頷く。
淫行を求める己に嬌恥を浮かべるも、欲情に逆らわない仕草が視覚の媚薬となって男を誘い込む。
返事代わりに瞼に口付けて、景麒は陽子の腰を抱き、盛り立つ分身を乱れた女の花園に貫かせた。水圧と身体を冷す水温の所為で狭まった内壁が予想以上のきつさで景麒を咥え込む。
「――…ああ…!!」
水中で身体を繋げた衝撃が吐息となって、陽子の唇から零れる。
お互いの熱さを感じながら、景麒は陽子の上肢を引き寄せ、下肢を激しく打ち付けた。
上下に浮き沈みする身体の動きが水面を乱して細波を立てる。
張り立った陽子の乳房がつぶさに震えた。
妙に耳に響く水の音。陽子は、頭上から降り注ぎ、落下して腰元でぶつかり合う水の叫びが自分の中から響いてくるような錯覚を覚えた。
表肌とは非対照に、ジンと痺れる疼きで内部がどんどん高まっていく。
「…っあ!あぁ!!へ、へんな感じ…っ」
水を巻き込みながら身体の芯を打ち抜く景麒の重さと熱さに血肉が沸き躍る。――否、熱かったのは自分の方かも知れない。しかし、そんな事を冷静に考える余裕は陽子の中には一塵もなかった。
共有する部分が放つ体温の昂ぶり合いに、獣のような嬌声を上げる。
肌に打ち付ける水流の冷温と身体の中から生み出される高温の倒錯に夢中になった。
「あ…はぁ…っ…!!いいよぉ…っきもちいぃ…!!」
背を弓状に反らし、髪を振り乱す。勢いよく揺れた赤髪の先から雫が飛び散った。
「…もっと深く…っ!もっと奥まで頂戴…!!」
欲情を嗾けて景麒に喰らいつく。景麒は貪欲に重なり合いを求める女を強く抱き、深さと激しさでそれに応えた。
言葉にならない声が水場を切り裂く。
陽子は景麒にしがみつき、天高くまで身体が跳んでいくような浮遊感が全身を包み込むのを待った。
「――…折角熱冷ましに来たのに、却って熱くなっちゃっただろう…」
快楽の山を乗り越えた後、陽子は景麒に抱きついたまま間延びした声でポツリと呟いた。身体はまだ繋がったままで、熱も失っていない。
景麒は全体重を預けてくる陽子を抱き直し、主人の不満に答えを返した。
「それを私の所為になさるか」
「する。お前の所為だから。…と言うより、最初からこうする気だったろう」
「おや。お気付きでしたか」
図星を指されても平然と受け答える景麒に、陽子は心持ち溜め息を吐くと、「お前には敵わない」と言って景麒の肩に顔を埋めた。
「このまま帰っても落ち着けない…。休憩が休憩にならなかった」
「それは申し訳ない」
「…誠にそう思うなら、態度で示してもらいたいものだな…」
婉曲な言い回しに、景麒は軽く瞬いて陽子を見詰める。陽子の碧眼がそれを見返し、「皆まで言わすか」と語った。
主人の言わんと欲する処を理解し、景麒は
「…此処で、ですか?」
と問い掛ける。
「結局、『誰も来なかった』ろ?」
陽子は婀娜っぽく微笑んでそれに返事した。
――…他人の目を阻め、と言うのは一応本心だったのだが。
景麒は陽子の微笑を見ながら、逆効果だったか、と内心独白する。
「…で、どうなんだ?お前は『忠実な』わたしの下僕なんだろう?」
問いの形は為しているが、拒否は許さない、という声色。
「…敵わないのはこちらの方です」
景麒が溜め息混じりに答えると、陽子は
「わたしはお前の主人だからな」
と言ってまた微笑った。
強気な主人の口調につられて景麒は微苦笑する。
――尤も、誘われて断るつもりも毛頭無いが。
絡みついた紅い髪を梳いて、陽子の頭を引き寄せると、景麒は何度交したか判らない口付けで承知を示した。
肢体を絡ませ合う男女の元に、橙を含んだ陽光が手を伸ばす。
水際を立ち込める空気は、秋の足音が近寄るにはもう少し時間が掛かりそうな気配を醸し出していた。
《了》
グッジョブ!
水中というシチュと、なんか淡々とした景麒に萌え。
しかし、覗いてたのか景麒‥‥‥ウラヤマスイyo(*´Д`*)ハァハァ
>327
いいもん見せて頂きました。
ウチの方は今日カナーリ暑かったので、このシチュが余計に気持ちよかった。
いい〜・・・>327
私的には、会話がツボだった。景麒イイ!
漢字の具合も、まるコ(こう談しゃ)文庫っぽくて、イイ!!!!
神! 乙!
365 :
364:03/08/27 22:29 ID:lfvy1vkI
すっごい萌えました!!!!>327
漢字の具合もいいのって、アニメで背景が丁寧なのと同様
すっごく萌えなのだ。 よし、もう一回読んじゃうぞ。
366 :
名無しさん@ピンキー:03/08/27 22:39 ID:Jd/M3obE
ところでSS書庫のサイト、
余所のサイトから無断?リンクされてるけど大丈夫なのかな?
ロボット避けはしてあるけど…
すまん、上げてしまった
>327
うわー、激萌え景×陽ありがとうございます
涼しくも熱い話が夏らしくて良いですね。
>366
どこからリンクされてるの?
「――虎嘯、どうしたんだ?」
「・・いや、何でもねえ。」
陽子は首を傾げた。大僕の様子は明らかに可怪しい。
何かをかばうようにゆっくりと歩きながらついてくる。顔色もどことなしに青ざめていた。
「何でもないはずないだろう。ちょっと額をかして見ろ――凄い熱じゃないか!」
「いや、これはその・・うっ!」陽子の身体が軽く触れた。
「えっ・・?」
「・・・・。」
「――なるほど、原因は”そこ”か。」
虎嘯は、とても陽子に会わす顔がないというように、うなだれている。
「見せてみろ。」
「何だと?」虎嘯は驚いて顔を上げた。
「おいおい、冗談だろ?そんなことできるわけないだろうが」
突然、陽子に肩を掴まれる。
「馬鹿、そんなこといってる場合じゃないだろ!」
陽子は軽く揺さぶりながら、激しく一喝した。
陽子の怒気に、虎嘯は言葉を詰まらせる。
「しかし、仮にも年頃の娘がだな・・」
「黙って。」
金波宮の典醫にみせてもどうにもならないだろう。
抵抗しようとする虎嘯を制して、下半身を覆う着衣を引き下ろした。
(なんてこった・・。)
虎嘯は陽子の前で隠すことなくその逸物をさらけ出していた。
こんなこと想像だにしなかった珍事。
(一体、何の因果で・・。)
「いつから膿がでるようになった?」
陽子がおもむろに口を開く。
「――昨日から。その時は大して痛まなかったんだが・・。」
陽子は保健の授業で習った知識を記憶の底からさらおうと、軽く眉間にしわを寄せた。
「じゃあ、潜伏期間があるから――十日か二十日前に、そういうことしたんだろ?」
「ああ、まあ、ちょっと遊郭に・・。」
「まったく・・・。男ってのは仕様がないな。」
陽子は憮然とした仕草で薬箱からあれこれと取り出す。
「普通、仙は簡単に病気にならないはずなんだが・・。よほど根性のある粘菌なんだな。――しみるぞ」
「うっ!」
激痛に虎嘯は顔をしかめる。
「我慢しろ。自業自得だろ。」
陽子は意に介さず、筆状の道具で虎嘯の逸物に薬を塗りたくった。
「これでよし、と。あとは典醫にいって傷痍のときと同じ薬をださせておくから。」
道具をしまう。一方、虎嘯の道具の方は、花も恥じらう少女にいじりまわされたにもかかわらず、
父親同様、頭を垂れてうなだれている。腫れて痛いのだから当然だろう。
それにしても巨大な持ちものだった。並のモノよりふたまわりは大きい。
「なあ、もうしまっていいだろ?」
「ああ。――あっ、ちょっとまって。ついでに包帯を巻いておこう。」
「いや、もういいって!」
陽子が長椅子にあぐらをかいた虎嘯の股間に顔を近づけるように身を乗り出した。
その時――
「虎嘯、ここにいたのね。お昼できてるわよ。あら、陽子もいたの――」
何もしらず、扉を開けて入ってきた鈴は、二人をみて凍り付いた。
「待って、鈴!誤解しないで」
「違うんだ鈴、これは――」
しかし、鈴は皆まで聞くことなく咄嗟に身を翻して走り去った。
「「誤解なんだぁぁぁ――っ!!」」
その後、鈴は虎嘯と口をきかなくなった。陽子にもよそよそしい態度をとる。
明らかに避けている。
「お前のせいだぞ!」怒鳴りつける陽子。
「そんな、そりゃ酷えぜ。俺だって被害者なんだぜ。」泣き言半分に反論する虎嘯。
「元はといえばお前のせいだろう!」
二人は間抜けな言い争いを繰り広げる。
「――とにかく、鈴のところへ誤解をときにいってこい。」
「誤解をとくって・・。一体、どうすれば・・。」
「良いからいけ。勅命だ!」
(くそ、そりゃ反則だろ・・。)
とぼとぼと、虎嘯は歩き出す。
「鈴、俺のこと嫌いにならないでくれよ・・。」
その背中は、自業自得とはいえ、あまりにも寂しかった――。
375 :
369:03/08/28 00:55 ID:bNbk3rE/
・・・とんでもないキワモノを投稿してしまった。
鬱だ氏のう。
>>366 アクセス解析してるんだから大丈夫でしょ。
問題があると判断したら対処してるはずだし。
>>375 虎嘯か…意外な組み合わせですね。しかしそれよりも全く動じない陽子に漢を感じますた
余裕で手当てとはさすがでつ
>>369 なんだかすごく意外なものを読んでしまった・・・。
服引き下ろして平然としてる陽子がすごいでつな、よほど見なれているとみえる(w
誤解を解きに行った続きをお願いしまつ
379 :
369:03/08/28 14:57 ID:8tsQtFnh
こんなキワモノに続きを望まれる方がおられるとは…。何はともあれありがたいです。
キャラ壊しまくりでHもなしですが、敢えて投下しましょう。お目汚し失礼します。
「――陽子。」
「あっ、祥瓊…」
パン、と振り向いた陽子の頬に平手が飛んだ。陽子は真横を向いて大きく目を見開く。
「見損なったわよ。あなたがそんなことするなんて。」
「…祥瓊、聞いてくれ。違うんだ。」
年頃の娘が大の男の逸物を『手当て』しておいて、違うんだも何もないのだが、もちろん祥瓊は聞く耳を持たない。
「よりにもよって、虎嘯の住処であんなことすることないじゃない。一緒に暮らしているのよ。最ッ低。――鈴は才に帰ると言ってるわよ。」
「何だって!?」
「――鈴、入るぞ。」
衝立の前から声をかける。内宮に与えられた虎嘯たちの住居。その一室が鈴の房間だった。
「なあ、俺はごちゃごちゃ言い訳するのは好きじゃないんだ。だがこれだけは言って……。」
虎嘯は思わず口ごもった。
「…何をしているんだ、鈴。」
「――才国に帰るの。」
振り向きもせず、荷物の整理をしていた鈴は、極力感情を抑えたような声で、それだけぽつりと漏らす。
「何だと…」
虎嘯は歩み寄ると、鈴の肩を掴んでこちらを向かせる。
「馬鹿なことを言うんじゃない!」
「触らないで!」
鈴は激しく抗うと、虎嘯の手をはたき落とした。
汚いものを見るような目で、虎嘯を見やる。
「私は邪魔者なんでしょう。もう一緒にいる必要なんてないわ。」
鈴は瘧のように震えながら。目には涙を湛えていた。
「私出ていくから!そうやって、好きなだけ陽子と汚らわしいことしてればいいんだわ!」
さっと虎嘯の顔が険しくなる。手を上げた。
(ぶたれる…!)
鈴は咄嗟に身をすくませる。
(――…?)
痛みは来ない。代わりにはごつごつした圧迫感と、男臭くて、それでいてどこか暖かな匂い。
「なあ、悲しいこと言わないくれよ…。」
鈴を強く抱きしめられていた。虎嘯の巌のような体躯の内側で、華奢な身体が震える。
「俺はいつまでも、鈴と一緒に暮らしたいんだ。俺は馬鹿だからお前を傷つけたりしちまう。でもよ、それでも俺はお前がいないとやっていけねえんだよ。だから出ていくなんて、言わないでくれよ。」
大きな手が優しく鈴の頬をなでる。
「虎嘯…。」
潤んだ瞳が虎嘯を見上げた。
次の瞬間、渾身の力を込めて虎嘯の股間を蹴り上げる。
「うぐおおおおっ!」
虎嘯は膝をついて前のめりに崩れ落ちた。
「汚い手で触らないでって言ったでしょ!」
そういうと、一目散に房間から駆け出す。いつもは抑鬱型だが、一度思いこんだらとどまることを知らず突っ走る暴走女、それが鈴。やはり生半可なことで懐柔は不可能だった。
一方、虎嘯はうずくまり、苦悶の声を漏らしていた。泣きっ面に蜂とはまさにこのことである。
涙混じりに情けない声を上げる。
「鈴、待ってくれぇぇっ…」
虎嘯の苦難はまだ続く……。
股間を蹴る鈴にワロタ
楽しい楽しい
続きキボン
>>369 本当に虎嘯災難続きだな(ワラ
面白いでつよ、続きお待ちしてまつ。
>一度思いこんだらとどまることを知らず突っ走る暴走女、それが鈴。
禿ワラタ。確かに!!
早く誤解が解けるといいね、と思いつつも
さらなる苦難を期待してしまう漏れがいる(w
387 :
369:03/08/28 19:52 ID:ST9oZNkj
有り難うございます。こんなネタに暖かい御言葉下さって感謝です(涙
もう虎嘯は酷い目にはあいませんが、一応続きがあります。
エロ無しですが、これで最後なのでご容赦下さい。
「だから、誤解だっていってるだろう!」
「まだそんなこと言ってるの。男らしくないわよ!」
「・・男じゃないんだが。」
ギャアギャア喚いてる娘二人の元に駆け込んでくる鈴。
「あっ、鈴!」
二人とも慌てて側による。
「――泣いてたの?」
鈴は少しの間うつむいていたが、意を決したように面を上げる。
「陽子・・いや、主上、誠に勝手ながら、暇を頂きとう存じます。今までご寵愛下さった恩、決して忘れません。」
折り目正しく拱手すると、それだけ言って去ろうとする。
「待て!」
「待ちなさい!」
「いや、離して!・・もういやなの!」
鈴は二人に掴まれて、大粒の涙をこぼした。
「我が儘だって分かってる。でも、もう、何がなんだかわからないの!一人になりたいのよぉ!」
「鈴、聞くんだっ!」
陽子が激しく鈴を揺さぶった。鈴は一瞬泣きやんで、驚いたように陽子を見つめる。
「つらいのは分かる。だけど、虎嘯はお前のことを信じてるんだ。鈴は強い子だって。それなのにお前がそんなだと、虎嘯はどうなる。虎嘯がかわいそうだろう?」
「・・・・」
鈴は目に涙を湛えたまま、黙って陽子をみやる。
他ならぬ誤解の原因がそんなこと言っても説得力ないわよ、と祥瓊は密かに思ったが、この場の空気を察して敢えて口には出さない。
「それにな、虎嘯はお前のことが好きなんだよ。」
「えっ?」
驚いたように聞き返す鈴。しかし、すぐにかぶりを振る。
「そんなはずないじゃない!」
「でも、鈴は虎嘯のことが好きなんだろ。」
「私・・?」
確かに、純朴でかざりけのない虎嘯に好意を抱いていた。
でもそれは、恋人へ対するというよりも、かつて失った家族のように愛おしんできた。
(だけど、私、陽子に嫉妬している・・。)
だからこそ、陽子と汚らわしいことをしていると知って幻滅もしたし(間抜けな原因の誤解なのだが)、裏切られたような気もしたのだ。
(そうだ、私は虎嘯のことどう思ってるのだろう・・。)
「――待って、二人とも。良い考えがあるわ。」
成り行きを見守っていた祥瓊が、不意に口を開いた。
雲海の上に夜のとばりが降りている。
木々の梢に月影がさして虫の鳴く声のみが闇夜に響く。
園林のなか、月影に照らし出されて、紅い髪の少女が佇んでいた。
そこへ、一人の男が歩み寄る。
その姿は淡い光に照らされて、遠くからでもはっきりと見えた。
――虎嘯。
虎嘯は歩み寄ると、少女を抱きしめた。
「――鈴・・。」
「なっ、言ったとおりだろ?」
陽子は、何が起こったかついてこれない虎嘯を尻目に、近くの茂みに声をかけた。
祥瓊と、顔を朱に染めた鈴がでてくる。
「・・虎嘯。」
「鈴、お前――」
鈴が虎嘯の厚い胸板に飛び込む。
「ごめんなさい、あたし・・」
「・・いいんだ。もう何も言うな。」
(――やっと分かった。私、虎嘯のことが好きだったんだ――)
二人は口づけを交わす。
(だって、私の目に映ったのは、虎嘯だったんだもの――)
「なっ、誤解だったろ?」
陽子は邪魔にならぬよう祥瓊を促してその場を離れると、要済みの蠱蛻衫を手渡す。
「何はともあれ、丸く収まってよかったじゃない。」
「まったくだ。――それにしても、よく範の御仁が大切な宝重を貸してくださったな。普通ないことだろ?」
「そうね。普通じゃあり得ないことだわ。でも、条件が良かったみたいだから。」
「――何だと?」
嫌な予感がして、陽子は眉をひそめた。
「ほんの一月、陽子を好きにさせるって。それだけで貸してくれたのだから、感謝しなきゃね」
「なっ!」
陽子の顔が青ざめる。
「祥瓊、お前っ!」
「あら、大の男の性病治療ができるくらいのタマなんだから。オカマの玩具にされるくらい平気でしょ。」
「ふざけるなぁぁぁ――――っ!」
陽子の叫びが、金波宮にこだました。
完
>「あら、大の男の性病治療ができるくらいのタマなんだから。オカマの玩具にされるくらい平気でしょ。」
わはははははは。祥瓊最強でつな、面白かったでつ、ありがd。
やはりあの三人娘のうちでは祥瓊が最強なのか……(w
グッジョブでした!
>>369さん
ワロタ〜
約束どおりオカマの玩具にされてる陽子
それを助けに乗り込むも逆に相手のペースにハマる景麒
更にちゃっかり野次馬に来てる延主従…
とか妄想しちまったじゃねーですか(*´Д`)
396 :
名無しさん@ピンキー:03/08/28 22:43 ID:PWYm8Xk8
>395さん
延主従って十二国最強のどこでもキャラだよね。
延王って遠山の金さんみたいだって時々思う。
遊び人だしなあ
やらないかえ?
byオカマ
「梨雪……私は男なのだよ」
byオカマ
忘れていました
byその下僕
>>397 個人的にはどっちかってーとアバレン某将軍なのだが。
天下の風来坊だしw
陽子が書房で書簡に目を通している時の事である。
数多くの書簡をゆっくりではあるが着実に処理し、さて、次のもの――と新しい書簡に手を伸ばした。
その時、書簡と書簡の隙間に、ずらずらと文字の書いてある粗末な紙が一枚挟まっている事に気付いた。
何かの追記だろうか、と思い、陽子はそれに目を通した。
しかし陽子はすぐに、それが明らかに政務には関係のないものであるという事を知る。
『抱かれたい 漢 順位表(於 金波宮)』。
――冒頭にはそう、書いてあった。
先王が城から女官全てを廃してしまった為、金波宮に女官吏は多くない。
しかし、まるきり居ないわけでもないのだ。
察するに、娯楽的刺激の少ない宮中で戯れに行ったものが紛れこんだのだろう。
まるで女性週刊誌みたいなことをする、と陽子は呆れつつも、好奇心を寄せてその先に目を通した。
『第四位 宰補 景麒
神獣であるが由縁の誇り高き態度と洗練された美しさが一部に大受け。
「見目麗しさといったら何をおいても景台補でしょう!」
「無駄に愛想を振り撒かす、必要以上に喋らないところがいい」
「孤高の近寄り難さが魅力。主上が羨ましい」』
――無駄に喋らないんじゃなくて言葉を知らないだけなんだが。
まず陽子は軽く噴きだし、余裕の表情で次に目を移した。
『第三位 禁軍左軍将軍 桓たい
禁中の軍部の最高峰である禁軍左軍の先頭に立つ実力と折り目正しい態度が好印象。
「高位に就いているのに奢らない態度が素敵」
「一見、強靭そうには見えないけど、実は凄く逞しい。そんな二面性に惹かれます」
「何気にお坊ちゃん育ちなところ。お世話したくなる」』
「…ふぅん。桓たいは意外と母性本能をくすぐるタイプなのかもな…」
軽く意表を突かれたように呟き、次に目を向ける。
『第二位 冢宰 浩瀚
怜悧という言葉は彼のためにあるようなもの。仁道に篤く頭脳明晰なところが数多くの女官を魅了。
「機知に富んでいてお話していて飽きません。尊敬しちゃう」
「言うことはきちんと言う、そういう物事をはっきりとさせるところが女々しくなくて好き」
「聡明さのにじみ出たお顔がえもいわれません。知的な言葉で口説かれたい!!」』
「…大人気だなぁ、浩瀚。まあ、官吏に就く女だったら馬鹿より知性のあるほうが好きだろうな…」
思わず陽子は納得する。
――しかし、宰補、禁軍将軍、冢宰と『宮廷的には華々しい』面々が続き、それ以上に目立つ人物に心あたりがない。
「意外と遠甫とか?」
適当に呟き、陽子は最後の名称を記した字面を追った。
『第一位 景王 陽子』
紙面に自分の名前を見た瞬間、陽子は椅子ごと後ろに倒れた。
「ちょ…っと待て?!『漢』ランキングだろ?!おとこッッ!!」
一人抗議に喚き、慌てて先の評価を読み下す。
順位の下には、こう書いてあった。
『――言わずと知れた我が国の主上。凛々しい面立ちと、高慢でない気さくな態度が人気を呼んで堂々の第一位に!
「雲泥の身分差があるのにも関わらず、『お疲れ様』って直接お声を掛けていただいたの。嬉しさのあまり昇天しそうでした!!」
「良く通るお声、きりりとした面差し、無駄のない立ち振る舞い…本当に女性かしら?とよく見蕩れてしまいます」
「その辺の男よりよほど漢らしくていらっしゃる。同性だとはわかっているけど、一晩だけでも共に過したい…」』
――ぱさ。
陽子の手から順位表が滑り落ちる。
「いや!!嫌だっ!!いくら何でも、こんな…こんな女子高みたいなこと…!!」
床に引っ繰り返ったまま、陽子はわなわなと震える。
「どうした?!」
「なにごと?!」
陽子が椅子ごと倒れたときに立てた派手な音を聞きつけて、鈴と虎嘯が書房に駆け込んできた。
「…な、なんでもない…」
二人は床にぶっ倒れた陽子の姿に一瞬おののいたようだが、大事がないことを知るとホッと胸を撫で下ろした。
「…あら、なぁに?これ」
鈴が床に落ちた紙に目を留める。
「――あ!!それは…!!」
慌てて奪い取ろうとしたが、それより先に鈴が拾ってしまう。内容を改める鈴の横から覗き込むように、虎嘯もその紙面を眺めた。
「……っぷ…。もてるわね、陽子」
それだけ言うと、鈴は紙に顔を埋めて声なく笑った。
「はっきり言って複雑…」
起き上がり、陽子は鈴にフテた表情を向ける。可笑しそうに笑う鈴の横では、虎嘯が落胆したような顔をしていた。
そこに、祥瓊が入ってきた。祥瓊は地べたに座る陽子を見て、瞬きした。
「やだ、陽子ったら、なに遊んでるの?」
「遊んでない!!」
「そう?…って鈴、どうして声を押し殺して笑ってるのよ?」
鈴は小刻みに肩を震わせながら紙片を祥瓊に渡す。それを受け取ると、祥瓊は内容に見入った。
「……やぁだ。これに驚いたってわけね?」
床から立ち上がり、陽子は含み笑いをする祥瓊をジト目で睨んだ。
「驚かずにいられるか。…まったく、何を考えているんだか…。大体、わたしは女なんだぞ。正真正銘の」
ブツクサ文句を言う陽子に向かい、祥瓊は言った。
「あら、私、陽子にだったら抱かれてもいいわよ?」
平然と言い放ち、次いで色っぽく笑う。――まるで『男』を誘うように。
さぁぁ、と陽子の表情が変化していった。
「ご、ごめんだ…!!」
戦闘態勢をとり、ずざっと後退る。
「百合は御免だぁぁぁぁぁっ!!!!」
宮中に響き渡るくらいの大声をあげ、陽子は書房から走り去った。
「…冗談なのに。本当にからかい甲斐がある娘ねえ…」
言った言葉が真実かどうかは定かでないが、祥瓊はおっとりと呟いてみせる。
そのやりとりの後ろで、虎嘯が軽く意気消沈していた。
「…どうしたの?あ、自分の名前がないの見て落ち込んでるんでしょう?」
ずばりと鈴が図星を突く。虎嘯は思わず胸を押さえた。
「気にすることないわよ?虎嘯のよさをわかる人は、身近にちゃんといるじゃない」
そう言って鈴はにっこり微笑んだ。
(え?何だ?それってもしかして―――)
一度風穴のあいた虎嘯の胸が希望に膨らむ。鈴は微笑を湛えたまま言った。
「虎嘯は、部下の殿方の間で大人気じゃない。陰で『兄貴』って慕われてるの、知らないの?」
希望が見る間に萎んでいく。更に鈴は、トドメを刺した。
「この間も、『一晩で良いから兄貴と契りを…』って、誰かが言ってたわよ?」
「ち、ちがう…ッッ!!」
虎嘯は叫んだ。
「言い寄られるなら女がいいんだぁぁぁぁ!!」
そしてそのまま、駆け足で出て行く。
祥瓊はキョトンとした鈴に首を廻らした。
「…鈴…。あなたそれ、わざと?」
「え?何かいけないこと言った?」
鈴に悪気はなかったようだった。
…ちなみにこの話は鈴・祥瓊から遠甫に伝わり、遠甫から雑談として浩瀚・景麒に語り継がれる。
浩瀚はそれを聴いて失笑し、景麒は無関心を装っていた。
しかし景麒が無表情ながらに、心の中では「私も主上に抱かれたい…!!」と思っていた事は、無論、誰にも図りえる事ではない。
――金波宮の今日は、至極平和に幕を閉じた。
(おわり)
408 :
403:03/08/29 02:29 ID:AqQdt3tC
すいません、もうしません。
もっとやれ
>>408 漢第一位陽子…納得しますた
しかも景麒、「抱きたい」んじゃなくて「抱かれたい」んかい!と真夜中に一人突っ込んでしまったw
続き見たいな
虎嘯の兄貴にワロタ
虎嘯気の毒に・・・(ワラ
でも確かに慶で一番の漢って陽子だよなあ
陽子、801板でも漢らしいって言われてたし…
やっぱり祥瓊だ、最強は(w
いや、自覚ない鈴のほうが上をいくか?
何にせよ禿ワラタ。もうしませんなんて言わんでくださいな。
昨晩ここを初めて見つけて、はまってしまったんですが
書庫に行ったら古いものが読めるかと思ったんだけど、入り方がわからないです。(泣)
どうやったら入れるんですか?indexじゃないし…
>>415 書いてある文章を全部よく読めば自ずから入り口は分かります。
そのためにindexが入り口じゃないんだろうし、さ、読んでみましょうや
やっとわかりました!!お馬鹿な私…。エロ読むの初めてで緊張気味です。
>416さまありがとうございました。
>>417 こちらこそ…もしかしたら遅れて出てきた夏のアレかと
一瞬疑ってすいませんですた。ほんとごめんなさい_| ̄|○
素直で可愛い>417たんにちょっと萌えたのは秘密だ。
素晴らしい職人さんたちのめくるめく煩悩の十二国記の世界を堪能してコイ(´∀`)ノシ
>>417 書庫の入り口わかりにくからね。良く読んでもらうための必然処置だけど。
漏れもはじめは分からなくて困ったよ(w
初めてここ見つけたときは興奮したもんだ。夏下肢
3冊目はまだ倉庫入りしてないよね?
>403-407
禿ワロタ。
濃厚なエロの合間にこういうネタがあるとホッとしまつ。
安らぎをアリガd
>403
こんな…こんな女子高みたいなこと…!!
に禿藁。
陽子は未だ蓬莱の判断基準から抜けてないんだね。
>421
2冊目の後半からまだ入ってない。
司書さん、忙しいんだろうな。
がんがってください。無理はしないで欲しいけど。
424 :
184:03/08/29 22:12 ID:GFY10Kjc
【祥瓊×楽俊に嫉妬心を燃やす陽子編】出来ました。
当初の案としてはお仕置き陽子×祥瓊のSM百合ネタ、のつもりだったのでつが…
どうにもままならず方針変更しました。…そしてまたしても長いですが。
序盤で>前スレ753さんのお風呂シーンをちょとパクリました。ごめんなさいm(__)m
―――ある日の金波宮・夕刻―――
「あ、鈴!」
陽子は廊下を歩いていた鈴に声を掛けた。
「もう今日は終わりだよね?良かったら一緒にお風呂に入ろうよ」
「あのお風呂、立派過ぎて何だか気が引けちゃうんだけど…いいよ、仕度して来るね」
鈴はにっこり微笑んで小走りに駆け出す。
「祥瓊は?居たら誘ってくれないか?」
「祥瓊はお休み中で留守だよ。昨日からだったかなぁ…」
「あ、そうなんだ――」
―――同日・正寝の湯殿―――
「ねえ陽子、知ってる?」
広い湯船の中、二人並んでのんびり脚を投げ出している時、鈴が言った。
「祥瓊ったらねぇ、お休みで出掛ける時はすっごくおめかししてくの」
「別に可笑しくないだろ?」
陽子は首を傾げる。そんな陽子を見詰めて鈴は笑いを噛み殺しながら言う。
「そうだね、男の人の格好して街に下りる人よりは可笑しくないかも、ふふっ」
「こいつ!」
陽子は湯を掬って鈴の顔に掛けた。
「きゃ!やめてよぉ…もう、陽子は凛々しくて素敵だよって言おうと思ってたのに」
「それって、誉め言葉には聞えないよ…もう、馬鹿にして」
はぁ、と溜息をつく陽子を見て鈴はけたけたと笑い、その声が湯殿にこだまする。
「だけど祥瓊はね、王宮にいる時よりずっと綺麗にお化粧して行くんだよ。あれってさ、絶対男の
人に会うんだよ!」
「それ絶対怪しい!」
二人は声を出してきゃらきゃらと笑う。
「相手は何処の人かな?前のお休みの時に、何処に行くの?って聞いたら雁に行くって言ってたか
ら、雁の人かなあ…」
「雁?」
陽子は鈴の顔を見返した。
「うん、…あ!そう言えば陽子のお友達の楽俊って人、雁の大学に行ってるんだったよね?もしか
したら祥瓊はその人と会ってたりしてー」
「まさか」
陽子は眉を顰める。それにはお構いなしに鈴は続けた。
「でも祥瓊だって楽俊て人と知り合いでしょ?祥瓊の知り合いが雁にそんなにいるとは思えないし
…きっとそうだよ!」
「そんな筈ない! ―……と、思う…」
自分でもびっくりするほど湯殿に響いた声に陽子は慌てて言い直した。
「あ!楽俊って、もしかして陽子のいい人?」
鈴は陽子の顔を覗き込んで訊く。
「え?ち、違うよ!…わたしと楽俊は………ただの友達だよ」
動揺を隠すように陽子は湯の中に半分顔を沈める。
「そうだよね、いくら陽子みたいに気安い王様でも、所詮王様と学生じゃ棲む世界が違うものねぇ」
屈託なく笑う鈴の言葉が楔となって陽子の胸に刺さる。陽子は小さく呟いた。
「そう…かな?」
そんな筈、そんな筈ない、だって楽俊は――
「いいなぁ、あたしも祥瓊みたいに綺麗になりたいなぁ……そしたら素敵な男の人が…えへへ…」
「………」
――楽俊はわたしのこと綺麗とか可愛いとか言ってくれたことあったかな…諸公の心にもないお世
辞なんかどうでもいいけど、楽俊には、楽俊だけにはわたしのこと綺麗って言って欲しいな…
「何よもう、黙ることないじゃない!どうせあたしは陽子や祥瓊みたいに綺麗じゃないもん、
…ふんだ」
鈴は膨れっ面をする。
「え?…ああ、ごめん――鈴は充分可愛いじゃないか」
上の空で聞いていた陽子は慌てて。
「もういいよ、慰めてくれなくても。どうせあたしなんか見た目も中身も子供だもの、陽子みたい
に晒布を巻いて胸を隠す必要もないしね」
鈴は数十年を経ても成長しない自らの微かな胸のふくらみを見下ろし、口を尖らせて拗ねた。
「違うよ、慰めじゃない、ほんとにごめん、…ちょっと明日のことで考え事しちゃってた」
陽子は場当たりな言い訳で取り繕った。
「鈴にもきっといい人が見つかるよ………少しのぼせたみたいだ、ごめん、先に上がるね」
「あ、陽子?背中流しっこしないの?………陽子?」
「ごめん、また今度ね」
呼びかける鈴の声を背に逃げるように陽子は湯殿を後にした。
水禺刀――真実を映し出す水鏡―― 久しく手にしていなかったそれを陽子は抱え、寝室の隅に座
り込んでいた。最早見たいものは映さず、意味不明の幻や見たくないものしか映し出さないそれ。
何処からともなく声がする。この手で斬り捨てた筈の者の声が。
――知ってどうするんだァ?不貞の咎で祥瓊の首を刎ねるか?それとも鎖で繋いでおくのかよ?
「別に知りたくなんかない」
――知ってしまうのが怖いんだろ?奴は只の友達なんだろォ?祥瓊も友達、なら罪は無いよなァ
「楽俊は、わたしに優しくしてくれた!……わたしを抱いてくれた」
――だったらお前も同罪じゃないかァ?お前は景麒に抱かれた、いや、お前が景麒を求めたんだ!
「五月蝿い!消えろ!死んだ筈のお前が何故いる!」
――確かに俺は死んだよ、だが俺はいつだってお前の傍に居る。何故なら俺はお前の心そのもの
だからさァ!本当は確かめたいんだろォ?だったらほら、見るがいいさァ………
掠れた笑い声が去り、剣が蒼白い燐光を放ち出す。
声が――
『やだ、恥ずかしいよ…あ…あぁん…すご…やん、溢れちゃう……』 ――止めて…
『ん…んっ、ぁあ…ら、く、しゅん…来て…ああぁっ!』 ――お願いだから止めて!
『し、祥瓊…もう…ぁ…くっ!』 ――どうして呼ぶの!わたしじゃない女の名前を!
陽子は泣いた。床に崩れるように突っ伏して。王になって初めて。声を上げて泣きじゃくった。
――もう嫌だ、こんなの幻だ、見たくない、知りたくない!
水鏡は映し続ける。
『ねえ、私知ってたんだ。ほんとは陽子のこと好きなんでしょう?どうして私を抱くの?』
『陽子はおいらのことすごく思ってくれてる。でも……もう棲む世界が違い過ぎるんだ。おいらは
王様に好きだなんて言える身分じゃねえ…』
『私は陽子の代わりって訳ね…でもいいよ、私は楽俊が好き。私が陽子のこと忘れさせてあげる』
許せない――道理では分かっている。蒼猿の言う通りだ。淋しさに負けて景麒に許した自分だって
同罪だ。だけど祥瓊が憎い、許せない、私と楽俊の関係を知ってて!あの泥棒猫!絶対許さない!!
