新・一緒に暮らすならどの娘?part5(何でも有り)
866 :
コンボ:02/06/12 21:54 ID:d4jBYJnr
「ええ、まあ……」
自分でも驚くほど自然に言えた。
「やっぱり。
まだ、告白してないんでしょ?」
「いえ、夏にしたんですけど、ふられちゃって」
「吉澤さんに負けちゃったのかー」
石川の表情が硬くなった。
「私もね、今一応付き合ってるんだけど、なんか智哉の気休めにしかなってなくてさあ」
「松浦さん、それで幸せですか……?」
「ちょっとね」
亜弥はそう言って、自嘲ぎみに笑った。
「馬鹿だよね、智哉は自分なんか好きじゃないって分かってるのに。
ほんと、馬鹿だよね……」
亜弥は静かにうつむいた。
「ちょっと、トイレ……」
逃げるようにしてリビングを去っていった。
石川は一人取り残され、今にも泣き出しそうになっていた。
ここまでです。
まだ書ける?
868 :
コンボ:02/06/13 22:55 ID:tLhY/dyj
一応、使えるところまで使おうかと思ってます。
「うっそ、うっそだー!」
真里はどもりながらやっと大声を出した。
ふざけぎみに笑う。
そこまで来て、真里は准一が自分の歩幅に合わせて歩いているのに気付いた。
「ほんまや」
准一は相好を崩さずに話し続ける。
「今は石川が好きやけどな」
「ふーん……」
真里は素っ気無くうなずいた。
「やっぱり、真里のことは好きやったんかどうかわからへんわ。
……まあ、どうでもええ話やけどな」
「どうでもよくないよ」
返事はない。
「だって、私を嫌いになったってことでしょ?
人に嫌われるのって、嫌だよ」
准一は口を閉ざした。
「なんで嫌いになったの……?」
「……分からへん。
……でもなあ、気が付いたらただの幼馴染になってた」
それから、真里も口を閉じた。
869 :
コンボ:02/06/13 22:56 ID:tLhY/dyj
やがて、公園についた。
薄暗い公園には人気がなく、まばらに街灯の光りが当たっているだけだった。
「……私、やっぱり帰るね」
「ちょっと待てや。
ここまで来て帰んなよ」
「だってさあ……ごっちんは准一を好きなんだよ?
そんなの、告白するところ、見れるわけないじゃん」
真里は半ば叫びながらそう言った。
「……やっぱりそうか」
准一は大きく息をついた。
「なにがよ」
「いや、そうであって欲しくないな、とは思っててんけど、やっぱり後藤は俺のこと好きなんか」
「……だって、公園まで呼び出して、わざわざ言うことなんてそれしかないじゃん」
真里は入り口に振り向くと、一歩踏み出した。
「待てや、真里」
准一は真里の右腕をつかんだ。
「俺はもうお前を好きとちゃう。
お前も俺を好きとちゃう。
俺がさっき話したことは忘れてな、いてくれ、な」
「……いいじゃん、別にいなくても」
「不安やねん、なんか。
告白されたことはあんねんけど、なんか、なんか今までのことが壊れそうな気がすんねん、お前がおらへんと」
真里は黙って振り返ると、植木の陰に立った。
ここまでです。
870 :
.:02/06/14 11:23 ID:ZR/FP36e
(・∀・)イイ!
871 :
コンボ:02/06/14 21:27 ID:YLb6Uv4X
「ごめん、待った?」
後藤はへらへらと笑いながらやって来た。
真里のいつも見ている笑顔だった。
「いや、別に……」
「うん、とりあえず、座ろ」
後藤はベンチに座り、隣を指差す。
准一も黙って横に座った。
「……岡田くんってさ、好きな人とかいるの?」
「うん、まあな」
「へー……」
会話は途切れた。
後藤は、硬派の准一には恋愛対象なんていないと思いこんでいたのだ。
「……あのさあ、岡田くん、私と付き合ってくれないかな」
後藤は手を組替えながら、隣の准一をちらちらと見た。
准一はじっと前を睨んでいたが、突然顔を上げた。
「ごめん、無理」
872 :
コンボ:02/06/14 21:27 ID:YLb6Uv4X
「ああ、うん、そう……」
後藤はせわしなく髪をかきあげ、指を組み、体を前後に揺らした。
「ごめんな」
「うん……」
後藤は絶え間なく動いていたが、准一は微動だにしない。
元のように一点を睨みつけている。
「ねえ……なんで?」
後藤は動きを止めて、准一の横顔を仰ぎ見た。
「なんで私じゃ駄目なの?
