文学板にないので立てました。
週刊新潮に『男性自身』を31年間1614回にわたって執筆し、
「江分利満氏」として酒、競馬、野球、将棋、文学、礼儀作法、
会社勤め、旅行とあらゆるジャンルにわたって「こだわり」を見せつづけた
山口瞳について語りましょう。
※「山口なんて文学じゃない」って人は『血族』『家族』『人殺し』を読んで出直してね。
「国立の旦那」は終生の友人だった丸谷才一の言だけど、他にも誰か言ってそう。
福田和也氏はこの方、お嫌いのようで。
新潮新人賞選考会後の二次会で行った
飲み屋だか料亭でこの方の色紙を二階の窓から
捨てちゃって出禁になったようで。
へえ、それは初耳。
まあ長年直木賞選考委員してて晩年にはそれなりに「権力」もあったのかも。
向田邦子や海老沢泰久が作家として認知されたのもこの人の力が大きそうだし。
(俺的には向田も海老沢も良いと思うが)
今新潮文庫で手に入るのは
『江分利満氏の優雅な生活』『居酒屋兆冶』『温泉へ行こう』『行きつけの店』
『礼儀作法入門』『続・礼儀作法入門』『「男性自身」傑作選』(中年・熟年篇両方あり)
『やってみなはれみとくんなはれ』『山口瞳の人生作法』くらいか。
こうしてみると、新潮が山口を「粋人」として売り出そうとするのが分かるな。
まぁ私小説書いてた人だから当然といえば当然だが、山口瞳と聞いて
思い出すのは、個々の作品ではなくて作家本人についての事ばかり。
昔結構読んでいたはずなのに。
どれもダンボールに入れて押入れにつっこんでるので、ネタの提供が
出来そうもない。
そういえば推薦文とその依頼への弁明が面白かったね、
丸谷との絡みでいえば。
可もなく不可もなく。年とってから出世した人はみんなそんな感じ。まあ、一般書籍の方でやれば?
>>3 「季節なんて言葉は使いたくない」って言って石原慎太郎に喧嘩を売られたって
嘘みたいな話も聞いた事がある。
ほぼ同世代の三島由紀夫は『江分利満』を認めていたらしいが。
山口が本当に偉大なのは、「戦中派の心情」を語っているのに
戦中派以外の人間にも理解できるってことだろうな。
自分の家の不幸のことをさんざん語っているのに、その語りが無茶苦茶客観的だから
ぜんぜん湿っぽいところが無い。
まあ、復員後鉄火場に出入りして麻雀では殆ど無敵で、
本職のヤクザ連中からも恐れられた「豪傑」だからできる事かも知れんが。
一般書籍板で指摘されたが、ヤクザの競馬ノミ行為を堂々と批判してたのは
命の危険があったかもしれないし、清水幾多郎みたいな変節漢にも容赦しなかったし、
度胸が据わってたことだけは間違いない。
正直、「粋人」って面ばかりが強調されるのもどうかと思う。
山口の「無頼」な面はもっと評価されるべき。
すみません。
柳原良平のイラスト目当てで、この人の本買ってました。
いいと思いますよ。
山口と柳原は、村上春樹と安西水丸、丸谷才一と和田誠に匹敵する名コンビだと思いますしね。
このコンビの傑作としては、『やってみなはれみとくんなはれ』表紙の開高とサントリーオールドを
飲んでる絵をお勧めします。
13 :
12:2006/01/23(月) 19:09:03
柳原といえば、週刊誌に四コマ漫画を連載してたそうですね。
本人曰く(@文芸別冊の山口本)山口から貰ったネタで、
「ジャイアンツは嫌いだ」ってオヤジが最後のコマで家に帰って
「長嶋ーっ」って叫んでいるっていうのがあったそうですね。
実際、山口は名だたるアンチ巨人の一方で長嶋は嫌いじゃなかったそうですし。
(こういう話題が文学板で許されてしまうのが山口文学の「力」ですね)
14 :
12:2006/01/23(月) 19:15:01
『江分利満氏の優雅なサヨナラ』新潮文庫版の表紙もいいですよ。
絶版なのと、本編に柳原のイラストが出てこないのが難ですが。
とりあえずこっちでまでマンセーは無しな。アホくせえから。
16 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/23(月) 20:24:43
↑これ、俺じゃないからね。一応言っとくけど。
『やってみなはれみとくんなはれ』表紙の柳原良平って人そんなに人気があるのか・・
・・・微妙だな。山口も開高もえらい好々爺っぽく書かれているな。
名無しに俺も何も無いと思うがな。
とりあえず
>>15=
>>6だ。
別にアンチじゃないさ。ただ、ひたすらな礼賛やりたきゃ一般書籍ででも
やればとは思う。そんな話つまんねぇから。
ちなみに俺は
>>7じゃないw
>ひたすらな礼賛
礼讃でも色んな角度からできる。
柳原との関係なんてこのスレを立てるまで思いつかなかった。
>>19 まぁなんだ、俺の事は忘れて楽しくやってくれ。
個人的には、とかく礼儀作法にうるさいのも、本人に皮肉を言われるほど女房に
一途だったのも、結局は心のつっかい棒を求めての事だったと感じている。
溺れはせずとも、やっぱり情緒の人。お互いええ格好しいなので正面から
ぶつかる事はなかったにせよ、(少なくとも文学的には)丸谷とうまくいく訳が無い。
あとは原爆について書いたくだり、「恨みに思う」だっけ、よく思い出すな。
もう10年は読んでないので、引用不正確かもしれないが。
丸谷との関係が思ったよりも複雑だったのはうすうす感づいているけどね。
自分語りで失礼だが、「私小説」が嫌いな自分が唯一はまっている私小説作家。
(あとは檀一雄くらいか?)
あの独特の語り口は一度はまると病み付きになる。
「現代の百鬼園先生」を目指した紀行も面白いぞ。
旅行の「相方」スバル君(JTB→新潮の編集者)とのやりとりは
百鬼園先生とヒマラヤ山系氏のそれを思い出させてくれるぞ。
>>20 相当ストレスのたまる人生だったんだろうな。
「最高傑作」って言われてる『人殺し』なんかそれが行間から読み取れて、
読むのが辛かった(駄作って意味じゃない)。
山口の「サービス業の人への心配り」が好きだ
「お金を払ってるからといって、何をしても良い」というのは
「田舎モノの考え」と切り捨ててるよね
私、この板の「ナベズン 愛ルケ」スレもよく見てるけど
ズンは最低だな。
特に新幹線無賃乗車事件は、ホント不愉快だった。
礼儀作法入門でズンをひっぱたきたい。
あ、本が汚れるかw
>>24 山口の基準に従えば「文化人」といえども何人が合格するやら。
丸谷才一の『思考のレッスン』で、何かの晩餐会で吉田健一と折口信夫が
出会って初対面で意気投合して、それがきっかけで吉田が国学院に
出講するようになった、ってエピソードが挙げられてたが、
吉田と折口両方を敬愛してた山口にこの話を聞かせたかったけどできないで終わった、
って丸谷が言ってたな。
この二人はやっぱり最後まで「盟友」だったのだと信じたい...
丸谷の一連の王朝和歌本も折口学の延長線上にあるし、
この二人は文学的な資質とかは全く違ってもどこか似たところがあったんだろうな。
無知をさらけだすようで聞くのをためらっておったのだが・・
「国立の旦那」
ってどういう意味ですか?
>>28 山口が東京の国立市に住んでたから。
JR中央線は作家が多く住んだらしいね。
でもって、山口は周囲の店を贔屓として
こよなく愛したから「国立の旦那」
詳しくは『居酒屋兆冶』『行きつけの店』読まれたし。
あと、すでに絶版だが『巨人ファン善人説』の嵐山光三郎による解説も参考になる。
『居酒屋兆冶』は映画化もされてるよ。
舞台は函館だけどw
まあ山口文学はどれだけ「山口ワールド」の住民を疑似体験できるかどうかで
面白さが全然違うからな。
>>29 中上健次も国立在住だったっけ?
山口のエッセイにも出てきてた。
山口作品の外国語訳なんて...ないだろうな。
山口の姿勢、なかなか伝えにくいよね。
凄く男っぽいなあと思う。
これは、母親の実家が遊郭って環境もあったのかもしれないね。
粋ではあるが、華がない、弱者に対する、確かで優しい視線がある
こんな印象です。
>粋ではあるが、華がない
「男性自身」も、最初その面白さが分からなかった。
読み込めば行間にこめられた山口の思いがわかるようになるのだが...
例えば、山口は熱心な野球ファンでもある。
詳しい関係は忘れたけど、
「(巨人の王選手@現ソフトバンク監督)王を銀座に誘おうと思った」とある。
その理由が「王は真面目でホテルの宿泊先でも、
自分で靴下を洗うと聞いた」だもんね。
こんなエピソードはいかにも。好きだなあ
40 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/02/01(水) 23:29:36
変奇館の設計による洪水騒ぎの問題ではないにしても、その延長線から高橋義孝とは疎遠になり、米長、芹沢とは
決定的に交際が破綻し、舌禍で川端未亡人を怒らせ、こうなるとこの人の晩年というのは不器用では片付けられな
いほど悲惨なものではなかったのかなぁ。オイラには、この人、痛々しいんだな、ほんとに。
41 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/02/02(木) 00:22:21
山口がエッセイで持ち上げてた美味い店に、たまたま何軒が
いきあたったことが
あったが、
大将らは皆、山口は陰気で無愛想なくせに、
ある日突然、雑誌でヨイショ記事を大きく書いたしたから
驚いたといってた。
それから、山口の死後、
エッセイ読んで店に来るヲタが、
世間的一流企業の要職者ばかりで驚いたともいってた。
でも、きもい連中ばかりってw
オモロイぞ。
って言葉足らなくて誤解されかねないか。
>>41、面白かったっす。後半が特に良い(笑
>>40 最後までこの人と「仲が良かった」のって梶山季之と吉行淳之介くらいじゃないかと思う。
他は開高健でも丸谷才一でも「公」と「私」の中間くらいの付き合いだったりして。
(それが「文化」だというのが山崎正和の説だが)
>>41 >山口は陰気で無愛想なくせに
山口みたいなガードの固すぎそうな人間でも「編集者」「宣伝部」なんて
社交的じゃないとできない仕事ができたってのも不思議といえば不思議だな。
山口は随分と梶山を心配したね。
自分も詳しい経緯は知らないんだけど
梶山は、売れっ子作家であると同時に週刊誌の立ち上げにもかかわったのかな?
なんかマスコミに遣いまわされた〜みたいな感じで書いてた。
酒で身体を壊して別荘で禁酒してる梶山は
「足に蟻走感がある」って山口に伝えてる。
怖いよー〜〜〜!
>梶山は、売れっ子作家であると同時に週刊誌の立ち上げにもかかわった
『噂』だったっけ?新潮文庫の『男性自身−英雄の死』は
山口と梶山の関係が書かれてたね。
47 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/02/04(土) 14:44:42
確か台湾で愛人囲ってたんだっけ>梶山
乙だな〜
山口は派手好きな父親、お座に出せない弟(兄だっけ?)
苦労してるよね
そういう血とか遺伝的なものを恐れてたんだろうね
あまり書くとかわいそうだけど、息子も
役者を目指して〜云々って書かれてるけどモノになってない希ガス
ま、作家の息子がモノにならないのは、これに限った話じゃないけど。
息子さんは「文化的なんでも屋」って気がするよ...
「酔いどれ紀行」も読んだけど
このころは、身体もしんどそう
『人殺し』もだな。
「たのむからオレを休息させてくれ!」って山口の悲鳴が聞こえてくる。
子供の頃、サトウサンペイの漫画(週刊誌連載の)で
「昭和一桁世代」の悲哀が語られてきたが、山口はその典型なのだろうな。
(サトウも意識していたと思う)
この人の作品を読むと、色んな問題を予見してるのがわかるよ。
身内に関する記述を見てると、フリーター・ニート問題も予見してたみたいだし。
子息の正介氏は「外国人との交流、豪奢な生活、核家族を一世代早く体験していたのも
父の文学が今でも生き残ってる理由だろう」って書いてたしね。
このスレはいつまで生き残るやら...
どうやら常連がオレを含めて二人いるようだが。
>>49 そっちの方は未読だが、今読んでる『迷惑紀行』は食中毒になるわ
相方(ドスト氏)の家が火事になるわ、(旅行と直接は関係ないが)
災害に巻き込まれるわで見ててハラハラする。
新潮で山口の担当だった編集者が、「先生に書かせるために
神様が災難を起こしている」って言ってたが、本当にその通りだな。
「ドスト氏」とか「スバル君」とか言って何のことかわかる人間が
この板で何人いるんだろう?
もっとも、百鬼園先生の「ヒマラヤ山系氏」も似たようなものかもしれんが。
百鬼園先生の山口への文学的影響は考えれば考えるほど興味深い。
54 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/02/11(土) 19:27:43
あげとくか。
また「一般書籍板でやれ」とか言われそうだが...
あちこちでイケズ言ってる
>>20とかでーす(笑
丸谷スレの流れで思い出し、かけwたんだけど、山口が徴兵忌避者について
書いた文章ってなかったっけ?
『笹まくら』が念頭にあっての事だったのか、気になってたんだそういえば。
オレは知らない。
兵役を逃れるために理系に進んだ同年代の連中も嫌悪してる山口だしな。
もっとも、父親が軍需産業で潤ったことは事実として受け入れているのも面白いが。
山口の反戦は「戦争なら何でも駄目」じゃないから好感が持てる。
>>55 >あちこちでイケズ言ってる
>>20とかでーす(笑
まあ一般書籍板の山口スレを荒らしてる厨房よりはずっとましだから。
馬鹿な常連が「山口は詩人でエッセイスト」って意見を排除するから
山口の真価が理解できないああいう馬鹿が出現する。
山口を読み込んだ上での否定意見なら俺も拒絶はしない。
丸谷才一にもいえるが、山口はどんな悲惨な状況でもかなり「あっさり」
書く傾向にあるから、本当は「血の涙」の文学だったのかもしれないし。
男っぽいね。
バクチの姿勢がいい、っていうかホントは
鬼気迫る場面に遭遇してる筈なんだろうけど、淡白に書く。
アタマいいから勝つ。負けても、礼儀よく払う。
いいなあ〜
連投するね
伊集院静だと、負けに負けるんだよね@博打
負ける自分をスカして見てる(こういうのは面白くないし、貧乏臭い)
でも何か気になるのは
伊集院にも「職人」「真面目にやってる人」への視線が山口と似てる希ガスる。
変かな?
伊集院は在日ってことも含んでる積もりなんだけど。
既出だが、アンチ巨人なのに長嶋は嫌いじゃないってのもそれかもしれんな。
(たぶん西本監督以前の)阪急vs巨人の日本シリーズの時、巨人の選手は折り目正しかったのに
阪急の選手は酒と博打と女の話(差別だなんて言わないでくれ)をしてたのを聞いて、
「こんなチームに優勝させてたまるか」って思ったってエピソードも。
伊集院と山口の場合「無頼」なところがあるってのは似てるだろうな。
「今の山口のラインナップはエッセイや旅行記ばっかりで
礼儀にうるさい偏屈親父としか思われない」とかいう奴が一般書籍板にいたが
それは間違いだな。
『江分利満』でも『男性自身』でも行間から「殺気」が感じられる。
それが分からない奴はイマジネーションが不足してるとしか思えん。
>>60 麻雀で負けても払わない人間を「リカ王」って言って馬鹿にしてたね。
かなりあっさり書いてたけど、本当は無茶苦茶苦々しく思ってたんだろうな。
66 :
吾輩は名無しである:2006/02/14(火) 10:21:41
「リカ王」ってのは「借り」って叫ぶから。
>>61 あなたは礼儀正しいな。
こんな過疎スレ、いくら連投しても大歓迎だよ。
立てた本人が言ってるんだから間違いない。
まあ15レスで消えた小林信彦スレよりはましか...
68 :
吾輩は名無しである:2006/02/14(火) 20:55:22
こっちのほうがいいなー。
レベル高い。
69 :
吾輩は名無しである:2006/02/14(火) 22:59:51
小説家なんてものが偉いと本気で思っているのかなこの人は
でも高学歴はもっと偉いと思っている
自分は低学歴の作家だから偉くて偉くない、分裂しちゃってんだな
それを他人に面と向かって指摘されるのも一寸凄い
将棋指しよりは確実に偉いと思っていて無礼繰り返して
将棋会館出入り禁止喰らったり、厄介な人だったのは間違いないな
酒場の緊張感を楽しむ・・
これを教えてくれた人だなー。
>>69 あんた、一般書籍にいたバカか?
全然分かっていないね。
山口は「小説家は人非人」って何度も言っているけどね。
虚業である小説家や将棋指しは偉くなくて、
額に汗する実業が偉いと考えていたのだ。
それから、山口は将棋会館出入り禁止になんかなってないけどね。
晩年は将棋ペンクラブ大賞の選考委員をやっているよ。
72 :
吾輩は名無しである:2006/02/15(水) 11:23:08
71 山口瞳は棋士に対して「虚業」などという評価を示したことはない。血涙を読めばわかるけれど彼らに対する畏敬、尊敬の念はむしろ強い。晩年選考委員を務めたことは承知しているけれど、だからと言って棋士との蜜月が続いたというわけでもない。米長との決裂を知らない?
確かに、山口は自分の祝儀好きについて、「サービス業の人に対する同胞意識」を
理由として挙げていたけどね。
山口の文学の根本は、少年時代以来の不安定な生活に由来する安定への憧れと、
詐欺師のお父さんと遊郭の娘のお母さんに由来する「ヤクザ的なもの」の不思議な統合なわけで。
「小説家は人非人」って言説は前者からすればある意味では自然だよ。
74 :
吾輩は名無しである:2006/02/15(水) 14:09:12
その一方でアカデミズム・評論畑の人間への尊敬を終生失わなかった。
折口信夫、小林秀雄、河上徹太郎、吉田健一、中野好夫、林達夫、
そして「先生」高橋義孝。
小林は個人的には好きではないが、山口の尊敬の念は微笑ましい。
『人殺し』の主人公は「都内の殆どの大学教員に知人がいた」そうだが、
これはたぶん山口本人もそうだったんだろう。
75 :
吾輩は名無しである:2006/02/15(水) 14:12:57
あ、池田彌三郎を忘れてた。
また「礼讃はやめろ」とか言われそうだな。
だって好きなんだし。
血族、家族、人殺し辺りを絶賛する人間が多いが、
多分に信者フィルターがかかっているな。
血族なんて後半グダグダして読み飛ばした。
読みやすくて正確な日本語を使う作家であり私もファンであるのだが、
純粋に小説の完成度をみると他に凄い作家はいる。
例えば藤枝静男の空気頭なんてのは、人殺しよりも、
もっと血気迫るものがあった。
>>72 山口は将棋指しに敬意を持っているのは確かだ。
しかし虚業だとハッキリ言っている。『元日の客』の「一人旅」を読んでくれ。
以下引用だ。
私は、人間には先生と社長の二種類しかないと考えている。
これは男に限った場合ではあるが、
それで社長は、先生よりより頭がいいと考えているのである。
とあり、
社長は(実業。それがなくては世の中が成り立たない職業に従事している人)
先生は(虚業家。政治家を含む。その職業がなくても世の中は何ら痛痒を感じないという職業に従事している人。タレント、小説家、
将棋指しなどもそうだ)
と定義している。米長との確執は河口氏の文章を読んでくれ。
79 :
79:2006/02/15(水) 19:01:25
80 :
78:2006/02/15(水) 19:03:09
>>72 確執云々も知っている。
ただ、「将棋会館出入り禁止」にはなっていない。
将棋会館に出入りしているし、中原誠、大内延介、河口俊彦など、
終生変わらぬ交遊を続けた棋士もいる。
>>77 オレ的には、殺気というか、情念が強すぎて読むのが辛かった。
『江分利満』や初期の『男性自身』みたいに、そういうのが
(ごく自然に)行間から感じられる方が面白い。
82 :
77:2006/02/15(水) 19:52:54
>>81 レスありがとう。空気頭は確かに濃いね。
一般書籍板にも書いたのだけど、
山口は、私本歳時記とか梔子の花みたいな、
さりげない短編が素晴らしいですね。
この人から、行間を読ませる、たいそうな落ちのない
小説の面白さを学びました。
83 :
吾輩は名無しである:2006/02/15(水) 20:17:31
>78
なるほど「いかにも山口瞳らしい」という文章ですね。元版は書庫にあるので改めて読んで
みましょう。ただ、これは「山口瞳の芸風」であって、そのまま字面どおりに解釈できるもの
かどうか、私には疑問。
>80
>69 のような物言いは私も厭だが、血涙の頃に比べれば、精神的には「出入り禁止」に近い
感じだったと思いますね。山口瞳は「大山康晴が最強の棋士」と述べているが、これを
あまりに強調すると他の棋士との間でギクシャクしてくるのは必然。米長が言い放った
「勝ち負けよりも生き様で勝負」というのは、山口に向けられたものであることを知ったと
き、私は驚きよりも色々な面で哀しかった。米長は血涙の調整担当みたいなもので、芹
沢は山口とも交流が深かった。こういう関係が最後にはおかしまなってしまった。高橋義
孝とも妙になってしまった。「優雅なサヨナラ」の中で「看護婦が誰も私を知らない」と嘆い
た。あんなことは口が裂けても言ってほしくはなかった。
>>83 俺がマイルスの『ライブ・アット・モントルー』を聴けないのと同じだね。
>>76 いやさ、だんだんと内容の充実した、いいスレになって来てるよ。
読んでて面白い。
>>83 >これは「山口瞳の芸風」であって、
そのまま字面どおりに解釈できるものかどうか、私には疑問。
「将棋指し」が世の中になくてもいい「虚業」と考えていたのは
この文から言えます。そう考えていないのなら、
例としてあげるのは「小説家、タレント、政治家」で充分です。
それから、「出入り禁止」というより、
「気まずい関係になった」というのが正確でしょう。
「出入り禁止」というと、まるで山口が悪いことをしたようです。
将棋界とうまくいかなくなったのは、
昔から親しくしていた芹沢さんや山口英夫さんが
賭博でお金に困って問題をおこしたのが原因。
米長のことは河口氏も本当の原因が分からないと書いています。
芹沢さんのことが関係しているのかもしれません。
しかし、だからといって「出入り禁止」になったわけではなく、
米長とうまくいかなくなった後は、
大内延介が「落ちこぼれ将棋教室」の調整担当をしていますし、
それに大山、中原とは終始良好な関係でした。
(当時主流の大山、中原とうまくいかなくなったら「出入り禁止」だろうな)
だから、「蜜月」は確かに終わったけれども、
「出入り禁止」にはなっていないと言っていいでしょう。
>>84 へえ、ジャズも聴くの?
関係あるかどうか分からんが、文章に「流麗さ」もさることながら
「リズム」を求める人にこそ山口は合うのかもしれんな。
山口が古くならない理由もそこにあるのかも。
「男性自身」は競馬、麻雀、将棋、酒の話題多かったから
時々女性読者も「意識」して、庭の草花についても
書くことがあったらしいw
個人的には、そんなに女性に迎合しなくてもいいのにって思うけど
案外、庭の素朴な草なんかも、山口本人は好きだったのかも・・っと
考えてみる
うーん、一戸建ての家で暮らしてる人なんかは庭木の世話とかが好きなことが多いし、
一概には言えないと思う。
紀行内の行きつけの旅館の庭の描写とかみてると、
山口は本当に「庭」が好きなんだろうと思うのだが...
>>88 「一戸建ての家で暮らしている人は男性でも」だな、失礼。
まあ確かに山口の無頼的な面と庭の草木を愛したりする面が
一種のミスマッチなのは理解できなくもない。
個人的には四季の変化について語った文にこそ
山口の「情念」時には「殺気」を感じるんだけどね。
なんで、山口を無頼とか殺気の方向に持っていきたがるのかが分からん。
そんなイメージを一ファン(多分このスレでも一人か二人なのだが)が無理やり押し付けなくても、
作品は十分楽しめるのだから、こだわるなよ。
自慰をしたこともなく、自分が言ったことを後で結構気にする
気弱なおっさんでいいじゃん。
>>74山口が「折口信夫、小林秀雄、河上徹太郎、吉田健一、中野好夫」に
敬意を持っていたというのは初耳だな。ソースは何?
「礼儀にうるさいじじい」と言われるよりは、
「無頼派」と評される方が共感できる。
>>86 っていうか何でも聴く。振り返るマイルスなんかって意味で書いた。
>>90 極度に内向きの偏執性が、どういう風に発露するかが山口だよな。
誰も俺の書いた
>>55を拾ってくれなかったので、結局押入れからダンボール箱
引っ張り出して自分で探しましたw
なんのかんの言ってちょこちょこレス付けてるんで、少し読み返そうかとも思ったし。
…で結局、『酒呑みの自己弁護』の「酔っぱらい2」にこうあった、
“私が酒場で喧嘩になるときのひとつのキッカケは、相手が、戦争中に、いかにして
徴兵を逃れたかということを得々として話しだす時だった。当時の私は、それだけは
どうしても許せなかった。”
'72年5月から同年9月にかけて、夕刊フジに連載されたエッセイをまとめた物。
'73年3月新潮社より刊行。俺が持ってるのは文庫だけど。
で、丸谷の『笹まくら』が...見つからないんで、Wikiで調べたw、'67年の刊行なので、
多分知っていたはず。
ちなみに先程の引用文はこう続いている。
“徴兵逃れに成功したのはインテリに多かった。
私は知らなかったのであるけれど、実に巧妙な方法があったのであり、そのために
命ながらえた人が案外に多いのである。”
うーん、勘ぐっちゃうよなぁ。
94 :
吾輩は名無しである:2006/02/16(木) 22:14:09
>85
>「将棋指し」が世の中になくてもいい「虚業」と考えていたのは
>この文から言えます。そう考えていないのなら、
>例としてあげるのは「小説家、タレント、政治家」で充分です。
事実関係としてはそのとおりでしょう。虚業と評価した事実はないという
ことについては撤回します。ただ、私は「この世の中になくてもいい虚業
としての棋士」をこれだけ愛し、尊敬し、棋士の世界をこよなく愛した山
口瞳がたまらなく好きだという面があります。棋士よりも社長が偉いなど
とは、おそらく考えたこともなかったと思いますね。
>将棋界とうまくいかなくなったのは、 昔から親しくしていた芹沢さんや
>山口英夫さんが 賭博でお金に困って問題をおこしたのが原因。
ヒデちゃんは山口瞳の将棋の師匠ですし、その顛末についてはご本人
がお書きにもなっていますから、これはわからなくもありません。
しかし「日記シリーズ」の芹沢逝去のあたりを読んでみても、或いは男性
自身の中にも芹沢に対しては、むしろ最後まで好意的な面もあり、ここで
でてきた「賭博でお金に困って(山口と)問題を起こしたのが原因」などと
いう、或いはそれを匂わせる記述は私が知る限りありません。85さんが
ご存知だというのであれば、ぜひその文献をあげていただきたいと思い
ます。
95 :
吾輩は名無しである:2006/02/16(木) 22:15:05
>85
(つづき)
まさか「山口瞳通信」第4号の河口記述などとは言わないことを願ってお
りますが(苦笑)
>米長のことは河口氏も本当の原因が分からないと書いています。
これは「嘘」ですね。私はそう確信しています。
そのソースだけ明らかにしておきましょう。2002年3月20日ならびに3月
27日号の「週刊将棋」をお読みになるといい。棋界ウォッチャーとして活
躍する河口がこの週刊紙(まして将棋界の)を知らなかったではとても
じゃないが通らないと思いますよ。
>大内延介が「落ちこぼれ将棋教室」の調整担当をしていますし、
その連載は唐突に中断されましたね。山口瞳の体調だけだではないと
思います。そんな中途半端な引受け方を山口瞳はしないと考えた方が
自然ではありませんか。
>(当時主流の大山、中原とうまくいかなくなったら「出入り禁止」だろうな)
さぁ、それほど山口瞳は打算的でしたでしょうか。私はそうは思わない。
>「出入り禁止」にはなっていないと言っていいでしょう。
精神的には、という意味をおわかりいただけないことを残念に思います。
96 :
吾輩は名無しである:2006/02/16(木) 22:25:42
>>94=95
長文ウザいよ。
言いたいことがあるなら、理解される努力して書けw
97 :
吾輩は名無しである:2006/02/16(木) 22:34:52
この人の本超つまんない。
公園で拾って初めて読んだエブリマン氏の優雅な生活。
小人物、小市民、小男。そんな形容がふさわしいね。
98 :
93:2006/02/16(木) 22:37:13
気持ちは汲み取れるけど?
スタンスは俺とまるで違うが。
あと長文ウザいってのは、ここでだけは目にしたくない言葉。
99 :
吾輩は名無しである:2006/02/16(木) 23:06:45
しかし上の方のレスみて笑ったよ。ドラマみたいなサラリーマンを描いてる人なのにファンが一流企業の重役だらけでしかもキモいってのが。光景が浮かんでくるよ。俺なんかこの人の本公園のベンチで見つけたもん。買ってすらいない。
>>94 すまん、その「山口瞳通信」第4号の河口記述だw。それから、ずいぶんと自慢げに「週刊将棋」を挙げているが、それは知っている。
引用しようか迷ったが、やめておいた。河口さんも、むろんこれを知っているに決まっているだろう。
たぶんそのうえで、知らないふりをしたのだ。おれはそう判断して、河口氏が「本当の理由は知らない」といっている、とだけ書いた。
「週刊将棋」に書かれたことが本当の理由と思えなかったのかもしれない。あるいは、触れたくなかったのかもしれない。この文章に触れない河口氏の態度は共感できるから、それを尊重した。
知っていることを単に暴露すればいいってわけじゃないと思う。この感覚は理解できるか?
「出入り禁止」が間違ってるという俺の説明は、理解できたよな?「精神的」であろうとなかろうと、
山口が将棋会館を「出入り禁止」になったわけではない。山口が悪いんじゃないから。
「精神的」がそんなに好きなら、「精神的」に疎遠になったとでもすれば?それなら文句はいわない。
「将棋落ちこぼれ教室」中断の理由は、「山口にとって対局が生命を脅かすほど体に悪い」ということではないか。
対局前後の血圧と心拍数が記されていて、それを見たときゾッとした。
塚田泰明さんとの対局
対局前、血圧154-111 体温35.8 脈拍77
対局後、191-114 36.9 104
特に体温が1度上がっているのが恐い。第一局後、右目が一時的に失明し、第二局後は、終日頭痛がやまなかったという。
将棋を指すことが、命を縮めかねないことを、血圧・脈拍を明記することで訴えていたのであろう。
棋界から圧力があったとは考えづらい。それは掲載誌の点と、連載時にまだ大山さんが存命であったことが理由だ。
>>94 長い文章を書くときは、適宜行をあけてほしい。字が詰まって読みづらい。
「もし大山や中原と気まずくなったら、「出入り禁止」じゃないかな?
と俺が書いたのに対して、
>さぁ、それほど山口瞳は打算的でしたでしょうか。私はそうは思わない。
というのは意味不明。酔って書いているのか?
それから、「棋士よりも社長が偉い」なんてだれも言っていない。
「先生よりも社長が頭がいい」と書いてある。歪曲しないでくれ。
>>69が山口は「小説家は将棋指しより偉い」と思っていたと
書いているのは間違いで、棋士は小説家と同じく虚業だから、
その点では同列に考えていたのだろう。
もちろん山口は将棋指しに敬意を抱いていたが、
実業が世の中を動かしているという認識もきちんと持っていた。
>>99 つまり、あんたは一流企業の社員でもないし、重役でもないってことだな。
>>90 美食スレで、「山口は終戦直後鉄火場に出入りしてた」って言っただけで
山口ファンになった人がいたし、これはこれで馬鹿に出来ない。
それにオレは一流の作家ってのはみんな一種の「殺気」を感じるものだと思ってるし。
>>91 小林については、由布院の「いきつけの宿」について、「小林先生が愛好してたから信用できる」って言ってた。
(たぶん、『行きつけの店』だったと思う)
折口については、丸谷才一曰く、色紙にいつも折口の短歌を書いていたらしい。
後の三人は、鎌倉アカデミアと編集者時代両方で交流があった。
『行きつけの店』の「鉢巻岡田」なんてこの三人を登場させることで
どれだけ格調高い店か説明しようとしてたし。
まあ「敬意」は言いすぎだったかもしれんが、編集者として
学者・評論家との交流が多かったのは事実だし。
ここまで常連同士で意見が異なるスレも珍しいな。
思いこみの激しい人は、山口に共感を抱くんだろうな。
だから、
>>94みたいに根拠を示しても
自説を曲げない偏屈な人まで現れる。
そういえば、小林秀雄は、吉野秀雄と親しかったな。
俺としては、山口が「折口信夫、小林秀雄、河上徹太郎、吉田健一、中野好夫」
との付き合いについて具体的に書いた文章があるか知りたい。
それに、山口が色紙にいつも書いていたのは、斎藤茂吉の短歌じゃないかなあ?
折口のは見たことない。
「殺気」は確かにあるな。「鬼気迫る」ものがある。
マジメなサラリーマンでありながら、ヤクザな気質を内包しているから
山口が面白いんだ。
>>105 折口の歌、「葛の花踏みしだかれて色あたらしこの山道を行きし人あり」は
『人殺し』でライトモチーフのように用いられてるし、まあ許してくれ。
>>105 うーん、根拠と言えるほどのものではないが、山口の「行きつけの店」は
いわゆる「文壇酒場」が多かったらしいしな...
例によって具体例を示せないのが辛いところだが。
おまいら平日にヒマそうでいいな〜
山口瞳なんて読む人は金銭的に恵まれてるんですね〜
新たにこっちにスレを立てた意味がわからない。
一般書籍板にしかスレがないと、
山口の価値が下がるとでも思ったのかな。
もしそうなら、
ちょっと幼稚な発想だったな。
複数のスレがあるとフォローが面倒になって
どちらのレスも減るよ。
むこうが終わってからでも良かったのではないか。
111 :
吾輩は名無しである:2006/02/17(金) 17:12:12
宇宙・天ぷら・大理石
「文学板だから」できる議論もあるだろうと思ったからさ。
一般書籍板なんて「絶版、絶版」って叫んでる連中ばかりだし。
少なくとも100レス消費するだけの話題性はあったのも事実だけど。
まあ少しでも気に食わない意見があったら圧殺される一般書籍板よりはましか。
今はあっちの方が荒れてるし。
でも住人も同じだろ。
内容もほとんど同じだよ。
そんなことはない。
>>68、
>>84みたいな意見もあるわけだし、
少なくとも一般書籍板よりは「常連」連中が自分の考えを
忌憚無く述べていると思う。
まあ美食スレでの山口ネタの受けが良かったから
山口スレもいけるって確信したのも事実だな。
>>104 でも荒れないのは、多分ここの平均年齢の高さ故かとw
俺の父親世代のひとも何人かいそう。でも歳明かすとお互い少々気まずいやね。
そもそも俺が山口読んでるのは家にあったからだったり。後で自分でも買ったけどさ。
>>108 『酒呑みの自己弁護』には、巻末に(エッセイに登場した)人、酒、酒場の詳細な
索引がついてるので、具体例いくつか出せるけど、書かない方がいいと思う。
>>117 あはは。あっちでさ、池波や立原、コリン・ウィルソンとか振ったの俺だわ。
あと2回ほど噛み付いてもいるwまぁそれはいいや。
酒呑みの〜を押入れから漁った時に出てきた『婚約』って短編集があるんだけど、
ここに入ってる『鸚鵡』って小品、とても良いよ。今日は安吾忌らしいので、
今晩そっち読むため良いよで流しちゃうけどwでもとても良い。
119 :
吾輩は名無しである:2006/02/17(金) 21:26:48
>100
河口が「週刊将棋」の記事を知っていたということについては双方の同意ができました。
それならば、河口は「さも思わせぶりなこと」を書いたということになります。独善で書く
よりはもっと始末が悪いともいえるわけです。知っていることを書きたくないというのであ
れば、そもそも最初からああいうモノを書くべきではない。私は彼が知っていて書かなか
ったという理由は「(現役の棋士として)米長の逆鱗に触れたくはない」という小心な保身
だったと考えていますので、河口の態度には全く共感できない。「死人に口なし」というこ
となのか、芹沢に対しては色々と書いていますけれど。
私は「山口が悪いんじゃない」とあなたのように断定することはできない(そういう文献をみ
たことがない)から、出入り禁止ではないとも断定できないけれど、疎遠になったことは誰
がみても歴然としていますから、その点については「精神的に疎遠になった」ということで
同意しましょう。
ただ、山口もそのことは後日、暴露してはいけない。そういう約束を男としてしたのであれ
ば、そこに時効はないと考えるべきでしょう。勿論、山口の中には「悔しさ」があったのだと
いうことは十分、想像はできますが。
「将棋落ちこぼれ教室」については、体調の問題を否定はしないけれど、それだけではな
かっただろうと私は考えます。年齢差はあるにしても、それを言うなら、名人戦張りの設営
・環境で、第一線のスター棋士と駒落20番を指す方が、遥かにプレッシャーになります。
つまり、山口の中には「何かこの仕事に打ち込めない。面白くない」というものがあったとい
うことなのだろうと、私は考えます。
120 :
吾輩は名無しである:2006/02/17(金) 21:49:12
>101
改行については今後、気をつけるようにしましょう。
「もし大山や中原と気まずく」云々について意味不明とのこと。
私は、大山であろうが中原であろうが、彼らと気まずくなることによって「山口が出入禁止」
になるとは思いません。勿論、気まずくなる理由というものにもよりますが、個々の誰々と
いうよりは「棋士というものを冒涜するような振る舞いがあれば」棋士の誰もが、うちとける
こともなくなるだろうし、その人を信用しなくなる。それはもう事実上の出入禁止に近いもの
といえるでしょう。
私はあなたのコメントに「山口は、大山や中原には気兼ねして、或いは遠慮して、自分を
殺して計算づくの交際をしていた」かのような匂いを感じました。そういうことではないという
のであれば、それはそれで結構です。それと酔ってなどはいませんよ。
先生(虚業)よりも社長(実業)が頭がいいと書いてあることについては了解しました。
しかし、このあたりは人それぞれですから、このあたりはいかにも山口瞳ですね。
しかし、それはそれとして、あなたのように山口の男性自身シリーズをそれなりに読み込ん
でいる方が、酔って書いているのかだの、他者に一流でもなければ重役でもないだろうと、
平気で言葉にしてしまう感覚。山口瞳が語り続けたそれこそ「精神」というものも、多種多様
に伝わっていくのだなぁということが、ちょっと興味深かったですね。
>>119さん
ごめんね。私はウザイとは言わないよ。
でも、ちょっと読みにくいな(アタマ悪くてごめんです)
もう少し改行してもらえると読みやすいかも。
あと、
それならば、そういう、その、そのこと、そこ、それだけ、
これだけ並べられると、ちょっと正直読み難いです。
直球感想、ごめんです。
なんか感じ悪かったらホントすまんです。
連投。
博打については、山口は女を排除してる。
(最近は漫画家西原=麻雀みたいな流れもあるけど)
「博打に強い女はすでに女ではない」@礼儀作法入門とある。
吉行も女(バーのママさんか?)と麻雀するのを嫌ってるんだよね。
人相が変わり、女ではない別の人が出てくる・・みたいに書いてる筈。
勝手にルールを変えようと我儘通すママが居て笑ってしまった。
とあきれて書いてるけど
基本的には博打は男のもの、そこに入ってくるな!と読める。
姿勢は似てなくもないな。
>>117 将棋の世界に関しては、ここの常連もよく知っているはず。
その上であまり触れないようにしているのだろう。
『週刊将棋』の文章は、当時ずいぶんと話題になった。
だから、あんたが今頃得意げにこの文章を挙げるのは、見ていてイタかった。
次に、
〉私はあなたのコメントに「山口は、大山や中原には気兼ねして、
〉或いは遠慮して、自分を殺して計算づくの交際をしていた」かのような匂いを
〉感じました。
という文章から、あんたの下劣な人間性を感じた。匂いを感じるのは勝手だが、
俺はそういう下司な印象を山口に持っていない。
あんた自身にそういう下劣な性質があるからこそ、
こういった下司な勘ぐりができるのだろうな。
それから、偉そうなことを書いているくせに事実誤認が多い。
河口さんは2002年引退であり、
「(現役の棋士として)米長の逆鱗に触れたくはない」
というのは完全に間違い。
例の文章が掲載された2004年時点ですでに現役ではない。
「観戦記者として」逆鱗に触れたくないというなら、まだわかる。
「将棋落ちこぼれ教室」について。
あんたは「山口の中には「何かこの仕事に打ち込めない。面白くない」
というものがあった」というが、この推測は間違い。
『禁酒時代』所収の「将棋落ちこぼれ教室」を読んだかね?
対局が生命を脅かしかねないと感じていたのだ。
連載1回と3回に、なぜこの仕事を引き受けたかと書いてある。
糖尿病と血圧の問題で、体に悪い対局は引き受けたくないと考え、
山口自身は何度も断ったのだが、『新潮45+』編集員や
新潮社の新田重役(男性自身連載を依頼した人)、
矢口純らから熱意ある懇請によって、無理をして引き受けたと書いてある。
新雑誌として刊行する『新潮45+』に将来性を感じたのも理由だ。
この熱烈なラブコールにもかかわらず、
案の定といおうか、不安が的中して、
対局によって一時失明に陥ったり、対局後終日頭痛に悩まされ、
ドクターストップがかかり、中断を決意したのだ。
山口が連載中断がひたすらにわびる箇所は、読んでいて男らしいと感じた。
この中断を、棋界との関係や何かに絡めたい気持は分からなくもないが、
まずはきちんと山口の文章を読んだ上で言ってくれ。
連続投稿すまん。慇懃無礼に山口や河口さんを非難する奴が許せないのだ。
>>117 〉ただ、山口もそのことは後日、暴露してはいけない。
〉そういう約束を男としてしたのであれば、
〉そこに時効はないと考えるべきでしょう。
「暴露」というあんたの感覚が分からない。
「嘘」とか「暴露」とか下劣な言葉で河口氏や山口を評するのはやめてくれ。
あんた自身が下劣なのは仕方がないが、下劣な心で他の人を汚さないでくれ。
山口のは私小説作家の性だ。そういった作家と交際する時点で、
何があっても書かれることを覚悟するべきだ。
河口さんの、芹沢さんに関する文章には、旧友を追慕する心情が根底にある。
それが読み取れないのか?
>>117 最後に、あんたが掲示板の書き方を知らないようだから教えてやるが、
例えば125のコメントに返事や意見を書く場合は
>>125とやってくれ。
これをクリックすると、125にジャンプできるのだ。
あんたのように「>101」のように三角カッコ一つではジャンプできないんだ。
三角カッコを二つにしてくれ。
もうひとつ。名前のところが、あんたのは緑色で「吾輩は名無しである」と
なっていて、他の人はほとんどが青いだろう?
E-mailのところに「sage」と入力してくれ。それで青くなる。
>>126 横レスすまんな。あんたがレスしたいのは、
>>117じゃなくて
>>119の方じゃないのか?
無知な奴に教えてやっているつもりで自分が間違えてちゃ世話ないぞ。
ついでにいうけど、おれは
>>40に大賛成だ。
だから、あまり将棋のことは深入りして書きたいと思わない。
>>119がまだ山口と棋界について書きたいのなら
「嘘」や「根拠のないでたらめ」は書かないでくれ。
つ 旦~
お茶置いとくのでドゾー
河口さんの文章は山口と棋界との関係について、書くべきことは書き、
書きづらいことも逃げずにきちんと触れているものだ。
しかも米長事件以降の将棋指しとの交流は、読んでいて心温まる。
ご存じの方も多いと思うが、書いておきたい。こんな話だ。
板谷進八段が山口に駒を贈ったのだが、山口はこんな高価な駒はいただけない、
と断った。しかし板谷も譲らない。そこで山口が一時預かり、
山口が亡くなったら返すという形になった。
そしたらなんと板谷のほうが急死した。
数年後、板谷の弟子小林健二が台頭してきたので、
山口は「小林くんに駒を返したい」と伝えた。
小林ほか勝浦、青野、田中(寅)、真部、河口らが山口家を訪問した。
板谷の駒で、山口と小林が対局した。
その折り、小林は「これからもこの駒は先生のところに置いて下さい。
そのほうが師匠が喜びます」と言った。山口も承知した。
山口の没後、夫人が河口を介して駒を小林に返した。
今、板谷記念館にその駒が飾られている。
山口夫人から駒を受け取った時、
それを見た人はみな「それほどたいした駒ではない」と内心思った。
それを聞いた板谷の親友が、三日間ひたすら板谷の駒を磨いた。
そして見違えるほどの輝きを取り戻した。
うーん、こういう白熱した議論聞くと
将棋がわからない自分が情けなくなる。
まあ気が済むまで荒れない程度にやってくれ。
考えたら中公文庫化されたぶんはまだ読んでない...
