1 :
あらすじ精霊:
第26話 覇王への道
謹慎中のヴァーリを、アーサトゥアルの重臣たちが訪っていた。
エルナたちを修道会領で見失ってしまったことを報告し、
ヴァーリ殿がなさっていた時の方がうまくいっていた、と愚痴を漏らす重臣たち。
修道会には、ヴァーリにもまだわからぬところがあるらしい。
修道会が闇の姫御子をどう見るか、心中で思いを巡らせるヴァーリ。
今後の方策を定めあぐねる諸侯に、ヴァーリは一つの戦略を提示する。
エルナとシャールヴィがアンサズに着いても無駄になればよい。
アンサズに勝っておけばよいのだ。
地図を広げ、具体的な策を示すと、重臣たちは笑顔で辞去していった。
重臣たちが帰った後、彼らが座っていた椅子から一枚の呪符を剥がすヴァーリ。
人を呼び、人を動かす操虜呪(レーダレーカ)。
しかし、かの人はこの射程に通りがかるわけもなし、玉座に呪符をしかけるわけにもいかぬ。
面倒なことだ。億劫そうに、ヴァーリは王城を見上げるのだった。
その、王城。
修道会領に逃げこんだエルナたちに対する方策を巡り、エイリークたちは会議を行っていた。
とりあえず法王に親書を出して、と穏当に事を進めようとするエイリークに対し、
先刻ヴァーリの居館を訪ねた重臣たちが攻勢に出るべきと主張をはじめる。
慎重論を唱える一派を一喝し、ヴァーリに提示された戦略を我が手柄のように語り始める重臣。
だが、エイリークはその主張に賛同できないものを感じていた。
此度の戦の目的は、100年前、ソルレイク王のころの国境線。
アンサズに攻め込むことではないのだ。
魔風で失った耕地、その分だけをアンサズより手に入れるための戦。
より多くの沃土が手に入るとしても、必ず兵や民に死を強いる。
戦はいたずらに拡大すべきではない。それが、エイリークの思いだった。
しかし、攻勢を主張した重臣はエイリークの言葉を、理想ですな、と一蹴する。
恐れながら、政事をしては我らの方が長い。
戦をお教えしましょう、王子。
エイリークに、その言葉を退けられるだけの統治者としての自信はなかった…。
森の中の修道院では、シャールヴィがアースムンドと、二時間にも渡って棍で打ち合いをしていた。
いい加減にするよう声を上げたエルナにシャールヴィが気をとられた隙をつき、
アースムンドの一撃がシャールヴィの顔面に入り、勝敗が決する。
素直に負けを認めるシャールヴィ。おまけに手ェ抜かれてるみたいだし。
しかし、アースムンドも実は息が続かなくなっていたのだ。決して手を抜いていたのではない。
これは杖術という。人を殺さずに懲らす術です。
修行を勧めるアースムンドだったが、今はそんな状況ではない。
夜が更ける前には、もうちょっとアンサズ国境近くの町まで行っておきたい。
敵国に向かうエルナの身を案じるアースムンドに、覚悟はしています、とエルナは答える。
「――私に人になき力があり 私さえいけば戦がなくなるのならば
この命を 賭けてもよいと…」
命を賭けねばならぬと言うのなら、と、アースムンドはもう一つの道を提案する。
しばらく辺境を旅して回り、アースムンドはいずれの国でも魔境がおしよせてきているのを見た。
これは世界全体の危機と言ってよい。戦などしている場合ではないのだ。
このような時にこそ、この修道会が動くべき。
「法王猊下に両国の調停をと ご進言申し上げようと思います」
両国の王族に、共に和平を望む方がおられるとならば、強く調停を進めることもできましょう。
明後日、法王に謁見することになっているのでそれまで待って欲しいと言うアースムンド。
だが、シャールヴィはその言葉に懐疑的な反応を見せる。
明後日では遅すぎるし、今までアーサトゥアルの侵略を見逃してきた修道会のことも信用できない。
しかし、エルナはアースムンドの言葉に希望を見出していた。
もちろん、和平が成った後もエルナの力が悪用されぬよう、
修道会が目を光らせるようにすると請け負うアースムンド。
そもそも、各国王に神の道を示すがために、大魔導士(プレスト)が遣されているのだから。
大魔導士という単語を聞き、エルナの脳裏にヴァーリの姿が浮かぶ。
そんなエルナを励ますように、国へ帰れるよう力を尽くすと約束するアースムンド。
アーサトゥアルへ帰れると聞いて喜びを露わにするエルナを、
シャールヴィは複雑な表情で見つめるのだった。
会議で決まったとおり、アーサトゥアル軍は平原に大軍勢を結集させつつあった。
その動きはすでに、シャールヴィの部隊の偵察隊によって察知されていた。
軍議で援軍の要請を図るオーレイヴ。
しかし、シャールヴィ不在という不安の中、部隊の士気は低下していた。
軽口を叩きながらもシャールヴィの身を案じ、重い空気に包まれる軍議の場。
その空気を振り払うようにオーレイヴが言う。
みんな、王子は生きている。信じて待とう。この前線を守り抜こうじゃないか。
その言葉に、将兵たちも奮起する。
「俺らは常勝だった どうしてた? いつもなら…」
「まず 増援なんて待ってねえ」
不敵な笑いを浮かべる一同。制止するオーレイヴの声なんて聞いちゃいない。
かくしてシャールヴィなくとも、一気呵成の突撃でシャールヴィの部隊は大勝を収めたのだった。
あまりにもあっけない大敗に、アーサトゥアルの宮廷も騒然となる。
戦略の提案者として招聘され、責任を追及されるヴァーリ。
しかし、ヴァーリは悪びれもせず、話の種にと戯れに思いつきを口にしただけと切り返す。
王子も誰も、内容をお改めにならなかったのですかな?
嘲るようなその言葉に、返す言葉もない重臣たち。
私は反対したのだが。
エイリークの言葉にうろたえる重臣たちだったが、エイリークの度量は彼らのそれを大きく越えていた。
しかし、私の責である。認めよう。
だが、責任の所在を云々したところで、現状が八方塞がりなのは変わらない。
アンサズは勢いづき、東からはグードランドが寄せてくる。
全てが後手後手になる。もはや勝つための道は残されていない。
どうするべきか判断を求めて自分の名を呼ぶ重臣たちに、勝手な時に、と苛立つエイリーク。
そもそもエイリークを軽んじ戦を強行したのは、今エイリークに救いを求めている重臣たちなのだ。
そこに救いの手を差し伸べたのはヴァーリだった。
「魔精霊法を このたびはお使いになるべきかと」
「魔精霊法による無敵の狂戦士(ベルセルク)
実は 罪を覚悟で 国家緊急に備えて研究してまいりました」
決定的な打開策に安堵の息をつく重臣たち。
さすがヴァーリ殿。そんな言葉をかける者までいる。
しかし、エイリークはその策を拒絶する。
思い浮かぶ異形の姿は、カルルの報告にあった、ハルスホルトでエルナたちを襲撃したという狂戦士。
魔精霊法は忌むべき禁呪。これを使ってはいかなる戦にも大義は成らぬ。
正論を口にするエイリークを嘲笑うように、ヴァーリはゆっくりと玉座に歩み寄ってくる。
どうですか。あのシャールヴィの部隊一つ潰せれば、かなりの挽回。
全滅させるのです。誰も外へ伝える者はありません。
しかも我が狂戦士は最強なれど、病が進めば自ずから朽ちる宿命。
一夜明ければ、誰が調べようと影も残らず。
その言葉に潜む凶々しい真実など想像もせず、次々と安易な賛同の声を上げる重臣たち。
それでも否定の言葉を捜すエイリークに、ヴァーリは言う。
国を率いるには、時には、血みどろの道をとらねばならぬこともある。
先王エイナル陛下は、そのことをよくご存じでしたが?
顔を上げたエイリークの目の前に、ヴァーリが立っている。
エイリークをいざなうように手を差し伸べて。
「継いで覇王となられませ 我が王」
エイリークと、彼の座る玉座と、そしてヴァーリの周囲に広がる、果てない血の海。
無数の骸が沈むその海の中に、エイリークは片足を踏み入れていた。
海面が跳ね上がり、エイリークの体に赤い飛沫が降りかかる。
「よろしいですね?」
それは、許可を求めるものではなく、すでに決まったことを確認するためだけの問いかけ。
冷たい微笑と共に口にされたヴァーリの言葉に、もはやエイリークは逆らうことすらできない。
俯き座り込むエイリークを無視し、ヴァーリはすでに諸侯に指示を下しはじめていた…。
エイリーク・・・(つД`)
段々エイリークに萌えてきました
僕は異常でしょうか?
あー…………そこで重鎮に対して反抗できないのがエイリーククォリティなのか。
まだまだ「王」になりきれてないね。
エイリークはヘタレカワイイスレとか立てて来て良いですか?
おいおい、停戦が成立しそうなところでヴァーリのベルセルク投入かよ
なんでいちいちこうタイミング最悪なんだよこのマンガは
エルナ側が明るいだけにエイリーク側の暗さが引き立つな
このまま傀儡になっちゃうのかなエイリーク・・・
エイリークガンガレ超ガンガレ
いや、エルナ側も次回にはオトしてくるに決まっている。
それがこの漫画のクォリティだ。
マジで法王までもが黒とか、そんな展開が待っているに決まっている…!!
実は法王は既にヴァーリたんの傀儡となっていたのだとかそんな展開か?
いくらヴァーリたんでもそれはちと無理では・・・
でも、ヴァーリたん修道会関係者だし、修道会との交渉役でもあるなあ
むしろ、調停に行って法王も乗り気だったのに
ベルセルク大暴れの報を聴いて態度を硬質化させると見たね
「何が調停だ、神の家をたばかるとは!」みたいな感じで
そして修道院からも追われる身となるエルナたち
>>17 正に「神の加護なき闇の姫御子」かよ…救われねえ。
そういやエルナって「神の加護なき」とか「禍々しい」とか
そんな風に言われまくってるんだけど、
ならば「神に仕える人々」にはどう思われているんだろう?
原理主義的魔導士には弾圧して然るべきとか魔物同然とか、
思われてないんだろうか。
名無し魔導師様やアースムンドは明らかに良識派だしな
差別意識に凝り固まった腐れ聖職者が出てきてもいい頃かも
腐れ聖職者自体はバーリはんがいるが狂信的とかじゃないからな、あの方は
そういやタレ目ちゃんが自分の素性明かしたときに微妙な表情してたけど
やっぱりドヴェルグは差別の対象なんだろうなあ
ドヴェルグ=ドワーフ?
そう思うと、イメージが…。
22 :
マロン名無しさん:2006/06/30(金) 19:33:04 ID:XOQWQiJU
>>21 どっちが先かは忘れたけど
北欧神話でドヴェルグ、ケルト神話(指輪物語?)でドワーフだった気がする。
エルサガだと種族よりも民族に近い描かれ方っぽいけど。
第27話 聖堂の預言者
一夜が明けた。
ヴァーリの魔精霊はすでに前線へ送られ、何人かの兵士が狂戦士(ベルセルク)と化していた。
人間の姿を大きく逸脱した、巨大なる異形の戦士たち。
それが、アーサトゥアルの軍営のあちこちの天幕から姿を見せはじめる。
その光景を見たアーサトゥアルの兵士が――自らの属する軍を見て――呻く。
「すげえ… こりゃまるで… 話に出てくる魔王軍ってカンジだぜ…」
一方、エルナたちは大聖堂に到着していた。
伝説によれば、大聖堂はかつて、世界樹(イグドラシル)という巨大な樹だったそうだ。
勇者が魔獣フレースヴェルグと戦ったとき、すべての人々や動物が、
この世界樹の洞に身を寄せて吹きすさぶ魔風から身を守ったという。
魔風が止むころには世界樹は枯れた切り株だけになったが、人々は守られた。
それに人が手を加え、建造物としたのが大聖堂なのだ。
先に法王との謁見に向かうアースムンドを見送り、エルナたちは大聖堂の中を見学する。
と、歩き回るうち、エルナは大聖堂の天井に緑色の筋が走っているのを見つける。
世界樹は本当に全部枯れているんだろうか。
そんな思いに囚われて、緑色の筋を伝うように歩きはじめるエルナ。
その後を追いながら、シャールヴィは戦のことを思って気持ちを逸らせる。
今、彼のいない戦場でどんな戦いが行われているかなど知る由もなく…。
法王と謁見したアースムンドは、調停の件を切り出す。
辺境の凄まじいありさまを説こうとするアースムンドだったが、
法王はすでに、この世界が危機にあることをずっと前より神の啓示を受けて知っているという。
法王の言葉に希望を抱き、エルナとシャールヴィが大聖堂を訪れていることを明かすアースムンド。
エルナの名に、法王はただならぬ興味を示す。
あの、魔法を全く帯びぬ闇の姫御子がこの地に。それはお会いしたいものだ。
それでは調停を、と言い募るアースムンドの言葉を躱すように、法王は言う。
「いや 扉をな」
緑色の筋を追っていたエルナは、一つの扉の前にたどり着いていた。
扉にこびりつく、いくつもの血の跡にぎょっとしながらも、つい扉を開いてしまうエルナ。
そこは、世界樹の新緑が芽吹く森のような部屋だった。
世界樹は生きていたんだ。
開いたその扉を、警備の修道士たちが見つけて報告のために駆け去って行く。
慌しい修道士たちの様子を訝しく思いながらも、扉をくぐろうとするシャールヴィ。
扉に触れた指先が弾かれ、シャールヴィはこの扉に封魔呪が施されていることに気づく。
室内に入ったシャールヴィに、小さな花芽があることを教えるエルナ。
世界樹はここで花を育てているのだ。
そのうち種ができれば新しい世界樹が育つ。
ここは本当に希望の地だ、と改めて室内を見回すエルナの表情が、その瞬間強張った。
入り口近くの世界樹の葉が、枯れて散りはじめていたのだ。
そこに現れる、法王をはじめとした修道士たち。アースムンドの姿もある。
無断でこんなところに入り込んでしまったことを謝罪するエルナ。
だが、法王は咎めようとはせず、この扉を開けてもらうようエルナに頼むつもりだったと言う。
確かに、この部屋なら人々を守れるかもしれないと希望を見出すアースムンド。
だが、こんな狭い部屋ではどうしようもないと、シャールヴィは現実を突きつける。
そりゃそうだ、と納得するアースムンド。しかし、法王たちは違った。
我ら修道院の上層部が入ることになる。十分だ。
まず世界の中枢たる我々が助からねば、後の方策も無かろう。
エゴ剥き出しのその言葉に反論するエルナ。
部屋を開けたため、わずかな魔風や人に帯びた魔法で、部屋が枯れかけてる。
世界樹の芽が育つまで、何年か何十年か何百年、この部屋は閉じるべきなのだ。
エルナもこの部屋に入れるようにするからと、懐柔してこようとする法王の言葉もエルナは突っぱねる。
調停のために来たのだというエルナの意思を思い出しながらも、
法王は調停など無駄なことと断言する。
「戦が終わろうがどうしようが 滅びはやってくるのだから……」
我が神の家がこのありさまとは…………。唖然とするアースムンド。
二人に無駄足をとらせた上に、一刻も早く戦を止めねばならぬというのに。
だが、戦の状況は、すでにアースムンドの危惧を遥かに越えていた。
アーサトゥアルの狂戦士たちに蹂躙されるシャールヴィの部隊。
シャールヴィ王子がいれば、そう叫びながら次々と殺されていく兵士たち。
指示を出すオーレイヴを、狂戦士の凶々しい爪が襲う。
額から鮮血を撒き散らし、オーレイヴは大地に倒れた。
私は恐ろしい啓示を得たのだ。語り始める法王。
いずれ、異形の魔物たちが血を這い回る世が来ると。
しかし、エルナは毅然と、ここを閉じてアンサズへおもむく意思を伝える。
滅びるのだぞ。怖くはないのか。恐怖に青ざめながら訴える法王。
私は神の言葉を聞いた。その後、あの魔獣が蘇ると。
フレースヴェルグが……
その言葉に衝撃を受けるエルナたち。
それで今、魔風が強まっているのも説明がつく。
青ざめ汗に濡れながら、自らのうちの恐怖を認めるエルナ。
それでも。散りゆく世界樹の葉に包まれながら、エルナは言う。
ここは私たちのための部屋じゃない。私たちが潰すわけにはいかない…
「百年後の… 未来のために………」
聖短剣の柄に手をかけるエルナ。
法王に剣を向けるその行為に気色ばむアースムンドだったが、法王もまた荒事を想定していた。
生け捕りにするよう法王に命じられ、棍を構えてエルナたちを取り囲む修道僧たち。
一触即発の空気にアースムンドが仲裁を申し出るが、聞く耳を持つ者はいない。
静かな眼差しで聖短剣を抜き放ち、エルナは言う。
この部屋で滅びの恐怖にかられて、ただ生き長らえることを願ってなんになりましょう。
「滅びを避けるための努力の中でこそ 私は命を賭けてもいい」
その背後で、シャールヴィもまた戦斧を構える。
エルナを守るために。
「俺が 死なせねえがな…」
毎回誰かが名言を言う!
おいおいおいおいおいおいおいおいおい
やっぱり法王駄目じゃん
あの狭い部屋じゃ、十数人位でも一月と持ちそうにないな。
食料とか水とか、換気、排泄処理、無理無理。
世界の中枢を自認するんだったら、もうちょっと頭を働かせて
欲しいところだが、それとも世界樹には何か中の人の生活を
支える不思議機能があるのか?
奴らが正気じゃないってことなのかもしれないが。
こいつらもヴァーリの操虜呪で踊らされてんのかね…
今までの流れからいくと、何もかもたった一人の悪人の仕業で、
そいつを倒せばハッピーエンドという流れではなさそうだけど。
つか、あの「中枢の人間」だけが生き残っても世界の復興はできんだろう。
若い男女が相当数いてこそ人間は増えるんだし。
何より動物植物まで魔風で滅ぶとしたら、駄目じゃん。
正に「生きながらえるだけで何になりましょう」じゃないか。
いくら言葉で飾っても、結局は死にたくないだけなんだろう。
法王とその取り巻きは。
…「扉にこびりついてる血」が気になるんだが…
相当物騒な事をしていたのではないだろうか。
神の御許の大聖堂なのに。
扉の血>人間突っ込ませる→ウボァー→次の人→ウボァー以下略
か?がくがくぶるぶる
>28
我々の時代と世界で言う核シェルターみたいなもんなんだろうとして、
換気:木がフィルターの役割を果たす?
排泄処理:用を足したら即世界樹の養分になるから、トイレの位置を決めておけばいい?
水:木から摂る?
食料:何か果物でも生るのか?肉類は持ち込むしかないだろう
って感じになるのかねえ。
話半分で訊くとしても、過去には実際に
世界樹をシェルターとして利用して生き延びている。
その時には、肉類は非難させておいた動物の中から尊い犠牲を貰ってるとして。
つ共食い
日光は入るみたいだから、中を農園化。
あとは世界樹にがんがって育ってもらってどんどん幹を広くしてもらうとか。
でも「まず世界の中枢たる我々が助からねば、後の方策も無かろう。」
とか言ってるから、とりあえず自分らは助かって、あとのことはそんとき考えよう、
って感じなんだろうな。
まともな権力者はシャールヴィの親父さんだけだな、この世界
エルナの健気さに感動したせいか誰もツッコまなかったけど
エイリークの父親なんてかなりのクソ野郎だよな
すでに死んでるから今後自分の罪の報いを受けることないのがまたムカツク
はげど。
エイリークはよくまともに育ったな。
同じく禿
アーサトゥアルにまともな家臣がほとんどいないのはあの親父のせいだな
エイリークカワイソス(´Д`;)
でも他国の首脳が「戦争に勝って世界を支配する→魔法の強い子息を持つ」と考えている所を、
敢えて「魔法がない人間を作って世界を脅して支配する」と言う手法を考え付いたエイナル王は凄いとは思う。
視点が他の人間とは違っているって事だから。
まあ、その手法が、外道だから、擁護はちょっとねえ。
「そんな外道もありかよ!」と他国も知って、疑心暗鬼になりつつあるのが現在の世界だったのだし。
「神の言葉を聞いた」と言うことは、やはりこの世界には神がいるんだな。
魔法と神とがあまり結びつかなかったので、正直新鮮。
>>38 ふと気になったんだけど、前回ラストでヴァーリが言ってた
「先王エイナル陛下はそのことをよくご存じでしたが」ってセリフ、
あれって明らかに闇の姫御子を使った策略のことだよな
先王にこの策略吹き込んだのがヴァーリってことはないかな?
ヴァーリはいったい何歳なんだって疑問も出てくるが
>>40 レギン公曰く「ヴァーリ殿は先王が抜擢された優秀な大魔導士」だから、エイナルの治世から王家に仕えていることは確定している。
つまり、「ヴァーリ年増」は既に疑惑ではなくしんjうわまてなにをするやm(ry
闇の姫御子作成計画の立案者がヴァーリと言う可能性は結構高いかもな。
やっぱり黒幕はヴァーリなのか・・・
親子二代に渡って利用され続けてるアーサトゥアル王家に同情する
えぇと、先王の御代って何年くらい前の話よ
それによってヴァーリの推定年齢も大分変わるかと
最低でも40近くでないと、闇の姫御子誕生の企みには関われないよね…
魔法で若い姿保ってるけど実はオサーンとか
エイリークがまだ即位していないのだから、エイナル崩御はそれほど前ではないのでは?
長くて1年程度ではないだろうか。
それ位の期間、喪に服して、それから新王エイリーク即位って算段では。
>>44 何か普通にありそうだな、それ
>>45 なるほど
エイリークが全く実権握れてないのもそのせいだろうな
しかし、エイナルは何で今までエルナを使おうとしなかったんだろう
アーサトゥアルだけは守りつつ他国を魔風で焼くような方法はやっぱり
無いみたいだから、世界を滅びで恫喝しつつ、征服戦争そのものは
通常兵力でって考えだったとか。
それなら、軍事力整備に年月が必要だったというのはそれなりに
説得力があるんじゃない?
あと、エルナが魔法を一切帯びぬ闇の姫御子として周知され、しかも
高い山の頂上、誰の支援も受けずに聖剣をどうにか出来るくらい
成長するのを待っていたというのはどうだろう。
「エイリークの即位」と「エルナの離宮移動による恫喝外交」がセットで公表される予定だったから、
遅くともエイナル崩御直後にはこの作戦は重臣の間で準備が行われていたんだろうな。
1話で初めて知ったのはエルナだけで。
? ? ? ? ? ?
?? ?? ?? ?? ???? ????
??:: ??
???:: ? ??
????::?:: ???????? ???? ? ????
??????::?::: :::?::??? ? ?
???????::?::?::::: :: :: ::::?::????????? ???
?????????::?:::?:::::::?::??????????????
第1話あたりを見ると「聖剣の実在が確認されたのが最近」とある。
だから、アーサトゥアル王家では聖剣の存在を知って、策略の準備をしていたが、
実際にエルナを離宮にやったり、他国にとってエルナが脅威になるのは、聖剣発見以降だ。
それまでは他国にとっては、エルナはただの禍々しい姫。
>第1話あたりを見ると「聖剣の実在が確認されたのが最近」とある。
どこ?俺は単行本派だから連載版は違うのかな?「最近」という記述は
見つからなかった。「」で括られているので引用かとは思うのだが…
敢えて探すとなると、魔導士長の台詞?
「それがあったというのです アーサトゥアルではそれを確認したと」
その前のシャールヴィの「まあただの伝説だ ためしにノルズ山の
どこ探したって聖剣なんか」に 見つからなかったそうじゃないか と
補足し、過去、聖剣探索が行われて不発に終わったという事実が
公知であるとするなら、魔導士長の言葉はそう読めなくもないけど。
それとも、「しかし近年 アーサトゥアルは(略)深め始めていた」?
侵略を始めたのが近年だからといって、実在確認を確定する
根拠は無いように思うのだが。
>他国にとってエルナが脅威になるのは、聖剣発見以降だ。
そうかな?それこそ聖剣が実在せずとも、闇の姫御子が世界を守る聖剣の
柄に手をかけている、というのは十分脅威でしょ。「恐怖さえ実在すれば」
アンザスだってグートランドだって、直接それを確認した訳ではないし。
それはそれとして、仮にアーサトゥアルによる発見が最近のことだとすると、
最短でエルナ誕生と同時に探索が開始されたとして、10何年位もの期間が
かかったことになるよなぁ。なんか一つの主峰しかない山の天辺ていうイメージ
だったけど、よほど巨大複雑な山容ってことになるな。それとも何か、探索を
妨げるものが存在するのか。
×アンザス
○アンサズ
エベレストに登頂するのが難しいみたいなもんかな?
現実の8,000m級山岳と同等だと、中世的装備で山頂を極めるのはかなり困難だろうな。
あぁ、装備の問題は魔法である程度解決できるか。いや、それを言い出すと、
視力の優れた使い魔さえいれば殆ど障害は無いような…
にしても、それなりに聖剣の近くになければならない離宮での暮らしは厳しそ。
ノルズ山>うっかり聖剣の北に迷い込んだら魔風でアウトとか?
エイナルが画策した以上、彼が聖剣の実在を確認していないというのは考えにくい。
「アーサトゥアルが聖剣を発見」したのは単なる情報操作だろ。
そーいや、個人的には第1話時点じゃ聖剣の存在自体懐疑的だったんだけど、
魔獣が本当に復活するってことは聖剣も実在するんだな
勇者と魔獣の戦いは寓意的なもんかと思ってたが本当にバトルしてたのか、あんな大怪獣と
第28話 小さきまことの光
襲いかかる修道士たちに応戦するシャールヴィ。
てめぇらだけが助かろうってェ魂胆は気に入らねぇなあ!
猛るシャールヴィに、自らも聖短剣で修道士の攻撃を弾きながら、殺さないよう指示を出すエルナ。
だが、修道士たちが持つ杖は、全て内側に刃を納めた仕込杖。
明らかな殺意を見せ、修道士たちは次々と杖から剣を抜いて構える。
僧が剣を持つとは。愕然とするアースムンド。
扉にこびりついた血の汚れを指し、シャールヴィは言う。
エルナ、あの扉の血を見たろう。奴ら、扉を開けるために何人も殺してるぜ。
シャールヴィの言葉に、平然と切り返す法王。
たかがドヴェルグ共だ。魔法が少ないくせに何人かかっても開けられなかった。
衝撃を受けるアースムンドとエルナ。
怒りをぶつけるように、シャールヴィはさらに襲い来る修道士たちを扉目がけて振り払う。
扉に激突した修道士たちの魔法に、封魔呪が反応する。弾け飛ぶ修道士たちの体。
入口を覆うような激烈な反応に、法王たちも一旦部屋から後退する。
役立たず共が。慈悲の心など欠片もない、残酷な言葉と共に。
法王たちの隙を突いて突破するシャールヴィとエルナ。
また夢が育つように。
再びこの扉が開かれる日に、世界が平和でありますように…
祈りを込めて、エルナは扉を閉ざすのだった。
その瞬間、毎度のようにエルナを片腕で抱え上げてダッシュで逃げ出すシャールヴィ。
封魔呪に倒れた修道士たちを心配そうに見つめるエルナに、
山ほど坊主がいるんだから助かるって、と安心させるようにシャールヴィは言葉をかける。
しかし、法王たちは怪我人の治療など後回しにしてエルナたち追跡にかかる。
その前に立ちはだかるアースムンド。
「――心よりの敬意を払い 共に学び務め…
一生を捧げようと誓った我が友 我が家とも今日これまで」
決意に満ちた表情で、アースムンドは杖を構える。
「かすかだが… かの姫こそ まことの光かも知れぬ」
バチ当たりが。
修道士の罵倒の声に、アースムンドは毅然と答える。
「これで神が我を捨てるならば それも良し!」
奮戦するアースムンドに業を煮やし、召集の笛を鳴らす修道士たち。
次々と駆けつける新手に逃げるシャールヴィたちに気をとられ、アースムンドの注意が逸れる。
その隙を突いて、法王の手から陣風竜(イルドラーク)と思しき魔法が放たれる。
防御圏(クレトゥス)か何かの魔法でほとんどを弾き返すアースムンドだったが、
弾き返せなかった二発に体を貫かれ、ついに倒れてしまう。
聖堂内での魔法攻撃を許可し、姫を捕らえるためなら男は殺しても構わぬと命令を下す法王。
その足を、息絶えたかと思われていたアースムンドが掴み止めた。
魔導士たちが各地で戦に協力などしているのが実情としても、
僧は元来、剣によっても魔法によっても人を殺めてはならぬのが戒律。
法王自らお破りになるとは。
離せ、と狼狽える法王に、アースムンドは静かに宣告する。
「地獄へ先導しつかまつる」
その時、突然大聖堂の天井が法王とアースムンドたちの上に崩れ落ちてきた。
先刻アースムンドが弾き返した法王の魔法が、天井を破壊していたのだ。
瓦礫を身に浴びながら悲鳴を上げる法王。
アースムンドはそれを見つめながら――
遥か後方から聞こえてきた異音に振り返るエルナ。
アースムンドの身を案じるエルナだったが、今は見に戻れるような状況ではない。
エルナたちを捕らえるため、聖堂中の修道士たちが出動しているのだ。
修道士たちの追跡を逃れるため、手近な部屋に逃げ込むエルナとシャールヴィ。
そこは、大聖堂の洞が通路となっているような場所だった。
ここなら見つからんだろ、とひとまず身を休める二人。
そこに、不意に男の声がかけられた。
どこのコソドロが人の縄張り荒らして、
しかも坊主共に追いかけ回されヘマな野郎だ、放っておこうと思ったが、
「獅子の牙」の頭領さんになら、恩を売っても損は無さそうだ。
目つきの悪い、特徴的な眉毛の男が二人を見下ろしている。
その視線が見るものはシャールヴィの首にかけられたペンダント。
そして、男もまた、シャールヴィのペンダントによく似た形のペンダントを首から下げている。
「『火とかげの爪』のラタトスク お見知りおきを…」
一方、アーサトゥアルとアンサズの前線では、すでに戦闘が終了していた。
去って行くアーサトゥアルの異形の軍勢を、岩陰から見送る男たち。
アーサトゥアルのアレ、なんだろうな。でけェ怪物みたいな…
囁きを交わしあいながら、男たちは先ほどまで戦場だった場所に散らばりはじめる。
そこに転がっているのは、数え切れないほどのシャールヴィの配下の将兵たちの死体だった。
仕事仕事、と言いながら死体から武器や防具を剥ぎ取っていく男たち。
死体から盗るってのは因果だよなァ、と言う男に、
馬鹿言え、いつも畑の上で戦されてんだからなァ、と答える別の男。
どうやらこの近くに住む農民たちらしい。
と、戦場に転がる死体の中、まだ生きている人間がいるのを男たちの中の一人が発見する。
額から血を流しながら、その騎士は弱々しくも懸命に訴える。
「伝えて… 王子に… シャールヴィ王子に…
このままでは アンサズは…」
ただ一人生き残った騎士、それは、シャールヴィの側近・オーレイヴだった。
アースムンド様、奮戦死…っ!
やっぱり「強い老人キャラはよく死ぬ法則」に逆らうことはできなかったか、アースムンド様・・・
名前があろうとなかろうと脇役はあっさり殺されるんですね・・・
あーん!(ry
オーレイヴ生還したーーーーーーーー!!
シャールヴィの臣下が全滅したら、このまま彼がエルナをアンサズに連れてきても擁護してくれる人間が全くいなさそうだったから、すげー心配してたよ。
父王もどうもシャールヴィに冷たいしさ。
エルナに対してかなり厳しい処遇をされそうな気がしてならなかった。それこそ死刑とか。
しかしこれでシャールヴィの仲間になってくれる重臣がいた。
これで大丈夫!明るい展望が見えてきた!
ベルセルクに他の部下全滅させられたから、シャールヴィに何と言われようともアーサトゥアル人に強硬な態度を取るようになっちまってるかもしれないけどさorz
>「地獄へ先導しつかまつる」
アースムンド様カコイイ。
この漫画の台詞回し、やっぱり凄いと思う。
法王はともかく、アースムンド自身も「僧なのに人を殺めてしまう」、
しかもその相手が法王だから、「地獄へ先導しつかまつる」。
自分も地獄行きと言うこと。
淡々とした口調が逆にカコイイ。
アースムンドは死にオーレイヴは生き残った
これはやはりエルナに関わったか関わってないかの差だろうか
そんな、エルナを死神みたいに・・・
あっちもこっちも絶望的な状況ではあるが
新しい味方キャラ登場…なのかな?
セリフからして盗賊の類みたいだし小悪党ヅラしてるけど
モンクの次にシーフキャラ登場!
なにげにロープレっぽいとこ押さえてるな。
シャールヴィと正反対の細身で身軽そうなキャラだ。
法王の追悼スレ立てたヤツだれだw
法王様、確かにとんだ下種野郎だったけどあの三編みとかなかなかポイント高いと思うんだ
オーレイヴ追悼スレを早まって立てずに良かったよw
何ヶ月か先送りになっただけかも知れん
>>754の人気に嫉妬。
確率的には、年末ジャンボ宝くじが当たるのと同じくらいの幸運だと思われ。
一生の運を使い果たしたに違いない。
この漫画の悲鳴って結構リアルな感じがする。
エルナとシグルーンは可愛いな
シャールヴィが優男すぎるだろ・・
あれ、なんか変なことに・・・
誤爆です、ゴメソ
第29話 盗賊(シューフ)ラタトスク
法王死亡の報は、またたく間に聖堂中に伝わった。
捜索の続行は決定されたものの、混乱に陥る修道士たち。
その騒ぎは、ただちに大聖堂足下である町にも伝わっていた。
その町の武器屋を、一人の女騎士が訪れていた。
グードランドのラヴァルタである。
裏切り者と見なされ帰るべき国も仕えるべき主も失った彼女は、
巡礼のために大聖堂を訪れ、剣も鎧兜も処分しようとしていたのだ。
武器屋の親父はよく使い込まれたラヴァルタの剣を見て、剣は持っときな、と彼女に押し返す。
この物騒な世の中じゃあ、腕があるなら剣ぐらい持ってた方がいい。
それにな、あんたまた、そのうちどっかへ仕官することもあるかもしれねえ。
その言葉に驚くラヴァルタ。
(私が再びこの剣を捧げるべき王が、この世界のどこかに……?)
ラタトスクを名乗る男は、エルナの体を舐めるように見た後、シャールヴィに道案内を申し出る。
シャールヴィがもらった牙のペンダントの本来の持ち主、
ハルスホルトの刀屋の親父は、かつて獅子の牙と呼ばれた盗賊だったらしい。
ラタトスクはシャールヴィを代替わりした頭領と勘違いしているのだ。
刀屋の親父の胡散臭さに今さらながら納得するシャールヴィ。
しかし、ラタトスクから何気なくもたらされた情報が彼の表情を一変させる。
ハルスホルトがアーサトゥアルに攻め込まれ、併合されたと言うのだ。
しかも、アーサトゥアルはアンサズの前線をも突破したと言う。
これから戦はどんどん南下する。もうけ話もどんどん南下するってわけで。
飄々と語るラタトスクは、詳しく話を聞きだそうとするシャールヴィを無視してエルナをナンパにかかる。
しかも、先導を買って出て前に出ようとしたその瞬間、エルナのお尻にさりげなくタッチ。
悲鳴を上げるエルナだったが、訝るシャールヴィに本当のことなど言えるはずもない。
真っ赤になってなんでもないと答えながらも、なんなのよあの人―――――!!とご立腹のエルナだった。
大聖堂の地下から外へ通じる川、それがラタトスクの逃走経路だった。
舟にエスコートしようとするラタトスクを思いっきり警戒するエルナ。
俺の後ろに立つな、とばかりに絶対背中を見せないように舟に乗りこむ。
でもシャールヴィが自分の背後に座る分には全然気にならないらしい。
せっかく御一緒させてもらうんだからな、とシャールヴィに名前を訪ねるラタトスク。
あっさり答えようとするシャールヴィだったが、
ラタトスクへの不信感をたぎらせたエルナが途中で放送禁止音のような音をかぶせて名乗りを遮る。
結果、ラタトスクが信じた名前はシャールピー。どうなのそれ。
舟が大聖堂からかなり離れた頃、ラタトスクは地図を広げて今後の予定について話し始める。
このまま舟を流していけば、湖を経て、そのままアンサズの首府へ行けると言う。
だが、前線が交代していることを聞いた今、もっと早くアンサズに入りたい。
話を詰めるためエルナと場所を交代したシャールヴィは、
この舟に二十本近い剣が積み込まれていることに気づく。
農民とかが戦場で拾ってきた剣を、町の刀屋へ修理に出していたものらしい。
ハルスホルトの刀屋に自分の剣が売りに出されていたことを思い出すシャールヴィ。
もちろんこれだけじゃねえぜ、とラタトスクは得意気に語る。
千本以上の剣、防具、軍馬、辺境出身の傭兵志願者…そんなものまで確保しているという。
武器売買。武器屋と盗賊団が組んで、密輸品盗品なんでもアリの闇市場が作られているのだ。
「王族だけが世界を動かしてるってわけじゃねえ あんたもそう思うだろ?」
だったら、アンサズに賭けないか。
シャールヴィの言葉に、芳しくない反応を見せるラタトスク。
アンサズちょっと旗色悪いしなあ。負けるほうについて、後で金払ってもらえねーと困るし。
そんなラタトスクに、絶対に勝つ!と断言するシャールヴィ。
呆気にとられ、さらに戦争で金儲けを企むラタトスクに義憤を見せるエルナを訝りながらも、
ラタトスクはシャールヴィが相当のことを掴んでいるらしいと確信する。
確かに皆が皆アーサトゥアルにつく時にアンサズについて、アンサズが勝てば…
儲け話の匂いを感じ取り、ラタトスクは心中でほくそ笑むのだった。
なんだかんだで剣のこととかで話が盛り上がるシャールヴィとラタトスク。
エルナは完全に置いてけぼり状態である。
そして、舟から下り、山道を歩く道中、剣は全部シャールヴィが運ぶことに。
このルートを選んだのはお前だぜ、俺は馬車で運ぶつもりだったんだから、と悪びれないラタトスクに、
シャールヴィは、追いついてデンってついたら交代ってことにしようぜ、と小学生みたいなことを言い出す。
その言葉通りダッシュでラタトスクに追いついてデンつくシャールヴィを見つめるエルナ。
(シャールヴィ… なんだか私と二人の時より楽しそうだなあ……)
男同士だから…さびしげな微笑を浮かべてそう納得するエルナをよそに、
シャールヴィたちは途中で見つけた温泉に、突然全裸になって飛び込みはじめる。
デリカシーのカケラもない男どもから真っ赤になって目を背けるエルナ。
傷にいいからお前も後で入れというシャールヴィにうなずきを返しながらも、
ラタトスクとはしゃぎ合うシャールヴィの声を聞くエルナの表情は、やはりどこか寂しそうだった。
温泉から上がった後、男どもは女の話で盛り上がっていた。
と、突然ラタトスクにエルナとの関係を聞かれ、思いっきり狼狽えるシャールヴィ。
コレ?と小指を立てられ、真っ赤になって否定する。
じゃあ俺がいただいちゃってもいいわけだあ、と笑うラタトスクにも苦笑いしか返せない。
そんなヘタレっぷりをシャールヴィが見せ付けている隙に、突然姿を消すラタトスク。
小便かな、とつぶやいたシャールヴィの耳に、エルナの悲鳴が届いた。
ラタトスクは、温泉に入っていたエルナに迫ろうとしていたのだ。
怒り狂ってその場に駆けつけ、ラタトスクに殴りかかるシャールヴィ。
明らかに心打たれた様子で、エルナはその姿を見つめる。
だが、ここでいい雰囲気にならないのがシャールヴィ。
「そーンなに水遊びが好きなら一生やってろ あと5分の人生だがなっ」
ラタトスクの顔を温泉の中に踏みつけて本気で殺そうとするその姿に、感動してたエルナも引き気味に。
逃げるラタトスクをさらに執拗に追いかけるシャールヴィに、
エルナは呆れ果てて声をかけることすらできなかった。
騒ぎが落ち着き、三人は焚き火に当たっていた。
エルナに謝りながら、シャールヴィはラタトスクと一緒に行動することの必要性を説明していた。
どうやら戦線はずいぶん南下してるらしい。一刻も早くアンサズに着かなきゃならねえ。
ヤな奴だろうがあいつは道を知ってる。一緒に行く方が得策だ。
「まあ 男なんてあんなもんさ 男はみんなオオカミだからな」
「そんなこと… ないもん…」
つぶやくエルナに、オオカミの真似をして吠えかかるシャールヴィ。
そんな二人を呆れて見つめながらも、
こうなったら徹底的にかせがせてもらうぜ、とラタトスクは計算高い表情を浮かべるのだった。
シャールヴィの馬鹿力で殴られたせいで欠けた前歯に涙を流しながら。
一方、アーサトゥアル。
大勝の後、増援を派遣することが決まったことを、エイリークは不満に思っていた。
増援を認めた覚えはない、と厳しくヴァーリに言葉をかけるエイリーク。
いたずらに戦を拡大し民を苦しめることは……
言いかけるエイリークの言葉を遮り、民も兵も喜んでおります、と城の広場を指すヴァーリ。
そこには、エイリークの名を称え戦に高揚した兵たちがひしめき合っていた。
民や兵は自国が勝ってさえいればご満悦なのだ。
しかし年若き我が王子には、この状況で自説を押し通すほどの自信はあるまい。
嘲笑うようなヴァーリの読み通り、エイリークは出兵を止めることはできなかった。
「………… みな生きて 帰るように………と…」
エイリークの言葉をヴァーリから伝えられ、さらに歓声を上げる兵士たち。
それを見下ろしながら、ヴァーリは冷笑を浮かべる。
光の王。この力と栄光を利用せぬ手はない。
(まずは光の王にとりわけ心酔する兵士たちに
前線で血が枯れるまで戦い 名誉の戦死でもしてもらおうか)
また能天気なエルナサイドに、鬱展開なエイリークサイドか…
きっとそのうちエルナサイドも鬱になるんだろうけど。
エルナサイドは先月アースムンド様という尊い犠牲が出て鬱になったばかりですよ・・・
ただ、新キャラが出たりラヴァルタがこの後絡んできそうだったり希望はある
エイリーク側は希望のキの字もないけどな
もうすごい、泥沼。
最後のページの演説してるヴァーリの後ろですごすご逃げ帰ってるエイリークが哀れすぎる
ええい、そんなことはどうでもいい!
今月まず見るべきところはエルナの半裸だ!
うむ、確かにその通りだ!
_ ∩
( ゚∀゚)彡 半裸!半裸!
( ⊂彡
| ωつ
し ⌒J
誰もいないのにエルナ警戒しすぎだよな
もうちょっとそのタオルを下にズラしてもバチ当たらないと思いますよ?
シャールピィ生き生きしてんなーw
同年代の男友達っていたんかなあ。言っても王子様だし。
ラタトスク、セクハラキャラだったか。
この漫画では新鮮だ。
エルナへの目の付け所がエロいよな
つーかエルナって改めて見ると体つきがすげーエロい(;´Д`)
ていうか何でエイリークは反抗しないのよ。
段々苛立たしくなってきた。
まだ即位していないとは言え王様だろ?
アーサトゥアルの絶対君主だろ?
