2 :
姉妹スレ:2006/08/29(火) 00:01:37 ID:???
3 :
1/3:2006/08/29(火) 00:03:28 ID:???
月華夜 ACT.5
月の光は好き
誰の上にも同じ様に優しく音もなく降り注ぎ まるで愛に包まれている様な心地になれるの
月の光はこんなワタシの上にも同じ様に優しく照らしてくれる
だから 好き
リルの入れられた独房に、白い軍服の男が来る。
宰相の命を受けた直属の親衛隊…神の制裁者、影の処刑人…
研究所へは侵入者が向かった事を報せる電信が入る。
宰相もそちらへ向かっている、くれぐれも「揺り籠」に近付けてはならない、と。
転送室、勢いよく開かれた扉の先には誰もいなかった。
オカマ言葉の科学室長がヒステリックに喚きたてる中、天井の装置の影に身を潜めていた刹那が彼に銃を向ける。
室長は混乱して衛兵に銃を下ろさせ、刹那はそのまま彼を人質に逃走した。
権力を盾に懐柔しようとする室長を無視して奥へと進む刹那。
そちらには「揺り籠」があると言うが…
閉まる防犯シャッターを潜り抜けて刹那がたどり着いた先。
その部屋には、頭部や上半身だけをコードで繋がれた、培養ポッドが…
室長はそれを至高天向上の為の必要不可欠な研究の大事なサンプルだと言う。国家規模の崇高な目的のための。
あの時貨物で運ばれていた脳がここで実験材料にされていた事を悟る刹那。
またも感じるあの吐き気、頭の中に直接捻りこんでくる悲痛な叫び…
より完璧な遺伝子を得る為、科学の、至高天の発展の為多少の犠牲は止むを得ない、それに実験には社会的に排除された者を使っている…
意識を正常なまま残して精神反応を調査するのも、大変な技術を要するラボだからこそできる実験。
がなる室長に何故平気なのかと思う刹那。この重苦しい念波がわからないのか…!?
彼らが生きている事を知った刹那。針だらけのその顔で、自分を見ている事にも…!
どうして命を弄ぶのか…ちゃんと殺してやれ、こんなに苦しんでいると室長に食って掛かる。
なぜ天使(なかま)にこんな事ができるのか…
天使だからできるんだよ
4 :
2/3:2006/08/29(火) 00:05:38 ID:???
その時聞こえてきた声と、赤ん坊の泣き声…室長の制止を聞かず刹那はそちらに進む。
そこには巨大な…カプセル状の物体、揺り籠が。
この中に赤ん坊がいると感じる刹那。自分が来たときからずっと、ここから見ていたのだと…
そこへようやく登場した警備兵。遅いと怒る室長を、白い制服の兵が撃つ…!
刹那は通風口の金網を銃で撃ち壊し、そこへと入り込む。
だがものすごい勢いで自由落下。早まったか?
ギリギリのところでようやく止まる事のできた刹那。
その下は雲だか霧だかで見えないが、まさか…
ひとりごちる刹那に答える声がある。それは第二天ラキアへ続く大空気口だと。
何とか地上へ登りかけた刹那を見下ろすのは、セヴォフタルタ…!
このまま落ちれば門を通らずラキアへ辿り付くが、五体はバラバラで顔の見分けもつかないだろう…
そしてセヴィーは落し物だとアレクシエルのピアスを示す。
ライラに渡すためのもの、お前は知っているはずだ、彼女をどこへやったのか。
恐ろしく懐かしい名、だが何故私が彼女の居所を知っているのか?
しらばっくれるセヴィーについザフィケルから聞いたと口にしてしまう刹那。
セヴィーはその名に低く笑う。車輪と炎をかたどった階級章は、「神の戦車」のシンボルマークなのだから…
刹那の手に杖先を突き刺し、踏みつけるセヴィー。これで一切の迷いなく理想を推し進める事ができると。
ライラ…彼女があの中のどのポッドの臓器になったのか、自分にもわからないのは本当だと…
その言葉に衝撃を受ける刹那。だから廃竜は彼女が死んでいないと言ったのか!?
許せないと言う刹那に総ては歪みを正すためだと語るセヴィー。
弱き者、間違いを犯した者、完全な天使の形態を持たぬ者―――――
それら総てを排除し、正しきあるべき姿の天使が生き残る。
完璧な美と完璧な血統を持つ選ばれた天使達だけの至高天…それは崇高なる正しき魂を持つ者の理想郷となる。
歪みのない、一点のシミもないただ白い世界。美しい世界…
刹那に服従を迫るセヴィー。お前の秘めたる力もその名も正しき理想の為に使ってやる、と。
それともこのまま大地に叩きつけられ塵となるか…?
5 :
3/3:2006/08/29(火) 00:06:25 ID:???
服従は誓えない、だがもう手も限界。しかしここから落ちたらひとたまりもない…下を確認した刹那は何かを発見する。
迫るセヴィーの杖を逆に握って飛び上がった刹那は、銃床でセヴィーの冠を砕いた。これが答えだと。
そして笑いながら落ちていく…
自害かと思われたが、霧が引いてその姿が見えてくる。
ノーミソあんな風に針ねずみの様にされる趣味はないし、
すぐ気を失うねーちゃん達や白い制服のような殺人人形になりたくないし理想郷にもキョーミない。
あんたはビョーキだ、ノーミソ取り出して調べなければならないのはあんたの方だ。きっと腐ってるだろうが…!
中指を立てて罵倒し、雲クジラの背に乗って去って行く刹那。
だが逃げられると本気で思っているのか、ザフィケル…!
落ち込む紗羅と不適に笑うザフィケル。
その時窓の外一面に、雲クジラの大群が…!
鳴き声をあげる彼らが何かを伝えようとしてくれているのだと感じた紗羅。そのうちの一頭の背には、刹那が。
ライラかわいそうだよライラ
セヴィー逝ってよし
個人的まとめ
神性界-7
創造界-6
形成界-5
-4:マコノム
-3
-2:ラキア
-1:シャマイム
どうしてラキアまで落ちるのが前提なのか…
羽出せよ、飛べよ
それともあの羽はニワトリ並みなのか?
ペンギン程度の能力しかない羽なんじゃないか
そもそもあの大きさの羽根じゃ人間飛べないしね
天使は魔法の力でひとっとびなんじゃないか?
刹那は使いなれてないから飛べないだけで
「揺り籠」の中にいるのは、赤ん坊なのか。
うさぎの中の人はけっこう成長してたようなのに、あれはまた別の人?
ライラはぁ〜?
ライラとアナエルの研究がメタトロンとサンダルフォンを産み出すためのもの
なのに研究名は生まれたメタトロンではなく死んだサンダルフォン
トップシークレット的な扱いの揺り籠
個人的な予想としては、揺り籠の中身はサンダルフォンの死体
うさぎさんだったのはサンダルフォン、大人の姿なのは精神体だったから
サンダルフォンはメタトロンの中に意識だけが一緒になっちゃってて、
それらを融合させるために今も研究してるんではないのかなーとかなんとか
難儀な双子ばっかだな
完璧な血統?
天使ってどうやって創られてるの。
ちょっと前ザフィケルが母親の胎内から生まれないとか言ってた
完璧な血統は天使同士の子供はイラネってことだと思った
キチガイ
>>18 胎児とか血統とかって、生殖をイメージして結構生々しいよな。
カタンみたいに、神の息吹で具現化するのかと思ってた。
21 :
1/2:2006/08/31(木) 00:03:30 ID:???
月華夜 ACT.6
刹那を雲クジラたちが導いてくれた…紗羅は外からは見えないガラスのために外に出て行こうとするが、ザフィケルがそれを呼び止める。
だが刹那を迎えに行かなければ、貴方のように目的の為に大事なものを切り捨てるなんてできないと言う紗羅。
切り捨てたわけではない、胸の奥深くに仕舞いこんで抱いていくだけ…
二人を責めているわけではない、それが決めた道なら後悔しない様にすればいいと言うザフィケル。
思う道を思うがままに…決して後悔しないように。帰り道を間違えないように…
霧がすごいがここはメギドの丘だろうかと思う刹那。
連れてきてくれた雲クジラは何故ここがわかったのか…それにさっき塔の中から誰かが呼んでいたような気がする。
とにかくザフィケルの所へ戻ろうと、刹那は服を切り裂いてセヴィーにやられた手に応急処置をする。
そこへ誰かが駆けつけてくる…ザフィケルの部下だろうか? 霧で見えないその姿に、刹那は防衛のため七支刀を解放する。
だが、それは紗羅だった…!
七支刀を取り落とす刹那。
「バカ びっくりさせやがって 短い…髪が」
「刹那こそ その手のケガ…ムチャばっかりするんだから…」
「うるせぇよっ…!!」
刹那はただ紗羅を抱きしめ、紗羅は涙をこぼした。
もう会えないと思った、怖かった。不安だった…あの日からいろんな事がありすぎて…
でも信じていた、刹那はきっと見つけてくれる。それだけを信じてきた。
その様子に刹那はもう離したりしないと誓う。
本当は自分の、無道紗羅の体で会いたかったと言う紗羅。
自分がジブリールだとは知らなかった、罠にはまって生まれ変わらされていたのだ、セヴォフタルタの手によって…!
そこへ突然転移してきたメルカバ。セヴィーだ。
近くに二人の逃亡を手引きした裏切り者がいるはず、一人残らず捕えるようにと命じる。
ジブリールには致命傷を与えてはならないが、他の者は最悪脳さえ残っていればよい…
22 :
2/2:2006/08/31(木) 00:05:56 ID:???
驚く刹那たち、その時地面が揺れ、小型のメルカバがあらわれた。こちらはザフィケル。
二人はそのメルカバに向け走り出した。だが紗羅の方が足が遅い…
セヴィーの兵が後方から紗羅に向け銃を撃ってくるのを雲クジラが庇い、その傍に撃たれた雲クジラが落ちてくる。
そして、雲が晴れる…月の光が辺りを照らした。
貴女には傷つけた者の傷口を見る勇気がありますか?
月の光を浴びて一斉に花を咲かせる月神草…ムーンリル…!
辺りに咲き誇るその花に、紗羅は一緒には行けないと涙をこぼした。
驚く刹那に残ると言う紗羅。もう前のように何もかも投げ出すことはできない。
ここに来るまでに、互いに色んな人の協力があったはずだ。いろんな人のいろんな思いを傷つけ利用してきた。
紗羅は自分の身可愛さに踏み台にし、目をつむった少女の事を思い起こしていた。
彼女の命を自分のために使おうとしたのだ…彼女が死んだら一生自分を許す事はできない。
大丈夫、信じていればまた会える…だから刹那も周りの人を大切にしてあげて欲しい。
ザフィケルに止められたまま必死に呼びかける刹那だが、紗羅の背後にはどんどんと兵が近づいてくる。
「気付いてあげて 刹那のまわりで傷つき涙を流している刹那を大事に思う人達に
大好きよ刹那…真の救世使となったら迎えに来てね」
そして紗羅の元にたどり着いた兵は刹那にも銃を向ける。
だが紗羅は自分をセヴィーの元に連れて行くのが先だとそれを止めた。
ただし、自分の身代わりになったシスター見習いを解放するのが条件だ。
だが紗羅の想いが理解できない刹那。ザフィケルを振り切り、連行されていく紗羅の元へ走り出す。
ああ若き救世使よ 貴方のその過信と愚かさが 貴方に欠けている物が何なのか
この身を以って教える事になろうとは
白い制服の撃った銃撃から刹那を庇ったのは、ザフィケル…!
彼は刹那だけをメルカバに乗せ、行くように命じた。彼には成すべき事があるはずだと。
そしてザフィケルを置いて、メルカバは出発した…
ちょ、刹那せめて紗羅の手ひいて走ってやれよ…
救いようも無いバカップルだな
ザフィケル死んだ?
まあ悟っただけ紗羅はマシだろ
でもリルたんはもう…(つд`)
あーん!ザフィケル様が死んだ!
ザフィケルさまよいしょ本&ザフィケルさまF.Cつくろー!って思ってたのに…
くすん…恩師薄命だ…
・゚・(ノД`)・゚・うっうっう…ひどいよお…ふえーん!!
この間「今、時代は長髪眼鏡青年だ!」の葉書きを出してまだ2週間じゃないですか!
どーして、どーして!?あれで終わり!?嘘でしょ!?
信じられないよおっあんな白い制服ごときに殺られるなんてっ!!
刹那と差がありすぎるわっ!!生き還りますよね?ね?ね?
……泣いてやるぅ・゚・(ノД`)・゚・
私はあのおそろしく優しい彼が(たとえ裏がありまくりでもさ!ヘン!)大好きだったんですよっ!!
ザフィケルさまあっ!死んじゃ嫌だああああああっ!!
先生のカバッ!!え〜ん・゚・(ノД`)・゚・
あげ
今月主人公にマジ殺意が沸いたんだけど…。
ラジエルの泣いてるとこ好きだなぁ
ザフィケルは今の天界を変えるため反乱組織の頭までやってるのに
部下のゲーム感覚のIチャイルド狩りや婦女暴行を
野放しのままにしていたのは何故だったんだろう。
何もセヴィーだけでなく身近なところから変えていくことが必要だと思うのだけど
捕まったしこれについての理由ほしい。
>>30 シャマイムのアレはボランティア隊って言ってたから必ずしもザフィケルの部下ではないんじゃない?
主人公が愚かすぎて読んでてしんどい。
鯨萌
>>30 今の座天使はザフィケルの目の届くところは、結構まともなんじゃないの。
建前は平和主義で通してたようだし。
命令に表だってたてつくことはなかったと思うけど。
ザフィケルはこの世界を変えたいというより、
セヴィーの政権を含めて今の天界を潰したいの思いが強いのでは。
反乱組織の頭目をやってるのは、思想よりアナエルへの自責の念からのようだし、
この人の中にあるのはまず私怨という気がする。
36 :
1/3:2006/09/02(土) 00:05:12 ID:???
至高天 形成界編 悠久の中空回廊 ACT.1
――お前は―― 何一つ 変われはしない
数々の、紗羅との思い出…そして撃たれたザフィケル。
刹那の足元にはザフィケルの砕けた眼鏡が落ちていた。
最大加速で追手をぶっちぎると指示を出す、行商人だった女性。
このまま自分達だけ逃げるのか、お前らのボスなのにザフィケルを見捨てるのかと訴えかける刹那。
だが…
「黙って座ってろ…殺すぞ」
自分達はそのザフィケルに頼まれているのだと言う。
「救世使は…この絶望的な戦いにおける我々の唯一にして最強の光明である」「彼なくして我々の勝利は有り得ない」
「救世使には傷一つつけてはならない…どんな不測の事態が起こっても君達の使命は唯一つ」
「命に替えても救世使を守り危険ならば来たるべき日のために窖へお返しする」
だからこそザフィケルは命がけで刹那を助けたのだ。
命令でさえなければ誰がお前のような無責任な救世使を助けるものか。
そんなだからジブリールに愛想をつかされた。自業自得だ!
責められ、刹那は思う。
ザフィケルの名をセヴィーの前で口にしたのも、勝手に飛び出してセヴィーに付けられたのもザフィケルが撃たれたのも…
何もかも、自らの浅はかな行動のツケなのだと…!
連行されてきた紗羅とザフィケル。皮肉を言うセヴィーに身替りの少女の無事を確認する紗羅。
一度は殺せと命じたが止めておいて正解だったようだ、何も出来ないバカでも人質としての価値があったと言うセヴィー。
だが今は他人よりも自分の心配をすべき。何が望みなのかと紗羅は問う。
セヴィーは無道紗羅として生を受けていた間の実の兄との不貞の嫌疑について裁判を受けてもらうと告げる。
悪趣味と罵る紗羅に、お前達の方だと返される。
37 :
2/3:2006/09/02(土) 00:06:43 ID:???
リルの独房へ案内される紗羅。
あの娘はとうとう一言も口を割らなかったそうだが、もう以前のようにお前を慕ってはいないとセヴィーは言っていた。
騙され、利用された事に気付かない程低い知能ではない、さぞ憎んでいるだろう。
騙すつもりはなかったなんて今さら言えない…あの子が自分を憎むのは当然の事だ。
もう笑いかけてはくれないだろうが…それでも彼女に会わなくてはならない。
開かれた独房の扉、拷問を受けた体で横たわるリルに駆け寄る紗羅。気を失った彼女に必死に呼びかけ…その目が開かれる…
「おかえりなさい…サラ様…」
リルは優しく微笑んだ。
ボロボロでびっくりさせた、ドジってみつかってしまったと笑うリル。
だから取り替えゴッコはリルの負け、でも誰にも口はきいていない。ゲームが終わるまで喋ってはいけないという約束だから…
その様子に自分はなんてバカだったのだろうかと想う紗羅。
ああ…神様…!
今 貴方に生まれて初めて嵐の様な感謝のキスを送りたい…!!
紗羅はリルを抱きしめ、泣いた。リルはそんな彼女をただ純粋に心配する。
ねぇ…だから許してくれるよね? こんな私を…!
刹那…
目的地へと辿りついた刹那達のメルカバ。だが追手もすぐそこだ。
ここの転送機なら長距離の転送が可能なのだと言う。非常用のバッテリーだから時間はかかるが一気に窖へ行ける。
ボルドという青年とアフに後を頼み、刹那を連れて行く女性。無理矢理刹那を転送機に押し込む。
転送機を設定している最中に入り込んできた兵士を撃退する際、彼女は自分も撃たれてしまう。
心配する刹那にするべき事は唯一つだと言う女性。自分達の戦うサマをその目によく焼き付けておく様に…
その後で何を学ぶのか、これは大きな賭けなのだ。
転送完了まであと70秒、持ちこたえてみせる。
刹那は彼女が死ぬ気なのだと悟った。
38 :
3/3:2006/09/02(土) 00:09:07 ID:???
女性は銃撃を受け倒れたアフを抱きしめる。
怒りにかられその場の兵士を撃ちつけるが、そこでエネルギー切れ。追手は後から後からやって来る。
そんな彼女の腕をとる、瀕死のアフ…手に握りしめたものを彼女に示して見せた。
強い子だ、天国のお母さん達もきっとホメてくれるという女性を指し、切れ切れに母と呼ぶアフ。
本当のお母さんはとっくに上の連中に…だが必死に呼ぶアフにそれ以上言えない女性。
笑う彼に、さすがは自分の子、鼻が高いと笑いかけ…共に"それ"を握る。ギリギリまで引きつけ…スイッチを、押す…
よく見ておくんだ、私達の死が一体何を残すのか…!
一面に起こる大爆発。その影響を受けながらも、刹那の転移は完了する。
だが、こんなはずではなかった…!
転送機の側ではクライとノイズが眠りながらも待っていた。
一度ラジエルを連れて行ったが、戻ると言うクライのため護衛と共に来たらしい。クライは心配で何も食べようとはしなかったようだ。
無事だったのか、髪はどうしたのか、手を怪我している…
心配するクライの様子に紗羅の言葉を思い出し、刹那は謝意を告げる。
謝って済む事ではない、彼女達が身を以って教えようとした真実。
紗羅やザフィケル…これからその責任を取らなければならない。すべては自分の招いた結果だから…!
ラジエルは壊れたザフィケルの眼鏡を手に告げられた事実に震えだす。
それで一人、おめおめと生きて帰ってきたというのか…多くの同志の命を犠牲にして、ザフィケルを見捨てて…
それでも救世使か、そんな卑怯者が願いを託した救世使だなんて、そんな奴のために死にもの狂いで戦ってきたのか。
涙を流し訴えるラジエルの言葉に刹那は言い返すことができない。
本当に救世使なのか…一体何を救ってくれると言うのか。そんな救世使は認めない、心底軽蔑する。
「無道刹那…!! 僕はお前を許さない…!!」
誰の手も借りない、信用しない。自らの手でザフィケルを救い出す!
ラジエルは走り去ってしまい、刹那はただ頭を抱えた。
これは 総て この俺の思い上がりが 招いた結果なんだ…!!!
>そんなだからジブリールに愛想をつかされた
ボルドたん的確www
アフ(つд`)…やっぱし
予告のあのシーンがとうとうきてしまったか…
ああ……ラジエル……
アフってあんな姿だったけど幼児だったんだっけ・・・
せめてリルが生きてて良かったよ。
>ねぇ…だから許してくれるよね? こんな私を…!
だからってどういうこと?
>>43 リルのために刹那を置いてったので、そのリルがまだサラを想ってくれてたからとか?
もうサラがしんでリルがヒロインて良いよ。
リル生きてたんだ。あれだけ殺したように描いておいて。
>>43 今は刹那よりもリルが大事だってことじゃない?
>>47 少しはこのバカップルのために捕まったザフィケルの事も思い出して欲しいな
死んだようにみえたリルが生きてたし、
身代わりにザフィケル氏が死にます
ザフィケル・・・リル・・・・゚・(つД`)・゚・
>>48 あんなオッサンはリルに比べたら限りなくどうでもいい
おばちゃーん・゚・(ノД`)・゚・
糞屑漫画
キモ信者サラシアゲ
54 :
マロン名無しさん:2006/09/03(日) 19:08:58 ID:tMhOCLR7
>>35 シャティエルは…
7大天使は他の天使を統治できる絶対的な権力持ってるし
昔はザフィケルが率先して非道な狩りしてたんだから
部下の虐待の察しも指導も可能だと思うのに。放置してると思う。
鬼畜な天使が多いから今の政権潰したところで大して変わらないと思うし。
56 :
1/4:2006/09/04(月) 00:05:41 ID:???
この身を何辺 裂いたって足りない 俺は一体どうやって 償えばいいんだ…!!
悠久の中空回廊 ACT.2
はねおとし〔羽(羽根)落とし〕
至高天において最も残酷とされる極刑。
天使の象徴である羽を切られる行為は最高の苦痛と屈辱を与える。
――腐臭だ
――肉の焼ける臭いと―この世ならぬ者の如き呻き声
誇り高き生き物とされる者達の断末魔がかくも踏みつけられた虫ケラの様だとは
それでも私に見えるのは闇ばかりだ
ここが本当に楽園か?
羽を拘束具で戒められ、拷問を受けるザフィケル。それは気を失う事すら許されない、責め苦…
自らの境遇をグリム童話のラプンツェルに例える紗羅。だが捕らわれの娘は長い髪ももうないし、王子様も…
いくら埃をはらってもキリがない、いつまでこんな所にいるのかと騒ぐリル。
紗羅はリルだけでも解放してもらえるよう頼んだのだが、紗羅の世話をするのは自分しかいないと胸を張るリル。
だがいつまでか…あの白い髪の怖ーい天使が、紗羅を裁判にかけるまで…
形成界 第五天マティ最大の収監施設として名高い中空回廊…
かつてアレクシエルの天使の結晶を邪鬼族の襲撃で奪われた時に責任を取って辞職した前権天使長の時代よりも警備は強化されている。
ジブリールは脱出不可能と言われた中空回廊伝説にかけて、責任を持って監視するとセヴィーに約束する、現権天使長サリエル。
紗羅が収監された塔を眺め、次は例の部屋へと望むセヴィー。
その時その胸から音楽が聞こえだす…それは救世使の落としたピアスから聞こえていた。
セヴィーはそのピアスを紗羅のいる塔の方へ投げ捨てると、さっさと案内しろと告げた。ザフィケルの房へ…
57 :
2/4:2006/09/04(月) 00:07:22 ID:???
クライが持ってきた食事も受け取ろうとせず閉じこもっている刹那。気分が悪いから一人で考えさせて欲しいと言う。
全部自分の所為なのだ、紗羅が去ったのも、ザフィケルがやられたのも、おばちゃん達が死んだのも…ラジエルにまで見限られた。
今まで何をやってきたのだろうか…救世使なんて祭り上げられてその気になって、何でもできると思い上がって…
挙句の果てにたくさんの命を犠牲にした…!!
一体どうしたら償えるのだろう、自分には救世使いの、指導者の資格なんかない…
落ち込む刹那の様子に泣くクライ。
調子付いてた奴は逆境に弱い、少しシメるかと言う加藤と吉良。
止めるクライの言葉をきかず刹那の閉じこもった部屋の扉を蹴り付け声をかける加藤。
だが生きてたってしょうがないクズだと自分を卑下する刹那。
クズなのは今に始まった事じゃないと、加藤は扉を蹴破った。
誰に向かって口答えしているのか…百万年程早い。
刹那を無理矢理部屋から連れ出し、噴水に突っ込んだ。少し頭を冷やせと。
全部自分のせいだと尚も落ち込む刹那にその通りだと告げる吉良。後先考えないからこうなる。
その奔放さと恐れを知らない自由な魂が皆を引付けて離さない所ではあるが…もう一人ではない。いい意味でも悪い意味でも。
もっと周りを見るべきだったのだ。今までの数々の困難を乗り切った時誰かが側にいたという事。
常に誰かを救い、救われ、助け合って血まみれになって、そうしてここまで来れたという事。
だからもっとみんなを信頼し頼るべき、お前を待っているのだから。望んでお前の側にいるのだから…
好き好んでお前の側にいるみんなに、もっと優しくしてやれ…
吉良の言葉に今までの事を思い出す刹那。
いつも一人なんかじゃなかった。いつだって心を支えてくれ、今もこんなバカな自分のために心からの言葉をくれる…
好きでもなきゃこんなひねくれ者がお前にひっついてるわけないと言う吉良に気持ち悪い事言うなと怒る加藤。
その様子に刹那は笑い出す。
そう、今すべき事は自分の失態を悔いる事ではない。彼らの命懸けの努力を無駄にしないために今出来る事を考える…
真の救世使になるために何が必要なのか、どうすべきなのか、みんなで一緒に歩いていかなければならなかったのだ。
58 :
3/4:2006/09/04(月) 00:09:40 ID:???
刹那は突然加藤の足をとって噴水に引きずりこんで抱きついた。
気色悪いから離せと怒る加藤だが、側にいてくれてありがとうと告げる刹那に大人しくなる。
自分のした過ちは消えやしないが、みんながいればもう一度がんばれる気がする…
いいんじゃないか、と吉良は笑った。
あれから自分なりによく考えた、自覚が足りなかった、自分のことしか考えてなかったと言う刹那。
本当に救世使の資格はないのかも知れないし…「またか」といわれるかもしれないが…
ラジエルを連れ戻しに行こうと思っている、天界に。
今にして思えばザフィケルが命懸けで刹那に託したものは彼のことだったはず。
真の仲間となり得る存在だった、刹那がバカな事さえしなければ。
もちろん一人で勝手に行くとはもう言わない、転送機はもう使えないし手段も定かではないが…
もし手があるなら、助けて欲しい。もう一つだけわがままを聞いて欲しい。刹那は頭を下げる。
初めからそう言えばよかったのだ。
今度は自分も付いて行くと言う加藤。一度天国ってやつを見てみたかったのだ。退屈しのぎにはなるかもと言う吉良。
自分も行っていいだろうというクライに、お前も自分と一緒で自覚を持つべきだと言う刹那。
これは刹那のケジメの問題、一国の主であるクライを危険にさらすわけにはいかない。
クライには他の仕事を頼みたい、考えていた事…地獄と手を組む気はないかと。
どう考えても窖の邪鬼の残党だけではあの一糸乱れぬ天使軍に太刀打ちできない。信念や団結力の問題ではない。
だったらいっそ敵の敵は味方という事で悪魔と同盟を結び天界を討つ。
つい先日あんなゴタゴタがあったばかりだし七君主の連中もクセ者ぞろい、味方にするのは容易じゃないだろう。
だが奴らも勝ちたいはずだ。救世使と最後の龍主上となる皇女…味方にして損はないだろう。
皇女として正式に地獄に同盟を申し出る気はないか。
だが考えさせてほしいというクライ。いろいろあったし、と刹那は了解する。
魔王ルシファー亡き今、地獄は牽制し合う七君主の所為で混沌としているはず。誰に申し出をしたらいいのかもわからない…
そこまで考えてクライは思い出す。いろいろありすぎて忘れていたが…あの地獄の底で見た魔王ルシファーの顔…!
まさか…?!
クライは振り返って吉良を見た。
59 :
4/4:2006/09/04(月) 00:11:37 ID:???
最下層を歩くサリエルとセヴィー。
両脇に設置された房の扉からは、羽落としを終えて正気を失った罪人が騒ぐ姿が垣間見える。
ザフィケルの房、敬礼する全員をはずさせ、セヴィーとザフィケルは二人きりになった。
セヴィーは突然ザフィケルの腹に焼き鏝を当て、ザフィケルは痛みに呻く。
見えぬが故の恐怖というものもあるだろう…誇り高きお前がこの様な惨めな姿に、哀れな事だ。
だがそう簡単に殺すわけにはいかない。今日の傷も前の銃弾の傷のようにたちどころに治癒術を施す。
岩山に括りつけられ鷲に生き肝を毎日食われ続けた神話のプロメテウスの様に。
これから人知れずここで「羽落とし」の刑を受け、苦しみ朽ち果てていく。
見るもおぞましい姿となり、激痛と腐敗で精神さえも犯され、生ある限りこの地下で生殺しの目にあう。
それが、自分を裏切り続けたお前にふさわしい罰だとセヴィーは言う。
何故、そこまで自分に執着し、憎むのか。切れ切れに問いかけるザフィケル。
「お前が…彼女を汚したから
お前がアナエルを堕落させたんだ ザフィケル」
セヴィーの言葉に、ザフィケルは悔しげに唇を噛んだ。
地獄に近い立ち入り禁止区域で救助信号を出していた子供を拾ったパトロール隊。
救助したはいいが何も喋らないからと数発痛めつけたと言う。
だがもうすぐ検問所、さっさと子供を引き渡して仕事を片付けたい二人。
退屈な任務、最近は悪魔だってなりを潜めているのだ。
そういえば叛乱軍の統主だったという座天使長は中空回廊に送られたらしい。
表向きの発表では射殺されたとの事だが、そうして死んだ事にすれば獄中でどんな拷問をしようが世間には騒がれない。
極刑にでもされるだろう、バカな事をしたものだ。あのセヴィーに盾突こうなんて、何を血迷ったのか…
世間話を交わす二人の背後から、迫る手がひとつ。
彼の気を失わせた者…後部座席にいたはずの、子供。ラジエル…
デブス腐女子
62 :
マロン名無しさん:2006/09/04(月) 09:03:41 ID:s4rZ3Mc/
やっぱりセヴィーは横恋慕野郎だったのか
そしてラジエルはすっかりぐれちまったな
ラジエルきゅんおっかねぇぇえええぇぇ
ウォー拷問痛そう!
「裏切り続けた」って、あの状況で忠誠誓わせて信用する方がムシが良すぎると思うけど。
まさかセヴィーがアナエルの名を出すとはね・・・
65 :
マロン名無しさん:2006/09/04(月) 20:37:45 ID:s4rZ3Mc/
セヴィーはアナエルに相手にされなかったんだろうな
だからアナエルぶっころして、アナエルの恋人のザフィケルに粘着してくるんだな
拷問(((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガクガクガクガク
もはやプレイの域を超えているじゃないか
サラと刹那の次は、ラジエルのワンマンプレイですか
刹那はうじうじプレイを始めたかと思ったが一応回復?
てか今度こそ救世主に目覚めるのかね。
ザフィケルとサラが並んでたたら「両方助ける!」とか言いつつ
結局はサラだけ助かりそうな疑惑は消えない。
>>65 そりゃあんな残酷でしつこくて器が小さいんじゃ
ザフィケル選んだ見る目ないアナエルでも相手しないわ
ザフィケルの回想シーンでセヴィーが柱の影から
二人を覗いているかもと思って読み返したけどどこにもいないんだが
昔は見えない君のキモオタだったんだな
個人的まとめ
神性界-7
創造界-6
形成界-5:マティ
-4:マコノム
-3
-2:ラキア
-1:シャマイム
キモヲタサラシアゲ
魔王がこんなところでロンドンブーツをやっていることに誰も疑問を感じないのか
74 :
1/4:2006/09/06(水) 00:02:44 ID:???
悠久の中空回廊 ACT.3
違う 違う 盗んだのは僕じゃない
『じゃあなんでなくなったはずの物のありかを知ってんだよ』
嘘じゃない 僕にはシアドの心の声が聞こえてきたんだ それを盗んだのは彼なんだよ
嘘じゃない 僕はみんなの声が聞こえてしまうんだよ
ほら こうしている今も みんなが僕を憎んでるのがわかる
僕を責め立てる みんなの声で 僕の脳は破裂しそうなんだ
検問所、隊長は突然入り込んできた子供の姿を見咎める。警備の連中は何をしているのか。
だが残るは隊長のあんただけだと言われる。
第五天マティ中空回廊までの通行証が欲しいと言う少年、そのためには隊長の承認が必要。
その赤い瞳…彼はアイオーンなのだろうか。そんなマネはできないと拒絶する隊長。
だが通行証に掌紋があれば良いのだから、死体の手からでもいい。
無茶を言う少年に銃を向ける隊長…撃っても構わないが、誰に銃口を向けているのか?
少年…ラジエルに向けられていたはずの銃口は、隊長本人を…
クライが刹那達の為に用意したのはかなり大きな竜だった。
目立ってしょうがないと言う刹那だが、頭がいいし人語も解する、他の気性の荒い竜じゃ人間なんか食われると言われてしまう。
だがラジエルの置いて行った機械を役立てる時。磁場を拡散させ天界のバリアに感知されないようになる。
以前物質界に天使達が往復していたのもこういう物があるからか、もしかして天使軍は内部はボロボロなのでは?
準備を続ける刹那達、その吉良の行動にいちいち反応してしまうクライ。
結局言い出せないままだったが…何故吉良と魔王の顔がそっくりだったのかはわからない。
気になるが今は聞かない…みんなが帰ってきてからでいい。
吉良は長い事一緒にいる仲間だから。クールだが信用できる男だと思っている。
今はみんなの無事を祈るだけ…
むしろ心配なのは刹那の方。わざと明るく振舞って無理しているのではないのだろうか。
あの事には一言も触れようともしない…
75 :
2/4:2006/09/06(水) 00:04:21 ID:???
何故今回は紗羅の事を一言も言わないのか。いつもあんなに紗羅ばかりなのに。無理に忘れようとしているのではないか。
取りすがるクライの頭をかき混ぜて無理なんかしていないと言う刹那。
紗羅の事は忘れられるわけはない、いつか助けに行く…だが自分の仲間も守れないようじゃまた追い返されるだけだ。
今はただ出来る事をやるだけ、あいつの前に出ても恥ずかしくなくなったら、あいつをさらいに行く。
クライも自分の大切な仲間で守ってやりたいと思っている。だから「俺達の窖」をしっかり守って欲しい。
その言葉に感動したクライは照れ隠しに刹那を殴りながらさっさとラジエルとザフィケルを助けに行けと急かす。
かやの外で一人置いていかれる不安とは違う。心配は心配だけど、信じていられる。きっと全員で戻ってくると…!
邪鬼達に見送られ、旅立つ刹那達3人。
加藤は無遠慮に妹に捨てられたのかと聞き、刹那はそうじゃないと必死に叫んだ。
元主天使STだったアナエル。ベリアーより覗く空よりも青い瞳と輝ける黄金の髪。誰もを魅了せずにはおかなかったその美貌。
そして誰よりも聡明であった彼女は研究チームの指揮官に任命され、上級天使としての前途は輝かしいものだったはずだ。
ザフィケルさえ、現れなければ…
彼女は悪名轟く座天使長とのスキャンダルに塗れた。
あの美しかった両の羽根をもぎったのはお前なのだから私にその羽根を奪われても文句はないだろうとセヴィーは告げる。
ザフィケルは既に死んだ事になっている。統主を欠いたアニマ・ムンディの残党を一掃する事など造作もない。
神が目覚めたならその所業を見て必ず神罰が下るとこぼすザフィケル。
だがその様子をセヴィーはあざ笑う。お前ほどの者が神頼みとは…
創世神が本当に眠っていると思っているのか!
神はもういない…正確には、住居である最上階のエテメナンキごと行方不明。
次の天地大戦の為に永の眠りについているというのは、最高会が展開を手中にする為に発表した詭弁なのだ。
そう、我々はとうの昔に神に見捨てられた子。
ならば残された者で世界をどうしようと勝手なはずだ…
ザフィケルはその言葉に衝撃を受けた。
76 :
3/4:2006/09/06(水) 00:05:43 ID:???
これは最高会最大の極秘事項。鬼のいぬ間に権力争いを始めた最高会の長老供を混乱に乗じて陥れるのは造作もなかった。
だが地上を一掃する計画は神の代わりに奇跡を起こし始めたアダム・カダモンによって阻止された。
物質界への時間魔法は天界の最上界を介して行われている。膨大な量のエネルギーが放出されていたからだ。
つまり…創世神は生きていようといまいと長きに渡りエテメナンキごと沈黙を続け、
代わりに聖人アダム・カダモンが神によって隠されたエテメナンキより奇跡を起こし地球を助けた。
エテメナンキはアダム・カダモンを幽閉したまま最上界のどこかに姿を消している!
一度だけ生き残るチャンスをやってもいいと言うセヴィー。
アツイルトより消えたエテメナンキを探し出し、聖人アダム・カダモンを手中にする。
失われし奇跡の力、天と地が分つ前の巨大な力が手に入れば…
汚濁した地球、その上に胡坐をかいている欲望だらけの人間供も七層の地獄も一瞬で無にする事もできる。
創世神の犯した大きな過ちを、自分達の手で粛清しそして新たなる創世記を作り上げる。
お前ならばできる、二人で世界を手に入れるのだ!!
だが…
「狂った理想郷の子供達は…笑う事が出来るのだろうか…
貴方は…何もわかってはいない…両の光を失った私のこの目よりもさらに…何も見えてはいない…!
貴方のその業が 貴方の顔を醜くさせているのに気付かない」
拒絶するザフィケルの言葉に、杖で只管に殴りつけるセヴィー。
業が深いと言うならば互いに少しも変わらない。少なくとも、アナエルを死に導いたのはザフィケルの業のためだ!
アナエルの道を狂わせたのも…アナエルを狂わせたのも…
愛するものさえも利用し死に追いやる悪魔のような男、それがお前だと…
折れ曲がった杖を投げ捨て、ザフィケルの髪を掴みあげるセヴィー。
何故、かつて最も勇敢で猛将と恐れられた誇り高きお前がこんな姿を晒すのか、何故自分を苦しめるのか…
お前は以前と少しも変わっていない…その冷たい瞳には何も映そうとはせず、私を永遠に拒み続ける…
セヴィーはザフィケルにくちづけると、その首をかき抱いた。
77 :
4/4:2006/09/06(水) 00:07:22 ID:???
だが今度はそうはいかない 烙印を押し手足を縛め鎖に繋いでも
それでも私の手の中から飛び立とうというのなら お前の羽根をもぎってやろう
「お前が私を堕落させたんだ…!!」
ザフィケルは悟った。セヴィーの仮面の下の素顔を。
その心の時間が…あの悪夢の夜から止まってしまっている事を…
――至高天ラキア廃棄物集積場――
ロボットの部品などを拾ったり投げ捨てたりする男が一人。何やらいい部品がないか探しているようだ。
彼のつけたガスマスクの眼球部分に仕込まれたレーダーが反応する。
至高天へ辿りついた刹那達。だが磁場が乱れている所為で正確に座標が計測できない。
機械を叩いて直そうとする加藤ともめる刹那。その時何かに気付いた吉良が、捕まれと注意をしてきた。
だが突然の事に理解が出来ない二人。その時衝撃が走り、竜が墜落した。
撃ち落としたのは先程ゴミを漁っていた男。迷いドラゴンか、生物には興味がないと彼は告げる。
だが人を撃ち落としておいてその態度は何か、死んだら香典出してくれるのか、ともう死んでいる加藤がキレる。
そこへ動くなとかけられる声と銃撃。
彼らはアニマ・ムンディ。何故戻ってきたのかと刹那に問う。
自分の身を挺して助けたザフィケルの行為、同志の犠牲を、無に帰するつもりかと…
ちょwセヴィーなにやってwww
アッー!!
アナエルと間接キス…とか?
えー?
セヴィーはアナエルに横恋慕していたのかと思ってたが
そうか、ザフィケルだったのか?
近親相姦してるジブリールのこと汚いなんて言える筋合いじゃないだろ
素顔って事は、昔せまられた事があんのか?
加藤かわいいよ加藤
人間として恥ずかしいスレ
85 :
マロン名無しさん:2006/09/06(水) 09:58:12 ID:/sEauJei
セヴィーはザフィケル・アナエル・ジブリールに横恋慕している
しかし相手にされないので切れた
でいいのか?
戒律を真面目に守ろうとするあまり
違反者を厳しく叩きまくるってキャラならまだ良かったが
なんかどんどんお間抜けな事に
紗羅紗羅言い続けてるとウザがられることに
さすがの刹那も気付いたのな…
えっラジエル天界行き来し放題の機械持ってたの!?
刹那が転移装置使ったら帰れないとか文句言ってたじゃん
あの場で出しとけば数日後今みたく何人かで天界へってなったと思うんだけど…
し放題ってわけじゃないんじゃないの?
見つかりにくくなる、ってだけで
実際ガスマスク男のレーダーにはひっかかっちゃったし
対象が恋人じゃなくお師匠様なだけでラジエルのやってる事が刹那と大して変わらない
つかむしろよっぽど酷い事やってる件
アナエルに好感持ってたのか。で、何故かザフィケルも好きになったと。あぁ、そう。
聞 か さ れ る 方 が 鬱 に な る わ ! !
次号セヴィー身バレかね。
もうこの変態白雪おやじについて何知っても驚かない。
原作読んでる俺としては皆の反応が楽しみである
セヴィーはやっぱガチホモなのか…、鬱。
94 :
マロン名無しさん:2006/09/07(木) 09:07:52 ID:5uV0Lr7/
>>93 アナエルにもハァハァしてたっぽいからなんでもよさそうだ
男も女もおkってこれ凄え展開。
てか、作者暴走してるぞ!誰か止めろよ!!
色情教のくせに戒律破った奴を殺すとか何様のつもりだセヴィフォタルタ
>>94 確かに女嫌いのセヴィーにしては、アナエルを持ち上げてるよね。
アナエルの側にいた人?
アナエルに相手にされなかった逆恨みで女なんか〜ってなったんじやね?
ニドヘッグが何をされてもライラマンセーだったのと同じでアナエルマンセーなんだろ
セヴィーが刹那(有機天使の強大な力)と紗羅(ジブへの恨み)を使って
地球崩壊のプログラムを組んだんだね
でもウリエルのアレク不幸プログラムにセヴィーがどうやって地球崩壊プログラムを
組み込めたのかが気になった。
それより崩壊プログラム成功してたら、
アレクとジブの魂がどうなってたのか、よく考えると変。セヴィーの計画穴だらけだよ。
102 :
1/4:2006/09/08(金) 00:06:37 ID:???
サリエルの元へ、早急に羽落としを行うように連絡が入る。
今夜、執行する――そう、セヴィーに確約する。
悠久の中空回廊 ACT.4
サリエルの眼前にはロシエルがいた。
相変わらずの冷酷ぶりだと、その連絡を聞いていた彼は楽しそうに笑う。
それにしても、久しぶりに来てみれば世界は変わっている。まさかサリエルが現中空回廊の最高司令官とは。
言いながら彼の右眼の眼帯に触れるロシエル。
サリエルの右眼は他人を意のままに操り、時には命を奪う事も出来る邪眼(イヴル・アイ)。
その眼を持って生まれたが為に悪魔の力を持つとして世間の迫害を受け続けた。
思いつめてその眼を潰そうとしたサリエルを止め、その後も便宜をはたらいたのはロシエルだった。
羽落としになる気の毒なのは誰か、この間捕まった叛乱組織の大物か…?
問いかけるロシエルに名もない下級天使だが中々口を割らないので怒りを買ったのだと、冷や汗をかきながら説明するサリエル。
まあいいとサリエルを解放してロシエルは立ち上がる。
自分ならば羽切りなどでジワジワ痛ぶるより一思いに殺すと言う。アキレス腱ならばなおの事。
そして近々パーティがあると言う。招かれざる客の中には珍しい顔もあるかもしれない、ミカエルと鉢合わせたら大変だと。
また来ると去って行くロシエルは、羽落としの前にザフィケルに自分からの別れも言っておいて欲しいと言い残した。
ロシエルが変わったのは姿・形だけではない…サリエルは驚きを隠せなかった。
何故戻ってきたのかを問うアニマ・ムンディに、もう一度自分を信じて欲しいと言う刹那。
ザフィケルとラジエルを助けたい…だからもう一度チャンスが欲しいと。
騒ぎ出すメンバーを諌める、副官と呼ばれた女性。反乱軍とは言え士官なのだから夜盗とは違う、話し合いをしなければ。
その為、基地へと案内しようと言う。ここは廃棄物集積場、この毒素の中マスクなしでは健康を害する。
だから全員完全装備なのかと驚く加藤。ゴミを漁っていた男はリウェトと呼ばれ、大概にしろと窘められる。
リウェトは加藤の後姿をじっと眺めていた。
103 :
2/4:2006/09/08(金) 00:08:20 ID:???
ガスマスクをはずした副官という女性は、元座天使長の副官だった。いつもはおダンゴ頭にしていたザフィケルの部下だ。
加藤は至近距離で観察するリウェトにキレる。さっき墜落させられたショックでまだ体中が痛いと。
マスクのはずれたその顔がまだ幼かった事から加藤は舐めてかかるが…その手をリウェトが握ると、電気ショックが。
出力マックスなら人も殺せるパワーグラヴ、最大握力250まで出せると腕に仕込んだものを示してみせるリウェト。
ショートもなし痛覚の伝達能力も完璧、皮下の血管や筋肉運動など…リウェトは加藤の体をご所望の様子。
気色悪がる加藤と、気に入ってしまわれたと頭を押さえる副官。迷惑な愛情表現だ。
さて、先程の話。
アニマ・ムンディはザフィケルが第五天マティ内の中空回廊に投獄されているという裏の情報を手に入れていた。
近く彼が「羽落とし」の刑にされるであろう事も…
天使の翼はアンテナの様に意志とアストラル力を変換させる媒体であると同時に、外界のあらゆる細菌類から体を守る防波堤でもある。
つまりその羽をなくすという事は、全く力を使えないばかりか大気中の有害な菌や微生物に体を侵食され…
腐り果てていく身体の苦痛…やがては醜い肉塊と化し、最後は脳に至る。生きながら朽ちて彷徨う異形の者と化す。
だから時間がない…けれどザフィケルを助けには行けない。
彼はこうなる事を予測し、覚悟して指令を残していったのだ。
「私の身に何があろうとも決して私を助けに来てはいけない」「私の身自身がこの勝利の妨げになろうものなら私は自ら命を断つ」
「何人たりともこの命に背く事は許されない」
その様はまるで、自分を罰して欲しいかのような、死に急いでいるような…
命令がなければすぐにでも助けに行く。だがそれでは獄中で耐えているザフィケルの意志を無駄にしてしまう…
ならばやはり自分達が行くしかないと言う刹那。ザフィケルの部下でも何でもないのだから、命令など関係ない。
信頼を裏切った借りは返す。今さらの言葉などしらじらしく響くだけだろうが…
もう一切迷惑はかけない、自分達だけでやるべき事をやる。
別に助けてもらおうと来たわけでなく、ただ話をしておくのが筋だろうと思っただけだ。
104 :
3/4:2006/09/08(金) 00:10:17 ID:???
ラジエルも必ずザフィケルの元へ向かうだろう…去ろうとした刹那を止めたのは、あの時エアバイクを刹那に奪われたメンバー。
ご親切に中空回廊の見取り図を渡してくれる。
あの時の言葉は真実であったからこそ皆の心に響いたのだろう、ただ救世使であろうと過ちはあるのだと…
神がかりなものではなくもっと身近に感じたのだと彼は言う。何よりザフィケルが選んだ方を信じられなくてどうしようかと。
その通りかもしれない、今も刹那を信じているからこそ命を懸けたのだからと副官も言う。
言った通り命令で表立った行動はできないが、可能なだけの協力はする。
どうか大事な方を救って欲しい…
その時地を這うような不気味な笑い声。突然地下から自分の出番だとリウェトが出てくる。
彼の最新作 戦闘用メルカバ「風林火山」
略して「疾き事風の如く 除かなる事林の如く 侵略する事火の如く 動かざる事山の如し」!
これで一気に中空回廊に突っ込み皆を拾って高速転移! エクセレント!!
ハイテンションな彼の説明に、略の意味をわかっているかと冷静なツッコミが入れられる。
これをコイツが作ったのかと驚く加藤。ただの変態じゃなかったのか。
リウェトは元は大天使、STの科学兵器開発部のホープだった。
だがそのなりふり構わぬ研究熱心(マッドサイエンティスト)さが災いし、無謀な実験の末危険分子扱い。
現在はその天才的な発明品を「使ってくれるならどこでも構わん」とアニマ・ムンディに協力しているのだった。
ただし、このメルカバを貸すには条件があるらしい。
曰く、ガラの悪いパツキン…加藤。色々混じっているが、元は人間の死霊だろうと見抜かれていた。
その身体は恐ろしくよく出来た創り物。極めて有機体に近い精巧な人工生命体。痛覚、末梢神経までが見事に再現されている。
ウリエルが説明していたドールの体を思い出す刹那。あれと同じ様なものかと…
刹那に化けたくらいだから顔もまだ自由に変えられるのだろう。
リウェトはどういう仕組みになっているのか内部構造を調べたいから、加藤を解体させてくれたら協力すると言う。
慄く加藤と即答で彼を売る刹那&吉良。ただし作戦が終わってから。一応戦力になるかもしれないので。
事が終わればバックレればいいと呑気な吉良。昔から逃げ足だけは速かったとからかう。
105 :
4/4:2006/09/08(金) 00:13:24 ID:???
刹那達は護送車の停まっている近くへとやって来た。そこにいるのはラキア地区担当の万年副長官。
さっきのメルカバで行くのではなかったのかと問う刹那に、あれは脱出用だと答えるリウェト。
まず潜入してザフィケルを救い出してから、メルカバで助けに行く。タイミングは耳の通信機で報せるように。
そこまで言うとリウェトは突然副長官の顔を射撃!
彼は犯人に向け怒り心頭。見つかったのは刹那…いつの間にか銃も所持していた。
言い訳もきかず刹那を牢にぶち込むと息巻く副長官。その影では、部下が…
副長官は刹那を中空回廊にぶち込んでおけ護送車に放り込む。
もっとマシな手はなかったのか、覚えておけと怒鳴る刹那、「覚えとくよ クソッタレ」部下と入れ替わった吉良が扉を閉めた。
「罪の告白を 生きとし生ける者全ての罪を神の御前で懺悔なさい」
これが神へ魂の許しを乞う最後のチャンス…ザフィケルは髪を整えられながらそう伝えられる。
だが、とっくの昔に自分達を見捨てた神(おとこ)に今さら何の祈りが届くというのか…
その様子を監視カメラで見ながら感心するサリエル。「羽落とし」の前にあんな冷静だった者が今までいたろうかと。
自分の信じる道に殉ずるのは本望と言う事か…
その時一瞬起こる騒ぎ。「羽落とし」の儀にセヴィーが現れたのだ。だがザフィケルに気取られる必要はないと皆を諌めるセヴィー。
やはり足がここへ向いてしまった、だがもうこれで弱い心につき動かされることはない。最後だ。
これでまた一つ、過去を、己の存在を脅かすものがこの世から消える。
この大いなる野望を貫くために、ザフィケルの存在の死が必要なのだ…
そして、羽を落とすためのギロチンの縄が落とされる…
総ての者に… 生きとし生ける者達に残す言葉も 何もない
私は逃げる やっと終れる
ただ 願わくば若き救世使と 顔も知らぬあの子…ラジエルの血の行末が 明るい未来へと続いて欲しいと――
――アダム・カダモンよ 聞き届け給え――
刃が落ちる、その瞬間を見ようとせずに背を向けるセヴィー。そこに、ザフィケルが声をかけた。
「お前の選んだ道だ 最後までしっかりと見届けよ セヴォフタルタ
いや…
ラ イ ラ 」
( ゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
_, ._
(;゚ Д゚) …はい?
。 。
\\
エ━━━━━━( Д ; )━━━━━━!!!
ま じ で ?
えっ、なに?どういうこと?
セヴィー=ライラ?なんで?
リウェトバロスwwwww
とか思ってたら、な、なんだってー(; ・`д・´)
えええええ!!!!?
いや、そういえば確かに歌がどうこうとかせヴィーも言ってたけど!
いやでもちょっと待てちょっと待て!!!!
ロシエル様ー、の登場も霞む驚愕の展開?!なんだって?!
セヴィー男装?性転換?!
神の定めた決まりごとに反する行為はやっちゃ駄目なんじゃないのかYO!!
あ、でもセヴィー自身決まりごとをちきんと守ってる描写はないな…
セヴィー男装?性転換?!
神の定めた決まりごとに反する行為はやっちゃ駄目なんじゃないのかYO!!
あ、でもセヴィー自身決まりごとをちきんと守ってる描写はないな…
あ、二重スマン
でも、考えてみればセヴィーが「男」っていう描写もなかったんじゃないか?
女嫌いではあったけど
いや…さんざん「彼」とか「男」とか、言われてましたよ
主に他人からの台詞ででしたが
うん、だからあの仮面とローブの下が実は女ってのもアリなんじゃないかと
男装の麗人ってのは古来から少女マンガの王道じゃないですか!
・・・麗人?(´・ω・`)
奴の目はどう見ても陰湿な中年男性のものにしか…
おいおい、オマイラ騙されんなよ
あの変態親父がライラのわけねーだろ
羽きり前だからザフィケルはちょっぴり混乱してたんだよ
編集者、最後の最後で誤植すんなよなー
ええええ?
まさかライラとセヴィーは双子の兄妹(ry
まあ帽子屋さんなんかも他人からは散々「男」「彼」と形容されてたし、
考えてみれば性別サギは今に始まったことじゃない…のかも。
今までのを読み直してみたら、
星幽界編でセヴィーがドビエルに手にキスされて気色悪がって
手袋焼き捨てて手をゴシゴシしてるとことか、ちょっと女っぽい…?
でもセヴィーがライラなら一応前回の行動につじつまは合うのかも…
アナエルは大事な友人で、でもザフィケルとキスしてたし
つかザフィケル、まさかキスで気付いたとか言わないよな?
>>123 この被害妄想気味のヒステリー気質と自己愛の強さだけでも、充分「女」っぽい
セヴィーとザフィって天地大戦での戦友だったんじゃ…
なんか天禁での時間軸がわけわからん
>>125 その典型のロシエルのような存在もいるしまさか女だとは思わなかった…
>>126 「戦友」とは言ってないよ。ザフィケルは知らないって言ってたし。
両方とも天地大戦のころから生きてるって意味なんじゃないの。
わかってるのは、アナエル死亡&ザフィケル失明でセヴィーが最高会の権力握ったのが、
ロシエル封印直後(天地大戦終了)ぐらいからってことかな。
そもそもセヴォフタルタってどこから出てきてライラとどういう関係なんだ?