まあ麻雀も競馬も分からないで「山口ファン」自称してるし。
やっぱり繊細な「詩人」の面に惹かれてるのかな。
しかし、このスレがここまで伸びたってのは、
今の日本で「大人の文化の教科書」の需要がまだまだ高いってことだろうな。
いかにガキやギャル相手の商売が伸びるご時世とはいえ...
山口の場合「色恋」を除けば「大人の文化」の大抵のことはわかるのかも。
>>135 >「大人の文化の教科書」
それは同感。
白洲次郎がいまでも(しつこく)取り上げられるのも、
「大人の文化に需要有り」と出版社が理解しているからだろうし。
はっきり言おう。
小説の質から言えば、もっと高級な作家はゴマントいる。
彼の魅力は、彼のキャラクターに依存している部分が多い。
そして、正確で分かりやすい日本語が普遍性を保っている。
私も大ファンではあるが、一部の作品を取り上げて
盲目的に文学性を強調するのはやめてくれ。
単に優れたエッセイストの位置づけでいいと思う。
小説家として押すには、他に凄い人が多すぎる。
まあ、なんとでも言ってくれ。
山口の「文学」は行間の間を読ませるものだから。
『男性自身』でも、『居酒屋兆冶』でも。
俳句に近いといえば近いのかもしれない。
そういうのを「文学」として認めるか認めないかで
文学観が分かると思う。
内田百閨ィ高橋義孝→山口瞳の「ダンディズム」のラインは確実に存在してると思うけどね。
まあ高橋義孝スレはさすがに立たないだろうけど。
もっとも、「正確で正しい日本語」ってのが誰にでも書けるものではないのだが。
それだけでもこの人は日本文学史上に残る存在だと思う。
まあ「優れたエッセイスト」自体に異論はない。
ただ、一般書籍板の常連には、それを言うと「池沼」とかいう馬鹿もいたからな。
それが嫌で美食スレやこのスレを立てたってのはある。
ちなみに、あの連中が「山口の最高傑作」とか言ってた『けっぱり先生』は
どうも駄目だった。「健全」で「アイロニー」も「悲哀」もない山口の小説なんて嫌だ。
俺楽しく読んだぞ、中学生の時だけども。
『けっぱり先生』は、校内暴力とか学園紛争とかを経験している人には、
心打たれるものがあるとおもう。
>>141は学園紛争など無関係なくらい若そうだな。
あと、教育に携わる人もこの小説は座右に置きたい一冊じゃないかな。
>>137 言っていることはよく分かる。
山口の文章は面白い。それだけでいいと俺は思う。
エッセイストか小説家か、そんなのもどうでもいい。
面白いんだから。そういうスタンスは、ダメか?
145 :
吾輩は名無しである:2006/02/19(日) 01:16:49
この人超つまんない
↑
感じ方はひとそれぞれ。
俺は最近二作ばっか読んだだけなので、そう深い事も言えないが、文章が読みやすくて
すらすらと進んでゆけた。
だから、面白かったんだろうが、少しもの足りない気もした。『人殺し』というのを読んでないので、
判断はくだせないが・・
148 :
吾輩は名無しである:2006/02/19(日) 01:55:24
>125
>「暴露」というあんたの感覚が分からない。
>「嘘」とか「暴露」とか下劣な言葉で河口氏や山口を評するのはやめてくれ。
>あんた自身が下劣なのは仕方がないが、下劣な心で他の人を汚さないでくれ。
あなたは「週刊将棋」をお読みになった。引用しようかどうか迷ったと書いていらっ
しゃるのですから、当然、当該資料はお手元にあるのだと思います。
2002年3月20日のI氏(観戦記者)の一文を最低限、ここに引用しておきます。
------------------
「実は、三者会談(註 ここにある三者とは山口瞳・米長邦雄・米長氏の兄を指す)
の終わりに、米長九段から「この話はなかったことにしよう」と提案があり、他の2人
は同意した。だから私はきょうまで23年間、公表しなかった」
「あえて書いたのは、山口氏がNHKで話したこと、そしてもう時効ではないかと考え
たからである」(註・媒体はNHKラジオでI氏はそれをカーラジオで聞いたと述べてい
ます)
------------------
「なかったことにしよう」という米長の提案に山口瞳は同意した。「なかったことにした
のであれば」それを公共の電波で「委細を話す」というのは、ある種、暴露ということ
になると私は思います。私は山口瞳のその気持ちはよくわかりますが、このことにつ
いては、最後まで「なかったことにしようという同意」を守って欲しかったと考えます。
149 :
吾輩は名無しである:2006/02/19(日) 01:56:58
>125
>山口のは私小説作家の性だ。そういった作家と交際する時点で、
>何があっても書かれることを覚悟するべきだ。
私小説作家であろうが純文学作家であろうが大衆小説の書き手であろうが、それ以前
の問題として、ひとりの人間として、男として「約束した」ことは最後まで守り通すという
のが筋だと思います。その方が、よほど山口瞳らしかったのではないでしょうか。
山口瞳の何の作品だったか「酒の席で交わした約束は(だからこそ)守ろう」という趣旨
のエッセイを、若いときに読んだ記憶があります。当時、そのことに私は強く共感を覚え
ましたし、酒が呑めるようになってからも、そのことは常に私の頭にありました。勿論、
実際にはそういかないこともありましたが、酒席で大言壮語だけはしないということは私
なりに身につきました。私は山口瞳が「約束については多くの人々に気を遣い、誠実に
それを履行すべく振舞ったであろうことを」信じて疑いませんので。
150 :
吾輩は名無しである:2006/02/19(日) 01:57:58
>126
2ちゃんねるという掲示板で、かって「存続の危機」という状態が何度かありました。
アクセスが集中し、サーバーに負荷がかかりすぎて、つながらないという状況が数日
続いたこともあります。今でも「人大杉」で読めない板を時々みかけますが。
このときに多くの参加者が(ネットワークシステムに長けた人々)それこそ無償で復旧
に尽力したことがあります。その状況を私はリアルタイムで読む機会に恵まれました。
「三角カッコふたつの引用は、負荷が増大する原因なのでどうか控えて欲しい」と繰り
返し書き込んでいました。以来、私は「三角カッコふたつ」の引用をしておりません。
無償でダウンロードできる「2ちゃんねる専用エディタ」を用いて書き込んでいます。この
ソフトを使うことによって、ログを自分のパソコンに取り込みますから負荷はかかりませ
んし、三角カッコひとつの引用でもふたつの引用と同様の効果があります。
知らないから三角カッコひとつにしているわけではありません。
ただし、誤解のないように申し添えておきますが、あなたに「それを使いなさい」などと
指図やお願いをするつもりは全くありません。そういうことは各人が考えればいいことで
すから。
以上の理由により、あなたの依頼にお応えすることはできません。ご了承ください。
他のことについては週明けにでも、のんびり書き込んでみようと思います。
151 :
吾輩は名無しである:2006/02/19(日) 02:09:35
>>119 Back
space
Enter
変換
の
使いかた学習後、このスレに来てほしい。
152 :
吾輩は名無しである:2006/02/19(日) 02:30:17
オトーサン達いいからモチツケ。
瞳ちゃん好きのオヤヂって、クソ真面目で一言な香具師多そうだなw
153 :
吾輩は名無しである:2006/02/19(日) 02:49:46
>>149 たった9行の文章に
それ、その、そのこと、そのこと、そういかない、それを
推敲学習が必要かと思われ
また
>>149=
>>150の場合
・・・個人的にはリアル関わりたくないタイプだな。
聞く耳がないな
聞く耳を持ってないねえ、このじじいは。山口以上の偏屈だぜ。
あんたのことを今後「偏屈じじい」と呼ぶ。
つまり、「偏屈じじい」であるあんたは、山口が好きだが、
米長事件の山口の対応については腹をたてているということだな。
しかしそれをどうしたいのだ。ここでその腹立ちを訴えればすっきりするのか?
「偏屈じじい」がなんの目的で米長事件を蒸し返している理由が今ひとつ
分からないのだが、ひとまず「偏屈じじい」に対するコメントをまとめる。
@河口は引退していることを認めろ。これは客観的事実だ。
「偏屈じじい」は棋界に詳しいようだが、なぜこれを知らないのだ?
A「将棋落ちこぼれ教室」の中断については、いい加減な推測などする前に、
文章をちゃんと読め。ひょっとして、読んだことないのか?読んでいたら、
「山口の中には「何かこの仕事に打ち込めない。面白くない」
というものがあった」といういい加減な推測ができるはずがない。
B三角カッコのことは分かった。しかしもう一つのほうは理解できたか。
ここは基本的にsage進行のようだ。あまり挙げないでくれ。
C『週刊将棋』のコピーがいま手元にない。
おれは、この文章がまさしく「暴露」にあたると考える。
山口がラジオで話したということも、じつは『週刊将棋』の文章で知った。
活字は残る。
>>120 >改行については今後、気をつけるようにしましょう。
「気をつけるようにしましょう」とまるで他人事のように言っているのが
無礼である。大人なら「以後気をつけます」というのが礼儀である。
>私はあなたのコメントに「山口は、大山や中原には気兼ねして、
>或いは遠慮して、自分を殺して計算づくの交際をしていた」
>かのような匂いを感じました。そういうことではないというのであれば、
>それはそれで結構です。
こっちは「結構」ではない。謝罪を要求する。
下司な勘ぐりをされて、正直不愉快。
「己を以て人をはかる」というが、
下劣な心情で人の言動を推し量るのはやめたまえ。
「偏屈じじい」は、河口氏が『週刊将棋』の文章に触れなかったのは
「保身」のためだと推測する。これはまさしく「己を以て人をはかる」だ。
下劣な心情で河口氏の心情を推し量るから、「保身」という下品な解釈となる。
また、「偏屈じじい」は
>河口は「さも思わせぶりなこと」を書いた
というが、これは「偏屈じじい」の主観である。私はそう思わない。
日曜の朝から早起きして熱いねえw
つ 旦~ 旦~ 旦~ 旦~
お茶ドゾー
お茶どもー。熱くなりすぎた。
思うに、「偏屈じじい」は山口が大好きだったんだろう。
しかし、米長事件に関して言っていることとやっていることが違うので、
腹を立てていると思われる。山口に心服していたからこそ、
裏切られたと感じたときの怒りは大きくなるのだな。
159 :
吾輩は名無しである:2006/02/19(日) 11:19:43
>154
あなたとのそれぞれの問題について、一応の形をみたのちに、このスレッドからは
撤退します。「週明けからのんびり書き込む」とも述べたと思いますが。
それまでは、いただいた「偏屈じじい」をハンドルに使わせていただくことにしましょう。
これとて荒れてしまえば、そういうハンドル名も意味がないのですが。
今朝はひとつだけ。
>つまり、「偏屈じじい」であるあんたは、山口が好きだが、
>米長事件の山口の対応については腹をたてているということだな。
>しかしそれをどうしたいのだ。ここでその腹立ちを訴えればすっきりするのか?
腹を立てているということではありません。残念だなぁという気持ちでしたね。
36期名人戦(中原対森)の第1局観戦記を山口瞳が書いた。37期名人戦(中原対
米長)の第1局も同様。棋界最高位の名人戦の第1局。以前から、山口の名人戦
観戦記を読みたかった私はそのことを本当に喜んだ。山口が亡くなるまで書いて
欲しいと切望もした。このビッグタイトルの第1局は「山口が書いてこそ面白い」と
も考えていましたね。
160 :
偏屈じじい。:2006/02/19(日) 11:22:01
>154
38期名人戦の第1局。そこに山口瞳の名前はなかった。愕然とした。理屈ぬきに
哀しかった。37期の観戦記を何度読み返したかわからない。詳しくは書かないが
何度も読んでいるうちに、おかしなところ、妙なところに気がついた。例えば山口
はこのときの「シルシ」(最善手・疑問手・悪手など)を諸般の事情があって自分
でつけたと述べている。不思議なことだ。
この対局に勝った米長の気分が悪かろうはずはない。米長に対局を振り返っても
らい、解説を受ける。山口と米長の関係で、それができないはずはない。どういう
事情があったのだろう?
芹沢は後日山口に悪罵の限りを尽くしたエッセイを残している。その中に「素人が
どうして(将棋)をわかったようなことを言うのか」と述べていた。前述したことを指し
ているのかとも考えた(しかし芹沢も米長と山口のトラブルの要因は知らなかった
ことが後日わかった。芹沢は米長をダシに八つ当たりしたようなものである。どうし
てこんなことになるのか。これまた哀しかった)
以来、私にとってこの問題は喉にひっかかった魚の骨のようなもので、いつも気に
なっていたし、その背景をどうしても知りたいと考えるようになった。
161 :
偏屈じじい。:2006/02/19(日) 11:26:17
>154
「週刊将棋」を読んで、私の疑問のいくつかは氷解した。
山口は「そんな意図はなかった」といい米長はそのことを認めない。世間にあって
はよくあることである。一方的にどちらがいいとか悪いという話でもない。辛いこと
だなぁと溜息をついた。
そもそも私には蒸し返すなどというつもりなどない。蒸し返すなら、もっと早くに週
刊将棋の引用などいくらでもできた。やりとりの流れで、私の考え方の根拠を示
すために、最低限のことを述べたに過ぎません。
また、週刊将棋にあるトラブル自体、山口瞳の名誉を傷つけるとか、貶めるとか、
そういう内容では断じてない。山口瞳らしい出来事のひとつというだけのこと。
私は「約束の件」も何もかにもひっくるめて、この作家が好きだ。あなたが将棋を
実際に指すのかどうかはわからないけれど、血涙における山口の功績ははかり
しれないものがある。血涙の棋譜だけをみて「山口の将棋は強くない」という者
がいるけれど、とんでもないことである。そういうことをいう者は、同じ環境でプロ
棋士と指してみればいいと、私は思います。
没後、将棋連盟は山口瞳に七段位を贈呈している。六段ではなく七段というとこ
ろに連盟の意をみることもできるし、それはそれで嬉しくもある。しかし、没後にそ
うするぐらいなら、どうして生前に連盟は山口にもう少し報いることをしなかったの
か。私はそのことが悔しくて仕方がない。以来、私の将棋に対する関心は急速に
薄れていった。
↑
そもそも、そういう文章ばかりでは
読む側が疲れる。そのことをよく考えて書いてほしい。
自分が書きたいだけの自己満足では、他人から理解されることは難しい。
そのことを学習しましょう。
【重要】
[書き込む]名前:[ ] E−mail(省略可):[sage]
↑
取りあえず、上記のようにして書きましょう
変な展開になってるなあ
164 :
137:2006/02/19(日) 15:03:06
>>144 私もエッセイストとか小説家とかのくくりは、
どうでも良いと思っているのですよ。
“優れた文章家”ということで良いと思う。
ただ
>>1の最終行に見られるように、
3作品を取り上げて、大傑作を執筆した作家の様に強調されると、
「他にも素晴らしい作家はいるし良い作品はたくさんありますよ。」
と言いたくなる。
>>164 禿同
ひたすらな礼賛は批評にはならない
学問板である以上、ファンの集いのようなスレにするべきではない
偏屈じじい様
数々のご無礼、お許し下さい。
貴方の文章を読んで、貴方の気持ちがよく分かりました。「氷解」です。
非常にすがすがしい気分です。ぜひ、撤退などなさらず、今後もお書き下さい。
私が立てたスレではありませんが。
正直言って、私は米長事件から目を背けていました。
そっとしておきたいと思っていました。
蜜月だけを見ていたいと思っていました。
ですから、河口さんが、一応米長事件に触れつつも、
美しい部分をクローズアップする形で文章を書いていることに共感したのです。
山口の名人戦観戦記は、残念ながらリアルタイムではなく、
縮刷版でしか読んでいませんが、
それでもその「群を抜いた文章力」に目が吸い寄せられるようでした。
観戦記を楽しみになさっていた偏屈じじい様の気持ちがよく分かります。
作家による駒落ち戦記は、山口の他に団鬼六と安倍譲治のがあったと思います。
アベのは読んでいませんが、
団のを見ると「山口より数段落ちる」という印象をもちました。
駒の動かし方を知っている程度の私には、将棋における価値は分かりませんが、
『血涙』『続血涙』の文章の質感は最高です。
偏屈じじい様
河口さんは、米長より年上ですし、奨励会でも先輩ですから、
「米長の逆鱗」云々は、いかがでしょうか。私は別のことを考えています。
二人の付き合いも40年以上になりますから、「逆鱗」云々ではなく、
河口自身が「触れたくない」と思いつつ、
最低限触れるべき所を書いたと考えています。
この河口さんの態度を「偏屈じじい」様は嫌悪なさるかもしれませんが、
私は強く共感します。
168 :
偏屈じじい。:2006/02/20(月) 00:12:09
>166
どうぞお気になさらないでください。やりとりをさせていただきながら、あなたが山口瞳を
本当にお好きなのだということ、わかっていましたし。
「逆鱗の件」については、改めて私の考えを述べることとさせてください。
今日はちょっとだけ板谷九段の話を。
朝日新聞の2003年8月25日付(朝刊か夕刊か記載漏れではっきりしません)に次のよう
な記事がありました。『将棋ファンだった山口瞳さん秘蔵。30年経て駒踊る』という見出し
がついています。その中から一部を紹介してみます。
「しかし板谷さんは88年、くも膜下出血で急死。47歳だった。そのこともあって将棋界と
疎遠になった山口さんは、小林九段に駒を託そうと考えた。河口俊彦七段(66)の仲立
ちで「受け渡し式」が催され、2人は対局。しかし小林九段は駒の受け取りを固辞した。
「受け取ると瞳先生が将棋をやめてしまうと思った」という」
「(板谷さんをしのぶ記念室に)全国から見学者が訪れ、その駒を使って、プロ棋士が
ファンと指導将棋を指したり、弟子を鍛えたりしている。室長を務める妻の清子さんは
「瞳先生の駒が、この部屋に活気を呼び込んでくれた。私としては今も板谷がそばに
いてくれるようでうれしい」と話す」
「「お気持ちを生かすよう、駒は子どもたちにどんどん使ってもらいます」駒を挟んで、
会話は弾んだ」
いい話だなぁと思います。少しばかり涙腺が緩みそうになりました。
さて、今から「落ちこぼれ教室」の山口VS塚田戦の棋譜を並べてみることにします。
持将棋、上手(塚田)勝ちですね。しんどい将棋ですよ。これは確かに。改めてそう
思いました。
自演か?
読んでいて泣きそうになりました。
学術的にね...
文学板の数多いスレのいくつが本当に「学術的」かどうか疑問だが。
個人的には百鬼園先生・高橋義孝の影響なんかが面白そう。
個人的に、ここの常連連中は山口はかなり読み込んでても、
他の作家はあまり読んでなさそうな気がするし。
(例外も何人かいるようだが)
交流ネタだけでもつ小林秀雄スレじゃないが、
そういうのも悪くはないと思うよ。
ここって5〜6人くらいの常連でまわしてるんじゃねーの?
他、女性らしきが1人
ネカマが数人
まあ、一時は二人しか常連のいなかった美食スレに比べれば...
上の方の長文って自演っぽいね
自演するなら文体変えろや、初心者かよw
俺は立ってよかったと思ってるよ。おかげで読み返すキッカケになった。
…汎神ならぬ、汎人。
日頃とかく他人をを値踏みして生きているくせに、
何かの拍子に人というものへの信頼と愛情が溢れ出す、許してしまう。
上手いってのは、型を極めるのが巧みって事で、つまりアートからは
ほど遠いんだけど。
でも愛しい。
ヲヲ。
頭の中で修正してねん。
自演ではないぞー。偏屈じじいサンは50すぎじゃないかな。
やたらと批判していたおれは、息子ぐらいの年。
偏屈じじいさま
「落ちこぼれ将棋教室」連載の頃、
山口は『家族』を(おそらく)執筆していました。
『家族』執筆に専念したいという気持があったかもしれません。
すごく遅いけど一応言っておきます。
山口スレ立てる時はせめて一般書籍の方を使い切ってからにしてくださいね。
181 :
偏屈じじい。:2006/02/21(火) 06:16:19
>167
おはようございます。昨日は知人と楽しい酒を呑んで、そのまま寝て
しまいました。
週刊将棋にI記者がこの問題を取り上げた翌週、今度は米長が同紙に
緊急寄稿を載せています。「生涯語ることはしない約束だったのだが、
当事者(註I記者を指します)が表へ出したので私もやむなく事実だけは
書かねばならなくなった」とあり、米長、相当に立腹しているという感じで
すね。
この一文の最後を米長はこう結んでいます。
「先週号と今週号、なかったことにして関係者は今後は固く口を閉じま
せんか」と。
河口は、米長よりも年齢は上(先輩)ですが、棋士としての戦績、勝率、
タイトル戦出場回数などは、米長に及びません。A級の実績もない。
河口としては「観戦記拒否」の事実を示すのが精一杯で、事の詳細に踏
み込めば、このことにもう触れられたくはない米長の逆鱗に触れると考え
ても、ちっともおかしくはありません。
河口は将棋世界に「新・対局日誌」を毎月、連載しています。米長を怒ら
せれば「今後、君の取材は受けない。私の過去の棋譜に触れることも遠慮
してくれ」などと言われては、浮かばれない。
河口が「山口瞳通信」に寄稿した頃、その時期を考えれば、米長の頭には、
連盟会長立候補ということもおそらくあったでしょう。
棋士の世界としては、米長は強者なのです。影響力も有している。
182 :
偏屈じじい。:2006/02/21(火) 06:18:11
>167
河口が後輩というならば、私はまだわかるのです。「先輩棋士のことだから、
この件は書きにくい」ということはある。特に棋界にあっては。
しかし、先輩ですし、河口はこの事件の「関係者」でもないのですから「二人
を知る私も、今もって喧嘩の原因がわからない」などと腰をひかずに、この
問題の概要について、先輩としての堂々とした意見を開示すべきでしょう。
それができないというならば、最初からこういう問題には一切触れない方がよ
ほど潔い。「触れたくない」と思っているなら、何も無理して触れることはない。
通信に掲載された河口のタイトルは「山口瞳と将棋指し」です。取捨選択に困
るくらい、書ける内容などいくらでもあります。
183 :
偏屈じじい。:2006/02/21(火) 06:20:06
>167
一方、河口は芹沢に関しては「不仲になった原因は知らない」と言いながら、
推測と断りながらも「恐らく、山口さんに金をせびったのである」と記していま
す。
芹沢は既に鬼籍に入っているのですから、それが反していた場合に「反論」
することは不可能なのです。「死人に口なし」をいいことに、こういうことを書
くのか、この人はと私は思いました。
更に河口は「そんな芹沢とのいきさつは、山口さんの文章のどこかで読んだ
ことがある。あからさまには書いてないが、事情を知っている者ならわかる、
といった書き方をしていた」と述べています。
私は棋界と山口に関する記述は、気をつけて読んできました。しかし、河口の
フィルターを意識して色々な文献に再度当っても、そのような箇所をみつける
ことができずにいます。もしご存知だというのであれば、ご教示ください。
以上のような観点から、私は河口のこの件に関する姿勢には、全く共感できま
せん。
184 :
偏屈じじい。:2006/02/21(火) 06:22:41
>167
それと撤退の件については、お言葉だけを頂戴しておくこととさせてください。
このスレッドの読者に「通信」を所蔵している方がそういるとは考えられず、まし
て週刊将棋の当該記事も同様。山口には関心はあるけれど、将棋はそれほど
でも、という方が大部分だろうという認識が私にはあります。
そういう人々にとっては、こういう話は退屈なものでしょう。マニアックに過ぎてき
たという自覚が私にはあります。
流れを重ねていくうちに、こういうことになってしまいましたが、今週末までには
一応の形をつけたい、問われていることにも私の考えを述べて、退場します。
それまであと少し、猶予をください >ALL
基地外だな
一生一人でここで書いとけ
通信執筆時、河口さんは66歳です。プロも引退しています。
現役であれば米長に遠慮すべき事柄もありましょうが、
引退して年金生活に入った河口さんが、米長を恐れる必要性はないと感じます。
対局日誌でも、引退した米長の棋譜に触れる必要がないと思います。
米長が「今後、君の取材は受けない。私の過去の棋譜に触れることも遠慮
してくれ」といったとしても、いまの棋界であれば、
米長の記述抜きで充分対局日誌を書くことが出来るのではないでしょうか。
暴論を承知で申し上げますが、米長に睨まれても河口さんは
生きてゆけるのではないでしょうか。河口さんはプロを引退している上に、
年金があり、さらに印税や日経の観戦記などの独自の収入源があります。
米長の棋界における影響力・政治力にも疑問を抱きます。
棋界にそれほど詳しくないのでご教示頂きたいのですが、
米長が会長になるにあたって、反対意見が多かったように
大山・二上・中原ら歴代会長の時には無かったことだと思います。
以上の点から、「河口さんが米長の逆鱗を恐れた」というお考えには
疑問を抱きます。
それから、年齢は河口さんが上、奨励会入りは河口さんが先ですが、
プロ入りは米長が先です。こういう場合、河口さんが先輩となるのですか。
棋界では何をもって先輩後輩が決まりますか。それよりも実績が優先ですか。
最後に、河口さんのいう「山口さんの文章のどこかで読んだことがある」の、
具体的な箇所は、私も分かりません。気になって調べたことがありますが、
ひょっとすると、芹沢さんが亡くなったときの山口の「男性自身」の記述かも
しれません。
「逆鱗」を恐れたと言うより、「火中の栗」を拾わなかったというなら、
納得できます。
ねえ、将棋板で書いてよ。
将棋が分からない人間には迷惑だし。
>>188 同意
スレの流れが気持ち悪い
対話風に書かれてるものの
一人が延々と将棋について粘着書きしてるようにしか見えない
190 :
偏屈じじい。:2006/02/21(火) 20:02:13
>186
>暴論を承知で申し上げますが、米長に睨まれても河口さんは
>生きてゆけるのではないでしょうか。
生きていけるでしょうが、そのことによって今までとは違う「不自由さ」を
呼び込む可能性が高いでしょう。
>年金があり、さらに印税や日経の観戦記などの独自の収入源があります。
印税といってもその殆どは棋界を題材にしたものです。観戦記といっても、
これまた将棋の世界。つまり河口は、今の仕事を続ける限り、将棋連盟や棋
士たちと繋がることが必要不可欠なのです。
米長が望まないことを河口が突っ込めば、米長だけとの関係がおかしくなると
いうわけではありません。米長を支持する棋士、或いは米長の弟子たちともぎ
くしゃくする可能性は否定できません。河口のような仕事をする限り、棋士を敵
に回して、得になることはない。棋士が心を開かなければ、話もとれませんし、
酒を呑む機会も減る。将棋連盟というのは「ムラ社会」ですから。そんな話は
あっという間に広がります。
191 :
偏屈じじい。:2006/02/21(火) 20:05:19
>186
>米長の棋界における影響力・政治力にも疑問を抱きます。
「将棋世界」の発行人は会長である米長邦雄です。連載打ち切りを通告する
ことができる立場ですよ。将棋連盟の理事会議案における最終裁定者は米長
ですし、彼がNo.といえば、それはNo.なのです。勿論、責任も伴いますが。
>棋界では何をもって先輩後輩が決まりますか。それよりも実績が優先ですか。
おそらく奨励会の入会が早い河口が先輩ということになるでしょう。
企業でいうなら奨励会は「試用期間」、四段は「本採用」という感じではないでしょ
うか。河口も棋士になったわけですし、試用期間が米長より長いからといって、
その立場が逆転するというような風土ではないと考えます。
>ひょっとすると、芹沢さんが亡くなったときの山口の「男性自身」の記述かも
>しれません。
「還暦老人ボケ日記」(男性自身シリーズ23)の昭和62年12月9日、11日、12日
あたりですね。私も今、読み直しました。あなたほどの山口ファンであればおそ
らくお持ちのことと思います。どのあたりが「しれません」と感じられるのか、教
えていただければ幸いです。
偏屈粘着厨隔離スレと認定すますた。
『還暦老人ボケ日記』については、確固とした根拠はありません。
今のところ、血涙以降で芹沢に関する記述というのが、
これ以外に見つからないのです。そのため「かもしれない」と書きました。
この文章の中で、
・芹沢が悪口を言っているのを山口は知っていたが、「気にとめなかった」
と書いています。
・山口は「芹沢と人生観が違う」と書いています。
私には、この二つが気になりました。何かあるかもしれないと感じました。
色川武大の「男の花道」で芹沢が死に至る状況を知って、
山口の言っていることが少しだけ理解できました。
批判を受けることを覚悟して言う。
山口スレで、「将棋が分からない人間には迷惑」と言われるのは心外。
将棋の分からない人にも分かるように書いているつもりだ。
だから、山口ファンを自称したいのなら、将棋の世界も少しは勉強してほしい。
それがイヤなら、「偏屈じじい」やおれが書いている部分を無視してくれ。
>>193 それは違う。
>将棋の世界も少しは勉強してほしい
ファンの集いなら
>>15、
>>17でも言ったが、一般書籍でやって欲しいね。
文学について語るつもりがないなら、このスレやっぱりここには要らない。
#ただし文句言ってるのは、多分全く山口読んでない奴らだろ。
とりあえず俺じゃない。変な流れだと思ってはいるが。
この流れがイヤなら、去ればいいんじゃないの。
自由意志で来るのがネット掲示板なんだ。
ちゃんと山口瞳について語っているだろう。
文句があるなら、まずはもう一度山口の文章を通して読め。
山口の将棋受容は、山口理解において重要だろうが。
とりあえず、「偏屈じじい」に思いのたけを言ってもらいたいと考えている。
>>195 分かんない奴だな、俺以外にもここでのスレ立てに疑念を呈している奴が
少なくないだろ。それが何故かよく考えろ。
あと、スレはスレを立てた人間の所有物では無い。
こんな下らない事を言わせるな。
山口を語るスレは一般書籍にも一つ、この板にも二つ(美食スレもほとんどそうだろ)
合計三つ。しかもそれぞれに、このスレもよろしく、とCMまである。
山口を愛する気持ちはわかるが、そんなにいくつも使うもんじゃない。
そういう欲張りなことをするから変なスレになるんだよ。
何か勘違いしているようだが、
スレを立てたのもCMをしているのも「おれ」じゃないぞ。
「おれ」が「このスレもよろしく」っていうCMでここに来てみたら、
米長事件の蒸し返しだ。びびったぜ。だから反論したわけだ。
「おれ」とスレ主は別人だぞ。スレ主は丸谷才一ファンだろ?
200 :
偏屈じじい。:2006/02/21(火) 23:45:07
>154
さて、ここに示された回答を示すだけとなりました。この発言を最後に
「偏屈じじい」は本スレから退場致します。
質問に記載された番号は、いわゆる機種依存文字ではないかと思われ
ますので、私の方で表記を改めておきます。
>1.河口は引退していることを認めろ。これは客観的事実だ。
>「偏屈じじい」は棋界に詳しいようだが、なぜこれを知らないのだ?
認めます。
私は主要なタイトル戦の棋譜は、今でも時折並べますが、そもそも河口の
ウォッチャーであったことは一度もありません。「対局日誌」シリーズはリキ
トミブックスから河出書房のものまで、斜め読みですが、目は通していると
いう程度です。
順位戦で名前をみないのでフリークラスで対局しているのかなという認識し
かありませんでした。
201 :
偏屈じじい。:2006/02/21(火) 23:46:32
>154
>2.「将棋落ちこぼれ教室」の中断については、いい加減な推測などする前に、
>文章をちゃんと読め。ひょっとして、読んだことないのか?読んでいたら、
>「山口の中には「何かこの仕事に打ち込めない。面白くない」
>というものがあった」といういい加減な推測ができるはずがない。
「われ敗れたり-将棋界引退の弁」(元版282頁)の中に、その根拠があります。
将棋は終盤。山口の必勝形ができあがっています。山口の棋力があれば、み
れば一目です。彼の頭に実際浮かんだ、第一感、第二感、いずれも正解。
しかし、山口はこう述べる。
「こういう意地の悪い手を指していいのか。上手に何もやらせないという勝ち方
をしていいのか。それは将来の名人候補と言われている塚田少年に対して失
礼ではあるまいか。これは本当のことである。(中略)僕は困った困ったと思っ
ていた。投了したいと思っていた」
202 :
偏屈じじい。:2006/02/21(火) 23:47:42
>154
この気持ちは言葉にならないけれど、プロ棋士の力を知り過ぎるほどに知って
いる山口の面目躍如という感があります。しかし、これほどに相手のことを慮り、
プロに気遣うような姿勢では、将棋そのものを楽しめない。将棋の負けというの
はそれはそれは辛いものですし、特にこういう持将棋では疲労も倍増します。
勝負と割り切れない。勝ち切る局面がそこにあって、それを指せないというので
は、楽しめないし、打ち込めない。こんなことが続けばストレスに際限がなくなっ
てしまいます。
私は体調不良を嘘だと言っているのではありません。しかし上述したようなことも
あったのだろうと、これでは辛いばかりだなと当時、考えていました。
あなたは、この「引退の弁」を男らしいと感じたようですが、私は不思議でした。
極端に言うなら、あの文章は「言い訳だらけ」ですよ。
山口が日記にこんなことを書いています。
「僕に寄せられた批評で印象の強かったものが三つある」という書き出しで
「もうひとつは庄司薫さんで「山口さんの文章は言い訳ばっかりだ」というもの。自分
の書いたものを読み返してみると、庄司さんの指摘が的確であることがわかる。これ
には噴飯してしまった。「まったくその通りだ」と思った」
(ちなみにあとふたつは吉行と沢木耕太郎の批評)
しかし、あれほど言い訳だらけでもちゃんと読ませるものになっています。それもまた
山口らしい。
203 :
偏屈じじい。:2006/02/21(火) 23:48:48
>154
>3.三角カッコのことは分かった。しかしもう一つのほうは理解できたか。
>ここは基本的にsage進行のようだ。あまり挙げないでくれ。
これは個人の考え方の問題でしょう。板の状況によってはすぐdat落ちということもあ
りますし。それほど指図するようなことでもないと思います。
204 :
偏屈じじい。:2006/02/21(火) 23:49:48
>154
>こっちは「結構」ではない。謝罪を要求する。
>下司な勘ぐりをされて、正直不愉快。
>「己を以て人をはかる」というが、
>下劣な心情で人の言動を推し量るのはやめたまえ。
「中原や大山とおかしくなったら出入禁止」になるというその感覚が私には不思議でした。
そもそも、山口が中原や大山とおかしくなるはずがない。何故かというと、山口が色々な
ところで書いているように、山口は、この二人を棋士としても人間としても尊敬している。
米長に対して、そこまでの感情はなかったでしょう。「大山に勝てないうちは.....」などと書
いてもいますしね。そういう人とはおかしくならないものです。
第一、トラブルの相手が米長ではなく大山、中原であったら彼らは、そんなことはいちいち
問題にしない。笑っていますよ。この二人には前人未踏の実績がありますから、そういう
ことで自分が揺らぐことはない。
私にとってあなたの発言は、想定外でした。そのことに対して、色々と考えた結果でしたが
謝罪をしろというなら謝罪します。
205 :
偏屈じじい。:2006/02/21(火) 23:50:48
>154
>「偏屈じじい」は、河口氏が『週刊将棋』の文章に触れなかったのは
>「保身」のためだと推測する。これはまさしく「己を以て人をはかる」だ。
>下劣な心情で河口氏の心情を推し量るから、「保身」という下品な解釈となる。
>また、「偏屈じじい」は
>河口は「さも思わせぶりなこと」を書いた
>というが、これは「偏屈じじい」の主観である。私はそう思わない。
これについては既に直前のコメントに記していますので、繰り返しません。
>>199 そうか、それは誤解だったようだな。謝る。
誰に対してかは分かんないけどw
とにかくファンである事前提のスレはつまらない。本当につまらない。
何遍でも繰り返すが、そんなつまらないスレは一般書籍でやって欲しいね。
いわゆる「飛び地」みたいなスレって大嫌い。
ここは文学を語るところ。
(俺に言わせれば視野狭窄の)ファンなんてもの、気持ち悪いだけ。
207 :
偏屈じじい。:2006/02/21(火) 23:52:20
>154
それと河口の「通信記事」には事実誤認を十分に窺わせるものがあります。
「通信」に河口は「間をおかず山口邸に行き、一言「お願いします」と深々と頭を下げた」
とありますが、週刊将棋に:掲載されたI氏の記事によれば、(翌日、I氏が山口邸に出向き、
懸命に食い下がった結果、山口未亡人の助け船もあって「そうか、書くか、最後に」と同意
した)とあります。
更には(一件落着してから大山康晴に報告した。未解決のときに報告したら会長も困った
と思う)と述べています。I記者は主催新聞社の観戦記者という、いわば当事者ですから、
こちらの方が遥かに説得力がある。
大山が土下座したというのは、山口自身が「優雅なサヨナラ」に書いているとおり、おそらく
観戦記執筆取材のために対局場に向かったときの話でしょう。
こういうこともあって、私は河口の「通信」寄稿は、肝心な点に信憑性を疑うところがあるわ
けです。
208 :
偏屈じじい(これでサヨナラ):2006/02/21(火) 23:54:17
>154
さて、長々と色々なことを書いてきました。
154氏と私のやりとりは、紆余曲折がありましたが、個々の考え方の相違、テキストの解釈
文献の依拠、対立点も同意点もあったように思います。私は「(それでも色々とひっくるめて)
山口が好きだと書きましたが、山口の作品の全てを評価しているわけでもありませんし、山
口の書いたもの、主張に同意できない点もあります。154氏のことを指しているわけではあり
ませんが、山口に対する?を少しでも口にすれば、袋叩きにあうというのも、私には歪な感じ
がするのですよ。そうなると、好きなタレントの追っかけと大差なくなってしまいます。
太宰が遺書に「井伏さんは悪い人です」と遺した。井伏さんは悪い人なんだでも仕方ないし
芥川の「ぼんやりとした不安」を、ああ何か不安だったんだて終わらせても、恥ずかしい。
山口のようにエッセイの占める割合が圧倒的に多く、私小説の比率も高い作家にあっては
「人間 山口瞳」という対象に向かいやすいという面がある。この作家の残したテキストは、
ある意味そういう研究の宝庫じゃないかという気はしていますね。行間を読むということも含
めて、ですが。
長いおつきあいに感謝しています。ありがとうございました>154氏
もうやめれ
多数の人が書きにくい雰囲気を作ってる人間
不愉快極まりない
>>209 なんで書きにくいの? 知ってる人は知ってるんだなってビックリしてたんだけど
>>210 マジ思う。
いいこと言うね
もっと話題ってないの?将棋もいいけどさ
イヤなら他のスレに行くか、将棋以外の話題を提起すれば?
偏屈じじいさま
あなたの山口に対する気持ちがよく伝わってきました。
意見の相違も含めて、いろいろ学ぶところがありました。
ありがとうございます。最後に2つだけ。
・201,202の感覚がよく分かりませんでした。
特に、「これほどに相手のことを慮り、
プロに気遣うような姿勢では、将棋そのものを楽しめない」というところ。
・202の「男らしさ」について。連載を中断するにあたって、
委細を尽くして弁解する態度に「男らしさ」を感じます。
責任感が強いと感じます。
人によってはこれを「言い訳」と考える方もいらっしゃるでしょう。
偏屈じじいさまもそのようですね。
山口は休載をしない作家でした。「男性自身」はもちろんのこと、
「読み切り小説」連載という辛い仕事も数多くやり遂げました。
締め切り・枚数厳守の律儀な人です。
私の知る限り、中断は「将棋落ちこぼれ教室」くらいです。
責任感の強い山口は、いったん引き受けた連載を、
数回で中断するのは、読者や編集員、新田・矢口・大内氏に対して
申し訳が立たないと考えたのでしょう。
律儀な・責任感の強い山口は、人一倍負い目を感じていたはずです。
そのため、あのような委細を尽くした「お詫び」を書いた、と考えています。
一旦引き受けた仕事を中断させることに対して、これほどまで責任を感じつつ、
それでも連載を中断せざるを得ない状況を縷々述べる。
平身低頭謝る。男らしいと感じませんか。
当たり前かもしれませんが、それが出来ない人も多いですよ。
社会人として種々の責任を負うようになって、
自分自身で「責任」の重さを実感するようになって、
いっそうこの山口の姿勢に共感を抱きました。
演説の後で悪いが、文学板にふさわしい話をさせてもらうよ。
山口瞳が作家として損なのは、あまりにも「高度経済成長期」という特定の「時代」と
結びつきすぎて、その文章の真価が理解されてないことだろうな。
山口の作品を大まかに分けると、次の四つに大別される。
@エッセイ・自伝的小説 ex.『江分利満氏の優雅な生活』『小説・吉野秀雄先生』『人殺し』
Aエッセイ ex.『男性自身』『旦那の意見』『礼儀作法入門』『月曜日の朝、金曜日の夜』
B紀行 ex.『湖沼学入門』『草競馬流浪記』『温泉へ行こう』
C普通の意味での「小説」 ex.『居酒屋兆冶』『結婚しません』『けっぱり先生』
この中で、一番知名度が高いのはやっぱりAだろう。
「山口の作品はあまりにも山口本人との関連で読まれている」って批判はどうでもいいが
(そんなこと言ったら「くそぢぢい」のキャラクターで読ませる部分が小さいとはいえない
百鬼園先生なんかどうなると言いたい)やはり、文章の真価が理解されにくくなるって
面もないわけじゃないし、複雑だな。
逆に、「高度経済成長期」とも「山口本人」とも関わりが薄くなるCの知名度が
低すぎるのも厄介だと思う。ある意味、山口の散文の魅力が一番素で味わえる
ジャンルなわけだから。
これは何の根拠もない考えだが、山口の真価が本当に理解されるようになるのはおそらく、
40代以上の「男性自身リアルタイム世代」(高度経済成長を体感した世代)が
少数派になったころだろうな。
特定の時代とあまりにも緊密に結びつきすぎてその文章、いや「文学」の真価が
理解されないってのはスコット・フィッツジェラルドとよく似てる。
一見すると作風の上での共通点はあまりなさそうだが、フィッツジェラルドはフィッツジェラルドで
「実際に体験した出来事」でないと小説にできなかったらしいし(@村上春樹のフィッツジェラルド本)
「何を書いても私小説になってしまう」山口とはある意味よく似てる。
誤解の無いように、オレは「男性自身リアルタイム世代」が邪魔だって言ってるんじゃない。
上の方で「正しい日本語が書けることは評価できる」みたいな意見があったが、
おれはそのことがかえって山口の本当の凄さを示していると思う。
一見すると「高度経済成長期の細々した描写」としか思えない『江分利満』でも
読み込めば山口がどれだけ論理だっていて少しも無駄のない、明晰でリアリスティックな
本当の意味での「散文」になっているし。(あの講談調の「語り」は見せかけに過ぎない)
そういう「散文」がどれだけ稀かってのは新聞記事の悪文を読めばよく分かるだろ。
増して、文学の世界には「散文」の基礎も出来てないのに「文学的な」文章を
書こうとしている「作家」がどれだけ横行してるか。
丸谷才一や山崎正和(或いは清水義範)が指摘しているように、日本の「国語教育」に
「散文」を書く訓練が欠如してるのもそういう状態を招いている一因なわけで。
少なくとも、「真に文学的な文章は明晰で無駄のないリアリスティックな散文の基礎の上に立てられる」って
意味でも山口の文章は最高だとおもうね。
その「文章」が作り出す山口の「文学」も。
218 :
216:2006/02/22(水) 10:36:51
>特定の時代とあまりにも緊密に結びつきすぎてその文章、いや「文学」の真価が
>理解されないってのはスコット・フィッツジェラルドとよく似てる。
フィッツジェラルドの場合は「されなかった」というべきか。
山口の将棋ネタを論じるなとは言わないよ。
ただ、このスレの連中は「山口本人」を論じるのに大忙しで、
「山口の文学」を論じることがおろそかになりすぎてるのが
反発や批判を招いてる原因じゃないの。
「私小説作家だから仕方ない」って言われてるけど、違うね。
山口ほど「自分の世界」を「普遍」に昇華させることの出来た作家はいない。
偏屈はスレの雰囲気を読めていたし、今週末という終結宣言も出していた。そこでもまだ終わらきゃ注意すりゃよかったんでは?それが我慢できないというのはよくわかんなかった。あっちいけとかあげるなとか小姑多すぎww これじゃ書く奴減るよ
山口ファンで
誰に語ってるのか長文演説連続投稿、オレ様の言うことが理解できないなら
あっちへ行け、
将棋がいやならネタをフレ
住人は礼儀作法が出来てるな
文学板だからといって、文学のことだけを書かなければならないのか?