厭なら厭と言えよ。
あのヴァーリはんに見つめられて、にやっとされたら、とても言えない…
97 :
マロン名無しさん :2006/07/06(木) 20:04:05 ID:I4NXRCvY
ここで一人でなんか言ってどうにかなるかねえ…
エイリークってエイナル崩御後、地盤固めとかやってなさそだし
バーリはんの言うとおり王としての自信がないんだろうな
理想はあるけどそれが正しいことなのかどうか確信できないんだろう
だから自分の思ってたことと現実の状況がちょっとでも食い違うと何も言えなくなる
まあ王と言っても名ばかりで二十歳かそこらの若造だからねー
ところでシャールヴィのおケツが見えてる件
あの姿勢だとラタトスクのは丸見えだろうな
エルナ「(父上のより…小さい…)」
ちょwwwエルナwww
幼い時に目にしたものは何でも大きく見えるものですよ(´∀`)
エイリークにゃあいらいらするが、
いざ自分の立場だと同じようにする気がしてならん。エイナスはまわりにイエスマンしか置かなかったのかねえ。
でもさ、実際土地が狭まっているらしいから、どの国の王でも他国を侵略するのは当然の成り行き。
すでに尻に火がついている国が戦争を仕掛けたってよくあるからなああ。
それにしても素晴らしいラブコメ展開ですな
せっかくエルナが半裸なのに、シャールヴィはほとんど見てないではないか。
しかもせっかくエルナにいいとこ見せたのに、そのままラタトスクを追っかけて消えていくなんて。
まあ、そーゆーヤツだからこそポイント稼げたとも言う
いや、エルナも結構ドン引きしてるからプラマイゼロかなw
鍛冶屋の親父に続き、武器屋の親父もいい台詞残してくれてるじゃないか。
こっちは死亡フラグがたちそうにないので良かった良かった。
ラタトスクもそうだし、前回ラストの戦争後の農民たちといい、
庶民もたくましく生きているなと思った。
現実の中世もこんなもんだったようだし。
戦争は騎士の仕事で、その後に残された剣や鎧を死体から剥いで売り飛ばすってな。
>>107 ドン引きはしてるけど明らかにシャールヴィのこと意識してるよねえ
自分ほったらかしでラタトスクと仲いいシャールヴィ見てかなりフクザツそうだし
焚き火のとこも「そんなことないもん」ってアレ、シャールヴィのことだろうし
まあシャールヴィはエイリークのこと言ってると勘違いしてるみたいだけど
ああ、そんなことないもんってシャールヴィのことだったのか
俺もエイリークのことかと思ってた
なんだ、エルナもいつの間にかシャールヴィのこと好きになってんじゃん
粗雑なようでいて、いつも気遣ってくれるシャールヴィの紳士っぷりには、当然気付いてますとも
恋愛感情はともかく友達として絶対大好きなはず
しかしシャールヴィみたいなタイプは「いい人」で終わりそうな悪寒
いい人にしてはちょっと乱暴すぎるけどな
つーかラタトスク、先に言えも何もあんなにわかりやすい反応してんだから気づけよw
でもラタトスクって案外イイ奴だよな
シャールヴィの気持ち知ってたらエルナに手ェ出すつもりなかったってことだろ
セクハラ野郎だけどその辺の筋はしっかり通す奴なんだろうな
単にシャールヴィがいいガタイで、しかも身のこなしなんかから
かなりヤルのを察してたってだけじゃないの。
奴にそんな仁義は無いと思う。
小悪党ではあるが根っからの悪人て感じはしないけど、どうだろうな
裏切って鬱展開の呼び水になるか、ラヴァルタみたいにエルナに感化されるのか
今までこのマンガにいなかったタイプのキャラだから頑張って欲しいけど
これまでの脇役の末路見てると来月か再来月あたりが峠かなって思う
第30話 魔物たちの進軍
アーサトゥアル軍のアンサズへの侵攻は着実に進んでいた。
アーサトゥアル軍を迎え撃つアンサズの将は第8王子・イングヴァル。
シャールヴィの部隊を壊滅させたアーサトゥアル軍に動揺する将兵を、臆するなと諭すイングヴァル。
シャールヴィは愚かにも部隊を留守にしていた。
いや、いても同じだったやも知れぬ。奴の戦は策もなくやみくもなだけ。
今までの勝ちのほうがまぐれだったのだ。
冷淡に弟を評価するイングヴァルだったが、それは口先だけのことではない。
この台地を死守すべしと任ぜられれば、あっという間に攻防自在の要塞に仕立て上げた。
まず打って出るシャールヴィとは気性から違う堅実な知将・イングヴァル。
この方なら勝てるやも知れぬ、と部下たちも希望を抱かずにはおかなかった。
その要塞に近付く、一騎のアーサトゥアルよりの使者。
そも、この世界はアーサトゥアルの祖である勇者が開いたもの。
全世界は元来、アーサトゥアルが治めてこそしかるべきである。
さらに闇の姫御子・エルナが聖剣を動かせばアンサズは凍土と化す、と脅しをかける使者。
その口上に怯む将兵に、イングヴァルは使者を射殺すよう命令する。
しかし、使者はすかさず馬首を翻し、森の中へと逃げこみ矢を躱す。
それと入れ替わりに姿を現す異形の軍勢――ヴァーリが作り出した狂戦士(ベルセルク)。
魔獣フレースヴェルグとも見紛うその凶々しい姿に、アンサズ軍に動揺が走る。
封印が解けた。闇の姫御子が聖剣を抜いたんだ。
ただの狂戦士だ、と将兵を叱咤するイングヴァルだったが、自らの言葉の誤りをすぐに思い知る。
彼らは「ただの」狂戦士などではない――
狂戦士の口から放たれた熱戦が、イングヴァルの立つ楼閣を一撃で破壊した。
一方、農夫に保護されたオーレイヴは、アンサズにアーサトゥアル軍のことを報告に向かおうとしていた。
だが、全身に重傷を負ったオーレイヴに、まだ動くことなどできるはずもない。
農夫に寝かしつけられながら、あの忌々しい戦のことを思い出すオーレイヴ。
戦は変わってしまったのだ。今までの兵法も砦も役に立たん。
せめて王子に連絡がとれ、エルナ姫の所在が明らかになれば、戦いようもあるものを…。
一方、アンサズへ向かう山道では、シャールヴィがついに剣の重さに音を上げていた。
半分持てよと言われたラタトスクだったが、どうやらそんなつもりは全くないらしい。
何か方策を言いかけたその時、シャールヴィの額の回生呪が疲労を回復するため輝きを放つ。
訝るラタトスク。
と、少しでも役に立とうとしたエルナが何本か剣を持とうとする。
だが、深層の姫君にそんな腕力があるはずもない。
……なんか役に立たないね、私…。足手まといばっかで…。
力なく笑うエルナを、必死に慰めるシャールヴィ。
いーんだからおまえは。そういうんじゃねえから。
「アンサズに行って 戦を止めるんだろう?」
その言葉に驚きの声を上げるラタトスク。
失言に気づいて口を押さえるシャールヴィだったが、ラタトスクはそれ以上追求しようとせず、
近くにある知り合いの家で馬でも借りてくる、と一人森の中へ姿を消す。
ホントは寄りたくなかったんだけどなあ。
アンサズへの2街道を見下ろす火とかげの砦。盗賊団・火とかげの爪のアジトである。
こっそりと馬を連れ出そうとするラタトスクだったが、兄貴分であるフロシにあっさり見つかってしまう。
自分たちしか知らないはずの道で、見回りが見知らぬ二人連れを見たという。
誰が案内したのか、追及を受けるラタトスク。
ラタトスクは仲間たちに、その二人が「獅子の牙」で、
アンサズが勝てるという情報を握っているらしいことを明かす。
その話を一笑に付すフロシたち。
今、アンサズはあちこちで負けている。第8王子も第7王子も戦死したらしい。
さらに、グランガルズの町でアーサトゥアル兵が男女二人を血まなこになって捜していたという。
戦時に他国領でそうまでして捜さなくてはならないその二人とは何者なのか。
そして、アーサトゥアルの戦の後ろ盾である闇の姫御子・エルナを、
実はアンサズの王子・シャールヴィがさらったという話が盗賊仲間ではもっぱらの噂となっている。
だったら名前が違う、とつぶやくラタトスク。
シャールピィ。そんな偽名を信じたのかと、フロシたちはいっそう馬鹿笑いをはじめる。
真っ赤になりながら、ラタトスクはフロシたちとシャールヴィたちのもとへ向かうのだった。
その頃、シャールヴィたちは自分たちを見張る者の存在に気づいていた。
ラタトスクにはめられたかもしれないと危惧するシャールヴィ。
互いの出方を窺う状況で、突然エルナが立ち上がり、どういうつもりなのかラタトスクに呼びかける。
だって、疑ってて違ったら悪いじゃない。確認して……
と、そこに姿を現すラタトスク。
やはり誤解だったのだと警戒を解いて近付くエルナを、ラタトスクは捕らえて短剣を突きつける。
武器を置け、アンサズのシャールヴィ。
シャールヴィを取り囲み、後ろ手に縛り上げる盗賊たち。
そのついでに、フロシはシャールヴィの額の回生呪を明らかにし、王族であることを確認する。
そりゃてめえんとこが勝つって言うわな。嘲笑うフロシ。
エルナとシャールヴィをアーサトゥアルにふっかければ相当な値で売れるはず。
それを聞き、盗賊たちに殺意がないことを知るや、反撃に転じるシャールヴィ。
しかし多勢に無勢の上縛り上げられていたのでは、どうにもなるはずがない。
袋叩きに遭うシャールヴィをかばうエルナ。
抵抗はしません。でも話を聞いて。私は自分から国を出たのです。
アーサトゥアルのよりどころを砕き、戦を止めるために。
あなたも戦争が終わったほうがいいでしょう?というエルナの言葉を、フロシは笑う。
「戦が終わるねェ… そいつあ困ったね 商売が上がったりだ」
シャールヴィとは別々の小屋に幽閉されるエルナ。
ラタトスクの手で柱に手を縛り付けられながら、エルナはラタトスクに語りかける。
アンサズに賭けるんじゃなかったの? 世界を動かすんじゃなかったの?
何も答えず、小屋を出て行くラタトスク。
見張りを命じられ、ラタトスクはじっと何かを考え込みはじめる。
一方、一人ぼっちのエルナはこれからどうするか考えていた。
シャールヴィが助けに来るのは無理なはず。いつもいつもあてにしていてもいけない。
なんとかしなくちゃ、と体を動かすと、思いのほか手を縛る縄がゆるいことに気づく。
簡単にほどける縄。しかも戸の鍵も閉められておらず、見張りの姿もない。
そして、入り口に置かれた聖短剣。
ラタトスク……?
確信を持てないながらも、エルナは自分を助けてくれた相手を直感する。
そしてはじまる、エルナのシャールヴィ救出作戦。
ドキドキびくびくしながら、盗賊たちに見つからないよう移動するエルナ。
見張りが立っている小屋を発見し、エルナは窓から中に侵入する。
猿ぐつわを取られながら、お姫様に助けられるとはね、と軽口を叩くシャールヴィ。
いいじゃない、たまには。こういうふうに役に立っても。
やはりおどけたように答えながら、必死にシャールヴィを繋ぐ鎖を聖短剣で壊そうとするエルナ。
早くしなきゃバレちゃう。もう少しなのに…力が無いから……
エルナの瞳に涙が浮かぶ。
と、音に気づいた見張りが室内に駆け込んでくる。
その瞬間、壊れかけていた鎖を強引に引きちぎり、風弾束(ヴィンシュコート)の魔法を放つシャールヴィ。
エルナとともに駆け出すシャールヴィ。
降りかかる火の粉は、お返しも込めて、
「死なない程度に ブッ殺す」
混乱する砦の中を見て、見張りだったラタトスクに怒り歯噛みするフロシ。
そのラタトスクは、人ごとのようにシャールヴィが派手な暴れように呆れていた。
砦から脱出した二人を、荷馬車に乗って待ち受けながら。
乗る?と呑気に尋ねてくるラタトスクに、どの面下げて、と怒り狂うシャールヴィ。
それをなだめ、乗ろう、とエルナは笑顔で促す。
馬車にはシャールヴィの剣と、砦から持ち出した武器がたくさん積み込まれていた。
でかいことをすることにしたんだ。
馬車を走らせながら、ラタトスクが言う。
そのお嬢ちゃ…いや、姫様をアンサズに連れて行ったら戦況が変わるんだろう。
アンサズに賭けることにする。
「だから…… 勝てよ……………………」
あったりめえだっ。
荒々しく答えながら、シャールヴィは後ろから抱きつくようにラタトスクの首を締め上げるのだった。
死なない程度にって言ってるのがシャールヴィの成長かね?
最初の頃は普通にアトリまで殺す気で居たのに。
ラタトスク、偉そうにいってたのに、実は超下っ端かよ〜w
シャールピィって名前信じてたのにワロスw
「もっとやせなきゃ…」ってワロタw
いいんだよ〜エルナタンはそのまんまでv
女の子は標準よりだいぶ痩せていたいものなんです
つーか今月のエルナ可愛すぎ
ドキンドキンドキンとかびくびくびくとかもっとやせなきゃとか
こんな普通に健気でがんばり屋で可愛いヒロイン初めて見た
エルナはあざとさがないのがいいよなー
お姫様だけど本当に普通の女の子って感じ
涙ぐみながら一所懸命鎖壊そうとしてるシーンが好き
エルナが落ちたときちゃんと目を逸らしてるシャールヴィは本当に紳士だよな
修道院じゃ意識が朦朧としてたせいか本能が勝ってたみたいだがw
ラタトスク感化完了か?
でもこいつ今後大丈夫なの?もと仲間に殺られたりしないのかな?
そこまで極悪な連中じゃないっぽいし大丈夫じゃね?
まあこのマンガのことだから生き延びられる保証はないが
感化されてしまったことで死亡率が上がったっぽくて怖い。
ラヴァルタンだけだもんなー、エルナと関わったサブキャラで生き残ってんの・・・
>>135 待て!アトリはまだ生きてるぞ!
次に話題になった頃にはヴァーリ一味に粛清されてるかもしれないが。
次にエルナたちを襲う狂戦士が実は・・・とか
さすがにそこまで黒い展開はやらねーか
しかし捕らえられて実験台にはされちゃいそうだ
そうなんだよなあ。
狂戦士って結局は人間を変化させたものなんだよな。
無から作り出された生命じゃない。
そう考えると、あのアーサトゥアル軍は凄く怖い。
ビッキの例を見る限り、自我や痛覚はちゃんとあるみたいだしな
魔精霊に食われるときとか地獄の苦しみだろうな・・・
それを見てる回りの兵士たちはどう考えてるんだろ
エルナがあのベルセルク軍団見たらショック受けるだろーな
>>83 計算結果の信頼性が微妙だけど、災害とか砂漠化とかだけじゃなくて良い方向に変わるような情報はあったの?
温暖化しようが、寒冷化しようが、良い事と悪い事の両方があると思うけど。
>>115 21世紀も始まったばかりだし、100億突破は21世紀末でしょう。
限界人口は希望する生活水準によると思うし、その生活が何年続くかにもよると思う。
資源やエネルギーを循環型にして半永久的に使っていく場合と
10年、100年で使い切る場合では、それぞれ限界は違ってくる
ラタトスクのプライドに訴える、エルナの説得はうまいな。
うまいんじゃない。心の底から思ったことをそのまま言ってるだけだ。
計算ずくの説得だったら、ラタ公は動かせなかったよ。
エルナは天然の人たらしだからな
それゆえに力無き一般人にとっては危険。
下手に誑しこまれると命に関わる。
というか、進んで命を捨てる展開になりかねない。
エルナに付き合うには、人外の域に達する強さが必要。
まさに闇の姫御子だな
第31話 運命の少女
アーサトゥアルの森の中に建つ、小さな教会。
その中では、今日も花嫁の聖別の儀式が行われていた――魔精霊を用いた恐ろしい儀式が。
集められた女たちを陰から見ながら、これ以上儀式を続けることを危ぶむゲイルたち。
しかし、ドヴェルグの村々ではあやしみだしているし、法王も代が変わった。
ドヴェルグの女ばかりを乗せた奇妙な馬車が、今まで通り修道会領を通過できる保証はない。
そんな会話が陰で交わされていることなど知るはずもない女たち。
その中の一人の腕を、お姉ちゃん、と引っ張る男の子のような格好をした黒髪の少女がいた。
少女の名はシグルーン。
姉を連れ戻すため、後発の馬車に紛れ込んで着いて来たのだと言う。
身寄りのない自分たち姉妹にとって、アーサトゥアルの王妃になれるかもしれないなんて
これ以上の話はないと諭す姉に、そういうのはヤなんだ!と反発するシグルーン。
派手な姉妹喧嘩をはじめる二人だったが、
聖別の杯を配る魔導士の面喰らった顔に視線に動きを止めるのだった。
結局シグルーンも聖別の杯を飲むことになり、いよいよはじまる儀式。
その陰で、ゲイルに医者からの言葉を伝える部下。
これ以上の儀式は無駄。あの強い魔精霊を喫んで、命のあるはずはない、と。
じゃあエルナは……ハルカトラはどこから来たのだ?
訝るゲイルの背後から聞こえてくる異音――死体の折り重なるイヤな音。
結局また全滅かと思われた女たちの中で、一人だけ身を動かした少女がいた。
シグルーン。
体を跳ね起こして逃げ出すシグルーンを追いかけるゲイルたち。
ちゃんと飲んでいたかは確認していないものの、万に一人もいない王妃候補者なのだ。
さっきまでケンカしてたのに、一瞬で息絶え冷たくなった姉のことを思い出し、涙するシグルーン。
森の中に逃げ込み、停まっていた荷馬車の中に駆け込む。
それは、戴冠式用の荷物を国外から王城まで運び込むための馬車だった。
妃の地位を餌に姉をアーサトゥアルまで誘い込み、死に追いやったあの王のところまで。
荷物の陰に隠れて泣きじゃくりながら、シグルーンは悲壮な決意を固める。
(エイリーク…………
殺してやる)
「退け退け 剣を引け
我らがアーサトゥアルには 光の王と闇の姫御子が控えておわすぞ」
エイリークとエルナの名の下、アンサズ軍に攻勢を仕掛けるアーサトゥアル軍。
激戦の中、アーサトゥアルの騎士隊長を一人の若き騎士が見事な剣さばきで救う。
エイリーク様に命を捧げる覚悟で来ました、と熱く語る若き騎士。
ヴァーリの狂戦士を擁し負け知らずのはずの部隊だが、死ぬ者は多い、と騎士隊長は語る。
巨大な狂戦士を憧憬の視線で見上げる若き騎士。
「――これが狂戦士…… 我が国の力………」
だが、騎士隊長が狂戦士を見上げる視線は逆に暗い。
あれが一日と持たぬ、と言うのだ。
その時、狂戦士の攻撃によってアンサズ軍の流れが変わった。
左右へ散ろうとする者たちを片付けるのが騎士たちの役目。
騎士隊長の号令の下、若き騎士も馬を走らせる。
アンサズの第6王子・アザルステインは、狂戦士の猛攻にも怯まず守勢を展開していた。
油を張り巡らせた堀に足を踏み込んだ狂戦士を狙い、火矢が放たれる。
激しい炎に身を包まれる狂戦士を見て、歓声を上げるアンサズ軍。
だが、その傷すら癒しなおも前進する狂戦士。
無数の槍で串刺しにされても堪えた様子のない狂戦士に、アザルスティンが呪文を詠唱する。
雷塊砲(ソールグラナート)。
狂戦士の体の半分を吹き飛ばす巨大な雷球。
それを見て、アザルスティンと若き騎士は狂戦士の死を確信する。
だが、その傷すら瞬く間に癒し、立ち上がる狂戦士。
強大すぎる生命力と凶々しい姿に、若き騎士の視線は驚愕と恐怖に彩られていくのだった。
一方、エルナたちは前線へ向かっていた。
早くアンサズ王と話をまとめたいと主張するラタトスクだったが、
アンサズ王に会う前に前線で功績を上げ、貸しを作っておこうというシャールヴィの計算だった。
無論、そんな搦め手をエルナに理解できるはずもなく、当の彼女はきょとんとしたものだったが。
前線に行く前に、知り合いの村に立ち寄ることを告げるラタトスク。
もっと武器を手配したいと言うのだ。
だが、その村はすでにアーサトゥアル軍によって占拠されていた。
あわてて覆いでエルナを隠すシャールヴィ。
荷を調べられては困る。突破を図るラタトスク。
剣を抜いて押し止めようとするアーサトゥアル兵の攻撃を躱し、
巧みに馬から落とすラタトスクだったが、一人二人をどうにかして突破できるような数ではない。
一方エルナは、覆いの中から家が燃え、村人が兵士に傷つけられる様を目撃してしまう。
アーサトゥアル兵の暴挙を止めようと暴れるエルナ。
そんなエルナに、諭すようにシャールヴィは言う。
これは戦争だ。軍糧のために村を略奪することもある。
相手の籠城戦に備えて周囲の村を潰すこともある。
奴らはここで一つの作戦をやってる。
だが、俺らはもっと重要なところへ行くんだ。俺だって…
シャールヴィの言葉を遮るように、突然悲鳴を上げるエルナ。
「きゃーっ どこさわってんのよ!!」
その言葉に真っ赤になって慌てて手を離してしまうシャールヴィ(笑)。
その隙にエルナは馬車から飛び降りる。
急いで後を追ったシャールヴィは、これだけは言っておく、とエルナを睨む。
あんたはのんきすぎる。ここは戦場だぜ。
だが、その言葉にエルナの心が動揺することはない。
何? それは。話も通じないし、何が起こってもいい特別な場所なの?
「ううん 違う…
この世界に そんな特別な場所なんて無い」
あっちこっちで鬱展開キター
マジで前線いくのな。
退け退け〜っていうアーサトゥアル軍の口上に見覚えあるなーと思ったら
ニセエルナが見せた幻影の世界でアーサトゥアル軍が言ってたのとおんなじセリフだな
あの幻影の世界がついに現実になったのか
でも、今の調子だとあの幻影の世界みたいに上手く収められる気がしねえ・・・
まあ今エルナたちの目の前にいる連中は大丈夫だろうけど
ラタトスク案外強いな
しかし戦えることが実証されたことで寿命が縮まった気がしないでもない・・・
シグルーンは誤解だとわかってエイリークの味方になるのかな
でもこんな小娘一人味方になってもヴァーリは止められないよな・・・
シグルーンカワユス
ツンデレキャラの悪寒
え?
そばかす娘、マジで聖別された?飲んでるのか?
どっちともとれる描き方だな
だが飲んでるか飲んでないかでストーリーがどう変わるかがわからん
事実がどうあれヴァーリ一派が飲んでると思ってる以上は付け狙われるだろうし
曖昧にぼかした意味ねーよなこれ
>>157 ハルカトラは魔精霊飲まされた後、目の前が真っ黒になったりしたらしいが、
シグルーンはあまりに元気すぎる。飲まなかったんじゃないか?
とはいえ、非常に特殊なケースで前例が1件しか無い以上、シグルーンの方が
より適性があった等、何とでも説明は可能だろう。
>>158 事実が曖昧なのに狙われる、陰謀に巻き込まれていくってところに意味があるのでは?
しかしまぁ、いくらなんでも揺ぎ無い結果が現れる=エイリークの子を産む
まで話は続かないだろうな。
ヴァーリにつかまったら、エルナの両親みたいに魔法で両思いにされちゃうんだろうなあ
今の憎悪と偽りの愛情の狭間で苦しんだりするんだろうか
それとも憎悪すら魔法で消されちゃうのかな
…なんかどう転んでも、この新キャラには悲劇しか待ってない気がする
シグルーンがエイリークを殺して
エイリークを傀儡に事を運ぶバーリはんの計略が全てパーに
めでたしめでたし
こんな展開だったらしょこたんはネ申
それだと、シグルーン・サーガになっちゃうYO!
いっそエイリークがシグルーンをあっさり返り討ちにしたらしょこたんは邪ネ申
エイリークが邪悪化して真のラスボスになる超展開か
それはそれで
現状のエイリークはヴァーリの専横にいぢけるだけだけど、
ヴァーリを排除した段階でむしろ積極的に邪悪化するわけか。
それはそれでこの鬱展開漫画らしいのかもしれない。
ゲイルの感性がよくわからん。
自分で暗殺したりするくせに魔精霊でバタバタ死ぬのは嫌なのか?
ご主人様に逆らおうとしてる人間を直接ブチ殺すのと
何の罪もない娘たちを騙して死に追いやるのとじゃ違うんじゃないか?
自分で暗殺したりするようなゲイルでもビビるほどの、ということだわな。
まあ、ヴァーリといる時は、読者の感性の代弁者の役だし。
極悪人ってわけじゃないんだよな、ゲイルって
感性まともだけどヴァーリに忠誠誓ってるから手を汚すのも厭わないって感じで
ヴァーリに忠誠誓ってる時点で(ry
それにしても、最初のうちはシャールヴィが猪突猛進、エルナがフォローって感じだったのに
逆転してるw
ヴァーリ組の連中は掘り下げがないからな。
若いお稚児さんから腹黒爺さんまでいるってのに。
きっと若いお稚児さんに毎朝髪を三つ編みにさせているっ!
そういやア法王やアースムンド様も三編みだが
この世界の修道会には教義で三編みにしなくちゃならん決まりでもあるのだろうか
>ア法王
ちょwww
>>171 いや、結構初期から考えなしのエルナと意外と冷静なシャールヴィという構図もあったよ
どっちかが考えなしになるとどっちかが冷静になるカップルなんだよな
両方考えなしになることがないだけバランスがいいとも言えるが
たまには両方冷静になってもいいんじゃねーかって気はするなw
>>174 カトリックの坊さんが剃髪するようなもんなんじゃないの?
聖職者と在野の人を区別するため、みたいな感じで。
法王とか大魔導士とか、地位で編み方も違うみたいだね。
ゲイルも三つ編みしてたということに今月号で気づいた。
つまりゲイルも魔導師なのか
ヴァーリとはその辺で繋がってんのかな
第32話 果てなき戦場
「我が名はアーサトゥアルのエルナ
この名に覚えのある者は 即刻この村より立ち去りなさい」
名乗りを上げ、毅然とアーサトゥアル兵たちの中に歩み入って行くエルナ。
取り押さえようとする兵士たちに、エルナは聖短剣を抜き放つ。
この剣こそ私の証。聖剣と対なす絶対封魔剣・聖短剣。
誰か触れることのできる者はいますか?
だが、兵士たちは聖短剣に怯えこそするものの、王族を前に膝をつくわけでもない。
妙だと訝るシャールヴィの前に、部隊の隊長が姿を現す。
我ら風土厳しき辺境より集った勇士。王族と聞けば地にひれふすうらなりどもとは違う。
つまり、封土によって代々の忠誠を誓ってきた騎士ではなく、傭兵。
エルナの顔も知らないし、その命令を聞く筋合いもないというのだ。
じゃあ自分の頭で考えてください、と訴えるエルナ。
こんな戦が正しいのかどうか。あなたたちだって家族があるでしょう。
だが、この戦のおかげでこそ俺たちは生きることができる、と隊長は譲らない。
辺境の貧しさから己の子を間引く者もあったというのに。
じゃああれは、と隊長の背後を指差すエルナ。
そこでは、兵士に我が子を取り上げられ、泣きながら縋りつく母親の姿があった。
私が代わりに行きます、と必死に我が子を守ろうとする母に、
兵士は子供だから意味があるんだ、体の組織が育つのが早いから実験に役立つ、と嘲笑う。
実験、という言葉に茫然とするエルナ。
そして、そんな彼女を兵士たちは怪しみだす。
この勝ち戦を否定するとは。武器を構えてにじり寄ってくる兵士たち。
その背後で、村から火が上がる。
子供の数の少なさを疑った兵士たちが、隠れている子供たちをいぶり出すため火を放ったのだ。
さらに、さっきの母親も、兵士によって無残にも槍で体を貫かれてしまう。
(なぜ…… 同じように家族を愛する人同士が………)
ショックを受けるエルナの前で、母親は瀕死になりながらも、我が子を守ろうとあがき続ける。
その剣をこの女でためすってのはどうだ、と笑いながら挑発する兵士たち。
命をおもちゃのように扱う彼らの言動に、エルナの体が震える。
怒り狂い斧を振り上げるシャールヴィよりも早く、エルナは動いていた。
聖短剣で母親の体に剣を突きつけていた兵士の体を吹き飛ばすエルナ。
剣を納めなさい。私が本当にこの剣を使う前に…
そういうエルナの表情は、これまでにない怒りに燃え上がっていた。
「私が この怒りをおさえているうちに…」
それをきっかけに、乱戦が始まる。
この女性に治療呪文(クーア)を、とシャールヴィに頼むエルナだったが、
押し寄せるアーサトゥアル兵と戦うシャールヴィにそんな余裕はない。
そんな彼らを見て呆れるラタトスク。
前線は何ローイ、何十ローイとずっとこんな光景が続いているのだ。
いちいち体を投げ出していたらきりがない。
母親を必死に介抱するエルナの前に、シャールヴィが切り倒した兵の体が崩れ落ちる。
エルナの前で殺してしまった失敗を悟るシャールヴィ。
母の名を呟きながら息絶えようとするその兵士を、エルナは見つめる。
私だってさっきは殺してやると思った。
死ねというのと死ぬなというのと。この一つの場所で…
迷いはじめるエルナを、今までとは全然違うんだ、と叱咤するシャールヴィ。
(殺さなければ殺される… これが戦という魔物……!!)
鬼神のような活躍を見せるシャールヴィに、アーサトゥアル兵たちに動揺が走る。
その隙をついて、兵士に体当たりを仕掛け仲間を逃がそうとする村の若者。
だが、そんな彼も別の兵士によってあっさり切り捨てられてしまう。
騒ぐと殺すぞ、と村人たちを脅すアーサトゥアル兵。
顔を上げるエルナにシャールヴィが叫ぶ。
「救える者を救うんだ 一人でも多く」
その言葉に立ち上がり、動きはじめるエルナ。
だが、アーサトゥアル兵は村人たちの命を盾にシャールヴィとエルナの動きを止めようとする。
動きを止め、敵の剣からエルナを庇いながら、怒りに燃えるシャールヴィ。
きさまら、盗賊にも劣る……
叫ぶ彼に斬りかかるアーサトゥアル兵の喉笛を、投げナイフが貫いた。
「盗賊にも劣るったあ 盗賊に失礼だぜ だんな」
シャールヴィの窮地を救ったのはラタトスクだった。
まあ顧客に死なれちゃ困るってのもアリ。照れたように言うラタトスク。
これで形勢は一気に逆転した。
縛られた村人たちを解放しながら、子供のことをラタトスクに頼むエルナ。
背後から斬りかかる兵士の剣を躱して殴りつけ、ラタトスク馬車に囚われていた子供たちを解放する。
ここでじっとしているように言うものの、怯えた子供たちは母親を求めて村に駆け戻ってしまう。
周囲に集まってしまった村人たちをばらばらに逃げさせるよう、エルナに指示を出すシャールヴィ。
しかし、傭兵たちの動きの方が早かった。
一か所に固まってしまった村人たちを包囲し、生き残った子供だけでも運ぶべく作戦を変えたのだ。
そのとき、エルナの脳裏に一つの閃きが走る。
魔法で何とかできないかとシャールヴィに尋ねるエルナ。
だが、完全に包囲された状況を打破できる便利な魔法などはない。
人間の集中力の問題として、全方位の攻撃魔法というものはないのだ。自爆するなら別だが。
何か弱い魔法でもいいから、と引かないエルナ。空気の固まりみたいな。空中に。
どうするつもりだ、と尋ねるシャールヴィに、聖短剣を抜くエルナ。
聖短剣を垂直に構えるエルナを背中から抱きすくめるような形で、シャールヴィが魔法を放つ。
エルナたちを中心に、空気の爆発が巻き起こる。
シャールヴィの魔法と聖短剣の反魔法とが反応し、凄まじい力を生んだのだ。
だが、聖短剣のおかげで内側は守られている。村人たちに被害はない。
聖短剣を――自らの力を見つめるエルナを見上げるラタトスクとシャールヴィ。
あの剣には救われたことがある。エルナをさらったときのことをシャールヴィは思い出す。
今はこれだけの人を……
(いや そのうちもっと多くの人を この少女は救うことになる きっと…)
ラタトスク、おいすぃ〜w
聖短剣にあんな使い方があったのか。
ラタトスクこんなに強かったのか
それなのにあんなに下っ端だったってことは
もしかしあの盗賊集団なかなかの手練れぞろいだったのか?
エルナ、着実に勇者としての道を歩んでるな
………鬱展開に戻った。
何と言うか、ビッキみたいな行動を、人は容易くやってしまうってことか。
そしてエルナも「殺してやる」と思ったって………これもビッキの時と同じか。
聖短剣の反魔法効果の範囲・分布が良く分からんな。
シャールヴィが近すぎないか?
反魔法の結界が広がってから爆風が起きたのかな
結界作った反魔法と人間の体内の魔法は反応しないんだろうか
それとも封魔法と反魔法はまた別物なのか?
反発の力で魔法の威力が増大したって理屈はわかるんだけどな
前にシャールヴィの腕をズタズタにしたときとは明らかに効果が違うっぽいね
別物と考えてもいいのかも
直接触ったときと近くにある時では効果が大分違いそう。
聖堂の扉でも、触れる直前でチリッとくるぐらいの感じでしょう。
バーリはんの魔法からシャールピィ守ったときも都合のいい感じに二人を包んでたよな
あのときもシャールピィが怪我した様子はなかったし、人体には直接触れない限り影響ないのかも
グランテインは近付くこともできないそうだけど、それだけ反魔法も強力なんだろうな
アーサトゥアル王宮付きの魔導士様は、聖短剣をクッションにのっけただけで
軽々と持ち運びしてたよね。
鞘に入った状態なら常人も持ち歩けるということだろうか。
近づけない程の威力の反魔法がかかってる聖剣に触ったらどうなるんだろう。
塵になって跡形も残らないんだろうか……。
ハルスホルトでは、鞘に収まった聖短剣をシャールヴィは問題なく握っていた。
鞘と同じ材質で篭手とか作れば、常人でも聖短剣を扱えるんじゃないのか?
ところで、聖剣抜くのって人間が手でやらないと出来ないような作業なのだろうか?
例えば投石器か何かで十分安全な距離から石をぶつければOKのような。
位置を僅かにずらすとか、角度を変えるとかは無理だが。
2〜3m程度まで近づけるのであれば、マジックハンド(勿論魔法は帯びていないw)で…
>>193 聖剣がただおっ立ってるだけならともかく、
周りに「魔風」が吹いてるみたいだから投石しても物理的な風に弾かれちゃうんでないの。
ノルズ山が実は火山で活動期に入ってたりしたらとんでもないことになるな
ところで、今回のエルナのセリフ、使い魔のときに言ってたセリフとおんなじなんだな。
だけど使い魔のときみたいに全く上手くいかないという・・・
あの頃から今の展開考えてたんならこの作者神すぎ
やっぱエルナの主張は現実とは食い違っちゃうんだなあ
「死ねというのと死ぬなというのと」ってセリフはちょっと凄い
普通は主人公の矛盾指摘するような展開でも主人公が開き直って終わるけど
エルナは開き直ることができるキャラじゃないからなあ
どうするつもりなんだろ
一応少年マンガなんだからもう少し主人公に都合よくてもいいよなw
まあでも、ハルスホルトの時と違ってこの村じゃ英雄扱いだろうし、
今回ばかりはそれほど厳しい展開ってほどでもないような。
むしろアンサズにたどり着いてからが不安だ。
第33話 絶望の荒野より
反魔法によって増幅されたシャールヴィの魔法が、嵐となって傭兵たちを薙ぎ倒す。
突風に吹き飛ばされながら、傭兵隊長は栄達への道が閉ざされたことを思い知っていた。
大魔導士ヴァーリから与えられたチャンス。
近隣の者たちを集めて一部隊作るのに十分な金、子供一人捕らえるごとに3グルドの報酬。
働きが良ければいくらでも、肥沃な領土でも地位でも与えられるはずだった。
あの貧しい辺境の村からのし上がり、すべてがうまくいくと思ったのに。
儚い野望の破綻とともに、大地に頭を打ちつけ絶命する傭兵隊長。
他の傭兵たちも蜘蛛の子を散らすように逃げ出してゆく。
喜ぶラタトスクや村人たち。
子供を抱きしめお礼を言ってくる母親に、しかしエルナは何も答えられない。
茫然と眼前を見つめるエルナの視線の先、そこには無残な光景が広がっていた。
風に吹き飛ばされた際、打ち所が悪く絶命したアーサトゥアル兵の死体が、いくつも転がっている。
(人を助けようとして… なのに… これだけの人を…)
ショックのあまり倒れそうになるエルナを、そっと支えるシャールヴィ。
と、村のそこかしこから、それまで隠れていたらしい子供たちが泣きながら出てきた。
何はともあれ、これだけの人間が助かったのだ。
エルナを元気付けようとするラタトスクだったが、、よけいなことをしてくれた、と村の長老は呻く。
子供の半分はうまく隠れていたんだ。これで済んだかもしれないのに。
厄介事はたくさんだ、とエルナたちを追い出そうとする長老。
戦ならどっか遠くでやってくれ。年貢ばっかとらされて国も何も守っちゃくれん。
口々に言う村人たちに、義憤を猛らせるラタトスク。
砂漠ン中にてめえの村だけあってやっていけてるわけじゃねーだろ!?
だが、シャールヴィはそんなラタトスクを止めると、エルナを伴い村から立ち去るのだった。
泣き崩れるエルナ。
どうしたらいいんだろう。私なんかが声を枯らしても戦は止まない。
誰かを助けようとすれば誰かを殺さなくちゃならなくて、それがまた次の戦を呼ぶっていうなら。
「わたしには何もできない なんの意味もない……!!」
号泣するエルナの傍らに膝を着き、泣くな、と声をかけるシャールヴィ。
俺らはもっと強くなろう。そして…勝とうぜ。
その言葉に同調するラタトスク。まずアンサズが勝って…
だが、シャールヴィはラタトスクの言葉を否定する。アンサズが勝つという意味じゃない。
うまく言えねぇ。けど、きっと。
「世界を救う… 道は どこかにあるはずだ」
エルナたちを乗せて、馬車が走り出す。それを追いかけようとする村の子供たち。
そんなことは知らず、エルナは夢を見ていた。
吹きすさぶ風にさらされた、果てしなく続く草原の中で道を探して立ち尽くす夢。
その中で、エルナは一人の青年と出会う。
父に良く似た面差しの、鎧甲冑をまとい、剣を持った若い騎士。
騎士は、剣でどこかを指し示している。その背後には、どこかへ続く道が微かに見える…
馬車の車輪が岩を踏んだ振動で、エルナは目を覚ました。
シャールヴィに膝枕されていたことに気づき、真っ赤になって跳ね起きる。
ちょっとはもちなおしたかい、と尋ねるラタトスクに、エルナはうなずく。
さっきシャールヴィが、道はあるはずだって言って。
だが、シャールヴィは否定する。その言葉を本当に言ったのはシャールヴィではない。
「おまえが言ったんだよそれは 前に…似たようなことを…」
優しく微笑みながら言うシャールヴィに、エルナはそのことを思い出す。
そのとき、馬に乗った若い娘がエルナたちの馬車に追いついた。
さっきの村で隠れていた子供たちと一緒にいた娘である。
仕事の話があったんだろ、とラタトスクに声をかける娘。
ラタトスクが武器を仕入れるために会っておきたいと射っていた知り合いとは、この娘のことらしい。
追いかける口実ができてよかったと、エルナに大きな布袋を手渡す娘。
村の女たちからの、食料とかの差し入れだという。
「子供たちを 全員 助けてくれて ありがとう」
また奴らが来たらそん時はそん時さ、と言って、娘はエルナに小さな花束を渡す。
「ほら これはね ソーラっていう女の子が… 魔法の剣のお姉ちゃんにって…」
それを受け取って、涙ぐむエルナ。あわてる男ども。
心配するシャールヴィたちに、エルナは涙を拭いながら、大丈夫だから、と微笑む。
がんばろう。きっと道を見つけよう。わかりあえる人たちもいる。
(仲間が… いるから…)
エルナとシャールヴィが差し入れの食料で腹を満たしている傍らで、ラタトスクと娘は話しあっていた。
アンサズに賭ける。その方向で話はまとまったらしい。
と、不意打ちのように、たまにはよりなさいよ、と言って娘がラタトスクにキスをする。
それを見て動きを止めるエルナとシャールヴィ。
馬に乗って娘が去った後、彼女がいるんじゃない、とエルナがラタトスクに噛みつく。
そんなんじゃねーよ、と照れながら否定するラタトスク。
それより今聞いた話だと、前線による暇などないようだ。
あの前線は、すぐにでもアーサトゥアル軍に突破されるという。
城へ行くしかない。今晩は馬が持つ限り飛ばそう。
緊迫した口調で叫ぶラタトスク。
そんな彼に、エルナは瞳をキラキラさせて尋ねる。
「ところで ねーー 結婚するのーー?」
「うるさいよ」
そんな呑気な会話を交わしながらも、エルナたちはアンサズの城へと急ぐのだった。
果たして、アーサトゥアル軍が城に迫る前に間に合うのか…
一方、前線では、ラタトスクの言葉通り、今にもアンサズ軍が突破されようとしていた。
追撃の号令をかける騎士隊長の傍らで、一騎打ちを望み敵大将の姿を探していた若き騎士は、
狂戦士(ベルセルク)がアンサズの総大将・アザルスティンを踏み潰す光景に驚愕する。
高位の騎士には礼を尽くして戦い、勝っても殺さずに人質にして身代を取るのが普通のはず。
だが、あれでいい、と騎士隊長は言う。どうせ、彼の身代金を払う者は誰一人この世にいなくなる。
その時、狂戦士の一人の体に異変が起こる。
咆哮を上げて暴れ出し、味方のアーサトゥアル兵に攻撃をはじめる狂戦士。
病が進むと苦しみ、体もくずれ出す。
そして、別の精霊が働き出して、自己破壊のために宿主の体を食いはじめるのだ。
つまり、狂戦士になった者はいずれ助からぬということだ。
しかも、狂戦士の体から吐き出された膿を浴びれば感染するという。
エイリーク様は何を考えておられるのだ。疑惑を示す若き騎士。
こんなものは兵器ですらない。
敵も味方も、自分の命すら滅ぼし大地を汚す、狂気…そして絶望…!!
馬首を翻す若き騎士。
他の狂戦士たちも暴れだしている。感染の危険があるなら、すみやかに兵を退避させるべき。
だが、兵たちは混乱と火災で方向を見失っている。誘導しなければならない。
ああなっては狂戦士が骨になるまで放っておくしかない、と制止しようとする騎士隊長に、
若き騎士は毅然とした表情で反論する。
「味方まで見捨てては なんの道理も立ちません」
もしも死ぬというのなら、天界(ヴァルハラ)にて神にお伺いすることにしよう。
――この戦は………
勝ちさえすればいい………
「戦は変わったのだ
アーサトゥアルの… 最後の騎士よ」
最後まで味方を救おうとしながら絶命した若き騎士の死体に、沈痛な面持ちで騎士隊長は呟く。
その光景を、カルルは言葉もなく見下ろしていた。
「アーサトゥアル最後の騎士」…………
ああ、この漫画って、実は戦争を描こうとしてるんだと感じた。
この騎士ってWW1に「クリスマスまでには帰れる」と、
今までの戦争と同じような気分で参戦して行った兵士みたいなもんだろ。
でも実際の戦場は様変わりしていた。
なんか、前半でちょっとほっとしたのに、後半は今までで一番読んでて辛かった・・・
名前もないようなサブキャラが死んだだけなのになんでこんな重たい気分になるんだ・・・
「世界を救う道はあるはず」って言った直後にこの救いのなさだもんな
最期の騎士カワイソス
もしかしたらこのマンガでエルナの次ぐらいに善良で誇り高かったかもしれんな>最後の騎士
こんなキャラがこんな無残な死に方しちゃうのが戦争の恐ろしさっつーかこの作者の恐ろしさw
とりあえず追悼スレ立ててくるわ(つД`)
ばーりはん、子を買おうとしてたんだ。
それがベルセルクの材料になるんだ…。
てか小姓の子達は材料のはずだったのに
ばーりはんのお気に入りになttうわまてなにをするやm
『子供たちを全員たすけてくれてありがとう』
彼女の笑顔に癒されました(ノД`)
最後の騎士といい、悪役の立場で死んでいった兵たちといい、脇役の一人一人に血肉の通う演出が素晴らしい
脇キャラに名前つけないのは作者のこだわりなのかな
と思ったけどソーラタンにはちゃんと名前あるな
最後の騎士もラタの彼女も名無しなのに何故だw
ラタって浮気しまくってそうだな〜。
あんなに美人でグラマーな女がいるのに。
あーん!最後の騎士さまが死んだ!
騎士さまよいしょ本&騎士さまF.Cつくろー!って思ってたのに…
くすん…脇役薄命だ…
・゚・(ノД`)・゚・うっうっう…ひどいよお…ふえーん!!
この間「時代は最後の騎士さまだ!」の葉書きを出してまだ2週間じゃないですか!
どーして、どーして!?あれで終わり!?嘘でしょ!?
信じられないよおっあんな魔精霊ごときに殺られるなんてっ!!
名無し魔導師様と差がありすぎるわっ!!生き還りますよね?ね?ね?
……泣いてやるぅ・゚・(ノД`)・゚・
私はあのおそろしく純粋な彼が(たとえ名無しでもさ!ヘン!)大好きだったんですよっ!!
最後の騎士さまあっ!死んじゃ嫌だああああああっ!!
先生のカバッ!!え〜ん・゚・(ノД`)・゚・
>>213 >名無し魔導師様と差がありすぎるわっ!!
魔導士様だって名無しだから大して差はないだろ!!w
いやこのネタレスに非常にハマるよね。この最後の騎士。
本当に「あれで終わり?」って感じだよな
魔導士様もそうだけど、普通こういうキャラって主人公の仲間になるのに・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
最後の騎士の最期って、味方を助けようとして、結局助けきれてないのかな。
倒れた彼の傍らには他の兵士が倒れてるし、位置からして彼が肩を貸していたっぽいし。
他に助けられた兵士がいたかもしれないけど、そうとは言い切れない。
助けられなかった兵士がいるのは確実。
彼がやったことは全くの無駄かもしれないと思うと、何だかやりきれない。
しかも、顔色とか見ると死因は魔精霊に感染したっぽいよな
味方である狂戦士から味方を救おうとして
味方である狂戦士の撒き散らした膿かぶって死んだのか
しかもそれを裏で糸引いてるのが味方のはずのバーリはん
魔導士様以上に報われない人だ
言われてみると、魔導師様と今回の騎士ってちょっと似てるかも
赤毛なところとか幸薄そうな顔立ちとか
おまえらちょっとはアザルテイン様の死も悼んでやれ
そもそもこないだ偉そうにしてた人と今回あっさり踏み潰された人が同一人物だと気づきませんでした
ちょっとシャールヴィと似てる?
イングヴァルとシャールヴィは結構似てたが
今回の人とはあんまり似てないと思う
腹違いとかじゃなくて両親おんなじなんだよな、9人とも
王妃さま頑張ったよね
丈夫な人だよね
でも一人くらいは女の子が欲しかったりして
本当は女の子が欲しくてあそこまで頑張ったとか?
世界制覇の野望に駆られて
実の兄弟なのにあいつら仲悪そうだよな
イングヴァルとかシャールヴィのこと馬鹿にしまくってたし
アザルスティンも弟どもとは違うぞとか言ってるし
兄より優秀な弟などいねえ!がアンサズ王家のお国柄なのだろうか
逆にシャールヴィに脅威を感じてるんじゃないかとオモた
たぶん魔法力ならシャールヴィが兄弟一なんじゃないかと(自分でも世界一言うてた
イングヴァルとアザルスティンよりはシャールヴィの方が戦い慣れしてそうだな
この二人のやられ方があっさりすぎたせいもあるかもしれないけど
ちゃんとした鎧を着たらシャールヴィの方がでかいんじゃないか?