廃竜に聞いてた話とは全然違うし。
ライラの外見的描写がシツコイくらいに出てたのはこの為なんかね
つか、セヴィーはライラはポッドの中の臓器になったって言ってたじゃん
どういうことよ
ライラーーーーー!?
なんかザフィケル淡々としてるな。死に急いでるようとか言われてるし。
しかしラジエルと巻き込んだ救世使以外には特に残す言葉もないのか。
残念ながら助けは間に合わなそうだね・・・
>>127 ロシエルは謎の生物だから。
今回ラスト1ページが全部持って行ったな…。
ライラ予告編で久しぶりに名前出てきたときから結構重要人物かと思っていたけど…。
>>129 はったりなんじゃね?<ライラはポッドの中の臓器
つまりライラは親友の男に惚れて親友をハメた訳か・・・
133 :
マロン名無しさん:2006/09/09(土) 15:21:21 ID:Yt13FS7h
そのザフィケルもタコ殴りの上、なびかなかったから羽落としだもんな。
廃竜が一生懸命かばうから、ライラにはもっと違うイメージ持ってたよ。
けど考えてみればあいつも無実の罪で羽落とされたんだっけ。因果な女(?)に惚れたよな。
あのピアスはどうなったんだか。
今後ザフィケルはニド二号として活躍します
135 :
1/3:2006/09/10(日) 00:02:30 ID:???
悠久の中空回廊 ACT.5
ライラ 自分を知らないね
ライラ 君は 私を好きなんだよ
「ライラ 額の傷なんて気にする事ないわ よく顔を見せて 貴方はとても素敵な人よ ライラ 私の大切なお友達…」
アナエルはそう言ってくれていた。
ザフィケルには彼女に近づかないように忠告したが、強引にくちづけられてしまう。
私を愛しているからこそ、二人を引き裂きたいのだろうと。
親友という仮面の下で 彼女(アナエル)を妬む心を押し殺してきたんだろう
誰よりも側にいる自分より何もかも優れたアナエルを
自分がそんな感情に突き動かされるはずがないと気丈に振舞うライラ。だが、部屋に戻ると、そこには…!
こんな事、あるはずがない――
あんな女はいなかった、あんな奴は存在しない。あんな忌わしい事があるはずがない…
錯乱するセヴィーを心配する羽切りの執行人達。だが、彼らの手がいつかのようにその髪を掴む…
ジャア 消シテアゲル
――君ヲイジメル物ミンナ潰シテアゲル――
響いた謎の声と共に、羽切りの執行人達の頭が弾け飛んだ。
力なく頽れるセヴィー…ずり落ちた冠の下から現れた額には、逆十字の形をした、古傷…
血塗れの部屋の中、一人、力なく笑った。
壊れた監視カメラの先で、サリエルは謎の光景に呆然としていた。
136 :
2/3:2006/09/10(日) 00:04:20 ID:???
いつかセヴィーの背後に見た物の存在を感じとる刹那。全身が総毛だって震えが止まらない。
だがどんな事が待っていようともザフィケルを助け出さなければ…
刹那の乗った護送車はやがて中空回廊にたどり着く。脱出不可能な孤島の監獄島…それは、湖の上に浮かぶ浮遊城のようだった。
かつてアレクシエルが天使の結晶として収監されていた天界最大の牢獄…早くザフィケルを探し出さなければ。
中空回廊の門番と食料配達に来たドライバーは、連れられてきた囚人を見ながら世間話をしていた。
だがドライバーは早く通してくれといつもよりも冷たい。門番は外の人間と会話が出来る機会が少ないのでつまらない。
だが、寄越されたIDカードには「俺の下だ 助けてくれ」と書かれていた。
彼が覗き込むと、運転席の下には銃を構えた…ラジエルが!
見つかったラジエルはドライバーを銃撃すると、車を奪って中空回廊に突っ込もうとする。
下ろされるシャッター…その最中、刹那とラジエルの眼が合った。
騒ぎに乗じて逃げ出した刹那と吉良。
あれがラジエルだったと気付いた刹那は、すっかり変わってしまった彼の様子に冷や汗を流す。
今の彼はどんな手段でも取りかねない…
中空回廊に収監されていた囚人たちの手錠が突然外れ、ドアの電子ロックも解除された。
当然、彼らは一斉に逃げ出す。
総てのセキュリティが解除されてしまったのだ。
看守は倒され、破壊活動に火も放たれた。暴動発生…救援を呼ぶ権天使を背後から襲う吉良と刹那。
彼らはラジエルがコンピューター制御を破壊していった事を悟る。
その場の全員は気を失っていた。
時は一刻を争う…最下層へと二人は急ぐ。
慌てる部下と対照的に落ち着いているサリエル。
間もなく増援も到着するし、回廊から出られた所で外に逃げ場はない。強酸の海に落ちて死ぬだけ…
サリエルは招かれざる客を迎えるため、下へ向かうと部下に告げる。
137 :
3/3:2006/09/10(日) 00:05:57 ID:???
通風孔を抜けて最下層に出た吉良と刹那。この先がザフィケルのいる特別房のはず。
だがそこは上の騒ぎが嘘のようにやけに静かで、変な匂いがする…
それは、死臭――――!!
開いた扉の先には数々の惨たらしい死体があった。
だがそれはラジエルの仕業ではないだろう…やられ方が違う。
まるで互いの体を食い合ったような惨状、それに内側から腐った体…
それが羽を切られた囚人だと悟った刹那の背後に近寄る、囚人…そしてラジエルがその体を撃つ。
ラジエルはそのまま刹那に銃を向ける。何をしに来たのかと。
ザフィケルを助け、お前を仲間として迎えるためと言う刹那に、誰の所為でこうなったのかとラジエルは激昂する。
この天界の事を何一つ理解などしていなかった、これ以上この世界に口出しはさせない。
この世界がどんな悲痛な叫び声をあげているのか、掘り返せば真っ赤な血のあふれ出すこの狂った天国。
その犠牲となった人たちの慟哭が、刹那には聞こえていなかった…
ラジエルはシャティエルの事を思い出していた。
そこへ一際大きく聞こえてくる悲鳴と、何かを齧るような、舐めるような音。
吉良は羽を切られた天使がどうなるのか、その様子を再確認する。
まずアストラル力を全て失い、あらゆる抗体・免疫を失った身体は徐々に腐り果て、やがてそれは脳に至る――
――生きながら朽ちて彷徨う異形の姿と――化す――
ラジエルが開いた扉の向こう。
腐った身体で他の囚人の血を舐めるように這い蹲っていたのは…誰あろう、ザフィケルだった。
ショックを受けるラジエル、既に遅かったのだ。
自分がわかるだろうとラジエルは手を差し伸べる。
仲間の所へ共に帰ろう。きっと良くなる、元通りになると――
だが――
ラジエルの肩に、ザフィケルが食いついた。
やっぱりセヴィーはライラなのか…?
あの事件が受け入れられなかったとニドヘッグも言ってたけど、現実逃避して別人になったのか?
そしてザフィケルううううう!!!
ライラは生真面目な優等生タイプだったのかな
ザフィケルの誘惑と例の事件でこんな風になってしまったのか
あぁ…ラジエル君もテロリストになって遂に死亡フラグ脱出か思ってたが
やっぱりダメだったか…元が良い子だからかな。orz
私刑ってそういうことだったのね_| ̄|○
ニドヘッグが潔癖って言っていたから、その性格とあいまってああなっちゃったんだろうか。
ザフィケルもラジエルも痛々しいよー(ノД`)
うゎバイオハザードかよ
かゆうま
腐るの早すぎ
何かラジエルがウザくなってきた
(((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガクガクガクガク
なんだかんだで結局救われると思っていたのにザフィケル・・・orz
てか死んじまうより残酷な姿に・・・
ラジエルもつい最近まで知らなかったから
人の事言えないと思おうけど
それよりも刹那がうざいからまあ許せる
刹那が何一つ天界理解してなかっただってw偉そうに
お前も最近まで知らなかっただろうが
自分がモルモットにされてたの気づかず、頭悪すぎて子供殺したのに
あくまでも自分は正しいことをしたと思って被害者意識丸出しで不快だ
もうちょっと詳しく書いてくれないと…
ライラ=セヴィーは納得できない
ラジエルくん、そんな逆上してたらまたなんか見失って失敗しそうなタイプだよな
ポッと出のどっかの小僧が救世使様だというのは
普通に嫌だろうが・・・そもそも部外者だしな
本人は妹救出できれば天界なんざどーでもいいしな
もうちょっとそれなりの設定があればいいんだが
部外者?何読んできたの?
pgr
前世がなんだって?
これ誘惑してるの?言ってることヒドすぎるじゃん。
「親友に近づくな」ってウザイから、本心あばいて突き離してるんだと思った。
これで誘惑されるってライラは実はマゾかよ・・・
>>154 ちょっと順番が違うんじゃないかな。
ライラはザフィケルに誘惑される前から惚れていたんじゃないか?
ザフィーはそれを知っていた上で
>「親友に近づくな」ってウザイから、本心あばいて突き離し
をやったんじゃないだろうか。
ライラの「誘惑された」自体が、現実逃避っぽいよ。一方的な主観だし。
実際にやってることと心で思ってる自分がかけ離れすぎ。
しかしザフィケルも性格悪すぎだ。
あんなやりかたで本心暴いて拒絶したら、羽根落とされてもしょうがない。
引き合いに出されたアナエルこそ、思いっきりこの二人の業の巻き添えくってるな。
関係ないけどラジエル食料として食べるには美味そうだ。
そして目立たないけど渋いサリエルに次号期待。
あえて彼の話題をさせていただこう。
ロシエル様さらに若々しくお肌ツヤツヤになってないですか(*´Д`)ハァハァ
>>154 ライラは十分マゾ気質あると思うよ。
なんだか自虐的だし。
「いや、やめて」とかいいながら、「強引に」実は好きな人にキスされる辺りとかソレッぽい。
ザフィケルのセリフもそこを突いてるような。
結局あの拷問も、行き場のない気持ちや期待裏切られ感が高じての仕打ちでしょ。
ザフィケルはいつごろからセヴィーはライラだと気づいてたんだろうか?
内心セヴィーのこと、ライラがんばってるなーとニヤニヤしながら見てたのかも
>>159 こないだチッスされた時
「ああ…あなただったのですね」
感触かなんか覚えてたのか
マスクの上からか?w
今頃気づいたところで、正体暴けるわけじゃなし。このまま独裁政治は続くのか。
サリエルから漏れる。
サリエルは招かれざる客にそのことを伝えに言ったのさ
マジでライラ=セヴォフタルタは確定なのか?
普通声とかでばれない?
薬とかでつぶしたのかもしれないけど。
そういえばセヴィー歌は歌えないとか言ってたしな…
ライラはよいお姉さんキャラであとあと仲間になるとばかり思って
萌える準備万端だった自分が懐かしい…(´・ω・`)
マスクを取って心安らかにかるとものすご美人という可能性も残ってるぞ。
いまさらだがマゾのはずのセヴィがサドのはずのザフィケルに拷問課すのは
SMの構図的に(・A・)イクナイ!!
セヴィーの悪いところは外見よりも性格だろう。
ザフィケルも指摘してたじゃん。その後もちろんボコられてたけど。
今のライラ=SM女王様
マゾの女の子が無理にサドに徹して拷問をしてるのをみながら
ザドのザフィケルはにやにやしてるんだろう
倒錯的かもしれないが、こういうのも多分ありだ
170 :
166:2006/09/11(月) 20:46:39 ID:???
>>169 おまえ頭いいな。なんかすっきりした。ありがとう。
さすが変態のメッカだぜ!!
今、初めてザフィケルに同情した。
おい、誰かセヴィーはライラだと予想してたやつはいないのか。
髪型がロングストレートなんだから実は女説が出ても良かっただろ
>>173 ストレートは置いといて、
こんな男子ロンゲ率の高い漫画では
髪が長いってのは女かもしれないという理由のひとつにもなりません隊長!
今回は作者に一杯食わされましたな。
ライラはもうちょい話のクライマックスになったあたりで
聖女のように登場し場をまとめるのかと勝手に予想してたんだ・・・
廃竜はどこに出て来るんだ
178 :
1/3:2006/09/12(火) 00:05:26 ID:???
ザフィケル様
嘘だ これは夢なんだ
こんな事があるわけない!!!
ラジエルはただザフィケルの名を叫んだ。
悠久の中空回廊 ACT.6
中空回廊本館から警報が聞こえてくる。
何千年も成功した脱走者はいないのに、とリルは驚く。
あそこにはザフィケルが入れられていたはず、まさか…紗羅は何かを感じていた。
暴徒はとうとう武器庫を破り、武器を手にしだした。
中空回廊から上がる白煙…待機していたリウェトと加藤はそれを眺め、予定外の騒動になっている事を確認する。
タダ働きは損だから帰って実験の続きをすると言うリウェトにさっさと出撃しろと怒る加藤。
だがもうやられているし行くだけ無駄、あんな騒ぎは不測の事態だし連絡もないと言い捨てるリウェト。
見殺しにする気かと言う加藤に、大切な仲間だなんて人間は知能の低い生き物だと言う。
くだらない仲間意識や自己満足の為に働く程ヒマじゃない、死んでまでそんなものに浸っていたいなんてよっぽどヒマなのだと。
本当に世の為になりたいならその体をさっさと自分の研究対象に寄越してくれた方がよっぽどいいと言う。
生体人形のテクノロジーは完璧な義手や義足の研究に…
そこまで言ったリウェトの胸倉を掴みあげる加藤。だがまたもリウェトは電気ショックを食らわそうとする。
その時、加藤の顔がリウェトの顔に…!?
リウェトを転がし、自分の腐った根性丸出しの顔を見た感想はどうだと加藤は顔を戻してみせる。
ウリエルの創ったこの身体はただの生体人形ではない、自分が自分であると認識しているから、その身体は加藤の形でいられる。
生前の記憶する限りの指、顔、髪、足、爪に至るまで…常に自覚する事で維持している。だから他の顔に変えるのも思いのまま。
加藤は天使の羽を喰らったとは言え元はただの人間。、いつか魂の寿命と共に自我の消えゆく運命だ。
自分を忘れた時は体はただの人形(ヒトガタ)をしたのっぺらぼうの機械に戻る。それでもいいなら解体でもダッチワイフでも好きにすればいい。
でも今自分を放棄したら本当に消えてしまう、魂の死だ。そしてあいつらを見捨てる時は加藤故というしょーもない奴をやめた時なのだ。
179 :
2/3:2006/09/12(火) 00:07:40 ID:???
やっぱり人間はバカだと言いながらも、くそガキとしか言わない加藤に「発明の天使(リウェト)」だから覚えろと言ってメルカバに乗り込む。
喋る度に変わっている船の名前に力なく加藤はツッコむが、リウェトは元気良く中空回廊に向け出発した。
囚人達はこんな所で死んでたまるかと必死に抵抗する。
そこは中空回廊の中枢…そこで発砲されたらどうなるか! そこに、手榴弾が投げ込まれる――!!
地鳴りと共に警報の種類が変わった。
ラジエルを止めようとする刹那だが、彼は肩を齧られ続けられながら撃たないでくれと背後で銃を構える吉良に懇願する。
しかしさらにその背後から飛んできた杖のような物がザフィケルの右胸を貫いた。
剣先に仕込んだ毒性のウィルスが腐敗した細胞を収縮させて全身に回れば死が訪れる…
言いながら銃を構え現れたのはサリエルだ。
この警報は第三段階緊急警報。暴徒が制御室まで破壊したらしい。
まもなくこの中空回廊は強酸の海に崩れ落ち、跡形もなく消えるだろう。
刹那が救世使と知ったサリエルは、沈むのはこの島だけでジブリールの収監された孤高離宮は離れた浮島にあると告げる。
その情報に刹那は驚き、ラジエルと吉良は彼の様子を気にする。
そこへ最終船が出るから避難するようにサリエルを呼びに来た部下が現れる。限界なのだ。
このまま中空回廊ごと心中したくなければ武器を捨てておとなしく投降しろと言うサリエル。
どのみちザフィケルは元には戻らない…生き恥よりも死なせてやれと。
彼の腐敗は既に脳に達している。死して亡者(グール)となる運命。彼らはみな失った羽の喪失感と痛みから逃れようとする。
その心の飢え渇きを他の生命体を喰らう事で埋めようと共食いをし続ける…
刹那は星幽界にいた亡者が羽を切られた天使の成れの果てだということを知った。
彼にはもう、ラジエルは自分以外の生き物…餌にしか感じられないのだ…
喰ワナケレバ…コノ苦シミカラ逃レルタメニ…喰イタイ…肉ガ…脳ガ…
肉ダ…目ノ前ニ子供ノ血ノ匂イガスル…今マデノヨウナ固イ筋ヤ苦イ臓物デハナイ
コレハオイシソウ…喰ベタラ痛ミガ消エルカモシレナイ
喰ベタラ…
伸ばされたザフィケルの腕をとり…どうぞ食べてくださいとラジエルは涙を流した。
それで苦しみが和らぐのなら本望だと…
180 :
3/3:2006/09/12(火) 00:09:57 ID:???
ラジエルは特異能力たる他人の意識体と同調しそのアストラル力を無差別に増幅・放出する力と…
力を使った時になるIチャイルドの如き赤い瞳をひた隠しにし、憎しみさえ抱いて生きてきた。
そして士官学校でその力を放出し…政府の研究所で研究対象にされてしまったのだ。
あの地獄の様な日々から救ってくれたのは全てザフィケルだから。
憎んでいたはずの力の使い方を教えてくれ、その能力を誇りにせよと教えてくれたのも…
全部ザフィケルの恩に報いるためだから、最後くらい役に立って死にたいと。
子供の肉を喰わなければ、と迫るザフィケル。
だが、その触れた頬…いつか、触った、顔…
その時一際大きな爆発音と共に天井が崩れだす。今がチャンスだと、刹那は七支刀を解放させサリエルに斬りかかる。
だが、それは彼の眼帯を落としただけだった…部下はその事に驚愕する。
解放された邪眼の力…刹那は体が動かなくなる。
サリエルも長い事この能力を憎んできたが、これと共に生きるしか道がない!
意志の弱い者は命を落とす事さえある…部下は口から血を吐いてその場に倒れた。
そして他人を意のままに操る事もできる、この目を見た時から貴方達の運命は決まってしまったのだと言う。
だがそれはどうかと吉良が不知火を突きつける。自分には効かないようだと。
サリエルがその顔を認める…まさか、ミカエルの「招かれざる客」とは貴方の事かと。
何のことだか知らないと刀を向ける吉良、だがそれを受けたのは刹那だった。
サリエルに操られ、体が勝手に動くのだ。
こんなやり方は本意ではないが相手が貴方なら仕方ないとサリエルは刹那を吉良へと仕向ける。
やめろと叫ぶ刹那、だが…サリエルの右目を、後頭部から誰かが貫いた…!
他に動ける者はいないはず、何故、邪眼が効かないのか…
そう…ザフィケルは目が、見えぬのだ…!
ザフィケルラジエルへの愛でフカーツ?
でもサリエルいいキャラだったのに…orz
刹那マジ邪魔。
邪眼くらい救世使パワーで吹き飛ばせるもんじゃないか?
183 :
マロン名無しさん:2006/09/12(火) 09:12:17 ID:RPZm/owd
あの加藤が説教するとは
サリエルも吉良先輩知ってるのかよ、本人意識してないのになんか有名人だな
一応魔王のそっくりさんだし
ところで……ザフィケルってまだ死なないよね…??
そうだね。カニバリズムという変態属性を得たので二週間位は生き延びるんじゃ無かろうか。
サリエル死亡か。ドビエルなんかよりよっぽど好感の持てる天使だったのに。
しかし邪眼って自分でもコントロールできないんだな。
>>182 ロシエルは大丈夫っぽかったのにね。
アレクシエルの生まれ変わりじゃ駄目なのか…?
サリエルは今回は相手が悪かったな。
自慢の邪眼効かないやつが多すぎた。
そして彼は変態じゃなかったのが致命的。
ラジも危ないな。
変態どころか基地害にもなりきれてない。
おお、ザフィケル復活か。ラジエルの献身はリルのソレに通じるのがあるな。
こういう真面目で純真な気持ちが実は一番良心や罪悪感を突く。
しかし普通は主人公もっと活躍するのにな。
それになんで邪眼は吉良には効かないんだろう。
ああもう加藤が大好きだ。
だから、お前がのっぺらぼーになったら
ダッチワイフじゃなくてダッチハズなんだよ!!という無粋な事は言わないでおく。
のっぺらぼーになったら性器もなくなるんじゃないか?
ケツ穴だけだからワイフ
刹那はまだアレクの力を全部使いこなせてないんじゃないのかなあ
覚醒し切れば何とかなったかもしれないが
刹那……あきれてものが言えない…
これほど主人公が嫌いになったマンガははじめてだ…
マンガ自体はめっちゃ好きなのに…
もういいよ吉良主人公で
今後いかに挽回できるかだな
がんがれ超がんがれ
刹那嫌いな人はどんだけ聖人君子なんだ
等身大の高校生って感じで少しづつではあるが成長してるしまだ期待株ってところだろ
まあ現時点で嫌いと思っちゃうのはしょうがないだろ
見直した!と思えるだけの成長をしてくれるかどうかだな
なんか前に九雷にきかれた時「みんなで幸せになる」って言っといてこれだから
巻き込まれて死んだ関係ない天使はたまったもんじゃないよなあ
それを言っちゃ、お終いよ。
この漫画出てくる皆に言えることだし。
まあ次回「吉良vs刹那」次々回「邪眼の弱点」とかで
刹那「そうか!目をつぶればいいんだ!!いくぞー七支刀っ!!」
みたいな糞展開やられるなら、グールがさっさと後ろから右目ついた方がよっぽどいいよ。
>まあ次回「吉良vs刹那」次々回「邪眼の弱点」とかで
>刹那「そうか!目をつぶればいいんだ!!いくぞー七支刀っ!!」
それなんてバトル漫画?
刹那は「エッチしてぇ…」のあたりから嫌いになりました。
>>197 むしろアダム・カダモン並みの聖人君子じゃないと
刹那の自己中っぷりを温かく見守ってやれない。
自分は刹那嫌いじゃない。しかし好きでもない。
完全に興味が主人公以外のキャラに向かってるんだなw
他のキャラたちのほうが断然面白い。
脇役が魅力的ってのは名作の条件だと思うが、
しかし主人公そっちのけってのはマズイなw
元は普通の高校生だったのに、ものすごいもの背負っちゃったから、
今まで刹那が周りに迷惑かけてもけっこう純粋に応援してた。
でも、今回のは…なんか萎えた。
この回のメインはザフィケルとラジエルだと思ってたから、
その話の盛り上がりに水を差してるだけに見える。
サリエルもただの説明役だし、もうちょい展開何とかならなかったのかね。
>>204 シスコン+ナルシスト+ホモの複合技から引きこもりのロリコンまで
いろいろいらっしゃいますがどれがお好みで?
SMプレイが好みなのですが、
組み合わせがたくさんありすぎて頭の中が整理できません!
208 :
1/5:2006/09/14(木) 00:01:47 ID:???
サリエルを倒したザフィケル。怖々と呼びかけるラジエルだが…
ここで何をしているのか、誰が助けに来いなどと言ったのか。何のためにラジエルを窖にやったのか…
ザフィケルの激が飛んだ。
天使禁猟区 至高天 形成界編 告解
救世使の片腕となるはずのラジエル。
ザフィケルが捕まった事で孤立するだろう彼と組織を橋渡しするはずが…また我を忘れ自ら危険に身を投じるなど!
返す言葉もないラジエルと、そこまで計算していたのかと思う刹那。
だがまたザフィケルは血を吐き…近寄ったラジエルに自分が正気でいられるのはあと僅かだと言う。
この唯一亡者を殺す事ができるウイルスが、結果的に脳の組織を活性化させているのだ。
そしておそらく…先程ラジエルに触れた際の記憶が…
悪化すればまた、再び喰いかかるだろう。
その時はラジエルの手で心臓を貫いて欲しいという。それが唯一の亡者の急所。
そんな事はできないと言うラジエルに、これ以上救世使を危険に晒すつもりかと怒るザフィケル。
ラジエルを責めないでほしい、元はといえば全部自分の所為だと取り成す刹那。
だが刹那が詫びる必要はないと言う。全てはザフィケル自身の仕組んだ事。
ラジエルを窖へ届けた時、ジブリールの意思をわざと伏せさせ不審感を煽り、天界へ単身やってこざるを得ないように計ったのも…
救世使としての自覚を持ってもらうため、わざと反感を買う言動で刹那一人を暴走させ、失態を演じさせた。
折角戻ってきた無道紗羅を説得して自らセヴィーの元へ投降させたのも、
最愛の恋人が敵の手にあれば彼女を取り戻すまで、セヴィーを憎み死に物狂いで戦ってくれるであろうから…
今まで聖人顔の裏で数々の非道な行いを繰り返してきた。それは全て聖人アダム・カダモンに再び出会うため。
昔と何一つ変われない、目の光を失っても心に見える光などありはしないとザフィケルは思う。
あの頃のままだと…
209 :
2/5:2006/09/14(木) 00:03:15 ID:???
アナエルはあの時、ザフィケルの子を身篭っていた。
ザフィケルは自分の中で何かが変わるのを感じていた、だから彼女の申し出を受け入れ次の任務を最後に軍を抜ける約束をしたのだ。
人知れぬ地で子供を産んで…そこで静かに暮らそうと…
だが、除隊許可が降りるかどうかという重大任務だったはずの仕事は彼らの罠だった。
最高会がこの汚れた手の知りすぎた男をただで手離せるわけもなく、アナエルごと闇に葬られてしまった…
あれがセヴォフタルタの策略かどうかはもう、知る術もない。
アナエルの亡骸を抱きながら、ザフィケルは子供の事を思い出す。
彼女の屍からまだ形も成さぬ胎児を取り出し、施設に侵入してそれを人工羊水へ入れた。
だが…子供ももう、死んでしまっていた…
一瞬で、何もかもを失ったのだ。
ラジエルには、死んでしまった子を重ねていたのかもしれないと言う。
今日までこの灰色の天国を憂う聖職者を演じてきたのも、あの日自刃で血の海に消える運命であった自分を奇跡の力で生きながらえさせ、
こんな姿になってまでもなおも重い枷をはめ続けるあの方に恨み言を言うため。
汝の真に望む事を叶えたりというその言葉…!
「さあ…今こそ我が問に答えよ 天上人アダム・カダモン 私の真に望む事とは一体何だったのか…!
この空っぽの心と体を引き摺って死に物狂いで生きてきた私に…今こそ…!
何故 あの時見殺しにしてくださらなかったのだ!! アダム・カダモンよ!!」
崩れ行く中空回廊、そこへ突っ込むリウェトのメルカバ。
刹那達の足場も次々に崩れていく…
これが 貴方の望んだ結果なのか
我の声に答えよ 答えよ
光と供に現れし 奇跡の降臨
――聖なる隠者(ハーミット) アダム・カダモンよ――
210 :
3/5:2006/09/14(木) 00:04:41 ID:???
光の降臨…現れたアダム・カダモン。周りの時間が止まり…中空回廊は一時その姿をとどめた。
セラフィタは優しくザフィケルに語り掛ける。貴方の望みはもう叶っていると。
今こそ心を開いて真実を見つめる時。その時その瞳に映る物は何なのか…
ザフィケルの記憶に見えてくる映像。
アナエルの子供を人工羊水に移した後、ザフィケルは警備兵に見つかりその場から逃げ出していた。
だが…その後で胎児は息を吹き返し、警備兵が呼んだドクターのおかげで無事に生きることができたのだ。
それこそ運命と言うべき数々の偶然を経て、その子供は成長し、またも運命の巡りあいをする事となる。
既に望む物を手に入れていたというのに、それがあまりにも身近にありすぎて気付かなかっただけ。
悲しみが深すぎて…優しい穏やかな時間に身を委ねるのを恐れていただけ…
今、どんな真実が見えるのか。ザフィケルの目に、光が満ちる――!
そこにいたのはアナエル…ではなく、金の髪と、青い瞳を持つ…ラジエルだった。
何故今まで気付かなかったのか…いや、この子が本当にそうであろうとなかろうと、どちらでも構わない。
目が見えるのかと手を差し伸べたラジエルを抱きしめるザフィケル。
約束してほしい、もう二度と激情に流され我を忘れた行動をとらないと…救世使を信じ、時には助言し良き理解者となる事を。
座天使長ザフィケルの名のもとに、候補生ラジエルを今より「世界の魂(アニマ・ムンディ)」の統主に任命する!
その言葉に、涙を流しながらも使命を全うする事を誓い、敬礼するラジエル。
それでいい 人々は強く変わらなければいけない
そう たとえ真実が… どんなに過酷な物であろうとも…
そこでザフィケルの正気は途切れ…身体は醜く変貌し、ラジエルに襲い掛かる。
心配する刹那に、手を触れるなと言うラジエル。
正確に、その心臓を撃ち貫く――
他の誰でもない…君の手で…
ザフィケルは満足そうな笑みを浮かべ、その場に崩れていった。
「この方は私の手で…私の… …ですから…」
211 :
4/5:2006/09/14(木) 00:06:35 ID:???
そして時が動き出し、光が消えていく。
セラフィタはこれ以上自分の力は使えない、見つかってしまうと言う。
一刻も早く自分のもとへ来て欲しいと刹那に願う、このままでは本当に自分の力が封印されてしまうと。
最高会も…そして地獄も、セラフィタの存在に気付きエテメナンキを探しはじめているのだから。
そうなれば地球の時間が動き出してしまう…
そして彼は消えてしまった。その波動が、天界にいるはずなのに前より弱い事を感じとった刹那。
見つかるとは、一体誰に…?
そこへやってきた加藤、ラジエルと…4人、リウェトの待機するメルカバへと急ぐ。
中空回廊が沈んで行く…ザフィケルとの記憶を思い出し、ラジエルはただ涙を流した…
ラジエルは天界に残ると言う。地下から活動し、常に連絡を取り合う方が刹那の役にも立つだろうと。
語り合う吉良と加藤、空気も読まずリウェトが加藤に手錠をかけた。約束を忘れてないか、と。
この間の決意を聞いて何とも思わなかったのかとキレる加藤にそれとこれとは関係ないとリウェトは返す。
刹那とラジエルは空っぽの墓標を前にしていた。
遺体を中空回廊へ置いてきて良かったのかと訊く刹那に、心はもうあそこにはなかったと答えるラジエル。
迎えに来ていたのだという、マリン・ブルーの瞳の金髪の、とても美しい方が…
いや、もしかすると今までもずっといたのかもしれない。
確かに彼は自分の憎しみを利用したかもしれないと思う刹那。
だがラジエルも自分も…本当の事をわかっている。
自殺しようとした刹那にかつて投げかけた厳しい言葉の裏の本当の意味。決して甘やかさず強く生きる道を示してくれた。
あれが真実だったからこそ、今刹那も生きているし、紗羅も従ったのだ。
ラジエルはあのアダム・カダモンが見せた映像を見たのだろうかと刹那は思う。ザフィケルの、子供の事を…
そういえばザフィケルの最後の時、「この方は私の…」何だと言ったのかと問う。
「私の…大切な…恩師ですから」と、ラジエルは答えた。
212 :
5/5:2006/09/14(木) 00:07:21 ID:???
ロシエルの元に、サリエルからの手紙が届いていた。
『――親愛なるロシエル様――
この手紙とディスクは 私ことサリエルの身に万が一の事が起きた時のみ貴方様の元へ届く事になっています
何故なら私も下士官であり 恩ある方とはいえ 軍内部の機密とも言えるこの事件をおいそれと口には出来ないからです
そう この映像はかのザフィケル氏の羽切りの儀において起きた不可解な事件の記録テープなのです』
実に興味深いものを最後にありがとう、とロシエルはその手紙を蝋燭の火にくべた。
汚れた牢獄の長には、君は生真面目すぎたのだと…
「君の皮膚の内側から…ジワジワと優しく狂わせてあげる…!
楽しみだね…セヴィー…
君を喰いつくすその瞬間まで 待っててね…もう…すぐだから…!」
GAME OVER
OR
> CONTINUE
天使禁猟区・至高天 形成界編/おわり
ザフィケル様ああああ(ノд`)あーん
なんていうか、
迷子のザフィケルと父親に全然似てないラジエルに
久々に泣かせて頂きました
追悼スレ立てて良いでつか?
セヴィーがラジエルの瞳にこだわってたのはそういうことか?
なんかここ最近の展開すごいね。
ザフィとラジの伏線は見え見えだったけど
演出よすぎて感動したよ。
ラジエルは最後ザフィケルの心を読んで
自分はザフィケルの息子だと悟ったと理解してよいの?
ザフィケルは何人も天使の親子楽しんで殺してきたくせに
同じような目にあったら自分は世界一かわいそうみたいな悲劇に酔って
幸せな人だねー
あれだけ兎狩りやってたんだしな。後はおっさん自身の業の問題。
まあラジエルの件はアナエルに免じて許してやれ。この人も一緒に業を背負ったんだし。
ザフィケルも死にもの狂いで贖罪の道を歩いてきたんだろう。
他の死んでいった脇役達に比べれば、かなり幸せな死に方だ。
それと義理堅く筋を通すサリエル、やっぱカッコエエ。
セヴィー逃げて逃げて
ザフィケル逝っちゃったな・・・
そんなに死にたかったのなら、どうりで羽落としも淡々と受けたわけだ。
過去話も哀しいだけに、親子の対面は良かったな。
でも最後の最後までアナエルと自分との子にこだわる所に、
深い愛情と相変わらずの狭い心を見た感じ・・・まあザフィケルらしいよ。
刹那達はいったん帰るのか。いつまでたってもたどりつかんなー。
クライは地獄と同盟結べたのかな。
地獄の代表者は、今天国にいるのでは。
>>219 残念ながら……
変態代表のロシエル様にロックオンされたら誰も逃げられません
>>221 まあ、自分の手で殺めちゃったからね
引き摺るのも無理ないさ
自分のやってきたこと本当に反省してたら、
アナエルの胸像とかに自嘲的に話したりしてないだろう。
なんか恋人と自分の子を殺したことに後悔はあるけど、他はあまり反省してない感じ。
ラジエルが自分の子だったから満足したみたい。
業とか言ってたらセヴィーはどんなに苦しんで死んでくんだろうか…
死んだ魂はどこへ行くの?
すぐ転生に向かうのかとおもってたけど、
ラジエルの「迎えに来ていた〜云々」を読むとどうも違うみたいだし。
>>223 + ∧_∧
(0゚・∀・) + テカテカ
oノ∧つ⊂) ワクワク
( (0゚・∀・) +
∪(0゚∪ ∪
+ と__)__)
>>225 はげ同。なんか最後まで自分のことしか考えてなかった気がする。
アナエルとの事があっても変われなかったというか成長がなかったと思う。
ラジエルは両親のいいとこ似なかったのもったいないなぁ。
ラジが受け継いだいいとこって
母さんの美貌くらいじゃね?
自分に瓜二つの母親を、とても美しい方と言ってのけるラジエル
グールは羽落としの刑に処された者だっけ、
ザフィケルは死ぬ前に殺してもらえたからグールにはなってないと思うな
アナエルが迎えに来たときの絵は普通だったし。
人間はヘイディーズで地獄か天国に選別されるみたいだから
天使はそのまま天国かな。メキドの丘は天使の魂が集まるとか言ってたし。
この話の中で人間が送られる天国とか地獄って、
天使のいる天国とか悪魔のいる地獄とは
違う所のような気がしてしまう。
>>233 同じ世界に別次元で存在してるようなものなのかな。
見ることはできてもそれぞれの世界に干渉はできないような感じ。
ジブやアレクのように魂に小細工できるのは、本体が生きていたからとか?
>>231 そういう図太いところは、父親の遺伝子。
セヴィーはラジエルがアナエルにそっくりで
「もしかしたら…」って気付いてたのかな?
でもライラ可哀相だな。ロッシーは何する気だろう
かわいそうか?
>>236 はっきり気付いてたわけじゃないだろうけど、
何となく感じとって嫌ってたんじゃないかな。
ザフィケル死んじゃったの
てっきりウリエルの植物の体に入って
今度こそ一緒に最後まで戦うと思ってた。
>>229 確かに最後まで自分のことしか考えてなかったと思うけど、
親子の対面には意味があったのでは。
絶望感抱えて自暴自棄の弱い人間だったのが、
息子だったことを知って「強くなろう」とやっと思えたってことじゃないのかな。
変わるかどうかは来世の生き方次第だ。
対面には意味あったと思う。
でも、おそらくザフィケルの来世まで描かれないよ
成長は今世の自分の欠点を来世の人格に任せるんじゃなくて、
自分で遂げる形で書いてほしい。
アナエル殺害の後、自分を省みることはできたはずだよ
時間はたっぷりあったんだから。
242 :
1/4:2006/09/17(日) 00:03:08 ID:???
天使禁猟区 至高天 創造界編 天地大動 ACT.1
中空回廊の騒ぎの後だから非常態勢で結界を抜けるのは難しいかもしれないというラジエル。
結界までは護衛をつけると言ってくれているのだが…
だがリウェトから武器も貸してもらったし、遅くなればなる程警戒は厳しくなるだろうからもう行くと言う刹那。
ちなみに加藤はリウェトに、目的を果たしたら体を研究対象に差し出すとの証文を書かされたそうだ。
どちらにしろ窖には戻らなければ、無事に帰るとジャジャ馬姫に約束したのだから。
何千何万の夜を 気の遠くなる程の夜を数えて
幾千幾億の砂の中よりたった一粒の貴方の魂の光を見つけ出した
それ程貴方の光は眩いから
貴女を神聖視する俺の目は貴女にとって邪魔な物かもしれへん
でも今も昔も どんな姿でも 貴女の魂は綺麗
アレクシエルの天使の結晶に祈りを捧げるクライと、そこに声をかける邪鬼の壮年男性。
少し顔の色が悪いと心配する彼に、朝から微熱があるとクライは笑顔をみせる。
彼は兵役に入る年になったからと子供を挨拶に連れてきたようだ。
紹介された子は、これでやっと誇り高い戦士の仲間入りができる、姫のためなら死ぬる覚悟だと胸を張る。
本当ならこんな小さい子が言う台詞ではない…そう思いながらもクライは礼を述べる。
だがその時…クライの脳裏に未来視の龍 翡翠の姿が映る。
何事が起こったのか…しかし、クライの意識はそこで途切れて行く…
歌が聞こえる
そんなに歌が好きなら聖歌隊に入れば良かったのに、と声をかけられた…ライラ。
綺麗な歌 優しい声 君の声は好き
だが神の御前で歌えるのは男性だけだ。バカな話だが仕方がない、だからこの子の為だけに歌う事にしたのだと言う。
僕だけの為に歌う歌 僕がよく眠れる様に 僕の為の子守歌
君が好き 好きだよ
だから助けてあげるよ 君を傷つける痛い物全てから
そして…バラのような棘を持つ蔦に絡め取られてゆくライラの体…
彼女を呼ぶ声に、ただ叫び声を上げる…!
243 :
2/4:2006/09/17(日) 00:05:04 ID:???
ソファの上で眠り込んでいたセヴィーを起こしたのはメタトロンだった。「つうしんかいぎ」の時間だと呼ばれているらしい。
セヴィーは自らの手を見下ろして安堵する。
勝手に入った事を詫びるお付きのシスター、どうやらメタトロンが強引に入り込んだらしい。
自分なら顔パスだと言うメタトロンは、シスターに直してもらったうさぎのぬいぐるみの傷を示してみせる。
だが会議の時間なので部屋で昼寝をして下さいと言うセヴィー。
いつもの通り薬を飲ませるのを忘れるなとシスターに告げる。彼女は、思い出したようにそれを了承した。
蝋人形のようなものを…バラの棘に絡ませて笑う、ロシエル。
また何か悪戯でもしたのかと聞くカタンに人聞きが悪いと言う。
ちょっとセヴィーに懐かしい夢を見せていただけだ。
カタンはかねてより調査中だった「ライラ」という女性について報告しようとするが…
今見せてもらったからもういいと言われてしまう。
あの化物小僧がスポンサー、どうりで自分を目の敵にするわけだとロシエルは理解した。
白い天使が青くなっているところを見に行こうかとその場を去る。
かつては重罪人たるアレクシエルの天使の結晶を邪鬼に奪われ、それと手を組みし救世使が今度は中空回廊を潰した。
笑い事ではすまないとがなりたてる通信会議のメンバー。
回廊を落としたのは叛乱組織という話もあるが、同じ事。
サリエルを含む多数の死者を出し、もはや脱出不可能と天使に恐れられた中空回廊も、我らの威信も地に落ちたと。
だが救世使は逃がさぬよう捜査中だと告げるセヴィー。万が一逃げられても、隠れ家には見当がついていると。
そこへ突然割り込んできたもう一つの映像…当然彼の与している根城と言うべき窖に戻るだろうと言う。
それは軍服を着用したロシエルだった。
窖には天使の結晶がある事も知っているはず…もしかして、一人占めしようとしていたのかと。
行方不明中のエテメナンキを開く鍵がロシエルとアレクシエルにあると知って…
隠していた内容をその口からあっさりと暴露され、セヴィーは焦った。
244 :
3/4:2006/09/17(日) 00:06:50 ID:???
創世神が隠れる前、対なるロシエルとアレクシエルの心と体に刻み込まれた封印。
ロシエル一人でも意味がなく、死んでいるアレクシエルの体だけでもダメ。
彼女を甦らせる方法は唯一つ、体を手中にし、生まれ変わりの無道刹那を殺す事…
神がこの世にいないという事実に色めき立つ会議のメンバー。
今までセヴィーが神の声なしに我々を意のままにしていたのかと…!
だが今はそのような事をがなり合っている場合ではなく、救世使を捕えてからの話だと憤るセヴィー。
今回の落とし前を救世使捕獲と叛乱組織摘発でつけろと言いたいのだろう、とロシエルに食ってかかる。
何回失敗すれば気が済むのかという彼の嫌味に、セヴィーは強引に会議を中断する。
背後の部下に、境界警備隊最高責任者…ミカエルを呼ぶように指示を出した。
そしてロシエルは、鬼のいぬ間に欲しいものをいただきにいこうかと笑っていた。
クライの部屋の前で語り合うノイズとお付きの女性。
微熱が続くのは病気ではなく、クライの体が子供から女性へと変わる準備に入ったのだと言う。
だが今は気の流れが狂い、神龍とは連絡が取れない。だがら代々龍上主には女は向かなかったのだが…
クライは自分が大人の女になるという事実をただぼんやりと想っていた。
ずっと女にはなりたくない、いつかアレクシエルを守れる強い奴になりたいと思っていた自分が…
かつて…天界も人間もやっつけてやると豪語するクライに、人間の古い書物に邪鬼が「EVIL」と記されている事を教えるアレクシエル。
その言葉を逆にすると「LIVE」…「生きる」という意味に読める。
それはアナグラムと言って初歩の文字置換法、本当の意味を隠す時に使われるもの。
相反した者にそんな名前をつけるだろうかとアレクシエルは言う。
太古の昔、地上がまだ生命の息吹で溢れていた頃人間と邪鬼は共存していたのかもしれない。
これからもそうあってほしいとの願いが力強く託されている名だと…
本当に共に生きていける時代が来るだろうかとクライは思う。
だが今ならあの時の言葉が少しわかる気がする。刹那が自分の中の何かを変えたのだと。
その時、空に光るものが。刹那が戻ってきたのだろうか…
おかえり刹那…ちょっと待ってて…すぐ…すぐ…そっちへ行くから…
今度は置いていかんといて…刹那…
245 :
4/4:2006/09/17(日) 00:07:57 ID:???
刹那達を次々に攻撃するミカエル。どうやら昼寝を邪魔されたことで大層ご立腹の様子。
応戦する加藤と、それに手を貸すリウェト。だが彼は燃料切れのためあっさり撤退してしまった。
頭が良くても戦術とは別なのかと唖然とする刹那に性格の問題だと悪態をつく加藤。
そこへミカエルが直接、真っ二つにしてやると剣を構え…
だが彼は吉良の姿を認めると、羽を収めてその場を去ってしまった。
何故あいつがこんな所に、震えが止まらないと思うミカエル。
だから救世使に近づくなと言っていたのかと、その怒りをラファエルに向けた。
全員離脱していくその様子に、なんだか知らないが助かったと刹那たちは安堵した。
窖には無事着いた。が、やけに静か過ぎる。
ビックリパーティでもする気かと加藤が探す中、刹那は何かを感じてその部屋へと急いだ。
扉を開く…セヴィーが足留めにもなりゃしないと言う言葉。
そこには、数々の邪鬼の死体の中、アレクシエルの体を抱くロシエルの姿があった。
何をしているという刹那の言葉に姉弟の麗しき再会だと言ってみせる。ただ姉の体を取り戻しに来ただけだと。
みんなだって邪魔しなければ死なずにすんだのに…ただ姉の体を盗んだ奴にお仕置きをしただけだ、と一方を示す。
刹那の振り返った先…そこには…クライの、首…?!
さあ 君を罠にかけてあげる
軍服のロシエル様ハァハァ
クライが大人の女性になるっていうからwktkして読み進めたら・・・
九雷たん初経?
おめでとー
っと思ったら!!
ちょっえええ?
九雷おおおおーい!
ロシエル様久しぶりに動くからって張り切りすぎです…
クライイイイイーーー!
関係ないけど、ミカエルお前は本当に四大天使の一人か。
威厳が全くないとはいえ、扱いが軽い、軽すぎる!!
お昼寝とか、羽巻いて逃げるとか幼稚園児かよ・・・
クライが死んで刹那がブチ切れ→パワーアップ?
これは派手なバトルになりそうだな…
あいかわらずハードな展開。
結構あっさり窖に帰りついたと思ったら、これか。
九雷は紗羅に次ぐセカンドヒロインぽいから
死亡フラグは無いと思ってたんだがな
それともまた死んで蘇生させるとかいうイベントか?
しかし天界にも顔に傷があって「やくざ」と呼ばれるものが
存在するのか?それともメタが人間通なのか…
アレクの身体保存していたのは、ちゃんと理由があったんだね。
言われてみれば、確かに不自然だ。
肉体と魂の関係がよーわからん。
肉体の死→魂と屍に分かれる→屍は朽ちて、魂は転生して新たな肉体を得る?
でもこれに当てはまらない奴も多いしな・・・
アレクやジブリールは生きてるのか死んでるのか。
ミカエルの「ライドオンタイム!」には誰も突っ込まず?>MAX
それより握手、左手でしてない?
258 :
1/3:2006/09/19(火) 00:03:09 ID:???
天地大動 ACT.2
クライの首…!!
刹那は叫び声を上げてロシエルに向かっていった。
何もかも知っていたなとラファエルに怒りをぶつけるミカエル。
とうとうバレたみたいだと、ラファエルは語りだす。
かつてアレクシエルが封印を解き、今は救世使が引き継いだあの魔剣 七支刀御魂剣は、魔王ルシファーの魂を宿した物だと。
かつてミカエルの兄として天界で栄華を極め――そして堕天使の王として天界を裏切った闇の指導者…
それがどうした事か何千年か前、秘密裏に天界に捉えられ魔剣へ封じられたという。理由はわからない。
だが今や人と剣の姿に別れ救世使と共に戦っているということは、ミカエルの耳に入れるわけにはいかないと思った。
多分、他の連中も…
かつての兄の言葉を思い出し、ミカエルはラファエルを怒鳴りつけてその場を去ってしまった。
ただあの時のように目の前で壊れていくのを見たくなかったと、ラファエルは彼を見送るしかなかった。
そして二人の会話を聞いてしまったバービエルに、ラファエルは他言無用だと言い含める。
魔王の本体は地獄を支え続けているが、抜殻だ。だが現在ルシファーの魂を持つ人間が死ねば…
おそらく魔王の本体も崩れ落ち、支えを失った地獄は大地ごと崩壊して天と地のバランスが狂う。
どんな天変地異が起こるのかは、わからない。
吉良が突然胸から血を流した。"あいつ"が来ている事を感じとった吉良は、心配する加藤の腹を突然殴りつけた。
「お前バカだし手が掛るし 時間も約束も守らないサイテーな奴だ
ただ惨めな負け犬みてーな必死の姿がほっとけなかった
…でも人間ごっこはもう終りだ 割と楽しかったぜ」
崩れ落ちる加藤の脇に刀を突き刺し、吉良はその場を去る。
そして、道すがら…牢のように塞がれた小部屋の中に、誰かを発見した。
259 :
2/3:2006/09/19(火) 00:05:04 ID:???
ロシエルによって背後の岩に打ち付けられた刹那。
アレクシエルとは大違いだと彼は言う。たかが小鬼一匹の死で前後不覚になるようでは、自分が相手をするまでもないと。
ここで刹那は死に…アレクシエルは生き返るのだ。
刹那は気丈に、紗羅を助け出しお前を倒し、地球を元に戻すまで死にはしないと訴える。
だが紗羅…ジブリールはもうすぐ死刑になると告げるロシエル。
正確に言うと死刑ではないが…仮にも四大元素の水を司る天使を殺せば元素が制御できなくなるからだ。
だが実の兄と禁を犯した罪は許されるものではない。
だから有罪になれば、彼女を脳だけにして自我を失わせるため杭打ちの刑にするという。
他の者に元素を継承させて死刑にさせる方法もあるが、その方が簡単だし四大になる程の能力者を探す手間も省ける。
そして脳だけとなった水の天使の管理をセヴィーが狙っている…今窮地に立っているから、自分の立場を強くしたいのだと。
彼女は決して死なない、会う事だってできる。
ただし手も足も、顔すらもないが。
石に齧りついてでも生き残ろうとした、懸命にやって来た命を、こんな無残に殺したお前にはわからないと返す刹那。
クライや邪鬼がロシエルからアレクシエルを奪ったのではない、アレクシエルがお前という化物を見捨てたのだと。
その言葉に、自分の体を醜い化物にしているのはお前等人間だ、と怒りのまま攻撃を加えるロシエル。
それから刹那を庇ったのは…吉良だった。
彼はクライは死んでいないと告げ、それを証明するようにノイズと共に部屋の入口にその姿があらわれた。
クライはまだ体調が回復してはいないようだが…
あの時…ロシエルは突然舞い降りてきてクライの首を要求した。
クライは仲間がなすすべもなく殺されていったのを死って飛び出していこうとしたのだが…
260 :
3/3:2006/09/19(火) 00:07:39 ID:???
ロシエルはまっすぐアレクシエルの霊廟へと向かい、クライの顔を見せろと要求していた。
亡くなった…さきほど挨拶に来たばかりの村長の息子、アイク。
父である村長はその首を切り落とすと、この首をクライと偽って奴を油断させ叩くと言った。
息子の死を無駄にはさせないと…
その言葉に刹那がクライの首と思ったものを確認すると、それは確かに別人だった。
クライは今神龍と更新が取れない体、でなければ翡翠がなんらかのお告げをくれたはず…
でなければこんな全滅なんて事にはならなかった、ノイズは涙をこぼす。
加藤は刀を杖代わりにしながら吉良の向かった方へと歩く。
武器を自分に置いていった…それはまるで…
お告げがあろうとなかろうと結果は同じだと言うロシエル。首が本物かどうかもどうでもいいことだと。
胸の血の威力もここまでだと、ロシエルは吉良をいたぶる。自分を地上に閉じ込めた忌わしい剣だと…
吉良を抱きしめるようにしたロシエルはその心が伝わってくると言う。アレクシエルに惹かれていたのだと。
そのために長い輪廻を巡ってきた、狂おしい思慕を胸の奥にしまい込んで…
だが刹那を殺せばアレクシエルは甦ると唆す。
アレクシエルを追ってきたのは何千年、だが刹那と人間のフリをしていたのはほんの何年か…瞬きの間のようなものだと。
早くしないとお前の体が死ぬ、これがいいならもう一度血をやるから…
この世に創り出された使命を、絶対悪として産み出された意味を思い出せと…!
人類の敵、生きとし生ける者を屠る神、黒き蛇として生まれ出でた事。
持つのは欲望と支配欲、叛逆精神と破壊への渇望だけ、人間を永遠に憎むものがお前だと。
どうしたって人間の感情などわかりはしない、アレクシエルが欲しいならその人間を殺してみせろと!
アレクシエルを想う、吉良…「悪りぃな 刹那…」
部屋に辿りついた加藤が、それを止めようと声をあげる…
「俺はこの暗き太古の怨念と あの女への思いを 断ち切らなきゃならねぇんだ」
吉良は自らの体ごと、背後のロシエルを刺し貫いた。
俺は 人間になりたかったわけじゃない
ただ 吉良朔夜でありたかっただけだとしたら――?
よかったクライたん生きてたー!
そしてやっぱりルシファーはミカちゃんの兄だったんだね
つかこっちが死にそうなんだけど…
ロシエルの血の効果がないまま吉良が借りてる肉体が死ねば
吉良の魂もそのまんま死ぬのか…
大魔王がこのまま死んでいいのかYO!
263 :
訂正:2006/09/19(火) 02:38:20 ID:???
兄弟…しかも双子!?
とにかくそこにびっくりしたんだが
ちゃんと予想してた人いたのね。
265 :
マロン名無しさん:2006/09/19(火) 09:57:19 ID:fAiqxeFE
ロ シ エ ル 強 す ぎ !
やっぱこいつ本気だすと怖えーー
予想も何もルシファーとミカエルの関係は……なぁ。
むしろ無関係だったらヲタが騒ぐぞ
九雷は生きていても、今度は吉良が自害って!
魔王の身体には戻らないのか?!
四大天使って継承できるものだったのか・・・
>>267 もしやウリエルやラファエルなんかの名前は
四大天使になった時に与えられるもので(二代目○○みたいに)
本名が別にあるのかもしれんねw
クライ生きてて良かった…。
吉良はいくらなんでもここで死なないでしょ。
死んだとしても後でルシファーとして蘇るか。
ミカエルとの因縁が今回やっと示されたし、
その決着はどこかでつけると思う。
誰もロシエル様の心配をしてなくてワラタw
>>264 ルシファーとミカエルの関係は、それ系の文献に載ってる
天禁での天使は双子以外の兄弟は認められてない
以上のことから想像することは可能です
今更だけど、何で地獄に吉良の顔があったんだろ?
ルシファーと人間・吉良朔夜の顔が一緒のハズないのにね。
(アレク→刹那みたいに、生まれ変わりってわけじゃないのに。)
そう考えると、ミカエルが吉良の顔を見て反応したのもおかしい。
ルシファーが乗り移ると、どんな器でもルシファー顔になるんか?
だとしたら、人間・吉良朔夜の顔が事故の直後に変わっちゃってた事になる。
さすがにそれは、吉良の親父が不審に思うんじゃないか?