緩やかな黄昏を経て外はもう暗くなっていた。
慌ただしく男装に身を包んだ陽子は水禺刀を手に園林に飛び出す。
「班渠!」
――ここに――
「出掛ける!関弓へ」
――勝手に外出して宜しいのですか?しかも関弓など今からでは急いでも真夜中かと――
「構わない。誰かに景麒に伝えさせろ、後を頼むと、……妖魔の癖に溜息をつくな!急げ!」
班渠に跨った陽子は空を駆け一直線に関弓を目指す。月明りに照らされたその顔は内に秘めた
嫉妬の炎のように冷たく蒼白かった。
――――その夜・関弓・楽俊の家(舞台裏の出来事)―――
狭く熱気の篭った小部屋に大小二つの影が息を潜めている。
「使令の伝えを聞いて先回りして来てみれば、何と陽子以外の娘とはな、楽俊も隅に置けぬ」
「全くだ、器量もいいし…俺もあやかりて〜」
「だが何やらあの娘が一方的に迫っているようだが…しかしこうなった以上、最早どちらが誘った
かは関係ないな」
「陽子が知ったら怒るだろうなー」
「下手をすると死人が出るやも知れんな…」
「…………にしても」
「うむ、堪らん」
邪な熱気に曇るまじっくみらーを拭き拭き見入る猿二匹…
「しかし楽俊も頑張るなー、晩飯も食わずに二回目に入ったぞ」
「それに付き合ってる俺達もな」
「ちょっとすっきりしたけどな」
「うむ、すっきりした」
「それはそうと……楽俊の奴、何だか鬼気迫るものがあるな。がむしゃらっつーか」
「先程の話を聞いたろう。恐らく楽俊は、陽子のことを忘れようとしている。必死にな」
「他の女に伸し掛かって惚れた女のことが忘れられるのかよ?俺にゃあ分かんねーな」
「さてな…奴が陽子をどれほど想っているかにも依るが…しかし、あの娘も必死だな」
「おーっ?やるなぁ、あれ必死って言うのかぁ?結構大胆な娘だぜ……あ、やべ、また勃ってきた」
「匠の域に達している…こら六太、いいところで曇らすな」
きゅっきゅっ…
「……むっ?!賊か?…げっ?!あれは…」
「な?!………何と!」
――――同時刻・楽俊の家(その舞台)―――
「ん…楽俊…ほんとは私とこうなったこと、後悔してるんじゃなくて?」
透き通るような白い首筋に唇を這わせ、その豊かな乳房を揉みしだく楽俊に祥瓊は尋ねる。
「してねえ…もう、決めたんだ」
楽俊は顔を伏せ、せり上がった丘にむしゃぶりついた。
「あん…嘘つき、まだ陽子のこと考えてるでしょ?」
「そんなことねえよ……」
楽俊は乳房に顔を埋めたまま答えた。祥瓊は溜息をひとつ、そして楽俊の頭をそっと押し遣る。
「いいわ、横になって」
「何?」
「言ったでしょう?忘れさせてあげるって…陽子がしないようなこと、私がしてあげるから」
――陽子なんかに負けない、あんな色気の欠片もない子なんかに負けないんだから。
祥瓊は仰向けになった楽俊に覆い被さり、唇から耳元へ、首筋へ、舌を這わせる。
白くたわわな乳房、その先端の可愛らしい桜色の蕾が楽俊の胸板をくすぐった。
祥瓊の舌が乳首を捉え、舐る。楽俊の身体が小さく跳ね、祥瓊の背に手が回される。
その手から逃れるように身体をずり下げて行く祥瓊は乳房の間に熱を帯びた幹を捉えた。
「あ、…ぁ…」
楽俊は小さく呻いた。
祥瓊は汗ばんで湿り気のある柔らかな谷間に幹を包み、擦り、或いは自らの尖った乳首をころころ
と遊ばせる。食い入るようにその様を見詰める楽俊を見上げて祥瓊は微笑んだ。
「どう?」
「ああ…いい気持ちだ、すごく…」
「もっと気持ち良くしてあげる……」
――そうよ、そして陽子のことなんか忘れてしまえばいいの…
祥瓊は唇を舌で濡らし、既に熱く滾っているそれをゆっくりと呑み込んで行く。深く、喉の奥まで。
「あ、…あぁ」
楽俊は一瞬息を詰め、感嘆の吐息と共に声を漏らす。祥瓊は含んだまま身体を回転させ、楽俊の顔
を跨ぎ、お互いの股間を目の当たりにする格好になった。
「!し、祥瓊―」
吸い込まれるように楽俊は祥瓊の蘭の花に似たその花弁の中心へと――
「随分とお楽しみのようだな」
開け放たれた窓から射し込む月明りと燭台の仄かな灯火に照らされて、其処に立っているのはその手に剣を携えた赤い髪の少女。
「!―――――きゃぁぁ!」
「な、何で?…陽子?」
「そんな、どうして」
呆然と見詰める二人に引き攣った薄ら笑いを浮かべた陽子が答えた。
「水禺刀の能力を忘れた?見たくもないものをさんざん見せてくれたよ」
陽子は突き付けた水禺刀を放り出し、素裸の祥瓊に掴みかかる。
「この泥棒猫!色仕掛けで楽俊を誘惑して!」
「あら?別に誘惑なんかしてないわ。私達、自然な成り行きでこうなったの」
祥瓊は不敵な笑みを浮かべ、さらりと言った。
「白々しい嘘を!もう全部分かったんだ!」
右手を上げた陽子に祥瓊は食って掛かる。
「何よ!人のこと言えるの?この淫乱女王!私知ってるんだから。あんたが台輔と寝てるのを!」
陽子はその言葉に怯んだ。上げた右手が震える。
「な…でたらめ言うな!」
祥瓊はせせら笑った。
「あらあら?人に見られなきゃばれないとでも思ってるの?ふふん、つくづくお目出度いわね。
あんた自分が汚した襦袢や褥を自分で洗ってるの?」
「!……」
陽子は言葉を失い、泳ぐ視線は楽俊を見遣った。困惑と不信の眼差しはじっと陽子を見詰める。
「ち、ちが…違う!…あれは、その、景麒が……一度だけ…」
「一度だけなら過ちだって言うの?ほんと身勝手ね!いいわ、だったらお互い様よ。私達だって
今日初めて結ばれたんだから。文句は無いでしょう?」
「……」
形勢は一気に逆転し、陽子は項垂れた。祥瓊は容赦無くまくし立てる。
「大体ね、あなた自分の立場を考えなさいよ。慶東国王、景。景王赤子さまが一介の学生とお付き
合いなんて出来ると思ってるの?ましてや楽俊は慶の民でもない、そんな人を束縛する権利があな
たにあるって言うの?他所の国の人に手を出すなんて迷惑な王様だこと!」
「そんな、わたし人に迷惑なんて掛けてない!」
陽子は泣きそうな顔で言い返した。呆れたように祥瓊が溜息をつく。
「分からないの?全くあんたって…外でもない楽俊が迷惑してるんだから!」
射るような目つきで陽子をねめ付ける祥瓊。
「そんな…楽俊…」
陽子は救いを求めるように楽俊を見た。だが楽俊は目を逸らし、何も言わなかった。
――迷惑なの?わたしが想うことは楽俊にとって………
陽子は眩暈を感じ、ふらふらと後退り壁に倒れ掛かった。ずっとこらえていたものが溢れ頬を伝う。
「王様は玉座で王様らしくしてればいいのよ」
祥瓊は吐き捨てるように言った。陽子はいやいやと首を振る。だがもう何も言えなかった。
何か言おうと口を開けば声を上げて泣き出してしまいそうだったから。
「窓から威勢良く入ってきたくせに最後は泣き落とし?ほんとに情けない主上だこと!」
「……ひくっ、」
「見苦しいわよ、泣くなら金波宮に帰ってからにして頂だい。出口はあっちよ、ほら!」
軽蔑の眼差しを向け、祥瓊は崩れ落ちそうな陽子を戸口へと突き飛ばす。強く、何度も。
「もういい!もう止めてくれ祥瓊!お前は正しい、お前の言う通りだ……だけど、やっぱり……
陽子は……おいらの好きなひとは陽子なんだ!」
楽俊は祥瓊を押し退けて陽子に駆け寄り、その泣き崩れそうな肩を抱き寄せた。
――嘘…陽子は涙にかすむ目で見上げた。
「楽俊、何を…」
余りに唐突な、その状況を把握出来ずにぽかんとしている祥瓊に楽俊は真剣な眼差しで言った。
「すまねえ祥瓊、利用するような真似して悪かった…おいら忘れようとして――」
「ふざけないで!何よそれ?私を馬鹿にしてるの?あなたさっきまで――」
祥瓊は楽俊に平手を打ち、掴みかかる。
「まあまあまあ落ち着け、娘」
「きゃーっ!!――何?何なのあんた達?!」
突然現れて仲裁に入る怪しげな男。祥瓊は脱ぎ捨ててあった小衫を手繰り寄せて身体を覆い隠した。
「延…王、どうして…」
唖然とする陽子、楽俊。そして祥瓊は我が耳を疑った。
「え?この人が延王?!延…台輔?…うそ…」
祥瓊はその場にへたり込んだ。
「いや、たまたま傍を通りかかったら何やら騒がしかったんでな、寄ってみた」「つーわけだ」
尚隆は六太と顔を見合わせ、神妙な顔で頷き合う。
「時に娘よ、景王と楽俊は我々も認める仲であり、この延も二人の前途を見守っている。
聡明な娘よ、この言葉の意味、分かるな?」
低く、だが良く通るその声。意味は分かった、だが祥瓊は首を振る。
「そんな……それじゃまるで私…馬鹿じゃない………そうね、馬鹿だわ私―――……はいはい、
よーく分かりました。仰せの通りに、雁王陛下」
祥瓊は大げさに平伏する。その瞳から零れ落ちる滴を誰にも気付かれないように――
――――終章―――
「ごめん楽俊、わたし景麒と、その…淋しくてつい……ほんとに謝って済む事じゃないけど」
陽子は小衫を羽織った楽俊の前に膝を付いて謝った。そんな陽子に楽俊も身を屈め優しく笑った。
「景王様に許さねえなんて言える訳ねえだろう、て言うと怒られるな。ま、おあいこだな」
「ありがとう、楽俊は私の一番大切な人だよ…ずっと前から、そしてこれからもずっと…」
「おいらもだ、陽子…」
楽俊は陽子の頬を拭い、その手を取って立ちあがる。そしてそっと唇を重ねた。
「やだ楽俊、みんな見てるよ…」
陽子は赤面し、楽俊の手を振り解こうとする。
「構いやしねえ」
そう言って楽俊は抱き寄せた陽子の唇を塞ぐ。
「ん……」
陽子の両手が楽俊の背中に回され二人はひしと抱き合う。一度は離れかけた距離を埋めるかの様に。
「阿呆くさ、帰るぞ尚隆」
六太はそんな二人に背を向け、尚隆を責付く。
「ちょっと!私はこんな時間に何処に行けばいいのよ?」
心底困惑した様子の祥瓊に尚隆は言った。
「祥瓊とやら、どうだ、俺と一緒に玄英宮に来ては?気晴らしに五百年鍛えぬいた宝重の切れ味、
試しては見ぬか?」
「え?…まあ、嫌ですわ延王様ったら御戯れを、ほほほ…」
そう言いながらも祥瓊はするりと尚隆の腕に絡み付く。
「変わり身の早い奴…」
呆れてすたすたと先を行く六太。戸口を出た祥瓊は振り向きざまに言い放った。
「陽子、あんたなんか大っ嫌い!でも金波宮には居させてもらうわ、陽子が台輔に悪さしないよう
に見張ってなきゃね」
「ふんだ。あんたこそ景麒に縋り付いて慈愛を注いで貰えば?尻軽女」
笑いを堪えながら陽子も負けじと舌を出す。
「あらいいの?じゃあ帰ったらそうさせてもらうわ。お休み、淫乱女王様」
尚隆に寄り添いながら、祥瓊は背を向け出て行く。その手を軽く振って。
そして静寂が訪れた部屋の中、二人は見詰め合う。
「…何だか突然二人っきりになると…却って照れるな」
そんな楽俊の言葉に陽子もこくんと頷き、頬を染めて俯く。
「楽俊、もう夜中だし……今晩…泊めてくれる?」
「国の方はいいのか?」
「景麒に任せた、後よろしくって。でも帰ったら絶対怒られるな…」
景麒の憮然とした顔が脳裏に浮かび、陽子はくすりと笑った。
「泊まるだけ、なら構わねえぞ…おいらは朝から講義があるから」
楽俊は素っ気無く答えた。
「もう!祥瓊とあんなことしてたくせに!」
陽子は頬を膨らませ、軽く楽俊を睨みつけて言う。
「わたしだって朝になったら帰るよ。でも…今夜は……一緒に居たいな」
もじもじと楽俊の袖を引っ張る陽子に楽俊は苦笑する。
「正直言って、少し休みたいんだけどなぁ」
「あ、そうそう、やっぱりまずはお風呂だよね、もう、身体中隅々まできれーいにしてくれなくっ
ちゃ私やだな…」
「いや、だから…聞いてくれって」
陽子は悪戯っぽく笑った。
「大丈夫!あのね、私いいこと思い付いたんだ……だから、ね?……」
そして含羞みながら愛しいひとに身を寄せる陽子の右手には、青く光る珠が握られていた。
「おい、夕べは愉しんだのか?」
「ああ、祥瓊は腰が立たんと言ってまだ寝ている…しかしあの娘、なかなかの逸品だったぞ。
器量も良いしな。楽俊は惜しい事をしたな」
「まさか!尚隆お前、陽子達を助けるんじゃなくてあの娘を頂くつもりで間に入ったのか?」
「さてな…」
「ったく!お前は一遍陽子にぶった斬られた方がいいぜ」
「はははは!」
「――ところで尚隆、例の件、近々景麒と打ち合わせすんだろ?」
「ああ、お前のお蔭で物も手に入ったことだしな…」
「ほんっと悪党だよお前は、こんな奴の片棒担がされてる俺って可哀想な麒麟だよなー」
「陽子に何も教えてやらないお前もまた、悪党だと思うがな」
―了―
最後の延王祥瓊がイイ!
もっと読みたい
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
途中陽子が悩みながら男前でクラクラドキドキしますた!
184さん、これまた良い話をありがとうです。
ニヤニヤしながら読ませていただきましたー。
女二人の、言葉のやり取りが、なんか、らしくていいです。
184さん乙でつ。
陽子のセリフでファンタスモモのCM思い出したよw
ふぁんた赤楽XX年3本目のCMは「景王赤子」。すっかりおなじみのこの十二国王様シリーズ、今回は女性の王が初登場。
と思ったら巻き髪縦ロール、薔薇柄の上着、赤いロングの裳と昔風のいでたち。これだけですでに何か起こりそうな気配。
景王赤子は朝議中。「治水の件に関しては・・・」と説明しているところへ愛鼠・楽俊が教室の前扉から突然乱入。
「陽子!」
(ちょっと待ってよ、誰なの?朝議中だよ。)と驚く臣下。
「今さら何だ!」と感情が一気にあらわになり、書面を投げつけ、それが景麒にクリーンヒットする。
(主上も主上だよ!一体何がはじまるの?)
「俺が悪かった。」あやまる楽俊。
「バカー!寂しかったー!」楽俊の胸に飛び込む陽子。
そう、あろうことか朝議の最中に「昼メロドラマ」がそのまま始まったのだった!臣下たちは驚き、そして呆れ、その成り行きをただ呆然と見守っている。
すると突然、後ろの扉から女史が登場。「このドロボウ猫!」
(自分の親友にそれはないよ。いいからとにかく朝議してくれよ。)
「朝議しろよ・・・」とやりきれない気持ちになる臣下。
ふぁんたのシズルがはじけ、ゴクゴクと青空の下、気持ちのいい土手に座りながら、おいしそうに二人の生徒は、ふぁんたすももを飲みます。
「夏のふぁんた! すもも出た!」
日頃のモヤモヤが吹き飛ばされて、満足そうな笑顔で気分すっきり!
元ネタ
ttp://www.mikuni-ccbc.co.jp/syouhin/f_sumomo0306.htm
二人の生徒→禁軍左軍将軍と大僕 で。
おふざけスマソ。
184さんのよかったでつ
>>441 爆笑。あのテンポで脳内再生すると面白すぎです。
445 :
184:03/08/30 00:42 ID:d+dX8MZl
ありゃ、そんなCMがあったとは知りませんでした。
確かに今回のは多分に昼メロを意識して書いたんでつが、
しかし妙に台詞などかぶってるのが何とも恥ぃ…
>>184 グッジョブ!!つか祥瓊…ますます大きな後ろ盾ができたのでは(w
>>441 ワロタ。
184たん乙悦!
内容も萌え〜でしたが、>妖魔の癖に溜息をつくな!
に爆笑してしまいますた。
>>184 途中、漏れの脳内で祥瓊の髪が赤くなってしまいまつた(w
あんーなーに いっしょーだあーったーのにー
>>184タソ乙津!
つーか、尚隆×祥瓊カプに激しく目覚めてしまった四(・∀・)
>447 ますます大きな後ろだて
祥瓊って、あの氾王にも気に入られてたもんなあ・・・(w。
芳国公主として散々、目や耳(?)肥やしてるしね。
鼠は?鼠はどうした?
――いた。
倒れ伏す人々。その下敷きになった鼠。毛皮は血で赤く染まっている。
『――止めをさすんだよぉ…』
聞き慣れた聲がする。
『殺すんだァ!あの鼠はきっとお前を裏切る!その前に…わかるだろう?』
そう、私は獣だ。
自分が生き残るために人を殺す。
門を開いた。衛士が駆け寄ってくる。
私は楽俊の元に走り寄ると、剣を真下に構えた。
ザグシュウッ!
生々しい音と共に、剣が鼠の腹に突き立てられた。
内蔵を断ち切る生々しいに感触が伝わった。鮮血と共に。
――だがしかし、その瞬間、私は思い出したのだ。
『ヒャアアアアハハハァァァッ!とうとう、殺っちまったなあ、赤子』
楽俊と旅をした日々。
烏号での再開。初めて得た友達。
玄英宮でのこと。
――二人で交わした誓い。
私は、私は楽俊を――
『それがお前の正体さァ…』
私は時を遡り、再びここへめぐってきた。
いや、違う。今までみていた者こそ、幻に過ぎなかったのだ。
そして――
あぁ…なんてことを…
脳裏に浮かぶ。家をでる楽俊。言葉を交わす母。
あぁ、あの母はどれほど嘆き悲しむだろうか。
――オイラ、以前から関弓に行きたいって言っただろ。
そう、そこで彼は大学に入り、新しい人生の航海をはじめるはずだったのだ。
だが、その未来は永久に奪われた。
私が…私が…
楽俊を殺してしまった……
『これが、本当のお前なのさぁ。本当の未来なのさぁ。』
ごめん、ごめん…楽俊…
そうして、私は二度と戻らない過去に別れを告げた。
>>441 >「俺が悪かった。」あやまる楽俊。
>「バカー!寂しかったー!」楽俊の胸に飛び込む陽子。
ありえそうでワロタ
CMのパロっておもろいなw
こんばんわ、へたれです。
このところ更新が滞りまして大変申し訳ありませんでした。
そのうえ、私情につき、これ以上の維持・管理が出来なくなってしまいました。
(昨日辞令が出まして、部署異動&転勤となりました)
急で非常に申し訳ありませんが、ネットに接続できる時間があるうちに閉鎖の予定です。
何よりも、次にこのスレにくるのが何時になるのか分からないのが寂しいです・゚・(ノД`)・゚・
一ROMとして職人さんの作品読むのが楽しみだったのに・・・・・・。
色々と至らないこともありましたが、今までありがとうございました。
>>457 お疲れさまでした。m(_ _)m
お忙しくなるようで、大変かと思いますがお仕事がんがって下さい。
>>457 書庫がなくなるのは惜しいなぁ。
誰かが引き継いで管理できませんか?
まあ、例の保管庫にお願いするのも手かもしれませんが。
司書さまには今までアリガトン!と言いたいです。
460 :
184:03/08/30 22:28 ID:AlzN8Z2d
>司書様お疲れ様でした!
私は前スレから読み始めた新参者ですが、書庫のお蔭で
それ以前の名作もバッチリ読むことができ、感謝しております。
またここにもいらして拙い私のSSなどにも感想頂ければ幸いです。
>昨夜の拙作に感想下さった皆様
意外にも祥瓊×延王の続きを、という天命があることにやや驚きです。
ならば、とさわりだけ書いてみましたが…
「どうだ、気分は?落ち着いたか?……」
「――はい」
祥瓊にとっても本気の恋だった。そして余りにも短く、呆気無いほどのその恋の幕切れ。
禁門を抜け、寝静まった深夜の内殿の奥、正寝に連れられるや否や涙も枯れよとばかりに泣いた。
「そなたには悪いことをした」
延は穏やかにそう言った。
「いいえ、どうか御気になさらずに。私は陽子も楽俊も大好きなんです……二人とも私にとって
決して失いたくない大切な友達。だから、あれで良かった…延王様には感謝したいほどなのです…
…こんなこと、二人には恥ずかしくて言えませんけど」
泣き腫らした瞼で、祥瓊は照れくさそうに微笑んだ。
「本当は…分かってたんです。最初から楽俊の気持ちが私には向いていないこと――だけど私は初
めて男の人を本気で好きになった。我ながら馬鹿な真似したなって思うけど、本気だった……」
「そうか…辛かったろう」
延は目を伏せ華奢な肩に手を置いた。
「忘れさせて、下さいますか?…延王さま……」
飽きるほど泣いたのにまた潤む紫苑の瞳で祥瓊は見上げた。
「尚隆と…」
「…尚隆さま……」
見上げたままそう呟くと祥瓊は目を閉じた。
462 :
184:03/08/30 22:39 ID:AlzN8Z2d
とまあ、こんな感じですが…
本編の補完としてはこれで終わればすっきり綺麗かな?
と萌えスレ育ちの私は思うんですが、やっぱり…
>457
いつも書庫を楽しませて頂いていました。
お仕事ガンガッテください。
464 :
名無しさん@ピンキー:03/08/31 00:30 ID:nu4nYeC+
>457
なんでしたら、引き継ぎましょうか?
465 :
464:03/08/31 00:31 ID:nu4nYeC+
上げてしまった、スマソ。
延王祥瓊もっとキボン
>>457 司書さま、お疲れ様でした!!
言葉にならないくらい感謝してまつ
あらためて書庫の内容の多さに驚いてみたり
寂しいでつ゚・(ノД`)・゚・
お仕事がんばってください
>司書様
お疲れ様でした。
今まで、ありがとうございました。
お仕事大変かと思いますが、がんばってくださいね。
>464様
おぉ、引き継いでいただけるのですか?
やっていただけるなら、嬉しいっす。
私が言うのも変ですが、お願いしてもよろしいでしょうか?
>462氏
続きは読みたい気はするけど、184さんが良いと思う形で
終わらせるのが一番いいと思うよ。
いずれにしても次作は期待。
>>457 残念です。
でも、今までご苦労さまでした。
470 :
403:03/08/31 13:29 ID:BTzqkltL
しょーもない小ネタにレスをくださいましてありがとうございます。
オチとして一応続編を考えました。
やっぱりエロなしで、その上キャラが壊れているので、それが不快でないければお読みください。
>司書さま
御苦労様でした。
いままで管理ありがとうございました。
お仕事ガンガッテください。
「ねえ、陽子、最近沈んでない?」
鈴は書房で溜め息吐き吐き仕事する陽子を戸口から盗み見ながら、傍らの祥瓊に声掛けた。
「…え?ああ、そうね。多分『あの事』が祟っているのよ」
「『あの事?』」
怪訝そうに鈴が言うと、祥瓊は「忘れたの?」と言った。
「ほら。女官等の悪戯書き。『抱かれたい 漢 順位表』のことよ」
「…やだ、陽子ったらまだ気にしてるの?」
ええ、と祥瓊は軽く息を吐く。
「慕われている、と言うのは良いことだけど、同性から漢扱いの眼差しで見られて複雑みたい」
「そぉね。流石にそれは、陽子でなくてもちょっと…」
――女にばかりもてても…。
僅かに同情を染み込ませた眼差しで、鈴は書卓で書簡を読み下す陽子を見詰めた。
「…でも、そういう見方をされるのは、陽子にも多分に原因があるのよ」
祥瓊は何処か含みを覚える言い方で呟く。鈴は瞬き、陽子から祥瓊に目を移した。
「何よそれ?」
「この間のことよ。陽子と廊屋を歩いていた時、女官の一人が段差に足を引っ掛けて転んでしまったの…」
祥瓊は語り始めた。
――陽子を筆頭に、祥瓊と数名の女官が付き従うように後宮を歩いていた。
その時、少し不注意な所のある女官が、僅かにあった段差の処で裾を踏み、派手に転んでしまった。
途端に降り注ぐ冷たい視線。
彼女は、周囲の視線から注がれる侮蔑の目に怖じ気づき、立ち上がることが出来なかった。
そんな嘲りの目を縫って、陽子は床に臥す彼女の元に歩み寄った。
「…大丈夫か?」
陽子は言うと膝を折り、自ら手を伸べて彼女を抱き起こした。
「大事はないね?」
陽子が再度問うと、彼女はしどろもどろに頷き、ついで礼を述べた。
「そう。よかった。その珠のような肌に瑕でもついたら、折角の美人が台無しになるからね」
そう言って陽子はふっと微笑み、彼女から手を離した。
残された女官は、最早夢見心地で陽子に見蕩れている。
周囲にいた者は、立ち昇る悋気を隠そうともせず、助けられた女官を凝視していた。
陽子は何事もなかったかのように先頭に戻り、また歩き始めた。
祥瓊は後方から漂ってくる嫉妬と羨望の空気に身の毛をよだて、
「――…ちょっと。片っ端から悩殺して火種捲いて行くのはやめなさいよ」
と小声で陽子に釘を指した。しかし、陽子は小さな伝達に、怪訝な顔をする。
「…何を言っているんだ?」
――陽子は無自覚だった。
「………」
「…私は救いの手を伸べる陽子の後ろに、大輪の花が乱れ咲く幻影を見た気がするわ…」
「………」
鈴は、遠い目で過去を語る祥瓊の横顔を無言で見ていた。
「…自覚がないから、どうすることも出来ないし…」
「――…悪い事ではないのだろうけど…」
二人は顔を見合わせ、溜め息を吐いた。
同じ頃、違う角度から陽子を見守る二対の目があった。
一つは彼女の下僕のもの。もう一つは、彼女の師のものである。
「…して、如何なさいます」
遠甫は問い掛けた。
「どうやら主上は落ち込んでおられるようじゃ」
「それは分かるのですが――」
景麒は具体策を見出す事が出来ず、歯切れ悪く答えることしか出来ない。
そんな景麒に、遠甫は軽く示唆を与えた。
「…差し出がましいようじゃが、こう云うとき、主上をお慰めするのも、台補のお役目かと」
「…主上を、お慰めする…?」
然様、と遠甫は言った。
「主上の気が晴れるように取り仕切って差し上げては如何ですかな?」
――気が晴れるように、と言われても…。
景麒は眉間に皺を寄せた。
人を喜ばせる、楽しませる、笑わせるというのは、景麒が最も不得意とする分野だ。
一体如何すればいいのか、皆目検討もつかない。
「…あまり小難しくお考えにならぬよう…」
黙然と考え込む景麒に、遠甫は重ねるように最後の手がかりを教える。
「ご自分が為される範囲の事で、主上にして差し上げられることをなさればよろしい」
そう言って遠甫はその場から居なくなった。
――自分の出来る範囲の事で、彼女にしてあげたいことをする――。
「…そうだな…」
景麒は何かを決心したような顔で蒼空を見上げた。
――その晩、景麒は自由な身体になると、主人の臥室に訪れた。
陽子は夜更けに近い時間帯に現れた下僕に少し驚いたようだったが、特に気にせず景麒を堂室に招き入れた。
景麒に椅子を勧め、彼がそれに従うと、陽子はその正面に腰を下ろした。
この時、景麒は既に主人を『慰める』為に来ていたが、いざその段になると躊躇してしまう。
微妙な沈黙の後、景麒は「…なにやら、最近お元気がないようで」と話を切り出した。
「え?そ、そう見えるか?」
「はい、いま少し。――如何なさったのか、と一応心配申し上げております」
「…お前に勘付かれるのだから相当だな」
自嘲気味に不躾な事を言い、陽子は景麒に笑いかける。
「…気にしているつもりはなかったんだが…」
陽子は独り言のように呟き、胸の内で考え込んだ。
手放しで『元気』というわけではない。それは陽子にも判っていた。――何故そうなのか。それも陽子はちゃんと知っていた。
――普段頭を悩ます苦悩と比べれば、大したことではないのだが。
「…なあ、景麒。――…わたしってそんなに魅力ないか?」
暫く思い悩んだ結果、陽子は呟くように問いかけた。
――女王と折り合いが悪いこの国で、とかく女らしさを省くよう努めてきた。
だからいまさら『女』として扱われたいわけではないし、『女』らしさが欲しいわけでもない。
それでも女に生まれつきながら、それと正反対の性に流れ、同性のものにもてはやされる事に或る種の空しさを感じる。
――せめて言い寄る男がいれば違うだろうに。
しかし、男のほうが多い宮廷内では、怨まれこそすれ、そのような目に見舞われた事は一度もない。
身分や何かを抜きにしても、そういう接触を試みようとする者もいない。
鬱陶しくもないが、それはそれで結構哀しくもあるのだ。
――要は、性的魅力が欠如しているのではないだろうか?
例の『順位表』を見て以来、女性らしさを不要としながら女性らしさを求める矛盾が陽子の胸にはあった。
そして、色事に疎そうな下僕に莫迦なことを訊いているという意識もあったが、問い掛けずにはいられなかった。
「なぁ…お前は、どう思う…?」
「主上は、とても魅力的であられますよ」
質問に答えると、景麒は卓の上に置かれた陽子の手に手を伸ばし、ぎゅっと握った。
陽子は普段絶対しない行動を取る下僕にいささか動揺する。
「…景麒?」
「主上御自身が、それにお気付きでないだけです」
――かたり。
手を握ったまま椅子から立ち上がると、「主上」と景麒は陽子に詰め寄った。
陽子はいつもとは多分に違う下僕に違和を覚え、軽くうろたえた。
「…そのように思い悩んでいるお姿は、主上には似つかわしくない。
――今日此処に参じたのは、その憂いを除く為。
微力ながら、主上をお慰め出来ればと、参った次第です」
「お前、一体何を…?!」
戸惑った陽子の声には答えず、景麒は胸元をくつろげ、白い胸を晒した。
そのまま着衣を乱し、半裸に近い姿になって陽子に迫る。
(――こ、この状況は…!!)
焦って席から立ち、陽子は逃げるように後ろに下がった。
「ま、待て!!落ち着け!景麒!!」
「…私は落ち着いております」
陽子が逃げるたびに、景麒がその分を塞いでいく。
そうこうしている内に、陽子は壁際に追い詰められてしまった。
完全に逃げ場がなくなった陽子に、景麒が最後の一歩を踏み込ませてくる。
陽子は初めて迎える局面に、動悸が速まるのを感じた。
「け、景麒――」
「主上…」
景麒は顔と顔が触れるほど近くまで迫ると、陽子の両手を取って包み込み、力強くぐっと握り締める。
そして息を吸い、はっきりと告げた。
「さぁ、私をお好きになさい…!!」
――……はぁ?!
陽子は顔を引き攣らせる。景麒は陽子の手を握ったまま、真顔で言い切った。
「…真実を申しますと、私が主上に対し何が出来るのか、考えもつきません。それでも私は主上をお慰めしたいと思う。
…ならばせめて、主上にこの身を任せ、御気の済むようになさればと思いました…!」
――瞳が本気を語っている。
景麒の目を覗き込み、陽子は彼が本心からそう言っているのだと云う事を理解した。
偽りのない態度に――偽りが無いからこそ――陽子の胸に、ふつふつと怒りが湧き上がってくる。
景麒は陽子の怒り度数の上昇に気付かぬまま、台詞を決めた。
「どうぞ、私を自由にして下さいませ!」
――つまりなんだ、要は『抱いてくれ』と云うのか。
こう云う台詞はふつう女が言うものと相場が決まっているのに。ていうか女のものだろう。
(――貴様もか、景麒…!!)
「ふっ……ざけんなよっっ!!」
陽子は思わず頭突きをかました。景麒が怯んで手を離した隙に襲撃の体勢を取る。
「この朴念仁!生まれ直して来い!!」
怒りの鉄足が景麒の脇腹にめり込む。中段廻し蹴りをまともに喰らい、景麒は後ろに吹っ飛んだ。
ぜぇぜぇ、と陽子は肩で息をしている。
(…一瞬でもこいつにときめくとは。わたしもついにヤキがまわったようだな…!!)
うだつの上がらない下僕と早とちりな自分に情けないやら恥ずかしいやらで、陽子は立腹していた。
一方、打っ飛ばされた景麒は床に座り込んで腹を押さえ、広がる痛みにうめいていた。
「…い、痛い…」
間延びした声で呟く。
怒り浸透しながらも、陽子は茫然自失状態の下僕の姿を見て、少し冷静さを取り戻した。
「…生まれてこのかた、このような事は…。舒覚様にすら、手を上げられたことはなかった…」
平静の彼らしくない間抜け姿と思いがけずに呟かれた先王の名が、陽子の胸に罪悪を植え付けた。
「ご、ごめん…。かっとなってつい…。大丈夫か?!」
駆け寄ってくる主人の謝罪を無視し、のろくさと景麒は呟いた。
「―――――いい…」
「…は?」
「こんな強い刺激は初めて受ける…」
景麒は軽い眩暈に酔っ払ったような顔をしていた。
脇腹から派生した痛みが時間を掛けて全身に廻る。
しかし、時が経つにつれ、その衝撃と痛みが快感に変わっていくのがわかった。
――刺激的なイタさが、気持ちイイ。
蹴られてうっとりした表情を浮かべる景麒を見遣って、陽子は一旦険しさの解けた顔をまた引き攣らせた。
嫌な予感が胸を登りつめていく。
(こ、これは、まさか――…?!)
「主上!!」
景麒は突然ガバリと顔を上げると、傍らにいる主人の肩を掴んで力強く言った。
「殴って下さい。」
「あ゛?」
「今のでわかりました。主上は御身に『すとれす』とやらを溜め込んでおいでなのですね?
然らば私は、その蟠りを受けて立ちます!――さぁ、思う存分この身に打ち付けなさい!!」
「わけのわからん解釈をするなぁぁ!!」
陽子は瞬発的に手刀をかました。
「はぅぁぁ…っ」
今度はあからさまに嬉しそうな声色で悶え、景麒は地面に倒れ込んだ。
「…ま、まだまだ…!主上のお悩みはこの程度では薄れぬはずです…!!」
そう呟いて驚異的な回復力で立ち直ると、景麒は蹴り倒した反動で引っ繰り返っていた陽子に詰め寄った。
虚ろな半笑いで迫り来るさまは、恐怖映画に出てくる怪物よりも恐ろしく、性質が悪い。
(――危険だ。)
陽子は思った。
こいつは危険だ。――違うイミで。
陽子は床を擦るように後退する。景麒はその足首を掴み、縋り付いて言った。
「遠慮などなさらずに…!さあもっと…思うがままに攻められるがいい…!!」
「ぶっ、不気味な言動で迫るな!!熱っぽい目で見るな!!寄るな、触るな、引っ付くな!!」
再び拳がはじけ、景麒は床に平伏す。しかしまたすぐ起き上がって迫った。
「…な、何のこれしき…!!もっと激しくても構いません!いえ、もっと強くお殴りなさい!!」
途中から明らかに趣旨が変わっている。
「それが不気味だと言うんだ!!いい加減に目を覚ませ、この大馬鹿者ぉッ!!!」
陽子の願いを込めた渾身の肘鉄が、景麒の横腹に綺麗に決まった。
景麒は言葉どおり、『強くて激しいの』を喰らって前のめりに崩れ落ちる。だがやはり、すぐさま回復し、面を上げた。
紫の瞳が、きらりと妖しく揺らめいて輝く。
「――ああ、しゅじょぉうっ!!」
歓喜の声で叫ぶと、景麒は思い切り陽子に抱きついた。
「もっと…!!もっと私を滅茶苦茶にして下さいませ!!」
『目を覚ませ』という陽子の叫びは、陽子の願いとは真逆の方向に効いたらしい。
「いぃやぁぁぁぁぁ!!!!」
叫喚が夜の臥室を貫く。最早、完全に理性を無くしたケモノを手懐けるのは不可能に近かった。
二人はそのまま床の上で縺れ合い、ひたすら殴打、撃沈、復活を繰り返す。
「も、もういやだ!!何でわたしばかりこんな目に遭う!!!」
切実な叫びが夜の間に響き渡った。
「…どう思う?あれ」
堂室の外に、中の様子を窺う二つの影がある。
陽子を元気付けようと来たものの、先客があった為入るに入れなかった鈴と祥瓊であった。
二人は中から響く物音に耳を傾け、状況を推し量っていた。
鈴の問いに、祥瓊は答える。
「…さぁ。深く考えたくもないけど、どうやら台補は被虐性愛者だったみたいね」
「でも、嫌がる処に無理矢理迫り倒して悦んでるから、加虐性愛者かも知れないわ」
「どっちに転んでも変態よ」
祥瓊は吐き棄てた。
「――祥瓊。これは」
解ってるわ、と祥瓊は強く頷く。
「これは極秘。誰にも言っちゃ駄目。だってこんな事が周囲に知れたら、皆の士気が下がるじゃない」
「そうね。世の中には知らないほうが幸せな事もある…。これは私たちだけの秘密にしましょう」
二人は、がしっと手を組むと、力強く頷き合う。
「…ところで、助けたほうがいいのかしら?」
「どうやって?」
口に出してみたものの、画期的な打開策をひねり出す事が出来ない。
二人は顔を見合わせ、憐れむように堂室の中を見遣る。
「………陽子、強く生きるのよ…」
「わたし達が見守っているわ…!!」
これは決して見捨てたわけじゃない――二人はそう言い訳すると、その場からそっと姿を消した。
――こうして、東国の夜は更けて行く。王の臥室を除き、慶はそこはかとなく平和だった。
(おわり)
480 :
403:03/08/31 13:53 ID:GjYkVVjw
えーと、とりあえず申し訳ありませんでした。
それでは!!
>こいつは危険だ。――違うイミで。
昼間っから大爆笑しちゃったじゃないですか!
>403さんグッジョブ!!
最初から最後まで楽しめましたです。
よかったらまた(続きでも新作でも)書いてください!
被虐性愛者景麒、ある意味最強・・・
受なんだか攻なんだか。でもやはり被虐ですな
昼間から爆笑しますた。
>403さんゴチですた!!
>これは決して見捨てたわけじゃない――
見捨ててるし!(禿笑
メラメラ爆笑させて頂きました!
ヨコタンさすが「漢」!漏れも抱かれたい。
>>403 昼間から爆笑させて頂きました。
貴方の書くSSのノリがかなり好きです、是非また新作をお願い致します。
>へたれ司書さま
長い間お疲れ様でした&ありがとうございました。
お仕事がんがってくださいませ。
>403さん
面白かったです。
陽子の頭突きに笑いました(w
マゾ景麒ワロタ
>>403さん
またまたワロタw
ここは投下される作品の幅が広いよね〜ホント良スレだ(・∀・*)
>403さん
景麒、お前・・・と PCの前で思わず沈黙、のあと爆笑した。
>へたれ司書様
これまで、きれいな書庫を作って下さってありがとうございました。
環境が変わってのお仕事、大変でしょうががんがってください。
>464さん
引き継いで下さるのなら有り難いです。
上手く引き継ぎができるといいのですが。
>>461からの続き....
尚隆は祥瓊の濡れた唇を啄み、舌は口中をまさぐり逃げ惑う少女の舌を追い回し絡め捕る。
「ん………ふ……」
熱い吐息と共に絡み合う舌と舌。それはいつ終わるのかと思えるほどに長く、狂おしいほどに甘い
くちづけ。いつの間にか祥瓊は進んで尚隆の舌を追い求め、漸く尚隆の身体が離れると祥瓊は名残
惜しそうに切ない吐息を洩らした。
頭がぼうっとする。目を開いても視野が霞んでいる。尚隆に掴まっていないと倒れてしまいそうだ。
尚隆は祥瓊の着物をはらりと床に落とし、小衫一枚になったその腰に片手を廻す。
綺麗に櫛通された紺青の髪を指で梳き、耳許から頬を、可憐な唇から華奢な顎、そして白磁のよう
な首筋へとなぞる様に優しく指先は散策する。
「はぁ…………」
祥瓊は目を閉じ、柔らかな風に吹かれるような心地良さに身を委ねる。尚隆の指は首筋から肩に降り
やがて小衫に隠された緩やかな曲線を描く丘に辿り着く。
「ぁ……ん…」
生地を隔てて優しく撫で回され、たおやかに息づくその丘。むず痒いようなもどかしさに吐息が洩れる。
指先がさまよう丘、それを包む白く薄い小衫にその存在を主張するかのように、小振りの蕾がくっ
きりと浮き出してくる。指の腹がそれを円を描くように撫で回し、くすぐる。祥瓊の身体は小さく
震え、自らその手を掴んで袷に導き入れた。
導かれた右手はもはや遠慮を無くし、たわわな乳房を余すところ無く蹂躙する。
「ゃ…あぁ」
袷がはだけ、こぼれ出した乳房に尚隆は顔を近付け、手と唇で柔らかな感触を堪能する。
舌先は固く起った乳首を転がし、唇がそれを啄み、甘噛みし吸い上げる。指先は白く瑞々しい乳房
を飽くことなく捏ね回した。
「はぁ…ぁ、あぁん……」
尚隆の右手が徐々に下りて行き小衫の帯を解く。開いた身頃から忍びこんだ手の行く先、薄く茂った
丘に隠された祥瓊の扉は既に泉から湧き出た蜜でしっとりと潤っていた。
祥瓊が僅かに脚を開き、その深奥へと進められた指先は濡れた音と共に難なく開く扉に迎え入れら
れた。潜った指が猫が水を飲むような音を立て、祥瓊は恥ずかしさに顔を覆う。
「あ、いゃ……恥ずかしい…」
潤みを掬った尚隆の指先はそれを塗り広げるように後のすぼまりから茂みの縁へと往復し、その度
に祥瓊の秘めた真珠の粒を擦り上げる。
「ひぃっ…くぅ、ん……ぁ…やっ、そこ、だめぇ……」
祥瓊は溢れ出したものが伝い落ちる太腿で尚隆の手首を挟む。動きを封じられた右手は指先を折り
曲げて祥瓊の虚海へ没して行く。
「いやぁ…尚隆さま、…もう、立って…んっ、いられない……どうか…」
がくがくと震える膝。脚に力が入らない祥瓊の細い指先が尚隆の背に食い込む。尚隆の右手が
膝の裏に廻され、祥瓊はふわりと身体が浮き上がるのを感じて小さく悲鳴を上げる。
「きゃ、…」
広い牀榻に下ろされた祥瓊は脚を擦り合わせ、胸を両腕で覆いながら言う。
「今夜だけ、今夜だけで良いのです……どうか、愛してください…私を、可愛がって……」
見上げる祥瓊。その紫苑の瞳が潤んでいるのは、もう悲しみのせいだけでは無いのかも知れない。
「もう何も言うな…」
尚隆は優しくその唇を塞ぐ。
「獣の宴が始まる――」
閨に間続きの露台に立ち、ぼんやり月を眺めていた六太はそう呟くと姿を消した。
程なくして人とは思えない狂喜の声が響くだろう。いつからか、それが常となったその場所から――
「鷹隼の一瓊、か――なるほどな…」
「知っていたの…ですか?」
長かった夜の終わりを告げ始めた窓の外。その空を見ながらぽつりと呟く尚隆に、目眩く快楽の
余韻に浸り褥に包まっていた祥瓊は身を起こした。乱れた髪が情事の激しさを物語る。
「先の芳国公主、孫昭…字は祥瓊。峯王崩御の後、野に隠るるがその後供王に召抱えられるも消息
不明――宝玉を盗んだ罪で国外追放処分となる……大した経歴だ」
尚隆は乱れた紺青の髪を梳かすように撫でながら薄く笑った。
「そして景王に取り入り、愛する人を奪おうとした愚かな女…」
祥瓊は窓越しの空を見詰め自嘲する。
「これからは延の愛人、と言う肩書きも追加だ。公には出来ぬがな」
「!……尚隆さま…また御逢いして…下さるの?」
「不粋なことを訊くな…」
尚隆はその胸に優しく抱き寄せる。その刹那の空と同じ色の髪の少女を――
―了―
492 :
184:03/08/31 23:54 ID:XjacUuBo
ご不満の声もあり何だか自分も続きを書きたくなったんでちょっとだけ書きました。
ただ次作でエロモード全開にしたいんで今回は姑息に端折らせて戴きました(汗
結局不完全燃焼気味で終わってしまいましたが、最後の降りで
このカプにも先があるのかな?ってことでどうか御許しを!
結果的に小出しになってしまったこと、申し訳ありませんでした。
>403さん
グッジョーブ!!笑いながら読ませて頂きました。テンポが軽快で最高です。見習いたい!
>「大丈夫か?」のところで自分も景王さまに抱かれたい!ってマジで思いましたw
獣の宴!
良い〜!!
尚隆さま、守備範囲広くて素敵。
>403さん
GJ!
