【バキ】漫画SSスレへようこそpart10【スレ】
1 :
作者の都合により名無しです:
2 :
作者の都合により名無しです:03/11/14 01:58 ID:WF/wYcag
3 :
ムツジ:03/11/14 02:05 ID:OzXX76m4
前スレが容量オーバー寸前なのに気付かずSS投稿途中にオーバーして
書き込み不能にしてしまいました。
どうも申し訳ございません。
スレ立て代行してくださった方に感謝しつつ、一から投稿しなおします。
もう2度とこんな失態は繰り返さないのでお許しください。
4 :
番外編その4:03/11/14 02:06 ID:OzXX76m4
前スレ
>>688 リュウの頼み。一度はフレイザードに完膚なきまでに叩きのめされた男の思い付きが、
そう簡単にハイそうですかと聞き入れられるはずもなかった。巽が尋ねる。
「またか・・。今度こそ大丈夫なんだろうな?」
リュウが答える。
「もし当たれば、な・・。命中さえすれば確実に勝てる。だがおそらく受けて立ってはくれないだろう。」
「そいつが当たるように奴を抑えろと?・・くだらない。俺は俺のやりたいようにやらせてもらう。」
一歩一歩フレイザードに向けて歩みを進めていく巽。恐怖など微塵も感じられない。
巽の中で明らかに何かが吹っ切れていた。それを見たガルシアが言う。
「気にするな、奴はこれ以上ないまでにプライドを傷つけられた。
グレート巽ほどの男がそれを甘んじて受け入れられるはずがない。・・そして俺もな・・。」
ガルシアが巽の後に続く。リュウの静止も耳に入らない。そして鷹村もまた。
「てめえのクソみてえな笑い声を聞いてるとますます憎ったらしくなって来たぜ・・
もう一度言ってやる。てめえは必ず俺がぶっ殺す・・!」
鷹村の拳がうなる。フレイザードはかわそうともしない。
この男のパンチが効かないことはもう十分に確かめられている。しかし。
「ウガッ!」
フレイザードの体が大きく後方にぐらつく。
(馬鹿な・・こいつのどこにこんな力が・・)
巽の全力疾走からのヘッドバッド。この攻撃も本来ならば軽く跳ね返されていただろう。
だが巽は確信していた。通じると。そしてその通り、怪物は大きく吹き飛ぶ。
「グハァッ!な・・なぜだ・・!なぜてめえらなんかに・・
冗談じゃねえ、氷漬けになっちまいな・・!!マヒャド!!」
しかし何も起こらなかった。知らぬ間に後方に回っていたガルシアが言う。
「思った通り・・お前は先ほどの渋川の攻撃で甚大なダメージを受けている・・
その上過剰なまでの大呪文の連発・・こうなっていることは予想がついた・・!」
ガルシアが背面へのタックルを仕掛ける。前方で待つ巽の目の前に飛ばされるフレイザード。
「ダッシャアアアアアア!!!」
巽のドロップキック。典型的なプロレス技が魔界の怪物に炸裂し、またしても大きくよろめく。
さらに鷹村とガルシアが同時に飛び掛る。
5 :
番外編その4:03/11/14 02:07 ID:OzXX76m4
>>4 ここまで攻め立ててなお、フレイザードの受けた肉体的ダメージは小さい。
だが精神的には違う。ゴミとさげずんだ人間たちにいいようにやられているという屈辱。
(もう我慢ならねえ・・!) 「氷炎爆花散!!」
フレイザードの叫びとともに、大量の石が周囲に吹き飛ぶ。
自らの体を構成するパーツの一部を武器とする荒技。そこに現れる怪物の覚悟。
想定外の攻撃を浴びた3人は防ぎきれず、倒れる。
だがそれでも彼らの心は折れない。起き上がる。迷いもなく、恐れもなく。
リュウは目の前の光景に目を丸めていた。無限大トーナメントで見ただけの彼らの実力を、
あまりにも過小評価していたことを悔やむ。しかしその一方で、彼らだけでは勝てないとも感じていた。
(あの化け物は・・単純な物理攻撃では決してとどめは刺せない・・。
俺でなければ・・俺の風の拳でなければ・・!)
精神を集中するため、両目を閉じるリュウ。
「大地は心・・。木々は体・・。そして風は拳・・。大地は心・・。木々は体・・。そして風は拳・・。
大地は心・・。木々は体・・。そして風は拳・・。」
まるで呪文のように、同じ言葉を何度もつぶやく。
陸奥九十九は自分の攻撃を受け止めてみせた。それは彼の世界最強への野望、信念ゆえ。
だがフレイザードは違う。決してこの技を易々と食らってはくれないだろう。
だからこそ極限まで力を溜めなければならない。たとえ直撃しなくとも、余波だけでとどめを刺せるほどに。
(だからそれまで・・抑えていてくれ・・!巽・・ガルシア・・鷹村・・)
だが誤算があった。焦れば焦るほど気は溜まらない。それが風の拳の特性。
「クカカカ・・!おい!動くんじゃねえぞ・・このジジイの首を飛ばされたくなかったらな!」
フレイザードの右手が、ぐったりと動かない渋川を鷲掴みにしている。その顔には再び自信の笑み。
「こいつはまだかろうじて生きている・・すぐに治療すれば命は助かるだろうよ・・
ただし、お前らがおとなしく俺に殺されればな!」
鷹村は動けない。渋川の姿。自分たち若い世代に己の生き様を見せつけたその姿は師と同じもの。
犠牲にすることなどできるはずもなかった。これまでにない迷い。
6 :
番外編その4:03/11/14 02:10 ID:OzXX76m4
>>5 「きっ、汚ねえぞ、このクソ野郎!」
「うるせぇな・・オレは戦うのが好きなんじゃねぇんだ・・勝つのが好きなんだよォォッ!!!」
しかし、迷わぬ者たちがいた。その眼光は、はっきりと怪物の顔だけを捉えている。
非情のカリスマ、グレート巽。戦闘マシーン、ガルシア。彼らに戸惑いはない。
彼らもまた、戦いよりも勝利に重きを置く戦士。
「て、てめえら、こいつがどうなってもいいのか!!」
「構わないさ・・他人がどうなろうと俺の知ったことじゃない。」
「その男は命を賭けてお前を倒そうとした・・。その想いに応えないことこそ無礼な話だ。」
二人が飛びかかる。フレイザード、即座に渋川を地面に叩きつけ、応戦する。すぐに鷹村も動き出す。
3対1の死闘。魔法力が尽きてなお、戦闘力はフレイザードが上だった。幾度となく地に這いつくばる戦士たち。
だが、それでも彼らは立ち上がる。何度でも、何度でも。フレイザードの心の奥底に、得体の知れない恐怖が広がる。
(なぜだ・・オレを倒す手段なんざねえはずなのに・・戦う力すらほとんど残ってねえはずなのに・・
それでもオレに向かって来やがる・・!オレに・・勝てると思ってやがる・・!)
「うざってえェェェェェッッ!!」
闇雲に腕を振り回す怪物。もはや戦士たちにはそれを捌く余力もなかった。無様に吹き飛ぶ3人。
「なぜだ・・なぜとっととくたばらねえ・・!オレは魔王になったんだ!誰よりも強くなったんだ!
それをこんなクズどもにコケにされたまるか・・!」
巽が笑う。すでに体は限界を超えているにもかかわらず、なおも口は減らない。
「ハハッ、小物め・・お前ごときが魔王になれるのなら、今頃世界は魔王で溢れかえっているよ。」
“小物”その言葉がフレイザードの逆鱗に触れた。
だがそれゆえに、怒りが頂点に達したがゆえにフレイザードは逆に冷静な態度をとる。
「へへっ、言われちまったか、とうとうよ。確かにそうだ。こんなザコどもにこれだけ手こずってたんじゃぁ、
バーンはおろか、魔界3強にも勝てねえだろうな・・。だがよ!てめえらをぶっ殺すっつう結果は変わらねえ!
この技だけは使いたくなかったぜ・・こいつはオレの命を大きく削っちまう諸刃の剣だ・・!!」
7 :
番外編その4:03/11/14 02:11 ID:OzXX76m4
>>7 緊張が走る4人。すでに魔法力が空になったというのに、こいつはまだ奥の手を隠していた。
やはり格が違うのかもしれない・・そんな考えが一瞬それぞれの脳裏をよぎった。
「あばよくだらねえ人間ども!オレの最終闘法の餌になれッッ!!!」
突然の大爆発。轟音とともにフレイザードの全身が飛び散る。
「馬鹿なっ・・自爆ッ!?」
そのあまりにも意外な行動に、グレート巽さえもが驚愕の色を浮かべる。
だがしかし、飛び散った体の破片・・小さな岩の群体は、まるで意思を持っているかのように隊列をなして動き出した。
恐ろしいほど正確に、急所目掛けてその岩々はぶつかってくる。ガルシアが恐るべき事実に気付く。
「もしやこれは・・生きている?」
「おいおいちょっと待て、こいつはまさか・・!」
その時、どこからともなく聞きなれた声が響く。
「そうさッ!こいつがオレの最終闘法・・弾丸爆花散よッッ!!!」
8 :
ムツジ:03/11/14 02:34 ID:OzXX76m4
本当に今回の失態に関しては全面的に謝るしかありません。
容量オーバーで前スレに誘導も貼れないなんてアホみたいな話です。
どうも申し訳ございませんでした。
とりあえず今回のコメントはこれだけです。
新スレおめ。
>ムツジ氏
ドンマイ。
誰にだってミスはある。作品乙。
>>
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1065104594/727 悠久の時を、厳しい波風を経て完成された巌の様な肉体。アドルフ・ゴードンの容貌を
形容するとそのような表現になろうか。静かに構えたその佇まいからは一部の隙も無く、
顔からは深い知性と哲学が垣間見える。しかし、その巌の下には灼熱の炎が潜んでいる。
逞しい巨体を包んでいたロングコートを脱ぎ捨てるゴードン。静けさが猛々しさに変わる。
「待っていたぞ獄炎の戦士よ・・。待っていたぞ激闘のこの瞬間をッ!!」
ゴードンの肉体から、太陽のコロナの様な炎のオーラが立ち込める。飛影は一歩前に出る。
「貴様らは退がっていろ。誰も手を出すな」
飛影の小柄な肉体からも妖気が噴出す。しかし、マグマの様なゴードンのオーラと比ぶると。
「飛影殿、わたしでも分かります。そんな闘気ではあの男は」
「フン、黙っていろ失敗ヅラの三流解説者が」
本部へ罵倒を浴びせ、飛影が飛び出す。その名の通り、影しか見えない程の早さである。
ゴードンの炎が更に荒ぶる。足場の石が炎熱に耐え切れず、溶けて蒸発する。
「それでいい、孤高なる炎の戦士よ。激闘に身を焦がそうぞッ!!」
>>10 ゴードンが天高く舞い上がる。炎を翼の様に操り、大空を支配する。それを見て叫ぶ本部。
「空まで飛べるのかぁッ、卑怯じゃ、ワシなんてバス料金も払えんのにッ!!」
ゴードンが獲物を見つけた鷹の如く急降下する。勿論、標的は飛影である。笑うゴードン。
「我と闘う権利があるかどうか・・。この一撃に応えてみよ、飛影ッ!!」
飛影は下がらない。迎え撃つ様に、その場で身構える。ちょうどピラミッドの真ん中辺り。
「ぬあああああッ!!」
極限の威力を秘めたゴードンの剛拳が、飛影を狙う。そして飛影の頭部を的確に貫いた。
「うわああ、飛影が死んだあああッ!!」
まるで一般人の様に泣き叫ぶ本部。時が経つ毎に、雷電との差が開いていく感じである。
「大丈夫だよ、本部さん。飛影さんは殺れちゃいない」
九十九がそう言うと、貫かれた筈の飛影の肉体がゆらり、と消失する。まるで幻影の様に。
すり抜けたゴードンの剛拳が、下のピラミッドまで到達する。爆音を上げ破壊される石壁。
「な、なんちゅう威力の拳・・。ぽっかりとクレーターが開きおった・・」
ゴードンの拳の威力と炎の熱に、ピラミッドの腹部に直径数メートルの大穴が開いている。
だがその穴に構わず、飛影を探し左右を見渡すゴードン。後ろから気配と共に声がする。
「残像だ。速さではオレの方が上らしいな」
飛影の剣がすっと奔り、ゴードンの背中を斬り裂いた。
>>11 「ぬうう。残像に俺の気を取らせ、背後に廻るとは。しかし」
背中の傷が塞がっていく。超生物・ゴードンは、並の攻撃なら瞬時に再生できる能力を持つ。
「温過ぎるわッ!! この程度の攻撃で、この俺と闘う資格など無しッ!!」
ゴードンが再び飛影に襲い掛かる。炎を纏いし一撃必殺の剛拳。だがそれをかい潜る飛影。
「喰らえ、邪王炎殺・煉獄衝ッ!!」
炎拳がマシンガンの様に連射される。ゴードンの強大な闘気を、数で凌駕しようとする飛影。
ゴードンの回復能力より早く、その拳を叩き込めば良い。彼の戦闘センスはそう教えていた。
一方ゴードン。飛影の連撃に撃たれるがままになっている。だがやがて絞り出す様に叫んだ。
「失望したぞ、獄炎の戦士よ。この程度の攻撃しか出来ぬとは」
右腕を大きく引き、呼気と共に突き出すゴードン。剛拳は煉獄衝を弾き飛ばし、飛影を襲う。
飛影にクリーンヒットした剛拳は、そのまま数十メートル吹き飛ばす。砂に落とされる飛影。
ギリリ、と忌々しげに飛影を睨み付けるゴードン。そして、大地を震わす程の怒号を放つ。
「温い、温すぎるわッ。俺はこんな闘いを望んでいた訳ではない!! 飛影とやら。
貴様はまだ、獄炎を出していないのだろう。まだ全てを曝け出してないのだろう。
一瞬一瞬に全戦闘能力をつぎ込まねば、この魔界最強戦士・アドルフゴードンとは
闘う資格すら無いと知れいッッ!!」
九十九と本部は飛影の方を見やる。飛影は既に立ち上がっている。そして不敵に笑う。
「後悔するぜ」
しゅるる、と左腕の包帯が解かれていく。素肌になった左腕からは、禍々しい妖気を感じる。
「ぬうう。あの包帯は封印だったのか、左腕に眠る黒龍≠封ずるための!!」
ゴードンの顔に歓喜の笑みが浮かぶ。飛影の左腕から漆黒の獄炎が吹き上がる。飛影は笑う。
「もう後戻りは出来んぞ。リミッターが外れちまったからな」
ついにパート10まで来ましたか。そうですか。
絶対、パート4あたりで終わると思ってましたが、
感慨深いです。各職人方、住民の皆様方、ありがとうございます。
これからも頑張りましょう、お互いに。
あと、パート10、2つありますね。
時間的にこちらの方が早く立ったので、こちらを本スレと致しましょう。
あちらを立てて頂いた方、申し訳ありません。
14 :
作者の都合により名無しです:03/11/14 12:03 ID:dV9wpynv
新スレおめ。
ムツジさん、新人さんと思えないほどうまく書けてるな。
頑張って。
パオさん、10スレ突破おめでとう。これからも屋台骨背負って
頑張ってくれ。あと飛び影をかっこよくね。勝っても負けても。
PART10まできたか。おめでとう。
パオ氏ムツジ氏おつかれ。
でもパオ氏、黒龍波って右手だよたしか。
16 :
作者の都合により名無しです:03/11/15 08:22 ID:uvBE17oD
◆◆◆◆◆◆◆◆◆告 知 a g e◆◆◆◆◆◆◆◆◆
17 :
バレ:03/11/15 14:35 ID:f6qT9VaC
新スレ、おつかれさまです。
>>1 >ハンター様
ハンターは初めてですね。
全く原作を読んだことがありませんので、頭が混乱気味になりまがらも、
新鮮な気持ちで読ませて頂いています。
ただ、文書量が多くてまだ保管してません。申し訳ないです。
今から外出ですので、明日改めて保管します。
>パオ様
本部……雄山の思惑を外れ、だんだんレベルダウンしてますね。
ロビンの方が適役だったり。
しかし、ゴードン強いすね。バーン以上というのは、何だが
ミストを連想します(両者の関係も役目も全然違いますが)。
>VS様
あのアカギも、VS様にかかるとこうなってしまうのですか…
相変わらずの飛ばしっぷり。面白いです。
夫婦相和しつつ、頑張って下さい。
18 :
バレ:03/11/15 14:45 ID:f6qT9VaC
>ムツジ様
容量オーバーはよくあることですよ。
ガルシアと巽の台詞、らしさが出ていていい感じですね。
次回はリュウの風の拳が炸裂でしょうか。
まだひと波乱ありそうな予感。
>愚者様
次回、いよいよ2章目ですか。
フックとのやり取りがいいですね。
少しヤムチャをカッコよく感じてしまいました。
19 :
作者の都合により名無しです:03/11/15 18:02 ID:Re2rIPc9
>バレ氏 まとめサイト6000ヒットおめ
作品期待あげ。
昨日一昨日とどっと来た分、今日は来ないな。
仕方ないか。職人さんたち頑張れ
21 :
ふら〜り:03/11/15 22:57 ID:S5+1Z6cP
おぉ、少し席を外していた間に、随分と賑わっているではないですか♪
>>パオさん
やはり本部がいいですね。決して強くはなく、いやはっきり弱く、ダンボールを愛し、何気に
いい人。でも解説対決の時だけは、唯一の己の誇りにかけてシリアスモード。雷電との対決に
向け、期待が高まります。……この状況で飛影より本部に目が行くというのも何ですが。好き
なんだから仕方ないっ! ということで。
>>ムツジさん
リュウもカッコ良かったですが、鷹村の「これまでにない迷い」が胸を刺しました。今の彼に
とって、それだけは抵抗できない最大の急所、突かれたのでしょうね。ここで一撃、
打ち破れリュウっ!