アレクの魂が人間に転生したときに両親の遺伝子無視してアレク顔になったように
魂が肉体に大きな影響を及ぼすものだと無理矢理解釈
吉良が人の体にとりついて結構な時間がたつと肉体が影響を受けて吉良顔になっちゃうとか
でも吉良のひとつ前の体にとりつくときは吉良は女の子のかっこしてたな
結局は作者の都(ry
ところで前号を読み返してみたんだけど
セヴィーに悪い夢を見させていた時のロシエル様下半身裸?
変態もここまで来ると美しい
>>273 作者の都合で言えば、「元素を継承〜」も微妙だよね。
自然によって姿かたちが決まる四大天使なら、
継承した誰かは今の4人と同じ姿になるってこと?
ミカエルとルシファーが似てない理由にはなるけど。
伏線かもしれないけど、よく考えないでつけた設定のような気がする。
ロシエルはドSだなー
先輩の死に方グロすぎだよ(´;ω;`)
吉良先輩やっぱりここで死ぬのかな。
散々、次に致命傷を負ったら最後だと言われてたし。
あと、ロシエル様も死ぬ?
確か「七支刀を手にしていたアレクシエルは(天地大戦のとき)
ロシエルを殺せたはず」とかいうのがあったよね。
あれは、「アレクシエルだから」殺せたのか?
「七支刀だから」殺せたのかどっちだろう。
278 :
1/3:2006/09/21(木) 00:01:21 ID:???
私はお前達を解放する
お前達の手で自らの王を選ぶがよい
血を流す魔王の体を前に、酷い方だと想うベリアル。
例え魂が知らぬ地で尽き果て、再びこの地獄の大地を道連れに粉々に滅びようとも…
そんなベリアルを呼びにきたアスモデウス。サタンは全員儀式のサークルに入った、と。
そして彼女もそこへと向かう…たとえ死しても、真の王は貴方一人だと想いながら…
天地大動 ACT.3
貫かれた体…ロシエルは"ルシファー"へ怒りをぶつけるが、そのまま七支刀で左肩から右の腰にかけ斜めに切断されてしまう。
崩れ落ちるロシエルの体…刹那は恐る恐る吉良に声をかけるが…
「…俺が死んでも…やってけるな?」
この体はよく働いてくれた、"こいつ"もこの名前も吉良朔夜に返す時が来ただけだという。
もうこいつを静かに眠らせてやらなければ、と…
自分なしでもやっていける、お前がお前である限り、お前自身がそれを信じている限り…
お前はアレクシエルではなく、無道刹那だと。自分は死んでもなんて事はない、平気だと…
刹那は先輩がいなきゃ平気じゃない、大丈夫なんかじゃないと言いながら吉良へと駆け寄る…
吉良は想う。何度アレクシエルを追って肉体を変えてきたかわからない。
だがアレクシエルを忘れさせた奴は初めてだった、お前だけだったと。
刹那が辿りついたと思った矢先…吉良の背後から、心臓を鷲掴みにし貫通する手が…!
そして…吉良の体は無残にもバラバラに崩れていった…
砕け散る七支刀の水晶…嘘だと叫ぶ刹那の眼前、吉良の頭の残骸を踏みつける足。
心臓を握り潰したそれは…半身を失ったロシエルだった。
279 :
2/3:2006/09/21(木) 00:04:00 ID:???
切り落とされたはずの上半身が楽しそうに笑う。
一瞬で再生した彼を、思わず加藤が化物かと叫ぶ。
そこに攻撃を加えたロシエルから守るように、刹那は加藤とクライ、ノイズを部屋の外へ押しやり岩で扉を塞ぐ。
だがあれで仲間を守ったつもりかと、背後から襲い掛かるロシエル!!
全てが遅すぎた…
ロシエルの攻撃が、刹那の左の翼を引き千切る。
痛みに呻く刹那に、自分が憎いかと声をかけるロシエル。
追い討ちをかけるように、紗羅を部下に殺させたのも自分だと告白する。
なついていた先輩を粉々につぶしたのも…復讐に燃えていた仲間の邪鬼族を全滅させたのも…!
必ず殺してやると呻く刹那。こんなにも誰かを憎いと思ったことはない。
貴様が生きている限り地の果てだろうと必ず見つけ出し、引きずり出して殺してやる!
激昂する刹那の右目に指を突き立てたロシエルは、その目で見てもまだ自分が死なない事がわからないのかと言う。
四肢をバラバラにして炎で焼こうが、首を切り落とそうが死なない…死ねないのだ!
あの時、自分が狂う前ならまだ間に合ったかもしれないのに殺してはくれなかったと訴える。
「僕の永劫の地獄よりも人間供の未来を選んだくせに!!」
そこへ突然カタンが現れ、ロシエルに退くよう訴える。まもなくこの大地は窖もろとも崩れると。
魔王ルシファーの魂を持った者の死によって、地獄に根を張っていたルシファーの本体が崩壊しているのだ。
その言葉に、吉良が本当に死んだのかと刹那は打ちのめされる。
急かすカタンの言葉もきかず刹那にとどめをさそうとするロシエル。
だが刹那は、自分が死んでアレクシエルが生き返っても、自分の魂がお前を許す日は永遠に来ないと叫ぶ。
この憎しみを忘れはしないと!
280 :
3/3:2006/09/21(木) 00:05:35 ID:???
このまま大地ごと心中するわけにはいかない、今こそ我らの力を見せる時。
サタンは再び天界を、栄華を手に入れるためにも、地獄の崩壊を前に術を発動させた!
魔王の体が崩れる…降りかかる瓦礫、カタンはロシエルの名を呼ぶ。
ロシエルは突然刹那を開放し、やってみろと言った。もっと抗ってもらわなければと。
もっと血まみれになって、はいつくばって、惨めにあがいて…ここで死ななければ。
「殺しに来てもらおうじゃないか…エテメナンキに…
僕と君を産んだ…アダム・カダモンが待っているよ…」
ロシエルはカタンと共に、アレクシエルの体を持ってその場から転移して消えていった。
刹那はなすすべもなく、降りしきる瓦礫の中ロシエルの名を呼ぶしかなかった。
俺は 憎しみで息が出来ぬ程の感情を
地が逆流する様な激しい殺意を感じながら…
俺の意識は白くなっていった…
うわあああああああああああああん。゜゜(*´□`*。)°゜。
刹那片目失明しちゃった?
センパイ・・・(つд⊂)
ロシエル、アホほど強いな
天禁ってあんまり主人公のパワーうpシーンがないけど(一応バトル漫画じゃないから?)
こんなん相手にどうするんだろ
久々にベリ子さん来た!!
ロシエルに「化け物」って禁句なのかな。
前回も刹那にそう言われてマジ切れしてたし、
かつてサラに言われたときも凹んでたし。
今回は加藤が言っちゃってるけど。
> あの時、自分が狂う前ならまだ間に合ったかもしれないのに殺してはくれなかったと訴える。
> 「僕の永劫の地獄よりも人間供の未来を選んだくせに!!」
どういう事だ
吉良が死ぬと地獄が崩壊するように
ロシエルが死ぬと物質界がどうにかなるのか
上級の天使が引継ぎ(?)をしないで消滅したらなんらかの影響があるんじゃないか
無機質方面が消えちゃうとか
グロいぞー。
今まで吉良でなんとかしのいできたのに、この圧倒的な力の差は・・・
刹那いくら怒っても今は絶対かなわないだろう。
どう見ても勝てる気がしないんですが…
アレクとロシエルぶっちゃけ似てない、と思ってたが
二人顔を近づけてみるとやっぱ似てるな
「何をしても死なない」相手にどうやって戦うのか楽しみ
狂う→死ななくなる、とはまた変わった体質ですね
>>288 とするとアレクは誰かに引継ぎがしてあるのかもしれんな
それとも体(=羽根の力?)は新鮮なまま保存されてるから意識がなくても自然を制御することができるのかな
邪鬼族全滅に加えて、吉良先輩死亡で地獄もどうなるかわからないし
こんな状態で天界と戦えるのか
こんな重要な展開中にそんなことに注目しちゃう自分が情けないが
さりげにロシエルにコートをかけてやるカタン
相変わらず抜け目無いな…感心感心
ゲヘナ皇国はあまりにも運がなかったな
果たして運の問題なんだろうか。
皇国に足りなかったのは運ではなく変態ではないのか。
まさか唯一の変態アラクネがいなくなったからか?
297 :
1/3:2006/09/23(土) 00:02:23 ID:???
第七の封印が開かれ 天は沈黙に包まれ やがて天使が 祭壇の炎を地上に投げつける
血の混じった雹と火が降り注ぎ 大地は割れ 海は血となる
「アアワザワイダ ワザワイダ コノダイチニ スマウモノ」
天地大動 ACT.4
我が魔王
私は懇願致しませぬ
神よ
ああ爾よ 至上智にして至上美の天使よ
運命に裏切られ
我が長きに渡る悲惨を
憐み給へ
エテメナンキで待っているというロシエルの言葉…
血にまみれ、降り注ぐ瓦礫の中、こんな所では死ねないと刹那は思っていた。
天界では地獄の異常な状況が観測されていた。だが実際に何が起こっているのかがわかっている者はいない。
世界規模の地震か、暗黒帝国軍の総攻撃か、などと…
地獄の大地が崩れ、天と地の楔が切れる…!
たとえ天と地が裂けようとも 全ての大地がその姿を醜くゆがめて幾千の命を吸おうとも――
砂漠と化した大地。悪魔を狩っていた天使達はキリがないそれにうんざりした様子だ。
だがあの人を待たせると機嫌が悪くなるからもう行こう、と言う。
その時1人が大きな発光体を発見し、不審に見つめる中やがて光が消える。
その場を確認に行った彼らは、そこに横たわる傷だらけの片翼の天使…刹那を見つけた。
刹那は朦朧とした意識の中、ただロシエルへの憎しみだけを抱いていた。
何故自分から掛替えのない物ばかり奪うのか、大事な物ばかり粉々に打ち砕くのか…!
仲間内の一人が何かに気付いた時には遅く、刹那は近寄ってきた天使の一人を無意識に攻撃していた。
298 :
2/3:2006/09/23(土) 00:04:41 ID:???
具合の悪い様子の紗羅を心配するリル。
"あの"騒ぎで下ではいっぱい死人が出たそうだし、あの時すごい地震が来て死ぬかと思って怖かったから無理もないと言う。
そこへ突然扉を開いて入ってきた兵士。彼らはリルの頭に銃をつきつけ、紗羅を裁判の準備のため連行すると言う。
逃げも隠れもしないからとリルを解放させ、彼らに従う紗羅。
そこへどこからか女の人の歌声のようなものが聞こえてきた。
…それは、いつかセヴィーが投げ捨てたアレクシエルのピアスからこぼれた、発芽した廃竜の種子から聞こえていた…
なおも攻撃を加えようとする刹那を、背後から殴って気絶させた…ミカエル。
刹那を発見した彼らは国境警備隊の能天使だった。
刹那の様子に腰が引けていた彼らが気絶したのをいい事に報復しようとするのを、ミカエルの怒りが止める。
この死に損ないの救世使に用があるから運べと言うその様子は静かな分恐ろしいものがあった。
いつもの様に怒鳴らない分不気味だと思いながらも、能天使達は従うしかなかった。
刹那の傷に申し訳程度に包帯を巻きつけ、檻に閉じ込めた状態で覚醒を促すミカエル。
目を開いたものの、まだ意識が保てない刹那にミカエルは一方的に語りかける。
ずっと前地上で会った時にはアレクシエルの姿だったし、この間はラファエル達と一緒でわやくちゃだった。
正式にツラつき合わせるのは初めてだと。
それにしてもひどい有様、片羽は千切られ片方の目は潰され…そんな状態で一気に力を使うなど自殺行為だ。
痛みに自分が生きている事を確認する刹那。だが何故ここにミカエルがいるのか…ここはどこかと問う。
ミカエルは変な発光体に守られ、窖からここ天界へ飛ばされてきたのだと説明する。地獄の崩壊を免れて。
魔王の体の支えを失った地獄は全壊を防ぐため最終手段に出た。
サタンは魔王の本体を捨て、天界と地獄を結んでいた楔を切り七層の大地ごと大転移を行い、天界に体当たりをしたのだ。
天界と地獄の大地は不自然な形に融合し、地獄の上2層と天界の下2層が砕けて大被害を受けた。
おかげで今は天界と地獄の境界線を作り、侵入してくる悪魔を捕まえるのに大忙しだと言う。
299 :
3/3:2006/09/23(土) 00:07:06 ID:???
その説明にクライや加藤達がどうなったのかと心配する刹那。だが傷が痛んでなかなか考えはまとまらない。
ロシエルにやられた事と確認するミカエル。
最高会はアレクシエルの体を取り戻してきた事で大騒ぎらしい。
これでまたロシエル派は株を上げ、セヴィー側はアセってジブリールの裁判を早めたそうだ。今はそれどころではないのに…
裁判を早める事を驚く刹那。ロシエルを敵視するセヴィーにすれば四大元素の後見人の座は大きいだろうと言うミカエル。
だからこそさっさとジブリールを極刑にしてその力を手に入れたがっている。ロシエルを潰すためにも。
それにしても、ミカエルの様子が以前と違う事に気がついた刹那。
何か用があるのではないかと問うと、彼は奇妙な笑顔を浮かべて振り返った。
この間一緒にいた日本刀を持った黒髪の男、あいつはお前の何かと問うミカエル。
だが、彼は…
答えろと剣を構え脅すミカエルに力なく笑い出す刹那。
そんな人はいない、もう何処にも…もう二度と会えやしないと涙をこぼす。
全てはあの時、ロシエルの手で砕け散ってしまったのだから。
その言葉に、さすがのミカエルも驚きを隠せない。
そこに邪鬼の残党の姿は一人もなく 命有る物全て粉々に砕けたかに見える
あの荒れ果てた廃墟で一体何が起きたのか ただ 残像だけが…
崩れ落ちた窖で…落ちた刹那の片羽を拾う誰かの影。その人物は、砕け散った七支刀の水晶を発見した…
あの男がロシエルに殺されたなど信じられないとミカエルは言う。
そう簡単に死ぬわけがない、自分がこの手であの男を殺るまで、あの忌々しい天地大戦の決着をつけるのだからと。
必死な様子の彼にどういう関係かと刹那は問う。
「…関係だと?
天界最大の汚点叛逆者ルシフェル…あいつを粛清するのは誰でもないこの俺だ!
この双子の弟ミカエルの手で…今度こそ…!
そうだ…!! あの第一次天地大戦の決戦の時…俺は確かに"あいつ"に勝ったはずだった…!!」
300 :
訂正:2006/09/23(土) 00:27:07 ID:???
ニドヘッグの種が草になったw
ミカちゃん何か兄貴のこと嫌いそうだね
これまた似てない双子だなー
ちょっと狂気じみたミカちゃんカッコヨス
刹那も奇麗事言ってるよりロシエルへの憎しみで怒ってるほうがまだいいかんじかも。
このままじゃロシエルには到底敵いそうにないし、
特殊能力をつけるかここらでミカエルあたりを味方にするしか道はないんじゃないのか
ロシエルが憎いのは分かるが
なんの関係もない天使を発作的に攻撃してしまうのはなんかなあ…
それより天使を素手で引き裂けるほど強くなってんのに
ロシエルにボロボロにされちゃったことが
びっくりだよ
ロシエル>>>>>>>刹那>>その他大勢
ってこと?
窖は・・・・?
砕け散ったそうですがな
いきなり窖消滅なんて言われてこっちまで( ゚д゚)ポカーンだけど
逆にみんな生きてそうだな。
加藤は死んでたとしてもまた生き返るだろうと
楽観してしまっている自分がいる。
ウリエルも衝突に巻き込まれて死んでるかも分からんぞ
「砕けた」からアナグラの大地が消滅したのかと思ったけど
人物の影がもがれた羽と、
その近くから血水晶の欠片を見つけられたから
そんなに崩れてないのかも
>>314 ヘイディーズってどこにあるんだろうね
ミカエル負けたの?
317 :
1/4:2006/09/26(火) 00:03:01 ID:???
天地大動 ACT.5
クライと共に地獄で見た魔王ルシファーの顔…吉良そっくりの…
彼がルシファーだから七支刀はその魂の入った邪剣として封印されていたのだろうかと思う刹那。
そしてこのミカエルの双子の兄…彼は本当にかつて魔王だったのか…?
だが突然刹那は笑い出す。ルシファーはともかく吉良とお前は似ても似つかないと。
あの人の身長をわかっているのか、それが双子だと言うのかと。
ミカエルは剣の束で刹那の檻を殴りつける。昔からよく言わたと…
「ルシフェル様は何もかもずば抜けて優れているのに…ミカエル様は…あれで本当に四大 炎を司る運命に生まれた皇子か」と…
皆が気付かなかっただけだ あの氷のような美貌の裏に隠された本当の姿に
そう 誰も気付かなかっただけ あの男が生まれながらの悪魔だという事に――
――この俺でさえも――
ただのゲームだと笑っていた。誰だろうと、気に入っていた者も愛する者も、弟も、殺せると――!
最高会よりの御召しでルシフェルが御前天使の筆頭に選ばれた日の事を思い出すミカエル。
それは、天使の中ではアダム・カダモンに次ぐ最も高い名誉な地位…
前途は洋洋、誰も敵う者はなく、人望も厚く指導者としての資質を兼ね備え、そのカリスマ的な輝きは他の天使を遥かに凌駕した。
――彼は明けの明星の天使 輝ける栄光の化身――
その時の彼の輝きが目について、離れなかった――
二人が生まれる時 最高会の長老は視えぬ目で未来を視たという。
生まれ落つ二人の皇子(みこ) 一方は光の使い 一方は闇の使い
闇の皇子はやがて自分の闇に全てを取り込み 万物の世界を混沌へと誘い
この世を滅ぼす永遠の敵対者となりましょう
幼い頃のミカエルは、その災いの星は自分の事だと思っていた――
同じ遺伝子を持ちながら極端に成長の遅いミカエルとどんどん天賦の才能を開花させていく兄。
初めは兄の後を追っていくばかりだったが、次第にあまりにも出来の違う兄に対し反発していく様になった。
318 :
2/4:2006/09/26(火) 00:06:39 ID:???
それはガキ臭い妬みからした事だった。
ミカエルは創世神から賜った兄の置物を壊し、それを兄お気に入りのペットの所為にしたのだ。
兄はためらいなくペットを殺した。その贖いは死をもっても足りぬ程だと。
だが壊れた破片の中からミカエルのペンダントを拾い上げ、落し物だと何食わぬ顔で彼に返す。
それが彼のやり方、何もかも見抜いた上で相手を直接手にかけるより以上の痛めつけ方を知っている。
気に入っていようとも大事にしていようとも関係ない。奴の中には誰も住めやしない…
奴に認められたくて必死だった男がいた。"あの"後自らの手で命を断ったバカな男。
自称 ルシフェルの親友だったその男は士官学校時代いつも首席を争っていた。
どうしても奴に勝てないその積年の思いから奴はついに卒業式典の日に兄に決闘を申し込んだ。
誰の目にも勝負は見えていた…だが意外にも勝ったのはあの男の方で、周囲はざわめき男は狂ったように喜んだ。
――でも真実は違った。
ルシフェルが使っていたのは練習用の鉄の剣、アストラル力を一切使っていなかった。戦車と素手で戦うようなものだ。
男は血を吐き、ルシフェルはいつもと同じ様に冷たく笑う。
敗北感から逃げるために自分の側でいい友人を演じ続けてきた分、しばし勝利の夢が見れたはずだと。
その後、男は自殺した…
何処か自分達とは違う、遠くを目指している様な――
そう彼を評したのは、幼い頃より二人に仕えていた下士官の女性、バル。
彼女だけが唯一ルシフェルとミカエルを差別しなかった。それどころか異様に兄に怯えているフシさえあった。
上級天使として生まれついた者はその天使の最も能力の高い年齢で体の成長が止まり、多くの場合そのまま長い時を生きる。
あまりにも早くその絶対年齢となり時を止めてしまった体を持つミカエルは兄に対し計り知れない劣等感を募らせていた。
喧嘩で怪我をしたミカエルを治療しながら彼の心を宥めるバル。他人にどう思われようと構わない、ミカエルはミカエルだと…
彼女は兄よりも自分の側にいてくれる。兄貴の方よりも…
319 :
3/4:2006/09/26(火) 00:08:47 ID:???
そして勃発した天と地が分かつ初めての神と叛逆天使達との戦い、第一次天地大戦。
堕天使軍の長元熾天使ルシフェルは自らを闇の王ルシファーと名乗り、
神を敵とする133,366,668人もの同志を率いて天使軍と死闘を繰り返した。
ルシファーの後に続いたのは天界でも指折りの上級天使達ばかり。
ミカエルは能天使を率いて自ら志願し、決戦の大地へと赴いた。
兄弟で殺し合うなど止めて欲しいと願うバルは、それが止められないとしると自分も連れて行って欲しいと願った。
生涯お仕えすると誓った二人なのだから、この目で真偽を確かめたいと。
果てしなく続く死闘、幾千もの天使たちの命が散っていった。
そして…最後のミカエルとルシファーの直接対決。
誰も手を出すな、こいつだけは自分の手で倒すと向かっていくミカエル。
昔とは違う、きっと兄と同格な程に強い。兄が踏みつけにしてきた天使とは違ってきっと勝つ。
何故自分達を裏切ったのか、その真実を引き出してやる!
だが斬りかかったミカエルの剣を、飛び出しルシフェルを庇ったバルが代わりに受けた。無事で良かったと呟きながら崩れ落ちる彼女…
彼女が、兄を恐れていたのではなく…好きだったのだと、ミカエルは気付いた。
今、兄は一体どんな顔をしているのだろう。今まで下だと思っていた弟に切りつけられ、生まれて初めてであろうその屈辱の顔は…
…だが、彼はやはり、いつもと同じ様に笑っていた…
ミカエルは自分に言い聞かせるように違うと言いながら刹那の檻を殴る。
確かにあの時兄に勝った、あの笑みはただの負け惜しみだと。
ルシフェル…魔王ルシファー、それがあの吉良だというのかと思う刹那。
そしてミカエルの様子を一笑に付す。
勝ったと思っていないから必死になって自己弁護しているだけだと。負け犬になるのが死ぬ程嫌だから…
虫ケラだ 相手の圧倒的な力の前に屈した 俺と同じ
だがお前は負け犬だ。認める勇気もない臆病者だ!
黙れと怒ったミカエルは、お前に俺の何がわかるのかと刹那に攻撃を加える。
320 :
4/4:2006/09/26(火) 00:10:24 ID:???
ミカエルを止めたのはカマエルだった。宰相の命令では見つけ次第差し出すようにとの事なのだ。
だがセヴィーには何もなかった事にするから殺せと命じるミカエル。頭をぶち抜き、心臓を貫いて、殺せと!
刹那は足の傷が開いた痛みに呻く。窖の時についた傷、そこに何かが刺さったままだとそれを抜き取る。
その時瓦礫の中から、女のシルエットを持つ何かが目を覚ました…
裁判が終わったらリルを解放する約束を守れとセヴィーに告げる紗羅。
だが人の心配より自分の心配をした方がいい。いかなる事情があろうとも近親愛は重罪、それは天界ならずとも当然の事。
極刑だと言う彼にまだ決まったわけではないと返す紗羅。
ちゃんと神の御前で、実の兄など関係なく刹那が好きだと言うつもりだと。
たまたま血が繋がっていただけ、自分の心に嘘も誤魔化しもない。何も恥ずかしくないし最後まで戦う。
仮面で真実を隠した独裁者になど負けない、刹那もそう言うはずだと。
そこで通信を切ったセヴィーはジブリールとは違った意味でしぶとい小娘だと背後の人物に話しかける。
だがジブリールを幽閉して転生させ、無道紗羅にしていた極秘事項を喋られても具合が悪い。
だからここでお前の忠義の程を見せて欲しいと…ラファエルに告げる。
彼の情事の情報は全て副官が把握しているというセヴィーに彼女が生きているのか確認するラファエル。
脳に直接聞いたかもしれないなどと笑えない冗談を交えながら、彼女の生死は協力次第だと言う。
裁判前のジブリールに面会し、精神安定剤だと偽って薬を飲ませるだけでいい。…余計な口を利けなくするだけのものだ。
あの、無道紗羅を…ラファエルは彼女の様子を思い起こしていた。
銃を構え、言い出したらきかない主君のために刹那を殺そうとするカマエル。せめて一息で殺すからと。
だがその時血を吹いたのは刹那ではなく、カマエルの方…!
背後から彼の胴体をその腕で貫いたのは、顔に模様のある表情のない女性だった。
「オ前ガ主カ 我ヲ呼ビ覚マシタルハ…オ前カ」
ミカちゃんの初恋物語か。
あと、ラファエル→サラのフラグは確定?
そうか、ミカちゃんはそれで女嫌いなんだ
最後に出てきたのはなんなんだ
御前天使の筆頭ってロシエル様かと思ってた
思い出の彼女は清楚で優しくて兄貴が好きだった・・・と。
まあ世の中そんなもんだ。
恋愛禁止されてるのに、ミカエルにまでそんな話があったのか。
小学生の初恋レベルみたいだが。
この兄弟は明らかにルシファーの方が歪んでる感じがするけどな。
歪みとかそれ以前にミカちゃんヘタレだな、としか
ミカちゃん健全頭なタイプだと思ってたら
意外に過去絡みで鬱々としていたんだな…
>>326 禁止されてるからこそ、一部の過激派を除いてかわいらしいもんなんじゃないの
やっぱり今後ルシファーないし吉良絡みのエピには
ミカちゃんがキーパーソンになるんだろうか
ラファエルの情事を全部把握している副官って
今も十分、ガキ臭いよミカエル
カマエルいいキャラだったが死んだ?
やっぱり非変態だし
334 :
1/3:2006/09/28(木) 00:41:11 ID:???
カマエルを倒し…能天使の首を持った女性の姿に、刹那はただ驚いていた。
至高天 創造界編 異端審判(ホーリーインキジション) ACT.1
我が主と呼ぶその女性は、手が4本あり金属のような光沢を放っていた。
彼女は刹那が足から抜き取った破片に手を伸ばす…だが不気味に思った刹那が自分に触れるなと言うと、そこで動きは止まる。
そしてカマエルが彼女を撃つ。彼の体は幾多の戦争の影響で半分以上が作り物、あの程度の攻撃では死なないのだ。
彼女はカマエルを睨みつけながらも黙って銃撃を受けていた。
機械のようなぎこちない動きを見せる彼女に大丈夫なのか、何故逃げないのか声をかける刹那。
だが、先程刹那が動くなと命じたからだと答える彼女。
そういうことか、と…刹那は、自らの閉じ込められた檻を破壊するように命じた。
その傷が一瞬で癒える…彼女が檻を破壊すると、刹那はカマエルをやるよう命じ、一人逃げ出した。
階上には数多の能天使の死体が。それが彼女の仕業と悟った刹那は、あらためて何者なのかと思う。
だがそこへ別の能天使が。刹那は物陰に隠れるが…少し考えると、服を着こんで羽を隠した。
向こうで鉄の仮面の大男がやられていると彼らに伝える、が…
この隊でカマエルの名を知らぬ男がいるはずはない。そのまま逃げ出そうとした刹那に、顔を見せると一人が迫る。
だがこんな所で死ぬわけにはいかない、ロシエルを殺すまで――
刹那は自らの包帯を使って彼に目隠しをすると、銃で撃ちつけた…
刹那に言われた負け犬という台詞を思い出し、一人反論するミカエル。
兄に勝った、そう思っていないと壊れてしまう。あの時みたいに――
335 :
2/3:2006/09/28(木) 00:42:54 ID:???
決戦の後、魔王軍は地獄の大地へと退却し、ミカエルは天地大戦で一番の英雄となった。
だが、あいつの笑顔が、敗北感が悪夢となって襲いくる。
狂って暴走し、近づく者全て焼き尽くしたミカエル。みんな恐れて近づこうとはしなかった。
なのに、何も恐れずただ一人、真っ直ぐ近づいてきたのは…ラファエルだった。
気を抜けば骨まで一瞬で燃え尽きてしまうのに。そんな態度はおくびにも出さず、慰めも、叱咤もなく…
頭に触れたラファエル、制御できない自身の炎。焼けていくラファエルの手…
自身が兄の呪縛から逃れなければ、勝ったと思わないうちは、何度戦っても勝てないと言うラファエル。
みんな、自分を置いて行ってしまう…自分を裏切って…!
一閃。
熱気は消えていった。どこにも行かないとラファエルは言った。
誰もルシファーを理解できないし、その心には住めない。それが悔しければもっと強くなって嫌でも忘れられないようにすればいい。
まだ始まったばかりなのだから…
泣きながら焼けた顔を治せと怒鳴るミカエルに、煙草の火を貸してくれないかと笑っていた。
変な奴だと思いながらも、ラファエルに救われたのだった。
救世使に対する怒りの正体。
天界でも最高位にあった兄が何故創世神を裏切り、自分を裏切ったのか。
今まで誰も奴の中には留まれなかったのに、人間の体とはいえ何故あの救世使の側にいたのか。
あの救世使と兄の間に何があったのか――
思い悩むミカエルの元へ、刹那が逃亡したとの連絡が入った。
万物――生きとし生ける全ての生命…全ての物質
あらゆる物がその刹那 動きを止め…死んだ様に静まり返るその切り取られたモノクロームの空間…
その瞬間の中心となった場所…者達よ
その少女…
ラファエルは地上に…紗羅の死体のある場所へと降りてきていた。
数日前、セヴィーからラファエルへ届いた密書と小さな包み。姿を消したバービエルの髪の入った…
336 :
3/3:2006/09/28(木) 00:44:53 ID:???
裁判前に会いに来たラファエルを快く迎える紗羅。
裁判前の健康診断だと言うラファエルに、仕事かと残念そうな様子をみせる。
迷惑をかけているし、自分の事を気にかけてくれる訳はない、と。
そんなに冷たく見えるかと聞く彼に、他の女には知らないが初対面の時はいじわるだったと笑う紗羅。
そういえば、いくら相手がお固くて性の合わないジブリールでも同じ四大元素の仲間だと思うラファエル。
天使の中では異質な位置にある自分達、他の天使とは違う繋がりで昔から親しみはあったはず。
なのに何故、この少女にはあんな態度をとったのか…
診察を受けながら紗羅はどうせ有罪になるのなら何もかもぶちまけてやるつもりだと語る。
少しでもセヴィーに仕返しをしなければたまらないと。
だが迷っている時間はない、ラファエルは脈拍が速いからとセヴィーから渡された薬を精神安定剤だと言って渡す。
バービエルは責任感の強い軍人女性、手足の自由がきく拘束状態ならば自害の恐れがあるからだ。
一流の天使ならば上官の任務の妨げになる事を屈辱とし、それを避けるためならば命も捨てる。そういう教育を受けてきた。
だから急がなければ…
しかし嬉しさのあまり紗羅が涙をこぼす。色々あって気が張っていたから、優しくされて気が緩んだらしい。
そしてずーずーしいついでにと願い出る、もし有罪になった時にはリルを引き取って欲しいと。
手は出すなと釘を刺すが、他に頼める人はいないから…
了解し、帰る準備をするラファエルに誉めているのか貶しているのかわからない言葉で礼を言う紗羅。
気まぐれだから君のためではないと答えるラファエル。今も仕事だ。
だが感情表現が乏しいだけで、本当はシャイで優しい人だと評する紗羅。
そういう所をもっと女に見せたなら、歯の浮くようなセリフよりもよっぽど利くし、もったいないと…
ラファエルは何も答えず、そのまま去って行った。
その様子を監視カメラで見ていたセヴィーは、薬を渡した事を喜んでいた。
これで彼女の極刑は決まったも同然、水の元素の力は支配下におけるだろうと。
歴史に残る名裁判が始まる…大々的に知らしめて救世使が現れてもいいように警備の網を張り巡らせてある。
「楽しみだな ジブリール…そして救世使よ」
そして紗羅は、薬に口をつけた…
刹那、テメェよくもカマエル様を!!!!
ライラ卑怯すぎ
ラファエルにとってバービエルってそんなに大事なんだ。
ちょっと意外。
有能な部下だから、にしてはバービエルをかなり気に掛けてるよね。
それにしても相変わらずセヴィーのやり方は乱暴だな。
まあ尻に火がついちゃ、なりふり構ってられないか。
おちゃらけプレイボーイの本命が懐の広い才女っていいジャマイカ!(・∀・)
四大元素って、あれで仲間意識あるんかい。
副官を気にしてるのは自分の身が大事だからじゃないの?
危ない事してきてるのよくわかってるだろうし
副官の脳みそ覗かれたらお仕舞いじゃん
それだったら「彼女の生死は協力次第」という言い方の意味がない。
死んでた方が都合良いんだから脅しにならない。
いやいや、セヴィーの言う死は肉体の死、つまり脳ミソ取り出しちゃうぞって意味じゃないのん
望んだ情報手に入るとは限らないだろうに、
勝手に人の副官をさらって脳ミソだけにする権限あるのか。
ヘタすりゃセヴィーの方が命取りだし。
どうせもみ消すんだろうけど、その場合バービエルのみ死に損だね。
で、ラファエルはそれを防ぎたい感じ。
ラファエルは女遊びしてるから罪人だよ
セヴィーのご機嫌関係なしに相手の女は羽落としとかになるんじゃない?
上がセヴィーじゃなくても、いつでもこうなる状況にあったと思うよ
カマエル様になんて事するんだこの野郎
どう見ても野郎じゃないだろう、手は普通より多いが。
カマエル様になんて事すんだこの千手観音
いつのまにか宗教戦争w
コレ、なんだろうね。はぐれ悪魔?
352 :
1/4:2006/09/30(土) 00:07:06 ID:???
異端審判 ACT.2
どこかの溶液の中…管につながれ、針を刺された腕…
もうすぐだよ… もうすぐ君に会いに行くよ
とびっきりの美しい悪夢を君にあげる 待っていて 僕を産んでくれる美しい人…
それを感じとったロシエルは、培養液の中の脳に話しかける。
楽しそうだと念を放つその脳に、こんな面白い物をこの目で見なくてどうするのかと。
何世紀に一度あるかないかの上級天使公開裁判。しかも四大元素 水のジブリール…
もうすぐ赤ん坊の起きる時間、お前にも聞こえるだろうと言う。
あれは揺り籠の中から出してくれとハリネズミの鳴いている声。「痛いよ 針が痛いよ」と…
バービエルの一番最近――6時間前の映像をラファエルに確認させるセヴィー。
その映像の中、ラファエルは彼女の指に嵌められた指輪に気を留めた。
今のところ彼女は無事だが、解放するのは裁判が無事終わってから。ラファエルはその間新たな任務がある。
第三天シャハキムへ赴き、裁判中に余計な邪魔が入らぬようミカエルの隊と合流して地獄との国境を悪魔の侵略から防ぐ事。
――任務に背けば反逆罪でラファエルの手も後ろに回る、という訳だ。
裁判から遠ざけようとの念の入ったやり口には恐れ入ると嫌味を返すラファエル。
最高の賛辞だと言いながら、白い制服を監視につけるから怪しい動きをするなと釘を刺すセヴィー。
ラファエルは階上から連れられていく紗羅を見下ろし、それに気付いた紗羅は微笑を見せた。
だが自分でも言っていたはず、女を突き放しておもちゃにしている卑怯な男だと。
その通り、本当の事だ。なのに何故こんな自分を信じたのか…それは君のミスだと思うラファエル。
ここでお別れ、やがて君は消されてしまうから…
白い制服に急かされ、ラファエルは任務へと向かった。
裁判所に足を踏み入れた紗羅は先程の笑みとは一転、緊張した面差しを見せた。
本当は、とても怖いのだ…
353 :
2/4:2006/09/30(土) 00:09:14 ID:???
襲い掛かる能天使に銃で応戦しながらも、次から次へとやってくる彼らにこのままじゃ時間の問題だと思う刹那。
何より、今は力が使えない…
そこを庇ったのはあの4本腕の女性だった。彼女は能天使の武器をまるで水飴のように溶かしてしまう。
彼女に襲い掛かろうとする能天使を止めたのは他でもないカマエルだった。
お前達の敵う相手ではないと、他の能天使に担がれながらも確かに彼は生きていた。
そのことを揶揄する刹那だが、遥か昔より自分に刷り込まれた命令、存在理由はアレクシエルを守る事だと言う彼女。
例え彼がこの小さな赤い鉱石の破片となろうとも…そう言って刹那の傷口から取り出された石にくちづける。それは、七支刀の破片…
それが長き時彼と共に生きてきた自分に残された唯一の記憶、例え彼の魂が離れようともその思いはこの細胞一つ一つに刻まれている。
そう言うと彼女は光を放ち姿を変えた。七支刀へと…!
女が剣へ変わった事に慄く脳天使達。
「天に封じられた魔の神剣七支刀は 地球上にはない第五番目の元素エーテルを合成した超自然物質
この世で最も固く 知能を持つ鉱石で作った無二の剣に 驚異的な生命力を持つ凶悪なる ある堕天使の魂を移植したシロモノだ
俺の炎の剣と並ぶと噂に聞いたソレがまさか…かつての俺の兄 魔王ルシファーの魂を封じ込めてあったとは…驚きだがな」
そこへ講釈を垂れながら現れたのはミカエルだった。
救世使を残して全員この場から失せろと告げるその冷たい瞳に、脳天使達は慌てて去って行った。
その剣は魔王ルシファーだった男の魂がなくなった後も必死で奴の思いだけを残し、
お前を護るために存在している七支刀の抜け殻だと評するミカエル。
だがこれからは奴の精神力は使えない、お前自身がそれを制御し同化すれば今まで以上の力を発動させる事も可能だと。
だがそれはルシファー以上の逸材だったらの話…
天界中を震え上がらせたあの大叛乱の首謀者、最大の裏切り者 悪の根源となった男。
それがアレクシエル如き女一人に心奪われ、何があったかは知らないが剣の姿になり下がり
死の瞬間までそいつを護ろうとしていたなど笑える話。
どうしたって納得はできないと刹那に向かっていくミカエル。
それはお前が兄貴を誰よりも好きだからだと、七支刀を構えた刹那が言う。
354 :
3/4:2006/09/30(土) 00:10:42 ID:???
ミカエルの剣は弾かれ、刹那がマウントポジションを取った。
命懸けで自分を護ると言った七支刀が何の反応も示さなかった。今のミカエルには殺気が全くない。
以前地上で教えてくれたが、戦場では殺らなければ殺られる。今のお前はどうだ?
認めろという刹那に、勝ち逃げしやがって、とミカエルは積年の想いをようやく吐き出した。
自分もあの人に憧れていたと語る刹那。もし自分もあの人に突然裏切られたら、きっとやり切れない程悲しくて憎むかもしれない。
今のミカエルのように…認めることもできず、心を許した事を悔やみ、怒り、愛情(おもい)が深かった分だけ殺したいほど憎んだろう。
言いながら、かつて物質界で彼の正体が人間でない事を知った時の事を思い返す刹那。
やり場のない悲しみと怒りをどこへ吐き出したらいいかわからない…口唇を噛み締め涙を流すミカエル。
兄貴が好きだったのか、惹かれていた分だけ許せなかったのか。
天界を裏切り、自分を裏切った。それが何事もなかったかの様にアレクシエルや、救世使に力を貸していたことが…
だから子供じみた嫉妬を刹那に抱いていたと言うのか。
ミカエルは悟った。自分が子供の姿をしているのはそのせいだと。
兄に認めて欲しい心、ここにいると知って欲しいと甘えた心が、成長を止めていたのだ…
その時、腹に響くような重い鐘の音が鳴り響く。裁判が始まる…!
水の天使ジブリールにかけられた嫌疑、救世使との不義の関係について。
前代未聞の公開天上裁判を知らせる鐘の音。
その様子は総ての階級の天使達に全国規模で流されるとミカエルが説明する。
裁判がどこで行われるのか教えて欲しいと願う刹那。
殺されると念を押しながらも、必死な様子の刹那にミカエルは折れた。
355 :
4/4:2006/09/30(土) 00:13:15 ID:???
メタトロンに眠れないのかと尋ねるお付きのシスター。
やはりセヴィーの薬を飲んだ方がいいのではないのか、頼まれて量を減らしてきたがその余りがたくさんあると言う。
だが心ここにない様子で呟くメタトロン。水も、火も、土も、風も動くと。
ライラは必死になっている、自分を見逃す程に。メタトロンの好きなジブリール…
不審な様子に確認しようとしたシスターの腕の中、白目をむいて倒れこむメタトロン。
彼女はドクターを呼ぶために駆け出しながら、白い制服の親衛隊に彼のことを頼んだ。
メタトロンは息をしていない…確認する彼の前でうさぎのぬいぐるみが手から落ちた。
拾おうとしたそれが突如喋りだす。
『哀れな人形…
お前の様に元は罪人だった天使がその戦闘能力だけを買われ ただ命令のみをきく 感情を取り去られた者や…
不平不満を言わぬ聖巫女達…お前達は見るも無残な杭打ち(ステイカー)達…』
訝る親衛隊の背後に、メタトロンが飛び上がる。
人形からは、幾多の眼球や爪、牙や赤ん坊の手のような物を持った肉塊が這い出す。
親衛隊の男は、彼らに前後から襲われて悲鳴を上げた。
個人的まとめ
神性界-7
創造界-6
形成界-5
-4:マコノム
-3:シャハキム
-2:ラキア
-1:シャマイム
ぎ、ぎゃあああああ
最後のなに、こえええ
っていうかあの女が七支刀かよ?!
吉良先輩が刀だったのがルシファーになってなにがなんだかもう
ルシファー=吉良先輩
ななつさや=千手観音
ルシファーがななつさやに乗り移って
その後吉良に乗り移ったって事?
なんか混乱してきた
個人的まとめ修正
神性界-7
創造界-6
形成界-5:マティ
-4:マコノム
-3:シャハキム
-2:ラキア
-1:シャマイム
ついに裁判に突入か、荒れそうだな。
メタトロンに関わるうさぎや、あの赤ん坊はやっぱりサンダルフォンかな。
刀=吉良と認識してたから、なんか混乱する。
そして訳わからないまま刀に戻られてしまった…。
今後、七支刀があの女性の姿になったりもするのかな。
針のむしろ状態の紗羅だけど、意地を見せてほしい。
塚、沙羅より白百合のジブリール様覚醒はまだかー?チンチン(AA略
女キャラが少ない今、俺はそれだけを楽しみにして読んでるんだが。
アナエルは既に故人だったし
ライラもアレだったしなぁ。w
頼みの綱は九雷ちゃんイイ女化だな。
そういえば窖や地獄のメンバーは何してるのかな
さすがにあのまま退場ということはないと思うけど…
アラクネもアボンしちゃったしなぁ…ってあれは男か。w
ここはバービエル姐さんに期待だ!
>>360 メタトロンの台詞からサンダルフォンは死んだと思ってたけど
なんか生きてるっぽいね
>水の天使ジブリールにかけられた嫌疑、救世使との不義の関係について
救世使の中の人が、アレクの魂ってのが存在意義なんだから
ジブとアレクの問題で片付けてやればいいのにな。
つか、これでジブは近親相姦の淫乱女認定としても、
アレクはすでにタイヘンな罪状持ちだから、どうでもいいの?
ジブが人間に転生してた時の近親相姦で裁判かけられるなら
アレクは罪を償うためのプログラムで遊女になってたから
アレクの魂が元の体に戻った時も人間時代の罪を問われて裁判とかかな
だったら何のためのプログラムなんだよって思ったんだけど
裁判でまた悲惨な目にあうのもプログラムの一環とか。
永遠に終わらないプログラム(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
もともとアレクは元の元の体に戻ることが永遠に許されてなかったんじゃないかね
プログラムの中でさらに罪を犯させることによって
アレクの魂が滅びるまで罪の意識を負わせることが目的とか(裁判関係なく)
でもアレクってそんなタマじゃないな…
373 :
1/3:2006/10/02(月) 00:16:35 ID:???
"例の客人"が何を騒いでいたのかと確認する警備員。
後手に嵌めた手枷がきつすぎると言うので前方に変えたと答える部下。警備は万全だと。
舌を噛み切らぬ様口の中に器具が入れてあるし、部屋の中ではアストラル力を封じている。
バービエルは監視カメラを不適に見つめていた…
異端審判 ACT.3
ドクターを連れシスターが部屋へと戻ると、そこにメタトロンの姿はなく…
ボロボロになったうさぎのぬいぐるみと絶命した籠の中の鳥が残っているだけだった。
メタトロンは親衛隊の男に手を引かれ、どこかへ歩いて行った…
ジブリールの裁判が行われる場所を聞いてどうするというのか。わざわざ自分からセヴィーの手に落ちていくつもりか。
それでも教えて欲しいとミカエルに縋る刹那は、右目が酷く痛むのを感じた。
ロシエルにやられたその目は普通のやられ方ではないと言うミカエル。
ちゃんとした病院で早急に手術で毒を吸い出さなければ失明するかもしれないと。
それでも行くのか、自分の目一コくらい女のためなら惜しくないのかと…
なお願う刹那にお前達そういうところはそっくりだと言ったミカエルは、この上のマコノムの中心部にある裁きの城だと答えを与えた。
だがどうやって行くつもりか、今の警備は前の比ではなく強化されているからまた門を突破するつもりなら無駄だ。
お前にも兄への譲れない思いがあるように、自分にも譲れない大事なものがあると刹那は言った。
例え殺されようと、右目を失おうとも! たとえ無謀な賭けであろうとも…
裁判所の入口へ到達したロシエルはそこで揉め事が起きているのを見つけた。
フードで全身を覆った大男が、身分を証明できない者の入場はできないと拒まれているのだ。
無理矢理入り込もうとした彼に銃を向ける警備員…だが、それを止めたのはロシエルだった。彼は自分の知り合いだろうと。
顔を確認したロシエルはやはり君だと抱きつく。君がわざわざ来てくれるなんてやはりこの裁判は一見の価値があるようだと。
自分の旧友だから身分は保証するというロシエルに警備員は銃をしまった。
374 :
2/3:2006/10/02(月) 00:18:28 ID:???
何のマネだと言う顔をしているねと彼に笑いかけるロシエル。おもしろければそれでいいと言う。
だが今自分と争うのが得策ではない事はわかるはず。この場で何とでも言って彼らに引き渡すこともできる。
楽しみだと彼の頬にキスをしたロシエルは「また後で」と告げて先に姿を消した。
前代未聞のこの裁判――
四大天使が裁かれるというだけでもすごいが、上級裁判には御前天使の全員出席が決まりなのにミカエルはともかくラファエルまでも任務で欠席。
同じ四大元素の守護天使の裁判だというのに…
裁きの天使として上級裁判を取り仕切っていたウリエルは行方不明となって久しいし…
今回、最高会に任命された裁判長は黄道十二宮の天秤宮ズリエルらしい。
黄道十二宮天使は古き使いとして、四大天使には恩情ある判決をくだしてくれればいい…
傍聴の天使達の雑談の中、緊張を抑えようと自分の体を抱きしめる紗羅。ここは公の場、セヴィーも卑怯なマネはできないだろうと。
自分の言葉で神様とみんなに伝えればいい――それだけで――
――だが、開廷と共に現れた裁判長はセヴィーであった。ズリエルは急病の為欠席、宰相セヴォフタルタが代行すると。
ロシエルはこれが墓穴にならなければいいと大笑いし、来てよかっただろうと供をしていたカタンに同意を求める。
これでジブリールの命は宰相に握られたも同然…傍聴席は騒がしくなる。
どうあっても自分を有罪にする気なのだと紗羅は青くなる。
聖なる書物の上に手を置き、神の御名において真実のみを述べる事を誓うよう指示される紗羅。
深呼吸し、宣誓しようとした紗羅は一瞬噎せた。喉が熱くて、声が変だ…
それでも途切れ途切れに紗羅は宣誓する。
被告ジブリールは自ら志願して地上に人間として転生し、無道刹那――アレクシエルの魂を持つ少年の妹となり彼の守護天使となった。
何故自分からその四大天使の位を捨て、アレクシエルの魂の近くに行く事を希望したのか。
読み上げられたその文に愕然とする紗羅。
天地大戦前、ジブリールは常から有機天使アレクシエルの思想に同調し、事ある毎に熾天使最高会に意見していた。
そして幾度も下級天使の元へ降り、その思想を説いて回った。
だから同志アレクシエルに同情し、自分の意志で無道刹那の監視人を買って出たのだろうと…
375 :
3/3:2006/10/02(月) 00:19:56 ID:???
反論しようとした紗羅だが、声が出ない事に気がつく。
無情にも上告文は更に読み上げられていく。
無道刹那の妹、紗羅として地上で転生してから自ら傾倒していた同志の魂に惹かれ、
人間としては実の血の繋がりのあった兄妹でありながらあろう事か無道刹那に惹かれていったのだと…
何故こんな大事な時に声が出ないのか。体だって異常はなかったし、ラファエルが健康診断をしてくれたはず…
そして、気付いた。あの薬が原因ではないのかと。
異議があるならば何かを言うようにと促される紗羅。これは最後のチャンス、反論するなら今しかない。
「さぁ!! お答え下さいジブリール様!!」
息を切らせて瓦礫の山を進む刹那。羽がないから傷は治らないしアストラル力も使えない。
目は痛むし羽を切られたところからは出血しだした。いつもの半分の体力もない。
これでは紗羅を助け出せないし、ロシエルを殺す事もできない…
そんな刹那へ襲い掛かる悪魔達、ミカエルが至高天と地獄が衝突したと言っていた事を思い出す。
だが突然その悪魔が他から攻撃を受けた。助けたのは…ミカエルだった。
それでも兄貴の認めた男か、どれ程の男か見せてもらうまで救世使とは認めないと言う彼。
この辺は先の地殻変動で自由自在に国境越えした悪魔が天使狩りに来ている。そんなザコにやられたら自分の立場はどうなるのかと。
さっさと乗れと怒鳴るミカエルの背後には、メルカバが…!
強く――強く猛き魂よ 天軍を率いる光の副王よ
ミカエルは炎の天使 その内なる炎は自分をも焼き尽くす程に強く激しく――熱い――
ラファエルは引っ付いてくる白い制服を野郎は嫌いだと振り払いながら任務へ急ぐ。
問題はバービエル、彼女がいつ行動に移すかが大問題だ、と。
その時警備室に鳴り響く警報…例の女が監視カメラを壊したのだと。
急いで部屋へと向かった警備兵が見たもの…それは、自害したバービエルの姿だった。
バービエル姐さあぁぁぁぁん!!
大活躍を期待した矢先に…orz
しかし女キャラドンドン減ってくな。
ラファエル無駄だったか。
セヴィーやり方強引すぎ。でもおかげでついに本物のジブリールが覚醒するのかも。期待!
ナナツサヤは剣になるより
女の姿のまま付いてやってほしかったな
傷だらけの刹那が持つより強いし、剣の形微妙だから
ミカエルやっぱりいい奴だな。
なんかミカエルと刹那は仲良くなれそうだ
シスコンとブラコンが手を組んだ
紗羅がんがれヒロインの意地を見せてくれ
セヴィーはセヴィーでチャレンジャーだな
支持率とか大丈夫か?事実一般天使達もビクーリしてるし
独裁政権とはいえ無茶苦茶しすぎw
ロシエルの「お友達」の不審者って、誰だか知らんがあからさまに怪しいよ。
うむ、どっからどう見ても変態オーラがただよっとる。
・・・こんなこと言って、もし正体が美少女だったらどうしよう
それなら、ただの変態美少女になるんだけなんじゃないか?
萌え度は上がりそうだが。
さんざん遅いが
>>295 九雷は普通の変態から見ると少量かもしれないが、由貴先生的には猛烈な変態を持っていると思うぞ。
388 :
1/3:2006/10/04(水) 00:14:09 ID:???
異端審判 ACT.4
到着まで間があるからと乗務員から渡される飲み物。受け取りながらも、ラファエルはバービエルを思っていた。
人質が自害してしまった事に焦る警備員達。
彼女の指輪は指に密着して外せないタイプのものだったが、その中に毒が仕込んであったらしい。
このことは内密に処置をし、ラファエルの耳には入れない事にする。急いでセヴィーに連絡をしなければ…
しかし監視カメラはどうやって壊したのだろう?
一応病室で蘇生措置を施すために運ぼうと、監視カメラを見つめるもう一人を呼ぶ警備員。
その背後で…バービエルは指輪から針状のものを伸ばすと一人の胸を貫いた!
驚いたもう一人が銃を向ける、毒を飲んだのではないのか、あの口から出ていた血は一体…
バービエルは自ら傷つけた足の付け根を晒してみせる。
彼がその痴態に目を奪われた隙をついて膝蹴りを食らわし、鍵を奪って手錠を外す。
追っ手に肉弾戦で応戦しながら、バービエルは逃亡を開始した。
刹那に勘違いするなと告げるミカエル。自分は自分だけの味方、誰の命令も聞かない。
だがセヴィーのやり口にはうんざりしているのだ。
四大元素の天使は天界の中でも異質な存在、たとえウマの合わないジブリールでも兄妹のように身近な存在。
それをあの得体の知れない覆面男に勝手にされるのは気に食わない。
邪魔されないよう自分を辺境での悪魔討伐の任務につけたが、ラファエルじゃあるまいし命令違反を恐れるものか!
ラファエル…刹那の体を生き返らせた金髪の天使…紗羅を連れていった…
あの後ジブリールはセヴィーに連行されてしまったが、あのラファエルが珍しくあの女にはてこずっていたとはミカエルの言。
四大元素 風の天使ラファエル、そして水の天使ジブリールは紗羅のかつての姿。
そして今、無道紗羅としての実の兄、刹那との関係を裁かれようとしている。
そんな事はさせない、あの地上での苦しみを再び紗羅に味わわせるわけにはいかない!!
389 :
2/3:2006/10/04(水) 00:15:37 ID:???
決意を新たにする刹那だが、突然右目が痛みだし蹲る。
やはり戻って手術でもしないとやばいと、状態を確認するためにミカエルが包帯をはずす。
その目の腐食は、顔中に広がりつつあった…
だが、何かが見える…!