いや、筋肉鎧だけでも全然構わないけど
親父さんの厳しさも愛情の裏返しっぽいよな
嫌ってる息子を女房にそっくりだとは言わんだろう
お袋さんによると親父さんの若い頃にもそっくりみたいだし
兄貴たちもその辺を感じててシャールヴィを意識しまくってるのかも
なんだかんだでバカだけどかわいい
末っ子扱いな気がする
しかし…ここまで本格的に「戦争」を描いてこの先どう展開するんだろう。
作者の力量が問われることになるしちょっと不安も感じる。
主人公側の主張はマンガ的には正義のはずなのに、
そのために戦うということはその主張と常に矛盾する、
という少年マンガではみんなが目を背ける現実を徹底的に描いてるからな。
それが他のマンガと一線を画す要因になってるのは間違いないけど、
物語として整合性を持たせた上でちゃんとこのテーマに答えを出せるのか、という不安は感じる。
どうか、空虚な無常論に逃げ込むような結末にだけはなりませんように。
エルナは自分の暴力を正当化しないからなー
奇麗事は言うけどそれがほかの主人公とは違うかも
第34話 決戦
アーサトゥアル国内の様子を、カルルは空から視察していた。
高い山の方から耕地の方まで、何かのツメ跡のように森が抉られている。
辺境でもないのに魔風が山から吹き降ろしたのだ。
被害を受けた耕地では、これから先、何年も作物が穫れなくなるだろう。
戦に投入された狂戦士のせいで、あちこちで魔風が吹き込んでいるらしい。
別の土地では、軍糧と称して大量の作物が徴集されていた。飢饉用の蓄えに至るまで。
先日、臨時の税を払ったばかりなのに。
本来なら勝ち取った敵国の領土から徴収するべきもののはず。
戦に勝っているはずなのに。国民の間に重たい不信感が広まりつつある。
街では、息子の遺体を前に泣き崩れる母親の姿があった。
今回の戦は死ぬ奴が多すぎる。一人息子まで徴収された家もあるという。
だが、それでも遺体が戻るだけマシなのだ。前線には「病」が広まっているから。
村や町からは明かりが減り、難民や傭兵志願の無法者がたむろして荒れてゆく。
「アンサズだけじゃなく アーサトゥアルも……死んでゆく…………」
カルルの報告を聞いたエイリークは、全く違う報告を寄越すヴァーリへの不信感を募らせていた。
民も兵も喜んでいる。戦場では快進撃が続き、何の問題もない。ヴァーリはそう言っていたのだ。
確かに、あの高揚の中では、兵士たちとて王の名をたたえもしよう。しかし。
物思いに沈むエイリークの目に、何かの荷を運びこんでいる馬車の姿が映る。
このところ昼夜を問わず繰り返されるその光景を怪しみ、馬車の主に声をかけるエイリーク。
戦時であり、民も生活を圧迫され疲弊しきっているというのに。
(まことの民の心は… まことの民の声は…)
「 殺 し て や る 」
そのとき突然、そう叫びながら馬車から人影が飛び出し、エイリークに襲いかかった。
少年のような格好の、激しい憎悪の表情を浮かべた黒髪の少女。
それは、シグルーンだった。
エイリークに触れることすらできず、衛兵たちに取り押さえられるシグルーン。
武器を取り上げようとする衛兵たちだったが、エイリークは彼女が素手であることを見て取っていた。
(そうだ 民草は剣など持たぬ しかし…)
剣を振り上げる衛兵を制止するエイリーク。
殺すことはない。どこの刺客でもなかろう。そのまま城門の外へ放してやれ。
大逆の罪を犯した者に対して甘すぎる。反論する衛兵に、しかしエイリークは厳しく命じる。
その小娘に再び何ができよう。放免せよ。よいな。
エイリークの命令通り、場外に摘まみ出されるシグルーン。
しかし、城を見上げるその瞳には変わらぬ憎悪と決意の色が表れていた。
あきらめない。絶対殺してやるんだから。お姉ちゃんの仇を……ッ。
日の暮れた町で一人佇む彼女に、どうしたの、と声がかけられる。
アトリとその母親が、優しい表情でシグルーンを見下ろしていた。
一方、エルナたちはアンサズの王城へ急いでいた。
生まれて初めて見る海に顔を輝かせるエルナ。
だが、シャールヴィはエルナのそんなノンキさを諌める。
シャールヴィの知る冷酷な父親であれば、敵国の姫であるエルナの安全は保障できない。
反乱貴族とかに対する残酷な刑罰の例を、シャールヴィはいくつも知っているのだ。
それでも、ちゃんと話せば大丈夫、と楽天的なエルナに、
シャールヴィは確実にエルナを助ける方法が一つだけあることを口に出せずにいた。
敵国の女でも人質として妻にすれば…。
胸の中で、声には出さずエルナに語りかけるシャールヴィ。
エルナ…俺の妃にならないか。
「え゛ーーっ なにそれ 信じらんなーい」
想像の中のエルナの反応にあり得ないぐらいショックを受けて打ちひしがれるシャールヴィ。
この世にこれほどこわいことはないが……
城に着いたら…思いを巡らせるシャールヴィの眼前に、巨大な狂戦士の影が現れる。
王城にたどり着く前に、戦場にぶち当たってしまったのだ。
丘の上に登って戦場を見下ろすシャールヴィたち。
アーサトゥアル軍はすでに、アンサズ城の市壁の間近にまで迫っていた。
市壁の外に広がっている町並みは、すでに戦火に巻き込まれている。
狂戦士に蹂躙されて逃げ惑うアンサズ軍、それを追撃するアーサトゥアル軍。
アンサズ軍の敗色は、誰が見ても明らかだった。
賭けに負けたことを悟り、こっそりトンズラしようとするラタトスク。
しかし、シャールヴィは怒りに吠えると、斧と剣を抜いて丘を駆け下りる。
その後を追うエルナ。
それを見て、ほっとけねーだろが、とラタトスクも後を追う。
一方、アンサズの王城では、ハラルド王がコルベイン公の報告を受けていた。
東の平原に魔風が吹き込み、闇の姫御子が聖剣を動かしているのでは、と兵たちが動揺しているという。
しかし、ハラルド王は闇の姫御子のことは調査はしたが未確認である、と動じない。
不服そうなコルベイン公だったが、王の傍らにいた大魔導師(プレスト)は、
ハラルド王がシャールヴィ王子を信じ待っているのでは、と直感する。
その王の下へ、王妃の生国・サンドヴィークから援軍が出兵される報が届く。
さらに、グードランドも明日参戦、敵本国西側より侵攻するという。
この戦に耐え抜けば勝機はある、と確信するハラルド王。
そして、アンサズ軍は兵も市民も、女や老人まで加わり、狂戦士の猛攻を耐え陵いでいた。
さらに、ラタトスクの恋人が応援を頼んだイルギという男が、
火薬を用いた武器を持ち込んでいたことが大きな頼みとなった。
ついに倒れる狂戦士たち。市壁を守っていた者たちが歓声を上げる。
だが、シャールヴィは素直に安心できずにいた。
アーサトゥアル軍は、シャールヴィたちの姿を見ても確認にも攻撃にも来ない。
兵士が狂戦士にくっついて市内に入るという作戦に変更はないのだ。
程なく姿を現す、さらなる狂戦士の群れ。
一人で敵軍に挑む決意を固めるシャールヴィ。
どさくさにまぎれてエルナをどっか安全なところへ、と指示を出すシャールヴィに、
やだぜ俺は、そういうのは、と反論するラタトスク。
だが、もはや他の手立てはない。
雷撃(ソールスラーグ)の詠唱をはじめるシャールヴィに、自分も戦うと主張するエルナ。
しかし、シャールヴィは彼女の声に何も答えようとはしなかった。
べた惚れだね、シャールヴィ。
とうとう告白したか…
>この世にこんなにこわいことはないが……
ないのかよw
あああアトリと母ちゃんキチャッター
ヤバ気なことにぶち当たる才能でもあるのか('A`)
エイリークがそろそろ動き始めるかな?
経験と人脈が足りてないだけで駄目な王ってワケじゃないんだよなぁ
なんとか踏ん張って欲しい
>>240-242 そこワラタ
「え゛ーーっ なにそれ 信じらんなーい」の後のコマの「ごーーん」って書き文字がw
これまた力強い筆字だなあ。
ショックを受けてるシャールヴィの顔とあいまってスゲー笑えるんだけどw
シャールヴィって結構ネガティブなんだよなw
エルナの態度変わってるのは明らかなのになんでそんなに自信ないかなあ
どうも親父や兄貴たちに劣等感持ってるっぽいんだよな
荒っぽい割に妙にナイーブだもんなシャールヴィって
>>245 実は以前に手痛い失恋を経験していて、そのせいで臆病になっているとか?
もしくはこの手の経験がないのでどうアプローチしていいかわからないとか。
グランガルズで娼婦を見て目を丸くしていた所から察するに、後者?
童貞なのは確実だと思う
でも色気は結構あると思うけどなあ
首の辺りとか
>>249 「あの首が欲しい…!」なラヴァルたんは、実はその色気にやられていたのか。
マッチョで色気があるって結構最強だな
エルナはまだ若いからその辺の魅力には気付けないだろうが
みんなシャールヴィ大好きなんだなw
それにしても急展開だ
まさか最終回近いのか?
なんか、今度ガンガンが隔週化するらしいんだけど、
新連載のラインナップに堤抄子の名前があるんだよな・・・
しかもエルサガじゃないタイトルで
まさか・・・
いや、ありえんだろ
確かにエルナ側はこのまま終わらせられそうだがシグルーンどうすんのよ
>>254 >確かにエルナ側はこのまま終わらせられそうだが
普通に「俺たちの戦いはこれからだ!」で終わりそうな勢いだよな
>>253 エルサガの他にもう一つ連載を持つってこと?
……大丈夫なのか?
嬉しいことは嬉しいけど、原稿のクオリティが落ちたら嫌だなあ
そうか!新連載が始まるからエルサガの方は最終回に向けて話を畳んでいっているんだな?!
って、本当にそうだったらカナシス(´・ω・`)
「え゛ーーっ なにそれ 信じらんなーい」
まさか打ち切りなのか?
でもそれだったら本誌で新連載なんてやらないよなあ
クオリティ落ちるのは怖いが終わるぐらいなら同時連載キボン
まあそれはそれとして
シグルーンに襲いかかられたときのエイリークが女の子にしか見えない件について
しかしこれ、実際問題として、アンサズ勝てんだろ。
シャールヴィひとりの加勢がついた程度で戦況変わらんだろ。
ここで最終回とすれば、アンサズ滅亡エンド?
暗いよ、暗すぎるよ。
>>261 つか最悪魔風吹き込みすぎで世界滅亡エンド
狂戦士が圧倒的すぎるんだよな
このバランスでRPG出されたら誰もがクソゲー認定しそうだw
>>260 自分も思った。お前どんだけ睫毛びしばし生えてるんだと。
瞬きしたら音がするんじゃね?とか素で思った。
下手するとシグルーンよりも女の子っぽく見えうわおまえなにをs(ry
第35話 はるかなる敵
「打て(スート) 雷撃(ソールスラーグ)」
激しい雷撃が、狂戦士の軍勢を薙ぎ払う。
だが、ヴァーリの狂戦士たちには強力な雷撃の魔法といえども致命傷を与えることはできない。
次々と大魔法を連発するシャールヴィ。
炎波動(エルドヴォーグ)。地霊冠峰(ジュードオンクローナ)。雷塊砲(ソールグラナート)。
狂戦士の再生能力を上回るダメージを与えるシャールヴィの魔法。
だが、それでも一度に倒せるのはせいぜいが一匹か二匹。
大群を持って押し寄せてくる狂戦士たちを押し止めることはできない。
市壁を崩し、衛兵たちを踏み潰し、ついにアンサズの市内に侵入する狂戦士の群れ。
それに続いてアーサトゥアルの騎士団も突入を開始する。
それを止めるため、シャールヴィは一人、絶望的な戦いを挑み続ける。
その頃、アーサトゥアルの王城では、エイリークが諸侯に戦の停止を宣言していた。
理由は、このままではかえって国益を損なうことと、
大魔導師ヴァーリの専横により戦が進められた可能性があること。
ヴァーリについては解任も考えているというエイリークに慌てて抗議の声を上げる諸侯。
しかし、エイリークは動じない。
「王命である 戦は終わりだ」
初めて自ら王を名乗ったエイリークの決意の前に、諸侯も口を閉ざす。
今までは踏み出せなかった一歩。しかし、たいしたことじゃない。
エルナのことを想うエイリーク。
ほとんど城から出たこともないあの姫が、城壁を越えていく道を選んだ時、どれほどの思いだったろうか。
(エルナ… おまえは先に道を進んでいた……)
なおも反論しようとする諸侯に、エイリークはカルルからの報告で知ったことを告げる。
軍糧との口実で麦を集め、実は外国へ売る奴らがいるそうだ。
闇の商人どもは莫大な税を払って目こぼしを頂いているらしい。
その言葉にある者は青ざめ、ある者はそのやり口を羨む。
レギン公以外の諸侯は、自らの利益しか考えていないような者たちだったのだ。
会議の終わりを告げ、アンサズへの親書を出すことを宣言して退室するエイリーク。
その後を追い、ヴァーリ解任だけでも考え直すよう嘆願するレギン公。
決してヴァーリにおもねっているのではない。レギン公もまた、ヴァーリのことは調べていたのだ。
ヴァーリが大魔導師に就任したいきさつには謎があるのだという。
そして、諸侯へのわいろ等、もっと容疑を固めた上で弾劾するべきだというのだ。
そのヴァーリは、エイリークが自分を会議に招かなかったことを知り、王城へ姿を現していた。
ヴァーリに駆け寄り事態を告げる諸侯の一人。
それが、自分にどんな災厄を招くことになるかも知らず…。
ヴァーリの東?も知らず、エイリークはカルルにアンサズへの親書を渡していた。
冥王法で全力で飛べば、アンサズの首府に夕方までには到着できる。
働きづめなのを愚痴るカルルに、一刻を争うことを諭すエイリーク。
「それに 私が初めて国のため 世界のためにできる仕事だ 頼む…」
今までとは違うエイリークの言葉と表情に、カルルの表情も変わる。
(戦を…止めるんだ)
一方、アンサズはついに陥落の危機に瀕していた。
どうやら内通者の手引きもあったらしく、次々と市壁を突破された報がハラルド王の下に届く。
空を覆う雷雲に、強大な魔法を使った者の存在を予感するハラルド王。
もしあれが戻って来ているとしたら……
いや…もしそうだとしても……
ハラルド王の目は、町を蹂躙する狂戦士の姿を捉えていた。
エイリークの部屋を飛び立ったカルルは、
しかし、すぐに魔鎖網(シェーダガーン)の結界に当たってしまう。
魔鎖網の幅が狭くなっていることを実感するカルル。
しかし、体勢を立て直し再び飛び立つよりも早く、カラスの群れがカルルに襲いかかってくる。
それと時を同じくして王城に響き渡る悲鳴。
ハーコン公――ヴァーリに密告したさっきの諸侯が、レギン公を暗殺したのだ。
剣で首を切られ、蘇生もかなわぬようレギン公は完全に殺害されていた。
呼びかけられても反応すらしないハーコン公の首筋には、妖しく蠢く腫瘍のような肉塊が…
遠くその騒ぎを聞きつけ、エイリークは席を立つ。
そこに、カラスの群れに追われてカルルが飛び込んできた。
エイリークの腕の中に逃げ込み、血まみれになりながらエイリークに謝るカルル。
エイリークの懐のカルルを執拗に狙うカラスども。
誰かおらぬか、と呼んだエイリークの前に現れたのは、ヴァーリだった。
カラスの群れを従え、嘲笑を隠そうともせずエイリークに歩み寄るヴァーリ。
誰も来ませんよ。今、下で騒ぎがあったのでね。
全く、何が起こるかわからない。小賢しく探りを入れて回る者などは命が縮むもの。
おまえにはもう私の近くに侍る権利はないぞ、とヴァーリを退けようとするエイリーク。
もう信じぬ。私はこの戦を止める。
だが、ヴァーリは歩みを止めようとはしない。
何を恐れておいでです。
アンサズほどの国の一つや二つ、滅びてしまえばよいではありませんか。
「この戦など 手始めに過ぎませぬ」
そう告げて、ヴァーリはエイリークの懐からアンサズへの親書を抜き取るのだった…
ついに魔法が尽きたシャールヴィを、ボロクズのように吹き飛ばす狂戦士。
さらに狂戦士はエルナをも襲おうとするが、エルナは聖短剣を引き抜きその攻撃を弾く。
しかし、封魔呪で負った傷ですら、今の狂戦士は瞬時で癒してしまう。
ハルスホルトのビッキですら、封魔呪と拮抗するほどの強い再生力を持っていた。
それよりもさらに強大に凶々しく進化した今の狂戦士に、エルナは立ち向かう術を持たない。
血まみれになりながらも立ち上がり、戦斧を振るって狂戦士になおも立ち向かうシャールヴィ。
その絶望的な姿に敗北を確信し、逃げ出さなかったことを後悔するラタトスク。
その体に燃え落ちた木材が倒れかかり、ラタトスクは悲鳴を上げる。
第1王子の陣が崩れ、天守にも火はついた。もはやアンサズの敗北は覆りようがない。
それでも戦うことをやめようとしないシャールヴィに、エルナは必死に制止の声を上げる。
ラタトスクにも止めてもらうよう呼びかけるが、振り向いたその先にラタトスクの姿はなかった。
泣きながら剣と斧を振るうシャールヴィの姿から、エルナは手で顔を覆って目を背ける。
こんな光景は………もう見たくなかった……
ハルスホルトで…アンサズの村で、そしてここで―――――
あの怪物もまた、もとは人というのなら、人と人が憎しみをかきたてられ戦い合い奪い合う。
大量の死……私の両腕では止めきれないほどの数限りない戦闘……
覆いかぶさるものが多すぎて……どこに道があるのか…
ついに倒れるシャールヴィ。
そのとき――
(見極めよ 全ての災いがどこから来るものか…)
倒れるシャールヴィの傍らにひざまずきながら、エルナは確かに見た。
一本の剣ではるか彼方を指し示す、鎧甲冑姿の一人の騎士の姿を。
その騎士が指し示す先に垣間見える、荒れ狂う魔風に霞む巨大な魔獣の姿を。
そして――
(果たせなかった使命をおまえに託そう この剣とともに……)
ノルズ山の頂に突き立ち魔風からこの世界を守り続ける、一本の剣――聖剣(グランテイン)を…
燃える展開だなぁ。
エイリークもシャールヴィもつくづく無念なところに見える希望。
面白いよ。
果たせなかった使命…?
前の聖剣の持ち主と思われるあの騎士は果たせなかったのかねぇ…
魔獣を完全には殺せなかったみたいだし果たせなかったんだろうな
でも、はっきりいって今の戦争と魔獣って全然関係なくね?
それとも魔獣がそこらの大魔王みたいに人に悪の心植え付けてるとかそういうことなのかな
ここまでやっといてそういう王道ファンタジーみたいな展開は嫌だなあ
頑張っても報われないことってあるんだなあ…と今月号読んでしみじみ思った
エイリーク、ようやく王としての自覚出てきたのに数ページで挫折かよ('A`)
シャールヴィもな・・・
まさかこいつが泣くなんて思わなかった
先月号の時点じゃなんだかんだで勝つもんだと思ってたんだが
>>269 鬱要素満載ではあるけど最後に微妙に希望持ってくるのが上手いな、確かに。
でもこれで次回逆転大勝利とかはないだろうし、
次回からは聖剣クエスト編に移行するってことかな?
でも、来月からしばらく休載なんだよね・・・orz
本誌で連載は嬉しいけど休載は嫌だ(つД`)
>>274 信じて待とう
泣きながら戦うシャールヴィを見て泣いてるエルナも、見てて辛いよ
みんな頑張れ負けるなよー
頼むから立ち直ってくれ……
ガンガン本誌の連載、「スターゲイザー」ってタイトルらしい
昔載ってた同タイトルの読み切りの焼き直しみたいだな
好きなマンガだったので期待したい
そういやあれもかなりの鬱マンガだったなw
>>276 読みきり版スターゲイザーって世界滅亡エンドだよなどう考えてもw
あの世界で主人公たちが生き延びられたとはとても考えられない…。
今回はドキバコしながら読んだ。
あえて絶望的な状況をとことん描いたところに、必ず再開する決意を感じる。
妙に薄明るく「エルナ達の戦いは続く」だったら、ちょっとあきらめるところだった。
しかし、アンサズが征服されて、征服した側のアーサトゥアルは内部崩壊
三大国のうちまともに機能してるのはグードランドだけか
これからはグードランドが舞台になるのか、王妃の故郷の何とかって国に亡命するのか
グードランドが舞台になればラヴァルタン再登場の可能性も高くなりそうだが
そういやラヴァルたんはあそこで戦線離脱したおかげで
生き延びたようなもんだな
仲間になって巻き込まれてたら確実にエルorシャ
庇ってあぼん一直線キャラなかんじ
>>271 魔獣の存在が、土地を荒廃させ国を衰退させてるから、戦争ばかりすることになるんじゃ?
>>280 いや、ラヴァルタンはエルナの仲間として再登場するだろ、確実に
これで存在忘れ去られたら哀れすぎるw
まあ、仲間になったあと生き延びられる保証はないが…
死ぬといえばさー
誰も触れないけど、ラタトスクって逃げたんじゃなくて木材の下敷きになったんだよな
まさかと思うけど、あれで死んだなんてことないよな・・・?
>>283 いや、充分あり得ると思うよ
でも悪運強そうだからなあ……どうか予想できん
好きなキャラだから死なないで欲しいけどなあ
今までせっかく一緒に旅して来たわけだし
名無し魔導師様や名無し騎士様ですらちゃんと死亡シーン描いてもらったのに
仮にもメインキャラのラタトスクであれであぼーんはひどすぎるだろ
多分瀕死
次回エルナの腕の中で息を引き取ります
「果たせなかった使命」とか言ってるから、
「もしかしてこの騎士みたいな人、妄執を持っている?」とか思ったのは俺だけでもいい。
聖剣の前の持ち主が誰かの使い魔に成り下がってたりしたら、凄い展開だ。
>>286 まさか、ヴァーリが妄執引き受けていいと思った相手って伝説の勇者様か!?
勇者様の妄執を晴らすために聖剣を抜くことのできる闇の姫御子を作り出し
新たなる勇者が活躍する舞台を整えるためにあんな恐ろしい戦争を引き起こしてる
繋がる!繋がるぞおーっ!!
なんてな
>>287 ここまで盛り上げといてそんなグダグダな真相だったらこのマンガ窓から投げ捨てるぞw
聖戦記エルナサーガ 1巻
初版94年1月27日発行
・作者は8月1日生まれ しし座A型
・好きなものはシュークリーム、嫌いなものは納豆、ヨーグルトなどの細菌系
・初の長編ファンタジー連載
・デビューから数年経っているがこの作品でスケジュール的にも経済的にもプロになれた
・最初は「現代物やる?」と話を持ちかけられたが、折角ファンタジー誌なので「剣と魔法」的なプロットを出したらそれが通った
・魔法などの描写はノリと言うか見栄切りと言うか、とにかくかっこよさを目指してみた
・純粋なラヴソングみたいな話にしよう
・でも男の子が女の子を守る話じゃなくて両方の比重が同じ位で、2人でならずーっとどんな遠くでもいけるよね、ってそんな話にしようと思った
とくべつふろく 自家製ライトテーブルのつくりかた
1巻収録は1話から5話まで。
エルナがシャールヴィにさらわれる所まで。
ちゅー訳で1巻ゲトしてきたから投下。俺が最初みたいだね。
最新連載分も、気にせず話題にしていいよー。
使い魔氏乙
こうして読むと初期の展開の遅さは単行本化を見越してのことだったんだなあと納得
にしても、純粋なラヴソングを志して話作ってたとは・・・
えげつなさすぎるよこのラヴソング
>2人でならずーっとどんな遠くでもいけるよね
その道のりは血塗られてるがな・・・
一体どんなラヴソングを聴けばいいんだ
とりあえず作者が腹黒で乙女ちっくな人らしいということはよくわかった
>今TVドラマとかだとけっこードロドロしたものがはやってるけど
>歌の方はあいかわらず純粋なラヴソングが多かったりして
>そうだこんなラヴソングみたいな話にしよう
…TVドラマとは別の意味でどろどろしてるじゃないか。この漫画。
先生、普段どんなラヴソング聴いてるんですか?
コタツで仕事するとは………あの冬場最強の呪いのアイテムで。
冬の恋人コタツ男の魔の手から先生を守らなくてはw
>・でも男の子が女の子を守る話じゃなくて両方の比重が同じ位で、2人でならずーっとどんな遠くでもいけるよね、ってそんな話にしようと思った
シャールヴィ→エルナのフラグは立ってるとして、現時点で逆は立ってるんだろうか?
連載中断時でも「んー普通かなー」で終わってるんだろうか。
でも確かに「両方の比重が同じ」である漫画だよな。
エルナが聖短剣を使え、身のこなしも筋がいいようだから、戦うだけの能力を持っている。
確かに
恋人っつーよりは同士とか親友のノリだよな
まあラタトスクとシャールヴィが仲良くしてたのはちょっと複雑な心境だったみたいだけど
…エイリーク乙
いやしかしもともと従兄弟同士だからエイリークにはそんな感情ないか
子供のころ優しかったのも好きだったからとかじゃなさそうだしな
成長するにつれ無関心になってったっぽいし
今はエルナのこと見直してるみたいだけどどっちかというと敬意よりでやっぱり好意とは違う気がする
作者は「にわかづくり」とか言ってるけど、
ここまでファンタジーな世界観を作り上げてるんだから凄いよ。
それで居て良くある設定先行なファンタジーじゃないんだから。
さじ加減が絶妙だと思う。
「温めすぎた卵は腐る」とは良く言ったもので、
構想期間が長いからって良い話ができるワケじゃないんだよな
付け焼き刃でも思い付きでも、要は作者のセンスの問題であって、
この作者はそれがズバ抜けてんだろうな
・アーサトゥアルの暑い夜(2巻収録)
元ネタはアシスタントさんの雑談から
「エイリークをスカウトしてバンド組む!」
「えー何させんのー?」
「キーボードかなあ」
と言う訳で
Vo, G:エルナ
kb:エイリーク
B:ヴァーリ
Ds:………って何故居るんだシャールヴィ
結局ヴァーリとシャールヴィが一色触発のシーンで終了の1P漫画
・3年B組ヴァーリ先生(3巻収録)
女子高生エルナと、その隣に座っているシャールヴィ(年齢不詳
ヴァーリ先生に当てられても早弁済みでぐーすか寝ている
静かにブチキレたヴァーリ先生、出席簿の カ ド で彼をどつかんと歩み寄ってゆく…
…と、生徒会長のエイリーク様が黒板の誤字を指摘
つづく
・魔法戦隊サーガレンジャー(4巻収録)
悪役ヴァーリ様とその下僕ビッキ
しかしサーガレンジャーはまだ結成されていなかった…
さすがにつづかない
・設定のひみつ(4巻収録)
質問が多い設定についてのフリートーク
北欧神話をベースにしているが本当に地球上の昔の北欧の話ではないので、世界観や雰囲気を統一するため。
呪文も北欧語を組み合わせて使っているがテキトーアレンジ入ってる
文字はルーン文字で、呪文の時はルーンを組み合わせている
アンサズはヴァイキング、アーサトゥアルはサーメの服装
・アシスタント浅野りんによるエルサガ4コマ(4巻収録)
ハルスホルト編をネタにした2本
エルナミニスカを住民2人に「相手の男の趣味」にされたシャールヴィとか、
買い物中に「そうだ 私はお金が…」なラヴァルタとか
・遠山のエイリーク(5巻収録)
…は、作者急病のため休載
・アーサトゥアルの暑い夜2(6巻収録)
シャールヴィとヴァーリの漫才
しかしマジで拳突っ込みや蹴り突っ込みを入れまくるヴァーリ
・堤抄子のよりぬき人間化計画(7巻収録)
アニメ誌のニュータイプに連載されていたもののよりぬき版
本名が難しい名前なのでPNは簡単にしたが、とっても誤植されやすかった!とか
好みのタイプの話とか、色々な勘違い話とか、
「音速の漫画家」(早い話が電車内での寝落ち)とか
・おとーさんは心配性(7巻収録)
現代パラレルでアンサズ王がシャールヴィに色々ちょっかいを出す
シャールヴィとエルナがデートしてるのもポイント高し
セーラー服エルナキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!
遠山のエイリーク読みteeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!!!!!!!
シャールヴィのお父さんいい人じゃないか
迷惑だけど
現代の私服姿のエルナとシャールヴィって新鮮だな
それにしてもやっぱりエイリークは生徒会長だったかw
遠山のエイリークの、片肌脱ぎは見たかったな。
あと、江戸っ子弁でべらんめえになるのかとか。
サーガレンジャーハゲワロスwww
エイリークが白レンジャーってのはわかるが、シャールヴィが赤か…
熱血って点ではけっこうお似合い?
エルナには「性格が違うと思う…」とかって言われてるけどw
あとのメンバーはアトリとラヴァルたんだが、エルナをピンクにすると
ラヴァルたんが緑か黄色になるのか。それは嫌だな。
とりあえず一番ウケたのは、どんなに衣装が禍々しいものになろうとも
髪型だけはきっちり三つ編みのバーリはんだw
「おのれサーガレンジャー、ことごとく邪魔しおって」って格好つけて言ってても
おさげで全部台無しwww
エルナとシャールヴィのデートしてる姿に癒された
短編でいいからマジで番外編描いてくんないかな
ことあるごとにシャールヴィにキレてるヴァーリ面白いw
本編でこの二人が対峙するとどうなるんだろう…
今のところ直接会ったのってシャールヴィがエルナを殺しに行った時くらいだっけ?
だね
まあ、見るからに相性悪そうな二人ではあるw
そういや、シャールヴィとエイリークもまだ会ったことないんだよな
この二人のやりとりも結構面白そうと思うんだが
本編が鬱っぽいのに、番外編は結構はっちゃけてるよなw
で、設定話だけど、この漫画を「にわかじこみ」と言ってる割に服装や魔法にはかなり拘りがあるよな。
読書量が多いのか、知識が積み重なった結果が、このエルナサーガの世界観なんだろうな。
シャールピィにとってはデートなんだからそっとしといてやれw
…シャールピィって意外と尽くすタイプだよなあ
尽くすタイプなんて生易しいもんじゃないな
犬だね。
エルナはナチュラルに物凄い悪女
そんな言い方ひどい
エルナは物凄く優しい いい娘だよ!
どれほど優しい女の子でも自分に惚れてて、自分は何とも思ってない男は奴隷だってだけなんだよ
今月から再開だよな?
スターゲイザーも面白いけどやっぱエルナ読みたかったからマジ楽しみ
再開早々どんな鬱展開かましてくれることやらw
吹きすさぶ魔風の中、勇者は倒れようとしていた。
血にまみれながら、彼は遥かなる後世の末裔に呼びかける。
(エルナ… 我が裔よ
志半ばにして私は託さねばならぬ この剣と… そして―――)
勇者の眼前には、魔獣の三つの目が凶々しく輝いていた――
第36話 落人
難攻不落と言われたアンサズの城が崩れ落ちてゆく。
玉座に座るハラルド王は、大魔導士(プレスト)から手当てを受けていた。
瓦礫にでも当たったのか、回生呪すら追いつかぬ浅くはない傷を負ってしまったのだ。
そのハラルド王に直接剣を向ける、アーサトゥアルの騎士たち。
アンサズの王陛下には礼をつくし、我が剣にてお送りいたす。
騎士たちの先頭に立つ男が、口上を述べてハラルド王に迫る。
すでに王を守るべき王子も兵士もいない。
距離を詰める男に、怪我を押して立ち向かおうとするハラルド王。
しかし、男はあっさりハラルド王の手から剣を払い飛ばすと、その首に剣を突き立てる。
「こんなことではこのアンサズは終わらぬぞ
世界もおまえたちの好きにならぬ 必ず…」
全てを言い終えることなく絶命するハラルド王。
男の命により大魔導士は連れ去られ、アンサズはついに落城した…。
(俺が… 俺がもっと強かったら………)
夢の中、自らの非力を悔やむシャールヴィ。
気がつくと、何処とも知れぬ場所のベッドの上に横たえられていた。
傍らの椅子にかけられたエルナのマント。
エルナの身を案じるシャールヴィだったが、どうしようもない眠気に意識を押し流されてしまう。
――そこは、どこかの山小屋だった。
洗濯と水汲みに励むエルナ。初めてやることなので、色々試行錯誤しているらしい。
その様を見て、おママゴトかよ、と呆れたように呟くラタトスク。
あの戦場で怪我をしたらしく、左腕を布で吊っている。
この山小屋は、ラタトスクの隠れ家だった。
あのとき、戻ってきたラタトスクがエルナとシャールヴィをこの場所に匿ったのだ。
魔法が切れてから重傷を負ったシャールヴィは未だ回復せず、ずっと眠っている状態が続いていた。
治っていきつつはあるんだけど、と心配そうにシャールヴィを見つめるエルナ。
ラタトスクはそんなエルナに、どうするね、これから、と問いかける。
まさかここでこのまま、楽しく暮らそうってんじゃねえだろうな。
そんなためにわざわざ助けて隠れ家まで貸してやってんじゃねーぜ。
アーサトゥアルは、次はグードランドを狙ってる。なんとか止める手立てをしねーと。
しかし、ラタトスクの言葉に、エルナは浮かない表情で答える。
でも、全然勝てなかったし。
シャールヴィが全力で戦っても駄目だった。
もう止められない。全然力が足りない。アンサズ軍は壊滅したし。
「もう… 戦えないよ…」
その頃、アーサトゥアルの国民は戦勝に浮き立っていた。
凱旋する兵士たちを見つめるアトリとその母親、そしてシグルーン。
素直に喜ぶ母親と違い、アトリは今回の勝利に懐疑的だった。
戦争のほかに方法がある。エルナが言っていた言葉が、アトリの心に疑問を生んでいたのだ。
そのとき、アンサズ王を倒したという英雄が姿を現す。
それは、以前ヴァーリの陰謀を訴えるアトリを止めた、あの剣士だった。
力こそ全てと語った剣士の言葉を思い出すアトリ。
だが、本当にそうなのだろうか。それでいいのだろうか。
エルナの身を案じる言葉を漏らすアトリ。
エルナのことを知らないシグルーンが誰のことか尋ねると、
どっかの居候と違って百倍も女らしくて優しいお姫様だよ、と揶揄うように答える。
そんなアトリの頭を、シグルーンは容赦なく思いっきりどつくのだった。
戦勝に浮かれる国民の前に、エイリークは姿を現そうとしなかった。
やはり今回の戦には反対でらしたから、と囁き合う重臣たちの傍らで、
一人の兵士がエルナたちの所在がつかめそうなことをヴァーリに報告する。
躊躇いもなく、ヴァーリはエルナとシャールヴィを殺すよう命じるのだった。
失望したぜ。
そう言い残して小屋を出て行くラタトスクを、エルナは見送ることしかできなかった。
今度は戻ってこないかも知れない。そんな予感を抱くエルナ。
しかし、ラタトスクの脳裏にはこのとき、現状の打開策が閃いていた。
いっそのこと、グードランドの懐に飛びこんでしまえばいい。
シャールヴィは無法に侵略され惨殺されたアンサズ王家の生き残りで、
エルナはアーサトゥアルの第2王位継承者。グードランドは戦の名分が立つ。
これなら勝てるかもしれないとほくそ笑むラタトスクに、そのとき声がかけられた。
フロシと「火とかげの爪」の仲間たち。
エルナとシャールヴィを売るため、アーサトゥアル兵を手引きしてきたのだ。
血相を変えるラタトスクに、山分けしても十分だぜ、と懐柔しようとするフロシ。
だが、今のラタトスクは動じない。
あいつらをアーサトゥアルに渡しちゃいけねえ。
激昂して殴りかかってくるフロシに、短刀を抜いてラタトスクは訴える。
「頼む! 来ンな!! 今度ばかりは金がどうって話じゃねえんだ」
しかし、ラタトスクがそのヤイバを振るうまでもなく、フロシの巨体が崩れ落ちる。
二人の居場所さえわかれば、盗賊に金を払うわけがない。
アーサトゥアル兵が、背後からフロシに切りつけたのだ。
予想以上の大人数で押し寄せてくるアーサトゥアル兵。
ラタトスクは防ぎ切ることができず、小屋への接近を許してしまう。
小屋の中のエルナもまた、追っ手の存在に気づいていた。
聖短剣に手を伸ばしながらも、逡巡を捨てきれないエルナ。
(戦うの?エルナ
またその剣を抜いて また人を傷つけるの? 勝ち目のない戦いのために)
窓からクロスボウで小屋の中を狙撃するアーサトゥアル兵。
明らかな殺意に、エルナはシャールヴィを揺り起こそうとする。
そのとき、乱戦を抜け出したラタトスクがクロスボウを構えた兵士を斬り殺した。
次々と姿を現す兵士たちからエルナたちを守るため、窓を閉ざしその前に立ちはだかるラタトスク。
その腕にクロスボウの矢が突き刺さる。
敵は最初から殺すつもりで来ている。剣を抜くようエルナに叫ぶラタトスク。
涙を浮かべ、仲間を全員殺されたとラタトスクは語る
世界を動かしているのは王族や貴族だけじゃない。
そう嘯いて武器を密輸したところで、所詮は盗賊、軍隊が本気になればひとたまりもない。
自分の弱さを思い知り、ラタトスクはエルナに訴える。
あんたらは俺らなんかより力あるんだからよ! まだ世界を動かせる。
「もっと… もっと力のねえ奴らは 天でも拝んどけって言うのかよ」
その叫びに、折れていたエルナの心がついに動いた。
(そうだ… 勝てるかどうか…じゃない……
私にできることは…)
扉を開いてラタトスクを小屋の中に引き入れ、
すかさずラタトスクに襲いかかっていた兵士に聖短剣で斬りつけるエルナ。
かすり傷ではあったが、封魔剣の傷ならばそれだけで致命傷になりうる。
扉を使って一人ずつ倒せば、エルナでもこの窮地を切り抜けられるかもしれない。
しかし、アーサトゥアル兵たちは怯まない。
所詮は女一人、皆でかかればどうとでもなるはずだった。
しかも、小屋の室内に煙が立ち込めはじめる。
裏手に回ったアーサトゥアル兵が、小屋に火を放ったのだ。
シャールヴィに懸命に呼びかけるエルナ。
そして、ついに扉が壊され、アーサトゥアル兵がエルナに殺到しようとする。
そのとき――
閉ざされていたシャールヴィの瞳が、ゆっくりと開かれた…。
再開キタ━━━ヽ( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚≡゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )ノ━━━ !!!!!!!!!!!
そして前回のラストはなかったことになったのか単なるエルナの錯覚だったのか・・・
今回みたいに弱気なエルナは久しぶりだな
まあすぐ立ち直ったけど
ラタトスクの変わりように感動したよ
>もっと力のねえ奴らは 天でも拝んどけって言うのかよ
個人的にこれまでのエルサガでNo.1名ゼリフ
エルナは奪還じゃなくて暗殺対象か。
アーサトゥアルは完璧にヴァーリの手に落ちたと言う事か。
盗賊連中は前にラタに裏切られたのに、案外根に持ってないな。
ラタも仲間が殺されたと言って涙浮かべてるし。
以外と情のある連中だ。
アーサトゥアル軍はもう完全な悪役だな
本当に彼が「最後の騎士」だったんだなあと痛感
ハラルドとうちゃん…(´;ω;`)
とーちゃん、最期のセリフは「アンサズにはまだシャールヴィがいるぞ」って意味だよな…
いつかあの世でシャールヴィと分かり合ってキャッチボールできるといいね(つД`)
>>335 ちょっ、おま、俺をマジで泣かす気か(つД`)
不和のまま、死なれるとつらいな。
シャールヴィは大丈夫だろうか…
本当に人間の色んな面を描いてるいい漫画だなぁ…。
あーん!お父さまが死んだ!
お父さまよいしょ本&お父さまF.Cつくろー!って思ってたのに…
くすん…ヒゲオヤジ薄命だ…
・゚・(ノД`)・゚・うっうっう…ひどいよお…ふえーん!!
この間「時代はお父さまだ!」の葉書きを出してまだ半年じゃないですか!
どーして、どーして!?あれで終わり!?嘘でしょ!?
信じられないよおっあんな新キャラの剣士ごときに殺られるなんてっ!!
エルナパパと差がありすぎるわっ!!生き還りますよね?ね?ね?
……泣いてやるぅ・゚・(ノД`)・゚・
私はあのおそろしく心配性な彼が(たとえ一方通行でもさ!ヘン!)大好きだったんですよっ!!
お父さまあっ!死んじゃ嫌だああああああっ!!
先生のカバッ!!え〜ん・゚・(ノД`)・゚・
ラタトスクもまた、最後の騎士と同様に「戦は変わったのだ…」と言われるべき立場なんだろうな。
今までの戦なら武器や傭兵の横流しで戦況を操れたんだろうけど、現在の狂戦士を使いまくるアーサトゥアルのやり方には太刀打ちできないんだから。
「天でも拝んでろって言うのかよ!」と言う彼の姿には泣かされる。
>>339 いや、エルナパパよりはまだ報われた死に方だと思いますがw
つーかこのコピペ多いな
それだけ悲惨な死に方するキャラが多いってことか・・・
>>340 ヴァーリの野望が世界中を巻き込んで押し流してる感じだよな
今後の展開の鍵はヴァーリの一番近くにいるエイリークが握ってると思う
名前があるのに誰にも追悼スレ立ててもらえないフロシ兄カワイソス
案外いいヤツだったのになあ
エルナが寝たきりのシャールヴィの世話をしてるってことは
えっ…しっ、シモの世話もっ…?
ああいうファンタジー世界でシモの世話ってどうやるんだろ
漏らす度に服とシーツ取り替えるとか、そんな感じ?
それもあるけど包帯変えるときに汗とか拭いたりしてたのかなぁ
なんかエロいな(;´Д`)
性(ry
第37話 流転
扉を壊し、エルナに襲いかかるアーサトゥアル兵。
決死の応戦で一人を倒すラタトスクだったが、別の兵士に切り倒されてしまう。
その兵士の剣がエルナを捉えようとしたそのとき、シャールヴィの声が響く。
「エルナ 剣を上げろ!!」
指示通りに体を動かすエルナ。掲げられた聖短剣目がけ、シャールヴィの魔法が放たれる。
「炎波動(エルドヴォーグ)」
反魔法との反応で全方向に爆炎が拡散し、アーサトゥアル兵を小屋ごと吹き飛ばす。
エルナの脇を抜け、戦斧を手にシャールヴィがアーサトゥアル兵に斬りかかった。
「貴様ら――― 俺様の寝てる間によくも好き勝手…」
アンサズの鬼神の復活に、統制を乱すアーサトゥアル兵たち。
エルナを意識したシャールヴィは、兵士の一人に戦斧を突きつけ、
失せろ、と警告するだけで実際に命を奪おうとはせずに見逃してやるのだった。
意識を取り戻したシャールヴィに、安堵の涙を浮かべるエルナ。
そのエルナに肩を貸されたラタトスクの傷を見て、シャールヴィは息を呑む。
治癒呪文(クーア)があまり効かない。
思ったより傷が深いだけでなく、シャールヴィの魔法も足りないのだ。
ずっと意識を失っていた上に、炎波動のような強い魔法を使ってしまったから。
回生呪もまだちゃんと働いていないらしく、傷口からはまた血がにじみ出している。
自分も治癒呪文なら使えるから、とそれ以上の手当てを拒否し、
早くこの場から移動することを提案するラタトスク。
燃える小屋から立ち上る煙は、まるでのろしを上げているようなものだ。
ラタトスクに肩を貸そうとするシャールヴィに、無理しないで、と替わるエルナ。
エルナと密着する形になったラタトスクは、
こんなにくっついていいのかと、シャールヴィをからかうように軽口を叩くのだった。
(本当はすごく痛いのに… 冗談言ってるんだ…)
ラタトスクの真意を悟るエルナ。
ちょうど湧き水のある場所に着き、一行はそこで休息をとることにする。
ぐったりと横たわりながら、自分をここに置いていくようエルナに忠告するラタトスク。
盗賊の掟でな、ケガとかして足手まといになる奴は、敵地にだって置いてきていーんだよ。
反対の声を上げるエルナに、ラタトスクは冷静にシャールヴィを指差す。
シャールヴィはまた眠り込んでいた。まだ本調子ではないのだ。
このうえ俺みたいなのがいたら…
だが、エルナは納得しない。
歩くのもつらい、とラタトスクが言えば、私がおぶってくから、と無理なことまで言い出す始末。
どう言っても自分を見捨てようとしないエルナを、ベタベタしてんじゃねーよ、とラタトスクは突き放す。
行っちまえ、と怒鳴られて、目に涙を浮かべながらも、エルナはめげなかった。
シャールヴィも寝ちゃってるし、今夜はここで泊まるってことにしよう。
薪を集め、火を起こし――城から一歩も出たことのないような姫君だったのに、
いつの間にか一人で野宿の支度をできるようになって。魚は獲れなかったけれど。
それでも、全身を泥と葉っぱで汚してニーデリの実を採ってきたエルナに、ラタトスクは背を向ける。
しゅん、とうなだれ、一人で実をかじるエルナ。
だが、ラタトスクは決して本心からエルナを拒絶していたわけではなかった。
俺はただのケチな盗賊で、しかも下っ端だった。
くだらねえ悪さばっかりしてたさ。目先の金さえ手に入れば良かったんだ。
それが、あんたらに会って―――――
戦を止めるために自分から城を出たと言ったエルナ。
自国の兵士の暴挙から敵国の民を守るため、戦場で自分の身を投げ出したエルナ。
そして、そんなエルナの理想を、いつも体を張って支えてやろうとするシャールヴィ。
こんな奴らもいるんだ…。いや、こんな奴らなら世界を変えられるのかもしれねー。
成りゆきとはいえ、この俺なんかがそんなことの手助けをするたあ……
夜。眠るエルナとシャールヴィを、ラタトスクは見つめる。
「がんばれよ エルナ… あんたらに出会えて よかった…」
エルナがくれたニーデリの実を手に、ラタトスクは傷ついた体で夜の闇の中へ消えて行った…
朝日の差し込める森の中、どこを探してもラタトスクは見つからなかった。
今から追うのは無理だろう、と追いかけようとするエルナを止めるシャールヴィ。
あんなケガで、一人っきりで、どっかで倒れたりしたら…
ラタトスクの身を案じるエルナを、安心させるようにシャールヴィは言う。
あいつはしっかりしてる。俺らなんかより現実的だし、自分から死ぬようなことはしないさ。
「じゃあまたいつか… 会える?」
希望を繋ぐように呟くエルナの頭上には、抜けるような青空が広がっていた。
一方、アーサトゥアル。
エルナたちを見失ったという報告を受け取ったヴァーリは、
微笑みすら浮かべ、逃げ帰った兵たちの処刑を命じる。
冷酷極まる処断に息を呑むゲイル。だが、ヴァーリの表情は変わらない。
これからのアーサトゥアルではこうだ。覚悟がなければ人は動かぬ。
次の刺客として命じられたのは、ハーレクと呼ばれた剣士だった。
アンサズ王の血を吸ったその剣で、アンサズの血を根絶やしにするがいい。
ギムレー随一と音に聞こえた剣法を誇る黒髪の剣士は、恭しくヴァーリの命を拝するのだった。
道すがら、エルナはシャールヴィに、ラタトスクと話していたことを説明していた。
アンサズの王子とアーサトゥアルの姫が逃げこめば、
グードランドは全世界を味方にアーサトゥアルと戦える。
そんなうまくいくのか、と懐疑的なシャールヴィ。
そもそも、グードランドに行こうにも方角も何も、今いる場所すらわからないのだ。
と、森の先に轍の跡を見つけるエルナ。道に出たのだ。
だが、その道を進む軍隊の姿に、慌ててエルナは身を隠す。
しかし、兵士たちはエルナの姿に気づいていた。隠れた場所に歩み寄ってくる。
どうしよう、と不安に駆られるエルナだったが、シャールヴィはその軍隊を見て目を見張った。
「王子?」
軍隊の中からシャールヴィに声をかけてきたその男は、シャールヴィの側近であるオーレイヴだった。
ラ、ラタトスクまで・・・
マジでサブキャラ皆殺しだなこの作者
再登場したオーレイヴも来月あたりヤバそうだ・・・
ラタトスクの株がここ最近大幅にあがってるな再登場が楽しみだ。
来月どうなるんだろう敵国の姫が一緒にいるわけだから色々揉めそうだ。
ラタトスク死んでないよラタトスク
・・・死んでないよね?
誰だ勝手にラタトスク追悼スレ立てた馬鹿は?
セリフ自体はメチャクチャ死亡フラグっぽいけどな
行き倒れて死に掛けてるところをラヴァルタに救われて、みたいな展開だったら燃える
しゅんとしてしゃりしゃりニーデリ喰ってるエルナの姿に萌えた。
しかし本当にエルナは成長したなあ。
火を起こすわ果物取りに行くわ(それなりに高い木に生ってるだろうから、木登り前提だよな)取れなかったけど魚は取ろうとするわ…。
元々アトリ達と遊んでた男の子のような姫様だったけど、それはあくまでもお遊びだろう。
戦いだけではなく、旅そのものにおいても、シャールヴィのサポートが充分に出来るようになってる。
まあ二人旅が長かったから
と思ったが、そういやエルナがアーサトゥアル出てからどれぐらい経ってるんだろ
あんまり深く考えたことなかったが、2ヶ月か3ヶ月ぐらいか?
ラタトスク死なないでくれ…
>>359少なくとも二ヶ月くらいは経ってる気がするな
これでやっとアンサズ軍と合流か?
そしてニーデリかじるエルナカワイス(*´д`*)
ラタトスクの再登場があるなら、アースムンドの再登場もある。
その根拠は…最後のコマの姿勢w。二人とも向こうに歩み去り
つつも、右から振り向いている。
>>357 そういえばラヴァルタって今なにをしてるんだっけ?
巡礼に行って武具を売り払って、そこから先はどうしてるんだろう。
グードランドには帰れないから、どこか放浪の旅にでも出てるのかな。
……「巡礼を機に出家することにいたしました」とか言って大聖堂の門を叩いてたらどうしよう。
我々の世界で言うシスターっているんかな。
大聖堂でも何処でも、男性の修道士しか見かけないんだけど。
中世ヨーロッパってのは女性に魂があるかどうか真剣に議論してたような時代だからな
聖職者になるどころか教会からの加護すら保証されてなかった
それに比べればマシだろうが、この世界でも女性が正式に修道会に入るのは難しいんじゃないかな
アースムンドがエルナを隠そうとした「尼僧院」がある以上、
名称はともかく女性聖職者、又はそれに準ずるものはいるだろう。
それが修道会でどういう扱いなのかは全く不明だが。
グードランドは女王の国だし一夫一婦制が確立されてるっぽいしで
女性の立場は現実の中世よりもかなり優遇されてるみたいだね
エルナも普通に女王になれるみたいだし女修道士ぐらいいても不思議はないかも
つーか魔導士も修道会に属してるんでしょ?
