1 :
パヲ ◆v.smO/olzA :
>>1 乙。後は職人を召還するのみ。
灰燼と化せ 冥界の賢者 7つの鍵持て 開け 地獄門… 爆霊地獄!!
>2
七鍵守護神!! ( ハーロ・イーン ) では?
4 :
マロン名無しさん:03/07/07 19:54 ID:xn95tR7s
>1スレタイ…センスないよ。
>>4 バキで検索できるのはいいと思うけど、確かにセンスねえな
176話◆攻略不能
前回からの引き、劉海王「さぁ」
「…ふぅ、しかたないですね」と、ミスターがボクシング丸出しのフットワーク
ミスターの姿が歪んだと思ったらカノルフの横に立っている
カノルフの顔面に左ジャブ? ピチィ!
カノルフ方向転換&廻し蹴り が、ミスターまで届かない
ミスター「当たりませんよ」クスクス
「なぜ皆が、そして父が、その体勢を攻略できないのか
私には理解できません」
再びボクシング丸出しのフットワーク
「野性の世界では、その体勢は敗北を意味する
が、人間同士の闘争であるなら、、、なるほど防御に徹した形と言える」
「人間には牙も鋭く尖った爪もないからね」
アライリュウケントウジュツ
「だが、 私の瞬発力 は野獣を凌駕する」
前に出るミスター
カノルフ、ビビって前げり が、当たらない
「届きませんよ、その状態からでは踏み込めない」
カノルフ思わず後ずさり
「そして下がることすら出来ない」
カノルフの周りを残像を残しつつ移動するミスター
(1ページ半廻りっぱなし)
いつのまにかカノルフの頭方に立ってるミスター
またも顔面にジャブ?っぽいパンチ
カノルフ、オーバーヘッドキックで抵抗「鋳(イ)ッ!」
が、膝を右で狙撃される ボギャッッ!
カノルフの足が逆に曲がる
「NOォ これはボクシングではない」
痛がるカノルフの顎にフック?一閃
カノルフ→グッタリ 禿げ軍団→驚愕
ミスターグローブにキス ちゅっ(はぁと)
劉海王に向かってさわやかスマイルで
「わかっていただけましたか?」
煽り なし
暑くなってからが正念場
キムチ喰って汗をかけ
腕に自信がない人用のスレも立てない?
・本スレのハイレベルの中にSSを書く自信の無い方
・いつネタが切れるとも、中断するとも分からない方
・ちょっとしたネタを思いついた方
・読まれる読まれないかかわらず、何か書きたい方
・とりあえず書きたい方
新撰組オモロイ
>>8 1軍と2軍を分けるのか。それもいいな。
でもスレタイちょっと目立たないな。見つけ辛い。
でも1さん乙。
2軍スレッド
12 :
トモ:03/07/08 00:34 ID:???
乙です。
パオさん、あなたのことはよく存じております。
やむすれには時々いらっしゃっていたようで。
私もパオさんと同じように仕事を持っております。
忙しいですが暇を作って書いていこうと思うので今後ともよろしく。
>1
乙〜
>10-11
ホントに立てるかどうかはしらんが、立てるなら
「少年漫画SS練習スレ」みたいなタイトルがいいと思う。
1軍、2軍ってランク分けするのは荒れる元だ。
>6-7
SSの振りしてバキのネタバレこんなところでしてんじゃねぇよ蛸
>>10 止めとけ。絶対に止めとけ。
書きやすくなったとしても
絶対に荒れる元と成る。
わかるようにすれば良いだけだよね。このスレだけで十分
職人さんも、職人さん見習いも沢山来てくれやぁ
ま、初心者は不良か筋肉マンスレで闘いの書き方の勉強すればいいんじゃない?
17 :
マロン名無しさん:03/07/08 18:45 ID:mfFUTukU
18 :
ふら〜り:03/07/08 19:39 ID:???
1さん、おつ華麗です。
>>8 いいアイデアだと思います。が。
どんなにスレタイに気を配っても、こちらに来た新人さんが
「お前は二軍に行け」的発言を受けそう。で、それを恐れて、
こちらには新人さんが全く来ない(来られない)という事態に
なりそう。
難しいところです。
>13
あ、やはりネタばれだったのか。
こっちの小説が面白いからあまり気にならないが。
新撰組続きキボン
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1054870798/n768 警視庁庁舎の、いたって目立たない場所に存在するいくらか広めのフロア―警視庁公安部。
そこは、鉄火場を思わせる喧騒に満ちていた刑事部とは対照的に、得体の知れない静謐さに満ちた
場所だった。
そこを根城とするもの―公安警察官は、誰も彼もが視線を落とし気味に歩き、報告し、打ち合わせを
行い、電話に応対している。
同じ係にあっても、ほとんど横のつながりが存在せず、極端に表現すれば公安警察官一人一人が
各々のルールに従って与えられた任務をこなすそこは、日本最大の―すなわち、世界でも有数の
パワーを有する警察権力が、いかなる哲学のもとに日々任務に精励しているかを何よりも雄弁に
物語っていた。
公安部長付という肩書きの元、公安部のいかなるセクションにも属しない垣原は、このフロアへ
滅多に出入りすることなく、それゆえ彼が悠然と入室してきたとき、その場に居合わせた人々は思わず彼と、
彼のたった一人の部下に視線を集中させることとなった。
彼の経歴と武勇を考えれば当然というべきか、その視線に好意的な何かが含まれていることはない。
そこに含まれている物は、よくて、"こいつ、何しに来やがった"という類の訝しさであり、大半は嫌悪と恐怖を
あからさまにしていた―通常は、彼等公安警察官がその敵とする左翼諸勢力から向けられる類の感情を。
>>21 もちろん、垣原がそうした視線に対して気後れを感じたり慙愧の念に駆られたり、あるいは腹を
立てたりすることはない。
むしろ、彼にとっては、そうした感情をぶつけられることこそが、彼自身のアイデンティティを確認する
ための一手段でもあると思っているかのようだ。
「ふん」
そうした感情の主―数多の公安警察官へと粘っこい視線を向け、それを浴びた警察官が慌てて下を
向いたり、ことさらに忙しそうなそぶりであれこれと仕事にかかるふりをするのを見ながら、垣原は
馬鹿にしたように鼻を鳴らした。
思わず、彼の何よりも特徴的な口元―左右にぱっくりわかれた刀傷が、侮蔑の笑みを浮かべる。
阿呆どもが。何もいわないのなら、初めから顔をあげるな。
垣原は、そうした思いを具現するかのように、臣民を見下ろしながら街路を練り歩く王侯のごとき
傲慢な足取りでゆったりとフロアを歩く。
対照的に、垣原の後ろにつく部下―金子は、どこか決まり悪げな色を双眸にだけ浮かべ、ことさらな
無表情を作りこみつつ、垣原の背中だけをみて歩を進めていた。
ほどなくして2人は、フロアのとっつき、「公安部長室」と白墨で黒檀の札に書かれた部屋にたどり着いた。
垣原は、上官の執務室に入るとき当然なすべき作法―ノックすら行わず、ぞんざいな手つきでドアを
開け、中へと無遠慮に入り込む。
金子は、一瞬だけ何か垣原の背中に言いかけ、すぐ諦めたような表情を浮かべて後に続いた。
>>22 「10分遅刻だ」
部屋の主―警視庁公安部長は、闖入というべき2人の入室を認めると、机の奥から眼鏡越しに
彼等を見つめた。そして、警察組織の階級力学上ありえない無礼に対しては何も言わず、開口一番
それだけを短く告げた。
「刑事部に、挨拶にいってましてね」
かろうじて言葉だけは目上に対する礼を保ちつつ、垣原は馬鹿にしたような口調で答えると、
何も言われないうちから部長室のソファにどっかりと腰をおろし、足を組んで彼の上官を見上げた。
「いまさら、刑事部なぞに挨拶してどうするつもりだ」
ため息をつきつつ、公安部長は執務机の椅子から立ち上がり、いくぶん緩慢な動作で垣原の正面
にあるソファに腰をおろす。
「向こうの担当は銭形センセイです。ま、一応仁義はきっとかないと、あとあと五月蝿いかと」
「何が仁義だ。どうせ、銭形が悔しがる顔を見たくて、だろうが・・・・。まあいい。本題に入る」
それが地なのか、あるいは演技なのかは判然としないものの、いかにも全身から疲れを滲ませた
ような表情と声音の公安部長は、手にしていた夕刊紙を応接卓に置き、垣原の方へ滑らせた。
第1面のトップ記事、その大見出しに目をやった垣原は、小声でその記すところを読み上げる。
「『江東区大量殺人事件 容疑者を拘束』・・・・・・?」
「今日の夕刊の早刷りだ。無理を言って記者クラブ経由で取り寄せさせた」
あえて垣原の読み上げた内容からずれたピントの回答をしつつ、公安部長は眼鏡越しに垣原の
顔を見つめた。
「なら、私が出る幕はないのでは?」
その凶相からは想像もつかぬ怜悧な頭脳の持主である垣原は、コンマ秒単位の速さで頭を回転
させつつ、わざと間の抜けた質問を重ねてみせる。もちろんその理由は、部長を苛立たせるためだ。
「その男は、事件当日、まさにその時刻のアリバイがない。また、もとカミナリ族とかで、バイクの腕も
確かだというし、加えて、暴力団に恨みもある。・・・・そして、肝心なことだが、今彼はポン中でまとも
な状況判断が不可能だ」
>>23 「なるほど、なるほど」
何故か非常にうれしそうな笑みを浮かべ、垣原は懐からペルメルを取り出した。
同時に、傍らに石造の如く無言を保って控えていた金子が、ロンジンのライターを取り出して火を
つける。
深々とペルメルを吸いつけ、こともあろうに部長目掛けて盛大な紫煙を吐き出した垣原は、なんとも
表現に窮する口調で断言した。
「つまりは、贖罪羊を一匹でっち上げたというわけですな、部長。思い切ったことをするものだ」
定期検診で肺に異常が見つかり、それゆえ禁煙せざるを得なくなってしまった部長は、あきらかに
意図的な大咳を何度か行い、じろりと垣原をにらみつけた。
「理由はわかるな」
「拘置期限一杯まで、世間とマスコミの目を表にひきつけておくということですな。なんともはや」
「記者発表では、その点も留意している。少なくとも、今はまだ事情聴取の段階だ」
「ばれたら、警視総監以下全員枕を並べて討ち死にですな。いや、警察庁長官もあやしいかな」
「そこまで君に心配してもらう必要はない・・・・・それと、垣原警部」
「なんでしょうか」
「とりあえず、今までわかっていることは紙にまとめてある。それを読み、必要な手を全て打て。
かわいそうなこの男の拘置期限が終わるまでに、"本当の犯人"を見つけろ。それと・・・・・・・・・
この事件には、我々の領分である過激左派分子が見え隠れしている。おそらく、あの倉庫で
大河内組を皆殺しにした男は、左翼に深いかかわりがあるのだろう。その関連を見つけ出し、
その上で」
「みんなまとめて叩き潰せ、ですな。了解しました」
垣原は、獲物を狙う猟犬のような目つきになった
>>24 対照的に、公安部長の顔はますます苦渋に満ちたものとなっている。
「それから、今回の案件は、必ずしも容疑者の逮捕を前提としない。あとで表沙汰にならぬよう
配慮するのであれば、いかなる手を打っても構わない。ただし、我々はいかなるバックアップも
行わない」
毒素を吐き出すかのように、公安部長は言葉を続けた。
無理もない。今、部長は警察官としてのプライドをどぶに投げ捨てているようなものだったからだ。
俯き、小刻みに肩を振るわせる公安部長を見ながら、垣原の背後に立っている金子は内心で
このキャリア警察官に深く同情していた。
私の上司であるこの化物じみた面の警部は、本来警察などという組織にいてはいけない類の
人種なのだ。
凶暴で、粗野で、卑劣で、そしてなにより頭脳明晰で勇気に不足するところはない。
おそらく、人間として湛えられるべき美徳と蔑まれるべき悪徳を全て兼ね備えた、ある意味では
まったく稀有な人間なのだろう。
確かに、この警部は今までおそるべき功績を挙げつづけている。しかし、それは決して表沙汰に
出来ぬ類の代物ばかりなのだ。
被疑者行方不明、被疑者事故死、被疑者精神錯乱により云々・・・・エトセトラ、エトセトラ。
確かに、垣原に狙われた人間は、全員2度と再び法に触れることが出来なくなっている。
出来なくはなっているが、その経緯を明らかにすることは、警察という組織の敗北を―法の手続きに
乗っ取った捜査を行わなかったことの証明になってしまうのだ。
にもかかわらず、警察はこの警部を放逐することができないでいる。それは・・・・
そこまで金子がとめどもなく思考をもてあそんだときだった。
「好きにさせてもらう。もちろん、あんた達に累が及ばぬように」
今や言葉遣いからも上官への敬意が失われた垣原は、切り捨てるかのように言い放った。
「もちろんだ・・・それから最後に。報告は今後全てメモかそこの金子君経由で行え。
私はお前の顔をこれ以上見たくない」
皆様こんばんは。外伝担当でございます。
まずは新スレおめでとうございます。そしてお疲れ様でした
>>1さん
ところで、柳外伝の幕間ですが、もう少し続きます。
そうですね、あと10レスくらいでしょうか。たぶん、ですが。
20歳前後の柳、銭形、警官なのに口がさけてる垣原。
まだまだ新キャラの登場は続くかと思われますが、このメンツが
どんな風に絡み合っていくのか、色々と楽しみですな。
私だったら、訳が分からなくなって全員爆死で終了ですよ、これ。
外伝さんの手腕に期待大。私も久々に何か書きたいところですが
時間的、精神的にフン詰まりなので、これがなかなか。
バキスレが久々に本編の話題で盛り上がっていることですし
こちらで32号のネタバレをしようかな、などと考えたりもしますが
それは反則でしょうね。
風呂上りに再度の書き込みでございます。皆様あらためましてこんばんは。
>>27 vsさん
お久しぶりでございます。ご挨拶ついでに、少し内幕をば。
実は、当初大河内組2代目として(乗っ取り同然に)組を掌握して・・・・というキャラクターを誰に
するか考えておりました。vsさんからリクエストがある以前の話です。
(まあ、そのときは垣原ではなく、適当なオリジナルキャラを出す予定でしたが)
で、vsさんからリクエストを頂戴した結果、この組長に垣原を、と最初は思いました。
ところが、殺し屋イチをこのあいだマンガ喫茶で読み返して、垣原の人となりを検証した結果、
もっと意外な役どころがいいかな、と思いまして警官にしてみました。
この事件に関わる警官のキャラとしては、すでに出しました銭形のほかにもう一人、アウトロー的
立場というか、銭形を表とすれば裏の面を具現する警官キャラが必要だったので、まさしくvsさんの
リクエストは渡りに船でもあったわけです。(候補には、柿崎憲@野望の王国も考えてましたが)
ともあれ、スペック編に比べれば話の量も登場人物も段違いに増えました。
まだしばらくの間、仕事には余裕がございますので、当面は現在のペースで更新が可能かと思われます。
(来月からきつくなるかな・・・・というのが正直なところですが)
vsさんを始め、皆様のご期待にそむかないよう、精進してまいる所存でございます。
※ただ、漫画サロン板のほかのssを拝読しておりますと、やはり状況を手短に纏めるのがうまい方が
多いなァ、とうらやましくなってまいります(特に、キン肉マンスレッドのトーナメントSSを執筆しておいで
の方など、何をどうやればあれほど簡潔にして的確な筆運びが可能なのかと、正直うらやましいです)
まあ、そのへんは私もうらやましがってるだけではなく、精進あるのみですが。
29 :
マロン名無しさん:03/07/09 12:46 ID:iQ6HfQMi
このスレ、もう終わりかけてるな。人いないし。
パオがいなくなったら所詮はこの程度のスレか。
30 :
マロン名無しさん:03/07/09 12:52 ID:QlZIrOQi
つーか、パオがいなくなった途端に過疎化するようなスレでレベル高いとか二軍スレを立てろとかよくいえるな。
これじゃ他のSSスレから相手にされないのも当然だが。
漏れは死刑囚編からの住人だが、今のこのスレは明らかにパワーがなくなってる。
正直つまらないんですが。肉スレのほうが勢いあるし、おもしろくて読み応えがある。
>>30 排他的なのが問題あるんじゃない?
とうとうタイトルに「バキ」入れちゃったしw
このスレに関係なく、適当なSSスレッド立てた方がいいな
好き勝手書けるヤツ
ここはもう終わりだ
うるせー馬鹿
>>32 はぁ? タイトルに「バキ」入ってないのは前スレだけだぞ
おまいら、一番面白かったのは?やっぱ死刑囚?
36 :
マロン名無しさん:03/07/09 13:23 ID:ubEK9OkM
外伝さん、俺は肉スレも見てるのですが、外伝さんの文章の方が感情が深く入っていて好きだよ。もっと自信もって!!
新撰組がオモロイから平気です。
はっきり言って、
>>29-32みたいのがいるよりは過疎ってた方がマシ
>>36 いちいち他の職人と比較すんなハゲ
新手の荒らし?
荒らしでも何でもなく
早 く パ オ 帰 っ て こ い よ
外伝さんも素晴らしく面白いし新撰組も新鮮wだけど、
パオ最近やる気ないみたいだけど、
奴がいるといないとでは何となく違うんだよな。
荒れる元でもあるけど、奴は。
やる気ないんじゃなくて、仕事が忙しいって言ってただろ。
ちゃんと前スレ読めよ。俺だってパオのSS読みたい。
みんな心を鬼にして堪えてるんだ。
UNIX板の人でつか?
Meadow + navi2chだけど何か?
<第9幕>
新撰組隊士、緋村剣心。ヤムチャを自らの手で粛正してから、彼はめまぐるしい成長を遂げていた。
元より持っていた天性の剣の才に加え、任務のために冷酷に徹するようになった彼の前に敵はなかった。
討ち入りには常に参加。そして常に一番手。何人の剣士が剣を構えているかわからないもっとも危険な
館への最初の突入。彼は真っ先に名乗り出て、待ちかまえている剣士達を切り刻んでいった。
いつの間にか、彼は隊士の間で「新撰組の切り込み隊長」と呼ばれるようになった。
だが、そんな緋村も一隊士である。斉藤一率いる三番隊の一般隊士である彼はだが斉藤の命令に従い
任務を遂行する駒にすぎない。隊長である。斉藤は緋村の実力を誰よりも高く評価していた。
自分の策略によって見事に成長した緋村をみるのがうれしかったからかもしれない。
幹部級の集まる会議のおいて、斉藤は緋村に、新たな部隊の隊長を務めさせるよう提案した。
「緋村君の実力は確かだ。だてに飛天御剣流を身につけていない。我々と同じく、人を指揮する立場に立ってもらいたいと考えている」
斉藤の言葉に、土方、沖田はじめ、新撰組の幹部級のほとんどがうなずいた。緋村は新撰組で誰もが
認める実力者となっていたのである。だが、局長である近藤勇がこう反論した。
「緋村君の実力は確かだ。だがこれ以上機動部隊を増やすわけにはいかんだろう。」
新撰組にはいくつかの機動部隊がある。隊士はそのいずれかに配属され、任務につく。
斉藤率いる三番隊などはその代表だ。だが、新入隊士の減少から、新しい隊を作ることは困難だった。
「ふふふ・・・ならば俺と勝負をしてやつが勝てたら俺の隊をくれてやるってのはどうだ?」
「鵜堂陣衛・・・」
<第10幕>
近藤の言葉を聞いた新撰組、15番隊組長、鵜堂陣衛がそう言った。殺人鬼と呼ばれている男である。
実際、任務以外のところでも無用な殺人をすることが多かった。彼が活動すると、一般の人間に被害が
およぶことが多い。
「いいだろう・・・緋村君が了解すれば、決闘は三日後に行う・・・」
近藤は隊の人事の重大なことにもかかわらず、即決した。だが、その決断にその場にいた誰もが
納得していた。鵜堂陣衛の繰り広げてきた無用な殺人行為。新撰組全体の評判を落とすことになりかねない。
これから京都の治安を守ることを名目に活動をしていく新撰組にとって彼は大きな懸念材料だった。
「ふふふふふ・・では決まりだな。楽しみにしているよ・・・若い剣才の持ち主との決闘・・・いいねえ・・」
鵜堂は不気味な笑いを浮かべて去っていった。会議はその後、すぐに終わり、斉藤は決闘のことを緋村に伝えに行った。
「緋村君・・・三日後、君と鵜堂陣衛で決闘をしてもらう。君が勝てば鵜堂の隊長の座を得ることができる」
「決闘・・ですか。俺は隊長なんて興味ありませんよ」
「もう決定したことだ。土方君も沖田君も君に期待しているよ」
斉藤は決闘は緋村の意向に任せることを伝えなかった。緋村にはどうしても隊長の座にたってもらい
たかったからだ。緋村は鵜堂の隊内での評判の悪さを知っていた。それを利用し、土方や沖田が
緋村が鵜堂を都合よく始末してくれることを望んでいるとあえて伝えたのだ。
「なんか・・・利用されているみたいですね・・そこまでみんなが言うなら、やるしかないようだ」
若い緋村は意外と負けず嫌いな部分があった。斉藤はそこをついた。普通に言えば決闘などに応じない
であろう緋村に、これはお前を試す機会だということを事実をねじ曲げて伝え、緋村の心を逆撫でさせた
「期待しているよ緋村君。決闘に勝てば君も俺たちと同等の立場になれる。仕事もやりやすいだろう」
決闘の話をしてから少し目つきの変わった緋村を見つめながら、斉藤は去っていった。
45 :
トモ:03/07/09 22:48 ID:???
中途半端だがここまでが限界か。すいません。
今度はみなさんの作品をじっくり読んで、ちゃんと感想を言おうと思います。
<つづく>
46 :
ふら〜り:03/07/09 23:32 ID:???
>>外伝担当さん
警察方面がここまで絡んでくるとは……ますます先が読めなく
なってきました。でも柳がいないのは寂しい。早期復帰を希望。
にしても、前スレで言っておられた、私の知ってるキャラ登場と
いうのが気になります〜。今の流れで、出てきたら面白そう
なのは……大阪の犯罪組織のボスで、薙刀でダンプをぶった斬る
あのヒトとか?
>>トモさん
斉藤が渋くていい感じですっ。一読者のリクエストとしては、
ダイ・ヤムチャに続けて他作品キャラをどんどん出していって
欲しいところ。ヤムチャがいるということは、剣に拘っては
おられませんよね? いっそ、バキから誰か来るとか。
ミルコ・クロコップとボーボボと一歩の三人組とレッドリボン軍との全面対決書きます
嘘です
>新撰組
相変わらず展開読めないぜ!
まさか、刃衛とは!
ダイ再登場きぼんぬ
>新撰組
サムライスピリッツなキャラ登場きぼんぬ。もしや、ゲームキャラだから却下でつか。
50 :
トモ:03/07/10 10:29 ID:???
いやあ、自分、ジャンプ以外の漫画にうといのでなかなか出せそうにないですよ。
時間あったら検討してみます。
パオと夜王さんとVSさんがいなくても
外伝さんとトモさんがいれば大丈夫。でも3人早く帰ってきて。
愛と死を見つめて
近日公開
新人だとすると、おもしろい展開になりそうだな。
>>6-7 ウソバレだったのか・・・全然疑いもしなかったよ
56 :
マロン名無しさん:03/07/10 19:04 ID:GFz3sm46
ぶっちゃけ無限大トーナメントで終わりにしとけばよかった
57 :
マロン名無しさん:03/07/10 20:30 ID:Y2VtRQVU
>>38 話の流れが掴めてない。読解力不足。全くもってお前は餓鬼だなww
58 :
13:03/07/10 20:45 ID:???
>>6-7 ウソバレだったとは…。
フォーマットがバキスレのネタバレカキコと全く同じだったので
確認もとらずに過剰反応してしまったよ。本当にゴメンナサイ。
しかし読み返してみると、展開とか台詞回しとか(カルノフの中国語とか)
あまつさえ板垣のコメントまで、全部見事に「らしい」。驚愕。
<第11幕>
鵜堂刃衛との決闘が決まってから二日。決闘の日時は明日に迫っていた。
緋村は、これといって急な特訓をすることもなく、ただ瞑想を繰り返すだけだった。
新撰組館内の林の中。そこが彼の特訓場。瞑想中の緋村の元へ、ダイがやってきた。
「剣心、特訓するなら俺が相手になるよ。瞑想ばっかしてていいのかい?」
すると緋村は目を閉じたまま答える。
「いいんだよ。こうして気持ちを落ち着かせて、決闘を迎えるんだ。俺の剣技なら新撰組幹部だって倒せるはず。あとは、精神を落ち着かせればいい」
「余裕なんだね。うらやましいよ。組長になれるなんてさ」
「組長になったからっていいことなんかないさ。血をあびるのが少し減るだけだよ」
その後、何も話さずに座禅を組み続ける緋村。ダイは、試しに緋村の隣で座禅を組んでみた。だが、
十分もしないうちにその場をあとにした。自分に向いてないと悟ったのもあるが、隣の緋村から感じられる
威圧感に耐えられなくなったからだ。望まざる決闘に見えたが、緋村の集中力はすさまじいほどに
研ぎ澄まされていた。そしてそれを斉藤が遠目で見つめていた。
「では、これより組長の座をかけ、鵜堂君と緋村君の決闘を行う。二人とも礼」
局長、近藤勇のかけ声を受け、鵜堂と緋村がお互いに礼をする。場所は館の庭園。思う存分動き、力を
発揮してほしいとの近藤の計らいから、決闘の場所に選ばれた。周りでは斉藤はじめ、幹部級の面々が
二人を見つめる。
「ずいぶん落ち着いているようだねえ・・・ふふふ、けっこうけっこう」
自分と対面しても表情一つ変えない緋村を見て、鵜堂がうすら笑いを浮かべながらそう言った。
この笑いは人を切りたくてしかたない状態にある時にでるという。命をかけた真剣勝負。鵜堂にとって
これほど生き甲斐を感じる時間は他にはなかった。はやく始めろと言わんばかりに「ふふふ」と
笑い続けている。そんな鵜堂を目の前にしても緋村は目尻一つ動かさず、じっと目を閉じていた。
「それでは、はじめ!!」
<第12幕>
試合開始の号令とともに、鵜堂が緋村に向かって突進する。それを察知し、閉じていた目を開け
突進してくる鵜堂をひらりとかわした。緋村はまだ抜刀していない。鵜堂のスキができるのを待ち
飛天御剣流の十八番、抜刀術を直撃させ、一瞬にして勝利を勝ち取ろうと思っていた。無駄に剣を
あわせるとこちらのスキも出来やすい。緋村は鵜堂の性格、戦法等を三日の間に自分なりに研究し
一番楽に勝てるであろう戦法をとっていた。
「ふふふ・・・まだ抜刀しないのかね?」
抜刀しない緋村を見かねて、鵜堂がさらに速度をあげた。その剣にもいっそう磨きがかかる。
鵜堂の剣は「二階堂平法」と呼ばれる剣術である。一文字、八文字、十文字の三段の型から繰り広げられる
剣筋はじょじょに緋村のカラダをとらえつつあった。
「ふふあああはははっはあああ!!どうしたあああ!」
鵜堂が少し後ろに間を取り、助走をつけ、緋村に突進してきた。そこから片手平突き、一文字の型、
横薙ぎ、と新撰組の技と二階堂平法独特の型を組み合わせた攻撃を繰り広げる。
(次・・・十文字の型・・・唐竹割り・・・!ここで・・・・崩す!!)
鵜堂の剣が天を仰ぎ、上から緋村に向かってきた。だがそれに合わせて抜刀。二人の刀がぶつかり合う
金属音があたりに響くと同時に、鵜堂の刀の上半分ほどが上空を舞い、地面に突き刺さった。
「おおおおおおおお!!」
刀の折れた鵜堂は丸腰も同然、緋村はここぞとばかりに突進。
「ふふふ・・・うふふふふっ!!!!!」
「・・・・・!!!」
鵜堂が不気味な笑い声を上げると、猛突進していた緋村が突然失速。その場で動きが止まった。
歯を食いしばり、必死に動こうとする緋村。だがうまいぐあいにカラダを動かせない。
「二階堂平法・・・心の一方か・・・どうする、緋村君」
必死に動こうともがいている緋村を遠目で見ながら、斉藤がふとつぶやいた。
「うふふふふふ・・・俺の動きを読んでいたようだが、まだまだ甘いねえ。武器破壊とはなかなか味な真似をしてくれたが」
「・・・く・・・」
「所詮頭の中でどんな戦法を思いついたとて、状況はこく一刻と変わるのだよ。現に君が俺の動きを研究済みだと察知した俺はあえて戦法を変えてより安全な策を選んだ。」
「・・・・・・それが今の俺の状況か・・・?」
「ふふふ、これじゃあつまらんからねえ。使わないつもりだったんだがねえ。さあどうする緋村剣心!!君ほどの腕前なら少しは動けるはずだ!」
その言葉に反応し、緋村がいっそうに動こうともがきはじめた。だが、剣を持つ手にも力が入って
いないことが遠目でもわかった。足を進ませる動作も重い。
「無理だ・・・今の緋村君には動けない・・・」
「斉藤さん、なぜそう言い切れるのです?」
斉藤のつぶやきに隣で観戦していた沖田がそう問いかけた。
「緋村君には心の一方を破れるほどの強い精神力がない。自分の能力の過信、彼は自分が一番強い人間だと無意識のうちに感じている」
「・・・・・」
「能力は大人以上でも精神は子供のままだ。齢15才の緋村君には、自分の能力の過信を押さえるだけの精神力がまだ備わっていない」
「序盤の消極的な戦い方はそれが原因だと?」
「そうだな。緋村君が完成された精神を持っていたとしたら、心の一方を破ることも出来ただろう」
話を続ける斉藤と沖田の目には、うまい具合に動かない体を引きずりながら剣を構える緋村の姿が映っていた。
<つづく>
62 :
トモ:03/07/10 21:22 ID:???
戦闘描写を書くのは難しいですね。
63 :
トモ:03/07/10 23:30 ID:???
外伝担当さん、長文と言いますがここまでしっかりとした文章を書けるのは
うらやましい限りです。
自分はついせりふにたよってしまうもので・・
65 :
マロン名無しさん:03/07/11 00:24 ID:YQFnX4dx
>>64まぁまぁ、痛いとこ突かれたのはわかるがムキになるな。
バカは放置しろ
新撰組
戦闘シーンが確かに・・・
何やってんのかよくわからん
69 :
マロン名無しさん:03/07/11 00:38 ID:VDRqK8Xq
外電の話だってわけわかんねーよ
パオはどうした
おまいら小説の格闘シーンなんてそもそもわかりにくいモンだ。
頑張って脳内補完しろ
>>69 何か脱線してるから読んでない
>>70 パオは分かりやすかった
オレがバキ信者ってのもあるが
73 :
マロン名無しさん:03/07/11 00:57 ID:YQFnX4dx
結論として、パオ以外は全員レベル低すぎだからもう書くなってことでFA?
つか、ここはパオ専用スレだろ、やっぱ
禿同
パオ以外の奴が書くくらいならこのスレ倉庫落ちしたほうがまし
75 :
マロン名無しさん:03/07/11 01:01 ID:BT07pio1
そうか?オラは外伝もパオも良いと思うのだが…。
ていうかここ終わってるだろ
パオ来ないから
他の職人にゃわりーがおめーらじゃパオの代わりはつとまらねー
77 :
マロン名無しさん:03/07/11 01:07 ID:cp9B3Sl3
殺伐としてきたな。
マジで落とそうぜ
前は職人のカキコがあったら、感想レスがついたが今はサッパリ
読んでるヤツ何人いるんだ?って感じ
パオの死刑囚は最高傑作
シコルスキー(幽霊)が出すぎたがw
80 :
マロン名無しさん:03/07/11 01:10 ID:VDRqK8Xq
誰も読んでねーよ落とせ落とせ
81 :
マロン名無しさん:03/07/11 01:11 ID:ETfCoN7f
人それぞれということで。パオも一人で書くの望んでる訳でもないし、要するに気に入らないヤシは来なくていいってこった。
気に入るとかそれいぜんに、ここが最高のSSスレとかいう神経が理解できん
>>81 パオがいれば問題無いんだよ
他の職人が書こうが書くまいが
ある種、パオがいるから安心して書けるみたいな部分もあるだろうし
やっぱパオは別格
国語力だけなら外伝が勝るのに
84 :
マロン名無しさん:03/07/11 01:20 ID:78IvSKJp
スレが衰えてく典型的なパターンだな今。
だから来なくてイイって・・・
86 :
マロン名無しさん:03/07/11 01:23 ID:STef3cfF
正直、いまレスしてるやつらSSなんかどうでもよくなってるだろ
漏れもふくめて
うん。スレが荒れる様子を観察してる。
トモの躍進に期待
っても、こいつ大きな流れを書けないっぽいな
89 :
マロン名無しさん:03/07/11 01:38 ID:l5e+q5ww
とりあえず読んでる奴の点呼とるか。
漏れで一人目
90 :
マロン名無しさん:03/07/11 01:40 ID:0v5uniCL
二人目
但し、新撰組のみ
88はオレ
荒れるから止めろ
と言いつつ3人目
92 :
マロン名無しさん:03/07/11 01:41 ID:0v5uniCL
>>90 ID出せ・・・出して・・・出してください
93 :
マロン名無しさん:03/07/11 01:42 ID:0v5uniCL
柳が警察編になるまで
ようするに読者は二人ッスか・・・・・・
もうだめぽ。
つかパオも気つかいすぎ。
書きたいときにしか書かないとはっきりいわないからスレが荒れるんだよ
97 :
マロン名無しさん:03/07/11 02:01 ID:W2MwPZaM
もうこのスレ落とせ。
んでパオのやる気が出たらスレ立てろよ。
正直見てるだけでつらい。
外伝と新撰組だけじゃな…
何つーか、物足りないっつーか、いらないっつーか
職人の低質化
排他的
読者激減
糞スレの条件が満たされてまつね
100 :
マロン名無しさん:03/07/11 02:06 ID:1ggoKZTp
だな。
このスレは終わったとしても、外電と新撰組の再就職先決めな
あの腕じゃ、他スレも厳しいがな・・・
パオがいなきゃ無価値
また信者装った荒らしがいいように煽ってんのか…。
ま、飽きるの待つしかないな。もっと耐性つけてがんがれ>住人のみんな
いや、廃れてるのは事実
明らかな荒らしもいるが
105 :
マロン名無しさん:03/07/11 02:34 ID:VSDKqzVl
外伝さん、応援しとるからなー!
ぎゃあああ、ageちまった・・・
廃れてるなんて思う人も居るんだ。世の中色々だねぇ。
むしろパオがいなくなって、これからだと思う。
漫画サロン最強のSSスレなんだから、叩かれる(嫉妬される)のも当然。
頑張ってくれェ〜〜〜〜〜ッッッ
肉スレよりはレベル高いだろ、普通に考えて
廃れてるッつーか、パオが今まで一人で回しすぎてたんだな。
勿論、良い意味でだが。
書き手の人数を見れば、このペースの方がむしろ普通。
漏れは文章力なら外伝さんの方が上だと思うが
今思うと、パオのあの量産力はそれ以上に凄かった。
外伝氏も凄いだろ。
更新一回あたりの文章量はかなりのものだと思う。
しかもそれが毎日、というときもあり頭が下がる。
シリアス柳の続きが楽しみだ。
112 :
マロン名無しさん:03/07/11 07:20 ID:ZnHPb953
113 :
マロン名無しさん:03/07/11 12:28 ID:STef3cfF
外伝読んでないって言ってるやつ、もしかして殺し屋イチ知らないんじゃなかろうか。
漏れはあの垣原が警官役で出てきた時点で続きがマジ楽しみになってるんだが。
114 :
マロン名無しさん:03/07/11 12:37 ID:l5e+q5ww
つまらんと言うなら読まなきゃいい。いちいち余計なことを言うな。殺してやりたい
単に忙しいから書けなくなっただけなんだろ。
すぐ戻ってくるよ。
同人板でやれ
いいかげんうっとうしい
117 :
kunihiko:03/07/11 16:15 ID:gdB6bdfl
外伝さん何時も楽しみにしてます。
もしかして、大藪春彦にハマった事ありません?
ペルメル(ポールモールじゃ無く)に反応してしまいました。
118 :
マロン名無しさん:03/07/11 16:28 ID:DzYP0Enr
新鮮組、普通に続き楽しみにしてるのは俺だけか?
>>筆者の方々。俺は正直楽しみいつも見てた。が… でも、最近このスレ見てるとこんな奴等の為に続けていくことはないんじゃないか?と感じてる。>>ふら〜りさん他本気でこのスレ好きな人には悪いと思うが、もう書いてヤル必要はないように思う…残念だが。
121 :
トモ:03/07/12 00:44 ID:???
俺はパオさんの代わりを務めるつもりもないし
パオさんがいるから安心して書けるなんて一度も思ったことないんだが。
やっぱどんなSSスレにもこーゆう争いはあるのだなあ。
俺は自分が楽しめて気軽に書けてそれを少しでもかまわないからここの人に読んでもらって
できれば感想とか聞かせてもらって、駄目な点はお互い指摘しあうみたいな
そーゆうのが理想的だったのだが。もちろんマッタリとね。そんなに出来のいい小説を読みたいなら、
プロのを読めばいいのに。
新米のくせに生意気いってスマソ。
新撰組は戦闘シーンがダメダメですね。ちょっと研究します。あんま変わらなそうだけど。
いちおう大きな流れ的なものは考えてるのでたいして期待せずに待っててください。
122 :
トモ:03/07/12 00:47 ID:???
あ、別にパオさんのことを悪くいってるわけじゃないよ。
でもいつも引き合いに出されて大変ですね。
仕事もね。
>>25 「さて、どうしたものかな」
公安部長との、短くも胃の痛むようなやり取りを終えた垣原は、彼専用として割り当てられた執務室に
戻るなり、気楽な口調で金子に尋ねた。もちろん、あの応酬で胃を痛めたのは公安部長と金子である。
その名残を確かめるかのように、鳩尾のあたりに手を当てていた金子は、またかというように思わず
天を仰いだ。
「まさか、何も考えていないと」
「当たり前だ。あのハゲ部長に呼び出されたのは30分前だぞ。電話口で『すぐに出て来い。
江東区の事件で話がある』これだけだ。後は廊下を歩きながら貴様にあらましを聞いただけ。
これで一体何をどうしろというんだ」
だったら、銭形警部や公安部長に対してあれほど強気に出られたのは一体どういう理由で。
と尋ねかけた金子は、しかし賢明にも口をつぐんだ。
この奇怪な容姿の警部に仕えるよう命ぜられてすでに2年が経つが、垣原はいつもこの調子だったからだ。
まずもって、普通の警察官―いや、社会人であれば常識であるはずの、職場への出勤というものを
垣原はまともにこなしたことがない。よくて1週間に一度、それも何かのついでにふらりとこの桜田門
に顔を覗かせるだけだ。そして、この執務室―公安部のあるフロアからは明らかに隔離された、地下
倉庫の脇にある表札も出ていない小さな部屋だが、調度は警視総監室のそれを遥かに凌ぐ豪奢さだ
―にやってきては、酒をかっくらって帰ってゆく。噂では、女の家ともどこかの酒場とも、あるいは賭場
とも言われているが、金子はそれを確かめたことがなかった。
垣原が仕事をこなすのは半年に1回、つまり、今このときのように、公安部長から呼び出しをうけたとき
だけだ。すなわち、金子は着任してから今までたった4件の事件しか関わらなかった計算になる。
そして、その仕事を垣原がこなすときは、いつも・・・・・
>>123 「とりあえず、資料はそろってるな?」
マホガニー製の、さぞや名のある職人が作り上げたであろう執務机、何をどう好意的に解釈しても
警視庁の予算でまかなわれたとは到底思われない高価な机の上に足を投げ出し、これまた車一台
は買えそうな椅子にだらしなく腰掛けた垣原は、ペルメルに―今度は自分で火をつけながら尋ねた。
「はい。部長から預かった資料はすべてそこに」
質問を受けた金子は、執務机の上に山積みとなった平綴じのファイルを示した。
いずれも、真っ白な表紙に墨痕鮮やかな資料のタイトルが記載され、その隅には
「極秘 部外持ち出し厳禁」
と読める真っ赤なスタンプがべたべた押されている。
ファイルの山、その一番上にある「検死報告書」とタイトルが付されたファイルを手にとった垣原は、
銜え煙草の口から盛大に紫煙を吐きつつ、ページを繰り始めた。
視線を報告書に落とし、意識を資料に集中させ始めた垣原は、所在なげに立ち尽くしている金子に、
そっけなく命じる。
「金子。とりあえず他所まわって、何かわからないか聞いて来い」
これだよ。
金子は、内心でため息をついた。
垣原は、自分が資料を読みふけっている間に、部下である金子に御用聞きのごとき真似をさせる。
他所―つまり、この事件の捜査に関わった全ての部局をまわり、担当官に面会を申し込んで、事件に
関する事実を根掘り葉掘り尋ねる。もちろんその目的は、捜査資料―決裁をうけ、しばらくの間は保存
される公文書には決して載らない生の情報をかき集めることだ。
金子に与えられた仕事の、内容そのものは決して困難なことではない。
むしろ、話を聞いてまわるだけであるから、ポイントさえ外さなければ警察学校を卒業したての新米
巡査ですらこなすことができる仕事だ。
。
>>124 だが、60年代の警察官とは、未だ戦争が終わる前の職人気質をかたくなに堅持した人間の集団である。
個人主義が幅を利かせ、ドイツのマイスターも顔負けの頑固者が群がり集う警察という組織にあっては、
自分が取り掛かった仕事を横取りされ、あまつさえ自分がこれまで積み上げてきた捜査の成果を話と
いう形で吸い上げられてゆくことに、ひどく抵抗があった。
ましてや、警察組織内でも異端中の異端ともいうべき垣原、その手先である金子であればなおのこと。
おそらく、ただ警視庁の庁舎内をまわるだけでは、誰も何も金子には話さないだろう。
しかし、垣原の名前を出せば話は別である。
垣原―今年40歳とも、あるいは50歳とも言われているこの警部は、戦争が始まる前からの警察官
であり、いかなる手管を用いたかはしらねども、警視庁内で枢要なポストにある全ての人間の、
あらゆる弱みを知り尽くしており、彼に逆らえば社会的な意味での死を免れ得ないとわかっているからだ。
そして、垣原にまつわる様々な噂。「心を砕く男」という彼の異名。
彼を敵に廻し、あるいは彼に目をつけられたものが辿った末路。
そうした全てがあいまって、金子が垣原の名前を持ち出した途端に、あらゆる情報が向こうから勝手に
飛び込んでくる。
しかし、その代わりに金子は組織内での孤立を深め、ますます垣原から離れることが出来なくなる。
それを思い、これから面会するであろう警察官の恐怖を押し隠した軽蔑の眼差しを思った金子は、
いつものこととはいえ、不意に重石を抱え込んだ気分になった。
「ああそれと、銭形に話を聞く必要はないぞ、金子」
表情を暗くした金子に構うことなく、垣原は歌うような調子で付け加えた。
「奴は馬鹿がつく正直だ。情報はみんな書類に挙げてくれている。無駄な時間を使うことはない」
>>125 銭形は、警察官としては―いや、人間としてめずらしく、まったく裏表のない人間だ。
何の弱みも持っていない人間に、垣原の名前が通じるはずもない。
何せ銭形は、警視庁内でただ一人、正面きって垣原を罵ることができる唯一の人間だからだ。
金子は、そっとため息をつきながら垣原の執務室を出た。
これから3〜4時間、針のむしろに座らされている気分を味わうことになるだろう。
※ ※ ※
何十人という警察官の、声にならない罵倒と、視線に込めたどろどろの敵意を耐え抜き、言葉を
選びつつ情報をかき集め終えた金子は、一挙に年齢を4つか5つ老け込ませたような雰囲気を
湛えて執務室へと戻ってきた。ドアを開けた途端、無遠慮な垣原の声が飛び込んでくる。
「この事件、なかなか面白そうだな」
ええ、そうでしょうよ。
金子は、なかばやさぐれた気持ちを抱きつつ垣原の机の正面に向かった。
「今までにわかったことですが」
頭を回転させつつ口頭で報告しようとしていた金子はしかし、いきなり立ち上がった垣原にその口火を
かき消されてしまった。
「いや、それは車の中で聞く。とりあえず出るぞ」
垣原は、手にしていたファイル―並びからするに、それがおそらく机に積んであったもののうちの、最後
の一冊だろう―を放り出すと、のっそりと足を机から下ろし、立ち上がった。
「出るって・・・・どこへです?」
「金子、お前は馬鹿か。俺たちがやるべきことは何だ?」
ぽかんとした表情の金子にあきれたような顔をした垣原が畳み掛ける。
「殺人事件の犯人を逮捕し、同時に彼にかかわりがあると思われる左翼組織に」
「なら、犯人の人となりを知ってる奴のところへ行かねばならんだろうが」
「と、いいますと・・・・」
「大河内組だ。いや、今や大河内組の残骸、かな」
「しかし、大河内組にはもう捜査が、捜査4課が」
「あのヤクザまがいどもに何ができる。癒着だけがとりえの癖しやがって」
「・・・・・・・」
「俺が話を聞くときは、相手のケツの皺の数まで聞き出してやる。ついでに極道掃除といこうじゃないか」
また、余計な人死にが出るのか。金子は、暗澹たる気分で垣原の後に続いた。
128 :
トモ:03/07/12 02:52 ID:???
だね。スマソ
ムキになってしまった。
129 :
マロン名無しさん:03/07/12 03:04 ID:0ZnXAUal
つまんねー
外伝キターー!
ドラゴンボール完全版 1〜16巻 絶賛発売中!!
ドラゴンボールZ フジ(関東)で毎週月曜16:30〜放送中!!
┏━━━━━━━━━━━━━━┓
―――――――――――――――.┃ ドラゴンボール@2ch掲示板 ┃
これからも僕とドラゴンボール板を ┃.
http://pc2.2ch.net/db/ ┃
応援して下さいね(^^). ┣━━━━━━━━━━━━━━┫
────────┐ r───── .┃;;;;:: ::: ::::... .: . . _.∩_ .:;;;:; ┃
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ∨ ┃::::::... ヽヘ;;. 人丿ス ::┃
| ぬるぽ(^^) ┃;;;;;;;;. 从 θ斤:エh u .:┃
\ ┃:::. __ 《Y》_ ∪レ..... 弋| :::┃
 ̄ ̄∨ ̄ ̄∧_∧ 。.. ┃... .uヘ人iイ . (. .」_ ノ ....:┃
∧_∧ ( ^^ ) / .. ┃.. (∨ヘ |....|: .) .:::::┃
 ̄\( ^^ ) (つ つ / ̄ ̄ ┃.... .|;|レ' .(_;);;.| -〜、 .┃
|\  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /| ̄ ┃. ::;〜⌒^^⌒⌒´⌒` ̄ ̄ ....:: , ⌒~┃
|::::.| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| .| ┣━━━━━━━━━━━━━━┫
|::::.| . 山崎渉ニュース (^^) | .|_ ┃..と〜けたこおりのな〜かに〜♪ ┃
\.|__________|/ ......┗━━━━━━━━━━━━━━┛
新撰組、はやく来い
133 :
マロン名無しさん:03/07/12 17:12 ID:yUCTa8Fq
俺も新撰組の続きを激しく待っているのだが。
ひさびさにきたんだが、パオさんこねぇなぁ
135 :
マロン名無しさん:03/07/12 21:49 ID:R/laaOgw
外伝、完結後にまとめてもらったら読みやすそうです。
わざと小出しにするの止めない?