>>VSさん
アカギ……パオさんとは違うであろうと予想はしてましたが……ここまでとは……う〜ん。
で。今のところ、のび太が前章と違って活躍しそうな雰囲気がありますけど、どうなん
でしょう? ジャイアン視点になってるところも含めて、予想がつかないヒキです。
>>愚者さん
あのピーターパンをこんな風に扱った作品というのは、初めて見ましたよっっ。ヤムチャが
フック船長と組んでる、と思ったら後々財宝がらみで敵対しそうな感じですし。
話の展開と、この先で名作劇場キャラが増えるのかどうか、と。どちらも楽しみです。
>>ハンターさん
初めまして、でしょうか? 私もバレさん同様原作は全く知らないのですが、
それでも「読ませる」文章だと思いましたよ。細かいところでは、「血だまり」ではなく
「血の水たまり」が特に。生臭い生暖かい死臭、ではなく冷たい死の雰囲気(話に合わせた
現実逃避のイメージも含めて)を感じました。
少し間が空いたとはいえ、こんなにたくさん感想を書けるというのは嬉しいことです♪
職人の皆様、これからもよろしくお願いしますっっ!
22 :
作者の都合により名無しです:03/11/15 23:44 ID:34OzU10D
誰も作品が来ない日のSSスレは寂しいな。
ふらーりさんも作品書いてくださいよ
>>22 ROMの分際で作品の催促なんてしてんなよ。
職人のペースに任せればいいだけの話。
24 :
22:03/11/15 23:59 ID:34OzU10D
>>23 ごめんなさい。そんなつもりじゃなかったんだけど。
25 :
作者の都合により名無しです:03/11/16 00:10 ID:BnXpLoeI
★アホと一言言われただけで数百レスの自作自演で連日煽りっぱなし★
「鼻脂千右衛門時貞後の43」というコテハンが、過去スレで「能無し」みたいな事を一言言われただけで激怒
連日、自作自演で「バカはお前」「激同」と煽り続けてる。自演丸出しなので、通りすがりの人が呆れ様に書き込むと「43に煽られた奴キター」と、全部同一人物と妄想し更に煽る。
毎晩徹夜で自作自演。 通りすがりに一言43を煽ると、数時間後、恐ろしく(レス数も執念も)反論がついてます。
学校や仕事に出掛ける前に、一言煽って出掛けると、帰宅時に自分がどれだけ煽られてるか、スレを開いてみるのが楽しいかもしれません。
ミニゲームとして楽しむスレです。 現在新展開、なんと43は
「 稚 拙 」を「 せ っ し ゃ 」 と 読 む と 思 っ て た 事 が 発 覚。
伝説の目撃者達は43を神厨と崇め、とうとう2ch公式用語辞典に正式に「稚拙(せっしゃ)」が依頼され、2ch語「拙者」が誕生。FLASHも製作中の神光臨の噂も。
スレは毎回あっと言う間に1000へまで
http://life.2ch.net/test/read.cgi/hage/1068899954/
<後編>
キルアはレオリオと再会した。久々に会った彼は、医大を辞めていた。
だが人の傷を癒す念能力を習得し、生まれ故郷の人々を、無料で診察する立派な医者に
なっていたのである。念を操るプロハンターとして、理想の姿だ。
キルアの目的はゴンを殺害した犯人を捜すこと。その手助けを、レオリオはしたいと
申し出てきた。とはいえ、ゴンを殺した手がかりなどは何もなかった。
犯人は、相当の念の使い手・・。それくらいだった。待ち合わせ場所の喫茶店で
そのことをレオリオに話すキルア。
「くよくよしてても仕方ねえ。まずは家に来いよ。休んだほうがいい」
レオリオの言葉は、傷心のキルアの心に響いた。そして診察に現れた急患を
丁寧に治療するレオリオの姿に、キルアは感心した。頼もしくなった・・・。
これまで抱いていたレオリオに対する、少し頼りないイメージ。それは一遍した。
レオリオの故郷の人々は、皆暖かかった。キルアは、異国からの旅行者ということで
紹介をされた。レオリオの父、母はじめ 近所のおばちゃん、おじちゃん勢揃いで
キルアを迎えた。豪華な料理と、暖かい暖炉付きだった。そして暖かい家庭。
笑いの絶えない食卓。初めてだった。初めての家族団らんの食事。
殺人一家に産まれ、産まれながらに殺し屋としての将来を約束されていたキルアにとって
こんな暖かい食事は初めてだった。
食事の後、レオリオの家族はキルアを一番風呂に入れてくれた。初めてあった
ほとんど見ず知らずの子供のために、薪を拾い集め、一生懸命それを吹き、
湯船につかっているキルアが、寒い思いをしないようにしてくれていた。
その夜、キルアはぐっすりと眠りについた。ハンター試験受験から、今日まで。
ほとんど戦い通しだった。家族という暖かい物に触れ、キルアの心は落ち着いていた。
翌日、レオリオの師匠に会ったキルアは、ゴンが殺された時のいきさつを説明した。
師匠は、レオリオの家の隣に住んでいた。相当の使い手とのことだったので
何か手がかりがつかめるかもしれない・・。わずかな期待をよせていたキルアだったが
手がかりは、何もつかめなかった。無理もない。犯人についての情報が少なすぎる。
手がかりはつかめなかったものの、レオリオの師匠と話していた時間は楽しかった。
相当の使い手だけあって、キルアの念能力に対する、軽いアドバイスなどをしてくれた。
同じ変化系ということで、愛着がわいたのだろう。お昼から話し込んで約6時間。
あたりはすっかり暗くなっていた。
レオリオの携帯に、再び連絡が入る。また急患らしい。今度は隣町で
事故が発生し、大量の重傷者が出たという。知らせを聞いたレオリオは、状況を
手短にキルアに説明し、隣町へと飛び出していった。かなり一刻を争う状況のようだ。
一人、レオリオの家へと戻るキルア。昨日と同じく、家族達の暖かい歓迎を受け
ぐっすりと眠りにつく。二日も連続で、ぐっすりと眠れることなんてなかったな・・。
いつまでも続かない、この幸せな日々をかみしめるようにキルアはそう思った。
レオリオの帰りは翌日の朝だった。隣町の重傷者は軽く100人を超えていた。
念能力によって、全員の傷の治癒を行ったレオリオの身体はぼろぼろだった。
帰って即寝よう・・。そう思っていたレオリオは、ゆっくりと家のドアを開ける。
何があったんだ・・・・・・・・・
ドアを開けると、玄関は血だらけ。いや、玄関だけじゃない。家中どこへ行っても
血の跡がついている。一体・・・誰の・・・。決まっている。レオリオは、父母、そして
祖父母の姿を探す。居間、庭、寝室と探す。いない・・・。残るはトイレとバスルーム。
トイレを開けてみる。そこにいたのはキルアだった。来ているランニングには
血の跡がついている。わずかに外傷もあるようだ。しかし、ぐっすりと眠っていた。
なぜ、トイレなんかで・・・。キルアの無事を確認し、残った家族の無事も期待した。
バスルームを、勢いよく開ける。惨劇だった・・・。
小さな浴槽の中に、すし詰め状態で詰められていたレオリオの家族4人。
浴槽にたまっていたお湯は、4人の血液によって血の風呂と化していた。
生死を確認するレオリオ。ぱっと見た瞬間に、わかっていた。だが、信じたくなかった。
脈はない・・。4人とも。レオリオは念能力を使い、4人の蘇生を試みる。
続き、今書いてます。多分今日中には完結するかと思います
>>23 てめえもROMの分際で偉そうになに言ってんだよ。
職人マンセーしか知らんのか?
>>22くらいのことでいちいち排他的なレスするな。
>>24は謝らんでもいいよ。あんたのはただの感想と要望だ。
気にする必要なしだ。
31 :
作者の都合により名無しです:03/11/16 00:35 ID:BnXpLoeI
★アホと一言言われただけで数百レスの自作自演で連日煽りっぱなし★
「鼻脂千右衛門時貞後の43」というコテハンが、過去スレで「能無し」みたいな事を一言言われただけで激怒
連日、自作自演で「バカはお前」「激同」と煽り続けてる。自演丸出しなので、通りすがりの人が呆れ様に書き込むと「43に煽られた奴キター」と、全部同一人物と妄想し更に煽る。
毎晩徹夜で自作自演。 通りすがりに一言43を煽ると、数時間後、恐ろしく(レス数も執念も)反論がついてます。
学校や仕事に出掛ける前に、一言煽って出掛けると、帰宅時に自分がどれだけ煽られてるか、スレを開いてみるのが楽しいかもしれません。
ミニゲームとして楽しむスレです。 現在新展開、なんと43は
「 稚 拙 」を「 せ っ し ゃ 」 と 読 む と 思 っ て た 事 が 発 覚。
伝説の目撃者達は43を神厨と崇め、とうとう2ch公式用語辞典に正式に「稚拙(せっしゃ)」が依頼され、2ch語「拙者」が誕生。FLASHも製作中の神光臨の噂も。
追いつめられた「鼻脂千右衛門時貞後の43」は、板違いのスレッドを立て仲間を呼び込もうとするが
最後の希望の星となったそのスレッドさえも、削除人さんに即刻削除されてしまい、更に恥をかくハメに。
「鼻脂千右衛門時貞後の43」の立場はますますどん底へ、彼の運命やいかに?!
連日祭は盛り上がる一方、スレは毎回あっと言う間に1000へまで
http://life.2ch.net/test/read.cgi/hage/1068899954/
>>31 俺もせっしゃって読んじまったよ。
ウワアアアアアアン。
ちょっと前の話ですが、雷電の二人称の「あなた」って使います? 「貴殿」じゃなかったところはかなり違和感がありますた。
魔界編で烈海王好きになっちゃいました。そのアツいところが。
ザクを投げとばした塾長!巨大化した邪鬼!やってくれましたね。すごすぎ。しびれます。
36 :
魔界編 45話:03/11/16 12:32 ID:JMC3EfVU
【第45話 剛炎 対 獄炎】
>>12 「これからが見所みたいだね◇ 楽しみ楽しみ」
「ほっほっほ。しかしゴードン様の強さは特別中の特別。勝者はゴードン様です」
妖しげな2人が、飛影とゴードンの激闘を遠くから眺めている。一人はスーツ姿の小柄な男。
そしてもう一人は長身の道化師である。佳境に入りつつある激闘を、興味深げに見入る2人。
飛影が右腕の包帯を外した下からは、異様なタトゥーが浮かび上がる。そのタトゥーは黒き龍。
龍は凄まじいまでの妖気を吹き上げる。その様子を見て、ゴードンの戦闘頭脳が素早く反応する。
「ぬううう。恐るべき程の力を感ずるわ・・。ならば俺も全霊を尽くすのみィいい!!」
ゴードンの肉体が変化してゆく。腹は巨大な砲口の様に大穴が開き、背中からは排出口が生える。
腹の砲口の先からは、巨大な火球が膨らんでゆく。まるで人造の太陽の様な火球である。
一方の飛影。右腕の禍々しい妖力が極まる。猛る黒き龍。爆発寸前の右腕をゴードンに向ける。
「喰らえッ! 邪王炎殺黒龍波ッ!!」
飛影の右腕から生み出された強大なる黒き龍。蛇行しながら、猛スピードでゴードンを狙う。
「面白いわぁあッ!! 我が最高にして最強の切り札、灼熱の闘魂(バーニングソウル)!!」
空に舞うゴードンから発射された太陽と、地に立つ飛影から放たれた黒き龍が唸りを上げる。
太陽と龍はピラミッドを破壊し、ちょうど両者の中心で衝突をする。太陽と龍は寸分も動かない。
「ぬううううッッ!! ここまでの威力かぁ、黒龍波とやらッ」
「チッ。寸分違わず互角とはな」
37 :
魔界編 45話:03/11/16 12:34 ID:JMC3EfVU
>>36 黒龍波と灼熱の闘魂が、空中でブツかり合ったまま動かない。ほんの数秒の事ではあるが、天王山。
勝負を決する時でもある。汗顔の飛影とゴードン。その時、飛影の右腕の妖力が急激に高まる。
ギシギシと音を立てて競い合っている様な龍と太陽に、決着の時が訪ずれる。辺り一面を照らす光。
ピシャアア、と眩い閃光が煌くと、龍と太陽は消失している。威力は全くの五分。故に相殺・消滅。
しかし。閃光から目が慣れた直後、ゴードンは驚愕する。目の前に黒き龍が迫って来ているのだ。
「に、2撃目だとッ! あれ程のエネルギーをッ。しかも連撃! 無茶だ、だがイケるッ!!」
「後先考えては勝てない相手、ただそれだけの事みたいだね」
遠くで戦況を見守る本部 以蔵が、拳を握り締め叫ぶ。陸奥 九十九は恬淡としている。だが顔汗。
確かに飛影の勝利は近い。黒龍波に呑み込まれる寸前のゴードン。最強戦士が苦悶を浮かべる。
黒龍波の獄炎がゴードンの皮膚を焼き尽くす。獄炎で焼かれた箇所は瞬間的に蒸発し、消滅する。
それは即ち、飛影の黒龍波の滅殺能力が、ゴードンの回復能力を上回っている事を示している。
(敗れるのか? この魔界最強のアドルフ・ゴードンが、敗れるのかああああッ!!)
