新・一緒に暮らすならどの娘?part6(何でも有り
2 :
ななし:02/06/04 20:24 ID:bJBLwKcg
2ゲット
3 :
名無し募集中。。。:02/06/04 20:26 ID:4MmYPpxD
∩ ∩ 3ゲトーーーーーーーーー!!!!
〜| ∪ | (´´
ヘノ ノ (´⌒(´
((つ ノ⊃≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
 ̄ ̄ ̄(´⌒(´⌒;;
ズザーーーーーッ
\(^▽^)/新スレおめでとうございまーす♪
安倍「やった!やった!」
満面の笑みで帰ってきた潤を迎えた安倍であった。
潤「バカ。」
素っ気なさ過ぎる潤の返事にも安倍の表情が曇る事は無かった、
赤川「おめでとう潤君、君の言うとおりだったね。」
潤「次は弥生賞ですよ、赤川さん。」
赤川「よし、分かった。」
すると安斉が近づいてきた、
安斉「いややっぱり強かったな、俺の目に狂いは無かったよ。」
潤「ま、そう言っとかないとなお前は。」
池田「どういうことだい?」
潤は安斉が自分をマークして競馬したのを話した。
池田「へぇ〜」
池田とその周りは大変感心した様子だった、
そりゃサイレントスズカが勝つなんて誰も考えていなかったのだから。
安斉「芝でもいけると思いますよ。」
赤川「ありがとう、弥生賞がんばるよ。」
2人はがっちり握手を交わした。
業腹「……」
不思議な顔をした業腹がようやく引き上げてきた。
業腹「おい安斉、“自分で潰れに行ってどうするんだよ。”ってどう言う事だ!?」
業腹が安斉に詰め寄った、
安斉「自分の馬の事わかんないのか?だったら説明しても無駄だ。」
業腹「なにぃ!」
自分のお手馬なのに安斉が自分より馬の事について知っている事が腹に立っているようだ。
赤川「業腹君やめないか、」
潤「八つ当たりはよくねぇぞ。」
業腹「ケッ!」
周りが止めに入り、業腹は渋々引き上げた。
安斉「……まぁいいや…それにしても良かったな。」
潤「そう誉めんなよ、安斉。」
安斉「なつみちゃん取られなくて(-。-) ボソッ」
潤「氏ね。」
安倍「( ● ´ ー ` ● )?」
ってかなんでこいつが知ってるんだ?
潤「何で知ってんだよ、そんな事?」
安斉「あんな馬鹿でかい声で喋ってれば誰だって。」
安斉は俺のもとから離れ安倍に近づいた、
安斉「いやーよかったね〜……」
安倍「うん、とっても!」
徐々に2人は遠ざかる、
安斉「…………」
安倍「……!…………!」
くそっ、離れててよく会話が聞こえん。
後で安斉氏なす。
7 :
剣士:02/06/04 21:45 ID:Kg2K3cnn
>パート5,815の続き
バイクをとばすこと15分。俺のお気に入りの場所についた。
「わぁ〜・・・きれい・・・」
着いた所は、海。天気がよかったこともあるが、海が陽の光に当たってキラキラ光っている。
うむ・・・いい時に来れた。
「俺が一番好きな場所なんだ。落ち着くからね・・・」
紺野さんはウットリとした表情。いい雰囲気だ。
おお?寄りかかってきた・・・・。
「竜哉さん・・・・」
・・・ウットリした表情っていうか、ホワ〜っとした表情って感じだな。
そうだ・・・頭なでたらどうなるかな?
「(サワサワ・・)ん・・・」
可愛いよ!ファンがコレ見たら吹っ飛ぶよ!(ちと大袈裟)
「世界で一番、竜哉さんが好きです・・・ずっと一緒ですよ・・・」
こ、コラ、そんな恥ずかしいこと言うんじゃないって!赤面しちまうっつーの!
でも・・・そこまで言われたら・・・・ねぇ・・・。
「俺も・・・好きだよ。」
ほら・・・こんな言葉でちまう。
「そ、そろそろ行こうか。どこ行く?」
さすがにこんな雰囲気慣れてないから、長くはいられない。
「そうですね・・・そろそろお昼だし、食べにいきましょうよ」
そして、レストラン直行。相変わらず紺野さんの胸が背中に当たってドキドキしながら、バイクをとばす(ヲイ)
やっぱファンにはたまんねーだろうな・・・こんな生活。
だが・・・この生活も「終わり」が近づいてることを、俺も紺野さんもまだ知らない。
8 :
剣士:02/06/04 21:46 ID:Kg2K3cnn
更新終了です!
終わり・・・が近づいてます
9 :
/:02/06/05 01:49 ID:iCJGm4I3
新スレおめ。
剣士さんがんばれ!
10 :
こうもり:02/06/05 10:46 ID:TOiqMDeP
「うう、寒い」
俺は肌寒さを感じて、目が覚めた。
さすがに冬の最中にトレーナー一枚で寝るのには無理があったようだ。
俺はソファーから身を起こし時計を見ると、午後一時を回ったところだった。
俺は少し腹が減っていたので、ご飯を作ろうかと思い冷蔵庫を開けたが
そこには何も入っていない。
あっ、そうだ今日の朝飯で材料全部使い切っちゃたんだ。
さすがに二人分作ると色々減るのが早いな。
今日は買い物でもしてくるかどうせ、する事もないし。
俺はそう考え、ジャケットを羽織り、家を出た。
「しかし今日は本当に寒い」
俺はそんな事を呟きながら小走りで車に乗り込み、そのままスーパーに行った。
11 :
こうもり:02/06/05 10:49 ID:TOiqMDeP
今日は近所のスーパーではなくちょっと遠くにある大きいスーパー
に来ている。
店内は週末なので、店内はすごくごったがえしている。
俺も今日は買うものが多かったのでカートを引きながらその中に入る。
俺は素早く自分の欲しい物だけをとって、そのままレジのほうに行った。
レジも凄く込んでいて、しばらく自分の番がきそうもなかったので
俺は愛ちゃんにメールでも打つ事にした。
なにがいいかな。
うーん・・・・。
俺は少し考えてこうメールを打った。
【愛ちゃんへ。
今はライブ中だと思うけど頑張ってね。
明日楽しみにしているから】
更新終了。
>silent suzuka さん
スレ立て御疲れ様です。
早速使わせてもらいます
しかし息の長いスレだねぇ(シミジミ
自分は羊に来ると必ず立ち寄るからねぇ。
作者様これからもイイ作品期待しておりまふ。
最近、作者さん達に元気がないな〜〜。
こうもりタンは相変わらず(・∀・)イイ、感じだけど。
14 :
こうもり:02/06/06 10:44 ID:f7A+DomZ
俺は携帯をしまい、自分の番が来たので会計を済ませ
スーパーを出て家に戻った。
はぁー、やっと着いたな。
俺はそう思いながら袋をテーブルに置く。
今日は買いすぎたせいか袋がとても重かったのだ。
俺はとりあえず買ったものを全部整理して、ソファーに座り携帯を見た。
するとそこには愛ちゃんからの返信メールが入っていた。
【カズさんへ。
今はライブの休憩中です、やっぱりライブは緊張します。
でもこれもいい経験だと思って頑張ります。
それから明日たのしみにしてます、絶対に来てくださいね】
15 :
こうもり:02/06/06 10:44 ID:f7A+DomZ
愛ちゃんのメールを見て俺はもう一回メールを返そうと思ったが
愛ちゃんの邪魔になると思ったのでやめておいた。
さて、何をしようか・・・。
うーん、何か絵でも書こうかな。
俺はそう思い、自分の部屋に入りイーゼルの前に座る。
そして、なにか浮かんでこないのかと思い目を閉じた。
頭の中に浮かんできたのは、愛ちゃんのはにかんだような笑顔。
俺はそれを描こうと思い筆を取り、紙に描こうとしたが
全然筆が進まなかった。
俺の頭の中は愛ちゃんの表情でいっぱいになっていたが
それを描こうと思うとどうしても筆が止まってしまう。
今日はもうやめようと思い、筆を投げ捨てて俺はベッドの上で横になる。
更新終了。
16 :
:02/06/06 20:22 ID:MX7spYOs
>>16 それはどういう意味なのか批判スレにて400字以内で簡潔に述べよ(100点)
18 :
剣士:02/06/06 21:52 ID:5Kd3vBAV
別れ。それは突然やってくるもの。俺にとっても例外ではなかった・・・。
ある日、学校から帰ってきたとき・・・
(プルルルルルル!)
「電話か・・誰だ?ったく・・この疲れてる時に」
学校から帰ってきた時、俺はとても不機嫌である。(まあ、この際どーでもいいが・・・)
「はい、もしもし・・・」
「竜哉?よかった・・・まだ学校かと思った」
母さんだ!いきなり、しかも何で?
「どしたの?いきなりまた・・・」
母さんの用件は、驚かずにはいられないかった
「ああ、そうそう・・・喜びなさい。竜哉、一緒にアメリカで住めるわよ!」
何ぃ!いきなりなんだよ!
「どーいうことだ?いきなり・・・」
母さん、ちゃんと説明してくんないねぇ・・・興奮してる感じだ。
「あ、そうか・・・あのねぇ、父さんの仕事が評価されて、一気に出世して、さらに竜哉も一緒に働けることになったの!」
んなアホな・・・・そんな話、聞いたことないぞ!
「じゃあ、手続きして・・早く来なさいよ」
おいおい・・・先走りすぎだっつーの・・・。
「ちょっと考えさせてくれ・・・」
まあ、普段なら「行く!」って言うだろうが・・・
「どーいうこと?一緒に住みたくないわけ?」
あ、怒ってる・・・紺野さんのこと、説明しないと・・・。
「あのねぇ・・・・・・・・・・・・・ということなんだ」
母さんは黙ってしまった。ヤバイかな?
「紺野さんってモーニング娘。だよね・・・じゃあ、つんくと話あってみれば?それで決めなさい」
あ、そっか・・・それもいいか。
「わかった。じゃあ、行くなら電話する・・・」(ガチャ)
ふう・・・さて、どうすっかなぁ・・・。
「ただいまぁ」
紺野さん、帰ってきたか・・・。
19 :
剣士:02/06/06 21:58 ID:5Kd3vBAV
言えないな・・・海外へ、なんて・・・。
「どうかしました?暗いですよぉ?」
あ、ヤベェ・・・顔に出たか。
「いや・・・もうすぐテストでヤダなって思った」
まあ、順当なごまかしだろうな・・・。
「そーなんですか・・・頑張ってください!」
・・この励ましがいいんだよな・・・でも、嘘ついちまった。
でも、いつかはバレるかも・・・・。その時、紺野さんは・・・。
いや、やめとこう・・・そんな考えは。
「???明るくいきましょ〜!」
ふう・・・とりあえず・・・つんくさんと話だな。
「飯、食うか・・・」
「ハイ!お腹ペコペコです」
紺野さんと別れることになったとき、俺は・・・・耐えられるのか?
−無理だ−
紺野さん・・・俺はどうすりゃいいんだ?
20 :
剣士:02/06/06 22:00 ID:5Kd3vBAV
更新終了。
皆さん頑張ってください!
―そして3月、サイレントスズカと潤は弥生賞へ駒を進めていた。
赤川「ついにここまで来たか……」
赤川は自分の馬が中央のクラシックに進めた喜びに浸っていた、
安倍「先生、それにしても人が多いですね……」
そりゃそうだ、今2人がいるパドックには数え切れない人がいた、
地方のパドックとはケタが違う。
とま〜れ〜!
独特のとまれの掛け声がかかり、それぞれ騎手がお手馬に散った、
赤川「潤君、頼むから3着までに入って皐月賞の権利を取ってくれ、
そうでなければ……」
潤「大丈夫ですよ、任せてください。」
安倍「頼んだよ……!」
しかし現実は甘くなかった、
この3歳世代にはパンドラという怪物とタガノモンスターの怪物対決、
超良血ヒカリノハヤサの3強対決に注目が集まっていた。
各陣営は続々回避し7頭立てになっていた。
もちろんサイレントスズカは7番人気だった。
http://silentsuzuka.hoops.ne.jp/G3.mp3 ファンファーレが鳴り響き早くもゲート入りとなった。
実況「さぁ小頭数の7頭早くも収まりました。」
スターター「出ろー」
ガチャン!!
実況「スタートしました、そろったスタートであります。
……まだ横一線であります。」
お互いが牽制しあいまだ7頭横一線、
誰が逃げるんだという感じだった。
実況「……どうやらパンドラが先頭に立つ模様でしょうか…?
ほとんど差が無くタガノモンスター…1馬身後にマイネルジン、
レッドデビルが半馬身外そのすぐ後方にロードスキャン、
3馬身はなれてここにヒカリノハヤサです。そのすぐ外に最後方から
サイレントスズカ地方からの参戦です、今年の弥生賞はこれで全部7頭。」
安倍「う、後ろから!?」
赤川「超スローになりそうなのになぁ…」
普段スローのときは逃げる事が多い潤だが、
今日は最後方という珍しい位置取りを取っていた。
23 :
ネオ生茶:02/06/06 22:39 ID:SIv0V0it
駅から学校までは、徒歩10分といったところだ。
普段、この道はウチの学校の生徒でいっぱいだが、今日は、電車が遅れたのでほとんどいない。
愛ちゃんは、辺りをキョロキョロしている。
「今度、一緒にあの店行こう!」
と、言われたので、
「ああ」
と、僕は答える。
そんなこんなで、学校に着いた。
そして、愛ちゃんを中等部の職員室に送り届ける。
電車のことは、電話で伝えてあったので大丈夫だった。
「じゃね」
「うん、じゃね!」
愛ちゃんは手を振ってくれたので、僕も手を振り返す。
そして、ボクも自分の教室に向かう。
24 :
ネオ生茶:02/06/06 22:41 ID:SIv0V0it
「お年寄りが安全に過ごすために……」
ガラッ!
授業中だったので、クラス中が一斉にこっちを見る。
「堤君、どうかしたの〜?」
「信治、何かあったの〜?」
クラス中から、そんな声が聞こえてくる。
しかし、
「みんな、静かに」
と、先生が言うとクラスのみんなは静かになる。
「あれ、堤……電車が遅れたんだっけ?」
「そうです」
「うん、わかった。席について……授業を続けます」
先生にそう言われて、ボクは席に向かう。
この先生は担任で、本名は……知らない。
生徒のほとんどは、「ガックン」と呼んでいる。
「先生」と呼んでいるのは、ボクと後数名だけだろう。
ちなみに、教科は家庭科だ。
25 :
ネオ生茶:02/06/06 22:42 ID:SIv0V0it
とりあえず、席に着く。
「吉澤、おはよう」
「……おはよう」
この子は、隣の席の子で、吉澤ひとみ。
ちょっと近寄りがたいところはあるが、根はいい奴だ(と思う)。
授業中は、大抵、MDを聴いているか、寝ているかだ。
なのに、成績はいい。
なんでだろ……?
「堤、教科書、読んで」
先生に言われて、ボクは我に返る。
「はい……え〜と、お年寄りが暮らしやすい社会に……」
ボクは、教科書を読み始める。
26 :
ネオ生茶:02/06/06 22:43 ID:SIv0V0it
更新です!
27 :
こうもり:02/06/07 10:58 ID:JhCp+KdW
やっぱりダメなのかな。
頭の中は愛ちゃんの顔で一杯になっているのに・・・。
でもここで描けなかったら本当にこれから似顔絵が
描く事が出来なくなりそうだな。
やっぱり俺も頑張らなきゃ、今ごろ愛ちゃんも頑張っているはずだ。
俺はそう思い、再びイーゼルの前に座り筆を取る。
そして、一気に頭に浮かんでいる愛ちゃんの顔を書いてみた。
「これじゃあダメだ、頭に浮かんでいることの半分も描けていない」
俺はそう呟き、描いた紙をぐしゃぐしゃにして、ゴミ箱に投げ捨てた。
俺はその後三十枚くらい描いたがどれも納得いかないものだったので
全てゴミ箱に捨てた。
今日はもうやめにするか。
俺はそう思い部屋から出る。
28 :
こうもり:02/06/07 10:59 ID:JhCp+KdW
そしてリビングにある時計を見ると、いつのまにか十時を回っていた。
俺は部屋で絵を描くのに集中しすぎて、時間の経つのを忘れていたようだ。
そう思うと俺は腹が減ってきたので、夕食を作ろうと思いキッチンに立つ。
今日はどうするかな、簡単に肉野菜炒めにでもするか。
俺はそう思いその準備をしていると
「ピーンポーン」とインターフォンが鳴る。
誰だろうこんな時間に、と俺は思ったがとりあえず玄関に行くと
「南条さん、早く開けてよ」と聞きなれた声が聞こえてくる。
そう、その声の主は矢口さんだった。
俺はなんでいきなり、矢口さんが来たのかがわからなかったので
ドアを開けずに聞いてみる事にした。
「矢口さんどうしたんですか?こんな時間に」
「いいからとにかく開けてよー、ここ寒いんだから」
と矢口さんは泣きそうな声で俺に言う。
俺は仕方なく家のドアを開ける。
すると、矢口さんが家の中へ飛び込んできた。
「はぁー寒い」
矢口さんはそう言いながら靴を脱ぎ、勝手に家の中へ入って行く。
「ちょ、ちょっと矢口さん」
俺は家に入って行く矢口さんを止める事が出来ずにそのままついて行った。
更新終了。
29 :
:02/06/07 21:04 ID:xHelhAPx
愛ちゃんのいない時に・・
30 :
:02/06/07 21:39 ID:L+n6rjR7
愛ちゃんと矢口の三角関係どろどろ展開をきぼーん
32 :
剣士:02/06/07 21:57 ID:4a7OjOFV
>18の続き
翌日、俺はつんくさんに会いにいった。
「おう!どないしたんや?」
笑顔で迎えてくれる・・・心が痛いよ・・ったく。
そして俺は、つんくさんに事情を説明した。
「ふ〜む・・・・よーわかった・・・紺野のことか・・・こっちも頭痛いなぁ・・・。今成長してる時やから、やめられとうないんや」
確かに・・・最近の紺野は大活躍。そのいい時に連れて行けるワケがない。
「そうですね・・・だから俺、一人でアメリカに行こうかと・・・・」
これしかないんだ、と自分に言い聞かせていることを言った。
「なるほど・・・しかし、紺野はどうしたらええ?悲しむやろうし・・・」
だから・・・言われたくないことを言うなって・・・。
「・・・紺野さんには黙って行こうかと・・・」
つんくさんは黙ったまま頷く。やっぱこれが一番いい選択だろう。
「わかった・・・お前が行ったあとで説明しといたる。紺野に気づかれんように、バックアップしたる」
助かるよ・・・ホント。
・・・・・・・・・・・・紺野さん。
−ごめんな−
これしか言えない自分が憎い。
33 :
剣士:02/06/07 22:11 ID:4a7OjOFV
それから数日、つんくさんの計らいで、紺野さんは家には戻ってこなかった。
遠くへの仕事で、ホテル泊まり。
電話で会話したりした。長電話で飯田さんに怒られたが(汗)
紺野さんのいないうちにアメリカに行く準備は整った。
「いよいよ明日か・・・・」
寂しさ、罪悪感が募る・・・紺野さん・・・。
(トゥルルルルル)
あ・・・電話・・・。
「もしもし・・・?」
「竜哉さん!起きてましたか!」
紺野さん・・・明るい声・・・。
「ああ、起きてた。紺野さん・・・実は俺、言いたいことがあったんだ」
今日しか言えない・・・・これで最後なんだ・・・話す時間も。
「何ですか?あらたまって・・・・」
「紺野さんのこと、ずっと愛してる。それに・・・いままでありがとう」
これしか言えない。でも・・・伝わってくれたはず。
「・・・恥ずかしい・・・。でも、いままでありがとうって?」
ゲ・・・鋭い・・・・。
「ああ、いや・・・なんでもない。俺明日早いし、もう寝るよ。紺野さん、仕事頑張ってな!」
何とかごまかしきれるか!
「はい!おやすみなさい!明後日帰りますから」
明後日・・・俺はいないんだ・・・。
さて・・・と寝るか。紺野さん・・・おやすみ・・・。
そして翌日、俺は夜の飛行機でアメリカへ。
紺野さんを置いて・・・・・・。
34 :
剣士:02/06/07 22:12 ID:4a7OjOFV
更新終了。
皆もガンガンほ〜ほらいこうぜ!
35 :
:02/06/07 23:39 ID:xHelhAPx
切ない
作者達がサッカーを見てるせいで更新が少ない・・・鬱
37 :
こうもり:02/06/08 10:28 ID:2JYPW53q
「こんばんは南条さん」
矢口さんはソファーに腰掛け、俺にそう話し掛ける。
「どうしたんですか?
確か今日はライブがあったはずですよね」
俺はそう尋ねながら、矢口さんの正面に座った。
「ライブ?それはもう終わったわよ」
「でも明日もライブですよね」
「そうだけど、なんか終わってから暇だったから・・・
それに今日は高橋いないんでしょ、さっき言ってたから来てみたの
さすがに高橋がいるなら私も来れないから」
矢口さんはそう言うとソファーに腰を沈め、くつろいでいた。
38 :
こうもり:02/06/08 10:29 ID:2JYPW53q
一昨日会ったときよりテンションが高いな。
一体どうしたんだろう、やっぱりまだ引きずっているのかな。
俺は黙って矢口さんの様子を見ている。
矢口さんはなぜだかずっと笑ったような顔を浮かべている。
そして少し経った後矢口さんが
「南条さん夕ご飯食べたの?」と俺に聞いた。
「いや、まだですけど」
「じゃあなんか作って、私もお腹が空いてるの」
そういえば、俺は夕食を作っている途中だった事を思い出しキッチンに行く。
「黙って行かないでよー」
矢口さんはそう言いながら、俺の後について来た。
「今日は何を作ろうと思ってたの?」
「今日ですか?今日は簡単に野菜炒めでも作ろうかと思って」
「そうなんだ、私の分もある?」
「ええ、別に二人分くらいなら大丈夫ですよ」
「じゃあよろしくね」
そう言うと矢口さんはキッチンのテーブルに座り
「はやく、はやく」と俺を急かしている。
俺は手早く、夕食の支度をしてテーブルに載せた。
更新終了。
39 :
名無し:02/06/08 11:53 ID:B5l98CkY
42 :
:02/06/08 13:46 ID:JuGjj2F+
あんたらそうやってスポーツを侮辱するから運動音痴なんだよ
44 :
:02/06/08 17:19 ID:1Yv4hQwk
サッカー見ないやつの気が知れん…。
まあWカップで知ったかサッカーファンよりましか。
45 :
名無し娘:02/06/08 18:23 ID:fDBalHKA
ワールドカップでサッカーが好きになったやつはおかしい
もうサッカーの話はやめようよ・・・ここ小説スレなんだし。
47 :
名無し募集中。。。:02/06/08 18:32 ID:eUjq9xUc
きっかけなんてどうでもいいんだよ。
48 :
ラム酒入りのあいぼん:02/06/08 18:37 ID:IaLYddbd
サカーの選手なんてみんな同じに見えるだろ
49 :
:02/06/08 18:38 ID:XohY5m+m
なんだココは?
メガネ・デブ・ヒキーの巣窟か?(ワラワラ
50 :
剣士:02/06/08 22:09 ID:eYxFipec
>33の続き
アメリカで仕事を始めてはみたものの、紺野さんへの罪悪感が消えず、親が言うには「笑顔がまったくなく、厳しい表情」だそうだ。
後でつんくさんに電話で聞いた話だが、紺野さんだけでなく、娘。のメンバーでも泣いた人がいたらしい。
認知度そんなに高かったかな?謎である。
そして、俺がアメリカに来て一年、親に突然呼び出される。
「お前一体どうしたんだ?ニコリとも笑わないで、作り笑いばっかり。どうしたんだ?」
いずれ聞かれることだったのだが、一年たってやっとかよ(苦笑)
俺は紺野さんのことを一部始終話した。すると・・・
「あっはっは・・そうか・・お前も人並みの恋してたのか。」
当たり前だろ?人を無感情みたいに言うな。
「わかった。アメリカに呼んで悪かったな。・・・どうだ?日本へ戻るか?」
何!いいのかよ・・。もしいいんなら、これ以上ない幸せじゃん!
「もちろん、戻りたい!いいのか?」
両親は黙ってうなずいた。よっしゃあ!
俺はその日のうちに日本へ。だが・・・飛行機で不安にかられていた。
皆、怒ってるんじゃないかな・・・もしかしたら忘れられたかも・・・。
そんなアホなことを思ってる(しかも寝ないで)うちに、日本到着。
51 :
剣士:02/06/08 22:21 ID:eYxFipec
とりあえず、前の家に戻ってみた。合い鍵も(何故か)まだもってた。
ん?明かりついてる。紺野さんいるのか???
ちょいと聞き耳・・・・。
「ねぇねぇ・・・紺野ぉ〜・・・・・・なんでしょ?」
よくわかんねぇ・・クソッ・・・。でも・・まだ紺野さんはいるのか・・・よし、入ろう。
(コンコン!)
「あ、は〜い!」
紺野さん、どんな顔するのか・・・。もしかしたら突然ビンタとか(汗)
(ガチャ)「あ・・・え・・?た、竜哉・・・さん?」
あ、固まった。とりあえず、言うことは・・・と。
「ただいま・・・紺野さん」
と、その時奥から
「お〜い紺野!どした?・・・・・・え?たっっ・・竜哉君?」
ありゃ、矢口さんまで固まった。
「とりあえず、入れてくれる?話したいこともあるし・・・」
「あっっっ・・・はいどうぞ・・・」
積もる話もあるしな・・・。紺野さんは驚いた顔から変わらない・・・。
ちとショックがでかかったかな?
52 :
剣士:02/06/08 22:35 ID:eYxFipec
とりあえず、色々話した。
アメリカに突然行ったこと・・・謝罪もした。
「ごめんな・・でも、別れが辛かった・・・顔見たら決心が揺らぐと思って」
ん?矢口さん、表情怖いよ・・・。
「つまり・・・別れが辛いから・・・あんたは勝手に出たワケ?冗談じゃないわよ!どんだけ悲しかったと思ってんの?」
あれ・・・?矢口さん、泣いてる・・・。
「すまない。何か、償いをさせて欲しい」
これだろう、やっぱ。ん?紺野さん、固まったままだ・・・しかも目つぶって・・・。
「Zzz・・・・・」
寝てるのかよっ!(三村風)あ〜・・・まったく。
「ははは・・・紺野ねぇ・・・竜哉君がいつ戻ってきてもいいように、必死にレッスンしてたよ。
恥ずかしい所を見せたくないって。それほど好きだったんだよ」
納得・・・。紺野さん・・・・こんなに俺を思ってくれてるのに、俺は勝手にアメリカへ・・・なんということを・・・。
「ねぇ・・・償いするって言ったよね?じゃあさぁ・・・コンサートの時、楽屋に来てくれない?」
はぁ?いきなりなんだ?コンサートだぁ?
「皆には竜哉君のこと内緒にして、驚かす。そんで、紺野の成長した姿をコンサートで見てもらう!これが償いの条件」
そんなこと、おやすいご用だ。むしろ、行ってみたい。コンサート行ったことねぇもん。
「了解!おやすいご用だ」
こうして、俺は後でとんでもなく後悔してしまう約束をしてしまった・・・・。
償いっていうか罰ゲームになりそうな・・・感じになってしまうとも知らずに。
53 :
剣士:02/06/08 22:35 ID:eYxFipec
更新終了。
皆がまだあんま来てないので、俺だけでも一気にいかせてもらいました。
54 :
:02/06/08 22:36 ID:NN1BFLsO
再会キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
55 :
こうもり:02/06/09 10:42 ID:eDYzxlSo
「うわー、美味しそう」
矢口さんはそういいながら、手で肉を食べようとしている。
「矢口さんお行儀が悪いですよ」
俺は手で矢口さんの事を制しながら諌めた。
「はーい」
「じゃあちゃんと食べましょう」
俺は矢口さん箸を渡す。
「いただきます」
「いただきます」
矢口さんはそう言うやいなや凄い勢いで食べ始めた。
よほどお腹が空いていたのだろう。
俺もその様子を見ながら、夕食を食べ始める。
56 :
こうもり:02/06/09 10:45 ID:eDYzxlSo
「ごちそうさま」
矢口さんはあっという間に食べ終わり、リビングに戻っていく。
俺もそれから五分もしないうちに夕食を食べ終わり、リビングに戻った。
矢口さんはソファーに座ってお腹を抱えている。
「どうしたんですか?お腹を抱えて」
「いや、ちょっと食べすぎちゃって、だって南条さんの作る料理おいしいから」
「それは嬉しいですね」
「だからちょっと食休みさせてね」
「わかりました」
それからしばらく俺と矢口さんは黙って座っていた。
俺は矢口さんの表情を見ていたが、その表情はやっぱりおかしかった。
更新終了。
57 :
剣士:02/06/09 21:42 ID:h43h6sdc
52の続き
コンサート当日。俺は矢口さんに連れられて、楽屋へ。
そこから先は地獄だった。
「あ〜〜!竜哉さんや!」
「!竜哉君!」
楽屋はもうパニック。辻加護にもみくちゃにされるわ、チャーミー、なっちやごっちんに抱きつかれるわ(これはよかったのか?)
飯田さんや保田さんはまず説教かましてくるわ・・・新メンバーは驚いたまんま凍りつくわ・・・。
ヨッスィーに投げられる(w)し・・・地獄・・・・。
その後、なんとか落ち着いたが、その頃には俺はボロボロ。
「大丈夫ですかぁ・・・?」
紺野さん、ありがと・・でも、あんま大丈夫じゃないよ・・・。
「もうすぐ始まります。裏から見ててください」
「そーよ!見てなかったら、デートしてもらうからね!」
保田さん、そりゃないよ(苦笑)
そして、コンサートが開始した・・・。
58 :
剣士:02/06/09 21:44 ID:h43h6sdc
今日はここまで。
次が最終回になります。
59 :
こうもり:02/06/10 10:42 ID:K+WTpwcZ
聞いて見たほうがいいのかな。
俺はそう思い、矢口さんに聞いてみることにした。
「矢口さん、どうしたんですか?なんか今日おかしいですよ
いきなり、家に押しかけてきたり・・・」
俺が話していると、矢口さんがいきなり抱きついてくる。
俺は矢口さんの事を引き剥がそうとしたが矢口さんはなかなか離れてくれない。
「・・・寂しいの」
「えっ?」
「寂しいのよ、昨日カラオケから帰って一人になったら凄く
寂しくて、どうしようもなくなったの。
それで、今日は南条さんに慰めてもらいに来たの」
矢口さんはそう言うと、俺の胸に額を押し付けてくる。
60 :
こうもり:02/06/10 10:43 ID:K+WTpwcZ
「矢口さんダメですよ、俺には愛ちゃんがいるんですから」
「大丈夫、高橋には内緒にしておくから」
「そう言う問題じゃないですよ」
俺はそう言うと、矢口さんの事を引き離す。
その時の表情は、泣きそうな表情だった。
「そうだよね・・・」
矢口さんはそう言うと、またソファーに座っている。
「・・・・・・」
俺はそんな矢口さんに掛ける言葉が見つからず、ずっと黙っている。
「・・・・・・」
矢口さんも俺と同じように何も喋らなかった。
そのまま一時間くらい無言のまま俺と矢口さんは座っていた。
ふと時計を見るともう十一時半を回っている。
更新終了。
61 :
:02/06/10 18:54 ID:U1JLQHJr
ヤグたん参入か・・
実況「さぁそろそろ1000の標識を……通過しました、
1分2秒!かなりのスローペースで各馬第3コーナーを向かえます。」
誰もが予想していたとおり超スローの展開となった、
しかし、サイレントスズカは3コーナーの時点でまだ最後方だった。
実況「そとからスーッとヒカリノハヤサが上がってきました、
タガノモンスターがパンドラと馬体を併せに行きます、
マイネルジンちょっと後退加減か?
サイレントスズカがまだ最後方といった体制で600の標識を通過しました。」
安倍「早く早く〜」
赤川「(ダメかなこれは……)」
超スローの展開で最後方、誰もが前3頭の争いと思っていた、
実況「人気馬3頭が馬体を併せる格好で直線を向かえます、
先頭はパンドラその外にタガノモンスターさらに外からヒカリノハヤサ!
3頭の叩き合いだ!」
3頭横一線、激しい叩き合いとなった、
サイレントスズカは後ろの方でもがいていた、
実況「真ん中からタガノモンスターが頭一つ抜け出した、パンドラはもう伸びないか!?
外からヒカリノハヤサが食い下がる、後ろからはもう何も来ないか?」
安倍「(もう……だめなの……)」
赤川「……」
2人は諦めモードの表情だった、
恐らくサイレントスズカの馬券を買っていた人もそう思っていただろう。
坂の途中パンドラが下がり、タガノモンスターとヒカリノハヤサの2頭の叩き合いとなっていた、
実況「この2頭の競り合いとなったタガノモンスターわずかに先頭、
2番手にヒカリノハヤサ懸命に食い下がる!」
客「…うおっ!後ろから何かくるぞ!」
実況「う……後ろから何とサイレントスズカが物凄い勢いでやってきた!
前3頭を捕らえ切れるか!?坂の頂上タガノモンスターが先頭、
2番手外からヒカリノハヤサ内でパンドラが粘っている!
サイレントスズカ一気に伸びてきた!前3頭に馬体を併せる形でゴールイン!
最後方から地方のサイレントスズカ直線一気の脚を見せました。」
安倍「どどどどうなったの!?」
赤川「………さぁ……」
と、場内ターフビジョンにスローVTRが流れた、
わぁぁぁぁぁ………!!
実況「………どうやらタガノモンスターが体制有利でしょうか?
2着は……微妙です、内にパンドラ外にヒカリノハヤサ間にサイレントスズカ
この3頭の2着争いとなっております、
確定までお手持ちの勝ち馬投票権はどうかお捨てにならずにお待ちください。」
掲示板には5着の番号だけが点滅していて、
1〜4着まで[写]の文字が映し出されていた。
64 :
ネオ生茶:02/06/10 22:46 ID:w16aIypD
「失礼します…」
信治と別れた愛は、信治が案内してくれた職員室に入る。
「君、授業中だけど、どうかしたのかい?」
中年ぐらいの教師が話し掛けてくる。
「今日から、この学校に通うことになった、高橋愛って言うんですけど……」
「何年生?」
「3年です」
「3年生ね、え〜と……」
その教師が考え込んでいると、後ろから女教師が話し掛けてきた。
「あなたが、高橋愛さんね?」
「ハイ、そうです!」
「今日から、あなたの担任の保田圭です。ヨロシクね」
「よろしくお願いします!」
「とりあえず、こっち来て」
保田先生は、愛を個室みたいなところに呼ぶ。
「座って」
そう言われて、愛は椅子に座る。
65 :
ネオ生茶:02/06/10 22:47 ID:w16aIypD
「え〜と、今日は電車が遅れたんだっけ?」
「そうです」
「電話で聞いてるわ。
次の時間が私の担当教科だから、その時に私と一緒にクラスに行きましょう」
「はい」
「ちゃんと、自己紹介できる?」
「大丈夫です!」
すると、チャイムが鳴った。
「じゃあ、そろそろ行くわよ」
「はい」
愛は、少し緊張気味だった。
66 :
ネオ生茶:02/06/10 22:48 ID:w16aIypD
更新です!
(・∀・)イイ!! ねぇ〜。
68 :
こうもり:02/06/11 10:46 ID:MuUff5wC
俺は矢口さんがこれからどうするのかが気にかかり聞いてみることにした。
「矢口さんもう十一時半まわってますけどこれからどうするんですか?」
俺がそう言うと矢口さんはすこし考えて
「・・・南条さんお願いがあるんだけど」
「何ですか?」
「あの、今日一緒に寝てくれない?」
「それは、どういう意味ですか?」
「いや、別に変な意味じゃなくて、ただ温もりが欲しいの」
俺はその言葉にしばらく考え込んだ。
どうしよう。
さっきの事もあるしな。
でもこのまま矢口さんを家に帰すのも・・・。
「わかった」
俺が考え込んでいると、矢口さんがそう口を開く。
「じゃあ、私南条さんの部屋で先に寝ているから
もし私と一緒に寝てもいいと思うなら来て、待ってるから」
矢口さんはそう言うと、ソファーから立ち上がり、俺の部屋に入って行った。
69 :
こうもり:02/06/11 10:47 ID:MuUff5wC
俺は一体どうすればいいんだろう。
行くべきか、行かざるべきか。
やっぱり行かないほうがいいよな。
でもそうすると、矢口さん凄く傷つくかもしれない。
今でさえ凄く傷ついているはずなのにその傷に塩を塗るような
事をしていいんだろうか。
とりあえず部屋の前まで行ってみよう。
俺はそう思い、ソファーを立ち部屋の前に立つ。
ドアの外から部屋の様子を窺がっていると、部屋の中から
矢口さんの泣き声が聞こえる。
俺はそのままそこで固まってしまう。
更新終了。
70 :
剣士:02/06/11 21:08 ID:Ip/T46z/
俺は裏で見ていて、娘。が凄く近くで見えた。(当たり前)
しかし・・・やっぱコンサートは違うね。皆の気合いが・・・。
「みんな〜!愛して〜るぜぇ〜!」
矢口さんすげぇな(苦笑)
「今日はいつも以上に完璧に行きます!」
紺野さん・・・いつも以上・・・か。ガンバレ!
そして歌が始まり、会場のボルテージは最高。俺も我を忘れて見ていた。
「すげぇ・・・すげぇ!」
そして、コンサートは終了。以外と早く感じるな〜・・・2時間ぐらいはたったのに。
(アンコール!アンコール!)
うわぁ・・・すげぇな。アンコールかよ。
「竜哉さん、どうでした?」
紺野さん・・汗だくだな・・・。
「すばらしかったね・・・感動したよ」
その言葉を聞いた娘。達はしてやったりの表情。
そしてその後は楽屋で雑談。と、その時・・・。
「あの・・竜哉さん、ちょっと一緒に来てくれませんか?」
紺野さん、何だろう?ハッ!まさか、今からビンタとか・・・(滝汗)
そして俺が連れてこられたのは、会場の舞台の上。
71 :
剣士:02/06/11 21:17 ID:Ip/T46z/
「私のこと・・・好きですか?」
な、何を突然!そんなん、答えは好きに決まってるよ・・・。
「ああ、もちろん」
「じゃあ、もう一人にしないでください!」
おわっ・・・抱きついてきた・・・。げ・・・しかも泣いてる。
「もう・・・一人はイヤです・・・」
・・・・そっか・・・俺がいなくなってから、一人だったもんな。
「ああ・・・もう絶対一人にしない」
紺野さんはそれを聞くと、俺から離れて
「じゃあ、証拠を見せてください」
証拠?って・・・おいおいおい、目閉じて顔近づけてきたよ。
これって・・・やっぱ・・・「キス」だよなぁ・・・。
(え〜い!覚悟を決めた!チュッ)
俺は紺野さんの唇に、ちょっとだけキスをした。紺野さんは真っ赤(自分で求めておいてねぇ)
「・・・私、竜哉さんしか愛せない。ずっと一緒ですから!ね!」
トーゼンだろ・・・キスまでしといて・・・。
それから、俺たちはまた二人暮らしを始めた。何事もなかったかのように、暖かい生活。
アイドルとして紺野さんは忙しいが、俺たちの愛には関係ない。
そう・・俺らの前に、壁なんてないんだ。
いつか・・・結婚という形で・・・一生をともにするんだろうな。
−END−
72 :
剣士:02/06/11 21:19 ID:Ip/T46z/
これで終了です。
また・・新作考えてますんで(実はまだちょっとしか思いつかない)
おそらく早く次を書きます。
(明日とかに書いてる可能性高いっすけど)
剣士タン、お疲れぇ〜。
おもしろかったよ。
74 :
ネオ生茶:02/06/11 23:21 ID:FEap4JGr
「緊張してる?」
「ちょっと……」
「大丈夫よ、いい子ばかりだから」
「はい…」
愛は、保田先生と一緒に教室に向かう。
「こんにちわ〜!」
すれ違うたび、生徒が挨拶をする。
「こんにちわ」
保田先生も、笑顔で返す。
「そう言えば、高橋さんはシンちゃんの妹さんなんでしょ?」
「シンちゃん?」
「堤君のことよ」
「お兄ちゃんのこと、知ってるんですか!?」
「そりゃ、この学校に通っていればね…」
そう言って、保田先生は笑う。
しかし、なぜ笑うのか、愛にはわからない。
75 :
ネオ生茶:02/06/11 23:22 ID:FEap4JGr
「お兄ちゃんのことはみんなに黙っててもらえませんか?」
「どうして?」
「お兄ちゃんがそう言ったからです」
「(確かに、それもそうね)わかった、みんなには秘密にしておくわ」
「ありがとうございます」
「ただ、先生方には言っておくわよ」
「わかりました」
「ここよ」
チャイムは既に鳴っていて、廊下に生徒の姿はない。
「じゃ、入るわよ」
「はい…」
保田先生は、教室のドアを開けた。
76 :
ネオ生茶:02/06/11 23:23 ID:FEap4JGr
更新です!
77 :
M・P・D:02/06/12 00:25 ID:w5GPkw4i
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1019264062/769-772の続き その箱は黒いジュエルBOXで、上にはスワンプテロリストのマークがクロームで作られ
ており、けっして結婚指輪なんか入れないようなデザインだ。
箱を開けると二つのシルバーリングが納められていた。
一つはケルトをメインモチーフに周りにユリを施し、ゴシック調にまとめたデザイン。
もう一つはフローラルが全体に彫り込まれ、中央のユリが強調されている優美な作品。
「おぉ格好いい」おれはその二つを手に取りちょっと興奮していた。
「どう、注文どうりに出来てるかしら?」
「うん文句なしだよ。おれが書いたデザイン画より数倍いいね」
「大変だったのよ、細かい模様で複雑なんだから。職人が嫌がってしょうがなかったわ」
「でもコレ製品化するんでしょ?」
「まぁね、でも受注生産だけだわ。それだけの価値はあると思うけどね」
78 :
M・P・D:02/06/12 00:26 ID:w5GPkw4i
おれは嬉しさを噛みしめながらリングを見続けていた。
「格好いいですね」矢口さんも横から見ている。
「うん、こうやって形になると全然別の良さがあるよ。あっちょっと着けてみてよ」
そういっておれは矢口さんの手を取り指にリングをはめる。
さすがにサイズはあわないが女の子の手についた感じが見たかった。
彼女の手のひらはちっちゃくってリングが大きく見えるが違和感はあまりない。
「うーん、ゴシック調のはちょっとゴツすぎるかな。フローラルはまだいいね、
女の子が着けていても大丈夫そうだ」
「そうですね、私もこっちはカワイイと思います」
「本当に?へぇー、おれデザインしてる時に人のこと考えてないからよくわかんないけど」
「うん。これなら買ってもいいかなって思いますもん」
「マジで!?嬉しいな、人に自分の物が誉められると」
「あら、わたしも誉めたんだけどそんなに喜ばなかったじゃない」
磨知さんが不機嫌そうな顔しておれを睨んでいる。
「そりゃ違いますよ。磨知さんとはビジネスでの話、こっちは初見の人の声ですから。
やっぱり全く知らない人が欲しいって言ってくれるのが一番じゃないですか」
「・・・そうねぇ、なんか上手くかわされた気がするけど確かにそうだわ」
磨知さんも機嫌を直してくれたのか笑顔を見せてくれた。
79 :
M・P・D:02/06/12 00:36 ID:w5GPkw4i
80 :
こうもり:02/06/12 11:33 ID:hm4gaoST
五分くらい経つと、泣き声も止みまた部屋の中が静かになる。
ごめん愛ちゃん、今日だけ許してください。
俺は心の中で愛ちゃんに謝りドアをノックした。
「コンコン」
「南条さん?」
ドア越しから矢口さんの声がしてくる。
「そうですよ」
「一緒に寝てくれるの?」
「はい、でも今日だけですよ」
そう言いながら俺はいきなりドアを開ける。
「いや、見ないで」
ベッドの上に座っていた矢口さんはいきなりドアを開けられて驚いたのか顔を伏せる。
81 :
こうもり:02/06/12 11:33 ID:hm4gaoST
やはり泣いたすぐ後の顔を見られたくないのだろう。
俺は何も言わずにベッドサイドへ腰掛ける。
「いいですよ、矢口さん泣きたければ泣いても」
俺はそう言いながら、矢口さんの方を向く。
「南条さん、私がさっきまで泣いているの知ってたの?」
「ええ、だってさっきまでずっとドアの前にいましたから」
矢口さんは俺の言葉を聞いて少し恥ずかしそうな顔をする。
「本当に泣いてばかりだね、私」
「そうですね、でも俺矢口さんの泣き顔好きですよ、可愛いから」
そう言って俺は矢口さんの顔を覗き込む。
やっぱり少し目が赤かった。
矢口さんはそれに気付いて、再び顔を伏せる。
更新終了。
82 :
:02/06/12 18:31 ID:ODRkVEib
だんだん皆さん帰ってき始めて(・∀・)イイ!!
83 :
むうん:02/06/12 19:12 ID:wcfsoWtx
こうもりさん文調が振れてる感じがするのでもう少しソリッドに・・・
でも臨場感あるねぇ、いい感じだぁ
84 :
リボルバー:02/06/12 20:56 ID:kuX5Ye4N
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1019264062/734-737の続きです。
――――――
ザァーザァーー
抜けるような青い空、さんさんと降り注ぐ陽光、お決まりのような言葉だが
まさにそれと言った場所に来ているのだ。
俺はカラフルなパラソルの下、地味な色のシートの上に寝転がって海を見ていた。
他の3人は着いてすぐホテルに荷物を置き(置くと言うよりほってきたという感じだが)
水着に着替えて海に直行したので、嶋野准が場所取り係!
といった暗黙のルールがあったのかも知れない・・・が、それは定かではない。
一応俺も水着に着替えてはいるのだが、如何せん疲れが溜まってそんな気分じゃなかった。
色々と悩み事もあった。
「(クラスの3人【俺、後藤さん、優治】がインフルエンザとか信用されるわけないよなぁ・・・・・)」
「(親父は「部活のことなら大丈夫や!」って言ってたけど・・・心配で仕方ない・・・・・)」
「(亜依1人でかわいそうだったかな・・・私も行きたい、っつってたしなぁ・・・・・)」
「准く〜ん、ナニしてんのさ〜?こっちおいでよ〜!」
・・・・・悩んでたって仕方ないか・・・・・楽しもう、って言ったのは俺だし
「おー今行く〜」
ほぼ初対面(話するのは初めて)のはずの優治と矢口さんがこんなにも打ち解けているのは
飛行機の中でのこんな会話によるところが大きいんだろう・・・
85 :
リボルバー:02/06/12 20:56 ID:kuX5Ye4N
◇
「やっぱ焼肉は塩タンで始まり塩タンで終わる、だよな〜」
普通ならこんな言葉が出るのはオカシイのだろうが、飛行機の中で暇な俺たち男2人は
することも話すことも無くなってしまい、ついには相手の趣味から家族構成にいたるまで聞いてしまうという
ある種、お見合い的な質問を互いに繰り返した。
ちなみにこの時の議題は「外食では何が一番美味いか!?」だった事をハッキリ覚えている。
この優治の塩タン発言で食いついてきたのが矢口さんだった。
タンが好きなのは知っていたが、話に出ただけであそこまで興奮するとは思ってもなかった。
気が付くと俺と矢口さんの席が入れ替わっていて、優治と矢口さんは話しこんでいた。
俺の隣の後藤さんは静かなもんで、スゥスゥと寝息をたてて寝ていた。
後藤さんが起きた時に、
「うぅ〜・・・・・キャッ!?なんでここに座ってんのさ!!」
って言われたのにはさすがにショックだったけど・・・・・(w
86 :
リボルバー:02/06/12 20:58 ID:kuX5Ye4N
◇
今になって考えてみれば、あれも矢口さんの気遣いだったのでは、と思う。
自分と面識ない人間が同じグループにいたら楽しいもんも楽しめないだろう、という
矢口さんなりの配慮だったのかも・・・(もっとも、優治は人見知りなんてするヤツじゃないのは知っていたが)
今は波打ち際で変なぐらいに仲良くしてる、まぁいっか・・・・・
俺も波打ち際でハシャいでる一行のもとへと駆け寄った。
87 :
リボルバー:02/06/12 21:01 ID:kuX5Ye4N
更新です。
サボってて申し訳ありません、自分の話を待ってる人なんていないと思いますが・・・・・
みなさんも頑張って下さいね〜
88 :
名無し読者:02/06/12 21:27 ID:d0bFmYop
>>M・P・Dさん
楽しみにしてます。頑張ってください。
>>こうもりさん
こうもりさんの小説のおかげで高橋のファソになったかもw
>>リボルバーさん
待ってました。マジで。
5分後確定の赤ランプが点灯した、
サイレントスズカは3着だった。
赤川「いやぁ〜ドキドキしたよ!」
潤「でも勝てませんでした……すいません…」
赤川「何いってんの、皐月賞に出れるんだからいいよ!」
珍しく赤川さんは興奮した様子で話し掛けていた、
やっぱりクラシックは調教師にとって特別なものなのか。
潤「やはり初めての芝ということで戸惑っていました、いつもより手ごたえが悪かったです。」
赤川「そうか……やっぱりそういうもんなのか…」
赤川さんは一瞬渋い顔をしたが、
赤川「まぁいい、次(皐月賞)も頼むよ。」
潤「え?俺が乗るんですか?」
赤川「当たり前じゃん、潤君が乗らなくて誰が乗るの?」
全てが……全てがうまくいっていた……
ここまでは……
次の日、弥生賞の潤の騎乗を見たサイレントスズカの馬主が怒鳴り込んできた、
勝つ競馬ではなく、着を拾いに行く競馬に激怒したらしい。
赤川「申し訳ございません、あれは私の指示でやらせた事です。」
馬主「権利が取れたからいいもの、4着以下だったらどうする気だった!?」
この馬主は日本でも有数の富豪であり、
ゆえに少しワンマンぶりな所が目立つ人間であった。
赤川「そ、それは……」
馬主「ええい、そんな馬鹿げた指示に従ったジョッキーもジョッキーだ!
皐月賞では乗り代わりを命じる!」
赤川「サイレントは潤君ではないと……」
馬主「それなら皐月賞には出さん!転厩する!」
この馬主に逆らったら何をされるか分からない、
現にやり合った調教師の所には馬が全く来なくなり廃業に追い込まれた、
この馬主を敵に回す事は全ての馬主を敵に回すのと一緒なのだ。
赤川「……」
赤川は相当悩んだだろう、廃業に追い込まれれば
厩務員・潤・安倍の生活が失われる事になる、
しかし、乗り代わりで全てが救われるならと………
赤川「……分かりました…次は…」
赤川がジョッキーの名前を挙げようとしたとき、
馬主「柴田善臣に依頼する、もう既に頼んである。」
ここから微妙に歯車が狂い始めた……
赤川「本当に申し訳ない!」
赤川は理由を潤に話し、地べたに頭をこすりつけた。
潤「赤川さん……頭を上げてくださいよ……」
赤川「私が…あんな事言わなければ………」
潤は乗り代わりのことより、土下座されている事に困り果てていた。
潤「しょうがないですよ、次の為にサイレントをきっちり仕上げましょうよ。」
赤川「………潤君……すまない……」
潤の一言に赤川はようやく顔を上げた、
潤「さぁ戻りま……」
センセー!!
赤川「!?池田君どうした?」
突然、池田が大声で叫びながら走ってきた、
池田「先生大変です、直に…直に……」
赤川「あ、ああ…」
潤「(まさかサイレントが…!)」
しかし駆けつけてみた所はテレビのある部屋だった、
そこでは記者会見の様子が映し出されていた。
県知事「累積赤字に伴い、県競馬は今年いっぱいで廃止とする検討を進めております。」
県競馬廃止の方針を打ち出した県知事の会見だった……
日本でも有数の富豪が地方競馬か
それなら中央に預け・・・
調教師会会長である赤川は直に話し合いの場を確保し、取り下げの交渉を行った。
しかし、話は平行線のまま何も解決しなかった。
そんな状況の中皐月賞を迎えた……
実況「…さぁ直線を向かえます、先頭はタガノモンスター2馬身のリード!
2番手にパンドラ外からヒカリノハヤサが一気に上がってきた!
4番手以降は離された前3頭の勝負だ、内からパンドラが伸びていている
パンドラが交わした!パンドラだパンドラが先頭だ!パンドラが1着でゴールイン!
2馬身くらい離れて2着にタガノモンスター、3着にヒカリノハヤサ、
やはりこの3頭が上位を占めました、4着はサイレントスズカ…でしょうか?
確定までお手持ちの勝ち馬投票権はどうかお捨てにならずにお待ちください。」
サイレントスズカは3着に6馬身離されて4着の入選だった。
レース後の柴田善臣のコメント
「荒れた馬場を終始通らされたのが痛かった、
折り合いはあっていたが、GOサインに反応してくれなかった。」
それでもダービーの優先出走権は何とか確保したという感じだった…
94 :
:02/06/12 23:51 ID:ODRkVEib
ドキドキするね
ヨシトミで4着に来ているのだから能力は相当高いはず・・・
馬主・・・地方に預けてて、金持ちで、馬は強い・・・
10数年前の芦毛馬の馬主(半分ヤクザ)を思い出すね。ま、あれは途中からだったが
96 :
こうもり:02/06/13 12:08 ID:YCtsLakV
「やめてよ、なんか恥ずかしいじゃない」
そう言っている矢口さんの少し鼻に掛かった声が凄く可愛くて
俺は凄く心臓がドキドキしている。
「じゃ、じゃあ寝ましょうか?」
俺は矢口さんにそう促すと矢口さんは俺に背中を向けて横になる。
俺もそれに合わせるように、横になっていた。
俺は強引に目をつむり寝ようとしていると矢口さんが背中を向けたまま話し掛けてくる。
「南条さん、なんで部屋に来てくれたの?
さっき私が南条さんに迫ったときは拒んだのに・・・」
「いや特に理由はないですよ、でもドアの前で矢口さんの泣き声を
聞いたときこのままほっとく事は出来ないなって思って」
その時矢口さんが俺の背中をつつく。
97 :
こうもり:02/06/13 12:10 ID:YCtsLakV
俺はそれが気になり矢口さんのほうへ向くと、矢口さんの顔が正面にあった。
「南条さんは優しすぎる」
矢口さんはそう言いながら俺の事をじっと見ている。
「矢口さんどうしたんですか、急に?」
「そうだよね、本当に優しい人は気付かないもんね」
「は?」
俺は矢口さんの言っている意味がさっぱりわからずに首を傾げる。
矢口さんはそんな俺の様子を見て笑っている。
「そろそろ寝ましょうか?」
「そうだね」
矢口さんもそう言ったので、俺は電気を消す。
そして再び横になると、矢口さんは俺に近づいてくる。
「矢口さん?」
「お願い今夜だけはこうしてて」
矢口さんはそう言いながらさっきのように俺の胸に顔をつける。
俺は矢口さんの事を包み込むように抱きしめている。
「じゃあ、南条さんおやすみ」
「おやすみなさい」
矢口さんは俺が拒まなかった事で安心したのかすぐに眠りについた。
俺も胸のドキドキを抑えながら、そのままの体勢で眠りにつく。
98 :
こうもり:02/06/13 12:11 ID:YCtsLakV
更新終了。
1週間後、赤川は青葉賞に登録した、
東京コース2400mの経験を積ませようとしていた。
潤「中1週ですけど……大丈夫そうですね。」
赤川「疲れが見られないので思い切って使ってみようと思う。」
……ひょっとしたら赤川さんはサイレントスズカの活躍で、
廃止の取下げを狙っているのかもしれない…中央の重賞を取れば………
赤川「……ごめんね…また柴田善臣になったんだ…」
潤「そうですか。」
俺はサバサバとした表情で返した、
赤川「ここを勝ってダービーに望みたい………
ダービーを勝って廃止を何とか取り下げたい……!」
潤「(やっぱりそうか……)」
少しずれたが、重賞を勝って廃止を取り下げようとしているのは間違いなさそうだ。
潤「じゃあ私はこれで……」
潤はその場を去った、
安倍「………先生…」
赤川「どうしたのなつみちゃん?」
入れ替わりで安倍が赤川のもとにやってきた。
安倍「最近……潤の様子がおかしいんです…」
赤川「へぇ、そうかい?」
安倍「3月くらいからかな…騎乗回数が半分以下に減りましたし、
サイレントに乗れなくなってから特に何か………元気が無いんです。」
赤川「まぁ…確かに最近目に見えて元気が無いよね、」
ここ最近の潤は確かに様子がおかしかった、
今までのような覇気がどこか薄れ、うつむき加減だった。
安倍「何で騎乗回数が減ったのですか?
馬主さんの都合ですか…………?」
赤川「別にそういう事ではないけど何でだろうねぇ?
私が頼んでも断られる事があるは事実かな。」
やはりサイレントに騎乗できなくなった事が精神面で影響を与えているのだろうか?
2人はそう考えてるように見えた。
安倍「後、全然食べなくなっているし……体重も落ち気味で……
体調…維持できてるのかな……」
赤川「そんなに心配なら面倒みなよ、」
安倍「一応そういう事は聞いているんですけど…なかなか口を開かなくて…」
赤川「そうか……」
と数秒間を置いた後、
赤川「まっ、サイレントに騎乗できるようになれば元に戻るでしょう、
そのためにも馬主さんと話し合ってみるよ。」
安倍「お願いします……」
安倍は赤川に対して深く頭を下げた。
101 :
こうもり:02/06/14 12:27 ID:WPB0ZvZr
「それで、私好きな人がいるんだ」
「そうなの、愛もそんな年になったんだね」
愛はホテルで和智の事を母親に話している。
和智との出会いの事や、和智と一緒に過ごした事などを。
「へぇー、そんないい人なの?」
「うん、とっても」
「じゃあさ、明日お母さんに会わせてくれない?
その和智さんって人も来るんだろ、ライブに」
「えっ!?」
愛は母の提案に少し驚いている。
102 :
こうもり:02/06/14 12:28 ID:WPB0ZvZr
(私はいいけど、カズさんなんて言うかな・・・)
「いいじゃない、真剣に付き合っているんでしょ」
「うん、そうだけど」
「そうだけど?」
「カズさん恥ずかしがりやだから嫌がるかも知れない」
「まあいいわ、一応考えておいて」
「わかった」
「じゃあそろそろ寝ましょう、愛は明日も早いんでしょ」
そう言うと愛の母はベッドの方へ歩いていく。
「うん」
愛もそう返事をして、ベッドに横になる。
愛はベッドに横になりながら、和智の事を考えていた。
(カズさん今何をやっているんだろう?
多分もう寝ているよね、やっぱりカズさんに会いたいな)
「カズさんおやすみ」
愛はいつものようにそう唱えて眠りにつく。
更新終了。
103 :
:02/06/14 17:35 ID:dEtABb5l
ドウナルデスカ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
―そして青葉賞当日、
サイレントスズカは単勝3.6倍の1番人気でレースを迎えた。
実況「さぁ第4コーナーを曲がって18頭直線を迎えました、
おっと、内の方でサイレントスズカ既に右鞭が入っているぞ!大丈夫か!?」
ああ………
周囲から落胆と驚きの声が上がった、
実況「1番人気サイレントスズカは最後方まで下がった!どうした!?
全く伸びる気配が無いぞ!」
………
もう既に皆々諦めた表情が前面に出ていた、
実況「先頭はビックバン!まさに直線大爆発の脚!5馬身以上のリード!
2番手は離された!ビックバン先頭大差をつけたゴールイン!」
サイレントスズカは直線まったくといって良いほど伸びず大差の18着に敗れた。
レース後の柴田善臣のコメント
「スタート直後から行きたがってしまい折り合いを欠いてしまった、
3コーナー過ぎてから手ごたえがサッパリ無かった、
そもそも2400mは距離が長いかもしれない。」
ダービーに向けて暗雲が立ち込めた。
潤「……」
あたりが暗くなった頃、潤は人気(ひとけ)の無い所にいた、
潤「……くそっ!何が“距離が長いだ!”
折り合い欠いたくせに馬のせいにするんじゃねぇ!(バキバキ!)」
よほどサイレントスズカが負けた事が悔しかったのだろう、
普段滅多に出さない大声を出しながら目の前の木を殴っていた。
潤「……くそっ…俺が乗っていれば……………くそっ!(ドガッ!)」
今度は木を思いっきり蹴った、
振動に驚いたのか鳥達が一斉に辺りの木へ散った。
潤「(……くそっ、くそっ、くそっ!)」
まだイラつきながらも潤がその場を後にしようとしたその時、
安倍「………潤……」
潤の目の前に安倍が立っていた。
潤「何だよ?俺を笑いに来たのか?」
安倍「……」
潤「笑いたきゃ笑えよ、みっともねぇとこ見られちまったしな。」
足早に去ろうとする潤に
安倍「待って!」
潤「何だよ?」
安倍「どうして自分ひとりで何もかも抱え込んでるの?
自分ひとりじゃ何も解決しないでしょ……?」
潤「お前には関係ねぇ、じゃあな。」
安倍「待って!!」
安倍は潤の左腕をつかんで強引に食い止めた、
安倍「最近潤おかしいよ…騎乗回数が急に減ったり…元気ないし……おかしいよ!
何も無いんだったらそんな事起こらない!!理由を話して!」
安倍は半狂乱気味に潤に訴えた、
潤「いちいち俺に突っかかってくるんじゃねぇ!
お友達ゴッコはもうウンザリなんだよ!(バシッ!)」
安倍「痛っ!」
潤は左腕で安倍を吹き飛ばし、全速力でその場を去った、
安倍「………潤……」
安倍も直に起き上がり潤の後を追いかけた、
107 :
ネオ生茶:02/06/15 00:03 ID:yyJyHbtR
ガラッ!
保田先生が、ドアを開けて教室は静かになる。
しかし、それはすぐにそれまで以上に騒がしくなった。
「あの子が、転校生!?」
「可愛いよーー!!」
「俺、このクラスで良かった〜!!」
そんな言葉が、クラスを行き交う。
「みんな、静かに〜!」
保田先生がそう言うと、クラスは少し静かになった。
108 :
ネオ生茶:02/06/15 00:04 ID:yyJyHbtR
保田先生は、黒板に「高橋愛」と書いた。
「じゃあ、自己紹介してもらうから……できる?」
「大丈夫です……今度、転校してきました、高橋愛です。ヨロシクお願いします!」
そう言って、一礼する。
すると、クラスはさっきまで以上に騒がしくなる。
「静かに〜! とりあえず、授業するよ!
じゃあ、高橋さんは、あの席に座って!」
そう言われて、愛はその席に座る。
「じゃあ、授業を始めま〜す!」
そう言って、保田先生は授業を始めたが、相変わらず、クラスは騒がしかった。
109 :
ネオ生茶:02/06/15 00:06 ID:yyJyHbtR
更新です!
110 :
:02/06/15 00:49 ID:tKo6whey
この愛ちゃんも訛ってるのかな?
絶対「訛ってない」って言い張るんだろうな(w
112 :
こうもり:02/06/15 11:23 ID:LrBDhLpt
「うわっ!!」
目が開けると、矢口さんが目を閉じて俺にキスをしようとしている。
俺は驚きのあまり、声を上げて後ろに下がろうとした。
が、そこはもう壁でこれ以上後ろに下がる事が出来ない。
「や、矢口さん?」
俺は矢口さんの肩を持って何とかそれを、それを阻止する。
「なんだ、起きちゃったか、つまんないの
せっかくいただいちゃおうかと思ったのに、南条さんの唇」
「冗談はやめてくださいよ、本当に」
俺はそう言ってベッドから立ち上がる。
そして時計を見ると、午前五時。
起きるのにはまだ早すぎる時間だったが
朝からあんな事をされて眠気も吹っ飛んでしまったので
俺は部屋を出ることにした。
113 :
こうもり:02/06/15 11:24 ID:LrBDhLpt
「矢口さん、俺はリビングにいますんで、ここでもうちょっと
寝ててください、時間になったら起こしますから」
俺がそう言うと矢口さんは、少し不満げな顔をしている。
「何ですか?矢口さん」
「やだ、もうちょっと一緒に寝ようよ」
「だって矢口さん俺にキスしようとしていたじゃないですか」
「あれはただ、なんとなく・・・まあいいじゃないもうしないから」
「本当ですか?」
「本当だって」
そう言いながら矢口さんは俺の腕を引っ張る。
俺はそれにバランスを崩し、ベッドの上に尻餅をつく。
「ね、いいでしょ」
矢口さんは物凄い可愛い顔で俺に問い掛ける。
更新終了。
∧ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
〜′ ̄ ̄(´ー`)<安倍矢口じゃ萌えないね
UU ̄ ̄ U U \_____________
115 :
:02/06/15 12:50 ID:aNylaBMV
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1019264062/654の続き 「ご注文どうぞー」
明るく笑顔のよっすぃーとは逆に、
「なっちは何食べる?」
「…別に何でもいい…」
暗く不機嫌のなっち。
俺にどうしろって言うの…(泣
とりあえず気を取り直し、メニューを見る。
「あのね大ちゃん」
何を注文しようか考えていると、よっすぃーが小声で話しかけてきた。
「このセットかなりおいすぃーよ。当店&ひとみお勧め」
そう言ってメニューを指さす。
別に何でも良かったので、簡単に決めた。
「それじゃあこれでいいよ」
「わかりました。安倍さんは何します?」
「…大介さんと同じのでいい…」
なっちは俺の後ろから小さい声で言った。
「ここで食べますか?」
「うん」
「わかりました。それじゃ出来上がったら持って行きますんで、席に座って待ってて下さい」
時間帯的に人は少なく、席はたくさん空いていた。
そのうちの一つに向かい合って座る。
あいかわらずなっちは暗い。
(どうしよう…)
何を話せばいいかわからず、しばらく沈黙が続いた。
そこへ、
「お待たせしましたー!」
よっすぃーが先ほど頼んだものをトレイに乗せてやって来て、俺の隣に座った。
「さあどうぞ」
テーブルの真ん中にトレイを置く。
「じゃあいただきます」
紙に包まれた物を取り上げ、開けてみる。
バーガーだと思うが、中に卵やら肉やら色々入っていて美味そうだ。
一口
「あ、美味い」
思ったことを口にすると、
「ね、私の言ったとおりでしょ!」
よっすぃーが声を上げて言ってきた。
「ああ。この中身色々あるけど何入ってるの?」
「えっと、本当は企業秘密なんだけど…
大ちゃんだけに教えちゃう♪あのね―」
「―って感じで出来てるんだ」
「へぇー」
「あ、やば。店長がこっち睨んでる。じゃあ仕事に戻るね」
「ああ」
よっすぃーは戻っていった。
その後ろ姿を見送り、前に向き直すとそこには、
「……(ポリポリポリポリ)」
先ほどよりもさらに暗くなりポテトを食べているなっちの姿があった。
いや、暗いというより怖いと言った方がいいかもしれない。
「あ、あの…なっち?」
チラ
名前を呼ぶと、何かを言いたそうな目をこっちに向けた。
「……」
しかし何も言わない。
そこで俺は訊いてみた。
「どうしたの?」
「……」
でも何も言わない。
(んー、どうしたもんだろぅ…)
ジュースを飲みながら考えていると、
「……の?」
ぼそっと小さい声でなっちが何かを言った。
「え?何?」
「…あの娘のこと、好きなの?」
「な、何言ってんのなっち!?」
俺は思わず聞き返した。
「だってずっと楽しそうに話してるんだもん。だから…」
そう言ってまた押し黙る。
楽しそうって言われても、ただこのバーガーのことについて聞いてただけなんだが。
よっすぃーは嫌いじゃないけど
「別に好きじゃないって」
明るく言ってみる。
するとなっちが、
「ほんと?」
「本当だって。何でそんなこと訊くの?」
尋ねると、なっちは急に笑顔になって、
「ううん、別になんでもないべさ。さあ食べようっと」
バーガーを手に取り、食べ始めた。
俺はどう、リアクションすればいいんだろう…
120 :
関西人Z:02/06/16 01:43 ID:NijX9ulR
みなさん申し訳、散々待たした結果がこんなんで。
おもしろくないでしょうが今のウチにはこれが限界です。
それでは次、コンボさんに回します。
嫉妬するなっち(・∀・)イイ!
