【姉しよ】きゃんでぃそふとSSAAスレ10【つよきす】

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1名無しさん@初回限定
「きゃんでぃそふと」から好評発売中の「姉、ちゃんとしようよっ!」
「つよきす」のSS&AAネタ投稿スレッドです。

★保管庫
きゃんでぃそふと SS&AA保管庫 (過去ログも保管)
ttp://yellow.ribbon.to/~nechan2/
★前スレ
【姉しよ】きゃんでぃそふと SSAAスレ9【つよきす】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1138309488/l50

★本スレ
きゃんでぃそふとスレ98
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1138039812/

★関連・過去スレ
こんな柊姉妹は嫌だ!3
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1121685205/
姉、ちゃんとしようよっ!Part15
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame2/1137717745/
つよきす(きゃんでぃそふと)Part118
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame2/1138287825/

★過去スレは保管庫の中にミラー有り
2名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 02:20:23 ID:WQ8Q/9k10
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ きゃんでぃそふとSSAAスレの星5つの誓い
┃1つ、スレはむやみに上げない
┃2つ、作者への感謝を忘れずに。読者への感謝を忘れずに。
┃3つ、SS投下とのリアルタイム遭遇では支援を推奨
┃4つ、気にいらないからって荒らさない
┃5つ、荒らしにストレートに反応しないこと

┗━━━   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ━━
     _ < ここはテンプレの村です      、,
   '´,  `ヽ\_________     '´ '`´ ゙ヾ
   !爪リリ从)ゞ                   { ソ从从シ}
  ノwリ゚ ヮ゚ノル   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\    メ(リ;-__-ノリ
   ⊂)个iつ  既にセリフが     \  ノ,'くj `i´lヽ
  .  く/_|j〉  パターン化しちまったな>((  ll_ハ_iJ
      し'ノ    ________/  ゙  i_7、」
3名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 02:20:55 ID:WQ8Q/9k10
        _)___
      '´  ヽ_ヽ
      l、lノノ八l )  <柊家の長女、皆のお姉さん
   ´\ リl|.゚ ヮ゚ノ<⌒> 柊雛乃である。
  ( ● ⊂[ .ヽソ/ ]⊃  .疑問にずばり答えてやろう
.   ヽ/ .└|--|┘
.      . ノl__」
Q、職人さんのSS投下最中に張ってある支援とか、C、私怨etcってなんですか?荒らし?
A、うむ。あれは総じてしえんと呼ばれるものである。
世の中には荒らし対策用の連投規制なるものがあってな。時間によるのだが、
だいたい3回くらい連投すると、規制がかかってしまうのじゃ。これにかかると職人さんが、
続きを書き込めなくなってしまうのでな。すれ住人による手助けが必要になってくるわけじゃ。
お主がりあるたいむでSSが投下される瞬間に出会った時には、是非支援をして差し上げるが良い。
Q、スレにあるSS、AAだけじゃもの足りないです。
A、で、あるか。お主も欲張りな奴よのう。そういう奴のために>>1に書いてあるように、
過去すれのSS、AAを集めた保管庫というものがある。
保管庫の中の人に感謝を忘れずに読みふけるが良い。それでも物足りなければ、
いっそ自分で書いてみるのも我的には面白いと思うがのう。
Q、お嬢ちゃん賢いねー。ほら、キャラメルをあげよう。
おぉ・・・これがまた美味でな・・・って違うわ!我をあなどるでないぞ
         __
           | |  ̄ `ヽ
         ||_    ` 、 粛清……淘汰……
        __)_∩ `ヽ    l
      〃 ,^i^ ヾ  l   i
     i ,ノノ八)〉  i   i ガッ
 .    ゙ヾl#"-ノゝ  l .人_∧∩
      /ヽソ _ン. ノ<  >Д´)/
       l_/r==l l ´-‐'∨   /
       く/l_ゝ
4名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 02:21:45 ID:WQ8Q/9k10
  【投稿ガイドライン】
1.テキストエディタ等でSSを書く。
2.書いたSSを30行程度で何分割かしてひとつずつsageで書き込む。
 名前の欄にタイトルを入れておくとスマート。
 なお、一回の投稿の最大行数は32行、最大バイト数2048バイトです
3.SSの書き込みが終わったら、名前の欄に作者名を書きタイトルを記入して、
 自分がアップしたところをリダイレクトする。>>1-3みたいな感じ。
4.基本的にsage進行でお願いします。また、長文uzeeeeeeと言われる
 恐れがあるため、ageる場合はなるべく長文を回した後お願いします。
5.スレッド容量が470KBを超えた時点で、
 ただちに書き込みを中止し、次スレに移行して下さい。

6.書き手の方々へ。
 心構えとして「叩かれても反応が無くても泣かない」位の気概で。
 何を書こうが作者の自由。どんな反応を返そうが読者の自由。
 的確な感想・アドバイスレスをしてくれた人の意見を取り入れ、更なる作品を目指しましょう。
5名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 02:40:22 ID:3Y6avfgSO
乙渠ちゃ〜ん
6名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 02:47:49 ID:2EX1SOxt0
7名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 05:06:08 ID:73jgixqJ0
乙!!!!!!!!!!!
8名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 05:26:01 ID:zH0I09Tp0
>>1さんに・・>>1さんに気安く乙するなー!
9名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 08:06:22 ID:q1HJ/qNf0
姫とよっぴーの話を投下させていただきます。
姫が姫らしくなく、暗い話です。
少し長めですが、お邪魔致します。
10この世で一番怖いもの(1):2006/02/16(木) 08:07:19 ID:q1HJ/qNf0
私に、怖いものなど無かった。
やられればやり返せばいいし、突き落とされればまた這い上がればいいだけ――。
一般的に人間が怖がる『死』さえも、嫌だと思っても怖いと感じたことは無い。
17年間生きてきた今日まで、私はただの一度も恐怖という感情を認識したことは無かった。


気になる男の子がいる――。
そう表現すると乙女ちっくだが、そんなに濃い感情ではないと思う。
日常生活の端々でちょっと目に留まって、
近くにいると、ついちょっかいを出したくなる――その程度の存在。
恋だとか愛だとか、そんなロマン溢れる感情じゃないはず。
なのに――。
用意してしまった。
2月14日。
日本中の多数の女性が男に媚を売り、チョコレートの甘い匂いが充満するこの日。
よりによって私が、この霧夜エリカが。
ただ一人の男の為に、これまたよりによって、手作りのチョコレートを。
11この世で一番怖いもの(2):2006/02/16(木) 08:08:44 ID:q1HJ/qNf0
「エリーっ! おっはよー!」
トレードマークのえび型に結んだ髪を揺らしながら、遥か後ろから親友の佐藤良美が走ってきた――。
珍しい。
よっぴーはいつも時間に余裕を持って登校する。
だから校門の近くで走るということをしないし、私を見つけてもどうせ教室で会うから、
よほど距離が近づかない限り、走ってきたりはしない。
「……っつ、…やっと追いついたっ。あ−、疲れたっっ」
肩で息をしながら、私の隣で歩調を合わせる。
「おはよ、よっぴー。珍しいね、大声上げて走って来るなんて」
「うん。今日はね、ちょっと特別な日だから……あ、大丈夫だったかなぁ」
鞄とは別に持っている大きな紙袋の中を、心配そうに覗き込む。
「何? ああ、ひょっとしてチョコレート? ありがとう、今年もくれるんだ」
当然のように私は言ったが、本当に当然なのだ。
去年は知り合って最初のバレンタインだったから、自らねだってチョコをもらったが
今年は言わなくてもくれるだろうと推測し、あえて口には出さなかった。
それにこの竜鳴館で、よっぴーにとって私以上の存在などありえないはず。
だから当然、紙袋の中のチョコの受取人は私以外に考えられなかった。
「あ、もちろんエリーの分もちゃんとあるよ。はい、大好きなゴティバのチョコレート」
「……も? 『も』って、他にも誰かにあげるの?」
甲斐甲斐しくゴティバの箱を差し出すよっぴーが持っている紙袋に目線を移すと、
私のチョコを出しても尚、ふくらみがあった。
「あ……そっか、エリーには……言ってなかったね……」
真っ赤に染まった可愛らしい顔を私の耳元に近づけて、よっぴーはささやくような声で耳打ちをした。
「……くんに、あげるの」

その後教室に入るまでの間、よっぴーは私好みのゴティバをインターネットの通販で
いかに苦労して手に入れたかの体験談を語ってくれていたが、上の空の私の耳には入らなかった――。

その男の名前は、『対馬レオ』。
奇しくも私が今日チョコレートを渡そうとしている相手、その人だった。
12この世で一番怖いもの(3):2006/02/16(木) 08:24:26 ID:q1HJ/qNf0
「まいったなぁ……」
竜宮に行く廊下の途中で、私は今日、推定20回目のため息をついた。
結局まだ放課後になった今も、私は対馬クンにチョコを渡してはいなかった。
欲しいものは手に入れる、邪魔する者がいれば排除する。
それが例えどんなに仲が良いよっぴーでも――。
それが私のやり方……のはずだった。
だけど、やっぱりよっぴーは他の人間とは違う。よっぴーだけは違うと思う。
私の中ではかなり特別な位置にいて、私の人生に重要な役割を持っている人物だ。
それによっぴーを傷つけてまで対馬クンを手に入れたいかと問われると、それもまた疑問なのだった。
チョコが入った紙袋を手にしたまま、竜宮のドアを開けた。
この紙袋は誰かに見つかると面倒なことになるので、今日はなるべく持ち歩いているようにしている。
「ナマステー(こんにちは)」
今日はヒンディー語で挨拶をしてみた。
「オタスケー」
訳のわからない返事を返してくるのは、蟹沢きぬことカニっち。
あと部屋にいるのは、鉄乙女こと乙女センパイと、椰子なごみことなごみんの二人。
「あれー、三人だけ? あとのメンツは?」
「んとねー、スバルは陸上でしょ、フカヒレはギャルゲー声優のラジオの公開録音で〜、
祈ちゃんは今日テレビで『ふ菓子王選手権』があるからリアルタイムで見れるようにって
早く帰ったよ〜」
あとの二人は聞かない方がいい理由だった。
「あっ!ねぇ、姫! レオ、レオはっ!?」
「え、対馬クン? さぁ、見なかったわよ」
本当は、知っていた。
対馬クンは今、よっぴーがチョコを渡すために屋上へ呼び出している。
なぜか今日は対馬クンが休み時間に速攻でいつもどこかへ行き、
授業開始ギリギリになったら帰ってくるという奇行を繰り返していたので
放課後になるまでつかまらなかったらしい。
「あいつ〜っ、今日一日中逃げ回りやがって!! ボクの手作りチョコから徹底的に逃げる気だな!!」
13この世で一番怖いもの(4):2006/02/16(木) 08:26:04 ID:q1HJ/qNf0
「それはセンパイが正しい。おまえの作ったチョコはトリカブト並みに危険だ」
「うっせーココナッツ!! てめーは鍋に入ってチョコと一緒に湯せんされとけ!!」
いつもながら汚濁にまみれる言葉のやり取りの中、乙女センパイは一人黙々とチョコを食べていた。
「乙女センパイ、それ、全部もらったんですか?」
「ああ、有難い事だ。全て美味しく頂くぞ」
托鉢を受けたお坊さんのように合掌し、乙女センパイはまた黙々とチョコを食べ始める。
彼女が座っている椅子の後ろには、鞄と一緒に六つほど大きめの紙袋が置いてあった。
「これはまた……」
一つの紙袋に二十個と計算しても、軽く百個はある。
広義的な意味合いで博愛主義者、かつ律儀な乙女センパイは、くれるチョコを拒まない。
私なんかは男女問わず、相手が好みじゃないタイプだと判ったとたん
受け取るどころか近寄ることすら許しはしない――。
まぁこれが生徒会長という威厳がある地位を確立しているにもかかわらず
敵を多く作っている原因の一つでもあるのだろうけれど。

「皆は誰かにチョコあげないの?」
単純に、興味があった。
「ボクは幼馴染ズやね。スバルとレオは何だかんだで世話になってっから、ちゃんと手作り。
フカヒレは製作過程で出来た失敗した分」
ただでさえ伝説的に不味いと言われているカニっちの料理の
更に失敗した分を、フカヒレ君は食べさせられるらしかった。
「バレンタイン……。一年で一番キモイイベントです」
こちらは予想通りの返答。だけどこういう普段そっけない人間に限って
付き合いだしたら特大のハート型チョコケーキとか作ってきそうな気がする。
14この世で一番怖いもの(5):2006/02/16(木) 08:27:55 ID:q1HJ/qNf0
「……乙女センパイは? 対馬クンとかにあげないんですか?」
乙女センパイはさっきから次々と口の中にチョコを入れているので
こちらが話を振らない限り、ろくに会話さえ成立しない。
「鉄家にはバレンタインに家族にチョコを贈る習慣は無いぞ。
それにレオは可愛い弟だが、恋愛対象ではないしなぁ……。
レオには『あげる』というより『分ける』だな」
手作りらしきトリュフを指で押し込みながら、目線だけを紙袋に移す。
「なるほど、さすがの乙女センパイもこれだけの量は食べきれないんですね」
「まあな。朝食、昼食、夕食の三食全てをチョコにすれば、二日もあれば片付くのだがな。
やはり日本人の主食は米であるべきだろう。栄養も偏るしな」
「……」
チョコ通を豪語する私でも、「三食チョコレート」という発想は浮かばない。
やはり乙女センパイは常軌を逸した存在なようだった。

「くるくるパーマンココナッツの相手したらのどが渇いたー。誰かお茶入れてー」
カニっちが足をばたばたさせながら、机に突っ伏す。
「自分で入れろ、カニ道楽。それに私に変なあだ名をつけるんじゃない」
なごみんがにらみをきかすと、カニっちが『死ねぇ』などと低レベルな反撃をした。
「言われてみれば喉が渇いたな。椰子、悪いがお茶を入れてくれないか」
『ちっ…』と小さくつぶやいて、なごみんは渋りつつも席を立つ。
基本的に上級生にも反抗的ななごみんも、乙女センパイの指示なら大抵いうことをきく。
「鉄先輩は熱い緑茶、お姫様は温めの紅茶ですね」
「ちょっとまった、おい、ココナッツ! 何でボクには聞かねーんだ!」
「おまえは公園の冷えたベンチで凍った青汁でも飲んでろ」
「はいはい、じゃれあいはきりがないからそこまで!
なごみんも大人気ないこと言わないで、ちゃんとカニっちにも入れてあげる」
――結局なごみんは、自分にはコーヒー、カニっちにはココアを入れ
四つの種類と温度が違う飲み物を、器用に入れ分けたのだった。
15この世で一番怖いもの(6):2006/02/16(木) 08:40:57 ID:q1HJ/qNf0
「どうしたんだ姫、具合でも悪いのか?」
それぞれ渡された飲み物を飲み干し、まったりしている中
冷えたカップをもてあそんでいた私に、乙女センパイが聞いてきた。
ちなみに彼女はまだチョコを食べ続けている。
「ん〜……考えてたんですよ。改めて思うと、よっぴーって
クラスや生徒会っていうか、ぶっちゃけ私にとって貴重な存在だなぁって」
さっきぶつくさ小声で文句を言いながら飲み物を入れているなごみんを見て、改めて考えた。
よっぴーは普段あれ以上のわがままを、当然のように全てきいているのだ。
「お前……まさかとは思うが、そんな当たり前の事に今頃気がついたんじゃあるまいな?」
呆れと困惑と、ほんの少しの哀れみを含んだ――乙女センパイはそんな顔をしていた。
そのいかにも『可哀相に』という表情が、私をムッとさせる。
「そりゃ私だって、いつもよっぴーには感謝してますよ? でもよく考えてみれば、
よっぴーより頭の良い子も、よっぴーより私好みの顔の子もいるし。
どうしてここまで仲良くなったのかなって」
「それはズバリ、『忍耐力』だ」
乙女センパイは紙袋に手を伸ばしながら、新しいチョコの箱を開け始める。
私が見ている間だけでも、さっきから軽く十箱は食べていた。
「確かにお前の言う通り、佐藤より頭の良い人間も、佐藤より可愛い子も山ほどいるだろう。
だが、お前の傲慢で奔放な行動に付き合える人間は、この世に佐藤しかいないぞ」
まるで世界中の全ての人間と私の相性を熟知しているかのごとく、乙女センパイは言い切った。
「私だってお前は嫌いじゃない、気も合うし、大事な仲間だと思っている。
だけどそれらを前提に置いたとしても、佐藤のようにお前と全て行動を共にしろと言われたら、
もって一日が限界だぞ」
「ボクは半日かな。姫と一緒にいるのって楽しいけど、わがまますぎ〜」
「佐藤先輩は、ハッキリ言ってマゾです」
散々な言われようだった。
16この世で一番怖いもの(7):2006/02/16(木) 08:42:20 ID:q1HJ/qNf0
「私って、そんなにわがままなのかな」
しいん……という音が聞こえてきそうなほど、部屋が静まり返る。
こう言うとまたブーイングの矢が飛んできそうだが、私は私なりに気を使っている。
特によっぴーには始終私と一緒にいる分、他の人間に対してよりは、一層気を使っているつもりなのだ。
「……佐藤から聞いたんだが、お前、夕飯に本場の上海料理が食べたいからといって
その日に無理やり自家用ジェットに乗せて、上海まで連れて行ったことがあるそうだな」
「朝の四時にどうしてもよっぴーの胸が揉みたくなったからって合鍵でマンションに忍び込んで
嫌がるよっぴーを縛り付けて朝まで揉みまくったっていうのも聞いたことあるよ」
乙女センパイとカニっちが、それぞれよっぴーから聞いた話を話し始めた。
「でもそれって、嫌だったら断ればいいだけの話だと思うけれど」
私は反撃した。その為に口だの意思だのというものが存在するのだ。
「例え佐藤が嫌だと言っても、どうせ姫は強制的にやるんだろう」
「二つ目においてはいきなり縛り付けたんですから、拒否権なんて無いと思いますけど。
……というか、モロに犯罪です」
私の反論にも動じる事無く反論し返す乙女センパイとなごみんを尻目に、珍しくカニっちが
歯切れが悪そうにつないだ。
「ん〜、だからさ〜。姫はその辺、多分一般人と感覚が違うんだよ。
まぁそれが姫の持ち味っちゃ〜、持ち味なんだけど」
「……感覚が違うって?」
「そんな一般常識に外れる要求は、しないのが普通だ。
どうしても自分の無茶に付き合って欲しければ、最大限、相手の予定や体調を考慮に入れて
頼んでみる。それが例えどんなに気心の知れた親しい間柄の人間であっても、だ」
乙女センパイがカニっちの発言を受けて意見をする。
「……ちょっと待ってよ、『一般常識に外れる要求』って……
私と一緒に上海まで無料で行けて、本場の上海料理まで食べられるのよ?
どこが無茶な要求なの?」
「……もうお姫様のわがままは、人類の常識を超えています」
無表情で呆れかえるなごみんと一緒に、乙女センパイももう食い下がってはこなかった。
17この世で一番怖いもの(8):2006/02/16(木) 08:43:48 ID:q1HJ/qNf0
「とにかく、佐藤だって感情の無い人形やロボットじゃないんだ。
姫の常軌を逸した言動で、深く傷つけたり怒らせたりするようなことだけはないように気をつけろよ。
そうじゃないと、いつか見捨てられるぞ」
「よっぴーが私を見捨てる? ぜ〜ったい、ありえない!」
顔と口調でせせら笑ったが、心の中でもせせら笑った。
そんなことはタコの足が百本になったってありえない。
「佐藤先輩みたいなタイプって、本気で怒らせたら手がつけられないと思いますけど」
「ほれほれ姫、試しに想像してみ? 『も〜エリーなんか、だ〜いっきら〜いっ』って」
カニっちがくねくねしながらよっぴーの真似をする。悲しいくらい似ていなかった。
そんなことはありえない――そう思いながらも、少しだけ想像してみた。
斜め45度で上目遣い、いつもと違う態度で、いつもと違う冷たい口調で――。

『エリーなんか大っ嫌い――死んじゃえ』

一瞬、心が固まった。
鼓動がほんの少し早くなり、手と足に鳥肌が立つ。
生まれてから体験したことの無い不快な感情が、体を包む。
この感情の名前はわからないけど、これがいわゆる『恐怖』ってやつなのだろうか。

「ん〜〜っっ!!」
私はわざとその場で大きく伸びて、何事も無いように振舞った。
これが世間一般で言う『恐怖』という感情だったとしても
この私が、霧夜エリカが、人に嫌われた事を想像したくらいで恐怖を感じたなんて、
他の誰にも知られるわけにはいかない。
「ふぅ、今日は何だか分が悪いなぁ。私、いじられキャラになってるじゃない。
らしくなさすぎ。とりあえずもう帰るから、あと戸締りとか御願いね」
笑いながら、鞄とチョコが入った紙袋を持って席を立つ。
なごみんとカニっちのだらだらとした別れの挨拶を聞き流しながらドアを開けた時
乙女センパイが最後に声を掛けてきた。
「姫、くどいようだが佐藤のことは大切にしろよ」
私は返事の代わりにひらひらと手を振りながら、竜宮を後にした。
18この世で一番怖いもの(9):2006/02/16(木) 08:53:55 ID:q1HJ/qNf0
茜色の夕焼けが、校庭を包む――。
冬の夕暮れは闇に包まれるのが早い為か、陸上部や野球部も残っているのは
後片付けをする一年生らしき姿のみとなっていた。
「あ」
その時になって、対馬クンに渡すはずだったチョコの存在を思い出した。
どうしよう――。
結局雑談ばっかりしていて、竜宮でその事について考えるのを忘れていた。
家に帰って捨てるという線も考えたが、それは止めた。
誰かの為に自分のやろうとしている事を止めるなんて、私らしくない。
よっぴーにはちゃんと話して、渡すだけ渡そう。
何もチョコを渡したからって付き合うわけじゃないし。
そうと決まれば善は急げ。よっぴーが屋上に呼び出してしばらくは話をしていたはずだから
運が良ければまだ学校の中にいるはず――。
校内へ探しに行こうと、くるりと踵を返して振り向いた。

――よっぴーが、無表情で立っていた。

「エリー、いた」
にこり、と口角だけ上げて、取ってつけたような笑顔を作る。
「一緒に帰ろ」
そのまますっと私の隣に移動して、よっぴーは前を向いたまま歩き出した。
「つっ……対馬クンは?」
情けない事に、私はそう言うのが精一杯だった。
手足こそ震えてはいなかったが、さっき竜宮で体験したのとは比べ物にならないほど
心臓の鼓動が早くなっている。
「うん。今日はね、鉄先輩と帰る約束してるって。鉄先輩が山のように
チョコレートもらって一人じゃ持ちきれないから、対馬君も手伝うんだって」
焦点が定まらない目で前を向いたまま、よっぴーはくすくすと笑っていた。
「それに、エリーのことも気になってたから。今日は一緒に帰ろうと思って」
「……私の事?」
19この世で一番怖いもの(10):2006/02/16(木) 08:56:29 ID:q1HJ/qNf0
よっぴーは私の問いには答えずに、自ら話題を変えた。
「とりあえずね、友達からってことになったよ。
対馬君、今好きな人はいないけど、すぐに答えを出すのは難しいって。
でも私の事は嫌いじゃないから。様子見で、友達からって事で」
足元にある小石を蹴りながら、よっぴーは下手な役者の棒読みのように続けた。
「上出来だよね。私、対馬君本当はエリーのこと好きなんじゃないかって思ってたんだ。
断られると思ってたから、すごく嬉しいんだよ」
両の手の平を合わせ、いつもの可愛らしい仕草をする。
抑揚の無い台詞と愛らしい仕草のギャップが何ともいえず、私を不快な気分にさせた。
「よっぴー、あのね、私ね――」
「エリー、聞いていいかなぁ」
よっぴーは私の台詞をひときわ大きな声で遮断し、立ち止まった。

「その紙袋――何が入ってるの」

返事を待たずして、私の手からよっぴーは紙袋をひったくるように奪い取った。
「朝からずうっと気になってたんだ、でもエリー、いつまで経っても見せてくれないから」
対馬クン宛のチョコに、私はメッセージカードというものを入れなかった。
面倒臭いというのもあったし、好きだの愛してるだのとカードに書くのは
私のキャラじゃないとも思ったからだ。
だけどバレンタインデーには、皆が学校へチョコを持ってくる。
間違えて持っていかれては困るので、包装した上に『対馬クンへ』と書いたメモ
を貼っていた。
だから紙袋の中を見られれば、誰に宛てたチョコかはすぐに判ってしまう。
よっぴーは薄ら笑いを浮かべながら、紙袋からチョコを引きずり出した。
そして『対馬クンへ』というメモを手に取ったまま、表情を固めた――。


20名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 08:57:40 ID:uH86riTe0
sien
21この世で一番怖いもの(11):2006/02/16(木) 08:59:19 ID:q1HJ/qNf0
泣くか、怒るか――。
どちらにしても、とりあえずは謝ろうと思った。
いくらでも言い出すチャンスはあったのに、それを言わないでズルズルと延ばして
今に至っているのは、どう考えても私が悪い。
そしてよっぴーに謝った後に、予定通り対馬クンにチョコを渡そう――そう考えていた。
しかしよっぴーは、予想もしなかった台詞を私に投げかけた。

「なぁんだエリー。このチョコレート、私宛てだったんだ」
そう言って一点の曇りも無い、満面の笑顔で笑った――。
――人の笑顔が怖いと思ったのは、生まれて初めてだった。
「……えっ、あ……よっ…っぴー……」
「しかもこれ、手作りだよね? うれしいなぁ、エリーの手作りのお菓子なんて
調理実習じゃなかったら、初めてだよねぇ」
演技には見えず、本当に心から嬉しそうに笑っている――。
なのによっぴーの手は、持っているメモを凄い速さで破っていた。
そして『対馬クンへ』という字が復元出来なくなるくらい細かく破った後
足元にその紙片をちらし、靴で何度も踏みにじっていた。
その頃にはもう私は、言葉を発することも出来ないほど怯えきっていた。
「ねぇ、エリー。今日は泊まっていってよ。せっかくエリーが作ってくれた
チョコレート、一人で食べるのもったいないもん。一緒に食べよ?
お夕飯も、お礼に腕によりをかけて作るから」
土がへこむほど紙片を踏みにじった後、よっぴーは私の腕に甘えるようにからみついてきた。
「……っつ、いたっ……」
からみついた腕の制服の上から、凄い力で爪を立てられる。
22この世で一番怖いもの(12):2006/02/16(木) 09:05:09 ID:q1HJ/qNf0
「私ね、エリー。エリーの事、大好きだよ。女の子同士でヘンかもしれないけど
愛してるっていっても言い過ぎじゃないくらい、大好き。
エリーはいつもキラキラと輝いているし、私のアレを知っても嫌ったりしないし……。
だからね、どんなにわがまま言われても、振り回されても、機嫌の悪い日に八つ当たりされても、
絶対にエリーの事、嫌いになったりなんてしないよ」
「つっ……っ……」
制服の生地を挟んでいるにもかかわらず
食い込んだ爪が皮膚を破り、ついに腕から血がしたたり始めた――。
「だからね、エリー」
よっぴーは、ぐいっと引きちぎるかの勢いで私の耳たぶを引っ張り、
自分の口元へ引き寄せ、低い声でそっとささやいた。


「対馬君を――取らないでね」


怖いものは、愛しいもの。
愛しいものは――怖いもの。
23名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 09:05:39 ID:q1HJ/qNf0
以上です。
読んで下さって有難うございました。
24名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 09:08:40 ID:3Y6avfgSO
GJ(´_>`)















てかyp KOEEeeeeee!!
25名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 09:43:41 ID:VqA8qKj90
(((( ;゚Д゚)))アワワワワワワワ
26名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 10:12:03 ID:C8grMlfg0
場面を想像しながらゆっくりと味わうように読んでみた
ハワワワワァ
でも姫スキーにはたまらない
27名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 10:12:50 ID:QxOfhlDsO
ガクガクブルブル(゚д゚;)
28名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 10:39:19 ID:QxOfhlDsO
ガクガクブルブル(゚д゚;)
29名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 11:38:55 ID:rdiM1G3P0
>>23
最近はあんまりな作品が多くて言わなかったけど、貴方はスゴイ。 情景描写とか例えとか最高。
久々に言う マジGJ!
30名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 11:39:54 ID:btwUvdiKO
>>1
書き手の人GJ
31名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 11:58:02 ID:ywwWcOVu0
よっぴーの握力すげぇなw
でもつよきすではこれ以上の修羅場は雰囲気的にムリだよなぁ…
言葉様みたいなよっぴー想像したらゾクゾクしてきた
32れみゅう:2006/02/16(木) 14:15:35 ID:f16wntvK0
>>23
GJ! こわい、こわいよよっぴー。

前スレ676です。コテつけてみました。
新作ようやく出来上がったので、投下させてくださいね。
33SSD:2006/02/16(木) 14:16:54 ID:DAoIzN4s0
>>1
乙です

>>23
描写が細かくて読みやすく、ついついじっくり読んでしまいました。
GJです。
よっぴーコワー
34Eat or Die 1:2006/02/16(木) 14:18:15 ID:f16wntvK0
「あwせdrftgyふじこlp!!!!」
フカヒレがこの世のものとは思えない呻き声とともに卒倒した。
口からは反吐とワケのわからないものの混合物を吹き出している。
「むぅ、鮫氷も脱落か……」
瀕死のフカヒレを見下ろしながら乙女さんが言う。
「いや、乙女さん、冷静に言ってる場合じゃないって! このままじゃ全滅しちゃうよ!」
冗談ではなく、このままでは対馬家が惨劇の舞台として明日の朝刊に載ってしまう。
「言うなレオ! 鉄の者に撤退など有り得ん!」
……2006年冬。人々は積もった雪に己が足跡を刻印しつつ歩いていた。……酷く寒い。
冬休みも終わりに近いある夜。対馬家は最大の危機に瀕していた。
事の起こりは、今日の朝に遡る。


朝、部屋を出て一階に下りていくと、なにやら箱を抱えてホクホク顔の乙女さんがいた。
「なにそれ、乙女さん」
「ふふ、見ろ、美味そうだろう」
そういって乙女さんは俺に箱の中身を見せた。
発砲スチロールの箱の中にはカニだのエビだの牡蠣だの、豪華な海の幸がみっしりと詰まっていた。
カニと目が合う。カニは泡を吐きながら「ほう」と言った(ような気がした)。ああ、生きている。
「……。すごいね。これどうしたの?」
「今しがた実家から送られてきたんだ。新鮮で活きがいいものばかりだぞ」
乙女さんが嬉しそうに言う。
「このところ寒い日が続いているし、今夜はこれを使ってナベでもしよう」
「おお、いいね。でも、こんなに沢山二人じゃ食べきれないんじゃない?」
「それもそうか。だが早く食べなければ鮮度が落ちてしまうしな。腐らせてしまっては元も子もない」
「……じゃ、みんなを呼んで一緒に食べるというのはどう?」
「ああ、それはいい考えだな。こういうものは大勢で食べたほうが断然美味い」
というワケで、俺の提案が採用されて第一回対馬家ナベパーティーが開催される運びとなった。
35Eat or Die 2:2006/02/16(木) 14:21:11 ID:f16wntvK0
「で、どうしてあたしがここにいるんです?」
「イヤならとっとと帰れやココナッツ」
「厭とは言っていない。どうしてあたしが呼ばれたのかちょっと不思議に思っただけだ」
「ナベは大人数でやるほうが美味しいからな」
にこにこしながら乙女さんが言う。かなりナベが楽しみらしい。朝から上機嫌だ。
「そいや、姫とよっぴーは?」
と、カニが箸で茶碗をチンチン鳴らしながら訊ねた。
「年末から海外に行っているそうだ。残念だが」
「あーあ。きっといいもの食べてるんだろうなぁ」
俺の呟きに乙女さんが冷たい視線を送ってくる。
「いや、羨ましくなんかないですよ」
「まぁ、そういうことなら遠慮なくいただきますが」
「文句なし! 美人と一緒にナベやれるなんて、神はまだこの俺を見捨てていなかった!」
フカヒレは立ち上がると、拳を振り上げ、男泣き。
「オメーなんざとっくに見捨てられてんよ。気づけダメ人間」
「るせーカニ。これから俺の時代が来るんだよ。見てろよ、フラグ立てまくって必ずやハーレムエンドにいってやるぜ!
あ、ちなみにさっきの俺の台詞の『美人』の中にお前は含まれてないから」
「あんだと、この人間失格! 10円やるからそのブサイク面に嵌ってるビー玉新しいのに替えとけボケ!」
「蟹沢も鮫氷もいい加減にしろ。ナベは楽しくやるものだ」
「はーい」
二人は乙女さんの一喝でたちまち静かになる。
「ま、とりあえず座ってろよ椰子」
「支度、手伝いますよ」と、椰子が流しに向かおうとする。
「お、先輩の前でいいこぶりっ子か、小賢しいなココナッツ」
「黙れ、潰すぞシオマネキ」
36SSD:2006/02/16(木) 14:22:06 ID:DAoIzN4s0
しえん
37Eat or Die 3:2006/02/16(木) 14:23:58 ID:f16wntvK0
「あー椰子。準備の方はスバルがやってるよ。いい食材を前にして張り切ってるから、気にせず座ってろって」
「でも……」
「今日はお客様なんだからな、伊達に任せておけ」
乙女さんに言われて、椰子はしぶしぶといった感じで椅子に腰掛けた。
名残惜しそうに流しの方を見ている。そんなに料理を手伝いたかったのか?
「おう、こっちの用意は任せておきな。これだけの食材、腕の振るい甲斐があるってモンだ」
スバルは嬉しそうに包丁を振るっている。今は白菜を切っているようだ。
「でも所詮ナベじゃん。適当に切ったり皮むいたりするだけだろ」
「てめー、下拵えをバカにすんじゃねえよ。ちゃんとやんねーとアクとか大量に出ちまうぞ」
お気楽に言ったフカヒレにスバルが真顔で反論する。
「おお、スバルが燃えている!」
「そんなワケで、用意はスバルに任せて、こっちはひとまず乾杯といきますか♪」
と、カニは懐からビンを取り出し、コップに中身の液体を注ぎ始めた。
「おいカニ、お前もしかしてそれ酒か?」
「しぃ〜ッ! 静かにしろよバカレオ。乙女さんに聞こえちまうだろ」
慌ててカニが俺の口を塞ごうとするが、もう遅い。
「もう聞こえているわけだが」
カニの背後で乙女さんが仁王立ちしている。
「あ……あはは。やだなぁ、乙女さん。ジョーダンに決まってるじゃん。学生がそんな、飲酒なんて、ねぇ?」
おとなしくカニはコップを乙女さんに渡した。
「ふむ。素直でよろしい」
乙女さんはカニから没収した酒をテーブルの隅に置いた。
「おいレオ。テメーのせいで酒取られたじゃんかよ!」カニが小声で抗議してくる。
「何言ってやがる。鉄の風紀委員の目の前で酒飲もうとしたお前が悪い」
「ちぇ。じゃーさ、スバルの準備が出来るまでなんかやらね?」
と、突然猫撫で声を出すカニ。
38Eat or Die 3:2006/02/16(木) 14:25:38 ID:f16wntvK0
「なんかって、なんだよ」
「実は前から一度やってみたかったことがあるんだよね〜」
「コードレスのバンジージャンプとかか?」とフカヒレ。
「そんなら遠慮はいらねーぞ。存分にやれ」
「あ、あたしも見たいです」
「やらねーよ! つーか死ぬだろ、それ!」
「んじゃ、なんだよ」
カニは不気味に笑って、言った。
「闇鍋!」
「「却下」」フカヒレとハモった。
「早! なんでだよ! どーせナベやるんだからさ、余興ってことで」
「お前が料理に関わるとロクなことにならん。そのうえ闇鍋なんて物騒なモンできるか」
「え〜。いいじゃん。ダイジョーブ、食べ物しか入れないから〜」
「当たり前だ! つーかお前の食べ物の範囲は一般人より広いからダメ!」
「そうか? 私はおもしろそうだと思うが……」
おいおい、何言い出すのこの人!? 乙女さんが闇鍋に興味を示されたようです。
「お! さすが乙女さん。話が分かる!」
すかさずカニが尻馬に乗った。
「食べ物で遊ぶのは感心しませんが」
と、椰子が至極真っ当な正論を述べる。
「黙ってろココナッツ。ここは後輩らしく偉大な鉄先輩のご意見をハイチョーするとこだろうがボケ!
大人しくできねーなら、いつもみてーに隅っこんとこで一人七並べやってろ」
「そんなことしてない。一度といわず二度三度死ぬか?」
と、いつものようにカニの頬に手を伸ばす。
「いででで! へめ、はなひやがれ!」
39Eat or Die 4:2006/02/16(木) 14:29:08 ID:f16wntvK0
と、言うのが概ねの経緯である。
結局闇鍋は乙女さんの鶴の一声で実行に移されることになった。
今日の乙女さんはなんだかいつもよりハイだ。そんなにナベが嬉しいのだろうか?
調子に乗ったカニは好き勝手に食材をナベに放り込んでいた。
まぁ、乙女さんとカニ以外の全員が今の惨状を正確に予想していたわけで、阻止できなかったのは痛恨の極み。
ちなみに当のカニは真っ先に鍋に箸をつけ、すでにトイレに直行している。一体何を引き当てたのやら。
今カセットコンロの上に鎮座している鍋は、見るからに破壊力の高そうなビジュアルをしていた。
そして鼻を突く異臭と、素人でも感じ取れる妖気を放っている。
間違いなく、下手をすれば命に関わる。
「ね、これ以上犠牲者が出る前に、やめようよ乙女さん」
悶絶し、手足を痙攣させているフカヒレを部屋の端にどかしつつ、重ねて進言する。
「し、しかし、敵に後ろを見せるわけには……」
「ナベ相手にプライドも何もないでしょ。今ならカニとフカヒレの死も無駄にならないよ」
「死んでない、死んでないもんね!」ドタバタとトイレから戻ってきたカニが吼える。
「なんだ、生きてたのかカニ」
「当たり前だっつーの。こんな話で誰が死ぬんだよ」
「蟹沢、よく戻った。で、敵の情報は?」乙女さん、まだやるつもりだ。
「いや〜、まさか海鮮のダシが染みたどうぶつカステラがあんな凶器に変わるとはね。ボクびっくりしちゃったよ!」
「そんなもん入れたのか、お前」
「なにしろ合法的にココナッツを抹殺できるチャンスだったからさ。張り切りすぎちゃったぜ」
というか、そんな具材を投入しておいて自分でいの一番に箸をつけるなんて、やっぱりコイツ馬鹿だ。
そのとき、俺の視界の端に誰かの手が映った。箸を持って、鍋へと伸びていこうとしている。
「や、やめろ!」俺は慌ててその愚かな自殺志願者の腕をつかんだ。椰子だった。
「椰子、死にたいのかお前!」
「しかし、食べ物を粗末にはできません」
「これは食べ物などという高尚なものではない! 見ろ、この禍々しい瘴気を。もはや立派なBC兵器だぞ」
「おいおいレオ、止めるなよ。せっかくココナッツが食うって言ってるんだからさ。こんな面白い見世物無いぜー♪」
「俺はこの家で死者を出すわけにはいかないのだ」
40名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 14:29:27 ID:PYin+pQv0
3ダブってる支援
41Eat or Die 6:2006/02/16(木) 14:32:19 ID:f16wntvK0
「け。つまんねーの。よかったなーココナッツ。ヘタレのセンパイのお陰で臆病者のレッテル貼られること無く回避できて。
内心ムネをすりおろしてんじゃねーのか、このチキンが」
カニが挑発するように悪態をつく。そして椰子はあっさりとそれに乗った。
「なんだと。……こんなナベ、どうってことない。それから胸すりおろしてどうする。撫で下ろすだ低脳」
「口ではなんとでも言えるからな。レオ〜、椰子サンは怖くて食べられないそうだから、このナベ処分しちゃって」
「待てカニ。センパイも捨てるの待って下さい。食べますから」
「おいおい、本気か椰子? これマジでヤバいぞ」
「食べます」
「うむ。その意気やよし! これぞ竜鳴魂!」
いや乙女さんも、そんな煽るようなこと言わないでってば。
「ムリすんなココナッツ。ボクは優しいから、怖気づいて逃げても見捨てないでいてあげるよ♪」
そう意地悪く言うと、カニは邪悪な笑みを浮かべた。
「黙れカニ。食べると言ってるだろ」
そういうと椰子は箸を握り直し、鍋に突っ込む。
「椰子、無理するなよ」
「五月蝿いです。臆病者は引っ込んでて下さい」
そう言って俺を恫喝すると、椰子は何かをつかみ出し、それを口に放り込んだ。
「ど、どうだ?」乙女さんが固唾を呑んで見守っている。
「兵器化、もとい平気か?」
「wktk」
「……」沈黙。目を瞑り、咀嚼している。
そして徐々に体が小刻みに震え始める。表情が苦悶に歪み、額に脂汗が滲む。
「え、と。……椰子さん?」
「あwせdrftgyふ、ッ……ッ!」
あ、踏みとどまった。
椰子は無言でカニに向き直ると、その頬を鷲づかみにした。
「いででで!! あ、あにひやはるほほなっふ!!」
悶えながらも、カニの頬を捻り上げつつ咀嚼をやめない椰子。
おお、根性だ! ここに真の漢を見た!
42Eat or Die 7:2006/02/16(木) 14:35:12 ID:f16wntvK0
「頑張れ椰子、負けるな!」思わず応援してしまう。
「気合いだ! 気合いで飲み込むんだ!」
乙女さんも身を乗り出して椰子に声援を送る。
「へめー! ほっほほはなひやはれ、いはいいはい!」
椰子は体を小動物のように震わせつつも必死に嚥下しようとしている。
無論その死闘の間もカニの頬はいい感じに伸び縮みしている訳だが。
「……ッぷはぁぁッ」
ついに、椰子が勝利を収めた。ちょっと感動した。
椰子はカニから手を放し、肩で息をしている。
「いててて、あにすんだよココナッツ! 顔ばっか責めやがって。ボクの可愛い顔がそんなに羨ましいのかよ!」
カニの軽口に椰子はゆっくりと顔を上げると、鬼の形相で睨みつけた。
「この……カニ。……鍋に苺大福なんか入れるなぁッ!!」
い、苺大福。それはまた危険なものを。
「うお、なんだココナッツ逆ギレかよ!」
カニが椰子から距離をとりつつ言う。
というか、逆、なのか? 椰子にはキレる権利があるような気がするが。
「どうどう。落ち着け椰子。ほら」
「あ。ありがとうございます」俺が差し出したコップを受け取ると水を一気に飲み干した。
「大丈夫か?」
椰子はげっそりとした表情で答える。
「なんとか。実際死ぬかと思いました。……あとであのカニ殺します」
「すまん、椰子。私の判断ミスだ。ここまで酷いとは思わなかった」
遅! 乙女さん、気づくの遅すぎるよ! つーか、見た目で分かれ!
「ここは責任をとって、私も食べよう」
今度は何を言い出しますか、この人は。やっぱ今日の乙女さんはヘンだ。
「待って! それは駄目! これ以上被害増やしてどうするのさ。責任の取り方なら他にもあるでしょ!」
「いや。私は指揮官として、このナベと運命を共にしよう!」
言うが早いか、乙女さんは箸を無造作に突っ込み、何かをつかみ出すと何の迷いも無く口に入れてしまった。
43Eat or Die 8:2006/02/16(木) 14:38:41 ID:f16wntvK0
「おぉお! さすが乙女さん、キモが座ってるぜ。どっかのヘタレ共とは大違いだ」
「カニお前はちょっとは反省しろ。って、乙女さん、大丈夫!?」
一瞬の沈黙の後、
「かっ! 辛ぁ〜〜〜〜ッ!!!!!!」乙女さんは顔を叫びながら文字通り火を吹いた。
「お、乙女さん!」
「しまった。きっとあたしが対カニ用に入れた辛子だけ餃子だ」
「てめぇ、そんなもん入れて殺す気かよ!」
「どの口が言うんだ。お互い様だ」
「と、とにかく水みず!」
「ハイ、乙女さん、お水デス♪」
とカニがすかさずコップを差し出す。珍しく気が利いてるな、ってオイ!
「カニ! そのコップさっきの……」
「ニヤリ」カニが不敵にほくそ笑んでいる。コイツ、わざとやりやがったな。
「んぐ、んぐんぐ……」止める暇も無く、みるみるコップが空になっていく。
「はぁっ……」酒を飲み干した乙女さんは大きく息を吐いた。
「だ大丈夫?」
「うう〜?」顔が真っ赤だ。目つきがオカしい。足元が覚束ない。
「なんらぁ? じしんか? ぐらぐらするろぉ〜!?」
そういうと乙女さんはふらふらとその場に倒れこみ、寝息を立て始めた。
「早! そして弱!」
俺と椰子は呆然と立ち尽くすしかなかった。
「いやー。こんな弱いとは予想外だけど、乙女さん可愛いねー。ふふっ、これで心置きなく酒飲めるな」
「この腐れカニが」椰子は諸悪の根源の頬を引っ張った。
「いがががが! いひゃいいひゃい、ふぁなへほのやろー!」
床には悶絶するフカヒレと酔いつぶれた乙女さんが横たわっている。本格的にナベが始まる前に死屍累々だ。
「よっしゃ、完成だ! いい具合に仕上がったぜ!」
重苦しい空気を破ったのは明るいスバルの声だった。
「ん、どうしたお前ら。……あれ、なんでフカヒレと乙女さん寝てるんだ?」
「お前……この騒ぎの間ずっとナベの仕込みやってたのか……」
44Eat or Die 9:2006/02/16(木) 14:41:12 ID:f16wntvK0
「牡蠣(゚д゚)ウマー」
「おいカニよ。食うだけじゃなくて働け、アクを取れ」
「ヤダよ。めんどくさい。レオに頼めよ。あー、カニ(゚д゚)ウマー。酒も(゚д゚)ウマー」
「ちっ。しょーがねーな。あんま飲みすぎんな」
「本当にいいんですか。鉄先輩起こさなくても」
結局乙女さんは潰れたまま、起きなかった。
「仕方ない。努力はした」
揺すっても小突いても鬼平のテーマ鳴らしても起きないんだ。どうしようもない。
そんな訳で酔い潰れた乙女さんと死んだまま誰も触れようとしないフカヒレを除いてナベが始まった。
実際美味い。新鮮な具材にスバルの腕が加わって、美味いとしか言いようが無い。どんどん箸が進む。
「おいオマエラ、エビだのカニだのばっか食ってないでもっと野菜食え野菜」
「わかったよスバル」
「うっせーな。別にいいじゃんよ」
「おら椰子。ポン酢だけじゃなくてオレの特製ゴマダレも試してみろ」
「はあ。ありがとうございます」
「どうよ、オレが丹精込めて面取りした大根は」
……美味いんだが、スバルがうるさい。なんつーか、妙にイキイキしてる。
「伊達先輩って、ナベ奉行なんですね」
椰子が耳打ちしてくる。俺は苦笑しながら頷いた。
「コラカニ! 人の皿にネギ移すな! 自分で食え」
「えー。ネギなんざ食いたかねーよ。……って、やいバカレオ! てめそこにあったカニとっただろ!」
「あん? なんのことだ?」
「それだよ! そこの白菜の下にボクがキープしておいたカニ脚!」
「早いもの勝ちだ」
「く、後で覚えてろ。食い物の恨みは恐ろしいんだからな!」
「意地汚い奴」
「うっせーココナッツ!」
とまあ、美味いナベに舌鼓を打ち、適度に酒も入って食事は賑やかに進んでいった。
45SSD:2006/02/16(木) 14:42:10 ID:DAoIzN4s0
しえん?
46Eat or Die 10:2006/02/16(木) 14:43:21 ID:f16wntvK0
「っと、オマエラ、食ってばかりいたら鍋の中身が減る一方だろ。食ったらどんどん足していけ。材料はまだまだあるんだ」
「へいへい。何入れる? 牡蠣かタラの切り身か、スバル自作のトリ団子もあるな」
「なんでもいい。好きなもん入れろ。あ、火の通りにくいやつが先な」
スバルの号令で俺たちは思い思いの具をナベに投入していく。
「そこ、白菜入れ過ぎだ。水出んぞ水!」
「……好きな、もにょ……」
「お、乙女さん!?」
気配を感じて振り返ると、そこにはいつの間にか目を覚ました乙女さんが立っていた。――小脇に炊飯器を抱えて。
乙女さんはおもむろに炊飯器の蓋を開ける。中には炊きたてご飯が湯気を立てていた。って、まさかソレを!?
「させねぇっ!」
すばやくスバルがナベを死守せんと立ち上がる。奉行は必死だ。
「!」
だが、スバルが乙女さんを捕まえたと思った瞬間、乙女さんはスバルの背後にいた。
何を言ってるかわからないと思うが、俺たちは恐ろしいものの片鱗を味わった。
「ちっ、残像だとっ!?」
「乙女さんスゲー!」
「当て身」
酔っ払っているおかげでリミッターがかかっていない乙女さんの前では、いかにスバルといえど物の数ではなかった。
ナベ奉行、伊達スバルは当て身一発で沈黙させられた。
スバルを沈めた乙女さんは悠然と鍋に歩み寄り、炊飯器を持ち上げる。
「ストップストップ! 乙女さん酔ってるでしょ! 雑炊にはまだ早いって!」
「あんらと!? わたひは酔ってなろいない。らいいちしゃけにゃんかのんれにゃいからにゃ」
って、言ってるそばからますます呂律回ってねー!
「いちばぁ〜ん、鉄乙女ぇ、好きなものいれまっしゅ!」
「うわわわわー!」
抵抗虚しく、酔っ払い乙女さんは鍋に炊飯器の中身を投入した。一升炊きの米全部。
「う……」
「センパイ、どうします、コレ」
47Eat or Die 11:2006/02/16(木) 14:49:21 ID:f16wntvK0
鍋はご飯でこんもり山ができてしまっている。捨てるとかいうとまた椰子が無茶するだろうし。
「ぐ、とりあえず上の方は炊飯器に戻すとして、後は食うしかないな。
アイアンストマック・乙女さんも起きたし大丈夫だろ……って寝てるー!?」
一仕事終えた乙女さんは幸せそうにまた寝息を立てていた。
仕方なく、俺たちは無事なご飯を炊飯器に戻していく。
だがそれでもかなりの量が鍋に残った。それほど大きな鍋じゃないのが不幸中の幸いか……。
「とほほ。海の幸を堪能する前にもう雑炊モードか」
もらった魚介類はまだ半分以上残ってるのに。
「でも雑炊うめーじゃん。ボクは好きだぜ」
「バカガニ。論点はそこじゃない」
スバルは完全に気を失っている。これでは仮に起きても戦力にはならなそうだ。
俺は追加の毛布を持ってきて床で目を回しているスバルにかけてやる。
「しゃーねー。フカヒレ起こすか?」カニが雑炊をよそりながら提案する。
「ああ。そんなのもいたな」
「駄目ですね。フカヒレ先輩も起きません。一体何食べたんでしょう」
と、フカヒレをモップでつついていた椰子が肩を竦めて言う。
「カニ、さっきの闇鍋、他に何入れた?」
「んー。他に? ナタデココとシュークリームとまるごとバナナとそれからえーと」
「いや、もういい」なにそのコンビニのデザート売り場。
「いででででで! はなひやはれ!」
「で、どうします?」椰子がカニの頬を引っ張りながら訊ねる。
「多分、金ダライを頭に落としてやりゃすぐ起きるんだろうな」
「なんですそれ」
「何があったか知らないが、フカヒレは昨年末から極度に金ダライを恐れるようになったんだ」
「つくづく使えねーなフカヒレは。ここはボクがこのゴミの分も根性見せてやんよ!」
そうだな。とにかく食わないことにはどうしようもない。
俺とカニ、椰子は絶望的な戦いに身を投じていった。
そして30分後、カニが脱落。小さな体でよく頑張った。感動した!
「ち、小さいは、余計、だ……そして、微妙に古い…ガク」
……モノローグに突っ込むな。
48Eat or Die 12:2006/02/16(木) 14:52:51 ID:f16wntvK0
「……二人だと全然減らないな」
ナベにはまだたっぷりと雑炊が残っている。ゴールは一向に見えてこない。
「でも食べ物を粗末にはできません」椰子が真顔で言い切る。
ハイハイ。そうですとも。
「とにかく食うか」ため息を一つ吐き、諦めて箸を持ち直す。そろそろ腹も限界だけど。
「そうですね。夜は長いですし。食べてる間に誰か復活するかも知れません」
「期待せずに待つか……。うわ、そんなに盛るな、自分のペースで食うってば!」
……その辺りから記憶がない。次に目が覚めたのは丑三つどきを過ぎてからだった。

「……う、ぅん?」
目覚めて辺りを見回すと部屋のあちこちで乙女さん、スバル、カニ、フカヒレが横たわっている。
「あ、そうか……ナベやって、乙女さんの強制雑炊食ってる途中だったんだ……」
つーかまだ胃が飽和状態だ。
「目、覚めましたかセンパイ……」
「ああ、椰子……ってお前、ずっと食ってたのか!?」
あれからかれこれ三時間は経っているぞ。
青い顔しながら雑炊を黙々と口に運んでいる椰子。もはやその動きは機械的だ。
見るとナベの雑炊はほぼカラになっていた。
椰子は口元だけで笑みを浮かべると、そのままテーブルに突っ伏した。
椰子……ムチャシヤガッテ……。英霊に敬礼。
椰子に毛布をかけてやってからハタと気づく。あぁ、起きてんの俺だけじゃん。
「しょうがない。片付けるか……」
と、鍋に手をかけたそのとき、
「あああああぁ〜〜っ!!」
突如、背後で起こった咆哮に慌てて振り返る。
そこには再び目覚めた乙女さんが幽鬼の如く立っていた。
49Eat or Die 13:2006/02/16(木) 14:56:28 ID:f16wntvK0
「あ、乙女さん。起きたの?」
「起きたの? じゃない! レオ、これは一体どういうことだ!? みんな食べ終わっているじゃないか!」
「……え」
「伊達も蟹沢も椰子も鮫氷も満足そうに寝ているし! お前たち、私を除け者にしたのか?」
あれ、ひょっといしてこの方なにも覚えていらっしゃいませんか?
「の、除け者って。乙女さん酒に酔って寝ちゃって起きなかったから」
「何を言う。私が飲酒などする訳がなかろう。大体、寝ていたのならばなぜ起こさない!?」
「お、起こしたよぅ」
「起こしてないぞ。 現に私が起きてないじゃないか」
「そんな無茶な……」
「自分たちだけナベとは、さぞ美味かっただろうな。
……別に食べられなかったことを怒っているんじゃないぞ! ほんとだぞ!」
そんなに食べたかったのか。
「いや、ちょっと待って乙女さん。こっちも大変だったんだから、言い訳くらいさせて」
「ほう。何か弁解があるのか?」
「そうだよ。あのね、」
「んうぅ〜。レオ〜ボクもう食べられないよぉ〜……ムニャムニャ……」
ちょ、おまっ! このタイミングでその寝言はナシだろ! 火に油だぁ!
「……」乙女さんの無言の圧力を感じる。
このカニ……わざとか!? わざとなんだな! 絶対そうだ。俺を陥れようとしてるな!
「お姉ちゃんを仲間はずれにした報いを受けるがいい!」
乙女さんの蹴り足が俺に迫ってくる。瞬間、俺の脳が脳内麻薬を作り出し、周囲がスローに……。
これが神の領域ッ!

ひとしきり俺に制裁を加えた後、乙女さんが言った。
「……ふむ、いい汗をかいた。さて、材料も残っていることだし、今夜もナベにするか」
俺はボロボロの体に鞭打ち、マッハの速度でスライディング土下座を敢行した。
「ナベはもうカンベンしてください!!」
「どうした? 根性無しだなぁ」
50名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 14:57:00 ID:PYin+pQv0
支援
51あとがき:2006/02/16(木) 14:57:59 ID:f16wntvK0
というわけで、改めまして。れみゅうです。
通算11作目、コテつけて最初のSSです。圧壊しそうなコテですが。
元旦にもちょっと書き込みましたが実はこれ、忘年会ネタとして書き始めました。
ですが昨年中に完成させられず、やむを得ず忘年会分をカット、ナベ分を増量してこの形になりました。
ありがちな話な上、なんかグダグダですが、とにかくドタバタしたものを書きたかったので。
とりあえず少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
過去の作品も含め、今後とも宜しくお願いします。

最後に、支援&ダブリの指摘ありがとうございました。
52SSD:2006/02/16(木) 14:59:49 ID:DAoIzN4s0
>>51
最後の乙女さんカワエエ
GJです。
53名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 15:06:04 ID:PYin+pQv0
>>51
GJ&余計なお世話かと思ったけどthx
54名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 16:38:50 ID:bjf9o17CO
>>23
怖いものなんだろうけど
ずっと笑ってた俺はきっと頭にネジがない
>>51
なんも言えんわ
ただずっと笑ってた

お二方GJ
55名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 17:35:41 ID:3Y6avfgSO
>>51
GJ!

| )
(´_>`)//
( ̄ ̄ ̄_/
\ ̄ ̄|



『奉行は必死だ』に何故かツボった俺ガイル
56シンイチ:2006/02/16(木) 17:37:11 ID:0xV9ka6b0
>>23
GJ!よっぴー怖いよう
>>51
こちらもGJ!笑いすぎて腹が痛くなりました
57名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 17:37:18 ID:3Y6avfgSO
そしてズレたぁ〜〜〜!!





俺も一通りの制裁を受けてきます
58名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 18:29:09 ID:kgxRj8Oa0
>>23
後日談を想像するとこえー・・・これもつよきすの味なのかなGJ
>>51
スバルのこだわりに惚れたGJ
59名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 18:42:34 ID:bjf9o17CO
あの二人の友情は壊れない!
だって悲しすぎるじゃん(T_T)
60名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 19:22:00 ID:t862/iwO0
女同士の友情が壊れるのは

たいがい男がらみです
61キミと歩くこの道を 〜誕生する未来〜 (1):2006/02/16(木) 23:52:01 ID:R/mD0hxl0
(注:「キミと歩くこの道を」「二人で掴む未来編」を読んでからお読みください)

   
なごみが帰ってきてから、色々な事があった。
帰ってきたその年に、スバルがオリンピックで銅メダルを獲った。
そして、世界ネットでのプロポーズ。あいつは二度も日本をわかせやが
った。マダムは出涸らしの貰い手が見つかって大変喜ばれたそうな。
その2ヵ月後、2人は結婚式を挙げた。
式では俺が仲人を務め、緊張のあまり声が裏返ったりして恥をかいてし
まった。
フカヒレの奴は2人のために作った曲を披露した。何年も後に、その曲
は結婚式の定番ソングとなった。
結婚式の料理は、なごみがシェフを任され、海外で磨いた腕を披露した。
その料理を食べた姫は、今のシェフをクビにして、今すぐ専属のシェフ
にスカウトしたいと言ってくれた。
ちなみに今回のブーケ投げも乙女さんがゲットした。

そんで、カニ・スバル夫婦はお隣さんとなった。
カニは今、「伊達きぬ」としての人生を送っている。改姓については、
マダムと一悶着あったらしい。スバルが婿養子に入って蟹沢を名乗ると
言ったらしいけど、マダムが出涸らし(カニ)と同じ姓を名乗るのは終り
にして欲しいとか言い出したもんだから喧嘩になったという話。なんと
かカニが伊達姓になる事で決着がついた。スバルはマスオさん状態って
訳だ。
おかげで毎日のようになごみとカニの喧嘩を見なければならない羽目に
なっている。
62キミと歩くこの道を 〜誕生する未来〜 (2):2006/02/16(木) 23:53:00 ID:R/mD0hxl0
カニ抑止役のスバルはメダル獲得の後にプロ転向してから、取材や何や
らで不在が多い。俺だけじゃなかなか止められない。2人の喧嘩は近所
の名物となっている。
ついでに夕方の買い物時には、なごみとカニ親子の壮絶なバトルが繰り
広げられていて、これもまた近所の名物となっている。

フカヒレはなごみが帰ってくるまでにメジャーデビューは出来なかった
が、翌年にメジャーデビューが決定したそうだ。
彼女も出来たらしく、俺に自慢してきた。じつは2年ほど前からつきあ
ってたらしい。その彼女は竜鳴館の後輩だそうだ。童貞を卒業したのか
どうかは別に俺にとってはどうでもいい……。聞かないでおいた。


そして、俺となごみはと言うと―――

「妊娠だって!!?」
「ハイ……」

夕食時。
今日、なごみは身体の異変を感じ、産婦人科に行ったところ、妊娠した
という事実を伝えられた。いつもは避妊には気をつけているけど勢いで
「間違う」事は何度もあった。思い当たる事は沢山あったけど、今まで
そうならなかったのが不思議なくらいだった。
63キミと歩くこの道を 〜誕生する未来〜 (3):2006/02/16(木) 23:54:56 ID:R/mD0hxl0
「やったじゃないか! なごみ! ついに俺もパパか〜」

俺は跳び上がって喜んだが、なごみは複雑な表情だった。
実言うと、最近やっと俺たちの夢が実現に近づいていた。なごみはシェ
フとして自信がつき、俺も経営のノウハウがわかってきた時だった。開
業資金もなんとか目処がつくようになった。
妊娠したとなれば、とても独立して店を開いている場合じゃないし、産
休、育休暇児をとらなければならない。夢の実現が遅れてしまう。

「なごみ、店を開くのは当分無理になるけど、いいじゃないか。店は後
 でだって開ける。今はお腹の中の子供を一生懸命育てようぜ? 元気
 に生まれるようにな」

妊娠させたのは俺だし、偉そうなことは言えないけど、これから生まれ
る命を大切にしなきゃな。

「……! ハイ! それはもちろんですよ!」

なごみの元気な返事が返ってきた。

「これから”3人”で頑張っていかなきゃな!」
「ハイ! ……そうだ! 早くお母さんとお養父さんに知らせないと!」

なごみは電話ではなく、直接のどかさん達の元に行った。なごみは戸惑い
は少なくともあっただろうけど喜んでいないわけじゃなかった。

のどかさん達は初孫の誕生に抱き合って喜んでいたらしい(なごみ談)。
「かなえ」にとっては甥、もしくは姪が誕生したわけだ。
64キミと歩くこの道を 〜誕生する未来〜 (4):2006/02/16(木) 23:56:16 ID:R/mD0hxl0
俺はすぐに隣に住むカニとスバルに俺の子供が出来た事を話した。2人は
素直に祝福してくれた。

その1週間後、隣の夫婦もパパ、ママになったという知らせが入った。
カニの奴は胎教音楽にデッドを聴かせているらしい。大人になってもカニ
の頭はカニミソのままだった。


そして月日は流れて……

「何だこの甲殻類が!」
「ウルセー! この単子葉類!」

なんで同じ病院に入院するかなあ……
いつも病院に来るたびそう思ってしまう。なごみとカニは1日違いで子供
を出産した。そんで同じ病室で入院してるもんだからいつものように喧嘩
している。毎日のように医者&看護婦に叱られる日々。遠くから眺めてい
れば微笑ましい光景に見えなくもない……? 一緒に来ていたのどかさん
も、ただ微笑んでいるだけだった。
もうすぐ退院だってのに何やってんだか。

「「う、う、おぎゃあぁ」」

見ろ、言わんこっちゃない。俺となごみの息子「吼太」と、カニとスバル
の息子「隼人」が泣き出してしまった。

「あらあら。吼太ちゃーん。おばあちゃんですよ〜」
「あっ、母さん。それはわたしの役目……」
65名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 23:56:45 ID:T26AHobY0
>>23 つよきすで心理ホラーが出来るとは驚き。GJ!
しかし、こんなにレベル高い作品が書けるのは誰なんだ……?

>>51 GJ 過去作のリストは過去レスにあったっけ?
コテハンは「覚悟」! これからも頑張ってください。
66キミと歩くこの道を 〜誕生する未来〜 (5):2006/02/16(木) 23:57:08 ID:R/mD0hxl0
のどかさんが吼太を抱き上げてあやすと、不思議とすぐに泣き止んだ。俺
があやしてもなかなか泣き止まないのに……。さすがだ。向こうもカニが
何とか泣き止ませたようだ。
それを見て安心した俺はなごみのベッドの脇に行った。なごみはちょっと
不機嫌そうな顔だった。

「そんな顔するなよ」
「ですけど……」

「ゴホン」

カニがわざとらしく咳払いした。

「おめーら何コソコソ話し合ってんだよ。まったくこっちはダンナが来な
 くて寂しい思いしてんのに」

スバルは昨日から日本選手権で松笠にはいない。

「まあまあ、いいじゃありませんか〜、きぬさん。こっちは女同士で楽し
 くお話しましょう〜」
「あんたはいっつも楽しそうだな〜」

カニとのどかさんはこの入院を期に仲良くなった。カニがのどかさんのペ
ースに巻き込まれるような形になっているだけなのだが、カニは嫌な顔一
つせずに、むしろ来るのを楽しみにしている節がある。
67キミと歩くこの道を 〜誕生する未来〜 (終):2006/02/16(木) 23:58:02 ID:R/mD0hxl0
カニとのどかさんの話に花が咲き始めたところで、俺はなごみを見た。な
ごみは料理の本を読んでいた。やはり母親の顔になっていた。うまくは言
えないけど、なにか強さを持ったような。なごみもカニも母親になったん
だと感じた。

「なあ、なごみ」
「なんですか?」
「吼太が大きくなったら今度こそ店を開こうな?」
「もちろんですよ。あなた」

何年も前に誓った夢。
今度こそ叶えなきゃなと思った。

〜1年後〜

だけど、その夢は叶えられなかった。
っていうか延期した。

なごみに「2人目」が出来たから―――
68名無しさん@初回限定:2006/02/16(木) 23:59:07 ID:T26AHobY0
げ、投下中でしたか。
レオ、すまねー
69TAC:2006/02/17(金) 00:02:44 ID:R/mD0hxl0
突然の投稿です
今回も淡々とした文章になりすぎたかなと反省
表現能力の乏しい…
おそらく次回作で「キミと歩くこの道を」は完結になると思います
この次回作が私が一番書きたかった話です
あともう少しお付き合いください
70名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 00:18:32 ID:bylTnenB0
「キミと歩くこの道を」〜二人で掴む未来編〜
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1138309488/203-n

これのことね。
今回のはスターウォーズで言うと「帝国の逆襲」か。GJ
71名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 01:11:34 ID:2I8r1XCn0
>>69
GJ

表現だけど、たとえば

>「なあ、なごみ」
>「なんですか?」
>「吼太が大きくなったら今度こそ店を開こうな?」
>「もちろんですよ。あなた」

このセリフの間に、何か地文を入れたりするとふいんき(ry が出る気がするですよ。
72名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 01:19:40 ID:RAXDQZgLO
>>69GJ
なんか和むわぁ
しかし次で最後かぁ
名残惜しいと言うかなんと言うか
ただ楽しみに待ってようと思う
73れみゅう:2006/02/17(金) 01:45:19 ID:n+Bm8jhf0
>>69
GJ!
俺にはこういう作品書けないので羨ましいです。

>>65
あ、すいません。確か何スレか前に挙げた気もしますが改めて挙げますね。

・かわらないもの  (その他)
・黒い三連星、ネットに散る!  (姉つよクロスオーバー)
・マツカサ・ハードボイルド  (その他)
・センパイ至上主義!  (なごみん)
・永遠の守護者  (くー)
・ある日の対馬夫人  (カニ)
・プレゼント  (乙女)
・対馬家の食卓  (乙女)
・人違い  (姫)
・Happy Birthday! バン・アレン帯
・Eat or Die

投下順、括弧内は保管庫でのカテゴリです。
過去作含め、忌憚無い意見を頂けたら嬉しいです。
74名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 02:05:20 ID:RAXDQZgLO
あなたにはあなたにしか書けないものがあるとか言ってみたり

俺は人違いが一番好きかなぁ
と、ついでに謝っとこ
自分の作品でちょっとだけ拝借さしてもらった表現がありましたっ!
ゴメンナサイ!!
75名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 02:43:31 ID:j+Cuezf40
忌憚ない意見
祈先生とよっぴーのSSが無い
ホワイ?