非常に読みにくい
>>126 ―2日後、東京・港区・虎ノ門―
日本における行政の中枢、霞ヶ関の官庁街より徒歩20分ほど離れたところに、この国有数の医療
機関が存在する。
所在地名をそのまま冠した、この虎ノ門病院の外科病棟に、9日前から一人の男が入院していた。
病名は、とりたてて深刻なものではない。
頭部強打による脳震盪、全身打撲、合計10箇所を超える裂傷、そして左足首の捻挫。
入院による療養を必要とする負傷ではあったが、この外科病棟にかつぎこまれる人間の中では、
さほど人目を引くような程度のものではなかった。
しかし、今、彼には個室があてがわれ、手厚い治療と看護を受け、入り口には制服警官が常時
立番を行っている。
この男が、これほどまでの扱い―おそらくは、この病院を利用する政財界要人クラスのもてなし
を受けているには、理由があった。
彼は9日前、江東区の運河にて意識不明で浮かんでいるところを発見されたからである。
そして、彼が発見された運河を遡ること1キロほどの倉庫で、大河内組の人間が十数人殺害され、
その後警察により行われた事情聴取で、男が大河内組においても特異な地位を占める人物―大河内
組組長警護隊、その隊長であることが判明した。
かくして、彼―野戦服の男、今はさすがに入院患者用の衣服を着せられている―は、10畳ほどの個室
で、彼の社会的地位を考えればなかなかのものである待遇を受けつつ、ベッドに仰臥していた。
>>138 あと3日で退院、半月もすれば全快か。
隊長は、窓越しに見えるビルの群れをぼんやりとながめながら、午前中に交わした担当医とのやりとり
を思い出していた。
―いやまったく、驚くべき回復力とはこのことですよ。普通ならもうちょっと居てもらわなければいけない
んですが、たいしたものです。よほど普段身体を鍛えてたんですね―
決して作り物ではない驚愕を満面に浮かべながら口角泡を飛ばしてしきりに驚く担当医の顔が隊長の
頭に浮かんでくる。
退院はいいとして、その後、どうしたものかな。
先週、隊長の個室に銭形と名乗る警視庁の警部がやってきた。
そのときは、住所氏名や職業などのほかに、あの時―運河で発見されたあの日、何をしていたかを
一通り話した。
もちろん、
『自分はただの使い走りなので細かいことはわからない、ただ命令されてあそこに赴き、そして襲われた』
と前置きすることで、事実関係以外の話をすべてはぐらかしてはいたのだが、あの警部は納得した
様子を見せていなかった。
まあ、ある意味では当然かもしれない。
誰よりも、あの日あの時あそこにいた彼自身が、未だに心のどこかで起こったことを信じかねているのだから。
吹き飛んだバラックのドア。
臓物を食い散らかす大友。
悲鳴をあげる大河内。
そして、勇戦敢闘空しく、次々と殺されてゆく彼の部下達。
彼自身にすら、すべてが余りにも信じがたい情景であったのだ。
『なるほど、お話はよくわかりました。ですが、一応調べにゃならんことがあるものですから、まだお話を
伺うことになるでしょう。・・・そうですな、あんたが退院した後にでも、また』
>>139 銭形は、そう言い残して病室を出て行った。
もちろん彼の顔には、お前は真実を何一つ話していない。今度は徹底的に締め上げるぞと
書いてあった。
あの警部は、相当にしつこそうだな。うまくあしらうのは難しいだろうが・・・・・
隊長は、窓辺に向けていた視線を天井に戻し、両手を後頭部の下で組んだ。
ともあれ、なんとかして警察の追及をかわす必要がある。
大河内組がどうなったかをひとまずは把握しなければならないし、その後でどう動くべきかも考えねば
ならない。事と次第によっては、大阪の力を借りる必要も出るだろう。
組長があの事件で亡くなったことは、すでに銭形から聞いたが、それで大河内組が消滅してしまうわけ
ではない。
跡目を誰にするか。
おそらくは揺らぎかけている組の規律をいかにして旧に復するか。
そして、大河内組という勢力が、その影響力を減じた―考えたくはないが、消滅しかけているかもしれ
ない―ことによる力の空白を如何にして埋めるか。
そして、すべてが片付いたあと、如何にして組長や部下の敵をとるか。
銭形の話を聞く限りでは、どうも隊長のほかにもう一人生き残った人間が居るようだ。
警部は、そいつが犯人ではないかという感触を持っているようだが、それは間違いもいいところである。
そう、彼こそは、おそらく敵をとるのにもっとも必要な力―柳である。
退院したら、大河内組の情報網を総動員して、一刻も早く彼を見つけ出さねばならない。
そして、大河内の依頼がまだ生きていることを確認せねばならないだろう。
「やるべきことは、山積みだな。とにかく、一刻も早くここから出なければ」
隊長が、天井を睨みつつひとりごちたときだった。
突然、何の前触れもなくドアがすっと開いた。
<第13幕>
鵜堂は腰に折られた刀を投げ捨て、腰に差してあった脇差しを手にした。
目の前には心の一方によってうまく身動きのとれない緋村の姿がある。命のかかった決闘。
ここで切り込めば簡単に勝つことはできる。だが、鵜堂刃衛という男は斉藤達が思っていた以上に
残忍な性格だった。身動きのとれない緋村の体を短い脇差しで少しずつ傷つけていく。
「そこまでだ。鵜堂君」
制止を求める近藤の言葉も聞かず、鵜堂は手を止めない。過去、ある所司代の役人の暗殺を頼まれた
際、本人以外の無駄な人切りを繰り返し、斉藤らが止めに行くまで辞めなかった。鵜堂にとって
人を斬ること、それだけが快感なのだ。じわじわと弱っていく人間の姿がたまらなく五臓にしみる。
鵜堂の目はもはや、正常な人間の目ではないことは誰にでもわかった。近藤は今すぐに鵜堂を
粛正すべきだと皆に提案する。
「・・・緋村君にまかせてみましょう。彼はきっとやってくれるはず」
「斉藤さん・・・」
緋村の目はすでに光を失っていた。対峙した男は予想以上に強かった。はじめから勝てると思っていた
過信。そして身動きのとれない体。かつてないほどの絶望感に緋村はさいなまれていた。
そうしている間にも鵜堂も脇差しによって自分の体は切り刻まれ、鮮血と、体力を奪われていく。
しゃがみこんでしまった緋村の手から、刀はすでに離れ、地に落ちていた。
「つまらないねえ・・・少し早いが終わらせてもらうとするか・・・うふふ」
戦意の完全に消失している緋村を見て幻滅したのか、鵜堂が突然緋村の右足に脇差しを突き刺した。
「ぐ・・・・あああああ!!」
叫び声を上げる緋村。刺さった脇差しを必死に抜く。足からは鮮血が勢いよく吹き出し、そして
緋村の右足の歩行能力は痛みによって奪われていた。
「この瞬間・・・たまらないねえ・・・じゃあな・・・緋村剣心!」
「・・・・・」
「緋村君!!」
<第14幕>
鵜堂は何が起こったかわからなかった。気づいたら自分は倒れ込み、鼻に激痛が走っている。
さわると、見事に曲がっていて衣服は鼻血で真っ赤に染まっている。だがケガのことはどうでもいい。
急いであたりを見渡し、緋村の姿を探す。目の前にしゃがみ込んでいたはずの緋村はすでに視界から
消え、どこに行ったかは視認出来ていない。
「殺してやるよ・・・鵜堂刃衛・・・」
緋村の声とすさまじいまでの殺気を背後から感じた鵜堂は振り返ると同時に後ろに飛び、間合いをとった
緋村が後ろで剣を構えていると思ったからだ。だがその姿はない。空耳か?いや違う。すさまじい殺気
はまだ感じられる。鵜堂の感情は快感を超えて恐怖の域へと達していた。
「斉藤さん・・・俺でもあの動き、はっきりと見るのは困難ですよ。なぜ急に緋村君にあんな・・」
「さあ・・初めて死の瞬間を感じた人間は何をしでかすかわからんものだ。そしてこのことは緋村君の過信や未熟な精神力を丸ごと引き上げてくれたようだ」
館の中で全体を見渡せる位置に立っていた沖田や斉藤達には、緋村達の状況がよくわかっていた。
鵜堂にとどめをさされかけた緋村は突如、地面に落ちている刀を拾い、目にもとまらぬ速さで
鵜堂の鼻を打ち抜いた。それは、沖田総司が見えなかったと言うほどのすさまじい速さだった。
そして鵜堂を中心に円状に常に動いている。鵜堂が見えないのも無理はない。遠くから見渡せる位置に
いるはずの斉藤達でさえ、その姿をはっきりと確認することは難しかった。斉藤はあることに気づいた
緋村の右足からは今だに血が流れている。今まで脇差しが貫通し、痛みで動かせないはずの右足を軸に
緋村は今、すさまじい速さで動いている。
「そうか・・・・・キレたのか・・・」
と言って斉藤がふふっと笑った。
「飛天御剣流 龍巣閃・咬」
刀を折られ、脇差しも失った丸腰の鵜堂に対して緋村は容赦なくすさまじい速さで斬撃を加えた。
最初の一太刀で鵜堂の生死はすでに決まっていた。だが、緋村は止めることなく斬撃を続けた。
あたりには肉片が飛び散り、緋村の顔は勢いよく吹き出る鮮血で真っ赤に染まっている。
「緋村君・・・もういい。君の勝ちだ。もう辞めるんだ」
近藤が立ち上がり、緋村の元へと駆け寄った。
「ふーふううううう・・おおぉおおぉおおぉぉぉお・・・・」
「落ち着くんだ緋村君。君の勝ちだ。剣を納め、相手に礼をしろ」
近藤はそう言うと、見るも無惨な姿になってのけぞっている鵜堂の方を向いた。
「・・・・俺は・・・・いったい・・・」
「君が勝ったのだよ。もっと胸をはりたまえ。」
「斉藤さん・・・」
「それの処理を急げ」
斉藤に呼ばれた隊士達が鵜堂の死骸をわらに包み始めた。あまりにも損傷が激しく、体の部分部分が
あたりに飛び散っている。隊士達も少し、眉間にしわをよせながらその残骸を拾い、遺体置き場へと
持って行った。
「君に何が起こったかはあえて聞かない。君自身が一番困惑しているだろうからな」
「・・・俺は・・・俺は・・・・・」
「今はその傷を治療し、ゆっくりと休みたまえ」
「傷・・・!?」
斉藤にそう言われた緋村は自分の右足を見た。無惨にえぐれ、血で真っ赤に染まっている自分の右足
すると突然その患部から激痛が走り始めた。重心を支えられなくなり、緋村は倒れ込んだ。
「だれか、緋村君を運んで治療してやれ」
「痛みも感じられないほど、体が覚醒していたのか。これを幕末を生きる修羅としての完全な目覚めと思いたいな」
肩を抱かれながら運ばれていく緋村を見ながら斉藤がそう言った。
京都所司代・・・
「今日も遅くなってしまったな。最近は凄腕の人斬りが増えている・・早く帰りましょう」
「ああ、例の二人組か。心配はいらんよ。これでも江戸一の剣の腕前と言われた男だぞ。幕ノ内君」
「それはそうですが・・・」
「君だって、米国から最近伝わった拳闘って奴の凄腕だろう?大丈夫だよ」
「京都所司代・・・木村重成殿とお見受けする・・・」
「何者・・・」
「長州派維新志士、南野秀一朗」
「み・・・南野・・・!?」
「またの名を、妖狐蔵馬」
「う・・・・・うわああああ!!」
「相変わらずいい鞭さばきだな」
「フ・・・のぞき見は趣味が悪いですよ 飛影」
「一人逃がしたか?なかなかの腕前だったようだが」
「ああ、かなりのやり手だったよ。特にあの動き。とらえるのが難しかった」
「まあいい、予定どおりの奴はやれたわけだし帰るとするか」
「ああ、そうだな・・・これから・・もっと強い強敵が現れる予感がしてならない・・」
「お前の予感なら無視はできないな・・・まあいい。その方が面白いじゃないか」
「フ・・・そうだな・・・」
<つづく>
メチャクチャになってまいりました
つーか外伝担当さん、すいません。
いつの間にか続きが・・・
刃衛ってキレた人斬りの振りして実は雇われてたヤツじゃなかった?
新撰組キター!
一歩に加えくらまにヒエイとは!確にメチャクチャだが楽しみだ。
パオを超えたな
こっからが腕の見せ所だな
収拾し切れるか
150 :
マロン名無しさん:03/07/13 00:01 ID:RYPe7JLY
もうパオも外伝もいらないな。新選組があればいい。
141を140の続きと思って読んでしまった。。
流し読みなので、最後の「緋村君!!」まで、気付かなかった。
このヤクザ、結構強いじゃん…って思った。
鬱
ヤベェ新撰組面白すぎ
無駄に生存させないとこが良い
153 :
トモ:03/07/13 00:32 ID:???
>>143 そーいえばまだこの時点で斉藤が幕末ってゆう言葉を使うのはおかしいな。
反省してきます。
外伝さん、ほんとにすいませんでした。
>>153 確かに!
自分達の敗北を確信してるようなもんだしなw
よく気づいたな
155 :
マロン名無しさん:03/07/13 01:03 ID:nd3or3iS
外伝なんてどうでもいいって。早く新選組の続きが読みたい。
>>140 「よお、回診の時間だぜ」
ドアを開けて病室に入ってきたのは、明らかに病院という場所の雰囲気にそぐわない、親子ほどにも
年齢の離れた2人の男だった。
特に、先頭の男―年嵩の方は顔面傷だらけで、口の左右が口腔のサイズを超えて不自然に広がっている。
後ろに続く若い方の男は、長身で整った顔立ちだったが、何か深い憂いを抱いているかのようにその表情は
曇ったままだった。
「白衣も着ていない医師に、診察されたいとは思わないが」
2人が入室した瞬間、反射的に上半身を起こした隊長は、油断なく2人を観察しつつ切りかえした。
「それに、私の担当医が代わったという話も聞いていない・・・・・あんた達、何者だ」
「医者は医者でも、俺の専門は社会のガンでね。犯罪者を根絶するのが俺の治療だ」
何がおかしいのか、今にも哄笑しそうな表情で年嵩の男が言う。
「警察なら、回りくどい言い方をせずにそういったらどうだ?」
はぐらかすような年嵩の物言いに、彼等の身分を察した隊長が、あっさりと切り込んだ。
「違いない。・・・・申し遅れた。俺は垣原、階級は警部。後ろにいるのは金子だ」
懐から警察手帳を取り出した年嵩の男―垣原は、これ見よがしに身分証のページを開いて隊長の
鼻先に突きつけた。
「確か、先週私のところに来たのは銭形という名前の警官だったはずだが」
身分証の写真と本人の顔を注意深く見比べ、隊長は慎重に応じた。
何かがおかしい。彼の本能が慎ましやかに、しかししつこく彼に警告を送りつづけている。
目の前の2人は、確かに警察官だ。手帳も身分証も本物であることは間違いない。
しかし、この2人から発散される、明らかに警察官とは異なる雰囲気は何だ。
この空気は、特に垣原という男からぷんぷんにおってくるこの空気は、まるで。
「彼は忙しくてね」
肩をすくめた垣原は、隊長のいるベッドの脇に置かれた丸椅子にどっかりと腰を下ろす。
金子は、あいかわらず一言も発しないまま突っ立っていた。
「俺はピンチヒッターってわけだ。今後は俺がこの件を担当する」
ずい、と垣原が顔を近づけたとき、隊長は殺気に近いものを感じて思わず身を引いた。
「そういうわけで、まずは事情聴取と行こうか・・・・・黒木さん」
>>156 垣原が発した一言に、思わず隊長の全身が凍りついた。
「何のことだろうか。私の名前は」
「白金勲・・・・こんな偽名で、俺をごまかせると思ってたのか、黒木栄二郎?」
内心の動揺を懸命に糊塗しつつ、冷静に応じようとしていた隊長―黒木の言葉を、あっさりと垣原は
遮った。
「・・・・ごまかしても、無駄なようだな」
「マル暴の連中が教えてくれたよ。額のその傷と、一面の白髪は黒木以外に考えられないってね」
言うまでもなく、その情報は垣原ではなく金子が足を棒にして歩き回った結果得たものである。
しかし、あるいはもちろんというべきか、垣原の後ろに控える金子は、仕事中の墓守のように重苦しい
表情を貼り付けたまま、賢明にも沈黙を保っていた。
「まったく、な。日本全国にその名を轟かす力道組の大幹部が、どういうわけかライバル組織の
組長警護隊を任されてるんだ。これを驚かずして、いったい何を驚けばいいんだろうな?」
「何か・・・・誤解していないか、垣原警部」
「誤解?何を誤解するっていうんだ。黒木センセイ」
道化めかした口調で言いながら、垣原はスーツの内ポケットから鉛筆を取り出した。
しかし、垣原は警察手帳のメモ欄を開くでもなく、普通の警察官が行うように自前のメモ帳を取り出す
でもない。
垣原は、くるくると右手で鉛筆をもてあそび、目を細めながら声を落した。
「なあ、黒木。正直に吐けよ。お前は、大河内組を潰すために力道組から送り込まれたスパイなんだろ?」
「何を馬鹿な」
ことを、と言いかけた黒木の表情が、瞬時にして苦痛に歪んだ。
>>157 黒木の、右の大腿に瞬間的な激痛が走り―黒木は、垣原の右手が拳を作られて己の太腿に叩きつけ
られているのを感じた。
垣原が、右手で回していた鉛筆を握り締め、いきなり黒木の太腿に突き刺したのだ。
「き・・・・貴様・・・・・・!!」
何かを言いかけた黒木に、さらなる激痛が走る。
垣原が、突き刺した鉛筆をことさらにゆっくりと廻し、傷口を抉っていた。
黒木に被せられていたシーツ、その純白のうち、垣原の拳が乗せられている部分から真っ赤な鮮血が
滲み出していた。
「黒木。言いたくないなら俺からいってやろうか」
そう呟き、垣原が黒木の目を覗き込む。心なしか、その顔は笑っているかのようだ。
「まず、今力道組の下部組織となっている天海組だがな、昔はあそこが大河内組に代わって
東京を支配していた。ところが戦争が終わって、気がついてみると天海組はガタガタで、昔天海組の
下っ端だった大河内が我が物顔でのさばっている。これは、どう考えても許せることじゃねえよな、
お前らにとっては」
脂汗を流し、必死で苦痛をこらえる黒木の横顔を面白そうに眺めながら、垣原は続けた。
「そこで、20年以上たってからというのがなんとも気長な話だが、おまえらは大河内組を叩き潰すこと
にした―そこで送り込まれたのが黒木、お前だ。
お前の親分である力道は、言葉巧みに大河内に持ちかけ、お前を大河内組に送り込むことに成功した。
後は、お前があらゆる情報を力道にリークしつづけ、チャンスをうかがってたということだな。
そのうち、組長の孫が左翼学生と駆け落ちして、組長が怒り狂ってるという、願ってもないチャンスが
転がり込んできて―お前は自分の手を汚さないよう、柳とか言う妙な若いのをつかって組長をめでたく
葬り去ったというわけだ・・・・ここまでで、何かいいたいことはあるかな?」
>>158 違う、まったく、何もかもが違う!
黒木は、痛みが連続して爆発している脳裏から、必死で声を振り絞ろうとした。
まず、俺が大河内組に派遣されたのは、大将(力道)の陰謀じゃなく、大河内からリクエストがあってのことだ。
東京を掌握し、首都の影の安全に責任を持つ立場となった大河内は、自らの権力の維持に際し、暴力
一辺倒ではなく、同盟関係をあちこちの組織と構築することを選んだのだ。
そこで、関西―ひいては、日本のかなりの部分に影響力をもつ俺たち力道組から、人材を借り受けて、
敵対する意思がないことをアピールしようとしたのだ。だからこそ、俺は大河内組に籍を置いていたのだ。
組長死亡の経緯については、こんな状況でなければ笑い出していたかもしれない。
確かに、断片的な情報を組み合わせて、それを常識に従って再構築すれば、垣原が今開陳したような
解釈にもなりうるだろうが、それはデタラメもいいところだ。
というのも、組長や俺の部下を殺したのは、人間ではない何かだから。
黒木の頭脳には、反論の言葉が渦巻いていた。
しかし、それを声として垣原に叩きつけることができない。
なぜなら、それをなした瞬間に、柳の存在―というよりは、柳にこれから果たしてもらわなければなら
ない役割、黒木がこれから行わなければならない義務の全てが水泡に帰すからだ。
畜生、それにしても、ただ鉛筆を刺されただけなのに、こうまで痛くてたまらないのは、どういうわけだ。
こいつは、この異常なツラの警部は、人の急所を的確に心得てやがるのか。
そんな黒木の葛藤には構うことなく、垣原の独演会はなおも続く。
「ま、全体的に見ればいいアイデアだが、一つだけしくじったな。
大河内組の勢力を削ぐのに、左翼学生を使った点だ―力道組のしわざと見せたくなかったのか?
大河内組の幹部が学生の襲撃をうけて何人も行方不明になってるから、それ自体はなかなかの効果
だったが、左翼関係の犯罪といえば、俺たち公安が出なくちゃいけなくなるんだよ。それが不運だったな」
そこで垣原は言葉をきり、俯いた黒木の顔をじっと覗きこんだ。
「なあ、黒木。そろそろ白状して楽になっちまったらどうだ?話の内容によっては取引してやらんでもないぜ」
>>159 「・・・・・・ち、違う・・・・・・お前の推理は・・・・・何もかもが・・・・・間違いだらけだ」
「ほぉーう・・・・間違いだらけ、ねぇ・・・・・」
垣原の表情が変わる。
それまでの、余裕たっぷりの微笑みはふっつりと消えうせ、変わりに本性を剥き出しにした残忍な光が
双眸に宿った。
「じゃあ、どのへんが間違いなのか、じっくりと聞かせてもらおうか」
言うなり、垣原はスーツの前ボタンを外して内ポケットをこれ見よがしに閃かせた。
内ポケットの中身―ポケットに差し込まれた何本もの鉛筆をはっきりと見定めた黒木の表情が、
ちらりとだが、確実に引きつる。
ことさらにゆっくりと、その中の一本を抜き出した垣原は、マルキ・ド・サドですら裸足で逃げ出しそうな
声音で黒木に告げた。
「まずは腹からだ・・・・・大丈夫。人は、簡単には、死なない、からな」
くそ。こいつ、狂ってやがる。
黒木は、痛みに縛り付けられ思うようにならない身体を呪いつつ、垣原を睨みつけた。
「知ってるか。腹を抉られるとな・・・・痛いんだ。すごく、痛いんだ」
何時の間にか、両手で鉛筆を1本ずつ廻しながら、垣原は歌うように続ける。
「そして俺は・・・・・人のどこをどうやれば壊れずに痛めつけられるか、よく知っている」
>>160 「警部、そろそろ時間です」
これまで、まるでその場に居ないかのようにじっと黙って立っていた金子が、不意に口を開いた。
「時間だと?」
ぶるん、と音を立てそうな勢いで首を後ろに捻った垣原が、あからさまに不機嫌そうな口調で金子に
尋ねた。
「はい。まもなく、黒木の担当医が回診に来るかと。事前に確認した通り」
ロボットのように無機的な口調で言いながら、金子は壁時計を指差した。
痛みのあまりかすむ視界を掻き分け、黒木も壁時計に視線を送る。なるほど、いつもであれば
あと少しで担当医がやってくるころだった。
「ふん・・・・確かに。病院で揉め事はまずい、か・・・・表沙汰になりかねん」
自分に言い聞かせるように、わざとらしくゆっくりと呟いた垣原は、心の底から悔しそうな表情を浮か
べると、黒木の太腿に突き刺さった鉛筆をぐいと引き抜いた。
「黒木、少しばかり猶予がついたな。命冥加な奴だよ」
どっこいしょ、と丸椅子から立ち上がり、悠然とした足取りで垣原は出口へと向かう。
「まあ、そのケガを計算に入れても、お前の退院まであと少しだ。出てきたら・・・・・」
そこで、垣原は黒木を振り返った。
左右に別れた唇に、えもいわれぬ嫌な微笑が浮かぶ。
「じっくりと話を聞かせてもらうぜ。今度は、誰も邪魔しないところでな」
そして、大股で個室から退室しかけた垣原は、ドアノブに手をかけ、今度は前を向いたまま
軽い口調で付け加えた。
「そうそう、大河内組だがな・・・昨日と今日で、俺たちが叩き潰しといてやったぜ。聞き込みついでに。
なかなか手ごたえがあったが、まあ組長以下おもだった幹部がみんな居なくなってりゃ楽な仕事
ではあったがな」
その言葉を残し、垣原は個室を出て行った。
>>161 後に残された格好の黒木は、全身の強張りが不意に抜けるのを感じ、ベッドのサイドボードに
もたれて大きく息を吐いた。
今ごろになって、太腿から流れる血がうんざりするほどの量になりかかっている。
あの男、動脈をやったのか。
回診に入ってきた担当医が、太腿の血を見て大騒ぎするのを聞き流しながら、黒木は頭を忙しく
働かせていた。
大河内組が叩き潰されたということは、垣原の魔手はすでに柳の居所を捕らえている可能性が高い。
今日中か、もしくは数日内で、垣原は柳が長野に興味を示していることを突き止めるだろう。
よもや柳がつかまることはありえないにしても、垣原によって柳の行動が大きく制約されるのは絶対に
避けなければならなかった。
となれば。
担当医とナースがあれこれと走り回っている中、黒木の目がぎらりと光った。
入院名白金勲、本名黒木栄二郎という名の患者が、虎ノ門病院外科病棟を抜け出し、行方を
くらませたのは、垣原警部が彼の病室を訪ねたその日の夜のことであった。
皆様こんばんは。
予想通り長引きましたが、柳外伝・幕間は一旦終了です。これから、後編と相成ります。
しかし、最近、このまま書きつづけてていいのかなと思うようになってまいりました。
たぶん、仕事がままならなくなるまでは、更新を続けさせていただくことになるか
とは思いますが、こうまであからさまに不要視されると、どうしても・・・・・・。
>>トモさん
こちらこそ、ぶつ切りの更新をしてしまいまして申し訳ありませんでした。
今後、気をつけたいと思います。
>>163 いや、不要視してる人はただの煽りですよ、
だからといって相手をするとパオさんのときみたいな事になりますから
大抵の人は無視してるんでしょう。
あまり気にせず書いてくださいませ。
煽りに負けず頑張って下さい。毎度楽しみにしてます。
166 :
マロン名無しさん:03/07/13 08:16 ID:PslKiJYI
外伝良いよ。 垣原らしさがやっと出てきた。チムポ切っちゃうかとドキドキ…
>>163 誰がなんと言おうと俺は楽しみにしてるよ。
外伝の垣原グッド。
彼も化物と戦うのか、それとも柳に的を絞るのか。
とても楽しみです。
幕間なげーよ
<第16幕>
鵜堂との決闘から二日後、緋村に15番隊組長をまかせるとの辞令が出された。今だ治りの遅い
右足を引きずりながら、辞令を取りに行く。辞令や組長昇進のことはどうでもよかった。自分に
あの時起きたこと、自分をあそこまで追いつめていた鵜堂が気がついたら目の前で無惨な肉片に
変わっていたこと。あれは自分がやったのだろう、それは間違いない。だが、無意識のうちに
あんな惨殺ができてしまうのだろうか。緋村は恐怖した。自分の心の中には何か鬼のような者が
潜んでいるのではないか、突然、我を失って今度は自分が鵜堂のように、周りの罪もない、本来
守るべきはずの人間を殺してしまうのではないか。望まざる決闘の結果はまだ人を斬って時間の
経ってない緋村の心を大きく傷つけていた。自分は殺人鬼ではない。そう思いたかった。
「こないだは見事だったね、緋村君」
「斉藤さん・・・」
辞令を受け取り、部屋へと戻ろうとする緋村の元へ、斉藤がやってきた。
「斉藤さん、最近、あなたに何もかも見透かされているような気がしますよ。いい気分じゃないですね」
「こないだの君の覚醒。あれは俺でも読めなかったよ。だがいい方向に向かっているようだね」
「・・・どういう意味ですか?」
「君は、自分の力に恐怖しているだろう?それでなくては困る。あそこで自分の狂気の力を過信してしまうと鵜堂刃衛の二の舞だ」
「・・・・・」
「これからもいい働きをしてくれたまえ、緋村組長」
この男はなぜ俺にここまで手をかけてくれるのか。新撰組隊士として、より高い能力を身につけさせ
るためだろうか。いや、他に何か深い理由を感じる。斉藤の考えている将来像、それが何かははっきり
とはわからないが、緋村は自分がそれに巻き込まれるのではないかと思った。そのために自分を強く
なるようにいつも指南しているのではないか。
「ああ、組長就任そうそう、君に仕事が出来た。ある人物の護衛をやってもらいたいとの特命だ」
「護衛・・・?」
<第17幕>
幕ノ内一歩。江戸からやってきた17才の少年武士。緋村が護衛を頼まれた人物だ。
米国から伝わったとされる拳闘。拳のみを使い、一対一で相手を叩きのめす競技。本来なら娯楽の
ため、民衆の前で戦う競技だが、このご時世、自分を守るための手段、あるいは敵を叩きのめすため
の手段として一部の人間の間で広まっていた。幕ノ内一歩、彼もまたそんな人間の一人だった。
江戸一の拳闘の使い手、その噂を聞きつけた京都の役人が京都へ引き抜いたのだ。
「近頃、凄腕の人斬り二人に襲われたらしい。君も聞いたことあるだろう?」
「ええ、長髪の鞭使いに小柄な剣士のことですね」
「そうだ。奴らが再び幕ノ内を襲うかもしれない。役所のほうからどうしても護衛をとうるさくてな」
「俺のケガではまともな護衛はできそうもないですよ」
「君以下の人間だと護衛にならない。かといって俺達は忙しい。君が適任なのだよ。君なら大丈夫だ」
斉藤には半ば強引に理由をこじつけられた。確かに右足は不自由と言っても走れないほどではない。
激痛は走るだろうが。少し、納得できないというような表情で緋村は歩いていた。向かうは京都郊外
の長屋。二人組に襲われて以来、そこに隠れているらしい。
「ごめんください」
見るもぼろくさい長屋の戸をたたき、緋村がそう訪ねた。すると間髪いれずに中から人が出てきた
「護衛の方ですか?僕は幕ノ内一歩。よろしくおねがいします!!」
「あ・・・ああ、よろしく・・・」
こんな礼儀正しい武士は初めてだった。緋村は少し、気押されされながら長屋へと足を入れた。
すると、幕ノ内は荷物をまとめはじめ、そとに出た。
「護衛が来るまで仕事しちゃだめって言うんです。」
京都での仕事は主に拳闘の指導、そして増加する人斬り討伐だという。
「こないだ僕がいながら大事な重役人を死なせてしまった・・僕はもっと強くならなくては」
「今でもかなりの腕前と聞きましたが・・・」
役所までの道、緋村と幕ノ内は雑談を始めた。
<第18幕>
「この動乱の中、僕はもっと強くなるためにここに来ました。強いってなんなんだろうと思って」
「・・・・・」
「いつまでこんな世の中が続くかわかりません。でも懸命に戦って、生き残る。強いって何かがわかると思うんです。」
「なぜそんなに強いということが何かということにこだわるのですか?」
「・・・わかりません、僕は・・・死んだ父さんのようになりたい・・と思っているだけかもしれません」
「・・・・・」
護衛と言っても食事も一緒に食べる。ちょうど役所に着いた頃、お昼の時間になっていた。
「緋村さんは、なぜ新撰組に入ったのですか?」
「俺・・俺は・・・この動乱を早く終わらせ、誰もが幸せになれるように・・・」
「でも、幕府のやり方で、本当にみんなが幸せになれるんですかね?僕にはわかりません」
「・・・・・」
「あ、すいません!なんか湿っちゃいましたね。どんどん食べてください!!」
その後も緋村の護衛は続いた。何か、考えさせられる言葉を言われたようだ。たとえ、自分たちが
懸命に戦って決着がつき、どんな感じかはわからないが新たな時代が来るとする。だが、それが
一般の人達にとって幸せな時代になっているかは誰にもわからない。幕府方が勝ったとしても・・
なら自分たちが戦っているのはいったいなんのためだろうか。緋村は考えた。だが答えがどうやって
も見つからない。だが、気分は妙に落ち着いてきていた。血のにおいの耐えなかった昨今、物事を
落ち着いて考えることなどしばらくなかった。血なまぐさく、狂気になりかけていた緋村の心を
癒す、いい機会になったかもしれない。
夜・・・幕ノ内は久々に自分の本来の家に帰る。当然緋村も同行する。幕ノ内の家までは役所から
たいして遠くない。だが、曲がり角が多く、少し入り組んだ道だった。緋村が後ろになり、歩き始めた
後ろからも前からも対応しやすいからだ。緋村が自分たちに焦点をあわせている殺気に気づいたのは
ほんの数分後のことだった。
173 :
マロン名無しさん:03/07/13 14:06 ID:ZyZvDwOT
長いか?
漏れはもっと細かく書いてほしいと思うが
つか、SSでここまでしっかりしたのはめずらしいぞ
というわけで外伝、もっと書いてくれ。気がすむまで
続きは夜にでも。
今週は休みがなかなか取れないので大量に書こうかと思います。
土方と近藤を出せ。
蔵馬と飛影は妖怪扱い?
それとも人間?
妖怪だと、途端にリアル度が減るが
>>176 ヒャダルコ撃ってる時点でリアル度なんて皆無。
別に妖怪でもまったく違和感ないよ。むしろ妖怪にしる!
178 :
マロン名無しさん:03/07/13 15:25 ID:L3i/u8S7
パオはどうしたんだ…
>>178 パオはもういい
ってのは冗談だが、まあ気長に待て
<第19幕>
「幕ノ内さん・・・俺から離れないでください」
すさまじい殺気を感じた緋村は幕ノ内に注意を促した。殺気の方向は2方向。おそらく例の二人組。
斉藤のいうとおり幕ノ内をねらってきたのだろう。幕ノ内の家までは残りわずかだった。だが
そのままなんの守りのない家に帰ったとしても格好の的になるだけである。かといって役所に
引き返すのには危険が伴う。ケガをしている右足では二人を相手にできるかわからない。緋村は迷った。
「例の二人組ですか?戦いましょう!!僕も一緒に戦います!!」
そう言うと幕ノ内は荷物袋から手甲を取り出し、右手につけた。手っ甲からは小さなかぎ爪が出る
仕組みになっていた。だが話によると相手は鞭と剣使い。手っ甲をはめているとはいえ、肉弾戦
ではあまりにも危険すぎる。緋村は幕ノ内を静止させ、急いで役所へと戻ろうと提案した。
「僕だって奴らとは一回手を合わせています!やってみせますよ!!」
そう言うと幕ノ内は緋村が殺気を感じた方向へと走っていった。彼もまた、殺気に気づいていたようだ
だが幕ノ内は殺気の存在を一つしか感じ取っていなかった。緋村達は狭いまっすぐな路地に立っていた
殺気の一つは幕ノ内が走っていった前方にある曲がり角の少し行ったあたりから感じられる。
緋村は慌てて幕ノ内の後を追った。だが、それと同時に背後から感じられた殺気が急接近し、目前へと
迫っていた。慌てて後ろを振り返る緋村。だが刺客の姿は見えない。だが、周りの家の屋根を駆け抜ける
音が聞こえていた。
「まずい!!」
前方を見た緋村の目に、幕ノ内の姿はすでに映っていなかった。緋村は曲がり角のあたりへと急いだ。
幕ノ内の足の速さなら、まだこのあたりにいるはず。二つに殺気は突然消えていた。
「ま・・・幕ノ内さん・・・」
曲がり角を曲がった緋村の目に飛び込んできたのは、血だらけになって横たわる幕ノ内の姿だった。
「ひ・・・緋村さん・・・」
「大丈夫ですか!!しっかりしてください!!幕ノ内さん!!」
横たわる幕ノ内の体を緋村は抱きかかえた。その手には血がべっとりとつき、傷口からはとめどなく
流れ出ている。剣で切った傷ではない。何か、えぐられたような傷跡だった。
「緋村さん・・僕たちの戦い・・・いったいなんだと思いますか・・・・・?」
「え・・・?」
「僕が思うに・・・どっちが勝っても人々はたいしてかわりのない生活をしていくんだと思います」
「・・・・・」
「ではなぜ僕たちは戦ってるんでしょうか?」
「それは・・・」
「僕たちの戦いが・・・後生に生きる人達に伝わって・・・何かの役に立つ・・僕たちはそのために戦ってると思います。僕たちはそのために戦わなければならないんです」
「幕ノ内さん・・・」
「後の時代を作る人達が・僕たちの戦いを見て、何かを感じ取って、いい時代を作ってくれれば・・・僕は本望です・・・」
「幕ノ内さーん!!!」
幕ノ内の右手が緋村の頬のところまで挙がってきた。そして顔をしっかりとつかみ、何かを訴えてきた
「緋村さん・・・あなたは生きてください・・・僕が見られなかった新時代・・そして強いとは何か・・ということを見つけて・・・」
緋村の腕の中で、幕ノ内は最後に笑顔を少し見せながら息を引き取った。力のなくなった右手はばったり
と落ち、手っ甲についていたかぎ爪は緋村の左頬に傷を刻んだ。
幕ノ内との出会いによって緋村は自分の戦う意味について考え始めていた。だが幕ノ内はその死と
引き替えに緋村に戦う意味を教えてくれた。それは個人的な意見ではあったが緋村の心に重くのしかかった
「・・・別れはすんだかい?俺たちも鬼じゃない。死にゆく者との別れぐらいは時間をあげようと思ってね」
屋根の上・・・先ほどから感じられていた殺気が突然現れた。上をむく緋村。月の光に照らされて
二人の刺客の影が映っていた。
「・・・何者・・・」
「長州派 維新志士 南野秀一郎」
「同じく 忌み子の飛影」
「幕ノ内さんをやったのはお前達だな?」
思わず書いてしまった。
蔵馬と飛影は人間の設定です。まあ言うならば妖怪のようなすさまじい力を
もった人間ってとこでしょうか。るろ剣にもそんな奴らがけっこういましたし。
だから序盤でヒャダルコとか出してしまった点については反省しています。
リアルもへったくれもあれでなくなってしまっただろうし。もともとそんなに長く続ける
つもりじゃなかったので。そのへんはご了承ください。すいません
<とりあえずつづく>
新撰組、マジ楽しみになってきた
いいねぇ>新撰組
でも緋村、任務失敗だな
>>外伝担当さん
く、く、く、く、黒木ぃっっ!? よもやそう来るとはっ。外伝さんの
オリキャラとして親しまれていたあの隊長さんが、あの黒木だった
とは……うぅ〜むっ。
今のところは、「熱花」の獣田っぽい後方支援の渋い役どころに
なりそうな感じで、楽しみです♪ パオさんの播磨に続く、
「バキや修羅の門ほどのメジャー作品ではない、が個人的に
馴染みが深い」キャラとして、注目させて頂きますっ!
柳と顔合わせしたり、会話したり、あるいは戦ったりすることは
あるのか……はたしてっ!?
>>トモさん
何はさておき、「幕末」に気付いたのはお見事です。……原作で
やってますもんね、その失敗。維新志士側とはいえ、倒幕前に
「幕末」はやはり不自然。
にしても、瞬く間にいろんなところから出てきましたね。本当に、
先が楽しみです。前にも少し書きましたが、斉藤の渋さと
剣心の青さの対比が、いい雰囲気を作ってると思います。
186 :
マロン名無しさん:03/07/13 23:14 ID:vNpbo0We
あげ
このままだとパオ死亡説とか出そうだな
それにしてもいつまで待てばいいんだ。。
谷川や1985みたいなBクラスが帰ってきても
パオが帰ってこないと。。。 あと夜王も
外伝氏いつもありがとう。楽しみにしています
188 :
マロン名無しさん:03/07/13 23:52 ID:b+5+DGF8
黒木って、出展は何ですか?
殺し屋1でしょうか?
あんまり読んでなかったんで・・・
垣原は知ってますけど(と言うか忘れられない)
スマン、黒木ってなんのキャラ?
>188、189
確か「暴力大将」という漫画のキャラクターだったはず
作者はどおくまんだったと思う
役どころは、主人公の参謀で、拳法の達人だったかな・・・・
「暴力大将」は、今コンビニ版が出てたと思うケド
新撰組も仕事か?
続き楽しみなのに残念だ。
>>187 誰がBクラスだァ〜〜〜〜〜〜〜!?
でも、Bクラスって凄いよな・・・さりげなく
AかBかの基準はなんなんだ?
>>193 A 神クラス
文学なんて興味もない奴でも知ってるレベル。国語の教科書にも引用。
B 受賞作家クラス
文学をかじったことのある人、ニュースを見る人なら分かるレベル。
C 一般作家クラス
文学に詳しいなら、知ってるレベル。
D 同人クラス
一部のマニアなら知ってるレベル
E 素人レベル
誰も知りません
S パオ
A 外伝・VS・バキスレ
B 夜王・肉スレ上位職人・1985・トモ・谷川(トモと1985は成長中)
C 肉スレのSS職人
D 一般レベルSS職人
E たまにSSらしき物を書くザコ
強さ論議みたいだな。ちなみに同ランクでも左ほど強い。
それなら谷川や1985は途方もない実力の持主ということにならんか。
てか、普通に考えればパオ以下全員Eクラスだろ。
197 :
195:03/07/14 00:33 ID:???
>>194 それはプロのランクだろ。
まあ職人さん個人でファンがいると思うが。
俺は外伝氏ファン
198 :
195:03/07/14 00:38 ID:???
あ、ヤムスレ入れるの忘れていた
S パオ
A 外伝・VS・バキスレ ・ヤムスレ全盛期トップレベル職人
B 夜王・肉スレ上位職人・1985・トモ・谷川(トモと1985は成長中)
C 肉スレのSS職人 ・現ヤムスレトップレベル職人
〜職人といえるのはここまで〜
D 一般レベルSS書き・現ヤムスレ一般レベル
E たまにSSらしき物を書くザコ
>>198 外伝高すぎねえか?
Bランク上位〜Aランク下位くらいだろ
200 :
199:03/07/14 00:41 ID:???
ってどうでもいいや、200
トモもかなりの実力を秘めてると思われるがキャリア等からいってそのくらいが調度いいか。まだ来て数日だしな
男塾でいえばパオが塾長で外伝氏が邪鬼様か。
パオは死刑囚編の功績で別格か。現在はリタイア中なのに。
ま、結局読む側の好みだろ。
こういう評価付けってやめた方がいいと思うが。
つーか、ランク付けなんぞ激しくどうでもいいんだが。
まったくだな。荒れるもと
俺もランク付けするのはやめた方が良い
厨房じゃないんだからさ、止めようぜ
ランクなんかより作品だ。しかしみんな仕事しながら書いてるのか。それだけでもたいしたもんだ。頑張ってくれ
まあ、このレベルは厨房や工房では書けないわな
死刑囚面白すぎ
いかに今の痛餓鬼が腐ってるか分かるな
久々に来てレスがやたら伸びてると思ったらうぜー議論が続いてるなー。
強さ議論みたいなことはやめてくれんか?
職人の立場にたって考えてみたらどうだ。
パオさんはどのみち多忙で7月から出現率が激減するって前から言ってたし、しょうがないじゃないか。
待つことしかできないんだ、俺達には。パオさんだって本当は書きたいんだよ。
俺はるろ剣読んだけどないけど、新撰組は文句なしに面白い。期待してる。
外電もいいが新撰組の今後の展開が非常に楽しみだ。職人たち、仕事もこっちもガンガレ
新撰組面白い
>>202 > 男塾でいえばパオが塾長で外伝氏が邪鬼様か。
これはすなわち
パオ>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>外伝
を意味するんだよね?失礼極まりない。
>>213 それはパオさんに失礼という意味ですよね?
その不等号を倍にするくらいが丁度良いという意味ですよね?
外伝さん、本当に楽しみにしてます。クラス議論なんかじゃなくてこの職人のここがいいとかで議論したかったな
トモへのレスは「応援レス」って雰囲気があるが、
外伝へのレスは「奉りレス」の臭いがする
荒れる原因なので程ほどに
今は下手でも書いてるうちに上達するでしょ。
とにかく書かないと始まらない。
だから「パオ以外は糞」とか言わないでくれ。
職人が書きにくくなるような発言は謹め。
戻ってきてほしい人も戻ってこなくなるぞ。それでもいいのか?
とにかく、強さ議論、排他的発言は金輪際書くな!
殺伐とした雰囲気の中、超新星のごとく現れたトモさん、あなたは本当の勇者です。
>>215 所詮ここの外野は厨房の集りだったのね。
>>217 職人あってのスレだからね。
あんたの意見は正しいよ。もうやめようよ。
これ以上職人さん達のやる気をそぐような真似は
220 :
マロン名無しさん:03/07/15 05:55 ID:nfv07ow6
恐らくもう取り返しがつかないわけだが。
おはよう。
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
223 :
マロン名無しさん:03/07/15 10:56 ID:+TLyli29
職人、期待あげ
パオさんに比べると、力不足は否めないよな・・・
文章がなんだか稚拙
まあ、肉スレの雑魚共よりよっぽどマシだが
225 :
マロン名無しさん:03/07/15 15:57 ID:Gdb/X5n1
確かに。
外伝もトモもへたくそだな。
いいんじゃないの?
高い水準を保っているのは事実
宮部みゆきクラス
荒らしに脊髄反射する意味は無いと思うんですが。
黙って待とうや
ランク議論や貶し系のレスはもちろんウザいが、
「早く更新して〜」系のレスも相当ウザい
素人が書くSSとしてみればパオさんも他の方もレベルに変わりないよ。
それにすごく面白いし。パオさんの実績は認めるが神格化するような発言はもう
禁止にしようよ。他の方に少なからずともプレッシャーになっているはず。
俺からしたら全員こんな高い水準を保っていることに頭がさがる。
パオも夜王も来ないのに、その上外伝やトモも来なくさせる気か。止めてくれ。
今の状況ではパオも戻り辛いと思う。
死刑囚編は文句なく傑作だけど、パオを神格化したりするのは本人も望んでないと思う。
また〜り楽しみましょうや。各職人の素晴らしい作品を。
一番最悪のシナリオは職人さんがやる気なくして途中放棄
結果として下らぬ雑談スレになる事だ…
そしてそれは近づきつつあるような気がする
233 :
マロン名無しさん:03/07/15 19:45 ID:Cx6wnAX2
っていうか、もう来ないだろ。
下手でも構わん。とにかくおれはみんなの脳内世界を疑似体験したいのだ。
235 :
前675の続き(18話):03/07/15 22:17 ID:toNZhbKE
【第18話 太陽と龍】
対峙し、殺気が満ちる象山と鬼龍の間。前哨戦は終わり、いよいよお互いの全戦闘能力を掛けた闘いが始まる。
「ワタシは色々な格闘技と闘って来てねぇ・・。柔道、拳法、ボクシング、レスリング、相撲、そして古流武術・・」
にい、と太く笑う象山。 「結局、空手が一番強いという事が分かったよ・・。北辰館の・・松尾 象山の空手がね」
死合い、をしているとは思えぬ象山の笑顔。惚れ惚れとする太い笑顔を向けられても、なお鬼龍の殺気は衰えない。
「アンタが今まで闘ってきた中に灘神影流は含まれちゃいない・・。松尾 象山の伝説も今日で終わりだ!!」
象山の懐に踏み込む鬼龍。 ・・速い。その巨躯に見合わぬ動き。象山はゆっくり両腕を前に出し構える。距離が詰まる。
鬼龍の右ストレートが象山の顔面を襲う。右前腕で受け払う象山。ただそれだけでビリビリと衝撃が鬼龍の手首を襲う。
(内受け・・防御しただけでこの威力か) 鬼龍は驚愕する。 ・・だが、相手は象山である。動揺を打ち消す鬼龍。
(そう来なくては、な) ・・そう思った刹那、象山のヒジがエグる様に鬼龍の胸板を襲う。鍛えられた鬼龍の大胸筋。
その筋肉を、まるで斧の様に容易く切り刻む象山の凶器。 ・・ボタボタと血が滴り落ちる。一瞬、意識が薄れる鬼龍。
・・しかし。攻撃の後のほんの少しの硬直を見逃す鬼龍ではない。かわされた右ストレートのコブシををそのまま内に返す。
「ぬッ?」 象山はうめく。油断ではない。自信。自分のエンピ(ヒジ)で切り裂かれ、立っていられる人間がいるとは。
236 :
235の続き(18話):03/07/15 22:17 ID:toNZhbKE
右腕で象山の首根っこを押さえ、首相撲の態勢を取る鬼龍。だが、象山は恐るべきパワーで暴れ狂う。 ・・この首相撲態勢。
ある意味立ち技の必勝形である。この形にいる限り、相手は際限無くヒザ蹴りを喰らい続ける。 ・・しかし象山の膂力。
この不利な態勢すら、すぐに振り払いそうな。 (連撃は無理か) ・・鬼龍。ありったけの力をヒザ蹴りに込める。
跳ね上がる象山の肉体。 ・・顔面へ狙い澄ましたヒザの一撃。更に追撃。 「しいいッ!!」 気合と共に左拳が唸る。
まっすぐに腕の伸びきった、理想的なストレートが象山を襲う。 ・・吹き飛び転がる象山。並の格闘家なら死ぬであろう攻撃。
胸の出血を押さえる鬼龍。 ・・ツいている。わずかに傷は浅い。意図して見切った訳でなく、全くの運。 ・・ほんの数ミリ。
自分の肉体が前にあったら・・。恐怖と安堵が鬼龍を包む。そして前に出る鬼龍。 ・・とどめを。決着を・・。 だがその時。
「いやあ・・本当に強いんだねぇ、アンタ・・」 目の前で倒れていた筈の象山が難なく立ち上がる。 ・・バカな・・。
太陽の様な笑顔はそのままに、象山は快活に言う。 「ワタシに打撃でここまで喰らわすとは・・。いや、世界は広いなぁ」
「死に損ないが・・。今度は完全に送ってやる」 鬼龍から再度殺気が噴出す。しかし象山。にこやかに笑って返す。
「アンタとは・・ギリギリの・・。本当に楽しい闘いが出来る様だ・・嬉しいぜ」 ・・象山の雰囲気が明らかに変わる。
今までのどこか呑気な風情は消え、純粋な殺気の塊へと変質していく。 「いくぜ鬼龍・・。決着付けようや・・」
パオさんキターーーーーー(゜∀゜)ーーーーーー!!