無気味に目を輝かす景麒イイ!
>184さん
乙華麗!
情緒的でナイス。
次のも楽しみにしてます。
>>184タソ
乙ーーーーー!!
尚隆祥瓊、他でも探してしまいそう(・∀・)
>>403 禿ワラタ!
>舒覚様にすら、手を上げられたことはなかった…
藻前は某安室かと(ry
497 :
464:03/09/01 11:21 ID:mymzFPH2
>へたれ司書さま
お忙しいようなので、アド書いておきますね。
色々方針についてお伺いしたい事もあるので、早めにメル下さい。
498 :
403:03/09/01 15:07 ID:2o12sHce
温かいレス、またまた感謝です。
お優しい言葉に甘えておまけを書きました。
相変わらずキャラ崩壊継続中ですが、それでもよければどうぞ。
>>184さま
文章の書き回しが素敵です。
カプも新鮮でドキドキしますた。
次も楽しみにしています。
目を通すべき書類を全て片付け、軽く一服している陽子の元に、非公式に客人が訪れた。
「よぉ!!」
軽いノリで挨拶する隣国の麒麟に、陽子は破顔する。
「これはこれは延台補。また、唐突なお越しで」
「へっへー、散歩だよ」
言って六太は書卓に歩み寄る。そしておもむろに助平笑いを浮かべると、声を低くして「聴いたぞ〜」と言った。
「え?何を」
またまたぁ、と六太は井戸端会議のオバちゃん宜しく手招きをする。
「景麒との事。…陽子ってハゲしいんだってな」
「はいぃ?!」
突拍子も無い言葉に、陽子は素っ頓狂な声を上げた。六太は愕然とする陽子に向かって白い歯を見せる。
「いやー、雑談がてらに景麒と最近どうよって話したら、あいつがとうとう陽子と一夜を共に過した…って」
そう言って六太はニシシ、と笑った。
陽子は予想もつかない交流に、あんぐりと口を開けた。
――童貞を棄てた高校生じゃあるまいし。そんな事をいちいち他人に報告するのか?!
(――と言うより、『そんなコト』はしてない!!)
いち早く我を取り戻すと、陽子は弁明を試みた。
「ま、待ってください!違います。誤解なんです!!」
「違うって何が?あれだろ?一緒に朝を迎えたんだろ?」
「た、確かに…結果だけを見ればそうなりますが――」
上手い言い回しが思いつかず、語尾はごにょごにょと消え入ってしまう。
陽子は事実の通達を言いあぐねていた。
――確かに陽子は、景麒と一晩を共にした。睡眠を、という意味だが。
結局あの晩、景麒はトチ狂ったまま何処までも陽子に迫ってきた。
陽子は迫られるたびに全力で追い払ったが、そこは腐っても神獣といった所か、景麒はちょっとやそっとの事じゃ痛手を受けない上に、異常に回復が早かった。
陽子もただの人間の身体ではないため、殴っちゃ追われ、蹴っては迫られ――という、終わりの見えない鬼ごっこをひたすら繰り返していた。
そんな不毛な戦いに終止符を打ったのは冗祐の助太刀である。
当初冗祐は、直接の主人である景麒に仇為すような真似は、と居ないものとして振舞っていたが、その主人のあまりの醜態に見かね、延髄に改心の一撃をくれて景麒を気絶させたのだ。
「――あ、ありがとう…たすかったぁ…」
陽子は半泣きにに近い状態で、心の底から礼を述べた。
『礼には及びません…。しかし、このことは――』
不可抗力とはいえ主人に手を出した。冗祐はその事に責を感じていた。
「心配するな。お前はわたしを助けてくれた。そんなお前を責めさせやしない…。冗祐のことは、わたしが守ってみせる…!!」
有難う御座居ます、と礼を残し、冗祐は沈黙した。
(――本当に漢前な方だ――。)
冗祐は思ったが、嫌味にしか成らないと解っていたので、敢えて伝えなかった。
対話が終ると、陽子は力尽きてそのまま眠りの森に沈んだ。
床の上で景麒と折り重なって倒れている――それは、失敗すれば心中の現場に間違われそうな光景でもあった。
翌日、陽子はそんな状況で、鈴に起こされた。
鈴はよく見なくても異常だと判る場面に対して何故か何も言わず、普通に陽子を起こし、普通に洗顔を勧め、普通に見繕いを促した。
陽子が起きた時に景麒も目覚めたが、暫くの間、景麒は前日の事をよく覚えてないような顔で惚けていた。
判らぬならそれでいい――陽子は深い説明を避け、景麒を自室に帰して衣を改めるよう命じた。
(―――…覚えていないと思っていたのに!!)
陽子は歯軋りした。
――あれは寝惚けていただけか――!!
悔恨ばかりが胸に拡がる。
真相を知って今更後悔する陽子を尻目に、六太はニヤニヤ笑いながら言った。
「何でも、景麒が気絶するまでヤリ続けたんだって?やるね〜陽子!!」
「…ぁんの莫迦ッたれ…!!」
性的侮辱を当てこする重役のようなからかい方をしてくる六太より、普段は言葉足らずなくせにどうでも良い事はペラペラと喋る部下の方が癪に障った。
――大方、例の『説明にならない説明』で中途半端な状況報告だけしたのだろう。
「あいつ…!!」
陽子は勢いよく椅子から立ち上がると、六太を放って書房を飛び出した。
「な、なんだー?」
いきなり置いていかれた六太は、興味津々、と目を輝かせる。書卓を飛び越えると、すぐさま後を追い駆けた。
――ばたばたばたばたばたばたっ
けたたましい足音を立て、陽子は王城を駆ける。
この時間は書房で執務のはず――。
陽子は一心に景麒の書房を目指し、廊屋を疾り抜けた。
「ちょっと、陽子?!どうしたのよ?!」
祥瓊は凄まじい形相で走ってくる陽子に出会い、吃驚しながらも声を掛けた。
しかし、思考回路に余裕のない陽子はそれには答えず走り去ってしまう。
「何なの…?」
無視されて祥瓊は呆然とする。その前を、物凄い速さで六太が通った。
「え、延台補?!」
友人と、それを追いかける隣国の宰補を目の当たりにし、祥瓊は反射的に駆け出した。
「お、お待ちください!!一体、何が――?!」
六太は走りながら、後ろから聞こえてくる祥瓊の問い掛けに「さあ、急転直下の大展開だぁ!!」と答えた。
(――何よそれ?)
全く答えになっていない。
結局、祥瓊は最後までついて行く事に決めた。
景麒の書房につくと、陽子はそのままの勢いで中に踏み込んだ。
書卓に座す金髪を見付け、刹那、書卓に飛び乗り、正面から首を締め上げる。
「あぐはぁ!!」
景麒はいきなり訪れた虐待に声を上げた。
「こンの戯けぇ…!余計なことを喋り散らしやがって…!!」
陽子は両手でギリギリと締め上げながら怨念を呟く。
「…しゅ、しゅじょぉ、こんな、明るい内から…!!今は駄目です…っ。ひ、人目につきますぅ…!」
真っ昼間から求めてきたと曲解した景麒は、途切れ途切れに呟いた。
「あ゛ぁ゛?!」
陽子は早くも被虐態勢に入った景麒に苛立ちを漏らす。
「な・ん・の・は・な・し・を・し・て・い・る・ん・だ…ッ!?」
間歇に喋りながら、締め付ける指に力を込めた。
「あっ…あぁあ…ッ!そ、そんなに締めつけてわぁ…っ」
窒息しそうな程に首を締められているにも関わらず、景麒は物凄く嬉しそうだった。
喜悦に息を吐く下僕の動きが、陽子の苛立ちに油を注ぐ。
陽子は震える手で景麒の首を締め上げ続けた。
「気色の悪い声をだすんじゃない…!!」
「あふぅ…も、申し訳な…っ!お許しくださぃい…ッ」
許しを乞う景麒の声は被虐に悦ぶ奴隷そのもの。
やればやるほど逆効果だと言う事に、陽子は気がついていなかった。
「…ははは、ほんと激しいなぁー。陽子は」
殺伐とした現場を押さえ、六太は他人事に呟いた。
「いきなり飛び出したと思ったら景麒に逢いたくなったのかぁ。
なるほどな。そんな攻め方されたらイっちゃうわけだよ。いや〜過激に愛されてるなぁ、景麒」
後ろから入った茶々に、陽子は景麒から手を離した。昇天間際に拘束を解かれた景麒は、少し残念そうな顔をする。
陽子は険を含んだ眼差しで六太を見ると、「…これが愛しているように見えますか…?!」と棘のある声で問い掛けた。
「うん」
六太は即答する。
「景麒も大満足みたいだし、何つーか、溢れんばかりの愛を感じる」
「大勘違いですよ!!」
強く否定する陽子に対し、またまたぁ、と六太は笑った。
「照れんな、照れんな」
「何処を如何したらそう見えるんですか?!」
「何処…って見たまんまだけど」
陽子の真剣な反論は打ち砕かれた。がく、と陽子は脱力し、肩を落とす。
(――畜生!!どいつもこいつも!!何か?!麒麟はみんなマゾなのか?!)
変則していく事態に、陽子はわなわなと震えた。
「はい。私も、あんなに激しい夜は初めてでした…」
俯く陽子の前で、景麒は些か頬を赤らめ、過去を思い出すように言った。途端に陽子の苛立ちが再燃する。
「それだ!景麒、お前、初夜後の若妻みたいな顔で紛らわしい言い回しをしてくれるなよ…!!」
陽子は掌を広げ、景麒の顔面を正面から掴んだ。即座に景麒の口端が綻ぶ。
「なりません、主上!!延台補の目の前で…♪」
「だからそれをやめろと言っているんだぁぁぁ!!」
「おーおー、見せ付けてくれるよなぁ〜」
状況は最初に比べて、悪化の一途を辿るばかりであった。
「莫迦ねぇ……」
漸く追い着いた祥瓊は、中で繰り広げられる羅刹の光景に、運動の呼吸とは違う息を漏らした。
――やれば悦ぶんだから、やらなきゃいいのに。
(…それとも、わざとやってんのかしら?)
色んな意味で最強よね、と内心で突き放すと、止めに入る意気を放棄し、祥瓊は薄笑いを浮かべた。
…そしてこの日の事は、六太の口から尚隆の耳に伝わる次第となる。
「蓬莱の趣向…『えすえむ』とかいうものだったか?」
「ああ。それの『えす』だ」
六太の報告に、尚隆は難しい顔をする。
「さすがは現代育ち。女だてらに天晴れな…いや、これは『漢』と認めてもよかろう。――…俺も負けてはいられんなぁ」
尚隆は不敵に笑い、果てない東の空を眺めて呟いた。
――こうして、景王赤子総攻伝説は国を越えて伝わっていく。
これが風の便りに広まっていき、陽子が『十二国屈強の漢』として『抱かれたいほど魅力的な存在』の五指に入る日もそう遠くはなかった…。
(おしまい)
く、くるしい・・・涙が・・・
腹筋が痛い・・・漏れがもだえ死んでしまいます。
リアルタイムで拝めて嬉しいやらもどかしいやら・・・
いやいや、dでもない景麒をありがd!
天然ものの陽子&薄笑い景麒の泥沼展開に激しく笑わせていただきました。
は、腹痛い…
これはもう後戻り出来ませんね。
景麒、幸せものですね、こんなに激しく愛されて…
このまま勘違いしつつ突っ走って極めてくれ景麒!
…あー腹いたい
笑い死ぬかと思った・・・隣室にお客さんがいるってのに!
>――童貞を棄てた高校生じゃあるまいし。そんな事をいちいち他人に報告するのか?!
景麒が一体どんな顔してどんな風六太に報告したのか非常に気になりまつ(w
510 :
名無しさん@ピンキー:03/09/01 16:59 ID:8bzZJbSc
じゃあ、やっぱり要くんもそっち系・・・?
511 :
名無しさん@ピンキー:03/09/01 17:02 ID:z0ZnUQQd
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爆笑しちまったい。
絶対隣に聞こえたに違いない。
真面目で大人しい○○さんで通ってるのに。
>「それだ! 景麒、お前、初夜後の若妻みたいな顔で紛らわしい言い回しをしてくれるなよ…!!」
そゆことゆーから漢って言われるんだろ、ヨーコ。
まぁ供麒なんてモロだしな。
・・・・このスレの住民は、
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広告ネタにするなら、URLを書庫にするとか
ひねってホスィかった・・・
冗祐を守ってあげる陽子カコイイ!!(w
しかし他でもないそのカコヨサがさらに事態を悪化させるという……合掌。
この際、いっそのこと陽子も本当に「目覚め」てしまえばいいのに(w
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酷くおどおどしながら、鈴は重い扉を開ける。
扉を押す細い腕が、微かに震えた。
扉の向こうには、
緋色の髪の
景王が。
「あの、景王。午後のお茶はどのように致しましょう?
ラプサンスーチョンの良いものが手に入ったそうでございますが……」
陽子は頸ひとつ動かさず、その冷たい翡翠の瞳で、見下ろすように鈴を見る。
返事はない。
返事がないのが、それでよい、という答えだ。
陽子の投げ出したしなやかな腕の先、その形の良い爪は、女官達によって磨かれている真っ最中である。
鈴は何も言わず、再び扉を閉ざした。
陽子はもう、政務をしようとしない。
ここ数年、酷く倦み疲れているようだった。
長年の間に、官吏は次々と入れ替わり、王朝が建った頃よりいた官吏は、もう、殆どいない。
何時の間にか鈴は古参中の古参となり、景王の腹心として信頼もあつかったが
そんな中であっても、今の陽子は恐ろしかった。
陽子は変ってしまった。
何が陽子を変えたのか、鈴には全く分からない。
陽子は何時の間にか、少しずつ少しずつ政務をしなくなり、享楽に耽る時間がより長くなった。
ただ、その身を美しく着飾り、遊興を嗜む。否、嗜むなどというものではなかった。
肌も露に宮内を歩き回り、老若男女見境なく、その躰を貪るようにして日を過ごす。
気がつくと、鈴とさえ殆どまともに口を聞かなくなっていた。
そして景台輔失道が目に見えて顕になったのが、二ヶ月程前だろうか。
赤王朝は八百年目にして、いよいよ斃れようとしている。
──こんなんじゃ、梨耀様と一緒じゃない。
それでも、鈴には口答えができない。陽子のことが恐ろしい。
下手に逆らえばどんな折檻に遭うか。
祥瓊が良い例である。
祥瓊は、そんな陽子に諌言の限りを尽くした。
そして今は、地下牢に幽閉されている。
拘束された腕脚は、血が滲んでいた。
忘れられない、背中の夥しい鞭の跡。
真っ白な珠のような肌が、疵だらけになってしまった。
大好きだった美しい紺青の髪が、血で汚れてしまった。
深い紫青の瞳が、濁って光を失ってしまった。
水っぽい果物を持っていっても、既に体がそれを受け付けない。
あの美しい歌声は、もう宮内に響かない。
それでも、息も絶え絶えになりながら、祥瓊は言うのだ。
──陽子を助けて。
陽子を決して見捨てないで。陽子に間違いを気付かせてやって。
陽子を信じるのよ──と。
真夜中の地下牢で、鈴は鳴咽を殺して泣いた。
それでも、否、だから。鈴は陽子を見捨てることができない。
ずっと、一緒にやって来た。
ずっと、陽子を見て来た。
陽子の一番近くにいたはずなのだ、自分は。
誰よりも陽子を信じているのは、陽子を愛しているのは、
自分なのだと。
鈴は、そう思っている。
「陽子」
ただ独り、茶器を準備しながら、鈴は呟くようにその名を呼ぶ。
ラプサンスーチョンは蓬莱の茶と言われ、滅多に手には入らない。
陽子は必ず呑むだろう。
「陽子、愛してるわ」
陽子は、決して鈴のことは疑わない。
決して逆らうことはないと分かっているからこそ、陽子は鈴を側に置いているのだ、きっと。
「陽子はあたしのものよ。誰にも渡さない」
涙を拭い、震える腕で、茶器を抱えた。
茶碗には、櫟井の実が三粒程、入っている。
お終い。
なんか、良い流れのところを流れぶった切ってゴメソ…。
>>524 うおおおおっ、面白えっ!
続き是非キボンヌ!
>>499 最高に面白かったよ――!
景王赤子総攻伝説か・・・
これが陽子の性格があってこそだね。
これがただの女なら単なる暴力女だw
>>521 失道中の陽子、乙ですた。
これはこのままで本当に終わりでつか?続きキボンヌ・・・
>>524 こういうのも好きです。
続きでネタあったら読みたいでつ
櫟井が解らなかったので検索してみた。
・・・・(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
私も意味がわからず、
櫟井の実、で検索したらマリコさんが何事もなく普通に食ってた。
それを読んだ印象は「櫟井の実ウマー!」って感じでしたが。
あれ?
最初「櫟井」で検索したら
櫟井(いちひゐ) 奈良県天理市櫟本町の西の地。
とか出たんで?とか思ってたが「櫟井の実」で検索したら
>死因はなんと櫟井の木から取るタキシンというアルカロイド毒
とかいうのが出たので多分これだろう。
アルカロイド毒は神経性の毒らしい
>>524 桓鬼隹や虎嘯、浩瀚がどうなったか気になる。
やはり粛清されたのか…。
>>529 漏れもそれ見た(ワラ
でも毒性植物関連を検索しても「櫟井の実」って出ないんだよなあ・・・
櫟井も櫟も引っ掛からなかったんだが、イチイで検索かけたら山のようにでた。
ふつう漢字では書かない植物らしいな、勉強になったよ。
イチイ(アララギ)
<葉・種子>
タキシンをふくむ。これは英語の毒素(toxin)の語源といっしょで、
つまりは『イチイ=毒』なのである。
症状:心臓マヒ、一瞬のうちに心臓停止する。
鳥はこのイチイの実を食べるが種は糞とともに体外に排出する。
これを見た人間が食べられるのだろうと種ごと飲み込んでしまうと
4、5粒で死にいたる。子供の事故が多い。
参照
ttp://www.asahi-net.or.jp/~pv4r-hsm/poisonI.html
534 :
533:03/09/02 16:18 ID:wwrleaMu
ちなみに実は甘くて美味しいらしいので陽子タンが種ごと食さないと意味がない。
でも普通は果物食べたら種出すよね・・・
マリコさんのその後が激しく心配だ……
ラプサンスーチョン
烏龍茶でおなじみの中国福建省、北武夷山の高原で生産される半発酵茶です。
烏龍茶系の葉に「松柏」 という中国特産物で、松の木を燻したような独特の
スモーキーフレーバーを付けた紅茶。 一部の紅茶愛好家に好まれています。
医食同源のこの国らしく食後に飲むと胃がすごく軽くなります。
遠甫は、お茶になったのか…
王は毒で死ぬのかな?
ここ暫くのレス読んで。
( ・∀・)つ∩ヘェ〜ヘェ〜ヘェ〜
ラプサンスーチョンのかほりは正○丸に激しく酷似。
つか、私が飲んだことのある薫製茶はどれも、
正露○に似たかほりがしました。
きっと、陽子はこのかほりで日本を思い出したりしてるのでは
ないかと勝手に話を発展させてみたり・・・
ところで、この時、雁や才は代替わりずみなんだよねぇ?
と、なんとなくしんみり。
冬器で首切られないと王は死なないとか書いてなかったっけ?
鈴は陽子の怒りに触れるためにわざとやったとか?
それとも毒で弱った所をブスリ?
>>540 陽子が功でさ迷ってた時、飲まず食わずで宝重の助け借りて
一ヶ月が限界といってたから、限度無しというワケでもなさそ。
李斎も腕が壊死したし。
死ぬことはなくても肉体的ダメージというのはあり、とか。
ラプサンスーチョンがラスプーチンに見えた。
イチイは外側は本当に真っ赤で食えるように見えるからなぁ。子供が食うのもわかる。
赤い実の先端に四角形の穴が開いていて、そこから緑色の種が覗いている。
イチイは鉛筆用の高級木材として使われるそうだ。
イチイの実はクリスティの作品の中にも登場したと思う
本当にトリビアスレのようでつな。
( ・∀・)つ∩ヘェ〜ヘェ〜ヘェ〜ヘェ〜ヘェ〜
しかし正●丸のかほりのお茶は漏れなら遠慮したいでつ。
普通の紅茶でも開封して10年くらい戸棚にしまっておくと、正○丸のにおいにな(ry
さて、そろそろ煩悩の国に戻ろうか。
548 :
sage:03/09/03 21:07 ID:VuG2KsWf
<(イチイ)
実は食えるんですよ。
食べられないのは、 種 と 葉 。
今頃が実期のはず。甘くておいしいよ。
549 :
521:03/09/03 21:14 ID:XNIcde9V
串規制喰らってる間になぜかここがトリビアスレになってしまった。・゚・(ノД`)・゚・。
エロなしだから誰も読んでくれないかと思ってました。
何やらご迷惑おかけしてますが、もう少しお待ち下さい。
ちょっとグロくなっちゃってますが、必ず続き落しますので。
中国風に、鴆毒もいいのでは。
>>549 無理いって続き欠いてもらったみたいで
恐縮ですがマジ期待しています。
552 :
521:03/09/04 20:59 ID:+HF0oIkN
規制解除されてたらちょっとづつ落そうと思います……。
若干、描写がグロテスク(?)なので、苦手な方は気をつけて下さい。
鈍い、疼痛。
腕に、背中に。
起きてるのか、眠っているのか、自分でも判らなかった。
金波宮。黄金の波の宮……照らし出す光が明るければ明るいだけ、
──闇は昏いと言うことか。
黴臭い地下牢の中で、祥瓊はぼんやりと、そんなことを考えた。
両手首と足首とを、繋がれている。
重い足枷。
鞭打たれるときは、逆吊りにされる。
でも今は、自分の躰はどうやら頭を天に向けているようだ。
祥瓊は、自分の髪の流れ落ちる方向で、それを判断した。
自分は陽子の怒りに触れた。
自分の言葉は、陽子には届かなかった。
だから祥瓊は、今ここにいる。
景麒失道──祥瓊が恐れていたことが、起きた。
赤王朝八百年目の夏。
自国が沈み往くのを見るのは二度目だ。
自分はまた、道を誤った王を停めることができなかった。
祥瓊は、軽く唇を咬んだ。
鈴は、どうしているのだろう。
鈴が、来ない。
朝も夜もないこの薄闇の監獄の中で、
鈴が来るのは、いつも真夜中なのだという。
でも、もう随分鈴の顔を見ていない気がする。
とうとう、陽子に追従したのだろうか。
だとしても、それも仕方のないことだろう。
鈴は、陽子に心酔していたから。陽子のやることなすこと、全てを信じていた。
いつまで経っても、純粋な、子供のような人間だった……。
いずれにしても、遠からずこの国は沈む。
祥瓊はのろのろと、頭を持ち上げた。
血で茶褐色に固まった髪の毛の束が、視界の端に映る。
しかしそれは、何の感傷をも引き起こすことはなかった。
──陽子は、頽廃した。
そして自分は、そんな陽子を停めることができなかった。
今度こそ、失敗したくなかったのに。
今度こそ、
「お父さま……」
──ごめんなさい。私には、やっぱり、王を助けることは、出来ませんでした。
もう何度、父に、母に、謝っただろう。
陽子が自分の言葉を聞き入れず、政務を疎んじた夜に。
牢獄に繋がれ、躰を鞭打たれた瞬間に。
──お父さま、私は……また、同じ失敗を繰り返してしまいました。私は何を間違ったのでしょう。
それとも
「月渓──」
──貴方のように、陽子を討てば良かったのかしら?
無力感に苛まれ、祥瓊は再び全身の力を抜く。
拘束された手首が、じくじくと痛んだ。
王と友になど、ならなければ良かったのだ。友だからこそ、馴れ合いが生まれ、甘やかしてしまう。
あれが、身分に厳しい厳粛な王であったなら、
自分は間違いなく、あの王を討てたはずだったのに──。
細く、ため息を付く。
呼吸するたびに、背中に鈍い痛みが走る。
でも、これは罰なのだ。陽子を停められなかった自分の、せめてもの贖罪。
そんなことをしたところで、慶の民を救うことはできないのだけれど。
王が斃れば、また、民が苦しむのだろう。
またあの寒い冬が来る。
芳の冬。
厳しい
辛い
冬が
民を
苦しめ
違う。
違う。違う。
私が救いたかったのは──陽子。
芳の民より、慶の民より、陽子を、陽子だけを、助けてやりたかった。
あの、自分と歳の変わらぬ気高い王を。
共に戦った、
私の、王を。
目を閉じれば、甦る。
登極直後の、必死で駆け抜けた日々。
あの頃が、一番幸せだった。
楽しかった。
陽子の傍で、陽子の目となり腕となる自分が誇らしかった。
でも、もうすぐ、何もかも終わる。
鈴が来ない。
今は昼なのか、夜なのか。
牢に繋がれて、どの位の時間が過ぎたのか。
何も、わからない。
意識が、朦朧としてくる。
──もう少し、眠ろう。
鈴が、来るまで。
指先が触れあったのは、陽子が茶碗を取り上げたからだった。
まだ茶を淹れていない碗には、櫟井の実だけが入っている。
陽子は碗を手元に引き寄せ、面白くなさそうにその中身を覗き見た。
「昔……花の名前ひとつひとつ、手にとって私に教えたのはお前だったな」
陽子は感情のこもらぬ声で言う。
「私は蓬莱の花もこちらの花も、殆どその名を知らなかった。興味もなかった……」
鈴の表情が強張る。瞬く間に、自分の失敗を悟った。
「櫟井の種には毒がある────その実は甘いが種だけは決して呑み込むなと私に教えたのは、誰だっけ?」
その目は無表情で、でも声だけは揶揄うように笑っていた。
「莫迦かお前」
陽子は碗を小卓に置くと、椅子の裏から何かを取り出す。
──水鑑刀。
「これが何か、お前はよく知ってるな……ほら、また何か映ってるぞ。これはお前じゃないか?」
それは青白く発光しながら、何かを映していた。
陽子は頬に笑みを貼りつかせ、その幻を覗き込む。
──いつ頃からだったか。
陽子はいつからか、一人で部屋に閉じ籠もり、水鑑刀を眺めて過ごすことが多くなっていった。
鈴が『また覗いてるの?』と声をかけると、
陽子は『白雪姫に出てくる魔女みたいだな』と、眉を曲げて独りごちるような返事をしたものだった。
『しらゆきひめってどんなお姫様なの?』と聞き返すと、
『蓬莱の童話に出てくるお姫様だよ。鈴は知らないんだね』とだけ言って、力無く微笑った。
『私は不安なんだ……』
不安だと、そう呟いた陽子の表情が、鈴の脳裏を過る。
──それはどれくらい前のことだったか。
もう随分前のことのような気がする。
そんな頃から陽子は狂い始めていたのか。
目の前の陽子は笑っていた。人を小馬鹿にしたような、野卑な笑い方で。
いつから陽子は、こんなに冷たく笑うようになったのだろう。
射抜くような視線で鈴を見遣り、その朱唇がゆっくりと動く。
「私に見えないものなどないんだよ。
お前が何を企んでるかくらい、分からないとでも思ったか?この愚図が」
「お、お赦しくださいませ……!」
鈴は慌てて叩頭する。
「叩頭礼は廃したはずだ。面を上げよ。
全く頭の悪い……お前なんぞ刀の錆にするにも能わない」
鈴は恐る恐る顔を上げる。
どんな恐ろしい表情が鈴を出迎えるのかと思いきや、
陽子はやはり──笑っていた。
そして碗の櫟井を口に含むと、鈴の頭を抱きしめるように抱え
その艶めかしく光る朱唇を、
鈴の紙のように白い顔の、青ざめた唇に押しつけた。
柔らかな舌の感触が、鈴の唇を押し広げ、やがて異物が挿入された。
鈴の口中に、苦味が広がった。しかし、それも気の所為だったのかも知れない。
陽子は朱唇を離さない。
鈴は恐慌状態に陥り、必死で陽子の腕から逃れようと
腕に全力を込めて、その肩を思い切り押した。
閉ざされたままの口から悲鳴が漏れる。
陽子の喉が微かに鳴った。笑っている。
鈴の唇の端から飲み下せない涎が零れ落ちたが、
それでも尚離れない陽子の朱唇に押されるように、鈴は否応なく口中の異物を嚥下した。
陽子の朱唇がやっと、鈴を解放する。
鈴は慌てて口の中に指を突っ込み、今飲んだものを吐き出そうとするが、
その手首を陽子が両手で掴まえて、押さえにかかった。
「やだ……離して!誰か!誰か助けて!」
鈴は結い上げた髪を振り乱して騒ぎ立てるが、誰も鈴を助けようとはしなかった。
周囲の者は皆立ちすくんだまま目を伏せ、誰も鈴と目を合わせようとはしない。
ただ陽子だけが、見せ物でも見るように薄く微笑みを浮かべ
鈴の顔を真っ正面から見据えていた。
「離してよ!」
錯乱し、涙に汚れた顔の真っ黒な瞳が、たった一度だけ、陽子の翡翠の瞳を捉えた。
次の瞬間、鈴の全身は大きく痙攣し、そして弛緩した。
陽子が飽きたと言わんばかりに握っていた鈴の両手を離すと、
その躰は支えを失って、磨き抜かれた大理石の床に頽折れた。
「今までよく仕えてくれたな。すぐに楽にしてやる」
陽子は未だ小刻みに震える鈴の肩を左足で踏みつけるようにして押さえ、
右足でその頭を思い切り蹴飛ばした。
硬いものが撓み砕ける鈍い音が、部屋中に響いた。
側仕えの女官達が後退る。
誰も声を上げなかった。
頸がおかしな方向に折れ曲がったその躯は、もうぴくりとも動かない。
「これを打ち捨ててこい。見苦しい」
陽子はそのまま振り返りもせず、再び仰々しい珠金のついた椅子へと戻った。
肘掛けにゆったりと左腕をおろし、その腕で頸を支える。
鳶色の豊かな髪がさらさらとこぼれ落ちた。
「今日は茶はないのか?誰か淹れ直せ」
それだけ言うと、陽子は伏せた目をゆっくりと閉じた。
その凍てついた玻璃の硬玉は、もう鈴だったものを映すことはない。
──────天命が、尽きる。
おしまいヽ(´ー`)ノ
あんまり毒とか詳しくないので、その辺は突っ込まないでやってください(w
文章力が乏しいもんで、あんまり納得いくもの書けなくて残念ですが、これにて御容赦下さいませ。
陽子の失道や鈴たちの境遇、読んでて辛いものがある。
…けど、面白い。
ああん、二律背反でもにょもにょするぅ…ん。
金波宮は女の牢獄にございます
いや…すごい、すごいよこれ。
読んでてぐんぐん引き込まれた。
今まで失道ネタはいくつか見てきたけど
これほど容赦なく、リアルな心情を描写してるのはなかった。
お見事!!最高です。
565>>
爆笑しますた
こういう終わり方もありかもと思ってしまった。
書いている方が上手いからだろうなー。
今まで読んだ失道小説の中で一番良かったです
祥瓊のところが特にイイ!
どすんと来る話だ・・・祥瓊のところ、じわっときたよ。
陽子が櫟井の種をどうするのかドキドキしながら読ませて頂きました。
「莫迦かお前」のセリフにゾクッ。
お疲れ様でした!>552様
ああああああ、すごいよ、これ。
本当にお疲れ様でした。なんか読んでて辛かったけど
こんな終わりもあるかもしれんなーと考えさせられました。
あの2人で駄目なら、もう誰にも止められないのだろうな…
>>565 自分も爆笑しますタ!あなたサイコー
ネ申!
以前、殺すのは無しー・・・とか、皆で言ってたけど、
ここまで完成度の高い文ならオケだね。
この後の展開としては、半獣ながらその優れた外交手腕で
巧州国の秋官長→冢宰→太師を歴任した楽俊が仙籍を返上して
巧に来た慶の浮民を組織して反乱軍を作り楽俊自らが陽子の首をはねる
見たいな…
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
で、でも読みたい。涙ナシでは読めんぞ・・・
IDがSMだ…
>>572 まあ、話のための死であるか、殺戮に萌えるための話であるかの違いかな。
>>521タソ、乙!鈴の余りに哀れな死に様と、祥瓊の悔悟が涙をさそいますた・・・
何で陽子がこんなに荒んだのか、自分ならどう原因つけるか考えちった。
読みごたえはあるけどこのままエロ入れずに連載するつもりなら
勘弁して欲しい。スレ違い。
>573
「楽俊・・・ありがとう」
楽俊の胸の中で息絶える陽子
考えもしなかったけど、おもしろそう!!
確かにスレ違いなんだが、読んでみたいな〜。
579 :
小ネタ:03/09/05 15:56 ID:gipqroDK
祥瓊を引き受けた後の恭主従の会話(オフレコ)
供麒 主上、やはり公主へのなされようはあまりに…
珠晶 しつこいわねっ!あたしの決めたことがそんなに気に食わないのっ!
供麒 ですが…
珠晶 そうね…そんなに慈悲をって言うのならあなた自身でやりなさい
その大きいだけがとりえの宝重で祥瓊を悦ばせてあげるといいわ。
安心なさい、ちゃあんとあたしが側で見ててあげるから(にっこり)
供麒 Σ(゚д゚lll)
供麒はどこまで下僕としての勤めを果たすのか?
そして珠晶は一体どこからそんなネタを仕入れたのか?
恭国の明日はどっちだ。
スンマソン逃げますε=(;´・ω)ノ
>>577 禿同。エロがないなら、どれほど上手くても(いや、上手いとは思っているんだけども)
スレ違いだと思う。この辺で正直幕を引いて欲しい。
いつ「煩悩」的展開になるんだろう?って思ってたんだけど、それは全く入らないと
いうことなのかな‥‥‥
がっつくなとか言われそうだけど、このスレはあくまでもエロパロスレなんだし。
じゃあへぼい奴だけど見てください。
【6:30】起床、横で祥瓊が寝ている。寝顔が可愛いのでキスをする。おとぎ話のお姫様の見たいだ。
【6:40】鈴が不機嫌そうに私を見ているそう言えば
最近鈴を可愛がっていない。今晩は、相手をすると約束する。
【7:15】玉葉が今日新人の女官が入ると報告してくる。私好みの可愛い子は、いるのだろうか?楽しみだ。
【8:00】朝議開始。
【9:03】新人の女官の事で朝議が上の空。景麒に怒られる。私の麒麟が景麟だったら良かったのに…天帝のバカ。
【9:30】体がどうしても我慢できない。朝議を一旦休憩にして秋官長を呼び出して控え室で可愛がる。
【9:45】朝議再開。秋官長を可愛がったせいで朝議がスムーズに進む。
【10:15】朝議終了
【10:30】三公とお茶を飲む。ふとかっての太師鷺嬌を思い出す。彼女を失ったのは、惜しかった。
小池栄子並のボインだったので楽しめたのに…
今後私もしっかりして可愛い…じゃなくて有能な官を失わないように努力しなければ。
【10:44】延王からしらせが届く「たまには、俺の相手をしろ」 と書いてあった。
このセクハラオヤジ私は、女の子にしか興味が無い。と思いつつも延王なら良いかも知れないと思う。
【10:54】午後に備えて仕事を始める。
【14:30】昼食抜きでがんばったお陰で何とか仕事が終わる。遅い昼食をとる。
【15:00】新人の女官が来たが私の好みでなかった。へぼい採用をする天官府の人事刷新を考えなくては。
【15:10】今日は、やる事が無いので堯天の街に下りる。
【15:25】若い女の子か悪党に襲われていたので助ける。私好みの可愛い子だったのでそのまま金波宮に持ち帰る。
【15:30】金波宮の秘密の場所でその子を可愛がる。やっぱり生娘は、良い。
【16:05】玉葉にこの子を金波宮で働ける様にできないかとたのむ。
【18:12】玉葉が天官と掛け合って奚なら良いと回答を持ってきた。ご褒美に今晩の相手は、玉葉に決める。
【18:27】鈴に約束が守れない事を伝えるがあまり怒っていない。むしろニヤニヤしている。
さては、あの子とやったな。相変らず女の子に手が早い。翠微洞で鍛えられた事だけの事はある。
【19:32】夕食終了後玉葉に絹の襦袢を渡す。頬を赤らめながらも心得てそのまま後宮へ下がる。
【21:00】簡単な書き物や読書を終えて私も後宮へ行く。玉葉が襦袢を着て部屋で待っていた。一緒にお風呂に入る。
玉葉が脱いだ、見かけの年の割に良い体をしている。玉葉と言う字は、伊達じゃ無い。
【21:15】風呂で前犠を楽しみ牀榻に入って本番を楽しむ。玉葉のテクニックは、上手い。昇天しそうになるが私もふんばる。
【21:20】攻守逆転玉葉が受けになる。生娘みたいな反応が可愛いお気に入りの一人になりそうだ。
このコピペは沢山みたけど、これはイイ!
好みの子を金波宮に持ち帰って可愛がるって陽子…
これSSにしたらいいだろうな
コピペだったのか…
>>577>>580 職人さんには乙!と思うが、二人の意見にも納得。
ドジン板とかでエロなしSSスレでも立てられればいいんだけどなー。
つか、いっそどっかのサイトに・・・陽のあたる場所でハピョウするには痛いでつかね(;´д`)。
>>584 そう!そのジレンマが…。
続き読みたいけど、ここではスレ違いだしねぇ。
エロが絡んでるといいんだけどなぁ、なんて。
>>581 一番面白かったよ。炒飯噴きそうになったw
>581は、誰にレスしているんだろう (´ー`)…
587 :
521:03/09/05 20:38 ID:X0aab10h
>521です。
エロなんて陽子と鈴のキスシーン(wくらいしかなかったのにお読みいただいて
どうもありがとうございました。
何やらもの凄いお誉めの言葉もいただいてしまって大変恐縮です。
んでもって、連載がどうとか話題が出てますが、当方、全然そんなつもりはありません。
(というか、なんで連載なんて展開にΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)?帰って来てログとって吃驚)
幕引きも何も、もともと>521の時点では続きさえ書く気のなかったものですし
何よりこれ以上のこと、全然考えてませんから┐(´ー`)┌今後の心配は無用です。
なにはともあれ、リクエストしてくださった方、
お読みくださった方、そして感想くださった方、
本当にありがとうございました。
書庫閉鎖されちゃったんだねー。
残念。(涙
あらためて
>>521タソに乙。続き読めてよかったよん。
>>588 後引き受けてもいいでつよーという人がいたはずだが、
司書タソと連絡とれなかったのかな(・э・)
>>521乙悦。
しかし、失道してるんだから、ほっとけばあぼーんなのに、、、
鈴は犬死だったな
エロパロ板でエロなしSSを書いて恥じ入る様子もなし。
厚顔無恥とはこのことか。
>>591 まあまあおちけつ
前からエロなしはあったよ
エロが濡れ場だけとはかぎらないし
陽子×鈴が見え隠れしていたと思う
マターリいこうや
神が降臨するまでの箸休めということで
>>582 今週の地上波(書簡)見てちょうど玉葉萌えしていたので
>見かけの年の割に良い体をしている。玉葉と言う字は、伊達じゃ無い
ほどよい熟れっぷりを想像して(;´Д`)ハァハァ
エロ無しでも風呂ネタとかシモネタギャグなら皆何も言わないのに
(というより好評なのに)シリアス長編だとダメなんだね。
まあ、漏れもこのスレにはそこらのサイトにごろごろしてるようなシリアス長編を求めてはいないんだが。
でも521の文章の感じは好きなんで今度は上手いことエロ絡めて新作投下キボン
>>573禿同
521様には是非そんな感じの続編書いて欲しい。
いや、無理強いしちゃいけないけどさ。
でも、書いてくれたら神として崇めるね、漏れは。
漏れ的には職人さんが3回に1回くらいでエロ無し投下するのは可
エロ無しばっかじゃさすがにまずいけど、少々は大目に見ても…
職人さんの創作意欲が刺激されるだろうし…
陽子 父親が嫌いでそれが心理的原因となってレズになってしまう。
周りにこれという男がいないため真性化
祥瓊 元もと中性的なタイプに惹かれる方なので、箱入り娘で男に免疫がないのも手伝って
タカラヅカな陽子にものにされてしまう
鈴 こいつはレズじゃなくてショタ。清秀の代わりを探し中。
いずれにせよまともな性向じゃない。
ちなみに三人とも処女(男との経験無し)
>594
風呂ネタも下ネタもライトとはいえエロの一部だと考える人が多いから、
あんまり言われないのでは。
つっても、上記の話ばかりになったらさすがに言われると思うけど。
私もエロなし話はとっか別のサイトでやってほしいと思う。
いつかはエロになるというのなら、エロなし部分が連載されてても、別に
気にしないんだが、最後までエロなしならば悪いが板違いだと思う。
>596
鈴は、究極の暇人梨耀様に鍛えられたと思うけど。
>>597氏に同意。
エロなしでも、
>>594氏もあげているような風呂ネタ・下ネタギャグなら
そこから繋げてエロ妄想できるという点でエロパロスレ的にはオケだと思う。
スレ違いなのは「エロなしな上、エロ妄想を全く喚起しないようなタイプの作品」
ではなかろうか?(責めるつもりも、吊し上げるつもりもないけども)
でも、次スレには↑のような作品は(なるべく)ご遠慮ください、みたいな一言は
欲しいかも。エロなしSSばかりになったら困るし。
失道まっしぐらな陽子が景麒の病床を訪ねる
↓
「主上・・・お止めください・・・何故このような無体なことをなさる・・・!」
「黙れ。下僕なら下僕らしく、黙って主に奉仕いたせ」
↓
散々景麒を嬲ったあとに馬乗りになる陽子
↓
嘲笑しながら自らの上で艶かしく腰を振る主に
病の身ではロクな抵抗も出来ず、されるがままの景麒
↓
僅かに快楽の色を滲ませ始めた下僕の姿を見て
苛立ちを募らせる陽子
↓
景麒苛めに拍車がかかる
↓
S+鬼畜入った女王様陽子(゚д゚)ウマー
・・・っていうのを妄想してみた。
言葉攻めが入るとなお(゚д゚)ウマーなんだがw
>>600 それ滅茶苦茶読んでみたい
誰か形にしてくださる神はおらんかのう…
とりあえず字書きのはしくれとしてチャレンジしてみたんでつけど
十二国独特の言い回しや表現が難しくて玉砕しますた。
改めて職人様方の筆力に脱帽。
萌えシチュの箇条書きなら幾らでもできるんだけどな・・・w
>>602 その箇条書き拝見した限りでは充分言い回しなんかも萌えですたよ
残念…
ちなみに自分も陽子が景麒いぢめする鬼畜とか、幽閉されてる祥瓊を
凄まじい鬼畜っぷりでいたぶりつつ身体を貪るとか
その辺の官吏とか女官つかまえて快楽に耽るとか妄想しますた
>>602 凄まじいのは無理だけど、書いてみたいかも。
かなり自分色混じるけど。
今見たら、何かエロなし専門スレ立ってるなあ。
まだ落ちてないよね?