裁判所…たくさんの人々、セヴィー、そして紗羅。
以前東京でウロチョロしていた天使…カタン。彼が「ロシエル」と呼びかけた事で、刹那はそれがロシエルの視点だと気付いた。
そこで追いつめられ責め立てられる彼女の様を指をくわえて見ていろと笑うロシエル…
黙っている事は不利益にしかならないと言われるが、口元を押さえ何も言わない紗羅。様子が変だと刹那は訝るが…
裁判は続く。ここに彼女に大変詳しい方からの信用の置ける証言をお目にかけたいと示された立体映像(ホログラフ)。
神の御名において真実のみを告げると誓われる言葉…
地上より採取した無道紗羅の遺体――最高会よりの依頼で精密検査をした結果、妊娠している事が判明。
DNA鑑定では間違いなく近親者との間の子供、99.7%の確率で無道刹那の子であると言える――
それがラファエルの証言だった。
紗羅と刹那は衝撃を受け…傍聴席も騒がしくなる。
ラファエルまでもが…セヴィーは何としてもジブリールを死刑にする気でいるのだ。
天界最高位の医師の証言、しかも被告人とは深い絆で結ばれているはずの四大天使…
何か申し立てる事はないのか、沈黙で答えしは事実に相違ないと、自分の犯した過ちを認めると言うのかと責め立てるセヴィー。
ジブリールよ さあ この衆人環視の中 お前の正義とやらを聞かせてもらおうではないか
訴える事が出来るというのなら やってみるがいい――
バカな自分にも解る事が一つだけあると…紗羅は涙を流しながらセヴィーを指差した。
許さない、どこまでも汚い手で陥れると言うのなら告発すると。
セヴィーはその様子を一笑に付すと、被告人はお疲れのようだからしばらく休廷とすると告げた。
再開は20分後…刹那はもどかしい想いを抱え届かぬ手を伸ばす。
フードの大男は、アレクシエルが来るかとどこかを見つめていた…
390 :
3/3:2006/10/04(水) 00:17:51 ID:???
気絶した警備兵…開く扉。
ここはどこかと訊くメタトロンに見えるだろうと答える白い制服の男。
『かつて僕と君の眠っていた場所(ところ)…棺桶の如き出る事の許されなかった胎内容器… 揺り籠だ…』
「ぼく あれがこわいよ サンダルフォン…」
ラファエルの元にバービエルから通信が入り、脱出した事が判明した。
軍より支給された指輪はシュミでいろいろ便利に改造させてもらっていると言うバービエル。
自分の存在が上官の障害にならぬ最善の方を考えて行動するのが副官の常。
毒を飲むのはそれらが全て断たれた時の最終手段だ。
それに自分以外の誰がラファエルの女性関係を監視できるのか、そこの女にもキス以外は許さない。
ハートマーク付きの宣言に、ラファエルの膝に乗った女性がひきつった。
信号を出すのですぐに落ち合おうと確認しあう二人。
だが白い制服がラファエルに銃をつきつける。副官の元へ行くのは立派な軍規違反。神の命に背く。
それは神ではなく、セヴィーのもの。セヴィーの声が神の声だと男は言う。あの方に逆らえばどうなるか…
四大天使の位の剥奪、ジブリールの二の舞となって裁かれ、彼女の何十倍もの罪深き行ないを問われ極刑…そんな所だ。
バカでもわかる図式、人質が戻ってもこれ以上彼女に関わって痛い目に合うなど正気の沙汰じゃない。
その通りだとなお銃口を向けたままの男…
自分はそれだけの男、いつだって女達はそんな影に気付きもしないと思うラファエル。
だが、あの娘だけが――
どうかしていると思いながら、ラファエルは男に攻撃を加えた。何故かと問われ、何故だろうかと返す。
弱々しくどうかしたのかと訊く男に、銃でとどめをさしたラファエル。
宰相直属の白い制服をぶっ殺し、セヴィーを敵に回してまで、何をしようとしているのか…
頭を抱え苦しむ刹那。ロシエルの"魔"に犯された、右目…体の中をあいつの細胞が広がっていく…!
その時突然、ミカエルのメルカバは異空間へと転移してしまった。
何事かと騒ぐ彼に、無限物質磁場(アカシヤ)で作った亜空間だと答える影。
ここにしばらく足止めさせてもらう…これからがいいトコなのだから。
そこで大人しく見ていろと、虫ケラが何匹揃ってもうるさいだけだと告げるのは…右目を不気味に光らせた、刹那…?
バービエル姐さん生きててよかった。てかカコイイ!
ラファエルにはもったいないくらいのいい女だ。
最後の刹那はロシエルに乗っ取られたか操られた?
なんか顔つきがロシエルっぽく見える
やっぱりアレはサンダルフォンか
揺り籠の中に本体があるんだよな?
なんでメタトロンは出れてサンダルフォンは出られんのだ?
あのうさぎからするとグロ外見なのかな
裁判、厳しい展開だね。
いつものように手も足もでない相手をいたぶって悦に入るセヴィーはまさに悪役の極みだし、
刹那はロシエルに絡まれて辿り着けないし。
八方ふさがりの中、バービエルが自力で脱出したのにはスカッとした。
ラファエルも男見せろよー。
セヴィーをきっと睨み付け指を指すジブリールかこいい
バービエル姐さんカコイイ!
非変態キャラにここまでときめいたのは久しぶりだw
バービエル初登場時はただのチャラOL系キャラかと思ってたが…
マ ジ で 惚 れ た
>チャラOL系キャラ
確かにw 髪型が悪いよーな。
紗羅が指さすシーンはいいな。無言の抵抗って感じで。
でもってバービエル姉さんすてきだ!
てか、子どもできてたの?
けど、あんなちゃんと胎児の形になるまで
成長したとは考えにくいんだけどな
>>399 二人が初セクロスしてから紗羅が死ぬまで数日、長く見ても1・2週間って所か?
まあセヴィーの独断裁判だからでっちあげがあっても不思議じゃない
アホの子ミカちゃんが、意外に冷静に状況を把握してるのに驚いた。
実はアホの振りしてたとか。
>>395 >非変態キャラにここまでときめいたのは久しぶりだw
そんなあなたの変態生活ぶりにときめくよw
403 :
1/4:2006/10/06(金) 00:05:01 ID:???
異端審判 ACT.5
不気味に笑いながら、もうすぐクライマックスだから邪魔をするなと言う刹那。
四大元素の結束の固さとやらにはウンザリだ、昔から僕よりもアレクシエル寄りだったとミカエルに告げる…
その金色の右目、刹那に取り付いているのがロシエルだとミカエルは気付いた。
またやっかいなものに乗り移られたものだ、こいつが相手ではこの磁場変換は簡単には破れない。
ミカエルは、自然界の守護天使である自分達は有機天使との方がソリは合うかもしれないが、
それとは関係なくただお前が嫌いなだけだと言い返す。
だがロシエルは、自分を蛇みたいに嫌う奴はみんな大好きだと笑う。セヴィーなんて抱きしめてやりたいくらいだ。
だから大人しくここで見ていればいい、君達も"彼女"の事は好きなはず。もうすぐ面白くなるから、君達の番はその後…
彼女とは一体、誰の事か…ミカエルの問いに答えは返らない。
ラファエルと落ち合ったバービエル。彼女についていた傷は、脱出の為に自分で傷つけたもののみだ。
だが本当は判断に苦しんだと言う。ラファエルが宰相に逆らわないつもりならこのまま人質でいた方がいいのかと。
でもこうして来たという事はバービエルの勘が当たったという事。ラファエルにも女心が通じたと。
ただ"彼女"を放っておけないだけだと言うラファエルに、それが何故かと問い返すバービエル。
ラファエルのしようとしている事は叛逆行為、セヴィーと天界全体を敵に回さんとする重大な賭け。
そうまでしてジブリールを助けたい理由…同じ四大元素で生まれた時の仲間だからか? 普段は反発しあっていてもいざとなると…
だがラファエルはそれを否定する。彼女を助けたいのは古くからの友人だからではなく…彼女が無道紗羅だからだ。
あの子はごく普通の女の子だったはず、ラファエルを恐れず自分の意見をはっきりと言い、気が強いかと思えば…
時折 折れそうな程はかな気な少女、どこまでも見透かす様に真っ直ぐ見つめてくるあの子…
あの少女を助けたい…!
404 :
2/4:2006/10/06(金) 00:07:19 ID:???
よく言えたとまるで生徒を誉めるように慈愛に満ちた顔で微笑むバービエル。
自ら逃走に利用した車を彼に与えると、後の事は全部引き受けたという。力天使STには自分から告げておく。去るも残るも自由だと。
したい様にすればいい、バービエルはどこへなりとも供をするから…!
あまりにもジブリールに不利な証拠ばかりが揃っているこの裁判。
だが彼女は反論しないからやはり事実なのか、誇り高き四大元素の御前天使が…
しかしジブリールの様子はおかしい。傍聴席も異変を感じとっていた。
そして裁判が再開される。
ラファエルまでもが紗羅を騙し薬を飲ませて口封じをした今、一人の味方もいない。
紗羅の本体まで地球から回収し、あんな扱いや、証言まで…二人の子供だという胎児まで…
もう命のないホルマリン漬けの赤ちゃん。あれは本当に二人の子供だろうか。だが何も考えられない紗羅。
これが最後の審議、これ以上黙秘を続けるのなら全ての罪を認めた事になるとセヴィーは告げる。
ラファエルは軍人なのだからセヴィーの命なら断れないはず。彼を恨むのは筋違い、自分が勝手に期待しただけ。
この天界でただ一人、味方をしてくれたなんて思い上がってしまっただけ…
黙ったまま沈んでいる紗羅に勝ち誇ったようにセヴィーは言葉を浴びせる。
四大元素ともあろう者が人間界の仮の姿とはいえ実の兄と歪んだ愛情関係を持ち、
その罪の証を作り出そうとしていたと認めると…異議はないのかと!
「異議はある」
突然、そこに闖入者が。開廷中だと警備兵に止められながらも扉を開けて入ってきたのはラファエルだ。
命令をきかなかったのかと慄くセヴィー。
何故ここに彼がいるのか、これもセヴィーの罠なのかと思う紗羅。
だがいつもバッチリ決めているラファエルとは違って、髪はバサバサ服もあちこち汚れて別人のよう…
そして、ラファエルは突然紗羅にキスをした!
刹那やセヴィー、聴衆の驚く中、彼の手がその喉に触れる――
「やめてよ!! このスケベ!」
紗羅はラファエルの頬を平手で殴り、そして自分の声が戻った事を悟った。
405 :
3/4:2006/10/06(金) 00:08:19 ID:???
だがこの様な厳格な場での禁を犯す行為、これだけの証人の前で言い逃れは出来ないとラファエルが責め立てられる。
四大天使も地に落ちたものだとこれ幸いと告げるセヴィー。その様な愚かな行為を面前でする様な者に異議を申し立てる権利があるかと。
だが自分にはあると…紗羅が声をあげた。
刹那と一度結ばれた、無道紗羅は実の兄と愛し合ったのは神に誓って本当だと。
何故声が戻ったのか、ラファエルが裏切ったのかとセヴィーは愕然とする。
紗羅の手を握り締め、あのタンカを他の奴らにも聞かせてやれと優しく諭すラファエル。
セヴィーを睨みつけ、紗羅は言葉を発する。
昔は何とかこの気持ちを殺そうとがんばった、この思いは異常な事だ、心の迷いだと思い込もうと必死に。
それでも好きだという気持ちは消せなかった。家族にも周りの人間にも詰られた。兄も同じ…苦しんで、身を引こうともした。
そしてあの日、本当に何もかも投げ出して二人っきりで生きていく道を選んでくれた。自分でこの罪深い道を選んだのだ。
でも後悔はしていない、一生誰も愛せずに化石の様に生きるより本当に好きな人と生きる方を選んだ。
だってその時この世で一番幸せな女の子になったのだから…
たとえ それが 禁じられた思いだとしても
恥知らずと反論するセヴィーに、好きな人に好きだと伝える事すら許されない、
愛さえないこの天国に育った神の為に生きる貴方達にはわからないと返す紗羅。
全ての感情を殺してまで清く正しくただ神の決めた戒律の上を転がってゆく、不自然で可哀相な人形達…貴方たちはおもちゃの兵隊。
「そして…お可哀相なセヴォフタルタ様…」
その言葉に激昂するセヴィー。
紗羅は震えを隠すようにラファエルの服を握りしめ、言葉を続けた。
そんなにしてまで自分の仮面の下の真実を隠したいのか…この大観衆の前でセヴィーを訴える、と!
今、自分はジブリールではなく無道紗羅としての記憶しか持っていない。
それは刹那を好きで、その思いが自分を紗羅でいさせているのだと信じている。
だがかつてジブリールが人間として刹那の守護天使となり紗羅として転生したのは決して当人の意志ではない。
全てはセヴィーの企みだ!
406 :
4/4:2006/10/06(金) 00:09:07 ID:???
自分の忌わしい罪を正当化しようとしたばかりかその様な世迷言で侮辱する発言は許さぬと激昂するセヴィーに、ラファエルが写真を示す。
長い眠りから目覚めたジブリールの首筋にあった針の跡。分析して調べれば、それが宰相殿尾得意の神経針の跡だとはすぐ解る事。
ラファエルが裏切る…セヴィーは今の発言を記録から削除し、裁判中継を中止するよう命令を出した。
そして衛兵に、命令違反と公衆の面前での淫らな行為による罪でラファエルを拘束するようにと。
卑怯者と罵る紗羅、不敵な笑みでなされるがままのラファエル。
傍聴席の天使は正統な裁判ならどんな発言も記録すべきだ、放送を続けこの事態を全天使に説明すべきだといきり立つ。
モニターを眺める群集も、その様子に釘付けだ。
そして裁判所内に走る衝撃…それはあのフードの大男が放ったものだった。
彼はこの裁判は無効だと言う。偽証や偽裁判長が横行しては宣誓の意味がないと。
席から降りた男は、上告文を読み上げていたフェリエルにこれまでの代行を労い、フードをはずした。
「私は正統なる司法官 裁きの天使四大元素ウリエル」
フェリエルは彼が帰った事を喜んだ。
ロシエルの目を通し、刹那も星幽界にいるはずのウリエルの存在に驚きを隠せない。
おもしろくなってきただろうとロシエルは笑う。
そしてウリエルは1枚の書類を示して見せた。
「天界司法全書によれば
「裁判長は天使名簿に正式登録されし第一階級以上の最高司法官資格を有する者から選抜されるべし」
――とあります
神聖な裁判を汚す者よ 天使名簿に名前のない貴方は一体何者なのか? セヴォフタルタ」
ウリキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
おお、裁判の流れが変わってきた。
セヴォフタルタの独裁もそろそろおしまいか?
ロシエルに乗り移られた刹那にときめいてしまった自分はどうしたらいい
409 :
訂正:2006/10/06(金) 01:30:25 ID:???
ウリエルキタ━━━━(°Д°)━━━━!!!!
そして一気にセヴィー劣勢キタ―――――――((⊂⌒~⊃。Д。)⊃))―――――――!!!!
紗羅お前酔ってるだろ
ウリエルは前回紗羅がセヴィーに苛められてるのを見てるだけ
今回ラファエルと紗羅ががんばった後で格好つけて登場って
腹立つくらいヘタレ
ヘタレも何も、もともとウリには
沙羅を助けてやる義理も筋合いも無いわけで。
そう。ウリエルの最後の天使名簿にないセヴィーは何者なのか?の問いは
被告人が誰であろうと関係ないんだから
さっさと出て来ればよかったんだよ。
神聖な裁判汚すなとも言ってるしそれを
2人で流れを持ってきた後ようやく出てくるのはヘタレだよ。
沙羅とは関係ないけどジブとは兄妹みたいなもんじゃないのか。
ヘタレとは思わないけど、オイシイ奴とは思うな。
でもこの流れの功労者は、やっぱりバービエルだろう。
それにラファエル超高速移動、速すぎ。
ウリーはセヴィーが不利になるのを待ってたんでないのん
ただいきなり戻って来て偽裁判長だと訴えただけならセヴィーの今更論に論破される予感
だよな。考え無しにすぐ飛び出しゃ良いってもんでも無い。
自分が出て行って効果的に場を収められるタイミングでなけりゃ出て行く意味がない。
沙羅よりバービエルの方がずっといい女じゃん!
とラファエルに言いたくなってしまう。
沙羅もがんばってるとは思うんだけどなあ。
つか、ラファエルってバービエルの手のひらの上で転がされてる感じ
本物のセヴィーこの漫画に珍しく普通の容姿だ
バービエルいい女すぎてこの先死なないか心配だよ
脇役は常にデッドラインだもんな。
前回のバービエル脱出から一気に流れが逆転したな。
ロシエルの言うとおり、役者もそろって面白くなってきた!
でもなんでセヴィーの名前が天使名簿にないんだろう。
>>421 セヴィーは本名ライラで、偽名だからじゃないの?
424 :
420:2006/10/06(金) 22:16:37 ID:???
でもあのやり手のセヴィーが
偽名でも自分の名前を天使名簿に登録し忘れるなんてあんまり考えられないなあ
しかもそれに長い間政治を補佐する人たち(セヴィーを失脚させた人たちも含めて)が気づかなかったっていうのも
ウリエルそんな事しなさそうだけどセヴィーの名前を名簿から消したのかな
天使名簿って住民票みたいなもんだろ。
何か用事でもなきゃわざわざ見たりしないし
ましてや他人のものなんて普通確認しないだろ。
天使名簿にないということは…
セヴィーは天使ではなく実は全く違う別の生命体だった!
なんてのはあまりに突飛すぎるかw
いや普通は偽名名のる時点で手を回すこと考えるんじゃないか。
そんな大ポカやってたとは信じられないけどな。
名前を変えた時点でそんな権力が有れば良いけどね。
そうでなければ難しいだろう。
正体隠したいなら改名届と性転換届けを出すわけにも行かないし。
ロシエルがカタンに体を与えたとき、「登録するのに名前がいるね」と言っている。
そしてその後登録に付き添うでもなくさっさとエテメナンキに帰っていってしまった、ということから
登録は他人の証明のいらない完全な自己申告制?(ロシエルが役所に手を回していたという可能性もあるけれど)
だったら、ライラは今日もどこかで元気に生きてますってことにしといて
性転換と整形?して姿を変えたら新しくセヴォフタルタって名前で登録すればこんな事にはならなかっただろうに。
セヴィーが名前を登録しなかったできなかった、登録を消された理由の推測はいろいろできるけど
自分はウリエルとロシエルが裁判所の入り口で接触した際、ロシエルが
セヴィーの名前を消した名簿と、名前を消した正当な理由書(セヴィーの重大な秘密やら何やらに関わる資料)
をこっそりウリエルに手渡したのではないかと予想。
430 :
マロン名無しさん:2006/10/07(土) 19:02:23 ID:AtTMsah3
あ
431 :
1/4:2006/10/08(日) 00:03:44 ID:???
周りがきなくさくなってきたのでしばらく通信を断ち、地下に潜ると言っていたザフィケル。
彼は自分の運命を察知していたようだった。
ウリエルに託された、彼の組織が長年かけて調査した血と泪の結晶――独裁者の失墜のための極秘データ。
そしてそれは同時に彼の最期の形見となった。
ザフィケルがその生涯の全てをかけて貫いた志――そしてそれは今ウリエル自身の悲願でもある。
異端審判 ACT.6
ウリエルの言葉に汗を流すセヴィー。自分の名が天使名簿にないというのはどういう事かと問う。
正しくは"貴方の名"がないのだと言うウリエル。
確かにセヴォフタルタという天使は何億というデータの中に一人だけ存在している。
彼は目立たないながらもST候補生の一人となり、第一次天地大戦ではそれなりの戦果を上げていた。
だがその大戦で全滅となった戦いでの唯一人の生き残りとなり、その時に顔と体を負傷、治療不可能な程のその傷を隠すようになった…
だが本当にその傷のために素顔を隠しているのか、という疑問が生まれる。
生還後のセヴィーは見る間に頭角を現し、熾天使となりついにはメタトロンの宰相となりこの天界の副王となった。
まるで以前とは別人のような出世ぶりだが、大戦前の素性を知る者も語る物もいない。
何故ならかつてのセヴィーの過去を知るものは皆ことごとく危険な任務を与えられ死亡しているのだから――
セヴィーの素顔を知るものはこの世には誰もいない。調べれば調べるほど、関わった者の不審な死にぶち当たる。
以前のデータを消して回ったのが今のセヴィーならその意味するところは一つ。本物のセヴォフタルタではないのだ。
大戦の時に死んだセヴォフタルタの名を騙る偽者ならば亡霊に名などあるはずがない。
――この裁判は無効だ!
ウリエルの証言に、中継を止めてはならないと命令する責任者。これは重大な事実、全天使に真実を伝えなければ。
躊躇する作業員に対して彼は、責任は全て持つと堂々と宣言した。
432 :
2/4:2006/10/08(日) 00:05:49 ID:???
騒がしくなる裁判所内。ラファエルは警備兵を振りほどき、自分の能力を拒否し声を封じたはずのウリエルが肉声を発している事に気付く。
何を考えているのかわからない奴だが、これで前回の貸しはチャラにしてもいいと思った。
長い事無断でその座を放棄してきたウリエルの言葉にどれ程の信憑性があるかと言うセヴィー。
自分が死んだセヴィーの偽者だという証拠はあるのかと反論する。
そこでウリエルは立体映像を写し出し、その男を知っているかと問うた。
傍聴席の者は誰も彼を知らず、またセヴィーもそんな男は見たこともないと答える。
その映像は一片の奥歯の情報体(DNA)より復元した歯の持ち主。
大戦前、奇病に顎をやられ奥歯を一本抜歯し人工の歯を移植している。
やっと見つけたそれは、症例の検査のため保管庫に眠り続けていた。
そう…それは生前のセヴォフタルタの唯一の遺留品、映像は彼の真実の顔。
セヴィーが知らぬと答えたその男こそが本物のセヴォフタルタだ!
言い逃れできなくなったセヴィーに追い討ちをかけるように紗羅が言葉を浴びせる。
ラファエルを脅して偽証させたり、紗羅に裁判で声を出せないよう薬を飲ませた事も、みんなの前で告白してみろと。
激昂したセヴィーが攻撃を加える、それを庇ったのはラファエルだ。
そして傍聴席からも人々がなだれ込み、紗羅…ジブリールを庇う。見苦しい真似は止めろとセヴィーに盾突く彼ら。
勝手なマネをするとお前達も捕えると脅しかける警備兵の銃を押さえ込むラファエル。
彼女がさっき言っていた言葉を聞いていなかったのか、それとも…本当に自分で考える事もできないおもちゃの兵隊に成り下がったのか。
ジブリール…無道紗羅の言葉に嘘偽りを感じたか。真実を見つける心も失った人形だったのかと呼びかける。
あの強く慈悲深かったジブリールが、生まれ変わったとして心根まで変えてしまうはずがない。
皆心は同じ、ただ権力に怯え右に倣えをしていた臆病者。誇り高い天使の理想を自らの手で貶めていた。
ジブリールやラファエル、ウリエルまでもが勇気を持って立ち上がってくれた…! 傍聴席の心はひとつになった。
皆がラファエルとジブリールを解放しろと訴える、全天使の見ている前で真実を告げろと糾弾する…
セヴィーは未だ映像が天界中に配信され続けている事に気付き慄いた。
433 :
3/4:2006/10/08(日) 00:09:36 ID:???
裁判所内で繰り広げられる事実を目の当たりにしながらも、このままでは手も足も出ない刹那。
ロシエルは笑いながら君の罪深い恋人を見ろと言う。
こんな状況だからこそ芽生える思いもあるとは思わないか、少なくともラファエルは彼にしては珍しく本気だと…
このまま自分の右目で黙って見ていろと笑うロシエルに、お前の思い通りにはさせないと言う刹那。
どんなに血ヘドを吐いても、たとえ片目を失っても。この手でロシエルを殺すまではどんな事をしてでも…!
刹那は七支刀を振りかざした。
ロシエルは刹那が自分の呪縛から逃げていった事を悟った。その手で自分を殺す…楽しみにしていると不適に笑った。
刹那は七支刀で自らの右目を抉ったのだ。これで亜空間も解けた…
七支刀を右腕に腕輪状に巻きつかせると、出発すると宣言する。
その体を心配するミカエルに、ロシエルを追い出すにはこれしかなかったと返す。
もう遊んでいる時間はない…!
一言でも言明すべき。何者かわからない内はこの裁判を進めるわけにはいかない。本当にジブリールの口を封じラファエルに偽証させたのか。
所内の天使達の怒号か飛び、セヴィーは頭を抱える。
何とか言ったらどうか、その目は俺達が怖いとでも言うのか…甦る記憶。だがこんな場面に出会ったことなんて一度もない。
抗議してみればいい、あの自慢の声で。こんな事が自分の身に起こるわけがない…あの女が自分なのだろうか。
もう歌なんか歌えないようにしてやる、悲鳴すらもあげられないように…締め上げられる、首…
揺り籠が開かれていく…とうとう5番目の封印が解かれた。
ミカエルのメルカバは警告を受けていた。
戦闘メルカバ禁止区域に侵入している、これ以上聖域の上空侵犯を続ければ警法により撃墜すると。
だがやるとなったら徹底的にやると彼も覚悟を決めていた。
響く警告音。震えるメタトロンの手をとり次の封印解除へ導く、白い制服の男。
ここから自分を出してくれたらジブリールは君にあげる、自分はセヴィーが欲しいのだと言う。
だから二人で分けよう、自分達は双子の兄弟なのだから…!
メタトロンはサンダルフォンの名を呼び涙をこぼした。
434 :
4/4:2006/10/08(日) 00:11:36 ID:???
『危険(デンジャー) 危険 これは最終警報です 「第七の封印」が解除されました
館内にいる全ての者はプレート外へ退避 またはシェルターへ避難して下さい
危険 危険 「第七の封印」が解除されました』
揺り籠が、開く…
此彼(ここかしこ)に行き 雷光(いなびかり)いず 畏懼(おそろし)かりしその面(おもて) 燦然と無数の遍く目あり
その黄金色の玉の如し生物に手足はなく 6枚の輝ける羽を頭部より生やし
ああ災いだ 災いだ
ミカエルが裁きの城へ突っ込む。
セヴィーは糾弾され続ける事に、あの女は自分ではないと恐慌に陥った。
胎 動
開かれる目、腕…羽から飛び散る針。
やっと見付けたよ――ライラ
僕を産んでくれる美しい人
赤ん坊の泣き声が響き渡り、裁判所が大爆発を起こした。
瓦礫の中、一体何が起こったのかと身を起こすセヴィー。
落ちた冠に、マスクも外れていることに気付く。
そこへ訪れたのは、刹那…セヴィーの姿を見て、驚いた様子を見せる。
「…あんた…まさ…か…!」
うげえ、あれサンダルフォン…?
どの辺が双子なのか、ルシフェルとミカエル兄弟以上の謎だ
僕を産んでくれる人ってどういう意味だ
なんか見てくれもだけど精神的にもコエーんだけどサンダルフォン
つまりライラは死んだ男の戸籍を乗っ取ったってことでいいんだな?
顔くらい確認しておけばよかったのに…病歴チェックとかさー
まあでもそれなりに成績優秀で目立たなさそうで丁度良い戸籍だったんだろうなあ
セヴィーにげてにげて
なんかよくわからんがあいつはヤバイ
ライラはサンダルフォンに助けてもらってんじゃないの?
サンダルも守る、ロシエルもスポンサーと言ってたし、
刹那が切りかかったとき、ザフィケル羽落とし直後(これは自分)、今号と
セヴィーがピンチになると背後に出てきて周りを攻撃してる感じ
ザフィケルきっちり落とし前つけて逝ったんだな。
サンダルフォンも現れるようだし、ついにセヴィーもたまりにたまったツケを払うときがきたのか。
セヴィーの顔!セヴィーの顔!
うおお、何か今迄で一番気になる引きだ…。
サンダルフォンはセヴィーの味方だと自分も思う。
まあ、台詞とかの端々にヤバイもの感じるけどこの漫画じゃ珍しくもない品w
しかしサンダルフォン中途半端に形が整っているのが余計キモイというか…。
サンダルフォンってセヴィーに憑いてる奴だよね。
純粋に味方というには下心ありそうで、共生関係みたいなのかと思ってた。
ライラが力を得る変わりに、なにか利益を提供するとかの。
メタトロンはジブが好きだったっけ。
セヴィーがジブを目の敵にしてたのは、その辺の事情もあったのかな。
今の状態だと自由に動けないから
セヴィーに生んでもらうってことなんだろうけど、
セヴィーのお腹に子供がいるとも思えないし、想像妊娠みたいなものか?
しかし生まれてくるときの絵が何かグロっぽくなりそうな…。
山ほどいるシスターに一人ひとりに体を与える事ができたほど
簡単に人型を生産できるなら
サンダルフォンが望めば好きな姿形の体がいくらでも手に入りそうなものなのに。
天使の血も濃くなるのにわざわざライラに産ませることに何か特別な意味があるのかもしれん
サンダルフォンを生んでセヴィー死亡とかありそうだな
そしてそれを見て笑うロシエル様が思い浮かんだ…
自分の目に剣突き刺すって刹那の根性すごすぎ
ガッツのある子じゃないと天使たちと渡り合えないのは
何となくわかってるけど改めて凄いと思った
せっかく裁判で追いつめてるのに、ミカエル絶妙のタイミングで飛び込んでくるな。
でもアレちょっとスカッとしたよw
ああやっぱりミカちゃんのああいうノリはいいなって。
率先して紗羅を庇った天使たちって、
ジブリールのファンというか信望者みたいな連中なのかなと
勝手に思った。
「ジブリール様…」って心配そうな声が周りからも上がってるし、
やっぱりジブリールって天界で人気あったのかな。
独裁者セヴィーに嫌気がさしてるってのもあるんじゃないか
四大天使自体にも結構人望ありそうだし
ミカエル、壁代弁償するのか
天界は男性の方が多いんだっけ
ラファエルの下半身事情知ったらアンチ増えそうw
たぶんラファエル身辺のやばげな話はバービエルあたりが揉み消してるんだろうなあ
セヴィーというか七大天使は知ってたみたいだけどね
バービエルが冗談っぽく言ってセヴィーに注意されてたし
危ないなぁ
つか、あのキスは他の天使達どう解釈してるんだ
疑う方が心が汚れているってことで「親愛の情」で済ましてるとか
天界もうむちゃくちゃだな
地獄に体当たりされるは中空回廊ぶっ壊れるは
今度は裁判所まで吹っ飛んでしまった
456 :
1/4:2006/10/10(火) 00:05:58 ID:???
消して 真っ白にして
ライラを 殺して
ポッドの中の肉塊に伸ばされる、血だらけの腕…
至高天 創造界編 白ノ世界 ACT.1
おててつないで、と無垢な笑顔で笑いかけてきたメタトロン。
だがもう歌えない。あの頃の様に真っ白な心で天を称える事も出来ない。
あの頃の声はもう失われてしまった。歌を歌えない籠の鳥は羽根をむしられ追放されるだけ。
白い世界…歪みもなく一点の曇りもない、ただ真っ白な世界…
そこにいるのがセヴィーだと気付いた刹那。
だがその顔、その額のキズ…その頬の烙印…それは天界における犯罪者の証…?
これが天界中が恐れる支配者の素顔かと慄く刹那。だがあの額の逆十字のキズはまさか…!
その時セヴィーの顎から何かが落ちた。その事に叫ぶ声が変わった事に気付く刹那。
落ちた機械は変声機だろうか、それは掠れてはいるが女の声…まさか本当に…
「あんた…ライラ…?」
頭を抱え、その名はやめろと恐慌に陥る…
烙印を――汚された女には背信の証を!!
押された焼印、何故自分を避けるのかとライラに迫る男。君を好きだと言ったからかと…
だが…その女は消したのだ!!
友達のアナエルの身を心配する風でいて実はいつもザフィケルを見ている、それに気付くべきで目を背けてはいけないと言う男。
神に背く感情であろうと天使達の気持ちは止められない。自分も、君への気持ちが止められないと。
だがライラにとって大事なのはサンダルフォンだけだ。
双子のメタトロンには体があっても力はなく、時折サンダルフォンの脳波を受け取るだけ。
片やサンダルフォンには力があっても体がない。きっとこの肉と眼球の塊から完璧な肉体と力を持った御子を作り出してみせる…
457 :
2/4:2006/10/10(火) 00:08:09 ID:???
――そして狂った魂の――
新参者だがライラはサンダルフォンの研究チームのチーフに任命された。
滞っていた研究も、ライラが来て飛躍的に躍進した。怠慢な研究員は人員削減のため切り捨てていく。
しかしお前のせいだと、切り捨てられた研究員達がライラに襲いかかった。
女のくせに、エリート高官への道がお前のせいでパアだと。元々これは自分達の研究チームだったのに…
抵抗するライラの首を締め上げる彼ら。
何とか言ってみろ、サンダルフォンに子守唄を歌ってやるその声で…!
そして…ようやく助けに来たライラに好意を持つ男。
お前達がクビになったのはエリート所員ということを笠に着てやりたい放題をし、いい加減な仕事をしたツケだ。
自分達の無能を彼女のせいにするなと言う男に、お前も殺してやると息巻く研究員達。
だがさっき警備員を呼んだから間もなく捕まえにやってくるはず。
「さあ わかったら早くその汚い手を離すんだ!! このブタ野郎!」
うつろな意識でそれを聞いていたライラ。汚いブタ野郎…その通りだ。ではその薄汚いブタの手に堕ちた自分は何か…
例え合意がなくとも禁を犯した女は「魔王の妻(リリス)」の烙印を押され下層に落とされる運命――
ライラの喉が潰された事を悟った彼は、こんな事なら避けられていても側を離れるのではなかったと後悔する。
人知れぬ地にこのまま2人で逃げよう、これ以上君を悲惨な目に遭わせるわけにはいかないと訴える…
だが本当に自分を汚したのは、乱したのは、土足でズカズカと入り込んだのは、この男――
ライラは彼の持ち込んだナイフで、彼の胸を突き刺した…
警備員がようやく現れた。ナイフを取り落とし、この男が私を汚したのだとライラは訴える。絶望に彼女の名を呟く男…
ライラは警備員が止めるのも聞かずに駆け出した。
あの男…ザフィケルもいつか消さなければいけない。あの悪魔の様な男…自分の心を犯す汚れた者達を全て消す!
サンダルフォンへ願うライラ。お前が本当に全能の力を持つのなら助けて欲しい。世界を綺麗にするために…
だから一番汚い物も消さなくては。…ライラを消さなくては…!
答えは返った。ライラをこの世から消してあげると――
458 :
3:2006/10/10(火) 00:13:17 ID:???
裁判…あの男が処刑されても何も感じない。あの夜を知る者はこの世から消え去ればいい。
聖なる炎よ 汚れた女の印をこの身に焼き付けるがいい
この世で最も醜い女に相応しい畜生の証を――
私は 生まれ変るのだから
ライラは消えた。そんな汚れた女はこの世にいない。自分はライラなんかじゃない…
あの女を知る者も乱す者も、何もかもこの世から消滅したのだから…
その呟きに、消えないと返す刹那。消したつもりでも必ず残る何かがあると。
愛も憎しみも人の心に残り、生きている者を苦しめたり救ったりする。人の思いだけは決して消えたりはしない…
どうしてそんな姿で独裁者を演じているのかはわからない。
が、星幽界にいた亡者の魂はライラが告発した中の無実の男の物だった。以前拾われたピアスの中身は彼の物。
でも彼は恨んでないと言っていた…「もう苦しんでほしくない」「今も変らず心の平安を願っている」と…!
昔のライラは確かに彼を愛していたし、彼は変らず今も愛していると…
ばかな事を、と吐き捨てるセヴィー…ライラ。
自分を死刑にした女を恨んでいないと? この私があの男を愛していたと?
その背後に、突然あらわれた白い制服。だがその感じは、あの時の…!
男の放つ波動に弾き飛ばされた刹那は、瓦礫の中気絶した紗羅を発見する。
瓦礫が崩れる…だが刹那の伸ばした腕は、目の痛みに一瞬気をとられた瞬間、届かなかった。
彼女を救ったのはラファエルだ。
459 :
4:2006/10/10(火) 00:15:23 ID:???
紗羅を抱えて飛び去ろうとする彼にどこへ連れて行くつもりだと怒鳴りつける刹那。
破壊神(ミカちゃん)と来てくれたおかげで裁判はめちゃくちゃ、もう少しでセヴィーを完璧に落とせるかもだったのにと言うラファエル。
全国の天使にはアピールできたかもしれないが、無効裁判に殴りこんでのウリエルの告発もまた法的には無効に近い。
ほとぼりが冷めて彼女の身の安全がわかるまで隠れるしかない、と。
だがそれは自分の役目で紗羅は自分の女、小さい頃からずっと守ってきたのだと返す刹那。
ずっと一緒にいて、喜びも悲しみも二人で乗り越えてきた。紗羅が愛しているのは自分だけだ!
「…"今は"… …だろ? これからは彼女は俺が守る」
刹那は許さないと怒鳴りながらも、紗羅を連れ去るラファエルを追うことは物理的にできなかった。
白い制服は、気を失ったライラを見下ろす…
折角親切にも裁判所に送り届けてやったのにラファエルにあの女を持っていかれたのかと傷口に塩を塗りこむミカエル。
「送り届ける」というのは目的地を破壊する意味か、と嫌味たらしく睨みつけるウリエル。
腰抜けが戻らないのかと思ったと嫌味を返すミカエルだが、言い合っているヒマはないようだ。
白い制服の軍団が、この裁判に関わった者全ての身柄を一時拘束する、と集まってきたのだ。この騒ぎの首謀者を探し出せ、と。
そこに響き渡る、セヴィーの声…今から述べる者達を見つけ次第逮捕せよ、と。
水の天使 被告人「ジブリール」、風の天使「ラファエル」、土の天使「ウリエル」、
無断でメルカバで侵入してきた火の天使「ミカエル」(もおバレてる)、それから堕天使アレクシエルの魂を持つ救世使 無道刹那!
女の事は後だととりあえず逃げ出すミカエル。乗るなら早くしろ、とウリエルと刹那を急かす。
何故あの時紗羅に手が届かなかったのか…迎えに来たのに、約束通り助けに来たのに…歯噛みする刹那。
必ず捕まえろ、とセヴィーの変声機を使って命令を出していたのは、先程の…サンダルフォンの乗り移った白い制服の男。
やっと捕まえた、とライラを姫抱きに抱える。やっと僕の物…
楽しそうにその様子を物陰から眺めるロシエル。
ライラを連れて行く男の影には、無数の針の様なものが…
紗羅が目を覚ますとそこにはラファエルがいた。刹那の声が聞こえた様な気がするとぼんやりと思う。
そういえば裁判はどうなったのか…気を失って覚えていない彼女に、終わったと告げるラファエル。
"テロリスト"の乱入で裁判所は大混乱、自分は君を攫って逃走中だと。
そして見せたい者がある、とリモコンをいじった。
灯りの下に晒されるベッド…
「見ろよ 綺麗だろ? 俺の眠り姫」
その上にあるのは…「無道紗羅」の、死体…
廃竜キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
救われん話だな。
もともと自己愛激しくて鬱屈した思いを抱えてる者がレイープでトラウマ、
世界を逆恨み、力を得て欲望全開か。
惚れてたんだろうけど、廃竜哀れ。
被害者も犯罪者扱い、ってひどい制度だな。
現実でも宗教の厳しい国とかではあるんだよな。
レイプされた女性を焼き殺したり、
レイプされたらレイプした男と強制的に結婚させられたり
日本でも女性の人権認められたのは最近。
まあ漫画の世界に持ち込むのも野暮だけど。
結局裁判は無効か。逃げるしかないってのも情けない。
結局ラファエルが沙羅つれてっちゃったな。
ラファエル、紗羅の死体に何をする気なんだ。
刹那と紗羅の赤ちゃんをとり出したんだから
紗羅のお腹も切られてるんだよね…そんなもん紗羅に見せちゃいかん
どうしてサンダルフォン?にセヴィーの針が刺されているのか分からんが
ジブリールでさえちょっと首に針を刺されただけであんなになってしまったのに
あれだけ刺されて平気なサンダルフォンが恐ろしすぎる
ロシエル様着替え早すぎですよ
紗羅の死体って殺された状況からして、
首から下は結構グロいことになってたはずなので、
今更メス入れられても一緒だとは思う。
廃竜がいいヤツなのはわかるんだけど
あのやり方じゃライラを追いつめるだけだったんじゃないだろうか
>>468 あ、そっか。それもそうだ
ってなおさら紗羅に見せちゃだめじゃw
天界全土にあんな映像流しちゃって…セヴィー失脚かな
これで羽根落としの刑に処せられたりしたら
>>469 ライラが想像以上にアレな子だっただけだと思う
ライラと言いアナエルと言い天界にはロクな女がいないな。
セヴィー結構メタトロンに思い入れがあったんだな。意外だ。
個人的に思うんだが廃竜さ、ライラに心底惚れてて一途なのは分かるんだけど、
あの迫り方はまずかったんでは…。ライラ怖かったんじゃないか?
あと、レイープの後あんなにベラベラまくしたてられたらライラとしては、「もうちょっとこっちの話聞けや!」
な気分になったかもしれんw
まあ、動揺していたんだろうが。
廃竜好きなんだが、それは逆効果だからもうちょっと落ち着け、と見てて言いたくなる
恋愛が御法度とされている天界で、生真面目な女性にむかって
愛を告白したり自分の想いに正直になれと言ってみたり
セヴィーじゃなくても嫌になるだろう
メタトロンやサンダルフォンに対する語りを見ている限りでは
多少潔癖な部分はあってもライラは冷たい人物ではなかったようだし
レイプ事件さえなければここまで歪んだ性格にはならなかったんじゃないだろうか
今回の回想でやっとライラ=セヴィーが納得できた
元から結構激しい性格してたんだね
漏れはライラ好きだ
周りに迷惑かけんようにな
最後のコマのサラ綺麗!女だけどドキッとしたw
479 :
1/4:2006/10/12(木) 00:32:29 ID:???
白ノ世界 ACT.2
示したものが自らの体だと気付いた紗羅に、目を瞑るよう促すラファエル。
広がる翼と眩い光…衝撃と共に、紗羅は己の体に返った。
初めましてだと挨拶をしたラファエルは、どんな検査をしてもそんな貧弱なガキくさい体に興味なんて沸かなかったと茶化す。
自分が裸である事…それから、裁判で示された胎児の事…
青くなる紗羅に、嘘だと告げるラファエル。
検査なんてしていない。服を脱がせたのは部下の女の子だし、あの映像はセヴィーに実証を求められ作ったヤラセ。
あの胎児は二人の子供などではなくニセモノだったのだ。
あの死んでしまった子が自分の子ではなかった事、二人の子なんていなかった事…紗羅は複雑な思いを抱く。
そしてラファエルに謝意を告げる。どんなに感謝しても語りつくせないと。
あの時、薬を飲まされたと知り映像のラファエルを見たとき、この世で一人ぼっちなのだと思った。
でも仕方のない事だとも…セヴィーの力は絶対でラファエルの立場が危ない事は想像がついたからだ。
それなのに来てくれた…セヴィーに追われる身になってまで。そして元の体にも戻してくれた…
ただキス一つの貸しがあったのを思い出してもらいに帰っただけだとそっけなく告げるラファエル。
いくら君でもそんなカッコでひっつかれたら変な気を起こすと軽口をたたく。
それに怒った紗羅の指に壊れた指輪をみつけたラファエル。
こんな安物はずしてもっといい物をプレゼントしようかと言うが…紗羅は精一杯それを拒絶した。
それは初めて刹那がくれたもの…
そういえば、気を失っている間確かに刹那の声を聞いた。もしかしたら助けには来なかっただろうか?
だがその問いに、救世使など来なかった、とラファエルは冷たく答えた。
気のせいだったのだろうか…だがきっといつか来てくれる、その日を信じている。
紗羅はただ祈るようにそれだけを想っていた。
480 :
2/4:2006/10/12(木) 00:34:08 ID:???
紗羅を連れ去ったラファエルを許さないと思いながらも、刹那は右目の義眼手術を受けていた。
だがもがれた片羽は…一度失った天使の羽は元へは戻らない。片羽さえあれば繋ぎ合わせることもできようが。
大分体力が低下しているのでしばらくは残った片羽もアストラル波に戻して安静にするしかない…
という話をウリエルから聞かされていたミカエルだが、そんな事はどうでもいい。
付いて来いと言うから付いて来たらそこは叛乱組織の真直中だった事についてご立腹なのだ。
ウリエルは今は亡きザフィケルの遺志を継ぎ、白い政界の打倒を目指し「世界の魂」に協力しているのだった。
予定では彼の合図で待機していた組織の者が裁きの城を占領し、セヴィーを人質にとる手筈だったのだが…
計画が丸つぶれだと言う彼に、文句は行きたがった救世使に言えと怒るミカエル。
そしてもちろんこれはウリエル自身の意志。いつまでも逃げていてはいけないと、アレクシエル…刹那に教わったから。
ミカエルもそうだろう、と確認するものの照れ隠しに誤魔化されてしまう。
しばらく休むよう進言するウリエルに、ザフィケルと友人だった事を思い出す刹那。
世話になるとラジエルに挨拶し、窖が壊滅した事で心配していたと返される。
ウリエルはいつから声が出るようになったのか…声帯を傷つけたはずなのに。
いろいろ吹っ切れたというウリエルは喉元をさらして見せた。文明の利器に頼る事にしたと。
喉のわずかな振動を感知して以前と変わらぬ声を再現する変声機…数値を調整すればどんな声でも自由自在のシロモノ。
それがセヴィーのしていた物と同じだと刹那は気付く。
あの裁判で押さえつけられていた民衆が心を一つにしている。
世論を味方につけた今、セヴィーを討ち取るこの絶好のチャンスを逃す手はないと言うラジエル。
創造界第6天「ゼブル」の白の館に侵入し、大熾天使付宰相セヴォフタルタを拘束…または討ち取る!
賛同できないならこの場で拘束するとミカエルと刹那に告げる。
ミカエルは真の敵は悪魔軍だけだから静観すると言い、ラジエルはそれを承諾した。
481 :
3/4:2006/10/12(木) 00:34:55 ID:???
刹那はラファエルに連れ去られた紗羅を取り返し、奴をぶん殴ってやりたいと思うが…
身を隠す以上簡単に見つかるような真似はしないだろう。
それに…あれが本当にライラの変わり果てた姿だったのか、確かめなくてはならない。
あのニドヘッグの事件の後に彼女に何が起きたのか――
刹那は出動する「世界の魂」に同行する事を決意した。
あれを奇跡と呼ぶのならば――
突然いなくなったメタトロンは、いつの間にか戻ってきたが眠ったまま。
そのまま起きる気配もない…シスターはセヴィーに飲ませるように言われていた薬を、嫌がっていても飲ませるべきだったのかと思う。
その時隣の部屋から物音が…彼女は薬を隠した箱を取り落とした。
ライラは自分がいつの間にか部屋に戻っている事を不思議に思っていた。
ドアを開き、その姿と素顔に驚くシスターと…彼女の足元に散らばる薬…
それを見、あの薬を飲ませなかったというのかと激昂するライラ。
必死に謝罪するシスターだったが、そのままライラは彼女の息の根を止めた。
あいつが起きてしまったら…
その呟きに、背後に迫るものがある。水の音と、針の刺さった影…
君が刺した針が痛い、抜いて欲しいとライラに迫る、サンダルフォン…!
悲鳴をあげてうずくまるライラだったが大声で笑いながら謝罪する白い制服に入ったままのサンダルフォン。
針など目覚めた時にみんな取ってしまった。
このシスターのおかげで少しずつ表に出ることができたからと…
彼女の隠したあの薬こそメタトロンの中からサンダルフォンが出てくるのを押さえる為の物。
メタトロンと違い実体を持てなかったサンダルフォンは彼の意識を介してしかこの世に接触できない。
ライラに実体を封印されてしまったから…
だから夢を通して少しずつメタトロンに語りかけるしかなかった。
あの時願いを叶えてあげたのに、ひどい話だ…
482 :
4/4:2006/10/12(木) 00:35:38 ID:???
ライラを消してという願いを叶えたサンダルフォン。
自分の為に子守唄を歌ってくれた優しいライラ、その願いを、望みの力をあげようと。
もう誰にも属する事のない偉大な力――
自らの存在を消して完全なる別人になり過去を葬る為、体の骨格を薬で男性の様に変え完璧なまでの独裁者へと変貌していったライラ。
だが全てを手に入れるとサンダルフォンが恐ろしくなった。
みんながメタトロンはセヴィーの傀儡だと思っていたが、真実はセヴィーこそがサンダルフォンの傀儡だったのだから!
だから第七の封印を持って揺り籠にサンダルフォンを閉じ込め、彼の与えてくれた力でその体にいくつもの封じ針を打ったのだ。
だが本当に恐ろしかったのは、サンダルフォンを封印したのは…
自分を利用しているだけ、あの男達と同じだと知ったからだとライラは訴える。
誤解していると笑ったサンダルフォンは何故かメタトロンを連れてきた。
"アレ"は自分と同じ遺伝子を持っていないとダメだし、この体でもメタトロンの今の体でも意味がないと言う。
だったら自分で創るしかない…
言いながら、白い制服の男の体が溶けていく。
慄くライラの目の前で、溶けた体はそのままメタトロンの体へ吸収されていき…
こんなカンジだとサンダルフォンが笑う。
彼の肉体の合成組織は全部使ったが、メタトロンは元に戻る。
が、この偽りの体じゃ数時間しかもたない…だから急がなくてはならない。
メタトロンの体は、成人男性のそれに近く変貌していた。
何をするのかと怯えるライラに、子供を創るのだと言うサンダルフォン。
もうメタトロンの体を通さなくても生きていける自分専用の体を。
自分の血を引いた魂のない器が欲しい。
「僕を産むのは君でなくちゃあ!」
あくまでも明るいその言葉に、ただ衝撃を受けるライラ。
青ざめる彼女にくちづけようとする、メタトロンの体のサンダルフォン…
「僕はあの男達とは違うよ 僕は僕なりに 君を愛しているんだよ ライラ」
個人的まとめ
神性界-7
創造界-6:ゼブル
形成界-5:マティ
-4:マコノム
-3:シャハキム
-2:ラキア
-1:シャマイム
またレイープ?!
サンダルフォンすげー怖い…ガクブル
ラファエルちょっとそれはせこいぞ…と思っていたら
セヴィー逃げて超逃げて
ちょ……
これで孕まされるのは流石にライラが哀れだ
セヴィーのやったこと考えれば報いを受けて当然とも思うけど
自分という存在を殺すほど追い詰められた事件と
同じことを繰り返されるのはなあ
サンダルフォンってこの針だらけの赤ん坊なんだろ。
この展開マジで気持ち悪いよ。
目の玉にまで針刺すなよ…
この漫画今までも九雷ちゃんやサラが襲われそうになったけど未遂だったし今回も大丈夫
じゃないかというのは甘い考えか…。
仮にも少女漫画なんだし、ダメ?
明るい口調で酷いことをやるっていうのが一番恐ろしい
前刹那の蘇生を邪魔したときも明るい口調だったし
天界の上の方って本当ろくなのがおらん
子供がオモシロ半分でダンゴムシちぎったり
アリ食ってみたりするのと同じ感覚なんだろう
ここで現れた廃竜が助けますよ
ライラ関係はやることも、やられることもダークな話だ。
結局ライラはドーピング筋肉とブカブカ服で男装し、
サンダルフォンの全能の力でセヴォフタルタになりすましてたんだよな。
で、今回すっかり女に戻ったのは何で?これもサンダルフォンのせいなのか。
それにサンダルの言う自分の遺伝子が必要な「アレ」ってなんだろう。
>>494 顔が見えてるからそんな気がするだけじゃないの
必要なものは体でそ
下手に子守歌なんか歌うからこんなことに…そのおかげで力も手に入ったんだろうがリスク大きすぎ
自分で望んだことだよ。
サンダルフォンにしてみりゃライラの為に、
力与えて、情報収集して、死体一杯つくって、と尽くしてるじゃん。
針でメッタ刺しにされた上ライラが一方的に利用するだけで、
挙げ句に文句垂れられるなんて理不尽。お互い様だよ。
つか、タダほど高いものはないって。
ラファエルってあんなに簡単に蘇生させられるんだ。
刹那のときてこずってたからもっと大変なのかと思った。
確かにw やる気も違うんじゃないか
結局ジブは目覚めなかったなー
それに四大天使ってなんだかんだで仲よさげ
あの時は密閉空間で行ったために
ラファエルの守護する風が少なすぎるとかで
失敗しかけたんだっけ
サンダルフォンと目が合う前後
急にキャーとか、しぐさが女になって違和感感じた
でも顔みて叫ぶとか失礼だね
お前があんな恐ろしい姿にしたんだよ
だから余計にビビッたんじゃないか
サンダルフォンはお茶目のつもりなのかもしれんが
ラファエル、嘘までついてこれからどうするつもりだろう
とりあえずプレゼント作戦か
女っぽくなったのは声が関係あるんじゃないかなあ
変声機使って自分の声が男に聞こえてたわけで、自己暗示的なものもあったんじゃ
>>500 >でも顔みて叫ぶとか失礼だね
>お前があんな恐ろしい姿にしたんだよ
そんな場合じゃないのに笑ってしまった
僕は僕なりに 君を愛しているんだよ、って怖い台詞だ
そんな愛いらねーよ
そういえば予告にあったっけ
「僕は僕なりに…」
てっきり廃竜の台詞なんだと思ってた。
まさかサンダルフォンとは。
まあ、あの時点ではライラの正体も
全く予想してなかったわけだが
>>505 廃竜がライラの話をした頃なんて
彼女がこんな重要キャラだとは夢にも思ってませんでした。
この後の展開予想
1.土壇場でサンダルからメタの精神に切り替わる
2.土壇場で誰かが助けにくる
3.土壇場でセヴィーが舌を噛み切り自殺
4.やられる
自分もライラがまさかこんな重要人物だとは思いもしませんでした。
3はないかな。ここまでセヴィーの悪行や過去を描いておいてそんなあっけない最期になるとは考えにくい
4になるとするとサンダルフォンに体が与えられて主人公の新たな敵になるのかな?
個人的には1か2と予想。
作者容赦なしで、普通に4。
直後、廃竜現れる。が、今回しっかり空気読んで華麗にスルー。
通行人のフリしてあの世に帰る。
廃竜は空気読めない子だから
しっかり乱入してさらに状況をややこしくして帰っていくよ
僕らの廃竜が現れて助けてくれるよ
おまいら廃竜をなんだと想ってんだw
ウリエルいつの間に「世界の魂」に協力してたんだ
なんかすっかり明るくなって、アレクへの想い吹っ切ったのか
変声機使って喉は治さないつもりのようだけど
514 :
1/4:2006/10/14(土) 00:02:35 ID:???
白ノ世界 ACT.3
君は逃げる 僕は追う 捕まえる――
逃げないで 愛しい貴女 呪う様に 愛してあげる ずっとずっと
「この体中の眼で見詰めていてあげるから」
――ハレルヤ――
それは秘密の匣を開けたパンドラの 無知と傲慢への 罰
匣の底の 真っ黒い色の 希望―――――
あれっきり裁判中継が流れる気配はない。民衆には何が起こっているのかはわからなかった。
だがラファエルや、この天界を憂いて姿を消していたウリエルでさえ戻ってきた。今こそ決起する時…!
そこで何をしているのかと、誰かが近づいてくる。
動けるのならば自分を助けろ、崖の上に自分の部隊がいるから…
頭部に怪我を負ったその男が問う…お前には、何故顔がない…?