>1乙&ALLGJ
ALLでくくるのはなんか失礼な気もするがホントにみんなGJ

>>74ちゃんと謝れても乙女さんはいない
76名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 07:58:31 ID:JS4pGXq20
>>73
・センパイ至上主義!
あの蝶甘甘ななごみんを書いたのは君だったんかwwwww
あれで脳がとろけそうになったよwww
77名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 08:21:41 ID:p8s7msHQ0
やっとこさ長編完成……。
しばらく寝かしてから推敲、といきたいのですが明日の夜からまた夜勤6連ですよ……。
休みが取れるめどがつきそうにない……。
そんなわけでとりあえず今日の夕方くらいに推敲して夜11時あたりに投下します。
はっきり言ってクソ長いです。推敲すれば多少短くなるだろうけど。
携帯の人もいるみたいなんでうpろだに上げずにスレに投下する予定。
あー眠い……。
78名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 09:05:11 ID:RAXDQZgLO
心づかいに感謝
あんまり無理なさらんように
79名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 22:38:24 ID:wjXpR5c60
>>76
「センパイ至上主義!」は・・・つよきす作中(2005年)のレオの誕生日が祝日でさえなければ・・・
と前も言った俺。

いや、好きなんだよ、あの話。好きだからこそ、デカイ矛盾点に目が行ってしまうというか・・・
蒸し返してゴメン
80名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 23:00:06 ID:p8s7msHQ0
予告しましたんでフィギュアスケート見たら投下します。
81竜鳴の乱 1:2006/02/17(金) 23:06:27 ID:p8s7msHQ0
 プロローグ
「今日の弁当も相変わらず美味いなあ」
「ありがとうございます」
 いつものように竜宮でなごみの弁当を食べる。なごみの料理の腕は日に日に上がっているのが素人の俺にもわかる。
 そんななごみの弁当を毎日食べられるなんて、俺はなんて幸せ者なんだろう。
「あの、今日はもう1つあるんですけど……」
「お、なになに?」
「どうぞ」
 なごみが渡してくれたのはチョコクッキー。
「今日はバレンタインですから作ってみました」
「おお、うまそうだ。いただきます」
 1口サイズのチョコクッキーを口に入れる。
「どうでしょうか……?」
 なごみはちょっと不安そうに聞いてきた。
「うん、美味い!」
 心からそう言うと、なごみは不安が解けたのか弾けるような笑顔を見せた。
「よかった……。お菓子作りは初めてでしたからお口に合うかどうか不安でした」
「なごみが作ってくれるものは全部美味しいよ」
 そう言って頭を撫でてあげる。
「えへへ……」
 テレているのか少し赤くなりながら微笑んでいる。こういう顔を見ると本当になごみは可愛い、と思う。
 ああ、幸せだ……。俺は今幸せを感じているんだ……。
 その時。
「きゃああああああああああああーーーーーーーっ」
 突然、その幸せをぶち壊すかのように、女子の甲高い悲鳴が聞こえてきた。
「何だ!?」
「外からです!」
「行くぞ!」
「ハイ!」
 弾かれる様に俺たちは駆け出して行った。
 その時俺はまだ夢にも思っていなかった。
 この悲鳴が、竜鳴館史上最も長い一日の始まりであることに。
82名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 23:07:44 ID:bylTnenB0
>>81支援するわ〜
>>73あたしもイチオシは「人違い」だな。
短いほうがアラが出なくてすむというのは確か。
なごみんも良かったけど、あれは幽霊騒動が長すぎた。
なんだかんだいってアンタのファン


ってバカ、何いわせるのよ
83竜鳴の乱 2:2006/02/17(金) 23:08:20 ID:p8s7msHQ0
   Chapter1.戦いの序曲
 悲鳴を聞いた人が他にもいたのだろう、グラウンドには何人かが集まって来ていた。
「どうしたんだ?」
 手近な人に聞いてみる。
「それが、何でもチョコを盗られたって」
「チョコを盗られた?」
 被害者と思わしき女子は「伊達君に食べてもらおうと頑張ったのに〜」と半べそになっている。
「オイ、レオ。何があったんだ」
「乙女さん」
 後からやってきた乙女さんにかくかくしかじかワクワクテカテカ。
「何だと!? 乙女の思いをこめたチョコを盗るなどとはなんという輩だ! この私が制裁してくれる」
 うおお、乙女さんが怒りに萌えて……じゃなくて燃えている。
「で、犯人の人相風体を教えてくれ」
 被害者の女子いわく、眼鏡をかけた猿顔のひ弱な男とのこと。
 そしてこの情報は犯人を特定するのには十分過ぎた。
「なんだ、フカヒレ君か。面白そうなことがあるかと思ってきてみれば」
「鮫氷君なら納得だよね」
「フカヒレ……、そこまで堕ちちまったか。まったくしょうがねえヤツだ」
「安心しな! ボクらでスマキにして海に沈めてきてやるから」
 いつの間にやら姫、佐藤さん、スバルにカニまで来ている。
「よし、至急鮫氷を緊急指名手配して……」
 乙女さんが支持を出そうとしたその時!
「ハーッハッハッハッハッハ!! ハーッハッハッハッハウッ、ゲホッ」
「なんだこの笑い声は!?」
「最後ちょっとむせたぞ」
「センパイ、屋上です!」
 なごみが指差したほうを見る。するとそこには!
84竜鳴の乱 3:2006/02/17(金) 23:09:42 ID:p8s7msHQ0
「し っ と の 心 わ 〜 !!」
『父 心 !!』
「押 せ ば 命 の !!」
『泉 沸 く !!』
「『見 よ !! し っ と 魂 は 暑 苦 し い ま で に 燃 え て い る !!』」
 ゴオオオオォォォォォォォォォ!!
「うおおおーっ、あっちぃいいいぃぃぃぃ!?」
「み、水〜」
「……何なんだあいつらは」
 乙女さんの疑問に答えられるものは誰もいない。否、誰も答えたくなかった。
 とにかく状況を整理すると、変な格好をした奴らが変なことを言って勝手に燃えさかっている。
「ふぅ、危うく自分たちの炎で燃え死ぬところだった」
「鉄をも溶かすイキな3千度てヤツですね……」
 願わくばそのまま死んでほしかった。
「だがそれほどまでに我々は正義の炎に燃えているのだ!!」
『ウオオオオォォォォォ!!』
 復活したか。しぶとい奴らだ。
「なあ、あれフカヒレじゃねえか。真ん中のリーダーっぽいヤツ」
「ホントかスバル」
「ああ。変なカッコしてるけど」
「この距離じゃ俺は見分けがつかないな。カニ、お前はどう思う?」
「んー、そう言われればフカヒレっぽいね」
「そうか……、なら呼びかけてみるか」
 気が進まないが。
「ん? 総統、誰か前に出てきます」
「あれは、レオたちか」
「オイ、フカヒレ!!」
「俺はフカヒレではない! しっと団総統、『シャーク様』だ!」
「フカヒレ、そんなとこでバカやってないでさっさと降りて来い」
「そうだぜフカヒレ。女子から盗ったチョコ返して謝れ」
「今ならここにいる全員からフクロにされるだけですむぜー」
「黙れ愚民共!!!」
85竜鳴の乱 4:2006/02/17(金) 23:11:06 ID:p8s7msHQ0
「ぐ、愚民?」
「イガグリ! 今日という日はそもそもなんであるか」
「はっ! 女神ユノの祝日であり、豊年を祈願するルペルカリア祭の前日であります!」
 イガグリも一緒なのか。っていうかなんでそんなこと知ってるんだイガグリ。
「その通りだ!! しかし何を勘違いしたのか恋愛の日とかほざいて血横令徒を配布する風習が蔓延しておる!!
 与えねばなるまい!! 愚民どもに天誅を!!
 そう!! これは天に代わって悪を討つ正義のわざ! 決して私怨からでわない!! 聖戦だ!!」
『ウオオオオォォォォォォォォ!!』
 熱く語るフカヒレだったがそこに姫のツッコミが入った。
「でもルペルカリア祭では多くのカップルが生まれるから恋愛の日ってのもあながち間違いではないのよね」
「そうなの? 姫」
「長くなるから詳しくは説明しないけど。知りたい人はあとでググリなさい」
「だ、そうだぞフカヒレ」
「う、うるさい! とにかく神聖なる祭りを汚す愚民共めが! しっと団が成敗じゃ〜!」
「やれるものならやってみろ」
 ぐぐっと前に出る乙女さん。
「そこを動くなよ。すぐに制裁してやるぞ」
「そうは問屋のおろし大根! 目覚めよ同志たち!! 秘技・しっとフラッシュ!!」
「うおっ!?」
 一瞬、フカヒレがまばゆく輝いた!
 光がやんでから恐る恐る目を開けてみる。
「ん? なんともないぞ?」
 乙女さんはケロッとしていた。俺もなんとも無い。
「なごみ、大丈夫か」
「ハイ、なんともありません」
「オレもなんにもなっちゃいねえぞ」
「ボクも全然ヘーキだよ」
「いきなり光るなんて、なかなかいい技ね。ぜひ身につけておきたいわ」
「エリー……、これ以上怪しい技を身につけないでよう」
 姫も佐藤さんも平気そうだ。
86名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 23:11:39 ID:bylTnenB0
 
87竜鳴の乱 5:2006/02/17(金) 23:12:52 ID:p8s7msHQ0
「フン、何をしたか知らんが今すぐ制裁を……」
「きゃあああああああああ」
 なんだ!?
「しっとの心は父心〜」「しっと団が成敗じゃ〜」「聖戦じゃ聖戦じゃ〜」
 なんとその辺にいた男子生徒10名ほどが変なカッコになって女子たちを襲っている!!
「くっ、みんなどうしたんだ」
「フハハハハ、しっとフラッシュはわれらの同志たりうる者を目覚めさせるのだ!」
「つまりっ! モテナイ奴らをっ! 仲間に引き入れる効果があるってわけね!」
 姫が応戦しながら解説してくれた。
「チッ、操られるとは、気合が足りない奴等だ」
「フハハハ〜天誅じゃ〜」
「クッ、あたしに触れるな!」
 ! なごみを守らなければ!
「なごみに触れるんじゃねえええ! 乙女ソバット!」
「ふしゃあああああ!」
「大丈夫か、なごみ!」
「ハイ、ありがとうございますセンパイ」
 さすが乙女さん直伝の必殺技。いりょくはばつぐんだ!
「きゃああああ、助けてえええ」
「よっぴーに触れるんじゃないわよ!」
 姫が男たちを3人ばかしまとめてふっとばす。
「ドオオオオオォリャーーーー!!」
「無茶すんなよカニ坊主!」
「ハン、自分の心配してやがれ!」
「クッ、こいつら何人いるんだ!?」
 乙女さんやスバルも何人かを倒してはいるが一向に数が減らない。
「おのれ鮫氷、きつい制裁を加えてやるぞ……」
「ダメだ乙女さん、数がっ! 多くてっ!」
 武闘派の人間で応戦してはいるが数がさらに増えている。
 みんなを守りながらではもたない。
「ここは一時撤退よ。今からみんなに指示するからよく聞いて。まず乙女センパイ、対馬クンその他無事な男子生徒」
88竜鳴の乱 6:2006/02/17(金) 23:15:07 ID:p8s7msHQ0
「なに?」
「校内の無事な生徒および教員を体育館に誘導、女子の安全を優先で。ついでに戦力を確保してきて」
「わかった。いくぞレオ!」
「了解!」
「スバル君、カニっち、なごみんはこの場のみんなを守りながら体育館へ。ついたらそのまま防御専念」
「オーケー、任せてくれ」
「姫はどーすんのさ」
「私は竜宮からマイクでいろいろ指示するわ」
「わかりました」
「エリー、気をつけてね」
「みんな頼むわよ! 体育館で会いましょう!」

「総統、ヤツラバラけたようだべ」
「よーし、俺たちも行くぞ。まずは戦力の確保だ」
「ハッ!」

「レオ、私は3階に行く。お前は2階を頼む。ほかは1階だ」
「わかった」
「2階には村田がいる。協力してみんなを誘導するんだ」
 村田か……。まあアイツならフカヒレの仲間になることは無いだろう。
「わかった。そういえば館長は?」
「館長は出張中だ」
 なんてタイミングの悪い……。いや、そこを狙ってきたのか?
「お前たちも拳法部の者を見つけたら協力してもらえ」
『オス!』
「では行くぞ!」
『オオウ!』
89竜鳴の乱 7:2006/02/17(金) 23:16:55 ID:p8s7msHQ0
 2階に昇ると村田が応戦していた。西崎さんに襲い掛かろうとしていた男と相対している。
「喰らえ!」
 あれがアイツの必殺技のガトリングガンか。まさに拳の速射砲だな。
「大丈夫か西崎!?」
「くー、だいじょぶ」
「オイ、村下!」
「村田だ! 対馬か。一体何が起きてるんだ!?
 さっき変な格好をしたフカヒレが来たと思ったら光を放ってその後何人かの男がこんな感じだぞ」
「息継ぎなしで説明ごくろうさん。とにかく無事な人達を体育館に誘導してくれ。詳しくは後で話す」
「わ、わかった」
 よし、ここは村田に任せよう。
 ピンポンパンポン。
『えーっ、霧夜です。ただいま非常事態が発生しております。全校生徒および教員は、すぐに体育館に避難してください。
 避難の際は、女子の安全を第一に……』
 姫か。これでいちいち説明しなくてもいい。
 2-Bでは避難がスムーズに行われている。このクラスに襲い掛かる奴がいないのはブスが多いからだろうか。
 よし、ここはいいだろう。2-Cへと向かおう。
「喰らいやー! マナシュート!」
「ゲエェーッ!」
 なんかすごい勢いで男が吹っ飛ばされた。
「浦賀さん! 大丈夫?」
「対馬! お前もかー!」
「いやちょっと待って浦賀さん! 俺は正常だ!」
「あ、そうなんか」
「ねえ、これみんな浦賀さんがやったの?」
 2-Cの中は男たちの残骸が積もっていた。
「失敬やな、うちだけやない。トンファーやほかのみんなも一緒にやったんや」
 最近の女性は強いなあ。
「と、とにかく早く体育館に……」
「にゃほーっ!!」
「危ない、トンファー!」
90名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 23:17:15 ID:bylTnenB0
 
91竜鳴の乱 8:2006/02/17(金) 23:18:34 ID:p8s7msHQ0
 何!? クッ、間に合わない!!
「豆花さ……」
「トンファーウォ〜ク!」
 ドゴォォォ!
 え?
「まだまだ甘いネ」
「さっすがトンファー!」
 トンファーを持った豆花さんが動いたと思ったら襲い掛かってきた奴のほうが吹っ飛ばされてますよ?
「……豆花さん、今何したの?」
「トンファーウォ〜クネ」
「トンファーウォ〜ク?」
「これはクンフーを積んだものだけが体得できる技ネ。中国4千年の歴史は深いネ」
「すごいなー中国は。さすが4千年の歴史やで」
 ……いろいろツッコミたいが、今はそんなことしてる暇はない。 
「とにかく体育館へ行こう」
 その後村田たちと協力して2階の避難誘導は完了。俺も体育館へと向かおう。

「これで全員?」
「3階にはもう誰も残っていない」
「2階も完全に避難させたよ」
 1階も同様。
「外にいたヤツラも集めた。残ってるヤツはいないはずだぜ」
 外の誘導及び偵察からスバルが帰ってきた。
「エリー、人員確認終わったよ」
「どれどれ……、女子は休みとかを除いて全員確保できたのは上出来ね。でも男子の約7割を向こうに持ってかれたか。かなり痛いわね」
「だが、拳法部や剣道部などの武道系の部はこちらが確保した。戦力的には5分だろう」
「乙女さんもいるしね」
「でも、こういう集団戦闘(マスコンバット)では数が重要なのよ」
「カンケーないさ。さっさとフカヒレスマキにして東京湾に沈めてやろーぜ」
「お前はどこのヤクザだ」
92竜鳴の乱 9:2006/02/17(金) 23:19:54 ID:p8s7msHQ0
「いや、策としては正しい。奴らは鮫氷の得体の知れない力で操られているものがほとんどだろう。ということは大将を獲ればこちらの勝ちだ」
「そうだよエリー。鮫氷君さえ殺っちゃえば後は自然に瓦解するよ」
 殺っちゃえばって……。佐藤さん少し怖い。
「そういえばよ、そもそもなんでフカヒレはあんな変な力を持ってるんだ?」
 うーん。
 スバルの疑問に全員で考え込む。
「それには、私がお答えいたしましょう」

「総統、竜鳴館男子生徒の約7割をこちら側に引き込めました」
「うむ。我ながらよくやったぜ」
「残りのヤツラは体育館に籠城しております。いかがいたしますか?」
「放っておこう」
「しかし総統……」
「お前たち、我らの最終目的は何だね?」
「ハハッ、乱れた男女の関係を正しく導くべく、しっとハーレムを築く事であります」
「その通り。まず外に出てさらなる同志たちを増やす。そうすれば一気にハーレムへの道は近づくぞ!」
『オオッ!』
「いざ行かん、ハーレムへの道! フヘヘヘヘヘヘヘヘ!!ヘーッヘッヘッヘッヘッヘ!!」
「なんと、これはまずいことになったようだな。急いで知らせに行かねば……」

「鮫氷君に別人格が憑依している状態なんですか?」
「はい、その通りですわ」
「それって体育武道祭の時の……」
「あの時とはまた違う電波を受信しているようですわね」
「でもあれって祈ちゃんがいないとできないよね」
「まさか祈センセイ……」
「失礼ですわね。そんな1文の得にもならないことしませんわよ」
「だったらなんでフカヒレはあんな力を持ったんだ?」
「恐らくフカヒレさんの強大なしっとパワーが今日、つまりバレンタインの日にピークに達して、第8世界との門を開けてしまったようですわね」
 恐ろしいやっちゃな。自力で異世界の門を開けるとは。
93竜鳴の乱 10:2006/02/17(金) 23:20:51 ID:p8s7msHQ0
「よくわからないが、それで鮫氷は元に戻せるんですか?」
「ハイ。電波払いの儀式を行えば」
「だったら早くやってください。こんなバカ騒ぎには付き合ってられません」
 なごみちょっと不機嫌だな。まあ、俺もなごみとの甘いひとときを邪魔されたのには多少腹が立ってるが。
「そう簡単にできるものではありませんわ。準備が必要です」
「準備とは?」
「ハイ、対象を瀕死の状態に追い込みませんと」
「結局乗り込まないとどうにもならないわけだな」
「だったらさっさと乗り込んで、フカヒレフクロにして、祈ちゃんに払ってもらって、スマキにして海に沈めてしまおーぜ」
「スマキにはするのか」
「どうする、エリー?」
 全員で姫を見る。姫はちょっと考え込んでから決断した。
「そうね、このまま籠城してても埒が明かないわ。こちらから乗り込みましょう」
「よーし決まりだ、全員このボクが血祭りにあげてやんぜ」
「乗り込むのはかまいませんが、どこから侵入するんですか?」
「ヘッ、正面玄関から突っ込みゃいいじゃねーか」
「無茶言うなカニ。さすがに正面突破は無謀だぞ」
「伊達の言うとおりだ。あの数を突破するのは至難の業だ」
「乙女さんならできそうな気がするけど」
「……普段の私ならあれぐらいどうってことないが、今日はちょっと、な。普段の半分以下の力しか出ない」
「え、どうしたの乙女さん。体調でも悪いの?」
「う、うるさい! 乙女にそんなこと聞くな!」
「うべばっ!」
 なぜ蹴られる!? しかしいつもの威力が無い。体調がよくないのは本当らしい。
(あの日、ね)(あの日だね)(あの日か)(あの日ですわね)(拾い食いしたね乙女さん)
 女子連中はわかっているようだが……。
 スバルも「修行が足りねえ」と言いたげな目で見ている。
「にしても乙女さんが不調の上、館長も不在だなんて……」
「機械仕掛けの神様の力が働いてるみたいね」
「?」
94名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 23:21:22 ID:bylTnenB0
 
95竜鳴の乱 11:2006/02/17(金) 23:23:44 ID:p8s7msHQ0
 姫、何言ってるんだ?
「とにかくなんらかの作戦を立てないと……」
「おおーい、大変だぞお前ら」
「スパイに行っていた土永さん。何かあったのですか?」
「うむ、耳の穴をかっぽじってよーく聞け」
 ……しっと団の野望説明中……
「なんだと!? フカヒレがハーレムを作ろうとしているだと!?」
 なんて素敵なこと、もとい大それたことを。
「まずいぜ姫。このままじゃ世界はフカヒレの手に落ちちまう!」
「そんなことはさせないわ。ヤツラを竜鳴館から出させるわけにはいかない!」
「そうだな。竜鳴館の名誉にも関わる。絶対に外に出してはならない」
「悪に立ち向かう正義のヒーロー……。くーっ、燃えるーっ。よし、今こそ私たちの結束の力を見せるときよ!」
『オオーッ!』
「盛り上がってきたね。特に姫ノリノリだ」
「エリー、こういうノリが大好きだから」
「よし、作戦を説明するわよ!」
96竜鳴の乱 12:2006/02/17(金) 23:24:52 ID:p8s7msHQ0
「クケーッケッケッケッケッケッケッケ!!!!」
「総統、そろそろ参りませんか?」
「おおっと、ハーレムに思いを馳せていたら笑いが止まらなくなってしまっていた。では、そろそろいくか!」
「総統、大変です!」
「なんだどうした」
「ヤツラが、玄関を塞いでいます!」
「何!? なかなか早い対応だな……」

「急いでバリケードを作れ! 奴等が来る前に完成させるんだ!」
「鉄先輩、西側、東側バリケード完成した模様です」
「よし、村田、お前は東側の指揮を取れ。西側は赤王、私は正面の指揮を取る。」
「ハイッ!」
「いいか、この戦い、負けるわけにはいかない! 全員気合を入れろ!!」
『オオオオーッ!!』

「ほほぅ……、少ない兵を割ってまで全ての玄関を塞ぐか。どうあっても我々を外に出させないつもりだな」
「いかがいたしますか、総統」
「決まってる、ハーレムの邪魔をする奴はみんな犯っちまえ&掘っちまえ」
「では……」
「うむ、これは戦争だ!」
97名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 23:25:12 ID:+tTNOqPIO
支援
98竜鳴の乱 13:2006/02/17(金) 23:26:03 ID:p8s7msHQ0
   Chapter2.Believing My Justice
「どうでしたか土永さん?」
「うむ、ヤツラ見事に引っかかってくれたようだぞ。ターゲットは屋上だ」
「さすが姫。ナイス作戦」
「陽動なんて基本的過ぎるけどね。効果的ではあるわ」
 姫の立てた作戦はいたって簡単である。
 乙女さん率いる武道部連合+αで敵を引き付けて、敵が手薄になったところに少数精鋭の部隊が目立たぬところから侵入、敵大将の首を獲る。
 そしてその少数精鋭の部隊は乙女さんを除く我ら生徒会執行部である。
「乙女さんがいないのは多少不安ではあるけど」
「乙女センパイじゃないと武道系の部の指揮は取れないだろうからね。仕方ないわ」
「エリー、私も行かなきゃダメ?」
「お約束というか作者の都合ね。大丈夫、よっぴーは私が守るわ」
「作者の都合? 姫ナニ言ってんだろね」
「世の中にはツッコンじゃいけないこともあるんだぜカニ坊主」
「私も行かないといけないのですか……」
「祈センセイがいないとフカヒレ君の電波を払えませんから」
「無理するなよ、なごみ」
「ハイ、大丈夫です」
「ケッ、ココナッツなんざ殺られちまえ」
「そんなことは俺が許さん」
「センパイ……」(キラキラ)
「レオも成長したなあ」
「ちくしょー、ムカついてきた。早く誰か血祭りにあげてー」
 カニが悪態をついたとき、正面玄関のほうから、鬨(とき)の声があがった。
「始まったようね。よし、私たちも行くわよ」
99竜鳴の乱 14:2006/02/17(金) 23:27:47 ID:p8s7msHQ0

「戦況はどうだ」
「総統、我が軍は3方向とも優位に進めております」
「フフフフフッ、圧倒的ではないか我が軍は。よし、さっさとケリをつけるか。1番優位に進めているのはどこだ?」
「ハイ、正面です」
「正面……? 正面には確か乙女さんがいたな……。誘いか、それとも本当に……」
「いかがいたしますか」
「……よし、最低人数を残して予備兵力を全て正面に投入しろ!」

「左翼、下がりすぎだ! 何をやっている!」
「総司令官殿、敵の増援部隊が正面に加わった模様です」
「増援が来たということはこちらの思惑通りだな。さあもう少しの辛抱だ。気合を入れろ!」
「ハイッ!」

 俺たちは侵入ルートに東側玄関の裏手を選んだ。1番目に付きにくく、隠れる場所も多い。
 ときおり敵側とおぼしき人間が通るがそれほど頻繁ではない。乙女さんたちが引き付けているからだろう。
「よしいいぞお前たち」
 先を見てきた土永さんが手招きしている。鳥類って便利だぜ。
「よっし、侵入成功っと」
「これからどうするんだ?」
「東側階段から2階へ」
「了解」
 日ごろの行いがよかったのか、階段まではエンカウントなしでたどり着くことができた。
「うーん」
「どしたの姫。ここまでは順調だよ?」
「順調すぎてつまんない。やっぱヒーロー物なら襲いくる敵をなぎ倒しながら行きたいわね」
「いや別に俺たちヒーローじゃないし」
 そんなことを話しつつ2階へと上がっていく。するとその時!
「誰だお前ら!」
 見 つ か っ た !
100竜鳴の乱 15:2006/02/17(金) 23:29:08 ID:p8s7msHQ0

「正面の敵軍が徐々に下がりつつあります」
「ヘッヘッヘ、乙女さんのあがく姿を想像するだけで勃っちまうぜ」
「フフフフ、総統も相当スキモノですな」
「……そいつを押さえつけろ」
『ハッ!』
「な、ナニをなさいますか総統!」
「しっと団に下品な男は不要だ」
「いやーーーっ、牛乳雑巾の刑だけはやめてーーーーーっ」
「申し上げます!」
「なんだどうした」
「東側階段に7名の侵入者ありとのことです!」
「あんだとを!」
「いかがいたしますか」
「残りの予備兵力と校内の守備隊でそいつらを迎え撃て!」
「ハッ!」

「チィッ、1人逃しちまった……」
 スバルが悔しそうに歯噛みしている。これで敵側に俺たちのことがばれてしまった。
「これで戦闘は避けられないか……」
「思ったより早く見つかったな」
「いいじゃない。なんのために攻撃力に定評のあるチームを組んだと思ってるの」
「その通りだぜ! ヘッヘッヘ、今宵のコタツは血に餓えてるぜ」
「虎徹だろカニミソ」
「それにデッキブラシを持ってすごんでも滑稽なだけだ」
「うるせーココナッツ! テメーから先に血まみれにしてくれんぞ?」
「やってみろよ?」
「ハイハイ、ケンカはそれまで。敵さん、やってきたわよ?」
 姫の指差す方向を見ると、何人かがこっちに向かってきているのが見えた。
「こうなったら戦(や)るしかないぜ」
「そうそう、読者もこういう展開を待っていたんだから」
101名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 23:29:50 ID:bylTnenB0
 
102竜鳴の乱 16:2006/02/17(金) 23:30:34 ID:p8s7msHQ0
「読者? 佐藤さん、姫は一体ナニを……」
「今日のエリーにはあまりツッコまないほうがいいと思うよ」
 なんか佐藤さんの持ってる竹刀が怪しく輝いたような……。
「ごちゃごちゃ言ってないの! 陣形を組むわよ!
 いい? 私たちはインペリアルクロスという陣形で戦うわ。
 よっぴーと祈センセイが中心。前衛に対馬クン。
 教室側を私、窓側をカニっちとなごみんで固める。
 そしてしんがりをスバル君がお願い。
 対馬クンのポジションが一番ハードよ。覚悟して戦って」
「俺が先頭で戦闘するのでありますか!? スバルのほうがいいんじゃ……」
「こういう場合はね、先頭がハードだけどしんがりが1番重要なのよ。挟み撃ちされたら目も当てられないでしょ」
 う、確かに。
「そんなわけでスバル君、後方はお願いするわよ」
「わかった。任せといてくれ」
 スバルが指を鳴らす。中学のとき、スバルと組んで喧嘩していた頃を思い出す。確かに背中が安全だと戦いやすい。
「窓側からは来ないと思うから、カニッチとなごみんは対馬クンとスバル君のフォローをお願い」
「わかりました」
「よーしレオ、安心しやがれ。オメーがしくじってもボクがきっちりカタをつけてやるからな」
「あたしがセンパイのフォローをするんだ。お前は伊達先輩のほうに行け」
「うるせー! 誰がテメーの指図なんか受けるか! ボクがレオのフォローをするんだ!」
「傷つくねぇ」
「よっぴーと祈センセイは中央で応援してて」
「みんながんばってね」
「ファイトですわー」
「がんばれジャリ坊ども」
 姫の指示通りに陣形を組む。敵がジリジリとこっちに向かってくる。
「あいつらを倒してから3階に行くわよ」
 しょうがねえ。覚悟決めるぜ!
「いくぞ!」
103竜鳴の乱 17:2006/02/17(金) 23:32:07 ID:p8s7msHQ0

「喰らえ! 竜神乙女拳!」
「のぎゃああああああ」
 目の前の男Aが必殺技を喰らって吹っ飛んでいく。
「乙女さんの鍛錬は伊達じゃない!」
「ヒュウ、対馬クンもやるわね」
「姫えええええええええええ」
「甘い、甘い。お嬢様トラップキック!」
 姫の必殺技を喰らって、男Bが前のめりに倒れた。
 にしても姫が攻撃するとバラの匂いがするのはなぜだ?
「ドオオオォォォォォリャーーーーーーーーーーー」
「あばーん」
 すこーんといい音が響いた。
「カニ、デッキブラシを振り回すな! 当たるだろうが!」
「ヘッ、ニブい動きしてるヤツがワリーんだよ! 恨むならテメーのニブさを恨みな!」
「このカニが……!」
「天誅うっきょおおおおおおおおぉぉぉ」
「ウザい! 潰すぞ!」
「もう潰してマース!!!」
 戦闘終了。全員無傷。雑魚共にやられる俺たちではない!
「よし、新手が来ないうちに3階へ行くわよ!」
「み、みんなすごいね」
「怒涛の進軍ですわね」
「オレの出番まだか?」
 3階に駆け上がる。しかしそこに待っていたのは更なる新手であった!
「ゲッ……、あんなにいるのですかよ……」
 思わず日本語が狂ってしまった。ざっと30人ぐらいいそうだな。
「おー、あれはちょっとキツイかもね」
「だったら逃げろ。誰も止めないぞ」
「ヘン、ココナッツこそ逃げていいんだぜ」
「障害を排除して進んでこそのヒーローよね」
104竜鳴の乱 18:2006/02/17(金) 23:33:43 ID:p8s7msHQ0
「! 後ろからも来てるぜ」
「挟み撃ちか……、予想してたけど」
「お願いね、スバル君」
「ようやく出番か。安心しな、後ろのヤツラは全員倒す。みんなには指一本触れさせねえ」
 頼もしいなスバル。安心して背中を任せよう。
「みんな……」
「よっぴー、そんな顔しないの。私たちが雑魚にやられると思う?」
「私はみなさんを信じていますわ」
「安心しろ。お前たちがやられても我輩はすぐに逃げられる」
 何かあったら真っ先に土永さんを生贄にしよう。
「行くわよみんな、It's show time!!」

「だおるあああああ」
「クッ!」
 男Eの蹴りをガードする。体が衝撃に耐え切れない! 体勢が崩れる。
 そこに男Fの追撃が来た。よけられない!
「レオォ、伏せろぉぉ!」
 後ろからカニの声。その声に反応し、身を低くする。
 俺の頭上をカニの虎徹(←デッキブラシ)が勢いよく通り過ぎていく。
 カニの一撃を喰らった男2人はもんどりうって転がっていった。
「スマン、カニ。助かった」
「ヘヘヘ、どーだ見たかココナッツ。これがボクとレオのコンビプレイだ」
「お前は無茶苦茶振り回してるだけだろうが! センパイ、大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ」
 こんな感じで敵を倒してはいるのだがいかんせん数が多い。
 しかも俺は先頭なので必然的に戦闘回数も多い。早くも俺のスタミナは底を尽きようとしていた。
「どうしたのっ! 対馬クン! もうっ、ヘバッた、のっ!」
 姫の華麗なコンビネーションが男Hに決まった。
 姫も結構な数を倒してるというのに、まだまだ元気だな。
 女の子に負けてられるか。
105名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 23:34:24 ID:bylTnenB0
 
106竜鳴の乱 19:2006/02/17(金) 23:35:21 ID:p8s7msHQ0
「まだまだ! いけるっての!」
 気合を入れて立ち上がる。よし、まだいける。
「対馬君、がんばってー」
「ファイトですわー」
 ありがとう2人とも。
「センパイ、無理しないでください。あたしが先頭に立ちます」
 なごみ。
「いや、大丈夫だ。お前はフォローを頼む」
「センパイ……」
 安心させるように無理やりに笑う。なごみと見つめ合う。一瞬だけ時間が止まる。
 しかし敵はこの時を見逃してくれなかった。
「うがあああああ、イチャイチャしやがってえええええぇぇっぇ」
「レオ! あぶねー!」
 しまった! よけられるか……間に合わない!?
 ダメージを覚悟したその時!
「えーい!!!!!!」
 ゴスッ!
「があっ……?」
 俺の顔の横を竹刀が通り過ぎている。 
 佐藤さんの持つ竹刀の先っぽは、男Gの喉元に見事に入っていた。
「大丈夫!? 対馬君?」
「あ、ありがとう、佐藤さん……」
 男Gは声も出せずに転げまわっている。さすがにこの光景にはみんなちょっと引いた。
「うわー……、痛そー」
「エグイですね」
「よっぴー、容赦なしね……」
「モロ急所に入りましたわね」
「ありゃ致命傷だな」
「……オォ、怖え……」
 敵さんもボーゼンだ。
107名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 23:35:29 ID:prbFcg2o0
支援
108竜鳴の乱 20:2006/02/17(金) 23:36:58 ID:p8s7msHQ0
「なにボーっとしてるの。態勢を立て直すわよ」
 姫の声でみんな我に返る。
「対馬クンは下がって。先頭には私が入るわ。なごみん、私の位置に。よっぴー、対馬クンに水を」
「いや、姫、俺はまだ……」
「ていっ、お嬢様小足払い」
 ぐあっ。
「ホラ、これぐらいで転ぶようだと持たないわよ。少し休みなさい。先はまだ長いんだから」
 くっ……、仕方ないか。
「じゃあ……」
「待て待てエリカ。ここは我輩が先頭に立とう」
「土永さん!?」
「ちょっと、インコに何ができるってのよ」
「我輩はオウムだ! ま、ここは任せるがよい。小僧、しっかり休んでおけ」
 そう言って土永さんは敵に向かっていった。
「ちょ……、祈先生、大丈夫なんですか!?」
「まあ、大丈夫でしょう」
 ホントかよ……。
「そういうわけで我輩が相手をしよう」
「鳥類ごときが図に乗るなあああぁぁ!」
 男Kの攻撃!
「フッ、ハエが止まるぞ」
 しかし土永さんはひらりと身をかわした。
「鳥類を舐めると痛い目にあうということを教えてやろう。行くぞ」
 土永さんは天高く舞い上った!
「これがぁ、我輩の最高の技だ。奥義! スコスコ、スコスコスコ!」
「いだだだだだだ」「痛ぇ、痛ててててて」「鳥の嘴って超痛え!」
 土永さんは瞬く間に敵3人を倒した!
「見たか! これぞ奥義・鳳翼天翔!」
「おぉー、土永さんすげー!」
「やるじゃない、インコ」
109竜鳴の乱 21:2006/02/17(金) 23:38:43 ID:p8s7msHQ0
「我輩はオウムだと言っとるだろうが!」
 強いんだな土永さん……。これが野生の血か?
「ハイ、対馬君、水」
「ありがと、佐藤さん」
 この際だ。しばらく休ませて貰おう。
 そう言えばスバルはどうなってるんだろう。
「オラァ!!」
 スバルのパンチが男Jを5メートルほど吹っ飛ばした。
「つ、強い……」
「面倒だ、まとめてかかってきな」
「グッ、なめんなあああぁぁぁ!!」
「オゥラァァァァァァァァァァ!!」
 なんつー強烈な蹴りだ……。5人まとめて吹っ飛ばしたぞ……。
「ここから先は通すわけにはいかねえんだよ!」
 1人であの数を圧倒している。強い、強すぎる。
「オーイスバル、大丈夫か」
「全然余裕」
 息も切れてない。なんて頼もしい男だ。
「突くかぁ、刺すかぁ、土下座してでもえぐられるかぁ!!」
 前線では土永さんが奮戦している。
 よし、休ませてもらったおかげでだいぶ体力が回復した。
「ありがとう土永さん。交代するぜ」
「なんだ、もういいのか。せっかくこれから我輩の最終奥義・鳳凰幻魔嘴が炸裂するとこなのに」
 さっきのが最高の技じゃないのか?
「やれるの? 対馬クン」
「オメー無理すんなよ」
「ああ、いけるぜ!」
「センパイ……」
 そんな心配そうな顔するなよ。
 なごみの頭をポン、と撫でておく。
「さあ、こいや!」
110竜鳴の乱 22:2006/02/17(金) 23:41:29 ID:p8s7msHQ0

「正面側が押し切れません、東側西側も押され始めています」
「罠だったか……。このままでは半包囲されるな……」
「申し上げます! 侵入者の迎撃に向かった部隊の半数以上が撃破されました!」
「ナニィ!?」
「このままだとここまで侵入を許す恐れがあります」
「仕方ない、東側西側の兵を割いて迎撃に当てろ」
「しかしそれでは……」
「内部をかき乱されては話にならん。東側西側は攻めるのをやめ、防戦に徹しろ」
「ハッ」
「クソ、シミュレーションゲームでは負け無しだったのに。
 これは敗色濃厚だな……。まあ、この『ゲーム』自体の勝敗はどうでもいい……。せいぜい楽しませてもらうとするか……」

「戦況はどうだ?」
「ハッ、それなりに被害は出てますがまだまだ十分余力はあります」
「よし、このまま現状を維持……」
「申し上げます鉄総司令官!」
「何だ」
「東側西側の敵が防戦体制に入った模様です」
「何だと?」
「しかも兵の数が減っていることが確認されていますが……」
「……おそらく姫たちのことがバレたな」
「では総司令官殿……」
「全軍に告ぐ! これより校舎内の姫たちの援護に入る! 各軍、突撃隊を編成せよ!」


「これで……、最後だッ!」
「うわらば」
 最後の1人がパンチを喰らって飛んでいった。
 敵の群れを倒した!
「ハァッハァッハァ……、ぜ、全員倒したぜ……」
111名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 23:41:39 ID:bylTnenB0
 
112竜鳴の乱 23:2006/02/17(金) 23:43:27 ID:p8s7msHQ0
「オイ、レオだいじょ……グヘッ!?」
「センパイ大丈夫ですか!?」
「な、なんとか……」
「ふぅ、ご苦労様。対馬クン」
「姫は余裕だね……」
「別に余裕ってわけじゃないんだけどね。お嬢のたしなみとしてヘバッた姿なんて見せないわよ」
 そうなのか……。お嬢も大変だ。
「みんなは大丈夫?」
「私は全然平気だよ」
「私もですわ」
「我輩も余裕だな」
「オレもまだまだいけるぜ」
 スバルの戦闘数は俺より多いはずだが……。さすがだな。
 ん?
「オイ、カニ。なんでそんなところで転がってるんだ?」
「あらま、何してんのカニっち」
「テ、テメェ……ココナッツ……! このボクを押しのけるとはいい度胸だ……」
「ああ、さっき何か当たったと思ったらお前か」
「ウガァーッ!! オイテメーそこに座りやがれーっ! なんだその目は! って言いながらテメーの頭ぶん殴ってやるわぁー!!」
「オイオイ、落ち着けってカニ坊主」
「ウガァーッ!! 放せスバルーッ!」
 カニはスバルにがっちりと羽交い絞めにされている。
「クク、いい顔」
「なごみ」
「なんですか?」
 こんな時に火種を作るようなことはしてはいけない。ここは彼氏としてビシッと言っておこう。
「こーゆー時くらいはチームワークを大事にしないとめーだぞ!」
「あっ……ハイ……スミマセンでした」
 あっ、シュンとしてしまった。
「あ、いや、わかればいいんだ、わかれば」
 優しく頭を撫でてあげる。細かいフォローは忘れないぜ。
113竜鳴の乱 24:2006/02/17(金) 23:45:19 ID:p8s7msHQ0
「椰子さんは対馬君の言うことは聞くんだねえ」
「そりゃ〜そうよ。愛しのセンパ〜イの言うことですものォー」
 ハッ、しまった! 姫が邪悪な笑みを……。
「あーん、センパイ、大丈夫ですかぁ〜?」
「それは誰の真似ですか!?」
「椰子さんだよ。とっても似てるよエリーの物真似」
「ホントよっぴー、そんなに似てた?」
「うん、もうそっくり」
「いじめはありません」
「オメーラボクを放置するな!」
「まあまあ落ち着け、オレが撫でてやっから」
「くぅう、ガキ扱いすんなよ!」
 ああ、もうてんやわんや。収集がつかねえ。
「すと〜っぷ!!
 お前たち、ラブラブ話よりも今は先へ進むことのほうが先決ではないかね?」
 それはそうなのだが鳥にだけは言われたくなかった……。
「そうね、無駄な時間をすごしてしまったわ。急いで先に進むわよ」
 ホントに無駄な時間でした。
「後は中央階段を昇れば屋上はすぐだよ」
「よし、さっさと階段まで……」
「いたぞ! こっちだ!」
 ! 新手か!
「オイ姫、後ろから新手が来たぜ」
「! 西側からも来てるよ!」
 カニの指差す先、西側階段から、敵らしき人がわらわらと出てきているのが見えた。
「ここで戦闘するときついわね。ここはダッシュで中央階段まで行くわよ」
「そうだね。階段さえ押さえれば戦いやすい」
「私走るのは苦手なのですが……」
「祈ちゃんはオレにおぶされ」
「助かりますわー」
114竜鳴の乱 25:2006/02/17(金) 23:47:05 ID:p8s7msHQ0
「よっ……、ッツ」
「……伊達さん?」
「オイ小僧、どうした。祈の巨乳を背中に感じて変な気を起こしてるんじゃなかろうな」
「オレはそこまでウブじゃねえ」
「準備OK? それじゃ……、全力ダーッシュ!!!」
「逃げるぞ!」「追えーっ!」「待ちやがれー!」
「待てと言われて待つバカいねーよ!」
 カニの言うとおり。
 俺たちは走った。激闘の後でクタクタだったが、もつれそうになる足に鞭を入れ、一心不乱に走った。その結果。
「フハハハハ、ようやく追い詰めたぞ曲者どもが」
 間に合いませんでした。
 前にも後ろにも敵、敵、敵。これは俗に言う挟み撃ち。そして俺らは絶体絶命。
「クソッ、後5メートルが遠い……」
「嘆いてもしょうがないわ。陣形を組むわよ」
 みんな無言で陣形を組み出した。
 クソ、やるしかない。しかし消耗した状態でどこまでやれるか……。
「覚悟しやがれ!」
「来るわよ!」
「待て待て待てーい!!」
 どこからともなく、声がした。そしてなぜかスピーカーから曲が流れ始めた。
 この声、そしてこのテーマ曲!
「なんだ! このおんがくは!」
「青嵐脚!」
「あじゃばー!!」
 5人くらいまとめてブッ飛ばしつつ現れたのは! そう、この人!
「鉄 乙女!! 推参!!!」
「乙女さん!」
「GOOD タイミーング、乙女センパイ!」
「無事なようだな、お前たち」
 ホントにナイスタイミングだよ乙女さん。
115名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 23:47:14 ID:bylTnenB0
 
116竜鳴の乱 26:2006/02/17(金) 23:48:47 ID:p8s7msHQ0
「いや、もう満身創痍。乙女さんが来てくれて本当に助かる」
「まったく根性なしが。このぐらいでバテてどうする」
「でも対馬君、がんばってましたよ」
「そうね、対馬クンにしてはがんばってたわね。ところで乙女センパイ、屋上への道を開けてくれます?」
「わかった。お前たちは少し休んでいろ。すぐに開けてやる」
 乙女さんが臨戦態勢に入る。不調とはいえ、すさまじいプレッシャーだ。
「さあ、かかってこい」
「クッ、たった1人でなにができるかぁー!!」
「1人ではないぞ!」
 この声は!?
「村田洋平、見参!」
『そしてその他大勢もちょっと遅れてただいま到着!』
 村田に続いて武道系連合の猛者たちがぞくぞくと現れた。
「鉄先輩、曲のほうは上手くいきましたか?」
「ああ、タイミングバッチリだったぞ」
「川村、お前が流してたのかよ」
「村田だ! なんだ対馬か。フン、その様子だとだいぶ苦戦したようだな」
「うるさい。っていうかお前までここに来て大丈夫なのかよ」
「下のほうは赤王先輩に任せてある」
 赤王? 確かドッヂのときに乙女さんのレーザービームを喰らった人だっけ。剣道部主将の。
「ま、ここは僕達に任せてもらおうか」
「行くぞみんな! こいつらを蹴散らすぞ!」
『オス!!!!』
 乙女さんの号令と同時に猛者たちが派手に暴れだす。数の差など物ともしない勢いだ。
 それでいて俺たちの安全を確保しながら戦っているのはさすが、と言えよう。
117竜鳴の乱 27:2006/02/17(金) 23:50:33 ID:p8s7msHQ0
「ふぅ、私達は乙女センパイたちが道を開けてくれるまで休みましょう。巻き込まれないように注意してね。よっぴー水ちょうだい」
「はい、エリー」
「ん、ありがと。ケガしてる人は今のうちに手当てしちゃってね。よっぴーが湿布やらバンソーコやら持ってるから」
 そう言われると途端に体の何ヵ所かが痛み始めた。結構ダメージ受けたからなあ……。
「センパイどこか痛みますか」
「ん……、ひどいケガはないけど結構痛むとこはあるね。湿布何枚か貰ってきてくれ」
「ハイ」
 あたた、本格的に痛み出してきた。ホント、乙女さんたちが来てくれなかったら危なかったな。
「なんだよレオ。ずいぶんきつそーじゃねーか」
「うっせーカニ。お前はどうなんだよ」
「ヘッ、ボクは無敵だぜ? あんなヤツラからダメージを貰うわけが……」
「手、見せてみな」
「あ、なにすんだスバル……、イテッ!」
「爪が割れてっし、皮がむけてるとこもあるじゃねーか。よっぴー、バンソーコくれ」
「だ、大丈夫だってスバル。このぐらい……」
「いいから言うこと聞け」
「……うん」
「レオもちゃんと手当てしとけよ。ほらカニ、こっち座れ」
「あーっ、引っ張るなよ!」
 カニはスバルに引っぱられていった。
「センパイ、湿布貰ってきました。痛むとこを言ってください」
「ああ、ありがと」
 なごみに湿布を貼ってもらう。くーっ、冷たくて気持ちいい……。
「っと……。他にありますか?」
「いや、もういいよありがと。そういえばなごみはどこも痛くないのか?」
「あたしは大丈夫です」
「ホントか?」
 いろいろなごみの体を調べてみる。……んー、特に痛そうにはしないな。
「大丈夫そうだけど、痛むとこがあったらすぐ言えよ」
「ハイ、ありがとうございます」
 他のみんなはどうかな。
118竜鳴の乱 28:2006/02/17(金) 23:52:25 ID:p8s7msHQ0
「よっし、これで終わりだ。……どうした、カニ?」
「……あんがと」
「……どーいたしまして」
「よっぴー、私にも湿布を1枚くださいな」
「あれ祈ちゃん、どっかケガしたの?」
「いいえ、あなたにですわよ、伊達さん」
「……祈センセ、いつ気づいた?」
「私をおぶっていた時ですわ。妙につらそうでしたから」
「なんだよ、スバルもどっか痛めてたのかよ」
「はい、カニさん。伊達さんは足を痛めたようですから、手当てをしてあげてくださいな」
「よーしスバル、麗しいこのボクが手当てしてやっから足だしな」
「……じゃ、お願いすっかな」
「祈もなかなか味なことをするなあ」
「こうでもしてあげませんと面白くなりませんわー」
「あたたた、よっぴー、もっと優しく!」
「あ、ごめんごめん。……よし、はい終わり」
「ふーっ、この私がここまでダメージを受けるとはね。まだまだ修行が足りないわ」
「エリーは十分強いと思うけど」
「こんなもんじゃ満足しないわよ。もっともっと上を目指さなきゃね」
 なんかみんな結構ダメージ受けてんのな。
 ま、あれだけの数相手にしたんだ。乙女さんでもない限り無傷ってわけにはいかないだろうな。
「センパイ、どうしました? 痛むんですか?」
「ん……、いや、なんでもない。もう少しだ、がんばろうな」
119名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 23:53:03 ID:bylTnenB0
 
120竜鳴の乱 29:2006/02/17(金) 23:54:20 ID:p8s7msHQ0
   Chapter3.決戦!『フカヒレ』
「よっし、そろそろ行くわよ」
 乙女さんたちの活躍により、屋上への道が確保されている。
「じゃあ、乙女さん俺たち行くよ」
「気をつけろよ! 私もこいつらを片付けてから行くからな!」
「ヘヘッ、乙女さんの出番は無いぜ。ボクたちで終わらせるからね」
「ふふっ、その意気だ。無理はするんじゃないぞ!」
 乙女さんの言葉を背に受け、俺たちは屋上に向けて走り出す。
 屋上までは何の障害も無かった。ただ、屋上へと校舎を分け隔てるドアだけが、静かに重苦しい雰囲気を放っていた。
「ようやくここまで来たわね」
「この先にフカヒレがいるんだね」
「長かったね」
「だがもうそれも終わりだぜ」
「早く終わらせてしまいましょう」
「ですが、油断は禁物ですわよ」
「その通りだ。ここでしくじれば、全てが水の泡だぞお前たち」
「大丈夫さ……、俺たちならな!」
 俺が先頭に立って、ノブをつかみ、ドアを開けた。
「うおっ」
 ドアを開けた瞬間、冬の冷たい風が俺たちに向かって吹いてきた。
 風の強さにおもわず顔をそむける。ついでに佐藤さんのパンツが見えてしまった。
「フカヒレ、どこだー!」
 カニが飛び出していく。俺たちもそれに続く。
「フカヒレいねえな」
「隠れてるのかもしれないよ」
「よし、隠れられそうなところを探して……」
 パチパチパチパチパチパチパチ。
「なんだ? 拍手の音……?」
「! 上、給水タンクです!」
 なごみが指差す先、給水タンクには、フカヒレが座っていた。
121竜鳴の乱 30:2006/02/17(金) 23:56:22 ID:p8s7msHQ0
 フカヒレは、俺たちを眺めながら拍手をしている。
「見つけたぜ、フカヒレ!」
「ククククク、ハハハハハハハハ!」
「何笑ってやがる!」
「フカヒレ、もうお前1人だ。今なら水に流してやる。大人しく降りて来い!」
「おめでとう! このゲームの勝者はお前たちだ!」
「ゲーム?」
「この俺が考えた、面白いゲームだ!」
「どういうこと?」
「俺は素晴らしい力を手に入れた。そしてしっと団を作ったのだ」
「何考えてるんですか!」
「しっと団、いや、俺1人でも十分世の中を変えることができた。だがそれだけでは面白くない」
「そこでゲーム……、ですか?」
「そう! その通り!! 俺はリアルでシミュレーションゲームをやってみたかったんだ!」
「ってことは、この騒ぎは全部お前の手のひらの上だったというわけか」
「なかなか理解が早い。多くのものが敵味方に分かれて戦いあう姿は画面上では味わえない感動をもたらした。
 そして圧倒的不利な中、ここまで来れたお前たちはとても素晴らしいモノがある! どうだ、仲間にならないか?」
「誰がテメーの言うことなんか聞くか! よくもボクたちを、みんなをおもちゃにしてくれたな!」
「それがどうかしたか? どうせ俺がこの世を支配するのだ」
「俺たちはお前の思い通りになんかならない!」
「この俺に逆らうとは……、どこまでも面白いヤツラだ! どうしても戦るつもりか。
 これもいきもののサガか……。いいだろう、この俺が手に入れた力、とくと目に焼き付けておけ!」
 結局こういう展開か! 戦闘準備だ!
 と、そこに。
122竜鳴の乱 31:2006/02/17(金) 23:59:12 ID:p8s7msHQ0
「皆さん、よく聞いてください。今のフカヒレさんはとても危険ですわ」
「確かに今のフカヒレはいろんな意味で危険だよね。元々危険なヤツだけど」
「そんな能天気なものではありませんわ」
「どういうことですか、祈センセイ」
「私が思っていた以上にフカヒレさんに憑依している人格は強力なもののようです。このままではフカヒレさんの人格が消滅する恐れがあります」
「フカヒレが消滅!?」
「ハイ、長い間強力な電波を受信し続けたことで、フカヒレさんの人格が侵蝕されつつあります」
 そういえば、まだこの騒ぎの当初は元のフカヒレらしさが残っていた気がする。だが今は別人のようだ。
「まだ完全には侵蝕されてはいませんが、それも時間の問題ですわ」
「だったらすぐにフカヒレを倒して、電波払いの儀式を行いましょう」
「言ったはずですわ。思ったより強力だと。普通の儀式では無理ですわ」
「だったらどーするのさ!」
「もう1つの手段がありますわ。でもコレは時間が掛かる上にカニさんの協力がないと……」
「へ、ボク?」
「まさか祈、アレを使う気では……」
 アレ、アレってなんだ?
「オイ、もうつべこべ言ってる暇はねえぞ。フカヒレが来るぜ!」
 確かにもう相談してる暇はなさそうだ。
「わかりました。私たちが時間を稼ぎますからその手段で何とかしてください」
「了解ですわ。では準備に入ります」
「よし、対馬クン、スバル君、私でフカヒレ君の相手、なごみん、よっぴー、祈センセイを守って。カニっちは祈センセイの指示に従って!」
「了解! いくぞスバル!」
「オオ!」
「センパイ、気をつけて……」
「こっちは任せて、エリー」
「頼むわよ!」
 いくぜ! 最終決戦!
123名無しさん@初回限定:2006/02/17(金) 23:59:24 ID:bylTnenB0
 
124竜鳴の乱 32:2006/02/18(土) 00:01:12 ID:h7Moy7R20
「で、祈ちゃん。ボクはどうすればいいのさ」
「祈、お前まさか『業州斗彗破』を使う気では……」
「その通りですわよ」
「やはりそうか……」
「な、なんなんだよその『ごうすとすいは』ってのは」
「うむ、『業州斗彗破』というのはだな……」

<業州斗彗破(ごうすとすいは)

 中国唐の時代、業州という町があった。ある時業州に、斗彗という悪霊が現れ、瞬く間に町を恐怖のどん底に陥れた。
 しかしそこに通りかかった旅の霊能者の美神(メイシェン)が命がけの激闘の末に、斗彗を退治した。
 その時使われた技は日本にも伝わり、業州の斗彗を破った技、『業州斗彗破』と呼ばれ陰陽師たちの切り札となったという。
 余談ではあるが、90年代に大ヒットした漫画『ゴーストスイーパー美神』はこのことにヒントを得たと推察される。
                         〜竜鳴出版刊『地獄先生へ〜ぞ〜』より抜粋〜>

「なんだよそのウサンクサイ話は!」
「真実はどうあれそういう技があるのは本当ですわ」
「その技を使うの?」
「ハイ、私1人では無理な技ですから、自称霊感の強いカニさんに手伝ってもらいますわよ」
「……痛くない?」
「多少息切れする程度ですわ。では、始めますわよ……」
125竜鳴の乱 33:2006/02/18(土) 00:03:02 ID:h7Moy7R20
「2人とも油断しないようにね。今のフカヒレ君は別人よ」
「確かに体育武道祭の時のも、洋平ちゃんを一蹴するほどの強さだったからな。今はそれ以上と見るべきだ」
「まったく、グレートだぜ」
 『フカヒレ』が近づいてくる。まずは牽制してどれほどの力があるかを見るべきか……。
「ではいくぜ……!」
 そう言ったと思った瞬間、『フカヒレ』は俺の目の前まで瞬時に移動していた。
 速い……!
 一瞬で間合いに入られたと思ったら、次の瞬間には、アッパーが俺の顎を打っていた。
「うおっ……?」
「レオ!」
 スバルがすぐに殴りかかりにいくが、『フカヒレ』を捉えることはかなわず、拳が空を切る。
 体勢の崩れたスバルのみぞおちに『フカヒレ』の肘が入る。
「この……!」
 姫の蹴りも空気を切る音がしただけで、『フカヒレ』は再び俺たちと間合いを取っていた。
「チッ……、2人とも大丈夫!?」
「あ、ああ。クソ、なんて速さだ」
「だが確かに速いがそれだけだぜ。あまり力は無いみたいだ」
 スバルに言われて気づく。さっきのアッパーはもろ顎に入ったはずだが、特に大きなダメージではない。
 スバルも急所への一撃を喰らったはずなのにピンピンしている。
「なるほど……、スピードだけってことね。だったらカウンター狙いといきましょう。相手の攻撃の隙を捉えるわよ」
 それしかないな。闇雲に攻撃してもかわされるだけだ。
 幸い向こうの攻撃は軽い。だったらダメージ覚悟で反撃するほうが確実だろう。
 『フカヒレ』は自分の手を握ったり閉じたりしている。
「ふむ……、この体ではこれが限界か?」
 フカヒレがまた近づいてくる。
 俺はどっしりと構えて、相手の攻撃に備えた。
「かかってこないのか? なら、こちらから……」
 来る……!
 全身の神経を集中する。足に、目に、耳に、皮膚に。
 『フカヒレ』はスバルへ攻撃した。目で追うのがやっとのすさまじいスピード。
126竜鳴の乱 34:2006/02/18(土) 00:05:23 ID:h7Moy7R20
 だが、その攻撃はスバルに届くことはなかった。
「だああああ!!」
 スバルの気合とともに出されたカウンターの拳が『フカヒレ』を捉えた。
 一瞬、『フカヒレ』の動きが止まる。その隙を見逃さない。
 考えるより先に体が動く! 気づけば俺と姫のダブルキックが『フカヒレ』に命中していた。
 3HIT COMBO!!
「やったー、エリー!」「センパイ……!」
 さすがにスバルと俺と姫の攻撃を喰らえば無事じゃないだろう。そう思った。だが。
「ク、ククク、なかなかやってくれるな」
 なにぃ!? 効いてないのか!?
「微妙に打点をずらされたようね」
「確かに手ごたえがあまりなかった」
 冷静な解説ありがとう。
「でも次で決めるわ。さあ、いくわよ2人とも」
 気を取り直して『フカヒレ』と向かい合う。
「まだ全力は出せないか……。コイツを使わせてもらうぞ。おっと、卑怯なんて言うなよ? 3対1だ。コレぐらいはあっていいだろ」
 そう言う『フカヒレ』の手には、長さ2メーターほどの棒が握られていた。

「グウッ!」
 棒が俺の腹を狙う。とっさにガードする。ガードした腕が痛い。
 そこにスバルと姫が攻撃をかけるが当たらない。
 間合い外からの攻撃ではカウンターもできない。こちらから仕掛けても捉えられず、逆に間合い外からの反撃を受ける。
 俺たちは防御を固めていることしかできなかった。
「まずいですね……。このままヒット&アウェイで攻められるといずれセンパイたちの体力が……」
「鮫氷君……、なんてセコイ」
「クソ……、このままじゃジリ貧だぜ」
 武器攻撃はガードしても痛い。このままチクチクやられては……。
「なんとか近づく方法を考えねーと……」
 俺たちがどうにかしようと考えていると、さっきから無言だった姫が動いた。
「オイ姫、そんな前に出たら……」
127名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 00:06:32 ID:KbtxhlRh0
 
128竜鳴の乱 35:2006/02/18(土) 00:07:10 ID:h7Moy7R20
「ここは私に任せて」
「なんかいい考えでも!?」
「いいから2人は下がってなさい」
 そう言ってずずいっと前に出る姫。
「ど、どうする、スバル」
「姫のことだ、なんか手があるに違いないぜ。ここは姫に任せてみよう」
 確かに姫なら、姫ならなんとかしてくれるかもしれない。
「一応すぐに出られるようにしとこう。気は抜くなよ」
 姫……、どうやって『フカヒレ』を攻略する?
「お姫様が前に出て行きますね」
「エリー……、どうするんだろう?」
 無造作に『フカヒレ』との間合いを詰めて行く姫。『フカヒレ』も少し戸惑っているようだ。
「降参する気にでもなったのか?」
「まさか。アンタを倒す方法を思いついたのよ!」
 そう言って一気に間合いを詰める姫!
「ならば見せてもらおうか!」
 『フカヒレ』の一撃が姫を狙う! かわせないタイミングだ!
 ガキィン!
 『フカヒレ』の棒が姫を捉えたと思った瞬間、姫は意外なもので棒を受けていた。
「お、お姫様!? 棒を石で受けたーっ!?」
「エリー、いつの間にあんな石を!?」
「フフ……、素手で受けたらダメージを受けるからね。こんなこともあろうかと石を持っておいてよかったってもんだわ」
 確かに石で受ければダメージは無いけど……。どんなことを想定して石を持ってたんだろう。
「まさか石で受けるとは……。だが俺の棒をいつまで受けきれるか!?」
「あああーっ! フカヒレの連続突きだーっ!」
「フォオオオオオオオオォォォォォォ!!!」
 『フカヒレ』の目にも止まらぬ連続突き! だが姫はそれを全て石で受けきっている!
「す、すごいお姫様! あのスピードを完璧に見切っている!!」
「でも、あれでは受けている石がもたないよ!!」
 佐藤さんの言う通り、永久に受けきれるわけではない。石が砕けたらどうするのか……。
129竜鳴の乱 36:2006/02/18(土) 00:09:36 ID:h7Moy7R20
「キャア!!」
「ああーっ、ついに石が砕けちまったーっ!」
「フフフフ、頼りの石も砕け散ったようだな……」
「まずいぜ、このままじゃ……」
「……」
 ! 今姫がこっちを見た?
「スバル……」
「ああ、準備はオーケーだぜ……」
「その石はもう使い物にならないぜ。勝負あったな」
「いいえ……、こいつの使い道はまだあるわーーーーっ!」
「うっ!?」
「ええーっ、砕けた石を目潰しに!?」
「さすがエリー! 機転が利いてる!」
 いや、卑怯だと思うけど。とにかく一瞬の隙を突いて間合いに入る姫! チャンスだ!
「いくわよ対馬クン、スバル君!」
「オオ!」
「よし、佐藤さぁぁぁぁぁぁん、そいつをよこせぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「は、はい!」
 スバルが駆け出していく。俺も佐藤さんから竹刀を受け取り、スバルに続く。
 姫が『フカヒレ』の背後から仕掛ける!!
「お嬢様……、トルネードキック!!」
 姫の2連蹴りが入る!
「ボディがっ!! 甘いぜええええっ!!」
 スバル渾身のボディーブロー!
 そして。佐藤さんから受け取った竹刀をしっかりと握る。
 今こそ、乙女さんから教わった唯一の剣技を出す! いくぜ、奥義!
「乱れ、乙・女・花ーーーーーーーーーー!!」
 6HIT COMBO!!
「ぐぎゃああああーーーーーっ!!!」
 『フカヒレ』は派手に吹っ飛んだ。そのままピクリとも動かない。
130竜鳴の乱 37:2006/02/18(土) 00:11:27 ID:h7Moy7R20
「やった、決まった……」
「ちょっとやりすぎじゃねえか?」
「大丈夫でしょ。フカヒレ君だしね。後は祈センセイの準備が終わるのを……」
「…………った」
 え!?
「センパイ、まだです!!」
 馬鹿な……! あれを喰らってまだ立つか!?
「今のは痛かった……、痛かったぞーーーーーーー!!」
 『フカヒレ』、完璧にキレてる……! 親の敵を目の前にしたかのような怒りだ……。まるで8ページぶち抜きでラッシュをかけそうなぐらいの!
「やってくれたなお前ら……。初めてだぞ……。ここまでコケにされたのは……
 ゆ、許さん……絶対に許さんぞ虫ケラども!! じわじわとなぶり殺しにしてくれる!!!!!
 ひとりたりとも逃がさんぞ覚悟しろ!!! 」
 コイツ、どこの宇宙の帝王だ……。
「クソッ……、まだ動けるなんてな……。姫、ほかに手は?」
「うーん、思いつかないわね」
「仕方ない……。また防御に専念して時間を……」
「お前ら、待たせたな!!」
「土永さん!?」
「祈の準備が完了した」
 何!?
「お前ら! どけぇぇぇぇぇい!!」
「下がってください皆さん!!」
 カニと祈先生から、俺にも見えるくらいの青白い、すさまじいオーラが立ち昇っている!
 これはスゲエ! なんかよくわかりませんがスゲエ技だ!!
「な!? あ、あれは!?」
「みんな! 伏せろー!!」
『極楽へ』
「行かせてやるぜ!!」
「行かせて差し上げますわ!!」
『業州斗彗破ーーーーーーーーっ!!!!』
 瞬間、白い光が、全てを飲み込んだ。
131名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 00:12:32 ID:KbtxhlRh0
 
132竜鳴の乱 38:2006/02/18(土) 00:13:32 ID:h7Moy7R20

「……イ、……オ、レオ!!」
 ん……? この声は……。
「しっかりしろ、レオ!」
「乙女さん……?」
「よかった、無事だったか!」
 う……、確かカニと祈先生がスゲエ技を使って、それで……。
「そうだ、みんなは!?」
 あれは、あの黒髪はなごみ……!
「オイ、なごみ、なごみ!」
「ウウ、センパイ……?」
「大丈夫か、なごみ!?」
「あう……ハイ」
 よかった……。他のみんなは……。
「まったく……、何が起こったのよ……。ほらよっぴー起きなさい」
「うーん……エリー?」
「オイカニ、カニ、大丈夫か!!」
「ウググググ、な、何が息が切れるぐらいだ……。全身イテーじゃねえか……」
「オイ祈、生きてるか」
「うう……、ちょっと強力すぎましたわね……」
「全員無事のようだな。下の奴らを制圧して来てみればこの有り様だ。少し驚いたぞ」
 全員無事、か。ん、全員?
「そうだ! フカヒレは!?」
「鮫氷……、あ、あそこに倒れているのではないか?」
「フカヒレ!」
133竜鳴の乱 39:2006/02/18(土) 00:15:36 ID:h7Moy7R20
 全員で駆け寄る。
「フカヒレどうなったんだ……?」
「一応もう電波は感じられませんが……」
「起こしてみよう。オイ鮫氷!」
 乙女さんはもちろんこんな時でも蹴り起こし。
「う、うぅ〜ん」
「生きてるぞ!」
「なんだよもうちょっと寝かせろよ……、いい夢見てたんだからよ……」
「オイ、寝るんじゃねえ!」
「あーもうなんだよ……ってなんでみんなして俺を起こして……、ハッ! まさか今俺はヒーローとして求められている!?」
「いつものフカヒレっぽいな」
「一応確認しよーぜ。あなたの口説き文句をアピール! ロマンチック・アクションッ!!」
「俺は、君を守るために生まれてきたんだ」
「こ、こいつは間違いない! いつものフカヒレだ!」
「この寒いセリフ、間違いない、いつものフカヒレ君だわ!」
「そうだね、こんな痛いセリフいつもの鮫氷君にしか言えないよ」
「何か失礼なこと言ってない?」
「気のせいだぜフカヒレ」
「ということは、終わったんですね」
「ああ、これで一件落着だ」
 歓喜に包まれる俺たち。1人置いてけぼりのフカヒレ。
「オーイ、なんなんだよ、説明してくれよ」
134竜鳴の乱 40:2006/02/18(土) 00:17:45 ID:h7Moy7R20
 ……説明中……
「お、おおおおおおお俺、そんなことしちまってたのか!?」
「ええ、派手に暴れてくれたわね」
「ヒィッ!?」
 みんなからの無言の迫力を感じたのか、思わず後ずさるフカヒレ。そんなフカヒレに俺は優しく語り掛ける。
「安心しろよ、フカヒレ。みんな水に流すって言ってくれてるから」
「ホ、ホントか……」
「ええ、水に流すわ。ねえみんな」
「ああ、水に流してやるか」
「そーだね。水に流してあげようよ」
「うん、水に流すよ」
「水に流します」
「水に流しますわ」
「水に流してやるぞ小僧」
「オレも水に流すぜ、フカヒレ」
「うおぉぉ〜ん、みんなの優しさが身に染みるよ〜……。
 ってよっぴーなんで俺を縛るの? いや、嫌じゃないよ? むしろこういうのも好きなんだけどね。
 あれ乙女さん布団なんてどこから……、ハッまさかこんなところで!? いけない、いけないよ乙女さん!
 ってグルグル巻き? オイレオ、スバル、俺を担いでどこ行くんだ? って海?
 ねえ、なんで重りとかつけてるの? あのさ、これってさ、スマキだよね。
 オイオイ、みんな水に流すって言ったじゃないかよ! いやだからこれは水に流すじゃなくて水に落と────」

 ──フカヒレは──
 松笠の海に沈んだ。
 それでもフカヒレは魚と人間の中間の生命体となり生き続けた。
 どうにかして脱出しようとするもどうしようもできないので──そのうちフカヒレは考えるのをやめた。
135名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 00:18:08 ID:KbtxhlRh0
 
136名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 00:18:59 ID:aqkQFde/0
これは普通に迷惑
137竜鳴の乱 41:2006/02/18(土) 00:19:38 ID:h7Moy7R20
   エピローグ
 ……こうして竜鳴館史上最大の騒乱は幕を下ろした。
 しかし、これが終わりとも限らない。この学園に、また鮫氷新一のような男が現れればまたこのような騒乱が起こるだろう。
 その時には、我々と同じ志を持ったものが立ち上がり、同じように解決してくれることを切に願う。
「記録者・2005年度生徒会執行部副会長 対馬レオ、っと」
 生徒会執行部と館長しか知らないと言われている裏竜鳴史……。
 竜鳴館の、決して表ざたにはならない事件を記した本に事件の顛末を記録し終え、軽く伸びをする。
「終わった? 対馬クン」
「ああ、書き終えたよ」
「こっちも終わりました」
「私も終わったよ」
 なごみと佐藤さんも仕事(という名の後始末)を終えたようだな。あとは外の片付けに行った乙女さん待ちか。
「ふー、全部片付いたぞー」
「ナイスタイミングね、スバル君、カニっち起こして」
「ホラ起きろカニ坊主」
「うーん、ふわぁぁー、おはよ、スバル」
「おはよーさん」
「全員揃ったようですわね」
「で、何の用なんですか祈センセイ」
「橘さんが今回の事件、外に漏らさなかったことやらなんやらをとても褒めておりましたわ」
「ま、俺たちがんばったよな」
「それで特別ボーナスが出ましたの。これで美味しい物でも食べてきなさい、だそうですわ」
「へー、あの館長が」
「マジ!? ボクカレーおなかいっぱい食べたい!」
「久しぶりに焼肉なんかもいいわねー」
「我輩、寿司が食いたいぞ」
 一日たてばいつもの通り。それが竜鳴館クオリティ、か。
「どうしたんですか、センパイ」
「いや、やっぱ普通の日々が一番だよな」
138竜鳴の乱 おまけ:2006/02/18(土) 00:21:11 ID:h7Moy7R20
 ──その頃
「おお、やっと見つけたぞ鮫氷。どれ、儂が人に戻してやろう。そ〜れ、お髭モッサモッサ」
「いやあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」

  END
139名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 00:26:37 ID:KbtxhlRh0
gj
140名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 00:27:29 ID:ruYfaJyd0
おもしろかった
141名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 00:28:55 ID:v7BKwbc+0
おもしろかった、おもしろかったよ。
でもさぁ、つよきすはバトル物じゃないじゃん?
最近そういうの多くないか?
別に悪いとは言わないけど、なんだかなぁ…
142名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 00:30:40 ID:eNkZaAkn0
まあ、面白いと言えば面白いけど、長すぎ…
省けるところは省いた方がすっきりする。
結局オチは?という感想になってしまう。

これだけ長いと、うpろだ使った方が良かったな。
143名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 00:34:15 ID:aqkQFde/0
うん・・・なんか忍者ハットリ君とかそれ系の、「とりあえずオチ」って感じ。
冗長。
144名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 00:34:45 ID:LzyS1mOI0
雰囲気でててよかった GJ
145名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 00:35:47 ID:QUnT6xjN0
本当、長いな・・・gj
146名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 00:40:41 ID:h7Moy7R20
テンションに任せて書いてみたが終盤グダグダです……。
テンションを維持するのも大変でした……。

つーわけでギャグアクションです。つーかほとんどパロディです。
使われている元ネタが20個以上わかる人は俺と嗜好が似ていると思います。
ネタもどれをチョイスしてどれを削るかでかなり悩みました。
椰子ルートアナザー+、バレンタインのお約束、夢の代わり、とこれで4作目。
もうしばらく長編は書きません。次はスバルの話を書こうかとおもっとる次第です。

>でもさぁ、つよきすはバトル物じゃないじゃん?
その通りですね。まあ、これは体育武道祭のノリで読んでください。
>長すぎ… 省けるところは省いた方がすっきりする
やはりこれも痛いところ……。なにを書いてなにを削るかでいつも悩みます。
これが上手くできればもうひとつ上にいけるんでしょうけど……難しいものです。
147名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 00:44:16 ID:ruYfaJyd0
>>141
そんなもんなのか?
個人的にはバトルモノ結構好きなんだけどな
148名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 00:45:58 ID:ESH1wC4N0
冗長に感じた部分もあったが、ふいんきryも出てたんでないの?