122 :
:02/06/16 10:21 ID:CDCVw0x9
(・∀・)イイ!!
123 :
こうもり:02/06/16 10:47 ID:5juINMc/
俺は昨日の事もあったので断れず
「わかりました、けど本当になにもしないでくださいね」
「わかってる」
俺はそう言いながら、再び横になる。
矢口さんは俺に甘えるように、また顔を俺の肩に乗せる。
そして、五分も経たないうちに矢口さんはそのまま寝てしまう。
俺はもう眠くはなくなっていたので、矢口さんの寝顔をずっと眺めていた。
「矢口さん、矢口さんそろそろ起きる時間じゃないんですか?」
それから三時間くらい経ってから俺は矢口さんの事を揺り起こすと
「まだ、後一時間くらい大丈夫だよ」
と言ってまた眠ってしまう。
俺は大丈夫かどうかわからなかったが、それを止めるすべもなかったので
そのまま、じっと矢口さんを見ていた。
124 :
こうもり:02/06/16 10:49 ID:5juINMc/
「なんで起こしてくれなかったのよ」
「だって矢口さんが後一時間は平気だって言っていたじゃないですか」
「そんな事より急がなきゃ本当に遅刻しちゃう」
矢口さんはかなり慌てているようだ。
「南条さん送ってくれない?」
「でも愛ちゃんに見つかると困るし・・・」
「大丈夫あの子達は真面目だから、もう現場に着いてる筈」
矢口さんは妙に自信たっぷりにそう言う。
「あーもう時間がないから、早く、早く」
と言いながら俺にも家に出るように促す。
俺はしょうがないと思い諦めてそれについていく。
「じゃあ行きますよ、大丈夫ですか?」
「うん、だから急いで」
俺は矢口さんが返事をしたのを確認してから、バイクを走らせる。
そして、急いで横浜まで飛ばした。
更新終了。
125 :
:02/06/16 16:54 ID:tXzIwLaG
嫌な予感・・(^-^;
126 :
こうもり:02/06/17 11:14 ID:/OJ/XgnA
「着きましたよ、矢口さん」
「そう、ありがとう何とか間に合ったよ」
矢口さんはそう言いながらバイクを降りる。
「じゃあまたね」
「はい」
矢口さんは俺に手を振りながら、アリーナの中に入って行く。
俺は矢口さんが見えなくなるまで、見送ってから帰ろうとすると
「あれ、南条さんじゃないですか?」
と言う声が聞こえるので振り向くとそこにはひとみちゃんがいた。
どうしよう・・・、矢口さんと一緒にいるところ見られたのかな。
「南条さん、今日はどうしたんですか?」
「えっ、別になんでもないけど」
「あ、そういえば昨日高橋に聞きましたよ、今日のライブに
来るそうですね」
「う、うん」
「でもなんでこんな早い時間に来ているんですか?」
俺はそう聞かれてなんと答えようか迷っていた。
127 :
こうもり:02/06/17 11:14 ID:/OJ/XgnA
「そ、それは・・・」
「あーわかった高橋のこと送りに来たんでしょ、全く照れちゃって」
ひとみちゃんは、そう言って俺の事をつつく。
「ひとみちゃん、もう時間ないんじゃない」
俺は早く話を終わらせたかったので、そう切り出した。
「そうだ、もう時間ないんだった」
ひとみちゃんは時計を見ながら「南条さん、また」
と言ってその場から去っていった。
ふう、何とか見られていなかったみたいだな。
俺は早くこの場から離れようとバイクに乗りスタートさせる。
更新終了。
こうもりさんは一日一回更新してくれるから嬉しいね。
他の作者さんも忙しいと思うけど頑張ってちょうだいね。
応援しとります。
129 :
こうもり:02/06/18 11:22 ID:pDX5XuK6
「さて、どうしようかな」
俺は一人で呟きながら、横浜の町を歩いていた。
横浜に来たのは初めてだったので、何処に何があるかも分からず
うろうろしていると、なんだか疲れてきたので近くにあった漫画喫茶に入る。
そこで時計を見ると、まだ十時半だった。
確か、ライブは六時からだったな。
俺は財布の中に入っていた、チケットを取り出すとやっぱり六時からだった。
まだ結構時間があるな。
俺はそう思い何か面白そうな漫画がないか探しているとちょうど良い巻数の
漫画があったので、それを手にとり読み始める。
読み始めると俺はその話の中に没頭していた。
130 :
こうもり:02/06/18 11:26 ID:pDX5XuK6
「今日の朝、南条さんのこと見たよ」
「えっ、何処でですか?」
「いやここの近くで、って分かってるくせに
どうせ高橋寝坊でもして、南条さんに送ってもらったんでしょ」
「いえ、私昨日はお母さんと一緒に泊まったから」
「えっ、そうなのじゃあ南条さんなんであんな朝から
あんなところにいたんだろう?」
吉澤は首を傾げながらその場を後にした。
(カズさんが今日この辺にいたって言うのはどういうこと?)
愛はしばらく考えていたが答えが出てきそうになかった。
「キャハハハハ、だから違うって」
愛が考え事をしていると、矢口の笑い声が聞こえてきたので
その方向を見る。
矢口は後藤と話しをしているようだった。
昨日とはうって変わって矢口は明るい表情をしている。
(矢口さん、なんか今日は機嫌いいみたい、昨日は死にそうな顔をしていたのに
なんかいいことでもあったのかな?)
愛はじっと矢口の表情を追っている。
そして、ある疑惑が頭に浮かぶ。
(もしかして今日カズさんが来てた理由って・・・いや、そんなことないよね
カズさんがそんな事をするはずないもんね)
愛はその疑惑を頭から振り払い立ち上がる。
そろそろライブの本番が始まるのだ。
131 :
こうもり:02/06/18 11:27 ID:pDX5XuK6
更新終了。
132 :
:02/06/18 19:28 ID:hDpvtKhr
ドウナルデスカー
133 :
:02/06/18 19:32 ID:NQKQoxpR
どうなるんだろう
「さてと」
省吾は一通り服を着終えると、布団の脇に座りこんだ。
「どうするかな」
矢口は目の前で暗くうつむいている。
パジャマのままだ。
「……取り合えず、着替えろよ」
返事はない。
「なあ真里」
省吾は親しげに肩を抱いた。
「昨日いきなり押しかけてきたのは悪かったと思ってる。
でも、お前は喜んで泊めてくれたんだろ。
違うか?」
矢口は上目で省吾を見た。
「昨日誘ったのもお前からだろ」
矢口の表情が曇った。
両手を爪の跡がつくほど握り締め、口を真一文字に結んでいる。
「なあ、真里」
「やめてよ!」
矢口は省吾の手を跳ね飛ばすと、数歩あとずさった。
135 :
コンボ:02/06/18 22:42 ID:8Z/tTpYM
「省吾、一回出て行ったじゃない!
なんでまたこんな所に来るの?
……余計なのよ」
省吾は矢口の言葉に動じるでもなく、気の抜けた笑いを浮かべながらにじり寄った。
「ほんとに好きなのはお前だったんだよ」
省吾の手は矢口に伸びた。
「なっち……安倍なんかほんとは好きじゃなかったんだ。
だから、勝手に出て行って悪かったと思ってる」
「だったら……」
「分かってる。
だから、戻ってきたんだ」
「違うわよ!」
矢口は立ち上がって、省吾を見下ろした。
「そう思うんだったら、もう来ないで!」
手元の洋服を毟り取り、省吾に投げつける。
「ひどいな」
「大体……いままで何やってたのよ。
私を好きだったら、私のところに真っ先に返ってくるのが筋ってもんでしょ?」
「……仕事が忙しくてさ、簡単に顔なんか出せないんだ」
「嘘」
矢口は省吾が言い終わる前に遮った。
「仕事なんかないくせに」
136 :
コンボ:02/06/18 22:43 ID:8Z/tTpYM
「仕事?
今でもあそこの会社で働いてるけど?」
省吾はとぼけた顔で言った。
「……随分、汚くなったわね」
矢口は省吾をさげすむような目で見た。
「煙草はやめたの?」
「ああ……そうだな」
「吸えないんでしょ?
……お金がないから、今更私の所に来たんじゃないの?」
「真里、怒るぞ」
「怒ってるのはどっちよ」
真里は省吾を横目で見やると、上着をつかみとって外へ出た。
ここまでです。
短くてスマソ。
137 :
:02/06/18 23:40 ID:NQvdkt0P
リレー更新ヤグサイドキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
138 :
こうもり:02/06/19 11:20 ID:J4jf9s2R
「くわー、ああ疲れた」
俺は漫画喫茶を出て、大きく欠伸をしながらそう呟く。
外に出るとあたりはもう薄暗くなっている。
俺は時間が気になり時計を見ると、いつのまにか四時半を
回っていたので、俺はライブ会場までバイクを走らせる。
ライブ会場に着くとそこはすでに凄い熱気に包まれていた。
俺は列の最後尾に並び、開場を待っていた。
すると、携帯が震えたので俺はそれを見る。
そこには愛ちゃんからのメールが入っていた。
【こんにちはカズさん、私は今少し休憩中です。
カズさんはもう会場にいるんですか?
頑張りますから楽しみにしていてください。
後、終わってから少しの間待っててもらえませんか?
ちょっとお話したい事があるのでお願いします。 愛】
139 :
こうもり:02/06/19 11:22 ID:J4jf9s2R
俺は携帯を見てどうメールを返そうか少し迷った。
もしかしたら、ひとみちゃんが今日俺に会ったことを話しているかも
しれないからだ。
うーん、どうしよう・・・。
でもとりあえず、会わないと言うと怪しまれるよな。
俺はそう思いメールを返す。
【愛ちゃん俺ももう会場に着いてます。
今から楽しみです、頑張ってね。
わかりましたじゃあ待ってます。
ライブが終わっても会場の周りをうろうろしているので
終わったら電話なりメールなりをください。 和智】
更新終了。
安倍「はぁはぁ……(ガラッ)」
安倍は潤の部屋に入った。
潤「何だよ………」
安倍「まだ話があるの。」
潤「俺には無いね。」
いつにも増してつれない潤だった、
潤「早く出てけよ!」
安倍「………」
安倍はふと思い出した。自分にもこういう時期があった事を。
誰もが信じられずに他人に当り散らしていたときの事を。
そのときの自分は他人に構って欲しかったのにイマイチ信じきれず、
周りにあたっていた、ひょっとしたら潤もそうではないか?
自分が潤を信じきっている事を見せ付ければ大丈夫ではないかと…
安倍「(ガバッ!)」
潤「ぅわっ!」
突然安倍が潤に抱きついた、
安倍「………ボソボソ」
潤「……!!」
安倍が潤の耳元で何か囁いた、
と、同時に潤の顔色が驚きの表情に替わった。
以前の活気はどこへいったーーー!!!
他の作者も更新しろーー!
稼動中の作者タン各位、更新ご苦労様です。。。
142 :
剣士:02/06/19 21:45 ID:StOqLLHH
>141さん
すいません(汗)
とりあえず、案は浮かんだので、明日ぐらいから更新したいと思います。
お待たせ(誰も待ってない?)しました。
W杯は終わった!さあ作者ども更新しろおぉぉぉ!!!!!!
などと暴走してみるテスト
144 :
:02/06/19 22:38 ID:SNJoRgHq
まだ終わってねーよ
145 :
ネオ生茶:02/06/20 00:27 ID:lfdfINOM
チャイムが鳴って、授業が終わった。
すると、十数人が愛の所に集まってくる。
「どこから来たの〜?」
「血液型は〜?」
「前の学校では、なんて呼ばれてたの〜?」
いわゆる、「質問責め」ってやつだ。
一度に何人かに話し掛けられたので、少しは戸惑ったが、質問に答える。
そして、数名の女子と一緒に昼食を食べることになった。
「高橋さん、ケータイ持ってる?」
「うん、一応。
でも、買ってもらったばかりだから、使い方が良くわからないんだ」
「なに?」
「これ」
そう言って、愛はケータイを見せる。
「これなら、使い方わかるよ。
登録しておくね」
「ありがとう」
そうして、その女の子達は登録し始めた。
146 :
ネオ生茶:02/06/20 00:27 ID:lfdfINOM
「ねえ、ところで一つだけメモリー入ってるけど、誰?」
「あ、見ちゃダメ!」
そう言って、ケータイを取り返す。
「誰〜? もしかして、彼氏〜?」
「ち、違うよ!」
愛は、顔を赤くした。
そのメモリーは信治のものだ。
(そうだ、お兄ちゃんにメールしよ!)
そう思い、愛は信治にメールを打ち始めた。
147 :
ネオ生茶:02/06/20 00:28 ID:lfdfINOM
メール送信!
「お兄ちゃん、今日、一緒に帰れる?」
すぐに、返信がくる。
『ごめん、部活が終わってからになっちゃうけど、それでもいい?』
「部活ってなにやってるの?」
『軽音部だよ』
「見に行ってもいい?」
『いいよ。音楽室でやってるよ。つまらなかったら、帰っちゃってもいいからね』
「見に行くよ! じゃね〜」
『うん、じゃね〜』
愛が、信治とのメールのやりとりを終えると、
「どうしたの、高橋さん? ニヤニヤして……」
と、言われて、愛はまた顔を少し赤くした。
148 :
ネオ生茶:02/06/20 00:29 ID:lfdfINOM
「やっぱり、彼氏とメールしてたんだ〜!」
「違うってば〜!」
愛はそう言うが、女の子達は勝手に盛り上がっている。
「ところで、軽音部ってわかる?」
愛は、女の子達に聞く。
すると、
「今、軽音部って言った!?」
と、突然、前の席の子に話しかけられて、愛は驚く。
「う、うん……」
なんで、この子が話し掛けてきたのかわからなかったが、愛は答える。
149 :
ネオ生茶:02/06/20 00:30 ID:lfdfINOM
更新です!
150 :
こうもり:02/06/20 10:57 ID:TN5xrmpB
俺は携帯をしまい、列が進むのを待っているといよいよ開場のようだった。
開場が始まると、俺はあっという間に会場の中に入っていた。
そして、自分の席を見つけ、腰を下ろす。
場内はもうすでに、ほとんど席が埋まっているようだった。
開演まで三十分か。
俺は時計をちらりと見て、確認する。
なぜだか俺は急に緊張してきた。
アイドルとしての愛ちゃんがこれから出てくるんだ。
そう思うだけでなぜだか胸がドキドキする。
俺は緊張を抑えるために一度席を立ち、お茶を買いに行く。
そうこうしているうちに、時間は過ぎて開演の時間になった。
151 :
こうもり:02/06/20 10:58 ID:TN5xrmpB
「わぁぁぁぁ」
その歓声が合図だったかのように、舞台が暗転し
そして、光と共にハロプロのメンバーが出てくる。
俺は座って見ようと思っていたが、周りを見るとそうもいかなかったので
立ち上がった。
ライブは最初から凄く盛り上がっていて、俺も一緒になって盛り上がっている。
愛ちゃんはいつも俺に見せる表情とは全く別の表情をしていて
その表情に俺は目を奪われていた。
愛ちゃんはやっぱり凄いな。
俺はそんなことを感じながら、ずっと舞台狭しと駆け回る、愛ちゃんの姿を見ている。
あっという間にライブは終わり、俺は席に座りライブの余韻に浸っている。
ライブに来たのは初めてだったので、こんなに楽しいものとは思わなかった。
愛ちゃんはやっぱりアイドルなんだな。
俺は歌っている愛ちゃんの姿を頭に思い浮かべながら、そう思っていた。
そして、周りに人がいなくなって来たので俺も会場を後にした。
更新終了。
潤「て…テキトーなこと言うんじゃねぇ!」
強く言い返すがいつもの迫力が無い、
ひどく動揺しているように見える。
安倍「……」
安倍はただ黙って潤を抱きしめている、
潤「………おい!」
安倍「……抵抗しないんだね、潤…」
安倍の言う通りだった、
安倍が抱きついてきたが潤はそれを逃れようとはしなかった。
潤「……うっ、」
安倍「寂しかったんだよね………私には分かる…
潤………私はいつでも潤の味方だし……………側にいるよ…」
潤の心が徐々に困惑していくのが表情でよく分かる、
滅多に見られない焦りの表情を浮かべている。
安倍「ずっと……ずっと…………」
潤「…………」
潤の身体の力がフッと抜けた、
潤はそのまま安倍に身を預けた。
153 :
剣士:02/06/20 21:28 ID:bThH/LY9
新作開始です。
タイトルが思い浮かばないので、今のところナシということで。
思いつけばタイトル言います。
154 :
剣士:02/06/20 21:36 ID:bThH/LY9
ある日の日曜日、俺はまだぐっすりと眠っていた、が・・突然、妹の亜依が・・・。
(ドーーーン)「お兄ちゃん、おっきろぉ〜!」
いてててて・・・いきなり体当たりはないだろ、亜依。
「げほっげほっ・・・お前な!」
「だって、今日は買い物行く約束やったやんか!そいやのに、いつもでも起きへんねもん!」
あ・・・忘れてた。
「お兄ちゃん、忘れてたやろ・・?」
げ・・ばれた。ごまかさないとうるさいな・・・。
「んなことねーよ。ちゃ〜んと覚えてらい!」
どうだ?これでごまかせたか?
「お兄ちゃん、顔に嘘って書いてるで」
・・・ダメだこりゃ・・・。
「はい、忘れてました、すいません」
ん?亜依の顔がニヤけた・・・これはまずい!
「忘れてたんか〜・・ならお詫びに、お昼お兄ちゃんのおごりやな!」
やっぱし〜〜〜〜〜〜〜(涙)
155 :
剣士:02/06/20 21:43 ID:bThH/LY9
で、急いでお出かけ。
「なぁなぁ・・お兄ちゃん、どこ行くぅ?」
お前、決めてなかったのかよ・・・。
「そうやなぁ・・じゃあ、ショッピングモールでも行くか」
亜依は賛成と言わんばかりに激しくうなずく。
「じゃあ、行くか・・ってあれ・・は?」
よく見ると、遠くで女性が数人の男に絡まれてる。
「お兄ちゃん!大変!」
言われなくてもわかってらぁ!
「やめてください!」
女性の叫び声が響き渡る。が、男はやめる気配なんてなさそうだ。
「んなこと言わないで、一緒にどっか行こうぜ〜」
強引だねぇ・・・女性を誘う時はもっとこう・・・優しく・・・って行ってる場合じゃないね。
「おい!やめろよ!」
こんな事言ってもやめないのはわかってるけど、一応ね。
「ああ?何だテメー!喧嘩売ってんのか?」
げ・・・やっぱ怒ったねぇ。しゃーねーな。ボコボコにされるのを覚悟で、女性を逃すくらいは・・・。
と、思ったその時!
(バキィッ!)「グアァァ!」
!?俺は目を疑った。突然現れた一人の男がいきなり蹴りをかましていたのだ・・・。
156 :
名無し:02/06/20 22:05 ID:6iYds9fF
剣士さんがんばれぇ!
157 :
剣士:02/06/20 22:36 ID:bThH/LY9
>156さん
応援は凄く嬉しいけど、あげないで。
159 :
こうもり:02/06/21 10:59 ID:V0/WVrU0
「ピルルルルルルル」
ライブが終わった後俺は近くにあるファミレスで、なにもせずに
ボーっとしていると、携帯が鳴ったのでそれに出る。
相手はもちろん愛ちゃんだ。
「もしもし、愛ちゃんライブお疲れさま凄く面白かったよ」
「そう言ってもらえると嬉しいです」
「それで、どうしようか?」
「そうですね、じゃあどこかで待ち合わせしましょう」
「うん、わかった、それでどこがいい?」
「そういえば、カズさん今どこにいるんですか?」
「え?今、今はファミレスにいるけど」
俺はファミレスの場所を愛ちゃんに伝えた。
「じゃあ今からそこに行きますよ」
「わかった」
「十五分くらい待っててくださいね」
「OK」
俺はそう言って電話を切る。
160 :
こうもり:02/06/21 11:00 ID:V0/WVrU0
俺は電話を切った後少し考え事をしている。
今の会話では変なところはなかったよな。
じゃあひとみちゃん愛ちゃんに何にも言ってないのかも。
俺はそう思い少し安心した。
そして、愛ちゃんが来るのを店の外で待ってようと思い店を出る。
俺は外に出て空を見上げている。
少し寒かったが俺は我慢して、その場で足踏みをしながら
愛ちゃんが来るのを待っていた。
「タッタッタッタッタ」
さっきから聞こえてきた足音が徐々に大きくなってくる。
俺は愛ちゃんだと思い、足音のほうを向く。
すると愛ちゃんが駆け足で俺のほうに近づいてきた。
「カズさーん」
愛ちゃんは大きな声で俺の事を呼びながら胸に飛び込んでくる。
更新終了。
161 :
関西人Z:02/06/21 20:19 ID:Kp1j9g6L
短編第12弾 <リハビリ=…>
「もういいから放っておいてよ!」
私は両親に向かって叫んだ。
「しかしだな、なつみ。今やらなきゃ一生歩けないんだぞ」
「そうよ。辛いかもしれないけど、きっと歩けるんだから」
そんなの嘘だ。
私はもう、一生歩けることはないんだ。
だって、いくらリハビリしても兆しがみえないんだから。
「だから頑張ろう、なつみ」
父は近づいてきたが、私はそれを許さなかった。
「もう出てって!!」
枕を父に向かって投げた。
するとそれを胸の所で掴んだ父は、悲しそうな目をして立ち止まる。
「…なつみ、もう一度よく考えてくれないか」
「…」
「ハァ、わかった。もう帰るよ」
「あなた!」
「いいんだ、行こう」
両親は部屋を出ていった。
一人になって残った物。
―孤独感と罪悪感―
でも、どうしようもないよ。
今の私じゃ…。
162 :
関西人Z:02/06/21 20:22 ID:Kp1j9g6L
リハビリをしなくなって数日後。
担当医の先生が、私の病室にやってきた。
そして、私を車椅子に乗せてどこかへ連れていく。
「どこへ行くんですか?」
「それは行ってのお楽しみ」
何回訊いてみても同じ事しか言ってくれない。
しばらく連れられるままでいると、違う病棟のある部屋へやって来た。
リハビリ室っぽいけど、私が使っていたところと何か違う。
なんか、空気が重いっていうか…。
人はあまりいない。
「先生、ここは?」
「シッ、あそこを見てごらん」
先生が小声で指さした方向を見た。
そこには、中学か高校生くらいの男の子が歩行のリハビリをしている。
でも普通じゃなかった。
何がかというと、汗のかき方が尋常がないし、腕や顔がアザだらけなのだ。
アザは多分転けてできたものだと思う。
「ここはね、特別なリハビリ施設なんだ。
彼はね、大事故に巻き込まれて、いわゆる植物人間になってたんだよ」
「えっ?」
先生の言葉に、私は耳を疑った。
「あれは死傷者をたくさん出した事故だった。
彼は奇跡的に命は助かったが、もう2度と起きあがることは無いと思っていた。
しかし奇跡的に意識が回復したんだ。でも、それは彼にとって過酷な日々の始まりだった。
動かない身体を動かすのは並大抵のことじゃない。
僕たち医師は、意識が回復しても起きあがることができない、歩くことができない人達をたくさん見てきた。
リハビリが辛くて挫折する人も…。
そして彼もその一人だと思っていた。
しかし、その思いは裏切られた。
今彼を見てわかるとおり、支えが必要ながらも自分の脚で歩いてるだろ?
僕は思った、彼は自分の努力から奇跡を起こしたんだと」
私は先生の話に耳を傾けながら、男の子をジッと見ていた。
汗だくになり、転げながらも、必死でリハビリする彼の姿を。
それから私は、男の子のリハビリ姿を見ているうちに、ある衝動にかられる。
―話してみたい―
163 :
関西人Z:02/06/21 20:23 ID:Kp1j9g6L
30分後
男の子は息を切らし、看護婦さんの手を借りて車椅子に乗った。
そして、汗を拭きながら出入り口の前にいる私の方へ向かってくる。
「あ、あの」
私は意を決して話しかけると、
「はい?」
男の子は私の前で止まった。
「あの、少しお話ししたいんだけど、いいかな?」
「え、あ、別にいいですけど。じゃあ場所変えますか?」
「うん」
私達は近いということもあり屋上へ向かった。
外に出ると、青く澄み渡った空が見える。
よく晴れている証拠だ。
「で、話って?」
男の子は私の方へ向き直った。
「うん。あのね、さっき先生に聞いたんだけど、植物人間だったって」
「ああ、うん、そうらしいですね。僕はあまり実感無いんですけど」
「それでね、さっきリハビリしてるの見てて思ったことがあるの」
「なんですか?」
「…どうしてそんなボロボロになるまでリハビリできるの?辛くないの?」
男の子に比べたら私は軽いほうなのかもしれない。
でも私は辛いし怖い。頑張ったとしても歩けなかったらと思うと。
だから逃げ出している。
私は訊きたかった、どうしてそこまで我慢できるのかを。
164 :
関西人Z:02/06/21 20:24 ID:Kp1j9g6L
「そうだなぁ…」
風で髪をなびかせながら、男の子は空を見上げ考えている。
そして、こう言った。
「『意地』、かな?」
「え?」
意外な答えだった。
「意地って、それだけで?」
「うん。実は担当医の人が母と話していたのを聞いたんです。『歩くことは不可能かも』って。
それを聞いて、『絶対歩いてやる。いや、走ってやる』って心に決めて。
だから、意地ってやつだと思います」
「…ぷ、アハハ」
私は笑った。
だって最初、夢や希望であそこまで頑張ってるって思ってたんだもん。
それが『意地』の一言だから。でも…
「はは、やっぱ笑いますよね」
「うん。でも逆に良かったよ。実はね、私リハビリしてももう歩けないって思ってたんだ。
でも、それ聞いたらなんだかやる気になってきたよ」
「そうですか、そりゃ良かった」
「明日から、私も頑張るよ」
「そうだ、なんなら競争しましょうか」
「競争?どっちが早く歩けるかで」
「そう。やりますか?」
「ようし、なっちその勝負受けるよ」
私がガッツポーズをすると、
「「……フフ、アハハハハ!!」」
なんとなくおかしくなって、二人で大声を出し笑いあった。
ありがとう、なっちもう逃げない。
明日から、一緒に頑張ろうね。
〜END〜
165 :
関西人Z:02/06/21 20:25 ID:Kp1j9g6L
ちょっと文おかしいかもしれないけど
許して下さいな
166 :
:02/06/21 21:05 ID:DQ5dBbHn
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
167 :
剣士:02/06/21 21:35 ID:Ikvjq2G2
>155の続き
それにしても・・・たった一撃でヤバそうな男たちを・・・ん?こいつは・・。
「・・・よ!加護じゃん」
今前にいるのは、小中高と、同じ学校、同じクラス、幼なじみの腐れ縁、吉澤ひとみじゃないか!
ってか、男じゃなくて女・・・。よく見間違えられるヤツだけど、俺まで間違えた・・・。
「・・あんた、今私を男だって思ったろ?」
女って何でそんなに鋭いの?だって・・・
「あまりにもかっこよく現れるから・・・」
「何年友達なんだ?・・・いい加減間違えるなよ〜」
その、ハスキーボイスと、男口調なら、誰でも間違えるわい!
「お久しぶり〜!ヨッスィー元気やった〜?」
そうか・・・亜依とひとみは仲良かったっけ・・・。
「ああ、元気。亜依はあいかわらず・・・だね」
そ、相変わらずウルサイウルサイ・・・。
「お兄ちゃん!誰がうるさいやてぇ?」
冗談だよ・・・。
「じゃあ、私はこれで・・・」
お、おい。もう行くの?って・・・ったく、かっこよく現れて、サッと消えるんだもんなぁ。
「あの〜」
あ、助けた女性、忘れてたよ(汗)
168 :
剣士:02/06/21 21:46 ID:Ikvjq2G2
「あ、ありがとうございます。助けてくれて」
いや、俺じゃないけどね、助けたの。
「いや〜・・いいっていいって。あ、俺は加護慎一。よろしく」
何自己紹介してんだろ・・・俺。
「あ、ウチは加護亜依〜」
「ふふふ・・・仲のいい兄妹なんですね。私は石川梨華っていいます」
なるほど・・・梨華ちゃんね。
「しっかし・・・いきなりあんなんに絡まれたの?物騒だなぁ」
「はい・・何か、ナンパされて、断ったらああなって・・」
はは、断られて逆上ね。
「ほんなら、あいつらアホやん」
亜依、間違ってないけど、ストレートすぎ。
「まあいいか。無事だったし・・・これからどうするの?」
「あ、ショッピングモールに行く途中だったんです」
あ、俺たちと同じか・・・。!いいこと思いついた。
「じゃあ、一緒に行きませんか?俺たちもそこに行くんで」
「ええ?邪魔しちゃ悪いですよ・・・」
ん?邪魔?・・ああ、亜依のことね。
亜依、何か不機嫌そうな顔・・・。
「ええよぉ〜、一緒に行こう〜」
・・・目の錯覚だったか。
「じゃあ、お言葉に甘えて・・・」
よっしゃあ!って・・俺何で喜んでるの?(^^;)
169 :
剣士:02/06/21 21:48 ID:Ikvjq2G2
更新終了。
>158さん
それはそれは・・・・お待たせしました。
170 :
ネオ生茶:02/06/21 23:37 ID:z/uYQBF/
「誰が目当てなの?」
「目当て?」
「だって、軽音部、見に行きたいんでしょ?
誰か、かっこいいと思った人がいるんでしょ?」
「う、うん……」
「誰? 誰?」
「堤…先輩って人……」
「え〜、やっぱり〜!!
私も、堤先輩が一番好きなんだ!」
「その人、そんなに有名なの?」
「有名、てゆうか、この学校に通ってて知らない人はいないよ。ねえ?」
と、愛と一緒に昼食を食べている女の子達に振る。
「あの人、本当に人気あるからね〜」
女の子達は、そう答える。
「今日、軽音部の練習の日だから、一緒に見に行かない?」
「う、うん……」
「あ、それと、私、麻琴! 小川麻琴!
ヨロシクね!」
「こちらこそ……」
愛は、麻琴のマシンガントークに圧倒されてしまった……。
171 :
ネオ生茶:02/06/21 23:38 ID:z/uYQBF/
ここからは、信治君視点です。
172 :
ネオ生茶:02/06/21 23:39 ID:z/uYQBF/
「授業はここまで〜!」
そう言って、先生は教室を後にする。
すると、いつものように女の子達がボクの席にやって来る。
「堤君、今日は私のお弁当食べて〜!」
「信治〜、私の食べてよ〜!」
ボクの目の前には、10個以上の弁当箱がある。
(だから、そんなに食べられないんだって……)
毎日、そう思うのだが、結局、何も変わらない。
「ねえ、堤君、誰の食べるの!?」
「私のでしょ!」
ボクが、迷ってると女の子達はだんだん怒り出している。
(ど、どうしよう……)
すると、
「はい、信治…ア〜ン!」
と、ボクの目の前には卵焼きがあった。
ボクは、思わずそれを食べてしまった。
173 :
ネオ生茶:02/06/21 23:40 ID:z/uYQBF/
「どお? おいしい?」
「う、うん…おいしいよ」
「良かったぁ〜!
じゃあ、信治は後藤のお弁当食べるんだから、あんた達はあっち行って!」
「何よ、あんた!
あんた、昨日も食べさせてたじゃない!」
「でも、信治はもう後藤のお弁当、食べてるじゃん〜!
ねえ、信治〜?」
と、聞いてきたのは、同じクラスの後藤さん。
本名、後藤真希。
その容姿から、校内でもかなり人気がある。
でも、毎日のようにボクにお弁当を作ってきてくれる。
しかも、そのほとんどが手作りだという。
ちなみに、後藤さんのお弁当を一番、食べていると思う。
「でも、後藤さんのは昨日、食べたから……」
ボクがそう言うと、
「……ひどい」
「えっ?」
「後藤が朝早くから起きて作ったのに、信治は食べてくれないんだ!」
後藤さんは、泣き出してしまった。
174 :
ネオ生茶:02/06/21 23:41 ID:z/uYQBF/
更新です!
ややこしくて、すいません「(__;)
175 :
:02/06/22 00:42 ID:bPmjixZ4
モテモテ君キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
―――――
「あー疲れたー。」
「そりゃ飛行機から降りてすぐに泳いでたら疲れるわな!そろそろホテル帰る?」
「まだあと6日もあるんだしねぇ〜今日はもうかえろっか!」
それぞれ着替えを済ませ、ホテルに戻る。
フロントでルームキーをもらいエレベーターで上まであがる。部屋は隣同士だった。
福引で当てたとは思えないぐらいに豪華なこの旅行、ホテルの部屋までしっかり取ることができた。
しかもそのホテルというのがまたキレイなホテルなのだ。まさにリゾートホテル(w
てっきり“海の家!!”みたいなところに泊まらされると思っていたのだが、
その想像は海外旅行経験の無さからきたのだろう、今考えても情けない・・・・・
部屋は当然のように男女分けられた。優治は惜しがっていたが・・・・・
部屋では、初の海外旅行ということでテンションの上がりきった俺たちの話は尽きることがなかった。
1時間ぐらい話し込んだあと、優治が
「食料調達に行ってくる」
と部屋を後にした。今考えればルームサービスとか色々あったんだが・・・・・
忘れてました、
>>84-86の続きです。
1人にされた俺はシャワーでも浴びて汗を流すことにした。
シャワーを浴び終え、髪を拭いている時だった。
――ビーッ、と部屋のチャイムが荒々しく鳴った。
「(優治ルームキー持っていかなかったのかよ・・・)」
乾かしかけの髪をそのままにしながら、パンツ一枚で、外を確認することなく勢いよくドアを開けた。
「うわっ!?」「きゃっ!?」
そこにいた人物と俺は、ほぼ同時に悲鳴をあげた。
そこにいたのは優治ではなく、後藤さんだったのだ。
「ごめん!でもどうしたの!?」
さすがにパンツ一丁の姿で面と向き合うことはできないので、ドアに隙間を開けて話をする。
「え?う〜ん・・・今やぐっちゃんお風呂はいってるから暇だったんだよね・・・」
「あ・・・ちょっと待って、今服着てくるから。」
と言いそそくさと部屋の奥に引っ込む。我ながら情けない姿だ。
服を着終えドアを開ける。
ちょっとですが更新です。
思うように進まないので、ちょっと短編でも書いてみようと思ったり・・・
だから出してほしい娘。系キャラを募集してみたりしてみます。
希望とかあったらよろしくお願いします。
限定小説やりますか、また?
180 :
こうもり:02/06/22 11:07 ID:D9TMypQ1
「カズさんに早く会いたいから走って来ちゃいました」
そう言う愛ちゃんの息が少し切れているようだった。
「大丈夫愛ちゃん?」
「全然大丈夫ですよ、それよりも私はカズさんに会いたかったんです」
愛ちゃんは弾む声でそう言う。
そして、抱きついてきた。
俺もそのまま愛ちゃんの背中に手を回す。
そのままの体勢をしばらく続けていると、愛ちゃんが
「はくしょん」と大きくくしゃみをした。
「やっぱりここじゃ寒いよね」
「そう、みたいです」
「じゃあどこかに行こうか?」
「はい」
愛ちゃんは鼻をすすりながら答える。
「今日バイクだから、これを着てて」
俺は上着を脱いで愛ちゃんに渡す。
181 :
こうもり:02/06/22 11:09 ID:D9TMypQ1
「ありがとうございます、でもカズさんは大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ」
俺はそう言って愛ちゃんにヘルメットを渡す。
すると愛ちゃんは不思議そうな顔を浮かべて俺を見ている。
「愛ちゃんどうしたの?」
「別になんでもないですけど、ちょっと変だなって思う事があって」
「何?」
「どうしてカズさんヘルメット二つ持っているんですか?」
「えっ!!」
一瞬俺の頭はパニック状態になり、何も言えずに口ごもる。
俺は焦って矢口さんの事を言いそうになったがそれはまずいと思い
「いや、愛ちゃんと一緒に帰ろうと思ってたから」と言うと
愛ちゃんは笑顔になって
「嬉しいです」と言う。
俺はうまくいったと思いながらをバイクに乗る。
すぐに愛ちゃんはバイクの後ろに乗って俺の背中を掴んだ。
「じゃあ行くよ」
「はい」
俺は愛ちゃんが返事をしたので出発した。
バイクを走らせながら、俺は何処へ行こうかとかと考えている。
どうしようかな、もう時間も結構遅いからこのまま家に帰ろう。
俺は家に向かってバイクの進路を変えた。
更新終了。
182 :
:02/06/22 11:49 ID:PU/nkhwY
doki@doki../
ノハヽo∈
从‘ο‘从/
/ スラーッシュ!!
183 :
ネオ生茶:02/06/22 19:40 ID:ROD5QJyx
「堤君、この女、絶対、嘘泣きだから信じちゃダメよ!」
「そうよ、そうよ! いつもそうじゃん!」
(ど、どうすればいいんだ?)
「信治は他の女の子の言うことは信じて、後藤のことは信じてくれないんだ……」
と、さらに泣き出す。
「わかったよ! 後藤さんのを食べるよ!」
「ホントに!?」
と、後藤さんは手を顔から離した。
「ほら〜、この女、嘘泣きじゃ〜ん!」
「信治、なんでいつもそう騙されるの〜?」
と、他の女の子達から問い詰められる。
「でも、信治は後藤のお弁当を食べるって言ったんだから、あんた達はあっち行って」
後藤さんがそう言うと、女の子達は文句を言いながら、ボクの席から去って行った。
184 :
ネオ生茶:02/06/22 19:42 ID:ROD5QJyx
「はい、信治、ア〜ン!」
と、ボクの前にはどんどんおかずが現れる。
ボクが食べる度に、後藤さんは「おいしい?」と聞いてくる。
「お、おいしいよ」
と、答えると、
「ホントに〜? 嬉しい〜!」
と、後藤さんは言う。
そして、後藤さんの弁当を食べ終わりそうになった時だった。
「信治〜!」
と、後ろから、誰かがボクを呼んだ。
すると、ボクが振り向くよりも早く、後藤さんが立ち上がる。
「あんた、何しに来たのよ!」
「何しに、ってあんたには関係ないわよ!
ほら、信治、行くよ!」
と、ボクの制服を引っ張る。
この人は、矢口さん。
本名、矢口真里。
3年生で、この人も後藤さん同様、人気がある。
でも、毎日のようにボクを学食に誘ってくれる。
しかも、矢口さんのおごりで……(別に、金には困ってないんだが…)。
185 :
ネオ生茶:02/06/22 19:42 ID:ROD5QJyx
「信治は、後藤のお弁当を食べてるの!」
「信治はあんたの冷凍食品ばかりのお弁当なんか食べたくないのよ!」
「冷凍食品ですって!?
後藤はね〜、信治のために毎朝5時に起きてお弁当作ってるのよ!」
「知らないわよ、そんなこと!
信治、行くわよ!」
そうして、ボクは後藤さんの弁当を食べ終わらないまま、
矢口さんと一緒に学食に行くことになってしまった……。
186 :
ネオ生茶:02/06/22 19:43 ID:ROD5QJyx
更新です!
187 :
剣士:02/06/22 20:53 ID:V84Qm9ON
>168の続き
う〜ん・・・石川さんと亜依と一緒だと、何か、人の目が気になる。
そりゃそうか・・。亜依は学校で大人気だし、石川さんも可愛いしな・・・。
「?どうかしましたか?」
あ、あまりにジっと見過ぎたか。
「ど〜せ変なことでも考えてたんやろ?まったくもう」
亜依・・お前は・・・・。
「そんなんじゃねーよ!ったく・・・」
「ふふふ・・仲がよろしいですね」
はぁ?何いってんだ?この人は・・・。
「喧嘩するほど仲がいいって言いますし」
それは違う・・・・。仲・・・いいのか悪いのか微妙なんだよな・・・。
「で?何買うんだ?」
目的をすっかり見失いそうになったので、とりあえず聞いた。
「ん〜・・・そやなぁ・・・時間も時間やし・・・」
亜依が言おうとした瞬間
(ギュルルルルルル〜)
何の音?って・・・石川さんのお腹から?顔真っ赤にしてら・・・。
「了解、昼飯やな」
亜依も石川さんも賛成、と言わんばかりの笑顔だ。
「じゃあ、ここのファミレスでも入ろう」
188 :
剣士:02/06/22 21:15 ID:V84Qm9ON
ファミレスに入って・・・30分。テーブルの上には・・皿が大量。
「ごちそうさまぁ〜」
「ごちそうさまでした」
俺は固まってしまった。亜依の食欲は知っていたが・・ここまでとは・・・。
まさに「私の胃袋は宇宙や」と言わんばかりの顔。
「・・・・亜依、お前・・・・食い過ぎだろ・・・」
やっと絞り出した言葉がこれ。
「ええやん、育ち盛りなんやしぃ〜」
育ち盛りでも、この皿の数は・・・。会計・・・万単位・・・。
「あの・・・私も出します」
んん?石川さん優しいねぇ・・・。
「いいよ。俺が出しとくよ」
何見栄はってんだ、俺・・・。
「すいません・・・ありがとうございます」
石川さんの可愛さに免じて許す!
で、会計をすませたあと、3人でブティックへ。
俺はあんまり服に興味ないから、亜依と石川さんのやりとりを見てた。
「これなんかウチにええと思うけど」
「あ〜亜依ちゃん似合うよ!」
「そう?ありがと〜!じゃあ、梨華ちゃんはこれ何かどう?」
「あ、可愛い〜!」
・・・元気だねぇ(^^;)石川さんも凄くイキイキしてら。
「お兄ちゃん!おまたせ〜」「おまたせしました」
お前ら・・・何だその両手の荷物は。買いすぎだよ。
「へへ〜!いろいろ買えて満足!お兄ちゃんありがとね〜!」
もちろん、亜依の支払いは俺。結構値がはるなぁ。
「私、今日は凄く楽しかったです。」
おお、そりゃよかったねぇ。
「ウチも楽しかったでぇ」
オメーは意味もなく毎日楽しいだろ・・・。
「あの〜・・・慎一さんは、学校はどこですか?」
「?ああ・・・○○高校、1年5組。亜依は中等部」
「ええー!私、そこの2年6組」
なんと、同じ学校だったのね〜。
「じゃあ、これからも会えますね!じゃあ、今日はこれで!」
「じゃあな!」「バイバーイ!」
「ふう・・・ん?亜依、何でそんなにピッタリくっつく?」
突然、亜依が腕にしがみついてきた。
「へへ〜・・・だって、お兄ちゃんと二人きりやねんもん」
また・・・こいつは甘えて・・・。
「じゃあ、帰るか」
「うん!」
そして俺たちも、帰り道を急いだ。
189 :
剣士:02/06/22 21:17 ID:V84Qm9ON
更新終了です。
190 :
こうもり:02/06/23 10:54 ID:orVRXT7p
「愛ちゃん、着いたよ」
「家に戻ってきたんですか?」
「うん」
「どこか行きたかった?」
「ううん、そんなことないです、早くカズさんと二人きりになりたかったから」
愛ちゃんはそういいながら顔を赤くする。
「じゃあ帰ろう」
俺が家に向かおうとすると、愛ちゃんが俺の手を握ってくる。
「いいですよね」
「ああ」
俺と愛ちゃんは手を繋いで家に帰る。
191 :
こうもり:02/06/23 10:55 ID:orVRXT7p
「ただいま」
愛ちゃんが家に入るなりそう言ったので、俺は
「お帰り」と愛ちゃんに返した。
「うーん、帰ってきたって感じがします」
愛ちゃんはリビングに入り、大きく伸びをしている。
「愛ちゃん、お腹空いてるの?」
「はい、おなかペコペコです」
愛ちゃんはお腹を抑えながら、そう言う。
「じゃあすぐ、夕飯の用意をするよ」
俺はそう言ってリビングに行く。
「私も手伝います」
愛ちゃんもそう言いながら俺の後をついて来た。
更新終了。
192 :
剣士:02/06/23 20:07 ID:VMUYV6+a
すいません、これから期末テスト期間に入ります。
なので、更新があまりできなくなります。
すいません。
応援してる人には申し訳ないです。
193 :
こうもり:02/06/24 11:11 ID:ngretABP
「はぁー、お腹一杯です」
愛ちゃんはお腹を抑えながら、リビングのソファーで満足そうな
表情を浮かべる。
「どうだった?今日のお好み焼きは」
「すごく美味しかったです」
「愛ちゃんも包丁捌きがうまくなってるよ」
「そうですか?」
「うん、だからそろそろ肉じゃがの作り方を教えるよ
それに、あと一週間で同居生活も終わりだし」
「そう、ですよね」
愛ちゃんは俺がそう言うと下を向く。
「どうしたの?」
「いや、カズさんと一緒に暮らすのも後一週間なんだなって思って・・・」
「気にすることないよ、だって俺はずっとここにいるんだから
愛ちゃんが嫌じゃなければいつでも遊びに来てくれたっていいよ」
俺はそう言いながら愛ちゃんのことを抱きしめる。
「そしたらまた美味しいものつくるからさ」
「はい」
愛ちゃんはそう言うと笑顔になる。
194 :
こうもり:02/06/24 11:13 ID:ngretABP
「そういえば、カズさん一つ聞きたい事があるんですけど」
「な、何?そういえばメールにも書いてあったけど」
「何で今日朝早くから、ライブ会場にいたんですか?
吉澤さんには私を送りに来たって言ってたみたいですけど・・・」
やばい・・・、何て言おう。
「そ、それは・・・その、あれだよ」
「あれって?」
「いや、なんか楽しみで早く起きちゃったから」
「そうだったんですか、じゃあ何で吉澤さんに・・・」
愛ちゃんは俺に少し疑いの目を向ける。
「ちょっと恥ずかしくてさ、なんか小学生みたいで」
「でも、本当にそれだけですか?」
「当たり前だよ、他に理由なんてないし」
「わかりました、じゃあ信じます」
愛ちゃんはそう言って目を閉じ、唇を突き出す。
「嘘をついていない証拠にキスをしてください」
「わ、わかった」
愛ちゃんの行動に少し戸惑ったが、俺は目を閉じ愛ちゃんの
唇に自分の唇を合わせる。
ごめん、愛ちゃん。
もうしないから。
俺は唇を合わせているとき、心の中で何度も愛ちゃんに謝っていた。
更新終了。
195 :
:02/06/24 21:08 ID:zuarWhfu
あと1週間で同居生活も終わりなのか・・
196 :
こうもり:02/06/25 10:41 ID:CNqK7JnU
キスを終えた後も愛ちゃんは、俺の肩にもたれている。
愛ちゃんの表情は、凄く幸せそうだ。
「カズさん、そろそろ寝ませんか?」
「ああ、そうだね」
そう言いながら俺は時計を見る。
時間はいつのまにか十二時を回っている。
「今日も一緒に寝てくれますか?」
どうしようかな。
拒否したらもっと疑われるだろうし。
でも、ベッドが昨日のままなんだよな。
そうすると匂いでばれるかも。
さすがにそれはまずいな。
「今日は愛ちゃんの部屋で寝ようか?」
「どうしてですか?」
「なんかたまにはいいかなって思って」
俺がそう言うと愛ちゃんは少し考え込み口を開く。
「そうですね、それもたまにはいいかもしれませんね。
私の部屋の蒲団結構大きいし、わかりましたじゃあそうしましょう」
愛ちゃんは納得してくれたようで、俺の事を自分の部屋まで連れて行く。
197 :
こうもり:02/06/25 10:42 ID:CNqK7JnU
「おやすみ」
「おやすみなさい」
俺は愛ちゃんの隣で、目を閉じる。
するとなんか唇に柔らかい感触がする。
俺はそれに驚き、目を開けると愛ちゃんが俺にキスをしている。
俺が目を開け、愛ちゃんを見ると少し恥ずかしそうな顔を浮かべて
「お休みのキスです」と言う。
そして、愛ちゃんは再び短いキスをして俺の隣に寝る。
「じゃあ今度こそ本当におやすみなさい」
「おやすみ」
と言うと俺はまた目を閉じる。
今日は疲れていたせいか、すぐに睡魔が襲ってきた。
俺はそれに逆らわずに身を委ねる。
更新終了。
198 :
:02/06/25 15:03 ID:VC3nD075
199 :
こうもり:02/06/26 10:36 ID:38vrMWMB
「チッチッチッチッ」
時計の音しかしていない空間で、音を立てないように愛は隣を見る。
隣では和智が静かに寝息を立てて眠っている。
愛は和智が起きないように、蒲団から出る。
愛にはどうしても和智には内緒で確かめなければいけないことがあった。
それは、今日の朝、和智がなぜアリーナに来ていたのかということだ。
さっき和智は早く来た理由を『楽しみで』と言ったが
どうしても愛にはその事が信じられなかった。
和智は説明している時明らかに態度がおかしかったからだ。
愛は和智が寝ているのを再び確認してから、静かにドアを開けて、部屋を出る。
200 :
こうもり:02/06/26 10:38 ID:38vrMWMB
(どうしよう・・・、やっぱり入らない方がいいのかな)
愛は和智の部屋のドアノブに手をかけたところで、動きが止まる。
(いくらなんでも勝手に部屋に入るのはまずいよね、でも・・・)
愛はそう思いながらもドアを開け、部屋に入った。
和智の部屋はいつものように整然としていて、何も変化がないように見える。
しかし、愛はいつもと違うような感じがしていた。
それはいつもならしっかりと、セットしてあるベッドが
少し乱れているのだ。
(どうしてだろう?いつもならきちんとしているのになんかおかしいな)
そんなことを考えながら、愛はベッドに横になる。
(この匂い、どこかでかいだ事あるような匂いだな)
ベッドからはほのかに香水の匂いが漂っている。
愛はしばらくその体勢のまま考え込んでいた。
「あっ!?そうだこの匂いって矢口さんの香水の匂いだ」
愛はベッドから起き上がり、すぐさま窓を開ける。
なぜならこの部屋から早く矢口の匂いを消したかったからだ。
(ひどいよ、カズさん)
「うっ、ううっ」
泣きながら愛はリビングに行く。
そして、リビングでずっと一人で泣いていた。
更新終了。
201 :
名無し娘:02/06/26 18:05 ID:wsEkZQhZ
あーっ!泣かしたぁー!
あと1週間しかないのに……
>>201 あーっ!ageたぁー!
小説スレなのに……
203 :
:02/06/26 21:15 ID:H5gm5NDa
(;^▽^)ドウナルデスカーー
どきどき
205 :
こうもり:02/06/27 11:33 ID:vYniuwXc
「ピピピッ、ピピピピッ」
俺はいつもとは違う目覚し時計の音で目を覚まし、身を起こす。
そして隣に愛ちゃんを起こそうとしたが、そこにはもういなかった。
俺は愛ちゃんの部屋を出てリビングに行くと、テーブルの上に
置手紙が残されていた。
【カズさんへ
今日は仕事の予定が早まったそうなので
先に行きます。 愛】
206 :
こうもり:02/06/27 11:35 ID:vYniuwXc
手紙を読み終わった後、俺はソファーに身を沈めた。
どうしたんだろう・・・?
昨日の夜は何も言ってなかったし、なんか変だな。
しかし、やっぱりこの格好でリビングにいると寒い。
俺は自分の部屋で着替えようと思い、ソファーから立ち上がり自分の部屋に行く。
部屋のドアを開けると、凄く寒い空気がする。
俺は部屋の中に入るとなぜだか知らないが窓が開いていた。
もしかして昨日の夜愛ちゃん俺の部屋に入ったんじゃ・・・。
嫌な予感が頭をよぎる。
俺は他に部屋の中におかしなところがないか探してみる。
あれ?ベッドが昨日の状況と違っているような気がする。
やばい、絶対愛ちゃん昨日俺の部屋に入った。
だから今日早く出かけたんだろう。
俺はとりあえず愛ちゃんに電話を掛けてみることにした。
「おかけになった電話は、電波の届かないところにおられるか・・・」
しかし愛ちゃんには携帯が繋がらなかった。
どうしよう・・・。
俺はどうすればいいのかわからず、ソファーで頭を抱えていた。
更新終了。
………ん?
ゲッ、もうこんな時間じゃん!
潤は慌てて起き、調教の支度に入った。
潤「………おい、起きろよ…」
潤は横で寝ていた安倍を起こした。
安倍「ぅん……?何時…?」
潤「もう3時過ぎたぞ、早く支度しろ。」
時間を聞いた安倍は慌てて布団から出て支度に入った。
潤「……」
安倍「………」
2人とも何故か気まずい空気のまま急いで支度をしていた。
池田「お、珍しく遅かったね〜?」
潤「すいません、目覚ましの電池が切れていました。」
池田「あはは、そりゃどうしようもないなぁ。」
寝坊の理由を何とかごまかした潤であった。
安倍「おはようございます!」
遅れて安倍もやってきた。
池田「(珍しい………2人が寝坊するなんてなぁ…)」
赤川「どうだい潤君、サイレントの調子は?」
潤「今7割くらいなので、ダービー当日までにはピークを迎えられるのではないでしょうか?」
赤川はよしといった表情で順調さを感じていた。
赤川「今日どうしたの、遅れちゃって?」
潤「すいません、今後2度と無いようにします。」
赤川「なつみちゃんも遅れてきたけど………何かしてたの?」
と、やや茶化すように赤川が話し掛けると、
潤「何もしてません!!さっ次々!」
赤川「(´-`).。oO(何もそこまで怒らなくていいのに…) 」
近くで話を聞いていた池田は( ̄ー ̄)ニヤリ
といった表情を浮かべていた。
……数日後、県競馬組合は県と話し合い次のような約束を結んだ。
1.サイレントスズカ号が日本ダービー1着の場合、5年間の無条件での県競馬継続を約束する。
2.しかし、2着以下の場合は今年度中の廃止を決定する。
このように赤川にとって厳しい条件・プレッシャーの中ダービーを迎える事となった、
県競馬の廃止がかかっている為、何とか自分の選んだ騎手で行きたいと馬主を説得した。
赤川「鞍上は………岡崎潤で行きます。」
木曜日の午後、日本ダービーの枠順が決まった。
1 1 サイレントスズカ 牡3 57 岡崎潤
1 2 ビックバン 牡3 57 佐藤哲
2 3 マイネルターン 牡3 57 太宰
2 4 セクシーセクシー 牡3 57 横山典
3 5 タガノモンスター 牡3 57 藤田
3 6 ブラックジャック 牡3 57 蛯名正
4 7 ドラゴンカフェ 牡3 57 岡部
4 8 パワーショット 牡3 57 デザーモ
5 9 ヒカリノハヤサ 牡3 57 武豊
5 10 アラビアンナイト 牡3 57 安田康
6 11 カネツサンダー 牡3 57 松永幹
6 12 パンドラ 牡3 57 後藤
7 13 ウォータープルーフ 牡3 57 河内
7 14 メジロベッカム 牡3 57 吉田豊
7 15 マークマン 牡3 57 四位
8 16 サザナミ 牡3 57 江田照
8 17 バックスラッシュ 牡3 57 柴田善
8 18 アドマイヤダン 牡3 57 福永
サイレントスズカは1枠1番、最内枠となった。
―そしてダービー当日、オッズは4強
(ビックバン・タガノモンスター・ヒカリノハヤサ・パンドラ)を示していた。
サイレントスズカは単勝126.3倍の16番人気だった……
馬名センスが良い・・・
実際にその騎手乗った馬と微妙にリンクしてる
211 :
こうもり:02/06/28 10:29 ID:OsVFQ/2p
「おはようございます、矢口さん」
「おはよう、高橋」
「すいません、今日はこんな時間に呼び出したりして」
「いいよ、別に私は大体このぐらいの時間に来ているしそれで何、話って?」
「いや、それなんですが・・・」
愛と高橋は控え室で話をしている。
まだ集合時間まで一時間以上ある為、控え室には愛と矢口だけだった。
「矢口さん一昨日の夜って何をしてました?」
「一昨日って言うと・・・」
「横浜の一日目のライブが終わった後です」
「別に何もしてないけど」
「でもあの日確か安倍さんの誘いを断って、先に帰りましたよね」
「そうだっけ?」
「そうですよ、覚えてないんですか?」
212 :
こうもり:02/06/28 10:30 ID:OsVFQ/2p
(やばいな、高橋何か勘付いてるのかも、そうすると下手に
喋るのはまずい)
矢口は口では平静を装いながら内心結構焦っていた。
「ああ、あの日のことね、あの日はすぐに自分の家に帰ったわよ」
「嘘です」
愛は矢口の答えに間髪いれずにそう言う。
「なんで嘘だってわかるのよ」
「だってあの日、矢口さんはカズさんの家にいたんですから」
「えっ!!」
矢口は図星を付かれ一瞬返答に詰まる。
「そ、そんなわけないじゃない、何で私が南条さんの
家に行かなきゃならないの?」
「そんな理由はわかりません、けど行ったことは事実ですよね?」
「だから行ってないって」
「嘘です」
「私が行ったっていう証拠でもあるわけ?」
矢口は愛の挑発的な言動に乗せられていつのまにかエキサイトしている。
更新終了。
213 :
:02/06/28 10:44 ID:F0O98aK2
修羅場、最高!!
が、南条って妬かれるくらい愛されててうらやましいとも思う。
214 :
名無し:02/06/28 16:39 ID:wfO2ny6a
ダービーのパドックが始まると同時に県競馬の大型ビジョンが
東京競馬場のパドックを映し出した。
県の傲慢な条件を飲んでしまった赤川に怒りを覚えたものもいるが、
条件を飲まなければ県競馬の存続は危ぶまれてしまうのは目に見えている。
逆に1着にならなければ廃止というプレッシャーを前面に負っている
赤川に同情を覚えるものもいた。
彼らがどう思っていようが全て赤川に運命を委ねているのは変わらない、
ただじっと祈る事しか出来なかった。
係員「とま〜〜〜〜〜〜〜〜れ〜〜〜〜!」
18頭全てが止まり、18人の騎手がライン上に並んだ、
係員の話が終わると同時に各ジョッキーは思い思いに駆け足で散っていった、
しかし、潤は17人とは対照的に一歩一歩ゆっくりとサイレントスズカに近づいていった。
赤川「なぁ潤君、私はこんなプレッシャーの中で君を乗せたくなかった、
だから今日は潤君の好きなように乗ってきてくれ、
君が後で後悔しないような騎乗をしてきてくれ、
……それが唯一……私の指示だ………」
やや涙声の赤川の話を潤はただ黙って聞いていた、
安倍「し…死んでも勝ってきてよね!」
潤「…ああ……死んでも勝ってきてやるよ………
………そして明日もいつもと同じように調教するぞ………」
地下馬道を通り抜けサイレントスズカと岡崎潤は一番最後に姿をあらわした。
輪乗りの最中に話をするものは全くいなかった、
やはりダービーというのは特別なレースなのだろう皆顔を紅潮させ緊張気味みたいだ。
しばらく経つとゲートインの為、18頭がゲートの前までやってきた、
幾らGTとはいえ、観戦客もいつもとは雰囲気が違うのが伝わってくる。
ダービーというのは調教師・厩務員・騎手・ファン………
競馬に関わる人全てにとって特別なレースなのであろう。
県競馬にいる調教師・厩務員・ファン、赤川・安倍……
皆々緊張した面持ちで観戦している。
しかし、潤はいつものように……いや、いつもよりも落ち着いてるように見えた、
県競馬の廃止、ダービーという独特の雰囲気……色んなプレッシャーが潤を襲っている、
それなのに潤は無表情に近い表情で淡々としていた。
プレッシャーを感じていないのか…?
それともプレッシャーに押し潰されそうになっているのか?
さまざまな思いが交錯する中、GTのファンファーレが鳴り響いた、
http://silentsuzuka.hoops.ne.jp/g1.mp3
(●´ー`●)を調教・・・
(;´Д`)ハァハァ
218 :
こうもり:02/06/29 11:23 ID:4zqSKRxy
「それは矢口さんが一番分かっているんじゃないですか?」
「どういうこと?」
「証拠は矢口さん自身にあります」
「私自身って・・・」
「カズさんのベッドから矢口さんのいつもつけている香水の匂いがしたんです」
「・・・・・・」
「何も言わないって事は図星なんですね」
愛は勝ち誇ったような顔を矢口に見せる。
矢口はそれにカチンときて、怒りの表情を露にした。
「どうしてそんなことするんですか?」
「別に理由なんてないよ、ただあの時は誰でもいいから、慰めて欲しかっただけ」
「でもなんでカズさんに?」
「あの人なら絶対私のこと拒まないってわかってたから
それに、今はもしかしたら本当に南条さんの事が好きになっているかも」
219 :
こうもり:02/06/29 11:25 ID:4zqSKRxy
「それだけは絶対に許しませんよ」
「そんなの高橋には関係ないでしょ」
「関係あります」
「もしかしたら南条さんは私を選ぶかもしれないし」
「そんなことありません」
「それは言い切れないんじゃない、だって南条さん私のこと抱きしめてくれたし」
「そんなのカズさんが同情したからに決まってます」
愛は顔を真っ赤にして怒っている。
「なによその言い方・・・」
矢口は愛に何かを言いかけようとしたが、そこへ吉澤が入ってきたので
話すのをやめ、吉澤と入れ違いに控え室を出る。
更新終了。
220 :
:02/06/29 12:59 ID:8uDIZYzd
修羅場キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
こうもりさん、最高!!
ちょっと短編でも・・・今の学生なら一度ぐらいあるだろうってことで・・・
『ずっと前から好きでした。良かったら私と付き合ってください!!』
眩しい光を放つ携帯に、こう打ち込む。
メールを送る相手は隣のクラスのあの人・・・・・
私の一番の友達にあの人の携帯の番号とメールアドレスを聞いてもらいました・・・・・
その時私は遠目にあの人のこと見てたんだけど、えらく照れてた・・・よし、イケるわ!
それからほとんど毎日メールを繰り返したの。
あの人の誕生日から趣味、家族に至るまで色々調べたわ!
趣味がパソコンっていうのにはちょっとどうかなぁ・・・・・って思ったけど・・・・・
あの時はつい雰囲気で、
『じゃあ今度教えてよぉ?』
なんて送っちゃったけど、パソコンってイメージ暗いし・・・
でもそんなこと関係ないわ!
あの人の趣味を“私とのメール”にするまで頑張るわよ!!
メールを始めてから1ヶ月、ついに告白の時がやってきた!!
めざましテレビによると今日の運勢・・・・・
1位:やぎ座のあなた!!
今日は何をやってもうまくいく日、悩み事も積極的に解決していって!
との事・・・・・
・・・・・これはイケるわ!運が向いてる!!
学校の授業なんて上の空、どうやって告白しようかず〜っと考えてた。
結局はメールでやろうって決めちゃったんだけどね!
帰るのが待ち遠しくてずっとそわそわしてたから、私の一番の友達も心配してくれてた。
けど心配無用よ、これって‘武者奮い’ってやつだと思うから!
家に帰って、お風呂に入って一番お気に入りの洋服に着替える。
だってあの人が、
「今から会いたい・・・・・」
って言ってきたら困るじゃな〜い!私って計算高いかな?エヘヘ
そしていざ、メール送信!!
ちょっと淡白な文の方がキモチが伝わるのよきっと!!
―――10分経過
おかしいな・・・・・いつもだったら絶対10分以内には返してくれるのに・・・・・
ひょっとして照れてるのかな・・・?
催促のメールでも入れようかし・・・・・あれ?送信できてない!?もぉ〜!!
おっちょこちょいだな私って、テヘ。
でもド○モもちゃんとしてよね〜!?大事なトコなのにぃ・・・・・
気を取り直して今度こそ・・・送信しましたぁ
―――5分後
♪チャ〜ラチャ〜ララチャラ〜ラ♪
携帯の着メロが鳴る→携帯を開く→メール見る→大成功
ってなるはずが・・・・・
携帯の着メロが鳴る→携帯を開く→メール見る→『ごめん、俺最近付き合い出した人がいるんだ』
あ、あれ?何かおかしい・・・・・計画と違うわ・・・どうしよう・・・
『あ・・・そうなんだ・・・でもありがとう!』
とりあえずこう送ってみたけど・・・まさかフラれるなんて・・・・・
♪チャ〜ラチャ〜ララチャラ〜ラ♪
『こっちこそ色々ありがとな!!これからもメールしような?んじゃな。』
ふぅ・・・・・・・・・・・・ま、まぁ今回は運がなかっただけよ、そうそう運運・・・・
めざましテレビの占いは当たんないわね・・・気をつけないと・・・・・
でも一体誰と付き合ってるんだろう・・・?そんな気配学校でもなかったのに・・・・・
次の日に私は見てしまった・・・・・・・・・
あの人が私の一番の友達と仲良さげに登校していくのを・・・・・・・・・・・・・・
〜終わり〜
短編って難しい・・・
これは娘。とは関係ないのか?