先の問題の解決に使えるかも。
どこに?
607 :
605:03/09/06 19:33 ID:piZKwYJN
608 :
606:03/09/06 20:10 ID:N0ZyF/ID
609 :
605:03/09/06 20:56 ID:piZKwYJN
私も今捕手してきますた。
まだ30レスもいってなかったけど、落ちませんように‥‥‥‥
エロ描写なしで書けそうな職人さんは行ってみては?
‥‥‥直リンしちゃったけどまずかったかな。そうだとしたらスマソ。
鈴は臥牀に入ってうつらうつらしていた。
ふと目を覚ますと、戸口に誰かがたっている。
「――誰?」
「…鈴」
ちっちゃな身体が臥牀に潜り込んでくる。
「桂桂?一体どうしたの?」
「眠れないんだ。一緒にねても良い?」
鈴はくすりと笑った。
「いいわよ。おいで」
まだまだ子供なのね、と思いながら、腕を広げて桂桂をまねき入れる。
桂桂は鈴の身体にしがみつく。
胸に顔を埋めた桂桂を見下ろしながら、別の男の子のことを思いだした。
(――清秀)
脳裏に浮かぶ蜜柑色の髪に雀斑。澄んだ瞳。
(生きていて欲しかった。)
『泣き虫と一緒じゃ大変だ…』
「ごめんね、まだ私、泣き虫のまんまだよ…。」
寝息を立てる桂桂を、鈴はぎゅっだきしめていた。
どれくらいたったのか。
夢うつつのなか、すすり泣く声を聞いた気がして。
ゆっくりと鈴はまどろみから引き戻される。
はたして、胸にすがりつく桂桂が、ヒックヒックと泣き声を漏らしている。
(桂桂…泣いてるの?)
嗚咽の中から、何かの言葉が聞こえる。
「姉ちゃん、姉ちゃん…」
鈴は、はっと胸を刺されるような気がした。
この子の姉のことは陽子に聞いている。
大好きな姉を失った悲しみ。
陽子たちの暖かな視線に囲まれて、屈託無く笑う桂桂は、
もう悲しみを忘れたのように思っていた。
だが違ったのだ。
忘れうるはずがないのだ。
(同じだ…あたしと…)
大切な人を失った悲しみ。
同じ傷を負う者がこうして同衾している。
鈴はそれを切ないことだと思った。切なく悲しいけど、とても暖かい…。
(桂桂…)
鈴は桂桂の被衫に手を伸ばした。
そうして、桂桂の股間をまさぐる。
まだちっちゃな陰茎を、鈴のか細い指が握りしめて優しく愛撫する。
桂桂は気持ちいいのだろうか、夢うつつのまま、わずかに身じろぎする。
「ううん、姉ちゃん…」
(桂桂…あたしが、慰めてあげる…)
桂桂の陰茎は、鈴の絶え間ない愛撫を受けて、まだ不完全な大きさながらも屹立した。
勃起した桂桂の亀頭を指の腹でなで回す。
「ああっ、姉ちゃん…!」
桂桂が無意識にしがみついてくる。
鈴は小衫の胸元をはだけると、桂桂の頭を抱えるように押しつける。
そうして、桂桂のかわいい唇に、小さな膨らみの先端にある蕾を、含ませるようにして押し当てた。
すると桂桂は無意識のまま、鈴の乳首を啄むように吸う。
「あはぁ…ッ」
思わず声を漏らす。
(ああっ、清秀…!)
再び少年の顔が脳裏に浮かぶ。もう二度と帰ってこない笑顔が。
鈴は桂桂のちっちゃな手を掴むと、自らの陰門にあてがった。
そうして、桂桂の手を通じて小刻みに動かす。
「ああっ…あはぁっ…!」
陰門の入り口に指が入り込んで小刻みな震動を鈴の女性自身に送り込む。
清秀に愛撫されているように思えて、そう思うと激しい愉悦がこみ上げてくる。
耐えきれなくて、感極まった声が口を衝いてでた。
(ああ…清秀ぅ…そうよ、そう、もっと私のおまんこ、かき乱して…ッ!)
ちっちゃな指先は、陰門の割れ目をなぞるように上下して、
ぴちゃぴちゃと濡れそぼった音を響かせる。
そうしてたまに指先が固く結んだ真珠にあたると、そのたびに鈴はビクンと体を振るわせた。
「ああっ! いいッ! 清秀ぅ、清秀ぅ!」
一方、痺れるような愉悦がこみ上げるにつれ、指の動かす鈴の手先を逸らせる。
「ううん…あっ、あっ!」
まだ汚れを知らないままの陰茎を愛撫する指の激しい刺激に、
桂桂は意識のないままのたうちまわって身をよじらせる。
「ああっ…姉ちゃん…っ!」
(そうよ。気持ちよくなって。もっと気持ちよくなって、清秀…)
「ああっ! 気持ちいいの、清秀ぅ! 清秀があたしのおまんこ触ってくれて、気持ちいいのぉっ!」
倒錯した妄想に囚われて、鈴はいよいよ上り詰めていく。
はしたなく、気が狂ったようなことを大声で叫んでいるのに、それはいっそう鈴の秘所を潤わせる。
こすりあげる指の上下がいっそう激しく、間隔が短くなっていく。
桂桂の顔に胸を押しつけるようにして、鈴は絶頂を迎えようとしていた。
「ああっ、清秀ぅ! あたしイクわ! イッちゃうの! 清秀におまんこいじられてイッちゃうの! 清秀ぅ! 清秀ぅ! 清秀ぅ! あっ、あっ、あっ! ああ――っっ!」
鈴は絶叫すると、ビクンビクンと激しく上下に体を痙攣させた。
あまりの激しさに牀榻が軋み声をあげる。
と同時に桂桂も限界を迎え、全身を硬直させると、鈴の掌に樹液を浴びせかけた。
しばらく口をぱくぱくして痙攣していた鈴は、息がつけるようになると、
胸を上下しながら荒く呼吸する。うっすらと涙が出てきた。
桂桂も汗だくになって横たわっている。
掌を掬うように顔の前までもって来ると、白い樹液がべっとりと凝っていた。
(清秀――)
鈴はそれに舌を這わせた。
<了>
615 :
610:03/09/06 21:24 ID:LcojJEnL
一部訂正ですね。後から文を挿入したからつながりがおかしくなった。
失礼をば
(そうよ。気持ちよくなって。もっと気持ちよくなって、清秀…)
そうしてるうちにも、その桂桂の指先が細かく震えて鈴を激しくかき乱す。
神!
また鈴×桂桂の新作が読みたいでつ
蓉可が泰麒を誘惑してイタヅラする話を……
延麒が遊郭で遊ぶ話を……
619 :
610:03/09/07 12:08 ID:+i0spzlo
ううっ やっぱヒカれてるんでしょうか?
なぜそう思う?
621 :
610:03/09/07 13:04 ID:EXBBhyCj
いや、あまり反応ないし、
幼児のオチンチンバイブに使ったりしちゃいましたから
引くどころか食いついた輩がココにいるので安心汁。
陽子タソ絡みの明るい話を……
623 :
名無しさん@ピンキー:03/09/07 21:45 ID:PHAzewvQ
漏れはおもくそ引いたな。
GJ!
泣くな(´△)ノ(◇;)
ちゃんと面白かったよ。
自分も普通に良かったと思うよー
鈴がなんか切なかった
626 :
名無しさん@ピンキー:03/09/07 22:38 ID:ucQpckIc
聞かれたから書くけど私も引いた。
反応期待するのはわかるけど書ける時は感想書いてるし
あんまり反応無かったらそういうことなのでは?
言わんでもいいことかも知れんけど。スマソ
628 :
610:03/09/07 23:21 ID:CclI9c9j
ううっ、みなさんよけいな質問
なんだかんだレスくれてありがとう・゚・(ノД`)・゚・
もっと精進します・゚・(ノД`)・゚・
余計ついでに参考に聞かしていただきたいが、
>>627さんとかどの辺がヒイたのでしょうか
へっぽこな文章自体と言われればそれまででつが・・
好みは人それぞれだからねぇ
私も引いたよ。
設定自体が受け付けられなかったかなー。
>>629 禿堂。
萌えポインツはやはり人それぞれだと思う。
思いっきりツボに入れば感想も書くけどけど……。
良かったな、と思ってもツボから外れていれば
書き込まない人の方が多いんじゃないかな。
あまり気にしすぎないほうが(・∀・)イイ!とオモ。
>>610 627ではないけどさ、感じてる鈴の台詞の”お○○こ”連発はかなりひいた。
鈴のキャラ的に言うとは思えないし普通女の子はお○○こなんて言やしねぇよ・・・
>>632禿同。
特に十二国記では使って欲しくないな
それ以外は受け入れられました。
がんがれ>610
自分も>632と同じとこで引っかかった。
ちょっとした表現とか言い回しが原作の雰囲気に合わないだけで
全体がぶち壊しになったり、萎えることが往々にしてあるから
「元ネタが小説ジャンルのSS」って難しいね。
そう考えるとここの職人さん達はかなりレベルが高いとも言えるわけだな。
原作の雰囲気を壊すことなく、SS投下してくれてる方が多い訳だし。
全体的に、十二国記のキャラって卑猥語使わせるの難しい。
たまーに、「お××ぐちゃぐちゃにしてぇー!」とか激しいこと言わせたくなるけど、
自分で書いてみると恥ずかしくなってきて駄目。
あの世界ではセックスのことをなんて言うんだろう。
書いてみたいけど、この手の壁が結構厚いです。
638 :
610:03/09/08 02:59 ID:oaKhT/N7
フランス書院あたりの感覚で卑猥語連発してみたけど、作風と合わなかったみたいですね
逝ってきまつ・゚・(ノД`)・゚・
セックス=野合だと思われ。
野合=正式の手続きを経ない結婚
だそうだ。辞書引くと。
そういやフランスでもそういう仕組みあったよな。
結婚と近い形で事実婚を社会的に承諾するやつ。同性同士でもOKというさばけた仕組みが。
ところでセクースの呼び方って単純に性交とか情交でいいんじゃねーの。
>637
普通に房事、ではないの?
野合って今の日本語だと内縁あたりに相当するんじゃないかとオモ。
セックルは性交とか
>>641 いいねそれ。
>>610 萌えにも好みがあるyo。漏れは普通によかったとオモた。
板住人の反応を全くキニスルナとも言わんけど、
自分の萌えを突き進めばいいのではと。次回作に期待。
644 :
鈴:03/09/08 14:47 ID:7mIUjpeH
あたし、おまんこっていうよ
先日の民主・自由党の合同のコトを自民が野合とよんでいてワロタ
野合って>642が言っているとおりだと思うんだけど
セックルのことも暗に指してると勝手に解釈してた。
>>645 それが本来の意味なんだが。
小説の中でアオカンの意味で使ってるのには閉口した。
>>647 小説つーのは原作のこと?
>>640>>642の言うとおり、原作ではむしろ、
婚姻(入籍婚)に対する言葉(ドセーイ婚)として
使ってたんだと思ってたが。 野 だからアオカンってこたないでしょ。
話の流れを遮ってごめん。
随分前に3Pを予告してみた319だけど、アク禁がようやく落ち着いたみたいなので、何回かに分けて投下させてもらうね。
始めに断っておくが、自分が以前書いた話と微妙にリンクしてたり、他の職人さんの話で自分的にヒットしたネタが混ざったりしてる。それとかなりの長編なので、そこんとこも併せてよろしく。
ではーーー。
「駄目。景麒、駄目だ!」
主が必死に押し止めようとしている。
しかし景麒も必死だった。このままではとんでもないことになってしまう。まだ何とか理性を保てる内に、厩に行って騎獣を探さなければ。
「そんなこと、お前にさせない!」
主の声が耳の中に響く。
同時に歯がぶつかるほどの勢いで唇を塞がれ、その感触にたちどころに全ての意識が断ち切られた。
その後の記憶は、何も、ない。
「では、国境の義倉を管理する件はそのように計らおう」
低く落ち着いた男の声が、会談を締めくくった。
ここは雁国の王城・玄英宮の最奥部にある正寝。延王・尚隆の私室。
本来なら私室で話し合う内容でも無いのだが、麾下に計る前にそれぞれの国の頭領同士が了解しておかないと、まとまる話も通らなくなるというのがその部屋の主の意向だった。
「よろしくお願いする」
応えた声は凛とした若い女のもの。
地味な男物の官服をまとっているものの、輝く紅い髪が身分を明かす、景王・陽子。
「堅い話が終わったところで、酒でも飲むか」
尚隆は気軽に言って、酒肴の用意された卓子に陽子を誘う。
「こんな時間からですか?」
窓の外、雲海の上はまだ陽光の残滓が煌めいている。
「こんな時間でも構わんさ。今夜は泊まっていけるのだろう?」
あけすけに言う尚隆に対して、一瞬陽子の肩が強ばった。
「一応、その予定にはなっているが……」
妙に語尾を濁らせる返答に、尚隆は怪訝そうに片眉を上げた。
「お前とこうして会うのは半年ぶりだし、今日の予定は2ヶ月も前から組んであった筈だが」
こうして会う、という言葉に陽子は反応してしまう。
半年前、こうして会った時にも尚隆は陽子を抱いた。媚薬を使い、互いに獣のように激しく交わった。
その時のことが二人とも忘れられずに、またの機会を求めていた筈だったのだが。
「陽子……」
名を呼びながら尚隆は背後から抱きすくめ、耳朶をそっと噛んだ。
駄目・・・、と押し止めようとする娘は、男に唇を塞がれて、ついそれに応えてしまう。
待ちわびた逢瀬だった。尚隆の少し強引で巧みな舌使いに、陽子は一瞬意識を委ねてしまいそうになる。
「いけない、延王。延台輔だっていつお戻りになるか」
「あいつはあと2日は戻らん。今、障りがあってな」
合わせた唇の隙間から答える尚隆の、言外に含みを持たせた言い様に、陽子は自国の麒麟を思い出す。
ーーーあいつと同じか・・・。
「でも、駄目」
そう言って、男の身体をぐっと押しやった。
決して駆け引きなどではない。
陽子には、駄目と言われると余計に欲しくなる男の生理が判っていない。この拒否が、酒でも飲んでからゆっくりと、と構えていた尚隆の気分を、まずは一戦、と切り替えさせてしまったのだ。
そもそもが陽子もその気で来ていると了解している。
尚隆は改めて陽子の唇を貪りにかかった。ねっとりと舌を絡めると陽子の舌がそれに応える。
官服の上から乳房をまさぐると、ころころとした感触が厚い布越しでも感じ取れる。
陽子の身体を壁に押しつけ、太股を脚の間に割り込ませた。
陽子の反応を窺うと、表情の読めない翡翠の瞳が下から見上げてくる。
両腕を肩幅に開いて正面の壁に突き、可愛い女を檻の中に囲い込むと、額、瞼、鼻の上と口づけを落とす。
相手が抗わないのを見定めると、
「これでも駄目だというつもりか」
囁くようにそう問いかけながら、尚隆の指は既に裾を割って陽子の熱い秘所を直に探っている。布の陰からは粘性の高い吸い付くような水音が漏れてきていた。
「いけない……、お願い、尚隆……」
そうは言っても、再び口中に押し入った舌を拒めない陽子の言葉に力は無かった。
尚隆の指が官服の襟元を緩める。
陽子が警戒してわずかに身を竦めた。
尚隆の舌が首筋から鎖骨へと降りてゆく、そして。
「これは、なんだ?」
房室の空気が一瞬で凍り付くかと思われるほどに冷たく厳しい声がした。
(つづく)
神キタ━━━━━(・∀・)━━━━━!!
長編マンセー! 楽しみにしてまつ!
キタ━━━━━(・∀・)━━━━━!!
耳タブタブ。
>>648 SSアップ直後に長文まことに申し訳無い。
私は647ではないのですが、私は気が短いので敢えてここで指摘をさせて頂きます。
647のどこをどう読んだら「小説」=原作になるのですか?
小説という言葉を狭義にとりすぎて、原作しか小説とみなしておられないのであれば、そういう解釈も可能なのでしょうが、
647が原作中の野合という表現を青とお取りになるほど脳が水樽化しているかどうかの確実性と、
「小説=この場合SSを指す」かどうかの確実性を比較すれば、答えは明らかでしょう。
正直、私は原作を既読で野合=青と言う解釈を裏の意味としてではなくダイレクトに読み取った方がいたら、
その方は義務教育が不足しておられる方だと存じます。
正直に申し上げれば、あなたは647を馬鹿にしていらっしゃるのかなと思いました。
もし前者をお信じになったなら、私にできる処置はありません。
そういうわけで、以前投下されたSSを読むと、明らかに野合=青と読み取れる表現があります。
647はそれを指摘しているのだと思いますが、何かご質問は?
それと、私はボキャブラリーが少々足りないので、質問をさせて頂きたいのですが、
ドセーイ婚という言葉は同棲婚という意味で仰られたのですか?
ええ、無粋ですね。ですが、
>>647を無視することが
無粋な説教を垂れ流しにして場を濁すことよりも、私の価値観では悪だったと、それだけのことなのです。
先のSSをお書きになった方には、無礼申し訳なく、重ねて謝辞を申し上げます。
それから、アップ直後にこのような事を書いて読後感を台無しにされた方々にも。
ともあれこれ以上刺激するのはまずい。スルーと参ろう。
うむ。
どっかのコピペかとオモたw
あ〜〜〜、また別の人間からの・・・ほんの通りすがりからの言葉として聞いてくれ。
野合ってのはまんま結婚(もしくは婚約)してない人同士の性交の事も示すぞ。
最近はいろいろあってそっちの意味はあんまりくわしく載らないことも多いが。
もちっと上等の辞書で調べてみるといいと思う。
特に小中学生向けの辞書だと性交すらのっていない
(もしくは非常にぼかした説明しか書いてない)こともあるからなあ・・・
infoseek大辞林では、「正式な手続きを経ないで男女が関係をもつこと。」
とだけ載ってた。
正式な手続ってなんだろう?
,! \
,!\ ! \ SS禿キボンヌだよ、ワトスン君
i \ l \,,..__
,i′ ,\___,,--―l \::゙'冖ーi、、
i :;\::::::::::..l `'‐、、
/__,..;:r---―-、,..__. ,;'il:;} .;:::`L__
,.:f''""゙゙゙´ 、 ̄ヽ,// ...::::::l;;;:;;::::
_/ ...... 、 \//、 ::::::::リ;;:::::::::....
// ......:;::::::::::::. ヽ、\ ゙ヽ ヘ ● ....:::::::::i';;;;::::::::::::
;;/ ::::::::::::;;;;;ノ ̄\:: 〉 〉゙'、 `ヽ_ノ ......:::::::.;;;:ノ:;;;:::::::::::::
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..:::イ;;.ヽ::;;;;;;;;;(__ノ /'"..:::::::::::::/ ...............:::::::::::;;;,;ノ;;::::::::::::::::
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とりあえず
十二国記では
和合→籍に入る正式な婚姻
野合→籍を介しない事実上の婚姻(内縁関係)
ってことっしょ。
性行為自体が謎の世界だから、性交渉を意味する用語は不明ってことで
これ以上はいい加減スレ違いだと思われ。
気を取り直して
>>650(319)タンガンガレ!!
長編続き期待してお待ちします。
>655は何に怒ってるの?
野党連合→野合
野外歓合→野合≒アオカン
>648は>647の言い方に注文をつけるなら
それが本来の意味なんだが、にも噛みつくべきだったね。
>先日の民主・自由党の合同のコトを自民が野合とよんでいてワロタ
↑
本来の意味ってこういうこと?
>655もそれを見落としちゃ片手オチだよ。
>>667 言い方に文句をつけているようには思わなかったなあ。
>>647が「*小説*の中でアオカン〜」と書いているのを受けて、
単に、小説って原作のこと?って聞いてるんだと取ったんだが。
自分も「原作でそんな描写あったかな」って考えちったし、
ここに野合=アオカン描写のSSって、ごく最近は投下されてないよね?
ので、
>>665が何をどう縦読みしたのかサパーリ判らん。
つか・・・(ry
665じゃない!
>>655だよ・・・ゴメ、665。逝ってくる。
何かどんどんスレ違いスマソ。
>>650タソの降臨を待つ(・∀・)
先生、延王の宝剣はごんぶとですか?
つーか
>>655のせいでギンギンになってたのが萎れますた。
全弾投下してからやってくれればいいのに・・・
早く
>>652の続きカモ-------(・∀・)------ナ!!
体格に反比例するので、
恭麒 << 延王 < 更夜 < 楽俊 ≦ 六太 << 泰麒
です。
. /┌||,∩;;;;| / /;;;;;;!;;|;;;;;;;:::::::::::::|
/;「ゝヽ===‐, /;;;;;;;!;;;;!|;;;;;;:::;;::::::::::|
!;;/「 ̄ ̄ ̄_」-、;;;;;;;;;;;;;\|;;;;;;;;;/::::::::::::| 供麒 << 延王 < 更夜 < 楽俊 ≦ 六太 << 泰麒 <<<<< 景麒
/;;/ |ヽ、ヾ <=‐ \、;;;;;;;;;;;|;;;;;;;/;;;;::::::::::|
;;;;| |/| 〈三__ | ̄ ̄! ̄ ̄\\:::::::::| よし。
;;;;| |::::;:|____\_| |::::::::::::::::::::::::::|
但し、景麒のは、殆ど皮。
<<じゃなくて>>じゃないんですか??
泰麒キュン最ぶとですか??
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
650タン続きお待ちしてまつ
>泰麒キュン最ぶとですか??
朝っぱらそんな事言うな俺のジャスティスソードが反応したじゃないか。
浩瀚、利広、カンタイ、虎嘯、氾王、頑丘あたりも入れてくだちい。
焦らさずにまとめて投下して(・A・)
:名無しさん@ピンキー :03/09/08 23:57 ID:i9POuzDA
エロパロスレだと思ってSS投下したら、雑談批判スレだったらしい。
激しく萎えた。
つづきを投下するのは見合わせて、ここで一休みさせてもらおう・・・。
>>650タソ、そんなこと言わずに、よろしくお願いしますよー(つД`)
なんかここもう終わりだなプ
マターリ行こうぜ!
>680
ヴァカが!
どんだけの名無しが正座して待ってると思ってんだ!!
スレが変なことになってるけど、SS書ける人は書く!
書けない人(含自分。ニガワラ)は擁護しる!
>>684 むしろく激しくハァハァし始めた自分はこんな感じで
>>650タンの3Pの続きを待っています
_| ̄|○ドウカドウカ ツヅキオナガイシマス
>>650たんカムバーック
>>655 >647を無視することが無粋な説教を垂れ流しにして場を濁すことよりも、
>私の価値観では悪だったと、それだけのことなのです。
ついでに、ようやく投下されたSSを読むことよりも、
自分の意見を言い張ることのほうが価値が上だったのです。
と書き足すべきだったな。お前はもうエロパロ板に来るな。
>680、682
オマエらもな。
>>650 貴方の文章のファンなんで続きをお待ちしてます。
出鼻をくじかれていやな気持ちかもしれないけど、是非、よろしく。
どんな?と言われたら今すぐには思いつかないんだけど
次スレには何がしかのテンプレが欲しい。このスレが脱線したり荒れかけたりって
今までほとんど無かっただけに、切実にそう思う。
スレ違いとか叩き・絡みに対して釘を刺すようなヤツを希望。
>>650さん
自分も、予告があってから首を長ーーーーーくしてお待ちしておりました一人です。
よろしければ是非・・・
655程度がスルー出来ないんじゃあテンプレがあっても効果薄な予感。
ほかの十二国記スレの(かつての)荒れ方を知らないわけじゃあるまいに。
何を書こうが読んで欲しい奴ほど読まないからねぇ…
>>650 自分もファンです。
続き待っています。
オイ、だれか裸踊り踊れ!
>680の天の岩戸に隠れておられる650神を召還するのだ(;д;)/
なんか、漏れ、作為的に釣られたような気がする
これからは釣られないように反省しよ
漏れも650さん降臨キボン
>>infoseek大辞林では、「正式な手続きを経ないで男女が関係をもつこと。」
>>とだけ載ってた。
うん、最近はわけのわからん強烈な検閲があってね。
こういうことほんと多いんだよ。
明治の頃から太平洋戦争終結まで烈しく強化された言論統制の再燃と思うのはうがちすぎか?
でも、まんまおんなじ流れなんだよね・・・
目的は昔のときと同じく戦争で愚民衆からがたがた言われないようにするため(多分)
国会の奴ら、口先はおためごかしいいながら戦争に向けて着々と準備進めてる(ように見える)
今はまだそんなにあからさまじゃないけどね。
というわけで、ちょっと昔の、検閲がひどくなかった頃の辞書から引用してみる。(小中学生用の字の大きな中身の薄い辞書とも一味違うぞ)
岩波国語辞典第 西尾実 岩淵悦太郎編 水谷静夫 岩波書店 より
やごう【野合】〔名・ス自〕男女が媒酌(ばいしゃく)なしに通ずること。私通。
しつう【私通】夫婦でない男女が、ひそかに関係を結ぶこと。
つうずる【通ずる】@〔サ変自〕@道筋がつながって、あるところまでいける。イ(@のイからハまで略)
ニ 男女が不義の交わりをする。ホ(@のホ以降略)
ま、これでもかなりあいまいな表現だけど、これでわかるっしょ?
・・・・読み返して、ナニ関係ないこといってるんだと自己突っ込み。
ま、通りすがりの「野合」説明の部分だけ読んであとは忘れてくれ
694 :
名無しさん@ピンキー:03/09/09 22:56 ID:0c1KzSoA
何だか話が変な方向に転がっているんですが・・・。
自分、一応SS書きですから、一旦投下しかけた話は最後までうpします。
ちょっとやる気をなくしかけたのは事実ですけど、ここではそういう発言はしてないんだし。
ただ、他スレでつぶやいた愚痴をコピペされるのは勘弁して欲しいってか、
テンプレ云々以前の話でしょ、それは。
後で出直してきますけど、とりあえずご心配をおかけしたみたいですみませんでした。
なんで漏れが謝るんだ?
sage忘れた!
スマソ
696 :
廉麟日記:03/09/09 23:03 ID:amb1Nxnr
△月×日
女仙たちがすごいケンカをしている。
ケンカのはじまりは、えっちのことをなんて言うか、
ってことだった。
漣と才はとくにチガウらしくて、すごいはりあってる。
わたしが「えっち」ってにっきに書くのも、もんだいに
なってる。
「えっち」は80年前に才から登仙してきた女仙が
おしえてくれたんだけど、漣しゅっしんの女仙は
「漣では『えっち』なんて言いません!!」だって。
とりあえず、黄海に遊びに行くことにする。
694=695=650です。
重ね重ね・・・
きぶんが乗らなくて、黄海で、ひざをすりむいたので宮にもどる。
みんななかよくしたらいいと思う。
>>696>>698 おもろい。岩戸開くまで続けれ!(・∀・)
ひざ擦り剥いて半泣きの幼廉麟、激萌え。
>>696 和んだ(^〜^)。
そういや、HってHENTAIの頭文字なんだってね…
(ココ○コミラ○ルタイプ見て初めて知った)
…そうか。じゃあ、才では(ry
夜おそいのでねむい。獣形にもどっちゃいそう。
いっつも、ねると転変しちゃう。
大きくなると、人の形のままねむれるようになるんだって。
いつも枕元でえっちなお話をきかせてくれる女仙が
今日はいない。
また、えっちなお話を聞かせてもらえますように。
女怪が手をつないでくれた。おやすみなさい。
広い牀榻の上には官服を纏った女が横たわっている。
その腕は両手首を合わせて細紐でぐるぐると戒められ、万歳をするように頭上に上げられている。
服の胸元をはだけ、形の良い乳房が剥き出しにされている。裾も割られて股間が奥まで見えているが、着衣そのものは身につけたままだった。
首筋から薄く盛り上がった乳房にかけて、女の小麦色の肌には赤黒い花びらが一面に舞っているように見える。
その花びらが同じく小麦色の太股の内側に散っているのも目に入る。
身動ぎをするたびに花びらも動き、それが直接女の肌につけられた跡だと知れる。
「どういうつもりだ」
牀榻の脇に仁王立ちした男が、女を見下ろして低い声で問い質す。
「俺と半年ぶりに乳繰り合おうというのに、他の男の徴を体中につけてやってくるとは。
一晩たりとも男なしではいられない程に淫らな身体だったか」
しかし女は天井を睨みつけたままで応えない、否、答えられない。
それを言ってしまっては、自分の昨夜の行為の意味が無くなる気がしている。
女の股間からは妙な角度に棒が突き出していた。
よく見ると美しい細工を施された銘木製で、恐らくは何かの道具だろう。
その棒を太股に夾み、女の腰は微かに蠢いている。
男は女のそんな様子を黙ったままで暫く見つめていた。
やがて
「お前が答えないのなら仕方がない」
そう言うと長く残した細紐の端を取って、女の手首を壁から突き出した大きな環に繋いだ。
本来は燈籠を掛けるためにあるその環と、更に右の足首にも紐を結んで牀榻の足下の柱に繋ぐ。
そうして陽子を動けないままに放り出し、尚隆は臥室を出て行ってしまった。
陽子は疲れた頭でぼんやりと考えている。
尚隆の怒りは尤もだった。然し、どうしようも無かったのだ。
尚隆との約束の日に向けて、陽子は国境の義倉の管理について話し合うためにひたすら勉強していた。
同時に、久しぶりに尚隆と共に過ごす一夜を大切にしたくて、一週間以上前から台輔に限らず誰とも枕を交わさずにいた。
その為に気づくのが遅れてしまったのだ。生真面目な台輔が、発情期を迎えているのをひた隠しにしていたことを。
判っていれば、早い内にこの身を与えて穏やかに宥めてやることも出来たものを、融通の利かない不器用な男は、ぎりぎりまで耐えた揚げ句に王宮の厩の騎獣を使い、麒麟の姿で獣欲を満たそうとしていたのだった。
いや、気づいてやれなかった自分が悪い。気づいてしまったからには捨ててはおけない。
とどのつまり、我慢に我慢を重ねていた景麒は我を失って陽子を陵辱するかのように犯し、体中に交接の跡を残したのだ。
それが昨夜のこと。最悪の成り行きだった。
一晩経って、よりはっきりしてきたこの跡を見れば、尚隆が怒るのも無理はない。
尚隆とは別にお互いだけだと約束し合った仲ではない。事実、陽子は普段は台輔や他の男とも身体を重ねているし、尚隆にも行きつけの妓楼にお気に入りの遊女がいるのだ。
しかし、この日は以前からお互いのものと定めた日だった。互いに忙しい王の身であればそう易々と予定を変える訳には行かない。
尚隆が陽子と充分に睦み合うために妓楼通いを休み、あまつさえ延麒の予定さえ計算に入れて所払いをしてくれたというのに、陽子は己の下僕が発情期を迎え、しかもそれをひた隠しにしていたことにすら気づかなかった。
中途半端だった。王としても、愛人としても。
だからそれを尚隆に言うわけにはいかなかった。言えば只の言い訳になってしまう。
言い訳を口にしたら、限界まで耐えた景麒の思い、それを受け入れた己の矜持は基より、自分を求めてくれた尚隆をも愚弄することになってしまう。
だが・・・、股間にねじ込まれた棒からはじんじんと甘い痒みが広がってきていた。
たった一人で取り残されているために、却ってそのことばかり考えてしまう。
景麒とのことを考えても、尚隆のことを思っても、全ての感覚はその棒が与える刺激に帰結する。
陽子の太股をすり合わせる動きは止むことがない。
そこへ尚隆が戻った。
冷たい目で陽子をねめつける。股間が溢れた蜜で濡れているのが見えた。自分が部屋を空けている間にこの女は何をしていたのやら。
「言う気になったか」
陽子の気が変わるはずが無いのを知っていながら尋ねる。
案の定唇を噛みしめた陽子がきっぱりと横を向くのを見て、奇妙な満足を覚える。そんなに易々と気を変える女など、初めから抱く気にはならない。
「その強情がどこまで続くことか」
言いながら牀榻に横座りし、股間の棒を抜き差しし始めた。
その棒、一見して紫檀細工の工芸品だが、思いのほか重量がある。
美しい木目の表面に微妙で繊細な彫刻を施し、内部に鉄棒を仕込んで文鎮としての重さを確保してある。匠の国・範が近頃力を入れている細工物だった。
氾王が尚隆に宛ててわざわざ直接に贈ってきたもので、文鎮としては勿論だが、両端の丸みのある形といい手に持ったときの平衡といい、他の目的にも使えるように考えられたものであることは明白だった。
第一、山客渡りの秘薬とかいう軟膏も一緒に送られてきている。それが単なる潤滑油などではないことは、陽子の様子を見れば一目瞭然だった。
事実、眼前の陽子は堪えることに必死だった。
目をきつく閉じ、歯を食いしばって耐えているが、股間のひくつきは押さえようがないらしい。
棒をくわえ込むように両股をすり合わせ、淫らに腰をうねらせている。口を閉じているせいで鼻から漏れる声が、余計に扇情的に聞こえる。
じれったそうに身を悶えさせているのは、今日はまだ触れて貰えていない乳房へも愛撫を欲しがっているからに他ならない。
角度を変えながら陽子の花芯を抉ると、見ている前で乳首の色が濃くなり固く屹立してゆく。
その様子を冷徹な目で見計らった揚げ句に、尚隆は尖った乳首を爪で弾いた。
たったそれだけのことで陽子は達してしまった。
(つづく)
706 :
650:03/09/10 01:16 ID:EJfihy7O
また短くてすみません。
>679さん
焦らそうと思って少しずつ投下してるんじゃなくて
投下する直前まで推敲してしまうので
一回に3〜4レスずつが限界なんです。
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
>>703-
>>705 キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!!
焦らされる陽子…イイ(;´Д`)ハァハァ
や・・・・やっぱり氾は、あれを商品化して・・・・ハァハァ
>>704
序章はそういうことだったのか。
ツボ押さえてるのに想像のつかない展開が萌えだ。
あと幼廉麟ナイスでした。
話題もタイムリーでw
報告が遅れて申し訳ありません。
書庫は無事に引き継ぎました。
現在、ジャンルの増加に伴い改造中ですが、ほとんどの作品を見る事が出来ます。
ふつつか者ですが、どうぞよろしくお願いします。m(_ _)m
孫昭を股裂してください。
新司書様、書庫の引き継ぎお疲れさまでした。
新旧の名作をこれからも堪能出来るのは嬉しい限りです。
こちらこそ、どうぞよろしくお願いします!
司書さん乙カレ―!
さっそく行ってきましたよ。
家パソから今三冊目が見られないので、うれしいです。
新司書さま、引き継ぎお疲れ様でした & これからよろしくお願いします。
あの表紙をまた見ることが出来て嬉しいです。
旧司書さま、お疲れ様でした。
早く新天地で落ち着いて、ROM出来るようになりますように。
幼廉麟可愛い!
眠ると小さい麒麟に戻ってしまう廉麟タンを想像してほんわかしました。
その有様を見て尚隆はむらむらとする。
本当なら陽子の膣内(なか)を思うがままに突いて、二人を高みに押し上げるのは、自分の怒張の筈だった。
陽子の乳房を弄り回し、乳首を吸うのは自分の口の筈だった。
しかし、首筋についた赤い跡を見て、胸乳と股ぐらを改めて。見ただけでそれ以上どうにかする気が失せた。
恐らくは丸一日も経たない前に他の男が使った女を抱くほど不自由はしていない。
なのにこの女は文鎮を咥え込み、乳首に触れられただけで簡単に気をやってしまった。
陽子との交合いを心待ちにしていた分、尚隆の中には今、可愛い女への憎しみにも似た感情がある。
やがて尚隆の口元に暗い笑みが零れた。
ならば、他の男が使っていない場所ならどうだ?
尚隆は文鎮を引き抜いた。
陽子のまとわりつく花芯から引きずり出すと、ぢゅぷっとじめつく音がする。
表面に施された彫刻のせいで半濁した蜜がべっとりと絡みつき、ぬらぬらと光っている。
滴るほどに蜜がまとわりついたそれをしげしげと眺める。こんな細い棒一本でこんなに濡らすのか。なんと淫らな女なのだ。
無意識のうちに文鎮に顔を近づけていた。舌を伸ばし、そっと舐め始める。
半年ぶりに味わう陽子の蜜は、今夜も甘露の味わいだった。ひと滴も残さぬように舐め取るにつれて、舌の表面が文様に刺激され、高まった性欲を吐き出せていない尚隆はますます凶暴な気分になる。
男に抱かれたばかりの身体でやって来た陽子自身を責めるように、尚隆は舌で文鎮を犯した。
陽子の掠れた視界の中には、こちらを向いて文鎮を貪る尚隆が映る。
冷徹な瞳の奥に熱っぽいものをちらつかせながら陽子をひたと見据え、舌を長く伸ばしてぞろりと棒を舐めあげて見せる。
その様を見ているだけで陽子の股間は熱を帯び、乳首が再び固く頭をもたげる。
陽子の頭の中で、尚隆の舐める棒と己の身体が同調した。
尚隆の舌が、自分の首筋から鎖骨を通り、乳房をねっとりと舐めあげる。
乳首を甘噛みしてからきつく吸い上げる。
乳房に満足するとわき腹から臍へと下りて、きれいに生えそろった茂みを撫でつけるように何度も往復する。
そして尚隆を待ちわびている秘所へと、熱い舌が生き物のように蠢いて入ってくる。其処を存分に味わった後で陰核を吸い、ついには誰も受け入れたことのない菊座にまで・・・!