ニセエルナも魔導士だったんだから修道会に籍置いてたんじゃないかな
魔導士と修道士の違いがよくわからんけど
え?ラタトスク、普通に再登場するだろ絶対。
少なくとも彼自身は、死を受け容れる気はさらさらないと思う。
あの去り方は断じて「重症の自分を群れの負担にしないために
自分から群れから出ていく犬や狼」みたいなもんじゃないだろ。
死を受け容れるつもりだったら、エルナをああまで信頼しているのだから
何らかの土産とかを寄越しておくと思うよ。
ハルスホルトの鍛冶屋の親父みたいに、裏の世界の符丁とか。
ああそういや鍛冶屋の親父元気かなあ
市長の奥さんも元気かなあ
このマンガ、一回だけの登場で終わるには惜しいキャラが多すぎる
仕方がないよ
そういや、前回はシグルーン元気そうで安心したよ。
アトリごとヴァーリに操られたりしそうで怖いけど。
ヴァーリが今更アトリごときに注目するとは思えんが。
シグルーンを奪うための襲撃に巻き込まれて、というのはありそう
でもヴァーリはシグルーンのこと知らないんだよな
今後どうやってシグルーンを話に絡めるつもりなんだろ
誤解が解けてエイリークの味方になるけど殺されてエイリークが闇に堕ちるきっかけになるか、
誤解したまま憎しみをぶつけ続けてエイリークが闇に堕ちるきっかけになるかのどっちかだろ
誤解したまま、ヴァーリとの戦いで瀕死の重傷を負ったエイリークに止めをさすって欝展はどうよ。
マジで救いがないな…
ヴァーリ倒してたりしたらさらに鬱かも
誤解が解けていい雰囲気になったところでヴァーリによって狂戦士化
エイリークに襲いかかるが返り討ちにされて死ぬ間際に元の姿に戻りエイリーク発狂
こっちの方が救いないぞ
( ・∀・)ゞ
ただ今この板最下層でございます
おまえらがエイリークのこと大好きなのはよくわかった
どん底・・・この鬱マンガに相応しい・・・
じゃあ、明るい展開が来るまでsage続けよう
最終回までsage進行だったりしたら…('A`)
>>382 それはつまり二度とageないってことか
希少な聖別の花嫁候補なんだから、とりあえず狂戦士化はないだろ
第38話 シャールヴィ
身を隠していた茂みから、我を忘れて飛び出すシャールヴィ。
オーレイヴを先頭に、アンサズの民がシャールヴィに駆け寄ってくる。
ここにいる兵は40名ほどで、後は難民ばかり。
ウルの砦へ落ち延びる途中だったが、シャールヴィがいるなら、いずれ反撃も夢ではない。
アンサズは絶えたと思っていた彼らにとって、シャールヴィの生存はこの上ない喜びだった。
どうか先陣へお立ちください、みな力づきましょう、とシャールヴィを先頭へ誘うオーレイヴ。
と、そのときようやく、アンサズ兵たちはエルナの存在に気づいた。
シャールヴィの紹介に、騒然となる人々。
元々、シャールヴィはエルナの命を奪うためアーサトゥアルに行ったはず。
その相手を伴っていることに、オーレイヴは驚きの声を上げる。
言葉を濁すシャールヴィだったが、エルナは表情を曇らせながらもしっかりと答える。
命はいつ絶たれてもよかったのです、と。
「でも もし私が生きて世界のためにできることがあるなら……と
私は覚悟の上まいりました」
それ以上の追求をシャールヴィは誤魔化し、エルナとともに列の先頭へ向かう。
民から歓呼の声を以て迎えられるシャールヴィ。
アンサズ最強の魔法で全力でいけば、必ず勝てる。
狂戦士に為す術もなく敗れ去ったシャールヴィの姿を知らない民たちは、無邪気にそう信じていた。
その難民たちの見て、罪悪感に胸を痛めるエルナ。
家をなくした人々。親を亡くした子供。小さいのに深手を負った子供もいる。
みんな、エルナの国のために犠牲になった人々なのだ。
さざ波のように民たちの間を広がってゆく、エルナの噂。
俯くエルナを励ますシャールヴィだったが、頷きながらもやはりエルナの表情は晴れない。
そのとき、子供の一人がエルナに向かって石を投げつけた。
「アーサトゥアルの魔女! 父ちゃんを返せ!」
それをきっかけに、民衆たちの怒りが一気に爆発する。
「どうしてその女がそこで生きてる!?」「俺の息子は死んじまったのに!」「戦の元凶が!」
次々とエルナに向けられる怨嗟の声。
つるし上げろ、打ち殺せばいいんだ、と次々と石を投げつける民衆を、人質だからと止めるオーレイヴ。
しかし、民衆の怒りは収まらない。
「そいつを取引して何が戻ってくるというんだ
焼き払われた畑か! 怪物の死肉が溶けて使えなくなった川か!?」
投げつけられた無数の石から、身を以てエルナを守るシャールヴィ。
予想外のシャールヴィの行動に、民衆の暴動も一気に収まる。
まさかあんな女を、とシャールヴィに疑惑の目を向ける兵や民たち。
エルナは、そんなシャールヴィを自分から引き離す。
シャールヴィ。あなた優しすぎるから。こんな傷を。私が受けるべき傷を。
地面に身を投げ出して、アンサズの人々に頭を下げるエルナ。
人の暮らしを壊し、山や川を汚して、魔風を呼び込んで全世界までも危機に陥れる。
石打ちにされてもかまわない。あやまる言葉もない。アーサトゥアルがこんなひどい戦をして。
全ての罪を背負い込もうとするエルナに、エルナは関係ない、と断言するシャールヴィ。
だが、それでもアーサトゥアルはエルナの国だった。
棄てられた身だけど、エルナが育ったエルナの母国なのだ。
姫君がそうそう膝をつくものではない、とエルナの軽挙をたしなめるオーレイヴ。
「確かに我らはかけがえのないものを多く失ったが…… ただ復讐していては同じことだ
また誰かのかけがえのないものを奪うことになる」
その言葉に、私には誰も待つ人もいませんから、と自重するように答えるエルナ。
だが、シャールヴィはエルナの言葉を否定する。
「おまえはもう一人じゃねーし 一人にはしねえ」
わかんねえ? まっすぐエルナを見つめ、心からの真摯な言葉を口にするシャールヴィ。
それ以上は何も言わず立ち上がるシャールヴィを見つめるエルナの瞳には、
驚きと、そしてそれまでとは異なる感情が込められているようでもあった。
やがて、一行はウルの砦にたどり着く。
ウルの砦は、本当はアンサズ王妃の生国であるサンドヴィークの城。
海の中を城までの道が走っているが、これは干潮のときだけ現れる道で、普段は島だと言う。
海に囲まれた守りの固い城だった。
ウルの城に落ち延びていたアンサズの人々が、たどり着いたシャールヴィを出迎える。
次々と知らない人々が現れるのに、シャールヴィのことをまだ何も知らないのだと実感するエルナ。
その中に、いかにも親しげにシャールヴィに抱きつく、年若い女の姿があった。
その光景を見て、エルナの思考が停止する。
うろたえ、エルナの視線を気にしながら、兄貴が亡くなって、と女性に説明するシャールヴィ。
女性は泣いて頷きながらも、すぐさま妖しい笑みを浮かべ、艶かしい視線でシャールヴィを見つめる。
でも私、忘れてないわよ。
今さら、と抗うシャールヴィの言葉を封じるように、シャールヴィの首に腕を回す女性。
「王位を継がれるんでしょう?」
最低だな、と女性のことを囁き合う兵士たち。
だが、エルナの耳にはそんな言葉も入っていなかった。
なんだろう。なんだか様子がよくわからない。まわりで人がガヤガヤ言ってるし。
完全に平静を失った心でシャールヴィと女性を見つめるエルナ。
エルナの目には、女性はシャールヴィの恋人にしか見えなかった。
今まで何もそんなことについて話さなかったけど、許婚者がいてもおかしくない。
そっか、と自分を納得させるような笑みを浮かべるエルナ。
(うん… 別に関係ナイ)
女性のことを誤魔化すように、シャールヴィが砦の中へエルナを招く。
だが、王妃の生存のことを群臣から聞かされ、エルナに駆け寄るわけでもない。
急に疲労を感じはじめるエルナ。
まわりはみんな知らない人ばかりで、シャールヴィはその人たちに囲まれて、あんなにも遠い…。
突然、体を傾げてエルナが倒れる。
血相を変えて駆け寄るシャールヴィの声は、意識を失ったエルナの耳には届いていなかった。
一方、アーサトゥアル。
先の戦で大量に魔導士を捕虜にしたことにより、ヴァーリは戦に、
大量の魔法を要する転移魔法(エアヴァーフォエリン)を導入しようとしていた。
これで思うままに精鋭を思うところに送ることができる。
剣士・ハーレクをエルナたちのところへ送るため、今はその準備をしているところだった。
そこに、使い魔からの報告がもたらされる。
エルナたちがアンサズ軍と合流したという。
されはマズイのでは、と気色ばむゲイルだったが、ヴァーリの表情は変わらない。
「それはそれで よいものが手に入ることになるかもしれん…」
追って連絡する、とハーレクに伝えるヴァーリ。
エルナ姫とシャールヴィの暗殺はその計画の後になる。くれぐれも早まるなよ。
ヴァーリの命令に、無表情で諾うハーレク。
無言のまま、ハーレクは転移魔法の魔方陣に足を踏み入れるのだった。
夜。
エルナを診察した医師を、シャールヴィは問い詰めていた。
エルナが倒れたのは、また熱が上がったせいなのだという。
ケガと疲れとかで以前にもエルナが倒れたことを思い出し、不安に駆られたのだ。
私もよくはわからないのですが、と医師は答える。
魔法を全く帯びぬというのが、この魔法とか魔風の中で生きていくとどうなるのか。
だが、良き魔法も悪しき魔法も、魔法を持たないエルナには関係ない。
魔法も魔風も、エルナに影響を与えることはないはずだった。
そのことに対しては頷きながらも、医師は言葉を続ける。
魔法の弱いドヴェルグ族に医術が発達したのも、
治癒呪文(クーア)が効きづらいせいもありますが、彼ら自体、体が弱いのです。
「エルナ姫… 我らより あまり御寿命も長くないかもしれませぬ」
不吉な医師の言葉に、シャールヴィは何も言うことができなかった…。
名前欄に(1/4)〜(4/4)を入れるのを忘れてました。第38話は以上です。
ラブコメ展開キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!
エルナ死亡フラグもキタ━━━━━━('A`)━━━━━━!!!
…ちょっとまてよ作者…
エルナ可哀相すぎるだろこれは・・・
>>378 うわあああああ嫌だ無理無理無理無理
エルナは体調が悪くても動こうとするんだろうな
これでバッドエンドだったら本当に救われん
つーかアーサトゥアルの血筋はどいつもこいつも不幸すぎる
マジで勇者の子孫だから魔獣に呪いでもかけられてんじゃないのか
ところで聖剣と勇者と魔獣の話って本筋に絡んでくるのかね?
「聖剣を抜く事が出来、世界を滅ぼす事も可能」と言うエルナの能力を示すギミックってだけではなく。
「魔獣は本当に死んでるのかしら」ってアトリかあちゃんがぼやいて、
勇者様が「果たせなかった私の望み」みたいな事を言っていたから、
もしかして魔獣は健在だったりしたらどうしよう。
聖剣は単なる重石に過ぎなかったりして。
このまま本筋に聖剣と勇者、魔獣が直接かかわることなく終わったら、
ある意味凄い。
その場合、伝説に語られた実在する人外の脅威より先に、
人間自身の業というか愚かさにより自滅するっていう欝展開しか
思い当たらないが…
法王様が啓示受けてたみたいだし、魔獣は実在するんじゃないのか。
つーかこの世界ってマジで神様いるんだよな、そういえば。
・・・エルナにちっとは優しくしてやれよ、神様。
針のむしろだエルナ…………これは辛いよ
あの彼女ってシャールヴィの何?!つーか現実にうようよいそうなタイプだな
兄貴が亡くなってとか言ってたけど何なんだろう
それにしても、シャールヴィやっぱり奥手だな
普通に考えれば元カノってところだろうが
シャールヴィたちの反応見るとシャールヴィ捨てて兄貴に乗り換えたっぽいな
しかしエルナがここまで露骨にショック受けるとは思わなかった
まあ直前にかなりストレートな告白受けてたせいもあると思うけど
ここで「さっきのはなんだったのよー!」ってならないのがエルナっぽいな
読んでる側としてはエルナの人となりやこれまで辿ってきた行程を知ってるから
そんな仕打ちせんでくれ(ノД`)って思うけど、アンサス国民にとってのエルナは
戦の元凶であるアーサトゥアルの闇の姫御子でしかないんだよな。
シャールヴィがエルナをかばったのもヘタすりゃ
魔女にたぶらかされた王子の図に見えてそうで恐いんだが…
最下層あげ
子供が石投げるシーンがつらすぎる
打算も何もない純粋な怒りだからなおさら
それにしてもオーレイヴは大人だ
狂戦士の怖さを最も身近で体験して仲間も皆殺しにされたってのにあの反応だもんな>オーレイヴ
エルナとシャールヴィの数少ない理解者として活躍してくれるかもしれん
だがこのマンガのことだから覚悟はしておく
分別を備えた大人の理解者第一号ならいいんだが…
エルナをかくまうことに納得できない一部の兵士や民が暴動
→襲いかかる暴徒から身を挺してエルナを庇うオーレイヴ
→オーレイヴの生首が(ry
こんな鬱展開しか浮かばない俺はもう病んでる
バーリはんの「よいもの」ってベルグソーラが言ってたレーヴァテインって魔剣かな
確か魔風を呼び込めるって話だったはずだが、これ以上魔風吹いたらマジで世界ヤバいんじゃないか?
つーかバーリはんは魔風とか魔獣とかどう考えてるんだろ
>>407 魔獣が実在しているかどうかは問題にしていないんじゃないのかな。
ヴァーリにとって重要なのは「魔獣を恐れる民の心」だけって気がする。
だからこそエルナを聖剣の近くへ置いて、各国への威圧として使おうと考えたんだろうし。
魔風はどうなんだろうな。単なる天災として簡単に片付けてたりして。
てことは、バーリはんは自分がやってることがアーサトゥアルとアンサズの戦争を越えて、
世界をマジで滅ぼしかねないことには気づいてないってことか
魔獣の話はエルナたちしか知らないわけだけど、バーリはんに話したらどうなるだろうな
世迷言っつって鼻で笑われて終わりか
「なんということだ、魔獣が実在していたとは!戦などしている場合ではない!
みなが一丸となってフレースヴェルグに立ち向かわねば!!」
とかっつっていきなり改心したりは……しないか。バーリはんだしなあ。
一国のプレストを務めるくらいなんだから、味方になったら心強いと思うんだけどな。
味方になったらなったで、「アーサトゥアルの熱い夜」のようにシャールヴィと衝突しまくるだろうが。
魔風は存在するんだからその原因たる魔獣(の伝説の元になるもの)も存在するんじゃないかな
レーヴァテインも伝説かもしれないがグートランドも問題視してたし…
ヴァーリってすげえ現実主義者っぽいもんな
神も悪魔も信じてないような感じ
狂戦士が究極の進化を遂げたのが魔獣と呼ばれ恐れられてたんじゃないかと思う
>>410 シャールヴィ、ヴァーリ、エイリークのギスギスしたパーティの中で
気を使いまくって神経すり減らしてゆくエルナの姿が目に浮かぶようだ・・・
>>414 でもその三人で協力して戦う場面を見てみたい
凄いことになりそう
3人で合体魔法とかしてほしいなあ。カッコよさそう
でも現実派喧嘩して魔法合戦かな
速攻で仲間割れして互いに殺し合い始めそうだ
そして聖短剣を抜いてそれを仲裁するエルナ
>聖短剣を抜いて
ちょwww
それ仲裁じゃなくて脅迫w
>>415 こうですか?わかりません><
シャールヴィ「炎波動!!」
ヴァーリ「凍凜波!」
シャールヴィ「氷系の魔法なんか使ってんじゃねぇよ!炎波動と帳消しになっちまっただろうが!!」
ヴァーリ「貴君が私の前に出るからいけないのだろう。このさいはっきりと申し上げておこうか。 邪 魔 だ」
シャールヴィ「んだとてめぇ!」
エルナ「ヴァーリもシャールヴィもそこまでにして」
シャールヴィ「わあっエルナ聖短剣を抜くのは止めろ!!」
そしてひとりで強力な魔法を撃って自分だけ手柄を立てるエイリーク。
そんなエイリークを目をハートマークにして見つめるエルナ
「いいけど… 俺は別に…」とか言いながらショック受けまくりのシャールヴィ
そんなシャールヴィの隙をついてボルトーカでガチで殺しにかかるバーリはん
ちょwバーリはんヒドスwww このパーティーで旅を続けるのは無理だw
そういえばエイリークの魔法使ってる所ってまだ出てきてないよね?
使い魔の魔法は別として、エイリークもソールスラーグとか打てるんだろうか
第39話 ヴァーリ
もう陽が昇ったというのに、アーサトゥアルの王城には闇の匂いが立ち込めていた。
凶々しい魔法の気配が。
エイリークの部屋には、いつの間にか二人の兵士が――ヴァーリの手の者がはりつくようになっていた。
城の中はヴァーリの権力におびえる者や金で使われる者、禁呪で操られる者たちで満ちている。
かつて、兵の忠誠こそまことの城と歌った詩人(ブラギ)がいたが、
だとすればここはもう、空虚な石組みでしかない。
自ら城を見回りながら、エイリークはこの城が、すでに自分のものではないことを思い知る。
壁を伝う、トゲのある蔓と葉を持つツタのような植物。辺境に多いという食魔草(レーラズ)である。
城内で異常なほど多くの魔法が行われているせいで、生態系も狂い始めているのだ。
エイリークの与り知らぬ、大規模な転移魔法(ユアヴァーフォエルン)の魔方陣。
だが、それだけではない。
別館に目を止め、足を向けるエイリークの前に、ヴァーリが立ちはだかる。
今や堂々と城内で禁呪の研究か、と厳しい視線を向けるエイリークに、
これも国のため、民のためなれば、と平然と答えるヴァーリ。
だが、エイリークはヴァーリの研究の本当の内容を、そしてそれがもたらす災禍を知っている。
「国のためにも民のためにもならぬ 私が知らぬとでも思うか!」
度重なる戦に民はみな疲弊し、禁呪、魔精霊法は魔風を呼び込み国土を荒らしているではないか。
だが、ヴァーリは怒れるエイリークを嘲笑う。
これはこれは。どこかで思い違いをなさったか。
王のために国が在るわけではなく、国のために王が在るのです。
もし王が御乱心となれば、離宮ででも御養生いただくことになる。
そうなれば、その王の剣もお預かりさせて頂くことになります。
もはや本性を隠そうとすらしないヴァーリの真意を見抜くエイリーク。
ヴァーリの狙いは、この王権の象徴たる統雷魔剣(トゥアラテイン)。
「ならば 試してみるが良い」
そう言うと、エイリークは統雷魔剣の柄をヴァーリに突き出す。
訝しく思いながらも柄に手をかけるヴァーリ。
だが、引き抜こうと力を込めても、剣は鞘に貼りついたようにびくともしない。
ヴァーリの腕を払い、不敵な笑みを浮かべるエイリーク。
古より言う。統雷魔剣はまことの王にしか抜けぬ…とな。
何も言えぬヴァーリに背を向けるエイリークだったが、その胸に勝利感はなかった。
光の王を称される自分ならば、大魔導士といえども魔法でたたきふせることもできるはずだが、
しかしなぜかあの男には勝てる気がしない。
ヴァーリの望みが、アーサトゥアルを自由にするだけではとどまらないことをエイリークは見抜いていた。
(その野望はどこから来る? おまえはどこから来たのだ? ヴァーリ…)
そのヴァーリは、エイリークの背中を憎悪を込めて睨み付けていた。
貴様など、次の闇の姫御子を生み出すための道具でしかないというのに。
そんなヴァーリに声をかけるタイミングの悪い男がいた。ゲイルである。
王妃選びの件を尋ねられ、ただ一人生きのびた少女がいたことを報告するゲイル。
だが、体を震わせながら逃げられてしまったことを告げた途端、ヴァーリの瞳が激情に染まる。
絶凍気炎(ジュープフリーサ)で塵にしてやろうか。
激昂するヴァーリに、懸命に命乞いをするゲイル。
私はヴァーリ様の一番最初の下僕ではありませんか。
私がまだ風読み(ヴィンレーサ)をしていたころに、あなた様が魔境の彼方から現れた、あの時から……
そう。吹き荒ぶ魔風とともに、彼はゲイルの前に現れたのだ。
尖った耳、刃のような爪、人ならざる皮膚、巨大な翼――
そして、憎悪と憤怒に染まった凶々しい双眸から、血の涙を流しながら…
あの時より、志を同じくし、ずっと御世話をしてまいったではありませんか。
だが、血に額を擦りつけるゲイルに、甘えるな、とヴァーリは冷酷に言い捨てる。
その時、王城から出てきた侍女たちの声が二人の耳に届く。
一人はアトリの母。そして、もう一人は――シグルーン。
ゲイルは慌ててシグルーンを指差す。あの娘ですっ。闇の御子を産むはずの娘!!
ついに聖別の花嫁を見出したヴァーリ。エイリークに憎悪を燃やすシグルーン。
そしてエイリークは何も知らず、己の無力さに打ちひしがれていた…。
一方、ウルの砦。
シャールヴィの母親、アンサズ王妃に、エルナは目通りを行っていた。
母国の非道を詫びるエルナを、シャールヴィから話は聞きました、と王妃は無表情で押し止める。
この子があなたを連れ帰った理由はわかりました。いろんな意味で。
勇気をもってよくおいでになったと思います。
エルナを称える王妃だったが、今のアンサズにはエルナを切り札として使える力さえ残っていない。
グードランドを頼るにしても、逆につけこまれるかもしれない。
法王が代替わりした今、修道会に間に入ってもらい、
辺境の小国の賛同もとりつけて和議に持ち込むのが最善だというのが王妃の考えだった。
めんどくせえ、と毒づくシャールヴィに、王妃は淡々と答える。
「国は正義だけで動くものではありませんから」
アンサズももとの通りの領土には戻れないかもしれないけど、
ここに逃げてきている者たちだけでも健やかに暮らせるようになれば…。
王妃の前を辞去したエルナは、なんて気丈な方、と感想を漏らす。
嫁ぎ先の国は滅び、王と8人もの王子が亡くなったというのに、
怒りも外に出されず、でもにこりともされなかった。
私はあまり役に立たないのだろうか、と途方に暮れるエルナ。
その彼女の眼下を、二人の兵士が通り過ぎる。
エルナを敵の女と呼び、その噂話をしながら。
疎外感を覚えるエルナに、通りかかったシャールヴィが労わりの声をかける。
しかし、その傍らには甘えるような媚を見せてまとわりつくあの女性の姿があった。
思わず二人から視線を背けるエルナ。
だが、シャールヴィの方には、女性に対して甘い感情はなかった。
結局あんたは兄貴と結婚したじゃないか。
咎めるようなシャールヴィの言葉を、だってもう死んじゃったもの、と悪びれる様子も見せない女性。
シャールヴィの腕に自分の腕を絡め、女性は甘く囁く。
「ねえ… 今夜… お部屋に行ってもいいでしょ?」
エルナは、もの思わしげに城壁から海を見つめていた。
夜。波の音を聞きながら、ベッドの中でエルナは目を閉じることすらできずにいた。
思い浮かぶのは、シャールヴィに親しげな笑みを浮かべるあの女性。
(眠れない…… 心がザワザワいって…)
その女性は、自室で夜這いの準備をしながら父親であるコルベイン公と話していた。
あの決戦の時、アーサトゥアルと内通して敵兵を招き入れたのは、コルベイン公だったのだ。
そうすればアンサズの王にしてやると、ヴァーリに唆されたためだった。
だが、王になるどころかアンサズの国土は無茶苦茶にされ、挙句の果てには難民暮らし。
さらに、シャールヴィの存命に焦躁を見せるコルベイン公。
しかし、娘はさらりと、あたしがシャールヴィと結婚すれば、お父様は国王の父じゃない、と言ってのける。
こんなことなら最初からシャールヴィ一本にしとくんだったわ。
やっぱり最初の宮廷占星術師(セイズ)の王位の占いは当たってたんだわ。
そう言って、いそいそとシャールヴィのもとへ出かけてゆく女性。
破天荒な無縁な娘の行動に頭を痛めるコルベイン公だったが、
その時、彼の前に人語を操るカラスが姿を現した。
もう一つ贈り物を届けることだ。そうすれば、我が主は汝にアンサズの王位を授けよう。
ここより南東の孤島に、古来より宝を秘める祠あり。
その祠の鍵は、今この城におわす――魔法を帯びぬ闇の姫御子、エルナ。
早速エルナの部屋を訪うコルベイン公。
封魔呪の扉を一つ、開けていただきたい。
封魔呪に守られて眠る古の武器、アンサズの窮地を救うにはそれを今使うしかない。
しかし、封魔呪は神が人に禁じた印。
普段のエルナであれば、コルベイン公の言葉に惑わされるはずもなかった。
だが、今のエルナは――
アーサトゥアルの追討軍が迫っている、このままでは明日にでも全滅してしまう、
というコルベイン公の言葉に、ついに頷いてしまうエルナ。
「いいでしょう 私が… それで少しでも アンサズのお力になれるのなら…」
城外に浮かぶ船に案内されるエルナ。
一方、シャールヴィはベッドからこっそり外に逃げ出して、女性の夜這いを見事回避していた。
シャールヴィのおかん、気丈すぎだ。
一方のコルベイン公の小心者っぷりときたら。
少しはたくましい娘を見習え。
夜道の一人歩きも平気な娘さん
読み返してみたらコルベイン公ってシャールヴィの父ちゃん初登場の回からいるのな
しかもその回ですでにエルナ使ってレーヴァテインを手に入れること考えてる
あの頃からずっとこの展開考えてたんだとしたら凄すぎるぞこの作者
つーかこのハゲ親父、シャールヴィにとっちゃ間接的に親兄弟のカタキじゃねえか
この女もそれ知っといてシャールヴィに迫るんだからかなりいい性格してんな
エルナカワイソス(´・ω・`)
ちょっと待て。
何だよヴァーリ。まさか人外?
「魔境の彼方からやってきた」のなら、人間が魔風によって変化した存在か?
でも以前出てきた元きこり夫婦とは違う感じだよな…。
魔法ばんばん使ってるし、魔法を喰わなくては生きていけない風ではないし…
ああでももしかして隠れて魔法喰ってたりしたら…?
判らなくなってきた。
もしかしてこれ、ヴァーリ自身がベルセルクなんじゃないのか?
誰かに改造されて魔境に捨てられたけど生き延びて帰ってきたとか
ゲイルがヴァーリに仕えてるのはヴァーリの立場に共感したからっぽいし
血の涙流してるのもすげー意味深
…そーいやちょっと前の話の中で魔境に捨てられてたヤツがいたよな?
エルナ父の前妃とその子供!
ちょ、待った待った。
なんか今「頭の中で親の因果が子に報い」って言葉がぐるぐる回ってる。
ヴァーリの正体も気になるが、シグルーンの運命の方が気になる。
侍女になって王宮に入ることになったからにはアトリは大丈夫だろうが、
速攻でヴァーリに目ェつけられちゃってどうなるのこれから(((( ;゚Д゚))))
次に登場したときには首の後ろに変なコブができてます
変に搦め手とか考えつかれてアトリの母ちゃんが巻き込まれるほうが鬱だな
アトリの母ちゃんってエルナの侍女だったからエルナへのダメージもでかいだろうし
>>432 それいいな。
この漫画なら無駄な伏線は張らないと思うから、あの過去話にも意味が出てくる。
しかし、この説をとると、エルナとヴァーリは異母兄弟になってしまうんだが…。
もし本当にそうだとすると、あまりにも似てない兄妹だな
とてもじゃないが血のつながりがあるようには思えないんだけど。
つーか魔境って常に魔風が吹き荒れてるんだろ?
そんな所に生身の人間が放り出されて生きていられるのかな
>>431のが信憑性あるような気がする
どうでもいいが、前回今回とタイトルが人名だな
なんとなくこういうタイトルが続くと最終回近いんじゃないかとか思っちゃうんだが俺だけ?
アースムンドの語りの中で描かれてたヴェスタルの最初の息子のイメージイラスト。
あれを信用するなら、あの息子(=エルナの兄)はかなりヴァーリに似てると思う。
今ここで指摘されると本気でそう思うよ。
でも普通の人間が魔風の中で生きられる訳がない。
いくらエイリークを凌ぐ魔法を持っていて回生呪発動してもいつかは魔法が尽きて回復できずに死ぬだろう。
その矛盾を取り払うなら、放逐されたベルセルクヴァーリが別に魔境に存在し、
魔風で瀕死のエルナ兄に取り付くなり「力が欲しいならくれてやる」なりで、合体した?
そしてエルナ兄の姿を持つベルセルクが、根性で魔風が途切れる辺りまで辿り着いてゲイルに拾われたとか、どうよ。
何故そんなベルセルクが魔境にいたかと言うと、
やっぱり魔獣は最強のベルセルクで、ヴァーリもその仲間とか部下だったとか。
親玉亡き後、魔風で生き地獄味わってたって感じで。
魔風の攻撃力と彼のベルセルクとしての回復力は丁度拮抗してしまってて、
死ねないけどまともに動けもしなかったと。
この予想に、ラヴァルたんの財布の中身を賭ける。
>>437 異母兄妹(と仮定して)のエルナとヴァーリが似ていなくても別に不思議はないのでは?
お互いの母親に似ちゃっただけの話なんじゃないの?
>>439 「ラヴァルたんハァハァ」まで読んだ。
ってのは冗談として、そこまでいくと穿ちすぎな気もするよw
まあ、ヴェスタルの息子=エルナの兄=ヴァーリなのかどうかは置いといて、
ヴァーリ=ベルセルクっていうのはありそうだよね。
だとするとヴァーリをベルセルクにした存在がどっかに居るということになるなあ……。
もしかしてアーサトゥアル・アンサズ・グードランドの他に第4勢力が出てきたりして。
魔境の奥深くにヴァーリをベルセルク化した奴がいるとか
ヴァーリがベルセルクなら、ヴァーリみたいなのがベルセルク究極、もしくは完成形態なのかも
ヴァーリベルセルク説に俺は異を唱えたい。
というのも、今までベルセルクが魔法を使っている様子がないからだ。
兵器としてのベルセルクを考えるに、魔法という攻撃手段が模索されない
訳はないのに。
そこから妄想されるのが、本質的にベルセルクは魔法が使えない
ということ。自体が既に魔精霊魔法の持続的発現である彼らには、
別の魔法を起動することが出来ないのではないか?
自在に魔法を操る奴の姿は、俺予想のベルセルク像とは重ならない。
まぁ、既出のは、単に知性や発声機構、四肢の形状の問題で
詠唱・掌相が出来なかったと言われればそれまでで、究極たる
ヴァーリには可能とくればどうにもならんが。
…と、ここまで書いていて、使い魔法の持続的発現である使い魔が
自在に魔法を使っているのを思い出したorz
ウ〜ム、ベルセルク魔法不能説の論拠になりえるものがどこかにないか〜
ヴァーリ様自身が魔法も使えて体が崩壊しないスーパーベルセルクたん
だったらわざわざ自分の屋敷で実験繰り返したりしないと思うんだよね
自分は(生きてる人間は使えないらしい?)冥王法だって使えるんだし
そんな瞬間移動ができるベルセルク作る技術がとっくに存在してるなら
その既存の技術を使って兵力増強しようとするはず
だから超魔力の強い普通の人間じゃないかな
でもそれを不気味に思われて魔境に捨てられちゃったとか
単なる実験体だったから自分を改造した魔法がどんなものだったかまでは知らない可能性も
まあ、それじゃあヴァーリを改造したのは誰なんじゃい、ということになるわけだが・・・
第40話 炎魔剣(レーヴァティン)
木の上に身を横たえ、シャールヴィはウルの砦に暮らすアンサズの民を見下ろしていた。
国だの政治だのというのは、8人の兄王子たちがやるようになるものだとばかり思っていた。
だが、今となっては自分がなんとかするしかないのだ。この、みそっかすの悪たれ王子が。
親父が泣くな…仲悪いまま死別(わかれ)ちまったし…
どうやら今夜は眠れそうにない。
遠乗りにでも行こうと木から降りたシャールヴィの目が、海上に浮かぶ船の姿を捉える。
見間違いかと思ったシャールヴィは、その船を追おうとはしなかったが、
それは炎魔剣を手に入れるため、孤島の祠へ向かうエルナたちを乗せた船だった。
アンサズを救うためとはいえ、王妃様にもシャールヴィにも言わず出てきてしまったことを案じるエルナ。
だが、すでに戻ることはできず、エルナたちは炎魔剣が眠るという島にたどり着く。
南側の中腹にある洞窟の奥。
そこには確かに、アーサトゥアルの紋章が銘まれた封魔呪の扉があった。
一方、ウルの砦には、ハーレク率いるアーサトゥアル軍が到着していた。
夜闇に紛れてウルの砦を偵察していたハーレクたちは、馬上の男に見咎められる。
その体躯と斧から、相手が鬼神シャールヴィと一目で見抜くハーレク。
通りすがりの漁師を名乗りその場をやり過ごそうとするハーレクだったが、
彼がマントの下で剣の柄を握っていることを見破り、シャールヴィはそれがウソであると断じる。
シャールヴィの洞察力に驚くハーレクに、部下の騎士が早まらぬよう声をかける。
姫が事を成されるまでは。
その言葉に、エルナが何かに巻き込まれている事を察し気色ばむシャールヴィ。
ハーレクはマントを脱ぎ捨て鎧と剣を露わにし、太刀を交えれば教えようとシャールヴィを挑発する。
久々に血が煮えるようだ。アンサズ王も音に聞こえた豪の者だが、ひどい手負いだったからな。
剣を抜きながら、その言葉に茫然となるシャールヴィ。
この剣こそアンサズ王の喉を貫いた剣ぞ。
そう言って切りかかってくるハーレクの剣を巧みにいなし、反撃に転じるシャールヴィ。
「ぶっ殺す」
憤怒に駆られるシャールヴィを、ハーレクは不敵な笑みを浮かべて見上げるのだった。
封魔呪の扉を前に、エルナは迷っていた。
以前開いた大聖堂の封魔の扉。あの扉も、やはり開けてはならぬ扉だった。
躊躇うエルナの耳に、毒を流し込むように囁きかけるコルベイン公。
アンサズの力になって下さるとおっしゃったじゃないですか。あの呪われた大地をごらんになったでしょう。
あなたの国、アーサトゥアルのせいで……
エルナの脳裏に浮かぶ、無数の屍を蹂躙するようにのし歩く狂戦士(ベルセルク)の姿。
罪悪感に突き動かされ、エルナはついに封魔の扉に手を伸ばしてしまう。
世界にただ一人魔法を帯びぬ闇の姫御子。こんどこそこの力が、世界を救う手立てとなれば。
開かれた扉。そこに立っていたのは、鎧をまとった長髪の騎士だった。
『この扉をお開けになったのは この鎧を再び作り出したる者か または御神御自身と思われる』
その騎士が実体ではないことを悟るエルナ。
姿が透けているし目線も合わない。空間に影を映したような、そんな存在のようだ。
部屋の中は、大聖堂のように何か木の内部のようにも見える。
おそらく、どこかにそういう仕掛けが隠されているのだろう。
騎士の幻は語る。
いずれ世界に戦乱があふれ悪しき魔法満ちる時、それを餌として古の悪魔が蘇らん。
予言めいたその言葉に、咄嗟に魔獣フレースヴェルグを連想するエルナ。
心されよ。ここにまつる剣は、その魔獣を制するものにて…
騎士の言葉の途中で、コルベイン公が扉の中に駆け込んで行く。
どうやら、コルベイン公には騎士の幻は見えないらしい。
本当にあったとは。喜び勇んで、地面に突き立つ炎魔剣に駆け寄るコルベイン公。
だが、エルナはもはやそれどころではない。
『どうか 私の志を継いで… あの魔獣(フレースヴェルグ)を…』
そう。この騎士こそ、夢の中でエルナを導いた騎士。
一振りの剣を手に、エルナの進むべき道を指し示したあの騎士――
騎士が何者であるのかようやく思い至り、腕を伸ばすエルナ。
だが、その瞬間、騎士の幻像は音もなく消え去ってしまう。
炎魔剣を手に取り、その顔を興奮と歓喜に歪めるコルベイン公。
あの男、この剣をさし出せばアンサズの王位をくれるとか言うておったが。
その言葉に顔色を変えるエルナ。だが、コルベイン公はもはやエルナなど眼中にもない。
魔風を自在に呼び込むというこの剣があるなら、私が自力で全世界の王にでもなってみせる!!
そう叫び、炎魔剣を鞘から抜いて刀身を露わにするコルベイン公。
その瞬間、炎魔剣の刀身から魔風が吹き荒れ、コルベイン公の首を吹き飛ばした。
聖短剣を抜いて自分の身を守るエルナ。
だがその時、コルベイン公の使用人たちが、戻りが遅いエルナたちの様子を見にやって来た。
吹き荒れる魔風に巻き込まれる使用人たち。
聖短剣だけでは自分の身しか守れない。エルナの表情が歪む。
その時、炎魔剣と共に安置されていた一枚の盾が、魔風に拭き煽られてエルナのところへ飛んでくる。
魔風と反応して身を震わせる盾。表面に封魔呪が施されているのだ。
その盾で、エルナは自分と使用人たちの身を守る。
一方、祠の異変はシャールヴィたちのところにも届いていた。
魔風によって大地が震え、南西の孤島から光の柱が立ち上る。
エルナの名を口にするアーサトゥアル兵に、エルナが何かの企みに利用されたことを悟るシャールヴィ。
だが、もう遅い。ハーレクはシャールヴィにその事実を突きつけた。
コルベインの公の死体に、無数のカラスがたかりはじめる。
群れ集い、ある人物の形を成してゆくカラスども。
この剣の使い方も知らぬ愚か者とコルベイン公を嘲笑い、エルナを冷ややかに一瞥するその姿は――
「ヴァーリ!!」
ヴァーリの姿が、また無数のカラスの群れへと変わり羽ばたく。
その剣を持って行かないで!! 懸命に追いすがるエルナ。
(恐ろしき魔剣なれど 魔獣さえも御するという
世界の命運を握る かの勇者より託された剣を……)
だが、エルナの叫びを嘲笑うかのように、カラスの群れは炎魔剣と共に夜空を飛び去っていった…
あらすじ精霊さん何時も乙。
とりあえず魔獣を倒しに行くフラグが今回の話で立ったのか?
勇者の幻にフレースヴェルグをとか言われてたのに
何も無かったら拍子抜けだし。
思ったよりもずっとスケールの大きい話なのかもね、この作品。
いよいよ物語の本筋が見えてきた感じだな
しかしヴァーリはレーヴァテインの「使い方」を知ってるのだろうか
魔獣を制御できるってやばいだろそれ
ヴァーリは魔獣操るつもりなのか?
闇の姫御子に拘ってるのも元から聖剣抜いて魔獣を復活させるため?
なんか「私が世界の王に」とかちっちぇーこと言ってた人と同一人物とは思えない(´・ω・`)
ラストのヴァーリ登場で鳥肌立った
黒幕がヴァーリだってことはわかりきってたけど、それでも衝撃が走った
演出と見せ方がうまいんだろうな
>『この扉をお開けになったのは この鎧を再び作り出したる者か または御神御自身と思われる』
「神」は封魔呪を無効化する?それとも封魔呪すら吹き飛ばすほどの魔法を持つ?
そして「この鎧」と言う事は、騎士はその鎧のおかげで封魔呪を無効化している?
ならば、エルナみたいに魔法を帯びていない人間ではない?
あの鎧さえあれば、誰でも聖剣に触れられるって事か?
そしてあの鎧は現在では失われた…?
盾もあるし、色んなアイテム出てきたな。今回。
>『この扉をお開けになったのは この鎧を再び作り出したる者か または御神御自身と思われる』
これって神様は魔法を持っていなかったってこと?
だとしたらエルサガはなんか不思議な世界観だね。
封魔呪を生み出したのが神なんだったらそれを無効化することもできるってことなんじゃない?
個人的にはあの鎧が気になるな
聖剣には魔法帯びてる人間は近付くことすらできないそうだが
シャールヴィがあの鎧切れば聖剣持ったエルナと肩並べて戦えるな
勇者様の言葉を見る限りだと鎧は人間の手で作られたってことか?
封魔呪を無効化できる技術なんて人間が編み出せるもんなんだろうか
それとも勇者の時代には神様がもっと頻繁に人間とコンタクトとってたのか
なんか色々と謎が深まった気がする
>>454 おそらく人類最強の3人(ヴァーリが人間じゃなければ2人)に入る筈の
シャールヴィが聖剣を使えたら、ちょっとは強くなったとしてもエルナの
ごとき小娘が戦場にしゃしゃり出てくる意味はないんじゃあ?
エルナがシャールヴィ一人におっかぶせて大人しくしてるはずがないじゃん。
役立たずでも着いてきて何だかんだとシャールヴィのピンチを救う展開だよ。
俺は鎧もバーリはんに奪われるとオモ
そうすりゃ闇の姫御子なんて使わなくても聖剣抜いて魔獣復活できる
しかも炎魔剣で魔獣操れてウマー
ちゅーか「この鎧を 再 び 作 り 出 し た る 者か」って言ってるんだから
勇者様がアレを録画した時点では、あの鎧は破損してるのでは?
魔獣との死闘の末に封魔呪無効の効果が消えてしまっているのかもよ?
だから現在ではもう失われてしまったのかもしれない。
もしかしたら、鎧そのものを発掘してから
もう一回封魔呪無効の効果を付与するクエストがあるのかもな。
連載開始時点から載ってる紋章めいた図案はどうやら
魔獣と聖剣+統魔雷剣+炎魔剣と、今回出てきた盾の組み合わせ。
ここからクライマックスの構図を予想すると、
魔境:シャールヴィ+聖剣とあの盾を装備したエルナvs魔獣
アーサトゥアル:炎魔剣装備のヴァーリvs統魔雷剣装備のエイリーク
って感じだろうか。
魔獣を倒すと言う具体的な目標が出てきたので、ラストへの道筋が見えてきた。
録画ってw
流血しながら録画したと考えると、なかなか素敵だなw
あの紋章がラストバトルを暗示していると読むならば
魔獣を3本の剣と盾で押さえ込んでいるようだ。
先の勇者が魔獣を倒しきれなかったのは剣を揃えられなかったからでは?
あるいは、3本の剣で同時に攻撃する=3人の戦士が必要?
ひとりで対峙した(仲間は皆死んでしまったのかもしれんが)彼では
聖剣を突き刺して封印するのが精一杯だった?
だとするとやっぱり
エルナ(グランテイン+盾)
シャールヴィ(レーヴァテイン)
エイリーク(トゥアラテイン)
このパーティで最終決戦が妥当かな
レーヴァテインはヴァーリから奪わなくちゃならんけど
シャールヴィ+レーヴァテインは、なかなか凶悪だな
三大国の中でグードランドだけ取り残されてるな
エイリークやシャールヴィに匹敵する王子の登場を希望
エルナに惚れてラブコメ展開に拍車かけるとなおよし
>>463 ヴァーリはレーヴァテインで魔獣を操ろうとするも、やはり魔獣は人の手に余る存在だった。
「思い通りにならぬ力は脅威であるだけだ。ならば我が手で屠らん」
と自らレーヴァテインで魔獣に挑むも、敗北。
暴れる魔獣を止めるために聖剣と盾を持ち魔境へ向かったエルナとシャールヴィ。
そこにいたのは瀕死のヴァーリだった。
「まことに不本意だが、貴君にこの剣を渡そう。
頼める義理などないとわかってはいる。だが、魔獣を倒せ。
…ぐふっ!」
かくしてレーヴァテインはシャールヴィの手に渡る。
そんな筋書きが脳内に浮かんだよ。
バーリはんは自分が死ぬ時は世界が滅ぶ時ぐらいの勢いな人だと思うが
色々盛り上がってるが聖剣抜いたら世界が魔風に晒されて滅ぶんだろ。
だったら魔獣を倒すためとはいえ抜けないじゃん。
封魔呪が解明されればなぁ。適当な構造物に施して、そこに避難しときゃいい。
いや、それこそ聖剣の作り方が分かればいいのか。新しい聖剣で戦えば、
古いのは抜かなくてもいい。鎧が作り出せる(少なくともそれが不可能ではない)
なら、剣だってそうかも。
別に聖剣じゃなくても魔獣倒すことはできんじゃねーの?
聖剣はそのままで聖短剣と炎魔剣と統雷魔剣だけで頑張ってみるとか
まあ物語的には盛り上がんねーけど
>>470 聖剣ファルシオンを入手できなくても他の3つの最強の武器でどうにかラスボス倒せるFEみたいな展開だなw
魔風にやられるまでもなく、世界がヴァーリの陰謀で滅亡同然になってしまえば、
聖剣を後生大事に山の上なんかに置いておく理由はなくなる。
深い防空壕でも掘って篭ってりゃ、短時間ならなんとかなるんじゃね?
魔法もあるしな。
いやバーリはんはアーサトゥアルの王になりたいそうだから。
実質アーサトゥアルを乗っ取り、アンサズは滅ぼして併合した。
欲目出してグードランドにも戦争を仕掛けて
世界の完全制覇を目指すかもしれないが、
支配したいなら「支配されるべき民」は必要だろう。
なら世界を滅亡させようとか、そんな事までやるはずはない。
彼が求める軍事力は世界を支配するためのものであり、滅亡させるためではないはず。
んだけど…レーヴァテインを手に入れた意味がよくわからん。
既にベルセルクと言う圧倒的な戦力を保持しているのだから、
魔獣復活・傀儡化に意味があるとは…。
却って触れちゃならない力に触れてしまうんじゃないだろうか。
第41話 波濤
エルナを利用して魔剣を手に入れるというアーサトゥアルの思惑を知り、激昂するシャールヴィ。
「てめーら エルナがどんな想いでいるか知ってんのか!?」
この戦を憎み、この戦の引き金となった我が身を嘆き、
しかし祖国アーサトゥアルを愛するがゆえにその罪を一身に引き受けて、
アンサズの地にひれ伏した姫を、同じアーサトゥアル人のくせにまだ利用すると。
だが、ハーレクは動じない。
「貴君はちゃんと御存知のはずだ この世がどんな力で動いているのか」
ハーレクの言葉に呼応するかのように、背後の山に翻る軍旗と鬨の声。
アーサトゥアル軍。
干潮を狙い、眠りにおちたウルの砦を攻め一気に陥すつもりなのだ。
さあ、百軍を前にしてもひるまぬと謳われたシャールヴィ王子、全力を見せよ。
シャールヴィを挑発するハーレク。
さもなくば、どこへ逃げてもアンサズは皆殺しだ。
その効果は覿面だった。怒りの形相で魔法を使おうとするシャールヴィ。
ここであおって単身のシャールヴィを大軍で潰す。それが、ハーレクの狙いだったのだ。
しかも、ハーレクには世界の傭兵随一と呼ばれるゆえんの秘技がある。
呪文を唱え、剣に魔法の力を宿し、斬撃と魔法の合わさった強烈な一撃を放つハーレク。
魔法剣。禁呪の邪剣と呼ばれる技だ。
泥の中に膝をつきながらも、圏(クレトゥス)と持ち前の怪力でその一撃を防ぐシャールヴィ。
その様を、泥まみれのアンサズ王と侮蔑するハーレク。
おまえのみじめな愚民どもと一緒に、泥にまみれて死ぬがよい。
到着した軍勢とともに、ハーレクはシャールヴィに襲いかかる。
そのまま突撃、砦の人々を皆殺しにするよう命令を下しながら。
怒りに駆られ、炎箭(エルドクヴァスト)を放とうとするシャールヴィ。
だがその時、エルナに腕を引かれ、押し止められたかのような錯覚にシャールヴィは囚われる。
そう、シャールヴィの頭に血がのぼっている時は、いつもそうしてエルナが止めてくれたのだ。
途端に冷静になり、周囲の状況を把握するシャールヴィ。
泥まみれの王。どうしてここが泥なんだ?