にしても女のしゃべり方がさむい…
>>227 私はいいと思いましたけど。
人それぞれですね。
矢口らしさがでてるように思いました。
……ってこれで違ったら痛いなw
(保田でもいいかなと
お、IDがPWDだ。ちょっと嬉しい(駄レススマソ
231 :
こうもり:02/06/30 10:58 ID:OxMLTAr9
(カズさん、どうして?矢口さんと・・・)
愛は控え室の椅子に力なく腰を下ろす。
「どうしたの高橋?矢口さんと言い争ってたみたいだけど」
「なんでもありませんよ」
愛は語気を強めながら吉澤にそう言う。
「南条さんのことでしょ?高橋がそんなに怒ってるって事は」
「ええ、まあそうですけど」
「何があったか教えてくれない?」
吉澤にそう言われ、愛は少し考え
「じゃあ今日の夜泊めてくれますか?」と言う。
「うん、わかった」と吉澤が答えたところで娘。のメンバー達が入ってきた。
232 :
こうもり:02/06/30 10:59 ID:OxMLTAr9
(はぁーどうしちゃったんだろう、高橋の言葉で冷静さを失うなんて・・・)
矢口は屋上に上がり、一人空を見上げながら考え事をしている。
(南条さんの事好きになっちゃったのかな、けど高橋に悪いし)
「はぁー」
ため息をつきながら矢口はその場所に腰を下ろす。
(でもどうしよう・・・、このままうやむやにするわけにも行かないし)
矢口は膝を顔に付け、しばらくの間じっとしていた。
「よしっ、今日もう一回南条さんに会いに行こう」
矢口はそう呟いて、立ち上がる。
(くよくよ悩んでも仕方がない、こうなったらはっきりさせよう)
時間になったので、矢口は屋上を後にした。
更新終了。
一応石川を意識して書いたんですが・・・
すいませんもうやりません
235 :
ネオ生茶:02/06/30 23:03 ID:rbee9Xyt
「はい、信治、ア〜ン!」
そう言って、矢口さんはボクにカレーを食べさせようとしている。
「矢口さん…もう食べられません……」
さっき後藤さんの弁当を食べたのもあって、本当に苦しい。
「何よ〜! 後藤の弁当は食べられて、矢口のは食べられないってわけ!?」
矢口さんは、逆ギレする。
「そうじゃなくて……もうお腹一杯なんですよ……」
「食べるの!」
そう言って、矢口さんはボクに食べさせる。
周りからは、
「可哀想……」
という声が聞こえてくる。
そう思うんなら、助けてほしい……。
結局、今日もボクは矢口さんのカレーを全部、食べることとなった……。
236 :
ネオ生茶:02/06/30 23:04 ID:rbee9Xyt
矢口さんとの食事が終わって、ボクは一人、保健室に向かった。
コン、コン!
「どうぞ〜!」
ボクは、ドアを開けた。
「あ、シンちゃん、どうしたの〜?」
白衣を着た先生が立ち上がる。
「また、矢口に食べさせられちゃったの〜?」
と、ボクのほうに寄って来る。
「そ、そうです……」
「あらあら、可哀想に〜……。
とりあえず、横になるべさ〜!」
先生に、そう言われてボクはベットに横になる。
この先生は、安倍なつみ先生。
養護の先生だ。
特徴は、時々、語尾の後ろに「だべ」とか「だべさ」が付くところだ。
北海道出身だから、そうなるらしい。
生徒からは、「なっち」と呼ばれていて、自分でも自分のことをそう呼んでいる。
237 :
ネオ生茶:02/06/30 23:05 ID:rbee9Xyt
「シンちゃんも、食べられないんなら、食べられない、ってハッキリ言わないとダメだよ〜!」
「言ってるんですけど、なかなか……」
「まあ、矢口も悪い子じゃないんだけどね〜……」
先生は、そう呟く。
「そう言えば、シンちゃん? なっちの弟の話、覚えてる?」
「覚えてますよ。どうなんですか、弟君の体調は?」
先生には、ボクと同じくらいの年齢の弟がいるらしい。
ただ、病気がちで、小さい頃がずっと入院しているとか……。
「それが、最近、良くなってきていて、もしかしたら、退院できるかも知れないべさ〜!」
先生は、本当に嬉しそうだ。
すると、チャイムが鳴った。
「シンちゃん、大丈夫?」
「だいぶ良くなりました」
「じゃ、また、気持ち悪くなったら来るべさ〜!」
「わかりました」
そういうと、ボクは保健室を後にした。
238 :
ネオ生茶:02/06/30 23:06 ID:rbee9Xyt
更新です!
最近、忙しくて更新できませんでした。
(いないとは思うけど)期待して下さった皆さん、申し訳「(__;)
239 :
こうもり:02/07/01 11:05 ID:jTqtpJiR
俺はしばらく考えていたが結論は全くでなかったので
考えるのをやめて、食事を取り、部屋に戻った。
愛ちゃんの携帯に掛けてみたが、やっぱり電源を切っているようで繋がらない。
やばいな・・・。
やっぱりちゃんと話しておけばよかった。
俺は今更ながら後悔している。
なんか気晴らしに絵でも書こう。
俺はそう思い、イーゼルの前に座る。
そしてそのまま、何も考えずに一心不乱に筆を進めた。
240 :
こうもり:02/07/01 11:06 ID:jTqtpJiR
「どうしたのよ一体?なんか雰囲気が悪かったよ高橋とやぐっつぁん」
収録が終わった後、矢口は後藤と一緒に近くのファミレスで話している。
「別に何もないよ」
「それならいいけど、本当に何にもないの?」
「ないって、私用事があるから帰るね」
「えー、今来たばっかりじゃない」
矢口は後藤の非難も気にせずに、席を立って店を出る。
そしてそのまま和智の家に向かった。
更新終了。
241 :
:02/07/01 16:55 ID:q12LKhir
穂前
242 :
関西人Z:02/07/02 00:39 ID:jk7PO5j0
短編第13弾 「もう一つの姿」
今日はバイトの仲間で遊園地に来ている。
色々な乗り物で遊び、みんなのテンションは最高潮に達していた。
そして、仲間の一人が言った。
「ようし、次はお化け屋敷だ」
その瞬間、
「えー!!?」
一人、大きい声で驚いた人がいた。
みんなそちらの方へ向くと、
「あ…」
その人はバイトの中でも恐れられている人物、石黒先輩だった。
先輩は驚いていた顔から一変、何事もなかったかのような表情に戻り、
「いいわ、行きましょう」
と冷静に言った。
>>77-78の続き
「これ持っていっていいんでしょ?」
「まぁ設計図は出来てるから構わないけど」
「それじゃ着けて帰るよ」
磨知さんは無言で手のひらを出す。
「なんですかその手は。えー、まさか金取るの!?」
「冗談よ。最初からプレゼントする気だったわ」
磨知さんは手をヒラヒラさせて戯けてみせる。びっくりさせないでくれよ
「それじゃぁ遠慮なく。それと彼女の分を注文をしようかな。」
「え?」矢口さんは驚いておれの顔を見る。
「なるほど、彼女へのプレゼントね。いいわよ安くしとくわ」
「そんな。悪いですよ」矢口さんは遠慮して断ろうとしている。
「いいの、さっき欲しいって言ったじゃん」
「そうよ、もらえる物はしっかり貰っておきなさい」
「でも・・・・やっぱり悪いですよ」
「いまさら遠慮しなさんなって」
矢口さんはいまいち納得してなさそうだったけど、もう強引に決定し予約を入れてしまう。
その横で磨知さんは彼女の指のサイズを取っている。
おれはその光景を横目で見ながら、磨知さんに話しかける。
それはおれが決意しているもっとも辛いこと、でも言わなければいけない。
個人的には継げずに済ませるのが一番ラクなのだが。
244 :
関西人Z:02/07/02 00:40 ID:jk7PO5j0
お化け屋敷の前に到着し、先ほどここへ来ることを提案した奴が、
「男女ペアになって2人ずつ入ろうぜ」
「どうやって決めんの?」
僕が聞くと、そいつはポケットから長方形の細い紙、それも2つの束を取り出した。
「これで決める。こっちが男子用、こっちが女子用になってるから」
(こいつ、最初から用意してやがったな)
僕たちは順番に引いていった。
「下の方に色が付いてるから。で、同じ色の人がペア。さあ、ペアはだーれだ?」
みんな一斉に紙の色を見始めた。
僕の紙はオレンジだ。
同じオレンジの人を捜すと、
「あら、君とペアみたいね」
声の方を振り向くと、オレンジの色の付いた紙を持った石黒先輩の姿がそこにあった。
245 :
関西人:02/07/02 00:41 ID:jk7PO5j0
先にどうぞ
「磨知さん。おれ、デザインの仕事これで終わりにしようと思ってるんだ」
「なんで?ようやく半年ぶりの新作だったじゃない。みんな楽しみにしてたのよ」
「・・・・・そう言ってもらえるのはありがたいんだけどね。
ちょっと全てについてリセットしたいんだ。今はまだちょっとゴタゴタしてるけど、
それが終わったらゆっくりと考えてみたい」
「リセットってなにするの?」
「具体的には何もないんだけどね。とにかく今は全てから離れていたいんだ」
「やっぱり千鶴子ちゃんのこと?」
「・・・うん、それと親父のことともね。」
「・・・・・」
「身勝手なのはよく分かってる。でもそうしないとおれが壊れちゃいそうなんだよ」
「・・・なるほどね。でもデザインを辞めるのは許さないわよ」
「え?」
「いいのよ、いつまでも待ってあげるから。だってその指輪だって半年待ったのよ。
私は気が長いの。」
「磨知さん」
「いつでも戻ってらっしゃい。私が生きてる間ならいつでもいいから」
おれは嬉しくて言葉が出なかった。ただただ頭を下げるしかできなかった。
そんなおれを優しく抱きしめ頭をポンポンと叩いてくれる。
やっぱりおれはこの人に頭が上がらない。いつでもおれを包んでくれるそういう人だ。
思わず泣きそうになったけど我慢して離れる。
「それじゃ一週間もあれば出来るけど、どうする?」
「おれが取りに来ますよ。もう一回磨知さんに会う口実が欲しいから」
「それじゃ出来たら連絡いれるわ。彼女もまた来てね」
「それじゃまた」おれ達は磨知さんと別れ、店を後にする。
更新です。
関西人Zさん、申し訳ない。こんな時間にカブるとは。
俺の文は>243と>246-247です。
249 :
関西人Z:02/07/02 00:49 ID:jk7PO5j0
お化け屋敷に入るために順番を待ちながら、僕はあまり気分が乗れなかった。
なぜなら、お化け屋敷のお化けより、石黒先輩の方が怖いからだ。
バイトの時はいつも厳しく、誰にでも怒る。
(なんか、お化けが出てきた瞬間殴りかかりそうだよ)
などと思っていると、僕たちの番が回ってきた。
「入るわよ」
「は、はい」
気の進まないまま、僕たちは中に入った。
中は暗く、床の所々にある弱々しい光しか見えない状態だ。
(先輩のことだから先に行ったのかな)
と思っていると、
「ちょっと、どこにいるの?」
後ろから石黒先輩の声がした。
「こ、ここにいますけど」
「もっと近くにいなさいよ、はぐれたらどうするの!?」
「は、はぁ」
何故か怒られてしまった。
とりあえず、言われたとおりお互いの気配がわかるまで近づいた。
すると、
「きゃー!!」
前から女性の叫び声が。
と同時に、先輩が一瞬震えた気がした。
「ど、どうかしましたか?」
訊いてみると、
「な、何でもないわよ!早く行くよ」
と、僕の手を握りさっさと歩いていく。
(ってなんで手を握られるんだ?)
疑問に思っても聞ける訳じゃなく、そのまま歩いていた。
その時、
ガタン!!
「グアー!!!」
目の前にお化けが!
いきなりのことで僕は驚いた。
しかしそれ以上に驚いたもの、それは、
「きゃーー!!!!!!」
僕の身体をギュッと抱きしめ、怖がる石黒先輩の姿だった。
「え?え!?」
何が何やらわからなかったが、とにかくそこから去ることにした僕は、
その状態のまま、少し明かりのある所へ移動した。
250 :
関西人Z:02/07/02 00:50 ID:jk7PO5j0
「先輩、大丈夫ですか?」
今だ怖がっている石黒先輩に、僕は尋ねた。
すると、
「…グス。私、お化けダメなの…ヒック、グス」
よっぽど怖かったのだろう、泣いていた。
それに以外だった、先輩がお化けがだめなのは。
(かわいいところもあるんだな)
と、思えてしまう。
「と、とにかくここから出るにはもっと歩かないとダメですよ」
「もうイヤ、歩きたくない」
涙目で子供のようにだだをこねる。
でもこのままここにいるわけにも行かない。
「じゃあ目を瞑ってていいですから行きましょう。僕が引っ張っていきますから」
「本当に?手離したりしない!?」
そんなことした日には、地獄を見ることになるだろうな。
「しませんよ。じゃあ行きますよ」
「うん」
その後、お化けや他の人の声が聞こえるたんびに身体を震わせながら、出口に到着。
まだ目を瞑り、背中に顔を埋めている石黒先輩に、
「先輩、もう出口ですよ」
「本当に?じゃあお願いがあるんだけど」
「なんですか」
「トイレに行って連れていってくれない?このままじゃ化粧が…」
(確かにさっき泣いてたからな)
僕は周りの人に先輩の顔が見られないようにし、足早にトイレに向かった。
251 :
関西人Z:02/07/02 00:51 ID:jk7PO5j0
石黒先輩をトイレに連れていき、僕はみんなのところへ戻った。
しばらくして先輩は戻ってきたので、僕たちは帰ることに。
その途中、
「ねえ」
石黒先輩が話しかけてきた。
「さっきのこと、誰にも言わないでね」
「お化け屋敷のことですか?」
そう訊くと、石黒先輩は恥ずかしそうに、
「…うん。お願いね」
それだけ言うと、他の仲間のところへ喋りに行った。
僕だけが知っている、先輩のもう一つの姿。
なんとなく嬉しくなり、顔がほころんだ。
〜END〜
252 :
関西人Z:02/07/02 00:54 ID:jk7PO5j0
>M・P・Dさん
こちらこそ申し訳。同じくこんな時間に被るとは。
253 :
:02/07/02 01:42 ID:H1FlVz3N
二人とも(・∀・)イイ!!
最高です
>>238 川o・-・)/<私はとても期待しておりますよ。
255 :
こうもり:02/07/02 11:23 ID:W/hIyEfE
「ピリリリリリリリリリリリ」
机の上に置いてあった携帯が鳴っている。
俺は愛ちゃんかと思い筆を止めて、すぐに携帯に出る。
「もしもし愛ちゃん?」
「・・・・・・」
「もしもし」
「・・・・・・」
「愛ちゃんじゃないの?」
「違うわよ」
「じゃあ誰ですか?」
「矢口よ、矢口真里」
「それで、どうしたんですか?」
「その前に家のドア開けてくれない?」
256 :
こうもり:02/07/02 11:24 ID:W/hIyEfE
「家の前にいるんですか?」
「そうよ」
「何でいつも突然来るんですか?」
「今日はちょっと話があって来たの」
「わかりました、じゃあちょっと待ってください」
俺は携帯を切り、玄関のドアを開ける。
「こんばんは、矢口さん」
「こんばんは」
「それで、話っていうのは?」
「ここじゃなんだから、入っていい?」
俺はまた矢口さんを家に入れることに少し抵抗を感じたが
そうも言っていられないので、リビングに通した。
更新終了。
ずっっと前にこちらで書いてたものです…
簡単なプロット(名前だけ)が出来たんで、こちらで又書かせていただくかもしれません。
更新は不定期になるでしょうが、よかったら読んでやって下さい。
現在の予定では、(矢口、石川、高橋)中心で(吉澤、後藤、松浦)がからむかも…
前記しておくと、はっきり言って俺はもてたことがない。彼女いない歴は18年誇
り、もちろんCどころか、Aだってしたこともない。周りの奴らは男に限らず女に至
ってまで喪失済みのヤツが団体さん。しかし誤解しないで欲しい、俺は決してゲイで
はない。女の裸体を見て息子は大きくなるし、1人でよろしくやることもないことは
ない。
ちなみに、好きなヤツはいる。1つ年下で、同じ高校の2年の石川梨華だ。どこぞ
のアイドルグループの1人に名前が同じなら顔や声までウリ2つの人材だ。もっとも
そっくりさんは彼女だけじゃなく、何故かたくさんいらっしゃるそんな高校(どんな
だよ?)。
冒頭から愚痴ってしまい、名前をまだ言ってなかった。
俺の名は一倉正和。前記したように高校3年。母親は物心つくころに事故で死に、
父子家庭といやつだ。その親父も海外出張が多く俺1人のことが多い。もっともそん
な親父がエリートやってるおかげで楽な生活をしてるわけだが。
そんな俺の生活に転機が訪れたのは、梅雨に入る頃だった。二週間にわたる出張後、
ミラノから帰宅した親父が開口一番、
「お前女と同棲しろウヒヒヒ…」
なんてぬかしやがったのだ。ったくほんとにこれでエリートかと呆れながらも「何だ
よソレ?」と聞き返した。
ついてはこういうことだ。俺の母親が事故死したことは先にも述べたが、これには
続きがある。当時お袋が乗っていたタクシーには同乗者がいた。親父曰く竹馬の友の
一家と、家族ぐるみのつき合いをしていたという。そこの奥さんと何処ぞへ遊びに行
こうと2人してタクシーに乗り、居眠り運転のダンプに激突しスクラップに至ったと
いうわけだ。無論2人とも即死。同じ運命をたどった運転手は結婚3ヶ月の新婚さん
で、臨月の奥さんが残されたという悲劇もあったのだが、その話も、どう逆算しても
できちゃっただろという突っ込みも、あえてここではしてないことにしておく。
話を戻すと、その事故に遭った不運なもう一家もうちと同じく父子家庭になったと
いうのはおわかり頂けるだろう。事故の後は親父さんの地元に帰って、やはり俺と同
じような生活を虐げられていたらしい。そこの子というのが、俺とは3つ違う――事
故の時は生まれたばかりだった――女の子がいた。その子も今年で中3になり、東京
の高校へ進みたいとの理由で上京するという。
察しのいい人はもう分かっただろうか?
要するに、その女の子が家に居候する事になったのだ。
「おい、親父」
俺は、御飯粒をまき散らしながら一気にまくし立てた親父を遮った。
「何だ?」
「どう考えてもおかしいだろ!え?年頃の女の子が?居候?俺しか住んでいないこの
家に?あ?変だろ?おかしいだろ?なあ!」
「年頃ぉ?お前何妄想ぶっこいてんだ?幼なじみじゃないか!」
俺は心底呆れた。
「あんなぁ。んなこと言ったって覚えてる分けないだろ。俺は3歳。彼女は0歳だぞ。
だいたい本人はなんて言ってるんだ?」
「正和さんに勉強教えてもらうって」
「――マジでか?」
「マジよ」
親父がそう言い、ビールを取りに席をたった。
俺はむしゃくしゃして髪をかきながら立ち上がると、親父のコレクションのワインセ
ラーから、ドンペリのピンクを取り、コルクを外した。
「おい!」
親父があわてたように戻ってくる。
「俺にも飲ませろ」
飲酒自体を止めなくてもいいのか?と思いながらも、俺はグラスを2つ手に取った。
「――で?」
いい加減酔いが回り眠りそうになっている親父に聞いた。
「なんだ?」
「いつからなのよ?その子が来んの」
「明日」
「明日だぁ?何だよそれ?」
「今日の次だよ、イエスタディ!♪イェスタデェ〜〜〜〜」
俺は騒音とも聞こえない親父の歌声かたら逃れるため耳をふさぎ自室に戻った。
――どうなってんだか…全く。中学生だろ?…最近は中学生でも発育がいいからな…
馬鹿!何考えてんだ!
しかし俺はその妄想が必ずしも的はずれでないことを明日になってから知ることにな
った。
「高橋愛といいます。――よろしくお願いします」
活字に起こすとこうなるが、実際その少女の口から発せられた声はかなり訛っていた。
注意して聞いていなければ、解読不能だろう。しかし、名前といい、顔といい、声と
いい、訛までもが又何処ぞのアイドルグループにウリ2つだがそんなことはどうでも
いかった。もとい、よかった。
彼女は普通に可愛かった。
いかん!いかん!俺には梨華という女が…って俺の女じゃないけど。それに居候だ
し、受験生だし、今梅雨だし、学校が近いし、福井訛だし絶対変なこと考えちゃ駄目
だ。と、意味の分からない理由までつけて、何とか自制心を保つことに成功した。
「愛ちゃんは2階のこの部屋使って」
親父(今日の午後にはニューヨークに発つ)が、ニコニコ笑いながら家の中を案内し
ている。ったく何が愛ちゃんだか…今日から同棲状態の俺の気持ちも考えてみろって
んだ。大体高橋さんもよく1人娘を男1人に預けられるもんだ。
「じゃ、俺学校行くから」
「待て!愛ちゃんと一緒に行ってやれ。近くなんだから」
そう。彼女は俺の通う私立高校の中等部に編入したのだ。
「いいけど…制服は?」
「あ、はい。ちゃんと買ってあるんです」
そう言うと、彼女は部屋に入っていった。さっきも言ったが、彼女のそれはすべて訛
っている。…そんなとこが可愛いのだが…ってまた妄想…。
「これです。すぐ着替えるんで待っててください」
そう言いながら部屋肩出てくると、あろう事か男2人の目の前でシャツのボタンに手
を掛けた。
「こ、ここで着替えんの?」
「あ!すいません…」
愛はあわてて部屋に入ると、パタンとドアを閉めた。
「ばか!なんで言うんだ!もう少しで――」
俺は親父を一発ぶん殴った。
「――あの。今日からよろしくお願いします」
愛は、チョコチョコと俺に追いついてきてそう言った。
「あの駅から大体15分くらいだから」
俺は、前方に見える最寄りの駅を指さした。ここから歩いて15分。電車15分。さ
らに10分程歩いたところに俺の高校、及び中学がある。
「あのぉ。正和さん歩くの速いですねぇ」
福井訛の声が背後から聞こえ振り向くと、愛は既に5メートルほど俺に遅れていた。
「あ、ごめんよ」
「遅刻しそうですか?」
「いやそうじゃないんだけど…」
俺が周囲を見回しているのを愛が不思議そうに見つめる。
う…上目遣いかよ…マジで可愛いかも。
俺は早くも反応しそうな息子をかばうように足を早めた。元々速く歩くたちなのだ
が、急ぐのにはもう1つ理由がある。
「慣れないだろうからさ。早めに行こう。中学にもよってかなきゃだし」
我ながらもっともらしい理由だと思う。
「ああ。まるほどそういうことですかぁ」
愛は小走りに俺に続いた。
駅で愛が定期券を買うのを待ってる間に不幸は起きた。
もう1つの恐れていたことが起きやがったのだ。
俺は愛が戻ってくるのを、改札の前で缶コーヒーを飲みながら待っていた。その時
背後に気配を感じ、振り向く間もないまま、肩をたたかれた。かなり低い位置から叩
かれるその感触。振り向かずとも、手の持ち主が分かった。
「誰あの子?」
矢口真里は興味津々の目で定期売場の方を見やっていた。
265 :
257:02/07/02 20:42 ID:nj0DROmE
とりあえずここ迄です
実況「1枠1番、県競馬の運命を握っているサイレントスズカはすんなりと入りました。」
サイレントスズカもファンファーレ・お客の大歓声に負けずに落ち着いているようだ、
実況「奇数番の各馬が順調にゲートインしているようです……
……ちょっとウォータープルーフが嫌がりましたが…収まりました。」
そして偶数番の各馬が順調にゲートインを行い、最後18番アドマイヤダンとなった、
実況「偉大な兄達に続けるでしょうか、アドマイヤダン収まりました!」
アドマイヤダンが収まると同時に場内から大歓声が沸いた、
スターター「出ろー!!」
ガチャン!!
ワァァァァ!!
実況「日本ダービースタートしました!」
ついに運命のダービーがスタートした。
実況「内からサイレントスズカが好スタートを決めました、
その他はまずまずと言ったスタートであります!
おっと、そのままサイレントスズカが行った!4・5馬身離して先頭にたちました!」
赤川「(やはり逃げに出たか……)」
実況「2番手以下は控えました、手綱をがっちり押さえてタガノモンスターと藤田、
藤田伸二は早め早めに前の方につけました!
その外からドラゴンカフェ、カネツサンダー、サザナミと続いております!
中段よりやや前の方にビックバン、パンドラは中段よりやや後ろのようです、
そしてメジロベッカム、ウォータープルーフ……おっと、ヒカリノハヤサはシンガリ!
武豊はシンガリを選びました!」
この体制のまま第1コーナーを迎えた、
うぉぉぉぉぉぉ!!
実況「場内大歓声です、サイレントスズカが既に10馬身以上離しております!
現在タガノモンスターは2番手、ビックバンは中段よりやや前、
パンドラは9番手くらいヒカリノハヤサは最後方といった4強であります。」
安倍「(本当に……本当に大丈夫なの……)」
無謀とも思える大逃げに安倍は不安をぬぐいきれなかった、
わぁぁぁぁぁ!!!
実況「まだ、まだ差が広がります!サイレントスズカのリードは15馬身以上でしょうか!?
とても今の実況では分からないくらい大きく離しております!」
そして1000m通過のラップタイムが表示された、
1000メートル通過
58秒0
TMサウスポーのタイムより早いよ、ダービー史上最速ペースじゃない?
大丈夫かな・・・?
メジロベッカム・・・今年の二歳馬にいるね・・・ラモーヌの仔
久々の新人さんやね。
新人じゃないんじゃないの?
272 :
こうもり:02/07/03 11:20 ID:dMKLg7rZ
「話っていうのはね、高橋のことなんだけど」
「愛ちゃんのことですか?」
「うん、いやさ一昨日南条さんの家に泊まったでしょ、私」
「ええ」
「それを、高橋が気付いたらしいのよ」
「やっぱりそうですか」
「やっぱり、って事は何かあったの?」
「今日の朝、自分の部屋に行ったら窓が開いてたんですよ
それにベッドに人が寝た形跡があって、多分愛ちゃんが
部屋に入ったんじゃないかなと思って・・・」
「私のほうも朝電話があって、急に高橋に呼び出されたのよ」
「そうですか、だから今朝、愛ちゃん早く家を出たのか」
俺は腕を組んで考え込む。
一体どうすればいいんだろう。
愛ちゃんにちゃんと説明しないと。
273 :
こうもり:02/07/03 11:21 ID:dMKLg7rZ
「それで、高橋に言われたのよ」
矢口さんが言葉を続けているので俺は一回思考をとめ耳を傾ける。
「香水の匂いが矢口さんのものでした、ってベッドに匂いがついていたみたい」
「そうですか・・・」
「で、どうするの?」
「どうって何を?」
「高橋のことよ」
「愛ちゃんのことですか?」
「うん」
「どうしましょう・・・」
「別れちゃえば?」
「えっ!!」
そう言った矢口さんの目は怪しく光っている。
更新終了。
>>264の続きです。
>>258 >>266 多分ご存知ないでしょう…少し書いてから放置じょうたいだったんで。
ほかのとこでは結構書いてたんですけどね。
「正和さぁん。買えましたんです〜」
愛がトテトテと掛けてくるのが見えたので、矢口を無視し、改札を通った。
当然矢口はそれに続き、愛がその後に。
「ちょっと。あんた誰?」
随分と失礼な言い方に聞こえたが、愛は律儀に丁寧に答えた。
「どうもぉ。初めましてぇ。高橋愛といいます」
何度も言うが、それはかなり訛っていて横を通っていった女子高生がクスクス笑って
るのが視界の端に見えた。
案の上、矢口も同じだったらしく
「――何語?」
と、素っ頓狂な声をあげた。
この矢口に下手に話をしたら尾ヒレ背ビレに手と足まで付けられかねない。
俺は、愛を促すとさっさと電車に乗ってしまった。
「ちょ…何で無視すんだよ〜!」
幸運なことに、矢口が乗ろうとした寸前にドアは閉じた。これでしばらくは大丈夫だ
ろう。しかし学校に着いてからどんなことになるか…まあ愛とは校舎も違うんだし大
丈夫かな。
「いいんですか?」
愛が不思議そうにそう言い、俺は我に帰った。
「何か叫んでましたけど、ドアが閉まってもて」
笑いだしそうになるのを堪えながら。俺は「いいの、いいの」と言い、下りなので空
いている車両の中、空席を見つけ、彼女を座らせた。
「それじゃ、よろしくお願いします」
俺は、愛を中等部校舎の職員室へ送り届けると、肩の荷が下りたと気が楽になった。
しかし、校門を出てたところで不運の神が舞い降りた。
「痛って!」
俺は下腹部に正拳付きを不意打ちでくらい、目をむいた。涙目を堪えて前方を見据え
ると、ふくれっ面をした矢口が立っていた。
「何でさっき逃げたんだよ?」
「矢口にあらぬ中傷をばらまかれ、肩身が狭くなり、やがて拒食症になり、1人寂し
く朽ち果てていくのがイヤだったから」
俺は本心を言ったつもりだったが、幸いなことに彼女はその言い方にお気を召したよ
うだった。「何言ってんのよ――あの子誰なの?」
「――親戚の子。編入したいって」
適当な嘘をついておいた。こいつに真実を話して良かった試しがない。
「じゃあそう言えばいいじゃない。なんか怪しいな〜」
――やばい。俺の中で信号が赤ランプを点灯した。
「全然似てないじゃない。大体あんたみたいな不細工の親戚があんな可愛い訳ないで
しょ?」ひどいことを言う。
「そうだよな。お前とは比べ物にならない」
「ちょっ…何よ!」
――旨くごまかせたかな?
そのまま何となく、高等部の校舎へ2人して歩いていった。まだ時間が早いため、
あまり生徒の数が多くなく、冷やかすような連中はいない。
「そういうこと言うんなら梨華ちゃんに言っちゃおうっかな〜」
「彼女は俺のこと何とも思っちゃいないよ」
「――お前さぁ。思い切って告ってみたら?」
「無理。やだ。不可能。あり得ない。どうしてこんな不細工男とつき合いたい?」
「そこまで言うほどじゃないと思うよ一倉って。結構格好いいと思うんだけどな〜」
「はいはい。どれはど〜も」
冒頭から記したように、俺はもてない。
この矢口とは腐れ縁で、密かに好きとか、実は向こうは俺のこと好きだったとかド
ラマじみた話は皆無なのだ。矢口には彼氏というものが別にいるし、俺は時々からか
われるだけだ。今日だって愛といるのを見たから声を掛けてきたのだろう。
教室についても、矢口は席までやってきた。始業までまだ30分以上あるのでまだ
俺たち2人しかいない。
「梨華ちゃんさ、綾小路といい感じらしいよ」
聞いてないことまで言ってきやがる。
綾小路文麿とは、冗談みたいだが本名で、俺と同じクラスだ。石川梨華とつき合っ
ているのは俺も知っている。
「文麿様が、会いたいって手紙くれたんですぅっなんて言ったよ」
矢口が梨華の高い声を真似して言う。あまつさえ、胸のところで手まで握ってやがる。
「向こう行けよ」
「なんだよ〜人がせっかく教えてやったのに」
「反応見て面白がってるだけだろうが」
「こないだなんか、コートの隅でキスしてんだもん…まいっちゃうよね」
俺は殴りたくなる気持ちを抑え、矢口を睨んでやった。この睨み顔には自信がある。
昔からんできやがった不良の兄ちゃんを一発で黙らせたという経歴もあるくらいの代
物だ。
「睨まなくったって良いじゃんか〜」
矢口はブツブツ言いながら教室を出ていこうとする。あらかた部室(矢口と梨華はテ
ニス部に所属している)にでも言って噂話に花を咲かすのだろう。
「おい、矢口」
呼び止めると、彼女は振り返り、
「なにさ〜好きとか言うつもり?だめだよ〜ヤグチはもう――」
「ばあか。変な噂ばらまくなよって言おうとしたんだよ」
「ああさっきの子?やっぱりやましいことあるんだ〜」
「そうじゃなくって、大体お前はいつも――」
俺は、そこまで言って言葉を切った。
――なんでそんなとこいるんだよ。
さっき中等部に預けてきた愛がそこにいた。トコトコと俺に寄ってくると、
「あのお。私鍵もらってないんですけんどぉ、帰ったらどうしたらいいんでしょう?」
そういえば、そんなこと考えていなかった。帰ったら親父はもういないし。
しゃあない。俺はとりあえず自分の鍵を渡した。
「ちょっと、今の話どういうこと?」
矢口は案の定愛にくってかかりながら一緒に行ってしまった。
――頼むから変なこと言わないでくれよ…。
ここまでです。
281 :
:02/07/03 18:19 ID:+4FF0DbS
訛ってる愛ちゃんすんげぇ(・∀・)イイ!!
高橋の訛った声が頭の中に響いているのは私だけですか?
283 :
:02/07/03 19:55 ID:2B0JVmZm
8200に一票!
実況「1000m通過は58秒0!このペースでいいのか!
幾らなんでも早過ぎないか岡崎潤!!」
安倍「……」
赤川「信じよう、潤君はバカな騎乗はしないのは分かっているだろう。」
この大逃げに不安を感じていた安倍に赤川は声をかけた、
まるで自分に言い聞かせるようにも聞こえた。
実況「2番手以下は10馬身の圏内でギュっと固まっております、
内にタガノモンスターその外にドラゴンカフェさらに外にカネツサンダー進出
1馬身差サザナミ並んでアラビアンナイト・ブラックジャック
ビックバンは8・9番手当たりさらにその外にマイネルターン後方にマークマン
その内に3頭パンドラは少し下がった超良血アドマイヤダンはその内
更に内にラチピッタリにパワーショットはデザーモさらに1馬身後方に
メジロベッカム・ウォータープルーフ・バックスラッシュ
半馬身後方にセクシーセクシー宣言通り後方待機、
そしてヒカリノハヤサが最後方です!武豊はいつゴーサインを出すのでしょうか!?」
実況が18頭全てを名前を言い終わった頃にはサイレントスズカは既に3コーナーを曲がっていた、
実況「さぁ既にサイレントスズカ1頭だけが3コーナーを曲がり終えようとしております!
後続の各馬は大丈夫でありましょうか!?まだ約10馬身以上リードがあります!」
全ての人達がこう思ったに違いない、
“このまま逃げ切られるのでは……?”と。
3コーナーでまだ差が縮まらない、県競馬の皆・安倍・赤川は期待を抱かずにはいられなかった、
17人のジョッキー達も“このままでは……”と思った瞬間だったが……
ピシッ!ピシッ!
実況「ああっと4コーナー手前で岡崎の右鞭が既に飛んでいる、やはりペースが速すぎたのでしょうか!?
もうここで県競馬存続の夢は途絶えてしまうのでしょうか!?」
スタンドから“大"の付く程の落胆の声があがった、
県競馬の関係者は皆一様に目を伏せた。
ど素人だとみせかけて、最近顔出してないからカテキョのような気がするけど
ロッテ野郎とか石川革命21だったりする。
でも本当はS.A.Sだったという罠。
に一票
かぶった!スマソ。
実況「徐々に徐々にサイレントスズカのリードが縮まってまいりました、
さぁ18頭の優駿が約8000頭の頂点を目指し直線を向かえます!」
うわぁぁぁぁぁ!!!!!
実況の声がかき消されんばかりの巨大な歓声がスタンドから沸いた、
サイレントスズカのリードは10馬身もなくなっていた、
実況「先頭はまだサイレントスズカ8馬身くらいのリード、タガノモンスターが差を詰めます!
内からビックバン!パワーショット粘っているカネツサンダーは後退加減、
パンドラがジワジワと差を縮めてきま………おっとヒカリノハヤサがやってきた!
パンドラに並びかける勢いです!まだ先頭はサイレントスズカ5馬身までリードが縮まった!」
安倍「………」
赤川「……最後まで見届けよう、それが私達の使命だ。」
レースから目をそらそうとした安倍に赤川は声をかけて止めた、
自分も本当はそうしたい、だがそれでは懸命に戦っている潤に大してあまりにも失礼だ、
それが県競馬調教師会会長としての精一杯の努めだった。
実況「先頭はサイレントスズカまだ粘っている!2番手以降は4強が先に抜け出した格好だ!
やはり4強か!後続の集団は伸びがあまり感じられません!」
もうだめだ……
誰もがサイレントスズカに対して思った事だろう。
4コーナーで鞭が入った時点でサイレントスズカの勝ちが無くなった事は明らかだし、
既に手ごたえが見た感じ怪しいのが手に取るように分かった。
誰もがサイレントスズカの勝ちを諦めていた………
三宅と河内洋の臭いがするね・・・
289 :
:02/07/03 22:44 ID:lARg1BPT
290 :
ネオ生茶:02/07/04 01:38 ID:oDtRbFGQ
「愛ちゃん、行こ!」
ホームルームが終わると、麻琴は愛に話しかけた。
「うん」
愛がそう言うと、保田先生が近寄ってくる。
「高橋さん、どう? このクラスは?」
「楽しいです! 友達も出来たし」
「友達って誰?」
「麻琴ちゃんです!」
保田先生は、麻琴のほうを見る。
「小川さん、仲良くしてあげてね」
「は〜い!」
麻琴は、手を上げて答える。
「それじゃあね」
そう言って、保田先生は教室を後にした。
「じゃ、行こっか!」
麻琴がそう言うと、2人は音楽室へ向かった。
291 :
ネオ生茶:02/07/04 01:38 ID:oDtRbFGQ
愛は、麻琴から信治のことを聞かされて驚いた。
信治は、とにかくモテる!
新聞部が毎月、行なっている人気投票では、常に一位。
部活では軽音部に所属していて、
信治ともう一人でやっているバンド、「MITEI」は他校にもファンがいて、
ライブのチケットを手に入れるのは、難しいという。
担当はボーカルで、歌はかなり上手いらしい。
週数回、行われる練習には、学校中のファンが音楽室に集まる(中には、他校生も…)。
あえて、欠点を言うなら、背が少し低めだということだが、それでも普通の女の子よりは高い。
「彼女とかはいないの?」
と、愛が麻琴に質問すると、
「いないよ。コクられても全部断ってるんだって」
と、麻琴は答えた。
ちなみに、バンド名が何故、「MITEI」なのかと言うと、
ライブをする時に、バンド名を聞かれて、
「未定だから、MITEIでいいじゃん!」
と、言ったのがキッカケらしい。
292 :
ネオ生茶:02/07/04 01:39 ID:oDtRbFGQ
「ここだよ」
ある教室の前で、麻琴が止まる。
しかし、そこには部屋に入りきらないほどの人がいる。
「どうするの?」
愛が、麻琴に聞く。
「入っていくしかないでしょ?」
「だって、こんなに人がいるけど……」
愛が戸惑っていると、麻琴は愛の手を掴んだ。
「ほら、行くよ!」
「えっ!」
そう言うと、麻琴は愛を連れて、音楽室に無理矢理入る。
「痛い、痛い、痛い!」
愛はそう言うが、麻琴は手を離さない。
「愛ちゃん、手、絶対に離さないでね」
そう言って、麻琴は進み続ける。
そして、ようやく止まった。
前から、大体2、3列目だ。
293 :
ネオ生茶:02/07/04 01:40 ID:oDtRbFGQ
「どう、愛ちゃん? 見える?」
「うん、なんとか…。でも、誰もいないよ」
愛がそう言うと、麻琴は時計を見る。
「もうそろそろ出て来るよ」
麻琴がそう言うと、ドアが開いた。
すると、
「キャー!!」
「信治〜!!」
と、声がする。
「えっ、何、何?」
愛がキョロキョロしていると、
「堤先輩が出てくるの」
と、麻琴が愛に耳打ちする。
ドアからは信治が出てきた。
そして、信治と一緒に出てきた人は、それぞれの場所に立つ。
「こんにちわ〜!」
信治がそう言うと、
「こんにちわ〜!!」
と、みんな一斉に返す。
愛は隣を見ると、麻琴もそうしていた。
「じゃ、一曲目、行きま〜す!」
信治がそう言うと、曲を演奏し始めた。
294 :
ネオ生茶:02/07/04 01:42 ID:oDtRbFGQ
更新です!
>>254 ご期待に応えられるように頑張りますので、
応援よろしくお願いします!
295 :
こうもり:02/07/04 12:02 ID:I37V0B2l
「別れて、私と・・・」
矢口さんはそう言いながら、俺のほうに近寄ってくる。
「本気で南条さんの事、好きになっちゃったかも」
「なっ、何を・・・」
俺は驚きのあまり二の句を告げる事が出来ないでいる。
「ねぇ、だめ?」
矢口さんは俺の耳元でそう囁く。
俺は何も考えられなくなっている頭を、フル回転させて考えた。
ああ、それもいいかもしれないな。
愛ちゃんとじゃやっぱりうまくいかないのかもしれないし・・・。
そんな事を考えていると、矢口さんはさらに大胆になり
俺の膝の上に座り向き会う様な、体勢をとる。
296 :
こうもり:02/07/04 12:02 ID:I37V0B2l
「矢口さん・・・」
俺は真正面にある矢口さんの顔をじっと見る。
やっぱり矢口さんは可愛かった。
矢口さんは目を閉じて俺に唇を寄せてきた。
俺は両腕を伸ばしそれを拒否しようとしたが
矢口さんの勢いは止まらなかった。
今度は首を傾け、矢口さんの唇を避けようとしたが
矢口さんは両手の掌で俺の頬を抑え強引にキスをしてくる。
俺はキスをされた時に、頭がしびれてしまいその後
抵抗することなく、矢口さんとのキスを続けていた。
更新終了。
>>279の続きです。
多分、皆さん忘れられてるでしょうから…はい。
それと、私ハロモニとか全く見ておりませんので、綾小路文麿は名前だけで、
人格はんかは別もんになると思います。
幸いなことに、愛は何も暴露しなかったようだ。昼休みになっても変な噂が広まっ
てる雰囲気はなかった。矢口も大人しくしているようだった。このまま忘れてくれれ
ばいいんだけど…
――カツカレーでも食ってくるかな
昼休みともあり、教室にはあまり人が残っていない。カード麻雀をしている男子4
人以外は、数人がちらほらいる程度だ。
食堂に行こうと席を立った時、
「文麿様」
という甲高い声が響いた。見ずとも分かる。梨華だ。
「お弁当作ってきました〜」
と、綾小路に駆け寄ってる姿を視界の隅で追いかけた。
――ああ…俺にも作ってきてくれたりすんのかな。でもなんか手作り弁当って嫌なん
だよな…絶対自分で作った方が旨いだろうし…高1でいったキャンプの時は、女子の
料理の下手さに驚いたのを覚えている。片親である俺の料理の腕は実はちょっとした
もんなのだ。
1人で妄想にふけっている間に、
「ごめん。もう食べてしまったんだ」なんて綾小路の野郎が言ってるのが耳に届いた。
――なに言ってんだてめえ!せっかく作ってきてくれた物を断るってか?あ?
「そうですかぁ〜…」
なんて見る見る風船みたいに萎んでいく梨華の後ろ姿は何とも言えず可愛かった。
――畜生!綾小路め…マジでむかついてきたよ…あああ…俺だったら絶対あんなこと
しないのにな…梨華か…やっぱ可愛いなあいつ…
俺はいい加減悲しくなってきたので、さっさと教室を出た。
出たところで矢口が又よけいな口を挟んできやがったが、睨むのさえ虚しくなって
無視して食堂へ行った。
「はぁ…せっかく作ってきたのにな…」
石川は、昼休みが終わり、授業が始まってから、もう何度目かのため息をついた。
――文麿さま…ほんとに私のこと好きなのかな……
授業が終わって部活になってからも、彼女の気持ちはいっそうブルーになるばかりだ
った。
――なんだか最近冷たいんだよな〜。もう私飽きられちゃったのかな?
テニスのラケットを持ったまま、コートの隅でたそがれていると、
「梨〜華〜ちゃん」
と、のぞき込む矢口真里の顔。
「矢口さん…」
「どうしたのさ?なに黄昏てんの?」
石川はちょっと顔を上げると、弱々しい笑みを見せた。
「最近…文麿さまが冷たいんです…」
「ふ〜ん。別に女でも出来たんじゃないの?」
石川は絶望的な顔をする。死んでしまいそうなくらい。
「きゃははは!冗談だって!」
矢口がバンバンと彼女の肩を叩いたが、どんどん暗くなる一方だった。
「そうなのかな…」
と、既に泣き出しそうな表情を作る。
矢口は呆れたようにため息をつくと、
「あんたもさ。もっと積極的になれば?いつまでも様付けしてないでさ。呼び捨てし
ちゃうとか」
「そんなこと…そんなこと出来ません…」
石川はすすっと矢口から離れると、トボトボと玉を拾いに歩いていった。
石川はちょうど空いた1つを見つけると、テニス部の先輩と入れ替わって中に入り、
カーテンを閉じた。
Tシャツとスコートを脱ぎ、下着姿になると、お湯を調整した。
こんなもんかな?
手早く下着を脱ぎ捨て全裸になると、シャワーの下に飛び込む。
「気持ちいいな――」
――大丈夫。文麿さまは、そんな人じゃない。今日はたまたま。いつもは優しくして
くれるんだから…こんどお家に遊びに行っちゃおうかな…
口の中でポジティブポジティブと唱えていると、だんだん気持ちが楽になってくる。
目を閉じて、シャワーを浴びていると、シャッとカーテンを開く音がした。驚いて
顔を向けると、
「ひ、ひとみちゃん?」
1つ年下だが結構親しくしている吉澤ひとみだった。1年にしてバレー部のエースで
あり、たまにここのシャワールームでも顔を合わせる。
「梨華ちゃんじゃん。一緒に浴びさせてよ」
返事を待たずにズカズカ入ってくると、躊躇いもなく服を脱ぎ始める。
「ちょ…ちょっとひとみちゃん?」
石川は、自分が裸だったことを思いだし、あわててタオルで隠した。
「恥ずかしがることないじゃんかぁ〜」
吉澤は全部脱いでしまうと、石川にくっつくようにしてシャワーの浴び始めた。
「ちょ…もう少し待っててよ」
恥ずかしいやら、訳が分からないやらで、石川は顔を赤くして言った。
「いいじゃんかよぉ〜」
と、吉澤は素知らぬ顔でシャワーを浴び続ける。
ふと気がつくと、吉澤がなにやらジロジロと石川の方を見ていた。
「な…何?」
「梨華ちゃんてさ…」
と、おもむろに手を伸ばすと、石川の胸に触れた。
キャっと悲鳴を上げそうになるのをかろうじて堪える。
「胸大きいんだね〜」
ここまでです。
304 :
:02/07/04 19:21 ID:AAsyKHIw
エロキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
文麿のキャラもそんな不自然ではないし(w
306 :
:02/07/04 23:20 ID:4MCaFHcJ
めっちゃ(・∀・)イイ!!
307 :
コロ助:02/07/05 03:41 ID:ipo/5gPq
ラムザどこいったーーーー!!!
308 :
こうもり:02/07/05 11:17 ID:Zek8xLTu
「じゃあそこで、少し話そうか?」
「はい」
吉澤と愛は連れ立って、仕事場を出て近くにあったファーストフードの店に入る。
「それで、どうしたの今日は?」
「いや・・・それなんですけど」
愛は言いづらそうにしている。
「なによ、本当にどうしたの、矢口さんとなんかあったんでしょ」
「ええ、まあ」
「多分南条さんの事だと思うけど」
「そうなんですよ」
愛は矢口が和智の家に泊まった事を話した。
「えっ、南条さんそんなことしたの?」
「はい、多分、だってベッドに矢口さんの香水の匂いがしてたし
それに矢口さんに聞いたら、認めてたし・・・」
「なんで、矢口さんはそんなことしたんだろ?」
「矢口さん、彼氏と別れたらしいんですよ」
「そうなんだ、だから最近元気がなかったのか」
「それで、話の続きなんですけど」
「なになに?」
「矢口さんがカズさんの事を好きなっちゃったみたい、って言ったんです」
「そんなこと言ったの矢口さん」
「はい」
309 :
こうもり:02/07/05 11:18 ID:Zek8xLTu
「じゃあやばいんじゃない、矢口さんは思い立ったらすぐ実行する人だから
もしかしたら、今日とかももう南条さんの家に行っているかも」
「それ本当ですか?」
「うん、矢口さんは行動が早いからね」
吉澤はそう笑いながら、言う。
しかしそれを聞いた愛の顔は、不安でいっぱいになる。
「吉澤さんすいません、私なんか心配なんでカズさんの家に行ってみます」
「ああそう、じゃあ明日どうなったか聞かせてね」
「ほんとにすいません」
「いいって、いいって」
吉澤はそう言いながら席を立つ。
愛もそれに習うように席を立った。
「じゃあおつかれさま」
「おつかれさまです」
愛は吉澤にそう言ってタクシーに乗った。
更新終了。
>>302の続きです。
ところで、綾小路の他に後藤が出てきたら変でしょうか?
違うキャラとして考えてるんですが。
ラストの50m×5本を泳ぎ終え、俺は早々にプールから出た。
愛のこともあるので、早めに帰ろうと思い、シャワーを浴びる。水泳部では5月の
中旬頃からプールでの練習があるのだが、もう6月ともなれば、かなり暑いので十分
に泳ぐと事が出来る。ちなみに夏の大会が終わると引退になる。俺は、さっさと着替
えると家路についた。
吊革に捕まって電車に揺られていると、なんだか行き先不安になってきた。
愛との共同生活(?)において、食事とか風呂とかどうすればいいいんだろうか…。
ったく親父たちもよくも考えなしにこんなこと決めたもんだ。まあ今更愚痴ってもし
ょうがないか。
家につくと、玄関の電気がついていた。
やはり愛の方が早く帰っていたようだ。「ただいま」なんてココ最近使ってなかっ
た言葉を言いながら中に入った。
「あ、お帰りなさい」
「腹減ったでしょ?すぐ作るから」
「正和さん料理できるんですか?」
「まあね。1人暮らしが長いから」
俺は、荷物を置いてくると、キッチンに行き、冷蔵庫を確かめる。
――ラーメンと野菜炒めでいいかな?
そういえば愛の好みは全く知らない。
「――ラーメン好きかい?」
と、聞くとキッチンのカウンターで俺を見ていた愛は、
「バターコーンが好きですぅ」
――バターコーンか、それなら楽だろう。
俺は冷蔵庫から生麺を取り出し、バターの残りを確かめると、コーン缶も取り出し
た。鍋に火を付けると、野菜炒め用の人参を切り始めた。
「手伝います」
「じゃこの野菜切っておいてくれる?」
といい、俺はメンを茹で始めた。バターとコーンなら乗せるだけだから楽でいい。
「――できました」
そう言われて振りむいた俺は愕然とした。
そこにあった人参などの野菜(元野菜)は、皮も向かれていない状態のまま、大小
様々な形で切り刻まれていた。
しばし言葉を失う。
――まあ野菜炒めだって言わなかった俺も悪いんだけどね…期待なんかしてなかっ
たけどね…。まあ、一生懸命やってくれたみたいだし、まいいか。
「ありがとうね――――鳴ってるよ」
リビングから聞き慣れない着メロが響いたので、俺は言った。何の曲だろうか?知らない曲だったが、どうも単調で中学生の女の子らしくない選曲だと思った。
すぐに戻ってきたので、何の曲か聞いてみた。
「ホッピーデホップです」
「なんだって?」
訛ってて聞き取れず、聞き返すと、愛はメロディを流し、「これです」と、ディスプレイを見せてくれた。
メロディを流す画の上に『ホッピーでホップ』と書かれている。
「ほんとはぁ、でもぉかたかたなんです」
――何だって?
「でもぉカタカナなんです」
俺は10秒ほど考えて、『でも』という接続詞でななく、『も』という接続助詞だと
言うことにようやく気がついた。
「正式にはぁヘンルーダの花が咲く丘っていうんですけど」
――リッキーヘンダーソンがどうしたって?
「合唱曲なんですよ。だうんですこれ」
俺は堪えきれず、クスクスと笑いだしてしまった。愛は、キョトンとして見ている。
「ああゴメンゴメン。いい曲だね」とごまかす。
「ですよねぇ――あ!ひぃ」
――ひぃ?ひぃって何だよ?火?
「あ!やべ」
俺は吹き出し掛けていた鍋の火を慌てて消した。
「わ…わたしもう出るから」
石川は、慌てて吉澤から離れると、タオルで体を拭き始めた。制服には部室で着替え
るので、いつもシャワー後はとりあえずジャージを着ていっている。いくら難でもタ
オル一枚で部室まで歩いて行くわけには行かない。
ブラを付けて、ジャージのズボンを履こうとすると、そろそろと近寄ってきた吉澤
が、ブラのフックを外してしまった。
「ちょ…ひとみちゃん?」
「逃げなくてもいいじゃない」
吉澤はニヤニヤしながら、言った。
「私もう出るから…」
吉澤はジャージを着ようとする石川の腕をつかんで放そうとしない。
「ひとみちゃん…もう何がしたいのぉ〜」
石川が情けない声をあげる。
「梨華ちゃんとキスしてみたいな〜って」
石川は真っ赤になって「何言ってんの?」
「大丈夫だって〜綾小路先輩には黙っておくから」
文麿の名前を出され、石川は慌てて、下着を直したが、すぐに又吉澤に外されてしまう。
「ちょっとぉひとみちゃん!」
「一回だけだってぇ」
吉澤が猫なで声を出す。
石川は、隣のシャワーを矢口が使っている事を思い出し、着替えを抱えると、半裸
のまま急いでカーテンから出ると、隣のシャワーに入った。
当然全裸でシャワーを浴びていた矢口は目を丸くする。
「ちょ…梨華ちゃん?何してんのよ?」
「ご免なさい。すぐに出ていきますから」
石川は大慌て下着とジャージを着ると、前のファスナーも閉めずに走り出ていった。
塗れたタイルの上、おそらく石川が滑って転んだと思われる音が聞こえるのと同時に、
2人目の侵入者が現れた。
「今度はよっすぃー?」
矢口別段怒るでもなく笑って言う。
カーテンの隙間からのそのそと吉澤は入ってくると、
「梨華ちゃんに逃げられちゃって」
「そりゃ今の石川は『文麿さま』一筋だからね〜」
と、矢口が言った。
吉澤は、シャワーで塗れた体を隠すこともなく矢口に近寄る。
矢口の方も全く気にせずにシャワーを浴びている。
「しゃあない。今日は矢口さんで我慢するか」
吉澤は早くもその手を矢口の肩に回す。
「我慢ってなんだよお〜オイラは代わりかよぉ〜」
「気持ちよくしてあげますから」
吉澤は矢口を背後から抱きしめると、手を彼女の胸に伸ばす。
「それ駄目だよ〜よっすぃー上手だからヤグチ声あげちゃうから」
幾らシャワーが出ていると言っても、大声を上げたら、それこそ周囲に筒抜けである。
「じゃあその可愛いくちから封じちゃおっかな」
吉澤は矢口を抱きしめたまま、その唇に自分のを押し当て、舌を入れ込んだ。
「ひぃぅぅぅん……」
矢口は情けない声を出すと、さんざん唇をむさぼられ、文字通り声を上げることがで
きなかった。
赤川は何気なく双眼鏡で潤の様子をうかがった、
赤川「(チャッ)……………」
安倍「……」
赤川「……えてる………」
安倍「え?」
実況「先頭はまだサイレントスズカ!岡崎潤ここで懸命に手綱をしごく!!
大外からヒカリノハヤサ馬体を併せてパンドラもやってくる!!
真ん中からビックバン懸命に喰らいつく!
タガノモンスターが徐々にサイレントスズカに追いつこうとしております!」
潤「……(ピシッ!ピシッ!)」
実況「サイレントスズカに右鞭が入る!まだ、まだ諦めません岡崎潤!!」
サイレントスズカの様子が違う事に双眼鏡で見ていた赤川は気づく、
赤川「……う…………うそだろ…」
安倍「え?え?なにがですか先生?」
318 :
剣士:02/07/05 21:48 ID:iEX/lWdV
>188の続き
翌日、学校、昼休み・・・。
「慎一く〜ん」
ん?このアニメ声は・・・
「石川さん!どうしたんですか?」
そう、教室に突然現れたのは、石川梨華。
「あのね、お昼、一緒に食べない?」
何をいきなりいいだすんだ、この小娘は!(俺より年上だけどさ)
「べっ・・・・別にいいけど・・・」
こんなクラスの皆の前で言われたら、動揺隠せないよ・・・。
「やった〜!じゃあ、屋上行こっ!」
・・・そんなに喜ぶことか?
「よ〜!凄い可愛い人じゃねーか〜。いいよな〜オイ!」
茶化すなよ・・・。
「そんなんじゃねーって!ただの知り合いだよ」
真っ向から否定してしまった俺。と・・・
「ただの・・・知り合い?」
何でそんな悲しそうな顔すんだよ・・・。
「友達じゃないんですか・・・?」
ん!ああ・・・そーいうことか。
「そうだな・・・うん、俺たちは友達だ」
この言葉で石川さんの表情はパッと明るくなった。
「そうですよねっ♪じゃあ、屋上へ行きましょ!」
・・・やれやれ・・・。
319 :
剣士:02/07/05 21:59 ID:iEX/lWdV
そして、屋上に到着・・・。
「ヘ〜イお二人さん、お熱いね〜」
このハスキーボイス+中途半端な英語混じりは・・・。
「吉子じゃあ、火傷しちゃいそ〜」
吉澤・・お前まで茶化すのか?
「お前な・・・そんなんじゃないっつーの!」
「あ、あなたは・・・。私を助けてくれた・・・」
そーいえば、石川さんを助けたのは、吉澤だったな。
「ああ・・そうだったね。・・・石川さんだっけ?ちょっと来てくれない?」
何シリアスな顔してんだ、吉澤。
「え?あ、はい・・・」
と、二人は俺から離れていった。
「ねぇ・・・慎一のことどう思ってるの?」
「え?!いや・・どうって・・・別になんとも・・・」
何動揺してんだろ?う゛〜・・・聞きたい。
「・・ならいいの。中途半端な気持ちで慎一にちょっかいだしたら・・・許さないからね」
何か恐いよ、吉澤・・・表情が。
「は、はい・・・わかりました」
石川さんもびびってるじゃん・・・。
「じゃあ・・慎一、またね〜」
何だったんだろ?一体。
「石川さん、何が・・・?」
「え?いえ・・この前のことですよ、うん。それより、お昼たべましょ!」
それもそうだ。時間もなくなってきてるしな。
「早いとこ、食おうか。」
そしてその後、石川さんと楽しい昼食時間を過ごした。
でも、吉澤一体なんだったんだろうな・・・?
320 :
剣士:02/07/05 22:00 ID:iEX/lWdV
お待たせしました!
久々更新です!
待たせて申し訳ありませんでした〜。
>再開した名無しさん
いつまでも名無しではなんなので、そろそろ名乗られたら?
どなたなのか知りたいですし(w
>>321 禿同。名乗る名乗らない以前に、「名無し募集中。。。」だと他のレスに埋まって見づらい。
IEEE1395さん?
>>323 呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーソ
私ではないので、よろしく。
327 :
こうもり:02/07/06 12:51 ID:0f+6cWnS
「はぁ、はぁ」
俺と矢口さんは五分ほどキスを続け、俺のほうから唇を離す。
俺はそんなに長くキスをした事はなかったので、終わった後
大きく息を乱していた。
矢口さんはさらに俺に抱きつき、前と同じように首筋にキスマークを付ける。
「何するんですか、矢口さん」
「じゃあ高橋に見られるとまずいから帰るね」
矢口さんはそう言って部屋を出る。
「矢口さん」俺が声を掛けると矢口さんは振り向き
「私、本気だから」と真剣な目で俺を見る。
俺は矢口さんが帰った後、しばらく呆然としていた。
なんで、抵抗しなかったんだろう?
抵抗すれば、出来たはずなのに、でも矢口さんのあの目を見たとき
なんか逆らえなくなって・・・。
それにしても、まずいな。
328 :
こうもり:02/07/06 12:51 ID:0f+6cWnS
愛ちゃんにこの事を知られたらそれこそ、もう弁解の余地がなくなってしまう。
俺はそう考え立ち上がると、自分の部屋に行きタートルネックのセーターを着た。
そして鏡で首筋を確認すると、キスマークはうまく隠れている。
それを見て俺は安心し、またリビングに戻った。
リビングに戻り、俺は矢口さんのきた形跡がないかどうか確かめる。
矢口さんの香水の匂いが少ししたので、俺は窓を開けた。
しばらくしてから、俺は窓を閉め愛ちゃんにどう話すかを考えていた。
矢口さんが何処まで話したのかがわからない・・・。
さっき聞こうとしたら迫ってくるし。
でも矢口さん本気なのかな?
更新終了。
今日は更新お休み…
>>321 多分名乗っても、お前かよor誰あんた? なので、もう少し匿名でいますです。
>>322 次回から、仮の名前で書きます、では。
330 :
:02/07/06 19:45 ID:1qvMXGf9
332 :
:02/07/06 20:20 ID:1qvMXGf9
>>331 あれから付け焼刃的な小説の知識だけでなく
本当に何冊も小説を読んで勉強しまくったとか。
ガッツさんかロッテ野郎さんじゃなかろうか・・・
カムバックと見せかけて、実は現役さんに一票
ここでやると迷惑なので、指摘・批判スレの方に移動しましょう。
336 :
剣士:02/07/06 22:17 ID:PhmZtChF
>319の続き
俺は午後、吉澤の行動について考えていた。
(何であんな恐ぇぇ顔してたんだ?石川さんと何かあったのかな・・・?)
そんなこんな考えていたら・・・学校終わり。
「お兄〜ちゃん」
亜依がクラスにやってきた。まあ、言いたいことはわかるのだが・・・。
「一緒に帰ろ!だろ?いいよ」
もう、いっつもいつも来るので、見透かしてしまった。
「へへ〜・・・じゃあ、帰ろか!」
何で友達とかえらねぇんだ?と思っていたら、亜依は腕を組んできた。
「・・・ったく、甘えて」
口調は怒ってるが、実はちょっと嬉しい罠(爆)
「ええやん!お兄ちゃ〜〜ん♪」
亜依は気が強かったり、おもしろい部分もあるが、俺には甘えた部分を出してくる。
そこが可愛いのでもあるが・・・。
そして、家に帰ってくると、亜依がいきなりトンデモナイことを言いだしたのだ!
337 :
剣士:02/07/06 22:26 ID:PhmZtChF
「ねぇ〜・・・お兄ちゃん」
甘えていた態度が、さらに悪化(?)
「な、なんだよ」
さすがの俺もドキドキしたりあたふたしたり・・・。
「一緒にお風呂はいろ♪」
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
じゃなくて・・・ナンダッテ━━━━━━(゚∀゚;)━━━━━━ !!!!!
「お前何言い出すんだ!」
さすがの俺も嬉し・・じゃなくて、怒る。
「ええやん・・・たまにはさ〜・・・ウチ結構成長したよぉ〜」
そう言う問題じゃねーーー!
でも・・・男として・・入りたいって気分も・・・。
いやいやいや!いかん!理性を保たないと・・・。
「ダ・メ・だ!」
必死に「いいよ!」という言葉を抑えた。
「・・ちぇっ・・もうエエわ!」
と、亜依はイジけながら風呂場に行った。
ふう・・・危なかった。でも・・・・ちょっともったいなかったな・・・。
(トゥルルルルル♪)
あ・・・電話だ。
「もしもし?」
「あ・・もしもし?吉澤だけど」
あん?何だ突然・・・しかも吉澤から電話なんてめずらしい・・・。
「何か用か?」
「うん・・・えっとね・・・ちょっと聞きたいことあるんだけど」
・・・いつのもなく、女性っぽいな・・・どうしたんだろう?
338 :
剣士:02/07/06 22:26 ID:PhmZtChF
更新終了です。
339 :
こうもり:02/07/07 11:18 ID:/AwIDtxr
「ピンポーン」
「ドンドン」
リビングで考え事をしていると、玄関からインターフォンの
音と共にドアを叩く音がしたので何事かと思い俺は玄関に行った。
「カズさん、カズさん」
俺がドアの前に行くと愛ちゃんは大きな声で俺の名前を呼んでいる。
声のトーンから察すると愛ちゃんはかなり怒っている。
「どうしたの愛ちゃん?」
俺は平静を装いながらドア越しに愛ちゃんに尋ねる。
「早く開けてください」
「わかった」
「ガチャ」
ドアを開けると愛ちゃんは、俺のことをまじまじと見る。
340 :
こうもり:02/07/07 11:19 ID:/AwIDtxr
「な、何?」
俺は愛ちゃんの行動の意図がわからず、愛ちゃんに聞く。
「なんでもありませんよ、ただ珍しいなと思いまして」
「何が?」
「カズさんがそういうセーターを着ているのが」
「そ、そう?」
「ええ」
「まあいいじゃないそんなこと、それより玄関で話してても仕方ないし家の中に入ろう」
「そうですね」
俺と愛ちゃんはリビングに入る。
「なんか部屋が寒くないですか?」
「ああ、さっき空気の入れ替えをしたから、それより愛ちゃんの夕食食べたの?」
「いえまだです」
「じゃあ、ちょっと待っててすぐに作っちゃうから」
俺はキッチンに行き手早く夕食を作る。
更新終了。
341 :
関西人Z:02/07/07 12:23 ID:7MNL2ZLU
短編第14弾 <七月七日>
―7月7日 七夕―
私はどんなに忙しくても、この日は空けるようにしている。
なぜならば、それは人に会うため。
あれは今思うと運命という言葉が合うかもしれない。
小さい頃のこと
学校は夏休みに入り、私は家族と共に田舎に来ていた。
「梨華、何処に行くの?」
「ちょっと高台に行ってくる」
夏の夜、とても涼しい風が吹いていた。
その日は凄く星空が綺麗で、私は近くの高台へ向かいそこから星空を見ようとした。
しかしそこには、既に一人の男の子が。
私は少し離れたところから星空見ていると、男の子はこちらに気づいて、
「一緒に見よう」
と誘ってくれた。
戸惑ったけど、星を見たかったから私は一緒に見ることにした。
最初はお互いあんまり喋らなかったけど、時間が経つにつれて話をするようになった。
でも、楽しいことはすぐに終わるもの。
あまり遅くなるとお母さんに怒られるので、「もう帰るね」と言い階段を下りようとしたその時
男の子が、
「ねえ、来年も会えるよね?」
と訊いてきた。
私は一瞬迷ったけど、ハッキリと答えた。
「うん!」
342 :
関西人Z:02/07/07 12:24 ID:7MNL2ZLU
それ以来、私は七夕の日になると決まって田舎に来るようにしている。
この日にしか会えない彼。
私たちは織り姫と彦星の関係に近いと思う。
彼は私のことを好きかどうかわからないけど、私は大好き。
だから今日、会ったら告白するの。
フラれたくないけど、好きという気持ちを持ってまた一年待つのはもうイヤ。
私は家を出て高台へ向かう。
とても綺麗な星空を見上げる彼がいた。
いつものように話しながら空を見上げる。
一瞬の沈黙のあと、お互い目が合った。
私は勇気を振り絞って、
「私、あなたのことが好きです」
―そして
「俺も、梨華の事が好きだよ」
その瞬間、私たちは七夕という呪縛から解き放たれた。
これからは、いっぱいいっぱい会おうね
〜END〜
343 :
7878:02/07/07 13:09 ID:dlOiGH05
いつのまにか妄想スレが小説スレになっているという罠
一応妄想を兼ねての小説ということで。
345 :
:02/07/07 20:27 ID:pmxo5fQ2
どこかで見た気がするのは私だけでしょうか?