私、岡田くんのためだったら、なんでもするよ。
いくらでもイメチェンするし、家だって出るよ……」
「まだ高校生やろ、俺ら」
准一は後藤の言葉を阻むように言った。
「高校生がこんな恋しちゃいけないの?
私、中学からずっと好きだったんだよ。
2年の時さあ、初めて同じクラスになったんだよね、覚えてる?」
「後藤」
「5月に球技大会があって、私らサッカーだったよね。
私がボール落としちゃって、励ましてくれたんだよ」
「やめろや」
「3年でまたクラス変わっちゃったんだよね。
A組の安倍さんと付き合ってるって噂があってさあ、眠れなかったんだよ」
「やめろや、後藤!」
「嫌だよ!」
873 :
コンボ:02/06/14 21:28 ID:YLb6Uv4X
後藤の声は嗚咽混じりだった。
「やめたら、岡田くんどっか言っちゃうじゃん!」
「いや、俺は……付き合えへんねん」
准一は言い残して、立ちあがった。
「……じゃあな」
不意に、後藤が准一の前に立ちふさがった。
「なにすんねん……」
後藤の顔が目の前に迫り、准一の口は後藤にふさがれた。
後藤はすぐに顔を離した。
「あ、ごめんね……」
後藤はしばらく黙ってうつむいていたが、ふっと准一に背を向けた。
とぼとぼと公園から歩いていく後姿を、准一はぼうっと眺めていた。
真里は准一に断りもせず、黙って走り去った。
ここまでです。
イイ━━━━━━(・∀・)━━━━━━ !!!!!
コンボおもろい
http://tv.2ch.net/ainotane/kako/1014/10149/1014922137.html 519の続き
「ここは…」
気づくとそこは真っ暗な世界
「俺は一体、どうしたんだ?」
春斗は辺りを見回したが、何も見えない。
いや、見えないんではなく何もないのかもしれない。
不安になる。
しかし、その不安が大きくなるにつれて何かが脳裏をかすめる。
―失われた記憶―
しかし思い出せない。
何かが記憶を押さえ込んでいるのか。
「クソッ!なんで思い出せないんだ」
頭を押さえ、苛立つ。
『思い出す必要はない』
不意に声が聞こえた。
「え?」
暗闇に響く声。それは怖いくらい頭の中に入ってくる。
『そう、思い出す必要はない…』
「だ、誰だ!?」
声を荒げ、周りを見渡す。
すると眼前から、さらに暗い闇が襲うように春斗を飲み込んだ。
「うわーーー!!!!!」
877 :
関西人Z:02/06/19 21:05 ID:KHWqbhys
「はっ!!はぁ、はぁ…」
飛び上がるように起きあがった春斗。
周りを見渡すと、暗いながらも自分の部屋だとわかった。
時計は午前2時を指している。
「はぁ、夢…か」
少し安心し落ち着くと、身体中、汗で異常に濡れていることに気が付いた。
春斗は不快に顔をしかめ、立ち上がる。
「こりゃシャワー浴びた方がいいな」
着替えを手にし、廊下へ。
「さ、寒ぃ」
真冬の夜中は一瞬で汗を止める。
春斗は小走りで風呂場へ向かった。
「しかし何だったんだ?あの夢は」
服を脱ぎながら、先ほど見た夢を思い出していた。
あの頭に響いた声。
『思い出す必要はない』
「……」
自分の記憶が戻りかけたことも気がかりだが、
その声のほうが何故か気になった。
どこかで聞いたような…
「…ふぅ、考え過ぎかもな」
考えることを止め、シャワーを浴びる。
ザーーッ
「あー気持ちいい。―!!?痛ッ!!」
浴びると同時に腕の外側に痛みを感じた。
急いでシャワーを止める。
「何だこの痛みは?」
壁に張り付いている鏡に腕を向けて見てみる。
すると、
「こ、これは!?」
878 :
関西人Z:02/06/19 21:11 ID:KHWqbhys
保全しなくても良かったかな?