ゴードンは持てる力の全てを両腕に注ぎ込む。そして大きく両腕を振り被り、龍の頭に叩き落す。
「ぬうあああああああああああッ!!」
ゴードンの全身全霊の反撃。黒き龍はその執念に弾き飛ばされ、その軌道を全く反対に折り返す。
黒龍は術士にハネ返る。黒き龍が飛影に向かい、そして飛影を焼き尽くす。崩れ落ちる本部。
38 :
魔界編 45話:03/11/16 12:36 ID:JMC3EfVU
>>37 「飛影が龍に喰われちまった・・。よし行け、九十九殿。ワシは人間界に戻るから」
「まだだよ、本部さん。飛影さんは終わってない」
九十九の言う通りである。焼かれ、裂かれた飛影の姿が戻ってゆく。より強大なオーラを秘めて。
「大したものだ獄炎の戦士ッ!! これからが本当の俺たちの激闘の様だな」
黒龍の巨大な妖気が飛影に宿っていく。まるで魔王の如きオーラを身に纏い、飛影が言う。
「黒龍波は単なる飛び道具じゃない。術士の妖力を爆発的に高める為のエサなのよ」
「ほっほっほ。これは困りました。あの少年、力を瞬間的に高める事ができる様です」
怪しいスーツの男、喪黒 福蔵が呟く。全く困った様に見えない。傍らの道化師がニヤニヤ笑う。
「全て計画通りのくせに良く言うね◇ ここでボクの出番かな」
道化師・ヒソカが笑う。喪黒が静かにうなずくと、ヒソカの指から糸の様なモノが伸びる。
長く細やかなその糸はまっすぐ飛んでゆき、飛影の背中にピタリと付く。だが飛影は気付かない。
「ボクの念バンジーガム″Dきな所へ貼り付けられ、伸縮自在でゴムとガムの性質を持つ」
「ほっほっほ。これであの少年は、ヒソカ様の操り人形になった訳ですな」
「ゴードンが知ったら怒るね◇ 殺されちゃうかも。怖い怖い◇」
「ほっほっほ。そうなってもこの私にお任せ下さい。悪いようには致しません」
空から飛影を見下ろして笑うゴードン。肉体がプルプル震えている。恐怖では無い。歓喜である。
「分かる、理解できるぞ獄炎の戦士ッ。貴様の戦闘能力がハネ上がったのがッ。いいだろう。
我も虚を捨て、格闘で貴様を殴り殺してやるわぁああッ!!」
39 :
パオ ◆w/9ws2V0DU :03/11/16 12:43 ID:JMC3EfVU
>>15様の仰るとおり、黒龍波は右腕でした。すみません。
前回より前の「左腕の黒龍波の云々」の記述は右腕に脳内変換お願いします。
>>33様、応援ありがとうございます。
でも一人称って間違えちゃうんですよね。俺、ワシ、拙者、ボク、私・・。
めんどくさいから全員「俺」で統一しようと思ったりして。
「俺」でも俺とオレがありますし。うーん、出来るだけ気を付けますが。
>>35 あの程度で荒らし認定なんてしてたらそれこそ荒らされちゃうよ。
そうビクビクするな。
>パオ
乙。ヒソカが出てきたのか。久しぶりだな。
あと、たまに間違えるのはしょうがないよ。がんがれ
42 :
作者の都合により名無しです:03/11/16 18:33 ID:0rRlSuSj
メジャーでちっちゃい飛影とマイナーでおっきいゴードンの戦いかw
とにかく乙。
^^
このスレ面白いんだけど、一部のファンが親衛隊と化すのはやめて欲しい・・・
>>38 地に立つ飛影に向け急降下するゴードン。その剛拳に闘気と炎を集中させ、全戦闘能力を注ぎ込む。
「ぬううッ!! 我が剛拳、その小さき体で受け止めんとするかぁああッ!!」
飛影はその場から動かない。棒立ちに近い構えで、その場に立っている。ゴードンの剛拳が迫る。
ゴードンの右拳が顔面ギリギリに迫る。右の掌をゴードンの前にかざし、左手で右掌を支える飛影。
「ぬおおおおおッ!!」
ゴードンの剛拳が飛影の右掌に到達する。足元の砂が飛沫き、後ろへズズズ、と押し出される飛影。
飛影の右掌を吹き飛ばし、脳天を貫かんとするゴードン。ゴードンの右腕に更に力が籠もる。
引き摺られたような飛影の靴跡が、後ろへ10メートル以上も後を曳く。しかし、ゴードンの剛拳。
右掌にその行く手を阻まれ、飛影の顔面に到達しない。後ろへ下がっていた飛影の肉体が止まる。
「う、受け止めおった。あの巨体の突進を、あのチビが受け止めおった!!」
叫ぶ本部。九十九は粛として何も言わないが、ほんの少し微笑が浮かぶ。飛影に向け笑うゴードン。
「ここまで闘るとは。このアドルフ・ゴードン、貴様のような本物の戦士と出逢え嬉しいぞッ」
ゴードンの余った左拳が唸りを上げる。しかし飛影。ヒュン、と姿が掻き消える。焦るゴードン。
「ぬうう、黒龍波とやらでパワーだけでなく、スピードも上がっているとは、グホッ・・」
飛影が何時の間にか、ゴードンの懐に滑り込んでいる。そして、強烈なボディブローを叩き込む。
「一気にカタを付けてやるぜ、ゴードンとやら」
飛影のコブシが嵐となってゴードンを襲う。先程までの速さだけの拳ではない。重さと獄炎。
ゴードン並の強さを持つ剛拳が、瞬間にダースの単位で襲い掛かるのだ。コブシの弾幕である。
「再生より速く、拳を叩き込んでやる。貴様がこの世から消えるまでな」
>>45 「ほっほっほ。ゴードン様ピンチですな。あの少年、復活の暇(いとま)を与えぬつもりです」
喪黒が呑気に笑って言う。ゴードンはメッタ打ちである。元々、スピードでは飛影の方が上だった。
「そろそろ手助けかい? ゴードンの再生能力をあの連打は上回っているね◇」
ヒソカも呑気に言う。しかしその指先からは、飛影の背中へ念の糸が走っている。喪黒は応える。
「いいえ、まだ様子を見ましょう。ゴードン様の目は死んでいないようですよ、ほっほっほ」
飛影の連打に成す術の無いゴードン。少しずつ、少しずつゴードンのたくましい胸板が削れて行く。
(飛影が炎の拳を叩き込む→瞬間的に蒸発する細胞→ゴードンの肉体が再生→更に飛影の連撃)
飛影の攻撃スピードが、ゴードンの再生スピードを僅かに上回っている。本部の顔に笑みが浮かぶ。
「イケる・・。あの魔界3強を、飛影殿が倒しますぞ、九十九殿ッ!!」
しかし九十九は厳しい顔である。先程まで、確実にゴードンの肉体を「削って」いた飛影の攻撃。
それが今は削り切れていなくなっている。いや、少しずつゴードンの肉体が再生してゆく。
(チッ・・。黒龍波の効力が薄れてきてやがる)
飛影の顔に焦りが浮かぶ。本日2回目の黒龍波。肉体が疲労し始める。拳の威力が落ちてきている。
拳が纏う炎すら、その温度が低くなっている。焦る飛影。余計な力が籠もる。ゴードンの目が光る。
ゴードンの胸へと飛影の右拳が向かう。その時、飛影に激痛が走る。痛点の場所は、右の手首。
「よく闘った、獄炎の戦士。しかし貴様の拳はもう、俺の肉体を滅する威力は無い」
飛影の右手首を、ゴードンの左手が握っている。潰さんばかりの力を込め。動きの止まる飛影。
そして。遂に、絶望的な威力を秘めたゴードンの右の剛拳が、飛影の顔面を捕らえた。
>>46 飛影の小さな肉体が、ゴードンの巨大な拳により吹き飛んでゆく。10メートル、20メートル・・。
やっと30メートルほどの辺りで、下の砂地へ墜落する。一撃必殺。魔界最強の男の全身全霊の拳である。
「死んだ。飛影が、死んだ・・」
本部が力無く言う。ゴードンの視線が、九十九と本部へ向けられる。反射的に九十九の後ろへ隠れる本部。
「次は貴様が相手だな、人間界最強の戦士よ。この男に恥じぬ闘いをするが良いッ!!」
九十九はニィと笑う。どうやらこの男の頭脳に、撤退という文字はプログラミングされて無いらしい。
「楽しそうだね、ゴードンさん・・。でも、まだその闘いが終わってない」
30メートル先の飛影がむっくりと起き上がる。ダメージは大きい。だが、飛影の闘志は衰えていない。
「な、何故・・? 俺の剛拳は確かに貴様を捕らえたはず・・」
「フン。拳がオレを襲う瞬間、全妖気を顔に集中させたのよ。自分からも後ろへ大きく飛んだしな」
「あの瞬間になんという閃きよ・・。だが、残念ながら俺たちの激闘は終焉しているのだ」
ゆっくりと飛影の下へ向かうゴードン。飛影はゴードンをぎりぎりまで引き付け、急に飛び上がる。
虚を突かれたゴードンは顔に一撃を喰らう。だが哀しいかな、先程までの威力も速度も無い。
「無駄だ。もう、何をしても貴様の攻撃は俺には効かぬ」
大きく振りかぶったゴードンの拳が飛影の腹に突き刺さる。吐遮物を吐き散らしながら舞う飛影。
飛影の戦闘頭脳がフル回転する。一撃で、この怪物を仕留める技。それはやはり、炎殺黒龍波しかない。
だが、あの技をみすみすこの男が喰らうのか。しかも、次は3発目である。今の俺に打てるのか・・。
その時、電流の様に閃く飛影の戦闘センス。そうだ。これならもしかしたら。ゴードンが飛影に叫ぶ。
「このゴードン、本物の戦士を嬲り殺す真似はせん・・。この一撃で、決着を付けてくれる!!」
狂人降臨
>>47 飛影に迫るゴードンの巨体。全ての力を持って立ち上がる飛影。右腕に残り全ての妖力を注ぎ込む。
そして、愛刀の柄を握り締める。居合の型である。一瞬、ピクリとして怒鳴り上げるゴードン。
「この俺に剣での一刀など、通じぬ事が分からぬ貴様ではないはず。小細工を弄するかあ!!」
怒りのゴードンが右拳を脇に引く。凄まじい闘気が右拳に集まってゆく。必殺の一撃の構えである。
「ぬあああああッ!!」 「つえええええいいいッ!!」
ゴードンと飛影の裂帛の気合が、辺りに同時に響き渡る。拳と剣。速度は飛影の方がずっと速い。
だが、ゴードンには再生能力がある。別に攻撃を受けても構わない・・はず。しかし。
九十九の顔に笑みが浮かぶ。それとは逆に喪黒の顔に動揺が走る。傍らのヒソカに慌てて合図する。
「ヒソカ様、今ですッ。そのバンジーガムの糸を、速く引っ張ってくださいッ!!」
「オッケイ♪」
ヒソカの指先から走る念の糸が、ピンと走る。飛影とゴードンは激突の瞬間である。飛影の剣が閃く。
その剣はゴードンの胸を真一文字に斬り裂く。勝った。飛影は確信する。だがその時、飛影の体が。
ほんの少しだけ、グン、と後ろに引っ張られる。ゴードンの肉体を両断した、と思われた飛影の剣。
だが、後ろに引かれた分だけ踏み込みが浅くなり、剣が浅く決まり両断出来ない。フン、と笑う飛影。
(勝負で勝ったが、生き残りで負けたか。それも良い)
そして。今度こそ正真正銘、ゴードンの剛拳が飛影の顔面に決まる。血飛沫を上げて吹き飛ぶ飛影。
砂地の上をゴロゴロと転がり回り、下の砂が真っ赤に染まる。そしてピクリともしなくなる肉体。
魔界最強戦士 アドルフ・ゴードン 対 獄炎の妖怪 飛影 ・・・決着。
>>49 ゴードンの前に立ちはだかる陸奥 九十九。しばらく睨み合うゴードンと九十九。飛影の元に本部が駆け寄る。
(だ、駄目だ・・。いくら妖怪でも、これは)
突然、本部の頭に怒りが立ち込める。奇声を上げながら、ゴードンへと飛び掛ってゆく。日本刀を振り回しながら。
だがゴードンの回復能力の前に、本部の攻撃は徒労に終わる。しかしゴードンはその時気付く。己の肉体の異変に。
「こ、この胸の傷はあああッ!! 何故、回復せんッ!!」
ゴードンの胸に真一文字に切り裂かれた剣傷。彼の再生能力は機能せず、そのまま切り裂かれたままになっている。
ゴードンの視線が飛影に向けられる。そしてその握った剣に。剣の様子に驚愕するゴードン。
(あ・・、あれはまさか、黒龍ッ!!)
飛影の剣。その刀身にうっすらと、魔界の獄炎・黒龍が巻き付いていた。再生能力が機能せぬ訳を理解するゴードン。
(黒龍の獄炎と自分の妖気をブレンドし、俺の再生能力ごと滅殺する剣を放っていたのか、この男はッ)
驚愕の表情のゴードンに、九十九が静かに言う。そしてその言葉に、ゴードンは自分が敗北していた事を知る。
「助かったね。最後の一刀、あんたの仲間の介入が無ければ、完全にあんたは斬り裂かれてた。さあ、やろうか」
ゆっくりと構える陸奥 九十九。しかしゴードンの視線は遠くの2人に集中する。すなわち、喪黒とヒソカに。
(確かにあの時、飛影の体が僅かに後ろへ下がったが・・。貴様の仕業かあッ、ヒソカ、喪黒ッ!!)