347 :
7878:02/07/07 21:15 ID:iLQloUi4
うーむ、たまには正当派な妄想も見たい。
けして、小説反対じゃないけど、初代のスレの頃みたいなヤツキボンヌ
348 :
剣士:02/07/07 21:17 ID:vKt+iElu
>347
あげないで
349 :
名無し募集中。。。 :02/07/07 21:19 ID:sDmwNpsn
あげ
カムバックした誰かです(笑
アップしようとしたんですが、とんでもないミスを発見!
途中で設定を変えたんで、1部冒頭部と矛盾する点がありますが、ご了承を…
後ほどアップします。
351 :
剣士:02/07/07 21:39 ID:vKt+iElu
>337の続き
「なんだよ・・・らしくねぇな。何だよ?」
いつもなら、ズバっと聞いてくるのに、何か、らしくない吉澤。
「あの・・ね・・石川さんのことどう思ってる?」
・・・?何いってんだ?
「突然なんだよ・・・?」
「いいから!どう思ってるの?」
・・いつもの口調の荒い吉澤に戻った。
「・・別にどうとも思ってねぇよ。知り合ってまだわずかだぜ?」
何故こんなことを聞いてくるのか、と思いつつも、まじめに答えた。
「そう・・ならいいんだ!ねぇねぇ!明日放課後ヒマ?」
ならいいって何が?と聞こうと思ったが、うるさい!って言われそうなのでやめた。
「ああ・・ヒマだけど?」
「ならねぇ、美味しいパン屋さんができたんだよ!一緒に行かない?」
パン。吉澤にとってパンとは、ベーグル以外あまり見えていない。
ベーグルを食べてるときの吉澤の顔、もの凄く幸せそうな顔をしている。
「へぇ・・行ってみるかな・・・」
俺もパンは好きだから、断らない。むしろ、断った後の吉澤が恐いからってのも理由だが(w
「やった!じゃあ、二人で行こうね!誰にも言っちゃダメだよ!じゃね!(ガチャッ)」
・・・二人で?他を誘わないのか?ま、いっか・・・。
「お兄ちゃん〜。電話誰から〜?」
お、亜依だ。って、お前!タオル一枚かよ!
「お前なぁ!服着ろよ!恥じらいねぇのか?」
タオル一枚、あとは何も着けず・・。ハァハァいいそうだが、妹だ!ということで理性を抑えた。
「エエやん〜。兄妹なんやし。あ、お兄ちゃん照れてカワぇぇな〜」
オバハンか、お前は。・・まあいい・・。
「電話は吉澤から。ちょっと雑談だよ」
まさか、石川さんのことどう思う?とか聞かれたなんて言えない。
「ふ〜ん・・まあエエわ」
そう言ってまた洗面所に戻っていった。
「ふう・・・まったく亜依のヤツ」
俺はそうブツブツ言いながら、ジュースを一杯グイっと飲んだ。
352 :
剣士:02/07/07 21:40 ID:vKt+iElu
更新終了。
ここまでです。
353 :
剣士:02/07/07 21:44 ID:vKt+iElu
もういっちょサゲ!
別にsageって書き込んでも下がらないんだけど
そんなアフォなことするとageるぞ
とりあえず修正個所
一部設定を変更したのでご了承下さい
(冒頭)
そんな俺の生活に転機が訪れたのは、夏休み真っ最中だった。二週間にわたる出張後、
(中盤)
教室についても、矢口は席までやってきた。始業までまだ30分以上あるのでまだ
俺たち2人しかいない。第一自主参加型の補習なので、全員が来るわけではない。
それでは本編
>>316より
「おしいですぅ!」
ラーメンを一口食べるなり、愛は嬉しそうに言った。
「そ?よかったよ口にあって」
「正和さん、ほんと料理旨いんですねぇ〜」
女の子に誉められるといことは滅多にあるもんじゃない、俺はガラにもなく照れてし
まった。
「テレビ付けてもいいですか?」
「どうぞ」
俺は特にみたい番組がなかったので、俺はテレビのリモコンを手渡した。
愛は、しばらくカチャカチャとチャンネルを変えていたが、1つのチャンネルで止
めた。12チャンネル?テレビ東京だろうか?
「あれ〜まだか…」
愛は、そう言うと他局のバライティに変えてしまった。俺は映画かドラマ、報道しか
見ないので、何の番組かは知りもしなかった。
「きょう何日でしたっけ?」
「8月11日」
「じゃまだかぁ」
「何がまだなの?」
と俺が聞くと、愛は目を丸くした。
「おじさんから聞いてないんですか?」
「何を?」
「もう決まってるんですけど」
――はぁ
「テレビではまだなんですね」
――何が?
「こういうのぉって言っちゃいけないですかね?」
――はい?
「多分いいと思います。今度聞いておきますね」
「――それはどうも」
「あのぉ。明日帰り遅いと思います」
「補習か何か?」
愛はふふっと笑うと、
「さめちゃいますよ」
――何なんだよ。そういや親父も何か隠してるふうだったけど…
石川は、校門まで走ってくるとよくやく立ち止まり息を切らした。
「はぁはぁ…もうひとみちゃんったら…」
1人で愚痴りながら、あたりを見回す。
夏休みとはいえ進学校であり補習が多く、夏の大会で都大会に駒をすすめた部活も多
く、目前に控えた本番に向け、多くの運動部が活動している上、9月の文化祭の準備
を行う文化部も多く生徒は多かった。
石川は、生徒の波の中に1人の男を見つけた。
「文麿さま!」
思わず声を上げて駆け寄る。
「石川さんどうしたの?」
「はい?」
「服が乱れてるよ」
「あ、いけない」
ひとみの手から逃れようと、大急ぎで制服を着たので、第1,2ボタンは止まってお
らず、スカートも乱れていた。
「怪我?」
「え?あの…」
シャワールームで転んだときの痣を見つけられてしまったのだ。
「あの…なんでもないいんで…」
自分の足下にしゃむ文麿に石川は赤面した。心配そうに膝を見るその目がスカートの
中にいってるのではと勝手に早合点しただけなのだが…
「文麿さま?」
「僕の家の掛かり付けの医者にみせよう。おいで」
「あの…なんでもないんで…」
石川は、校門前に横付けされた綾小路家のベンツに半ば引っ張られるように連れて行
かれてしまった。
ここまでです。
??
なんで””なんてでるんだろう…
ちなみに設定変更の理由は、「一緒に暮らす」娘だけ、モノホンにするためです
ああ愛ちゃん・・・
362 :
:02/07/07 23:12 ID:4sNpcsQx
>>356 1行目の「おしいですぅ!」
もうちょっとで美味しいのか
>>243・
>>246-247の続き
ネクロマンスを離れて時計を見る。時刻は5時47分、ちょっと半端な時間だ。
「ちょっと中途半端な時間だな、病院にはここから20分もあれば行けるし。
ちょっと一服しようか」
そうして俺達は近くにあった喫茶店に入った。
おれはウーロン茶、彼女はオレンジジュースを注文し席につく。
見ると矢口さんはなにか暗い表情をしている。
「どうしたの、疲れた?」
「いえ。そんなこと無いですよ」
「ホントに?なんか思い詰めた ような顔してるから」
「・・・・・あの、私ものすごく迷惑かけてるから」
「え、またそんなこと考えてるの?結構気にしいなんだね」
「でも、さっきの話聞いてたら・・・」
「あぁ、リセットのことか。それは別にいいんだよ、昨日今日の話じゃ無いんだから。
それにこんな言い方は不謹慎だけど、ちょっと今の状態をありがたく思っているんだ」
「どういうことですか?」
「確かにおれは全てをリセットをしたいと思っているよ。
でもそれは社会から完全に離れることになる。
そして辛い現実と向き合わないといけない。
心のどこかで逃げ出したい自分がいるんだ。
でも矢口さん、君のおかげで少しでもその時が延びたのに感謝している自分も居るんだよ」
「・・・・・」
「だからおれは感謝ことはあっても、迷惑だなんてホントに思っちゃいない。
何の因果か分からないけどこうやって矢口さんとも知り合えたし、
それに木島家の家訓もあることだしね(笑)」
矢口さんはちょっと複雑そうな顔をしている。
そりゃそうだろうな。自分が迷惑をかけている事実はあるわけだし、
でもその相手に感謝されたんじゃどうしていいか分からないだろう。
ここまで。
367 :
こうもり:02/07/08 11:59 ID:K3h7mWl6
「いただきます」
愛ちゃんはそう言うと夕食を食べ始める。
俺は夕食を食べている愛ちゃんの表情を盗み見ている。
愛ちゃんは普段と変わらない様子で箸を進めている。
「カズさん」
「何?」
「なんで一昨日の夜、矢口さんが来た事言ってくれないんですか?」
愛ちゃんは箸を置き、俺のほうをじっと見ながらそう言う。
「いや、それは・・・」
「本当の事を言ってください」
愛ちゃんはなおも俺のほうを見ながら言う。
何処まで言えばいいんだろう?
今日の事はとてもじゃないけど言えない。
「わかったちゃんと話すよ」
俺は意を決して、一昨日の夜の事を全て愛ちゃんに話した。
「・・・というわけなんだ、愛ちゃん今まで黙っていてごめん」
俺は愛ちゃんに頭を下げて謝る。
368 :
こうもり:02/07/08 12:01 ID:K3h7mWl6
「本当にそれだけなんですか?」
「ああ」
「ほんとに、ほんとですね」
「本当だってば」
「何もないんですね」
「うん」
「じゃあ信じます」
愛ちゃんはそう言って俺のほうに近寄ってくる。
「キスしてください、カズさん」
愛ちゃんは目を閉じて俺にそう言う。
「わかった」
俺はそう言ってから愛ちゃんにキスをした。
キスをした後、夕食の片付けを済ますとすぐに愛ちゃんは「お風呂に入ります」
と言って、風呂場に行った。
更新終了。
370 :
:02/07/08 18:32 ID:dA3qq5kj
せつなひ・・
一緒に住んでみたいのは辻ちゃん!
週に一回にらめっこ対決やりたい。
>>347 こんな感じ?
俺はあいぼん。一緒にお風呂に入りたい。
「わ〜い」ザバッ!!
「こらっ10数えるまで上がっちゃだめ!!」
「・・・ はーい」チャプン
「じゃ数えるよ」
@ @
( ´д`)1〜2〜3〜4〜5・・・
コレ。
実況「おっとサイレントスズカ一気に伸びた!後続との差が広まるぞ!?
4強は後ろで喘いでる感じだ!まだ伸びるぞサイレントスズカ!!」
安倍「そのまま!!」
赤川「何もくるんじゃねぇ!!」
実況「あっという間に差がついた!おーきくおーきく差がついた!!
4強は来ない!絶対に来ない!差がまだ広がるぞ!!
先頭はサイレントスズカ、夢をつないだ!!
サイレントスズカ1着でゴールイン!!岡崎潤やりました!!!」
安倍「やったーーーーーー!!!!!」
赤川「うわーーーーーーーー!!!!!!!」
あまりにもの出来事に何を叫んでいるか分からないくらい2人は興奮していた、
うわぁぁぁぁああおおおおおおおお!!!!!!
いきなり場内から巨大な歓声が沸いた、
こちらもだいぶ興奮気味で訳が分からない歓声が沸いた、
実況「タ…タイムは2:22:1!!!信じられません、信じられないタイムです!!
もちろん日本ダービーレコード!そして芝2400m日本レコードを更新いたしました!!!
本当に本当に3歳馬なのでしょうか!?」
2着は大きく離されて4強が並んで入線した、
1着と2着の差は裕に10馬身以上はあったのは間違いないようだった。
374 :
剣士:02/07/08 21:28 ID:vkR0RpRq
>351の続き
翌日の放課後、吉澤と共に、新しくできたパン屋へ。
「ホントにここのパンうまいの?」
念んを押して聞いた、すると・・・
「(バシッ!)美味しいって言ってるだろ?少しはアタシを信じてよ」
何も殴らなくても(涙)
で、とりあえず入ってみた。
「何にしようか・・・やっぱ俺の基本はカレーパンだな・・・」
「あはは・・・慎一は昔っからカレーパンだもんね〜」
幼なじみだけあって、よく知ってるんだよなぁ。
(忘れたいことまで覚えてるからよけいタチ悪い)
「アタシはやっぱ・・ベーグル〜」
やっぱりね・・・。ベーグルに目がないんだもんねぇ・・・。
「ありがとうございました〜」
俺たちは食べたいパンを買い、ジュースを買ってから、公園へ。
「じゃあ、食べるか・・・」
「いったらっきま〜っす!」
こん時だけ、可愛い少女に見えるな・・・。よっぽどベーグル好きなんだろうな。
「(モグモグ)そういえばさ・・・」
「(ハグハグ)ん?」
昨日のこと、あまりにも気になったらから聞くことにした。
「何で昨日さ、あんな電話してきたんだ?・・・言いたくなかったらいいけどよ」
375 :
剣士:02/07/08 21:37 ID:vkR0RpRq
「聞きたい?」
聞きたいから聞いてるんだろうが・・・。
「ああ・・・もちろん」
すると吉澤はベーグルを食べるのをやめて、真面目な顔でこっちを見た。
「何かさ〜・・・慎一と他の女が仲良くしてるとさ・・・気になるんだよね」
あん?どゆことだよ?
「・・嫉妬しちゃうんだよね」
え・・・・?一体何言ってるんだ?吉澤・・・。
「私だけ見ててほしいんだよ!わかる?」
「おい・・それって・・おま・・。!」
口がふさがれた。吉澤の唇で。
−キス−
突然の出来事だった。
「これが・・・私の気持ち。・・・それじゃあね」
と、吉澤は去っていった。
気持ち?吉澤の気持ちがキス?どういうことだ・・・?
・・まさかと思うが、吉澤は俺のこと・・・?
それが頭に浮かんだ瞬間、嬉しい気持ちもあった。
優しいし、男勝りだけど、いじらしい、可愛い。
でも・・・何だ?何故俺は困惑してるんだ?
・・・わからない・・・。
とりあえず、俺は家に帰った・・・。
376 :
剣士:02/07/08 21:39 ID:vkR0RpRq
・・・更新終了です。
377 :
ネオ生茶:02/07/08 21:46 ID:QE6r4TwT
「愛ちゃん? 愛ちゃん? …愛ちゃ〜ん!」
そう言われて、愛はやっと気付いた。
「どうしたの、麻琴ちゃん?」
「どうしたの? …は、こっちのほうよ。
さっきから、ずっとボーっとしてるから……」
「ごめん、ごめん、ただ、お兄…堤先輩、すごいなぁ〜、って思って……」
思わず、愛は信治のことを『お兄ちゃん』と呼びそうになった。
「やっぱり、堤先輩いいよね〜!
まあ、周りの人もかなり上手いらしいんだけどね」
「みんな、すごい盛り上がってたから驚いちゃった」
「毎回、こんな感じだよ。
ライブの時なんか、もっとすごかったよ」
信治達の演奏が終わり、生徒達は帰り始めている。
ただ、愛は信治と一緒に帰るという約束があるので待っている。
378 :
ネオ生茶:02/07/08 21:46 ID:QE6r4TwT
「でも、なんで麻琴ちゃんは残ってるの?」
「だって、これから堤先輩が出てくるんから話かけるんだよ」
「ここにいる人…みんな?」
「うん」
(え〜、どうしよう〜!? これじゃあ、お兄ちゃんと一緒に帰れないよ〜!)
愛がまた自分の世界に入っていると、
「愛ちゃん? 愛ちゃん? 愛ちゃ〜ん!」
そう言われて、愛は麻琴のほうを向いた。
「すぐに自分の世界に入っちゃうんだから……。
それより、堤先輩、出てきたよ」
すると、出てきた信治の周りに生徒達が集まっている。
379 :
ネオ生茶:02/07/08 21:47 ID:QE6r4TwT
「どうやって、堤先輩に話しかけるの?」
「今からじゃ無理だと思うよ」
「えっ? じゃあ、なんで麻琴ちゃんは話しかけなかったの?」
「だって、ボーっとしてる愛ちゃんを置いていくわけにはいかないでしょ?」
「ごめん……」
「いいよ。それより、どうする?
一緒に帰らない?」
「ちょ、ちょっと待って!」
愛は背伸びをして、必死に信治を見る。
生徒達に囲まれていて、困っている様子だった。
(お兄ちゃん、私との約束、忘れてないかな〜?)
すると、信治と目が合った。
そして、信治は愛のほうを見て微笑んだ。
(お兄ちゃん、私との約束、忘れてないみたいだ!)
そう思うと、嬉しくなって愛も思わず微笑んだ。
「どうしたの、愛ちゃん?
急に、ニヤニヤして……」
「な、なんでもないよ!」
麻琴にそう言われて、愛は顔を赤くした。
380 :
ネオ生茶:02/07/08 21:48 ID:QE6r4TwT
更新です!
2.21.1って世界レコードじゃない?
本物と同じく「大差」をするとは
382 :
:02/07/08 22:33 ID:dA3qq5kj
>>373 ホーリックスコエタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
>>379 いじらしい・・(笑)
2400の世界レコード・・・w
ホーリックスとオグリキャップを思い出すな
>>359のつづきです。
>>362 そうですかどうも…直らないんでしょうか?
>>363 ……お気になさらず。訛ってて「美味しい」が おぃしい→おしいぃ→おしい
ってことで無理矢理こじつけ
「疲れた…」
口に出してもしょうがないことだが、そうでも言わないと、気分が晴れない。
大欠伸をして、ぐっと伸びをする。時計を見やると、既に夜中の3時を回っていた。
今から風呂に入って、準備して――いっそこのまま寝てしまおうか?
受験の最中、大会の為、毎日泳いでいれば、さすがに疲れる。
メシの後、ずっと勉強していたわけだが、どれほど頭に入ったか…
「あ」
愛の事を思い出した。まさかまだテレビを見てるということもあるまい。
風呂もまだなはずだし、寝床も用意してないかも。
リビングに行くと、テレビを付けたままソファーでスヤスヤと眠る彼女の姿があっ
た。テレビを消すと、そっと毛布を掛けてやる。
『目を覚ましたら、いつでもシャワー使っていいから』
風呂に入っていない愛の為に、そうメモして、テーブルに置いた。
――俺も寝ちゃおう。
自室にもどり、そのままベットに倒れ込む。
明日から毎日部活だ。午前補習、午後は泳ぎの毎日が、明日から10日間繰り返さ
れ、大会。そしてやっと引退だ。遅くなると愛に言っておかないと…
そう言えば、愛も遅くなるとか言ってたな…いまさら部活に入ったとも思えないし、
なんなんだろうか…
そんなことを考える内、俺はまどろみのなかに吸い込まれていった。
その時俺は、2週間後の大転機など予想だにしていなかった。
「すいません。送っていただいちゃって」
そう言って文麿と別れたのが、ついさっきのように思える。
石川は、その大げさに包帯が巻かれた右足を見下ろした。
――転んだだけなんだけどな…
綾小路家でもそう言って断ったのだが、
「綺麗な石川さんの足が傷つくなんて耐えられないから」
という文麿の言葉にポーとなって、されるがままになってしまったのだ。
怪我をした人間、病気の人間を見ても素知らぬ顔を貫くけんもほろろな輩が多い現代、
いささかオーバーに思われるが、石川は、
「まいいや。心配してくれるんだから」
と楽観的にとらえていた。
のちに、この処置が大きな意味を持つのだが、
「ポジティブポジティブ」
石川は、そう唱えながら、包帯を外していった。
綺麗に巻いて傍らに置くと、先入観とは大した物なのか、足を引きずりながら、風
呂へ向かった。
自分の未来も知らずに…。
ここまでです。
389 :
こうもり:02/07/09 11:44 ID:2yn3Bipz
俺は一体何をしているんだろう、最低な人間だな。
矢口さんとキスした後にすぐに愛ちゃんとキスをするなんて・・・。
でも矢口さんの事を放っておけない。
俺はソファーに体を沈めながらこの後の事を考えると不安でいっぱいになった。
「カズさん、カズさん」
「うん?」
「どうしたんですか?ずっと下を向いてましたけど」
「いや、別にちょっと考え事をしてただけ」
「そうですか」
愛ちゃんは濡れた髪を少し拭きながらそう言う。
「じゃあ俺も風呂に入って来るよ」
「はい、わかりました」
そう言いながらソファーから立ち上がり、風呂場へ向かった。
390 :
こうもり:02/07/09 11:45 ID:2yn3Bipz
風呂場で俺は着ていた服を脱ぎ、鏡を見る。
「これはまずいな」
俺は愛ちゃんに聞こえないように小さな声でそう呟く。
首筋にはやっぱり矢口さんの付けた後が色濃く残っていた。
なんとか誤魔化さないと・・・。
さすがに風呂から出たあともタートルネックを着るわけにはいかないし。
とりあえず湯船でいろいろしてみるか。
俺はそう思い体を洗ってから、湯船につかる。
そして、首筋についているキスマークを消そうと思い、引っ張ったり、擦ったりした。
しかしそんな事をしても、全く消えることはなかった。
タオルを首に巻いておこう、そうすれば愛ちゃんにも気付かれないだろう。
俺は湯船から出て、風呂場でキスマークがうまく隠れるように首にタオルを巻く。
更新終了。
391 :
コンボ:02/07/09 13:30 ID:unpSk0Mt
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1019264062/883より ひとみはまだ来ていなかった。
電車で来るんだから、そうは早くないだろう。
ベンチに腰掛けると、尻がひやっとした。
思わず溜息が出る。
広い公園ではないから、見渡せば全体が見える。
正面には砂場と滑り台。
その右にはブランコがある。
所狭しと遊具が押し込められていて、ロマンチックなムードはあまりしない。
それで月に照らされたブランコはムードがあるように見えた。
「なんで呼び出されるかなあ……」
最初電話があったとき、ひとみとまた付き合えると思った。
だが、段々公園に近付くにつれて、不安が気持ちの中に広がっていった。
まさかとは思うが、ひとみは本気で俺と別れようとしているのか。
思えば、ちゃんと別れた覚えはない。
そういえば、秋本はひとみに告白したのだろうか。
今のひとみなら、受けているかもしれない。
秋本は本気だ。
俺のように気持ちを曖昧なままにしようとしなかった。
392 :
コンボ:02/07/09 13:30 ID:unpSk0Mt
道路脇から人影が現れた。
こっちに来るにつれて、段々とはっきりしてくる。
「……智哉?」
人影は遠くからでも聞こえるような声を出した。
小走りに駆け寄ってくる。
「ああ、来てくれたんだ」
ひとみは横に座ると、妙に肩をこわばらせた。
「なんだよ?」
自然と、ぶっきらぼうな言い方になる。
「ごめんね、こんな遅くに呼び出しちゃって」
ひとみは必死になっていた。
なにに対してかは分からないが、必死になって喋っていた。
俺と亜弥の付き合ってることが分かったときの冷たい視線は、なかった。
「あのさあ、結構寒いよね。
なんか暖かい物買ってこようか」
ひとみは早々と腰を浮かせた。
「あ、お金は払うよ。
呼び出しちゃったし、お礼ね」
踏ん切りをつけるように、急いでベンチを立った。
無意識のうちにその左腕をしっかりつかんで、引きつけていた。
「ちょっと、なにすんの?」
ひとみはベンチに腰を落とした。
「おまえ、なに必死になってんだよ」
いつのまにか、自分の声は震えていた。
393 :
コンボ:02/07/09 13:30 ID:unpSk0Mt
「ちょっと、なに泣いてんの?」
ひとみはかえって驚いた顔でベンチに座りこんだ。
よく見れば、膝の上に涙の跡ができていた。
目を拭うと、手の甲に涙がこすりついていた。
「いや……」
自然と声が震えた。
ひとみは不安げな目をしている。
「いや……分からない」
そう言うと、ひとみはぷっと吹き出した。
頬に笑窪ができて、低い笑い声は段々大声になった。
「あははは、あーははははは!」
ひとみは腹を抱えて笑い出す。
「……なんだよ」
いつの間にか俺は泣きやみ、声も震えなくなっている。
「いや、だって……」
ほとんど笑い声で聞こえなかった。
「だって、なんだよ」
ひとみの笑い声はようやく収まりかけた。
「だってさあ、智哉全然変わってないじゃん」
394 :
コンボ:02/07/09 13:30 ID:unpSk0Mt
「はあ?」
「だって、なんで泣いてるのか聞いて、分からないって答える? 普通」
ひとみはまた笑い出した。
「分からないんだから、仕方ないだろ」
「……ま、それもそうか」
「いきなり笑い出すなよ、気持ち悪い」
「いーじゃん、おかしかったんだから」
「大体、人が泣いてるのに笑うか?
遠慮とかするだろ」
「智哉に遠慮するのって、変じゃない?」
「人には遠慮するもんだろ」
笑いながら言うと、ひとみは真面目な顔をしていた。
「だって、遠慮したら他人になるみたいじゃん」
「……他人?」
「そう」
言ったきり、ひとみは黙りこくった。
俺も言うことはない。
ただただ、ひとみの言葉を待っていた。
「……ねえ智哉、ギター弾いてる?」
395 :
コンボ:02/07/09 13:32 ID:unpSk0Mt
「ギター?」
あれから弾いていない。
いろいろあって、弾いている余裕などなかった。
しばらくはクラブに行くのも忘れていた。
「私、弦楽部やめたじゃん?
でもさ、ずっとギター弾いてるんだ」
ひとみは照れくさそうに笑った。
「別に隠すつもりはなかったんだけどね」
つられて、俺も薄ら笑いを浮かべた。
「また智哉のギター、聞きたいな」
声のトーンが低くなったのは、明らかだった。
「……なんで私がここに呼んだか、気付いてる?」
声はどんどん低くなる。
返事はあえてしない。
「私さあ、まだ諦めきれないんだよね、なんか」
俺もだ、と言おうとしたが、喉に張りついて言えない。
「なんかさ、いつでも引っかかっちゃうんだよね、なにやってても気になるし」
何度頑張っても、呼吸困難のように声は出てこない。
「付き合って欲しいんだ、もう一回」
声は出ない。
ひとみは俺の顔を下から覗きこんだ。
396 :
コンボ:02/07/09 13:34 ID:unpSk0Mt
気が付けば、両手でひとみを抱きしめていた。
いつからか分からないが、長い時間そうしていたような気がして、腕を離した。
「……はあ」
口から息が漏れた。
ずっと息を止めていたようだ。
俺が息をつくと、ひとみはまた吹き出した。
吹き出し笑いはすぐに、けたたましい笑い声に変わった。
「……なんだよ、うるさいな」
「だって、普通抱き合ってさあ、キスとかしようって時に息継ぎする?」
「キス?」
ひとみはそう思っていたらしい。
「なんでキスなんかするんだよ」
「さあ……分かんない」
そうつぶやいて、ひとみは顔を寄せてきた。
「ちょっとお前、待てよ、おい!」
顔を引き離すと、体制が崩れた。
上体をのけぞらせると、ベンチから落ちそうになる。
それを見たひとみは、ここぞとばかりにまた笑いはじめた。
俺も自然と小さな笑い声が出た。
それからどうやって、家に帰ったかは忘れた。
とにかく、またひとみと付き合えるようになったことで、頭の中は一杯だった。
397 :
コンボ:02/07/09 13:34 ID:unpSk0Mt
准一は公園を出てから、近所をうろついていた。
行くあてもなく、真里や後藤のことばかりを考えていた。
だから、そこに梨華が現れた時は、相当に驚いた。
「こんばんは」
気のせいか、目が赤い。
梨華は会釈すると、准一の横をすり抜けようとした。
「ちょっと、梨華ちゃん」
声をかけると、梨華はやはり赤い目で振りかえった。
「話あんねんけど、ええかな」
「すいません、急いでるんで……」
言いながら、足取りは重かった。
しきりに辺りを見回している。
「誰か探してんの?」
梨華は振り向いたが、返事はしなかった。
じとりと准一を睨みつけると、向こうへ歩いていこうとする。
「あんなあ、俺……」
梨華は立ち止まった。
「俺、梨華ちゃんのこと……」
了
とりあえず、これでひとくぎりです
かなり強引に終わらせた感が強いですが(w
旧スレにおまけも書いたんで、読みたい方はどうぞ
398 :
コンボ:02/07/09 13:45 ID:unpSk0Mt
最後の1レスだけここで。
ドレス姿の亜依ちゃんは綺麗だった。
新郎もなかなかの美形で、美男美女カップルだった。
准一は、親族席で不機嫌そうに腕を組んでいる。
岡田家の中でも、准一だけは圭介くんに冷たいらしい。
スピーチの順番が回ってきた。
准一は椅子を蹴倒すように立ちあがると、マイクの前で意味不明の言葉を喚きたてた。
スピーチは意味不明のまま終わり、拍手のタイミングもずれた。
「それでは、岡田准一様のご友人のスピーチです」
司会の坂口はちらっと俺を見た。
机に掛けてあったギターを手に取ると、周りの視線が集まった。
いつのまに用意したのか、マイクの前には折りたたみ椅子と踏み台まで用意されていた。
「えー、僭越ながら二人の前途を祝して、ギターの演奏を致します」
結婚式に合うような歌だと思えないことは分かっている。
でも、一番真剣に弾けるのがこの歌なのは、俺がよく知っている。
マイクの高さを下げ、椅子に座り、出だしを思い出した。
Yesterday all my troubles seemed so far away……
窓の外はひたすらに晴天だった。
了
やけに格好つけた終わり方になりましたが、取り合えずこれで終わりです。
ここまで読んでくださった皆さんは相当辛抱強い方だと思われます。
ありがとうございました。
399 :
:02/07/09 18:46 ID:ko4apcPT
お疲れ様でしたm(_ _)m
次回作も期待しております(^▽^)
うぅ〜感動だ〜…。コンボさんの作品は連載当初から見ていたので
なんか複雑な気持ちです。たしか去年の11月ごろだったっけか?
あのときからこの小説はなぜかひかれるものがあったな〜。
ともかく、長い連載お疲れ様でした。あっちのスレに書いてあったけど、
謹慎なんてしなくていいっすよ。むしろできれば謹慎の代わりに新作をお願いしますですm(_ _)m
…って、長々と偉そうなこと書いてすいませんでした。
401 :
剣士:02/07/09 22:39 ID:+YTXAB6H
>375の続き
「ふぅ〜・・・」
俺は家に帰ってもまだ吉澤とのことを引きずっていた。
(お兄ちゃんどないしたんやろ?)
亜依も影から俺を見守る。俺はその視線に気づいて、亜依を呼んだ。
「亜依・・・実はな・・・」
俺は吉澤とのことを洗いざらい話した。亜依は驚いた・・・がその後、真剣な顔で
「ヨッスィーはお兄ちゃんのこと好きなんやで。絶対そうや!」
亜依は少々怒りながら答えた。俺も少しはそーいうのはわかっていた。
「だけど・・何か・・・吉澤は彼氏いるじゃないか」
そう、吉澤は一年ぐらい前から彼氏がいる。俺はそれを知ったとき、やりきれない思い出でいっぱいだった。
「それがなぁ・・噂では何かうまくいってないらしいで。何かもめてるらしいし・・」
・・・そんな話があったとは・・・。
「・・それに、俺は石川さんのことが気になるんだ」
「ええ?・・知らんかったんか?石川さん、転校すんねで?」
402 :
剣士:02/07/09 22:49 ID:+YTXAB6H
「何ぃ?」
俺は情報にうとい、という悲観と、石川さんが転校?という思いの中で混乱していた。
「確か・・明後日に出発とか・・」
「そうか・・なら・・俺、告白してみるか・・・」
「ほんなら、ヨッスィーはどないすんねん?」
・・・断る、だろうな・・。石川さんがダメなら、ということは考えられない。
「なるほどねぇ・・・」
と、その時、俺の携帯が鳴った。
「もしもし?あ、石川さん・・どうかしました?」
「大変なの!ヨッスィーが、ヨッスィーがぁぁぁ!」
石川さんはとても錯乱していた。一体何があったのか?それに・・吉澤が何だ?
「落ち着いて、何があったんです?」
「実は・・私と初めて会ったとき、絡んできた人がいましたよね?」
ああ、そういえば・・・それが何だ?吉澤と何の関係がある?
「実は、また私に変なことしてきて、それを助けようとしてくれた吉澤さんが、8人ぐらいの男に・・」
「何ィィィィィ!」
それを聞いた瞬間、俺は弾かれたように家を出た。亜依が俺を呼んだがかまってられなかった。
自転車をこぎ、石川の家へ。
「ハァ、ハァ・・・石川さん!」
もう、告白や転校のことは消えていた。
「慎一さん!ヨッスィーがぁ・・・」
「落ち着け!吉澤はどこだ?どこに連れて行かれた?」
石川よりも、俺の方が興奮していた。
「あ・・・確か、町の外れの工場とか・・・」
俺はそれを聞くと、自転車に乗り込んだ。
「慎一さん!ヨッスィーをお願い!」
言われなくても・・の思いだった。
「ああ!もちろんだ!吉澤の親や、警察に連絡しとけよ!」
そして俺は自転車をとばした。
(吉澤・・・絶対、俺が助ける!待ってろよ・・・命にかえても、助けるからな!)
403 :
剣士:02/07/09 22:50 ID:+YTXAB6H
更新終了です。
404 :
こうもり:02/07/10 11:37 ID:LW39E6Oy
風呂場から出てリビングに行くと、愛ちゃんは膝を抱えてじっと天井を見ている。
俺はそっと愛ちゃんの後ろに忍び寄り、愛ちゃんの後ろから声を掛ける。
「愛ちゃん」
「あ、カズさん」
俺が後ろに立っているのを愛ちゃんは気付いたようですぐに振り向く。
「天井をじっと見てたけどどうしたの?」
「いえ、別になんでもないですけど、それにしてもどうしたんですか
タオルを首になんか巻いて」
「これ、なんか風呂から上がったら喉が痛くなったから巻いてるんだ」
俺はさっき風呂に入っている時に考えた、言い訳を愛ちゃんに言う。
「そうなんですか」
「うん」
「じゃあ体のために、早く寝ないといけませんね」
「そおうだね」
「今日も一緒に寝てくれますよね?」
「わかった、でもまだ矢口さんの匂いがついてるかも・・。」
俺がそう言いかけたところで愛ちゃんが俺の口を塞ぐ。
「いいんですそんなことは、それにもしついているようだったら
私が消しますから」
愛ちゃんはきっぱりと俺にそう言う。
405 :
こうもり:02/07/10 11:43 ID:LW39E6Oy
俺は愛ちゃんに引っ張られるように、自分の部屋に行く。
「じゃあおやすみなさい」
「お、おやすみ」
愛ちゃんは俺の腕に抱きつきながらそう言って眼を閉じる。
「あ、そうだ忘れ物」
愛ちゃんはそう言って、俺にキスをする。
「じゃあ本当におやすみなさい」
「おやすみ」
愛ちゃんは再び目を閉じた。
そして、五分くらい経つと愛ちゃんは静かに寝息をたてて眠っていた。
俺はその表情をじっと見ながら、ある決心をした。
それは愛ちゃんとの関係をはっきりさせる事。
それから矢口さんに自分の気持ちを伝える事。
俺はそう心に刻み、ゆっくりと目を閉じた。
更新終了。
HP作りました。
まとめ読みしたい人はどうぞ。
http://members.tripod.co.jp/koumori00/
406 :
:02/07/10 19:23 ID:u/K4P7p5
MUSIX!スレ落ちちゃった(T▽T)
その日から2週間。地獄の様な忙しさが続き、ほとんど愛と顔を合わせる時間がな
かった。居候開始早々どうかと思ったが、彼女の方も何かで忙しいらしく、あまり気
にもしていられなかった。
俺の方はといえば、夏の大会で、個人ではベスト8、団体種目のリレーでは優勝す
ることが出来、清々しい気持ちで引退へとの運びとなった。しかし、目の前には受験
が迫っている。否が応でも勉強漬けである。
転機は突然訪れた。
この前の夜。愛が言っていた事は、今日二〇〇一年八月二六日に明らかになった。
偶然か、その日の前々日が大会最終日。前日は打ち上げ(少々酒気帯び)があり、
その夜遅く帰宅した。ぐでんぐでんに酔った友人と顧問(!)を家まで送り、なんで
俺なのかと思ったが、それが酒豪の性。ロックを10以上飲んでもしらふ同然だった
俺は、送り役に抜擢されてしまったというわけだ。
その夜深夜二時過ぎに家の玄関を開けたとき、既に寝静まった雰囲気の中、一つの
メモを見つけた。
『明日の夜は、一緒にご飯食べましょうね 愛』
とあった。
そして今に至るというわけだ。
「正和さぁん、早くぅ」
リビングの愛からせかされ、俺は二人分のソースカツ丼を持っていった。
「見てて下さいね」
愛がそう言ってテレビを付けた。例によってテレビ東京。
ブラウン管に目を向けると、みのもんたがなにやら語り始め、モーニング娘。の追
加オーディション番組が始まった。
――結構ミーハーなんだな…
その時俺は随分とピンぼけな発想をしていた。
番組が進み、候補者が一人ずつ空港から出てくる。数人目で俺は異変に気がついた。「あれ?」
今移っている少女。どこかで見たことがある。
『どんな子が来てるんだろうとかぁ、どんな事をするんだろうとかぁ』
最近聞き慣れ始めたその福井訛。
ようやく俺は真実にたどり着いた。
突然福井から上京した理由。親父が馬鹿みたいにはしゃいでいた理由。そして意味
ありげな言葉を残していた愛。
「受かったんですぅコレ。ちょっと前にぃ決まってたんですけどぉ、言おうと思って
たんですけどぉ、正和さん急がしそうだたので、今になってもて」
相変わらずの訛は聞き取りにく、何て言ってるかは分からなかったが、何を言って
るのかは分かった。
こうして、俺の「娘と一緒に住む」生活は始まった。
ココまでです。
このHNなら大丈夫みたい…
てことでちょっと出世
いいですねぇ、上手いです参事官さん
これ見て真っ先に管理官から上がった「室井参事官」を思い出した(w
>>412 どうも、実は由来はそっからなんですよね(w
という設定変更ですので、冒頭の高橋の描写の「アイドルのウリ2つ」は
なかったということで…
( T.∀T)<MUSIX 落ちちゃったじゃない
台風が来たので、短編書いてみました。
なんかよく分かんない理由ですけど。
書いてるうちに、今度からグリーン車に乗ろうかな、なんてことを考えてみたりw
雨天運休
列車が止まったのに気づいたのか、その少女は目をこすりながら頭を上げた。
目を開けてみると、先程までとは違って少し幼さが見える。
そのまま眠たそうな目で周りをキョロキョロと見回していたが、
置かれた現状が理解できないらしく、不審そうな顔をしている。
「あの〜、東京駅じゃないですよね、ここ?」
結局理解できなかったのか、彼女は通路を挟んで横に座っていた俺に
そう尋ねてきた。
なんとなく彼女を眺めていた俺は、いきなり向けられた声に
少し驚きつつもそれに答えた。
「あ、うん。なんか台風が来てるとかで雨が強くなってるから
ちょっと止まるんだって。いつ動くかは分かんないみたい」
俺がそう答えると彼女は納得したのか、軽く頭を下げると
黙りこくって窓の外を眺める。
彼女は少し寝癖のついた髪を気にしているようで、しきりに手をやっている。
もっとももともと少し癖があるようであまり目立たないが。
割と短めで真っ黒のその髪は、少し子供らしくて快活な印象を与える。
(なんていったっけな……)
俺は彼女を眺めながらふと考えた。
もともとあまりテレビを見ない方だし、ましてやアイドルになんて
全然興味がない俺だが、それでも『モーニング娘。』という名前は
知っている。……勿論顔と名前の区別など付かないが。
だから、どれだけ考えようと名前なんて思い出せるはずがないのだが
なんとなく見知った人間を見ると名前を思い出そうとするのは
本能みたいなものなのだろう。
確か、つい最近加入したとかで新聞に載っていたはずだ。
そんなことを考えていると、彼女はまたこちらを振り返って尋ねてきた。
「あの、ここにマ、……男の人がいたと思うんですけど、知りませんか?」
そう言って彼女は隣の空席を指差す。
俺は男が出て行ったドアの方を示しながら答えた。
「なんか、アナウンスのあと向こうに出て行ったよ。
事務所に電話とかしてるんじゃないの」
彼女はそれで納得したようで、また窓の方を向こうとしたが
今度は慌てて振り向く。
「私なんか言いましたっけ?」
少し困惑気味でそう聞いてくる彼女がおかしくて俺がつい吹き出すと、
不安になったのか目には動揺の色が浮かぶ。
俺は慌てて手を振りながら否定する。
「いや、大丈夫、大丈夫。『マ』って言ったぐらいかな」
「ま?」
彼女の言いたいことは分かったが、彼女はこちらの言いたいことは
分からないようだ。大人っぽい顔つきをしていても、
そういうところはまだまだ子供なんだろう。
「いや、だから。俺は君のこと少し知ってるし、君の横にいて
『マ』の付く人っていうのがどういう人なのかは分かる。
ただそれだけ。納得した?」
俺がそう言うと安心したらしく、ちょっと嬉しそうな顔をした。
「私の名前、知ってます?」
「いや、そこまでは知らないんだ。ごめんね」
俺が申し訳なさそうにそう答えると、彼女は慌てて手を振った。
「いえ、いいんです。でも私も頑張らないと。
お兄さんが私の名前知ってるぐらい、もっともっと頑張ります」
そう言って握りこぶしを作る。
そういう明るくて前向きなところが彼女の魅力なんだろう。
「あ、でも最近入った新しい子だ、ってことは知ってるよ」
俺がそうフォローすると、彼女は少し驚いて笑い出す。
「あはははは。それ古いですよ。
私が入ったのって、去年の夏ですよ。
もう一年近く経ってるじゃないですか。
やっぱりまだまだ、ってことなのかな〜」
そういってわざとらしくため息をついたが、なんだか俺にたいして
つかれてるような気がしたので、俺も真似してため息をついてみる。
「俺って遅れてるのかな〜」
「遅れてます」
彼女はきっぱりとそう言う。
「だって、一年も前のことなんですよ。
それに、今度また新しいメンバーが増えるんですから」
「えっ、そうなの。でもそんなこと言っていいの?」
何も知らない俺がそう言って驚いているのがよほどおかしかったのか、
彼女は目を細めて笑い出した。
「嘘ですよ、嘘。
でも、この間までキッズオーディションっていうのがあって……」
彼女は俺の反応のよさ(?)に気をよくしたのか、いろいろな
ことを話し始めた。
30分ほどそうしていると、例の『マネージャー』らしき人間がやってきて
彼女の前に立った。
「あ、起きてたんだ」
そう言って俺の方を一瞥する。
誰がどうみても不審者を睨みつけるような見方に腹がたった俺が
口を開くより早く、彼女が話し出した。
「うん。なんか駅じゃないところに止まってるみたいだから
どうなってるのかな、って思って。
それでこの人に聞いてたんだ」
彼女はそう言ってウィンクした。
男はそれに気づかなかったのか、俺の方を向いて頭を下げた。
「それは、ありがとうございました」
「いえ、別にたいしたことしたわけじゃありませんし」
そう言って俺は男の目を盗んで彼女にウィンクを返す。
彼女の笑顔とは裏腹に、話は終わりとばかりに男は窓際の席へと腰を下ろした。
そしてこちらにちらちらと目をやりながら、彼女と話を始める。
多分彼女とスケジュールの変更についてでも話しているのだろう。
男の鬱陶しい視線から逃れるため、俺は目を閉じる。
そうしてまだまだやみそうにない雨音を聞きながら、
俺は明日の仕事について考えることにした。
〜Fin〜
今日の美教、アヤカたんが尻尾をなんかこう、こすってたのがすごくえろく
思った私は逝ってよしでしょうか……
420 :
こうもり:02/07/11 12:38 ID:8zrwmPOC
「ジリリリリリリリリ」
俺は目覚ましの音で目が覚めた。
すると俺の腕にはまだ愛ちゃんが絡み付いていて動きにくかったが
何とか、反対の腕で目覚し時計を止める。
愛ちゃんはとても幸せそうな顔をして寝ている。
俺はそれを見て改めて昨日の決心を確認した。
この幸せそうな寝顔を俺はいつまでも見ていたい。
俺はそう思いしばらくじっと愛ちゃんの寝顔を見ていた。
しばらくすると、愛ちゃんはゆっくりと瞳を開く。
「おはよう、愛ちゃん」
「おはようございます」
愛ちゃんは少しはにかんだような笑顔を見せる。
「やっぱり嬉しいです」
「何が?」
「目を覚ますとカズさんがいるのって」
「俺も愛ちゃんが隣で寝ているのって嬉しいんだ」
俺がそう言うと愛ちゃんは凄く嬉しそうな顔をする。
421 :
こうもり:02/07/11 12:39 ID:8zrwmPOC
「そろそろ支度しないとおくれちゃうよ」
「そうですね、じゃあ着替えてきます」
愛ちゃんはベッドから立ち上がり自分の部屋に行く。
俺は愛ちゃんがいなくなったのを確認してから、とりあえず
首に巻いていたタオルを取る。
すると、昨日矢口さんに付けられたキスマークは、もうほとんど消えていた。
これなら愛ちゃんも変に思わないだろう。
俺はそう思い、いつもの様に着替えてキッチンに行く。
更新終了。
ザワザワ……
人気薄が勝ってしまったので場内はしらけると思われたが、
意外とざわついていた。
客A「何だよあのタイム…」
客B「青葉賞はなんだったんだ……」
客C「まぁ善臣はへたれと言う事で。」
安倍と赤川の2人は既に下へ降り、潤がくるのを待ち構えていた。
武豊「おめでとう凄かったよ。」
潤「……」
武豊「?」
あの豊が声をかけてきたが潤は無視するかのように無反応だった、
武豊「(まっ思うところがあるんだな…やっぱ。)」
あまり深く考えず豊は引き返した。
それから17頭引き上げたと言うのにサイレントスズカはまだ第2コーナーあたりで立ち止まっていた、
サイレントスズカも潤もピクリとも動かなかった、
すると……
おっかざき!!おっかざき!!おっかざき!!
場内から“ジョッキーコール”が起こり始めた、
全くの人気薄なのにそれを感じさせない場内の盛り上がりだった。
潤「………(ハッ)」
サイレントスズカ「ブルル?」
潤「帰ろうか………サイレント……」
ようやくサイレントスズカと潤はスタンドを目指して動き始めた、
423 :
こうもり:02/07/12 11:43 ID:g4QpmQnC
「いただきます」
「いただきます」
愛ちゃんと俺は一緒に朝食を食べ始める。
「愛ちゃん、今日は何の仕事があるの?」
「今日は雑誌の取材が入ってます、その後はまたレコーディングです」
「そうなんだ、頑張ってね」
「はい」
「ごちそうさま、じゃあいってきます」
「いってらっしゃい」
俺は愛ちゃんを玄関まで見送る。
「カズさん首筋どうしたんですか?」
「えっ!!」
「なんか、赤くなってますよ」
「ああ、これ、これは・・・さっき着替えてる時に虫に刺されちゃったんだ」
俺は一瞬でそう考え愛ちゃんに言う。
424 :
こうもり:02/07/12 11:45 ID:g4QpmQnC
「そうなんですか」
「うんだから後で薬でも塗っとくよ。
ほらそろそろ行かないと、遅刻しちゃうよ」
「あ、そうですね、じゃあ行って来ます」
愛ちゃんはそう言うと、扉を開け出て行った。
ふぅー、危なかった、うまくごまかせた。
でも、愛ちゃん変に思わなかったかな?
俺はソファーに座り、少し考え事をしていた。
多分大丈夫だろう。
俺は楽観的に考えそのままソファーに横になり、少し眠る事にした。
更新終了。
425 :
関西人Z:02/07/12 22:58 ID:BA+SNm7O
短編第15弾 <夢・目標>
少しのお金とギターを持って、私は家出をした。
プロのミュージシャンになりたいという私の夢を、両親はわかってくれなかったから…
一人夕闇の街を彷徨い歩く。
人通りの多い駅前で私は地に腰を下ろし、壁にもたれながら人の流れを見ていた。
皆足早に歩いている。
私はその流れを見ながら、両親の言葉を思い出していた。
――
『そんな叶うはずのない夢なんて見るもんじゃない!!』
『そうよ、あなたはただ普通に生活していればいいんだから』
叶えてみせるよ。信じてよ!
『さやか!いい加減にしないか!』
パン!!
――
何もわかってくれない
私の言うことなんて聞いてくれない
叩かれた頬をさすりながら思い出していたら、涙が出てきた。
悔しい
見返してやりたい
そう思う。
426 :
関西人Z:02/07/12 22:59 ID:BA+SNm7O
「…誰やお前」
誰かが私の前に立った。
顔を上げると、布と大きい袋を持った男性が私を見下ろしている。
ニット帽をかぶり、黒いTシャツにジーンズ、手には黒の手袋、そしてサングラス。
二十歳を超えたくらいだろうか。
「何よあんた」
「俺が訊いてるんや」
「誰だっていいでしょ!」
少しイライラしていた私は強い口調で相手に言った。
「……ハァ」
てっきり言い返してくるのかと思っていたら、男性はニット帽の上から頭を掻き、
「まあええわ。そのかわり商売の邪魔せんといてや」
そう言うと私の目の前で布を広げ、袋の中の物を左手で並べていく。
「…何それ?アクセサリー?」
並べている男性の後ろから尋ねると、
「そうや、アクセサリー売ってんねん」
「ふーん」
………
「ふぅ、これでええかな。…ん?」
並び終えた男性は、ジッと私の顔を見つめた。
「な、何よ」
「お前、泣いてたんか?」
「なっ!」
図星を突かれ、反射的に私は怒ってしまった。
「泣いてないわよ!」
「その腫れた目でよう言うわ」
男性は胸のポケットからサングラスを取りだし、
「とりあえずこれ掛けとき。俺が泣かしたように見えて客がけーへんようになるわ」
「…ふんっ」
黙って受け取った。
427 :
関西人Z:02/07/12 23:00 ID:BA+SNm7O
「これなんか彼女に似合ってんちゃう?」
カップルがどれにしようか迷ってるところへ、親しげに話しかける男性。
「あ!これいい。ねえこれ買って」
「わかったよ。これいくら?」
「500円や」
「500円ね。…はい」
「毎度おおきに」
カップルははしゃぎながら歩いていった。
私は大した興味もなくただ座っていたら、男性がアクセサリーを布で拭きながら、
話しかけてきた。
「なあ、そのギターってあんたのんか?」
「え?ああ、うん。そうだけど」
「どうせ親がミュージシャンになることを許してくれんで家出してきた、ってとこやろな」
「な、なんでわかったの?」
私は驚いた。
「まあ俺も色々と経験してきたからな、それくらいわかるわ。今いくつ?」
「17だけど」
「17か。ちゅうことは高校生やな?」
「うん」
「辞める気か?」
「…うん。プロになりたいから」
「そうか…」
男性はこちらも見ず、優しい口調で続けた。
「これから言うことは、アクセサリー屋のおっさんの独り言やとおもて聞いといれくれてかまへん」
「…」
「夢は追いかけることに意義がある。それを叶えるためには全力で突っ走ることが大切や。
でもな、ただ突っ走るだけやったらアカン。少しゆっくり回り道して色んな経験する事も大事や。
例えば、あんたの高校生活。いや、学生生活って言うたほうがええな。
それはな、これから一生経験できへんことなんかもしれん。
今辞めたら、残りの高校生活での経験が取り替えされへんようになる。
少ないかもしれへんけど、確実に自分にプラスになることはあるはずや」
「…」
「ただ、もし今の自分に必要とする物がなければ、辞めてもええと思うで。
プロになるために突っ走ればええわけや」
「…」
「親なんか関係あらへん。自分の決めた道は自信を持っていけばいい。な?」
笑顔でこちらに向く。
「…うん」
素直に私は頷いた。
そして、勇気づけられていた。
428 :
関西人Z:02/07/12 23:06 ID:BA+SNm7O
「よっしゃ!ほんならこれやるわ。受け取り」
そう言って私に一つのアクセサリーを投げてきた。
私はそれを受け止め、見た。
「…翡翠?」
「そうや、翡翠の首飾り。特注もんや」
「そ、そんなの受け取れないよ」
「ええねんええねん、気にせんとき。これから夢を追いかけようとしてる若者へのプレゼントや」
「でも…」
「金はいらん。その代わり約束や。『何事もあきらめるな』」
「…」
「それだけ守ってくれたらええわ。お守り代わりにしとき。な?」
男性は笑顔で言ってくれた。
「……うん。ありがと…」
自分の道が見えたような気がした。
とりあえず高校生活は最後まで通ってみようと思う。
別に言われたからじゃないけど、ただなんとなくそう思ったから。
でも、ミュージシャンの夢は捨てない。
今は、その夢に向かって頑張ればいい。
たとえ、回り道をしても。
そして後悔しない。
だって、それが自分で選んだ道だから。
〜END〜
429 :
:02/07/13 01:01 ID:OBFDEIJG
寺田(・∀・)イイ!!
光男(・∀・)イイ!!
(・∀・)イイ!
>二十歳を超えたくらいだろうか。
寺田じゃないだろ
ミチャーンかと思ったがw
434 :
7878:02/07/13 19:00 ID:o2zuHEbw
こんちわ 上げませんから聞いて下さい
妄想書き込んだら、スレ違いとかいいません?
言いませんよ
437 :
こうもり:02/07/13 20:19 ID:u00qD56H
「おはよー、高橋」
「おはようございます、吉澤さん」
愛が控え室に行くと、控え室の前で吉澤が立っていた。
「どうだった昨日」
「えっ、どうって?」
「昨日の話よ、あ、ここじゃなんだからあっちで」
吉澤は愛の手を引っ張り、人気のないところへ連れて行く。
「どうしてんですか吉澤さん、その話なら控え室でもいいじゃないですか」
438 :
こうもり:02/07/13 20:20 ID:u00qD56H
「だめよ、もう矢口さん来てるから、矢口さんの前で話すわけにも行かないでしょ」
「そうですね」
「それで、昨日矢口さんと鉢合わせした?」
「そんなわけないですよ」
「ふーん、じゃあ昨日来てないんだ矢口さん」
「はい、でもカズさん、昨日隠さずに話してくれました」
「本当に?」
「ええ」
「そうなんだ、じゃあそろそろ時間だから行こうか?」
「そうですね」
愛と吉澤は連れ立って、控え室へ入って行った。
更新終了。
439 :
コンボ:02/07/13 21:32 ID:I0JsHvV8
長めの短篇を。
今日中にまた更新できるかもしれません。
寮は、スーパーから歩いて十五分ほどでつく。
龍彦は両手にビニール袋を持って、寮へ向かっていた。
集まるのは友人の木戸の家ということになっている。
仕切りたがりなのだから、丁度良いだろう。
袋は満杯で、中身は木戸たちから集めた金で買ってきた。
肉や野菜に混ざって、酒もかなり入っている。
夕方だからまだ涼しいが、それでもスーパーから出て五分もすると汗まみれになる。
両手の袋が重すぎる。
高二の時にハンドボールをやめたきり、ほとんどスポーツはやっていない。
龍彦は踏切で立ち止まると、袋を持ちなおした。
そういえば、木戸がやけにはしゃいでいた。
集めた金もやけに多かったし、どこかから女の子を呼んだに違いない。
入学して半年も経たないうちに、すっかり大学になじんでいるようだった。
高校で始めてあったときも、すでに校内ではかなり顔が効いていた。
その割にはもてないが。
440 :
コンボ:02/07/13 21:32 ID:I0JsHvV8
汗まみれで寮の玄関に腰を下ろした。
しばらく玄関で座っていると、ばたばたと階段を降りる音が聞こえてきた。
「なんや坂本、来てたんか」
木戸は関西弁で龍彦に近寄ったが、手伝う様子はない。
「木戸、上まで運んでくれ」
「アホ、ジャンケン負けたんお前やねんから、上まで運べや」
龍彦の側に座りこむと、買ってきた袋の中身をのぞきはじめた。
「えーっと、白菜に人参に大根……お前、高っかい肉買うてきたなあ」
「安い肉よりマシだろ」
「ほんで、なんやこのイカと牡蠣は。
趣味が老けすぎやっちゅうねん」
「お前が買いにいかせたんだろうが」
「今日はあれやぞ、女の子が結構来んねんから、もっと女の子の好きそうな物買ってきてくれな困るわ」
「買ってくる前に言えよ、そういうことは」
441 :
コンボ:02/07/13 21:33 ID:I0JsHvV8
二階の木戸の部屋に上がると、高杉と西郷は空の土鍋を囲んでいた。
「おおっ、来た!」
袋を机に置くと、高杉は細い眼鏡の奥の目を光らせて中身をのぞき込んだ。
西郷も首をつっこんだ。
「おいなんだよ、このイカと牡蠣は」
イカと牡蠣は不評らしい。
「っていうか、なんでこんな暑いのに鍋とかやるの?」
「ん? ああ、石川さんが鍋好きやからって、木戸が」
「はあ?」
西郷はにやにや笑った。
「おい、石川って石川梨華?」
「なんか、そうらしい」
「俺が話つけたんやぞ、俺が!」
木戸はにいっと笑った。
とりあえずここまで。
442 :
コンボ:02/07/13 22:33 ID:I0JsHvV8
「こんにちは〜」
準備もはじめないうちに、梨華たち四人はやってきた。
『教育学部のアイドル』石川梨華の名前は、龍彦も聞いたことがある。
最初はテニスの天才ということで有名だったのだが、次第に「可愛い」と評判になった。
木戸は興味津々といった顔つきだったが、高杉は横目で一瞥しただけだった。
ドアから入ってきて真っ先に目が合った。
軽く会釈されたので、こっちも頭を下げる。
「ごめん、まだできてないんだ」
西郷は得意の甘いマスクに笑みを浮かべると、机の周りに梨華たちを座らせはじめた。
机は結構大きいから、二人づつ向かい合わせに座る。
男の両隣は女になるようにしている。
見るからに合コンの布陣だった。
「ちょっと待てや、西郷」
木戸は西郷の肩を叩いて、耳打ちした。
「お前、抜け駆けはあかんぞ、マジで」
「バカ、早い者勝ちに決まってるだろ」
西郷は自分の右隣に梨華を座らせて、自分も座った。
角を挟んで龍彦の左に座った梨華は、端正な顔立ちだった。
茶色に染めた髪は肩の後ろで途切れている。
「ここ、座ってもいいですか?」
「あ、はいはい、どうぞ」
ショートカットの、背の高い女性が右に座った。
「藤本美貴っていいます」
「あ、はい……坂本龍彦です」
向かい合って頭を下げると、木戸が近寄ってきた。
443 :
コンボ:02/07/13 22:33 ID:I0JsHvV8
「坂本、悪いねんけど、材料切ってくれへん?」
「なんだよ、いきなり……なんで俺がやるんだよ」
「だって、誰かやらなあかんやろ。
お前女に興味ないんやったら、やっといてくれよ。
適当に切っといてくれたらええから、な?」
木戸は龍彦の肩を叩いた。
「……しゃあねえ」
「マジで? やってくれんの?」
「やりたくねえけど」
「いや、マジでサンキュー!」
木戸は飛び跳ねるように机に戻って、隣の女性としゃべりはじめた。
龍彦が腰を上げると、美貴は龍彦を見上げた。
「どうかしたんですか?」
「鍋の材料切ってくる」
「あ、だったら私もやりますよ」
美貴は立ちあがると、龍彦より先に台所へ立った。
444 :
コンボ:02/07/13 22:34 ID:I0JsHvV8
「料理とかしたことあんの?」
「うん、ちょっとね」
ちょっとね、と言いながら、美貴は手際よく鯛を切りはじめた。
「結構上手いじゃん」
「料亭でバイトしたことあるんだ」
あっという間に鯛をさばき終わると、白菜をざくざく切り分けはじめた。
「あれ、だしってどうやって取るんだ?」
「寄せ鍋だし、別にいらないでしょ」
包丁を取られているから、取り合えず海老の殻を剥く。
「あれー?
なにやってるんですか?」
龍彦が振り向くと、梨華が身を乗り出して台所を見ている。
梨華の声で、その場の全員がこっちを見た。
「いや、別に……材料切ってるだけだけど」
「だったら私もやりますよ。
料理大好きなんですよ、これでも」
梨華は立ちあがると、美貴の手元をのぞきこんだ。
木戸と西郷は床に手をついたまま、呆然としている。
「ねえねえ美貴、包丁替わってよ」
「嫌よ。
梨華料理できないじゃん」
「いいじゃーん、ちょっとぐらい」
梨華は無理に包丁の柄を握ったかと思うと、まな板の白菜を真ん中で切った。
そのまま皿に盛ると、今度は大根に手をかけた。
見る見る木戸の顔が引きつっていった。
445 :
コンボ:02/07/13 22:34 ID:I0JsHvV8
梨華が豪快に切った白菜や大根をはじめ、全ての材料を皿に盛りつけると結構な量になった。
皿は木戸の手に渡った。
「っていうか、ご飯ないの?」
高杉の隣の女性が、持ってきた箸でポン酢の入った皿を叩く。
「あゆみ、ご飯持ってきてないの?」
「無理でしょ、持って来るとか」
美貴が訊くと、女性は箸をおさめた。
今度は木戸の隣に座った女性が騒ぎ出した。
「ねえ、石狩鍋じゃないの、これ」
「寄せ鍋って言うたやん」
「だって、鮭ぐらい入ってるでしょ、普通」
「入ってません」
「えー、せめて鮭は欲しいんだけどなー」
木戸は苦笑しながら材料を入れはじめた。
ここまでです。
す、凄いメンバーだ(w
コンボおもしろーい!!!
449 :
こうもり:02/07/14 11:36 ID:llJjO0P2
愛が控え室に入ると、矢口は安倍と何か話しをしていたが
愛の姿を認めると、安倍との話を切って愛に近づいてきた。
「おはよう、高橋」
矢口は笑顔を浮かべて愛に話し掛ける。
「おはようございます、矢口さん」
愛は少し不機嫌そうに矢口に挨拶を返す。
「なんでそんな不機嫌なの?」
「別になんでもないです」
「あっ、やっぱり聞いちゃった?」
「何をですか?」
「私と南条さんの事」
「ええ、聞きましたよ」
「へーじゃあ何処まで聞いたの?」
450 :
こうもり:02/07/14 11:40 ID:llJjO0P2
「土曜日の夜に、同情で矢口さんを泊めたっていうこととか」
「へぇー、それだけ?」
「はい」
「そうなんだ、じゃあいいや」
矢口は愛に気付かれないように後ろを向いてニヤリと笑った。
(この様子じゃ南条さんきっとまだキスしたこと、高橋に言ってないな)
「はい、じゃあそろそろ行くよ」
「はーい」
飯田が皆に声を掛けて、取材の行われる場所に行った。
更新終了。
451 :
:02/07/14 12:50 ID:nNghNHzS
悪矢口キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
悪マリッピキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
潤とサイレントスズカはゆっくりとゆっくりと
第1コーナーへ向かった、
おっかざき!!おっかざき!!おっかざき!!
再び割れんばかりのジョッキーコールが起こった、
しかし潤は手を上げたり鞭を上げたりなどコールに応える事はしなかった、
ただゆっくりと戻ってきた、
ドサッ、
客「えっ?」
安倍「あっ、」
赤川「!!」
と突然ゴール板の前で潤が落馬をした、
場内は不意を突かれ場内が一瞬静まり返った。
赤川「あああ!!(ダッ)」
安倍「せ、先生!どこに!?」
潤が落馬すると同時に赤川はその場を離れ走り始めた、
454 :
剣士:02/07/14 20:10 ID:0mH/+Pga
>402の続き
そして俺は、町はずれの工場に着いた、と・・・中から声が・・・。
「きゃあ!ううっ・・・」
吉澤の声だった。何かされてるようだ・・・。
「へへ・・・男みてぇな言葉使いだが、体は女じゃねーか」
どうやら・・・何か変なことをされているようだ。
(クッソー・・・!吉澤・・・。)
俺はすぐにでも助け出したかった。しかし・・・俺一人で数人は相手にできない。
しかし警察を待つとなると手遅れになるかもしれない。
(クソ!考えろ、考えるんだ!・・・そうだ!)
その時、俺の中の悪知恵が働いた。
(これなら、俺も吉澤も助かるかも・・・)
455 :
剣士:02/07/14 20:19 ID:0mH/+Pga
(まずは・・・ヤツらの気をっそらさなきゃ・・・)
俺は空き缶を拾って、そして俺のいる反対方向へ投げた。
(カンっ!カラカラコロ・・・)
「誰だ!」
その男達は、単純で、空き缶の鳴った方向へ行ってしまった。
(よし・・・いまのうちに・・・)
俺はヤツらが戻ってこないうちに、吉澤の所へ。
(おい、吉澤!)
(しっ・・慎一?どうしてここが・・・?)
(話はあとだ!あいつらが戻ってこないうちに)
俺は吉澤の腕に結ばれてあったロープをほどき、解放した。
「ふぅ・・・よし、逃げる・・・!!!!あぶねえ!」
俺は吉澤を突き飛ばした。と、吉澤の後ろにいた男が、鉄の棒を振りかざしていた。
(ドカッ!)
「う・・・・ぐ」
俺は吉澤をかばい、頭を殴られた。
「慎一ーーーーーーーーーー!」
吉澤の叫び声が、工場に響き渡った。
俺は意識が遠くなってきた。
(あ・・・意識が遠いや・・・まあ、吉澤助けたし、いいか・・・)
「ケッ!女をかばって騎士気取りか?バカめ」
「(ブチッ)なんですって・・・・!慎一をバカよばわりしたわね・・・!許さない!」
456 :
剣士:02/07/14 20:24 ID:0mH/+Pga
そこから先は、俺もよく覚えていない。
ただ・・男達が酷く吉澤に殴り飛ばされていた。
吉澤・・・空手・・・2段だったか・・・。
じゃあ、最初から油断しないで倒しとけよ・・・。
「やああああああ!」
(ドガッ!バキ!ボキッ!)