238 :
236の続き(18話):03/07/15 22:50 ID:toNZhbKE
ゆらり、と松尾 象山は動く。既に先程までの陽気さは消えている。目の中に、殺気と闘気が焔の様に揺れている。
「ぜいりゃッ!!」 象山の右拳が暴力的に鬼龍を襲う。左腕でガードする鬼龍。象山の拳を受け止めている。
鬼龍の左ヒジが。 ・・だが次の瞬間。 「駄目だぜぇ、鬼龍・・。おいらの全力の拳をまともに受けちゃあよ」
「な?!!」 ・・驚愕する鬼龍。人体の部位でも最も硬いヒジで、その拳を受けたはず。 ・・しかしヒジは。
(脱けた・・だと?) 鬼龍のヒジから先が、ブランと力無く垂れ下がっている。 ・・折れてはいない。
しかし関節が抜けている。 「おう・・。これは決まりかねぇ」 象山がその様子を見て言う。驚愕の鬼龍。
(これほどのモノか・・。松尾 象山) ・・面白い。それでこそ、この闘いに挑んだ甲斐が在るというもの。
「大したモノだ・・。神の拳と言うのは本当らしい」 鬼龍。抜けた左ヒジの関節を、無理矢理に嵌め入れる。
象山。へぇ、と無邪気にその様子に驚く。 ・・この男はどれほど殺気に満ちた闘いの中でも、愛嬌を忘れないらしい。
「脱骨術、と言うのが灘神影流にはある・・。自在に関節を操る技だ・・それにしても」 態勢を低くする鬼龍。
更に続けて言う。 「どうやら立ち技だけでは貴様は倒せないな・・ならば、全身の骨を砕き、締め殺してやろう」
・・先程までの立ち技の構えから、相手を寝技へ引き込むための、低い態勢に変わる鬼龍。それを見て象山。笑って言う。
「分かって無いな、アンタも・・。コイツだよ」 ぐいっと目の前に、固く握り締めたコブシを突き出す象山。
象山は鬼龍にそのコブシを見せて言う。 「コイツがたった一発でもまともに入りゃあ・・。アンタは終わるんだ」
・・立ち技 対 寝技。拳技 対 関節技。 ・・松尾 象山 対 宮沢 鬼龍、最終局面へ。
<第20幕>
緋村が守るべき男・・・幕ノ内一歩は死んだ。刺客に暗殺された。それは緋村の護衛役としての
重大な過ちであった。だが緋村にはそのことについて反省などする心の余裕はなかった。それよりも
目の前にいる二人の男・・・これから自分の使命について意見を交わしたかった幕ノ内を惨殺した
男達に対しての怒りの気持ちで頭がいっぱいだった。
「君、新撰組だろう?戦いの前線に赴く人間が私情を挟むのはよくないと思うよ・・・」
長髪の鞭使いがそう言った。おそらく幕ノ内に致命傷を与えた男だ。緋村はその目をじっと睨みつける
「新撰組は坊やの集まりか?悔しかったら俺たち二人を相手に打ち勝ってみせるんだな」
小柄な剣士のほうが緋村を挑発するかのようにそう言った。新撰組である緋村は維新志士達にとって
は暗殺対象。二人は当然のごとく緋村を殺すつもりだ。二人の刺客は緋村よりも一枚上手だった。
本来狙っていた幕ノ内の護衛に新撰組の若き新組長がついた。当然、そっちを叩いたほうが自分たち
もはくがつくし志士側のためにもなる。そしてこのことも、幕ノ内の隠れ長屋から今まで、この二人
の刺客がずっと自分たちのことをつけていたことを緋村は知るよしもない。先に幕ノ内をやったのは
緋村の心身を同様させるためだった。
「・・・新撰組、15番隊組長・・緋村剣心。参る・・・」
幕ノ内を下に置き、緋村が抜刀した。相手は二人。右足の負傷。自分が不利なのはあきらかである。
その上二人の刺客は個々が新撰組組長級の実力を持っているだろうと緋村は感じ取っていた。
だが緋村は引かない。たとえこの場で死のうとも二人と戦う決心だった。戦いに私情を挟むと心が
乱れる。鞭使いにも言われたことだ。緋村は気持ちを切り替え、新撰組として、目の前にいる敵を
幕府のために倒す。それだけを考え戦いに望んだ。
「蔵馬、俺にやらせてくれ。久々に面白い戦いになりそうだ」
「ああ、構わない。だが気をつけるんだ、飛影。この男からは志々雄君に似た殺気が感じられる」
「・・・・・だったら・・・余計面白いじゃないか・・・」
黒装束にトゲのように鋭い目。忌み子の飛影と呼ばれた男が屋根から降りてきた。着地の際、音も
たてずに降り立った。その身のこなし方、足の速度、今まで対峙してきた中でも一番の手練れ。緋村
はそう思っていた。鵜堂刃衛との決闘以上の苦戦をしいられるかもしれないと。
「・・・・・」
考えを巡らせていた緋村の目の前から突如飛影が姿を消した。それはまさに一瞬の出来事だった。
肩に痛みが走り、鮮血が吹き出す。緋村はとっさにその場を離れ、前方にある橋のあたりまで全力で
走った。形の上は一対一だが今だに屋根の上にいる蔵馬にいつ襲われるかもわからなかったからだ。
飛影の予想以上の速さに少しあせりを感じたからの行動かもしれない。肩を切られたことがわかった
のは橋のあたりについてからだった。振り返っても飛影の姿は見えない。だが移動する音は聞こえて
いた。緋村は音を頼りに、次々と襲いかかる飛影の斬撃を紙一重のところでかわし続けた。
飛影も緋村の実力を改めて思い知っていた。最初の一太刀を浴びせることには成功したものの
その後の攻撃はまるで見切られているように見える。彼は少しあせりを感じると共に、今までの敵とは
桁違いの実力を持つ強敵の出現に気持ちを高まらせていた。
降着状態のまま、数分間があっという間にすぎた。屋根の上にいる蔵馬はじっとその戦いを見つめている
「新撰組の男・・・だんだんと避け方がなめらかになってきている・・・飛影・・・」
「飛天御剣流 龍巻閃」
蔵馬が緋村の変化に気づいた矢先、緋村の一撃が飛影の背後をとらえた。飛天御剣流 龍巻閃。
相手の突撃を交わし、そのスキに遠心力をつけた一撃を与える技だ。吹き飛ばされた飛影はそばの
草むらに落ちた。
「足の速さは認めるよ・・・たいしたもんだ。だが一度目が慣れてしまえば阿呆でもかわせるさ」
草むらの飛影はうつぶせになったまま起きようとしない。
「起きろよ・・・みねうち程度にしかくらってないはずだ。足の速さが幸いしてな。今度は殺してやる」
緋村の言葉に反応したかのように、飛影がむくっと起き、緋村を睨み付けた。
「・・・殺す・・・!!貴様は絶対に殺す・・・!!」
「寝ぼけるな・・・絶対に殺すのは俺のほうだ・・・」
致命傷にならなかったとはいえ、背後に直撃を受けたのは初めてだった。そしてこのことは飛影の
誇りを大きく傷つけ、緋村に対する憎悪を増大させた。
「死ねええええええ!!!」
目を血走らせ突撃してくる飛影。怒りに身をまかせただ真っ正面から突撃してくるだけの目標を
返り討ちにするのはたやすいことだった。緋村は剣を構えた。
・・・・・・
「く・・・蔵馬・・・邪魔するな!!」
「今のあなたは手傷を負っている。今度は俺が相手をしよう・・・」
二人の間に静観していた蔵馬が立って入り、飛影を押さえた。あのまま突撃すれば確実に真っ二つに
させることはわかっていたからだ。納得のいかない飛影だったが傷が痛んだのか急におとなしくなり
後ろにさがった。代わりに蔵馬が振り向き、緋村と対峙する。
「・・・南野秀一郎・・・またの名を妖狐蔵馬か・・・その鞭は危険だな。ここで使えなくさせてもらうぞ・・」
「へえ・・それなりの情報収集力はあるようだね。じゃあ・・妖狐蔵馬の異名の由来・・・見せるとしようか・・・」
「誰だ!!お前達、そこで何をしている!!」
二人がお互いの獲物を構えようとした矢先、大声を発しながらぞろぞろと男達が現れた。京都見回組。
新撰組と対をなす、京都の治安を守る男達だ。
「どうやら今日は日が悪いようだ。緋村君だったね。いずれ再び相まみえる時まで勝負は預けておくよ・・」
「・・・緋村剣心・・・貴様だけは俺が殺す・・・それまで首を洗って待っているんだな」
いずれ相まみえる時・・・おそらくその時はそう遠くないだろう。彼らとはもっと大きな歴史の舞台
で対峙することになるだろう・・・去っていく二人を見ながら緋村はそう思っていた。<つづく>
うわあああ。
なんでこういつもこうなっちまうんだ・・・
俺が書いてる間にパオさんが・・・
まことに申し訳ありません。よりによって。
>243
その敷居を作ったのはあんたのように自分ではなにも生産せず文句ばっかり書き並べる人間なんだろうな。
246 :
238の続き(19話):03/07/15 23:51 ID:toNZhbKE
【第19話 七珍の塔・第三の死闘】 ※作者注 五珍の塔はパオの都合により七珍の塔になりました。
やる気の無さが目に余る魔界征伐精鋭部隊たち。 ・・陸奥 九十九、烈 海王、剣 桃太郎、ニコ・ロビン。
そして助っ人、飛影。 ・・いずれも関が原の戦いにいれば、1000の兵よりも役に立ったであろう猛者たちである。
だがこの魔界において、彼らは全く役に立っていない。彼らにもそれは分かっている。 ・・何しにきたんだ俺たち。
とか思いつつも、この七珍の塔の3階まで差し掛かろうとしている。さて、次はどんな下らない対決やら・・。
ギィ。 ・・3階のドアを開ける烈 海王と愉快な仲間たち。階の真ん中へ進む。 ・・やっぱりいたよ変態が・・。
「わははは・・。遅いわ愚民ども!! この海原 雄山を待たせるとは・・恥を知れッ・・豚が、サルがッ!!」
気ぃ狂った様に怒鳴り散らす雄山。 ・・最早、この七珍の塔の名物である。 ・・だが問題は、次の対決品目である。
「ふははは・・貴様ら筋肉バカどもには、この階の猛者は決して倒せんわッ!! いでいッ、課長・島耕作よッ!!」
高級そうなバッタもんスーツで身を包んだ、どこか胡散臭いサラリーマンが現れる。反射的に飛び掛ろうとする烈。
・・中卒で少林寺に奉公に出された烈は、こんなタイプの男が一番嫌いなのである。 ・・必死に止める九十九たち。
「が、学歴がなんだぁ・・エリートがナンボのもんじゃ・・。お、俺はこのコブシ一つで・・」 ・・泣き顔の烈。
同じく中卒の九十九と飛影がその言葉に深くうなづく。桃は男塾は学歴になるのだろうかと、真剣に将来を考え始める。
一人冷静な女神、ニコ・ロビン。 ・・もう付き合っていられないのか、優雅にアフタヌーンティーを味わっておられる。
247 :
246の続き(19話):03/07/15 23:52 ID:toNZhbKE
「き、貴様らこの私の話を聞けいッ!! 無視されると雄山寂しい・・。七珍の塔・三階の対決は・・交渉対決だッ!!」
・・交渉? その耳慣れぬ言葉に戸惑う烈たち。 ・・全てをコブシで通してきた原始人たちである。(ロビン除く)
交渉の対決など出来る訳は無い。頼りのロビンは麗しくアールグレイを楽しんでいる。 ・・やはり助っ人頼みか・・。
「わははは・・暴力バカに交渉など出来る訳は無い。ガン黒、貴様に言葉による闘いが出来るかッ!!」 ・・怒る烈。
だが。烈たちの脳裏にある男の姿が浮かび上がる。 ・・顔の広い江田島なら、きっとあの男を助っ人にしてくれるだろう。
あの男。 ・・世界最高のネゴシェイター(交渉人)のあの男である。その交渉力で、世界の危機を何度も救ったあの男。
・・そう。別府 勇午、その男である。勇午が助っ人に来てくれれば、島 耕作如きのヤリチンサラリーマンなど敵ではない。
コツ・・。コツ・・。何者かが階段を上がってくる気配がする。気配がドアの前で止まる。来てくれたか、別府 勇午・・。
バシャアーン。 ・・次の瞬間、破壊音と共にドアが蹴り破られる。 おんやあ? 勇午って、こんなキャラだったっけ・・。
・・ドアを蹴り破った男がそこにいた。スーツなのになぜかハチマキを締めている。いきなり叫び出し、目から大量の涙。
「熱いんじゃあ・・。生きているってのは、こんなに熱いんじゃあッ!!」 ・・言っておくが大仁田 厚ではない。
・・烈たちは一斉にコメカミを押さえる。アイタタタ・・。江田島のヤツ、寄りに寄ってコイツを寄越しちゃったたよ・・。
七珍の塔3階、交渉対決。 ・・島 耕作 対 サラリーマン金太郎、開始。
248 :
マロン名無しさん:03/07/15 23:59 ID:ffBSeujn
お久しぶり!!>パオ
249 :
パオ ◆gLeDrnBElE :03/07/16 00:00 ID:e+KsMSvD
トリップを少し変えてみた。あと、トモさんバッティングなんて良くある事。
気になさらず。 ・・しかし、しばらく来ない間に荒れてるなあ。ま、いいか。
またボチボチ頑張ります。生温かく見守って下さい。
後、今回の七珍対決、島耕作とサラリーマン金太郎は皆さん知っておられるだろうが、
勇午は知っておられるだろうか。すごくオススメの漫画ですが。
アフタヌーンコミックスの「勇午」(ゆうご)と言う漫画です。面白いよ。
以前、パオの素顔は誰に似てるか、というレスがありましたが、外見も中身も
この勇午にそっくりっす。 ・・一秒でわかるウソごめんなさい。では。
250 :
トモ:03/07/16 00:20 ID:???
昼休みに書いて家で書きこみました。昼休みにも書けるものですね。まあ毎日は無理ですが。同僚に見られそうになったときにはあせりました。パオさんも頑張ってくださいね。
パオが来れば安泰だな。
とりあえず復帰記念あげ
>>244 いや、俺は文句など書いてないぞ。このスレに。
でも、ここはここでいいところがあるからいいんじゃないの?
ただ、作者さんが飽きちゃったら危機的になりそうで心配。
実にゴロが悪いな>七珍の塔
トモ、タイミングが悪かったな。
だが続き激しく期待しているよ。
ししおの登場がどうなるか、楽しみ
パオ、お久しぶり。
あんまりいいたかないがあなたがいることでスレがある程度安定するようだ。
この先も頑張ってくれ
ロビン贔屓がウザいな
俺がワンピ嫌いなだけだが
はぁ、やっぱこっちは活気があるよな。
ヤムスレの職人がこっちに来たワケがわかった・・・。
>>162 長野県長野市。
甲信越地域でも指折りの大都市であり、同時に交通の要所でもあるこの街の繁華街に、これと
いって目立つところもない3階建てのビルがある。
旅行者あるいは異邦人であれば、全く何の注意も引かないであろうそのビルはしかし、地元に
住む人間であれば知らぬものとて居ない建物であった。
ビルのガラスドアにステンシルされた、植物をあしらった代紋。
天候に関わりなく常に下げられたままのブラインド。
ビルに足しげく出入りする、派手な格好と目つきの悪い男達。
普段いかなる態度をとっていても、ビルの前を通るときだけは足早になる地元民。
そして、ビル全体から発散される、明らかに堅気のものではない空気。
これらこそが、このビルの持主が暴力団―長野県を中心とした一帯を支配下におく竜胆会であり、
長野の夜は彼等のものであることを何よりも如実に示していた。
午後1時過ぎ。
梅雨明けのうだるような暑さがこの街をすっかり覆い尽くし、季節を考えれば少し早いアブラゼミが
所構わず合唱している中、柳龍光は竜胆会本部ビルの玄関前で立ち止まった。
東京に居たときとは明らかに異なる服装―Tシャツに半袖開襟シャツ、菜っ葉ズボンの柳は、
ビルの全景を確認するかのように、わずかに視線をあげ、左右に走らせる。
住所は間違いない・・・・で、このいかにもな外見のビルだから・・・・ここだな。
目的地にたどり着いたことを確認した柳は、ビルそのものが放つ威圧感をそよ風のように無視して、
ふわりとビルの入り口を潜ろうとした。
>>259 「待ちなよ、にいちゃん」
そのとき、柳の背中に、この好天気にはまったく似つかわしくない重く湿った声が投げつけられた。
暴力に縁のない市民が聞けば、それだけで理由もない不安を覚えそうな声ではあったが、柳は
まったく自然な動作で背後を見る。
実際、彼にとっては声の質などどうでもよく、ただ呼びかけられたから振り返ったまでだった。
柳に声をかけたのは、声のとおり、一見して堅気には見えない類の男だった。
「あんた、見ない顔だが・・・・ウチに何か用か?」
白のサマースーツに紫のワイシャツ、そしてサングラスの男が、柳が歩いてきた反対方向から、
彼を睨みつけていた。
初夏だというのにその肌は病的に青白く、長めの頭髪をべったりとポマードで纏めている。
身長は柳より頭一つ分上回っていたが、針金のようにやせ細っていた。
「ここは、竜胆会事務所だな?」
全体に凹凸の少ない男の顔を真正面から見据えつつ、柳はごく自然に尋ねた。
「だったらどうだってんだよ」
サマースーツの男は、細い目をさらに糸のようにしながら尋ね返す。
柳は、男のスーツの襟元に、彼が組幹部である事実を示す銀色のバッジが付けられているのを
目ざとく確認し、平板な口調で告げた。
「どうやら、あなたはここの幹部のようだ・・・・ちょうどよい。すまないが、竜胆会の会長である鈴木
源一郎氏に取り次いでもらえまいか?」
>>260 懇願、あるいは要請というにはあまりにも倣岸な柳の物言いを耳にしたサマースーツの男、その額
にじわりと静脈が浮く。
「手前ェ・・・・・俺をなめてんのか?」
ヤクザとは、畢竟他人に威圧を与えることで成立する稼業であり、それゆえヤクザが一般市民から
怖れを抱かれないことは、そのヤクザにとっては死活問題となる。
そして、サマースーツの男が睨みつけているこのどうということはない外見の若者は、ヤクザたる
彼の全身から発散される空気を、まるで気にかけていないかのように振舞っていた。
つまり、この若者が取っている態度は、サマースーツの男にとってはこれ以上ない侮辱であった。
「私があなたを馬鹿にして、なにか得る物があるとは思えないが」
この野郎、ぶっ殺してやる!
竜胆会でも1、2を争う喧嘩っぱやさであるサマースーツの男は、柳の言葉に逆上した。
懐に納められたドスに手を伸ばしつつ、大股で柳に詰め寄る。
過去に何度もやったように、有無を言わずにこの若造のどてっぱらに突き刺すつもりだった。
しかし、ドスの柄を握り、それを引き抜きかけたところで、サマースーツの男は足を止める。
いや、足が止まってしまった。
・・・・な、なんだ?
己の意思に反し、勝手に体が行動を止めてしまったことにまごつくサマースーツの男。
わけがわからないままに、今まさに刺そうとしている若者の面を見ようと顔をあげる。
そして、サマースーツの男は何故自分の体が動きを止めたかはっきりと理解した。
>>261 この暑気の中、汗一つかかずに振り返ったままの姿勢を保つ若者の顔。
その顔には、サマースーツの男が何をしようとしているか明らかに理解しているにも関わらず、
いかなる動揺も見られなかった。
否、平静なだけではない。
この若者は―柳は、サマースーツの男が襲い掛かるのを明らかに心待ちにしていた。
心待ちにして、何も知らないサマースーツの男の意思を肉体ごと粉砕してしまおうと、歓喜に近い
感情を抱きながら、唇の端に笑みを浮かべ、そこに佇んでいた。
男の本能は、そうした、柳の全身から溢れんばかりの自信と攻撃衝動を感じ取り、反射的に身体を
止めてしまったのだ―さながら、虎に挑みかかっていたことに気づいた狐のように。
・・・・・・こ、こいつは・・・・・何者・・・・・なんだ?
生まれて初めて感じる、圧倒的な力の差を目の当たりにした男の心から、急にそれまでの真っ赤な
殺意が薄れてゆく。
駄目だ・・・・俺は・・・・こいつに・・・・勝てない。
意識ではなく、本能のレベルでそれを感じたサマースーツの男は、ゆっくりと懐から手を離した。
そして、敗北を認めたものが等しく持つ落ち窪んだ感情を剥き出しにした声で、柳に言う。
「・・・・ウチの親分に、何の用だ」
なんだ、かかってこないのか。
どこか失望したような表情を浮かべつつ、柳は先ほどと同じく平板な声音で答えた。
「2週間ほど前に、大河内組の大河内佐武郎組長から連絡が入っていると思うが」
答えつつ、柳はシャツのポケットから一通の書状を取り出した。
「大河内組長から委任状を受け取った人間が、御奴村の件で話を聞きたいとやってきた。
そう会長に伝えてくれ。大河内組長は既に亡くなり、大河内組も今や風前の灯だが、決して会長の
損にはならない話だ、とも」
皆様こんばんは。外伝担当でございます。
お待たせしました。それでは、柳龍光外伝・第2部を始めさせていただきます。
(前のレスでは後編と申し上げましたが、どうもそれでは収まらなくなりそうですので)
ちなみに、予定では、第2部は敵のアジトにたどり着くまでをアップさせていただくことに
なるかと思われます。
先は長いですが、どうぞお付き合いいただければ、と思います。
>>パオさん
お帰りなさいませ。お待ちしておりました!
これからも、よろしくお願いします!
>>トモさん
殺すときはあっさり殺し、殺さない時は殺さない。パオさんや
外伝さんとはまた違った意味で、先が読めなくなってきました。
あの二人が、どの程度原作の能力を駆使するか……というのも
楽しみです。
>>パオさん
お久しぶりです! 今回は、「何しに来たんだ俺たち」がツボ
でした。全くもってその通りというか……関ヶ原側を思い出すと
何とも言えず。
そういえば、象山と鬼龍を見てて思い出しましたが、「間接王」の
水澤もいて欲しかったなぁと。
>>外伝担当さん
おお、ようやく柳の復帰ですね。また血みどろな戦いを期待してますっ。
>>島 耕作 対 サラリーマン金太郎
変な対決もここまで極まると像山対気流より楽しみだ。がんがれパオ
パオがまた定期的に頑張ってくれると四天王時代と言われた頃の熱気に戻るな
パオ氏、外伝氏、トモ氏、あらしに負けず頑張ってください、まじで
みんなすごい実力だな。
おや?
パオ生き返ってる。
記念アゲ
>桃は男塾は学歴になるのだろうかと、真剣に将来を考え始める。
そんな桃も「天より高く」では総理大臣になってました。
ニコ・ロビンも学歴ないけどね
のび太ですら大卒なのに
>>島 耕作如きのヤリチンサラリーマンなど敵ではない。
激しくワロタ でもパオってシモネタしないって言ってなかったっけ?
勇後って面白そうだね、読んでみるか
パオの迷言発見
「一生懸命ネタ書いてる人間に、心無い事言うヤツは許せないな」
こいつのSSは認めるがこいつやっぱオカシイわw
ネタ職人ってそんなに偉いのかと
つーか、最近SS多すぎ
某リレー小説も、長文書き出すやつ増えたし
ったく・・・・・・
>>272 その発言のどこがおかしいの?
別に嫌なら読まなきゃいいじゃん。
嫌いだからって各SSスレ荒らすのはやめろよ
おっと荒らしは無視だった
>>271 勇午は面白いよ。エンターテイメントとしても楽しめるし、娯楽としても面白い。
主人公の勇午がカッコ良過ぎる。少年漫画の単純な戦闘だけのキャラとは大違い。
確かに勇午の前では島なんぞ話にならないと思ふ
エンターテイメントと娯楽は同じだと思うし。
てゆーか、職人がいないとこのスレ成り立たないんだから、職人の悪口言うのはやめようぜ。
277 :
マロン名無しさん:03/07/16 20:37 ID:xF2cFhEw
>>276 相手にするなって。荒らしは。
夜王さんはやく復活しないかなぁ
職人ごとにファンがいそうだな。とりあえず安泰だね。やむスレはもう本気でやばいようだ。
俺は外伝の長文が逆に好きなのだが。みんなはどうだ?
えなりすれは べつのいみで やばいぜ
近日、ヤムチャスレから数人流れますのでヨロシク
鬼龍の勝つ姿が思い浮かばない
>>279 同意
単なるバトルじゃなくて、きちんと統一された世界観で
筋の通った物語を構築しようとしてるところが良い。
俺はストレートなパオの作風が好きだ
雄山が最高
新撰組も単なるバトルには思えないな。まああれは世界観が元々できちゃってるからな。 それをぶちこわしそうな感じがいい
>>285 一歩が技を出すことなく瞬殺されたのが悲しい
まぁ、WJ以外詳しくないみたいだから、サービス出演かもしれんが
敗者(新撰組)を魅力的に描けるかがキーだな
いや、歴史に囚われる必要はないのかもしれない
って俺は何様?すいません逝ってきます
新撰組に名を借りて適当にキャラ出して滅茶苦茶やってるだけだな
それを言うならパオや外伝の話しももっとメチャクチャやってるだけだと思うが
だが、それがいい。
パオには死刑囚編のみたいな泣けるのを期待しているが本人はその気は無いようだな
いまのも十分面白いが 今日は誰か繰るかな
別に全部の作品がおもろいからいいんだよね。素人の書いたものなんだし、そんなにムキになって分析する必要はない。職人が来ないと嵐が現れるようだな
292 :
290:03/07/17 11:58 ID:???
>>291 俺は純粋にファンだぞ。パオには求められるレベルが高くなってしまうってだけ。
【第20話 決着・そして最終戦】
「神の拳か・・。下らん。俺はこの世の全ての神を冒涜し睥睨し、そして蹂躙する・・。松尾 象山、貴様もな」
鬼龍は高速度タックルから、寝技への引き込みを狙う為に、やや腰を屈めた低い体勢である。対する象山は自然体。
「神とかなんとかは、世の中に勝手に付けられたもんだぜ・・。今、アンタの前にいるのはただの空手家だよ・・」
松尾 象山。目の前の究極の空手家を、今一度鬼龍はマジマジと見る。ゾクゾクと背中を電流が走る。 ・・面白い。
これほどの至高の獲物と巡り合えるとは・・。 ・・今、2人の体はお互いの制空権の外にいる。攻撃の届かぬ距離。
しかし、後ほんの2歩ほど踏み込めば、互いの殺傷圏が触れ合う。 ・・但し、それは立ち技の間合いである。
更にいえば、蹴りの間合い。 ・・立ち技のやり取りで、象山と互角に闘り合える者は世の中に5人とはいまい。
灘神影流を以ってしてもおそらくは・・。鬼龍のIQ180の脳が冷静に戦況を弾く。 ・・立ち技では、勝てまい。
しかし総合力ならば。灘神影流には、投げ技も寝技も関節技も、そして絞め技もある。 ・・俺の方が勝つ。
だが密着せねば相手を寝技に引き込めない。その前の2つのハードル。 ・・即ち、蹴りの間合いと手技の間合い。
これを超えねばならない。 ・・並みの、いや一流の空手家でも、一発や二発なら耐え切って寝技に持ち込める。
しかし、相手は象山である。どれほどの威力をその手足に秘めているか、鬼龍でも想像は付かない。 ・・いけるか?
・・ここまでの鬼龍の思考はほんの0.5秒ほどである。科学者並みの頭脳を持った凶獣。それが鬼龍という男だ。
だが鬼龍はそこで思考を止める。 ・・考えても詮無き事と見切った為である。それほど、目の前の象山という男は。
鬼龍の世界の規格外の男だからだ。逆にいえば、そんな男を殺せたならば、今まで味わった事の無い絶頂感が・・。
「来ねえのかい・・?」 その象山の一言が、今までギリギリで保っていた鬼龍の冷静さを断ち切る。
鬼龍の顔が完全なる野生に染まる。 ・・次の瞬間。まるで高性能のミサイルの様に、鬼龍の体が象山へと発射された。
鬼龍の脳に麻薬物質が大量に分泌されていく。 ・・全てを見透せる様な万能感。 ・・これならイケる。
今の俺は間違い無く。象山より、いや世界の誰よりも強い・・。空気が泥の様に質量を持って感じる。
ゼロコンマの瞬きがスローモーションの様に感じられる・・。至高の敵に巡り合った故の高みへの到達。
目の前に象山の前蹴りが迫る。 ・・絶望的な破壊力を秘めるであろうその蹴りを、鬼龍は寸前でかわす。
蹴りの間合いを突破。だが象山は追撃の右ヒジを鬼龍の顔に放つ。 ・・ニィ、と笑みのこぼれる鬼龍。
(これも俺の読みの内) ・・100手先を読む将棋指しの様に、そのヒジをかわす姿が思い浮かぶ。
深く身を沈める鬼龍。象山の体勢は、まだ最初の前蹴りが降り切っていない、不安定な状態である。
体を回転させ、前かがみになってから、一瞬逆さまになる鬼龍。 ・・そして象山の足を取り、前方へ飛ぶ。
灘神影流・木根倒し。 ・・そのまま空を舞う鬼龍。両足が象山の首を巻き込む。そして象山の左腕を極める。
「終わりだ、象山ッ。灘神影流、変形鰻絞めからは逃れられんッ」 ・・首は強固に絞められている。
そして象山の黄金の左腕は、変形十字固めに極められている。 ・・ギチギチと悲鳴を上げる象山の肉体。
・・鬼龍が終わった、と思うのは無理も無い。完全に極まった絞め・関節技は逃れられない。 ・・はず。
「拳神の肉体が滅する姿を・・弟子たちに見せてやりたいぜ」 ・・笑いながらも全身の力を緩めない。
しかし象山。 ・・この男はこの脱出不可能と思われる複合関節から、鬼龍の想像を超える方法で脱出する。
あと少し。 ・・あとほんの1ミリ絞めが食い込めば。 ・・ほんの1グラム腕に力が込められれば。
神の拳、とまで言われた男の肉体は、完全に破砕される。 ・・力を込めつつも快感に酔いしれる鬼龍。
その時。絞めで声が掠れた象山のつぶやきが、ハッキリと鬼龍の耳に届く。象山は確かにこう言った。
・・仕方ねえなぁ、と。 ・・何だ? 何が仕方ないんだ? ・・意外な象山の言葉に一瞬動揺する鬼龍。
しかもその言葉には敗北へ動揺も、死への恐怖も全く感じられない。 ・・この体勢から逆転など・・。
だが。 ・・次の瞬間、象山の力の入れ方が変わる。極められている左腕から、全く力を感じられない。
まるで、「折ってくれ」と言わんばかりの脱力。 ・・どう言うことだ、これは? 観念したのか?
ベキィッ!! ・・躊躇無く左腕を叩き折る鬼龍。だが折った瞬間、一瞬パワーはそこへ集中してしまう。
象山が動く。 ・・左腕に集中した故の力の隙間。首への力の配分が一瞬低くなる。 ・・それこそが。
象山の真の目的。 「がああああッ!!」 ・・獣の咆哮にも似た気合を放ち、暴れ狂う象山。
ズルッ。首を絞めから抜き、立ち上がる象山。鬼龍も反射的に立ち上がる。そして再度、睨み合う獣たち。
・・絶体絶命の状況から、象山は生還する。鬼龍は叫ぶ。 「貴様・・。右腕を捨てて・・」
象山は涼しい顔で応える。 「腕折られんのと、絞め殺されるんじゃあ、腕の方選ぶだろ、アンタも?」
自ら腕をくれてやった象山。腕を折らされた鬼龍。 ・・この攻防、ダメージなら鬼龍の圧勝である。
だが精神的な面では・・。 ・・鬼龍。心の揺れを感じ、息吹を大きく一つ、二つ。 ・・動揺は消えた。
「いくら強がっても・・。左腕が折れた事実は変わらない。終わったな、松尾 象山・・。」
象山。その鬼龍の言葉にも笑って応える。 「IQ180って聞いたが、大して頭良くないねぇ・・」
「何ッ!!」 ・・憤怒の形相の鬼龍。しかし象山。怒りの鬼龍へ、右コブシを前に出し、快活に言う。
「何度も言わせんなよ・・。これが一発当たれば、アンタは終わるんだよ・・」
だらんと折れた左腕を前にして、象山が半身を切る。左足を大きく前に出し、腰に右コブシを構える。
右拳を打つ。 ・・そう言っているに等しい構え。いや、それは囮かもしれない。例えば、左の蹴り。
象山の五体は全て凶器である。無論、最大の武器はコブシであろうが、その肉体全てが必殺の威力を持つ。
・・恐らくは最後の攻防。象山の攻撃を交わし、折れた左腕の側から仕掛け、もう一度寝技を極める。
それで終わりだ・・。鬼龍の計算。この一瞬の象山の攻勢だけかわせば、間違い無く俺が勝つ・・。
「いくぜ・・」 短く言った後、フッと象山の右拳が消える。 (無拍子!?) 驚愕の鬼龍。
全くの予備動作を感じさせない、空手を極めた象山の攻撃。 ・・しかし、鬼龍も超一流の格闘家である。
ほんの一瞬だが、拳が消える寸前に見た。 ・・象山の手の形を。あれは正拳の握りでは無かった。あれは。
2本貫手の形。 ・・握った拳の状態から、中指と人差し指を突き出した形。 ・・と、すれば狙いは・・。
反射的に鬼龍。目を両腕でガードする。 ・・象山の狙いは、目。あらゆる攻撃の中で最大の破壊力の目潰し。
・・目は守った。勝った。そう思う鬼龍。しかし、己の両腕で視界を失った向こうで、象山が笑った気がする。
「甘えなぁ」 ・・その声が聞こえると同時に、全身が稲妻に打たれた様に痺れる鬼竜。 「ゴホッ!!」
口から唾液が飛び出る。 ・・象山の狙いは目では無かった。 ・・気道。のどを通る呼吸道。そこを正確に打った。
「空手にだって、裏技はあるんだぜ、いくらでも・・。さあ、それでこいつが、松尾象山の拳だ・・」
鬼龍の体は硬直したまま動けない。だが、幸い両腕は顔面の前にある。動けないが、両腕に力を込める事は出来る。
更に象山はノド潰しの後、「拳を引く」という動作が必要になる。そのゼロコンマの間、息吹を一つして、肉体を
鋼鉄に化す事が出来る。 ・・ちょうど、陸奥の「金剛」という技の様に。筋肉は鍛え抜いてある。顔面以外なら。
例え松尾 象山の拳といえど・・耐え切る、耐え切って見せる。来い、象山。その拳を受け止め、俺の勝ちだ・・。
・・そして、鋼鉄と化した鬼龍の肉体と、「神の拳」が激突した。
叩き込まれる象山のコブシ。鋼鉄と化した鬼龍の肉体ですら、まるで障子紙でも破る様に。
メキメキと破壊される鬼龍の胸骨。アバラが何本もヘシ折れる。血を吐き散らす鬼龍。
(勝った・・) 鬼龍は確信する。アバラは何本も叩き折られた。しかし、折れた骨は
内臓にダメージを与えていない。既に象山の腕は伸びきっている。 (耐え切った・・)
鬼龍を安堵が包む。 ・・しかし。伸びきったはずの象山の腕が、更にコブシ一つ分伸びてくる。
「ゴホォッ・・」 ・・大量に喀血する鬼龍。折れたアバラは最後のコブシ一つ分の伸びにより、
肺に押し込まれ突き刺さる。 ・・超一流の拳ですら鬼龍は耐えたであろう。しかし、相手は。
超一流の更に上を行く松尾 象山である。その差、コブシ一つ分。それが絶望的な威力の差となり、
鬼龍を襲った。 ・・動きが止まり、ゆっくり倒れる鬼龍。 「あ〜、良い汗をかいたな」
倒れた鬼龍を見、呑気に笑う象山。 ・・しかしその笑みとは裏腹に、肩はブルブルと震えている。
「強かったぜぇ・・本当に」 そのままストン、と座り込む象山。ふう、と大きくため息をつく。
折れた左腕を見て、子供の様につぶやく象山。 「やれやれ・・こりゃしばらく喧嘩は出来んかね」
関が原7大決戦、松尾象山・勝利。 ・・そして。最終決戦、前田 慶次朗 対 志々雄 真実へ。
【第21話 帰ろうか、もう】
目の前で島 耕作とサラリーマン金太郎が睨み合っている。 ・・その余りにもアホらしい光景に、頭痛が痛い精鋭たち。
烈、桃、九十九、ロビン。人間界最強の精鋭たちが遊び駒状態。 ・・烈。それだけは言ってはいけない言葉を、ついポロリと。
「来るんじゃなかったこんなとこ」 ・・その言葉をきっかけに一触即発の烈・桃・九十九・飛影。 ・・殺気立つ4名。
お前が悪い、いやお前だ。責任の擦り付け合いが延々と続く。 ・・その時。背後から懐かしい声が。 「どうした、お前たち」
振り返る烈たち。 ・・そこには。あの伝説の解説者、本部 以蔵の姿が。思わず声を掛ける烈。 「あんたが来たって事は・・」
本部は厳しい顔で応える。 「ああ・・。この塔のどこかにいる、あの男が・・。決着を付けねばなるまい・・」 燃える以蔵。
しかし本部とは裏腹に、更に白ける精鋭たち。 ・・これ以上まだ下らない対決があるのかよ・・。 「雷電・・。必ず勝ぁつ!!」
場の雰囲気を差し置いて、勝手に盛り上がるホームレス。 ・・そのルンペンに、剣 桃太郎は恐る恐る地上の様子を聞いてみる。
「ああ・・。酷いモンだ。関が原の決戦で今、人間側は大量に死傷者が出ている・・。」 胸を押さえる精鋭たち。心が痛え・・。
更に本部節が冴え渡る。 「ヤツらはみんな、魔界にいるお前らの武運と勝利を祈りながら、一人、また一人と倒れていき・・」
止めろ、止めてくれぇ・・。烈と桃がその場に崩れ落ちる。雄山とサル芝居をしている間に、まさかそんな事になっているとは・・。
「誰も死を恐れなかった・・。自分の死が、お前たちがバーンを倒す礎になると信じ・・」 恐るべし解説者。恐るべし本部トーク。
既に烈は涙目。 ・・意外と良いヤツの烈である。ケガをした友達に料理を作ったりするナイスガイである。ま、自分がケガさせたヤツだが。
ついに。桃がその言葉を言ってしまう。 「帰ろうか、もう」 ・・静まり返る精鋭たち。ま、俺たちがいなくても助っ人がいれば・・。
動揺する精鋭たちはさておき、いよいよ。 ・・誰も待ち望んでいない交渉対決の幕が開く。
書けるときに書いておけと割合多めに書きました。ちなみに21話はまだ続きます。
・・話は変わるが、不細工だなぁ○○○。このグラビアアイドルの低レベル振りは、
本当に社会的に認められているのだろうか。なんで売れているのだこんなヤツ。
親しみ易いお嬢さん、といった感じでも無し。そもそも素人の平均より低くないか?
AV女優以下、女子プロレスラー並。乳のデカさは7難隠すか。デカけりゃいいのか?
巨乳ってそんなにいいか? プレイの幅が広がるよりも美人を私は選ぶが。うーん、分からん。
まあ、顔を隠して美人アイドルへとすげ替える「脳内アイコラ」にはうってつけかもしれんが。
・・変な事書いてすみません。でも、マンキでこいつが何故こんなに売れるかを考えて30分も
無駄に使ってしまったんで。ご報告までに。 ・・では。
>>299 どうでもいいけど改行ちゃんとしろよ
読みにくくってしょうがねえよ。実際読んでないけど
>>300 ( ´,_ゝ`)プッ 今時、解像度800*600かよ(w
>>301 漏れは300じゃないけど800*600ですがww
これ以上上げると字がちっこくて見辛くてしょうがねぇ。
解像度統計
(83.8%) 1024x768
(8.9%) 800x600 ←お前ら
(1.9%) 1280x1024
(1.9%)1600x1200
(0.9%) 1280x768
(0.6%) 1400x1050
(0.4%) 1152x864
>>300 何か辛いことがあったのか?
確かに君の存在価値は無いに等しいのかもしれない
その劣等感をこのスレにぶつけるしかないのかもしれない
でも闘わなきゃ、現実と
君のような人間でも必要とする物好きがいるかもしれない
いや、きっといるはず!
たまたま、ここにその人がいなかっただけさ・・・
300みたいなバカは無視してやれよ。可愛そうだろ、自殺するぞ。
パオこれからも頑張ってくれや。
後、そのグラビアアイドルはメグミ? 乙葉?
姫川もかっこよく活躍させてくれ。
せっかく出てるのに勿体無い
>>293-299 最解説復活記念sage。
鬼龍VS象山のバトルは、俺の中では死刑囚編含めても五指クラスのヒット。
あと、最近一人ギャグに絡んでこないロビンより、積極的にバカやってる烈や桃の方が
むしろ愛を持って書かれてる気がした。
…まーギャグやってるロビンが想像つかないって意見もありますけど…!
・「バキ」等の漫画SSスレ=SS界の最高峰。パオ、外伝、トモといずれも最強クラス。ここで認められれば一人前。
↑
・【番外編】最強不良キャラは誰だ!?【番外編】上級SSスレ。トップクラスの実力者、1985との一騎打ち。
↑
・キン肉マン最強戦士決定戦=バトルを描くのに慣れよう。
↑
・不良キャラ最強は誰だ?=中堅SSスレ。谷川との一騎打ち。
↑
・次の奴が聖闘士の物語を続ける=リレー小説最上段。ここをクリアすればいよいよSSだ。
↑
・【リレー小説】華麗なる殺人鬼スネ夫=リレー小説第二弾。難易度がかなり上がる。
↑
・【全員】物語リレーはじまるよ【集合】=続いては臨機応変リレー小説。物語を組み立てよう。
↑
・たまにはヤムチャが活躍する物語を考えようぜ=最下層のSSスレ。まずはここで練習しよう。
この板ってSSスレこんなにあったんだな…。
ここの住人態度わりーよ
わきまえろクズ
一部の住人の態度の悪さにここの職人も困っております。
俺たちはただ職人達の作品を楽しみたいだけなのに。
ドドドドドドドドド
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
ドド
ドドドドドドドドド
ドドドドドドドドドドドドドドド
ドド
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
ドドドドドドドドド
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
ドドドドドドドドドドドドドドドドドド
バキなんか読んでるから頭悪くなるんだよ!
黄昏流星群か山口六平太でも読んでろ!
315 :
マロン名無しさん:03/07/18 00:21 ID:QnkLPdcu
盛り上がるのは勝手だが他のスレを引き合いにだして馬鹿にしないでほしい。それだけ。何で作者でもないヤシが偉そうなんだ・・。あ、一部のヤシね。みんなじゃない
>>308 一言言う。おめえはこのスレに書くな。
おめえのレスなんぞ待っているヤツはこの世にいねえが、
ここのSSを読んでいる人は沢山いる。
なにが悲しくてそんなレスをつけるのか知らんが、ここはおまえが来るスレでは無い。
いや、おまえの様な、クズレス書くだけの低い人間性のヤツが書き込めるスレはどこにも無い。
人を不快にするレスしか書き込めないならマジで読むだけにしとけ。カキコするな。
以後、知能と人間性の低いヤツのレスは無視をする。ま、小学生相手にしてもしょうがないね。
>>308 いい加減にしろ。小学生みたいなことして楽しいのか?
>>262 「天地だ。下の名前はいいだろう」
サマースーツの男に名前を尋ねた柳に、彼はそれだけを答えた。
そして、ふいと肩をそびやかして竜胆会本部ビルの中へと入っていった。
「会長への面会を許可してくれる、と解釈していいかな」
後に続きながら、柳は天地の背中に問い掛けた。
「そこで待ってろ。そう言ったところで、あんたははいそうですかとハチ公みたいにぼけっと突っ立
てってくれるのか?」
天地は、一瞬だけ肩をびくりと震わせ、振り返らずに言い返した。
「非常に論理的だ」
柳は苦笑混じりに言うと、天地から3歩ほど離れた距離を保ちつつ、竜胆会ビル入口の階段を
上った。後に続いてビルのドアを潜りぬけた柳の頬に、ふわりと冷たい空気が触れる。
ほう、これは・・・・。
「この事務所は、エアコンを導入しているのか」
感心したような口調で、柳はひとりごちた。
東京オリンピックからこのかた、爆発的な経済成長を成し遂げつつある日本国ではあったが、この
時代にフロンガス式の冷房装置を配備している建築物はごく限られていた。
その貴重品ともいうべき冷房を備え付けているということは、見かけと違い、この暴力団を統べる
人間はそれなりの才覚の持主なのかもしれない。
「まあな。だが、あんたがここに来たのはエアコンの風を味わいに、じゃないだろ」
前を向き、階段へと足を忙しく運びながら、天地がさらにすげなく答えた。
内心で同意しつつ、天地の背後1メートル弱の距離をついて歩く柳は周囲をさりげなく見回した。
>>319 竜胆会事務所の中は、奇妙な表現ではあるが、平穏な修羅場とでもいうべき有様を呈していた。
電話をかけるもの。子分を怒鳴りつけているもの。
フロアの反対側に向かって、大声で身振り手振りを交えつつ何かの指示を下しているもの。
小声でささやき交わしながら足早にどこかへ歩き去るもの。
そこにいるものたちの外見さえ無視するならば、商売繁盛のどこかの中小商社と大して変りのない
風景が柳の視界に飛び込んでくる。
ずいぶんと急がしそうだな。
普通、勢力を伸張させつつある組織というのは、ヤクザでも株式会社でも同じように殺気立ち、
あわただしいものではあるが、ここの忙しなさは相当なものだ。原因は・・・・・
柳がそこまで思ったとき、彼の傍らを通り過ぎるヤクザの話し声がふと耳に入った。
「で、大河内組の、本部以外ではどこが生き残ってるんだ?」
なるほどね。
柳は、その一言で竜胆会がなぜにかくも慌しいのかを理解した。
彼の脳裏に、2日前潜伏先で読んだ新聞の見出しが閃く。
「新宿の暴力団ビルに襲撃、20名死亡」
襲撃者は不明ということであったが、大河内組の新宿本部が何者かに襲われたことだけは
柳にもよくわかった。ということは、大河内組の友好組織たる竜胆会としても状況を把握し、
何らかの手を打たねばならないということなのだろう。
>>320 ともあれ、幹部の大半―いや、ほぼ全員を失い、何者かに本部ビルを襲撃された大河内組は、
完全にその力を失ってしまった。当分、新宿では春秋戦国もかくやという争いが繰り広げられる
だろう。竜胆会は、もしかするとその争いに介入するつもりなのかもしれない。
というよりは、そのつもりであるからこそ、この天地も柳を会長室まで案内する気になったのだろう。
圧倒的な実力差を感じさせられて意気阻喪した、というのも大きいが。
フロアの隅にある階段へと足をかけた柳は、そこでふと別のことを考えた。
そうなると、これから行うであろう会長との話で、大河内組への襲撃を実行したのが誰かという
問題も浮上する。
そして、あの倉庫での虐殺についても。
倉庫での事件については、どうやらかわいそうなどこかの青年が私の身代わりになってくれたから、
そう気にすることもない。
だが、本部への襲撃はまた別だ。倉庫でぶちのめした化物の仲間が、新たな行動をおこしたのか、
それとも・・・・
「他の、何かかな」
考えつつ階段を3階分上りきった柳は、会長室に繋がる廊下を歩きながら、思わず呟いた。
「なんだって?」
柳の呟きを聞きつけた天地が、さっと振り返って尋ねるが、柳は平然と応じた。
「何でもない。ところで、会長室はまだかね」
天地は不意に立ち止まり、廊下のとっつき、なんとも重厚なドアを指差す。
「ここだ。今から会長に話を通してくる。いくらなんでも、ここではちょっと待ってろよ」
「了解した。少し待たせてもらうよ」
ダッシャ!
皆様こんばんは。外伝担当でございます。
相変わらず話が進みませんが、まあこれはいつものとおりということで・・・。
とりあえず、柳の更なる戦いは、もう少し先になります。
今週中にそこまで更新できるといいですが、こればかりは何とも申し上げようがございません。
今後の展開ということで、台詞回しだけはある程度先行して仕上げたのですが、
説明のための文章がおっつかないので、ひとまず今晩はこのへんで失礼します。
えっと…ヤムチャって結局へたれ対決で活躍しただけ…?
大活躍っていうから、もう少しまともなバトルに参加するんだと思ってたんだけど…
(ちゅか、魔界でバトルは無さそうな気が)
まともに戦えば、志士雄でも足元に及ばないレベルなだけに
ちと期待はずれだったような気がします
これでこそヤムチャなんだろうけど
何でこうダラダラと長文を投稿して無駄な転送料増やすかね。
ちょっと批判されるとギャースか騒いで
会話する気が無いんならテメーでサイトつくりゃーいいのに。
結局人が多い2chのメリットだけ受け取ってデメリットはなにがなんでも拒否ってか。
もうアホかと。
夜釣りは楽しいか?
魚がたくさんかかるといいな。
むだな書き込みと非難する奴のレスも、生産性皆無という点では全くの無駄だな。
つまり、自省ということをしないからこんな偉そうなことがいえる。
ようするにオマエモナー
煽りは流せよ。
>>327 お前のレスが一番無駄だな
つーか長文による転送量増大が問題視されてるのは知ってるよな?