224 :
吾輩は名無しである:2006/02/22(水) 22:14:11
>>223 というか『文学板』で作品論や作家論があっていいんだよ。作品から作家へのアプローチ
はよくあること。個人の独白や呟きだけじゃ文学板でございなんていえない。将棋の話は
面白かった。一方が毒づき、一方が冷静に『検証』する。スリリングだったと思うぜ。
227 :
吾輩は名無しである:2006/02/22(水) 22:29:12
山口瞳超つまんない。
>>220 誘導乙
ここも、一般書籍となんら変わらない流れだな
あくまでも自分主導のスレの流れを好む
そんな人がいるみたいだな
しかも215は説得力がない。
結局、215は自分が中心になって話を進めたかったんだろう?
215が何も知らない将棋の話だったから、不愉快だったわけだ。
文学の話をするなら、きちんと根拠をあげて論理的に述べろ。
山口の作品をただ分類するだけでなく、「男性自身」ならエッセイ史の、
『血族』『家族』なら私小説史の中での位置づけを述べろ。
他の作家の作品をあげながら客観的に述べろ。
215のような演説はもうたくさんだ。
>結局、215は自分が中心になって話を進めたかったんだろう?
山口の本質は無頼か叙情かモラリズムかって具合に
「将棋を除けば」それなりに議論が錯綜してたし、
オレ一人で仕切れるような状況じゃないことくらい分かってた。
それぜんぶ山口の本質だよ。ひとつに整理しないでいいんじゃないか。
それぞれの性質について論じていけばいい。
ひとつの性質だけ特化して、他の性質が間違いだとするのは、
それこそ誤りじゃないか。
無頼・叙情・モラリズム、すべて山口の本質。
ただし、作品によってどの要素が際立ってるってのはあるだろうな。
『血族』『人殺し』は無頼一辺倒、『礼儀作法入門』『行きつけの店』はモラリズム
(後者はちょっと苦しいかな)、『結婚しません』『居酒屋兆冶』は叙情って具合に。
(『男性自身』もか)
ただし、この三分法だと、『江分利満』が分かりにくくなる。
「アイロニー」ってのも入れようか。
まだまだ物質的には貧乏なのに「優雅」って形容される江分利満の描写なんか、
「アイロニー」以外の何物でもない。
たしかに『行きつけの店』はモラリズムではないな。
東京者という性質も大事だと思うぞ。
江戸っ子じゃなくて東京者(とうきょうもん)。
239 :
吾輩は名無しである:2006/02/25(土) 08:24:30
>>238 「東京者」ネタも色々論じたいのだが、
必然的に「田舎者」も論じることになるし、荒れそうなテーマだな...
一つの方法は、東京も「田舎の一つ」と見ることだが。
或いは「田舎の延長」か。
242 :
吾輩は名無しである:2006/02/25(土) 16:50:38
↑それ見当違い
243 :
吾輩は名無しである:2006/02/25(土) 17:28:02
昔から成人の日の各新聞の書く新成人へのむけての社説が楽しみである。
各新聞社の論説委員と思しき面々が後輩にむかって人生訓をとく。
山口も生前は毎年サントリーが広告で、何かしら書いていた。
礼儀作法入門の新成人向けというべきものか。
45万部のベストセラー『嫌韓流』の第2弾
『嫌韓流2』発売中
駄作か傑作かは、買って自分で確かめよう
245 :
吾輩は名無しである:2006/02/26(日) 00:43:19
別冊週刊新潮・昭和31年「創刊号」完全復刻版
読んでたら山口瞳のコラムが載ってて面白かった。
246 :
吾輩は名無しである:2006/02/26(日) 18:46:22
山口は人間としてカス!!!
どこの選考委員やってたんだ?
まー、裏おもてのない人物ではない罠。
海千山千でしょ。
お亡くなりになったあとでも人々の記憶にとどまり
こうしてスレッドも上がる。
「海千山千」は作家としての適性?
北杜夫だったか『この人は庶民じゃなくなってからは面白くなくなった』
みたいなことを言ってた。何をもって『庶民』というか、受け手によって
も違うような気がするが。
『庶民ではないのに庶民ぶる』のがイヤラシイ』というなら、わからなくも
ない。
>>250 北杜夫が?
ソース忘れたが誰かが
「庶民そのもの」と評価したのは記憶があるが。
父親は一発屋の発明家や詐欺師
母親は遊郭の娘で家出婚
本人は、庶民の普通生活こそ憧れだったんだろう
しかし、その本人にヤクザの血が流れてる
博打、競馬、将棋、野球・・どうしようもない。
それらが好きだし、書けば多くの人を惹きつける。
庶民を書けば書くほど、嫌味と受け取る側もいるし
普通のお手本と受け取る側もいる。
252 :
吾輩は名無しである:2006/03/01(水) 07:29:40
251はバカということで、片づけていいと思う。
私も251は、浅はかで片付けていいと思う。
山口を無理やりに、ヤクザとか殺気とかに結び付けて、
オナニーしている輩だろ。
他の本も読め。
>>251 『庶民そのもの』と評したのは確か吉行じゃなかったかな。
例えば「日記シリーズ」にみる山口の馬券の買い方というのは、年金生活者
の感覚に近い。貯金箱の500円玉で遊んでいるという感じ。ただ、あまり大き
く勝ったなどとも書きにくい。税務署に睨まれるからねえ。
「家族」の山口はこれと決めたら数十万円突っ込んで、帯封の札束をポケッ
トにねじ込んでいる。あんな買い方、庶民にはできんよ。おそらく金の有無と
いう話じゃあない。
私は「家族」的な山口の気質がほんとじゃなかったのかなと思う。
ヤクザ云々というより、あの人は「玄人」なんだな。振舞いもそう。所作もそう。
「作家の横車」(ちなみにオレはあの姿勢に大賛成)なんか、正に玄人そのも
のじゃないかな。
255 :
吾輩は名無しである:2006/03/01(水) 20:51:14
私も253は、浅はかで片付けていいと思う。
山口を無理やりに、丸谷才一とか折口信夫とかに結び付けて、
オナニーしている輩だろ。
他の本も読め。
256 :
吾輩は名無しである:2006/03/01(水) 20:59:46
あれ、論先生?
私も253は、浅はかで片付けていいと思う。
山口を無理やりに、エッセイストとか詩人とかに結び付けて、
オナニーしている輩だろ。
他の本も読め。
258 :
吾輩は名無しである:2006/03/01(水) 21:21:37
三十代
やたらと仕切りたがる
中国好き
バーと美食スレで、スレ主とやらの旅行時期が一致
読書傾向に週刊誌の愛読者的な中年臭
文章が悪い
レス番にアンカーをつけない
連投
259 :
吾輩は名無しである:2006/03/01(水) 21:30:29
で、
成人病
なんか大変なことになってますね。
美食スレで中国好きを標榜して、旅行したのは俺ですよ〜(バーには出入りしてません)
スレ主さんとは別人です。俺は山口は二作しか読んでないので、このスレでは
ほとんど書き込んでません。
ついでに言っておくと、夷斎好きでイケズを言ってらっしゃる方も俺とは別人です。
俺は、詩スレで一度ここのスレ主さんと衝突したことがありますが、ワダカマリは
まったくありません。
個人的に美食スレを応援しているので、ここで個人攻撃を受けて不快な思いをする位
なら、あっちに帰ってきてください、マスター。
美食スレにて、差別と文章で噛み付いたのは俺。
夷斎好きの方とは別人。俺も石川淳は好きだけど。
将棋の二人がいなくなったら、とたんにレベルが下がった。
263 :
吾輩は名無しである:2006/03/04(土) 00:55:36
>>262 レベルって・・・・
話も書けないのに文句言う。
お前は山口好きなのか?
さらに下がった
265 :
吾輩は名無しである:2006/03/04(土) 21:40:24
山口はクズだったが、息子はもっとクズw
266 :
吾輩は名無しである:2006/03/05(日) 01:08:29
最高の流れ
267 :
吾輩は名無しである:2006/03/05(日) 05:36:43
『男性自身』の最終回のハンドバックの件、
あの、あれはどういう意味なのでしょうか?
>>263 仕切ってんじゃねーよ。お前のせいで人が来なくなったぞ、ボケッ!
269 :
吾輩は名無しである:2006/03/06(月) 01:15:37
ここも2ちゃんらしくなったなー
興味があって見る
何かつい書く
好きかどうかいちいち問われる道理はない
実家の遊郭を訪ねる〜もうない〜文書を探す
遊女の待遇は良かったとの記述を読む
この「血族」は泣ける
>>260 よく読んでくれ。今でも書き込んでるから。
>>265 山口本人は、「私は自分が大悪人だと思ってるし、ろくな死に方もできない」って言ってたな。
>>270 お前は傲慢な仕切屋だから、ろくな死に方もできない。
272 :
270:2006/03/07(火) 08:26:00
間違えすぎ。
文学板にふさわしい話をさせてもらうよ
って何様なんだよ。
>新入社員諸君、これが礼儀作法だ! 山口瞳他 540
一般書籍板の新潮文庫スレに3月の新刊で出るってあったけど本当だろうか?
肝心の新潮HPにはでてなかったし...
3月28日刊行らしい。前に出た特集本の、文庫化。
ってことは「四月の新刊」か。
『人生作法』みたいな「文集」になるのかな(それならそれでいいけど)。
バカか。3月だって言っているだろう。
282 :
吾輩は名無しである:2006/03/14(火) 15:08:33
あげとこう。
せめて新刊が出るまでは...
283 :
吾輩は名無しである:2006/03/14(火) 18:51:13
将棋会館出入り禁止って誰が決めるんですかね
芹沢に出入り禁止喰らったなんてライターがいたけど
芹沢個人にそんな権限があるとも思えないけど
しかし本人に連盟から通告はされるんだろうね
まさか来てみたら受付?であなたは出入り禁止ですって言い渡される
ってのは考えづらい
山口瞳さんが将棋会館出入り禁止だそうだって河口俊彦が
書いたのをいつだったか読んだけど
随分後になって知った口ぶりだったから
周知も行われてなさそうだし、カクブルだね
山口瞳って、コピーライターとしての受賞歴はどうなっているの?
「トリスを飲んでHAWAIIにいこう」で電通コピー賞?
洋酒天国で電通DM賞
浪曲のCMも何か受賞したのかな?
そのあたり、はっきりしないのがちょっと哀しい。
コピー史が編纂されるとしたら、山口瞳と開高健は一項目を設けられるくらい
大きな業績を残したと思う。
>>280 ( ゚∀゚)ァハハ八八ノヽノヽノヽノ \ノ \ / \ / \
バカか。3月だって言っているだろう。
287 :
279:2006/03/16(木) 10:48:04
288 :
吾輩は名無しである:2006/03/16(木) 10:53:55
289 :
吾輩は名無しである:2006/03/17(金) 14:27:34
>>284 「会社生活」についてはあれほど色々言及してても、
サントリーでの仕事それ自体は意外と触れてないしな。
せいぜい、自社製品がどれくらい売れてるか酒場一軒一軒を調査したことを
『酒飲みの自己弁護』で触れてるくらいだし。
バカか。3月だって言っているだろう。
>>289様
サントリー時代の自分の広告は後から考えると良くなかった、
と書いていますね。そのことが理由ではないでしょうか。
292 :
吾輩は名無しである:2006/05/03(水) 01:12:52
ちょっと「礼儀作法入門」を読み直しました。@新潮文庫
書かれた時代を感じはするものの
山口は基本的には「冷淡で意地悪」な人だよね。
しかし、その人の気配り、優しさに酔うんだろうな。
293 :
吾輩は名無しである:2006/06/14(水) 20:02:00
山口の本に出てくる浅草の「文扇堂」行ってきたよ。
もちろん、祝儀袋買ってみた。
なかなか凝ったデザインのものが多くて楽しいね。
ただ、お店のおばあさんもかなり年代を感じさせる風情があったな。
294 :
291:2006/07/09(日) 21:20:42
このスレ、人がいなくなりましたね。
まあいいや、せっかく立ったスレだから独り言を書かせてもらおう。
個人的ベスト1は『世相講談』だと思う。向田邦子も、
「山口さんの書いた中で、良いのはこれだけ」と言っていたらしい。
しかし本人は、酒を呷りながら書いたためにやや悔いの残る作品に
なってしまったと書いていた。
295 :
291:2006/07/09(日) 21:28:28
さらに独り言は続く。
晩年(?)の作品で感心したのは『新東京百景』。
素晴らしい軽みのある文章で、本当に円熟味を感じた。
その一方、この本には「とんねるずを殴った野坂昭如の心情を痛いほど理解した」
と言う意味の件があり、ここは唸らされた。「何が原宿だ。何がおニャンコだ」!
296 :
291:2006/07/10(月) 21:19:29
またまた独り言。
『旦那の意見』の中の「下駄と背広」も良い。
田中角栄の「私の履歴書」を分析した部分は実にシャープ。
角栄は、結婚したその日に、奥さんに三つの約束を誓わされた。
@足蹴にしないこと、A出て行けと言わないこと、
B将来二重橋を渡ることになったら自分を同伴すること。……
「虫も殺さぬ妻の新婚の約束がこれだった。田中角栄は怖ろしい男である。」
(引用は不正確かも)
この部分、スピード感ある文章でたたみかける感じがあり、素晴らしかった。
297 :
291:2006/07/10(月) 21:31:17
それと、上の方で書いていた人もいたが、
男性自身シリーズの『木槿の花』で、向田邦子事故死を書いた部分も
素晴らしかった。強い緊迫感があり、本当に向田邦子が好きだったんだな、
と感じられた。
298 :
291:2006/07/11(火) 21:51:47
今日も独り言。このスレの独裁者として振る舞わせてもらう。
『人殺し』・『血族』・『家族』はどうか。
自分は『家族』を最も評価する。
『血族』は、読んでいて途中で涙が出た部分もあったが、
しかし『家族』の緊張感には及ばない。
『人殺し』も殺伐とした感じは良かったが、
筋がすっと頭に入ってこない。
299 :
291:2006/07/11(火) 21:58:35
それにしても、この人の人生は並みのものではなかった。
父親が刑務所にいる時期に家庭は極貧を極め、
母親は幼い山口瞳と一緒に南部線に飛び込もうとした。
ミカン箱が食卓代わりになる貧しい正月。
高利貸しが押しかけ、親子二人で家中の雨戸を閉めて家の中で潜む。
かと思えば、さらに父親は成金で一挙に金持ちに。
後に軽井沢に6千坪の土地を持つようになる。
本人も少年野球のスターになり、見知らぬ観客が自分の名をスタンドで叫ぶ。
成績優秀だったが中学受験は失敗し、麻布へ。
国語の時間は教師をやり込めることは朝飯前だったが、
数学はほとんど0点ばかり。そして真面目に出席していたのに
教練検定不合格。
書くのが疲れるほど。続きは後日。
300 :
291:2006/07/12(水) 22:53:47
>>299 「かと思えば、さらに父親は成金で一挙に金持ちに。」
→「かと思えば、父親は戦争成金で一挙に金持ちに。」
301 :
291:2006/07/12(水) 23:12:28
続き。このスレは私がもらった。
大学受験で早稲田に入るがまもなく退学。
徴兵で陸軍へ。二等兵として(教練検定不合格)苛められる。
復員後、鎌倉アカデミアに入学するが、ここは文部省の認可が下りず、
結局大学卒の資格のないまま出版業界へ。
結婚するも、二度の中絶と夫人のノイローゼ。
國學院大學に進学し、何とか卒業するが、内定をもらっていた
新潮社から内定を取り消される。そのまま編集者としては芽が出ず。
友人宅の離れに親子3人で暮らし、「威勢良くブンブン働く」一方で
風呂もろくに入らない生活。
サントリーに就職できたが(「最大の親孝行」)、慕っていた母が死に、
おまけに実の父親がそれを機に川端康成から大金を搾取。
〉301 せっかく鬱病からも脱したのだからもう少しおとなしくしていた方がイイと思うョwww
303 :
291:2006/07/13(木) 21:29:02
>>302 どういう意味でしょうか?ちょっと分かりません。
なお、
>>301の「搾取」は「詐取」の間違い。
304 :
291:2006/07/13(木) 22:38:05
今日もまた独り言。
渾身の『江分利満氏の優雅な生活』が直木賞を取り、一挙に流行作家となるが、
その後は仕事と酒で滅茶苦茶な生活。ジャーナリストの中には、
仕事を与えるのではなく潰しにかかってくる人もいた(らしい)。
「思っても見ない人が罠を仕掛けてくる」と本人も書いていた。
そして、糖尿病の宣告と梶山季之の「戦死」。
吉行淳之介との最後の対談で、泣いていた。
「悲惨なものだったですよ。私の人生は。」
305 :
291:2006/07/15(土) 00:09:59
好きな短編。
@「頸」。これは実にかっちりとした短編。
無駄な語句が一切なく、凄みがある。
何度も書き直したのだろうか。
それとも、一気に書いたものだろうか。
だとしたら、異常なまでの集中力をもって執筆したはず。
A「婚約」。これは円熟味を感じさせる。
初めて自分の息子が結婚する時の初老の男の興奮(イレ込み)
が実に巧く書かれいる。
主人公のモデルは、山口の読者にお馴染みの徳本運転手なのだろうが、
こうした短編を書けるほどに近所の人間と深くつきあっていた点で、
山口は「庶民」であったのだろう。
同時に、この作品には、自分には息子の結婚式に親として立ち会うことが
なかった、という寂しさも込められている気がしてならない。
306 :
291:2006/07/15(土) 00:27:19
いかん。普段と違うPCから書いたのでageてしまった。
ついでに独り言の続き。
対談はどうか。『山口瞳 幇間対談』はあまり面白くなかった。
最初の、吉行淳之介との対談は笑ったが、
しかしこれは対談の名手吉行の力もあるのではないか。
高橋義孝との『師弟対談 作法・不作法』は中身があるが、
しかしこれは対談というよりインタビュー。
対談で面白かったのは、野坂昭如とのもので、
メチャクチャなことを言っている。
この人は実は座談の方が面白かったのではないか。
『草競馬流浪記』の最後の座談会は良かった。
307 :
291:2006/07/16(日) 22:20:45
紀行文はどうか。
初期のものは、例えば『湖沼学入門』は、後期の『酔いどれ紀行』に比べると
やや見劣りするが、しかし『なんじゃもんじゃ』は、注目作。
好き嫌いがはっきり(はっきり過ぎるほど)出た作品だが、これはちょうど糖尿病に
かかった時期と重なっていることも原因ではないか。
308 :
291:2006/07/19(水) 22:35:41
さて、今日は何を書こう。
野球の話にしよう。『草野球必勝法』の中の「王と長嶋はどう違うか」は、
シャープで優れた評論。また、『江分利満氏大いに怒る』にある
「賭博師的人生論」(?題名うろ覚え)も良い。
観戦記だと、題名を忘れたのだが、第一次長嶋政権の初優勝のかかった
対阪神戦が良かった。「7回、先頭王の輝く714号ホームラン」や、
「その打席の張本の気合いの入っていたこと!」など、名文句だった。
残念で溜まらないのは、イチローについて書くことがなかったということ。
309 :
291:2006/07/21(金) 22:14:53
さて、今日はどうしようか。
笑った作品。先に挙げた『新東京百景』の他にも、
『江分利満氏の華麗な生活』にある「草野球必勝法」
(『草野球必勝法』にも収録)の一節で、
「E&W軍には、左腕でアンダースロー、ナチュラルシュートという
妙なのがいる」という箇所で大笑いした記憶がある。
それと、「貧乏遺伝説」。これも実に洒脱で良い。
同じように『世相講談』の「車宿の徳」。
310 :
291:2006/07/21(金) 22:19:14
ところが、確か男性自身シリーズの「紀行文の書き方」
(これは『私の根本思想』に収録だったかな?)で、
内田百閧フ「二等車のボイは女である」という一節が実に可笑しい、
と山口本人が書いている。その上、この一節の可笑しさが分かってもらえないと、
書く方としても張り合いがない、とも書いている。
実は、私はこの一節の可笑しさがよく分からない。
>>308 イチローについては書いてるよ。
『江分利満氏の優雅なサヨナラ』読んでください。
312 :
291:2006/07/22(土) 22:44:17
>>311さん。ご指摘有り難うございます。
そうでした、そう言われて、おぼろげながら思い出しました。
ただ正確な内容は、手元に本がないので確認できません。
どんな言い方でしたっけ?
この人は、本当に野球が分かったのでしょうね。
「自分の人生の最大の失敗はプロ野球の打撃コーチになれなかったこと。
最大の成功は将棋指しにならなかったこと」と言う意味のことを書いていました。
これも『草野球必勝法』だったでしょうか。
>>312 イチローについては、「父親の時代」で「振り切る打法に対するミートの打撃」かつ、
その秘訣が「手首の柔らかさ」と評しています。
他にも色々言っていますがこれ以上はネタバレになるので...
山口は海老沢泰久の文集文庫版『監督』の解説もしています。
海老沢は山口をして「野球がわかる作家」と言わしめた人ですが、
もう一人の「師匠」である丸谷才一譲りの端正な文章だけでも
読むだけ価値があると思いますよ。
314 :
313:2006/07/23(日) 14:21:09
「文春文庫」ですね、失礼。
315 :
291:2006/07/25(火) 20:49:10
>>311さん。ご教示どうも有り難うございました。
イチローについての件、そうでした。思い出しました。
『監督』の解説は、『男性自身 余計なお世話』に収録されている
文章でしょうか。ただ、『監督』については私は未読なのです。
いずれにせよ、重ねて有り難うございました。
馴れ馴れしいようですが、311さん、山口瞳論を書いて頂けないでしょうか。
316 :
吾輩は名無しである:2006/07/26(水) 11:49:01
『男性自身』リアルタイム世代ではない上に、(山口の)小説をあまり読んでない自分が言うのもなんですが、
いくら理屈になってない理屈で偏見をぶちまけたり、父親への恨み言をくだくだ言っても
それが「芸」として成立しているのはあの丁寧な日本語もさることながら、個々の文章ではなくもう少し上のレベルで
「リズム」が正確無比だからじゃないかと思うようになってきましたね。
ほんの少し前は「愛嬌」(丸谷才一は「何をしても許される人柄」)のなせる業だと思ってましたが、
山口本人を知らない人間でも「許される」のはやっぱりあの「リズム」の力なのでしょう。
一見すると全く異なりますが、麻布中学の先輩の吉行淳之介とその意味では似てますね。
あっちは剛毅な親分肌を反映した??超硬質の文章と音楽的なリズムの組み合わせですけど。
317 :
吾輩は名無しである:2006/07/26(水) 11:51:44
>>316は
>>315への返答です。
細かい点については291さんが色々書いてくれたので、
自分はもう少し違った面から書いて見ました。
318 :
291:2006/07/27(木) 21:50:57
>>316さん、どうもありがとうございました。
「リズム」ですか。これは気が付きませんでした。
どうも私は、316さんと比べ、文章に対する感覚が鈍いようです
(296に書いたことは、「リズム」と関連してはいるようですが)。
そうか、『江分利満氏の優雅な生活』の最後の「昭和の日本人」も、
そう言われてみれば、新鮮な観察力・描写力だけでなく、
単文を連ねたリズム感も素晴らしいものでしたね。
大事なことを教えて頂き、本当にありがとうございました。
ところで、吉行淳之介のことを「シャイ」「お洒落」ではなく、
「剛毅な親分肌」と書くところ、山口瞳の影響ですか?(「涙のごはむ」)
あるいは、ご自分の感覚でしょうか(そうだとしたら、失礼しました)。
>>318 両方ですよ。
山口の影響で吉行に興味を持ったのは事実ですが、
私はどちらかというと丸谷才一や谷崎潤一郎のような
流麗で明晰な文章が好きなので、それに比べると
吉行は意外と流れがよくなく、悪く言えばゴツゴツしている
印象さえありましたが、講談社文芸文庫の『暗室』を読んで
少し見方が変わりました。
吉行の文体は基本的に「クリスタル的」と言っていいほど硬質ですが、
こと「リズム」に関しては山口以上に正確無比でそれに独特の綾が加わり、
世間で言う「シャイ」「お洒落」のイメージはこの音楽的なリズムから
言われたことではないかと思っています。
私としては、「剛毅な親分肌」も「シャイ」どちらも真実ですね。
山口スレで吉行論を繰り広げて失礼。
320 :
319:2006/07/28(金) 09:45:10
付け加えると、「流麗で明晰な文章」が好きな私が「リズムで読ませる文章」の
魅力(必ずしも明晰で流麗とは限りません)に開眼したのは山口のお陰ですね。
まあ山口と丸谷は「端正」なのは共通していますが。
(端正でない文章だけは読むことができません)
321 :
291:2006/07/28(金) 21:28:11
>>318 >>319 さん
どうもありがとうございます。
文章を味わう力において、私は316さんに遠く及びません。
レスから本当に多くを学ばせて頂いております。
お願いばかりで恐縮なのですが、
316さんのお好きな山口瞳作品、
差し支えなければお教え頂けないでしょうか。
322 :
吾輩は名無しである:2006/07/29(土) 07:35:40
>>321 『男性自身』は基本的には後期になればなるほどリズムが心地よくなっており、
『優雅なサヨナラ』は国内のエッセイでは最高峰ではないかと思います。
旅行記は最初期の『湖沼学入門』は真面目すぎて私も好きではなく、
内田百閧ホりの洒脱な文章が味わえる『温泉へ行こう』が一番いいと思います。
小説では、山口の叙情的な面が存分に出ていると言う意味で『梔子の花』ですか。
でもやっぱり、『江分利満氏の優雅な生活』が一番ですね。
323 :
吾輩は名無しである:2006/07/30(日) 00:28:33
ただのどけち
324 :
291:2006/07/30(日) 12:47:43
>>322どうもありがとうございます。お礼が遅れました。
よろしかったら、またご教示下さい。
325 :
291:2006/08/07(月) 14:54:34
さて、少し間が空いたが独り言の続き。322さん、よろしかったらコメントをお願いします。
山口ファンの中には、自分のことを「男性自身」で書いてもらいたいと
望んだ人がいるのではないか。
白状すると、私もその一人。もちろん文壇人や野球人としてではなく、
山口瞳が日常接していたタクシー運転手の「徳さん」や市役所の「ガマさん」と同じ扱いの、
「無名の」国立住民として。
さもなければ、『金曜日の夜』に出てくる素っ頓狂な名前の人たちのモデルとして。
326 :
291:2006/08/07(月) 14:55:57
自分は国立住民ではないので、実際にはその可能性はなかった。
しかし、もしも知己を得ていたらどうなっていただろうと想像することはある。
多分こうなっていただろう。これも『金曜日の夜』その他に本人が書いていることだが、
山口瞳は、若い男と知り合うと、最初は大変に甘やかすが、
そのうちに男に落ち度があると、ピシャリと出入りを禁ずる。
そう、ファンであるが故に、自分は最初は緊張しているが、そのうちに「慣れ」、
そして「狎れ」てしまっただろう。
>>325>>326 そういう、読者を「自分の世界」に巻き込んでしまうスタイルの先駆者は
「ヒマラヤ山系」氏を名脇役にしてしまった内田百閧ネのでしょうね。
山口の場合は、「パラオ君」「スバル君」に代表される新潮社の歴代編集者が
山系氏の役回りをしていたのだろうと思います。
(確か、丸谷才一も山口のこの方法についてどこかで書いていたはず)
>>316>>319で言った、「リズムの文章」という点でも内田と山口は酷似していますし、
内田→高橋義孝→山口の系譜は確実に存在していると思います。
328 :
327:2006/08/08(火) 06:26:39
実際、
>>291さんが「山口に描かれたい」と思ったように、
「ヒマラヤ山系氏のように内田に描かれたい」と思った文学好きも
かなりいたのではないかと思います。
329 :
291:2006/08/09(水) 14:33:28
328さん、有り難うございます。
いつもながら、お陰様で山口瞳を読むための目(と耳)が豊かになっています。
なお、丸谷氏の書いているのは『酔いどれ紀行』の解説でしたか。
内田百閧ノついては、「文章家としては第一級の天才」と言う意味のことを書いていましたね。
「内田百闖ャ論」でしたか。
高橋義孝については言うまでもありませんが。
ところで、師弟関係の系譜で言うと、内田の前に漱石が来るはずですが
(『なんじゃもんじゃ』でも触れていました)、
321さん、夏目漱石の文章と山口瞳の文章の間に、類似性をお感じになりますか?
すみません、漱石の文章は私にはよく分からないです。
たぶんリズムの文章なんだろうとは思うのですが...
ただ、『坊っちゃん』の登場人物全員をあだ名で呼ぶ手法は
内田の「ヒマラヤ山系氏」や山口の「ドスト氏」に引き継がれていると思いますけどね。
(漱石のあだ名尽くしの何たるかについては丸谷才一『闊歩する漱石』に詳しいです)
332 :
291:2006/08/12(土) 02:09:09
330さん、どうも有り難うございます。
さて、山口ファンにとっての難題を一つ。この人は本当に庶民だったのか?
「元祖『マジメ人間』大いに怒る」で、
「鴨にされる人たちを徹頭徹尾擁護したいというのが自分の立場」
という意味のことを言っている。
同じ意味のことは他の場所でも書いている。
しかし、晩年の山口瞳の書いたものには、庶民とは思えない言葉が目立った――美食はご愛敬かも知れないし、
文学賞選考の際の一連の厳しいコメントも、選考委員の立場に忠実であろうとすれば仕方ないかも知れない。
だが、『男性自身』での増田明美への辛辣すぎる形容や、何より『江分利満氏の優雅なサヨナラ』での
慶応病院の看護婦に対するコメントは、庶民の味方という感覚からはかけ離れていた――
「私のことも誰も知らない……我が国の文化水準はこんなものなのか」(引用は語句において不正確かも)。
333 :
291:2006/08/12(土) 02:10:01
亡くなった後の柳原良平・奥野健夫らの鼎談で、「目線が高くなっていった」という言い方がされていたが、これはオブラートにくるんだ表現。もっと痛烈に言ったのが北杜夫で、
「山口氏はもはや庶民ではない」と言い切った(『マンボウ氏の暴言とたわごと2』)。
北杜夫とはケンカしていたようだが、これを読んだ時はつらかった。
しかし、北杜夫の言い分にも一理ある、と思わざるを得なかった。
続く
334 :
291:2006/08/13(日) 02:36:03
常盤新平は、山口瞳を師と仰いでいたようだが、「無頼と小市民が混然一体となったのが山口瞳」
と書いている。
しかし、自分はこの言い方では完全には納得できない。確かに山口瞳は、若い日に鉄火場に通い、
麻雀も実に巧者、競馬で玄人はだしの鋭い予想を立てるなど、「無頼」の面を持っていた。
だが、「無頼」という言葉だけでは言い切れない面もあった。
第一に、「通人」・「粋人」と言われている側面のことであり、
第二に、「文化人」の側面だ。
335 :
291:2006/08/13(日) 02:36:59
「文化人」と言われるのは、本人は嫌いだったろうが、しかし文化人であったことは否定できない。
「私の中の「文化人」批判」で、文化人批判を続けてきた自分を討たなくてはならない時が来た、
しかしその方策が見つからない、と書いている。
庶民でありたいという気持ちは強かったのだろう。吉行淳之介に、「庶民的ではなく本当の庶民」と言われて喜んでいた。
しかし、山口ほどの人が庶民になり切れるはずはなかった。
お返事が遅れてすみません。
「山口は庶民か?」の問題については私が思うのは、
麻布中学→早稲田中退の学歴で、戦前に軽井沢の別荘で暮らし、
戦後は当時の流行作家だった檀一雄の編集者で、高橋義孝、
林達夫、池田彌三郎といった碩学たちと交流のあるような人物が、
「庶民」なはずがないということです。
確かに吉行には「庶民そのもの」といわれましたが、
それは丸谷才一が言うように、「山口ですら庶民にしてしまう芸術家」吉行
の発言であることを差し引いて考えるべきでしょう。
ただし、その一方で、山口にしてみれば自分の周りをただ描写しているだけなのに、
それが「結果として」庶民を描いたことになってしまうという面があったのは事実でしょうね。
ここからは私の憶測に過ぎませんが、山口が「引退」してしまったのは、
この「幸福」がもはや成立しないと判断した結果ではないかと思うのです。
337 :
291:2006/08/18(金) 01:56:56
336さん、ありがとうございます。いつもながら、勉強させて頂いています。
丸谷の「普通の意味では市民ではない山口瞳までも……」という言葉、重要ですね。
「吉行淳之介鞍馬天狗論もしくは、のれんに腕押し」での引用でしたね。
私がぐずぐずしているうちに、336さんから本質的な指摘がありましたので、
以下は蛇足なのですが、一応自分の考えを書いておきます。
338 :
291:2006/08/18(金) 01:58:01
山口の母は、かなりの目利きであり、山口はその影響を強く受けた。
「母を知ることは自分を知ること」と「異様な言葉」を言っている(沢木耕太郎の解説;どの文庫だったか忘れた)。
もちろん山口自身にも、母譲りのシャープな知覚と感性が備わっていた。息子の庄介氏の本にあったが、
彼の高校時代のクラス集合写真を見ただけで、体臭のあった同級生を見事に言い当てたという。
他にも山口瞳の、「超能力」とも言うべき眼力を示す例は多い。これはギャンブルに限らない。
少年時代の友人は必ず「君には霊感があった」という。
『優雅なサヨナラ』での「右脳と左脳」の話なども。
339 :
291:2006/08/18(金) 01:59:33
そして、もう一つ考えに入れておくべき点がある。本人の変化である。
一人の人間が考えや立場を変えるのは当たり前だろう。
ましてや、この人は直木賞以後30年も作家生活を送ったのだし。
かつて「やっぱり私はサラリーマンだ、と思う」と書いていた
(『江分利満氏大いに怒る』の週間日記風の部分)山口瞳は、
『礼儀作法入門』か『私流 頑固主義』で「自分が根っからのサラリーマンだと思っていたのは
間違っていたのではないか、と思っている」と書いている。
さらに、「自分が市民とは別な世界にいる;別な種類の幸福を追求していることを認めざるを得ない」
とはっきりと書くようになっていった(またしても語句は不正確。『男性自身』シリーズのどれか忘れたが、
電車の中で美しく利口そうな若い女性を見ての述懐)。
>>339 私自身は、市民と言うのは結局「旦那衆」のことだと思うのですが、
山口はいわゆる「中流階級」の意味で解釈していたのでしょう。
(前者と後者は会社で言えば専務と課長くらいの差があると思います)
結局、大富豪⇔借金生活を行き来した山口にすれば、「別な種類の幸福」というのは
(スレの上の方でも同様のことが指摘されていますが)「安定」だったのかもしれませんね。
341 :
291:2006/08/28(月) 04:23:15
>>340さん。お返事が遅れてしまい、大変に失礼いたしました。
そうですね。「市民」や「庶民」という言葉、私の使い方は厳密ではなかったようですね。
山口にとっての「市民」は、広い意味での(ブルジョワに限定されない)市民だった
のでしょうね。仰る通りですね。では彼にとっての「庶民」は何か、と言うことになると
すぐには答えられませんが。
ただ、「別な種類の幸福」は、私の受け止め方は、市民・庶民としての生活の「安定」ではなく、
芸術家(作家)としての幸福(しばしば、市民や庶民の幸福と対立する)のように思えるのです。
いずれにせよ、ご教示有り難うございました。またお教え下さい。
342 :
291:2006/09/01(金) 05:38:24
さて、今度は酒の話。
山口瞳が酒豪であったことは周知の事実だが、実際にどの位を飲んだのか?
酒は量などよりも質の方が大事なはずで、これが下らぬ問いなのは分かっているが、
ファンとしては知っておきたい。
「酒を水で割って飲むほど貧乏しちゃいねえや!」
そもそもウィスキーをストレートで飲むというのは、私などからすると
驚異的なことで、しかも泥酔すればするほどガブガブ飲んだという。
一番驚いたのは『酔いどれ紀行』の最終回で、手元に本がないが、
一晩に一瓶などと言う量ではなかった。『迷惑旅行』の第1回も凄い。
ただし、この二回の旅行ではドスト氏も一緒であり、この人も豪の者。
『迷惑旅行』で、二人で4升飲んだ、などという話が出ていた。
ハイボールは飲んだらしいですよ。
『行きつけの店』の銀座のクールの話を読んで、
私もハイボール党になりました。
344 :
291:2006/09/03(日) 20:48:11
>>343さん、ご指摘有り難うございました。
そうでしたね。『酒呑みの自己弁護』でも、
水割りか、さもなくばハイボールと言っていましたね。
銀座の酒場なる場所に一度は行ってみたいものです。
もちろん、女ではなく酒を売る店にですが。
345 :
吾輩は名無しである:2006/09/06(水) 12:27:25
江分利満氏の優雅な生活は、モノクロの映画を見たことがある。
小林桂樹の主演でしたが、今、CSのホームドラマチャンネルで
血族(NHKドラマ人間模様)を放送していて、その主演も小林さん
だった。山口さんと似てるんですかね?
346 :
291:2006/09/10(日) 01:32:28
>>345さん
どちらも見ていないので、恥ずかしいのですが、「本物よりもやや美男子が演ずるらしい」
と山口瞳が書いていましたね。これはもちろん諧謔ですが。
最近の小林しか知らない私には実感が湧かないです...
348 :
291:2006/09/12(火) 17:17:31
>>347さん
差し支えなければ、映画とドラマのご感想をお教え頂けないでしょうか。
349 :
吾輩は名無しである:2006/09/13(水) 09:43:53
すみません、どっちも見てないです。
350 :
吾輩は名無しである:2006/09/13(水) 10:40:20
「血族」はすごいよ。ひっくりかえってすーるめがためだねー♪
351 :
291:2006/09/13(水) 17:15:13
間違えました。347さん、すみません。
345さん、改めて、感想をお教えいただけないでしょうか。
352 :
291:2006/09/18(月) 23:00:52
ああそうだ。「庶民」山口瞳について、これを書いておかないといけなかった。駅で若夫婦を見かけての話。
妻は疲れた表情の顔で、汗をかいている。横髪がほつれている。生まれて間もない赤ん坊が、ぐったりとして母親の腕の中で眠っている。夫は忙しく時刻表をめくっている。初めての子供を郷里の親に店に行くのだろう。
この様子を見て涙ぐむ山口瞳。その気持ちの動きについて、「こんな風だから俺には純文学は書けないんだな」と思いつつも、しかし「これが自分の芯の芯なるもの」と言い切る。
山口の文学的価値を云々するなら、百閨E高橋義孝譲りの端正な文章に尽きると思うのですが、
その背後に存在する「情念」に辟易する向きもあるようですね。
例えば、開高健の盟友である向井敏が山口について言及しているのは見たことがありませんが、
「遊民」を定義するのにヤクザやプレイボーイから「庭で花を咲かせる私小説作家」という
表現を用いており、山口を揶揄しているかのように思えます。
向井は内田百閧ノついても「洒落が過ぎて読むのが疲れる」と辛辣な評価をしており、
一見端正に見えても濃厚極まりない文章というのが存在することを実感しました。
354 :
291:2006/09/25(月) 00:58:21
>>353さん
あなたは311さんでしょうか(違っていたら失礼しました)。
情念ですか。例えば『人殺し』もそうですよね。
できれば、もっと教えて頂きたいのです。私は文章を味わう力に欠けています。
>>353は確かに
>>311です。
本当はコテをつけたいのですが色々事情があるので...
仮に小説家を志賀直哉タイプ(短編が得意)と
谷崎潤一郎タイプ(中・長編が得意)に分けるなら
山口は間違いなく前者でしょうね。
『けっぱり先生』などの長編は私はダメですし、
『居酒屋兆冶』はある意味では「引き伸ばした短編小説」ですから。
山口の場合、あの逡巡するような文章が短編や旅行記には向いていても
長編には向いていないと思われます。
356 :
355:2006/09/25(月) 07:46:13
「逡巡するような文章」という言い方も分かりにくいかもしれませんが、
山口の文章は基本的にある対象について「あーでもない、こーでもない」と
考え込むところに本質があるのではないかと思います。
それが芸として成立しているのは(多分に俳句的な)間のセンスと
(以前も言ったように)強固なリズム感の力に他ならないのですが。
現役の作家では沢木耕太郎が「ああでもない、こうでもない」な文章だと思います。
(『バーボン・ストリート』『深夜特急』を呼んだ上での感想です)
山口と違って切れ味の鋭い文章なので一見すると前へ前へ進んでいるように見えるのですが。
ボクは男性自身をはじめ、けっこう読んでいるんでファンはファンなんでしょうが
池波や内田と比較してなんか幼い感じを受けます
血族の表紙が怖い
359 :
291:2006/09/26(火) 21:30:42
311さん、早速のご教示をありがとうございました。お返事が遅れました。
311さんの「読み」の感覚に感激です。そうですか、あれだけ明快に見えながらも、山口瞳の文章は(もはや文体といっても良いかも)逡巡する文章なのですか。311さんの感覚、何とかして自分も掴もうとしているのですが、センスがないようです。
沢木耕太郎も同じだ、という点、面白いですね。沢木耕太郎は「山口さんの文章は言い訳ばっかりだ」と言ったそうですが。……おっと、これは次元の違う話かな。
360 :
291:2006/09/26(火) 21:32:14
またageてしまった。
357さん、はじめまして。よろしければ何か語って頂けないでしょうか。
「文章展開」という意味では師匠の高橋義孝やそのまた師匠の内田百閧ノは
あまり似ていないですね。
高橋はなんとなくそう思うだけですが、内田は山口と違って屁理屈を
色々と並べ立てているようでも「逡巡」はしていないですし、
対象について「細部」ももらさない描写力はトーマス・マン張りだと思います。
そういう文章にありがちな堅苦しさが無いのも不思議なのですが。
すし屋のしょうがを「ガリ」と書くのはいただけないです
363 :
291:2006/10/03(火) 04:32:29
>>361さん ありがとうございます。
このところバタバタしておりまして、お返事が遅れ気味になってしまい、
申し訳ありません。
361さんのご感想、私の力の及ばぬレヴェルのものです。
山口の文章は、一般に省略が多いと感ぜられているのではないでしょうか。
確か、山口の描く絵と正反対だ、とある編集者が評したはずです。
それとは別の次元で、文章展開においては逡巡が多々感じられる、
ということなのですか。これはまたしても勉強になりました。
この逡巡はどういったものなのでしょうね。
364 :
291:2006/10/03(火) 04:34:09
>>362さん、「オアイソ」を非難しておきながら「ガリ」という言葉を
使うのは首尾一貫していない、ということですね。
ですが、「ゲソ」を「イカの足」とは言いにくいのではないでしょうか?
「ガリ」はもはや寿司屋においては隠語ではなくなっているのではないでしょうか?