GJ
149名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 01:00:04 ID:HXm+27PS0

つよきす味がすればバトル物が悪いってことないと思うよ
150名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 01:44:58 ID:9vWTIS/iO
読者に優しい姫に感動!!
っと冗談は置いといて一番笑ったのはカニの今宵のコタツ発言。
こういうドタバタコメディ大好き。自分がこういうの書けないから好きなんだろな。
なにわともあれGJ&六連勤頑張って
151れみゅう:2006/02/18(土) 02:11:20 ID:g7l0ZuXR0
長編が予告されていたので支援しようと思っていたのに、仕事が長引いて支援できず……orz
なにはともあれGJです。バトルものなのに一貫してつよきすっぽさが失われないのが好印象。
確かに削れるところもあると思いますが、長さに関しては俺も前科者なので偉そうな事は言えません。

あと、過去の作品に関してレス下さった方々、ありがとうございます。そしてすみませんでした。
無駄な長さ、矛盾点、まったく仰るとおり激しく同意です。今後に生かします。
「人違い」は短くスパっと決まった感じで自分でも気に入っているので、お褒めの言葉嬉しいですね。

152SSD:2006/02/18(土) 02:47:24 ID:kmZiC+wN0
>>146
しっとマスク、笑いました。
GJです。
153名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 02:58:34 ID:DOh6uV5/0
確かに長いけど最低限の面白さはあったから俺的にはGJって感じ。
154シンイチ:2006/02/18(土) 08:23:21 ID:nUU3AoIM0
>>146
早々に寝てしまったので支援できず…
いやはや、GJでした。
バトル物は個人的には大好きです。
ここまで長編を書けたことに天晴れです。
155名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 13:24:25 ID:Uv3WmdSj0
皆GJ!

しかし、久しぶりに来たらもう10スレ目か。
前スレの半分くらいしか読んでなかったがもう落ちてる……orz
156名無し兵:2006/02/18(土) 18:09:37 ID:oxsEEhshO
俺、国に帰ったら姫のSSを書いてもらうんだ…
157時給255円:2006/02/18(土) 19:23:26 ID:b06vx2t4O
前スレのSSのあらすじ

とある初夏の土曜日、それぞれの思い、思惑を胸にひとりの男を巡りまさに恋のチェイスが始まる。
バックアップは松笠の呂布、十年目の正直、蟹沢きぬ。
ひとつ屋根の下、竜鳴一の武闘派ネェちゃん鉄乙女。
態度とは裏腹、内に秘めた純情は人一倍、椰子なごみ。
今日こそ告白、幸せの青い鳥を探して、佐藤良美。
セクハラ大好き、今日も気ままなお嬢様、霧夜エリカ。
竜鳴館の撃墜王、狙った獲物と占いは命中率100%、祈先生(名字忘れた)
そして逃亡者、突然の出来事で色々な攻撃を予想し速攻で逃亡したチキン野郎、対馬レオ。
果たして彼の貞操を奪うのは誰か?

完結編、構想中期待しないで待っててくだちい。
158名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 19:50:59 ID:7WzLJzzo0
>>157
>祈先生(名字忘れた)

ちょwwヒドスwww
159名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 20:10:03 ID:5zgNWDw00
>>146
テンションに任せるという言葉は、自分のワガママを通すってこととは違うぜ坊主

でもGJといっておこう
160名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 21:25:21 ID:KbtxhlRh0
371 :名無しさん@ピンキー:2006/02/18(土) 11:28:37 ID:oibYrHM90
    +             +
        ,;;@@ ̄ @;:
 +     ;;"|》《リリ从))ゞ゙;  +        +
       ;:, ノwリ゚ ヮ゚ノル;;:         
         ⊂}i.ーilつ          
  +  .     /  ヘ                        +
         ん/ hヽ〉       +  
 じゃあ未来の蟹沢つくったよ         ~~~~~~~
161名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 21:27:34 ID:KbtxhlRh0
378 :名無しさん@ピンキー:2006/02/18(土) 12:46:43 ID:W5ZmC2UY0
      |
      |`ヽ
 ゞ,.'.... |─-ヽ.
..(。゚)冫 |リノ))))>
+.`´\ |゚ ヮ゚ノl! ・・・
     `⊂)v〉
      |_」 〈
      |'


380 :名無しさん@ピンキー:2006/02/18(土) 12:57:59 ID:BkkGpFjA0
新番組「魔法使い乙女さん」

魔法を使うことができるが、だいがいは腕力でカタをつけてしまう。
162名無しさん@初回限定:2006/02/18(土) 21:33:57 ID:uz2mIny50
>>151
竜鳴館の生徒って一学年300人ぐらいだっけ?
男子の数はあまり多くないという記述があったから一学年男子100人あまり?
全学年で300人ぐらいと換算するとフカヒレ派は約200人?
すげえ数だな……
正気の男子約100人+女子600人だと考えると戦力差がすごいような
洗脳された男子は強くなってるって事かな
163名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 00:06:52 ID:UL6Z+Nbx0
>>157

大江山だろうが〜。このジャリ坊が〜。
164名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 00:28:02 ID:cqeGJHzxO
>>157期待して待つ!
165名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 01:25:45 ID:ncckPvwL0
学校帰り。
昼飯のおにぎりを一つカニにくれてやったのが
今になってひびいてきた。
ちょっと腹が減ってきた俺はオアシスに足を向ける。

「こんちゃ〜」

……返事がない。あれ、準備中だった?

店内を見回すと
テンチョーさんは端っこのテーブルで
ボーッとしていた。

「……もしもーし?営業してますー?」

「…Oh、スイマセンネー、イラッシャイマセー」

「えーと、シーフードカレー、中辛」

「カシコマリマシター」

テンチョーさんに、どこかいつもの元気がない。
客が俺以外には誰もいないんじゃ
元気がなくなるのもしょうがないかもしれないけど。

「お待たせシマシター」

出されたカレーは、いつも通り美味かった。
……なんで流行らないんだろうな、この店。
開国祭の代表店に選ばれて
なごみが手伝ってTVに出た直後は
結構お客も来てたはずだけど……
166名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 01:29:48 ID:ncckPvwL0
翌日。
気になってたのでその辺の事情を
放課後、竜宮でカニに聞いてみた。

「んー……正直、ちょっとあの店ヤバイかも」

「え……そんなに?」

スバルやフカヒレもちょっとショックって顔。

「おいおい……開国祭の代表店が
 選ばれたその年に潰れたらシャレんなんねーぞ」

「あそこはレオの部屋に次いで、俺たちの溜まり場なのに
 潰れちゃったら困るよなぁ」

いや、俺の部屋も本当は溜まり場にされちゃ困るんだが。

しかし、一番ショックを受けていたのはなごみだった。
なごみにとってオアシスは
料理人の道に進む決断をするきっかけになった店だし
テンチョーにはそれなりに恩があるからな。

「カニ……本当なのか?今の話……」

いつになく真面目な顔でなごみがカニに尋ねる。

「ん……この間なんだけどさ
 ボクのバイト、減らしてくれないかって言われた」

「カニを雇っておく余裕もなくなってきてるのか……」
167名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 01:33:49 ID:ncckPvwL0
「よっしゃ、少しでも売り上げに貢献するために
 今からオアシス行くか!」

とりあえず、皆を誘ってみることにした。
俺たちにできることといったらそれぐらいだしな。
だが、フカヒレだけ渋い顔をする。

「えー、俺ちょっとぉー……」

「んだよ、つき合い悪ぃーな」

「だって昼飯けっこう多めに食っちゃったから
 まだそんなに腹減ってねーもん」

……だよなぁ。
俺だって昨日は昼飯が食い足りなかったから
帰りに腹が減ってただけで
普通は学校帰りに毎日カレー食わない……ん?

「そうか……そうだよな……」

「だろ?晩飯だってあるのに、今カレー食えねえよ」

ちょっと頭の中で考えを整理する。

「うん……これならいけるかな……」

「おいレオ、なに一人でわかったような顔してんだ?」

「ん、いや、ちょっと考えついた。
 とにかく、オアシス行こうぜ。
 フカヒレも、紅茶ぐらい飲めるだろ?」
168名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 01:34:15 ID:fSU7tX4C0
 
169名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 01:38:22 ID:ncckPvwL0
「こんちはー……」

オアシスは……今日も客がいない。
そして今日もテンチョーさんはテーブルでボーッとしていたが
俺たちがゾロゾロと入っていくと
さすがにちょっと元気が出たのか、にこやかになる。

「イラッシャイマセー。
 アレー?カニサーン、今日はアルバイトないデスヨー?
 Oh、なごみサンもー。久しぶりデスネー」

「……どうも」

「実は、ちょっと今日はテンチョーさんに
 提案があってやってきたんです」

「提案?……
 コレ以上、値下げはデキマセンヨー?」

「いや、そうじゃなくてですね……
 メニューを増やしてみたらどうかと思って」

「新メニュー、デスカ……?
 前回のチャーハンは、失敗デシタネー……」

「そうそう、あれはダメだったねー」

うなだれるテンチョーさんにカニがうんうんと頷く。
ちょっとはフォローしろよ、一応関係者なんだし。

「いや、今回俺が提案したいのは……
 カレーパンを作ってみたらどうかな、と思って」
170名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 01:42:28 ID:ncckPvwL0
「……カレーパン?」

テンチョーさんの目がキラリと輝く。

「そうです!ここのカレーは確かに美味しいんだけど
 なまじ量があるからちょっとお腹が空いたぐらいじゃ
 食べられないんですよ。メニューが全部、重すぎるんです」

「……なるほど、そこで軽く食べられるメニューってわけだ。
 しかもテンチョーのカレー作りの腕を生かせるしな。
 考えたな、坊主」

「フカヒレの言ったのがヒントになったんだ。
 フカヒレ、さっきそんなに腹は減ってない
 って言ってたけど、カレーパン一個ぐらいならどうだ?」

「ああ、それぐらいならちょうど食いたい気分だな。
 いわゆる小腹がすいたってヤツだ」

「どうですか、テンチョーさん?
 お昼や夕飯時以外でも、気軽にここのカレーを楽しめるし
 パンなら持ち帰りにもできていいと思うんだけど」
 
「へ〜…レオのくせに、考えたじゃん!
 テンチョー、ダメもとで、やってみようぜ!」

「……私でよければ、お手伝いしますよ」

カニが励まし、なごみが手助けに名乗りを上げる。

「……ミナサン……アリガトゴザイマース!
 ヤリマショウ!最高のカレーパン、作ってミセマスヨー!」
171名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 01:46:32 ID:ncckPvwL0
そして数日が過ぎた。
テンチョーさんは昼間のヒマな時間帯を
カレーパンの研究にあてているらしい。
なごみも、あれから毎日オアシスに手伝いに行っている。
生徒会の方はヒマ……

「はい、対馬クン、この書類もお願いね」

……でもなかった。
なごみをオアシスに行かせるため
その分の仕事を俺が引き受けたのだ。

「なごみんの分も、しっかり働いてもらわないとね」

まあ、俺がオアシスに行っても何もできない。
だったらこういう形で力になる方がいい。
……なんか、今から将来の夢の予行演習みたいだな。

ん?……なごみから、メールか。なになに……

『カレーパン、完成。帰りに寄ってください』

おお、できたのか!
あのオアシスのカレーが、どんなカレーパンになってるのか
今から楽しみだな……

「はーい、そこ!ニヤニヤしてないでこっちの書類も!」

ぬう、姫は容赦がない。確かに代わりの分もやるとは言ったけど。
……こっそりなごみに返信。

『了解。でも少し遅れそう……』
172名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 01:47:21 ID:fSU7tX4C0
 
173名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 01:50:35 ID:ncckPvwL0
オアシスの中は、いつものカレーの香りに加え
ほんのりと甘い、パンの匂いがしていた。

「Oh、対馬サーン!
 やっと納得できるもの、デキマシタヨー!
 見てクダサーイ!」

テンチョーさんが、嬉しそうな顔で
大きなお盆に山盛りに盛ったカレーパンを
テーブルまで持ってきてくれた。
なごみも、少し疲れているようだったけど
満足そうな顔をしている。

「最初の試食は、是非対馬サンにお願いしたいデース」

「え、俺?……いいんですか?」

「モチロンデース!アナタのアイデアで
 このカレーパンができたんデスカーラ!」

「じゃあ……遠慮なく、いただきます」

ぱく

「!」

「……ドウデスカー?」

ぱく、ぱく、パクパクパクッ!

「う……
 美味あぁぁい!」
174名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 01:51:05 ID:we7r5kYz0

175名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 01:54:36 ID:ncckPvwL0
普段オアシスで食べているカレーよりも
パンに入れるためにずっと粘っこくなっている。
それでいて舌触りはすごく滑らかで
味もかえって濃厚に感じるぐらいだ。
それが揚げたてのパンとすごくよく合う!
思わず、二口三口とかぶりついてしまったほど美味い!

「いけます!いけますよ、コレ!」

「お店では、コレを一つ150円で売るつもりデース」

「おお、この味とボリュームでそれはリーズナブル!」

「今センパイが食べてるのは中辛なんですけど
 他に辛口と甘口も作る予定なんですよ」

「なるほど……さすがは松笠カレー代表店!
 俺も思いきって提案して良かったですよ!」

「……改めて、対馬サン、なごみサンには
 お礼を言わなければイケマセンネー」

「ああ、いや、そんな……」

改めてそんな風に言われると、俺もなごみも照れてしまう。

「ワタシ、自信無くしかけてマシタ。
 でも、もう一頑張りヤル気出てきマシタヨー?
 コレもみなサンのおかげデース!」

よかった。カレーパン造りは、きっかけになってくれた。
テンチョーさんが、もう一度自信と情熱を取り戻すための。
176名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 01:56:50 ID:ncckPvwL0
その後、普段は入れてもらえない厨房に
是非にとテンチョーさんに誘われて入ってみた。

「うわぁ……これ、全部スパイスですか?」

壁一面に、小さな瓶に入った見知らぬ調味料が並んでいる……

「ソウデース!これらを組み合わせて……
 このカレールーができるのデース!」

テンチョーさんが、弱火にかけられた大きい鍋を
慈しむような目でじっと見つめる。

「……対馬サンの大切なものは、何デスカー?」

「…は?」

「ワタシの大切なものは、この……カレーデース。
 このカレーを食べて、美味しい、と喜んでくれる
 その笑顔が、ワタシの大切な、大切なものデース」

なごみが、感動したようにテンチョーさんを見つめる。
俺も、感動してるけど。

「…テンチョー、そろそろ鍋を火からおろさないと」

「オー、ウッカリしてましたー!
 つい話し込んで大事なこと忘れてマシタネー。
 なごみサン、ちょっとお願いしマース」

うなずいて、鍋をコンロからおろそうとしたとき
疲れが出たのか……なごみが、グラリとふらついた。
177名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 01:59:18 ID:ncckPvwL0
「う、あっ!?」

「危ないっ!」

なごみが鍋を抱えたまま、仰向けに倒れそうになる!
このままじゃ……カレーで大火傷だ!?
飛びついて……鍋を引ったくろうとして……

ドガベシャーン!

ああああああああ……
や、やっちまった……!
厨房の床に転がる鍋。
ぶちまけられたカレー。
今、テンチョーさんが大切だと言ったばかりの……!

「す……すいませんっ!」

「わ、私が……!私が転びそうになったからっ…すいませんっ!」

なんてドジをっ……!
泣きたくなってきた。
いや……泣きたいのはテンチョーさんのほうだろう。苦心のカレーを……

だけど……テンチョーさんの顔は、なぜか穏やかだった。

「対馬サン、なごみサン……
 怪我はアリマセンカー?」

「……え?……あ、はい……」

「それなら、オッケーでーす!」
178名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 01:59:37 ID:fSU7tX4C0
 
179名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 02:01:42 ID:ncckPvwL0
「で、でも……」

「…対馬サン、さっきアナタに訊いたコト
 もう一度、訊きマスヨー?
 アナタの、大切なものは、何デスカー?」

俺の……大切なもの?俺の……

「……なごみ、です」

「そうデース!アナタは、アナタの正しいことシマシタ!
 それを悔いるコト、何もアリマセーン!」

「でも!……それで、テンチョーさんのカレーを……」

「……確かに、ワタシはカレー大切デース。
 でも、カレーはまた作れマスネー……
 なごみサンは、一人しかイマセーン。ワカリマスカー?」

「……はい」

「では、オッケーでーす!
 さあ、片づけマスヨー!急いで次を作りマース!
 おらボサッとすんな黒髪ロンゲ!」

「は……はいっ!」

今にも、俺にも見せたことのないような
泣きそうな顔だったなごみが
いつもよりさらに真剣な顔つきで厨房に立つ。

「コラお前ナニやってるカー!」「は、はいっ!」
180名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 02:03:14 ID:WlH/xAgwO
私怨
181名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 02:04:02 ID:ncckPvwL0
オアシスから、なごみと帰ったのは
もう11時を過ぎたころだった。
しばらく歩いていたら、腹の虫がグゥ、と鳴った。

「腹減ってない?」

「あ……そう言われると。
 作るのに夢中で、食べてなかったですね」

苦笑いを浮かべるなごみに
カバンを探って包みを取り出す。

「ほら、帰り際にテンチョーさんがくれたんだ」

「あ……カレーパン、ですか?」

「うん……これ、きっとブレイクするぜ」

「そう、ですね……センパイがアイデアを出して
 あのテンチョーが作ったんです。
 きっと大ブレイクです」

「なごみも手伝ったしな」

「今日……センパイが、大切なものを私だって言ってくれたの
 すごく…嬉しかったです」

大切なもの。それは、生きているとなんだかどんどん増えていくらしい。
テンチョーさんも、今日の出来事でなんだか大切な人に思えてきた。
……一番大切なものは、ずっと変わらないだろうけど。
そんなことを考えながら
二人でカレーパンを囓り、夜道を並んで歩いていった。
182名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 02:05:07 ID:luUakf9jO
氏宴
183名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 02:06:11 ID:ncckPvwL0
おしまい。夜食にカレーパン食べてて思いついた。
テンチョーメインのつもりだったけど最後なごみんメインっぽくなってしまった…
184名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 02:09:33 ID:fSU7tX4C0
カレーパンはいいアイデアだよなあ、冷めてもいつでも食えるし
どっかの個人カレー屋にネタパクラれそうなほど同意
さすがレオ(違
GJ
185名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 02:10:44 ID:mM6JITi00
>>183
なんですかこのやたらかっこいいテンチョーは。
GJ!
186名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 02:48:48 ID:46N15jJD0
>>183
いい!カレーパン成功して繁盛すればいいなぁオアシス
GJです!!
187名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 03:30:00 ID:RxmnHhKI0
本編でのレオは経営で支えるってのがいまいち漠然としてたけど、
こういう風に、売り物になる商品のアイデアとかを出すってのがわかりやすい。
確かに、技術だけじゃヒットは出ないだろうからね。
仕掛け人レオ。
188名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 06:30:29 ID:fSU7tX4C0
本編のなごみルートレオは、残念ながらなごみんの役に立ってないもんな
ちょっとなごみんをかばって点数稼いだ程度で、むしろアドバイスとかは
フカヒレに持っていかれちまってw
こういう風に、ちゃんとなごみんの役に立ってる、カッコイイれおを見たいな
こんな言い方をせざるを得ないのは不思議だが、レオが主人公のSS誰か書いてくれw
189名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 08:35:43 ID:cqeGJHzxO
>>183テンチョーSSだとぉ?
GJ!
今まさにテンチョーと言う最強の壁が壊された。
190名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 10:08:31 ID:sUfnhtOF0
俺が好きなカレー屋はCOCO1
オムレツ卵を載せて食べるのがいい
191名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 10:34:43 ID:+cfB76yj0
>>146
GJ! 長かったけど、飽きずに読めた。 定番だけど、乙女さんが来た所はかなり燃えたしw
蟹のグヘッ!?って所は、脳内でアニメが再生されたw

>>183
こちらもGJ! 漢道を知ってますなw
そういやテンチョーって一体何歳なんだろう・・・

>>188
フカヒレの数少ない見せ場だけにピックアップされがちだけど、なごみんルートのレオはいい男だぜ?
何度かやると良く分かると思う。
192名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 10:48:20 ID:u/tgSj1h0
>>162
2−Cとか拳法部の女子は戦力になりそうだけど他の普通の女子が戦力になるかなあ。
率先して戦いたがる女子なんてそんなにいないだろうし、
総司令官が乙女さんってことは無理やり徴兵するなんてことも無いだろう。
実際に戦闘に参加した女子は50人に満たない気がする。

>>183
なにこのカッコイイテンチョー。GJ。
今後オアシスにはカレーまんとかも出そうだ。
そしてカレーうどんとかカレーラーメンとかカレー炒飯とか炒飯とか……

無限ループって怖くね?
193Seena ◆Rion/soCys :2006/02/19(日) 11:17:47 ID:ncckPvwL0
感想ありがとう〜♪
トリップキーをようやっとPDAのほうから回収。
やれやれです……
194Seena ◆Rion/soCys :2006/02/19(日) 11:30:50 ID:ncckPvwL0
おまけ

「レオ、私も新メニューを考えてみたぞ」

「いや……どう見てもおにぎりですが?」

よく見ると表面にうっすらと焦げ目がついている。
新メニューって…焼きおにぎりか?

「いいから食べてみろ」

「はあ」

もぐ……

「な……カレー!?」

おにぎりの具は、カレーだった……

「カレー焼きおにぎりだ。流れでないように、焼きおにぎりにしたところがポイントなんだぞ?」

「……フツーにカレー食べさせてください……」
195名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 11:47:27 ID:cqeGJHzxO
>>194レオに同意
しかしなぜ乙女さんはあそこまでおにぎりにこだわるんだろ
196名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 12:07:21 ID:rG6dBCDB0
あーなんだ「もう書かない」っつーから期待してたのに
197名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 12:28:25 ID:cqeGJHzxO
話は変わるけどさ
一つだけ聞きたい
162が竜鳴の乱の作者を勘違いしてる可能性について
俺の勘違いなら162ゴメン!
198名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 12:39:43 ID:ncckPvwL0
>>195
「乙女さんって、何でもおにぎりにしちゃうよね」

「そんなことはないぞ?以前、フルーツおにぎりを試したが…」

「試さないでください」

なんて恐ろしい。しかし……よく考えてみると
乙女さんが実際におにぎりを握っているところ、見たことないな。
いったいどんな風に握っているんだろう?

翌朝。いつもよりずっと早くセットされた目覚ましに叩き起こされる。
よし……この時間なら、乙女さんがどうやって
おにぎりを作っているか見てやれるぞ。

そっと忍び足でキッチンへ向かう。

「〜♪……〜♪」

乙女さんは……鼻歌を歌いながら
何かブツブツとつぶやいている。
おにぎり作ってはいるみたいだけど……何て言ってるんだ?
もうちょっと近寄って耳をそばだてると

「…美味しくなぁれ…美味しくなぁれ……」

「……プッ」

「!だ、誰だ!?レオか!?」

しまった。
あまりに可愛らしいので思わず吹き出してしまった。
199名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 12:41:12 ID:cqeGJHzxO
支援
200名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 12:41:57 ID:ncckPvwL0
ニヤニヤしながらキッチンに入る。

「おはよう、乙女さん。ずいぶん可愛い気合いの入れ方だね」

「あ、う……」

ちょっと赤くなって黙ってしまう。

「いつも、そんな風におにぎり握ってるの?」

「か……母様が、こうしてたんだ」

「叔母さんが?」

「おにぎりは、母様に作り方を教わったんだ。
 母様は、いつもこう言いながら握ってたから……
 『おにぎりを握るときは、力を込めるんじゃなくて気持ちを込めるのよ』って……」

……乙女さんらしいや。

「じ、自分の分だけの時は、こんなことしないんだぞ?
 …レ、レオの分も、握ってるから……」

「うん……ありがとう」

乙女さんがおにぎりが好きな理由、少しわかった気がする。

「……いただきます」

「うん、しっかり味わえ。それは新作のプリンおにぎりだ」

「うえ」
201名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 12:42:58 ID:cqeGJHzxO
支援?
202Seena ◆Rion/soCys :2006/02/19(日) 12:43:03 ID:ncckPvwL0
>>195
こんな感じではないかとw
203名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 12:48:10 ID:yjQB1YpM0
>>202
乙女さん可愛いスギw
GJ!
204名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 12:49:09 ID:cqeGJHzxO
レオの気配に気付かないとは……
よほど集中してたんだな
感想は俺のIDだ!
……ってなんだよこのID、ありえねぇだろ……orz
205名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 13:03:25 ID:rNj6J8280
テンチョーかっこよすぎw
しかし、カレー焼きおにぎりはまだしも
フルーツとかプリンってw

GJ!
206名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 13:54:08 ID:k+/D1D8d0
>>202
流石!GっっっっJ!

>>194>>181のおまけとして
>>198もその続きってことになるのかな?
207名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 14:15:21 ID:7Z6hR1kB0
>>188
フカヒレって何かアドバイスとかしてたか?
なごみルートのフカヒレは真面目なシーンが多いから誤魔化されてるけど
他人(対馬ファミリー以外)の為に何か特別な事をするシーンなんてないぞ
フカヒレの行動原理は全ルート通じて
「全ては自分の為に。 たま〜にファミリーの為に」
で一貫している。 だからもてないんだよ。

それに、「役に立つ」ってなにも派手な活躍をすることだけじゃない
自分を見てくれている、応援してくれる人がいるのって、すごく支えになる
地味だけど、なごみルートのレオはちゃんと主人公しているよ
要所はきちんと抑えてる
208名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 15:45:34 ID:q38APZ1O0
やっぱおもろいわー

しかし>>195がネタ振ってから1時間足らずでこれが出てくるのか…

GJ!!
209名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 16:07:38 ID:46N15jJD0
>>207
カニルートのフカヒレは迷ってたレオの背中をちゃんと押してたぞ。
スバルがいなくなって、かまってくれる人がいなくてさみしかったのかもしれないけど
210名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 16:20:20 ID:LIeSSlxDO
>>209
だから対馬ファミリーの為なら行動するって事じゃね?
211名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 16:25:11 ID:u/tgSj1h0
>>207>>209
確かにほかの誰かのためにってのは俺の記憶にはない。
女性陣のパシリとかも自分のためだし。
つまりフカヒレの行動原理は自分と対馬ファミリーのため。
この行動原理どっかで聞いたことはないか?


そう! フカヒレこそつよきす中1番線の内側と外側をきっちり分けているやつなのだよ!
212名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 19:53:15 ID:vF9zLyPB0
テンチョーSSキテター!!!

テンチョーでジンとくるとは思わなかった
てっきりギャグ路線かと…

後の乙女さん小ネタも萌えw
>>202 GJ
213名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 20:15:08 ID:J/CSTbBX0
一応、なごみが竜汁作りに参加したのはフカヒレのおかげだw

まぁ、なごみルートのレオは充分漢だったと思うぞ。
セクハラ関白亭主化はしたが、乙女さんルートのような暴走はしてないし、
214名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 20:50:06 ID:fSU7tX4C0
>>202 GJ

>>207 あんたの言うとおり、フカヒレって、自分に正直で自分の欲望を満たすことを中心に動くよな。
そして、実はそれがなごみんに欠けていたものでもあった。
「欲しいものを欲しいと言えない性格」をパパから指摘されていたり、
料理人になりたい夢を抱きながら母と父のために花屋を継ごうと考えていたり。
究極において、それが自分のためかどうかということはおいといて、
とりあえず、なごみんの思考は「必ずしも自分に素直でない」わけで。

直接的なアドバイスでなかったかもしれないが、「自分の夢を追う姿勢」をなごみんに
教えたのは館長のアドバイスに触発されたフカヒレだったかと思う
そういう意味では、レオは武道祭の竜汁支援になごみを推薦したり、カレー屋のヘルプを応援に
行ったりしてるが竜汁ではむしろ煙たがられ、カレー屋はただ、気になって様子見に行ってただけw

総じてなごみんルートのレオは、特に何かに【頑張っている】ようには見えないんだわ。
215名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 21:12:56 ID:k7jKm6dQ0
なごみルートのレオは総じてマメだよな。根気いいって感じ。
後輩の面倒を見るのに頑張ってるって感じか。
216名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 21:27:03 ID:cqeGJHzxO
人のために動いたからってそいつを好きになるわけではなかろ
もしそうならスバルどうよ?
それに線引きなんてみんなやってるじゃん
ただなごみんははっきりしてたからで
思うとこでは乙女さん、カニ館長ぐらいじゃないかなぁ。人によって対応が変わんないのは
217名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 21:45:59 ID:fSU7tX4C0
616 名前:恐るべき讃岐うどん 投稿日:2006/02/19(日) 00:16:44 ID:XHbnmGBc0
        。※※。 +
        '´,   `ヽ      
    +  /゚ lノノノ)リ))
     /ル(i| ゚ -゚ノリ  >>1
    / ,〈リ 〉`,´,,) 〉       
   /  /ヽく(@)フノ\
 / (X_〕∠(@(@)ゝ〔_X)    
|<_   / /  :l く/|_〉l  l ::|    
  `ー/ /  :| |  |  l__-"                
    `^ー---、__」ー'
218名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 21:53:10 ID:J/CSTbBX0
>>214
レオの役割と言えば、しつこくなごみの面倒をみたり、トライアル2やったり、
ストレス発散にされたりといったところかw
後は、天王寺関連はレオの影響が大きいか。
どうも、なごみルートのレオは父性が強いっぽいから、そういうのに弱いなごみんに
好かれるわけだ。

なごみルートでレオが頑張った場面は・・・VS乙女さんinドッジボールかなw

ぶっちゃけ、なごみルートのレオはなごみに触発されて自分の夢を見つけて
「これから頑張る」と言ったところではないかと
219名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 21:56:01 ID:D3VKiuLC0
本スレでやってほしいな、そういう議論は
220名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 22:05:15 ID:NCV67lmK0
そういうのをSSにしてくれると物凄くありがたい


実は陰で煽ってたフカヒレとか
221名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 22:07:01 ID:cqeGJHzxO
>>219ごみーんに
222時給255円:2006/02/19(日) 22:13:57 ID:2xsHgcUkO
無理矢理おわらせた感がありますが、連続投下します。しばしお付き合いをば。

ご都合主義なのはお約束、オチもない!
だ、ダメだぁ。
223時給255円:2006/02/19(日) 22:19:04 ID:2xsHgcUkO
学校どたばた編11

第一保健室
さてと、手招きをした人物は、
祈「お待ちしておりましたわ」
祈先生だった、
れお「む、この状況下でこの展開」
危険を察知し再び逃走に転じようとした俺は元来たドアに向かうはずだった
れお「か、体が勝手に!」
祈「無駄ですわ、中級の誘導、拘束魔術をほぼ無詠昌でかけました、もうにげられませんわ」
土永「小僧、祈のお目がねにかなったからって調子づくなよぉ」
れお「な、なんだってー」
後で聞いたら占いでここまで予想し罠を張っていたらしい、そしてジリジリとよって来る祈先生、
今日はその素晴らしい胸がたまらんですたい。しかし、現状を他の追跡者に後で何されるか分かったもんじゃない
もがく俺に土永さんが挑発する
土永「震えてやがるぜこいつはよ、手柄を立てちまえばこちらのもんよ!」
そして何故か襲ってきた、あのごっつ痛いクチバシは勘弁、反射的に右ビンタを土永さんに当てる
土永「うわああぁぁ」祈「よくもジ、土永さんを!さ、大人しくなさって下さいねー」
そう言ってまさに襲われる瞬間、事態は転じた。

続くー
224名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 22:21:30 ID:cqeGJHzxO
支援
225時給255円:2006/02/19(日) 22:23:14 ID:2xsHgcUkO
学校どたばた編12

姫「フリーズ!ぁ、祈先生もいる、やったあ、揉みごたえ抜群の祈先生もまとめてゲットでチュウ!」
六連スタングレネードを構えて姫が佐藤さんをつれて突入してきた
れお「何か複雑な気持ちだがサンキュー姫」よっぴー「エリーずるいよぉ、またひとりで特する気?」
姫「んもう!よっぴーだって対馬くんみうしなったから一緒に探そうって言ったから」
よっぴー「それはそうだけど、ちょっとだけ目立ってずるいかなって」
姫「これで頭数は揃いつつ有るわ、前哨戦に対馬くんと祈先生を頂くとしますか」
よっぴー「対馬くんの初めては私の担当よぉ」
姫「大丈夫!ファーストキスだけ貰うから、あとは対馬くんはよっぴーの好きにして構わないわよ」
よっぴー「やった!対馬くん今日は私といろんな事をしあいっこしようね」
もはや突っ込みを入れる余裕はない、何やら話しが進んでいるがどうやら襲われるのは変わらないらしい、
出鼻をくじかれた祈先生は、早速姫に胸を揉みしだかれている、いい景色だ、

続くよ
226時給255円:2006/02/19(日) 22:27:07 ID:2xsHgcUkO
学校どたばた編13

もう理性を飛ばして状況を楽しもうと思った矢先に更に乱入者が突入してくる。
姫「曲者!」
何かの気配を察知したのかグレネードを構え臨戦体勢になったが手持ちのグレネードはまっぷたつに斬れた、
乙女「姫!まだまだだ。しかも私をさしおいてれおに手を出すとは不届千万!この地獄蝶々のサビにしてくれる!」
姫「ちっ、お邪魔虫、でもこっちには対馬くんを確保しているというアドヴァンテージがあるわ」
乙女「無駄だ、悪いが力ずくで押し通る!」
ボクも巻き添えですか、とりあえずボクの話しも聞いてくれるとうれしいな(もはや現実逃避)
カニ「ゴルァ、れお〜!愛しのボクを置いて逃げるとは、後でどうなるか覚悟してんだろうなぁー!」
なごみ「センパイ!大丈夫ですか!あ」
八時だよ!全員集合〜、お、終りだぁ。

まだ、続く
227名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 22:31:36 ID:cqeGJHzxO
支援
228時給255円:2006/02/19(日) 22:31:54 ID:2xsHgcUkO
学校どたばた編最終

第一保健室に集合された、生徒会執行部女性陣御一行様は一通り自分たちの主張をした後にこっちを向いて口々にこう言った。
乙女「れお、覚悟はいいか?」
祈「今回は残念ですがこうすることで妥協しておきますわ」
よっぴー「対馬くんが私を狂わせたのがいけないんだからね」
なごみ「センパイ、今日は我慢してくださいね」
カニ「れお、この苦難はボクたちの愛で乗り越えられるから我慢しろ!」
姫「という訳でこの女たらしをスマキにして竜宮に吊るしま〜す」
瞬く間にスマキにされ竜宮で吊された、正直今日はスバルみたいにぶっとぶ事が無いだけましらしい。

帰り道
今日は、嬉しい事があった反面、非常に疲れた。まさか自分を想ってくれる異性があんなにいるとは驚きを越して出来すぎだ。
れお「でも、なんで俺なんだ?」
スバル「ん?何か言ったか?今日は、フカヒレの代わりにぶっとびまくって身体中いてぇ」
れお「あ、ぁぁ、すまないな、巻き込んじまって」
スバル「いいって、それよか今日、フカヒレ見なかったな」
れお「そういやみてねぇな、おおかた徹夜でネットゲーム廃人になってるんじゃ」
スバル「だな、じゃ帰るか、頑張れよ色男!」
そうだな、何かこれから大変な気がする。ま、ほどほどに頑張るか。

エピローグに続く
229名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 22:33:33 ID:cqeGJHzxO
フカヒレがいない理由それは……
230時給255円:2006/02/19(日) 22:36:28 ID:2xsHgcUkO
エピローグ

八月中旬 いか島
遅れ馳せながらバカンスを兼ねての生徒会執行部の合宿にきている、
相変わらず女性陣のアプローチは激しい、しかし、その内にこの六人の中と付き合う事になるだろう、
こういう事には、はっきりしないといけない例え誰かが傷つく事になってもだ。
フカヒレ「しっかし、ここしか出番がないと泣けるよりも呆れるな」
カニ「まぁ、気にすんなって、存在感薄いのは今に始まった事じゃねぇだろ!
ヘイゾー、カメラの用意まだ〜?」
ヘイゾー「まぁ、あわてるでない、お前は忍耐を覚える事をしてみろぉ、我が侭は嫌われるぞぉ」
姫「対馬くん、そうなの?」
れお「のーこめんと♪」
スバル「小僧、近頃からかう事を覚えやがったな、成長してるな」
なごみ「センパイ、時々イジワルです」
よっぴー「私はそんなこと無いもん!」
祈「みなさ〜ん、そろそろ集合してくださ〜い」
乙女「写る時は目をつぶるんじゃないぞ」
ヘイゾー「んじゃまぁ、写すぞ〜」
一同「は〜い」
ヘイゾー「若さってのは眩しいな、太・陽・拳!」
パシャッ
みんな揃っての写真だ、これからも一緒に笑って行く仲間でいたい、例え短い期間でも、一緒に笑っていた証だ。
一生忘れない。

おしまい
231名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 22:36:41 ID:mM6JITi00
>>228
エピローグまでは続けないのかな?乙乙
232名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 22:40:04 ID:mM6JITi00
>>230
うあ、エピローグあった 失礼orz
233名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 22:46:49 ID:rG6dBCDB0
超支援
234名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 22:47:43 ID:cqeGJHzxO
GJ!
フカヒレがやってるゲームの話だと思った俺は、多分頭にカニ味噌がつまってるorz
235時給255円:2006/02/19(日) 22:49:46 ID:2xsHgcUkO
えー、無駄に長い長編にお付き合い頂きありがとうございました、
フカヒレ不在は、自分が出しそびれたというか削ったエピソードにあったので、
後付け設定にして完全別のオリジナルSSに少し出るかも程度(語り手)で登場させるつもりです。

今度は、自分の職場ネタ、意外な人物を登場させるつもりです。
その人物の設定も少し捏造します(できるだけ納得頂ける名前です)。
それではしばし読み手に戻ります。
236名無しさん@初回限定:2006/02/19(日) 22:51:40 ID:cqeGJHzxO
職場ネタって……鬼教官?
237突撃!覗き大作戦(1):2006/02/20(月) 00:03:02 ID:YDkVh3yD0
とうとう乙女さんの卒業まであと少しとなった。
そこで、お別れ会の意味も込めて、生徒会一同で温泉宿へのツアーに行くことになったのだ。
このツアーの発案者は姫。
誰よりも乗り気なのはさすがといったところか。
祈先生も結構乗り気だし、カニは前の日の晩なんてワクワクしすぎてて眠れなかったらしい。
椰子も渋々ながら了解し、こうして俺達は目的地へと向かった。
電車を乗り継いでやってきた先は、山に囲まれた静かな場所にポツリと建つ温泉宿。
何と言っても崖の上から景色を一望できる露天風呂が名物らしい。
「さぁ、着いたわよ」
「とてもいいところじゃないか。気に入ったぞ」
早速チェックインし、男子と女子に分かれて部屋へと案内された。
従業員はお年寄りしかいなくて、フカヒレは心底ガッカリ。
人数の都合もあってか、部屋は隣同士でも広さは違っていた。
当然ながら、女子のほうが広い部屋である。
この日は俺達以外の客はいないようで、その分豪華な食事を出してくれるとのことだった。
「さてと、スバルもレオもちょっと耳を貸せ」
フカヒレが俺達を部屋の真ん中に集合させる。そしておもむろに口を開いた。
「いいか、お前ら。男女で温泉宿に来たってことは、アレをしなくてはならないということだ」
「アレか…確かにやらないと、失礼に値するよな」
「その通り。ある程度の道具は揃えてある」
「しかし、乙女さんがいるぞ?オレはやらねぇからな。というか、やめとけ」
「何言ってるんだ、スバル。乙女さんは風呂の時は注意力が散漫になっている。
 楽しんでいるからこそ、付け入る隙があるってもんだ」
「あら、そうなの?」
「ダテに一緒に生活してないぜ」

…?
「おわぁ!姫!?」
238突撃!覗き大作戦(2):2006/02/20(月) 00:05:20 ID:YDkVh3yD0
「い、いつの間にいたんだ…」
「まったく、露骨にスケベねー。フカヒレ君はまだしも、対馬クンもそうだったなんて」
姫はやれやれと、呆れたような顔をしてみせた。
「た、頼むよ姫。お願いだから乙女さんには言わないで」
「フフン、どうしようかしら」
ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべる姫。
ああ、もう俺達の計画も人生もジ・エンドか…
「条件をのんでくれたら、乙女さんに話さないであげるわよ」
「ほ、本当かよ!?するする!何でもするぜ!」
なんて卑屈な奴なんだ、コイツは…
「私もその計画に参加させなさい」
「は?」
「一度やってみたかったよのねー、覗きってやつ。
 普段から女の子の裸を見てるけど、こういう新鮮さも大事だと思うのよ」
「そ、そういうもんなのか?」
「もちろん。幾多の苦難を乗り越えて裸を拝む…ああ、何と素晴らしいのかしら!」
そう言っている姫の目はキラキラと輝いていた。
…やっぱり姫ってダメ人間だ。明らかに頭のネジが飛んでる。
ひょっとしたらフカヒレやカニよりすごいかもしれない。
「姫も変わった趣味してるよなぁ。こういう場合、フカヒレとレオをぶん殴るのが当たり前と思うんだけどな」
「私から言わせてもらえば、スバル君も変わってるわよ。普通はこういう時、男の子なら喜んで参加するでしょう?
 それに面白そうじゃない。達成感もあるし」
「あいにく、オレはそういう趣味は持ち合わせていないんでね」

さて、そういうわけで『覗き大作戦』は俺とフカヒレと姫の三人で行うことになった。
スバルは参加しないが、だからと言って乙女さんにチクったりすることもないだろう。
これから始まる戦いは間違いなく壮絶なものになるはずだ。
しかし、俺達は決して諦めない。全員の裸をこの目に焼き付けるまでは。
239名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 00:05:53 ID:6cYsh01zO
おもしろかった。GJ!
上手い職人さんが多いからリレーSSとかも読んでみたいなー。
240突撃!覗き大作戦(2):2006/02/20(月) 00:07:30 ID:YDkVh3yD0
夕食までの時間、俺達は温泉で定番の卓球で遊んでいた。
例によってカニと椰子のバトルが勃発、敗北したカニはいつも以上にほっぺたをつねられてしまった。
しかし、俺達3人が遊んでいるのはあくまでもダミー。
本当は誰にも気づかれないよう、交代で覗きスポットの探索をしていたのだ。
ここで、いくつかわかったことをまとめてみよう。
まず、ここは屋内の風呂が一切ないということ。
これは非常にラッキーだ。
しかし、問題は大きな壁である。
男湯と女湯を隔てる壁は非常に分厚く、さらにかなりの高さだ。
ハンドドリルを用意していたが、これでは全く歯が立たない。
表面もツルツルで、登ることは間違いなく不可能だろう。
もっとも、姫を男湯に入れること自体に無理があるのだが。
ということで、決定されたプランは外に出て直接女湯まで接近して覗きをするという、通称『γプラン』に決定された。
双眼鏡は見えにくいので使用しない。湯気がたっていて見れないなんてことだけは避けなくてはならないのだ。
ネックなのは、覗きの場所まで急な斜面を登っていかなくてはならないことだ。
問題の場所は崖の上にある。これをどうしてもクリアしないと、念願の覗きはできないのだ。
時間をかけすぎてしまっては、全員が風呂から出てしまうだろう。
「しっかり食べておけよ」
「オッケー」
「腹が減っては戦はできないからな」
夕食直前に打ち合わせをし、出された夕食はおかわりするぐらいの勢いで全てたいらげた。
そしてしばらく経ち、作戦のために俺達はロビーに集合した。
「よっぴー達は間違いなく露天風呂に行ったわ」
「よし、それでは作戦を開始する。時計をあわせろ」
241突撃!覗き大作戦(4):2006/02/20(月) 00:09:33 ID:YDkVh3yD0
旅館を出て、露天風呂を覗くために道を突き進んでいく。
気づかれてはならないため、懐中電灯は使わずに闇に目が慣れるまでガマン。
そして、俺達は無事にポイントの崖の正面まで来た。
あとはこの急斜面を登っていけばいいだけだ。
露天風呂までの距離は結構あるが、まだまだ時間に余裕がある。
「ま、急斜面といっても楽勝よね」
「うむ、姫の言う通りだ。今頃はあそこでよっぴー達がキャアキャアと戯れているに違いない。
 想像しただけでもう…ハァハァ…」
「落ち着け、フカヒレ。万一、見つかった時はどうするんだ?」
「ダメねー、対馬クンは。見つかった時の事を考えているから失敗しちゃうのよ」
「そういうもんか」
「そういうもんよ」
「よし、ムダ話はここまでだ。行くぞ」
しかし、そこで俺達は奇妙な看板を発見した。
よく見てみると、そこにはこう書かれてあった。
『愚か者達へ。この看板を読んでいるということは、貴様等は旅館の露天風呂に覗きを働こうと考えているのであろう。
 悪い事は言わない、すぐに引き返すことだ。今まで幾多もの挑戦者が挑んだが、全員が失敗に終わった。
 我々は覗きを決して許しはしない。引き返さないのであれば、自ら修羅の道を歩むことを覚悟することだ』
…なんだ、これは。
「えらく古い看板だな。ひょっとしてあの旅館の誰かが用意したものかな?」
「それにしても物騒なこと書いてあるわね。私達がこんな脅しに屈するわけないのに」
「そうさ、俺達にはみんなの裸をこの目に焼き付けるという大儀がある。引き返すなんて選択があるものか」
フカヒレが燃えている。スケベ根性、恐るべし。
「で、どうするの?フカヒレ君」
「決まってるだろ。こうだ!」
フカヒレは看板を引っこ抜くと、地面に叩きつけて破壊してしまった。
「上等だぜ、俺達の力を見せてやる!宣戦布告だ!第08覗き小隊、出撃する!」
242名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 00:12:20 ID:/k8tSRBF0
 
243突撃!覗き大作戦(5):2006/02/20(月) 00:12:24 ID:YDkVh3yD0
それにしても、こうして見るとまるでちょっとした崖の上にある旅館が悪の要塞のように見える。
きっと露天風呂からの眺めはとてもいいだろうが、俺達は『露天風呂からの』ではなく『露天風呂の』景色を見るのである。
そこを間違えてはならない。
直接の視認…双眼鏡では味わうことのできない感動が、あるいは浪漫がそこにはある。
「よし、行くぞ」
フカヒレを先頭、しんがりが俺となってゆっくりと歩を進める。3人ともエアガンを装備し、ぬかりはない。
見張りがいたとしても、コイツがあれば心強い。
しかし、いきなりフカヒレが何かを踏んづけると、いきなり地面から網が現れた!
ジャングルとかでよく見られる、原始的なワナだ。
「うわぁぁぁ!」
「フカヒレ君!」
網で捕まえられ、木の上に宙釣り状態になってしまったが、フカヒレは用意周到だった。
「だ、大丈夫だ。こんなもんはナイフで…」
リュックサックからナイフを取り出し、網を切っていった。
もちろん落下してしまったが、そこはしっかりと受け止めてやる。
何とか無事に脱出だ。
「ふう、用意しといてよかったぜ」
「それにしても、この様子だと他にもワナが仕掛けられていると考えて間違いないわね…あら?」
「どうしたんだ、姫?」
「なんだか見られてるわね…それも沢山いるわ」
「へ?どこどこ?」
「木の上」
「木の上って…うおぉぉぉぉ!なんだこりゃぁ!」
なんと大量のフクロウが俺達をじっと見つめているではないか!
いや、これは見つめているというよりは睨んでいるという表現のほうが正しいだろう。
まるで自分達の領域に侵入してきた愚か者どもを排除するかのように。
「こいつは…やるしかなさそうだな」
「仕方ねぇ、いっちょおっぱじめるとするか!」
「覚悟なさい!私達の邪魔をするものには死あるのみ!」
244突撃!覗き大作戦(6):2006/02/20(月) 00:15:03 ID:YDkVh3yD0
「〜♪」
「いやー、本当にここの温泉は気持ちいいねー!」
「本当ですわね。霧夜さんもくればよかったのに」
「エリーはなんだか食べすぎらしくて…部屋で寝ています」
「そんなにお姫様って食べてましたっけ?」
「さぁ…」
「まぁまぁ、今いない人のことは置いておきましょう。カニさん、お背中を流してさしあげます」
「おーう、ありがとう祈ちゃん」
「ん?なんか下のほうが騒がしくないですか?」
「そういえば…あ、何か飛んでいったよ」
「ここらへんはフクロウがいるそうですわ。多分、それでしょう」
「〜♪〜♪」
「…乙女さん、温泉を満喫してるね」

「はぁ、はぁ、はぁ…」
「うぐぐ…」
なんとかエアガンのおかげでフクロウどもを追っ払うことは成功した。
しかし、代償も大きい。先ほどの戦闘で、フカヒレがリタイアとなってしまった。
いきなり作戦の発案者を失ってしまうのは、俺達にとって大きな痛手となってしまった。
もっとも、戦闘力はこの中で一番低いんだけど。
「へへ…ドジっちまったぜ…グフッ……」
「しっかりするんだ、フカヒレ!」
「傷は浅いわ!ほら、立って!」
「む、無理だよ姫…なぁ、レオ。このリュックサックの中にデジカメがある。それで撮ってきてくれ…」
差し出されたリュックサックを、俺はがっしりと掴んだ。
「ああ、お前の死は決して無駄にはしない!」
「急ぐわよ、対馬クン」
「たの…ん……だ…ぜ……(ガクッ)」
俺達のうち、1人でもいいから覗きができれば勝利なんだ。
フカヒレのためにも、俺はやるぜ!
245名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 00:16:53 ID:/k8tSRBF0
 
246突撃!覗き大作戦(7):2006/02/20(月) 00:17:56 ID:YDkVh3yD0
少々時間がかかってしまったが、それほど気にする事も無いだろう。
風呂好きの乙女さんがいるし、のんびり屋の祈先生もいるので長風呂になることは必定。
最低でもこの二人は残って風呂を楽しむに違いない。
しかし、それは最低限求められる結果。
俺達の目標は当然『全員』であることは言うまでもない。
「おっと。こんなわかりやすい落とし穴にひっかかるほどバカじゃないぜ。
 それにしてもワナばかりだな、ここは」
「本当に邪魔ばっかりしてくるわね。でも、あと少しよ」
「よし」
そう言って同時に一歩前に踏み出すと、どこかでカチッという音がした。
「何、今の音?」
「さぁ?」
突然、上からドドドドドという凄まじい爆音が響き渡る。
何かと思って見てみると、なんと大量のドラム缶が転がり落ちてくるではないか!
「くそ、正攻法できたか!」
「これは避けるられそうにもないわ、ここまでなんて…」
ん?そうなるとこの落とし穴はフェイクということになるな。
ひょっとしたら…
「いや、策はあるぜ」
「本当?どうするの?木の上もこれと同じぐらいのワナが仕掛けられているだろうし…」
「こうするんだよ」
そう言って、俺は姫を落とし穴の中に落とした。
さっき中を見たところ、1人の人間がすっぽりと入るぐらいの大きさで、底には特に仕掛けなどは無かった。
要するに、ここは安全地帯というわけだ。
「ちょ…何をするのよ!」
騒ぐ姫のところに、俺はリュックサックを投げ入れた。
「姫、1人でも覗くことができれば俺達の勝利なんだぜ」
「まさか…!」
「ここは俺に任せてくれ。こんなもんハンマーがあればすぐクリアだ!うおぉぉぉ!」
今だけでいい、俺は姫のナイトになってやるんだ!
247突撃!覗き大作戦(8):2006/02/20(月) 00:20:45 ID:YDkVh3yD0
ドラム缶が通り過ぎ、辺りが静かになった。
もう大丈夫だと確信して穴から出ると、そこにはボロボロになった対馬クンがうつ伏せになって倒れていた。
「しっかりしなさい、対馬クン!」
「無事で…よかった……」
「私のことより自分の心配をしなさい!」
「もう俺は…ダメだ……後は…頼むよ…姫……(ガクッ)」
「ちょっと、対馬クン?対馬クン!!」
返事は無かった。もはやただの屍となってしまったようね。
どうしよう、もう仲間はいない…これまでなのかしら。引き返そうか…
「引き返す?バカ言わないで」
私ったら、何を考えているのかしら。
そんなことがあると思う?2人の死を無駄にして?
「ここで諦めたら、この霧夜エリカの名が廃るわ。さぁ、何でも来なさい!」
乙女先輩の、祈先生の、なごみんの乳を見るまでは、例えどんな苦難が待ち受けようとも乗り越えてみせる!
竜鳴魂ここにあり!
「行くわよ!」
なりふり構っていられない、突撃あるのみ!
「丸太トラップ!?甘い!」
ごろごろと転がってくる丸太を飛び越し、
「邪魔しないで!」
群がってくる野犬をことごとく踏みつけ、
「くぅぅぅ…!負けるかぁ〜!」
接着剤を噴出す地雷地帯を、その地雷が爆発する前に駆け抜ける。
そしてようやくたどり着いたゴール地点。
満身創痍でほとんど体がいうことをきかない。
「この壁で…最後…!」
やっとのことでゴツゴツした壁を登り終え、ついに露天風呂に到着!
「デジカメを…」
リュックサックからデジカメを取り出し、正面に構える。
そこで私が目にしたものは…!
248名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 00:21:55 ID:tpoPQP350
C
249突撃!覗き大作戦(9):2006/02/20(月) 00:23:12 ID:YDkVh3yD0
「あれまぁ、女の子の覗きとはめずらしいのう」
「…はい?」
なんと、そこには旅館の従業員のオバアチャン2人しかいなかった。
当たり前だが、私が求めていた乳などあるはずがない。
フカヒレ君のデジカメもピキッと音を立てて壊れてしまった。
「そ、そんな…」
「看板を見なかったかい?まぁ、ここまでやって来た覗きも何年ぶりかねぇ…」
「それだけでも根性あるわいな。ひゃっひゃっひゃ!」
「教えといてやるかのう。ここの見取り図は嘘っぱちが書いてあるんじゃ。
 昔はお前さんのように覗きが絶えんかったから、迷惑しとったんじゃ。
 ちなみに、本当は女湯はこの壁の向こうじゃよ。ほれ、声が聞こえるじゃろ?」
『ボクはそろそろあがるねー!』
「ここは単なる従業員用の露天風呂じゃ。災難だったのう」
「あ、あは…あはははは……うひゃひゃひゃひゃ!」
「あれまぁ、お嬢さんが壊れてしまいよったぞ」
完全に力をなくした私は、そのまま下へ転落してしまった…
その後、私達がいなくなったので心配になったよっぴー達が、どうにかして私達を見つけてくれた。
旅館の人はどうやら今回のことをみんなには言わないでおいてくれたようだ。
しかし、私達の心には、もはや癒えることのない深い傷ができてしまったことは言うまでもない…

「いやぁ、楽しかったなぁ。みんなに礼を言うぞ」
「それにしても、ホント気持ちよかったね!また来よーぜー!あ、ココナッツはのけといてね」
「ふん、出来の悪い奴はイヤミも出来が悪いな」
「まぁまぁ、カニっちも椰子さんも…」
「それにしても、霧夜さんも対馬さんもフカヒレさんも、元気がないですわねー」
「ブツブツつぶやいたり肩を震わせたり…ずっとこんな状態だな。何かあったのか?」
「そもそも、なんであんなところにいたのさ?」
「さぁ…伊達君、何か知ってる?」
「いや、知らねぇな」
(…だからやめとけって言ったんだ。まだまだ甘ぇな、3人とも)
250シンイチ:2006/02/20(月) 00:26:26 ID:YDkVh3yD0
番号ダブっちゃった。
支援ありがとうございます。
今回は本当に勢いだけです。
軽い気持ちで読んでいただければ幸いです。
251名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 00:43:14 ID:vhmeAgUD0
207 2006/02/20(月) 00:24:23 ID:ofThmOFv0
名無しさん@ピンキー(sage)

>>182
       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       | 通報しますた
       \           、, _,.、
          ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄'´   ゙ヾ
        , ― 、        l イ从从ゾ    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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      [》ミ〈((^)))〉    /⌒    ⌒ヽ    \_______
        iヾ(リ゚ ヮ゚ノリ  /_/|     へ \  _
       ノ(ぃ9  |  (ぃ9 ./    /   \\'´,   `ヽ  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        /    /、    /    ./      ヽ|ニfノ从从リ< 通報しますた
       /   ∧_二つ (    /       ル(リ゚ ー゚ノリ  \_______
       /   /      \ .\\     (ぃ9  |       '´,  `ヽ
      /    \       \ .\\    /    /  ,、   《ミi(从从)) 
     /  /~\ \        >  ) )  ./   ∧_二∃   <メ(リ゚ ー゚ノ)><通報しますた
     /  /   >  )      / //   ./     ̄ ̄ ヽ   (ぃ9  )  , -‐-、_
   / ノ    / /      / / /  ._/  /~ ̄ ̄/ /   /    ∧つ'ノ爪 从リ
  / /   .  / ./.      / / / )⌒ _ ノ     / ./    /    \  w^ヮ^w ツウホウシマスタ
  / ./     ( ヽ、     ( ヽ ヽ | /       ( ヽ.    / /⌒>  )  ゚(  )−
(  _)       \__つ    \__つ) し          \_つ (_)  \_つ   / >
252名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 04:24:35 ID:UtaQGQqH0
>>251
いただきました。
253名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 06:03:37 ID:RqBlk8Pp0
>>251
ちょwナニコレww
254名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 08:46:29 ID:FVtGXKGS0
>>235
GJ。ところでなぜレオがひらがな?