おいおい・・・骨折れたか?
(ウゥゥゥゥ!ピーポーピーポー)
俺が突入して、30分後、ようやく警察&石川が。
「ヨッスィー!大丈夫!?」
「私は大丈夫だけど、慎一が!」
その時の俺は、頭から出血していた。
すぐに病院→集中治療室へ運ばれた。
吉澤は警察で事情聴取を受けた後、病院へやってきた。
457 :
:02/07/14 20:28 ID:ZAYMye7P
(0`〜´)=○ カッケ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
>>456 >じゃあ、最初から油断しないで倒しとけよ・・・。
禿同(w
459 :
剣士:02/07/14 20:31 ID:0mH/+Pga
「梨華ちゃん!慎一は?」
石川は暗い表情で、首を横に振った。
「まだわかんない・・・けど、かなりマズイって・・・」
吉澤は泣き崩れ、石川さんも涙をこぼした。
「私のせいだ・・・私があんなヤツらに捕まれなければ・・・」
「ヨッスィーのせいじゃないわ!私が・・・もっとしっかりしてれば・・・」
と、二人が自分を責めていたその時、治療室の扉が開いた。
「先生!どうなんですか?」
医者はにこりとも笑わなかった。
「なんとか大丈夫です。命は助かりました」
吉澤と石川は手を取り合って喜んだ。が・・・・・・。
「ただ、もしかしたら、頭を強打されているので、記憶喪失の可能性が高いかと・・・」
喜びが、再び悲しみに変わった。
「え・・?記憶が・・・?そんな!先生!どうにかならないんですかっ?」
「こればかりは・・・本人次第かと・・・」
石川と吉澤は再び泣き始めた。その頃俺は、二人が悲しんでいるのも知らず、意識がない状態であった・・・。
460 :
剣士:02/07/14 20:32 ID:0mH/+Pga
久々に更新終了です。
とりえず、置いてた分、更新しました。
お待たせしました?
>>460 割り込みしてしまいました。すみませんでした。m(- -)m
「申し訳ないけど、まだよく状況が把握できないんだけど…」
番組が終わり、テレビを消すなり俺は聞いた。
いろいろと合宿の事や、発表の事などやったようだが、よく覚えていない。
「あれ…愛ちゃんだよね?本物つーのも変だけど…」
「はいぃ。本当におじさんから聞いてないんですか?」
――あのくそ親父…。人をからかいやがって。
「じゃあ…もう芸能活動ってやつはしてるってわけか?」
「はい。まだレッスンばっかりなんですけどぉ。10月31日に新曲がでるんです」
10月31日…もうあの映画公開から3年経つのか…まぁこれには関係ない。
「で…つまり、君はモーニング娘。になったとぉ」
やべぇ…何で俺が訛ってだよ。
「はい」
愛は、満面の笑みで頷く。
実況「どうしたのでありましょうか?岡崎騎手が突然落馬しました、
立ち上がろうとはしない様子です。」
解説「別に馬がチャカついたりした訳じゃないのですけどねぇ?」
実況「ええ、そのように見えたのですが…………」
ぉわっ!!
実況「おっと場内が少しどよめいてるようですが………?」
赤川「はぁ……はぁ……(タッタッタッタッ…)」
ターフの上を走っている赤川に場内がどよめいたようだ、
そのまま倒れている潤に向かっていくようだ、
解説「あ、あれは赤川調教師ですね、あの走っているのは。」
実況「…どうやらそのようですね、赤川調教師が倒れている岡崎騎手の元に向かう模様です。」
各騎手「なんだなんだ?」
安倍「え?え?なになに?」
東京競馬場にいる人々は皆訳のわからない顔をしていた、
赤川以外は………
「分かった――分かった。何とか理解すた」
目の前にいる女が突然アイドルタレントになったという現実はどうも受け入れがたか
ったが、まあ当たり前か。
「明日とかはもう?テレビの仕事?」
「大体は午後からです。だから午前は学校に行きましてです」
「あそう――受かったのは4人か…随分増えたんだね」
その時俺は1つの事に気がついた。愛がモーニング娘。の一員になったて事はだ。メ
ンバーが家に来るってことも、あり得るわけがあるって事にもなるわけだ。
「もうメンバーとはうち解けたの?」
「新メンバー同士はもう仲良くなったんですけどぉ、先輩メンバーとはまだあんまり
話せてないです。あとぉ松浦亜弥さんとかとも話してます」
この頃はまだ、松浦はブレイクしていなかった。しかし後の大人気はご存知の通りで
ある。その時多少は予想していたものの、まさかあそこまでになるとは…。
ブレイクした後の松浦亜弥。1年後大化けする紺野あさ美。他数人のメンバーらが
我が家にやってくるという事件のまだ幕開けにすぎなかったということだ。
川 ’ー’川<とうびいこんてにゅう〜
赤川「潤君………しっかりするんだ!」
潤「………あ………赤川さん…………どうし…て…」
そこには顔色の悪い潤が倒れていた、
実況「2人で何か話し込んでいるようですが………
……おっと係員が近づいてまいりました。」
係員「どうしましたか?」
赤川「救急車だ!!早く!!」
赤川の言葉に係員は驚いていた、
係員「きゅ…救急車ですか……?」
赤川「早くしろ!!命が危ないんだ!!」
係員「は、はい!」
係員は訳もわからず赤側の勢いに押されて救急車を呼んだ、
安倍「(何が……何があったの……?)」
何が起こったのかは安倍は分からないようだが
良くない事が起こっていたのは感じ取れていたようだ、
実況「まだ何が2人で話し込んでいるようですね………
………あっと!ここで救急車が来ました!!
ど、どうしたのでありましょうか岡崎潤!!」
サイレントスズカ「(ツンツン)」
サイレントスズカが心配そうに鼻で潤の顔を突いた、
潤「…お前は……これから……世界に………がんば…れ……よ………」
やっとで身体を半分起こし、右手でサイレントの鼻を“ポン”と叩こうとした瞬間…
潤「(フッ)ドサッ、」
無常にも右手は鼻を捕らえず空振りに終わってしまい、ターフの上に完全に倒れこんでしまった、
467 :
コンボ:02/07/14 20:55 ID:CkJWaCOX
>>445より
鍋はなかなか美味しい。
窓から涼しい風が入ってくるのと扇風機を二台つけているおかげで、案外快適にすごせる。
食べはじめて少ししたところで、木戸が酒を取り出した。
「みんな好きに飲んでや」
木戸は自らビールを取ると、プシッと景気のいい音を立てた。
「おおー、お酒あるんじゃん」
美貴は机の上に山となった酒を見ると、チューハイを一本手に取った。
「ちょっと、私ら未成年じゃん!」
ご飯を欲しがっていた女性が、箸を美貴に向けた。
「あゆみねえ、堅すぎるよほんと」
美貴は缶を傾けながら言った。
梨華と石狩鍋の女性は、共にビールを飲みはじめた。
「もったいないなあ、おいしいのに」
「そうそう、ちょっとはお酒飲んで丸くならなくちゃねえ」
ご飯の女性はそっぽを向いて鍋をつついた。
468 :
コンボ:02/07/14 20:56 ID:CkJWaCOX
みんなが少し酔いはじめた頃、木戸が手を叩いた。
「はいはいはい、このまま食っててもなんやから自己紹介しよか」
ここからが木戸の本領である。
「ほんじゃまずは麻美ちゃんから!」
木戸の右隣に座った『石狩鍋』が喋り出した。
「はい、木村麻美です!
北海道から来ました!
特技は乗馬です!」
男たちから感嘆の声が上がる。
「お嬢さまなんだね」
西郷が言うと、麻美は相好を崩した。
「いやぁー、田舎だからぁ乗るとこだけならぁあるんですよぉー」
麻美は顔中で笑うと、ビール缶をあおった。
469 :
コンボ:02/07/14 20:56 ID:CkJWaCOX
「はい、木戸孝でーっす!
特技は酔券です!」
早々に酔っ払った様子で、木戸は立ちあがった。
昔中国拳法を習ったことがあると聞いたことがあるから、あながち嘘でもないのだろう。
ふらつく足取りで意味不明のダンスを踊ると、場は異様に盛りあがった。
「次、柴田さん!」
「柴田あゆみです」
柴田は低い声でそう言ったきり、黙りこくった。
あゆみはいきなり白けてしまった雰囲気にも関わらず、一人ウーロン茶をすすっている。
「あゆみねえ、高校の時ずっと委員長やってたんだって」
美貴はとりつくろうように言った。
「へえ……」
木戸もうなずくしかなかった。
「じゃ次、高杉やな」
酒を一口すすってから、木戸は言った。
「えーっと、高杉晋太郎です。
空手やってて、一応初段持ってます」
「初段だったら、黒帯じゃない?」
「え、マジ?
すごーい」
女性の声に、高杉は照れながら笑った。
470 :
コンボ:02/07/14 20:57 ID:CkJWaCOX
「藤本美貴です、特技はバレーボールです」
美貴は正面にお辞儀をした。
「藤本さんって梨華ちゃんとテニスやってるんだって?」
西郷は馴れ馴れしげに話しかけた。
なにげに梨華『ちゃん』と呼んでいるのが、木戸へのあてつけのようだった。
「テニスもやってます。
高校の時から知り合いなんですよ」
西郷がふーん、と相槌を打つと、しばらく誰も話さなくなった。
「坂本、お前の番やぞ」
「え? あ、そう。
なんも言うことないんだけど」
そう言うと、麻美がいきなり笑い転げた。
「なんか言うことあるやろ、名前も言うてへんやんけ」
「坂本龍彦です」
「……終わりかい!
なんか他にあるやろ」
「他に……あ、木戸とは高校からの友達です。
ハンドボール部に入ってましたけど、彼女に会うのが忙しいとか言ってやめました」
「俺の紹介してどうすんねん!」
一応みんなに受けたが、麻美には特に受けた。
471 :
コンボ:02/07/14 20:58 ID:CkJWaCOX
「石川梨華です、よろしくお願いします」
梨華が甲高い声で言うと、木戸が即座に反応した。
「石川さん、テニスで全国大会出たことあるんですよね」
「ええ、まあ」
「すごいじゃないですか。
全国大会なんてそうそう出れへんで、なあ坂本?」
「ひゃい?」
龍彦が大根を食べようと半開きにした口で答えると、麻美はまた笑い転げた。
――酒入ると笑い上戸になんのか?
そう思っても口には出さずに、大根を口に入れた。
梨華の自己紹介になると木戸や西郷が生き生きして見えるのは、気のせいではないのだろう。
二人とも満面の笑みを作っている。
梨華との話が一段落ついても、みんな西郷の自己紹介を忘れたままだった。
ここまでです。
思いっきり気を抜いて書いてます(w
あぁ……!!
潤の右手の空振りに場内から“大”のつくため息が漏れた、
赤川「早くするんだ!!」
隊員「お、おい早く運べ!」
潤を乗せた救急車はそのまま病院へ向かった、
実況「おっと……赤川調教師も救急車に乗り込んだようです。」
解説「…同乗するって事はやっぱり何かあったんでしょうね、
普通調教師がそういうことってしませんからね。」
安倍「どうしたんですか!!」
安倍はサイレントスズカを引っ張ってきた係員に事情を尋ねた、
係員「いやこっちが聞きたいくらいよ、そっちこそ何か知っていないの?」
係員も困り顔で答えていた、
安倍「………」
安倍は何がとてつもなくいやな予感がした、理由や根拠は無いがいやな予感がした、
何か恐怖感が襲い掛かるような気がしてたまらなかった。
安倍「び、病院はどこですか!!」
係員「あ、えーっと…主催者側に聞いてみたらどうかな…?」
安倍はその言葉を聞きすぐさま病院を聞き出し、病院へ向かった。
それから数時間後の事だった、
安倍「……終わらないですね…手術……」
長い沈黙を切り裂くように安倍がつぶやいた、
赤川「なつみちゃんすまない、こうなってしまったのも私のせいなんだ……」
赤川はさっきから同じ言葉を繰り返していた、
安倍が色んな疑問点をぶつけてくるが帰ってくる答えは全て同じ言葉だった…
安倍(「いったい何があったんだろう……私の知らないところで何が……?)」
出口が見つかるはずも無い問いに自ら迷い込み必死に悩んでいると、
ガチャ
安倍・赤川「!!」
緊急手術を終えたドクターが2人の元へやってきた。
赤川「ど、どうなりましたか……?」
474 :
:02/07/14 21:36 ID:ZAYMye7P
更新ラッシュが(笑)
潤はどうなるのか・・・!
475 :
コンボ:02/07/14 22:24 ID:CkJWaCOX
かぶってしまった。
ごめんなさい、silentsuzukaさん。
476 :
剣士:02/07/14 22:34 ID:v+Pf9Y2d
俺も被っちゃった。
ごめんなさい!silentsuzukaさん!!!
477 :
剣士:02/07/14 22:48 ID:v+Pf9Y2d
silentsuzukaさんの小説読んでると、キーストンを思い出した・・。
(あくまで本でよんだことあるだけだが)
内容は違うけど・・・。
キーストンか・・・あれはいい話でもあるが悲しい話しでもあるな
共に戦場を駆け抜けた馬と人の信頼感だ・・・
あ・・・戦場ってのは”ターフ”と読むのです
480 :
コンボ:02/07/14 23:46 ID:CkJWaCOX
成り行き上、龍彦は美貴と喋るしかなかった。
梨華は西郷と話しっぱなしだし、木戸はなんだかんだ言いながら麻美と楽しそうに喋っている。
高杉とあゆみもテンションの低いながらも盛りあがっていた。
「坂本くんはスポーツとかやる?」
話を聞くと、美貴は一通りのスポーツには手をつけているらしい。
初対面の相手にはスポーツの話がやりやすいのだろう。
「高校の時に、木戸と同じハンドボール」
「ハンドボールはねえ、私も小学校の時に2年ぐらいやってた。
近所にそういうチームがあってぇ」
「俺の所もあった。
俺は中学から入ったけど」
「他にはなんかやってたぁ?」
酔ったせいで美貴のろれつは回らなくなっている。
「スキーとか?
ちょっとだけなら滑れるけど?」
龍彦の口調もおかしくなっていた。
「あー、私ねぇ、北海道生まれでぇ、スキー得意なんだー。
今度スキーとか行かない?」
「いいね、あした行こう」
二人とも夏の暑さなど感じていなかった。
481 :
コンボ:02/07/14 23:46 ID:CkJWaCOX
「よっしゃ!
ここらへんで闇鍋やろか!」
突然、木戸が立ち上がって喚き散らした。
誰も止めに入らず、闇鍋コールまで起こってしまった。
いつのまにかあゆみも酒を口にしている。
木戸は材料の載っていた皿に冷蔵庫の中身を片っ端から載せて、鍋の蓋をかぶせた。
「お前なに入れるんだよ?」
「アホ、なにが入ってるか分からんから楽しいんやないか」
皿を鍋の側に置くと、木戸は部屋の明かりを消した。
部屋に悲鳴が飛び交う。
両隣が空き部屋で良かった。
「さーまずは、坂本!」
「なんで俺なんだよ!」
「アホ、一番リアクションしそうやからに決まってるやろ!」
「マジでやんのかよー」
口ではそう言いながら、龍彦は鍋の中に箸を突っ込んだ。
「これなんだよおい、キュウリじゃねえかよ!」
「箸つけたんなら全部食えや!」
「なんで一本丸ごと入ってんだよ!」
「っていうか、なに入れたら汁が白くなんの?」
部屋は意味不明の喧騒にあふれかえった。
482 :
コンボ:02/07/14 23:47 ID:CkJWaCOX
「最後は不肖、木戸がいきます!」
木戸は鍋を丸ごとつかむと、口をつけて一気に汁を飲みはじめた。
見るからに体に悪そうだが、皆木戸の一気飲みに目を見張っている。
材料もかなり入っていたが、全部口の中に入れて鍋を空にした。
「すごいじゃん、木戸くん!」
「男の中の男!」
「いや、ありがとう、ありがとう」
ありがたくもない賛辞の声を受けながら、木戸は明かりをつけた。
明かりの元で見ると、木戸の顔は真っ赤で、顔中の筋肉が伸びきっている。
「……あれ、梨華ちゃん?」
西郷が右隣の梨華の顔をのぞきこんだ。
梨華は静かにうつむいている。
「どうかした?」
盛りあがっていた場は、すぐ静かになる。
梨華はうつむき加減で口を開いた。
「……キスされた」
「はあ?」
声に出したのは西郷だけだったが、その場の全員がそう思った。
ここまでです。
483 :
ななし:02/07/15 02:24 ID:lNDUr2nV
やばいべ。更新ラッシュ!!久しぶりに活気出てきたね!!
484 :
こうもり:02/07/15 12:55 ID:6ZNbHr4g
「ピルルルルルル」
うーん、なんか音がするな。
うるさいな全く。
俺はそう思いながらもソファーから身を起こし、携帯に出る。
「もしもし」
「もしもし南条さん」
「あ、矢口さんですか?」
「そうだけど」
「どうしたんですか?」
「南条さんまだ高橋に昨日のこと話してないでしょ」
「あんな事言えるわけないじゃないですか
矢口さんと無理矢理とはいえキスしたなんて」
「無理矢理とはなによ、南条さんも最後の方は抵抗しなかったじゃない」
「それは・・・その」
「それで、今から高橋に昨日のことを話そうかと思って」
「はい?」
「だから、キスしたことを高橋に話そうと思って」
「何を言ってるんですか?」
「だって恋人同志なのに隠し事はいけないでしょ」
「ちょっと待ってくださいよ、それはやめて下さい」
485 :
こうもり:02/07/15 12:57 ID:6ZNbHr4g
「でも、私口が軽いから言っちゃうかもしれない」
「勘弁してくださいよ」
「言わないで欲しい?」
「当たり前じゃないですか」
「言って欲しくないなら条件があるんだけど」
「なんですか?」
「今日これから出て来れない?」
「今からですか?」
「うん、今日私雑誌の取材だけで、終わりなんだよね、だからまたバイクに
乗せてもらおうかと思って」
「それだけでいいんですか?」
「うん、いいよ」
俺は少し考えて、もう一度だけ矢口さんに会う事にした。
「わかりました、それで何処に行けばいいんですか?」
「そうね、じゃあ今いる場所まで来てくれる?」
「えっ!!でもそこには愛ちゃんもいるんじゃ・・・」
「それは大丈夫、もう高橋は他の場所に移動してるから」
矢口さんは俺に自分のいる場所を言った。
「分かりました、そこにいけばいいんですね」
「うん」
「じゃあまた後で」
俺はそう言って電話を切る。
矢口さんが教えてくれた場所はここから三十分くらいかかりそうだ。
俺は素早く着替えて家を出た。
更新終了。
486 :
きやー:02/07/15 17:47 ID:qu86AtPh
きゃああぁぁぁ
悪マリッペキテル━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
ヲドシキターwwヘレv〜─(゚∀゚)─wwヘ√レvv〜─!!!!
489 :
コンボ:02/07/15 19:25 ID:7BQskWem
女の子たちはこぞってトイレに立った。
放心状態の木戸は溜息をついて、頭をがりがりとかいた。
「闇鍋なんかやるんちゃうかったかな」
酒はすっかり抜けているようで、木戸は鍋を持って立ちあがった。
土鍋を声もなく流しに置く。
「そんなに落ちこむことないだろ。
勘違いかもしれないって言ってたし」
高杉がそう言っても、木戸は静かに鍋を洗うだけだった。
「って言うか、ここで女の子帰っちゃったら、意味ないぞ」
西郷は投げかけるように声をかけた。
「なんとかして引きとめなきゃな。
梨華ちゃんにキスしたの俺ってことになってるし」
西郷は真顔になった。
「……そうだな」
木戸はやっとのことで返事をして机に戻った。
「そう言えば、高杉って柴田さん狙い?」
「まあな」
龍彦の質問に、高杉は机の上で手を組んだ。
「知らんかったん?」
「全然」
木戸は呆れたようにのけぞっる。
「それよりさあ、木戸は結局誰がいいの?」
高杉は木戸の方を一瞥した。
「俺はなあ、最初は梨華ちゃんやったけど、まあ作戦変更やな」
落ちこんでいる影はなく、早くも立ち直ったようだった。
490 :
コンボ:02/07/15 21:58 ID:m4TvA3vz
梨華はトイレの洗面所で一息ついた。
「結局あれはマジなわけ? 嘘?」
美貴は梨華の隣で腕を組んだ。
「嘘」
「……なんでそういうことするかなー」
美貴は首を回して溜息をついた。
「だって、あそこの席いいかげん嫌だったし」
「なんで? 西郷さんって結構かっこいいじゃん」
「あゆみはね、他人事だからあっさり言えるの。
ああいうのはなに、自意識過剰って言うの?」
「へえ、そんなにキザなんだ」
「結構すごいよ」
あゆみは話していた高杉のことを思い浮かべた。
自意識過剰どころか、始終謙遜していたような気がする。
「じゃあさ、誰の隣がいいのぉ?」
まだ酔いの抜けていない麻美が、腰砕けの声で言った。
「木戸くんでいいなら替わるけどぉ?」
「あそこもイマイチだな」
「……坂本くん?」
美貴が訊くと、梨華はにやっと笑った。
「坂本くんが無理なら高杉くんでいいけど?」
「嫌よ」
あゆみはあっさりと言った。
「梨華だって、坂本くんの隣じゃん」
「あそこに座ってたら、西郷の話しか聞けないもん」
「でもさあ……結構私らいい感じだったんだけど」
「ちょっとだけだって、ちょっとだけ」
梨華は明るく言うと、愉快そうにトイレを出た。
ここまでです。
鯖移転ですっかり動揺しちゃって(w
491 :
ネオ生茶:02/07/15 23:10 ID:Y8LSFyq4
「信治〜! 矢口と帰ろう〜!」
「信治は、後藤と帰るの!」
ボクの目の前で、矢口さんと後藤さんがケンカをしている。
お願いだから、ボクの服を引っ張らないで下さい……。
「信治と帰るのは、私よ!」
「先輩、私と帰りましょう!」
ケンカしてる二人の他にも、他の人達が入ってきた。
(どうしよう〜、今日は愛ちゃんと帰るって約束があるんだけどな〜)
さっき、愛ちゃんの姿は確認できた。
隣にいたのは、小川さんだと思う。
「あ、あの、すいません」
ボクがそう言うと、
「「なに!?」」
矢口さんと後藤さんが一斉に返事をする。
492 :
ネオ生茶:02/07/15 23:11 ID:Y8LSFyq4
「今日は、他の人との約束があるんで、ちょっと……」
ボクがそう言うと、
「なに〜!? 矢口とは帰れないってわけ!?」
「信治〜! あんた、後藤のお弁当全部、食べなかったでしょ!」
「だって、あれは矢口さんが……」
「なに〜!? おいらが悪いって言うのか〜!?」
「そ、そうじゃないですけど……」
とにかく、このままじゃ永遠に帰れないと思ったボクは、
「とにかく、ボクは帰りますよ!」
と言って、女の子達の間を突っ切った。
そして、愛ちゃんのところに向かった。
「愛ちゃん、帰ろう」
「お、お兄ちゃん……」
愛ちゃんは、少し驚いてるみたいだった。
しかし、それよりも驚いてるのは小川さんだった。
493 :
ネオ生茶:02/07/15 23:12 ID:Y8LSFyq4
「愛ちゃん…えっ、なんで?」
小川さんは、なにがなんだかサッパリわからないという表情だった。
ちなみに、ちょっと理由ありでボクは小川さんとは知り合いだ。
「えっ? だって、愛ちゃん、今日、転校して来たばっかりだよね?」
「ご、ごめん、後で説明するね……」
愛ちゃんが、そう言うと、ボクと愛ちゃんは帰ろうとした。
しかし、
「ちょっと、待ちなさいよ〜!」
という声がした。
すると、ボクと愛ちゃんの周りを、矢口さんと後藤さん、その他大勢の女の子達が囲った。
「信治! 約束してたのってこいつ!?」
「誰よ、あんた!?」
女の子達は、愛ちゃんに怒鳴り始めた。
「えっ、えっ……」
愛ちゃんを見ると戸惑っている(と言うか、怖がっている)。
494 :
ネオ生茶:02/07/15 23:12 ID:Y8LSFyq4
「ちょっと、あんたさ〜」
後藤さんが、愛ちゃんの目の前に立った。
どちらかと言うと背が高い後藤さんが愛ちゃんを見下ろしているという感じだ。
「は、はい……」
愛ちゃんは、少し怖がっている感じで答える。
「調子乗ってるわけ?」
「別にそういうわけじゃありません……」
「じゃあ、どういうわけ?」
「どういうわけって……」
愛ちゃんが1歩下がると、後藤さんが1歩進む。
それの繰り返しで、愛ちゃんは壁まで追い詰められてしまった。
バンッ!
後藤さんが愛ちゃんの顔の横の壁に手をつける。
「あんた、私にケンカ売ってるわけ?」
「だから、そういうわけじゃ……」
495 :
ネオ生茶:02/07/15 23:14 ID:Y8LSFyq4
「ちょっと、あんたさ〜」
後藤さんが、愛ちゃんの目の前に立った。
どちらかと言うと背が高い後藤さんが愛ちゃんを見下ろしているという感じだ。
「は、はい……」
愛ちゃんは、少し怖がっている感じで答える。
「調子乗ってるわけ?」
「別にそういうわけじゃありません……」
「じゃあ、どういうわけ?」
「どういうわけって……」
愛ちゃんが1歩下がると、後藤さんが1歩進む。
それの繰り返しで、愛ちゃんは壁まで追い詰められてしまった。
バンッ!
後藤さんが愛ちゃんの顔の横の壁に手をつける。
「あんた、私にケンカ売ってるわけ?」
「だから、そういうわけじゃ……」
496 :
ネオ生茶:02/07/15 23:15 ID:Y8LSFyq4
「ちょっと待ってください!
愛ちゃんが何したって言うんですか?」
小川さんが、愛ちゃんと後藤さんの間に割って入った。
「あんた…中等部の小川だね。
気に入らないんだよね、あんた」
「私も後藤さんのこと、気に入りませんね」
ドスッ!
後藤さんが小川さんを突き飛ばした。
「あいたた……」
「麻琴ちゃん!」
愛ちゃんが小川さんに近寄る。
「麻琴ちゃん、大丈夫?」
「大丈夫だよ」
小川さんは、さっきまでとは違う笑顔で答える。
「あんた、口の聞き方には気をつけたほうがいいよ」
後藤さんは、今まで見たことのないような表情だった。
497 :
ネオ生茶:02/07/15 23:16 ID:Y8LSFyq4
「ちょ、ちょっと!」
ボクはいい加減やめさせなくてはと思い、近寄ろうとしたら、矢口さんに胸倉を掴まれた。
「信治! あんた、私って存在がありながら、彼女作ったの!?」
矢口さんがそう言うと、一斉に、
「嘘でしょ〜!」
「なにそれ〜! 聞いてないよ〜!」
という声がしてくる。
「ち、違うますよ…愛ちゃんは……」
そう言いかけて、ボクは「しまった!」と思った。
しかし、既に遅かった。
「愛ちゃん〜!?」
ボクと愛ちゃんを除くその場にいた全員が口にした。
「どういうことよ! それ!」
矢口さんは、ボクを壁に押しつけた。
「だ、だから、聞いてくださいよ!」
「聞けないわよ! あんたがちゃん付けしてるのなんて、聞いたことないもの!
彼女以外に何があるって言うのよ!」
「だ、だから、愛ちゃんはボクの妹……」
あっ!
……言っちゃった。
「えっ?」と、ボクと愛ちゃんを除くその場にいた全員がまた口にした。
498 :
ネオ生茶:02/07/15 23:20 ID:Y8LSFyq4
更新です!
>>379からの続きです。
それと、494と495がダブってしまいました。。。
すいませんm(__)m
499 :
:02/07/15 23:43 ID:qJjsSCHY
脅える愛ちゃんがカワ(・∀・)イイ!!(笑)
500ゲット!!
さあこれから修羅場が(w
501 :
こうもり:02/07/16 12:14 ID:3H0dgPmm
電話を切った矢口は、控え室を出て行こうとする愛に声を掛けた。
「高橋、ちょっといい?」
「なんですか?」
「まだ移動まで時間会ったよね?」
「はい、後一時間くらいですけど」
「じゃあ少し話さない?このままギクシャクしているのもあれだし」
「ええ、いいですけど」
「じゃあこっち来て、ここじゃなんだから」
矢口はそう言いながら、愛を控え室から外へ連れ出す。
「なんで、外なんですか?」
「いや、他の人に聞かれたら困るじゃない」
矢口はそう言いながら少し口を緩ませる。
「それでさ、高橋、南条さんもらっていい?」
「だめです」
「でも、昨日私のシルシ付けちゃったから」
「へっ!!」
「昨日のこと何も聞いてないの?南条さんから」
502 :
こうもり:02/07/16 12:15 ID:3H0dgPmm
「いや、別に何も」
そう言いながら愛の顔は不安でいっぱいになっていた。
「昨日南条さん変じゃなかった?」
愛はそう言われ昨日の和智の行動を思い返してみる。
(どうだろう?なんか変なところあったかな?)
愛は何にも思い浮かばずに首を傾げる。
「じゃあヒントあげる、首筋になんかなかった?」
「首筋?」
「うん」
愛は矢口にそう言われて、急に思い出した。
(そういえばカズさん昨日首筋を隠してたような気がする
それに、今日赤い跡がついていたような?まさかあれって)
愛ははっとしたように、矢口の顔を見る。
すると矢口は、勝ち誇ったような顔で愛の事を見上げる。
「わかったでしょ、そういうことだから」
そう言うと矢口は呆然としている、愛を置いて控え室に戻った。
愛ものろのろと、控え室の中に入っていった。
503 :
こうもり:02/07/16 12:22 ID:3H0dgPmm
更新終了。
ごめんなさいあげてしまいました。
504 :
:02/07/16 13:36 ID:iCior1bs
愛ちゃん哀れ・・(T▽T)
誰にも内緒で髪の毛を染めてみた。
芸能人っていう仕事柄で、結構自由にさせてもらってるんだけど、
みんなはやっぱり一言二言マネージャーとかメイクさんに相談したりしてんだよね・・・・・
今までの茶色の髪よりもっと茶色い。入りたての私の髪よりは落ち着いてるけどね。
髪を染めた後の軽い感じが好きだ。フワッとしてるけどサラッとしてる、そんな感じ。
もともと真っ直ぐな髪で、クセっ毛の加護ちんややぐっちゃんによく羨ましがられてたっけ。
明日仕事行ったらみんなになんて言われるんだろ?
よっすぃーはやっぱ「かっけー」かな?梨華ちゃんとか「どどど、どうしたの!?」とか言いそう(w
マネージャーとかメイクさん怒らないかなぁ?ちょっと心配になってきた・・・・・
でも今一番気になるのはあの人の反応――
髪とか染めたことなさそーだもんねぇ・・・気づいてくれるかなぁ?
あ!もう時間だ、早く行かなきゃ・・・ただでさえ遅刻多いのに、オフの日ぐらいちゃんと間に合わなきゃ。
やっぱり時間ギリギリに待ち合わせの場所に着く。あの人は・・・っといたいた!
ベンチに腰掛けて携帯に目を落としている、私にメールかな?
と思ったら案の定、私の携帯がブルブルと震えるのを感じた。
【今日も遅れそうか?のんびりでいいから気をつけてこいよ。】
それを見てたまらなく嬉しくなった。
思わず駆け出してしまい、ベンチに座っているあの人に飛びついた。
「おわっ!?・・・随分早かったな?」
素っ気無さそうにしてるけど、これがこの人の独特の空気。この空気が今一番落ち着ける・・・・・
「飯でも食べにいこっか?何食いたい?」
と言い、ベンチから立ち上がった時に私の頭に目がいったみたいだ。
私より10cmは背が高いから、図らずもそうなってしまっていた。
でも、その時は何も言わない。気付いてくれたのかさえわからない。
そう考えるとちょっと寂しくなっちった・・・・・けどそんな顔を出すような真似はしたくなかった。
ゴハンを食べるために道を歩いた、手を繋いで・・・・・芸能人というのに、人目もはばからず・・・・・
歩いてる間中ずっと他愛無い世間話をしていた。私は仕事の、あの人は学校の話。
店に入る前にあの人が私に言ってくれた一言・・・・・・・・
「髪・・・染めたんだ?」
〜終わり〜
>>507 ものすごく(・∀・)イイ!!
次は長編キボン
>>509 漏れは( ´ Д `)だと思ったんだけど
名前を出さなくても誰かわかるように書いたつもりだったんですけど、
やっぱまだまだですかね〜
加護の呼び方とか、微妙な話し方で伝えようとしても無理だったか・・・・・没年
高評ありがとうございますた。
ンニンじゃないの
513 :
:02/07/16 21:34 ID:xTfwi22Q
どう読んだって後藤しかいないだろ
514 :
剣士:02/07/16 21:44 ID:CaMVBuH3
>459の続き
俺が意識不明のまま、二日が過ぎ、とうとう石川さんの引っ越しの日。
石川さんは出発の前に、病院へやって来た。
そこには吉澤の姿も。吉澤はずいぶんやつれていた。
「あ、ヨッスィー・・・・大丈夫?ずっと見てたんでしょ?」
そう、吉澤は俺のことをずっと見てたのだ。
「うん、大丈夫。それにね・・・こうやって顔じっと見るのも悪くないかな・・・って」
おいおい、こっちは意識ないんだぞ!不謹慎じゃねーか?
「何でぇ?」
「だってね・・・慎一はいつも一人で突っ走って、私、追いつけなかった。それに、こんなにずっと一緒にも居られなかった。だから・・・・・・ね」
・・・そうか・・・そういえば、吉澤と一緒にいることって、最近なかったっけ・・。
「ヨッスィー、慎一君のこと好きなの・・・?」
こ、こらぁ!何をいっとるか!この人は!
「うん・・・だから、梨華ちゃんと慎一が仲良くしてると不安で・・・」
・・・・うそぉ!んなアホな・・・。
「あ、私は何とも思ってないから。彼氏いるし」
フラレちゃったよぉぉぉぉ!(w
「そうなんだ・・・。私、告白しようかな・・・」
吉澤がフッと・・・可愛い顔になった。
「・・まったくもう、こんなにヨッスィーが思ってくれてるのに、慎一君はいつまで寝てるのっ!」
(ドガッ!)
・・おいおい、瓶投げるな!
「う・・・ぅ・・・ん」
目覚めちゃった。なんちゅう・・・・・こっちゃ・・・。
「慎一!」「慎一君!!!!」
「何だよ・・・・ひとみ、梨華・・・」
515 :
剣士:02/07/16 21:52 ID:CaMVBuH3
俺は目を覚ました。
石川は飛んで喜び、ひとみは泣いた。影から亜依も泣いていた(いつ来たんだよ?)
幸い、記憶も正常で、後遺症もない。
傷は残るが・・・・。
石川さんは安心して引っ越しのため車に乗って出発した。
そんなこんなで一週間、俺は、病院の屋上にいた。
「あ、慎一」
ひとみがひょっこり現れた。何かモジモジしているが・・・。
「何だよ?何か用か?」
ぶっきらぼうにワザと聞いてみた。と・・・・・。
「あのね・・・私・・・慎一が助けに来てくれて嬉しかった」
「あん?・・・ああ・・あれは・・・だな・・・そう・・・うん」
俺もハッキリしねぇな。・・・実は俺、ひとみに告白したいけど・・・緊張しちまって・・・。
「それでね・・・その・・・(グッ)私、慎一のことが好きなの!!!!!!」
アンビリーバボーーー━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━!!!!!
「・・マジか?俺もそれ言いたかったんだけど・・・」
ひとみは顔を上げ、涙を流した。そして、怪我人の俺に飛びついた。
「おいおい・・・いてぇよ」
「絶対離さない!・・・私とずっと一緒にいてね・・・」
抱きしめられたまま、俺は返事をした。
「当然だろ?俺はひとみがこの世で一番大事だからな」
〜END〜
516 :
剣士:02/07/16 22:01 ID:CaMVBuH3
番外、梨華のキモチ
(あ〜あ・・・何であんなこと言っちゃったんだろう?)
石川さんはなにかずっと後悔していた。
(私、彼氏とはずっと前に別れたのに・・・慎一君のこと好きだったのに)
あらら・・・もったいねぇな・・・(ひとみに告白される一週間前なのに)
(キキキキィィィィィ!)
「きゃっ!何なのよ〜・・・」
車が突然急ブレーキ。何かあったようだが・・・。
「何?まったくもう・・・。!・・・」
人が倒れていた。轢いたのか?
「大丈夫?ねぇ、しっかり!」
轢く寸前で、よけて転んだようだ。
「あぁ・・・だ・・ぃ丈夫」
「ホッ・・・・」
梨華は安心した。そりゃあ、引っ越し途中で人轢くなんてかなわない。
「ありがとう。もう大丈夫・・・」
「あ、そうですか・・・(何かこの人・・・)」
梨華チャン、どないしたの?
(慎一君に似てる・・・気弱そうなトコが)
「あの〜・・・すいません、ドコまでいかれるんですか?」
「ええ?××市です」
いきなり変なことを聞く男だ。
「あの・・・俺もそこ行きたいんです・・・のせてくれません?」
「ええ?・・・・・わかりました」
おいおい・・・!
(これって・・・・新しい恋の始まりかな♪)
・・・ポジティブだな・・・ま、梨華チャンのいいトコだな。
〜END〜
517 :
剣士:02/07/16 22:03 ID:CaMVBuH3
これで終わりです。
とりあえず、次と行きたいトコですが、まだ不完全なので、ちょっとお待ちを。
もしかしたら、短編はさむかもしれません。
518 :
ネオ生茶:02/07/16 23:43 ID:5Y/0u3ab
「妹〜!?」
ボクと愛ちゃんを除くその場にいた全員が口にする。
(や、やばい…言っちゃった……)
しかし、女の子達の反応は予想に反するものだった。
「な〜んだ、妹か〜!」
「心配しちゃったよ〜!」
何故だか、女の子達は安心した様子だった。
中には、
「ごめんね〜!」
と、愛ちゃんに謝っている子もいた。
(た、助かった〜)
ボクは、一安心した。
519 :
ネオ生茶:02/07/16 23:44 ID:5Y/0u3ab
愛も安心した。
色々と言われたので自分が妹だとバレたら、何を言われるかと心配していた。
しかし、みんなの反応は予想に反するものだった。
中には、謝ってくれる人もいて、愛は少し嬉しくなった。
ある一人を除いては……。
愛に謝る人がいる中、金髪の人が近寄ってきた。
(矢口さんって人だ)
矢口は、愛の横に立つと、
「あんた、信治に手出したら、ただじゃおかないからね」
と、押し殺したような声で言った。
(えっ?)
愛はそう思ったが、矢口はそれだけ言うと帰ってしまった。
(なんなんだろう、あの人……?
とにかく、あまり関わらないほうがいいね)
愛はそう思った。
520 :
ネオ生茶:02/07/16 23:45 ID:5Y/0u3ab
「愛ちゃん、帰ろっか!」
信治に言われて、
「うん!」
愛はそう答えた。
(そう言えば、麻琴ちゃんは……?)
さっきから、自分の傍に麻琴がいないのに気づいた愛は部屋中を見渡した。
(いないな〜、麻琴ちゃん……いた!)
すると、麻琴は人ごみから離れたところで、後藤と話していた。
表情からするに、とてもおしゃべりしているようには見えなかった。
(どうしよう、またさっきみたいになったら……)
愛が心配していると、後藤が何かを言い残して部屋を後にした。
521 :
ネオ生茶:02/07/16 23:46 ID:5Y/0u3ab
「麻琴ちゃん!」
愛は麻琴に駆け寄った。
「今、さっきの怖い人とケンカみたいになってたけど、大丈夫?」
「ああ、大丈夫だよ」
「私、あの人のこと、良くわからないけど、あまり関わらないほうがいいよ」
「本当に大丈夫だから。気にしないで」
と、麻琴は笑顔で答えた。
「これから、お兄ちゃんと一緒に帰るんだけど、麻琴ちゃんも一緒に帰らない?」
「えっ? 悪いからいいよ」
「全然悪くなんかないよ。今、お兄ちゃんに聞いてくる」
そう言って、愛は信治に駆け寄った。
信治は、「いいよ」と答えた。
そうして、信治、愛、麻琴の3人で帰ることになった。
522 :
ネオ生茶:02/07/16 23:48 ID:5Y/0u3ab
更新です!
>>497からの続きです。
それと、メアド欄を、「sage」にしたつもりが「sag」になってて、
ageてしまいました。。。
申し訳!「(__;)
523 :
:02/07/16 23:56 ID:Ju/dK5Ko
不良コンビコワ━━━━━━(゚д゚)━━━━━━ !!!!!
>>364-365の続き
「とにかく、今一番大事なことは君の記憶のことだよ。
君が記憶を取り戻して元の生活に戻すことが、おれに出来る唯一のことだし。
・・・・ところで何か思いだしたことは無い?」
「スミマセン何もないです」
「そっか、まぁゆっくりと行こうよ。焦ってみても始まらないだろうし」
「そうなんですけど・・・・やっぱり何とかしたいと思うから焦ってしまいます」
「うーん、おれが記憶無くしたことないから何もアドバイス出来ないけれど、
焦っていいことは無いと思うんだ。だから慌てないでいようよ」
「・・・はい」彼女は悔しそうに下唇を噛んでいる。
どうしても彼女に悲しそうな顔をさせてしまってるな。なんとか明るい顔をして欲しい。
何とかこの状態を変えたい。
おれは頭をフル回転させてみる。そしてひとつだけ思い出した
「そうだ、思い出と記憶の違いって知ってる?」
「えっ・・・・そうですねぇ。思い出は良いことだけ、記憶は嫌なことばっかりかな」
「そんなことはないよ。嫌な思い出もあるし、楽しい記憶もあるでしょ?」
「あぁそっか」
「あのね、思い出は全部記憶しているけど、記憶は全部は思い出せないんだ」
「はぁ・・・・なるほど」
「おもしろい話じゃない?どっちも同じ記憶なのに意味が変わってきてしまうんだ」
「へぇー。考えたこともなかったです。頭いいんですね」
「まぁね。って言いたいところだけど本の受け入りだよ」
「ふーん・・・私は本なんて読んでたのかなぁ。なんか余り頭良さそうじゃないなぁ」
「ははは、それは年輪の差だよ。まだ君は勉強出来る年齢だろ?
これからもっと学ぶことがたくさんあるさ。それに本当はおれの知らないことを
知ってるはずだしね」
「そうだといいんですけど」
「でもこれではっきりしたよ。君は記憶を無くしているんじゃないってことが」
「え!?どうしてですか?」
「だってこうやって会話出来るってことは、ちゃんと記憶があるってことでしょ?」
「?」
「つまり本当に記憶が無ければ言葉でさえも理解出来ないってことだろうからね。
だから記憶はちゃんと存在している。君が取り戻すのは思い出のほうだよ」
「あ、・・・そうか」
彼女は納得したのかさっきまでの険しい顔がなくなり、普通の矢口さんに戻った。
「おれさぁ、昨日の夜から今までちょっと気が重かったんだ。
でもさっき話したみたいに、思い出を取り戻すって考えたら少し気が楽になったよ」
「何でですか?」矢口さんは不思議そうな顔をしている。
「なんかさぁ記憶喪失って考えると、推理小説とか火曜サスペンスみたいな
暗い・重いイメージが出来ちゃってさ、なんか妙に重圧を感じる言葉なんだよね。
でも思い出を取り戻すって言葉だとさ宮崎駿のアニメみたいじゃん」
「えーっそうですか?」
「うん、スタジオジブリ最新作『彼女のおもひで』って創りそうじゃん」
「あー、なんかありそうな気がする」
「でしょ。今年の夏一番の話題作、全国の人が感動に包まれた。
あなた思い出はありますか?みたいな」
「うんうん」
「興行収入記録更新、なんとか賞も受賞。千と千尋を越えたって感じで」
「うわ、なんか見たくなりますね」
「ね?こうすると『思い出』って柔らかい言葉な感じするでしょ」
「うん、確かにそうですね。じゃあ『記憶』だとどうなります?」
「うーん・・・そうだなぁ。D・フィンチャー最新作
失われた記憶に隠された驚愕の真実。彼女の記憶を取り戻せるのか?
結末は誰にも解らない。衝撃のサイコホラーが日本中の常識を破壊する。
セブンを超える問題作ついに日本公開って感じかな」
「なるほど。ちょっと重い感じがしますね」
「でしょ」
「でもなんかそれはそれで見てみたいですけど」
「おれもこっちを見に行きたいな・・・ってダメじゃん。興味持たせてどうすんだよ」
「キャハハハハハ」
「あれ、どこで間違ったんだろう?こんな展開になるとは思わなかった」
「だって変なたとえ話するんだもん」
「そっか、D・フィンチャーはまずかったな」
「いや、そうじゃなくって」
こんなとりとめのない話によって彼女にも笑顔が戻る。
その後もなんか意味のない会話を続けていく。
なんか自分の予想どうりの展開じゃなかったけど、結果オーライかな。
ここまで。
なんで『お気に入り』から来れないんだ?なんかあったんか?
探すの苦労した。
ちょっと出張してたんで更新できなくて申し訳ない。
そういう意味で大量更新だす。
俺更新遅くて読んでる人にご迷惑かけてます。
なんか急にこのスレ活気づいてきてるね。もっと賑やかになって欲しいな。
530 :
:02/07/17 00:54 ID:CaBhwMki
こっちは違うヤグたんで(・∀・)イイ!!
お気に入りで来れなくなったのは移転したから
531 :
こうもり:02/07/17 13:33 ID:2h6YjSRq
俺はバイクを走らせ、矢口さんの指定された場所に向かっている。
しかし本当に愛ちゃんいないんだろうな。
俺は胸に一抹の不安を抱きながらも待ち合わせ場所に到着した。
「キイッ」
バイクを止め俺はヘルメットを脱いだ。
きょろきょろと辺りを見回すと、誰もいなかったので俺は安心して、一息つく。
そして、近くの縁石に腰掛け矢口さんが来るのを待った。
「南条さん、おくれてごめんなさい」
しばらくたつと矢口さんが大きな声で俺の名前を呼びながら走ってくる。
532 :
こうもり:02/07/17 13:34 ID:2h6YjSRq
「そんなことないですよ、今きたばかりですから」
「ごめん、取材の予定が長引いちゃってさ」
「まあ別にいいですよ、ところで本当に愛ちゃんには
何も言ってないでしょうね?」
「当たり前でしょ」
「それでどこか行きたいところとかあるんですか?」
「うーんどうしようかな」
矢口さんは少し考えて「とりあえず、バイクで走って」と言う。
「わかりました、じゃあ後ろに乗ってください」
俺はそう言いながら、矢口さんにヘルメットを渡す。
「しっかり掴まっててくださいよ」
「わかった」
俺は矢口さんがそう言ったのを確認してから、俺はバイクを走らせる。
更新終了。
533 :
コンボ:02/07/17 18:40 ID:qWS/ZpCe
>>490より
梨華は、努めて暗く部屋に戻った。
うかつに声もかけられない中、木戸はおずおずと問いかけた。
「あの……石川さん、大丈夫?」
「あ、はい、ごめんね、心配させて」
「おう……」
木戸が黙ると、美貴が明るく口を開いた。
「でもまあ本人も立ち直ってるし、明るく、ね?」
梨華が軽く睨んでいるのに気付いたが、美貴は気にせず龍彦の隣に座った。
あゆみも涼しい顔で高杉の横に腰を下ろす。
西郷が手持ちぶさたにしているのを見た梨華は、酔った麻美の背中を押した。
西郷の横に行くと、麻美の肩を押す。
足取りの定まらない麻美はその場にへたりこんだ。
首尾良く麻美を西郷の隣に座らせると、梨華は木戸の隣に足を崩した。
予想していたものの、西郷は落胆の色をありありと浮かべた。
「石川さん、ほんまに大丈夫?」
「うん、ありがとう」
微笑む梨華を見て、思わず木戸の口が緩んだ。
「お酒飲む?」
「あ、飲む飲む」
梨華は傍らのチューハイを取り上げると、一口飲んだ。
木戸もビールを口にする。
その間、梨華の視線は美貴とその隣にいる龍彦に注がれていた。
534 :
コンボ:02/07/17 18:40 ID:qWS/ZpCe
「坂本くんって彼女とかいるの?」
「いきなりなに?」
龍彦はなるべく冷静なふりをしたが、ビールを持つ手が震えた。
「彼女とかってなに? とかって」
「じゃあ言い直すけど、彼女いるの?」
「今はいないけど」
「気になる人とかは?」
「……なんだよ、おい。
いきなり変な話するなよ」
龍彦は空き缶を寄せ集めると、自分の前にまとめた。
なにかしないと気が紛れないのだ。
「変って、今日は木戸くんに誘われたから来たんでしょ?
私たちも来るって知ってたんじゃないの?」
「騙されたんだよ。
男だけで鍋食うと思ってたのに、いきなり来たからびっくりしたよ」
「じゃあ、彼女作らなくていいの?」
「いやでもね、そういう目的で参加したんじゃないんだって」
「へー……」
美貴はうつろな目で相槌を打った。
「女の子に興味はない?」
「だから、そういうわけじゃないんだけど」
「そういうわけじゃないんだったら、誰かと付き合ってもいいんだよね?」
「まあな」
龍彦は思わず勢いで言ってしまった。
535 :
コンボ:02/07/17 18:40 ID:qWS/ZpCe
梨華は木戸の話を聞き流しながら、美貴と龍彦のやりとりに耳を傾けていた。
「だったらさ……」
そう言って、美貴は沈黙した。
「ちょっと坂本くん、そこのビール取ってくれない?」
梨華はすぐさまビール缶を指差し、横槍を入れる。
「ん? ああこれ?」
龍彦は手元のビールを梨華に手渡した。
「ありがと」
美貴が横目で睨んでいるのが分かったが、梨華は精一杯の笑みを浮かべた。
「で、なに?」
「……ううん、なんでもない」
「ふーん……」
龍彦には高一の時以来彼女がいない。
そのたった一人の彼女とも、五日しか続かなかった。
龍彦にとっては男女関係は禁忌とも言うべき話題だった。
536 :
コンボ:02/07/17 18:41 ID:qWS/ZpCe
「恐いんやろ?」
高二の時、部室で木戸に言われた。
「矢口の時みたいになりたないと思ってるから、付き合えへんねん」
木戸は別れた彼女の名前を引っ張り出した。
背の低い、声の大きい女子だったと思い出す。
「もういいだろ」
「ええわけあるか。
俺の紹介で知り合って、五日で別れられたらたまらんわ」
木戸はハンドボールに興味があると言った矢口を、無理矢理試合に連れていった。
嫌々来た矢口も次第に応援するようになり、部員とも仲良くなっていった。
龍彦の告白で、二人は付き合うようになった。
が、龍彦は付き合いはじめて五日目で、別れを決めた。
矢口といる時間が安らげないのだ。
ついつい嫌われないようにと気を使いすぎる。
矢口も龍彦が無理をしているのは気付いていたので、二人の合意で別れた。
そこから、人に気を使うのが嫌になったため、龍彦は女性経験がゼロに等しい。
537 :
コンボ:02/07/17 18:44 ID:qWS/ZpCe
夜が段々更けてきた。
時計の針は9時半を指している。
「あ、そろそろ時間だ」
美貴は腕時計を見てつぶやいた。
龍彦や木戸といった面々は寮に住んでいるから問題ないが、女性陣は帰らなくてはならない。
寮の門限は10時で、当然それまでに寮を出なければ帰れない。
「……悪いんだけど、駅まで送ってもらっていい?」
美貴は赤らんだ顔で龍彦を見た。
頭の痛くなってきた龍彦は、素っ気無く答える。
「なんで? みんなで帰れば?」
「でも、なんか……」
そう言って、美貴は高杉を一瞥する。
顔の赤らんだ高杉とあゆみは、揃って席を立った。
「ちょっと、駅まで送ってくる」
高杉は愉快そうな足取りで部屋を出た。
538 :
コンボ:02/07/17 18:45 ID:qWS/ZpCe
龍彦は美貴と並んで玄関まで下りた。
できれば、こういう展開は避けたかった。
矢口とのことを思い出す。
寮を出ると、空には半月がかかっていた。
明かりといえば街灯ぐらいだが、歩くにつれてネオンが光り、明るくなる。
辺りは駅前の喧騒に包まれていた。
「結構、坂本くんって、かっこいいよね」
「ん?」
ぼんやりと矢口のことを考えていた龍彦は、痛くなるほど首を曲げた。
「え? 俺?」
「そう……ちゃんと聞いてる?」
「うん、聞いてる聞いてる」
生返事をすると、龍彦は美貴に寄り添った。
逆側から人が来たので避けただけのだが、美貴はそれだけで顔を真っ赤にした。
「な、なに? なんか用?」
「用って……なにが」
「だって今さ、寄ってきたじゃん、こっちに」
「ああ……人を避けただけだけど」
美貴はそれを聞いて薄笑いを浮かべると、笑いついでに溜息をついた。
「坂本くーん!」
突然、二人の背後から声が聞こえた。
喧騒の中でも聞き取れるような大声で、石川梨華は走り寄ってきた。
539 :
コンボ:02/07/17 18:45 ID:qWS/ZpCe
あ、入れ忘れました。
ここまでです。
今日中に更新できればするかもしれません。
(・∀・)イイ!!
541 :
コンボ:02/07/17 20:56 ID:qWS/ZpCe
梨華は龍彦の右腕につかまった。
「なにしてんの、梨華!」
美貴は声を張り上げると、梨華の腕を引き離した。
「ちょっと、なに?」
突然横から入ってきた美貴に、梨華はいぶかしげな顔をした。
龍彦も驚いて、美貴に振り向く。
「……どうかした?」
「別に……」
「私と坂本くんと手組んでもいいじゃん。
美貴になんか関係あるの?」
「あるわよ」
美貴は口を尖らせて言い返した。
「美貴って坂本くんのこと好きなの?」
「好きよ、なんか文句あるの?」
美貴の声に、すれ違ったカップルが振りかえった。
「なに? なにむきになってんの?」
「梨華が訊くからじゃない!」
美貴は唾が飛ぶほど叫んだ。
「あんたみたいにねえ、話もしてないのに寄ってくるようなのと違うの!
外見だけ見てなにが分かるってのよ、違う?
いきなり腕つかんで良いわけないでしょ?」
美貴がまくしたてると、梨華はすっと龍彦から離れた。
「……あっ、そ。
じゃあね」
「え?」
梨華は人込みの中に歩いていくと、振りかえって手を振った。
542 :
コンボ:02/07/17 20:57 ID:qWS/ZpCe
「あの……どういうこと?」
龍彦が訊くと、美貴ははっとした。
「あ、その……そういうこと」
美貴はうつむいて、か細い声をひねりだした。
「いや、なんで?」
「……やっぱり嫌?」
「ああいや、嫌とかそういうんじゃなくて、なんで俺とかさ……初対面だし」
「話してると一目惚れしちゃったんだ、多分」
「へえ……」
思い当たる節はない。
酒を飲みながら普通に話していただけだ。
気がつけば、目の前は駅だった。
「ねえ、携帯の番号教えてくれない?」
「おう」
黙って携帯の番号を告げると、美貴は素早く打ちこんだ。
「あの……今日楽しかったよ」
「……おう、俺も」
「じゃあ、帰るね」
互いにうつむいて喋っていたが、美貴が顔を上げて微笑むと、駅の構内へ歩いていった。
「あ……」
二、三歩歩いたところで、美貴は立ち止まった。
龍彦が見やると、誰かが駅の隅でキスをしていた。
「高杉……」
思わず口走った。
美貴はちらっと龍彦に振りかえったが、すぐに駆けていった。
帰る夜道で、遠くから電車が通りすぎるのを見た。
電車には矢口が乗っていたように見えたが、気のせいだろう。
了
かなりリラックスして書いてみました。
楽しちゃったんで、次からはきちっと書いていこうと思います。
543 :
剣士:02/07/17 21:58 ID:xX9Pjl/D
「Brand-New Myself〜私(僕)にできること〜」
私は自分が嫌い・・・。
イジメられるし、何かこれといって出来るワケでもない。
何で、私はこんなに生まれたのだろう・・・?
最悪の人生・・・・私は何も悪いことしていないのに・・・何でこんな人生送らなきゃいけないの?
「はぁ・・・・・」
自分を愛せなんかしない。大嫌い・・・。
「またいるよ・・・あの女・・・」
また来た・・・私をいつもいびり、叩き、あぜけ笑っていく女達・・・。
「今日も遊んであげるよ。あ・べ。ハハハハハ・・・」
もうイヤ・・・・誰か助けて・・・。
痛いよ・・・辛いよ・・・。もう・・・生きるのもイヤだ・・・。
「フン。もう倒れたの?遊びがいがないね〜!アハハハハ・・・」
私は倒れながら考えた。
生きるのが辛いなら、死ねばいいんだ・・・。
そうよ!薬なら・・・確か保健室にでもあるはず!早速取りに行こう!
美貴って誰?
545 :
剣士:02/07/17 22:07 ID:xX9Pjl/D
幸い、保健室に人はいなかった。
睡眠薬らしきものがあったので、それを全て持ち去った。
(これなら・・・苦しまないで死ねるハズ)
そして屋上・・・しかしそこには男子生徒がいた。
(邪魔!何で人がいるのよー!)
あれ?よく見るとあの人・・・。
(泣いてる・・・)
涙をぽろぽろ流していた。情けないな・・・それでも男!?
「ちょっと!何泣いてるの?」
その男は驚いて振り向いた。
「あ、すいません・・・見られましたか」
腰低い・・・ますます情けないなぁ。
「なっさけないわねぇ・・・男のクセに」
男はそれを聞くと、みるみるうちに真剣な顔つきになった。
「ふぅ・・・誰でも辛くなったら泣きますよ。当然でしょう?あなたは泣かないんですか?」
確かな意見だった。私も辛いときは確かに泣く。
「わっ・・・私は女だから・・」
「泣くのに男女関係ないですよ」
いちいち痛い所ついてくるなぁ・・・。うっとおしい!
「だから!そうじゃなくて、何で泣いてんの?」
「・・・部活の試合に負けたから」
はぁ?たかがそんなことで泣いてたの?
「そりゃあ、あなたにとってはたかがそんなことかもしれません」
ー!見抜かれてる。
546 :
剣士:02/07/17 22:13 ID:xX9Pjl/D
「でも・・・俺にとっては大事なものだったんです」
真剣な顔・・・何で?部活なんて、そんな大事?
「俺、イジメられっ子だったんです、昔。・・・でも、イジメられんのは自分が弱いからだ!と思って、空手始めたんです」
イジメられてた・・・今の私と同じだ・・。
「6年。6年やって、強くなったかな?と思ってました。地区大会で優勝して、今までイジメをしてきたヤツらと仲良くなって・・」
私はいつの間にか、この男の話の世界に引き込まれていた。
「でも、県大会に出場したら、1分で負けた。6年の努力がたった1分ですよ」
努力が1分で・・・わかる気がする。頑張って、頑張って・・・それでも負けて。
私ならもうイヤになるだろうな。
「それでも、俺はやめる気がしないですよ。自分が強いなんて思ってませんから」
「ええ?どういうことなの?」
ワケがわからない・・・この人。
547 :
剣士:02/07/17 22:27 ID:xX9Pjl/D
「本当に強いってことが、まだわからないです。強いって何か・・・わからない。だから負けたんですよ。技術面も確かに重要。でも、もっと大事なのは、精神面なんです」
「精神・・・面・・・」
男は立ち上がり、フっと笑った。
「俺は空手を投げ捨てたくありません。イジメられてた時も、人生を捨てなかった」
私・・・は今、人生を捨てようとしている。
「もったいなかった。まだどうなるかわからない人生なのに、もったいないじゃないですか」
今は絶望・・・でも、まだ希望が残されているの?人生には。
「希望なんて石ころのように転がってます。だから・・・・」
「え?」
男は屋上の出口に向かいながら、こう言った。
「手に持ってる薬で、死のうなんてしなほうがいいです。あなたにはあなたのいい所があるのだから・・」
・・わかってたんだ・・・私が自殺志願だってこと。
「それと・・・せめて同じクラスの人間ぐらい覚えてくれ。安倍なつみさん」
え!?同じクラス?・・えーと・・・あ!思い出した。
工藤涼君、クラスで成績トップで、空手部のキャプテン・・女子には、絶大な人気がある人。
「だめな自分を愛せはしない・・・それは確かだ。でも、強く生まれ変わることだってできる。誰だって、スゴイ人は見えない涙があるんです。
でも、そうやって人生を走り続けてる人には、熱い心があります。
何かやろうと決めたら、零にはしない。体ひとつで困難にブチ当たるしかないんですよ。」
・・・説得力がスゴイある。工藤君の言う通りだ。私は逃げてばかりいた。
「世間には、心のキレイなヤツばかりじゃない。でも、自分の心も弱くはないと言い聞かせてください。
あ、それと、あなたは歌が上手だ。・・・歌手目指してもいけると思いますよ?キレイだし」
そういって、工藤君は去っていった。
私が歌手?確かに歌は好きだけど・・・。
そういえば、確かもうすぐオーディションがあったな・・・・。
受けてみよう!自分を変えるために!工藤君の言ったことをを信じてみよう!
548 :
名無し:02/07/17 22:35 ID:TWCwmjc6
>544
藤本美貴のことですな。多分
549 :
剣士:02/07/17 22:38 ID:xX9Pjl/D
そして、半年後。
私はモーニング娘。というグループに入った。
そして入ってから5年もたつ。
私は娘。に入ってすぐ、工藤君にお礼を言おうと家に向かった。
しかし・・・・工藤君は亡くなっていた。
交通事故。幼稚園児を守ろうとして、代わりに車に轢かれたそうだ。
(工藤君・・・私、変わったよ。イジメられっ子で、どうしよもなかった私がアイドルだよ?
友達も出来たし、親友も出来た。何にも代え難い仲間をみつけたよ。
工藤君に直接褒めてほしかった。でも・・・仕方ないよね?もしあなたがここにいたら、
『クヨクヨすんな!』って言ってるよ。私、もっと頑張る。まだ満足してないもん。
だから、工藤君・・・天国から見ててね!)
「なっち〜!レコーディング始まるよ!・・・どしたの?」
「ん?ううん、何でもないよ。ちょっと昔のこと思い出しただけ。じゃあ、行こっか、カオリン」
「うん、皆を待たせちゃいけないもんね」
(私、もっと日本の皆に夢をあたえるよ。ダメな自分を愛せはしない。でも、強く生まれ変われ!って、
工藤君が教えてくれたことを、皆に教えるよ!)
「Brand-New Myself〜私(僕)にできること〜」終わり。
550 :
剣士:02/07/17 22:42 ID:xX9Pjl/D
終わりです。
軽く(?)短編を書いてみました。
ちょっと重い(そうでもないか?)話ですが、
なっちで書いてみたかったので、書きました。
長編は、もうしばらく待ってください。(誰も待ってない?)
551 :
:02/07/17 23:06 ID:ONS4w7hD
>コンボさん
もっと長く読みたい話でした
>剣士さん
内容が合って(・∀・)イイ!!
552 :
こうもり:02/07/18 12:09 ID:OeXaViuw
「高橋、どうしたのぼーっとしちゃって、そろそろ
レコーディングに行く時間でしょ」
愛は、飯田にそう言われ、ハッとしたように回りを見る。
するとそこには飯田しかいなかった。
「あれ、他の皆は?」
「もう皆出て行って残ってるのは高橋だけよ」
「そういえば矢口さんはどうしたんですか?」
553 :
こうもり:02/07/18 12:10 ID:OeXaViuw
「矢口?矢口は確かこれから人と会うって言って
さっき出ていったわよ、でもついさっきだからまだいるかも」
「何処にいるんですか?」
「そういえば、玄関の前で待ち合わせているって言ってたかな」
それを聞くと愛はすぐさま立ち上がり、玄関の方へ走っていく。
「こら高橋待ちなさい」
するとそこには、矢口を後ろに乗せて走り去る和智の姿があった。
愛は走ってバイクを追いかけようとしたが、後から追ってきた飯田に腕を掴まれた。
「こら、高橋もう行く時間だって言ってるでしょ」
そう言いながら、飯田は愛の事を車まで引っ張る。
愛も最初の方は抵抗していたが、そのうち抵抗するのをやめて
おとなしく、飯田に従った。
(カズさんどうして?)
愛は車に乗っている間中、ずっと下を向いていた。
更新終了。
554 :
剣士:02/07/18 13:13 ID:pjjDOWK+
>551さん
ありがとうございます。
いつものと一風変わった物を書きたかったんで。
愛タン・・・・
以前、母がデジカメを買って嬉しそうに色々撮ってたけど、そのうちメモリが
いっぱいになったらしくてメカ音痴な母は「ねえ、これ写らなくなっちゃっ
たんだけど…」と遠慮気味に相談してきたけど、漏れは面倒くさかったから
「なんだよ、そんなの説明書読めばわかるよ! 忙しいからくだらないこと
で話しかけるなよな!」と罵倒してしまった。
その母が先日亡くなった。
遺品を整理してたら件のデジカメを見つけたので、なんとはなしに撮ったもの
を見てみた。
漏れの寝顔が写っていた。
涙が出た。
557 :
:02/07/19 00:59 ID:nsnGmK6y
>>556 正直、感動した。
私がこの間実家に帰ると、親父が「PCに画像とりこめん」
などとのたまっていました。
親父ががんがっていたのは、昔買ったフロッピーディスクで
スマートメディアを読み込むやつで、ドライバのインストールなんかが
多分うまくいってなかったんでしょう。
仕方がないので(プラス面倒なので)USBのリーダーを買いに行き、
読み取り方(エクスプローラでD&Dするだけだけどw)から
ビュアーの使い方から全部教えたらとりあえず理解できたらしく
がんがろうと思ったようでした。
親父、ちゃんと使えてるかな……
調子どうだってメール、送ってみようかな……
などと思いました。
>>556 まさか実話じゃねえだろうな?
もしそうだったら( T▽T)<そんなの悲しすぎる!
>524-528の続き
結局なんだかんだで1時間30ほど時間が経過していた。
俺達は喫茶店を後にして駐車場へ向かって歩き出した。
その間も意味はない会話は続いていく。
良かった、また病院に行くのを拒否されたらどうしようかと思っていたけど、
そんなことを言い出さないのはありがたい。
そういえば此処まで一緒に居たから分かったが、彼女は感情の起伏が激しい。
ちょっと情緒不安定なのかな?それは記憶がなくなった為なのかはわからない。
でも本当の彼女はどんな子なんだろうか?