もっとも、「オアイソ」も今やそうかも知れません。
新潮社は男性自身を第一回から最終回まで、
漏れなく文庫化してもらいたい。
366 :
291:2006/10/06(金) 04:23:31
『庭の砂場』で、少年野球で対戦した相手チームの捕手で2番という選手
(「桜井君」だったかな?)の話を書いている。東京大会の決勝戦。
桜井君は走者として2塁塁上におり、次打者のレフト前ヒットで無理に本塁に突っ込んだ。
左翼手は強肩の山口瞳。しかし山口の本塁送球はイレギュラー・バウンドとなり、
桜井君は無事生還。結局それが決勝点となり、1−0で山口瞳らは敗れた。
色の浅黒い、精悍そうな少年だったそうだが、なぜ彼が無謀
(イレギュラー・バウンドは単に結果でしかない)とも言える本塁突入を試みたのか。
その理由を晩年の山口瞳はようやく理解する。山口チームの投手はかの
黒尾重明。黒尾から点を取ることは不可能に近い、と桜井君は考えたのに
違いない。そうして彼は唯一(と思える)の得点機に一か八かの賭け
(山口流に言えば勝負)に出たのである。
これは思わず落涙
367 :
291:2006/10/06(金) 04:34:39
「これは思わず落涙」→消し忘れ。
山口瞳にとって、桜井君のプレーは決して忘れ得ぬ鮮烈な印象を保ち続けた。
山口が、少年野球時代に濃密な時間を過ごした(「リトルは駄目」)から
だけではない。桜井君が特攻隊員として終戦間際に戦死したことを山口瞳は知る。
そして、晩年に桜井君の一か八かのプレーの理由を理解した山口は、
彼にこう問いかける。「そうだったのか、桜井君」(語句が不正確なのが申し訳ない)。
この部分、思わず落涙。
368 :
291:2006/10/06(金) 04:38:11
なお、『旦那の意見』でも、「キャッチャーで2番」というエッセイを書いており、
これは『庭の砂場』の当該箇所とは随分書き方が違う。『旦那の意見』は、全体に
筆を抑えた書き方になっており(「下駄と背広」は違うが)、中期の山口瞳の
面目躍如という感じである。
グループ・サウンズって、街の青年に袋叩きにあったり
やくざに半殺しにされるようなやわな人じゃないんだが。
370 :
291:2006/10/14(土) 06:29:44
間違えた、お恥ずかしい。368は、「キャッチャーで一番」でした。
371 :
291:2006/10/18(水) 22:08:25
さて、今度は何の話にしよう。
将棋は、上の方で事情通の方々が激しい議論をなさっていたので敬遠。
では、麻雀はどうか。山口瞳が霊感に優れていたのは確かだが、
単なるツキ麻雀ではなかったのではないか。「恐怖対談」で吉行淳之介が
「ものすごく上手かった」と言っており、基本的な技量もかなり高かった様子。
何より、「麻雀の技術など至極簡単」と言い切っていることに凄みがある。
小生のようなヘボ麻雀からは想像もつかない。
372 :
291:2006/10/19(木) 22:36:25
競馬はどうか。
「予想屋としてはかなりのものだという自信がある」と何度か書いていた。
元来が威張らない人だし、また、競馬の予想について、
勝った時にはさらっと書き、負けた時にだけ詳しく書くのが良い、
と大橋巨泉に言っていたのだから、本人の「かなりのもの」という
言葉には重みがある。この人は結局競馬では損をしていないのではないか。
控除率25%というとんでもない天引きの下でこの成績は凄い。
373 :
291:2006/10/21(土) 21:21:17
競馬と言えば、「名騎手森安弘明引退す」での、
「タケシバオーは歯を食いしばって逃げています」の一節が忘れられない。
キラリと光る一行、と言う感じだった。
この一文が収められた文庫『江分利満氏大いに怒る』での解説者(阿部徹郎氏)も、
勝負事を書かせて山口瞳の右に出る人はいない、と書いていた。
>>371 たしか、色川武大とも交流があったんですよね(温泉へ行こう)。
375 :
291:2006/10/24(火) 23:24:36
>>374さん、どうもありがとうございます。
色川武大は、『草競馬流浪記』でも山口に同行していますね。
山口瞳は、小説家としての色川に随分惚れ込んでいたようです。
『怪しい来客簿』を『男性自身』で絶賛し、そして色川が死んだ時には、
手放しで泣きながら銀座を歩いたらしい。
なお、麻雀を一緒に打ったことはなかったようです。
376 :
291:2006/10/27(金) 21:45:01
国立の話。
国立には3回ほど用があって行ったことがある。大通りを歩いただけだが、
なるほど、良い町だと思った。山口瞳の行きつけの店にも行ってみたかったのだが、
時間もなく、気後れもしたので結局行かずじまい。
今度は行ってみようかな。しかし、繁寿司は怖そうだ。
こんなことを考えている山口ファンは少なくないはず。
377 :
291:2006/10/31(火) 22:44:24
さて、今度は山口瞳の大阪嫌いについて。
司馬遼太郎との対談は、最中に自ら「子供の喧嘩みたい」と言ったように、
何だか言い合いに終始した印象がある。この対談の後、司馬遼太郎は
「あれは死ぬまで直らんな」と言ったらしい(確か、田辺聖子が書いていた)。
自分は関西とは無縁であり、また生粋の東京人でもないので、
山口ファンではあるが、この点については感情を交えずに判断できると思う。
(もちろん、別な原因で判断がゆがんでいる可能性はある)
山口の「田舎者は嫌いだが田舎の人は好きだ」という言い方は賛成できる。
と言うのも、「田舎者」とは他人に平気で迷惑をかける人間のこととされているから。
一例を挙げれば、列に平気で割り込む人のこと。
378 :
291:2006/10/31(火) 22:58:31
では、何とかして東京になじもうとしている地方出身者を
「田舎臭い」と言ってしまうのはどうか?
西郷隆盛が「おいどん」と言い続けたことを引き合いに出し、
その国の言葉をそのまま使えば良い、というのは、理屈の上ではその通りだが、
そんなことが現実にできる人間はごくごくわずかであるに違いない。
何とかしてあか抜けようとしている若者の姿を、
「田舎臭い」と言い切ってしまうのは、やや冷たい感じを受ける。
「微笑ましい」と言う程度が、大人の対応なのではないか。
偉そうな言い方をして失礼。
その上、山口瞳には、大阪流と東京流を比べると東京流がそもそも上なのだ、
と言う感覚が染みついていたように思われる。言い換えると、
東京に出てきた大阪人が例え大阪流に自然に振る舞っても、彼は気に入らなかった、
と解釈せざるを得ない部分がある。これは好き嫌いの問題なのだろうが、これでは
大阪人はたまらないだろう。
山口の言う「田舎者」は「都会のルールに従わない人間」のことだったと思いますが。
「親子三代東京暮らしの田舎者」の知人もいたそうですしね。
380 :
291:2006/11/01(水) 21:38:54
>>379さん、ありがとうございます。
「都会のルールに従わない人間」のことだったのでしょうか。
「都会の」がつくかどうかは大事な点ですね。
確か私の記憶では、「他人に平気で迷惑をかける人間」のことでした
(手元に本がないのですが、『私流 頑固主義』だったように思います)。
こちらだと、都会であろうとなかろうと共通するはずですので、微妙に異なってきますね。
381 :
291:2006/11/12(日) 23:17:40
さて、今度は何の話にするか。
煙草の話は、かなりの愛煙家であったのだから欠かせないとも言えるが、
小生が喫煙者ではないため書けない。ファンとしてはもっと早くから禁煙して欲しかった、
と言うのが正直なところ。
なお、酒と比べると、煙草について書かれた量はかなり少ない。
煙草とはそもそも書きにくいものなのか。
禁煙パイポについても書いてましたね。
山口が言うには、喫煙行為は火をつけるところから始まるものであり、
パイポはその一部しか満足させないとのことでしたが...
383 :
291:2006/11/16(木) 23:49:27
<<382さん、どうもありがとうございます。
そうでしたね。思い出しました。
ところで、別なことも書いていましたね。
喫煙行為は火をつけるところから始まる……という内田百閧フ言を借りて、
ホステスが客の煙草にすぐ火をつけてしまうことを非難したものでした。
384 :
291:2006/11/16(木) 23:54:19
ホステスつながりで思い出したことがある。
山口瞳の恋愛。これはちょっとヤバイ話。
もっとも、治子夫人がここを見ているはずもないか。
どれだけモテたのか?
若い頃はかなりの男前だった、と大まじめに書いていた。
その後、中年になり頭が禿げてからも、酒場の女性からは
「チヤホヤされた」とのこと。死後に治子夫人が書いたものによると、
夫人同伴で酒場に入った途端に「瞳ちゃーん」と抱きつかれていたそうな。
本人の「大日本酒乱党宣言」(だったかな?)でも、酒場の女性に
家に寄るように誘われることが数ヶ月に一度ある、とのこと。
385 :
291:2006/11/16(木) 23:57:53
さて、では本人の気持ちはどうだったのか?
治子夫人の「たった一度の浮気」によると、酒場の女性でどうやら
相思相愛になってしまった人がいたらしい。これが『人殺し』の原体験なの
だろうか。
脇道にそれるが、この女性、向田邦子のことだったのでは、との疑いが消えない。
もちろん、この推測はかなりの確率で間違っているのだろうが。
386 :
291:2006/11/17(金) 00:03:16
どんどんヤバイ方向に進むが、本当に最後まで「一穴主義」を貫いたのだろうか?
ああ、この問いを書いたことで山口ファン失格だ。単なるゴシップ好きになってしまった。
しかし、『人殺し』や『愛ってなに?』の情念を考えると、疑問に思える節もある。
特に『愛ってなに?」の「直子」は、これはモデルの女性に惚れていないと書けない。
山口の「生涯一穴主義」は向田邦子の「生涯処女」と同じで、
極めて文学的な「真実」だというのが真相じゃないですか?
(後者は実は違ったらしいですしね)
少なくとも、山口のようにイマジネーションに頼らないタイプの作家が
想像だけで『人殺し』を書けるとは...
388 :
291:2006/11/21(火) 22:37:39
>> 387さん、ありがとうございます。
そうなんですよね。「自分は想像力だけでは書けない」と本人も言っていましたものね。
ただ、肉体的に浮気したという証拠は、何もないのです。単に作品に表現された情念から
そう推測しているだけで。このことはむしろ、山口瞳の筆力を証明している、
という言い方も可能です。
それに、少なくともある時期までは、確かに一穴主義を実践していたと思うのです。
『華麗な生活』や『元祖マジメ人間、大いに怒る』の頃までは。
『華麗な生活』といえば例の軽井沢の姉妹ですね。
390 :
291:2006/11/25(土) 22:35:50
>> 389さん、どうもありがとうございます。
そうですね、その小説(章)も光るものでした。
なお、この本の後半で「江分利は本当に夏子しか女を知らない」と言う意味の
ことを書いている件もあります。また、好色漢たちにからかわれたカタブツが、
「一人の女の中に全ての女がいる」と言って反論する、という記述もありました。
391 :
吾輩は名無しである:2006/11/26(日) 23:00:54
目白三平について意識はあったのだろうな
392 :
吾輩は名無しである:2006/11/28(火) 19:16:51
日本相撲協会や日本放送協会は山口氏が写り込んでいる取組を
サンプリングしてアンソロジーにしたDVDを出してもらいたい
面白いけど売れなさそう...
もしもっと長命したら横審にも入れただろうに。
実際、その資格は十分あったと思う。
394 :
291:2006/12/02(土) 21:45:36
>> 391さん。
寡聞にして私は事情を知りません。良かったらもう少し詳しくお教え頂けないでしょうか。
>> 392さん、393さん。
お二人とも、かなりの山口ファンでいらっしゃるようですね。
395 :
吾輩は名無しである:2006/12/02(土) 23:46:20
相撲協会映画部でしたか? いつからかは存じませんが
過去の取組は撮影して保存しているのですよね。
国技館内の施設で一般に公開してくれませんかね。
NHKアーカイブスでも公開されていないんですよ。
来場された年月日は、だいたい分かりますものね。
396 :
吾輩は名無しである:2006/12/02(土) 23:49:40
「山口組国立支部」はまだ生きてたんですね...
398 :
吾輩は名無しである:2006/12/08(金) 01:15:15
ここでひとつ大津絵でも
399 :
吾輩は名無しである:2006/12/08(金) 17:11:26
せっかく鬱病からも脱したのだから
もう少しおとなしくしていた方がイイと思うョwww
あなたの文体は、特徴的だからすぐ分かるwww
何人かの人間を混同してるな。
今のこのスレはメイン二人+αなのに。
401 :
291:2006/12/12(火) 01:06:45
ドスト氏ご健在のようで、嬉しい限り。
先に書いたことと重複するが、
ドスト氏との最初の紀行文集『なんじゃもんじゃ』は、
もっと評価されても良いと思う。山口瞳の感性がストレートに出た作品。
ドスト氏が山口瞳を一喝する場面と、山口瞳が旅先で出会った少女に語りかける
場面は、山口瞳の全ての作品の中でも出色だった。
「もうやめなさい」「いい加減にしなさい」……
「そいつに、みんなが耐えているんですよ」
「女ってのは、大変なんだ」……
「おじさんが女だったら気が違っちゃうな」
>>401 『なんじゃもんじゃ』だけ何故か手に入らないんですよ。
amazonでも見つからないし...
403 :
291:2006/12/12(火) 22:15:44
>> 402さん
日本の古本屋というサイトで、数件のヒットがありますよ。
お節介のようですがご一報までに。
404 :
吾輩は名無しである:2006/12/13(水) 00:11:15
どこに掲載されていたのか、ソースはナニなのですが、
九段の寿司政、ご高齢のおかみさんは健在なのだそうです。
406 :
吾輩は名無しである:2006/12/15(金) 23:59:48
いびきや直木賞受賞の際の会見の模様をCDで発売しろって
407 :
291:2006/12/16(土) 00:56:16
『オール読物』の今月号に、吉行淳之介についての鼎談がある。
話者の一人黒鉄ヒロシ氏によると、銀座のバーで山口瞳が人生論を始めた時に、
隣にいた吉行は「野暮な話はやめろ」というつもりで、電動コケシを股間(社会の窓?)
から出してスイッチを入れて動かした、という。それでも山口は話を止めず、
吉行もあきらめて、コケシを引っ込めたという。
408 :
291:2006/12/16(土) 00:59:58
このエピソード、モノを引っ込める時の吉行を想像すると何だかおかしい。
ちょっと格好がつかず、きまり悪かったのではないか?
なお、吉行淳之介『やわらかい話』では、和田誠氏が似たようなエピソードを
紹介している。バーで吉行がおしぼりを、やはりいわゆる社会の窓から出して
ふざけているところに山口が来て、他人だったら怒るのに敬愛する吉行さんだから
怒れずに妙な顔をしていた、という。
410 :
吾輩は名無しである:2006/12/16(土) 19:55:57
マニアの俺でもほしいと思わない。
まあ「史料価値」と「面白さ」は別だからな...
412 :
吾輩は名無しである:2006/12/19(火) 23:30:13
重役が深夜に「黒猫のタンゴ」を稽古している姿を想像すると滑稽になるけれど…
と1972年に書くことが、すでにして滑稽なんだが
(黒ネコのタンゴがはやったのは何年よ?)
413 :
吾輩は名無しである:2006/12/21(木) 21:49:22
どっか、男性自身のリストないかな?
オレの今の歳と山口瞳が同じ時に書いた男性自身を読みたいと思ってるんだけど。
414 :
吾輩は名無しである:2006/12/21(木) 23:51:18
ホント、男性自身は全部新潮文庫化しろって
415 :
291:2006/12/23(土) 04:44:03
>>413 さん
年譜と著書目録は『山口瞳の人生作法』(新潮社)に、
略年譜は『山口瞳 江分利満氏の研究読本』(河出書房新社)にありますね。
416 :
291:2006/12/23(土) 04:49:35
さて、今度は編集者の話。
最も信頼関係が深かったのはスバル氏と思われる。
山口治子夫人の日記での逝去の日の一言
「石井さんパパの胸に顔つけて泣く」は、完全な第三者である当方の胸にも応えた。
417 :
291:2006/12/23(土) 04:54:18
最も「キャラが立っている」のは、言わずと知れた『新東京百景』の
臥煙氏だろう。実に面白可笑しい人物として書かれている。
この人は、編集者と濃密な関係(物理的接触というより気心)を
欲したようで、「テニオハ」の感覚が同じであると、それだけで
嬉しくなると高橋義孝との対談で言っていた。
418 :
291:2006/12/23(土) 04:58:39
ただ、編集者にとって、やはり怖い存在だったのだろう。
スバル氏もそう書いていた。
『江分利満氏の優雅なサヨナラ』で、いきつけの店を紹介した編集者が、
店に「慣れるのではなく狎れてしまった」ことを難じている。
419 :
吾輩は名無しである:2006/12/23(土) 22:41:45
中野老ががむばっているな
420 :
吾輩は名無しである:2006/12/23(土) 23:53:52
オールドは、冷蔵庫で冷やして飲まないと飲めないかもしれないくらいのもので
421 :
291:2006/12/28(木) 23:20:36
そろそろ年末・年始。元気だった頃の山口瞳の家では、
盛大な年始の集まりが開かれたことはファンならば周知のこと。
なお、『江分利満氏大いに怒る』では、一人も年始の客が来ない年の
ことを書いている。これは社宅にいた時分のこと。次の年も、
それを読んだ同僚数人が「では、来年は行きます」と言いながらも結局
誰も来なかったらしい。
422 :
291:2006/12/28(木) 23:23:47
国立での年始の会では、夜分に山口邸が一個の楽器と化したかの喧噪だった、
と言われたことを「男性自身」に書いている。
別な箇所では、客の数人が、座るところがなくて中腰で妙な姿勢を取らざるを
得なかった、という混雑ぶりだったことも記している。それはそうだろう。
業界人のみならず近所の人、植木屋、将棋指しに騎手まで来るというのでは。
>>416 スバル氏が新潮に転職できたのは山口の力もあったのでしょうかね?
いくらなんでもツアコンから編集者なんて...
424 :
291:2006/12/31(日) 06:44:58
>> 423 さん
「男性自身」『これで最後の巻』所収の「作家の横車」によれば、
井上ひさし夫妻の力添えがあったようです。
425 :
291:2006/12/31(日) 07:32:52
スバル氏は、雑誌編集者になるべき能力があったのではないでしょうか。
確か、『新潮45』の編集長をなさっていましたね。
少年犯罪の実名報道を敢行した際に、お名前が新聞紙上に出ていました。
426 :
吾輩は名無しである:2006/12/31(日) 07:45:48
今日はご命日だな、お母さまに黙祷
427 :
423:2006/12/31(日) 10:59:54
>>424 なるほど。井上の力ですか。
まあ編集者としての資質を疑っていたわけではないのですが...
新潮の山口瞳歴代編集者はみんなそれなりに出世しているようですね。
428 :
吾輩は名無しである:2006/12/31(日) 20:15:25
ツアーコンダクターじゃねえよ・・・。
『旅』って雑誌の編集やってたんだよ。
こっちの無知は認めるけど、旅行記での献身&有能ぶりを見てると、
ツアコン経験が皆無だなんて信じられないし、
仮に皆無だとしてもツアコン的素質のある人だったんだと思う。
430 :
吾輩は名無しである:2007/01/03(水) 20:08:14
↑おまえ、吉田健一ファンだろ?
431 :
吾輩は名無しである:2007/01/03(水) 21:04:04
血族読んだけど自分に酔っているように見えた。
432 :
吾輩は名無しである:2007/01/03(水) 22:50:54
淳之介の妹が詩人だって知らなかったのかしら
一般書籍板のスレからずいぶん流れこんできてるな...
434 :
291:2007/01/06(土) 23:41:01
>> 433 実は、今の今まで一般書籍板のスレを知りませんでした。
そちらを読んでみて赤面。私などがこっちで書き散らかしてきたことの大半は、
すでにあちらで指摘されていました。
しかし、ここでは独り言を続けます。恥の上塗りを敢えてやらせてもらいます。
435 :
吾輩は名無しである:2007/01/07(日) 23:16:40
いっぱしの博徒気取りだったんだから、ちょっとアレだ。
436 :
291:2007/01/13(土) 01:38:52
さて、次は何の話にしよう。
作家山口瞳に戻ろう。
浦安にいた時分の山本周五郎について、不遇だったのではなく、
『青べか物語』の構想を練ってた時代だったのだから
むしろ幸運な時期だったはず、と書いている。
力作の準備期間(執筆期間とは違う)とは、最も幸福な時であり、
「作家の幸福とはこれだ」、と書いている。
同じように、山口自身が『家族』を書き出す前に書いた「刃物はいらぬ」では、
もはや健康を失った自分を生かしめているのは、長編である『家族』を
書こうとする意欲なのだ、という意味のことを書いている。
「作家殺すにゃ刃物はいらぬ」「早く現場に戻りたいよ」。
437 :
291:2007/01/13(土) 01:53:38
そして、いざ『家族』が脱稿した後、男性自身の『余計なお世話』によれば、
神経が凶人のそれに近くなっており、道を歩いていても、
自動車が突っ込んでくるのではないか、あるいは
上のビル工事現場から何か降ってくるのではないか、と気になっていたという。
この、仕事にかける気概と集中力、凄みがある。
常盤新平氏が、山口の小説は「恐ろしいまでの集中力の結晶」と言っているのもうなずける。
見習いたいが、自分にはとうてい無理。
山口が「小説を書くのは体に悪い」と書いていたが、
その意味が今更ながら分かった。
一種の自殺行為を知りながらやっていたのか。
438 :
291:2007/01/13(土) 01:56:35
間違えた。凶人ではなく狂人。
439 :
吾輩は名無しである:2007/01/15(月) 00:37:44
当時バッタは、関東でも本流ではなかったはずだが
博打としてのコクの観点からして
>>435 特攻隊帰りの怖いお兄さん達がウヨウヨしていた終戦直後に
鉄火場で恐れられたんだから事実「いっぱしの博徒」だろう。
まあ色川武大あたりとは比べられないとしても。
441 :
291:2007/01/29(月) 02:18:13
仕事に向かう際の集中力について、続き。
『酔いどれ紀行』初回の長崎行き前日のエピソード。
出発前日になっても原稿(紀行文とは別口)が一枚も書けておらず、
やむを得ずに、徹夜で書き終えてそのまま長崎に出るつもりだった。
弱気になり、今回は書けない旨を編集部に伝えようとしたが、
手違いで、締め切りなどなかったことがわかる。
突然に「解放」されたが、その晩は、結局何もしないまま酒ばかり飲む。
「朝までに小説を一本仕上げようとする体」は、簡単にはクール・ダウンできない、
ということらしい。これも凄味のある話し。
442 :
291:2007/01/29(月) 02:25:45
なお、この『酔いどれ紀行』初回に関連して、下らぬ疑問。
問題の「原稿」は、てっきり月刊文芸誌のものと思っていた。
文中でも、編集長に「山口さんは今月はありませんよ」と言われている。
「いつも1週間前には催促している」とも。
ところが、長崎で、同行した治子夫人がどんどん買い物をし、
支払いが怖くなった山口瞳は、
「あの新聞小説、やっぱり引き受けようか」と考える。
ここで言っているのは問題の原稿のことだろうが、「新聞小説」なのか?
この作品も何度か読んだが、この部分、腑に落ちない。
ぜんぜん別物でしょ<原稿と新聞小説
444 :
291:2007/02/01(木) 22:13:50
>> 443 さん
そうなんですよね。ただ、文脈からは、
「一旦断ったあの原稿をやっぱり引き受けようかな」と言っていると
考えざるを得ないのです。山口瞳の勘違いかな。
445 :
291:2007/02/01(木) 22:40:35
さて、今度は、山口瞳に強い印象を与え、彼がそれを作品中に再現した
(と考えられる)「光景」の話。
『続血涙十番勝負』にも書かれているが、零落した山口家では、
飼っていた犬を曲馬団と実験動物に売ったという。
ところが実験動物として売られた方の犬が逃げ出して、家に走り帰ってきた。
もう一度犬を売りに行く時、家族の誰もが泣いたという。
ただし、ここで言う「光景」は、二度目に売りに行く時のことではなく、
最初に犬が逃げ帰って来た時のこと。
「彼が逃げ帰るとき、それは彼の人生の華だった」と山口瞳は書く。
446 :
291:2007/02/01(木) 22:45:19
ここから連想されるのが、「わが町」でのモリモト夫人(アオヤギ夫人だったか?)の
話。駆け落ち同然で結婚したが、夫人の両親が二人の新居に来て連れ去られた。
ところがその晩、夫人はアオヤギの家に駆け戻ってくる。
スリップ一枚で線路の脇を駆けて来たのだ。そして、その話をモリモトから聞いた
矢沢(山口瞳)は、不意に頭の中を美しいものが通り過ぎたように感ずる。
どんな女の人にも、一生に一度は張りつめた瞬間がある、と感ずるのだ。
447 :
291:2007/02/01(木) 22:49:41
もちろん、二つの話は、終わりはまるで違う。
犬の方は再び売られ、モリモト夫人は幸せな家庭を築く。
だが、一生を賭した瞬間を自らが作り出していた、という点では共通。
山口瞳の庶民派の側面が出ている、小生の大好きなくだり。
山口は犬好きだったのでしょうか?
猫好きで有名な百閧ニ対照的ですね。
449 :
291:2007/02/09(金) 12:08:08
>>448 さん、
山口は、動物は馬以外はすべて嫌いだったようです。
飼い犬の話は、犬の「心情」を思ってのことではないでしょうか。
450 :
291:2007/02/09(金) 13:13:23
全然別な話。
「誠意」を山口瞳は重視した。これは山口の読者、特に礼儀作法関係や成人の日の
文章を読んだ人ならば、言われるまでもない。
嵐山光三郎も、「誠実を欠く相手には厳しかった」と書いている。
ただ、以前に読んで驚いたのは、『愛ってなに?』の中の一編での記述。
出張に出たサラリーマンが、出先で世話になった相手に、
帰りの新幹線の中ですぐに礼状の葉書を書くのだが、そこで
「こんなところが、サラリーマンとしての○○支えているのだろう。評判は悪くない」
と書く。
451 :
291:2007/02/09(金) 13:16:57
学生時代にこれを読んだ時は実に驚いた。
仕事の出来る出来ないではなく、こんな瑣末なことが評価の対象になるとは。
今は給料取りの身だが、山口の考えを半ば肯定する。
つまり、こうした誠意に欠ける人間は、能力を発揮する場を与えられないのだ。
新潮の歴代編集者もそれに近いことを言ってましたね。
自分の世界に入って来れない人間はすぐやめさせられたとか。
453 :
291:2007/02/11(日) 23:51:40
>> 452さん、ありがとうございます。
そのお話、凄く関心があります。
差し支えなければ、出典を教えて頂けないでしょうか?
454 :
291:2007/02/11(日) 23:56:37
編集者で、思い出したことがある(先に書いたこととは別)。
書き手を励ますよりも萎縮させてしまう編集者の方が多い、と書いていた。
そう言うものなのだろうか。
山口瞳は、直木賞の選考委員を務めた。
向田邦子受賞の経緯は良く知られているが、その他の受賞作・候補作に
対しても、なかなか暖かく、励ましになるコメントを寄せている。
455 :
291:2007/02/12(月) 00:00:02
印象に残るのは、林真理子へのコメント。
最初に候補作となって落選した際には
「感性と素質という点で抜群に秀れている。」
「ムリヤリに小説を書かされて、知らないうちに候補作にされて、
こんなことを言われるのは不本意だろうが、しかし、これは、
残念ながら、非常によく出来た少女小説というほかはない。」
「直木賞はプロ作家の通行手形であって、
その候補に擬せられた以上は覚悟をきめてもらいたい。
その感性を評価する者としてあえて言う。
林真理子さん、顔を洗って出直していらっしゃい。」
456 :
291:2007/02/12(月) 00:01:47
そして、受賞した際には、
「男と女の卑しさとイヤラシサを描くのが実に上手だが、
そのぶん後味が悪い。にもかかわらず林さんが受賞したのは、
力でもって選考委員を捩じ伏せたのであり、
それは、うんと自慢していいことだと思う。」
とのコメント。
457 :
452:2007/02/13(火) 10:42:52
>>453 『男性自身傑作選 中年編』の巻末の新潮歴代編集者&重松清の対談ですよ。
正確には「山口を刺激する演技力の無い編集者」が敬遠されたとか。
458 :
452:2007/02/13(火) 10:46:43
しまった、あげてしまった...
>>454 講談社エッセイ賞選考委員として、沢木耕太郎を強く推薦した(その結果野坂昭如とともに受賞)のも山口ですよ。
460 :
291:2007/02/16(金) 21:42:58
>> 452さん
ご教示をありがとうございました。
お礼申し上げるのが遅れて、申し訳ありませんでした。
近く、読んでみます。
461 :
291:2007/02/16(金) 21:44:37
>> 459さん、ありがとうございます。
そうでした。沢木耕太郎のことも、随分高く評価していましたね。
「わが国ナンバーワンのノンフィクション・ライター」と言っていたのでしたか。
語り口の多才さや個々の文章の流麗さではなく、文章全体を貫くリズムの力だけで
読ませてしまう文章家という意味では、沢木は山口の最大の後継者でしょうね。
どちらも無愛想なほど素っ気無い文章なのに何故か読み手を引きこみますし。
もっとも、山口でも『江分利満』や(未読ですが)『世相講談』などは
比較的「饒舌」な方かもしれませんが、丸谷才一のような饒舌そのものの作家に比べれば
「ヤクザのおじさんの冗談」みたいなもの、つまり山口以外の作家が言っても
面白くない、山口だから面白い類の物なのかもしれません。
463 :
462:2007/02/18(日) 12:41:17
「語り口の多彩さ」ですね失礼。
464 :
291:2007/02/18(日) 22:50:02
>> 462さん、高レベルのコメントをありがとうございます。
悲しいかな、私は文章を味わう力に欠けており、
462さんのお書きになるようなことは、言われて初めて気が付く程度です。
差し支えなければ、またご教示下さい。
465 :
291:2007/02/22(木) 22:22:07
今度は、鎌倉アカデミア関連。
林達夫は、ここの教師として山口瞳を教えた。
林達夫が岩波書店の小林勇に宛てた手紙では、
「鎌倉大学といふ乗りかけた船があり、
難船して利口な船頭共があっさり逃げ出したあと、
「善意ある人々」が大童で 風波の中を修理して
年の行かぬ何百の乗客を行く手の港に送り届けようと
努力してゐます。……」とある。
林は、参議院や博物館のポストを断って、
鎌倉アカデミアでの教育にかけた。
466 :
291:2007/02/22(木) 22:22:53
もちろん、山口瞳も、ここで吉野秀雄と出会い、治子夫人とも出会った。
三枝博音からも感銘を受けたようだ。
そして、久野収編『回想の林達夫』によれば、山口の父は学校の経営を委託されており、
また山口家で教授会が開かれていたという。
要するに、鎌倉アカデミアは、山口がかなり濃密な時を過ごした場所だったはず。
467 :
291:2007/02/22(木) 22:23:52
ところが、山口は『同行百歳』の「学校」での、自分の学歴についての記述で、
自分の履歴書は「ズタズタの履歴書」であり、早稲田と國學院の間に、
「鎌倉アカデミアなどという、わけのわからない学校もはさまっている」と書く。
確かに、世間一般の見方からすればそうかも知れないが、
本人がこう言い切ってしまうところ、山口ならでは。
新潮文庫の作者紹介でも学歴は「鎌倉アカデミアに入学」だけですもんね。
普通なら「早稲田中退」とか「国学院大卒」とか書きそうなのに。
>>468 そぉ?
私は全く逆の印象ですよ。
結構、「早稲田中退」と書いてあることが多い。
国学院を卒業しているのに、なぜ中退した方を経歴に記載するのか。
本人が指示したのか、出版者が書いたのか知らないけれど、
なんだか学歴コンプレックスを抱えているようで、
さもしいと感じたことがあります。
>>469 >結構、「早稲田中退」と書いてあることが多い。
初耳です。
山口の孫世代の私は新潮文庫中心に親しんできたので...
471 :
吾輩は名無しである:2007/02/27(火) 18:54:29
早稲田中退は巾をきかせているからね。
472 :
291:2007/03/05(月) 00:17:58
>> 469さん
「学校」はお読みになりましたか?
学歴コンプレックスについて、包み隠さず書いているように感じます。
473 :
291:2007/03/05(月) 00:25:47
雑ぱくな話。
「文章とはアイディア」と『師弟対談』で言っている。
では、アイディアとは何か、と言うと、「アイディアとは組み合わせ」と
『世相講談』の「真説焼竹輪」で言っている。
そして、800字程度の短文を書くときには、それを二つか三つに分割して
書くように心がけている、と言っている。確か扇谷正造に言われたことだったはず。
一見したところ関連しないトピックを関連づけるというやり方。
「この話を何かと結びに付けることはできないか、と考えるのが癖になっている」と
どこかで書いていた。確か「男性自身」シリーズのどこか。
このやり方は「やってみると大変に具合が良い」と書いている。
山口ファンならば、「その通り」と言いたくなるはず。
474 :
291:2007/03/05(月) 00:29:50
こういうやり方は、「右脳」が強くないとできないのかも知れない。
本人も、『優雅なサヨナラ』で、計算は苦手だが大局観には自信がある、
と書いている。将棋の終盤が弱いのもそういうことだったのか。
何が言いたくて、こんな話を書いたのかと言うと、
鎌倉アカデミアを「わけのわからない学校」と言い切ってしまうところ、
山口の「右脳」の強さが出ている、と感じたから。
475 :
469:2007/03/05(月) 01:01:31
>>472 学校は、どの巻に収録されているのですか?
学歴欲しかったなぁ・・・
九州国際大学2部出。バブル期卒業。しかし求人来ず。
>>473 河上徹太郎も「評論は二つのテーマでかけばよい」と言ってるらしいですしね。
(丸谷才一の本で見ました)
山口の場合は河上から直接教えられた可能性もありますね。
478 :
291:2007/03/05(月) 22:34:29
>> 469さん
『同行百歳』に入っています。
479 :
291:2007/03/05(月) 23:08:28
>>477さん
ご教示ありがとうございます。山口と河上は接点があったのですか。
480 :
477:2007/03/06(火) 07:47:27
>>479 付き合いがあったかは正確には分からないのですが、
『行きつけの店』の鉢巻岡田の章で出てきましたので。
481 :
469:2007/03/06(火) 18:25:09
>>478 そうですか。
持っているので見てみます。
そういう所を曝け出すのも山口らしくて、潔いですね。
この件に関しては、改めて見直しました。
482 :
291:2007/03/06(火) 22:22:41
>> 480 さん
ご教示ありがとうございます。
483 :
291:2007/03/22(木) 23:16:37
山口は、大変に教師運が良かった。
特に吉野秀雄と高橋義孝に出会い、可愛がられたのは幸運だった。
両者との師弟関係は大変に濃密なものだった。
484 :
291:2007/03/22(木) 23:17:42
吉野秀雄について言えば、吉野の晩年の話が印象深い。
山口は、自分の歌作の才に見切りを付け、世帯を張るための労働のために
鎌倉アカデミアを去り、吉野からも距離を置いた。
「私は先生から逃げたのである。あろうことか、その頃の私には、
吉野先生が小さく見えた」。しかし、手紙のやりとりは続く。
そして39年、直木賞作家となり、寝た切りとなっていた吉野秀雄を病床に見舞う。
485 :
291:2007/03/22(木) 23:18:31
「先生、だいじょうぶだよ。ちっとも変わってないよ」と語りかける山口瞳。
「先生、がんばってくれよ。いい歌をつくってくれよ」そのへんでもう涙になってしまった、
と山口は書く。ところが、吉野は、山口の涙を「すこしもあやしまなかった」。
それだけでなく、盛大に飲み(二人で角瓶を空けた)、そして5分ほど後に全て洗面器に戻してしまう。
486 :
291:2007/03/22(木) 23:19:21
山口の、馴れ馴れしいまでの親しみを込めた口調と涙、
弟子が泣いているのをすこしもあやしまず、
そして糖尿病で寝た切りなのに無理して飲む吉野。どれも素晴らしい。
487 :
291:2007/03/22(木) 23:19:55
脱線するが、山口は自分のことを、吉野秀雄の下に出入りする「有象無象の一人」だったと書く。
このあたり、鎌倉アカデミアを「わけのわからない学校」と言い切ってしまうのと同じような凄味を感じる。
488 :
291:2007/03/27(火) 23:32:13
高橋義孝についてはどうか。
最も印象的なエピソードは、ラーメンをかけられたというもの。
「生意気なことをいったから」と山口は書くが、「生意気」の内容は、
編集者であった山口が「編集者としてはこう考えます」という言い方をしたことに
あったらしい
(『優雅なサヨナラ』では、人力車の代金を払わせてくれと言ったから、と書いてある。
489 :
291:2007/03/27(火) 23:33:03
これには驚いた。この程度でラーメンをかけられていたのでは、
自分などはとうてい高橋の酒席にはいられない。
なお、ラーメンとまではいかないにせよ、ビールをかけられたのは何度もあったらしい。
490 :
291:2007/03/27(火) 23:33:44
さらに驚くのは、ラーメンをかけられた山口には、憤慨どころか、
「少しの不快感もなかった」ということ。
ラーメンをかける方も、かけられる方も、これは並みの関係ではない。
まあ、くそぢぢい内田百閧フ弟子の高橋ですから
多少の偏屈ぶりはね...
たぶん、高橋には悪意が全く無かったんだと思いますよ。
もちろん山口も。
492 :
291:2007/04/05(木) 00:22:05
>>491さん、レスをありがとうございます。
仰ること、分かるつもりです。
それでも、ラーメンをかけるというのはやはり尋常ではありませんよね。
493 :
291:2007/04/05(木) 00:24:18
さて、『青べか物語』をこの度初めて通読。
山口瞳を読み出して20年以上になる(最初は小学生時)ので、
今更こんなことを言っているようでは、
山口瞳の愛読者を名乗る資格はないのかも知れない。
494 :
291:2007/04/05(木) 00:32:30
愛読者失格は、もう一つの意味でも言える。
『青べか物語』は、山口にとってはバイブル的な小説。
ところが、自分はこれに強い印象を受けなかった。
もちろん、つまらなかったわけではない。
ただ、特別に強い印象を受けなかったのだ。
これはどういうことなのか。ああ、誰か私を叱って下さい。
山本と山口の関係は考えれば考えるほど興味深いですね。
山本は『江分利満』を(巻末の推薦文とはいえ)絶賛してましたしね。
しかしそれ以上に、山口の文章は山本の影響が強いのではないかと思います。
どっちも無愛想だが端正な文章をリズムだけで読ませてしまうわけですから。
(ただし、山本の方が長編向きかもしれませんが)
ついでに言うと、山口の「後継者」沢木耕太郎は新潮の日本文学全集の
山本の巻に解説を載せているそうです。
山本→山口→沢木の系譜は確実に存在してますよ。
三者とも扱う題材が全く異なるので一見分かりにくいのですが。
497 :
291:2007/04/05(木) 23:03:19
>> 495-6さん、ありがとうございます。
あなたは、426さんですね。そしてもしかしたら、311さんでもありますか。
間違っていたら失礼。
山本周五郎の『江分利満氏』の推薦文は私も読みました。
あれは素晴らしいものでしたね。
もしかしたら、初出は朝日新聞の書評だったのではないでしょうか。
498 :
291:2007/04/05(木) 23:06:22
山口の文章に山本の文章の影響があるのですか。リズムですか。
ああ、文章が分からないのは悲しい。
500 :
499:2007/04/07(土) 19:20:56
私の方は、残念なことに向田邦子の真価が未だに理解できません。
山口が直木賞に推薦するほどの作家ならさぞ凄いだろうと思うのですが...
ちなみに沢木も向田の『父の詫び状』の解説を書いています。
501 :
291:2007/04/08(日) 00:00:14
>> 500さんの感性から大いに学びたいと思っています。
「かわうそ」でも駄目ですか? 凄味のある小説だと思いますが。
ただし、看護婦が、子供の死の原因をあんなに後になって告げるのは
おかしい。その点でリアリティがない。
>>500 かわうそも凄いと思うし、“思い出トランプ”はトータルでみて傑作だと思う。
>>501 “看護婦が、子供の死の原因をあんなに後になって告げるのは”
これ何の話について言っているの?
503 :
291:2007/04/09(月) 00:26:17
>>502さん、レスありがとうございます。以下に書きます。
宅次の一人娘が急性肺炎で3歳で死んでしまう。
宅次は、出張に出る際に子供の発熱を知り、
医院に連絡するように妻に言って出かける。
だが、新入りの看護婦のミスで医師への取り次ぎが遅れ、
その結果往診が遅れた。これが命取りとなった――。
このように妻は宅次に説明した。
言い換えれば、妻自身はきちんと医院に連絡した、と言うことになる。
また医師も、自分のところの看護婦の手落ちとして謝罪した。
ところが、問題の看護婦は、かなり後になってから宅次に真相を告げる。
実は、妻からの医院への電話は、一日遅れてかかってきた
(宅次が電話するように言った日、妻はクラス会に出ていた)。
つまり、手落ちがあったのは妻の側なのだ。
なのに、看護婦のミスが原因とされていた。
504 :
291:2007/04/09(月) 00:27:44
これは医療ミスとはならないだろう。
従ってこの看護婦や医院が法的に制裁を受けることはない。
しかし、責任を転嫁された看護婦は納得できなかったはず。
なお、この看護婦が事情を一切明らかにされず、
本人の知らぬ間にことが処理されていたとは考えにくい。
宅次に真相を告げる時、「黙って帰る【故郷に】つもりだったんですけど」と切り出している。
つまり、黙秘していた、ということになる。
505 :
291:2007/04/09(月) 00:32:44
自分が腑に落ちないと感じるのはこの部分なのです。
この看護婦は、なぜこの時まで真相を告げなかったのか?
自分が悪者にされているにもかかわらず。
看護婦として弱い立場だったからか?
確かに、宅次の妻と医師の間には、
医師と近隣住人の間以上の関係があるように見える。
自分の雇い主の後ろ暗い部分に目をつむったのか?
それとも宅次と妻の関係を危うくすることを恐れたのか?
あるいは、宅次の妻には法的に直接の責任はないため、
わざわざ悪事を暴くような真似をしたくなかったのか?
506 :
291:2007/04/09(月) 00:33:20
いずれにせよ、理解できないのです。
少なくとも、説明が不足しているように思います。
差し支えなければお教え頂けないでしょうか。
507 :
291:2007/04/16(月) 22:17:50
今回の都知事選は、山口瞳と因縁がある。
浅野氏は山口瞳の愛読者。石原氏は、かつて「決闘」を申し込んだ人間。
508 :
291:2007/04/16(月) 22:23:20
>>311さん
沢木のリズムについて、多少理解できたつもりです。
先日の朝日新聞の「銀の街から」を、通常の新聞記事と思って読んでいて、
歯切れの良さに「おや」と思い、筆者を確認したところ沢木でした。
ただ、どちらもリズムが良いということは分かるのですが、その一方で、
後継者と言えるほどに沢木のリズムが山口のそれに似ているかどうか、
悲しいかな私にはよく分からないのです。
509 :
311:2007/04/19(木) 12:05:36
個々の文章表現そのものの鋭さよりもテキスト全体を貫く流れや
幾つかの文章が生み出すリズムで読者を引きこむ「スタイル」が同一だというわけで、
「リズム」それ自体は全く同一とは言いませんよ。
沢木は「リズム」それ自体に関してはむしろ山本周五郎に近いです。
実際、文章というのは、どんなに表現が凡庸に思えても、リズムさえちゃんとしていれば
結構読めてしまうものなのです。
まして、山口の場合は文章の一語一語も選び抜いているわけですから...
逆に、いくら表現が上手くてもリズム感の悪い作家は私は好きではありません。
山口と同世代の辻邦生や、その「盟友」北杜夫など、小説家としての構成力や表現力は
おそらく山口よりもずっと上でしょうが、リズム感では山口に比べて数段劣ると思います。
その所為か、せっかくの隙のない表現がかえって息苦しさを増す結果になっているのです。
(両者のファンの方はすみません)
511 :
291:2007/04/21(土) 00:57:03
311さん、いつもながら勉強になります。
そうですか。リズムそれ自体では、沢木は山本の方に近いのですか。
ところで、311さんは、以前に「『優雅なサヨナラ』は後の方になると
リズムが良くなる」と言う意味のことをお書きになっていましたね。
後の方とは、すなわち山口が自分の死を予期していた時期ということになりますが、
これも凄味を感じさせる話ですね。
512 :
291:2007/04/21(土) 00:58:15
311さん、『楡家』でもリズムの悪さをお感じになりますか?
514 :
502:2007/04/25(水) 07:07:07
>>506 読み返してみました。
確かに言われてみると不自然ですね。
自分の読み込みの甘さを実感しました。
ありがとう。
515 :
291:2007/04/25(水) 22:07:36
>>502さん、お返事ありがとうございます。
向田の直木賞受賞の際の選考委員だった池波正太郎は、
「犬小屋」を評価していたそうですね。
実は私は、「犬小屋」の良さが良く分からないのです。
>>311さん、
「実際、文章というのは、どんなに表現が凡庸に思えても、
リズムさえちゃんとしていれば 結構読めてしまうもの」
これも凄味のある言葉ですね。
516 :
510:2007/04/26(木) 07:44:11
>>515 すみません、なるべく
>>311にしないでください...