>>250
なんて熱い話なんだ!しかし目的がのぞきw GJです。

>>251
祈ちゃんもいれば完璧なんだがなw
255名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 09:11:27 ID:B2nu5ehEO
>>250GJ!
姫を落とし穴に落とすレオが熱すぎる!
256名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 10:48:03 ID:2TmhLpQ9O
要望はあまりしてはいけないんだろうけど
今朝、架空請求の電話があって業者と押し問答しながら
乙女さんや、姫ならどんな感じで業者と話すだろうな?
そんなSS希望m(__)m
257時給255円:2006/02/20(月) 12:14:04 ID:xDGqOTeMO
254
かなり個人的理由ですが、
カタカナの「レオ」だと、可変型ビッグバイパーのパイロットの事をオートロードしてしまうからです。

258名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 12:18:06 ID:vhmeAgUD0
>>257
個人的理由以外の何物でもない気がするw
259名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 13:40:19 ID:H0KpFDrvO
>>250
つよきす!ふもっふワロタW
姫はレオがやられた時、潜在意識のどこかで赤のショーツが弾けたんと
勝手に脳内補足しときます(・∀・)
260時給255円:2006/02/20(月) 14:12:06 ID:xDGqOTeMO
班長!久しぶり!前編

高校を卒業し、現在大学の三年、事の始まりはサークルの合宿にあった。

どこをどう議論したらこうなったのか解らないまま、半ば強制的に自衛隊の体験入隊に参加させられた。

カニ「で、何でボクもいるのさ〜」
れお「人数は多い方がいいってさ、
実はもともとあまり乗り気じゃなかったけどな、きぬとだったらやる気でるかなって」
カニ「もう、しょうがねぇな、でもボクもれおと離れるのは耐えられないもんね」
男子学生A「バカップルはよそでやってくれ」
男子学生B「ま、そう言いなさんな、まだジョウタマのお嬢さんたちがいるからいいだろうが!」

と、まぁ、きぬも参加で一路西へ。
松笠からバスで一時間弱、場所は静岡の富士山の麓、時期的に冬のため雪化粧した富士山はかなり美しい。
カニ「おぉ、ヘリだヘリだ、あれでゴジラと毎日闘うんだよな」
れお「怪獣はこの世の中では見かけないから違うぞ、
あれは車よりも足の速いソマリア人にあーるぴぃぢぃで叩きおとされるやつだ」
カニ「マジか〜!すっげぇ」
そんなこんなで駐屯地に到着した。

後編に続く!
261時給255円:2006/02/20(月) 14:14:51 ID:xDGqOTeMO
班長!久しぶり!後編

最初に集められたホールでいかにも使い古しの制服をわたされ、男女別に着替えた、
再度ホールに戻り、担当するスタッフを紹介する事になった。そして三人目のスタッフになった
助教「わだすは、おなずく助教ど、班長をつどめるこどになりますた。いがひさとし3曹だす。よろすく」
カニ「なぁ、れおあいつどっかで見たことねぇか?」
れお「おれもそう思った、でも俺の記憶の中の髪型が違う」
カニ「うん、何か今にもファミコンウォーズが出ぇたぞ!って歌いそうな髪型だもんな」助教「お、そごにいんの対馬くんと蟹沢さんでねぇが、ひんさすぶりたな」
カニとれお「どちら様で?」
助教「わすだ!わす!井賀だ、井賀久利だ!忘れたか?」
カニ「いがひさとし?」
れお「いがひさとし、井賀久利、イガグリ」ぶー、まじぃ、いや、久しぶりだから忘れてた、しかも本名までそれかよ!
しかも髪型は部分イガグリと来てるヤバい目を合わせたらやられる。
カニ「れお〜?どした?」
れお「後で説明為てやる、訳聞いたらお前も腹よじれるぞ」
その後、きぬに一時間かけて説明し、体験入隊中二人して思い出し笑いを堪えるのに必死になったとさ。

おしまい
262時給255円:2006/02/20(月) 14:20:27 ID:xDGqOTeMO
今回は、フカヒレを登場させると細かい訓練ものになって長そうなんで、カニを登場させました。

反省?今回はしてません、捏造大好き、だ、ダメ?
263名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 14:28:41 ID:W9+Y+r3R0
(゜∀゜)イイヨイイヨ!イガグリイイヨ!
264名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 14:51:24 ID:Z7WGIrTX0
そろそろ雛人形作りにも飽きたであろう・・・。そんなアナタにはコレ↓
あんちやふーで新しい刺激を探そう!
ttp://www.unti-yahoo.com/
265名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 15:58:53 ID:est+dVA30
できれば時給255円はあとがきのみ書込してほしい
悪意なしでなんかうざい
ただしこれだけは言っておく
GJ
266名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 16:01:24 ID:IlzdfdlD0
俺も名前欄にはタイトルいれて時給255円は後書きだけのがいいな〜
あ、あとこれを言いたかったんだがGJ
267名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 16:18:36 ID:v8n/UvKY0
久しぶりに北。
もうお腹いっぱい、職人さん達GJ
268名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 16:22:09 ID:C1Z87CMRO
空也にだけ優しい姉様、空也にだけ厳しい海お姉ちゃんが見たい俺は懲罰大隊送りですか?
269名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 16:23:33 ID:B2nu5ehEO
GJ!
ってイガグリの本名……
しかし竜鳴七不思議の一つが判明したわけだ
270名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 18:39:06 ID:Qe6NNxsr0
自給255円の何がうざいって、続く!とか文末にあるのがうざい
271名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 19:25:48 ID:V0zNizQg0
うざいならスルーしろよ。SSの中身について批判をするならまだしも、単にわざわざうざいうざい書き込むだけなら荒れるだろ。
NGネームに指定するなりなんなり、見なくて済む方法はあるんだから。
272名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 20:56:07 ID:est+dVA30
すまん スルーしとくべきだった
55円自身を非難したわけではないが、気を悪くしてたら ごめん
273名無しさん@初回限定:2006/02/20(月) 22:49:40 ID:/k8tSRBF0
>>261 爆笑した。レオ、すまねー
>>230 はもう少し書き溜めて推敲したら・・・それでもどうにもならんか。
    書き手には勢いで乱作していくのが楽しい、
   たまに光るのが出来ればそれでいいというタイプもいるからなー。

>>250 相変わらず、GJ。さっと読めた。
    大崩れはしていないわけだが。
    姫は堂々と女風呂に入れるやんという違和感が少しある。
    最短距離を行ってないぶん、登場人物が必死になればなるほど、それがわざとらしく見えるわけで
    特に物語が悪いわけではないんだがな・・・
274名無しさん@初回限定:2006/02/21(火) 02:54:58 ID:ItDjQ0jB0
677 :名無しさん@ピンキー:2006/02/21(火) 02:46:22 ID:S+bdUwjy0
レオってボトルシップをネタにされると「やってみろよ!」
ボトルシップに触られると「俺の魂にさわるな!」
けど、ボトルシップを壊されると崩れ落ちて思考が土星に飛ぶ

レオを倒したかったらまずボトルシップを壊すと良いネ

683 :名無しさん@ピンキー:2006/02/21(火) 02:50:57 ID:SSu/IR0d0
>>677
ぜったいにゆるさんぞ虫ケラども!!!!!
じわじわとなぶり殺しにしてくれる!!!!!
ひとりたりとも逃がさんぞ覚悟しろ!!!

となる件
275名無しさん@初回限定:2006/02/21(火) 05:28:24 ID:ItDjQ0jB0
俺は同心・対馬レオまで更新されてるな
中の人乙
276名無しさん@初回限定:2006/02/21(火) 05:29:15 ID:ItDjQ0jB0
674 :名無しさん@ピンキー:2006/02/21(火) 02:42:37 ID:8tnOgfx50
レオが熱血入る時っていつだ?(WIKI用まとめ)

・乙女さんルートの特訓&村田との試合
・蟹ルートのvsスバル
・姫ルートのラスト校内放送・野球で終盤ヒット打つ(カニ「ナイス熱血モード」)
 ※ボトルシップの場合は熱血というよりはマジギレモード
・ypルート(ry
・なごみルートのドッジボール・ハンサム大野のナンパ(スバル「おっ、熱血モードだな!」)
 OP駅前でなごみを不良から助ける
・祈ちゃんルート・何度冷たくされてもアタックしていくのは…熱血とはまた違うか
・竜鳴館1年生の時・キーパー
・素奈緒ルートで補完予定・中学時代のハッスル君


675 :名無しさん@ピンキー:2006/02/21(火) 02:43:33 ID:8tnOgfx50
追加・乙女さんを探す
   カニを探す
   よっぴーを探す
277名無しさん@初回限定:2006/02/21(火) 17:22:58 ID:0+C5ZpdFO
中の人大変そうだな。
乙!!
278名無しさん@初回限定:2006/02/21(火) 19:01:12 ID:Dzo/DEf10
>>277
フレームページにブラウザが対応してないからでは?
ここからでどうかな?

http://yellow.ribbon.to/~nechan2/list.html
279名無しさん@初回限定:2006/02/21(火) 19:10:58 ID:0+C5ZpdFO
メル欄でぼやいてみただけなのに。ありがとー!
心の友と呼ばせてくれ!
280名無しさん@初回限定:2006/02/21(火) 20:03:13 ID:HEKF/n5O0
>>279
ジャイアン乙w
281名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 02:12:11 ID:GCgm7WHE0
     |∧∧
     |・ω・)    ダレモイナイ...
     |⊂     カニカニ スルナラ イマノウチ...
     |

         (V)∧_∧(V)
         ヽ(・ω・)ノ  カニカニカニカニ
          /  /
         ノ ̄ゝ

             (V) ∧_∧ (V)
              ヽ(   )ノ  カニカニカニカニカニカニ
               /  /
           ..........ノ ̄ゝ

ぬるぽ
282名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 02:15:16 ID:N2y34z9eO
ガッ
283名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 02:19:56 ID:GCgm7WHE0
はやっ。って携帯からかよ。
ガッられたから、フィギュア待ちしてたけど寝よ。
284名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 06:45:32 ID:nBCC27Vi0
>>146
GJ!!
亀レスだがジェイクリーナスネタ笑ってしまったwwww
ヴァルキリーで一番好きなキャラだからな〜wwww
285284:2006/02/22(水) 06:46:16 ID:nBCC27Vi0
アゲスマソ
286寒いね。  1/3:2006/02/22(水) 09:13:22 ID:JH3OK0pU0
ある日。凍える寒さの中、俺はあるもののために物置の中を物色していた。物置の中の荷
物を外に出しているだけでも手がかじかんでしまう。正直今年の寒さは半端ではない。
あのフカヒレが年末年始に風邪をこじらせ寝込んでいるのだから。とりあえず乙女さんが
帰って来る前に用意してしまおう。

「じゃ〜〜ん」
俺が勢いよく自分の部屋のドアを開けた。
「おぉ」
乙女さんは感嘆の声と一緒に拍手をした。
「こたつかぁ。そういえば柴又の実家では毎年出していたな。レオの家にもあったのか。よ〜し!私が一番乗だ。」
しまった。ただでさえ狭い俺の部屋で奥の一番広い席を取られた。
「あぁ〜。ずるいよー、お姉ちゃーん」
俺は一瞬遅れて乙女さんのとなりを陣取った。そして準備していたみかんの入った竹かご
をこたつの上においた。
「お前よく私がみかんが食べたいってわかったな。やっぱりこたつにみかんは日本人の心
だ。」
そういってみかんの皮を剥き始めた。柑橘系の香りがいい感じに匂ってくる。
「うん、おいしい。ほら、レオ。お前も食べろ」
そういって乙女さんはみかん二つを俺の目の前に置いた。少しの間乙女さんの嬉しい顔に
見とれてたなんて言えないか。
「お前、手が荒れてないか?」
自分の手をみると手の甲がザラザラだった。「こたつを出すとき、水ぶきしたから、そん
ときかな」
「かわいそうに……」
乙女さんは俺の手を優しく包み込むようにさすってくれた。
「そういえば、お前は冷え性だったな」
287寒いね。  2/3:2006/02/22(水) 09:14:06 ID:JH3OK0pU0
こたつの中で乙女さんが足もさすってくれる。この人やっぱり優しいんだなぁ。
「まったく、私にこんなことまでさせるなんて。お前がいけないんだぞ、このお姉ちゃん子め!」
怒られちゃいました。っていうか乙女さんのはにかんだ顔かわいすぎ。さすがにここまで
いわれると、なんというか
「そうだね」
としか言いようがないわけで。そのあとしばらく二人で手足をもみ合うようにさすっていた。

「今日は寒いな」
「うん、寒いね」
こたつの中で乙女さんの手をにぎる。
「そういえばお前この部屋換気したのか?少しほこりっぽいぞ」
「あ、いけね」
乙女さんがほこりを気にするとは意外だったけど、瞬時に体が反応してしまった。窓を開
けると冷たい風が俺の顔にたたきつけられた。
「雪だっ!」
粒が小さく粉のような雪で見えにくかったけど、顔が湿っていたのですぐわかった。予報に
はなかったし、深々と降っていたからわからなかったんだ。
「つもるかな?」
「どうだろうな。もし積もったらあしたトレーニングを兼ねて雪かきだぞ」
いや、それはムリだ。
「仕方ない。換気が終わるまでそのままだ」
しぶしぶこたつにもどる。とにかく寒いので乙女さんを抱き寄せた。
「レオ?」
「こうするとあったかいでしょ?」
「おまえ……本当に甘えん坊だな」
乙女さんの頭が俺の肩に乗っかる。乙女さんの甘い息が俺の耳にかかった。
「蟹沢たちは……来ないのか?」
「あと30分位はね」
「そうか……」
288寒いね。  3/3:2006/02/22(水) 09:14:54 ID:JH3OK0pU0
「もう少しこうしていようよ」
「そうだな……」
乙女さんがそばにあった俺のマフラーを半分は自分の首に巻き、もう半分を俺の首に巻い
てくれた。
「寒くても……こうするとあったかいんだな」
乙女さんのほっぺたがだんだん紅葉色に変わっていく。
「そうだね」
俺は乙女さんの頬に軽くキスをした。
「こら、仕返しだ」
すぐに俺の唇は奪われてしまった。やっぱり俺は主導権と言う言葉に無縁なのかな?
ちょっぴりかなしいです。

数日後、柴又の家から見える位置に冬服と書かれたダンボールが送られてきた。そういえ
ば乙女さんはいまでも夏服だ。2月中旬ですよ。正直遅すぎる。乙女さんは寒さを感じな
いけど一応送ったってことなのか?また俺の中で鉄家がさらに遠い存在になってしまった。
おわり。
289名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 10:03:49 ID:7nwHzvyXO
GJ!
他に強いて言うなら
恐るべし!鉄一族!!
290名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 10:15:51 ID:YktDBXULO
>>277 ググれと言いたいところだけどあんたみたいなエログロイカの為にファイル○シーク使用の保管庫をうpしてあげるわよ

ttp://p06.fileseek.net/cgi-bin/p.cgi?uR=yellow.ribbon.to%2F%7Enechan2%2Flist.html&sZ=5

>>中の人・職人
調子のんな!
でも認めてあげてもいいわよ。感謝しなさい!
291名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 12:15:20 ID:fO20SNRA0
>>290
保管庫補助 乙
292名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 19:31:19 ID:gwNC/UEd0
「ただいまー」

「お疲れー」「お疲れさま、エリー」

会議を終えたエリカが竜宮に戻ってきたのは
もう日が暮れかけた頃だった。

「二人とも、待ってなくてもよかったのに」

「そうもいかないだろ」

「片づけなきゃならない書類もあったしね」

「ご苦労様。それじゃ、帰りましょうか」

3人で歩く帰り道、ふとエリカが足を止める。

「…どうしたの、エリー?」

「……シッ……聞こえない?」

エリカは耳をそばだてて辺りを見回していたが
歩いていた方向を変え、歩道の植え込みの方に歩いていく。
後を追った俺と佐藤さんにも
かがみ込んだエリカの見つめるものがわかってきた。
植え込みの陰にうずくまる、白くてふわふわしたもの。

『みー』

「あー、子猫だー」

それはまだ生まれて間もないような、真っ白な子猫だった。
293名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 19:35:23 ID:gwNC/UEd0
「全然気がつかなかったなぁ。よく鳴き声が聞こえたね」

「まあね。猫の声には、人一倍敏感なの。
 ……まだ生まれて1ヶ月もたってないわねー。
 ん〜、可〜愛〜い〜♪」

可愛い、と目を細める割には
エリカは子猫を抱き上げようとも触ろうともしない。

『みー』

子猫は見守る俺たちを、珍しそうな目で見ては
みーみーとか細い声で鳴いた。

「迷子、なのかな……」

「……お腹がすいてるみたいね」

そう言うと、エリカはチラ、と俺を見上げる。
やれやれ。

「…そこのコンビニでミルク買ってくるよ」

「うん、お願いねー」

最近は、何を命令…いや、頼まれるか
言われる前にだいたいわかる。
コンビニの方へ足を向ける俺の背中に、エリカが注文を追加してくる。

「急いでねー?」

言われるがまま走り出す俺だった。
294名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 19:39:40 ID:gwNC/UEd0
「買ってきたよー。ミルクと、紙のお皿
 あと寒そうだったからハンドタオル」

「ん、サンキュー」

紙の皿にミルクを注ぎ、目の前に置いてやると
子猫はぴちゃぴちゃとミルクを飲み始める。
エリカがそっとその足下にタオルをおいても
夢中で飲み続けていた。

「あは、飲んでる飲んでる♪」

「しかし……こんなところに子猫だけ一匹って変だな。
 ひょっとして捨て猫か?」

「……だったら可哀想だね…」

だが
俺たちの心配はすぐに消え去る。
一匹の、大きな白猫の声で。

『なぁーぉ』

子猫の耳がピン、と立ち、
ミルクを舐めていた顔を上げて大きな声で鳴いた。

『みー!みー!』

『なーおぅ』

おそらく母猫であろうその白猫は
子猫の鳴き声に気づき、立ち止まってこちらをじっと見つめていた。
295名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 19:43:44 ID:gwNC/UEd0
「……レオ、よっぴー」

エリカに促され、俺たちはそっと子猫から離れる。
おそらく野良猫であろう母猫が
警戒して近づかないのは容易に想像できた。
入れ替わりに、母猫が悠々と子猫に歩み寄る。

「よかったぁ……捨て猫じゃ、なかったんだね」

「あ、見て見て……や〜ん、可愛い〜♪」

子猫もまた、母猫に走り寄っていく。
まだおぼつかない足取りが
危なっかしくも微笑ましい。
やがて母親の元にたどり着くと
ころころと転がりながらその足にじゃれていた。

やがて、母猫はまとわりつく子猫の首を
ひょい、とくわえて持ち上げると
現れたときと同じように悠々と立ち去りかけ
ピタ、と足を止めるとこちらを向いた。
母親の口からぶら下がったまま
別れを告げるように子猫が鳴く。

『みー!』

ぺこり

気のせいか、子猫をくわえたままの母猫が
俺たちに礼を言うかのように頭を下げたように見えた。

そして、それは気のせいではなかった。
296名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 19:47:15 ID:QmaxomP40
支援
297名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 19:47:49 ID:gwNC/UEd0
翌朝。
目覚ましより先に、ケータイの呼び出し音に起こされる。

「……うぁい……対馬ですけど」

『対馬クン!?佐藤です!』

耳に飛び込んできたのは、やけに慌てた佐藤さんの声だった。

「んあ?…どしたの、こんな早く」

「エ、エリーが大変なの!」

パッと目が覚めた。
エリカが……?
確か、昨日は佐藤さんのところに泊まったはずだが……

「何かあったの?」

「え、えっと……で、電話じゃうまく言えないよぅ!
 とにかく、私の家まで来て……ひゃ、ダメ、エリー!
 ちょ、エリーったら、めっ!」

?なんだ?
病気にでもなったのかとも思ったが
どうもそうでもないみたいだ……

「とにかく、すぐそっち行くから!」

「うん、お願い!……きゃ、エリー!?」

電話がブツリと切れ、俺は支度もそこそこに家を飛び出した。
298名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 19:49:53 ID:gwNC/UEd0
佐藤さんのマンションまで一気に走ると
部屋まで駆け上がりドアをノックして叫ぶ。

「エリカ!佐藤さん!」

『あ、対馬くん!?ちょっと待って!』

中から佐藤さんの声がしたが……
エリカの声はしない。
ガチャリとロックが外され
ドアを少し開けて佐藤さんが貌をのぞかせる。

「あ、対馬、くん……えっと……
 お、驚かない、でね…?」

「?何に?」

「エリーに」

なんで俺がエリカに驚くのかわからないが
とにかく部屋の中に入ってみると…

「うわあぁっ!?」

いきなり、半ば裸のエリカに飛びつかれ押し倒された!

「……やっぱり驚くよね」

「な……なにコレなにコレェッ!?エリカ!?エリカなの!?」

驚いたのは不意に押し倒されたからじゃない。
頭には白い猫の耳、形のいい尻には長く白いシッポが生えていたからだった。
299名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 19:51:58 ID:gwNC/UEd0
エリカがのどをグルグルと鳴らして俺にすり寄る。

「にゃーん♪」

ぐあ、まるっきり猫!?

「どうなってんの!?いつからこんな可愛い……
 じゃない、おかしなことに!?」

「今朝起きたら……もう、こうなってたんだよ。
 ねえ、どうしよう……?」

「どうしよう、ってもなぁ……」

今一度、エリカをよく見てみる。
ネコ耳、ネコシッポはやっぱり生えている。目は猫の目。
パジャマの上だけを着ているが、前のボタンは全然とめていない。
そして、下は……何もはいてない……

「あ、あんまり見ちゃダメだよぅ」

佐藤さんが顔を赤くしながら困っている。。

「え……あ、いや、その……
 まあ、俺はしょっちゅう見てるから」

「それでも、ダメ」

「…うぃーす」

まあ……確かにこんなエリカを見ていると
思わずムラムラとしかねないのは確かだが。
300名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 19:52:46 ID:QmaxomP40
紫煙
301名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 19:54:15 ID:gwNC/UEd0
それから2時間ほど
俺と佐藤さんはエリカにじゃれつかれて
ずっと子猫と遊ぶように遊んでいた。

今はさすがに遊び疲れたのか
エリカはベッドの上で丸まって
スヤスヤと寝息を立てている。

「よい、しょっと……ふう」

眠った隙に、佐藤さんがパンツをはかせ、毛布をかける。
助かった。目のやり場に困ってたんだ。
パンツの上からシッポがはみ出てるのはご愛嬌だ。

「しかし……これからどうするかなぁ」

原因はだいたい見当はついてるんだけど。

「やっぱり…昨日の猫かなぁ……」

「たぶん、そうだろうな……猫のタタリだか呪いだかで
 こんなことになっちゃったとしか思えない」

「祟られるようなことはしてないのに……
 ひょっとして、エリーが猫好きだから
 お礼に猫にしてくれた、とか……?」

つまり……猫の恩返しってわけか。

「もし……エリーがこのままだったら…どうしよう」

あまり考えたくない事態だった。
302名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 19:56:03 ID:sp4pajVC0
あー気持ち悪い
にんじんのグラッセって単独で食う物じゃないな

試演
303名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 19:56:25 ID:gwNC/UEd0
幸い、その心配は杞憂に終わった。

「ん〜っ……おはよう、よっぴー♪」

目を覚ました瞬間
エリカの耳とシッポは煙のように消えてしまった。
目も普通の人間の目になり
意識も戻ってちゃんと喋っている。

「あれ?なんでレオがいるの?」

どうも猫だった記憶はないらしい。
しかし……なんて説明すればいいんだ?
だが、佐藤さんは落ち着いている。

「エリーがいくら起こしても起きないから
 心配になって来てもらったんだよ。
 ほら、もうこんな時間」

むう、よくもスラスラと。

「うわ、なに11時!?学校は!?」

「休みにしてもらったよ」

「そうだったんだ……
 よっぴー、レオ、ゴメンね、心配かけて」

「いやいや、ちゃんと起きてくれて、安心したよ」

「けど、よく眠ったわねー。そんなに疲れてたのかしら?
 ま、おかげで何かすごーくリフレッシュした感じ♪」
304名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 19:58:34 ID:gwNC/UEd0
こうして、猫エリカ騒動は終わった……

かに見えた。
週末。
実家に乙女さんが帰るのと入れ替わりにエリカがやってくる。
もちろん、お泊まりセット持参で。

簡単に夕食を済ませると
もう二人はその気になっていた。

部屋にはいると明かりを消し
唇を重ねながらエリカの熱くなった体をまさぐる。

ざらり

…やけにエリカの舌がザラザラしてる。
エリカがピクンと身を震わせる。

「にゃ……ぅん……」

にゃぅん?

まさぐる指先に触れる、短い毛の生えたシッポ。
目を開けて、エリカを見れば
暗闇の中から二つの金色の闇が俺を見つめ返していた。

「なぉーう……ふなーぉーぅ……」

……いいさ、これだって
エリカの持つ一つの側面なんだから。
うつぶせになって尻をかかげるエリカに
俺はゆっくりと覆い被さっていった……
305Seena ◆Rion/soCys :2006/02/22(水) 20:00:40 ID:gwNC/UEd0
以上、ネコの日にちなんで「猫エリカ」。
306名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 20:01:11 ID:GbSZoA720
猫のスタイルですがりつけ!
307名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 20:02:32 ID:QmaxomP40
>>305
GJ!猫エリカハァハァ
308名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 20:09:31 ID:pxH7Pq770
>>305の書き込みをみるまで
今日が猫の日とか全然知らなかったw

GJ!
つよきす版キャットピープルって感じやねw
309名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 20:26:37 ID:Zlp88sQw0
>>305
GJ

>暗闇の中から二つの金色の闇が俺を見つめ返していた。

ゾクゾクするぜ…
310名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 20:53:18 ID:d/qaYtMpO
2ヶ月ぶりだ
>>305
GJ!

ところで「すなお」って誰…?
パソコンぶっ壊れてんだ…
311名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 21:27:38 ID:U3NpkdEF0
>>310
牛子の母親






PS2版の新キャラ
312名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 21:35:34 ID:ZTUVnfDh0
覆いかぶさってからがないとはムゴイw

>>305

GJ!
313名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 21:58:12 ID:3BFP48si0
>>305
姫大好き、猫大好き!GJ!

でも猫の日ってのは知らなかったなw
314名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 23:05:38 ID:pBqIIwrjO
フリスキーGJ!
Seenaさん本格復帰ですか?
315Seena ◆Rion/soCys :2006/02/22(水) 23:23:25 ID:gwNC/UEd0
感想謝々〜
>>308 >>313
私も晩ご飯まで知らなかったですw>猫の日

>>314
PC変えたときにトリップキーどこかわかんなくなっちゃっただけで
面倒なんで名無しで書いてましたがw
316名無しさん@初回限定:2006/02/22(水) 23:54:31 ID:pBqIIwrjO
あ、そうなんですか
全然気付かんかった
317名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 00:07:09 ID:wddgSbSAO
>>305GK!! 猫エリーかわいいよ、猫エリー
>>306ウホッ、チバ乙
318名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 00:07:23 ID:5m9WvDL00
このコテの存在のおかげで、このスレが素直に楽しめなくなったのは、俺にとって本当に不幸なことだと思う。
きっかけは大したことじゃないし、他の住人もこだわってないんだから、俺が水に流せばいいだけの話なんだけどな。
一度嫌いになってしまったものは、なかなか頭から離れない。
だからといって、このスレを見ないでいるのはイヤだ。
というわけで我慢して見ている俺。
本来なら消えるか黙ってROMっているべきなんだろうけどな。
319名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 00:16:30 ID:ER77T/Pn0
>>318
我慢しなくていいから黙って消えれば?
わざわざ嫌味カキコとかサイテーだよ
320名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 00:17:44 ID:5m9WvDL00
正直、俺もそう思う。
なぜこのスレを嫌うようになってしまったのか・・・
最初は楽しめていたんだけどなあ。
321名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 00:20:25 ID:BMuEK3bD0
粘着荒らしは放置に限る

次の人ドゾー
322名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 00:26:37 ID:ER77T/Pn0
雰囲気悪くしてスマソ
323名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 00:26:37 ID:mYnsyMOfO
>>320
さあ、俺と一緒に消えよう…5mm。クレバーに生きていこうぜ(´・ω・`)

324名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 00:29:21 ID:5m9WvDL00
>>323
残念ながら5mだ。
あと、これも残念ながら、携帯からだと自演に見えるぜ・・・orz
325名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 00:30:42 ID:8hmyY6r+0
>>324
お前が消えるなら俺も消えにゃあならん。
がまんできるなら、黙って見続けようぜ
326名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 00:35:24 ID:TCQsN6bI0
どうでもいいから消えるなら黙って消えろよ、ウザスギ。
327名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 00:36:05 ID:5m9WvDL00
ほんとだよな。
328名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 00:37:40 ID:8hmyY6r+0
マジそう思うぜ
329名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 00:38:51 ID:BMuEK3bD0
はい、触らないで触らないでー
330名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 00:45:46 ID:qgKH3omGO
みんな楽しめ!
こんな雰囲気イクナイ
楽しくない!!
書き手の人達も投下しずらいぞ、きっと。
それぞれ意見もあるんだろうが、とりあえずこのスレのスレ埋めまで我慢しろ!
そこで言いたいこと言えばいいじゃん
……って俺は何様だって感じだな
俺も反省するからお前らも一緒に反省しようぜ
また楽しくなるようにさ
331名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 00:48:29 ID:TCQsN6bI0
楽しかったよ?変なのが来るまでは
332名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 01:10:54 ID:ER77T/Pn0
むう…流れを変えるために何か投下しようと思ったが考えがまとまらない
誰か書き手の人こないかな…
333名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 01:11:17 ID:8P5fLtA10
作者さん方へ
自己主張は作品でやろうぜ
飴信者どうし仲良くね
334名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 01:20:09 ID:8hmyY6r+0
>>331
どっちの意味にもとれるなw

>>333
ういうい〜
いいこと言うな
335名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 01:22:40 ID:BMuEK3bD0
はい触らないように〜
336名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 01:24:31 ID:PCEf4TiN0
288 :名無しさん@ピンキー:2006/02/22(水) 21:37:31 ID:W11zXE7c0
>>268
全員が何かのマニア。主人公は普通。

おバカな幼馴染み…爬虫類マニア。
 ペットのクロ子(クロコダイル)は6m、いきなりハードル高いです
口うるさいお姉さん…鉄道マニア
 あだ名は鉄ちゃん
生意気な後輩…こけしマニア
 古今東西、ありとあらゆる形のこけしを集めている。家もこけし型
高飛車なお嬢様…健康マニア
 健康のためなら命をも平気で投げ出す。上履きはイボつき
優しい委員長…爪、手首マニア
 隠しキャラ。静かに暮らしたい。

292 :名無しさん@ピンキー:2006/02/22(水) 21:43:11 ID:6iXpecTC0
>>288
胸の大きい先生…遅刻マニア
 遅刻の為に、毎日なんらかの病気にかかっている。

295 :名無しさん@ピンキー:2006/02/22(水) 21:47:25 ID:W11zXE7c0
>>292
胸の大きい先生…お菓子マニア
 お菓子を食べるたびに「焼きたて!ジャぱん」ばりのリアクションをする。
 その表現方法に問題があり、コンシューマ版では攻略対象から外される。
勝気な同級生…特撮マニア
 エロゲのスレに濃い誤爆をかます。誰もうかつにつっこめない
337名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 01:28:23 ID:PCEf4TiN0
368 :名無しさん@ピンキー:2006/02/22(水) 23:25:12 ID:W11zXE7c0
>>359
そうさ、天王寺がCooLにいなくなるルートさ。
後味が悪くないように天王寺が料理してくれるのさ。


>>363
祈ちゃん忘れてた…

┬─幼馴染END
├乙女┬good
│    └cool(下剋上END)
├カニ┬good
│   └cool(豆花・真名と一緒END)
├素奈緒┬good
│      └cool(西崎と一緒END)
├姫┬good
││└cool(よっぴーと一緒END)
│└ypEND
├椰子┬good
|    └cool(親子丼END)
└祈┬good
    └cool(涅槃で憩と一緒END)
338名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 01:30:18 ID:BMuEK3bD0
うはw何その飴新作ww
って転載にでもつい突っ込みたくなるなw
339名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 01:46:52 ID:lzuK27KL0
俺は今悩んでいる。
今目の前にあるのは、豚肉弁当。
ただの豚肉弁当ではなくかなり味が濃い。
「どうですか?」
ってこれの感想を言えと?
無理難題をおっしゃる。
「どうでしょうか?」
どうって言われてもなあ。
正直に言ってもいいものかマジで迷う。
こいつは料理に対して真剣なんだよなあ。
そんな奴が味付けこんなにミスするとも思えんし……
仕方ない。
「うん、美味いよ。けっこう味が濃くて俺好みの味だし」
「……センパイ……本気で言ってるんですか?」
え? なぜ目が少し潤んでるんですか?
「それ、わざと味付け微妙にしたんですけど」
「……は?」
「センパイが正直に感想を言ってくれるか確かめたかったんです」
「い、いや、ちょっと待て。人を試すなんて人が悪すぎ……」
「問答無用」
そう言いながら椰子が取り出したはフォーク。
「覚悟」
俺は全てを悟った。
ここで終わるんだなあと。
あと、正直に答えときゃよかったなあと。

サクッ!!


椰子ルート リタイア
「ぬいぐるみのかわりに」
340名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 01:48:59 ID:P3ATCFeV0
>>318
それって書き手に一切責任無いだろ。書き手を取りまく信者の痛さのせいじゃねーの?
341名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 01:49:48 ID:lzuK27KL0
あの選択肢に納得がいかなくて書いた。
後悔も反省もしてないし続きを書く気も無い。
書きたい方がいれば御自由に。
342名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 01:53:33 ID:VeHF9lJm0
>>340
いや、あのワケわからんリアルツンデレ事件とかもあるし、本人もある程度イタイ人なんじゃね?
作品自体は大好きだから俺は別に気にしてないけど。
343名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 01:56:01 ID:BMuEK3bD0
>>341
GJ
レオカワイソスw

>>340
>>342
書き手に何も言わずいつまでも話を蒸し返してるほうがイタイですよっと
344名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 01:57:45 ID:VQhnb0hs0
空気を悪くするようなことは思っても言わないのが大人への一歩だぜ?
お前らもっとクールになりなよ。
345名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 02:02:57 ID:qgKH3omGO
反省終わって帰って来てみればあら不思議……SS投下されてるじゃありませんか。

>>341ちょっと体育館裏に来てもらえませんか?
346名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 02:03:29 ID:VeHF9lJm0
>>343-344
ゴメン。
で、343見て>>305にGJ言い忘れていたことに気がついた。
改めてGJ!
347名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 02:03:42 ID:gAL9M2AU0
>318
トリNG登録して、下らん発言スンナ
文句言うなら作品に対して言えよ
>342
あのネタを事件と称するには語弊がないか?
作品読むスレなんだから、本人がおっさんだろうが腐女子だろうが関係ないじゃないか。

関係ない発言でレス汚しスマソ
>>339
GJだけど、なごみんそこまでやらないんじゃね?
すでにンデ期だし。
348名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 02:07:30 ID:lzuK27KL0
だいぶ雰囲気戻ってきましたね。
あのような作品を投下したのは納得いってないという理由もありますが、
何よりあまりに荒れてるなあと思って、
こっちに怒りの矛先が向けばいいかなと思って投下しました。
もちろん反省はしています。
349名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 02:12:21 ID:BMuEK3bD0
よーし気に入ったぞ>>348
体育館裏で、>>345とファックしていいぞ!
350名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 02:16:37 ID:lzuK27KL0
>>349勘弁してください

>>347信じかけていたものに裏切られる。
それがどれだけきつい事か、と勝手に想像してました。
なごみんにとって心を開きかけてる時期なだけに。
351名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 02:17:36 ID:lzuK27KL0
sage忘れ申し訳ない。
352名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 02:22:39 ID:qgKH3omGO
最初は体育館裏でボコゴホン!話し合う予定だったがまあ許してやらなくもない
でも作者は作品で語るとかなんとか……いや何もない
つGJ?
353山とレオと豆花 1/10:2006/02/23(木) 02:45:15 ID:VQhnb0hs0
「金色の ちひさき鳥の かたちして」
「銀杏散るなり 夕日の岡に……、与謝野晶子だね」
「よく知てるネ対馬クン」
「乙女さんに教わった。豆花さんもホントよく知ってるよね」
「アハハ、そんなことないヨ」
「オーイ、何しとるんやー!」
「早くしねーと、ビリになっちまうべ!」
「ハイハイ、わかってるよ! 少し急ごうか豆花さん」
「ウン」
 赤や黄色に染まった葉を踏みしめ、俺は前を行く浦賀さんとイガグリに追いつこうと歩を早くした。
 今、俺は山を登っている。登山である。
 なぜ登山なんかをしているのか? その理由は2日前に遡る。
「お前達、元気がいいのは結構だが少々度が過ぎているようだな。他のクラスからも苦情が殺到しておる。
 ここは1つ、お前達を鍛えなおすために、今度の休みには儂が直々に課外授業を行うことにしよう」
 そんなわけで俺たち2-C連中が館長に連れられてきたのは山。
 そしていきなりくじで何班かに分けられ、それぞれのルートで頂上を目指せ! ってなわけである。
 ビリ、リタイア、タイムアップまでに辿りつけなかった班は罰ゲームがあるというのでわりとみんな必死だ。
「アァ〜、楽しい休みがこんな登山になってまうなんて……、ウチらが何したっちゅーんやー!」
 いや、思いっきり騒いだり他クラスとの問題を武力解決したりその他etc。
 今まで大した問題にならなかったほうが不思議なくらいな無法地帯、それが2-C。
「ハア、この休みにはゆっくり遊ぶべ、と思ってたのに……」
 先ほどから浦賀さんとイガグリの愚痴の応酬があたりにこだましている。
 それに引き換え、豆花さんは結構楽しんでいるようだ。
「♪」
「楽しそうだね豆花さん」
354名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 02:46:06 ID:lzuK27KL0
 
355山とレオと豆花 2/10:2006/02/23(木) 02:47:04 ID:VQhnb0hs0
「ウン、私もお休みはいろいろ遊びたかたけど、こういうのもいいネ。日本の秋を感じられるネ」
 さすが和の心を知る留学生。考え方が風流だ。
「対馬クンは楽しくないカ?」
「ん……、いや、俺もけっこう楽しいかな」
 乙女さんの影響か、こういうのも嫌いじゃない。何よりメンバーが新鮮だ。いつもは幼馴染ズと一緒だからなぁ。
「ウン、どんなときも、楽しむほうがお得ネ!」
 満面の笑みを見せる豆花さん。ポジティブシンキングだなぁ。
「トンファーは元気やな……、お、これは……。オーイ、イガグリちょっと来てみいや」
「なんだべ浦賀さイテッ!!」
「アハハハハハ」
「な、何するべか」
「いや、ここに毬栗(いがぐり)が落ちとったからな。そしたらイガグリに投げないわけにはいかんやろ」
「どういう理屈だベー!」
 なんだかんだ言ってあの2人も楽しんでるじゃん。
「ネ、対馬クン」
「ん、何?」
「あの2人、なかなかイイ感じだと思わないカ?」
「え、そう? 普通だと思うけど」
「対馬クンて、鈍い方カ? カ? カ?」
 ……カニにもそういうこと言われた覚えがあるな。
「自分ではそうは思わないんだけど……、って浦賀さん何してんの」
「対馬! ウチの盾になってくれ!」
「逃がさないベー!」
「ちょ……浦賀さん放せ。わー待てイガグリ! その毬栗投げるのちょっとま痛ぇ!」
「アイヤー!」
356山とレオと豆花 3/10:2006/02/23(木) 02:49:07 ID:VQhnb0hs0
 ……………………
「ったく、まだヒリヒリするじゃんかよ!」
「またくネ!」
「イガグリがあんなに投げるからや!」
「先にやってきたのは、浦賀さんのほうだべ!」
『2人とも悪い!!』
 俺と豆花さんが声を合わせて怒ると2人とも口をつぐんだ。まったく……。
「あ、でもここの頂上の旅館の温泉は傷にいいらしいで」
「温泉か。そういえばそれがあったな」
「私温泉初めてネ。楽しみネ」
「知っとるかトンファー。日本では裸の付き合いゆうてな、温泉では男と女一緒に入るんやで」
「そ、そうなのカ!?」
「嘘教えんなよ」
 豆花さん真っ赤になっちゃっただろ。
「確かに混浴ってのもあるけど、ここのは男女別だよ」
「なんや対馬、あっさりバラすなや」
「マーナー、嘘教えたカー!」
「騙されるほうが悪いんやー」
「コラー! 待つネー!」
「まったく浦賀さんは……。ん? どうしたイガグリ」
 なんかトリップしてるぞ?
「混浴は、漢のロマンだぁ……」
 なんかフカヒレが重なって見える。放置しておこう。
「ここまで来てみー」
「待つネマナ! ア!?」
357名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 02:49:33 ID:lzuK27KL0
 
358山とレオと豆花 4/10:2006/02/23(木) 02:51:11 ID:VQhnb0hs0
「! 豆花さん!」
「トンファー!」
 浦賀さんを追いかけてた豆花さんが派手にすっ転んだ。
「イタタ……」
「大丈夫かトンファー!」
「豆花さん、大丈夫? 立てる?」
「だ、だいじょぶヨ。全然平気ネ……!」
 いや、そんなしかめっ面で言われても。
「無理しないほうがいい。どっちの足?」
 俺は荷物の中から救急セットを取り出す。(←一応班長)
 豆花さんは申し訳なさそうに右足を指した。
「うーん、折れてはない……、腫れてもない……、軽く挫いただけかな? 一応湿布を貼っとこう」
「ゴメンネ、ホントにゴメンネ……」
「何謝っとるんや。トンファーは悪くないで」
「そう、悪いのは浦賀さん」
「ウチかいな!?」
「それ以外に誰がいるか!」
「マナは悪くないネ。転んだの私ヨ。だから悪いの私ネ。マナじゃないネ」
「トンファー……」
「豆花さん……」
 なんていい娘なんだ。思わず胸がキュンときた。
「先に行てテ。大したことないから、少し休んでから追いかけるネ」
「何言ってんの。豆花さんを置いてけるわけ無いでしょ」
「そうやでトンファー。対馬の言うとおりや」
「俺も少しキツイし、みんなで少し休もうや」
359山とレオと豆花 5/10:2006/02/23(木) 02:55:16 ID:VQhnb0hs0
「でも、ビリの班には館長発案の罰ゲームがあるべ」
 いつ夢の世界から戻ってきたんだイガグリ。
「ぬう、館長の発案する罰ゲーム……。確かに避けたいところだな……」
「それはそうやけど……」
「だから先に行てテ。すぐに追いつくヨ」
 豆花さん……。いや、置いていくのはダメだ。しかし罰ゲームは……。
 ……よし、決めた。
「浦賀さん、イガグリ。俺と豆花さんの荷物を持ってくれ。俺が豆花さんをおぶっていく」
「対馬!? 大丈夫なんかいな。まだ結構距離あるで?」
「俺も結構鍛えてるから」
「でも、この山道だとそんなに早くは歩けないべ? ビリになっちまうかも……」
「そう、そこでだ。順番は班長が旅館の帳簿に名前を書いた順に決まる。
 2人には先に行ってもらって俺の名前を帳簿に書いてくれ。タイムアップまでには行くからその間俺たちがいないのをごまかしといてくれ」
「なるほど。でもうまくいくかいな?」
「ほかに方法が思いつかん」
「オイラも思いつかないし、それでいくしかないべ」
「豆花さんもそれでいいかな?」
「……ウン」
「わかった。じゃあうちらは先に行っとる」
「一応信号弾はこっちに渡しといてくれ」
 俺の荷物から信号弾とその他救急セット何点かを抜き出しておく。
「じゃあ、頂上でな!」
 2人が先に出発する。上手くやってくれよ。
「よし、俺たちも行こう。さ、豆花さん」
「ウ、ウン……。ヨロシクネ」
360名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 02:56:26 ID:lzuK27KL0
 
361山とレオと豆花 6/10:2006/02/23(木) 02:57:16 ID:VQhnb0hs0
 豆花さんが背中に覆いかぶさってくる。
「う……」
 豆花さんを背負った瞬間、俺は背中に、とあるやわらかい感触を確認した。
 背中に感じるこの感触は、これは俗に言う乳房というものではなかろうか?
 それだけじゃない。豆花さん、足とか腕とかいろいろやわらかいよ。
 そういや女の子を背負う経験なんてカニ以外ないぞ。
 いかん落ち着け、何を動揺している対馬レオ。そうだこういう時は……。
「2、3、5、7、11、13……」
「? ナニ言ってるカ?」
「いや、ちょっと素数をね」
 よし、落ち着いた。
「よっしゃ、行くぞ!」
 ……………………
 グハ、甘かった。人1人背負いながらの山道がここまでキツイとは! 足が重い。膝が笑う。もうその場に倒れそうな勢いだ。
「対馬クンゴメンネ。私、重いカラ……」
 ぬ、豆花さんに悟られてしまったか? ここでキツイとこを見せるのはかっこ悪い。男の意地を見せねば! 
「そんなことないって! カニなんかよりも全然軽いよ!」
「それはカニちに失礼ネ」
「いーの。あんなカニ」
「クス……。デモ、無理はいけないネ。私歩くヨ」
「それはこっちのセリフだよ? ケガ人は歩かせません。それにコレぐらい全然キツくないって」
「……ホント?」
「鍛えてるって言ったろ? それに比べればこれぐらい……」
 脳裏に乙女さんの鍛錬が浮かんでくる……。
 20キロの重りを背負わされて、並木道をジグザグ走行したり、素手で畑を耕したり、大岩を動かしたり……。
362山とレオと豆花 7/10:2006/02/23(木) 02:59:23 ID:VQhnb0hs0
「全然キツくない。マジで。あの鍛錬に比べたら富士山に登るほうがまだマシだ」
「……よくわからないけど対馬クンも大変ネ」
 なんかホントにこの状況がキツくなくなってきたな。一応乙女さんには感謝だ。
 秋風が山を揺らす。木の葉が舞い上がって、紅葉吹雪を起こした。
「オオ、スゲエ」
「きれいネ」
 なかなか幻想的な風景だ。
 秋風が冷たいが、火照った体にはちょうどいい。
「……クシュン」
「あ、豆花さん、寒くない?」
「ン、大丈夫ネ」
「……ちょっとまって」
 いったん豆花さんを下ろして、俺の上着を着せてあげる。
「ゴメン、気づかなくて」
「でも対馬クンが……」
「ああ、俺は熱いぐらいだから」
 再度豆花さんを背負って出発。もうそろそろ何組か着いちゃってるかな?
「対馬クンは、優しいネ……」
「そんなことないよ」
「ウウン、出会ったときと変わらないヨ。あの時とおんなじ、優しさでいっぱいネ……」
「あの時?」
「まだこっちに来て間もない頃ネ。まだカニちともマナとも仲良くなくて、とてもとても不安だた頃ヨ」
 俺は黙って豆花さんの話に耳を傾ける。風がやんで、足音と豆花さんの声だけがあたりに響く。
「不安でネ、どうしようもなかた時ネ、対馬クンが親切にしてくれたヨ……」
 豆花さんと出会った時……? 俺、何したっけ?
363名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 03:00:06 ID:lzuK27KL0
 
364山とレオと豆花 8/10:2006/02/23(木) 03:03:18 ID:VQhnb0hs0
「ゴメン、あんまり覚えてないや」
「フフ、覚えてなくて当然ネ。とてもささいなことだたから。デモね、私嬉かた……」
 こころなしか、豆花さんがほんの少し強くしがみついてきた、気がした。
「ホントにネ、嬉かたヨ。私、忘れない……。あの時のこと、ずと、ずと、忘れない……」
 なんだろう、体が熱い……。
 豆花さんの体温が伝わってくる。豆花さんの頬から、胸から、足から、鼓動から、吐息から。
 豆花さんが、熱い……。
 ……いや、違う。熱くなってるのは、俺の、胸、だ……。
 ……………………
「よーし、あとはこの石段を登れば頂上だ」
 周りには人はいない。時計を見るとタイムアップまではまだ時間がある。どうやら間に合ったらしい。
「あとは人に見つからないように紛れ込むだけだな」
「ここから先は私も歩くヨ。背負ったままだと目立つネ」
「……いや、最後までこのままで行くよ。どうせなら、最後まで……」
 カッコつけさせてくれ。
「……わかた、お願いネ。最後まで、連れてっテ……」
 ……………………
 俺たちはなんとか人に見つからないように紛れ込むことができた。
 こんなところで乙女さんから教わった隠密術が役に立つとは思わなかった。一応感謝。
 浦賀さんとイガグリも無事任務を果たせたようだ。
 しかし、俺たちがいなかった理由が拾い食いをして腹をこわしたことにされてたのは許せん。あとで2人をシメておこう。
「うむ、全員、時間までにそろったようだな。ではおまちかねの罰を受ける班を発表する!」
 待ちかねてねえよ。ま、ビリはフカヒレの班だ。俺たちには関係な……。
「対馬班! このあともここに残っておれ!」
 ……へ?
365名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 03:03:45 ID:DZFiZ8jQ0
しぇん
366山とレオと豆花 9/10:2006/02/23(木) 03:06:05 ID:VQhnb0hs0
「それでは各自、食事まで休んでおるがよい。では、解散!」
 ……………………
「オイ、どうなってんだよ。ちゃんと書いたか?」
「あ、当たり前や。ちゃんと帳簿に名前を書いたで!」
「それに誰にも書くところは見られてないべ。オイラが見張りをしてたから確実だぁ」
「だたらどうして……」
「では、対馬班に罰を……」
「ちょっとまった館長! ビリはフカヒレ班のはずです! なんで俺たちなんですか!」
「たわけが! これをよく見るがよい」
 館長の手には帳簿があった。帳簿には各班の班長の名前が記されている。
『霧夜エリカ』『伊達スバル』『佐藤好美』『浦賀真名』…………
「しもたー!!!!!!」
「しもたー、じゃねえべ!」
「浦賀さんに任せたのが間違いだった……」
「やはりマナはマナね……」
「罰はあとで伝える。心して待つがよい!」
 ……………………
「腹減った……」
 俺に命じられた罰は今夜の夕食抜き。育ち盛りにこの罰はキツイぜ館長。
 これなら浦賀さんやイガグリと一緒に全館のトイレ掃除のほうがまだマシ……。
 そういえば豆花さんは何だったのかな……。足を痛めてることは伝えたから無理はさせないと思うけど……。
 ぐー。
 ああ、また腹の虫が騒いでやがる。しょうがない、お茶でも飲んで紛らわすか……。
「対馬クン、いるカ?」
「その声は豆花さん? どうぞ」
367山とレオと豆花 10/10:2006/02/23(木) 03:08:11 ID:VQhnb0hs0
「失礼するネ」
 大和撫子のように膝をついてふすまを開ける豆花さん。
 そしてなんだか美味そうな匂いが……。
「ってそれ……」
「コレ、対馬クンに作てきたヨ」
 豆花さんが持ってきたのは、お盆に載せられた美味そうな、見るだけで涎がたれそうな食事。
「うわ、美味そう……。でも俺、館長の罰は飯抜きで……」
 俺が心底悔しそうにそう言うと、豆花さんはクスリ、と笑って、言った。
「私の罰はネ、『お腹を空かせた対馬クンにご飯を作てあげる』だたヨ」
「え……」
 ってことは。
「もしかして、全部ばれてたの?」
「そうみたいネ」
 ……あんの館長!
「さ、食べテ。冷めないうちがオイシイネ」
 ……そうだな。とりあえず食欲を満たしたい。俺は本能に従うことにした。
「では、いただきまーす」
 ガツガツガツ!
「美味い! 美味いよコレ! あ、コレも美味い! つーか全部美味い!!!」
「イイ食べぷりネ。おかわりもあるからドンドン食べてネ」
「じゃ、おかわり。あ、そういえば、足の具合どう?」
「ウン、もう痛みは無いヨ。これもみんな対馬クンのおかげネ」
 お椀を渡しながら微笑む豆花さん。
 こういうのなんていうんだっけ。
 あ、そうだ。花が開いたような笑顔、だ。
 この美味しいご飯と、この笑顔を見れただけでも、今日がんばったかいはあった、な。
368名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 03:13:21 ID:PCEf4TiN0
gj 支援者もGJ

あのお・・・・・・





混浴は?

369名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 03:14:14 ID:lzuK27KL0
あとがきは無しなんでしょうか?
GJ
マナ書き間違えなんて……そりゃないよ
370名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 03:17:52 ID:VQhnb0hs0
なぜか連続投稿の規制が……。
前作のアクションから一転、ラブコメです。
スバルの話を書くつもりでしたが、なぜかトンファーの話。
今現在俺の中でサブキャラ祭りが開催中です。
みなさん、もっとサブキャラに愛を与えましょう。
この山編はあと2回ほど続きます。
次回こそスバルの話です。正確にはスバルとレオと館長の話です。
今回まったく出てこなかった温泉は次回で使うつもり。
ではまた。
371名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 03:26:37 ID:qgKH3omGO
六連勤乙&GJ
自分の名前を間違えるおっちょこちょいなよっぴーに萌…………いや何もないです。
(さ、寒気が)
372名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 03:29:20 ID:VQhnb0hs0
ぐは、よっぴーの名前間違えてた。やべえ、危険が迫ってくる予感が───

それはそうと夜勤変わってくれた友達のK氏にこの場を借りて礼を言います。あんがとね。
373名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 09:33:22 ID:NcPgf2zh0
>>318は荒らし。
374名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 10:04:34 ID:ER77T/Pn0
>>341 >>370
GJ!

ここにはSSとAAとその感想だけがあればいい、とつくづく思う
375名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 11:31:20 ID:o0XlKnft0
ひなのんSSまだー?
376名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 11:37:27 ID:CMCHDTFO0
>>318
貴方の不幸なんかどうでもいいです。ここをチラシの裏に利用しないで下さい。
ただNG指定すればいい話ですよね?  
少し考えれば荒れる事くらい分かるのに、貴方一人の意見でここを利用する人が不愉快になって迷惑です。
二度と荒れる様な書き方しないで下さい。
377名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 11:43:50 ID:o0XlKnft0
5つの誓いのその5
華麗にスルーだぜ 
いい作品描く奴とただの荒しの価値の差くらい みんなわかってるハズ
作品は作品 コテはコテ 外的要因なんかどうでもいい
378名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 13:32:18 ID:5m9WvDL00
まあそうな。
で、お前らも俺をNGにすりゃいいジャン?

>>376
そうねー。
まあ好きにしてくれ。
「アレ」がよくて俺がダメだというのは基準がよくわからんが
379名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 13:39:52 ID:mddBOZRc0
開き直ってる荒らしはスルー。
380名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 13:53:06 ID:5m9WvDL00
いや、本当にスルーしてくれればいい。

みなさんすいませんでした。
このことによって、「例のアンチはただの粘着荒らし」というイメージが植えつけられ、今後は誰も文句も言えなくなるでしょう。
信者の擁護と本人の自演によって守られ、もはややりたい放題になるでしょう。
本当に。
俺以外の「嫌ってる」人、すいませんでした。
嫌な思いをした人、すいませんでした。
381名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 13:53:46 ID:qgKH3omGO
>>372
なんか気になって。
重箱をつつくつもりはなかったんだが
結果そうなっちゃったんで言っとこうと思う
スマン!!!
382名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 14:01:19 ID:mddBOZRc0
そういえば、支援って何回ぐらい書き込まれたら入れるといいんだろう?
カブるのは別として、2回投下されたら1回とか3回で1回とか
効率がいいのはどれくらいなんだ?
383名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 14:03:40 ID:qgKH3omGO
二回に一回でよろしいかと
384名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 14:07:56 ID:mddBOZRc0
>>383
ほむ、thx
連投規制ってけっこうキビシイんだな
385名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 14:22:47 ID:qgKH3omGO
投下の間隔が二分きってたら危険信号
まずひっかかる。そういうときは落ち着いて10分ほど時間潰してから再投下
二分あけるってこと守れば大概大丈夫
規制ってホントにキツイからねえ
386名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 15:24:59 ID:GJ5MxNWJ0
それよりカラスの話でもしよーぜー
387名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 15:40:07 ID:kW0n7gDh0
>>341
GJ!!
レオ、フォークで死んじゃうの?w
>>370
恋の予感キター!!!
GJ!!
>>386
IDがGJだw

388名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 15:53:55 ID:GJ5MxNWJ0
>>387
ぬお、本当だw

ところでお前ら、保管庫が連日で更新されてますよ
中の人、乙!
389名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 17:05:41 ID:qgKH3omGO
中の人乙
保管庫のページ更新したら電源がきれた俺の携帯ってorz

更新って透明人間からの?
390名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 17:25:59 ID:GJ5MxNWJ0
>>389
>透明人間から

そう。見落としで既出だったらスマソ
391名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 17:34:35 ID:qgKH3omGO
謝る必要は無い。
俺も言い忘れてたっぽいorz

そういや最近なんも書いてねぇや。なんかネタ探してくる
392名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 20:55:50 ID:Yzlv+y0mO
>>311
サンクス!
3932シーター・1:2006/02/23(木) 23:25:34 ID:bxsANwTP0
「透子〜」

「なに、祈?お金なら貸さないわよ。OK?」

「そんなこと言ってませんわ〜」

「ナンパにもつきあわない。OK?」

「借金でもナンパでもありませんわよ。
 今度の日曜日、ドライブ行こうかな〜と……」

「ドライブ?……あなた、まさかひょっとして……」

「新車買ったんですの〜」

「……いい加減、衝動買いで車買うのやめなさいよ」

「だって可愛かったんですもの」

「はぁ……で、何買ったの?」

「DAIHATSUのコペンですわ」

「この寒いのにオープン?全然OKじゃないわよ、それ」

「寒い中をオープンスタイルで走るのが粋なんです。
 ね〜、行きましょうよ〜、どうせヒマでしょ〜?」

「……なんか最後の一言がムカつくけど…
 まあいいわ、つき合ったげる」

「それじゃ、透子の家に迎えに行きますわね〜♪」
3942シーター・2:2006/02/23(木) 23:29:42 ID:bxsANwTP0
「こういうときは寝坊しないのね、祈」

「当然ですわー」

「学校もそれぐらい余裕で来られればいいのにね。
 …いつものオウムは?」

「おいてきました。何かと五月蠅いんですもの」

「OKOK……道もすいてるし、気晴らしにはなるわねー。
 ちょっと寒いけど。何か暖かい飲み物とかないの?」

「そこまでは考えませんでしたわね……
 あ、あそこにコンビニがありますわ」

「ん……ちょっと止めて。
 何か買ってくるわ。何がいい?」

「お汁粉お願いしますわ」

「……OK、お汁粉ね、買ってくるわ」


「あれ?祈先生?」

「あら、対馬さん?どうしたんですの、こんなところで」

「バイトの帰りっす。これ、祈先生の車ですか?」

「そうですわよ?」

「へー……可愛くて、祈先生にすごく似合ってますねー」
395名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 23:31:43 ID:PCEf4TiN0
 
396名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 23:32:23 ID:CMCHDTFO0
紫煙
3972シーター・3:2006/02/23(木) 23:33:49 ID:bxsANwTP0
「あらあら、お世辞が上手くなりましたわね」

「いや、お世辞じゃないですよ……へぇ〜、いいなぁ〜」

「乗ってみます?」

「え……いいんですか?」

「ここから松笠まで帰るのは大変でしょう?」

「いやー、助かります!えへへ……
 祈先生の車のナビに座れるなんて、ラッキーだな♪」

「ま、可愛いこと言いますのね♪
 では…何か忘れてる気もしますけど…行きますわよ!」


「祈ー、お汁粉なかったから甘酒……
 祈?……ちょ、冗談でしょ!?何あれ、隣りに男乗せてる……!?
 …あ・の・ア・マ・ァ ! 纏 身 !」


「祈先生……なんか後ろから白い怪人みたいなのが
 『いーのーりー!』とか叫びながら
 すごいスピードで追いかけてきますが知り合いですか?」

「知りません。でもイヤな予感がしますので……
 ちょっと、飛ばしますわよ!」

「え…って、うひょおおおおぉっ!?」

「気分壮快ですわー♪」
398Seena ◆Rion/soCys :2006/02/23(木) 23:36:03 ID:bxsANwTP0
おしまい。
DAIHATSUコペンはツーシーター。
対馬さんを乗せた時点でどっちにしても透子さんはアウトですw
399名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 23:41:21 ID:CMCHDTFO0
>>398
こういう公式のちょいネタ交えたやつも面白いなw GJっす!

ここで、一つリクエスト。
公式スタッフ日記の1/13日なごみんが見てみたいなっと・・・
400名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 23:41:54 ID:ER77T/Pn0
>>398
祈&透子ペアできたか
GJ

切れて纏身しちゃうのかw
401名無しさん@初回限定:2006/02/23(木) 23:55:50 ID:BOh/SWqJ0
祈ちゃんヒドスw

>>398 GJ!
402名無しさん@初回限定:2006/02/24(金) 00:08:47 ID:hAMxb64y0
>>398GJ
テンチョーのカレー配達とか乙女さんのゲーム配線みたいに
あの画像のリンク貼っといて公式挿絵シリーズとしてみてはどうだろう
銃を構えるすなおでバトル物とか、リクエストもしやすくなる
403名無しさん@初回限定:2006/02/24(金) 00:13:30 ID:dNUp575/0
>>398
GJ
透子さん祈ちゃんの同僚なんだよな
あずまんg……いやなんでもないw

>>402
テンチョーのと乙女さんのははもう前スレで誰かやって
保管庫にも保管済みなわけだがw
404名無しさん@初回限定:2006/02/24(金) 00:33:00 ID:MakdGyU/0
>403
もっとちゃんと読みましょうね〜
402は〜ように例として出してるんですよ〜

>370
トンファーかわいいよ豆花
405名無しさん@初回限定:2006/02/24(金) 00:43:43 ID:n3dcQe4MO
>>398GJ!
祈りちゃんはスピード狂っぽいからなー。

>>402
挿し絵とは違う使い方だったけど、姉しよの高嶺の絵にリンク貼ってあるのも前にあったよね。あの使い方は上手いなーと思った。
406名無しさん@初回限定:2006/02/24(金) 00:56:38 ID:NAD+djG80
>…あ・の・ア・マ・ァ ! 纏 身 !

ちょwwフイタwww

>>398 GJ!
407名無しさん@初回限定:2006/02/24(金) 01:33:08 ID:ki6AwoZPO
>>398GJ
祈先生……人忘れちゃダメっしょ

>>405 黒い三連星、ネットに散る じゃない?
グロ画像として貼られたやつな
408名無しさん@初回限定:2006/02/24(金) 05:45:30 ID:VhZHfNWv0
俺は今、松笠公園にいる。
もちろん一人ではない。
「松笠公園なんて来るの久しぶりだね」
「ああ、そうだな」
俺と良美は大学に進学していた。
俺は松笠には里帰りで帰ってくるけど、
良美にとってこの町は母校のある町でしかない。
それで俺の就職も決まったので久々に一緒に来た訳だ。
「あの日の事……覚えてる?」
「あの日って?」
「ひどいなあ、忘れちゃったの? 五年前の七月四日」
「ああ、良美の誕生日だな」
「私の誕生日は四月の二日。あの日は……私が初めて心の底から泣いた日」
「良美の涙で服がびしょびしょになった日」
「ち、違うよー。あの日は雨が降ってて」
「次の日風邪をひいたっけ」
「もう、真面目にきいてよ」
「ゴメンゴメン、ただその日あたりからこんな風に話せるようになったかなって思ってさ」
本当に思う。良美はあの日に生まれ変われたんだなあって。
「そうだね……それまでは何に対しても卑屈で」
「他の女の子が俺に話し掛けるだけですごい怒ったり」
「それは今も嫌かなあ」
「昔なら鬼の形相って感じだったかな。でも今は」
そう言いながら良美の顔に手を触れ。
「やきもちやいてる可愛い子って感じ」
「もう、レオ君ったら」
こんな感じで話が弾んだが、別に俺は雑談するためにここに来た訳じゃない。
ポケットの中に入ってるものを渡すため。
そして一生に一度しか言わないセリフを言うため。
409名無しさん@初回限定:2006/02/24(金) 05:52:31 ID:VhZHfNWv0
「あのさ……良美、俺と」
「そこから先はちょっと待って」
そう言いながら良美は海の方に歩いて行った。
そして、
「レオくーん!!! 私と!!! 結婚してくださーい!!!!」
って、え?
「どう?」
「どうって言われても。そもそもそれは俺のセリフでは?」
「昔の私じゃ考えられない行動でしょ」
今のあなたでも想像もつきませんでしたが?
それにしても、
「ホント、生まれ変わるってのはあるもんだね」
「そんな私と結婚してくれますか?」
「俺が言いたかったんだけどなあ、そのセリフ」
「海って偉大だよねえ」
「こらこら話をずらさない」
まあそれでも、俺が彼女を変えれたんなら本当に嬉しい事だ。
そして、これからもずっと幸せに出来るのならばこんなに嬉しい事はないだろう。
「こちらこそ、俺と結婚してください」
俺はポケットの中のものを取り出して言う。
「そうじゃないよ。レオ君も」
そう言いながら海の方を指差す良美。
「へ?」
「だからレオ君も私みたいに、ね?」
そんな輝いてる笑顔で言われても……。
「叫ぶと気持ちいいよ」
……本当に強くなったね。
だが俺は一人の人を変えれたという事をきっと後悔しない。
今俺の目に映っているものを見ることが出来たんだから。
410名無しさん@初回限定:2006/02/24(金) 05:58:31 ID:VhZHfNWv0
反省点は三つ。
一つはレオとよっぴーの口調が怪しい事。
二つ目は前回オチが弱いといわれたのに改善できてない事。
三つ目はシンイチさんすいません。勝手によっぴーを吠えさせてみました。
松笠公園が太平洋に面してるか知らないんですけど、どっちでもいっか。

しかし指折り数えるとこれで十九作目。
そんだけ書いてんのに指摘された点の一つも改善できないなんて……
まだまだ修行が足りないと思う今日この頃。
411名無しさん@初回限定:2006/02/24(金) 06:09:00 ID:VhZHfNWv0
書き忘れ
>>398GJ
お汁粉がなかったから甘酒って言う判断に笑った。
412名無しさん@初回限定:2006/02/24(金) 08:33:34 ID:1xhZVFJY0
>>410
さいこーです!
413名無しさん@初回限定:2006/02/24(金) 10:13:13 ID:EEoky0pc0
>>410
GJ

俺のIDに「GJ」が入ってたら、>>410超GJ
414名無しさん@初回限定:2006/02/24(金) 10:14:00 ID:EEoky0pc0
入ってなかった・・・ゴメン。普通のGJで我慢してくれorz

あ、でも「ok」が入ってるからおkだ
415名無しさん@初回限定:2006/02/24(金) 20:46:46 ID:hAMxb64y0
>>410 gj

>>413-414
てめー新手のID使いか!
416名無しさん@初回限定:2006/02/24(金) 21:00:55 ID:hAMxb64y0
>>410 改めて、いい話だ。
なごみファンだが、元気なよっぴーは素晴らしい。
それにしても19作ってすげーな、おい。
リストちょうだい。
音楽家なボケはいらないぞ、と。
コテかトリもつけてもらえるとありがたい。

よっぴー×レオに、姫が「対馬君、チョコあげる」やったらどうなるんだろうか。
いくらエリーでも許さずサクッと行くのか。
乙女さんだったら容赦なく姫のしっぽ掴んでぶん回し。
カニだったら「殺してでも奪い取る」
・・・・案外、なごみんが一番おとなしいのかもしれん。
417名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 00:03:14 ID:JLNmai+TO
>>416その話ならこのスレの最初にあるよ
418名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 00:41:35 ID:+zuf1uea0
991 2006/02/25(土) 00:30:29 ID:Z5bz/1bR0
名無しさん@ピンキー(sage)

┌──────────────────────―─┐
│                                    |
│                 _                  |
│               '´,  `ヽ                |
|               !爪リリ从)ゞ               |
|              ノ∩ ゚∀゚ノル               |
|               ヽ`个⊂)                |
|                く/_|j〉                 |
|                     しヽ.)                 |
│             Now Kaniing ...              |
│                                    |
│                                    |
│        しばらくカニで埋めてください。            |
│                                    |
└───────────────────────―┘
419名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 02:32:13 ID:WiZc+oEQ0
>>417
416じゃないけど気になったんで見てきた。
…こえぇぇぇー!!(((( ;゜д゜))))

マジ冷や汗出た、書き手さん凄ぇ。
今さらながらGJでした。
文才あるなー

毎日チェックしてるつもりだったけど
結構読み落としてる作品が多いことにビックリ。
420名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 02:59:21 ID:JLNmai+TO
>>419俺は笑ってた。
多分すでに人格が破綻しているんだろう
421410:2006/02/25(土) 02:59:24 ID:jAubGzAD0
書いたのは投稿順で
「命尽きるまで」「松笠公園にて」「本当の絆」「二人を別つもの」「勝てないもの」
「大切と思う故に」「一日遅れのプレゼント」「絶望と希望」「Tiny Boat」「トトカルチョその後」
「○○教師 大江山祈!!×3」「いばしょ」「透明人間」「お嬢のたしなみ応用編」
「姫のリボン」「ぬいぐるみのかわりに」「よっぴー太平洋に吠えろ!」
ですかね。
で、これを書いたに当たって謝罪を三つ。
一つ目は住人の皆様に、スレ8で荒らしてしまってごめんなさい。
二つ目は書き手の皆様に、表彰などとふざけた事をした上に偉そうな事を言ってすいませんでした。
三つ目は中の人に、訂正ばかり頼んで申し訳ありませんでした。

そんな懺悔は他所でしろとか言われそうですが、御容赦願いたい。
最近また書くようになったので、まあ禊というかなんと言うか。

で、心機一転して過去作を振り返って思ったのは、
無駄に重いのばっか……orz
まあ、これからも楽しくやっていこうかなあと思ってる。


で、>>416さんへ
今構想だけのなごみんSSが一個だけあります。
今はガッツが足りないんで書いてないですが、そのうち投下すると思うんで、
気長に待ってもらえるとありがたい。

あとトリってなんすか?
422名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 03:04:42 ID:JLNmai+TO
よくそんなんしか書けねぇのにあんな舐めた真似出来たなおい!!
しかも卑屈なことこの上ねぇなコラ!!