それに、ずいぶん潮が引きすぎている…
ハーレクが繰り出す必殺の一撃を躱し、逆にハーレクの胸元に剣をぶち当てるシャールヴィ。
鎧の上からの一撃ではあったが、シャールヴィの剛力はハーレクの骨を砕いていた。
しかし、止めを刺そうとはしない。
エルナはすぐに言うのさ。「戦うな」って。
今回も無駄に殺し合わずとも、海神エーギルがしばらくは我らを分かつ。
口笛で馬を呼ぶと、シャールヴィは途中で魔法を変更し、炎箭(エルドクヴァスト)の光球を、
炎流星光(エルドシェーンスコート)の信号弾に変えてウルの砦へ向かわせる。
馬に跨がり砦へ引き返しながら、高台に逃げるようアーサトゥアル軍に忠告するシャールヴィ。
だが、この干潮の好機を見逃すはずもない。
シャールヴィの言葉を無視して突撃を開始するアーサトゥアル軍。
普段陸に暮らす彼らは知らなかった。
さっき起きた地震。それが、海で何を引き起こすのか。
砦の向こう側から押し寄せてくる大量の水。
津波。
荒れ狂う海流は一瞬にしてウルの砦の周囲を埋め尽くし、アーサトゥアル軍を呑み込んだ。
夜が明け、波が治まった頃を見計らって転移魔法(ユエヴァーフォエリン)で
ウルの砦に乗り込んだハーレクたちを待っていたのは、無人となった砦だった。
ここより先はサンドヴィークの海。
サンドヴィークは何百もの島からなる島国。大して水軍を持たぬアーサトゥアルに追撃は不可能だった。
ヴァーリの怒りを恐れる騎士たちに、じゃあさっさと逃げるんだな、と言い捨てるハーレク。
「だが… 俺はこのままでは終わらせん……」
海の彼方を見つめ、ハーレクは仇敵と思い定めた男の名を呼ぶ。
シャールヴィ――――
ハーレクの瞳には、獲物を狙う執念の炎が燃え盛っていた。
一方、シャールヴィ率いるアンサズの人々は、船で海を進んでいた。
コルベイン公は重臣として丁重な船葬にはしたが、
シャールヴィが気にかけていたのは、ショックを受けているだろうエルナのことだった。
慰めに向かおうとしたその行く道に、コルベイン公の娘が泣いてうずくまっていることに気づくシャールヴィ。
一人ぼっちになってしまったことを嘆き、シャールヴィの胸に縋りついて泣き喚く女性。
その光景から、エルナはつらそうに目を背ける。
世界に唯一、神の加護なき闇の姫御子。
魔法を帯びぬというその特殊性、そしてそれが世界の存亡を握る性質ゆえに、
いろんな力を呼び寄せてしまう。悪しき野望でさえ。
エルナの想いに関わりなく………
エルナはようやく悟った。
彼が…自分と同じく絶対封魔剣を握る力を持った勇者が、
たった一人で思いを遂げに――魔獣フレースヴェルグとの戦いに行ったわけを。
アンサズの人々に指示を出すシャールヴィの背中を見つめる。
(シャールヴィ…… 今までずっと一緒に旅をして来たけど
アンサズに合流してからはほとんどしゃべってないね 忙しそうで………)
シャールヴィにはシャールヴィの守るべき人たちがいる。
滅亡した王家の者として、守らなければならない民たちが。
そして、あの人もいるし……
シャールヴィの傍らに立ち、慰められているあの女性。
知らず、涙がこぼれる。
変なの、と自分の気持ちを自覚しないままその涙を拭うエルナ。
船の舳先に立ち、広がる海を見つめながら、エルナは一つの決心を固める。
次にこの船が陸に着いたら……
(ここを出よう…)
エルナ切ないよエルナ(つД`)
いつの間にかすっかり立場逆転しちゃってるねえ・・・
ええええええええええええええええええええええ
エルナとシャールヴィ、単独行動か?
あああシャールピーが煮え切らないからああああ〜
つーのは置いといて、なんだかんだで機転の利くシャールヴィーカッコヨス
もうちょっと経って落ち着いてくれば王様も十分務まるよな
魔法を途中で変更ってのはかなりの反則技みたいだな
単に魔力がでかいだけじゃなくて応用力もあると
なんだかんだ言ってシャールヴィはやっぱり最強キャラだなあ
恋愛でもいつの間にかエルナより強くなってるみたいだしね(´・ω・`)
>>479 いや、十分煮えきってるでしょ。
結婚の申込みととられても逃げられないようなことを、第3者もいる所で
堂々と言ってるし。それも2回もだ。1回目はあまり堂々とはしてなかったかw
エルナが並外れた天然なのと、「闇の姫御子」ってー言葉の呪縛で
自分にそういった好意が向けられることをまるで想定していない、そればかりか
拒絶している部分があるという特殊事情が災いしているだけで。
剣に魔法を施すのは禁呪なのか?
聖剣、統魔雷剣、炎魔剣以降は作られないことになってんのかな。
あまりにも脅威だったので禁じられたとか。
このスレ的にはシャールヴィ童貞説だけど、
この義姉さんとはデキてたんじゃないのか?
あの、頼り切っても受け入れられると確信してるとことか、
「あの子簡単だもの」って、夜ばいに行くところとか…
エンチャントウェポンが禁呪って面白い世界観だな。
誰でも魔法が使える世界なのに。
誰でも魔法を使えるからこそ禁呪になったのかもね
>エンチャントウェポン
武人なら魔法に頼らずおのれの力だけで敵を倒せ!てな感じの
武士の見栄っ張りみたいなものがあったとか。
たとえ魔法が弱くても、魔力の強い武器を持てば勝ちになるっていうなら
最終的には兵士の弱体化を招くわけだし。
魔力付き武器の増産と、それを有効に使うための訓練により、
個人の武力や魔法に依存するよりずっと強力な軍勢が出来上がる
ような気がするが…
ハーレクは魔法剣使うのにいちいち呪文唱えてるみたいだから
聖剣みたいな永続的な魔法の剣を作り出す技術はもう失われてるんじゃないの?
魔法剣が禁呪なのは強力すぎるからじゃないかな
シャールヴィのクレトゥス突き破ってダメージ与えてんだから、
名無し魔導士様のイルドラークや火竜のブレスなんかよりもずっと強力ってことだろ
その割にそんなに魔法使ってる感じでもないし
少なくとも魔精霊法よりはよっぽど真っ当な感じだよな
正直今さら何言ってんのシャールヴィって思った
世界の存続に直に関わる点では魔精霊法よりヤバい扱いなんじゃないかな?
ハーレクのは三剣のより強力じゃ無さげだが。
世界の存続ってもあの三本が特に強力なだけじゃないの?
魔法剣であれば絶対そんな影響力を持つってことじゃないだろうし、
魔法剣自体が禁呪とまでされる理由としては弱いんじゃないかと思うが
てことでタイトルロゴに出てるっぽい三本の魔法剣の能力まとめてみた
聖剣→魔風や魔法を完全に打ち消す
炎魔剣→魔風を自在に呼び込める、魔獣を制御できる
統雷魔剣→凄い魔力があるらしい、持ち主に危険が迫ると鳴る
…なんか統雷魔剣だけショボい希ガス
魔獣と関係なさそうな能力だしな
こいつだけ別にエルサガじゃなくてもよさそうだし
そういや、魔獣って魔法とか効くのか?
効かないとマジで役立たずなんじゃ・・・
鳴ると魔獣がびびるんじゃね?
魔獣との決戦でエルナ達が必死で戦ってる中後ろで剣鳴らしてるだけのエイリーク…
統魔雷剣だけ魔獣と関わりないみたいな能力だもんなあ。
アーサトゥアル王の証で、アーサトゥアルは勇者の末裔って話だから、
聖剣と炎魔剣を封印した後、勇者のために作られた剣なのかね。
他の2本をもう使えないから、代替品とか。
勇者の戦いも魔獣を倒してそれで終わりじゃなかったのかもしれない。
そして「何か」があって、エンチャントウェポンが禁呪になったとか。
いずれにしてもエイリークはいらない子なのか・・・
どうみてもヴァーリのかませで死ぬ運命だろ>エイリーク。
499 :
1/4:2006/08/07(月) 21:48:05 ID:???
第42話 それぞれの決意
サンドヴィーク王国、リーテン島。
エルナはそこの城で、オーレイヴの案内によって書庫で魔獣や魔境の情報を集めていた。
世界地図一枚を手に書庫から出たエルナは、外で待っていたオーレイヴに礼を述べる。
自分を見るアンサズの人々の視線に込められた敵意と隔意に、悲しげに眉をひそめるエルナ。
人は、なぜ人を疑ったり憎んだりするのでしょうか。恐れるからでしょうか。
自分や自分のものだと思っていた土地や物や、心を寄せる人を奪われたり奪われることを恐れた時…
「この世界は全て神の魔法で編まれたもの
この世界の何一つ誰一人 誰のものでもないというのに」
エルナの言葉には、エルナ自身のことも含まれていた。
シャールヴィの傍らに寄り添うコルベイン公の娘の姿。
自らの醜い想いを、エルナは吐露する。
心の中で、溶けた黒い鉛が渦を巻くような想いがすることがあるのです。
戦場で殺してやりたいと思ったこともあります。
昔はこんなふうには感じなかった。争いなどなぜおこるのかと思っていました。でも。
自らを責めるエルナを諭すように、人には誰でも憎しみのようなものはあると言うオーレイヴ。
だが、それならば所詮、この世に戦は尽きぬことになる。
いずれ人が すべての憎しみから解き放たれることがあるのでしょうか…
エルナの言葉にオーレイヴは答える術を持たない。
だが、エルナの心はすでに定まっていた。
「世界は滅びに急ぎ 人には成長する時間がない
私は… 神に猶予をいただきに行こうと思います」
今再び狂戦士が暴威を振るえば、確実に聖剣の結界は破れ世界は滅びる。
今こそ魔境に分け入り、魔獣を倒すにいたらずとも、わずかでも封じることができれば。
エルナの言葉に驚きを露わにするオーレイヴ。
聖剣の守りの外は、魔風が吹き荒れる死の世界。
確かにそれでもし魔獣を倒すことができれば世界は救われるが、そんなことを考えた者はいなかった。
エイリーク超ガンガレ
魔法剣が禁呪なのはそれなりに昔の人の矜持とかあってのことなのかなあ
いくら強力な兵士であってもベルセルクは禁じられた存在だもんね。
あるいはちょこまかと魔法かけて使うより大きな魔法使うほうが有効だから
自然せこい手段>禁忌になったとか
501 :
2/4:2006/08/07(月) 21:55:51 ID:???
魔境への手立てとして、エルナには、昨夜手に入れた聖盾(グランシェールド)がある。
もしうまくいけば、領土をめぐる戦はなくなる――再びまたその地に人が満ちるまでは。
「それくらいしか… 私を受け入れてくれた アンサズの人たちへの御恩返しもできなくて…」
あまりにも気高いエルナの決意に、ひざまずいて涙するオーレイヴ。
我が主はシャールヴィ殿下なれど、しばしこのまま…
程なく、エルナはリーテン島から離れていた。
馬一頭だけを道連れに、独りぼっちの旅が始まろうとしている。
シャールヴィに知らせようと忠言するオーレイヴに、気づくまで内緒にね、とエルナは人差し指を立てる。
お妃様にも失礼しちゃうけど、きっと止めて下さるだろうから。
シャールヴィもね。あの人…いい人だから…。
遠くを見つめて物思うエルナだったが、エルナを乗せた馬は主の感傷を無視して勝手に走り出してしまう。
コントのような旅立ちを、汗を流して見送るオーレイヴ。
自分の体を透けて通る風に驚くエルナ。
今までは背中にシャールヴィの大きな体があったから、こんな風に感じることはなかった。
逃げ出したいと思ってた城も、シャールヴィのおかげで出ることができた。
エルナの旅は、シャールヴィとともに始まり、ずっとシャールヴィと共に在ったのだ。
でも、今は…
(こんなに風を感じて 不安で 孤独で 自由で―――
これからが本当の旅なんだ…)
「尊き方… 人として負うべきところを超えておられる…」
目頭を押さえしばらく立ち尽くしていたオーレイヴの目には、一つの決心が宿っていた。
一方、シャールヴィはサンドヴィークの王宮に赴く準備のため、書類仕事に忙殺されていた。
それを邪魔してしなだれかかってくるコルベイン公の娘を義姉と呼び、
シャールヴィは穏やかに、だが断固とした姿勢で拒絶する。
俺にはもう、心を決めた女(ひと)がいる。それが、シャールヴィの答えだった。
502 :
3/4:2006/08/07(月) 21:57:37 ID:???
相手がエルナであることを一発で見抜く女性の言葉に、素直に頷くシャールヴィ。
そんなシャールヴィを正気に返そうとするかのように、
王族のくせに魔法のない子供を作るつもりかと、女性は激しく叱咤する。
その言葉でかなり露骨なことを考えちゃったらしく、顔を真っ赤にするシャールヴィ。
だが、それでも断固とした表情で、シャールヴィは女性に語る。
俺が世界の方を変える、と。
平和になれば、民を守るための王の魔法も要らなくなるだろう。
シャールヴィの意思を翻すことができないと悟り、力が抜けたように座り込む女性。
死んだ母親の里に行くことを告げ、女性は扉に手をかける。少しだけ涙ぐみながら。
女性が扉を開いたそこには、オーレイヴが立っていた。
エルナが単身、自らの意思で旅立ったことを告げるオーレイヴ。
それってフラれちゃったってことじゃないの?
ズバリと言い難いことを言う女性の言葉に、胸を押さえてシャールヴィは座り込んでしまうのだった。
エルナが一人で旅をしているという情報は、使い魔によって早くもヴァーリの元に届いていた。
今一度機会を得るべく一人戻ったハーレクを、別館にいざなうヴァーリ。
そこでは、炎魔剣の持つ無限に近い魔力を使って、新たなる狂戦士の調整が行われていた。
途中で制御不能になったり、崩壊して死ぬことのない完璧な狂戦士。
この新型をハーレクに与え、目的を遂げるよう命令を下すヴァーリ。
だが、ゲイルはこの新たなる狂戦士に恐れを抱いていた。
ヴァーリの目的はこの世界の王となることだったはず。
だが、前にも増して恐ろしいこのようなものを放てば、治めるべき世界は滅びてしまう。
ゲイルの言葉を、そうだな、と微笑すら湛えてあっさり肯定するヴァーリ。
ハーレクを下がらせ、ヴァーリはゲイルに語る。
私が、あの魔境の、肉を削ぎ骨を砕く魔風の中で、何を考えていたかわかるか?
(この世など 恐怖と憎しみに満ち 戦しあい 殺しあい
一番惨めなありさまで滅びてしまえばいい…と……)
その言葉に、ゲイルは全身を震わせ、恐怖の眼差しで主を見上げる。
(この人は… 死の荒野にでも君臨するつもりなのか…?)
503 :
4/4:2006/08/07(月) 21:59:54 ID:???
その頃、侍女としなったシグルーンは、ハーコン公に連れられエイリークの私室を訪れていた。
正装であるスカートに眉をひそめ、与えられた小さな魔方陣の隠された首飾りを投げ捨てるシグルーン。
この娘はお好きになさるように、とヴァーリからの伝言をエイリークに耳打ちし、
シグルーンとエイリークを二人きりにして、ハーコン公は見張りと共に席をはずす。
あまりにも易々と二人きりになれたことに、逆に驚くシグルーン。
どうやら別の思惑があるようだぞ。
そう言って笑うエイリークの、傍らに転がる酒盃に眉を吊り上げるシグルーン。
戴冠式の段取りやら試着やらで少し疲れた。
力なく呟き、エイリークはだらしなく肩に引っかけただけのマントを示す。
見てみろ、このマントを。民が疲弊しているというのに金糸をいっぱい使って……
こんなもの、要らぬと言ったのに!!
激昂してマントを振り払うエイリークに、虚を突かれたようにシグルーンは目を丸くする。
私の顔を覚えてる?と尋ねる彼女を、エイリークは忘れていなかった。自分を殺しに来た娘だ。
お姉ちゃんの仇。懐から短剣を取り出すシグルーン。
だが、エイリークは全く動じる気配を見せない。悪王を滅ぼしに来たんだな。いい心意気じゃないか。
「だが今 私の首を落としても この国は何も変わらんぞ」
襟をくつろげ、自らの首を差し出しながら、うなだれるエイリーク。
私は生きてても死んでても同じなのだ。ずっと前から、全てはある男の手の内にあった。
そいつのことが憎いかと尋ねるシグルーンを、エイリークは何も言わずに見つめる。
渋々といった表情で短剣をしまうシグルーン。
今日はやめました。こんな酔っ払い。それに、ちゃんと戦ってくれないなんて失礼です。
「だいたいあなた王様なんだから そんなヤツ ブッとばしてしまえばいーじゃないのっ」
額に青筋を立てて説教するや、シグルーンはそのまま憤然と退室しようとする。
そんな彼女に力なく声をかけるエイリーク。よければまた、明日来てくれ、と。
「明日来て また私を 叱ってくれないか」
驚いてエイリークを見るシグルーンからは、顔を背けた彼がどんな表情をしているのかはわからなかった…
しかし、この兄嫁未亡人の涙は何か疑わしいな。
親父が国を売ったことも承知で平然としてるし。
夫が戦死したら、すぐさま過去に経緯もあった弟に媚を売るし。
空振りに終わった夜這いに次ぐ作戦第二弾か?と。
その割には狙っているのが再興も怪しい王家の生き残りってんだから
微妙な部分もあるが…
父を失った悲しみ自体にはウソはないだろ
純粋にそれだけで他の魂胆なにもないかっつーと微妙だけど
そうかな。要するにすごくざっくりとした人なんだと思った。
ちょっと一線を越えてると思う
508 :
506:2006/08/07(月) 23:29:07 ID:???
すまん506は
>>504です。
マターリしてるから油断した。
この人は、でも、エルナに当てこすりするってんじゃないからな。
ハナからそういう存在と思ってなさそうだし。
素で、シャールビィが、また自分になびくと思ってそう。
自分はコルベイン公の娘今回の話で好きになったな。
ホントさばさばしてるというかたくましいというか。
ここまでいくとかえって潔い。
シャールヴィにフラれた後ちょっとだけ泣いてるのがポイント高いな
まあ王位のためとは言っても好きでも何でもなければコナかける気にもならんってことか
基本的に根っからの悪人はいない世界なのね
そんなことよりヴァーリ様どうしちゃったの
もうちょっと俗物かと思ってたがえらく破滅的なお人になっちゃったな
それは王になるとは言いませんよヴァーリ様
それに対してエイリーク立ち直りフラグも見逃せない
つーか今月は見所沢山ありすぎてどっから語っていいかわかんねえええ
エルナが馬に乗って旅立つシーンが、とても綺麗な感じがして好きだな。
俺はラストのシグルーンに癒された
ずーっと鬱続きだったエイリークサイドに風穴が開いた感じ
まさかシグルーンをこういう風に使うとは思わなかったな
酔いくずれエイリーク萌え
オーレイヴカコイイ。
この人ならラストバトル(対ヴァーリか対魔獣かわからないけど)に参戦してくれそうだ。
シャールヴィのためだけでなく、エルナのために兵を集めてくれそうだ。
1話時点ではこうなるとは思わなかった。
俺はちょっとオーレイヴに引いた。
こういう感動の仕方って、「闇の姫御子」って烙印を押し、
一人の人間、一人の少女としてのエルナに目を向けないことと
実は大した違いはないんじゃない?
本当の意味でエルナを理解した訳じゃないし、現実問題として
エルナの望みの前にある障害について何も考えてない。
こういう両極端の狭間にしかいられないってのは不幸だな。
エルナの聖女的な側面しか見えてないってことかな
でもエルナのああいう部分見ると圧倒されて崇拝入っちゃうのは無理ないかもって気がする
あそこまでエルナに感化されてもまだちゃんと一人の少女としてエルナに恋愛感情持てる
シャールヴィみたいなのの方が珍しいんでないかな
エイリーク様マゾ疑惑浮上
以前ベルセルク+ヴェスタルの息子=現ヴァーリ説をぶち上げた者だが、今回の破滅的発言に自説をフォローしてもらった気分。
つまりベルセルクヴァーリは「世界を滅ぼす」のが野望で、ヴェスタルの息子は「世界を支配する」のが野望。
合体してしまった以上意識も統合されてしまっていて普段は二重人格とかそんな風ではないのだけど、彼らを動かす根幹である「復讐心」の落差はこんな風にたまに顕在する…って感じで。
>>513 あそこの絵はぜひカラーで見てみたかったシーンの一つ。
あと、馬で走るエルナと並ぶように数羽の鳥が飛んでるけど、
その中に混じってるカラスが実はヴァーリの使い魔だったっていう所は
映像で見てみたいなと思った。
この作家、映画のように魅せる場面を描くのがうまいなあ。
アンサズの王城に迫るアーサトゥアル軍&ベルセルクの群れをシャールヴィが見下ろした所とか、
頭の中で勝手にBGMがなり出して止まらんかったよ。
しかしエイリークサイド、一見救いが来たように見えるけど
展開次第ではヴァーリの思惑通り新しい闇の姫御子が生まれる可能性もあるんだよな…
明日にも世界を滅ぼす戦を起こそうって奴が、まだ仕込んでもいない子供を
計画に組み入れているってのもおかしな話だが。
結局どうしたいんだって感じはするよな
ベルセルクだけで世界滅ぼせるんだったら
そうまで闇の姫御子にこだわる理由がわからん
世界云々じゃなくて聖剣自体を手に入れたいんじゃないか?
聖剣には、勇者が使った魔獣と戦える武器という以上の、まだ
何か隠された意味が?
万物が魔法で編まれているってのが比喩表現でないとすれば、
やはり聖剣はおそろしく特異なものだしなぁ。
三剣の他二剣、炎魔剣、統魔雷剣、いずれも魔法を生み出す、
存在の延長線上のものなのに、聖剣だけはいわば反存在な訳で。
なのに魔ではなく聖。
う〜む。
「魔」法に反するから「聖」なんだろう
>>524 いまだにエルナに刺客を向ける理由もわからん。
エルナの何を恐れているのか?
ヴェスタルとハルカトラのようにエイリークとシグルーンをくっつけるように魔法を仕込んでたっぽいよな。
でもシグルーン、その魔法が掛かってるペンダント捨てちまったもんなあw
しかし、そんなところがエイリークにストライク?
あれを捨てちまったと言う事は、今後エイリークがシグルーンにどんな応対をするにせよ魔法の影響は全くないってことか。
あっさりとした描写の中で上手い事やってるよ。
今回の二人のやりとりにもウソはないってことだもんな
もしも魔法で愛情植え付けられてたらあんな風に叱ってもらえなかっただろうし
「男の子みたいな格好を好む」「男に媚を売るのが嫌い」という、
初登場時にさらっと示されただけのシグルーンのキャラクターが、
今回の展開で最大限に活かされてる感じ
まさかエルナとシャールヴィが別れるとは思わなかった。
何処までもふたりで一緒だと思ってた。
しかもお互い何か勘違いしてるしなーw
居残りせざるを得なかったシャールヴィはどうするんだろう?
暫く今みたいに内政に専念して、こっち方面のスキルを伸ばしにかかるのか?
それはあんまり絵にならんのでwそうなると暫く登場しなくなるのだろうか。
もうひとりの主人公だと思ってた彼が数ヶ月登場しなくなるかもしれないとは…意外すぎる。
このまま影薄くなったりしたら厭かもww
エルナが魔獣討伐、シャールヴィが戦争って感じで同時進行になるんじゃないかね
ついでにエイリークが政争でファンタジーものの王道を全部網羅できる
スターゲイザーみたいにあまりひっぱらないんじゃない。
え?もう終わりという感じで。エイリークはシグルーンと
いい感じになってきたあたりでヴァーリにまとめてばっさりとか
平気でやりそうだ。
第43話 勇者の道
サンドヴィークで得た情報と地図を頼りに、エルナは一人で旅を続けていた。
かつて勇者がたどったという古道があり、その道を駆ければ七日半で魔境に抜けるという。
そして、魔獣の地までさらに七日。
アーサトゥアルがグードランドを攻めるまでに、魔境へ分け入って魔獣を倒さなければならない。
山肌に穿たれた洞窟の中、地下水流を渡る途中、
暗闇やコウモリにおびえて盛大にすっ転び、ずぶ濡れになるエルナ。
あーん、もう、やー、と半泣き。これで魔獣倒すなんて絶対無理。
しかし、何とかかんとか洞窟を抜けて宿場町にたどり着いたエルナが見たのは、ただの廃墟だった。
町のところどころに刻まれた狂戦士の足跡、そして自壊した骨。
アーサトゥアル軍の侵攻が、アンサズ領ではないこんな小国に及んでいるのだ。
廃墟を徘徊する狼から馬を駆って全力で逃げ、闇夜の中を進むうち、人家にたどり着く。
ほっとしたのも束の間、エルナを出迎えたのは明らかに人相の悪いならず者風の男だった。
でも本当はいい人かも、と自分に言い聞かせて一晩の宿を請うエルナ。
招き入れられて安堵の息をついたエルナは、男の片腕がないことに気づく。
それだけではない。その家の中にいる男たち、誰もが重傷を負っていた。
男たちは、アーサトゥアルの起こした戦で傷ついた兵士たちだったのだ。
胸を痛めるエルナだったが、男たちはエルナの心情など知らず、
下卑た笑いを浮かべながらエルナを陵辱しようとその体を押さえつけにかかる。
承知の上だろ。こんな夜中に女一人で来て、泊めてやるんだしさ。
ソウ…ソンナコトガ常識ダッタカモシレナイ………
男の言葉を肯定する、頭の中で響く声を払いのけるように、男たちに必死で抗うエルナ。
剣を抜くと脅しても、一度昂ぶった男の獣欲が止まるものではない。
助けて、シャールヴィ。
傍らにいないその人の名を呼びながら、聖短剣を抜いたエルナは、
男の体から吹く魔法の風に聖短剣を引き寄せられるまま、男に深手を負わせてしまう。
泣きながら家から飛び出し、馬を駆って逃げ出すエルナ。
どうして……
(どうして あのひどい戦の中で傷ついた人たちが こんなひどいことをするんだろう
どうして こんなところで また傷つけあうんだろう)
怖かった。でも、彼を殺してしまったかもしれない。
どうすべきだったんだろう…
思い悩みながら馬を走らせるうち、いつの間にかエルナは深い霧の中に迷い込んでいた。
道が、見えなくなっちゃったね。
馬にそう語りかけたとき、彼女の傍らに、馬にまたがった勇者が現れる。
「エルナ… すべてのものに答えがあるわけではない」
優しく笑みを浮かべながら、語りかけてくる勇者。
「あるのは 越える道だけだ」
馬を走らせ去っていく勇者の後を、必死になってエルナは追う。
やがて霧を抜けたエルナの前に、朝の光に照らされた次の町が現れる。
光に包まれながら、エルナは何も言わず、正面に広がるその町を見つめていた。
一方、サンドヴィークのリーテン島。
一人でバルコニーから外を眺めていたシャールヴィに声をかけたのは、アンサズ王妃だった。
エルナ姫はあなたのかけがえのない方ではないのですか、と変わらぬ鉄面皮で問いかける王妃。
振り向くこともできず、向こうは俺なんかのことは、といじけた言葉を吐くシャールヴィ。
ちゃんと気持ちも伝えたはず。それでも、一人で出て行ってしまったのだ。
だが、彼の母親は容赦ない。
それでは、自分の妃にならないのならエルナ姫はどうなってもいいの?
生涯の友となるべき人を、見捨てるつもり?
だが、シャールヴィはそれでも動くことができない。
最後にただ一人残った王族としての自覚。国を失った民たちへの責任感。
がんじがらめになって動けずにいるシャールヴィに、
やたらと男前な表情で、ここにいるアンサズの難民ぐらい私が守ります、と断言する王妃様。
毎日あなたのうっとーしい表情見るのは、ホントにもううんざりなのよ。
「エルナが心配でしょうがないんでしょう
行っちまいなさい!!」
かくして、エルナを追いかけるために竜が喚ばれることになった。
わざわざ竜まで喚ばなくても、と呆れるシャールヴィに、
私はてっとり早いのが好きなんです、と無表情に答える王妃様。
召喚された竜は、黒い鱗を持ち、首筋に円列状の斑点を持った荒々しい竜だった。
竜は空馬(グリフォン)のように一昼夜飛び続けることはできないし、
三日で魔境に帰すしきたりだが、スピードと敵に会った時のことを考えればこの方が良い。
エルナ姫のおっしゃることがアンサズのためにもなると思うからこそ、あなたを出すのです。
「生きて帰りなさい」
厳しい表情で、しかし母としての言葉で王妃様は息子を送り出す。
見送るオーレイヴに、また迷惑をかける、とらしくもない言葉を口にするシャールヴィ。
オーレイヴは、そんなシャールヴィに笑い返す。
王子は王子です。いつもずっと先を駆けて行かれたではありませんか。
だが我らは、決してあなたを見失うことはない……
竜を飛び立たせ、ついにシャールヴィはエルナの後を追いはじめる。
待ってろよ、エルナ。全く、馬鹿なこと考えやがって。
たった一人で魔境の魔獣倒しに行くなんて。
理想主義者でお人よしでお間抜けで弱っちいくせに。
泣いてないか?
(今 俺がそばに行く―――)
その頃、エイリークの戴冠式を翌日に控えたアーサトゥアルでは、
その準備を見守りながらヴァーリが次なる手を打とうとしていた。
明日の即位式のあくる日、つまり二日後には次へ進もうか。
食魔草(レーラズ)に覆われた別館で調整中の、新型の狂戦士もうまくいっている。
そろそろ西の前線でも同じものが育つ。あと二日だ。
優しげにすら見える微笑を浮かべ、ヴァーリは次の一手を口にした。
「あと二日で… グードランドに宣戦を布告する」
あー、エルナこりゃつらいね
自分の責任感じて同情した相手が欲望むきだしでレイープだもんな
でもこのシーン読んだ後に「もうやー」の表情見たらなんかハァハァ してきましたよ?(;´Д`)
おおおおお王妃様〜〜〜〜〜〜(*´Д`)カコヨス
前半のエルナの状況は哀しかったけど。
でも後半は、勇者←エルナ←シャールヴィ←その他の味方って
道標が続いてるみたいに感じられて良かったなあ。
今回のシーン青年誌だったらやばかったな。
メジャー作品だったら、まず間違いなく同人ネタにされていた回
エルサガのそういうのは見たくないな・・・
うわあ。
この回は辛くて読み返せない。
傷痍兵が更に弱者を踏みにじるって話だろ。
しかもこの家に以前住んでた女性が逃げ出したって事は、その女性にも色々やったのだろう。
そしてエルナは、普段の天然ではなく、自分が何をされようとしたのかもきっちり判っているはずだ。
だから、人間に対して聖短剣を振るってしまった。
戦いをなくすとかそんな大義名分ではなく、単に自衛のために。
エルナの影武者編序盤以上にきっついなあ…。
>547
自分もその辺は読み返したくなくなるくらいしんどかったなあ。
でも後半の希望が持てる流れとアンサズ王妃の肝っ玉母ちゃんぶりで癒された。
シャールヴィ間違いなく母親似だw
むしろところどころで悩むシャールヴィより男らしいよーなw
王妃に「行っちまいなさい」と言われた時のシャールヴィとか
エルナが出て行ったと知った時のシャールヴィとか
ヘタレ顔がいいねえ、こいつほんとになさけねーなw
チューぐらいしとけよ!
うま〜くエルナを戴いたりしたら叩くくせに
キャラ違うだろ、とか
まあシャールヴィがケダモノだったらエルナはとっくに食われちゃってただろうし、
あいつはあれでいいんだよ
でもエルナの警戒心の薄さはシャールヴィのせいもちょっとあるかも
そうだな、男と二人で旅してて、全く安全だったんだもんなあ。
「男の格好」のつもりで生足晒しちゃうしな
一応ハルスホルトだかで怯えてたし、完全に
無自覚って訳でもないみたいだけど
>>551 仮に何かあってもシャールヴィーじゃうま〜く
戴いたように取れる状況にはならんだろうw
ところでドラゴンモエス召還の儀式もカコヨス
これでふたりとも一人旅って事か。すぐには合流できないだろうし。
それぞれにラヴァルタとかラタトスクとかが、再登場して仲間になってくるのかもしれんぞ。
ここで市長の奥さんですよ
せめて鍛冶屋のオヤジだろw
古より伝わる正しき騎士道に妄執を持った彼が、
冥王法を自在に操る無敵の戦士として復活!
一人旅のか弱き姫を守るよ。
ちょっと腐敗してるけd
つーか、度々エルナの前に現れる勇者様は本物の幽霊なのだろうか
まあ神も実在する世界だから幽霊がいても何の不思議もないけど
第44話 エイリーク
朝から出仕したシグルーンを出迎えたのは、酒の気配もなく一枚の書類に目を通すエイリークだった。
今日はマトモじゃない。そう判断したシグルーンは、臆することなくエイリークに告げる。
今日こそ、お命を頂きますからね。
あァ、とあっさり返事をするエイリークに、またしてもブチ切れるシグルーン。
「あァじゃないでしょ! 殺されてもいいっての? 命を大切にしなさいよ」
「殺しに来ておいて妙なことを言う…」
エイリークが見ていた書類は、戴冠式の翌日グードランドに攻め込むことを報告するものだった。
また、あの悲惨な戦場が広げられようとしているのだ。
エイリークはこんなことなど知らされていなかったし、そもそも会議に呼ばれてすらいない。
ヴァーリはもはやエイリークの存在を完全に無視し、国政を掌握、壟断していた。
そんなエイリークを見て、エイリークが本当に傀儡としてしか扱われていないことを悟るシグルーン。
失意に沈むエイリークは、殺すんじゃないのか、と自棄気味にシグルーンをそそのかす。
だが、真面目な顔で思いもよらぬことを答えるシグルーン。
「じゃあまた夜来ます 夜お仕えするように言われてるんで……」
「……その意味がわかってる?」
「へっ?」
意外とオトナなエイリークと、とんだ純粋培養のシグルーン。
コントのようなやりとりだったが、エイリークは初めて疑問を持つ。
なぜハーコンは、いや、ヴァーリはこの少女にこだわるのか。
昨日早く帰してしまったんだから、別の娘を連れてきてもいいはずだ。
ここへ来たいきさつを話してくれるよう、シグルーンに頼むエイリーク。
知り合いになったオバサンがたまたまお城の女官で、と答えるシグルーンに、
その前、とエイリークはそもそもこの城に来ることになったきっかけの説明を促す。
少し緊張が緩んでいたシグルーンの表情が、一瞬で強張った。
「その前は…… あんたのせいでお姉ちゃんが殺されて…」
最初から、そんな都合のいい話なんてあるわけないと思ってたんだ。
ソーダーフィヨルドのドヴェルグ族の小さな村にある日使者が現れて、
アーサトゥアルの次期王・エイリーク様がドヴェルグ族より花嫁を迎えるという。
娘たちは1か所に集められて、聖別の杯を――
シグルーンの脳裏に蘇る忌まわしい記憶。
そこにいた大勢が死んで、私一人が生き残った。
幸せを夢見てたはずのお姉ちゃんの体が、どんどん冷たくなって……
衝撃を受けて立ち上がるエイリーク。
聖別の花嫁。聞いたことがある。
エルナの母であるハルカトラもまた、そう呼ばれていたのだ。
エイリークは全てを悟った。
あの男が何か企むとしたら。全世界の制圧に万全を期すとしたら。
エルナがこの城を出て行った今、新たな闇の御子を生み出すために魔精霊が使われたとしたら。
エルナもまたつくられたものである可能性に、エイリークは思い至る。
だが、エルナが生まれた頃、ヴァーリはまだいない。
ならば、考えられるのはただ一人。
もし我が父王が同じように世界制覇の野望に憑かれ、彼の弟に聖別の花嫁を与えたとしたら。
宿命とは恐ろしきもの。その号は、この息子に巡りおりた。
何も知らぬ少女をまきこんで。
「やっぱり…… 許せない…」
シグルーンの瞳に再び燃え上がる強い憎悪。あふれ落ちる涙。
エイリークは覚えている。冷たくなった母親の亡骸に縋りつく、幼い従妹の姿を。
精霊に感染した者が、そう永く生き永らえるわけがない。
もって5、6年―――
この娘も。
「世界の天にも地にも 二人きりの姉妹だったのに」
すまなかった…私は…知らなかったのだ……
謝罪するエイリークの心臓に、憎悪を剥き出しにしてシグルーンが短剣を突き立てた。
苦悶のうめき声を上げるエイリーク。傷口から噴き出す血。
思わず悲鳴を上げたシグルーンの声を聞きつけ、見張りの兵が部屋に駆け込んでくる。
咄嗟にシグルーンを抱き寄せ、短剣と傷口をマントで覆い隠したエイリークは、
不敵な笑みを浮かべて衛兵たちをにらみつけた。
「無粋だぞ」
毒気を抜かれ、エイリークたちの足元に滴り落ちる血にも気づかず、戸を閉めて出て行く衛兵たち。
二人きりになった途端、エイリークはその場に崩れ落ちる。
血に濡れた短剣を手に震えるシグルーンに、首の付け根に輝く回生呪を指し示すエイリーク。
回生呪を持つ者はたとえ心臓を突いてもだめだ。首を落とさないと。
自分自身の殺し方を教えるエイリークに、シグルーンは泣きながら怒りをぶつける。
「そんなの…… そんなの私 許さないっ
こんなに真剣にあなたを憎んでるのに 何も知らなかったなんて
戦も何も あなたのせいじゃないなんて
わたしのために死んでもいいなんて」
傷口を押さえながら、茫然とシグルーンを見上げるエイリーク。
シグルーンは訴え続ける。
「そんなのでいいの?王様なのに
光の王は世界一強いんじゃないの?
悪いと思った奴は倒せばいい! 戦をやめたいと思うのならやめさせればいい
難しい? 難しいことをやってのけてよ
あんたなんか もっとキツイ道を行けばいいんだ」
窓から差し込める太陽の光を浴びながら、エイリークは何も言わず、ただ天井を見上げていた…
自由都市フォッシュダル。
エルナを追いかけ、シャールヴィはこの町にたどり着いていた。
そしてこの町には、酒場の給仕娘として雇われていた、ラヴァルタの姿もあった。
チンピラにイチャモンをつけられた店主に呼ばれ、
店の奥から駆け出ようとしたところで樽につまずいて皿を割る、
というドジっ娘ぶりを唐突に披露してキャラのテコ入れをアピールするラヴァルタ。
スカート姿に白い三角巾がとってもチャーミングだ。
若い娘に過ぎないラヴァルタの外見を見て舐めてかかるチンピラを、
赤子の手をひねるようにキック一発裏拳一発であしらい、剣を奪って突きつけるラヴァルタ。
「去りなさい」
その迫力に捨てゼリフを吐いて逃げ帰るチンピラだったが、そこにシャールヴィが通りかかり、
軽く脅しを入れられただけでもう来ません発言をして消えてしまう。
その酒場の扉をくぐるシャールヴィ。
思わぬ鉢合わせに、ラヴァルタは思わず身を隠す。
エルナが一緒じゃないことを訝るラヴァルタ。
シャールヴィが去った後、酒場の主人が人捜しだということを教えてくれる。
アーサトゥアルの民族衣装を着た16歳ぐらいの女の子。紛れもなくエルナのことだ。
しかも、2、3日前にも、顔半分青いマスクをした連中が同じ事を聞いてきたという。
グードランドの特殊部隊ヘルモーズ。
しばらく人に紛れて暮らしてきたラヴァルタは、世界がまた動きはじめていることを知る。
そしてシャールヴィは、エルナが見つからないことに焦りを禁じられないでいた。
もうすぐにでも戦が始まってしまう。
魔境になんか行ってる時間はないのだ。
早いとこグードランドに行ってアーサトゥアル包囲網を固めないと。
(さもないと… 次の戦を止める手立ては何もない)
小さい頃から、誰も本当のことを言わなかった。
賛同しているかのような否認。崇敬しているかのような侮蔑。
だが。何も隠すことなくまっすぐに感情をぶつけてくる、あの少女。
(初めて人間の言葉を聞いたな)
いや、初めてじゃない。
エルナだけは、最初から自分に真実の声をぶつけてくれていたのだ。
しかし、彼女の真実の声はあの時の自分には届かず、そして彼女は自分から離れていった。
エルナは今も、どこかで戦っているのだろう。その道を今、私も歩みだそう。
戴冠式。玉座へと続く道を、歓呼の声に包まれながらエイリークは歩んで行く。
ひざまずき、大魔導士(プレスト)であるヴァーリから祝福を受け、王冠を与えられる。
その儀式の最中、エイリークは立ち上がって王冠を拒否した。
あなたから王冠は受けない。
眉間に険を刻むヴァーリを無視し、他の臣下たちに向けてエイリークは宣言する。
私はここに、アーサトゥアルと全世界の民のために公正な王となることを誓う。
そののち皆が私を認めるなら、王冠など、なんの証も必要ではないではないか。
神によってではなく、民によって王となる。
そのエイリークの言葉に、臣下の者たちから称揚の声が上がる。
最初の勝利をつかんだことに笑みを浮かべ、玉座に腰掛けるエイリーク。
だが、まだこれはほんの一歩でしかない。
傍らに立つヴァーリに声をかける。このあと、北の狩場へ行かないか。
「ゲームをしよう」
「御意」
たぶん、世界中の他の誰も止めることはできない。次の狂気の戦を。
そう…もう、この方法でしか。
「暗黒の玉座もて来たれ 風の精霊」
天に腕を掲げ、エイリークの唇が雷撃(ソールスラーグ)の呪文を紡ぎはじめた。
ぬおおお〜〜燃え!!
エイリークがんがれ!
急展開杉だろこれはw
エイリークには頑張ってほしいがここでヴァーリ倒しちゃうと話が続かんからな・・・
いやしかしそれでも頑張ってほしい
こんなに純粋にマンガのキャラクター応援したくなったのはじめてかもしれん
エイリーク衛兵のあしらい方とか手馴れてないかw
>そして彼女は自分から離れていった
ってのはやっぱ、恋愛感情ではないけど普通に従姉妹ってだけでもない
幼馴染的な感情もあったって事か?
それともある程度好かれてる自覚があったのか
んでやっぱエイリークも雷撃撃てるんだな
高位魔法使い同士の死闘wktk
エイリークは、ドーテイ君でわないな!
侍女とかに普通に手ェ出したりしてたのかな・・・
んなわけあるかああぁ!!
あーほんとエイリークには頑張って欲しいけど、ここでヴァーリ倒したら話が終わるだろうしなー。
絶対負けるよなーうわーここで負けさせたらえげつないよなー
盛り上げ方がうまいよなあ
>初めて人間の言葉を聞いたな
このシーンとかすごく好きだ
シグルーンの話を聞いただけで父親の陰謀まで悟っちゃうのは賢すぎと思ったけど
ここでこの因縁に気づかないとヴァーリとの決闘を決意する説得力が薄れるからな
あーでも、ホントどうする気だろ
死にはしないだろと思えないところがこのマンガ怖い
エイーリークじゃ統魔雷剣使えないんだよなますます勝てる可能性が
>>571 いや、別に倒したところで話は終わらんだろ。
もはや一人の悪人を倒しただけで一件落着、シャンシャンという訳にはいかない。
世界にとってアーサトゥアルは禁断の業で世界を我が物としようとする国で、
アンサズ難民を見て分かるように、国土を汚され蹂躙された人々は復讐の念に
燃えているだろう。
全て悪い大魔導士のせいでした。やっつけたので勘弁してね。…通じるわけない。
ヴァーリの下についていた者達は、奴がいなくなれば他国に技術・物資を持って
逃げるかもしれん。巨大ベルセルクの大群が世界中で激突する悪夢。
また、この世界では「倒した」くらいじゃ安心できん。それこそ魔法で復活、
ベルセルクに改造、いくらでもより凶悪化して再登場できるから。
いずれにせよ、エイリークVSヴァーリは興味深い。彼らの実力はいかほどのものか。
タイプは違うだろが、少なくともシャールヴィ並みの強者であることは間違いない筈。
むしろこの戦いを経てエイリークが統雷魔剣抜けるようになるんじゃないか
今月の宣言とか真の王と呼ぶに相応しい
言葉だけじゃね…
小鳥相手に愚痴って泣いてた坊やが、どれほどのことを出来るやら。
「御意」なんて、受けて立つバーリはん、底恐ろしス
つーか、魔法でのガチ勝負になったら、むしろヴァーリに勝算あるのか?
何故あんなに自信ありげで動じてないのかが判らない。
自分の魔法の力だけではなく、とんでもない仕込をやってくるんじゃないだろうかと言う不安が抜けない。
ところでエイリークは統魔雷剣抜けないのは確定してたっけ?
ヴァーリが抜けないのは確定していたけど、エイリークは敢えて抜いてないだけなんじゃ?と思ってたよ。
>統魔雷剣
統魔雷剣は王がピンチのとき鳴るらしいけど、
エルナが危ないときにガタガタ言っているのにエイリークは気づいていたっぽいよーな。
あらすじ精霊さん、コントのようなやりとりてw。
ウェイトレス姿のラヴァルタもヨシ!
しかし…、あんなに皿割って大丈夫か?
もう一人のウェイトレスもカワユス
ヴァーリが負けるとは思えんな。魔風吹き荒れる中でも死なない生命力に
使い魔以外使った描写がない冥王法まで生きてる身で使いこなせるほどの
魔法の知識もあるし。つかエイリークが魔法使った瞬間に冥王法で瞬間移動してれば
魔法当たらんし当たってもあの生命力じゃ致命傷にならん。エイリークが勝てる見込みないな
だいたい、死なないとはいえ心臓ぶっさされた翌日(?)あたりに
決闘はないんじゃないの〜 無理無理。勝てない。
魔法はシャールヴィと互角か、それ以上と思われるエイリークの不利要素は以下?
・統魔雷剣が反応しているのはエルナ?→エイリークは統魔雷剣に「王」として認められていない?