音楽では、ジャズのソニー・ロリンズが(一枚しかない)コンテンポラリー盤で
同じ音を吹き続けても「音楽」として成立してる凄い例がありますが、
これも「リズムさえ良ければよい」の一例でしょうね。
もちろん、普段のロリンズは華麗なフレーズが持ち味なのですが。
517 :
291:2007/04/26(木) 22:26:41
>>516さん、失礼いたしました。
ジャズにも造詣が深くていらっしゃる。
ごめんなさい、私はジャズは門外漢なのです。
でも、そんな例があるのですか。これも凄い話ですね。
518 :
516:2007/04/28(土) 11:24:05
山口の文章の魅力は、一字一句の正確な選択と省略とリズムだと思う。
決して壮大なテーマでは無いが、さりげない展開が好きです。
極めて高級な娯楽小説だと思う。
前の世代の娯楽小説、源氏鶏太をちょっと読んでみたけど、
山口の方が内容が濃いと思った。
一見すると「娯楽小説」「大衆小説」だけど読み込んでみるとそうじゃないって分かるんですよね。
口元は笑ってるけど目が笑ってないというか...
521 :
291:2007/05/05(土) 22:17:09
高レヴェルのコメントが続いていますね。
>>519さん、「省略」も印象的でした。
私など、時として文意が分からなくなることもありました。
522 :
291:2007/05/05(土) 22:18:58
これは話がずれると思いますが、思い出したので。
山口が亡くなった後の座談会で、奥野氏が言っていたことですが、
当時麻布で山口や奥野周辺のグループでは、会話で「ああそうですか」や
「なるほど」という意味のことを言ってしまうと馬鹿にされたとか。
かなり気障というかウィットに富んだ会話だったそうですね。
そうした会話のテンポと、山口の文章のリズムは、何か関連しているのでしょうか。
523 :
519:2007/05/06(日) 20:26:49
最近、永井龍男を読んでいるのだけれど(新潮文庫;青梅雨)、
山口が影響を受けた文体だな、とわかりますね。
山口自身も何かで「永井龍男さんみたいな絹ごしの小説を書きたい。」
と語っていましたね。
>>522 難しい問題ですが、たぶん話半分にしか聞かない人間が嫌いだったんでしょうね。
「リズム」というのはある意味緊張を持続させないと確立できないものですから。
省略といえば、向田邦子も省略の魅力なのでしょうね。
初めて山口を読んだ時、言葉数が少ないのに情報量が多いのに驚きましたが、
向田はその山口にくらべても言葉数に対する情報量が多いというか...
525 :
291:2007/05/10(木) 00:40:42
>>524さん、ありがとうございます。
リズムには緊張感の持続が必要ですか。
そうか、言われてみて分かる気がします。
向田邦子も省略でしたか。なるほど。
リズムと省略、どちらも文章・文体について大事なことですね。
<<519さんが言われる、永井の文体もそうなのでしょうか。
526 :
291:2007/05/10(木) 00:46:18
皆さんのレスから学ばせて頂いております。
山口瞳の文章の鍵は、リズムと省略ということなのでしょうか。
527 :
519:2007/05/10(木) 10:06:33
永井は言葉の選択が正確だと思いました。
もちろん無駄な文章は無いです。
これらは、本来プロの作家としては当然の技術であって、
むしろ「省略」と呼ぶのがおかしいのかもしれません。
青梅雨を読む限り、サラリーマンが主人公の話が結構あり、
そういった点も、山口との共通点かなと思いました。
528 :
291:2007/05/11(金) 22:04:47
>>527 さん
そうですね、無駄な言葉を使わないのはプロとして当然かも知れませんね。
ただ、程度の差もあるとは思いませんか? 例えば山口や永井は特に省略が
効いている(冴えている)ようにも思うのです。
529 :
519:2007/05/13(日) 11:27:46
吉行も「省略」の文章って言われることが多いですね。
恥ずかしながら、まだ読んだことがない。
山口とも交流があったし、古本屋で文芸文庫の「悪い夏 花束」が手に入ったから、
永井が終わったら、とっかかります。
530 :
291:2007/05/20(日) 22:08:45
スレが随分下がってしまった。
>>519さん、吉行の読後感、よろしかったらお教え下さい。
上のレスでは、吉行の文章のリズムについて鋭い指摘を下った方がいます。
そう言われてみれば、エッセイでの句読点、特に読点の打ち方など、
やや違和感を感じるところもありますね。
531 :
291:2007/05/21(月) 22:02:14
山口の執筆の際の集中力について、印象深い話(続き)。
確か、『父の晩年』だったかと思うが、徹夜で一本小説を書き上げた朝には、
話し方が女性的になってしまうと書いていた。
精力を使い果たした、ということらしい。
これなども、小生のように平々凡々たる生活を送っている者からすると、
驚異的な話。ああ、惜しい人を亡くしてしまった。
532 :
吾輩は名無しである:2007/05/22(火) 12:16:52
不謹慎な話かも知れませんが、「女性的」といえば山口はそっちのケは
あったんでしょうね。
横浜のゲイボーイに入れあげたとか、UK君を見てときめいたりとか...
ちなみにホモセクシャリズムは山口の定義では
「女の感覚でもって世の中を見直そうとする気持ちの動き」だとか。
しまった、あげてしまった...
534 :
291:2007/05/24(木) 23:30:29
>>532さん
レスありがとうございます。
そうそう、そうでした、山口瞳は、同性愛傾向も持っていたようですね。
「女の感覚でもって世の中を見直そうとする気持ちの動き」。
これ書いていましたね。従って全ての小説家は同性愛傾向を持つ、とも。
535 :
291:2007/05/24(木) 23:34:59
ただ、ご指摘の通り、山口の同性愛傾向は、
小説家だからそうなった、というわけではないですね。
挙げて頂いた例の他にも、中学時代に同級生を好きになったようですし、
吉行淳之介には、若い頃にはホモのふりしていなかった?と言われたりしています。
見た感じにも、そのケが現れていたのでしょうか。
若い頃の写真なんて結構ハンサムですしね。
537 :
291:2007/06/10(日) 22:35:12
大分間が空いてしまった。
この数年河出書房新社が、山口瞳の未刊行作品をまとめて出版している。
これは山口ファンにとっては実にありがたい。中野氏の尽力もあったのだろうか。あらためてお礼申し上げたい。
538 :
291:2007/06/10(日) 22:37:14
先に教えて頂いた『男性自身 傑作選 中年編』の巻末の担当編集者座談会を読んだ。
これは面白い。452さん、ありがとうございました。天下の斎藤十一をして、
週刊新潮は男性自身でもっている、と言わしめたのですか。
ただ私は、正直に言って、週刊新潮にはあまりよい印象を持っていないし(ひねくれすぎている)、
斎藤十一についても、側聞する限りでは敬遠したい人物。
539 :
291:2007/06/27(水) 00:19:38
ようやく書き込めるようになりました。
梶山季之の話。
筒井康隆が書いていたが、梶山の執筆量は、原稿用紙で数えると驚異的な枚数だった。
ただし、後期の梶山は、一行ごとに改行するなどして枚数稼ぎが顕著でもあった。
こうなってからの梶山は、もはや死に体と言っても良く、本人も辛かったろうが、
梶山がそうなるのを止められなかった「心友」山口も辛かった。
540 :
291:2007/06/27(水) 00:24:56
梶山の死については、『旦那の意見』や『英雄の死』に書かれたものが
印象に残っている。梶山の事情と彼がマスコミに流されていくのを
止められなかった山口の事情・心情が良く分かる。
ただし、今回『湖沼学入門』の一章(潮来に行く章だったかな?)を読み直して、
こちらも見直した。
541 :
291:2007/06/27(水) 00:26:25
それにしても、この人は友人運も相当に良い。先に教師運の良さも指摘したが、
それにまさるとも劣らず、良い友人を持った。もちろん、本人にそれだけの魅力が
ある、ということなのだろう。
542 :
291:2007/06/27(水) 09:43:07
539は、「一行ごとに」→「一文ごとに」。
一ヶ月近く書き込めなかったのに落ちないなんてさすが文学板...
>>541 その裏返しで、「山口と接点があるはずなのになぜか交流の無い
(もしくは仲の悪い)人物」のリストを作ると面白いでしょうね。
山口同様、「純文学的な大衆作家」で、檀一雄、吉行、安岡章太郎、
開高と共通の知人がかなりいるのにあまり仲良くなかったように思える邱永漢や、
(日本脳炎に罹った檀の息子さんを一緒にお見舞いに行ったりはしたそうです)
開高の盟友なのに山口を批判するかほとんど無視していた向井敏とか。
(山口の安部譲二批判に対して向井は「何様だこいつ」的発言をしています)
544 :
291:2007/06/27(水) 21:40:13
>> 543さん。どうもありがとうございます。
そうですね、こちらの方も面白いですね。
邱永漢とはウマが合わなかったのかな。
向井敏については、初耳でした。差し支えなければ、お教え下さい。
安部譲二とのいきさつについては、『山口瞳』の人生作法への安部の寄稿で、
おぼろげながら知るのみでした。余談だが、あれは分かりにくい文章だった。
545 :
543:2007/06/28(木) 11:37:06
>>544 向井&山口不仲説については深い根拠があるわけではありませんが、
前述の山口の安部批判に対する向井の批判の他には
向井の『本の中の本』で山崎正和が山口の『旦那の意見』を
「通俗的角栄批判にもたれかかってお父さんの悪口を言ってるのが不快だ」と
酷評していることについて言及しており、これがあたかも山崎の口を借りて
山口を批判しているかのように感じられたのです。
546 :
545:2007/06/28(木) 11:41:30
すみません、わかりにくい文章ですね。
要するに向井は機会があれば山口を批判したいと思っていた節が感じられるのです。
547 :
291:2007/06/28(木) 22:20:42
>>545さん、早速のご教示ありがとうございます。
山崎正和がそんなことを言っていたのですか。
私のような山口シンパからすると、まるで自分が批判されているようで
苦しい。「下駄と背広」は、そんな風に読めるのかなあ。
>>547 確か山崎・丸谷才一・木村尚三郎の『鼎談書評』だったと思います。
丸谷は「山口は角栄を批判することで近代日本文明を批判しているのだ」と
山口の肩を持つのですが、その結果二人は大激論に...
まあ向田邦子も「田中角栄よりも先に死にたくない」と言い切ってますしね。
治子さんによる瞳本が遂に出ましたね。
550 :
291:2007/06/30(土) 22:58:31
>>548さん、貴重な情報をありがとうございます。
これは是非読みたいので、探してみます。
>>549さん、初耳です。すぐに買って読みます。
すごく大事な情報を二つも得た。有り難い一日でした。
551 :
291:2007/07/03(火) 00:01:51
『瞳さんと』読了。全体として、なかなか興味深かった。
『人殺し』や『家族』を書いていた頃の裏話があり、
やっぱりホステスの一人と恋愛関係にあったらしい
(向田邦子のはずはなかった!)。
また、山口の父親のイメージが変わった。
どうも『江分利満氏』の印象そのままではないようだ。
552 :
291:2007/07/03(火) 00:04:33
「別れ」では目に涙が浮かんだ。
どうも、治子夫人はなかなかに情の深い方のようだ(失礼をお許し下さい)。
治子夫人が山口にかなり気を遣われた一方で、なかなかこれは夫の方も大変
だったろうな、と思わせるエピソードがいくつか紹介されている。
553 :
291:2007/07/05(木) 22:36:54
『瞳さんと』読後感の付け足し。
治子夫人は、「本来瞳さんは、サラリーマンとはまったく別な人種だった」と書く。
また伊丹十三は、「山口さんこそ特殊な人です」と指摘していたとのこと。
そう、やはり、市井の一私人にとどまることができた人ではないのですね。
>>551 山口と向田がそっちの方の関係があったって噂でもあったんですか?
同じくエッセイと小説両方で成功している丸谷才一や村上春樹が
一人称語り小説の傑作を残してるのを見ると(丸谷は「たった一人の反乱」、
春樹はたぶんほとんどの小説)山口にも一人称語り小説を残して欲しかったと思う。
実際、弟子山本周五郎には「青べか物語」が、後継者沢木耕太郎には「檀」があるし...
まあ開高健の「夏の闇」みたいな失敗例もあるけど...
556 :
555:2007/07/08(日) 09:18:08
ごめん、「師匠山本周五郎」
山口の師匠は高橋義孝と吉野秀雄だけだ、と突っ込まれそうだが、
リズムだけで読者を引きこむ「文章術」はやはり山本譲りだと思うので。
557 :
291:2007/07/08(日) 21:28:54
>>554 失礼、勝手な思いこみで無責任なことを書きました。
『木槿の花』の緊迫感からして、向田に対しては友情以上の感情があったのかと
思いました。また、山口死後の『週刊新潮』のグラビアで、向田が山口邸を訪れた際の
写真があり、「山口は随分硬くなっていた」と書かれていました。
その時の山口の様子が、治子夫人がお書きになっている、意中のホステスが家に来た時の
山口の様子と(私の頭の中では)重なったもので。
いずれにせよ、失礼しました。
558 :
吾輩は名無しである:2007/07/08(日) 22:30:53
向田さんの研究書に(書名を失念しましたが)ドスト氏のインタビュー記事
か何かが掲載され「山口さんは向田さんを好きだった」旨の発言をしてい
ます。ただ、向田さんからみれば、おそらく「先輩作家のひとり」以上の
ものではなかったでしょう。山口さんの著作を読んで、この作家と深くな
ろうとは考えないはずです。
まあ一穴主義を「わざわざ」標榜する人物と深い仲になってもね...
既出の新潮の山口担当編集者の対談で興味深い発言があったので挙げておきます。
フミヤ:山口さんの文章って、センテンスが短いですよね。メチャクチャ短い。
直木賞の選考委員として「最近の若い作家はみんな文章が短い」なんておっしゃってたけど、
それはご自分のことでしょう(笑)。
スバル:あれはただセンテンスが短いというんじゃなくて、文章のテンポなんだよ。
だから、テンポの作家、リズムの作家なんだ。気合いで書いてるからね。だからあえて
短く切らなくても、点で繋いでいっても文章的には問題なく繋がるんです。
561 :
291:2007/07/11(水) 22:26:10
>>558さん、ご教示ありがとうございます。「好きだった」というのは
色々に解釈できる言葉ですが、恋愛を示唆しているのでしょうかね。
>>559さん、本当に「一穴主義」を貫いたのでしょうか。
これは先にも書いたことですが、『瞳さんと』を読んで、
もしかしたら、という気もしてきました。
>>560さん、どうもありがとうございました。
あの座談会は面白かったですね。
山際淳司に言及して無い(少なくとも自分はみた記憶が無い)のは意外。
今のスポーツライター顔負けの観戦ルポを書いたり、三原脩や藤本定義に取材したりしてるのをみると、
山口の世代あたりまでは文筆業者の仕事は今ほど細分化されてなかったのかも。
564 :
291:2007/08/03(金) 00:12:16
長編について
結論から言うと、先にも書いた通り、『人殺し』、『血族』、『家族』のうちで、
自分は前二者は、山口瞳の作としては、やや落ちる、と思っている
(実はもう一作書いて欲しかったし、本人もその気だったようだが、残念)。
『人殺し』は、随所に迫力のある叙述があるが、しかし筋が分かりにくい。
『男性自身』の「忠臣蔵」で、長い話は筋を単純にすべき、
という意味のことを言っている。これは『人殺し』の欠点を自覚してのことだと思える
(これは拡大解釈かも知れないが)。
565 :
291:2007/08/03(金) 00:14:54
なお、『人殺し』は体制内告発、もしくは仲間内での悲鳴であり、
ジャーナリズムの最先端にいる人間にとっては切実な問題を扱っている
のかも知れないが、それ以外の人間にとっては、あまり胸に響いてこない。
酷な言い方だが、「平和もまた大量殺人に通ずる」という(『酒呑みの自己弁護』)、
この著のテーマが貫徹しているとは思えない。
566 :
291:2007/08/03(金) 00:17:16
では、『血族』はどうか。
治子夫人によれば、本人もあまり気に入った出来ではなかったらしい。
567 :
291:2007/08/04(土) 01:29:18
『血族』を書いた勇気はすごい。しかし、やや文章に「甘さ」が残る感じがある。
ああ、山口さんごめんなさい。しかし、ファンとしてあえて言ってしまう。
川端の『雪国』の「トンネルを抜けると雪国であった」や、
「夜の底が白くなった」という表現を、少年時代から「甘い」と思っていた
という山口なので、読む側も、渋み・辛みを求めてしまうのです。
私も、山口の小説は少し長くなると構成や文章に難が生じる傾向にあると思います。
山口の文章は(これまで散々言ってきたように)正確無比なリズム感に由来する
絶妙な「間」のセンスにより、(端正だが)一見素っ気無い表現に
余韻や陰影、場合によっては抒情まで生じさせるものであり、
エッセイや短編でこそ本領を発揮するものだと思うからです。
同じ「リズムの文章」でも、山本周五郎や沢木耕太郎みたいにもっとパワフルな
前へ前へ進む文章なら長編でも読ませてくれるのですが。
実際、沢木作品は『一瞬の夏』でも『深夜特急』でも、一気に読ませてしまいます。
山口が「女性的なリズムの文章」なら山本や沢木は「男性的なリズムの文章」でしょうか。
569 :
吾輩は名無しである:2007/08/10(金) 14:40:06
>>568さん、ありがとうございます。またしても、ご教示頂いてしまいました。
>正確無比なリズム感に由来する絶妙な「間」のセンスにより、
(端正だが)一見素っ気無い表現に 余韻や陰影、場合によっては抒情まで生じさせる、
これは、最上級のほめ言葉ですね。山口が聞いていたらどんなに喜んだことか。
570 :
568:2007/08/11(土) 06:37:45
ちなみに、山本が山口を絶賛していたのは、自分と同じ資質の人間が
自分と全く方向性の違うことをして成功していたのが新鮮だったという面もあるでしょうね。
山口が沢木を絶賛したのも全く同じことだと思います。
実際、「題材」「作品世界」に捉われればあまりにも三者三様ですし、
私も山口を深く読み込むまでこの三人の共通する資質には気づきませんでした。
571 :
568:2007/08/11(土) 08:43:55
山本スレにも書いたことですが、山本や沢木の場合は正確無比なリズム感のお陰で
情念過多なこってり表現でも話が停滞しないで前へ前へ進むように感じられると思います。
あっさり表現に文字通り以上の意味や余韻を与えてしまう山口や向田邦子とは対照的といえば対照的でしょうか。
確かに山本や沢木に「省略」の妙はありませんね。
572 :
291:2007/08/14(火) 04:21:49
>>568さん、重ねてありがとうございます。
568さんの感性から是非もっと学ばせて頂きたいのですが、
お好きな山口作品はすでにお聞きしています。
そこで、お好きな一節をお教え頂くわけにはいかないでしょうか。
なお、569も291でした。
573 :
568:2007/08/14(火) 11:13:50
個々のフレーズが好きと言うよりはテキストレベルで好きなのですが、あえて挙げるなら、
『温泉へ行こう』由布院編の「おい、まずいものが食べたいな」(細部は違ったかも?)でしょうか。
美食紀行のあとでこういうことが書けるのは山口ただ一人でしょうね。
574 :
573:2007/08/16(木) 09:08:01
すみません、由布院ではなく玉造温泉の方でした...
575 :
291:2007/08/16(木) 15:49:38
568さん
早速のお返事をありがとうございました。『温泉に行こう』が手元にないので
記憶で書くのですが、
豪華なもてなしを受けた後で、スバル君にぼそっと言う、というくだりでしたね。
568さんよりも感性が劣っているので自信がないのですが、
ここは、「間」の取り方か巧みである、ということですよね。
ご指摘を受けて思い出したのですが、同じ本で、
西伊豆に我が行かんとす時計買う
駄目だ駄目だ。僕には俳句の才能がないのだ。
という件も思わず吹き出しました。
576 :
573:2007/08/17(金) 11:48:55
一番肝心なのは皆美館の吉兆仕込みの美食と「不味いもの」のギャップの可笑しさですが、
まあこういうギャグは間が狂えば全て台無しですしね。
言った場所が新幹線の名古屋なのもポイントかも。
577 :
291:2007/08/23(木) 01:44:28
573さん、ありがとうございました。お返事が遅れました。
自分の受け止め方が間違っていなかったので、ちょっと安心しました。
というのも、先述のように、「二等車のボイは女である」というフレーズの
可笑しさがどうにもわからず、ましてや「大笑いする」などとてもできないので、
自分には山口の文章を味わう力が足りないのではないか、と言う気がしてならないのです。
578 :
291:2007/08/23(木) 01:48:01
話しの流れからそれますが、山口の文章で前々から気になっていた点を一つ。
それは、マルカッコの使い方。
山口は、カッコをしばしば、句点のあとに持ってくる。
(例えば、この位置にする)これに違和感を感ずる。
カッコで書かれている内容は、句点で区切られるセンテンスに関わっているのだから、
句点の前に持ってくるべきではないか(例えば、この位置にする)。
579 :
291:2007/08/28(火) 05:43:58
上に挙げたマルカッコの位置は、「記号を二つ重ねない」という原則による
のかも知れない。この原則は、確か『私流 頑固主義』で書いていた。
高橋義孝・山口瞳『師弟対談/作法・不作法』はなかなか面白い。
その最終章は「文章には人間の全体が出ます」。
580 :
291:2007/08/28(火) 05:48:29
山口は、山下清の文章からかなり教えられた、と明言する。
高橋も、山下清の本は全て持っている、という。
自分も読んで見ようかとも思う。
絵画の方でも山下の影響を受けたのかもしれませんね。
まあ絵画には門外漢同然の人間の印象ですが...
582 :
291:2007/09/04(火) 22:12:33
581さん、「門外漢同然の人間の印象」と言うのは、
山口の絵について、581さんが、そのような印象をお持ちと言うことでしょうか?
それとも、581さんがご自分のことを、そのようにご謙遜なさっているのでしょうか?
いずれにせよ、ご指摘のように、山口は個展を開いた時の来客に、
山下の絵との共通性を言われたようですね。
583 :
581:2007/09/05(水) 10:58:19
両方ですよ。
すみません、質問の意味を勘違いしてました。
山口が「絵画には門外漢」であるなどというつもりは全くありません。
私自身の印象として「山口の画風は山下に似てる」と思ったのですが、
絵のタッチとかそういう専門的なことは自分には分からないので
山下→山口の影響について断定は出来ない、という意味です。
585 :
291:2007/09/07(金) 22:12:29
>>584さん
こちらこそ、紛らわしい書き方をしてしまったようです。
私も絵のことは分からないのです。
別な話ですが、今日、男性自身の『還暦老人シリーズ』を読み返して見て、
60歳代の山口の体が相当に衰えていたことがあらためてわかりました。
大酒のみにヘヴィ・スモーカーであったことを考えると仕方がないのか。
586 :
291:2007/09/07(金) 22:23:57
それにもかかわらず、以前に322さんが書いて下さったように、
『男性自身』は後期になるほどにリズムが良くなっている。
そして最晩年の『優雅なサヨナラ』は、言われて気づいたことだが、
確かに、完成品の域に達している。ガン発病・告知があったことを考えると、凄味のある話。
そして、治子夫人が言うように、モルヒネで頭がややおかしくなってからでも
あの最後のエッセイ(「仔象を連れて」)のようなカッチリとしたものを書いた。
これは本当に凄い。執念だろうか。
>>585 同世代で同じく大酒飲みの丸谷才一が未だに現役ですし、
やはり「オヤコサンニン」(さらにあと二人)支えるための
ハードな編集者生活も原因でしょうね。
588 :
291:2007/09/16(日) 21:57:32
>> 587 そうですね、20代から30代は、本当に激務だったようですね。
もちろん、流行作家となってからも。
それにしても、返す返すも残念だったのは煙草を止められなかったこと。
酒については、酒場で有益な情報を仕入れたり、人間関係を築いたりと、
決して無意味ではなかったと思うのですが、煙草については……。
本人が本当にうまいと思っていたようなので、仕方ないとは思うのですが。
団塊世代でも著名人で全く吸ってないのは沢木耕太郎と鈴木啓示(投げたらアカンの人です)くらいですしね。
まして戦中派なら「成人男子なら吸って当たり前」だったんじゃないですか?
>>555 丸谷才一と村上春樹は物語作家であって私小説作家ではない、ということがありましょう。
私小説を一人称で書けば、それは随筆に似たものになる。そしてヒトミチャンは私小説の徒です。
マルサイ先生の小説は仕掛けと趣向に溢れていて、まことにテクニカルです(たとえば樹影譚)
ミスタ・マラカモにはマジック・リアリズムのケがある。時間も場所も人物もゆらゆらしていて、
まるで水面にうつる影のようです。そしてその不安定を不安定なままでガッチリと作劇する。
ふたりはともに読書家で、さらに濫読家で、小説というものが自由であることをよく知っている。
対してわれらがヒトミチャンはいかがかというと、彼は信念のひとでした。
自由を排し、いかにおのれを律するか、おのれをむなしゅうするかにこころをくだいた作家で、
自己を対象化して眺めることで、私小説としては珍しい「客観性」を獲得しました。
そうして客観的にオノレを描く私小説作家が、一人称で小説を書くことはむつかしかろうと思います。
>>588 たばこで早死にするなら、筒井康隆は孫子の代まで死に絶えています。
養老先生もとっくに解剖されるがわにまわっているでしょうな。
たばこは関係ありません。
彼の寿命を削ったのは、鉄火場、そしてその後の寿屋で培った勝負人生です。
極度のストレス、それも、慢性化して自覚すらできないほどのストレスが、
作家山口瞳を作り、人間山口瞳を滅ぼしたんです。
それもまた、一局の将棋です。
>>377 これは「社長と先生」の伝で考えるべきおはなしでしょう。
大阪のアキンドとは「社長の最たるもの」です。見得を排して実利を取ります。
そして、実利のために見得をゆるすのもまた、社長であるわけです。
ヒトミチャンの思う江戸っ子は、実利を捨てて見得を切り、見得で儲かるのなら
それをしりぞけて六つかしい顔でうずくまる者です。世間とのコミットメントが下手な者です。
しかるに寿屋初代の鳥井信治郎は長期的な実利を計算する者でした。
左脳快活な彼は、ヒトミチャンにとって、おおいなるカルチャーショックとなりました。
その方針は理屈ではわかる。まことにすばらしいものと感心することひとかたではない。
しかしそれはヒトミチャンの「信念」には無い概念で、今までなかった思想です。
寿屋の奉公は、みな上方の出で、言うなればエイリアンの集団で、ヒトミチャンを悩ませました。
ヒトミチャンは「彼ら」を憎み、返す刀で「憎むおのれ」を斬りきざみ、そして分裂します。
「社長」を肯定し、「先生」を否定するヒトミチャンと、関西人を排斥するヒトミチャンに分裂します。
信念の人に、アイデンティティ崩壊の危機をもたらしたおそるべき技能集団・大阪人。
サントリーを相対化せねばならぬ。「青雲の志について」は書かれるべくして書かれた傑作です。
また変なのが現れたな。
>>590 なら、「何を書いても私ノンフィクションになる」沢木は
なんで一人称語りの『檀』で成功したんだか。
山本の場合はまあ「物語作家」的なところも大きいだろうけど。
沢木の作品はノンフィクションで、ノンフィクションならノンフィクションなりのてくだがある。
そのてくだのひとつとして、「作者沢木は檀ではない」という明快な事実を利用することがあげられる。
そもそも沢木は「小説家」ではない。そこを混同するとおかしなことになりましょうな。
ああ、大事なことを言い忘れていた。
「沢木耕太郎は山口瞳ではない」
597 :
291:2007/09/24(月) 23:54:12
>>591さん、レスをありがとうございます。
591さんのような方にこういう書き方をするのは野暮なのかも知れませんが、
煙草なのかストレスなのかは、決着を付けることは不可能でしょう。
統計的に言ってガンになるのも仕方がない程のヘヴィ・スモーカーだったのは
事実ですし、またその一方で、非喫煙者であったとしてもやはりガンになっても
仕方がないほどにストレスを抱えた人生だった、とも言えると思います。
>>291さん、あまりムキにならない方がいいですよ。
>>597 んー。前立腺の癌は喫煙との因果関係が薄い病気なんですよね。統計学的に言って。
それになにより、クリントン政権時のアメリカからはじまった「悪者探しの流行」でもって
文士の一生を片付けようって魂胆がおもしろくないやね。
「たばこの害も知らない情報弱者の老人が死んだ。以上終了QED」なんて物語が残るのは、
まっぴらごめんですよ。
600 :
291:2007/09/27(木) 00:46:56
>> 598さん、どうもありがとうございます。
>> 599さん、レスをありがとうございます。
……クリントン政権時のアメリカからはじまった「悪者探しの流行」でもって
文士の一生を片付けようって魂胆……
正直に言いますと、こういう「魂胆」はありませんでした。
その一方で、前立腺ガンと喫煙の直接の因果関係が立証されていない、
ということは、知りませんでした。仰る通り、死因は煙草ではない、という
ことになるようですね。
601 :
291:2007/09/27(木) 00:54:43
ただ、588と597で私が書いたことは、論理が飛躍していました。
体の衰えと、ガン発病とをごっちゃにしてしまいました。
体の衰えについてであれば、煙草は無関係とは言いにくいのではないでしょうか?
いずれにせよ、591さんの山口瞳への思い入れ(こういう言葉を使っても良いですか?)は
並々ならぬもののようです。完全に理解できるわけではないのですが、
差し支えなければさらにご教示頂けないでしょうか。
この表情じゃ、ぴよこクラブ辺りだよなー
かと言って、オランダ馬車庫のイヒヒヒー笑顔の写真ってのもなー
パロも大変ですねw 週刊東宮より風刺が効いてて、わかりやすいかも
身近な事柄に置き換えてみると異常さが際立つわ。
山口さんの場合、例えば島尾敏雄や吉行淳之介のような「生活絡み」のストレスはなかった
わけだから、その点では幸せだったと思いますよ。平均寿命まで生きたかったという晩年の
男性自身の件は、何度読んでもジーンとさせられますが。
「入院先の看護婦さんが自分のことを知らない」と憤っていましたが、ああいうことを書くとは
正直思いませんでした。週刊新潮はそういうターゲットに向けた週刊誌ではありませんし。
男性自身シリーズの中で、私は「日記シリーズ」を読み返す頻度が最も多いのですが、ご子
息によれば「あのシリーズで少なからぬ読者を失ったのではないか」とのこと。つまり「山口瞳
は既にして庶民派作家ではない」という評価を決定づけたらしいのです。
日記シリーズはついに文庫化されませんでしたから、版元としては「商売にならない」という判
断が働いたのでしょうが、このあたりが私には全然わからないのです。
作家に求めるのは「作品としての巧さ、視点の妙味、優れた表現技術」であっても、一体庶民
であるかないかなんてことは、それらの評価には全く結びつくものではないと思うのですけれ
ど。
その作家の生活基盤や経済力で「作品」に接するわけではありません。芥川や漱石は庶民
にくらべれば、遙かに裕福でしたが、そのことと「作品」は、全く別のカテゴリに属する問題で
す。文士として、何を後世に遺していったのか、ということが第一義ではないかと。
605 :
603:2007/10/04(木) 02:51:45
>>604さん
仰せのとおり、
>>336 を読みました。
そもそも、庶民とは何かという「定義」が人によって異なる面もありますし、私が知る
山口瞳ファンの一人は「変奇館の住人になってからの山口はもはや庶民ではない」
と断言しています。庶民であるかないかといったアプローチには、関心がさほどあり
ません。
ただ、ご子息のいうとおり「日記シリーズで少なからぬ読者を父は失った」というので
あれば「何だ、山口瞳は贅沢しているじゃないか」という反感を持つ読者が離れていっ
たのかな、と思います。北杜夫は「(直木賞の)選考委員になったりするのは庶民では
ないし、作品も面白くなくなった」と述べていましたが、作家の資格が「庶民性」の多寡
ではかられるわけでもあるまいし、と感じました。
山口さんが「引退」したのは「家族(ファミリー)」を書き上げたことで、自身の「私小説と
して書きたいこと」は書き尽くしたとの判断があったからでしょう。そもそも、小説を書く
ことが「幸福」などと考えたことは一度もなかったと思います。山口さんは。
例えば吉村昭は「書きたくて書きたくて仕方がなかった」でしょうが。
まあ「日記で離れた」読者も心のどこかで「ずっとだまされていたい」と思ってたんじゃないですか?
本気で「つつましい生活を送っている」って思っていたらそっちの方が問題ですよ。
少なくとも、ある意味作家デビュー以前から文化の創造者だったような人物がね。
608 :
291:2007/10/07(日) 09:04:55
605さん、ありがとうございました。
目下の話題からずれてしまいますが、日記シリーズで読者を失った、と
正介さんが言っておいでだったのですか。なるほど。
あのシリーズは、脳梗塞と診断され、遠からぬ死にいたるまでの日常を
書き綴ろうとして始めたものだったようですが、
頚椎症だったため、長く続いたのでしたね。
609 :
291:2007/10/07(日) 09:08:29
>> 605さん、
>……そもそも、小説を書く
>ことが「幸福」などと考えたことは一度もなかったと思います。山口さんは。
この部分は、そう言い切れるのでしょうか?
まあ山口の好きな野球で言えば若松勉も「現役時代は楽しいことなんて何も無かった」って
言い切ってますしね。あれほどの大打者でも。
611 :
吾輩は名無しである:2007/10/18(木) 08:20:44
そろそろ危ないし、あげときますか。
612 :
291:2007/11/04(日) 00:12:17
間が空いてしまいました。
唐突に、吉行淳之介のこと。
吉行らと麻雀をしたことが何度もあるという女性と、
あるスナックで話をしたことがある(その女性はママさん)。
例の、阿佐田哲也なども来ていた上野の旅館で麻雀をしたらしい。
もしかしたら、122さんが書いていた女性と同一人物かも知れない。
私が会ったスナックのママさんによると、吉行に麻雀の誘いの電話を入れると、
いつでも「ちょうど今原稿が終わったところなんだよ」
と言って、麻雀に来てくれたとのこと。
山口の「ギャンブルする女性が嫌い」だって言うのは何から来てたんでしょうね。
あれだけ酒場に入り浸ってたんならそっちの方面の女性と麻雀を打つことなんて
しょっちゅうあったでしょうに...
『酒呑みの自己弁護』で再三語られてた戦中派特有の感情と関係あるのでしょうか?
614 :
291:2007/11/07(水) 22:19:53
>> 613さん、ありがとうございます。
ギャンブルする女性が嫌い、なぜなのでしょうね。
まあ、殺伐たる感じはありますが。
ちなみに、ギャンブルに強い人は自堕落な傾向がある、と書いていました。
そのことと関係があるのかな?
別なところで、睡眠不足などで不機嫌になっている女性は駄目だ、とも
書いていましたね。山口瞳の女性観を考えるのも面白いかも。
615 :
291:2007/11/08(木) 23:04:00
女性観ではないのですが、好みの女性について。
轟夕起子について、「こぼれ、あふれるような美しさ」と書いていたが、
世代が違って実感が湧かない。
アン・ルイスについて「実にいい女」としていた。
ただし、「一緒に暮らすのは鬱陶しい」とも。
おそれ多くも川嶋紀子さんについては、「男として本当に痺れた」。
616 :
291:2007/11/08(木) 23:07:34
小谷実可子について、「美しい」。
どうやら、小泉今日子もご贔屓だった気配がある。
駄目だ、パターンがまるで読めない。
紀子さんや小泉今日子に限ればなんとなく分かる気もしますけどね。
「地方出身者」からは絶対に出てこないようなタイプというか...
(小泉今日子は厚木市出身ですが、まあ首都圏ですしね)
618 :
291:2007/11/12(月) 00:02:17
>> 617さん、ありがとうございます。
ふーむ、そうですか。私にはその感覚が掴みにくいな。
外国人女優でもいましたね。
映画の中で「あなたってマジメ人間ね」と言われて、クラッとなったという。
620 :
291:2007/11/14(水) 23:41:22
女子バレーの選手だった江上も好きだったようだ。
稲尾について、どう書いていたかな。
江川について「稲尾以来の逸材」と評していた。
『草野球必勝法』で「金田はあの剛速球が反れてぶつかると思うと打てないが、
稲尾は絶対にそうならないと安心できる」みたいなことを言ってましたね。
622 :
291:2007/11/15(木) 22:13:42
>>621さん、そうそう、そうでしたね。ありがとうございます。
「稲尾なら絶対ぶつけないだろうという安心感がある」と書いていましたね。
最大級の賛辞と言って良いかな。
もっとも、バッターとして最も対戦したくない相手としては江夏を挙げていましたね。
『血涙十番勝負』では、稲尾の選手寿命の短さについて触れていましたね。
同じく百鬼園先生の系譜を曳く宮脇俊三は読んでないのかなと思ってたら
『温泉へ行こう』で言及してた(たぶん『時刻表二万キロ』の事だと思う)。
624 :
291:2007/11/27(火) 22:07:55
>>623さん、ありがとうございました。
これは全く記憶にありません。手元に本もないのです。
どんな言い方でしたっけ?
日中温泉を訪れてその名前の由来が問題になった時に、
「僕は宮脇俊三さんの著作でその由来を知っていたが黙っていた」ってあったんですよ。
宮脇氏の場合は温泉ではなくローカル線(日中線)探訪でしたけどね。
626 :
291:2007/11/28(水) 23:27:47
>> 625さん、早速のお返事をありがとうございました。
紀行文と言えば、『南蛮阿呆列車』も良いですね。
阿川さんも宮脇氏と友人ですよね。
627 :
291:2007/11/28(水) 23:28:31
間違えた。「友人でしたよね」です。
628 :
291:2007/12/04(火) 21:34:04
山口瞳の女性観について、続き。
正介さんがお書きになっていたことだが、山口一家が、
正介さんの友人の若い女性も加わってプールサイドで談笑していた時、
その女性が笑い転げて山口の腕に触れた。その時、山口はビクッとして、
触れてはいけないものにでも触れたかのように、女性の手を振り払った、という。
これはどう解釈すべきか。失礼ながら正介氏の説明を覚えていない。
山口ほどに好き嫌いの激しい人であれば、自分の好みに合わない女性に対しては、
体に触れられるのも嫌だ、というほど強く拒絶してもおかしくない。
逆に、内に秘めた肉欲を自覚していたからこそ、強い拒絶反応を示した、
とも考えられる。『マジメ人間』で、本質的には猥褻漢である、と書いていた。
第三の解釈として、目の前の治子夫人の目が怖かった……失礼しました。
第二だと思いますけどね。
あれほど情念の深い人物ならそっちの方もかなりあったでしょうから。
630 :
291:2007/12/08(土) 22:31:55
>> 629さん、ありがとうございます。
そうですね。そう考えるのが一番、納得できますね。
特に素人の若い女性に苦手意識が強かったように思えます。
酒場では、一時期「もてていた」ようでしたし。
631 :
291:2007/12/08(土) 22:35:07
女性で思い出したけど、小料理屋で見かけた中年女性の描写(『男性自身』)
も強烈だった。「この女の世界観は、ヒトラーのそれよりも強固だろう」など
と書いていて、好き嫌いの激しい山口の面目躍如、と言う感じだった。
実際にそうした女性を目の前にしたら、自分も嫌悪感を持つだろう。
しかし、その女が嫌い、ということだけで週刊誌の一回分を使って書いて
しまう、というのはまた別な話。
632 :
吾輩は名無しである:2007/12/10(月) 09:16:42
>>630 あれは強烈でしたね...
開高健の『輝ける闇』を三島由紀夫は「想像で書いたのならともかく
実際に経験したのなら大したことはない」と酷評したのですが、
「実際に経験してしまったからこそ書けない」類の事柄が世の中には
存在するのではないかと思います。
まあヴェトナム戦争体験と夫婦の痴話喧嘩を一緒にするのは
何事かと言われそうですが...
633 :
632:2007/12/10(月) 09:17:42
「経験」というか「体験」ですね。まあどうでもいいけど。
634 :
291:2007/12/11(火) 23:07:07
>>632さん、ありがとうございました。
次元の高いレスですね。勉強になりました。
ところで、アンカーは630で良いのですか?631ではありませんか?
635 :
632:2007/12/13(木) 12:36:47
はい、そうです。すみません...
636 :
291:2007/12/13(木) 23:27:19
>>632 あ、いえいえ、どうかそんな。
ご教示をありがとうございました。
『愛別離』を購入。読み出したところです。
637 :
291:2007/12/17(月) 22:15:46
山口正介『山口瞳の行きつけの店』を読んだ。
かなり示唆的で、山口ファンとして読んでためになった。
以前に603さんが教えて下さったことが書いてあった。
日記シリーズで読者を失っただけでなく、無言電話や抗議の手紙もあったという。
失望を感じた読者も少なからずいたというが、
それまでの人気の裏返しということでもあるだろう。
638 :
291:2007/12/17(月) 22:20:45
この本で、何よりもよかったのは、
p. 6、「父の教養というか素養のほとんどは、歌舞伎と落語からきている」、
p. 116「山口ファミリーに家風のごときものがあるとすれば、
それは『人生は落語に学ぶ』ということである」、という部分。
なるほど、今更ながらわかった。確かに『世相講談』などに
落語の影響がはっきりしていることは分かったが、それ以上だったのか。
639 :
291:2007/12/17(月) 22:25:15
「諸事一般を落語の登場人物の行動を参考にして考える」、
「父の文体のリズムは落語の語り口からきている」。
以前にこのスレで、山口の文章のリズムについて鋭い指摘を下さった方、
まだおいででしたら、是非ともご意見をいただけないでしょうか?