SSなんて他でもやれることで2chの存在を食い荒らすなってことだ。
釣りであることは百も承知だし、相手をすることがいかに無意味かも承知しているが、
とりあえず長文。職人がへこまないように。
>>325 >何でこうダラダラと長文を投稿して無駄な転送料増やすかね。
お前にとっての無駄とは何だ?その基準を示してくれ。
このスレの職人がうpする長文は、すくなくとも漏れにとっては無駄ではない。
お前にとっての無駄が他人にとっての無駄とは限らない。
お前の価値観をいちいち生産性ゼロの煽りで表すな。そっちのほうがよほど転送量
の無駄だ。
>ちょっと批判されるとギャースか騒いで会話する気が無いんならテメーでサイトつくりゃーいいのに。
批判に対応するのは誠意の表れ、と解釈できないか?
煽りを無視するのは賢明な態度、といえないか?
お前にとって
批判への対応=ギャースカ騒ぐ
煽りに反応してくれない=会話する気がない
なら、それは幾等何でもわがままというものだぞ。
>結局人が多い2chのメリットだけ受け取ってデメリットは
>なにがなんでも拒否ってか。
職人もデメリットは甘受してるぞ。メリットだけじゃない。
お前のような煽りをいちいち読まなければいけない、という最大のデメリットを。
無視=何が何でも拒否ととるなら、それはお前の煽りがへたくそなだけだ。
正論に見える
>>325はこのていどだということが明らかになったと思う。
したがって、今後こういう煽りは無視してくだちい。
>>329 つまりお前は長文=無駄ということだな。
それはそれで一つの見識だが、ならば聞こう。
なぜお前はこのスレで「だけ」そういうことを書く?
長文=無駄という価値観を錦の御旗にしてるのではなくて、
このスレになにか含むところがあるからではないのか?
ああ、「注意されると『ほかでもやってるじゃないか、どうして俺たちだけ』
という幼稚な反応を示すな」云々という煽り返しはいらないよ。
仮に、ここの職人が書くのをやめるのはお前が注意したからではなく、職人
それぞれの意思と事情だと思うから。(つまり、お前の注意は何の影響も及ぼさない
ってことだ。思い上がるなよ)
俺が知りたいのは
「そんなご大層な識見をお持ちでいながら、どうして沢山ある2ちゃんの長文
スレの、ここでだけそういう意見を披露するか」という偏った正義感の依って立つ
ところだから。
まあ俺も、必死で頭を振り絞ってなれない長文を書いたが、要は
職人さんこんな煽りにのらないでくれということだ。いちいちかくまでも
ないことだがなあ。
ホムペ作れよという意見はありかもしれないがパオみたく自分のPC持ってない
奴だっているわけだし、気軽にかけて気軽に読めるというのが2ちゃんの
いいところだと思う。煽りの100倍は役に立ってると思うよ。職人さんの長文。
まあ俺もこれ以上書いて無駄な転送量(wを増やしても仕方ないからもう落ちる。
上げ
334 :
マロン名無しさん:03/07/18 02:11 ID:wPPflsGd
長文が転送量の無駄という奴は是非その具体的定量的なデータを上げて、
漏れのようなヴァカにも理解できるように主張してもらいたい
漏れの主観では祭りによるスレ乱立&消費の方がよほど転送量の無駄だと思うが
この煽りがどう思っているかも知りたい
スピード違反が交通事故の元という奴は是非その具体的定量的なデータを上げて、
漏れのようなヴァカにも理解できるように主張してもらいたい
漏れの主観では飲酒運転の方がよほど事故の元だと思うが
>>334がどう思っているかも知りたい
つうかみんなスルーしろよ。
職人のみなさん。気にせずに書き込んでください以上。
てか HTMLくらい簡単だろうに。
ここの超一流人気職人が集えば、あっという間に人気サイトが作れるのにね。
煽られることもなく、荒らされることも無い。よっぽどいいと思うが。
>>336 一度話し合っておくのもいいんじゃないの?
板で浮いてるのは確かだし、解決策ださないと定期的に荒れてそれこそ転送量のムダ(w。
なんだかなあ…
「転送料の無駄」について話をしてたはずなのに、
どうしてまったく別問題の「交通事故の原因」をもちだしてくるかな
もしかして比喩とかいうやつですか
漏れ頭が悪いので比喩が理解できません
それよりも「長 文 は 転 送 料 の 無 駄」というデータをおながいしまつ
もしかして長文が転送料の無駄なのは、スピード違反は交通事故の原因なのと同じように
明白だといいたいのか
つまりそういうたとえでしか意見をいえないということか
>>339 お前マジで頭悪いな(w
Aが悪いと言われた
でもBの方が悪い気がする
だからAは悪くないじゃん
というDQN丸出しの君の論法を
>>335はあげつらっているのだよ
ス ル ー し ろ
>>340さま
漏れは確かに頭が悪いでつ。
でつが、悪い度A<BだからAは悪くないということを言ってるのではないでつ
Aが悪いというなら、その悪いという根拠を誰の目でみてもわかるように教えてほしいといったのでつ
表現が拙かったでつか
根拠がないから、漏れのような頭の悪い香具師は「じゃあ祭りによる転送料はどうなんだ」と思ってしまうのでつ
転送料の増大が問題であれば、その問題となることが長文だけとはどうしても思えないでつ
つまり、長文も祭りも同じくさばかれるべきでつ
にもかかわらず長文だけなのはなぜでつか
おねがいでつ
>>340さま
どうか漏れに「長文=転送量の無駄」というデータをしめしてくださいでつ
それが2ちゃんの存続に関わる問題であるという論理的証明も添えて
では、頭のわるい漏れはもう逃げ帰るでつ
>>340のほうが頭悪いのは明白だろ。
「根拠を数量で示せ」というレスのどこをどう読んだら
「長文は祭りより悪くなさそうに見える、だから長文はいいなどという
お前の主張はDQN」だなんてステキ煽りを返せるんだ。
いいから藻前らスルーしやがれ。いくら待ったって数量データなんぞ出てくるわけがない
どうせまた奴は何か煽り返すだけだ。こんなやりとりこそ無駄だ。
当然俺のこのレスもだ。
ていうか普通に考えて「文字数=転送量」では・・・・?
だから、もう蒸し返すなって!
「文字数=転送料」なら、長文が2ちゃんのためによくないというのはわかる。
だが、長文だけなのかということなんだよ。
長文だけやめろといって祭りは気にしないってことは、つまり今まで煽ってる奴は
単に長文を目の敵にしてるってだけだ。だから無視していいんだよ。
なぜならこいつは「転送料節約」という耳障りのいい言葉をつかって煽ってるだけなんだから。
ったく、なんでこんなことをいちいち書かなきゃいけないんだ。
立ちションが迷惑だという数量データを示してくだちい
>>345 よくないってことは分かっている。
他に作るという手段もある。
でもここにこだわる。
てことか。
いろいろ書こうと思ったが、そうさせることが煽りの狙いだったんだ。
もういいや。寝る。すごく鬱だ…
職人さん、ほんとゴメン。
もう終わりか
本当にここの住人は荒らしに弱いな
>>348 明日はきっといいことあるよ!がんばって!
職人さんも人格障害の荒らしに負けないでどんどん書いてくださいね!
楽しいスレだな
ぶっちゃけ、小説スレで長文が駄目と言う
素晴らしい価値観を私ははじめて聞いたわけだが。
この素晴らしい日を記念して、日記に屁のかっぱと書いておこう。
ランキング厨や他SSスレはカスだがここの作者は最高!
みたいな香具師が現れたら
そいつは煽りだと思ってくれ
ランキング厨や他SSスレはカスだがここの作者は最高!
↑必死?
むしろ必殺
むしろ必見
いらん議論こそが転送量の無駄。よってその話題は終了。
転送量の無駄って言ってる香具師は、当然2ch専用ブラウザを使ってるんだろうな?
SSサイト作らない?
ここのファンならみんなついてくるでしょ
ここだとカスが群がってきてウザい
ぶっちゃけ価値は
ここのSS>>>>>>2ちゃん
勿論俺は専用ブラウザなんざ使ってないよ
たるいし
新撰組続き見たい。
嵐に負けないでくれよトモ
364 :
マロン名無しさん:03/07/18 19:51 ID:u48PVY6C
>>361 禿同
ぶっちゃけ転送量がどうこう言う奴には
2chしか楽しみねえのかといいたい。
パオ・バキスレ・外伝・VS・夜王・トモ・高2w
2ちゃんねるを開いてまず確かめるのは彼らの作品の更新だ
ここ半年は本当に楽しませてもらった
荒らしなんぞに負けず職人さんには頑張って欲しい。
しかし職人同士は仲良さそうなのになぜランキングなんか付けたがるかなあ?
いたなぁ高2。今もこのスレを見ているんだろうか。
っていうか、煽りとか荒らしの奴らに対するレスつけるやつも煽りや荒らしに貢献してる事になってるぞ?
いい加減にスルーしろ!!何回言えばわかる?
以下、荒らしなどに対するレスも荒らしとする。
パオタンも外伝タンもトモタンも頑張れ!!
専用ブラウザなんか使ってる奴はヒッキーくらいだろ?
むしろSS職人には2ch側で特権を用意するぐらいしてもいいと思う。
2chがここまで発展したのは人をひきつけるネタをかける職人の力が大きい。
その中でも最高峰に位置するSS職人なのだから、貢献に対する対価として
少なくとも削除人レベルの権限を与えるべき。
372 :
マロン名無しさん:03/07/19 02:18 ID:DgNaOh1T
また余計なことを
ネット小説でパオ以上のなんて数える程しかねぇしな
殆どは「こんなのよくネットに晒せるな」と思うほどのカスSSばっかだし
名スレがほんの少しの荒らしにより貶められるのはムカツクな
職人さん、荒らしの数十倍の住人がいると思うので気落ちしないで下さい
以後荒らしはスルーしよう、本当に
しかしここだけでなく最近SSスレ荒らしがひどいな
>>371 とりあえず、パオがイイのは分かるけど、神格化するのだけはやめれ。パオも他の住民も迷惑。
377 :
セイラ:03/07/19 12:58 ID:???
漫画サロンのSSがここまで発展したのはパオのおかげだよな
以前はどうしようもないネタスレの乱立で、過疎地と化していたこの板が
にわかに活気を帯びてきたのはパオの功績が大きいと思われる
↑
マンセー煽りですか?
>>379 事実ですが、何か?
マンセー煽りってのは「神」だの「世界一」だの事実ではないことを書き込む奴だろ?
神格化しても、叩いてもパオや外伝さんやトモ氏は書き辛いと思うぞ
素直に作品の感想や、純粋な応援レスを上げるのが一番良いと思う。
まあ、ヤムスレには完全に劣るがな
さっき、ヤムスレにパオ神格厨が突っ込んで来てエライ事になったんだが。頼むから内輪だけでやってくれ。関係ないスレを巻き込むなよ…。
同意。
住人のしつけは職人の義務だろーがボケ
狂犬病の注射打っとけゴルァ
二度とここの住人は来るなよ
パオやら外電やらうぜーんだよ
>>384-385 俺も見た。ひどいな。
でも一部の住人がやっている事だ。ここの普通の住人はあんな事をしない。
申し訳ないと思うがどうにもならない。こっちも荒らしに苦労してる。
パオ氏を責めないでやってくれ…
>>387 じゃあ、やっぱり一人か二人の自作自演行為か……
むこうもこっちも苦労するなあ、一部の心無い人間のお陰で
でも俺たちはパオを失うわけにはいかないんだ。
勿論外伝も、トモも。荒らしは無視するしかありません。
パオ親衛隊
荒らしも困るが、人の作品をけなすのだけはやめてくれ。またこのスレのパオ信者がヤムスレの作品をけなし始めてるんだが。
パオ云々の前に、そういう住民をどうにかしてくれ。
ここで何か書いてみたいが、レベル高くて怖いな・・・
しばらくマイナースレでSS書いてからにするか。
395 :
マロン名無しさん:03/07/19 18:59 ID:amOogZXq
ォィォィ、それがうざかったらおまいはなぜここにくル。
>>パオさん
前回に引き続き、「来るんじゃなかったこんなとこ」に大笑いです。
二つの戦場の対比がどんどん高まってきて、遂に解説まで入って。
本当に、脳内だけじゃなくて実際に挿絵が観たいです。最近の、
パオさんとこの九十九や桃たち、観てみたいなぁ……。
>>外伝担当さん
はぐ。柳の戦い、まだしばらく先ですか。でも、また黒木登場
みたいなことがあるかもしれませんし、わきわきしつつ舞ってます。
じゃなくて待ってます。
にしても、エアコンのとこを読んで思いましたが、外伝さんは本当
に、背景をしっかりさせてますよね。冒頭の学生運動のこととか。
スペック編の銃のこととか。ちゃんとした知識(あるいは調査)の
上で書いておられる。さすがですっ。
ふら〜りさんはこのスレの良心だな。住人代表の。
こっちのバカ住人が他スレに出張って困るだけに。
トモはひょっとして逝ってしまったのだろうか・・・
続きが待ち遠しいのだが。
新人だから嵐に弱そうだな〜
トモはせっかく現れた大型新人なのに…
帰ってきておくれよ。あと夜王氏。
400 :
マロン名無しさん:03/07/19 21:50 ID:GLX0LeWc
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★ 激安アダルトDVDショップ ★
★ 開店セール1枚500円!急げ! ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
激安でDVDをGET!
http://www.get-dvd.com 何と! 1枚 500円均一 セール中!
インターネット初!「きたぐに割引」
北海道・東北の皆様は送料も激安!!
http://www.get-dvd.com ゲットDVDドットコム!
今すぐアクセス Let's go !!!!!!!
401 :
マロン名無しさん:03/07/19 22:16 ID:4aG7ZVVA
俺の中学校にもパオって呼ばれてる男いるぜよ!
トモは如何にも新人ってとこが良い
ベテランにありがちな妙なプライドもないし、卑屈っぽさもない
早く帰って来い
>>402 そおかぁ?
プライド高そうな発言多いぞ
||
||
||
\.. || /
\ ..|| /
\ ..|| /
■■ .■ |....| ■■
■■...... |....| ■
■■ ■ ■
■ ■ ■■■ ■ ■ ■■
■ ■ ■ ■ ■
■■ ■■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■
■ ■ ■■ .■ ■ ■
■ ■ ■ ■■ .■
■ ■
■ ■ ■ ■ .■
■■■■■ ■■ ■■■■■
■■■■■■ ■ ■■■■
■ ■ ■ .■
■ ■ ■ ■ .■
>>321 2分ほど待たされて会長室に入った柳は、さんざん国松から叩き込まれた暗殺者としての能力、
その一つである注意力と観察力を半ば無意識のレベルで発揮して組長室の中を観察した。
部屋の中に居る人数は、あの天地を含めて10人弱。いずれも、懐に武器を隠し持っているが、
せいぜいドスどまりで、銃器の類は携帯していないようだ。
部屋は、大河内組ほどの半分の広さで、家具調度の類は圧迫感を感じさせない程度の間隔を
もって配置されている。窓はそこそこ広いが、おそらく防弾。脱出ルートの選択肢は限られそうだ。
内装や装飾品は豪華だが、あまり趣味がいいとはいえない―はっきり言ってしまえば、値段が高いだけで
品のよさを感じさせない。つまり、この部屋の主は金儲けには巧みだがセンスは皆無ということだろう。
観察しつつ、部屋のなかで起こりうるあらゆる事態、それを脳裏でイメージしつつ、同時にそれらの事態に
どう対応するかを分析していた柳に、部屋の中央から野太い声がかけられた。
「ようこそ長野へ。遠路はるばるご苦労さんなことだな」
部屋の主から開口一番、皮肉とも慰労ともつかぬ挨拶を受けた。
3階フロアの半分近くを占めると思われる会長室の主である竜胆会会長―鈴木源一郎は、自分の周りに
何人もの組員を侍らせ、組長室の中央にある応接セットのソファに体を沈めて、柳を見上げていた。
でっぷりと太ってはいるが決して不健康さを感じさせない体格―強いて言えば力士を連想させる体つきを
派手な柄のアロハシャツに包み、その上に乗っている頭部は綺麗に剃りあげられている。
てらてらと光る顔の目鼻立ちは、体格とは対照的に控えめで、特に銀縁フレームの奥の目は糸のように細く、
そのアンバランスがこの男に一種独特の凄みを与えていた。
そして、鈴木はその細い目を油断なく光らせて、柳のてっぺんから爪先までをじろじろと無遠慮に見回した。
舐めるような視線を受けた柳は、鈴木と向かい合ってソファに腰掛けつつ、どことはなし鈴木に如才ない
商人のような空気を感じ取る。
>>405 どうやら、この会長はやり手だが任侠道の忠実なる実践者というわけではないらしい。
おそらく、彼にとって兄弟の絆だの杯だのは単なる生活の糧を得るための手段にしか過ぎないのだろう。
そして、その割り切りをあからさまにしない程度には世慣れしているようだ。
心の中で鈴木の値踏みを済ませた柳は、鈴木の挨拶に対してそっけなく返した。
「突然の訪問に応対していただき、痛み入る」
「話は天地から聞いた・・・大河内の兄貴からの書付を持ってるんじゃ、粗略に扱うわけにも行かねえ。
うちら極道は、兄弟分の絆ってやつを重んじるからな」
鈴木は、右手の親指で背後の天地を指差し、左手でつまんだ大河内の書状をひらひらさせながら答える。
しかし、ドイツソーセージのような太い指につままれた書状の扱いを見た柳には、兄弟分云々の
くだりがどうしてもとってつけたようにしか聞こえなかった。
要は、自分のところの組員がどこの馬の骨とも知れぬ若造に圧倒されたという事実を察知しつつも、
それを認めたくないがための強がり、その類だろう。
「何か飲むかい、あんた」
柳の冷めた視線に気づいてか気づかずか、鈴木はいささか大げさな手振りで柳に尋ねた。
敵地、少なくとも心を許せない場所で、初対面の人間から茶菓の供応を受けることがいかに愚かしいか
知悉している柳は、軽く目を閉じ、首を左右に振る。
「厚意だけ頂こう・・・ところで、長野とはこの季節でももう少し涼しい所だと思っていたが」
これから"商談"を行う相手が見せた気遣いを足蹴にし―結果としていらぬごたごたを起こさないように、
柳は拒否しつつもさりげなく話題を変える。
鈴木は、柳が話題を変えた意図に気づかなかったのか、話をあわせた。
「今年はオカシイんだよ、兄さん。いつもなら、もっと過ごしやすい。運が悪いときにやってきた、
ともいえるな―ま、2ヶ月前からここらでは変なことばかり起こってるんだが」
大仰に肩をすくめつつ、鈴木は応接卓に一つだけ出されたグラスに手を伸ばした。飲み物の色から
するに、中身は麦茶らしい。
「今度来るときは、避暑にふさわしい気候か確認してからにするよ」
まあプライドが高ろうがなかろうが関係ないし。俺はトモ達の作品を読みたいだけ
>>406 2ヶ月前から、変なことばかり、か。
柳は適当に答えつつ、何の気なしに出した話題の中から、心に引っかかるものを感じた。
もしかすると、私が追っている"敵"の動向に何か関係があるかもしれない。タイミングを見て、
後でこの肥満体に尋ねるなり調べるなりしてみよう。
「そうしな。ま、ここは文明の利器ってやつで季節にお構いなく過ごしやすいがね」
自慢げに部屋に取り付けられたエアコンを指差し、鈴木は得意そうに言い放った。
それにつられて、というわけでもないが、柳は部屋の中をすっと見回す。
天地を始めとした竜胆会の構成員は、何時の間にか遠巻きにするかのように2人を囲んで、
柳をはったと睨み据えていた。
「ところで」
ようやくのことで本来の用件を思い出したのか、鈴木は書状をぽいと応接卓に放り出し、同時に卓を
軽く拳で叩いて話題を元に戻した。
「兄さん、あんたがわざわざ東京からお越しくださったなあ、こんな世間話をするためじゃねえだろう。
さっさと本題に入ろうや・・・すまねえが、あいにくいま取り込んでてナ。手短に頼むぜ」
「あなたのいうことも尤もだ。用件は、さっきそこに立ってる若いのに話したとおり、今そちらの組が
忙しい理由、まさにそのものだよ」
さて、どう出るかな。
柳は、相手の出方を確認するために、わざと挑発的に返した。
「兄さん、俺たちゃ気が短いんだ。単刀直入に言っておくんなよ」
なかば柳が想像した通り、鈴木は、露骨に顔をしかめ、声を落した。
「言っとくがな、いかに大河内親分の書付を持ってるからといっても、出来ることと出来ねえことがあるぜ」
鈴木のそうした声は、普通の人間なら―一人前のヤクザであっても、内心に粟立つものを感じるに充分で
はあったのだが、柳にとってはただトーンが極端に落ちて聞き取りにくくなっただけだった。
従って、柳はまったく表情を変えることなく答える。
相手が腹の探り合いを求めないのであれば、望みどおり単刀直入にこちらの要望を伝えるまでだ。
「御奴村について、話を伺いたい」
>>408 「なら、兄さん」
柳の言葉に、鈴木はその細い目をさらに細くした。
「あんた、いくらまで出せる?」
柳は、わざとらしくため息をついて肩をすくめた。
「大河内組長の書付には"無条件で便宜を図ること"と書いてあった気がするが?
それとも、長野県では無条件イコール金だとでも?」
あきらかな挑発しか解釈しようのない柳の切り返しに、室内が一瞬にして静かになり、温度が下がる。
一拍遅れて、柳と鈴木をとりまく組員の中から決して芝居ではない怒声が上がった。
「んだとぉコラア!こっちが黙ってればいい気になりゃあがって!」
柳は、己を怒鳴った人間のほうをちらりと見る。
その男の位置は、鈴木の真後ろに立っている天地から右に2人目。
鈴木といい勝負の肥満体ではあるが、あきらかに運動不足の兆候が見えていた。
その男が、ニグロパーマを頂いている額に青筋を立て、口角泡を飛ばして柳に食って掛かろうとしていた。
しかし柳には、その男の怒声がただのノイズでしかなく、従って返答も極めて冷淡であった。
「すまない。私が話をしているのは会長だ。君ではない」
「手前ェ!」
右手をズボンの後ろポケットにやった肥満体が、顔を真っ赤にしながら一歩前にでる。
それを押し留めたのは、周囲の組員ではなく、鈴木だった。
「落ち着け、義雄」
「へ、へえ・・・・」
不承不承引き下がる肥満体―義雄を振り向かずに、鈴木は感心したような口調で言う。
「兄さん、あんたいい度胸だな。ヤクザの事務所来て、そこまで落ち着き払ってられる
のは、よほどの自信家か阿呆か、そのどっちかだぜ」
>>409 「どっちだと思う?」
足を組みなおし、落ち着き払った口調で柳は逆に問い返した。
口元に、あるかなきかのわずかな笑みが浮かんでいる。
「阿呆でなければ、取引をしたい」
鈴木の、あまりにも直截な物言いに、思わず柳の口から短く息が吐き出された。笑っているのだ。
「取引か。つまり、君にとっては義兄弟としての絆も換金に値するということか」
「なあ、兄さん。戦争に負けてこのかた、何もかもが金、金、金だが、任侠の世界も例外じゃなくなり
つつあるんだ。特に情報は、形がない分誤解されやすいが、本当はこの世でもっとも高価な商売道具なんだぜ」
あからさまな柳の侮辱にもまったく動ずることなく、鈴木は淡々と言う。
だが、この暴力団長の腹の上に重ねられた両の拳はかすかに震え始めていた。内心では、激怒寸前で
あるのかもしれない。
だが、柳のリアクションは、そうした鈴木と、彼を思いやる子分たちの心情を完全に無視したものだった。
「つまりは、金のためなら兄貴分の遺言すら無視できる、ということかな」
「野郎、もう我慢ならねえ!」
柳の言葉に、今度は義雄だけではなくほぼ全員が異口同音に叫び、じりっと2人を取り巻く輪を縮めた。
全員の顔が、今や激しい怒りに引きつっている。無論、天地の顔も同様だった。
「ならばどうするかね」
「知れたことよ、ぶっ殺してやらあ!」
一人の組員が、代表するかのように叫び返した。彼の手にはぎらぎら光るドスが握られている。
表情を石のように平板なものにした鈴木が、さっと手を振り、厳しい声で言った。
「もう少しだけ待て、ツネ・・・柳さんといったな。確かに、あんたに情報を出し惜しみしているのは、
あんたが金持ちに見えないこともあるが、もう一つあるんだ」
ダッシャ
>>410 「教えてはもらえまいか」
「この書付をあんたが持っているということは、大河内の親分からある程度事情は聞いていると思うが」
探るような鈴木の言葉に、柳はありのままを答えた。
「御奴村討伐隊に、こちらの組から10名ばかり人数を借りた、という程度だが、承知している」
「なら、その10人がどうなったかもわかっているよな」
鈴木の声が、さらに一オクターブ低くなる。
彼の顔からは、いまや情愛や温厚さといったものが、完全に消えうせていた。
「死んだ10人は、ウチでも選り抜きの連中だった・・・あそこらへんの地理に詳しいだけじゃなくて、
度胸も頭も十分ある、申し分ない男たちだった・・・・これ以上は言っても仕方のないことだが」
柳の見る限り、この鈴木の言葉に嘘や芝居はなさそうだった。となると、鈴木は今死んでいった10人の
子分を本気で悼んでいるのかもしれない。
「お察しする」
「礼は言わねえぞ・・・・でだ、その10人と、大河内組の連中も入れれば60人をむざむざ殺されて、
しかも今の今まで何もしないってことは、俺らヤクザもんにとってはこれ以上ない恥なんだ。
それがどんなに肩身狭く感じるか、あんたにはわかるか!ええ、どうなんだよ!!」
鈴木の表情はなおも冷静なままではあったが、その語調はさながら血を吐くようなものになっていた。
しかし、柳はそうした鈴木の感情にお構いなく答える。
「まことに申し訳ないが、あなたの言葉以上の何かを理解できるとは思わない。そういう状況に陥った
ことがないからね」
「ふん・・・あんたが俺たちから聞き出そうとしているのは、その恥を包み隠さず、何もかもさらけ出せ
ってのと同じなんだ。今の今まで見たこともなかったような野郎のために、いくらそいつが大河内組長
の書付を持ってるからといって、はいそうですかと俺が洗いざらいしゃべることができると思うのか?」
>>412 「なるほど。だから、話す以上はそれなりの代償を、ということか・・・・」
柳は、ようやくのことで得心がいった。確かに、いきなりやってきた若造に自分達の恥を包み隠さず
ぺらぺら話せというほうが無理なのかもしれない。
「そういうことだ。本当ならなんだってかまわないんだが、一番わかりやすいのはやはり金だからな」
「確かに、あいにくと私にさほどの持ち合わせはない」
「・・・・・・だと思ったよ」
予想通り。そう言いたそうな鈴木は、次の瞬間眼前の若者から思っても見なかった言葉を聞いた。
「だが、この腕を売ることが出来る。そちらにとって、かなりの買い得であることは保証しよう」
この言葉は、鈴木だけではなく、周囲の組員をも、先ほどとは異なった意味で凝固させた。
あんぐりと口をあけた鈴木は、しばらく目をぱちくりさせながら柳を見、ゆっくりと言葉を吐き出す。
まるで、そういうことが何かの呪文であるかのように。
「手前・・・・・まさか・・・・・・」
「そう、そのまさかだ」
ニヤリと口元を緩ませた柳は姿勢をただし、きっぱりと言い切った。
「私が長野にやってきた目的は、御奴村だ。ただし、調査や報道を行うためではない。
私が大河内組長から受けた依頼は、あそこに棲んでいる何物かを叩き潰し、行方不明となった彼の
孫娘を救出することにある。
もしもあなたが私の知りたいことを教えてくれるならば、間接的にではあるが、あなたにとっての敵をも
討つことが出来るだろう」
視線を落とし、ゆっくりとグラスをもてあそびながら、鈴木はぽつりと一人ごちた。
「だから、腕を売るってか・・・・」
「そうだ。代価は、あなたの持つ御奴村に関する情報。金銭は絡まないが、立派な商取引だとは
思わないかね?」
だん。
グラスを強く応接卓に叩きつけ、鈴木は強い口調で尋ねた。
「なら、兄さん。あんたの腕を買う前に確かめさせてもらってもいいか?」
「ご随意に」
柳の返事に、目の光を一層強めた鈴木は、首をぐるりと振って言った。
「やれ」
皆様こんばんは。外伝担当でございます。
会話ばかりでいっかなバトルに入る気配が見えませんが、これはもうどうしようにもない
ということで、何卒御寛恕をいただければと思います。
ただ、一応前振りは終わりましたので、これから柳の戦い振りをまたかくことができるかと。
(相手は化物とは限りませんが)
都合がつけば、明日か明後日にでもまた更新させていただきます。
>外伝氏
「御奴村」の読みを教えてください
おやつむらで読んでたな漏れは
俺は、おんやっこむら。
418 :
マロン名無しさん:03/07/20 01:40 ID:mrgmWBG+
おんどむら。
みやつこむら
おじょまたむら
おやつ村が逆に不気味なかんじでよい。
バキと梢の息子=パプワくん
アナコンダで縄跳びすると思う
423 :
422:03/07/20 03:35 ID:???
えーい誤爆だ誤爆
>>422 やっぱり、辻元はやめさせたのは土居のさしがねなんだよ
425 :
424:03/07/20 04:29 ID:???
えーい誤爆だ誤爆
426 :
パオ ◆gLeDrnBElE :03/07/20 11:39 ID:f0JBJDyF
先ほどヤムスレを見てびっくりした。
この場をお借りして、ヤムチャスレ並びに不良スレが荒れた事のお詫びを致します。
本当に申し訳ありません。しかしなんとかしたいんですがこればかりは・・・。
少しだけ弁解をさせて頂ければ、本当に1人か2人の心無い住人の仕業だと思います。
いや、このスレを好きな方のした事と思いたくは無い。それならさっさと止める。
だってこんな事が続けば私や外伝氏、トモ氏も書く気が失せると分かるはずだもの。
趣旨の違うスレを比べて何になる。私は自分が書いてて面白いものを書いているだけ。
他人と比べた事など一度も無い。それはきっと、外伝氏やトモ氏もそうでしょう。
第一、私は以前からヤムスレのファンだし、不良スレも最初から見続けている。
ともあれ、このスレや私の名前が出てヤムスレや不良スレが荒れた事は事実。
ヤムスレの職人さん方、ヤムスレの方々、1985氏、谷川氏、不良スレの住人の方々、
そして外伝氏、トモ氏、このスレの住人の方々。不快な思いをさせて申し訳ありません。
今回はちょっと書けないなあ、テンションがある程度無いとこういうのは出来ないから。
私が消えるのが一番この板にとって良いのだろうか。 ・・もう少しだけ居させて下さい。
重ね重ね申し訳ありません。本当にこんなのばっかりだな・・・。夜か明日に書けたら書きます。
パオさんがいなくなっちゃ嫌ですよ。
いなくなったらまさにゴジラもナガシマもいない今の巨人軍状態です。
428 :
マロン名無しさん:03/07/20 13:06 ID:H/y5qtZ9
これ読むとパオは普通の人だな
もっと変なヤツかと思ってた。少しガッカリ
でも本当に荒らしはUZEEEEEE
>>428 面白い事を書く人って、不思議なぐらい普段はマトモだよな。
やっぱ、常識あればこその面白SSってことか・・・
でもここでも向こうでも、これからも荒らすヤツは荒らすんだろうな。
職人や一般住人がどれほど善良でも、一部のバカの為に評判が悪くなる。
本当にバカは死んで欲しい。
>>パオ
気を落とすな。分かるやつには分かってる。
大多数の人間はアンタの味方だ
自分のことを善良という奴ほどたちが悪い。。。
433 :
マロン名無しさん:03/07/20 18:38 ID:hu4Ixo0A
バキスレもヤムスレもみんな楽しんでいるんだ。どっちが面白いとかパオ信者氏ねとか言ってる奴二、は三人だけだから、仲良くしましょうよ
アゲとくか。ようやく荒らしも収まったみたいだし。
外伝氏はコンスタントに書いてくれるだろうが、
パオ氏の精神的ダメージとトモ氏のここ数日の不在が心配だ。
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ
,.‐'´ `''‐- 、._ヽ /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、
[ |、! /' ̄r'bゝ}二. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 ''''  ̄ ̄ |l !ニ! !⌒ //
. i.! l .::::: ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ' ゞ)ノ./
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ i/‐'/
i .:::ト、  ̄ ´ l、_/::|
! |: |
ヽ ー‐==:ニニニ⊃ !:: ト、
御奴村クライシスの原因は
電磁波の異常だったんだよ!
せっかく収まったのに、一部の過激派が煽るようなレスいれてやがるな
トモ氏は次の展開をどうするかを考えていると思いたい。歴史物は大変そうだからな。とりあえず続き待ってるぞ
パオは荒らし耐性低そうだからトモより心配だ。
普通の人っぽいから逆に。
どこか2ちゃんずれしてないというか
>>438 貴方は何も知らないのですね・・・。
いや、「知らぬが仏」と言うべきか・・・。
440 :
438:03/07/20 22:28 ID:???
>>439 知ってるよ、時点の頃だろ。あの時から俺はファンだよ
逆に2ちゃん初心者だから叩きにパオもいちいち反応したんだろ。
スレ汚しスマン、以降無視して。
<第23幕>
惨劇の翌日・・・幕ノ内一歩の葬儀が行われた。葬儀には老若男女、様々な人々が多く参列した。
幕ノ内が世間で慕われていたことがよくわかる。参列者の多くは幕府の役人だった。泣き崩れる人
もあり、維新志士達への怒りがたまり罵声をあげる人もあり、様々だった。その日、幕ノ内の葬儀に
緋村剣心の姿はなかった。
緋村は幕ノ内護衛失敗の罰を受け、謹慎していた。幕府の用人を護衛しておきながらそれを死なせて
しまう。本来なら謹慎以上のしかるべき処罰が下されるはずだが局長、近藤はじめ新撰組の幹部が
そろって幕府の役人を説得した。役人達は緋村が右足を負傷していたにもかかわらず護衛に当たらせて
しまった自分たちに責任があるとの近藤の言葉を聞くと、今回は、おおめに見ようと言って謹慎という
軽い処罰を命じた。緋村の処罰が軽く済んだのは新撰組が京都の治安を守るもっとも重要な存在として
幕府の役人達に頼りにされていたからに他ならない。処罰を与え、新撰組の戦力を欠くことは、自分
達にとっても都合が悪かった。
そんな上の話はいざ知らず、謹慎を受けた後、緋村は居間で瞑そうを繰り返していた。幕ノ内の考え
を託された緋村。何か考えたいことも多かったに違いない。だがそんな緋村を組長就任そうそう、
やらかしてくれたよ、と批判の声をあげる隊士も少なくはなかった。
ちょうどそのころ、新撰組には新たな新入隊士が4人加わった。
一人は魚沼雨水という男だ。彼は盲目の剣士である。幕府の剣士だった彼は数年前、事故によって
両目の視力を失った。盲目の剣士など戦力にならないのは当たり前。幕府はあっさりと彼を見捨てた。
その後、歩いても歩いても暗闇という地獄の中、「心眼」なる極意を極めた彼は再び剣の道へと
戻ってきた。「心眼」を持つ彼の前では思っていることはすべて見透かされてしまうという。
入隊の際に近藤と接見した魚沼はこう言った。
「私の心眼の前では敵がどんなこしゃくな手を考えていたとて無駄だ・・きっとお役に立ってみせましょう」
確かに人の思考が自在に読める。そんなことができるのなら驚異だ。魔術なのかなんなのかは
わからないが近藤はおおいに期待を注いだ。だが同時に不安も覚えた。思考が読めるということは
当然味方同士だとしても同じこと。すべてを見透かされているまま一緒に行動することは少し危険な
気がした。
おそらく今の自分の気持ちも見透かされているのだろう。そう思うと今度はぞっとした。
幕府方に裏切られたのに同じく幕府方である新撰組に入隊してきたというところも気にはなる。
近藤は表向き魚沼のことを信頼するそぶりを見せたが、内心はそうは思っていなかった。
そんな近藤を見ながら魚沼がふふっと微笑した。
入隊者は他にも3人。新津格ノ進、竹中半蔵、木崎修二郎。全員が近藤や土方と同じ武蔵国の多摩出身
らしい。三人とも若く、そしてなかなかの好青年だった。腕の立つ若人の入隊に隊内には一時、華やか
な雰囲気がただよった。近藤は3人をあえて偵察方という地味な役職に任命した。その真意はさだか
ではない。
一週間後、緋村の謹慎がとけた。もう少し、重い処罰でも構わなかった。力不足で人一人を
死なせてしまった自分が許せなかった。戸を開くと少し冷たい風が当たってくる。あの時、もっと
周囲に気をくばっていれば・・・大切な人を守れただろう。だがもう遅い。一週間瞑想を続け
自分の今やるべきことをきちんとやる。それが幕ノ内への供養にもなる。そんな答えをとりあえず
自分なりに出していた。もちろん、そんな簡単に済ましていいとは思っていなかった。だが時間は
すぎていく。こうしている間にも、昼は夜になり、そして維新志士達の横暴が始まる。それを阻止
せねば。初秋の少し冷たい風を身に受けながら、緋村はしまってあった刀を出し、腰に納めた。
気がかりなこと・・・一週間前、幕ノ内を惨殺した二人の刺客の存在。長州方にあれほどまでの刺客
が存在しているとは・・・おそらく幕府方が京都の警備を強化するのに比例して、彼らもまた、強力な
刺客を用意してくるだろう。新撰組の存在価値がますます高くなってゆく。それは構わない。だが
もし、その期待にそげる活躍を出来なくなったら・・・維新志士方の刺客の実力があまりにも高く、
新撰組が太刀打ちできなくなったら・・・新撰組幹部級の実力ならおそらくそれはないだろう。
だがもしそうなったとしたら、新撰組と幕府はどうなってしまうのか・・・
緋村剣心の一抹の不安は、時が進むにつれて少しづつ現実のものになっていく・・<つづきます>
444 :
トモ:03/07/20 23:46 ID:???
少しだけお久しぶりです。
展開を考え、どんな登場人物を出そうか、考えておりました。
歴史物に漫画のキャラを突然出すと、どうしても違和感が出てしまいますね。
私は漫画のネタが少ないのでキャラを決めるのが難しいです。しばらくはるろ剣からになりそう。
これでは滅茶苦茶やってるだけと言われてもしかたないですね。
これから史実の方も少しづつ出していこうかと思います。
もちろん、そのままじゃ駄目なのでかなりのアレンジを加えて。
ですから歴史どおりに事が進むとは限りません。(何偉そうにいってんだろ)
ということでたいして期待せずにお待ちください。
荒らしへのプロセス(たぶん)
パオ信者、パオマンセー
↓
パオ信者、パオを神格化・他スレの中傷
↓
外部の香具師.。oO(キモー、ウゼー、ムカツク)
↓
パオへの中傷 VS マンセー荒らし
↓
他SSスレまで出張
↓
バキスレへの中傷 VS バキスレ住人を装った荒らし
(ヤムスレ住民を装った煽り)
>>パオさん
他のスレはどうか知りませんが不良番外スレの荒しはここと関係ないと思いますよ。
もしそうだとしてもパオさんが謝る必要はないと思います。
気にする事無くこれからも頑張って下さい。
とりあえず上げとこう。
トモ氏も復活したし
トモが復活した〜わ〜い!!
良かった〜そして新撰組おもろいよ〜頑張れ!!
セリフ無しでもここまで書けたんですね>新撰組
見くびってた
この世に斬れぬものなしの一文字流斬岩剣の赤石剛次も登場キボンヌ。
なんて言っちゃいけませんか?
>>1985 パオにしろ外伝にしろトモにしろ職人たちは一生懸命書いているだけなのに
一部のバカが暴走している。
不良やヤムスレを荒らしてるのは絶対ここの住人ではないですよ。多分
逆にここを潰そうとしている奴らと思う。
>>452 ごめん、誰に言ってんの?それに「絶対」と言っておいてその後の「多分」ってのはどうよ?
454 :
452:03/07/21 20:08 ID:???
>>「絶対」と言っておいてその後の「多分」
書いてて途中で自信が無くなってきたんだよw
一応1985とパオに向けた応援レスのつもり
>>外伝担当さん
考えてみればスペック編はマフィア、柳編はヤクザなんですよね。
今回のは、変に美化されてないヤクザ臭いヤクザがヤクザらしくて
(変な表現ですが)、じめっとした迫力がありました。スペック編の、
殆どヒーローみたいだったあの二人とは好対照。
と言うか、そもそもそれぞれの作品の中で、柳は「主人公」、
スペックは「敵キャラ」って感じですけど。
で、いかにもなところで「続く」と。う〜、引いてますな。
>>トモさん
>>450さんに言われるまで気付きませんでした……確かにセリフが
ない(回想が一つあるだけ)ですね。それでも、自然に読めました。
「あらすじ」っぽかったという訳でもなく。これも一つの文章力と
いうか、トモさんの技量なんでしょうね。それと、
>どうしても違和感が
これはどうか、お気になさらず。むしろ、そういうところは無節操に
なって下されば下さるほど、(読む側としては)楽しくなるかと。
>>パオさん
ある程度以上の人数が集まれば、そこにはいろんな人がいて当然です。
だからといって荒らしは許されることではありませんが、少なくとも
パオさんが気に病まれることではありませんよ。
ですのでどうか、これからもよろしくお願いしますっっ!
>>413 「この若いのに、俺たちの礼儀を理解してもらう必要がある」
眼鏡を外し、フランネルのクリーナーでレンズを鈴木は、淡々とした口調で言った。
「カーペットにシミができても構わん。今、ここで、やってしまえ」
次の瞬間、いかなる意味においても誤解しようのない鈴木の言葉―柳への攻撃命令を耳にした男達の
殆ど全ては、一斉に生意気な若造目掛けて踊りかかった。
親分を愚弄され、怒り心頭となっていた竜胆会構成員にとっては、ある意味でその命令は遅すぎたとも
いえるだろう。
というのも、襲い掛かった男達は、鈴木の言葉が終わるか終わらないかの内にそれぞれの獲物を手にし、
構成員が形作っていた円周、その中央にいる柳との距離―3メートルほどだった―を詰めていたからだ。
10対1。しかも、相手はソファにゆったりと腰掛けたまま、身じろぎもしなければ警戒する様子もない。
柳のそうした対応を、男達は、この若造が恐怖のあまり茫然自失で身動きもままならないか、あるいは
あまりに突然の展開でどう対応していいかわからなくなっているのだ、と解釈した。
もらった!
柳に襲い掛かった誰もが同じように思った。
会長の命令一下、野犬の群れのように襲い掛かる男達は、数秒後にはこの若者が自分達の手によって
床に引きずり倒され、ありとあらゆる方法でその肉体が痛めつけられることを信じて疑わなかった。
・・・ただ一人、天地を除いては。
よせ、そいつは、お前達ではどうにも・・・・!
サマースーツの内懐から黒ドスを引き抜き、鈴木を守るように移動しつつ、天地は内心で絶叫していた。
だが、天地の声にならない忠告も空しく、男達は突撃をかける。
最初の一撃を加えようとしたのは、柳の真後ろにいた真島と言う名前の構成員だった。
「死ねや若造ォ!」
真島は、尻ポケットからさっと取り出した皮製棍棒―ブラック・ジャックを頭上に振り上げ、彼に背中を
向けて腰掛けている柳、その頭上目掛けて何のためらいもなく力いっぱい振り下ろした。
>>456 ブラック・ジャック。
長さ30センチ、最大部分の直径5センチほどの、皮製の袋―形状は、細長い徳利を思わせる―に、
ボールベアリングをぎっしり詰め込み、砂で隙間を充填した棍棒の一種。
古くは禁酒法時代のアメリカに起源をさかのぼるといわれるその道具は、まともに当たれば一撃で
人間の意識を失わせることができる。
真島は、20年間の人生の少なからぬ部分を、この武器と供に生きてきた。
まだ自分以外に強いものがいると思わなかった中学校の時から、長野の夜を支配する竜胆会、
その中堅どころとして腕を振るう今に至るまで、喧嘩の時にはいつもこの棍棒を振るい、そこそこの
勝率を上げていた。
そして、今彼の眼前には着席し、背中を見せ、動く気配のない柳という、格好の標的がある。
空を切る鈍い音と供に、真島のブラック・ジャックは綺麗な円弧を描いて柳の頭へと振りぬかれた。
今まで何百回、もしかすると千回近く振り回してきた真島には、己の攻撃が命中するかどうか、
放ったその瞬間に理解できるまでにブラック・ジャックになじんでいる。
その経験からすれば、今のこの攻撃は柳とか言うこのクソ生意気な若造の頭部に間違いなく命中して
いるはずのものであった。
真島の脳裏には、頭部のいたるところから血を噴き出し、頭頂部を嫌な形に窪めた柳がばったりと倒れる
その瞬間まで見えるようだった。
しかし。
「・・・・・・・・!?」
ブラック・ジャックが必殺の一撃を叩き込もうとしたまさにその瞬間。
真島の目前で深々とソファに腰掛けていたはずの柳の姿が、不意に消えた。
>>457 ばずん。
目標をいきなり見失った真島のブラック・ジャックが、インパクトの衝撃を空しく標的以外の物―
柳が腰をおろしていたソファの背凭れに、鈍く重い音と共に叩き込まれる。
なんだと!
今までの経験からすれば、ありえないはずの展開に、無意識のレベルで戸惑う真島。
彼の理性は、未だ眼前でおこった事実を認識していない。
そして真島は、彼と同じくいきなり柳を見失った構成員が、各々の道具を思う存分―柳に振るうはず
だったそれぞれの一撃を、主の居なくなったソファに叩きつけるのをはっきりと見た。
「危ないじゃないか。こんなものをふりまわしていちゃ」
混乱に陥りかけた真島の背後から、優しいとも表現しうるあの声がささやかれる。
柳の、低くよく通る、しかし悪意に満ちたあの声が。
そして、反射的に後ろを向こうとした真島の首筋に、何か固くて平たいものが打ち込まれた。
それが柳の手刀であることに、ついぞ気づくことがなかった真島は、今まさに振り向こうとした姿勢
のまま、意識を瞬時に白濁化させてカーペットに沈み込む。
意識が完全に途絶える直前、真島の目はソファの背凭れの天辺に、15センチほどの窪みが二つついて
いることを確認した。
・・・まさか、こいつは・・・・背凭れを支えにして・・・・ソファから飛び上がったと・・・・いうのか・・・
そして・・・俺たちの上を・・・・・飛び越えて、背後に・・・・・
そこまで考えた真島の側頭部に、柳の爪先が容赦なくめり込む。
それっきり、真島の意識は暗黒の底に落ち込んだ。
>トモ
まさか、新撰組が・・・!?
>>458 30秒後、竜胆会会長室の広いフロアで動くものはいなくなった。
動きを止めた人間のうち、まともな意識を保っている者は3人―天地、鈴木、そして柳である。
残りは全員、カーペットに倒れこむかソファにひっくり返っていた。
「くそ・・・・・」
内臓を締め上げられているかのような、苦痛と呪詛に満ちたうめき声を挙げるものがいた。
ソファにただ一人腰掛けている男、鈴木である。
彼の両手は、ソファの肘掛をがっちりと握ったまま、ぶるぶる震えていた。
それが怒りのためか、恐怖によるものか、おそらくは本人にもわからないだろう。
こきん、こきん。
しばらくの沈黙の後、首を左右に振って骨を鳴らした柳は、マッチをすりながら鈴木に尋ねた。
「で、どうかな、会長?」
ポケットからとりだしたハイライトに火をつけ、マッチの燃えさしを器用な手つきで応接卓の灰皿に
投げ込んだ柳は、にやりとしながら続ける。
「大事な商売相手だ。一応、皆さんなんとか生きているように手加減はしておいた」
右足で、軽くカーペットの這いつくばっていた義雄の腹を蹴り上げる。
「ただ、当たり所が悪ければ、一生車椅子の人間がいるかもしれない。まあ、そのへんは堪忍
してほしいな」
「貴様・・・・・・」
鈴木の声は、憤怒に満ちていた。
それに構うことなく、柳はハイライトを深々と吸い付ける。
「これで、私の腕前の程は判ってもらえたと思う。商談にかかろうじゃないか」
>>460 「まだだ」
不意に、天地が口を開いた。
柳は、わずかに右の眉を持ち上げて、この場でたった一人残った鈴木の部下に眼をやる。
「・・・君は、早いうちから私のことをわかってくれていたと思ったのだが」
ハイライトの紫煙を吐き出しつつ、柳はがっかりした口調で言った。
「私の勘違いだったのかな。それとも、君ならどうにかなる、と?」
「ああ、わかってるさ」
わかってるがな、ヤクザもんにはどうしても意地をはらなきゃいけねえ時ってもんがあるんだ。
子分ってもんは、最後の最後まであきらめちゃなんねえんだ。今それを見せてやる。
・・・・たとえ、うちの親分があんたの実力を見極められず、それゆえ阿呆な決断を下したとしても。
声に出さず呟き、天地は黒ドスを腰だめに構える。
「会長、あたしがやられたら、この若造に話をしてやっておくんなさい」
「天地・・・・」
ソファの鈴木が、天地を見上げて何か言いかける。
だが、天地は目線だけで鈴木の言葉を押し留めた。
「やれやれ」
ハイライトを投げ捨てた柳は、険しい目つきを浮かべて腰を落した。
「すまないが、君の態度は私に対する侮辱だ。手加減できるかどうかは保証しないぞ」
「かまわねえさ」
一瞬だけ、覚悟を決めたもの独特の涼しげな色を目元に表した天地は、無言のまま
黒ドスを構えて突進した。
皆様こんばんは。外伝担当でございます。
とりあえず、御奴村の説明にかかるための状況設定が一段落いたしました。
で、ここで気づいたのですが、レスが一つ飛んでおりました。
>>458と
>>460の間です。
というわけで、次に挙げるレスは柳 龍光(その113ー2)となります。
申し訳ございませんでした。
なお、御奴村の読み方は「おぬむら」です。
どうしてこういう読み方をするのかは、また次回以降の更新でご説明いたします。
>>458 座ったままの姿勢から、背凭れを支点にして高く飛び上がり、男達の背後に回りこんだ柳。
彼が何かをささやき、手と足をふと動かすと同時に、真島が一瞬にして崩れ落ちた。
一時的に局外中立の立場にいた鈴木と天地には、そのように見えた。
そして、そこからの展開はまさに一方的だった。
コンマ数秒して、ようやくのことで自分達の攻撃が掠りもしなかったことに気づいた男達は、
ソファにめり込み、あるいは突き刺さった道具を必死に抜き取り、再びおめきながら柳目掛けて
突進する。
両足をわずかに開き、だらりと両手を脇にたらした柳が、その様を見ながら小さく何か呟いた。
「・・・・・・・・・・・・んか」
少し離れていた天地には、柳が何を言ったのか聞き取れなかったが、唇の動きで察しがついた。
まだわからないのか。柳は、そう呟いたのだ。
柳はその場に立ち尽くしたまま、今度はまったく避けようともせずに男達の再度の突撃を迎え撃った。
最初に射程圏内へと入った男が、柳の前蹴りを金的に受けて悶絶する。
次の男はすかさずまわりこみ、ドスをつきたてようとしたものの、鞭のような柳の裏拳を鼻柱に喰らい、
糸の切れた操り人形のごとくカーペットへと前のめりにくず折れる。
同時に襲い掛かった3人目と4人目―奇しくも、ツネと義雄の2人だった―は、柳の間合いに踏み込んだ
と同時に、教科書どおりの正拳突きを合計2発ずつ顔面と鳩尾に受け、物も言わず仰向けにひっくり返る。
倒れこんできたツネたちをまともに受け止め、一瞬動きの止まった後続の男達は、滑るように間合いを
詰めてきた柳の動きに対応できず、木偶のように拳や膝を叩きつけられ、一撃ないしは二撃で戦闘能力を
喪失してゆく。
一連の柳の動きは、ひどくゆったりしているくせに、まったく読めなかった。
まるで、子供相手に遊んでいる大人のような、そんな動きであった。
(
>>460へ)
464 :
415:03/07/22 00:19 ID:???