・・・とぷり、と音がして、陽子の股間は再び透明な蜜を溢れさせた。
文鎮の表面をすっかりきれいにした尚隆は、改めて秘薬を塗り込め、今度はもう一つの穴を責める。
しかし菊の蕾のような其処は固く窄まって、美しい道具を受け入れようとしない。
「やはり、ここは使ったことがないか」
尚隆はおもむろに陽子の左脚を肩に担ぎ上げ、溢れた蜜を掬って後門に塗り込めると指で捏ね始めた。
再度達して惚けていた陽子が我に返る。
「其処はいやだ、駄目! 尚隆!」
「お前は自分の要求を言える立場ではないのだ」
嗜虐心に煽られ、尚隆は陽子の菊座を揉みほぐす。
「嫌! 嫌、やめてぇ」
腰を捻って逃れようとするのを押さえ込むために両手が必要になり、尚隆は菊座を口で解すことにした。
唾液をたらし込むようにこぼし、舌を尖らせて舐め、口をすぼめてきつく吸い上げる。
そこは少しずつ柔らかくなり始めている。
「はっ、ん、・・・ん・・・くっ」
菊座を嬲られながらも感じているのか、陽子の秘所からは淫らな蜜が恥ずかし気もなく溢れている。もしも手が自由になっていたら、間違いなく自分で秘所を弄り、乳首を抓んでいたことだろう。
「しょ、しょう、りゅう……」
さっき蜜にまみれた文鎮を舐めた上に、菊座に口を付けてしまったことで尚隆の意地も挫けかけていた。とうとう陽子の秘所に直接しゃぶりつく。
「はぁぁっあああああっ」
高く細い声で陽子が達した。
もう陽子は抗わない。それをいいことに右手で花びらを掻き分けながら舌で貪り、左手で取り出した己の怒張を扱く。
ーーー畜生、畜生、畜生! この女と交わりたい。意地も誇りも捨てて抱いてしまえたら!
お互いに相手が欲しいのに、陽子の全身に舞い散る花びらが、頑としてそれを阻んでいた。
口の周りがべとべとする。
秘所からにじみ出る愛液のせいなのか、そこを舐める己の唾液のせいなのか、尚隆にはもう判別がつかない。
動きの鈍くなった陽子の様子を見やると、執拗な責めを繰り返されてもうほとんど意識を手放しているようだった。
それに構わず、女の足を両肩に担ぎ直すと、再び股間に口を当てる。さらに深いところを舌で抉るように舐め、小刻みに震わせてやる。先刻すでに気をやっている女はもはや微かなうめき声しか出せず、男のなすがままだった。
舌の腹で剥け上がった陰核をぞろりと舐めると新たな蜜が湧いてくる。舐めれば舐めただけ、新しく透き通った蜜が溢れてくる。その湧き出す源に唇をぴたりとつけてすすり上げた。
女の両脚がぴんと張ったと思うと微かな声で名前を呼ばわり、そのまま気を失った。
尚隆はゆらりと立ち上がる。
「この期に及んで、呼んだか」
自嘲するかのように言葉を吐き捨てた。
先刻一旦手に取った美しい文鎮の、丸みを帯びた一端に改めて軟膏を塗りつけると、手足を繋がれたままの女を俯せに返し、その尻たぼをくつろげて隠された穴にあてがった。
丸い先端でつつくように抉ってやる。弛緩した女の身体が微かにうねり、見るだに小さなその穴に文鎮が飲み込まれてゆく。およそ3分の一ほどが入った辺りで、女の腰が淫らに蠢き始めた。催淫剤の効き目は意識を失っていても反応してしまうほどであるらしい。
文鎮をかき回すような動きで出し入れしながら、再び己のものに手を添える。
怒張は痛いほどに反り返っていたが、この夜はまだ一度も精を放っていなかった。
誰かのお下がりの膣は願い下げだが、後の門は試してみたい。しかしようやく入るようになったばかりの文鎮に比べて、尚隆のものはいかにも太かった。
このままでは壊してしまう。
失神した女の身体を見て、その尻の上に吐精してしまおうかとも思ったが、これから来る筈の客のことを考えれば無闇に刺激することは得策ではあるまいと思い直し、手早く手巾に吐き出すように処理をする。
尻の穴から文鎮を抜き取り、それも手巾できれいに拭き取って書見台に戻す。
それでぎりぎりに間に合ったのだった。
(つづく)
>>702 原則麒麟に名前は無いけれど、女怪は名前が付きます。
キタ━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━!!
>>650タソ、グッジョブ!
長編は長く楽しめてウレスィ。
続き、キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
>お互いに相手が欲しいのに、陽子の全身に舞い散る花びらが、頑としてそれを阻んでいた。
この一文に激萌えしますた!
722 :
1/2:03/09/11 08:09 ID:DF/Kb1oJ
李斎は眠っている泰麒の顔を見守っていた。
穏やかな寝顔は、もう稚いばかりの子供ではない。
幼かった泰麒はもうどこにもいないのだ。
李斎はぼんやりしながら色んなことを思い出していた・・・
「台輔は神出鬼没でいらっしゃる」
真っ先に、李斎が膝をついて一礼しながら破顔した。
「珍しい天気だから、雲海を見にきたんです。下の景色が見えるんじゃないかと思って。
──おしりを撫でてもいいですか?」
「もちろんですとも」
李斎は気安く答えて・・・
李斎は思わず微笑んだ。
──李斎、と高く嬉しげな声で。まろぶように李斎を目がけて駆けてきて、
そうして必ず、おしりを撫でてもいいか、と。
「お小さい御手の感触を今でもよく覚えている。私はたいそう、その感触が好きだった・・・」
李斎はそうひとりごちた。
723 :
2/2:03/09/11 08:11 ID:DF/Kb1oJ
「麒麟は×××××の×××××だという──それは、こういうことなのではないかと思うことがある。
×××××や×××××を×××××する、それが×××××というものなのではないだろうか。
×××××は×××××の×××××だった。×××××の×××××であるがゆえに、
その×××××にもさほどに惨い×××××があったわけではなく、ただズルズルと×××××してきた。
そこで×××××を×××××するには×××××するのが最も効果的なのだろうが、
×××××は同時に×××××だろう。
×××××の×××××は×××××だが、×××××を失えば怖い。
──×××××という×××××を、泰麒の×××××が×××××ているように見える」
この人は──と、李斎は思い、その先の言葉を見失った。
今の気分をどう表現すればいいのか分からない。
変態だ、というのは簡単だろう。あるいは、正気の沙汰ではない、とも。
あの小さく愛らしい子供を、そんな目で見ているのか、という気がした。
李斎はそんな風に昔の幸せだった頃に思いを馳せていた。
ふと、泰麒が目を開ける。
無事を陽子に知らせるために部屋を飛び出す桂桂。
「戻っていらっしゃいました。お分かりになりますか?」
泰麒はしばらく茫然としたように李斎を見上げ──そしてうなずいた。
「・・・李斎?」
かすかな声ももう、子供の声ではなかった。穏やかに柔らかい。
「はい・・・」
李斎はたまらず泣き崩れた。ふとんの下の薄い身体を抱きかかえた。
「李斎、・・・腕が」
抱き返してくれた手が、右の残肢に触れていた。
「はい、不調法で失くしてしまいました」
「だいじょうぶ?」
「もちろんです」
身体を起こそうとした李斎を、細い腕が引き留める。
「李斎……おしりを撫でてもいいですか?」
はい、と李斎は答えたが、多分、嗚咽で声にはならなかったと思う。
ぷっクスクス・・・
落ちイイ!
たまにはこういうのもいいですね。
>>722-724 朝っぱらから笑かしてもらいました。おしりフェチの泰麒。
欲を言えば、伏せ字が全部5文字じゃなくて×の数に変化をつけてもらえると
こんなことやあんなことを色々想像してもっと楽しめた気がする。
・・・何を考えてるんだ、朝から・・・。
>>719 原作に廉麟の女怪の名前って出てきたっけ。
白犬に名前があったのは覚えてるんだが。
>>726 廉麟の女怪は、登場していません出てきたのは、
泰麒 汕子
景麒 芥瑚
延麒 沃飛
塙麟 尹灑
新塙果 新女怪
の計5人です。
つまらんな。元々クソスレだったがもう終いだな。
>722-724
激しくワラタ。どこまでも自分の欲求に忠実な泰麒……。
×はやっぱり5つが基本でしょうか。
>>650 グッジョブ!!
>意地も誇りも捨てて抱いてしまえたら!
エロいやら切ないやらの良セリフ。
一粒でいろいろ楽しめる贅沢な作品でかなり好きです。
1 自分の好きなカップリングが全く無くても職人さん達に噛みつかない。
2 自分の性癖に合わない作品に文句を言わない。
3 お互いの好みは尊重し合い、受けつけられない作風の作者を批判するのはやめましょう。
4 個人的にとても許せないカプがあっても黙認しましょう。
その職人さんに向かって吠えたてるなど論外!
前からいるならマナーを守ってマターリ行こう。
>>728
>728はマルチだろ。
なんか最近荒れていると思うのは気のせい?
久々に書庫行ってみたら漏れの2ちゃんねる一家ネタまであってビクーリしたyo(w
書庫管理人タン、乙悦です。(エロじゃないのにスマンコ。いつでも消してくだちい)
>650
(;´Д`)ハァハァ こういう関係激しく萌える。続きが楽しみ楽しみ楽しみハアハアハアハア
>>733
それほどでもない。まずはスルーを励行しよう。
「公はどうして私にこんなによくしてくださるのですか?」
「え? うーん、どうしてだろう・・・ 李斎とお話してるとなんか安心できるんです」
「これはこれは。公は私が舞い上がるようなことをおっしゃってくださる」
「お母さんみたいなんです」
「・・・私はまだそのような年齢ではありません」
「でも仙なんですよね? 李斎は生まれてから何年経っていますか?」
「・・・40と5年経っております」
「45歳なんですね。やっぱりお母さんだ」
「公は私がへこむようなことをおっしゃってくださる・・・」
壁落人&杉本
「野木からは野山の草木や動物たちが生まれ、里木からは人の子供が生まれます」
「ではこの世界では中田ししても大丈夫なのですか?」
「わ、私には答えられません。それにそんなこと考えてもいけません」
海客同士でセックルした場合の妊娠の可能性はどうなんだろう…
エーン書庫が見れない。なんで?
>>738 SF板あたりでガイシュツだったよーな
>>739 トップページから開けないってこと?
一部分(浩瀚陽子とか)てことなら、まだ工事中なのでは?
司書タソ、がんがって〜。
>>740 きちんと読まれましたか? 主上>
のページの下のアットファーストから入るんじゃないのですか?
ノットファウンドになってしまうの
(
>>718 のつづき。話題に横入りしてごめん)
臥室の扉を半開きにしたままで居室に戻ったところへ、ほとほとと扉を叩く音がし、外から取り次ぎの官が来客を伝える。
「景台輔がお見えになりました」
「お通ししろ。そして人払いを」
言いながら緩んだ袴の紐を締め直す。
そこへ、玲瓏たる面差しの、白銀に見えるほどに淡い金の髪を持った慶国の台輔が、奥の牀榻に気を失ったまま捨て置かれている女の下僕(しもべ)が、静かに入ってきた。
「景台輔みずからが、こんなに早く出向かれるとはな」
尚隆は微笑みさえ浮かべて景麒に椅子を勧めた。自分の舞台に相手を引き込んだ延王には余裕がある。
対する景麒はいつもながらの感情の読めない表情だった。
「致し方ございません。あの鸞(らん)の知らせを聞いたからには」
先刻、陽子を繋いでから青鳥を飛ばしておいたのだ。返事が来るとは思っていたが、まさか慶国の台輔本人が直接来るとまでは想像しなかった。
景麒を見据える尚隆の瞳に力が入る。
「というからには心当たりがあるか」
「延王君からの鸞の伝える言葉の意味を読みとった者は、金波宮では私一人かと」
静かに答え、濃紫の瞳が延の顔を正面から見返した。
ーーーこやつ、なかなか。
「つまり景王の昨夜の行状を問い合わされる理由に察しがついているということか」
「恐らくは」
「主が俺と乳繰り会うのを知って悋気に逸り、痕をつけて所有欲を示した、と受け取って良いのかな」
いきなりの本題、乳繰り合うという言葉に僅かに景麒はたじろぐ。
そういうことだろうと薄々察してはいたが、当の相手からこうもあけすけに語られると、自分でも意識していない部分で堪えるものがあった。
ーーー痕を……
口の中でつぶやくと、改めて尚隆の目を見る。
「所有欲、というお言葉の意味が解りませんが」
「そうか? お前になら通じるかと思ったが」
さあ・・・、と麒麟は受け流した。
「とにかく景王陛下には、俺の問いには一言も答えては下さらん」
そう言って尚隆は景麒の反応を見る。
「しかし相手が誰であろうと、他の男の徴を体中に刻み込んだ女など、抱く気にはならん」
抱く、という言葉を、景麒は微かな痛みと共に受け止めた。
「延王君には、その相手をお知りになりたいのですね」
「相手と、その理由とを聞かせてもらいたい」
その語気からは、知らずには置かないという気負いが滲んでいる。
「主上が仰らないことを、下僕の私がお応えするのは憚られます」
「俺には誰かを庇ってのことと見えたのだ。その誰かは鸞の伝言の意味が判るに違いないともな」
尚隆の言葉が刃のように景麒を追いつめる。
「それでは、主上は今、どちらにおいでなのでしょうか」
密かに眉を顰め、あくまでも平静を装った景麒が問う。
「牀榻の上に放ってある」
「聞き捨てなりませんが」
「抱いてはいないが、気をやって失神している」
「それは……」
ーーーどういう意味だ。
「感じやすい身体になったものだ。俺の手と口だけで気をやった」
景麒の沈黙を読み取って、尚隆は言葉を継いだ。
「強情に口は噤んでいたが、最後に」
「なにかおっしゃっていましたか?」
案の定、景麒が食いついた。
「お前の名を」
「は?」
「最後にお前の名を呼んで果てた」
「それは……」
表情の薄い男の口元に、明らかに満足の笑みが浮かぶ。ちらりと。
「説明して貰えるのだろうな」
僅かに間が空いた。
「こちらまでまかり越しましたからには、言い繕っても意味がありますまい」
そして景麒は真っ直ぐに尚隆の目を見た。
「この一週間というもの、主上は雁で大切な話し合いがあるのだからと仰って、誰も寝間に入れず、毎晩遅くまで調べ物をなさっておいででした」
どういう順序で語れば筋道が通るのか、考えながら景麒が切り出す。
「それと前後して私は発情期に入っていましたが、主上のお邪魔をする訳にはいかないと、なんとかひとりでやり過ごそうとしていたのです」
そこで、視線が逸れた。
「しかし、昨日は主上が発情期の牝の匂いを発せられていて、うっかりとそれを嗅いだ私は反射的に盛ってしまいました。そうなるともう、誰かと番わずには収まりがつかなくなります」
尚隆が、ほう、と言うように片眉を上げた。
「すぐにもなんとかしなければならないと焦ったものの、他に手だてを思いつけず、厩の騎獣で手頃な大きさの牝を探そうとしていたのです。麒麟は、発情期の最も盛んな時期は、獣の姿で妖獣と交尾することも厭いませんから。
けれど夜陰に乗じて厩に向かう所を主上に見咎められ、主上は私にそれをさせまいと、ご自分の体を投げ出されたのです」
景麒は改めて尚隆の顔を見た。
「それが昨夜のことでした」
尚隆は一度たりとも景麒の表情から目を離してはいない。
「発情期の牝の匂い?」
その例えが興味を引く。
「麒麟なら、いえ獣なら判ります。主上は……」
ここで一旦口ごもり
「今にして思えば、延王君とのことを脳裏に思い描かれて発情しておいでだったのかと」
しばしの沈黙が落ちる。
相変わらず生真面目で不器用な主従だ、と延は心の中でひとりごちた。
しかもこんな、尚隆からすれば青臭いとさえ感じるような理由を大真面目に聞かされては、それに拘っている自分の方が悪役に思えてきてしまう。
「うちの台輔とは随分違うようだ。あれは女怪と2〜3日一緒にいれば治まってしまうようだが」
それには景麒は薄く微笑んで応えた。
「身体の成長の度合いが違います。見かけだけなら私は延台輔の倍の年頃でしょう」
そう、六太とは違う。景麒は成熟した牡の麒麟なのだった。
本来ならば他人に明かしたくなど無かったであろう秘め事を語り終えて物思いに沈んでいるらしい麒麟を視界の隅に入れながら、尚隆は考えを巡らせていた。
(つづく)
続きキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!
発情陽子にハァハァ。
ついでに六太×沃飛に萌えー!
発情王(・∀・)イイ!!
六太×女怪は手コキきぼんぬ
酷薄さにハアハア。
次回の景麒の反応が、烈しく期待してるけど怖い。
>>736 ワロタ
延陽の間に入る李斎と泰麒に和む〜
延陽も続きが気になる〜
>>736続き
「そ、そうだ、母君とおっしゃるなら天仙玉女碧霞玄君などは如何ですか?
数え歳を鑑みれば碧霞玄君は私の数百、いえ、数千倍も御歳を取っておられるはずです」
「そうかなあ・・・ うん、確かに玉葉さまの方がお母さんって感じもします」
「そうでしょうとも!」
下山して戴に帰国した李斎は花影に蓬山での様子を話して聞かせる。
「・・・あれしか道がなかったんだ・・・」
「なんて浅ましい、恐ろしいことを」
では、と李斎は吐き出した。
「どうすればよかったというんだ!
粉身砕骨して三十前にして将軍の座に登りつめ、仙籍に序されてから十余年、
数え歳は四十を過ぎれど、瑞州紅一点と謳われた私が、子持ちの母などと!!」
琅燦「李斎必死だな」(すぐに立ち去る)
「今のは・・・?」
「気にしては駄目。でも、だからといって碧霞玄君を年増呼ばわりしてよいということにはなりません」
「しかし・・・ それにしても花影、さっきから何をそわそわしている?」
「いえ、別に・・・」
「そういえば花影は仙籍に序されてから何年経・・・」
「だめです。李斎、それだけは聞いては、だめ」
>>752 あなたの「ニコリともしないでギャグを言う」テイストが
好きです。
>>747 激萌え〜〜〜〜!!!
このSSで、私、自分の中のヤバイ嗜好を発見してしまった。
「厩 の 騎 獣 で 手 頃 な 大 き さ の 牝 を 探 」す
景麒に激萌えな私ってケモノ趣味だよね。つうか獣×獣に萌える
人間(私)って、人間としてどうだろう。ああ〜〜・・・。
とにかく続きを激きぼんぬ。三人のココロとカラダの絡みぶり
楽しみに待ってます。
(
>>747のつづき)
「ひとつ趣向を思いついた。景台輔には是非ともおつきあい頂きたいのだが」
「趣向……で御座いますか?」
景麒が警戒するように聞き返したその時、奥の部屋から気配がした。
男たち二人、それぞれに異なる緊張感でそちらを窺う。
「景麒、五十、……いや百、ゆっくりと数えたら部屋に入ってこい」
相手が従うことを疑いもしない言い方で命じると、景麒を扉の手前に足止めさせて、延王・尚隆がひとり臥室の中へ入ってゆく。
否応なしに、薄闇に包まれた居室でひとり、景麒は隣室の気配に耳をそばだてることになった。
ーーーいち・・・
「しょうりゅ……」
掠れた声がする。確かに主のものだが、今までに聞いたことのない声音。
「気づいたか。今明かりを点けよう」
尚隆の声は限りなく優しい。
それと前後して隣室から景麒の待つ部屋へ、扉で縦にくっきりと切り取られた光が差し込んでくる。
光の当たらない扉の陰に立ち、男の声に含まれた紛れもない情愛の念を聞き取って、景麒は黒く重い気持ちが腹に蟠るのを感じた。
「陽子」
呼びかけて尚隆は陽子を改めて見る。
事情を知ってしまった今となっては最早身体の痕に拘る理由がなくなり、ただ陽子を愛おしく思うばかりだ。たまらずにその朱唇を吸う。牀榻の脇に跪き、繋がれて身動きのならない陽子の頭を抱え込んで丁寧に吸い上げてゆく。
ーーー六
ようこ、と呼ぶなら、隣室にいるのは確かに景麒の主人(あるじ)だ。
もっと声がしないかと聞き耳を立てる景麒に聞こえてきたのは、唇がついては離れる密やかな音。
舌を絡め唾液を交わす湿った音が続き、口を塞がれて鼻に息がまわる、んっんっと短く区切る甘い声が混ざる。
景麒は両拳を握りしめ、隣室に背を向けて壁にぴたりと身体を押しつけた。そうしていないと臥室に飛び込んで行ってしまいそうな自分がいる。
ーーー五十・・・
長い長い口づけが終わり、尚隆が顔を離した。
まずは壁の環から紐を外す。ついで陽子の目を真っ直ぐに覗きこむ。翡翠の色をした瞳に己の姿が映っている。
見つめ合ったまま自分の衫の細帯を解くと、それを陽子に見えるように掲げた。
「尚隆?」
「お前を可愛がりたいのだ」
低い低い声で尚隆が言い聞かせる。
「お前がとろけてしまうまで、身体中可愛がってやりたい」
それを聞いて、陽子の瞳が欲望に煙る。
「だが、他の男の印をつけているおまえの身体を愛撫するところを、当のお前に見られたくない。
お前はただ身体だけで感じていればいい」
「そう…なのか?」
「そうだ、陽子」
そしてしっかりと目隠しをした。
「あ、しょうりゅう……」
ーーー七十二
「陽子、これを…」
衣擦れの音、微かに乱れる息づかい、再び聞こえるぴちゃぴちゃと鳴る音。
「しょうりゅ……んっ」
ーーー百!
初めて立ち入る他国の王の臥室。景麒は瞬時に部屋の様子を見て取った。
尚隆は扉に背を向けて広い牀榻の脇に膝立ちしている。頭は延王の陰に隠れて見えないが、主の身体が斜めに横たわっているのが判る。
入り口で立ち止まった景麒を振り返ると、口に指を立てて見せ、尚隆は無言で手招きした。
その意図を汲みかねながら、室内に入って臥室の扉を後ろ手に閉じる。
そして初めて目にしたのだ。主の乳房一面に鏤められた赤黒い花びらを。
あれをつけたのが自分なのだろうか。昨夜のことは、本当に全くと言って良いほどに覚えていない。
厩へ向かおうとしたところを主が身を挺して留め、多分そのまま二人、執務室にもつれ込んだ。
主の方から唇を重ねてきて、それが引き金となって歯止めを失い、床の上で犯した。
それは、今日の午後、鸞の伝言を受け取って、取る物もとりあえず雁に向かう道すがら考えて導き出した状況だ。
景麒にとっては他の女も牝獣も、ただ一人の女(ひと)の身代わりに過ぎない。あれほどに切羽詰まれば身代わりを考える余裕すらない。
五感の全てが主一人を欲し、繰り返し繰り返し貪ったように思う。何度精を放ったかも覚えていない。意識をなくして尚、女の腰を穿ち続けたのかも知れない。
性的に成熟した麒の発情期の性欲とは、それほどに凄まじい。
そして今朝早く気づいたときには主の姿は既になく、全裸で床に横たわっていた景麒は、慌てて身繕いをし、散らかった室内を整えたのちに朝議に出たのだった。
下官に確かめたところでは、王は予定通りに雁へと向かったという。それでは主上は無事だったのだ、自分はあの女を抱きすぎて壊しはしなかったのだと胸をなで下ろし、安堵していたのだ。
延の声で語る鸞の知らせを聞くまでは。
つまり景麒にとってはそれ以来目にすることになる主だが、それが鮮やかな緑の細帯で両手の自由を奪われて、仰向けに横たわっている。
見慣れているはずの官服が、乳房をさらけ出し股間を剥き出しにすることで、目を疑うほどに淫靡な衣裳に見えてしまう。
数歩進んで、さらに目を疑う有様が目に入った。
牀榻から乗り出すように頭を仰け反らせ、男物の青灰色の細帯で目を塞がれている主。
その傍らの延は既に袴を脱ぎ捨て、衫一枚を肩から緩く羽織っている姿。
そして主の口には尚隆の牡の印がしっかりと咥えられていた。咥えているだけではない、唇が妖しく蠢き、男の器官にしゃぶりついている。手が使えない分、口だけでしゃぶらねばならない陽子は、みっともないほどに大きく口を開き、口角から零れた涎が耳に向かって流れている。
その光景から目を離すことが出来ない。まだ発情期のただ中にある景麒は欲情していた。
(つづく)
楽しいーーーー!!
続きを早くー!!
キタ━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)━!!!!!!
毎晩毎晩の連載がたまりません。
ドキガムネムネ?(*´Д`)ハァハァ
乙!
は〜たまらん・・
盛りがついたら前後不覚になるのか。スポックみたいなヤツだ。
繁殖もしないのに、凄まじくさかってしまう景麒
耐えてる景麒の前で、尚隆に発情するヨーコタン
尚隆の元へ発ったヨーコタンの無事を喜ぶ景麒 (ノД`)・゚・
650さんは、ひどいお人や・・・
虐められる景麒萌え
尚隆がまだ半立ちの己の物に手を添える。
軽く揺り動かされるそれを追って、陽子は親鳥の餌を待つヒナのように首を振る。
桃色の舌が尚隆のそれを熱心に舐る様を、景麒はその場に立ちつくし、ただ見つめていた。
「そうだ、陽子。上手くなったな。自分の王宮で研鑽を積んだか」
尚隆の言葉嬲りに、陽子が首を激しく振って否定する。
ーーーそうだ、少なくとも自分のものにはされたことがない。あの王宮で他の男たちにしているとも考え難い。まず間違いなく相手が尚隆だからこその痴態から、目を逸らすことができない。
尚隆は陽子の口だけを構って身体をがら空きにしていた。それが意図的なものだということが景麒には判る。
陽子は魔羅しか与えない尚隆にじれて、手首を縛られたままで自分で胸を弄り始めた。
自由にならない手で何とかして快感を得ようと、徒に乳房を擦っている。
そんな陽子を尚隆は情欲に満ちた視線で眺め、そして再び景麒に視線を走らせた。
そこに至ってついに景麒の中の何かがはじけた。
つかつかと近寄り、延王の許しも乞わずに牀榻に上がり込むと陽子の腹の上に跨る。
視覚を奪われている陽子は突然の第三者の登場に驚愕したが、尚隆が頭をがっちりと押さえているので身動きが出来ない。
思わずうなり声を上げる陽子に「歯を立てるな!」と尚隆の叱咤が飛んだ。
戒められたままの陽子の両手を上に上げ、景麒は乳首にいきなり食らいついた。
赤く色づいた愛らしい乳首。いつもなら散々に焦らして周りからねっとりと責め上げてゆくそこを、初めから舌で転がし、前歯できつく噛む。
もう片方の乳房をひんやりした手で形が変わるほどに強く握り、一番感じ易い先端を親指の腹で刺激した。
「け……けい・き…!?」
陽子の顎に力が入ってしまうので尚隆が魔羅を外した、その瞬間に、あり得ない事実を確かめる声が挙がる。
「ほう、さすがだな。乳を吸われただけで、愛しい男の愛撫だとわかるか」
愛しい男、という一言が、三者三様微妙な波紋を投げかける。
「数え切れないほどに身体を重ねておりますから」
冷然と景麒が言い放つ。
「え…、いやっ、いやぁああーーーーーーーっ」
その声に事実を現実と認めた陽子が絶叫した。
「大きな声を出すな」
尚隆の掌が陽子の口を塞ぐ。
景麒は黙ったままで両手で包み込むように陽子の左右の乳房を愛撫した。固く立った乳首を掌で転がしてその感触を味わう。
次いで帯を解き、大きくはだけさせて陽子の身体を露わにする。全身に加えられた陵辱の跡が痛々しい。
分別をなくしていた自分が着けた跡を、冷静さを取り戻した自分がなぞってゆく。
一つ一つの花びらに慌ただしく口づけを落としながら、癒されてくれ、赦してくれ、と願う自分がいる。
そして景麒は陽子の股間に顔を埋めた。
いつもならこんなに性急な愛撫はしない。徐々に高めて高めて頂上まで押し上げてゆくのが普段の愛し方だ。
しかし昨日、今日の景麒にそんな優しさはなかった。
目の前で他の男の愛撫を受け入れ、あまつさえその器官を口で愛撫していた主に向かって、今までに感じたことがないほどに欲情している。
秘所を包む襞を一枚ずつなぞり、上下の合わせ目に舌を這わせた。更に舌で陰核を剥き上げる。
ころりとした陰核を探し当てて唇で吸った。
刺激が強すぎるのか、陽子が腰を振って逃れようとする。
それを無視して、今度は陰芯に尖らせた舌を差し込んだ。
啜っても啜っても溢れてくる淫らな蜜を、喉を鳴らして飲み込む。更に奥を探って陽子の柔肉が舌を押し戻そうとするのを無理矢理かき混ぜた。
愛液にまみれてテラつく顔を上げると、尚隆が再び己の物を陽子の上の口に突き入れているのが見えた。
二人の目があう。
尚隆の手が陽子の乳房を掴み、絞り上げた。
身を乗り出して、絞り出され充血した乳首に吸い付く。いや、噛みつく。
尚隆が乳房を揉みしだき、景麒が乳首を吸う。
間に有る陽子は泪を流しながら尚隆のものを咥え、両脚は未だ着衣を解かずにいる景麒を蟹ばさみして腰を振り始めていた。
「淫らな女だ」
「本当に」
「そそられるな」
二匹の牡が視線を交わし、ふっと笑み交わす。
尚隆が如何に女好きとはいえ、一人の女を他の男と同時に乳繰り合うなどは、したことは愚か、考えたことすらなかった。
それがこの夜こうなっているのは、その女と相手の男との分かちがたい関係故だ。
尚隆はこの女が欲しい。しかしこの女と交わるたびに、彼岸に相手の男の陰が見え隠れする。
今夜三人が揃ったのは偶然だが、有る意味では必然に導かれたのかも知れないと思う。二人の関係を気にしているくらいなら、いっそ共に女を抱いてしまえばすっきりするかも知れないと、半ば自棄になっての思いつきだった。
不意に景麒が陽子から離れた。
「延王君におかれましては、今宵はまだ主上の膣内(なか)を味わっておられないのでしょう。
どうぞお使い下さいませ」
「ずいぶんと温情のあることだな」
応えて羽織っていた衫を床に落とすと、尚隆は一糸まとわぬ姿になる。
股間にそそり立つ唾液でぬれぬれとした赤黒い凶器を見て、景麒の意識の隅に、あれを主が受け入れられるのかと一瞬の危惧が浮かぶ。
「なら、景麒。お前この女に魔羅を舐らせたことはないのだろう?
それを試してみるがいい」
ーーー先ほどの自分の反応を見透かされていたか。油断のならないお方だ。
景麒も自分の袍衫を脱ぎ捨て、細く引き締まった体躯を露わにする。
その間に尚隆は牀榻に上がり、陽子の右足の戒めを解いた。
陽子に大きく脚を広げさせると身体の上にのしかかり、充分に潤い、男の器官を味わうのを心待ちにしている女の強欲な女陰に、一気に突き入れる。
一方景麒は先ほど尚隆がいた場所に位置を取り、目隠しをされた陽子の頭を押さえ込む。
「景麒?」
「主上」
認識のためだけに名を呼び合う。
今し方まで延王の器官をしゃぶり、そのすぐ前には延の舌と唾液を貪っていたその口を、景麒は乱暴に貪る。
口の中をきれいにすると、天を向いた怒張を押し下げて、まあるく開いた主の口に押し込んだ。
罠を張って待ちかまえていた牝蜘蛛の巣のように、陽子の口が景麒を呑み込もうとする。
尚隆に仕込まれた舌技で景麒を搾り取るように吸い上げる陽子。
昨夜、あれほどに交合っていなければ瞬時に達してしまったであろう快感に、景麒の頭の芯が痺れた。
一方の尚隆も、先程一回抜いておいたからこそ、何とか耐えられる締め付けを味わっていた。
半年ぶりだ。何度も反芻した記憶の通りに女はきつく、搾り取るような蠕動が尚隆を直に刺激する。
「ぁあ。良いな、お前の道具は」
満足そうに言う尚隆の言葉に、陽子の膣が締め付けを増した。そして尚隆の眼前では、景麒が己の物を陽子に咥えさせていた。
視るともなしに、その動きが目に入る。
尚隆は色白な景麒の金色の陰毛と、其処から突き出した赤みを帯びた器官が陽子の口中を嬲る様を見た。
正丁ともなれば他の男の逸物をおいそれと目にする機会はないし、ましてやそれが怒張を張って女と番っているところはそもそも他人に見せるべきものでもない。
故に、景麒の細身の剣のようにしなやかで長いものと、普段見慣れた己の、喩えるならば段平のように太くて逞しいものの対照が新鮮だった。
これなら自分のものでは馴らしきれない陽子の菊座も受け入れられるのではないかと思いつく。
嫉妬はない。
同じ女をそれぞれのやり方で愛することが楽しいと思う。この女を悦ばせることができればそれで良いと思う。
相手の男がどう感じるかは知らず、思いついたからには図らずにはいられない。
そうだ、と思い出したように言ってみた。
「おまえ、後ろを試してみるか?」
自分に話しかけられたのかと気づいて、陽子の口内の感覚に陶然としていた景麒が尚隆を見た。
「後ろ?」
「そうだ。まだ馴らし終えていないが、お前のモノなら使えるかも知れん」
「後ろと申しますと……」
「何を言っているか判らんか?」
此処まで来たからには既に退路は断たれている。
思わせぶりな尚隆の笑みに、景麒は更なる深みに引きずり込まれる気がした。
尚隆の熱く太い物に半年ぶりに女陰を突かれ、尚隆以外では初めて味わう景麒の物の感触に溺れ、陽子の意識は朦朧としている。
陽子の意志の及ばないところで、男達は話を進めてゆく。
(つづく)
キターーーーーーーー!!!!!
ハアハアハアハアハアハア
神最高でつっ!
キター!!神キター!!
続きキタ━━⊂⌒~⊃。Д。)⊃━⊂⌒O。Д。)⊃━O(。Д。)O━⊂(。Д。O⌒⊃━⊂(。Д。⊂~⌒⊃━━!!
的確な描写に、絵が浮かぶようだ。
たまらん・・・
いいところで焦らすお方ですな。続き激しくキボン
ヽ(゚◇゚ )ノヽ( ゚◇゚)ノ
もえもえもえも
×ーーー
○―――
キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━ !!!!!
キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━ !!!!!
キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━ !!!!!
ももももも萌え〜!!
グッジョブ! 続きは明日の晩でつか!?
この焦らされ感もある意味快感だw
>772
○の方で書きたいんだけど、やり方がわからないのだ。
¥か|になっちゃうんだよ。
>>774 「よこ」と書いてから漢字変換を何回かしる!
教えてやったから隠れんぼ泰麒きゅんを隠した布一枚ください。
よこ 横 ヨコ よこ 横 ヨコ
横 ヨコ よ個 世個 夜子 四子 撚子 与弧
できないよう ・゚・(ノД`)・゚・。
○―――
これでみんなの画面にはちゃんと表示されてる?
>>776 じゃあコピペしてPC内に保存していつでも使えるようにしとけ。
>778,779
マリマトー!
ついでに777ゲット!
神!神!
最 高 で す 。
尚隆と景麒のコンビにやられる陽子ええ。
>>650タソ、秀逸!! 毎日が楽しみでつ! ありがとうーーーー!!
>あの王宮で他の男たちに
景麒のほかにも複数か・・・
この陽子イイ!!
時はアニメ東の海神終章後。
その日の朝、陽子は身内に沸き起こる新たな欲望に気づいた。
唐突に権力を握った者ならば誰でもそうなると言われるが、
陽子は激しい嗜虐心に駆られていた。
男を跪かせ、鞭を振る回したい。
とりあえず景麒を呼んでみる。
朝早くから何事ですかと景麒が溜め息をつきながら部屋に入ってきた。
溜め息は初勅で禁じたのを忘れたのか。この馬と鹿の合いの子が。
まあ良い。景王の権を持って虐待してくれる。
「ひざまづけ! 命乞いをしろ! 私の靴を舐めろ!!」
「やれやれ、何事ですか・・・御前を離れず勅命に背かず忠誠を誓うと誓約する・・・」
・・・・張り合いの無い奴だ。
しかたがないので景麒を下がらせ、今度は楽俊を呼んでこさせる。
あの半獣が。なぶり者にしてくれよう。
「よう〜、どうしたんだ陽子。朝っぱらから」
「四つんばいになれ!!」
「ん? なんだー?」
トテトテトテ…
・・・
・・・・・・はぅあ!!
「こ、こら抱きつくな!慎みを持て!」
女王陽子への道はまだまだ長い・・・
壁落先生
終わりか!?
続きキボン!
はぅあワロタ
楽俊最強だ……
初勅タメイキ禁止にしたのかよ(w
四つ足で歩く鼠タソのフサフサした尻萌え?。(・∀・)σツンツンしたい
壁落先生、道のり遠そう(w
浩瀚とか桓たいとか虎嘯もキボンヌ(w
>>783 だって陽子タンは、女不足の慶国では女の体を武器にしないと。
(
>>766のつづき)
「いたしましょう」
覚悟を決めた景麒は淡々と答えた。
尚隆は陽子の手首の戒めを解いた。袖だけで身体にまとわりついていた服を取り去り、ようやく一糸まとわぬ裸体になった陽子を抱きしめて仰向けに寝返りを打つ。繋がったまま腹の上に乗せた。
「主上、尻を持ちあげて頂きたく」
「え……?」
陽子はまだ事態が飲み込めていない。男たちが結託して自分を貫こうとしている事実が見えていない。
尚隆が陽子の背中に手を回した。頭を押さえ込むように抱きかかえられ、自然と腰が突き出されてしまう。
景麒は陽子の背後に立つと尚隆の足を跨ぎ、片膝をついて位置を取った。前屈みになって陽子の菊座に舌を這わせ、更に中指を舐めて濡らすと穴の中に突っこんだ。
「あぁうっっ」
陽子が頸をそらせて声をあげる。尻の穴がきゅっとつぼんで景麒の指を咥えこむ。同時に尚隆の怒張がぐぐっと締め付けられた。
「ぅぉおおおっ」
尚隆が吠えた。
反射的に下から思い切り大きく女陰を突き上げる。跳ね上がる陽子の身体に、景麒は指ごと持って行かれる。
そして尚隆のものが深く刺さる速さを、ぬめる粘膜越しに指で感じ取った。その指を陽子の後ろの穴が万力のように締め付けている。
「延王君、しばしお待ちを」
言って尚隆の腰を落とさせて、景麒は指を抜く。
陽子の口からほっとしたような声が漏れた。それが限りなく愛おしい。
今度は二人の繋ぎ目から滴っている蜜を掬って菊座の中心に塗りたくると再び挿れた。先程よりも柔らかさを増しているその場所を、更に指を増やして捏ねる。先に文鎮と催淫薬とで馴らされたそこは、二本目、三本目の指も難なく呑み込んでゆく。
指の腹が、粘膜の内部の吸い付く感触と、薄い肉壁を通して形をなぞることの出来る尚隆の逸物とを探る。
陽子の滑らかな肉壁がうねるような蠕動を繰り返している。
今一度指を抜き、陽子と尚隆とで混ぜ合わせた淫らな蜜を己のものと陽子の菊座に塗り込める。動かないように尻たぼを掴み、片膝立ちの体勢から景麒は一気に押し入った。
「あっ、ぐっ…ぅ……」
歯を食いしばる陽子の口から獣のような唸りが漏れる。
陽子の粘膜が、根本まで埋め込んだ景麒を締め付ける。かつて味わったことのない締め付けに、景麒が認識できる感覚の全ては、今繋がっているその場所に集約する。
そしてもうひとつ。これも今までに味わったことのない、異物感。
尚隆もその異様な感触に気づいていた。もとからきつい陽子の膣圧に加えて、誰かが僅かでも動くと、ぐりぐりとした感触が肉棒に伝わってくる。
二本の肉棒を貪欲に呑み込んだ陽子を夾んで、二人は動けなかった。
薄い肉壁越しに、互いのものが腹を合わせている生々しい感覚。
それは二人で同時に一人の女を愛しているという実感。
どちらもが分かちがたくこの女を大切に思っていることの証左。
女は二人を同時に受け入れてくれたのだった。
しかし何時までもそうしている訳にはいかない。
景麒はやっとの思いで意味の通りそうな言葉を紡いだ。
「同時に動けば、主上のこの淫らな穴が裂けるやも知れません。延王君におかれましてはどうぞお先に……」
二度に亘って尚隆に先を譲ったのは、昨夜の己の行状を償いたい気持ちと、王と台輔という、陽子と自分との関係に生じる分かちがたい優位性に他ならない。
「よかろう」
尚隆にとっては景麒の胸の内はこの際どうでもいい。陽子の身体を味わうことが全てに優先する。
答えて、突き上げるのではなく大きく水平に回転する動きで膣内(なか)を捏ね始めた。陽子の腰を掴んで、位置がずれないように抑えている。
―――これは。この感覚は・・・。尚隆が動くたびに締め付けを増す陽子と、もう一つ感じるこの動き。
景麒は直にそれを感じ取り、陽子の尻を掴んで身体を支えながら動きを合わせた。
二人に夾まれた陽子自身に、自ら動く自由はない。既に身体の大半は牀榻から離れている。尚隆の腹に乗って支えられている部分と、上から景麒に押さえ込まれてなんとか落ちずに済んでいる部分とで、ようやくその場に留まっているだけだった。
さらに胎内を大きく攪拌される感覚に翻弄される。
尚隆の肉棒が膣内を強く抉って次々に快感を送り込んでくる。
それを受けるだけで、陽子はもう精一杯だった。
景麒が陽子の髪を掴んで肩越しに大きく仰向かせ、だらしなく開いた唇を貪った。腰の動きに引かれてともすれば離れそうになる唇の替わりに、視界を塞がれたままの陽子が大きく舌を突き出して相手を求める。景麒が舌を伸ばしてそれと絡めようとする。
一方で、陽子が振り向かされている分、反対側の肩と乳房が前に突き出される。
半身を起こして、それを尚隆は頬ばった。この体勢で微妙な力加減など出来るものではない。大きく充血した乳首に噛みつく勢いだ。
男たちの頭を掴んで辛うじて宙に浮く体勢を支えているが、口と乳房と女陰と菊座とを同時に犯された陽子の意識は既に飛んでしまっている。誰がどこを犯しているのかも判らない。
男たち二人も、己を咥え込む陽子の媚肉の感触を感じとり、手や皮膚から感じる肌の滑らかさに酔い、それぞれの堅さと動きとを直に感じ合ってしまうこの不可思議な状況に、常ならぬ昂奮を味わっていた。
まず尚隆が達した。陽子の膣内(なか)におびただしい量の精液を撃ち込む。
怒張から迸る粘液の脈動が生々しく伝わり、景麒のものが嘗て感じたことのない感覚で刺激される。
そして尚隆のものが勢いを失わずに繋がっているままで、待ちきれずに景麒は動き始めた。
まだ馴らし終わっていないゆえに、少しく手加減をしながらも後門を犯す。
きつい。
女陰のようにくるみ込む柔らかさはなく、ただただ環のように締め上げる肉の穴。それがまた新鮮だった。
陽子の肉が妖しくくねり、感じていることを示している。
景麒の喉から声が漏れる。景麒を搾り取ろうとする陽子の後ろの口の欲深さに腰が抜けそうになる。
景麒が尻に集中している隙に、達したばかりの余勢を駆って尚隆は陽子の口を貪った。顔を抱きかかえ、口中を舐めまわす。
陽子のあまりのきつさに、景麒は激しく動くまでもなく達した。
そのまま陽子の上にのしかかる。今度は尚隆が景麒の迸りを感じ取る番だった。
二人は陽子の肩越しに目と目を見交わす。
互いに涎にまみれてテラつく口元、達して満足した直後のどこか放心した眼差しが、言葉よりも雄弁に互いの思惑を語り合う。
先に景麒が抜いて陽子から離れ、ついで尚隆が離れた。
広い牀榻の上で、ぐったりした陽子を夾んで川の字に横たわる。
荒い息を整え、体内に籠もった熱が冷めるに任せる。
(つづく)
毎回楽しみに拝読しております。
読む度に筆力の高さに唸ったり……。御自愛なさりつつ、頑張って下さい!