とあえてキツイ事を言ってみる
でも本当に俺が言いたいのは
「んな事いいからSS書いて」
って事なんだよね。
だからなごみんSScome
首長くして待ってるからさ
423名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 03:08:08 ID:WI/bXkNX0
あー、あの時の人だったのか。
上達してると思うよ。
つか早くなごみんプリーズ。
424名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 03:19:29 ID:jAubGzAD0
ホントにあの時はすいませんでした。

今は進行具合30%ほど。
一ヶ月はかかんないと思うんだけど……まあ多分一、二週間ぐらいかかるかと
425名無しさん@初回限定 ◆TJ9qoWuqvA :2006/02/25(土) 03:23:16 ID:mE1g2BkD0
>あとトリってなんすか?

土永さんと言ってな・・・名前欄に

 #ではじまる任意の文字列

を貼り付けると変換されてなりすまし防止のためのパスワードになる
たとえば、今、俺は名前欄に

#123

を打ち込んでいるが、この1の部分を任意の暗証番号にするわけ
426名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 03:24:49 ID:mE1g2BkD0
この123の部分を任意の暗証番号にするわけ
ネタ投下以外のときはコテ・トリは外しておくことが多い

リストさんくす


427名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 03:26:05 ID:F96OyHeR0
オフィシャルファンブック予約した人

ノシ
428 ◆P6rBQWtf4. :2006/02/25(土) 03:26:30 ID:jAubGzAD0
なるほど了解です。
あと説明ありがとうございます。
429名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 03:33:51 ID:JLNmai+TO
しかし本当に人間って変わるんだね
421に一体何が!?






ま、いっか
430名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 07:16:53 ID:mE1g2BkD0
ヒント:ツンデレ
431名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 08:59:29 ID:iHIOaYv30
乙女さんのAAまだ〜?
つうかAAが少ないのどして?
432名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 10:56:59 ID:wGnT6++SO
SS→勢いがあれば誰でも作れる
AA→技術と経験根気が必要
433名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 13:26:09 ID:Xpt3N3Mk0
>>432
謝れ!全国のSS書き様が気を悪くするだろwwww
434名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 19:22:31 ID:aBuNw+Xv0
いや、正しいよ。本当にSSは誰にでも書ける。技術なんてそれこそいらない、日本語さえわかればいいんだから。
その後に、駄作のまま投下するか、良作書けるようになってから投下するかっていう問題がついてくるだけのこと。
435名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 19:33:17 ID:I9GYcP340
>>434
良作か駄作かは誰が決めるのかね
436名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 19:41:15 ID:mE1g2BkD0
書いた直後は興奮してるから勢いで投下しちゃうんだよなー
1日おいて読み返せば誤字脱字、文法的な間違い、冗長・舌足らずをだいぶと修正できるはずだが。

しかしながら、出来の悪い作品ってのはアイデアの時点から間違ってて、何度修正してもどうしようもないことが多い。
あまりこだわらずに次の作品にスパスパ向かうのも一つの方法だと思う。
勢いも確かに大事で、アイデアは思いついたときに文字にしておかなければ腐っちまうわけで。

あえていうなら、一発屋で終わるか、コンスタントに良作を発表できるかってのがプロ意識の差であって
金もうけを度外視したとしても、コテハンと名無しの境界くらいにはなるのかな、と。
437名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 19:44:05 ID:9mXpED0G0
>>434
さらに言えば面白いもの書けるかどうかは才能なんだろうな
438名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 19:55:12 ID:PZNYFzVm0
要するに
才能ないやつは勢いだけで書いた駄作投下すんな、と
こういうことですか

ヒデエ話だなw
439名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 20:20:39 ID:mE1g2BkD0
>>437なんでそうなる。>>434はどっちかというと見直しの必要性に重きをおいて述べてるだろ
才能というより、努力・注意力・自己反省。
まあ、イチローに言わせれば「努力する才能」があるかどうか
ということらしいので、結局は才能と言えなくもないw
440名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 20:23:01 ID:5F/C7IKFO
努力しない一発屋…
正に俺のことですね…
どうもごめんなさい…
。・゜・(ノД`)゜・。
441名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 20:28:56 ID:PZNYFzVm0
見直しても駄作って判断できないから駄作投下しちゃうんだろうけどな

どこかに投下選別所でもつくるかい?
おエライ審査員様もいるみたいだし
442名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 20:33:45 ID:mE1g2BkD0
>>441見直しという自己努力をちゃんとやってるなら、それ以上の規制めいたものはいらんわな
443名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 20:46:42 ID:6YwRCQ610
>>440
男なら安易に泣き顔AAなんざ使うな。
腐女子じゃあるめーし。
444名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 20:46:55 ID:iHIOaYv30
>>432語弊があった AAが減ったのどして?て言おうとした
AA師がいなくなったのか AAの入り込みづらい雰囲気ができているのか?
ここに駄作を投下しちゃいけないの?
>>441ここに駄作投下しちゃあかんの?もちろん推敲はすべきだと思うけど
基本的に全ての作品を楽しんでる自分にとって その提案は存在自体困る

て、こういうのはスレ梅のときにすべきか こんな流れ引き起こしてスマソ
445名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 20:48:25 ID:I9GYcP340
>>442
何回見直せばいいんだね
1回見直せば努力したことになるのかね
努力してるかどうか誰が判断するんだね

そもそも努力してないと投下できないんかね>>440みたいな人は書き手失格なのかね
446名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 20:56:43 ID:PZNYFzVm0
>>444
いや、皮肉だからw
447名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 21:01:55 ID:iHIOaYv30
>>446わかってるからこそ存在自体困ると
448名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 21:05:21 ID:mE1g2BkD0
>>445客観的な基準なんかほとんど無意味だろ。
無駄にからまれても困るんだが、あえて俺の主観で述べるなら
1レスにつき2つ以上の誤字脱字などの単純ミスを見つけたら
「なんだこいつ見直ししてるのか」
と感じるのは間違いないな
449名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 21:08:19 ID:PZNYFzVm0
誤字脱字する人は投下禁止になりました
450名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 21:11:23 ID:MwMPOyhp0
じゃぁカニのネタは投下できないな。
あいつ普通に漢字間違えるから
451名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 21:13:24 ID:iHIOaYv30
待てー 悪かった俺が悪かったから
みんなミスして成長していくんだって な もうやめよう
452名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 21:16:22 ID:PZNYFzVm0
そうだな
ここはSSAAスレだもんな、スマソ
453名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 21:18:10 ID:i2cGIe6O0
誤字脱字は脳内変換で直せばいいんじゃね?
454名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 21:36:44 ID:+zuf1uea0
頭デッカチのべき論はいらないのでSSください
455男心・乙女心 1:2006/02/25(土) 23:20:12 ID:ZsaO/AhG0
「ただいまー、レオー」

「乙女さーん?荷物届いてるよー」

乙女さんの留守の間に、宅急便が柴又の乙女さんの自宅から
荷物を送ってきていた。

「そうか、すまないな。荷物はレオの部屋か?」

「うん、その辺に置いておくのも悪いし。
 ああ、いいよ、俺が乙女さんの部屋に持っていくから」

「そうか?じゃあ、着替えるから、ちょっとしたら持ってきてくれ」

キラーン

「はいはい」

「……着替え終わるまでは、部屋には入れないからな?」

「もちろんです」

意外に見る機会のない、乙女さんの生着替えを見るチャンスを
みすみす逃してなるものか……!

「……入れないからな?」

それはむしろ、入ってこいと言っているようなものです。
乙女さんが自分の部屋に向かったのを確認して
俺は自分の部屋に駆け上がる。
預かった荷物を抱えると
また急いで一階へ駆け下りた。
456男心・乙女心 2:2006/02/25(土) 23:24:15 ID:ZsaO/AhG0
「乙女さーん、荷物持ってきたよー」

思わずにやけながら呼びかける。
きっと慌ててるぞ……と思いきや

「そうか、ご苦労」

ガラリと襖が開いて、すでに着替え終わった乙女さんが……

「どうした、ガックリして」

「いえ……なんでもないです……」

「っふっふーん、どうせ覗きに来ると思ったからな。
 こっちも大急ぎで着替えたぞ」

「……ヒドイや」

「何がだ。だいたい、いつも……その、見てるではないか。
 着替えどころじゃない、露わな格好を」

「乙女さんは男心というものをわかっていません」

「レオこそ、乙女心をわかっていないぞ?」

「そんなことないよ。わかってないのは乙女さんのほう」

「いーや、レオの方だ」

「だったらお互い、相手が何考えてるか、当てっこしてみる?」

「面白い、勝負しようじゃないか。負けた方が今日の夕食当番だぞ?」
457男心・乙女心 3:2006/02/25(土) 23:28:25 ID:ZsaO/AhG0
かくして、夕食当番を賭けて
乙女さんの部屋で、向かい合って正座。

「じー」「じー」

……改めてこうしてみると、やっぱり美人だよな。
それに…俺とHするようになってからなんて言うかこう、色気が漂うっていうか……
唇とか、柔らかそうで……

「あ……レオ、今キスしたいって思ったな?」

「え?いや、そんなことは全然考えてませんじょ?」

「む、そんなはずはないだろう」

「乙女さんのほうこそ
 今キスしてほしいって思ってたんじゃないの?」

「はずれだな。私はキスしてほしいんじゃなくて
 キスしてやりたいと……う、いや、その……」

「ほら、だいたい当たってるじゃないか」

「レ、レオのほうこそキスしたいと……!」

「俺がしたいと思ってるのは……
 キスもあるけど、もっと、もっとイイこと♪」

「……スケベ。はぁ…今、着替えたばかりなのに」

言葉とは裏腹に、嬉しそうな顔で立ち上がる乙女さん。
この分だと……勝負は引き分け、夕食は店屋物かな。
458名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 23:30:21 ID:+zuf1uea0
 
459Seena ◆Rion/soCys :2006/02/25(土) 23:32:28 ID:ZsaO/AhG0
オチなし。だが反省も後悔もなしw
460名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 23:35:27 ID:+zuf1uea0
>>459
だがそれもいい。GJ。
461名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 23:44:57 ID:JLNmai+TO
早着替ってまるで……
いやいやなんでも無いですぞ
GJ!
462名無しさん@初回限定:2006/02/25(土) 23:46:16 ID:PZNYFzVm0
>>459
乙女さんはこんなHな人じゃありません!w

でもGJ エロ可愛い乙女さんハァハァ
463名無しさん@初回限定:2006/02/26(日) 00:00:09 ID:I9GYcP340
>>462
乙女さんはつよきすヒロインエロ可愛いランキングではトップですよ、俺的にはw

というわけで>>459 GJ
464名無しさん@初回限定:2006/02/26(日) 00:38:32 ID:WlACfSdo0
いや十分Hな人だろ!てっちゃんは!

よっぴーはただの淫乱でと祈ちゃんは童貞マニアなだけだし
465名無しさん@初回限定:2006/02/26(日) 00:40:43 ID:LX0Cc0ff0
しかし祈ちゃんが男だったらマッチョな処女マニアが出現するわけだろうか…?
466名無しさん@初回限定:2006/02/26(日) 00:54:19 ID:E+pKihHp0
祈ちゃんやよっぴーはエロが強烈すぎるんだなw
乙女さんや姫はエロの中にも可愛らしさがある。それがエロ可愛い。

>>459 GJ
467名無しさん@初回限定:2006/02/26(日) 02:08:49 ID:gQ8SuPTI0
>>459 GJ

>>465 鉢巻先生が女生徒の処女をry 許せん!
468名無しさん@初回限定:2006/02/26(日) 03:24:44 ID:qRZ5UQxQO
少し落ち着け
469名無しさん@初回限定:2006/02/26(日) 07:35:00 ID:87Q9ORJw0
>>461
何が言いたい? ルパンダイブ?
470名無しさん@初回限定:2006/02/26(日) 09:42:39 ID:ajrkq1M20
>エロが強烈
だ が そ れ も い い

まぁ二人の場合は反動だからねー
姉しよのねぇねぇや姉さまがエロいのもそういうことだと認識してる俺
471名無しさん@初回限定:2006/02/26(日) 10:42:26 ID:dw7oISCf0
俺もそうだと思っているww                                                 姉様♪
472名無しさん@初回限定:2006/02/26(日) 11:52:09 ID:EZpjD5oh0
>>459
どうしてこれからってところでやめますかw

GJ!
473名無しさん@初回限定:2006/02/26(日) 15:17:17 ID:96z+ch4o0
最近姉しよで萎えてしまう
474名無しさん@初回限定:2006/02/26(日) 16:11:41 ID:x6I4WTPAO
謝れ!ひなのんに謝れ!
475名無しさん@初回限定:2006/02/26(日) 16:17:11 ID:0Q9jJFvNO
つ釘
476名無しさん@初回限定:2006/02/26(日) 16:53:32 ID:qRZ5UQxQO
じゃあ俺は最近つよきすで萎えてしまう。


そういやきぬの記憶喪失物語って第二部までなん?
477名無しさん@初回限定:2006/02/26(日) 17:27:37 ID:x6I4WTPAO
謝れ!なごみんに謝れ!
478名無しさん@初回限定:2006/02/26(日) 21:27:50 ID:LX0Cc0ff0
>>476
てめーは俺を怒らせた
479名無しさん@初回限定:2006/02/26(日) 21:32:58 ID:eYfcYkZd0
>>478
志村ー!!メル欄!!!
480名無しさん@初回限定:2006/02/26(日) 22:53:28 ID:q1Ndiq+i0
我輩がひとつありがたい話をしてやろう
いいか、プリンセスソフトのHPでPS2版のOPデモが公開されてるぞ
481SSD:2006/02/27(月) 00:14:54 ID:CU4hRiJ90
 久しぶりにリンクSS二本書いたので投下します
 もう一本は明日のお昼か夕方に。
 
482歓迎! 柊法律事務所御一行様! 1/11:2006/02/27(月) 00:18:04 ID:CU4hRiJ90
 梅雨の湿気が徐々に初夏の陽気に変わり始めた七月のある晩。
 今晩は珍しく親父も会社から帰ってきて一緒に夕食。
 目の前で壮絶な食物の取り合いが繰り広げられている最中、
雛乃姉さんがふと口を開いた。
 「かなめよ。確か明日だったな。お前が温泉旅行に行くと言うのは」
 言った瞬間、親父が姉様に詰め寄る。
 「なにぃ!? 要芽、お前温泉旅行に行くのか!?
 何でパパに言っておいてくれなかったんだ? ワシも同行するぞ!」
 「雛乃姉さん、正確には明日の晩からです。
 それからお父様、一応社員旅行なので、事務所の者以外は参加できません」
 「くっ……せっかく仕事も一段落着いたから要芽とたくさん遊ぼうと
三日も休み取ったのに…!」
 「それにしても姉様、社員旅行って毎年行ってるの?」
 「いいえ、今年度が初めてよ。
 いるかがどうしても行きたいといって聞かないものだから。
 そうだ、空也、貴方もいらっしゃいな」
 「えっ…俺も!?」
 姉様が俺を誘ったのを聞き、親父がすかさず、
 「何でピーナッツが行けるのに、ワシが行っちゃいけないの?」
と、涙目で突っ込んだ。…キモイ。
 「空也は以前に短期間でしたけど私の事務所で働いた事がありますから」
 「くぅぅぅ…、じゃ、じゃあ行き先だけ教えてくれ!
 ワシは一般旅行者として悪魔で、偶然、お前とおんなじところに泊まるから!」
 「…ったく、ショウは要芽姉のことになると必死だよね……」
 「お父さん、いい加減キモイよ〜」
 「親父殿、先ほどから行儀が悪いぞ」
 「くそー! もう良いもん! ワシ、寝る!」
 他の姉さんたちに怒られてやさぐれた親父は、
お茶碗に残っていたご飯をかっ込んで、泣きながら二階に上がって行った。
 「お父さん、ちょっと、か、かわいそうだったね」
 「いいのよ、巴。あれぐらい」
483歓迎! 柊法律事務所御一行様! 2/11:2006/02/27(月) 00:20:35 ID:CU4hRiJ90
 「ところで姉様」
 「何かしら?」
 「出発、明日なんでしょ? 俺、明日…」
 「『明日』、なんなのかしら?」
 俺がやんわりと断ろうとすると、姉様が鋭い目つきで俺を睨んだ。
 「明日ぁ…………からちょうど暇だったんで、是非ともお供させてください」
 「あら、そうなの。ちょうど良かったわね。」
 鋭い目つきが一変、やさしい柔らかなまなざしに変わった。
 …まぁ、明日の午後に沖縄から団長が出て来るだけだから、団長は無視で良いか。
 「と、いうことで明日の夜から明々後日の夜まで家事を一人で頼むわよ。巴」
 「あは、大丈夫だよ。まかせて」
 ・・・

 翌夕方。
 この日の仕事が終わり次第、そのまま車で某県の山の中の温泉地まで行くからと、
夕方になったら事務所に来るように言われた。
 さっきから俺の携帯に『変態』から着信が入っているが、
姉様に温泉に誘われた以上徹底的に無視だ。
 
 姉様の事務所に入ると、姉様といるかちゃんと摩周さんが支度を終え、
ソファーでお茶を囲んでおしゃべりしていた。
 「…そしたらですねー、健太が…あっ、空也さん、来ましたねー」
 「空也さん、お久しぶりです」
 「あれ、俺、遅かったですか?」
 「いえ、貴方が遅刻したわけじゃあないわよ。思ったより仕事が速く片付いただけ」
 何だかんだ言って優秀な人間ばかりだからな。仕事が終わるのも早いわけだ。
 「それじゃあ私、下に車出してきますねー」
 いるかちゃんが車の準備をするために、事務所を先に出て行った。
 「あれ、今回はいるかちゃんが運転するんですか?」
 いつも姉様を迎えに二人が来る時は、摩周さんが車を運転をしている。
 「いるかが行きたいと言い出したのだから、当然じゃない」
 「秋山さんは今回の旅行、旅館の手配からすべて、一人でやったんですよ」
484歓迎! 柊法律事務所御一行様! 3/11:2006/02/27(月) 00:23:20 ID:CU4hRiJ90
 いるかちゃんの運転する車に摩周さんが助手席に、俺と姉様が後部座席に座った。
 「秋山さん、疲れたらいつでも言ってください。交代します」
 などと摩周さんが言うと、
 「いやですねー、摩周さん。私、ぜんぜん疲れてませんから安心して寝ててください!」
と、いるかちゃんは大見得を切って返した。
 しかし街を抜けた頃になって、結局いるかちゃんは摩周さんと運転を交代してもらった。
 暫くすると、いるかちゃんと姉様が寝てしまったため、車内が一気に静かになった。
 姉様が俺の肩に寄りかかって寝息を立てている。
 その姉様の髪からいい匂いが漂ってきて、肩に姉様の温かみを感じつつ、
俺もいつの間にか眠ってしまった。
 ・・・

 「要芽様、秋山さん、空也さん、着きましたよ」
 摩周さんに起こされて車の中で目がさめた。
 俺に寄りかかって寝ている姉様を起こす為に、優しく揺さぶりながら声をかけると
 「いやぁ……まだ寝てたいんだもん……」
 この返事になぜか摩周さんが顔を赤くしていた。
 なかなか起きない姉様といるかちゃんを何とか起こし、車の外に出てみると、
朝霧と深緑の中に、ずっしりとした、由緒正しそうな旅館が浮かんでいた。
 「何だかずいぶん立派な旅館ですね」
 「ふわぁ〜あ、そりゃあそうですよー。なんて言ったって旅行の費用はすべて
摩周さん持ちですからねー。私、奮発しちゃいました」
 眠そうながらも声のトーンが高いいるかちゃん。
 「えっ、摩周さん持ちなんですか…なんかすいません」
 「いえ、私は要芽様の旅行にお供できるだけで幸せですので」
 この人のこう言うところは死んでも直らないだろうな…
 気が付くと姉様が旅館の入り口に向かって、危なっかしい足取りでふらふらと近づいていく。
 荷物を持ってあわてて姉様の後をついて行く俺達を、朝も早いと言うのに若い女将さんが迎えてくれた。
 部屋に通され荷物を置いた後、軽い朝食を済ませ、いるかちゃんが
 「はいー、じゃあ早速今回の旅のしおりを配りますよ」
と、わら半紙で作られた小冊子を配り始めた。
 しおりには「柊法律事務所社員旅行〜一泊三日の旅〜」と書かれていた。
485名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 00:24:05 ID:5N5UTcM70
支援
486歓迎! 柊法律事務所御一行様! 4/11:2006/02/27(月) 00:27:35 ID:CU4hRiJ90
 旅の日程と書かれた項を見てみると、どうやら今日はこの後、
ぶどう狩りに行った後、アイス工場見学、と書かれている。
 「ねぇ、いるかちゃん。このアイス工場見学って何ですか?」
 「コレはですねー、お姉様の為に組み込んだ見学なんですけどね、
この工場はみんとあいすが美味しいメーカーの工場なんですよ。
 勿論見学が終わった後はアイスを好きなだけ試食できます」
 なるほど、全体的に姉様にダルい思いをさせないような日程になってるんだな。
 ・・・

 ブドウ畑ではお姉様が
 「空也、この房のブドウが美味しいから、食べて御覧なさい」
と、言うから近寄っていくと、姉様はうれしそうに目を細めて、ブドウを一粒口に含み、
いつかの飴玉のように俺に口移しでブドウを一粒食べさせてくれた。
 摩周さんやいるかちゃんに見られていないか、というスリルで姉様の唾液がより甘く感じた。
 「フフフ…どうだったかしら? 甘くて美味しかったでしょう?」
 「う、…うん」
 いたずらっぽく笑う姉様に、思わず頷いてしまった。
 農家の人が取ったブドウをジャムにしてくれると言うからと、いるかちゃんは取ったブドウを
すべてジャムにしてしまったようだ。
 両腕いっぱいにジャムビンを抱えて
 「こんなにたくさんあるなら、一生ジャムには困りませんねー」

 アイス工場に行くと、姉様はミントアイスの製造ラインに釘付けだった。
 「みんとあいす……」
と、見学用の窓ガラスに張り付き呟いているのを見て、さすがにヤバイなと思った。
 案内のお姉さんが美少女だったせいもあって、姉様が
 「困った事があったらいつでも私に連絡しなさい。力になるわ……フフフ」
とナンパをして、いるかちゃんに咎められているお姉様も新鮮だった。
見学後のアイスの試食で、姉様はミントアイスを五つも食べた。
 あの細い体のどこにそんなにアイスが入るんだろうな…?
 
 そんなこんなで二日目の日程を終わり、宿に帰ってきた。
487歓迎! 柊法律事務所御一行様! 5/11:2006/02/27(月) 00:30:26 ID:CU4hRiJ90
 宿についてしばらくすると、男子部屋にお姉様といるかちゃんがやってきた。
 いるかちゃんは一日の疲れも見せずにニコニコと、
 「さてさて、これからが今日のメインイベントですよー!」
 「えっ? また何かするの? 夕飯まで休憩にしようよ」
 「そうですね…私もさすがに少し疲れてしまいました」
 昨日の夜から運転しっぱなしであまり寝ていない摩周さんが、めずらしく疲労を訴える。
 「嫌ですねー、お2人とも。これからのメインイベントは、温泉ですよ。露天温泉」
 「温泉!?」
 「そうですよー。温泉に入れば、疲れも吹っ飛ぶと言うものです!」
 「それは良いですね。私も温泉は好きですよ」
 「そういえばいるか。あなたずいぶんとここの温泉が良いって言っていたけれど…」
 「そうなんですよー。この旅館から少し歩いたところにある温泉はですね、
効能も勿論良いんですけど……ゴニョゴニョ……」
 途中からいるかちゃんは姉様に耳打ちをし始めた。
 いるかちゃんから何かしらの情報を得た姉様は、
 「あら、そうなの。フフフフフフ……それは面白そうね」
と、何かを企んでいる時の目つきで男性人二人に笑いかける。
 「姉様、あの顔何かたくらんでますね。恐ろしい…」
 「いずれにせよ、覚悟していきましょう。空也さん」
 摩周さんとの間に、少しだけ、今までにない連帯感が生まれた。
 ・・・

 それぞれの部屋で浴衣に着替え、旅館の外へ。
 外はもうすでに真っ暗で、街灯も少ないから温泉まで必要でしょうと、
旅館の人が提灯を貸してくれた。
 なぜこの時代に提灯なのかと思ったが、暗い山道を提灯一本と
夜空に瞬く星と月明かりで進むのは、なかなかにいい雰囲気だ。
 近くを流れている川の水音と、フクロウやら鈴虫やらの大合唱が
おまけについている。
488歓迎! 柊法律事務所御一行様! 6/11:2006/02/27(月) 00:32:59 ID:CU4hRiJ90
 「なんか幻想的で良いですねー」
 早速この雰囲気に酔ったいるかちゃんが、
提灯を持った摩周さんの周りをピョンピョン跳ね回っている。
 「そうね、悪くないわ……いるか、あなたはウザったいけれど」
 「秋山さん、そんなに跳ね回っては、石につまずいてしまいますよ」
 「大丈夫ですよ。私、田舎の山道でも一回も転んだ事……っと、ハワワワワワ!」
 そんな事を言いながら早速石につまずき、バランスを崩したいるかちゃんだが、
 「……っと、ね! 大丈夫でしたでしょう?」
腕をぐるぐる回し、すんでの所で態勢をピタッと持ち直した。
 何だか本当にいい意味で騒がしい人だな…。
  
 間も無く暗闇の中の川原に、東屋のような脱衣所が見えてきた。
 どうやらコレが例の温泉らしい。
 「ここの露天温泉は穴場なんですよー。
 元々あの旅館の宿泊客しか使わないですし、その上あの旅館お高いですからねー、
人もこの時間なら私たちだけでしょう。
 では、早速入りましょう!」

 摩周さんと脱衣所で服を脱ぎ、外の露天温泉へ。
 温泉は川原に掘られた穴から湧き出しており、湯面からは湯気がもうもうと出ている。
 目の前を流れる川が、さっきここに向かう途中に聞こえたせせらぎの正体だろう。
 「思ったより温泉自体が広いんですね」
 「そうですね…」
 素直に感動している摩周さんをよそに、俺はある事が気になっている。
 この温泉、男湯と女湯の仕切りが見当たらない。
 「空也さん、どうしたんですか? 入らないんですか?」
 摩周さんが先に温泉に浸かって、温泉に入らずに立っている俺を不思議そうに見ている。
 「…摩周さん、ここ、もしかすると混…」
 俺がここまで言うと、後ろからキィと木戸が開く音がして、
 「あら、空也。どうしてそんなところに突っ立っているのかしら?
 せっかくなのだから温泉に入りなさいな」
489歓迎! 柊法律事務所御一行様! 7/11:2006/02/27(月) 00:36:00 ID:CU4hRiJ90
 恐る恐る振り向くと、姉様といるかちゃんが白いタオルを前掛けのように胸から垂らして、
大事なところがぎりぎり見えないように立っていた。
 「くぁwせdrftgyふじこlp;」
 正面に向き直って急いで温泉の中に飛び込む。
 「フフ…何を驚いているのかしら? 
 姉が弟と一緒にお風呂に入ろうとしているだけなのに、何故そんなに慌てているの?」
 「そうですよー。空也さんとお姉様はご姉弟じゃないですかー」
 いやですね、確かにお姉様と家でお風呂に入らないこともないですけど、
摩周さんやいるかちゃんの前ではさすがに恥ずかしい……というか空太郎も大きくなっちゃってるし、
何よりいるかちゃん……あなた何故平気なんですか?
 「こっこっ混浴だなんて、聞いてないもん!」
 背後に立っている二人に、幼児退行して抗議する。
 「あれー? 私言ってなかったですかねー?」
 いるかちゃんがわざとらしく言って見せた。
 姉様がクスクス笑っているのが聞こえる。
 くそー、部屋で耳打ちしてたのはこう言うことか。
 ふと隣を見ると、摩周さんが温泉の中で座禅を組み、
目をしっかり閉じてお経らしきものを唱えていた。
 「いつまでもこのままでは寒いから、私たちも入るわよ」
 姉様が温泉に入ったんだろう、ちゃぷ…と音がいやに耳に残る。
 しばらく温泉に浸かった姉様といるかちゃんは、温泉から上がりお互いの体を洗い始めたようだ。
 「あっ…お姉様、そんなところ、ダメですよ…空也さんたちに聞こえちゃいます」
 「フフフ、だからこそ良いんじゃないの」
 って何始めてますの!?
 摩周さんの読経のボリュームが大きくなる。
 ああっ、もう!沈まれ空太郎!このままでは姉様たちの思う壺だ!
 湯船に戻った姉様たちが、こっちに誘いをかける。
 「空也! 摩周君! こっちへいらっしゃいな」
 「ナムナムナムナムナムナムナムナムナムナムナムナム……」
 「無理ですってば! この状況じゃ!」
 「空也さんも摩周さんも、シャイですねー。大丈夫ですよ。とって食ったりはしませんから」
 何でいるかちゃんはあんなに飄々としてるんだ?
490歓迎! 柊法律事務所御一行様! 8/11:2006/02/27(月) 00:39:23 ID:CU4hRiJ90
 「さっきから摩周君が返事しないわね」
 「ですねー」
 向こうはどうやらターゲットを摩周さんに絞ったらしい。
 当の本人は顔を真っ赤にして未だに読経を、目をぎゅっと瞑って続けている。
 「摩周君? あなた、いつから私を無視できるようになったのかしら?」
 うわぁ、姉様、その一言は今の摩周さんにとってはキツイよ…
 「ナムナムナムナムナムナムナムナム………はっ…はい。なんでしょうか? 要芽様」
 摩周さんは振り返らずに背を向けたまま返事をした。
 「あら、摩周家では、話をする時は人の目を見る、という基本的な礼儀を教えないのかしら?」
 「そうですよ、摩周さん。人の目を見るのは接客でも重要ですよ」
 二人の台詞にハッとした摩周さんは、目を開けて首をゆっくりと、ぎこちなく回し始め、
 「…………っっっっ! ぐはぁっ!」
耐え切れなくなったのか、途中で摩周さんは自壊した。
 「…少し摩周君で遊びすぎたかもしれないわね」
 いつの間にか俺たちの近くまで来ていた姉様といるかちゃんが、
顔を紫色にして浮かんでいる摩周さんの顔を覗き込んでいる。
 「もう何だか飽きてしまったわね。いるか、あがりましょう」
 「そうですねー。あがりましょうか」
 「空也、私たちは先に宿に帰っているから、摩周君の事をよろしく頼むわね」
 「えっ、ちょっ…!」
 俺が引きとめようとするのを聞かずに、姉様といるかちゃんは脱衣所に消えていった。
 ふと浮かんでいる摩周さんの股間を見ると、摩周さんの息子は元気にはなっていない。
 ……多分必死になって耐えたんだろうな。アンタ英雄だよ。
 ・・・

 温泉から宿までの道を、提灯無しで摩周さんを担いで戻るのは結構骨が折れた。
 宿に帰ると男子部屋でお姉様といるかちゃんが、
 「もう、遅いですよ空也さん。私、お腹ペコペコです」
と、俺達が帰るまで夕飯を待っていてくれた。
 気絶したままの摩周さんを布団に寝かせて、三人で夕飯を食べる。
 食べ終わると明日も早いからと、お姉様達は寝ると言って部屋に帰っていってしまった。
 摩周さんも気絶してるし、やる事ないから寝るか…
491名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 00:41:19 ID:7U1/5DQD0
しえん!
492歓迎! 柊法律事務所御一行様! 9/11:2006/02/27(月) 00:43:03 ID:CU4hRiJ90
 布団にもぐって一時間ほどたったろうか。
 就寝時間が早かったため、疲れてはいるが目が冴えて寝れない。
 その時、ふと誰かが部屋の戸を叩いた。
 「空也? もう寝てしまったのかしら?」
 この声は、姉様?
 部屋の戸を開ける。
 「どうしたの姉様? もうすっかり寝たのかと思ったよ」
 「寝つきは良いほうなのだけれど、どうも今夜は目が冴えて眠れないのよ。
 それで少し外を散歩しようと思うのだけれど、一緒にどうかしら?」
 「うん!行く行く!」

 旅館の外に出ると、この暗さにもなれたせいか、月明かりで思いのほか外が明るく感じた。
 山のひんやりとさわやかな夜風が、体に溜まったダルさを吹き飛ばしてくれる。
 開放感から思わず伸びをした。
 「う〜ん…!なんか昨日から今日一日、あっという間だったね、姉様」
 「そうね」
 「あー、もう明日午前中動物園行ったら帰るのかぁ」
 明日は午前中、山の中にある動物園に行って、名物のヤマペンギンのお散歩を見て
神奈川に帰ることになっている。
 「旅行はたまに来るから良いんじゃないの」
 「そうなんだけどさ〜…」
 「……そうね、次はあなたと二人だけでのんびり旅行がしたいわね(ボソ」
 「ん? 何か言った? 姉様?」
 「フフフ、なんでもないわ」
 そういうと姉様は自然と俺に顔を近づけてきて、
 「チュッ」
そうなるのが当たり前のように軽い口付けをしてきた。
 「…私はもう寝るわね。お休み、空也」
 「お、…おやすみ…」
 突然不意を突かれたキスだったので、何だか変に驚いて、興奮してしまった。
 部屋に帰って布団に潜っても、その事ばかり頭に浮かんで、その夜はあまり眠れなかった。
 ・・・
493歓迎! 柊法律事務所御一行様! 10/11:2006/02/27(月) 00:45:10 ID:CU4hRiJ90
 翌朝目が覚めると、摩周さんがいやにさっぱりしてたのでどうしたのか聞くと、
 「朝早くに旅館の方に近くに滝がないか聞いて、早速滝に打たれて来ました。
 まだまだ私も修行が足りないと思ったので…
 昨晩はご迷惑をおかけしたようで、申し訳ないです」
 昨晩姉様といるかちゃんにからかわれて気を失った自分が、よほど悔しかったんだろうなぁ。
 しかしそんな摩周さん、実際に姉様たちと顔を合わせると、
 「あら摩周君、空也、おはよう」
 「お二人とも、おはようございますー」
 「姉様、いるかちゃん、おはよう」
 「おはょぅございます…」
言いながら顔を真っ赤にして、頭をブルブルと横に振っていた。

 食事を済ませた後旅館を出て、早速動物園へ。
 珍しいヤマペンギンのお散歩とあって、姉様の目は終始少女漫画のようにキラキラしていた。

 午後になって摩周さんの運転で一路神奈川へ。
 車が神奈川に入る頃には、もうすでに日が落ちて夜になってしまっていた。
 摩周さんが車をウチの前までつけてくれた。
 「要芽様、お疲れ様でした」
 「私がプロデュースした旅行、楽しんでいただけましたか?」
 「そうね、楽しかったわよ、いるか。」
 「そう言って貰えると、がんばった甲斐がありますー」
 車の窓から顔を覗かせているいるかちゃんは、たいそう満足気だ。
 「それでは二人とも、明日からはまた気合を入れて仕事をするわよ」
 「「はい!」」
 元気のいい返事の後、摩周さんといるかちゃんは車に乗って去っていった。
494歓迎! 柊法律事務所御一行様! 11/11:2006/02/27(月) 00:49:26 ID:CU4hRiJ90
 「「ただいまー!」」
 玄関の戸を開けると、まるで俺達が帰って来るのがわかってたかのように
ねぇねぇが玄関で俺達の事を迎え入れてくれた。
 「おかえりー! 要芽姉、クーヤ!」
 「どうしたの瀬芦里? 何だかずいぶん機嫌がいいみたいじゃないの?」
 「えへへへへー。それがね、」
 なんでも昨日、親父主催でやったと言うバーベキュー大会がよほど楽しかったらしい。
 その事をうれしそうに話すねぇねぇ。
 「要芽姉達もいたら、もっと楽しかったろうになぁ…。
 所でさ、旅行、どうだったの?」
 「うん、すっごく楽しかったよ。あのメンバーで旅行とか言うのも、珍しいしね」
 「そうね。思ったより楽しめたわ。ヤマペンギンも生で見れたし」
 「フーン…じゃあさ、今度旅行行くときは、家族みんなで行こうよ!」
 「それも良いのだけれど……」
 ねぇねぇの提案を聞いた姉様が、横に立っている俺の事をちらりと見ると、
 「……まずは、ねぇ、空也? …だから皆で行くのはその次になるわね」
 「えっ、何々?クーヤ、要芽姉と何か約束してるの?」
 正直言って俺は何の事だか心当たりが無いが、
なんとなく姉様にあわせておいたほうがよさそうだ。 
 「えっ、俺? あは、そうだったかな? あははははは」
 「フフフ……決まりね」
 姉様は俺の返事を聞くと、意味ありげににやりと笑った。
 なんだったかな? 俺、姉様と何か約束したっけ?
 「要芽ー! 帰ってきたか! パパは待ちかねたぞ!」
 と、空気の読めない親父が俺の思考をさえぎって、
玄関まで大声上げて走りこんできた。
 …これからも退屈しない、騒がしい日々が続きそうだな。
495名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 00:50:11 ID:Ee1kR3IW0
私怨
496SSD:2006/02/27(月) 00:53:07 ID:CU4hRiJ90
まずは一本目、柊法律事務所のメンバーでの社員旅行です。
間違って混浴なんぞ行こうもんなら、摩周さんはとことんからかわれそうです。
雰囲気を楽しんでいただければ幸いです。

アイス工場や動物園等、詳細も書こうとしましたが、話自体がだれるのでやめました。
ヤマペンギンはフィクションです。

もう一本は早ければ明日の昼、あるいは夕方にでも投下します。
支援、ありがとうございました。
497名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 00:54:03 ID:7U1/5DQD0
よっしゃ。もうGJ!

おかげで就寝時間が押してしまったではないかw
しかも久々に姉しよ2がやりたくなってしまったではないか。
2本目も期待しております!
498名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 00:56:36 ID:5N5UTcM70
>>496
GJ!
499名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 01:13:01 ID:pfCvUroI0
>>496
GJ!

いつもあっさりした感想ですまない。
SS読んでると仕事が遅れるんだよお
500名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 03:20:56 ID:FNgYbQRu0
>>496
GJ!
読んでたら眠気が覚めてしまった。
まあいいや。

そして摩周!!
お前は漢だ!!!お前にもGJ!!!!
501名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 06:40:55 ID:sdfY1z3wO
摩周童貞説浮上


GGGGGGGグッジョブ!
502名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 10:03:41 ID:XztXVHEI0
まあ他に見せ場ないしなw
503名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 11:26:09 ID:nO0aTNyP0
>>501
浮上も何もそれが通説ですがw

>>502
謝れ!摩周っちに謝れ!
504名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 12:09:29 ID:9pH1w9ad0
内容のことだろ>見せ場
505名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 12:15:53 ID:cvGEJx8PO
見せ場一つあれば十分だろ
506名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 15:14:34 ID:nO0aTNyP0
この人のSSは、盛り上がるヤマ場とかドッとくる落ちじゃなくて
マッタリしたふいんきを味わうのが作風っぽいから
あまり見せ場がなくてもいいんジャマイカ
507クッキング親父 1/8:2006/02/27(月) 17:11:42 ID:CU4hRiJ90
 七月に入ったある晩。
 今夜は珍しく親父殿が皆と一緒に夕飯を囲んでいる。
 何でも「久しぶりに愛すべき娘達とのんびり過ごすため、三日も休みを取った」
とのことらしい。
 どうせかなめとでもいちゃつこうと思ったのだろう。
 しかし残念ながら、かなめは明後日から旅行…ふむ? 明日だったかな?
 「かなめよ。確か明日だったな。お前が温泉旅行に行くと言うのは」
 言った瞬間、親父殿がかなめに詰め寄る。
 「なにぃ!? 要芽、お前温泉旅行に行くのか!?
 何でパパに言っておいてくれなかったんだ? ワシも同行するぞ!」
 親父殿の反応に、少し嫌そうな顔をして、かなめが答える。
 「雛乃姉さん、正確には明日の晩からです。
 それからお父様、一応社員旅行なので、事務所の者以外は参加できません」
 ふむ…、よくよく考えれば我があのような事を言えば、
親父殿があのような反応を示すのは当然のこと。
 かなめとしては親父殿には知られたくない旅行だったのだろう。 
 我もまだまだ気配りが十分ではないようだな…などと考えをめぐらせていると、
親父殿がかなめに対して我侭を言って聞こうとしない様子が目に付いた。
 「…ったく、ショウは要芽姉のことになると必死だよね……」
 「お父さん、いい加減キモイよ〜」
 「親父殿、先ほどから行儀が悪いぞ」
 「くそー! もう良いもん! ワシ、寝る!」
 我と妹達に怒られてやさぐれた親父殿は、
お茶碗に残っていたご飯をかっ込んで、泣きながら二階に上がって行った。
 「お父さん、ちょっと、か、かわいそうだったね」
 「いいのよ、巴。あれぐらい」
 「……ともえよ、ご飯を食べ終わったら親父殿の様子を見てきてくれぬか?」
 「うん、わかった」
 我の頼みをともえが承諾するとすぐに、かなめに
 「…と、いうことで明日の夜から明々後日の夜まで家事を一人で頼むわよ。巴」
 「あは、大丈夫だよ。まかせて」
 …色々と頼まれて、ともえも苦労人よなぁ。
508クッキング親父 2/8:2006/02/27(月) 17:13:43 ID:CU4hRiJ90
 「ふむぅ、くりすたるひとし君か…なんとも知的な雰囲気のものよな」
 「あら、雛乃姉さんコレ欲しいの? じゃあアタシが取ってあげるわよ。
 ふむふむ、正解だと思う番号に電話すればいいのね…」
 夕食後に居間でたかねとテレビを見てまったりしていると、
ともえが二階から降りてきて居間にやってきた。
 「雛乃姉さん、今、お父さんの様子を見ようと思って二階に行って来たんだけど…」
 「ふむ、で、どうであったか?」
 「う、うん。それがなんか部屋に篭ったまんま、返事がないんだ」
 「む! まさか縁起でもない事になっているのではないだろうな?」
 「ちっ、違うと思うよ。すすり泣くような声が聞こえたから、多分泣いているんだと思う」
 ふむぅ…。親父殿、かなめと母上が似ているからと言って、
思慕の情でかなめを見ているのではないと分かっていても、かなめにひいきが過ぎる。
 これでは他の妹達がちとかわいそうな気がするな。
 明日にでも我が親父殿に意見しなくてはならぬな……
 そんな事を考えていると、たかねがテレビに向かってなにやら叫んでいる。
 「えっ!? ちょっと! 何で白柳の答えが正解なのよ!?
 絶対、野々町の答えが正解だと思ったのに…」
 …どうやらくりすたるひとし君は諦めた方がよさそうであるな。
 ・・・

 翌日の朝、予想された親父殿によるかなめの引き止め作戦は無かった。
 かなめは普通に事務所に出て行き、親父殿はついに朝飯、お昼ご飯と部屋から出てこなかった。
 午後遅くになってくうやが荷物を抱え家を出て行った頃に、ともえが
 「お父さん、大丈夫かな…」
と、心配し始めた。
 せろりやうみは親父殿について
 「別に良いんじゃない? ショウが部屋に篭ってたいなら、それでさ」
 「う〜ん、くーや、忘れ物しないで行ったかなぁ。不安で仕方がないよ〜」
などと言っていたが、さすがに我も少し親父殿が心配になってきた。
 「今夜の晩御飯にも出て来ない様だったら、ドアをけっ、蹴破るしかないかな?」
と、ともえがどこか楽しそうに言っている。
509クッキング親父 3/8:2006/02/27(月) 17:16:00 ID:CU4hRiJ90
 しかし実際は、ともえが晩御飯が出来たと告げると、
 「うー、もうワシ腹ペコだよ。おっ、うまそうだな。今夜はとんかつか」
と、何事も無かったように親父殿が二階の書斎から出てきた。
 「どうやら、ドアを蹴破る必要はなくなったみたいだね」
 安心したような顔をしているともえだが、どこか残念そうだ。
 食事中、妹達も親父殿が書斎に篭って何をしていたかは聞き出そうとはしなかったが、
多少心配していたのに親父殿自らの説明が何も無かったので、
親父殿は分からなかったろうが、少しだけ居間がいやな雰囲気になった。
 夕食が終わり、親父殿が書斎に引っ込んだのを見計らって、
我は親父殿に注意を促すために書斎を訪れた。
 「親父殿! 雛乃である。入りますぞ」
 「ああ、雛乃か。入ってくれ」
 部屋に入ると親父殿は机に向かって、山のような書類を相手に何かをしていた。
 「なんか用か? もうそろそろで終わるから、五分ほど待っててくれないか?」
 「親父殿、それは?」
 「………………っと、おわったぁ! ん? ああ、コレな」
 積まれた書類を片手でぽんぽんと叩きながら、親父殿が続ける。
 「昨日の夜に急にFAXされてきて、休み明けまでに仕上げなくてはいけなくなってな。
 明日皆と遊べるように、今日一日で終わらせようって頑張ってたんだ」
 「じーっ」
 我が親父殿を非難の目で見つめる。
 「うっ、何かワシ、悪い事しちゃったの?」
 「あのな親父殿。夕飯の時、居間の雰囲気が微妙なのに気が付いていたか?」
 「えー…ぜんぜん」
 「やはりな…昨日の晩に泣きながら部屋に篭った自分の父親が、
その夜に声をかけても返事もなしに、しかもその翌日には夕飯まで部屋から出てこないとなると、
言葉には出さずとも皆が心配するのは当然であろう?」
 「うぅぅ…そうかなぁ」
 「仕事をしていたなら仕事をしていたと言うべきだったと我は思う。
 それに今回の事でなくとも、親父殿はかなめをひいきし過ぎだ」
 「えぇっ! そう? ワシ、気をつけてるつもりなんだけど…」
 「アレでは他の妹たちが可哀相であるぞ」
510名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 17:17:01 ID:+kEjYzqa0
  
511クッキング親父 4/8:2006/02/27(月) 17:19:43 ID:CU4hRiJ90
 「雛乃、ワシ、どうしたら良いと思う?」
 「一度失った信用は、父親らしさを妹達に示して、信用を取り戻すしかないと思うぞ。
 親父殿は、父親はどうしたら父親らしいと思うのだ?」
 「お父さん…お父さんと言えば…BBQ、かな?」
 「ばーべきゅーとな?」
 「うん。家族でソーセージとか野菜を焼いて、それを父親が仕切る!
 あの役割は父親にしか出来ないと、ワシ思うのだけど」
 「ふむぅ…親父殿の思う父親らしさがそれだとするならば、
明日にでも皆に謝罪の意味も込めて、ばーべきゅーぱーてぃーをしたら良いと思うぞ」
 「そしたらマイ愛しのドーターズは許してくれるかな?」
 「そこは親父殿しだいでなはいのか?」
 「よし! ワシ、明日頑張って父親らしいところを娘達に見せて、
娘達のハートゲットだ!」
 ・・・

 翌日、朝食を食べ終わると、親父殿は皆の前で
 「今日はワシの指揮の下でバーベキューパーティーやるぞ!
 巴!材料の買い出し行くからついて来い!」
 「えっ、・・・あう!」
 親父殿とともえは間も無く買いだしに車でどこぞへ行ってしまった。
 「どういう風の吹き回しかしら。急にあんなこと言い出して」
 「べ〜つにどうでも良いんじゃない? 私、あんまし興味ないし」
 「とか言って〜、瀬芦里お姉ちゃん、ちょっと嬉しそうじゃない〜」
 「うっ、嬉かなんかないよ。うみゃもへんな事言うなぁ!」
 「犬神姉妹も誘っておくとしよう。親父殿はおそらくお昼にぱーてぃーを始める気だろう」
 親父殿の宣言を受けて、居間がにわかに活気付いた。
 どうやらここまではうまく行っているようだ。

 しばらくすると親父殿とともえが肉や野菜、ばーべきゅーこんろのかーとりっじなどを
たくさん買い込んで帰ってきた。
512クッキング親父 5/8:2006/02/27(月) 17:21:51 ID:CU4hRiJ90
 「よーし! 皆、準備を始めるぞ! まず瀬芦里はワシと蔵に行くぞ!
 バーベキュー用コンロを出す! 巴は材料の下ごしらえ頼む。高嶺は…」
 早速ぱーてぃーの指揮を取り始めた親父殿が、どこか輝いて見える。
 仕事柄、人に指示を出すのになれておるのかも知れぬな。

 少しして、たかねがほなみとぽえむを隣から連れてきた。
 「雛乃ちゃんチャオ! 今日はお誘いありがとうね」
 「こんにちわ。雛乃さん」
 「うむ、二人とも元気であるな」
 ふと二人の後ろに目をやると、上半身半裸の怪しい男が立っていた。
 「なななななな!? ほなみ! ぽえむよ! 後ろに変質者がおるぞ!」
 我が注意をすると、ぽえむと変質者は少し困った顔をした。
 「あの、雛乃さん。この人、確かに怪しく見えるけど、クー君の沖縄での友達の、団長君」
 「歩笑ちゃんにまで怪しいと言われるとはな…
 団長だ。よろしく。雛乃さんだろ? 空也から色々話は聞いてるよ」
 「おぉぉ! くうやの友達とな!? これは失礼した。弟が沖縄で世話になったな」
 「本当は昨日空也と会う予定だったんだが、あいつ電話に出なかったから…」
 「ふむぅ、くうやなら明日の晩まで帰らんぞ?」
 「なにぃ!? 俺、明日の晩に飛行機で帰るのに!?」
 「それは重ね重ね申し訳ない。 その代わりと言ってはなんだが、
今日は家でばーべきゅーぱーてぃーがあるから、楽しんでいくが良いぞ」
 我が接客をしていると、庭のほうから親父殿が叫んだ。
 「準備が出来たから皆庭に集合だ! よーしパパ、張り切っちゃうぞ!」

 庭に出ると、親父殿の指揮の下、ばーべーきゅーの準備は完璧のようだ。
 皆が集まって、早速親父殿は肉や野菜を串に刺して焼きだした。
 その親父殿の横に行ってささやく。
 「親父殿、なかなかやるではないか。ここまではなんとも『父親らしい』ぞ」
 「おっ、そう思うか?」
 「うむ! 今後失敗がなければ、昨日の名誉挽回どころか父親として尊敬されるぞ」
 「よっしゃ! ワシ、がんばっちゃうもんね」
513名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 17:23:40 ID:sYfKuCzh0
514クッキング親父 6/8:2006/02/27(月) 17:25:10 ID:CU4hRiJ90
 しかし、我がだんちょーから沖縄での空也の話を聞いていると、
ともえの慌てた声が聞こえてきた。
 「お、お父さん、ここらへんのお肉、全部焦げちゃってるよ」
 「なにぃ!?」
 「お父さ〜ん。こっちの野菜、真っ黒こげだよ〜。」
 「なんてこったぁ!」
 どうやら親父殿は、ほなみとせろりに囲まれて飲んでいて、浮かれていたようだ。
 「これじゃあ私が調理したほうがよっぽどましだよ〜」
 「うみゃ、それは流石に無いよ」
 「しぼむ〜」
 親父殿は炭と化した肉や野菜を目の前に、顎に手を当てて考えている。
 ここでどう判断を下すかが、失敗挽回の鍵であるな。
 「…うむ、仕方がない。巴、余分に買っておいた肉や野菜があったろう?」
 「うん、あるけど…」
 「コゲたのは涙を飲んで捨てるとして、今度は失敗しないように新しい肉を焼くぞ!」
 「うぅぅ…ちゃんと食べてあげられなくて、ごめんねぇ…」
 ともえがベソをかきながら炭になった食べ物を捨てている。
 しかし親父殿、ダメになったら捨てる、後ろを振り返らない選択は、英断であったぞ。
 
 その後親父殿が、先ほどの失敗を取り戻すかのようにこんろの前に張り付き、
焼き加減をよくよく観察した結果、
 「うまうま。バーベキューうまうま」
 「やーん。あんまり食べないほうが良いのに、美味しいからついつい食べちゃうわ☆」
 「うん。大味だけど、なんか美味しいね。
 お父さんの料理って感じがして私は好きだな」
 「これが空也の親父さんの料理か…まさに男の料理だな」
 「私はも好きだけど、もうちょっと辛いほうが良いと思う」
 「うん、まぁまぁ美味しいわね。60点」
 「高嶺お姉ちゃん、バーベキューなのに焼きそばしか食べないのはどうかと思うけどな〜」
と、まずまずの評判だった。
515クッキング親父 7/8:2006/02/27(月) 17:29:19 ID:CU4hRiJ90
 日がだいぶ西に沈み少しだけ涼しくなってきた頃に、ようやくに親父殿が買い込んできた
肉や野菜が底をついた。
 「何だか、今日はお昼からずっと食べっぱなしだったから、お腹いっぱいになっちゃった」
 うみがお腹をさすりながら言った。
 「ワタシ、オジサマが料理してるの始めてみたけど、なかなか様になってますわネ☆」
 「うん、今日のショウはちょっとカッコよかったよ」
 「いつものパパとは、確かにちょっと違ったかもね」
 「えっ? そう? そんなにかっこよかったかな? ワシ」
 褒められて嬉しいからか、あるいはびーるで酔っているのか、
親父殿が頬を染めて、頭をぽりぽり掻いて喜んでいる。
 そんな親父殿を見ていると、何だか我まで嬉しくなってくるな。
 …何だか、嬉しいついでに安心したせいか、少しばかり眠くなってきたぞ。
 今日は色々動いたりしたからなぁ。
 「ふわぁ〜あ」
 「おっ、何だ雛乃。眠いのか?」
 「うむ、少しな…いや、だいぶ、な」
 我が言うと、親父殿が我を抱え上げ、「お姫様抱っこ」をした。
 「こっ、これ! いくら親父殿といえども、我を子ども扱いしないで欲しいですぞ!」
 などと言いながら、嬉しいような、こそばゆい感じがする
 「何を言ってるんだ雛乃? 子ども扱いとかじゃなくて娘が眠そうな顔をしてたら、
寝床まで運んでやるのも父親の勤めだと思うんだが?」
 「…そんなものであるか?」
 「そんなものであるよ
 …それに今日のお礼もあるしな」
 ……何だかんだ言って、一番「父親らしい」親父殿にかまってもらいたかったのは、
我だったのかも知れぬな。
 今は親父殿に久しぶりに甘えるとして、このまま眠ってしまうとするか…
 ・・・

 「むっ! 玄関のほうから車の音がする…。これは要芽姉の事務所の車の音…
 って事は!? 二人帰ってきたんだ!」
 翌晩になって、せろりが超人的な聴覚でかなめとくうやの帰宅を察知した。
516クッキング親父 8/8:2006/02/27(月) 17:31:53 ID:CU4hRiJ90
 せろりがこれまた超人的な速さで、居間から玄関へと飛び出していった。
 「やれやれ、昨日の親父殿とのばーべきゅーが楽しかったからと言って、
それを二人に話したくて仕方ないようだな。せろりもまだまだ子供よなぁ」
と、我の隣にいる親父殿に言う。
 が、親父殿をふと見ると、なにやら我慢しているようにプルプルしている。
 「……親父殿、今すぐにでもかなめの所に飛んで行きたいのであろう?」
 「うっ! そんな事ないぞ! ワシは娘達には平等だからな」
 「…まぁ、昨日あれだけがんばったのだから、我は今回だけはかまわんのでは? 
と、我は言っておくぞ」
 それを聞いた瞬間、親父殿が嬉しそうな顔して、これまた凄い速さで玄関のほうへ飛んで行った。
 「要芽ー! 帰ってきたか! パパは待ちかねたぞ!」
 親父殿の嬉しそうな声が居間まで聞こえてきた。
 やれやれ、親父殿にはまだまだ我のサポートが必要なようだな。



 おまけ
 
 「それにしても昨日のバーベキュー、美味しかったわね、歩笑ちゃん」
 「ブツブツ……しっかりした娘と、ちょっと頼りない父親の愛情物語……使えるかも」
 「歩笑ちゃん? もしかしてお仕事モード入っちゃった?」
 「ごめんね、姉さん。思いついた時の勢いが重要だから、夕飯は自分で何とかして」
 「ちっ。今夜はカップ麺ね… またふくよかになっちゃう〜!」
517名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 17:35:24 ID:uW4JQazk0
>>516
超GJ!!
パパンが輝いてみえたよ。あとは団長にもっと光があたれば・・・
518SSD:2006/02/27(月) 17:35:25 ID:CU4hRiJ90
 二本目、ひなのんが親父をサポートするお話です。
 オイラの中では親父はちょっとダメキャラです。
 「歓迎!!〜」の方と一緒に楽しんでもらえたら幸いです。

>内容のことだろ>見せ場
 確かに、少しメリハリのない話になってしまいました。
 まだまだ修行が足りないですね。
 …人の作品に「メリハリが欲しい」とか言える立場じゃないなこれはorz

 支援、ありがとうございました。
519名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 17:36:25 ID:nO0aTNyP0
>>518
GJ
でもリンクしてる意味がないようなw
520SSD:2006/02/27(月) 17:37:10 ID:CU4hRiJ90
>517
団長か、犬神家の話も三本目として当初は書く予定でしたが、力尽きました。
その分おまけに逃げました。ごめんなさい
521名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 17:38:50 ID:+kEjYzqa0
飴作品は山場っつー山場が少なくてふいんき(ry を楽しむもんだしな。
オチなしもありだと思うけど。 難しいな。

>>518
乙&GJ
522名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 18:00:17 ID:cvGEJx8PO
GJ!
俺はこういうの好きだけどなぁ
523れみゅう:2006/02/27(月) 20:44:21 ID:sYfKuCzh0
>>518
GJ!
社員旅行編よりもBBQ編のほうが好みです。どっちも面白いですけど、
単にひなのん、ねぇねぇ、ともねえ、ねーたんと好きなキャラが多いからです。

では俺も投下させてくださいね。山場とは無縁なお話ですが平にご容赦を。
524お医者サマでも草津の湯でも 1:2006/02/27(月) 20:47:16 ID:sYfKuCzh0
竜宮のドアを開けると、俄かには信じがたい光景が目に飛び込んできた。
……。
一旦ドアを閉め、深呼吸。ゆっくり三つ数えてから開けなおす。
やはり、それは変わらないままそこにあった。
あたしは室内に足を踏み入れ、カバンを定位置に置くと、窓から空を見上げた。
呆れるくらいの青空があるばかり。
「どしたのなごみん」
ソファで本を開いて寛いでいたお姫様が声を掛けてきた。
「いえ。とても珍妙なものを見たもので。明日あたり初滑りでもできるかと思ったんですが」
「ああ、コレね」
お姫様が指さす先には無駄飯喰らいの甲殻類。
しかし普段と違い、机に向かってなにやら真剣な表情でペンを動かしている。これは珍しい。
「大丈夫よなごみん。別に勉強や生徒会の仕事してるわけじゃないから」
よくよく考えれば何が大丈夫なのか分からないけど。
あたしはカニの向かいの席に腰を落ち着けた。
いつものように電卓と領収書の山を取り出しながら、
「で、何やってるんです、この甲殻類は」
「クロスワードだってさ」
クッキーを口に運びつつ、面倒くさそうにお姫様が答える。
遊んでるだけか。しかし、クロスワードパズルとはカニにしては知的な遊びだ。普段は「やまいだれ」が付いているのに。
しかし、ちらと覗き込んで見て、思わず脱力。
レオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオ(ry
すべてのマスがレとオで埋められている。ひとマスに無理矢理レオが詰め込んであるところもある。
……やはり持って生まれた「やまいだれ」は簡単には取れないらしい。
「お、なんだよココナッツ。勝手に見るなよな」
カニが頬を赤らめて抗議する。
「気色悪い。なんだそのパズルは」
「なんだって、恋する乙女の苦悩?」
「真顔で聞き返すなカニミソ」
525お医者サマでも草津の湯でも 2:2006/02/27(月) 20:50:47 ID:sYfKuCzh0
「さっきからず〜っとその調子なのよねー」さすがのお姫様も呆れ顔だ。
「ただでさえ少ない脳の容量の大半をセンパイに割いてるから、バカに磨きが掛かってるな」
「いやぁ、問題を解こうと思っても浮かんでくるのは愛しい愛しいレオの顔ばかりなんだよ」
カニはうっとりとした表情で言う。
「――愛するって、辛いもんなんだな」
「知るか。勝手にやってろ」
要するにパズルの答えが分からないから逃避していたんだろう。
「おっとすまねー。ココナッツにゃ縁遠い悩みを聞かせちまったな。ま、そのうちいいこともあるって」
「……なんかムカつく」
「僻むなよ」
「誰が僻むか」
「椰子さんも紅茶飲むでしょ」
と、給湯室から佐藤先輩がお盆を持って現れた。
「あ。頂きます」
「ハイ、エリーも紅茶入ったよ。……ねえ、さっきから、部屋に着くなり熱心に何読んでるの?」
「エロ本」
「……」
「月刊乳王国特別増刊号。『究極の巨乳vs至高の美乳』よ」
そういってお姫様はこちらに表紙をかざして見せた。直球のセクハラ。
「や、やめなよエリー」
佐藤先輩がカップをテーブルに置きながら嗜める。
「あ〜、乳揉みしだきてぇ〜」
意に介すことなくお姫様はしみじみと言った。
「オヤジですか」
「今、私の中ではオッパイ揉みしだきたいキャンペーンが絶賛開催中なの。だからなごみん、」
「揉ませません」
「早! 揉ませてくれとは言わないわよ。揉みしだかせて」
「同じです。冗談じゃないです。断固拒否します」
「ちぇー。つまんないの。あとでよっぴーのを心ゆくまで揉みしだこうっと」
宣言するとお姫様は再び雑誌に視線を落とした。
526名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 20:52:18 ID:innuCa3P0
しぇん
527お医者サマでも草津の湯でも 3:2006/02/27(月) 20:53:19 ID:sYfKuCzh0
佐藤先輩は苦笑している。もう諦めているのだろう。
「で、カニっちはどうして突然クロスワードなんか始めたの?」
レオの書き取りに没頭しているカニに佐藤先輩が訊ねた。
「ほら、よっぴーココ見てよ」
と、カニはクロスワードの雑誌を広げて見せた。
「どれどれ……へぇ、正解者の中から抽選で三組にハワイ旅行ペアでご招待。だって」
「ハワイなんて珍しくもない。すぐそこじゃない」
「そりゃお姫様はそうでしょうけど」
「姫みたいなブルドーザーと一緒にすんなよ。ボクは慎ましい庶民だからね。ハワイなんか行ったことないし」
「もしかして、ブルジョワ?」
佐藤先輩が小声であたしに訊いてくる。
「カニの思考は分かりませんが、文脈と発音の類似性から判断するにおそらくは」
お姫様は雑誌のページをめくりながら、
「で、それ当てて対馬クンとラヴラヴツーリングと洒落込もうってハラ?」
「そ。いわゆる一つの婚前旅行? ボクのセクシーな水着姿でレオを改めて悩殺しちゃうんだもんね」
「でもクロスワードパズルが解けないなら計画倒れだよねぇ」
屈託無く笑いながら佐藤先輩がいともあっさり核心に触れた。
カニがガックリとうなだれる。
「う……。くそ、すまねーレオ……」
そこで勢いよくドアが開いた。
「話は聞かせてもらったぁっ!」
「レオ!」
「対馬君……」
「出のタイミングを計ってたわね」
「不肖この対馬レオ、愛するきぬのためならば灰色の脳細胞をいくらでも貸し出す用意があるぜ!」
と、立てた親指で自分を指してポーズを決めるセンパイ。
「レオ〜っ!」
カニが駆け寄り、センパイにしがみついた。
「愛いヤツよ、きぬ」
528お医者サマでも草津の湯でも 4:2006/02/27(月) 20:55:12 ID:sYfKuCzh0
二人は芝居がかった動作で、ひしと抱擁を交わす。
「アイカワラズナカイイネェ」
「佐藤先輩、台詞が棒読みです」
「そう?」
「よっぴー、ティーカップティーカップ」
「……あれ、ヒビでも入ってたのかな?」
佐藤先輩はティーカップの取っ手しか持っていない。カップ本体はソーサーに乗ったまま。
……。
「あはは。おかしいねぇ」
笑う佐藤先輩の手から、真っ二つに折れたカップの取っ手が零れ落ちる。
空気の読めないバカップルは互いに頬寄せ合ってクロスワードに取り組み始めた。
「まず縦のカギ1。『モンゴルの首都』か。七文字で」
「モンゴル〜? うーダメだ。モンゴルっていったらモンゴリアンチョップくらいしか思い浮かばねー」
「あはは、惜しい。それは首都じゃなくて手刀。
きぬはお茶目さんだなぁ〜。そんな愛嬌あるところもキュート! この答えはウランバートルだ、確か」
「おお! さすがレオ。そんな伯爵っぷりもステキ過ぎるぜっ!」博識、な。
「惚れなおしたか。んじゃ、次な。『世界三大珍味、キャビア、フォアグラとあとひとつ』 これは四文字」
「んーと、と、とり、とふゅりゅ、トリュフ、だっけ?」
「ビンゴ! 大正解だ。やればできるじゃないか!」
「へへ、愛のパワーのおかげだぜ♪」
「ん。じゃあ、これは正解のご褒美だ。――ちゅっ」
「……んっ。えへへぇ。ちくしょーやる気出た! ボクらの愛の前には不正解の二文字は無いぜ!」
それ三文字だ。
「……あれぇ? またティーカップ割れちゃった。変なの」
変なのは佐藤先輩の握力です。
「よし。続いてこれ。なになに、『高級食材でサメのヒレのこと』 四文字で、二文字目がカだな」
「う〜。難しいな。なんだろう。……わかんねー」
「俺もわかんね。どっかで聞いた気がするんだけどなぁ……」
大丈夫かこのヒトたち。
「鮫氷君かわいそう」
「私は二人のお脳の具合の方がカワイソウだわ」
529名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 20:56:49 ID:Ee1kR3IW0
私怨
530お医者サマでも草津の湯でも 5:2006/02/27(月) 20:58:20 ID:sYfKuCzh0
「あ! もしかしてフカヒレじゃね? ばっちゃが言ってた気がする」
「あーそうだそうだ思い出した。フカヒレだ。冴えてるぞ、きぬ。んじゃ、またご褒美な」
「ちゅ、んちゅ、んむっ。ちゅっ……」
二人はさっきより濃厚なキスを交わし始めた。
み、見てられない……。――ちら。……いやいやいや。
突如、お姫様が立ち上がる。
「くあぁっ!! 私の前でイチャイチャイチャイチャ。――もう辛抱堪らん! よっぴー、今すぐ揉みしだかせて!」
「え!? エリー、今すぐって!?」
「今と言ったら今! 可及的速やかに! 古来から兵は神速を貴ぶというわ。事は一分一秒を争うのよ!」
お姫様は佐藤先輩の腕を掴むと強引に立ち上がらせた。
「さぁー、マウントポジションで小一時間揉みしだくから! ハイおっぱい! おっぱい!!」
「ちょ、まっ……! たすけて〜」
「……」
お姫様は佐藤先輩をズルズル引きずって奥の部屋へと消えていった。
「VIVA!! おっぱい!!」
ほどなくお姫様の雄叫びが聞こえてくる。
まったく、どいつもこいつも……。
「ぷはぁっ、幸せすぎて息するの忘れてたよぉ」
こっちはまだやってたのか。
「ふぅっ、俺もだ、きぬ」
二人は荒い息遣いのまま見詰め合っている。
「折角だからそのまま死んで貰えると助かるんですが」
「えへへ……。でも、もっとご褒美欲しいな……」
聞いちゃいないし。
「はは、マイハニー、そのおねだりはすでに犯罪だぜ」
「じゃあレオ、ボクを愛の指名手配にしちくり♪」
「ああ。時効は無いから覚悟しとけよ、きぬ」
……キモ。
バカップルの放つ強烈なラヴラヴ光線にさらされながら、深い深いため息をつく。
早くここを出なければバカが伝染る。一体いつになったらあたしの代わりは見つかるんだろう……。
531あとがき:2006/02/27(月) 20:59:38 ID:sYfKuCzh0
バカップルSSです。
前に投下したヴァレンタインネタと似た構成なのは、もともと一つの話だったからです。
小ネタのつもりが中途半端な長さになったので、バッサリ切ってバン・アレン帯として投下し、
残りに姫&よっぴーを絡めて仕上げたものがこれです。
ひたすらおバカに、が今回のテーマ。
とりあえず笑ってもらえたら嬉しいです。

532名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 21:21:37 ID:JPftwr0bO
>>518
GJ!もうちょっと団長が話に絡んでほしいかな

>>531
GJ!ワロスw
533名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 21:28:30 ID:n28nsDLb0
>>530 ばっちゃが言ってた気がする
あれか?舞-乙女さんか?
534名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 21:32:35 ID:nO0aTNyP0
>>531
GJ
だがこういうのはオチがないとちょっとなw
535名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 21:46:47 ID:qvyhzekm0
>>531
俺が久々に出す超GJ!!!
バカップルは永遠なりw
536名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 22:00:08 ID:pfCvUroI0
姉しよやったことないけど、ショウもけっこういいキャラだねえ
仲の良い家族の風景は、いいな

バカップル
あーもう素直に超うらやましい
あの娘とああなりてえなあ・・・
537名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 22:02:34 ID:LUQCl7ap0
>>531
最高w
声出して笑ったw
538名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 22:16:20 ID:NNZvrOvr0
>>531
バカップル最強すぎwww
こんな恋愛がしてー

いやぁもちろんバカップルの二人も最高なんだけど
相変わらず見事な壊れっぷりの姫とか
ツッコミのキレが秀逸ななごみんとか
黒い感情を抑えきれてないよっぴーとかも…凄いw

纏め方も最高だ。2月の月間MVPに推すよ。
超GJ!!!
539名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 22:25:05 ID:XztXVHEI0
>>530
ちょっとヲチ弱いけどGJ

せっかく使ったクロスワードパズルをヲチに生かせばよかったと思う
540名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 22:55:32 ID:WTC0qNwm0
ちょwww姫wwwwwww
541名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 23:00:17 ID:cvGEJx8PO
よっぴーの握力の詳細を是非!
>>531あんたの思惑通り笑っちまったよGJ
542名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 23:08:15 ID:qvyhzekm0
>>538
俺からも一票!
>>531つくづくGJ!