・魔法ではエイリークに劣るかもしれないが、魔風の中で生き残ったヴァーリの生命力
・生きてる人間は普通使わない冥王法の瞬間移動を使いこなすヴァーリ→魔法の回避に有利
ラスボスに、相応のレベルまで上げてるPCが挑戦するって感じだが、倒すには後一手が足りないって印象かな。
ともすれば千日戦争突入か。
今月のウェイトレスのかわゆさは過去最強じゃないかと思った
ラヴァルタの横にしゃがみこんでるとことか特に
魔力がシャールヴィ以上だとしても
実際に戦ったことなんてどれほどあるの>エイリーク
うまくあしらわれそうなヨカーン
ラヴァルタもかわゆかった。
シャールヴィにびっくりしてたとことか。
元騎士なのに食堂でウェイトレスやって生活してるなんて割と逞しいな。
「いらっしゃいませ。ご注文は?」
とか言うのかな。
皿を割るのは仕方ないとしても、優れた騎士(だったよな?)が食器棚に
ぶつかったりするのはどうかと思う。
慣れないロングスカートで大変だったんだよ
と無意味に弁護してみる
「その意味がわかってる?」
「無粋だぞ」
エイリークって女性を知らない(いろいろな意味で)と思っていたのに、知ってたのか。
それは、シャールヴィにも言えるんだろうけど。
前回のエルナもそうだが、皆ある程度は知ってるんだろうな…何となくリアルだなーと思った。
「無粋だぞ」
ああ〜、エイリークはんたら心臓刺されてるのに、
殺しに来たやつをかばうとは……
だめだ、涙が出るほどワラタ。
セリフ自体は何でもないのにすげー笑えるよなw>無粋だぞ
第45話 対決
北の狩場を目指し、シグルーンは森の中をひた走っていた。
エイリークが、大魔導士(プレスト)ヴァーリとそこへ行ったのだという。
思い返されるのは、エイリークと交わした言葉の数々。
悪いと思った奴は倒せばいい。戦をやめたいと思うのならやめさせればいい。
難しい? 難しいことをやってのけてよ。
あの時、自分はエイリークにそう言ったのだ。
だが、あの時の自分の言葉が当を得ていたのだとすれば。
光の王の力をもってさえ、倒すのが難しい相手なのだとしたら。
(ヴァーリってどんな奴なの!?)
エイリークのことを心から案じるシグルーンの表情には、もはやかつてのような憎しみはなかった。
――北の狩場。
風の吹き荒ぶその場所で、ヴァーリとエイリークは対峙していた。
残念なことです、我が王エイリーク。嘲笑うようにヴァーリは言う。
まこと強き者は相手の力量も計れるもの。我らは今まで、うまく争いを避けてきたのに。
だが、もはや二人とも今さら激突を避けるつもりなどない。
呪文を詠唱し、魔法の準備をはじめるエイリークとヴァーリ。
なぜそうまで戦を広げる、と尋ねるエイリークに、
アーサトゥアルがなさずとも他国が戦をおこしましょう、と答えるヴァーリ。
猜疑と憎悪は人の性だと彼は言う。
考えてもみてください。この世界こそ特殊な場所。
「広大な宇宙の中で 世界(ギムレー)以外は全て死の空間なのです」
だから皆、生きていくことに不安になる。生きているが故に戦争が生まれる。
「我が主は言う 死へ帰れ と
汝らがあるべき場所へ…」
その言葉に瞠目するエイリーク。
ヴァーリは一体、何に仕えているというのか。
だが、エイリークの疑問に答える気配もなく、爆瘴霧(ボルトーカ)を放つヴァーリ。
対してエイリークも炎箭(エルドクヴァスト)で迎撃するが、ヴァーリの魔法の方が速い。
だが、エイリークは即座に次の呪文を詠唱する。ヴァーリが驚愕するほどの速さで。
陣風竜(イルドラーク)。
瘴気の爆裂を風の魔法が食い止め、炎の弾丸がヴァーリの体を打ちのめす。
さらに続けて、雷撃(ソールスラーグ)の詠唱をはじめるエイリーク。
よどみなく、汲めども尽きぬ強大な魔力。
これが光の王!!
まるで次々と精霊が来臨して、その足元にひざまづくようだ。
だが、圧倒的なエイリークの力を前にしても、ヴァーリの唇から笑みは消えない。
出会った頃のことを回顧しながら、エイリークはヴァーリを見下ろす。
かつては尊敬もし、信頼も寄せたものを。
だが、今さらエイリークの中に迷いはない。
「打て(スート) 雷撃(ソールスラーグ)」
ヴァーリの体に降り注ぐ、必殺の稲妻。
複雑な表情ながらも決着を確信するエイリーク。
だが、その表情はすぐに驚愕に彩られる。
木陰から隠れて二人の対決を見守っていたシグルーンも、恐怖に顔を引きつらせる。
なぜだ。なぜ倒れん。
茫然とつぶやくエイリークの前で、ヴァーリは立ち上がる。
その背中に、凶々しい巨大な翼を広げながら。
「おまえは何者だ!!」
一方、ラヴァルタは勤めていた酒場を辞め、自由都市フォッシュダルを後にしていた。
ヘルモーズの足跡をたどり、エルナの下へ急ぐために。
また世界がめぐる。あの少女のまわりで。
確信を持って、ラヴァルタはエルナの姿を思い浮かべるのだった。
グードランド、ホスクルド公の領。
森に囲まれた山間の砦を、ノレグのハーレクは単身で訪れていた。
その手に小さな袋を掲げ、城内に匿われたエルナを引き渡すよう恫喝しながら。
対策を講じるホスクルド公と側近たちの下に、姿を現すエルナ。
聖短剣で魔風に冒された畑を救ったことが縁で、この砦に客人として迎え入れられていたのだ。
恩人としてエルナを扱い、売り渡すようなことはしたくないと告げるホスクルド公。
だが、エルナは笑顔で、私ならいつでも出てまいります、と答える。
ここは村や畑も近いし、何かあってはなりません。
何人かの兵を借り、牽制しつつ村はずれまで行き、交渉を。
それが、エルナの案だった。
「そこで戦いになれば そのときはそのとき…」
これまでにない静かだが強い表情で、エルナは言うのだった。一方、ラヴァルタもまた、この砦にたどり着いていた。
城塔にたなびく旗を見て驚きを露わにするラヴァルタ。
それは、ラヴァルタの父の旗だった。
女王の親衛隊(ヴァルキュリヤ)であるラヴァルタが祖国を裏切ったから、
こんなさびれた城へ国替えされてしまったのだ。
そんな彼女の視界の下で、状況を見定める仮面の男が二人。
ヘルモーズだ。
ホスクルド公の高潔な人柄を知りぬいた彼らは、
公がエルナを裏から逃げさせると踏み、それを横から頂く腹づもりでいた。
そんな彼らに、味方を見捨てるのかと厳しい声を投げかけるラヴァルタ。
狼狽えるヘルモーズの二人に、ラヴァルタは騎士の持っている袋を見るように促す。
転移魔法(ユエヴァーフォエリン)に使う冥砂だ。魔方陣から大軍が湧き出るぞ。
驚くヘルモーズたちだったが、事態はさらに急展開を告げる。
なんと、エルナがホスクルド公を伴って、自ら騎士の前に姿を現したのだ。
まさかホスクルド公御自らお越しいただけるとは思いませんでした、と苦笑するエルナ。
領土の境界まで行って兵を帰してしまうつもりだったエルナの考えを、公は見透かしていたのだ。
姫君はこうした争いごと、戦などはおわかりではないから。
エルナの身を案じながらも、厳しい言葉をかけるホスクルド公。
だが、エルナは答える。
「戦なら… たくさん見てまいりました」
驚くホスクルド公に、微笑んで見せるエルナ。
エルナ姫以外には用はない、とホスクルド公たちを退けようとするハーレク。
国境まで行って引き渡しの交渉を申し出るホスクルド公の言葉を無視し、ハーレクは袋の口を開く。
思わず飛び出そうとするラヴァルタを制止するヘルモーズ。
あいつはエルナを殺しに来てるんだ。
我々はエルナを捕らえるのが目的ではあるが、無理なら死を見届けよと命じられている。
まだアーサトゥアルと戦するわけにはいかない。
あの騎士がこの郷一つ滅ぼして、それで帰るならそれでいい。
それが、女王の判断だった。
そんなヘルモーズ二人をぶちのめし、仮面を奪ってラヴァルタは駆け出す。
だが、その時にはすでに、ハーレクが巻いた冥砂が魔方陣を形成していた。
恐怖に震えるシグルーン。
驚愕に蒼ざめるエイリーク。
異形と化したヴァーリが、エイリークに歩み寄る。
どうした。私を倒して戦を止めるのではなかったのか?
前の戦などの比ではない。恐るべき私の狂戦士(ベルセルク)たちが地を覆いつくす。
「地獄の蓋が開くぞ!」
凶悪な笑いを浮かべてヴァーリが宣言した、まさにその言葉を裏付けるように。
今、エルナたちの眼前で、魔方陣からかつてない狂戦士が、その凶々しい姿を現そうとしていた――
なんかスゴイことになってキタ━━━━━━━━━━━━!!!
・・・エイリーク、やっぱ負けるねこれ・・・
エイリークもエルナもガンガレ
シャールピィ急げ
ヴァーリに主がいるって事は、パシリに過ぎないのか!?
ってちょっと待て。
冥王法が使えるって「生きてる奴が使うか普通」だから、
もしかしてシャールヴィのこの台詞は額面どおり受け取っても良かったのかもしれない。
つまり、ヴァーリって何かの使い魔じゃないのか?
彼自身が言った人間を使い魔にする問答は、
彼が何かを使い魔にしたのではなく、
妄執を持った彼を何かが使い魔にしたと言うことでは…?
ヴァーリが使い魔だとしたら、魔風で死なない(そもそも既に死んでる)理由もつくし…。
やっぱり名前だけは度々出てる冥王とやらじゃないのか
冥王法なんてご大層な名前出してくる辺りどうしても伏線としか思えん
エルナの甲冑姿燃え
しかし鎧ゲットてことはこの後も前線で戦うんだよな・・・。
つーかラヴァルタは父親似だな。父上ハァハァ
そしてエイリークの方はもう次見んのコワス
シグルーン見つかったらどうすんだろ
でもでかい魔法に巻き込まれるの考えたら
見つかっちゃった方がいいのか?ああこええ
シグルーン魔法であっさり消滅とかやりそうだ。
そんな鬱展開になっても他の少年マンガみたいに
怒りで真の力に目覚めたエイリークがヴァーリをやっつける
なんてことには絶対なりそうにないのがエルナサーガ
エルナの甲冑ってラヴァルたんのかなー。
ゴン アッ
グキ ズシャァ
「ちょっと借りるぞ」
バタッ
「く、臭い…」
>>603 あー、たしかになんか豪華だし
その辺の兵士用って感じじゃないな
>>604 ワラタ
剣道部の人ですか?
>>604 一瞬何かと思ったけど理解してワラタ
そーいやラヴァルタンはあのヘルモーズと間接キスだな
>>605 >鎧
ホスクルドの領地を救ったお礼に
ラヴァルタの幼いころの鎧を貰ったとか
そんなところかな?
とりあえず今回のエピソードでラヴァルタ仲間は確定かな?
ハルスホルトでエルナたち助けたときから数えて25話
使い魔のときまで遡れば30話以上
ずいぶん長い伏線だったな・・・
誰も知らないところでエルナを助けて死亡…
という展開も考えられないではない。
「広大な宇宙の中で 世界(ギムレー)以外は全て死の空間なのです」
このシーンかっこいいなあ
宇宙って概念があるのか。SF?
俺も気になった。
ヴァーリの主は宇宙の概念を知っている存在なわけで…
…神?
第46話 魔軍の兵
魔方陣より甲虫にも似た巨大な姿を現す、新たなる狂戦士(ベルセルク)。
聖盾を手に取り立ち向かおうとしながらも、また災いを呼んでしまったことにエルナは苦悩する。
兵と魔導士を集め戦闘態勢をとることを部下に指示し、エルナを守るため彼女の後に続くホスクルド公。
狂戦士を下げて自分で戦うように訴えるエルナに、
こいつのテストをするのも仕事のうちでね、と冷淡に言い放つハーレク。
背中から翅を広げて空を飛び、狂戦士はエルナを無視して砦へ向かう。
「此度の狂戦士たちは生まれながらに堅き鎧をまとい
広き翅にて天空を駆け またたく間に全土に満ちる…」
新たなる狂戦士の脅威をエイリークに語るヴァーリ。
そろそろ前線でも蛹がかえるころだという。
きっと賢明な王ならば、この国の狂戦士が、いずれ全世界の天空を覆うのを喜んで下さる、と。
凶々しい笑みを浮かべながら腕を伸ばし、エイリークの首を握り締めるヴァーリ。
統雷魔剣(トゥアラテイン)を抜くぞ、と脅すエイリークを、ウソだな、とヴァーリは嘲笑う。
まことの王にしか抜けぬという統雷魔剣。その効果は雷撃(ソールスラーグ)と同じという。
詠唱も要らぬ。抜けるのならすでに使っているはず。
エイリークの表情は、ヴァーリの言葉が真実であること物語っていた。
アーサトゥアルのまことの王の系譜は絶えてしまったのだ、と語るヴァーリ。
先王エイナルも抜けなかったのだからな。あのいまわの際に……
そう。エイリークの父、先王エイナルは、急な病で亡くなったのではなかった。
ヴァーリの手にかかって殺されていたのだ。
ヴァーリの指が伸び、エイリーの顔に絡みつく。
無理やりにエイリークの口がこじ開けられ、魔精霊球がその口元に近づけられてゆく。
鞘に納まったままの統雷魔剣でヴァーリの顔面を打ちすえ、窮地を脱するエイリーク。
飛びすさりながら雷撃の詠唱を試みるが、雷撃はまた効かぬかもしれない、と思い直す。
別の呪文を詠唱しはじめるエイリーク。
だがその時、ヴァーリの口から予想もしていなかった魔法の呪文が口にされた。
「暗黒の玉座もてきたれ 風の精霊」
莫大な魔法力を費やすために王族にしか使えぬはずの雷撃。
それが今、一介の大魔導士(プレスト)に過ぎぬヴァーリによって使われようとしている。
呪念の詠唱を進めながらも、エイリークは驚愕を禁じえない。
だが、ヴァーリの唱える呪文は雷撃のものなどではなかった。
「雷(ソール) この掌に来たれ
万物に先立ち古き生まれの星の素子 ここに契約を重ね 舞いて雷精を遊ばす」
ヴァーリの使おうとしている魔法を悟り、一瞬早く魔法を発動させるエイリーク。
風斬首斧(ヴィンボーデルスイクサ)がヴァーリの首を断ち切った。…そのはずだった。
だが、確かに首を断ち切られ、傷痕から血を流しながらも、ヴァーリの首は落ちない。
そして、呪文の詠唱も止まらない。
「……寄りて寄りて 星の力を示さん…」
詠唱をやめろ。叫ぶエイリーク。その先は禁呪だぞ。
その時、シグルーンがその場に飛び出してきた。
降り注ぐ雷の中、ひたむきにエイリークの身だけを案じ、もうやめるよう懇願するシグルーン。
だが、すでに状況は彼女の言葉など意味を持たぬところにまで来ている。
なぜ来た、とシグルーンを叱るエイリーク。
逃げろ!! ずっと遠くへ。山の向こう側へ!! 早く!!
高く掲げられたヴァーリの掌に、巨大な雷の球が形成される。
熱核雷弾(シャールスラーグ)
それが、ヴァーリの放とうとしている魔法の正体。
そんな呪文があることは知っていた。
しかし、それを使いこなせるほどの魔法力の人間が、この世に存在するとは。
子供の頃から光の王よとおだてられ、己こそ世界一の魔力の持ち主と。
エイリークは、自分が知らぬ間に自惚れていたことに気づかされる。
身を翻し、ヴァーリに背を向けて全力で逃走をはじめるエイリーク。
恐怖のためではない。シグルーンから、町からなるべく遠ざけるために。
風霊翼(ヴィンヴィンージ)の魔法で空を飛び、
さらに高防御圏(ホーグクレトゥス)で自分の周囲に魔法の結界を張り巡らせる。
だが、それでも防ぎきれないだろうことをエイリークは理解していた。
無限の魔力を供給するという統雷魔剣に祈るエイリーク。
その時、ヴァーリの手から雷球が放たれた。
山の斜面を穿つほどの威力がエイリークを襲う。
ダメージを負いながらも何とか耐えしのいだことにエイリークは安堵の息を漏らす。
だが、次の瞬間、二撃目の雷球がエイリークに襲いかかった。
もはや身を守る術もなく、直撃を受けるエイリーク。
決定的な挫折と絶望の中、エイリークの意識は薄れていった。
(剣よ……… 私はまことの王になろうと…)
輝きを放つ統雷魔剣の前で、エイリークは打ちひしがれうずくまっていた。
なぜだ。ついに力を貸してくれなかった統雷魔剣に語りかけるエイリーク。
「皆が私を光の王と呼ぶのなら それにふさわしくなろうと思った………
人が疑いと憎しみに充ち 世界が破壊と混乱にあえぐのなら 私が救うのだと思った」
なぜ力を貸してくれぬ。
悲痛な表情で訴えるエイリークに、剣は言葉を返す。
此度は私が力を貸したところで、勝てなかっただろう、と。私とて万能ではない。
それに、まことの王はいかにして人を救うか。
『我が主となるべき者は 深く地に身を投げだす者
疑いと憎しみに満ちた愚かな人々と共に 闇の淵に降りる者ぞ……』
エイリークが目を開いた時、そこにはヴァーリが立っていた。
どうされた、もう終わりかね。呪文は最後まで詠んでおらぬぞ。
ただの火雷球だ。ただし超高温だがな。
ヴァーリの言葉に、完璧な敗北を認めるエイリーク。
まだ殺す気はない。ただし。懐から魔精霊球を取り出すヴァーリ。
もはや、エイリークは体を動かすことすらできなかった。
全ては終えてしまった。いや、本当のことがわかったというべきか。
私は世界一の魔法を誇る光の王でもなかったし、統雷魔剣の主でもなかった。
砕けて転がる魔精霊球と、動かないエイリークを後に、その場を歩き去って行くヴァーリ。
もはや、エイリークにその歩みを止めることはできない。
世界を変える手だては、もう、何もない。
その時――統雷魔剣が、鳴った。
狂戦士を止めようと砦に向かうエルナに斬りかかるハーレク。
その刃を、ホスクルド公が受け止める。
こことはまかせて、と言うホスクルド公に、わかりました、と元気に答えるエルナ。
「私は砦の方へ」
「…じゃなくて!! お逃げ下さい」
戦いは騎士のもの。心清き姫君が御手を血で汚すことはありません。
だが、エルナはその言葉を否定する。
「私の手は すでに血で汚れています」
先の戦ではエルナの名の下に大勢の人が殺され、エルナ自身も生き延びるために自国の兵を手にかけた。
そして、あの、アンサズの絶望を前に何をすることもできなかった………
「戦を生む疑いの心も 憎しみの心も 全て我が心の内にもあることを知ってます」
エルナの言葉に瞠目するホスクルド公とハーレク。そして、ラヴァルタ。
だが、エルナの表情は暗いものなどではなかった。
毅然と、自らの醜さを知ったその瞳は、しっかり正面を見据えて。
「世界の破壊と混乱は 全て私と共に
でも… だからこそ 私は戦える」
すごい。エルナ、あの宿を請うた夜の記憶すら乗り越えたんだろうか。
勇者として挫折してしまったエイリークと
挫折を乗り越え真の勇者に近づいたエルナとの対比が素晴らしい
それだけにエイリークが見てて切なすぎる・・・(つД`)
魔法戦ドキバコしたぞ〜!!
しかし全くヴァーリは何者なのか…
エイリーク・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
いや、負けるだろうとは思ってたけどさ
まさかここまで完璧に負け犬キャラにされてしまうとは・・・
後はエルナに遺志託してサヨナラなのかな・・・
なんか飲まされた、飲まされてるよね、これ、エイリーク…
狂戦士化してエルナを襲うのはアトリじゃなくてエイリークなのか、もしかして
エルナに倒されて息絶える直前にトゥアラティンを託すって展開は確かに燃えるが
そして悲しみに暮れるエルナをシャールヴィが支えればハッピーエンドにもなるだろうが
そんな展開になったら俺の心が耐えられないかもしれんorz
ヴァーリって間違いなく首飛んでるしどうみても不死身の使い魔だよな。でも誰のだ?
>>620 ぶっちゃけ、剣をエルナに渡す以外にもはや存在価値はないもんな
………シグルーン、生きてる?
巻き込まれてないよね?
雷がだかだか降り注いでんのに、エイリークのもとへ
つっぱしる彼女の度胸はすごい。
…まだ、大丈夫じゃないか?
エイリークが飲まされた奴は、ハーコンを操ってるみたいな奴じゃないの?
王を殺すよりも傀儡にした方が楽だろう。
いや、これでも充分いやだけど。
>>625 なんぼなんでもコマの外でいつの間にか死んでましたってことはないだろう
ただ今後どうなるかは正直・・・
>>626 度胸ってーか、激しく邪魔なんだが。
いずれにせよ結果は同じだったのだろうが、あれのお陰でエイリークの
選択範囲がいくらか狭められたのは事実。
可愛いから許す!!
ヴァーリがセミロングに…まわりはどんな反応をしめすのか。
鞘ごと統雷魔剣で殴るシーンはもう少し
「統雷魔剣がエイリークの手で抜けた?」
と思わせる感じを出して欲しかったな。
その後の熱核雷弾の詠唱シーンが強烈に格好良いけど。
>>631 ハーコン公(ヴァーリタン、セミロングもイイ……)
おでこが隠れたせいか前より若く見えるな
つーかヴァーリっていくつぐらいなんだ?
年齢はわからないが、エイリークがローティーンの頃に一人前の魔導師としてきた感じだから、
8〜9歳エイリークの年上じゃないか?
死んで使い魔になったときから年とってないんだろ
やっぱり勇者様の関係者じゃないかね
でも、ヴァーリが使い魔ってのも変な話だよな
誰かの妄執引き受けてもいいと思ったのはヴァーリの方なんだろ?
ヴァーリが使い魔持ってるならともかくヴァーリ本人が使い魔ってのはどういうことなんだろ
もしかして、ヴァーリの肉体と意識がそれぞれ別人のものって可能性はないかな
ヴァーリの肉体が死んだとき使い魔にして、そのまま意識を同化させたとか
>>638 あの「引き受ければいいのだ その妄執を」と言う台詞は、
自分が「妄執を引き受けてもらった立場」と解釈できる。今となっては。
エルナの影武者を見るに、誰かに妄執を引き受けて貰ったとしても
その使い魔から妄執が消える訳ではないのは確実なので、
今のヴァーリの行動は理解出来る。
妄執の域に達しているから、かなり偏執的になっているとは思うがね。
つーか、ヴァーリ=ヴェスタルの息子で確定したようなもんだろうか?
>>639 「私はかつて一度だけそう思ったことがある」とも言ってるから
ヴァーリが妄執受け持つ側の立場だったようにしか受け取れないが
なんかややこしいな
ヴァーリが誰かの使い魔なのは間違いなさそうだが、まだ色々裏がありそうだな。
>>638の意識と肉体は別人説も意外と当たってるかも。
ヴェスタルの息子説もかなり説得力はあると思うんだが。
案外
>>520あたりが正解かも知れんな。
第47話 世界(ギムレー)の闇
「世界の破壊と混乱は 全て私と共に」
毅然とそう断言し、エルナは砦を破壊する狂戦士のもとへ向かう。
その背中を陰から見送りながら、ラヴァルタはエルナが全く変わっていないことを知る。
迷いなく進む、あの潔さ。あの、ハルスホルトの災いの夜と同じものだ。
そして、使い魔の少女にすがって泣いていたあのときも。
他人の痛みを完全に己の痛みと感じる、あの稀有なる心だて。
(そして今 世界の痛みをも己の痛みと重ねるまでになられたというのか)
あのあと、あの戦を見たから……?
駆け去るエルナの背中を目がけ、魔法剣を発動させるハーレク。
そも、剣に魔法は古の三剣以来禁呪のはず。
そう叫びながら斬りかかるホスクルド公だったが、逆に魔法剣による一撃を食らってしまう。
止めを刺そうと追撃するハーレクの剣を、間に分け入って防御圏(クレトゥス)で弾くラヴァルタ。
さらに魔法で一撃を加え、剣でハーレクの腕を折る。
何者かと見上げるホスクルド公の無事を確認すると、ラヴァルタはエルナの後を追う。
姫は戦で何を見られた。
戦にはなんでもあるだろう。味方を見捨てる非常も、女子供を戯れに殺す残虐も。
狂戦士の襲撃によって崩れる砦の中を進むうち、ラヴァルタの耳に聞き慣れた声が届く。
それは、母の声だった。
周囲を見回すラヴァルタは、転がる死体が溶けたような状態になっていることに気づく。
怪物はどこかと探すラヴァルタ。
だが、探すまでもなかった。狂戦士は、ラヴァルタの真上の屋根にのしかかっていたのだ。
別館の屋根へと飛び移る狂戦士。
その屋根の上に、エルナと母である公妃の姿があることをラヴァルタは認める。
狂戦士は、この砦にいる人間を皆殺しにするつもりなのだ。
さっきはたまたま真下に入っていたから気づかれずにいただけに過ぎない。
自分の幸運を思い知りながら、ラヴァルタはエルナと母親の救援に向かうのだった。
悲鳴をあげながら逃げ惑っていた公妃だったが、屋根瓦に躓いて倒れてしまう。
その隙を逃さず触手を伸ばす狂戦士から、聖盾で公妃を守るエルナ。
前の狂戦士より封魔呪の効きがいいことにエルナは気づく。
相手が強い魔力で編まれたものであるほど、反魔法と強く反発するせいだ。
だが、その傷すらも見る見るうちに治っていってしまう。
しかも、触手や肢を伸ばし、楯と剣を回り込んで攻撃しようとしてくる狂戦士。
その猛攻を何とか防ぎ、早く逃げるよう公妃に叫ぶエルナ。
だが、公妃は震えて青ざめながら、エルナを咎めるセリフを吐く。
どうしてこんなことになったのか。昨日、エルナ姫様さえ我らが許へおいでにならなければ。
微かに強張るエルナの表情。
狂戦士の攻撃をいなしきれず、エルナの腕がついに触手に絡め取られる。
それでも公妃はエルナを責め立てるのをやめようとはしなかった。
「この疫病神!! 悪魔!! あなたのせいで あなたのせいで」
我が母のあまりの醜さに、仮面の下の顔を歪めるラヴァルタ。
だが、エルナはそんな公妃に反発しようとすらしない。
そのとおりです。もう二度と、誰もまきこまないと誓ったのに。
一人で、私にしかできない道を戦うと決めたのに。
この心の弱さから、御親切に甘えてしまって。
(強くならなきゃ……もっと…………)
聖盾を捨て、全ての触手を自分の身に引きよせるエルナ。
両腕を完全に絡め取られながらも、恐怖も不安も表情には出さず、公妃に逃げるよう伝える。
勝算はあるのかと驚くラヴァルタ。
震えるばかりで逃げ出すことすらできない公妃を見て、エルナは困惑する。
「えーっと じゃあ どうしようかなあ」
特に勝算とかがあったわけじゃないらしい。本当に大丈夫かエルナ。
と、触手に絡め取られた腕に痛みが走ることにエルナは気づく。
この触手は人の体を溶かすのだ。
なんとかして早く、と焦るエルナだったが、その体が持ち上げられる。
触手の中央にある口へ運ばれてゆくエルナの体。
食べる気だ。
あまりのエグさにギャグ顔になり、悲鳴を上げながら蹴りを連発するエルナ。
エルナ、リミット技発動。
その勢いで聖短剣に触れた触手が断ち切れる。
もう一方の腕を絡める触手も断ち切るエルナ。
狂戦士は悲鳴を上げてのけぞる。ダメージを受けているのは明らかだった。
続けて聖短剣で何度も。追撃をしかけようとするエルナ。
だが、狂戦士の触手と肢が、エルナたちの立つ屋根を破壊してしまう。
落下する公妃の体を咄嗟に抱きかかえて守りながら、エルナは勝てないことを痛感する。
幸運にも一階は倉庫だった。
敷き詰められた藁の上に落下したおかげで怪我がないことに安堵するエルナ。
しかも、天井が垂直に落ちて、丈夫な壁になってくれている。
狂戦士も、ちょうどすっぽり建物の中にはまってしまって動けないでいるようだ。
今なら逃げることができる。
本格的に足を痛めてしまったのかと心配するエルナの手を、邪険に払いのける公妃。
この砦をこんなにしてしまって、どうしてくれるのです。
もう嫌。こんなへんぴな砦に国替えになっただけでもたくさんなのに。
突然顔を覆って泣きわめき、愚痴を垂れはじめる公妃。
戸の陰から中を窺いながら、悪い癖だ、とラヴァルタは母の愚行に顔をしかめる。
だが、続けて母の口から放たれた悲痛な叫びが、彼女の表情を凍りつかせた。
「あの子が本国(グードランド)を裏切ったせいで!!」
わらわたちの生きがいの娘だったのに、もう会うこともない…
もう、何もかもどうでもいいのです。わらわはここで死んで…………
絶望のあまり自棄の言葉を吐く公妃に、エルナは叫んだ。
しっかりしてください。その方のために生きのびてください。
どんな親子でも、どんな別れ方をしていても、親が死んだら子は泣きましょう。
あの子はわらわなどのためには、と否定する公妃に、エルナはそれでも訴える。
「お互いに生きていれば お会いになれることもあります きっといつか良い形で」
ラヴァルタは思い出す。たしか、エルナ姫の御両親は…
生きていれば。繰り返されるエルナの言葉に、涙に濡れた顔を上げる公妃。
差し伸べられたエルナの両手を、ついに公妃は手に取った。
そんな公妃のもとに、領土の村人たちが駆けつける。
砦で何が起こっているのかと、村中で来てくれたのだ。
遠くからそれを見て、ラヴァルタは涙で瞳をにじませる。
あの方は人の業をも癒す。
私がかつて、人生を変え、今またここまで彼女を追ってきてしまったのは故なきことではない。
(稀なるかけがえのなき人が 身を張って戦っているのだ)
一人で、傷だらけなのに。
それでもエルナは、聖盾を再び手に取り、聖短剣を構え、狂戦士に立ち向かおうとしていた。
膝を着き頭を垂れて、ラヴァルタはエルナに声をかける。
姫。我が名は、ホスクルドの一子、ラヴァルタ。
かつてグードランドの女王陛下より姫暗殺の命を受けながらそれに背き、
今は実の親にこの身を明かすこともできません。
しかし、私があの時選んだ道は決して間違いではなかったのです。
姫は必ず世界を変える御方。
あなたと共に行き、まこと良い世界がつくれたなら、それを証としてここに持ち帰りたい。
お母様とお父様の元へ。優しくそう言うエルナに、騎士となることを願い出るラヴァルタ。
私と共にいれば災いに巻き込まれましょうと、いう言葉にも、彼女の決意は翻らない。
「承知!! ――この剣とこの命は 我が姫のために」
ラヴァルタから、エルナへ。騎士の誓いは、今、成された。
その時、狂戦士がはまっていた場所が轟音を上げて破壊された。
エルナを庇うように彼女の前に立つラヴァルタ。
だが、狂戦士は姿こそ現したものの、動こうとはしない。
思ったより埋まっているのかと訝しむラヴァルタに、前に出なくていいですよ、と声をかけるエルナ。
だってえ、悪いし。
呑気な口調のエルナに、騎士は主人を守るものです、と生真面目に答えるラヴァルタ。
だが、エルナはラヴァルタの騎士の誓いを受け取ったわけではなかった。
反魔法という、この世界の成立に直接関わってしまう私の能力はあまりに特殊で、
いろんなコトを呼びよせてしまうから…まわりの人をまきこむばかりだから。
一人で戦うことに決めたんです。
恐れながら。ラヴァルタは静かに反論する。
「その戦いは お一人で戦って 勝てるのですか」
その時、狂戦士の目から光線が放たれた。
光でものを壊す。それが、この狂戦士に与えられた新たな能力。
肩に光線を受けながらも、陣風竜(イルドラーク)で空気の層を作って光を捻じ曲げるラヴァルタ。
だが、すぐに直接攻撃が来る。
詠唱が途切れる間の攻撃をエルナに託すラヴァルタ。
光が途切れた瞬間、狂戦士が距離を詰め二人に襲いかかってくる。
前に出るエルナ。その後ろから、短呪で狂戦士に攻撃しようとするラヴァルタ。
聖短剣を振り上げた格好のエルナに、ラヴァルタは下に手をついてかがむよう指示する。
「風針(ヴィンシーノール)」
風の針を打ち込む弱い魔法。
所詮は気休めか、と焦るラヴァルタだったが、その時、思わぬことが起きた。
かがみこむことで聖短剣を振り下ろす格好となったエルナ。
その一振りの軌道の中を走った魔法と、聖短剣の反魔法とが衝突したのだ。
威力を増した風針が、空気を裂いて、ドリルのように渦を巻き、
風のミサイルとなって狂戦士の体に降り注ぐ――!
ラヴァルタン仲間キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!
長かったなー、ほんとにw
ラヴァルタの母親マジでムカついた
まあヤケっぱちになってたからってのもあるみたいだけど
ホスクルドさんもよくあんな女と結婚したよなー
政略結婚か?
口調だけはやたらと高貴っぽいし
わらわだもんなw
はじめて見たとき衝撃を受けた
案外女王様の親族とかかもしれんね
>「その戦いは お一人で戦って 勝てるのですか」
この台詞、重いよ。
ラヴァルたんすげー。
前にシャールヴィも「自分が正しいと思ったら勝つことだ」
って言ってたけど、やっぱ勝たなきゃ意味がないってことなのかな
天ぼけエルナは、奥方のムカつく性格にも気付かない。
奥方は得したな〜。
村人が見に来てくれたってのは、ホスクルド候は僻地に飛ばされても腐らず
善政を敷いていたってことだろうね。
ちっちゃいコマで2コマだけだけどあのシーン好きだ
公妃様はへんぴな砦とかけなしてたけどそこの村人たちによって救われる、という
特に描写とかないけど村人たちの心遣いに感動して公妃様泣いてたんじゃないか
ともあれラヴァルタンレギュラー化おめ
当分シャールヴィの代わりにエルナのパートナーになるのかな?
>>653 あれは多分分かってるでしょう。
子供の頃の魔法に反応する玩具の時の状況も覚えてるし。
貴族にああいう人が多いってのも知ってて気にしてないとかだと思う
シャールヴィは早く合流しなきゃ、空気扱いになってしまうかもしれんぞw
この作者にかぎってはない。エルナと再会できず壮絶な死ならあるだろうけど
659 :
マロン名無しさん:2006/08/20(日) 16:00:06 ID:REOdXCjP
あげ
何気に魔法+聖短剣で協力プレーが出来る事が発覚してるよな。最後に。
と言う事は、やはりこの戦いは一人では勝てない、エルナ以外にも数を揃えた方がいいって示唆なんだろうな。
そういや、なんでアンサズ防衛戦では聖短剣との反発利用しなかったんだろうな
シャールヴィがエルナを戦争に巻き込みたくなかったからか?
頭に血が上っちゃってたから
このヘルモーズ兜を賭けてもいい
もちろんラヴァルタが
使用していない
第48話 悲しき戦鬼
エルナの封魔剣の力が、ラヴァルタの放った魔法に反応して空気を切り裂いてゆく。
それは、まるで奇跡だった。
ただの風針(ヴィンシーノール)が、凄まじい威力となって狂戦士(ベルセルク)の体を穿つ。
これが共に戦う成果です、と力強く断言するラヴァルタ。
再び襲いかかってくる狂戦士に止めを刺すべく、炎箭(エルドクヴァスト)の詠唱をはじめる。
だがエルナは、ひどい出血もしているラヴァルタの身を案じ、もう下がるよう懇願する。
「私のまわりで もう誰も死なせたくありません」
それが、エルナの願いだった。
その時、意識を取り戻し追いかけてきたハーレクの魔法剣が、エルナたちを襲う。
魔法剣の一弾ぐらい被るッ。
かわそうとすらせず魔法を発動させ、エルナに剣を振るわせようとするラヴァルタ。
だが、ラヴァルタの身を守ったのはそのエルナだった。
ラヴァルタとハーレクの間に割って入り魔法剣を聖盾で防ぎ、さらに聖短剣を振り上げるエルナ。
しかし、ラヴァルタをかばったせいでタイミングが遅れた。
反魔法の効果を及ぼすことができた炎箭は一撃だけ。
そのエルナの行動を、はるか上空の竜の背から見下ろす人影があった。
「馬鹿野郎が……」
エルナの行動を見て、人影はそう吐き捨てた。
やはり、普通の炎箭では狂戦士に致命傷を与えられない。
そして、反応した最後の一弾も、翅を広げて宙に逃げることでかわされてしまう。
ラヴァルタを思いやる自分の行動が招いた最悪の結果に、茫然とするエルナ。
そして、勝利の笑みを浮かべるハーレク。
狂戦士の肢の一振りによって、ラヴァルタは一撃で倒れ伏す。
そして、エルナの身にも狂戦士の一撃が振り下ろされようとしていた。
できるわけなかった……
現実を、エルナは思い知る。
誰も傷つけず……誰もまきこまず、一人で、この道を渡りきるなど。
エルナの志に感嘆したオーレイヴ。
一人で戦おうとするエルナを諌めたラヴァルタ。
だが、エルナの決意は、崇高なる無私無欲のものなどではなかった。
――こうしていつか、志なかばで倒れることを…私はわかっていたのかもしれない。
それでも、私のために数限りない人が死に、災いの連鎖を見る苦しみに比べれば。
(私にとっては きっと一番楽な道だったのだ…)
その時。
エルナの名を呼ぶ、力強い男の声が響いた。
「エルナ 剣をかざせ!!」
シャールヴィ。
はるか上空、竜の背から、その掌に雷光を集めてエルナを見下ろしている。
「打て(スート)! 雷撃(ソールスラーグ)!!」
打ち下ろされ、狂戦士の体を貫く雷撃。
そして、その真下にいたエルナたちにまで稲妻は降り注ぎ、
エルナが掲げた聖短剣と雷撃が、激しく反応しあい凄まじい爆発を引き起こした。
さしもの新型の狂戦士も、その威力の前には一撃で消し飛んでしまう。
だが、それを見てもハーレクは臆さない。
むしろ、シャールヴィが現れたことは都合がいい。
エルナ姫共々、一度に始末してくれる。
竜の背から飛び降り、ハーレクの前に降り立つシャールヴィ。
まだアーサトゥアルに忠義こいてンのかい、というシャールヴィの言葉を、ハーレクは否定する。
忠義などではないわ。俺は戦場が好きなのだ、と。
「俺は俺のために 一人で戦っているっ」
魔法剣を振り下ろすハーレク。
その脇腹の鎧の隙間から、おびただしい量の血が流れ出ていることに気づくシャールヴィ。
魔法剣をかろうじて戦斧で受け止めながら、ハーレクに呼びかける。
おまえ、すげえケガしてるだろ。
その傷で、回生呪もなしでそれだけ動けるのは、変だと思えっ。
その力は……
その時――ハーレクの竇武が、異様な形に盛り上がった。
「盛られたな……」
確信をもって呟くシャールヴィ。
その言葉通り、ハーレクの全身は見る間に異形へと変容を遂げようとしていた。
かつて、ハルスホルトで彼らを襲ったビッキのように。
ケガをすれば狂戦士になって戦え。それが、ヴァーリの意思だったのだ。
「あんたは一人で戦ってンじゃない 組み込まれてたんだぜ」
自分が道化であったことに気づき、激しく毒づきながらシャールヴィに斬りかかるハーレク。
それを防ごうと突き出したシャールヴィの剣の切っ先が、ハーレクの喉を貫く。
穏やかな表情で、ハーレクは何も言い残すこともせず崩れ落ちた。
ハーレクがわざと首を貫かれたことを察するエルナ。
ハーレクの亡骸を見下ろし、シャールヴィは呟く。
「誰も一人じゃ生きちゃいけねえ… 善くも悪しくもな…
誰もがでかい濁流に呑まれていく そういう時代ってわけさ」
剣を納めるシャールヴィ。
ようやくエルナに顔を向け、捜したぞ、とシャールヴィは静かに呼びかける。
思いもかけぬ再会に、エルナは何も答えず、シャールヴィの顔を見つめ返していた。
シャールヴィ、合流早っ!w
しっかしハーレクあっさり退場か
先々月カッコいいこと言うエルナを驚きの目で見たときは
さりげなく仲間フラグ立ったのかと思ったが
相変わらず魅力的なキャラを惜しげもなく殺すマンガだなあ
やっぱし、シャールヴィの旦那カッコヨス!!
エルナ、完璧に勇者として大成したのかと思ってたけどそうでもなかったんだな
命がけで戦うことが逃避っつーのも、なんつーか業の深い話やね
シャ−ルヴィとエルナが再開する瞬間ってどんな風になるかと思ってたんだが
意外と二人とも冷静だな
シャールヴィ、ホントはべた惚れしてるくせにw
お互い好きあってるはずなんだけど恋愛的な意味での距離は果てしなく遠いよなw
仲間とか同士とか親友とかって意味ならかなり近い間柄なんだろうけど
でも、エルナってエイリークのことはもういいのかなあ
今のエルナに惚れたはれた言ってる余裕はないだろ。
歩く道は死と破壊で舗装されてるし、行く手は闇。
そして、一人進む決意が、実は絶望と自殺願望をも含んでいた
ことを自覚したばかりなんだぜ。
どこまで一筋縄じゃいかないマンガなんだ
つーかエルナはいつになったら幸せになれるんだ・・・
最終回じゃね。スターゲイざー見る限り幸せにはなれず
救いのない終わりとかはしそうにない
何かに打ち込んでるうちは、他のいらん事を考えずにすむから、逃避とも言えるわな。
勇者様が言うように「答えはない、あるのは越える道だけだ」なのだから、
今やってることが必ずしも正しいとは言い切れないってのも痛々しいよな。
逆に言えばどんな選択しても、
それが正しいって保障はもらえないってことなんだよな、この世界。
現実はそんなもんなんだろうけど少年漫画としては果てしなく異質。
どんな選択をしてもその次の選択で良くも悪くも転んでいくってことでもあるよな。
正に現実そのものなんだが…「勇者の道」を歩もうとしているエルナにはきついよな。
ところで、ラヴァルタってシャールヴィに惚れてるっぽい描写なかったっけ?
なんか人間関係やたらとややこしくなりそうなんだが
エルナに忠誠誓ってる以上は、
エルナの気持ちに気づいた時点であっさり身を引くんじゃないか?
シャールヴィの気持ちの方に先に気づいちゃったときはめんどくさそうだが
しっかしシャールヴィの鎧はゴツいな。
こんないかつい甲冑着込んだメインキャラが今までいただろうか。
ラヴァルタんは騎士だもん
うまい事決着をつけてくれると思ってる。
たとえ「自分に勝った男」というのがあの手のキャラにかなりのフラグだったとしてもだ
誇りを持ったキャラだし
シグルーン
↓
エイリーク←エルナ←(→)シャールヴィ
↑ ↑ ↑
ヴァーリ ラヴァルタ
こんな感じか
エルナはエイリークのことはもう吹っ切れたのかなあ
>>681 この漫画を全然知らん人がその表見たら
エイリークモテモテでラヴァルタが変態に見えるw
いや、どさくさに紛れてなんでバーリはん混じってるんだw
>>681 ネタと普通のレス一緒に投下すんなw
反応しづらいだろw
して、エイリークは誰が好きなのだ
自分
実はアトリの母ちゃんのお腹の子は・・・
間違えた
お腹の子の父親は・・・
恐ろしい人だな
熟女専だったとわ!
木登りして覗いてるアトリに「無粋だぞ」とか言ってたんだろうな
おいおいw
エイリーク様カコイイなw
第49話 再会
「どうして来たの?」
再会するなり言い放たれたエルナの薄情な言葉に、どんよりとした表情になるシャールヴィ。
だが、別にエルナはシャールヴィを邪険に扱っているわけではなかった。
シャールヴィはアンサズの国王になる身。アンサズの難民をほったらかしにしていいはずがなかった。
それに、それに……シャールヴィには許婚がいて……
一人で物思いに突っ走ってしまうエルナを現実に呼び戻すシャールヴィ。
おめえが一人で魔境へ行くとか大バカトンチキ言ってるから来てやったンじゃねーかよ。
「弱っちいくせに」
「……もう弱くありません」
遠慮容赦のないシャールヴィの言葉に、むすっとしながら答えるエルナ。
その途端、弱えんだよ、と怒号を発しながらシャールヴィはエルナに斬りかかる。
鬼神と呼ばれたシャールヴィに、エルナが敵うはずもない。
何撃かは凌いだものの、足をかけられ、あっさり地面に引き倒されてしまうエルナ。
オラ、首を取るぞーっ。脅しながら斧を振り上げたシャールヴィ。
その喉元に、咄嗟に割って入ったラヴァルタが剣を突きつける。
お二人の間に何があったは存じませぬが、今はエルナ姫は我が主。
まずは私がお相手いた……言葉の途中で、ラヴァルタは血を吐いてしまう。
さっきの狂戦士にやられた傷が癒えていないのだ。
エルナにじっとして治癒呪文(クーア)をかけているように言われ、渋々剣を納めるラヴァルタ。
だが、シャールヴィはラヴァルタのことなんか完全に忘れ去っていた。ひでえ。
エルナに教えられ、ようやくラヴァルタの顔を思い出すシャールヴィ。
エルナの騎士を志願しているというラヴァルタに、こいつのお守りは大変だぜ、と笑いかける。
いくら志が高くても、実現しなれば意味がない。
おまえにはその力がない。おまえは弱いんだ。もちろん俺だってそうだ。この世界を動かしてる力に比べればな。
じゃあ、弱い人間はどうすればいい?
「エルナ 人を頼れよ」
ラヴァルタみたいに賛同してくれる者もいよう。受けた借りは返せばいい。
でも、これ以上シャールヴィに迷惑かけるわけには。命にかかわることだから。
この期に及んでまだそんことを言うエルナに、ついに本気で怒鳴るシャールヴィ。
命命って、おめーはすぐそうだ。聞きあきたっつーの。
「命より大事なことだってあるんだよ きっとな」
真摯にエルナを見つめながら、シャールヴィは言う。
「人間 生きてれば てめえの命より大事だって思えることに出あうこともあるんだ」
いーから俺様にお願いしろ。ラヴァルタにもだ。
ぐいぐいと頭を押さえつけ、無理やりエルナに頭を下げさせるシャールヴィ。
「おね… おね…」
「御意」
いつの間にやらツーカーの仲になってるらしいエルナとラヴァルタだった。
でも、魔風を防ぐ楯は一つしかないのに、魔境へ3人でなんて行けないよー。
そう言うエルナに、魔境行きはなしだ、と告げるシャールヴィ。
明日にでも戦が始まる。アーサトゥアルがグードランドに攻め込むのだ。
次の戦は、あの化け物たちが何百と地を這い、何千と天を覆う、そんな戦になる。
グードランドに大義を与え、全世界各国の軍をその旗の下に集めることができるのは自分たちだけ。
すでに南方辺境諸国は同盟に合意した。
これからすぐにグードランド本城へ行って戦陣を整え、アーサトゥアルを叩き潰す。
気勢を上げるシャールヴィ。
だが、エルナの瞳は、シャールヴィとは全く別のものを見ていた。
憎しみは憎しみを呼ぶ。あの戦場が、また繰り返される…
「シャールヴィ 違う 私が願ってるのはそんなことじゃない!」
思わず、エルナは叫んでいた。
一方、アーサトゥアル。
戻らないシグルーンの身を案じたアトリが、王城を見上げていた。
なんだかお城か最近徐々に、黒っぽくなってきた気がする。
城を、ツタのような植物――食魔草(レーラズ)がビッシリと覆っているせいだ。
凶々しいその姿に、アトリは思わず呟く。
「まるで お話に出てくる 魔王の城みたいだ」
その魔王の城の中では、エイリークが臥せっていた。
シグルーンに外の様子を聞き、魔精霊を大量に培養しようとしていることを知るエイリーク。
なんとかしなくては。
そう言うエイリークに、そのケガで、と怒った顔をするシグルーン。
だが、エイリークは聞き入れずに体を起こす。
まだ、命が尽きたわけじゃない。
ヴァーリ。全てあの男の計画だ。やはりあの男を倒さなければ。
いったい何者なのか。どこから来たのか。あの力はなんなのか。
アーサトゥアルに恨みを持つ者なのか――?