>外伝氏
読み教えていただきありがとうございました。
続き期待しております。
>トモさん
登場キャラに、『蛮勇引力』の由比正雪キボンヌ
そういうこと言うなヴォケ!
断るのも悪いしーと思うだろ
>トモさん
京都御庭番衆きぼんぬ、あと五右衛門(ルパン)
1レス上も読めんのかw
忌報
皆様に親しまれてきたパオ氏が昨日亡くなりました。
謹んでご冥福をお祈り致します。
合掌。チーン。おかしい人を亡くしました
>>466はトモ?
それとも勝手に職人の代弁して悦に入ってる痛い信者?
このスレは今が第3黄金期を迎えつつあるな。
第1期 死刑囚の時。第2期 四天王時代。そして今。
荒らしなんかに負けずに頑張れ。
パオの不定期振りが心配だが
473 :
トモ:03/07/23 00:57 ID:???
いちおう否定しておきますか。
>>466さんの言うことはありがたいですが私ももう少し広範囲から
キャラを出して行きたいと思っております。
たいして期待せずにお待ちください
>>471 痛い信者はすぐに○○キャラキボンヌとか言う人だと思います
解った、そこまで言うなら俺もリクエストしちゃう。
神聖モテモテ王国のファーザーキボンヌ
上げとくか。こっちの荒らしは去って良かったな
少なくとも465と467は同一人物だろ。
しかし夏だなw
>>477 まあ嵐が去っただけでもよいではないか。
トモさん、気にせず自分の出したいキャラをどんどん出していってください。
無理してあまり知らないキャラを出さなくてもいいんですよ。漏れはそれでも楽しみししてるわけですし。
今日は誰かの作品来るかな。
パオは死んだららしいからもう来ないんじゃないのw
懲りずに来たら責任持って俺、叩くし
パオはみんなが飢えて飢えて仕方なくなった頃に来るよ
だいたいそう
そういうのが上手いんだホントにw
レスラーに向いてるんじゃない
もういいか。
誰か来て
483 :
しよ゜お:03/07/23 23:31 ID:hclZH2Ah
俺が本物のssをみせてやるよ!
見せれ。もう何書いたっていいよ。人いないし
漏れはヤムスレとここ両方巡回してて、今日ヤムスレ行って
気づいたんだがトモさんって今もヤムスレで連載してるんだね。
てゆーかトモさんのSS前から読んでたわ漏れ。
あっちのを中途にしたまま来ちゃったのねここにw
まああせらず連載を続けてください。あっちでの作品も面白かったよ。
あっちとこっちのSSと仕事。大変だろうが頑張ってね。
ヤムスレとの友好の橋渡しになってくれ。
ROMだけど、毎日このスレ見てます。
バキしか興味ない(というか漫画詳しくない)ので、
今のところは外伝さんだけですが…。
続き楽しみにしてます。
トモよ、続きを見せてくれ。
幽白コンビとの最終決戦、新人との絡み、早くみたァァァァァイ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
488 :
雅:03/07/24 13:25 ID:???
こっちも頑張れよ
ヤムスレもバキ本スレ連載もエロドウガースレもザクスレも、全部中途半端に打ち切ってた。
ここらで心機一転。がんばってみたい。
一話につき3レス以内、文章も短めなんで他の作品群よか読み応え無いだろうけど。
ちなみにVSさんとは違います。タイトル似てるけど。
「ザクTVSラオウ」
修羅の国、聖帝サウザー、トキ、そしてケンシロウ。
統一国家建設を志すラオウの前には多くの障害が立ち塞がっていた。
が、この日、新たなる強敵が現れることになろうとは、拳王たるラオウすら予想だにしなかったであろう。
「拳王様ぁ!!」
玉座に座し思いに耽っていたラオウの元に、見張り兵の一人が息を切らして飛びこんできた。
非常事態らしかったがラオウは動揺することなく、兵が息を整え話し出すのを待つ。
「ジオン兵が!ジオンの機動兵器、ザクが我らが砦を襲撃しています!!」
「数を知らせい」
「一機です!」
一拍の間を置き、次いでラオウは豪快に笑い出した。
ザク如きがたった一機で我が拳王領へ侵入してくるとは!
「この拳王自らが相手してくれる。黒王号を出せぃ!」
報告通り、ジオンのモビルスーツはたった一機で拳王軍兵と交戦していた。
ラオウが攻撃停止を命ずると同時にザクはその手を止め、ラオウの方へと向き直る。
ザクの単眼が明滅する。
(こやつ、俺が出てくるのを待っていたのか……)
ラオウは拳を高々と掲げ、叫んだ。
「この拳王に逆らう者には死あるのみ!貴様の死をもってしてジオンの者共へ思い知らせてくれるわ!」
ラオウは黒王号の背から直に跳び上がり、ザクに襲いかかった。
巨体に不釣合いな素早さで接近するラオウをザクは捕らえきれず、見失ってしまう。
その間、既にラオウはザクの体の上を駆け、コックピットの高さまで上り詰めていた。
人間の限界を超えて鍛え上げられた右上腕がさらに膨れ上がり、雄叫びと共に剛拳一撃。
コックピットの装甲が紙のように易々とひしゃげ、つぶれた。
「や、殺ったぁ!流石は拳王様!」
祭り気分で浮かれる部下と対象的に、ラオウの表情は険しいままである。気付いていた。
(操縦者まで届いておらぬ!)
次の瞬間ラオウは巨大な手に捕まり、中空へ放り出されていた。
ザクは片手にマシンガンを構え、ラオウに狙いを定め、撃つ。
ラオウは身をひねり、あるいは回転して身動きのままならない空で見事射撃をかわすが、
「ぷ!」「ぺ!」「ぽ!」
背後で呆けていた数人の部下達は珍奇な単語を漏らし、臓物を撒き散らして息絶えた。
(素早さ、腕力、技量……どれをとっても俺に分があるが、あの近代兵器は厄介なものよ)
着地したラオウは己の右大腿をちらりと見た。外側がかすかにえぐられている。
「ならばその単眼を叩き潰してくれるまで!!」
頭上を越えて跳び上がったラオウをザクはまたも見失い、ラオウ渾身の一撃をまともに喰らう事となる。
「ぬぅぅん!!岩山両斬破ぁぁぁ!!」
ザクの丸い頭部が真っ二つに割れ、ピンクのモノアイは破片を撒き散らし砕けた。
ラオウの頭に勝利の二文字が浮かび、ついにその顔に歪んだ笑みが現れる。
(兵器でさえこの拳王の前にあまりに無力!)
が、ザクは闘いを止めはしなかった。頭部を振ってラオウを払い落とすと、左手で地に伏したラオウを
探り、力の限り押さえつける。既にラオウの顔からは笑みが消えていた。
そしてザクの右手に灼熱の斧、ヒートホークが現れる。ザクは斧を頭上高くまで振り上げ、
(己の左手ごと屠る気か!まさか……この拳王が敗れるというのかぁ!)
ラオウが生まれて久しくしていた恐怖という感情に心身を支配されようとした、その時。
ザクの右肩に巨大な矢が突き刺さった。
「第二射!ってぇぇい!!」
指揮官の号令で拳王配下石弓隊が矢を放ち、ザクの左胸、胴、右腕に穴を穿つ。
ザクは左手を掲げながら後退するが、やがてバーニアを噴かして空へと消えていってしまった。
後には恥辱と恐怖にまみれ、憤怒したラオウが残されたばかりであった。
「何故私闘に水をさしおったぁぁ!!」
気遣いの言葉をかけながらラオウに駆け寄った部下は、顔面を潰されガラクタの山に突っ込んだ。
「しかし拳王様、あのままでは拳王様は敗……」
「うぬぅぅぅ、つくづく屑共がぁ!!」
ラオウの巨大な拳一振りで五、六人が吹き飛ぶ。
「この拳王、敗れて生を拾おうなどとは思わぬわぁぁぁ!!」
逃亡したとはいえ、あの闘いで勝利を収めたのは確かにザクであった。
幾千幾万の敵を打ち破り、これからも勝ち続けなければならない身にありながら、まさかの敗北。
よもやジオンの雑兵如きに遅れを取るとは!
この日を境に拳王は今まで以上に覇者の狂気に取り付れ、不退転の修羅へと豹変してゆくのである。
そして同時に、この闘いを境に新たなる戦士の伝説が始まるのであった……。
(・∀・)イイヨイイヨー
これでいい。老兵は死なずただ去り行くのみ。
はは。誰もいねぇ4
>ザクTVSラオウ
うまいねぇ。面白いよ。
>(操縦者まで届いておらぬ!)
当たり前だろうが、藁タ
>>外伝担当さん
柳、さすがですね。技量も、性格も。
>一生車椅子の人間がいるかもしれない
それ以上の手加減はできない、しない、と。そして、その眼前には
スペック編の二人同様の勇者(ヤクザだけど)が。彼の一人称が
「あたし」なところ、古風なヤクザっぽくて味があります。
>>ザクさん(仮名)
う〜む、両作品の最低と最高のぶつかり合い。ラオウがちゃんと
強くて、能力では押してて、でもザクに勝てるなんて嘘だよな〜って
ところをちゃんと押さえておられる。お見事っ。
またの作品に期待してます。
499 :
マロン名無しさん:03/07/24 22:34 ID:zewOCkMO
外伝、別の摺れでもSSうPしてるみたいだな
>>461 ―竜胆会会長・鈴木源一郎居室における傍受記録―
(激しい物音。誰かを殴りつけている音か?)
(人が地面に倒れる音。10秒弱の沈黙)
―オーケー、そこまでにしてくれ。約束どおり話をしようじゃないか。
(男の話す声。マイクの配置の関係上、鈴木の言葉以外は何を話しているか傍受困難。
よって、以下、鈴木以外に話者及び発言内容不明のため省略する)
―仕方ないだろう。こっちは、商売相手の実力がわからなかったんだからな。
(ドアを開く音。何人もの足音。混じって叫び声―「会長」「大丈夫ですか」「野郎」「ぶっ殺してやる」か?)
―静かにしろ、話はついた。お前等が心配することじゃない。
―ここでひっくり返っている連中を病院に連れてけ。俺は、こちらとまだ話をしなけりゃならん。
(2〜3分間、何かを運び出すらしい物音。ドアを閉じる音。沈黙)
―さて、柳さん。あんたの腕のほどはよくわかった。どうやら、ウチの敵を取ってくれるというあんたの
言葉に嘘はなさそうだな。今あんたがぶちのめした10人も、死んだ連中に次ぐ力量を持っていた。正直、
腕利きを合計20人も失ってこっちは大損害だぜ、まったく。
―まあな。だが、約束は約束だ。話はさせてもらうぜ。・・・ただな、正直、どこから話したもんか、
よくわからないんだ。だから、思いつくままに話させてもらう。何か聞きたいことがあったら適当に
質問してくれ。それでいいな?
>>501 ―そうだ。竜胆会であの村について何か話ができるとしたら、俺だけだからな。
俺は、あそこの隣町―というか、一番近い町で生まれ育った・・・だから、あそこがどういうところかわかって
るのさ。・・・うん、そうだな・・・一言でいうなら、まったく得体の知れない、危ない村なんだよ。
―2ヶ月前?ああ、そうだな。確かに言った。うん。そうだよ。おかしいことだらけなんだ。
近くの山に登っていたハイカーが集団で行方不明になったり、街外れの牧場で飼ってる家畜が皆殺しにされたりな。
あの町でいきなり姿を消した奴も、随分な人数になる。噂じゃ、山岳走破訓練中の自衛隊までどこかへ消えたらしいぜ。
それもこれも、みんなあの村の連中がやったんだという奴もいるが・・・・正直なところ、そう思っても仕方ないか
という部分はある。
―あの村の連中はな、みんなおかしいんだ。排他的・・・といえば一番わかりやすいかな。とにかく、
よその人間とはほとんど交流を持たない。たまに生活必需品を買出しに町へ何人かが下りて来る
んだが、必要最低限のこと以外はまったく口を開こうとしないんだな。ただ金を払って、モノを受け取って、村へ帰ってゆく。
俺ァ何度かその買い物を見たことがあるが、なんと言ったらいいかな・・・とにかく徹底してるんだ。自分たち以外はみんな
敵だとでもいうように、な。
それだけじゃない。あそこの村の連中は、自分達の子供を学校に通わせないんだ。外の空気によっぽど
当てたくないのかね。義務教育すら受けさせないんだぞ。まったく、徹底してるとはこのことだよ。
―ん、今なんと言った?・・・・佐倉?・・・・いや、知らねえな。ふーん、大学にね・・・・。それは初耳だ。
いや、大河内の兄貴からは誰がさらったかまでは聞いてない。うん。初めてだ。
―で、どうして御奴村の連中がこうまで頑ななのかッていう理由なんだがな・・・それは、正直さっぱりわからねえ。
俺が聞かされた話じゃ、連中は鬼の末裔だってことなんだがな・・・ほら、金太郎とか桃太郎の敵役だよ。
そういや、ガキのころはよく「あそこは鬼の棲む村だ」っていわれたっけ。
>>502 ―おかしいだろ?俺もそう思ってたさ。この文明時代に鬼だってんだからな。だがよ・・・・・・・あの村には、
そう思っても仕方のない何かがあるんだ。
大昔、あの一帯で疫病が大流行したときも、あそこだけは一人も病人を出さなかったらしいし・・・。
近い話じゃ、戦争中なんだが、あの村からもやっぱり若いのが兵隊にとられてな。
そいつらはみんな五体満足で復員したんだけど、そいつらのいた部隊はどこもかしこも、例外なく全滅
してるんだな。軍事的な意味の全滅じゃねえぞ。文字通り、一人残らず戦死したか行方不明って意味だ。
ただの偶然なのかもしれねえが、あの村をちょっとでも知ると、それが偶然に思えなくなるんだよなァ・・・。
―この手の話なら、まだあるぜ。
俺が中学生のころなんだが、あの村から買い物にきたガキとちょっとももめたことがあってな。
俺ァたまたまそこにはいなかったんだが、俺の連れが、そのガキをちょっといわしたらしいんだよ。
理由はわからねえ。目つきが気にいらねえとか、たぶんそのへんだとは思うがな。
うん。でだ、その夜に、俺の連れと、そいつとつるんでた奴がそろって行方不明になった。
・・・3日後、死体で発見されてな。そりゃひどい有様だったぜ。警察はクマか何かの仕業と思ったらしいがね。
もちろん、町の連中はみなみて見ぬふりさ。係わり合いになりたくないからな。
他にも、あの村にいらぬちょっかいをだしてひどい目にあった奴はごまんといる。
―うーん、そうだな。この辺の話は、俺があれこれ言うよりこれを読んでもらったほうが早いと思う。
ちょっと来てくれ。いい資料があるんだ。
(立ち上がる音。遠ざかる2人分の足音。しばらくの間、遠くで紙をめくる音と話し声。5分ほどして、
ソファに戻ってきた模様)
―ん、その資料を纏めた奴はよっぽどの凝り性だったんだな。巻末に細かい地図までつけてやがる
からよ。ただ、そいつは、村から帰ってきた翌日にぽっくりいっちまったらしい。心臓病だったかな。
まあ、そいつはそれを本にして一儲けたくらむつもりだったんだろうなァ・・・・。
俺ァ、大河内親分がうちに話を持ち込んだ翌日にそれを手に入れたんだ。情報は多ければ多いほど
よいと思ったからな。
>>503 ―ん、その地図のどこがおかしいんだ?・・・・ああそれか。村はずれのだだっ広い敷地だろ。それは神社なんだよ。
―そうそう、あの村にも神社ってもんが一応はあるんだ。これも鬼がらみなんだがな。
奉ってる御神体が鬼なんだな。・・・・あーと、鬼込神社とか言ったっけ。なんでも、昔暴れた鬼を封じめた
とかいう言い伝えが残ってるんだが、果たしてどこまで本当やらな。
ああ、一説に依れば、御奴村の連中は、そのとき鬼を封じ込めた武士団の子孫らしいが・・・・これは正直
胡散臭いな。まだ鬼の血を引くって考えてたほうが俺としては納得がゆく。そんだけ薄気味悪い連中なんだ。
―うん、その村にまつわる伝説やら事件は、それを読んでくれれば大抵事はたりるだろう。
なら、大河内親分の件について話をしようか。
(激しいノイズ。マイクの不調か?―この後30分ほど、会話の傍受が不可能となる)
(30分後、突如ノイズが消失する)
―だが、俺たちも今の今まで手をこまねいていたわけじゃない。組織の情報網をフル動員して、
あの村の動向をきっちり探らせてたんだ。するとな、かなりおかしなことがわかってきた。
しばらく前・・・・そうさな、1ヶ月半くらい前から、あの村から少しはなれた廃村に、過激派が山岳基地を
築こうとしているらしいってことがわかったんだ。
もちろん、村からはある程度離れちゃいるが、それでも5キロくらいだ。
おかしいだろ?今の今まで人を寄せ付けなかった村の連中が、奴等の間隔でいえば目と鼻の先にある
廃村に都会の連中が入り込んでるのに、何もしないんだぜ・・・。
―うーん、佐倉とかいう奴の仲間、か・・・。そこまではわからないがね。
「ここまで聞けば十分だな」
竜胆会事務所の向かいにあるビルの一室で、仰々しい装置に繋がれたヘッドフォンを耳に当てていた
垣原は、そういうなりヘッドフォンを投げ捨てて立ち上がった。
彼の隣で、スピーカーから流れる音声をもとに速記録をとっていた金子は手を止め、彼の命令を待つ。
垣原は、金子の方を見ようともしないで歩き出し、吐き捨てた。
「踏み込むぞ。"追撃隊"に命令しろ」
皆様こんばんは。外伝担当でございます。
本日の更新は、ちょっと趣を変えてみまして、独白だけで進めるという形をとりました。
冒頭で、あれ?と思われた方もいらっしゃるかとは思いますが、これは、次回更新の
活劇に備えたものです。(文末をお読みいただければ何が起こるかは概ねご想像が
つくかと思いますが)
ともあれ、最近更新のペースがめっきり落ちました。申し訳ございません。
話の展開を無理なくするように頭を捻っているというのもあるのですが、それ以上に
仕事が大変になってまいりまして・・・・。
週1回はなんとか維持したいなァと考えておりますが・・・・。
>>ザクさん
初めまして。外伝担当と申します。今後とも、よろしくお願いいたします。
拝読いたしましたが、「真面目な文章で途方もないネタを振る」というところが
いいですね。
一読した後、思わずニヤリとさせられました。
>>ザクvsラオウ
操縦者が誰だったのかが気になるな……まあ、多分一般兵なんだろうけどw
もしや、バーニ(以下r)
おー、また毛色の違う書き方ですね。色々手法が変わって飽きないです。
話自体も面白いし。
>>506 嘘だといって(ry
>>500 >>499じゃないが、漫画サロンじゃないどこかで見た気がする。ごめん。ど忘れ
今さらだが、外伝さんのはまとめて読みてぇな。誰かまとめサイト立ち上げてくれんかな・・・
自分は飽きっぽいからそういうの無理だろうけど
サイヤ人来襲へ備え、ヤムチャは修行を完成させていた。
天下一武道会では結果を残せなかったヤムチャであったが、ここ五年の厳しい修行の末、ついに
新必殺技を編み出すに至ったのである。
「真・狼牙風風拳。こいつさえあれば誰にも負ける気がしねぇぜ!」
空を仰ぎ叫んだ瞬間、空から緑色の肌の何者かが急降下してくるのをヤムチャの目が捕らえた。
「ピッコロか?……いや、違う。でかいぞ!」
地響きと共に、ザクが地に降り立った。
「ジオン軍のザクか!何の目的でここに来たのか知らんがちょうどいい」
ヤムチャが指関節を鳴らす。
「新開発の真!狼牙風風拳のえじ……え?」
ザクはいきなりヒートホークを大上段に振り上げ、構えた。
「ちょっと待ったぁ!いきなり武器出すことないだろうが!ぉ落ち着いて話し合えば……」
灼熱の斧が、ヤムチャに向けて垂直に振り下ろされた。
「死ぬぅ〜!!」
大地が揺れた。ヤムチャの体が一瞬浮かび上がり、叩きつけられる。
が、その五体は無事であった。
ヒートホークはヤムチャを避け、そのすぐ横に地割れを創っただけである。
ザクは足で斧の柄を踏み、ずぶずぶと地面へ沈めていった。単眼が挑発的に光る。
「俺如きに武器はいらないってか、調子に乗りやがって!あっという間に白目ひんむかせてやるぜ!」
ヤムチャは腰に結びつけた仙豆の袋を前面にスライドし失禁の跡を隠すと、新技の構えをとった。
「いくぜ!真・狼牙風風拳!!」
ザクの人差し指がヤムチャの足元をすくった。
叫んだ瞬間既に宙に浮き、転んでいたヤムチャは何が起きたのか理解していない様子であった。
が、後頭部を地に叩きつけられしばらく転げまわった後、恥辱に顔を赤くしながら立ち上がり、強がる。
「やるじゃないか。このヤムチャ様の足元を奪ったのはお前が初めてだぜ」
過去の敗北は一切忘れていた。さらにヤムチャはしゃべり続ける。闘いの最中に。
「だが!頭を冷やした今の俺を相手に勝機は無いものと思え!今度こそ喰らえ!真!」
隙だらけのヤムチャの足をザクはデコピンではじいた。
再度転倒したヤムチャは頭を打ち、今度は気を失ってしまう。
口元から溜め息の様に排気ガスを漏らし、ザクは空へと還っていった。
ヤムチャが目を覚ました時には当然ザクの姿は無く、結果、ヤムチャは先程の闘いはサイヤ人との決戦への不安から見た夢なのだろうと片付けた。
ヤムチャはこの敗北さえ脳内から消し去るつもりらしい。
卑屈ではあるが、この性格故にヤムチャは自身の足を折った天津飯と仲間になることが出来たのだし、
この後の戦いでヤムチャの命を間接的に奪う事になるサイヤ人、べジータとも同居でき、さらに女を寝取られなお許容することが出来るのだから得な性格であると言えなくも無い。
かく言ううちにヤムチャは気持ちを切り替え、青天に誓うと言わんばかりに叫んだ。
「一週間後、生き残るのはこのヤムチャ様だ!悟空が来る前に一人でカタをつけてやるぜ!」
存知の通り、サイヤ人戦においてヤムチャはサイヤ人の手先に過ぎないサイバイマンの自爆の道連れ
となり、孫悟空が来る前にその命を落とした。が、ザクでさえ興味を引かないこの闘いはとりあえずここ
では省略させていただくことにしよう。
512 :
マロン名無しさん:03/07/25 12:51 ID:4Oc3F0Nr
ヤムチャスレへカエレ!カス!
どっかで書いたネタを使い回すなよ
面白い面白くない以前の問題
死刑囚のまとめページ落ちてる?
本当だ落ちてるな・・・・
最初は
>>511のスレで最期まで書くつもりだったんですが、途中で鬱に入って書けなくなったんです。
今は薬で抑えてて、少し前から数話ほど書き溜めてたんですが、今さら2ヶ月も放置したスレに戻るのも
心苦しいので、ここで新たに再スタートさせていただこうかと思って一話から載せてしまいました。
書く前に説明するべきでした。すいません。
別にいいんじゃね?
どっちにしろ終わったスレだし・・・
>>515 マジかよ?
復活はしないのかな。
パオも来ないし。
>>516 パオの代わりに頑張れ
パオ厳しいかな〜?
>>519 いい方は悪いがパオはもう来ないと思う。
なんか荒らしに弱そうだし。
来なくなったのも前スレの時の荒らしと、今スレの謝罪文からだからね。
ファンとしては本当に復活して欲しいが。
パオって男はお前達が思ってる程ヤワな男じゃねーぜ。
試されているのは案外
これくらいで寂しがる俺達の心の弱さかもな。
いても居なくても気にかかるな、パオは
いっその事、止めるんなら終了宣言してくれれば
気が楽になるのだが。
勿論続けて欲しいが。
524 :
マロン名無しさん:03/07/26 11:24 ID:VGBAl3gd
別に誰でもいいから、もっと吾輩を楽しませなさい。
ただ単に仕事が忙しいとか
>>525 それだろう?
ここの職人はみんな有職者なのだから
527 :
トモ:03/07/26 16:18 ID:???
用事が出来たので夜書きます。
仕事が忙しかったもので
>>528 乙。次のテンプレにパート1として貼れるね
>>413の続き
謹慎が解け、新撰組15番隊の組長として復帰した緋村。
組長に昇進し、謹慎も解け、いつものように切り込み役として真っ先に戦場へと
突撃し、敵を一網打尽にしてくれるだろうと隊士達は期待を寄せた。
だが、当の緋村は戦闘中はいたって冷静。特に気持を高騰させることもなかった。
共に維新志士狩りを行った隊士はこう言う。”まるで獅子が兎を狩るようだった”と。
獅子は兎を狩る際でも手は抜かず、全力を尽くすという。ここ最近の緋村の様子は
まさにそれに近いものがあるらしい。今までの突撃、短期決着風な戦い方ではなく、
じっくりと、確実に敵に死を与える。まるで戦場に潜む獅子のように。
組長に就任しての責任感からの変化か、組長自信が危険のもっとも高い役をやらなくても
良いと思ったのか、真相はわからない。
ただ、冷静に徹するようになってから、周りがよく見えるようになったのか、
隊士に対して、的確な指揮をとるようになった。それは組長として当然の責務かもしれない。
だが、彼の的確な指揮、助言によって、命を取り留めた隊士も多い。現に緋村が組長に就任
してからの15番隊の死傷者はゼロだ。それほど、彼の指揮能力は高かった。
飛天御剣流を極めているだけあって洞察力、瞬間判断力に長けているのだろう。
緋村を15番隊の組長へ就任させるための提案を行った斉藤の鼻も高いというものだ。
さておき、新撰組はいつものように、京に横暴する維新志士を粛清する。
その日・・・京都、四条河原町を巡回中の隊士が不振な浪士を発見、捕縛した。
不振だったものの、特に反抗する様子もなかった。だが名前や出身地等を問いただした
際、時々、言葉がごもる時があった。本当の名前や出身地ならはっきりと言えばいい。
ますます不振に思った隊士達は、念のため、浪士を新撰組館へと連行することにした。
深夜だったものの、不振な浪士の連行とあっては無視はできない。その浪士への尋問は
近藤、土方、沖田をはじめ、斉藤ら幹部級もそろっての念入りなものとなった。
当然、15番隊組長の緋村もそこへ同席することとなった。
「お前さんの名前は・・・?」
「・・・・・や・・・山桜 に・・・任三郎・・・」
「出身地は・・・?」
「・・・・・きょ・・京都・・・地元だよ・・・」
局長、近藤勇が浪士に対して質問をぶつける。浪士を捕縛してきた隊士達の話のとおり、
この浪士は名前や出身地に対しての問いに答える際、少し言葉をごもらせる。
ただ今の状況は京都の路上で尋問されているのとはわけが違う。名だたる新撰組の面々に
囲まれ、近藤の厳しい目に見つめられながら質問される。その答える声に少しの振るえが
出てしまうのも当然かもしれない。近藤はさらに質問を続けた。
「・・・こんな深夜に・・・おまえさんは何をやっていたんだ?」
「・・・・・」
「答えられないのか・・・?そんなことはないだろう・・・」
「・・・・・」
「もう一度だけ聞く。おまえさんは何をやっていたんだ?答えなければ・・・斬る・・・」
「近藤さん、その男、おそらく長州方の浪士かと・・・」
近藤以外、口を開くことのなかった尋問のさなか、緋村が突然そう切り出した。
「なぜそう思う・・?緋村君」
「その男、聞けば建物の配置や路地の入り組み具合などについて調べていたとのこと。
京が地元の男だったらそんな入り組んだことはせずに誰かに聞けばいいでしょう。それが一つ。
そして何より、そんな簡単な質問に答えられない・・まず怪しいと思って間違いない。
もう少し、尋問してみましょう。きっと尻尾を出すはずだ」
「なるほど・・・よし、今日は徹夜になるぞ・・・ここからの尋問は、向こうでしようか・・・」
緋村の言葉に納得した近藤たちはその場を後にしてある場所へと向かった。志士への尋問のための
部屋・・・そこでは数多くの厳しい尋問が行われてきた。緋村によって疑いがいっそう深まった浪士
隊士に腕をつかまれ、連れて行かれる彼の体は、まるで凍えているかのように震えていた。
あんまり進みませんでしたが眠気が激しいのでここまで。
すいません。
新しい方が入って来たようですが、明日あたり、読もうと思います。
533 :
トモ:03/07/27 01:27 ID:???
トモは頑張ってるなあ
パオも頑張ってくれよ頼むから
誰もいねえ。
パオも外伝もトモも
そして住人も。
休日は普通遊びに行くだろ
537 :
マロン名無しさん:03/07/27 19:37 ID:4q1vbdYo
あれだけ他スレを馬鹿にしてて作者も読者も飽きるとは。笑える・・
新撰組、来ましたね。
すばらしい出来です。
さきが楽しみ。
自分達だけでやってればいいのに。
他のSSスレなんてここには何の関係もないし。
新撰組、おもろいわ。続き期待
しかし人いなすぎだな
外伝、別のスレで書いてるみたい。めちゃめちゃ泣けるSSだけど
死刑囚編まとめサイト消えてるな。
誰が更新していたかは知らないが、そいつも飽きたという事か。
一気に読めて良かったんだが
山桜任三郎って誰?
初めてではない。
深淵の者どもが繰り広げる闇の祭典『蝕』を生き延びて以来、ガッツは数え切れない夜を、数百もの
異形を相手取り旅を続けてきた。中でも暗黒の神々の祝福を受けた『使徒』と呼ばれる敵ともなると、
その大きさは樹齢数百年を数える巨木にも勝るものであった。
自分の数倍の体躯を持つ敵を相手にするのは初めてではなく、むしろ慣れたものであった。
(だが……こいつは何だ?)
ガッツが今向き合っているのは緑色の皮膚を持つ単眼の巨人。その体は生物体のそれではなく、
鎧の如き鋼のものであり、サイズも今までの敵よりもさらに大きく、砦そのものの様である。
『使徒』では無い。そもそもこの怪物からは、生き物の持つ波動のような生命力が感じられない。
「ザクだっちゅうに」
腰に下げた革の鞄から身を乗り出した小さな妖精、エルフのパックが言うが、ガッツは無視した。
(時々訳の分からねぇ事を言うな、こいつは)
ガッツは背中に背負った巨大な剣を手にし、振り下ろす。
それは剣というにはあまりに大きすぎた。巨きく、分厚く、重く、そして大雑把過ぎた。
それは正に鉄塊と呼ぶのが相応しいものであった。
たとえモビルスーツを相手にしようと、この剣ならば叩き壊すことも可能に思える。そんな剣である。
「ヲイ、いくらガッツでもモビルスーツがぁぃ……」
パックの言葉が小さくなっていく。ガッツが鞄ごと脇に放り投げたのだ。
「どいてくれるんなら戦り合わずに済むんだろうがな」
ザクはヒートホークを構え、これに答えた。ガッツの巨剣より、さらに二回りは大きい。
「そうかい」
舌先から息を漏らし、ガッツはザクに飛びかかった。
人の通わぬ辺境の森深く。そこが戦いの場であった。
周りは鬱蒼と茂った常緑樹に囲まれ、地面は湿った落ち葉や木の枝で覆われている。
木々よりさらに高くそびえる怪物。それが今のガッツの敵である。
ガッツの一撃がザクの左脛を斜めに叩いた。火花が閃き弾け、金属のぶつかり合う音が空気を裂く。
が、剣撃はわずかに緑色の塗料を剥がし、深い溝を残すに留まった。
(硬ぇ)
ガッツはすぐさま後ろへ跳ぶ。ヒートホークの巨大な刃がガッツのいた地面に深くめり込んだ。
(装甲はとてもじゃねぇが破れねぇ。弱点は……)
斧が水平方向に地を低く飛ぶ。ガッツは跳躍してそれを避け、ザクの股をくぐってその背後を取った。
(ここか!)
2m程の高さ、アキレス腱の部分に装甲の合間が見える。ガッツは巨剣を水平に突き出した。
ザクはガッツの姿を追おうとして、振り向きざまにバランスを崩し、手を突いて転倒した。地響きが轟く。
寄りかかった木々は薙ぎ倒され、ザクの手元に折り重なった。
ガッツは木々を踏み台にザクの頭部へと駆け上る。狙いは、過去にザクと戦ったラオウと同じ。
あからさまな弱点と思われる、
(単眼!)
ガッツは剣を振りかぶった。が、巨大な手がその体を捕まえ、近くの大木へ向けて投げ飛ばした。
背中と頭部を強打し、次いでガッツは落下し、地面に叩きつけられた。
頭が痛み、風景がまどろみぼやける。そして何より呼吸が出来ない。
その間にもザクは手をついて苦労しながら立ち上がり、ガッツを地面から拾い上げ、眼前に掲げた。
お前も私を納得させるに至らないのか。ザクの目からはそんな落胆が感じられるように見えた。
(……単……眼……)
呼吸機能も意識もまだ戻らない。が、残った気力を振り絞りガッツは左の鋼鉄の義手をザクに向けた。
その距離から何をするつもりか。ザクが興味を持ってガッツを見つめていた、その時。
耳をつんざく轟音と共に小型の大砲を仕込んだ義手から火の玉が飛び出した。
砲弾は狙いを誤ることなくモノアイを破壊し、さらにザクは後方へとよろめいた。
勝機。手から脱出したガッツは、そのまま人間外の運動能力を以ってザクの腕を肩まで駆け上がり、
一撃、二撃と口元のパイプを斜めに叩き斬り、雄叫びと共に三撃目で頭部全体を吹き飛ばした。
が、そこで体力の限界が訪れた。ガクッとその場に崩れると、バランスを失い機体から落下してしまう。
ガッツは咄嗟に木の枝に手を伸ばすが、枝は体重を支えきれず簡単に折れ、わずかに落下速度を
抑えただけであった。
二十メートル近くを落下したガッツは地面との衝突により、ついに意識を失った。
視界がぼやけ、二重になり、焦点が合い、またぼやける。
次に焦点が定まった時、ガッツの顔を覗き込んでいたのは何故か自慢げなパックの姿であった。
「オレがいなきゃ死んでたぞ、チミ」
「あいつはどうした」
「ん、ああ。帰ったぞ」小声で「黒いガンダム対ザク」だか何だかと言っている。
「生きてやがったのか……」
「なんか嬉しそうな感じだったなぁ、あいつ。なんでだろうな」
ガッツには何となく分かるような気がした。あいつはただ闘いたかっただけなのだろう。戦士として。
何故。そこまでは分からない。遊歴の騎士といった印象が残っている。それに、
(不思議だ……あんな怪物と戦りあったってのに、久々に人間と剣を交えたような感じがする……)
数日後、機体を修復したザクTは日本へと向かっていた。
続く
547 :
マロン名無しさん:03/07/28 09:45 ID:Dl4GChEY
ザク強すぎ
所詮はガノタか
パオ完全死亡かな。10日暗いこねえ
551 :
マロン名無しさん:03/07/28 13:14 ID:QP6XIEcD
>死刑囚まとめサイト
必要なら作るけれど?
>>548 ヲイヲイ、相手は人間だぞ?
逆に、人間サイズのキャラがあっさりMS倒したりしたら、それこそ萎えるわ。
>>551 頼む。まさかこんなに早く消えると思ってなかったので自分用に残さなかった。
我侭いうとそれ以降の作品群も。
554 :
551:03/07/28 15:19 ID:QP6XIEcD
他の作品は?
>>554 神。暇なときがあればほかの作品もお願いします
つーか新撰組、「不振」とか「ごもる」とか見ると
少なくとも中学生以下だな。
パオじゃない人が書いたシコルのとこPAGE5が、
前後のズレとか書き方の違いもあってか不自然だな。
>>557 おいおい今の中学生の低レベルをなめすぎ。
高校生〜大学生にだって高度な文章かけるやつ、そういないぞ。割合で、だが。
まぁ557は文才があるんだろうな。いいなぁ
>>外伝担当さん
閉鎖された恐ろしげな村……って何だか、サウンドノベルとかで
ありそうな雰囲気ですね。ヤクザ臭漂う事務所から、一気にオカルト
風味。と思ったら今度は(一応)警察隊との激突。次から次へと、
千変万化の山あり谷あり。本当に、よくこんなの考えつきますねぇ……
と、今更ながら感嘆してます。
それはそうと、よそで書いておられるということですが、それは
どこなのでしょう? 宜しければ教えて頂きたいのですが。
>>トモさん
脇道で何ですが、鼻を高くしてる斉藤っていうのが微笑ましいと
いうか。隊士たちを徹夜させて布団に入るトモさんがそこにいると
いうか。
で。私としては凄惨な拷問シーンを期待してしまっているのですが、
どうなるんでしょう?
>>ザクさん
面白いです〜。今回は特に、これ↓が。
>お前も私を納得させるに至らないのか
ザ、ザクのくせに……人間を相手にして吐くセリフか、それはっ! と。
日本に向かったザクの、次の相手はっ?
>>554 >>559 ありがとうございますっ! 2ちゃんで、たまにこういう方に
出会えると、「世の中には、ちゃんといい人がいるものだっ」と
いう気分になれます。いえ本当に。
>>パオさん
帰って来て下さぁぁい。
気長に待とうや
ここ最近忙しくてねえ。ごめんなさい。
書ける日に限って妙にテンション低かったり。
明日か明後日は慶次対ししおまで書きたいけど・・・
ま、見捨てずにお願いします。
後、新まとめページありがとうございます。感激。
>>559 神様。参考にします。
>>558 確かにそのとおりです。
しかし、パート5の部分はあのままにしたいと思います。
話を中途半端に書いて、収拾がつかない状態でほっぽりだされた部分を
無理にまとめたあの部分は、私は正直好きになれませんが、
かといって、前の管理人のようにこちらで勝手に文章削ったりするのは
どうかと思いますので(パオ氏もそのままにしてほしいと言っていたような)
書き手を尊重して、文章はそのままにしたいと思います。
文体や雰囲気に違和感を憶える人もいるでしょうが、
その方はpart5だけ飛ばして読むようにしてください。
勝手な理由ですいません。
>>556 死刑囚番外編部分を24時間以内にアップします。
567 :
566:03/07/29 00:43 ID:???
ちなみに、外伝氏=向こうのスレの222氏だと思う
コメントに「バキ関連の長文を書いている」とあったから
長官スレだろ?
すげえ・・・みんな泣いてるぞ向こうのスレ
外伝はいい仕事してるな
曰く「藤子を超えた男」
曰く「SS界の神」
曰く「ドラコルル」
これが神格化云々抜きで出ている言葉なのだから・・・
>>564に誰も反応してないのが、読者のパオ離れを象徴してる
また賞賛を装った荒らしか
>>571 荒らしにかまうな。
また滅茶苦茶になる。
嵐降臨!!どんどん荒らせ!!
ウェーハッハッハ!!
作品来ないと増えるね・・・やっぱ
四天王時代に続く新たな新時代がこれじゃあ・・・
仕事忙しそうだし、みんな
俺は何の心配もせずに、のんびり待ってるんだが。
五月蝿いのはあれだ、ラジオを聞こうとしてもアンテナの調子が悪くて
どうしても多少のノイズが入ってくる、その程度に認識してるし。
「わしが男塾塾長江田島平八である!」
緑の木々に囲まれた男塾の校庭。男塾塾長江田島は朝礼台の上に立っていた。
その正面にはザクが、正座の形で対面している。
校門の向いに位置する校舎の窓からは塾生達が顔を出し、緊張した面持ちで外を眺めている。
「世界各地で蛮勇を奮っておるようだな。この江田島の耳にも聞き及んでおる」
ザクの目が光る。なにかしら好意的な表情を見せたかのように思えなくも無い。
「貴様の目的も分からんでもない。おそらくは……武者修行か」
ザクは反応しなかった。言い出しづらいことを言えずに緊張している、そんな固まり方をしている。
「サムライの地、ここ日本には数多くの戦士達がひしめいておる。好きにどこへなりとも赴くが良い。
中には貴様を満足させる者も……ふっふっふ、そうか」
ザクはいつの間にか右手にマシンガンを、左手にヒートホークを構えていた。塾長が続ける。
「このわしと戦いたくばいつでもかかってくるが良い。遠慮することは無い」
「おいおい……塾長、あのロボットと素手でやりあうつもりじゃないだろうな」
男塾一号生筆頭、日登直樹が冷や汗を流しながらつぶやいた。
「フッ。日登、お前は自分んとこの塾長が信じられねぇのか」
答えたのは額にハチマキを巻いた男。元男塾総筆頭剣桃太郎の息子、剣獅子丸である。
「勝つぜ、あの人は」
ザクマシンガンが火を吹いた。一発も漏れることなく、全弾が塾長に降り注ぐ。
が、塾長はそれらの全てを、素手の拳で叩き落していた。一滴の血も流すことなく。
「に……人間じゃねぇ……」
日登は泡を吹いていた。流石の獅子丸でさえ驚きを隠せない様子である。
突然、弾丸の雨が止んだ。塾長が見上げると同時に、ザクが灼熱の斧を渾身の力で振り下ろした。
未だかつてこの斧を避けなかった人間はいない。しかし、塾長は避ける様子さえ見せない。
「よ、避けろぉぉぉ!!じゅ、塾長ぉぉぉ!!」
塾生達が一斉に叫ぶ。ザクでさえ、一瞬その表情に戸惑いを見せたかのように思える程であった。
が、塾長は笑っていた。そして、ヒートホーク直撃。塾長は一瞬で蒸発……するはずだった。
塾長は熱された斧の刃を掴んでいた。素手で、片手で。足元の地面が陥没するが、本人は全くの不動。
「あ、あ、熱くないのかぁぁぁ〜〜〜!!じゅ、塾長ぉぉぉ!!」
日登が叫び、
「熱くないわけねぇだろ……」
獅子丸がつぶやいた。
「あの人はやせ我慢をしているんだ……!!全く、俺たちの塾長はとんでもない男だぜ……!!」
着物も下着も一瞬で燃え尽きていたが、塾長の皮膚も、ヒゲも、眉も、火が移る気配さえ無い。
「心頭滅却すれば火もまた涼しじゃぁぁぁ〜〜〜!!」
そして塾長の握る刃に亀裂が入ったかと思うと、次の瞬間それは砕け散っていた。
「わしが男塾塾長江田島平八である!」
豪拳一撃。ザクの左足が完全に砕け、その余波が右足をもへし折った。
ラオウでさえ、ヤムチャでさえ、ガッツでさえ通用しなかったザクの装甲をただの拳一撃で破ったのだ。
超絶なる敢闘精神は近代科学をも打ち破るものである。塾長はその言葉の実践者であった。が……
塾長はザクに止めを刺そうとはしなかった。大破した機体を前に、塾長はあぐらをかいて座り込む。
「この勝負、引き分けだな」
ザクの目が光った。……何故?
「服が燃え尽きてしまいおった。これでは装甲を破られたも同然。相打ちというわけだ」
無論、この勝負の勝者は塾長であった。が、塾長は勝ちを放棄したのだ。とりあえず、今のところは。
「ザクよ、お前はまだ闘い続けなければならないモノだ。今はただただ闘い続け、『彼の時』に備えい!」
塾長は膝を突き、立ち上がった。そしてザクに背を向け、一言。
「機体を修復したならばすぐに飛騨の山に向かうが良い。貴様にふさわしい相手が待っているであろう」
同じ頃。一組のカップルが飛騨山中を登っていた。
女の方は黒い長髪、タートルネックの半袖にジーンズという姿。特に美人でもない無い凡な女である。
しかし、男の方は奇異な容貌であった。服装は動きやすそうなシャツにズボン。
だがその顔は、どう見ても絶対安静を命じられるべき病人のそれである。運動とは縁遠い。
露出している皮膚全体に紫斑が浮かび上がっており、頬骨は突出し、体全体が痩せ細っている。
病によるものではない。おそらくは、毒物。
「……ただでさえ死んじゃいそうなのに……どうして……」
「この山の上に薬草に詳しい人がいる。もう、俺の希望はあの人だけなんだ」
女、梢江の眼にほのかに涙が浮かぶ。
「バキくん……死んじゃうよ」
バキは答えず顔を上げ、山道の先を見据えた。
続く
>>566 見ました! 外伝さん、本当ぉ〜に知識も芸風も広いですねぇえぇ。
あちらにもこちらにも、外伝さんの作品を待ってる読者が
たくさんいるのですから、(プレッシャーも重いでしょうが)
これからも頑張って下さいっっ!
>>パオさん
作品のクオリティ優先ですから、どうか焦らずに……などと、
担当編集さんのような言葉を吐く私。待ってますよぅ。
>>576 まこと、その通りに御座いますな。豊臣の将・木村重成曰く、
「礼を知らぬ者は人に非ず、蝿も同然である。されど、蝿を無礼と
叱る者はいない。まして、蝿と競い合うなど武士の行いではない」
……とか。
外伝マジですげー
ドラえもん嫌いなオレを感動させよったわ!
外伝のせいで、ザク、スルーされまくりだな。
マロン名無しさんの糞レス面白過ぎ!!
糞レス職人さんこれからも頑張ってください
外伝がドラヲタだったとは意外
外伝さんの作品が素晴らしいのは認めるけど、あっちの作品はあっちで評価しようよ。
幾らなんでもザクVSさんに失礼だろ。ここを潰したいのか?
俺は長官スレとこのスレの掛け持ち名無しなんだが・・・
222が外伝だとは思わなかった。
こことあっちでSS書いてる上に、この投稿率は立派の一言に尽きる。
これからも頑張って下さい。
>>586 死刑囚編の時のパオは毎日掲載、しかも今より1回の量も多かったんだが。
俺はパオのファンだ。だがファンゆえに言わせてもらう。
サ ボ り す ぎ
まあトモもヤムスレとの掛け持ちなんだがな。
あっちを見ればわかるが。
しかも同じ日に両方長文投稿することもあるし。
頑張ってるところがまたいいな。外伝もトモも。
>>587 バカみたいに半年、毎日書き続けてきた反動が来たんだよ。
許してやれ。ボランティアで書いてくれている以上、強制は出来ない。
>>589 社会人にしては暇すぎだよな
ヒッキー説や無職説は案外正しいのかも
>>591 半年間無職で、最近また就職したんじゃないの?
どうでもいいけど早く復帰せいよ、パオ。
外伝氏は確かに面白いけど、パオがこのスレにいないと寂しい。
タマちゃんみたいなもんだ。
>>592 周囲でわめく奴らがいるって意味でもな(藁
594 :
592:03/07/29 23:23 ID:???
>>593 上手いなw
まあ、現在の技量は外伝氏の方が上かも知れないが、
(外伝氏は上がってるがパオは下がってる気が。これはあくまで俺の主観)
存在感は奴に適うヤツはいないな。良い意味でも、悪い意味でも。
でも、外伝「氏」なのにパオは呼び捨てになるのは何故だろう。俺だけか?