640 :
291:2007/12/17(月) 22:32:43
自分も、落語の勉強を始めようかとも思う。
山口の死後10年以上が経過して、まだこんなファンもいるのです。
正介さん、ごめんなさい。失礼なことを書きます。
p. 192で、「我が家の自宅のトイレ」とお書きになっているのはちょっと。
そしてそもそも、山口瞳は「トイレ」という言葉に嫌悪感を持っていた
ように思うのですが。
それと、「文体のリズムは落語の語り口から」という表現も、
ちょっと違和感を感じます。「文章は、リズムの点で落語の……」
ではないでしょうか。どなたか、ご教示を。
641 :
603:2007/12/18(火) 04:39:02
>291
山口さんの素養に「落語」「歌舞伎」更には「映画」(新婚時代から治子さんとよく映画をご覧に
なっています)があることは「血族」「家族」からみえる「山口家」からも容易に想像できますが、
寿屋時代に培われた「コピーライティング」「プランニング」が、山口さんの文章のリズムに色
濃く影響していると思いますね。
前者が「優雅な生活」に結実し、後者は「将棋」「競馬」「紀行」という一味違ったジャンルを確
立した、ということでしょうか。
「(息子の作品を)読まないのは武士の情け」などという痛烈な言葉を浴びせた山口さんは、
ある意味痛快ですらありますが「モノ書きの父親と息子が同じ家に住む」ということは、普通の
感覚ではお互いにいられなかっただろうなと感じますね。
正介さんは「ぼくの父はこうして死んだ」「親子三人」で、父親モノを「封印」するのだと勝手に
思い込んでいた面があるんですよ。実は。
642 :
291:2007/12/18(火) 22:44:53
<<603さん、早速のご教示をありがとうございます。
勉強になります。
そうですか、落語、歌舞伎だけでなく
映画とコピーライティングもですか。
勝手な思いこみで、むしろ映画を嫌悪している(『華麗な生活』)
のみだと思っていました。コピーライティングについては、
そう言われれば分かる気もします。
またお教え願いたいです。
『ぼくの父はこうして死んだ』を読みました。緊迫感ありますね。
『江分利満氏の優雅な生活』については、「戦中派の悲哀」「戦後生活者の記録」という面が主に注目され、
確かにその通りだとは思いますが、それと同様に重要なのは小説形式上は三人称語りなのに、しばしば地の文に
江分利満(もちろん山口本人)のものとしか思えない台詞が(括弧なしで)そのまま登場することだと思います。
こういう技法それ自体は「自由間接話法」と呼ばれ、それほど珍しくないのですが、大方の場合は三人称語りと
導入された台詞が異質なのが普通なのに(これは悪く言っているのではありませんが)、
江分利満氏の場合はそういう印象を全く感じません。
要因として考えられるのは、一つは三人称語りの部分もまるで話し言葉のようにリズミカルであること、
もう一つは江分利満氏の台詞も一見すれば自由闊達に語っているようでも実は冷徹な観察眼による説得力のある内容で
ほとんど(「神の視点」としての)三人称語りと内容的に差がないことだと思います。
その後の山口は多彩な「語り」はエッセイに限定し、小説の方は普通の三人称語り(『血族』などはこの際置いておきます)中心の
ものばかりになったようですが、「擬似三人称」(つまり三人称のふりをした一人称)技法を駆使したという意味では
江分利満氏は一つの文学的達成ですらあると思います。
644 :
643:2007/12/19(水) 10:56:49
すみません、読みにくくなりましたね。
645 :
291:2007/12/20(木) 23:27:44
>>643さん、ありがとうございます。
これまた鋭い指摘ですね。全く気がついていませんでした。
差し支えなければ、
さらに山口瞳の文学についてお教えいただけないでしょうか。
646 :
643:2007/12/22(土) 09:08:26
山口は「自分はマジメ人間であろうと思っているのに書けば書くほど生家の
自堕落でぞろっぺえな気質が出てきてしまう」と書いていましたが、これを
「近代:マジメ」「前近代:自堕落、ぞろっぺえ」と
(かなりのこじつけであることは承知の上です)と考えてみるなら
山口の文学的資質は「近代」と「前近代」の葛藤だったのだろうと思います。
おそらく山口本人が考えている文学は「近代」(つまり西欧19世紀)的な
三人称語りだったのでしょうが、山口の体質はむしろ「前近代」的な語りを生かした
多分に戯作的なもので、『江分利満氏』はおそらくそのアタマとカラダの矛盾を
止揚出来た唯一の作品だったのでしょう。その方向性で突き進まなかったのはおそらく
山口本人が「こんなのは文学ではない」と思っていたからだと思います。
丸谷才一などが言っているように「前近代」的要素は意識的に活用することで
「前衛」になる(丸谷の専攻のジョイスはその名人に他なりません)という考えに
至らなかったのが山口の文学者としての限界だったでしょうね。
647 :
291:2007/12/22(土) 23:26:56
>>643さん、ありがとうございます。
凄い読みですね。こういう角度からの山口瞳論、初めて目にしました。
そうですか、『江分利満氏』は、文学史・文学理論でいうと、
そう言う位置づけになるのですか。大変に勉強になりました。
あらためてお礼申し上げます。
648 :
643:2007/12/23(日) 13:52:30
たぶん、長めの作品が苦手というのも「擬似三人称」的な方向性に進まなかった一因でしょうね。
『江分利満』以外の山口の中長編で成功してるのは『居酒屋兆冶』くらいだと思いますが、
(吉野秀雄先生は未読ですが)あれはストーリーそれ自体が展開するよりは
むしろ一章一章が「情景」でその間に何が起こったかは読者に想像させる話ですから。
(荷風など、「空気」は描けるがストーリーテラー的資質のない作家がよく使う方法ですが)
「血族」「家族」についての批評で「センセーショナル、センセーショナルと煽りながら、山口は自身の
両親をこの上なく誇りに思っているのだから世話はない。島尾敏雄のような「切なさ」は微塵も感じ
られない」という趣旨の匿名書評に接したことがあります。ただ、島尾敏雄の「死の棘」についても、
「あれは壮大な喜劇私小説」という解釈もあったりするのですが。
山口さんの場合、長篇が苦手であったかどうか。このあたり、私は留保したい面もあります。
しかし、ひとついえるのは「小説・吉野秀雄先生」「人殺し」「血族」「家族」「居酒屋兆治」そのいず
れもが身近な題材、体験をもとにそれを膨らませた私小説であるということ。
すなわち、ある「芯」を虚構を膨らませることによって、読み手に普遍足りうる「共感」を与えるとい
う手法は「苦手」だったのだろうと思います。本人に「そういうことは俺にはできない」という自覚も
ありました。すなわち「器用」な作家ではない。
私自身は、向田邦子の物言いではありませんが、私小説の類を除けば、山口さんの短編小説
では「逃げの平賀」がいちばんだと思っています。この一編で、山口瞳という作家を作家たらし
めたというぐらいにレベルが高い作品だと思っています。
「人殺し」の山口さんは、まぁストーリーテラーだったと申し上げてもいいのではないでしょうか。
小説吉野秀雄先生は「他人の評伝をダシにした自己語り」ですね。
その意味では「青雲の志について」に似てるかも。
651 :
吾輩は名無しである:2008/01/03(木) 13:54:59
新年おめでとうage
652 :
643:2008/01/03(木) 14:41:05
参考までに、村上春樹の『スプートニクの恋人』では
一人称語りなのに主人公の男性視点だけでなく相手の女性視点からも描かれているという
これなんかは「擬似一人称」と呼ぶべきでしょうね。
視点(あるいは「ヴォイス」)の問題はおそらく日本の作家の一番の苦手材料でしょうが
(開高健ですら、『輝ける闇』では一人称小説なのに三人称的視点を強引に導入して失敗してますしね)
「大衆的」「通俗的」と呼ばれている山口や村上がこの種の感覚には鋭敏なのは面白いですね。
653 :
652:2008/01/03(木) 14:43:28
>参考までに、村上春樹の『スプートニクの恋人』では
>一人称語りなのに主人公の男性視点だけでなく相手の女性視点からも描かれているという
すみません、わけのわからない文章になりましたね、
この直後に「かなり大胆な手法が導入されていてしかも小説として破綻していませんが」を挿入してください。
654 :
652:2008/01/03(木) 14:47:19
二度もすみません、『輝ける闇』は『夏の闇』の間違いです。
『輝ける闇』は傑作ですね。
655 :
291:2008/01/03(木) 23:39:43
遅ればせながら、新年おめでとうございます。
皆さんから勉強させて頂いております。
江分利満氏に限らず、「客観的な自己言及」が山口の身上なのでしょうね。
(「擬似三人称」はそのために極めて効果的な方法なわけで)
好き・嫌いという主観的なことでも、山口の場合、それに至るまでの理由が
詳細に渡って説明されるから、(ある意味)かなり説得力がありますから。
657 :
291:2008/01/12(土) 00:10:45
>>649さん、『逃げの平賀』は、本人も自信があったようですね。
読んでみて、ある種のぬめっとした感覚が、私のように鈍い人間にも
文章から伝わってきました。
>>656さん、あなたは643さんですね。違っていたら申し訳ありません。
「客観的な自己言及」が身上ですか……なるほど。
658 :
291:2008/01/13(日) 22:10:22
今日の朝日の朝刊の文化面、山口瞳特集でしたね。
実に嬉しい。
新宿にそんな酒場があったのか。行ってみたいが、遠い。
1月末日、論創社より「世相講談」が復刊発売されます。その後、毎月「続・
世相講談」「第三世相講談」も刊行予定。向田邦子さんが「山口さんの作品
では、これしか認めない」と言い切った作品ですね。
「山口瞳大全」の世相講談は角川文庫版を定本としたため、未収録作品があ
りましたが、今回は元版の文藝春秋版をベースとしていますので、この復刊
は「決定版」と申し上げていいでしょう。
660 :
291:2008/01/22(火) 21:56:59
>>659、すばらしいお知らせをありがとうございます。
楽しみです。
661 :
291:2008/01/22(火) 21:59:57
さて、高レヴェルの書き込みが続いたあとで気が引けるのですが、
皆さんのお知恵を拝借したいことが一つ。読んでいて意味不明の
ものがあるのです。
『月曜日の朝 金曜日の夜』の金曜日の夜の方で、
山口とウルササギが青梅に取材旅行に行く。
二人で酒を飲んで、ウルササギが泥酔。
彼は立ち上がって、中空にグラスを求める手つきをして
夢遊病者のように歩き出した。山口が声を掛けると
「はい、パイナップルにします」と答え、鞄の中身を
取り出した。下着、ノート、双眼鏡など。
662 :
291:2008/01/22(火) 22:02:03
それを見ていた山口は、彼の妻子を思い不意に悲しくなり、
世の中が嫌になる。人間は所詮、一人一人なのだ、との思いが強くなる。
さて、この部分がわからない。ウルササギの酔い方から、どうして
こうした感情が生じるのか。どなたか、ご教示下さい。
>>657 まあ、司馬遼太郎みたいなリアリストにすればそれでも「癖論」なのでしょうけどね...
山口さんの「関西嫌い」を司馬さんとの対談だけから断じるわけにもいき
ませんが、関西人の気質は相容れなかっただろうな、とは思いますね。
気やすく土足で踏み込むような「あっけらかん」とした調子は山口さんか
らみれば「無神経」と映ったでありましょう。
開高と佐治さんというのは「実に関西的な関係」で、山口さんは、ああい
うことはできないし、したいとも思わなかっただろうし、その点でも開高
さんとは温度差があっただろうなと感じますね。
「わいの『輝ける闇』は傑作でっせ」なんて普通なら上司にはとても言えませんよね...
(確かに傑作なのですが)
>>664 まあ、半分大阪人の私にすれば(母方の祖父母が大阪です)そういうイメージは
「地方出身の大阪人」が作ったものでしかないというのが本音ですけどね。
祖父は少なくとも「土足でドカドカ」からは程遠い人間でしたから。
もっとも、そういう「繊細な大阪人」の代表格の向井敏と山口は
(前にも挙がっている様に)どうも犬猿の仲だったようですね。
まあ向井は向井で阪大時代雀荘に入り浸って長逗留したりしてたそうなので
(丸谷才一の奥さん曰く「インテリヤクザ」)
一種の同族嫌悪だったのかもしれませんが...
667 :
664:2008/01/31(木) 03:36:47
>666
ご指摘のように「作られた関西人のImage」というのは確かに蔓延していると
思います。ただ、時折、甲子園や東京ドームで「巨人VS阪神」を観戦する機
会があるのですが、あの阪神電車や球場周辺の「異様な盛り上がり」を東京
で目にしたことはないのですけれど(笑)
「優雅なサヨナラ」でしたか、棋戦(将棋)の取材に大阪に出向いた際に主催
紙の記者から「さんざん絡まれた」という記述がありますが、いくらなんでも
あんなことはありえないのではないか、相当の誇張があるのではないかと思
いましたね。山口さんの怨念に近いものを感じました。
「田舎者は嫌い」が即、地方出身者を指すわけではないのは勿論ですが、
山口さんの場合「ちょっとしたこと」で誤解された面も相当にありました。
「川端家との味噌の貸し借り」という記述で、川端側は「山口さん宅に貸して
も借りたことはない」と不快の念を示したようですが、このエピソードは面白
いなぁと思います。
668 :
吾輩は名無しである:2008/01/31(木) 11:52:25
○BS2 衛星映画劇場「江分利満氏の優雅な生活」
1月31日(木)午後1:00〜 → 2月21日(木)午後2:35〜
>>668 あの内容をどうやって映画化するんだ?って最初思ったけど、
検索してみた限りじゃ原作に劣らず独特な作品みたいだな。
柳原画伯のアニメーションとか...
現物は見て無いけど、岡本氏は岡本氏で「擬似三人称」の
何たるかを分かってるんだろうな。
671 :
吾輩は名無しである:2008/01/31(木) 18:27:10
>>668 >「江分利満氏の優雅な生活」
ソニーミュージックから出てた3枚組のCDもってるぞ。
朗読は小林桂樹。
「江分利満氏の優雅な生活」について、岡本喜八監督、小林桂樹氏共々
自身の代表作と語っていますし、そのとおりだと思います。受賞後、こ
の作品は明治座で舞台化されていて、夏子さんを「宮城まり子さん」が
演じていますが、舞台台本をみる限り、夏子さんが浮気しそうになった
りと奇妙な作品になっていました。
氏の原作で、私がみた邦画は「天保水滸伝」(邦題は異なりますが)と
「結婚します」でしたが、たいしたものではありませんでした。
居酒屋兆治も勿論みていますが、これは不思議な作品ですね。いいのか
駄作なのか、私にはわかりません。
673 :
291:2008/02/05(火) 23:30:01
>>668さん、
>>672さん、
情報ありがとうございます。恥ずかしながら未見でした。
絶対見ます。
>>667 今や世界中を魅了している(文学板ではかなり痛い発言なのは承知の上です)
ハルキワールドも源流は阪神間文化ですからね。
そういえば山口は同じ村上でも龍には言及してるのに
春樹にはしてませんね。
まあ日記シリーズでしてるのかもしれませんが...
安東次男のことを全く言及してないのは、やはり国学院の「先生」だったからなのだろうか...
同じ「先生」でもほぼ同世代の「エッセイスト=作家」の丸谷才一とは接点が多くても
安東の場合山口と殆ど領域は被ってないから...
ちなみに山本健吉とは交流があったとか。
>>674 男性自身の一節であったと記憶していますが、1994年大江健三郎がノーベル文学賞を
受賞した際に「他の噂になっている人でなくてよかった」旨の記述があります。
この時期に村上春樹が候補の噂になっていたかどうか、わからないのですが。
ノーベル文学賞の候補ということになりますと海外翻訳作品がないと候補に推されませ
んし、日本人作家の場合、それは限られますが、ひょっとしたら遠藤周作であったのか
なぁと想像しています。もし遠藤を指すのであれば、氏が受賞した方が遥かによかった
などと、私は思ってしまうのですが。
>他の噂になっている人でなくてよかった
この場合は「大江でないと困る」くらいの意味じゃないですか?
679 :
吾輩は名無しである:2008/02/20(水) 18:21:42
衛星映画劇場「江分利満氏の優雅な生活」 <レターボックスサイズ>
チャンネル :BS2
放送日 :2008年 2月21日(木)
放送時間 :午後2:35〜午後4:20(105分)
ジャンル :映画>邦画
番組HP:
http://www.nhk.or.jp/bs/genre/movie.html --------------------------------------------------------------------------------
<レターボックスサイズ>
【監督】岡本 喜八
【出演】
小林 桂樹
新珠三千代
東野英治郎
英 百合子
ジェリー伊藤
ほか
〜1963年 東宝制作〜
【製作】藤本 真澄
金子 正且
【原作】山口 瞳
【脚本】井手 俊郎
【撮影】村井 博
【音楽】佐藤 勝
680 :
吾輩は名無しである:2008/02/21(木) 13:06:21
○BS2 衛星映画劇場「江分利満氏の優雅な生活」
2月21日(木)午後2:35〜 → 3月6日(木)午後2:30〜
681 :
吾輩は名無しである:2008/02/21(木) 17:04:55
東北出身の私としては、この人の地方差別主義が鼻について仕方無いな。
って言うか、確かに自分たちの生み出した文化はひとつの文化だよ。
しかし「トリスを飲んでハワイに行こう」ってそれほどの文化かい?
たしか草競馬流浪記だったかな。開業したばかりの東北新幹線に、聞くに堪えない
罵詈雑言を書いていたはずだったよ。
682 :
吾輩は名無しである:2008/02/21(木) 17:17:39
それから、礼儀作法入門とかでも「仙台あたりの大学を終わって、初めて銀座の割烹で自分
の給料で食事をする新入社員」とかが、注文の仕方や洗練された振る舞いを知らないことをあげつらっていたが。
割烹や酒場で気のきいた振る舞いをするのが、そんなに文化的なことかね??
要は洗練されてはいないけど、堅実な学歴と資格を持った前途有為な若者に対する、「無頼の側」
からの一種の嫉妬心なんじゃないかな。だって、この方はしっかりとした学歴を身につけそびれた人でしょう?
>681
あの当時は、日本人が飛行機に乗って海外旅行に行くこと自体が極めて
非日常的でありました。そういう意味でキャンペーンとしても成功したもの
ですし、13秒半というCMの中で「純度100%」のメッセージ(無駄を削りに
削った)を伝えたわけです。普通コマーシャルなど放送が終わればその
フレーズも大部分、人の記憶には残らないものばかりです。>681氏が記
憶していることをもってしても、それは文化的といえると思いますよ。
極端なことを言えば、人の記憶に残らないあらゆるものは「文化的」とは
いえないのではないでしょうか。
>682
山口さんが「前途有為な若者」に対して嫉妬していたとは考えませんが、純文学に
対してのコンプレックスはあったでしょうね。
既出だと思いますが、最晩年の山口さんが「男性自身」の最終回近くで「病院の看
護婦が自分のことを知らない。仮にも30年以上週刊誌に連載を続けてきた。日本
の文化レベルを憂う」という趣旨のことを書きました。週刊新潮は看護婦さんが読む
雑誌とは考えにくいし、どうしてこんなつまらぬことを書いたのか。哀しかったことを
覚えています。「しっかりした学歴」が何を指すのか、わかりませんが、早稲田、国
学院、当時の鎌倉アカデミアが、それほど卑下するものであったとも思えません。
寿屋は、あの当時から、それはそれは活気のある企業だったと考えます。
685 :
吾輩は名無しである:2008/02/22(金) 07:30:31
681だす。
トリス〜は確かに文化だけど、問題は彼が中華思想ではないが、東京中心思想?を持ちすぎていた
と思うんだよね。多様性を認めない偏屈なところがあったと思うな。
>>684 まあ、彼も最晩年は前立腺などで苦しんでいたし、つい愚痴に近い妄言が出て来たのだと思う。
ただ、このオレを知らないのか!ってのはやはり、そこに無頼〜庶民を気取りながら、権威に
憧れる一種のスノビズムを感じるのだが、、
686 :
吾輩は名無しである:2008/02/22(金) 07:48:04
>>684 学歴っていうのは、ちょっと言葉足らず。いわゆるエスタブリッシュメント的な世界への嫉視と言うかな。
例えば、割烹や料亭で帰る間際に「天ぷら」を頼むのは礼儀知らずとか、気のきいたポチ袋にご祝儀を
奇数枚の千円札で入れるとか、、、そんなことは、はっきり言って「どうでもいい」ことなんだよな。
一回聞けば、誰だって分かることなんだからな。
そう言うことを「礼儀」として語る「文化」が、アフォくさいと、ぼくは思うな、、
つまり、嫌な言い方になるけど、文壇バーや文壇社交界でデビューを果たして嬉しくて仕方無いって感じ。
>>685 最大の謎は、その東京中心主義者が生涯関西の会社に尽くしたことだよ。
まあ行き掛かり上のことも多少はあったのだろうが...
>685
684です。
山口さん自身が自らを「偏軒」と名乗っていましたし、確かに「東京中心思想」に近い
面はあっただろうな、と私も感じます。司馬さんだったか「命がけの僻論家」と山口さ
んを称したという記憶もありますが。
ただ、俗な言い方を赦していただけるならば、それこそが「山口さんのウリ」ではなか
ったのかな、とも思うのですよ。東京在住の山口瞳ファンと話をすると「東京人が言い
たくても言えないことを口にしてくれるから思わず膝を叩く」という声をききますね。
実は私は山口さんを無頼だと思ったことは一度もありません。無頼に憧れはしたでし
ょうが、そのことを本当に望みもしなかった。それを望む作家が「ただただ安穏に暮し
たい」などと、あちこちに書けるものじゃあありません。
元々最初から山口さんを「庶民派」だと思ったこともありません。作家としての大半を
国立で過ごし、奥さまの持病から「夫婦同伴」が常となり、60歳で隠居宣言したことで
「そうみえた」というだけのことじゃないでしょうか。
>686
684です(続き)
「どうでもいいこと」かどうかはわかりませんが、そういう気遣いの精神みたいなことを山口
さんは伝えたかったのでしょうね。「礼儀作法入門」は文庫化された際に、フレッシュマン
・新社会人に「山口瞳に学べ」みたいなフレーズで売り出されましたし、現にそういう世代
も多く買い求めたのでしょうが、あの振舞を若者が真似し出すと「かえって嫌味」になるだ
ろうなとは感じました。あの本を受け売りにそれを酒場で吹聴する人も、私は好きになれな
い。
で私なりのまとめみたいな話ですが、それでも私は山口さんの世界は何とはなく好きなん
ですね。私は山口さんが隠居宣言したのは「もう小説として書きたいものはない(書けない)」
ということをはっきり自覚したからだと思います。男性自身にしても、呑みにも行かず、作家
とのつきあいもごくごく限られ、遊びもせず、それでも、薄い頭を掻き毟りながら、男性自身を
書き続けた。彼が望む生活を維持するために、最後まで走り抜けた。それなりのものを背負
いながら、亡くなる直前までこの人は「プロ」であった。それは大変なことだったろうと思うの
です。
690 :
吾輩は名無しである:2008/02/23(土) 13:31:45
681だすが、、
>>689 まあな、受け売りの礼儀作法は上滑りで軽薄になりがちだからね、、、
なんつうかな、山口瞳さんの元気だった時代は、会社や酒場がまだ、若者の学校たりえた
時代だと思うな。日本経済の元気さと呼応したベル=エポックだったろうね。今の時代は、
会社が若者の教育機関となりえない、そんな余裕がない。長屋みたいな集合住宅の社宅なんて
絶対的に流行らない、、、と思いますよ。
>>690 684です。
「会社や酒場がまだ、若者の学校たりえた時代」うーん、懐かしいですね。
おそらく「カラオケ」と「キャパクラ」が酒場をもう「遊び場だけ」にしてしまったなぁ
と私は思います。前者は、人々から「実も花もある対話」を完全に奪ってしまいま
したし、後者は「女性との粋な会話といい意味での口説きの場」でもなくなったよ
うな気がします。遊ぶということに「考える」というプロセスが物凄く希薄になりま
したね。工夫するということがなくなったのかもしれません。
吉行淳之介さん、高橋義孝さん、大山康晴十五世名人、みな山口さんよりも先
に亡くなりました。今の時代は、どうにも寒々しいなぁと。
692 :
亡国◎韓:2008/02/24(日) 03:33:36
マルハン王国の闇
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/1733/1086581896/3-8 韓会長は月に一度は韓国へ里帰りしていた。 しかし理由はそれだけではなかった。
伊藤忠商事本社イケダ部長と駐韓ソウル支店長と共に 新韓銀行本店、新韓生命保険本社へ通った。 なぜ韓国マネーとつながりがあるか?
多店舗で展開する場合は方法に問題がある。 各店舗ごとに用意すればいいかもしれないが、それだけ 秘密の漏洩になる。
そこで考え出されたのは、ネットワークによる集中管理である。ネットワークであればその制御装置本体の
設置場所をホール内である必要もなくなる。
「マルハンの店頭公開利益を見込み、第三国経由で 資金調達をする。」 その役目を買って出たのが先のメンバーである。
新韓銀行と新韓生命保険が伊藤忠との三角取引で マルハンへ迂回するというもの。中国も関わっているらしいが
詳細は不明なままである。 金額は具体的に知らされていた。1回目が800億円、 2回目が5〜600億円というものであった。
◎ハンの今後の目標は売り上げ5兆円、500店舗、上場すること。
新スレ→○○○マルハンパチンコタワー渋谷パート10○○○
★★★★★このスレの解説★★★★★を読んでみるとよく判る。
http://money6.2ch.net/test/read.cgi/pachij/120←くっけて→1304777/559
694 :
吾輩は名無しである:2008/02/27(水) 11:35:36
681ですが、、、
山口瞳さんは、やはりイタいなあ〜って感じがつきないな。
寛容さがなく、どこか偏頗で狷介なところがあって、将棋の話ではないが、敵が多いタイプだったろうね。
昨日、新潮文庫に収録されていた高橋義孝氏の対談を読んで見たが,,何だかな。
なんか一見豪毅に見せて、かなり露骨な太鼓持ちだったね。高橋氏の七つ道具を
見せてもらったり、洋食のマナーとか、待ち合わせには15分前に行くとか、、、
別に礼儀を無視して好き勝手やれとは言わないが、礼儀作法なんてお茶や着付けの先生に
任しておけ!と思ったのはぼくだけかな、、、
695 :
吾輩は名無しである:2008/02/27(水) 11:46:34
それから、競馬。
「草競馬流浪記」は資料的価値もあって、何度も読み返したものだったが、
正直言うと「地方競馬」「視察記」とでも呼ぶべきもので、ほんとに競馬が好きで遊んでいる人の
文章でないわな。だって新潮社のエリート編集者を引き連れて、各地の名旅館に泊まるんでしょ、、
文学もヘッタクレも無く、ほんとの競馬好きなら、同じ直木賞作家でも新橋遊吉氏だわな〜〜。
696 :
吾輩は名無しである:2008/02/27(水) 17:31:18
連投済まないが、、最後にもう一個。
山口瞳さんが高橋義孝先生の逆鱗に触れて、頭からラーメンをかけられた。しかし、
山口瞳さんは、甘んじてかけられていて、ケンカにはならなかった、という話を聞いたことがある。
大人同士の人間関係として、これって明らかに異常ではないか?
山口氏は、おそらく敬愛する高橋氏から見て「大人の礼儀作法として看過出来ない振る舞い」
をしたに違いない。しかし、ラーメンをかけられて「これも大人の礼儀作法を学ぶための授業料だ」
とでも思っていたのだろうか?これは敬愛とか私淑を通り越して、精神的隷属、一種のマゾのように
ぼくには思われるのだが。
大人が大人にラーメンを浴びせたら、殴り合いになるかどうかは別として普通に怒ると思うのだがな。
そういうことをされ、されても私淑してついていくってのはやはり、異常な関係だよ〜〜〜。
697 :
( ̄ω ̄)みちるの友 ◆nCkADzKG8Q :2008/02/27(水) 18:52:18
いやはや、このスレの懐古趣味振りには笑わせて頂きました(笑)さすがゴージャスさんが常駐されているだけありますねぇ(笑)
酒(笑)だの競馬(笑)だの野球(笑)だの将棋(笑)だの礼儀作法(笑)だの会社勤め(笑)だの旅行(笑)だのは文学と直接関係が無いでしょう(笑)
作家にそう言うものを語らせて人生訓としていた悪しき時代は無事終了したと言う事ですねぇ(笑)目出度い事ではありませんか(笑)
「大人同士の人間関係」等と言う物がそもそも虚妄にしか過ぎないとこうもあっさりと改名されてしまった時代を残念ながら我々は生きているのです(笑)
その荒涼を耐えねばならないでしょう(笑)それに耐えることは「昔」に縋り付いているより大変な事ではありますまいかねぇ(笑)
698 :
吾輩は名無しである:2008/02/27(水) 19:06:51
>>696 頭にラーメンかけられたら、普通に火傷で重傷を負いますが、
どれくらい入院されたんでしょうか
699 :
291:2008/02/28(木) 23:24:24
かなり賑わっていますね。
「僻論家」というのは、私も半ば同意しますね。
正介さんがお書きになっていたのですが、置き傘が嫌いだったとのこと。
潔くない、という理由だったが、これにはちょっとついていけない。
>>694さん、山口なら、「縁なき衆生」と言うでしょうね……。
お怒りにならないで下さい。私も、山口は地方出身の人に対しては
眼差しが冷たいし言葉もきつすぎる、と思っています。
>>694-696 684です。
山口さんが師と呼んだのは、吉野秀雄さんと高橋義孝さんだったと思います。ラーメンの話は
確かに私も記憶がありますが、まぁ、癇癪の強い人、酒癖に難のある人というのは、時にこうい
う振る舞いに及ぶことがあると思いますよ。私などは「それでも蜜月時代がある時期まで続いた」
というほどの人間関係は、誰もが有するわけではありませんから、それはそれでいいことだろう
と思います。
「優雅なサヨナラ」にはその高橋さんとの「それなりにけり」の顛末が記されています。この内容
はオソロシイ。
大山十五世名人が逝き、吉行さんが逝き、高橋さんも旅立ってしまう。身内もどんどん死んで
行く。そのことこそが、山口さんには「生きるに値しない世の中」ではなかったのか、最晩年の
この作家の振る舞いというのは、ある種の「精神的自殺」に通じるものもあったのでは、と私など
は考えてしまいます。
701 :
吾輩は名無しである:2008/02/29(金) 07:31:09
681だすが、、、
>>699 そう、縁なき衆生ですね。もしも会社の上司だったら耐えられないだろうな。
ただ文章だから、その縁なきぶりを笑いながら楽しむことも出来るわけで、、、
私としては初期の「華麗な生活」が一番面白かったですな。
>>700 精神的自殺か〜言い得て妙ですね。しかしどうしてこの人の場合、周囲にいらだってしまう
のだろうな。例えば「敗荷落日」のように、生きるに値しない世を淡々と悠々と天寿を全うする
のは出来なかったのか。まあ、山口瞳と荷風って一見似通っていそうで、一番対蹠的な存在かも
しれないが、、、
703 :
291:2008/03/12(水) 22:41:23
別な話題
『山口瞳の人生作法』で、スバル君と大橋巨泉が、慶応病院について
批判的に書いていた。ただし、その内容までは書かれておらず、
根拠が分からなかったが、正介さんの『僕の父はこうして死んだ』
を読んで分かった。
704 :
291:2008/03/12(水) 22:44:28
正介さんの言うように、部局ごとの連絡が不十分である。
驚いたのは、下半身不随へ対応するために脊柱を手術した際、
神経が圧迫されていたのが腫瘍によるものだということを知らないまま
(知らされないまま)外科医が手術していた、ということ。
医療については素人だが、これはひどいと思う。ああ言ったところでは
部局ごとのライヴァル関係などもあるのだろうか。
684です。
>>701 山口さんが家族を仕上げてからの晩年は、確かに「苛立っていた」(単に病だけではなく)
ように思いますね。男性自身と対談、それとどうしても断れなかった類の短編をいくつか
(「庭の砂場」)ぐらいでしたか。
事実上「国立」で隠居生活みたいな感じでしたから、男性自身ひとつ書くにしても、ネタ探
しに大変だったろうと思います。ついに文庫化されることはなかった「日記シリーズ」は総
体的にみれば「内輪話」に終始していた感がありました。この頃から、新潮社の刊行ペー
スも、ぐんと落ちてしまいます。
つまりは、忘れられていく自分との葛藤。そういう面もあったのでしょう。荷風は縛られる
ものがないだけに、まだ気楽だったはずです。そういう面ではよくもわるくも達観できる。
例えば将棋番組の「聞き手」をやる。観戦記を書く。苛立ちがあるというならば、清水幾太
郎に憤然と挑んだように、みえるところでそれを爆発させる。陰に籠らなければ、ストレス
の解消もできたと思うんですよ。それが残念ではありました。ないものねだりになるのかも
しれませんが。
706 :
吾輩は名無しである:2008/03/13(木) 17:29:41
681。まあね〜
断腸亭日乗とは時代も違うし、荷風は若くして文壇をきわめたある種のエリートだからな、、
空襲とかで痛めつけられて、戦後はもう、ほんとの余生、虚脱状態だったんだろな。
山口瞳さんは、夫人があり、家長としての立場が有り、いずれにしろ最後まで抱えているものが
多かったんだろうね。新潮文庫のカバーの写真は、なんか浮腫んだような鬱屈したような表情
で、つらそうだったな、、、
某地方都市で、居酒屋の大将と懇意になったんだけど、
山口瞳のエッセイに出てくる店なのよ。
そんで、「山口さんってどんな客でした?」って聞いたら、
「……(苦笑)」って返事が返ってきたw
大将の評価した著名人の客は、長嶋茂雄。
なんでも、丹精こめて盛ったてっさを、わさーっと一箸で取って、
美味い美味いってほほ一杯、最高の笑顔で食ってくれたんだと。
大将は決して自慢しないけど、さりげなく浜田庄司の皿とか使ってる店だけど。
自分の見識自慢のために、店のことを書く奴は嫌いみたい。
書いたりしゃべったりしないで、美味く食ってくれる人がいいんだと。
ま、山口ファンの人には関係ない話ですがね。
708 :
吾輩は名無しである:2008/03/13(木) 17:56:58
乞食の顔文字には関係ない話ですがね。
研究奨励先
↓
銀行名:イーバンク
銀行コード:0036
支店名:マーチ支店
支店番号:211
口座種別:普通預金
口座番号:3338582
代表:スズキ ユウスケ
709 :
吾輩は名無しである:2008/03/13(木) 19:48:31
スズキ ユウスケ さんとやらは何の研究してんのかな?
普通口座の名義人と書くべきところがなんで代表なのか。
義務教育レベルで知能が劣っていると思われますな。
丸谷才一の「文化の大祭司としての天皇」、司馬遼太郎の「幕末・明治の日本人は偉かった」
中村真一郎の「公武合体で近代化に成功してればもっと趣味の良い政府が生まれていた」
Q永漢の「進歩的文化人は日本が植民地化されてない証拠(されていればそういう連中は消滅してる)」
そして山口の「人生いかに生きるべきかとかには興味がない。箸の上げ下げ一つ一つが人生」。
これだけ並べると、戦中派の怨念をつくづく感じるな...
711 :
吾輩は名無しである:2008/03/27(木) 22:12:13
吉川賞の選評一通り読んだがこの人のコメントが突出して糞だな
毎回長い長いうるせーよ
そんなチンパン並の頭しか無いなら引き受けんな
712 :
吾輩は名無しである:2008/03/30(日) 14:13:07
あはは、いひひ、うふふ、えへへ、おほほ、かかあが怖いよデーベソ♪
ふふふ、おまんら、甘いぜよ!
いままでの成功哲学はみんな成功者が書いているだんべ(自称他称無問題)。
ただいまからミーがウライトするのはモ〜ストベストなサクセスルートでちゅう。
わいはな、そんじょそこらの失敗者とは格がちがうじゃけん。
だからからからカラムーチョ、ジブンの正反対すれば貴様らオールサクセス鉄板!
以下にイカクサ烏賊の塩辛なのか、いかさま怒りの青春ソーセージ、メッセージ。
いまから書くのは失敗哲学です。みなさん反対をしたらかならず成功しますサクセックス。
713 :
吾輩は名無しである:2008/03/30(日) 14:14:43
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714 :
吾輩は名無しである:2008/03/30(日) 14:19:29
受験ポルノ上戸彩アリの穴
つまり鈴木雄介さんですね。お疲れ様です。
715 :
吾輩は名無しである:2008/03/30(日) 14:29:26
生恥
716 :
吾輩は名無しである:2008/03/30(日) 17:49:36
カギはまだ受験する気あんのかw
お前24になったんだろ
高校生の郷土研究で
たまたま有名店ににいたから話したけど
感じ悪い人。いっしょにいた
彫刻家のほうができた人だった。
若い人への態度に品格がないので信用できない。
718 :
吾輩は名無しである:2008/05/26(月) 00:15:52
ぶんしょうのおべんきょうをしてから カキコしましょうね
719 :
吾輩は名無しである:2008/05/29(木) 08:52:49
山さんは、良きにつけ悪しきにつけ「私立文系」的メンタリティなんだよな。
場の空気を読むことに長けた人間関係の達人、洗練された社交の人、、、、
酒場を中心とした人間関係と自分の感性で、仕事を回してきた人で、かっちりした理系の資格
を持って「実業」で生きてきた人に対して評価が低すぎるね。
720 :
吾輩は名無しである:2008/06/01(日) 03:20:13
学歴ヲタ乙!
721 :
吾輩は名無しである:2008/06/01(日) 20:16:47
>>684 田舎の本屋行って新潮くれっていうと週刊新潮持ってきていやそれじゃないって言うと
こんどは小説新潮で新潮はなかなか出てこないなんて事も書いてたな
おかしな人っていうより片寄ってるんだな頭が
722 :
吾輩は名無しである:2008/06/01(日) 22:42:49
あんたはね。
723 :
吾輩は名無しである:2008/06/15(日) 12:32:26
>>719 「小説家なんて存在してくても良い職業の最たるもの」
(@『礼儀作法入門』)はどう思う?
724 :
吾輩は名無しである:2008/06/15(日) 13:29:35
虚業に携わる自分に後ろめたさを感じてる所はないとは思わない。
725 :
吾輩は名無しである:2008/06/18(水) 08:50:36
>>723 それは自虐と自嘲、そしてそれらと混淆した複雑な優越感でしょ?
礼儀作法入門が、部屋の掃除をしてたら出て来たので、読んでみたけどさ、、
「サービス業の人に対する気配り」って必要なものなのか?
だって、向こうは仕事ですよ。仕事でしている人に対して、こちらがへりくだって、
「お世話になります」という気持ちを持つ必要があるのかな?
726 :
吾輩は名無しである:2008/06/18(水) 08:53:47
それから、最晩年のころは、必然的に医療関係者との接点が増えてくるわけだけど、
山口瞳さんの視点には「医療関係者こそ、もっとも大変なサービス業である」って
視点が欠けているように思うんだよね。もし、私の見識が不足しているなら
どうかご教示ください。
>726
山口さんの「優雅なサヨナラ」や、特に正介氏の「ぼくの父はこうして死ん
だ」などにあたれば、そのような見解が何故、生まれてくるのか甚だ理解に
苦しみます。貴殿が>725と同じ人であれば「金さえ払えば」という思想にそ
れは直結しているようにも思いますし、そういう殺伐とした関係からはたい
したものは残らないんじゃないかしらん。
728 :
吾輩は名無しである:2008/06/24(火) 12:22:02
山さんは、奥さん以外に女性と深い関係になったことがないと、聞いているし
書いているのを読んだことがある。
大変、下世話な言い方になるが、そのことはやはり、彼のチャンネルを一つ狭くしてはいないだろうか?
悪と知りつつ、ついつい禁断の実を口にするのが、人間だと思うが、、、
正直、なぜ「大人の男」が礼儀作法と周囲への気配りに心を砕くのか、わからん。
サントリーウイスキーを生で飲もうが、炭酸割りにしようが、料理屋で放埒に振る舞おうが、
「大したことではない」と思うのだがな〜〜
729 :
吾輩は名無しである:2008/06/24(火) 23:19:10
↑
山口の持ち味は偏狭な思い込み、思い上がりだからなwww
730 :
吾輩は名無しである:2008/06/24(火) 23:36:26
礼儀作法やら気配りやらの知識にうるさい
デリカシーのない礼儀知らず。
それが山口氏が山口氏たる所以です。
731 :
吾輩は名無しである:2008/06/28(土) 01:07:10
山口瞳の一穴主義は有名です
吉行淳之介との対談でなぜそうなるのか話してました
732 :
吾輩は名無しである:2008/06/28(土) 22:50:26
↑
作家なんて、嘘つきの名人でなければ一流になれんさ。
吉行は優しいから、山口の大嘘を許容してただけww
733 :
吾輩は名無しである:2008/06/28(土) 23:26:54
山口に女の話は聞かないな。
つうかあの時代はモテないだろ。口うるさい女々しいオカマ野郎は
734 :
吾輩は名無しである:2008/07/06(日) 08:31:56
まあ、山さんは「鉢巻き岡田」で奥様と飯を食って、洒落たポチ袋にご祝儀を入れて
渡してろ!ってこった。
735 :
吾輩は名無しである:2008/07/06(日) 09:06:14
飯食い行くといつ誰にいくらご祝儀渡すか考えてそわそわするってんだから
一種の病気ですね
一緒に行った奥さんは全然楽しくなかったらしい
736 :
吾輩は名無しである:2008/07/08(火) 16:02:04
山さんは、ある特定の種類の人(山さんに女の話題はほとんど無いから、男が大部分)に対する
偏愛、執着ったらスゴい者があるよな。高橋義孝先生。東京競馬場のゴンドラ席の大馬主の紳士。
「旧き良き東京人の家長の姿があった」だってさ。よほど、そう言うのが好きなんだねえ〜〜。
彼の場合、年を取ればとるほど、こだわりと偏屈さが増していったんだろうね〜〜。
737 :
吾輩は名無しである:2008/07/10(木) 17:25:20
と、田舎の人がいっています。
岡山県の方々はどう思ってるんだろう?
「新東京百景」でボロクソに言われてたけど。
ところで最近291さん見ないね。
739 :
吾輩は名無しである:2008/07/15(火) 07:34:26
『わが町』読みました
いいなぁ
やっぱり山口瞳の最高傑作はこれじゃないかな
740 :
291:2008/07/20(日) 23:27:46
>>738さん、どうもです。ROMってました。
では、いつもながらの独り言。
『僕の父はこうして死んだ』を、かなり前だが読了。
すごい迫力。淡々と書いているからか。
寝ている父(瞳)の足を踏んでしまった(蹴ってしまった、だったか?)のを
内緒にしておこう、と言う件には、凄味のあるユーモアを感じた。
741 :
291:2008/07/20(日) 23:36:10
その他にも、随所に唸らせる表現があった。
「お父さん、僕は貴方を殺します。」など。
それにしても、「職業 山口瞳の息子」という言葉の意味が、最初は分からなかった。
山口の死で自分が失業した、と言う言い方も。
今は分かる。父山口瞳に描かれたように自分の人格を作っていく、という
意味だったのか。これは異常な親子関係と言わねばなるまい。
742 :
291:2008/07/20(日) 23:46:02
「異常な親子関係」と言ったが、敵意ある人は「共依存」と言うかも知れない。
ああ、正介さんごめんなさい。
こんな失礼なことを書くのにも、根拠がないわけではないのです。
この本で「物書きとしては一人前とはいえない」と山口瞳に書かれた、
とお書きになっていますが、私の受け止め方は違います。
あれは、「まだ一家をなしているとは言えないものの、一流出版社から
本をこしらえてもらえる程度にはなった」という書き方だったはずです。
私の感覚では、「一家をなす」は、「一人前」よりも上の存在です。
山口瞳は、他のところでも、正介さんの文章について「これなら大丈夫だ」
と思ったと書いていました。独り立ちできる、とは認めていたのではないでしょうか。
743 :
吾輩は名無しである:2008/07/21(月) 17:05:48
暑苦しい親子関係だな。正直、引くわ。
山口さんは、父親との関係もかなり重かったそうですね。時代や環境いろんな要素があるでしょうが、
山口さんの父親との関係が、同業で身を立てようとしていた息子さんとの関係にも投影されているのでは、、
744 :
吾輩は名無しである:2008/07/21(月) 17:14:30
礼儀作法だったかな。
料理屋でご祝儀を渡すのが趣味の域にまでこうじている、と書かれていたが、お金では具合の悪い時は
?月堂最中、府中何とか屋の柿の葉寿司(これもブランド志向!)、、などを持って行くとあった。
友人にではない、料理屋にですぞ!
正直、貰った方も困るのではないか?彼は人間関係に洒脱で場を読むことに気を配るあまり、かえって
周りの人間を疲れさせるタイプなのではないかな〜〜。おとこのおばさん、永ろくすけだっけ?
どうも、こういう所が生理的に分からないんだな〜。なんでそんなに人間に興味があるのか、ほんとに
分からん。
745 :
738:2008/07/21(月) 18:33:02
291さんお帰りなさい。
個人的には正介版「江分利満氏」が読みたいですね。
746 :
291:2008/07/22(火) 22:10:57
>>743さん、あちらも、異常な親子関係だったようですね。
自分の父親をあそこまで罵倒する(『優雅な生活』)のも、
引いてしまうところがありますよね。
>>744さん、かえって周りの人間を疲れさせる、というところ、
確かにあったかも知れませんね。その一方で、山口には人間嫌いの側面も
あったように思うのです。この二面性、どう解釈したら良いのかな。
747 :
291:2008/07/22(火) 22:13:22
>>745さん、ありがとうございます。
是非読みたいですね。『○○な生活』の○○の部分、どう入れれば良いでしょうね。
色々と批判めいたことを書いてしまいましたが、私も正介さんの文章は好きです。
748 :
吾輩は名無しである:2008/07/22(火) 22:55:50
先祖代々まともな堅気の仕事してこなかったし正介にもその資質ありありで
もうヤケクソだろうね
そういう自分の気質に気付いた人は全部離れていったし
749 :
745:2008/07/23(水) 20:31:14
タイトルはズバリ「江分利庄介氏の優雅な生活」、
カバーはモチロン柳原良平で。
750 :
291:2008/07/24(木) 23:14:39
751 :
745:2008/07/25(金) 00:09:58
291さん、どうもです。
291さんも指摘してましたが二面性があったように思えますが、、
不逞な者に厳しい反面、下町のオヤジにはやさしかったりするし。
う〜ん、むづかしい!
ところで、山口さんは天国でうなぎ食べたかな?
私は週末にでも食べに行こうかと思います。
個人的には「野田岩」に行きたいのですが、
薄給なのでHot Pepperに載ってるお店ですねww
752 :
291:2008/07/26(土) 21:59:47
「天国でうなぎ」ですか。
山本周五郎御用達の店で、二人で食べているといいですね。
治子夫人によれば、山本周五郎との接触を意図的に避けていた節も
あったそうですが、もうあちらの世界の住人なのですから、
そうした配慮も無用でしょう。
山本周五郎さんと何か確執でもあったんでしょうか?