っていうか長編書いてたのを覚えてくれてる人はいるのだろうか…
もし邪魔なら遠慮なく言って下さい。ここには書き込まないようにするので。
にしても、コンボさんの作品はおもしろいわ。
>>関西人Zさん
久しぶりですねw
ここじゃなくて新スレに書いた方がみんな見てくれるし(・∀・)イイ!! と思うんですけど。
こっちは早く落ちさせてHTML化しません?
と言ってみるテスト
こっちの方がみんな読んでいるという罠
保全
882 :
コンボ:02/06/23 00:50 ID:/Xqg8JNJ
夕飯が終わって、裕介は居間でくつろいでいた。
そういえば、ひとみがいない。
「ひとみは? どっか行ったのか?」
「知らない」
あさ美は無愛想に答えると、本を持ってトイレに入った。
「待てよ、待てよ。
おまえがトイレに入ると長いんだ」
あさ美は裕介の言葉など気にも留めずにすたすたと入ってしまった。
手持ちぶさたな裕介がテレビをつけると、いきなり後ろから息子たちの蹴りが入った。
「いってえ!
なにすんだ、おい!」
息子たちは二人して意味不明の言葉を口走ると、再度裕介の背中を蹴り上げた。
裕介が適当にあしらっていると、疲れたのか床に寝転がってテレビを見はじめた。
年少の弟はうとうとしかけている。
「おい、まだおまえら風呂入ってないよな」
「うん、まだ」
裕介が訊くと、兄は鼻くそをほじりながら答えた。
「あさ美……はまだトイレか。
そんじゃ、ひとみと風呂入ってこい」
「ひとみ姉ちゃん、いないよ」
「ん? あ、そうか……どこ行ってんだ、あいつ? 部屋か?」
「うんうん。
なんか、携帯で誰かにかけて、どっか行った」
「……いつ?」
「晩ご飯の途中」
裕介の顔から血の気が引いていった。
883 :
コンボ:02/06/23 00:51 ID:/Xqg8JNJ
亜弥は食卓に突っ伏したまま、顔を上げずに泣きじゃくっていた。
石川は気まずそうに横に座っている。
母親は起きる素振りも見せない。
「所詮さあ……私って身代わりだったんだよね、吉澤さんの」
亜弥は嗚咽混じりにつぶやいた。
「でも……智哉さんだって、なんとも思ってない人と付き合いませんよ、きっと」
「……そうかなあ」
落胆した声が響いた。
「……それでも、結局別れなきゃいけないんだよ?
ちょっと好きかな、って思っただけで、ずっと付き合えるんじゃないんだよ?」
亜弥は赤い目で石川を見据えた。
「それにさあ、石川さんは不安じゃないの?」
「不安……」
石川は思わず繰り返した。
「石川さんも好きなんでしょ?
だったら不安じゃないの?」
「……そりゃあ、そうですけど」
石川はふてくされるようにうつむいた。
「だったら、私の気持ちもちょっとは分かるんじゃないの?」
亜弥はすっかり泣き止んだようで、目の腫れもなくなっていた。
しばらく、二人とも黙ったままだった。
「……どうするの?」
亜弥は投げやりに訊いた。
「……行ってきます」
石川はゆっくり立ちあがると、食堂を出て行った。
取り残された亜弥は少しづつ顔を腕の中に埋めていった。
ここまでです。
884 :
コンボ:02/06/23 00:53 ID:/Xqg8JNJ
>>878 わざわざ保全ありがとうございます。
と言うか、ここは決して俺のスレではないので、好きなように書きこんでいただければいいかと思います。
久しぶりの長篇更新、ありがとうございました。
>>879 面倒くさいんで、こっちを使いきってからそちらに行くことにします。
根がケチなもので(w
>>880 嘘だあ(w
というかあっちのスレは永田うざくてレスつける気にもならない。
それに内容もどう考えてもこっちの方がいい気がする。
とりあえず永田にはここはきずかれないようにしないとだな。
永田て誰?
>>887 このスレでウザがられている1000ゲッター
>>888 でももう1000までいく容量が残ってないという罠・・・
>>889 そもそもそこまで行ったことが無いという罠
hozen
get fuck away
>>680から
第13章 〜ボディガード(中)〜
ジュージュー・・・
そろそろかな?