>>579 つづくのかよw
バキ、ホントに死んじゃうYO!
ザク、いつか黄金聖闘士とも闘ってくれ。
ザク如きに塾長が負けたらココ終わってたな
まあ勝ってよかった
597 :
マロン名無しさん:03/07/29 23:36 ID:NefnXBqx
>>594 職人としての格の違い
ってのは嘘で
パオは前科アリの職人って感じだが、外伝は高級感漂うエリート作家ってイメージだからだろ?
>>596 塾長は最低でもシャア専用ゲルググ位の力はあります。ジオングともタイマン張れます。
>>594 俺も。何故かパオだけ呼び捨てになる。嫌いじゃないんだが。
つーかさ、よく知らんけどガンダムは漫画じゃないだろ?
何考えてんの?
>>598 パオ→安部譲二 外伝→高橋源一郎って感じか?
まあ、知名度はパオは漫画板の中でトップだろうが。いい意味でも、悪い意味でも。
これって荒らしになる?
>>600 漫画もあるよ。無知は恐いな、恥ずかしいな。
>>602 ハイハイ、ガンダム知識なんぞ欲しくもないのでどうでもいいです
一生ガンダムを愛し続けて下さい
>>602 相手にするな。
>>601 パオ→安部譲二 ワラタ。
確かにしっくりくるな。俺はパオの全盛期は辞典の時と思う。
あの時の狂いっぷりは凄かった。その頃からファンだ。
今は紳士過ぎ。もっと狂って欲しい。いや、マジで。
>>603 どうでもいいなら最初ッから突っ込まない。
ガンダムなぞどうでもいいが最近はガンオタより
アンチの反射レスが凄まじくて辟易してるんだが。
こっちから見たら
ガンダムネタに反応するガンオタ=ガンダムネタに反応するアンチ
どっちもどっちでウザイ。
>>605 無知な私はガンダムはアニメだけのもの、と思いアニメのキャラはスレ違いだろうと思い指摘しただけですよ
まあ、
>>603のオタク君曰く「ガンダムは漫画もある」そうなので、ザクはアリなんでしょうね
知識が広いというコトは羨ましいコトですな
スレ違いだと思ったんなら指摘するのはわかるよ、うん。
でも
>>603のレス内容は変だろう。
>>600のレスも偉そうだけど。
ガンダムはアニメじゃないのか?
で済むのに「何考えてるの?」とか挑発的な分くっつけるから
>>602みたいなレスが返ってくるんだろう。
偉そうな態度はどっこいどっこいだと思うが。
まぁ俺のレスも偉そうだけどな。
>>598 >>601 いくらなんでも失礼だろ。性格はともかく、パオさんの功績はマロン板では大きいんだから。
新手の荒らしか?
>>607 冷静かつ的確な分析ありがとうございます
最後の自虐的な部分が、いかにも「俺は自分を客観視ですよ」と言いたげで大変素晴らしい
これからもガンダムを愛し続けて下さい
みんな落ち着け
>>590 それは自分で確かめてくれ
勝手に言うのはよくないかと
格 パオ>外伝 技量 パオ<外伝 実績 パオ>外伝
やる気 パオ<外伝 知名度 パオ>外伝 人間性 パオ<外伝
3対3か。好勝負だな。肝心のパオが止めそうだけど。
>>612 格なんて抽象的なもの、人ぞれぞれだろう「態度のデカさ」ならそうかもしれん
実績も所詮過去のものだし、長官スレの一件で外伝氏はパオに追いついたと思う
知名度はパオはコテハンだが、外伝はここだけだし
パオは辞典があるからな。このスレより実績的には重いと思う。
ま、こういうのは止めようや。
パオが戻らなくなったり外伝が来なくなったりしたら困る。
ガンダムも止めろや。
外伝、長官スレに降臨してましたよ
一番優れたSSスレってあそこかもな…
616 :
マロン名無しさん:03/07/30 00:28 ID:4VyUImY1
>>612 そもそもパオ氏と外伝氏では扱っているジャンルが違うから
比較するのもアレだよ。
パオ⇒長期欠場
外伝⇒他スレへ移行
トモ⇒不定期連載
ガンダム⇒まだ看板には力不足
明らかに四天王時代より落ちてるだろ、勢い。ヤムスレの様だ
正直、ヤムスレの様に屍を晒すのもどうかと思うな。(住人ゴメン)
パオがやる気なしで書かない、外伝の柳が終了、ならスレで終了もいいかもな。
高みのままで。各職人さんは他でも書く場所あるんだし。
ま、職人さんの決める事ですがね。
でもパオはこのスレの1の責任上、最後を見取る責任があると思う。
このスレ、もしくは次スレで終わりそうだな、本当に…
パオが復活するか、外伝が引っ張るか、トモが頑張るか、ガンダムが成長するか
それとも新しい職人が降臨するか。
どれも可能性が低そうだ…
ときどき出てくる比較・格付け厨がうるせえから
職人も書く気無くしちまったんじゃねえの?
煽りじゃねーけどパオに功績なんてねーだろ。
辞典スレでは叩かれまくりだったし
功績というか、実力はあったと思うよ、
実際、死刑囚編は盛り上がってたし。
で、死刑囚編全部通して読んだけど面白かった。
でもパオさん、荒しに過敏すぎだと思った。ちょっとした意味不明文でも躍起になってたようだし。
それでなくても、「クイズ正解の方にご希望のバトルを書いてさしあげます」とかもともとリレーする気ないのに
リレーとか言ってたし。
そこまで電波に振舞うならば荒しに負けないでほしかった
一晩寝て起きたらちょっと怖い流れになってるな。
↓はあくまでもパオ、外伝、トモのおまけ程度にしかならんものだから、みんなできれば頑張って欲しい。
でも、外伝さんは他スレでマンセーされる味を占めちゃったからここにはもう戻る必要がないかもしれない・・・
パオさんの場合、連載が空きすぎたこともあって復帰しづらいんかな
飛騨を登ったバキ、梢江の二人は夜叉猿jrの住む洞窟へと向かった。
洞窟内には高度に発達した猿のものと思われる骨、いや、遺骨が両壁にずらりと並べ立てられている。
ここの主である夜叉猿の一族には埋葬という高度な文化的慣習が受け継がれているらしい。
「ここで交わした約束……『もう誰にも負けない』……って」
遺骨を前に発したバキの言葉が深く静かに洞窟の中に響き渡り、徐々に遠ざかり、ふっと消える。
「いったい今日まで……幾度負けたことか……」
澄んだ水面に一粒の水滴を落とすように、ただその一言が波紋を広げた。
「そして今……最も深刻な、最も大きな敗北を喫しようとしている」
毒。暗器使い柳龍光の武器、毒手によりバキは致死的なダメージを受けていた。
既に治療が及ばぬ程に症状は進行し、実際のところ、今はただ死を待つ他無い。
だが死ぬわけにはいかない。俺は、まだ……
洞窟に差し込む光が何者かに遮られたのをバキは感じ、洞窟入り口へと目を向けた。
「ア……」
梢江は不思議そうにバキの顔をみつめる。
「ごぶさた……夜叉猿」
振り返った梢江が悲鳴を上げた。自分の背後に体長2m強の大猿が立っていたのだから無理も無い。
「忘れたのかい梢江……彼は最大トーナメントの出場選手だよ」
梢江は首を左右にぶんぶん振る。梢江が驚いたのは夜叉猿jrの登場によるものではないらしい。
「違うッッ!!……アレ……」
梢江が指差したのは夜叉猿のさらに後ろ。何故バキは気付かなかったのであろうか?
洞窟の外は闇に包まれていた。その中心に、桃色の月が浮かんでいる。
闇夜ではない。それは、洞窟の中を覗き込んでいるザクの眼であった。
「……ザ……ク……?」
バキがぽつりとこぼした。
唐突にザクの顔が引っ込み、昼の明るさが洞窟に戻る。二人はまだ奇妙な超現実感に囚われていた。
と、次の瞬間。ザクの節目だらけの右手が遺骨をなぎ倒しながら洞窟内に突っ込んできた。
「こず……ッッ!!」
バキが梢江の名を叫ぶより先に、壁を削りながらザクの手は洞窟の奥まで到達した。
轟音と共に洞窟は崩壊。少しの間を空け、ザクは瓦礫をこぼしながら右手をゆっくり引き抜いた。
逃げる機会すら与えぬ電光石火の奇襲。ザクは不意打ちにさえ手を抜かなかった。
が、不意打ちとはいえ、バキは江田島塾長御推薦の戦士である。これ位で死ぬ様なタマではなかろう。
でなければ“こんな姿”をしてまで来た価値が無い。私の期待を裏切るなよ、ニッポンのファイターよ。
そう考えたかどうかは不明だが、ザクはその単眼をぎょろりと下に向けた。
そこにはバキと梢江を片腕ずつに抱えた夜叉猿jrの姿があった。人外の素早さあっての脱出。
しかし夜叉猿jrの右肩からは出血が見える。瓦礫の落下による負傷であることは想像するに難くない。
バキの無事を確認したザクは、早速素手の諸手を掲げ、格闘技者のような構えを取った。
腕から降ろされたバキは、まず夜叉猿jrの怪我を気遣い、次にザクを睨んだ。
「てめぇ……」
が、バキの怒りもザクの全身像を目にした驚きにより消し飛んでしまう。
(なん〜〜〜〜ザクタンクじゃねぇか……ッッ!!)
ザクの下半身、本来足のあるべき場所を、戦車のようなキャタピラが占めていた。
塾長が両足を失ったザクに男塾軍事教練用の戦車を提供し、それを材料に突貫修理したのだ。
それ程までに、ザクはバキとの対戦を待ちきれなかったのであろう。
「……そうか。アンタ、俺と闘り合うために……わざわざこんなとこまで来てくれたのか……」
ザクの心情を読み取ったかのように、バキは右脚を引き、両腕を胸の前まで上げ、戦闘態勢を取る。
「闘っちゃダメ……闘っちゃダメェェェ〜〜〜ッッ!!」
「すまない梢江」
泣き叫ぶ梢江にバキは静かに答えた。
「嬉しいんだ、俺は。闘えるのがッッ!やっぱ俺は、格闘戦士(グラップラー)なんだなッッ!!」
「あの、塾長。お言葉ですが……範馬刃牙にザクをぶつけるのは時期早かと」
塾長室に戻った江田島の下を訪ねたのは、男塾古参の教官の一人、鬼ヒゲだった。
「聞くところによるとあのザクとやら、アフガンにて『地上最強の生物』と名高いかの戦士、範馬勇次郎と
交戦したという噂ではありませんか!しかも勝てぬまでも、現にああして生き残っている程の兵!」
鬼ヒゲは黙り込んだ。そして、どうにか一言反論する。
「本官には塾長のお心が分かりません。何故このような一方的な虐殺を黙認するのか……」
「ふ、まるで刃牙の敗北が決まりきっているかのような言い草だな」
塾長は茶を啜り、その巨きな碗を机に置いた。
「確かに今の弱りきった刃牙にザクはちと荷の勝ちすぎる相手かもしれん。だが、これは試練である。
刃牙もそろそろ気付いておるはずだ。死に打ち勝つには、果たして何をせねばならんのか」
拳を胸前に構えた刃牙と、それを向かいいれるように両腕を大きく広げたザク。
対峙する超雄二人を見守るのは、梢江と夜叉猿Jrだけでは無かった。
戦場からさほど遠くない位置に生える、他の木々より僅かに丈の高い松の木。その枝に一人の男が
立っている。燃えるように逆立つ赤毛の、隆々と発達した筋肉を持つ異形。
擂台祭へと向かう途にある範馬勇次郎である。
「江田島の親父め……余計なことをッッ!!」
勇次郎は手を添えていた松の幹を握りつぶした。
後編へ続く
>>624 もう戻る必要がないかもしれない
↓
もう戻る必要がないのかもしれない
パオは2ちゃん初心者丸出しだからな。相変わらず。
荒らしをスルー出来ない、未だに。
でも、SSの実力は凄く高いから(辞典の時から面白かったと思う)
余計目立って叩かれる。で、本人またデンパな反応してまた叩かれる。
いつまでもその繰り返し。勿体無い。
最近少し良くなったというか、来なくなっただけか。
あれだけ叩かれ、スレの荒れる原因になったにもかかわらず
今の小説を完結させたら、俺は尊敬する。
632 :
マロン名無しさん:03/07/30 18:25 ID:azAlXdF+
>>622 まあ、あの時のパオさんは酷かったけど
スレを立てた事と、沢山ネタを書いていた事は評価できると思うよ
>>631 小説など、文字で構成されるネタの事だと思う
もう書く意味無いっぽいね。誰にも読まれんし。つまらんのだからしょうがないか。
もう辞めとく。
635 :
マロン名無しさん:03/07/30 19:31 ID:6XHjEO6P
>>634 読んでる読んでる。俺はおもしろいと思うのだが。
636 :
_:03/07/30 19:35 ID:???
>>565 乙です
>>631 ショートショート、ショートストーリー、
サイドストーリー、セカンドストーリー等の略らしい
>>634 煽りじゃないが、635みたいな反応を期待しているんだろって書くと怒られそうだが。
そういう香具師大杉
>>634 失せろ。ここはお前程度の文章力の人間が来ていい場所じゃない。
「辞めとく」とか言ってまた来たら笑えるなw
>>639 ぜんぜん笑えないが・・・。
それより634のほうが笑える。
ザク叩き気味な雰囲気になってるんで便乗。
もう来なくていいよ、マジで。
ここじゃなくてもSS(っぽいもの)は書けるだろうし、そもそもここはパオ&外伝専用スレだ。
ここでつまらんもの書くくらいなら他んとこ言ってオナニーした方がお前の為だ。
まあ、そもそもお前の書いたものなんて読んじゃいないんだが。
まぁ便乗もなにも639=641なのだが・・・。
なんでザクが叩かれてるの?
>ザクタンクじゃねぇか……ッッ!!
には笑ったんだが
>>643 バキスレもヤムスレもおなじやつが荒らしまわってるだけだよ。
一人だけ。
追加:不良スレもね。文体がおなじ。っつーか出現時間も同じ。
普通に面白いとは思うんだが、ガンダムネタってのがネックなのかもしれんな
あと、ここで書かれるSSには過大な期待がされるから余程凄いのじゃなきゃ感想はつかんだろ
外伝が別スレで名作書いたのも関係してるな多分 そっちに注目がいって誰も読む気なんか出るはず無い
まぁ、どっちにしろザクの人はもう来ないだろうな 叩きとスルーばっかで気に喰わんのだろう
どっか別の所でSS書いて新しいことやったほうが楽しいと思うよ
>ザクの人
漏れはザクは楽しみにしてたんだがな。タンクは爆笑したし。
だが、確かにもうここには来ない方がいいかも。
このスレにいてもモチベーションが下がるだけだろうしな。
他のスレに行って書いた方が余程評価もあるし達成感もあるだろう。
誰もいないところで発起してくれたアンタの心意気もわからん阿呆のために
わざわざ叩かれながらここで書く必要は無いよ。
ついでに言うと新参の人もココでは書かない方がいいだろうな。
自分では何もせずに人を貶す事だけはいっちょ前のクズ読者が多いから。
で、他に移る時は移るスレを教えてくれ。
俺は読みに行くからさ。
649 :
647:03/07/30 21:04 ID:???
650 :
646:03/07/30 21:05 ID:???
ふつつか者ですが
>>ザクさん
すみません、昨夜は書き込みのタイミングのせいで、何だか失礼な
形になってしまいました。改めて、↓
>>塾長戦
うん、他の方も言っておられましたが、塾長ならこれぐらいして
くれないと。相手がラオウであれU次郎であれザクであれ、塾長が
負けるところなんて想像できませんよね〜。ということで満足です♪
>>バキ戦
鬼ヒゲがザクを持ち上げてる(?)のが笑えます。時期が早い
とか何とかいう問題ではないだろっ、と。
にしても、刃牙がこんなにまともに扱われたのは、パオさんズ
死刑囚編以来ですね。……それで、どれだけの人数が喜んでいる
かは不明ですケド。
>>それから
パオさんよりも外伝さんよりもトモさんよりも、ザクさんの
作品が好き、って人もいると思いますよ。その三人とも、また
VSさんや夜王さんとも、違う路線なんですし。
少なくとも私は、今書かれている他の方々と同じくらいには
楽しんでいます。先を読みたいと思っています。
ですから、書いて欲しいです。
もし、お引越しされるのでしたら必ずや移転先をお教え下さいっっ。
……あと、できればお名前を。ザク編が終わった後、
次の作品の時に困りますので。
653 :
パオ ◆gLeDrnBElE :03/07/30 21:25 ID:RhR7KTae
ふら〜りさんは相変わらず紳士だなぁ。ありがとうございます、いつも。
正直、ここが荒れた責任の一端は(と言うより、かなりの部分で)私にあるので
余り言えないけど。この雰囲気じゃ書けないよ、普通の人間は。
外伝さんみたいな実力者が、いつまでもこんな状態の所にいてはいけないと思うし。
私も正直、謝罪文以来何度かマンキで書こうとしたけど、やっぱ無理だった。
内容は頭の中にあるんだけどね。タイピングする気力が無い。手が動かない。
でもやっぱりこのスレに愛着あるんだよね。捨てきれないと言うか、消えられない。
消えるならば、今のネタ完結させて、スッキリと身を引く態勢にしたい。
えらそうな言い方だけど(すみません)このスレは大丈夫、と確信した状態で消えたい。
でも残念ながら、今は逆に私がいると荒れる状態。身から出たサビですがね。
とりあえず、明日は書きます。逆に、明日私のネタが1レスも上がってなかったら、
今度こそ私は消えた、と思って下さい。
明日までに、このスレにとって私がどのような行動をとるのが最善か考えますんで。
>>ザクの人
他のスレで書く予定があるなら是非移転先も書いてくれるとありがたいです。
見に行くよ。
つか結局ヤムスレと同じ流れなのな。
一部職人の頑張ってただけで、住民の質に差が見つからんぞ。
職人でもない人が変な風潮作っておしまい。
このスレ初めから見ているが、書き込むのは初めてだ。
どうしても一言言いたいから。
パオもザクの人も、せめて今の話を完結させてくれ。
作品の評価云々は、他の人の手前敢えてしない。
気の利いた応援なんかもしない。
けど、ずっと読んでるんだ。とりあえずけじめは付けてくれ。
他のヤツなんかどうでもいいから。
完結した後は、正直こっちの知った事じゃない。好きにすればいい。
興味があるのは、職人個人ではなく、その作品。
だから、今書いてる作品だけは、きちんとしてやってくれ。
下手な文章でゴメン。
>>654 2ちゃんで住民の質を求めるのは厳しいと思うよ。
ほんの少しの荒らしが、さも住民の総意のように暴れ回る。
最初からsage進行でいくべきだったね。
>>654 はげど。
作者はがんばってると思う。自己満足だオナニーだ言われるけどね。
でも住民側は言いたいこと言って、作者が言うと人格がどーの精神年齢が低いだの言いたいことほざきまくり。
小説うpきぼんとか言うくせに作品が来てもスルーってのも多いし。
>>パオさん
サイトたちあげてくれたら行くのになぁ・・・。
そしたら荒しも規制できるし。
でもコンピューターは買わない主義なんだよね。
考えてくださいよ。力はあるんだしさ
>>655様
>>657様
分かりました。でも本当に長くなるよ。週2でも年内一杯はかかりそう。
止めようと思ったとき、ラストまでのフローを作ってゾッとした。
でも、総帥対朧やバキ対九十九など、個人的に書きたい対決があるので頑張ります。
ただ、今の私の事情から行くと週3が限度なのだ。来週からせめて週2はノルマにするが、
ご了承頂きたい。また宜しくお願いします。これから謙虚にいきますんで・・・
あ、トリップ付け忘れた。
>>658は私です。
明日は書きます。
魔界編とは関係無いけど、男塾対北斗と九十九対勇次郎も書かねばいかんなあ。
内容は決まってるんだが。ま、私はバトルしか書けないんで、それに特化します。
660 :
655:03/07/30 22:04 ID:???
“様”なんていらない。どうせこっちも勝手なんだから。
俺は長くてもかまわない。大変だろうけど、まず自分の生活優先で、でもがんばってくれよ。
まぁ、今後もいちいち応援のレスなんか付けないけどね。
まあ、色々あるだろうけど気楽に頑張って下さい。
パオ氏並びに職人の皆様方。
ところで次スレはそろそろ?
ガンダムオモロイ
>瓦礫の落下による負傷であることは想像するに難くない。
この言い回しに不自然を感じたが
ガンガレガンダムネタ。ガンダム出てないけど(笑。
パイロットじゃなくてMSが意志を持って戦うのは面白いぞー。
なんて言うかさ、ドラスレ(長官スレ?)とここじゃあ住人の質が違いすぎるんだよな。
向こうは「皆でスレを盛り上げようとする雰囲気」みたいなのがある。
外伝が戻ってこなかったとしても当然だと思うよ。
>>664 範囲の差だろ?
あっちはドラえもんの、しかも映画の、しかも一キャラ
こっちは無制限
いや、でもこっちは明らかに雰囲気良くないだろ。
>>ザクの人
よそへ移るなら、アニメサロン板のSSスレはどうだろうか。
あそこ人材不足だし、ガンダムネタも問題無いと思われるが。
外伝はあっちに安住してしまう気がする
一度施しを受けた者には獣はやってゆけまい・・・
俺はザクに期待するよ
新撰組、続きマジで期待
ヤムスレとの掛け持ちでもいいからさ
670 :
554:03/07/31 01:19 ID:???
乙。
前のサイトの管理人さんは何も言わずに逃げていってしまったのか
>>668 >一度施しを受けた者には獣はやってゆけまい・・・
それだと外伝がヘタレみたいな言い方じゃねーか。
職人を叩くようなこのスレのあり方の方が異常なんだよ。
外伝氏よ、こんな礼儀知らずしかいないスレに義理を通す必要なんてねーぞ。
2chで評価とか喝采とか求めんなよって気もするが。
誰もがネタを垂れ流すが感想や評価は誰も書かない。
すべてのレスがプッと吹き出させるようなネタばかりってのが俺が初めて見たころの2chだったからなあ。
今は恐ろしく普通のサイトだよな。やり取りが。
とりあえず、2chのSSサイトは一人の荒しでつぶれることは証明されたな。
荒しでなくてもスルーはけっこう残酷だったりする。
>>672 何かしつこいね・・。
675 :
麿:03/07/31 08:08 ID:QwXsAJSS
ほれ、もっとマロを楽しませぬか!
676 :
忍者:03/07/31 08:11 ID:???
拙者も 拙者も。
とりあえず、生きていてもクソを垂れ流すしか能の無い荒らしの言う事なんか気にしなくていいのに。
外伝氏の続きが読みたくて仕方ないです。
ま、管理人のひろゆき自体が初期に荒らしや自演をしていたから仕方ないな。
2ちゃんねるにもルールはあるなんて、ひろゆき自体の行動が否定してるんだから。
ただ、それでもモラルはあると信じたい。
パオ・外伝・トモ・ザク、その他の職人さん方、頑張って下さい。
雰囲気悪いのは一部のやつのせい。
住人も職人も無視しなよ
今日パオが来なかったらここも終わりか・・・
ageとくよ
保守しないとあぶない
パオ来てYO!Canon!
スレが終わるかもしれんって時に限ってただの名無し一人しかいないのな・・・
さて、もうちっと待ってみるか。一人で
684 :
8:03/07/31 20:55 ID:VkxML2JD
@新作@新作@新作@新作@新作@新作@新作@新作@新作@新作@新作@
////////////////////////////////////////////////////////////////
無修正DVD 人気爆発新作ベスト5入荷
白石ひより SNAPSHOT 岡崎美女 POISON 宝来みゆき パンドラ
持月真由 水中SEXのAQUASEX 超売れ筋 無修正DVDなら 新宿歌舞伎町直送
店頭販売の売れ筋のみ厳選してみました 安心の後払い
http://no1.to/first 白石ひとみ 小森詩 山田まり 長瀬愛
@@ 及川奈央 レジェンド @@ 堤さやか 東京バーチャル 依然大好評
http://fry.to/first サンプル画像充実 見る価値あり 最高画質
///////////////////////////////////////////////////////////////
685 :
マロン名無しさん:03/07/31 20:56 ID:CJwqeU+D
パオ来いage
686 :
ふら〜り:03/07/31 22:21 ID:MVnIq2HH
揚げます。
687 :
_:03/07/31 22:21 ID:???
サーカス団の5歳児が武神に夢を見させた。
今、愚地独歩は寝ても覚めても同じ夢を見ている。
妻夏江が子供を産めない体とわかった時、神心会後継者はあきらめた。
「うちの門下生、できは悪いが俺とお前の子供だ。」
妻との晩酌でそう慰めあった。
しかし夢を見てしまった。「愚地」克己が空手を完成させる。
ライオン使いの親は養子の申し出に決して首を縦に振らなかった。
空手の練習だけでもと願い出たが同じ結果だった。
「あの才能が埋もれるのか?」
愚地独歩はまだ夢を見ている。
神心会門下生は全国どこにでもいる。
ライオンが少し元気になる薬を射ってもらえばいい。
夏江にも二人の子供、克己を見てもらおう。
>>688 リアルタイムで書いてる?
メモ帳に書いていっきに貼ってくれたほうがうれしい。つうかそうしてくれ
>>689 確かにメモ帳使わず直に書いてますが、688はあれで終わりです(w
>>668 こういうの好き。
続きにはげしく期待。
悪役独歩かw
どういう展開になるか期待
>>653 >明日までに、このスレにとって私がどのような行動をとるのが最善か考えますんで。
遅レスですが、最善も何も、続けて頂いた方が嬉しいですよ。
でも、今日来ないということは…
考えたくない。
普通に考えて、
>>688がパオだろ?
文章も巧いし、名無しなのは一からやり直すという意味では
パオさんも忙しいんでしょう。気持ちはよ〜く分かる。
私も忙しい。もうホントに背骨がQの字に反るほど忙しい。
35号のウソバレ書く暇もないです。
まあ、パオさんも一息ついたら書いてくれると思いますよ。
忙しいなら忙しいで、「明日」とか「週2回ペース」とか書かなきゃいいのに。
いっそのこと「続きは半年後に」ツー方が、期待しなくて済むわ。
外伝様ももう来ないのかなあ…
空道の描写(技の名前とか)、すげえ好きだったんだが。
垣原は実際の柳を見たら、どう思うのだろう。
「待っていた…お前みたいな…」になるんだろうか?
>>697 別スレでは、順調に連載してますよ
こんなスラム街じゃあ連載できないだろ
俺はドラえもん嫌いだから向こうへはいかんが
常駐しないって意味ね
ROMったら外電らしき人がちゃんと書いてた
>>695 今週は無いんですか?
残念。ひまになったら是非とも書いてくださいませ。
とりあえず、パオは「カキコしてくれたらラッキー」くらいだと思おう
外伝は消えたが、ザクと克己の新鋭がいるし
こ こ か ら が 本 番 で す
702 :
マロン名無しさん:03/08/01 01:03 ID:WEiztZn2
電波はコテハンが無いから普通のレスをされるとわかりづらい
703 :
298の続き(21話):03/08/01 01:09 ID:hZ6uYeCL
サラリーマン金太郎 対 島 耕作の交渉対決。 ・・この下らない対決を前に、萎えまくる人間界精鋭部隊。
「フハハ・・。四の五のは言わんわ!! この世界最高の人格者であるこの私の・・信頼を勝ち得てみろ!!」
雄山が相変わらず吼えている。それに呼応して金太郎が吠える。 「うおおおッ、やるっすッ!!」
一方ヤリチンネゴシェイター、島はプレゼンの準備に取り掛かる。テーマは雄山の琴線を見事に触れるものだ。
【偉大なる海原 雄山氏マンセー・世界へはばたく為に】。 ・・雄山はそのプロジェクトネームに深くうなづく。
見事な島の「つかみ」である。なにせ根拠なく、自分が世界一偉いと思っている男である。「おだて」に弱い。
取り込み詐欺師の様に、滑らかに流れる島のトーク。勿論全て、雄山マンセートークである。次第に心の傾く雄山。
「お前のプロジェクト、私の素晴らしさの1億分の1も表現仕切れぬが・・。熱意は勝ってやる、わははは!!」
島のプロジェクトにご満悦の雄山。しかし烈は見逃さなかった。島の笑顔が、一瞬「ケッ」という表情になったのを。
・・だが。この交渉対決、これまで島の圧勝である。サラリーマン金太郎、手も足も出ず。 ・・だがもういい。
もういいやどうでも。滅びちゃえ、人間界。投げやりな精鋭部隊。付き合いきれねえよ、このサル芝居には・・。
だがその時。解説王・本部が一言漏らす。 「この瞬間でも・・死んでるんだろうな、関が原の闘ってる人たち」
がああああああッッ!! ・・良心の呵責からついにトチ狂う烈 海王と剣 桃太郎。 ・・恐るべし、本部以蔵。
たった一言で精鋭2名を「壊す」とは。 ・・彼はまた一歩、雷電の領域へ近付いた。解説対決は近付きつつある。
704 :
703の続き(21話):03/08/01 01:28 ID:hZ6uYeCL
・・だれも期待はしちゃいないが。ところで狂った烈。壁をえぐり抜き、狂った様に「打岩」を行っている。
桃はあちこちに、氣で出来た虎を放っている。迷惑な話だ。 ・・だが。ただ一人、冷静な女神、ニコロビンが言う。
「落ちついて2人とも・・。どんな無意味に思える事象でも、全て必要不可欠な事だと歴史が証明しているわ・・」
その言葉に我に帰る烈と桃。 ・・そうだ、俺たちは人類の未来の為に闘っている。 ・・闘ったっけ、俺たち?
冷静になり、島と金太郎の対決を見守る2人。 ・・既に打岩はツヤツヤと完成し、虎は5匹もうろついていたが。
・・しかし。闘技場(?)では、今まさに雄山が右手を上げようとしていた。勿論、島 耕作の勝ちを宣言する為である。
「待って下さい・・。このプロジェクト、俺に任せてください・・」 急にドスの聞いた声で土下座する金太郎。
ビビる雄山。 「き・・。貴様、この私の決定に意見するとは・・。」 だが元暴走族のヘッド金太郎は怯まない。
「命掛けてるんだ俺はッ!! サラリーマン舐めんじゃねえッ!!」 急に立ち上がり、雄山を蹴り飛ばす金太郎。
涙目の雄山。呆気に取られる島 耕作。 ・・だが金太郎。またも土下座をかます。今度は滂沱の涙を流しながら。
「すみませんっす社長・・。でも俺・・、社長が好きなんす・・。海原社長と一緒に仕事がしたいんッすッ!!」
目の前の光景に立ちくらみを覚える精鋭部隊。魔界へ来て、まさか学芸会を見せられるとは・・。だが雄山は優しく笑う。
「この勝負・・。島、貴様の負けだ」 だが既に島はいない。エリートの島、狂人に付き合いきれなくなり帰りました。
「時代がいくら変わっても、交渉の基本は・・。こころなのだ・・」 心で突っ込む精鋭部隊。雄山、お前が言うな。
ガシッと抱き合う雄山と金太郎。 「社長・・嬉しいっす・・」「貴様の様な男がまだ日本にいるとはな、金太郎・・」
ホモ雑誌のグラビアを飾りそうな美しい抱擁。 ・・七珍の塔、3階突破。だがその頃。最上階に刺客が到着していた。
魔界の幹部の一角、パンタローネである。
705 :
704の続き(22話):03/08/01 02:23 ID:hZ6uYeCL
【第22話 関が原最終戦】
2本の刀が、夕闇近い残光を弾いている。いずれ劣らぬ名刀であり、多くの血をすすった妖刀でもある。
片や、剛刀・斬岩剣。2メートル近い刀身の、斬馬刀の究極形。その刃に斬れぬモノはないだろう。
片や、鬼剣・無限刃。刀身に鮫の歯の様な切れ込みが無数にあり、発火能力を持つ全てを滅する力を秘める。
そしてにらみ合う男たち。 ・・この関が原決戦、人間界と魔界の大将。前田 慶次朗利益と志々雄 真実。
「ボロボロじゃねえか・・さっきの刃風にゃちったぁ驚いたが・・。俺とやり合う資格はあるのかねぇ?」
志々雄は笑う。 ・・満身創痍の慶次と、自分自身の力への絶対の信頼に。慶次。ゆっくりと腕が動く。
志々雄の表情が変わる。一度、納刀した無限刃の鯉口を切る。 ・・慶次が右足を踏み出す。獣へと変わる。
・・まるでネコ科の猛獣の様に、しなやかに間合いを詰める慶次。速い。その巨体から信じられぬ速度。
しかし志々雄の余裕は変わらない。慶次の斬岩剣が空間を断つ。 ブン。 剛刀一閃。風が走る。
だが目標の志々雄は既に。後ろへ大きく飛び退いている。人間離れした慶次の踏み込むより、更に速い証拠。
「遅えなあ、てめえに俺とサシで闘る資格はねえッ」 志々雄は再度笑う。だが次の瞬間、彼の左手に。
(痛ッ・・) 鋭痛が駆け抜ける志々雄。 ・・慶次と志々雄の間合いは、現在5メートル程である。
その丁度、中間の所。つまり今、慶次と志々雄が切り結んだ場所。 ・・舞っている。志々雄 真実の左小指が。
706 :
705の続き(22話):03/08/01 02:24 ID:hZ6uYeCL
「・・なるほどな」 ポトリ。志々雄の小指が地に落ちる。再度睨み合う2人。慶次が初めて口を開く。
「志々雄・・、石松殿と、花山殿・・。あれほどの傷でなければ、貴様などに敗れる事は無かった・・」
志々雄。心底楽しそうに笑う。 「強けりゃ生き、弱けりゃあ死ぬ・・。弱えんだよ、あいつらは・・」
慶次から表情が消えている。「かぶき者」の彼は今ここには、もういない。いるのは純粋な「いくさ人」。
志々雄はゆっくりと関が原の戦場を見渡す。累々たる魔物の屍。無数のケガ人。 「良いな、最高だぜ・・」
慶次をまた見据える。ニヤリ、と薄ら笑いを浮かべ、ゆっくりと開戦の言葉を告げる。
「この最高の舞台で・・。俺とてめえ、人斬りといくさ人・・。決着を付けようや・・。全てを賭けて」
「・・いいだろう」 うなづく慶次。 ・・ついに。関が原最終決戦、開始。
そして。初めて志々雄から踏み込み、切り裂く様な声で叫ぶ。 「シャアアアッ!! いくぜ、前田慶次!!」
707 :
パオ ◆gLeDrnBElE :03/08/01 02:30 ID:hZ6uYeCL
遅れてすみません。早い話、夜10時くらいにマンキに着いたのだが、ネット席が満席だった。
12時半まで待ってやっと空いた。ファック。後、688さんは私ではありません。頑張って下さいね。
外伝さんは戻ってこられると思うけどな。あれだけ書き込んで、そのまま捨てるとは考え辛い。
荒らし沈静化を待っておられるのでしょう。もしくは、次スレからとか。そろそろ立てなくては。
ま、の〜んびりやります。期待はほんの少しだけ、して頂ければ。では。
708 :
マロン名無しさん:03/08/01 02:31 ID:8X636IOU
関ヶ原最終決戦、いいね
710 :
マロン名無しさん:03/08/01 04:21 ID:PuX0+vFF
m
キターーーー
キタじゃねぇかァあっぁぁぁぁぁxzぁxxcfdfkl!!
心配させてくれちゃって!!もう!!
そう、のんびりでいいですから続けてください。これでスレも安泰じゃ
あとは外伝&トモの再臨待ちか
新スレはまだ大丈夫だと思います
今286KB
SSの順位付けがしたい人は新しくスレを作ってみたらどうか?
それならどのスレも荒れる事がなくなって良いと思う
「アレはまるで使えない。」
克巳12歳に対して独歩の評価である。
空手の歴史を塗り替えはじめている少年に、
これは手厳しく感じる。
が、克巳は優し過ぎた。決して気が弱いわけではない。
その胆力には誰もが一目置いていた。
ただ、殺し合いに必要なものがごっそりと欠けていた。
克巳に稽古をつける独歩の暗たんとした表情は、
周囲の目からも明らかなものとなった。
父が殺された時、拳を握らなかった子供に何を期待していたのだ。
目ん玉えぐり、キン玉潰して、喉を突く…
無能の加藤でさえよく理解している。
ルールに守られている克己は自分より強くなるだろう。
しかし、そんなことのために克己を手に入れたのではない。
地下闘技場で克巳の空手は通用しない。空手は世界一にならない。
「いっそ父親の死について全てを話しちまうか?」
717 :
マロン名無しさん:03/08/01 17:11 ID:W49wlMOj
レスねぇな夏休みなのに
>>716 やばい、マジで面白い
ブチ切れた克己が独歩の命を狙うのか?
はたまた大人になった後、親父の敵を討つのか?
王道としては、コレを機に克己が甘さを捨てるコトになりそうだ
キャオラッッッ
組み合わせ表を見よ!と実況が上方を指差した。天井から吊るされた
2つの物体は、明らかに人間の形に膨らんでいた。ぶ厚い幕が取り払われると
血まみれで猿ぐつわ姿の烈海王と、こちらは無傷のチンパンジー。烈の腹には
「陳海王」、チンパンジーには「範馬勇次郎」と、それぞれ書かれている。
クレーン台で2人に横付けした男が青龍刀をロープにあてがって、カメラ目線で
舌を出した。どうやら、敗者の名前が書かれた方のロープが切られるらしい。
烈の下には竹槍、チンパンジーの下には納豆の山。どちらも落ちれば無事ではすまない。
陳海王は頭を抱えた。優勝を誓って参戦した陳だが、実は烈のことが死ぬほど
大嫌いだった。自分が勝てば烈は死なない、烈を殺したら優勝できない。
陳と烈との因縁は、誕生時から始まる。逆子の陳と担当医が悪戦苦闘中の
分娩室で、突然マフィアの銃撃戦が始まった。心ゆくまで撃ち合って
風のように去っていった後に残されたのは、おびただしい弾痕と小さなゆりかご。
赤ん坊に添えられた手紙には「この子をよろしくお願いします。ボス」
これが烈であった。こんな派手な登場をされては、逆子だろうが水子だろうが
陳に勝ち目はない。事実、医師の注目は完全に烈に移行した。存在を忘れられた陳が
自力で産道から這い出したのは、それから20時間後のことである。
小中高大学。陳の行く先には常に烈がいた。しかも狙いすましたように
陳のプライドを砕いていく。陳がバイクで登校すれば烈は戦車で登校する。
陳がピアス穴を開ければ烈は校庭に穴を掘って、生きた北京原人を発掘して
ヒーローになる。陳が水泳で金メダルを獲得した日の新聞の見出しは
「驚愕!水面を走る男がいた」であった。
幼い頃から続けている拳法も、脱サラで25歳からスタートの烈にいともあっさり
追い越された。烈に対する醜い嫉妬の炎は消えることがないのであった。
優勝か、烈殺害か。地獄のような選択に身もだえする陳が、ついに決断を下した。
がんじがらめに縛られた烈を見上げ、雄叫びをあげた!
「聞け、烈よ!」
その声にビックリした青龍刀男が手元をすべらせた。ロープを切られた烈が
まっ逆さまに墜落して、ブスリという音を立てた。
不幸な事故であった。ま、いいや。気を取り直して、陳vs勇次郎、試合開始!
>>719 陳海王vs烈海王じゃねぇかぁぁぁぁぁwww
つうか何食えばこんなにぶっ飛べるのか分からん。
722 :
706の続き(22話):03/08/01 22:42 ID:AqZsb6gL
志々雄が舞う。その内面の邪悪さと、外見の奇抜さとは裏腹に、空を翔けるような見事な跳躍で。
そして空中で閃き、慶次の頭部を狙う無限刃。 ・・唐竹割り。5メートルの間合いを一瞬で消し去り、
雷の様な速さと鋭さで、まっすぐ慶次を斬り下ろす。 ・・並の剣客・剣豪の類ならば死に至る一刀。
だが慶次は並では無い。驚異的な志々雄の斬り込みを、これもまた驚異的な反応で受け止める。 きぃん。
斬岩剣と無限刃がまるで共鳴を起こしているかの如く、鋭い悲鳴を上げる。 ・・そして志々雄は地に立つ。
「光栄に思いやがれよ・・。俺の方から仕掛けてやるなんて、滅多に無えんだからよ・・」
その言葉。本心からでは無い。志々雄は感じている。慶次のかいなから、脈々と力が噴き上がっているのを。
(面白え・・。ここまでの男は、幕末にもそうはいなかったぜ) ・・今まで侮っていた目の前の男。
その男が、確実に自分に近しき程、強い。地獄から復活してもなお、充たされる事の無かった闘争心。
・・それが、眼前の男によりパンパンに膨れ上がり、爆発寸前の所にある。俺は剣鬼では無い。戦鬼なのだ。
「シャアアアッ!!」 再度咆哮し、慶次に斬り掛かる志々雄。今度は一太刀ではない。連斬である。
慶次。志々雄の怒涛の攻撃に劣勢に陥りつつも、ひとつひとつの攻撃を斬岩剣で打ち払っていく。
だが。慶次は苦しんでいる。 ・・攻撃しては比類なき斬岩剣も、防御に回った場合、弱点をさらけ出す。
刀身が長すぎ、隙が生じやすいのである。 ・・少しずつ、慶次に肉体に切り傷が浮かび上がっていく。
・・志々雄の連斬を、この刀では最早、裁ききれなくなってきているのだ。
(この最終戦・・。俺たちは見届けるだけでいいのか) その男、B・Bは唇を噛み締める。
B・Bだけではない。その隣に、慶次と志々雄の最終決戦を見取る影が更に3つ。男塾2号生筆頭・赤石 剛次。
最強横綱、播磨灘。 ・・そして最後に。既に物言う事の出来ぬ、花山の遺体。 ・・いずれ劣らぬ強者達である。
播磨は一歩前に出ようとするが、何故かその足を進めることが出来ない。鬼の形相で2人をねめつける播磨。
だが、その視線すら撥ね付けるような慶次と志々雄の闘い。 ・・闘いは既に聖域にあり、余人を寄せ付けないのだ。
ルパン終了〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ルパン糞だったね。
>>パオさん
良かったああああぁぁぁぁ……と、安堵の溜息。これで大丈夫♪
しかしパオさんの執筆環境、かなり凄いみたいですね。それでも
こうして書いて下さる。ご苦労様でございますっっ。
関ヶ原と五珍の塔。正直、私は慶次にはさほど思い入れがないので、
最近は塔の方に気持ちが傾いていたのですが……パオさんの技量で
引き戻されました。剣戟、迫力ありますっ!(密かに、播磨を
ちょこちょこ書いて下さってることもポイントだったり。ふっ)
>>神心会異聞さん(仮)(御名前を何卒!)
かつてない、どろどろな雰囲気ですね……しかも好感度において、
おそらく刃牙なんか足の小指の爪にも及ばないであろう独歩で。
思うんですけど、もしこれで、原作にきっちり繋がったら凄い
ですよね。克己は何も知らないまま、独歩を慕い続けているのが
現在とか……あるいは知った上でいろいろあって和解とか……
はたまた刃牙の元々の物語同様、仇討ちの自信がつくまでの間は
修行するつもり、とか……?
さぁ〜、どうなるのかっ! 乞われずとも期待ですっっ!
>>VSさん
お久しぶりです! ……で、相変わらず凄まじい限りですな。むむ。
パオさんの塔での戦いがVSさんっぽいとか思ってましたが、
やはりこうしてみると違いますねぇ。レベルの高低ではなく、
左右が。あるいは前後が。とにかく、生えてるとこが違います。
VSさんの作品を読むと、何だか脳内の普段全然使ってない
ところが刺激されるような、そんな気がします。いえ本当に。
727 :
722の続き(22話):03/08/01 23:26 ID:AqZsb6gL
B・Bが赤石に問う。慶次は勝てるのか、と。 ・・赤石も剣の達人である。技量自体は慶次や志々雄に劣るまい。
そう思ったB・Bが赤石に聞いたのである。 ・・だが赤石は、B・Bの質問と全く別の事を考えていた。
即ち、自分が万全の状態ならば、2人に勝てるか、という事である。
もし。 ・・勝負の世界にもし、はないが、それでも。もし、俺が万全の状態で、なお且つ全く初見の志々雄と闘えば。
つまり、お互いの情報が全く無いまま闘りあえば。 ・・勝つ自信がある。斬岩剣の方が、無限刃より攻撃力が上だからだ。
無論絶対とは言えない。だが少なくとも、先ほどの様な無様を晒す事はない。 ・・あの時、手も足も出なかったのは。
(恐るべき・・見切り、よ) 志々雄 真実の強さの秘密。それは発火能力でも、不死身の肉体でも無い。見切りである。
相手の太刀筋、攻撃のクセなどを一瞬にして見破ってしまう能力。 ・・赤石は対宇水戦にて、太刀筋を志々雄に見られている。
(たった一戦で・・。ならば慶次の剣も) 既に見切られているであろう。 ・・その証拠に、目の前の攻防では。
ぶうん。 ・・慶次の斬岩剣が唸りを上げて志々雄を襲う。だが志々雄は、その剣を普通には決して受けない。何故ならば。
普通にそれを受けると、無限刃ですら斬岩剣と慶次の膂力を止め切れず、剣ごとまっぷたつにされる恐れがあるからである。
志々雄は慶次の剣を受けた刹那、一瞬、横か上に自らの剣を流す。つまり、力をずらしてやっているのだ、慶次の全ての剣撃を。
(涼しい顔をして・・神技を) 赤石の顔に汗が流れる。 ・・天はこの悪魔に、何故こんな神の領域の能力を与えたのか。
(そんな男に勝てるのか慶次・・。人間界の為、この闘い負ける訳には・・) 意を決し闘いに割り入ろうとする赤石。
その時。赤石の前に、見事な鬣の黒馬が現れる。 ・・慶次の愛馬、松風である。松風は大きくいななく。あいつを信じろ、と。
728 :
727の続き(22話):03/08/01 23:47 ID:AqZsb6gL
「強いなあ・・。このままでは勝てんかね」 既に血まみれの慶次が笑う。だが目は獲物を狙うトラの様に光ったまま。
「気に食わねえな、その目は・・。これだけの力の差を見せられてよ」 志々雄の無限刃が炎を帯び、慶次に襲い掛かる。
シュッ。慶次の左腕が走る。 カキィィン。 刃と刃の鍔鳴り。志々雄の秘剣、「焔霊」(ほむらだま)が受け切られる。
「成る程な・・。色々、見せてくれやがる」 慶次。刀身2メートルの斬岩剣と、60cmほどの「脇差し」を構えている。
志々雄は笑う。 「もう少しだけ楽しませてくれそうだ・・その、珍妙な2刀流でよ・・」
一方、魔界では。
作者並みにやる気の無さが目に余る、もう精鋭部隊とは名ばかりの集団が4階に向かっていた。特に烈と桃。精神的にかなり危ない。
常人では見えない物を見てしまう人の様に、目の前の空間に威嚇しまくっている。ヤバい。それに、この階ではどんな対決が・・。
4階のドアをそ〜と開ける。中に入り、辺りを見回す。 ・・あれ? 誰もいないぞ? あのDQN(雄山)はどこ行った? 死んだ?
その時。裏手から、何者かが姿を現す。身構える精鋭部隊。但し烈と桃は、見えない妖精さんと楽しそうにおしゃべりしている。
「すみません。先生は、大事な方とお話中で・・」 ・・現れた男は、雄山の下僕の良三であった。死んだはずとか言うな。
大事な方? ふざけるな、俺より大事な方とはどいつの事だ。暴れ出す烈。ライオンの肉体とカナブンの頭脳を持つ烈 海王である。
あっという間に崩壊する4階。泣き出す良三。 ・・その頃、海原 雄山は。巨大モニターにて、「大事な方」と対面していた。
・・そう。魔界最高権力者、大魔王バーンとである。
729 :
パオ ◆gLeDrnBElE :03/08/01 23:53 ID:AqZsb6gL
土曜か日曜、どっちか書きます。多分。
VSさん書いてくれて嬉しいな。相変わらず「あっち」側の住人だなあ。
あと、パオが個人的にファンなバキスレは俺さん復活してくれないかな。
それからそろそろ次スレをどなたか・・。心を入れ替えて頑張りますんで。
オリックス並に。
(^^)
>>パオさん
最高! 烈の壊れっぷりがいい
ロビンを慕っているという設定はまだ生きてるのかなあ
>>vsさん
サイコーでーす!
まあその、要は毎週バキスレに書いているウソバレを
あちらが少々立て込んでいるようなので、こちらに書いて
しまったという訳です。
色々と書きたいネタはあるんですが、まとまった時間が
まだまだ取れません。みなさん夏を満喫していますか?
パオさん・・・
クライマックスが近い関が原の緊迫感と、魔界の烈たちのハジケっぷりの対比が
素晴らしい。忙しいと思うけど、出来るだけ書いて欲しいなァ
VSさん・・・
新ネタ待ってますよ!楽しみにしてます
外伝さん・トモさん・・・
早く帰ってきてくださ〜い!
734 :
マロン名無しさん:03/08/02 19:03 ID:jb+HbfzG
>>作者並みにやる気の無さが目に余る
笑ったが笑えねえ・・・。止めるなよ。
柳まだ?