754 :
291:2008/07/29(火) 22:10:04
>>753さん
「確執」はなかったはずですよ。
周五郎は、『優雅な生活』で山口に惚れ込んでいます。
その後、忠告したにもかかわらず山口が流行作家となってしまった
ことに激怒したことはあったようですが。しかし、基本的には
山口は「自分の先生」と思っていたようです。
山口の奥さんが言っていたのは、自分と似た資質の周五郎に接近すると
「殺されかねない」という、ばくち打ちの第六感めいたものが働いていた
ようだ、ということでした。
755 :
753:2008/07/30(水) 21:07:07
なるほど「尊敬と畏怖」ってやつですか。
こりゃ、治子夫人落ち着いて飯どころじゃないですわな、
すでにして夏なんですねえ。
757 :
291:2008/08/04(月) 21:41:49
下衆の勘ぐりに近い話を書く。
『優雅な生活』の初版は、7万部だったらしい。
治子夫人によれば、この数字には山口瞳は不満だったとのこと。
編集者としての自分の読みとしては、10万部は固いと考えていたらしい。
758 :
291:2008/08/04(月) 21:54:29
この時、版元の文芸春秋社の出版部長はK氏。
山口瞳と公私ともに因縁浅からぬ人物である。
『優雅な生活』の山本周五郎による書評(激賞)が朝日新聞に載った時、
山口は「これで一飜ふえた」と叫んでしまい、K氏に激怒されたと言う。
K氏が死去した時の追悼文(男性自身)では、愛憎半ばする思いがある、と言う意味のことを
山口は書いていた。
何を言いたいのかというと、『優雅な生活』は、K氏が当時の出版部長でなければ
もっと初版が出ていたのではないか、ということ。
若き瞳さんのむかついた気持ちが、わかるような気がする。
自分の仕事に固執するあまり、数字を読み間違える「プロ」が往々にして存在する。
だいたいそういうヤカラは確信犯で、死ぬまで自分を信じきっている。
760 :
291:2008/08/06(水) 22:16:15
正介氏の「山口瞳のいきつけの店」の中で、
治子夫人が瞳氏と出会った鎌倉を回想する場面は、
目頭あつくなったゼ、く〜
762 :
吾輩は名無しである:2008/08/08(金) 07:25:26
優雅なサヨナラだったかな。
どこか発育不良ぎみで、見栄と虚勢から来るエキセントリックな言動があった「弟」さん。
鎌倉アカデミヤの句会?で「大海死せり 吾が眼間に」と詠んで、講師の先生から面罵され
学校に来なくなっちゃた木谷くん(名前はウロ覚え)、、、、、
どうも山口さんの周りには、あったかも知れない自分の才能を振り回して、周囲を巻き込んでしまい
自分でもいらだってしまう人が、集まってくるなあ〜そうそう、将棋の芹沢九段も、、。
どうにも、こういう所が、精神病理学的に「イタい」んだよな〜〜。
江夏豊を何故か嫌っていた気配があるな。
黒い霧の時には「あんなにマナーが悪いなら疑われて当然だ」だし、
吉田義男に放出されたときには「これで阪神は優勝できる」だし。
山際淳司(ご存じ「江夏の21球」の作者)に全く言及してないのは
もしかしたら「江夏憎ければ山際まで憎い」かも。
764 :
吾輩は名無しである:2008/08/08(金) 17:44:25
山口瞳の会、収支決算した方がいいと思うよ。
もしかして、会費を猫ばばしてしまったのかな?
もしかして、収支を記録していなかったのかな?
リトグラフの通信販売をしている場合じゃないよ。
17回忌に通信復刊なんてしなくてもいいからさ。
会費はどうなったの?赤字なの?
山口瞳のことなら何でも知っている291、答えてよ。
765 :
291:2008/08/08(金) 21:12:25
>>764さん、どうもです。
私、「山口瞳の会」の会員ではないのですよ。
入ろうとは思っているのですが。
この会、そう言う状況にあるのですか。
>>763さん、確かに江夏については、好きではなかったようですね。
実力は認めていたようではありましたが。
766 :
吾輩は名無しである:2008/08/09(土) 19:42:44
まるで他人事だね。
会費はどうせ国立にいく旅費とか飲食費に使っちゃんでしょ?
年会費3000円×会員200人で60万円。会報はだいたい20万円で
通信費入れても25万円程度。残り35万円はどうなったの?
会費を集めたのは5年だから、175万円をNが猫ばばしたんだよね?
おかしいよね?どうなってんの?
767 :
吾輩は名無しである:2008/08/09(土) 19:45:22
運営費用ですよ。
交通費、会合費、いろいろかかるのです。
768 :
吾輩は名無しである:2008/08/09(土) 20:07:59
だったら、明細を収支決算しなさい。
769 :
291:2008/08/09(土) 21:45:57
>>766さん、
>まるで他人事だね。
これは私に対してのお言葉でしょうか?
本当に、私はこの会とは無関係なのですよ。
一度電子メイルで入会申し込みをしたのですが、反応がありませんでした。
葉書でないと駄目だったのかな。
だから、「他人事」になってしまうのです。
770 :
吾輩は名無しである:2008/08/09(土) 22:00:54
収支は計上してますよ。
当たり前じゃないですか。
でも、2ちゃんねるに公開しちゃまずいでしょ(爆笑)
771 :
吾輩は名無しである:2008/08/09(土) 23:41:08
息子が調子に乗りすぎ。恥ずかしくないのか。
772 :
吾輩は名無しである:2008/08/10(日) 15:22:36
収支は計上しているなら会員に報告しなきゃ。
そんなの当たり前のことじゃないですか。
収支決算、2ちゃんねるに公開できないんですか(爆笑)
なにかやましいことがあるんですか(爆笑)
773 :
吾輩は名無しである:2008/08/10(日) 16:20:18
>>772 会に直接連絡してください。
会員への収支報告を
2ちゃんねるでしちゃまずいでしょ。
そんなこともわからないの(大爆笑)
774 :
吾輩は名無しである:2008/08/10(日) 17:26:10
収支報告になにかやましいことがあるの?(大爆笑)
たとえばNの旅費を会費でまかなっているとか(大爆笑)
札幌から東京に来るのはお金がかかるからなあ。
でも、会費でまかなっちゃだめだからね。
収支決算の報告は会員に対する義務だろ?
そんなこともわからないの(大爆笑)
会員名簿も配れよ!
そんなこともわからないの(大爆笑)
会員名簿は2ちゃんねるで公開しなくていいよ(大爆笑)
そんなこともわからないの(大爆笑)
775 :
吾輩は名無しである:2008/08/10(日) 18:14:14
>>770 収支を計上しているなら、
収支決算表を一年ごとに
会員に送るのが常識です。
そんなの当たり前じゃないですか。
>>773 あなたは会の運営者ですか?
収支決算は「会に直接連絡してください」じゃなくて、
会の運営者が収支決算表を一年ごとに
会員に送るのが常識です。
そんなの当たり前じゃないですか。
8月30日の草臥忌で収支決算を報告してください。
その後全会員にも収支決算表を送って下さい。
776 :
吾輩は名無しである:2008/08/10(日) 18:40:21
文句があるなら直接言いに来なさい。
なにかやましいことでもあるのでしょうか(嗤い)
777 :
吾輩は名無しである:2008/08/10(日) 18:44:51
>>775 非会員の分際で何を言ってるんでしょうか(大爆笑)
778 :
吾輩は名無しである:2008/08/10(日) 18:48:13
>>777 日本語が読めないのですか(大爆笑)
775が「非会員」であるとどこに書いてあるのでしょうか(大爆笑)
779 :
吾輩は名無しである:2008/08/10(日) 18:50:36
>>772 >>774 >会員名簿は2ちゃんねるで公開しなくていいよ(大爆笑)
>収支決算、2ちゃんねるに公開できないんですか(爆笑)
会員名簿を2ちゃんねるで公開しなくていいのは当たり前。
では、なんで2ちゃんねるで収支決算を公開しなきゃならんのだ?
意味がわからん。こいつ頭大丈夫か?
>>775 決算は年度で締めるものじゃないの? なぜ決算期日をお前が指定する(大爆笑)
>>778 文句があるなら直接言いに来なさい。
会員なら電話番号知っているでしょう。
なにかやましいことでもあるのでしょうか(爆笑)
781 :
吾輩は名無しである:2008/08/10(日) 18:57:50
>>779 決算は年度で締めるもの、
なぜ8月30日は決算期日ではないですよ。
そんなことも分からないのですか?(大爆笑)
8月30日に決算報告しなさいって事です。
意味がわからん。こいつ頭大丈夫か?
782 :
吾輩は名無しである:2008/08/10(日) 18:59:20
>>780 お前はNか?
やっぱりなにかやましいことがあるのでしょうね(爆笑)
>>778 電話来ませんねー
なにかやましいことでもあるのでしょうか(大爆笑)
784 :
吾輩は名無しである:2008/08/10(日) 19:05:13
>>783 電話来ませんねーって
「わたしはNです」って言っているのと同じだね。
意味がわからん。こいつ頭大丈夫か?(大爆笑)
なんで自分の正体ばらすのかな。
意味がわからん。こいつ頭大丈夫か?(大爆笑)
どうして収支決算できないのかな。
意味がわからん。こいつ頭大丈夫か?(大爆笑)
785 :
杉本@辺根:2008/08/10(日) 19:06:08
>>783 これは間違いなくいたずらでしょうね。
電話できるわけがありません。
もうちょっと様子みてみますか。
>>784 文句があるなら直接言いに来なさい。
会員なら電話番号知っているでしょう。
やましいことでもあるのでしょうかねえ。
>>785 杉本さん、心配かけてすみません。
イタズラでしょうけど、一応電話の前で待ってみますね。
と言っても、あと30分ほどですが。
787 :
吾輩は名無しである:2008/08/10(日) 19:17:46
うわーこわいね。言論弾圧?
ここは2ちゃんねるですよ。
「掲示板 山口瞳が好き」じゃないですからね。
とりあえず、収支決算表を会員全員に送って下さいね。
待っています♪
>>787 言論弾圧ではありませんよ。
会の運営にかかわる言論を電話口にて待っているのです。
私は、約束通りあと20分ほど待ちましょう。
789 :
吾輩は名無しである:2008/08/10(日) 19:24:23
収支決算表って、会の運営にかかわるものですか?
会員全員に出して当たり前ではないですか?
Nさんも企業で働いていらっしゃったからおわかりでしょう。
あなたはどうやら企業で働いた経験がないようで。
2ちゃんねるで決算の話し合いですか(爆笑)
791 :
杉本@辺根:2008/08/10(日) 19:30:27
792 :
吾輩は名無しである:2008/08/10(日) 19:44:31
なんだ、なんなんだ。この文学板らしからぬ、暴走ぶりは?
猫ばばって、ねえ、あなた。
しかし太宰とか三島とかならともかく、山口瞳氏にこのような会があるのは、正直ビックリした。
あまり集まりたくない会合だなあ。礼儀作法が厳しそうで、、、、
時間です。
>>787氏からの電話は来ませんでした(爆笑)
いたずらと見なして、以後、無視いたします。
杉本さんにもご心配をおかけしました。
8月30日は楽しみましょう。
この奇人の一件も、酒興の小噺になるやもしれません(笑)
794 :
杉本@辺根:2008/08/10(日) 19:52:57
>>793 どうもです。30日は会員一同で盛り上がりましょう。
一応、会の掲示板が荒らされた時の証拠用にログをとっておきますね。
795 :
吾輩は名無しである:2008/08/10(日) 20:20:51
無視しますって、ねえ、あなた。
>>793個人の掲示板じゃないんですよ。
猫ばばって、ねえ、あなた。
小学校のPTAだって収支決算してるでしょう。
なんで山口瞳の会だけ収支決算を会員に報告しないんですかねえ。
Nは乞食だな。
797 :
吾輩は名無しである:2008/08/12(火) 17:33:40
どうにも、Nのこういう所が、精神病理学的に「イタい」んだよな〜〜。
非会員の分際(大爆笑)
なぜ決算期日をお前が指定する(大爆笑)
この奇人の一件も、酒興の小噺になるやもしれません(笑)
などなど(爆笑)
下品な言葉遣いでお里が知れるね(大爆笑)
杉本さんが登場したらとたんに礼儀正しい言葉遣いになっちゃってさ。
798 :
吾輩は名無しである:2008/08/13(水) 18:46:43
非会員が何を言っても無駄
799 :
吾輩は名無しである:2008/08/13(水) 19:32:08
291=N
800 :
吾輩は名無しである:2008/08/13(水) 20:00:00
このスレはNさん粘着が24時間監視していますw
801 :
吾輩は名無しである:2008/08/13(水) 22:38:16
このスレは粘着Nさんが24時間監視していますw
802 :
吾輩は名無しである:2008/08/14(木) 01:04:08
>>801 Nさんや杉本さんや山口瞳の会メンバーに
あなたは嫌われています。
気持ち悪いからもうやめて下さい。
803 :
吾輩は名無しである:2008/08/16(土) 16:43:40
山口瞳さんの作品が好きなのですが、
いまとなっては新たな作品が読めません。
似ていると言ったら良くないですが、
山口氏の雰囲気に近い作家を教えて下さい。
よろしくお願いいたします。
804 :
291:2008/08/16(土) 18:58:06
>>799 いやいや、本当に別人ですよ。以前にも同一人物だと考えていた人がいたようですけど。「山口瞳の会」、何だかすごいことになっていますね。
「収支決算」の一連の流れは自作自演のアラシ。
スルーがよろしいかと。
>>803 ルーツを辿るのはいかが?
→高橋義孝→内田百閨ィ夏目漱石
806 :
吾輩は名無しである:2008/08/17(日) 16:52:31
805さんありがとうございます。
夏目も内田もあまり好きではないですが、
高橋氏の作品は読んだことがありません。
読んでみます。
807 :
吾輩は名無しである:2008/08/18(月) 21:36:16
>>803 沢木耕太郎の『バーボン・ストリート』。
山口をもっとハードにするとあんな感じなんだろうと思う。
>805氏に触発されて、ちょっと考えてみました。
例えば「人殺し」に比較して「死の棘」(島尾敏雄)
「血族」に比較して「亡き母や」(阿川弘之)「甘いオムレツ」(小椋佳)
「家族」に比較して「ひどい感じ―父・井上光晴」(井上荒野)
というような読み方もあるのかもしれませんね。甘いオムレツ以外は全て文庫本
での入手が可能ですぅ。
>808
「甘いオムレツ」の著者は小椋佳ではなく山根三奈でした。
謹んで訂正いたしますぅ。
810 :
吾輩は名無しである:2008/08/25(月) 13:45:39
>>800 Nさんや杉本さんや山口瞳の会メンバーは嫌われています。
気持ち悪いからもうやめて下さい。
今週金沢に初めて行きます。
なにか面白い情報はありませんか?
812 :
291:2008/09/09(火) 22:29:22
>>811さん、
倫敦屋さんの酒場に行かれたならば、感想をお教え頂けないでしょうか。
私は行ったことがないのです。
室生犀星の文学館の帰りに行ってみたのですが、
まだ昼過ぎでしたので、やってませんでした。
営業は夕方からみたいです。
場所は大通りから奥に入った所にあり、人に聞きつつ行きました。
建物はバーというよりカフェといった外観でした。
脇にオーナーの車でしょうかトヨタのセンチュリーらしきものが停まってたのが印象的でした。
次回は必ずリベンジしたいと思います。
814 :
吾輩は名無しである:2008/09/16(火) 19:54:49
新潮文庫の「冬の公園」に収録されている「ウイスキー」には、あまりにも大時代的で正直笑えた。
もちろん、彼がサントリーの宣伝部だということもあろうが、ウイスキーにここまでの
思い入れを持っているとは、、、この時代は、お金のない若者は最初はトリスを飲み、
その後、レッド〜ホワイト(白札)〜角瓶〜オールド(ダルマ)〜リザーブ〜ローヤルと言うように
あたかも、会社での地位が上昇していくが如く、だんだん飲めるウイスキーの格が
上がっていったのでしょうな〜
先輩社員が「お前も早く、ダルマの味が分かるようになれよ」とかね。
今は、オールドもリザーブも、かつては全くの高嶺の花だったスコッチも量販店で二千円均一なのに、、、
貧しかったが、会社が大きな家庭みたいなもので、今ではあり得ないくらいアツい社員同士のこころの
やり取りがあったんでしょうなあ〜。そんな古い形の会社人だった彼にとって、すべてが二千円均一で
で、販売されるような平板な平成の世は、なんとも耐えがたかっただろうな。後輩社員をつかまえて
飲みにいこうとも、席に着くなり無言で携帯メールをいじっているだろうしね、、
815 :
吾輩は名無しである:2008/09/16(火) 20:48:49
>>814 「冬の公園」は読んだ記憶があるなぁ、新潮文庫だったか単行本だったか忘れたが
表紙は柳原氏のコート着て冬の公園に佇む男だったような、いい絵だと思った。
飲みにいってもすぐどっかから漫画見つけてきて読み出す奴はいたな。当時も
ウィスキーはレッドからリザーブまで旨いと思ったことはなかったな。
なんか雑味があるような気がして
貧乏学生でもレットなんか飲んでるのはあまり見なかったな
ウィスキーを初めて旨いと思ったのは免税店で3000円位で買ったLOGANだな
30年前の新入社員時代だけどね。
816 :
291:2008/09/16(火) 21:56:48
>>811さん、お返事ありがとうございました。
お礼申し上げるのが遅くなってしまいました。
私も是非行ってみたいのですが、なかなか機会がありません。
817 :
291:2008/09/16(火) 22:00:03
>>814さん、『人生論手帖』の「私のウイスキイ史」は
お読みになりましたか?
かく申す私は、ウィスキーを、強すぎて美味しいとは思えない人間なのですが。
全盛時には水割りなどを飲まなかった、と言う山口瞳は、
半端ではない酒豪でしたね(繰り返しになりますが)。
291さん
どういたしまして。
金沢は初めてだったので今回は観光で終わってしまいました。
次回は文学散歩などしたいのですが、私も横浜在住なので遠いです。
山口氏や開高氏の影響でウィスキーに目覚めましたが、なかなか「生」では飲めないですね。
しかし両氏の写真を見ると、ペットボトル感覚でボトルを持ってて驚きます。
おれ酒は体質的にぜんぜんだけど、ウヰスキー(たいていはシングルモルト、
きぶんでブレンドか、アイリッシュ。バーボンはターキーをハイボールに使う位)
は基本、ストレートっすよ? っつっても無論、舐めてるだけだが。
開高はあれ、執筆中はウオッカしか呑まないんだっけ? それと、腹を…。
820 :
291:2008/09/23(火) 21:40:30
>> 811さん、横浜においでですと、鰻の八十八や、ニューグランドホテルなども
山口と縁がありますね。
>>819さん、あなたもストレート党でしたか。
ピーター・オトゥールとエリツィンはストレートで飲む顔をしている、
と書いていましたね。
821 :
291:2008/10/05(日) 21:29:29
金融危機、深刻な様子ですね。
山口瞳は、最近までのウォール街のような非現実的な経済、
についてどう考えていたのか。
おかしなことに、少年時の理想は金利生活者だったという。
それは別にして、豊田商事の永野や、投資ジャーナルの中江を批判した
文章(男性自身)でポスト・インダストリーなるものを憎む、と書いていた。
822 :
811:2008/10/07(火) 00:12:29
291さん亀レスですいません。
鰻八十八はまだ行ったことないですね。
ホテルニューグランドは食事はないですけど、ロビー内は何度かあります。
中はちょっとした昔の横浜の写真展みたいになってます。
中庭も散策自由ですのでフラっと入れますよ。
あと「江分利満氏」の休日の散歩コースで出てきた「喜久家」はまだ健在です。
ケーキの味も「スイーツの味」ではなく、「商店街の味」で懐かしい味です。
お値段もビックリするくらいリーズナブルです。
金融危機に関しては山口氏が健在でしたら斬りまくってたと思いますよ。
823 :
291:2008/10/07(火) 21:18:05
811さん、レスをありがとうございます。
僭越ながら、811さんは義理堅いお人柄かとお見受けいたします。
ニューグランドホテル、なぜか気後れして入ったことがなかったのですが、
お話を聞いて、今度は気楽に入れそうです。
金融危機については、本当にそうですよね。
最初に安定化法案に反対したアメリカ人の庶民の気持ちは、
良く分かります(その功罪は別として)。
一部の強欲な人間の失敗の尻ぬぐいをさせられるわけですから。
824 :
811:2008/10/09(木) 23:36:19
291さんどうもです。
普段の私はけっこうちゃらんぽらんですヨ。
いまだに人生仮免許更新中です(苦笑)
金融危機は他人事かとおもいきや、彼女の保険屋がAIGで今後どうするか検討中です。
今そこにある危機!
825 :
291:2008/10/20(月) 21:13:23
811さん、あなたはまだお若いようで(違っていたら失礼)、羨ましい限りです。
金融危機、少し落ち着いて来たようですが、ご様子はいかがですか。
「方言」の話。山口は、作品中で方言を巧みに使っている。
『世相講談』の漁師(大某)の話を始め、紀行文でも。
生粋の東京人が、どうして方言を巧みに表現できたのだろうか。
826 :
291:2008/10/20(月) 21:15:54
ここで思うのは、彼は耳が良かったのではないか、ということ。
東京弁をいくらか話す事ができるのは落語と芝居見物のおかげ、
と『男性自身』のどこかで書いていたが、
それに加えて耳が良かったこともあるのではないか。
正介さんも、他人の会話をそのまま記憶できるという特技があるという。
827 :
291:2008/10/20(月) 21:18:52
音痴だったとされる山口にしては意外かも知れないが、
この人は音感は悪くなかったのではないか。
「新宿歌謡大会」(題はうろ覚え)で、歌の上手い人が音程を外すことを
指摘していた。
もっともこれは、「音痴だから自分が音痴であることに気づかない」という、
『江分利満氏 大いに怒る』での一節とは矛盾するのだけど。
いずれにせよ、一度歌を聴いてみたかった。
828 :
291:2008/10/23(木) 21:54:07
論創社版の『世相講談』全3巻、ようやく入手。素晴らしいね。
829 :
291:2008/10/26(日) 13:21:29
論創社版の『世相講談』を読んだ。
何というか、やっぱりこの頃の山口は本当に充実していた。
昭和40年代前半の頃。
これだけ多様なテーマで大量の取材をし、
それをさまざなまスタイルと文体で叙述してみせる、
そしてどれもが面白い読み物になっている、
というのは、優れた物書きだったな、とつくづくと思う。
だが、『世相講談』の他にも仕事をこなし、飲み、そして糖尿病発病。
本人・読者にとってだけでなく、文壇にとっても、痛恨事だったろう。
830 :
291:2008/11/04(火) 21:44:01
『世相講談』とは別の系列の仕事で、『愛ってなに?』や、
後の『私本歳時記』に結実する一連の恋愛小説がある。
物書きではない小説家山口は、「小説とは、男女のことをかくもの」と考えていた。
>>827 音感はあっても歌唱能力のない人は普通にいますよ。
丸谷才一も「自分が良いと思える曲は大抵難易度が高いから
カラオケは嫌い」って公言してますしね。
832 :
吾輩は名無しである:2008/11/09(日) 12:32:04
三島事件のコメントはどっかに再録されてないのかな?
三島嫌いの自分でも面白かったぞ。
833 :
291:2008/11/14(金) 21:37:30
>>831さん、お返事が遅れました。ありがとうございました。
>>832さん、『男性自身』シリーズのどれかに入っている、
「なぜ?」はお読みになりましたか?
834 :
831:2008/11/23(日) 13:54:49
いや、それは読みましたけどね。
新潮文庫以外の何かに収録されてないかな?って意味ですよ。
835 :
291:2008/11/23(日) 22:37:22
>>834さん、失礼いたしました。
すると、あれ以外にも発言があったということですね。
知りませんでした。
よろしければ、どんな内容だったかお教え頂けないでしょうか。
836 :
291:2008/12/05(金) 22:37:23
論創社版の『世相講談』で一番驚くのは、一番最後の「落穂抄」。
これを読むと、本当に庶民と肌を合わせるような付き合いをしていた
ことが分かる。
「生き残り」のタクシー運転手は虚言癖があり、山口もそれに
だまされていたのかも知れない。「金色夜叉」の宝石商は、
山口も餌食にしようとした。
837 :
291:2008/12/15(月) 21:58:24
『行きつけの店』について。
これは良い本であるのは認める。元アリスの堀内か谷村か忘れたが、
どちらかがTVで誉めていた。「自分もこういう本を書きたいが、
年期が違いますね」と言っていた。文章も良い。
838 :
291:2008/12/15(月) 22:01:26
しかし、この本とは別な話だが、自分は「美食家」山口瞳はどうも好きになれない。
自分が食に関心が弱いせいか、京都や金沢で何を食べた……という記述は、
まるで面白くない。
かつて、山口も食が細く、「なぜ宇宙食で済ませてはいけないのか」
などと真剣に考えていたほど。それがこの変わり様は!
839 :
291:2008/12/15(月) 22:05:14
弁護もしておこう。ご承知のように、山口はかなりの愛煙家。
と言うことは、味覚は麻痺していたに違いない。逆に言えば、
禁煙すると食物のおいしさがはっきり分かる。
『山口瞳の人生作法』の瞳日記2月24日の部分で、
禁煙によって食事がおいしくなったと書いている。
ちなみに、北杜夫も禁煙によって「味覚が倍になった」と書いていた。
まぁ身近にいたら付き合いたくない人ではあるな
おそらく生涯親友といえる人は一人もいなかったろう
841 :
291:2008/12/16(火) 20:32:20
>>840さん、どうも。
いやあ、梶山季之は親友だったですよ。あるいは心友か。
不謹慎ながらちょっと残念なのは、梶山の死を、
『木槿の花』の頃の山口に書いてもらいたかった、ということ。
『英雄の死』から『木槿の花』の間に、明らかに腕が上がっている。
843 :
291:2008/12/21(日) 23:12:05
>>842 それは当分先に考えれば良いことでしょう。
844 :
291:2008/12/23(火) 21:43:38
>>844変な日本語でした。
当分先まで、考える必要はないでしょう。
845 :
291:2009/01/08(木) 21:56:42
しばらく書き込まないうちに、年が変わっていた。
正月→山口家での新年会→山口邸、と連想。
シャーロキアンの中には、作品中に出てくる断片的な描写を総合して、
ベーカー街221Bの見取り図を描ける人がいるという。
では、山口ファンである自分はどうか?
846 :
291:2009/01/08(木) 21:59:24
確か、国立の家は、借家→新築→改築となったはず。
……いや、やめておこう。行ったことのある人からすれば、
アホらしい話。
『人殺し』について。
847 :
291:2009/01/08(木) 22:07:10
これは繰り返しになるが、あれは射程が長すぎた。
あの作品に書かれた、流行作家の凄まじい生活は、迫力がある。
しかし、それを一般化することはできない。
「平和もまた大量殺人に通ずる」という問題に広げるのは無理があるし、
また「女によって受けた傷は、女によってでなければ癒されない」と言う風に
男女の問題に広げるのも無理だと思う。
848 :
291:2009/01/08(木) 22:09:50
ただし、後者の「男女の問題」については、沢木耕太郎が、
通奏低音たる「妻の官能」を指摘しており、別の見方も可能なのだろうか。
849 :
291:2009/01/09(金) 22:59:36
さて、別な話題。しかし、どうでも良い程に細かい話。
河出書房新社から出ている『男性自身 最後から二冊目の巻』と
『男性自身 これで最後の巻』は、実にありがたい。
雑誌には出たが単行本に未収録のものを読めるのだから。
あとがきに当たる部分を読むと、中野氏が実質的に編集したらしい。
850 :
291:2009/01/09(金) 23:05:34
この2冊、不思議なタイトルの付け方をされているが、
それはまあどうでも良い。
1614回のうち、未収録のものは77回しかないとのこと。
ただし、77編のうちの一つは実はすでに単行本に(文庫にも)収録されている。
『最後から二冊目』に入っている「鮮やかな」。
まあ、もっとどうでも良いことなのだが。
>>825 291さんお久ぶりです。811です。
あれから、祖父が亡くなり、
空いた祖父の家に引越しました。
ようやくネットが再開してホっとしております。
年齢は男性自身で言うなら「冬の公園」辺りです。
852 :
291:2009/01/12(月) 21:52:20
>>851 & 811さん、こんにちは。
そんなご事情があったのですか。
こんなところではかえって無礼かも知れませんが、
一言お悔やみ申し上げるのをお許し下さい。
「冬の公園」前後でいらっしゃいましたか。
失礼しました。私もほぼ同世代です。
853 :
811:2009/01/16(金) 20:12:27
291さんお返事ありがとうございます。
同年代とは驚きました。
勝手な想像ながら、もう少し上の方かと思いました。
今、私の現状は遺品整理と今後どうリフォームするか思案中です。
状況は違いますが、これまた「冬の公園」収録の「さぶ」といったところです。
854 :
291:2009/01/20(火) 23:33:47
811さん、こんにちは。
何だか私の方に誤解があったかな。
「冬の公園」を執筆時の山口の年齢とほぼ同じでいらっしゃる、
という意味ですよね。
どうぞご無理をなされませんように。
855 :
291:2009/01/25(日) 21:47:34
上で耳の話を書いたので、今度は目の話。山口の眼力について。
繰り返しになるが、ワキガの人を写真を見ただけで言い当てた、というのは
驚く。また、高校野球の甲子園大会で、一試合を気を入れて見ると、
選手の家庭環境まで分かってしまう、とも書いていた。
この人は相当な目利きだったのだろう(母親譲りか)。
『華麗な生活』だったかで、第一印象や直感で人を判断することを、
むしろ弁護する一節もあった。
856 :
291:2009/01/31(土) 21:15:36
嗅覚はどうか。かなり匂いに敏感な人だったらしい。
タヒチに行った際、機内のおしぼりか何かに付けられたフランスの
香水に辟易して、フランス人は嗅覚についてかなり劣等である、
と書いていた。
857 :
291:2009/02/02(月) 20:50:54
味覚はどうか。これは言うまでもない。実は食べ物の味が良く分かる人だった。
触覚は? これは難しい。そもそも一般に、「触覚」の鋭敏さをどのように
測るのか? 手先の器用さ、ということなら山口はダメ。野球は上手い。
何が言いたいのかというと、いわゆる五感のうち、山口は4つは人並み以上に
優れていた、ということ。
858 :
291:2009/02/04(水) 23:45:12
だからなのだろう。理性より感性先行の気配があった。
「感性だけでものを考えるのが自分の大きな欠点だが、
もう直らないだろう」と言う意味のことを、
『男性自身』の日記シリーズで書いていた。
正直に言えば、書いたものの一部には論理が狂っているものもある。
競輪やらなかったのは人間関係が理解できないからと書いてたな
たしかに自分が世界の中心の関係性しか理解できなかったろうなこの人は
立ち食いソバ屋でもチップ出してたのはそういう世界を維持するためだったんだな
でもそういう自分というものをよく知っていたんだろうね。
この人のどこが凄いの?
長いこと出版社にいたから、コネで作家になれたようにしか見えない。
しかもエッセイの方が簡単に書けるからと言って、
なんの面白みもない駄文を書き散らかしていた人でしょ。
出版業界が好況の時はこの手の寄生虫がいっぱいいたね。
861 :
291:2009/02/08(日) 20:52:53
862 :
291:2009/02/23(月) 01:19:23
数日前の『朝日』の「天声人語」で、山口への言及があった。
「酒好きの作家だった山口瞳」が、酒を飲めない人は人生を半分しか生きていない、
と書いていた、という意味のもの。
天声人語欄の今の担当者は、山口の読者なのか。それはよいとして、
天声人語でいきなり名を出しても通ずるほどの知名度が、
死後10年以上経った山口にあるのだろうか。
そうだとしたらもちろん嬉しいのだが、
山口の一般的な(読書公衆の間での)知名度について、
ちょっと分からなくなっている。
自分にとってはあまりにもなじみの深い作家なので。
863 :
291:2009/03/01(日) 02:09:55
唐突に、野坂昭如の『文壇』から。
「常に冷笑を浮かべ、辛辣な眼で周囲を視ている山口瞳』とある。
文壇酒場での山口の描写だが、直木賞受賞直前だろうか。
的確な表現で、思わず笑ってしまった。
知と情と。
女房を愛しすぎよ(だったっけ? とまれそういったことを)と本人に、
面と向かって云われ憮然とする山口瞳。そうして、それをまた,
文章にせずにはいられない山口瞳。――鬱陶しいよなあ(苦笑
ものを、書くひと。
憮然と憤然を行き来する。まず大抵はそのどちらかの間にあるのが
つまり、俺が理解している(つもり)山口瞳という人間であって。
本質的には決して、冷めた・覚めた人間ではなかったと俺は思う。
866 :
291:2009/03/14(土) 21:22:33
>>865さん、面白いです。もっと展開してもらえませんか?
花粉症の季節。山口は花粉症だったかな?これは覚えがない。
867 :
291:2009/03/18(水) 20:56:16
山口の思想について。
もちろんこの人は、「考える」よりも「感じる」人。
文筆家としても、生活世界から飛び出して抽象的な論理を組み立てることは
なかった。唯一、「思想」らしいものと言えば「私の根本思想」ぐらいか。
868 :
291:2009/03/18(水) 21:02:29
ここで言いたいのは、山口が持っていた思想の内容ではなく、
思想なるものについての彼の姿勢。
山口のような生活人は、一般に思想や理想に対しては空理空論
として警戒するのではないか。ところがこの人は、理想主義者としての
一面も持っていた。
中学生時代に将棋書を読んでいた時には、「人類の進歩に寄与しない」
として後ろめたい思いだった、という。また自分の博才・霊感についても、
同じ理由で嫌悪していたという。
869 :
291:2009/03/24(火) 22:30:11
何が言いたかったのかというと、あのような「生活人」だった
山口にしても、こうした理想を抱いていたことが驚きだということ。
自分の世代の人間は、はるかに皮相的になり、未来については閉塞感
ばかりを感じているのではないか。
そう言えば、『温泉へ行こう』だったか、『新東京百景』だったかで、
「この世で信じられるのは愛だけではあるまいか」とも書いていた。
870 :
291:2009/03/24(火) 22:32:37
WBC日本優勝おめでとう。今回も前回も、山口に見せたかったし、
コメントも読んでみたかった。
『男性自身』の日記シリーズのどこかで、少年時代からのディープな
野球ファンである自分は、いつか大リーグ選抜を日本プロ野球選抜が
倒す日が来るのを待ち望むと書いていた。
871 :
291:2009/03/24(火) 22:35:34
なお、こう書いていたのは、当時の日米野球について。
途中まで日本側がリードしていたのだが、交代した投手が4本塁打を浴びて
逆転負けしたことに憤慨してのもの。ちなみに投手は元中日の今中。
采配は星野仙一。山口は星野びいきなので、監督の名は出してはいなかった。
872 :
291:2009/03/24(火) 22:39:42
この時の今中は駆け出しで、セリーグを代表する投手になるのはまだ先。
山口らしかったのは、「数球投げさせただけで、通用しないことはわかっていた
のだから、交代させるべきだった」と書いていたこと。数球で分かるというのは、
さすが。
873 :
吾輩は名無しである:2009/03/26(木) 20:33:51
しかし山さんは、イチローの一連の言動にはシニカルに見るのではないか?
一番嫌いそうな感じだが、、松坂は気に入るだろうな。
874 :
◆GGGGGGGoG. :2009/03/26(木) 20:43:44
えr
875 :
291:2009/03/30(月) 14:15:27
>>873 ありがとうございました。
今回、試合以外は見ていないのですが、
イチロー、他人を不快にさせる言動があったのですか。
気難しい雰囲気を出している様子は私も感じましたが。
自分でも言ってるけど基本的に893なんだよな心情が
他人をダシにしたり踏み台にしようという傾向持ってて
それで自分がコケにされるのには過度に敏感
だからどこへ行っても最後には嫌われる
将棋連盟も出入り禁止
「係長・山口瞳」だか何だか、
そういった本が出たそうですよ。
壽屋の部下の方が綴られた本。
878 :
吾輩は名無しである:2009/04/05(日) 10:49:11
こんな座敷旦那作家を信奉するカビの生えたような人種って未だに存在するんだね。
お前らの部屋って加齢臭が充満してそうで臭そう。
家族からも見捨てられてそうだ
かんば!
879 :
吾輩は名無しである:2009/04/05(日) 18:05:46
この御仁が、手前勝手にヨイショしてる飲み屋に行ってご覧なされ。
偉そうにしたツラの皮だけ厚いクソ親父と、いかにコケにされていることかw
もっとも相手が山口信者と知ったら、礼儀上そんなこといわないだろうがね。
嫌がられても、「相手はしょせん板前」と意に介さなかったそうですwwww
880 :
291:2009/04/08(水) 23:17:22
>>877さん、ありがとうございました。
死後10年以上経ってこうした本が出るというのは、
なかなか山口人気も衰えませんね。
この本を書かせた編集者にも謝意。
881 :
吾輩は名無しである:2009/04/10(金) 22:56:15
12 :早稲田アトム ◆E/o4.MHg8E :2009/04/02(木) 18:16:31 ID:GQ/dgJX/
>>5 駅弁。
戦後に大学に昇格したからね。
ちなみに、千葉大学も駅弁大学。一応戦前に医科大だけは大学に昇格していたが、
農業専門学校や工業高等学校などの4系統の統合なので、
学部定員の比率からしても戦後昇格した新制大学でしょう。
実際に今でもキャンパスが4つバラバラに別れている。
各県にひとつずつ総合大学を作るGHQの方針だったとか・・・
882 :
吾輩は名無しである:2009/04/10(金) 22:57:01
304 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/04/10(金) 06:55:48 ID:Ilkuwlag
おは!
文学を志していて、駅弁大学なんか行ってしまったら、いい笑いもんになるのがオチだぜ。
文学部ほど大学の立地や雰囲気、広い意味での文化が重要だからね。
逆に言うと、内部進学や推薦、指定校があって、入学基準が少しくらい緩いからといって、
なんで、早慶ほどの実績校が、芋駅から絡まれなきゃならないのか、わからんよ。
駅で文学、藝術は出来んだろ。
883 :
吾輩は名無しである:2009/04/10(金) 22:58:53
305 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/04/10(金) 07:10:12 ID:Ilkuwlag
>>298 そうそう、その通り。
でも駅弁教育通ってる学生さんも、そうなったらドンドコ上京出来る正当な理由が出来るわけだし
いいじゃん。卒後は、山の中の分教場かもしれんが、学生時代は赤坂やポンギで遊ぼうぜ!
>>300 う〜ん、ほんと。地元進学組は、学力はともかく、勢いが無くてお通夜みたいな雰囲気だったね。
例えば、3年間地味に暮らして来た奴が、武蔵や明学に入っただけで、「おっ〜!」と歓声が挙がったもんよ。
あいつは、やる時はやるんだ。男だったんだ!ってな。
一方、ほぼ無試験の持ち上がりで地元駅弁に進学する連中は、気の毒なくらいしょげ返っていてなあ。
「いざとなれば地頭はオレたちの方が、、」とか「東京に行くだけが、大学生活ではない、、」とかな、
何か語尾が、不明瞭になってしまうのよ。要は、地元駅弁に満足していない、ってことだろうな。
Well, it was a pity that they could not " groove" with their college.てなもんよ。
884 :
吾輩は名無しである:2009/04/10(金) 23:00:21
255 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/04/09(木) 12:57:00 ID:ZCrn1BXY
財前又一も言っていたよ。
「世の中、皮肉に出来てるもんや。一生懸命やったことが報われず、何も考えんといい加減
やったことが、上手くいったりするもんや〜」
そう、これが言って見れば資本主義社会が内包しているギャンブル性なんだよ。
そして、それをうまく乗りこなすためには、蝶のように舞い、蜂のように刺す。
早慶精神こそが肝要なんだよ。一つのことだけに鈍重に執着し、一生懸命さに
センチメンタルな信仰を持っていても、いかんだろ?
885 :
吾輩は名無しである:2009/04/10(金) 23:01:15
182 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/04/08(水) 07:30:29 ID:6MFXLNsD
おはあ!
今朝は月見うどんや。うまきこと限りなし。
>>172 おいおい、タイ国の山奥に「愛の園」を作るって前に言わなかったかい?
それに独逸の文豪ゲエテだって、70歳の時に16歳の少女に惚れたらしいよ。
オレとアッキーナって良い取り合わせだと思うけど。
886 :
吾輩は名無しである:2009/04/10(金) 23:04:57
219 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/04/08(水) 17:48:15 ID:6MFXLNsD
はぁ〜〜ん、スーパーチャンス♪
ん〜?SPAは昔は好きだったが、変にオピリーを気取っている感じがして、最近買ってないよ。
置いてあれば読むけど、、アサ芸、週刊大衆が好きだよ。
う〜ん、アサ芸の方が役立つわ。通販とかもオモロいし。
弱冠18歳にして、自分ではどうしようもない事情によって、考えがたいほどの妥協を強いられる。
せめて、挑戦させてやれよ。早稲田でも明治でも。
それなのに、N海くんの親は「どうせ、進学しない大学を受けたって仕方無い。」の一辺倒。
どうして、そんな正論を言うわけ?
若者なら、東京出て女コマして、好き勝手やりたいと思うのは、当たり前のことだろう?
それが叶うかどうかは、別にして。
田舎の親や教師連は、自分たちの言っている正論がどんなに、若者を傷つけているか、分からないのか?
887 :
吾輩は名無しである:2009/04/10(金) 23:06:52
24 :百獣の王,早計帝王CEO ◆BQQIKtw562 :2009/04/03(金) 07:33:59 ID:h0eWvekP
はぁ〜ぁ〜ん、スーパーチャンス♪
思いきり、経営の腕を振るうためにも、
「セクハラ、オールオッケー」のカンパニーを立ち上げ、それ向きに女の子を
雇うべきである。
余計なモラルは景気回復の大敵であろう。大体、バブル期のことを考えてみればわかるが
自分を戒めてばかりでは、何のいい思いもしないで人生、終わってしまいますから。
あ、そうそう。
昨夜のフジTV系の逃走中スペッシャルはオモロかったね。
あれは、おそらく鬼ごっこ&かくれんぼからヒントを得たものだろうが、よく考えている。
それに、おれの好きなアッキーナが息を切らして、疾駆する姿は萌えるものがあるし、
さらに彼女を追跡し、追いつめるのは、サヂスティックな快感が味わえる。
さすが、通俗王のフジTV、よく作りこんでいる
888 :
吾輩は名無しである:2009/04/10(金) 23:09:14
31 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/04/03(金) 11:44:58 ID:h0eWvekP
荷風先生は、大正〜昭和にかけて米国と仏国に遊学しているんだからな。
その時代では、信じられないくらいのコズモポリタンだし、出自も超エリートだよなあ〜
だが、彼自身は怠け者で、東京外語の清語科中退なんだよな。
まあ、田舎から早慶受かるのに、異常に根性を出して力んでいた帝王には窺い知ることが出来ん
世界だよ。
鏡とかね。
いや〜世間一般の規範でいうと、娘であっても仕方無いようなヤングギャルを、貪り尽くしている
全能の文士早計帝王の姿には、一本とられた!って感があるよね。
ところでさ、藤原紀香氏って、政財界の誰かの愛人か何かなのか?
だって、芸能人としては芸があるわけでも、コメントがオモロい訳でもないのに、
妙に取り立てられているじゃん。
今回の離婚騒動でも、陣内氏に同情する声のみぞ多かりける。
実際、体型とか顔はイケテルのに、全然セックスアピールを感じさせない女っているもんだよなあ。
889 :
吾輩は名無しである:2009/04/10(金) 23:10:20
37 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/04/03(金) 14:11:39 ID:h0eWvekP
はぁ〜ぁ〜ん、スーパーチャンス♪
「ときメモ」の発売が1995くらいだから、まだ15年前なのに、あの内容が
現在では古くなっているからなあ。ドキドキしながら家電にかけて、お父ちゃんが出て来て轟沈!
ってよくあったもんよ。
第一、最近転校するくらいなら、お父ちゃんが単身赴任して、おしまいじゃないのか?
転校して会えなくなる、、それにまつわる甘酸っぱい胸きゅんのドラマ(なんたるアフォな言葉!)