うなされて目が覚めた男。またあの夢だ。自分の顔はきちんとこの様についている。
それに自分にああ言った男の顔はまぎれもなく自分の顔。一体あの夢はなんなのか…
苦悩する男の下へ通信が入る。どうやら彼は天使軍の一部隊の隊長らしい。
叛乱軍の動きを警戒していたところに怪しげな貨物船を発見したとの事だが、具合が悪いなら無理はするなと言う。
余計な心配はしなくていいと、隊長は無理にでも出動する事を決める。
通信を切った先で、部下は病み上がりが大人しくしていろと悪態をつく。
本当は隊長はまだあのときから記憶が全く戻っていないはず。
あの天地が衝突した大災害の事故…被害調査に行って崖から落ちたのだ。
地殻のバラバラになった窖の大地は重力もメチャクチャですごい有様、よく助かったものだ…
だがそのショックで全ての記憶を失ってしまった。病院にいればいいのに隊長風を吹かせに戻ってくるのは相変わらずだ。
何だか焦って何かを探しているような…それが何かはわからないが。
そこへ隊長が到着し、叛乱軍狩りに出ると命令を下した。
515 :
2/4:2006/10/14(土) 00:03:53 ID:???
希望の底の…奈落…
どこかで泣いているメタトロン。サンダルフォンはこうして時々意地悪をするのだ。
ここへ閉じ込められている間は、あいつがメタトロンの体で悪さをしている時。
ここはとても暗くて寂しくて、セヴィーも誰も助けてくれない…
そういえばジブリールはどうしているのか。昔のジブリールは優しくしてくれた。
ジブリールに会いに行こうと思い立つメタトロン。でもどうすれば…
一生懸命ジブリールの事を考える、思い出す…そうすれば…
見つかった! メタトロンは光に向かって駆け出した。
いつかのように椅子に座したままのジブリールに必死に呼びかけるメタトロン。
だが彼女はもう眠ってしまった…どこから来たのか、と彼に呼びかける、紗羅…
サラと名乗る彼女に、ジブリールがいつ起きるのか問うメタトロン。だがそれは彼女にもわからない。
紗羅の魂がジブリールの体から抜けた直後に切ったはずの髪も元に戻ったし、力も甦り裁判の為に付けられた拘束具も砕け散った。
結局、紗羅が入っている間のジブリールはやはりジブリールではなく、紗羅だったという事だ。
メタトロンはよくわからないながらも、それじゃあやはり自分は一人ぼっちなのだと言う。
神様もちっとも願いを聞いてくれない、誰も自分のそばにはいてくれない…
語り合う二人を部屋の中からラファエルが発見し、その子供の姿に驚く。
神様…紗羅も、小さい頃は願った事があった。
兄とは結婚できないと知った夜、泣きながら祈った。
その為ならどんな事だってするから、ただ一つだけの願いを叶えてほしいと…
でも願い事はただ待っているだけじゃダメだ。それに気付いて、必死でもがいている。
自分で願いを叶えるため…それがいつになるかは誰にもわからないけれど…
ラファエルは部屋の中で話を立ち聞きしながら、それが刹那の事を指しているのだと悟っていた。
516 :
3/4:2006/10/14(土) 00:06:07 ID:???
ジブリールが大事なのはわかったが本当にいつも一人ぼっちなのか考えてごらんと言う紗羅。
いつも君を心配している人が他にもいないか…メタトロンはある一人の事を思い出す。
だっていつも叱る、忙しそうで…でも、手袋をしていたが眠れない時はずっと手を握っててくれる…
本当にいつも忙しいのに呼べばいつも駆けつけてくれる。眠るまで頭を撫でてくれる。
あの手の暖かさを感じるととても安心して眠ってしまう…あの手の暖かさが、大好き…
やはり一人ではないからその人の所へ帰るようすすめる紗羅。きっと心配していると。
そしてその人に本当の気持ちを伝えればいい。ずっと抱いていて欲しい、寂しいと…言わなければなにも伝わらない。
その言葉を受け、メタトロンは笑顔で紗羅の頬にキスをした。
「ジブリールと…セヴィーのつぎに…すきだよ「サラ」が」
そして…消えていった。
あの子がセヴィーと言った事に驚きを隠せない紗羅。そこへラファエルがやって来る。
あれこそがセヴィーの最高の切り札、現大熾天使長メタトロン。ジブリールを慕い、精神体となって迷い込んできたらしい。
あの子がこの天界の王者だという事に紗羅は二重の驚きを示す。
不安だから、弱き者は別の何かに縋ろうとする…先程の紗羅の言葉を思い返すラファエル。
もし自分に一つだけ願う事があるとするならば……この自分が、重症だと自嘲する。
貨物船に偽装したままセヴィーの城へ向かう「世界の魂」のメルカバ。
結局ミカエルは、この程度の戦力で天界最大の難所を落とそうとしている彼らと心中はできないと去っていた。
そこへ、空軍の警邏隊に発見されたため偵察官が強制乗船してくるとの報せが入る。
とりあえず、ウリエルは隠れる事になった。
許可証は本物だが、本部から貨物調達の要請は入っていないと言う警邏隊。
裁判中に緊急の回線で受けたためのデータミスではないかと説明する。
身分証も疑いの余地はなし、荷物も特に怪しい物はない…刹那は乗員に扮して検査を受けていた。
何も問題がないと結論が出たところで、隊長が刹那に目を止めた。見覚えがあるから顔をよく見せてみろと…
517 :
4/4:2006/10/14(土) 00:08:10 ID:???
不安がる「世界の魂」の面々だが、怪しい素振りを見せるわけにはいかない。
刹那は黙って隊長に顔をさらし…部下が指名手配リストと照合するためにと写真を撮った。
本格的にまずいと思う刹那だが、隊長は何故か刹那に既視感を抱いていた。
こいつを見ていると何か思い出せそうで思い出せない…
だがこのままでは刹那の正体が割れるのは必至、しかしこの態勢でこれだけの数を相手にするのは危険…
判断に迷う中、結果が出た。
堕天使アレクシエルの転生体特Aの賞金首、救世使 無道刹那!
大手柄だと喜ぶ部下に、銃を取り出そうとするラジエル…だが、その部下の体を背後から一刀両断したのは他ならぬ隊長だった。
その他の警邏隊メンバーも姿を現したウリエルに次々倒されていく…
隊長に向け銃を構える「世界の魂」のメンバー。だが刹那がそれを止める。
彼の持っている刀は、不知火…!? まさか、彼は…!
体力を消耗したこの体でよく辿り着けたと教え子に労わりの言葉をかけるウリエル。
自分の本当の顔を思い出した彼は…加藤だ!
あの隊長は、顔を、全てを忘れた加藤の前に現れた瀕死の男を模した姿。あの後すぐに死んだのだ。
その姿をしたまま吉良の残した刀を持ち歩き…天使達に発見されたのだった。
刹那は感極まり、ただ加藤に抱きついた。
ベッドの上で目覚めたメタトロンはセヴィーを探す。
自分は戻ってきた、サンダルフォンもいなくなった。
どこにいるのかと扉を開いて、セヴィーの姿を…
加藤先輩生キテタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!! クライは? ノイズは?
ライラはやられちゃったっぽいな…
メタトロンはそんなにセヴィーに懐いてたんだ
セヴィーのほうもメタトロンのことは利用してるだけかと思ってたけど
そして加藤ようやく合流かー。重い展開続いてるけど
加藤先輩のいつものノリで少しでも雰囲気を明るくしてくれるといいな
ずっと渋かっこいいおじさま姿のままでいてほしい
地獄編で刹那の顔になったりしてたときは、便利だと思ってたけど
結構危ういもんなんだね、加藤の身体って。
>それは秘密の匣を開けたパンドラの 無知と傲慢への 罰
厳しいねえ。民衆も決起するようだし、まだまだ追い打ちかかるんじゃないか。
メタトロンは救いになるかな。
加藤追いついたのか、根性だなー。
捜索受けたとき、
刹那もウリエルと一緒に隠れりゃいいのにと思ったことはチャラにする。
今気付いたけど、
セヴィーがやられた相手の体は、メタトロンなんだね…
体はメタトロン頭脳はサンダルフォン!!
ゴロわりいな
>>522 そりゃあ独裁者セヴィーの圧政の一番の被害者は民衆だし
天界最大の難所でも、今なら結構簡単におとせそうだ
ウリエルに声掛けられて加藤が加わったところはちょっとジーンときた
加藤はさすがに4度目の死はなかった…と
安心していいんだろうか?
死んでもまた生き返る
1:物質界での死
2:星幽界での死(仮死)
3:地獄での死(仮死)
まだ3回目じゃね?
じゃあやっぱり、天界でも死んでおかないとな。
全世界(?)制覇ってことで。
今まで、サンダルフォンの言動はキモイと思っても外見はキモイとはあんまり
思っていなかった(あの化け物状態?の時も何かゲームのモンスター見ているみたいで)んだけど
冒頭で押し返されている時の笑顔が最高にキモかった…。作者に思わずGJ!
とか言いたくなる勢いだ。
とりあえず、メタトロンその先に行っちゃダメだー。
530 :
1/3:2006/10/16(月) 00:05:29 ID:???
罪深い輩の中にたった一人清い羊がいたら そいつこそが異端なんだ
自分たちには「死」という安らぎも終りもなく、この世の果てまで再生を繰り返す。
かかっているのは魔法ではなく、不死という名の呪いだから…再生されていく誰かの体を見上げ、呟くロシエル。
君は何も感じないだろうが…いつだって君の心を変えられるものなどいなかったと。
自分達のこの残酷なる無限の時を狂わさずして費やす事が出来る者がいるだろうか。
それとも自分だけが正常で他の者達が狂気なのではあるまいか?
実験(ため)してみよう、君はこの世を滅ぼす化物(モンスター)として生を受けたのだから――
白ノ世界 ACT.4
扉を開いたメタトロンは、暗くてよく見えないがそこにいるのはセヴィーだと判断する。
ちゃんと自分の気持ちを伝える…サラに言われた事を思い出し、たどたどしく言葉を紡ぐメタトロン。
セヴィーが好き…怒るし、忙しいけど…自分を見てくれるセヴィーの目や、触ってくれる手が好き。ずっと抱っこしていてほしい。
そう言って、メタトロンがセヴィーに触れようとする…彼の小さな手が、髪を撫でる。
放心していたライラは思い出した。
漆黒だった君の髪がすっかり真っ白になったと、その髪にくちづけてきたサンダルフォンを…!
悲鳴を上げこれ以上自分に触るなと恐慌するライラ。
叫ぶ彼女の尋常ならざる様子に、シスターが二人部屋を訪れる。
うち一人はセヴィーを落ち着かせようとし、もう一人はメタトロンを連れ出す。
やっぱり自分が嫌いなのか、悪い子だからなのか…メタトロンは泣きながら連れて行かれてしまう。
残ったシスターはすごい汗だと声をかけた。その声…
それで君は何を得たのか、理想の世界を創り上げるために鬼になり、そのためにはどんな犠牲も厭わなかったのに…
そんな思いまでしてもう自分を偽るのは止めろというのは、ザフィケル…!?
もう隠すことは何もないはず、あの時本当に助けて欲しかったのは誰か…
優しく声をかけるザフィケルに、ライラはただ抱きついた。
531 :
2/3:2006/10/16(月) 00:07:14 ID:???
だが彼は不気味に笑う。何が汚れなき白い世界か…その体は、彼の最期の時と同じく腐り果てていた。
両羽を奪い、自分を生きながらの腐る野獣に変えた貴方が…今さら自分になら自ら足を広げて身を投げ出すというのか?
「君は今も昔も――ただの堕落した弱い女でしかないんだよ セヴォフタルタ」
彼は――ロシエル! 衝撃に目を見開くライラ。
別れを告げて彼女にくちづけるロシエル。自分の勝ち、君と遊ぶのは楽しかったと。
君の創った神経質な有刺鉄線の天国は自分の目にも美しかった。でも安心していい、君の願いは半分だけ叶えてあげる。
この世界の全てを真っ白に変えてあげるから――
体がくっついたらしいカマエルと通信するミカエル。
あんな戦争ごっこにはつきあってられないから今から帰ると。
だいたいあの戦力でセヴィーの城へ攻め込もうなんて…台詞の途中で、悪寒を抱くミカエル。
その源、空をゆく機影…カマエルの呼びかけにも答えず、冷や汗を流してそれを見上げていた。
まずウリエルと共に別働隊が主戦力と見せかけ正面攻撃、敵をひきつけその隙に手薄の城内に統主の船が潜入する。
刹那はその隊へ合流…「世界の魂」の作戦会議、だが加藤がこれだからお前らには任せられないと文句をつける。
なにかいい案でもあるのかと言う刹那に一つ大事な事を忘れていると言う加藤。
陽動というのは優秀な囮が必要…言いながら、彼は刹那の顔に化けてみせた。
この中で救世使のダミーがやれるのは自分しかいないと。
いい考えだと賛同するウリエル。自分とニセ救世使が表立って戦えば嫌でも敵の目を引き付けると。
加藤の体を心配する刹那だが、ウリエルに宇宙樹の生命力を分けてもらったから平気だと言われてしまう。
それからあの崩壊の時…クライと、ノイズははぐれてそれっきりだと言う加藤。
大岩が雨の様に降る中、不知火で防いでいたが無駄だった。これは吉良が置いていったもの。
まるでこうなる事をわかっていた様に、自分の形見のように置いていった…
ふざけるなと加藤は思う。この目で見てもまだ信じられない、今にも笑いながら憎まれ口きいて現れるようで…
その思いは、刹那も同じ…
加藤ちょっと氏に過ぎ。
何の義務だっつう話
死んでも死んでも生き返るって何気にきっつくない?
533 :
3/3:2006/10/16(月) 00:09:03 ID:???
セヴィーの城の天使軍は目標物を確認。あれは救世使と四大天使ウリエル――
予想通り、軍の戦力はダミー隊に集中しだす。その隙に、本体は警備の手薄になった南側付近へ向かう。
そのまま、「白の館」へと突っ込む――!!
テロリスト侵入、見つけ次第全員射殺せよとの命令が下る。
城内はいたる所に厳重なセキュリティシステムが設置されており、警備員とは名ばかりの戦闘のプロが何百人も配置されている。
何としてもセヴォフタルタを拘束し、メタトロンを保護するように、とラジエルが命じる。
が、その瞬間 館内に響く衝撃――七支刀がそれに共鳴している、何事が起こったのか…
とにかく進んだ彼らが見たものは、一面に広がる死体――
七支刀は危険を察知しているのだろうか。何かがいる…
続く扉はずっと開いていて、人の声…歌声が聞こえてきていた。
罠かもしれないと思いながらも、この事態の理由を知らずに引き返すわけにもいかない。
そこで見たもの…生首をかき抱き、ぼんやりと歌うライラの姿…
それがセヴォフタルタだと知り騒ぐ「世界の魂」のメンバー。女ではないのかと…
だが静かにしろと彼らを諌めたのは他ならぬ彼女だ。
赤ちゃんが起きてしまう、この子は怒るととても怖い。うるさくするとお腹を喰い破って出てくるかもしれない…
今もお腹の中から見ている、自分の事、みんなの事…真っ赤なたくさんの目で見張っている…
刹那はそれが、やはり"あの"ライラであるのだという事を確信した。
セヴィーを拘束しようとするラジエル。だが…天界を恐怖政治で押さえつけたあの独裁者はもう、どこにもいない…
そんな事が許されるかと激昂するラジエルを諌める刹那。
だがその瞬間、感じる霊気…殺気でさえない凍りつくような感触。
背筋に流れる冷たい汗…何かの悪意の塊が…
さすがの七支刀も彼の前では恐れをなしている様だと、背後から声をかけてきたのはロシエルだ。
感謝してほしいくらいだ、こいつの試運転とはいえこの城を一瞬で落としてあげたのだからと言う。
それとも今度は君達が彼と遊んでくれるのか…
ロシエルを肩に乗せた、黒い衣の人物が、白い制服の死体を抱えて立っていた。
「本当の絶望がどんな物なのか 教えてあげようか」
orz
割り込みマジ申し訳ない…ごめん。
やっぱりライラ手遅れだったか・・・この作者ほんと容赦ないな
結局狂ったか。こんな恥部見られたら、言い訳もできないわな。
こんな幕切れじゃライラも、振り回された民衆も、読者も、やりきれない。
ライラの本命はあくまでもザフィケルだったのか。
廃竜報われないな
ザフィケルへの執着はキモかったからね
廃竜自身は、ライラは自分のこと愛してたと言ってたけど
もしかして廃竜の思いこみ?だとしたら余計報われない
前セウ゛ィーが夢で見ていた会話の相手が廃竜なら、告白前はごく普通の好意を
抱いていそう。友人としての親愛の情と言うか。
便利君だったのかもしれないけど、廃竜が告るまではいい感じだったんじゃないか。
ザフィケルがアナエルに迫っているのに間近すぎて、色々比べちゃったとか。
この二人に煽りを喰らったカップルなのかも。
もちろん両方とも思いこみの激しい片思いってことも十分ありえるけど。
でもライラ自分の本当の姿知って壊れるって、一体どんだけ自分を美化してたんだ。
ロシエルやっぱり格違いに強い
連れてるダースベイダーもどきは何だ
殺害は免れたので、このまま静かに過ごして子供を産んで…
とはいかないか
その子供が到底静かにしていなそうだからな…。
あ、でも子供がサンダルフォンの肉体として使用されるのが防げたらどうにかなるか?
って言うか妊娠決定?
とりあえずサンダルフォンが肉体ゲットしたら勢力が
ロシエル達
サンダルフォン(勢力築くには、白い制服辺りを取り込みか)
主人公達(四大天使は全員加入?)
地獄軍団
って感じか。
独裁者はもういないと言わせたってことは
作者はセヴィーの罪は問わないつもりなの
ホント今まで虐げられた者たちになんと言ったらだよ
十分報いを受けたってことなのかなあ>セヴィーの罪
でもラジエルとか本当に納得いかんだろうなあ。
実の両親も彼女?(シャティエル)もセヴィーに殺されてるわけだし。
サンダルフォンは今はライラの腹の中に居るのか?
ロシエルがライラにキスした時もしチップを飲ませていたらどうなるだろう
うまくサンダルフォンの体を産めるのだろうか
刹那はいつも辿り着くのちょっと遅すぎる。
ロシエルは自信満々だし、このままじゃ窖の二の舞かも。
また心身共にこれでもかと痛めつけられちゃうのかな
体が持たないよ。
551 :
1/3:2006/10/18(水) 00:01:55 ID:???
パンドラの開けた匣の底の「希望」――
匣から飛び出した悪業の中で何故「希望」のみがこびりつく様に残っていたのか、今からゆっくり教えてあげよう…
白ノ世界 ACT.5
これはお前の仕業か、そこの化物を使ったのか…セヴィーを狂わせたのも…そうロシエルに叫びかける刹那。
礼を言う必要はない、君らの為にやったわけではないと言うロシエル。
当たり前だ、目的は一体何かとがなる刹那に、彼がお腹をすかせていたからだと傍らの黒衣の人物を指し示す。
また新しいエサがやって来たから、喰い散らかしてやれと…
ウリエル達の隊は敵の動きに統一性が欠けている事を不審に思っていた。命令系統が混乱しているのだろうか…
中で何かあったのかと加藤も心配する。
敵艦内でも「白の館」本部と交信しようと必死だった。だが交信は途絶え続け…このままでは叛乱軍に押されたまま。
そして援軍があらわれる。その機影は、黒の羽十字章…!
敵の援軍の姿を受け、中の統主達に脱出の知らせをしなければと慌てる「世界の魂」のメンバー。
だが何か強力な電磁波に阻まれて連絡が取れない…
黒の羽十字章は天地大戦後に解散したはずの無機天使ロシエルのSS部隊…武装親衛隊。
彼らのその絶対的な主君への忠誠心は並はずれた統率力を誇り、無慈悲に冷徹に任務を遂行する非情さで天界中に恐れられた。
ロシエルという言葉に反応した加藤は仲間を押しのけて一人、中へと向かおうとする。
ウリエルが止めるのも聞かず…
城の中に入り込んだ加藤はその光景に慄く。まさかあいつらがやったんじゃないだろうなと。
だがその死体の山は刹那達にやられた感じとは違う、この空気、剣が共鳴して頭が割れそうな…
加藤はそれを知っている…!
552 :
2/3:2006/10/18(水) 00:03:51 ID:???
その目がまだ治らないのかと刹那に言うロシエル。アレクシエルの治癒力があればそんなのたちどころに治してみせると。
最も、羽を片方奪われては有機天使の威厳も形無し。天使の象徴でもある翼をとられる屈辱…
大した救世使を掲げているものだと皮肉るロシエルに、同胞にそれ以上の侮辱は許さないと銃を向ける「世界の魂」のメンバー。
刹那がそれを止めるが、もう遅い…
黒衣の男は白い制服の死体を蹴り上げ、その体を隠れ蓑に攻撃を加えてきた。
こんなに無造作に人を殺しておいて何の意思の動きも感じられないと慄く刹那。まるで瞬きか何かする様に…
怪我をし苦しむメンバーの一人を、その男でいいとロシエルが選ぶ。
「座天使のST No.4 神の戦車隊 第一師団所属 ID・09187XX 叛乱組織"世界の魂"実行部隊隊長 天使名ヴァシル」
天界全ての天使のデータを刷り込まれているという黒衣の男は、即座に彼の情報を引き出してみせた。
やはりその男にしようと言うロシエル。叛乱軍のリーダーの首がガキや女じゃ迫力がない、そのくらい強面でなければ、と。
彼を殺すよう命じられ、あっさりとそれを遂行する男。
そこへ駆け込んできた黒の羽十字章の部隊、ロシエルは刹那達を捕えるよう命じる。
この城の者を全滅させ、宰相セヴォフタルタを発狂させるに至らしめ、大熾天使長の暗殺を企てた、
救世使「無道刹那」と叛逆者の集団「世界の魂」を!
刹那達は嵌められた事を知った。初めからロシエルが自分達に全ての罪を着せる気でいたことを…
怒りのままロシエルに向かっていく刹那。だが黒衣の男が刹那を襲う!
貫かれたその体…だが、それは寸でのところで刹那を庇い、入れ替わっていた加藤だった。
ひっかかりやがってと低く笑う加藤に、思いっきり突き飛ばされた事に文句を言う刹那。
だがこういうのは早い者勝ちだと、加藤がその男に切りかかる。
しかし…
「お前のその体は…創り物の藁人形だったな…」
斬られた仮面が落ちる…その下から現れた、傷一つない顔…
「その不知火では主人の体を傷つける事は出来ない」
それは、吉良…?!
553 :
3/3:2006/10/18(水) 00:05:07 ID:???
吉良の顔をした黒衣の男は加藤の体を切り裂いた。亡者は死霊らしく土に還れと。
その様子に高笑いするロシエル。
だからあれ程パンドラ・ボックスを開けてはいけないと言ったのに!
そこへ、戦車のようなものに乗って壁を突破してきたウリエル。退くために助けに来たのだ。
ラジエルは連行されようとするセヴィーに目を止め、銃を構えるが…ロシエルが笑う中悔しさにその銃を下ろすしかなかった。
あんな物を殺してもザフィケルは喜びはしない…!
あの感じ…あの船は確かに「白の館」へ向かっていた。
あの悪寒を知っていると思うミカエル。
確かめなければならない、この目で…
雑魚を蹴散らし、白の館を映像でとらえたミカエルはあの船を発見する。
そこにいる人物を拡大して映し…彼はその姿に衝撃を受ける…!
刹那は切り裂かれた加藤の体を抱きとめながら、呆然と彼を見上げる事しかできなかった。
匣の底の真っ黒な希望 それは封印されし最後の秘密―――――
人々はまだ起きぬ未来を夢見ると その後に落ちた絶望がより深く堪えがたき物となるから―――
エエエェェェェェェェェェェ(;゚д゚)ェェェェェェェェェェエエエエ
555 :
マロン名無しさん:2006/10/18(水) 08:56:29 ID:ebQDpqdq
マ ジ で ー ー ー ? !
あぁ、加藤は今度はどんなトンデモギミックをひっさげて
復活してくるのかな。
いろいろ大変で加藤も死にかけだが、やっぱり今号はよみがえった(?)この人だろう。
本当に吉良?!
まあ加藤って前例がいる訳だから偽物はいくらでも作れそうな気はするが
不知火の件がな
いやいやいや仮に本物だとしても吉良先輩がロシエルに加担する理由が分からん
「喰い散らかしてやれ」だからなあ・・・チップ飲んだとか
今号はみんないい顔してるなあ…今1巻読み返してみたけど
この作者絵が綺麗になった
最近は記憶喪失気味だったとはいえ、地獄の王で御前天使の筆頭だった吉良先輩を
配下にしてしまう(操ってる?)ロシエルやばすぎる
加藤殺しの凶器が、こんな妖剣だったとは思いもしなかったあの頃
あれが本物の吉良先輩だとしたら、反魂の法を持つラファエルがロシエルに加担してる可能性もあるってことか
脅されただけかもしれんが
てか、吉良先輩あんなにでかかったっけ…?
「化け物」呼ばわりされるほど、ってか、
ロシエルを肩にかつげるほど…?
565 :
1/5:2006/10/20(金) 00:03:14 ID:???
彼を"ルシファ"と呼んで促すロシエル。
刹那は「世界の魂」に急かされながら、ただその姿が信じられず…去って行く彼の背に呼びかけるしかできなかった。
白ノ世界 ACT.6
優しくかけられた笑顔、バラバラになった体…
これは夢ではないのか。ロシエルの手で殺されたはずの彼が…
ロシエルの味方となって、自分の目の前で加藤を切りつけるなど…!
ミカエルから話を聞き、間違いないのか確認するラファエル。
自分があいつを見間違うわけがない、見上げてきたあの冷たい灰色の目は確かに兄だった!
吉良朔夜として救世使の側にいたあの男がロシエルに与してルシファーとして復活した…
何を考えているのかと激昂するミカエル。
そしてその話を聞いてしまった紗羅。あの先輩が刹那を裏切るわけがないと言う。
ロシエル…またあいつの所為なのか…
そこへ駆け込んでくるリル。たった今、至高天全土に向けてロシエルが重大発表をするという映像がTVで流れたのだ。
ラジエルも、あれは亡くなったはずの吉良だと証言する。でも何故ロシエルと共にいるのか…
甦った事は不思議ではないと言うウリエル。
彼が真実ルシファーの魂を持つのならば…四大天使やロシエルを含む御前天使の魂は不滅に近いからだ。
たとえ肉体が滅び去ろうとも魂が朽ちる事はない。定められた符号が合えば再生させる事は可能。
ロシエルは何らかの方法でそれを手に入れ、意図的に彼を再生させ…
自分の都合のいいように「ルシファー」を創り出したのではないか。
例えば魔王としての力はそのままに、ただ「人間」だった頃の記憶を封じているとか…
その言葉に喜びを見せる刹那。
吉良朔夜としての記憶を失っているのなら、またそれを思い出させれば元に戻るのでは…?
566 :
2/5:2006/10/20(金) 00:07:19 ID:???
だがそれを否定し、満身創痍の加藤が現れる。組織神経が完全に切断されているのに無理をして動くなと怒る刹那だが…
あいつは何もかも知っていた、記憶なんか失ってはいないと言う加藤。
あの時…加藤の事を藁人形だと、死霊は死霊らしく土に還れと笑いながら言っていた。
記憶を失ってなどいない、全部わかってて本気で加藤を殺そうとしていた。
――少しも笑っていない あの冷たい無機質な灰色の瞳――
悔しげに吐き出す加藤の言葉を、黙って見つめることしかできない刹那…
その時突然、周辺のスクリーンのスイッチが自動的にオンになった。
天界中の回線という回線が強制的に放送を流していると仲間からの通信が入る。
至高天全土に流される映像…セヴォフタルタ亡き今、無機天使ロシエルが最高司令として就任すると…!
『誇り高き我が同胞よ このアダム・カダモンの血を引きし最高天使であるこの私が真実を告げようと思う
心して聞くがよい
まず先の天界裁判であきらかとなった事件…宰相セヴォフタルタは本物のセヴォフタルタの戸籍を盗んだニセモノであり
かつて ライラと呼ばれた堕天使であった事が判明した
私はセヴォフタルタの宰相降任を宣告に「白の館」へ向かったが すでにそこは叛乱組織「世界の魂」によって侵略されていた…
「世界の魂」は無差別に殺戮を行ない その惨状は目を覆う有様…!
彼らの目的であったセヴォフタルタは彼らによって拷問に合い…精神に異常をきたしていたのです
私は直ちに精鋭部隊を召集し 見事「世界の魂」よりメタトロンを奪回し セヴォフタルタを保護 テロリストどもを制圧した』
あまりなその発表に唖然とするラジエル。刹那も歯噛みしてそれを眺める。
民衆からは四大天使と救世使が逮捕されていないようだが、彼らを取り逃がして「世界の魂」を制圧したといえるのかと疑問が出る。
そこへ、この男が証拠だとロシエルが引き出したのは…ルシファーに殺されたはずの、同士ヴァシル!
彼は自らを「世界の魂」の統主と名乗り、ザフィケルの遺志を継ぎこの世の浄化の為に天界を手中にせんがため戦ってきたと言う。
そして拘束を解きロシエルに襲い掛かる…天界は我が組織の物、お前の様な古き血の使いなど目障りなだけだと…!
そんな彼を背後から真っ二つにするルシファーの姿…
567 :
3/5:2006/10/20(金) 00:12:08 ID:???
その様子にただロシエルを称える民衆。これからも邪悪なる者から天界をお守りくださいますように…
『約束しよう 私の愛しい者達よ
何度災厄がこの世に降り注ぎ神が我らを試そうとも 私は天上の道標となり我らの楽園の栄華のために悪しき魂をっていこう』
演説しながら、ただ自分だけを強く見つめて欲しいと刹那に願うロシエル。いや、アレクシエルに…!
死人さえも操り、まんまと「世界の魂」を悪者に仕立てたロシエルに怒りの収まらない面々。
何故ラジエルがいるのにヴァシルを統主と偽ったのか…説得力に欠けるからだとウリエルが言う。
画面栄えするいかにも悪人の様な屈強な男を必要とした。
「世界の魂」を悪の組織とアピールし、自分を天界を救った英雄にするために…
おそらくロシエルはセヴィーにとどめを刺す好機を、政権を手に入れるこの瞬間を虎視眈々と狙っていたのだ。ずっと…!
ザフィケルの…死んでいった同志達の理想をこんな風に踏みにじるなど許せないと激昂するラジエル。
だがあれはやはり先輩だったと呆ける刹那。ロシエルはわざと自分に見せていたのだ…!
ロシエルに休んだ方がいいのではと進言するカタン。このごろ少し痩せたようだと。
だが言いたい事ははっきり言えと言われ、ルシファーをそばに置くのは心配だと告げる。いつ暴走するかわからない…
あの男は創世神に成り代わろうと刃を向けた男。魔王に魅せられし者は自らの暗黒面(ダークサイド)に落ち、
その深淵に引き摺られると言うが…彼の瞳は、その深淵そのもの…
だが余計な心配だとロシエルは右手を示し、ルシファーはそこに恭しく口付ける。
お休みの時間だと言われ素直に去って行く…
この血水晶がある限り、彼の魂は主に従うしかないと服の下に仕込んだものを見せるロシエル。
剣だった間、彼がアレクシエルの虜だったように…
だが相手はかつての天地大戦の引き金となった大魔王、手綱を握るのは核弾頭を扱うような危険な賭けでは…?
血水晶のたった一片の欠片を手に、一体どうなっているのか困惑する刹那。
一人たたずむ加藤を発見し、彼も落ち込んでいるのかと声をかけようとするが…
壁を殴り、涙を零しながら悔しがる彼にかける言葉はない。
ただロシエルが許せない、必ず先輩を正気に戻し、お前を殺してやると決意を新たにするのだった。
568 :
4/5:2006/10/20(金) 00:14:22 ID:???
彼…彼女の様子はどうか。大分平静を取り戻し、前のように頬の烙印を掻きむしる事もしなくなった。
しかし皮肉なもの、彼女もまさかかつて自分が幽閉したジブリールと同じこの孤高離宮に入る運命とは…
窓は最上階の一つのみ、力を封じられた塔内では飛んで逃げる事もできない。
気になる事はあの腹の子、誰の子かもわからないが異常に成長が早い。
あれがかつて栄華を極めた宰相セヴォフタルタの姿とは、誰が想像しえたろう…
蔦の絡みついた孤高離宮の中、腹に手をのせたままぼんやりと椅子に座すライラ。
髪はかつてのように短く切られ、白いワンピースとショールに身を包み、頬の烙印にはガーゼが貼られている。
そこに、窓の外から歌が聞こえてきた。成長した蔦が歌っている、その声は知っている…
それはライラ自身の声。まだ全てを信じていた頃、自分の歌った…
『そう これは「哀しみの賛美歌(キリエ・レイソン)」 これは僕の記憶の中の初めての君の歌声…
礼拝堂で一人 その木漏れ陽の中唄う君の姿に 僕は目が離せなかった…ライラ…』
蔦に手を伸ばそうとしたライラの前に、窓から現れた男…
ライラは声ならぬ声で貴方を愛した事などなかったと告げる。
貴方の私を見る目はいつも一途すぎて私を怯えさせるだけだった、と…
だがそれは彼も気付いていた。ライラを守れなかったし、座天使長のように危険な魅力を持っているでもない。
だが君が知らないだけで、本当に禁欲的で美しい天使だったと言う。今も昔も…
無実の罪で羽落としとなり、魂は未練がましく彷徨って廃竜という姿を借りようとも…伝えたいばかりにやってきた。
あの男たちでさえ、それゆえライラに激しいいらだちを感じて行動してしまったのだと。
ただそれだけを伝えたかった…
だがこれ以上は入れないし、君に触れる事は叶わないと彼はライラに背を向けるようにして窓辺に座る。
貴方を死刑にした自分に恨み言を言いに来たのではないのか、何故入れないのかと問うライラ。
自分も君を壊した者の一人だから、君の中であの男達と自分が同じ存在になってしまうのなら、もう君を壊したくないと男は言う。
もう君を攫って飛べる翼もない…男の背は、切り落とされた羽の痕が痛々しく残るのみ。
それを目の当たりにしたライラは、涙をこぼしてただ彼の背に抱きついた。
569 :
5/5:2006/10/20(金) 00:15:14 ID:???
彼女を優しく抱きとめる、廃竜だった男…
ショールと幾枚かの羽根を残して、彼女は落ちていった。
真っ白い世界はどんなところか、自分も連れて行ってくれるのか…そう、無邪気に問いかけてきたメタトロン。
だが探していたものはここにあった…
ああ ここだったんだ
私の探していた ただ 羽根だけが舞い散る
白い 白い 真っ白の世界は…
「羽根を真っ赤に染めた ――白い鳥が一羽 逃げちゃった…」
自分の胎児(からだ)ごと潰れたが、まあいい。
代わりの女はいくらでもいる、と呟き血だらけの羽根を握りつぶすメタトロンの体のサンダルフォン。
例えば…メタトロンのお気に入りのジブリールは今眠っているから、サンダルフォンが体にいる間彼が会ったあの子…
そう――「サラ」に、あの子に僕の体を産んでもらおう…
「サラ」…「ムドウサラ」に、決めた…
GAME OVER
OR
> CONTINUE
天使禁猟区・至高天 創造界編/おわり
570 :
訂正:2006/10/20(金) 00:20:34 ID:???
>>567 3行目
×悪しき魂をっていこう
○悪しき魂を屠っていこう
正直セヴィーには複雑な思いがあるが
ラストは感動的だった。
この作者はこういうシーンがうまいなぁ。
ザフィケル死亡のときもだったけど個人的にツボにきてしょうがない
幽閉ライラ超綺麗だ…
ムドウサラ、君に決めた!
ゲットだぜ!
ちょwポケモソwww
セヴィーの罪はこれで有耶無耶か…と引っ掛かりを覚えるけど、
ライラには最後に救われて良かったなと思える。
同じ人間なのにな。
廃竜も気持ちが伝わって良かった。
そしてサンダルフォンが不気味だ。
次のターゲットは紗羅か…。
あれ?加藤生きてんの?
はぁ?何これ…
なんでセヴィーだけ幸せになってんの?今までしてきた事は?
まだ現在進行形で地獄の苦しみ味わってる人だっているんだよ。
サンダルに頼らず自殺してくれたらよかったのに。
579 :
マロン名無しさん:2006/10/20(金) 12:15:28 ID:Ps80gimY
サンダル…あんだけライラ愛してるとか言っておいて、
代わりの女はいくらでもいるとかちょっと腹たった。
ライラ発狂させといて…
でも幽閉ライラ確かに綺麗。完全に女になってたねー
そんなに幸せでもないんじゃない?>セヴィー
生きて救われたわけでもないし、
ライラとして見れば元々の事情が事情でもあるし。
というわけで普通に感動しました。
綺麗に終わったなーと。
発狂したのってロシエルに弱いか醜い女だか
本当のこと言われたからだと思ってた
あのままじゃサンダルフォン生んでたし、
今までの罪は帳消しにされてるし。羽落としでもない。
自分が求めてた白い世界を見つけられて幸せだよ。
自害は転生なしで、この先これ以上迷惑はかけないし。
本人変わる気ないのに、生きてられてもねえ。
まあ未だに苦しんでるだろうグールや標本のこと考えると複雑だけど。
流れ豚切りますが…
すっかり忘れてたが紗羅って物質界で
ロシエルと接触あったんだよな。
当然ながら吉良とも長年の付き合いがあって。
その辺が忘却の彼方だったので、紗羅が
「吉良先輩」とか「ロシエル…またあいつの」とか言うのに
違和感があった。
ライラにも救いがあるにはいいが、自害して幸せっていわれても・・・
これじゃあ最初から自殺してた方がよかったってことになる。
いろいろ愚かな選択をしたけど、必死でもがいてたんだろうにその「生」を全否定されてるよ。
綺麗に描いてあるけど、言ってることは残酷。
>>582 「自己破産」で業の支払いから逃げたようなもので、「帳消し」にはなってないと思う。
卑怯といわれてもしょうがない。
でもそれがライラなんだよね。
ザフィケルやロシエルが言うのも本当だし、自分は廃竜やメタトロンやアナエルが感じていたのも本当なんだと思う。
大きな敵だったこの人もこれで最後なんだなあ・・・
廃竜には良かったけど、一言でいいから自省か後悔の言葉が欲しかった
こんな空気読める口説き上手な奴、廃竜じゃNEEEEEEEEEEE!!
>>585 最初から自殺した方が
大多数に迷惑かけなくてよかったと思うよ
廃竜はやっぱり竜姿の方がかこいい
>>588 それを言ったらそもそもこの漫画自体がはじまらん
妊婦萌えという新たなジャンルを
ライラは羽根落としが良かった。
廃竜の切り落とされた羽の痕見て、
初めて自分のしたことの酷さがわかったんじゃないか。
それがわからなきゃ、いくら羽落としても意味がない。
わかったからこそ恥じて自害したんだと思う。
ライラは生前過剰な警備等からも死ぬことをとても嫌がってたようだし、
それを思えば自害は彼女にとって一番屈辱的なことだったんじゃないかな。
死後の世界が優しかったってのは、結果だし。
で、廃竜の本名は不明のまま?
羽切り落とされたらどれだけ痛いか身をもって知れるじゃん
生きながら腐って生き地獄
死後もまだ苦しくて共食いし続ける。
ヒスって羽落とし刑出してたし、針刺したり
弱者をトコトン痛めつけてたんだから。
おやおや穏やかじゃないねえ
メタトロンは無事でいるのだろうか?心配だ。
ロシエルにいびられていなければ良いが。サンダルフォンも悪戯してそうだ。
無事でもセヴィーと嫌な別れ方をしたままで、セヴィーが急に居なくなって寂しかろう。
でもライラの人生は結局サンダルフォンに狂わされたんだよな
あいつがいなきゃそもそも最初のレイープもなかったわけだし
サンダルフォンが背後から迫ってる時のライラ、頬の烙印の上に細いキズが見えるのだが
これが掻き毟った痕か? それとも印刷のヨゴレ?w
つうかどうせ生まれてきたら殺すくせになんで堕胎しないの
堕胎したらまたサンダルフォンがレイープしにくるかも知れない件…orz
堕胎したくてもできなかったんじゃないの?
ライラ自身はお腹のなかにいるサンダルフォンを恐れているようだったし
ロシエルはどうするつもりだったか知らないけど迂闊には手出しできなかったのかも
ところでライラって本当に自害するつもりだったのかな
自分には廃竜に抱きついたらうっかりすべり落ちちゃったようにしか見えなかった
レイプされたら羽落とし、なんつー世界を了承してる時点でアホぞろいなのに
キャラがてめえに都合のいい時だけズレた正義感を発揮して、萎える
>>598 全部サンダルフォンのせいって酷くない?
一回目のレイプは完全に加害者が悪いよ
>>601 私も自害とはちょっと思えない。
サンダルフォンの一件で精神が不安定になって、ふらふらといってしまった感じ。
死のうとかそんな気もなかったんじゃないか?
廃竜もライラが見た幻…にも見えるな。
そこまで間抜けかな
わかっていて、窓の外でも構わず飛びついたって感じがする
廃竜が羽落としで死んだことは認識してるし、一緒に行きたかったんじゃ
「ああ、ここだったんだ」がとても落ち着いていて、意識して死んだ人の感想みたいだし
でも特殊な力でもない限り、死人が目に見えるって変だよね
> ところでライラって本当に自害するつもりだったのかな
> 自分には廃竜に抱きついたらうっかりすべり落ちちゃったようにしか見えなかった
禿同。自分もそう見えた。たまたま下に何もなくて…みたいな
ライラは感情で暴走するタイプだしな。ここ読んでると両方あり得ると思ってしまう。
結局セヴィーは自滅で、ルシファーまで手に入れたロシエルの一人勝ち、
サンダルはキモい、が今の状況か。
ラスボスはどれだ?
・普通にロシエル
・ロシエルを倒したサンダルフォン
・ロシエルを倒したルシファー
・他のキャラ
てか、次章で最後だよね?
609 :
1/5:2006/10/23(月) 00:00:49 ID:???
どうやって行ったのか、第五天マティの大地で気を失っていたのを発見したとの報告。
――それから、中空回廊に収監されていた永久流刑者セヴォフタルタ…ライラが自害したとのこと。
首輪でアストラル力を封じられていたので、飛べない翼でもって窓から身を投げたと…!
天使禁猟区 至高天 神性界編 受胎告知 ACT.1
あのおもちゃを壊したのは自分だから知っていた、とカタンの報告に答えるロシエル。
それより、メタトロンはちゃんと特別室へ通しただろうか、前より格段に悪ガキになっているハズだから…
はじめに言(ことば)があり 神は言われた 「光あれ」と
そうして光が生まれた
されど闇の魂が言う 「光去ね」と
世界は一瞬にして闇に包まれる
それがこの世の初めにありき物 光と闇の相関図――
ルシファーの握りつぶした白い鳥が、一瞬で魔鳥へと変貌する。
そんな鳥に囲まれた彼を、ロシエルに乞われて呼びに来たカタン。
さっきから監視していた事を気付いていた風ながら嫌味をいうでもなく無関心、不気味な男だと思う。
やはり何を考えているのかわからない、そしてとてつもなく危険…
ロシエルはルシファーを面白い物を見せてあげると誘った。
スープを食べさせようとするシスターに、ここから出してほしいと懇願するメタトロン。
このままじゃロシエルに閉じ込められたまま…だが彼女は口を開かない。
セヴィーがいなくなってからここに閉じ込められたまま一人ぼっち…セヴィーに会いたいと泣くメタトロン。
そんな彼を不憫に思ったシスターが優しく触れようとしたところで、メタトロンが襲い掛かる!
だが彼女はA.I.ドールだった…メタトロンは悔しげに舌打ちする。
610 :
2/5:2006/10/23(月) 00:01:41 ID:???
そこへ、君の能力は熟知しているからと言いながらルシファーを伴ってロシエルが現れる。
他人の夢…レム睡眠時の意識体に接触し自我や力を自分の中に取り込む、貘のような「悪夢喰い」の能力…!
だからこそここには一切の生体エネルギーも近寄らせないと、メタトロンの中のサンダルフォンに語りかける。
悔しげに顔を歪めたサンダルフォンの眼が赤く変貌する…
「揺り籠」の本体の封印を解いたものの、あの体では自由に動き回れないしメタトロンの体では実力が出し切れない。
だからセヴィーに自分の新しい体を産ませ乗り移ろうとしたが、自殺されてパァ。
あきらめて本体に戻ればいいと言うロシエル、あれが本当の姿なのだから。次は一体誰を憐れな母親にするつもりか…
そんな彼の言葉に、生まれながらに美しいお前に何がわかるのかと激昂するサンダルフォン。
あんな培養液の中でしか生きられない巨大な肉塊が本当の姿だなどと…
自分は確かに生まれ出でる前父たる創世神の啓示を受けたのだ。
「汝こそは全能なる小YHWH この世に君臨するために生まれ出でる者」
だから自分の上に座すものがあってはならない、有機も無機もこの効力の前に平伏すのだと。
そのむき出しの感情、あけすけな純粋なる憎悪、子供独特の残虐性…まさにアイオーンの子供達の王だとロシエルは思う。
きっと新しい体を手に入れると言うサンダルフォン、ジブリールだったサラというあの子、彼女なら母にふさわしい…
自分の体を手に入れたならお前も喰ってやるという彼に、楽しみだとロシエルは無表情で告げた。
生まれながらに美しい体…お前にもそう見えるだろうとルシファーに訊ねるロシエル。
なんたって愛するアレクシエルと同じ顔…
それにしてもサラに目をつけるなど…お似合いだと思うとルシファーに抱きつきながら薄く笑う。
どうしてこんな事になったのか、加藤のベッドの脇で頭を抱える刹那。
加藤は考えてもどうしようもない、あいつをとっ捕まえて聞き出すしかないと言う。
傷口が塞がらないらしい彼を心配する刹那だが、会議があると呼び出されてしまう。
後でまた来ると言う刹那に必要ないと言う加藤だが、刹那はそれでも来ると言った。
あの様子ならバレている、この体がもうヤバい事。切られた細胞が根付かず全て死に絶えている…
あいつは本当に本気だったのだ…
611 :
3/5:2006/10/23(月) 00:02:44 ID:???
会議によればラファエルの居所がわかったらしい。
地獄との小競り合いも続き、まさに第三次天地大戦も近い一触即発の状態。
しかし戦争が始まれば新政権を敵とする「世界の魂」の立場も微妙になる。
メタトロンまで手中にしたロシエルの新体制は絶大な勢力だからだ。
問題としては敵の敵である悪魔を味方とすべきか否か…
とにかくウリエルは兄弟とも言える四大天使のラファエルやミカエルと話し合いを持とうと思っているそうだ。
ラファエルはジブリールの本体と、地上より持ち出した無道紗羅を保護していると言う。
そこまで聞いた刹那は、ラファエルが紗羅を蘇生させた事を悟る。
刹那も話し合いに同行する事が決まるが、彼が彼女を連れてくるか、大人しく刹那に渡すかはわからない…
今度こそあんなキザ男には渡さないと誓う刹那。
ラファエルはミカエルと通信中。いつまでも先送りにできる話ではないと言う。
だがミカエルは悪魔と馴れ合う気はさらさらない。
だがこのままロシエルの天下にしておくのも不本意だと言うラファエル。
あの男が天界の繁栄を望んでいるとは思えない、もしかしたら魔王となったルシファーよりもいかれていると。
かつての彼と今の彼では違いすぎる。長い時を経て少しずつ、微笑みながら変化していった。外見と共にその魂も…
そこへ突然現れた紗羅を、関係ない話だからと追い出すラファエル。
ミカエルは救世使が来る事を知らせないつもりだと気付く。
お前にしてはえらい弱気で姑息で汚い手、気に入らないと一方的に通信を切断した。
ミカエルとラファエルは正反対なのにいつも一緒にいておもしろいと言う紗羅。
昔から彼はあんな感じなのかとラファエルに問う。
何万年も、この世に生まれ落ちた創世記よりあいつは何も変わらないという。
あいつだけが唯一不変な、変えてはならないもの…
612 :
4/5:2006/10/23(月) 00:04:13 ID:???
初めから四大天使として高い位を約束されたラファエルが巻き込まれた天界屈指の大スキャンダル。
何も知らなかった頃の彼を根底から変えた…
第一次天地大戦前、前任の副官だったベリアルという女天使の起こした事件。
彼女の嫌疑は医療館内の高官大量薬殺疑惑、院内のモラルを著しく乱し洗脳、ルシファーの信奉者たる堕天使を扇動した疑い。
天使たる者の正体とその弱さを、真実を知ることになったあの頃…
幼い頃のラファエルは、微かな笑い声が聞こえた部屋を扉の隙間からのぞき見る。
そこには絡み合うベリアルと、女性の姿…
覗きをするなんてと開き直るベリアルに、副官ともあろうものが神聖な職場で何をするかと激昂するラファエル。
だが貴方の方が罪人のように震えていると彼女は笑う。
「女がお嫌い? 清廉潔白な四大天使ラファエル様」
それとも怖いのか…快楽に溺れ堕落を望む、自分の真実の姿と知らしめられるのが…
天界に汚名を残すそのスキャンダルを世間に公表し、ベリアルはルシファーの元へ走り七君主と呼ばれる大悪魔となり堕天した。
その責任を被ったのは最高責任者であったラファエル。世間からの避難や嫌疑、誹謗中傷の数々…
それまでの四大天使としての羨望と畏怖の眼差しなど全て幻、この世にたった一人で孤立したと感じるラファエル。
だがそこへいつもと変わらず壁を破って登場したミカエル。警備兵に追われているからちょっと匿えとハイテンションだ。
ラファエルが周りになんと言われようと別に慰めようとしたり様子を見に来たわけでもない。
ただ彼の中ではそんなの全く関係ないというだけ。
だからラファエルは大丈夫だと思った。ミカエルさえ自分を見捨てなければ、この無情に永い年月も生きていけると…
ラファエルにとってミカエルは無垢で神聖で、無敵で…そして永遠。
だから唯一彼を変えてしまう存在、ルシファーが許せなかった。遠ざけようとしたのだ。
もう彼が苦しみ壊れ、手の届かない程遠くへ行ってしまうのを見ていたくなくて…
だが、彼が傷つくのを避けるために真実にフタをしても事態は変わらないと紗羅は言う。
むしろそれに触れた時、彼が克服するために苦しんでいる時に助けてあげるのが親友ではないのかと。
彼がラファエルを本当に必要とするのはその時ではないのか…?
613 :
5/5:2006/10/23(月) 00:05:28 ID:???
臆面もなく偽善的な言葉を吐く。でも彼らは思ったことを口にしているだけ。
真っ直ぐに人を見つめる事のできる真実を映し出す瞳…大ウソツキのラファエルがウソのつけなくなる、ミカエルと同じ種類の…
何か用があったのではと問うラファエルに、いつまでも自分とリルがいたら迷惑になると思うと言う紗羅。
だから一度身を寄せたあのザフィケルの組織に行こうと思っていると。あそこなら刹那の情報も入るだろう。
このままではラファエルはずっと自分達のせいで逃亡生活をしなければならない。
してもらった事は本当に感謝している。言い尽くせない程…
だからこそこれ以上危ない目には合わせられない。
だが、行かせない、出て行く必要はないとラファエルは紗羅を抱きしめた。
「俺が…「君を愛してる…救世使には渡さない」と言ったら…?」
メタトロンの幽閉されている部屋の、上部に設置された小さな窓から下級悪魔である鳥が覗いていた。
何故こんな所にいるのか…?
何もしないからおいでとその鳥を呼び寄せる。ここは誰もいなくて寂しかったと…
そう、何もしない…メタトロンは!
サンダルフォンはその鳥に乗り移った。単純な脳細胞だが使えないことはないのだ。
その姿のまま飛び回り…居眠りをしている見張りの男に更に乗り移る。
そして、セキュリティを解除する…!
一刻も早くここを出て、そしてあの娘に会わなければ。あの子…サラに、体を産んでもらわなきゃ…
サンダルフォンにとって人の夢…特に悪夢における最も無防備な無意識体に侵入し侵食する。
それは「悪夢喰らい」の領域(テリトリー)…
昔のベリ子さんキター
ラファエルって意外に状況に流されやすいな
頼むから、これで女性不信とかいうな
サンダルフォン、意外と簡単に脱出したな
もうちょっとロシエルとやりあうかと思ってたが
でもサンダルの乗り移った鳥ってルシファーが作ってた悪魔鳥だよね
わざとなんじゃね?
ロシエルって紗羅嫌いだし
あの窓の外にいた廃竜タンはロシエルだったのか…?!
発狂させた後さよならのキスしてたのに
その後同じように化けて出るかなぁ
さすがのロシエル様も廃竜の事なんか知らなさそうなイマゲだが
狂って自殺しただけだと思ってるんではないかと
孤高離宮に絡み付いてた蔦って廃竜の鱗だった種から発芽したものだし、あれがロシエルってこたーないじゃろ
廃竜は熱血バカだが、ライラ殺そうなんて思わないだろ
嫌みったらしく羽痕見せたりして、さりげなく外に誘ってるよ
ラファエルの過去話くだらなかった
あれがロシエルだったら鱗の伏線がパァだし何よりロシエル嫌いになりそうだから漏れはあれは廃竜だと思うことにするよ
ライラが死んだのはただの結果
そうする事で救われてるし
ベリ子さん、女にも手出してたんだなあ。
実は廃竜はライラを恨んで呪っていたとか
で、ツタの想いから気づいたロッシーは羽落とす変わりに幽閉して、
廃竜をちょっと手伝ってやったと
サンダルフォン産まれたらやっかいだし、ロッシーは女には冷たいからね
でもセヴィーは多分あのまま生き続けるよりも幸せな終わり方をしたんだよね
自分のやってきたことの責任も取らされなかったし、おそらく苦しみもなかっただろうし
そう考えると、もしあれが本物の廃竜だったら恨みで動いてたわけじゃないと思うんだ
…結果的には良かったけど、廃竜またうっかり出てきてライラ殺しちゃった?
サンダルフォンが体を手にしたら、本気でロシエルと戦うつもりなのかな
メタトロンとサンダルフォンはアレクとロシエルに対抗するために作られたらしいし
新生サンダルフォンVSロシエルと、セヴィー死亡でおかしくなったメタトロンVS刹那とか
そんなんになるんだろうか
メタに力は無いそうなので刹那と対決は無いと思う
629 :
627:2006/10/24(火) 22:54:57 ID:???
ごめん、言ってることわけ分からんね
もし廃竜がライラに恨みを持ってたら、自分が出て行ってライラに自殺を促すよりも
生かしたまま長く苦しませたい、と考えるんじゃないかと思った。
そうしなかったって事は憎しみなどなく本当に伝えたいことがあって思わずライラの前に飛び出してったら
ライラが自分に着いてきて窓から落ちて死んでしまったのでは、って事が言いたかったんです、申し訳ない
ニドヘッグはライラに自分の理想の女性像を
すっぽり当てはめちゃったのかね
綺麗って言ってたけどライラの汚い部分知らないし。
>>630 廃竜はライラに訴えられて羽根まで切られているじゃないか・・・。
それでもライラが好きなんだよヤツは。
自分もロシエルがライラの身投げに関してやったことは、
窓開けておいて、ライラの拘束をさせなかったぐらいじゃないかと思っている。
632 :
1/4:2006/10/25(水) 00:14:37 ID:???