このままバカップルブームが来ないかと期待
543名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 23:24:02 ID:nO0aTNyP0
>>539
>クロスワードをヲチに

難しいなwこんなか?


「で、結局クロスワードの答えはなんだったんですか?」
「ヒントはねー、『ハワイに行ったら是非食べたい!』だって」
「えっと、太枠で囲まれた5文字は……つ……こ…っ…こ…な……」

「……」
「……」

「……( ゚д゚ )」
「こっち見んな」


蛇足スマソ
544名無しさん@初回限定:2006/02/27(月) 23:37:26 ID:YfGJnII90
>>531
姫ワロスGJ

オチを何とかした方がいいってのは>>539に同意
545名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 00:20:35 ID:WtBoaXBa0
久しぶりにつよきす起動したら・・・流石は乙女さんだな後輩思いだ
546名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 00:35:23 ID:Ufz3lD3zO
北都さんの画像を見てからエリカとか要芽のボイスを聞くと北都さんの顔が浮かぶぜ……orz
547名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 01:03:27 ID:n5YJ6kVw0
なごみん誕生日おめ^^
548名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 01:10:22 ID:RvFd0DXV0
なごみんバースデーSSをキボンヌ
549名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 03:49:01 ID:tSWc1YUE0
>>531GJ
なごみんに同情
ついでにもう一言
VIVA!!れみゅう!!
550名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 10:34:55 ID:m/N+aM1tO
バカップルワロスwww
俺的にはバカップルは出オチなのでこれで満足っす!
キャラがよく掴めてるなぁ
551名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 10:38:53 ID:G9Z60Fi50
あぁ、なんとなくイガグリの気持ちがわかるな
そんな腑抜けな対馬くん、見たくないやw
552SSD:2006/02/28(火) 17:14:44 ID:sKlD5IgK0
団長の活躍が見たいと言う意見をいただいたので、
途中で挫折したリンクの三本目、書き上げたので投下します。
553D面 1/6:2006/02/28(火) 17:17:36 ID:sKlD5IgK0
 とぅるるるるるるる……とぅるるるるるる……とぅるるるるるるる……
 「チッ、どういうつもりだ。空也め。電話に出やがらねぇ」
 ピッと通話終了ボタンを押す。
 七月になったばかりのある日の夕方、俺は空也に会うために鎌倉に来ている。
 しかし、待ち合わせの場所に来てもいないし、電話をかけてもぜんぜん出やがらねぇ。
 照れ屋な女の子に待ち合わせで一週間も焦らされたり、
慌て屋な女の子に俺の番号を誤って着信拒否にされた事もあって、こう言うことに慣れてはいるが、
まさか空也に約束すっぽかされるとは思わなかった。
 しかし俺の今回の鎌倉来訪の目的は、一応沖縄では手に入らないマイナーグラビアアイドルの
きわどい写真集を手に入れることになっているから、一人でも問題はないはずだ。
 …空也にも言っていない、本当の目的が他にもあるのだがな…。
 これから空也の鎌倉での家に乗り込んで、どういうつもりか聞きだすという手もあるが、
以前鎌倉に来た時に空也の家の前で、古い雑誌で見た時よりも綺麗な、本物の瀬芦里さんに
吹き飛ばされた苦い思い出がある。
 アレはさすがに辛かった。
 始めて俺に合う人は皆、俺のあまりのカッコよさに目をそらしてしまう。
 そんな俺だからこそ、瀬芦里さんも混乱していたんだろう。
 誰か知り合いでもいない限り、空也の家の前の通りに近づくことさえ危険なので、
帆波さんや歩笑ちゃんの家にも近づけないことになる。
 どうしたものだろうか…?
 …とりあえず、近くの本屋にでも行ってイエヤスへのお土産のエロ本でも選ぶか。
 と、本屋に向けて歩き出した瞬間、背中にチリチリと刺すような視線を感じた。
 この視線、故郷沖縄で空也と遊んでる時によく感じた視線だ。
 バッと振り返ると、
 「…あっ、見つかっちゃった」
歩笑ちゃんが電柱の影から俺を見ていた。
 歩笑ちゃんは今の空也の家の隣に住んでるはず。
 ならば歩笑ちゃんを通して隣の家を尋ねる事ができるかもしれないな。
 それにもう一つの目的のゴールに近づくことも容易となる。
 そうでなくても、久しぶりなんだから声ぐらいかけたって捕まりはしないだろう。
554D面 2/6:2006/02/28(火) 17:20:45 ID:sKlD5IgK0
 「やぁ、歩笑ちゃん、久しぶりだな」
 「あ…あぁ…だっ、団長君、お久しぶり…」
 相変わらず空也以外の男と話すのは苦手なようだな。
 俺が正面に来ても、歩笑ちゃんは体を半分だけ電柱の陰から出している。
 これでも俺とイエヤスは歩笑ちゃんと話すことの出来る、数少ない男なのだ。
 見ると、歩笑ちゃんは両手いっぱいに買い物袋を提げている。
 どうやら夕飯の買出しの途中だったようだな。
 「買い物の途中だったのかい?」
 「うっ………ううん…。もう終わったから、こっ、これから帰るところ」
 「じゃあ、買い物袋を家まで持ってあげよう。重そうだし」
 「あっ、いいよ。大丈夫……一人で行ける」
 「まぁ、遠慮は無しだぜ」
 やさしく手を差し伸べる俺。
 これが他の女だったら半ば無理やり袋をひったくって、男らしいしぐさを見せるのだが、
相手が歩笑ちゃんなだけに、慎重な行動が必要だ。
 「……じゃあ、これと、この袋をお願いします」
 こうして俺は、とりあえず犬神家まで無事にたどり着くことが出来た。

 犬神家の玄関の前で、歩笑ちゃんが振り返り、
 「じゃあ、団長君…お礼に、お茶でも一杯」
 家に入り買い物袋の中身を冷蔵庫にしまうと、すぐにお茶を用意してくれた。
 「今回の訪問で元々帆波さんと歩笑ちゃんにも挨拶するつもりだったから、お土産持ってきたんだぜ。」
 俺は持ってきた紅芋饅頭の封を開けて、歩笑ちゃんに渡した。
 「あっ、ありがとう…でも私…」
 歩笑ちゃんがそこまで言うと、玄関の戸が開く音がして、ダイニングに明るい声が響いた。
 「ただいまー☆ あーもう、お腹ペッコペコ、歩笑ちゃん、お夕飯…って、どちら様かしら?」
 ダイニングに入ってきた帆波さんが俺の顔を見て、不思議そうな顔をして言った。
 どうやら完全に忘れられているらしいな。せっかくイイ顔作ってたのに。
 おそらく沖縄を離れる事で俺と会えなくなる寂しさから、無理やり俺の事を忘れたのだろう。
 「姉さん、この人、沖縄でのクー君の…」
 「ああ! 思い出したわっ。丼君だっけ?」
 「団です。団長」
555D面 3/6:2006/02/28(火) 17:23:41 ID:sKlD5IgK0
 「ところで歩笑ちゃん、ワタシ、もうお腹ペッコペコなんだけど、
お夕飯、今晩は早めに作ってくれないかしら?」
 「ごめんね姉さん。私、明日の朝までに仕上げなくちゃいけない原稿があるから。
 買い物に行ってたのも、気分転換なんだ。だから姉さん、夕飯は自分で何とかしてね。」
と、歩笑ちゃんは自分用のお茶と紅芋饅頭をお盆に乗せて、俺と帆波さんに軽く手を振って
二階に上がっていってしまった。
 ダイニングに取り残された俺と帆波さん。
 …しかし、これは好都合だ。
 俺のもう一つの目的とは、ずばり帆波さんに再アタックをかける事。
 前回告白した時は、帆波さんも思うところがあったのだろう、
ずっと一緒に仲良くしたいから、友達のままでいて欲しいと、間接的に付き合う事を断られたが、
あれからずいぶん時が経った。
 帆波さんも沖縄を去って俺に会えなくなり、もうそろそろ俺の存在の大きさに気がついた頃だろう。
 今回告白すれば、俺は確実にうまく行くと信じている。
 しかし、告白にはタイミングが重要だと雑誌に書いてあった。
 何かパーティーのような楽しい、お酒の混じっている時に告白すると、成功率が高いという。
 そんなパーティーの様なイベントがあるといいのだが…。
 思考から現実に戻ると、帆波さんが俺の事をキラキラした目で見つめている。
 ふっ…真剣に考え事をしている俺の顔は、そこまで素敵だったか。
 「ねぇ、丼君?」
 「団です」
 「私のためにお夕飯作ってくれないかしら? そしたら今晩ぐらいは庭にテントを張っても良いわよん☆」
 「テントを張る……そんな言葉が帆波さんの口から聞けるとは……わかりました。
 簡単なものですが作りましょう。」
 早速冷蔵庫を開けると、先ほど買い物をしてきた材料がたくさん詰まっていた。
 適当なものを選んで、早速調理に取り掛かる。
 ふっ、俺の料理している姿に、帆波さんもさぞかしウットリしている事だろう。
 「あ、それから夕飯作り終わったら、早速庭にテント張って、すぐにそっちに移ってねっ☆」
 まったく、どこまで照れ屋な人なんだろう。
 それとも今流行のツンデレだろうか?
 俺は帆波さんの夕飯を作り終えると、言う通り早速テントを張り、その中で一夜を過ごした。
 ・・・
556名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 17:31:02 ID:hXIQwovI0
 
557D面 4/6:2006/02/28(火) 17:32:20 ID:sKlD5IgK0
 翌日、目が覚めたのは昼前だった。
 昨晩遅くまで帆波さんにどうやって告白するか、軽く三百通りは考えていたからな。
 テントから這い出てテントを折りたたんでいると、歩笑ちゃんが声をかけてきた。
 「おっ、おはよう。団長君」
 「やぁ、おはよう歩笑ちゃん」
 「……昨日はごめんね。ねっ、姉さんがわがまま言ったみたいで」
 「まぁ、未来の生活のシュミレーションだと思えば、苦ではなかったよ」
 俺の発言に歩笑ちゃんは一瞬訳がわからない風だったが、すぐに話を切り替えた。
 「……あっ、あのね、いま、高嶺さん……お隣のクー君が暮らしている家のお姉さんの一人なんだけど、
その人が来て、バッ……バーベキューパーティーやるから、来ないかって」
 パーティ!
 俺はその言葉を耳にした時、運命の存在を感じた。  
 右手の蛇のタトゥーがチャンスだと、手首を軽く締め付けてきた。
 「俺も行っても良いのかい?」
 「そのほうが、クー君が喜ぶと思う」
 なるほど、そういえば空也に直接会って昨日の事を問いただすのも、目的の一つだったな。
 帆波さんのことに夢中になりすぎて、すっかり忘れていた。
 「わかった。俺も行くよ」
 玄関に行くと、ツインテールの女の子が立っていた。
 この娘が高嶺さんだろう。
 胸は控えめだが、ワンピースからすらりと伸びた足がなんともなまめかしい。
 「高嶺さん、この人、クー君の沖縄での友達の、団長君」
 「団長です。よろろしく」
 「あら、ごきげんよう。なかなか独創的な服装ですわね(何で半裸なのかしら。キモイ」
 早速気に入られてしまったようだ。
 モテる男は辛い。
 
 高嶺さんに連れられて、空也の家へ。
 玄関ではロリっ娘が俺達の事を迎えてくれた。
 これがおそらく雛乃さんだろう。
 話には聞いていたが、こう言うタイプもなかなかだな。
558D面 5/6:2006/02/28(火) 17:34:13 ID:sKlD5IgK0
 「雛乃ちゃんチャオ! 今日はお誘いありがとうね」
 「こんにちわ。雛乃さん」
 「うむ、二人とも元気であるな」
 そこで雛乃さんが二人の後ろに立っている俺を見上げる。
 「なななななな!? ほなみ! ぽえむよ! 後ろに変質者がおるぞ!」
 「あの、雛乃さん。この人、確かに怪しく見えるけど、クー君の沖縄での友達の、団長君」
 「歩笑ちゃんにまで怪しいと言われるとはな…
 団長だ。よろしく。雛乃さんだろ? 空也から色々話は聞いてるよ」
 「おぉぉ! くうやの友達とな!? これは失礼した。弟が沖縄で世話になったな」
 「本当は昨日空也と会う予定だったんだが、あいつ電話に出なかったから…」
 「ふむぅ、くうやなら明日の晩まで帰らんぞ?」
 「なにぃ!? 俺、明日の晩に飛行機で帰るのに!?」
 まさか家自体にいないとは思わなかった。
 歩笑ちゃんが聞こえるか聞こえないかぐらいの声で残念がっている。
 「それは重ね重ね申し訳ない。 その代わりと言ってはなんだが、
今日は家でばーべきゅーぱーてぃーがあるから、楽しんでいくが良いぞ」
 雛乃さんからの丁寧な接客を受けていると、庭から男の声が聞こえた。
 「準備が出来たから皆庭に集合だ! よーしパパ、張り切っちゃうぞ!」
 おそらく空也の親父さんか何かだろう。
 早速俺達は庭に移る事にした。

 庭に移ると、空也の親父さんが串に色々材料を刺してコンロで焼き始めたところだった。
 しかし、今はそんなことはどうでも良い。
 何だこの庭は?
 前後左右、どこを見ても美女、美女、美女のオンパレード。
 桃源郷と言うのはここの事を言うとしか考えられない。
 くそぅ、空也め。
 こんな美女達に囲まれて生活していたとは。
 しかし、空也の初恋の相手で京が似ていると言う、氷の弁護士、要芽さんの姿がない。
 一度生で見てみたかったんだが。
559名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 17:34:56 ID:lIdaw1xl0
  
560D面 6/6:2006/02/28(火) 17:36:43 ID:sKlD5IgK0
 要芽さんがいなくとも、全国の美女平均をものすごい勢いで上げている空也の姉達に見とれて
キョロキョロしていると、雛乃さんが缶ビールを持ってきてくれた。
 「だんちょー、だったな。ほれ、おぬしも遠慮せずに飲むと良いぞ」
 「おっ、これは申し訳ない。いただきます」
 「見かけに反して、といっては失礼だが、なかなかに礼儀正しいのだな」
 「女の人はギャップに弱いと物の本に書いてあったので」
 こんな感じで最初は雛乃さんと沖縄での空也のことについて話した。
 パーティもまだ始まったばかりで、帆波さんにもそれほどお酒も入っていないだろうし、
まだ告白するのには早いだろう。
 それに姉の顔になり、俺の空也話に聞き入る雛乃さんを喜ばしたかったのもある。
 途中、空也の親父さんが料理を焦がしてしまうなど、ちょっとした事件もあったが、
最終的には肉や野菜、フルーツなど、なかなかに豪勢なパーティーになっていった。

 日が傾き始めた頃に、帆波さんが一瞬一人になったのを見計らって、
帆波さんの隣まで移動する。
 帆波さんの頬は、少し酔っているのだろうか、桜色に染まっている。
 その上、空を赤く染める夕日。
 完璧なシチュエーションだ。ロマンチックな事この上ない。 
 これは、運命の神様が俺の為にセッティングしてくれたに違いないだろう。
 ガラにもなく少しドキドキしてきた。
 俺の右腕の蛇のタトゥーが、俺に語りかける。
 団長、素数だ。素数を数えるんだ。
 1、3、5、7、9、11、13、15………
 素数は二で割り切れない数字。お前に勇気を与えてくれる、と。
 何か少し違う気がするが、細かい事は気にしない俺。
 瞬間、帆波さんが隣に居る俺に気がついたようで、俺のほうに向き直った。
 今だ――――
 「帆波さん、おr」
 「イヤ」
 ・・・
 
 翌日、沖縄に向かう飛行機の中で、彼女が素直になった時に戻ってくると、俺は硬く心に誓った。
561SSD:2006/02/28(火) 17:38:41 ID:sKlD5IgK0
リンク三本目、団長のお話です。
団長主役でSS書くのは難しいかな?と思っていたのですが、
思っいのほか団長が勝手に動いてくれて楽でした。
「歓迎!!〜」「クッキング〜」とあわせて楽しんでくれれば幸いです。

支援、ありがとうございました。
562シンイチ:2006/02/28(火) 17:41:34 ID:MYLBf0a60
GJ!
ここまでポジティブに考えられる団長が羨ましい…
563名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 18:24:29 ID:BhTYUiF9O
>>561
GJ!
団長の素数の間違えっぷりがワロスwww
564名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 18:37:27 ID:euhlB4RWO
GJ!
団長を二月度の主演男優賞にノミネートしよう
565名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 18:54:02 ID:RvFd0DXV0
特に欲しいものもなく
してもらいたいことは始終してもらってる。

そんな女の子に送るプレゼントは何がいいのか。

何を送ったって喜んではくれるだろう。
だけど、驚いて、心の底から喜んでくれるような
そんな物を送りたいじゃないか。

年に一度しかない、バースデープレゼントなんだから。

アクセサリーは前に送ってる。
服か、化粧品か、コンサートに誘うとか……
いっそ花束……ダメだ、家が花屋じゃないか。バカか俺は。
食べ物にはうるさそうだし……

……あ、ちょっといいの思いついた。
けど、あんまりその手のものには詳しくないからなぁ。
ちょっと相談してみるか。

「それで、私に相談というわけか」

「うん、乙女さん詳しそうな気がして」

「……私の誕生日には、おにぎりしかくれなかったくせに」

「え、あ、だって乙女さん喜んで食べてたじゃん!?」

「冗談だ。まあ相談に乗った以上
 お姉ちゃんが最高のプレゼントを選んでやろう」

……人選、間違えたかも。
566名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 18:58:32 ID:RvFd0DXV0
「レオ、頼まれていたプレゼントだが」

「あ、選んでくれたの?」

「うむ、人選は終わった。
 最適にして最高の人物を見つけ出したぞ」

「……人選?人物?……その人が選んでくれるの?」

「いや、造ってくれる人だぞ?」

造る?……なんかえらく本格的になってませんか?

「それで、次の日曜日に伺うことになっているからな。
 私が同行するから、レオもあけておけよ?」
 
「はあ……どっちにしても、その日に買いに行くつもりだったから
 あけてはいるけど……どこまで行くの?」
 
「うん、岐阜県だな」

「岐阜ぅ!?」

「最高のものを贈りたいのだろう?
 ならば、手間隙を惜しまぬことだ。
 それと、よく体を休めておけよ。体力のいる仕事だからな」

「……体力!?なんで俺の体力が関係あるの!?仕事ってなに!?」

「当たり前だろう。お前も一緒に造るんだから」

今さら遅いけど、やっぱりスバルに相談すればよかった……
567名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 19:01:15 ID:euhlB4RWO
支援
568名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 19:02:35 ID:RvFd0DXV0
「……というわけで、誕生日おめでとう、なごみ」

「ありがとうございます、センパイ……
 あの、何か疲れてませんか?」

「いや、たいしたことない。それより……はい、プレゼント」
 
「わ、ありがとうございます……開けてもいいですか?」

「ああ、どうぞ」

「えへへっ、何かな〜♪
 わ、すごい……これは本格的ですね!」
 
「うん、まあね」

「あの……高かったんじゃないですか、これ?」

「いや、そうでもない。
 何しろ……造ったのは俺だから」
 
「ええ!?センパイがこれを!?」

「うん、一昨日ちょっと岐阜まで行って造らせてもらった。
 本職の人の作業を手伝っただけだけどね」
 
「スゴイです!……センパイの手造りなんて!これ、一生大事にしますね!
 あ……銘が彫ってある」
 
『地獄包丁』

「……えっと…大事にします、ね……?」
569 ◆Rion/soCys :2006/02/28(火) 19:04:46 ID:RvFd0DXV0
タイトル「万物悉く切り刻めます」。
結局自分で誕生日SS書いてしまったが後悔はない。
570名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 19:07:29 ID:euhlB4RWO
切り刻めんのかい!
てかレオが造ったのに?
レオは職人さんになった方が…………
571名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 19:16:26 ID:+5ZkJjXY0
>>561
素数間違ってるのに気づかなかった俺がきましたorz
GJ

>>569
『地獄包丁』でフイタ
タイトル読んでまたフイタ
GJ
572名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 19:28:38 ID:5LdXuIQl0
>>561
俺なんかタイトルの意味もわかんなかったから問題ないぜ>>571
GJ

>>569
ヲチハゲワロス
乙女さんヒドスw
でも最初すねるところに萌えw
GJ!
573名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 19:38:46 ID:BhTYUiF9O
>>569
GJ!
オチが良かったよ。笑えたw
574名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 20:41:01 ID:bn4T+Kln0
>>561
GJ
団長は最後何を言いかけていたのか気になる

>>569
地獄『包丁』かよ!w
なごみんにはいいプレゼントかもしれないが銘がコワスギw
GJ
575名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 20:42:16 ID:bn4T+Kln0
おっと忘れてた

なごみん誕生日おめでとう〜
576きっかけは瀬芦理姉さん(1):2006/02/28(火) 21:08:17 ID:bMUXfTFb0
ともねえの愛車・ラスカル。
真っ黒に染められたモンスターマシンは、今日も元気にその唸り声をあげていた。
かつては黄色のカラーリングの可愛いバイクだったらしいが、ねぇねぇに大幅なチューンナップを施されてしまったらしい。
「いやぁ、相変わらず速いなぁ」
「怖くなかったか、空也?」
「別に。 全然なんてことないよ。 ねぇねぇに比べればね」
今日はともねえと一緒に、遠くの魚市場まで買い物に行っていた。
と言うのも、雛乃姉さんが
「明日は我の誕生日ぞ。 ぷれぜんとをくれとは言わぬが、立派な鯛の尾頭付きが食べたいのう」
とか言うもんだから、ならばと上等な鯛を買いに行ってきたわけだ。
『プレゼントをくれ』と言ってるようなもんだが、そこはスルーしておこう。
そういうツッコミは野暮ってもんだぜ。
市場のおっちゃんから鯛を受け取り、ついでに今日の夕飯のおかずも買って、俺達は家まで戻ってきた。
「後は瀬芦理姉さんに見つからないように隠しておかないとね」
「そう言えばさぁ、ともねえの性格から考えて、バイクに乗るのって意外だよね」
「そ、そうかな」
「うん。 おとなしい性格だから」
「実はね、私がバイクに乗るようになったのは、瀬芦理姉さんの影響なんだ。
 ちょっとしたことがあってね」
「へー。 ま、なんとなくそう思ってたけど。 その時の事、話してよ」
「えっ? でも、そんなに大したことじゃないよ?」
「いいよ、別に。 俺、聞きたいなぁ」
「そ、それじゃ話すよ。 あれは私が高校の時、大事な宿題の忘れ物をしたときだった」
577きっかけは瀬芦理姉さん(2):2006/02/28(火) 21:10:17 ID:bMUXfTFb0
「柊さん、これ…受け取ってください!」
「あぅ、またかぁ…あ、ありがとう」
2月14日のバレンタインデー、私は女の子なのにチョコレートをもらっていた。
それも、朝来てからずっと。
それだけじゃなくて、クラスのどの男の子よりも多くのチョコレートをもらってたんだ。
「モテモテねー、柊さん。そういえば、数学の宿題持ってきた?」
「う、うん」
「あたしに見せてよ。 まだやってなくてさー」
「いいよ」
そして鞄の中をおもむろに探しみたんだけど…
「…あれ?」
「どうしたの?」
「ど、どうしよう…忘れてきたちゃったみたいだ…」
「ええー!? あのハゲ先生、厳しいから許してくれないよ! どうしよう…」
「い、家に連絡してみる。 誰かいると思うから」
チョコレートを渡す順番待ちの女の子を押しのけて、教室を飛び出して公衆電話で電話をかけた。
しばらくして、眠たそうな瀬芦理姉さんが電話にでてくれた。
『ふぁい…柊でふぅ…』
「せ、瀬芦理姉さん!? あの…私宿題を忘れちゃったんだ。 悪いけど持ってきてもらえないかなぁ…」
『にゃにー!? よっしゃ、わかった! 12時ぐらいには持ってくるから、ちょっと待ってて!』
「あぅ…寝起きなのにごめんね……机の上から2番目の引き出しの中にあるから」
『いいっていいって! そんじゃねー!』
578きっかけは瀬芦理姉さん(3):2006/02/28(火) 21:13:04 ID:bMUXfTFb0
そして、私はそのまま授業を受けて、瀬芦理姉さんが来るのを待った。
昼休みのチャイムが鳴ると、どこからか叫び声が鳴り響いてきたんだ。
「ちょっと君、待ちなさい!」
「うるせー! モエの一大事なんだ! そこを退かないとぶっとばすぞー!」
あぅ、あの声は間違いない。 瀬芦理姉さんだ。
ちゃんと守衛さんか誰かに頼めば届けてくれるのに…
「ここかー! 見つけたよ、モエ!」
いきなり教室のドアを開けて、姉さんが叫んだ。
姉さんは見た目がすごく綺麗だから、男の子たちの視線はすぐにそっちに向けられてたよ。
なんだか急にトイレに行く人とかいたし…なんでだろう?
「モエ! ちょっと一緒に家まで来て!」
「え? ど、どうして…」
「どれが宿題かわかんなくなった! だから来ーい!」
「うわぁ!」
ものすごい力で私を脇に抱えると、そのまま先生たちを振り切って学校を出てしまったんだ。
そして、すぐそこに止めてあったバイクに私を乗せて、姉さんもバイクに跨った。
「しっかりつかまってなよ! キャットスライガー、発進!」
「う、う、うわぁぁぁ! こ、怖いよ」
「すぐ着くから! ガマンして!」
まるで漫画のように前輪が跳ね上がって、猛スピードで家まで飛ばしてくれたんだ。
家まで着くのに、10分もかからなかったよ。
「モエ、あった?」
「う、うん」
「そんじゃ、次は学校まで行くぞー!」
579きっかけは瀬芦理姉さん(4):2006/02/28(火) 21:16:41 ID:bMUXfTFb0
午後の授業が始まるまでは余裕があったから、姉さんもさっきよりはゆっくりとバイクを走らせていた。
その時の風の感触は、今でも忘れらないよ。
とても気持ちが良くて、なんだか自分がふわっと浮かんでしまうような、そんな気分だったんだ。
「あの…瀬芦理姉さん…」
「何ー?」
「バイクの免許って…とるのは難しいのかな…」
「おおっ!? モエもバイクに興味を持ち出したか」
「う、うん……前から少しは興味があったんだけど、なかなか一歩が踏み出せなくて」
「そーだねー、別に難しくはないよ。ただ、筆記試験がめんどくさいかなー」
「そうなんだ」
「ま、大丈夫だよ。 いざとなりゃカンニングすればいいんだし」
「あぅ、だめだよ…」
そこへ突然、後からミニパトが1台やってきた。
『そこの2人乗りのバイク! 止まりなさい!』
「げっ、やっかいなのに見つかっちゃったなー」
「ど、どうするの?」
「ここで捕まったら授業に間に合わなくなるでしょ! 逃げるに決まってるにゃー!」
『こら、そこのノーヘル2人組! 止まりなさい!』
そう言って、いきなりスピードをあげる姉さん。
ミニパトを振り切るためにあの手この手を使って、なんとか学校まで送ってくれたんだ。
「間に合いそう?」
「うん、大丈夫だよ。 ありがとう、瀬芦理姉さん」
「にゃっはっは。 これぐらいはお茶の子さいさいだよ」
「それじゃ」
私が門をくぐってから、瀬芦理姉さんに手を振った。 姉さんもそれを見ると、バイクに跨ってそのまま行ったんだけど…
突然パトカーが門の前を猛スピードで横切っていったんだ。
『コラ、止まれっつってんだろうが! テメーこの場で逮捕してやる!』
「しつこいなー。 こうなったら、久しぶりに相手してやるぞー!」
その後、姉さんとミニパトがどうなったかはわからないんだ…
580きっかけは瀬芦理姉さん(5):2006/02/28(火) 21:20:16 ID:bMUXfTFb0
「それで、ともねえはバイクの免許を取ったんだ」
「うん。 初めて走らせたとき、とても気分が良かったよ。 あの時は黄色のかわいいラスカルだったのになぁ…」
何だかともねえが遠い目をしていた。
「ともねえのことだから、免許を取ってからラブレターの数とか多くなったんじゃないの?」
「よ、よくわかったな…」
「しかも、女の子からでしょ?」
「ど、どうしてそこまでわかるの…?」
「だって、ともねえだもん。 バイクを手に入れて、かっこよさに磨きがかかったっていうか」
「あぅ…」
突然、玄関から元気のいい声が聞こえてきた。 間違いなくあれはねぇねぇだな。
「たっだいまー!」
「おかえり、瀬芦理姉さん」
「お、モエじゃんか。 ちょうどよかった。 久しぶりにツーリングに行こう!」
「え? でも掃除とかしないと…」
「すぐ行こう。 今すぐ行こう。 でないとここでモエを犯しちゃうぞー?」
「マジで…!?」
「あぅ…わ、わかったよ……行くよ…」
「んっふっふー。 そんじゃクーヤ、後はよろしくねー!」
「う、うん」
嬉しそうなねぇねぇにずるずると引っ張られ、ともねえはその場を後にした。
とりあえず鯛は隠しておいたから問題はないけどね。
「い、いってらっしゃい」
「そんじゃねー!」
「あぅぅ…い、いってきます」
581きっかけは瀬芦理姉さん(オマケ):2006/02/28(火) 21:21:52 ID:bMUXfTFb0
「ねぇ、瀬芦理姉さん。 あの時って、その後どうなったの?」
「ああ、あれ?」

「ホントにしつこいなー」
『待ちやがれコラァ!』
「婦警のくせにすごい口の悪さだね。 ちょっとお灸をすえてやるか」
『このあたしも峠の女王と呼ばれた女! そう易々と逃げられると思うな!』
「はいはい、わかったよ。 よっと」
『何!? Uターン!?』
「そりゃー! キャットスライガー・ドライブスピンジャンプ!」
『と、飛び越え…わぁぁぁぁ!』
(キキーッ! ガッシャーン! ボンッ!)
「へへん、どんなもんだい! ミニパト1台、討ち取ったりー!」
『うう…無念……ぐふっ』

「そんなことがあったんだ…」
「いやー、ひなのんと要芽姉にばれないかとヒヤヒヤものだったよ」
「そ、そうだろうね…」
「モエもそんぐらいできないとねー」
「わ、私はいいよ…」
「にゃっ。 この技、教えたげるよ。 名前は『ラスカル・フライングフォアアームズ』に決定!」
「いいって…あぅぅ……」

(でも、クロウと戦う時に役に立つかな…?)
582シンイチ:2006/02/28(火) 21:25:59 ID:bMUXfTFb0
正直なところ、バイクのことはよくわかりません。
二輪の免許もないし。
でも、大型にはちょっと憧れる…
583名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 22:01:25 ID:63qh9gyR0
>>561
団長ってもてそうなんだけどなー、バカだからなーw

>>569
ブルアアァァ!!!
1行、4文字だけでフイタじゃねーかw

>>582
自分が免許取ったとき思い出した
カンニングってw


GJ!そしてなごみんHappy Birthday !
584名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 22:10:58 ID:5LdXuIQl0
なごみんVoiceで
「万物悉く切り刻めます、地獄包丁」とか
脳内再生すると笑えるような怖いようなw

>>583
GJ
585名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 22:24:01 ID:fgVM0rCT0
>>569
GJ
個人的には「一昨日ちょっと岐阜まで行って〜」の台詞が良し。
ちゃんと2006年だw
586名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 22:44:55 ID:63qh9gyR0
>>585
そう言えばなんで岐阜なんだ?
587名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 23:18:02 ID:m/N+aM1tO
みなさんGJ!
ここのコテの人たちは本当に凄い!
588名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 23:26:16 ID:VDP6R9kw0
>>569激しくGJなんだがタイトルでネタばれしちゃまずいんじゃないか?

『万物ことごとく』

くらいでいい希ガス
589名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 23:35:16 ID:mMaSYeZN0
>>586
岐阜県関市
590名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 23:49:24 ID:euhlB4RWO
>>588そこはそれ。リアルタイムの特権ですよ

>>582GJ!
591名無しさん@初回限定:2006/02/28(火) 23:55:17 ID:63qh9gyR0
>>589
へぇ〜 thx
592名無しさん@初回限定:2006/03/01(水) 00:50:12 ID:q8kLQFJW0
ん〜、人気あるんだからもっとなごみん誕生日SSあるかと思ったのに残念!
593名無しさん@初回限定:2006/03/01(水) 01:06:39 ID:t8w8h7vjO
他のキャラの誕生日SSもそんなないだろ

とか言ってあったりして
……調べんのめんどい


ALLGJ!
594SSD:2006/03/01(水) 01:45:55 ID:ZOtzZzto0
>>582
そういえば海お姉ちゃんと同じ学校に通っていたはずだから、
同じ制服着てたんですよね…。
制服着たともねえが、ねぇねぇとバイク……イイ
シンイチ氏GJです
595名無しさん@初回限定:2006/03/01(水) 03:03:52 ID:t8w8h7vjO
空気を一切読まずにリク
島流にあったヤンキーSS







馬鹿なこと言ってないでもう寝よ
596名無しさん@初回限定:2006/03/01(水) 11:36:24 ID:4pncAStT0
地獄包丁からどんどん類似ネタとかできそうだなw

書き手さんALLGJ
597名無しさん@初回限定:2006/03/01(水) 11:36:52 ID:ppbpeJgF0
団長もせろりもともねえも激しくGJ!
しかし、ひとつだけ重箱を・・・

>>553
>しかし俺の今回の鎌倉来訪の目的は、一応沖縄では手に入らない

来訪じゃなくて訪問だと思うな
598名無しさん@初回限定:2006/03/01(水) 12:32:53 ID:zJP5q4kY0
>>596

|  |
|  |∧_∧
|_|´・ω・`) そ〜〜・・・
|桃|o旦 o
| ̄|―u'
""""""""""

|  |
|  |∧∧
|_|・ω・`) ypは地獄級長
|桃|o旦o.
| ̄|―u'
""""""""""

|  |
|_|  ピャッ!
|桃| ミ
| ̄|     
""""""""""""""""
599名無しさん@初回限定:2006/03/01(水) 15:57:31 ID:G/J4QDnX0
うーん、作品投下が増えてきて喜ばしい限り
保管庫の中の人は大変かもしれないけどw

書き手の皆さんGJです!

>>598

「パンツ悉くレオくんに見せちゃう、地獄級長♪」とかw

てか、お茶おいてけw
600名無しさん@初回限定:2006/03/01(水) 16:27:11 ID:4G7aaF0eO
地獄包丁、とても笑ったし非常にGJなんだけど、一つだけ気になった点が。
包丁を贈ろうと考えたレオがまず乙女さんに相談したのが不自然だと思った。
だってレオは乙女さんが料理とは縁遠い人だって身を持って知ってる筈だから。
いや、細かい点かも知らんけど気になったんでスマン。
でも総じてGJでしたよ。
601名無しさん@初回限定:2006/03/01(水) 16:36:58 ID:Lbhb36T80
>>600
やっぱりスバルだよな。
乙女さんがくるまで厨房の主だったんだから
602名無しさん@初回限定:2006/03/01(水) 17:01:10 ID:2UGsvMzS0
刃物に詳しそうだからじゃね?
ていうか、最後まで包丁ってわかんないし
最後では笑い転げててそんなこと気にもナラネw
603名無しさん@初回限定:2006/03/01(水) 18:01:33 ID:KP9NW6Ly0
うむ。ずーっと「何を贈るんだ?」って引っ張られて引っ張られて
最後のあの4文字で全部ぶっ飛ばされるからなw
604名無しさん@初回限定:2006/03/01(水) 18:24:05 ID:t8w8h7vjO
荒らすつもりはないが聞いときたい
地獄包丁そんな面白かったか?
タイトルでは笑ったけどさ
605名無しさん@初回限定:2006/03/01(水) 18:30:26 ID:fel6e9e10
え?最高だったよw
やっぱなごみんへのプレゼントはお料理道具がいいよな。
606名無しさん@初回限定:2006/03/01(水) 18:35:02 ID:t8w8h7vjO
そりゃそうか
変なこと聞いてスマン
607名無しさん@初回限定:2006/03/01(水) 18:35:28 ID:2UGsvMzS0
>>604
フツーに面白かったな
出来の良い4コマ漫画で笑うような感じで

「…………プッ」

ってところだ
608名無しさん@初回限定:2006/03/01(水) 18:44:32 ID:t8w8h7vjO
オチがツボにはまんなかったって話
タイトルはストライクだった
内容は面白かった
609名無しさん@初回限定:2006/03/01(水) 18:50:47 ID:KP9NW6Ly0
>>607
あー、確かに4コマ漫画っぽいところはあるね
610名無しさん@初回限定:2006/03/01(水) 20:26:20 ID:ppbpeJgF0
>>600-601
まず乙女さんに相談したことについては、読者に違和感があったとしても

レオ自身が

>……人選、間違えたかも

って言ってるわけで、作者にとって予定調和の範囲内だと思うんだ
611名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 00:02:20 ID:BYoxwQZI0
「地獄包丁」ってみんなが思い浮かべそうだったけど
ねたとしてあがってなかったよね。
それだけでもGJだとおもうな。
612名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 00:11:41 ID:FLrcFqJ3O
作品論議……確に面白いんだけどこういうのはスレ埋めですべきかと
でもスレ埋めって短いしなぁ
投下された作品もたくさんあるし……
ってスレ埋めの時に何するかでスレ使ってたら本末転倒か
でもなぁ……やりたいことあるしなぁ
613名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 01:07:23 ID:LQUJ96uN0
>>612
作品投下が無いときはべつに何語っててもいいんじゃね?
職人が来たら黙って作品読めばいいだけだし。
で、何がやりたいんだい? 教えてみ。
614名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 01:27:10 ID:FKNEiJdA0
俺も作品論議には反対。
ここは、作品の投下とちょっとの感想で行くべきだ。
615名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 01:38:00 ID:FLrcFqJ3O
>>614それがすでに作品と感想以外だ

などとぬかす俺は天邪鬼
>>613いやぁ最近雑談はNG?みたいな空気かなって思って

俺がやりたい企画……すなわち!
あの人は今……
内容は前スレ以前に投下された作品の作者は最近何を投下したかという
名無しの匿名性を一切無視した恐ろしい企画
どうですか編集長!!
616名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 01:52:24 ID:LQUJ96uN0
>>615
面白そうだが、名無しでやりたい人の人権は守られるべきだと思うんだ。

>>614
別に優劣つけようとか言うんじゃなく、ただ作品についてマターリ語らう位ならいいんじゃないかなぁ。
現状はリアルタイムで投下されたものに対するGJ(に限らないけど)しか感想言う機会が無いわけで、
新規の読み手が過去作について感想言う場も無いし。
あるいは時間を置いて読んでみて当時気づかなかった点が見えて、それを語ることで職人さんの参考にもなるかも知れんし。
まぁムリに語りたいワケじゃないよ。荒れるよりは静かなほうがずっといい。
617名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 02:00:01 ID:FKNEiJdA0
作品の感想とか言えるのはリアルタイムの特権でいいって話になったじゃん。
何度話題ループさせればいいの?
急に過去の作品とか感想とか言われても作者に確実に届く訳でもなし、無闇に読者の感想で氾濫することは避けるべき。

個人的な本音を言わせて貰えば、つよきすスレみたいに無駄な雑談で埋まりそうで嫌なんだよね。
618名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 02:07:55 ID:FLrcFqJ3O
>>616つまりボツって事ですねorz
最近気になってた作者が全部晒したからついね

>>617正直それがみんなに浸透してないと思ったから話を振ったわけで……
現状を考えるに誰も過去スレ読んでねんじゃね?ってことにならんか
まあこの雑談も読み飛ばされる可能性も有るわけで
619名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 02:17:32 ID:LQUJ96uN0
>>617
ゴメン。俺そのリアルタイムの特権云々のあたり読んだ記憶ないや。ちょっと過去ログ漁ってみる。何スレあたり?
つよきすスレのようになるのは俺も遠慮したいです。

>>618
気になってた作者ってこのスレの>>421のひとかな? 最近晒したってことは。
まあ、自発的にコテつけたりするならまだしも、読者があれこれ推測して万一見当はずれだったら職人さんも気を悪くするかも知れんし。
620名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 02:29:12 ID:FKNEiJdA0
>>619
何度も出てきてる話題だもんさすがに覚えてないよw 暗黙のルールになったのは間違いない。
まぁ、つよきすがヒットした事によって、ここの住人が増えて暗黙のルールが通用しなくなってきてるって事だろうな。
次から>>4に1文追加してもいいかもね。

という事で、いい加減この話題終りにしよ。 続きはスレ埋め時にでも。
621名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 02:33:01 ID:FLrcFqJ3O
その辺も読まなさそうなやつもいそうだか話を蒸し返すのもなんなんで

最後にALLGJ!!!!
622名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 03:52:01 ID:0SuLXXkE0
SS談議の範疇なら別になに語っていいだろ。
例え過去の作品であれ、「この作品について自分以外の他の人はどう思ったか」を知ることができるのはいいことだと思うけど。
少なくともスクリプトのようにGJGJ繰り返されるよりははるかにマシ。
623 ◆P6rBQWtf4. :2006/03/02(木) 04:36:19 ID:V78sv9An0
>>621なりません。凄まじく反省しました。後悔もしました。
とりあえずトリもつけますし、もしまた下手な事したらマジでここに居れませんし。
624名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 10:03:01 ID:m5Z5k/9o0
最新50に全然作品が見えないのもどうかと思うけどなぁ
そろそろ投下あるまで控えたほうが
625名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 11:32:46 ID:clHDETHH0
スレを無理矢理雑談で埋めちゃうのもどうかと思うな
書き込みできなくなればすぐにdat落ちしちゃうわけで
そうなるとしばらくスレを見ていなかった人が
保管庫に収納されるまでは読めない作品とかもでてくるかもしれないし
最悪、保管庫の中の人がまだ保存してなかった、なんて可能性もあるから
少なくとも保管庫に全部収納されるまでは埋めるのを待つべきじゃないかなぁ
626名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 11:35:50 ID:clHDETHH0
あ、↑はスレの最後の埋めのことね
途中は、まあある程度はしょうがないから
627名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 12:26:36 ID:sqkYaJEe0
>>624
専用ブラウザだとあんまり気にならないんだけどね
まあ皆が使ってるわけでもないからしょうがないか

>>625
同意
628名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 13:40:11 ID:4l+zCdUz0
>>624
最新50はそんなに気にしないでもいいんじゃないか
ケータイの人はあんまり流れてると困るかもしんないけど
>>625
落ちるのは確かに困るかも
それも雑談で落とされるんじゃ…
629名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 15:07:52 ID:WR5MzDs20
書き手さん来ないならリレーでも、って話なかったっけ?
630名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 15:22:28 ID:4l+zCdUz0
>>629
それは保管庫の中の人が大変そうだからってんで
立ち消えになった希ガス
631名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 15:25:40 ID:WR5MzDs20
そうだったっけ
スマソ
632名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 17:55:14 ID:UznrV3p80
まあ明日になれば多分ひなのん祭りだよ
それまでマターリ待とうや
633名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 18:02:18 ID:FLrcFqJ3O
俺は今「何故か」館長とテレビを見ている。
しかもお笑い番組。
なぜこのような事態になっているのかは分からないが、
現状を説明するとそんな感じだ。
『武勇伝、武勇伝、武勇でんでんででんでん♪』
テレビに写ってるのは今流行りのコンビ。
俺はもちろん笑ってしまった。すると、
「対馬。漢の生き様を笑うとは、感心せんのう」
……この流れはヤバい。
館長がきっと『儂直々に鍛えてやろう』等と言い出すに違いない。
こうなれば、
「館長! こんな漢こそ館長の弟子にふさわしいと思いませんか!?」
「む? そうだのう。儂もそろそろ歳だしのう。
よし今からスカウトに行ってくるわい」
そう言いながら走り去って行く館長。とりあえず危機は去った。
それにしても館長は一体どこに行くつもりなんだろうか……。

『お主儂の弟子にならんか?』
……ディスプレイ越しによく見る人物を見たが。
きっと気のせいだ。



反省も後悔もしてない。
ただ一週間ぐらいromろうと思った
634保管庫の中の人:2006/03/02(木) 18:08:42 ID:CO5hHRQ1O
>>630
そんな話ありましたっけ?
というか私を気遣ってくれるのは非常にありがたいですが、
そんな理由で書きたいものを止めるなんて本末転倒なことは勘弁してください。
それこそ「中の人などいない」でいいですよ。
635名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 18:59:12 ID:7bZjxl3A0
>>633
オチの「館長がスカウト」はいいと思うので
そこまでをどう持っていくか、ですね。

たとえば「何故か」館長とテレビを見ている、ではなくて

「対馬、ちと頼まれてくれるか」

「なんですか?」

「館長室にテレビを入れたのだが、うっかり配線をさせずに電気屋を帰してしまってな」

とかですね。で、配線を終えてチェックをしていると『武勇伝、武勇伝…』と始まる、と。

あと、レオに切り出されてスカウトに行くのではなく、自分から

「まあお前を鍛えるのは後にして……ちょっと出かけてくるわい」

とぼかしておいて、その後いきなりテレビに映ってるほうが
オチのインパクトが増すかと思いますよ。
636名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 19:27:37 ID:FLrcFqJ3O
>>635ありがとうございます!編集長!!
正直勢いだけで思い付いたもん書いただけだった
ここまで具体的に指摘されるとは思わなんだ
今度から少し気にしてみよ
637名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 20:25:56 ID:rf1Myvj/0
>>636
正直あっちゃんと館長の絡みを無視してシチュだけ書かれても消化不良・・・。
アイデアは面白かったGJ
638名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 22:14:34 ID:9e+5n/Ss0
タークスのネタで誰か一本書かないか?
ttp://www.candysoft.jp/ane/chara/xhiyousiFB.jpg
639名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 22:50:51 ID:DrlY235yO
タークスってFFZのか??
640名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 23:20:10 ID:m5Z5k/9o0
スバルくんとかそれっぽいけどBLになっちゃうなーw>タークス
641名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 23:26:14 ID:7bZjxl3A0
個人的にはBLいいじゃんwだけど
大多数の住人には受け入れられない気がw
642名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 23:33:47 ID:HQByrxKm0
BLは……勘弁してください……orz
643名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 23:35:15 ID:dCd12R9M0
エリカとなごみのフラグ立てて
二人の修羅場って設定のSS希望です
644名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 23:40:45 ID:m5Z5k/9o0
>>643
また難しいリクをw
どっちのキャラもフラグを立てるには
かなりレオくんが突っ込んでいかないと立たないわけで
あの二人で同時にフラグってちょっと考えにくいな
645名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 23:49:32 ID:e2mA28le0
エリカと誰か、なごみんと誰か ならあり得るんだけどエリカとなごみんに同時はキツイなー
ハーレムでも目指してるんならともかく・・・w
646名無しさん@初回限定:2006/03/02(木) 23:58:26 ID:rFTcVVb+O
姫vsなごみんか。読んでみたいけど死人が出そうだ。
俺はまたママものが読みたい。
一時ブームだったけど今誰も書いてくれない。
あの乙女さんの娘の話とかなごみママとか。続きを是非!
647名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 00:02:44 ID:AKWJz7DP0
タイトルだけ考えた

つよきす忍法帖
648名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 00:17:28 ID:Za2fh5430
>>647
キャスティングだけ考えた

家康:館長

甲賀組十人衆

レオ・なごみん・スバル・姫・よっぴー・土永さん・イガグリ・のどかさん・天王寺・赤王先輩


伊賀組十人衆

カニ・乙女さん・フカヒレ・祈ちゃん・豆花・マナ・村西・くー・テンチョー・鉢巻先生
649名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 00:33:37 ID:SFy1OA2r0
>>647
あらすじだけ考えた

「お前たち、竜鳴館のために命がけの勝負をしてはくれまいか?」

竜鳴館館長・橘平蔵は集めた関係者を相争わせ
どちらが生き残るかによって竜鳴館の将来を決しようとしていた。
商品のドラゴンチケットを巡って争う二組の関係者の中
対馬レオと蟹沢きぬは、単なる幼なじみからビミョーな関係になってきていた。
一人また一人と倒し倒されていく中、思いを募らせていくレオときぬ。
果たして、最後に生き残るのは誰か。そして、レオときぬの運命は……
650名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 00:45:03 ID:VCl9+gg50
……パチ リスク?w
651名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 00:55:41 ID:NrfyN2lH0
よっぴーで陽炎はガチだな 祈ちゃんは朱絹。

乙女さんが……まさか天繕ですか
652名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 01:00:58 ID:ugy1tVeB0
忍法帖といえば半熟しか知らない俺は末期
653名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 01:35:18 ID:Za2fh5430
>>651
天膳はフカヒレ。スケベだからw
死んでもなぜか生き返る。その都度ボロボロになってるけど。

ちなみに
レオ=甲賀弦之介(見つめられると攻撃できない。ただし女子のみ)
なごみん=お胡夷(張り付いて…締め上げる)
スバル=室賀豹馬(レオの夜の影武者)
姫=甲賀弾正(エラソウだから)
よっぴー=陽炎(男と接すると…毒になる。全部)
土永さん=地虫十兵衛(手がないから)
イガグリ=如月左衛門(目立たない)
のどかさん=霞刑部(単に脱いで欲しいだけ)
天王寺=風待将監(ねちっこいし)
赤王先輩=鵜殿丈介(打たれ…強くはなかったが)

カニ=朧(無能だからじゃないよ、ホントだよ)
乙女さん=お幻(エラソウだから)
祈ちゃん=朱絹(脱がせたいその2)
豆花=小豆蝋斉(手が長く見えたので)
マナ=筑摩小四郎(空気読まないで吸う)
村西=夜叉丸(ナマイキだから)
くー=蛍火(村西とペア)
テンチョー=蓑念鬼(あのヒゲが伸びて…)
鉢巻先生=雨夜陣五郎(なんかジトジトしてる?)

バジリスク知らない人スンマソン
654名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 03:38:36 ID:83Ns400m0
>>653
こういうのは本スレでやれ
655名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 04:45:42 ID:xtDTFfBPO
正直romは性に合わん。しんどい。息詰まる。

雑談からはじまるSSもある……といいなぁ。
まあ確に653はやりすぎだわな。
ってこんな流れを引き起こしたのは俺か
反省orz

そういや誰か633と635MIXして修正版書いて
(↑反省の色無し)
俺は文才という単語とは無縁な人間やし


>>637わざわざGJ言わんでいいよ
他の書き手の人が気を悪くしそうだし
こんなんが増えても困るっしょ
ならすんな!とかは勘弁
656リクエスト者:2006/03/03(金) 10:36:54 ID:BEo6CHOE0
レオ×なごみネタで二人の身体が入れ替わったって言うSSを
誰か書いてくれない〜?
攻め手になったなごみんがとっても見たいです^^
657名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 11:48:01 ID:n0UUgufo0
お前は書かないの?
658リクエスト者:2006/03/03(金) 13:02:07 ID:BEo6CHOE0
書きたいのは山々だけど・・・・
文章表現苦手なんだよ〜、少しは考えてるんだけど。

659名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 13:42:59 ID:83Ns400m0
sageもできんやつなんかスルーでいいよ。
660名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 16:49:08 ID:n0UUgufo0
>>658
試しに書きなよ。
661名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 16:52:05 ID:R1is5iof0
sageようぜ
662名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 17:03:04 ID:xtDTFfBPO
>>658じゃあ書いてみれば
いいんじゃない最初から上手に書けなくてもさ
まあsageてないのはいただけないな
my携帯からはメル欄見えんけど
663リクエスト者:2006/03/03(金) 18:20:52 ID:BEo6CHOE0
まぁ、書いてみようかな。

それと、皆に質問。
なごみの声を文章で表現するならどんな声になる?
664名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 18:25:58 ID:R1is5iof0
>>663
えへへ
665名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 18:26:51 ID:83Ns400m0
だからそういうのは本スレでやろうよ 雑談スレじゃないんだから。
666名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 19:19:20 ID:XFje6k5f0
「…雛乃姉さん、ちょっといいー?」

朝食が終わると、テレビで時代劇の再放送。雛乃姉さんの日課だ。
俺も煎餅を囓りながらつき合っていると
姉貴が何か嬉しそうな顔でやってきた。

「ん?なんだ、たかね。もうすぐ上様が黒幕の正体を知るところなのだが」

「えっと、すぐすむんだけど」

「まあ、コマーシャルまで待て」

「要芽お姉さまが、出かける前に来て欲しいみたいなんだけど……」

……そういえば、今日は要芽お姉さま、まだ出かけてなかったな。
ねぇねぇもともねえもいるし、姉貴も海お姉ちゃんも学校は休みなのか
なぜか全員まだ家にいる。
平日のこの時間帯で、珍しいことだ。

「かなめが?……ふむ、やむを得んな。かなめは、部屋にいるのか?」

「ええ、雛乃姉さんのこと、待ってます」

「そうか……なにごとであるか知らぬが
 可愛い妹の頼みとあらば仕方あるまいな。
 くうや、ちと行ってくるぞ」

そう言うと、姉貴の後をついて姉さんは居間を出ていった。
だが、じきに戻るような話だったのになかなか戻ってこない。
とっくに越後屋と悪家老は『成敗!』されてしまった。
何やってんだ?と思っているうちに
大勢の足音が近づいてきた。
667名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 19:23:29 ID:XFje6k5f0
「じゃーん!お待たせくうや〜!」

なぜか俺の前に勢揃いする柊姉妹……
いや、連れ去られた雛乃姉さんだけ見えない。

「お待たせ、って何が?それに、雛乃姉さんは?」

「ふふ……さあ、お披露目ね」

要芽姉様がそう言うと、みんなの後ろから
押しやれらるように一人前に出てくる。

「……あれ……誰?お客さん?」

野球帽を目深にかぶっていて顔は見えない。
派手なジャンパーにトレーナーとジーンズ。
お客さん、というよりは
近所の男の子を引っ張り込んだような……

「……たわけ、誰が客か」

……はい?
どう見てもその辺の男の子にしか見えないソイツが雛乃姉さんの声で……

「我だ、我!まったく……我の顔、見忘れたか!?」

「え……ええええええええ!?」

いや、そりゃ驚く。普段和服姿しか見てないのに
こんなボーイッシュな格好して帽子で顔まで隠されたらわかるわけがない。

「ぬうううう、だから我はイヤだと申したのだ!」
668名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 19:23:56 ID:xtDTFfBPO
支援
669名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 19:26:33 ID:XFje6k5f0
いっせいに雛乃姉さん以外の姉の視線が俺に集中する。
言葉はないが、何を要求されているかは明らかだ。
うまく誉めないと、きっと姉様や姉貴に酷いめに遭わされる。

可愛い……いや、子供っぽく扱うのはマズイ。
綺麗……いや、そういう衣装じゃないしな。
ん〜……よし。

「いや、驚きました。雛乃姉さんは何を着ても似合いますね」

「そ……そうか?似合うか、これ?」

「ええ、普段の和服姿も素敵ですが
 こういう…アクティブな格好もまた違った魅力が」

「そうか……ふふ、また新たな魅力を見つけてしまうとはな。
 我ながら、自分の魅力が恐ろしいぞ」

雛乃姉さん、ご機嫌です。
姉さんの後ろに立つお姉ちゃんズも納得してくれた様子。

「ジャンパーは、私が選んだのよ」

「ジーンズは私ね」

「お姉ちゃんはトレーナー選んだよ〜」

「帽子はワタシだにゃー」

「わ、私は今は履いてないけどスニーカーを選んだんだ」

そっか……みんなで選んだんだな、これ。
670名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 19:29:35 ID:XFje6k5f0
「でも、雛乃姉さんの誕生日、明日ですよね?」

「そうね、一日早いのだけれど。
 ところで空也、あなたも何か雛乃姉さんに
 渡すものがあるのではなくて?」

あ。そうか…
昨日、姉様が夜くれたものがある。
渡されたときは、なんでこんなものを姉様が、と
不審に思っていたけど……

今なら、その使い道がわかる。

「雛乃姉さん、俺からも……ちょっとあるんだ、待ってて」

「くうやも、か?そうか……楽しみであるな」

姉様に感謝しつつ部屋まで戻ると
机にしまったものを取り出し、急いでまた居間へ。

「ん?なんだ、手ぶらではないか?」

「いえいえ……はい、雛乃姉さん、これ」

差し出すのは、2枚のチケット。

「……これは……遊園地の券ではないか?」

「雛乃姉さん。明日、俺とここに遊びに行きませんか?」

「……我のために、いろいろ準備してくれたのだな。
 ありがとう、お前たち……明日は、楽しませてもらうとしよう」
671名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 19:30:14 ID:xtDTFfBPO
支援
672名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 19:32:53 ID:XFje6k5f0
そして、次の日の朝。

朝食の時から雛乃姉さんは
昨日贈られた服に身を包んでウキウキしていた。

「…それでな、マルのやつがすねてしまって…」

心も弾み、言葉も弾む。

「さあ、食べたらすぐに出かけるぞ!用意は良いか、くうや?」

「はい、いつでも」

「うむ!実はな、我は遊園地というものは初めてなのだ。
 じぇっとこーすたー、というものがあるのだろう?
 それに、めりーごーらうんど、とか、ごーかーと、とか……」

本当に嬉しそうだ。
まあ、初めてじゃ無理もないかな。
俺も頑張ってエスコートしよう。

朝食を終えると、食後の一服もそこそこに支度をする。
出がけに、姉様がコッソリと現金を渡してくれた。

(今日は多少の無駄遣いは、許します……しっかり、ね)

……俺にではなくて
雛乃姉さんに向けられた優しさなのかもしれないけど
それでもなんとなく嬉しかった。
皆に見送られて、家を出た。

「行ってらっしゃーい」「気をつけてねー」
673名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 19:33:22 ID:I8zzm7CL0
支援
674名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 19:34:57 ID:XFje6k5f0
遊園地のゲートをくぐると
雛乃姉さんがいきなり走り出す。

「くうや、あれがじぇっとこーすたーだな!?
 一番はあれに乗ると決めておったのだ!」

……走ってる雛乃姉さんなんて初めて見た。
いや、それを言うなら
こんなにはしゃぐ雛乃姉さんを見ることも初めてだ。
まるで、子供の頃に帰ったみたいな……

子供の頃。
雛乃姉さんの子供時代は
病床に臥せってばかりだった。
雛乃姉さんの年齢で、遊園地に来るのはこれが初めてなんて
普通の子供時代を送っていたらあり得ない。

そう。
俺が、俺たちが贈るものは
やり直しの子供時代なんだ。
おそらくは、何も楽しい思い出のない雛乃姉さんへ
今、健康を取り戻した雛乃姉さんへ
子供の頃の気持ちに戻ってもらって楽しんでもらいたい。
それが、俺たちのプレゼントだ。

「どうした、くうや?
 ボヤボヤしていると、おいていくぞ」

「あ、うん……今行くよ」

あわてて追いかける。
そうだ……頑張らなきゃな、俺も。
675名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 19:37:01 ID:XFje6k5f0
色々な乗り物に乗った。
アトラクションも楽しんだ。
お昼ご飯はベンチでともねえの手作り弁当を食べた。
ソフトクリームやポップコーンを頬張った。

雛乃姉さんは終始ご機嫌で
いつになくはしゃぎ回り、動き回っていた。
そうこうするうちに、日が暮れ始める。
閉園まではまだ時間があるけど
夕食もあるし、何か乗るとしたらあと一つぐらいかな。

「くうや、次はあれに乗るぞ!」

指さされたのは、大きな大きな観覧車。

「高っ!」

見上げるだけで目眩を起こしそうだ。

「こういうものは……恋人同士が乗るものであるそうだな?」

少し顔を赤くした雛乃姉さんが俺に尋ねる。

「じゃあ、俺たち乗ってもいいですね」

「……うむ!」

チケットを買い、かすかに揺れるゴンドラに乗り込む。
窓から外を眺めていた雛乃姉さんが
不意にぽつりとつぶやいた。

「……こういう子供時代も、あったかもしれぬのだな」
676名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 19:37:24 ID:I8zzm7CL0
紫煙
677名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 19:37:52 ID:xtDTFfBPO
支援
678名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 19:39:08 ID:XFje6k5f0
雛乃姉さんがくるりと俺に振り返る。

「今日は、我に『子供の頃の楽しい思い出』を
 皆で贈ってくれたのであろう?
 我も……今日一日は、子供に返ったつもりで遊ばせてもらった」

「……お気づきでしたか」

「うむ。皆の気持ちは、嬉しく思うぞ……だがな」

雛乃姉さんのバックに、ゴンドラの窓から夕日が射し込む。
赤く染まった空を背景に、優しく微笑む。

「我は、あの頃も幸せであったよ」

「!」

「たとえどこにも行けずとも、ずっと臥せっていたとしても
 我には……お前や、妹たちがいたのだからな」

やっぱり……この人を好きになって、よかった。心からそう思う。

「姉さん……キス、してもいいですか?」

「ぬ、なんだいきなり……ふふふ、我の魅力に我慢できなくなったか?
 だが……わざわざ尋ねるのは野暮というものであろう?
 こういうものに乗るのは……恋人同士、なのだから」

揺れるゴンドラの中、雛乃姉さんの隣に移り、そっと抱き寄せて唇を重ねる。
しばらくそうしていた後、姉さんがそっと囁いた。

「……今度は皆で来よう……皆がいれば、我は幸せだ……」
679Seena ◆Rion/soCys :2006/03/03(金) 19:41:40 ID:XFje6k5f0
ひなのん誕生日おめー。

ボーイッシュなひなのんもいいんじゃないかなと。
680名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 19:43:35 ID:xtDTFfBPO
この場で長く語るは無粋
ただGJ(ToT)
681名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 19:44:13 ID:I8zzm7CL0
>>679
>「我は、あの頃も幸せであったよ」

泣けた。GJ!
682名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 20:00:33 ID:9114DLeG0
>>679
心に優しさが満ちあふれてきますた。
なんだかひなのんが大きく見えるぜ!
GJ!そしてひなのん誕生日おめ。
683名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 20:16:09 ID:pfCDRwd40
うむ、ええ話や…
>>679 GJ
684名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 20:39:59 ID:iHHImWhh0
ひなの〜ん おめでとう
そしてGJ
685名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 20:43:03 ID:5sCRm+0x0
やっぱあんたすごいよ。。。
686名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 20:46:55 ID:TwZUyRPq0
>>679
アネキ派の俺でもこのひなのんにはグッとくるな。
GJ。
687TAC:2006/03/03(金) 20:47:42 ID:ANwJv7VQ0
「キミと歩くこの道を」最終章完成しました。
もうすぐ投下します。
688キミと歩くこの道を〜希望の種子をまいて〜(1):2006/03/03(金) 20:49:47 ID:ANwJv7VQ0
「うわー! 美味しそう!」

吼太がはしゃいだ声をあげた。

「吼太んちの弁当は毎年すごいよな〜」

隼人は対馬家の弁当を羨ましそうに見ていた。

「コラ、坊主。ウチのだって負けてないだろ?」

スバルは隼人の頭を軽く小突いた。

「確かにそうだよ。隼人んちのだって負けてないよ?」

 吼太の言う事はもっともで、伊達家の弁当も対馬家に負けない程の豪華さだった。
ただ違っていたのは、対馬家の弁当はなごみが全て作ったということであり、伊達
家の弁当の半分は夫であるスバルの創作料理だった。それでも、きぬの腕は確実に
上がっており、その上達ぶりになごみは密かに感心していた。

「ちっ!! ココナッツの野郎、やるな!」
「私は野郎じゃない。間違った言い方するなカニミソ」
「うるせー単子葉類!」

騒ぎ始めるいつもの2人。

「2人ともよせよ。弁当がまずくなるぞ」

 なごみときぬを仲裁するレオ。またかとため息をついた。それはスバルも同じら
しく、やれやれという表情だった。
689名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 20:50:20 ID:gzywPR3w0
>>687
今なら支援者がいっぱいいるぞ!期待!
690キミと歩くこの道を〜希望の種子をまいて〜(2):2006/03/03(金) 20:50:51 ID:ANwJv7VQ0
 青空の下、今日は小学校の運動会であった。対馬家、伊達家、天王寺家は一緒の
シートに座り昼食をとっていた。天王寺夫妻は「かなえ」と孫の応援が目的である。
レオとなごみは稼ぎ時の日曜日であったが「キッチン・椰子」を休業し子供の応援
に駆けつけた。店の名前の由来はのどかの姓が再婚で天王寺になり、なごみが結婚
して対馬になったためで、夫、そして父親が生きていた証として椰子という名前を
つけた。なごみとのどかのアイデアだった。レオは勿論賛成したし、周囲の反対も
なかった。小ぢんまりとした食堂だが、誰でも気軽に入れる店を目指していたから
ちょうどいいとはなごみの弁。数年前、新一がTV出演した際、お気に入りの店と
して紹介された時から人気が一気に伸び、現在も繁盛している。
 レオとなごみは子供、つまり吼太が生まれた時、一つの約束を交わした。それは、
子供の運動会や、授業参観には店を休んででも必ず行くという内容だった。子供を
寂しがらせるような事はしたくない。そういう考えから出た答えだった。
 普段は伊達家や、なごみの実家に子供の世話を頼んでいる。いつもきぬに対して
悪態をつくなごみだが、実際はとても感謝していた。

「お兄ちゃん、わたしのとらないでよ〜」
「早いもん勝ち〜」

 吼太とほのかが好物である鳥の唐揚げをめぐって争っていた。吼太は小学4年に
なってそんな事してるのかと思ったレオだったが、自分も悪ガキだった事を思い出
してそんなものだったかなと考えた。
 一方、

「これ嫌いだから食べたくないよ〜」
「ボクも〜」
「坊主ども、好き嫌いなくしっかり食べねーと強くなんないぞ?」
「ほらパパの言うとおりだ。パパみたく脚速くなんねーぞ?」
691キミと歩くこの道を〜希望の種子をまいて〜(3):2006/03/03(金) 20:52:26 ID:ANwJv7VQ0
 伊達夫妻は、子供達のしつけをしていた。隼人と妹の「のぞみ」は好き嫌いが多
い。スバルときぬの悩みであった。ちなみにのぞみの自称「ボク」はきぬの影響で
ある。

「にぎやかだね〜。お姉ちゃんちと伊達さんち」
「そうね〜、かなえちゃん」

 のんびりと昼食を堪能してるのはのどか・かなえ母娘。かなえは小学6年生。の
どか似でのんびりした性格をしている。天王寺家は平和だった。

「おっ。やってるな」

そこへ現れたのは……

「あっ、乙女センセーだ!」
「やべっ! 蹴られる!」

声をあげる吼太と隼人。現れたのはこの小学校の教師である鉄乙女だった。

「誰が蹴るか! まったく……」

文句言いながら同じシートに座る乙女。弁当は勿論、「おにぎり」だった。レオは
またかと言いそうになったが喉から出かかったところでやめた。

「え〜? お父さんが昔からたくさん蹴られたって言ってたよ?」

バカ! 言うな! とレオが吼太に言ったが後の祭りである。おそるおそる乙女の
顔を見ると笑いながらこめかみに怒りジワを浮かべていた。
692キミと歩くこの道を〜希望の種子をまいて〜(4):2006/03/03(金) 20:53:58 ID:ANwJv7VQ0
「あ、これはね、子供たちが世の中怖い人がいるから気をつけようって教えるため
 にね、それでね―――」

苦しい言い訳をして後ずさり。もうドツボにはまっている。あーあ、と思った一同。

「そうか、子供たちにはちゃんと教育しとかないとな。世の中物騒だからそういう
 家庭教育はしてかないとな―――っていうと思ったか!!!」

ズドーン!!