「おや、気付かれたみたいだよ◇ じゃあ、ボクは行くから」
「ほっほっほ。後はお任せ下さい。バーン様にご報告宜しくお願いします」
ヒソカがキメラの翼≠使い、バーンパレスへと帰ってゆく。その直後、喪黒の前にゴードンが飛来する。
鬼神の如き、怒りの表情を浮かべながら。
51 :
パオ ◆w/9ws2V0DU :03/11/16 22:51 ID:/pV20iBr
とりあえずゴードン飛影だけ終わらせて良かった。今週のノルマ達成。
あとはのんびり書いて来ます。疲れるからね。
52 :
バレ:03/11/17 00:42 ID:gw/TJrtb
>パオ様
大量の投稿おつかれさまです。
ゴードンが勝つと思っていましたが、こうした決着は予想外でした。
原作でも、ゴードンは主人公との激闘を邪魔されましたね。
次回は「大魔神怒る」モードのゴードンと喪黒の絡みですね。
置いてきぼり喰らった九十九も含めて、楽しみにしています。
>ハンター(仮)様
ダークな雰囲気が続きますね。
原作もこんな雰囲気なんでしょうか?(ジャンプ漫画で、まさかね)
もう後編という事は、次回で完結でしょうか?
惨劇の状況から、何やら嫌な予感がしますが。。
>ふら〜り様
ジョジョスレからヤムスレまで、本当にお疲れ様です。
私も書いてみたい話はあるのですが、この週末も仕事で、なかなか練る
時間がありません。
>19様
有難うございます。SS職人の方々と、住民のお陰です。
私はただ作品を保管しているだけですので。
飛影は死んだのかな・・・個人的にはあっさり死んでるのも「アリ」だけど
冬眠してるだけじゃねぇの
アミバの断末魔「うわらば」は入れてほしかったですw
>>44 それくらい人を引き付けるモノがあるということの裏返しだ。
56 :
作者の都合により名無しです:03/11/17 07:28 ID:ra2VR5E4
面白かったけど、もし801女がこのスレに大量にいたら
荒らされそうだったな。「なんで飛影が負けるのよ」とかで
逆に、飛影がこんなに強いことに違和感
58 :
作者の都合により名無しです:03/11/17 12:20 ID:I2iSKy9G
面白けりゃどうでもいいわさ
>>44 親衛隊には何言っても無駄。
連中は聞く耳なんか持っちゃいないからな。
諦めて荒らし同様にスルーしようぜ。
>>56 まだ、そんな奴いるのか。
自称婦腐女子のふら〜りさんに、意見を聞いてみたい
61 :
作者の都合により名無しです:03/11/17 17:29 ID:hA9U+o06
>>59 批評は職人たちもOKと言うと思うよ
でも批評って難しいからな
的外れになったりただの悪口になったり
ここの住民の平均年齢は何歳くらいだろう?
パオさんやVSさんは30歳前後、
ふら〜りさんは20代後半〜30前、
バレさんは25前後、
中央島さんとムツジさんは20前後と勝手に予想。
ちなみに私は22。まだ就職決まってません。
ここで現実逃避してます
63 :
作者の都合により名無しです:03/11/17 17:41 ID:hA9U+o06
>>62 別にどうでもいいじゃんと思うけど
バレさんは26か28と本人がどこかで書いてたな
正直、ふら〜りさんに一番興味ある
男か女かだけでも教えてよふら〜りさん
スレの平均年齢は板の平均年齢に比べて若干高そうだな
ヒッキーしかいないのかよ。
21歳デブオタヒッキー
あまり職人達の素性を詮索すると
今後バカな事を書き辛くなるだろうから
止めた方がいいと思うぞ。
69 :
ふら〜り:03/11/17 22:57 ID:7Ve8qvUx
>>ハンターさん(←これでいいですか?)
すし詰めの血風呂……真剣に想像すると吐き気がしますな、これは。少し前に「暖かい家族」な
風景を思いっきり出してたところが、見事な持ち上げ落としっぷりです。感服。
>>パオさん
ふ〜む。確か戦闘数値力公開の時にはなかったかと思いますが、喪黒は最後まで非戦闘員
なんでしょうか? 次回何か、ありそうですけど。私としては彼の戦う姿というのも面白そう
だなぁと。多分、かなりのサドだと思うので。誰かを足下に踏みしだいてぐりぐり、とか。
……またしても脇道に目が行ってしまってますが、すなわちそれほど、脇道までもが
面白い作品ということです、パオさんっ!
>>バレさん
いつもお疲れ様です。……まあ、ご存知かと思いますが、私も反省すべき点が
ありました。ぼちぼちやっていきます。
>>62 >>63 マロンのジョジョスレ、
>>224を参照ということで。あと、自分語りは控えるべきですが
一つだけ。私の「婦女子発言」は、あくまでもあの頃、世界さんが書かれていた勇次郎と
ストライダムがあんまり可愛かったから……というだけのことで。常時発動ではありません。
とは言えもちろん、そういう作品を嫌悪してる訳でもないですよ。事実、パレット文庫の
「セント・マシューズシリーズ」なんかは魂の奥底から真面目に感動しま(イカ略)
70 :
魔界編 46話:03/11/17 23:16 ID:DapsLbud
【第46話 バーン 対 ゴードン】
>>50 アドルフ・ゴードンが猛り狂っている。その顔は必死に冷静さを保とうとしている。しかしその闘気が怒っている。
ゴードンの目の前にいる小柄な男。その小男はゴードンの嵐の様な殺気を、笑って受け流す。小男の名は喪黒 福蔵。
「ほっほっほ。ゴードン様に置いては怒り心頭のご様子ですなぁ」
他人事の様に笑ってそう言った喪黒に、抑えていた激情が遂に爆発するゴードン。熱風の闘気が辺りを焦がす。
「激闘の聖域につまらぬ手を出しおって・・。覚悟は出来ているのだろうなッ!!」
咆哮と共に剛拳を振りかざそうとするゴードン。しかし喪黒は、すっと右の人差し指をゴードンの眼前に突き出す。
「あなたは、この無力な小男の私を殺して満足なのですか? それにあなたも、もう気付いているはずです。
私にこの命令を下した方を。決闘の横槍を入れろと命令された方の名を。あなたは最強の戦士と呼ばれる方。
以前から、きっと心の奥底では思っていたはずです。自分とそのお方とどちらが強いかと。いい機会です。
そろそろその望みを叶えたらどうですか? そう、あのお方・・。大魔王バーン様と闘う時が来たのです。
さああなたの気持ちを開放してあげましょう。私の指先を良く見て・・。 どーーーーんッ!!!!!」
「ぬうううおおおおおおおおおッッ!!!」
喪黒の指先から、稲妻の様な波動がほとばしる。ゴードンに直撃する稲妻。しかし、その稲妻が到達したのは、
ゴードンの肉体ではない。心。ココロの隙間である。しばらくの空白の後、ゴードンの前から喪黒は消えていた。
だがゴードンの心の迷いは晴れた。飛影との決闘を汚された屈辱。他人の助けにより、敗北から救われた生き恥。
それら全てに決着を付けよう。大魔王の血で魔界を染め上げ、そして自らも消えよう。永遠に。
だがその前に、まだやる事がある。ゆっくりと遠くを振り返るゴードン。その場所に、飛影がいた。
71 :
魔界編 46話:03/11/17 23:19 ID:DapsLbud
>>70 「飛影殿、しっかり、しっかりしなされ」
本部が、飛影の体を必死で揺する。その目には涙が浮かぶ。あれ程、嫌いな男だったのに。だが本部は泣いている。
優しい男なのである。ホームレスという、人から蔑まれる生き方の男だからこそ、人の命の重さを知っている。
毎年、冬を越す事が出来ずに、死んでゆく乞食仲間たち。傷ついて、人が呆気なく死ぬ所を、沢山見続けたからこそ。
本部 以蔵は限りなく優しいのである。そしてふと、ある事に気付く本部。ポケットを慌ててまさぐる。
「仙豆があったわッ。飛影殿、これを食べて下さいッ。それしきの傷、たちどころに」
本部が泣き笑いの顔で飛影に豆を差し出す。一瞬、フッと笑う飛影。その顔には諦観と、それ以上の温かい何かが。
「フン。ずっと貴様が握っていた、汗臭い豆など要らん。 ・・火傷をしていたのだろう。貴様が食え」
その一言を最後に、冷たくなってゆく飛影の肉体。無理やり仙豆を口に押し込もうとする本部。九十九が首を振る。
「なんでじゃあ。なんであんたみたいな強い奴が死んで、ワシみたいな役立たずが」
飛影の亡骸を抱き締め、泣き叫ぶ本部。その時、九十九の眉毛がピクリと動く。気配を殺して近付いて来た男。
アドルフ・ゴードンである。臨戦態勢に入る九十九。本部もようやくゴードンに気付く。そして急に殴り掛かった。
「ワシが相手じゃ化け物めッ。本部流柔術・解説術・車上荒らし術を極めた、ワシが相手じゃあッ!!」
72 :
魔界編 46話:03/11/17 23:28 ID:DapsLbud
>>71 狂ったように殴り、関節を捕ろうとする本部。だがゴードンに通ずる訳は無い。一般人にすら通じるか怪しいのに。
ゴードン。沈痛な顔のまま、腕をぶうん、と振り抜く。ごろごろ転がる本部。九十九がゆっくり前に出る。
「慌てるな、人間界最強の戦士。今は貴様と決闘の時ではない」
そう言うと懐からビデオテープを取り出し、九十九に渡すゴードン。黒の章≠ナある。飛影をしばらくじっと見る。
一度うなずいた後、ゆっくり背中を向ける。静かに肉体が宙に浮き始める。そしてゴードンは、九十九と本部に叫ぶ。
「人間界最強の戦士よ。貴様とも、いずれ闘える時が来るのを楽しみにしている。そして心優しい男よ。
手厚く獄炎の戦士を葬ってやるが良い。その男は、この魔界最強のアドルフ・ゴードンに勝利したのだ」
ゴードンは炎を纏い、バーンパレスを目指す。大魔王との死闘の為に。 ・・ふと、本部の顔が思い浮かぶゴードン。
(人の為にあそこまで泣けるのか。ああいう男こそ、真なる勇者かも知れんな)
ゴードン去りし後、九十九と本部は飛影の墓を立てる。戦争中である。質素な砂の墓標。戦闘で砕かれたピラミッドの隣。
そこに小さな墓を立てた。じっと手を合わせる本部。九十九は無言のまま。本部は顔を上げ、墓標に語り掛けて笑う。
「飛影さん。それがしも吹っ切れ申した。命を掛けたアンタの闘いに負けぬほどの、本部 以蔵、一世一代の大勝負。
見てて下さい。最高の解説を、アンタに捧げます。あの雷電との解説勝負、必ず勝ちます。やりますよワシは」
73 :
パオ ◆oKMYeq4hwc :03/11/17 23:38 ID:DapsLbud
前回まで使ってたトリップ解析されてしまった。今回からこれに。
不良番外スレの322は私じゃありません。しかしよく分かるな。
ついでだから言っとくけど、私は最初から1985氏のSS楽しんでますよ。
「パオは1985のSS読んでない」とかどこから出たんだよ。まったく。
バーン対ゴードンまで行きたかったけど、やはり無理でした。今回ダラダラ。
あと、正体って別にどうでもいいじゃないですか。ハッキリいって詰まらん男です。
普通ですよ本当に。心にはヘビを飼ってますが。
>>68 ちょっと傷つきました。バカな事でも一生懸命書いとりやす。
74 :
68:03/11/18 00:08 ID:9wXkoqM1
>>73 あ、いえ。褒め言葉です勿論。
そんな一生懸命なバカが大好きな読者なもので。
もし気を悪くしたのなら申し訳ありません。
これからも是非頑張ってください。
>パオ 乙。
ヤクバレさん、ヤムスレで書いてたな。麻雀早く再開して。
昔幽遊白書読んでたけど、飛影は強いという印象があるけど。
男塾でいえば伊達のポジションに近いイメージ。
>>73 トリップが解析されたってこれのこと?
322 :パオ ◇w/9ws2V0DU(sage) :03/11/17 00:12 ID:???