残骸となった鳥と男の死体を後にサンダルフォンは飛び立った。
「サラ」に子供を産ませ、新王「サンダルフォン」として生まれ変わる。
ロシエルを殺すその日を心に誓いながら…
受胎告知 ACT.2
サンダルフォンの姿を確認し、ルシファーを出動させるロシエル。
あの女を代理母に選ぶなどいい趣味だと笑いながら…
ラファエルを振り払う紗羅。裁判の時もそう、自分をからかって悪ふざけが過ぎると言う。
あの時は喉を治療したのを隠すためだったが…
それにラファエルの周りには綺麗な人がいっぱいいるし、自分なんか相手にするはずはない。
確かに自分の相手の中に君のような子供はいなかったと言うラファエル。
本気かどうかもわからないお子様が愛だ恋だと叫ぶなど、ガキのお遊び程度の恋愛ゴッコとしか思えない。
その言葉に、自分と刹那の事を笑っているのかと怒る紗羅。
エゴイスティックで一方的な自己完結型擬似恋愛だと切り捨てるラファエル。
だから相手の気持ちなど関係なく自分の命を犠牲にしたりする。
残された者の気持ちなんか関係ない、自分の満足の為に相手の命を救っただけだと。
相手を自分だけの呪縛で縛りたいただの独占欲…自分の気持ちに気付かずその子をいじめて泣かせる子供と同じ。
相手の痛みより自分の痛みを遠ざける、そんな君に他人の心などわからないと!
無邪気で、それ故罪深い残酷な子供の遊戯。そして泣かせて追いつめて始めて自分の気持ちに気付く、今の自分のように…!
泣き出した紗羅に、それ以上何も言えないラファエル。
泣かしたいわけではない、だがこの娘にはいつもの甘いセリフやもったいつけた駆け引き、心にもない美辞麗句が出てこない。
自分の何かを狂わせる…
感情のコントロールがきかない、目頭が熱くて心拍数が上がる。病気だと思うラファエル。
どんなワクチンも処方箋も、無効――
もし、救世使が死んだら自分のものになるか問うラファエル。紗羅がその意味を理解する前にその指輪を奪った。
そしてその部屋へ…紗羅を閉じ込めた。
633 :
2/4:2006/10/25(水) 00:17:00 ID:???
指輪を握りつぶし、ここを出て行く必要はなくなると呟くラファエル。
救世使の元へは返さない、だからこんな壊れた指輪も必要ない。
奴とケリをつけて帰ったらすぐに出してやると…
子供なら子供らしく、宝物は宝箱に入れて鍵をかけ、自分だけの物にしてしまえばいい…!
出かけるからと、リルを共に連れて行くラファエル。それは紗羅の命令だと嘘までついて。
部屋の窓からメルカバで出て行くラファエルとリルを見て愕然とする紗羅。
リルが自分を助けないように連れて行ったのだと悟ったのだ。
だが一体どこへ…ケリとつけるとは何のことか。
「もし救世使いが死んだら…」
まさか、刹那に会いに行くのだろうか…!!?
時間には約束通りラファエルが…1人で現れた。
ミカエルとは一心同体ではないので、彼が来るか来ないかは彼の自由だ。
睨みあう刹那とラファエル…単刀直入にジブリールは一緒ではないのかと問う刹那。四大天使同志の話し合いでは…?
それを言うならお前が部外者だと言うラファエル。真の救世使なら無様に片目と片羽を潰されるなど有り得ないと。
怒りかけた刹那を止め、理性的に話し合おうと言うウリエル。彼女が彼の元で保護されているならばいい。
それにジブリールは無道紗羅として生きているのだから四大天使としては不在のようなもの…
その言葉に、確かに彼女には水の天使としての自覚も能力もまるでないと思うラファエル。
だが一度だけ使えないはずの力を発動させたことがある…本来なら失敗するはずだった地上での救世使いの体を蘇生させる儀式において――
まさにあれは奇跡、あまりに強い願いと精神力が起こした神事。こんなガキ一人のために――
暗黒帝国軍との連絡は拒否されたままだと言うウリエルに、当然だろうと返すラファエル。
あれは命ある限り神を憎み神の子等を屠り続ける。
そして来るべきグランド・クロス――神の門が開くと言われるその日にこそ、永きに渡る聖戦に決着をつけるつもりだろう。
天と地の最後の戦い、第三次天地大戦が始まる――
634 :
3/4:2006/10/25(水) 00:18:19 ID:???
地水火風 万物たる第一質料(プリマ・マテリア)を統べる者と、この至純世界をとりまく宇宙を構成する5番目の元素、
アレクシエルの自然無限物質(エーテル)とロシエルの電磁場無限物質(アカシヤ)の力が揃って、初めて天国の門…エテメナンキが開かれる。
そして神の塔を征服したる者こそ全能たる力を手中にする…つまり神となるということ。
創世神が隠れてからはるかな時が流れた。
眠りについているというのはセヴィーのニセ情報だったと判明している。
神の身に何が起きたかは不明だが、いつしかエテメナンキに受け入れられた者がこの世を支配できると囁かれ始めたのだ。
この世の理も他人の運命も、時の流れも自由自在に操れる。
自分こそがこの世の真理、世界の覇王。どんな世界も思うがまま。
天界も地獄も血眼で救世使を欲しがるのはその為。
アレクシエルとロシエルは神の塔の「鍵」なのだ。
そしてエテメナンキには地球の時間を止めたアダム・カダモンが閉じ込められている。
彼の力はもう尽きる寸前に見えた――悪魔や天使よりも早くエテメナンキを見つけ出さなければと思う刹那。
彼を救えなければ時が動き出し地球は終末を迎える…そんな事にはさせない!
必死で戦ってきた全てが無意味になる前に――!!!
だが協力を請うウリエルを素気無く断るラファエル。君達ほど物質界を大事に思っていないと。
第一人間を守る意味などあるのだろうか、文明(エゴ)のために大地を削り、空気を汚した愚かなサル共…これ以上導いてやる事など不用。
誰かが手を下さなくともいずれ自滅の道を辿る、ならばいっそ全てを無にして地球創世をやり直すのも名案かもしれない…
そこまで言った彼を何様のつもりだと殴りつける刹那。
お前達天使が一体自分達をどう導いてくれたというのか、ふんぞり返って半目で上から眺めていただけだ。
そういう感情的で単細胞な所も嫌いな要因だと、刹那に膝蹴りをかますラファエル。
こんな時に何をやっているのか、ウリエルが止めるのも聞かず、二人はヒートアップする――!
635 :
4/4:2006/10/25(水) 00:20:07 ID:???
食事を運んできた「世界の魂」の女性は、そこに加藤の姿がないことに愕然とする。
今動かしたらあの体は死んでしまう…!
加藤はリウェトの元へ来ていた。
表情を変えずに何の用だと訊く彼に、土産だと言って崩れ落ちた腕を投げつける。
約束のものの一割、少し鮮度は悪いが…
好きにさせてやると言っている。モルモットでもなんでも。
その代わり――
サンダルフォンを止めようとメタトロンの声がする。
サラをいじめないで、セヴィーにしたみたいにつぶすつもりなのかと。
双子なのに何の力もないのだから眠っていればいいと返すサンダルフォン。
だがもうさせない、誰も壊させない。サラに大事な事を教えてもらったのだから。
自分の心をちゃんと見て、それをちゃんと真っ直ぐ伝える。一人でも戦える…!
『悪いこのきみのおもうとおりになんかさせないもん いたずらっこのサンダルフォン!!!』
怒ったサンダルフォンは体を手に入れたら真っ先に君を喰ってやると言った。
それにもう無駄、見つけたから…
血が出るほど叩いても、ドアもガラスもキズ一つつかない。
助けを呼ぼうにもリルも誰もいない…
どうすればいいのか、絶望にうずくまる紗羅は窓の外に何かの影を見た。
次の瞬間――砕け散る窓ガラス。
飛び込んできたサンダルフォンが、紗羅の意識を奪った。
「ホーラ つかまえた 僕の新しい…ママ…!」
だんだんラファエルにはらたってきた
あーなんだかなぁ…。
刹那に色々言ってるけど、ラファエルの方が感情的のような。
サンダルフォンのこと知らないとはいえ、沙羅を窮地に追いやってるし。
これで紗羅がサンダルフォンに襲われたら
本当にラファエルの立つ瀬がないんで、メタトロンがんばれ。
エーテルとアカシヤか…有機と無機ってなんじゃと思ってたからちょとスキーリ
でもエーテルってないんだよね?
七支刀が「この世に存在しない物質」エーテルで出来てる、と
前に説明があったかと。
それよりも、
前回紗羅が付けてたヘアピンが消えてるのが気になって仕方ない
640 :
マロン名無しさん:2006/10/25(水) 15:56:02 ID:fUW+H+Cn
(ノ∀`)アチャー
ヘアピン落ちちゃったんだよ
>>639 実際ナナツサヤあるから
この世って地球上に存在しない物質という意味かな
なるほど、昔信じられていた宇宙空間に満ちている物質という意味ではないのだね
644 :
642:2006/10/25(水) 23:06:25 ID:???
そういう意味だったんだ
変な事かいてごめん
で、また加藤は復活するの?
アバドンじゃないけどほんとに耐久消費材だな……。
ロシエルといいルシファーといい、上級天使や上級悪魔は
細胞を死滅させる毒でも持ってんのかね?
647 :
1/3:2006/10/27(金) 00:11:42 ID:???
受胎告知 ACT.3
あのラファエルが女1人に血迷っている事に苛立つミカエル。
確かに調子の狂う女だが、あの女が力ずくで言いなりになるわけがない。
かつてラファエルにかけられた言葉…どっちがバカだかとこぼす。
どこへも行かないと告げられた、言葉…
この大事な時になにをやっているのかと怒鳴るウリエルだが、刹那もラファエルもそれを聞かずまだ殴りあう。
その時、ラファエルが何かを落とした。それは、刹那が紗羅に買った指輪…
何故それを彼が持っているのか。紗羅に何をしたのか。
がなる刹那に傲慢だと言うラファエル。何故そんなものをムリヤリ取り上げなければいけないのか。
そんな安物のシュミの悪い割れた指輪など…
彼女自ら捨ててくれと頼んだと言えば、そのあきれた自信過剰にも罅が入るだろうか?
揶揄する彼に何がわかると胸倉を掴む刹那。
いい加減に我慢の限界がきたウリエルが堪忍袋の緒を切らそうとした瞬間! 辺り一面の大爆発。ミカエルだ。
大の男がよってたかってくだらない事を、これのどこが真剣な話し合いか。
それが地球を救おうという救世使と御前天使のする事か!
その攻撃で壊れたドアから、何事かとリルが飛び出して来た。
刹那は彼女が紗羅の身代わりになっていた少女だと思い出し、リルは刹那がシスターのドレスを着ていた事まで思い出す。
でもそれならば貴方が刹那かと…紗羅はいつも刹那の事を話していた。
その時はとても楽しそうで夢見るように幸せそうだった。
いつかリルに会わせるためにも、早く会えるよう神にお願いしていると言っていた…きっと今でも待っている…
ミカエルはラファエルが紗羅を置き去りにしてきた事に気が付き、刹那がその事に怒る前に…彼を殴りつけた。
紗羅にも、ミカエルにも、真実に目を背けるなと偉そうに言っていたくせに。
これ以上お前らしくない行動をしたら…よーく考えてちゃんと答えろと。
648 :
2/3:2006/10/27(金) 00:13:23 ID:???
もしミカエルが自分を見捨てたら、粉々に砕け散るのだろうか…
ラファエルは誰の目も見ず、自分になびかない女なんて許せなかっただけだと言う。
あんまり刹那 刹那とうるさいからムリヤリ指輪を抜き取り、隠れ家に閉じ込めてきたのだと。
座標はウリエルが知っているはずだから、早く迎えに行ってやれと…
刹那はそれが真実ではないと気付いていたが、気付かないフリをした。――彼のために。
ウリエルとリルとメルカバに向かいながら、紗羅を助けてくれた礼だけをただ述べた。
落ち込むラファエルに最後まで見届けに行くと声をかけるミカエル。
「俺様が 一緒にいてやっからよォ」
気絶した紗羅を見下ろし不気味に笑うサンダルフォン。
陽に透ける長い睫、血色のいいピンクの若い肌…一瞬にしか輝かない短い生の「人間」の、だからこその貴重な美しさ。
今度はもうライラのように失敗はしない。
紗羅の眼前に手をかざし…ゆっくりとその意識に侵食していく。
さあ…何が視える…?
何故そんな一番苦しい時のままの姿をずっと見せているのか…イエスの磔像を見上げ涙を流す幼少の紗羅。
本当に彼は神の子として生まれたかったのだろうか。
誰かのためにそんな姿になったまま堪えているのか…どうして誰も助けてあげないのかと。
誰かの為にこの身を投げ出す、それはまるで愛の殉教――
だが残された方の心は? 自分のエゴのために相手の気持ちを犠牲にしたと言ったラファエル。
振り捨ててきた、母――
汚れた心臓を切り捨てねば神の国には入れない。でもその汚れた心臓こそが全てだとしたら――?
泣く紗羅を呼ぶ声がする。彼女を責め立てていたシスター達は幻のように溶けて消えた。
全部夢だ、悪い夢はみんな喰ってやった。今度は見たい夢を見せてあげると言う、影が一つ。
見たい夢…会いたい人…それは、刹那…!
649 :
3/3:2006/10/27(金) 00:14:17 ID:???
何もかも元通り、時間も動き、街も人々もいつもと変わらず活動している。
みんな夢だった…確かにあれではまるでラッパを吹き鳴らし地上の週末を告げる、古い書物のシナリオ通りだ。
もう、離さないでと刹那にキスをする紗羅…
涙を流して縋りつく彼女を抱きしめ、僕なりに君を愛していると呟くサンダルフォン…!
その姿を見ている、ルシファー。
ロシエルもサンダルフォンの本体を見上げ、悪い子にはおしおきが必要だと笑っていた。
ラファエルの隠れ家へ到着したウリエル達は、重苦しい空気に様子がおかしい事を感じとった。
心配するリルを促し、刹那も駆け出す。
紗羅は子供の声を聞いた。
眠ったらだめだ、あいつに食べられてしまう。それが誰かをちゃんと視て!
一瞬反応した紗羅を訝る、抱き合っていた影…
そして、部屋の扉を開けて入ってきた、刹那…!
刹那が見たもの…6枚の羽根を持つ天使に押し倒された紗羅の姿…
650 :
訂正:2006/10/27(金) 00:24:49 ID:???
このまま紗羅はやられてしまうのか刹那が助けるのか…
まあタイトルが受胎告知だからしてやられちゃう気はするんだが
しかし、受胎告知の天使のガブリエル自らやられるとは皮肉な話だがな
またレイープか・・・
さすがに今回は現場に刹那が居合わせてるから未遂ですみそうな気はするが
…この作者結構えげつない事するからなぁ
サンダルフォン本体あんなところでなにやってんだww
中身がいなくなってるから寝てるような状態なんじゃないのん
培養液の中でしか生きられないらしいし
ミカエルの大爆発、ウリエルも吹っ飛ばしてるのワロス
こういうポジションなんだな
ミカエルよくやった
紗羅はどうなるか…
久しぶりにキレたウリーが見られるのかと
少々期待したんだが、結局ミカエルだったか…
ラストページ衝撃…
自分も刹那来たし大丈夫かなとも思うけど
やっぱ作者が作者なだけに安心できない
今回超打たれ弱いラファエルにとっては良い経験だろうけど、刹那間に合ったかどうか
661 :
1/3:2006/10/29(日) 00:02:33 ID:???
受胎告知 ACT.4
ずっと会いたかった刹那。自分から手を離した事はあっても、いつだって好きだった。
ずっとこの日を待っていた…願っていた。やっと来てくれたのに、それなのに…
何故、刹那が二人もいるのか――?
邪魔などさせないと、力を解放させたサンダルフォンの体中に目が浮き出る。
追いついたウリエルは、それがサンダルフォンである事に気が付いた。
6枚の羽根に孔雀色の髪、遍く無数の赤い瞳…メタトロンの双子の弟、熾天使サンダルフォン!
七支刀の反応から、あの時セヴィーの後ろに見えた化物と同じ波動だと気付く刹那。
紗羅をどうする気かと七支刀を構える。
もう眠り続ける必要はなくなる…この娘が自分の胎児を産めばその体に乗り移る事ができると言うサンダルフォン。
この娘は体を産んでくれる聖母、誰にも私はしない。セヴィーの様に失敗してはたまらない
その言葉から、セヴィー…ライラを妊娠させ発狂に追い込んだのが彼の仕業だと刹那は気付く。
だが以前こいつには七支刀がきかなかった、どうすれば紗羅を傷つけずにあいつを倒すことができるだろうか…
『眼だ』
悩む刹那の頭に突然、声が響く。無数の眼の中に唯一の瞳ならぬ瞳があり、それこそが力の源だと。
その声は確か…!!
その時ウリエルが木の根を使ってサンダルフォンの動きを封じる。
「瞳ならぬ瞳」の意味がわからないながらも向かって言った刹那は、サンダルフォンに傷をつける事に成功した。
あの時七支刀を弾き返されたのはきかなかったわけではなく、彼がこの刀の力を恐れているだけだ。
だからこそ全身の力で撥ね退けた。
そして今の七支刀…吉良が抜けたはずのその剣が、かつてない程の邪悪な気に満ちている。
目に見えない力で操られているかのような、溢れ出す妖気、制御しきれない程の膨大なエネルギー!
今までにない程の七支刀との一体感――!!!
662 :
2/3:2006/10/29(日) 00:04:29 ID:???
その時、メタトロンの声が響く。
サンダルフォンはどの目よりもここで世界を見る…そして額に浮かび上がる、六角形の星と目を象ったような紋様。
あれが瞳ならぬ瞳かと、刹那は七支刀を振りかざす!
片羽を失った救世使一人の力ではなく、太古の古き蛇の怨念の塊、長きに渡る憎悪の渦が、サンダルフォンの力を凌駕する…!!!
やはりあの男は役に立つだろうと呟くロシエル。
その眼前ではサンダルフォンの本体も苦しみのた打ち回っていた。
ロシエルはそれを憐れだと言う…自分の本当の姿が疎ましくて憎くてたまらない。
認めるのはあまりにも辛く、生まれ変われるのなら生まれ変わりたい。
どんな事をしても、どんな犠牲を払っても…!
その化物の気持ちが痛いほどよくわかると言う。
醜い肉体にふさわしい狂った魂、それに似つかわしくないあり余る強大な力。
ロシエルとアレクシエル、ミカエルとルシファーの様な双子の…
対を成し対極の力を持つ神の手に余る問題児達をまた作り出さない為にも、
メタトロンとサンダルフォンの双子には新しいシステムが遺伝子レベルで組み込まれている。
他の双子と違いメタトロンには一見何の力もないように見える。
ならば何故、幼い子供の姿のまま絶対年齢として永き時を生き続けたのか?
そう、背後に近付いていたカタンに語りかける。
彼には彼の役目があった。それこそがサンダルフォン暴走の際の最後の手段、最大の歯止め。封印のための鍵――
ラファエルと共に向かっていたミカエルは、兄の波動を感じ取る…!
このままでは負ける。だが彼女だけは渡してはなるものかとサンダルフォンは最後の力で刹那を吹き飛ばす。
その時、指輪が零れ落ちた…
サンダルフォンも紗羅の意識に同化した事であの指輪の意味を知っていた。
あの娘の大事な思い出…思いの結晶…!!
刹那もサンダルフォンも、指輪に手を伸ばす――!
663 :
3/3:2006/10/29(日) 00:07:05 ID:???
さっきまで刹那と一緒だったのにここはどこだろう…
でも二人も刹那がいたなんて変だ。
どっちが本物かわからなかった…あんなに会いたいと思っていたのに…
でもそんな事はない。今度こそちゃんと本物を探し出す。自分にわからないはずがない。
掛替えのない刹那との思い出があるのだから…
少しずつ周りが見えてきた。また夢を見ていたのだろうか。
誰かが来る、今度こそちゃんと見なければ。きっとわかる。今度こそ間違えない。
彼の持つ、あの赤い指輪…そして…
「探させやがって…!! 痛いとこないか? 紗羅…!?」
刹那のいつもの口癖。
間違えなかった…紗羅は笑顔で抱きついた。
それは大きく開いた口の中の眼で見つめる、サンダルフォン…!
弾き飛ばされ、紗羅の名を呼ぶ刹那はメタトロンの姿を見つけた。
これが本来の姿だとウリエルが言う。
彼にはまだ息がある…完全に倒したわけではない。サンダルフォンは恐らく本体の方へ退散しただけだ。
メタトロンの体で戦うのには限界があったのだろう。
彼の傷はみるみるうちに治っていく。恐ろしい生命力だとウリエルは言う。
そして刹那は笑顔で座り込む紗羅の姿を発見した。
意識のない彼女に、優しく迎えに来たと呼びかける…
だが紗羅は悲鳴を上げ、刹那を化物と呼んだ。
「いくらうまく刹那に化けたつもりでもダメよ 私にはわかる…!
私の大事な赤い目の赤ちゃんに触らないで…!」
>>661 下から6行目
×向かって言った ○向かって行った
紗羅イっちゃったな
サンダルフォン強い
うわー……
あれだけの力が集まって撃退したから
ヤッタ救われた!と思ったのに
667 :
マロン名無しさん:2006/10/29(日) 01:12:48 ID:cfOhHT4Q
連載100回記念アゲ
紗羅もとうとうおかしくなっちゃって…
刹那の愛のパワーでなんとかってわけにはいかないだろうな
サンダルフォンまたまたやり逃げ?
てか、紗羅ダメダメじゃん…
ちゃんと見抜けよ。
サンダルフォンに悪夢を
見せられてたんでしょ
普通の状態ならおかしいってわかるよ
紗羅は刹那に抱かれたって思いこんでるんだよね?サンダルフォンの力で。
サンダル、ライラの時は完璧に強姦だったのに…。
いつの間にそんな術出来るようになったんだろ。
ライラを強姦したくなる気持ちはほんのりわかる
わかる
沙羅は?
676 :
1/3:2006/10/31(火) 00:08:08 ID:???
「赤ちゃんがいるの…ここに 私と刹那の子よ
赤い眼がたくさんあって とてもとても強いのよ 私の可愛い可愛い赤ちゃんよ…」
刹那はどこにいったのか、さっきまで抱きしめていてくれたのに…あんたが刹那に何かしたのか。
一体どうしたのか、刹那を返せと…刹那を詰る紗羅。
ようやく追いついたミカエルとラファエルもその様子を目の当たりにする。
刹那は必死に、自分が刹那であの化物はもういないと、うつろな目をした紗羅に呼びかける…
受胎告知 ACT.5
状況の飲み込めないラファエル達に、悪夢喰いのサンダルフォンに喰われたのだと言うウリエル。
メタトロンとサンダルフォンの後見はロシエルに任されていたはず、逃げ出してきたのだろうか…?
診せてみろと言うラファエルを振り払う刹那。誰も触れるなと言う。
離せと叫び、石で殴りつける紗羅を必死に抱きしめ続ける。
そしてミカエルが紗羅を気絶させ、ウリエルが落ち着くようにと声をかける。
彼女を悪夢から醒まさせるには奴が戻ったであろうサンダルフォン本体の所へ行き、紗羅の心を解放させるしかない。
今奴は弱っているはずだから、力を回復する前に何とかすれば…
その時、ウリエルに抱えられたままのメタトロンが意識を取り戻してサラへと呼びかけた。
サラの言う通り、一番側にいて欲しかったセヴィーにちゃんと自分の言葉で伝えた。
君が勇気をくれたから…でもセヴィーには通じなかった。きっと嫌いになった…
でもセヴィーはサンダルフォンにいじめられて泣いていた、今度はサラをいじめようとしているのがわかった。
だから邪魔をしてやった、あいつは悪い子だから…
刹那はサンダルフォンの弱点を教えたのが彼だと気付く。
もう自分の大事な人をいじめるのは許さない、あいつは自分の体に帰っちゃったと、震える手を伸ばすメタトロン…
677 :
2/3:2006/10/31(火) 00:11:05 ID:???
本体に戻ったサンダルフォンに笑顔でおかえりと告げるロシエル。
随分お疲れの様子、おいたはもうお終いか?
そしてカタンに、メタトロンの本当の役割、「最後の封印」の意味を教えてあげようかと笑う。
嫌味なその笑みに、邪魔をしたのは彼だと気付いたサンダルフォンはガラスを破って飛び出した…!
カタンは急いでロシエルを庇おうと駆け寄る。
負けないと笑顔でサラに語りかけるメタトロン。
だが突然、地中から魔物の様な物が飛び出し、メタトロンの胸を貫いた…!
メタトロンは口から血を流し…
サンダルフォンの本体も、あらゆる目と口から血を噴出してその場に落ちてしまった。
ロシエルの高笑いが響く…
「メタトロン」の真の役割…「鍵」――
暴走し始めたサンダルフォンの強大な力を押さえつけるための唯一の手段。
一対となる双子のメタトロンの命を断てば、それはそのままサンダルフォンの「死」へと繋がる。
語りながら、刹那たちの前にルシファーが姿を現した。
魔物のような物はメタトロンを投げ飛ばし、彼は哀れ水の中に落ちて行った。
メタトロン(サンダルフォン)が死んでしまえば紗羅を治す手立てがなくなる…慌てるラファエル。
そして刹那は気付く。さっきの七支刀に力を貸していたのがルシファーである事に。
紗羅が襲われているのを知りながら刹那が来るのを待ち、七支刀にパワーを送り刹那の手でサンダルフォンを倒させた。
無造作に、まるで人形でも斬る様に何の罪もない子供をサンダルフォンの息の根を止める目的の為に殺した。
サンダルフォンを殺すため、ロシエルの命を受け刹那を利用した。
そして…紗羅を、サンダルフォンのエサにしたのだ…!
もう本当に駄目なのか。彼は本当に悪魔になってしまったのか…
678 :
3/3:2006/10/31(火) 00:12:16 ID:???
ミカエルは気丈に怒鳴りつけるが、ルシファーが腕を構えただけで萎縮してしまう。
この世の理、天使の生まれた本当の理由を、存在理由を思い出すがいいと告げるルシファー。
この世の一番初めにありき資料(マテリア)、「火」そして「土」「風」と「水」を守護する本当の意味を。
我らは迷える地上の羊等を導く輝かしい存在ではなく、創世神の歪んだ理想論で創られた妄想の産物。
「天使」の真実の姿を知りたくば神の塔の扉を開くがいい。
その先の絶望を見据える勇気があるのなら…
そのまま立ち去ろうとした彼に攻撃を加えるミカエル。
だがそれはあっさりと防がれてしまった。
間違いなく彼は兄であると…少しも感情を乱さず静かに相手を見下す彼だと、絶望にうずくまるミカエルにラファエルが駆け寄る。
邪魔だから少し大人しくしていろと、ルシファーは魔物を召喚した。
泣きながら紗羅を抱きしめるしかできない刹那に戦うよう促すミカエル。
俺を殺すのかと…!
いつまでガチャガチャやっているのか、叫びながら不知火で魔物の体を両断したのは加藤だった。
そんな体で何をするのかと叫ぶ刹那の声をきかず、不知火を置いてルシファーに向き合う加藤。
この間は世話になった、部下にはよくきく剣でもお前自身には歯が立たないと言う。
こいつはずっとお前の中で主人として同化していたのだから。
あまりにもつれない、昔はよくつるんでムチャしていたのに、挨拶もないのかと。
「なぁ 吉良」
川を流されながら、まだ息のあるメタトロンは小さくセヴィーの名を呼んだ。
サンダルフォンも、引き千切られたへその緒を引き摺りながら…まだ死なない、このまま死んでたまるかと呻いていた…
吉良先輩( ´゚д゚)
メタトロン、これで死ぬ?
実際は何百年も生きてるんだけど、見た目が
子どもだからきつかった…
今回の加藤は何週持つかな??
メタトロン・・・実はやれば出来る子なんだと思っていたら
鍵の役割ってどういうことかorz
サンダルフォンにしてみれば、心臓が勝手に出歩いてたようなもんじゃねーか
しかもロシエルに弱点バレバレって、初めから勝負になってません
子供ながらに一生懸命な最近のメタトロン好きだったから
この展開は厳しいな…
今回は一命取り留めたけど、サンダルフォンとの繋がりを考えると
最終的にはやはり死んでしまうのだろうか
>何の罪もない子供をサンダルフォンの息の根を止める目的の為に殺した
見た目は子供だし、メタトロンにサンダルフォンの罪はないけど、
双子で全体主義のトップに居た以上こういうこともあるだろう
ルシファー責める理屈にしては、なんだかなあ・・・
つか刹那、泣いてないでもう少ししっかりしてくれ
紗羅発狂、先輩はロシエルに付いてじゃあね…
刹那のことだからまたすぐ前へ前へ行くと思う
ルシファーなのか、吉良なのか
間をとって…
吉ファー
サンダルフォン本体ところんグロいな。
692 :
691:2006/11/01(水) 19:27:08 ID:???
×ところん
○とことん
鬼太郎と目玉おやじ並みに似てない双子だな
>>685 万年幼児で存在を利用されただけのメタトロンが
悪魔に胸を貫かれ、その上川に投げ捨てられたのを
仕方がないなんて思えない。
天界を好き勝手に動かしてたセヴィーは
結局何の償いもなく終わったのに尚更。
695 :
1/4:2006/11/02(木) 00:08:39 ID:???
手加減してくれたのかはたまた偶然か、辛うじて生きてはいるがおかげでこの通り、左手の方は肩ごと腐り落ちた。
こんなにしたのはお前なのだから手くらい貸せと吉良に呼びかける加藤。
それとも怖気づいているのか、たかが"人間の死霊"一匹に。
「なぁ 「シザーハンズ」のコスプレみてえな魔王さんよ」
受胎告知 ACT.6
どうやってここに来たのか加藤に呼びかける刹那。ウリエルも迂闊に近寄るのは危険だと言う。
だがその言葉も聞こえないようにただルシファーにだけ語りかける加藤。
形見のように置いて行った不知火が主人の気配を感じ取って呼応するのだと。
ザックリやってくれた傷もなかなか見物、よく見ろと上着をはだけ…
金属のような義手でルシファーの腹を貫いた。
まだ貸しにしては全然だと言いながら…
ルシファーは顔色を変える様子もなく、平然とそれを受け止めていた。
もう吉良ではないお前が、奴の記憶をただのデータとして持っているのが気に食わない。
その顔で、その声で、その姿で自分の前に存在しているのが許せない!
自分の世界から消え失せろと言う加藤。
その無残な腕…どっちみち先のない体。
改造好きの知り合いにメンテついでに部品交換をしてもらった。
ここまで人間を捨てればもう怖いものはない。
それでもなお吉良に呼びかける刹那に現実を見ろと告げる加藤。
知っている吉良は死んだ、もう帰っては来ないと。
ルシファーの傷はあっという間に塞がってゆく。
こいつは吉良の姿をした亡霊、今のでわかったはずだと言う加藤に、攻撃を加えようとするルシファー…
刹那はそれを庇うために飛び出した。
696 :
2/4:2006/11/02(木) 00:10:18 ID:???
初めて怖いと思った。
その時初めて気付いた、その瞳が何も見ていない事を。
太古の悪霊と怨念を背後に 意思もなくただ蠢き屍臭を漂わせ
ただそこにある物を飲み込み屍の山を踏みしだき 新たな血を求め ただ永遠に侵食を続ける
恐怖とあらゆる闇の支配を一身に負う 混沌の覇王
まるで総ての物を反射するガラス玉の様な、それでいてどこまでも吸い込まれそうな空虚な瞳。
生有る者の瞳ではない、無機質な輝き。
これが永遠を生きる者の虚無なる瞳。
もう届かない…いくら叫んでも何も届きはしない。
この人は自分達を平然と殺せるのだと、思い知った――
ルシファーの攻撃を弾き返した七支刀がまた変化をした。
持ち手の力によって成長する七支刀の最終形態、七支刀はアレクシエルとしてでなく刹那を真の主人として認めた…
刹那の右目が鼓動を打つ…
救世使としての成長、その剣は完全に自分の支配を解かれたと言うルシファー。
やっと人間としてのつまらぬ感傷を捨てる事ができたという事か。
だがこれは自分と、自分達と戦ってきた先輩のための決着だと言う刹那。
眼帯が落ちる…その目が治っている…!?
誰であろうとも自分達の過去を汚すのは許さない。自分の大事な物の為に戦う。
「それがたとえあんたでもだ!!! "ルシファー"!!!」
一面に広がる熱い波動…刹那の背からは、失くしたはずの翼が…!
ルシファーはそれでいいと、黒い4枚の翼を出し不適に笑った。
697 :
3/4:2006/11/02(木) 00:12:28 ID:???
何処にいるのか…光…あの大きな光、一際輝く巨大なエネルギーの塊は…ロシエル――!
ロシエルの元に、プレート上空をこの塔に向かって巨大な飛行物体が接近中との通信が入る。
そこから脱出するよう促す通信を切断するロシエル。
恐ろしい程の「生」への執念の姿、愛おしいとさえ思えてくるとサンダルフォンに語りかける。
サンダルフォンは本体のまま、ロシエルに向けて飛翔していた。
人工羊水から出られなかったその肌は外気に触れただけでボロボロなのに、そんなにもロシエルが憎いのか。
プレート上ではそれを目撃した天使達が、その姿を「化物」「悪魔」と呼んで怯えていた。
カタンは塔の上のロシエルの元へと急ぐ…
目の見えない今だからこそ真実のお前の姿を感知することができたと思うサンダルフォン。
ロシエル…それがお前の正体か。
今ならわかる、最初から救世使達に始末をさせるため紗羅をエサにし、監禁部屋から逃げるのを黙認していた。
許せない、最後の力でお前を滅してやる…!
やれるものならやってみろ、僕の悪夢が喰いきれるなら喰ってみろとサンダルフォンに立ち向かうロシエル…!
ロシエルに吸い込まれていくサンダルフォン。自分の力を吸収するつもりかと気付く。
だがロシエル達双子と対峙させるために創られたサンダルフォンの力を吸いきれると思うのか…!
そんな中見えてきた映像…泣いているメタトロン…
同じ双子でありながら夢の中や人形という媒体を通してしか語れなかった兄。
何百年も何千年も、自分はいつも揺り籠の中から見ている事しかできなかった。
なのにあいつは民に愛されライラに庇護され、甘えたいだけ甘えて抱かれ、元気に外の世界を走り回っていた。
そう、憎かった。同じ双子でありながら違いすぎる片割れ。自分の存在を忘れ去って生きている彼も、この世界も。
僕ニモ体サエアレバ 誰モ忘レタリシナイノニ…
その光景は見たくない、知りたくない。一体何なのか…
まだわからないのか、これが誰の悪夢なのか。
自 分 の 悪 夢 の 味 は 如 何 ? 悪 夢 喰 い の サ ン ダ ル フ ォ ン
698 :
4/4:2006/11/02(木) 00:14:06 ID:???
誰かに呼ばれたような気がしたメタトロンはどこかの川辺に流れ着いていた。
それはサンダルフォンの声だったような気がする。
メタトロンを撫でる手がある…それはセヴィーだろうか、でもそんな事あるわけない。
セヴィーなら手袋をしてしかメタトロンに触らないのだから…
だが顔をあげた先には、優しく微笑むセヴィーがいた。
自分の事を嫌いじゃないのか、触ってくれるのかと思うメタトロン。
セヴィーの触れた胸の傷…あたたかい、もう痛くないし気持ちがいい…
セヴィーだった、ライラ…廃竜だった男と3人、まるで親子のように微笑みながら光に向かって歩いていく。
ほんとはセヴィーがやさしくわらう きれいなひとだってこと
ぼくをすきでいてくれたこと しってたんだ
ライラはメタトロンの頬にキスをすると、そっと去って行った…
おとうと(サンダルフォン)がぼくをきらいながらも こころでよんでいたことも
意識を取り戻したメタトロンは見知らぬ女性に介抱されていた。
川からすごい怪我で流れ着いたと言う女性。
一時は完全に心臓が止まっていたのに奇跡としか言い様がない。
一度死んで生き返るなんて…
涙をこぼすメタトロンの目にその女性は優しく手を置く。
もう大丈夫、熱もないし、安心してお休みと。
おおかんやおおきなイスよりも あのてのあたたかさだけが しんじつだったんです かみさま
メタ(⊃д∩)
よかった、やっぱりアレは本物の廃竜タンだったんだ
健気な子供は反則です
…最後の一文でちょっとウルっと来た。涙腺緩いな、自分
メタトロン、セヴィーに会えてよかたね(;ω;)
刹那はようやく力に覚醒したのか
結局サンダルフォンはロシエルの噛ませ犬か
サンダルフォンかわいそうに
誰かも言ってたけど
何でシスターがいるのにあんな球形なんだか
血管?がそこらじゅうに浮き出てるし
ロシエルとか絶対ほっといても大丈夫だろうに
カタンは毎度律儀に駆けつけるよなあ
(窖でも思ったが)
自分は、ライラはあの世でちゃんと廃竜に会えたんだなという解釈だ。(699ゴメンな)
廃竜の言葉はないけど、
額のキズを消したことで幸せであること示してるんだと思った。
メタトロンが助かったのはいいけど、サンダルフォンは最後まで救済なしか。
レイプはキモイが、こいつも母親役が欲しかったんだろうに。
本当にライラは周りを地獄に突き落として
一人だけ幸せになったって感じ…
セヴィーの政権の基盤はサンダルフォンだったのに、
ライラとっては、ただ利用するだけの対象だったのか
メタトロンは助けてサンダルフォンはスルーのこの扱い見るとさすがに気の毒で、
ここまで性格歪んだのも身体欲しがったのもわかる気がする
いやー、ライラは最初は純粋にこれが自分に与えられた使命と燃えてサンダルフォンの体作りに励んでたでしょ
多少プライド高かったとはいえ研究研究の日々だったみたいだし無償の思いで子守歌まで歌った
一方サンダルフォンはといえば力はあるのに体がなくて欲しくて仕方なくてライラに力をあげたのにも下心が垣間見える
ライラは具体的にはわからなくともそれに気付いちゃったから恩を仇で返してでもサンダルフォンを封じたんでしょ
封印を破って出てこられて多少仕返しされたのは因果応報にしても結局一番嫌な事されたのは事実だし
に比べればメタトロンは何もしてないし自分になついてきてた何も知らんかわいいお子様
廃竜はちょっとうるさい事言われてたくらいで一番嫌な事はされてないし罪悪感はあるしで
サンダルフォンが可哀相なのはまともな体で生まれられなかった事くらいだ
正直な話、あのグロい肉塊を哀れだとは思ってもかわいいとか愛しいとは思えない
可愛がってくれたライラに力を与えたら
用なしとばかりに針メッタ刺しで幽閉、
愛玩の対象を自分から双子のメタに乗り換えられたんだもんなぁ…
普通の姿で生まれてさえいればと思うのは必然だとオモタ
>可愛がってくれたライラに力を与えたら
>用なしとばかりに針メッタ刺しで幽閉、
ライラがサンダルフォンを恐れたのは「あの男たちと同じだったからだ」って言っていたじゃん
少なくともライラがそう受け取れるような思惑がサンダルフォンにあったから、
あそこまで厳重に封印したんだろうよ。
そうじゃなかったら、ライラがセヴォフタルタになった後もそれまで通りサンダルフォンの
体に関する研究は進めていたんじゃないか?
セヴィーになったライラにとって、やっぱり一番強力な後ろ盾は力のないメタより
サンダルフォンだろうし。
>>709 サンダルフォン自身それをよくわかってたから
人型の体を欲したんだよね…
>>708 レイプの後ザフィケルを消したいとか白い世界を作りたいから
ライラから力をもらいに行ったじゃん。
お前が本当に全能の力を持つなら私を助けてって
今までよくしてくれたから与えたんでしょ?
ライラもそれを要求したよ
ライラの口ぶりからすると、サンダルフォンは初めから自分の新しい体目当てで
彼女に力を与えたようなかんじだったけど
サンダルフォンがライラに子供を産ませようと思ったのは
ライラに可愛がられているメタトロンに嫉妬したからであって
そうなる前はセヴォフタルタを使って研究を進めさせようとしか考えてなかったのかな
でもサンダルフォンにはライラの頼みを断る事はできた
>>714 レイプの時は肉塊だったよね
ライラは新しい体を作るプロジェクトの研究員だったし
普通に作ってもらえると思ってんでは?
アナエルの時に移植が出てきたし、医学っぽいから力は関係なさそうだし
でもあんな変な形にしたことで
自由に遊んでるメタトロンの体を借りて
自分で作ろうと思ったんだと思ってたんだけど。時系列がイマイチわからない。
>>705 仮にあの時の廃竜が偽者だとしてライラと廃竜があの世で出会った場合
突然デレ化したライラに廃竜はものすごくとまどったんじゃ…
いくら彼女は俺を愛してるんだー救世使に伝言頼んだし大丈夫だもんねーとか思ってたにしろ、
髪は白くなってるしあまりの豹変振りに驚かないわけがないな
ライラが歌を歌っていた時の夢の話が本当ならサンダルフォンは事件前から
ライラを特別視していたっぽいけどね。
ちゃんとした体を作り出すためにがんばってくれたり、歌を歌ってくれたりしたことが
愛情が欲しかったサンダルフォンには嬉しかったんじゃないだろうか。
で、こんなに優しくしてくれる人なら母親にもなってくれるかもしれんとか思ったのかも。
実際にはライラはレイープ事件で人格破綻しているし、それ以上にセックルはトラウマになっているから
封印って形で拒絶されたわけだが…。
ライラのサンダルフォンへの感情は、体を持たない哀れな子供+自分の研究対象としての愛着ぐらいだったんじゃないだろうか。
>>715 ぼくのために子守唄を歌ってくれたから
断らなかったんでしょ
>>717 ノシ 鱗BGMと恋心をロシエルに利用された派はここにもいるよ
「救世使、使えねーー!!」とか「ああ僕が付いていたら!」とか思いながら
魂は周りでずっとハラハラしながら見守ってたんじゃないか、アナエルみたいにさ
そういう最後だったと思ったから、
>>705みたいに無事会えて良かったと素直に思ったけどな
そりゃあセヴィーにはいろいろあるけどさ
なんか今日は解釈&妄想合戦になってるな・・・
あれがロシエルだったらライラが落ちてった時ぜったいあんな笑い方しない
メタトロンってもう何百年もあの姿で止まってるんだろ
精神も知能ももう成長しないのか
何の能力もなく、これから先もこのまま?
>>711 メタトロンの方が扱いやすくてよかったと思うけどな
力もないし、いつまでも成長しないし玉座に座ってるだけ
だから好き放題できた
サンダルフォンならこうは行かなかったと思う
自分が利用するのは良くても、利用されるのは我慢できないライラ
利用してもいいから、そのかわり自分も利用させて欲しいサンダルフォン
利用されても、文句を言わずライラを慕うメタトロン
結局、幸せになったのはライラ
ご褒美もらったのはメタトロン
725 :
1/3:2006/11/04(土) 00:01:42 ID:???
至高天 神性界編 灰葬 ACT.1
もうあんたは先輩でも何でもない、かつて大事だった人の抜け殻…!
自分のため、そしてかつての先輩のためにもルシファーを殺すと言う刹那。
ルシファーはそれでいいと言う。己の成すべき事を、使命を果たすがいいと。成せるのであらば――
彼の本気を悟って構えるラファエル達。リルも庇って全員で固まり、ルシファーの放つパワーに対抗する。
黙って立ち尽くす刹那にやられると声をかけるミカエルだったが…
誰もが今まで自分の中のアレクシエルの影を求めていると思っていた刹那。
でもダメだ、それでは変われない。それこそは自分自身がアレクシエルに捕らわれていたという事だから。
刹那の魂はかつてアレクシエルであった。
それぞれの人の輪はその頃より回り始め、今もなお支えたりしがらみとなって苦しめる。
そして今の「俺」としてのしがらみも全て、かつてアレクシエルであった事を乗り越え、
過去も現在も自分の物とした無道刹那として戦わなければ意味なんてない――!!!
有機天使の証、3枚目の翼。そして黄金に輝くその姿は、まるで――
目覚めはまもなくかと笑うルシファー。
お前達の利己的遺伝子が導く天使たちの、最後の門が開くのは…
地獄で待っていると想いながら、ルシファーの攻撃が大爆発を起こした。
無事かを確認し合うウリエル達。果たしてこれが「無事」と言えるのか…
プレートの3分の1は消し飛んだ。以前よりもさらに邪悪で得体の知れない力だった。
待機していた「世界の魂」のメルカバも、乗務員ともども跡形もなく飲み込まれてしまった…
神にも匹敵すると言われ創世神に叛乱を起こした男。
さらに無機天使ロシエルと組めば大地一つ消し去る事などたやすいという事か。
だがそれでも行くしかないと言う刹那。神の塔に答えがあると言うのなら、行ってやろうと…
726 :
2/3:2006/11/04(土) 00:03:24 ID:???
こちらへ向かっていたあの化物は光と共に消えてしまった。
まさかロシエルの身に何か…カタンは必死で塔の最上階を目指す。
一方ロシエルは、体内に取り込んだサンダルフォンの声に苦しめられていた…
あたり一面の死体、落ちた首…カタンの…
自分はそんな事はしないと頭を抱えるロシエル。
その体に、顔に、異変が起こり始める。
ロシエルから生を受けたカタンにはわかっていた。
いつも聞こえていた、ロシエルの呼ぶ声が。
だがロシエルは来るなと、誰も見るなと叫ぶ。
ようやく最上階に辿り着いたカタンが見たものは…ロシエルを庇うように立っていたルシファーの姿だった。
去れと言う彼に指図は受けないと言うカタンだが、彼の言葉は自分の命と同じとロシエルに言われ不承不承下がるしかなかった。
その途中、やはりロシエルの呼ぶ声を聞いたような気がしながら…
いつまでもその姿を隠しおおせるわけではないとロシエルに告げるルシファー。
その逆成長(ディジェネレーション)と、組織の腐敗――
ロシエルの体はまるで少年のように縮んでしまっていた。
新王として創られたサンダルフォンを自らの体に封じた影響…永きに渡る体の異変が激化し始めた。
だがいずれは奴も体の中で侵食され、力となる。
この体の腐敗、かつて施された呪いの聖痕も、またアレクシエルの組織を移植すれば元通りになる。
永い時の中ロシエルの中で彼女の細胞も変化してしまったが…
救世使を殺しアレクシエルを蘇らせ、神の塔の力を手に入れればまたあの技術で彼女の部品を移植すればいい。
そして永い時をあの美しい姿のまま生きていける…
二人は双子だからよく似ていたわけではない。
それは彼女の眼、彼女の唇、そのものだったのだ。
727 :
3/3:2006/11/04(土) 00:05:54 ID:???
ロシエルはサイズの合わなくなった服をはだけてルシファーに抱きつくと、アレクシエルの唇でキスをしてあげようかとからかう。
またアレクシエルと一つになったら抱かせてあげてもいい…自分は美しいかと確認する。
だがルシファーはお前はこの世の何よりも醜悪だと無表情で告げる。
それでもお前の腕は暖かいと…その胸に縋りついた。
消し飛んだプレートを前に、これのどこが叛乱軍の小競り合いかと騒ぐ天使軍。
そんな彼らの周りに突然霧が出てきた…そして、女の姿が。
うち一人は、それは昔隣に住んでいた黒髪の美しいミラという女天使、彼女が呼んでいると言いながら向かっていく。
また別の一人も、故郷へ置いてきた泣きながら別れた女だと言い同じ様に向かっていく。
一人、正気な男だけが取り残され…女に向かっていった彼らが魔物に食い殺されるのを見た。
暗黒帝国軍の仕業かと銃を構える彼の体を背後から切り裂く、女悪魔。
自分の物にしたいと思う女がいなかった、でなければ甘い夢の心地で死ねたのに…
息子と呼んだ魔物に天使の味を確認する彼女。その魔物の父はルシファーだと言う。
あの方が目覚めた今こそ、この楽園を手に入れ積年の思いを晴らす好機。
七つの大罪を背負いし闇の女王バルベロ、時は満ちたと出陣を決意する。
星幽界――
ドールは動きが鈍ってきているのを感じていた。
長い事ウリエルにネジを巻いてもらっていないからだ。
これ以上帰りが遅いといつネジが切れてただの人形に戻ってしまうのか…
あまり長い事回路を切った状態にすると魂が体から抜けてしまうと言っていたのに。
そこへ、突然のウリエルの帰還。
大喜びでお茶や花を用意しようとするドールだが、ウリエルは"アレ"を取りに来ただけだと言う。
まさかそれを使うのかと、驚くような代物らしいが…
それを持ったウリエルはさっさと戻ろうとしてしまう。
ドールは一瞬彼を呼び止めるが、すぐに笑顔で送り出した。ネジを巻いてもらうのは、帰還を待ってからだと。
今の彼はとても生き生きしていて、やはりこんな所でくすぶっている人物ではなかった。
もしネジが切れて永遠に動かなくなっても、ウリエルが戻らないのならその方がいい…
だって 私がお待ちしているのはもう あの方だけだもの
逆成長?!
刹那のパワーアップとロシエルの体の変化、悪魔軍の侵攻と
一気に物語が動き出してきたけど
ウリエル、お前はどうしようもない奴だな
そういえばロシエルはカタンを作った頃は20代半ばくらいの見た目だったのに今までは10代後半だったらしいからな
キリエはそれでカタンの話が信じられないと言っていたが、逆成長していたというなら納得だ
…最後には消滅するのか?
今号の感想じゃないけど
作者は辛い過去があれば
何をしても許されるとでも思ってるのかね
何かあからさまに死亡フラグ立ててないかオイ
これはあれか、ウリーは実はうっかりさんなドジキャラですよ
と言いたいのか。
バルベロ様!!バルベロ様!!
むちむちぼいーんやね…
子持ちらしいけど
ちょっと熟女系だけど、いかにも女悪魔って感じだね
新しく登場の貴重な女キャラだ
しかしルシファーも子持ちだっだのか・・・
>しかしルシファーも子持ちだっだのか・・・
つアバドン
アバドンとか産むとき苦労しそうね
あ、女も人型とは限らないのか
こりゃーウリエル死にそうだな…
でもって、同じときにドールが止まるんだろうな
ドールは止まって、ウリエルは生存に1アバドン
しかしルシファーって何考えてるかわからんな
天界ボロボロ
741 :
1/3:2006/11/06(月) 00:02:54 ID:???
灰葬 ACT.2
彼女の誰をも寄せ付けないその強さに引かれ、だが手を触れる事も思いを告げる事も叶わなかった。
身勝手な思いで彼女を誰の手にも入らぬよう歪んだ愛をぶつけ、地獄に閉じ込めた。
弱く醜い自分に相応しい、傷…
だが彼女は今もあの時と同じ、遠くを見ている。遥か遠くを…
物思いに耽っていたウリエルは、無事に帰ってきて欲しいというドールの願いを聞いたような気がしたが…
会議室に呼ばれてしまった。忘れていた何かを思い出せそうな気がしたのに。
今、神性界への禁じられた道を修復していると言うラジエル。
神の塔へ侵入するのは「世界の魂」の精鋭数人、救世使、ウリエル、それからミカエル。
お前らだけでは頼りないからと言うミカエル。それに創世神には言いたい事が山程あるからと。
残る「世界の魂」は天使軍との攻防。その際に指揮を執るのは、ラファエル。
そして紗羅の護衛と…出来得る限りの治療を。
彼女がああなったのは自分の責任だから…
紗羅の目はどこも見ていない。ただ腹の子供に向けて笑うだけだ。
まるで「白の館」でのセヴィーと同じ症状。だが紗羅の場合は妊娠してもいないのにそう思い込んでいる。
サンダルフォンの悪夢は死してもなお、生者の精神を蝕むのか…
紗羅の膝元で、二度もお前を助けられなかったと思う刹那。
一度目は彼女自身の命を、そして今度はその心。
でも今度戻ってくる時は必ず救ってやると誓う。神の塔の力でその呪いが解けるのなら、必ず。
だから待ってて欲しいと紗羅にくちづける刹那。
刹那はラファエルに紗羅の事を託した。信用するからと。
命に替えてもと約束するラファエル。
アレクと呼ぶウリエルに自分は無道刹那だと宣言する刹那。
「世界の魂」の面々にも、自分の気持ちを聞いて欲しいと言う。
742 :
2/3:2006/11/06(月) 00:03:42 ID:???
何もない、地球を守ろうという使命感や天界のゆがみを正そうという意思も。
ただかつて生まれ出でた地球が、周りの人々が好きで元通りにしたいだけ。
大好きな女を悪夢から救いたい、今まで一緒に頑張ってきたあんた達と最後に笑って勝ちたいだけ。
犠牲にしてきた物全てに…償いが出来るものならしたいだけ。そんな身勝手な人間だと。
目の前の目標に突き進むしか道はなく、真実を目の当たりにして神にぶちまけて決着をつけたい。
自分とアレクシエルの因縁を無視する事は不可能だし、みんなが彼女にすがる気持ちもわかる。
でもこれが彼女の導き出した答えじゃないのかと思えてきたと言う。
刹那が刹那として生きるための本当の意味…
自分流の方法と信念で神の塔へ行く。それでもいいならみんなの為に命をかけても構わない…
あの頃と少しも変わらぬ輝きで自分の心を貫くと思うウリエル。
心の中でだけ、アレクシエルに別れを告げ…"刹那"に了解だと返した。
刹那が変わったと話すミカエルとラファエル。
第三の羽によって、金髪や目の色が変化したがそれだけではない。
それにあの吸い込まれそうな淡い光…既視感を思わせる懐かしい感じは…?
だが何故、有機天使としての目覚めの第三の羽によるものならばアレクシエルの様な黒髪に近く変化しなかったのか…?
これは自分達一人一人の我儘な戦いだと、兄を思うミカエル。
加藤と合流した刹那は互いに笑い合った。
あなたを護り 共に戦うべく運命(さだめ)られた使徒達
彼らの信頼を集め 真の王者となれ
神性界への道の復旧は困難を極めていた。
ロシエルに先を越されると急かすミカエルだが、元々封印された道、そう簡単にはいかない。
そこへ突然、作業員を食い殺す魔物が!
「薄汚い天使共だこと!
地獄の七君主が一人このバルベロが第三次天地大戦の布告をいたす!