「ぎゃひ―――ん!!」

 乙女のローキックが後ずさりしたレオの太腿にクリティカルヒット! レオは悶
絶。この小学校名物の「乙女キック」が炸裂。スバルときぬはガッツポーズ。なご
みは乙女をキッと睨んだが乙女の睨み返しに縮こまった。狙いが的中した子供たち
は大喜び。昔、乙女がレオを沢山蹴っていたという事実には変わりはないのだが…
…。決して、乙女は暴力教師として恐れられているわけではない。逆に教師の鑑と
して児童、保護者から尊敬を集めていた。本人は恐縮してるが、以前小学校に傷害
目的で進入した不審者を蹴りで沈め、子供達を守ったことから「乙女キック」が誕
生し、模範教師として信頼されるに至った。他にも武道家として、児童の体力向上、
武道の精神を以っての道徳教育なども評判が高く、私立校からスカウトが来るほど
だった。レオのように腕力ではなく、言葉で相手を説くのも乙女の教育方法だった。
そんな乙女の唯一の悩みの種は結婚相手が未だ見つからないということである。お
見合い回数は数十に及ぶ。お見合い破談の理由は皆様の想像にお任せする。
「鉄の教師」として伝説を残していくのはずっと後の話。
693キミと歩くこの道を〜希望の種子をまいて〜(5):2006/03/03(金) 20:54:58 ID:ANwJv7VQ0
そして―――

「ごちそうさま」

昼食が終了。

「こうやってみんな集まるのは久しぶりだな」

 乙女は懐かしそうに言った。レオはその言葉を聞いて、ふと「みんな」のことを
思い浮かべた。

 ここにいるスバルときぬは相変わらずだった。スバルは三度目のオリンピックを
終え、引退かと思われたが現役続行を表明した。オレは不可能を可能にする男だと
言っていた。オリンピックのメダルはあの銅メダルだけである。アジア大会、日本
選手権では入賞がほとんどであったが世界レベルだとやはり難しいらしい。
 変わったことと言えば、去年、スバルの父親が亡くなった事だった。ずっと父親
を憎んでいたスバルが密かに涙していた事をレオは知っていた。
 きぬは昔勤めていたゲームメーカーに戻って来いと言われているが、子育てに忙
しく、そんなつもりになれない様である。昔企画したゲームの印税収入があるから、
働きに出る必要がないとはきぬの弁。

 フカヒレこと鮫氷新一は現在全国ツアー真っ最中で、忙しい日々を送っている。
新一はたくましく成長し、何年も連れ添っている竜鳴館の後輩である彼女との楽し
い人生を送っているハズである。店には新一のサイン色紙が飾ってある。
694キミと歩くこの道を〜希望の種子をまいて〜(6):2006/03/03(金) 20:55:53 ID:ANwJv7VQ0
 姫こと霧夜エリカは世界征服実現のために世界を飛び回っている。霧夜カンパニ
ー総裁である彼女はなごみをシェフとして雇おうとしたが、なごみは当然断った。
だがエリカは代わりとしてレオとなごみの店の開店資金を出資した。断ろうとした
2人だったが、子供2人の出産費用、養育費を考えると、この援助はとてもありが
たいものであったので素直に受け取った。勿論、2人は返すつもりで今現在、店を
繁盛させている。ちなみに歪んだ趣味のせいで未だに結婚できないのはご愛嬌であ
る。彼女についていける人間は世界に何人もいないだろう。

 佐藤良美は何年かエリカの秘書として勤めた後、寿退社した。相手は社交パーテ
ィーで知り合った青年実業家であるらしい。数年前の同窓会で会った時に良美は「
対馬君みたいにとっても優しい人だよ」とのこと。現在は一児の母である。
 良美が退職した後、エリカは相当困った。理由は数々ある。胸を揉む相手がいな
い、いじめる相手がいない、からかう相手がいない、愚痴をいう相手がいない(以
下略)子供が大きくなったらまた秘書として働くことを希望している。

 大江山祈は今も竜鳴館で教師を続けている。結婚はしていない。レオはたまに近
所で会うことがある。土永さんがそろそろ寿命らしいが本当かどうかはレオにはわ
からなかった。土永さん本人は否定している。

 村田洋平、西崎紀子は結婚している。レオは村田のK−1での活躍をほぼ毎回TV
で観ていた。結婚の報道は数年前に流れたものだった。村田と紀子は何度かレオと
なごみの店に顔を出している。村田のサイン色紙も飾ってある。

 竜鳴館の橘平蔵はまだ現役で、その無茶苦茶ぶりは今でもローカル放送で中継さ
れる体育武道祭で観ることができる。
695名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 20:57:20 ID:4mLIWDRP0
紫煙
696キミと歩くこの道を〜希望の種子をまいて〜(7):2006/03/03(金) 20:57:58 ID:ANwJv7VQ0
………

「あなた?」
「ん?」
「何してるんですか。もうすぐ吼太の番ですよ?」

 レオはボーっとしてた、すまないと言って、ビデオカメラを準備した。昼休みが
終わって、4年生の徒競走が行われようとしていた。吼太と隼人は同じ組で、さっ
きから今までお互いいがみ合っている。スバルときぬは客席の最前列にいる。

「やれやれ、またやっているのか」

そこに現れたのは乙女だった。

「乙女さん、仕事はいいの?」
「いや、今は見回り中だから問題ない」

そう言って、乙女はあの2人に視線を向けた。

 乙女はあの2人の様子を見て、いがみ合う様子はなごみときぬにそっくりで、普
段つるむところはレオとスバルにそっくりだと思った。担任をしてるとその様子が
更に鮮明になっている。吼太にはレオの熱血漢、なごみの芯の強さが、隼人にはス
バルの友愛、きぬの裏表が無い性格が引き継がれている。
697キミと歩くこの道を〜希望の種子をまいて〜(8):2006/03/03(金) 20:59:00 ID:ANwJv7VQ0
「レオ、吼太の眼はお前が本気になった時の眼にそっくりだな。隼人の脚は学年一
 だが、吼太も侮れない。これは楽しみだな」

 乙女はうっすらと笑った。レオとなごみは不思議そうな顔でいた。乙女は吼太が
「熱血モード」に入っているのを見抜いていた。

「あの2人の成長が楽しみだ」

 そう言って乙女は再び見回りへと向かった。しばらく2人の頭には?マークが浮
かんでいた。だが、2人は同時にある出来事を思い浮かべた。
 それは吼太の担任である乙女が家庭訪問に来た時であった。レオとなごみは世間
話や学校での吼太の様子の話をした。そして、乙女は今の子供について語り始めた。
乙女によると、夢を持たない子供が多いという話だった。やけに現実ばかりを見て
いて、夢を持つことを無駄な事のように考えている子供や、バカにする子供、努力
もしないうちから諦める子供、様々らしいがその反面、吼太や隼人は夢を持ってい
るから乙女はとても嬉しかったらしい。

 吼太は最近、新一の影響でギターを始めた。フカヒレおじさんみたいにカッコよ
くなりたいと吼太は言う。よりによってフカヒレとは…。レオは少し悔しがった。
 ほのかは、ママみたくコックさんになりたいと目を輝かせながら言っていた。
 スバルの話では隼人は陸上で金メダルを取ることを夢見ているらしく、のぞみは
お嫁さんになりたいとか。
698名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 20:59:22 ID:gzywPR3w0
699キミと歩くこの道を〜希望の種子をまいて〜(9):2006/03/03(金) 21:01:00 ID:ANwJv7VQ0
「夢か……」

 なごみは何かを思い悩むように呟いた。レオはすぐに何を思っているのか察した。

「自分のようになって欲しくないんだろ?」
「いえ! そんなことは……」

 図星だったらしく、なごみは少しあたふたしていた。わかりやすいなとレオは思
った。
 なごみはかつて夢を諦めようとしていた。そして自分に嘘をつく人生を送りそう
になった。しかし、なごみはフカヒレこと鮫氷新一がきっかけとなり夢について考
え直し、レオは背中を押してくれた存在だった。その2人だけではなく、多くの人
々が自分を助け、応援してくれたことか。
 夢を追いかけることが出来ない辛さをなごみは十分知っていた。夢を追いかけて
いるときの楽しさも知っている。勿論、辛いこと、苦しいこともある。それらは自
分を成長させ、色々な事を学ぶことが出来る。だから、子供たちには夢を持って欲
しいし自分の可能性に挑んで欲しいと思っていた。
 それはレオも同じだった。少年期、彼は夢もなりたいものもなかった。幼い頃は
正義の味方とかそんな夢だったが将来何になるかなんて考えてもいなかった。それ
はなごみと出会って大きく変わったのだが。レオはなごみを守っていきたい一心か
ら彼女をサポートする目標を持った。
700名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 21:01:16 ID:iHHImWhh0
支援
 子供たちにやりたい事、将来の目標があったらそれを支えるのが親の役目ではな
いのかとレオは思う。子供たちに影響を与えるのは周囲だし、大人ではないのだろ
うか。小さな目標でもなんでもいい、それを支えるのが大人の役割ではないのだろ
うか。

 子供たちが夢を持たないのは大人の影響かもしれない。だから大人は子供たちが
希望を持つ世界を創る事に努めていかなければならないのではないか。この世の中
を未来に繋げるのは政治家ではなく希望の種子(たね)である子供たちであることは
確かであるし、それを育てるのは大人たちである。芽を伸ばし、花を咲かせ、そして
希望の種子をまいてゆく―――

 吼太や隼人はそんな希望の種子の一員なのである。

 レオとなごみはただ願っている。子供たちがずっと幸せであるように―――

「あなた! 吼太が走りますよ! カメラ!」
「こっちは準備出来てるぞ!」

 レオが構えたカメラの画面にはスタートライン上の隣同士で睨み合っている吼太
と隼人の姿が写っていた。乙女の話では普段は仲が良いが、勝負事になるとライバ
ル同士になるという。なごみは吼太の眼を見て、

「やっぱりあなたにそっくりね」

と呟いた。
「え? 何だって?」

レオがなごみに顔を向けた。

「何でもありませんよ」

なごみはクスクスと笑った。

「?」

レオは首を傾げ、カメラを構え直した。

「位置に着いて……よーい!」

 青空に破裂音が響き渡り、子供たちは一斉に走り出した。身を乗り出してカメラ
を構えながらはしゃいで応援するレオ。

 レオのその姿はなごみには子供のように見えた。


〜おわり〜
703名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 21:03:49 ID:4mLIWDRP0
支援
704TAC:2006/03/03(金) 21:05:00 ID:ANwJv7VQ0
〜あとがき〜

※「キミと歩くこの道を」を1章、「キミと歩くこの道を〜2人でつかむ未来〜」を2章、
 「キミと歩くこの道を〜誕生する未来〜」を3章、
 「キミと歩くこの道を〜希望の種子をまいて〜」を4章とします。

こんにちはTACです。これで「キミと歩くこの道を」シリーズ(勝手にシリーズ化)は一応の
完結を迎えました。あの家族はああやって幸せに生きていくんでしょうね。

1章に比べ、他は短いので外伝もしくは番外編のような扱いになっています。
1章を本編とすると2章は外伝、3,4章はエピローグですね。 皆様にとってはどうでも良い
と思いますが、この物語について簡単に述べたいと思います。
(これは私個人の考えで書いたものです)

(1)テーマ
すぐにわかっていると思います。2章からのサブタイトルには「未来」「希望」という単語が出
てきています。それらはなごみルートのテーマではないのかなと考えています。他のルートでも
そのテーマは通用しますが、その色が強く出ているのがなごみルートだと思います。「夢」とい
う言葉は「未来」「希望」と深く結びついているのでサブタイトルや人物名(後の項で説明)に
絡ませました。
「キミと歩くこの道を」というタイトルの「道」の意味は「目標、夢、未来、希望」です(わか
りきった事ですが)。「キミと歩く」は「一緒に目指す、共有する」事であり、レオとなごみ、
スバルときぬに当てはまりますね。
705TAC:2006/03/03(金) 21:05:38 ID:ANwJv7VQ0
(2)登場人物
1章はつよきすの登場人物のほとんどです。もちろんレオとなごみが軸となって他の登場人物を
小出ししていきました。のどかの次女、なごみの妹の「かなえ」についてですが、のどかと天王
寺との間に子供を作りたかったという願望で誕生したキャラです。名前の由来は1章で書いたと
おりです。かなえの性格とかは4章で書かれているとおり、のどか似です。なごみの性格があん
なの(失礼)なんで、どうせならのどかのように…というのがこの性格にした理由です。とか言
ってもかなえの台詞は1つだけですが(汗)
3、4章で登場するスバルときぬの子供の隼人は「なんか脚が速そう」って理由でつけられまし
た。ここで失敗したのが、スバル(昴=プレアデス)とカニ(蟹座)にちなんで星に関する名前
をつけようとしたのですが、もう3章を投下した後でしたので後の祭りでした。レオ(獅子座)、
乙女(乙女座)とかが星に関係してたとは……
4章の「のぞみ」は理由は「かなえ」と似ているので説明しなくても良いでしょう(笑)
吼太とほのかは先に他の作者様のSSに登場しましたので、引用させてもらいました。
かなえ、隼人、のぞみという名前には賛否あると思いますがあくまでこのSSのために用意した
名前ですのであまり気にしないでください。
(スバルときぬの子供の名前がSSに登場したかどうかがわからないのですがどうなのでしょうか?)
それと、最も1章に登場させたかったのが良美で、この人物の恋に決着をつけさせたかったとい
う希望がありました。良美ルートで出てきた単語「信じる(信用)」をこのような形で出したの
は最初から予定にありました。4章で幸せな結婚をして、母親になってます。彼女には幸せにな
って欲しいものです。
忘れてましたが、きぬとスバルが付き合っているのはオリジナルです。なごみルートにはそうい
う描写が全くなかったので、そういう意味では唯一のオリジナルだと思います。(元からある設
定をいじっていますので)
706TAC:2006/03/03(金) 21:08:14 ID:ANwJv7VQ0
(3)舞台
大体はSS中で説明しています。
2章のスバルときぬの話は、1章の後、読者の要望の中で「同棲生活が見たい」というのがあり
ましたので実現させました。1章の文中で、スバルの苦労がほんの少し書いてありますが、なご
みED中のスバルの苦闘を描きたかったのが2章です。単になごみEDの内容を延長させただけ
ですが。スバルの違った一面を引き出したかったのも狙いです。「甘いおにぎり」も完全に狙っ
てました。オリンピック決勝のシーンはきぬルートを参考に、きぬへのプロポーズをさせたのも
狙いです。2章は狙い尽くしです(笑)
自分の中では2章が一番作り安く、完成度が高かったと思います。

(4)その他
1章でレオとなごみを離れ離れにさせたのは良美の恋の終止符への伏線だと思っています。なら
ば良美が主役なのかと言ったらそういうわけではありません。レオとなごみがお互いを信じるが
故に、離れていても夢を追いかける事が出来る。それを良美が知って、思い直すようになる。た
だ2人が夢を追いかける過程で、良美が影響を受けた。それだけの話です。
最終章である4章は物語というよりも、評論文みたいになってます。この章に私の言いたいこと
(あくまでもこれは自論ですので注意してください)がほとんど書いてあります。
一つ、これからを進む子供たちに言いたいのは、何かを目指し、道を選んだ本人がそれまでした
事を後悔して、人のせいにしたりすることはダメ。自分が選んだ道ならばそれは許されないこと
なのですから。
707名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 21:08:49 ID:gzywPR3w0
>>704
ええ〜終わり〜?
グインサーガくらい続けてよぉ〜

ともあれGJ
708TAC:2006/03/03(金) 21:10:44 ID:ANwJv7VQ0
以上、私の勝手な主張でした。
このスレでこんな主張をするのは場違いだと思うので、文句を言われてもしょうがないと思います。
これを見て賛同するか否定するかは、それは皆さんにお任せします。
矛盾や、構成が無茶苦茶な文章がありますがそれは技量不足ですので申し訳ございません。
これが私がこのSSを書いて思ったこと感じたことです。不快に感じた方はごめんなさい。
私はプロではないので趣味の段階で思ったことを書いただけです。

最後に、このSSを読んでくれた方、どうもありがとうございました。一応完結しますが、番外
編ができたらまた投下しようと思いますんでそのときはよろしくお願いします。
709名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 21:11:44 ID:iHHImWhh0
あとがき長!別に問題ないけどね
そしてGJ!息子もこんな風になって欲しいな
いや〜今日はいい日だ
710名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 21:12:25 ID:R1is5iof0
>>708
GJ!!!!!!!!!!!!!!1
面白かったです
711名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 21:14:13 ID:4mLIWDRP0
>>679
途中でひなのん倒れるんじゃないかと心配したけど杞憂でしたねw
GJ!

>>706
後日談!後日談!後日談ダンダダンダン!GJ!

スンマソンなんかこれ思いついちゃったw
712名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 21:19:39 ID:3HkYxFie0
>>708
GJ!!!!
とても面白かったです。
もうちょっと続くといいなぁ、なんて言ってみる。
713名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 21:22:30 ID:gzywPR3w0
>>708
ぐっは・・・
途中、何か邪魔した形になってしまって申し訳ない。
とにかくGJです
714名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 21:29:55 ID:XFje6k5f0
>>708
GJ!
ちょっと不幸な(?)姫がなんか可愛いw
715名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 21:52:44 ID:Za2fh5430
>>679
ひなのんの一言でマジ感動した
GJ!

>>708
姫や乙女さんもちょっと不幸だけど祈ちゃんが一番寂しい感じだなぁ……短いし!w
GJ

>>711
>後日談!後日談!後日談ダンダダンダン!GJ!

ちょwwwおまwwww
716名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 22:05:06 ID:Za2fh5430
更新来てるよー
717名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 22:06:05 ID:Za2fh5430
誤爆orz
718名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 22:19:07 ID:QJViO+QN0
>>679
ひなのんにも感動したけど
チケット用意してたりこっそり小遣いを渡す姉様も
優しさが出ててよかった
GJ!

>>708
ほのぼのGJ!

>>717
落ち着けw
719ささやかな夢 1/3:2006/03/03(金) 22:38:46 ID:k7Xb3VJF0
 「こっ、これで全部箱は出たかな?」
 「そうね…大体こんなものではないかしら?
 ……いえ、巴、まだ牛車の箱が出てないわ」
 「牛車だね。探して見るよ。…奥のほうにあるのかな?」
 かなめとともえが我の部屋に来て、雛人形を飾る準備に追われている。
 まだ木箱に入ったままの人形や飾りなどが、部屋の床に並べられている。
 我は、と言えば二人が準備に忙しいのを、お茶をすすりながら見ている。
 我も手伝おうとは思ったのだが、かなめに言わせれば、
 「今夜は姉さんの誕生日の前夜なのですから、私たちに任せてください」
 そういえば我は今まで雛人形の飾り付けを手伝った覚えがない。
 幼い頃はほぼ寝たきりだったし、元気が出てからは妹達が我に気を使って
飾り付けをすべてやってくれる。
 我に気を使いながらも楽しそうに飾り付けをしている母上や妹達を見て、
我も元気になれたらと、幼心に羨ましかったものだ。
 「母上、我も飾りつけがしたい」
 と言うと、母上は決まって少し困ったような、しかし優しい笑顔で我の頭をなで、
 「元気になったら、皆で一緒に飾り付けしましょうね。
 だから雛乃、がんばって」
 と返したものだ。
 我は元気になったが、母上はとうの昔に亡くなってしまった。
 皆で一緒に……この先この約束が守られることはなさそうだ。
 我のすぐ膝元の「お雛様」と書かれた木箱が目に付いた。
 ふと木箱を手に取り蓋を開けてみると、樟脳の匂いと共にお雛様が顔を覗かせた。
 「久しいな。今年も無事にお前の顔が見れて、嬉しき事よな」
 思わず呟いてしまった。
 幼い頃はお雛様の顔を見るたびに、
 「今年もまた一年生きながらえた……来年もお雛様を見ることは出来るだろうか?」
 と、安堵すると共に、先の見えない不安に駆られたものだ。
720ささやかな夢 2/3:2006/03/03(金) 22:43:01 ID:k7Xb3VJF0
 本来ならば居間に飾られるべき雛人形が、毎年我の部屋に飾られるようになったのは、
普段寝たきりだった我を元気付けようと、誰かしらが言い出した結果だろう。
 三月三日は確かに我の誕生日であるが、女子(おなご)の日でもある。
 だから毎年お雛様を、床に臥し見上げながら、
雛人形を独り占めしてしまった様な気がして、妹達にどこか申し訳ない気がしていた。
 皆のおかげで、我は昔からは考えられないほどに元気になった。
 だからこれからは雛祭りは、不安や申し訳なさにあふれた日ではなく、
明るく楽しい、希望に満ち溢れたものにしていきたいと思う。
 「あっ、牛車、あったよ。隅のほうに落ちていたよ」
 ともえが探していた牛車を見つけたらしく、押入れから嬉しそうに声を上げた。
 「そう、なら早速箱から出して、飾り付けをしてしまいましょう」
 「かなめよ、飾りつけは少し待て。我から提案があるのだが」
 我がお雛様の木箱を元に戻し言うと、かなめが我を見て聞いて来た。
 「提案ってなんですか?姉さん?」
 「うむ、毎年我が家では雛人形を我の部屋に飾っていたが…
今年からは居間に飾ろうではないか」
 「……何故です?」
 「三月三日は我の誕生日でもあるが、その前に女子の祭りだ。
 せっかくこれだけ女子がそろっているのだ。
 我の事を祝うのはそこそこで良いから、明日はくうや以外は無礼講、皆で騒ごうではないか。
 その為には居間に雛人形が飾ってなければ、おかしいであろう?」
 「姉さんがそうおっしゃるなら、賛成です」
 「あは、じゃあ私、明日張り切って料理作るよ」
 「ともえよ。我が言った事を聞いていたのか?」
 「あぅ? 聞いていたつもりだけど…」
 「女子の日なのだから、料理なんぞくうやにすべて任せておけ」
 「でっ、でも…」
 「それとも何か? 我やかなめには付いてない物が、お前には付いていると言うのか?」
 「うぅぅ……」
 ともえは顔を真っ赤にして俯いてしまった。
 「ふふふ、冗談だ。兎に角、お前には明日、ずっと我の相手をしていてほしいのだ」
 「う、うん。そういうことなら、わかったよ」
721ささやかな夢 3/3:2006/03/03(金) 22:44:56 ID:k7Xb3VJF0
 「それでは早速、人形を居間に持って行きましょう」
 と、言って、かなめが木箱をいくつか抱えて立ち上がった。
 「かなめ、まだ話は終わっておらんぞ。そのままでいいから聞け」
 「はい、すみませんでした。姉さん。」
 「あー、あのな、我にも飾り付けを手伝わせろ。
 我はもう昔のように病弱ではないのだ。
 ……我も妹達に混じって、和気藹々と人形の飾り付けをしてみたいのだぞ」
 我がそう言うと、かなめは目をゆっくりと閉じ、
我の言葉を反芻するように時間をかけてから、 
 「……そうですね。では、一緒に飾り付けをしましょうか。雛乃姉さん」
 と、柔らかな笑顔で我に微笑みかけた。
 そんなかなめの笑顔を見ると、一瞬、母上が我に微笑みかけているような錯覚に陥った。
 ………………………………
 膝元に置いた「お雛様」の木箱を再び抱え上げて、「四人」で居間に向かう。
 もう少しで我のささやかな夢がかなうと思うと、居間までの距離が長く感じられた。
722SSD:2006/03/03(金) 22:47:20 ID:k7Xb3VJF0
ひなのんお誕生日SSです。
このSSかいてて当初は死ぬ予定だったひなのんが死ななくて
本当に良かったナァ、と思ってしまいました。
723名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 22:47:56 ID:gzywPR3w0
GJTWGWNEP
724名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 22:54:52 ID:QJViO+QN0
>>722
GJ

>>723
落ち着けその2w
725名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 22:57:17 ID:XZ99MATt0
>>722
GJ

>>723
NEP撃つなw
726ある人からのお祝い(1):2006/03/03(金) 23:29:13 ID:vx6CIK5U0
今日は3月3日の雛祭り。 そして、我の誕生日でもある。
雛乃の誕生日…雛祭り…我の祭り……フフフ…
「何笑ってるの〜? 雛乃お姉ちゃ〜ん」
ご、ごほん!
まぁ、何だ。 皆の者が我のためにぱーてぃーを開いてくれるのは、大変ありがたいことだ。
とは言っても、ほとんど誰かの誕生日になれば、我家はすぐにどんちゃん騒ぎをするがな。
ともえとくうやが沢山のうまい料理をこしらえ、お隣からもお祝いに駆けつけてくれる。
あいにく、かなめは仕事が長引くとかで遅くなるとのことだ。
「雛乃お姉ひゃ〜ん、もう飲まないの〜?」
「我はもうよいぞ。 後はお主らで楽しむがよい」
「ちょっと雛姉さ〜ん。 主役がぁ〜、一番最後に切り上げるなんてずる〜い」
「ひ〜な〜の〜ん。待ってよ〜」
「仕方ないね〜。 ともえお姉ちゃんで遊ぼ〜」
「あぅぅ、もう飲まないほうが…」
やれやれ、あれだけ飲んで大丈夫であろうか…まぁ、ともえがおるから心配なかろうて。
十分に楽しんだことであるし、自分の部屋でゆっくりとするか。
「ふう…騒がしいな」
部屋に戻ってもくうやや妹達の楽しい笑い声が聞こえてくる。
幸せであるなぁ…本当に。
我はなんとなく暗くなった庭を眺めてみた。
昔は床につき、いつもいつもこの庭ばかりを眺めていたなぁ。
しばらくして、皆の声が聞こえなくなった。 どうやら騒ぎ疲れ、眠ってしまったのだろう。
…しかし、我にはまだ祝ってもらいたい人がいるのだ。
もう会うことはできぬが、せめて一声だけでも…
すると、急に部屋の戸が開いた。
727ある人からのお祝い(2):2006/03/03(金) 23:30:58 ID:vx6CIK5U0
(雛乃、お誕生日おめでとう)

「……っ!? 母様!?」
まさか、まさかそんなはずは…!
「どうかしましたか、雛乃姉さん。 今日はすみませんでした、仕事が長引いてしまって」
「あ、ああ…別に構わぬよ」
かなめであったか。 今確かに母様の声が聞こえたような…
「…気のせいであるな」
「は?」
「いや、何でもない。 それよりもどうだ、かなめ。
 実は今日のために特別に上等な酒を手に入れてあったのだ」
そう言って我は、布団を入れている押入れの奥から、一本の酒瓶を取り出した。
「どうだ、お前も飲むか?」
「いいんですか? 雛乃姉さんが楽しみにしていたのでは…」
「ふふふ、よいよい。 今日は実に気分がよいのでな」
「そうですか、それではいただきます」

(母様…我を生んでいただき、本当にありがとうございます。
 あなたのおかげで、我は今とても幸せですぞ)
728シンイチ:2006/03/03(金) 23:33:13 ID:vx6CIK5U0
ひなのんお誕生日おめでとー。
日付が変わる前に投下できてよかった…
729名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 23:34:28 ID:gzywPR3w0
CAGAGW
730名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 23:36:13 ID:XZ99MATt0
>>728
GJ!

>>729
狙い撃つなw
731名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 23:38:15 ID:Za2fh5430
>>722
>>728
ん〜、GJ
ネタかぶると損だね
732名無しさん@初回限定:2006/03/03(金) 23:45:43 ID:xtDTFfBPO
>>728GJ!幻は本物であってほしい。(ってあれ?)

>>722GJ!雛様に幸あれ

>>708GJ!読んでて自分自身を振り返ってしまった


みんなGJ!!!!
いいSSを読むと今日も一日頑張ろう!って気になるよな
733名無しさん@初回限定:2006/03/04(土) 00:55:07 ID:9NBtPe9G0
次の誕生日はよっぴーの4月2日か…
734名無しさん@初回限定:2006/03/04(土) 00:59:41 ID:CQIuUKOJO
心が洗われると言うわけだな
まあ俺はダメ人間街道まっしぐらやし(゜Д゜)y-
735れみゅう:2006/03/04(土) 01:07:45 ID:vXGz41+Y0
皆様GJ! (まとめてしまって申し訳ないですが)
そして、
ひなのんお誕生日おめでとうございます。

実はひなのんの誕生日ということをすっかり失念してました。
ちょっと吊ってきます。orz
たとえ覚えてても筆が遅いのできっと間に合わなかったでしょうけど。

736名無しさん@初回限定:2006/03/04(土) 01:47:05 ID:WDXWZC3C0
感想を書く時間がないのが本当に申し訳ない
明日9時からの会議の資料がまだできていないんだ
ALLGJ
あと、論議にかかわれなかったけど過去作品の感想くらいはこのスレで書かせて欲しいんだが
感想かく時間がいつになったらとれるのかわからん
737名無しさん@初回限定:2006/03/04(土) 02:00:24 ID:qYifvt240
この一方的なラッシュ。このGJ。こんなところでひなのんの歳を聞いたらかなわないと感じるのは当然。
738調子こいて633修正版:2006/03/04(土) 03:33:08 ID:CQIuUKOJO
委員会の仕事も終り、帰路につく俺に声を掛ける人物が一人。
「おう対馬、ちょうどいいところにおった。すまんが一つ頼まれてくれんか?」
言わずと知れた橘館長。しかも頼み事って。
俺が取るべき選択肢は

@仕方ない、素直に聞く
A厄介事かも知れない、断固拒否
B最高のタイミングで乙女さんが現れ代わりに頼まれてくれる

俺としてはBがベストだがそうそううまく行かない事は分かっている。
ならばやはりAか。しかしこの選択肢は……
「館長、どうしたのですか?」
「おう鉄、今対馬に頼み事をしようと思っとったのだ」
「他ならぬ館長の頼み、私でよろしければお力になりますが」
まさか選択肢B! 現実も捨てたもんじゃない。
「おおそうか。いや実はな、館長室にTVを入れたんだがな。
うっかり配線をさせるのを忘れて電気屋をかえしてしまったのだ」
「う、配線ですか。申し訳ありませんが私機械は……」
「ふむ、儂と同じだのう。と言う訳だ対馬、頼まれてくれるか」
「と言う訳だレオ。私の代わりに頼む」
……@現実は無情だ。まあ配線ぐらいなら。
「分かりました」
「よし、そうと決まれば。着いてこい」
言われるままに館長に着いて行く。
そして館長室に入った。
しかしここはいつ来ても本当に凄い。
何が凄いってこの部屋は雰囲気が凄い。
分かりやすく言えば猛獣の檻に放り込まれたような緊張を覚える。
まあそう思うだけで今いるのは俺と館長の二人だけなんだ。気にする事はない。
「対馬、これだこのTVだ」
そこに見えたのは横幅が俺の背丈程はありそうな大型TV。しかもプラズマだ。
739調子こいて633修正版:2006/03/04(土) 03:51:53 ID:CQIuUKOJO
「では早速頼む」
配線ぐらいお安い御用だ。
だが俺らの学費がまさかこんな使い方をされてるとは。
訴えたら勝てるんじゃ……今のは考えなかったことにしよう。
そうこう考えてる間に作業終了。
「終りましたよ館長。チェックしてもらっていいですか?」
「おうすまん。少し待てよ」
チャンネルを回す館長。
「うむ。大丈夫のようだ。ご苦労だったな」
ふう、やっと解放された。
『武勇伝武勇伝武勇でんでんででんでん♪』
TVから流れてくる聞き覚えのあるテンポのいい声。
今流行りのお笑いコンビが映っていた。
もちろん俺は笑う。すると、
「対馬、漢の武勇伝を笑うとは感心せんのう」
……ち ょ っ と 待 て
お笑いなんだ普通笑うだろ。
と言うより向こうも笑わせるつもりだろ。
とりあえずこのままだと俺が危ない。
「館長。あのですね……」
「まあお前を鍛えるのは後にして……ちょっと出かけてくるわい」
そう言って走り去って行く館長。
……危機は去った。
『♪意味は無いけれど、ムシャクシャしたから、小学生をビンタした♪』
まだTVに映ってる。
……笑ってもいいよな?
740調子こいて633修正版:2006/03/04(土) 04:02:18 ID:CQIuUKOJO
まったりTVを見てくつろいでいると館長が帰ってきた。
かなり元気がない。
「ど、どうしたんですか館長?」
「おお聞いてくれ。なかなか熱い漢を見つけたのでな弟子にスカウトに行ったんだが」
ネタを真に受けてたんですか館長!?
「スタジオに着いていざスカウトと思ったら奴め
ムシャクシャしたから小学生にビンタしたなどと言いよる」
それもネタです。
「久しぶりに漢を見つけたと思っとった儂は、TV局を……
更地にしてやったわ! うわっはっはっは」
そう言いながら椅子に寄りかかる館長の背中はどこか寂しそうだった。
「さてそれではお前を鍛える直すとするか」
いつの間にかこちらを向いていた館長の顔は……とても嬉しそうだった。
741名無しさん@初回限定:2006/03/04(土) 04:05:34 ID:YfbEdvjd0
館長ネタGJw
そしてさようなら武勇伝ww
742調子こいて633修正版:2006/03/04(土) 04:08:22 ID:CQIuUKOJO
〜二十年後〜


「男子は男気を、女子は女気を、
磨き青春を謳歌せよ
竜鳴館館長! 対馬〜〜レオ〜〜〜!!」
俺は竜鳴館の館長になっていた。

どこだ! どこで間違えた!?
743調子こいて633修正版:2006/03/04(土) 04:11:34 ID:CQIuUKOJO
タイトル通り調子こいて書いた
後悔も反省もしているがそれ以上に指が痛い

慣れないことはやるもんじゃないと思った


しかしよくよく考えてみると下校時刻にしてるお笑い番組ってあるか?
744名無しさん@初回限定:2006/03/04(土) 04:23:41 ID:WDXWZC3C0
まさしく「再放送」ってやつだなwgj
745名無しさん@初回限定:2006/03/04(土) 04:27:27 ID:17tG6UYy0
感動系が続いてていきなりこれってどうよ?
しかも修正版か?
まさか633はこの為の布石か!
まあレオは魔法使いだな
ともあれGJ
746名無しさん@初回限定:2006/03/04(土) 04:37:49 ID:CQIuUKOJO
ハーレムエンドの対極
魔法使いエンド!!
誰も読みたくねぇよ!!!!

良作続きでこれを投下したことは後悔していない
ただ紙に書いたのを携帯で打つという事を甘く見ていたのを後悔している

布石と言うより前回同様思い付いたから書いた
程々に反省している
747拝啓オフクロ様、賞品は・・・:2006/03/04(土) 08:37:20 ID:Bs2doI6kO
毎年恒例の武闘体育祭、その賞品が館長自ら発表される、毎度しょうもないのが恒例だ。正直勘弁願いたい。

館長「今回のぉ、優勝賞品はぁ、こぉれぇ、わしが仕入れた中で過去最高の至高の逸品だぁ」
毎年ここで周囲の冷ややかな視線を送るのが見えたが今年は少し違うようだった。
館長「今回はぁ、特別にぃ、わしの声も追加で封入した、竜鳴館オリジナルだ!」
と、台に置かれた品物に注目が集まる。
ヤバい、こいつぁ欲しい、わけわかんねぇが無性に欲しい、ボトルシップの次位に愛を感じてしまいそうだ。
姫「ほすぃ!今それがめちゃめちゃほすぃ〜!」
姫もヤル気だ。
優勝クラス全員分あるかな、あれ。

『追加ボイス入り、しゃべるメカ沢人形』

欲しいなぁ。
748時給255円:2006/03/04(土) 08:46:25 ID:Bs2doI6kO
みなさん、凄い、尊敬します、時期イベントの投下は大変だろうと思います、マジでみんなグゥレイトォ!


あとがき

構想十分、速攻出来ました。考えた瞬間自分もあったらホスィと思ってしまった逸品でした。自爆。
749名無しさん@初回限定:2006/03/04(土) 11:21:40 ID:CQIuUKOJO
内容がつよきすからずれまくってるのはもちろん俺のせいだな
マジスマソ
いやホントゴメン

彼は生きt(ry
GJ
750名無しさん@初回限定:2006/03/05(日) 02:18:19 ID:6GpGYW3r0
保守
751名無しさん@初回限定:2006/03/05(日) 09:50:54 ID:aVVBsKU20
よく続いてんね〜!!みんな!
久しぶりに来てみてもう10かいな…
コテの方も名無しの方もまとめてGJ!
これからも楽しい作品まってますのでよろしくね⊂(´∀`⊂⌒`つ

俺も次スレあたりに書くかなw 今の需要って誰が多いのかなぁ??
752名無しさん@初回限定:2006/03/05(日) 10:38:22 ID:uEPHNTULO
セロリーヌよろ
753名無しさん@初回限定:2006/03/05(日) 11:55:35 ID:otPB9aRl0
                            スバル、お前の飯を食う前に言っておくッ!
                    おれは昨夜、乙女さんの新しい面をほんのちょっぴりだが体験した
                  い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……
         ,. -‐''レオ¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 昨夜 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『俺は乙女さんをイかせようとがんばっていたら
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        いつのまにか俺がイかされ続けていた』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも何をされてるのかわからなかった
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        危うくカタカナしかしゃべれなくなるところだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    絶倫だとか淫乱だとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと恐ろしいモノの片鱗を味わったぜ…
754名無しさん@初回限定:2006/03/05(日) 13:43:00 ID:hbaobLnkO
>>751ハッピーよっぴー
755名無しさん@初回限定:2006/03/05(日) 18:40:40 ID:haZoALfh0
>>751祈ちゃん
756名無しさん@初回限定:2006/03/05(日) 18:52:56 ID:d6Bk85qU0
>>751
呂布
757名無しさん@初回限定:2006/03/05(日) 18:53:35 ID:x+28hm2cO
>>751
D-yp
758名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 00:09:36 ID:mXvg3+OpO
ダークなよっぴーなど存在しない!!!
759名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 01:02:22 ID:B9n++lKo0
そうだぞー中の人がいるだけだよな
760名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 01:24:16 ID:mXvg3+OpO
はやとちりをしてしまったのかもしれない……
>>757のDはダークではなくデレ!!
つまりよっぴーのエロSSキボンヌ!!!
761名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 02:36:49 ID:HLcjFwl40
俺はつっこんでやらんよ
それより公式サイトのスタッフ日記テラワロス
762名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 16:24:09 ID:LdAsrKA0O
ここって今現役で書いてる職人て何人くらいいるんだろう?
誰か久々に来た俺に教えてくれまいか。
そうね、できればバキの全選手入場風にw
763名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 16:56:59 ID:mXvg3+OpO
名無しがいるので正確な人数は把握出来ないかと
まあ30人以上はいるんじゃね?
764名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 17:00:42 ID:INPwmE0v0
コテ名乗ってるのはもっと少ないしな。 現役っつってもいつも書いてるわけじゃないし個々人の事情があるだろうに。
不毛な話題なのでここで

---糸冬---
765名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 17:05:57 ID:mXvg3+OpO
切んの早っ!!
まあ雑談ばかりでつよきすスレみたいになってほしくないからなんだろうけど
でも俺はここSSAAスレだから作品投下されたら空気は戻ると思うんだけどなあ
まあスルーしてくれ
766名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 17:57:39 ID:pqPJ0cuE0
過去作品についての雑談すら許さないスレだからな。
767751:2006/03/06(月) 18:00:21 ID:oduTRq080
今まで書いたのが、カニ2個・なごみん・祈ちゃんなのね
記念すべき5作目だから、もし書くなら気合入れて書きたいのさ!

っていっても今まで書いたの短い1レス物が多いけどね…
というわけでセロリーヌかよっぴーにするわ!呂布はちとムズイw
768名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 18:17:36 ID:gVM7XHkK0
つよきすスレじゃ、ネタ職人に「消えろ」と言うのがスタンダードだからな
769名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 18:35:15 ID:mXvg3+OpO
>>767楽しみに待ってるぜ!
770名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 22:32:27 ID:ATBtfCAK0
「にゃー」

ん?どこからか猫の声が。

「にゃー、にゃーにゃーにゃー!」

なんか、声がすごく近いぞ?家の中に入り込んでるのか?
しょうがないな、昼飯の支度の途中だけど
家の中を荒らされちゃ困るし……
台所を出て、声の出所を探す。

「にゃー」

いた。図々しいヤツだ、廊下の真ん中で堂々としてやがる。

「シッシッ!勝手に入っちゃダメだぞ」

「にゃー」

俺が近づくと、近づいた分トコトコと下がる。
だが、それ以上は下がらず、出ていかない。

「シッシッ」「にゃー」「シッシッ」「にゃー」

……なんとか縁側から外に追い出す。
猫一匹追い出すのにえらく時間がかかってしまった。
ともねえが当分研修でいないから、飯の支度とか……

「ああーっ!?」

台所に戻ると、ねぇねぇが逃げていくところ。
そして、メインの鳥の空揚げはきれいになくなっていた。
771名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 22:36:36 ID:ATBtfCAK0
くそっ、やられた!
悔しいが、追いかけたところで空揚げは返ってこない。
それより、急いで代わりのオカズを用意せねば……

それにしても……あの猫は最初から囮だったのか?
だとしたら見事な囮っぷりだ。
手なずけるねぇねぇもねぇねぇだけど。

とりあえず冷凍食品の買い置きでオカズを用意して
なんとか昼飯の準備は終わった。

「ん〜、なんかいい匂いがするにゃ〜」

そしてできあがった頃になると
臆面もなく再びやってくるねぇねぇ。

「するにゃ〜、じゃありません。
 それに、あれだけあった鶏、全部食べちゃったの?」

「うんにゃ、空揚げなんて食べてないよ?」

「空揚げなんて言ってないよ。まったく、そういう白々しい嘘を言うし」

「ムッ!嘘とは聞き捨てならないにゃ!
 ちょっと来な、くーや!」

「え、ちょ、昼飯がたたたたたっ!?
 耳っ!耳ちぎれるぅっ!?」

ねぇねぇに耳たぶを引っ張られて
無理矢理ずるずるとつれて行かれた庭の片隅に
さっきの猫と……何匹かの子猫がいた。
772名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 22:40:37 ID:ATBtfCAK0
あ、コイツ!と思ったが
夢中で空揚げを貪る子猫を見たら
怒る気がなくなってしまった。
さっきの猫は、どうも母猫らしい。
自分は空揚げを食べずに、子猫が食べるのをじっと見ていた。

「ね?」

「つまり、子猫に全部あげたと?」

「そうだよ、もうそろそろミルクだけじゃなくて
 肉や魚も食べさせないとね」

……そういえば、ちょっと前から
やたらミルクの減りが早かったな。
あれもねぇねぇの仕業か。

「とにかく、オカズを取られるのは困ります」

「えー」

「だいたい、こんな油っこくて塩気の強いものを
 子猫にあげるのはどうかと思うよ?」

「えー、そうかにゃー、けっこう美味しかったけど」

やっぱり自分も食べたんじゃないか。いいけど。

「これからは、子猫の餌は別に用意するから
 オカズは取らないでね、ねぇねぇ」

「!うん、ありがと、くーや!」
773名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 22:41:02 ID:11SIru2w0
しぇん
774名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 22:42:41 ID:ATBtfCAK0
何日かが過ぎた。
餌をやっていたせいか、母猫も子猫も俺のことを覚えたらしい。
庭に出るといつの間にか子猫が足下にやってきて

「みー」

餌をねだったりする。
そして、そのそばには必ず母猫がいて
子猫の様子を見守っていたりする。

「あーよしよし、ちょっと待ってな」

今日の餌は煮干しと茹でた鶏のささみ。
皆ガツガツと食べている。
いつの間にか、ねぇねぇが隣にきていた。

「いっぱい食べて、早く大きくなりなー」

「……ねぇねぇって、猫には優しいよね」

「まーねー。何か似たところがあるから、つい、ね。
 向こうもなんだか知らないけど寄ってくるし。
 あー、ほらミシェールも食べないとなくなっちゃうぞ?」

「…ミシェール?」

「ああ……母猫のほう。アタシが勝手に
 そう呼んでるだけなんだけどね」

「ふーん」

その時は、特に気にもとめなかった。
775名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 22:44:44 ID:ATBtfCAK0
「イカ、ちょっといい?」

「……ん、なに姉貴?」

夕食が終わると、とりあえず俺の家事も一段落。
部屋でくつろいでいると
どこか神妙な面もちの姉貴がやってきた。

「最近、瀬芦里姉さんとアンタで
 猫の親子の面倒見てるでしょ」

「うん、まあ」

「マズイわね」

「いいじゃん、猫の餌代ぐらい」

「そんなこと気にしてるんじゃないわよ!
 ……瀬芦里姉さん、前にも野良猫の面倒見てたことがあったのよ」

「まあ、よくやってそうだよね」

「そうでもないわ。勝手についてくるのは別として
 キチンと面倒見るのはこれが2回目よ」

「前の猫はどうしたの?」

「死んだわ……もうずいぶん前だけど」

そっか……
そりゃあ猫の方が人間より寿命は短いんだし
仕方がないのかもしれないけれど。
776名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 22:45:26 ID:B9n++lKo0
私怨
777名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 22:45:35 ID:ZhnaqB3D0
支援
778名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 22:46:48 ID:ATBtfCAK0
「元々病気を持ってたのかもしれないんだけど
 急に苦しみだして、突然に、ね……」

「マズイってのは……その心配?」

「まあね……
 あの人、あれで落ち込みやすいとこあるから
 アンタ、責任もって猫の面倒見なさいよね」

確かに、行動が豪快で奔放なのに
やたらナイーブなところあるからな。

「そんな心配するとは、姉貴にしては優しいね」

あまりねぇねぇと仲がいい、とは思えない
姉貴がそんな風に考えていたとは
ちょっと意外だった。

「だ……誰が心配なんかするか!
 迷惑なのよ!落ち込んでたと思うと八つ当たりしたり!」

相変わらず素直じゃないな。
まあ、そこが姉貴の……可愛いところなんだけど。

「はいはい、わかったよ姉貴。
 猫のことは俺も気をつけておくから」

安請け合いかもしれないが
猫の世話ぐらい、家事の合間で何とかなるだろう。
そう思って答えたが、まだ姉貴の表情は曇ったままだった。
779名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 22:48:47 ID:ATBtfCAK0
「……まだ何かあるの?」

「ん……もう一つ、気になることがあるのよ。
 瀬芦里姉さん、母猫に……ミシェールって名前つけてない?」

「あれ、なんで知ってるの?」

「ちょっと耳に入ったのよ。
 聞き間違いかと思ったんだけど……やっぱり、か」

「やっぱりって何さ」

「ミシェールって……瀬芦里姉さんの母親の名前なのよ」

……初めて聞いた。
今は亡き、ねぇねぇの生みの親。
どんなつもりでその名前を付けたんだろう。
一匹きりで子供を育てる母猫の姿に
自分の母親の姿がダブったんだろうか。

「……子猫、ちゃんと育つといいわね」

「そうだね」

布団に入っても、しばらくの間
ねぇねぇが何を考えて母猫に
自分の母親の名前を付けたのかを思って
何か胸が熱くなった。

子猫たちを立派に育てよう。
ミシェールと、ねぇねぇと、そして俺の子供たち、だ。
眠りに落ちながら、そんなことを思っていた。
780名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 22:50:06 ID:ZhnaqB3D0
支援
781名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 22:50:49 ID:ATBtfCAK0
今日もまたチビ猫どもの世話。
餌の入った皿を片手に庭に出る。

が、いつもならトテトテと駆け寄ってくる小さな影は
いつまでたっても足下に現れない。
……呼んでみるか。

「ちちちちちち、ちちちちち」

「……何やってんのよイカ。雀のまね?」

ぐあ、変なところを見られてしまった。

「そんなわけないでしょ!子猫呼んでるんだよ!」

「ああ、チビどもなら瀬芦里姉さんと遊んでたみたいよ」

「なんだ……
 ちゃんと飯の時間には帰ってきてくれないと困るなー」

「もうちょっと呼んでみたら?
 面白かったからもう一回やってみなさいよ」

「見せ物じゃないんだから」

「フフン……アンタって、意外と子煩悩な父親になるのかもね」

……そうかな。

しかし、ねぇねぇたち遅いな。
人間の昼飯の準備もしないとなんないんだけど……
と、思っていると、血相を変えたねぇねぇが庭に飛び込んできた。
782名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 22:52:51 ID:ATBtfCAK0
「あ、くーや!ミシェ……母猫のほう見なかった!?」

ミシェール、とは呼ばなかった。姉貴がいたからだろう。

「へ?いや、見てないけど。ねぇねぇと一緒じゃなかったの?」

「朝からずっと……見てないんだよ」

子猫たちがねぇねぇの足にしがみつき、てみーみーと泣き叫んでいる。
おかしいな。いつもじっと子猫たちを見守っているのに
そんな長い時間、チビどもを放っておくなんて。

「探しには行ったの?」

「う……チビどもなだめるので手一杯で……」

「わかったよ、俺が探してくる。
 ねぇねぇはここでチビたちを見ててやって」

「ゴメン、くーや……」

「しょうがないわね……アタシも探してあげる」

「タカが?なんで?」

「この状況で探しに行かなかったら、アタシ薄情者みたいじゃない。
 それに、瀬芦里姉さんに貸しを作る
 滅多にないチャンスだものね」

「タカ……あ…ありがと……」

「ほ、ほらイカ!ぼさっとしてないでさっさと行くわよ!」
783名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 22:54:16 ID:ZhnaqB3D0
支援
784名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 22:54:55 ID:ATBtfCAK0
母猫の行方を俺と姉貴で手分けして探すことになった。
だが相手は猫。
どこに潜り込んでいることやら。

特に弱っている様子はなかったから
どこかで……ってのは考えにくい。
この辺はそう車も通らないし
通っても徐行してるから
そっちのほうも……
いかん、悪い考えばかり出てくる。

あちらの裏道こちらの路地を
ウロウロしていると
突然ポケットで携帯が鳴る。

姉貴からだった。

「もしもし?」

『……空也?すぐ来て』

「見つかったの?」

『いいから!……すぐ、来て……お願い』

悪い予感がする。

「わかった……いまどこ?」

今にも泣き出しそうな声の姉貴から場所を聞き出すと
俺は走ってそこへ向かった。
785名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 22:55:18 ID:gVM7XHkK0
改行しまくりスティ
786名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 22:56:59 ID:ATBtfCAK0
海沿いに走る国道から、少し入った道で
姉貴は壁際に立って……うつむいていた。

「姉貴……どこ?」

場所を聞いたときから
だいたいの予想と、覚悟はしていた。

姉貴が涙を浮かべた顔で振り向く。

「……あそこ……」

姉貴が指さす先に、ミシェールはいた。
倒れて、血を流し、ピクリとも動かず、冷たい骸になって。
後ろ足は奇妙に折れ曲がり
長くしなやかだった尻尾はズタズタだった。

口元には、どこから持ってきたのか大きな魚があった。
轢かれてから、ここまでやってきて力つきたのだろう。
俺たちの家まで、帰ろうとして。
子供たちのところに、魚を持ち帰ろうとして。

「……埋めてやろう」

家の庭に。子供たちが育つ、あの庭に。

「どうすればいいの……
 瀬芦里姉さんには……何て言うの……
 何て言えばいいのっ!?」

そんなこと、わかるわけがなかった。
787名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 22:59:03 ID:ATBtfCAK0
結局、ねぇねぇには本当のことを言わない方がいいと
二人でそう決めた。

見つからなかった。
ただ、そう答えた。

亡骸は、姉貴が何とかねぇねぇと子猫を庭から連れ出した隙に
俺が急いで埋めてやった。

その頃にはもうすっかり日が暮れて
俺は大慌てで晩飯の支度をした。
ねぇねぇは晩飯の最中もずっとそわそわして
庭の様子を気にしていて
食べ終わるとすっ飛んでいった。

後かたづけを済ませてから俺も庭に向かう。
庭でまとわりつく子猫をあやしながら
ねぇねぇは何かを考えているようだった。
姉貴も気になったのか、いつのまにか俺のそばに来ている。

「……よし、決めた!」

そう言って、突然ねぇねぇが顔を上げる。

「決めたって、何を?」

「アタシ、今日からこの子たちと暮らす。
 この子たちの……母親代わりになるから」

「この子たちと暮らすって……家に入れるの?」

「んにゃ、アタシが外で暮らすよ」
788名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 23:00:22 ID:ZhnaqB3D0
支援
789名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 23:01:29 ID:ATBtfCAK0
「はあ!?外で暮らすって……そんな野良猫じゃないんだから!」

驚いた姉貴が思わず叫ぶ。

「この子たちは、ノラ猫だもん。ノラで育てるよ。
 だから、ワタシもしばらくノラになる。
 ノラの生き方を教えてやらないとね」

何か、ねぇねぇらしい思考だな。しかし、世間体もあるしなぁ……

「…どうした、何を騒いでおる」

「あ、雛乃姉さん!聞いてよ、瀬芦里姉さんったら……!」

姉貴が雛乃姉さんに事情を説明する。
聞き終わった姉さんは小さくうなずいた。

「ふむ……わかった」

「え、いいの?」

「ただし、食事の世話はくうやにしてもらえ。
 ちゃんと着替えもして風呂にも入る。よいな?」

「オッケー!」

「どうせなら、猫をウチで飼えばいいじゃない。
 なんで瀬芦里姉さんが野良になるのよ……」

「いいじゃないか、ねぇねぇの好きにさせてあげようよ」

こうして、ねぇねぇの半ノラ子育て生活が始まった。
790名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 23:03:33 ID:ATBtfCAK0
「あーっ!?また泥足で家に入って!
 ねぇねぇ、メッ!ですよ!?」

「あ、ゴメンゴメン」

ああ、廊下掃除したばかりなのに……

「はい、早くお風呂入って!」

「あーい……くーやも一緒に入る?」

う、ちょっと魅力的なお誘いだが。

「いや、俺はいいから」

「そっか……こんなバッチイ猫とじゃ入りたくないよね」

ねぇねぇを見る。
子猫と一日、地面の上で転がり回っているから
艶やかだったブロンドの髪はバサバサで
服も白い肌も泥だらけだ。
だけど……

「汚れていても、今のねぇねぇは輝いてるよ」

「……えへへへ……ねえ、ホントに一緒に入らない?」

ああ、誘われてる誘われてる目が誘ってる!

「……チビたちが待ってるんでしょ」

「ちぇ」
791名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 23:05:00 ID:ZhnaqB3D0
支援
792名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 23:05:45 ID:ATBtfCAK0
月日は流れる。
子猫はどんどん大きくなる。もうチビとは言えない。
もう、母猫と同じくらいに大きくなった頃。
餌をやりに庭に出ると
いつものように集まるねぇねぇと子猫たち。

「あれ?……一匹足りなくない?」

「うん……出てった」

「……出てった?」

「猫はね、大きくなると自分のなわばりを探しに
 親の元は出ていくもんなんだよ。
 もう……アイツは子供じゃなくなったってこと」

寂しいのか、嬉しいのか
よくわからない表情でねぇねぇが笑う。
そしてその日から、ぽつりぽつりと
一匹減り、二匹消え
三匹目が旅立ち、四匹目が離れていって
そして……

「チチチチチチ、チチチチチ」

「まぁたやってる。バッカじゃないのこのイカ」

「ぐあ!なんでたまたまこれやってると姉貴が来るかな!?」

「いいから続けなさいよ、猫呼んでるんでしょ?」

だが、いつまでたっても猫は来なかった。
793名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 23:07:46 ID:ATBtfCAK0
餌の入った皿を手に
庭のすみっこで待っていると
ひょい、と塀を乗り越えてねぇねぇがやってきた。

「ねぇねぇ……猫は?」

「ん……今朝、最後のも出てったよ」

「そっか……餌、無駄になっちゃったな」

「……なんだか、寂しいわね」

「はぁ〜、やっとこれで今日から布団で寝られるし!
 雨が降っても軒下に逃げ込まないですむし!
 おやつもつまみ食いも食べ放題だし……」

カンラカンラとねぇねぇが笑う。

「ふ、風呂だって、好きなときに……は、入れるし!
 う…て、テレビだって……見放題……っ!」

笑っている。まだ、笑っている。

姉貴が庭に降りてきて
ねぇねぇに歩み寄っていく。
肩に手をおいて、そっと囁く。

「……お疲れさま、瀬芦里姉さん」

そこで、もう止まらなくなった。

「う……うっ、うっうっ……うくぅっ……!」
794名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 23:09:01 ID:ZhnaqB3D0
支援
795名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 23:09:55 ID:ATBtfCAK0
ボロボロと。
立ったまま、子供のようにねぇねぇが泣く。

「ひっ…!う、うあああ…っ!あっ…!アタ、シッ…!」

何か言いたいのに、こみ上げる嗚咽が言葉を遮る。
それでも
何とか口にする。

「アタ、シッ…!ちゃ、ちゃん、とっ……
 ママ、に……なぇっ……!なれた、かな、あっ…!」

「……立派な、お母さんだったよ」

「そうよ……きっと、ミシェールも、喜んでるわ」

姉貴の言葉に、ねぇねぇが泣き崩れる。
その肩を支えて、しばらく俺たちは庭で
去っていった猫たちの思い出に浸っていた。

やがて泣きやんだねぇねぇに
ミシェールを埋めた場所を教えた。

「そっか……」

「その……黙ってて、ゴメン」

「ううん、いいよ。
 ね、アタシ頑張ったよ……見てた?
 みんな、ちゃんと大きくなったよ」

かがみ込んで報告するねぇねぇの顔は、満足そうだった。
796名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 23:11:59 ID:ATBtfCAK0
「なんかさ……あんまり今までそんな気なかったけど
 アタシ、子供欲しくなったかも」

「え」

ねぇねぇいきなり何を……いや、いきなりじゃないのか。
しかしその……母親だけでは子供は作れないわけで?

「あ、なんとなくわかるわ、それ」

「え」

姉貴まで!?
二人が並んで、俺をチラっと見て、そして互いに顔を見合わせる。
……俺っすか。

「タカはお母さん修行してないからまだ無理だよ」

「おあいにく様。
 アタシ、本番で実力を出すタイプなの」

「姉貴はむしろ逆のタイプなんじゃ」

「な、なんですってこのイカ!」

「……さて、お茶でも入れようか」

「話逸らすなっ!」

いつか、そういう日が来るのかな。きっと、また苦労するんだろうな。
だけど……それはすごく幸せな日々になると
今ならハッキリとわかる俺だった。
797Seena ◆Rion/soCys :2006/03/06(月) 23:14:20 ID:ATBtfCAK0
以上「親になる」
猫好きな私としてはSSの中ででも猫を殺してしまってちょっと鬱 orz
798名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 23:16:50 ID:ZhnaqB3D0
>>797
・゚・(つД`)・゚・ GJ!
姉貴が意外にいい味
799名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 23:18:33 ID:rr21eACWO
素晴らしい!!ストーリーもいいし文体からにじみ出る柔らかい雰囲気も
めちゃめちゃよかった!とりあえずこの素晴らしいSSにGJ×∞を送るぜ。
ところでこのSSを読んで「CAT WAS DEAD」を思い出したのは俺だけではないはず。
800名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 23:20:26 ID:GNyB/Te00
>>797
泣いてる!泣いてるもんね!(アレ?)

GJ!
801名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 23:30:44 ID:JCSs8xZ30
主役はねぇねぇで、ねぇねぇも良かったんだけど
猫を探しに行くあたりから猫の死体を見つけちゃうあたりまでの
姉貴がテラモエス

>>797 GJ!!!
802名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 23:34:37 ID:vMZQC04R0
>>797
全米が泣いた。

GJ!!!!
803名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 23:36:56 ID:B9n++lKo0
>>797
酒を奢らせてくれ
GJ!!
804名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 23:44:57 ID:+3ElhGP5O
>>797
セロリーヌってリクエストにこたえてくれてありがとう!感動した!