一応、乙
良く見れば分かると思うけど、これは解析された訳でもなく、
ただ名前欄に◇と英数字を入れれば誰でもできるインチキのようなものだよ。
それを証拠に本来トリップは◆なのに◇になってる。
>>57 そうか?飛影だって一応S級妖怪だろ。で、あの戸愚呂がB級、朱雀がC級。
79 :
魔界編 46話:03/11/18 11:05 ID:WBBh7aHW
>>72 大魔王バーンの居城。天を舞うバーンバレス。
アドルフ・ゴードンが城内を悠然と歩く。その威風堂々とした佇まいと闘気には、王者の風格すら漂う。
最深部。その王門の前で立ち止まるゴードン。静かに門の前に手をかざす。魔法防御を施された門ですら、
まるで熱に晒されたわた飴の様に、ドロドロと溶けて消える。ゆっくり門を潜るゴードン。
「無礼な来訪だな、ゴードン。余に何か用でもあるのか・・ン?」
玉座に座ったまま、泰然とした面持ちで尋ねる大魔王バーン。だがその目は寸毫も笑ってはいない。
「あなたと闘いに来た」
短く応えるゴードン。言葉は最早不要と、全身に纏う炎のオーラが語る。足元が高熱で溶け出している。
目がスッと細くなるバーン。瞬間、ズンと重力が増したような謁見の間。しかし微動だにしないゴードン。
「余は、お前を片腕と思っていたのだがな。考え直すが良い。余に次ぐ権力を捨てる気か・・ン?」
「権力? 下らぬわぁッ!! 戦士にとって戦いが全て。貴様は俺の聖域を汚したのだッ!!」
大魔王バーンの底知れぬ威圧感と、アドルフ・ゴードンの凄まじい闘気がスパークする。し睨み合う両雄。
「余にそこまで楯突くとは。本気らしいな。 ・・いいだろう。相手をしよう」
厳かに玉座から立ち上がるバーン。同時、ゴードンの炎のオーラが更に激しく燃え上がる。しかしその時。
「待って下さいバーン様。その裏切り者めの始末、わたくし共にお任せを」
入り口の方へ振り返るゴードン。そこには大小3つの影。その内の一人がゴードンへ宣戦布告する。
「ゴードン様。まず私たちと戦って頂きましょう。私たち、大魔王親衛隊の3人とッ」
名乗りを上げる3人の大魔王親衛隊たち。しかしバーンとゴードンはもうそちらを見向く事すらもしない。
「ぬうう、臆したかゴードン。俺の名は、聖闘士中の聖闘士、ライオネット蛮ッ!!」
「グゴゴゴゴ・・・。最強のパワーを持つ超人、レオパルドンッ!!」
「伝統派空手の最高傑作、栗木 拓二ヒャいいい〜ッ!!」
80 :
魔界編 46話:03/11/18 11:06 ID:WBBh7aHW
>>79 伝統派空手の達人(自称)、栗木が華麗な飛び蹴りでゴードンに飛び掛かる。勿論、ヒャいいと叫びながら。
ゴードンは身動き一つしない。ただ肉体から放つ炎のオーラが、栗木に向けて吹き上がっただけである。
じゅっ。天ぷらの様な香ばしい匂いを残し、栗木 拓二蒸発、消滅。わずか0.5秒ほどの出来事であった。
「次峰、レオパルドン逝きま〜すッ!!」
威勢の良い掛け声を上げて、よせば良いのにゴードンに突っかかる戦車超人・レオパルドン。案の定。
ほんの一瞬で、ゴードンの剛拳が腹に突き刺さっている。グゴゴゴゴと唸りを上げて絶命するレオパルドン。
「消えろ。無益な殺生はしたくは無い。俺が用のあるのは大魔王バーンのみ」
ライオネット蛮を睨むゴードン。自慢のマッハの動きでバーンパレスから消える蛮。さすがは聖闘士である。
「つまらぬ茶番は済んだようだな。ようやく、貴様との死闘に身を焦がせそうだ」
「相変わらずの強さだな。それ故、この場で消すに惜しい。どうだ、もう一度余の部下にならぬか?」
バーンとゴードンの間合いは10メートルも無い。この両者にとって一瞬の距離である。ゴードンは叫ぶ。
「話をする気は無い。どうしても俺を欲しいのなら、力で押さえつけるが良いッ!!」
「そうか。残念だぞゴードン。だが余も、2度も無礼を許すほど甘くはないぞッ」
バーンの右腕に一瞬で魔力が集まり、炎となる。そして炎は不死鳥をかたち取り、ゴードンを舞い襲う。
「喰らうが良いッ!! カイザーフェニックスッ!!」
高速で飛ぶ、死の鳳凰。しかしゴードン。カッと目を見開き、剛拳を不死鳥目掛け、思い切り叩き付ける。
「ぬうあああああッ、温いわあああッ!!」
剛拳と不死鳥がブツかり合い、燻った匂いが立ち込める謁見の間。やがて剛拳の前に消滅してしまう不死鳥。
「この程度が大魔王の不死鳥の炎か。あの獄炎の戦士の黒龍の方が、強く熱く、激しかったわッ!!」
81 :
パオ ◆w/9ws2V0DU :03/11/18 11:11 ID:WBBh7aHW
モーニング食いつつ2レスカキコ。朝は調子が出ないなあ。20日まではたっぷり時間あるんで、
それまで毎日更新を目標とします。今日は夜も多分書きます。
>>74様 あ、多分私の意味の取り違えですね。お気を使わせてしまいすみません。
>>77様 あれ、そうなんですか。じゃあ元のトリップに戻します。ご忠告ありがとうございました。
乙。
でもレオパルドンは原作ではマンモスマンとタイマンはった位だから
もっと強い気がする
83 :
作者の都合により名無しです:03/11/18 14:27 ID:QX8ZAmrL
栗木先生とレオパルドンに圧勝するとは
ゴードンつええ
85 :
作者の都合により名無しです:03/11/18 19:59 ID:sMJbZ1ub
パオは相変わらず面白いが、また最近パオ一人に戻ってきたな。
番外編・ハンタ・麻雀・ふらーりはどこいった
麻雀は週一ぐらいのペースらしい
というか九十九が異常な程強過ぎると思う。
たかが普通の格闘技大会で1対1で戦ってるだけだし。
パオの好きなキャラが強い。これ常識。
89 :
作者の都合により名無しです:03/11/19 08:55 ID:u7pMT6Y1
九十九ってまだ魔界で戦ってないと思ったけど。雑魚としか
ま、好きなようにやってくれれば良いよ。楽しいし
>>87 塾長がモビルスーツをぶん投げる世界だから・・・細かいこと気にしたら負けだw
>>87 トーナメントの勝敗はサイコロか何かで決めてたから強さの整合性が出ないのはしょうがない。
その優勝者が弱かったら逆に違和感を感じる。
92 :
作者の都合により名無しです:03/11/19 09:22 ID:u7pMT6Y1
今、バキ本スレみたけど、サムワンえらい事になるみたいだな、木曜日。
パオのサムワンとは別の意味で
>>90 そんくらいやっても不思議じゃないよ、塾長なんだから。
バーンと一騎討ちしても一蹴してしまいそうだ。
カイザーフェニックスをまともにくらっても「心頭滅脚〜」とか。
明日からパオも仕事だな。
出来ればペースダウンしてほしくないなあ。
>>94 21日からじゃない?仕事は。
>>80見ると。
普通会社って20日締めとか多いから、
21日から仕事でしょ多分
もうパオは小説家になればいいじゃん
パオならなれるよ。こんだけ人物をうまく操れる作家ってそうはいないと思う。
キャラ使い棄てばかりの作家も多いからなあ。
>>96-
>>97 俺はパオのファンだし実際それなりに面白いと思う。
でも言わせてもらう。
あ の 程 度 じゃ 絶 対 に な れ な い
99 :
96:03/11/19 21:52 ID:OGouAFJJ
自分で言っておいてなんだが。
思 い 上 が る な 。
>>80 倣然と大魔王を見舐(みねぶ)るゴードン。帝王然としたいつもの余裕が消え、冷や汗の浮かぶバーン。
明暗くっきりとした対比が浮かび上がる。その2人の対峙から、かなり離れた場所に怪しい影がうごめく。
悪魔の目玉である。勿論、バーンの謁見の間に低級モンスターが紛れ込む事などありえない。ある男の差し金。
その目玉をカメラとし、水晶玉をプロジェクターにして、遠く離れた私室にてこの対決に見入る男が2人。
「ほっほっほ。しかし垂涎ものの対決ですなぁ。魔界最強決定戦とでも申しましょうか」
一人は喪黒 福蔵。悪魔の目玉を派遣したのもこの男である。そして隣の大男が、その言葉を聞き歯噛みする。
「あなたにとっては屈辱かも知れませんなぁ。あなたより強いかも知れぬお方が2人もいるとは」
「今はかまわん。最後まで生き残った者が勝者。頂点は常に一人、そしてそれはこのカーズ様だッ!!」
喪黒の隣にいる男。魔界3強の一角、究極生物カーズである。喪黒とカーズは食い入る様に水晶玉を見詰める。
「お前はどっちが勝つと思う、喪黒?」
「ほっほっほ。あなたはバーン様に負けて欲しいのでしょうな。それがありますから」
喪黒はカーズの胸を指差す。その指が意味する物を悟り、憤怒の表情になるカーズ。しかし喪黒は笑っている。
「ほっほっほ。あなたの中にある魔界の超爆弾黒の核(コア) バーン様の御気加減、指先一つで
爆発しますからな。しかし、ゴードン様は勝てませんよ、残念ながら」
「・・何? どう見ても、ゴードンの方が戦闘能力が上だが」
「確かに、強いのはゴードン様でしょう。あのお姿のバーン様なら。しかし残念ですね、ゴードン様。
それにカーズ様もですな。10日前なら、あるいはゴードン様の圧勝だったかも知れなかったのに」
「どういう事だ。バーンに何かあるのか」
「ほっほっほ。それはこれからのお楽しみです。さ、そろそろどちらかが動きますよ」
>>100 バーンの深い皺に汗が滲む。数千年勝ち抜いて来た深い知性と絶大な魔力。しかし今、この老人に余裕は無い。
大魔王の両腕が光る。瞬間的に光は空に放たれ、光球となってゴードンの周りを取り囲む。爆裂呪文・イオラ。
「余のイオラは並の術者の最大爆裂呪文・イオナズンを遥かに上回るぞ。大魔王に逆らいし愚か者がッ」
数十の光球がゴードンに一斉に降り掛かる。肉体に辿り着いたと同時、凄まじい爆発。それが連鎖的に十、二十。
「ふははははッ。復活再生の時間など与えんッ。肉片一つも残さぬわ」
ゴードンの肉体が削れて小さくなっていく。肉体の復元より速く、バーンのイオラが次から次へと爆発するのだ。
「詰まらぬ。これが大魔王か。一撃の力が足りぬ為に、数に頼るとは」
ゴードンの炎が最大限に吹き上がる。謁見の間の内壁が次第に溶け始める。そして、虎の様に駆けるゴードン。
「ぐ、ぐふうッ・・。き、貴様、ゴードン・・」
「貴様との闘いは終焉を迎えた。これで終わらせてやるわぁあ、バーンッ!!」
ゴードンの剛拳がバーンの胸に突き刺さっている。更に拳に炎を集中させるゴードン。バーンの胸が溶けてゆく。
「心臓を貫かせてもらうぞ、大魔王ッ!! ぬぅおおおおおおおッ!!」
ズプリズプリとバーンの胸板に侵入するゴードンの拳。そして心臓に到達すると、一気にそれを炎で焼き焦がす。
白目を剥き倒れるバーン。背中を向け、去り行くゴードン。数十メートル先の謁見の間の出口まで辿り着いた時。
ゴードンの背後から強烈な光が輝き出す。振り返るゴードン。バーンの死体が白く輝き、復活しようとしている。
「ぬうう。ベホマ、体力完全回復呪文か。しかし俺の拳は、完全に貴様の心臓を焼き潰したはず」
バーンの双眸が危険に輝く。老人然とした肉体から、異常な殺気が放たれる。怒気を押し殺した声で言うバーン。
「余には心臓が3つある。 ・・だがゴードンよ。大したものだお前は。余にこれを使わせるとは」
まぁ小説家になら誰だってなれると思うよ。
「リアル鬼ごっこ」でさえあれだけ話題に上ったんだから。
>>101 「ほっほっほ。バーン様、ついにあれをお使いになりますか。魔界最強の戦士・ゴードン様の最後ですか。哀しいですね」
言葉とは裏腹に愉快そうに笑う喪黒。その様子に隣のカーズが怪訝そうに尋ねる。
「あれ、とは何だ? 心臓を潰され、バーンは絶体絶命に見えるが」
「ほっほっほ。確かにバーン様の心臓はあと一つ。以前、朧という人間に一つ潰されましたからね。ですが、これから先。
ゴードン様の攻撃は一つも通用しません。それほど恐ろしいアイテムなのです。あれは」
>>103 バーンの右の掌から、黒い気流が渦巻き出す。その気流はバーンの周りをぐるぐると巡り、やがて肉体に付着してゆく。
「下らぬ・・。また詰まらぬ虚仮脅しか。この拳で葬ってくれるわあッ、大魔王バーンッ!!」
ゴードンが雄叫びを上げ、その右拳に全ての闘気と炎を込める。絶大な破壊力を秘めた剛拳が、一直線にバーンに向かう。
しかしバーン。不敵な笑みを浮かべたまま、避けようともせず棒立ちのまま。風を斬りバーンを殲滅せんとする剛拳。だが。
「な、我が剛拳が、炎が、闘気が・・消えてゆくだとッ!!」
ゴードンの剛拳。全てを打ち砕く威力と、全てを焼き尽くす炎と、全てを吹き飛ばす闘気を秘めた拳。それが止まっている。
バーンの肉体より、ほんの1センチくらいの場所で。炎は掻き消され、闘気は立ち消され、威力は無化されている。
「下らぬたばかりを・・。ならばこれはどうだぁあッ!!」
バーンに向け、至近距離から数十発ものコブシを叩き付けるゴードン。だが、結果は変わらない。1センチ前で止まる拳。
表情が変わるゴードン。しかしその驚愕を打ち消さんと、数歩間合いを取る。腹から砲台、背中から排出口が生まれる。
「我が最強にして最高の技・・。灼熱の闘魂(バーニングソウル)ならばどうだぁッ!!」
ゴードンの腹の砲台から、小型の太陽が生まれバーンへ突き進む。その太陽が、程なくバーンに衝突しようとする。
だが、じゅっと蒸発したような音がすると、忽然と消える太陽。立ち尽くすゴードン。バーンがそれを見て高らかに笑う。
「どうした、ゴードン。苦労しているようだな。 ・・そうだ。余には、もうこの世のいかなる技も通用しない。
あらゆる攻撃を完全無効化する、絶対防御アイテム、闇の衣(やみのころも)≠フ前ではな・・」
天地マトウの構え使え
バーン対ゴードン終わらなかった。昨日は夜すみません。急用が出来て。
まあ、21日は挨拶と条件の最終打ち合わせだけなんで、来週からですね。
ま、それでも週3のペースは何とか維持します。そうじゃないと春までかかる。
設定については、まあ最初から無理があるんで。バーンパレス潜入直前に
戦闘力表パート2を書きますが、今のところトップクラスは下の感じ。
ゴードン>老バーン=カーズ=塾長=黒龍波飛影>聞仲>他
(1300) (1200) (1100)
以前魔界3強が1200と書いたのは平均値です。ま、適当ですが。
あと、作家云々というのは、なれないしなる気もないし。
そういう話は板が違いますよん。創作文芸板へどうぞ。
すみません、ズレた。ぶんちゅうが1100です。他はゴードン以外1200位。
後、今のところじじいバーンです。天地魔闘はその内。
明日は夜書きます。多分。ゴードンバーン終わって、烈対?の最初まで書ければな、と。
110 :
作者の都合により名無しです:03/11/19 23:19 ID:bkdaZeun
>>パオ
乙。できる限りでいいから頑張って。応援してる。
しかしなんだかんだで人気あるなパオ。
辞典スレ初期を知ってる人間としては感激ものだw
>>109 いや強いだろ塾長。上位6人の中で人間って塾長だけだぞ。
宇宙を泳げる奴を人間といえるとすればだが。
>ALL
まとめサイト7000ヒットおめでとう。
ついにヤムスレのヒット数超えたな。
カウンタ設置数ヶ月遅いのにw
>>102 あれはヘタレすぎて話題に上がったのでは
113 :
作者の都合により名無しです:03/11/20 00:30 ID:OdPY9qyP
九十九って原作見る限り完全な人間じゃん。象山も。男塾衆(塾長)とかみたいにむちゃな
設定はできない気がする。これから先活躍できるのかな
戦闘力表とか持ち出すとインフレの悪寒。ドラゴンボールの二の舞にならないことを祈るのみ。
>>113 同感。いくら不敗の暗殺拳といってもなぁ。
となると、また助っ人登場とかありえるかな。
ラオウとか豪鬼とか。
>>110 たしかに上位に入ってるけど絶対的なほど強いってわけでもないからな。1200くらいじゃ。
あの邪鬼を子供扱いしてるんだから、他を圧倒してこそ塾長だと思う。
それに味方の現存戦力で1000超って塾長だけだしな。飛影死んだ今、他はみんな敵・・・。
大鐘音とか男気wとかでパワーアップしそうだが。いや、してくれ、でないと困る。
>>114 とはいえ、パオならうまく話をもっていってくれると信じてる、ガンガレ。
117 :
作者の都合により名無しです:03/11/20 08:32 ID:t4ssSbTz
まあ、職人が好き勝手に書いてくれりゃ良いよ。
面白ければ読むし、そうじゃなかったら読まないし。
今日はパオ氏とVS氏が来そうだな。楽しみ
118 :
ふら〜り:03/11/20 19:51 ID:UTU6as/D
>>パオさん
本部が良すぎですっっ。普通はギャグネタに使う、パオさん自身も使っていた「ホームレスで
あること」を材料に、ここまで感動のツボに導いてしまうとは……今更ながら改めて、さすがです!