736 :
727の続き(23話):03/08/02 23:32 ID:NsAF8H4x
【第23話 転変】
「これはこれはバーン先生、お元気そうで。この海原 雄山、自分の事以上に嬉しく存じます」
巨大モニターに映し出された大魔王バーンの姿。モニター越しでも、その威風がビリビリと伝わってくる。
相手は本物の大物である。雄山の様に自称大物ではない。 ・・流石の最傲慢生物も、大魔王の前では。
指紋が無くなるほど手をこすり合わせ、アムウェイのセールスレディの様なさわやかな笑顔を浮かべている。
・・強い者には徹底して媚びる。その代わり弱い者には、ここぞとばかり威張り散らす。バランス感覚抜群。
だが相手は大魔王バーンである。そんな小手先のヨイショが通ずる相手ではなかった。
「どうなっておる、雄山・・。一人として人間界の刺客は減っておらぬでは無いか・・」
厳かに響くバーンの声。悠久の時を全て恐怖で塗り潰して来た大魔王である。静かさの下に底知れぬ威厳。
・・雄山、正直チビった。ヤバい。やり過ごさねば・・消される。なんとか浮かんでくれ・・起死回生の策。
ポクポクポクポク・・チーン。 ・・閃いた。あの対決なら、誰が助っ人になろうが必ず・・勝てる。
「バーン先生・・。今までの対決は全て余興。次なる5階にて、ヤツらの希望を奪って見せましょう」
バーンは静かに言う。 「出来るのか・・。寛大な余とはいえ、何度も失敗を許すほど甘くは無いぞ・・」
ヤッベ。本気で俺を処刑する気だ、この人・・。何としても、5階か6階でヤツらに勝たないと・・。
「勿論です・・。何故なら、次の対決の相手は、今までと格が違いますからな・・」 「ホウ・・」
「そう、次の5階の対決は・・、この七珍の塔最高責任者、この海原 雄山が自ら出ますからなッ・・」
一方その頃、4階の精鋭部隊たち。しょうもない対決はこの階はお休み。良三の料理に舌鼓を打っていた。
(⌒\ ∧_∧
\ ヽヽ( ´_ゝ`) 山崎氏ねゴルァ
(mJ ⌒\
ノ ∩ / / ∩<二度とやりませんから許して下さいね(^^;)。
( | .|∧_∧/ / 山崎渉
/\丿 | ( )/ 〔 ̄ ̄ ̄ ̄〕
(___へ_ノ ゝ__ノ ◎――◎
雄山、最初の頃と性格変わってきてないか?
739 :
736の続き(23話):03/08/03 00:05 ID:dGqrrYwO
美食倶楽部。 ・・稀代の陶芸家にして美食家、海原 雄山の主催する料理界の梁山泊。
同グラムの純銀より高価なマグロを、思い切り使った成金趣味バリバリの料理が出るかと思えば、
貧乏臭い菜っ葉だけで一級の椀を出す。 ・・その料理、闊達にして繊細。主催者キチガイ。
頭の悪い、ボッタクラれ好きな政財界大物のバックアップを受け、日本一の料亭と呼ばれている。
その看板料理人・雄山の懐刀の良三が、今一心不乱に包丁を振るっている。彼は超一流である。
師匠が言うだけ番長の分、弟子は必死に修行し腕を上げた。 ・・ある意味、雄山のお陰である。
今。良三は会心の料理を完成させた。京野菜を中心にした懐石料理。全ての食通が絶賛するだろう。
・・しかし。今回は余りにも客層が悪かった。そう、人間界精鋭部隊相手である。特に烈と桃。
まず桃。並んだ料理を見て、クスリが急に切れた様に怒り狂う。
「男塾が貧乏だからって舐めてるのかッ! こんな料理出しやがって、肉を出せ、牛肉をッ!!」
・・どうやら。ご馳走、と聞くと牛肉しか思い浮かばない、かわいそうな人生を歩んできたらしい。
その内、貧乏な子供時代を思い出し、泣き始める桃。あれが欲しかった、これが欲しかった・・。
そして烈。いつものデラックスバカの雰囲気は無い。目の前のハモの椀を睨み、静かに味を見る。
良三。烈の見事な立ち振る舞いに息を呑む。 ・・まさか。この男、師匠と違い本物の食通・・。
烈はどんな反応をするのか。自信はある。その椀は、京風の薄味ながら、深い味わいの自信作・・。
だが烈。ハモ椀から口を離すと、ゆっくり首を振る。 ・・そして良三をみやり、静かに言う。
「ダメだな・・。やはり武術だけでなく、料理も日本は中国に遠く及ばない・・」
740 :
739の続き(23話):03/08/03 00:38 ID:dGqrrYwO
バカな・・? 何故そのハモ椀が否定される・・? 良三は悩む。だが烈の言葉にウソがあるとは思えない。
この人は・・(師匠とは)違う。おそらく中国4000年の文化を知り尽くしている。無論、料理も・・。
中国4000年。その言葉が良三の頭の中で反芻される。 ・・その歴史には日本料理では勝てないのか。
・・ちなみに、韓国は5000年の歴史があるらしいよ。去年のワールドカップから。急に不思議だね。
パニックから訳の判らない事を考える良三。しかし、ゆっくり深呼吸をして頭を冷やし、烈に聞く。
「烈さん・・。いや、烈先生ッ!! 教えて下さい、その料理のどこがいけないかをッ!!」
・・今、良三は見つけたのだ。ハッタリだけの雄山とは違う、本当の料理の師匠を。そう、目の前の烈だ。
烈。しばらく静かに瞑想をしている。 ・・カッ!! 烈の目が見開く。そして雄々しく良三に叫ぶ。
「この塩水はなんだッ!! 味ってのは失神するくらい辛いか、糖尿になる程甘いか、それだけだ!!」
呆然とする良三。 ・・烈。更に素敵なアドバイスを良三に送る。 「あと、量な。大盛りで」
・・5階に足を踏み入れる精鋭部隊。そこには雄山が厳しい顔で待ち構える。今までと雰囲気が違う雄山。
「来たか・・。貴様らの目指すものは最上階・7階にある。だが決してそこには辿り着けんわ!!
この5階では私が、もし私を突破しても、6階では最強の男が待っているからな・・」
6階の最強の男? 一体誰だ、その男は? どんな対決が待っているんだ? ・・とは誰も思わなかった。
雷電と本部との解説対決だろ、どうせ。毒づく精鋭部隊。 ・・ビンゴ。ともあれ、海原 雄山始動。
一方その頃。 ・・前田 慶次と志々雄 真実の最終戦は、クライマックスへ。
741 :
パオ ◆gLeDrnBElE :03/08/03 00:52 ID:dGqrrYwO
23話途中になっちゃった。ま、いいや。続きます、23話。
ところで外伝さんの作品は素晴らしいですね。こっちもあっちも。
パロディとバトルしか書けない私としては羨ましい。嫉妬すら覚える出来だ。
あと、バキスレさん。ドリアンの魅力を10レス程度であそこまで引き出せるのは
この方くらいだと思う。帰って来ないかな。
そしてVSさん。この方のバキ本スレの登場は衝撃だった。一番影響受けたのは
この方かも知れない。ギャグの錬度では正直、及びも付かないが。
私以上の職人さんはいくらでもいるが、完全に脱帽したのはこの方々。参りました。
ま、ネタやSSなんて勝ち負けじゃないですがね。読み手も書き手も楽しければ良い。
普段、絶対書かない事を書いたのは、嫌なスレが立ったからです。看過出来ませぬ。
もう止めましょうよ、そんな事は。本当にお願いします。
>>504 長野県の夜を支配する竜胆会。
数百名の構成員を擁し、地元政財界との繋がりも強固であることから磐石と思われた
この組織にとっての決定的な転回―衰亡は、誰もが予想しない形で訪れた。
柳という不意の来客により、控えめに表現しても混乱の只中にあった竜胆会事務所の
1階フロアには、急を知らされて駆けつけた数十名の構成員がそこかしこにとぐろを巻いて、
自分達のボスと客の話が終わるのをじりじりしながら待っていた。
当然、彼等、何か事あらば直ちに集団で会長室に押しかけるだけの心構えや準備も出来ている。
幹部クラスの構成員の懐には隠し場所から持ち出した拳銃や短刀が納まっており、彼等の脇には
銃身を切り詰めた猟銃が立てかけられている。
組織における地位が低いか、金銭に不自由しているかで拳銃のように高価な武器を用意できない
ものは、釘を多数打ち込んだ木製バットや鉄条網を十重二十重に巻き込んだ鉄パイプ、トラックの
板バネをグラインダーで削って作り上げた刀らしきものを抱えていた。
それぞれの武器を携えながら緊急時に備えて待機を続ける彼等の視線は一点に―壁掛け時計の
傍らにぽつんと設置された赤い回転灯に釘付けとなっている。
回転灯のスイッチは、今鈴木が腰掛けているはずのソファ、その肘掛に隠して取り付けてあり、
鈴木が身の危険を感じた際にはそのスイッチを押せば1階フロアの回転灯がブザー音と供に
明滅することになっていた。
幻のように現れて、いきなり10人からの組員を病院送りにした若者。
彼の言葉に何かを感じ取ったらしい鈴木は、自分の手下に会長室から出て行くよう命じたが、
その手下達は、鈴木ほど状況を読み取る力に長けていなかった。
>>742 あの男は、ウチに喧嘩を売った。ただじゃ返さねえ。
あるいは、若者―柳が、御奴村という単語を口にしたことが彼等を頑なにしていたのかもしれない。
なぜなら、その名前は彼等にとっては恥辱そのものであったからだ。
怨念とでも言うべき感情に取り付かれた男達は、したがって、武器を携えてただきっかけが
訪れるのを待ちつづけていた。
もし何も起こらなかったとしても、一人になったところを襲えばよい。
しかし、ウチの仲間を10人もやってくれたあの男が会長に対して何もしないはずがない。
俺たちはただ、時を待つだけだ。奴を叩き潰す口実が出来上がるのを。
しかし、時間はたつものの、いっかな回転灯が光る様子は見せない。
元来、一部の幹部構成員を除いて忍耐や持久という概念に乏しい竜胆会の構成員達は、
次第に焦れたような様子を見せ始めた。
露骨に武器を取り出し、確認するように何度も手の中でもてあそぶものも出始める。
「ちくしょうめ、まだ動かないのか」
誰かがポツリと漏らした一言が、彼等全ての気持ちを端的に要約している。
構成員達は、その注意を完全に回転灯へと向けたまま、一向に変化がおきぬ状況に業を煮やしていた。
そして、そうした兆候は、こうした状況下で彼等が当然なすべき行動、外部への警戒を完全に
おろそかにすることとなる。ある意味では当然ともいえるこの対応―何せ、長野県では彼等の
本拠を襲おうなどと思う不届き者などいやしないのだから―は、結果として彼等の運命に絶大な
影響を齎す存在をすぐそこまで招くことになった。
>>743 「ちっ、煙草が切れたな・・・・おい、コーイチ。煙草買ってこい」
机の上に足を投げ出し、空のパッケージを握りつぶした幹部構成員の一人が、乱暴な口調で
もっとも出入り口の近くにいたチンピラの一人に命ずる。
小さく頷いて命令を理解したことを表したコーイチは、手にしていた釘バットを壁に立てかけ、
ふらりとガラスドアを開いた。
そして、彼はドアのすぐ向こうに立っていた男と鉢合わせになる。
「・・・・誰だ、てめえは」
コーイチは、目を瞬かせながら、虚をつかれたような声で誰何した。
無理もない。
なぜなら、その男は、夏の暑い盛りにも関わらず、真っ白いダスターコートをざっくりと着こなして、
コートのポケットに両手を突っ込んでいたからだ。
誰がみても明らかに異常な点は、それだけではない。
その男の顔―刀傷とも銃創ともつかぬ生々しい傷痕が一面に走ったその顔の、口元は何故か
縫合もされていない傷がパックリ開き、金属製の輪っかで仮止めがされている。
異形としか表現しようのないその凶相を目の当たりにした、この若き暴力団員は、内心に沸き起こる
ざわめきを必死で糊塗しつつ、ことさらに声を張り上げた。
「おう、おっさん。ここをどこだと思ってやがるんだ。ケガしねえうちにとっとと帰んな。今忙しいんだ」
その声に含まれるわずかな感情の揺らぎを感じ取ったのだろうか、ダスターコートの男は、
小馬鹿にしたような笑みを浮かべた。
「なんだ、手前。人を馬鹿にしやがるのも―」
「今、こちらに柳という若い男が来ているはずだが?」
コーイチの、精一杯の凄みをあっさり無視したダスターコートの男―垣原は、実に落ち着き払った
口調で尋ねた。
まるで、そこらの通行人に道を尋ねるかのような気軽さで。
>>744 「・・・・・ッ、おめえには関係ねえだろうが!」
「ところが大ありでね。彼に会わなければならない。ということで、そこを通してはくれないか?
君のその太った体つきは、通行の邪魔で仕方がない」
その言葉―あきらかにヤクザという稼業にあるコーイチを見下したイントネーションの言葉に、
コーイチの中で堪忍袋の元栓がはじけた。
「なめてんのかオッサン!ぶっ殺すぞ!」
叫びつつ、垣原の胸倉を掴もうとしたコーイチは、しかしその動作を最後まで行うことが出来なかった。
いつの間にか、魔法のような素早さで、垣原のコートから拳銃が―やたら大型でごつごつした
外見の拳銃がぬっと姿を表し、その銃口をコーイチの眉間に向けていたからである。
「私が興味を持つのは、柳君だけだ。すまないが」
世間話をするかのように言いつつ、垣原は引き金を無造作に絞った。
軽い銃声が空ろにこだまし、コーイチの眉間に風穴が開く。
そして、銃弾のエネルギーを至近距離からまともに受けたコーイチは、後頭部から大量の血液と
脳漿を撒き散らしながら床に崩れ落ちる。
「君達のちっぽけなプライドには何の興味もない」
その死体を踏みつけつつ、垣原はニヤリと笑った。
「イッツ・ショー・タイム。・・・・諸君、柳に会うためには君たちの命が必要なようだな」
>>745 「まあ、あれこれと話はしてきたが」
立ち上がり、会長室の窓辺まで歩いた鈴木は、そこで言葉を切ってしばらく己の視界を塞ぐ
ブラインドを見つめていた。
何を言おうとしているか、言葉を選んでいるらしい。
少したって、うまい表現を思いつかなかったのか、鈴木は振り返ると柳をまっすぐに見て言った。
「あの村で何が起こっているか、さっぱりわからない。生きて帰ってこれるか、保証はしないぞ」
対する柳の回答は、なんともそっけないものだった。
「生命の保証など、私の仕事にあると思うのか。全く、問題は、ない」
その、あまりといえばあまりな自信に、しばし鈴木は絶句した。
こいつ、よほどの大物なのか、それともただの阿呆なのか。
しかし、こいつならやれるかもしれん。
大河内の兄貴を殺した奴を叩き潰し、ウチのメンツもなんとか立つようにしれくれるかもしれん。
この、20にもならぬような若造が。
「ならば」
ウチにできることは何でも協力してやる。やってくれるか。
鈴木は、そう言おうとして―言葉をつぐんだ。
先ほどまで、余裕たっぷりの表情を浮かべていた柳が、会長室フロアの床―おそらく、そこを通り
越した1階フロアを、無表情で睨みつけていたからだ。
「柳さん・・・・どうしたんだ?」
「会長、どうやらこの事務所にまた客が来たようだ」
柳は、素早く立ち上がった。
「しかも、こいつは私と違って君の手下を助命するつもりはないらしい・・・・すぐに来るぞ、ここへ」
皆様こんばんは。外伝担当でございます。
ながらくご無沙汰いたしまして、申し訳ございませんでした。
心よりお詫び申し上げます。
さて、今後は柳対垣原がしばらく続きます。その後で御奴村への話になるかと。
ただ、仕事の関係上更新のペースはやはり週1というところでしょうか。
8月を乗り切れば何とかなるとは思うのですが・・・・・。
漫画垣原もいいけど映画垣原の人を喰ったみたいにニヤニヤしてる
のも好きなんだよなー
針をフルスイングで投げたり 映画からイチ見たからあの最後でも
別にイイ
待ってましたよ外伝さん!
>普段、絶対書かない事を書いたのは、嫌なスレが立ったからです。看過出来ませぬ。
どのスレの事ですか?
751 :
マロン名無しさん:03/08/03 15:05 ID:MBVAjlFB
>>753 同意。
ただ、他者に分かるように、バキの文字は入れてて欲しい。
しかし、雄山へたれたなー。初代スレ(だったっけ?)でオーガと対決した時が
奴の全盛期だったか。ちと悲しひ
>>754 バーンの前でもDQNぶりを発揮して欲しかった
雄山は誰に対しても傲慢な方が「らしい」気がする
>>755 昔、アシュラマンに呼ばれたとき
「バーンを呼べいっ!」とか言っていたが…
あの時本当にバーンを呼んでたらどうなっていたんだろう。
ところで、5階は雄山、6階が解ヤ人として、7階は誰でせう?
>>パオさん
烈に続き、桃が第二の生贄認定ですな。そこらをうろうろしてる、
しんきふ〜こんに微萌え。崩れる雄山もまた良し。相変わらず、
ここでしか観られない(というか想像もしなかった)ものを
観せて下さいます♪
差し当たって次は、「志々雄が斬られて死亡」ですね。剣心には
できなかったことを、慶次がやるっ!
>>外伝担当さん
貧乏チンピラたちの手製武器が、生々しい感じです。で、彼らは
次回、脳漿をぶちまけている訳ですな。いや〜楽しみです。
昔読んだ筒井康隆の小説で、火鉢で頭を殴られて口から白いアワ
=脳を吐いて死んだ、というのがありましたが。次回の竜胆会事務所、
ど・ん・な惨状が繰り広げられているのやらっ♪(奇しくも、前述の
アワ脳吹いて死んだのもヤクザです)
>>トモさん・VSさん
お待ち致しておりまするっ。
>>759 さっさとやれ
やって下さい
おながいします
>>759 ありがとう。あなたみたいな人がいる限り、このスレはまだ続きそうだ。
バキスレだよ!! SS集合! Part 6
↑とりあえずスレタイ案。我ながらセンス無し。
誰か立てて下さいな。
保守の関係で次スレになったら書き始めます。
しかし何でこんなに立て難くなったんだ、スレ。
容量まだ余裕あると思うが・・・
保守
767レス
318KB
まだまだ余裕あるぞ〜
やってる事はもつおと大して変わらねーよ
何KBが限界だっけ?
ageとくよ
2ちゃんに出入りしてそこそこ経つ私ですが、未だにあまり
システムのこととか理解できてません。で、もしここをもっと
埋めた方がいいとかでしたら、SSもどき書いてみますけど。
今ここでなら、本スレの邪魔にならずに済みますし。来る人も
そんなにいないでしょうし。いつぞや話題になった「二軍スレ」
感覚で。どうでしょう、他の皆さんも。
不要でしたらこの話、スルーして下さい。
いいね。
>ふら〜り氏
気楽に書いて〜。
楽しみに待ってる。
・地獄ヶ原南側、湖の浅瀬にて
大型バスを一撃でクズ鉄に変える、人間爆弾『bS』。富岡が、
仲間たちの制止を振り切って使用した最強最悪の兵器。
富岡は、己の命を捨ててでも、弟の仇を討とうとしたのである。
……なのに。確かに今、bSが直撃したのに。それなのに!
「ばっ、化け物め……」
力は、目の前の事実を受け入れられなかった。天界君主が、
まだ生きているという事実を。
天界の愛機である一人乗りホバークラフト、殺人マシーン
『ブラックデビル』は濃い黒煙をもうもうと上げながら、低く重い
異常なエンジン音を上げながら、それでもまだ、その体を地に
着けてはいない。
そしてその上に仁王立ちになっている、天界の姿……黒い
戦闘服はあちこちが裂け、焦げ、その下にある肉体の傷口を
見せている。真紅の長い髪は自らの血を浴びて更に紅さを増し、
まるで紅蓮の炎のよう。素顔を隠していた般若の面は半分がた
割れており、その下の白い顔が、これまた血に染まっている。
さすがに、無傷ではない。むしろ重傷だ。だがそれでも、割れた
般若の面から覗く素顔の、その目は、天界の持つ大薙刀の
刃に勝るとも劣らぬほど、殺気と憎悪にギラついている。
黒煙を上げ続ける悪魔の殺人機械の上で、血塗れの般若が
大薙刀を構えて立つ姿。さながら、地獄の番犬にまたがった
死神である。
「許さぬ……許さぬぞ……よくも、このわたしを……」
地の底、いや地獄の底から響いてくるような天界の声。
関西全域の暗黒街を掌握する巨大犯罪組織、『虎』の頭が、
たった一人の高校生に対して焼けるような殺意を向けている。
「ハウウウウウウウウゥゥゥゥッッ!」
突如、恐ろしげな雄叫びを上げて、天界が、ブラックデビルが、
力めがけて突っ込んできた。
「くっ!」
力は、両手に持った特殊合金製の巨大トンファーを構えて防御
しようとする。が、時速二百キロを越えるブラックデビルの突進を
止められるはずもなく、
ドゴオオオオォォン!
軽々と、吹っ飛ばされてしまった。
猛烈な衝撃で呼吸を潰され、悲鳴すら上げられずに力は、
十メートル近く飛んで背中から地面に激突した。辛うじて
トンファーは手放さなかったものの、全身が痺れて動けない。
天界が、ブラックデビルを大きく旋回させて、再び向かってくる。
けたたましい笑い声とともに。
「ホホホホホホホホ! 無様、無様、無様! 無様よのう、
ゲリラの首領よ! だが安心するが良い! 今すぐ八つ裂きに
して、お前が生き恥を晒さずとも済むようにしてくれようぞ!」
歯を食いしばって、力は立ち上がった。天界が迫る。体に力が
入らない。腕が持ち上がらない。ブラックデビルのエンジン音が
耳をつんざく。大薙刀の刃が風を切って、
「トドメじゃああああああああぁぁぁぁっ!」
ダンプカーをぶった斬る天界の大薙刀だ。人間の首など、
紙細工のように斬り飛ばすだろう……力は、死を覚悟した。
『この石田鉄太郎、男が男に一目惚れですっっ!』
『親分ならできるかもしれない。いや、やれば必ずできると
思うようになりました』
『じ、次郎のやつは……病院の窓から身を投げて……』
『こうなったら全軍で突っ込んで、一人でも多く地獄の
道連れにしてやるわああぁぁっ!』
『この風祭の命、あんたに預けたぜ!』
『黒いゲリラ万歳! 打倒、虎ああああぁぁぁぁっ!』
『お前は己の信じる正義のためだけに、動く番長になれ』
『正義は、大きな目に見えぬ力となって、お前を助けるだろう』
「……死ねへん……俺はまだ、死ぬ訳にはいけへんっっ!」
その瞬間、奇跡は起こった。
天界の体を、人間業とは思えぬ強大な力が襲ったのだ!
「ぐぅおわああああああああぁぁぁぁっ!」
「また……紙一重でござったな」
と、剣心は振り返った。
その目に映ったのは、天界がブラックデビルから弾き飛ばされ、
落ちていく姿。その下には、激しい戦いの巻き添えをくって砕け、
折れた流木が、天を向いていた。
天界の背中が、そこに落下する。背中が流木の先端に触れた、
と思ったら、ずぼっ! と音を立てて胸へ貫通した。
「!? あ、蒼紫っ? え、あ、こ、ここは……?」
「てめェ、剣心をどこへやった! 大体お前、何モンだ!」
「そらこっちのセリフじゃい! お前も天界の影武者かっ!?」
「あァ? ワケ解んねぇこと言ってんじゃねえ、このタコ!」
方治の間の床には、特殊合金製巨大トンファーの一撃を
顔面に喰らった蒼紫が、色男台無しな感じで倒れていて。
「随分と……ものごっつい……紙一重……だ」
そして地獄ヶ原では。
「お、親分? いつの間に、そんなに縮んで……それに何で、
時代劇もののコスプレなんかを?」
「親分? こすぷれ?」
超小型陸蒸気もどきに乗った小男がやってきて、剣心を
更に混乱させていた。
「で、天界の野郎はどこにっ?」
「いや、あの、そなたは誰、ここはどこ……」
小男が、それを追う形で剣心も、辺りを見渡して。
流木で串刺しになった天界を、見た。
「くわっ……がくっ」
天界、絶命。
「あ」
「お、お、お、お、親分っっ! 遂にやったんですね!
終わったんですね、全てが! おめでとうございやすっっ!」
歓喜感動のあまり、泣き喚く小男に抱きつかれながら。
剣心は…………困っていた。
と、いう訳で。こんなもので。
はい、ええ、解っておりますとも。殆ど原作の描写を書き写した
だけだろとか、蒼紫戦と比古戦が混じってるぞとか、オチが
蛇足つきまくりでテンポ悪いぜベイベェとか。全てをさておき、
長すぎるんじゃンダラァとか。ぅぐぐぐぐ。
しかぁし! これこそ宣言通りの「二軍スレ感覚」というもの!
以後はこの程度でもオッケーということで、私は皆様に安心感を
振りまいたのであったっっ! ……ということにしといて下さい。
あと一ネタ(こっちは短いです)考えてますが、これは他の方が
書かれてからにします。
では。
……BとCの間に、ワンシーン抜けてました。コピペ作業中の
失敗です。笑ってやって下さい。ふっ。↓
「緋村が奥義を放ったとのことです! 瞬間に巻き起こった
奇跡のような一撃! その詳細は……『変身シチャッタ』ぁ?」
「あっはっは。由美さんらしいですねえ」
「これだから女はああぁぁっ!」
「いや待て。ただの変身ではなく、何か奥義たる特性が」
「どんな奥義ですか、どんなっっ!」
志々雄と愉快な仲間たちは、こんな感じで。
ふら〜り最高!
ふら〜りさん、次も楽しみにしてるよ。
がんばって。
何かこっちはマターリだな
バキスレの良心、ふら〜り氏がガンガッテ書いてるのを見ると、マターリしますね。
マターリsage
ところで、限界何kbまでだっけ
地下闘技場ですか?
ふら〜りさん頑張れ
このスレ限界きたらどうします?
>>786 まだ全然余裕だけど、その時は
普通に向こうの新スレへ意向、でいいんじゃない?
その為に埋め立ててるんだし。
出来ればふら〜りさんにも、そのまま次回作を書いて欲しい。
ところで、ふら〜りさん以外に書く人はいないかな?
バキスレの中心はパオさんでも外伝さんでもなく実はふら〜りさんかも知れないな。
この人のレスがあると何故か安心する。
逆に、この人がなにもレスを上げなくなった時がバキスレの本当の最後の気がする。
あとふら〜りさん、トリップをつけてみれば?
私なんぞに、春の日差しのように暖かいお言葉の数々、勿体のう
ございます。恐縮です。三つ指つきます。……それはそれとして、
ほ〜か〜の〜か〜た〜!
か〜い〜て〜く〜だ〜さ〜い〜!
おられるはずですよ? 何度か見ましたよ?「拙者とて書いては
みたいのだ。されどここは、ケタ外れの猛者が集う地。とても
拙者程度では……」という内容の書き込み。私も含めてそういう
方の為に、二軍スレにしようと提案した訳でして……その、私は今、
待ってる間にぽこぽこネタが浮かんできて、でも自分で提案して
自分で独占は何だかなぁと思って控えてる、という状態なんです。
どなたか書いて下さいっっ。
トリップは……まあ、その内「私も有名になったものだ。ふっ」とか
思えるようなコトが起きたら、その時にでも。(もつおさんスレの
439には大爆笑しましたけどね♪)
つまりこういうことかな?
いい人だ>ふら〜り
でも、ふら〜り一色の中じゃ、叩かれそうで書けない
叩かないって。
多分
現在327kb
まだ大分有るな
>>790 つまりはそういうことです。しかし軽妙というか絶妙というか、
すかさずそう来ますか。お見事。侮り難し。侮ってどうする私。
しかし実際に目にしてみると、逆に「意地でもこのままいって
やるぞっ」て気になりますな。まあ、私なんかはパオさんや外伝さん
たちとは違って「妬み」や「僻み」の的になる訳でもなし。今の
ところは不要かと。
>>791 ぁぐぇぐぉぐぅぐ。ですから私は、そういう状態になるのを
恐れているんですってばああぁぁ。書いて下さい、791さんっっ!
なんなら脅迫しましょうか? 「私は書き溜めして待ってる!
けど他の方が書いてくれないと出せない! え〜い、早く書く
のだっっ!」
795 :
791:03/08/10 22:24 ID:???
>>794 分かりました。↓に書きます。
没ネタを書き直したものですが。
796 :
791:03/08/10 22:35 ID:???
拝啓 ガングロ海王
俺、バキ。17歳。毒にやられて入院した。
なのにガングロよ、貴方に中国へ連行され変な角刈りと闘わされ
当然病状悪化、身体はヒョロヒョロ寝たきりに。もう一歩も動けない。
その上この雷台祭だと?できる訳ないだろボケ
「治療だ」と言い張るガングロが怖くて我慢したが、もう限界。私、実家へ帰ります
草々
突然の離縁宣言にショックの烈、平手でバキを引っ叩き、失意のままに走り去る
ハンマの馬鹿!! そんなに言うなら もう知らない!! 烈の頬に涙がキラリ
ちょっと待って、思わずバキが立ち上がる
驚く烈、ハイジが叫ぶ、ハンマが、ハンマが立った!!
喜びのガングロ、思わず号泣。声もデカイが涙もデカイ。これが噂のガン泣きか
百万ホーンの声量とボール大の涙の粒が、蛸江その他をなぎ倒す。ラッキー
泣き疲れた烈海王、顔を拭くもの探していると、隣の爺いが劉海王の面の皮を持っている。
チャンス!烈はジジイを蹴り倒し、面の皮を奪い取る。これさえあれば、劉になれる。
中国人には常識だが、海王の偉さは画数で決まる。10画の烈はまだ中堅。毛?あんなの屁玉です
けれどもこいつを付けたなら、今日から俺が劉海王。やったね!
喜び勇んで劉の顔を付ける烈。歓喜の余り思わず射精
しまった、身体に異変。年老い痩せる烈の肉体。これぞ究極マックシング?
第二試合 烈vsバキ
痩せ細った棒人間二人、試合開始!
http://ader.nazon.net/flash/b29.swf
797 :
791:03/08/10 22:39 ID:???
うーん、面白くない。
没のままにするべきでした。
「烈が劉の面を付ける⇒烈はのろわれてしまった」
から話を膨らませましたが、テンポが悪いですね。
>>海王の偉さは画数で決まる
それだと、精神障害者海王が最高位にならないか?
FLASHが痛い。
思わず想像したじゃないか
>>798 Dorian、なので8画。
むしろ、下手に筆記体で書くと1画。
いや、スペル合ってるかどうか知らんけどさ。
まあ、どっちにしろ少ないかと。
>>800 怒李庵海王なら27画か。
どっちが正式名称が知らんが。
>>画数さん(民主的判断により命名)
おぉ、書いて下さいましたか。バキスレ流分類だとVSさん風、ですね。
烈とハイジを並べるセンスもさることながら、「歓喜で射精」と
鋭くパロを挟むところに心配りを感じさせ、どういう経緯で捜して来られた
のか想像のつかない、壮絶なFLASHを設置。お見事也っ。
どうでもいいですが、私の正式名称はフルネームで十三画。名簿とかで
見ただけならともかく、実際の知り合いの中で互角な人は皆無です。
習字の時間、楽だったなぁ。ありがとう父さん母さん。
803 :
画数:03/08/11 15:28 ID:???
拙い文章でしたが、批評頂き有難うございます。
>>画数さん
えっと‥一応、新スレの方で「バレ」という名前を
ふら〜りさんから頂いていますが、どっちにしたら
いいでしょうか?
(名前欄に書かなかった自分が悪いのですが)
ちなみに、私の名前は苗字だけで22画。小学校の時は
なかなか漢字で書けなかった思い出が。
しかし、書く度にvsさんの技量には脱帽。何故あの人は
あそこまで突き抜けられるのだろう?
ふら〜りさん、ヤムスレにも来てくれないかなあ。
無理ですか?
バレさんとVSさんは違う人なの?
>>805 はい、別人です。
というか、読んで貰えれば分かりますが、VSさんの方がドーパミン120%
ロケット三台分くらい突き抜けてる。
私は所詮文体を模倣しているだけですので、どうしても歯止めが出てしまい、
最後まで狂いきれない。本当に脱帽です。
あと、まとめサイト管理人として連絡です。
死刑囚編TOPのデザインが寂しかったので少しだけ変更しました。
あと、無限大トーナメント2回戦第1試合まで補完しました。
パオ氏以外のSSも補完予定です。
(本人からの拒否があれば省きます)
>>803 ぅぐわああああぁぁぁぁっ! これはご無礼をば致しましたっ!
つーか、気付け私! 作風といい最後のリンクといい、共通点
ありまくりだろうが私! えぇい愚かなり私っっ!
(気を取り直して)え〜、お名前ですが、「バレ」も「画数」も
その時のネタに合わせたものですので、何でしたらお好きな、
新しいものを考えて下さっても。でも、もし特にコダワリが
なければ、「管理人」だと判る名前にして頂けると、以後忘れずに
済むので有難いです。
>>804 凄く自意識過剰な、思い上がった推測かもしれませんが。
まず、私のコダワリというかポリシーというか、単に目立ちたがり
なだけかもというか、により基本的にコテは外したくないんです。
で、私がヤムスレに行って、もし感想レスがバキスレより少ない時が
あったりした場合……それが荒れの原因になる可能性もあるのでは、と。
ただ、語るスレの余波で私もバキスレ以外に目を通すようになった
ので、もしかしたら名無しでちょこちょこと感想レス、書くかもです。
それでどうか、ご勘弁を。
>>ALL
う〜。かんりん(仮)さんだけでは、私の「申し訳なさ」が解消され
ないいぃぃ。書きたい方は、まだまだおられるはず! ぷりぃず!
>>806 目立たない努力お疲れ様。
バレさんがいないと、過去ログはずっと見れないままだった。
>パオ氏以外のSSも補完予定です。
外伝のスペックと柳お願い、あと過去のVSさんのも
何人がここの状況を知っているのだろう?
コソーリage
バキスレの裏番、ふら〜りさん頑張れ
ちなみに表番はパオ 生徒会長は外伝
むしろ、ふら〜りさんは風紀委員長のイメージ
バレさんは用務員か?
バレさんは書記
死んだのかと思ったら、何かいい感じになってるなーこのスレ。
815 :
バレ:03/08/12 23:28 ID:???
まとめサイト管理人です。
バレが一番多く呼ばれているようですので、「バレ」で固定します。
>>806 とりあえず、VS氏の初期のSS(渋川VSアトム)まで
補完しました。続きは数日後に。
外伝氏のSSはパオ氏のトーナメント決勝戦まで補完してからにします。
「図に乗りやがって……」
巨凶の血を覚醒させた範馬にとって、人間はもはや人間ではない。その目に、
人間として映らない。老若男女全て、歩く糞尿製造機だ。壊すことに躊躇はない。
烈の三つ編みと顎を掴んで、刃牙は力を込めて捻った。人間の首間接の
可動域を完全に無視して、烈の首が不気味な角度に捻じ曲げられる。
刃牙は烈から離れ、着地した。もう、こいつは完全に再起不能だ……と思いきや、
「痛いじゃないですか」
そいつは、言葉とは裏腹に、全く痛くなさそうに首の角度を直し始めた。
『な、何っ!?』
刃牙は目を見張り、改めてそいつの姿を見た。……違う。烈ではない。
いつの間にか、本当にいつの間にか理解不能だが、別人と入れ替わっている。
『……ふん、どうでもいい。俺の目の前に立つのなら、潰す!』
思考力を失っている(思考を放棄している)刃牙は、猛然とそいつに向かっていった。
黒い学生服姿の高校生で、前髪を垂らして左目を隠している。眠たそうな半開きの
右目、間抜けに開いた口元、ほっぺたにはご飯つぶ、そして足にはゲタ。
そんな「そいつ」は、まだ首を直している最中だ。
「よぉし! これはわたしに対する挑戦だな! かかって来なさい!」
春風高校、光画部の部室。鳥頭が意気込んで中指を立てる。
「だだだだだめです、鳥坂センパイ! やめて下さいっ!」
さんごは、鳥坂を押さえながら振り返った。
突如、部室に出現した色黒の男。テレビや映画でも見たことのない物凄い
筋肉をしていて、眼光は鋭く、非カタギの雰囲気が溢れている。練馬区で平和に
暮らしてきたさんごにとって、あまりにも未知過ぎる存在であった。
「絶対、あれは、異次元から来た謎の生命体です! あんなと戦おうだなんて、」
「異次元、謎の生命体、と来たかああああぁぁぁぁっ!」
床板を、ばぎばぎばぎばぎぃっ! と破って、白衣姿の成原博士が現れた。
今日も今日とて、怪しげな大砲のようなものを担いでいる。
「丁度いい! 昨夜完成した、この新兵器の実験台を捜していたところだっ!」
あぁまたややこしいのが来た、とさんごは頭を抱える。そして、
『お、落ち着け、落ち着くのだ私。手の平に人の字を書いて、飲み込めばっ』
烈は海王としてのプライドに賭けて、日本人の前で取り乱すまいと必死だった。
刃牙は、汗をたらたら流して、後ずさった。
新コブラ、新卍、一本足四の字、さらには剛体術と、あらん限りの必殺技を
叩き込んだというのに、この学生服の男……いや少年は、
「痛いじゃないですか」
の一言で済ませ、今、首だけではなく全身の間接をごぎぐぎがぎゅもぎゅ、
と難儀しながら、しかし全く痛くはなさそうに、直している。見ていると、時々
がぎょん! とか音がして小さなものが飛び出す。何かと思えば、ネジだ。
「お、お、お、お、お前は、一体、何なんだっ!? まさかロボット!?」
「ぼくは、R・田中一郎くんだよ。ロボットじゃなくてアンドロイドだよ。……あ」
R、と名乗ったその少年の目から、まぶしい光が迸った。
「どこか壊れたのかな。霊波光線のスイッチが勝手に……ん?」
Rは刃牙を、正確には刃牙の後ろを、じっと見た。光を放つ目で。
「お猿の人が見える。大きなお猿の人。片目潰れて、牙の折れたお猿の人」
烈は内心、不安と緊張に押し潰されそうになりながら(意外とハプニングに
弱い気質だった)、それでも表面上は威厳を保って、キメ台詞を口にした。
「な、何であろうと、お前たちがいる場所は二千年前に通過している! 参ったかっ!」
「ほほう! ならば二千年前の世界に飛ばしてくれよう! このタイムワープ砲で!」
成原博士は、担いでいた大砲(タイムワープ砲というらしい)を構え、烈に狙いを定
めた。
そのパターンに慣れている光画部員たちは、悲鳴を上げて部室から逃げ出す。だが烈は、
「何だか解らんが、この私には通じんぞっ!」
「む! 貴様は私の発明品を嘗めたっ! 過去の世界で悔やん泣けい、ファイア!」
(かちっ!) ちゅどおおおおぉぉぉぉん!
さんごたちが部室に帰ってきたときには、予想通り室内がコゲコゲになっていて。
烈と成原博士の姿は、消えていた。
「お猿の人、何だか悲しそうな顔をして……あ、どこかへ行ってしまう」
「や、夜叉っ!?」
刃牙は、振り返った。するとそこに、Rの霊波光線の光の中、陽炎のようにゆらめく
夜叉猿の姿があった。Rの言う通り、刃牙に悲しそうな顔を見せて、そして去っていく。
「ま、待ってくれ夜叉!」
夜叉猿は今の、範馬の血に染まった刃牙を哀れんでいる。刃牙には、そう見えた。
「夜叉! 夜叉っ! 夜叉ああああぁぁぁぁっっ!」
夜叉猿を追いかけて、駆け出す刃牙。闘技場を飛び出し、ドームから出て、街を
駆け抜け、一路飛騨へ。……そして、
「ふう。やっと直った」
Rが全身の間接を直し終えた、と同時に霊波光線も消えた。
今ここに刃牙はおらず、R一人。烈が消えてRが現れ、そして刃牙は試合を放棄。
夜叉猿Jrの時も、ゲランを勝手にボコり倒したことを認めて加藤とやらせたのだし、
認めぬ訳にはいかんのぅ。
という訳で、光成は断を下した。小坊主に伝える。
「しょ、勝負あり! 準決勝第一試合、勝者、R・田中一郎!」
わあっ、と歓声がRを包む。Rはいつもの、きょとんとした顔で、
「……何だか解りませんが。勝ってしまったではないですか?」
この後、Rは光成から大会の説明を受けた。そして、十億円のベルトを売り払って
十億円分の最高級ササニシキを買って帰り、光画部のみんなにご馳走しようと決意。
今度は真剣に、ジャックとの決勝戦に挑むことになるがそれはまた別の話である。
結局やってしまいましたよぉ。ほんとに頼みます、みなさんっ!
>>811 >>812 裏番と風紀委員長、ってモロ正反対ですな。眼鏡で三つ編みの
カタブツ委員長、には魂の奥底から萌えますが。←何の話だっ
>>813 うまいっ!
>>バレさん
お疲れ様です! また作品もよろしくっ♪
ふら〜りさん、グッジョブ!
十分、レギュラークラスの実力ありますよ。
そろそろ本スレで連載したらどうですか?
822 :
バレ:03/08/13 21:30 ID:???
>>821 これはこれは。
有難く参考にさせて頂きました。
「番外編」の部分に、vsシリーズ全部と、実験シリーズをUPさせて
頂きましたが、おかしい箇所があれば忌憚無くお願いします。
バキSSスレ以外のものは殆ど初めてみるものばかりですが、
どれもイカしてますねえ。私もこんなSSが書けるようにならねば。
(下手なSSなど書かず補完作業やれ、と言われそうですが…)
>ふら〜りさん
凄くいいですよ!
「この程度」とか言ってますけど、文章やテンポ、
そして「あ〜る」を選んだセンス、私などとても及ばない。
「作品もよろしくっ♪」と声をかけて頂いてますが、私ではスレ汚し
にしかならない。
他の方の書き込みプリーズ。
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
ヤムスレもバキスレもスレたてフライングしまくりのヤシがいるな。
そこまでスレ立てたいか。
826 :
ふの字・818の続き:03/08/15 22:31 ID:bIFdXyo3
決勝戦。入場してきたジャックの背中を見て、実況が叫ぶ。
《ジ……ジャック・ハンマーではなくジャック・範馬! ということはジャックは……刃牙と兄弟っ!?》
どよめく場内。
《何という運命のイタズラかっ! 血を分けた者同士が! 初めて出遭う兄弟が!
よりによってこの大会! よりによってこのルール! あろうことか決勝戦! ……に
なる予定だったのにあえなく木っ端微塵! そう、刃牙は準決勝で敗退しています!
ジャックの相手はR・田中一郎! 範馬家とは無関係っ!》
一斉に頷く場内。
《これは虚しい! ジャックの背中で、範馬の文字が泣いています! ……あっ、ジャックの背中が
震えています! 泣いているようです! ……っ、只今入りました情報によりますと、刃牙は現在
頭を丸め、飛騨山中で一心不乱に念仏を唱えているとのこと! 以後の人生は俗世との交わりを絶ち、
友人の菩提を弔って生きていくそうです! ……あっ、ジャック、壁をガリガりとひっかいています!
試合中の事故ならいざ知らず、故意に場内設備を傷つけるのはやめて頂きたい! 非常識です!》
一方、青竜のコーナーでは。
「しゃもじを預かってくれませんか加藤さん……」
Rが、セコンドの加藤にしゃもじを渡していた。
「近所の百均ショップで買ってきた最高級品です……大切に扱って下さいね……」
両者中央へ、の声に呼ばれてRは中央に向かう。白虎のコーナーからは、
壮絶な半泣き顔のジャックが、閻魔大王みたいな気迫を立ち上らせて歩いてくる。
加藤は、しゃもじをじろじろ見ながら、隣にいる末堂に言った。
「なあ。百均ショップに高級しゃもじなんか売ってるのか?」
「さあ」
「大体あのロボット、何なんだよ一体」
「ロボットじゃなくてアンドロイドだそうだが」
「つーか、何で俺らはあいつのセコンドなんかやってんだ」
「刃牙がいなくてヒマなんだから、しょうがないだろ」
「……アホか、俺らは」
「かもな」
かくして、緊張感のカケラもないまま決勝戦が、
「はじめいっ!」
♪遠慮しないで ね ここは一人じゃない あなただけの作品
みんなで読み読み……MY FRIEND! 書くのだ 今すぐ
でなきゃ 私が 出し〜辛いっっ♪
『超光戦士シャンゼリオン』 ED 「OVER THE TIMES〜時(いま)を越えて」より
828 :
バレ:03/08/16 14:48 ID:???
まとめサイト管理人です。
無限大トーナメント、ようやく全試合の補完を終了しました。
以上、報告のみですが。
>ふら〜りさん
あの状況から決勝戦を書かれるとは思いませんでした。
ぜひ決着まで我々に魅せて下さいッ
829 :
バレ:03/08/16 17:02 ID:???
>>828 乙。
しかし何故ここで報告するですか?
ふら〜りさん、面白いよ。
是非続き書いて
ジャックをどう書くのか見てみたい。
831 :
バレ:03/08/16 18:30 ID:???
>830
特に意味はないです。
バレさんこっちで一本書いていたんですね。
ふら〜りさんは力作書いているし。
とっくに死にスレになっていると思っていたのに。
こういう隠れスレ見つけた時は結構楽しい。
833 :
バレ:03/08/17 15:15 ID:???
>ふら〜りさん、
772-777のSSに登場する「ブラックデビル」「天界」「富岡」
は元ネタは何でしょうか?
人物出典一覧を作成したのですが、この人達含めて4名、出典が
わかりません…
(あとはVS師の「キャンディ」)
>>バレさん
本スレにも書きましたが、本当ぉぉに、おつ華麗です。奉仕精神に溢れ、
律儀で几帳面な、バレさんのお人柄が偲ばれます。いえマジで。
ところで……リストを見ると、鉄はご存知なんですよね? なのに主人公
の力や
>>833の三つをご存知ないというのは、どういう経緯で?
ともあれ「力勝男」「富岡良造」「天界君主」「風祭健」は全て
「熱笑!! 花沢高校」です。「ブラックデビル」は本文中にも
ありました通り、天界の乗り物。最初は「悪魔号」というのに乗って
いたのですが、最終決戦で新型に乗り換えまして、それが「ブラックデビル」
です。
>鉄はご存知なんですよね? なのに主人公の力
>や
>>833の三つをご存知ないというのは、どういう経緯で?
いや、実は「熱笑!! 花沢高校」読んだことないのです。
「鉄」は、たまたまネットで引っかかったので分かりました。
どおくまんPの作品でしたか。
どおくまんは「花の応援団」しか読んだことがないですね。
応援団のモデルとなった大学へは昔よく行ってました。
(下手な市立図書館より品揃えが良いので)
なるほど。検索か。
パオしね
838 :
マロン名無しさん:03/08/18 21:40 ID:O7ihSFM5
>>837=838=マンセーを装ったage荒らし
ここで言ったって何の意味も無い。あほか
試合開始と同時に、ジャックはRに襲いかかった。ウォーミングアップもクソもなく、
いきなり大口を開けて噛み付きにかかる。よっぽどRのことが許せないらしい。まぁ無理もないが。
かたやRは、ササニシキ十億円分がかかっているので真剣……なのだが、
当然ジャックの攻撃を見切ったりかわしたりできるはずもなく、
《噛み付いた〜! 噛む! 噛む! 噛むっっ!》
あっけなく捕まって、上腕動脈、大腿動脈、頚動脈、と噛まれまくる。
が、しかし。突然ジャックが、悲鳴を上げてRから離れた。Rは何事もなかった
かのように立っており、よく見るとジャックの口の中から血が溢れ出ている。
《こ、これは……そうかっ! Rは、ロボットではなくアンドロイド! その体は、無論金属製!