ハァハァ・・・ハァハァ・・・ハァハァ・・・ハァハァ・・・・・・ドタッ
萌え尽きますた。
職人さん乙です!
ハァハァハァハハァハァァハァハァハァハハァハァァハァハァハァハハァハァァ
・・こちらも萌えつきますた。
キタ━━━━━━(´Д`)━━━━━━ !!!!
キタ━━━━━━(´Д`)━━━━━━ !!!!
キタ━━━━━━(´Д`)━━━━━━ !!!!
陽子たん――――――――――――!!
無事か―――――――――――――!!!
起きれるか―――――――――――!!!!
和んだw>797
職人さんグッジョブ!!
神の連載にひれ伏すしかないのでつ
忠誠を誓いますー!
(
>>793 のつづき)
どれほどの時が経ったものか。牀榻を照らしていた明かりがふっと消えた。
人工の明かりが消えると、雲海に向かって張り出した窓から差し込む月光が冷たい光を降り注いでいるのがわかる。その光が牀榻に横たわった三人を照らし出す。
陽子が身動ぎをした。
「……ぉい……な…」
「どうした、陽子?」
「ひどい…な…。二人、とも」
「主上?」
「二人…で、示し合わせて、いた…のか……こんな、ことを」
陽子の手がだるそうに動いて、目隠しをはぎ取った。
「そんな…」
その言葉を景麒は誤解だと否定したかったが、この半日の出来事をどうすれば主に釈明できるのか自分でも判らない。
しかし尚隆は傲然と言い放った。
「お前がそう考える方が納得できるというなら、それで構わん。なにがどうあれ、したことに変わりはない」
「延王」
「違うか? 景麒」
尚隆は落ち着き払って問い返した。
「俺たちは二人とも陽子と乳繰り合いたかった。陽子と交合って精を放ちたかった」
そう言って陽子の方を向く。
「そうだろう、陽子。お前も俺たち二人を受け入れたのだから同罪だ。それに」
と、尚隆は言葉を継いだ。
「景麒は盛っていたときに、その気になれば金波宮の女官と番うことも出来たのだ。どこの城でも台輔の情けを欲しがる女官はいるものだからな。
それを敢えて騎獣でいたそうとしたのは、お前以外の女と交わりたくないからだということぐらい、お前、わかっているんだろう?」
それには答えず、陽子は寝返りを打って天井を見る。
雲海に照り返す月光の移ろいが、高い天井に映ってちらちらと揺らめいていた。
「乾いた…」
天井の影を見て陽子がつぶやく。
「水を取ってこよう」
気軽に言って尚隆が牀榻を下りた。下りて己の腰の重さに気づいて苦笑する。
隣室の水瓶から大ぶりの碗に水を汲んでくると、尚隆は己の口に水を含み、陽子の上に覆い被さって口移しに飲ませた。陽子の全身に芳しい潤いがしみ通る。
「もっと」
甘えた声で言う陽子に再び与えると、陽子はそれを含んだ口で景麒の上に寝返りを打った。
合わせた唇の隙間から水を落としてやる。
「主上……」
ぼんやりと麒麟が呼ぶ。
今度は自分で碗の水を含み、半分を飲み下して残りを景麒に与えた。景麒の舌が陽子の唇をそっと舐めた。
「正気づいたか」
言って、再び仰向けに横たわる。
「示し合わせていないとしても、そもそもどうしてお前が此処にいるんだ」
核心を突かれて景麒は言葉に詰まった。
「俺が呼び出したのだ」
延が助け船を出す。実際、此処は尚隆が返答するしかない場面だった。
「それにしたって自分たちばかり良くなって……、私一人が取り残されているようだ」
つい不満そうな口調になってしまう。
「可愛がり方が足りないと抜かすか」
「そういうつもりじゃないが」
此処まで酷使されると、正直これ以上の愛撫は面倒くさい。
かといって、二人の男に文字通り「使われた」気のする身体は、本当に欲しかった愛撫を未だ与えられていないと感じている。
尚隆が碗に残った水を飲み干した。
「景麒、回復したか」
「何とか」
陽子の身体越しに二匹の牡が目を見交わした。
それを合図に、二人は陽子の左右の乳房に覆い被さった。
「あふぅ……」
微かなため息一つを漏らして、陽子はそれを受け入れる。
牀榻の上に広がる紅い髪とのびやかな褐色の身体。
その左の乳房に淡い金の髪、右の乳房に豊かな黒髪の男が取り付き、舐め、しゃぶり、吸い上げる。
力強い大きな掌と、繊細な長い指とが、それぞれに己の取り分の乳房を揉みしだき、愛撫する。
陽子の手足はそれぞれの男の手足で押さえ込まれてしまっている。
牀榻に磔になって、陽子はただ愛撫を与えられるばかりだ。
尚隆の舌がぞろりと乳首を舐め上げる。
景麒の歯が尖りきった乳首をこりこりと甘噛みする。
男たちの手が陽子の身体の上を這い回り、やがて股間へと到達する。
景麒の指は先刻尚隆のものを咥えていた穴にぬるりと滑り込み、中に溜まっている尚隆の残滓を掻き出した。
尚隆の指が先刻景麒のものを受け入れたきつい窄まりにあてがわれ、昼間は入れられなかった指を根本まで捩入れる。既に柔らかくされた上に景麒の残滓で滑りの良くなっているそこを、指を曲げて出し入れすることで更に馴らしてゆく。
陽子は天井のたゆとう影に意識を委ね、繰り返す波に身を任せている。
全身が快感を感じる受容器となって、貪欲に愛撫を吸収してゆく。
身体の重みが消え失せて、どこか高いところをたゆたっている。
誰かが脚を抱いて指先から指の股まで一本ずつ丁寧に舐めしゃぶっている。
誰かが顔を押さえて口の中に指を差し入れてくる。
ぬるぬるとした粘液の着いた指を陽子は夢中になって舐めた。
口から遠ざかる指を追って舌を伸ばすと、そのまま誰かの口中に吸い取られた。
じゅぷじゅぷと水音を立てて舌が吸われる。
身体が更なる高みへと追い上げられてゆく。
(つづく)
きっきっきっきっきっきっききききききききk
キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━ !!!!!
キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━ !!!!!
キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━ !!!!!
水口移し・・・!(*´д`*)
ホントニタマラナイ(*´Д`)ハァハァ
⊂⌒~⊃。Д。)⊃ タマラン。モ、モエツキソウ…ッ!
か・み!!
このスレ保存版だ……。
神が多い。幸せだ。
キター_r ̄|○
磔ハァハァ(;´Д`)
一日の疲れが癒されてゆきます……
乙です!想像を超える展開だたよ・・!
650たんは 仙 でつか?
ハァハァ・・・ハァハァ・・・ハァハァ・・・ハァハァ・・・ハァハァハァハァハァハァハァハァ・・・・・・ッ
モウダメ⊂(。Д。⊂~⌒⊃
書庫、いくつか見れないところがあるんですが
他の方も見れなかったりしますか?
自分も見れない。まだ工事中なのかもと思ってた。
司書タソ、お忙しいと思いまつが、ガンガってヨロシコ!
(
>>803のつづき)
腰から下を捻るように裏返されて、脹ら脛、膝の裏、太股の裏と誰かの愛撫が少しずつ上がってくる。
両肩を牀榻に押しつけられて無理矢理上を向かされている胸を独占して、誰かが顔を埋めている。
上側の足を前に上げられ、尻たぼが割られて横様に菊座が剥き出しにされる。
誰かの舌が其処を責める。既に肉棒に犯されている其処が易々と舌の進入を許す。
腰から上も俯せにされながら、鎖骨、項、肩胛骨と愛撫の範囲が移動してゆく。
艶やかな赤毛を弄ばれて、それが背筋を震わせる程の快感を呼ぶ。
完全に俯せになった陽子の腰の上で男たちは出会ったようだった。
上昇と下降、それぞれの位置が入れ替わり、荒い息づかいとちゃぷちゃぷと鳴る舌の音が陽子の身体を埋め尽くして行く。
上へ、追い上げられてゆく、快楽の極みに。ようやく上りついたと見れば、そこから更に上に向かう道がある。
これ以上昇ったら墜ちてしまう・・・。
敷布を掴んで陽子が耐える。
再び表に返され、今度は両手首を軽くまとめて頭上に上げさせられた。
脇から乳房の付け根を責められる一方、先刻とは別の舌使いの牡が陽子の口を貪る。
口中に押し入った舌を陽子は夢中になってしゃぶった。
乳房の付け根から臍へと向かった愛撫が陽子の緋色の恥毛を撫でつけ、そこから指が独立した意志を持つ生き物のように陽子の秘所を襲う。
脚を割られ、花芯に熱を感じる。
視られている。
思うだけで蜜が溢れる。
獣じみた舌が蜜を啜り、剥けきった陰核を包むように舐める。
陽子に舌をしゃぶらせている誰かの暖かい掌が乳房を緩やかに揉み込んでいる。
陽子の花芯に熱い舌が進入してくる。
乳首の一番敏感な所が指先で転がされる。
思いも寄らない吐出感に押し止める間もなく半濁した液が勢いよく噴き出し、陽子の股間を責める景麒の顔にもろにかかった。
景麒は落ち着いて口の周りに着いたそれを舐め取り、目にかかった分を指でぬぐう。
おもむろに粘つく指間を広げて見せた。
「主上が淫らだということの証です。味わわれますか?」
尚隆が無造作に景麒の手を取り指を陽子の口に宛うと、尚隆と陽子、二人の舌が同時に舐めた。二枚の舌に指の股まで舐めあげられて、景麒の股間がひりつく。
「頼む……」
この愛撫が始まってから、初めて陽子が人の言葉を発した。
「主上?」
「欲しいんだ、お願いだから」
人の、牝の、鳴き声。
「何が欲しいのだ」
「どっちでもいい、熱くて太いの、堅いのを私の中に挿れて」
陽子の脚が餓えを満たしてくれるものを求めて物欲しげに蠢いている。
「どこに?」
「脚(ここ)の…間……、彼処(あそこ)、…突いて……」
―――今度は先を譲ったりしない。
「延王君、お先に頂戴つかまつる」
どこか切羽詰まった様子の景麒に、尚隆は鷹揚に先を譲って牀榻から下りた。
「昨夜みたいなのは願い下げだからな」
陽子がそう嘯いて、男たちが全てを了解し合っているのに気づいていることを知らせる。
その言葉の意味を理解しながら景麒は陽子を裏返し、既に猛っている怒張を後ろから陽子の女陰に文字通りぶちこんだ。ぬめりを湛えて少し緩くなっている其処は何の抵抗もなく景麒を呑み込む。
尚隆のものの太さには景麒は及ばない。しかし長さでは勝る分、もっと奥まで抉ることが出来る。
高く張った尻たぼを鷲掴みにして、景麒はゆったりと腰を使い始める。
その切先が陽子の新たな頂点を掘り起こし、更に奥の器官への入り口までをも穿ってゆく。
「ああっ、景麒、もっと!」
堪らずに仰け反った陽子の身体をそのまま引き起こした。
尚隆から見えるように胡座をかいた景麒の上に己の体重で刺さってしまった陽子は、その怒張の長さに臍の上まで貫かれたように感じている。
陽子の両脚は左右に開いて座った景麒の膝よりも更に外側に広げられ、為に陽子の秘所は全開になって、そこを出し入れする景麒のもの諸共に隠しようもなく尚隆の視線に晒される。泡だって白濁した液体が繋ぎ目からこぼれ落ち、敷布に染みを作ってゆく。
前夜とは違う、いやいつもともまるで違う景麒の仕口に陽子の官能が昂ってゆく。
手を肩越しに回して景麒の頸に掴まった陽子が、そのまま頭を仰向けに景麒の肩に預けた。双つの乳房が尚隆に向かって高く突き出される。景麒の手が陽子の腰を支え、緩やかなうねりを描いて二人の動きが同調してゆく。
「今は一対一で思うがままに抱くがいい」
見物に回った尚隆は、誰に聞かせるともなく一人ごちた。
気に入りの椅子でくつろいでしまうと、牀榻の上で睦み合う二人は舞台の上にいるようにも見える。
陽子のしなやかな身体は景麒のどんな要求にも見事に反応し、その様は奉納の舞にも似て厳かですらあった。
だが今はもう、二人とも尚隆がそこにいることなど忘れてしまったかのように互いに没頭している。
陽子のあられもない啼き声は、尚隆と景麒、二匹の牡にそれぞれ異なる作用を与えている。
もっと欲しい、もっと善がらせたい、もっと啼かせたい、自分の愛撫で狂わせたい。
景麒のそんな思いを全身に受けて、陽子が淫靡にとろけてゆく。
二人の喘ぎが尚隆の官能を刺激し、腰裏が痺れるような感覚を呼び起こす。
景麒が耳とうなじを執拗に責め、陽子が細い声をあげて啼く。
―――あそこはまだ責めたことはなかった。後で俺も試してみようか。
――自分の番が来たらどんな陽子を景麒に見せつけてやろうか。
考えを巡らせながら尚隆は二人を眺め続ける。
月光の中、紅い髪、褐色の肌の少女と、金の髪、白い肌の青年との交合いは美しかった。
そこに黒髪で日に焼けた肌の自分が加わった構図を思い浮かべてみる。
その機会を窺いつつ、尚隆は体力を養っている。
長い夜の終わりはまだ見えない。
《 了 》
820 :
650:03/09/16 21:53 ID:v5XruUmi
ということで、終わりです。
長々とおつきあい下さいまして有り難うございました。
毎晩少しずつアップするSSに、翌日も頑張る気になれるレスをつけて下さった皆様、感謝してます。
お陰さまで最後まで書き続ける気力を頂きました。
3Pでどこまでの描写が許されるのか不安でしたし、絡む手足が一人分増えただけでなんでこんなに長くなるんだと自分でも半ば呆れながらの連載でしたので、皆さんのレスがどれほど励みになったことか・・・。
途中で長杉とか秋田とか言われなくて良かったぁ、マジで。
あと途中でレスを入れる余裕がありませんでしたけど、
>>753さんに同じく、
>>752さんの「ニコリともしないでギャグを言う」テイスト、自分も好きです。壁落先生も。
それから文頭一字下げで感想を下さった
>>794さん、ありがとうございました。
連載のせいで投下を控えられた職人さんもいらっしゃると思います。お邪魔して済みませんでした。
しばらくお休みを頂いて、黄海にテキトーな大きさの騎獣を狩りに行ってきます。
では―――
きゃ〜!お疲れ様でした。萌え萌え萌え!
でも黄海に行くのですか?至日まで御無事で……。・゚・(ノД`)・゚・。
リアルタイムで投下を見タ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!
650タン、長篇乙悦。
毎晩楽しみにハァハァハァハァハァァハァハァハァハァァハァハァハァハ(ryさせていただきますた。
黄海から戻られ、その気になったらまたここに投下に来ていただきたいと切にキボンヌフ!
?
*・゚゚・*:.。..。.:*・゚(n’∀’)コノスレサイコー、カミサイコー゚・*:.。. .。.:*・゚゚・*
650さん、お疲れ〜。
それにしても お 見 事 で し た !
お疲れさまでした!
連載、萌え萌えで読ませてもらってました。
ラストシーンの美しさが最高です。
「尚隆の番」をあえて描かず余韻を残すあたり……お見事でした。
>>650さん乙華麗でした〜〜〜!!
ゆっくりでもいいので新作も期待してまつ。
650タンキタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━ !!!!!
ホントにお疲れ様でした。
黄海での騎獣狩りに飽きたらまた来てください〜。
乙悦!!
大好きです>650
650さん乙です。感服奉ります。いち読者として次作にも大いに期待させて下さい。
投下保留を余儀なくされたwいち職人として言わせて頂きますと、自信なくなりました、マジで。
私、僅差で先に投下しそうだったんですが、出さなくて良かったとつくづく…謙遜じゃなくて。
650さん凄過ぎでつ!
この鬼畜シリーズ(w、全部同作家さんではないと思うが、
なんとなく繋がってる感じの一連のやつ、書庫でカテゴリ作って欲スィ…
確か、陽子×浩瀚→景麒虐め(885)→愛玩奴隷→尚隆×陽子
で、今回の3Pに続くと思うんだけど(違ってたら誰か修正ヨロ)
カプがバラバラだから書庫に置いてあるのもバラバラで。
司書さん、時間がある時でいいので、おながいできませんか?
長編乙!
2チャソのエロスレに埋もれさせておくには勿体無い高レベルでつ!
ああ、漏れ、いいもの読ませて貰ったなあ・・・
ここ出入りしててよかった(つД`)
まずは乙!
ここは本当にレベルが高いですね。
よし、さっそくHTML化だ。ウキウキ
>815>816
申し訳ありません。
うちのサバは天の邪鬼のようで、ちゃんとうpしてくれない時があるんですよ。
>829
一応、複合カップリングカテゴリを作ろうと思っています。
もうちょっと待っていて下さいね。
あの、済みません。
司書様にちょっとお願いがあるのですが、メールアドレスの方は、以前このスレで晒してらしたものでよろしいのですか?
650神、乙〜!
最後まで大満足でつた
幸せな時間に感謝を捧げます
ハァ〜・・・
終わってしまいましたね・・・
650さんの書く人物は、王宮に媚薬だの男だの常備していても、夕刊紙のように(w。
ああいう言葉使って下品にならずに書ける人、それほど居ないと思います)絡んでいても、
みんなエチにも生きることにも真剣な感じがして、そこが十二国らしくて気持ちが良いのです。
乙華麗様でした!!
乙ですた。
毎晩の楽しみが完結を迎えて嬉しいような寂しいようなw
黄海で騎獣狩りに飽きたらまたのご降臨を!
いやーほんとにスバラスィ。このスレに出会えたことに感謝
呀峰になぶられる陽子は無いのかな
呀峰とはこれまたオツな趣向ですな・・・昇紘とタッグでというのは如何であろうか?
>832
はい。あれで大丈夫ですよ。
今頃の時間帯になるとここをのぞく習慣ができてしまった
ああ・・・
>828タソ待ってますYO〜щ(゚Д゚щ)カモォォォン
>839
次の職人さんに期待して待ちねい・・
842 :
184:03/09/18 06:25 ID:ey9ni+Sd
ちとご無沙汰でした。アク禁食らって投下できなかった。最近アク禁多いでつ。
前々作・前作の続きとなる【雁主従おもてなし編】が出来ましたです。
カプが被ってる650さんの作品を参考にさせて頂いて、ネタが被った所の修整はしました。
しましたが…自信ない…
これから仕事なんで夜、またアク禁になってなかったら投下します。
待ってました!
844 :
1/3:03/09/18 09:43 ID:97Q19UO+
キャラ萌えスレから出張です。
http://comic2.2ch.net/test/read.cgi/anime/1060700807/243-261 の続きになります。255、258、261が自分です。長くなってしまったのでこちらに書き込もうかと。
ちょっとネタが下品ですがご容赦を。
「これが・・・」
「お気に召したか?」
「はい! ・・・僕もこんなふうなんでしょうか?」
「黒麒麟ですから、色は違いましょうが」
二人はすっかり打ち解けた。
「それから泰麒はすっかりなつかれて、
景麒の背に乗ってあちこち飛び回られるほどになりました」
(ナレーション・蓉可)
今日も今日とて、転変した景麒は泰麒をその背に乗せ、黄海と虚海を瞬く間に越えて、
とある国の都に降り立つ。
「美しいお嬢さん、私とお茶でも御一緒しませんか?」
845 :
2/3:03/09/18 09:44 ID:97Q19UO+
景麒はその美貌と、傾国の微笑みと恐れられたとろける笑顔で町行く女人を難破していく。
そのあざやかな手並みをただただ感嘆して横で眺める泰麒。
十人を突破した辺りで一段落とし、名残を惜しむ女たちと別れ、茶屋で一休憩する二人。
「あんなに簡単に仲良くなれるんですか?」
「あれらは小物でしたから。絶世の美女と称えられていた、某国の美しい飛仙を難破した時などは、
見つめあって半日を過ごしました」
「へぇ・・・」
「ただ見つめあうのです。こちらが気を緩めると女人は逃げるか・・・こちらを嘲笑してきます。
ですからこれは落とせないと思ったら、面目を保つためにも、嘲笑われる前にこちらから振った
ほうがよろしい」
「あ、はいっ」
「こちらに惚れている限り、女人は決して逆らいません」
「ごくっ」
「さあ、やってごらんなさいませ」
泰麒は元気よくうなずいたが、その日彼の難破に真面目に付き合った女性は一人もいなかった。
「えっと、お、おじょーさん、あの、ぼくとー」
「くすくす、何この子可愛い〜」
「ぼくどこから来たの? お母さんは〜?」
「あの、あのー・・・」
・・・
「ずいぶんと慕われたこと」
「だが逢引を成功させること叶わず、私の力が及びませんでした」
「男女の神秘をお教えするのは段階もあり、なかなかに難しいもの。
台輔の口から殊勝なお言葉が出るようになっただけでよしといたそう」
艶やかに笑う玉葉。憮然とする景麒。
──だが玉葉でさえ予想は出来なかった。
景麒が泰麒から学び取った女人の母性本能を刺激する技こそが、
景王舒覚に肉体的にだけではなく、精神的にも道を踏み外させることを。
しかしこれはまた別の物語である。
>>844-846 待ってました━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
続きはあるのかなーワクワク。
禿藁
もうまともに原作読めない・・・w
ワロター!!
原作が読めないはgどう
ワロタ
麒は女たちを
麟は逆に男を虜にしていくんだな
麟バージョンもキボン
>「はい! ・・・僕もこんなふうなんでしょうか?」
>「黒麒麟ですから、色は違いましょうが」
何? 何の色が違うの??
ワロター!!
>>848-849 ハゲド!
852 :
184:03/09/18 21:05 ID:E72Faf0g
どうやら今夜は大丈夫そう。さて今回もですが、内容はともかく
『字数だけは』650さんに負けてません(勿論張り合う気なんてないんですよ!)
余りに長いので延台輔パートとで前後編に分割しました。後編も早めに投下しまつ。
蛇足ながら時機が時機なんで一応解説させてください。
拙作での陽子と尚隆・六太はこのお話の開始時点で肉体関係なしです。
原作・アニメに近い、それよりもう少し親密な関係、と踏まえてくだされば。では、
「景麒ちょっと見て、わたし変じゃないかな?」
ここは雁国、慶国との国境、高岫山にほど近い豪奢な温泉宿。延王が選び、最上階を借り切った
その宿に景麒と共に赴いた陽子。
当初は拒否の姿勢を崩さなかった陽子だったが、あの時――景麒の謀略に嵌り、思い出しても顔か
ら火が出る程の痴態を晒してしまった――あの出来事以来、本当のところは陽子自身にしか分から
ないのだが、陽子は件の宴を特に嫌がる素振りも見せず、以前と変わらない様に見えた。
そしておよそひと月を経て延王との約束の日は来たのだった。
――陽子は蓬莱の制服姿に身を包み、少しばかり上気した顔で景麒の前に立っている。
自分は変ではないかと聞いた陽子は応えを待たずにくるりと身を翻す。
制服の裾がふわりと広がり、よく引き締まった太腿がちらりと覗いた。
「主上…困った御方だ」
普段は凛々しく朝を律する主君を思えばその罪作りな挙動に景麒の邪念が膨れ上がる。
そんな下僕の悶々とする様などには目もくれず、陽子は壁際に据えられた鏡台に姿を映している。
景麒の言葉は自分の見た目の何処かがおかしいことを指摘したのだと思い、陽子は問い返した。
「え?やっぱり変かなぁ?服?髪?……あっちの部屋に鏡がなくって…んっ、と……自分で髪の毛
やるのって久しぶりだな……」
陽子は鏡に向かって独りごちながら結いを解いただけの緋色の髪を掻き上げる。
「…この前みたいな三つ編みの方がいいだろうか?……」
鏡越しに見えたのは宛ら何かに憑かれたような形相でするすると歩み寄る景麒。
「これから大事な宴と言うこの時に、何ゆえ私を挑発なさるか」
「へ?景麒?ちょっと…なに?」
「ここひと月の主上の私に対する当り様、そしてその果てのこの振舞いか」
振り向こうとする陽子を強く抱き締め、景麒は未だ纏らぬ髪に顔を埋め深く息を吸う。
「芳しい……もはや辛抱堪りません」
藻掻く陽子の腰の辺りに何やら長くて熱いものが押し当てられ、むくむくとその容積を増してゆく。
「ちょ、や、離れろ馬鹿!変なことしたら六太くんは絶対気付くぞ、いいのか?」
その言葉に我に返った景麒は未練たっぷりな己の身体を無理矢理引き離した。
「……我ながら迂闊、危うく宴を台無しにするところ…しかしこの思い、如何とも…」
「ったく、自分で企んでおいて馬鹿じゃないのか?」
陽子は腕を組み、情けない己の下僕を蔑む様に横目で見ながら言い放つ。
「それ程までに今日の主上は扇情的でいらっしゃるという証」
どうにか平静を取り戻したらしい景麒は真顔で言い訳する。
「扇情的って…これは蓬莱じゃ普通の格好だよ…景麒だってあっちで見ただろ?」
同意を請う陽子に景麒は涼しい顔で言って退ける。
「いえ、私は主上の御姿以外はぼんやりとしか見えませんでしたので。大体あちらの基準で申され
ても困りますが、何より扇情的か否かは着ている御方の資質によるものかと」
「それは私がそういう女だって意味か?」
陽子はじろりとねめ付ける。
「畢竟賛辞と受け取って下されば」
「受け取れないよ、女の子にそんな言葉吐くな、ばか!」
――寄って集って男みたいだとか慎みがないとかもっと淑やかにとか化粧くらいしろとか言う癖に、
いざ女の子らしくしようとしたらこれだ――陽子は心の中でぼやく。
結局陽子は髪を学生だった頃のように三つ編みにした。鏡を覗くと何か懐かしささえ覚える。
そんな鏡の中の自分を見て陽子は少しだけ微笑った。
「せめて主上の芳しい匂いだけでも、いま少し嗅がせてはくれまいか」
気が付くと景麒がまたもや背後から躙り寄っている。陽子はひらりと身をかわした。
「お、こ、と、わ、り、」
「何と冷たいことか…」
落胆の色をあからさまに声で示す景麒を押し退けながら陽子は訝しげに訊いた。
「ところで、この前から言おうと思ってたけど、どうして六太くんが…知ってるんだ?……つまり、
服はともかく…その…わたしの胸の大きさ!…何故知ってるんだ?誰がどう伝えた?」
「どうと言われても…私が手でこう、このくらい、と」
景麒は手振りで示した。
「そうか…そうやって…伝えたのか…」
「如何にも。この手の記憶は確かですから。延台輔は蓬莱の店で寸法を訊かれて、少し小さめの物
をくれ、と言ったとか」
ふるふると肩を震わせる右手を挙げる陽子に景麒は不思議そうに尋ねる。
「主上、何をそんなに怒っておられるか。主上の心持ち、どうにも私には計りかねる」
「もういい…怒るのもなんか疲れてきた……」
陽子は深い溜息をついた。
「それにしても…やっぱり、延王も六太くんもその……その気なのかな?」
陽子はこの期に及んで怖気づいたように景麒の顔を窺う。
「その気、と仰るのが主上のお身体を吟味されると言う意味ならば、恐らく主上のお望み通りに」
「望んでないってば!もう!」
陽子は苛立ちを覚え足を踏み鳴らす。
そうして主従顔を付き合わせて実にもならない言い合いをしているうちに宿の者が扉を叩いた。
「主上、延王と台輔があちらの部屋でお待ちです」
「――来たか。じゃ、行って来る」
「どうぞごゆっくり」
敢えて澄まし顔で見送る景麒を陽子はきっ、と睨み付け出て行った。
豊かな雁国に相応しい絢爛たる客室だった。玉を施した柱、見事な細工の硝子窓、磨き上げられた
黒御影の床――細部にまで贅を尽した部屋の中央に置かれた円卓の向こうに二人は座っていた。
「此の度は、我が慶東国に多大な――」
「陽子、堅苦しい挨拶など要らんぞ」
膝を突いた陽子の口上を延は制した。そうして立ち上がった陽子を上から下までまじまじと眺める。
「うーむ、奇妙な格好だ…だが不思議と清楚でもあり、そして得も言われぬ色香を醸し出している」
――何を言いたいんだか良く分からないんですけど…そう口に出して言いたかった。
それにしても杯を手に上機嫌の延とは対照的に延麒は何やら不機嫌そうな複雑な表情だ。
「わざわざ蓬莱から持って来させた甲斐があったな…」
寛いでいる延の前に陽子はつかつかと歩み、努めて無表情に言う。
「まどろっこしい事は抜きで、どうぞお好きな様になさって下さい。覚悟は出来てますから!」
延はそんな陽子をちらりと見遣りふん、と鼻で嗤う。
「覚悟とは?何をそう捨て鉢になる?俺は景王自らのもてなしをと所望しただけなのだが……」
「それは……」
陽子は答えに詰まり俯いた。何も出来ない少女に過ぎない陽子に要求されるもてなしなど知れてい
るではないか。それを白々しくもこの男は――
「まあ其処まで期待されているのならこちらとしても応えねばならんな…」
「何言ってるんですか!わたし期待なんかしてません!わたしが望んでここへ来たとでも!」
――本当にそう言い切れるのか?陽子は自分の胸の奥を探る。
わたしは、心の何処かで期待してはいなかったか――
「その服のせいか、俺にはそのように見えるのだが…まあいい、好きな様にせよと言ったな?」
じっと陽子の瞳を見詰めて言う延に陽子は心の中を見透かされているような居心地の悪さを感じた。
「……はい」
「ではこうしよう、裸のそなたを六太が街中連れ回す」「おい!」
「ふざけないで下さい!…出来ることと出来ないことがあります!」
陽子の剣幕などお構いなしに僅かの間を置いて延は更に言う。
「そうか、では…その格好で道行く男に声を掛ける」
「それもできません!」
私をからかって一体何が楽しいのだ、この男は。
陽子は顔を真っ赤にして延を睨む。延は俯きがちに笑いを噛み殺している。
「さてどうしたものか…では一体陽子は何が出来るのだ?言ってみよ」
「え?…何がって………それは……」
その問い掛けに陽子は口を噤んだ。それを口にすることは自ら身体を開くことに等しい。
陽子は何とかその場をやり過ごす答えを探す。
「ええと………お酌、とか…」
延は高らかに哄笑する。
「酌か、それはいい。では陽子、掛けなさい」
「え?!…でも…そこは……」
どっしり座っている延の指先は己の膝の上を指していた。不躾な命令に戸惑う陽子。
「いいから座りなさい。酌をしてもらう」
仕方なく陽子は戸惑いながらも尚隆の指差す膝の上に横座りする。左手が陽子の肩に廻された。
見上げる陽子は不平を呟く。
「こんな格好じゃ…うまく出来ません…」
「では酌などしなくて良い」
言うなり尚隆は荒々しく陽子の唇を奪う。
「ん!……」
咄嗟の出来事に陽子は虚を突かれたが反射的に口を固く閉じた。
唇だけでなく全身を硬直させて拒む陽子の胸を尚隆の右手が強く鷲掴みにする。
「ぅんっ!……」
痛みに思わず小さく悲鳴を上げてしまい、刹那に舌が侵入者となって陽子の口中を侵して行く。
――いや!