それにしても。弱いわ優しいわ、そして重要人物だわ、って思いっきり「非戦闘員ヒロイン」
の条件を満たしておりますな。重要アイテム使いのお姫様とか巫女さんみたいな。
喪黒もいい感じです。原作同様「操り人形にした訳ではないけども」なドーンの使い方。もしかして、
バーンの死後も生き残って「さて次は……」って何処かへ去っていく、とか。
ヤムスレを荒らすなよカスども
頼むよ
120 :
魔界編 46話:03/11/20 22:25 ID:xILBylO5
>>104 一進一退の攻防が続く、バーンとゴードンの頂点対決。一切の攻撃が通じぬバーンと、驚異の復元能力を持つゴードン。
永劫に続くと思われる闘い。だが両者の表情。焦るゴードン。余裕のバーン。バーンは楽しんでいるようにすら見える。
「本当に見事だ、ゴードン。まさか究極の防御法に続き、余専用の伝説の武器をも使わせるとはな・・」
バーンの右横に、黒い空間の断裂が出現する。その断裂に右腕を突っ込み、その穴から棒状の何物かを引き抜くバーン。
「これが余愛用の伝説の武器。その名も光魔の杖≠セッ!!」
美しい宝珠を掲げた高貴な杖。だがその杖から、禍々しい触手が伸び、バーンの右腕に巻き付く。そして眩しく光る。
「吸え。わが魔法力を。そして自らの血肉とするのだッ!!」
杖の先端が割れ、そこから光の刃が貫き出る。そして杖を構えるバーン。ゴードンは構わず一瞬で間合いを詰める。
「大魔王ッ!! この俺に後退は無いわぁああッ!!」
巨体が軽やかに舞う。バーンまで数十センチの距離。バーンの目が漆黒を帯び、炎の様に光る。そして叫ぶバーン。
「ゴードン、それがうぬの最後の言葉よ。カラミティ・ウォールッツ!!」
光魔の杖から、上下左右に大きく広がった衝撃波が放たれる。まるで光の壁である。いや、死の壁であろうか。
「うおおおおおおおおおッ!!」
全身をズタズタに引き裂かれ、吹き飛ぶゴードン。まるでトラックに轢かれた子犬の様に。高らかに笑う大魔王バーン。
「ふははははは。素晴らしいぞゴードン。カラミティ・ウォールを喰らってまだ、肉体が復元してゆくとは」
確かに、ゴードンの肉体は再生復活してゆく。だがバーンもゴードンも気付いている。再生速度が遅くなっている事に。
「そろそろ決着を付けるか。魔界最強戦士、アドルフ・ゴードンよ」
121 :
魔界編 46話:03/11/20 22:26 ID:xILBylO5
>>120 冷笑の張り付くバーンの顔。老いてはいれど威圧感は魔界一である。その冷笑が消えると同時、バーンの姿が消える。
「ぐ・・ぐおおおおお・・ッ」
ゴードンの苦痛の声が、謁見の間に響き渡る。ほんの瞬きする刹那に、光魔の杖の光刃がゴードンの胸を貫いている。
「苦しかろう。余の魔法力を、お前の肉体の中へ、直接注ぎ込んでいるのだ。絶対に耐え切れはせん」
強靭な肉体が、内部から少しずつ焼失されてゆく。絶大な魔法力を光刃を通じ、肉体内部へ送り込み、破壊するバーン。
バーンの魔法力による破壊に、ゴードンの再生能力が全く追い付かない。別室の喪黒 福蔵が笑って首を振る。
「終わりましたなぁ。さて、わたしは行きますか。最後の3強≠ヨご報告に」
「聞仲のところへか? 一体、やつに何を報告するというのだ?」
喪黒と一緒に、謁見の間の死闘を見ていたカーズが、怪訝そうに訊く。喪黒は笑って応えるが、胸の内は全く見えない。
「ほっほ。聞仲様はゴードン様と親友。辛いですが言わねばなりません。ゴードン様は、行方知れずになった、と」
「行方知れず、か。喪黒。お前は本当にバーンの部下なのか? お前の素性が一番解せぬ。一体お前は何者だ?」
「ほっほっほ。私は立場上は一応、魔界の幹部ですが。実はただの傍観者ですよ。たまに狂言廻しも演じますが。
それに私に主人はいませんよ。ですがあえて主を言うならば・・。世界の果ての意思≠ナしょうか、ね」
まだ何か問い掛けようとするカーズを残し、喪黒は消える。舌打ちするカーズ。だが、別に良いと思い直すカーズ。
喪黒が何者でも、利用するだけ利用すればいいのだ。自分がバーンを超え、頂点に復権する為に。邪悪に笑うカーズ。
そして水晶玉の向こう。謁見の間では、バーン 対 ゴードンが最終局面を迎えようとしていた。
122 :
魔界編 46話:03/11/20 22:27 ID:xILBylO5
>>121 (消えるのか。このアドルフ・ゴードンが一矢を報いる事すら出来ず、敗れて消えるのかァああッ)
光魔の杖から注がれるバーンの超魔力は、ズブズブとゴードンの肉体に、黒い穴を空けてゆく。意識が遠のくゴードン。
このまま眠気に任せ目を閉じれば、苦痛無く消える事が出来るだろう。その時、ゴードンの意識に飛影の姿が浮かぶ。
(犬死は出来ぬ・・。あの獄炎の戦士は、持てる全てを俺にブツけて死んだ。だが、この大魔王バーンは)
究極防御に守られ、絶対の安全圏の中で、闘いのフリをしているだけである。ゴードンは見抜く。これは闘いではない。
(この男はただの虐殺を楽しんでいるに過ぎぬ。この程度の男に、ただ負ける訳にはいかぬ)
ゴードンの両腕がぬるりと動く。そして光魔の杖の、柄の部分を握り締める。そしてバーンに向かって笑って言う。
「バーンよ。俺の命と引き換えに、この下らぬ玩具をもらっていくぞ」
最後の力を振り絞り、両腕に力を注ぎ込むゴードン。ベキリ、という音が響いた後、真ん中辺りから割れる光魔の杖。
そしてゴードンは杖の先端、宝珠部分を肉体の内部からエグリ出し、床に叩きつける。そして足で踏み潰した。
「いいだろう、ゴードンよ。良く余に尽くしたお前だ。伝説の武具、くれてやろう」
バーンはそう言うと、目の前でうずくまるゴードンに、右の掌を大きく開いてかざす。既にゴードンに回復能力は無い。
光魔の杖からの超魔力により、細胞機能の全てを奪われたのだ。いや。最早ゴードンには、身動きする余力すら無い。
「長きに渡り大儀であった、アドルフ・ゴードン。安らかに眠るがよい」
バーンの右腕から炎の不死鳥が巣立つ。一瞬でゴードンを襲い、そのまま全てを焼き尽くす不死鳥。ゴードンは心で叫ぶ。
(俺は滅さぬッ。こんな魂無き攻撃では、俺は滅せぬッ。たとえ肉体は消滅しても、俺の魂は滅せぬゥう!!)
>>122 「何ッ。ゴードンが魔王軍を離脱しただと。まさか。それでヤツはどこへ行ったのだ」
「ほっほっほ。さあ、それは解りません。ですが、ゴードン様は戦いに生きるお方。
私が察するに、大勢での戦いより個人の闘いを選ばれたのでしょう」
喪黒が笑って対面の男に具申する。無論、喪黒の言う事はウソである。ゴードンは既にバーンに消されている。
だが対面の男、魔界仙人・聞仲には、バーンとゴードンが殺し合ったという情報は、隠蔽されたままなのだ。
「そうか。ヤツとは食わせ者揃いのバーンパレスの中で、唯一気があったのだが」
「ゴードン様は自由でございましたからな。契約≠フある貴方には、羨ましかったかも知れませんな」
「今では、そのバーン様との契約≠ェ私の生きる糧だ。かつての私の国、殷≠再興するという、な」
「見物ですなあ。現代の東京が消え、神代の時代の都の殷≠ェ現れる、というのは」
聞仲がバーンに従っている理由、それは。地上を制圧した暁に、東京を消し、古代中国の殷≠現出させる事。
勿論、かつての殷の王や仲間たちと共に、である。聞仲は大魔王のこの誘惑に負け、その配下となったのだ。
「ですが、その割に貴方は動きませんな。迷っておられますか。自分の願望の為に、大勢の人間を消すのを」
喪黒の言葉に沈黙する聞仲。しばし目を閉じ、沈思黙考した後、静かに目を明ける。そして禁鞭≠取って言う。
「喪黒。そろそろ私も出ようと思う。人間界の精鋭部隊とやらを相手に。 ・・神剣の男はどこだ?」
ほどよく冷房のきいた室内に、ガラスの割れた窓からうだるような外気が
吹き込んでくる。スネ夫としずかの顔に強い不快の色が流れたが、全裸の
のび太と不感症のアカギは汗一つかいていない。三人リーチのショックで
男泣きのジャイアンは、もとより暑いだの寒いだのぬかす余裕などないと
いった有様だ。こいつらのアホ面を見ていると、ただでさえムカつく胃袋に
一層どす黒い汚泥が溜まっていくのを抑えることができない。
特にのび太。呼んでもいないのにしゃしゃり出てくるわ、窓ガラスはぶち破るわ
チンコ丸出しだわ、おまけに場代は払ってないわで、よくもまあこれだけの
面倒事をまとめて持ってこれるもんだ。呆れたのを通り越して、のび太の足跡を
一冊の本にまとめて後世に語り継ぎたい衝動にかられたスネ夫としずかであった。
人をイラつかせる技術においては古今無双ののび太だが、今のジャイアンには
そんなのび太も救世主に見えるらしい。矢も盾もたまらず、のび太の足に
すがりついた。
「のび太くん、アイツらひどいんだよ!ワインに血を垂らして飲み合った仲なのに
俺のことあっさり裏切りやがって!アカギのどこがいいんだよ!雀力か?金か?
分かった、体だろ!うわー不潔!な、のび太くんも不潔だと思うだろ?そういえば
この間池袋でカレー食ってたんだけど、隣のテーブルのガキがずっと俺のことを
見てやがんだよ。その目があんまりまぶし過ぎたんで、俺は思わず付け合せの
ラッキョウを…」
「分かったから、後は俺に任せな」
のび太がジャイアンの言葉を遮った。床に片膝をついて、失意のジャイアンの顔を
まっすぐに見据える。あの時の池袋のガキと同じ、純真で力強いまなざしだ。
思わず付け合せのラッキョウを探したジャイアンだが、あいにくこの場にはカレーも
ラッキョウも見当たらない。
ここはのび太を信じよう。自分の席にのび太を座らせて全てを託すと、万一に備えて
用意しておいたジャイアン特製ベッドにとっとともぐりこんだ。
おっと、すんません。ちょっと待ちます。
「ゆっくりおやすみ、ジャイアン」
早くも大いびきをかき始めたジャイアンに、のび太がそう言って微笑みかけた。
ジャイアン軍団への復讐を誓ったはずののび太だが、はからずもそのジャイアンを
助けるために麻雀を打つことになった。しかし、のび太にわだかまりはない。
もう一度、ジャイアンの屈託のない寝顔を振り返る。自分の敵は、ジャイアンでは
ない。
首をめぐらし、スネ夫を目で殺す。スネ夫の対面のしずかにも一瞥を投げる。
こいつら二人は単なる雑魚。問題にもならない。今日の昼間にボロ負けした相手を
どういう理屈で雑魚呼ばわりできるのかは皆目分からないが、スネ夫としずかは
問題外らしい。
最後に、正面の男を睨み付けた。のび太は一発で見抜いた。こいつが真の親玉だ。
小学生に混じって大の大人が麻雀打ってりゃ、まぁ普通は見抜けるもんだが、とにかく
アカギと呼ばれたこの男を倒さない限り、のび太のカイザーロードに光は戻らない。
のび太は燃えた!アカギを倒して、俺が天下を取る!
その為にはまず、このリーチをしのがなくてはならない。三人の捨て牌は、以下の
通りである。
しずか 東(1)←リーチ
アカギ (8)発3←リーチ
スネ夫 発北六←リーチ
次に、ジャイアンから引き継いだ手牌を改めて確認する。
124(5)(6)(6)(7)79南南白中 4←ツモ
ドラも安牌も希望もない、しょぼくれたサンシャンテンである。これまでののび太で
あれば、パニックを起こして便所に閉じこもってスクワットに没頭するのが関の山で
あったろう。しかし今は違う。麻雀のノウハウを体得し、心も技術もレベルアップした
スーパーのび太に、怖れるものなど何もない。わずか八枚の捨て牌から三人の待ちを
絞り込むべく、のび太の頭脳がフル回転を始めた。導き出された答えは、これだ!