なんて、今は成立せんやろうな。
890 :
吾輩は名無しである:2009/04/10(金) 23:11:27
44 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/04/03(金) 15:13:36 ID:h0eWvekP
はぁ〜ぁ〜ん、スーパーチャンス♪
う〜ん、マンダムだねえ。
つまりやな〜ヤングにとって、文化(趣味)/経済/学習/職業選択/セックスetcにおける、attitudeを
自己選択/自己責任のもとに行なえる可能性が高く、それが若者のこころの生理にとって自然なことなんだ、
つうことだよな。もちろん、これにはデメリットも沢山あるよ〜
一方、駅、とりわけジモ駅に入った場合は、選択の多くの部分が地域や血縁に依存したものになる
ってこったなあ。
もちろん、自己選択によって「田舎に残り、環境依存的に生きる」ことを選択したヤングもいるだろうが、
かなり少数派であろうねえ。
891 :
吾輩は名無しである:2009/04/11(土) 09:05:37
358 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/04/11(土) 06:37:04 ID:gf4KpE1q
はぁ〜ぁ〜ん、スーパーチャンス♪
┏━━━━━━━━━┓ ∧_∧ 4/12 阪神10R 芝・右外 1600m
┃第69回桜花賞(JpnI)...┃(´∀` )<3歳牝(指定)オープン 定量 発走15:40
┣━┯━┯━━━━━┻○━○━━━┯━┯━━━┯━━━━━┯━━━━┓
┃1 │1 │ダノンベルベール .[牝3]│55│後 藤│(東)国枝栄│クイーンC 2┃
┃1 │2 │ツーデイズノーチス ...[牝3]│55│松 岡│(東)斎藤誠│アネモネS.1┃
┃2 │3 │ショウナンカッサイ .[牝3]│55│ 幸 │(西)北出成│フィリ-ズR7┃
┃2 │4 │ヴィーヴァヴォドカ ..[牝3]│55│村 田│(東)勢司和│フラワーC 1┃
┃3 │5 │アイアムカミノマゴ [牝3]│55│武 豊│(西)長浜博│フィリ-ズR2┃
┃3 │6 │ワンカラット [牝3]│55│藤岡佑│(西)藤岡健│フィリ-ズR1┃
┃4 │7 │サクラミモザ ...[牝3]│55│北村宏│(東)畠山吉..| チューリップ2┃
┃4 │8 │デグラーティア .[牝3]│55│浜 中│(西)宮本博..| ファルコン.13┃
┃5 │9 │ブエナビスタ [牝3]│55│安藤勝│(西)松田博..| チューリップ1┃
┃5 │10│コウエイハート .[牝3]│55│川 田│(西)山内研│フィリーズ12┃
┃6 │11│レディルージュ ..[牝3]│55│鮫島良│(西)安田隆│フィリ-ズR3┃
┃6 │12│(地)イナズマアマリリス...[牝3]│55│池 添│(西)松元茂..| チューリップ8┃
┃7 │13│カツヨトワイニング [牝3]│55│大 庭│(東)高橋義│ファルコンS2┃
┃7 │14│ルージュバンブー .[牝3]│55│小 牧│(西)佐藤正..| チューリップ3┃
┃7 │15│ジェルミナル .[牝3]│55│福 永│(西)藤原英..| チューリップ5┃
┃8 │16│ルシュクル [牝3]│55│佐藤哲│(西)中竹和│ファルコンS3┃
┃8 │17│アンプレショニスト ..[牝3]│55│横山典│(東)畠山吉│アネモネS.2┃
┃8 │18│レッドディザイア ...[牝3]│55│四 位│(西)松永幹│エルフィンS1┃
┗━┷━┷━━━━━━━━━━━━┷━┷━━━┷━━━━━┷━━━━┛
892 :
吾輩は名無しである:2009/04/11(土) 09:06:50
359 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/04/11(土) 06:38:59 ID:gf4KpE1q
はぁ〜ぁ〜ん、スーパーチャンス♪
いくら、叩いても叩きがいのない、駅弁大学攻撃は小休止して、今日は
桜花賞スーパー特集をいってみましょう。
人間だったら、つき合うだけで、手が後ろに回るようなヤングギャルの競走が
桜花賞です。
893 :
吾輩は名無しである:2009/04/11(土) 11:17:16
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反駅弁スーパーチャンス 駅弁文系DQN収容所−13棟 [学歴]
20xx年 駅弁文系 最期の日Part12 [学歴]
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894 :
吾輩は名無しである:2009/04/12(日) 09:46:52
446 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/04/12(日) 07:16:26 ID:mS4+vtdd
はぁ〜ぁ〜ん、スーパーチャンス♪
オレは、スーパーリア充。
その証拠に、今日は馬券を仕込んでから、風俗に行く。
高校時代の同級、駅弁野郎が、地方でセコく生きているのと好対照。
895 :
吾輩は名無しである:2009/04/12(日) 09:48:16
444 :エリート街道さん:2009/04/11(土) 22:56:00 ID:/+Mazm+W
帝王の話題って
競馬・山口瞳・北大路魯山人・山崎豊子、、、、、、団塊の世代より上の俗物庶民サラリーマン親爺の好物だよな
時々、OBで新橋の飲み屋に集まってるような。
黒鉄ヒロシと同世代、徳光和夫の先輩世代の話
445 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/04/12(日) 07:13:26 ID:mS4+vtdd
おは!
>>444 Well, I am much younger than they.だが、色んな世代の話題に軽いタッチでアクセス。
それが文化的高感度人間、早慶野郎の身上。
896 :
吾輩は名無しである:2009/04/12(日) 19:39:33
446 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/04/12(日) 07:16:26 ID:mS4+vtdd
はぁ〜ぁ〜ん、スーパーチャンス♪
オレは、スーパーリア充。
その証拠に、今日は馬券を仕込んでから、風俗に行く。
高校時代の同級、駅弁野郎が、地方でセコく生きているのと好対照。
897 :
吾輩は名無しである:2009/04/12(日) 19:51:35
380 :早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/04/11(土) 12:48:12 ID:Synua7a1
あはぁ〜〜ん、スーパーチャンス♪
おいおい,山さんのスレをしょっちゅう見ているのは事実だが,別にオレは
「大人の教科書」なんて思って無いよ。
それに,飲み屋や料理屋では妙に空気を読んで粋に振る舞うのに,性的には,
妙にストイックで羽目を外さないのは,解せないねえ。大体,この作家は
自分の流儀を貫くため,立ち食いそば屋でも,チップを出したって言うからな,,
可笑しいだろう?
山さんの会もいいよ
898 :
吾輩は名無しである:2009/04/12(日) 21:07:58
487 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/04/12(日) 20:51:10 ID:mS4+vtdd
ぁはぁ〜〜ん、スーパーチャンス♪
( 死に至る病〜中ニ病 )
敢えて反論させていただくならば、「中ニ病」という用語がる。これは外界との距離感が
取れず、一種の適応障害を呈する状態をさすものであろう。かく言う帝王も、このきらいは往々に
して見られる。
しかしながら、優れたアートや創造はすべて、この幼児性が不可欠な要素として内在していることは
言うまでもない。逆に言わせていただくならば、「中ニ病」の要素を持たないcreationを、私は愛さないし、
そういう人と親しく付き合いたいとも思わない。
高三の時点で、「こころのなかの中ニ病」を早くも振り捨て、身の程を知り、家庭環境にも配慮して、夢の多くを
諦めてしまった駅弁大生よ!君たちにとって、そんなに社会が重要か?魅力があるのか?
いつまでもこんなバカやっていられない。ほんとに、そうか?
もっと自分の中の中ニとつき合ってみたくはないのか?私は問うてみたい。
山さんの会いいね
899 :
吾輩は名無しである:2009/04/18(土) 12:17:25
男の「礼儀作法」とか気取っても↑こういうディープな山口ファンも居るわけで
何にも役に立っていないなあと。
900 :
吾輩は名無しである:2009/04/18(土) 20:48:52
656 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/04/18(土) 19:51:10 ID:4s/VlnSM
こんばんは!さて、せこい突っ込みが炸裂していますが、、
私は金は腐るほどあり、所詮競馬なんて暇つぶしの道楽なので勝ち負けは興味無い。
でな訳で、春は皐月賞の季節です。
┏━━━━━━━━━┓ ∧_∧ 4/19 中山11R 芝・右 2000m
┃第69回皐月賞(JpnI)...┃(´∀` )<3歳牡・牝(指定)オープン 定量 発走15:40
┣━┯━┯━━━━━┻○━○━━━┯━┯━━━┯━━━━━┯━━━━┓
┃1 │1 │ロジユニヴァース [牡3]│57│横山典│(東)萩原清│弥生賞 1┃
┃1 │2 │リクエストソング ...[牡3]│57│後 藤│(西)石坂正│スプリング7┃
┃2 │3 │サトノロマネ .[牡3]│57│北村宏│(東)国枝栄│黄梅賞 1┃
┃2 │4 │トライアンフマーチ [牡3]│57│武 幸│(西)角居勝│若葉S 2┃
┃3 │5 │ミッキーペトラ .[牡3]│57│田中勝│(西)森秀行│弥生賞 2┃
┃3 │6 │ベストメンバー .[牡3]│57│四 位│(西)宮本博│若葉S 1┃
┃4 │7 │ナカヤマフェスタ [牡3]│57│蛯 名│(東)二ノ宮 │京成杯 2┃
┃6 │12│フィフスペトル .[牡3]│57│安藤勝│(東)加藤征│スプリング3┃
┃7 │13│(地)モエレエキスパート..[牡3]│57│三 浦│(東)奥平雅│弥生賞 3┃
┃7 │14│アントニオバローズ .[牡3]│57│角 田│(西)武田博│弥生賞消┃
┃7 │15│セイウンワンダー ...[牡3]│57│内田博│(西)領家政│弥生賞 8┃
┃8 │16│アンライバルド ..[牡3]│57│岩 田│(西)友道康│スプリング1┃
┃8 │17│シェーンヴァルト ..[牡3]│57│北村友│(西)岡田稲│共同通 5┃
┃8 │18│リーチザクラウン . [牡3]│57│武 豊│(西)橋口弘│きさらぎ1┃
┗━┷━┷━━━━━━━━━━━━┷━┷━━━┷━━━━━┷━━━━┛
901 :
吾輩は名無しである:2009/04/20(月) 22:24:30
21:早計帝王 2006/05/15(木) 22:25:24 TX5mb8DV0
俺からすれば(田舎でも)十分進学校なんだ。
(都会の)環境がいい人がうらやましいよ。
エンヴィーというよりは、ジェラシーに近いがな。
おまえにわかるか?
都内の勉強してねえ従兄弟が生まれがいいだけで遊びながら東大・早稲田だ。
こっちは、周りがゴミばっか、教師もゴミばっかで必死なのにな。
才能に対しては、誰よりも自信があるつもりなわけだが能力が追いついてくれないんだ。
環境が追いついてくれない。
だから、俺は自分を飛躍させたいのさ。
いうなれば、灘・開成からオックスフォード受かるようなことを俺はしているわけだ。
ただ、これは俺の行動を正当化するための理念でしかない。
実際に、結果を出した後でさらに灘・開成の人間を越えるためにはこれからも弛まぬ努力を惜しまず与えられた環境以上の人間を作り上げる必要がある。
自分に対しての圧倒的な自信がなきゃやってられんのよ。
902 :
吾輩は名無しである:2009/04/23(木) 21:23:27
903 :
早計帝王:2009/04/27(月) 12:51:39
さて、山口瞳さんは「酒を飲めない人は人生の半分しか生きていない」
>>862と
あった。たしかにそれは一面真実かも知れないが、では「女を一人しか愛せない人は
人生の、、(Ry).....と返されたらどうであろうか?山さんの文章は面白いが、どうも
内容にコクが無いのは、これだと思う。貞潔は怠惰の別名である、、なんちゃって。
904 :
吾輩は名無しである:2009/05/02(土) 11:15:49
109 :百獣の王、早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/05/02(土) 11:03:43 ID:qnu5uOhv
あはぁ〜〜ん、スーパーチャンス♪
首都圏の受験生なら、選択の幅が広いから、
志望校は基本的に学力と自分の嗜好だけで決められる。
つまり、受験は基本的に自己裁量、自己責任って人がほとんどになる。
On the other hand,田舎では「地元にある」ということで、信じられないような
低廉な駅弁大学が、選択肢として出しゃばってくる。
全国的に見たら、早慶と比べるなんて笑えるような大学でしかないのにね。
山さんも嘗て言ってたかもしれないが
つまり、中華人民共和国・北朝鮮ほどでないにしろ、
わが国日本でも、出生地による学歴への有不利は、少なくないってことなんだな。
出自の地域差ってのは国家にとってむしろ良い方向に働くんだよな。
あはぁ〜〜ん、スーパーチャンス♪
905 :
吾輩は名無しである:2009/05/02(土) 12:15:20
557 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2007/12/1(日) 04:23:54 ID:my6+vmmm
周りが原因であって全てそのせいにしてるわけでもないんだがな。
事実、
俺は学生のころは、県の模試で名前載ったレベルであり
スポオツももともと県で表彰されるレベル。
要するに、自分の環境を最大限に生かしきった男だ。
・・・というより俺の持つ器が何もしなくても地方を不必要だと訴えてるだけだがな。
ただ、俺が自分をより高みにおける環境にいたのなら先代を超えるレベルになっていただろうという話だ
たとえば今頃(5ヶ国語に精通、東大学長、軍の権威)だったかも知れない逸材だった。
現実とのキャップ・・・それがただ悔しいのだよ。
人徳、人格が大事、都会ではそれは養えない。自分が幸せであればいい。
全部俺から言わせれば妄想だ。
たとえ俺が尊大な態度で接してもバカからすれば俺がおごった態度をとっているとしか感じない。
たとえ周りに優しく接しても理解してくれる人間は少数であり、
まして将来力になってくれる人間はさらに限られる。
都内でもそうなのに田舎ではどうだ?
もともとの次元が違うんだよ。
お前らからすればむかつく悩みかもしれんが俺はかなり真面目だ。
人の上に立ちたいとかじゃなくてもともとの自分の器にあった環境が欲しいだけだ。
〜お前ら〜チョンガーどもにも〜、スーパーチャンス♪
906 :
吾輩は名無しである:2009/05/12(火) 21:02:02
424 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/05/11(月) 12:59:10 ID:kVijj97G
>>420 帝王の緊急コラム エロ写真について想う。
ところで、エロ写真についてだが、永井荷風の昔からカメラは元祖オタク趣味とでも言うべき、
マニアックな世界であって、マニアの人は自分で写真を焼ける、つまり現像設備を持つことが
ステイタスであった。そして、その秘密めいた雰囲気が秘かに流通するエロ写真の淫靡さとも
繋がっていたのである。
しかるに、現代はエロ写真というメディアが、あまりにもお手軽になりすぎた。そうだろ?
携帯を被写体にかざして、ボタンを押すだけで露出も絞りも考える必要がなく、しかし昔の
銀塩カメラよりはるかに鮮明な画像が撮れる。
エロだって、性器ドアップだろうが、結合部モロ見えだろうが、相手さえ良ければ何でもあり、、
あの、シャッターは切ってみたものも、焼き上がるまでは分からない。ひょっとしたら真っ黒
な画面かも知れないという緊張感が、エロ写真の興趣をいや増していると思うのは私だけだろうか?
便利さの上に、私たちが喪って来たものは、少なくないと思われるのであった。
907 :
吾輩は名無しである:2009/05/13(水) 20:18:25
447 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/05/13(水) 08:40:02 ID:pS53qQgS
さて、ワーク開始だ。頑張って金銭を貯めないとな。
地方の受験生を励ます歌でも贈るか。
「早慶に受かるのはあなた」 原詞=阿久悠 改詞=百獣の王、早計帝王 作曲=森田公一
歌唱=百獣の王、早計帝王
〜〜 早慶を受けて良かった 早慶には希望の匂いがする
つまづいて、邪魔されて 泣き叫んでも さわやかな希望の匂いがする
*田舎では 駅弁志向 早慶に受かるのはあなた
受験指導 レベル最低 早慶に受かるのはあなた** (*〜** 繰り返し)
908 :
吾輩は名無しである:2009/05/15(金) 21:14:29
504 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/05/15(金) 07:27:15 ID:VWVYgwdM
【紀尾井町スカッシュクラブってなに?】
まあよ、
>>497 慶応で大学デビューとか高校時代勉強ばかりで暗い青春とか、、まったくその通りで
耳が痛いわ、、、
だが、慶王内部進の奴って育ちがいいだけに、そんな地方出身者をバカにしてないと思うぜ。
少なくとも男はなあ。
懐の広い巨大トナシダ慶応は田舎もんでも、俺みたいなイケメンなら内部上流階級のサークル入り込める隙間はあるよ。
女の子はちょっとな、、クラス名簿を作成して所属サークルやクラブを記入させる欄に
わざわざ「紀尾井町スカッシュクラブ」とかな。
要は俺の居た慶應生活なんて、もう慣れっこで今さら大学生らしい活動なんかダサくて、、ってことだろうな。
山さんと一緒で、俺は地方出身者のカッペは大嫌いなんだ
909 :
吾輩は名無しである:2009/05/15(金) 21:15:56
503 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/05/15(金) 07:16:26 ID:VWVYgwdM
ただ言えることは、ジモ駅残留はもうどうしようもないと言うか、自分を変えることすら
諦めた人々である、ってこった。
カッペはいやだねえw
東京人にならなきゃ
910 :
吾輩は名無しである:2009/05/15(金) 21:18:15
911 :
吾輩は名無しである:2009/05/17(日) 10:32:32
607 :神楽の旦那 ◆0w6TEuvE5U :2009/05/17(日) 10:07:58 ID:lzAU4r9n
www
ないないw
いかにも高級時計に無知な輩が作った恣意的なランキングだね〜w
まず、痴呆液便性大学やそのOBは、ろくに高級時計について知識がないだろ。煽り抜きでさ。
せいぜい、よくてもセイコーあたりが限界じゃない?
普段は、Gショックとかカシオだろ?
もしくは、ロレックスかオメガの偽モノをつけてるとか。
ブランパンやジャガールククトとかの類はまず絶対持ってない。
存在さえ知らないだろうね(笑)
912 :
291:2009/05/21(木) 21:26:07
今書くのはちょっと怖いですが。
>>903 『華麗な生活』で、一穴主義の弁護がありました。
「一人の女の中に全ての女がいるわけだからね」というくだりです。
唐突に、山口瞳と落語について。以前にも書きましたが、
山口と落語の縁は深い。
913 :
291:2009/05/21(木) 21:50:34
正介さんがお書きになった通り(638)、
そして641さんも教えて下さった通り、山口の文体には落語の影響が強いという。
自分は、人生の指針を落語に求めていた、という方が驚きが強いのだが、
ここでは文体の話。
阿川弘之の『春風落月』を読んでいると、エッセイストとして一家をなした
佐和子さんの文章についてお書きになっている部分を発見。
914 :
291:2009/05/21(木) 21:56:00
それによると、佐和子さんの文章は最初は読めたものではなかったが、
最近は腕が上がってきた、とのこと。阿川さんは佐和子さんを熱愛している
ようなので、多少は割り引いて読む必要がある(?)かも知れないが、
自分が注目したのは、ここでも落語(古典落語)が登場している点。
佐和子さんは読書家ではなかったらしい。また、父親から文章指南を
受けたこともほとんどなかったとのこと。では、なぜ?ということになるが、
それは古典落語のテープを延々と食事中に聞かせていたせいだ、
というのが阿川さんの解釈。
そうか、落語の日本語はそんなにも良い日本語なのか。
勉強する、と言っておいて未だに始めていないのは愚か。
915 :
早計帝王:2009/05/22(金) 07:25:15
>>912 わはは、291さん。申し訳ございません。
私の作っているスレから、コピペやなにやらで妙な荒らしがありまして、、
でも、少しは面白かったのではないですか?
916 :
吾輩は名無しである:2009/05/22(金) 20:58:16
>>915 お前が書いたのをコピペしただけだよ
何が男の礼儀作法だよ
あちこちの板でキャラ使い分けて、レスの内容は滅茶苦茶だろうがw
917 :
吾輩は名無しである:2009/05/22(金) 20:59:47
直近の
>>915のレス
983 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/05/22(金) 16:22:54 ID:vUvbi/L5
昔は女の子なら、ジモ駅でも、ま、いいっか〜って思想もあった。
だが、今ではrandomized studyでこの仮説は却下されている。p<0,.005
なぜなら、若き女の子は男の場合よりも、周囲の異性に強い影響を受ける。
パチスロ好きのバイクや改造車乗りのDQNばかりの環境では、ろくな相手と
つき合えない。
上の方にうちの姉貴の結婚式で、慶應の学生だったオレが、姉貴の駅弁時代の同級生に
恐ろしいほどの人気を博したのも、彼女らが「洗練されたもの」に対してまだ審美眼を
失っていなかったことを示している。
984 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/05/22(金) 16:26:10 ID:vUvbi/L5
また、姉貴が法政大文学部に進学したM浦さんを、溜め息で見送りつつ、不本意なジモ駅
教育に甘んじたことを考え合わせても、女だからこそ、絶対トナシダに行っておけ!
と言えるのではないだろうか?
プリティウーマン、モダンガール、、田んぼのあぜ道をボデコンで闊歩してもサムいだけだぞお!
山口の会は俺が作った
918 :
吾輩は名無しである:2009/05/22(金) 21:00:43
Q :浪人して鳥取大
センターまで残りわずかとなりました。
自分は鳥取大学工学部を志望しているのですが、恥ずかしながら学力が足りず恐らく浪人することになると思います。
このような地方国立にはどれくらいの浪人生がいるのでしょうか?
やはり鳥取大学程度のレベルの大学では少ないのでしょうか?
A:1
2浪人して鳥取大学と同じレベルの地方大学を出て、他の国立大学の大学院へ進学し、
今(40歳)一部上場で有名企業の管理職です。人生は長いですね。
A:2
鳥大と同程度の地方国立大学に浪人して入った者です。
私は工学部ではありませんが、工学部の友達にも浪人して入った奴がたくさんいます。自分の周りだとだいたい3〜4割くらいでしょうか。
大丈夫です。一応国立ですから
A:3
相当な三流私大にだって浪人は結構な数がいるもんです.
まして,鳥取大は地方とはいえ国立大学です.珍しくも何ともないくらいの浪人がいるのは間違いありません.さすがに過半数ってことはないでしょうけどね.
919 :
早計帝王:2009/05/22(金) 21:05:00
920 :
早計帝王:2009/05/22(金) 23:49:25
127 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/05/22(土) 08:01:34 ID:6bsVtrSp
こんばんは!さて、せこい突っ込みが炸裂していますが、、
┏━━━━━━━━━┓ ∧_∧ 5/23 中山11R 芝・右 2000m
┃第69回皐月賞(JpnI)...┃(´∀` )<3歳牡・牝(指定)オープン 定量 発走15:40
┣━┯━┯━━━━━┻○━○━━━┯━┯━━━┯━━━━━┯━━━━┓
┃1 │1 │ロジユニヴァース [牡3]│57│横山典│(東)萩原清│弥生賞 1┃
┃1 │2 │リクエストソング ...[牡3]│57│後 藤│(西)石坂正│スプリング7┃
┃2 │3 │サトノロマネ .[牡3]│57│北村宏│(東)国枝栄│黄梅賞 1┃
┃2 │4 │トライアンフマーチ [牡3]│57│武 幸│(西)角居勝│若葉S 2┃
┃3 │5 │ミッキーペトラ .[牡3]│57│田中勝│(西)森秀行│弥生賞 2┃
┃3 │6 │ベストメンバー .[牡3]│57│四 位│(西)宮本博│若葉S 1┃
┃4 │7 │ナカヤマフェスタ [牡3]│57│蛯 名│(東)二ノ宮 │京成杯 2┃
┃6 │12│フィフスペトル .[牡3]│57│安藤勝│(東)加藤征│スプリング3┃
┃7 │13│(地)モエレエキスパート..[牡3]│57│三 浦│(東)奥平雅│弥生賞 3┃
┃7 │14│アントニオバローズ .[牡3]│57│角 田│(西)武田博│弥生賞消┃
┃7 │15│セイウンワンダー ...[牡3]│57│内田博│(西)領家政│弥生賞 8┃
┃8 │16│アンライバルド ..[牡3]│57│岩 田│(西)友道康│スプリング1┃
┃8 │17│シェーンヴァルト ..[牡3]│57│北村友│(西)岡田稲│共同通 5┃
┃8 │18│リーチザクラウン . [牡3]│57│武 豊│(西)橋口弘│きさらぎ1┃
┗━┷━┷━━━━━━━━━━━━┷━┷━━━┷━━━━━┷━━━━┛
921 :
吾輩は名無しである:2009/05/22(金) 23:54:04
>>915さん
お宅、来ないでくれるかな
変な嵐が来て荒れるだけだし、物事を全て小馬鹿に見下げて物事を語る姿勢が微かに汲み取れる
あんまり気分の悪くなる駄文は読みたくないです
922 :
吾輩は名無しである:2009/05/22(金) 23:59:46
あばばばばばば
∩___∩
|ノ 丶/⌒) 躁系帝王!!!!!!!!
/⌒)(゚) (゚) /
/ / (_●)ミ /
( 丶 |∪| /
\ 丶ノ /
/ /
| /
| /\ \
| / ) )
(_ノ ( \
\_)
あびゃば
あびゃあばばば
∩――、
/(゚)丶_ 丶
/ (● (゚)|つ
| (入_ノ ミ
| (_/ ノ
\___ノ゙ー-、
/\ _ \
(⌒O /\ (_ノ
\ノ / 、 )0
躁系帝王こんなとこにいやがったなWWWWWWWWWWWWWWW見つけたっとWWWWWWWWWWW
923 :
吾輩は名無しである:2009/05/23(土) 08:07:03
法文学部の話の続きしようぜ。
宿題として
早計帝王は「旧制高校」と「旧帝国大学」を調べておきなさい。
924 :
早計帝王:2009/05/23(土) 19:07:30
>>921 わかりました。出来るだけ来ないようにしましょう。
でも荒らしとコピペは2ちゃんの華、枯れ木も山の賑わい、、なんちゃって。
私は山さんとは、性向的にどうしても許容しがたい所があるけど、(
>>681、)
彼の随筆は、実に読みやすい日本語だと思う。旅行の時、汽車の中で読むのに最適だ。
小説は正直言って、あまり面白いと思ったことがない。これはやはり何かが足りないのだと思う。
ちなみに私が大好きで、ほぼ暗記している小説は。江戸川乱歩「蟲」、永井荷風「墨東綺譚」である。
後者はあまりにも有名だが、前者は人口に膾炙することがあまりにも少ない。
是非、ご一読いただきたい。
925 :
吾輩は名無しである:2009/05/24(日) 13:21:13
56 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/05/24(日) 07:43:34 ID:WgnnFenL
中央大学理工学部の事件は、かなり典型的な人格とも言えるであろう。
だが「小泉」事件といい、これと言い、理工学部って意外とヤバい方が多いね。
大学時代も比較的禁欲的に真面目に生活した、、かと言って医学部のように
世俗的に(お金や地位)で報われているわけでもない。
自分の知性を恃むところと、社会適応とのギャップで苦しむんだろうな、、
その点、文学部卒で凶悪犯罪って、あまり聞いたこと無いんだけど、、
いい意味で社会に対して距離を置けるんだと思うよ、、
926 :
吾輩は名無しである:2009/05/24(日) 19:32:13
■ おすすめ2ちゃんねる 開発中。。。 by FOX ★
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この人・・・・粘着気質ですね
927 :
吾輩は名無しである:2009/05/24(日) 20:02:30
がめつさや厚かましさを美徳とする大阪は嫌いだと語っていたが、あれは同感
しかしそういう当人は鉄面皮なんだよね
929 :
吾輩は名無しである:2009/05/26(火) 21:43:08
84 :百獣の王,早計帝王 ◆BQQIKtw562 :2009/05/26(火) 07:23:41 ID:Q3CJk19N
おは。
いやあ、昨日は疲れた。
米国では肥満は貧困と無知(この決めつけ方もイヤだが)の象徴とされている。
そこで帝王も体重減量に試みている。
しかしこれ以上カッコ良くなっては、女性にとっては京医、いや脅威であろう。
お前らチョンガーどもにもスーパーチャンス♪
930 :
291:2009/06/13(土) 22:35:00
唐突だが、鷗外を読み出した。じつはきちんと読むのはこれが初めてで、
恥ずかしい限り。勝手ながら日本人の本好きは、漱石派と鷗外派に分かれると
思っている。自分は漱石派だった。
ご承知の通り、山口は師弟関係で言えば漱石派だが、文章家としては
鷗外を評価している。もちろん、鷗外研究者でもあった高橋義孝にしても
同様で、「漱石は底が浅い」とまで言っている。
931 :
291:2009/06/13(土) 22:38:33
さて、鷗外を読んでみてどうか。困ったことに、どうも胸に応えてこない。
もちろん、自分はどうやら文章を味わう感性が豊かではないのだが。
山口は、鷗外を読んで、感動のあまり本を投げ出したことまであった。
しかし自分は、どうもそんな強い印象を受けない。
鴎外の歴史物は、山本周五郎に似ている感じもある。
山口の文体に鷗外の影響はあるのでしょうか?
どなたか、ご教示を。
鴎外派漱石派なんてのは東大文学部の連中が作り出した
文壇利権だよ
小説の神様とか批評の神様なんてのもあったな
そんなもの真に受けて馬鹿じゃないの
933 :
291:2009/06/15(月) 10:17:52
932さん、これはどうも、お厳しい。
漱石派、鴎外派という言い方には、「小説の神様」のような
権威主義が付きまとっているのですか。東大文学部の生み出した。
これは知りませんでした。
できれば、
>東大文学部の連中が作り出した文壇利権
このあたりのことを、もう少し教えて頂けないでしょうか。
934 :
291:2009/07/09(木) 22:13:30
山口への鴎外の影響について、一つ見つけた。
『父の晩年』に収録されている「履歴」、
これは『ヰタ・セクスアリス』の匂いがする。
935 :
早計帝王:2009/07/15(水) 07:37:56
山さんの「酒飲みの自己弁護」が、部屋から発掘されたので読んでみたが、
山さんはホントに、酒場が人間がサントリーが好きなんだねえ〜
サントリーとキリンの合併報道を見たら、どれほど嘆くことか、、
企業風土とか伝統に関係無く、利潤のためには大きくなりさえすればいいというのでは、、
サントリーがビールやるのも反対だった人だから
もっともサラリーマンの事いろいろ書いてるけど
あんまり有能な人ではなかっただろうね
937 :
291:2009/08/09(日) 02:26:55
またしても、どうでも良い話。『優雅なサヨナラ』でこんな話がある。
旅行中、同じホテルに顔見知りの女優が泊まっていたので部屋に行ってみると、
散らかっていて座る場所がなく、床の間近くに座ると、酔っていた女優に
「あんたがそこに座るのは10年早いよ」と言われ、その上無理に誘われた麻雀でも
あれこれ乱暴な口調で指図された。この女優は「知的な清純派」と言われていた。
この女優が誰なのか、分からないでいた。
938 :
291:2009/08/09(日) 02:34:37
誰なのか、今でも分からない。山口に関係のある女優で「知的な清純派」
と言うと……。と考えて、もしかしてこれは大原麗子のことだったのではないか?
などと思いついたので書いた次第。違っていたらごめんなさい。
>>938 ○○○○○でしょう
麻雀好きな「知的な清純派」といえば
もう故人なので伏字にしますが
940 :
291:2009/08/09(日) 07:37:09
>>939さん、早速のレスをありがとうございました。
そうですか、では別人ですね。大原さん本当にごめんなさい。
一体誰だったのでしょうか?939さんのお考えに背くようで恐縮ですが
実に知りたい。
邪推ですが、名字は漢字、名前はひらがなの人でしょうか?
941 :
291:2009/08/28(金) 21:01:19
『山口瞳対談集』が出るとのこと。有り難い。
論創社さん、『世相講談』もそうだが、今回も良い仕事してますね。
942 :
291:2009/08/28(金) 21:05:25
終戦の日は過ぎたが、山口の平和思想について。
山口は筋金入りのハト派だった。
日本の進むべき道についても、政治用語で言えば非武装中立論者だった。
『私の根本思想』では、武装放棄を唱えて、
それでは抵抗できなくなるではないか、と言う反対論を見越して、
丸腰の国を攻めてくるような世界は生きながらえるに値しない、
と断言していた。
943 :
291:2009/08/28(金) 21:07:30
この言葉の凄味に気がついたのは、自分が子を持ってから。
自分一人ならば、山口流の理想論も受け入れられよう。
しかし、自分の子供も殺される可能性があるのに
あのように言い切るのは難しい。もちろん、山口も人の親だった。
944 :
291:2009/08/28(金) 21:28:12
非武装中立論は、かつては社会党内の一部が唱えていたが、
村山富市は首相となって自衛隊を合憲と宣言した。
これについて、山口は「河川敷の決闘」で、
草野球への野次に託して強烈に批判した。
「やい、自衛隊が合憲とは何事だ。非武装中立に
命をかけた男もいるんだぞ」
この「男」とは山口自身のことだろう。
945 :
291:2009/08/28(金) 21:30:19
なお、このエッセイでは、入院中の吉行淳之介を
想う心情も書かれていた。あのエッセイは見事だった。
946 :
291:2009/09/17(木) 23:39:21
『山口瞳全対談1』を落手。沢木耕太郎との対談で、気になるところがあった。
長いサラリーマン生活を通じて、給料袋の中身に手を着けたことがなかった、という。
すべて麻雀などのギャンブルでまかなっていたということだが、
あれだけの酒飲みだったのだから、その額もかなりのものだったろう。
947 :
291:2009/09/17(木) 23:42:56
以上のことは他のところでも山口が書いていたが、身近にこういう
サラリーマンがいたら、やはりやや崩れた感じを受けただろう。
また、この対談は『草競馬流浪記』の後のものだが、馬券を買う楽しみとして、
プロの馬券師やヤクザ者の上前をはねる、ということも挙げていた。
どうも山口は、やはりいわゆる小市民とは違う。
948 :
291:2009/09/24(木) 20:55:59
『山口瞳対談集1』読了。本のタイトルを間違えていた。
『山口瞳全対談』ではなかった。
重松清氏の「解説」がよい。僭越ながら、文章が良く、
また内容では、「作家はひとり」のくだりが特に良かった。
今さらながら、重松氏もかなりの山口瞳中毒者ですね。
949 :
欠落人:2009/09/30(水) 05:33:01
「月曜日の朝」「金曜日の夜」(週刊朝日S48・49連載)を読了
950 :
291:2009/10/21(水) 20:19:11
>>949さん、良かったら読後感を。
対談つながりで、高橋義孝との対談、『師弟対談 作法・不作法』から。
最後の、「文章には人間の全体が出ます」のところで、
編集者との関係について山口が述べている。
951 :
291:2009/10/21(水) 20:27:21
>最後の、「文章には人間の全体が出ます」のところで、
変な日本語だ。→
「文章には人間の全体が出ます」のなかで、
編集者とテニオハの感覚が一致すると云々、と述べている。
このことは417でも書いたが、ここでは別な角度から。
テニオハがおかしければそれを指摘し、直させることもある、
ということは、編集者の権限は、どうやら自分が考えていたよりも
かなり大きい。活字になった文章とは、作家の完全な制作物ではなく、
編集者との共同作業としての性格もある、ということのようだ。
じつは中野氏も、編集者時代の山口は
受け取った原稿に不備があるとそれを指摘していたという。
952 :
291:2009/10/21(水) 20:41:34
特に山口は、編集者の役割を重視した様子。
以前に452さんに教えてもらった、新潮社の山口番編集者の座談会では、
山口の創作に積極的に貢献するような芸を持った編集者が求められた、という。
953 :
291:2009/10/28(水) 20:11:35
『対談集』の2と3を入手。常盤新平氏との対談まで読んだ。
常盤氏は山口を「先生」と呼ぶ。これ、山口ファンなら常識だろうが、
それでもこれだけで胸に迫るものがある。
というのも常盤氏はどこかで、「山口先生は稀に見る素敵な人だった。
口惜しかったら、あんな素敵な人になってみろよ」と書いていた。
これはもちろん、死期が迫っていることを覚った山口の絶唱の書き換え。
そう、師弟関係が継続している。
954 :
291:2009/10/30(金) 10:08:51
常盤氏との対談で驚くことが一つある。
946で書いたことについて、具体的なデータが挙げられている。
月給2万円の頃、飲み代が10万円を超えることがしょっちゅうあった、
とのこと。今の金にすると100万円を超えることになる。
しかし、山口は給料袋の中身に手をつけたことがなかった。
つまり、賭け麻雀で勝った代金を酒場の支払いに充てていたわけ。
徹夜麻雀で、当時の金で5千円の勝ちでは割に合わない、少なくとも
2・3万は稼がないと、と思っていたそう。
955 :
291:2009/10/30(金) 10:10:38
ここで本人が挙げている数字をそのままに信用して今の金に換算すると、
100万円を賭け麻雀で勝って、それを飲み代に使う月がしばしばあった、
ということになる。
やはりこの人は、普通の人ではない。
『江分利満氏』→『(元祖)マジメ人間』→『新入社員諸君』→『月曜日の朝』
の系列の山口は、やはり本人の一面でしかないようだ。
956 :
291:2009/11/04(水) 22:45:50
『国立の旦那 山口瞳を読もう』を読んでいる。
いやあ、山口は良いお弟子さんを持ちましたね。と言っても
常盤氏は年齢で言えば私の先生(と言うより先生の先生か)に
あたるのですが。
957 :
291:2009/11/04(水) 23:02:44
この本、山口ファンには有り難い情報に満ちている。
幾つも新発見があった。『酔いどれ紀行』の浦安編で、
「小張君の意見」の部分をこの本の白眉の一つと常盤氏はしている。
この話、絵を描いていた山口の邪魔をする小学生の小張君に、
「仕事の邪魔をするな」と言ったところ、「そんなのは仕事じゃない。
大工さんとか電気屋さんが仕事なんだよ」と言い返され、
「場外ホームランを打たれた投手」の心境になったが、同時に
心地よい感動に包まれた、というもの。
958 :
291:2009/11/04(水) 23:07:59
続いて山口は、小張君の父親の仕事を尋ねる。
ところが小張君はにわかに弱きになり、「競馬」という返事が返ってきた。
ここで山口は小張君に親近感を感じた、という。
この親近感、私は、競馬好きの人間としての親近感だと思ってきた。
しかし、それだけではないのかも知れない。小市民的な勤労観を持ちつつも、
自分に流れる「無頼」の血を意識せざるを得ない、そうした二律背反を自分と同じように
感じている小さな小張君に親近感を感じたのではないか。これは深読みしすぎかな。
959 :
291:2009/11/09(月) 10:00:42
常盤氏の山口観についてはもう少し言いたいことがあるのだが、
それは後回し。ここでは山口について別な事柄。
この人、地口がかなり巧みだったのではないかと思う。
『対談集3』での、吉行、色川との鼎談でも、ほかの二人が気付かない
(気付かないふりだったのかもしれないが)語呂合わせについて
指摘していた。
960 :
291:2009/11/10(火) 20:28:15
地口の続き。「地口」と「駄洒落」は、微妙に違うのかも知れないが、
本質は同じではないか。
山口は、駄洒落について『英雄の死』のどこかで、文士にあるまじき行為、
と厳しく糾弾していた。その山口が、実はこうした語呂合わせに巧みだった
と言うのは面白い。「詩人の兄」と吉行に言われて、即座に「ナオミ」
(『痴人の愛』)と言い返すところなど。
961 :
291:2009/11/10(火) 20:31:05
まあしかし、そんなことよりも『国立の旦那』が面白い。
山口の、師としての側面を知ることができるからだろう。
これまでは、高橋・吉野の弟子、そしてサントリー社員(≒同僚)、
谷保村の旦那、そして作家としての側面は知っていたが、
誰かの「先生」(文字通りの意味での)は知らなかった。
962 :
291:2009/11/15(日) 20:48:42
色々なことで新発見があるが、常盤氏は「酒場を書かせたら、
この作者にはかなわない」。という。そう言われればそうかも知れない。
確か嵐山光三郎氏だったと思うが、初めての酒場に入った時の山口は、
少し意地悪な目つきをする、と書いていた。それこそ駆け出しのマダムが
縮み上がるような目つきという。
963 :
291:2009/11/15(日) 20:53:43
どこに書かれていたのか忘れたが、山口を良く知る酒場のマダムが、
実は山口はアーバンな雰囲気があって、酒場では女性から人気があったのだという。
吉行とは違う意味で、酒場がよく似合う人だったのだろう。
964 :
291:2009/11/15(日) 21:01:22
常盤氏の山口観に戻ろう。『大全』の解説をたくさん書いているが、
『なんじゃもんじゃ』については「間奏曲的な小説」としている。
うーん、もう少し踏み込んで書いて欲しかった。前にも書いたが、
これは山口の感性が全面に出た作品。治子夫人も、山口の書いたもので
一番好きなのは『優雅な生活』と『なんじゃもんじゃ」であると
言っていて、これは我が意を得たり、との感じがした。
965 :
291:2009/11/15(日) 21:06:28
なお、正介さんは、山口の作品で一番好きなのは、
一連の紀行文であるとされていた。
さて、常盤氏は、『男性自身』のベスト・ワンとして、
「仮り末代」を挙げている。ただし、これは山口存命中のことで、
まだ『優雅なサヨナラ』に収録されるものが書かれる前。
今、常盤氏にベスト・ワンを選んでもらったら何になるだろうか。
そして、自分なら何を選ぶだろうか。
トコちゃんをシゴク話とかなかったっけサントリーで。
967 :
吾輩は名無しである:2009/11/26(木) 20:29:05
先週、谷保天いったよ!何か記念品欲しかったから、谷保天ステッカー買った。
関さんの記念碑は見つけられなかった
968 :
291:2009/12/08(火) 15:52:22
>>966 寡聞にして知りません。
>>967 自分も行ってみたいのですが……。
自分が『男性自身』シリーズから選ぶとしたら、
『優雅なサヨナラ』は別格として、やはり『木槿の花』の
向田邦子死去の連作だな。緊張感が凄い。
これとは別に、初期のもので、日比谷の交差点を信号無視して渡る
女の話も良かった。
969 :
291:2009/12/08(火) 20:36:02
話が前後してしまうが、常盤新平氏が師の山口を超えたかと思われる
部分があるので、是非書いておきたい。
山口は『新入社員諸君』で、「給料分だけ働けば良いだろう、という
ミミッチイ考えをおこしたらおしまいだよ」という意味のことを書いていた。
これはその通り、ごもっとも。だが常磐は、「白いシャツが目にしみる。
新入社員諸君に贈る言葉」で、「おれは会社に必要な人材だ、と思った時、
その人はダメな社員になっている」と言う。こちらの方が凄味がある。
名言だ。そして大変耳の痛い言葉。
970 :
291:2009/12/09(水) 20:28:54
『対談集3』の最初は、遠藤周作との対談。実は自分は、遠藤周作の読者でもあるが、
まるで資質も気質も違う二人の対談がどうなるのかと少し心配で読み始めると、
遠藤が最初に「ヒトミちゃん」と呼びかけている。それだけで自分は嬉しくなってしまう。
二人のエッセイで、お互い同士に触れている部分もあった。『酔いどれ紀行』の長崎編と、
遠藤の『ぐうたら交友録』(だったか)で、山口を、北杜夫や奥野健男と並んで麻布出身の
友人として挙げていた。
971 :
291:2009/12/09(水) 20:33:20
『対談集3』の解説は先崎学八段。羽生名人が、史上最強のアマチュア将棋指しは山口瞳である、
と言ったということを紹介している。これまた山口ファンとしては、痛快無比の言葉。
最強のアマチュアとは、最強の旦那衆、という意味だが。
先崎八段について、山口は「文才がある」と誉めていたが、この解説によると、
ウィスキーをストレートで飲んでいたため、随分可愛がってもらったのだという。
少し、羨ましい。
対談集は5巻で終わりなのかな。
いい仕事なのだから、残さず全8巻まで是非刊行して欲しいのだが。
採算の面で難しいのかな。
論創社の担当者、頑張れ。
973 :
972:2009/12/10(木) 19:35:49
974 :
291:2009/12/11(金) 20:44:17
>>293さん、大変重要な情報をありがとうございます。
自分もメイルを送りました。
975 :
291:2009/12/11(金) 20:45:13
残念ですが、5巻をもって「ハイ、それまでよ」です。
出版社に嘆願するというのは、酷な話です。
なぜならば1巻の重版が未だにかからない(かけられない=売れない)からです。
それで8巻まで出せという、そんな滅茶苦茶なことは小生はとてもいえませぬ。
一穴主義者
978 :
291:2009/12/23(水) 21:24:09
>>976 さん
そうなのですか。第1巻の利益を、その後の巻の刊行費用に充てる、
というわけでしょうか。
では、残念ながら一読者としてはどうしようもないのかな。
>978
1巻の利益云々という、そんな次元の問題ではありません。
1巻が売れなければ、2巻も3巻も売れるわけがない。全集というものはそう
いうものです。売れないものを出せとは言えないということです。
この機会に全ての対談を収録して欲しいなぁ。
未収録がまた残ると思うと、どうも消化不良で精神的にいかん。
ファンとしての純粋な心理なり。
981 :
291:2009/12/25(金) 11:16:27
>>979 さん、ありがとうございました。
やはり、一種の見切り発車として企画がスタートしていたのでしょうか。
>>980 さんの言われるように、出して欲しいところではありますが。
山口瞳の対談なんかつまらんだろ
人物も面白味ないし