フライパンの蓋を開けてみる。
黄味がちょうど薄い膜に包まれていい感じだ。
できたてのハムエッグをサラダが乗った皿に乗せる。
これで完成。
時刻は朝の6時すぎ。
普段ならまだベッドの中だが、
今朝はもうシャワーを浴びて朝食の準備まで終えた。
まだ寝ているであろう真希を起こしに階段をのぼる。
コンコン!
俺「真希ー?朝だぞー!」
ノックをしてドア越しに起こそうとしてみる。
・・・・・・
予想はしていたが何の返事もない。
おそらく熟睡中だろう。
俺「やれやれ…」
誰に言うでもなく独り言を呟いてドアを開ける。
本当は入りたくないのだが。
ドアを開けて客間を覗くと、真中に敷いてある布団で真希が寝ているのが見えた。
少し布団からはみ出した足が色っぽい。
…じゃなくて!!
呼びかけても一向に起きる気配がないので仕方なく中に入る。
真希に近づいてみると、すーすーと寝息をたてている。
枕もとにしゃがみ込む。
かわいい寝顔だ。
このままずっと見てたいなぁ…
…じゃなくて!!
俺「おい真希、起きろー!」
肩の辺りを揺さぶりながら起こしてみる。
真希「…ん…んぁ〜?」
ようやく目を開ける真希。
その目で俺を確認したようだ。
真希「今…何時ぃ?」
気だるそうに聞いてくる。
俺「えーと、6時…15分くらいかな?」
真希「え〜、なんでそんなに早いの〜?」
寝起きの甘ったるい声もいいなぁ……
…じゃなくて!!
俺「いや、ほら、俺今日から愛ちゃんの送り迎えしなくちゃいけないから…」
真希「…アイチャン?」
どうやらまだ頭は寝ぼけているようだ。
俺「そう、ボディガードつーかなんつーか…
だからもう少ししたら愛ちゃん家まで行かなきゃいけないから」
真希「…………あぁ、あれかぁ…」
ようやく目が覚めてきたようだ。
俺「そう、“あれ”だよ。
だから起きろ。もう朝飯できてるから」
真希「ん〜わかった」
真希は大きく1回伸びをすると布団から起き上がった。
そのまま歩いて部屋を出るのかと思ったら、途中で歩みが止まった。
俺「…どした?」
真希はくるりとこちらへ振り返る。
真希「…寒い」
そう言うと俺に抱きついてくる!!
ね、寝ぼけてるのか!?
つーかやべぇ、かわいすぎる!!
このまま押し倒したい!!
俺「………台所、暖房ついてるから」
ありったけの理性を総動員して言葉を発した。
真希はそれにうなずくと俺から離れ、部屋を出ていった。
この1週間で理性を回復させないとな……フゥ…
897 :
関西人Z:02/07/02 19:38 ID:HjRSFgdo
>>877の続き
「おはようございます」
梨華はキッチンに入ると、朝食を食べている義剛に挨拶した。
「おはよう。今日も頑張ってくれよ」
「はい」
そこへ貴子がやってきた。
「おはようさん」
「あ、おはようございます貴子さん」
「今から朝食作るから待っててや」
「はい」
貴子は奥へ行き、梨華は椅子に座る。
少しするとりんね、あさみも身支度を済ませ起きてきた。
「あれ、そういえば春斗さんは?」
いつもなら、すでに朝食を食べているはずの春斗の姿がないことにあさみが気づいた。
「そういえばまだ起きてけーへんな」
朝食を持ってきた貴子が首を傾げる。
「あ、私起こしてきましょうか?」
と梨華が訊くと義剛は頷き、
「そうだな、じゃあ起こしてきてくれ」
「はい」
梨華は立ち上がり台所を出ていくのを見送ったあと、貴子が思い出したように言った。
「あ、せや。ちょっと聞こうと思ってたことあったんや」
「どうしたんですか?」
りんねが尋ねる。
「台所から包丁が無くなってたんやけど、誰が持っていったか知らん?」
「包丁?俺は知らないけど。お前達は?」
義剛がりんねとあさみの二人の顔を見た。
二人とも首を横に振る。
「そうか、3人とも知らんか。どこ行ったんやろ?」
898 :
関西人Z:02/07/02 19:39 ID:HjRSFgdo
コンコン
「は〜るとさん♪、朝ご飯できてますよ」
……
「あれ?」
何も返事がない。
「春斗さん、寝てるんですかー?」
コンコンコン
再びノックをしたが、やはり返事がない。