しずかの待ち牌………知らね
アカギの待ち牌………知らね
スネ夫の待ち牌………知らね
結論………分かんね
「見えたー!」
一牌を掴んだ右手を高々と掲げ、卓上に勢いよく叩き付けた。のび太の頭の中では
稲妻だの竜巻だのがバックで渦を巻いているのだろうが、実際にはジャイアンが
寝返りを打ったのみだった。のび太が切ったのは四萬。しずかの口の端がつり上がり
鋭い犬歯がむき出しになった。
「ロン」
一二三五六七八九九九中中中
「リーチ一発ホンイツイッツー中。中がドラだから、三倍満で24,000点。のび太さん
これでトビでしょ。さんざん大口叩いてたくせに、だっさいわね!いっそ死をもって
ドラちゃん達にお詫びすべきだと、しずか思うの!そういえば、のび太さんって
死んだんじゃなかったっけ?ってどうでもいいわよそんな事!どうせ負けるに
決まってるんだから、始めから便所に閉じこもって手刀で瓶切りでもやってりゃ
よかったのよ!バーカ!バーカ!」
唾を飛ばしてまくし立てるしずかの口を、アカギの手がふさいだ。のび太に向けた
ままの顔を小さく横に振り、残った片手でそっと手牌を倒した。
二三九九(1)(2)(3)123999
「リーチ一発だけ。裏ドラなし。3,900点」
アカギの行動が、しずかにはさっぱり理解不能である。なに寝言こいてんだよ、
あたしが三倍満あがってんだよ。というかその手でリーチかけて四萬であがるって
どういう神経してんだ?いくら親だからって、牌とっかえまでしといてそりゃ
ありえねーだろ。
クエスチョンマークだらけのしずかを横目で見やり、アカギが落ち着き払った声で
こう言った。
「頭ハネだ」
一枚の捨て牌で二人以上が同時にロンをするダブロン、トリプルロンを認めない
ルールにおいて、振り込んだ人間の下家に近い者のアガリが優先される法則を
アタマハネという。つまり、下家、対面、上家の順に優先権が発生する。
この場合、のび太から見てしずかが下家、アカギが対面であるので、優先権は
しずかにある。アカギの戯言など適当に聞き流して、さっさと24,000点せしめて
故郷に帰って見合いでも何でもしてりゃいいのだ。
にもかかわらず、しずかの脳は混乱をきたした。余人ならいざ知らず、発言の主は
あのアカギである。大勝ちするたびにオゾン層が破壊されるとも、ビックカメラでの
買い物を万点棒で支払おうとして警察に連行されたとも噂される、麻雀大明神の
アカギが言うのだから、ひょっとしたらマニアの間ではそういう頭ハネが流行って
いるのかもしれない。いやしかし、これじゃあ頭ハネと言うよりはケツッパネだし
まさかそんなはしたない事は…。
などとゴチャゴチャいらん事を考えている隙に、アカギが全自動卓を両手に抱えて
窓から外へぶん投げてしまった。
「あれまー!」
我に返ったしずかがアカギの凶行に気づいて驚きの声をあげたが、時すでに
遅し。数々の死闘を刻み込んだ思い出の麻雀卓が、歩道に激突して木っ端微塵に
砕け散った。やや遅れて、虚空に舞い上げられたしずかの三倍満が落下を始めて
直下の通行人目がけて降り注いだ。
白馬に乗った王子様が哀れな六萬を救い上げてどこかへ駈け去った。お腹をすかせた
シマリスが一萬と二萬をうまそうに頬張った。メジャーリーガーが八萬をジャスト
ミートして、夜空に虹のアーチを架けた。最後に通りかかった瀬戸内寂聴が
ハゲ頭に三枚の中を乗せたまま無人の街の彼方に消えていった。
しずかのアガリを証明するものは、これで何もなくなった。証拠隠滅に成功した
アカギが、窓から首を出したままの姿勢でくぐもった笑い声を漏らした。
「ククク…」
「クククじゃねーだろーがよ!テメエのチンカスみたいな3,900点だって一緒に
ばら撒いちまったんだから少しは後悔しろよ!そして少しは考えて行動しろ!
店の備品だと思ってメチャクチャやりやがって、一揆かテメエは!全額自腹で
弁償しろよ。俺は絶対にびた一文も出さないからな!あ!?」
怒りのあまり男口調になったしずかに、のび太が慰めの言葉をかける。
「まぁ落ち着いて。三倍満だったら僕が代わりにあがってあげるからさ。それより
麻雀を再開しようよ。南二局の一本場からだっけ?アカギさんに3,900点も
払ったことだし、さあ気を取り直してレッツエンジョイだ!」
「アカギに点棒渡したのかテメー!俺に24,000点払うのが筋なんだよ!ガッデム!」
「ふーん。でもさ、しずかちゃんの三倍満って、あれインチキなんだよね?前科の
あるジャイアンはともかく、僕は麻雀でインチキしたことなんか一度もないから
文句をたれる権利はあるよね。しずかちゃん、インチキはよくないなぁ」
のび太に屁理屈で負けた。計測不可能の大屈辱に打ちのめされて、しずかが膝から
崩折れた。一連の騒ぎなどどこ吹く風のスネ夫が、隣の雀卓に移動して次局の
準備を完了させた。アカギの3,900点だってインチキだろ、と心中つぶやくが
口には出さない。抜け殻と化したしずかに加勢してやるほど、スネ夫は人間が
できてはいない。
アカギ、無法のケツッパネであった。
たまの更新が、よりにもよってパオさんの直後になってしまいました。
申し訳ない。
>VS様
いえ、タラタラしてた私が悪いです。やっぱり一気に行かないとだめですね。
しかしわたしが絶対にヘタレさせないキャラの、アカギを良くぞここまでw
前回から大笑いでやした。ありがとうございます。
あと、2レス、12時ジャストに投下します。ごめんなさい本当に。
【第47話 烈 対 雄山 そして】
>>123 「10時半ね。少し早いけど、この辺で昼食にしましょうか。歩き詰めだったし」
ニコ・ロビンがそう言って、岩山の狭間の日陰に携帯食を広げる。サムワンの宿から持ってきた食事である。
今日は、九十九パーティとロビンパーティに分かれて10日目。つまり合流の約束の日である。
朝早くサムワンの宿を出て、順調に旅路を消化した。あと約束の場所まで5キロ弱。時間は正午であるから、
この3人(烈・桃・ロビン)の足ならば余裕の距離である。桃が携帯食を前に腰を下ろす。風がそよぐ。
ここは、周りを渓谷に囲まれた場所である。至る所に低い山があり、岩肌が露出している。悪くない場所だ。
「わたしはいい。2人で私の分も食ってくれ」
烈 海王が笑って席を外そうとする。その顔は柔和だが、生気は失せている。剣 桃太郎が、烈に声をかける。
「烈。お前、朝も何も食わなかったじゃないか。病み上がりなんだから、無理してでも食わなければ」
「心配するな。わたしはそんなにヤワではない。今はただ、食欲が無いだけだ」
そう言って静かにその場を離れる烈。残された桃とロビンは、互いに顔を見合わせる。やがて桃が言う。
「ヤツは優し過ぎる。サムワンの死を、全て自分のせいにして背負い込んでいるのだろう。あのままでは」
やがて死ぬ。その言葉を呑み込む桃。相棒の桃には何となく解る。烈が、闘いに死ぬ事を望んでいるのを。
沈痛な顔のロビン。息苦しい沈黙が2人を押し潰そうとする。しかしその時、派手なクラクションが鳴り響く。
黒塗りの高級車である。まるでヤクザのような品の無さの車。そして停車すると、ゆっくりとドアが開く。
「わぁはっはっはっは。待たせたな愚民どもが。人類を救う天才、海原 雄山参上ッ!!」
>>133 相変わらず唐突な登場である。変態度は登場事に増していく。だが大物・雄山は気にしない。ロビンが尋く。
「な、何で魔界に、そんな車があるの?」
「わっはっは。スケールが貴様らとは違うわ。この雄山に不可能は無い。分かったらさっさと股を開け、小娘が!」
どうやら下品度も大幅にアップしているらしい。何やら黄色い小動物まで連れている。ぴっかー、と無く小動物である。
「この私が直々に来てやったのに、バカ弟子1号はどうした? あのガン黒は」
2人は雄山の訳の分からぬ迫力に圧倒されながらも、烈の事は話そうとしない。雄山の野生の勘が冴え、吼える。
「このわたしに対して隠し事など、十年早いわッ! さっさとガン黒の事を話さんかッ!!」
「ですが、雄山先生。烈は今悩んでいます。それを無闇に話すなど」
「わたしが話せと言ったら、国家機密でも話さなければならんのだッ!! そんな事もわからんかッ!!
この、老け顔学ラン成人がッ!!」
何か決定的な敗北感を感じながら、剣 桃太郎はこれまでの経緯を、全て海原 雄山に打ち明けてしまった。
烈 海王はボンヤリと座り込んでいる。今の時間、10時30分。数日前なら、朝稽古が終わる時間だった。
だが、今は朝稽古を付けてやるべき愛弟子はいない。自嘲気味に笑う烈。そして握ったコブシを見る。
今まで全て、これで願いを叶えてきたつもりだった。だが、それが何の役にも立たなかった。無力な自分がいた。
天を仰ぐ烈。虚しい。全てが哀しく感じた。 ・・闘おう。戦って、戦場で死のう。自分はそれしか出来ないから。
もし、大魔王を道連れに出来れば最高だ。サムワン、喜んでくれるかな。そう思っている時、烈の背後から哄笑が。
「わっはっはっは。捨てられた犬のような情け無い顔をしておるわ。バカ弟子が」
本当に申し訳ありませんでしたVSさん。以後気をつけます。
あと、バキのサムワンが凄い事になってましたね。板垣氏、ついに解脱したか。
それと、こんな事は本当は書きたくはありませんが、
人様のスレに変な事を書くのは止めて頂きたい。
読んでて恥ずかしいやら申し訳ないやら、何故か罪悪感を感じるやら。
勿論、1人か2人だけだと思いますが、あんな事を書く暇な人は。
本当に止めて下さいね。
「アカギ」っつーより、知る人ぞ知る「ハクギ」だな。
>>135 別に俺が変なことを書き込みしてる人間ではないが、どこのスレに誰がどんなことを書こうとその人の勝手であって、他人にとやかく言う権利はないんじゃないのか?
2chはあくまで匿名である程度自由に書き込みが出来る場ということを忘れるな。
パオ演じる雄山がおもろくて(・∀・)イイ!
>>137 いや、あれはただのお願いです。それに、
>誰がどんなことを書こうとその人の勝手であって、
他人にとやかく言う権利はないんじゃないのか?
↑
誰がどんな事を書くのも自由です。確かに。でも、
私だって自由に発言した(書いた)だけですよ。
とりあえず私のお願いを書いただけです。それだけ。
あんまりこういう事書くと荒れるんで、もう止めます。
>>137 自由だからこそモラルが問われる気もしますが。
まあ、暇つぶしなのでしょうが。
141 :
作者の都合により名無しです:03/11/21 00:42 ID:FigxpXvk
>>137 パオも気を使ってるんだよ。そう攻めてやるな。
しかし最近のパオは紳士的過ぎて詰まらんな。
SSは面白いけど、何か普通の人になっちゃった。
もう一度、狂ったパオがみたいw
あと、パオの由山対VSのアカギの対決がみたいw
いつものアラシだろ。ヤムスレもここも反応するなよ。馬鹿が喜ぶだけ。
143 :
作者の都合により名無しです:03/11/21 00:51 ID:yvhDRzvY
息子がホームレスを襲ったとして、謝る国会議員がおるか?
いなァァァ〜いッ!!
パオ氏は気を使いすぎだよ。
謝ることが、むしろ相手に失礼な場合もあるし・・・
あんまヒドくなったらあれだが
144 :
バレ:03/11/21 01:03 ID:9i8/pFt3
>パオ様
長文の投下、お疲れ様でした。
ゴードンは最後まで漢を見せましたね。最期の台詞から察するに、
別の形での再登場もありうるのでしょうか?
カーズが卑屈でこそこそしているのが対照的ですね。
雄山は相変わらずの飛ばしぶりで。
仕事は明日からですか? 頑張って下さい。
>VS様
麻雀でインチキしたこと無いって、のび太の嘘付き。
しずかとアカギの落としっぷりがいいですね。パオ様の扱いが良かった
だけに、この落差が凄い。
これからもマイペースで結構ですので、
どうか破局の無いように続けてください。
パオさん、愛してます。
あなたの事を、いつも考えてます。
授業中も、食事中も、入浴中も、排便中も、そして睡眠中もいつもあなたの夢を見ます。
とっても、とっても愛してます。フフフ・・・
146 :
作者の都合により名無しです:03/11/21 09:13 ID:mlcYTjUw
相変わらずこの2人は面白いなあ
VSさん、せめて週2回は更新してくれないかな。
1回の量が多いのは嬉しいけど。
パオさん、更新少なくなっちゃうのかな。かなしい。
パオはサラリーマンなんかにうつつをぬかさず
本業のSS職人に集中してほしい
おいおいw
149 :
魔界編 47話:03/11/21 23:27 ID:5CdhmRau
>>134 「貴様か。何の用だ。今、わたしは誰とも逢いたくない。悪いが消えてくれ」
「わぁっはっは。師に対する口の利き方も知らん、インチキ中国人が。むさ苦しく落ち込みおって」
烈 海王はチラリと海原 雄山に視線を向けただけで、また元通り自分の拳へ目を向ける。その烈を雄山があざ笑う。
「わぁっはっは。バカ弟子2号から聞いたぞ。生意気にも弟子を取ったらしいな、ガン黒」
弟子。その言葉を聞き、烈の肉体が反応する。サムワン。その顔が、烈の脳裏に強烈に浮かぶ。だが構わず笑う雄山。
「わぁっはっは。その弟子を失って落ち込んでおるらしいな。ブタや猿には似合いの、低劣な悩みだわ」
烈の肉体に殺気が宿る。ギロリと雄山を睨む烈。その視線は、雄山を睨み殺しそうな程である。烈は震えながら言う。
「貴様のような人でなしに何が分かる。わたしは何も出来なかった。死にゆくサムワンに、何もしてやれなかった」
「だから、お前も死ぬまで戦うというのか。罪の償いの為に。馬鹿だ馬鹿だと思っていたが、ここまで愚かとはな」
「・・どうやら本当に死にたいらしいなッ、海原 雄山ッ!!」
ゆらり、と立ち上がる烈。その目は血走り、拳には血管が浮かぶ。異常を感じたのか、剣 桃太郎とニコ・ロビンが、
そこに駆け寄ってきた。睨み合う烈と雄山。烈は完全に戦闘モード。雄山は着物の袖に両腕を通し、厳然と立つ。
「まったくどうしようも無い男だ、貴様は。そのサムワンとやらも、まさに犬死だな」
その言葉が、烈の最後の理性を吹き飛ばした。烈の殺気が最大限に放出される。背景がぐにゃりと歪んで見える。
しかし雄山は揺るがない。微動だにしない。桃ですら、烈の殺気にその場所へ踏み込めないでいるのに、である。
まるで、津波の前に立ちはだかる大岩のようにビクともしない。烈が間合いを詰める。雄山を殺す為である。その時。
「それほど愛した弟子なら、なぜその魂を背負い、どこまでも生き抜こうとせんのだ!! この馬鹿者がッ!!!」
「・・ッ!! ・・・うう・・」
150 :
魔界編 47話:03/11/21 23:28 ID:5CdhmRau
>>149 巨人・海原 雄山の一喝。その怒号は渓谷に響き渡り、稲妻のように烈 海王の全身を撃った。言葉を失い動揺する烈。
烈の殺気≠、雄山の器≠ェ完全に呑み込んでいる。まるで猛犬の前の猫のように縮こまる烈。雄山が更に怒鳴る。
「覚えておけ烈。お前が生き抜く限り、そのサムワンという弟子も死にはしない。お前の心に少年がいる限りな。
それを罪の償いの為に、死ぬまで闘うだと? お前はその少年を本当に殺す気かッ!! この愚か者がッ!!」
「う・・うう・・」
烈の体から完全に殺気が消える。まるで泣いている子供のような烈。圧倒的な器の差の前に、烈は何も出来なくなった。
何時の間にか、雄山の近くにヤクザ仕様の黒塗り高級車が停車している。くるりと烈に背を向け、歩き出す雄山。
「私も世界を救う為に、お前たちと同道してやろうと思ったが・・。烈、お前に私と席を同じくする資格は無いわ。
少しは認めてやろうと思っていたが、所詮はブタや猿風情か。行くぞアシュラ。中川、車を出せい」
「ぴっかー」 「はい、先生」
高級車の後部座席へ乗り込む雄山。それにアシュラマンぴかちゅうバージョンも続く。その発車間際、雄山が烈に言う。
「烈。よく考えろ。そこにいる仲間も、サムワンとかいう弟子も。誰一人、お前の死など望んでおらんはずだ。
そんな人の心も解らぬようならば、お前は一生、私の足元すら及ばぬ。それどころか、バーン如き愚物にも
殺されよるわ。お前にはそれが似合いかも知れんがな。わぁっはっはっはっはっはっは」
151 :
魔界編 47話:03/11/21 23:30 ID:5CdhmRau
>>151 雄山の高級車が去ってゆく。烈は拳を握り締め、その方向をずっと見続けていた。車が見えなくなった後も十数分。
やがて烈の肩をポンと叩く者。相棒の剣 桃太郎である。桃は笑顔を浮かべ、烈に問い掛ける。
「完敗だな、烈。完全にお前の負けだ。さすがに師匠だな」
「ああ。さすが師匠だ。まるで歯が立たなかったよ。だが何故か、気分はそれほど悪くない」
桃も烈と共に、雄山が消えた方向を眺める。無論、雄山の車は20分も前に見えなくなっている。ニコ・ロビンが笑う。
「ふふッ。本当にあの人、すごい大人物だったのね」
烈はしばらく振りに心から大きく笑う。そして少しだけバツが悪そうに、ロビンに言う。
「ロビン。メシをくれないか。少し腹が減った」
烈のその言葉に、にっこり笑いながら食事を取って来ようとするロビン。しかし急に、烈と桃の顔色が厳しく変わる。
ひ ゅ る ッ う う
風の渦巻く音が遠くで聞こえる。烈が急にどん、とロビンを突き飛ばす。転がって地に倒れるロビン。そして次の瞬間。
バシィッ、と鋭い打物音が響き、烈の肉体が弾かれる。何とか十字受けで耐え忍ぶ烈。3人の視線が一点に注がれる。
数百メートル先の渓谷の頂に男が立っている。その男は恐ろしく長いムチをその手に持ち、鋭い視線を烈たちに向ける。
・・魔界3強の一角。魔界仙人・聞仲、降臨。
152 :
パオ ◆w/9ws2V0DU :03/11/21 23:42 ID:5CdhmRau
そろそろ転職を考えています。マジで。
もう、今の会社に勤めて8時間以上経つので、次のステップにいって良い頃かな、と。
と、愚痴を言っても仕方ないので頑張りますが。行きたくねえなあ火曜日。ツマンネ
まあ、別に年内は無職でも良いかな。貯金あるし。辞めるなら早い内が良いかな。
余計な事書いてすみません。雄山は書いて一番楽しいです。
将としての器の大きさでは 塾長=バーン>雄山>総帥=ししお>>>他って感じですよ。
転職の話とかどうでもいいよ。
興味ないし、余計なレスが増えるだけ。
ここは何のスレなんだ?