セロリ・高嶺の二人スキダ
805名無しさん@初回限定:2006/03/06(月) 23:49:47 ID:JYqQEkYi0
GJ スゲーよおまいさん・・・
プロめざしてんの?
あんたなら、なれるかもな
アナザーはまだ読んでないけど、つよきす本書いてるフセ氏やササミヤ氏と
タイマン張れるレベルまで行ってると思う
806名無しさん@初回限定:2006/03/07(火) 00:26:54 ID:7TDd0DHN0
GJっす。 ツンスキーだけどFDでたらこういう姉貴もみたいなぁ。
807名無しさん@初回限定:2006/03/07(火) 00:27:35 ID:76e89RbsO
>>797
すごいよかったが俺は泣かない
ここで泣いてはいけない気がするから
GJ
808名無しさん@初回限定:2006/03/07(火) 02:41:54 ID:76e89RbsO
〜竜宮〜

「ハローエブリワン!」
「……」
「あらあ、なごみん一人?」
「見ての通りです」
「ふーん。ところで何?その花瓶に入ってるの」
「実家の花屋に有ったんで持ってきました」
「ショボい花ねえ。花はやっぱり優雅なバラを……」
「出さないで下さいね。ウザイんで」
「いいじゃない別に。減るもんじゃなし」
「……そうそうこの花の名前『エリカ』って言うんですよ。お姫様と同じですね」
「ま、名前だけ同じでもねえ」
「花言葉は『謙遜、博愛』です。まさに真逆ですね」
「……何が言いたいのかしら、なごみん?」
「あたしは何も」



このネタで誰かSS書いて
809名無しさん@初回限定:2006/03/07(火) 04:14:33 ID:5H/j5jgR0
>>797
「チチチチチチ、チチチチチ」
で姉貴が召還されるのワロタww
こういう間が大好き
810名無しさん@初回限定:2006/03/07(火) 09:39:25 ID:iraTV05p0
>>808
それがすでにSSになってると思うが。
おもろいよ
811名無しさん@初回限定:2006/03/07(火) 12:49:00 ID:d2WlQdIr0
>>798
GJ!
しかし、これが「地獄包丁」と同じ作者とは…

>>808
花言葉はいいね!すでに立派なSS
GJ!
812名無しさん@初回限定:2006/03/07(火) 12:50:33 ID:d2WlQdIr0
アンカーミスった…orz
最初のGJは>>797にです
813名無しさん@初回限定:2006/03/07(火) 18:03:15 ID:76e89RbsO
>>811一つ仮説ををたててみた


「姫、これなんかどうよ?」
「うん、OK。書き込んどいて」
「ウィーッス」
「お姫様これは?」
「うーん、オチが弱いかな。ここをこうしてみれば……」「分かりました」
「姫!俺も書けたぜ」
「ボツ」
「な、目ぐらい通してくれよ」
「フカヒレ君うるさい。私も書いてんのよ」
「姫、いったい何を書いてるんだ?」
「よくぞ聞いてくれました。タイトルは『深すぎた友情』。あらすじは……」
「いや、もういい」



あくまで仮説です。
814名無しさん@初回限定:2006/03/07(火) 18:40:35 ID:FtRD7o5L0
まあコテハンの体の中にキャラが全員せいぞろいしているから
キャラがいきいきと動くんだという見方をするなら
あながち間違いでもないw gj
815名無しさん@初回限定:2006/03/07(火) 19:45:04 ID:3VEphZ8EO
パラレル物とか需要あるかな?
つよきすキャラがファンタジー世界にいったりとか・・・ないですかそうですか・・・・・・
816名無しさん@初回限定:2006/03/07(火) 20:44:24 ID:NDTNKVq10
いいんでない 書いてみれば 面白いかも知んないし
皆が叩いていても 助けはしないが俺は全ての作品を楽しんで
スレ梅議論に参加予定
817名無しさん@初回限定:2006/03/07(火) 21:20:35 ID:As5uxDnzO
投下すんなら次スレの方がいいんじゃない?と言ってみるテs(ry

てかこのスレどんくらい残ってんの?
818名無しさん@初回限定:2006/03/07(火) 21:26:55 ID:iraTV05p0
いま148kだから、余裕だよ。

ただ、「ないですかそうですか」からそこはかとなく匂ってくる臭さが不安だが。
819名無しさん@初回限定:2006/03/07(火) 22:18:48 ID:S4iYsjEE0
俺は別に自分からさっさと「ないですかそうですか」などと完結しちまう奴には
「無理しなくていいよ♪」と優しく言ってやる。
820名無しさん@初回限定:2006/03/07(火) 22:51:25 ID:FtRD7o5L0
書きたいヤツは息を吸うように書く
書けないヤツは清水の舞台から飛び降りるつもりで書く




ほんとかなあ?
821名無しさん@初回限定:2006/03/07(火) 23:04:17 ID:FtRD7o5L0
254 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/03/07(火) 00:21:35 ID:2SFYWXvM0
            、-‐'' ̄ ヽ ヽヾェ|ヾi.lヽ i
           /   ヽ ヾ、 \ヾ、ヾi゙リ゙i ゙i茎 /
            仮、ヽ、 |  ゙、\ヾ、ヾ、ヽ|リ || リィ /,
         /ミ、ミヾ、ヽ、ヽ/__ヾ\ヽヾ| レレノ///
         |ミ ミヽヽヽV   ゙\ヽヽレ//;;ノ包
         |ミ 、二ニZ┘     ヾ、V/ノヾミ|
         | ヽ-、ニ/ ‐‐、ヽ     ゙   |リ
            |ミ|/ヽ| |  _  ゙ヾ;、_ 、    _ リ
          || トヽ| |   ゙ー-  ~゙' /‐''゙ /
          ヾヽ-|彡        lー-'./ノ     残念 それは私のおいなりさんだ
          ||ヽ┐         l  /
       ,r一‐┤::::゙、       _、 l /
      /    |:::::::Λ   'ー--- ''゙∠_
    /     性| |::::ヽ、      /    ̄ ー-、_
  /       | | |  \    /          /
  \     /_  ヽ  ゙'ー一'゙|         /
    >、    \  ゚o  丶    8 ゙ヽ、     /
  /  \    \ %   、   8   ヽ   └
822名無しさん@初回限定:2006/03/08(水) 00:52:25 ID:0LWB8AauO
ないですかそうですかなんてどうでもいい
てか過去にあった気がする

>>814あくまで仮説なんで
823名無しさん@初回限定:2006/03/08(水) 06:16:30 ID:0LWB8AauO
〜上空3000メートル〜


「早く飛べよフカヒレ!!」
「いやだって見ろよ」
「人がゴミの、じゃなかった。ちょっと小さく見えてるだけじゃねえか」
「だったらお前が先飛べよ」
「け、ホントにテメエはレオ以上にチキンだな。いやチキンが可愛いそうだぜ」
「う、うるせえ!だからお前が先飛べって。びびってんのか?」
「ボクがびびるわけねえじゃん。んじゃお先!!」


〜その後地上で〜

「かにっち、フカヒレ君は?」
「さあね、ブルちまったんじゃね?」
「スカイダイビングしたいって言い出したから飛行機出したのに」
「そういや姫、妙に乗り気だったね」
「いや、パラシュートにちょっと細工しといたんだけどねえ」
「細工ってどんな?」
「ん〜? 企業秘密♪」
「パラシュートに細工って一つしか思い浮かばねえけどなあ」
「あ、多分想像通り」
「……それってフカヒレ……」

ヒュ〜〜〜


特に反省してない。だって良作ばっかだとバランス悪いじゃん
824名無しさん@初回限定:2006/03/08(水) 08:13:13 ID:upJ2xWfE0
>>815
過去に時代劇のヤツがあったろ? 『俺は同心・対馬レオ』ってタイトルの。
あれは結構好評だったぞ。
あれ面白かったんで俺も時代劇物書いてみようかなー、と思ったけど
俺が書くとキャラが完全に悪役になったり人死にがでたりと
飴っぽさが微塵も無くなるから断念したんだが。
825名無しさん@初回限定:2006/03/08(水) 09:54:01 ID:GSMJgV9V0
もう何でもいいから書いてみりゃあいいじゃん。
俺は時代劇の奴(゚听)ツマンネって評価だったのと同じ様に
GJくれるやつはくれるよ。

BJ送る様な奴がいたら無視するか
謙虚に受け止めて今後の自分に活かすかすればいいだけじゃん。
書いて失うものは何もないよ。
826名無しさん@初回限定:2006/03/08(水) 15:46:30 ID:8n/q0Pl20
>>823
望み通りの評価
827名無しさん@初回限定:2006/03/08(水) 20:21:10 ID:yS12JIci0
823の潜在的な望みは…
828名無しさん@初回限定:2006/03/08(水) 21:13:35 ID:ecy/QYs90
自分からクッション用意するヤツに優しくしてやる必要もねーべw
829名無しさん@初回限定:2006/03/08(水) 22:00:57 ID:0LWB8AauO
ウザイと思うんならスルーすればいいのに
勝手に俺がどう思ってるとか言われてもなあ
ああ、あなたがた人の心読めるんだ
スゴいですね。羨ましいです
830名無しさん@初回限定:2006/03/08(水) 22:22:51 ID:36t+9YtQ0
>>829むしろおまえ
831名無しさん@初回限定:2006/03/08(水) 22:33:52 ID:0LWB8AauO
スンマセン
空気を悪くしたのは謝ります
ごめんなさい
ただ827、828がヒマだから叩けそうなやつ見付けたから叩いとけ
みたいに感じてしまって
気を悪くしたかた本当にごめんなさい
832名無しさん@初回限定:2006/03/08(水) 22:36:39 ID:X1CU66Us0
(・ε・)<ここまでわたしのじさくじえん〜
833名無しさん@初回限定:2006/03/08(水) 22:42:37 ID:0LWB8AauO
ちょ、ネタバレすんの早いって
834名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 00:58:15 ID:B5kXxzTAO
「ゴメン良美。待った?」
「あ、レオ君。スゴイ待ったよ。五分は待ってたかな」
「もしかして怒ってる?」
「全然怒ってないよ」
顔が笑ってても目が笑ってない。
コイツはダークなんてもんじゃない、ブラックホールだ!
何故だ!? 良美はダークサイドは卒業したはずだ!
「なあんてね。ほら、早く行こ」
「え? あ、あのお、怒ってないんですか」
「やだなあ、演技だよ演技」
「そ、そうだよね」
エライ迫真の演技だこと。
「でもそんなにうまくだませたんだ」
「ああ、女優目指せるよ」
「本当に? 私が女優さんかあ」
「埋もれさせとくには惜しいくらいだ」
「ありがとうレオ君。でも私の一番の夢はレオ君のお嫁さんになる事なんだけどなあ」
「それも演技?」
「やだなあレオ君。……すよ?」
「そ、そそ、それは演技」
「正解」
「……やっぱり女優はやめときません?」
「え、なんで? 私は少し楽しかったけど」
俺の胃がもたない……などとは口が裂けても言えない。
「一緒にいる時間が減りそうだろ」
「うーん」
頼む、諦めてくれ!!
835名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 01:00:32 ID:B5kXxzTAO
今は特に何も考えてない……

多分これからも考えない
836山と男達と温泉 1/11:2006/03/09(木) 02:11:10 ID:GmUpRK+60
 小鳥の声が聞こえてきた。俺の頭脳が急速に機能回復をはかる。朝の目覚めは良好。昨日の疲れも残っていない。
「う……ん。よく寝た……。ってまだ6時かよ……」
 寝なおそうかな……。
 とはいっても眠気がすでに太陽系の外まで飛んで行ってるので仕方なく布団を出る。
 洗面所に向かうと先客がいた。
「スバル、おはよー」
「ん? レオか、おはよーさん。ずいぶんと早いな」
「ああ、最近乙女さんのトレーニングでこの時間に起きてるからな。……タオルくれタオル」
「おらよ」
「サンキュ」
 顔を洗うと少し重かったまぶたも軽くなる。
「お前はなんでこんな早くから起きてんだ?」
「バカか。オレは毎朝この時間から走ってんだよ」
「おー、さすが陸上部」
「今から行くけどオメーも付きあわねえ?」
 ジョギングか。乙女さんからこの課外授業中もするようには言われてるしな。
「よーし、行くか」
 着替えて玄関を出るとそこには館長がいた。トレーニングでもしてたのか、額に汗が浮かんでいる。
「おはようございます」
「おはよッス」
「ん? おお、対馬に伊達か。おはよう、なかなか早いな。どこへ行くんだ?」
「ちょっとその辺走ってきます」
「うむ。早朝から鍛錬とは感心だな。朝食までには戻ってくるのだぞ」
「ウイース」
 館長に見送られつつ軽く走り出す俺たち。
 朝の山の空気は澄んでいて気持ちいい。足取りも軽い……。ってなんか乙女さん的思考に染まってきてないか俺?
「なあレオ」
「ん、なんだよ」
「昨日トンファーさんおんぶして登ってきたそうじゃねえか。それで手作り料理も食べたって?」
「! なんでお前が知って……」
「もうクラス全員知ってると思うぜ?」
837山と男達と温泉 2/11:2006/03/09(木) 02:13:42 ID:GmUpRK+60
「浦賀さんか……。いつの間に……」
「オマエが寝てる間にな。フカヒレたちからガードするの大変だったぜ?」
 確かに昨日は疲れていたから早めに寝たが……。
「そりゃまたスマンな」
「いいってことよ。……で?」
「で? ってなんだよ」
「トンファーさんだよ。どうなんだ、テンション上げる相手になりそうか?」
「べ、別にそんなんじゃねーって」
「彼女はそうでもなさそうだったがな」
「え……」
「質問攻めにされてるとこを見ただけだがな、まんざらでもない、って感じだったぜ?」
「う……」
「顔赤いぜ、坊主」
「う、うるせー! ほら、朝飯に遅れっから急ぐぞ!」
「やれやれ」
 ………………………………………………………………
「では、今日は食料集めを行う!」
 昼食後、外に集められたかと思えば全員にサバイバルブック〜山の食料編〜が配布された。
「今日の収穫がそのまま夕食になると思えい! 全員で力を合わせて食料を確保するのだ!」
 マジかよ……。いきなりサバイバルとくるか。つーか烏賊島のときといい館長はサバイバル好きなのか?
「そうそう、ここには松茸も生えておるそうだ」
 ざわ……ざわ……。
「そんなん言われたら見つけるしかねー」
「よーし、松茸見つけるわよ!」
 全員の目の色が変わりだしていく。
「みんな! 松茸見つけたぜ!」
「何! どこだフカヒレ!」
「ほら、俺のこかn」
『同時攻撃(ダブルアタック)だーっ!』
「うげはざーっ」
 俺とスバルのダブルキックが見事にフカヒレを吹っ飛ばした。
838名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 02:14:47 ID:B5kXxzTAO
 
839山と男達と温泉 3/11:2006/03/09(木) 02:15:59 ID:GmUpRK+60
 ………………………………………………………………
 で、そんなわけで班ごとに分かれて食料探しをしているのだが。
「お、コレ食べられるやつだ。結構見つかるもんだね」
「こちにもあたネ。このきのこはネ、おひたしにするとオイシイヨ」
 どうやら俺たちの班は食いっぱぐれることはなさそうだな……。
「イテェ、イテテテ」
 イガグリが毬栗と格闘していた。がんばれ毬栗。イガグリに負けるな。ん!? まちがったかな……。
「そういや浦賀さんはどこいった?」
「さき、向こうの方へ行たヨ」
 一応俺は班長だし、単独行動はさせないほうがいいだろう。
「ちょっと見てくるよ」
 風が強くなってきたな。空模様も怪しくなってきた。雨にならなきゃいいが。
 浦賀さんは崖の手前にいた。
「浦賀さん」
「ん? なんや、対馬か」
「なんや、じゃないでしょ。何してんのさ」
「ほら見てみ。あれ、松茸とちゃうか」
「え、ウソどれ」
 浦賀さんの指差す先、木の根元に確かに松茸らしき傘の頭が見える。この木もアカマツっぽいが……。
「それっぽいけど……、こんなとこに生えるかぁ〜?」
 崖のそばだぞ。
「採ってみればわかるやろ」
「いや待て、危ないって! 落ちるって!」
「ダイジョブやて」
 ああ、もうしょうがねえな。
 俺が浦賀さんの手を取ろうとした、その時。
 ビュオオオオオオオオオオ!
「うおっ……!?」
「え……」
840名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 02:16:20 ID:B5kXxzTAO
 
841山と男達と温泉 4/11:2006/03/09(木) 02:20:04 ID:GmUpRK+60

「!!」
「うおー、強い風だったな。スカートを履いた女の子がいないのが惜しいほどの風だったぜ……。スバル、どした?」
「今のは……。レオ……!」
「ッてオイ、どこ行くんだよスバル」
「すぐ戻る」
「オイ、スバル!」
「フカヒレ、スバルどしたの?」
「知らね。ションベンじゃね?」
「……なんかいやな予感がすんなぁ……」
 ………………………………………………………………
「くっ……、大丈夫か、浦賀さん」
「な、なんとか……」
 どうやら、2人とも命は助かっているらしい。
 素数を数えて落ち着いてから、とにかくこの状況を分析してみる。
 俺の左手は崖から生えている木を掴み、右手は浦賀さんの手を掴んでいる。
 浦賀さんは俺の手を握っているのみ。そして2人の足は地に着いていない。
「なあ、これって俗に言う宙ぶらりんってヤツじゃね?」
「俗に言わんでもそうやと思うわ……」
 ウン、やはりそうか。やっぱりな……。
 ……やっべえええええええええええええええ!!!
 つーかどうすんだよ! この状況! 足着いてねーし、あ、なんか木がビキビキ言ってやがる!!
 このままだとまっさかさまじゃねーか!下は……。激流だよ! 映画の1シーンみたいだよ! あんなん流されたら……。
「コ、コレは本格的にヤバイね……」
 ビキィッ!
「ゲ、木が……」
「うう、ウチら死ぬんか……」
 死ぬ? 俺が? 俺たちが? こんなところで? 死ぬ……?
「バ、バカなこと言うな! 死ぬなんてバカなこと……!」
「ウ、ウウウ、死ぬんか……。ウチら死ぬんか……」
「な、泣くな! 誰か来てくれる、助けに来てくれるって!」
842山と男達と温泉 5/11:2006/03/09(木) 02:22:29 ID:GmUpRK+60
 自分の声が裏返ったのがわかった。こいつはヤバイ。俺だって泣き出したい。でも。
「誰が、誰がこんなとこ来るっちゅーんや!」
 でも、1つだけ。1つだけ確信がある。それが俺を絶望させない。
「来る! 必ず来る!」
 そう、いつもそうだった。俺がピンチのとき。泣き出したいとき。子供の頃からいつも。俺が泣き出しそうなくらい苦しいときに。
 アイツは、アイツは俺の名前を呼んで……。
「レオーーーーーーーーッ!!! どこだーーーっ!!!!」
 この声は……! 来てくれた!
「スバルーーーーーーーーッ!!! ここだーーーっ!!!!」
「レオ! レオーーーーーーーッ!!!」
「浦賀さん! 助けが来たぜ!」
「! ホンマ? ホンマに来たの?」
「ああ、ほら!」
「レオ!! 大丈夫か!」
 上からスバルが身を乗り出しているのが見える。
「スバル! 大丈夫だけど大丈夫じゃない状況だぜ!
 浦賀さんもいるんだ! なんとか引っ張り上げられるか!?」
「2人!? ロープも無え、長いものも無え……。そうだ! ちょっと待ってろよ!」
 木がビキビキと音を立てている。マズイ。急いでくれ!
「待たせたな! それにつかまれ!」
 降りてきたのは……、服? 服を結びつけて即席のロープにしたのか!
 上を見るとスバルは半裸だった。寒そうだな……。ってそんなことより!
「よし、浦賀さん、持ち上げるからコイツにつかまるんだ」
「対馬!? 対馬は……」
「これだと2人いっぺんには耐えられない! 先に引っ張り上げてもらえ!」
「でも……」
「ゴチャゴチャ言うな! いくぞ!」
 日ごろの鍛錬の成果か、もしくは火事場の馬鹿力か。俺は片腕で浦賀さんを服ロープがつかめる位置まで引っ張り上げることができた。
「よし、つかまれ!」
「引っ張り上げるぜ!」
843山と男達と温泉 6/11:2006/03/09(木) 02:25:19 ID:GmUpRK+60
 スバルに引っ張り上げられていく浦賀さん。よかった……。
「よしレオ、オマエも早くつかまれ」
 よし、これで俺も助かる……。
 ベキッ!
「え?」
 俺、落ちてる?
「レオ! レ」
 スバルの声は、水の音でかき消されて最後まで聞こえなかった。
 ………………………………………………………………
 息、息……!
 上がれない!? クッ、服が重い……! 脱がないと……。
 水の流れが強くて……! 思うように動かない……!
 …………これはもうダメだな。
 ああ、なんか頭がクリアになってんなぁ……。こんなときなのに。
 死ぬ前はいろいろ思い出すっていうがホントだな……。走馬灯ってヤツか?
 ん? スバルか? お前にはいつも面倒かけてばっかだったなあ。
 俺が死んだらカニがわめくだろうからさ、しっかり止めてくれよ。
 オイ、引っ張るなよ。イヤに現実感のある走馬灯だな……。
 ああ、何か目の前が暗く……。
 ………………………………………………………………
「……オ、レオ!」
 ん……?
「レオ、オイレオ起きろ! 起きねえと襲っちまうぞ!!」
「だぁぁっ、やめてくれ!」
 慌てて飛び起きる。
「よかった、大丈夫か」
「あ……? 確か俺……」
 そういや、俺激流に落ちたんじゃなかったっけ? だとしたらここは……?
「ここ地獄か?」
「バカ」
844名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 02:26:39 ID:B5kXxzTAO
 
845山と男達と温泉 7/11:2006/03/09(木) 02:27:25 ID:GmUpRK+60
 あだっ。何すんだスバル。ん? スバル?
「なんでお前が……」
 俺は激流に流されたんだよな。で、目の前にいるのは半裸でずぶ濡れのスバル……。
 で、俺は……生きてる? 
「お前が……助けてくれたのか……」
 スバルはいつものように飄々と笑っていた。
「ヒエックシ!!」
「そんなずぶ濡れだと風邪引くぜ。脱いだほうがいい」
「あ、ああ。そうだな」
「なんならオレが脱がせてやろうか?」
「謹んでお断りする」
 とりあえず濡れた服を脱ぐ。これでも寒いが幾分かはマシだ。
「これからどうする?」
「下手に動くよりここで助けを待つほうがいいだろ。直に館長が助けに来るさ」
「そうだな、そうしよう」
 俺たち2人は、風が避けられそうな木の陰で助けを待つことにした。が。
「寒い! マジ寒い!」
「半裸だしなあ……。なあ、こう摩擦で火とかおこせねえか?」
「悪いが俺は乙女さんじゃねえ。そいつはできない相談だぜ」
「じゃ、しょうがねえ。2人で肌を合わせて暖めあうか」
「それは最後の手段にしよう」
 この場に姫がいなくてよかった。なんて言われるかわからん。
 あ、そうだ。
「ありがとな、スバル。お前がいなかったら、俺、死んでたよ」
「別に気にすんなよ」
「いや、何か俺、お前に助けられてばっかだよな」
「そんなこと無えだろ」
「いやさ、流されてるときに、走馬灯が見えてさ。ガキの頃のこととか思い出しちまって。
 思えば俺、ずーっとお前に面倒ばっかかけてきちまってるなーって……」
「バーカ。面倒なんて思っちゃねーよ。言ったろ? オメーのためなら何でもするって。オレはオマエに惚れてんだからよ」
846山と男達と温泉 8/11:2006/03/09(木) 02:30:14 ID:GmUpRK+60
「だからそういう冗談はやめろ!」
「……それにオレだって、オマエに助けられてるさ……」
「ん? 何か言ったか?」
「寒いな、ってな……」
「だな……」
 みんな心配してっかな……。カニが騒いでなきゃいいけど。あ、浦賀さん大丈夫かな……。
 とそんなことを考えていると、俺は信じがたい光景を目にした。
「なあ、スバル」
「ん?」
「人間って、水の上に立ってられるんだな……」
「おお、対馬、伊達。ここにいたか!」
 激流の上に悠々と立ちながら俺たちを呼んだのは、言わずと知れた我らが館長であった。
 ………………………………………………………………
 俺とスバルは今、館長の肩に乗って高速移動している。
 着物を着せてもらったから寒くは無いのだが、いかんせん漢臭い。ちなみに館長は赤フン一丁だ。
「まさかこの歳になって人の肩に乗るとは思ってもみなかった……」
「んー、子供の頃でも思い出したか?」
「子供の頃つったら……、そういやスバルに肩車してもらったな」
「そうだな。オレもオマエとカニを肩車した記憶があるぜ」
「お前たち、兄弟みたいだのう」
「まあ、子供の頃から一緒ですから」
 そう。スバルやカニやフカヒレがいたから。俺は寂しくなかった。
 親がいないことが多かったけど。寄り添いあえるヤツらがいたから。
 コイツらがいなかったら……。俺はどうなってたのかな……。
「儂もお前たちみたいな子が欲しかったのう……」
「ん? 何ですか?」
「いや、何でもない。さあ、飛ばすぞ。しっかり掴まっておれぃ!」
847名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 02:30:32 ID:B5kXxzTAO
 
848山と男達と温泉 9/11:2006/03/09(木) 02:32:24 ID:GmUpRK+60
 ………………………………………………………………
「あー、疲れた」
「モテる男はつらいな、坊主」
「うっせ」
 戻ってきたら浦賀さんが泣きついてくるわ、カニも泣き出すわ、つられて豆花さんやら佐藤さんも泣き出すわで……。
 男どもの視線が痛かったなあ……。こりゃ何されるかわからんなあ……。
「ま、今は温泉でゆっくりしようや」
「だな。後のことは後で考えよう」
 俺とスバルは館長に温泉に入るよう言われた。ま、冷えた体にはやっぱ風呂だわな。
「よっしゃ、温泉、温泉」
「待て待て坊主。体洗ってからだろ。そこに座りな、背中流してやる」
「いや、いいって。子供じゃねーんだし」
「遠慮すんなって」
 ガラッ!
「ふーい、冷えた体には風呂だのう」
『館長……!?』
「何をやっとるお前たち。早く体を洗って温泉に入らんと風邪引くぞ」
 そう言って館長は洗面台の1つに陣取って体を洗い始めた。だが問題はそんなことではない。
「スバル……」
「なんだ……」
「俺はさ、自分のこと、日本刀を持った侍だと思ってたんだ……」
「オレも自分は鉄槍を装備した歴戦の戦士だと思ってたぜ……」
「だが館長は……」
「ああ、あれは……」
『あれではまるで……大剣を持った、狂戦士(ベルセルク)だ!!』
「おーい、お前たち」
『はいっ!?』
 聞こえたかっ!?
「背中を流してくれんか」
『ハ、ハイ! わかりました!』
849山と男達と温泉 10/11:2006/03/09(木) 02:37:08 ID:GmUpRK+60
 よかった……、聞こえてなかったようだ……。
 俺たちは何事も無かったかのように館長の背中を流し始める。
「デケー背中だな……」
「漢は背中が肝要だからな。覚えておけ。背中で人生を語れてこそ、真の漢よ」
「なんのことだか……」
 にしても。なんだろな、この懐かしい感覚……。
 ああ、そうだ。親父の背中を流してるときもこんな感じだったけ……。
 ふとスバルを見てみる。スバルは無言で館長の背中を流し続けている。
 スバルは、今、何を思ってるのかな……。
「よーし、そのくらいでよかろう。ところでお前たち、もう体は洗ったのか?」
「え、いや、これから……」
「ふむ、ならば、儂が背中を流してやろう!」
「え、ちょ……どわっ」
「そぉ〜れ、背中ゴッシゴッシ」
『のわー!!!』
 ………………………………………………………………
「あ゛あ゛あ゛ぁ゛〜、いい湯だぜ……」
「親父クセーぞレオ」
「ふむ、五体に染みわたるわい……」
 ようやく3人そろって温泉の中。気分は極楽浄土だぜ……。
「やはり温泉といえばコレだのう」
 館長がどこからともなく取り出したのは、風呂桶。それと。
「いーんスか。生徒の前で酒なんて……」
「お前たちが黙っておれば問題ないわい。……お前たちも飲むか?」
「いや、それこそダメでしょう」
「黙っておれば問題ないわい」
850山と男達と温泉 11/11:2006/03/09(木) 02:39:31 ID:GmUpRK+60
 ……意外だ。館長がこんなことを言うとは。
「どうしたのだ?」
「いや、館長がそんなこと言うとは思ってなかったんで」
 あ、スバルも同じこと考えてやがった。
「……生徒と酒を酌み交わす機会なんぞ、そうは無いからのう……」
 ……館長。
「……じゃ、せっかくなんでいただくとしますか。なぁ、レオ」
「……そうだな。いただきます、館長」
「うむ。しょうがないのお」
 お猪口はいつの間にか俺たちの分まで用意されていた。
 俺たちに酌をしてくれる館長はどことなく嬉しそうだった。
「……酒の相手が欲しかったら呼んでくださいな。いつでも行きますよ」
「そうだな。オレもいつでも相手しますよ」
「20歳になったら、な」
 俺も、スバルも、館長も。みんな、笑って。
『乾杯!』
851名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 02:41:38 ID:GmUpRK+60
SS書き始めてもう2ヶ月くらいになりますかいな……。
レオとスバルと館長の話です。
レオとスバルの絆と、人間くさい館長を書いてみようと思いついてやりました。が。
難しかった……。ホントはフカヒレとかも混ぜたかった……。
俺もまだまだのようで。途中でスランプになるし……。
スランプは男塾を読んだら多少治りましたが。雷電最高。
山編は後1つ書く予定でしたが諸事情で1ヶ月ほど書けません。
用事が片付いたらまた書きます。次回は祈ちゃんの予定。
では、またお会いしましょう。
852名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 02:48:02 ID:B5kXxzTAO
館長GJ!!
てか酒はマズイだろ
……面白かったからいっか


ところで最近素数流行ってんの?
853名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 03:12:45 ID:GmUpRK+60
忘れてた。時間的には>>353-367の『山とレオと豆花』とつながっとります。
>素数
ジョジョネタの中でも屈指の使いやすさですからねえ。
854名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 03:39:14 ID:c3NG9U9V0
>>836-851の各レスにはもれなくひとつずつGJを進呈する

>>834 CJ
855名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 13:42:49 ID:jvoxQWJ70
>>834
もう一ひねり欲しいね

>>851
救出劇か温泉のどっちかに絞った方が
856名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 23:18:44 ID:ezcBH5xK0
「ん…?何を……持ってきた?」

「……ほら、竜鳴館の卒業アルバム。
 片づけていたら、出てきたから」

「ああ……懐かしいね。
 そういえば、卒業シーズンか……」

「思い出すなぁ……私の、卒業式……」

「卒業式よりも……
 その後の方が印象に残ってるなぁ」

「そう?……そう、かなぁ……」

「あのときは素直で可愛くて……」

「それじゃ、あのとき以外は
 私は素直でも可愛くもなかったみたい」

「いや、そうは言ってないが。
 ……今でも、可愛いよ?」

「……こんなお婆ちゃんになってから
 そんなこと言われても」

「いいじゃないか……本当に可愛いんだから」

「おだてても、何も出ないから」

「む、残念。
 しかし……ホント、懐かしいなぁ……」
857 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:2006/03/09(木) 23:19:41 ID:9prErfHP0
       ∧__∧
      <丶`Д´>/ ̄/ ̄/
      ( 二二二つ / と)
      |    /  /  /
       |      ̄| ̄
858名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 23:22:57 ID:ezcBH5xK0
「バッカ、乙女さんだぜ?ありえねーよ」

「いやいや、わかんねーぞ?
 何しろ純情な人だからな」

放課後。
特に用事はなかったが、何となく竜宮に行く。
中では皆が何やらワイワイと議論していた。

「あら対馬クン。ちょうどよかった。
 対馬クンは、どう思う?」

いきなり姫に話題を振られる。

「今来たばっかりで話が見えてないんだけど」

「えっとね、鉄先輩が、卒業式の時に
 泣くかどうか、って話」

ちょっと呆れた顔で佐藤さんがフォローしてくれた。
見回せば、乙女さんだけがいない。
なるほど、鬼の居ぬ間にってわけか。

「一番身近な対馬クンは、どう思う?」

「どう、って……わかんないよ」

「ちぇ、ハッキリしないなー」

乙女さんは確かに強い人だけど……

「みんなはどう思ってるの?」
859名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 23:26:58 ID:ezcBH5xK0
「あの乙女センパイでしょ?
 泣くなんて、ありえないわよ」

「オレも姫に同意。伊達に鉄の風紀委員と呼ばれてねーよ」

姫とフカヒレは『泣かない』。

「いやいや、名前の通り、あの人だって乙女だぜ?」

「鉄先輩、優しいところもあるしね」

スバルと佐藤さんは『泣く』。

「……状況次第なんじゃねーの?
 周りが泣いてるとつられるとか」

カニは『状況次第』。

「まあ、無事に終われば良いんじゃないですか」

「そうですわねー」

椰子と祈先生は『無関心』。

実際、どうなんだろう。
そういえば、泣いている乙女さんって見たことがない。
見てみたいような、見たくないような……

「どうせなら賭ける?勝った方は……
 そうね、学食で食べ放題、とか」

騒ぎ続けるみんなをよそに、俺は何か複雑な気持ちでいた。
860名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 23:28:20 ID:RUfTOxgt0
支援
861名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 23:28:40 ID:9prErfHP0
支援!
862名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 23:31:08 ID:ezcBH5xK0
そうこうするうちに、卒業式当日。

「おはよう、乙女さん……いよいよだね」

「ああ……この制服も、今日が着納めだ」

薄笑いを浮かべながら
乙女さんが自分の制服姿をまじまじと見つめていた。

「……先に行く。遅れるなよ」

「乙女さんの晴れ姿だからね、絶対遅れない」

「うん……ありがとう、レオ。
 しっかり、見届けてくれ」

軽く行ってきますのキスをして
乙女さんはいつものように元気良く家を出ていった。

そして、式が始まった。
実家の柴又からやってきた家族や
生徒会の皆
そして俺が見守る中
乙女さんは終始、凛々しく胸を張り
表情一つ変えることなく
卒業生代表として答辞を読み上げ
卒業証書を受け取り……

変わったこともなく、粛々と卒業式が進んでいく。
周囲で泣き出す女生徒をなだめたりしていたが
乙女さん自身が泣き出すような素振りはなかった。
だけど、俺にはわかっていた。
863名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 23:31:43 ID:9prErfHP0
乙女さんが泣いていることに。
864名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 23:33:51 ID:9prErfHP0
終わってなかったのね
865名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 23:35:12 ID:ezcBH5xK0
寄りかかっていた校門から体を離し
近づいてくる人影に声をかける。

「乙女さーん」

「ああ、レオ……待っててくれたんだな」

「もちろん」

乙女さんが立ち止まり、校舎へと振り返る。

「……不思議だな。
 悲しいわけでもなく、めでたい話のはずなのに
 なぜこうも……胸が締め付けられるんだろう」

「……ずっと、我慢してたよね」

「うん……人前では泣かないって、そう、決めてたから」

決めたことは、何があってもやり遂げる。
いかにも、乙女さんらしかった。でも……

「もう、いいんじゃないかな」

「そうだな……もう、いいかな。
 レオだけしか、いないなら……」

乙女さんの目から涙が伝う。
表情はそのままで。ただ、涙だけを溢れさせて。
乙女さんが俺に寄りかかり、俺は肩を貸してそれを支え
そして俺たちは、二人で歩く最後の通学路をたどる。
名残を惜しむように、ゆっくりと、ゆっくりと……
866支援:2006/03/09(木) 23:35:59 ID:9prErfHP0
867名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 23:39:11 ID:ezcBH5xK0
「……何年前になるんだったかな」

「もう、60年以上前」

「やれやれ……老いぼれて…お迎えがくるわけだ……」

「…気の弱いことを言わないで」

「しかし……ずいぶんいろいろ卒業したねぇ。
 おにぎりしかできないとか、雷が怖いとか
 ……機械が苦手、なんてのもあったっけ」

「子育ても、武道家も、もう卒業……だけど」

「…けど?」

「一つだけ……あなたを想う気持ちは
 卒業しない。絶対に、卒業なんかしない」

「俺が逝ったら……卒業でいいんじゃないのかな」

「いいえ……私は……っ……
 何があっても……あなたの……
 妻、です……っ!ずっと…!ずっと…っ!」

「……泣いてるのかい」

「あ…っ……あなたの…っ…前ならっ……
 泣いてもっ……!い、いんです…っ!」

「ああ……あのときみたい…だ……
 あの……ときも……うれし…かった……っけ……」
868Seena ◆Rion/soCys :2006/03/09(木) 23:40:36 ID:ezcBH5xK0
「卒業」
私の最後の卒業は何年前だったかのぅw
869名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 23:42:43 ID:RUfTOxgt0
>>868
GJ!

>「……泣いてるのかい」

>「あ…っ……あなたの…っ…前ならっ……
> 泣いてもっ……!い、いんです…っ!」

俺が泣けた……
870名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 23:43:15 ID:8qM1nYhp0
>>868
俺も泣いてる
871名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 23:45:15 ID:7SCPFp8M0
>>868
GJ
Seena氏、あなたを尊敬します。
872名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 23:47:20 ID:00s7gfVA0
>>868
回想部分の「レオの前だけで泣く」っていうのが
ラストへ繋がる見事さは流石!泣かせるねぇ…

GJ!
873名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 23:48:30 ID:c3NG9U9V0
ないてない、ないてないもんね gj
874名無しさん@初回限定:2006/03/09(木) 23:54:21 ID:RUfTOxgt0
SSスレのおかげで
俺もきゃんでぃそふとを想う気持ちから卒業できそうにありません
875名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 00:00:29 ID:8h9ua9si0
ところで途中で変な茶々入れてたヤツはなんなんだ?w
876名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 00:11:57 ID:lZwZUOJV0
>>868
GJ!
竜鳴館のシーンを回想にしたのはそういうことか……やられたぜ

>>875
凡人の考える落ちだとあんなもんなんじゃ?
(´・ω・`)
877名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 00:13:29 ID:LlPOlCC90
ヒント:春
878名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 00:40:42 ID:PGGO96XM0
ID:9prErfHP0のせいで台無し。
支援しすぎでウザ。 1人1回くらいでちょうどいいんだよ。
879名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 00:44:41 ID:LlPOlCC90
GJも一人一回、支援も一人一回だな。ルールとまではいかなくても、マナーではあるだろう。
>>2-3を読めってこった。
これ以上は雑談になるので、GJや感想以外はスルーでヨロシクお願いしたい。
880名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 01:03:57 ID:DALtveDBO
今まで誰も手をつけなかった卒業式SS
GJ!!
レオの呼び方が『あなた』に変わってるところに乙女さんのさらなる進化の可能性を見た!!


茶化したような感想ですまんね
881名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 07:42:07 ID:iqv55VII0
>>868
GJ…!
なんとも素晴らしい。

しかしID:9prErfHP0は許せんな。
お前のHPを0にしてやろうかぁぁぁ!!?
882シンイチ:2006/03/10(金) 07:51:44 ID:h+ZtWrtT0
>>868
GJ!!
感動しました…素晴らしい!
本当に泣きそう。
883:2006/03/10(金) 09:31:23 ID:byi25FbD0
 天王寺さんが――

 病気で亡くなってから、二ヶ月が経つ。

 最初は気丈に振舞っていたのどかさんだが、49日も過ぎた頃から、ふとした瞬間に、
沈んだ顔を見せるようになっていた。
 ほぼ他人の俺にさえそうなのだから、よほどショックなのだろう。間近で見ている
なごみには、それが強く伝わるようだった。
 やはり母子だ。のどかさんだけでなく、なごみも暗くなってしまっている。
 そして、何とかしてあげようと持ちかけたのは俺だったが、3Pをしようと提案したのは
なごみだった。

「……いいの!?」
「はい。センパイなら」
 なごみは断言した。
「あんなお母さん、見たくありません。
 それに……商店街の連中が、お母さんにちょっかいを出してるんです。
 このままだと……」
「まさか……」
 俺は、口を挟んだものの、何と続けていいかわからなかった。
 前までののどかさんは、過去を忘れてはいないながらも、前向きだった。
 それが、今では目に見えて弱っている。急激な状況の変化に、心が耐えられなかった
のだろう。
 もともと、それほど強い女性ではない。
 擦り寄ってくる誰かに、すがりつきたいと思ったとしても、不思議はない。
 その相手が、なごみの父や天王寺さんのように、のどかさんのことを第一に考えて
くれると、誰が断言できる?
884:2006/03/10(金) 09:32:08 ID:byi25FbD0
 そういうわけで、俺はなごみの提案を受け入れた。
 なごみの口から3Pなどという単語が飛び出しただけでもサプライズだったので、
冷静な思考力を失っていたのかも知れない。
 何せ、乙女さんにも気付かないでなごみと繋がってるような奴だからな……
 いやいや。
 これは人助けなんだ。
 俺だって、あんなのどかさんは見たくない。
 
――カラカラ…かつ、かつん。
 
「帰って、来ましたね」
 玄関からの音を聞き、なごみとうなずきあう。
 今日は、近所の奥さんの家に招かれ、お茶をご馳走になっていたはずだ。しかし、
声をかけてくるのは親切な女性だけではない。姫が好きそうな壷を売りつけようとする
人もいたし、露骨に再婚を迫るオヤジもいる。
 かつてののどかさんは、それらをうまくかわしていたようだったが、今はなごみや俺が
追い払う必要があるほど、のどかさんは生きる意志を失っていた。
 確かに、これは何とかしなくてはならない。
885:2006/03/10(金) 09:33:29 ID:byi25FbD0
 しゃー……

 シャワーの音が聞こえる。
 風呂も、なごみが母のために用意したものだ。冷えた身体にはちょうどいいだろう。
 家族が増え、最初にリフォームしたのがこの風呂だ。
 広くなったら色々できるなと、酔った天王寺さんと語り合ったのが、昨日のことのように
思い出される。
 ――すいません天王寺さん。今から色々しちゃいます。俺だけですいません。
 心の中で合掌し、俺は風呂の前に立った。
 既に身体の一部がエキサイトしているのはナイショだ。

 風呂の扉を開けると、のどかさんが小さな声を上げたのがわかった。
「え……?」
 小さなイスに腰掛け、シャワーを浴びていたのどかさん。
 振り向いたその顔が泣いているのは、なごみと俺でないと気付かなかっただろう。
俺たちはそれに気付かないふりをした。
「お母さん、お疲れ様。背中、流してあげる」
 この辺りは、なごみに任せることにした。裸の俺を見て悲鳴を上げられたらどうしようと
思ったが、そんな気配もない。
「うん……」
 まともに考えたらありえないような返事がきた。
 この状況で、抵抗しないなんておかしい。どうかしてる。
 娘の彼氏とは言え、若い男に自分の裸体を見られるのだから。
 だと言うのに、あっさり状況を受け入れている。それだけ、のどかさんは無気力に
なっているのだ……。
886名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 09:36:54 ID:4AhRjUu40
 
887名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 09:40:36 ID:byi25FbD0
えー、すいません。色々すいません。特に>>886さんホントすいません。
何度か連投規制くらって、支援のありがたみがよくわかりました。
今後も支援は欠かさないようにしたいと思います。
(支援をいただいた後も数回蹴られてるので、何かそういう星の巡りらしい)

ええ、その、とりあえず前編終わりってことで。
後編は…まあ、近日後悔予定!(ツッコミ無用)

ここに直接投下するのは初めてだったり。
展開にムカつかれるかも知れませんが、グッとこらえてください。

念のため言っておきますが、、天王寺は大好きです。
ただ、のどかさんを好き過ぎるだけなのです。
888名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 09:50:09 ID:iqv55VII0
ほのかさん(´・ω・)カワイソス
まただんなさん氏んだぽ…

でもエロいから許す。
889名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 09:55:53 ID:LlPOlCC90
>>888
>ほのかさん

だ れ だ

キュアホワイトか?



それはそうと>>887頑張れ超頑張れ
890名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 10:00:27 ID:DALtveDBO
>>888>>889なかなかワロタ

>>887投下の間隔は2分以上開けるんだよぉ
何度も訴えてるのになんで知らない人がこんなにいるんだよぉ
・゚・(つд`)・゚・
891名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 10:09:55 ID:ZP5uOhan0
>>887
後半にwktk

>>890
いや、ときたまだけど2分間以上開けて、なおかつ支援が入っていても
連投規制が入ることは俺も確認している。なんでかはわからんが。
892名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 10:27:54 ID:DALtveDBO
とりあえず投稿ガイドラインに書き足しときません?
ある程度の規制は免れるはずだ
スレ立てする人には面倒かもしれないがここは一つ
ときたまのは……お手上げですね
あと支援は一人一回とかは守る気はない。深夜とかだと誰もいないし。
要は最低限のマナーを守ってればいい訳で

スレ埋めがパンクしそうな勢いでテーマが増えてってるので、
意見を言ってみた
俺の辞書に反省の二字はない
……後悔の二字は全体の8割に及ぶorz
893名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 10:57:08 ID:3j76jFOs0
>>887
エロいのはいいがそこはかとなくインターハート臭が……
894名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 11:11:47 ID:BsZyRcQn0
>>887
んー……なごみんがそういう提案をする事じたい
違和感ありまくりだし
すでにのどかさんの中ではレオはすでに他人じゃないと思う。
一番納得できないのは「のどかさんはそんなに弱くない」。

のどかさんにエロいことさせたいなら
もっと違う展開もあるんじゃないかな。
895名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 11:27:46 ID:byi25FbD0
あー、まあ、色々あろうが勘弁。無理は承知。
出かける用事が1時間ズレたので、中篇を投下しようと思います。
2分おきに。
896名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 11:28:40 ID:U8zsmGp+0
もう470k超えてね?
897名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 11:30:10 ID:byi25FbD0
本当だぁ〜。
じゃあ次スレでやらせてもらいます。ぐだぐだだぁ
898名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 11:54:43 ID:2IKOzLpx0
>>900
次スレよろ〜
899名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 12:00:18 ID:U8zsmGp+0
900名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 12:11:58 ID:2IKOzLpx0
>>899
じゃ代わりに踏んでおくよー
901名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 13:04:24 ID:vmyPGtys0
「おはようございます、祈先生。
 もう少し時間に余裕を持たれた方が……」

「お話はごもっともですが、今日は館長に呼ばれてますので
 これで失礼いたしますわ〜」

「あ、ちょっと……やれやれ。
 土永さんは、ついていかなくていいのか?」

「まあなー。館長の呼び出しじゃ、我が輩がいても
 助けにはならんだろう。それより、乙女のそばにいたほうがいいわ。
 乙女、地獄蝶々の手入れはちゃんとしてるか、ああん?」

「?無論だ。なぜ急にそんなことを?」

「いや、別になんでもないがな。
 いいか、必要だと思ったら、館長の抜刀許可を待たずに
 さっさと抜いちまえよー」

「……なんだ。何か起こるとでもいうのか?」

「…わからん。まだわからんがなー。
 我が輩の野生のカンが、何かありそうだと
 そう言ってるんでな。気をつけるに、こしたことはないだろう」

「そうか……忠告、感謝する」

「感謝してるなら、肩にでもとまらせてくれー」

「調子に乗るな……と、言いたいところだが……
 まあ、好きにするさ」
902名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 13:08:26 ID:vmyPGtys0
「うっ!?」

(…クロウ!?こんな朝から!?……近い!)

「どうしました、月白先生?」

「ああ、いえ……ちょっと目眩が……」

「そりゃいけません!すぐ保健室へ!」

「ああ、大丈夫、一人で行けます…
 でも、HRは…代わっていただけます、鉢巻先生?」

「ええ、それはかまいませんが……
 本当に大丈夫ですか?」

「ええ、たぶんしばらくすれば……治まりますわ」

(まったく、松笠に出るなんて…全然OKじゃないわ。
 おまけに……この間みたいに巨大化されたらマズイわね。
 ともちゃんに連絡したほうがいいかしら?)

「…それじゃ、後はお願いしますね」

(まずはどこか人気のないところへ……
 校舎の中じゃ…屋上かしら。っと、その前に)

ピポポポパポ

プッ

『…も、もしもし…ひ、柊ですが?』
903名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 13:08:33 ID:DALtveDBO
 
904名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 13:12:28 ID:vmyPGtys0
「いよいよ、ですね」

「お前が緊張してどうする、対馬。
 見ろ、憩ちゃんを。落ち着いたものではないか」

竜鳴館・館長室。
今日は時空を越えてきた祈先生の妹、憩ちゃんを
祈先生に引き合わせることになっていた。

預かっていた館長によれば
憩ちゃんは時間の経過に驚くほど順応し
時空を越えてきてしまったということも
子供なりに理解したらしい。

ちなみに、俺は志願してここにいる。
一応は事情を知っている関係者なので館長も認めてくれた。
なにしろ祈先生からすれば
ずっと昔に生き別れて、行方不明になっていた妹が
当時の姿のまま目の前に現れるのだから
たぶん、すごく混乱するだろう。
なるべく、力になりたいとそう思っての志願だった。

ソファに腰掛けた憩ちゃんが
いかにもワクワクした顔で館長を見上げる。

「お姉ちゃんはいつ来るんですか?」

「うむ、朝一番に来るように言っておいたのだが……」

館長が言い終わる前に、ドアがノックされる。

『館長、大江山祈、参りました』
905名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 13:16:48 ID:vmyPGtys0
館長が憩ちゃんを大きな館長の机の後ろに呼ぶ。

(ここに隠れていなさい。お姉ちゃんを驚かしてやろう)

(うん!)

館長と憩ちゃんは、まるでかくれんぼの打ち合わせでもするように
ニコニコと楽しそうだ。

「うむ、入れ」

『失礼します』

ドアを開けた祈先生が、俺の姿を認めギョッとした顔になる。
…あ、ひょっとして……二人のことがバレて呼び出されたと思ってる?
そうじゃない、と伝えようとして目配せをしてみる。

(…バレてない、バレてないから)

(?)

むう。心を通わせ合ったはずなのに通じない。
軽くジェスチャーを入れてみるか。

「……バレてない、とは何のことだ、対馬?」

館長に通じちゃったよ、おい!

「あー、いえ、今日は曇りで晴れてないですね、と」

「?まあいい。大江山先生。今日は大江山先生に
 是非会ってもらいたい人がいてな……」
906名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 13:21:14 ID:vmyPGtys0
「私に……会わせたい?どなたでしょうか?」

「うむ……出ておいで、憩ちゃん」

館長が合図すると、机の後ろから憩ちゃんが躍り出る。

「えへへ……憩だよ、お姉ちゃん!」

「……え?」

「うわー、ホントにお姉ちゃん大人になってるー。
 自分だけズルイー」

憩ちゃんがトテトテと祈先生に歩み寄る。
祈先生はあまりの出来事に動けないようだった。

「あ……なた、憩……なの?本当に……憩なのっ!?」

「うん、そうだよ?迷子になって、変な穴に落っこっちゃって
 気がついたらこのおじちゃんにダッコされてた」

「だ、だって……!あの頃のまま…っ!」

「どうも、憩ちゃんはタイムトンネルのようなものに
 落ちてしまったらしいんだ」

「それで、時空を越えて今の松笠にやってきたわけだな。
 儂と対馬が、たまたま憩ちゃんがやってくる現場を
 目撃しておったというわけだ」

俺たちの説明に、呆然として虚ろだった祈先生の瞳が
光を取り戻して憩ちゃんを見つめ直した。
907名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 13:21:41 ID:DALtveDBO
 
908名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 13:25:35 ID:vmyPGtys0
見つめられた憩ちゃんが
申し訳なさそうな顔で頭を下げる。

「……心配かけてごめんね、お姉ちゃん」

「っ!…いこ……いっ!
 良かった……!無事で……無事だったのね!
 お姉ちゃん……お姉ちゃん、ね……!」

ずっと祈先生の心にわだかまっていたものが
この瞬間、解き放たれる。

「う…うぁ……っ!ひっ……うぅ、うーっ!」

初めて見る、祈先生の涙。
目の前の少女と同じ年頃に戻ったかのように
跪き、ただ、泣きじゃくる。

「儂らは、出ておるかの、対馬」

ポン、と館長が俺の肩を叩く。

「……はい」

静かにその場を立ち去り、館長室を出る。
う、イカン、俺までもらい泣きしてしまった。
こんなところを館長に見られたら「軟弱者」とどやされちまう。
あわてて袖口で拭おうとして、館長と目が合う。

「……その涙、恥ずかしがることはないぞ」

館長の顔は、穏やかで優しかった。
909名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 13:29:51 ID:vmyPGtys0
「ともねえ、あれを!クロウだ!」

「くっ……本当にこんな昼間から!?
 透子さんの言ったとおりか…!
 どこに行く気だ……!?」

「とにかく、こんな町中で昼間から暴れられたら……!
 急ごう、ともねえ!」

「OK!」


「やれやれ、今日は遅刻者ゼロ、か。
 いつもこうありたいものだな……どうした土永さん?
 ……なぜそんなに震える?」

「いや、別にー……仕事が終わったのなら
 早く校舎に入ったほうがいいんじゃないのかー?」

「話を逸らすな。さっき言っていた……何かが起きそうなのか?」

「乙女……頼むー、頼むから校舎に入ってくれー」

「そうはいかん。我が校に何か良からぬことが起きるなら
 私のこの手で……な、なんだ、あれは!?」


(来たわね、クロウ!こっちに来るってことは私が目当て!?
 ともちゃんが間に合わなかったのは痛いけれど
 待ってるわけにも……いかなくなったわね!)

「……纏身!…って、ちょっと、どこに行くわけ?…館長室!?」
910名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 13:34:04 ID:DALtveDBO
 
911名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 13:34:23 ID:vmyPGtys0
ガシャーン!

「むっ!?」

廊下にたたずむ俺たちの耳に、ガラスの割れる音が届く。
館長室の、ドアの向こうから……!

『きゃああぁっ!?』『な、なんですのっ!?』

続いて悲鳴!
飛び込んだ館長室で目にしたものは……
倒れている祈先生。
大きく割れた窓ガラス。
窓の外で羽ばたき飛んでいく大きな鳥のような異形の姿。
これは……この間の土永さんが変身した姿にそっくり!?
そしてその両足には……

「いやああぁぁっ!」

「憩ちゃん!?」

化け物は憩ちゃんを掴んだまま
見る見る高く、遠くへと飛んでいく!
まさに、その時。

「曲者ぉーっ!!」

垂直な校舎の壁を駆け上がってくるセーラー服の人影!

「乙女さん!?」

「……地獄蝶々ォッ!」
912名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 13:38:28 ID:vmyPGtys0
陽光にキラリと輝く白刃は
いつの間にか抜刀された地獄蝶々。
ガンッ!と駆け上がってきた校舎の壁を蹴り
乙女さんは斜め上に化け物目がけて飛ぶ!

「ギッ!」

が、化け物がひときわ大きく羽ばたくと
その翼が風を起こしたのか
空中で乙女さんはバランスを崩してしまった。

「くっ!」

くるくるとトンボを切って着地する乙女さんに
頭上から…俺たちよりも高い場所から声がかかる。

「どきなさい、鉄さん!」

「……え?」

声のする方……屋上を見上げれば
白い、どこか昆虫めいた、やはり異形の姿があった。
何のためらいもなくその白い昆虫型が
屋上の縁を蹴り、鳥人間目がけダイブする!

「はああああぁぁぁっ!」

鳥の化け物めがけて突っ込んでいくが

「子供が……!?くっ!」

体を捻って攻撃を外し、そのまま地面に降り立った。
913名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 13:39:34 ID:DALtveDBO
 
914名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 13:42:46 ID:vmyPGtys0
「対馬!儂はアレを追う!大江山先生を!」

「わ、わかりました」

言うが早いか、窓から飛び出す館長。
くそ……何もできない自分が歯がゆい!
と、それまで倒れていた祈先生が
うめきながら急に体を起こす。

「わ…私は……大丈夫です……
 それより、憩を……憩をっ!」

「祈先生!?じっとしてなきゃダメだ!」

「じっと…なんか、してられますかっ!
 妹なのよ!?……私の、妹なのよっ!?」

今ここでまた失ってしまえば
それは祈先生に決して癒えない傷を残す。
そんな目には、あわせたくなかった。

「……わかりました」

肩を貸す。よろめきながら、俺にすがる。
ふらつきながらも、外へ出ようとする。

「痛むところはないですか?歩けます?」

「大丈夫です……さあ、急いで!」

何ができるかわからないけど……何もせずになんかいられない!
俺と祈先生は、精一杯急いで校庭を目指した。
915Seena ◆Rion/soCys :2006/03/10(金) 13:44:30 ID:vmyPGtys0
スレ埋め企画第4回

これでどれくらい埋まったんだろう…
916名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 13:51:38 ID:Sd/0rDAa0
つかこれで投下終わり? 終わりなら俺も即興SSとかで埋め協力するが。 
917名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 13:57:46 ID:vmyPGtys0
>>916
終わりでーす
スレの終わりごろの連載(?)ですから
918名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 14:01:16 ID:DALtveDBO
GJ
続き楽しみに待ってます
919名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 14:38:26 ID:PGGO96XM0
GJです。今485kbで919だから1000までいきそうかね。


今回のお題になりそうなの
・コテ嫌い→荒れるからワザワザここで言わなくていい。各々NGしておけば済む話。

・過去の作品の感想投下はなし。感想はリアルタイムの特権。
→ 昔荒れた?のか、暗黙の了解で決まっていたので過去作品に関する感想は禁止。

・駄作は投下スンナボケが → ここはSSAAスレ。 誰がどういうSSを書こうと自由。
だが、あまりに原作を無視した作品だと叩かれるのを肝に命ずべし。

・各投稿作品論議→ここは雑談スレではないので程々にすべき。

・1人1人支援の数
→ 元々支援はいらないという話だった → 職人様が支援があるとやる気がでる&うれしいとの事なので支援が残った
→ 支援しすぎでウザイ人が出てくる → マナーとして1作品に付き1人1支援でしょ? → 夜中人がいない場合どうするんだ? 守る気ないよんなの。
→ もともと投稿者が間隔をあけて投稿すれば規制はかからない。
  ↑今ここ

・リレー小説 → 保管庫の中の人的にはあり。 ただやるならまとめて作品投下する人が投下しずらきなる事が考えられる為板分け必要?


適当に覚えてる範囲でまとめた。 間違ってたら修正ヨロ
920名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 15:18:01 ID:4AhRjUu40
支援回数は空気嫁ってことでいいんじゃない?人が居そうも無けりゃ何回でもOKの方がいいでしょう。
長めのだと時間をおいてだと投下する方も大変だし、読んでる方も早く続きが読みたいから。
まあ、長いのは、人の居そうな時間にするのがいいかな?その時間に無理なら、何レス位と予告してくれれば、支援する方も楽だね。
あまり長いのは、うpろだ活用という手もあると思う。

俺が支援する時は、本文スペース1個のみで、あと1クリックで書き込み状態でリロードして様子見ながらしてる。
921名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 15:18:57 ID:Sd/0rDAa0
ありゃ、雑談開始か。SS埋めはやめたほうがいいかな。
んじゃお題に便乗して長文埋めで。

>・過去の作品の感想投下はなし。感想はリアルタイムの特権。
>→ 昔荒れた?のか、暗黙の了解で決まっていたので過去作品に関する感想は禁止

正直これはものすごくアホらしいと思う。特権だの暗黙の了解だの。
荒れたっていっても、感想貰えないことを恐れた作家が、なんか被害妄想してただけだし。
(過去作品への感想で自作への反応が流れるのが嫌だとか、過去作品と比較されるのが嫌だ、とかなんとか)
不特定多数の目に晒す以上、比較されて当たり前、批判されて当たり前だろうに。


>・駄作は投下スンナボケが → ここはSSAAスレ。 誰がどういうSSを書こうと自由。

書き手の自由を認めるなら読み手の自由も認められて当たり前。
もちろん、スレ住人として、このスレの稼働を妨げないように配慮するのが大前提。
ここはSSスレではあるが、SS技術向上スレではないので、批判するのならやんわりと。
「良かったけどここは納得いかなかったなあ」、「合わなかったけど、でもここは良かったよ」とか、
欠点を指摘するなら、美点も一緒にほめてあげるが吉。

というふうに俺は思う。
922名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 15:54:10 ID:DALtveDBO
そんなしょうもない規制を作る意味が分からん
学校でもあるまいし
自由にすりゃいいじゃん
雑談してても作品投下されたらみんな黙って読むし。
作品投下されても雑談続けようって馬鹿もいないだろ
雑談の内容にしたってSSに少しでもかすってたらOKだろ
SSに関する話さえ禁止したらそれこそ『SSAAスレを考えるスレ』でも立てなきゃいかんだろ

あと過去作に関して言えば偏るからじゃない?
俺は別にいいと思うけど、いつも同じ作品の論議やってても正直つまらん
それに好みなんてそれこそ人それぞれだし。ここで叩かれまくった作品でも好きなのあったし

若干感情に任せて書いた
穴だらけの理論(と言うのもおこがましい)だが、俺の意見はこんなもん
まあ無茶苦茶だわな
でも作品に限らず空気にも好き嫌いはあると思うから結局結論はでないんじゃね。と元も子も無い発言をして終っとく
923名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 16:04:30 ID:vmyPGtys0
ここで流れを読まずに本スレから転載

999 2006/03/10(金) 15:55:00 ID:5qV49u190
名無しさん@ピンキー(sage)

                    _
                   ,.´,   `ヽ
                    |fノ从从∩
            ,ーーー-、   ルリ ゚∀゚リノ 「`Y'^⌒ヾフフ
            イ从从、 i  ⊂ 乙 ノ  l /ァl.从i'リ)〉
      ,.-ー二`、('(゚∀゚リ∩i   (つ ノ  ノノ∩゚∀゚ノ') ,.-ー-、
     〈(^)))〉《] ヽ 無〈,,リ   (ノ     〉 貧 / 爪リリ从)ゞ
     ('(゚∀゚∩リ   ヽヽ_)          (_ノ ノ  ';∩゚∀゚)')
      O,_姫 〈                      〉 蟹,_O
        `ヽ_)                     (_/ ´
           強奪戦隊1000レンジャー、爆誕!
924名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 16:08:24 ID:vmyPGtys0
貼ってから気づいた

なごみんの「無」って……毛?w
925名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 16:12:03 ID:DALtveDBO
それは……
926名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 18:50:12 ID:LlPOlCC90
いや、支援回数は俺が余計な事を言ったからかな?
別に何回でもいいな。スマン。
GJも、言い忘れた感想があればいくらでも。
ただまあ、職人に対するリスペクト(レベルの高低に関わらず)は大事にしたいと思った俺の独り言
927名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 21:20:13 ID:JQFF8IEE0
904 :名無しさん@ピンキー:2006/03/10(金) 06:58:31 ID:dBN8FMSO0
ジョンは誕生日のプレゼントにオウムをもらった。
羽の色も鮮やかでとてもきれいな鳥だったが、そのオウムはとても態度が悪く、また言葉遣いはそれ以上にひどいものだった。
この鳥が口を開くたびに出てくるのは、口汚い言葉で表現された失礼で不愉快なことばかりだった。
ジョンは常に丁寧な言葉を使ったり美しい音楽をかけたりしてオウムの態度を変えようと試みた。
考えられるすべての良い行いをやってみたが、何もうまく行かなかった。
ついにジョンはキレてオウムを怒鳴りつけた。オウムは負けじと怒鳴り返してくる。
ジョンがオウムを掴んで揺すると、オウムはさらに怒って失礼な言葉を吐いてくる。
どうしようもなくなったジョンは、オウムを冷蔵庫の冷凍室に入れてしまった。
数分間、オウムは口汚い言葉を叫びながら冷凍室の中をけり回し、叫び散らしていたが...ふと突然静かになった。
1分ほど何の物音もしなくなりオウムに何かあったのではないかと心配に思い、ジョンは急いで冷凍室のドアを開けた。
するとオウムはジョンが差し出した腕の上に静かに降り立つと言った。
「私の失礼な言葉遣いと態度であなたを大変嫌な気分にさせてしまったと思います。本当にごめんなさい。ひどい行いを直すためになんでもします」
ジョンはオウムの態度が急変したことにびっくりした。
なぜそんなに急激に態度が変わったのか質問しようとすると、オウムは続けてこう言った。
928名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 21:29:10 ID:U8zsmGp+0
何て言ったんだ、気になる
支援
929名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 21:30:36 ID:PGGO96XM0
これ、本スレで切って捨てられたかまってちゃんの投稿だから、スルーがいいよ。
930名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 21:38:50 ID:+Iz2Gbvx0
代わりに答えると

「ニワトリが一体何をしたのか教えて頂けないでしょうか?」

冷凍庫にすでに入れられていたチキンを見て自分もこうなるとオウムが思ったってわけ
931名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 21:41:16 ID:U8zsmGp+0
>>930
なるほど
ありがとうございます
932名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 21:49:33 ID:JQFF8IEE0
GJ埋め立て連載にしとくのは惜しいなw
933名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 21:51:13 ID:Sd/0rDAa0
つかコピペだし
934名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 21:58:03 ID:JQFF8IEE0
>>932はシーナの作品についてのコメントとみた
935名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 22:35:44 ID:DALtveDBO
ありゃ?まだ埋め終ってない

>>926リスペクトは大事だよね
むしろリスペクトを忘れた人間には成長はないと
気分で言った独り言
936名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 22:44:14 ID:rFmjXi5/O
あんまりリスペクトとか言ってると、
今度は神格化イクナイって言われるから、
何事もバランスが大事。
937名無しさん@初回限定:2006/03/10(金) 22:51:08 ID:DALtveDBO
俺の言うリスペクトは人が人を尊敬すると言う意味なんだが
スゴイモンはスゴイと認めるところから何事も始まると言う自分勝手な俺理論
まあ確にバランスは大事よね
バランスと言えば5割はマターリ3割は笑いあとの2割は感動の涙
そんなSS読みたいなあとか言ってみる
ここで言うなとかは聞かない
938名無しさん@初回限定:2006/03/11(土) 02:38:14 ID:iS81JXZl0
結局は、感想もほどほど、支援もほどほど、雑談も程々な感じ?
939名無しさん@初回限定:2006/03/11(土) 12:03:25 ID:MSqiAijc0
過去作の感想くらいは雑談以前のものとして認めてやろうや
常時このスレに張り付いていられるヤツばかりでもないだろ
保管サイトの掲示板は連絡用として機能してて、感想を述べにいく雰囲気ではない
940名無しさん@初回限定:2006/03/11(土) 13:17:19 ID:KhzLXQDIO
まあ感想ですしねえ
作品投下直後にいきなり
昔あったこれはどうだった、とか言うのはNGですけどね
感想を言う場合でもGJだけなら言う必要あるか?って思いますね
まあでもGJだけでも言ってほしい書き手もいるかもしれないので
一概には言えないでしょうが
941名無しさん@初回限定:2006/03/11(土) 15:00:25 ID:9e0mZxlX0
SS談議の範疇なら別になに語っていいだろ。
例え過去の作品であれ、「この作品について自分以外の他の人はどう思ったか」を知ることができるのはいいことだと思うけど。
少なくともスクリプトのようにGJGJ繰り返されるよりははるかにマシ。




って>>622が言ってました。
942保管庫の中の人:2006/03/11(土) 18:23:38 ID:gED/P+fR0
保管庫に感想用BBS欲しい?
でも作ったら作ったで「感想は保管庫逝けっつってんだろモルスァ」
みたいになるのもアレなんですが…
943名無しさん@初回限定:2006/03/11(土) 19:16:40 ID:6WO6rPw/0
欲しい。正直、欲しい。
944名無しさん@初回限定:2006/03/11(土) 19:46:38 ID:PAkuuwve0
中の人、毎度乙です。
感想掲示板、あってもいいと思いますが、まず間違いなく「モルスァ」みたいになるでしょうね。
例えば、使用は保管庫収納済み作品の感想に限るようにしてそのかわり収納されていない限りはこっちで感想OK、
のような最低限の線引きが必要かと。
個人的にはSSに関する限り雑談許容派なんですが。
945名無しさん@初回限定:2006/03/11(土) 22:33:19 ID:MSqiAijc0
中の人のご好意はありがたいのだが
このスレにはあまり排他的になってもらいたくないんだ
まとめサイトに感想用の掲示板が出来たとしても
過去作の感想くらいはこっちで認められるべきだと思うし
今、現に過去作の修正さえもこのスレで行われていることを考えれば
排除する理由などないと思うんだ

まとめサイトはあくまで中の人のボランティアで成り立っていて、
彼が明日死んだら(ゴメン)停止してしまうものだと考えれば
そっち側に依存しすぎるシステムはまずい
やはり、このスレから生まれた雑念の多くはこのスレ自身が受け皿になるべきだよ
マナー違反や作品以外の議論・雑談は論外だがね
946名無しさん@初回限定:2006/03/11(土) 23:21:57 ID:iS81JXZl0
もし保管庫の人が感想掲示板作ってくれるならお願いしたいなー
あそこって2chと判ってないで見に行ってる人も多いだろうし。
そういう人たちの感想も書き手の人たちには参考になるかもしれないしなー
こっちが感想に程々とか制限加えるなら、感想に制限加えない自由な所があった方がいいだろうし。

それと、保管庫の人が何らかの事情で・・・ 
ってなったらそれは引継者が名乗り出ればいい話じゃない?
947名無しさん@初回限定:2006/03/11(土) 23:34:33 ID:MSqiAijc0
>>946引継者のあてなどないだろ・・・
まあ中の人が死ななければいいわけだが

冗談はともかく、2ちゃんってのは匿名性ゆえにかなり自由度の高い、
したがって多くのものの受け皿となりえている場所だよな
このスレが紳士的に進行しているのはほとんど奇跡とすら思える

実質的には、ローカルルールに明記するところまで話が大きくならないのなら
このスレの単独ルールで過去作排除を行ったとき、おそらく過去作感想スレがたつことになる
中の人の好意や判断になんら注文をつけるものではないが、
まとめサイトの感想掲示板が作ってもらえたとしても、過去作感想スレがたってしまったら、使われることは少なくなると思う
948名無しさん@初回限定:2006/03/12(日) 00:37:29 ID:wE4qhrG30
ツンデレ白書買ってきた。





やまじゅんが居て吹いた
949名無しさん@初回限定:2006/03/12(日) 00:47:28 ID:vHI3A0DSO
そこまで過去作に執着持ってる書き手いるんですか?
書き手の人達の中でそういうのがあるなら公表すればいいんではないでしょうか?
別にれみゅう氏や今スレで公表した人がそうだと言いたい訳ではなく、
名無しで、なおかつ公表しない人が過去作の感想を書いてほしいと望んでいるならまだしも。
本人達が望んでもないような事で議論する必要は無いかと。
過去作の感想を書いた方が書き手の人達のためになると言っても、
本人達が望まないならば意味無いですしね。
それに中の人がこうしようか?と提案する状況になること自体中の人に依存しすぎだと。
過去作の感想ぐらいならこのスレで許容されてもいいんじゃないかとは思いますけどね。
950名無しさん@初回限定:2006/03/12(日) 00:50:01 ID:nWVNND0/0
>過去作感想スレ
さすがにこんなもん立つとは思えないんだがw
SSスレ総合ヲチスレとか総合批評スレならまだしも。

過去作品への感想は全面的にOKでいいでしょ、もう。
そもそもSSスレでSSに関係する話をして悪いことなんか何もない。
951名無しさん@初回限定:2006/03/12(日) 00:54:05 ID:P0XAMe9E0
昔から暗黙の了解で〜〜 ってのもあるんだろうけど、つよきすスレみたいに雑談になる心配をしてるんだと思うよ。
だから昔の感想を投下嫌がってる人がいるんだと思うが。
952名無しさん@初回限定:2006/03/12(日) 00:57:20 ID:x+eeTHpi0
つよきすスレのは雑談とは言わん。
独り言の連発だ。会話しようという気がさらさらない。

過去作の感想に熱心な読み手がいるなら、その人は保管庫のURLを一緒に張ればいいんでは?
で、「この部分のこれこれの所がうまい」だの、「この下りに感動した」だの言えばいい。
953名無しさん@初回限定:2006/03/12(日) 01:04:56 ID:nWVNND0/0
つよきすスレそこまでひどいのか。雑談を嫌がる理由が理解できなかったけどそういうことね。
雑談の流れで、今まで良いと思ったSSを挙げるとか、そういう話題になることを過剰に恐れてるんだと思ってなんかピンとこなかった。
954名無しさん@初回限定:2006/03/12(日) 01:07:05 ID:P0XAMe9E0
でも、ここで安易に感想okするのもどうかと思うよ。

過去ログみればわかるけど>>622とはまったく逆で、 ここは作品の投下とGJで占められるべきだ。 
って思ってる人も少なからずいるわけで。
955名無しさん@初回限定
そういやそういう意見の人が参加してこないね。
こういうことはキチンと議論して決めないと意味ないから双方の意見が聞きたいんだけど。