ちょっと興味あるな。
頭の片隅でこんなことを考えながら、彼女と会話を続けながら歩いていた。
すると彼女は突然、歩くのをやめて立ち止まった。
「矢口さん?どうしたの」
「・・・し・・げ・・る・・・?」
「え?」
彼女はある一点を見つめたまま、ぽつりとつぶやいた。
しげる?もしかして知り合いか?
もしかして今すれ違った人の中に、その『しげる』という人物がいたのか?
おれはすぐに振り返り通り過ぎた人波を見たが、当然分かるわけがない。
すぐに接触しなければ!もしかしたら協力してくれるかもしれない。
「矢口さん・・・誰か知っている人がいたの?」
でも彼女はある一点を見つめたままだ。
「矢口さん!」おれは彼女の方を掴み、揺さぶってみる。
「・・・え?木島さん、どうしたんですか?」
「いま、『しげる』って言ったでしょ。知り合いでもいたの?」
「・・・いいえ、違うんです」
違うだって?どういうことだ?どう考えても人の名前を言ったのに。
「あれ・・・アレを見たら『しげる』って言葉が頭に浮かんできたんです」
「・・・はぁ?」
彼女が指を指した先を見て、おれは困惑した。
なぜならそこにはでかい熊のぬいぐるみが、こっちを見て笑っていたから。
ここまで。
いやー、しっかし俺書くの遅いなぁ。
今日二時間で三行しかかけてねえでやんの。
>>556-557 うんうん。悲しい話だね・・・・って娘。出てねえじゃん。
563 :
557:02/07/19 02:35 ID:nsnGmK6y
564 :
こうもり:02/07/19 11:36 ID:DQM7iDk0
俺はバイクの後ろに矢口さんを乗せ、何の目的もなく走っている。
どこに行こうか。
そういえば、なんだかお腹が空いてきたな。
俺はそう思い、バイクをよく行く定食屋へ向ける。
「矢口さん着きましたよ、とりあえず」
俺は後ろの矢口さんにそう言う。
「何、もう終わりなの?」
「いや、ちょっとお腹が空いたんでご飯でも食べようかと思って
矢口さんは空いてないんですか?」
「そうね、私もちょっと空いてるかも」
「じゃあいきましょう」
俺はそう言って、矢口さんと店に入った。
「じゃあ私はこれね」
矢口さんはそう言いながら、ハンバーグ定食を指差す。
「わかりました」
俺は店員に注文をする。
注文したものを待っている間矢口さんは何も喋らず
ただ黙ったまま俺のことを見ていた。
565 :
こうもり:02/07/19 11:37 ID:DQM7iDk0
「矢口さんさっきからじっと見てますけどなんかついてます?」
「いや、昨日の跡がまだ残ってるなと思って」
「昨日大変だったんですから、誤魔化すの」
「もしかしたら、高橋気付いてるかもよ」
「えっ!!それ本当ですか?」
「うん」
「でもどうしてだろう、昨日は納得してたはずなのに」
「さあ、女は勘が鋭いから」
「でも・・・」
「お待たせいたしました」
と俺が言いかけたところで店員が料理を運びに来たので
そこで話を一端止める。
「わぁー、おいしそう」
矢口さんはハンバーグ定食を前に喜びの声をあげる。
「いただきます」
矢口さんはそう言うと食べ始める。
「お待たせいたしました」
今度は店員が、俺が頼んだ天ぷら定食を持ってきた。
更新終了。
>>556 これ狩だかにもあったコピペだよ
事実かどうか知らんけど
567 :
:02/07/19 13:33 ID:MzNrRGzZ
>>556 。・゚・(ノД`)・゚・。 うえええん
娘。で例えれば梨華っちかなっちあたりかな・・何にせよ感動しました
>>562-563にはワラタ
策略家マリーこわっ
>M・P・Dさん
しげるキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
556はコピペだっての。
コピペにマジレスカコワルーイw
569 :
:02/07/19 20:31 ID:asgKurtw
コピペだろうが物思いにふけって何が悪い━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
>>559-561の続き
「・・・・・」
おれは全く理解できなかった。なんでぬいぐるみ?しかも『しげる』?
「・・・・ねぇホントにコレ見て言ったの?」
「はい・・・この子見たらパッと浮かんできたんです」
「なんだろう?・・・それ以外に思い出したことは?」
「・・・・・いえ、何にもないです」
なんじゃそりゃ、初めて戻った記憶がぬいぐるみに対してだって?
『しげる』って何者なんだよ。
おれはいつもの癖で独り言をつぶやき始めていた。
「誰だろう?父親、兄弟、男友達、彼氏・・・・」
「あのー・・・木島さん?」
「待てよ、男とは限らないよな。室井滋もいるし・・・」
おれは『しげる』について、想像を膨らましていた。
おれにとってその名前は、闇の中で見つけた一筋の光だと思ったから。
「もしもーし、木島さーん」
彼女が上着の裾を引っ張って俺の方を不思議そうに見ていた。
いかんいかん、探偵にでもなったつもりかよ。
素人の考えなんてたかがしれてる。
「おっと、ゴメンね。ちょっと気になったもんだからさ・・・」
「急にブツブツしゃべり出したから、どうしたのかと思いましたよ」
「あぁ、昔からね深く考え始めると独り言を始めるみたいなんだよ」
「みたい?」
「うん、おれはそんなことないと思ってたんだけどさ。どうもそうらしくって」
「あぁ、無意識なんですか」
「そうなんだよね、自分では分かんないんだよなぁ」
おれは照れ隠しにおでこを掻きながら苦笑した。
「でもクセなんてそんなものですよ」
おれはそうかもねって答え、煙草に火をつける。
一回ここで落ち着こう。おれが焦ってどうする?着実にいこう。
「まぁ何にせよ良かったよ。
記憶・・・いや思い出が戻る可能性があるってことが、今はっきりした訳だ」
「・・・・確かにそうですね」
「この黄色いクマに感謝しないとな。思い出復旧の第一歩だよ」
「そんな大袈裟な」
「いや、感謝すべきだよ。ありがとうプーさんってね」
おれは胸の前で十時を切り、両手を握り額にあてた。
端から見りゃバカみてぇな光景だな。イカン目立ってどうする。
さぁ行こうか。と矢口さんに声をかけ、再び駐車場に歩き出した。
ここまで。
どうもスランプに突入したらしい・・・。
全く筆が進まない状態になってきちまった。
これからちょっと小出しになります。
>>556 コピペだってわかってたわい!
ただその後の
>>557があまりに見事なバンプをとるんで
ちょっとちゃかしてみただけだい!
ホントにしってたからな!
ほんとはしらなくてはずかしいからごまかしてるんじゃないぞ!
ほんとにほんとだぞ!!
スッゲーハズカシイ・・・
>>569 永田開き直りキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
577 :
557:02/07/20 06:45 ID:ajuEdz40
コピペだったのか……
コピペしてくれた人、ありがとう。
ついでにフラッシュ張ってくれた人も。
朝から泣けました。
これから寝て、起きてから出張する元気がでました。
579 :
こうもり:02/07/20 11:48 ID:n+kNbrVl
「ふぅー、お腹いっぱい」
「ごちそうさま」
俺と矢口さんは同時に食べ終わった。
「この後、どこか行きたいところあるんですか?」
「うーん、そうね・・・」
矢口さんはすこし考えてから
「そうだ、私見たい映画があったんだ」と言う。
「わかりました、じゃあ行きましょうか」
「うん」
俺と矢口さんは定食屋を出て、映画館へ向かう。
「あっ、これよこれ」
矢口さんはそう言いながら、最近話題の映画を指差した。
俺は別にたいして興味なかったのだが、矢口さんが物凄く
見たそうだったので、おとなしく従う事にした。
580 :
こうもり:02/07/20 11:49 ID:n+kNbrVl
「ここがいいかな」
「そうね」
俺と矢口さんはそう言うと、スクリーンの椅子に座る。
しかし映画なんて見るの久しぶりだな。
高校の時以来かもしれない。
俺が考え事をしていると、矢口さんが俺の腕を掴んできた。
「何をするんですか、矢口さん」
「まあいいじゃない、キスまでした仲なんだし」
「それとこれとは別じゃないですか?」
「まあ、まあ」
そうこうしているうちに、映画が始まるようで周りが暗くなった。
矢口さんは結局俺の腕を離さずに、映画を見ている。
俺もあきらめ、おとなしく映画に集中した。
更新終了。
581 :
名無し:02/07/20 13:04 ID:SkMep+Ve
悪まりっぺ(((((;゚Д゚))))))ガクガクブルブル
ドクター「……残念ながらたった今亡くなられました………」
赤川「そ、そんな………」
安倍「……う……嘘……でしょ………?」
がっくりしている赤川と対照的にポカンとしている安倍がいた、
タッタッタッタッ……
池田「先生!!潤君はどうなりましたか!?」
とそこに池田を始めとする厩務員たちが病院にたった今着いた、
赤川「亡くなったそうだ……たった今………」
池田「亡くなったって………」
厩務員一同信じられないといった表情だった、
池田「先生!!どうして潤君は亡くなったんですか!?
あの落馬も不自然でした!潤君は一体どうしたのですか!?」
池田がその場全員の疑問を代表するかのように赤川に詰め寄った、
赤川「潤君は潤君は………ウッ…ウッ………」
涙を流すばかりで答えにならなかった、
その状況に見かねてドクターはこう答えた、
ドクター「彼は………今の医学では治らない病気に侵されていました……」
とても話は難しかった、それくらいの難病に潤が侵されていたことは一同承知したらしい。
池田「そ、そんな病気で騎乗だなんて………」
ドクター「私も信じられませんよ、自分の命を大幅に削る行為ですよ。」
安倍「先生、潤は何で治療を……?」
赤川「治療は……薬程度だった……本当は入院しなければいけなかったけど、
潤君が入院を拒否したんだ………」
池田「な、なぜですか?!」
赤川は悩んでいた、潤が自分に言った理由はとんでもない事だったからだ、
しかも潤を止める事が出来なかった自分がいるからだ。
池田「先生!?」
赤川「……サイレントの騎乗を放棄できないと言っていた………」
安倍「そ、そんな理由で……」
池田「なぜ先生は止めなかったんですか!?
それになぜ我々にそんな大切な事を言わなかったのですか!?」
かつては赤川もジョッキーだった時代がある。
今みたいに当時は中央と地方の交流は無かった、しかし中央で騎乗したかった。
そして数十年、自分の教え子の潤がそんな立場にいた、自分の所属の馬で。
地方ジョッキーなら大半の人間が中央で騎乗したいと考えているだろう、
ジョッキーの自らの手で見つけ出したサイレントスズカという才能の塊でGTを…
そんな事を考えると自分の命を削ってまで騎乗した潤の気持ちが何となく分かる気がした。
潤本人も絶対に周りには言わないでくれ。と言っていたのもあるが、
そこまで賭けていた潤に対して申し訳ないような気がして周りには黙っていた………
……何ていえるわけが無かった。
584 :
:02/07/20 18:50 ID:bLcVNfIV
潤・・。・゚・(ノД`)・゚・。
そういえば長らく参事官さんを見ないなぁ・・・
コレじゃ「惨事官」だっつーの。
590 :
こうもり:02/07/21 11:36 ID:If2DD0D2
「高橋、どうしたのよ全然ダメじゃない」
レコーディングスタジオの控え室で、吉澤が愛に尋ねている。
控え室には二人の姿以外はなくひっそりとしている。
「すいません」
愛は落ち込んだ表情で吉澤に頭を下げる。
「私に謝ってもしょうがないよ、それにしてもどうしたの?」
「いや、別に何も」
「ここに来る前に矢口さんと話してたみたいだけど何を話したの?」
「それは・・・」
「何かあったんでしょ、だったら私に話してみない
一人で悩んでいるよりすっきりするかもよ」
愛はそう言った吉澤に飛びつく。
そして大きな声で泣いた。
吉澤はそんな愛の事を泣き止むまで優しく抱き寄せていた。
591 :
こうもり:02/07/21 11:37 ID:If2DD0D2
「それで、矢口さんが・・・」
愛は泣き止んだ後、吉澤にさっき矢口聞いた事を全て話した。
「何、そんな事があったの、本当なのそれって」
「はい、矢口さんがそう言ってたんで
それに、今日の朝カズさんの首筋に赤い跡もついていたし」
「南条さんは何も言ってなかったの?」
「はい」
「どういうつもりなんだろう、南条さんまさか・・・」
そう口を開きかけた吉澤だったが愛の前で言うわけにいかないと思い
口をつぐむ。
「もう終わりなのかもしれません」
愛は声のトーンを下げながらそう話す。
更新終了。
592 :
:02/07/21 13:28 ID:Cy0tLgBJ
(0´〜`)ノ川TοT 川・゚・。
救世主よっすぃクル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!???
試験中なんでもう少々お待ちを…
P.S 感想スレのアレ。私じゃないですよ(汗
594 :
関西人Z:02/07/22 00:10 ID:8TNhWu7h
短編第16弾 「月と太陽」
引っ越しの準備をしていると、押入の奥から小さな缶が出てきた。
何が入っているのか気になり開けるみると、そこには一枚のコインが。
片面には太陽、もう片面には月が描かれている。
(これって、もしかして)
そう、それは俺と真希の運命が決められたコインであった。
595 :
関西人Z:02/07/22 00:11 ID:8TNhWu7h
当時、俺と真希は普通の大学生だった。
就職先も決まり、迫る学生生活最後の夏休みを二人で満喫しようと思っていた俺の所へ一本の電話。
「どうしよう、どうしよう…」
真希だった。
何か必死のような、それでいて泣きそうな声。
「ゆっくり、落ち着いて」と真希の気持ちを落ち着かせてみると、
少しだけ落ち着きを取り戻した真希は言った。
「あのね、ウチの家族がね、外国へ引っ越すことになったの」
そう言って泣き出す真希。
その言葉は、すぐに俺の頭の中で認識することはできなかった。
「外国って、どういうことだ?」
訊いても何も言ってくれず、ただ泣きじゃくる真希。
「と、とにかく今から会おう。いつもの公園で、いいな」
「ヒック、うん」
電話を切った俺は、急いで身支度を済ませ家を出た。
596 :
関西人Z:02/07/22 00:13 ID:8TNhWu7h
日差しが強く、じりじりと暑い公園。
俺は日陰にあるベンチで座って待っていた。
すると、前からゆっくりと歩いてくる真希が見えた。
俺は動かず、ただジッとここへ来るのを待つ。
「……」
目の前に立った無表情の真希は、俺の顔を少し見た後、
「う、うぅ、うわーん!」
俺の胸に泣きついてきた。
「…」
俺は何も言わず、ただその長い髪を撫でやる。
しばらくして泣きやんだ真希から事情を聞いた。
父親の仕事で海外へ行くことが決まったらしい。
597 :
関西人Z:02/07/22 00:14 ID:8TNhWu7h
「ねえ、私どうしたらいいんだろう」
既に泣きやみ落ち着いた真希は隣に座り、俺がさっき買ってきたジュースを一口飲み、訊いてきた。
「両親は何て言ってるの?」
「…どっちでもいいって。私はもう大人だから何してもいいって」
「真希は、どうしたい?」
「私は…、家族みんな好きだから、外国へ行ってもいいと思ってる。………でも」
一つ間を空け、俺の方を向いてこう言った。
「あなたのことも好きなの!離れたくないの!」
俺の胸に顔を埋め、身体をぎゅっと抱きしめてきた。
「ねぇ、私、どうしたらいいの?決められないよ、こんなこと…」
小さく震える真希の肩を抱きしめ、宙を見上げた。
(いくら恋人でも、俺には引き留める権利はない。でも、俺も真希と離れたくない。
どうすれば………あ!)
一つだけ、案が浮かんだ。
「真希」
俺はポケットから財布をとりだし、一枚の銀色のコインを真希の目の前に出した。
「何、これ?」
「このコインはな、昔自宅の押入の奥で見つけたんだ。
以来お守りってわけじゃないけど、ずっと持ち歩いてる」
「それをどうするの?」
「…真希がこれからどうすればいいのか、俺には決められない。
だから、真希がこれを使って決めるんだ」
「……」
真希は俺の手からコインを摘み上げた。
「片面が外国へ行く、もう片面がここに残るっていう感じだ」
しばらくコインを眺め、考え込んだ真希。
そしてこちらを向き、力強く頷いた。
「うん、わかった。これを使って決める。…太陽なら家族と一緒。月ならあなたと一緒」
「一回キリだ。どっちの結果になろうが後悔はするな。
俺も、たとえ真希と離れることになっても後悔しない。いいな?」
「うん。わかってる」
一つ、息を大きく吸い込んだ真希は、コインを空へ高く放り投げた。
598 :
関西人Z:02/07/22 00:15 ID:8TNhWu7h
「…ここにあったのか、どおりで見つからないはずだ」
じっくりとコインを見つめる。
(今考えると無茶したよな。よくあんなことしたもんだ)
などと感慨にふけていると、
「んあ〜、おはよぅ」
眠そうな目を擦りながら、真希は部屋へ入ってきた。
「何がおはようだ、もう昼だぞ」
「いいじゃん別に。ところで何見てるの?」
俺はコインを見せた。
「ほら、このコイン。懐かしいだろ?」
「あ!まだあったんだ」
真希は俺の手からコインを拾い上げた。
「懐かしいなぁ、このコイン」
コインを見つめる真希。
ある日、二人でこのコインは一生の宝にしようと話し合い、缶の中に大事に保管した。
しかし、大事にしすぎて何処に置いたのかすっかり忘れていた。
それが今、こうして出てきたのはなにか運命を感じる。
「久々にまたこれで決めてみようか?」
「何を決めるの?」
「そうだなぁ」
俺は少し考え、そして少し笑みを浮かべながらこう言った。
「結婚するかしないか、決めてみようかな」
〜END〜
>関西人Zさん
おもしろかったです、さすが短編の鬼(w
さてここで質問なんですが、矢口の一人称はオイラと私のどちらが萌えますか?(w
もしよかったらレスください!
短編書くのって難しいですね・・・・・
どうしても長くなったり、文と文を繋げる巧い言葉が見つからなかったりで・・・・・
次載せようと思ってるのも、短編と呼べないぐらい長いので、分けて出すかも・・・です。
マターリマターリ行きましょう>皆さん
600 :
:02/07/22 02:07 ID:VEu/gahx
>>599 文章の内容にもよるんでしょうけど、普通に考えて
オイラは不自然だと思います。
ネタ作品で、知が自分のことを指して発言するときなら
いいかもしれませんが。
まじめに話すときor心理描写で「オイラ」ってことはないと思います。
601 :
こうもり:02/07/22 12:17 ID:W9lcSyCm
「そんな事ないって、まだ矢口さんからしか聞いてないんでしょその話、だったら」
「けど、今日も二人で会っているんですよ」
「えっ!!」
「さっきのスタジオでカズさんがバイクの後ろに矢口さんを乗せて
走っていくのを見たんです」
「・・・・・・・」
吉澤は何も言わず、ただ腕を組んで何かを考えていた。
「高橋はまだ南条さんの事好きなの?」
「当たり前です」
602 :
こうもり:02/07/22 12:18 ID:W9lcSyCm
「じゃあどうするの、こんまま黙っているつもりなの
そんなことしたら本当に南条さんとられちゃうよ」
「そんなの絶対嫌です」
「だったら・・・」
「けど私もう一個分からない事があるんです」
「何?それは」
「カズさんが私の事を本当に好きかどうかです」
「でも南条さんだって高橋の事好きだってはっきり言ったんでしょ」
「そうなんですけど、それでも不安なんです」
愛はそう言うとがっくりと肩を落とす。
更新終了。
愛タンガンガレ━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
604 :
:02/07/22 17:36 ID:XORZSpmf
あまり優し過ぎるのも罪だね(^-^;
605 :
こうもり:02/07/23 13:35 ID:qR13rfY2
(これは重症だね)
吉澤はそう思いなにかいい方法がないか考える。
「あっ!!そうだ」
「どうしたんですか、急に?」
「いやいい事思いついたんだけど」
「何ですか?」
「確かめてみたいんでしょ?南条さんの気持ち」
「それはそうですけど、どうやって?」
「じゃあメールを送ってみたら?」
「どんな風に?」
「それは自分で考えなさい、本当に南条さんの事好きなんでしょ
矢口さんに負けないくらいに、だったらその気持ちをメールに託せばいいのよ」
「わかりました」
「そろそろ行こうか?休憩も終わりだし」
吉澤はそう言うと椅子から立つ。
606 :
こうもり:02/07/23 13:36 ID:qR13rfY2
「先に行っててください、メールを送ったらすぐに行きます」
「じゃあ先行ってるね、早く来なよ」
「わかりました」
愛がそういうのを確認してから吉澤は部屋を出た。
「はぁ、なんて送ろう」
愛は一人になった控え室で液晶を見つめながら一つため息をつく。
(このメールでこれからの事全部決まっちゃうのかもしれないんだよね)
そう考えるとメールの内容が上手く思いつかないのだ。
しかし時間もなかったので、愛は五分ほどで送信ボタンを押す。
「さてと、もう行かないと」
愛は一人呟き部屋を後にした。
更新終了。
愛ターーーーーーン!
608 :
関西人Z:02/07/23 17:16 ID:HnKpPK+s
短編第17弾「あなたが本気になれる人」
昔、言われた言葉。
ずっと頭の中に残っている言葉。
【あいつマジでやってるよ、格好悪いよね】
以来なにをやるにも本気になることが無くなった。
だって格好悪いんだから…
『第3競技 ムカデ競争に出場する生徒は、プール前に集まって下さい』
運動場中に響くアナウンス。
今日は体育祭。
熱い日差しを受けながら、みんな自分のチームの所で各々喋っている。
俺も友人と喋っていた。
そこへ、
「お兄ちゃん」
体操着で頭に青い鉢巻き姿、妹の希美がやってきた。
「どうした?」
近くに駆け寄り訊いてみると、
「お兄ちゃんは何の競技にれるんれすか?」
「ん?確か午前最後の200m走だったかな」
「そうれすか。のの、一生懸命応援するのれがんばってくらさい!」
「はは、わかったよ」
そう言って頭を軽く撫でてやる。
「えへへ」
希美は嬉しそうに目を細めた。
609 :
関西人Z:02/07/23 17:18 ID:HnKpPK+s
『200m走に出場する選手達が入場します。皆さん、拍手でお出迎え下さい』
拍手の嵐の中、俺達は指定の位置まで軽く走っていく。
指定の位置に着き、1番目と2番目に走る奴以外はみんな座った。
「よーい!」
パーン!!
スタートの合図がなると、位置に着いていた奴らが一斉に走り出した。
周りでは激しい応援が鳴り響いている。
ちなみ俺の出番は6番目。
5番目のグループが走っていくと、俺は外から3列目の位置に着いた。
すると遠くから、
「お兄ちゃん頑張れー!!」
希美の声が聞こえてきた。
そして、
「よーい!」
パーン!
鳴ったと同時に、一斉に走り出した。
40mくらいの所でばらつきが出始めた。
俺は現在3番。1,2番との差は5mくらい。
頑張れば追いつけそうだが、
(マジでやっても別に何かあるわけじゃないしな)
と思い、追いかけるのを止めた。
結局俺は3番でゴール。
610 :
関西人Z:02/07/23 17:19 ID:HnKpPK+s
「さあ、飯だ飯!」
午前の競技も終わり、現在は昼休み。
みんな教室に戻り昼食をとる。
腹ぺこだった俺はさっさと教室に戻り、弁当を食おうとした。
すると、弁当を持った友人がこっちへ来るなり、
「おい、お前の妹が来てるぜ」
俺は何のようだろうと思いながら廊下に出ると、壁にもたれ俯いた希美の姿があった。
「何のようだ?」
「…」
何も言わない希美。
拗ねているような、怒っているような、そんな雰囲気だ。
「何だよ。何かあったのか?」
「…お兄ちゃんの嘘つき」
俺は耳を疑った。
「嘘つきって、何が?」
そう言うと、希美は俺の顔を見て、
「さっき全然頑張ってなかったのれす!お兄ちゃんやる気無かったのれす!」
少し涙目で、俺を睨む。
「なんれれすか?なんれ本気で走らなかったんれすか!?」
「…別に何でもいいだろ。早く教室に帰れよ」
希美の質問には答えず、俺は教室に戻ろうとした。
すると希美が、
「もう…もうお兄ちゃんなんて、大っ嫌いれす!!」
希美は涙を流しながら走っていった。
611 :
関西人Z:02/07/23 17:20 ID:HnKpPK+s
午後の競技、俺はそれに目もくれずただボーっとしていると友人がやって来た。
「何してんだ」
「…別に」
「そうか…」
友人は横に座り、競技に目をやった。
「…お前、さっき妹泣かしたろ」
「…」
「いいのか?このままじゃ妹さん可哀想だぞ」
「…喧嘩なんてしょっちゅうやってる。今更泣きやますこともないだろ」
「そうじゃねーよ。お前がマジで走った所を見せた方が良いってことだ」
「なんでだよ」
「結構ショックなもんだぜ?兄の醜態を見た時って。俺も兄貴がドジしまくってるのを見てショック受けたもんな」
「醜態って、3位に入ったから醜態でも何でもな…チッ」
俺は途中で言葉を切った。
なんか言い訳してるみたいだったから。
612 :
関西人Z:02/07/23 17:21 ID:HnKpPK+s
『借り物競走に出る生徒は、プール前に集まって下さい』
アナウンスが聞こえると同時に担任の先生がやってきた。
何やら慌てている様子だ。
「どうしたんすか、先生」
俺が声をかけると先生は俺の方へ来て、
「丁度良い、お前ちょっと来い」
そう言って俺の腕を引っ張っていく。
俺は何がなんだかわからず、
「ちょ、先生。何処行くんですか?」
「実はな、借り物競走に出る奴が休んでるんだ。だからお前が代わりに出ろ」
「え!?そんないきなりなこと…」
と戸惑う俺を無視し、先生は構わずプール前まで引っ張っていった。
結局借り物競走に出るはめになった。
暗い気持ちで待っていると、
「次、用意しろ」
担当の先生が声をかけてきた。
俺は、先ほどの希美の言葉を思い出していた。
【なんれれすか?なんれ本気で走らなかったんれすか!?】
【もう…もうお兄ちゃんなんて、大っ嫌いれす!!】
(…クソッ、もうどうにでもなれ)
自棄気味になりながらスタートラインに立つと、すぐに合図が鳴り一斉に走り出した。
30m位の所に紙があり、各自拾い上げる。
(何が書いてあるんだ)
紙を広げ見てみると…
613 :
関西人Z:02/07/23 17:23 ID:HnKpPK+s
俺は青色の陣地へ向かった。
「ハァ、ハァ」
辺りを見回すと友達と喋っている希美を見つけ、急いで近くまで寄る。
「希美!」
「え?あ、お兄ちゃん」
驚いてる希美。
そりゃそうだ、この競技に出ること言ってないんだから。
「ど、どうしたんれすか?」
「とにかく早く来い」
俺は希美の腕を引っ張り立ち上げ、グラウンドに戻った。
走ってゴールに向かおうとすると、
「ちょ、ちょっと待ってくらさい!」
希美が呼び止めたので、俺は振り返った。
「どうした?」
「あの、お昼ご飯いっぱい食べちゃったのれ走れないのれす」
「ったくしゃーねー。ほら、急いで乗れ」
俺はしゃがんで背中を向ける。
「わ、わかったのれす」
訳が分からないまま希美は背中に乗ってきた。
急いでに立ち上がろうとすると、一瞬よろめいた。
「お、お前重すぎるゾ。ちょっとは痩せろ」
「え、えへへ」
ごまかし笑いを聞きながら、一気にゴールに向かう。
すると、目の前に一輪車を2台抱えたランナーがよろけながら走っている。
とても辛く、今にも歩き出したい気持ちだった。
しかし今の俺には、どうしても前のランナーを抜かなければならない。
「お兄ちゃん頑張ってくらさい!もうちょっとで1番れすよ」
背中から希美が声をかけてくる。
必死に走った俺は、残り5メートルの所で何とか抜き1着になった。
614 :
関西人Z:02/07/23 17:24 ID:HnKpPK+s
「ゼハー!ゼハー!」
ゴールした俺は、校舎前の日陰に倒れるように横になった。
とても胸が苦しい。
「らいじょうぶれすか、お兄ちゃん」
後ろから付いてきた希美が心配そうに声をかけてきた。
「な、なんとかな…」
言葉とは裏腹に結構やばい状態だったりする。
「ところれ、2つほろ聞きたいことがあるんれすけろ」
「な、何…?」
「何れののが連れられてきたんれすか?
それと、なんれあんな一生懸命に走ったのれすか?朝は全然らったのに」
「…気にするな、俺の気まぐれだ」
適当に答えると、疑いの目を向けてきた希美。
「怪しいのれす。きっと紙に答えが隠されているはずれす。見せるのれす」
そう言って俺のズボンのポケットをあさる。
俺は疲れすぎて抵抗できず、されるがままになった。
いともたやすく紙を取られる。
「あったのれす。早速見てみるのれす」
希美はくしゃくしゃになった紙を広げ、書いてある文字を見た。
「…」
紙をじっくり見た希美は、ゆっくり顔を上げ俺を見た。
俺は体を起こし、壁にもたれ座った。
「これ、本当にののれよかったんれすか?」
「お前じゃないとダメだと思ったんだよ。だから本気で走ったんだ」
「…」
「やっぱ泣く顔より、笑顔の希美が見たかったし、っと!」
希美は急に俺の胸に飛び込んできた。
「どうしたんだよ」
「やっぱり一生懸命やってるお兄ちゃんは格好良かったのれす」
希美は顔を上げ、笑顔で目の前で言ってくれた。
「…ありがと」
俺は希美の髪を優しく撫でた。
本気でやって希美が笑ってくれるなら、それだけでもいいかな…
〜END〜
615 :
関西人Z:02/07/23 17:27 ID:HnKpPK+s
(;-_-)=3<ふー、暑い。
何か今回の作品、妹っていう感じじゃ無くなってしまったなぁ
まあ強引に終わらしたから仕方ないけど…
でもちょっと反省…
616 :
:02/07/23 17:30 ID:LPHGY10B
リアルタイムで見れました。
一体紙には何て書いてあったんだろう
617 :
ななし:02/07/23 19:52 ID:zS4Bxmv5
>>616 素直に【希美】と書いていたら笑えるがな。
>>616 今頃Zが必死になって考えてるにワード25行。
>>616-618 おまいら、よく見ろっての!
おもいっきり書いてあんじゃねーか。アフォか?
620 :
:02/07/23 23:12 ID:ZDciJU5/
622 :
奈々s9:02/07/24 00:34 ID:0lHvEqhB
え、全然わかんない。え、まじでどこに書いてある?
623 :
:02/07/24 01:19 ID:wjL3/bFM
624 :
:02/07/24 07:25 ID:cT4+gLUj
>>622 借り物競争中の事だけにとらわれるな!
もっと全体を広い目で見よ
625 :
名無し:02/07/24 07:56 ID:GmrqD36T
関西人Zさん全員制覇達成おめでとう!!!
もしも「あなたが本気になれる人」 とでも書いてたら気味が悪くねえか?
単純に「あなたの好きな人」じゃないの?
あとは「笑顔がすてきな人」「かわいい人」「恋人」ぐらいか(w
628 :
こうもり:02/07/24 13:09 ID:VFEqc72r
「乾杯」
矢口さんは高らかにそう言うと、ビールを一気に飲む。
「ちょっと未成年なのに飲んじゃいけませんよ」
「いいの、いいの堅いこと言わないの」
俺が止めるのも聞かずに、矢口さんは再びビールを飲む。
ここは地下一階にある、ちょっと大きめの居酒屋。
映画を見終わった後、俺は半ば強引に矢口さんに連れてこられたのだ。
「南条さんも飲んでよ」
矢口さんはそう言いながら俺にジョッキを勧める。
「いいですよ、俺はバイクだし」
「私だけで飲んでもつまんないでしょ」
「いや、本当にいいですよ」
俺はそう言いながら矢口さんにジョッキを返す。
629 :
こうもり:02/07/24 13:10 ID:VFEqc72r
「じゃあしょうがないね、これは私がもらっちゃおう」
矢口さんは再びビールを飲む。
するとあっという間にまたジョッキは空になっていた。
「矢口さんペース早すぎませんか?」
「そんなことないわよ、裕ちゃんなんてもっと早いし」
「でもこんなところで飲んでて大丈夫なんですか?」
「何が?」
「だって結構人目につきそうじゃないですか」
「大丈夫、ここ結構薄暗いしそれにまさかアイドルが
こんなところで飲んでるなんて思わないだろうから」
そう言うと矢口さんは今日三杯目のビールを飲み始める。
更新終了。
630 :
剣士:02/07/24 21:35 ID:GEH05qaq
「雨のメロディー」
7月。
もう梅雨も過ぎ去ろうとしていた頃だった。
俺は雨に打たれながら帰宅していた。
傘も持たず、濡れることも気にしないで歩いていた。
何も考えず、楽しいことも、幸せすら忘れていた頃だった。
(所詮、大学もサークルも・・・楽しいもんじゃねーよな)
と・・・くだらないことばかり考えていたその時、前方に何かが・・・。
(あれは・・・?ゴミにしちゃあデカイ。・・・人・・だ!)
道のど真ん中に、女性、しかもまだあどけない顔をした女性が倒れていた。
「おい!おいって!しっかりしろ!」
いくら呼んでもその女性は反応しなかった。
目はうつろ、顔は真っ赤、熱もあった。
「ちっ!とりあえず、家に運ばないと!」
俺は必死に、その女性を担いで家に走った。
息を切らしながらも、立ち止まらず必死に。
(本当に運動不足ってイヤになるね・・・もうバテバテだ)
そんなことを考えながらも、家に到着した。
631 :
剣士:02/07/24 21:50 ID:GEH05qaq
家に着くなり俺は、その女性をタオルでふき、着替えさせた。
まあ、さすがに下着まで変えるわけにはいかなかったが。
とりあえず、その女性も落ち着いたようで、寝息をたてて眠っていた。
(はぁ・・・のんきなもんだぜ。こっちは必死だったってのによ)
俺はとりあえず、その子を置いて、シャワーを浴びにいった。
そしてシャワーから出てくると、その子は起きあがっていて、キョロキョロしていた。
「・・・目が覚めたようだな」
俺の声を聞くなり、ビクついて、隅っこで震えている。
「おいおい・・・別にあやしいもんじゃねーよ。あんたが道で倒れてて、ヤバイと思ったから連れてきただけだ」
それを聞いて、ようやく落ち着いてくれた。
「・・・すいませんでした・・・わざわざ助けてくれたのに」
その子は礼儀正しく、お礼とお詫びをしてくれた。
「いいって・・・まあ、まだあんた・・熱あるし、ゆっくりしていけ」
俺はコーラを片手に取り、笑顔で薦めた。
「え・・でっでも・・・迷惑ですから・・・」
俺はその子に背を向け、言い放った。
「迷惑?だったら家まで連れてくるかよ。いいから休んでいろ。話ならあとにしてくれ」
ちょっとキツいくらいの口調で言った。その言い方にビビったのか
「は・・はい。わかりました」
と、言って、またベットで眠りについた。
俺は、その子と、その子が持っていた荷物を見ながら考えた。
(デカイ鞄・・・それに、靴下や靴がボロボロだ・・・もしかして・・・家出?)
そうと決まったわけではない、と思いながらも、この子の疲れ果てた寝顔を見ながら考えた。
(まあいい・・・あとで聞けばいいか)
めんどくさがりやの俺は、そう自分に言い聞かせるとソファーで眠った。
632 :
剣士:02/07/24 21:51 ID:GEH05qaq
新作長編です。
更新終了です。
主人公の名前はまだ思いついてません(w
まあ、ヒロインは、決めたんですが、まだあかしてません。
次回にでも・・・。
予想は自由ですが。
633 :
.:02/07/24 21:59 ID:ZU1b6IzH
た。
た。
た。
た。
た。
634 :
ネオ生茶:02/07/24 22:04 ID:RkTqMvq4
>>521 の続きです。
「愛ちゃん、ごめんね。大丈夫だった?」
ボクは、今、愛ちゃんと小川さんと一緒に帰っている。
「大丈夫だよ」
愛ちゃんは、笑顔でそう言ってくれた。
「でも、先輩があそこでいきなり、愛ちゃんに話しかけたのが良くなかったんですよ〜!」
「そ、そうだね…ごめん」
「冗談ですよ」
そう言って、小川さんは笑う。
「でも、愛ちゃん、明日から大丈夫?」
と、小川さんが愛ちゃんに問いかけた。
「う、うん……」
愛ちゃんはなんだか、不安そうだ。
「とりあえず、学校ではあまり先輩とは一緒にいないほうがいいね。
後は、私が守ってあげるから」
「ありがとう、麻琴ちゃん!」
愛ちゃんの表情が明るくなったような気がした。
635 :
ネオ生茶:02/07/24 22:05 ID:RkTqMvq4
「ところで、先輩。次のライブはいつでしたっけ?」
「再来週の日曜日だよ」
「お兄ちゃんのライブ、行ってみたいな〜…」
「じゃあ、来てよ。チケット用意するから」
「ホントに!?」
愛ちゃんは、笑顔で聞いてきた。
「用意できると思うよ。小川さんもどう?」
「いいんですか!?」
「もちろんだよ! 二人分、用意するからさ」
「やった〜!」
小川さんも嬉しそうだ。
636 :
ネオ生茶:02/07/24 22:06 ID:RkTqMvq4
「でも、今日やってた曲、全部知らない曲だった」
「ああ、今日のは全部、洋楽だったからね。
ライブの時は、愛ちゃんが知ってるような曲にするよ」
「うん!」
そんなことを話していると、駅に着いた。
「確か、小川さんとは電車違ったよね?」
「そうですね、だから、ここでお別れですね」
「それじゃあ」
「さよなら」
「じゃあね、麻琴ちゃん!」
と、愛ちゃんは大きく手を振る。
「じゃあね」
と、小川さんも振り返す。
それから、電車が来て小川さんは電車に乗った。
「ボク達の乗る電車も、すぐ来るよ」
「うん」
そうして、ボクと愛ちゃんは電車を待っていた。
637 :
ネオ生茶:02/07/24 22:07 ID:RkTqMvq4
更新です!
638 :
剣士:02/07/24 22:55 ID:GEH05qaq
>633さん
すみません、やっと意味がわかりました(w
気をつけます。
ちょっと単調すぎますね。
639 :
こうもり:02/07/25 12:37 ID:z9aoE7rf
「お待たせいたしました」
矢口さんが飲んでいる間に店員がつまみを運んできた。
「さあじゃんじゃん食べちゃって、ここはわたしのおごりだから」
「わかりました」
俺はそう言ってほっけの塩焼きに手を伸ばす。
「おいしですね、これ」
「そうでしょ、前裕ちゃんと来た時食べて凄く美味しかったから
南条さんも気にいるんじゃないかなって思って」
「ええ凄く気に入りました、今度愛ちゃんと来ようかな」
俺がそう言うと矢口さんが物凄く不機嫌そうな顔で俺を見る。
「高橋の話はしないで」といった後も、矢口さんはペースを
落とさずにドンドン酒を飲んでいる。
640 :
こうもり:02/07/25 12:39 ID:z9aoE7rf
「はぁー、なんか酔っ払っちゃった」
「だから飲みすぎなんですよ、あ、危ない」
俺はふらふらになって車道に出ようとする矢口さんの腕をもって支える。
「矢口さん大丈夫ですか?」
「うん・・・大丈夫」
矢口さんはそう言いながら俺にもたれかかってきた。
「矢口さん本当に大丈夫なんですか?」
俺は矢口さんの顔を窺がいながらもう一度尋ねる。
「やっぱちょっとダメかも」
矢口さんは青い顔をしてそう言う。
更新終了。
【真夜中の電話】
あの人と出逢った頃、私の前髪は真っ直ぐで、色も黒かった。
そんな髪をあなたは優しく触れてくれる。
でも喧嘩した時、髪型を変えた。
また喧嘩した時、黒髪を辞めた。
でもその後、後悔する。
あの人は淋しそうな目をするから。
それからは髪型を変える時は相談するようになった。
そしていつしか喧嘩することも無くなった。
付き合ってから時間が経って色々2人の間で変わっていった。
でも、変わらないのが寝る前のおやすみなさいの電話
私はどんなに忙しくても、疲れていても電話する。
一緒に過す夜以外の日課と言ってもいい。
もう何年こんな生活をしているのだろう?
私は事あるごとに一緒に暮らすことを提案した。
でも彼の答えはNO。
一緒に暮らすとマスコミ対策など色々と大変だからと。
私はその理由に納得するしかない。
私には、私の─
彼には、彼の生活があるから。
わかっているのだけれど・・・
人は、秋や冬は人恋しい季節とか、よく言うけどそんなことは関係ない。
そう私は最近物凄く寂しくなる。
それは行楽シーズンで楽しそうな人を見る機会が多いからなのかな。
私ももっと楽しみたい。
一緒に出かけるんじゃなくて一緒に時を過したい。
それが私の楽しみだから。
そんな言葉をある日の電話で口にした時に
彼は少し困ったような感じがしていたので、私は話題を変える。
そんないつものパターン。
少ない休みに会う事で寂しさは埋められない。
次に会うまでの期間が余計に寂しさを増やしてしまう。
そして、電話では満たされない。
電話中なのに気が付くと涙が頬を伝う。
嗚咽が漏れそうなのを堪えながら、それでも明るく振舞って電話に話し掛ける。
その時、彼が一言つぶやいた。
『ごめんな。オレがいけないんだな。』
私は言葉にならず見えないのに首を横に大きく振る。
そして、その後の彼の言葉に大きく頷く。
そんな彼の忘れることの出来ない不器用な言葉─
『もう電話でさ、おやすみって言う辞めるか?』
( ´D`)<終わり〜
644 :
:02/07/25 17:17 ID:C5OUci55
我犬さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
>我犬さん
最後の誤字が中国人ぽい・・・ワラタよ
646 :
ななしぼ:02/07/25 19:05 ID:g9akSOpQ
>>645 細かいようだが脱字ね。しかし俺もわらた。
昔は前髪まっすぐで黒くて髪型変えて色変えたのって誰だ?
648 :
剣士:02/07/25 22:28 ID:hPdOyKAW
翌日、俺が目覚めると、その子は幸せそうな顔で寝ていた。
「さて・・・どうしたもんかな・・・」
この子をどうするか・・・で俺の頭の中はいっぱい。
ここに住ませるか、それとも家から出すか・・・どうするか。
「まあ、アテがないんなら叩き出すわけにゃあいかねぇよな」
俺は自分を無理矢理納得させた。まあ、ただ考えるのがめんどくさくなっただけだが。
「ん・・・・ふぁぁぁぁ・・・」
どうやら目覚めたようだ、がまだ寝ぼけている。
「起きたか。・・・待ってろ、飲み物ぐらい出す」
その子はまだ寝ぼけた顔をしている。
「・・・いい加減ちゃんと起きろ!色々聞きたいことがあるんだ!」
俺は疲れていたことや、寝起きだったこともあってキレてしまった。
「は・・・はい!ごめんなさい!」
俺の怒りによって、また怯えている。
「ふぅ・・・悪い、怒鳴っちまって。とりあえず、来てくれ」
俺はその子をイスに座らせて、コーヒーを出した。
「飲めよ・・・目が覚めるぜ?」
俺はまだ機嫌が悪いながらも、とりあえず怯えさせるのもなんだと思い、何も言わなかった。
「ありがとうございます・・・」
その子はまだちょっと怖がりながらも、コーヒーを飲んだ。
「さ・・てと。教えてもらいたいことが山ほどあるんだ。答えてくれるか?」
単刀直入。面倒な俺にとってこの上ない問いただしかただ。
「はい・・・え〜っと・・・何からお話しましょうか?」
「とりあえず、名前ぐらい教えてくれよ」
649 :
剣士:02/07/25 22:42 ID:hPdOyKAW
「石川梨華です・・・あの、あなたの名前も教えていただければ・・」
そういえば、名前名乗ってなかった・・・。
「進藤涼一(しんどうりょういち)だ。じゃあ、質問を続けるぞ。あの日、何故あんなとこに倒れていたんだ?まあ、簡単に言えば、ここまでの経緯を教えてくれ」
俺の淡々とした口調で問いただす。さっさと質問を終わらせたいだけだが。
「実は、親が火事で死んで、身寄りもなにもなくて、放浪してたんです。家は焼けちゃったから」
複雑なことが知らないところで起きてるものだ・・・。
「マンションとかにも長く居られなくて、お金もあまりないし・・・それでまた住む所を探してた時に、体調が悪くなって」
なるほどな・・・ということはアテがねぇんだな。
「住むとこないんなら、ここで住んだらどうだ?」
俺の突然の提案に、驚く石川さん。
「ええ?そんなの悪いですよ!進藤さん!」
悪くないから言ってんのに、面倒だな・・・。
「アテもねぇ女を放っとくほど、俺は非情じゃねーよ。いいから・・・部屋もある」
まあ、カッコつけて言ってみたが、ただ家事とかに役に立つかも・・という甘い考えのため。
「ありがとうございます!でも・・あの・・・家賃とかは?」
俺はコーヒーを飲み干し、ため息をつきながら
「家事をやってくれれば、タダでいい。俺も得だしな」
それを聞くと、さらにパァっと明るい顔になった。
「わかりました!頑張りますっ!あの、私は梨華・・・って呼んでくれます?」
まだ注文あるのか・・・・ったくもう・・・・。
「ああ、わかった。俺は涼一って呼びづらいだろうから、涼でいい」
俺はカップを流し台に片付けながら、そっけなく言った。
「はい!よろしくお願いしまーっす!」
・・・うるせぇ。・・・さて、この同居が吉とでるか、凶とでるか。
どうにでもなりやがれって感じだな。考えるのもめんどくせぇ。
650 :
剣士:02/07/25 22:59 ID:hPdOyKAW
更新終了と言うのを忘れてた(w
とりあえず、イマイチかもしれまへんが、ガンガリます・・・。
ぶっきらぼうキタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!!!!
652 :
こうもり:02/07/26 12:52 ID:8ILURAiK
「ちょっとどこかで休憩したほうがいいですか?」
「そうしてもらえると嬉しいな」
「でもこの辺休憩できるところありましたっけ?」
「何言ってるの?目の前にあるじゃない」
「目の前って?」
俺は矢口さんに問いかけながら、前を向く。
するとそこにはラブホテルがある。
「ってここのことですか?」
「うん」
「だってこの辺こんなところぐらいしかないよ、休憩できるところ
それにこう言う場所ならフロントで顔が見られないから」
653 :
こうもり:02/07/26 12:54 ID:8ILURAiK
「わかりました、じゃあここに乗ってください」
「いいよ、自分で歩けるから」
「無理しなくていいですから」
「わかった」
俺はその場にしゃがみ矢口さんを背中に乗せる。
「私、重くない?」
「全然そんなことありませんよ」
俺はそう言いながら矢口さんを背中に乗せて、ラブホテルに入る。
「ここのボタンを押すの」
「ここですね」
俺は矢口さんの言われたとおりにボタンを押し、鍵を受け取る。
「じゃあいきますよ」
「うん」
更新終了。
ラブホキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
愛たん(´・ω・`)ショボーン
【年下の彼】
東京の街の片隅でキミと出逢ったよね。
出逢いは運命とよく言うけれど、まさにそんな感じ。
だってあの時の二人はまったく接点の無い二人だったもんね。
忘れないよキミの最初の言葉。
「あ。なっちだ。」
驚いた表情がまだ幼く見えたキミの顔。
でも、年下のキミはすぐに敬語になって「安倍さん」って呼ぶようになったよね。
それから、えっと何度かメールしたり電話したりして・・・デートしたね。
もう桜がハラハラと散り始めて、それがキレイで口開けて眺めていたキミの口の中に
花びらが入って2人でおかしくて笑ったよね。
あの時は暖かかったけど、それが今ではもう暑いね。
雲ひとつ無い青空で蝉の鳴いている広場で小学生がキャッチボールしているのを
遠くで眺めながら、自動販売機で買った缶ジュースを渡した時─
「ありがとう、なつみ。」
照れながらだったけど、やっと「なつみ」って呼んでくれた時は嬉しかったよ。
目は合わせてくれなかったけど、出逢った頃より逞しく見えた横顔。
その言葉、いつまでも忘れないよ。
この先、何年経っても、もっともっと逞しくなっても
キミは年下だけれども、これからも─
一緒だね。
( ´D`)<〜終わり〜
656 :
なぼ。:02/07/26 20:22 ID:+4fIBaZu
いつまでも一緒にいてやってくれ・・・(感動
657 :
剣士:02/07/26 22:28 ID:5UEyO6z8
>649の続き
とりあえず事情を聞いた後、俺はヒマだったので出かけることに。
「どこにいくんですか?」
わざわざ聞いてくる梨華。俺はタバコに火をつけながら
「・・・関係ねぇだろ?俺がどこへ行こうと。わざわざ聞くな」
と、冷たく言って、外へ。面倒だし、いちいち聞かれるのも嫌いだ。ガキじゃねーんだし。
俺はバイクを乗り、さっそうと出かけた。
「あんなに冷たく言わないでも・・。ま、いっか・・・恩人だし!掃除でもしようっと!」
俺にキツク言われたことっが、まるでこたえてないようだ。楽観的なんだろうが・・・。
俺は、目的地も決めずにバイクをとばした。
(・・・どこに行くかな・・。アイツんとこに行くか。相談もしたいし)
俺は「アイツ」の所に向かった。ただの暇つぶしに使えそうだから。
それに、家にいると梨華に何か色々聞かれるのが嫌だ。
素性を知られるのが嫌いじゃないのだが・・・・面倒。ただ理由はそれだけだった。
そして俺は、アイツの働いているバーについた。
ちょっとばかし古いが、うまい酒やカクテルがおいてあって、常連も多い店。
「・・・どうも」
俺が店に入ると、いたのは「アイツ」一人。さすがに夜に客が来る店だけあって、ヒマそうだ。
「あら?いらっしゃい。どうしたの〜?いつもなら夜来るのに」
・・・俺は基本的に友達が多いほうじゃないが、コイツだけは特別だ。何せ、恩があるから。
「ああ・・・ただヒマだったからだ。それに、ちょっと話があってな・・・なつみ」
658 :
剣士:02/07/26 22:45 ID:5UEyO6z8
安倍なつみ。
俺の昔からの友人で、バーで働いている。優しい笑顔と性格でモテるのだが、「何か、ちょっと足りないのよ・・・」とか言って振る。コイツの優しい笑顔には、俺でも何か癒される。
「何よ〜!あらたまって」
なつみはコップを拭きながら、笑顔で尋ねてきた。
「ああ・・・まあ、とりあえず・・・まだ昼だし、オレンジ・・・カクテルにしようかな」
俺が注文をすると、早速作り始めた。それにしても1年だけでこんなに手際がよくなるもんなんだな。
「は〜い!どーぞ!で、話って何?」
せっかちだな・・。まあこいつじゃないと相談できないんだが。
「実は・・・・というわけで・・・・・ということで・・・・何だ」
俺が一通り説明すると、なつみは何故かニヤ〜っと笑った。
「へぇ〜・・・そうなんだ。涼が女の子を助けるなんて・・・地球がひっくりかえるかもね〜」
バカにしてやがる・・・・でも、憎めない・・・。あ〜!腹立つ!
「あはは!怒らないで。まあ、その子を居候させたのは、どういうワケ?」
俺はタバコに火をつけ、ヒジをテーブルに置いた。
「ただ、家事に役にたつだろうし、あきらかに・・アテないんで助けてくださいって目をしてやがった。そんなんで断れるかい」
俺はブツブツと愚痴を言った。なつみはジっと聞いてくれるから安心。
「ふ〜ん・・・なるほど。ま、いいんじゃない?それであんたもさぁ、変わるんじゃないかい?」
変わる?俺が?俺の何が?
「バカ言え。いまさら俺の何が変わるって言うんだ?」
「そのうちわかるさ。涼が変わったらどうなるか興味あるべ」
訛ってきてる・・・ヤバイ、説教が始まるパターンだ。
「じゃ、じゃあ・・・俺は行くよ。代金は置いておく・・・愚痴って悪かったな」
俺は指を二本上げながら、店を出た。
「さて・・・あの女はどうしてるか・・帰るか」
俺はタバコを捨て、バイクにまたがり家に向かった。それをなつみがこっそり見送っている。
「アイツのぶっきらぼうなのはいいんだけど、冷たいのがねぇ。その梨華って子の出現でアイツが変わったらいいのにねぇ」
と、ブツクサ言いながら店に入って行った。
659 :
剣士:02/07/26 22:46 ID:5UEyO6z8
更新終了です。
何となく、主人公の相談役、そかもバーで働く、という設定のなっちを出してみたかったので、出しました。
660 :
.:02/07/26 23:54 ID:xsm/RmWQ
短い文章に内容が凝縮されてるのに情景も浮かぶし良い作品だ
661 :
:02/07/27 00:21 ID:MxRVEbCe
>>659 最初の頃に比べると話のテンポも落ち着いてきてて
読みやすくなってて非常に(・∀・)イイ!!です。偉そうないい方で失礼しました。
これからも更新楽しみにしてます
662 :
読者:02/07/27 01:41 ID:zC/L3MZu
よく剣士氏のレス付けてる人は毎回同じ人?
>>662 ちなみに俺ではないな。なんたって剣士タンのやつ一回も読んだことないしw
664 :
こうもり:02/07/27 13:04 ID:Nk1hyuJy
俺は鍵を開けて、部屋の中に入る。
そして、とりあえずベッドの上に矢口さんを下ろし
「矢口さん水飲みます?」と聞く。
「お願い」
俺は冷蔵庫から水を出してそれを矢口さんに飲ませる。
「ふぅーーー」
矢口さんは水を飲んだ後、一つ大きく息を吐く。
「少しは楽になったよ」
矢口さんは身を起こし俺にそう言いまたすぐに横になった。
俺はベッドに腰掛け、周りを見回す。
665 :
こうもり:02/07/27 13:05 ID:Nk1hyuJy
それにしても凄いところだな。
なんか目がチカチカしてくるし、どこかに明かりを調節する場所ないのかな。
俺はそう思いベッドから立ち上がろうとすると
いきなり矢口さんに腕を掴まれ、そのままベッドに押し倒された。
矢口さんは俺をまたぐように、乗っかってくる。
「矢口さん・・・(何するんですか)」
と言おうとしたがそれは矢口さんの唇で塞がれる。
「南条さんの事誰にも渡したくないの」
矢口さんはそう言うと自分で、コートを脱ぎそしてシャツの前を開く。
更新終了。
666 :
関西人Z:02/07/27 14:21 ID:P8W/uJ5Z
過去
「あーしゃん」
「…あーい」
ポテポテポテ ボテッ←(転ける音
「…ウッ、ビエーン!」
現在
「あさ美ちゃん」
「…はーい」
トテトテトテ ドテッ←(転ける音
「…グス、痛いです…」
未来
「あさ美」
「…はい」
タッタッタ ドテンッ←(転ける音
「…転けちゃいました…」
いつまでも変わらない君が好き
矢口inセクースキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
【ドライブのその前に】
明日の海へのドライブに備えて彼の車の洗車を手伝う。
遅めのランチを食べた後で眠くなりかけたけど
睡魔と闘いながらTシャツとホットパンツに着替えて気合を入れる。
背の低い私は、洗車の手伝いと言っても車内の掃除。
これが暑くて辛いんだけど、タイヤとその周りぐらいしか
手伝えない戦力外の私にはこれぐらいしかやることが無い・・・
彼にとっては車内の掃除は窮屈なところで掃除しにくいみたいで
ちょうど良いと言えばちょうど良いのかもしれないけれど。
冬は良いんだけど、夏は辛いよぉ。
車内を掃除していたら、外から窓をコンコンってノックされたので
外を見ると彼が手招きしている。
窓に顔を近づけた時─
「うわぁ」
窓に向かってホースで水をかけてきた。
水が直接私に掛かる訳じゃないけどマジびびった。
しかも、これが初めてじゃないし・・・
「くそー」
悔しくて思わず漏らしたその言葉の口の動きを見て
彼は外でお腹を抱えて笑っている。
でも、そんな彼が私は好き。
明日のドライブ楽しみだね。
( ´D`)ノ< お〜わりっと。
669 :
:02/07/27 16:23 ID:Ey0kF31z
積極的ヤグたんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
>>666 こんこんっぽくて(・∀・)イイ!!
670 :
剣士:02/07/27 18:18 ID:D8iI0HaE
>658の続き
俺はバイクをとばしながら、梨華のことを考えていた。
(何やってるかな・・・変なことしてねぇだろうな?)
不安ばかり募る。まあ、あの女なら大丈夫だろうが・・・。
そんなこんな考えているうちに、家に前まで来た。明かりは点いてる。俺はドアを開けながら
「ただいま・・・」
と、タバコに火をつけながら低い声で言った。しかし、反応がない。
俺が部屋に入ってみると、梨華は寝息をたてて眠っていた。
(のんきなもんだぜ・・・ったく。風邪ひいても知らんぞ)
俺はその場を立ち去ろうとした、が・・・足を何故か止めてしまった。
「チッ・・・また寝込まれてもかなわねーな」
と、俺は自分に言い聞かせて、梨華に毛布を掛けた。と、毛布を掛けた瞬間梨華が目覚めた。
「うぅ・・・ん・・・あ・・おかえりなさい」
目をこすりながら梨華は立ち上がった。
「・・・風邪ひくぞ。」
俺にはそれしか言えなかった。風邪ひくから、気をつけなよ、何て優しいこと・・・言えない。
「あ、ごめんなさい・・。部屋を掃除し終わったら眠くなって・・・」
まあ、確かに部屋はキレイになっていた・・・。
「それは礼を言う。・・・風呂にでも入ってこい。汚れたままでいるつもりか?」
俺は灰皿にタバコを捨て、さらに次のタバコに火をつけた。
「あ、はい・・・タバコお好きなんですか?」
・・・間が悪いヤツだ。俺は機嫌があまりよろしくないというのに・・・。
「そんなこと関係ねーだろう!服は洗面所にある!とっとと行け!」
短気な俺は、また怒鳴ってしまった。
「す・・・すいません!」
と、梨華はそそくさと風呂場へ。
「きつく言うつもりはなかったが・・・ま、いいか。アイツが悪い」
と、無茶苦茶なことを言い聞かせ、タバコをふかした。
671 :
剣士:02/07/27 18:20 ID:D8iI0HaE
更新終了。
今日はここまでです。
>660,661さん
ありがとうございます。
ヘタなりに書いてるだけぢ、嬉しいです。
>663さん
読むに値してませんか?俺の(苦笑)
674 :
剣士:02/07/27 18:54 ID:D8iI0HaE
>673さん
鬱・・・すんません。
勘違い・・・逝ってきます。
675 :
660:02/07/27 19:25 ID:S+OHM+YK
書きにくいけど
>>673正解
我犬さんは今回もイイ!
676 :
661:02/07/27 23:07 ID:MxRVEbCe
677 :
ななし:02/07/28 00:22 ID:v76uVIyz
第2次短編ブームか!?
678 :
こうもり:02/07/28 04:54 ID:r2EsnkST
すると矢口さんの水色のブラジャーが一瞬見えた。
俺はそれを見ないように目を瞑る。
「ちょ、ちょっとやめてくださいよ」
「ダメよ」
矢口さんはそう言いながら、また動いているようだった。
俺は目を瞑ったまま、矢口さんから逃れようともがいていたが
上手く力がこもらないのでばたばたしているだけだった。
「うわっ!!」
俺は頬に感じた事のない感触を感じ大きな声を上げる。
679 :
こうもり:02/07/28 04:55 ID:r2EsnkST
矢口さんが何をしているのか気になりおそるおそる目を開けると
目の前に矢口さんの胸が迫っていた。
「矢口さん、どういうつもりですか?」
俺は再び目を瞑り矢口さんに問い掛ける。
「どういうつもりって、私は昨日言ったとおり
あなたが好きなの、だから誰にも渡さない」
矢口さんはそう言うと俺の唇を強引に奪う。
更新終了。
「ダメよ」ってところでヤッスーのAAしか浮かんでこない俺・・・恥
( `.∀´)ダメよ
【Thank you】
風に揺れるカーテンに風の存在を教えてもらい
本を読む場所を移動した。
クーラーは体に良くないから極力使わない。
休みの日はこうやって自分の部屋でゆっくり本を読む。
勉強も兼ねて子供用の英語の絵本。
最近では辞書に頼らなくてもこれくらいは読めるようになってきた。
そうなると楽しくなって、より勉強も頑張れる。
─ピンポーン
部屋のインターフォンが鳴り宅配便が届く。
その包みは外国からの包み。
海外に長期出張の彼からの荷物。
はやる気持ちを押さえながらそっと包みを解く。
中にはカードと数冊の本
カードには、見慣れたちょっとクセのある文字。
「かわいい絵本を見つけたからまた買たんだ。」
その文字が胸を熱くさせる。
Eメールと違う彼だけの文字。
何度も読み返す。
そして、机の引出しに入れて
冷蔵庫から冷えたワインを取り出して
彼の住んでいる方角にグラスをあげる。
「Thank you」
そう言って私はグラスに口をつけながら
絵本のページをゆっくりと開いた。
( ´D`)φ< お〜わり。っと。
683 :
関西人Z:02/07/28 22:32 ID:+bXaOHkb
夜中に目が覚めた
視線を感じ横を見ると、圭が俺の顔をのぞき込んでいる
「なんだよ」
「なんでもない…ふふ」
少し笑う
「…ねぇ」
「ん?」
「キス…して…」
甘えた目をこちらに向ける
俺は何も言わず、そっと口づけた
「ん…」
柔らかい唇を感じる
俺は口づけを圭の唇から首筋に移動させた
「はぁ…」
圭の口から甘い吐息が漏れ、ギュッと俺を抱きしめる
「大好き…絶対離さないから…」
「俺も、好きだよ」
そう言って、もう一度キスをした
この瞬間が 至福の時間(とき)
684 :
コンボ:02/07/28 23:38 ID:d5A5KFSg
また短編です
ええ、長編書かなきゃいけないのは分かってます(w
柳孝司は不機嫌だった。
連日、浜辺のゴミ拾いをしているために腰が痛むのだ。
夏休みに入ると海水浴の客がぐんと増えて、ゴミの量も多くなる。
一昨日は8件も迷子があって、事務所の中はてんてこまいだった。
腰の痛みをひきずって、孝司は混雑した浜辺を叫びながらねり歩いた。
腰はひどくなるばかりで、風呂場でかがんだときに思わず悲鳴を上げてしまった。
まだ二十歳をすぎたばかりだというのにこんなことでは駄目だと思うのだが、腰の痛みは止まない。
昨日は炎天下で倒れる海水浴客が続出し、朝から晩まで手当てのし通しだった。
救急車を呼んでの大騒ぎにもなり、腰の痛みは増すばかりである。
そんな中、今日は珍しく監視台に座っている。
浜辺や事務所にばかりいたせいか、体がなまっている気がして仕方がない。
孝司は肩を回して、ビーチの人々に目を凝らした。
今のところ注意するような人はいない。
痛む腰をさすりながら、孝司はライフセーバーという仕事の難しさをつくづく実感していた。
685 :
コンボ:02/07/28 23:38 ID:d5A5KFSg
昼過ぎ、酔っ払いが離岸流にはまった。
離岸流とは文字通り岸から離れる流れで、水が沖へ戻る時に生じる流れのことである。
酔っ払いは岸へ泳ごうとしたが、もがくだけだった。
「助けてくれ! 溺れた!」
もがきながら大声でぶ酔っ払いは、顔が真っ赤だった。
「岸に泳いじゃだめです! 岸と並行に泳いでください!」
孝司は怒鳴りながら、海に飛びこんだ。
酔っ払いは孝司の言葉を聞いてか聞かずか、流れの中でもがき続けた。
――この酔っ払いが。
孝司が胸の中で毒づいていると、遠くから誰かが泳いでくる。
方向を見ると、どうやら酔っ払いを助けようとしているのだ。
誰かを助けようと飛びこんで、自分も溺れてしまうというのはよくある話である。
――あの野郎、仕事増やしやがって。
孝司は酔っ払いに近付くと、落ちつくよう言った。
「落ちついてください。
力を抜いて、つかまってください」
酔っ払いは大人しく孝司におぶさった。
振りかえると、酔っ払いを追いかけていた誰かはまだ泳ぎ続けている。
――もう帰れっての
「危ないですから、近寄らないでください!」
そう言っても、引き返す様子はない。
仕方なく酔っ払いを連れて向かうと、追いかけていたのがビキニの女性だったことが分かった。
686 :
コンボ:02/07/28 23:39 ID:d5A5KFSg
「しかし、よく叫べたなあ」
「いつも人に頼ってますから、お父さんは。
助けを求めるのに慣れてるんですよ」
吉澤ひとみと名乗った女性は、孝司の独り言に反応した。
「ああいう時はパニックになってて、なかなか叫べないもんだよ。
案外落ちついてたんじゃない?」
「ありえない。
パチンコ負けただけでパニックなのに」
そう言って、ひとみは濡れそぼった茶髪をかきあげた。
酔っ払いもとい、ひとみの父親は日陰で寝ている。
「何書いてんの?」
ひとみは孝司の手元をのぞきこんだ。
「事故の報告書。
ここではいちいち書かせんの。
お父さんの名前は?」
「吉澤俊太郎。俊敏の俊に、普通の太郎」
「今日は二人で来てんのか?」
「何、そんなことまで言わなきゃ駄目なの?」
ひとみは不快をあらわにした。
「いや、言いたくないならいいけど」
孝司は一通り報告書を書き終えて、所長の机に置いた。
687 :
コンボ:02/07/28 23:39 ID:d5A5KFSg
それから、吉澤ひとみは毎日来た。
必ず俊太郎と同伴で。
本当は孝司が知らないだけで、それまでも来ていた。
朝の9時頃から昼まで来て一反帰り、午後も3時間ほど海にいる。
ひとみは泳いだり、海を眺めたり、海の家のおばちゃんと喋ったりしているが、俊太郎はほとんど寝ている。
家からわざわざビーチパラソルを持ち出して砂浜に突き刺し、その下にシートを敷いて寝るのだ。
ある日、監視台の下で海を眺めていたひとみに聞いてみた。
「家近いの?」
ひとみは首だけで振りかえって、目を細めた。
「なんで?」
「毎日来てるから。家遠かったら来れないだろ」
「まあ、近いよ。こっから十五分ぐらい」
鬱陶しそうに言うと、ひとみは立ちあがって海に走っていった。
狸寝入りか知らないが、俊太郎は相変わらず寝ていた。
688 :
コンボ:02/07/28 23:40 ID:d5A5KFSg
ある日、俊太郎がサーフボードを持ってきた。
どうするのか見ていると、意外と上手く波に乗っている。
孝司は、海の家から戻ってきたひとみに話しかけた。
「お父さん、サーフィン上手いね」
「中学からやってるんだって。
サーフィンしか取り柄ないの」
30半ばの俊太郎は浜辺で寝ているだけで、よく女性に声をかけられる。
孝司もはじめは20代だと思っていたが、ひとみの父親と聞いて驚いた。
「若いね」というと、ひとみは不機嫌そうに返事をした。
「それって良いこと?」
「老けるよりは」
「そうかな」
「お母さんは?」
薄々勘付いているが、もしかしたら、と思って訊いた。
「いないよ。それで何?」
ひとみは不機嫌そうに砂を払って立ちあがった。
勘は当たっていた。
689 :
コンボ:02/07/28 23:41 ID:d5A5KFSg
「柳さんですよね?」
事務所のそばでぼうっとしていた孝司に、俊太郎が話しかけた。
「ああ、吉澤さんのお父さんですか」
孝司は俊太郎の金髪を鮮明に覚えている。
俊太郎は孝司の横に腰を下ろした。
「どうですか、ひとみは」
「良い子だと思いますよ」
知り合ってから数週間経って、孝司が抱いた感想だった。
「やっぱりそう思います?」
俊太郎は嬉しそうに笑った。
「良い子なんですよ、本当に。
俺なんかにはもったいないくらいで」
俊太郎はまた笑ったが、今度は寂しげだった。
「……失礼ですが、奥さんは?」
「ひとみから何か聞きましたか?」
「お母さんがいないとだけ」
孝司は訊いたことを少し後悔したが、今更どうしようもない。
「馬鹿な話ですよ。
19の時に結婚してひとみを生んで、21で離婚しました」
俊太郎はまた寂しげに笑った。
「この金髪ね、その時からなんですよ。
ずっと染めとけばいつかまた会えるような気がしてね」
沖からの風で、金髪がなびいた。
「馬鹿でしょ?