逃げようにも椅子に座った尚隆の膝の上で横抱きにされている格好では身体の自由が殆ど利かない。
元より逃げ出すことなど許されないのだ。
それでも小さな抵抗を試みる陽子の舌に尚隆の舌が絡み付き、捩じ伏せる。
舌がじゃれあっているのと何ら違わないその動きに意識が引き付けられているうちに、陽子は制服
の胸元に右手の侵入を易々と許してしまう。
尚隆の手が制服の中、下着越しに陽子の乳房をまさぐっている。やがて下着の構造を理解した右手
が花びらの刺繍に飾られた縁取りと柔肌との僅かな隙間から指先を滑り込ませる。息づく小振りな
蕾が転がされ、陽子の拒絶の意志とは関係なく素直に反応し、見る間に固く屹立する。
「んんっ…ん……」
唇を塞がれた陽子は苦しそうに喘いだ。尚隆の手がすっと退いた。
「どうした?苦しそうだな…」
唇を離した尚隆が言う。濡れた唇を震わせて陽子は息を整えた。
戒めを解かれた唇が何故か切ない物足りなさを感じる。
「今の蓬莱ではこのような胸当てを着けるのか。良い出来だが身を護るには何とも脆弱だな」
薄く笑う尚隆は言いながら再び右手を制服の中に忍び込ませた。
「い、いけません……や、…止めてください…」
覚悟など何も出来ていなかった。頑なに拒絶する意志も、甘んじて受け入れる意志も持てなかった。
陽子は胸を弄る右手を弱々しく掴み、紅潮する顔を背ける。背けた顔を左手が捉え、尚隆は再び唇
を奪う。それは今まで陽子が経験してきた口づけとは明らかに異る、ただ甘美な快楽だけを求め
合う儀式。定まらぬ意志が綻び始めた陽子はそっと唇を開いて舌を迎え入れてしまう。
言葉とは裏腹にその行為に陽子は酔いしれ、気が付けば自ずと尚隆の舌を貪っていた。
「さて、…いま一度訊こう。この延に抱かれることは出来ぬ相談か?」
問う尚隆を陽子は口づけの余韻の溜息と熱を帯びた虚ろな眼差しで見上げる。
「…言わせたいのですね?わたしに……でも…」
陽子は困ったようにふと延麒に視線を流す。その意を尚隆に伝えたいから。
「六太、命あるまで別室にて待機せよ」
「おい!尚隆――」
「ごめん六太くん……あとで、ね?」
ふっと向けられた切なげな瞳。その誘うような翠色の瞳、そしてその詞に六太は思わず身震いする。
「ぉ、…ああ……陽子、無理すんなよ…」
六太は慰めとも励ましとも取れる言葉を口にしながら退室した。
「答えは?陽子」
――その気になってしまった。だから六太を退がらせたのだ……だけどそれを口には出せない。
「……あなたがそれを望むのなら…」
俯いて消えそうな程か細い声で陽子は答えた。
「気を持たせた割に随分と逃げ腰な言い回しだな。つまり、俺が望むから仕方なく身体を許すので
あって、決して陽子自ら望んではいないと?」
陽子は俯いたまま小さく頷く。
「王は一人の男に操を立てる義理などないのだぞ…」
まるで陽子の心を読んだかのように尚隆は言った。
「けど…だけどわたしは、好きなひとの前では…王ではなく只の女でいたいのです…」
「そうか、だが今は慶の国を代表する者として止むを得ずここにいる…そう言うことにしておくか」
膝の上に抱かれたまま、陽子は固く目を瞑る。
尚隆は三つ編みに結った髪を解く。ふわりと広がり煌く緋色の髪を撫でる。
「陽子は美しいな…本当に、美しい…」
耳許で囁き、優しく髪を梳き、肩を抱き寄せる尚隆のその全てが憎らしいほどに心地良い。
いけない、聞いてはだめ。感じてはだめ。耳を塞がなくては、目を閉じなければ……
薄く開いた瞼、揺れる瞳のように心は揺れ動く。
――私は決して望んでなどいない…
頑なに心を閉ざそうとする陽子の意志。それは他ならぬ自分を欺こうとしているに過ぎないのだと
分かっていた。ただそれを認めるのが怖かった。
――怖い、きっと目覚めてしまう、…優しく私を抱いて、私に愉悦の時を与えてくれるこのひとを、
そんな誰もを求めてしまうもう一人の私、そう、本当のわたしが……だから、だから願わくは欲望
に駆られ荒々しい獣となった延王に…そう、獣のように犯して欲しい…わたしはこの身を擲って
ただ犯されるまま……まるで心を持たない、何も感じない人形のように横たわりたい……
陽子は逞しい胸板にそっと頬を寄せ小衫の袖を握り締める。
それは自分を怖れる心、そして尚隆に惹かれてゆく心。
「今ここで、本当に嫌だと申すのなら止めても構わんのだぞ……それが陽子の本心なら」
尚隆は胸に抱いた陽子にそう問い掛ける。陽子は押し黙る。
このひとは、どうして今ごろになって言うのだろう。もっと早く言ってくれたなら……
その答え、陽子は目覚めてしまった本心を告げる。
「…優しく…どうか優しくしてください……」
「乱暴にされるのが陽子の好みだと訊いていたがな」
景麒だ――陽子は首を振る。
「いいえ、違います!わたし…わたしは……あなたに……ん…」
尚隆は優しく陽子の唇を塞ぐ。
――もう、引き返せない。
そして愛する人を想う気持ちが消えてしまいそうで私は怖い――
「あん……い、いや……はぁ…」
勃起した乳首を弦を爪弾くように弄ぶ尚隆は言う。
「陽子は随分と感じ易いようだな…」
「そんなこと……ありません…」
陽子は首を振る。どうしてこんなにも身体は応えてしまうのだろう。
乳房や腋、背中、そして指先へと愛撫を施すほどに歓喜の旋律を奏でる陽子の身体。
早くも熱い滴りが身体の外へと向かって溢れ出すのが分かった。ショーツなど穿かなくなって久し
いと、それがどうにも欝陶しいものだと感じる。然もそれは濡れて肌に張り付き殊更に心地が悪い。
だからと言って女の口から脱がせてなどと言える筈もない。
「あ…や、だめ……」
尚隆の手が制服の裾を捲り、膝をくすぐり、引き締まった太腿を撫で上げながら、白い下着に覆わ
れたふっくらと盛り上がった丘を目指す。行く手を遮るように脚を擦り合わせる陽子。
尚隆に淫らな女だとは思われたくない。
だから下着を濡らしてしまうほどに感じている様を覚られたくなかった。
だが脚は思いがけず強い力で開かされてしまった。
すかさず指先が秘められた花園を目掛けて分け入って行く。尚隆は陽子のそこを目の当たりにする。
「しかもこの溢れ様……」
「い、いや……見ないで…ください」
――見られている。耳まで真っ赤にして陽子は俯く。
下着に付いた歓びのしるしを見られるのは、自分が感じているとあからさまに示しているようで、
直に見られるより恥ずかしかった。その量を指摘されても陽子自身、知識がないから自分の量が
多いのかは判らない。けれど経験豊富な尚隆が言う程なのだから、と思い当たる節もあるのだが。
「ん………」
むず痒いようなもどかしさに陽子は身を捩る。
いっそ勢いに任せて脱がせて欲しい程なのに、尚隆はそこを執拗になぞったりくすぐったりしては
一層染みを広げてゆく。まるでその様を見て愉しんでいるかのように。もはや液体を吸収し切れな
い布地はぐずぐずになり、下着の上から秘裂をなぞる尚隆の指さえ濡らしているに違いない。
「…はぁ、ぁ…ん、…いや……」
生地の上から戯れる指先がもどかしい。微かに浮き出る秘密の真珠を爪の先が引掻く。
「んっ…あ、ぁん…」
戯れる指先が布地越しに真珠をくすぐる度に、陽子は尚隆の袷を握り締め、噛んだ唇から切ない吐
息を洩らし続ける。溢れた滴が後ろに伝い、濃紺の蓬莱の裳裾までも湿らせる。
散散弄んでから漸く尚隆は陽子を床に立たせ、こう言った。
「服を脱いで見せてくれ」
「……今ここで、ですか?」
未だ日も高く明るいこの場所で自らの手で身に纏った物を脱げ、尚隆はそう言っている。
尚隆の背、衝立の向こうには帳を下ろした仄暗い牀榻があるのに…
覚束無い足許を気にしながら陽子は上衣に手を掛け身体から抜き取った。
靴を脱ぎ、腰の留め金を外して下も脱ぐと靴下も脱いでそこで手が止まる。
赦しを請うように目を向けると尚隆はただ黙って頷いた。
陽子は背に手を廻し留め金を外す。肩紐を腕から抜き取るとそれを卓子の上に置いた。
露わになった程よく成長した乳房に尚隆は見入っている。
陽子はのろのろと下着の縁に指を掛ける。多分横を向いても尚隆に咎められるだろうから、諦めて
真正面を向いてゆっくりとそれを引き下ろす。濡れて貼り付いていた底の部分に大きく染みが広が
っている。陽子はそれを丸めて畳んだ制服の下に押し込んだ。
「本当に綺麗だな…」
真昼の陽光が射し込む部屋の中に一糸纏わぬ姿で立つ陽子を見て尚隆は絶賛した。
恥ずかしそうに俯く陽子を眺めつつ、袍を脱ぎ捨て衫の帯を弛めた尚隆は再び椅子に腰掛けた。
「ここに……」
がっしりした体格の尚隆が座ってなお幅には十分な余裕のある玉座の如き椅子。
そこに陽子は促されるまま尚隆に向き合って跨る格好になり、腿の両脇に膝を付いた。
膝立ちした陽子は尚隆の両肩に手を掛ける。
開かれた脚の間、尚隆はしとどに潤っている陽子の狭間へと手を伸ばす。手前にうっすらと茂る、
髪よりはやや濃い赤茶の叢を軽く撫で、その奥に隠された至宝を求めて。その指先が触れるか触れ
ないかの僅かな接触。
刷毛で撫でるように指先が陽子の花園を草原を後の蕾を行き来する度に陽子は甘い吐息を洩らす。
「は……ぁ…」
尚隆は中指を僅かに折り曲げて花びらの中へ潜り込ませる。ずっと待ち焦がれていたその愉悦に、
ぶるっと陽子の身体が震える。
「ぁ…だめ……」
漸く扉を開いて訪れてくれた指先を陽子の花園は蜜を湛えて歓迎する。潜ってゆく指先を熱い柔肉
が圧し包み、つっ、と指を伝って透明な蜜が掌に滴る。
指先が掬った潤みを隠れて小さく息付いている薄桃色の真珠の粒に塗り付ける。
「ぁ……や」
陽子は敏感な真珠を探り当てられて小さく跳ねる。指の腹がそれを円を描く様に弄ぶ。
「ひぁっ…あ、そこ……だめ…やめ…あぅ」
「駄目ではなくここが良いのだろう?」
向き合って膝立ちする陽子の身体は痙攣する。尚隆の肩に爪が食い込む。
真珠を弄ぶ指が細かく震え続ける。
「…だめ…いやぁ………あ、あ、あ……いや!」
最も敏感な部分を間断なく責め続けられ、陽子は程なく達してしまう。
息を荒げて尚隆に抱き付く陽子を尻目に尚隆は中指を溢れる蜜を湛える泉の奥へ沈めて行く。
「く…ぅん……はぁ」
一度達して緩やかに下り掛けた陽子の感覚を内奥を進む指先が呼び戻す。
尚隆は陽子の内壁の感触を堪能しながら指の腹で陽子が強く反応する場所を探る。
中指が半分ほど没した辺り、其処を強めに何度も擦り上げると陽子は泣くような声で哀願する。
「そこはだめ!お願い…だめ…あぅ…だめなの……」
「何故」
液体を乱暴に掻き回すような音を立てているのは紛れもなく陽子の身体。
陽子は尚隆の腕を掴んで弱々しく制する。
「だって……変になりそう…お願いですから…」
「それは是非見てみたいな」
尚隆は薄く笑ってそう言い、更に指を激しく繰り出し、空いた片手で剥き出しの真珠の粒を擦る。
「いやぁっ!だめ…だめぇ……お願い、やめ…あ、あ、ああぁーっ!」
陽子は髪を振り乱し、涙さえ流して再び昇り詰めた。
「随分と派手に散らしてくれた…それ程までに良かったか?」
手だけでなく膝の上にまで飛び散った愛液の飛沫は陽子の量の夥しさを語った。
或いは己の歓喜の証を指摘され、羞恥心が極まったせいなのか、陽子は泣いた。
尚隆は小衫の袖で未だ頬を伝う涙を拭ってやる。
「恥じることなど無い、陽子が大人の女である証しだ」
尚隆の膝の上に座り込み、くすんと鼻を啜った陽子は頷いた。
こうして見せる稚けなさと自らも快感に酔い痴れ、男を惑わせる妖艶さをも兼ね備えたこの少女、
同じ胎果の少女を尚隆は愛しく想う。尚隆は緋色の髪を優しく撫でる。
「可愛いな、陽子は。王でなかったらこのまま攫って嫁にしたい程に惚れてしまいそうだ…」
「わたしは…」
陽子は戸惑いの眼差しで尚隆を見る。尚隆は薄く笑って言い掛けた陽子の唇に手を翳す。
「戯れ言だ。気にするな………さて、王同士の親睦を深めるとするか」
尚隆は衫の袷をはだけ、既に天を向いて脈打つ刀身を曝け出した。
「この熱り立った物を鎮める手立ては最早一つしかないぞ…」
膝立ちした陽子は一つ頷くと微かに笑った。刀身に片手を添えてゆっくりと腰を落とす。
「はははっ!自分で入れるか、この娘は。望んでなどいなかったのではなかったか?」
「延王の御戯れに唆されて、もう…我慢出来そうにありません……どうか…私にくださいませ……」
見詰める尚隆が無言で頷く。陽子は妖しく濡れた瞳で見詰め返す。
そして自分の中心に先端が触れるのを感じると静かに腰を沈めた。
「あぁっ……きつ…」
濡れた音と共に貝の舌のような花びらが張り切った笠を包み込んで奥へと誘う。狭い道を圧し広げ
る刀身の逞しさに陽子は震え、僅かな怖れを感じながらも陽子は全てを己の秘めた鞘に収めた。
「はぁ、ぁ…」
収めたものを味わうかのように肉襞がざわざわと蠢いている。陽子はゆっくりと腰を浮かせてゆく。
「ひぁっ!…だめ!」
大きく張り出した笠に掻き出される途方もない快感に陽子は腰を落とした。
「むぅ?これは……至宝だな」
覗きの際に楽俊が言っていた、その言葉――陽子の身体は気持ち良過ぎる――
その意味を尚隆も身を以って知ることになった。ざらつく内壁が尚隆の最も敏感な部分を擦るのだ。
脚に力が入らないほど強過ぎる刺激に震えながら陽子は懸命に腰を上下する。
「だめ…強すぎる……すごい…良過ぎるの…」
それは百戦錬磨の尚隆にとっても気を抜くとすぐにも迸らせてしまいそうなほどの快感。
尚隆の額にそれを堪える脂汗が滲む。
「いい…最高だ……」
「…わたしに…出来るもてなしは……これくらいですから…ぁんっ…」
苦悶に堪えながら陽子は微笑う。尚隆は陽子の細くくびれた腰を掴むと自らの刀身を突き上げる。
「あ、あぁっ…すご…いやっ……いいのっ」
陽子は深く打込まれた刀身が奥に当る度に身を震わせ、訳の分からぬ言葉を口走る。
そう長くは保たないと判じた尚隆は陽子を抱いて立ち上がる。
繋がったまま不意に浮き上がった身体に不安を感じて陽子は尚隆の首に腕を廻す。
尚隆は縋り付く陽子から刀身を引き抜く。
「あっ、いやぁ……」
肉襞を引き摺り出されるような総毛立つ程の快感に陽子は哭く。
尚隆はふらつく陽子を床に立たせて背を向けさせた。察した陽子は上体を倒し、目の前の卓子の縁
に手をついて尻を突き出す。空虚になった花芯がとろりと蜜を垂らし、花弁が鮑のように蠢いて
尚隆を誘う。濡れて光る刀身がびくんびくんと脈打っている。
「良い眺めだ、陽子、いや景王…」
――もう恥ずかしくない。本当は分かっていた、こうなること…そう、望んでいた。だけど怖かっ
たんだ、変わってしまうのが。でも分かった…わたしは何も変わらない。愛されれば応える、ただ
それだけのこと……わたしは王なのだから――
「来て…ください…」
尚隆は開かれた陰門に刀身をあてがうと深々と挿し貫いた。
「あぁーっ!」
陽子が悲鳴に近い叫びを上げる。尚隆は容赦なく抽送を繰り返し、陽子の肉襞を掻き乱す。
「いや、いやっ!…許して……だめ、変になる…もうだめぇぇ」
陽子は卓子に突っ伏し我を忘れて緋色の髪を振り乱す。
膝ががくがくと震え、立っていることすらままならない。
「あぁっ、だめ!…もう……だめなの!」
自らの身体を支えきれず陽子は崩れ落ちる。そして冷たい石の床を背中に感じて、身体が裏返され
床の上に寝かされたのだと気付いた。尚隆は壊れよとばかりに腰を振りたて己の限界に向かって突
き進む。泥濘んだ音が部屋に響く。溢れた蜜が白く泡立ち刀身から糸を引いて垂れ落ちる。
「お願い……あぁっ!だめ!…もうっ!…いやぁ!」
無心に差し伸べた両手に熱く大きな掌が重なる。陽子は指を絡ませてしっかりと握り返した。
「陽子!」
絡み付く鞘が刀身を締め上げ、尚隆は大量の精を一気に迸らせる。
「あ、熱い!…あ、ああぁーっ!」
何度も噴き出し叩き付けられる熱い樹液を受け止めながら、陽子は脚を絡めて尚隆を繋ぎ止める。
――なかが、熱い…すごい…まだ、動いてる……
刀身は鎮まる事を知らず、その熱い脈動に陽子は身を震わせる。
漸く息は整ったものの、未だ震えるその唇で陽子は指を噛んで余韻に浸っている。
尚隆は床に落ちた脚を抱え、陽子の尻を浮き上がらせる。
「まだ終わらんぞ……陽子の至宝は男を狂わせるな」
尚隆は不敵な笑みを浮かべた。泥濘んだ音が前より大きく、再び部屋に響き渡る。
「もっといっぱい……ください」
仄かに朱い目許を潤ませ、かの腕をしっかりと握り締め、陽子は震える声で言った。
そして二人は混沌の渦へと呑み込まれて行く……
――前編・終(転)章――
柔らかな褥の感触――どうして牀榻にいるのか、よく覚えていない……ぼんやり霞む視界の中で
尚隆を探したが、陽子が佇む牀榻には居なかった。気だるい身体を起こすとぬるっとしたものが内
奥を伝う。それは夥しい量の、二人が二度溶け合った歓喜のしるし…
狂態を思い出した陽子は顔が熱く火照り、身体に掛けられていた小衫の裾でそれを拭い取る。
小衫を纏い、帳を上げて牀榻から降り立つと、腰掛けて寛いでいた尚隆が振り向いて笑った。
思わず目が合った陽子も俯いて少しだけ笑った……
「しかし…好い手土産が出来た…」
手に取った純白のそれを光に翳してにんまりとする尚隆に陽子はかっと顔が熱くなる。
「そ、それは駄目ですっ!後で洗っておきますから…」
駆け寄って手を伸ばす陽子をかわして尚隆はそれを懐に仕舞った。
「そうはいかん、陽子の甘露をたっぷり吸ったままだからこそ価値があるのだ。それに、これは元々
俺の物だからな…」
「そんなの、変態です!」
「はははっ!誉め言葉として受け取っておこう。どれ、六太を呼んで来るか」
席を立ち、部屋を出掛けた尚隆がふと振り返って言う。
「それにしても陽子は具合が良い。六太の後にもう一度手合わせ願いたいが、如何かな?」
「知りません!」
陽子はぷいと横を向く。だが思う、それも悪くないと。そう思った自分が何だか可笑しい。
笑いながら出て行く尚隆を陽子は見送る。そして一人残された陽子は呟いた。
「あーあ…六太くん、きっとご機嫌斜めだろうなぁ………」
陽子はその様を思い浮かべてくすりと微笑うと湯殿へと向かう。翡翠の瞳が陽光に煌く。
―前編・了―
セーラー服プレイ!
キタ━━━━━━(´Д`)━━━━━━ !!!!
ええ!前編?!前編?!続きがっ!また夜毎の連載なのね〜!
184さん、長編ゴチです。
状況を段々受け入れていく陽子…イイ(;´Д`)ハァハァ
六太くんとの絡みを楽しみにお待ちしてます。
前フリは
>>264-279 の『金波宮のある夜』ですね。
実は自分が3Pで景麒に後ろを責めさせる決心がついたのはこのSSのお陰だったので、184さんに足を向けては眠れません。
でもどっちを向けば足を向けずに済むのか判らないから、気持ちだけ受け取って下さい。
(by 650)
「そんなの、変態です!」で思わず吹き出してしまいますた。(w
良〜!!
後編が楽しみでつ
キター!!!!チンピク
ヤホーイ!!
続きを楽しみにしてまつ
昨晩こんな神が降臨していたとは・・・・!
続きが楽しみでつ!!
877 :
184:03/09/19 20:34 ID:QpcCyHVs
後編でつ。願わくはこのスレの私にとっての有終を…
と言いたい処ですが、エロ一応ありのかなりベタな恋愛SSです。
読み返して恥ずかしくなるくらいラブラブ電波飛んでますw
どうか笑わないで下さい。いえ、笑ってくれてもいいです、読んで頂けるのなら。
前編にレスを下さった皆さん、いつもありがとう。暖かいお言葉、心から感謝!です。
そして650さん、拙作に目を通して頂いていたとは恐悦至極にございます。
拙作が自分以外のSS職人様のネタ喚起に些少なりお役に立てて、嬉しいです。
「今更何を嫌がる?いいから行って来い!陽子がお待ちかねだぞ」
尚隆はそう言って六太を部屋の中へ突き飛ばした。
「何だよ!俺は別に――」
言い掛けた六太の目の前で彼の身の丈の倍ほどもある扉は閉ざされた。
「ったく………あれ?…陽子?」
振り向いて広い客室を見廻したが陽子の姿は無かった。寝ているのかと牀榻を覗いてみたが其処に
も居ない。微かな水音が聞えてくる。六太は音のする方を見遣った。
部屋の反対側の端にも扉がある。どうやら湯殿のようで音は其処から聞えてくる。
六太はその扉を少しだけ開け、何故か声を顰めて話し掛けた。
「陽子?風呂に入ってんのか?」
やはり聞こえなかったのだろう、返事はなかった。
扉の向こう、床の上に籐籠があり、陽子のものらしき小衫が畳まれている。
水音に混じって陽子の息遣いが聞こえる。何か声を洩らすのを押し殺しているような、ひどく切な
げなその息遣いが六太の好奇心を掴んで離さない。
引き寄せられるように六太は歩を進める。
湯船の方に衝立があった。吐息は一層切なさを増し、声を抑えることが出来なくなっているようだ。
いけないと思いつつも六太は足を留める事が出来ない。衝立に身を隠し、隙間から陽子の姿を覗き
込んだ六太は思わず息を呑みこんだ。
――湯殿に入った陽子は小衫を脱ぎ、綺麗に畳むと湯船へと向かった。
汲み上げた湯を身体に掛けて汗を流し、洗った髪を纏め上げる。そして湯船に身を沈めるとふう、
と深く息をついた。疲労が湯に流れ出して行くようで心地良い。
とまれ余り悠長にしてもいられなかった。こうしている内にも六太が部屋に来るかもしれないのだ。
陽子は湯船から上がると、常世では非常に高価だと言われる花の香りのする石鹸を手に取った。
湯に浸したそれを軽く泡立て、身体に塗り付ける。そこに香りを沁み込ませるかのように腋や乳房
を念入りに擦る。掌に乳首が固く尖り始めてころころと転がる。
「…ぁ、ん…」
――だめだめ、こんなとこで気分出してる場合じゃないって。早く洗わなくちゃ…
陽子は自分を窘め、疼く乳首に名残り惜しささえ感じながらも肝心の場所へ指先を延ばした。
ほんの少しだけ付けた石鹸の刺激を僅かに感じる。花びらをくすぐるように撫でる。
「ん…」
花弁の合わせ目に隠された小粒の真珠を弄びたい欲求と闘いながら花芯へと指を沈めてゆく。
爪で傷を付けない様ゆっくり丁寧に内壁を擦る。湯桶に指先を濯いでは内奥の、尚隆の残した欲望
のしるしを拭い取るようにそっと送り込む。
いつしか無意識のうちに指の動きは忙しなくなり、床の上に座り込んでだらしなく脚を開いていた。
気が付けば空いた左手は乳房を包み、固く勃起した乳首を摘んでは弄ぶ。
まるで誰かの手によってそうされることを望むかのように。
最早湯など手に取らなくとも溢れ出した充分な潤みが指先の活動を助けてくれる。本来の目的を忘
れてしまった指は爛漫と咲き誇る花びらを彷徨い、密かに隠された宝玉を探り出す。
「あ、はぁ…ん、…いぃ……」
――いけない!もうやめなきゃ…やめなきゃ…でも、だめ……もう、行くとこまで行くしか……
陽子は触れてはいけない宝玉を指の腹に捉え、もはや遠慮なく擦り上げる。
優しくゆっくり、時には強く、自分が最も良くなれるよう、指先は淫靡な調を奏でる。
「あ、いいの…気持ちいいの…あん、…すご…すごくいい……あっ、もう…」
――いきそう………六太くん、もう来るころかな…早く仕度……でも、あと少しだけ……
陽子は目前に迫る頂をじりじりと先延ばしにして愉悦に浸る。頭の隅に消えかけていた懸案から、
固く閉じていた目を薄く開いて衫を畳んだ籠の方を見遣る。刹那に凍りつく意識と身体。
衝立の陰から呆然と自分を見ている金髪の少年を凝視して――
「いやぁ―――っ!」
女と云うのは咄嗟の時には取敢えず被害者になれるものだ。混乱する陽子は手許にあった桶を思い
切り投げつけた。凍っていたのは陽子だけではなかった。
六太は額を庇おうと咄嗟に横を向く。それが精一杯。側頭部に桶を食らって意識が飛んだ。
「きゃ―――っ!六太くん!」
陽子が再び悲鳴を上げた。
「――くん…六太くん?」
霞む視野の中陽子が心配そうに覗き込んでいる。陽子が白いな、と思ったら頭と胴に白い織布を
巻いているだけだった。何やら心地良いのは陽子の膝枕だからだった。
「大丈夫?……死んじゃったかと思ったよ…」
陽子は涙ぐんで言った。
「な…何言ってるんだ?んな簡単に死ぬ訳ねーだろ……脳震盪って奴だよ」
六太は呆れて言う。
「ご、ごめん…痛かった?」
「思いっきり投げてくれるんだもん、痛いに決まってんだろが」
「ほんとにごめん…」
側頭部を撫で擦る六太を陽子は心底申し訳なく思い、膝の上に横たわる六太に何度も謝った。
「ところで陽子、随分と大胆な格好だったけど…尚隆じゃ満足できなかったか?」
途端に陽子は耳まで真っ赤に染めて狼狽する。思い出しても消えてしまいたいほどに恥ずかしい。
迂闊と言われればそれまでだが、まさか見られているなどと予想すらしなかった。
だからあれだけ大胆になれたのだ。
「え?ち、違うよ!あれは……あの…わたし…だから…つまり…洗ってる途中だったんだ……」
徐々に消えて行きそうな声で陽子はその真意を明かした。本当にただ洗うだけのつもりだったのだ。
初めのうちは。
「変わった洗い方するんだな、陽子は」
「だって、気持ち良くって……ん?……そうか…ずっと見てたんだ…もう起きろ!」
陽子はむっとして揶揄する六太を押し退ける。板の間に思いの外軽い六太が転がった。
「そっちこそ、こっそり覗くなんて卑怯だと思わないか!」
「その格好に男言葉は似合わないぞ、陽子」
身を起こした六太は陽子の詰問をはぐらかした。
「茶化すな」
据わった目でじろりとねめ付ける陽子。王たる貫禄も付いて来た陽子の睥睨に六太は身を縮ませる。
「ごめんなさい!…ま、まああれだ、…綺麗な裸を見たいってのは男の性だから、許してよ。
陽子はすごく綺麗だったぞ。寧ろ俺はありがとうと言いたい」
六太は真剣な眼差しで言った。
「分かったよ!わたしが迂闊だった……もう!……だけど…いや、いい…」
ぷいと横を向いて陽子は膨れる。六太はぷっと噴き出した。
――別にわたしじゃなくても、裸の女なら誰でも良かったのか?
そう訊きたかったのだけれど。
「さてと、ついでだから俺もひとっ風呂浴びるかな…」
冗談混じりに言う六太に陽子は少しの間黙っていたが、六太の腕を掴んで立ち上がる。
「あ、お、おい!…」
「ほら、向こうが露天になってて、気持ちいいよ…背中流してあげるから早く脱いでおいでよ」
言いながら陽子は湯船へ向かう。
「あ、ああ…」
「陽子は…その、恥ずかしくないのか?」
袍を脱ぎながら六太は尋ねた。
「わたしだって恥ずかしいよ…でもちょっとだけ慣れたかも……」
湯船に浸かって背を向けた陽子は露台から蒼空に映える高岫山を眺めながら答えた。
六太は石を丸く削った腰掛けに座り、腰に手拭いを掛ける。
「陽子さぁ……何だか変わったみたいだ…」
背中を陽子に擦って貰いながら六太はぽつりと言った。
陽子は微かに笑みを浮かべ、静かに答える。
「わたしはわたしだよ。何も変わってない…いや、ちょっとだけ変わったかな……」
一つ一つ言葉を手繰り寄せるように陽子は緩やかに言う。
「わたしのことを想ってくれる人には精一杯、心から応えてあげたい…そう思うようになった…
それが王としてのわたしの、あるべき姿、かな?…それしか出来ない駄目な王だけどね……
あ!もしかして…わたしと延王とのこと、妬いてるのか?」
そう言って陽子はくすりと笑った。
「ばっ……な訳ねーだろ!違うよ!…でもあのさ、聞いてもいいか?………楽俊のこと…」
陽子の手が止まる。背を向けている六太にはその表情は窺えない。
「好きだよ。ううん、大好き…楽俊はわたしにとって掛け替えの無いひと……もしも、わたしが王
じゃなかったらきっと……」
そう答えた陽子の声は何処か寂しげに聞えた。
「まさか、結婚できないからって、別れるつもりなのか?」
我ながら意地の悪い問いだと六太は思う。だがどうしても言わずにはいられなかった。
陽子の言葉の一つ一つ、そこから陽子の心の奥を僅かでも知りたい、そう思っていた。
六太の背を見詰めながら陽子は首を振る。
「ううん、わたしはずっと楽俊の傍に居たい。別れたい訳無いよ……でも、楽俊はきっとそのうち
愛想尽かしちゃうかも知れないな…そうなって欲しくないけど……こんなわたしだから…」
「そっか……」
六太は陽子に返してやれる言葉を見つけられなかった。
「やだな、折角おもてなしに来たのに、なんか暗くなっちゃうじゃない!」
陽子は努めて明るく言い、六太の背に湯を掛ける。そして立ち上がり、六太の目の前に膝を突いた。
思わず六太の視線はその胸元に釘付けになる。
湯に濡れて貼り付いた白い綿布、それは普段は官服に、或いは幾重にも着させられた襦衫に全て隠
されていた陽子の胸のふくらみを緩やかになぞる。
剰えうっすらとその頂きにある蕾を浮き立たせ、同じ色あいの暈をも透かして存在を示している。
「陽子…その………胸、透けてるぞ…」
六太はどう反応して良いのか悩んだ挙句、ぼそりと言った。
「言わないで。そんなふうに言われると余計恥ずかしいよ………」
頬を染め顔を背ける陽子。分かっていた。本当は恥ずかしかった。それでも思い切って隠しもせず、
六太の前に身を置いたのは、裸同然で接しているのに一向に食指を動かさない彼を挑発したかった
から。彼の心が知りたかったから。指摘されたのは予想外だったが、その律儀さは麒麟たる所以か。
そして刺さるように注がれる六太の視線を陽子はただじっと受け止める。
それが陽子に対する好意なのか単なる雄の本能なのかは分からないまま……
――まずい!六太は己の肉体が視覚によってごく自然に反応し始めたことに赤面した。
手拭いを掛けた腰を心持ち引く六太。
陽子はこんもり盛り上がりつつある手拭いをちらりと見遣り、六太の膝の間に割って入る。
「ずっと…待っててくれたんだね」
近付く陽子から逃げるように六太は視線を逸らす。
――そうさ、ずっと待ってた…陽子が尚隆に抱かれてるのかと思うと、俺は…
「別に、つーか…あれだ…そう、景麒と世間話を…だから待ってた訳じゃ…いや、…少しだけ…」
――聞いてもいい?それは、どうして?ただそこに抱かせてくれる女がいるから?それとも――
「ごめんね……待たせちゃったのと、さっきのお詫びに、前も洗わせて…」
陽子は俯いたままそう言うと掛けていた手拭いを取り去る。
「お、おい…洗うって一体何――」
そうしてゆっくりと顔を沈めた。
「口で……」
其処から先は言葉にならなかった。まだ固くなりきっていない六太の分身を陽子はそっと含んだ。
舌でなぞられると分身は見る見る漲って行く。尚隆のそれと較べれば小振りだが、あどけなさの残
る少年の容貌にはひどく不似合いなその姿かたち。陽子はその分身に丹念に舌を絡めてゆく。
「ん…んっ、ふ…ん……」
くぐもった吐息が湯殿に響き、時折ぴちゃぴちゃと濡れた音がそれに混じる。まだその行為の経験
が多くない陽子だけにその技には拙さがあったが、六太が快楽の波に呑み込まれるには充分だった。
だが何よりも、六太を激しく奮い上がらせるのは陽子のその姿――
――伏し目がちな翠の瞳、緩く前後に揺れるその頭に巻いていた織布がはらりと落ち、しっとりと
濡れた髪が肩に懸かる。それは許されぬことと知りながら、強く心を惹かれる少女――
紛れも無く彼女が眼前で己のものを口に含んでいるその事実こそが。
夢ではない、そう思った瞬間、倍増する快感に六太は一気に昇り詰めてしまう。
必死に堪えていたものが堰を切って己の分身を駆け上り、陽子の桜色の口中目掛けて迸る。
「あっ!駄目だ陽子っ!」
「んっ!…ぐ…」
余りに咄嗟の出来事に陽子は心の準備も出来ないまま、生まれて初めて男の精をその口に注がれる。
愕くほど大量の白濁液を口中に浴びせられ、陽子はけほけほと咳き込んだ。
「ご、ごめん…俺、我慢できなくって……大丈夫か?」
六太は真っ赤になって咽る陽子に狼狽し、陽子の背中を撫でさする。
陽子は涙を流し、息を整えながら唇に垂れた余滴をそっと拭った。
「はぁ…はぁ、…うん…大丈夫、ちょっと咽せちゃっただけ…ちょっと口濯いでいい?」
「…なんか格好悪い…」
口に含んだ水を吐き、ぽつりと呟く陽子に六太は項垂れ、自嘲する。
「だよなぁ…我ながら情けないよ…」
「え?ち、違うよ、六太くんのことじゃないんだ…わたしが…あんまり慣れてないから…」
陽子は慌てて己の言葉の意味を説いた。
「そんなことないぞ!…あ、…いや、慣れてるって意味じゃなくて…つまり…すごく良かったぞ…」
「そう、良かった……」
優しく微笑む陽子を見て六太はひどく後悔していた。
未だ脈動すら収まらぬ猛々しい己の分身を、六太は手拭いで圧し包む。
もう少し、もう少しだけ陽子の唇を、舌を身体に感じていたかったのに――
「あ、あのさ…」
「なに?」
息の懸かるほど近くに、見上げる陽子がいる。六太は途切らせてしまった先の言葉を探す。
――尚隆なら簡単に、しかもその気になるように言うだろうな。けど俺にはとても言えない…
言ってしまうと本気になりそうだから…いや、もう、なってるんだ――
陽子はその瞳で誘うように見詰めている。
潤んだ瞳は咽せたせいか、或いは再び呼び起こされたもののせいなのか、心の内は読み取れない。
「…六太くん…あのね、…」
六太は先刻も見たその瞳にまた引き込まれ、そして何か言い掛けた陽子を抱き締める。
「俺……陽子が欲しい」
更に陽子を強く抱き締め、その唇を求める。だが陽子は困ったようにふっと顔を背けて言った。
「今はだめ……」
「そんな、今更どうして…」
六太はあからさまに不満を込めた口調で問い詰める。
「ここではいや………先に上がって待っててくれる?」
じっと見詰めて問う六太に視線を合わさぬまま、陽子は身体を固くする。
「ここにいちゃ駄目か?」
「明るいところで見られるのは…やっぱり恥ずかしいから…」
実際、既に股を広げてあられもない姿を披露しているのに今更なのだが、恥ずかしかった。
――本当はすぐにでも抱かれたい。だけど、嘘を吐いてでも、あなたの本心を確かめたい。
「分かった…けど…その前に、何つーか…折角だから俺も陽子の背中流してやるよ…なんて」
「え?………背中だけなら…」
陽子は小さく頷くと石の腰掛けに座り、巻いていた綿布を弛めて背中を見せた。
「背中流したら先に上がってくれる?」
両腕で前は落ちないよう抑えている。六太は陽子のその言葉、その仕草に何か冷たいものを感じる。
「何だよ、そんなに俺には見せたくないのかよ…尚隆には見せたくせに!そんなに俺は邪魔者かよ!」
多分に嫉妬の色に染まったその言葉が陽子の背に刺さる。はっと振り向き、見上げた。
「違う!違うの…」
「違わないだろ、変に期待なんかさせないで、嫌ならいやだってはっきり言ってくれればいいんだ。
別に俺は無理強いしようとなんて思ってないから!」
六太は吐き捨てるように言った。
「違う、嫌じゃないよ……」
「だったら…」
言い掛けた六太を押し留めて陽子は自分の思いを吐露する。
「景麒や尚…延王みたいにわたしを辱めて歓ぶんじゃなくて、六太くんとは綺麗に結ばれたいって
思った…でも違うよね。それはわたしの独り善がりな思い込みだ…」
六太はきまり悪そうに言った。
「…ごめん、俺も言い過ぎたよ」
「ううん…わたしが悪かったんだ」
陽子は首を振った。六太は陽子の肩に手を掛けて背を向かせる。
「背中流してやるよ…そしたら俺、向こうで待ってるから………」
「うん…ごめんね……」
「陽子って綺麗だよな…」
六太は陽子の背を擦りながら静かに話し掛ける。
「そんなことないよ、みんなは男みたいだって言うし…街じゃ普通に男の子と間違われるし…」
陽子は背を向けたまま首を振った。
「俺は初めてお前に会った時から綺麗だなって思ってたぞ……ま、いきなりそうは言えないから、
あの時は冷やかしたけどな」
「そうだったね…でも、うれしいよ…」
遠い昔の懐かしい出来事を思い出すように陽子は呟いた。
――教えて欲しい、その言葉の裏にあるあなたの心を。どうか言葉で伝えて欲しい…
「ああ、濡れた髪って色っぽいな……それに、いい匂いがする…」
六太は陽子のしっとり濡れて結い上げられた髪を解く。それはぱさりと肩に落ち、濡れて色濃く艶
めく緋色の髪は六太の心の奥底にふつふつと沸き上がる感情に拍車を掛ける。
その髪を一掴み、すっと口許に近付けて唇をあてる。
「だめだよ、また濡れちゃう……」
俯いて、陽子は言ったがそれは口先だけのこと、六太のすることを諌めた訳ではない。
寧ろそれはこれから取るであろう自分の行動に対する言い訳のような口調だった。
「ごめん陽子、やっぱりもう我慢できない」
背後から抱き竦める六太の手が胸元に留まる陽子の手を引き剥がす。
「あっ…」
指先を柔らかく、だが適度に張りのあるふくらみが押し返す。
「あん……だめだよ…六太くん、嘘吐きだね…」
陽子が発するその声も、悪さをする腕を掴むその手も弱く、行動を阻止するには程遠い。
「だってこの状況で男が我慢できる訳ねーじゃん。陽子が誘い上手過ぎなんだよ」
「そんな…わたし誘ってなんか……んっ…」
そう、嘘吐きは、わたしの方だ――
くすぐられて頭を擡げる乳首が疼く。六太は肩越しに陽子に囁く。
「その恥ずかしくて仕方ない、ってのに男は弱いのさ」
「だってほんとに恥ずかしいんだ…」
陽子は身を竦める。それも偽らざる本心だった。
心を許せる相手に求められたからと云って、いきなり嬉々として身体を曝け出すことなど到底出来
ない、そこまで慎みがない訳ではない。
――決して演じている訳じゃない。だけど、わたしの心は嘘吐きだ――
「だからこそさ」
六太は陽子を振り向かせ、唇を重ねた。
「ん………」
陽子は半身を向けて瞼を閉じる。
撓垂れ掛かった陽子の柔らかな重みに辛うじて保っていた六太の理性が消し飛んだ。
「もうだめだ!我慢出来ねー!俺はここでする!いいな陽子!」
「え?…う、うん」
血気に逸る六太に気圧されて陽子は頷いた。殆ど同時に六太は陽子の乳房にむしゃぶりついた。
「あ…はぁ」
――でも、こういう乱暴なのって初めてだな……楽俊は、わたしがいくら積極的になってもいつも
何処か遠慮がちだし…景麒や尚隆は上手過ぎて完全に向こうの手管に嵌められちゃうし…
「あ…んっ…そんなに強く吸ったら、…痛いよ…」
乳飲み子のように乳首を咥えて強く吸い上げる六太に陽子は訴える
――何だか六太くんて五百年も生きてるとは思えないな、こうしてると見た目通りの子供みたい…
陽子はどこか可愛ささえ感じる六太の髪をそっと撫で、己が胸にその頭を抱き寄せる。
――もう、どっちでもいい。欲望だけでもわたしを抱いて…わたしを嫌いじゃないのなら…
強く吸われ、伸びた乳首を六太の舌先が舐り、唇が扱く。
「あ、あん……」
陽子は感じ易く、寧ろ弱点と呼んで差し支えないその突起を執拗に責められて思わず仰け反った。
腰掛けに座ったままの不安定な姿勢が心許無くて、陽子は腰を軸に身体を廻して壁に凭れ掛かる。
六太は吸い付いたまま陽子の動きに追従した。陽子の身体の位置が落ち着いたところで置き去りに
されていたもう片方の乳首を同じように強く吸い上げる。
「ああっ…だ、だめっ…強くしないで…あ、い、いいの…」
六太は空いた乳房を鷲掴みにして指の間に乳首を挟んだ。吸い上げられ舐られて赤みを増した乳首
を強く擦られると、陽子は子猫のような鳴き声を上げながら首を振る。
「ひっ、いやぁー…ぁぁん…だめぇ…」
六太はその声を愉しむかのように両手で乳首を転がし、弾き、揉み解す。
「やだ、だめ…そんなにされたら…」
「こうなるんだな」
言いながら六太は閉じた脚の間に強引に手を差し入れる。
「やっ…」
薄い叢を進む六太の指先にぬるつく花びらが纏わり付く。溢れる蜜が指を濡らす。
「もうこんなになってんなら、…入れてもいいか?」
「………いや」
陽子は小さく首を振り、消えそうな声で言った。
「嫌なのか?」
「…もっと触ってくれなきゃ…いやだ…」
含羞みながらも陽子は自分の欲求を正直に伝えた。
「分かった…じゃあ陽子が挿れてくれって言うまでな」
「わたし、そんなこと…言わない…」
「言わせてやるさ…」
六太は腰掛けている陽子の前に身を沈める。陽子がそうしたように。
「えっ?…だめだよ…見ちゃ嫌だってば…あ、あぁっ…」
「綺麗だな……ここが陽子の匂いが一番強いな…」
陽子の腰をずり下げて、息づく花園に舌を差し伸べながら六太は言った。
「…ん…それじゃわたし…は、ぁ…いつも変なこと…してる…みたいじゃないか…」
「いや、いつもとは違うよ…けど陽子…さっきみたいな悪戯してると、景麒に勘付かれるぞ」
――もう……ばれちゃったよ…陽子は心の中で呟く。なるほど麒麟は鼻が利く。
その鼻先を敏感な真珠の粒に擦り付けながら六太は溢れる蜜を啜る。
「やあぁっ……六太くん…ずるいよ」
陽子は六太の鬣を掻き毟りながら途切れがちに言う。その間にも六太の舌は届く限りに陽子の深い
ところを探索する。まるで泉の源を探そうとするかのように。陽子の額に浮き出る汗は胸の谷間を
伝って滴り落ちる。その汗と同じように陽子の泉は枯れることを知らない。
「子供の振りして…ぁん…ん、……こんなの…は、反則だよ…」
「それは陽子が勝手に思い込んでただけだ……陽子、もう欲しくなっちゃったか?」
見上げる六太に陽子は首を振る。
「…まだ…お願い、このまま最後まで…」
「そしたら欲しいなんて言わなくなりそうだから駄目」
六太は意地悪く更に顔を離す。
「…言うから…お願い…ここも……その…少し尖ってるとこ…」
上気した顔でおずおずと指差す先、そこは大きく開かれた脚の付け根、綻んだ花びらが織り成す蘭
にも似た佇まい。その合わせ目に薄紅色の真珠の粒が僅かにその姿を見せている。
「見られるのは恥ずかしいんじゃなかったのか?」
陽子は強く首を振る。そして掠れた声で言った。
「…お願い」
「いいよ…」
六太は再び顔を沈め、舌先にその小さな宝玉を捉えた。
「ひっ…あ、だめ…いや…あ、あ、…」
望んでさせた事なのに陽子の口を拒否の言葉が突いて出る。陽子の爪が六太の肩に食い込む。
六太は宝玉に磨きを掛けるように小刻みに舌を震わせた。
「あ――っ!」
それは陽子に悲鳴を上げさせる引き金となった。六太は尚も容赦なく舌を押し付け震わせながら、
跳ねる陽子を抑えるように腕を伸ばし、固く尖った両の乳首をきゅっと摘んだ。
「いやいやいやぁ――――っ 」
駆け上がる様に激しく達し、陽子はぐったりと六太に凭れ掛かった。
気が付けば牀榻に仰臥している。熱気に当たって上せてしまったのか、陽子は思った。
額に置かれた冷たい布が心地良い。六太が見下ろしていた。そして笑いながら言う。
「陽子もずるいな。自分だけいって気を失うとは思わなかったよ…」
「ごめん、…上せちゃったみたいだ………もう、大丈夫だよ」
陽子は見上げる。言外に匂わせるその意図を翠の瞳で伝えるように。
「大丈夫ってのは…そう言う意味?」
その思いを察してくれた六太に陽子は小さく頷いた……
二人は柔らかい唇の感触を確かるかのように甘く、優しく互いの唇を啄ばむ。
遠慮がちに探り合うように互いの舌先を突付いては離れ、離れた舌を銀の糸が繋ぐ。
長い口づけに甘い溜息を吐く陽子の流麗な顎、柔らかな頬、意外に細く華奢な首筋から肩へ、
愛しさを伝えるように唇は這い、指先は未だ乾かぬ髪を優しく梳る。
想いを寄せる少女の甘く切ない吐息は六太の耳をくすぐり、背に廻された、我が身を抱き締める腕
の強さがその心を惑わせる…
仮令切ない心の内を説いたところで、それは決して叶うことのない、他国の女王への恋慕の情。
ならばこの想い、死ぬまで胸に仕舞っておこう。
だがせめて今日だけは、心行くまで抱かせて欲しい、この精も根も尽きるまで応えて欲しい。
こうして恋しい隣国の君を抱けるのは今日が最初で最後かも知れないのだから。
「今だけ、好きな奴のことは忘れてくれないか?」
「…わたしは……好きなひとのことは忘れない……」
口を噤んで見下ろす金色の髪の少年を濡れた翠玉の瞳がじっと見詰め返す。
――忘れないよ、だってわたしは……
その言葉、互いの胸に秘めた同じ想いを口には出さず、陽子は目を閉じ、そっと二人は唇を重ねる。
天も民も許してはくれない二人なら、せめて仮初めの振りをして求めたい……
その愛しい娘の身体の隅々まで六太の指先は撫で、唇が這う。
その愛しい男の甘美な調べに陽子は揺蕩い、愉悦の波に呑まれてゆく。
やがて二人はお互いを求め合い、熱く燃える身体を繋ぐ。
身体の芯まで蕩けるような陽子の中に迎えられ、六太は敢え無く果て、夥しい精を放つ。
それでも六太は己の精が尽きるまで優しく、或いは獣のように、飽くことなく陽子を求めた。
陽子は厭うことなくそれに応え、求められるまま何度も身体を開いた。
感じるままに歓びを謳い、泣いた。羞じらいを捨て上になって腰を振り立て、四つん這いになって
尻を突き出した。疲れた身体を互いの指で口で昂め合い、褥を濡らしてしまうほど溢れさせては何
度も達し、内奥に、口中に精を受け止めたのは何度目か、もうそれも分からない程に宴は続く……
移ろう時に、窓外に聳えていた高岫山は闇に融け、天には星が瞬いている。
蒼茫の牀榻の中、陽子は解けてゆく心地良い疲れに目蕩みながら傍らを見遣る。
――あなたはきっと気付かない、この胸の切ない想い、許されないと知っていて、望んで止まないわたしの想いに……
だからせめて夢の中で、わたしの想いを伝えたい……
そこに静かに寝息を立てる稚けない少年の手を握り、そっと耳元に囁くその言葉―――
―――終章―――
「さあ陽子、夕餉の後にもう一勝負と行こうぞ!」
帳を撥ね上げ、まるで洗濯物を扱うように尚隆は片手でくたびれきった六太を掴んで肩に担ぐ。
「ええっ?」
飛び起きた陽子は掛けていた小衫を手繰り寄せて身体を隠した。
「何だ?こやつは干からびてるがお前は満腹した訳でもあるまい?そうそう、景麒から訊いたぞ、
何でも陽子は後ろが大層お気に入りとか」
好色そうな笑いを含して尚隆は言った。
「え?…!!……そんなの嘘です!出鱈目です!」
バカ景麒!覚えてろ!陽子は心の中で壁の向こうに毒突いた。
「見た目と変わらぬのその歳でな……いや恐れ入った」
その感嘆の口調は揶揄でしかない。
「ち、違います!あれは景麒が無理矢理したことですっ!痛かったんですから!あ……」
陽子は己の言葉に顔を朱に染めて俯いた。
「ははは…痛くしなければ良いのだな?心得た」
「もう!良くありません!」
寝台の縁、陽子は膨れ、床に届かぬ脚を振る。その様に尚隆は高く笑った。
「しかし、怒った陽子は格別に可愛いな…」
そして尚隆はその頬を指先で軽く撫で慈しむ。
「夜は長い。今宵忘我の果てに麗しき女王と添い臥すは、これではなく…俺だ」
「………はい、……尚隆…」
陽子は見上げ、静かに微笑む。
その揺れる翠玉の瞳、微かに煌くは悦楽への誘ない――
―了―
リアルキキキキタタタタタタタ━━━(((((゚(゚(゚(((゚゚∀∀゚゚)))゚)゚)゚)))))━━━!!!!!!