天界を這いずる奢り高ぶった愚か者共!! 我らの恨み思い知るが良い!!!」
堂々と宣言し、飛び掛ろうとしたバルベロだったが…彼女は何故か、ミカエルの姿を見て怯んだ。
743 :
3/3:2006/11/06(月) 00:05:08 ID:???
バルベロは息子であるヘリケーと名のついた魔物に、毒の炎で薙ぎ払うように命令する。
だがヘリケーの邪魔をする一体の竜が…新参者がたてつくかと怒るバルベロ。
刹那はその竜の波動を感じた事があった。
やっぱり生きていたと、竜の上で涙をこぼすのは…九雷!!
飛び降りて抱き合う二人に裏切り者と罵るバルベロ。そんな彼女を諌めたのは帽子屋だ。
彼らは真の敵ではない。天界における反体制レジスタンスの存在はクライの進言で知っているはず。
自称 ルシファーの最初の奥方 とはいえ、"わたくしの姫君"にも敬意を払っていただきたいと。
またノイズも、別の竜の背から彼らとの再会を果たした。
紗羅の腹から感じる鼓動…その口から途切れ途切れに呟かれる「アマノイタ」という言葉…
サンダルフォンに騒ぐなと笑うロシエル。全ては神の塔…天の板を手中にせんがため。
どんな願いも叶うだろう…
ロシエルの部屋へと続く道、倒れ伏す人々に呆然とするカタン。
その時ふらふらと現れたドビエルが、お前も同じ運命だと呟きながらその頭を破裂させた…!
元の姿に戻るには全然足りない、と彼らの血を浴び立ち尽くすロシエル。やはり天の板がなければ。
神の塔に入る閉じられた空間を修復するのは困難、もう一つの道もグランドクロスを司る黄道十二宮の天使が門番だ。
かつての長老会の生き残りで一人一人が強力な魔導師。
天使界を愁いて神性界の護り人となり隠遁している。
彼らの頭や体に現れた12の聖なる天使文字なくして神性界への道は開かない。
刹那達より早く行くには、道を繋ぐよりも門番を攻略する方がいい。
だから行って欲しいとルシファーに願うロシエル。
"これ"がある限り君は自分の物だ、と血水晶を示してみせる。
ルシファーは何なりと叶えようとその願いを受け入れた。
カタンが必死に呼びかける扉は、開かないまま…
クライたんキター
話はどうやら「誰が天の板を手に入れるか」になってきたみたいだな
何で刹那金髪?
重要人物以外はゴミクズのように死に、
重要人物はもったいぶった大ゴマ過剰演出で死ぬ漫画だから
ウリエルは死なずに幸せに暮らす、に一票。
ウリーが死んだらドールたんは俺がもらいます。
刹那超サイヤ人化w
ウリエルの目には刹那がナイスバディのアレクに見えてるのか
アバドンもバルベロ様が生んだのかな?
ていうか、クライが全然大人っぽくなってないw
あーん!ドビエル様が死んだ!
ドビエル様よいしょ本&ドビエル様F.Cつくろー!って思ってたのに…
くすん…アタマ爆発だ…
・゚・(ノД`)・゚・うっうっう…ひどいよお…ふえーん!!
この間「ロシエル様と首輪で出演」してからまだ物質界動いてないじゃないですか!
どーして、どーして!?あれで終わり!?嘘でしょ!?
信じられないよおっ存在すら忘れられていたのに殺られるなんてっ!!
カタンと差がありすぎるわっ!!また生き還りますよね?ね?ね?
……泣いてやるぅ・゚・(ノД`)・゚・
私はあのおそろしくヘタレ彼が(たとえ変態でもさ!ヘン!)大好きだったんですよっ!!
ドビエル様あっ!死んじゃ嫌だああああああっ!!
先生のカバッ!!え〜ん・゚・(ノД`)・゚・
帽子屋さんの新しい髪形、イイ!
752 :
1/4:2006/11/08(水) 00:07:28 ID:???
灰葬 ACT.3
何世紀ぶりかの懐かしい客人に感心する黄道十二宮の天使達。
白羊宮(アリエス) Malahidael(マラヒダエル)
金牛宮(タウルス) Asmodel(アスモデル)
双子宮(ジェミニ) Ambiel(アムビエル)
巨蟹宮(キャンサー) Manuel(マヌエル)
獅子宮(レオ) Verchiel(ベルキエル)
処女宮(ヴァーゴ) Hamaliel(ハマリエル)
天秤宮(ライブラ) Zuriel(ズリエル)
天蝎宮(スコーピオ) Barchiel(バルキエル)
人馬宮(サジタウルス) Advachie(アドバキエル)
磨羯宮(カプリコ) Hamael(ハマエル)
宝瓶宮(アクエリアス) Canbiel(カンビエル)
双魚宮(パイシズ) Barchiel(バルキエル)
いずれ劣らぬ術者揃い。
エテメナンキへのアツイルトへの扉は彼らの抱く天使文字が揃わねばならない。
だが門番たる彼らがそうやすやすと堕ちた魔王に従うと思うか?
もちろん力ずくだと、ルシファーは構えを取った。
天界と地獄の大崩壊の時、クライとノイズはめちゃくちゃに転送された次元に放り出されていた。
そんな彼女達を助けたのが帽子屋だった。
姫の危機にはいかな場所にも参上すると言ったはず…
だがバルベロは救世使に対する人質として利用するための所業、綺麗事を言うなと罵る。
口が悪いと言いながらもそれを認めた帽子屋は、ただで姫を返す程善人ではないと言う。
この大地に溢れる忌わしき邪気、これこそは魔王の力の片鱗。
意図的にしろなんにしろ、あの爆発で天界が張り巡らしていたシールドが破れ、悪魔軍は大軍を侵入させる事が可能になった。
今こそが好機、これがあの方の導きでなくてなんだろうか。
753 :
2/4:2006/11/08(水) 00:09:20 ID:???
吉良がルシファーの魂を持っているのにはクライも気付いていたが、
まさか魔王として甦っていようとは帽子屋から聞いても信じられないでいた。
刹那にも未だに信じられないが、確かにこの目で見てしまったのだ。
ロシエルの傍で、黒い鉄の仮面を付け平然と仲間を殺す様を…
その黒い仮面はこの様なものかと映像を見せる帽子屋。刹那は同じだと言う。
ならばどうあっても猊下から事情を説明してもらわなくてはと言う帽子屋。
以前にも話したように、地獄に根を張った猊下の体から魂を連れ去った男の事。
あの時帽子屋は遠方にいて直接見る事は適わなかったが、あの男が猊下と同一人物だとすれば…
魂を持ち去ったのは彼の一人芝居ということになる。
つまり魂を持ち去ったのは悪魔達にそう見せかけるためのスタンドプレイ。
そうであった以上、地獄にあった体は強力な魔力で作り上げた虚像という事になる。
何のために自らの魂を持ち去るフリをし、そして魔剣に封じられる事になったのか、確かめねばならない。
だがバルベロはそれを否定する。
自らの夫であるあの方が何の目的で地獄や我々を裏切るのかと。
アバドンを始め数々の彼の子を産んだこの自分をたばかるなどあるわけはないと。
しかし帽子屋はこれ以上猊下の名を貶めるのは止めろと言う。
忠誠を誓い共に天界を裏切ったバルベロに彼はあえて何も言わなかった。
が、彼女の子は全て汚れた悪魔達との間にできた不義の子である事は公然の事実。
そんなあてつけをしたところで彼が振り向くはずもないのに。
バルベロは歪んだ情をぶつけるお前に言われたくはないと怒り心頭。
この手で天界のブタどもを焼き尽くして魔王への手土産にする、とその場を去ろうとした。
ミカエルが呼び止めるが、振り切る様子はどこかおかしい…?
永き時は女を変えると呆れた帽子屋は、クライを返すための話をする。
おもしろい話を聞いた、暗黒帝国軍と叛乱軍が協力する案があったとか。
自己紹介するラジエルの事は、既に調べがついているらしい。
754 :
3/4:2006/11/08(水) 00:12:52 ID:???
だが悪魔が叛乱軍とはいえ天使と手を組むというユニークな案は、笑止!
永きに渡る因縁の戦い、いかな妥協案といえどお互いが手を取り合うなど有り得ない。
元より神への復讐と共にこの美しい天界を再び取り戻す事を悲願としてきた。
闇と光が相入れる事など未来永劫あってはならない。それはこの世の理とも言える。
…だから「世界の魂」及び救世使は、悪魔軍とはこれより一切の接触を断ち、
互いの目的を果たすまで協力は元より邪魔もしない不可侵条約を結ぶ。
身代金としては安すぎるが、これでどうかと笑う。
大事な奴を助けてくれてありがとうと、刹那は笑った。
帽子屋は一つ、忠告をする。閉じられた道を悠長に創り直すヒマはなさそうだと。
神性界へのもう一つの道、黄道十二宮天使の所へ向かった方がいい。
猊下の力の干渉を強く感じる。もしかすると既にロシエルに先を越されているかも…
その時響いてきた地響きに、馴れ合いはここまでだと帽子屋は去って行った。
次に会う時は我らの敵、容赦はしないと。
第三次天地大戦 開戦――!
少し背が伸びたらしいクライ。いつの間にか赫い神龍を使えるようにもなっていた事に感心する刹那。
三姉妹の中で武龍と呼ばれるあの赫いドラゴンは一番戦闘力に長けている。
それはクライが一人前の龍使いと自然界に認められた証。
帽子屋の所に身を寄せてから毎日修行をしていた。
だから一緒に行く、そのために頑張ってきたのだからと言う彼女を仕方ないと笑う刹那。
そういえば、紗羅には会えたのかとクライが訊く…
755 :
4/4:2006/11/08(水) 00:15:24 ID:???
紗羅と再会するクライ。その有様には言葉もない。
ただ刹那と一緒に行く事を告げる。何かあっても刹那は守るから待ってて欲しいと。
刹那は紗羅の事しか頭にないから大丈夫だと。
それでも刹那が好きだから…ただ側にいるだけでいいから、きっと無事に帰ってこれる様祈ってて欲しい。
それだけ告げて去ろうとしたクライ、その背に紗羅が呟いた。
「嘘つき」
見ているだけでいいなんて嘘だ、本当は悔しくてたまらないくせに。
妬ましくて悔しくて、これっぽっちも紗羅の事なんて思ってもいない。隙あらば刹那を奪おうと思っているくせに。
何をバカな事をと触れようとしたクライの手は払われる。
汚い手で二人の赤ちゃんに触るなと、睨みつける紗羅…
救世使が待っていると紗羅の世話係らしい女性に急かされ、クライはその場を去った。
何も知らぬ顔で挨拶は済んだろうと笑う刹那に笑顔で応えるクライ。
今まで見た事のない紗羅のあの"気"、全てを見透かす様な呪いの言葉。
心のどこかにある汚い部分を見透かされた様で、怖かった…
そして刹那達は出発した。最後の戦いのために――
悪魔軍に対して全砲弾フルパワーで対抗しようとする天使軍。
だがそれでは難民である下層の仮設住居に被害が出ると反論する上官が別の手を考えろと言う。
しかし、最高司令であるロシエルが多少の犠牲を恐れるのは無能な司令官だと無情に告げる。
せめて警報をと願う上官だが、部下は無表情にロシエルの命を遂行した。
まるで死のゲームを楽しむかの様な状況…もしかすると感情の通っていない様なセヴィーの支配よりも、恐ろしいのでは…?
スプーンを取り落とした紗羅に優しく声をかける世話係の女性。
だが…
ラファエルが駆けつけた時には、彼女ともう一人の女性が無残な姿を晒していた。
死体の中に紗羅の姿はない…出て行ったというのか、何処へ――?!
バルキエルが2人いる件
ゴールドセイントキター
帽子屋さんとバルベロの女の戦いこえーw
帽子屋、粋だな
十二宮期待age
古本屋の買取リストに「天使禁漁区」と書いてあった
アバドンはやっぱりバルベロ様の子供だったのか。
でもルシファーの子じゃなかったの??
黄道十二宮天使って…
この期に及んで12人もキャラ増えるの!?
12人で合体技みたいなのあるかな
あれー?
アスタロトがアバドンは魔王の直系って言ってなかったっけ?
帽子屋さんとバルベロの戦いも怖いけど
紗羅も怖くなっちゃったな……
あり?ロシエル元に戻ってない?
だから今回で嘘だとわかったんじゃないの?
人型(魔王とバルベロ)の子が獣なんてと思いつつ
悪魔だからかなぁなんて思ったけど
バルベロの子は父親似だったの方が納得いく。
アバドン親父とバルベロ様でどうやって子作りしたんだ
ロシエルめちゃくちゃするなぁ
天界壊す気なの?住む所なくなるよ…
772 :
1/3:2006/11/10(金) 00:01:50 ID:???
紗羅は一体どこへ行ったのか、この死体は彼女の仕業か。
現場には謎の水が残されていた。
解析するとそれは人工羊水――胎児…まさかサンダルフォンが残留思念となって紗羅の悪夢を増幅させて彼女を操っているのか。
だとしたら奴は完全に消えたのでなく、復活を狙って何かをさせようとしている。
彼女の腹に住みついていたのはサンダルフォン…草の根分けても彼女を探し出せとラファエルは焦った。
灰葬 ACT.4
黄道十二宮天使とはすでに現役を退いた長老会の生き残り。
その実力は四大天使にも匹敵すると言われる十二人の魔導師達。
彼らはその体に神性界への扉を開く鍵となる天使文字を刻み込み、それがなければ天国の門は開かない。
つまり彼らは神性界の門番。
魔王はその門を開かせるため、彼らに儀式を強いに向かったのだ。
いくら魔王でも彼らを動かすのは至難の業…何より儀式をするという事は強制的にグランドクロスを起こさせる事。
自然の摂理をねじ曲げたその行為は地表にどんな影響を及ぼすのか…
そして…黄道十二宮天使の居場所に辿り着いた刹那達が見たもの。
崩れた血だらけの建物…
加藤は不知火が共鳴しているからあいつだと言う。
これがロシエルとルシファーの仕業なら十二宮天使は彼らの手中、儀式は既に始まっているのかもしれないとウリエルは急かす。
何故あの地に攻撃命令を出したのかとロシエルを非難する天使軍。
悪魔軍もろともあの地を破壊したが…あの地には多くの難民がいた事はわかっていたハズ。
あんな犠牲を出さずとも、もっと方法があったハズ。
天界のために死に殉ずるのは本望だと笑うロシエル、全ては勝利のため。
それでもなお縋る彼らを殴り倒す親衛隊。
仲間を平然と殺すのかと非難する彼らに、命令は絶対で勝利のためなら命をかけるのは当然と言う。
口先だけ、ロシエルの命令なら命も投げ出すのかと言う彼らに見せてやれと言うロシエル。
親衛隊は命令通り…自らの頭を打ち抜いた。
773 :
2/3:2006/11/10(金) 00:03:08 ID:???
天使軍の戦況はあまり思わしくない。
だがいざとなればプレートに追い込み大地自体の空気を抜いて全滅させる手もある。
親衛隊と打ち合わせるロシエルに、そんな事をしたら植物や生物、味方までもが死ぬと訴えるカタン。
それをものともせず、ロシエルはカタンに新しい辞令を与えた。
マルキシアル第5師団の指揮官補佐として同行し、悪魔軍殲滅へ向かう事。
出発は今すぐ、宮仕えはお終いだと。
だがカタンはロシエルを押さえつけ…本物ではないと言った。
親衛隊がそれを引き離し、ロシエルはカタンにクビを言い渡す。
二度と目の前に現れるなと。
親衛隊に連れて行かれながらも、本物のロシエルを心配するカタン…
本物のロシエルは、やはりカタンだけは替玉に気付いたのかと思っていた。
だがもうこの体をみんなの前に晒すわけにはいかない。
恐ろしいスピードで広がっていく腐敗と逆成長…
元の姿に戻るにはやはりエテメナンキで天の板の力を手に入れるしかない。
だからカタンをこのまま側に置いておく事はできない。
体だけでなく心さえも狂っていく自分の側には…
そんなロシエルを迎えに来たルシファー。
救世使の元から去る時にわざと天界と地獄のシールドを破壊したと見抜いていたロシエル。
悪魔軍の侵入の手引きをしたのか…だがおかげで退屈しないで済む。
どこまでも殺しあおう、血を流し最後の時まで戦う様に定められ、生を受けた自分達だから。
連れて行って欲しい、お前の見せてくれる地獄への旅路の果てを。天国という名の墓場まで。
どこまでも、その死の翼で…
774 :
3/3:2006/11/10(金) 00:04:56 ID:???
自らの腹を不知火で傷つけている加藤。
それを見咎めたウリエルが不知火を取り上げ、説教をしようとするが…
彼の右腕から腹にかけては同じ様な傷がいくつもあった。
今まで何回自分で切り付けたのか、それに左腕の無茶な改造…組織が拒否反応を起こして爛れている。
だが加藤は仕方ないと言う。吉良…あいつにやられた傷はもう修復不可能で腐敗は広がるばかり。
腐り堕ちた腕の代わりに"これ"をリウェトに付けてもらったが、今度は体自体にガタがきた。
リウェトにとって腐った腕では実験材料の意味はなかったろうが…何も言わずに手術をしてくれた。
だがもう、限界だ。
こうでもして一時的に体を痛めつけなければ、自分の顔すら保っているのがやっとなのだ。
一瞬の痛みで、やっとこの形を保てるだけの集中力を得ている。
こんなになるまで気付かなかったのは自分の不注意だと後悔するウリエル。
今すぐこの船を降り、基地に戻って治療しなければ手遅れになると刹那を呼ぼうとするが…
余計なマネをするなと加藤自身がウリエルの喉元に不知火をつきつけた。
自分がこんなバケモノになってまでやってきたのはみんなこの戦いの為。
ただいきがってただけで虚しく終わってしまった滓みたいな人生、
それを刹那は加藤がどんなに逃げているかと思い知らせるほど何にでも正面から向かって行っていた。
そして吉良は、いつも口元で笑いながら憐れむようにして見ていた。
彼らが自分を変えたのに…そのあいつが自分を殺そうとしたのだ。
刹那と共に、吉良との決着をつけるためだけにここまで来た。
誰であろうと邪魔はさせない、たとえあんたでも!
だからこれはもう刹那のためではなく…自分が自分であるための戦い。
もうクズで終わるのは嫌だ、魂まで腐らせないでくれと泣く加藤…
結局ウリエルは刹那に何も言わなかった。
もうすぐ神性界の門に着く、だがその時ものすごい勢いで磁場が狂いだした。
地表の重力制限がきかない。星々が速度を速めて集っている…まさか強制グランドクロスか。
神性界への門、永き時閉ざされた秘密の扉が今開かれる…
華の香り、懐かしい空気、輝く庭。生まれ育ったあの美しい大地へ…
愛しくて、残酷な、呪われた天国。
加藤…(ノД`)
なんだあのロシエル様は偽者だったのか
まさか加藤がここまで成長するとは、死んだときには思いも寄らなかったよ…
こりゃ今度こそ加藤サヨナラかな
まだ、まだ死なんよ!
死んで生きかえってこそ加藤!
ウリーがまたマネキンこさえれば良いんじゃないの?
一個しかないんだっけ?
カタンはロシエルの耳にピアスが無いのを見て
偽者だと確信したように見えたけど…
どうせ替え玉作るならそれぐらい再現しとけば良かったのに。
まさかそんな細かい所までカタンが覚えてるとは思わなかったんだろう
創世神も愛したらしいロシエル(アレクの顔?)にもそっくりさんなんていたんだ
でもオーラですぐばれそうな気が
天使だの神だのが言う『愛』って、どうしてこんなに血腥いんだろう
1番さわやかな『愛』がドールのそれのような気がする…
でも中身はあのキリエたんだし…
キリエはとりあえず一度きちんと死んで、
ドールそっくりに転生するとかした方がスッキリする
迷い込んできた魂をウリーの都合で拉致ってるみたいでキモす
ウリー&ドールの「愛」って恋愛ではないよね?
自分は勝手に父娘とか、兄妹みたいな愛だと思ってたんだけど…
788 :
1/3:2006/11/12(日) 01:09:37 ID:???
灰葬 ACT.5
グランドクロス――天国の門が開く――!
天使達にも何が起こったのかはわからない。
ただ天が落ちてくるのか、この世の終末がやってきたのだと騒ぐばかりだ。
子羊が封印を解くと大地震が起こり 太陽は暗く月は血の色に染まりて
星は地へと落とされた
地上全ての造形物はその姿を買え 山や島も隆起して
天使がラッパを吹くと 太陽と月 星々が暗くなり
地上に落下した凶星は 地の淵より破壊者を呼び出す鍵となった
終日伝説(ラグナロク)――
天国の門が開くと、不気味に笑う、紗羅…
天国の門へと辿り着いた刹那達。門は既に、開いている…
やはり儀式は行われてしまっていた。一体ルシファーはどうやって黄道十二宮天使を説き伏せたのか?
だがそうではない…門の前に立ちふさがるルシファーと、黄道十二宮天使だった"パーツ"。
必要なのは鍵となる彼らの体に刻まれた天使文字のみ。
それさえ揃えばあとはルシファーの力で儀式を行えばいい。それがたとえ死した部品となっていても。
黄道十二宮天使の力をもってしても今のルシファーには敵わないのかと思うウリエル。
彼は、ルシファーがアレクシエルの亡骸を抱えている事に気が付いた。
神性界へと入ってもさらに神の塔の封印を説くにはアレクシエルとロシエルの力が必要だと言う。
まもなくグランドクロスが終わればこの門も閉じてしまう、お前たちの相手をしているヒマはないと…
そんな彼を行かせてなるものかと銃を向ける「世界の魂」のメンバー。
だがそんな彼を別の角度から攻撃するものが…
789 :
2/3:2006/11/12(日) 01:11:19 ID:???
彼を攻撃したのは、バルベロ…
何千、何万年という永き時をただ帰りを待っていたのに、そして今もこんなに焦がれているのにとルシファーに告げる彼女。
また現れたのかと息巻くミカエルに、まだ気付かないのかとルシファーが言う。この女が、誰なのか。
止めるバルベロ本人の言葉も聞かず言葉を続けるルシファー。
かつてミカエルが唯一心を開いた女がいた事を思い出すといい。長く我らに仕えた女士官。
その裏切りはミカエルの心に深く傷を残し、以後女性に激しく嫌悪を抱くようになった。
その女の名は?
「バル」…バルベロ…?!
バルベロはそれを肯定した。
その死の淵より救い出し、新たな血と肉と魔力を与えてくれたルシファーに永遠の忠誠と変わらぬ愛を誓ったのだと。
その言葉に偽りがないのなら証を見せろと言うルシファー。
かつて主人であったミカエルを、その手にかけられると言うのなら――
バルベロの目の色が変わった。今度はためらうことなく、ミカエルを含むその場の全員に攻撃を仕掛ける。
まるで強い酒のような毒の霧…
苦しむ「世界の魂」のメンバーは、魔物に襲われている女性を発見した。
それは基地に残ったはずのミリエル。彼女を助け、魔物を両断するが…それが、仲間の姿だった。
ミリエルだと思った女性こそが、魔物…!
これがバルベロの力。男の堕落を誘い幻覚を武器とする地獄最高位の女将軍。
その魔力は生きとし生ける物全ての記憶の中枢をマヒさせ、獲物を虜にして喰らい尽くす。
注意喚起するウリエルの前には、アレクシエルが。
そして、刹那の前には、紗羅が…!
その笑顔…この俺に、切らせるなと想いながらも七支刀を構える刹那。
だが、その瞬間…幻覚の紗羅は溶けて消えていった。
790 :
3/3:2006/11/12(日) 01:14:15 ID:???
バルベロの胸には加藤の投げた不知火が突き刺さっていた。
何故か抜けない刀、なくなっていく力。不審に思うバルベロ。
その胸に浮かび上がった、かつてミカエルのつけた古傷…
人間風情に幻覚が破られたのは何故か、この剣は一体何か…
青くなるバルベロに、確かにただの人間だが「死人」だと言う加藤。
生きとし生ける者には効いても、自分にとってはただのスモーク。
それから、不知火はかつてルシファーの所有していた剣。本人に効かなくとも配下には効果絶大のようだ。
…だが色気が通じなかったのは、本当は違うのかもしれない。
もう心に響く大切な思い出なんてこれっぽっちも残ってはいないと加藤は言う。
体のどこを痛めつけても何も変わらない、今こうして自分の姿を保っているのもやっとなのだ。
すごいスピードで記憶がなくなっていく。
思い出すべき思い出はなくなってしまった。…姉の名すら、思い出せない。
こんなに怖いとは思わなかった。必死に守ってきた物、思い出、大事なもの…どんどん失われ、バカになっていく。
どんなにあがいても体を切り刻んでもこぼれていく…!
自分が自分であるために必要だった思い出、残像、一つ一つ乗り越えてきたハズの事、縋りつく思い出すら…
本当はもう、何も思い出せなくなる時もあると言われた事を思い返すウリエル。
忘れたくはない、まだやり遂げてはいないのだから。最後の瞬間まで自分でいたいと。
心配して駆け寄る刹那を振り払う加藤。
もう今はお前の名前すら思い出せないと言う。
そんなボロ屑のようになってまでここにいるのは、心の奥にたった一つ残った猛る思いを何としても遂げるため。
それが今の自分を支えるただ一つの思い!
ただルシファーを殺すため、決着をつけるためだけに存在している。
そんなボロボロの姿でただの人間一匹がどうやって殺す気だと思っているのか、とルシファーにタンカを切る加藤。
だがこれさえあれば、それができる。
加藤はウリエルが星幽界から持ってきたものを、開いた…
ばばばバルベロ様まじでー
永き時は女を変えすぎだろ…orz
整形なのか、メイクでごまかしてるのか
それよか加藤…
天界の豚共とか言ってるこの女王様が、
あの清楚で優しいバル?!
なんかルシファー、バラすの狙ってないか
なんかこの漫画、清楚とか清廉に見えるキャラ程裏があり、
妄執に取り付かれ易く、犠牲者にもなりやすい気がする。
きっとジブリール様も白百合のようでいて腹黒だったに違いない。
まさか沙羅のあの豹変っぷりはジブリールが前面に出て…とかじゃないだろうな?w
ウリー、アレクの全裸見れてよかったね
いやあれは妄想だろうw
加藤は記憶があっても色気に血迷えたかどうか。
思い返せば寂しい人生だったよなぁ…
まともに生きたのは死んでからだし。
ウリー妄想かよwww
加藤死なないで欲しいなー
>>796 だからウリーが見たアレクはぼやけてたのかwww
刹那は紗羅の裸見た事あるからあんなハッキリ見えてたんだねw
バルベロ様胸でけー
十二宮名前負け
802 :
1/3:2006/11/15(水) 00:21:15 ID:???
加藤が取り出したもの…
「災いだ …ああ災いだ災いだ 地上に住む物達よ」
驚く刹那とクライに、ウリエルが説明する。
「封印を解かれし大地は終末への最後の審判を迎えるだろう」
「第三の天使がラッパを吹くと松明の如き巨大な流星が川に落ちて地上の水の3分の1が汚れ地上の生物を殺すだろう」
大天使が創世神により与えられた任務の一つ、地上が悪意の魂の塊となったとき動き出すよう仕組まれた人類粛清プログラム。
それはそのときに使う様に神に授かり、その日が来ない事を祈りながら星幽界に封印してあった物。
地上の3分の1をも破壊する巨大な流星を呼び起こす神器。
「苦よもぎ(ワームウッド)」の卵。
灰葬 ACT.6
神を冒涜する者、そして対悪魔用に作られた最終兵器の一つ。
神の祝福を捨てたものにのみ、威力を発揮すると言われている。
それはつまり…ウリエルがあれを加藤に渡したということ。
彼が記憶を失っているのも、体がボロボロなのもわかっていてとウリエルに掴みかかる刹那。
だが見せ場を邪魔するなと、"名前をわすれたそこの"、と加藤が怒る。
切れ切れに助けを求めるバルベロを、ルシファーは見向きもしない。
冷たい男だと言いながら、加藤は卵を解放した。
週末の日を伝える巨大な星、人類の3分の1を滅ぼす天雷の巨星…
だが、それは「世界の魂」のメンバーすら巻き込んでいったことにウリエルは驚きを隠せない。
これでは皆殺し、決して発動が至近距離のためではない。
まだ神の使いであるはずの自分達も変わりなく被害を受けるとは…
つまり、悪なる魂のみに有効な神器ではなく、生きとし生ける者全ての命を奪う兵器…!
803 :
2/3:2006/11/15(水) 00:22:48 ID:???
最後の審判とは選ばれし魂のみが生き残る世界ではないのか。
創世神は自分の作った天使すらもその手で焼き尽くそうと――!!
それを甘いとルシファーが言う。心のどこかでやはり神の庇護を信じていたのだろうと。
その時クライが天国の門が閉じ始めているのに気付いた。
強制グランドクロスが元の時空に戻ろうとしている、これが終われば神性界に入る最後のチャンスがなくなる…
その時起こった爆発で、バルベロはダメージを受けたが不知火はその胸から落ちた。
加藤はそれを手に、吉良へと向かっていく。
バルベロは、させるものかとその背後から…!
ルシファーの体を、傷つける事のなかった不知火の剣先が折れた。
それはそのまま、バルベロの額に突き刺さり、彼女は落ちていった。
ルシファーは加藤に致命傷を与え、訊いた。
何故効かぬとわかりきったその剣を自分に向けたのか?
そんな事を聞くために一息で殺さなかったのかと笑う加藤。
言ったはずだ、忘れたのだと…
「相変わらず…嘘が下手だな…」
ルシファーが逃げる…空からは最後の巨大流星が迫る。
誰もが門の中を目指して急ぐ!
だが、瀕死のバルベロが刹那の足を掴んだ。あの方の敵は自分の敵、行かせはしないと。
そしてミカエルがそんな彼女にとどめをさした。
もうやめてほしい。自分達は同志だった、必死で兄に認めてもらおうと足掻いていた。
けれどこれ以上、自分の中に残した物まで汚さないで欲しい…
しかし、刹那の足からはバルベロの手が抜けない!
ミカエルが急かすが、門が閉まる…!!
804 :
3/3:2006/11/15(水) 00:23:38 ID:???
加藤が、義手と折れた不知火で門を押さえた。
「誰だかわかんねーけど バカはほっとけねぇんだよ」
義手が壊れ行く…加藤は刹那を門の中に押し込んだ。
「――じゃーな せっちゃん」
だって俺には 天国なんて似合わねーだろ?
門の向こうの加藤は、笑っていた…
閉じてしまった門。それでも花道にしてはやけにきれいな光景だと加藤は思う。
願い事100万コくらい叶えてくれそうな流れ星に、礼を…
火もないのかと煙草を咥えるが、もう体が持たない。
天国の前だというのにしけている…
そんな加藤の煙草に、煙草伝いに火をつける男。
『やっと戦ったじゃん』
吉良……加藤はただ涙を流した。
これが自分の夢だったのか…願い星が最後に見せた幻がこれかと。
ホントに俺って奴は…俺は…
残された、折れた不知火。
忘れたなんて言っていたくせに…
嘘つきで、本当にひどい奴だ。刹那は涙をこぼす。
あんたはどうしてそう 最後まで意地悪なんだよ
805 :
補足:2006/11/15(水) 00:25:57 ID:???
上記あらすじは単行本掲載に伴って書き直されたものです。
本誌掲載時は以下。
吉良の幻影が出てくるシーンはなく、
天国の門の上に流星が降ってくる大ゴマ。
加藤の顔アップはなし。
最後のモノローグは
「まぶしくて まぶしくて
俺の本当の願いが何だったのか もうどうでもいいけれど」
といった感じ。
806 :
訂正:2006/11/15(水) 00:59:56 ID:???
今度こそほんとに死んじゃったかな…
今度こそマジで死んだな。
加藤おつかれさま・・・。
加藤乙
元は前世云々関係無い普通の人間だったのに大健闘だったよ
来世では変態達と関わらずにまっとうな人生を歩んでくれ…
変態達と関わらないとチンピラな人生に
吉良の親父さんみたいな人の子供に生まれてくれば無問題
「苦よもぎ(ワームウッド)」の卵って・・・
加藤は最後に酷い事をしたよね(´・ω・`)
加藤、まだ吉良にCD返してないよ加藤…
彼が初めて出てきたときには、まさかこんな重要キャラになるとは思いもしなかった
加藤…
こいつの死で泣かされるの何度目だろう。
でもこれで最後っぽいな。
成仏してくれ…。
結果的に、ウリー余計なことしただけだよな。
味方も何人も死んでるし。
816 :
1/3:2006/11/17(金) 00:04:17 ID:???
至高天 神性界編 落園(エデン) ACT.1
不完全な太陽の下 不完全な渇望を抱え
アスファルトの箱庭の中 自己を否定し続ける 模造生物の様な貴方を想い
私の心は張り裂けんばかりに 肥大し…意識は歪曲して
やがてその結晶は砕け 残響し…舞い落ちるだろう
幾千もの…思いの破片となって…
貴方を抱きしめたい 懐かしい歌を口ずさみながら
いつまでも いつまでも 貴方が眠りにつくまで 撫でていたい
私の手はもう貴方を 抱く事は出来ないけれど どうか祈りは届いてほしい
不完全な模造太陽は 不完全な子供達を 今も愛し続けているんだと
それはこの世の祝福を一身に集めた様な、夢の様に美しい少女。まさに奇跡と言うべき…
自分とはまるで正反対の、双子の姉、アレクシエル。
6枚の羽と血肉を分け合った分身…
ロシエルは自分のものだと、彼女に向けて包帯の巻かれた血だらけの腕を伸ばす。
だが幼きアレクシエルが覚醒すると、その手は無残にも炎に包まれてしまった。
すべてはあの日…いや、既に運命の輪は回り始めていた。
アレクシエルの閉じ込められていたこの楽園という名の牢獄から…
最後まで加藤は加藤らしく、逝った。
だが彼がどんなに無念だったかを刹那は知っている。
どれ程の思いを…吉良や、自分の事、世界の事を託していったのか。
彼がくれた血も、魂の叫びの一片も無駄にはしないと誓う。
命を懸けて天国の門へ導いた事を忘れはしない。最後まで見せた吉良との因縁の決着も、それを操るロシエルも。
世界をこんなにしてシカトこいてる神様って奴にも。
神の塔を見つけ出し、必ず自分がけりをつけてみせる!
そして一行は迷道を抜ける…見えてきた光。神の在りし地、神性界。
817 :
2/3:2006/11/17(金) 00:06:09 ID:???
かつてこの地は御前天使とわずかな選ばれた天使のみが行き来する事ができた。
が、いつしか神はその姿を隠し第二次天地大戦後、完全にその道を閉ざしてしまった。
そして神の塔への謁見はロシエルと側近のみに許されていたが、その所在さえも今は不明。
これからどうやって探せばいいのかと問うクライだが、刹那は聞いていない。
先程の血の争いが嘘のような別世界、ここを知っている…?
懐かしい光…刹那は、あっちだと言い残して勝手に飛び立った。
見失ってはいけないと、全員がそれを追う。
見えてきた…あれが、アレクシエルの閉じ込められていた牢獄。
刹那の気配を感じたロシエルはアレクシエルの亡骸に語りかける。もうすぐ刹那が来ると。
それに、血の匂いがしてきた。火薬と硝煙…肉を引き裂く興奮の瞬間。
力ない者が泣き叫び苦痛に喘ぐ阿鼻叫喚、あなたの目覚めのための三聖頌(トリサギオン)。
あなたの大好きな、死の香り…
聖なるかな 聖なるかな 聖なるかな 全能である創造主よ
かつて存在し 今も存在し やがて降臨せしめるお方よ
これ以上最終兵器を乱用し、大地を削り大気を汚しては悪魔軍の撃退どころか天界を滅ぼすと進言する軍人。
たとえ戦争に勝っても、味方にこれ程被害を出しては意味がないと言うが…
ロシエルは最後の一人になろうとも勝ちは勝ちだと言う。
これは天と地の永きに渡る決戦の、最終戦争なのだ。
そして気分が悪いとさがったロシエルの様子がおかしい事を、物陰からカタンが見ていた。
ロシエルの、偽者の様子を見に来たカタン。
その腕が繋ぎ変えられるのを見てうっかり音を立てて見つかってしまう。
偽者の体をメンテナンスしていたのは、かつてカタンの元に食事であるティアラ達を連れてきた屍体請負人。
彼はカタンの事を覚えているようだった。
襲い掛かってきた親衛隊を返り討ちにしたカタンは、彼もドビエルと同じ…化物である事を知った。
818 :
3/3:2006/11/17(金) 00:08:33 ID:???
請負人はそれをお前もいずれ辿る運命だと言った。
彼らはみなロシエルの細胞をその身に同化させた、彼の分身・端末。
忘れたとは言わせない、かつてその化物同然の姿で子供達をむさぼり食った事を。
その言葉に反応したロシエルの偽者が、裏切り者とカタンに食って掛かり…撃たれて倒れた。
カタンはだからこそ、自分の意志で考えられるうちにやらなければならない事があると言う。
ロシエルを救えるのはあんな男ではないと…!
たとえそれがあの方の命を奪おうとも、自らの命をかけてあの方を救ってみせる!
ならば禁断の塔へ行くようにと請負人は言った。
そして、騒ぎを聞きつけて親衛隊が駆けつける。
ロシエルの死体を前に、暗殺・叛逆容疑をかけられたカタンは追われる事となる。
だが、彼を救う事こそがこの世に生を受けた本当の意味だと感じていた。
あの方の細胞をコピーし、生きた部品を組み合わせた最高の人形は壊れてしまった。
直すのにどれくらいかかるかと落胆する請負人。皮下組織の再生に52時間はかかる。
だがもうすぐ中継の為パレードがある、形だけでも何とかしろと親衛隊にせっつかれる。
カタンの件は、暗殺未遂で発表するとの事。
長時間の活動は不可だと言いながらも、請負人は再生を約束した。
若さは時として無限の可能性を見せるもの。
それがたとえ滅びの道であろうとも…
愛は…時に屍肉よりも醜いものだから…
草原を歩く紗羅を攻撃する天使達だが、その力で返り討ちに遭う。
彼女が地に降りた瞬間を狙って頭に銃を突きつけるバービエル。そこまでだ。
ラファエルも現れ、戻るよう言う。これ以上その体で罪を重ねさせる訳にはいかない。
「「サラ」の胎内に取り憑いた かつてサンダルフォンだった妄執よ」
応えるように、紗羅は笑った。
カタンがどう見ても元カノに男ができて騒いでる痛い人にしか見えない…
やっぱバービエル姉さんカッコヨス
バービーさんに死亡フラグが立ってるような
サンダルフォンはロシエルに喰われたのに、紗羅の腹に居るのは何故?
結局レイプされてたってことを言いたいのか
人工羊水がこぼれていたってことから、サンダルフォンが再度来たというのか
死んだ魂が根性で乗り移ってるのか
この辺の事情が、もうさっぱりわけがわからないorz
>>822 死んだ魂〜が正解じゃないか。
妄執が乗り移ったとか言ってたし
アレクシエル酷いことしたんだね
びっくりした…
あの炎はアレクシエルがやったのだろうか?
神とかがやった?とも考えたけど、アレクシエルが目を覚ました
タイミングからして、やはり彼女?
カッと目を開いた次の瞬間
ロシエルの腕がボッと燃えたよ・・・
神が寵愛してるロシエルの腕を燃やすとは思えないし。
ロシエル人形グロかった。
再度登場の屍体請負人、不気味でイイ味。
でも好感度上がったバービエルのここでの再登場はヤバイかも。
828 :
1/3:2006/11/19(日) 00:03:21 ID:???
落園 ACT.2
サンダルフォンの残した悪夢の思念に紗羅の体を返すよう要求するラファエル。
もうお前は死んでいるのだから…
紗羅の胎内から再びこの世に生まれ出る事を目論んでいるのだろうが、実際にはその空間には何もないのだから不可能だ。
だが呟かれる言葉、天の板ならばできる、エテメナンキに行けばまた力が手に入る。
メタトロンはライラが連れて行ってもう会えない、紗羅の腹からもう一度、天の板の力で生まれると…
ラファエルはそれでサンダルフォンの目的を察した。
サンダルフォンとメタトロンの双子の魂は離れてしまったのだろうか…?
天の板は神性界の神の塔にある全能の力の一辺と言われており、四大天使もその真の姿を垣間見た事はない。
だがサンダルフォンはその神秘の力で再び実体として生まれでるつもりなのだ。
何て事かと紗羅の頭に銃をつきつけるバービエルに、撃てばいいと笑うサンダルフォン。
ラファエルはお前の命よりも「サラ」の命が大事だからと。
まともな話し合いはできないのだから退けと命じるラファエルだが、バービエルの震えは止まらない。
その腕が力で潰されると同時に向かっていく「世界の魂」のメンバーだが…
解放された力で全員があっさりとやられてしまった。
みんな潰れてしまえと陽気に笑うサンダルフォンだが、やがて蹲りもう殺さないでと涙をこぼした。
これ以上はもう見たくない、ラファエルまで傷つけないでほしいと…
それが紗羅本人の意識だと気付いたラファエルはそのまま戻ってくるように呼びかけ彼女を抱きしめる。
しかし、もうお終いだと…その攻撃がラファエルを貫いた。
最後のお別れができてよかったね、君が死んだら君を甦らせる人はいないと、とどめの攻撃を放つ…!
それを庇ったのは、バービエルだった。
829 :
2/3:2006/11/19(日) 00:05:57 ID:???
悪霊となった死せる魂へ、バービエルは瀕死の状態で呼びかける。
我が主人にとって自分の命と「主人の大事な方(サラ)」の命のどちらが重いかなど、自分には無意味。
今まで何百人という女を渡り歩いた彼が唯一人の女を大事に出来た事実をほっとさえしている。
ただ…それが、自分ではなかったというだけ…
そしてバービエルは目を閉じる。
天国への門が閉じる事を感じとるサンダルフォン。
ニガヨモギの卵、発動。エテメナンキへ行かなければ…
その呟きに救世使達が神性界へ入ることに成功したのかと気付くラファエル。
先ほどの地震や落石はそのためのものか…
やがて、ラファエルの制止の声も聞かずにサンダルフォンは消えていった。
カタンを探し回る親衛隊。何としても叛逆者を逮捕し処刑するのだと。
物陰に潜むカタンは捕まるのは時間の問題だがこんなところで殺られるわけには行かないと思っていた。
今はあの請負人の言った事にかけるしかない。
禁断の…すなわち封じられた神の住居、エテメナンキへ向かう。
背後から飛び出し、カタンは親衛隊へ向け発砲した。
呪われし神性界…神の塔のある天使禁猟区と呼ばれた神の領域…
何か強烈な思いに駆られて吸い寄せられてしまったとその場所を見上げる刹那。
ここはアレクシエルに縁のある場所に違いないが、この凶々しさは一体何か。
厳重な警備にも似た鎖や針金、そして結界の跡。
まるでアレクシエルは閉じ込められていたかのような…
ひとりでに門が開き、刹那は足が勝手に進むような感じで進んで行く。
目を瞑ればありし日の輝いた緑や美しい庭が浮かぶのに、現在はまるで廃墟という言葉がピッタリの死んだような寂しい空間。
そして辿り着く場所…そこを覗いてはいけない、見てはいけない…!
830 :
3/3:2006/11/19(日) 00:07:49 ID:???
椅子に座すアレクシエルと、その周りにいくつもの死体。
慄く刹那の横から恐ろしいと喚くシスターの声がする。
あんなに可愛がってきた動物たちをこんな目に…やはりこの子には天使らしい慈愛の心などない、悪魔だと。
神に報告しなければ、生まれた時より感情を持たずこの惨状にあっても眉一つ動かさない少女。
有機天使アレクシエルは永遠にこの「義の国(エデン)」より出してはならない。
呪われし魂よ、裁きを受けよと…彼女を罵るシスターの顔に張り付く、電気コード…
そんな彼女を背後から攻撃し、もう君を傷つける者はいなくなったと笑う、ロシエル。
君からもらった瞳も肌も定着し、生まれ変わった自分を見ろという。君もすっかり元通りだと。
もう君をいじめる者はいない、やっぱり君を最後まで信じているのは自分だけ。愛していると言ってごらんと。
だが自分はアレクシエルではない。
あの生き物達を殺させたのはお前だと、ロシエルに向けて刹那の意識が語る。
アレクシエルが心を許しかけた生き物やシスターに嫉妬し、彼らにチップを植え込み狂わせた。
彼女は狂って仲間同志で喰い合いをする生物達にこれ以上苦しんで欲しくないから殺した。
そんな方法でしか助ける術を知らないから…
どんなにしてもアレクシエルの心は手に入らない。
たとえ彼女の瞳や体を移植しても、彼女になれはしない…!
幻は消えて言った。残っているのは崩れた椅子のみ。
惑わせやがってと呟く刹那の背後から、幻ではないと声がする。
今視たものは正真正銘、アレクシエルとしての魂の記憶。語るのはルシファーだ。
ここはかつてアレクシエルとロシエルの力が同化するのを恐れた神がアレクシエルだけを幽閉していた牢獄「義の国」。
そして刹那の墓場となる場所…アレクシエルの目覚めの為に死んでもらうと、ロシエルも声をかける。
アレクシエルとロシエルが揃わなければ神の塔は開かないからだ。
振り返った刹那が見たものは…変わり果てたロシエルの姿。
バービエル姐さあぁぁぁぁん!!。゚(゚´Д`゚)゜。ウワァァン!!
カタン頑張るなあ
バービエル…ラファエル死者蘇生頑張れ
アレクの記憶の中のロシエルと、カタンの昔話に出てくるロシエルと
なんか性格が違うなあ。時間の流れは
今回のアレクとロシエルの話→カタン誕生→いろいろあって今現在
であってる?それともカタン誕生とアレクロシエルの話が逆なのか
昔からロシエルは狂気と正気の間をふらふらしてたんじゃないのか
近年その触れ幅が狭まり狂気に偏ってきただけで
幼女アレクシエル可愛いよアレクしエル
カタン暴走中
カタン逃走中
カタン逆襲中
カタン変身中
何この流れw
841 :
1/3:2006/11/21(火) 00:09:35 ID:???
落園 ACT.3
体中に刻まれたタトゥーの様なアザ…以前よりも更に幼くなった体…これがロシエルだろうか。
この体が珍しいのかとロシエルは言う。急速な逆成長…その言葉に驚きを隠せない刹那。
まだ世界が混沌としていた昔、神はこの世に対極の宿業を負わすべく双子を創り出した。
生まれ出でたのは双子とは名ばかりの、醜い年老いた肉塊と生命力に満ちた美しい赤子。
呪われた姿と永遠の苦痛を抱えて生きるロシエルにとって「義の国」にいるという双子の姉の存在は唯一の光であった。
だが、アレクシエルは一目見てロシエルを拒絶したという。
血だらけになってもやっとの思いで辿り着いた彼を、残酷な瞳で拒んだのだと。
だから奪ったのだ。その美しい顔、体、全てを。
今日は右目、明日は左眼。君の綺麗な髪君の細い指。
君の柔らかい肌、君の美しい足、手首、口唇。
一つ一つ、ゆっくり奪い、ロシエルに移植していった。
どうせ有機天使の再生能力で何度部品を欠損させようと後から生えてくると言うロシエル。
死ねないという事はそれだけ苦しみが永遠にも続くという事なのに。
刹那はその説明に吐き気を催した。
だがロシエルは自らの体の腐敗を示す。
アレクシエルの細胞が彼の「負」の力に拒否反応を起こし始めたのだと。
時間がない…アレクシエルを甦らせ神の塔を開き、全能なる力を手に入れる。
今度こそ完全なる肉体を手にし、美しく甦るため。これ以上ロシエルの体が朽ちる前に…
アレクシエルの真の覚醒の為には刹那の意識は無用だと、互いの為に刹那を殺すようルシファーに命じる。
それを受け、ルシファーは刹那に向かって行く。
ルシファーの攻撃に本気でカタを付けるつもりだと悟った刹那は七支刀を構えようとするが、腕輪の状態のまま変化しようとしない。
その間もルシファーの攻撃は続き、刹那は壁に叩きつけられる。
何故か、羽根も出ない。アストラル力が使えない!
なんでここを死に場所に選んだと思っているのかとロシエルが笑う。
ここはその力を恐れられアレクシエルが幽閉されていた「義の国」。
第五元素を遮断された一切の有機天使としてのアストラル力を無効とする唯一の場所!
842 :
2/3:2006/11/21(火) 00:12:01 ID:???
自分一人の為に随分姑息なマネだとルシファーを罵る刹那だが、ロシエルは彼に心理作戦はきかないと言う。
これが自分の手にある限り…と彼の血水晶をかざして見せた。
元は七支刀として彼の魂を封印していた物。
だがそれも窖で吉良朔夜死亡の際に砕け散ったはずだった。
それを手に入れたロシエルがこうして彼を操っている。
元々アレクシエルもそれで七支刀を支配していたのだからと。
本当にそれでいいのかと刹那は呼びかける。
そんな奴の奴隷に成り下がるために長い時間アレクシエルを追ってきたのではないはずだ。
何度も気の遠くなるような時空の旅を、彼女を見守っていたのに…本当に恨みつらみで魂のストーカーをしていた訳じゃないはず。
いい加減に認めればいい、アレクシエルが七支刀を手離しても彼女を探していたのだから。
何度生まれ変わろうと、アレクシエルの事を愛していたはずだ!
自身も大怪我を負いながら、バービエルへ治癒の術を施そうとするラファエル。
世界の魂のメンバーはそれを自殺行為だと止める。
だが急がなければならない、こんな波動の弱まった体力では彼女を甦らせる事などできない。
体が動く内にもっとより強い風の加護のある地へ――
ラファエルに万一の事があれば彼を甦らせる力のある者などこの世にはいない…必死の叫びは届かない。
風の吹き荒れる丘の上、バービエルの亡骸を抱え立つラファエル。
今まで「女」という者を嫌悪するあまり彼女達に復讐とも言える非道な行為をしてきた。
子供じみたバカげた心理から弄び、その優越感で自分のプライドを保っていたのだ。
それを教えてくれたのは、気付かせてくれたのは「無道紗羅」だった。
だがバービエルはそんな事は百も承知だった。
何もかもわかった上で全身全霊でラファエルを支えていた。決して顔には出さず。
時に母の様に、姉の様に、そして恋人の様に…海の様な広い心で無償の愛で包んでいた。
ラファエルはその心地良さにただ目を瞑って身を委ねていただけだった。
自らの守護する風の精霊へ力を与えて欲しいと呼びかけるラファエル。
「俺のこの愚かな精神や堕落した肉体がどうなろうとかまわない――!!
俺に力を…愛する者を救う力をくれ―――――!!!」
843 :
3/3:2006/11/21(火) 00:14:07 ID:???
神性界の門へ辿り着いたカタンはその場の惨状に驚くばかり。
一体何が起こったのか。
戦火の跡とは違う、何か大災害にでも遭ったかのような…
その時彼は門の前に紗羅の姿を発見した。
何故彼女がここにいるのか?
だがその様子はおかしい。
何構わず魔物の死体を踏みつける彼女の異様な妖気、何かに取り憑かれているのだろうか。
閉まっている天国の門にはわずかに空間の歪みが発生していた。
紗羅はその亀裂を広げ、門の中へと入って行く。
空間はすぐに閉じて行く…これが神性界へ入る最後のチャンスかもしれないとカタンは急ぐ。
彼女の力の詮索は後だと。
狭まった空間に肩を抉られながらも門を通ったカタン。
もう迷う事はない、ただロシエルのところへ向かうだけ…
今も呼ぶ声が聞こえる。二度と間違えない――
刹那はルシファーの攻撃で息も絶え絶えだ。
ルシファーは先程の刹那の言葉を笑う。
自分が彼女と共有できる物があるとすれば一つだけ、
無意味な殺戮を好み戦っているときにだけ生きている実感を得ることができる何かの欠落した精神。
違うのは彼女が悪魔を殺し、ルシファーは天使を殺しているというだけの事!
そしてルシファーの攻撃は七支刀の腕輪を弾き飛ばした。
と、同時に、彼の血水晶のひとかけらも…
それを踏みつけ、一切の感情を許さない瞳で見下ろすルシファー。
今度こそ殺られると刹那が感じた瞬間、"サクヤ"に呼びかけるものがあった。
"人間"の、吉良朔夜の霊体…
ストーカーw的確www
ラファエルなんか…なんかな…
少年サクヤ久しぶりにキター
刹那ドサクサまぎれに、つい本音がポロリw
バービエル死ぬには惜しいよバービエル
ラファエルなんかどうでもいいけど
ラファエル今更そんなことを言ってもなぁ
愛のためなら自分や周りの人がどうなろうと構わないって奴が多すぎる
バービエル姐さんにはなんとしても復活して、ラファエルに説教してほしい
バービエルなんか死んだままでいいじゃん
いい加減自分の立場考えてほしいよ
バービエルは生き返るでしょ、この展開なら。
サンダルフォンは追わない、自軍はほったらかしの挙げ句、
生き返らないなかったらいくらなんでも「このバカは何してる」だし。
自分の恋人の為に蘇生術使えるってだけでも相当恵まれてる立場だよ。
これでバービエル生き返らなかったら、
完璧無駄死にだよね。
何のためにラファエル庇って死んだのやら。
えぇ?生き返らせてもらうつもりで庇ったの?
なんかこの漫画、
片想い→振られる→自分を前から好きでいてくれた人出現→その人に即乗り換え
って人が多い気がするなぁ…
すぐに切り替えられたらなんか萎える(´д`)
ラファエルとセヴィー?
相手に甘えて自分は好き勝手、後で気付いて後悔のパターンは多い
ラファエルは裁判よりバービエル救出を選んだ時点で、
すでに答えは出てたような…
ラファエル自身も怪我してるからサンダルフォンは追いたくても追えないじゃないのか
>>853 クライはまだまだだよ
>>852 バービエル生き返らせるためにラファエルが死んで
さらに彼女も生き返らなかったら、
ラファエルを庇ったバービエルはただの無駄死に…ってことじゃない?
ラファエル・ライラ=オスカル
サラ・ザフィケル=フェルゼン
バービエル・廃龍=アンドレ
で脳内変換したらなんとなく納得できた。
普通は指揮官としての責任や倫理と、私情の間で板挟みになって悩むもんだけど、
この漫画の登場人物は当たり前のように私情を優先してるなあ
「世界の危機より私の危機」「愛といえばなんでも許される」みたいなところが凄い
天国の門の前で紗羅が踏みつけて行った死体は、まさか・・・
バルベロ?
おまいらワロスw
865 :
1/3:2006/11/23(木) 01:08:14 ID:???