離婚するなら結婚するなって話ですよ」
俊太郎は金髪の頭をかきながら、どこかへ歩いていった。
690 :
コンボ:02/07/28 23:41 ID:d5A5KFSg
連日晴れていたが、台風の接近で雨が降った。
昼だというのに外は暗い。
客足は止んで、どしゃぶりの浜辺には人影がない。
「せっかくお盆なのにな」
同僚はコンビニ弁当を食べながら言った。
「稼ぎ時に雨降られちゃどうしようもねえな」
「確かにこの雨じゃなあ」
「これ、明日やばいんじゃないか?
朝からずっと降ってるし」
明け方からかれこれ6時間以上降っている。
「波もちょっとやべえよな。
今はまだ風無いからいいけど」
同僚は口から米粒を飛ばしながら喋る。
「ちょっと見てくる」
「気をつけろよ」
孝司は傘を取った。
風こそ無いが、雨で増水して大変になっていることもある。
なにより、ひとみのことが気にかかった。
691 :
コンボ:02/07/28 23:42 ID:d5A5KFSg
歩いてすぐ、浜辺に白い傘が見えた。
後ろからで顔こそ見えないが、ひとみだという確信がなぜかあった。
「今日も来たのか」
横にしゃがむと、ひとみは視線だけ孝司に向けた。
「こんな高波ばっかり見て楽しい?」
「別に……」
ひとみは体育座りで、荒れた海を眺めている。
「だったら来るのやめたら?」
返事は無い。
孝司は暗い浜辺を見まわして、人のいないことを確認した。
「お父さんは?」
「来てない。分かるでしょ」
「どこ行ってるんだ?」
「知らない。パチンコだと思う」
ひとみは鬱陶しそうに答える。
「前から訊きたかったんだけど、お父さんの仕事って何?」
「……何が聞きたいの?」
強い雨音の中では消え入りそうな声で、ひとみは言った。
「ちょっと興味がね……」
「興味だけで人の生活訊かないでくれる?」
ひとみは驚くほどはっきりした口調で答えた。
「どっか行ってくんない?」
孝司はしばらくじっとして、立ちあがるしかなかった。
ここまでです。
これで取り合えず前編です。
後編はもっと長くなりそう。
692 :
:02/07/29 00:13 ID:qA2k4jhz
(・∀・)イイ!!
(・∀・)イイ!!
どうでもいいことだけど、お盆に海って入っていいもんなんか?
家では「盆に海に行くとあの世に引っ張っていかれる」って言われて今まで生きてきたんだけど・・・
連載作者はもちろんのこと、
短編作者も(・∀・)イイ!! 味を出している今日この頃、
ラムザたんってどこいったんですか?
>>693 お盆休みにしか海に逝けない家族も多い罠。
696 :
こうもり:02/07/29 12:23 ID:TckShmRN
矢口さんはそう言うと俺の唇を強引に奪う。
何とかしないと、本当にまずいぞ。
俺はなんとかしなければと思いながら矢口さんから逃れようとしている。
しかしキスをされている間に俺は抵抗する力が徐々になくなってきてきた。
「一緒に楽しもう」
俺は耳元でそう囁かれ理性が完璧に吹っ飛んでしまい矢口さんの唇に
貪るように吸いつく。
「はぁ、もっと」
矢口さんは悩ましい声を上げながら、さらに深いキスをしようと
697 :
こうもり:02/07/29 12:25 ID:TckShmRN
俺の口の中に舌を入れてくる。
「ぴちゃ、ぴちゃ」
俺も矢口さんもお互いを味わうかのように口の中に舌を這わせる。
しばらくその行為を続けた後、俺は唇を離す。
そして体勢をいれかえ今度は矢口さんの胸を触ろうとした。
「ブーーン」
その時、ズボンのポケットに入れていた俺の携帯がメールの受信を告げる。
俺は無視しようかとも思ったがなぜかそのときメールが気になり携帯を見た。
そのメールは愛ちゃんからのものだった。
【カズさんへ
カズさんと出会ってからまだ一ヶ月経ってないんですよね。
でも私はこの短い間でカズさんからいろいろなものをもらったような気がします。
それにカズさんは私にとってはなくてはならないものになってます。
けど・・・わからないんです。
カズさんにとって私って一体どういう存在なんですか?
カズさんの心には私はいるんですか?
私にはわからないんです。
だから私はカズさんの本当の気持ちが知りたい。
今日は寝ないででも、カズさんの帰りを待っています。 愛】
更新終了。
愛タン切ないね・・・
699 :
コンボ:02/07/29 17:28 ID:1yVdz6iw
長くなったので中編・後編に分けました。
後編も今日中に更新できそうです。
快晴で、風の強い日である。
「ちょっといいですか」
孝司が事務所で迷子のアナウンスをしていると、俊太郎がやってきた。
一通りアナウンスを済ませて、孝司は事務所の外へ出た。
「最近、ひとみに彼氏ができたみたいなんですよ」
俊太郎は砂浜に腰を下ろしながら話した。
「ちょっと前にサーファーと知り合ったらしくて、今も仲良さそうにしてるんですよ」
俊太郎の視線を追うと、ひとみが背の高い男と楽しそうに話している。
歳は孝司と同じぐらいで、黒髪で体が引き締まっている。
「何か知りませんか?」
大雨の日から、ひとみとは口を利いていない。
お互いに近付くこともなくなった。
意識的にひとみを見ていなかったから、サーファーのことも知らない。
「ちょっと分かりませんね……」
「そうですか……」
俊太郎は落胆の色を隠せないようだった。
「気になります?」
「そりゃまあ、一応はね」
言葉の割に、サーファーを見る俊太郎の顔は険しかった。
700 :
コンボ:02/07/29 17:29 ID:1yVdz6iw
翌日、俊太郎は海に来なかった。
代わりにひとみは俊太郎のサーフボードを持って友人を連れてきた。
孝司の座っている監視台のすぐ下で、ひとみと友人は例のサーファーと会った。
「どうもはじめまして。後藤真希です」
後藤と名乗ったひとみの友人は頭を下げた。
「どうも、萩原です」
サーファーは笑顔で萩原と名乗った。
「ごっちんは物覚え悪いから苦労するかもしれませんけど、よろしくお願いしますね」
ひとみは笑って萩原に言った。
萩原はサーフボードを持って、二人の前を歩き始めた。
「結構かっこいいね、確かに」
後藤は耳打ちするようにひとみに言った。
「あれは私でも惚れるなあ」
「でしょ? サーフィンやってるのがまたかっこいいんだよね」
ひとみは笑ってサーフボードをかつぎなおした。
701 :
コンボ:02/07/29 17:30 ID:1yVdz6iw
朝からのぶっ通しのゴミ拾いで、おさまっていた腰痛が再発した。
その日もひとみはずっと萩原といたが、今は海で泳いでいる。
ビニール袋を持った孝司が近付くと、萩原は立ちあがって周りのゴミを拾い集めた。
「ご苦労様です」
萩原は立ちあがって、孝司のビニール袋にゴミを捨てた。
「あ、どうもありがとうございます」
孝司が礼を言うと、萩原は孝司の顔をまじまじと眺めた。
「もしかして、柳さんですか?」
「ええ、まあ……」
いきなり萩原に自分の名前を呼ばれて、孝司は驚いた。
「どこかでお会いしました?」
「吉澤俊太郎さんから聞きました」
「あの……吉澤さんのお知り合いですか?」
――そうは思えないけど。
「一昨日初めてお会いしました。
良いお父さんですよね」
萩原が海の家かどこかに入ったところを捕まえたに違いない。
――ただの親バカだって。
孝司はその言葉を噛み殺して、にっと笑った。
「あの、ひとみさんと付き合ってるんですか?」
「いえ……俊太郎さんにも言いましたけど、僕にはそういう気持ちは全然ありません」
萩原は素っ気無い様子でそう言った。
少し安心するのを孝司は感じた。
それが俊太郎に対する安心か、自分に対する安心かは分からなかった。
702 :
コンボ:02/07/29 17:31 ID:1yVdz6iw
明け方、孝司が事務所を出ると俊太郎が待ち伏せていた。
「ちょっと、ひとみの様子がおかしいんですよ」
嬉しさを隠しきれない表情で、俊太郎は話しかけた。
「一昨日まで明るかったのが、昨日の晩から急に大人しくなって」
「それって……」
「萩原君に振られたらしい」
顔中をほころばせて、俊太郎は笑った。
「昨日になって俺にサーフボード返しに来たんですよ。
「もうサーフィンやらないからいらない」って」
「そうですか……」
孝司は素直に喜べなかった。
ひとみをそこまで落ちこませた萩原に、少し腹立たしくさえなった。
「これで一安心ですよ」
俊太郎はそう言って伸びをした。
「さ、今日はサーフィンでもするか」
703 :
コンボ:02/07/29 17:32 ID:1yVdz6iw
「ねえ、柳さん」
「ん?」
ひとみが監視台の下から声をかけてきた。
一週間ぶりに口を利く。
「サーファーの萩原さんって知ってる?」
「知ってるけど?」
「どんな人か教えてくれない?」
まだ諦めきれないらしい。
孝司にも似た経験はあるから、ひとみの気持ちはよく分かる。
好きだった相手に振られても、ついつい相手のことを知りたくなるものだ。
「良い人だと思うよ。あんまり知らないけど」
孝司が曖昧な返事をすると、ひとみは不満げな顔を作った。
「他になんか無いの? サーフィン上手いとか」
「ここの人は皆結構上手いよ。
萩原さんとはあんまり付き合い無いから知らない」
そう言い残して、孝司はだんまりを決めこんだ。
しばらくするとひとみもとぼとぼと浜辺を歩いていった。
ここまでです。
>>695 フォローサンクス。
704 :
:02/07/29 17:51 ID:47EJgQIO
愛ちゃん・・・(´Д`)
705 :
コンボ:02/07/29 19:45 ID:1yVdz6iw
「前からお聞きしたかったんですけど」
孝司は海の家で俊太郎と向かい合って焼きそばを食べている。
「吉澤さんたちってなんで毎日ここ来てるんですか?」
俊太郎は焼きそばを食べる手を止めた。
「俺はね、ここが気持ち良いから。
家で寝てても仕方ないし」
「仕事は何やってるんですか?」
「建築家」
孝司は思わず呆れたように口を開いてしまった。
「意外でしょ? 自由業だし、仕事は一気に来るから結構時間あるの」
「ひとみさんは何で来てるんでしょうね?」
「暇だからじゃない?
友達の中でつまらないことするより、一人で勝手に好きなことやってるタイプだから」
そう言って、俊太郎はおばちゃんと話しているひとみを見た。
「あと、俺が別れた女と知り合ったのもここだし。
二人でよく来てたって話したことあるけど、だからじゃない?」
俊太郎は水を口にして、また焼きそばを食べはじめた。
706 :
コンボ:02/07/29 19:45 ID:1yVdz6iw
8月も終わろうかという日、ひとみは一人で来た。
一人で泳いで、海の家に寄って、日陰から海を見ていた。
監視台の下にも来た。
「お父さん、仕事?」
孝司の言葉は聞こえていないのか、ひとみの返事は無かった。
一時間もしゃがみこんでじっとしているだけだった。
翌日も、ひとみは一人で来た。
そして、話しかけてもひとみの返事は無い。
その翌日も翌々日も一人で来た。
何かおかしいことが起こっているのは、孝司にも充分分かることだった。
そして俊太郎が来なくなってから五日目、ひとみも海に来なくなった。
707 :
コンボ:02/07/29 19:46 ID:1yVdz6iw
それから五日間、吉澤親子は姿を見せなかった。
昼休み、孝司は地元の地図を手に事務所を出た。
何かおかしなことが起こっている。
孝司には不吉な予感がしてならなかった。
海から吉澤家までは歩いて十数分で着いた。
住宅街の一件で、特に変哲もない。
インターホンを鳴らすか迷ったが、結局やめた。
これ以上親子の事情に口出しすべきではない。
孝司はそういう結論を出して、インターホンに伸ばしかけた手を戻した。
途端、家の中から大量の本が崩れる音がした。
何かの書類かもしれない。
孝司はびくっとして振り返った。
建築家の俊太郎のことだから、書類が山積みになって崩れることなど当たり前かもしれない。
そう思っても、孝司には不吉でならなかった。
二階のベランダに人影が現れた。
ひとみだ。
ベランダの壁にもたれかかって遠くを見つめはじめた。
孝司はただ、ひっそりとその場を去ることしかできなかった。
708 :
コンボ:02/07/29 19:46 ID:1yVdz6iw
「柳さん、ですか?」
吉澤家に行ってから数日経って、例の後藤が、監視台の孝司に話しかけた。
「そうですけど、何か?」
はやる気持ちを押さえて、孝司は冷静に尋ねた。
「あ、吉澤ひとみの友達で後藤真希って言います。
それで、その吉澤さんのことなんですけど」
後藤はためらいながら話した。
「最近ずっと家にいるみたいで。
電話で聞いたら、お父さんと何かあったみたいで……」
「何か?」
「なんかよく分からないんですけど、喧嘩かなんかしたみたいでした。
……何か知りませんか?」
「……喧嘩したってのは本人から聞いたの?」
「お父さんと上手くいってないって言ってました」
考えこむ孝司を、後藤は不安げにみつめていた。
「ちょっと分からないな……」
「あ、そうですか。どうもすいませんでした……」
後藤は肩を落として歩いていった。
709 :
コンボ:02/07/29 19:49 ID:1yVdz6iw
夜になると、孝司は事務所の二階に布団を敷いて寝る。
大半のライフセーバーはもう寝ていた。
孝司は一人寝転びながら携帯をいじくっている。
「番号聞いとけばよかったな」
舌打ちしながら携帯をしまうと、同僚が窓から浜辺をのぞいていた。
「まだ起きてんの?」
孝司が声をかけると、同僚は窓越しに浜辺を指差した。
「あそこ。もう11時なのに誰かいてるよ」
同僚は眠たげな声でそう言った。
確かに茶髪の誰かが浜辺にしゃがみこんでいる。
「分かった、注意してくる」
「じゃ、悪いけど先に寝とくな」
同僚はすぐ布団に横になった。
孝司も眠たいことは眠たいが、しゃがみこんでいる茶髪がひとみの後姿に見えて仕方なかった。
710 :
コンボ:02/07/29 19:49 ID:1yVdz6iw
事務所を出ると、沖からの風が強いせいかいつもよりひんやりしていた。
風になびく茶髪はどう見てもひとみだった。
ひとみは孝司に気付くと一瞬びくっとしたが、すぐに視線を海へ戻した。
孝司は振りかえって事務所から誰も見ていないのを確認すると、ひとみの横に腰を下ろした。
「なんで今頃来てるの?」
ひとみは黙って唇を噛み締めるだけで、孝司の言うことなど聞こえていないようだった。
「友達の後藤さんだっけ?
心配してたけど」
「心配って……」
一瞬、ひとみは動揺した目で孝司を一瞥した。
「わざわざここに来たんだよ。
で、何か知らないかって訊かれた」
孝司はひとみが随分動揺しているのを見て取った。
「お父さんと喧嘩した?」
「……まあね」
ひとみは泣き出しそうな顔で返事をした。
「なんで?」
「お母さんのことでね、ちょっと」
711 :
コンボ:02/07/29 19:49 ID:1yVdz6iw
ひとみは、小声でぽつりぽつりと話しはじめた。
「この間家でお父さんのアルバム見つけたんだ。
それで見てみたら、お母さんと写ってる写真ばっかりあって」
孝司はひとみの話にじっと耳を傾けた。
「で、私が生まれたあたりから、急にお母さんの写真がなくなったんだ。
私が2歳の時に離婚したから入れ違いになったんだろうけど。
でも、なんか私のせいで離婚したみたいに見えちゃってさあ。
で、なんで離婚したか訊いてみたんだ」
ひとみは話ながら涙ぐんだ。
「そしたらさ、お前のせいじゃないって、気にするなって言われたんだ。
おかしくない?
なんでって訊いただけなのに、お前のせいじゃないって言われたんだよ。
訊いただけで気にするなって言われたんだよ」
孝司にはひとみの言いたいことが痛いほど分かった。
そういう経験をしたわけでもないのに、ひとみの悲しさが切々と伝わった。
自分が原因で離婚したんじゃないかと考えるだけでも悲しいのに、その上父親からこういうことを聞かされたのだ。
ひとみは目の縁の涙を指で拭った。
「嫌じゃん、そんなの。
私のせいで離婚したって思いたくないじゃん」
712 :
コンボ:02/07/29 19:50 ID:1yVdz6iw
「それでさ、次の日からお父さん海に来なくなったんだ。
仕事入ったとか言って部屋にこもっちゃって。
建築家なんだけどね」
仕事だったのに違いはないのだろうが、別れた妻のことを思い出して行く気にならなかったのだろう。
「でもね、私一人でも海来たんだ。
アルバムの写真って海で撮ったのばっかりだったし、やっぱり来てみたかったんだ。
でもそれからちょっとして、もう夏休み終わりなんだからちゃんと勉強しろとか、宿題やったのかって、お父さんに言われたんだ。
今まで一回もそういうこと訊かれなかったんだよ。
それがいきなり海に行くな、みたいなこと言い出してさ……」
最後の方は嗚咽で聞き取れなかった。
「落ちつけ」
孝司が静かな声でつぶやくと、ひとみは孝司によりかかるようにして泣いた。
孝司もひとみの気持ちを考えると、自然に涙があふれた。
自分が慰めてるんじゃなかったのか。
そう思っても、泣き止むことはできなかった。
713 :
コンボ:02/07/29 19:51 ID:1yVdz6iw
孝司はひとみとともに家へ向かった。
歩いている間はお互いに黙っていた。
家がどこにあるかは知っていたから、説明される必要は無い。
住宅地に入った辺りで、ひとみが口を開いた。
「ありがとね」
「いや……」
孝司は答えられなかった。
自分がひとみを慰めたという気は全くしない。
ただひとみの言うことを聞いていただけだ。
結局まともに返事もできないまま、家についた。
二階の一室に明かりがついていて、人影が見える。
俊太郎だろう。
孝司は迷わずインターホンを押した。
インターホンが鳴ると同時に、人影は慌てた様子で部屋を出る。
すぐに、眼鏡をかけた俊太郎が出てきた。
714 :
コンボ:02/07/29 19:51 ID:1yVdz6iw
俊太郎は呆然とひとみを見た。
「吉澤さん……」
孝司は吉澤の両肩を持って、俊太郎の前に突き出した。
眼鏡をかけている所を見ると、仕事をしていたようである。
「気付きませんでした?」
ひとみは俊太郎から視線を外した。
「逃げるなよ」
孝司は自分でも不自然なぐらい怒った口調でひとみに言った。
「それじゃあ、俺は失礼します」
俊太郎に背を向けて、孝司は海に歩きはじめた。
俊太郎はひとみに何をするだろうか。
孝司には見当もつかなかったが、そこまで考える必要は無かった。
残り少ない夏休みの間、吉澤親子は海に現れなかった。
来年の夏も来るだろうかと、孝司は思った。
ここまでです。
いつになったら長編が始まるのやら(w
初めまして。飼育のとある板で小説を書かせてもらっている者です。
飼育の方もぼちぼち調子が出てきたので
もし良かったらこちらでも書かせてもらえないかと思っております。
書いていいですか?(w
716 :
剣士:02/07/29 21:49 ID:XGvgKuZg
>670の続き
俺はタバコをふかしながら、のんびりまったりと雑誌を読んでいた。
「ふ〜・・・ヒマだな・・・」
と、俺がボヤいていると、梨華が風呂からリビングへ。
「あの・・・お風呂でました・・」
オドオドしている。よっぽど怒鳴ったのがこたえている様子。
「ああ・・・じゃあ入ってくる。そんなにビクビクするな・・・怒鳴ったのは悪かった」
と、一応謝りながら、風呂へ。謝るのも面倒だったが、オドオドされるよりマシだ・・・と考えていた。
俺は風呂に入りながら、梨華のことを考えていた。
「しかし・・・家賃とらないのも、食費かかんな〜。バイトしてもらったら助かるが・・・」
と、考えてる最中、ピンと良い考えが浮かんだ。
「そうだ。安倍んとこでバイトさせてもらったら・・・」
良い考えだ、と自画自賛。そして風呂から上がると、梨華はソファーにちょこんと座っていた。
「・・・ちょっといいか?」
俺はタオルで頭をふきながら、梨華の隣へ。
「はい・・・な、なんですか?」
まだちょっとビビってる。どうにもならねぇな・・・。
「お前、バイトする気とかある?」
「え?・・・まあ、それは少しは・・・。ここにお世話になりすぎてる気もしますから」
うむ。それならば話は早そうだ。よしよし。
「俺の知り合いに、BARで働いてる女がいる。そこでバイトしてみねーか?前々から、探してくれって頼まれてたんだよ」
安倍が働いている店は、マスターと、安倍。その二人で切り盛りしている。どう考えてもキツイため、頼まれていたのだ。
「え!本当ですか?!私、そこで働きたいです!」
「よし、じゃあ、明日案内するよ。・・・そろそろ休むか。もう気づけば、夜も遅い」
時計は、深夜12時を指していた。
「そうですね・・・おやすみなさーい!」
と、梨華は上機嫌に部屋へ。
「やれやれ・・・本当に元気なのか、ビビリなのか・・・」
半は呆れながら、俺も部屋に入り、眠りについた。
717 :
剣士:02/07/29 21:51 ID:XGvgKuZg
更新終了。
ちょっと頭の働きが悪いため、イマイチかもしれません。
>715さん
歓迎しま〜っす!
俺はまだまだ素人ですが・・・。
新しく来られる方は歓迎ですよ〜!
718 :
コンボ:02/07/29 22:01 ID:1yVdz6iw
>>715 どうぞどうぞ。
俺としては新人さんはいつでも大歓迎です。
>>136より
「おう、大介じゃん。久々だな!」
サークルの部室の扉を開けると和也が1人だけで雑誌を読んでいた。
1ヵ月…いや、2ヵ月ぶりくらいだろうか。
「うぃっす!元気か?」
俺は隣のパイプ椅子に腰をおろして煙草に火をつけた。
和也は読んでいた雑誌を机に放り投げて話しかけてくる。
「元気っちゃ元気だな。テストで死んだけど。
つーか、お前こそ元気だったのか?
サークルにも全然顔出さないしよ…」
「サークルっつっても毎日ダラダラ遊んでるだけじゃん。
今も変わらないんだろ?」
大きく煙を吐きながら答える。
部室を見回すと相変わらず麻雀牌、トランプ、花札等がゴロゴロ転がっている。
とてもテニスサークルの部室とは思えない。
そもそもテニスも年に数回しかやらないし、他の女子大との合コンの回数の方がよっぽど多いんだが。
ま、俗に言う「お見合いサークル」ってやつだ。
「大学生なんてダラダラでいいじゃん。
そうそう、今週末に○○女子大と合コンあるけど来るか?」
和也も煙草に火をつけつつ聞いてきた。
メンソール系の香りが漂ってくる。
「いや、いいよ。
それに俺もう大学辞めたし」
「あぁ、そういえば前に辞めるとか言ってたな。
あれマジだったの?」
「……マジだったの」
「退学届出したのか?」
痛い所をつかれた。
とりあえず煙草を2回程ふかす。
「そりゃまだだけど…
でも今期のテストは全部切ったしな」
「じゃあ留年するだけだろ。まだ大丈夫じゃん。
大学辞めてもどうせ何もないんだろ?辞めんなよ」
何も言い返すことができなかった。
こいつはいつも的確に痛い所をついてきやがる。
「どうせ何もない」…ね。
たしかにその通りだ。
俺はもう一度大きく煙草をふかした。
「で、今日はなんで来たんだ?」
「ん、あぁ…」
和也の質問に俺は吸っていた煙草を灰皿に押しつけて、
もう一本に火をつけながら話しはじめる。
「矢口っていただろ…?
ほら……同じクラスにさ…」
「あぁ、あのちびっこい騒がしい奴だろ。
あいつがどうかしたか?」
「いや、そのさ…あいつってどういう奴かな…?
その………………男関係とかさ…」
「なんだよ、あいつってお前の好みだったっけ?」
「ちが…」
「俺は全然知らねーなぁ」
「そ、そうか…」
俺は椅子にもたれかかって天井を見上げた。
昨日のことが頭に蘇る。
昨日…一日中なっちと遊び回った。
映画に行ったり、食事したり、カラオケで歌ったり。
デートかどうかはわからないけど、楽しかった。
たしかに楽しかった…けど、なんか違った。
あれは、あの顔は本当のなっちじゃない。
映画でもカラオケでもなっちは楽しそうに笑っていた。
初対面の頃の俺なら何の疑問も持たなかっただろう。
でも、昨日の俺はその笑顔のかすかな曇りに気付いてしまった。
彼女が本当に心の奥底からは笑っていないことがわかってしまった。
初めて会った飯田さんに失恋したあの日。
偶然街中で再会した次の日。
ウチに泊まりに来て遊んだあの夜。
いつも彼女は笑っていた。
明るくて、周りの人みんなの心を照らすような向日葵の笑顔で。
あの笑顔こそが本当の……俺が好きになった…なっち。
もう一度あの笑顔が見たい。
それにはやはり…矢口との問題を解決するしかない。
とは言え矢口と直接顔を合わせる気にもならないからとりあえず久し振りに大学に来てみたんだが…
無駄足だったな。
俺は火をつけたままにしていた煙草を消して立ちあがった。
「そういえば…中澤と矢口は仲がよさそうだったな。」
帰ろうとする俺に和也が声をかけてきた。
「ほら、あの現代教育論の教授。
関西弁のおばちゃんいただろ?」
「あぁ…」
俺が珍しく毎回出ていた授業のひとつが現代教育論だった。
担当教官の喋りが面白いのと、単位取得が楽ということで他の学生にも大人気の授業だった。
あのおばちゃん、中澤って名前だったのか。
「ウチのサークルの顧問もやってるぞ」
「マジで!?」
まさかここの顧問だったとは…ってか顧問なんていたのか。
「たまに飲み代とかくれるんだよ…えーと、ちょっと待ってろ」
そう言うと和也は何やら棚を探し始めたので、
仕方なく椅子に座り直して3本目の煙草に火をつけた。
「あった!これこれ…」
何かの書類を差し出してくる。
受けとって見てみると何かの申請書みたいだが…
「それ中澤んとこ持ってってハンコもらってきて」
「は?なんで俺が…」
「だって中澤に話聞きに行くんだろ?」
…そんなこと一言も言ってないんだが…
せっかく大学まで足を運んだことだし、行ってみるか。
俺は書類を受け取って中澤の研究室へ向かった。
ここまでです。
遅くなって本当に申し訳。
次はこうもりさんよろしくお願いします。
726 :
:02/07/29 23:56 ID:P5wYyIsY
1ヶ月ぶりの更新キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
剣士さん、コンボさん、suzukaさん
ありがとうございます。
それでは書かせてもらおうと思います。
728 :
TMC:02/07/30 10:37 ID:QnUoxweT
「あはは、、、、」
「はは、、、、、」
とりあえずこの状況では2人とも笑うしかなかった。
「何でうちがあんたと暮らさなあかんねん!」
ただ一人を覗いては。
729 :
TMC:02/07/30 10:38 ID:QnUoxweT
春休みも終わり今日から新学期である。
俺、寺田慎一は高校3年生となった。そう、受験だ。
でも、俺の高校はそれなりに金持ち学校なので赤点さえ取らなければ
普通に大学に進学できるんだけど。
まぁ、自己紹介でもしておくか(誰にだよっ!)
さっきも言ったけど名前は寺田慎一。
特技も趣味もなく至って平凡な高校生だ。
ただ家柄はすごいらしい。
いわゆる「財閥」なのだ。「寺田財閥」
そのおかげで金に困るということは一切ない。
家もそれなりの豪邸で、家政婦だって何人もいる。
豪邸といえば何か俺の家の近くにもう一軒豪邸が建ったな。
和の匂いがプンプン漂ってくるような家だ。
っとまぁ自己紹介はこんぐらいかな。
730 :
TMC:02/07/30 10:39 ID:QnUoxweT
その日の学校からの帰り道、友達との話題はある転校生のことだ。
かなり可愛いらしい。俺は特に女に興味がなかったので相槌をうつだけだった。
「慎一も一回は見た方がいいって。マジでカワイイから。」
「ふ〜ん。どんな感じの娘なんだよ?」
相手もしつこいのでとりあえず質問してやった。
「容姿端麗は当たり前、頭も良くて運動もできそうで
言葉づかいもきれいでどっかのお嬢様って感じかな。」
ナゼか自慢げに言われた。一日見ただけでよくそんなに分析できるな、、、
そう言えば、そんな奴が昔いたなぁ。
731 :
TMC:02/07/30 10:41 ID:QnUoxweT
そんなこんなしている内に家についた。
「慎一の家っていつも思うけど豪邸だよなぁ。」
「そうかな?」
「そうだって。お前にも少しは庶民の感覚を持ってほしいよ。」
友人はそう言い残し自分の家に向かっていった。
俺が玄関に立ちドアを開けようとしたら、勝手に開いた。
ドアの向こうからはテレビのCMで見たことのあるような人達が
大量の段ボール箱を持って出てきた。
俺はその軍団を不思議に思いながらも家に入った。
「ただいま。」
と言っても答えるのは家族でなく家政婦の人たちなんだけど。
「お帰り。意外と早かったんだな。」
答えたのはいつもと違う太い声、親父の声だ。
「親父こそ出張から帰ってきたのかよ?今回は早いな。」
「出張はまだ終わってないんだがちょっとした用事でな。」
またこれか。親父の用事というのはいつもたいしたことがない。
「息子よ。早く引っ越しの支度をしなさい。」
「はぁ!?引っ越しだと?どうして俺が?」
732 :
TMC:02/07/30 10:44 ID:QnUoxweT
午前の更新はここまでです。
まだ娘。が出てきませんね。午後には出せそうです。
それと、飼育では別のコテハンで書いてます。
733 :
こうもり:02/07/30 10:47 ID:6wjpMKa2
俺はそのメールを見たときに自分自身がとてつもなく情けなく感じた。
こんなにも愛ちゃんは想ってくれているのに、俺は何をしているんだろう?
「ねぇ、何してるの?」
目を瞑って次の動きを待っていた矢口さんは俺が何もしてこないので
変に思ったのか目を開け、俺に尋ねる。
「いや、ちょっとメールを見てたんです」
「なんで、メールを?」
「ごめんなさいもう帰ります、家で愛ちゃんが待ってるんで」
「はぁ?」
矢口さんはポカンと口を開けて呆然としている。
「このままの状況で帰る事が出来るの?」
「ええ、もうこれ以上愛ちゃんの想いを裏切りたくありませんから」
「南条さんはもう裏切っているんじゃないの?私とした事まだ何も話してないんでしょ」
「だから今から帰って矢口さんのと何があったのか全部話します」
「もし、高橋が怒ったらどうするの?」
734 :
こうもり:02/07/30 10:48 ID:6wjpMKa2
「それはしょうがありません、許してくれるまで謝りますよ」
「許してくれなかったら?」
「そんな事は考えないで、自分の気持ちをはっきりと伝えます」
俺はそう言うとベッドから降り、矢口さんの方を見ないように部屋を出ようとすると
「ちょっと待って」と言いながら矢口さんが
上半身裸のまま俺の背中に抱きついてくる。
「行かないで・・・」
そう言う矢口さんの表情は見えなかったが多分泣いているんだろう。
俺はその顔を見てしまうとまた決心した事が揺らぎそうだったので
「ごめんなさい、矢口さん」
と言い腰に回っている腕を強引に振り解き、振り向かずにそのままラブホテルを出た。
更新終了。
TMCさん頑張ってください。
735 :
TMC:02/07/30 11:53 ID:QnUoxweT
突然のことに一気に疑問が浮かんできた。
あの段ボール箱の中身は俺の荷物だったってこと?
「あれ、言ってなかったっけ?今日からお前はあそこで暮らすんだよ。」
そう言って親父が指さしたのは最近できた豪邸だった。
「さあ、わかったならとっとと出発せんかい!」
「ま、待てよ親父!わけがわからん!何で俺が、、、」
親父を問いつめる前にさっきの軍団にトラックに押し込められた。
俺を乗せたトラックは静かに走り出した。
「フフフ、、、息子よ、がんばるんだぞ。」
736 :
TMC:02/07/30 11:54 ID:QnUoxweT
俺はトラックの中で考え込んでいた。
また親父のことだ。どうせ、変なことやらかすに決まってる。
トラックは言われた通りあの屋敷の前で止まり軍団が動き出した。
荷物がどんどん屋敷の中へ運ばれていくのをただ見ているしかできない。
呆然と見ているとさすがはプロ集団、30分程度で終わってしまった。
「では、私達はこれで。」
軍団は嵐のように去っていった。
キリンさんが好きです。でも、ゾウさんの方がもーっと好きです、、、
737 :
TMC:02/07/30 11:55 ID:QnUoxweT
屋敷の中へ入ってみるとやはり和風だ。
しかし新築ということもあってかなりきれいだった。
意外とここも気に入りそうだな。それにあこがれの一人暮らしだよな。
そう思いながら屋敷内を見て回った。
一人で使うにはもったいないほどの広さだった。
だいたい屋敷内を全部見るのに15分近くかかってしまった。
俺がとりあえず自分の部屋と決定したところで荷解きをしていると
「だぁー!ほんまに疲れたわ。姉ちゃん早くしてよ。」
「亜依、そんな所で座らないの。お行儀が悪いでしょ。」
玄関から二つほど女性の声が聞こえた。ここは俺の家のはずだが、
恐る恐る玄関へいってみるとやはり女の子が2人いた。
人の家に勝手に入るとは、いくら女の子でも許されないぞ。
そう思い、俺は彼女たちに声をかけることにした。
738 :
TMC:02/07/30 11:56 ID:QnUoxweT
「あのぁー、ここは俺の家なんですけど何か?」
声をかけると彼女たちはビックリした様子で俺の方を見た。
「えっ!えっ!あのー、、、すいません間違いました!!」
背の高くてアニメ声の子の方はかなり焦っている。
「せやけど、この住所やとここしかないで姉ちゃん。」
背の小さい妹らしき娘の方は落ち着いている。何で関西弁?
姉らしき子が妹と一緒にすぐに出ていこうとしている。
あれ、待てよ?あのアニメ声に、あの関西弁?
う゛ぁっ!!!
739 :
TMC:02/07/30 12:02 ID:QnUoxweT
「もしかして、梨華と亜依か?」
「え!もしかして慎ちゃん?」
「慎ちゃんってあのバカ慎一?」
やっぱりこんな独特の姉妹と言えばこの2人しかいない。
うちの財閥と並ぶ石川グループの娘
石川梨華、亜依。
関東の寺田、関西の石川と言われるぐらいだ。
ガキのころはちょくちょく関西に行って2人と遊んだけど
ここ10年はめっきり会っていなかった。
その2人がどうして、、、?
740 :
TMC:02/07/30 12:05 ID:QnUoxweT
予定より早いんですけどとりあえず娘。は出しとこうと思いまして。
最初の方は説明くさくなってしまいますがどうか気長に待ってください。
こうもりさん
ありがとうございます。新参者ですがどうかよろしく。
>こうもりタン
ビクーリするぐらい考えてた通りの展開だーよ(w
>TMC(ボンバー)タン
頑張ってくらさい。ただ自分の息子を「息子よ」って呼ぶ父親はどうかと思う(w
TMCオールスターズイン ア パーティー
743 :
:02/07/30 17:07 ID:uYc9rTyw
とうとうカズ改心キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
>TMCさん
頑張ってください
744 :
剣士:02/07/30 21:12 ID:WK89/e8h
>716の続き
翌日、朝から梨華は服を選んでいた。
「う〜ん・・・これがいいかな・・・?それとも・・・」
う〜ん・・・何やってんだ?と俺は思い
「・・・何やってんだ?お前・・」
と、聞いてみた。すると・・・
「あの・・その安倍さんの・・働いてるBARに行くんですよね?だから、変な格好じゃいけないと思って・・」
・・女って皆こうなのか?いちいち服にこだわるとこ・・・・。
「普段着でいいだろう?そんなにアイツんとこに行くのに気ぃ使う必要・・・ねぇよ」
と、俺はタバコに火をつけて、その場を後にしようとした、が・・・
「でも!変な格好していったら、私、恥ずかしいし・・」
・・ふ〜む・・ま、そうだろうな。しかし、コイツは何着てもかわらねぇような・・・。
「お前は何着ても似合うよ・・・気にすんな」
と、梨華の頭をポンっと叩いて俺は一階へ。梨華は・・・
「そんな・・・さりげなくそんなこと言われると・・・・」
顔を赤らめながら、再び服を選び始めた。昼飯も食わずに・・・。
そして、夕方になった。
「おい、梨華!そろそろ行くぞ!」
「あ、はーい!」
階段から下りてきた梨華の姿は・・・・・。
745 :
剣士:02/07/30 21:34 ID:WK89/e8h
黒い、ちょっとセクシーなドレス。何でこんなモン持ってんだ?
「さあ、行きましょうか!」
俺の考えもつゆ知らず・・・。
俺は車庫から車を出して、安倍のいるBARへ。
「車も運転できるんですね♪」
「ああ・・・まあ、免許とるのは簡単だからな・・」
喋りながらも、目の行き場に困る俺。足がセクシーだからね・・。
会話も長く続かないまま、店に到着。
「・・・おっす」「こんにちは〜!」
「あら、いらっしゃい!・・・その子ね〜・・電話で言ってたバイトさんは」
安倍は、心なしか上機嫌だ。それもそうだろう。仕事が少しでも楽になるのだから。
「おお・・・よろしく頼むぜ」
俺はそう言うと、椅子に腰かけて、マスターと会話。
「さて・・・ドレスはいいけど・・・ん〜そうだ!梨華ちゃん、ちょっと来て!」
梨華は別室に連れて行かれた。一体何だろうか・・・。
「しかし・・可愛いね、あの子」
「あん?突然なんだよマスター」
ここのマスターは、俺に彼女が出来ないことを気にかけていただけに、梨華のことを俺の彼女どと思っているみたいだ。
「俺にゃあわかんねぇ・・・考えるのもめんどくせぇよ」
俺はタバコをふかしながら、素っ気なく答えた。
「そうかねぇ・・ああいう子が、涼には合うと思うがなぁ・・・」
と、マスターがぼやいてる時、扉が開き、安倍と梨華が。と!俺は梨華の姿を見た瞬間、タバコを口から落としてしまった。
「お待たせ〜!どう?大人っぽい梨華ちゃんは?」
安倍の仕業らしいが、化粧をうまくして、大人っぽく見える梨華。俺は絶句、マスターは開いた口がふさがらないといった様子。
「えへへ・・・恥ずかしいな」
梨華は恥ずかしがってるが、なんとも・・・美人である。
「私の腕にかかれば、朝飯前よ〜!」
おそれいりました、なつみ・・・・・・。
746 :
剣士:02/07/30 21:35 ID:WK89/e8h
その後、梨華となつみは仕事にいそしんでいた。
梨華も、以外と仕事をうまくこなし、しかも男の客からは「なつみさんと、梨華さんでダブル女神だ」とまで言わせた。
仕事が終わると、マスターやなつみは大満足らしい表情。梨華のおかげで、客足がのびたらしいが・・・。
「こーいうバイトさんなら、本当に助かるよ!」
「涼、紹介ありがとね」
こっちは全然かまわないんだが・・・気に入ってもらえたのならよかった。
「じゃあ、俺らは帰るよ」
「お疲れさまでした〜」
と、俺と梨華は車に乗り、家路についた。
「どうだった?疲れただろ?」
「はい・・・でも、楽しかったです。の・・どうでした?私の・・・化粧とか・・」
あ?そんなこと聞くな、と思ったが、めんどくさいから言わないなんて通じないな・・・。
「キレイだったよ・・・」
俺がそう言うと、梨華は赤面、そして
「ありがとうございます。涼さんに言ってもらえると嬉しい・・・」
何言ってるんだ?と思いながらも、家に急いだ。
この日は、強い雨が降っていた・・・。
俺らの関係は、晴れてきても、世間はまだ梅雨・・・。
747 :
剣士:02/07/30 21:36 ID:WK89/e8h
更新終了です。
「どうして慎ちゃんが、ここに?」
俺とまったく同じ疑問を梨華も持ったようだ。
「俺は親父に今日からここに住めって言われたからだけど
お前達はどうして?」
「私達もお父様に言われたから大阪からやってきたんだけど、、、」
その時ちょうど良いタイミングで親父から電話が来た。
「おい親父、どういうことだよ!梨華達も来てるぞ。」
「あれ?言ってなかったか。梨華ちゃん達も一緒に暮らすって。」
「梨華達も一緒に暮らすだと!?」
俺の声を聞いて亜依がとっさに携帯を横取りした。
「おっちゃん、どういうことや!?説明せんかい!!」
「おやおや亜衣ちゃん、久しぶり。相変わらず元気がいいねぇ。
まあ、そういうことだから慎一のことよろしくね。それじゃ。」
「切れた、、、」
亜依が立ち尽くしぽつんと呟いた。
749 :
TMC:02/07/30 21:53 ID:QnUoxweT
書き忘れました。
>739からです。
750 :
TMC:02/07/30 21:54 ID:QnUoxweT
「あはは、、、、」
「はは、、、、、」
とりあえずこの状況では2人とも笑うしかなかった。
「何でうちがあんたと暮らさなあかんねん!」
ただ一人、亜依を除いて。
「俺だって知らねぇよ。親父に聞けってんだ。」
「ほらほら、亜依も慎ちゃんもそこまでにしてお互いにまず荷解きしましょ。」
「そうやな。こんなバカほっとこう。いくで、姉ちゃん。」
751 :
TMC:02/07/30 21:55 ID:QnUoxweT
今日は更新終了です。
一日でとりあえず状況説明だけできたので良かったです。
752 :
ネオ生茶:02/07/30 23:22 ID:jvIv7bg4
>>636 の続きです。
「「ただいま〜!」」
ボクと愛ちゃんは、家に着いた。
すると、
「お帰り〜!」
と、母さんが玄関まで出迎えに来てくれた。
「愛〜、学校どうだった?」
「楽しかったよ! それに、友達もできたんだんだ!」
「良かったわね〜!」
母さんが、愛ちゃんの頭を撫でる。
「えへへ〜♪」
愛ちゃんは、嬉しそうだ。
「母さん、お風呂入れる?」
「入れるよ」
「じゃあ、お風呂入ってから、ご飯食べるよ」
「うん、わかった」
そうして、ボクはお風呂に入った。
お風呂では、愛ちゃんのこと、学校でのこと、音楽のこと、色々考えていた。
しかし、のぼせて来たので、出ることにした。
753 :
ネオ生茶:02/07/30 23:23 ID:jvIv7bg4
「出たよ〜!」
ジャージに着替えて、ダイニングに行くと、料理は並んでいたが、
愛ちゃんと母さんはまだ食べていなかった。
「ごめん、待たせちゃったね」
「いいよ。それより、早く食べよ!」
「そうだね」
そう言って、ボクは席に座ると、
「いただきます〜!」
と言って、食べ始めた。
「おいしい〜!」
と、愛ちゃんが言った。
754 :
ネオ生茶:02/07/30 23:23 ID:jvIv7bg4
「…うん! おいしいね」
と、ボクも言う。
母さんの料理は、本当においしい。
「そうでしょ〜! 今日は、頑張ったんだから!」
母さんは、誇らしげに笑った。
「そう言えば、お母さん!
お兄ちゃん、軽音部なんだけど、すっごく歌うまいんだよ!」
「シンちゃん、軽音部だったの?」
「まあね」
「私も聞きたいな〜! シンちゃんの歌〜!」
「私も〜!」
「じゃあ、ご飯食べたらね」
「「やった〜!」」
二人共、嬉しそうだった。
755 :
ネオ生茶:02/07/30 23:24 ID:jvIv7bg4
更新です!
それと、忘れている方もいると思いますが、
「母さん=チャーミーさん」です。
TMCさん>
お互い頑張りましょう〜!
756 :
:02/07/30 23:45 ID:oGIDxVSx
皆(・∀・)イイ!!
>>571-574の続き
駐車場に着き、車に乗り込もうとしたときに、おれはある考えが浮かんだ。
「あ、矢口さん。ちょっと待っててくれる?ちょっとトイレ・・・」
「いいですよ」
「それじゃ乗って待っていて」
おれはすぐに駐車場から離れ、トイレへ行くフリをしてさっきの店へ急いだ。
約15分ぐらい経っただろうか。
衝動的な行動とはいえ、どうなんだろう?
三十歳近い男がでかいクマのぬいぐるみを背負って、駐車場に戻る光景。
絶対に知り合いに見られたくない状況だなこりゃ。
ものすごいシュールな光景なんだろうな。
車に近づくと矢口さんは、まだこちらに気づいていないのか下を向いていた。
おれは助手席のドアをノックし、彼女に自分が戻ってきたのを知らせ、
後部座席にプーさんを座らせた。
「どうしたんですか?それ」
「あぁ、買ってきたんだ」
「なんで・・・」
「んー、おれの勘かな。なんとなくあったほうがいいと思ったから」
「・・・・・私のためですか」
「そうだね。・・・・あれ、気に入らなかった?」
「・・・・・」
「まぁ、君の記憶・・・じゃなかった思い出を思いださせたものだし、
近くにあればもっと何か思いだすかなと。
あと入院中のボディガードも兼ねてね」
「え?」
「だって、おれがずっと一緒にいれる訳じゃないからね。
だから、俺が居ないときのボディガードをコイツにまかせようと思ってさ」
それじゃ行こうかとおれはゆっくりと車を出した。
車内には沈黙が続いていた。
別に気まずい訳じゃないが、何となくおれから話しかける気がなかった。
特になにがあったからとか、プーさんが問題でもない。
ちょっと過去のことを思い出していたからだった。
「・・・・あの」矢口さんが沈黙を破るように話しかけてきた。
「ん?」
「ちょっと聞いてもいいですか?」
「あぁ、別に構わないよ」おれはその言葉で現実に意識を戻した。
「・・・なんで木島さんはそんなに優しいんですか?」
「そうかな?」
「そうですよ。普通の人じゃあり得ないぐらい」
「そんなことないでしょ」
「いいえ。だって私なんかに何でこんなに色々してくれるんですか?
普通だったら不法侵入の記憶喪失なんて警察につきだすでしょ?
でも木島さんは必要な物まで買ってくれて、私の記憶まで気にしてくれて、
警察や事務所に連絡しないでって言ったらしないし、
私が暗かったら笑わせてくれる」
「・・・・・」
「何でそんなに優しいんですか?」
「・・・アレだよ、木島家の家訓を守って」
「ウソです。そんな、今時家訓なんて何時代の人なんですか」
「・・・・・」
「何でなんですか?ホントのこと言ってくださいよ。
そうじゃないと私は・・・・何を信じていいか分からないです」
おれは正直困った。正直に言うべきなのか、それともウソで固めるべきか。
別に本当のことをいってもいいが、彼女にそれを言ってしまっていいのか?
信号待ちで車を止めたとき、矢口さんの方を見る。
彼女はまっすぐおれの目を見ていた。
その瞳は純粋でまるで真実の鏡のように思えた。
「・・・負い目を感じているからかな」
「負い目ですか?」
「昔にね、人を助けてやれなかったんだ。
おれがもっとしっかりしていれば、なんとかなったのかなって」
「まぁ理由を付けるならそんなとこだね、でも勘違いして欲しくないな。
おれはそんな理由なんて無くてもやっぱり君を助けたよ」
「え?」
「ここまでは仕事があったら無理だけど、似たようなことはしたと思うな。
誰であれ自分に関わった人には何かするよ」
「・・・・・」
「それにね、前にも言ったけど今のおれには時間が欲しかったんだ。
リセットするまでの時間がね。だから需要と供給が一致した感じかな。
でも、何でこんなこと聞くの?おれって怪しいかな」
「いえ、そんなことないです」
「そっか。それならおれを信用してくれないか。
とにかくおれが出来ることはしてあげるから。矢口さんは心配しないでよ」
「・・・・・わかりました」
ふう、何とか信用はたもてたかな?
ここまで。
批判用スレに書いてあるように、ちょっとテンパってましたが何とか復帰。
本当に心配かけましてスイマセンでした。
アル中からの復帰、奇跡の男M・P・D(w
復活おめ、これからもがんがって!
764 :
こうもり:02/07/31 10:46 ID:3u7mEmW+
(南条さん遅いな、もしかして矢口さんと・・・ああもう考えたくない)
愛は頭を大きく振って、悪い考えを振り払おうとする。
(でも・・・やっぱり、今日帰ってこなかったらもう諦めないといけないよね
カズさん、早く帰ってきて)
愛は和智の部屋に戻ってからずっと和智の事を待ち続けている。
(変だな、メールはとっくに届いているはずなのに、なんで帰ってこないんだろう?)
一人でいると悪い考えばかりが頭に浮かんでは消えて
その度に愛はどんどん気分が暗くなっていった。
765 :
こうもり:02/07/31 10:47 ID:3u7mEmW+
「ああ、もう少しだったのに」
矢口は一人、取り残されたラブホテルで呟いていた。
(でも、あそこまでいってやめれるなんて、今まで初めてだなあんな人
やっぱり私の魅力が足りなかったのかな?
まあでも南条さんは本当に高橋の事が好きみたいだし
私は諦めて、新しい恋でもまた探そう)
矢口はそんな事を考えながらベッドの上に寝そべっている。
「ピルルルル」
しばらく考えていると、バックの中から携帯のなる音が聞こえた。
矢口はベッドから降りて、携帯を取り出し誰からの着信かを見る。
それはアドレスに入っていない番号だったが矢口には見覚えのある番号だった。
矢口は出ようかどうか迷っていたが、決心してその着信に出た。
「真里か?」
「もしもし、龍一・・・」
矢口はその後しばらく龍一と話をしていた。
更新終了。
766 :
TMC:02/07/31 22:00 ID:awXLaUMG
ネオ生茶さん>
すみません。主人公の名前がかぶってしまいました。
つまんねー
768 :
関西人Z:02/08/01 01:01 ID:0ETD4uUB
このスレを読んでいる皆さんへ
前から考えていたことなんですが、次のリレー小説の番が周り終え次第
無期限活動休止することをお伝えしておきます。
最近精神的に辛くなってきていて、自分なりに納得いく物が書けなくなってしまい、
これ以上無理に書いても駄作になると判断し、決めました。
復帰は今のところ考えていません(別に復帰しなくていいよ、と言う声が聞こえてきそうですが…
以上です。
それでは、次のリレーの時まで…
>>763 アル中ではないっす・・・まぁ似たようなもんか。
>>766 TMCさん、初めまして。今後ともよろしくお願いします。
大丈夫、名前ぐらい気にすることないっすよ。
俺なんて設定がモロかぶりまくっていたけどこうして書いてるし。
>>767 それじゃテメーが書けよ。
>>768 ちょっと似たような立場にいるようですね・・・・心配です。
まぁゆっくり羽根を休めて、また元気になって戻ってきてくださいね。
あと、酒に溺れるのはやめときましょう。(藁
クズになった人間からの軽い忠告です。
770 :
:02/08/01 04:37 ID:gDk7/2+a
このスレは祭り全然関係ないみたいだね…まあ俺もぶっちゃけどーでもいいけど。
772 :
こうもり:02/08/01 12:03 ID:xDBdJEx7
「はぁ、はぁ」
俺はさっきいたところから大急ぎで自分の家に戻ってきた。
そして俺は急いで鍵を開けてリビングに駆け込んだ。
「愛ちゃん」
前と同じように電気も付けずにリビングで
膝を抱えて座っている愛ちゃんに声を掛ける。
「あ、カズさん」
愛ちゃんは俺の存在に気付くとすぐに振りむく。
773 :
こうもり:02/08/01 12:04 ID:xDBdJEx7
「ごめん、愛ちゃんメールが届いたのが遅くて・・・」
「いいんです、帰ってきてくれましたから」
「愛ちゃんにちゃんとメールの答え話すよ」
俺はそういうと愛ちゃんの向かいに座り、矢口さんとしたことを全て話した。
「そう・・・だったんですか、でも昨日の話は知ってました」
愛ちゃんは下を向くとそう漏らす。
「えっ!!」
俺は驚いて大きな声を出してしまった。
更新終了。
―そして数日後葬儀が行われた、
関係者ほぼ全員が葬儀に参加し、潤を見送った。
安倍以外は…………
潤の死後、県競馬の売上は面白いように伸びて行った、
カク地のダービー馬ということで日増しに注目度も上がっていった。
だがしかし……
赤川「……」
安倍「……」
潤が死んでからというもの赤川厩舎全体に全く破棄が感じられずにいた。
特に安倍は日増しに元気がなくなっていった。
安斉「すいませーん、赤川先生いますか?」
とそこに安斉が訪れてきた、
赤川「なんだい安斉君?」
馬主「……(ペコ)」
安斉の横にはあのサイレントスズカの馬主がいた、
馬主「今日はお話がありまして来ました、よろしいでしょうか?」
赤川「ええ、よろしいですよ、じゃあこちらへ……」
赤川は応接室に2人を入れた。
赤川「で、お話というのは?」
赤川はお茶を出しながらこう尋ねた、
馬主「はぁ…実は今後のローテーションについてお話をしようかと……」
少し言いづらそうに話を切り出した、
まだ潤が死んで何日もたっていないからであろうか?
赤川「……そうですね、サイレントはダービー馬ですからね……
ちゃんと今後の事を決めとかないとマスコミがうるさいですからね……」
馬主「………あなたは岡崎君の最期の言葉を聞いた人間だ……
申し訳ないが最期に岡崎君はサイレントについて何と言っていたか聞きたい。」
少しためらいがあったようだが、思い切って馬主は聞いてみた。
それを聞いた赤川の表情が苦痛にも似た表情に変わる、
赤川「……そうですね…これは直に言わねばならない事ですね…………」
赤川は潤の最期について重い口を開いた……
―あれは救急車の中の出来事だった、
潤「赤川さん……サイレントは……世界に………」
赤川「もう喋るな!……喋らないでくれ……」
潤は構わず話を続ける、
潤「もう……日本にいても…………ゴホッゴホッ!」
赤川「潤君!」
潤「奴は世界を………凱旋門………BCクラシック……ドバイ………全部制覇だ…」
赤川「そのときはもちろん君が乗るんだよな!!」
赤川は潤が死ぬ事を否定するかのように叫んだ、
潤「………オレじゃなくて………安斉なら……安斉なら………」
赤川「……?」
潤「………」
もうその時既に潤の息は無かったそうだ………
馬主「……」
安斉「……」
赤川「それが……潤君の最期の言葉です…」
最後の方の赤川の声はほとんど涙声だった、
馬主「……分かりました、この秋は凱旋門を目指しましょう、鞍上は安斉君で……」
こんな時に作者様、更新ご苦労様です
778 :
:02/08/01 18:27 ID:iuRdq8EA
>>768 。・゚・(ノД`)・゚・。ここにも卒業する人が・・気が向いた時にでも戻ってきてくださいね
安斉「!?」
赤川「えっ!そ、それは大変な……」
馬主「金銭面のことはいい、私もバカじゃない覚悟している、
死んでしまった岡崎君の償いもあるし私自身ダービー勝利後に遠征を考えた。
ただ状況があんなだったために言い出しにくかったんだ。」
赤川は黙って話を聞いていた、
馬主「凱旋門後の事は後にして、とりあえず凱旋門を目指しましょう。
……これが今後のローテーションです、決まり次第マスコミに発表します。」
赤川「………分かりました…それではその予定で……」
ちょっと待った、
赤川「ど、どうしたんだい安斉君?」
安斉「遠征の際、誰を厩務員として連れて行くのですか?」
赤川「そりゃあ…ずーっと担当しているなつみちゃんに……」
安斉「だめだ、今のあいつはふぬけだ、調整が出来るわけがない。」
確かにそうだ、今の安倍には到底無理な話かもしれない……
赤川もどこかでそう思っていたかもしれない、
赤川「うーん……じゃあどうしようかな……」
馬主「彼女を何とかできないのか?」
馬主の言葉に赤川が困っていると、
安斉「出来ない事もないですよ、先生が許してくれるなら。」
赤川「どういうことかね?」
安斉「今のあいつはどうしようもないくらいにふぬけだ、気持ちはわからんでもないが。
だが、アイツ抜きでは遠征は出来ないし、それにこれからずーっとあのまんまじゃ困る。
そうでしょう先生?」
赤川「確かにそうだけど………どうすれば……?」
安斉「だからそれを俺にやらせてください、保証は出来ませんが。」
赤川は10秒ほど悩んだ後、
赤川「……わかった、お願いするよ。」
安斉「分かりました。」
安斉はそう言い残し応接室を出た、
池田「おっ安斉君、どうしたの?」
安斉は池田の言葉を無視してサイレントスズカの手入れをしている安倍に近づいた。
安斉「……おいテメェ、こんな手入れしてやる気あるんか!!」
安倍「……」
池田「あ、安斉君……落ち着いて……」
安斉「池田さんも池田さんです!こんな舐めた手入れしてるのに何も言わないんですか!?」
池田「だってなつみちゃんは今は……」
安斉「今だとか昔とか関係ねぇ、こんな手入れでレースに出せますか!?出せるんですか!?」
安倍「……(ボトッ)」
安斉「おい待てよ、コラ!」
ブラシを捨ててその場を去ろうとした安倍を安斉が食い止めた。
安斉「こんなんで客がくると思ってんのか!?答えろよ!」
安倍「……」
安斉「テメェは潤の行為を無駄にする気か!?今俺達がこうして居られるのも潤のおかげなんだよ!
俺たちに残された期間はたった5年だ、5年後に廃止になったら潤に顔向けできるんか?」
安倍「……」
安倍の胸ぐらをつかみまだ怒鳴りつづける、
安斉「テメェのくだらない感傷に付き合っているほど周りはひまじゃねぇんだよ!」
池田「くだらない感傷とは何だ!なつみちゃんの気持ちを考えろ!」
安斉「じゃああんた達は潤の気持ちを考えた事あんのかよ!?
アイツが何のために自分の命を削って騎乗したのかを、
何のためにダービーに騎乗して勝ったのかを…………」
安倍「……」
池田「……」
安斉「ただ悲しんでもらう為だけにそんなことしたのかよ!?違うだろ!
俺達が今すべき事は何だ!?潤は何を伝えたんだ、潤は何を残したんだ!?
一番近くにいたテメェがよく分かっているはずだろ、答えろ!!
岡崎潤は俺達に何を残したんだ!!」
安倍「(ポロポロ……)」
無言の安倍の目からあふれんばかりの涙が落ちてきた。
782 :
こうもり:02/08/02 12:38 ID:kZV0vxdB
「雑誌の取材の後に聞いて、それに矢口さんと一緒にどこかに行くのを見てたんです」
「そうだったんだ」
「でもそんな事はもうどうでもいいんです、私が知りたいのはカズさんの気持ちです」
「ああ、そうだったね」
「カズさんにとって私ってどういう存在なんですか?」
愛ちゃんはすごく思い詰めた顔で俺に詰め寄る。
「俺は愛ちゃんの事なくてはならない人だよ
だって愛ちゃんは俺にいろいろな物を思いださせてくれたんだから
絵を書く楽しみも、人を好きになるということも」
俺はそう言うと愛ちゃんの事を優しく抱きしめる。
783 :
こうもり:02/08/02 12:39 ID:kZV0vxdB
「もっと前にちゃんと言わなきゃいけなかったんだよね不安にさせてごめん」
「嬉しいです、カズさん」
愛ちゃんはそう言うと涙を流しながら俺の首に腕を巻きつけキスをしてくる。
長い長いキスが終わった後、愛ちゃんは俺に
「これでカズさんと本当に恋人同士になった様な気がします」
と言ってにっこりと微笑む。
「愛ちゃんの事もう絶対に不安になんかさせないから」
「だったら毎日『好き』って言ってください」
「へ?」
「嫌なんですか?」
愛ちゃんはそう言いながらすねたような顔をする。
更新終了。
784 :
名無し娘:02/08/02 12:50 ID:4D7cM8TO
愛ちゃんかわい〜!
785 :
TMC:02/08/02 22:16 ID:zdcZeFK2
>>750の続きです。
俺は一人分だからすぐに荷解きが終わってしまったので
リビングでぼんやりテレビを見ていた。
さて、これからどうするかな?
とりあえず部屋割だな。あそこは俺で、あっちは梨華だな。
亜依はトイレに一番近い部屋でいいか。
そんなことを考えていると何かおもしろくなってきた。
この暮らしも意外と楽しそうかもしれない。
786 :
TMC:02/08/02 22:18 ID:zdcZeFK2
「ニヤニヤすんな、気持ち悪いわぁー。」
「亜依か、もう荷解き終わったのか?」
「うちは姉ちゃんと違ってきちんとしてるからやな。」
自慢げに胸を張っているとグーッと変な音がした。
亜依は顔を真っ赤にして腹を押さえている。
「ププッ、腹が鳴ってやがる。」
「笑うな!うちだって鳴らしたくて鳴らしたわけやない!」
怒鳴り声に気付いたのか2階から梨華が下りてきた。
「もう、何やってるの。しょうがないんだから。」
「姉ちゃ〜ん、お腹空いたよぉ。慎一がいじめるよぉ。」
梨華に嘘泣きしながら亜依がすがる。
787 :
TMC:02/08/02 22:19 ID:zdcZeFK2
「う〜ん、どうしよっかな?冷蔵庫に何もないんだよね。」
「それなら俺が近くのコンビニで買ってきてやろうか?」
ここら辺には多くのコンビニがありなかなか便利なのだ。
「じゃあ、私も一緒に行っていい?ここら辺のこと全然知らないから
少しは知っておかないといけないと思って。これからここで暮らすんだし。」
「わかった、一緒に行くか。」
「うちもコンビニ行く〜。アイス買う〜。」
「だめ、亜依はお留守番だよ。」
「姉ちゃんのケチ、、、」
亜依はソファーでふて寝を始めた。
この姉妹は亜依の方が権力が強そうに見えて
実際は梨華の方が強いんだよなぁ。
788 :
TMC:02/08/02 22:24 ID:zdcZeFK2
今日は更新終了です。
卒業で頭がどっか逝ってました。スミマセン。
>>769 M・P・Dさん
そう言ってもらえると助かります。
789 :
:02/08/02 22:31 ID:0/Bh3wUH
あいぼんがカワ(・∀・)イイ!!