梨華は何気なくノブを回してみる。すると、
ガチャ
「あ、開いた」
どうやら鍵は掛かってなかったらしい。
梨華はドアを少し開け、部屋の中をのぞき込んだ。
「春斗さ〜ん?」
しかし、部屋の中には春斗の姿はない。
「おかしいなぁ、どこ行ったんだろ?」
899 :
関西人Z:02/07/02 19:42 ID:HjRSFgdo
やばかったぁ、被りそうになったよ。
>ラムザさん
リレー焦らなくていいっすよ。
自分のペースでいきましょう
900ゲトズサー
>>関西人Zさん
こんな時間でも被りそうになるとは…しかも旧スレで(w
リレーはねぇ、全く構想が浮かばないんですよね。
何とかマイペースでがんがります。
リレーができたら新スレに行こうかな。
どうして新スレでやらないのか分からない
特にあなた方3人は待ち望まれている人物であるのに
…頑張って更新しているこうもりさんやサイレントスズカさんなどが可哀想
漏れはなんとなくわかる気がする
こっちのスレの方が落ち着くような・・・
新スレ住人は久方ぶりの更新を知りえないかも・・・、、
と考えると
>>901の意見に同意。
個人的な感想、あまり感心できない復活の仕方。以上。
スレ汚し大変失礼。
誰かスレたててくれ(w
>>903 同意。
なんかこっちの方がウザイやつとかもいないし、内容も良かったし、
雰囲気的にはこっちの方が好きだな。
いっそのことこっちはこっちで新スレ作っちゃうか?
908 :
:02/07/05 18:26 ID:fLeUE5An
>>907 作者でもないのにお前が新スレ作ってどうするよw
>なんかこっちの方がウザイやつとかもいないし
新スレにも別にそんなのいないけど
>内容も良かったし
そりゃあコンボさんラムザさんがいればそうだろ
909 :
:02/07/05 23:50 ID:xoXZwww6
新スレは普通に機能しているのにどうも特定の人物が
わざと荒れてるように煽ってるように見えるんだよな…
現行のスレに何か不備でもあるか?至って正常だ。
910 :
:02/07/06 17:22 ID:BfWQBpAk
>>909 でももうこのスレじゃ書けないしな。
作者の皆さん、ここで書くのに抵抗がある人もいるみたいなんで、
次の更新からは新スレのほうでお願いします。
911 :
コンボ:02/07/09 13:35 ID:unpSk0Mt
>皆さん
失礼しました。
完結したらすぐに新スレにも連絡するつもりでしたが、到らずすいませんでした。
関西人Zさん、ラムザさんがこちらに書かれたのも、新スレがあるにも関わらず移動しなかった自分の責任だと思っています。
ついては、謹慎というわけではありませんが、しばらくは顔を出さないでおこうと考えています。
このスレをご覧になっている方全てに、失礼をおかけしたことをお詫びします。
「時間だぞ、おい、聞いてる?」
「うるさいなあ、聞こえてるって」
ひとみは鬱陶しそうに答えると、鏡台から立ちあがった。
「赤はあんまし似合わないな……」
「いいじゃん、別に」
赤いスカートについた埃を払うと、ひとみは玄関まですたすたと歩いていった。
「そういえば、准一くんと梨華ちゃんが結婚して、何年だったっけ?」
「5年」
「もう5年もたつのかー。
梨華ちゃん未だに料理上手くならないのにな」
「あの下手さ加減は才能だろ」
そう言うと、ひとみは小声で笑った。
梨華ちゃんは二十歳で結婚してからずっと主婦だが、一向に家事が上手くないらしい。
結婚当時は熱意があったそうだが、今ではすっかり諦めの境地らしい。
料理はもっぱら准一がやっている。
准一が中華料理店で働いていなければどういう食事をするのか、検討もつかない。
912 :
コンボ:02/07/09 13:36 ID:unpSk0Mt
「綾華は?」
「うちに預けてきた」
綾華ももう3歳だから連れて行ってもいいかと思ったが、本人が大層嫌がったのでひとみの実家に預けた。
運転席に乗りこむと、ひとみは先に助手席に座っていた。
そう広くない車庫から車を出す。
「亜依ちゃんと会うのも久しぶりだな」
「そう?