そんなもんに、いくら咬筋力が強いとはいえ、いや強ければ尚更、人間が思いっきり
噛み付けば歯が……これは痛い! かなり痛い!》
歯茎から血を流して、あがあがと転げ回るジャックを見て、Rは心配そうに言う。
「うわあ痛そう。どうしたんです? リンゴでも齧ったのですか?」
「お前を齧ったんだお前をっ!」
「え。……なるほど、ぼくはリンゴだったのか」
「うるさい黙れやかましいっ! このカラクリ人形っ!」
「何はともあれ。歯が痛いのなら、これをどうぞ」
「ポ●デントで何をせえっちゅうじゃボケエエエエェェェェッ!」
ジャックが、Rの顎を蹴り上げた。Rはサッカーホールのように飛んでいく。
それを追いかけて走りながら、ジャックは泣いた。
「俺の! 俺の! 俺の! 日に三十時間の鍛錬は! 最強の肉体と
寿命を引き換えにしたドーピングは! 一体、何のためだったんだっっ!」
「それはもちろん、ぼくと決勝戦を戦うためでしょう」
「言うなああああぁぁぁぁっっ!」
ぼて、と落下したRに向かって、ジャックが泣き喚きながら突進していく。
と、思ったら。いきなりジャックが、足を止めた。ドクン、ドクンと鼓動に
合わせて、筋肉に太い血管が浮かび上がっていく。
「ふ……ふふふふ。ふははははっ! よぉし見てろ、カラクリ人形っ!」
突然、ジャックは回れ右をして走り出し、観客席に飛び込んで一気に駆け上がり、
ドームの内壁をよじ登って、天井のライトを一つ、むしり取り飛び降りた。
そして、それこそまるでリンゴのように、ライトを噛んだ。齧った。食い破った。
《えっ!? こ、こ、これはっっ!?》
渋川戦前のヤシの実のように、あっという間にライトが穴だらけになってしまった。
もちろん、ライトはライト。紛れも無く金属製である。なのに、穴だらけ。
「ふふふふ……たった今最後のドラッグが効いてきやがった……お前も運がねェ」
「ドラッグ?」
「そうだ。だがカラクリ人形のお前には、その意味など解らんだろうがな」
Rは、しばし考え込んで。
「あなたは、運転手の人だったのですか?」
「トラックじゃねぇ」
「では、地震でもあったのですか? 仮設の」
「バラックでもねぇっ」
「スポーツが苦手なら、虎の人と健康的な朝食を」
「ケロッグは関係ねぇっ!」
「ピンクの」
「小粒のコーラックなんざ飲んだことねぇっっ!」
「お腹が空いたじゃないですか」
「米をとぐなああああああああぁぁぁぁっっ!」
正座してお米をとぎ始めたRに向かって、牙を剥き出しにして襲い掛かるジャック。
Rは、そのジャックの、この世の地獄を味わっているかのような形相を見て、
「……これはすごい」
ごそごそと懐を探って、あるものを取り出した。
実はRは、この決勝戦に先立って、光成に許可を取っておいたのだ。自分は今、
非常に貴重な体験をしている。帰ったら友達に詳しく説明したい。だから……と。
それに対して光成は、試合中に武器として使用しないのなら、と許可した。
何を許可したのかというと、『記念撮影』。Rは懐から、木製の四角い箱を取り出した。
レンズとシャッターが付いている、Rのお手製カメラ。無論、オートフォーカスだ。
数日もすれば、「え? こんな時、って何だ? 何かあったっけ?」
ってなりますよね。きっと。
ふら〜りさん、お疲れ様です。
あなたの努力が実と結べば良いのですが・・・。
>>842そうそう^^その時は大変なことに思えても、後になれば「何であんな事に・・・」ってなりますよ。
それはそうと・・・
ふら〜りさんのSS、いいじゃないですかぁ〜 作品のテンポがうまく再現されてて♪
仕方ないな、ふら〜りさんじゃ。
ふら〜りさんには恩義があるって事だ。
なる。
仕方ないな、ふら〜りさんじゃ(こんな終わったスレでSSを書いていても)。
の略かと勘違いしてた。スマソ
>847
>>847 ああ、あなたは・・・
やめないで下さいね。
もつもつ
一つ多かった・・・
テンションは落ちまくりなんだがね。
死刑囚を100とすれば今は5以下。
但し、作品のクオリティ自体はそれほど下がらないと思う。
しかし、人を凌ぐってのも楽じゃないな。雑魚ほど歌い踊りたがる。
>>851 まあ、嫌な事が多いかもしれませんが
そんなに不貞腐れないで下さい。
思い直されて、喜んでる方も多いと思いますよ。
嫌な事があったら、また来て下さい。癒されますよ。
もつッ!
ありがとう。でもいくときは名無しでいきますよ。
待っております
急に仲良くなったな、パオともつお
>>855 もともともつおはパオの事を嫌いだったわけじゃない。
パオが一方的にもつおスレに来てわめいていっただけ。
パオには現実に死んでほしい。
>>856 それ以前にオリジナルモツオじゃないからじゃあ
>>857 心あるもつおさんたちは、パオさんとはトムとジェリーな関係を
築きたがっていると妄想。仲良くけんか。それはそれで楽しそう。
パオさんだって、オリジナル以外は嫌いではないでしょうし。
ということでパオさん。
もしまだ少しでも気になるのでしたら、あるいは今後、また今回のような
ことが起こったとしても、「黄河は水たまりを叱りはしない」の気持ちで
いきましょうよ。謙遜されるなら、黄河でなくても多摩川でも高取川でも結構。
それだって水たまりよりは遥かに広大です。
その上で、
>>853には賛成します。今回のことで、パオさんの「存在力」
の大きさは証明されまくりましたからね。
てことは……やっぱり黄河ですよ。雄大に構えていて下さい。
>>858 それは間違ってますよ、ふら〜り殿。
パオ殿はあくまで敵であります!
しかしながら、悔しいかな、パオ殿が存在してこそ我らが輝くのです!
敵対することほど濃密な繋がりがあろうか・・・
ぶつかる〜こと〜で 深く〜むすびつく友〜情
傷つい〜たこと〜は〜無駄〜じゃ〜なか〜ったね〜〜
パオが太陽なら、もつおは月
北斗と南斗
男と女
陰と陽
パオともつお
パオともつおは痴話喧嘩をよくする夫婦。
本当は愛し合ってる。
Rはレンズを覗き込み、向かってくるジャックをファインダーの中央に捉える。
そしてシャッターボタンを一段押し込むと、赤外線が……
ヴォォン!
奇妙な音がして、ファインダーの中央にいたはずのジャックが消えた。
何事かとRはカメラを置いた。闘技場にも、ジャックはいない。どこにもいない。
小坊主が闘技場に入り、恐る恐るRに近づいていく。
「あ、R・田中一郎選手? 今、一体、何が?」
Rはカメラを上下左右から眺め、ぱかっと蓋を開けて内部を点検したりして、
「……こりわびっくり」
「どうしたんです?」
Rは、小坊主の方に振り向いて答えた。
「赤外線ではなく……極大消滅呪文メドローアが出たようです」
小坊主の顔から、感情が消滅した。
「そ、そうすると、つまり、ジャック選手はどこに行ったと?」
「それは多分……」
Rは、真上を指差した。……小坊主が絶句する。
「それはそれとして、あなたもどうですか? 一枚記念に」
「ぅわああああぁぁっ!」
Rにカメラを向けられた小坊主は悲鳴を上げて逃げ、光成のところに戻った。
「ど、ど、どーするんですご老公っ?」
光成はしばし悩んだ後、意を決してマイクを手にし、闘技場に降り立った。
「うおっほん。……真剣勝負は、一瞬の油断も許されない! カメラから
消滅呪文メドローアが出た、などという言い訳は通用しないっ! という訳で!」
光成が、放送席を指差した。実況がすかさず、
「決ちゃああああああああぁぁぁぁく! ロボットではなく、アンドロイドっ!
R・田中一郎がっ! 東京ドーム地下闘技場最大トーナメント……
チャンピオンだああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「汝を如何にせ……どぶえっ!」
押し潰されたような、男の悲鳴がした。
その男の上で、色黒の青年と白衣の中年がきょろきょろしている。
何やら古めかしい、石造りの建物の中だ。周りに鎧姿の男たちが大勢いる
(驚いた目で二人を見ている)ところをみると、戦国時代の城の中?
「な、なんだ。どこだここは!?」
「砲が爆発したからのう。一割ほどズレたとして……二千二百年前、と
いったところか。場所もおそらくズレておる。外国かもしれんな」
過去の世界にやってきた、烈と成原博士である。と、二人の足元の地面が、
「貴様らああああぁぁぁぁっ!」
がばっ、と立ち上がって二人を振り落とした。周囲の者たちと同じく武装した、
だがその体躯も威厳も殺気も、誰とも比べものにならない大男である。
「漢の間者か! そうだな! 我が軍最後の夜の、最後の酒宴すらも、その
汚れきった足で踏みにじろうというのかっっ!」
「な、何? なんだか解らんが、お前たちのいる場所は二千年前に」
「黙れええええぇぇぇぇっ!」
大男が、烈に殴りかかった。反射的にそれをかわし、応戦する烈。
烈は知らない。この大男が、中国の歴史上屈指の強者、覇王・項羽であることを。
「どうだ、靴を脱いだぞっ。この意味が解るか? 例えるならボクサーがグローブを」
「訳の解らんことをぬかすなああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
烈の運命や如何に。烈烈汝を如何にせん。
山が、動いた。十億円分の最高級ササニシキを積み上げたリヤカーである。
「これだけあれば、みなさん一緒に、お腹一杯食べられますね」
Rはご機嫌だ。リヤカーを引いて、えっちらおっちら、歩いていく。
「えっと、春風高校(練馬区)は……ああ、こっちですね。それでは」
光画部のみんなの、喜ぶ顔を思い浮かべて。
Rは埼玉県の地図を懐にしまって、えっちらおっちら、歩き出した。
ふら〜り移転記念かきこ
本スレの方は、ザクさんや世界さんが新展開っぽくなり、VSさんの復帰など
大きな流れが。そしてここでは、パオさんともつおさんの関係について何やら
ちょっとカッコいいフレーズがちらほら。
……で、肝心のパオさ〜ん! もちろん本スレの方でいいですから、
来てくださぁぁい!
あ、あと、見ておられましたらバレさんへ。項羽は「赤龍王」からと
いうことでよろしく♪
>>867は中途半端な誤爆。こっちが現行スレかと勘違いしてた。
ふら〜り氏はそろそろ現行スレに移行していいんでないかい?レベル的にも、時期的にも。
ていうか・・・ここを埋め立てれば強制的に(ry
>868
ふら〜り殿、もつ枯様です。
また戻って来られうれしい限りです。
ふら〜りさんは本当にいいな。
2ちゃんのレスから「人徳」を感じたのは初めてだ。
最近、ジャングルの王者だの各国の動物だの、あらゆる垣根を越えていろんなところで
いろんな相手を「喰って」いる勇次郎。今日は、ある有名人を喰う為にロンドンに
やってきた。街中でそいつを見つけて、静かに後をつける。するとその男は人気のない
裏通りへと歩いていき、止まった。勇次郎は、その背に笑いかける。
「はっ。一般市民に迷惑をかけねえように、か。大変だな公務員は」
「範馬勇次郎、だな。私とコンタクトを取ろうとしているらしいとの情報は得ていた」
「ほう。さすがだな公務員。……なら、俺の要求も解ってるってワケだ!」
勇次郎は、未だ背を向けたままの男に襲い掛かった。その背を覆い隠す長い黒髪ごと、
背中から胸まで貫く威力を秘めた、砲弾のような拳を放つ。
が、その拳は男の髪には触れず、代わりに人間大の丸太を打ち砕いた。
「何っ!? こ、これは……はっ、面白い」
勇次郎は、ふっ、と拳に息を吹きかけて木クズを飛ばすと、辺りを見回しながら言った。
「最近のMI6じゃあ、根来流忍術もトレーニングメニューに入っているのかい?
なあ、美少年キラー・バンコラン少佐よぉ」
「……やはり人違いだったか。私の名はパタコラン少佐だ」
どこからともなく、声がする。
「バンコラン少佐は今、さる高貴な人物と大事な用件の最中だ。邪魔はしないで貰いたい」
「ふん。その言葉、そっくり返すぜ。俺との大事な用件を邪魔しないで貰おうか!」
突如、轟音。勇次郎の足刀蹴りが、すぐ脇のコンクリート壁を打ち砕いたのだ。
その壁に張り付いていた、壁と同じ絵の描かれた布切れを貫いて。
勇次郎は、その布の裏に隠れていたパタコランごと、壁を砕いたつもりだったの
だが……崩れた瓦礫の中には、布切れ以外何もない。
「っ!? そんなはずは」
勇次郎は少なからず、驚いた。最初の変わり身は意表を突かれたものの、今の蹴りは完璧
だったはずだ。相手の気配を読みきり、こちらが気付いたことを悟らせず、最速の一撃。
それなのに、今、ここには勇次郎しかいない。もう周囲には、誰の気配もない。
「……パタコラン、か。思わぬ拾いものかもしれんな……」
勇次郎は瓦礫だけを残し、立ち去った。
ここでなら許して貰えるかな、と少々自分語りを。
来月二日から、私はちょっと来にくくなりそうです……が、書き込む頻度は落ちても、
絶対に「完全消滅」はしませんよっ。何といっても、私はここ(バキスレ)が好き
なんですから。そう簡単には、離れられませんて♪
で。身に余るお褒めの言葉の数々、光栄です。本スレへの移転ですが、まぁ私は、
このままでもいいかなと。いっそ、今後もずっと、「新スレ移行時の旧スレ埋め立ては
二軍スレにする」として、ず〜っとそこで書き続けるというのもいいかな、と。
……ですが。結局まだ、バレさんが一度書かれたっきりなんですよねぇ。うぅ。
集え、書きたい者たちよっ! 本スレに倣い、刃牙と無関係でもいいからっっ!
寂しいな。ふらーりさんのレスが職人をつないでた所があったのに。特にパオ。
EEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE
レスなくなっちゃうよ。寂しいよ。
じゃ、ふら〜り氏がいない間にこっち埋めちゃって本スレに書いてもらおうかな。
本スレってどこですか?できれば場所を教えて欲しいのですが…。
878 :
876:03/08/24 01:00 ID:???
hosyu
「咄嗟にタイムワープで逃げたから何とか助かったが、いやはやさすがだったなオーガは」
ロンドンの、賑やかな商店街。タマネギとパタリロが並んで歩いている。
「一国の軍事力に匹敵する格闘能力、という噂に恥じな……どうした? 青い顔して」
「ど、ど、どうしたもこうしたもっっ!」
タマネギは青い顔で叫んだ。
「いきなりいなくなったと思ったら、あの範馬勇次郎にケンカ売ってたんですか、殿下はっっ!?」
「いや、実際に売ってきたのは向こうなんだが。黒タマの入手した情報を利用して
誘ってみたというか。ちょっとした好奇心でだな」
「好奇心で、世界にその名を轟かせる危険人物を挑発しないで下さいっ!」
「解った解った。いくら僕でも、勝てる見込みのないケンカはしない。僕は今まで、
本物の魔王や暗殺用ロボットやその他いろんなのとやりあってきたが、その中でもあの
範馬勇次郎はトップクラスだ。もうやらん。そもそも、今日は元々平和な金儲けに来たんだし」
パタリロが「もうやらん」と言ったので、ほっと胸を撫で下ろすタマネギ。
だが、「金儲け」のフレーズがまた、新たな危機感を煽る。
「で、何をされるんです。ここに来られたということは、やはり少佐かマライヒさん絡みで?」
「両方だ」
と、パタリロはポケットから何かの液体が入った小瓶を取り出した。
「実はマライヒに依頼されて、バンコランの『美少年に対する自信』を抑え込む薬を作ったんだ。
で、これはその中和剤」
「? どういうことなんです」
「薬は、既にマライヒが食事に混ぜて飲ませた。以来バンコランは、自分が美少年にモテないと
強烈に思い込み、浮気をしなくなった。……が、やはり薬でムリヤリ精神を押さえ込んでいる
訳だから、バンコランは精神的・肉体的にかなりの負担を抱え込むことになる。自分でも
理由の解らない不安や緊張が高まってくる。そこに、強壮剤とでも称してこれを売りつける」
「ですがそうすると、マライヒさんの方は?」
「薬の効き目が切れたんだろう、と言ってもう一度『自信抑え込み薬』を売りつける」
881 :
ふの字:03/08/25 22:06 ID:???
「……以下繰り返し、ですか。いつもながらエゲつないですね」
「前にも一度、似たようなことをしたが、あの時はキーワード一つで解除される催眠術、なんて
ヤワなものだったから失敗したんだ。今度は、この中和剤を飲まない限り誰が何をしようと
絶対に解けないからな。完璧だ」
「好きにして下さい」
パタリロの金儲けにかける意地汚さには、タマネギ全員が慣れっこになっている。もう
この程度のことでは驚かない。催眠術の時だって、さんざん面白がってバンコランを
からかった挙句……と、タマネギが足を止めた。
「……殿下。少佐の浮気性をムリヤリ抑えている、んですよね。催眠術の時と同様に」
「そうだ。今言った通り、あの時よりも堅固にな」
「あの時は確か、自信喪失のあまりロクに外にも出ず、精気のない顔になってましたが」
「ああ。とても殺人許可証を持つエリート情報部員には見えなかった」
「で今、少佐は範馬勇次郎に狙われているんですよね?」
「……あ」
夕刻。ロンドンの某所、路地裏。勇次郎が、バンコランを追い詰めていた。
無論、バンコランは格闘に付き合う義理などないので、人気が絶えたところに勇次郎を
誘い出して銃で攻撃した。が、なにしろ勇次郎である。遠距離からのライフルによる
狙撃ならいざ知らず、面と向かい合っての拳銃一丁の連射程度では、軽くかわされて
しまう。しかもバンコランは今、本調子ではない。
「かつてKGBを震え上がらせた最強のダブルオー要員とは、この程度かっ!」
連射の隙をついて間合いを詰めた勇次郎の蹴りが、バンコランの手から銃を蹴り飛ば
した。そのままその足で横殴りに、バンコランの側頭部を打つ。バンコランは必死に
ガードするが、なす術もなく吹っ飛ばされてしまった。
882 :
ふの字:03/08/25 22:07 ID:???
「ふん、失望したわ」
トドメの一撃を加えるべく、勇次郎が倒れているバンコランに近づいていく。と、そこに、
「待て、範馬勇次郎っ! 今のバンコランは、真の実力を発揮できない状態にある!」
パタリロが、続いてタマネギが、二人の間に割って入った。タマネギがパタリロから
小瓶を受け取ってバンコランに飲ませ、パタリロは勇次郎に向かって説得。
「お前も地上最強の生物とまで言われた男なら、バンコランが復調してから倒した方が……」
「殿下、飲ませ終わりましたっ!」
「よし、では退避っっ!」
二人は、嵐のように去って行った。後に残されたのは倒れているバンコランと勇次郎、
そして空の小瓶。
『今のガキは、筋肉の動きからして間違いなくパタコランだが……何なんだ? 何か
飲ませていたようだったが、どういうつもりだ?』
勇次郎が首を捻っていると、バンコランが、ゆら〜と起き上がった。
一時間後。夕陽が沈みきった、夜のロンドン某所。パタリロとタマネギが歩いている。
「やれやれ、一時はどうなることかと思った」
「殿下のせいでしょーがっ」
「いや、しかし、考えようによってはケガの巧妙かもしれないぞ。普段のバンコランだったら
あっさり負けてたところ、『例の効果のおかげで』あの範馬勇次郎を撃退できた、と」
「少佐の浮気心を抑える効果が、前回の催眠術よりも強い。それだけに、突然解除した
時の理性喪失・欲求不満爆発パワーも強い、ですか。催眠術の時でさえ、殿下を襲う
などという人間の尊厳に関わるマネをしましたからねえ。今回はどうなることやら」
「……どういう意味だ、それは?」
歩く二人の耳に、野獣のような咆哮と勇次郎の悲鳴が聞こえてくる。まだ、壮絶な
追いかけっこを続けているらしい。「俺にそのケはないっ」「えぇい離せ、この変態がっ」
「や、やめろ、おいっ!」「た、助けてくれええぇぇ!」などなど。
「……殿下。今、衣服の破れる音が聞こえたような」
「う〜む。オーガを襲ったとなると、ますますバンコランの、裏の世界での地位が上がるな」
「それ、上がるって言うんでしょうか?」
夜のロンドンに響き渡る、地上最強の生物の悲鳴。
勇次郎は今、ある特殊方面での貞操の危機を迎えていた。
883 :
ふの字:03/08/25 22:08 ID:???
パタリロには確か、全く無制限に時間を止められる能力がありましたが、私の知る限りでは
一エピソードでしか使ってませんので外しました。
少女漫画には一切手を出さないが、パタリロだけは例外……って人は結構いるのではと推測。
でも、もう長いこと再放送してませんからねぇ。「少女漫画に手を出さない少年漫画ヲタ」の
人たちの目にパタリロが触れないのは正直、勿体無い。DVD化の話はあるようですが……。
それはそうと。私は当初、ここに「自称二軍、実力一軍」という謙虚な方々が多数集結して
しまい、結果として本スレで新人が出にくくなり、「くぉら、ふら〜り! 貴様はバキスレを
割って薄めて潰す気かっっ!」と怒られるのではという不安が、少しはあったのですが。
……皮算用でしたな。はははは(光涙)。
ノックの音がした。
右手に痛々しい包帯を巻いた大男・・・アレクサンダー・ガーレンは、日記を書く筆を止め、ちらりとドアのほうを見た。
(・・・誰だ・・・?)
その疑問ももっともだ。現在時刻は午後10時、天候は荒れ狂う大雪。この状況で外を出歩くなんて、自殺行為以外の何者でもない。
それに、現在ガーレンが一人で住み、資源発掘作業の拠点ともしているこの小屋は、もっとも近い街でも車で片道3時間はかかる。
それに加え、ガーレンには、ここをたずねてくるような人間などほとんどいないのだ。近しい友人も家族もいない。
レスリング公式戦20年間600戦無敗という肩書きを神聖視するレスラーやトレーナー達が
尋ねてくることもごくごくたまにあることもあるが、それにしては非常識な時間だ。
唯一可能性があるのは偉い方が尋ねてきたことだが、そんな連絡は事前に入っていない。
(・・・空耳だろう、きっと)
そう思った。愛する母国ロシアのために働いているとはいえ、自覚の無いまま人恋しさ故のストレスもたまっていたのかも知れない。
今日は早めに寝るとしようか。そう思い、日記へと再び視線を移したときだった。
ふわり、と、今日の分の作業記録用紙が舞った。身を切るような冷気の風と雪とが、ガーレンのほほを撫ぜた。
驚いて入り口を見やると、そこには、囚人服の大柄な男が立っていた。
全身にうっすらと汗をかき、鋭い目線でガーレンを見据える男。
(・・・この天候のなか、この格好で、こんなところへ、徒歩でやってきたというのか?)
しかも、よく見れば、男は素足である。あまりの異常事態。
ガーレンは、情報がごちゃごちゃにもつれ合って混乱したまま、口を開いた。
「キミは・・・?」
たずねられた男は答える。
「・・・ふん、あの時と同じセリフだな」
「あの時・・・? 何の話だ?」
「ふん、そうくるかい・・・。自分の不利になる記憶なんぞ、覚えちゃいねェってか、英雄さんよ」
英雄さんよ・・・。聞き覚えのあるフレーズ。ガーレンはすべてを思い出した。
「・・・シコル・・・」
「アンタには借りがある・・・返してもらうぜ」
シコルスキーは、大学内で一目置かれる存在であった。
すべての運動部に所属し、それぞれの部でトップレベルの選手として活躍をしていた。
特にカラテやレスリング、フェンシングに槍術といった、武道に属するスポーツでの活躍はめざましく、数多くの大会を制覇した。
あまりに多くの部に所属しているため、ほとんど練習に参加することは出来なかったが、スポーツすべてに共通する必要技能、
筋力や持久力、瞬発力、体力の使い方、リズム感、直感力など、ありとあらゆる才能が、練習不足を補って余りあるものを持っていたのだ。
そんな彼に、大学がオリンピック出場を持ちかけるのは、当然のことだったといってよい。
メダリストを輩出したとなれば、大学の知名度や好感度が一気に上昇するのは当然であるからだ。
旧ソ崩壊による民主化の波で存続が危ぶまれる大学が、この怪物をうまく利用しようと考えるのは至極順当な考えであった。
しかし、大学もひとつだけ誤算があった。シコルが、レスリング枠に参加すると言い出したのだ。
大学は、ガーレンが金メダルをとることがほぼ確定しているレスリング重量級への参加は無意味である、
出来ればレスリング以外の種目に挑んでもらえないか、と提案したが、シコルスはコレを断固として拒否。
ではせめて減量をし、中量級で出場してもらえないかと言う大学に、シコルスはこう言い放った。
「アンタら、さっきからワカってないみたいだけど・・・俺はガーレンと闘りたいンだよッッ」
結果から言えば、シコルの望みは半分だけ叶った。
予選会準決勝で、彼は念願のガーレンとの対戦を果たしたのだ。しかし、彼の望んでいた試合展開にはならなかった。
超人的な敏捷性で背後を取ろうとするシコルスキー。並みのレスラーならばあっさりと投げまで持っていかれるところだろう。
しかし、ガーレン。シコルをするりとさばき、瞬く間にマットへとたたきつけたのだ。試合開始からわずか4秒。シコルの視界はゆがみ、臓物は踊った。
・・・ここで、勝負はほとんどついた。
シコルは果敢に攻めた。しかし、どうしてもあの投げを恐れてしまい、いつものような激しい組み合いをすることができない。
対するガーレンは、余裕からか、攻めようとせずにゆったりと構えている。
そのまま、試合はほとんど進展することなく、投げの分の点差でガーレンが勝利した。
シコルスキーは控え室に戻ると、ロッカーを開けた。しかし、そこから手が動かない。
頭の中では、敗北感と喪失感、憤りと・・・そして言い訳が渦巻いていた。
(どうして負けた俺は強い嘘だ認めない負けなんてありえない馬鹿な嘘だ)
俺はレスリング同好会に所属しているとはいえ、練習なんて何一つやってない。
(負けた負けた口惜しい嘘だ認めない絶対に負けだなんてありえない嘘だ)
ただ基本的ルールと形を教わっただけで、本格的な訓練はやりこんでいない。
(俺は弱い?馬鹿なそんなありえない決して認めない絶対にそんなことは)
だから、俺は練習すれば強くなれる、あいつより必ず絶対に負けることはないはずだから俺は負けてない次は勝てる俺は強い強い強い強い強い強い・・・
ロッカーを開けたきり、ぶつぶつと何かをつぶやきながら動かないシコルを見て、大学の同級生が心配して肩に手を置いた、その瞬間。
「俺は強い強い強い・・・・
強 い ん だ ァ ァ ァ ァ ァ ! ! 」
ぐしゃッ。
事実だけを書こう。
この日、大学のレスリング部員24名がシコルの狂気の被害者となった。
うち6名は即死、8名は病院で死亡、3名は廃人になり、のこりは皆障害者となった。
そして、次の日。シコルスはガーレンの前にあらわれたのである。
「キミは・・・?」
「よう・・・待ってたぜ、英雄さんよ・・・」
「思い出したか?」
シコルスの嘲笑に、ガーレンの回想はさえぎられた。
「・・・ああ、かなりね」
「ふん・・・ならいいけどよ・・・」
シコルが小屋に入ってくる。悠然と、まったく無防備に。あの時と同じだ。
ガーレンは組み付きに行きたいのを必死でこらえる。こいつはいつでも反撃できる。
無防備に見せているだけだ。必死にそう自分に言い聞かせた。
そんなガーレンの様子を知ってか知らずか、シコルは余裕たっぷりに、
見下すような笑みを見せながら歩みを進めた。
「ああ、そういや、地下闘技場のビデオ、見させてもらったよ」
「・・・キミは刑務所にいたんだろう?」
じり、じり。ガーレンは僅かずつうしろに下がった。シコルは基本的には打撃タイプのファイターだ。
間合いを詰めさせすぎては不利になる。
「ふん、いくらでも方法はあるさ。それより、アレを見た感じじゃ、まだまだ現役でイケそうだったじゃないか?
なんだって急に引退してこんな辺鄙な山奥に住みたいなんて言い出したんだ?」
「祖国の役に立ちたいと思ってね・・・。人を投げても何も出ないが、ここならウランが出てくるからね」
「ふーん・・・」
シコルは表情も、姿勢も、歩く速度もほとんど変えない。ゆっくりと間合いを詰めてくる。全身を脱力し、
いつでもすぐに反応できる態勢を整えている。タックルできる隙がない。
「正直にいいなよ、英雄さん・・・素人にやられたなんて醜聞流されるわけには行かないから逃げたンだろ?
あンときグチャグチャに潰しといたからなァ、使いものになんなくなっちまったんだろ?」
「ああ、おかげでここでの禁欲生活もしやすかったよ」
「ふん、ヤッパリな」
シコルスの挑発にもガーレンは耐える。安い挑発だ。確かに、昔路上でこの男とやりあったとき、
タックルをあっさり切られ、ヒザを顔面に叩きこまれ、両方の睾丸を破壊された。しかし、それがなんだというのだ?
今は今。そう割り切れるこの精神力が、我が無敗の伝説を打ち立てたのだ。
「そうそう・・・」
シコルスがなにかを思い出したように話し始めた。
「ここにわざわざ寄った理由を思い出したよ・・・」
「・・・」
「なあ・・・アンタ、俺にボコされたとき、どんな気分だった?」
「・・・?」
理解できていないような表情のガーレンに、シコルは更に続ける。
「アンタは、今まで負けを知らなかった・・・だが俺に負けた。そのときの気分だよ」
「・・・言っている意味が分からない」
「ふーん、そうか・・・」
シコルは残念そうな表情を浮かべた。
「オーケイ、分かった・・・それだけだ・・・終わりにしようか」
シコルの体がふわりと浮くと、そのまま天井に張り付いた。
そこで、ガーレンの意識は途切れた。
ふら〜りさんに賛同し、SSを準備し始めたのがかなり前・・・。
そうとう時間かけたのに、こんな文しか作れなかったァー。
以上です。続きありません。なんか読み返すとアレな感じしますが。
「バキ」1巻のコマとコマの間に入る話です。こじつけですが。
ああー、もう、何書いてんだろ・・・。駄文失礼しました。
891 :
バレ:03/08/27 02:02 ID:???
>890
そんなコトないですよ〜
もしかして、まとめサイトの死刑囚外伝に
「シコルスキー外伝はありません」とあったので、書いてくださったのですか〜
アリガトォォッ
ドッポリア家に、血の花が咲いた。
怒れる江田島に八つ裂きにされた田沢を介抱しながらも
ドッポリアの愚痴はとどまるところを知らない。
ホモ呼ばわりされた位で、あのオッサンも大人げねーな。
田沢の侮辱発言、まだまだあるんだぞ。全部教えてやったら
どうなったかな。今度匿名で手紙でも出してやろう。そういや
江田島が親父に何の用だったんだ?いつまで寝てんだ、死に損ない!
死線をさまよう田沢を叩き起こし、説明を要求した。
ドッポリア家の財源は、ドッポリアのリース料である。
小さなボディに搭載した計測器、コンピュータ、重機機能が
業界関係者のニーズに見事応えた結果である。同時に
子供のいない老夫婦への貸し出しも行い、無職で学生の田沢を
なんとか養っている。
レンズの吹っ飛んだ眼鏡をかけ、這うようにドッポリアの背後に
回った田沢が、震える手でドッポリアの右肩を軽く叩く。
ドッポリアの瞳孔が拡散する。眼球のシャッターがゆっくりと
開き始め、奥から小さな銃口がせり出した。
お、目からビームか。こりゃまたポエムな武器を仕込んでくれるじゃ
ないの!と関心しかけたドッポリアの目から発射されたのは
反重力砲だった。一条の光が窓ガラスをつき抜け、向かいのビルを
包み込んで大爆発した。跡地は巨大なクレーターと化していた。
あっぶねえよ!せめてタバコに火がつく位の威力にしておけよ!
ドッポリアの抗議には取り合わず、田沢が口を開いた。
一国を滅ぼすほどの軍事力を有するドッポリアを、このまま
野放しにはしておけない。処分せよ、との江田島塾長のお達しだ。
頼むドッポリア!日本の未来のために、死んでくれ!
ここで死ななきゃ男がすたる。感激屋のドッポリア、一も二もなく
了解した。その夜は田沢と一緒の布団で寝た。最後の親子のふれ合いである。
処刑当日の朝がやって来た。
こちらでチャッチャと終わらせちゃいます。
正直なところ、5話目以降はいつものペースで
書けているつもり。これがダメなら、今までの
ウソバレその他も全部ダメってことになる。
と自分では思っているのですが、いかがなものでしょうか。
忌憚のないご意見求む。
今までのもダメだったんだよ、というご指摘も歓迎であります。
>>893 面白いです、反重力のやりとりで笑いました。
ですけどいつもと比べると電波力が落ちてらっしゃる。
895 :
マロン名無しさん:03/08/27 15:26 ID:cg2Zc2gz
クソスレあげ
>>こりゃまたポエムな武器を仕込んでくれるじゃないの!
と反重力砲がよかた。
897 :
バレ:03/08/27 20:26 ID:???
>893
ここで書かれていましたか、
電波の弱くなったという意見は、連載モノにしたからでしょうね。
単発なら突き抜けたまま終わればいいですが、連載の場合、
どうしても次を意識して飛べなくなってしまう。
私個人の感想としては、テンポが以前と少し違うように思います。
以前の作品はもっと流して読んでも理解できたのですが、
今回は少し分かり難い。
まあ、人それぞれと思いますが。
>ふら〜りさん
すいません、こっちに書く予定の練習SS、現行スレの状況が余りに酷いので
向こうに書いてしまいました。
(練習なだけに酷い出来でしたが。叩かれなかっただけマシですな)
>>シコルス外伝さん
ありがとうございますっ! ほんとにほんとに、ありがとうございますっっ!
原作で、「彼が犯罪に手を染めなければ、いくつの金メダルを我が国に
もたらしたことか……」って言ってましたが、そこから発想されたんですか?
シコルスが、ガーレン以上の万能超人だってヒシヒシ伝わってきます。……で、
彼の人生を狂わせたのがそのガーレン。しかしシコルス当人は、そのことは
もう恨みに思っている訳ではない(既に雪辱は終えてる)、と。
外伝らしい外伝、ですね。整合性も見事。できれば後の四人も書いて欲しいです。
>>VSさん
実は高性能だったドッポリア。……にしても「目からビーム」ってVSさん、
もしかしてアレですか? アレも漫画がありますから、一度アレを題材に
してみてはいどうでしょう。元々かなり暴走してる王女様のこと、VSさんが
書かれればどういうことになるか、ちょっと楽しみです。
で。バレさんやVSさん自身も言っておられましたが、自分で自分に枠を
作ってしまった観がありますね。忌憚のない意見、でしたら
>>894さんに
ど〜いです。読者としては、以前の作品の方がパワーがある、と思います。
>>バレさん
ああいう状況で投下されたのは、ご立派です。私も出そうかと思ったの
ですが、いいのが出てこなくて……パオさん引退騒動の時と逆ですね、これ。
ところで、宜しければあれ(カレーうどんですよね?)がバレさんだと
紹介した上で、あちらで感想を書きたいのですが。宜しいでしょうか?
なんでしたら「カレーうどんさん」でいきますけど。どうしましょう?
>>VSさん
あなたのファンです。SSって面白い、と思ったのはパオ氏の作品を見てからですが、
SS書きたい、と思ったのはあなたの作品を見てからです。
正直なところを言えば、ドッポリアはVSさんらしくない作品のような気がしますね。
ぜひ! あの往年のパゥワーあふれるSSを!
>>バレさん
保管にSSに、ほんとーーーにお疲れさまです。
SS読んで、なんだか原点回帰させていただきました。
ずっとROMだった者として、僭越ながらROMを代表して・・・
「 こ れ か ら も よ ろ し く お 願 い し ま す ! 」
>>ふら〜りさん
さ、さすがは伝説のSS応援師ことふら〜りさん・・・発想をことごとく読みきっていらっしゃる。
本当は一本拳とか、握力とか、いろいろと盛り込めればよかったんですけど、技術不足でした。
ほかの4人は、皆さんいろいろ書いていらっしゃって、流石に手が出しづらいです・・・。
ためしに書いて、うまいものが出来たら、いつの日か、ということで。
>>職人様
声には出ずとも、あなたがたの作品を心待ちにしている人はいます。
僕はシコルス外伝が2ch初カキコで、ずっとROMでした。
ぜひぜひ、続きを書いていただきたい。どうかよろしくお願いします。
糞同士で馴れ合いか。
>>900 その糞に同化せず、それでもここに飛んで来た貴方はハエですね。
ぶんぶんうるさいから消えて下さい。はい、しゅっ(殺虫剤)。
902 :
バレ:03/08/28 00:06 ID:???
903 :
バレ:03/08/28 00:20 ID:???
>ふら〜りさん
私は関西在住。京都よりの大阪人だったりします。
確率…
なんて、全然足向けてもらって構いませんよ。
>>バレさん
補完の更新、見させて頂きましたよっ! パオさんたちと一緒に自分の
作品が並んでいる、というのは何というかこう……感慨、じゃないし
感動、ではありきたりだし……えい、とにかく、嬉しかったです!
ただ、その、すみませんが一点だけ。「志々雄と愉快な仲間たちは、
こんな感じで」はコメントではなく本文の一部のつもりだったんですよぅ。
方治のセリフの後に続く地の文、ということで。ですから、お手数
ですができれば訂正して頂きたいのです……もちろん、急ぎませんけど。
あ、タイトルはあのままでいいです。フレーズとしてはかなり気に入って
ますので♪
>>シコルス外伝さん
私は、作品のレベルは無論のこと、ここを提言した責任もありますので、
そう易々とは動けません。
んが、シル外伝さん(略称)。バレさんも言っておられる通り、アナタは
死刑囚外伝最後の一人を見事に埋められた方。そのレベルも充分なもの
でした。てな訳で、ぜひ、本スレに行くべきですっ! 今ちょっと勢いが
落ちている様子ですし、そこを支える一翼として!
それと。何とも素敵でユカイな称号、有難く頂戴いたしまするっ。
まだ暗い空の下を、学ラン姿の人足達がかけずり回る。松明の光に
照らし出された巨大な十字架が、魔人のような影を大地に落とす。
ドッポリアを待ち受ける磔柱の白い巨体に、夏の夜露がからみつく。
臨時刑場となった男塾の校庭は、創立以来の賑わいを見せた。
竹矢来の外には見物客が殺到し、興奮の余り屋台でコサージュを
売り始めた塾生と一触即発のにらみ合いが続く。裏の広場では
死ぬのはJだと決めつけた一部のファンが、Jの葬式をおっ始め
ピンピンしてるJ本人と一触即発のにらみ合いが続く。
煮えくり返るような騒ぎの中、荘厳な音楽が鳴り響く。
正面のドアが重々しく開き、スモークの中から一人の男が
姿を現した。本日の主役、ドッポリアの入場だ。
歓声に手を振って応え、軽快な足取りで走ってくる。
そのまま磔柱をスルーすると、開いた校門から外に出て行った。
逃げた!事態を把握した江田島が、すぐさま田沢に捕縛を命じた。
完全に開き直ったドッポリア。しょうがねえだろ、朝起きたらやっぱ死にたく
なかったんだから。昨日は昨日、今日は今日で通ってんだバカヤロウ!
日本刀をメチャクチャに振り回して追っ手を牽制するが
多勢に無勢。とうとう袋小路に追いつめられた。
ドッポリアの脳裏に電撃が走った。そうだ、反重力砲だ!
ニヤリと笑って右肩をポンと叩く。お前らみんな死んでしまえ!
眼球が開く。銃口がせり出す。歯磨き粉がニュルニュル出てくる。終了。
こんなこともあろうかと、田沢が前夜に改造を施しておいたのだ。
軍事力を大幅に削減されたドッポリアだが、だからと言って
死なずに済むという法はない。搦め捕られて、予定通り磔の刑に処された。
ガラクタと化したドッポリアを穴に放り込み、田沢が土をかぶせる。
土饅頭に唾を吐きかけ、立ち去っていく。ドッポリアは死んだ。
人々もドッポリアを忘れた。ドッポリア亡き後も、日常は何食わぬ顔で回り出した。
ドッポリアの新たな冒険が、今始まる。ゆけ、ドッポリア!負けるな、ドッポリア!
終了。
もともと、自分のネタを電波だと思ったことは
なかったんですよ。自覚のないのが電波の証だという
見方もできるけど。ドッポリアは当人も認める完全な電波でした。
>ふら〜りさん
「アレ」、何のことか分からなかったので検索して
しまいました。なるほど、アレですか。
目からビームってのは、あくまでも「漫画・アニメの王道設定」と
いうことでネタフリに使っただけであります。
ザクは面白いなぁ。マリオが意外と食い下がっているので
ビックリ。
>パタリロ
懐かしい。実際魔夜ワールドに勇次郎が出てきたら
こんな感じの扱いになるでしょうな。
パタコラン、いたなぁ。キーン、ピョートル、スカンキー。
うわー。
>シコル
で、本編の血まみれガーレンにつながっていく、と。
本来、こういう狂気をはらんだキャラだったんでしょうね、シコル。
バケツをかぶって股間に手を当てて踊り回るようなシコルは
本当にカンベンしてもらいたいものです。
つーわけで、懲りずに「ドッポリア」を読んで下さった皆様には
大変感謝しております。
「電波が弱い」というご指摘に関しては、やはりそうか、という
思いと同時に、力加減が意のままにならぬもどかしさを
感じております。
「無自覚であること」が電波の電波たる所以と、私は解釈して
おるのですが、それでも意識的に「電波まがい」を散りばめることは
できるんですね。ただ、その濃度が弱すぎると39号ウソバレに、
強すぎるとドッポリアになってしまう。
このバランス調節を常に適正に行えるようになればいいのですが
いや、まだまだ道は長いんであります。
909 :
バレ:03/08/29 19:00 ID:???
ドッポリア完結乙かれさまでした!
電波ネタを無自覚に出来るのは凄いというか…
>歓声に手を振って応え、軽快な足取りで走ってくる。
>そのまま磔柱をスルーすると、開いた校門から外に出て行った。
この部分が個人的にはツボにはまりました。
今回は少し残念な結果になってしまいましたが、また来て下さい。
次回作期待していますんで
>>VSさん
空前の企画「ドッポリア」、お疲れ様でした。私もバレさんと同じところで
ツボりましたよ。荘厳な入場テーマ曲やスモークをくぐって、それかっ!
力加減は……「YAWARA!」の富士子さんとか、勝てない勝てないって
ビクついてると勝てて、勝てるって確信すると負けたりしますよね。こういう
ことは、いろんな分野で当てはまることかと。私も経験あります。自信作が
酷評、間に合わせが好評……とか。
これまたバレさんと同じ意見ですが、無自覚に電波を書けるのはやはり、
VSさんの才能の表れだと思いますよ。また、書いて下さいね!
>>バレさん
削除依頼、お疲れ様でした。行ってみたらバレさんがおられてびっくり
しましたよ〜。依頼方法が良く解らないままやってみたら、案の定思いっきり
素人っぽい書き込みに……うぅ恥ずかしい。
しかし何者なんでしょうね。SS関連のスレばかりに出没している、と
どこかで聞きましたが……?
912 :
バレ:03/08/29 23:36 ID:???
ふら〜りさん、削除依頼お疲れ様でした。
一つのスレから2人同時に削除依頼が来たのですから、削除は間違いないでしょう。
アク禁は?です。多分漫喫組でしょうから、アク禁も効果ないでしょうし。
(アク禁による他のユーザーへの被害を狙っている可能性もあり)
>しかし何者なんでしょうね。
荒らし
913 :
バレ:03/08/30 00:37 ID:???
追記:
ふら〜りさん、削除依頼の際も、荒らし対策スレに書き込む際も、
「アク禁して」は禁句扱いなので、気をつけたほうがいいかもですよ。
(荒らし対策スレは、あくまで「ここにこんな荒らしがいた」と住民が
報告するためのスレなので)
でも、お疲れ様です。
それでは。
「アンタと同じさ……範馬勇次郎戦へのとっておきだった」
「ほう。そういうことなら、一応は警戒すべきかな」
紅葉は落ち着き払って、全身の筋肉を固めた。
刃牙の拳の照準は水月だ。紅葉にとってそこは急所ではない。一撃をまともに受け止めて、
刃牙が絶望を感じたその時、ヘビー級ボクサー並のパンチを数十発叩き込み、
一気に決着をつけてやる……紅葉は、勝利を確信して突進した。そこへ真っ直ぐ、
「ちェりゃああああぁぁぁぁっ!」
刃牙の拳が、水月に突き刺さる!
刃牙は、我が目を疑った。必殺の剛体術をキメたのに。65キロの高速鉄球なのに。
倒れないはずはないのに。でも倒れてない。紅葉はバケモノか?
……いや、待て。目の前に立つ男は、紅葉ではない。黒い服を着ている。ガクランだ。
しかもいつの間にか、ここは料亭の前?
「お前とこの団は、まだ突きの練習が足らんのぉ」
と、その言葉と共に、刃牙の顔面に凄まじい破壊力を秘めた拳が叩き込まれた。自分で
自分の剛体術を受けたことなどないが、おそらくそれ以上のパワーだ。
刃牙は豪快に吹っ飛ばされ、電信柱の下に積み上げられていたゴミの山に突っ込んだ。
「ばかたれがああああぁぁぁぁ! 南河大応援団親衛隊長のこの青田赤道が、お前ら
三下になめられてたまるかああぁぁっ! さっさと去ねいっっ!」
地下闘技場の、医務室。
紅葉が半ベソをかきながら、必死になって男の治療をしていた。その男は、もう形容の
しようがないほどグチャグチャで、紅葉自身、「生きているのが不思議ですね。いや、すぐ死ぬ
でしょ。いくら私でも治しようがないですよはっはっはっ」と言いたくなるような状態だった。
が、それでも、何とかして蘇生させねばならない。でなければ自分は殺人犯だ。針麻酔をして、
心臓マッサージをして、手術もして……紅葉、大苦戦。その後ろでは光成が溜息をついている。
「さすがじゃのう。お主のラッシュを一般人が受ければ、お主ほどの名医でも蘇生は不可能か」
「ま、まだ、蘇生しないと決まった訳ではありませんっっ!」
「ちなみにその男、今調べさせたのじゃが泉北大学というところの応援団員だそうじゃ。
そろそろ家族に連絡……」
「まままま待ってくださいっ! 今、すぐ、必ず!」
紅葉は必死に、治療を続ける。刃牙を叩き潰すつもりだったのに、と言うか刃牙だったら
全治一ヶ月かそこいらで済むはずだったのに。なのに何で、応援団員?
すぐに気付いて攻撃を止めたものの、この有様。あぁ自分の強さが恨めしい。
『……って、ナルシスしてる場合じゃないっっ!』
紅葉はこの時、医師になって初めて、心の底から患者を助けたいと思ったのであった。
泉北大の団員たちが、青田に恐れをなして逃げ散った後。
「隊長隊長」
「なんや、様子が変でっせ」
富山が、青田の肩をつんつんとつついた。
北口が、青田のガクランの裾をくいくいと引っ張った。
そして、失神している刃牙を指差した。
「ん〜? あらほんと。いつの間にやら、露出狂少年になっているのねんのねん」
しょっちゅう団室で(たまに屋外でも)全裸になってるアンタが言えた義理か、と二人は
突っ込みたかったがやめた。命は大切にせねば。
「まあキミタチ、小者のことなんかどうでもよかろう。それよりそろそろ団締めコンパが
始まる頃合。酒や食いもんがなくなっては一大事のちゃんちゃこりん。さ、はよ入ろ入ろ」
「オッス」
と富山は答えて、青田に続いて料亭に入っていこうとしたが……北口が何やら考え込んでいる。
「どないしんたんや、北口?」
「……いや、あの露出狂。わし、あいつによう似た奴を見たような気がすんねん」
「へっ? どこでや」
「ミナミのゲーセンや。確か……ええっと……あぁ、ここまで出とんのやが、思い出せん」
「なんやそら。ほら、遅れると薬痴寺先輩に役者にされんで。はよ行こ」
富山に押されるようにして、北口も料亭に入っていく。
「あれは確か……ぶ……ぶぶ……ぶり……ぶりき・わ……」
この後。「もうあなたが目の前にいる」と勇次郎に宣言する予定だった刃牙はすっかり
自信を喪失して、山に入って自分のカラに閉じ篭ることになる。
で、なんだかんだと思い出している内に青田戦の惨敗を忘れ切り(脳まで筋肉なので)、
どうにか復活して最大トーナメントに挑むこととなるのであった。
またしても突然入れ替わりネタです。
研修合宿&その他もろもろの予定がズレて一日早まってしまいまして。で、慌てて
「何とかそれまでにもう一本! 間違いなくバレさんの知ってる作品で!」と考えた
のが、コレです。……ただ入れ替わってるだけですな。まぁその、北口の最後のセリフ
が言いたかったというか。ネオジオCDへの移植を楽しみにしてたんです、武力ワン。
なのに、いつの間にやらご愁傷様になってて。はぅ。
>>バレさん・削除関連の話
了解しました。以後気をつけるとします……というか、以後あんなのが出てこないと
良いのですが。
考えてみれば。本スレ移転以後のここは、私やバレさんが書くきっかけになり、
VSさんも来られ、更にシコルス外伝さんのおかげで死刑囚外伝が全員分揃った訳で。
当初予定の「二軍スレ」とは違った形でしたが、充分存在意義はあったかな、と。
そういう訳で、以後は私も、本スレの方に集中します。SSも、また書ければ書いて
みたいと思います。
ここに来て下さった方、読んで下さった方、と・く・に、ここの作品もきちんと
補完して下さったバレさん。本当に、ありがとうございましたっっ!
ふら〜りさん、乙かれさまでした!
応援団の選択、ナイスです!
ふら〜りさんは研修ですか。
本スレに書きましたが、明日からしばらく旅行に行きますので、これが(今月)
最後の書き込みになります。
帰ってきたら、保管庫の作品をスレ別や作者別に分ける作業をしようかと
思います。(スレ別に分けるとドッポリアは最終話が第一話より先に来ることに
まさにVS師に相応しい電波作)
では、私も本スレへ
人いない?
924 :
マロン名無しさん:03/09/29 20:02 ID:Ty+vtn4E