>>757-761の続き
「よし、それじゃ改めてよろしくね」
「よろしくお願いします。・・・って変な会話ですね」
「そういえばそうだな、結構長い時間一緒にいるのにね」
「ふふふ、でも安心しましたよ本当に。木島さんに出会えて」
「え?」
「だって本当に変な人だったら、どうなってたか分かんないじゃないですか」
「そりゃそうだな。君は運がいいよー 、こんないい男に優しくして貰えてるんだ。
ホストクラブでも行かないと、なかなか無いことだよ」
「えぇ、ホントに」
「だろー、ってツッコミ入れてくれよ。
自分でいい男なんて無茶苦茶ハズいこと言ってんだから」
「あっ、ボケてたんですか。分かんなかったですよ」
しまったな、ボケがわかんなかったかな。
おれはバツが悪そうにおでこを掻いた。
791 :
:02/08/02 23:16 ID:sIVOn9NG
俺もお話書いてみようと思って実際1週間分くらい
書けたんだけど、過去スレ読んでたらすでに同じような
始まり方のを発見。。。
物語るって難しいのぅ。。。
「ねぇ、何で木島さんはすぐに笑わせようとするんですか?」
「え?・・・そうだなぁ、やっぱ女の子は笑ってナンボでしょ。
女の子の暗い顔はやっぱ見たくないよ。まぁセクシーな顔はいいけどね」
「はぁ」
「男はみんなそうじゃないかな?やっぱり女の笑顔の為に男は生きてるんだよ」
「そうなんですか?」
「さぁ?」
「『さぁ?』って、ウソっすか?」
「だって人のことなんか分からないよ。ま、当たらずも遠からずだと思うけどね」
「ふーん。そうなんですかねぇ」
「ま、おれはみんなが笑顔でいてくれれば、それだけでOKなんだけど」
「みんなが?」
「そう、おれに関わった人全員がね。みんなでバカ話出来たほうがいいじゃん」
「たしかに楽しいのが一番ですよね」
「ね?それに偉大なる昔の人が言っていたんだ。人生はギャグであると」
「ホントに?誰がですか」
「ターザン山本」
「はぁ?誰ですかそれ」
「元週間プロレス編集長」
「きゃはははは、週プロかよ!」
ぬ、週プロ恐るべし。こんな若い子でも通じてやがる。
ここまで。
>>791 ごめん、かぶっちゃった。
んで、話が似てたっていいんじゃない?書いてみたら。
俺も当初そっくりなものがあったけど、そのまま続けてるよ。
スタート地点が一緒でもゴールが違えば良いんでねーのかな。
書く人が増えるのは大歓迎です。
ただ、最後まで書くようにしましょう。
俺もいつまでかかるんだろ?ま、責任もって最後まで書くけどね。
795 :
:02/08/03 00:20 ID:Fc9bs56o
>>794 こちらのほうこそかぶってしまってすいませんでした。
で、話の出だしが似てるってのは実をいうとM・P・Dさんの話となんすよw
>俺も当初そっくりなものがあったけど
とM・P・Dさんが言ってるまさにその場面をオレも書いちゃったんですよね。
この場を借りてお詫び。
で、ありがたい言葉もいただきましたし、話自体はたぶん似ないと思うので、
思いきって載せさせていただきます。
その場面はたぶん数日後に出てきます。
>ただ、最後まで書くようにしましょう。
わかりました。
なんとかラストまでこぎつけたいと思います(どうしても話の続きが
思い浮かばないときは北朝鮮からミサイル落として登場人物皆殺しとか。
まぁいくらなんでもそんなことはしないと思うけど)。
失恋してしまった……。
街は夕陽に照らされているはずなのに、僕の目には灰色にしか
見えなかった。
僕は近くにあった公園までやっとの思いで歩いて行った。
そして、噴水の縁のところによろよろと腰を下ろした。
自然と今日あったことがビデオのように頭に再現されてきた。
――放課後のことだ。
僕は授業が終わると一度家に帰り、運動部の練習が終わる頃合いを
見計らって学校に戻った。
何のために? あこがれの女の子に想いを伝えるためだ。
(ついでに言うと、勝負のとき邪念が湧き出てくるのを防ぐため、
ベッドの下に貯蔵しているお気に入りのエロ本で2回オナニーした)
僕が学校についたときはもう練習が終わっていて、
野球部、バレー部、サッカー部その他いろんな部員たちが
家路につく時間帯だった。
その中に、わが敬愛する石川さんもいた。
石川さんはテニス部で、右手にカバン、左手にテニスのラケットを
持って校門を出ようとしていた。
石川さんが僕に気付いた。
「キスギくんじゃない。まだ帰ってなかったの?」
「う、うん。ちょっと図書館に行っててさ」もちろん嘘だ。
「そうなんだ。キスギくんの家あっちの方? あたしと同じだね。
いっしょに帰らない?」
そんなに親しくない僕に対してもフレンドリーな態度を見せてくれる、
僕は彼女のこういうところを好きになったんだ。
とりあえずここまで。
小学校1年の冬、お袋が倒れたんだよ。最初は、何でもないと思ってたんだが、
それから、入退院の繰り返し。医者も半ばさじを投げるよな重病。
親父は、よそに女を作って帰ってこなくなった。中一の春、離婚。
母親は働けるはずもなく、親父は慰謝料はおろか、養育費すら入れてくれなかった。
当然、塾も予備校もいけるはずなどなく、まして、私立高校など行けるわけもなく(高知では
私高公低で公立高校からの進学率はかなり悪い)、勉強部屋もないなか、必死にもがいて
何とか、高知大に合格したよ。
幸いなことに、そのころには母の病気も回復し、入学金・授業料全額免除、さらにアルバイト先の
社長さんにもよくしてもらい、無事、4年で卒業。就職も、コネも何もなく、周りから「無理だ」とすらいわれた
にもかかわらず、ストレートで決まり、卒業と同時に就職できたよ。
ちなみに、就職先は県庁。よく、コネがどうのこうのっていわれるけど、関係ないと思う。
大学進学にしろ、就職にしろ、「家がどうだから」「親がどうだから」って、あきらめるのはおかしいと思うな。
誰かも書いてたけど、貧乏なら貧乏なりに何とかなるさ。がんばれば何とかなるさ。だから、がんばってほしいな。
長文&マジレス、ごめんね。
あっ間違えた
スマソ
802 :
:02/08/03 10:19 ID:fJm51kro
803 :
こうもり:02/08/03 12:38 ID:6p0V9DaH
「嫌じゃないけど、なんか恥ずかしくて」
「私の事を不安にさせたくないなら言ってくれますよね」
どうしよう、めちゃくちゃ恥ずかしいというか照れくさい。
でも、やっぱり言うとおりにしよう。
だって俺も愛ちゃんの事が大好きなんだから。
「うんわかった、俺も愛ちゃんの事が好きだって証明をしたいから」
「本当ですか」
「愛ちゃん好きだよ」
俺は抱きしめている愛ちゃんの耳元で囁く。
804 :
こうもり:02/08/03 12:39 ID:6p0V9DaH
すると愛ちゃんは顔を真っ赤にして
「やっぱりなんか照れます、けど凄く嬉しいです」と言う。
「これからは毎日言うよ、愛ちゃんの為に」
俺はそう言うと再び愛ちゃんにキスをする。
愛ちゃんのそれに応えるように、また腕を首に巻きつけてきた。
「ねえ、カズさんお願いがあるんですけどいいですか?」
「何?急に改まって」
俺と愛ちゃんはベッドの上で手を繋いで一緒に寝ている。
更新終了。
smileさん頑張ってください
愛タン(・∀・)イイ!
帰り道で僕たちはいろんなことを話した。
クラスの友人についての噂、昨日あったテレビ番組のこと、
日体大出身の太った体育教師の変なクセ……。
僕のしゃべりはお世辞にも上手いとはいえなかったけど、
石川さんはちゃんと聞いてくれた。
そしてときどき笑った。
夕陽に照らされたその笑顔は髪の毛一本までとても綺麗で、
僕は自分の心臓の音が石川さんに聞こえてしまうんじゃないかと
心配しなくてはいけなかった。
石川さんとこれだけ長く話ができただけでも僕にとっては
すごく満足で、あと六ヶ月はこの思い出を反芻するだけで
つまらない日常を耐えれそうだったけど、それでも僕の目標は
あくまで告白だ。
これだけで「じゃあね」と帰るわけにはいかなかった。
チャンスは今しかないのだ。いけキスギ!
僕は思い切って口を開いた。
「いし…………かわ、さん?」
石川さんはなぜか下を向いていた。
それもすごく悲しげな様子で。
肩は震え、目にはうっすらと涙がたまっている。
僕は混乱した。
「どうしたの? 俺なんか傷つけるようなこと言った?」
「ううん、違うの」
「それならどうして……」
石川さんは何も言わず、僕の後方を指差した。
一組のカップルの姿が見えた。
そのカップルの男を見た瞬間、僕は悟った。
(あいつが……)
石川さんは男子生徒の間で人気があるので、
その情報は当然僕のところにも入ってきたりする。
さまざまな情報を総合すると、彼女はこれまで男とつきあったことはない。
ただ、長い間片想いをしているらしかった。
その想い人とはオレのことだ! と考えていたわけではもちろんない。
そうあってほしいとは思っていたが、それは太古の昔に絶滅したはずの
プレシオサウルスが多摩川にひょっこり出現するよりも低い確率だと
いうことは、さすがの僕にもわかっていた。
僕は彼女が誰かとつきあう前に、せめて気持ちだけでも伝えて
おきたかったのだ。
しかしこんなところで石川さんが好きな男を発見し、その上そいつが
女をつれているとは……。
--------
今日はここまで。
>こうもりさん
どうもありがとうです。
809 :
作者A:02/08/03 22:32 ID:uL7kU30N
すいません、ここに小説書いてもよろしいでしょうか。
810 :
作者A:02/08/03 22:35 ID:uL7kU30N
すいません。上げちゃいました。
811 :
コンボ:02/08/03 22:49 ID:j59sUQ+G
>作者Aさん
正直、書いて欲しい
>>コンボ
オマエモナー
…ってなんかこれ言うのすげー久々だw
813 :
コンボ:02/08/03 23:17 ID:j59sUQ+G
序
――運命とか、そういうのって無いと思うんですよね。
物事には絶対に理由があるんですから、運命、だけじゃ済ませられないでしょ。
金森さんと矢口さんが付き合ってるのも理由があるでしょ?
で、偶然と運命の何が違うかって言うと、それはその人の気持ち次第なわけですよ。
運命で付き合ってるなんていうのは、偶然付き合ってるってだけなんですよ。
あ、別に金森さんと矢口さんが偶然付き合ってるって言ってるんじゃないですよ。
って言うか金森さん聞いてます?
814 :
コンボ:02/08/03 23:18 ID:j59sUQ+G
1
親友というのが文字通り親しい友人というだけの意味ならば、大山は俺の親友である。
どうにか入試に受かって入ってきた時の最初の友人が大山で、今も付き合いがある。
付き合いがあるというよりも、同じクラブにいてそうそう付き合いを絶つわけにはいかないのだ。
その大山が昼休み、巨体を揺すらせてやってきた。
隣の教室から歩いてくるだけなのに、うっすらと汗をかいている。
歩くだけでシャツが汗で濡れるのだから、部活が終わった時の大山の胴着はびしょびしょになっている。
素振りをするだけで竹刀の柄が湿ることもたびたびで、大山に竹刀を貸すとすぐカビが生える。
「おい樋口」
弁当から顔を上げると、大山は丸い体のわりにすっきりした顔をほころばせていた。
「新学年早々暑苦しいな、お前は」
「俺がスマートだったら逆に恐いわ」
大山は空いている前の席に腰掛けた。
「嬉しそうだな」
「まあな。聞きたい?」
「全然」
弁当に目を落とすと、弁当箱をひったくられた。
「んなこと言ってると全部食うぞてめえ!」
「逆ギレすんなバカ。
聞いてやるからさっさと言いなさい」
大山は満足げに弁当箱を置くと、机に肘までついて話しはじめた。
815 :
コンボ:02/08/03 23:18 ID:j59sUQ+G
「お前、合コンしたい?」
「……どうしよっかな」
大山が合コンの話を取りつけてくるのは日常茶飯事で、何回か出席したこともある。
ただいつも途中でつまらなくなって抜ける。
「相手、女子高生」
「うちの学校?」
「違う。もっとハイレベルな感じ」
ここは中高一貫の学校で、隣の校舎には高校生の教室がある。
「いつ?」
「えっとな、明後日」
「明後日って私学大会じゃねえかよ!」
「あれ、そうだっけ?」
大山は中空を見つめてぼんやりと答えた。
「でも、私学って2時ぐらいで終わりだろ?
合コン3時からだし」
「3時からなにすんだよ」
「向こうの校内コンパ」
816 :
コンボ:02/08/03 23:19 ID:j59sUQ+G
「それって楽しいか?」
「さあ? 向こう年上だし、なんとかしてくれるだろ」
大山は至って楽観的に言った。
「防具とかどうすんの?」
「持って行っても大丈夫だろ。ちょっと邪魔だけど。
で、行くの?」
明後日は大会以外予定は何も無い。
「考えとく」
「早く決めろよ。俺入れて4人しか行けないからな」
大山は重たそうな体を上げると、ゆっくりと教室を出ていった。
ここまでです。
とりあえず長編です。
が、すっごく適当な作りになりそう(w
リハビリということで、少々駄作でも許してくださいお願いします。
>関西人Zさん
書いていて楽しくないんだったら書いている意味がありませんしね。
また書きたくなったらいつでもどうぞ。
待ってます。
はじめまして
私そろそろ書こうかなと思っております。
よろしいでしょうか?
こうもりさん、我犬さん、コンボさん、剣士さん、ネオ生茶さん
書き込むことができました!(誰か抜けてたらごめんなさい)
>これから書こうと思っている新人さんたち
ここは別に誰のスレでもないのでわざわざ許可を得なくて良いです。
書きたいと思ったら書いてください。
819 :
こうもり:02/08/04 10:53 ID:j52+cd70
「私のお母さんに会って欲しいんですけど?」
「それって・・・」
「いや、深い意味じゃなくて、紹介したいんですお母さんに私の好きな人を」
愛ちゃんはそう言って真っ直ぐな瞳で俺のことを見る。
俺はしばらく考えてから
「わかったけど何処で会うの?もうお母さん帰ったんでしょ」と言う。
「それで相談なんですけど二月二十八日って予定開いてますか?」
「開いてるけど」
「私もその日オフなんです、だからこの家にお母さんを呼んで
料理を作ってあげたいんです」
820 :
こうもり:02/08/04 10:55 ID:j52+cd70
「料理を?」
「はい、この一ヶ月にどれだけ私が成長したのかをお母さんに見せたいですし」
「そういうことならOKだよ、でも一つだけ条件があるけどいいかな」
「なんですか?」
「その時の料理は自分ひとりで作る事」
「えーー、カズさんにも手伝ってもらおうと思ってたのに」
「それじゃ意味ないから、俺は何にも口出さないよ、でも」
「でも?」
「まだ時間はたっぷりあるからちゃんと教えれば愛ちゃん一人で出来ると思うんだ」
「わかりましたじゃあ頑張ってみます」
「じゃあ明日も早いから寝ようか?」
「はい、でもその前に・・・」
愛ちゃんはそう言うと目を閉じる。
更新終了。
新作者さんたち頑張れー
俺の名前は矢口俊祐(しゅんすけ)
高校の3年間、部活に明け暮れ、何にも楽しいことをしていなかった。
だから大学では高校でできなかったことを絶対すると思っていた。
そんな矢先、親父からの電話。
「おい!お前○○大学だよな。」
「いきなりなんだよ!そうだけど何?」
「今度からお前と同じ大学に入る子がお前のマンションに明日から住むからよろしくな」
「はぁ?なんだよそれ?おい!親父」
そういう前に電話が切れてしまう。
俺は親父の勝手な決め方にうんざりしつつ、
仕方ないと思い、姉ちゃんに電話を掛ける。
「もしもし、姉ちゃん」
「あっ、どうしたの?」
俺のひとつ上の姉ちゃんがいる。
真里と言って、とてもうるさいのであんまり自慢したくない。
しかも身長がないので、余計にウザイ。
子供がぴょんぴょん跳ねてるみたいな感じだ。
そんな姉ちゃんは女子大の大学生である。
「親父が勝手に住む子を決めちゃったんだけど」
「ん、まあいいじゃない。そのマンションお父さんのなんだからさ」
「わかったよ。姉ちゃん、大学サボるなよ」
「うるさ〜い!あんたこそ遊びすぎるなよぉ〜!」
「はいはい。じゃあな!」
電話を切る。
俺はベッドに横になった。
「はあ……」
ため息をつき、眠りについた。
なんかドタバタしてるけどとりあえずここまで。
ヒロインは考え中です。
実際の学年は無視しちゃってください。
823 :
TMC:02/08/04 18:16 ID:gO16OKvy
>smileさん
初めまして、自分も同じく新参者です。よろしくです。
>MARIAさん
もしかして飼育でも書いてますか?
だったらあっちでお世話になりました。(コテハン違うけど)
>TMCさん
そうです。読んでくれてるんですね。うれしいです。
今まではなぜかここに書き込めなかったので
SEEKのほうで書いていたというわけです。
次の日の朝
ものすごい早い時間に親父から電話が。
「もしもし、俊祐。朝早くにゴメンな」
「ホントだよ〜。で、何?」
「昨日の話の続きだけど……午前中に来るって言ってたから、家を出るなよ。
向こうは鍵持ってないんだから」
「へいへい。わかったよ」
「お、随分いさぎいいな」
「姉ちゃんに言われたんだ。しょうがないって」
「あいつはできた娘だからな」
親父は姉ちゃんの事を誇りにしている。
俺から見ればただうるさいだけなんだけど……。
「はいはい。どうせ俺はできた息子じゃないですよ〜だ!」
「まあまあ、怒るな。それじゃ忙しいから、じゃあな。」
親父は電話を切る。
俺はこの電話で眠気が吹っ飛んだ。
そういえばこの部屋はとてもではないが汚いので
俺は掃除をすることにした。
ここまでです
更新は受験勉強があるので気まぐれです。
でも、なるべく書いていきたいと思います。
受験生ンア━(´Д`)━( ´Д)━( ´)━( )━(` )━(Д` )━(´Д`)━!!!!!!!
期待しております。。。
こうもりたん、、、
愛タンのお母さんにですか。。。
あらら、もしやもしや。。。
安倍「潤は……私達に………県競馬と…サイレントを…………」
安斉「そうだ!その通りだ、分かってるじゃねぇか。
じゃあ俺達は何をすべきなんだ、奴は何を伝えた!」
安倍「……県競馬を無くさない事………………
……サイレントを……サイレントを……………」
安斉「そこまで分かっているならもういい、後は俺の話を聞け。」
安斉は安倍の胸ぐらから手を離した、同時に安倍は尻餅をつきその場に座り込んだ。
安斉「いいかよく聞け、池田さんも聞いてくれ。
サイレントは秋にフランスへ旅立つ、凱旋門を目指して。」
池田「えっ!?」
安倍「…凱旋門……?」
安斉「そうだ、芝世界一を目指してフランスへ向かう、そして俺が乗る予定だ。
だがな、お前がそんな状態じゃあ連れて行けねぇ、
サイレントの厩務員はお前だ、お前がしっかりしねぇと負ける、
お前が最高の状態にして始めてジョッキーが勝ち負けできるんだ、」
安倍「……」
安斉「ここまで言ったんだ、後は自分で考えろじゃあな。」
安斉はその場を去った、
ひょっとしたら潤の事を一番良く分かったいたのは安斉なのかもしれない……
829 :
TMC:02/08/04 21:57 ID:gO16OKvy
>>787からです。
コンビニへ向かう道の途中、俺達は話が絶えなかった。
なんてたって10年近く会ってなかったんだから話題は尽きない。
「梨華達は学校どうするんだよ?」
「慎ちゃんと同じ学校に転校してきたんだけど知らなかった?
隣のクラスなんだけど、、、」
そういえば、今日の帰り友達がそんなこと言ってたな。
「あの転校生って梨華だったのか!?梨華だったら
友達が言ってた事も納得できるな。」
「何て言ってたの?もしかして変なことかな、、、?」
「容姿端麗は当たり前、頭も良くて運動もできそうで
言葉づかいもきれいでどっかのお嬢様って感じかな。だって。」
「そんな、、、恥ずかしい、、、」
梨華は顔を赤くして俯いてしまった。
830 :
TMC:02/08/04 21:58 ID:gO16OKvy
話をしているとコンビニに着いた。ただいまPM7:00
この時間帯にしては店内はあまり混んではいなかった。
俺は自分が食べたいものを梨華が持っているカゴに入れ
生活に必要そうな物を選んだ。これはお嬢様に選ばせるわけにはいかない。
後は雑誌を読んで待つことにした。
梨華はどうやら亜依の分を選ぶのに迷っているらしい。
「適当に選んどけよ。」
「う〜ん、でも今日は長旅で疲れてるから
できるだけ亜依が好きそうな物を食べさせてあげたいんだけど。」
「それじゃ、俺のオススメこのふっくら卵のオムライスなんてどうだ?」
このコンビニの飯類ではこれが一番うまい、、、と思うのだが。
「慎ちゃんが言うならそれにしよう♪」
意外とあっさり決まってしまった。
831 :
TMC:02/08/04 21:59 ID:gO16OKvy
とりあえず一通り買う物が決まり、後はレジだけなんだけど
梨華は「ちょっと待って」っと言ってまた何かカゴに入れた。
「これは亜依の分のアイスだから慎ちゃんは食べちゃだめだよ。」
「わかってるよ。いつまでたっても亜依には甘いな。
ところで今日は長旅って何で来たんだ?」
「お父様のヘリコプターだけど。」
「あらそう。ハハハ、、、」
相変わらず石川のおっちゃんはスケールがでけぇな。
こち亀の某警察官を思いだしてしまう。
832 :
TMC:02/08/04 22:00 ID:gO16OKvy
今日は更新終了です。
最近は自分も含めて新人さんが多いですね。
その後、サイレントスズカの海外遠征が発表された、
予定としてはフォワ賞→凱旋門賞を予定してると発表された。
そして8月初頭にサイレントスズカと安倍はフランスへ旅立った―
しかし、
安倍「………」
通訳「顔色が悪いですね、具合でも悪いのですか?」
安倍「うーん……」
通訳「ちょっと病院へ行きましょうか。」
通訳を便りに安倍は病院へ向かった、
検査を終え2人は医者に呼び止められ部屋に入れられた、
医者が安倍に向かって話し始めた、
もちろんフランス語、
安倍「なんですって?」
通訳「………妊娠してる……そうです……」
フォア賞・・・
凱旋門賞を目指す日本場の登竜門だぁね
シリウスシンボリ、ローレル、エルコンドル
にしても一回で妊娠しちゃうなんて...
835 :
コンボ:02/08/04 23:41 ID:N8XYKOjI
>>816より
2
「嫌だなあ……」
思わず言葉が口を突いて出た。
別にいじめられてるわけじゃないし、はぶられてもない。
無愛想かもしれないけど友達だって人並みにいる。
それなのに、先生は過剰な反応をする。
放課後に男の先生と二人っきりで暗く話し合うことが私にとって迷惑なんだということに気付いていないようだ。
重い足取りで職員室へ歩いていると、後ろから声がした。
「あれ、あさ美職員室なんか行くの? なんかやった?」
振りかえると、愛ちゃんが私服で階段に立っていた。
「また先生に呼び出されちゃって……」
「またいじめられてるとか言われちゃったの?」
愛ちゃんは苦笑しながら階段を下りてきた。
「何しに来たの?」
「OBとしてね、合唱部の面倒見に来てあげたんだけど。
今あっちで勝手に練習してる」
話していると、ドアから先生が顔を出した。
「紺野、何やってるんだ。
早く入れ」
先生が現れると、愛ちゃんは手を振って階段を下りて行った。
836 :
コンボ:02/08/04 23:42 ID:N8XYKOjI
林先生の机に椅子が二つ置いてあった片一方に座る。
「で、どうなんだ」
林先生はもうひとつの椅子に腰掛けながら口を開いた。
「どうって、何がですか」
「友達と上手くいってるのか」
「上手くって……どういうことを上手くいってるっていうんですか」
20代の林先生は、腕組みをして考えはじめた。
まだ5月にもなってないのに、早くも呼び出された。
この先生はどうも教師の仕事を勘違いしてるらしくて、何かと生徒に干渉したがっている。
「例えば仲の悪いやつがいないとかさあ、なんか毎日学校が楽しい、みたいな」
「別に……辛くもありませんけど」
林先生は短髪の頭をかいて、しばらく黙った。
早く帰りたいけどそうも言えない。
ただじっとしてるだけだった。
837 :
コンボ:02/08/04 23:42 ID:N8XYKOjI
「今のって、高橋だよな」
林先生が去年愛ちゃんの担任だったと聞いたことがある。
「そうです」
「高橋と仲良いんだ」
「はい、まあ」
どうでもいいことから聞いて、コミュニケーションを計ろうとしてる。
警察の取り調べじゃないんだから。
「……去年までは高橋がここにいたからいいけど、もう高橋は高校に行ったからな。
学校で高橋に会えないのは分かるけど……」
「高橋さんに頼ってなんかいません」
林先生はどこか誤解したまま話を進めている。
「私は自分のことは自分でちゃんとやってますから。
心配してもらわなくても大丈夫です」
「そうか……悪かったな」
「帰っていいですか? 私やることあるんで」
林先生の返事を背中で聞きながら、勝手に椅子を立った。
ここまでです。
838 :
ネオ生茶:02/08/04 23:53 ID:myeOPm38
>>754 の続きです。
ボクは夕食を食べ終わると、ギターを持って愛ちゃんと母さんのいるリビングへ向かった。
「お兄ちゃん、早く、早く〜!」
相変わらず、愛ちゃんは嬉しそうだ。
「なに歌えばいい?」
と、ボクが聞くと、
「私達が知ってそうな曲がいいな」
と、母さんが言う。
「私も〜」
と、愛ちゃんが相槌を打つ。
「そうだな〜…よし、決めた!」
と、ボクが言うと、
パチパチパチ〜!
と、二人が拍手をした。
「な、なんだか恥ずかしいな……」
ボクはそう言うと、ギターを弾き始めた。
839 :
ネオ生茶:02/08/04 23:54 ID:myeOPm38
♪愛想なしの君が笑った そんな単純な事で
♪遂に肝心な物が何かって気付く
ボクは、ミスチルのシーソーゲームを歌った。
この歌はギターを弾くのも難しければ、歌うのはもっと難しい。
だけど、二人が知ってそうな曲と言われた時、一番最初に思いついたのが、
この曲だったので、この曲を歌うことにした。
♪愛想が尽きるような時ほど She So Cute
♪お望み通り Up Side Down
♪勇敢な戦士みたいに愛したいな
「……どうだった?」
ボクが聞くと、二人は驚いたような顔をしていた。
二人は、顔を見合すと、
パチパチパチ〜!
と、また拍手をした。
840 :
ネオ生茶:02/08/04 23:54 ID:myeOPm38
「お兄ちゃん、すご〜い!」
「シンちゃん、上手〜!」
二人とも嬉しそうだ。
「歌も上手だし、ギターも上手だし、すごいよ〜!」
そう言って、愛ちゃんが駆け寄って来る。
「他にも何か、歌って〜!」
と、ボクの肩を揺する。
「もう遅いし、また今度ね」
ボクはそう言うと、部屋に戻った。
「エ〜!」
と、愛ちゃんは、残念そうな顔をしていた。
841 :
ネオ生茶:02/08/04 23:55 ID:myeOPm38
更新です!
TMCさん>
気にしないで、進めてください。
smileさん>
頑張ってください。
MARIAさん>
SEEKの方もあって、大変だとは思いますが、
お互い頑張りましょう〜!
842 :
コンボ:02/08/05 00:09 ID:/OOhSm1X
>>837より
3
放課後、部室に行くと辻がいた。
辻は俺と同じ中三の女子だが、剣道はからきし初心者である。
大山がいうには女子が半ば強引に引っ張りこんできたらしいが、本人も結構乗り気で練習している。
「あ、樋口くんちょっと聞きたいんだけど」
辻は竹刀を片手に椅子に座っていた。
「それ俺の椅子なんだけど」
「いいじゃん、別に。
それより中結ってどうやって結ぶの?」
「そこに用具マニュアル置いてあるからそれ見とけ」
「やーだ、冷たいなー」
辻は笑いながらマニュアルを手に取った。
「って言うかここ男子部室だし。
女子部室行けよ」
「向こうまだ誰も来てないんだ」
適当な椅子に腰掛けると、部室のドアが開いた。
「ちゃーす」
高三の金森さんは後ろ手にドアを閉めると、その場で立ち止まった。
「あれ……邪魔しちゃった?」
「何言ってるんですか」
金森さんはにやにやと笑った。
843 :
コンボ:02/08/05 00:10 ID:/OOhSm1X
「なんで辻ちゃん来てるの?
女子の方に皆来てたけど?」
「あ、それじゃ失礼します」
辻は竹刀を持って部室を出て行った。
金森さんはロッカーに鞄を放りこんで、傍らの椅子に腰掛けた。
「中学の私学大会って明日だっけ?」
「はい」
金森さんは高校部長の割に大会や昇段審査のことをほとんど知らない。
自分の出る大会じゃなければ興味は無いのだ。
「辻ちゃんは出ないよね、今回は」
「まだ入部して一週間しか経ってないじゃないですか」
「でも女子の方って人数少ないしさあ。
出すだけでも出してみれば?」
「女子の方は矢口さんが仕切ってるじゃないですか。
僕らが口だしできませんよ」
「俺が言っとく。
って言うかお前な、その矢口さんと付き合ってるのが誰だと思ってんの」
副部長の矢口さんは金森さんと付き合いが長い。
付き合いはじめたのが中二の夏で、それが高三になった今まで続いているらしい。
彼女自慢をしたがるのが金森さんの癖で、矢口さんの話になるとなかなか止まらない。
金森さんと二人っきりになると、恋愛について語らなければならないというのは決まりごとだった。
844 :
コンボ:02/08/05 00:11 ID:/OOhSm1X
少しして大山が来た。
間の悪い時に来てしまった、という顔をする。
「大山、ちょっと聞きたいんだけど、辻って上手い?」
辻には同じ学年の中三が教えることになっていて、放任主義の金森さんは当然辻の腕前など知らない。
「ほとんど女子がやってるんで、ちょっと分からないです。
そんなに下手には見えませんけど」
「じゃあさ、今度の私学大会に出しても良くない?」
「それは……やばいんじゃないですか。
面の付け方も知らないですよ、多分」
「マジで?
何やってんだよお前ら。今年は女子団体出られないじゃん」
金森さんは言葉の割にあっさりと言った。
大山は申し訳なさそうに巨体を縮めて、ロッカーまで歩いて行った。
ここまでです。
たまにはこれぐらい更新しても罰は当たるまい。
>TMCさん、ネオ生茶さん
ありがとうですー。頑張ります。
>>807-808のつづき
----------
石川さんは涙が止まらなくなっている。
涙は目からあふれ頬をつたい、夕陽でオレンジ色に染まったアスファルトに
次々と落ちていく。
どうする俺? どうやってこの状況を乗り越える?
しかし悲しいことに、僕には経験が圧倒的に不足していた。
「大丈夫だよ、石川さん」
「…………」
「あの女見た? すっげーブサイクだったぜ」
「…………」
「男の見る目がないんだよ」
「…………」
「むしろ運がよかったと思わなきゃ」
「わかったようなこと言わないで!」
僕がびっくりしてアホみたいに口を開けている間に(実際アホだったが)、
石川さんは涙もふかず走り去ってしまった。
――僕が失恋した経緯はざっとこんなものだ。
僕はまだ噴水の縁に座っている。
もう日が暮れようとしている。
石川さんの泣き顔が頭から離れない。
僕は石川さんに気の利いたことを一言も言うことができなかった。
情けない。本当に情けない。
(死ね俺。どこか遠いところにあるジジイババアしかいない農村で
肥溜めに落ちて溺れ死ね)
あたりが夜の闇に包まれるのと並行して、僕の自己嫌悪はひどくなっていった。
「――なに暗い顔してんのよ」突然声がした。
僕は思わず顔を上げた。
目の前に、金髪の小さな女が立っていた。
-----------
今日はここまで。
これだけ矢口が出てくる小説が多い中で
矢口出しちゃってすんまそん。
当方ヤグヲタなんでどうしても出したかったのです。。。
847 :
元作者A:02/08/05 12:12 ID:KLHiM26O
家を出る直前。「また逢えるよな」との質問に、
彼女は「暇ならね」と、そっけなく答えてその場を去っていった。
またしばらく会えそうに無い、しかしそれもいつものこと。
今に始まったことではない。
初めからそうだったので、今ではそれほど苦にならない。。
次の週、私はビデオを入れ、録画準備をしていた。
しばらくして○ステーションが始まる。何度も聞いた音楽。
そして、トークもそこそこに歌に入る。
左手を見ると、二人にしかない愛情の証が輝いている。
この映像を納めるためだけに、僕は今、生きている。
デビューからずっと撮り続けて、部屋がビデオだらけでも、今ではそれほどうざくはならない。
それが私達の絆だから…。
848 :
元作者A:02/08/05 12:14 ID:KLHiM26O
無事番組が終わってしばらくすると携帯に電話がかかってきた。
携帯の画面を見てみると。
〔矢口 真理〕
俺は慌てて電話の通話ボタンを押そうと親指を伸ばし、
ボタンを押して、携帯を耳に押し当てた。
心臓の音が、確実に携帯の持つ右手に伝わっていくのが感じられた。
「も・・・もしもし」
「はーい、今の○ステーション見てくれた?私これから暇なんだけど・・・」
彼女が少しだるそうに聞いてきた。
「いいよ、何処で会う?」
「んーとねぇ・・・あそこで!」
・ ・・続くかも?・・・
掃除も終わり、一人でボーッとしていると
ピンポーン♪
ベルが鳴った。
俺は家のドアを開けると…
そこには女の子が2人立っていた。
一人じゃなかったのか……
「こんにちは」
俺が声を掛けると…
「こんにちは」
と2人同時に返してくる。
「まあとりあえず入って」
「お邪魔します」「すいません」
と、2人とも家に入っていった。
850 :
こうもり:02/08/05 13:21 ID:8lEpoG9z
俺は何も言わずに愛ちゃんの柔らかな唇にキスをした。
「おやすみ、愛ちゃん」
唇を離し俺はそのまま目を閉じる。
「おやすみなさい、カズさん」
愛ちゃんもそう言って眠りについたようだ。
横にいる愛ちゃんの事を起きないように抱きしめて
俺も眠りについた。
851 :
こうもり:02/08/05 13:22 ID:8lEpoG9z
「ジリリリリリ」
俺は目覚まし時計の音で目を覚まし、起き上がる。
隣にいる愛ちゃんは全然気付いていないようで
まだ普通に寝ている。
俺は愛ちゃんにキスをして起こしてみようと思い愛ちゃんの唇に軽くキスをした。
しかし、愛ちゃんは全く起きる気配がなかったので今度は唇に吸い付くように
もう一度キスをした。
そのまましばらくキスをし続けていると、愛ちゃんは急に目を開ける。
更新終了。
部屋に入ると、俺は2人に部屋を教えてリビングのソファーに座っていると…
一人だけリビングに出てきた。
「ここ広いですね〜」
「そうかな?」
「そうですよ。私の家よりちょっと広いくらいですよ」
「ふーん。そうなんだ」
「はいぃ〜」
嬉しそうに話をしている。
でも、なんで年頃の娘を俺なんかと住むのを許可したんだろう?
しばらくして、もう一人の子も出てきた。
「やっと来たね。それじゃあ自己紹介。俺の名前は矢口俊祐と言います。」
すると、先にリビングに出てきた子が
「石川梨華です!おんなじ大学に行くんだよね。よろしくねっ!」
「よろしく!」
いまどきの若い子って感じだ。
そして、もう一人の子が
「高橋愛ですぅ〜。近くの高校に編入するためにここに来ましたぁ〜」
高橋さんの言葉を聞いたとき、俺はビックリした。
なぜならかなり訛っていたから。
「やっぱりビックリしてるね。愛ちゃんは福井県に住んでいたから
とっても訛ってるんだよね。本人は訛りがとれたって言ってるんだけど…」
「とれたじゃないですかぁ〜!梨華さんバカにしないでくださいよぉ〜!」
(いや、とれてないんですけど…)
俺は心の中でそう思った。
その後もお互いいろんな話をした。
石川さんは地元ではとても美人だと言われていたり、
高橋さんも福井ではかわいいで有名だったって事を聞いたり…
もちろん自分では言わずにお互いが言い合っていた。
そんな2人を見ていて、俺はとっても楽しかった。
気づけば時間はもう12時
「ねえ、ご飯食べに行かない?俺がおごるからさ」
「えっ、いいんですか?私出しますよ」
「いいの、今日は俺が出すから」
「じゃあ〜行こうよぉ〜」
「わかったから、それじゃあ石川さん、高橋さん行くよ」
そういうと、石川さんの表情が暗くなる。
「あの…その石川さんって言い方、やめてくれませんか?」
「えっ、じゃあなんて言えば…」
「<梨華>って呼んでほしいんです」
俺は女の子の名前を呼び捨てで呼ぶのは好きじゃなかったので、
「うーん、梨華はちょっとな…じゃあ<梨華ちゃん>でいい?」
「はい!私も<俊祐さん>って呼びますね」
そう言うと、高橋さんも
「私もぉ〜高橋さんって言われるのぉ〜嫌なんですけどぉ〜」
と、訛った言い方で言ってきた。
「じゃあ<愛ちゃん>でいいかい?」
「はいぃ〜。私もぉ〜<シュンさん>って呼びますぅ〜」
そう言って、3人で近くのファミレスに向かった。
俺達の家から歩いて10分。
ファミレスを見つけた。
意外と空いていたので、そんなに時間もかからずに座ることもでき、俺達は他愛もない話をしていると
「いらっしゃいませ〜」
店のウエイトレスさんがオーダーを聞きにやってくる。
どこかで見たような顔…あっ!
「姉ちゃん!」
「あっ!俊祐!」
「えっ!俊祐さんのお姉さん?」
梨華ちゃんはビックリしている。
「へえ〜この子達が同居人ねぇ〜」
「何だよ!姉ちゃん!いつからバイトしてるんだよ?」
「そんなことより紹介させてよ。
私は矢口真里。背はちっちゃいけど、こいつよりひとつ上だよ。
よろしくね!キャハハハハ!」
梨華ちゃんと愛ちゃんは姉ちゃんにおされてタジタジ。
「あの…石川梨華です」
「高橋愛ですぅ」
やっぱり愛ちゃんは訛ってる。
「あっ、いけね。仕事しなきゃ。ご注文をどうぞ」
俺達は注文をする。
気を使ってくれたのか2人は割とお金のかからないものを注文した。
その後も話をして俺達は店を出る。
姉ちゃんはまだバイトするらしいので、ここでサヨナラ。
そして、また同じ道を引き返した。
ここまでです
こうもりさん、かぶってごめんなさい。
あと、もうひとつ
愛ちゃんのしゃべり方について…
語尾に何かついているときは訛ってるんだなぁと思ってください。
857 :
コンボ:02/08/05 16:40 ID:/OOhSm1X
>>844より
4
鍵っ子も、今年で9年目になる。
小学一年生から、「ただいま」と言ったことがほとんど無い。
一人で家にいてやることもあまり無いし、さっさと私服に着替えて空手の胴着をリュックサックに詰めこむ。
さっき開けたドアはまたすぐに閉まる。
自転車の前かごにリュックを押しこんでペダルを漕ぎ出すと、なぜかさっきの林先生のことを思い出した。
熱血教師気取りの勘違い男。
林先生に対する正直な感想はこんなところだ。
生徒の世話を見るのがそんなに楽しいのか、と思う。
大したことをできると思っているのがそもそもの間違いなのに。
ぼんやりと考えていると、目の前に電柱が突っ立っていた。
慌ててブレーキをかける。
「危なかった……」
思わず独り言を口走った。
林先生のことを考えるからこうなるんだ。
できるだけ自転車の運転に集中しよう。
そう思っていると、また電柱に向かって走っていた。
858 :
コンボ:02/08/05 16:40 ID:/OOhSm1X
自転車で10分も走れば、道場に着く。
道場と言っても普通の民家に広い板張りの一室があるだけで、十数人の生徒がそこで狭苦しく稽古をする。
5時すぎに、道場に着いた。
「失礼します」
インターホンは鳴らさずに、こうして玄関から入って行くのがここで決められている。
靴を揃えて脱ぐと、おばさんが玄関に出てきた。
「ああ、あさ美ちゃん。
最近愛ちゃん来てないけど、どうかした?」
「さあ……
多分クラブが忙しいんだと思います。
今度会ったら訊いてみますね」
おばさんにお辞儀をして道場をのぞくと、小学生が体操を始めていた。
先生はまだいない。
小学生の横を通り抜けて女子更衣室に入る。
更衣室と言ってもおばさんの部屋を借りてるだけで、ロッカーなんかは無い。
すぐに胴着に着替えて板間に出ると、スーツ姿の先生が帰ってきたところだった。
859 :
コンボ:02/08/05 16:40 ID:/OOhSm1X
約2時間の練習が終わると、女子更衣室はすぐに一杯になる。
5人も入れば目一杯になるような部屋だから、着替えは早い者勝ちになる。
今日は少し遅れたが、それでもなんとか着替えられた。
部屋を出ようとすると、後ろから声をかけられた。
「あーん、ちょっと待って」
私の他には高校生の石川さんしかいない。
道場に通っている女性と言えば小学生がほとんどで、同年代の石川さんとはそこそこ仲が良い。
華奢な石川さんは護身のために空手を習いはじめたらしいが、どうもたくましくなる兆しが無い。
いつまで経っても細身のままで、筋肉がついているのかさえ疑問だ。
私より先に始めたらしいが、私と同じ茶帯の腕前で止まっている。
「一緒に帰ろうよ」
「分かってますって」
私も俊敏な方ではないと思うけど、この人には勝っていると思う。
スポーツは得意だし、何よりこの人の運動神経はひどい。
石川さんはもたつきながらようやく着替え終えた。
二人でおばさんにお辞儀をして家を出て、石川さんも私と同じように自転車にまたがる。
漕ぎ出しながら、石川さんは話しかけてきた。
「紺野って好きな人とかいる?」
「いません」
「やっぱり……しかも即答だし……」
「石川さんはいるんですか?」
860 :
コンボ:02/08/05 16:41 ID:/OOhSm1X
「そりゃまあね、好きな人ぐらいいるけど」
石川さんは妙に嬉しそうに答える。
「聞きたい?」
「そんなわけないじゃないですか。
覚えるぐらい聞きましたし」
週に一回のペースで、石川さんとはこういうやりとりを繰り返す。
「やっぱりね、好きな人がいるってのはいいよ、マジで。
なんかものすごく世界が明るく見えるから」
聞きたくないと返事したのに、喋りはじめた。
「私この間思ったんだけどね、紺野は出会いを避けすぎだと思うの。
もっと色んな所に出たほうがいいんじゃない?」
「でもクラブには入れませんし」
「なんか友達に連れて行ってもらうんだって。
クラブの大会とか、誘われても断ってるんじゃない」
「だって関係ありませんし」
「ほーらやっぱり。そういう所に出会いがあるんだって」
なぜか勝ち誇った顔をして石川さんは言った。
「それじゃ、またね」
石川さんは嬉しそうに角を曲がっていった。
ここまでです。
861 :
:02/08/05 18:03 ID:40bwjIoX
梨華こん(・∀・)イイ!!
この組み合わせが近いうちに実現するんだね
862 :
関西人Z:02/08/05 19:24 ID:jXVT5iGW
>>845-846のつづき
------------
「はっはーん、あんたふられたんでしょ」
女はにんまりと笑った。
「なんでそんなことわかるんだよ」
「あれちがった? あたしにはそう見えたんだけどなー。
それもそうとう重症だと思うんだけど。ずーっとその子のことが
好きで、でも臆病だから声をかけることさえできなくて、それでも
思い切ってうちあけたけどうまくいかなかった。ちがう?」
「うぐ……」
僕は傷口に塩とタバスコとマスタードをグリグリ
すりこまれた気持ちでうめいた。
「やっぱり当たってんじゃーん。失恋なんてよくあること
なんだからさ、元気出しなよ」
「わかったようなこと言うなよ」僕は知らず知らずのうちに
さっき石川さんに言われたセリフを吐いていた。
「そんなケンカ腰にならなくてもいいじゃん。よーし、おねえさんが
特別に、キミの傷ついた心をなぐさめてあ・げ・る」
「え、おい、ちょっと……」
女は僕の手をつかみ、夜の街へと引きずって行った。
「……それで彼女に好きな人がいるってわかってさぁ」
女がつれて行ったのはどこにでもある居酒屋のチェーン店だった。
制服を着てるからやばいと言う僕を無視して、むりやり
連れこんだのだ。
「名前? 矢口真里だよ。矢口って呼んで」そう女は言った。
年は僕よりひとつ上らしい。
僕は目の前にいる人間が何者なのかを、もう少し詳しく
知っておきたかったのだが、矢口はそんなことどうでも
いいからさっさとあんたの失恋話を聞かせなさいよと催促した。
「なるほどー。それじゃあキミは好感度落としただけだったんだねー」
僕の話をひととおり聞き終えると、矢口はそう言ってケラケラと笑った。
元気なときなら殴りつけるか、殴るのを我慢できたとしても
怒って席を立っていただろう。
しかしそのときの僕には、話を聞いてくれる相手がいるというだけで
ありがたかった。
心の奥にあるもやもやしたものを全部ぶちまけたい気分だった。
どれだけぶちまけても楽になれないのは承知の上で。
-------
ここまで。
>関西人Zさん
ありがとうです。能力の限界はありますががんばります。
865 :
TMC:02/08/05 21:20 ID:sQvofuIq
コンビニを出ると梨華の携帯が鳴った。
「あら、亜依からだ。どうしたのかな?」
梨華が不思議そうに電話に出ると、亜依が今にも泣き出しそうだった。
「ね、姉ちゃ〜ん。何か玄関の方で音がするよ〜、、怖いよ〜、、、」
「それってド、泥棒じゃないの!?
どこかに隠れてなさい、今すぐ帰るから。」
電話を切ると梨華は不安そうな顔で俺の方を見た。
「ったくしょうがねぇな。走るぞ、ついてこいよ。」
「うん!」
全力で家に向かい走り出した。もうちょっとスピードは出せたけど
梨華をおいていくと迷子になってしまうかも、と思い
彼女のスピードに合わせることにした。
866 :
TMC:02/08/05 21:20 ID:sQvofuIq
家に着くと亜依の言った通り玄関に人影があった。
「し、慎ちゃん。ど、どうするの?」
梨華はかなりビビッているようで俺の腕から離れない。
「とりあえず追っ払ってくるから腕から離れて遠くから見てろ。」
「追っ払うって?相手が大男だったら、ナイフを持ってたらどうするの?」
「まぁ、任せとけって。」
俺がそう言うと、梨華は黙ってうなずき木の陰に隠れた。
自慢じゃないけど一応空手の有段者だからな、俺は。
泥棒なんて一瞬で片づけてやるぜ。
867 :
TMC:02/08/05 21:21 ID:sQvofuIq
一呼吸おいてから俺は不審な人影に近づいていった。
どうやら梨華の心配とは人影よそに意外と細身のようだ。
待てよ?もし泥棒じゃなかったら?
ふとそんなことが頭をよぎったので声をかけてみることにした。
「おいっ、、、!!」
なるべく太い声で相手をビビらせるように言ってみた。
「キャッ!!」
フフフ、俺の声に悲鳴をあげやがったぜ。え、悲鳴?
もしかして女性の方ですかな?
「あの〜、どなたですか?」
もう一度、今度は優しく訪ねてみた。
「あら、慎一君じゃない。覚えてない?私よ、保田圭よ。」
「保田さんって石川のおっちゃんの秘書の保田さん?」
「そう、3年前の石川グループのパーティー以来ね。」
868 :
TMC:02/08/05 21:26 ID:sQvofuIq
本日の更新終了です。
書き忘れましたが
>>831からです。
>ネオ生茶さん
すみませんでした。では気にせずに書きます。(w
>関西人Zさん
ありがとうございます。あまり文才がありませんががんばります。
869 :
剣士:02/08/05 21:40 ID:2Y5QuVeY
>746の続き
それからというもの、梨華は必死にバイト、俺は大学&バイトでまともな休みがとれなかった。
なつみ&マスター曰く「梨華ちゃんは最高の人材」らしい。まあ、そんだけ働いてくれるのはいいこと。
だが・・・俺にある不安がよぎっていた。
まさかそれが現実になるとは・・・・。
梨華が働き始めて一ヶ月、その時はやってきたのである。
いつものようにBARで働いている梨華。だが、その様子がおかしい、ということになつみが気づいた。
「どうしたの?何か顔色悪いよ?」
「あ・・・安・・倍・・さ・・」
なつみの名前を呼びかけて、梨華は倒れた。
「梨華ちゃん!どうしたの!梨華ちゃん!誰か、誰かー!!!!!」
その頃俺は、自分のバイト先で働いていた。
と、突然携帯が鳴り、仕事中なのに・・・と思いつつ電話にでた。
電話はなつみからで、かなり焦っている様子だ。
「なんだよ・・・今バイト中・・・あん?何だと!梨華が倒れたぁ?!わかった!すぐ行く!」
俺は事情を説明して、バイト先を急いで出て、病院へ。
「梨華・・・梨華・・・」
俺はバイクを飛ばしながらも、ずっと梨華の名ブツブツを呼んでいた。
今まで感じたことのなかったぐらい心配。それはただ、倒れたから、同居人だから、とかの思いではなく、梨華に、「好き」という感情が湧いてきていたからである。
「大丈夫だよな・・・梨華!」
俺は必死にバイクを飛ばした。もう、梨華以外のことは考えていなかった。
それほどまでに、俺は梨華を好きだ、ということが、ハッキリわかったから。
そして、俺は病院に着いて、梨華のいる病室に走った。
870 :
剣士:02/08/05 21:44 ID:2Y5QuVeY
久々に更新終了です。
おまたせして申し訳ない!
やっと落ち着きました。(苦笑)
相手は潤と見てまず間違いないだろう、
懸命な読者ならそんなシーンがあったのを覚えているはずだと思う。
2人はとりあえず手続きを済ませ、受け入れ先の厩舎へ向かった、
安倍「……」
車中安倍はぼんやりと車の外を眺めていた、
通訳「(変なこと考えてなきゃいいけど……)」
妊娠していて尚且つ、その相手が潤というのを聞いて通訳は気が気ではなかった、
変な事を思い立たれたらどうしようと頭が一杯だった、
安倍「(シングル……シングルマザーになるんだ私、なんか変な気分。)」
しかし安倍は落ち込みや不安などという“負”の要素は不思議と無かった、
「これからどうしよう?」ということで頭が一杯だった、
子供の事・自分の事・サイレントの事……
あの落ち込みようはどこへやら…という感じだった。
通訳「安倍さん着きましたよ。」
受け入れ先の厩舎に着き調教師への挨拶をそこそこに済ませ、
安倍はサイレントスズカのいる馬房へ向かった、
安倍「わー元気だったかー?こっちの水はうまいかー?」
通訳「(…取りあえず落ち込んでいる様子は無いかな……?)」
安倍のはしゃぎっぷりに取りあえず安心を覚えていた通訳であった。
872 :
こうもり:02/08/06 12:52 ID:ZBtq4IyV
俺は唇を離し「おはよう、愛ちゃん」と言う。
「あ、おはようございます」
愛ちゃんはいまいち状況が掴めていないのかそう答える。
「カズさん、さっきまで私にキスしてました?」
「うん、だって愛ちゃんが起きてくれないから
お目覚めのキスをと思って」
「なんか恥ずかしいです」
俺がそう言うと愛ちゃんは照れくさそうに微笑む。
873 :
こうもり:02/08/06 12:54 ID:ZBtq4IyV
「そろそろ起きて支度しないと」
俺と愛ちゃんはベッドの上でしばらくゆっくりしていたが
時間が迫ってきたので、愛ちゃんにそう促す。
「はい」
そう言って愛ちゃんは俺の部屋から出て、自分の部屋に行った。
俺もすぐに着替えて、朝食の用意をするため、部屋から出てキッチンに行く。
「じゃあ今日から特訓だね」
「はい」
「これからは俺は何もしない事にするから、愛ちゃんが全部やるようにしようね」
「わかりました」
「じゃあまず・・・」
愛ちゃんは俺の言う通りに朝食を作り始めた。
更新終了。
>>854の続きだよ
家に帰っても、俺達3人の話はつきない。
いろいろ話をしていたら、恋愛の話へ。
「ねえねえ、俊祐くんって彼女いるの?」
「いや、いないけど」
「今までは?」
「前にはいたけど…姉ちゃんに邪魔されたよ。」
そうそう、姉ちゃんの彼氏と俺の彼女ができちゃったんだよねぇ〜
「そういう梨華ちゃんは彼氏いるの?」
「ううん、私もいないの。なんか彼氏がいそうとは言われるけど…」
「俺も初めて会ったときはそう思った」
「もう、ひどーい!見た目で判断しないでよぉ」
「ああ、ゴメンゴメン。愛ちゃんは?」
「えっとぉ〜私もいないんですよぉ〜」
「えっ、愛ちゃんも?」
「はいぃ〜」
「へえ〜、3人ともいないなんてなんか奇遇だね」
「そうだね!この際だから3人で付き合っちゃう?」
梨華ちゃんがそういうと、俺はドキッとした。
愛ちゃんもビックリした顔で梨華ちゃんを見る。
「うそうそ、冗談だよ。冗談」
「もう〜!ビックリさせないでくださいよぉ〜」
愛ちゃんも俺もちょっと安心した。
でも、どうやって3人で付き合うんだろう?
今日の時の流れはものすごく速い!あたりはもう夕方である。
俺が夕食の準備をしていると梨華ちゃんが
「私作ろうか?」
と言ってくる。
「梨華ちゃんが?」
「うん、わたし、お料理上手なんだ。
お昼もおごってもらったし、そのお礼も兼ねて…」
「うん、じゃあよろしくね。冷蔵庫の中身は勝手に使っていいから。
俺は生活道具でも買ってくるね」
「私もシュンさんと一緒に行きたいですぅ〜」
「わかった。愛ちゃん行こうか?」
「はいぃ〜」
こうして梨華ちゃんは夕ご飯作り。
俺と愛ちゃんは雑貨屋で買い物に出かけた。
俺は愛ちゃんと共にバイクの駐輪場へ。
「ええーっ!シュンさんてぇ〜バイク持ってたんですかぁ〜?」
「まあね」
俺は大学に推薦で入ったので、暇になる時期が長く、バイクぐらいならと思い、免許とバイクを取ったのだ。
ちなみに車の免許も持っているが、肝心の車がない。
「乗るよ」
俺は愛ちゃんにヘルメットを渡し、バイクにまたがる。
愛ちゃんも俺の後ろに乗る。
「しっかりつかまっててね」
「はいぃ〜」
俺は背中になんともいえないのを感じながらも、バイクを走らせる。
この辺の道は知っているので、快調にとばせた。
その間、愛ちゃんは怖いのかわからないが俺の腰にしっかりつかまっている。
15分ぐらいして、雑貨屋に到着!
「着いたよ」
俺が声をかけても愛ちゃんはしかみついたまま。
「愛ちゃん!」
「えっ!」
ビックリしている。
「もう着いたんですかぁ〜?」
「うん、そうだけど…大丈夫?」
「あ、はいぃ〜。なんとかぁ〜」
そういって、愛ちゃんはヘルメットを俺に渡す。
俺達は雑貨屋に入った。
更新終了!
どうですかねぇ〜?
878 :
:02/08/06 17:30 ID:sW0GH48R
悪気はないんだろうが、かぶってるな。
>>863-864のつづき
---------
「丸一年も想いつづけたのになぁ……」
僕はいま高校二年生なのだが、石川さんとは一年のころから
いっしょのクラスだった。
はじめて彼女を意識したのはその年の夏、僕が国語の授業で教科書を
忘れてきたときのことだ。
僕は当時すごく引っ込みじあんで(いまでもその傾向は完全には
抜け切れてないが)、クラスメイトに教科書を見せてもらうこともできず、
一人でオロオロしていた。
「教科書ないの? じゃあいっしょに勉強しようよ」
当時隣に座っていた石川さんは、そんな僕を見て机をくっつけてくれた。
もちろん石川さんが僕にだけ親切だったわけではない。
誰が教科書を忘れていても、自分から見せていただろう。
彼女は学級委員だったし、みんなに対して優しかった。
それはわかっていたのだが、彼女の整った横顔、茶に染まっているサラサラの髪、
品よく切られた形のいい爪、他の女子より少しだけ大きい胸のふくらみを
間近で見ていると、好きにならないわけにはいかなかった。
「なに物思いにふけってるのよ!」
矢口のイラついた声で我に返った。
「うじうじしてんじゃないわよ。あんたねえ、さっきから聞いてると
別にふられたわけじゃないじゃん。石川さん、だっけ? その人に
好きな人がいた、それだけでしょーが。彼女があんたのことをどう
思ってるかは直接聞いてみないとわかんないでしょ。希望はあるんだから
元気を出しなさいよ!」
目がすわっている。この女、酒乱だ。
「だけどさぁ……」
「あー、もういい! これ以上しゃべってもどうせ鬱になるだけなんだから
これでも飲んで忘れなさい」
そう言うと矢口は手に持っていた焼酎のロックを突き出した。
悪いことに、僕もかなり酔っていて判断能力が失われていた。
僕はなみなみとつがれていた焼酎を受け取ると、そのまま一気飲みした。
それからのことを、僕は憶えていない。
……目覚めると、見なれた天井が視界に入ってきた。
僕は自分の部屋のベッドで寝ていた。
頭がひどく痛い。
(気持ち悪い……。オレゆうべ何やってたんだっけ?
そうだ、酒を飲んだんだ。するとどうやって家まで帰ってきたんだろ?
思い出せないや……)
胸がムカムカしてきたので僕は考えるのをやめた。
猛烈に水が飲みたい。
僕はベッドから起き上がろうとして体勢を変えた。
と、そのとき、
トン
何かが僕の左手に当たった。
それは柔らかくて、すべすべしていた。
(何だこれ?)
僕は自分がふれたものが何なのか確かめるため、かかっている毛布を
上げてみた。
「!!!!!!!!!」
僕が目にしたのは女の背中だった。
それも一糸まとわぬ真っ裸だ。通称マッパ。
上品に言うならばヌード。お下劣な表現を試みるならスッポンポン。
呼び方はなんでもいいがとにかく裸の女が僕の隣で寝てるのだ。
その女が誰なのか、後ろからでもはっきりわかる。
あの金髪、どう見ても矢口真里じゃないか!
「ん……おはよ、マサト」
なぜに下の名前で呼ぶのだ?
当然の疑問が僕を襲った。
(こ、これってもしかして……酔った勢いってやつですか?)
懲りずに更新。今日はちょっと多め。
884 :
:02/08/06 19:47 ID:3/aN7tk0
マッパキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
885 :
TMC:02/08/06 21:12 ID:Ul1OlBVi
>>867からです。
「圭ちゃん!?どうしているの!?」
それまで木の陰に隠れていた梨華が保田さんに気付いて出てきた。
「会長の命令であなた達と一緒に暮らすことになったの。
梨華は可愛いからいつ慎一君が襲うかわからないからね。」
「そんなことしませんよ!」
まったく、おっちゃんは何を考えているんだよ?
保田さんは若くして石川グループ会長の第一秘書だ。
3年前に俺が招待されたパーティーで知り合った。
キャリアウーマンだけどそれを感じさせない気さくな人である。
「でも、どうして玄関で立ち止まってたの?」
梨華が不思議そうな顔をして尋ねた。
「だって私鍵も持ってないし家の中に誰もいなかったからよ。」
「あれ、亜依がいるはずだけど、、、?あっ!!」
俺も梨華も保田さんの登場によって亜依のことをすっかり忘れていた。
まだおびえて隠れているんだろうか?
よっしゃ、少し驚かしてやるか!
「2人とも静かに入ってくれよ。亜依に気づかれないように、、、」
「どうして?」
「みてりゃ、わかるよ。」
886 :
TMC:02/08/06 21:13 ID:Ul1OlBVi
そーっとドアを開け中に入ると物音一つしない。
どうやらまだどっかに隠れたままらしい。
俺は息を殺し亜依を探していると、食器棚から音がした。
「確かあの棚にはまだ何も入れてなかったな、、、」
食器棚の前で立ち止まると音が止まった。そして、
「ヴァーーー!!!」
棚を思いっきり開けて叫んだ。
「キャーーーーー!!!!」
俺の叫びより大きい亜依の悲鳴が屋敷中に響いた。
「バーカ、俺だよ〜。亜依もまだお子様だな。」
「、、、慎一、、、グスッ、、、」
亜依は棚の中でうずくまったまま泣いている。
ヤベッ、泣かすつもりじゃなかったんだけどなぁ。
887 :
TMC:02/08/06 21:14 ID:Ul1OlBVi
今日はここまでです。
卒業ですが保田を出してみました。
888 :
剣士:02/08/06 21:21 ID:FeXhGkiG
>869の続き
病室に入ると、なつみとマスターが座って梨華を見ていた。
「はぁ・・はぁ・・・おい!梨華どうなんだ!?」
俺はかなり冷静さを失っていた。それほどまでに頭の中は梨華でいっぱいだったのだ。
「フフ・・大丈夫よ!」
「へ・・?」
なつみの一言に、呆けたような声を出す俺。
「ただの過労だそうだ。頑張りすぎたんだろう」
俺はそれを聞いた瞬間、体の力がぬけ、へたりこんでしまった。
「は・・は・・そっか・・・よかった」
「よほど心配だったんだね〜・・涼がそんなに人を心配するのを初めて見たよ」
なつみの一言に、うんうんとうなずくマスター。
「な、な、何だよそれ!」
俺は思いきり痛い所をつかれ、慌てた。
「ふふ・・・べ〜つにぃ!・・マスター、そろそろ行こうか!」
「そうだな。二人きりにさせてあげようか」
ニヤニヤと笑うなつみとマスター。
「だから、何だよそれ!」
「ごゆっくり〜!」
と、二人は部屋を出ていった。あきらかに俺と梨華をくっつけようとしているのだろうが・・。
「う・・う・・・ん・」
梨華がどうやら俺の声で、目覚めてしまったようだ。
889 :
剣士:02/08/06 21:22 ID:FeXhGkiG
「お?梨華・・・気がついたか?」
「私・・・どうして?」
梨華はどうやらまだ状況がわかってないようである。
「過労で倒れたんだよ、お前。まったく心配かけて・・・」
俺は椅子に座り、梨華の頭を指でツンっと押した。
「え?!そういえば・・・BARで働いてて、何かフラっとして・・・」
「働きすぎたんだよ・・・。待ってろ。果物でも剥いてやるよ」
俺は桃を手に取り、剥きながら話を続けた。
「何でそんなになるまで働いた?休みをとることも必要だぜ?」
と、それを聞くと、梨華の表情が暗くなった。
「それは・・・」
何となく言いづらそうである。下を向いたまま動かない。
「いいから言ってみな。怒らないし、働いてくれたのは感謝してるし」
いつもの俺と違う、優しい言葉。これが、なつみ曰く、俺が変わる、ということだったんだろう。
「それは・・・涼さんに、認めてもらいたかったから、嫌いになってもらいたくなかったから」
俺はその言葉で、固まってしまった。唯一、絞り出した言葉は
「どういうことだ?」
この一言だった。さらにこの後、梨華から思いもよらないことを聞かされようとは・・・。
890 :
剣士:02/08/06 21:23 ID:FeXhGkiG
今日はここまでで更新終了です。
891 :
ネオ生茶:02/08/07 02:50 ID:2rwfpSHT
>>840 の続きです。
ボクは、愛ちゃんと母さんの前で歌った後、部屋に戻って、
簡単に明日の予習を済ませた。
そして、少しギターをいじって、もう寝ようと思った時だった。
誰かがボクの部屋のドアをノックした。
「誰?」
ボクがドアのほうを見ると、そこにはパジャマ姿で枕を持っている愛ちゃんがいた。
「愛ちゃん……どうしたの?」
ボクがそう聞くと、
「一緒に寝てもいい?」
と、上目遣いで愛ちゃんは答える。
「……は?」
ボクは、思わず聞き返してしまった。
「だ〜か〜ら〜、一緒に寝よっ!」
そう言って、愛ちゃんはボクのベットに飛び乗った。
「お兄ちゃ〜ん、早く寝よう〜!」
愛ちゃんは、既に布団を被っている。
892 :
ネオ生茶:02/08/07 02:52 ID:2rwfpSHT
「ダ、ダメだよ! い、一緒に寝るなんて……」
ボクは、顔が赤くなっていたと思う。
「もしかして……エッチなこと考えてる?」
愛ちゃんが、上目遣いで言う。
「か、考えないよ!」
ボクは、大げさに首を振る。
「じゃあ……寝よっ!」
そう言って、愛ちゃんは微笑む。
仕方なく、ボクは愛ちゃんと一緒に寝ることにした。
ボクは、少しドキドキしながら布団に入った。
とりあえず、上を向く。
「お兄ちゃん、私とお母さんと一緒に暮らしてどう? イヤじゃない?」
そう言って、愛ちゃんがボクのほうを向く。
「イヤなわけないよ。むしろ、嬉しいよ。
今までずっと、一人だったからね」
ボクは、愛ちゃんを見ながら言った。
893 :
ネオ生茶:02/08/07 02:53 ID:2rwfpSHT
「私もなんだ……」
「愛ちゃんも?」
「うん。私、お父さんが小さい頃、いなくなっちゃったから、
お母さんが一人で育ててくれたんだ。
お母さんはいつも働いてて、兄弟もいなかったから、
学校から帰ってくると、すごく寂しかった。
だから、よく泣いてお母さんのこと、困らせてた。
でも、今日は、帰ってきたら、お兄ちゃんがいて、お母さんがいて、
す…ごく……嬉しかっ……た……」
愛ちゃんの瞳からは、涙がこぼれていた。
「そうだよね、今までずっと一人で寂しかったもんね」
ボクはそう言って、愛ちゃんの頭を撫でる。
894 :
ネオ生茶:02/08/07 02:54 ID:2rwfpSHT
「お…兄ちゃんは、ずっ…と一緒に…いて……くれる?」
泣きながら言う愛ちゃんに、
「もちろんだよ」
と、ボクは言った。
すると、愛ちゃんは何も言わず抱きついてきた。
ボクは、そんな愛ちゃんをそっと抱きしめた。
「今日はもう遅いから、もう寝よう?」
ボクがそう言うと、愛ちゃんはコクリと頷いた。
それから、少しして愛ちゃんの寝息が聞こえた。
それに、寝言も言っているみたいだった。
なんと言ってるか、聞き取れなかったが、楽しい夢を見ているみたいだった。
そんな愛ちゃんを見ていると、ボクも嬉しくなった。
895 :
ネオ生茶:02/08/07 02:56 ID:2rwfpSHT
更新です!
そろそろ新スレか・・・
897 :
こうもり:02/08/07 11:06 ID:fNl2hJbj
「いただきます」
俺はそう言うと初めて愛ちゃんが作った味噌汁を飲んだ。
「どうですか?」
その様子を愛ちゃんは不安そうな様子で眺めている。
「うん、ばっちりだよ」
「良かった、もしかしたら失敗したんじゃないかなって思ってて」
「そんな事ないよ、今度はこれを覚えて自分ひとりで作れるようにしようね」
「はい」
愛ちゃんはそう言うと笑顔で微笑む。
「じゃあいってきます」
愛ちゃんは朝食を食べ終わると、そう言ってすぐに玄関に行く。
「カズさん、何か忘れていませんか?」
「ああ、そうだったね」
898 :
こうもり:02/08/07 11:08 ID:fNl2hJbj
俺は愛ちゃんの耳元で「好きだよ」
と短く言いその後愛ちゃんの唇に軽くキスをする。
「じゃあ仕事頑張って」
「はい・・・いってきます」
愛ちゃんは昨日と同じように照れたような表情でそう言うと家を出る。
俺は愛ちゃんが家から出たあと、朝食の後片付けをしてリビングに行く。
そして、リビングのソファーでこれからの事を考えていた。
愛ちゃんのお母さんと会うのか・・・。
大丈夫かな。
俺はまだ一週間以上あることなのに今から緊張している。
俺は緊張をほぐそうと思い、大きく息を吐く。
「ふぅー」
まあ今から考えてもしょうがないか。
俺はそう考えてソファーに横になると段々眠くなってきたので
それに逆らわずに目を閉じた。
更新終了。
899 :
こうもり:02/08/07 12:05 ID:fNl2hJbj
小説乙です。。
新スレも乙です。