一週間ぐらい前に会ったけど?」
「俺は2年ほど会ってないような気がするけどな」
「だってここ2年だから、足したら1年丸々ドイツにいたんじゃない?」
俺は大学を出てから、ビデオデッキを作る中小企業に入社した。
中小企業と言っても中の方で、それもそこそこ大きい。
俺は宣伝部に回され、大学でドイツ語をかじったと言うだけで、2年ほど常にドイツへ半出張状態だった。
最近はようやく国内の仕事が主になってきて、一段落ついている。
「新郎の名前ってなんだっけ?」
「堀田圭介くんでしょ」
「そうそう、堀田。
准一ってまだ反対してるんだよな」
「絶対に認めへんって言ってた」
准一の怒る姿が目に浮かんだ。
913 :
コンボ:02/07/09 13:39 ID:unpSk0Mt
会場に行く橋を渡っていると、右脇を2人歩いている。
一際背の低い女が俺たちに気付いた。
「あ、智哉じゃーん!」
恥ずかしくも人前で手を振っている。
仕方がないので車を寄せると、横には後藤がいるのが分かった。
「ひさしぶりだよね、元気?」
「乗せてやるから黙れ」
「相変わらず冷たいなー、幼なじみだよ、幼なじみ」
真里はそそくさと後部座席に乗りこんだ。
「後藤も早く乗って」
「うん、どうもありがと」
後藤も真里の隣に座る。
「さっき駅でばったり会っちゃってさー。
最近ごっちんと会ってなかったからさー、びっくりしたよ」
「真里、おまえいいかげんにその早口治せ。
おまえの相手をする園児がかわいそうだ」
「えー、うそー、そんなに早くないよー。
これでも結構人気あるんだけどなー」
はた迷惑な保母である。
914 :
コンボ:02/07/09 13:40 ID:unpSk0Mt
「そういえば、ごっちんっていつここに帰ってきたの?」
ひとみが振りかえった。
「大体一週間ぐらい前。
手紙来たから」
「それで、試験は受かりそうなの?」
「五分五分かなあ。
結構難しかったんだよね」
後藤はインテリアコーディネーターの資格を取るために、都内のど真ん中で専門学校に通っている。
その試験の結果を聞いたのだ。
「そういえば、やぐっつぁん彼氏できたんだって?」
「まあねー。
職場恋愛ってやつ?」
真里は得意げに答えると、鼻を鳴らした。
「もう智哉を好きだったなんて過去の話さっ」
「そんな過去は封印しろ」
「いやーん、ダーリンのいけずぅー」
真里は狭い後部座席で体をくねらせる。
「やめろ、へどが出る」
「そういえば、その人もギター弾くんだって?」
「……えへへ、まあね」
真里は同じ台詞をはいたが、赤面するだけだった。
915 :
コンボ:
「よう」
秋本は手を挙げると、こちらをちらりと見た。
「元気そうだな」
「まあな」
秋本は高卒で司法試験を受けて、検察になった。
昔と変わらず、随分ともてているらしい。
「おうおう、元気元気?
ドイツで女作ってきたんじゃないの?」
坂口は小走りに駆け寄ってきた。
大学を出た後新聞社に就職し、スポーツ新聞かと思えば、お堅い一流企業だった。
大学で相当頑張ったらしい。
「あっちの方に松浦とか、梨華ちゃんとかいるぞ」
坂口は口元を歪めてまたどこかへ走っていった。
「あれ?
綾華ちゃんは?」
「ひとみの実家に預けてきた」
「なんだ、つまんないなー」
亜弥は自分が名付けに関わったとあって、綾華をかわいがっている。
「梨華ちゃん、綾華ちゃん来てないんだって」
「えー、マジですか?」
綾華の名前は『亜弥』と梨『華』からとっているから、二人は綾華にかなり愛着があるらしい。
「梨華ちゃん、料理はうまくなった?」
「この間、野菜炒めを作れるようになりました」
野菜を切れるのかどうかはなはだ疑問だったが、訊かないことにした。
「しかしなあ、亜弥もそろそろ相手見つけたほうがいいよな」
「余計なお世話」
亜弥は高三からアルバイトで始めたテニスのコーチをまだ続けている。
今ではヘッドコーチで、全国大会のお呼びもかかっているそうだ。
「おふくろも身を固めろって言ってたぞ」
「でも、別にいい人いないし」
そう言って、亜弥はテニスで鍛えた右腕をさすった。