調べねばならない。だが、その前に。
シグルーンを呼び、魔法を書いた紙切れを小さく丸め、いくつか手渡すエイリーク。
誰かに見とがめられたり捕まえられそうになった時に飲めば、隠れ身の魔法になる。
今夜、戦の準備で皆が慌しくしているうちに逃げなさい。
あなたもまた、ヴァーリの魔精霊を使った企てにまきこまれているんだ。
ここにいて良いことはない。そして、できれば良い医者をみつけ診てもらいなさい。
それはおそらく、心の底からシグルーンのことを気づかうエイリークの優しさだった。
だが、突然そんなことを言われても、シグルーンには何のことだか理解できない。それに。
「私がいなくなったら この冷たい城の中で誰が ケガしてるエイリークの世話をするの?」
それ以上に大事なことはないとでも言いたげに訴えるシグルーンに、
私は大丈夫だよ…と驚いたように答えるエイリーク。
だが、その言葉は嘘だった。突然咳き込み、血を吐くエイリーク。
シグルーンは必死にエイリークの名を呼びながら、その体を支えるのだった。
エイリークが喀血したって……まさか死亡フラグか!!?
さよならエイリーク(・∀・)
エイリークやばいな
ベルセルクになったり操り人形になったりしてる感じじゃないけど
それにしてもシグルーンは完全にエイリークに惚れてるな
>>699 おまえはwwエイリークが嫌いなのかYO!
エイリーク、回生呪がきいてないみたいだけど魔法が尽きちゃったのかなあ
しかし城の中にいるとは…またヴァーリになんかされたら大変
しかしラヴァルタソ真面目なボケっぷりにワラタw
シャールヴィ、エルナを押し倒すなんてハァハァ
>「エルナ 人を頼れよ」
封魔剣+魔法反射が物凄い攻撃力を生み出すとわかったから、
エルナ独りで旅しても旨味がないって事が確定してるもんな。
上手い感じでストーリーが進んでる。
>>701 回生呪って魔精霊にも効くのか??
てか、何照れてんだ!何喀血してんだ!
>「おね… おね…」
>「御意」
このやりとりワロス
むしろエイリークに飲ませた魔精霊は、魔法を食い尽くす仕掛けになってるんじゃなかろうか。
魔法すらも奪えば、完璧なヘタレになると踏んだのだろう。
魔法どころか命まで食い尽くしそうなんですが
本当に
サヨナラ(;∀;)ノ~エイリーク
まあ最後にもひとつぐらいは見せ場あるだろ
>>709 確かに
そうじゃなきゃとっくに死んでるよな
魔法と聖短剣のコンビネーションに気がつくのがもうちょっと早ければ、
二人でアンサズ王城を救い、父王様にお覚えめでたく凱旋することができたかも。
ヒントはあったんだ、アーサトゥアルの子供狩りが来てた村で。
でも現実はそんなうまくいかないもんだよな。
エルナは一人で背負い過ぎなんだよな。
それは尊く気高いと同時に他の人間への侮辱でもあるわけだ。
つーかそんなことになってたらラヴァルタンが再登場できないじゃないか
シャールヴィの父ちゃんも好きだがやっぱヒゲオヤジより美女のほうがいい
シャールヴィの父ちゃん良かったけどな。
絵に描いたようなバイキングで。
おまえは俺の命より大事だ、的な
シャールヴィがまた決定的なことを言ってるんだが
エルナにちゃんと伝わってるんだか俺にはもう自信がない
ヴァーリはエイリークを殺さないって言ったから、あの魔精霊も命を奪うようなもんではないのでは?
>>715 エルナは激ニブだし直後にまたイジメてるしで絶対伝わってないに100カノッサ
あの鈍感さは演技。シャールヴィの反応を楽しんでいる闇の姫御子説。
マジでそうだったらむしろ惚れるかもw
シグルーンが演技の方がやべえけど
シグルーンが実は黒かったりしたらエイリーク発狂しそう
ヴァーリに目ェつけられなくて良かったねシグルーン
まあ今となっちゃ鼻クソみてえなモンだろうからな
第50話 氷の軛(くびき)
アーサトゥアルの前線では、蛹から次々と新型の狂戦士(ベルセルク)たちが孵化していた。
そのあまりの凶々しさを前に、今回の作戦に思わず疑義を差し挟んだ一人の兵士は、
その途端、カラスの群れに襲われ、全身をついばまれ、絶命した…
《滅せ…
滅せよ疾(と)く この無風の地を 世界(ギムレー)を》
凶々しい声が韻々と響き渡る。
ヴァーリの居室にわだかまる闇。声は、そこから聞こえてきていた。
《何をしている ヴァーリ 早く!》
闇から響く声に向かい、そう急かれますな、と穏やかに抑制するヴァーリ。
私は今楽しんでいるところです。
人に恐怖を与え、意思を奪い、未来を奪い、希望を奪い、憎しみに満たし、
遂には肉の一片までも引きさいて奪っていく。
「我々と 同じ目にあわせてやっても良いではありませんか」
そのあと、どうせすぐに…
一方、シャールヴィはエルナを説得しようとしていた。
もう猶予はない。この勢いじゃ、アーサトゥアルの狙いはグードランドにとどまるまい。
アンサズと同じ、いや、それ以上の災厄が全世界を襲うだろう。
もはや戦って止めるしかないのだ。
大国であるこのグードランドで止めるのが、もう最後のチャンスなのだ。
だが、エルナは納得ではない。
私たちはずっと、戦いを止めるために戦ってきた。でも戦いは終わらない。
戦いを終わらせるためには、もっと根本的な何かどうにかするしかないのだ。
そして、その何かが、魔境にあるとエルナは考えていたのだ。
魔境へ行って魔獣を倒せば、各国の耕地をおびやかしてる魔風がなくなるわけだし、
世界の外に新しい大地が広がって、領土問題は解決する。
国同士が戦う必要がなくなるのだ。
だが、エルナの言葉を、シャールヴィは非現実的だといって一蹴する。
理由の一つは、エルナがウルトラくそ弱っちいってこと。
そして、もう一つの理由は…
今のアーサトゥアルは明らかにおかしいとシャールヴィは感じていた。
もはや、領土がどうこうというのではない。
かつてアンサズだった占領地もちゃんと治める気もないようだ。
そう、今のアーサトゥアルは、得体が知れないのだ。
(なんか…… 憑いてンじゃないのか?)
だが、その疑惑はあえて口に出さず、シャールヴィはエルナと一緒に竜に跨がると、
ラヴァルタにグードランド本城への案内役を依頼する。
エルナの命令しか聞かないとシャールヴィの言葉を突っぱねるラヴァルタ。
だが、エルナはぷぅと膨れっつらをしてシャールヴィに助け舟を出す素振りも見せない。
現実的に考えろ、と再びエルナを説得にかかるシャールヴィ。
俺たちが行かなければグードランドは確実に負ける。人が大勢死ぬぞ。
そんなことは、エルナにも良くわかっていた。だが。
「じゃあ 私たちが行って そのおかげで全世界の軍が集まって
その分アーサトゥアルの兵を殺すの?」
あの凶々しき狂戦士でさえ、もとは人なのに!!
感情を昂ぶらせ、エルナはシャールヴィの返事を待たずまくしたてる。
わかってる。次に言うことわかってる。
どっちの国が正しいとか、戦を早く終わらせれば人が死ぬ量が少ないとか。
「でももう 量とか正義とかの問題じゃない」
エルナの言葉に、シャールヴィとラヴァルタは茫然とする。いや、エルナ自身さえも。
それは、エルナの中でも整理のついていない言葉だった。
無意識のうちにそれを吐き出してしまったことを謝るエルナ。
世の中に、完全に正しい答えなんてないはず。
結局、エルナもグードランドへ向かうことを承諾する。
もうすぐに戦が始まってしまうというなら、実際に血を流して戦い合う人々を横目に、
目処もあてもない魔境への旅へ行くことなどできはしない。
きっとこれで正しいよね、と自分に言い聞かせるエルナ。
だが、シャールヴィはさっきのエルナの言葉に、また考えさせられていた。
やはり、エルナは他の誰とも違うことを考えている。
一見愚かにも聞こえる。しかし…
エルナのうしろあたまを見つめるシャールヴィ。
そのうしろあたまをさらに見つめるラヴァルタ。
それはそれとして、シャールヴィは城へ抜ける空路をラヴァルタに尋ねる。
案の定、エルナの命令でなければ聞く気のないラヴァルタの返答に、
シャールヴィはエルナのほっぺをつねる。
「だってよ おい!」
「はりよ〜〜(なによー)」
ああもう、可愛いなあエルナ!
なんか前よりイジメられてる気がする、とわかってるのに、
シャールヴィに言われるまま素直にラヴァルタにお願いしちゃうエルナ。
エルナの命に従い空路の説明をするラヴァルタだったが、その途端、
一行は竜を駆る親衛隊(ヴァルキュリア)に見咎められてしまう。
親衛隊が乗る竜は飼い竜。小さくて弱い竜だが速い。逃げるのは困難だった。
誰何の声を上げる親衛隊。
ラヴァルタに仲介を頼むシャールヴィだったが、
裏切った身であるラヴァルタではかえって話がややこしくなりかねない。
敵意がないのなら、と着陸の指示を出し誘導しようとする親衛隊。
だが、シャールヴィがそんなまだるっこしいことに素直に従うはずもない。
親衛隊の言葉を無視し、竜を飛ばすシャールヴィ。
「このまま城の上に乗り付けてやる」
「それって敵意アリアリじゃないのよオッ」
エルナの突っ込みもラヴァルタの諫止の言葉も完全にシカト。
もちろん城からも丸見えなので、すでに城では完全迎撃態勢が整えられようとしていた。
放たれた弓矢を竜の炎の吐息で焼き払い、城の上に竜を着陸させるシャールヴィ。
武器を構え、侵略者を見る目を向けながら、大勢の衛兵たちが三人を取り囲む。
交渉? 同盟!?
こんなんで、うまくいくはずないよォ。
エルナは完全に途方に暮れていた。
一方、アーサトゥアルでは、ゲイルが前線の配備が完了したことをヴァーリに報告していた。
ではすぐに出撃させよ、と命令するヴァーリ。
だが、出撃は明日だったはず。驚くゲイルに、すぐにと伝えよ、とヴァーリは冷たく繰り返す。
恐怖に顔を強張らせ、退室するゲイル。
その時、室内からヴァーリともう一人の声が聞こえてきた。
「これで…」
《そうだ 早く
お前はいつも一人で遊んでいる 私は早く見たい……》
部屋にはヴァーリ一人しかいなかったはず。訝しむゲイル。
「もうしばらく… 研究などもありますし」
《なぜだ そんなものは要らぬ 早くホロビが見たい!! 早く 早く》
こっそりと、ゲイルは室内を覗き見る。
そこには――
《早く》
ヴァーリの背後に広がる暗闇の中、凶々しく輝く三つの目が浮かんでいた…
ありゃ、最後間違えちゃった
4/4ですね
スイマセン
ラスボスはやはりフレースヴェルグか…
しかし気がついてみたら女主人公を差し置いて髪型チェンジしてる中ボス
ってのもある意味凄いな
>ああもう、可愛いなあエルナ!
ちょw あらすじ精霊さん本音噴出www
ドンマイ、いつも乙です。
しかしシャールヴィは傍若無人だなw
こんなごり押ししといて協力を求めてもグードランドの女王が素直に頷くとは思えないな。
もう一波乱ありそうだ。
そしてヴァーリの主ってやっぱ魔獣なんだ。
でもなんかフレースヴェルグとヴァーリの最終目的って食い違ってるっぽいよね。
フレースヴェルグはとにかく人間が滅ぶことを願ってるみたいだけど、
ヴァーリが本当に企んでることは何なのかな。
今まで伝説の存在でしかなかった魔獣がついに現実に登場・・・かな?
しかし魔獣っつーから知能ないのかと思いきや普通に喋ってるな
これまで深く考えたことなかったけど、魔獣ってそもそもいったい何者なんだろう
>>729 魔獣は滅びそのものが見たい、ヴァーリは滅びの中で苦しむ人間の姿が見たい、って感じじゃないかな
>>728 エルナはロングスカートからミニスカへと大胆な衣装チェンジをしてるじゃないか
またタイツ履いてくれエルナ
いや履いてくださいお願いしますマジで
そういや、生足さらして空飛ぶのってすげー寒そうだよな
女の子は下半身冷やしちゃダメだよエルナ
シャールヴィは、エルナが好きでたまんないくせに
ホッペつねったりいじめたり、おまえは小学生かと
これでヴァーリは魔獣の使い魔で確定?
でも魔獣を上手く利用してるような感じがするな。
この漫画の使い魔って主人をナメてるヤツばっかじゃね?
カルルはアレだしニセエルナもラヴァルタのこと無視して勝手に成仏しちゃうし
魔法使えるような知能が高い奴を作ったら自我が芽生えてえらいことになるってことかね
>なんか前よりイジメられてる気がする、とわかってるのに、
>シャールヴィに言われるまま素直にラヴァルタにお願いしちゃうエルナ。
このシーン見て、エルナって悪い男に引っかかったらズルズル堕ちちゃいそうな気がした。
舞台は中世風だけど、飛竜が存在するから、スクランブル発進で防空して、着陸誘導とか
現代みたいな手順で面白いな。
シャールヴィ、軍人のくせにめちゃくちゃすぎw
つーかいざというときはクールで頭も回る人のはずなのにw
やっぱりエルナが落ち着いてるときは暴走しちゃうのかw
シャールヴィ強引すぎw ラヴァルタ達に最初に襲われたときのこと忘れてるな。
ところで,「うしろあたま」って、元ネタは高野文子だよね。
webで「うしろあたまは新潟では標準語」という記述に当たったが、ほんと?
つっつーはたしか新潟ではなかったし、関係ないか。
東京都民だが普通にうしろあたまって言うぞ?
道産子ですが「うしろあたま」って使いますよ。
新潟方面の方言だったとは知らなかった。
ところで、シャールヴィの
>(なんか…… 憑いてンじゃないのか?)
の台詞を読んで、ギムレーにも霊魂や死後の世界などの概念があるのかと、ふと気になった。
身代わりエルナのときに、エルナが霊みたいなものを見てるね。
あと、勇者様の霊?
我々の世界の北欧をベースにしてるようだが
ヴァルハラみたいなアノ世観もあるのかな?
最後の騎士サマは天上と書いてヴァルハラと言ってたな
花嫁聖別のときはオーディンの名前唱えてたし
北欧神話そのままでないにしても死語の世界観ぐらいはありそう
でも、仮に北欧神話そのままのヴァルハラがあるとしても、
今のアーサトゥアルにゃ戦乙女に迎えに来てもらえるような戦士はいなさそうだ
>>744 あれって本当に幽霊なんだろうか
魔法とか出てくるファンタジー世界なのに妙にリアルな世界だから
幽霊とかマジで出てこられるとなんか浮いてるような印象うけるんだよな
勇者様はアンサズの洞窟の映像以外は、エルナの超自我というか、
右脳の直感による解答が形をなしたのかもしれないな。
休載?
>>739 飛竜が存在するなら、本当は、城の構造も違ったものになるはず?
まあ、中世風の風情が失われるかもだが。
最近結構面白いよ
誤爆った。スマソ
第51話 開戦
シャールヴィの常識はずれの行動は、グードランド兵を完全に警戒させた。
武器を捨てて投降するよう命じるヴァルキュリヤの言葉に、
素直に従おうとするエルナとラヴァルタをシャールヴィは制止する。
捕虜になりに来たのではない。あくまで対等でなければならない。
それに実際、この程度の連中なら楽勝でブッ飛ばせる。
自信満々に不穏なことを言い出すシャールヴィに眉を吊り上げるエルナ。
その言葉はグードランド兵の耳にも届いていた。一斉に弓から矢が放たれる。
だが、シャールヴィは動じない。
我らの名を聞くがいい。不遜に言い放つと、防御圏(クレトゥス)を展開させる。
矢を防ぐどころか、石床をえぐり、人を吹き飛ばすほどの威力に目を見張るグードランド兵たち。
「我が名はアンサズのシャールヴィ…」
そして、魔導士隊による魔法攻撃には、エルナが聖短剣で対処する。
「そしてここなる姫は アーサトゥアルのエルナ」
よっく見やがれ、この封魔剣の輝きが何よりのショーコだァ! なめてんじゃねーゾ。
なぜか悪役のように笑いながら、自分たちの力を見せ付けるシャールヴィ。
その効果的な演出による口上は、実に劇的な反応をグードランド兵たちにもたらしたた
占領地の王子を従えて、エルナ自ら先遣隊として攻めて来たものと誤解させてしまったのだ。
ややこしくなる一方の事態の中、不意にラヴァルタが動きを見せた。
剣を抜き、エルナの喉元に突きつけると、腕を掴み上げてエルナを捕らえる。
シャールヴィに剣を捨てるよう命じると、ヴァルキュリヤに自らの顔を見せるラヴァルタ。
スヴァンラウグと呼ばれたヴァルキュリヤは、裏切り者であるはずのラヴァルタの姿に驚く。
だが、ラヴァルタは自国を裏切ったわけではなかった。
「裏切ったふりをしていたのです おかげでこの二人 行きながら連れ帰ることができました」
騙されていたことを知り、シャールヴィは怒りの形相で歯噛みする。
そして、エルナは、ラヴァルタの誓いの言葉が偽りだったことにショックを受けていた。
世界の状況も変わり、エルナたちは生かして利用する方が得策かもしれない。
生かすか殺すか、我が女王陛下の御目で選んでいただきたく。
平静な口調で言うラヴァルタから、寂しそうに目を逸らすエルナ。
ともあれ、その場はそれで収まった。
スヴァンラウグの命により、牢獄に収容されてしまうエルナとシャールヴィ。
召喚の期限が切れたシャールヴィの竜も放たれてしまった。
途方に暮れるエルナの傍らで、ラヴァルタの裏切りに毒づくシャールヴィ。
その時、まさに当のラヴァルタ本人が、牢獄を訪れた。
地に額を擦りつけ、エルナへの無礼を謝罪するラヴァルタ。
ラヴァルタはこの地で育ったのだししかたないと慰めるエルナだったが、
ラヴァルタが言っているのはそういうことではなかった。
さっきのあれは、とにかくあのような騒ぎを早くおさめ、
どのような形であれ女王に会うことが大事と考えた故の行動だったのだ。
女王は賢明な方。会談の成否はわかりませんが、
直接お会いになれば、どのような立場の者の話でも、公正に耳を傾ける方です。
全てがラヴァルタの芝居であったことを知り、みじょ、と涙ぐむエルナ。
気の利いたことに、ラヴァルタは剣まで隠し持って来てくれていた。
折りを見てお渡しします、というラヴァルタに、シャールヴィのわだかまりも解けたようだった。
その頃、グードランド女王の元を、スヴァンラウグが訪っていた。
外で強大な魔法の気配がする、と言う女王に、3人のことを報告しようとするスヴァンラウグ。
だが、女王が言うのは彼らのことなどではなかった。
「3名? いや 3人や4人の魔法ではない 何十人何百人もの魔法の気を感じるぞ…」
女王の言葉は正しかった。
グードランド城上空に、突然黒い巨大な穴が開き、そこから異形の化け物が姿を現したのだ。
空中からの転移魔法(ユエヴァーフォエリン)。
転移されてきたものはもちろん……アーサトゥアルの狂戦士(ベルセルク)!
巨大な肢で壁を破壊し、いきなり玉座を襲撃する狂戦士。
中枢への奇襲に驚くスヴァンラウグに、狂戦士の目から光線が放たれた。
狂戦士襲撃による振動は、エルナたちのいる地下牢にまで伝わってきていた。
敵襲を告げる兵士たちの声に、早く鍵を開けるようラヴァルタを急かすシャールヴィ。
しかし、当然ながらラヴァルタは鍵など持っていない。
「何やってんだ段取り悪い〜」
「そもそも貴君が大暴れされたからです」
「あんなのは大暴れに入らねェ」
「姫がおケガされたらどうなさるのです」
突然口喧嘩をはじめた二人に、弱々しく制止の声をかけるエルナ。
どっちみち会談は後回しだ、とシャールヴィは立ち上がる。
要するに、実際に女王を納得させればいいのだ。
腕を縛り上げていた鎖を籠手ごと外し、早速魔法で壁を破壊して脱出するシャールヴィ。
「シャールヴィがお城壊してどうすんのよーっ」
「言ってられねーだろ」
「……あの男 やっぱり無茶苦茶だ…」
エルナを片腕で抱きかかえてダッシュするシャールヴィと、その後を追うラヴァルタ。
「こっからが大暴れだぜ 反魔法もわかってきたしなっ」
一方、狂戦士は女王のいる塔を完全に破壊し終えていた。
だが、そこから動こうとはしない。女王を捜しているらしい。
矢などまるで通じない外殻に、炎波動(エルドヴォーグ)を放つ親衛隊の一人。
多少の傷をつけることはできたが、狂戦士の腕に握り潰されてしまう。
多少は魔法が効くことがわかり、魔導士隊による攻撃に切り替える城兵たち。
何人もの攻撃魔法が狂戦士に命中するが、大したダメージは与えられない。
それどころか、翅を広げた狂戦士によって、一瞬のうちに何人もの兵が犠牲になってしまう。
悲鳴を上げて逃げ惑うグードランド兵たちだったが、その彼らの目に、さらなる絶望の光景が映る。
空にいくつも穿たれた転移魔法の穴。
その一つ一つから、狂戦士が姿を現そうとしていた。
逃げ出すグードランド兵たちの中、狂戦士の前に毅然と立ちはだかる二人の姿があった。
エルナとシャールヴィ。
「奴らとの戦い方を教えてやろうぜ……」
言うや否や、雷撃の詠唱をはじめるシャールヴィ。
噴煙立ち上る塔からは、グードランド女王が光の球に包まれて無事な姿を現し、その光景を見守っていた。
「打て(スート)! 雷撃(ソールスラーグ)」
エルナの上に打ち下ろされる雷撃。それが、エルナのかざす聖短剣と反発しあう。
反魔法の凄まじい力によって、一撃で粉々になる狂戦士の一体。
駆けつけたラヴァルタに、シャールヴィは魔法を撃ってくれるよう頼む。
この作戦は、詠唱の間が命取りになるのだ。
そしてエルナも、おそらく初めて他人に言うであろう言葉を口にしていた。
「ラヴァルタ 一緒に戦って下さい!」
女王によって救い出されていたスヴァンラウグは、雷鳴の轟く音に意識を取り戻した。
その彼女に、狂戦士と戦う3人について尋ねる女王。
「あれは… 勇猛で名高いアンサズの王子シャールヴィ
そしてアーサトゥアルの… 封魔剣を操る闇の姫御子エルナ
そして我がグードランドの竜騎士(ヴァルキュリヤ)ラヴァルタ」
3人によって次々と撃破されていく狂戦士たち。
エルナ姫。自国と戦うとはどういうことだ。
訝しむ女王だったが、いずれにせよめずらしきこと、と改めて眼下の光景を見下ろす。
このようなものが見れるとはな。
アンサズ。グードランド。そして、アーサトゥアル。
「3国の者が力合わすさまを…」
少年誌的王道展開キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!
まさかこのマンガでこんな先行き明るい燃え展開が見れるとは
今まで熱い展開あってもどこか暗かったり重かったりしたからなあw
なんであんな太い縄をと思ったら、あれ髪だったんだな
ああ、女王様のことか
一瞬誤爆なのか何なのかと真剣に悩んじまったw
女王様のビジュアルはすげえよな。100歳ぐらい?
ビジュアルだけじゃなくてなにげに魔法もすごくないか?
多分クレトゥスだろうけど狂戦士の攻撃から完全に身を守ってる
シャールヴィも気付かなかった転移魔法の気配にも気付いてるし
これが魔法世界の大国の女王の力か…
ガチで魔法勝負したらエイリークも負けそうな気がする…
シャールヴィなんて適当にあしらわれそうだ。
年を取るほど魔法が強くなるとかあるのかな?
子供は魔法が少ないという記述はあった気がするが。
女王は高位防御圏と風霊翼をやってるだけみたいなのに、
なんでシャールヴィより上なんてところまで持ち上げられちゃうのか
分からないな。もう少々大きな奴を使ってもらわないと。
それどころかある意味、ひたすら防御のみに徹し、反撃どころか
より能動的な回避行動すら行わない女王の魔法力には、シャールヴィや
エイリークと引き比べると、一歩劣るのではないかという疑念すら生じかねない。
襲撃の全容が判明するまで無闇に動かないというのは、妥当な選択だとは
思うけどね。一口に魔法と言っても、系統により得手不得手があるかもしれんし。
なるほど、シャールヴィは雷系や炎系ばっか使ってるしな。
ヴァーリは氷系かな。
お約束らしくてイイ
>>763 そういう記述ってあったっけ?
>子供は魔法が少ない
子供にしか使えない魔法がある、というのは見た気がしたが
魔法の強さは生まれつきっつーか遺伝がかなり物言うみたいだけど、
やっぱ成長につれて強くなったり経験積んで使い方上手くなったりはあるんじゃないかな
>>767 子供の頃のエルナが「子供の少ない魔法でも動かせるおもちゃ」をもらってた希ガス
エルナはそれさえ動かせないわけだが。
>>769 「ほんの少しの魔法で動くからくりです」としか言ってないよ。
ああそうか、子供は魔法が少ないから
少ない魔法でも効果を出してくれる特別な精霊がいる(ハーリティ)んだと思ってたよ。
今回で本格的な戦闘に最初から参入か。
空から湧くベルセルクキモス
もはやベルセルクっていうより巨大昆虫だな
SANチェックが大変だ
>巨大昆虫
自分には昆虫ってかカブトガニに見えたよ
カブトムシとかの甲虫系だね
グードランドの女王は雷撃とか打たないのかな
シャールヴィ+エイリーク+女王で同時に雷撃打ったら
シャーンスラーグに対抗できたりしないかな
>>773 ちょwwwこのスレでまさかSAnチェックなんて言葉にお目にかかるとはw
>>774 それなんてトリプルギガデイン?
でもあんなベルセルクでも、人間が元なんだろ?
何だかぞっとしないな。
ビッキみたいに自我はあるのかなあ
真ん中の顔が笑ってるように見えるのが怖いんだよな、あれ
女王様のことだ。
彼女が短い呪文を唱えたら物凄い風が巻き起こって
「いくら短呪系とは言えこんなに早くイルドラーグを発動させるか普通!?」
とシャールヴィがびびってたら、
「違うな亡国の王子よ。これは風針の魔法だ」と平然と言い放つに決まってる。
>>778 それなんてバーン様?
あの女王様の貫禄はたしかにバーン様にも引けをとらないがw
今月の王道少年漫画展開なら、それもアリかもしれんw
魔法力を全開にすると全身の細胞が活性化して20歳前後の肉体に若返ります
最初女王と聞いた時点で根拠なく美女を想像した俺…
すんなよw
ロトの末裔だったり大魔王だったり霊光波動拳の継承者だったり
女王様の中の人も大変だな
誰か魔法の強さランキングスレ立てろよ。
第52話 復讐の廃太子
エルナたち3人の活躍によって、狂戦士(ベルセルク)は次々と倒されていった。
その様を簡単と畏怖の入り混じった目で見るグードランド兵たち。
聖短剣の気に触れただけで、魔法が何十倍もの威力を持つ。あれが反魔法なのだ。
かつて、アーサトゥアルが謀略に使おうとし、アンサズが略奪をねらい、グードランドが暗殺を試みた…
「あれが… 恐るべき闇の姫御子…」
だが、戦いを優勢に進めているエルナたちだったが、限界が近づいていた。
敵の数があまりにも多すぎる。魔法も尽きるし、それに、エルナの体力が持たない。
その時、エルナの背後に転移魔法(ユアヴァーフォエリン)の穴が開く。
穴から伸びる狂戦士の腕。シャールヴィたちの援護も間に合わない。
だが、エルナは誰もが想像もしない方法に出た。
聖短剣を穴に突き入れ、転移魔法ごと解呪してしまったのだ。
転移魔法のような大きな魔法を解呪すれば、反魔法の反応もまた大きい。
反動で吹き飛ぶエルナ。
その様を、ヴァーリはアーサトゥアルで、逐一使い魔からの報告を受け取っていた。
グードランドで自国軍と殺し合うエルナを、一興と嘲笑うヴァーリ。
「殺し合うがいい 滅ぼし合うがいい… その罪に溺れるがいい
その暗黒が やがてお互いを食らいつくし 清浄なる死の魔境が全地を覆うまで…」
一方、エイリークはヴァーリの正体を知るべく、彼の素性を探っていた。
シグルーンから受け渡された資料を調べるうち、
ヴァーリの修道会以前の出自の記録が全くないことに気づくエイリーク。
いずれかの国からアーサトゥアルを乗っ取りに来た者か?
いや、恨みを持つ内の者かもしれぬ。追放された魔導士や、処刑された貴族の身内かも。
アーサトゥアルの資料を調べるエイリークは、王族の系図に抹消の後があることを発見する。
ただ亡くなったとかじゃなさそうだ。名前も読めないくらいに、完全に消し去られている。
まさか…
ヴァーリのことを調べているのは、エイリークだけではなかった。
修道会領、大聖堂。
ここでは、頭巾をかぶった謎の人物が、ヴァーリに関する資料を魔導士から受け取っていた。
ヴァーリが修道会に入る以前の資料を欲しがる頭巾の人物に、
あとは資料室に忍びこむしかないんじゃないですかね、と答える魔導士。
鍵を開けてくれるだろう?と半ば強制するように魔導士に頼む頭巾の人物。
それとも大聖堂付きになって偉くなってしまったのかね? かつての師の頼みを…
その言葉に、大胆すぎると魔導士も鼻白む。
いままで北の修道院がどんな思いであなたを匿ってきたか。そもそもあなたは…
どうやら、頭巾の人物はかなり曰くのある人間のようだった。
結局押し切られたらしく、頭巾の人物を資料室へ案内する魔導士。
そこは、世界樹(イグドラシル)の生きた組織を利用した、古代の文明の名残だった。
どんどん枯死が進んでいるため、もう名簿ぐらいにしか使えないと説明する魔導士。
開いた本に書いてある文字列を光が読み取り、中央の台座にヴァーリの立体映像が映し出される。
プロヴィンーサのヴァーリ。
アーサトゥアルの東の辺境、風読み(ヴィンレーサ)の村プロヴィンーサの出となっている。
だが、大魔導士(プレスト)となるほどの者。相当の魔力の持ち主のはず。
貴族の出か、あるいは…
立体映像のヴァーリの体をくまなく調べるうち、ついにフードの人物は決定的な手がかりを得る。
後頭部、首のつけね辺りにに回生呪。これは、アーサトゥアルの王族の証。
まさか……、…ということは、もしや。ヴァーリの正体に思い至るフードの人物。
アーサトゥアルの先王エイナルが、我が子エイリークを光の王とするために、
かつて魔境に追放した王弟ヴェスタルの息子――
「エルナ姫の異母兄(あにぎみ)である かの御子がヴァーリの正体だとしたら」
その時、資料室の入り口に立ち、頭巾の人物に誰何の声を上げる人影があった。
新法王。
頭巾を外すよう命じられ、頭巾の人物は素直にその言葉に従う。
露わになった、その傷だらけの顔を見て、新法王は驚愕する。そなたは……存じておるぞ。
「修道士(ムンキュル)アースムンド」
滅びるがいい…風に吹かれながら、ヴァーリは思い出す。
吹き荒ぶ魔風に身を砕かれた、あの日のことを。
絶望と憎悪に身を焦がし、底のない妄執に囚われ息絶えて逝った母のことを。
そう、あの日、ヴァーリと母は、ただただ王の私欲のために、魔境に追われたのだ。
地位も、富も、誇りも、意思も、未来も、希望も、全て奪われて。
皮膚が削げ、肉が焼かれてゆく激痛に苦しみ悶える母の体を、
まだ年若いヴァーリは泣きながら抱きかかえ、母だけは助けることを誓った。
だが、母の望みはそんなことではなかった。
忘れるな。悪鬼のような形相で叫ぶ母の顔が、未だにヴァーリの脳裏には焼きついている。
『この恨み このつらさ この痛みを忘れるな
あなたは必ず生きて帰って世界の王となり 全ての者にこの恐怖を味わわせておやり』
それが――ヴァーリの思いの原点だった。
反魔法の衝撃に吹き飛ばされて地面に転がるエルナ。
ただちに襲いかかる狂戦士を見て、ラヴァルタは助け起こす暇もなくエルナに魔法を放つ。
座り込んだ姿勢のまま、聖短剣を掲げて魔法を反発させるエルナ。
粉々に砕けた狂戦士の体から、赤い血が降り注ぐ。人の血。
いくらもう二度と人に戻れない重度狂戦士(アルヴァーリスト)でも、私が人を殺しているのに違いはない。
なんだかどんどん、剣先からどんどん……罪に染まっていく感じがする……
ンなコト考えんなっ、とエルナを叱るシャールヴィ。心までつらくなってどうするんだ。
だが、エルナはシャールヴィの言葉を否定する。考えるのは…やめない。
だって母様が言っていたもの。
『つらいことがあった時 苦しいことやくやしさやもどかしさや悲しみや…
体の痛みも 心の痛みも けっして忘れないようになさい…
そしてよく考えて いろんなことをね
どうしたらもう二度と 誰にも そんな思いをさせずにすむか……』
それが――エルナの思いの原点だった。
「風剛剣(ヴィンスヴェード)」
シャールヴィの魔法が聖短剣と反発し、最後に残った狂戦士に放たれる。
しかし、連続する魔法の使用に、さしものシャールヴィの魔法も弱くなっていた。
傷つけるものの、致命傷には程遠いダメージしか与えられないのを見て焦るシャールヴィ。
翅を広げて飛びかかって来る狂戦士に、今度はラヴァルタが魔法を撃つ。
疲れ果てながらも聖短剣を振るうエルナ。
いつか……ほどくことができるのだろうか……
この果てなき戦いの連鎖を…
(いっそこの剣で断ち切れればよいのに 苦しみの因も果も)
そう願いながらも、エルナの一振りは狂戦士を撃ち滅ぼす。
苦しみの因果ではなく、ただ敵を斬ることしかできないまま――
ようやく終わった戦いに、安堵の息をつくグードランド兵たち。
エルナに駆け寄るシャールヴィとラヴァルタ。
何も言わず、黙ってエルナに鋭い視線を送るグードランド女王。
数多の思いを孕んだ視線に囲まれながら、
疲れ果てた表情で息を荒げ、ただ虚空を見つめるエルナは、果たして何を思うのだろうか…
今月内容濃すぎ
エルナもヴァーリも原点は母親の言葉なのね。
つっつー芸が深いよつっつー。
ヴァーリの正体にはマジでビックリしたが、
アースムンド様生きてた衝撃のほうがでかすぎてどうでもよくなった
生キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━!!!
バーリはんの母ちゃんマジで怖えよ・・・
つか、バーリはんが前に言ってた妄執引き受けてもいい相手って母ちゃんのことか
つーか完全に妄執引き受けちゃってんだな、使い魔にしたのかどうかはわからんけど
アースムンド追悼スレ、落ちてて良かったな!w
死ぬには惜しいキャラだったので復活は素直に嬉しい
それにしても首のつけねの回生呪だけであそこまでわかるのは凄すぎだw
きっとアースムンドは王室マニアw
つまりボード・ヴュラード並の王室マニアってことかww
このスノリって奴が助けて死んだことにして匿ってたのかな
人望あってよかったねアースムンド様
傷だらけの顔カコイイよ
どうでもいいけど、スノリと新法王様も三つ編みだな・・・
マジで魔導士は三つ編みにしなくちゃならない戒律でもあるのか
三つ編みにすると魔力が強くなるとかかな
シャールヴィとやエイリークは三つ編みじゃないが
ハッ!(゜д゜)女王様のあのロープみたいな髪型は・・・
エイリークタンも三つ編みにしたらヴァーリに勝てたんでね?
短めだから編み込みかな
オサゲを刈り取った方が勝ち!
そうか、だからヴァーリはエイリークに勝てたんだな。
若ヴァーリかわいいよ若ヴァーリ。
魔界になど追放されずにあのまま成長していたら
さぞかし思いやりのある良い王へとなっていたんだろうに……
普通にお母さん思いのいい子だよねえ。
エイリークも王にはなれずとも従兄の良い補佐役になれただろうに…
もしかしたらアーサトゥアルも黄金時代を迎えられたかもしんないのにね
つくづくエイリークの親父は余計なことをしてくれた
まあでも、そしたらエルナは生まれてないわけでこのマンガ自体なかったことになるけど
それにしてもつっつーすげーな。
仮にも半分血のつながった兄妹をここまで対照的に描くとは。
辛い目にあったとき、片方は「他の人も同じ目にあわせてやれ」と言い
もう片方は「他の人が同じ目にあわないように考えろ」と言った。
おかんの言葉がホントに運命の分かれ目だったんだね。
親の影響ってすげえな。
どちらの母親も「忘れるな」と言っているのに
言葉に内包された意味は正反対だもんね
堤さんて台詞やシーンを対照させるのが上手だな
ところで今回の話を読んでバーリはんがマザコンにしか思えなくなりましたよw
母親の妄執抱えて十何年生きてるわけだからねえ…
これで母親使い魔にして当時のままの姿で保存してたりしたら立派な変態さんですな
すげーありえそうだけど
もう忘れたのか。縁の深い相手は使い魔には出来ないぞ。
いや、対象が人間な時点でダメだったか。しかも、その「ダメ」も
呪いを甘受するならアリだった。不可能という訳ではなく。
ラヴァルタがそうだったように。
縁云々ってのは、どーぶつでも縁の深いものは人間同様という
話だった。もう忘れたのか>俺
つまり、あの時点で母を使い魔にするのはアリだったと。
>>811 前に「妄執を引き受けても良いと思ったことがある」みたいなこと言ってたから
もしかしたら使い魔にした母親をどっかにかくまってるかもしれないね。
自分が死なない限り、母親も死ぬことはないわけだから。
でもアーサトゥアルには置いておけないだろうなあ。
王弟の妻だったんだから、まだ顔を覚えている人間は多かろう。
母親のキャラが逆だったら……
エルナは文字通り闇の姫御子としてギムレーを滅ぼそうとし、
それを防ぐために魔境から廃王子ヴァーリが帰還。
>>814 カルルは鳥から人間に姿変えてるし、顔ぐらい変えられるんじゃないかな
つまりヴァーリの館にいる美少年の一人が(ry
>>816 な、なんだっt(ry
しかし、自在に姿形を変えられるんだったら、アーサトゥアルの者が
ヴァーリ=ヴェスタルの息子ということに気づかなかったのも納得できるなあ。
ところで、ユグドラシルの中が明らかにコンピュータ化されていることについて。
単なる巨大な植物じゃなかったの?
そういえば、大聖堂の封魔の掌呪の部屋では、エルナが
「新しい世界樹が育ち 古代の神の知恵が蘇ることになる…」と言ってたな。
かつて勇者が魔獣と戦った時、世界中の人々や動物を魔風から守ってた
というくらいだから、単なる植物ってことはないだろう。
コンピュータが、種蒔いておくと勝手に成長、さらには種をなし、株を増やして
ネットワークを拡げていったら面白いな。
空き地に雑コンピュータが生えてきて、除コンピュータ剤をまくとか。
何となくだけど、魔獣とヴァーリ母のイメージが被るんだよなあ。
まあヴァーリを急きたててる存在だからな
あ、でも「我らと同じ目に遭わせる」とか言ってたな・・・
何らかの理由でヴァーリ母が魔獣の自我になってるとか?
>>818 なんか急にSFっぽくなったよな
ラピュタ思い出したよ、今月読んで
でもあんまりメカメカしくなくてファンタジーっぽいけどね
そういや、聖堂の世界樹は、人間から吹き出る僅かな魔風で枯れ始めてたな。
普通の植物は人の傍でも平然と生えているのに、あれで世界を覆いつくそうかという
魔獣の魔風を本当に防げたのか?
人類全部守ったってぐらいだから
多少枯れても問題ないぐらい巨大だったんじゃないか?
>>823 魔風が吹き荒れたあと、違う生態系として魔法に強い植物が…とか
魔獣の吐きだす「魔風」と人間の持つ「魔法」とは別物なんじゃない?
今回の描写を見るに、「魔風」って一種の放射能っぽい効果をもたらすみたいだから
世界樹は我々の世界で言う核シェルターみたいなもんなのかもしれないね。
で、放射能に汚染された地表で突然変異の植物が育ち始めて、従来の植生を
変えてしまったんだったりして。
燃える展開なのに長期休載中か?
ヴァーリの正体が明らかになった(と見ていいだろう)今、
どう考えても彼の恨みが確実に向きそうなエイリークと
また戦うんだろうなと思う。
そして魔獣はエルナとシャールヴィが倒すんだろうな。
ヴァーリが使い魔だとするなら、
倒す手段は「主人=魔獣を倒す」か「妄執を晴らす」の2択になる。
前者ならエルナ達の頑張りが頼りでエイリークのヘタレは覆らない?
かといって後者は、実際彼の「妄執」って何だ?王座につく事か?
しかし国の実権は握ったようなものなのに。
母親の敵を討つこと?しかしエイナルは既に死んでる。
それとも、母親が言ったように「世界の全員を同じ目に遭わせてやる」か?
そんな事叶えてやる訳にはいかない。
…どうやって倒すんだ?
異母兄妹なことが発覚した以上、やっぱヴァーリはエルナと因縁の対決するんじゃないかな
和解・・・はねーよなやっぱり
それにしても、バーリはんはエルナが妹だと知ってるはずなのにあの態度なのか
やっぱりエルナのことも憎んでるんだろうなあ
エイリークと同じで、エルナ本人に罪はないにしても
自分から全てが奪われた事実を否応なく思い出させる存在だからな
なまじ血が繋がってる分エイリークに対する感情より複雑なのかも
でも、エルナはエルナでエイリークパパの犠牲者なんだよなあ
あんまり複雑な感情を抱いてる印象は無いけどなあ。
利用するつもりで邪魔になれば即処分しようとしたし。
最初から道具としてしか見てないんじゃね?
しかし、今にして思えば、あのヴァーリが汗を顔に浮かべて
『エルナ…裏切るか!』とまで感情的な反応をしめしていた辺りに、
意識してではないにしろ、やはりどこか特別な思いが…
…(お前も)裏切るか…(お前までも私を)裏切るか…
と深読みできなくもないこともない。
「いくらでも作れるわ」って造っても赤ん坊じゃんねえw
使い魔になっちゃった時点で妄執にとらわれてるんだろうけど
それにしてはヴァーリって自己意思が強いように感じる
ただ単に「エイリークパパぬっ殺す」じゃ無くて世界全部を絶望に、だし
ヴァーリの意思というより、母の最期の言葉に縛られているんだろ。
「全ての者にこの恐怖を味あわせておやり」
そういう意味では、彼自身の思いはあまり明確には見えてこないような。
世界の破滅に最短距離で向かっていないあたりに、それが何かの
影を落としているのではないかな。
しかしエルナとヴァーリが異母兄妹だと言う事を把握した上で、
第1話の「民をお見捨てになりますか」とか言ってるくだりを改めて見返すと、
ちょっと寒気がする。
色々と含む所があったんだろうなあ。あの時点でも。
漫画的に良くあるのが、ヴァーリが今までの行いを悔いて自分で使い魔を止める手法だろう。
あのエルナの影武者の時と同じようなパターン。
でもこの漫画が2回も同じ事をやるとは思えないし、何よりこの漫画でそんなエンディングは あ り え ね え と力説できるw
それに、アーサトゥアルの傭兵達相手に説得失敗してるんだしな。
第54話 女王の決断
戦いが終わり、エルナとシャールヴィの前に姿を見せるグードランド女王・ヴァルゲス。
最高の敬意をもって御挨拶申し上げる。膝はつかぬがな。
ヴァルゲスに語りかけるシャールヴィ。
アーサトゥアルの狂戦士軍団の強大さを訴え、それに打ち勝つことのできる力を示し、
そして南方辺境諸国の名前を出して、グードランドとの同盟を迫る。
ざわめくグードランド兵たち。
特にスヴァンラウグは、かつて三大国が寄り合ったためしなどない、とその要求を突っぱねる。
しかも、彼女たちの前にいるエルナは、まさに今戦っている敵国の者なのだ。
しかし、その糾弾に怯むことなく、エルナは主張する。
そうです。私の国は過ちを犯している。だから私は国を出て、自分の国と戦っているのです。
「でも もうわかりませんか?
かつてのいきさつがどうとか 国がどうのとか言っている場合じゃない」
この戦で使われている膨大な量の魔法は、確実に魔風を呼びよせ魔境を広げています。
魔獣が力を得て復活するという予言もある。早く、この戦を終結しないと。
エルナの言葉を汲み取ってくれるよう、ヴァルゲスに膝をつくラヴァルタ。
憤るスヴァンラウグを制し、ヴァルゲスはエルナとシャールヴィの言葉に同意する。
今ここに、グードランドとの同盟は成ったのだ。
全体の指揮はグードランドがとることを同盟の条件とし、部下に命令を下すヴァルゲス。
すでに敵の攻撃目標となっているこの城から、城下の者たちを非難させ守護にあたること。
そして、その他の将兵は全て離宮に移り、そこを今後本城とすること。
そして。
「スヴァンラウグの隊のみこの城に残って お二人を援護するように」
それはつまり、エルナとシャールヴィだけこの城に残って、あの怪物たちと戦えということだった。
囮か、と怒るシャールヴィに、さきほどの御活躍を見こんでのこと、と悪びれず返すヴァルゲス。
そして、女王の命令どおり、エルナとシャールヴィの二人だけを残し、
グードランド兵は速やかに退去の準備をはじめるのだった。
ヴァルゲスの決定に苦虫を噛み潰したような表情になるシャールヴィ。
戦の大義名分と同盟関係さえ手に入れて、エルナたちがうまく戦死してくれれば、
あとはグードランドが好き勝手にできるのだ。
底意地が悪い、と痛烈な言葉をこぼすシャールヴィを諌めるエルナ。
シャールヴィ、あなた、どこと戦うの? グードランドは味方になったのよ!