落園 ACT.4
"本物"の吉良朔夜の魂と相対したルシファー。
その昔事故に遭い死ぬはずだった所を血水晶と契約し、彼と「同化」する事で生きながらえた朔夜。
そして二人で一つの「吉良朔夜」という人間として生きてきた。
だがあの時血水晶は割られ、七支刀と分離して「吉良朔夜」の肉体も砕け散ってしまった。
同化していた魂は突如、何かドス黒く大きな渦となった意識によって弾き飛ばされ…朔夜の魂は何とか血水晶の一辺に留まった。
それが刹那の足に刺さっていた一辺。
彼もまた「吉良先輩」の一部だったのだと知る刹那。
彼はルシファーの中で「吉良朔夜」としての意識体は消えた訳ではないと言う。
ルシファーのあまりにも強い何万年もの太古の念に支配され、そのあまりの質量と憎悪にかき流されているだけ。
彼にはわかるのだ、ずっと一つになり「人」として刹那を見つめて生きてきたのだから。
何度人間と契約しようと人の心に目覚めたのは初めてだったのだから…
刹那はルシファーとして現れた時に加藤を一思いには殺さなかった事を引き合いに出し、
あんたの中の「サクヤ」が加藤を殺す事をためらったのではないかと言う。
長く生きた呪われた生の中で「吉良朔夜」として生きた事、自分達と過ごした何年かはあんたの中に何かを残したのではないのかと。
人間として生きてきた日々が好きだったのではないのか、吉良朔夜という人間になったはずなのに。
だがそれをロシエルが笑う。
お前はこの世の絶対悪の王者、それ以外の何者でもないと。
刹那はなおも言い募る。自分達と過ごした日々が偽りだったなどと信じない。
父の事も本当は大事に思っていたはず、あの瞬間、幸せだったのではないのか…?
だが…ルシファーはロシエルの呼びかけに応えるように、刹那の胸を切り裂いた。
ロシエルはその様子に大笑いする。
ついにこれで人類最後の希望の救世使の終わりだ。
これで「吉良朔夜」がルシファーの中に完全に吸収されている事はわかったはずだと。
彼はアレクシエルのところへ向かうという。刹那が死ねば彼女が甦るはずだから。
ルシファーには刹那の遺体をバラバラに裂き焼き払うよう命じた。
二度と蘇生もかなわぬ様にと…
866 :
2/3:2006/11/23(木) 01:11:22 ID:???
刹那を殺すなど正気かと朔夜が呼びかけるが、ルシファーは無表情に武器を構えた。
「吉良朔夜」を完全に消すのかと言い募る朔夜を…七支刀を具現化した刹那が、庇った。
ミカエルは兄の波動を感じとる。
おそらく救世使は今彼と戦っているはずだと。
神性界は創世神の創った巨大な箱庭、うかつに行動すれば迷い込んでしまうと案じるウリエル。
特にここは禁区、アレクシエルがかつて幽閉されていた地なのだ。
このどこかにアレクシエルのいた「義の国」があるはず…きっと彼はそこに引き寄せられたのだとミカエルは言う。
「義の国」ではアレクシエルの膨大なアストラル力を封じる為にその中心に「知恵の木」と呼ばれる巨木があると言う。
アダムとイヴが食べたという禁じられた木の実のなる木…伝説上の話ではないのかとクライは訊くが…
とにかく時間がないと、「義の国」を探しに向かう。
ミカエルは兄の事を思う。
この荒々しい狂気にも似た殺気はあの時からだと。
創世神の呼び出しを受けた任命式の夜…あの時、創世神との間に何があったのだろうか…?
ルシファーは刹那の傷口から血が出ていないことに気が付いた。
ここではアレクシエルの力は封じられているはずだが…
『そう 今 私は有機天使の力ではなく…私の始祖たる者の時間魔法によってこの体の時間を止めている…』
四枚羽根の男、ルシファーに久しぶりだと言うのは…刹那ではなく、アレクシエルだ。
彼女は結局こうなる運命だったと言う。
お前はいつか最大の「無道刹那」の敵となる――と。
でも誰にも殺させはしない、この世界を救うのは自分ではない。
この少年は完璧だ、長い間待ち続けた不屈の精神の持ち主。
常に前をみつめどんな困難にも一歩ずつ力を込めて進んで行く人の子。
無道刹那こそが自分の選んだ真の救世使だと。
お前が人類最後の希望であるこの少年を殺し破滅の実を行くというのであれば、今ここで殺すと言う。
自分では真の救世使にはなりえないから…できる事はただ死体の山を築く事だけ。
ゴルゴタ(しかばね)の道を創り上げ血塗られた楽園に人々を導く滅びの女王、心の死んだ不完全な"モノ"だ。
かつて義の国でルシファーがアレクシエルに言った言葉。それがお前の性だ、と…
867 :
3/3:2006/11/23(木) 01:12:36 ID:???
人の顔のような形をした、エデンの木の実。
食べる事を禁じられたはずの奇妙な果実。
義の国中に張り巡る様にその木の根が伸びている。
――いやむしろ、この島自体がエデンの木のひとつの塊の上に浮き島となって建っている。
アレクシエルは毎日与えられるままその禁断の果実を食べていた。
それは甘く苦く血の味がする…きっと"これ"は何か悪い"モノ"のような気がしてならない。
人の「何か」を狂わせる甘美な毒の匂い。
実際、彼女の世話をするシスター達も病的にそれを求めているようだった。
そしてうっかりそれを口にしてしまった鳥がアレクシエルの眼前で苦しみだす。
その様子を見ていられず手を伸ばすアレクシエル…
その時、背後から悲鳴が響いた。
振り返った彼女が見たものは、シスターの亡骸を引き摺る4枚羽根の男。
彼はお前がアレクシエルかと怒りの表情を見せると、その首に手をかけ押し倒し、刀を突きつけた。
「お前を犯し…殺し…!! その首を奴に贈呈したら…
創世神はどんな顔をするだろうな?」
過去ルシファーの思いついた悪事ってその辺の雑魚チンピラのレベル
アレクはそのとばっちりを受けるのか
>868
たしかにw
なんか一気にちゃちいヤツに思えてきた。
ルシファーよりアレクシエルのが強そう
ミカちゃんの羽根にトーンが貼られてる
もしかして赤いのかな
ロッシーとアレクは3枚づつなのに、ルシファとミカちゃんは4対2なのな
そらミカちゃんもぐれるよな
双子って本人達に身内意識ある以外、あんまり意味無いよな
羽根の数=強さだとすると、あのロシエルよりルシファーの方が強いのか
双子が揃うと羽根の数だけ威力が増す・・・って訳でもなさそうだしな
天使や悪魔のいる世界なのに、
九雷がアダムとイヴを「伝説上」って言うのが不思議。
875 :
1/3:2006/11/25(土) 00:09:23 ID:???
落園 ACT.5
この手で神の娘を汚し…殺す…奴のたくらみを全て叩き潰してしまえばどうなるか。
言いながら、男はアレクシエルが抵抗しない事が気になった。
噂通り彼女には感情がないのだろうか…
そこへ皿と共に落下して苦しむ先程の鳥。
あの木の実を食べた事を知った彼はこんな小動物ではひとたまりもないと言う。
死ぬまで苦しみ果てるだけ…だがそんな事は感情のない人形には関係のない事だろう。
あの実が何なのか知っていて平気で喰らう女なのだから。
触れてくる男の顔にアレクシエルが手を伸ばす…
見覚えがあるのかと彼は問う。そう、後の闇の王と運命られし宵の明星ルシフェル。
まもなく天界を裏切り羽を黒く染め多くの天使(なかま)を殺す男、この世の悪夢の始まり、恐怖の源となる。
だがその創世神の企みを全てめちゃくちゃにしてしまう事もできる。
今この場でその要たる双子の片割れを殺せばいいのだ!
アレクシエルの指が男の右目を抉った。そしてその刀を奪う。
この女は一体何なのかと焦るルシフェルだが、アレクシエルが振るった刀は先程の鳥を殺しただけだった。
彼女はあの木の実が一体"何"の一部であるのか知っていると言った。
それをこの身に入れるのが母喰いとも言える大罪である事。
どんなに自分が呪われた存在であるのかと。
これから起こる忌わしい実験がどんな悲劇を引き起こすかも、憐れな弟が狂って行くのを止められない事も。
ルシフェルの心が、これから起こる血塗られた運命から逃れようとあの小鳥のように必死にもがいている事も。
あまりにも絶対的な創世神の支配力の前に…膝を折った惨めな自分を認めることが出来ないその様を。
アレクシエルは化物と罵られても共喰いの天使と呼ばれてもここから出る事はしないと言う。
自分が未来永劫ここに閉じ込められていれば、創世神の手の中で死んだふりをしていれば何も起こらないからと。
876 :
2/3:2006/11/25(土) 00:11:16 ID:???
あの鳥…あの実を口にして苦しみもがき狂い死にするのを免れられぬとわかっていて一瞬の死を与える事で救った。
感情がないのではなくむしろその逆。
悲しすぎる程刹那的な愛し方。
ルシフェルにくちづけられたアレクシエルは触れるなと彼に斬りかかり、かわされた。
楽しそうに笑うルシフェル…自分と同じ瞳をした女だと。
いつかお前をこの茨の檻から出してやろう、お前は自分の女だと宣言する。
それまでお互い創世神の手の中で踊っていてやろうではないか。
そして現在。
ルシファーは忘れていないと言った。
アレクシエルは何も変わっていない、殺す事でしか愛する者を救えないと…
創世神の呪いを断ち切れず足掻き続ける憐れな女。今も自分と同じ――
思い出話は無用であったと言うアレクシエルは、急ぐと言ってどこかへ向かう。
それは義の国の内部…何かに気付いたルシファーはそれを追った。
アレクシエルの意識の中で、刹那の意識も外の様子を見ていた。
辿り着いたのは、島の中心部。
刹那の意識は今、アレクシエルの強力な意思の中に取り込まれている。
"刹那"としての人格は確かにここにあるのに…
だが島の中心部にあるものは一体何か。根の先に絡みつくような、眼球。
これは義の国を覆い尽くしている知恵の木の根だと言うアレクシエル。
その実は彼女の力を押さえつけ、張りめぐらされた根は閉じ込める檻となった。
そしてこれはその養分となる永久栄養供給体…彼女の母体、アダム・カダモンの部分(さいぼう)。
刹那はその事実に驚きを隠せない。
アレクシエルは母たる者の体を喰い続けさせられ、その罪の意識で魂を拘束されてきた。
だからこそ、このエネルギーの供給源を断てばアストラル力は甦る!
アレクシエルは根を切断し、アダム・カダモンのものだという眼球は地に落ちた。
877 :
3/3:2006/11/25(土) 00:13:06 ID:???
刹那は力が戻る事を、傷がみるみる癒えていく事を感じとった。
アレクシエルの強力な意志…ならば吉良も、ルシファーの強力な意志の中で生きているのかもしれない。
そう気付いた刹那に朔夜の魂がその通りだと呼びかける。
彼の人格も確かにルシファーの中に生きているが、眠っているか起きているのかはわからないと。
そんな中突然、天井が崩壊を始めた。
義の国の核である知恵の木を殺せば、力は解放できるがこの楽園も滅び去るのだという。
この狂った楽園は滅び去った方がいい…それがたとえ、母の一部を殺す事になろうとも…
お前には自分を救う事はできないと、アレクシエルはルシファーに向け攻撃を放ち、瓦礫で閉じ込めた。
そして自らは義の国上空へ飛び上がる。
クライ達はその姿を発見するが…
ルシファーの元には、刹那が持ってきていた折れた不知火が辿り着いていた。
アレクシエルはとどめの攻撃を与えるべく力を込め、刹那はそれに本気かと驚いた。
彼女はそのまま義の国へ攻撃を放つ…だが、本当は…刹那は必死で止めた。
体を返せ!
意識の入れ替わる瞬間…アレクシエルの微笑とともに、刹那の意識に何かが映った。
意識を失った刹那の体を抱きとめるウリエル。
その体を岸辺に安置した彼らは、楽園が沈んで行くのを見た。
まさかルシファーが義の国ごと沈んだなんて嘘だとミカエルは驚愕する。
そして"刹那"が意識を取り戻す。
さっきまではアレクシエルだったが、彼女が気を緩ませた時に自分の意志でそれを取り戻した。
最後に彼女は笑っていた気がするが…
いかな強大な意識体でも現在の「思い」がそれを凌駕する事が出来たのなら…!
入れ替わる瞬間に「封印」を表す文字と時空の狭間に見える巨大な物体の影を見せてくれたと語る刹那。
神の塔はすぐそこ、ロシエルも待っているだろう。
彼らはそこへと向かう事にした。
アレクシエルさまになにしやがる糞魔王めが!!きいいい
説教されて、改心したじゃないかw
ルシファー初対面からアレクシエルの全裸見れていいな…
アレクシエル様これで退場?
ルシファーはこれで退場…ではないよな?まさか
>>873 亀だけど
羽根の数=強さだと最強はサンダルフォン?
双子だと6枚の羽根を分け合うってだけで羽根の枚数と強さはあまり関係ないのでは
メタトロンはあれだったけど
実戦ではアレク・ロシエルは別格だけど、確かにサンダルフォン強いよ
根性だけではここまで憑依できないだろう
・・・で、なんでこんなところにアダム・カダモンの眼球があるのか、またグロ?
885 :
1/3:2006/11/27(月) 00:12:36 ID:???
落園 ACT.6
アレクシエルが入れ替わる瞬間に見せた逆さまの塔のビジョン。
あの恐ろしい程の重圧感が神の塔ならば…
刹那はその波動を感じる方向を指した。
ロシエルはアレクシエルが刹那を助け覚醒しなかった事に虚しく笑った。
ならば自分一人でも神の塔を出現させてみせると言う。
創世神により二人揃わねば開かないと言われた魂に刻まれた扉を開く呪文を…!
神の塔…全天使の羨望と畏怖の象徴でもある神の住むという聖なる塔。
そこに出入りできるのは御前天使と呼ばれる選ばれた小数の天使達…
そして唯一創世神を父と呼びその寵愛を一身に受けた無機天使ロシエル。彼だけが創世神に近寄る事が出来た。
双子の片割れである彼が神性界でその栄光を一身に浴びていた頃、アレクシエルは一人「義の国」で長い間どんな思いを抱えていたのだろうか。
羨ましかったのか、憎かったのか、妬ましかったのか…だから拒絶したのだろう。
ニセモノの美しさを蔑んでいるから…自分ではなく神に愛されるロシエルの事を…
でもアレクシエルは知らない。
神の塔がどんな所なのか。ロシエルがどんな気持ちであそこにいたのかを。
創世神の愛がどんなに歪んだ物だったのかを…!
あの呪われた塔を君にも見せてあげる!!
だがその呼びかけに神の塔は応えない。ロシエルは腕の痛みを堪えなおも神の塔を呼び続ける。
その時、降り注ぐ瓦礫が時間を止め、アレクシエルの亡骸が言葉を紡ぎだした。
刹那の口からも、同じ様に…
そしてミカエルがロシエルの姿を発見するが、ウリエル共々突然の耳鳴りに悩まされる。
大気…全ての物質の波動が共鳴しているのだ。
刹那の頭の中にはアレクシエルの意識が流れ込み、それが神の塔と一緒にアレクシエルが見せた天使文字の呪文だと気付く。
さっきのはロシエルとアレクシエルに創世神が授けた神の塔の扉を開ける呪文、パスワード。
アレクシエルはそれを刹那に託した。
そしてロシエルの呪文と重なった今、長きに渡る封印が解ける!
我 回帰せんと願う故に 魂 生まれし塔へ向えり
886 :
2/3:2006/11/27(月) 00:14:47 ID:???
そして…神の塔が姿を現した。
あれが探し求めていた神の塔、あの中に全ての秘密が眠っているのだろうか。
あの中に幽閉されているというアダム・カダモンを救い出し、時間魔法を解いて地球を救ってもらいたい。
そして全能の力を持つという彼(彼女?)ならば紗羅を救えるかもしれない。
地球を、紗羅を元に戻してやるとあらためて誓う刹那。
――そしてあの中に全ての元凶の創世神が眠っているのなら、ぶん殴るくらいでは気がすまない。
ミカエルはロシエルがいなくなった事に気付いた。神の塔に入ったのだろうか。
先を越され気の急いた刹那が向かおうとするが、その服の裾を掴んだクライ共々時空の歪みに巻き込まれる。
止めようとしたミカエルとウリエルだが、間に合わず二人は吸い込まれてしまった。
離れないよう、しっかりと手を繋いで…
刹那は泣いている誰かの姿を見た。あの金の髪は…誰だっけ…
「来てはいけなかったのに」と零す、その人物は…
アダム・カダモン!?
意識を取り戻した刹那は傍らで気を失ったままのクライの頬を必死で叩く。
叩きすぎて逆に殴られる始末だが、とにかく無事だったようだ。
手を繋いだままである事に照れたクライはそれを振りほどき、他の奴らははぐれたのかと話をそらす。
刹那はウリエルやミカエルなら心配はいらないだろうと言う。
ここが神の塔の中…ついに本拠地へ来た。
紗羅の様子も気になるし、一刻も早く彼女を治す術を手に入れなければという刹那に、彼女からかけられた言葉を思い出し汗を流すクライ。
だがとにかく上に進むしかない。
神とかバカとかは、高い所が好きだと言うし。
887 :
3/3:2006/11/27(月) 00:18:45 ID:???
神の下へと続く長い回廊を進むロシエル。
この塔を一番忌み嫌っているのは自分かもしれないと思う。
かつてこの長い回廊を歩きながら、「あの人」の下へ近付くごとに見えない足かせで縛められているかの様に足が重く感じられた。
…それでも昔は、この影の反対には栄光があった。
最高の賛辞と賛美、羨望と、賞賛。拍手と、歓声…
ロシエルの神々しい姿を称える皆々。
あの美しさと威厳は神の奇跡と呼ぶしかないと。
いつも、この光の中にいた…!
だが…拍手をする民衆の中に混じっていたカタンが、その姿を笑う。
みんなその醜い姿を笑っているだけだと。
そしてロシエルの顔が醜く歪む。
先程まで彼を称えていた民衆は口々に罵り始めた。
なんという醜い姿、この世のものとは思えない、化物だと。
骨もなくただぐにゃぐにゃとして肉の塊であったという蛭子の様だとも。
実の親にも愛されず、その醜さ故に川に流し捨てられたというあの神の日る子そのままだと。
その侮蔑の言葉にロシエルは悲鳴をあげる。
身の程を思い出したかと、背後の段上からかけられる声。
ロシエルはそれに対して震えだす。
声は聞き忘れたとでも言うのかと手を伸ばす。こちらへ来るようにと。
「またこの父のおしおきが欲しいと見える お前は本当に悪い子だな ロシエルよ」
ちょw蛭子ってwww
何故に日本神話wwwww
それゆーたら、ちょっと前にもラグナロクとか言ってたよ
世界樹やニーズヘグだって北欧神話だし
父ということは…神登場ですか?
なんかカインのパパみたいにムチで打ちそうな気配…
過去には閻魔大王もいたことだし。
もう大日如来が出てきても驚かない。
どんな神なんだろう
メロンと美少年が好きとかだったら嫌だなあ
>「またこの父のおしおきが欲しいと見える お前は本当に悪い子だな ロシエルよ」
ええと…
あのー、つまり、コレが書きたかったのか、この作者は。
この台詞の為にここまでの話があったんかい。と、つい邪推してしまう。
…だってカイソとかカイソとかカインとか…
しかし…この最終盤に至ってまた九雷が
正ヒロインになってきた気がする…。
いいのか?
ヒロインかな?
なんかただ付いてきてるだけって感じ
刹那のことだけで頭一杯ってキャラになってから、影が薄くなったような
>手を繋いだままである事に照れたクライはそれを振りほどき
の後、刹那の腕を両手でしっかと掴んでて吃驚した。
怖いからにしてもクライにしてはオーバーだと思ったし。
>>894 震えるロシエルの視線の先に如来がいるの想像したら吹いたw
901 :
1/3:2006/11/29(水) 01:22:32 ID:???
至高天 神性界編 君のための至上の賛美歌 ACT.1
創世神がロシエルを呼ぶ。お前を愛しているのはこの世で私だけなのだからと。
ロシエルは恐怖にか、謝罪をしながら近付いていく。
いい子にする、何でもすると…昔のように…
カタンもまた、神の塔に辿り着いていた。
あの中にきっとロシエルがいる、やはり無道紗羅を追跡したのは正解だったようだ。
だが紗羅は塔への転移を始めた。
見失うのを恐れたカタンが姿をあらわした所を、彼女が振り返る。
まさか気付いていたのだろうか…!?
紗羅の攻撃によってカタンの足場は崩れ、そのまま落ちていった…
天井のガラスが砕け、刹那とクライのもとへカタンが落下してきた。
刹那はそれが地球で会ったことのあるロシエルの配下であることに気付く。
彼の様子に、こんなになってまでロシエルを追ってきたのかと思うが…
カタンはロシエルの様子を感じ取っていた。彼が近付いている…創世神を、"よくない"モノだと。
そして突然、地と共に電気コードを吐いた。
クライに絡みつくそれを振り払った刹那はなおも苦しむカタンに七支刀をつきつける。
今の感じは知っている、以前"アレ"に乗っ取られた人間を見た事があるからだ。
カタンはロシエルの"毒"に冒されている…
刹那とクライの姿を認めたカタンは、虫のいい話だが見逃して欲しいと言う。
ロシエルのチップを口にして拒否反応が現れた者はいずれ死にゆく運命だからと。
時間がないがやらなければならない事がある。今一度ロシエルの側に行かなければ…
ロシエルを殺しに来たのだという刹那に、迷っている時間はないのだと答えるカタン。
ふらふらと進もうとする彼に、見ていられなくなった刹那が肩を貸した。
ロシエルを見つけるまでの休戦、その後は泣こうがわめこうが容赦なく切り捨てるつもりだと。
滅茶苦茶な事をしているという自覚はある刹那。クライも忠告する。
だがほっておけなかった、彼の必死な瞳を見ていては…
902 :
2/3:2006/11/29(水) 01:23:59 ID:???
カタンは紗羅も神の塔へ来ている事を刹那に教えた。
一体どうやってかはカタンにもわからないが、何者かに操られる様に天国の門を破り、気付けばここにいたのだ。
ラファエルは一体何をしていたのかと驚きを隠せない刹那。
そして彼らは時限回廊へと辿り着く。それは選ばれし者達が神の御前に近付くための長い廊下。
一歩一歩歩み前に行く度に罪と汚れを告白し、やっと神の御前に立てるのだという。
ならばその先にあるのは…創世神の謁見の間…!?
扉を開く…かつてこの世を支配し、全天使達を、地上の全てを創造したという万能の神、創世神。
この世を愁い神の塔と共に姿を隠していたという、全ての元凶であるその人物が――
見上げた刹那達の前に、誰かの影と、倒れ伏すロシエルの姿が映った。
以前よりも更に進んだ腐敗、また小さくなった体。
慄く刹那達に創世神は自分を愛しているのだから仕方がないとロシエルが呟く。
生まれた時から愛してくれていたのはこの父だけなのだから…
ならば、その影が、創世神!!?
ロシエルが生まれた何世紀も前の事。気付けば回りにはただ静寂と暗闇しかなかった。
ただ真っ黒で死にも似た孤独の中、意識に語りかける声。それが創世神…彼を作り出した"父"。
ロシエルは生まれつき聴覚・視覚が退化していて筋力もなく起き上がる事すら出来なかった。
暗い闇の中、長い長い時をただじっと横たわって過ごす毎日。
『美しいロシエル 私の最高傑作よ お前が望む物は何でも創ってやろう
ホラ お前は今美しい木々や小鳥のさえずりの中たたずんでいる
周りにいるのは聖巫女達 お前の美しさを祝福している』
その言葉に、目が見えたら、みんなの声が聞こえたらどんなにいいだろうかと願うロシエル。
創世神は焦る事はないと言う。ロシエルは逆成長をする特殊な体、時と共に回復すると。
そうしたら彼女に会えるだろうか。双子の姉だという、アレクシエルに。
創世神は彼女がお前に会いたいと願うならば可能だと言った。それはどういう意味だろうか…
ロシエルは一日だってアレクシエルの事を考えない日はないのに、彼女は会いたくはないのだろうか。一体何故…!!?
903 :
3/3:2006/11/29(水) 01:24:40 ID:???
でもその理由がわかる時は来た。ロシエルはついに一人で歩ける程回復したのだ。
目も見え出した、何かを言っている聖巫女達が見える…水に映った、自らの姿も…!
「化物!!!」
初めて聞こえた声は彼を罵るものだった。
美しい赤子と醜い老人の肉の塊、正反対の容貌をして生まれた宿業の双子。
わかってはいても薄気味悪い包帯の下にはこんな醜い素顔が隠されていたなどと。
もう耐えられない、この方の世話をするのは恐い、と…
これが自分の真実の姿だなんて嘘だ…創世神は美しいと言っていたはずなのに。
ロシエルは彼を罵った聖巫女達を殺し、アレクシエルのもとへ向かう。たった一人の双子の片割れを求めて。
彼女は自分を拒否したりしないはずだ。
たとえ本当に醜かったのだとしても、君だけは気持ちをわかってくれるはずだと。美しい、夢の様な眩しい少女…
道すがら、ロシエルは次々に悲鳴をあげる聖巫女を殺していく。
そしてアレクシエルに伸ばされた腕は、炎を上げた…!
だから一個一個奪ったのだとロシエルは叫ぶ。美しい瞳、美しい手、足…抜けるような白い肌…全て…!
けれど自然の摂理と反する不自然さで彼の体は逆行し、力を得るたびに姿は若返っていった。
そして今ではこの通り。顔中に腐敗が広がってしまっている。
かつてのロシエルは理性と共に結構まともに執政を行っていた、アレクシエルに面会に行ったこともある。
彼女は黙って聞いていただけだが…
だがもうダメ、時と共にロシエルの中で成長していた「黒い物」が抑えきれなくなっている。
かつて…ロシエルを地上に封印し、砕け散った七支刀はアレクシエルを追った。
ロシエルが封印されている間に行われた裁判で、アレクシエルは自らの行動の理由を創生神を愛しており、ロシエルが憎かったからだと語った。
何故アレクシエルは自分を見てくれなかったのだろうか…醜いのは自分のせいなのだろうか…
だがこの姿は全て人類創世のため、人間共の原罪を身に背負わされているだけ。
人間達が憎い、この世の全てが…全部死んでしまえばいい。
呪いの言葉を吐くロシエルに違うと言って向かっていくカタン、だが全てを憎むロシエルの攻撃がその体を貫いた。
「それでも…! 貴方は美しいんです…ロシエル様」
904 :
訂正:2006/11/29(水) 02:03:21 ID:???
この神様って性格悪そうだなあ…
まあ神様が性格良かったらそもそもこんな状況になってないしなあ
実は哀しい過去があるのかもよ
アダム・カダモンにこっぴどく振られたとか
どいつもこいつも色恋沙汰かよ…
ごめんね神様なのにこんなんでごめんね><
>ラファエルは一体何をしていたのか
ほんとにな
ラファエルは今頃色恋沙汰に命かけてます
ごめんね約束したのにこんなんでごめんね><
カタンいよいよやばいな
つーかロシエルいよいよおかしくなってしまったな…
914 :
1/4:2006/12/01(金) 00:30:06 ID:???
今でもカタンの脳裏に焼きついているロシエルと初めて会った時の奇跡の様な輝き。
精神天使であった彼に体を与えた時、まだ肉体のなかったカタンはその美しい精神体に心を奪われた。
そしてそれは"肉眼"で始めて見たその姿よりも美しく思えてならなかった。
カタンがロシエルに向け「美しい」と言う時には、いつもその姿が見えていたのに。
何時からか静かに狂っていったロシエル、微笑みながら歪んでいった彼のいつも叫んでいた聞こえぬ声。
「還リタイ」と――何処へ?
君のための至上の賛美歌 ACT.2
ロシエルは生まれながらに真実美しいのだと訴えるカタン。
あの輝きこそが本当の姿。
仕えてきたことで気づいた事、聖人君子そのままに聡明で慈愛に満ちたロシエルと、
時折無邪気に笑いながら子供が虫の羽を千切る様な残酷な仕打ちをするロシエル。
それは彼の体の若返りの経過と比例しているのだと。
不安定な精神状態が続くにつれて顕著になり、やがてかつてのロシエルは完全に姿を消した。
刹那はそれが逆成長なのかと驚く。幼くなればなる程、狂気に支配されていく精神…
だがカタンはそれでもいいと思っていた。ロシエルを信じていけると。
だからこそ天地大戦で封印された彼を禁を破ってまで助け出した。
最高会は実権を握ろうとするセヴィーの企みで何の手も打とうとしなかったのだから。
けれどどんなに仕えてもロシエルの心は独りだった。
自分を信じられないあまり他人を信じず操り人形にしていってしまった。
そう、欲していたのは自分の半身…アレクシエルだけだったのだから。
でももう裏切りに怯えずにいい。
何も怖いことなんてない…
だが近付く彼に対し、頭を抱えるロシエル。
何を言っているのか、お前など知らないと…
915 :
2/4:2006/12/01(金) 00:35:16 ID:???
『戯言だ!!』
神の声が響く。下賤の言葉に耳を化すな、お前を愛しいと思っているのはこの世にこの父一人だけなのだと。
まるで脳髄に直接響く様な重圧感を感じる刹那。
確かにこれでは思考能力を奪いかねない、抗い難い力がある。
これが"神"なのか…!
近寄るカタンに怯え、攻撃を加えるロシエル。
刹那が止めるが、肉体の痛みなど何でもないと言う。ロシエルに届かない、胸の痛みに比べれば。
カタンが還ろうと手を伸ばす。還りたかったあの頃へ…
『…お前の真実の姿を見た聖巫女の言葉を忘れたのか? ロシエル』
"化物"と…
カタンの首が、飛んだ。
創世神はいい子だと言った。
この世で一番醜いお前を愛しているのは自分だけなのだと。
半身(アレクシエル)にさえ厭われたその姿を…
足元に落ちた涙を零すカタンの首に叫び声をあげる刹那。
そしてお前らは狂っていると罵る。
会ったばかりの自分達にでさえ、カタンの真実は伝わってきた。
こいつがどんな思いでこんな血だらけになりながらここまで辿り着いたのか。なぜ、わからないのか…!
創世神はロシエルを醜いと言った。
どこの世界に醜いと思う子どもに美しいと暗示の様に言い続け信じ込ませ、
最も残酷な方法で自分の真実の姿を思い知らすようなマネをする親がいるか。
そんな仕打ちをする奴が「愛してる」だと!?
刹那は今までロシエルに草でここまで血ヘドを吐いてやって来たが、今は違う。
カタンのためにも、お前らを討つ!
でなければあんまりだ!
…刹那はカタンの目をそっと閉じさせた。
916 :
3/4:2006/12/01(金) 00:39:52 ID:???
その様子を一笑に付す創世神。
"アレクシエルの生まれ変わりの者"に、思い上がるなと言う。
所詮自分がこの世に創り出してやったパズルのピースにすぎない事を教えてやろうと。
そしてアレクシエルの体を示す。
それに施された封印樹の縛め。
彼女は目覚めても尚歯向かうであろうからと。ロシエルにやると約束したのだからと…
ロシエルはやっと自分の物になるのだと愛しげに彼女を撫でる。
みんないらない、地球など壊れてしまえばいい。
この世で自分と彼女さえいればそれでいい…
お似合いだろう、そこから永遠に動けない可哀相な君と、この世で一番醜い姿の自分。
やっと永遠に一緒にいられる…
刹那は彼が創世神の術中から逃れられない事を悟った。
そこへ声がする。欲しいものは結局それ、自分を見殺しにするのも道理だと言う…ルシファー。
アレクシエルの一瞬の躊躇が彼に「義の国」脱出の機会を与えたのだ。
彼に久しいと挨拶する創世神。お前はロシエルに荷担しているはず、その「黒い気」は何かと。
だがルシファーは何も答えない。
創世神はお前に与えた任務である「絶対悪」として天界の敵対者となれというのが不満かと問う。
生まれながらに地獄の王と宿命られしその身が。
しかし人類を進化させる過程において自ら進歩・発展させるためにも「悪」は不可欠なのだ。
淘汰されるべきこの種のためにも誘惑者は必要、人は与えられるばかりでは自堕落へと陥ると。
刹那はルシファーの堕天も裏切りも、全て創世神の人類創世シナリオの一つなのかと驚きを隠せない。
もう一つ…結果として悪魔は神に決して勝てないと自分の力をこの世に知らしめるためだろうと言うルシファー。
それがわかっていて何故二度までも逆らったのかと問う創世神。
一度目は任命式のあの日、この世界を滅びに導く王となるべく生まれたのだと聞かされた時。
だが創世神の力の前に屈し、アレクシエルに手をかけようとしたあの時だ。
しかしその後シナリオ通り堕天し地獄の王となった。
が、地獄に自分の身代わりの体を置き天界へ秘密裏に舞い戻った。
再び逆らった彼を創世神は今度は邪剣に魂と記憶を何万年も封印した。
それを忘れたのか?
917 :
4/4:2006/12/01(金) 00:41:31 ID:???
今、その手にはかつて彼を封印した血水晶がある。
こんな物を割るのは造作もない、自分の命を聞くしか道はないのだと言う。
その会話で、クライはやはり地獄から魂を持ち去った男は彼自身であるのだと刹那に確認する。
多分、人知れず天界に行く為の…戻って来れない事も覚悟した上での芝居。
しかし一度は屈して悪魔になったのに、何がきっかけで再び創世神の下へ行ったのか…?
呼び寄せる創世神の下へ近付くルシファー。
逆らおうなどと二度と考えぬ方が良いと言う創世神。
お前を土に還す事もできる、再び永遠の忠誠を誓うがいいと。
ルシファーはその手に、誓いの口づけを施した。
こんな狂った神の手の中で、生きて、跪いてきたのかと思う刹那。
だがこれで神に逆らうのがどれだけ無意味かわかったはずだと言う創世神。
「絶対者」なのだからと。
自分こそがこの世の理、「万能」なる者に歯向かうは愚の骨頂だと。
地球をも意のままに操作する万能なる偉大な力を持った奴が、頭のイタイ奴じゃどーしよーもないと吐き捨てる刹那。
そんな神様ならいらない、自分の創った物も愛せない様な男に自分達の未来は一片だってやらない!
これ以上自分達の世界に手出しはさせない、運命は自分で決める!
宣言する刹那を愚かだと断定する創世神。
産みの親への敬いを忘れるとは、身の程を忘れた数々の不埒者の末路を教えてやろうとルシファーに命ずる。
さすればアレクシエルは甦る!
だが…ルシファーの攻撃は創世神を貫いた。
馬鹿なと呟く彼が取り落としたヒビの入った血水晶をルシファー自身が踏み潰す。
窖で砕け散ったこれにはもう何の力もない。
ロシエルは彼を制するのが危険ではないと周りに見せるためにイミテーションをちらつかせていただけ。
彼を使う事で救世使を精神的にいたぶる為、彼は創世神に近付く為に共謀していた。
エテメナンキの力で元の姿を取り戻そうとしていたのは…今となっては本当かどうかもわからない。
ここまでロシエルを追いつめたのは創世神自身。血水晶がニセモノだと告げられない程に。
そして…創世神の姿が晒される。これが、神…?
カタ…
昔に描かれてた予告編でロシエルがカタンの首を抱いてるのがあったけれど
あれロシエルが殺してたのか
919 :
訂正:2006/12/01(金) 01:29:56 ID:???
>>915 2行目
×化すな ○貸すな
下から4行目
×に草 ○憎さ
おお、神シボンヌ?
最終回近いかな
あーん、カタン様が死んだ…とか言ってるふいんき(ryじゃなさげ
ロシエルに操られてたわけじゃないならルシファーの中の吉良はどうなってるのかな
カタン…
覚悟はしてたけどこの展開は惨すぎる…。
例えていうなら、崖っぷちのロシエル助けようと走ってきて、
創世神の足につんのめって、突き落としちゃったって感じだね
カタンの愛情と正義感は最後まで空回りしてたなあ
創世神はこんなもってまわったやり方で結局何がしたかったんだろう
創世神むかつくわ
そういう風に描かれてるんだから当たり前だがw
さらにここに紗羅が来るんだよな
どうなることか
>>924 結局カタンはロシエルを追い詰めただけで終わっちゃったのかな
今のロシエルはどうかしてるが、ちょっと前まではロシエルもカタンを大切に思ってたんだから
カタンの言葉がロシエルに届いてほしかった
創世神の真の姿キター
ところでアダム・カダモンはいずこに?
たしかここにいるんだよね?
>>925 そのうえ、たぶんミカとかウリとかも乱入してくるだろうし、もう何が何やら
沙羅が来る&ミカとかウリとかも乱入…
もう本当に、ラファエルは何をやっているんだと言いたいな。
君のための至上の賛美歌 ACT.3
世界の魂と悪魔軍との戦闘。
さすが元天使だけあって勝手知ったるその様子に世界の魂側も苦戦している。
ラジエルは難民の避難路の確保を優先するよう命じる。
軍と非常事態宣言を取り交わした今、目的は一つ。この天界を悪魔に蹂躙させてはならない!
ミカエルとウリエルは神の塔に入ったはいいが、紗羅に攻撃されていた。
まさかラファエルに何かあったのだろうか…
だが紗羅は突然何かに反応したように彼らへの攻撃をやめ、どこかへと向かう。
ウリエルは彼女の向かった先から何かを感じるという。
その気配、怖い様な懐かしい様な、不思議な感じ…
二人はその大元である部屋に辿り着いた。
そこにあったのは、天使の胎児!?
ルシファーは言っていた。天使の生まれた本当の理由、自分達がどこから来たのか知りたければ神の塔へ向かえ――と。
そしてこれが、真実…! おぞましいまでの。
ここは天使の生まれて来る処、大量生産工場。
そこにあったのは宇宙全ての起源とされる生命の樹、天使達の母なる永久エネルギー供給体。
紗羅はそれに縋り、「ママ」と呼んでいた。
これが罪深き天使達の本当の姿かとウリエルが顔を歪めた時、樹から不自然な気が沸いた。
そしてそれは、紗羅を飲み込んだ…!
「呪われた子」として生を受けた自分に「親殺し」の大罪は相応しいだろうと言うルシファー。
創世神に近付くこの瞬間の為にロシエルの配下に甘んじたのだと。
幾世紀、彼の息の根を止める為だけに生きてきたのだから。
そして創世神の体は崩れ去る。
刹那はあまりにもあっけないその最期に愕然とする。
これが血まなこで追い求めていた真実か、これで地球が救われたのだろうか…?
これで全てが終わったというのか――!?
930 :
2/3:2006/12/03(日) 01:31:37 ID:???
ロシエルは創世神の姿に衝撃を受け、先程まで彼が座していた椅子に縋りつく。
刹那はその姿を拒絶する。今まで散々非道な事をしてきたくせに今さらなんだというのか。
いつだって人を見下しながら大事なものを次々と奪っていったのに。
笑いながら生き物をなぶり殺していったのに…!
ロシエルがどんな風に創世神によって狂わされていったかなど刹那には関係ない。
だってここまでロシエルを殺すために長い戦いを生き抜いてきたのだから。
最後まで憎ませて欲しい…!
その時、声が響き…アダム・カダモン、セラフィタがその精神体を現した。
よくぞここまで辿り着いた、自分を創世神の支配より解放してくれた、と…
夢ではないのかと確認する刹那に優しく微笑みかけるセラフィタは語りだす。
創世神は大いなる宇宙で始めから有る強大なエネルギーの集合体。
やがて意志を確立した"それ"は地球という一つの星に自分を全ての頂点として崇める王国を作ろうと様々な実験を試みた。
様々な進化を遂げる生命、ある種は天変地異を起こし絶滅させて繰り返される残酷な実験計画。
そしてやがて知恵を持つ種「人」を創り上げた神は「天使」達を使い、彼らを思う様に導いていった。
それは全て至高の存在なる自分だけの箱庭を作る為に。
やがてかつて地上より消えた幾多の生物の様に人間をも滅ぼそうと考え始めた創世神にセラフィタは意見した。
天使からの信頼を得、力を持ったセラフィタを訝しんでいた創世神はついに彼を封印しようとした。
彼は最後の力を振り絞り自分の力を有と無に切り離し、単体生殖で創り上げた双子に託した。
神の塔を開く鍵と共に。
それがアレクシエルとロシエル…
その後セラフィタは神の塔へ幽閉され、二人もその力が融合するのを恐れた神によって隔離されて育ったのだ。
やがて二人は自分達の宿命を嫌い、憎み合う様になった。
だが刹那はその発言を疑問に思う。
本当はアレクシエルもロシエルも、憎み合う様仕向けられていた様に思える…?
だがもう自分を閉じ込めていた創世神はいないと言うセラフィタ。
その力で地球を、そして刹那の大事な少女を元に戻してあげようと言う。
何も心配する事はない、永遠に全ての苦しみから解き放ってあげようと…
931 :
3/3:2006/12/03(日) 01:33:26 ID:???
だが刹那は何故か言い知れぬ不安を感じていた。
そしてセラフィタがロシエルをも誘う。永遠の苦しみから、救ってあげようと。
その時部屋へミカエルとウリエルが駆け込んできた。
彼らはアダム・カダモンに気をつけろと叫んだ。そいつは、狂っていると!
そして、ロシエルの胸が貫かれた…!
セラフィタはロシエルの胸から取り出した物を手に笑う。
創世神が肉と"力"の塊であったロシエルに与えたのはアレクシエルのパーツだけではない。
その心臓の役目をする水晶さえも、だ。
約束どおり解放してやろう、あるがままの姿に。
どうなっているのかと言う刹那に紗羅だと言うミカエル。
紗羅がサンダルフォンの残りの思念に操られたまま"ある"場所に入って行き、
そこで上から降ってきた巨大な何かに飲み込まれ消えてしまったのだと。
その「何か」は天使が生まれた時から知っていた聖堂のレリーフや聖なる書物に残された姿に酷似していた。
聖人 アダム・カダモンに。
彼は紗羅をその手に召喚し、ちっぽけな虫ケラの様な命だと言って笑った。
ロシエルを慕う数々の天使達。いくつもの美辞麗句を吐く彼ら。
何なりと命令をと望む彼らに、ロシエルはつまらなそうに消えろと命じ、彼らは消えていった。
決して逆らわないロシエルの人形達。
それは当然、ロシエルの呪われた因子を飲んだ彼らに自我なんかない。
"あれ"は全てロシエルと同じ"モノ"。
…ならば一人でいるのと同じ。何百人僕にしようとも。
永遠に一人でいるのと同じ…この世で一番嫌いな自分と…
そこに優しく声をかける幼いカタン。ただ一人、真実の言葉をくれる小さな天使。
ロシエルの目にぼんやりとその姿が映る。
ずっと怖い夢を見ていた、自分が狂って彼までもこの手で殺してしまう夢。
そんなハズはない。そうなる前に彼を遠くへやったのだから…守る為に。
そうでもしないと彼はロシエルの側から離れないだろう。そう、あれが夢でよかった…
ロシエルの伸ばした手の先には、カタンの首が。
あばばばばばアダムカダモンたまに一体何が
やっぱりこの漫画にはまともな奴はでてこないんだなW
つーかもう、一体今までなんで平気だったんだってぐらい普通の人いねえw
この話が始める前にまともな人間はみんな死んでたんだな
ロシエルの心臓とかいうあのクリスタルはなんなんだ
ルシファーの血水晶のようにあれがあればロシエルを操れるのかね
なんだロシエルちゃんとカタンのこと好きだったんじゃないか(つд`)
首見つけちゃったよどうすんだよ
神に記憶操作されてカタンの事が分からなくなってたのかな
どこか他に本物の天国だか極楽浄土があるんじゃないか
アダム・カダモンの説明だと、神の世界も広そうだ
アダム・カダモンの登場の仕方が、
何か全面クリアおめでとうーーって感じだったので
嫌だなあと思ったら…実はラスボス?
おめでとう! このゲームを かちぬいたのは きみたちがはじめてです
つまり加藤が右腕に回転のこぎり仕込んで乱入してくる前フリだと
加藤がラスボス倒したらもうこの漫画、伝説を通り越すなw
943 :
1/4:2006/12/05(火) 00:10:52 ID:???
どうか泣かないでほしい。
ロシエルがくれたカタン(導きたる者)という名。
だがその泪を止める術は知らない。
こんな無力な自分が、ロシエルを導く何かになれるのだろうか。
導く者に…なれるでしょうか――
君のための至上の賛美歌 ACT.4
そんなにこの娘が大事かとセラフィタは問う。
だが水の天使ジブリールの魂と、サンダルフォンの残した念を胎内に宿したこの少女を渡すわけにはいかないと言う。
どういうことなのか、あんたの言葉を信じてやってきたのにと問い詰める刹那。
何故そんな紗羅を人質にとるようなマネを…これが真実だというのか。
だが真実と言う言葉に反応したのか…セラフィタの精神体の映像が何か他の意識と混濁したような状態を見せた。
そして紗羅が意識を取り戻す。
叫びかけた刹那に対し、尚も化物と罵る紗羅。
お腹の赤ちゃんが教えてくれた、あんたが刹那を殺し、成り代わろうとしているのだと。
本当の刹那はこの赤い指輪を拾ってくれた彼、いつもの様に笑いながら口癖を言っていた。
大事な刹那を返して、と…
刹那はただ歯噛みしてその様子を眺める事しかできない。
そう…何よりも大事で、どんなに大切にしていても必ず失ってしまう。
たとえ何度生き返らせようと、それはもうお前ではない。
愛していると言えないほど大切だったのに。
ロシエルはカタンの首をかき抱く。
この手で、この汚れた手で、彼を――
ロシエルの悲痛な想いが力を解放させ、辺りの崩壊を招く。
驚く刹那達とは対照的に、セラフィタは今こそ伝説の破壊の天使の目覚めの時だと笑った。
この世の全てを憎み、絶望し…自らの手で愛しい者を屠った時、それは全てを飲み込み世界を無にするまで止まりはしないと。
944 :
2/4:2006/12/05(火) 00:14:03 ID:???
もはやロシエルを支えていた理性の片鱗さえ砕け散り、残ったのは彼が背負ってきた強大で貪欲な負の力のみ。
渇望が周りの物を全て自分の中に取り込み、増殖していく滅びの無限物質・細胞。
予想通りだと言うセラフィタ。
ここの物全てを喰めば、地(ウリエル)・冥(ルシファー)・炎(ミカエル)そして水(ジブリール)…サンダルフォンをも手中にする。
そしてアレクシエル…
この水晶ある限り、ロシエルは自分のものだと。
それをゆっくりと「天の板」で見届ける事にすると、彼は姿を消した。
セラフィタを追おうとしたルシファーを呼び止めるミカエル。
ルシファーは自分の決着をこの手でつけなければならないと言う。
ミカエルも…他の奴らも、ルシファーを神聖視するあまり見誤っていただけだ。
ミカエルこそが真の光の御子だったというのに。
笑うしかなかった…自分を殺しに来るのはミカエルだと解っていたのに、彼は自分を殺せなかった。
だがミカエルはもうルシファーの後を付回していた頃の彼とは違うと言う。
今度会う時もお互い敵、楽しみにしていると言い残してルシファーは消えた。
ミカエルは涙を零し、ただ彼をルシファーではなく兄貴と呼んだ。
アレクシエルの封印樹が砕ける。
何世紀にもわたる怨念の集合体、ウリエル達に立ち向かう術はない。
だがこのままみすみす一部になる気はない。
一体どうすればいいのか…
刹那の中には、ロシエルの痛い程の悲しみが流れ込んできた。
呼応するようにアレクシエルの亡骸も涙を流す。
全てを察した刹那は、アレクシエルの体を抱えるとロシエルの元へと向かった。
自分でなければ終わらないのだと…
仲間の止める声は聞き届けられず、彼らはロシエルの攻撃に阻まれて事実止める事も叶わなかった。
お前に会いに来た、もうそんなに苦しまなくていいから好きにしろと思う刹那。
受け止めてやると…
そして、ロシエルの攻撃が刹那の胸を貫いた。
945 :
3/4:2006/12/05(火) 00:15:54 ID:???
何もいらない。みんな最初からいなかった。
そうすれば永遠に誰からも呪われた存在と忌み嫌われる事もない。失う事も…愛される事も…
悲しむロシエルにお前が悪いのではないと、アレクシエルが声をかけた。
全ては自分の罪だと彼女は言う。
二人の生まれた時、ロシエルの生命力を全て奪ったかのようにアレクシエルは生まれた。
痛々しい程の量の機械のコードで命を繋げるだけのロシエル。
そして創世神との取り引きがあった。
弟の命を助けたくば、彼と接触してはならない、決して情を見せてはならないと。
その条件を飲み、アレクシエルは自ら「義の国」へ逃げ込んだ。
しかし周りの聖巫女達はアダム・カダモンの左目を養分とした知恵の木の実の毒に冒され、彼女を病的に監視していた。
だから彼女はロシエルの呼びかけに応えるわけにはいかず、監視システムが彼を拒絶してしまったのだ。
創世神は母体であるアダム・カダモンの体を彼女に喰わせる事で罪の意識を背負わし、支配し続けた。
かつて、自分が狂いだす前に殺して欲しいと頼みに来たロシエル。
その後、「義の国」に再びルシファーが現れた。
彼は前言通り、彼女をここから出しに来たのだ。
自らの意志で籠の鳥となったのに、何故あの時あの男の手を取ったのか…
あんな男は初めてだった。
けれどアレクシエルを逃がすためルシファーは創世神に捕まった。
七支刀へと封印されたと知った彼女は彼を探し、共に戦った。
逃亡した窖で、必死に生きる小さい命達に会い、初めて他の者を愛しいと、守りたいと思った。
凍りついた心が、少しだけ何かを感じることができたのだ。
しかしそれ故にロシエルと対峙した時に殺す事ができなかった…
けれど神を倒す事が叶わなかった以上、契約を続行するしかない。
ロシエルの水晶の心臓は彼の手中なのだから。
だからアレクシエルは天界裁判でも嘘を言った。
愛しているのはロシエルではなく、神だと――
946 :
4/4:2006/12/05(火) 00:19:29 ID:???
アレクシエルはただ怖かったのだ。ロシエルが死ねばこの世でただ一つの異質な「モノ」になってしまうから。
だから神に命じられるまま「義の国」に幽閉されていれば、ロシエルさえ生きててくれるのだからそれで良かった。
ロシエルを生き長らえさせるために移植されたこの世の業という名の憎しみや妄執が、
その正気を奪って強大になっていくのを、彼の苦しむ様を見ないでいようと心を閉ざし感情を捨てた。
そして今またも、刹那に全てを託し逃げようとしたのだ。
けれどもう自分の罪から逃げないと言う。
刹那が教えてくれたから…
アレクシエルの剣が、ロシエルの胸を貫く…
ロシエルはアレクシエルの激しい愛を感じる事ができた。
弱々しく、カタンも一緒でいいかと問う彼に優しく承諾するアレクシエル。
彼は刹那に渡して欲しいと…何かをアレクシエルに託した。
そうして、どんどんと幼くなっていくロシエルの体…
僕の愛しい者達と そして彼…
僕を憎んでいるくせに ほんとあきれる程のおせっかいだね
…そう 僕を許さないで
僕を憎み続けて脳裏に焼きつけて永遠に忘れないでいて
刹那…
そして、大量の羽根を残してロシエルは消えた。
クライ達は意識を取り戻した刹那を発見し、自分からアレクシエルになるためにやられに向かったのを無茶だと怒る。
ロシエルはどこへ行ったのか…刹那はアレクシエルの体を指した。
彼女の胎内…二人一緒。もう、離れなくていい…
刹那は傷が治っている事に驚く。
そして、クライが気付いた刹那の羽…!
ロシエルが託した力。
その背には6枚の羽が翻っていた。
「余計な事…しやがって…!! ロシエル…!!」
ロシエルと融合?ついに完全体か?
ついにロシエルとの決着ついたか。
まあ、いろいろやってきた奴だけど、
アレクと和解できて良かったなと思った。
きれいな決着だな、と。
ロシエル様(うдと)ロシエル様
カタンも一緒で、よかった!ウワーン
でもまあアレクも結構自分勝手だよね
ロシエルの姉だからな
つかこの漫画に自分勝手じゃない奴って居たか?
ロシエル様が最後に救われたのなら、
この後の展開はもうどうなってもいい。
ハッピーエンドだろうがバッドエンドだろうが。
子宮の中にカタンと一緒に入ってんだね>ロシエル
なんか笑っちゃったw
羽が6枚になった所でこれまでの
刹那対ロシエル思い出して感激した。
おつかれー
うめ
実際の連載の時って最終回予告はあったの?
誰も次回最終回って言ってないからその話はしないで最終回後に驚いた方が良いのかななんて思ったり…
たぶん予告あったと思うけど…ちょっと曖昧。
今回の時点で、「次でラストか」的なことを思ったような気がするし、
花ゆめって最終回予告、確かしてたような。
セラフィタの本体登場は、ものすごくショッキングだったな…
サンダルフォンといい、「首だけ」ってのはなんかもう、
可哀想だし気持ち悪いし怖いし、何がなんだか。
本当、そういう意味で容赦ない漫画だったな。
サンダルフォンはあの「首」こそが本体でしょ
あの中にきっと内臓もなにもかも入っているハズ
でもセラフィタさんは…
楽屋裏スレでもちょこっと書いたけどこちらでも。
加藤の最期は本誌展開の方が、ほとんどの記憶を失って
それでも想いだけでここまで来た、
そしてそれももう手放す状況というのが表れてる気がして
こちらの方が好きだったから、
>>805で補足があってとても嬉しかった。
あらすじさん、ありがとう。
何回か前からファイナルカウントダウンはあったよーな
首だけ天使ふつーによくあるし
人間体ぽくないやつごろごろいるからな
主役級はあくまで美しくグロイところがいまひとつ
>>964 主役級がグロかったらさすがに花ゆめで連載できんw
最後から3,4pのラストの書き足しって
めぐりあう〜の見開きと
スペシャルサンクスだけじゃなかったっけ?
昔はそうゆうのは由貴サイトですぐわかったんだけどねぇ。
今じゃ考えられないけど。
>>966 次スレの最終回補足、自分が以前由貴スレに投下したやつなんだ。
最後から数えて3、4P目の2ページって意味だったんだ。
スペシャルサンクスは数えてなかった。ここで言うのもなんだがわかり辛くてスマン。
あと最終回カウントダウンは「ラスト6回」って出てたのを記憶してるよ。
おまいら、天禁の神同人神コスプレを教えなさい。
kimoi
昔はあったねとしか。
命令口調なのが、何様?
>>968 その節はお世話になりました
ページではなくあらすじで表現する必要があったため、
「ここで切ったのなら話がおかしくないかなあ」
とか適当に考えてました、すみませんでした
最下層AGE
あげ
ume
梅吉
梅沢富美男
小梅太夫
梅宮辰夫
梅宮アンナ
梅干し
梅茶漬け
松竹梅
梅田
梅山
梅津
梅原
梅本
梅乃
梅吉
梅立て地
梅合わせ
梅納豆
梅御飯
梅焼き蕎麦
梅鬱陶い
梅五月蝿い
梅烏賊
1000
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。