グッチョぶい!(・∀・)!!
リアルタイムキタ━━ヽ(゚∀゚)ノ━( ゚∀)ノ━( ゚)ノ━ヽ( )ノ━ヽ(゚ )━ヽ(∀゚ )ノ━ヽ(゚∀゚)ノ ━━!!
(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァしますた。
最高ですた。
キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━ !!!!!
素晴らしい〜、拍手パチパチパチパチパチーーーッ
キター!!チンピク!と言うか勃起済み
キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━ !!!!!
キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━ !!!!!
キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━ !!!!!
184さんの陽子って、陽子って、陽子って・・・
な、なんて女なんだ!!!
それだけじゃなくてこのスレって一体どうなってるんだ!!!
凄すぎ!
(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ
毎晩このスレのレベルの高さに昇天気味。
シアワセです。
/ヽァ/ヽァ━━━━━━(*´д`*)━━━━━━!!!!
ネ申キテタ━━━(;´Д`);´Д`);´Д`);´Д`);´Д`)━━━━!!!
このスレ最高(・∀・)
乙乙!!!
ここは神々が集うスレだったのですね(;´Д`)ハァハァ
六太イイ(・∀・)!!
陽子もなんだかかわいい!!!
職人さん乙でした!!
沢山のレスありがとうございますm(__)m
今回のはちょっとアレだったんでどうかとも思ったんですが、本当に嬉しいです。
さて、今書き溜めているプロットがもう無いもので…(案だけはいくつか…)
そのうちの一案についてご意見を伺いたいのですが。百合ってどうなんでしょう?
801ほどではないにしろやっぱり嫌な人もいますよね?その辺が知りたいです。
とにかく暫く構想を練ります。次スレでまたお会いできるよう頑張りまつ。
純愛がイイ!!
>904タン、乙。
楽しませてもらいまつた。
>百合
百合は特に拒否反応ってなかったと思う。
個人的には>581-582の小説版みたいなのが読みたいと誰にともなく呟いてみる。
>904
男女 (*゚∀゚)=3
3P (*´∀`)
百合 (´-ω-`)
嫌ではないがそんなに歓迎もしないってとこかな…漏れは。
801 ( ;゚Д゚))))))
問 題 外。
〜小説の場合〜
(禎衛は泰麒を手招きしてそっと触れる)
禎衛「麒麟にとって特別大事な場所だから大切にしないといけません。
今、嫌な感じがなさったろう? 触れられて嫌な気が」
泰麒「・・・ちょっとだけ」
禎衛「無理をなさることはないんですよ」
〜アニメの場合〜
(無言で歩く泰麒と禎衛と犬狼真君)
泰麒「・・・。・・・っ!」
(泰麒、はっと身を引く)
真君「今、嫌な感じがしたろ? 触れられて」
泰麒「・・・ちょっとだけ」
真君「無理することはない」
禎衛と真君がただの危ない人になっちった・・・(汗
650さんと184さんのSS(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ
自分も改変ばかりやるのもヤバイ気がするのでそろそろエロエロなナニを・・・
杉本と浅野とか、杉本と塙王とか、杉本と塙麟とか、杉本と蟄居監視兵とか、
杉本と六太とか、杉本と猫半獣とか、杉本と壁落人とか、杉本と陽子とかのどれかを書いてみたいっす。
杉本が「私こそ××の女にふさわしい!」とか「あなたが××の彼女であるものくぁー!」とか
躁鬱状態の杉本が上になったり下になったりする阿鼻叫喚泥沼昼メロが見たいわけで。
・・・結局改変かよヽ(`Д´)ノ
司書様、管理お疲れ様です。
あの、書庫についてなのですが、年齢制限ありなので、以前のように
INDEX(一番最初のページ)に「18歳以上の入場を禁止(ヤフーへのリンクを貼る)」
を明記した方がいいと思うのです。
それと、各フォルダーに「index」ファイルを置かれたほうが。
今のままだと中のディレクトリーが丸見えなので。
差し出がましいようですが、気になったのでかきました。
今の司書様はお仕事が速いのでとても助かってます。
今後もよろしくお願いします。
>>908 禎衛と真君ワロタ
杉本と監視兵キボン
兵卒に犯される杉本キボンかも。
職人の皆さん乙悦!!
>909
早速作ってみました。
ガゾは後で編集し直しますので、今はこれで勘弁して下さい。
indexが無いフォルダは工事中も作品が見れるようにと、
思って置いていないだけなので、もう少し待っていて下さい。
他にも何かあったら、また言って下さいね。
司書さんだ、乙です〜。いつもありがとんです。
>911
兵卒を犯す杉本になりかねん・・・
>>914 そ・・それもまた良し〜・・・・・
ハアハア。
息をつかせぬ攻防が繰り広げられそうだぜ・・・ハァハァ
杉本といたの禁軍の兵士らしいでつ
できれば冗佑憑きで、人ではとても考えられないようなセックルの動きを描写
してほしい・・・。陽子でも杉本たんでも・・・どちらでも。
杉本たんと高里弟もイイかも。ハァハァ・・・(;´Д`)
現在ログ容量は466KB
そういやアニメキャラは登場したこと無かったな〜
>>904さん
おくればせながら。
ハアハアさせていただきました。ごちそうさまです。
それから自分は百合は苦手ですが、スルーしてまつので大丈夫!
気にせずどーんと投下して下さいませ。
書く前からスルー宣言されて嬉しい書き手はいないと思うが。
特別な拒否反応がないなら「大丈夫」だけに留めておいてやれ。
職人さん乙です!
ここは豪華なスレですな!
燃え萌え尽きますた・・・・
百合と801では違うのかな? よくわからんが。
何となく
百合=♀♀
801=♂♂
って感じで使われてると思う。
なんとなくではなくて、太古の昔wからその通りでつ。
927 :
名無しさん@ピンキー:03/09/21 12:39 ID:3T0qyl6q
ここは萌えるスレですね。
陽子タンイパーイでお腹いっぱいだから、他のキャラの絡みがみたい
そういう表現だと、陽子タソモノを書いてる職人さんがうpし辛くなるかもよ。
というわけで多彩なエロщ(゚Д゚щ)カモォォォン
930 :
921:03/09/21 17:19 ID:/Sq96GaR
>>922 そうですね(´・ω・`)
無神経な発言をしてごめんなさい、>904さん
>921さん
全然構いませんよ。寧ろ皆様の本音が聞きたかったんです。
実は私も何を差し置いても百合を書きたい!って程の欲求は無いんですが。
で、>928さんのご意見も仰る通りと思います。ただ職人様それぞれに陽子の姿が違ってて
私はそれが楽しみですけど。私の書く陽子は女の子色が濃いですね。
次作ですが某国の麟を主役にしたもので逝きまつ。着手しましたが完成はまだ遠いです。
陽子も出番ありますが、今度は脇役です。
楽しみにまってるよ!
でも、プロじゃなくてここでは職人さんなんだから
あんまり読者のリサーチしないで、好きなように
やってちょ。
突然ですが。
六太×氾麟を投下します。
星々の密やかなおしゃべりに花咲く夜更け。
遥か天上界の数多の瞳は地上のすべてを見つめていた。
彼等の近頃の関心ごとはもっぱら戴国の麒麟の事だった。
はたして見つかる事か否か。
星星がひそひそと話し合っている最中、それまで暗闇だった弧琴斎の中からすぅっと月のような灯火が漏れ出した。
それを見た星たちは、そこから現れた語り部達の言葉を聞き漏らさない様に一斉に声を潜めた。
「あーあ、また見つからなかったわね。蓬莱には居ないのかもしれないわね。」
少女はねぇと続いて光の中から出てきた少年に声をかけた。
「そうですね・・・。でも、他に探す当てもありませんし・・・。」
答えたのは、さらにその後から出てきた18歳くらいのたおやかな女性だった。
「泰麒は蓬莱のお生まれですから・・・。」
見つからない事がよほど悔やまれるのか、最後に出てきた男はうつろな目をしていた。
初めに話しかけられた少年はふぅと息をつくと、椅子に腰掛け、手を組んでそこに顎を載せた。
「もう一度、今度はもっと丁寧に探してみよう。あっちは交通機関も発達しているからな。どこかで入れ違ったりしているかもしれない。」
一瞬、地図を広げようと手に取った。
だが、自分も他の3人ももう限界が近い事を思い出して、一旦、出した手を引っ込めた。
「取りあえず休憩しよう。景麒は州候の仕事もあるし。廉麟も廉王に文を送る時間が必要だろ?」
二人が去っていった後、なぜか最初に発言した少女だけは残っていた。
この少女、氾麟、にはどうも子供っぽい所が抜けない。
そんな彼女は何か自分にも言ってほしいと思っているのだろうと六太は直感した。
「・・・・・・お前はお肌の為にでも寝ろ。」
ぞんざいな言い方に氾麟は愛くるしい口をへの字に曲げ眉間にしわを寄せる。
「そういう六太は、なにするつもり?」
「何にもしないをするつもりだ。」
憮然とした氾麟は「そう。」と言い残してとっととその場を去ってしまった。
その姿が消えるのを見送ってから六太はそっと地図を広げはじめた。
蓬莱で買ったペンを握り、古い記憶と新しい記憶を吟味しながらあちこちに文字を書き連ねたり記号をつけたりする。
ふと六太が顔を上げると、部屋の隅に置いてあった壺の影に寝室に向かったはずの氾麟がいた。
「な、何やってんだよ。」
驚きつつも呆れたと言わんばかりに声をかけた。
「・・・何にもしないなんてしてないじゃないの。」
氾麟は頬を膨らませて、ツカツカと六太の傍に寄ってきて、ぱっと六太の胸に飛びつくと、上目遣いでぐっとねめつけた。
「・・・あ・・あのな。」
そして、氾麟はちょっとだけ伸びをすると、六太の首に腕をまわし、優しく愛撫する様に何度か唇を吸った。
「んっ・・・ま・・待てよ、小姐!人が来たらどうする!?」
六太は、はわはわと慌てて氾麟の肩を掴むと、ぐっと引き離した。
「あの二人ならしばらく来ないわよ。」
「いや・・・陽子とか。李斎とか。」
「じゃ、私の部屋でする?」
それだけはごめんだった。あの部屋には氾王もいたのだった。相手が寝ていればいい物の、もし見つかったら大事だ。
「六太の部屋はいやよ。尚隆がいるもの。」
六太だってイヤだ。尚隆の事だから参戦してくるに決まっている。
「だから。ね?続けましょう。」
そう言って六太の腰に股がってきた。
「だめだ。こんな時に、こんなトコで。」
それを聞いて氾麟はふぅと息を吸い込んだ。
「こんな時だからするの!だって、六太ったら最近、ちっとも眠ってないじゃないの!」
言われてみれば確かにそうだった。ここ数日、妙に目が冴え、深夜でもふらふらと起き出しては地図を眺めたり、蓬莱に行ったりしていた。だが、それは他の麒麟達もほとんど同じだ。
「でもな・・・・・」
そう言いかけて黙りこくってしまった六太の頬を氾麟はそっと撫でた。
「六太が辛いと私も辛いの・・・・・・・・・・」
先ほどとは打って変わって、しおらしく心配そうに見つめてくる氾麟の顔を六太はじっと見た。そして、意を決した様に氾麟の細くくびれた腰をぎゅっと抱きしめると、長椅子に押し倒し、今度は六太からそっと唇を重ねた。
「誰かに見つかっても文句言うなよ。」
氾麟はにっこりと微笑むと、「はい」と朗らかに答えた。
それを聞いて六太はもう一度、口付けをした。氾麟をしっかりと抱きしめたまま貪りつく様に衣服を乱し、露になった白く滑らかな肌に花の足跡を着けていった。
然るべき場所まで到達すると、六太はそれまで自分の体に絡み付いていた氾麟の足を一旦離し、ぐいと押し広げた。
「あっ!痛ぁ!」
「お前、本当に体硬いな。この前行った通り、風呂上がりに柔軟体操してるか?」
「・・・お酢も飲んでるわよ。」
惚けていても言う事はちゃんと言う氾麟の気丈さに六太は呆れた様に笑った。
「それじゃ、続けようか。」
六太は氾麟の薄く茂る丘に優しく触れ、そのまま谷間に指を滑り込ませた。すぐには中に入れず、焦らす様に感じる点を微妙にずらして弄った。
「・・んっ・・・、・・・・ぁア・・」
氾麟は快感に神経を集中させる様に、目を閉じ、体をくねらせる。
とろとろと溢れ出す透明な蜜は甘く香り、ぐちょぐちょと卑猥な音をたてる。そして、とうとう最初の絶頂に達した氾麟の嬌声が、依然、周囲を気にしていた六太と外の世界の間に薄いカーテンを下ろした。
「小姐。」
六太は氾麟の足の付け根から顔を離し、よじ上る様に覆いかぶさってきた。先ほどは石膏の様に白かった氾麟の肌は桃色に染まり、じんわりと汗ばんでいた。
達したばかりの氾麟は整わない呼吸の合間を縫って、呼びかけに答えた。
「いいよ・・・・・来て、六太。」
六太は氾麟の汗で額に張り付いた髪を優しく、顔の端に撫で付けると、今一度確認する様に唇を重ねた。
「それじゃ、入れるぞ。」
六太はほとんど引っ掛けているだけになっていた衣を脱ぎ捨てると、ぐったりとした氾麟にモノをあてがい、一気に腰を沈めていった。
「ひゃあっ、う・・・・」
氾麟は反射的に身をよじり、声を上げた。ようやく収まるべき所に収めた六太は、ほぅと安堵の息を漏らした。久々だった事もあって、想像以上に氾麟はきつく締め上げてきた。
そのまま体を前に倒し氾麟を抱きしめた。
「・・わりぃ、また足が吊った。」
六太は氾麟をひょいと抱きかかえると、自分の足をさすりはじめた。
「もう、しょうがないわね。」
そんな六太の事はおかまいなしに、氾麟は悩ましげに微笑むと六太の乳首をきゅっとつまんだ。
「う・・・んっ、ぁあっ・・ちょっ・・!よせ、小姐!!」
「やめてあげない。」
そして、普段、彼女がされる様に氾麟はちろちろと舌を出して六太の乳首を舐めた。六太の口から苦悶とも快楽ともとれる声が漏れる。涙を流しながら、頬を紅潮させる六太を氾麟はうっとりと見つめた。
・ ・・・女の子みたい。
氾麟はよくそう思っていたが、今まで一度も本人に言った事は無い。彼の躯や言動はどこから見ても男だったし、本人もそう言われる事をいやがると知っていたからだ。自らの主も女性的な人物だが、六太とは対照的に布団の上では完全に男だった。
氾麟はそっと六太の頬を撫で、涙を拭った。
「六太。」
「・・・・なに?」
「大好きよ。」
それを聞いて六太はヘタレな俺でもなおそう言ってくれるかとキュ―――――――――ンと赤くなった。
「+〆`・・・+〆`∠= 変 +〆`⊃ト∠ 」ツ〒ん+=″∋・・・」
「やーね、500歳にもなって、このくらいでドキドキしちゃうの?」
端から見れば微笑ましいカップルだが、実際には少しズレのある二人だった。
「・・・余計、足が酷くなったじゃんか。足が治るまで変な事するなよ。」
「どうしよっかなー♪」
「頼むよ。」
「ん――。」
「俺の首がつったら困るだろ?」
「それは困るわね。」
「だろ?」
ふと、ほんの一瞬だけ、静かな時が流れた。
「・・・・・・・・もう治った頃じゃない?」
六太は未だ足を伸ばそうと、必死になってもがいていた。
「そんなにすぐに治ると思ってんのか?」
氾麟はわざとらしく、ふいとそっぽを向いた。
「だったらイイな、と思ったの。」
「俺だって我慢してんだ。ちょっとは大人しくしてろ。」
ふと氾麟がいい事を思い付いた、と、にっこりと微笑んだ。
「ねぇ、六太。外れない様に、私の事支えていてくれない?」
すぐにその意図を理解した六太は溜息をついた。
「・・・・あんまり動かないでくれよ。」
六太にそっと腰を抱いてもらうと、氾麟は器用にくるりと回り、六太に背を向ける体勢をとった。
そして、そっと六太の吊った足を揉みはじめた。なるべく動かぬよう気をつけはした。それでも小さな動きは時に大きな動きとなって六太の躯に伝わってきた。
「やっべ、我慢できなくなってきた。」
それまで足の事を思って耐えていたが、とうとう限界がやってきたらしい。
「ええ――――――!?未だ吊ったままよ!」
氾麟をぐっと抱きかかえて、そのまま押し倒した。うつ伏せに押さえつけられた氾麟は後ろから突き上げてくる歓びに声を上げ、体を震わせた。
「あっ、あああ、・・・んっ、ろくたぁ・・・」
掴んだ長椅子の覆いがずるずると床に滑り落ちていく。それと一緒に二人も床に転げ落ちてしまった。
落ちた時の衝撃。布越しとはいえ、冷たい床。
それでも尚、脈動する一つの肉塊の様に二人は求め続けた。体中に巻き付いた布が汗で肌に張り付き、密着感をより高めていく。
霞む視界。遠のく音。
ただ、その心に打ち寄せる波だけが現実と言う感覚。
「・・・小姐っ!いくぞ・・・。」
「うん・・・・・」
「六太ム。のど乾いた。」
「茶でいいよな。」
六太は氾麟に膝掛けを掛けると、棚から茶器を出し、お湯を沸かしはじめた。
「なぁ、小姐。」
「なぁに、六太?」
「俺たちって・・・・、麒麟ってどうして性があるんだろうな・・・」
ふいな相方の投げ掛けに氾麟はきょとんとした。
「蓬莱では子供を作る為にある物なんだ。おれたちは子供を作る必要は無いし・・・、それと何と言うかさ・・・。これってその・・・。嫉妬とか恨みとかそう言う負の感情を伴うだろ?俺が天なら、仁獣にそういう物を持たせないと思うんだ。」
氾麟はどこか遠くを見つめる六太をまじまじと見つめた。
そして、くすっと笑った。
「どうしてって・・・好きって気持ちを忘れない為じゃないの?」
無邪気に答える氾麟を見て、六太はほんわりと微笑んだ。
「そうか・・・・」
その直後二人は、和やかな雰囲気の中に血の穢れが漂っている事に気付いた。
「あれ・・・?お前、処女だったっけ?」
「・・・・初めては300年前あんたにあげたでしょ。一体どこから・・・」
氾麟はとぼけている六太を軽くいなすと、きょろきょろと辺りを見回した。
すると、今まで向いていなかった方向に金色の光が見えた。
「け・・・景麒!」
「いやだ。いつから見ていたの!?」
景麒は鼻からぼたぼたと血を流しながら、部屋の暗がりに突っ立っていた。
「氾台輔が服をお脱ぎになっているところからです。」
血の穢れによってふらふらとしながら景麒が答えた。
ほとんど全部じゃないか・・・・六太は溜息をつき肩を落とした。
「俺、景麒を黄医の所までつれていってくる。廉麟が来るかもしれないから、ちゃんと服を着とけよ。」
「うん。分かった。」
六太はぼーっとしている景麒を引っ張って、未だ夜明けには遠い王宮の中を歩いていった。
六太が蘭雪堂に戻ると、そこには冷めたお茶と氾麟が用意したらしいお茶菓子が置いてあった。
六太はお茶をぐいと飲み干し、椅子に座った。
(もう、一杯沸かそうかな・・・。)
そう考えながら、ぐったりと椅子にもたれかかって座っていた。
「・・・・・延台輔。」
そこに李斎がやってきた。彼女は日に何度もこの蘭雪堂にやってくる。行方不明になっている泰麒を最も案じている人物だ。
「見つかりませぬか?」
「ま、こんなもんだろう。まだまだこれからってとこさ。」
景麒に見られたのはとんでもない失態だったが、彼女に見られなかっただけましか。
そう思った六太はさり気なく、お茶を勧めるのだった。
―了―
不意打ちキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
942 :
933:03/09/21 22:45 ID:lLPQUf9L
しゃべってばっか。エロ少なですまそ。
・・・台風で荒れ狂う海で海水浴してきます。(ざっぱん)
キキキキキョエ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
>933
GJ!グッジョーブ!
漏れも頭を冷やすために蝕の海にダイブのお供します!
ギョギョギョギョワーーーーーーーーーーーー!!!!
(・∀・)イイ!(・∀・)イイ!(・∀・)イイ!
つか景麒…ドーテーの高校生じゃあるまいし(ホロリ
六太と氾麟カワエエ!
「お酢も飲んでる」だの「足が吊った」だの、細かいところが(・∀・)イイ!
漏れも景麒にはワロタよw
グッジョブ!!
六太×氾麟イイ!
して、そろそろ次スレ作りませんか?
ここに来てこういう投下物が!!!!
六太と氾麟、イイです。
足がつっちゃったり、柔軟体操させたりのあっさりとなじんでる感じが好きだ。
>自らの主も女性的な人物だが、六太とは対照的に布団の上では完全に男だった。
というバージョンも読んでみたかったり。
>946
そうですね。容量480KB超えたし、そろそろ圧縮が来るという噂もあるし。
>950
そういう訳だ。
君が立ててみないか?
以前にちと話題になってたが、次スレにテンプレって要ると思う?
950 :
933:03/09/22 00:17 ID:rCdxqI3P
ざぶざぶん・・・はう―寒かった。
後から飛び込んだ943さんは大丈夫かな・・・
皆さんに悦んでもらえたようで良かった!
足吊りはヤバいかなーと思っていたんで。
>947さん
藍嬢様は漏れの手に負えませぬ。
あのお釜具合はどうも難しい・・・
テンプレは要らないと思います。
職人さんに突っかかる人や荒らしが読むとは思えませんから。
つけるなら、801スレのを参考にするといいかも・・・。
951 :
933:03/09/22 00:19 ID:rCdxqI3P
しまった・・・・・・・・!
リロードしてなかった・・・・。
テンプレ、どうしましょう・・・・・?
954 :
933:03/09/22 00:33 ID:rCdxqI3P
>952&953サンクス
テンプレを考えてみました・・・
このスレは何人かの職人さんで成り立っています。
お世辞を言う必要はありません。
しかし、いかに自分の趣味趣向と合わないからといって、
彼等をののしったり、傷付けたりしないで下さい。
・・・眠くてオカシナ事ばかり言っていそうな予感。
>>953 ご指摘アリガトン!
見落としてますた。
>>949 テンプレって、エロなしSSに対する注意書きのことかな?
嫌な思いをした職人さんがいるし、方向性を明記しとくのはいいかなと思うんですが
如何でしょう?
あと、絡みや荒らしに対してはスルーで、の一言くらいはあってもいいと思うけど。
956 :
1:03/09/22 00:45 ID:+OxN1U9Y
>954
そこまでのテンプレは私も必要ないと思う。
>955ぐらいシンプルでいいんでないの?
……個人的には、エロなしSSでも、事前に断りいれとけば
あれほど叩かれなかったとは思うけど。
958 :
933:03/09/22 01:02 ID:rCdxqI3P
>955>956
センチメンタルになってた。スマソ。
うん。>731がいいと思います。
エロなしスレへの誘導もした方がいいかもしれませんね。
で、書けたらアナウンスしていただく。
叩かれることが分かっててアナウンスする馬鹿はいない。
960 :
933:03/09/22 01:04 ID:rCdxqI3P
失敬
×>955>956
○>956>957
>599さんが書いていた文章を借ります。
「エロなしな上、エロ妄想を全く喚起しないようなタイプの作品」 はご遠慮ください。
この一文は入れとく?
>961
言葉の使い方が微妙になるよね。
「エロ妄想を全く喚起しないようなタイプの作品」
と言っても人によって萌えポイントが違うだろうし。
5 職人さんは、カップリンク(A×B)と特殊な場合は傾向(レイープ、鬼畜など)
名前欄に入れていただけるとありがたい。
↑>731に、これも加えて欲しいのだが、余計だろうか?
>963
いいと思う。ただ、名前欄にタイトル入れてる人も多いから、
特殊な傾向は事前申告を、でいいんじゃないかな。
なんだ、カップリンクって…。言葉も変だし。_| ̄|○
5 職人さんは、カップリング(A×B)と特殊な場合は傾向(レイープ、鬼畜など)を、
名前欄に入れていただけるとありがたい。
たまに、タイトルを入れる職人さんがいらっさるのだが、
あれだけだと読み進まないとカプがわからんことがあるので…。
>964
リロードしてなかった、ゴメ。
とりあえず、投下一レス目でわかるようにしてもらえたら何でもいいです。
タイトル書くことがどうこうって意味じゃなく。
>962
そうだね。
エロを喚起する、っていう線引きが難しいか。
エロなしSSに関する注意書きは要らないかな。
というわけでテンプレ案↓
●お約束●
1.自分の好きなカップリングが全く無くても職人さん達に噛みつかない。
2.自分の性癖に合わない作品に文句を言わない。
3.お互いの好みは尊重し合い、受けつけられない作風の作者を批判するのはやめましょう。
4.個人的にとても許せないカプがあっても黙認しましょう。
その職人さんに向かって吠えたてるなど論外!
5.職人さんは、カップリング(A×B)と特殊な場合は傾向(レイープ、鬼畜など)を、
事前申告してもらえたら読む人が助かります。
絡みや煽り、荒らしにはスルーの精神で、マターリ萌えで参りましょう。
関連スレは
>>2 保険
>>3-5 気になるところがあれば修正ヨロシコ。
いや、一応、エロなしに関する注意書きは入れておいた方がいいと思う。
ちなみに某所ではこんな注意書きがされてます。
2.エロナシはスレ違いなので避難所なり各サイトへ投稿
直接行為がなくてもエロい雰囲気のものは投稿可
>968
それでエロなしスレのurlも貼っておくか。
文句言ってぱっかもアレだし、一応、自分なりのテンプレ改案も出しておきます。
別に使ってもいいし使わなくても全然オッケー。
●お約束●
1 SSを投下する際は、カップリング(A×B)と特殊な場合は傾向(レイープ、
鬼畜など)を事前申告のこと
2 エロなしSSはスレ違いです。直接行為がなくてもエロい雰囲気で
あれば可
3 カップリングや作風など、自分の趣味嗜好に合わないSSに対して、
文句を言うのは止めましょう。
4 絡みや煽り、荒らしにはスルーの精神で、マターリ萌えで参りましょう。
関連スレは
>>2 保険
>>3-5
>969
ごめん、リロードしてなかった。てことで、URL入り改案も作ってみました。
ちょっと親切すぎな気もするのだが。どっちがいいのかね?
●お約束●
1 SSを投下する際は、カップリング(A×B)と特殊な場合は傾向(レイープ、
鬼畜など)を事前申告のこと
2 エロなしSSはスレ違いです。直接行為がなくてもエロい雰囲気で
あれば可。エロ板には下記のようなスレもありますので活用しましょう。
エロくない作品はこのスレに
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1062491837/l50 3 カップリングや作風など、自分の趣味嗜好に合わないSSに対して、
文句を言うのは止めましょう。
4 絡みや煽り、荒らしにはスルーの精神で、マターリ萌えで参りましょう。
関連スレは
>>2 保険
>>3-5
>971
そして再びリロードしてなry_| ̄|○
エロなしスレは関連スレに入れた方がスッキリしますかね。
>>972に一票(´∀`)ノ
親切でイイ(・∀・)!!
うわ、改行エラーでおたおたしてる間にレスが溜まってた。
>972さんので大体桶と思われ。
でも親切すぎかな。そろそろホントに容量限界だよ。
ということで待機します。
ホウギョ おつー
陽子タン きてくれねーかなー
煩悩スレに一声────五冊目ソクイ!!
SS書庫の先頭のhを抜くのは意味が無いな。
もともとアクセス解析対策か、直リンだと迷惑がかかる場合の処置だから。
・・・ってだいぶ遅かったでつね。
hぬきはこれからも続けたほうがいいと思いまつ
何で?素で疑問。
エロパロスレだけにhは有りのほうがいいでしょう・・・・・・おそまつ
(゚◇゚)ホウギョ!
偶然だけど、なんだか今日明日あたりで
十二国関係あちこちのスレが終わったり、新スレ移行したりしてるな。
最後にこっそり小説投下する神いないかな
い・・・いるのかな・・・ドキドキ│・∀・)
>982
単純に2ch以外のサイトにリンクを貼る時はhを抜かないといけないから・・・
・・・だったはず。
>989
982はそれはなんで?と聞いてるのだと思うが(笑)
要するに、h入れて自動リンクにしてしまうと、Aタグがついてそれだけ
サーバへの負荷が高くなる。増大する転送容量とサーバ負荷と常に戦ってる
2chやPinkBBSへの配慮ってことだそ?
―― 『彼女』の独り言 ――
”彼”がすき。
みんなに言ったら眉を顰められてしまうだろうけど”彼”がすき。
昔の自分からは想像出来なかった位、今こんなにドキドキしてしまう。
”彼”だけのものになる事は出来ないけれど
少しでも”彼”が誉めてくれるように、頑張っていこう。
―― 『彼』の独り言 ――
”彼女”がすきだ。
自分の中で一番の位置に置かなければいけない相手を差し置いてでも
”彼女”がすきだと思う。
自分がこんな気持ちになるとは思わなかった。
自分の想いのせいで彼女が追い込まれないように、頑張っていこう。
「喧嘩って、何が原因なの?」
「それがまた困ってさ。難題出されて、それ解決するまで帰ってくんなって言われた。」
「難題?」
「そ、難題。でも何かは言えないんだ、陽子には。」
「そっか・・・」
荷物をほどいて中から小ぶりの酒瓶を取り出すと陽子に見せる。
「これ、桃の酒。キツいけどすごい甘くて酒っぽくないから陽子でものめるよ。」
受け取って蓋を開けると、確かに桃の香りが漂う。
「ホントだ、あまりお酒の匂いしないね。鈴たちも呼ぼうか」
呼んでくる、と立とうとする陽子の袖を六太が掴んで引き止める。
「こんなちっこい酒瓶だ、2人でのむ位しかないよ。彼女達にはまた持ってきてやるから
今日は2人でのもうよ。それとも・・・」
スッと陽子を覗き込んで『オレと2人酒は厭か?』と。
「そんな!六太くんとが厭なんてあるワケないじゃないか、今、杯出すねっ」
少し焦りつつ杯を用意する陽子。
小卓の上に置こうとすると六太が酒瓶片手に窓際に行くので着いていく。
「酒は月見酒がうまいんだ」
窓際には臥牀しか無かったのでそこに座り、窓縁に杯を置いてのむ事にした。
口に含むとよい香りと甘さが広がり、あまり酒らしくないのでついつい盃を重ねてしまう。
元々それほど酒に強くもなく、呑み慣れていない陽子は4杯で回ってしまった。
「六太くーん、なんだか私フラフラする」
横に座る六太の肩に頭を預けると横目でぼんやりと六太を見る。
景麒とは違う、白いけれど健康的な印象の肌。
酒を飲んだ事で少し頬に赤みがかかり、ただでさえ可愛らしい印象の顔が更に可愛らしくなる。
(何か・・・こうやって見てるとホント綺麗っていうか・・・可愛い?)
悪戯をしてみたくなって頬に軽くキスをしてみた。
「なっ!」
驚いて真っ赤になって体を離す六太が面白くて、クスクスと笑う。
「陽子、急に何をするんだ!」
「なんだか可愛いなーって思っちゃって。ごめんね」
褥の上に両手を置き、小首をかしげて笑う陽子の姿の方が可愛らしいのが分かっていない様子である。
「そんな事されたら・・・」
「されたら?」
「こうしたくなるだろ」
六太が顔を近付けてくるが、キョトンとしてそれを待つ。
唇が触れた。軽く唇を当てるだけのキスであったが、今度は陽子が慌てる番である。
「!!!!六太くんっ、急に何っ!?」
「今のお返しだ、陽子に今びっくりさせられたからなっ」
ニヤニヤと笑う六太に何だか理不尽を感じる陽子であった。
「・・・・・・・・じゃっ、こっちからまたお返しっ!」
言うと同時に六太を押し倒してキスをし返す。
唇をあわせるだけのつもりだったのが、六太が舌を入れてきたので驚いてしまう。
「んん・・・っ」
初めての深いキス。
しかも、伊達に500年生きてきた訳でない六太の舌技にすっかり力を抜かれてしまう。
「んー・・・ぷはぁっ」
2分ほどの間、お互いの咥内を味わいあうと体を離す。
酒とキスの余韻ですっかり目がトロンとした陽子に六太が今度は覆い被さる。
「陽子・・・おれ、陽子がすごいすきだ。陽子をおれだけのモノにしたい。
今だけでいいから。今夜だけでいいから。いやなら言ってくれ、止める。」
「私は・・・私は、六太くん好きだと思ってるよ。でも、一番って言ったら
きっと景麒が失道しちゃう。だから一番っては言わない。でも、すっごいすきって言うよ、それじゃダメ?」
酒が入って枷が外れなければきっと2人とも言えなかった言葉。
きっと、2人とも表に出すことの無かったはずの言葉。
今、この場でその2人を見て、そして言葉を聞いているのは月だけ。
その月明かりの中、陽子の羅衫がはだけられていく。
羅衫の着物の中には、成熟した女ではなく、これから開くはずだった蕾の体。
「そんなに見られたら恥ずかしいよ・・・」
「そんな事ない・・・・すごい綺麗だ、陽子」
恥ずかしがり、顔を背ける様もまた可愛らしく。
その胸の形の良さにも感動しつつ。首筋に軽くキスをする。
「ん」
そっと首筋をなぞると、それに従うように甘い吐息が陽子からはきだされる。
首筋から鎖骨へ移動すると、吐息にかすれ声が混じり出す。
鎖骨をなぞりその反応を楽しみながら、胸の頂にある桜色のものを軽くつまんでみる。
「やっ!」
「ゴメン、痛かったか?いやだったらすぐ止めるから・・」
「違う、私こういうの初めてだから・どうしたらいいかわからなくて」
困った顔で見上げて言う姿がたまらなくいとおしく、可愛らしく。足の間の自分が熱を帯びてくるのを感じる。
「大丈夫、おれにまかせてれば大丈夫だから、そのまま反応していいんだぞ」
「うん・・・でも・・・・・・恥ずかしぃ・・・・・・」
言うとまた顔を背けてしまう。
そんな陽子に微笑むと、今度は指でつまむのではなくそっと口に含んで軽く転がす。
「ぁ」
今度は悲鳴に近い声でなく甘い声が漏れた。
あまり強い刺激を与えないように注意して桜色の蕾を転がす。
小さい声だったのがだんだんと強い声になっていく。
そっと手を下におろすと、淡い茂みにつきあたった。そこを優しくなでるとまた声があがる。
なでている内にコリッとした小さい何かを発見。
そこを少しなでるだけで高い声をあげ、陽子の腰が自然に動いてしまう。
「やぁんっ!あっ!あぁっ」
そのままでは痛くなると思い、陽子自身をさわると案の定蜜が溢れ出していた。
くちゅ と音をたててそこをさわる。さわるだけでまた陽子が甲高い嬌声をあげる。
蜜を指に取り、陽子の大事な豆を再びさわる。
爪をたてないように、慎重に指を動かす。動かすたびに陽子自身からは蜜が溢れ出し、陽子の口からは
甘い声が流れ出して六太の耳を楽しませる旋律になっているようである。
「んんっ!やっ・何かヘンになる、ヘンになっちゃうっ!ろくたくんっ」
目に涙を浮かべ、異変を訴える陽子に軽くキスをするとほっとした顔になる。
「いいんだよ、変になっちゃっても。陽子が気持ちいいと思ってくれるのがオレ一番嬉しいんだから。
そのまま何も考えないでそのまままかせちゃっていいんだよ」
言いながら陽子自身に指を1本入れて動かしてみる。
「んぁっ!」
それだけで陽子が軽くのけぞる。
1本ではイけないのだろうと、2本目を更に入れてゆっくりとバラバラに胎内を動かす。
動かす度に陽子はのけぞり、更に甘い声をあげ続ける。
親指でもう一度軽く豆にさわった途端。
「あぁぁぁぁぁぁっ!」
ひときわ甲高い声をあげたかと思うと、一層体をのけぞらせ、陽子の体が脱力した。