「まずこちらが相手を信用しないで 信じてもらえるはずがないでしょ!?」
だが、城内はすでにシンと静まり返っている。
援護するはずのスヴァンラウグの隊すら見かけないことを皮肉るシャールヴィ。
その時、準備に遅れた侍女がエルナたちのいる中庭に下りてきた。
その女性の背後に突然開く、転移魔法(ユアヴァーフォエリン)の穴。
エルナはすぐさま駆け出していた。
ヴァルゲスの決定に不服だったのは、スヴァンラウグも同じだった。
だが、ヴァルゲスは何もスヴァンラウグの隊を捨て駒にしようというのではない。
戦わずともよい。スヴァンラウグの主な役割は、見ること。
あの狂戦士たちも人の造ったものである以上、弱点はあるはず。
次の時、スヴァンラウグにはよく観察し、それを見極めさせる。
スヴァンラウグの報告をもとに、それを検討して対策を練る。
それが、女王の考えだったのだ。
だが、その時早くも、ヴァルゲスたちのいる場所まで振動が響いてきた。
「次の時」、その時がもう来たのだ。
狂戦士に囲まれ立ち尽くす侍女に、立ち止まらず駆け抜けるよう指示を出すエルナ。
今度姿を現した狂戦士は、前のと形が違っているようだった。
シャールヴィの放った魔法を、聖短剣に反応させるエルナ。
だが、その攻撃を、狂戦士は何体もの小さな個体に分離して躱す。
単眼のバッタのような姿。小さくて速い。これなら、大きな魔法には当たりにくい。
前の戦いの様子を見て、狂戦士の型を変えてきたのだ。
小さな魔法を繰り出そうとするシャールヴィだったが、それよりも早く、
三人を取り囲んだ狂戦士の群れの単眼から、一斉に光線が発射された。
爆発する光を見上げ、エルナたちがまた戦っていることを知るグードランド兵たち。
アーサトゥアルの姫。敵国の姫。
そうだ。我らは敵同士だ。彼女は、敵のために戦っている。
命までかけて…
なぜ、と誰にともなく問う兵士・スラーインの脳裏に、さっきのエルナの言葉が蘇る。
『わかりませんか? かつてのいきさつがどうとか 国がどうのと言っている場合じゃない』
世界(ギムレー)のために…
ヴァルゲスに、命令に背いてこの城に残る許可を願い出るスラーイン。
死体が増えるばかりであるという女王の言葉も、今の彼を思いとどまらせることはできない。
「我! スラーインの隊と… 他にも意気のある者は 我に続け」
鼓舞の声を上げるスラーインに、拳を振り上げ応える兵士たち。
次々と命令に背きスラーインの後に続く兵士たちの姿に呆れながら、
ヴァルゲスはスヴァンラウグに、残る決心はついたかと尋ねるのだった。
狂戦士の群れの攻撃を、シャールヴィは真下に陣風竜(イルドラーク)を撃ち、
エルナとラヴァルタを小脇に抱えながら咄嗟に上空に逃がれてかわしていた。
だが、この落下に風霊翼(ヴィンヴィンージ)を使えばもう魔法は残っていない。
それは、ラヴァルタも同じだった。
だが、敵が小さくなってくれたおかげで、剣が使える可能性が出てきた。
ラヴァルたちエルナから手を離し、落下ざまに狂戦士を両断するシャールヴィ。
しかし、あまりにも数が違いすぎる。
取り囲む狂戦士の群れを前にシャールヴィが毒づいたとき、
引き返してきたグードランド兵たちが、狂戦士たちに攻撃を仕掛けた。
「エルナ姫 シャールヴィ王子 我らもこの地にて戦います」
喜びに顔を綻ばせ、エルナは兵士たちに礼を言うのだった。
一方、ヴァルゲスはすでに、馬車で城を脱出していた。
良いのですか、尋ねる側近の女性に、冷静に応えるヴァルゲス。
城に戻ったのは20人ばかり。惜しいが大勢に影響はない。好きにするがよい。
その兵士たちは、狂戦士の群れに苦戦していた。
シャールヴィのように両断するほどの力がなければ、
この狂戦士たちも前回までと同様、多少傷つけても、封魔剣でも、治癒してしまうのだ。
あんたらやっぱ、避難してたほーがよかったんじゃねーの!?
狂戦士を両断しながら、なにげに酷いことを言うシャールヴィ。
だが、彼らも決して無力ではなかった。
この小さな狂戦士たちは、再生までの間に動きを止める。
そしてその時、上空からエルナの名を呼ぶ者があった。
スヴァンラウグ。飛竜の背から、エルナに魔法が送られる。
動きを止めていた狂戦士の群れを、
聖短剣と反応したスヴァンラウグの魔法が一網打尽に葬った。
グードランドの兵士たちは、シャールヴィほどの豪傑ではなくとも、
狂戦士を足止めするには十分役立ってくれていたのだ。
それにしても…ヴァルゲスはつぶやく。
兵に背かれたのは初めてです。あの姫のために。
「エルナ姫は何も言ってない 何も命じていないのに
あの弱き者のためにあれほど人が動くとは」
過去を越え、国を越え、世界のために、エルナの元へと彼らは集って行ったのだ。
本来の主である、女王の命に背いてまで。
あの小娘めが。
冷たく目を光らせるヴァルゲスに、いかがされますか、と問う側近の女性。
だが、次の瞬間ヴァルゲスが浮かべた表情は、穏やかな微笑だった。
「いや 気に入りました」
改めて思う、エルナの存在ってデカいな
その内この世界の王として祭り上げられそうな勢いだな
すげーなエルナ、もう完全に勇者じゃん
戦闘力じゃなくて人望メインの勇者だけど
でもこの調子でどんどんベルセルクに来られたら、
シャールヴィでも勝てないんじゃ…
>「いや 気に入りました」
やっぱり女王様カコイイよ女王様。
つーかアーサトゥアル、狂戦士のタイプかえるの早すぎ
使いまで見てるからってあんな迅速に対応できるもんかね?
それともこうなること見越してあらかじめいろんなタイプ準備してたんだろうか
報告聞いて必死に改良加えてるバーリはん想像するとちょっと笑えるが
「おのれ〜エルナとシャールヴィめ、私の狂戦士はまだまだこんなものじゃないからな〜」
こんな感じか。確かにワロス
そうか!あとがきまんがのサーガレンジャーはコレの伏線だったんだなw
ヴァーリは単なる魔王というより、マッドサイエンティストの要素も強いな。
意外と頑張りやさんなんだな、ヴァーリ様
ひたむきに地道にこつこつ悪事に取り組んできた人なんだよヴァーリ様
なんだかヴァーリが苦労人に思えてきたw
実際苦労してるじゃん、おまえいっぺん魔境行ってみ?
母親の敵討ちのためにカタキの息子、
しかも年下の従兄弟でかつて自分がいた場所に収まってる相手に
何年も部下として仕えてきたんだぜ?
しかも目的達成のためにあの手この手を考えては実行して
やたらと急かしてくるせっかちな上司の相手までしながら
このマンガで一番苦労してるのは明らかにバーリはん
>>851 だ が 断 る
苦労性なのは確かだけど我慢強いのも確かかな
普通の神経じゃこんな状況とてもじゃないが辛抱できないよなー
「今に見てろ今に見てろいまにm」とか思いながら
エイリークやエイナルに頭下げてたんだろうな
あれ?なんだかだんだんヴァーリを応援したくなってきましたよ
エイリークはともかく、エイナルよりもヴァーリ様を応援したくなるのは人として正しい
やばい。ここ最近のレスを読んだら、自分の中でバーリはんが萌えキャラと化した。非常にやばい。
三つ編みを振り乱しながら「こんなものじゃないからな〜」とか言ってるのを想像するともう駄目だ。
>>852 良く考えたらバーリはんって中間管理職だったんだよな!
「上司」か!w
ヴァーリの妄執の犠牲者達のことを考えれば、萌えなんて言えない。
子供を泣かして世界征服を企む特撮の悪役とは訳が違う。
でも妄執持つに至った経緯考えると単純に悪役として弾劾するのもなあ
別に擁護するつもりでもないんだけど
要するにエイリークの親父生き返ってからまた氏ね
エイナルが既に死んでるからまた話がややこしいんだよな。
と言うかバーリはんが殺したんだが。
ここで妄執が晴れないって辺りが…バーリはんの心情ってややこしい。
エイナル殺したとき自分の正体明かしたのかな、バーリはん
それなら多少は妄執晴れててもよさそうだが
ママンのせいで恨みが全人類に向かっちゃったからなあ
父親と再婚相手が生きていたらどうだったろヴァーリ
自分と母があんな目にあったと言うのに、謀略の為とは言えすぐにラブラブハッピー(*´∀`)人(´∀`*)
許しがたし(`皿´)ギリギリ
しかしエイリークが使える魔法は全部シャールヴィも使えるんだな。
どこの国も魔法の習得方法は共有なんだろうか。
ヴァーリはまあ例外として。
作中での設定はおいといて魔法戦だとヴァーリ>エイリーク≒シャールヴィ、
よって魔法無効出来るエルナが何とかするって流れを作る為なんだろうな
つくづくエルナの位置付けが上手いよなあと思う
第54話 業火の底
グードランド本城での攻防戦は続いていた。
グードランド兵の加勢を得たとはいえ、圧倒的な数の前に疲労を隠せないエルナたち。
特に、エルナはすでに、駆け回るだけの体力すら残っていなかった。
よろめき膝をついたエルナを、すかさず襲う狂戦士の光線。
間一髪、我が身でエルナをかばうシャールヴィだったが、直撃を受けて深い傷を負ってしまう。
激しく出血するシャールヴィの名を、エルナは何度も呼び続けるのだった。
この戦乱が、ただ一人の男の怨讐から生じたとしたら。
その怨讐が、ただ一人の王の私欲より生じたとしたら………
自室に下男を招き、エイリークは当時の噂について話を聞いていた。
先の王弟ヴェスタル。つまり、エイリークの叔父の最初の妃とその王子は、謀殺されたと。
最初は、妃が使用人の男と不義を結んで自分から出ていったという噂だったが、
そのうち、あれは魔境に追放されたのだと囁かれるようになったのだという。
しかも、そっちのほうはやたら詳しい噂で、荷車を暴れ馬に繋いで魔境に追いたてた、と。
シグルーンに下男を下がらせ、エイリークは確信する。
全ては自分の父・先王エイナルの企みであったことを。
自分の弟に光の王となるべき秀れた王子が生まれるや、その王子を王弟妃とともに魔境へ追放したのだ。
「自分の息子である私を―――― 次の王とするために…」
そして一方でドヴェルグ族の娘を集め、シグルーンやシグルーンの姉君にしたように聖別を施し、
聖別に生き残った娘ハルカトラを王弟ヴェスタルにひきあわせた。
二人の結婚により、世界の命運を握る闇の姫御子エルナ姫が生まれ、父王の野望は達成されるはずだった。
あの男が……魔境から帰ってくるまでは………!!
突然咳きこみ血を吐くエイリーク。頭が澱む。視界が暗い。
この病は、体の力を奪うのではなく…
――顔を上げたエイリークの視線の先。窓辺に。
ヴァーリがたたずみ、静かにエイリークを見下ろしていた。
よくあるお家騒動というやつだ。
親が自分の子に継がせたいがため他の者を排斥する。
昔からよくあったこと。どこにでもあること。
責め苛むようなその言葉に、全て父が、と弁解するエイリーク。
そんなエイリークの様子を訝しむシグルーン。
彼女の目には、窓辺のヴァーリの姿は見えていなかった。
幻影か、エイリークの妄想か。ヴァーリは冷ややかな笑みを投げかける。
「人とは… 世界とはそういうものだ 欲と欺瞞に満ちている……」
罪悪感から逃れるように、知らなかったのだ、と繰り返すエイリークに、
むしろ優しく、あなたは悪くない、と囁きかけるヴァーリ。
全てはお父上がなさったこと。あなたを恨んではおりませんよ。
まとに、と尋ねるエイリークには、必死に呼びかけるシグルーンの声も届いていない。
そんなエイリークに、ヴァーリは言葉の毒を注ぎ続ける。
悩むことはない。さあ、もっと楽になるがよい。
心を開け。運命に身を預けよ。
「その… おまえのすぐそばにいる者も…… おまえを癒してくれる……」
傍らのシグルーンに初めて気づいたように視線を向けるエイリーク。
幼く未成熟な裸身を晒し、自分に身を寄せる少女。
欲望のままに腕を掴み、彼女の体を引き寄せたとき、エイリークは我に返る。
シグルーンを突き飛ばし、出て行くように命じるエイリーク。
突然険しい視線を向けてきたその態度に腹を立てたシグルーンは、憤然と部屋を出て行く。
だが、エイリークは怒っていたのではない。追いつめられていたのだ。
これが、あの魔精霊の働き。ヴァーリのもくろみ。
次の闇の御子を手に入れ、エイリークの人格を壊すために。
(心がッ…… 吹き出す!! 私の意思と誇りを… 押し流しながら―!!)
エイリークの正気は、徐々に蝕まれはじめていた。
窓辺に立つ人の気配。エイリークの父。先王エイナル。
全て私のせいかね? 子のためを思わぬ親はいない。国の栄えを願わぬ王はいない。
全ての責任を自分にかぶせた息子を恨むように、エイナルは言う。
いつの間にかエイリークの傍らに座り、冷ややかにエイナルを見るヴァーリ。
あなたの…エイナル様のせいですよ。そうですね?エイリーク様。
エイナルを責めながら、エイナルを責めるためではない目的で績がれたその言葉。
それがエイリーク自身から発せられたかのように、エイナルはエイリークの責任を追及する。
お前も戦を容認していたではないか、と。
引き返せぬところに来るまで戦が拡大してしまったのは、はたして誰のせいだったのか。
血を吐きながら近寄ってくる父王を拒絶するエイリーク。その手が枕元の燭台に伸びる。
頭を割られ、血を撒き散らして倒れるエイナル。
その血溜まりの中から這い出てきた凶々しい亡者が、エイリークに覆いかぶさる。
その時、異音を聞きつけ戻ってきたシグルーンが、激しく扉を叩いた。
すぐにこの城を出て故郷へ帰るよう、シグルーンに伝えるエイリーク。
やっぱり君はここにいちゃいけない。
エイリークは知ってしまったのだ。このままでは、自分が彼女に何をするかわからないことを。
かりにも理想の光の王となろうとした人間の心…私の本当の心が、これほど……
闇に飲み込まれ、崩れ落ちるエイリーク。
シグルーンはがむしゃらに扉を叩き続ける。
エイリーク!! そうやって!! 今になって!! 一人でかかえこんで!!
私を外すなんてズルい! 私、何もできないの!?
ずっとずっと、今まであんたを憎んできたのに。死神のような魔王だと思って…
でも、会ってみたらゼンゼン違うじゃない。
「エイリーク 私 あなたが 好きになったのよ」
シグルーンの心からの言葉に、エイリークの瞳がうっすらと持ち上げられる。
「エイリークの 本当の心は… 私が…知ってる!」
エイリークの瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちる。
けれど、その瞳には確かに、弱々しくとも光が蘇っていた。
ならば…頼みがある。シグルーンの願いに答えるように言うエイリーク。
この呪いを解く方法が、一つだけある。
城の外壁を掩う食魔草(レーラズ)、魔法を食らうあの植物を摘んで、
七日のうちにマントを作り、それをエイリークに着せることさえできれば。
役目を与えられたことに張り切り、早速駆け出すシグルーン。
遠ざかって行く足音を聞きながら、これが本当に最後の機会になると、エイリークは悟っていた。
(なぜなら食魔草は 使った者を解呪したあと…)
自分に絡みつく食魔草のツタをイメージするエイリーク。
だが、その恐ろしい想像も今のエイリークの決意を揺るがすことはなかった。
負けない。
強い瞳で念じることは、ただそれだけ。
現実に今、この世界を蝕んでいる、あの…我が従兄弟を許すわけにはいかない。
父から発した全ての因果は、自分が断たねばならない。
アーサトゥアルのために。世界のために。
(自分のために……)
そしてあの男が、憎悪と猜疑に満ちた…と呼んだ、
この世界の、この魔王の城で起こった…
殺してやる、と憎悪を剥き出しに襲いかかってきた少女。
ちゃんと相手してくれないなんて失礼です、と言って短剣を懐にしまった少女。
難しいことをやってのけてよ、と思い悩むばかりだった自分を叱ってくれた少女。
好きだと、本当の心を知っていると、そう言ってくれた少女。
猜疑と憎悪を越えて、何の打算もなく、自分のことを大切に想ってくれるただ一人の少女の――
シグルーンの――
(奇跡のために…)
グードランド。
日没と同時に狂戦士の攻撃は終わり、夜、エルナたちは体を休めていた。
だが、体は疲れているのに眠れないエルナ。
戦いはひとまず終わったけれど、兵士たちは誰もが傷つき疲れ果てている。
シャールヴィも。
包帯を結び直すシャールヴィに声をかけるエルナ。
「ごめん… ごめんねシャールヴィ シャールヴィはいつも…」
罪悪感に駆られたエルナの言葉を遮るように、アーサトゥアルの戦術を説明するシャールヴィ。
あれから国境のアーサトゥアル軍が動き出したという。
つまり、昼は狂戦士軍、夜は通常軍というリズムで攻めて来るということだ。
向こうに何百人魔導士がいようと、一日中転移魔法を使い続けるのは無理なのだろう。
おかげでこっちにも回復する時間がある。
大丈夫…イケる…そう呟きながら眠りに落ちるシャールヴィを、エルナは不安そうに見つめる。
このままでは、グードランドはどんどん消耗していくばかりだ。
いや、アーサトゥアルも…
守って戦ってるだけじゃ戦は終わらないんだ。
アーサトゥアルの兵たちだって、国のため、家族のためと思って戦ってるんだもの。
(敵も味方も救わなきゃだめだ)
自分の中にずっとあった、あまりにも大きすぎる理想に、ついに行き当たるエルナ。
戦の、本当の原因。
他国を侵してまで手に入れたいコト。人が…生存すること。
それを阻むもの……
エルナの中に存在する、茫漠としたその存在のイメージ。
闇の中に霞む巨大な影、闇の中に輝く三つの目。
(私 やっぱり…… 魔境へ行かなくちゃ……)
今再び、エルナは世界のために進むべき道を見出そうとしていた。
エイリーク…
今度こそヤバいんじゃないか?
確かに、完全に死亡フラグ立った気がする
他のマンガだったらシグルーンの愛の力で助かりそうだが・・・
いや、でもこのマンガだってアースムンド様生きてたんだしもしかしたら!
大丈夫エイリーク様なら
余裕で無理(・∀・)
ぐはぁ、きっつい展開…
あっちもこっちもギリギリだな。
しかしエイリークもちゃんとエロいこと考えるんだな。
自分はエイリーク生存フラグktkrだったんだけど、え?逆?
>>874 いや、シグルーン相手はちとマズいw
「夜にお仕えする」の意味もわかってないネンネですよ?
つーかシグルーンってマジで何歳ぐらいなんだろな
13か14ぐらいか?
前々から思ってたが今月のあらすじ読んで確信した。
あらすじさんはエイリークとシグルーンが大好き。
明らかにあらすじに割いてる文章量が違うからなw
エルナのことも大好きみたいだが
しかし、レーラズ使うと結局どうなるんだ?
解呪したあとその人に寄生するのかな?
すげー怖いものを想像しちゃったんだが
単なる魔王の城的小道具に過ぎないと思っていたレーラズがこんな使われ方をするとは。
レーラズが魔法を喰うと言うなら、辺境に植林したら魔風を抑えてくれたりしないのかな?
エイリークが「辺境に生えるという」と言ってるから元々辺境の植物なんだろう
魔風に適応したんだろうけど防御壁になるほどでもないって感じなんじゃないかな
解呪するってことは封魔法みたいなもんか
そんなマントなんて着たらマジで死ぬんじゃないか…
シグルーンがトゲで傷ついたのも解呪されて死ぬ伏線だったり…
しないよね?(((゜д゜;)))
なんだっけ、王子が二十人ばかり白鳥に変身させられてて
末っ子の姫がイバラでマントを編んで、それを着せたら王子の魔法が解ける童話があったな。
>882
「白鳥の王子」だな。
告ったのに「ならば…」って、シカトですか。それどころじゃないですか。
しかし、シグルーンも自分から言っといて返事なんかどうでもいい感じ。
気になってるのは俺だけカー!!
……無理かな、やっぱ。
カーテンで身を隠したのは、やっぱりあれですか。
>>883 まあ実際それどころじゃねーべ
それにシグルーンとしちゃ告る直前に「何もできないの!?」と聞いてて、
エイリークはそれに対してお願い事してるんだから結果としちゃまずまずなんじゃねーの?
でもこのタイミングでの告白は生存フラグとも死亡フラグとも考えられるのが怖い
>>884 確実にアレですな
どうせ見てもシグルーンにはなんだかわからないとオモ
あれって何?
シグルーン発見!
シグルーンはキャベツ畑やコウノトリを普通に信じてそう
そんな女の子に無修正ポルノを突きつけるような下卑た快感にハァハァいってるバーリはん
891 :
ラタトスク:2006/09/09(土) 03:10:29 ID:???
>>887 よしよし、お兄ちゃんが教えてあげよう、こっちへおいで
頑張る悪の中間管理職になったりエロゲの悪役になったり、バーリはんも大変だな。
シグルーン一気に人気者だなw
肝心の主役達のラブはまだかーッ
エルナがニブすぎるからなあ…
シャールヴィは言葉でも態度でも何度も伝えてるのに
普通恋愛に鈍感なのは男の方なんだけどねえ
エイリークとシグルーンは女の子の方からだったのに
エルナがシグルーンのこと知ったらどんな反応するんだろ
いつの間にかシャールヴィ一筋みたいになってるが
エイリークのことはもう完全に吹っ切ったのか?
単純に、目の前のこと、これからのことで一杯一杯ってだけなんじゃね
シグルーンもエイリークもテレが(足り)ないので、
こっちがテレまくってしまった。
夜の廊下だから話し声が響きそうだとか、
どっかでヴァーリが聞いてたらどうしようとか、
もうどうにもこうにも。
第55話 殲滅
夜が明けてゆく。また狂戦士(ベルセルク)の攻撃がはじまる。
シャールヴィとグードランド兵たちは、すでに迎撃の態勢を整えていた。
傷を負いながらも戦意を燃やすグードランド兵たち。
「なんとしても我が祖国を 我らのグードランドを守るのだ 戦うぞ!!」
そんな彼らを、浮かない表情で見つめるエルナ。
違う。違うはず。本当に守るためには………
何とか止めようとシャールヴィに声をかけるエルナだったが、
すでに戦うことを決意したシャールヴィに彼女の真意は届かない。
そしてその時、転移魔法(ユアヴァーフォエリン)の穴が開いた。
作戦通り、地霊冠峰(ジュードオンクローナ)の詠唱をはじめるシャールヴィ。
だが、転移魔法の穴は構えた陣を囲むように広がり、さらに別のタイプの狂戦士が姿を現す。
その巨大な姿は、まるでムカデか竜。
長大な体をくねらせ城を破壊し、兵たちを葬ってゆく狂戦士に、
作戦を変更してエルナの聖短剣と反応させた魔法を放つシャールヴィ。
だが、狂戦士はその体を分割させ、衝撃をやり過ごす。
再び合体し、襲いかかる狂戦士。
肢の一本に貫かれそうになったエルナを、シャールヴィが咄嗟に庇う。
またしても自分を守って傷ついたシャールヴィに悲鳴を上げるエルナ。
確実に昨日の欠点を克服してきている狂戦士に、シャールヴィは歯噛みする。
そうだ、昨日わかってたはずだ。1回目と2回目の攻撃で狂戦士の型を変えてきた。
きっと何匹も使い魔がいて、逐一報告してやがるんだ。
だとすれば、離宮が危ない…
離宮では、女王ヴァルゲスの命の下、転移魔法の基地の割り出しが行われていた。
グードランドも転移魔法を使い、その基地を逆襲する作戦だ。
これまでの戦のやり方では勝てない。こちらも転移魔法で狂戦士を送り出す。魔精霊で病も撒く。
「禁呪戦争ぞ」
本城での虐殺を終え、狂戦士は離宮の方へ飛び去っていった。
本城の部隊は壊滅的な被害をこうむっていた。犠牲者の中には、スヴァンラウグの姿も。
主を失ったスヴァンラウグの竜に跨がり、離宮へ行こうとするシャールヴィ。
そんな彼を、エルナは制止する。
その体で…戦えないよ。ううん、もう誰も、こんな戦、戦えない。
(もっと根本的に… 戦を解決しなければ…………)
だが、シャールヴィの視点はエルナとは異なっていた。
グードランドが狂戦士を含む魔精霊の使用に踏み切るだろうことを看破するシャールヴィ。
顔色を変えるエルナに、それを防ぐなら俺たちが今頑張ることだ、とシャールヴィは諭す。
伸ばされたシャールヴィの手を、エルナは黙って取ることしかできなかった。
身動きがとれない………
本当はわかってる。戦を戦っても本当の平和は得られないこと…
人々の心の奥底の恐怖をこそ、倒さねばならぬこと。
そして、人に新しき地平を示すこと。でも。
エルナは下を駆けるグードランド兵たちを見下ろす。
私が今魔境へ行けば、あの人たちを見捨てることになるだろうか。
さっきの戦闘で深手を負いながらも、離宮へ向かう彼ら……
あいつらは戦が正しいとか間違ってるとか言ってらんねえ、と語るシャールヴィ。
ギリギリで戦ってるんだ。当たり前の事を守るために。
耕せばちゃんと実る畑や、好きなものが買えるにぎわった街、迎えてくれる家族を守るために。
シャールヴィの脳裏に蘇る苦い記憶。アンサズを守りきれなかったことへの後悔。
(俺がもっと強かったら……)
突然押し黙り、体を震わせるシャールヴィに心配そうに声をかけるエルナ。
だが、シャールヴィの耳にその声は届いていなかった。
「畜生! 畜生オオッ」
怒りの咆哮を上げ、シャールヴィは狂戦士を追うスピードを上げた。
急に冷静さを失ったシャールヴィに驚くラヴァルタ。
エルナはシャールヴィの背につかまりながら、何が正しいのかを考えていた。
魔境で求める真実と、世界で戦う切実と、どちらを選ぶべきなのか。
(本当の道は どこに…)
竜を狂戦士の上につけ、その背に降り立とうとするシャールヴィ。
だが、狂戦士はエルナに説明するシャールヴィの言葉をしっかり聞いていた。
エルナを抱えたシャールヴィが背に降り立った瞬間、身をくねらせる狂戦士。
バランスを崩したシャールヴィは、あっさり狂戦士の背中から落下してしまう。
風霊翼(ヴィンヴィンージ)を使うよう叫ぶラヴァルタ。
だが、シャールヴィは反応しない。
さっきエルナを庇ったときの傷のせいで、意識を失っていたのだ。
シャールヴィとともに地面へ落下してゆくエルナ。
その後を必死に追うラヴァルタだったが、雲で二人を見失ってしまう。
その時、エルナは見た。
自分たちを見つめる狂戦士の無機質な目を。
(いやだ こんなところで死ぬなんて)
シャールヴィを守るように抱きしめながら、心の中で叫ぶエルナ。
だって、私まだ何もしてない。
魔境も行ってないし、グードランドの力にもなれてない。
まだ選んでもいない。
エルナたちを喰らおうと迫る狂戦士の顎門。
目をつぶってエルナは念じる。
(神さま)
その時――
エルナたちの真下に、突然、漆黒の竜が姿を現した。
突然降りはじめた雨に、足を痛めた馬を引き、徒歩で旅を続けていたアースムンドは足を止めた。
そこを通りかかる馬車の一群。
乗るかい、という先頭の馬車の御者の言葉に、アースムンドは素直に甘えることにする。
馬車の中に乗り詰めた傭兵らしき男たちの姿に驚くアースムンド。
しかも、馬車の数も多い。物資のようなものも運んでいるようだ。
幸いなことに、グードランドという目的地も同じようだった。
自分が元盗っ人であることを明かし、他の連中も似たようなものだと紹介する御者の男に、
私こそ破戒僧で、と生真面目に答えるアースムンド。
前法王の暗殺。アースムンドの罪を聞いても、御者の男は笑うだけで咎める風もない。
そりゃすげェ。で、今度は何をするつもりだい。
戦時のグードランドにわざわざ行くんだ。戦に用があンだろ。
「まっ 俺は女のコを追っかけに行くんだけどね」
おどけたような御者の言葉に、どっと笑う馬車の中の男たち。
だが、アースムンドだけは笑わず、驚いたような表情になる。
言葉を続ける御者の男。
気立てのいい娘で、いつも損ばかりしている。誰かそばにいないとだめなのさ。
「今は一人でグードランドを守ってる……」
実はまあ、今、野郎が一人そばにいることはいるんだが、
コイツがとんだ気のきかねえゲス野郎で、女心のおの字もわからねえ。
「しょーがねえから このラタトスクが 助けに行くのさ」
振り返って微笑んだその男は、紛れもなく――
かつてエルナたちと道行きをともにした、「火とかげの爪」のラタトスク。
神の名を胸中で唱えながら、アースムンドは確信する。
この男もまた、エルナ姫に会って心を動かされた一人なのだ。
(姫の苦難の旅に無駄なものはなく 必ず姫の上に恵みをもたらしてくれる きっと)
急に冷静さを失ったシャールヴィに驚くラヴァルタ。
エルナはシャールヴィの背につかまりながら、何が正しいのかを考えていた。
魔境で求める真実と、世界で戦う切実と、どちらを選ぶべきなのか。
(本当の道は どこに…)
竜を狂戦士の上につけ、その背に降り立とうとするシャールヴィ。
だが、狂戦士はエルナに説明するシャールヴィの言葉をしっかり聞いていた。
エルナを抱えたシャールヴィが背に降り立った瞬間、身をくねらせる狂戦士。
バランスを崩したシャールヴィは、あっさり狂戦士の背中から落下してしまう。
風霊翼(ヴィンヴィンージ)を使うよう叫ぶラヴァルタ。
だが、シャールヴィは反応しない。
さっきエルナを庇ったときの傷のせいで、意識を失っていたのだ。
シャールヴィとともに地面へ落下してゆくエルナ。
その後を必死に追うラヴァルタだったが、雲で二人を見失ってしまう。
その時、エルナは見た。
自分たちを見つめる狂戦士の無機質な目を。
(いやだ こんなところで死ぬなんて)
シャールヴィを守るように抱きしめながら、心の中で叫ぶエルナ。
だって、私まだ何もしてない。
魔境も行ってないし、グードランドの力にもなれてない。
まだ選んでもいない。
エルナたちを喰らおうと迫る狂戦士の顎門。
目をつぶってエルナは念じる。
(神さま)
首に白い斑点のある黒い巨竜。
魔境に帰ったはずのシャールヴィの竜の背に受け止められ、
間一髪、狂戦士の牙から逃れることに成功したエルナとシャールヴィ。
そのエルナの耳に、またしても勇者の声が響く。
エルナ… この世には選べないこともある
全てのものに答えがあるわけではない
あるのは超える道だけだ
かつて、霧の森の中で聞いた言葉と同じ言葉。
あの時とはまた異なったエルナの苦悩は、しかし、あの時と同じ答えへと繋がっていたのだ。
道を開くのは力である
人は まこと深き思索の限り 苦悩の限りをつくした果てにこそ
その因果でよき力を引きよせるものだ
雲をくぐり、身をくねらせて再びエルナたちに迫り来る狂戦士。
そこへ、今度は違う者の声がエルナの耳を打つ。
『エルナ』
それは、エルナが全く予想しなかった声。
驚き首を巡らせるエルナの視線の先に。
『剣を取るがいい この力を…』
勇者ではない。
――エイリーク。
陽光差し込める雲と雲の間、空のただ中に浮かび立つエイリークが、
アーサトゥアルの王者の剣・統雷魔剣(トゥアラテイン)を、エルナに向けて掲げていた。
ヴァーリ、エイリーク、シグルーン死亡まであと4話。
エイリークは有る意味、ヴァーリに敗れたことで統魔雷剣の言う
王たる資格を得たのかも。少なくとも、そこに至る道に立つことは
出来たと思う。泥に塗れ、闇と向き合ったからね。
けど、なんかもう達観しちゃってて、一人愛する者の為に果てる
だけで終わるみたい。
求めていた時には手に入らず、図らずも手にした今、もはやそれが
求めるものではない。なんか皮肉だな。
死ね
>>899 シグルーンは純粋だからねえ
好きも嫌いも真っ向勝負
だからこそヴァーリの言葉へのアンチテーゼになるんだろうけど
>>899 柱の影からこっそりシグルーンを応援するヴァーリが目に浮かんだ。
「なにをしている!そこでエイリークをものにするのだ!そして第二の闇の姫御子を……!」
こんなヴァーリすげえ嫌だw
エルナと並んで打算とかないからな、シグルーンは
おいおいみんなラタ公が生きてたことはスルーかよ
アースムンド様やラタトスクが生きてたんなら
きっと死亡フラグが立ちまくりのエルナやエイリークだって無事なはずだ
ラタトスクキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!
ラタトスクキタ━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━!!!!!
正直ラタトスクのこと忘れてた・・・('A`)
だがこの絶望的な状況で復活ってのはタイミング上手いとしか言いようがないな
アースムンドと合流ってのも熱い
メチャクチャ盛り上がってきた!
でも、狂戦士相手に何ができるの?って気もするんだけど・・・
ラタトスクがエルナたちと別れてから、ケガ治しながらエルナたちの力になるために
一生懸命傭兵や武器集めてたかと思うと泣けてきた
大変だったろうに軽く「まっ 俺は女のコを追っかけに行くんだけどね」
なんて言っちゃうのがいいなあ。
>>915 夜に攻めてくる通常軍を相手にするには充分でしょ
しかし、明らかにゴロツキ風の傭兵達をどんな風に勧誘したんだろ。
約束できる報酬は無いしなぁ。
エルナが訴えたように、世界が破滅の危機にあることを伝えたとしても、
彼らがそれに共感するとも…。単純な詐術でっていう訳でもあるまいし。
実はあれでカリスマ性もあったのかね、ラタトスク。
まあ金とかじゃないかね
不利な方に味方して勝たせた方が見返り大きいだろうし
もしくはあんな顔してるけどエルナの話したら感じ入っちゃった熱い男たちだったり
今のアーサトゥアルのやりかた見てたら、
ちょっと勘のいい人間ならなんかヤバいって気づくんじゃないかね。
もしくはただの傭兵じゃなくてアーサトゥアルに滅ぼされた自由都市の敗残兵とかかもしれん
これで初期登場のラヴァルタ、ラタトスク、アースムンドは全員レギュラー復活か?
他に誰かおらんかったかなあ…アトリとカルルもそろそろ見せ場作ってもらえるのかな。
つ名無し魔導士様
これ以上ないほど確実に死んでますがな
つ市長の奥さんと鍛冶屋の親父
3話でシャールヴィに斬首される時には無抵抗で死を受け入れたエルナが
こんなところで死にたくないと思うまでに…
長い旅路だったな。
ところで、最後唐突に出てきたエイリークは何事?
亡れ
前回と今回の間に描写されてない何かがあったのは間違いないだろうな
・・・本当に死んじゃったかな、エイリーク
いや、さすがに死んではいないだろう
魔法で幽体離脱とかしてるだけじゃね?
なんでトゥアラティンなんて持ってきたのかは謎だが
超展開予想してみる
エイリークは魔精霊に抵抗しきれずついにシグルーンに手を出してしまう
お手つきになったシグルーンは第2の闇の姫御子を身ごもる
子供さえできれば後は用済みだから、エイリークはヴァーリの手によりあぼん
死んで幽体だけになったエイリークは、なにもできなかったせめてもの償いにと
エルナの元に統魔雷剣を持参
こんなんだったら嫌だ。
>>492を読む限りだと、統雷魔剣なんて持ってきてくれてもなあ・・・とか思っちゃうんだが
でも雷撃と同じ効果ってのは強力かな
これで魔法じゃないから封魔法とは反応しませんとか言い出したら爆笑ものだが
狂戦士がいっぱいきたら、シャールヴィもすぐ魔法が空になってたから
けっこうつかえるんじゃないか?
エルナだったらやっぱり抜けるんだよな
なんかものすごい勢いで伏線回収されてる気がする
まさか最終回近いのか?
バレ見てきたんだけど次々回最終回らしいわ
ひっかかったじゃねーカヨヽ(`Д´)ノ
つーか,ちゃんとアンケ出してるかオメーラ!
せっかく盛り上がってんのに打ち切りとかあり得ね
しかし実際に終わっても何も不思議がないぐらいの急展開っぷり
いつでも最終決戦行けそうだよな
そうか?
最後はアレだろ、今まで登場したキャラが全員集合して、
エルナ「みんな、オラに魔法を分けてくれ!」
みんな「エールーナ!! エールーナ!!」
で、世界全員の魔法と聖剣の反魔法でフレースヴェルグあぼーん
それなんて元気玉?
いますぐ終わるんだったら、エルナとシャールヴィで瀕死のエイリークんとこへ合流して
ヴァーリを倒すんだったら出来そうな気がする。
でもここんとこ、エルナが、魔境に行く行くって言ってるからなあ。
魔境には行くんじゃないか?
>>935 週刊誌ならともかく、月刊誌で次々回バレなんか出るかよw
とは言え本当に魔獣を倒しにいくなら、凄い漫画だなあと思うよ。
最初は伝説であり舞台装置の設定に過ぎないと思っていたから。
壮大すぎて、まさか本筋に絡んでくるとは思わなかった。
ずーっと絶望的な展開が続く中で、少しずつ希望が見え始めてる今の流れは素晴らしいな
最初はアトリしか知らなかったエルナの思いや理想が世界中に浸透しはじめてる
「姫の苦難の旅に無駄なものはなく」っていうアースムンドのセリフ読んで
ハルスホルトで「無駄だったのかな」って言ってるエルナ思い出してジーンと来た
これでハルスホルトの連中も参戦してくれたらマジで神なんだが
あのドラゴンは何で魔境から帰ってきたんだろうな
実はエルナの志に共感してたのか?w
すげえ唐突だったよな
まあ顔馴染み総出演ってことなんだろうけど
あの竜だけは明らかに浮いてるなw
折角ギュッとされてんのに、意識が無いとは可哀想な奴
気づいていても、鎧だから嬉しさも3割減くらいだろうが…
レス数微妙ですが(進みも遅いし)キリのいい話数なんで新スレ立ててきちゃいます
乙です
乙です
このマンガ、連載再開したところから読んでなく単行本も手に入らずだったので展開を教えてもらえて幸いです
でもやっぱり本編読みたい(´Å`)
でもあと二巻あるんだな(旧版)。ここからクライマックス!
あらすじ精霊さん頑張ってください。
>>951 乙です
つーか俺もずっと統雷魔剣だと思ってた・・・orz
そろそろしげるくん登場か。
このスレで「しげるくん」呼ばわりできないのがちょっと寂しいw
そういや前々から疑問だったんだが、エイリークがしげるくん呼ばわりされてるのってなんで?
世界樹がわっさわっさ茂るところからついたんだろうなーとは想像つくけど
>>951 乙
あと10話だっけ?
プレミアついてるせいで最終巻だけまだ買ってないんだよな・・・
ものすごくネタバレされそうな気がするので楽屋裏には非参加宣言
>>956 語源は旧版12巻おまけ内のアシさん漫画…でいいんだっけか?
あれって新装版には収録されてないんかね。持ってないから分からんけど。
新装版にはないなあ。
以降ネタバレ
12巻の最初あたりを手伝ってたアシさんが、エイリークを心配して
「先生、エイリークどうなっちゃうんですか?」
「茂るよ」
アシさん、深く考えず「じゃあこれからしげる君て呼んでいいですか?」
こんな感じだったとおも
なあに、精霊さんなら書き下ろしエピローグも投下してくれる
そのときいくらでも茂る君よばわりできるさ
>>959 >「先生、エイリークどうなっちゃうんですか?」
>「茂るよ」
この問答も…答えられた方は訳判らんよなw
堤先生のセンスって凄いよ。こっち方面でも。
単行本読み返して気付いたけど、次回いよいよソーロッド登場か。
スレ住民がどんな反応をするのか楽しみだ。
963 :
956:2006/09/14(木) 01:45:26 ID:???
>>958-959 dクス!
旧版はなぜか12巻だけ持ってないんだよなw
一回買い逃したら二度と見つからなくてさ・・・
最終巻は見かけた瞬間買ったけどな
新装版7巻間までしか揃ってなかった俺に一言
…いや、これって全巻手に入らないより辛いし
近くのブクオフに105円で売っていた件
先日近くのブクオフに、旧版の13巻以外の全巻と
新装版の3巻以外の全巻があった件
誰かが一気に手放したな、と思った。
値段は未確認。
ブクオフにいくらあっても、それがたまたま近所にないとな。
ネットは日本中どこにいても買えるから…
知名度高くなってほしいけど入手難度の高さがネックなんだよなあ
貸した友達みんな面白いと言ってくれるのに購入してくれる人間は一握り
一迅社あたり版権買い取ってくんねえかなあ
って前スレか本スレでもおんなじこと書いた記憶がw
次の連載は一迅社のみっぽいし、スクエニからはちょっと離れそう。
新連載がそこそこヒットしたらそうなるんじゃないかな…>970
しまったあああ!<(゚´□`゚)>
次スレでネタバレレスしちゃったよー
すまん、スルー宜しく
どれだかわからんかったから無問題。
>>971 まぁ普通に考えたら両方無いな。残念だが。
新装版はコストが低いのでそんなに売れなくてもいいし、
夢路行全集25巻なんか出した会社だし。
もっと先になるかもしれないけど可能性はあるよ。
もしくはネットや携帯でダウンロード販売とかだと、ずっとリスクは低いし
コンテンツたくさん持ってた方が勝ちでしょう。
持ち腐れの山は各地に築かれているような感じもしますがね。
ダウンロード販売なんかもいつまで経っても、だし。
ただ放置するだけの所が勝ちとはとうてい思えない。
敢えて言うなら、そういうのに欲しい作品を握られた消費者、
自作を預けざるを得ない作家は負け。
しまいには会社がどうにかなって、権利関係が複雑になって…
という最悪のシナリオすらある。
描かない漫画家に書かない小説家、そして刷らない出版社。
今晩いよいよ繁るのか・・・
うむ、茂るな
起きてスレ開いたら茂ってなくてさびしくなった
いや、あらすじ精霊さんいつも本当に大変だし文句とか言うつもりじゃなくて
しかし真面目にあの回は盛りだくさんなので、何処に反応していいものか迷うよ。
ところで、今のうちにエルサガ終わったらどうするか決めといたほうがよくね?
次スレ確実に400いかないだろうし
2は連載中スレでやるには新しすぎるのでスターゲイザーか義経あたりはじめちゃうとか
俺はどっちも無理だがな!w
エルナ1は、連載中スレ開始時期には、新装版がいちおう手に入ったけど
スターゲイザーも義経も入手が困難すぎるから、既に持ってる奴中心になるなあ。
3〜4巻ぐらいって、スレをちょうど埋めるにはいい長さだけど
実現は難しいかもな…
なんだ、みんな茂る茂るネタみたいに言ってたからどんなもんかと思えば
普通に泣けるシーンじゃないか。字だけで感動した
あかん、やっぱ泣いてしもうたわ。
ネタっつーか、あの超展開を一言で表現できる言葉だからな
しんも未読の人に使っても絶対ネタバレにならないという
ヴァーリ対エイリーク
ヴァーリ死亡
エイリーク、レーラズに飲み込まれる
シグルーンもエイリークと共に在る事を望む
エイリーク(+シグルーン)、とりあえず死亡→世界樹へ
を1話でこなしてしかも拙速じゃないんだから、正に超展開だよ。
そして「しげるよ」をつっつーから引き出したアシさんは神だな。
しかし連載中スレっていいもんだな。
最初この話を聞いたときは、そんなに盛り上がらないんじゃね?
と内心思ったものだけど、実際始まってみると新たな発見が
沢山ある。
自分で改めて気づいたもの、自分じゃ気がつかなかったもの、
それらに因って作品に対する理解がより深くなるってのは
本当にいいものだ。
私も正直こういうスレ立てるって書き込み読んだときはすぐ廃れるものだと思って
本スレで「そんなにはやんないんじゃない?」って書き込んだんだけど
いまじゃかなり人もいるし皆楽しんでるよね
1さんごめん、てな感じだ。
あらすじさんも頑張ってくれてるしね
参加者も熱い人が多いから議論も盛り上がるし
地味に良スレだと思うよ
_,,,,,,,--v---,,,,,,_
_,,-‐'"` `゙''ーi、、
,,rE゛ `ト、、
,/ .|`i、 | `'i、
.,/` | .ーi、、 . `'i、
/ .| ヽ | ヽ
,i´ .| i、、'i、 | .ヽ
丿 | i、、 . | .゙l
l゙ | . i、、 | ゙l
.| | i、、 | ゙l
| .| i、、 | . l゙
| .| 、 i、 ..| |
| .| . .,,i..| |
゙l | . .| ,"
゙l | ,,,,-‐'" | │
゙l | ,,,,-‐'" .| ,l゙
ヽ | ,,,,-‐'" | 丿
\ .| ,,,,,-‐'" .| ./
.\ |,,,,-‐'" , .| .,,i´
`ヽ, |. . | ,/
‘'l レ'"
`''ー-,,,_ ._,,,,-‐'"
 ̄''''''''冖'''''"゙゛
このスレで知ったんだけど名作だと思う
ジブリはゲド戦記じゃなくて、これ映画化すれば良かったんじゃね?
ゴルムの空中戦を爽快に描いてくれそうだし
話は途中から原形を留めずグダグダになる悪寒するけど、
>ゴルムの空中戦
こ、これは見たいかも…(*´Д`)
995 :
マロン名無しさん:2006/09/22(金) 13:05:41 ID:lxfYBISQ
7
宮崎駿は、いちおう堤氏を知ってるんだけどね。
初期短編集で解説書いててずいぶん褒めてた。
997 :
マロン名無しさん:2006/09/22(金) 20:58:56 ID:59lBqhd/
あばばばば
998 :
うんこちゃん:2006/09/22(金) 21:02:49 ID:k7aywvXp
1000なら氏ね
999 :
ちんこちんこちんこ:2006/09/22(金) 21:04:53 ID:VRxk2DYw
>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1 _,,、--――-- 、,
/´::::::::::::::::::::::::::::::::::::`',
,r''j´ ̄ `ヽ、 /::::_;;、--――-- 、;;;:::::::l
/ / ヽ /゙´,,. --―――-- 、,,`゙ヽ!
l / |l;:´---;=t;;ァ┬┬t;;ォ、、,_`ヽ|
l, ,'::ハ,゙´ ノ,、 l, ヽ,゙l::〉‐、
人 ノ ' ヽ、... 'r'゙ ヽヽ、.... -' Y 〈
/ `''┬―‐'´ヽ-、 l''ー;=、;_―゙ニ゙-----__,ニ'' | ヽ ドォーン
/ `''ー、,、 `ト-!、__| ̄Τ ̄「 ̄|__,/ j ノ
./ , / ,、 ハ;ト 、,.二,^,二,二´,./ /-ヘ
| `''ー---|. 〈 ヽイ \、L.,,__|__,,.」.../ ,イ:::::::::゙i,
| ,ハ、,Уヽヽ、.`''ー---‐''゙´ _,,//|:::::::::::: l,
\ ''ー――' )/::l V:::``ヽ、_,,. -'´l / .|:::: _,、-┘
ト、,__ ,∠/::::| .l、:::::::::::::::::::::::::::/´ !:::::`''ー-、
l:::::::::::::::::::::| :::::::::::| /:::::ヽ、::::::::;、‐'´l, l::::::::::::::: /
,':::::::::::::::::::::::l ::::::::::l /::::::::::::::::: ̄::::::::::::::`i ,'::::::::::::: /
!:::::::::::::::::::::::::l ::::::::::| |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ j:::::::::::: /
|::::::::::::::::::::::::::l ::::::::::!./:::::::::::::::::::::::::::::::::::/ !:::::::::: /
∧∧
(゚Д゚)∩
⊂ ノ
/ 0
し´
えっ…と、
糞スレはここかな…、と
∧∧ ∧∧
∩゚Д゚≡゚Д゚)
`ヽ |)
|_ |〜
∪∪
ドスッ
∧∧ ミ _
( )┌┴┴┐
/ つ 終了│
〜′ /′└┬┬┘
∪∪ ││_ε3
゛゛゛゛
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。