別に後書きくらい良いと思うけど、何書こうと。
ちゃんとSSも書いてるし
8時間?
156 :
作者の都合により名無しです:03/11/22 13:24 ID:WHfTf4SF
烈を叱り飛ばす雄山が・・・ド○ンを叱り飛ばすマスターア○アに見えてしまいました。
「この馬鹿弟子がぁっ!!」
「し、師匠ぉっ!!」
雄山が戦闘モードで真の姿を現すとか・・・すみません、妄想です。
雄山マンセーヽ(´ー`)ノ
烈を叱り飛ばす雄山に萌え
パオは雄山好きだな
今日の雄山カコイイ。恐怖を知らないね、このおっさん。
ただわめくだけわめいて役にたたなかった以前とは大違い。
パオやVSさんは忙しいのは分かるんだがH×Hの人はどしたんだろ?
結末はやく見たいのに。
161 :
作者の都合により名無しです:03/11/22 19:34 ID:FWFhYXbA
______
/ )))
/ /// /―――-ミ
/ 彡彡 // / ヽ))
/ 彡彡 iiiiiiiiiiiiiii iiiiiiiiii|
/ 彡彡 < ・ > 、<・ >l
/ | ヽ 〉
/ ( | | __) | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ | ≡ /, ――― |ゝ < 烈、このバカ者がッ!!
/ | | L ___」 l ヾ \_________
_ミ l ______ノ ゞ_
| l ヾ ー / | l
| | \ー ‐/ | |
雄山が格好よく見えるから素敵
実は雄山は江田島以上の傑物だったっていうのが嬉しいなあ
【第48話 覚悟と誓い】
>>151 「お初にお目に掛かる。私の名は聞仲。魔界3強の一人と呼ばれる事もある」
数百メートルもの先から、朗々と響き渡る仙人・聞仲の声。意外に穏やかで、耳障りの良い声である。
だがそれが、逆に底知れぬ強さを感じさせる。真の強さを持つ男が、虚勢を張る必要は無いからだ。
「お前たちに恨みは無いが、私の大望の為に死んでもらう事になる」
ひゅるッ。聞仲の右手のムチが柔らかくしなる。一瞬にして、数百メートルもの間合いがゼロになる。
烈たちの前に、数十と降り注ぐムチの雨。必死にムチを捌く烈と桃。ギリギリで致命傷を避けている。
だが一人、戦闘能力の劣るロビンが苦戦している。烈と桃は己を盾にして、その彼女を守っている。
ロビンの武器はその高い頭脳による戦略事である。勿論、戦闘力もそれなりのモノがある。だがしかし。
この聞仲という男には、そしてこれから先の魔界の強敵には、それなりの力では一切通用しないのだ。
それを痛感するロビン。私は、確実に烈と桃の足を引っ張ってしまう、と。
「児戯だな、精鋭部隊とやら。この禁鞭≠フ前に、近づく事もままならず、全滅するか」
ムチを引き、烈たちを睥睨する聞仲。その時、ごく自然に剣 桃太郎の右腕が動く。背中に背負った剣。
神剣・神魔剛竜剣に手が伸びたのだ。そして居合の体勢から、虚空に一閃する桃。カマイタチが走る。
鋭い風の刃は空を駆け、あっという間に聞仲を超え、その向こうへ飛び去ってゆく。表情の変わる聞仲。
その頬に、一筋の血が流れる。懐中から布を取り出し、静かに血を拭き取る聞仲。そして桃へ向け言う。
「お前が神剣の戦士か。そこまで神剣を飼い慣らすには、余程、開眼に血を吐いたのだろう。
嬉しいぞ。私の禁鞭が上か、お前の神魔剛竜剣が上か。今、この場で決めるとしようか。
・・ほう。どうやら、神の武具同士も、戦いたがっているようだな。どちらの方が上かと」
>>164 キィィインと金属音が渓谷に鳴り響く。共鳴している。神の武具同士が。禁鞭と神魔剛竜剣がお互いに。
まるで今まで遠く離れていた恋人同士の恋慕のような。それでいて100年の仇に巡り合ったような。
神魔剛竜剣が光り輝く。その光が、剣 桃太郎の肉体が包んでゆく。ふわり、と桃の肉体が浮かび上がる。
次の瞬間、まるで強力な磁石に引き寄せられるように、桃の肉体が聞仲のいる渓谷の頂へと飛んで行く。
ほんの一瞬の間である。だが確実に、神の武具が神の武具を手繰り寄せたのだ。聞仲の前に立つ桃。
前といっても、その間合いはなお、20メートルほどの距離がある。しかし先程とは違い、高みは同じ。
聞仲が見下ろして桃が見上げる、という構図ではない。神剣を構える桃。ムチをしならせる聞仲。
烈 海王がその様子を心配そうに見上げている。ニコ・ロビンが静かに神経統一をする。彼女の能力。
ハナハナの実≠フ力により、体の各部所を、至る所に咲かせる能力を使う為である。距離は厭わない。
「六輪咲きッ(セイス・フルール)!!」
聞仲の背中から4本、地中から2本の腕が生える。6本のロビンの腕が、聞仲の動きを止めようとする。
しかし、相手は魔界3強の一角・聞仲である。生半可な攻撃の通用する相手ではない。聞仲の目が光る。
「小娘、邪魔をするなッ!!」
ロビンの腕の関節技を、無理矢理に肉体の力で外す。そして聞仲の右腕が揺れる。禁鞭の発動である。
一直線に、数百メートル先のロビンを狙う禁鞭。 ・・死ぬ。そう直感し、反射的に目を閉じるロビン。
数瞬後、おずおず目を明けるロビン。肉体にダメージは無い。目の前に烈が立っていた。こちらを向いて。
地面にボタボタと血が垂れている。烈の血である。烈はロビンを庇い、その背中で禁鞭を受けたのだ。
動揺するロビンに、烈は優しく微笑む。だがすぐその顔が引き締まり、ロビンに烈は話し出す。
「こんな時だが、いやこんな時だからこそ、君に言っておかねばならぬ事がある、ロビン」
>>165 仙人・聞仲と剣 桃太郎の激闘が遂に始まった。一条千陣の禁鞭の猛攻が桃を襲う。まるでムチの弾幕。
距離が数十分の1に縮まった分、桃にもチャンスが生まれる。だがそれは同時に、逃げられぬ事でもある。
マシンガンのような禁鞭の連撃が、桃の肉体を削る。一秒毎に空を舞う肉片。血飛沫が霧のようである。
桃は近付けない。余りにも強く、余りにも速く、そして余りにも手数が多い、禁鞭の攻撃。守勢一方である。
烈とロビンがその様子を見上げている。烈の背中からは、先程受けた攻撃の傷が大きく残っている。
ロビンを庇って受けた傷である。勿論、烈はそれを恩着せがましく振舞う男で無い。だが烈はロビンに語る。
「ロビン。ここから先、わたしは君の事を女と思わない。そして一切、君を庇わない」
「え?」
「ここから先は、あんな怪物たちとの闘いばかりになる。地獄の闘いだ。今までが遊びに思えるほどの。
師匠(雄山)が叱ってくれた通り、わたしは最後まで生き抜くつもりだ。だが」
拳を強く握り締める烈。桃がメッタ打ちにされているのだ。なんの抵抗も出来ないまま、ナマス斬りになっている。
「だが、それでも倒れる時が来るかも知れない。 ・・その時は、君も桃も、わたしを捨てて先に進むのだ。
逆に君や桃が動けなくなっても、わたしは見捨てて先へ行く。全ては大魔王を倒す為に。使命を果たす為に。
ここから先はそういう闘い、いや戦争だ。仲間の屍を超えて行ける者だけが、その覚悟を持つ者だけが。
ここから先へ進むのを赦されるのだ。 ・・君にその覚悟が無いのならば、人間界へ帰ってくれ、ロビン」
ロビンは烈の顔を見る。彼は相変わらず、桃の闘いを睨んでいる。優し過ぎるこの男が、無理に心を鬼にしている。
ロビンは小さく深呼吸して、ほんの数秒目を閉じる。今までの旅を思い出す。答えは一つしかない。当たり前だ。
「応える必要も無い愚問ね。それに、誰もきっと死なないわ。バーンを倒して、みんな一緒に帰りましょう」
ここより遠く離れた神眠る墓所≠ノて。 ・・飛影の眠る小さな墓が、風と砂に優しく吹かれていた。
バーンパレスへ潜入したらいよいよ終盤です。それまでちょっとありますが。
ま、ボチボチやります。年内終了は無理だなあ。
雄山が好評みたいで良かった。塾長、雄山、ビスケは一番好きなので。
この3人に順位は付けられない。ゆえにおいしい所ばかり持ってきます、この3人。
一番おいしいのは本部かも知れませんが。
塾長を最強にしてやってください、パオ様。
このスレ、大変おもしろいんだが、一部の塾長厨がウザくて仕方がない
う ん こ
パオさん連投おつ(仕事は結局しないのだろうか。。
雄山の喝がイイ! 今後の活躍も期待できそうだし。
ハンタ読んでないからビス毛知らないけど、
変身後は本当にバレさんのゲーム画像みたいなのになんの?
それと、番外編さんは何処へいったのか。
アソコまで引っ張っておいて、打ち切りだけは勘弁してくれよ。
俺的にはかなり気に入ってるし。
変身後っつうかあれが本性
普段が変身状態
173 :
作者の都合により名無しです:03/11/23 16:06 ID:2AZ9NPls
雄山と烈は完全に中の人が入れ替わったな。
前も面白かったけど、やっぱりこっちがカッコよくてイイ。
番外編とハンターは本当にどうしたんだろう。
あと、俺も塾長一番好きだけど
いくらなんでもバーン、ゴードン>塾長はないだろ
人外以外では塾長最強は間違い無い。
最も、塾長が本当に人間にカテゴライズされるかは微妙だが・・・
176 :
魔界編 48話:03/11/23 17:58 ID:+CpY4djc
>>166 俺の目の前に修羅場がある。渦巻く砂塵と旋風。そして無限に繰り広げられるかに思える、ムチの嵐。
一回一回の攻撃ですら、まともに喰らえば俺の命を奪うに充分だろう。俺は必死に耐え凌ぐ。
だが終わりは見えない。永遠に続くかと思われる惨劇が、俺の肉体を切り刻んでゆく。
意識が遠のく。出血量は限界に近いかも知れない。だが俺の中にある何かが、倒れるのを許さない。
俺の中にある燃え滾る魂。この世で最も尊敬し、目標としている男から受け継ぎし、男塾魂=B
俺は懸命に神剣を振るう。この剣が伝説の神魔剛竜剣≠ナなかったら、もう死んでいただろう。
ふと、相棒の男と美しい女の姿が目に入る。まるで、自分がムチ打たれているような顔をしている。
自分が決して倒れぬ理由。それは男塾魂だけではなかった。この素晴らしい仲間との絆。
それが俺を支えている。俺は、俺自身を必死で振り絞る。目の前の男を倒す。例えどんな強敵でも。
・・男塾一号生筆頭・剣 桃太郎は、目の前の男、魔界3強・聞仲をもう一度睨み付けた。
「悔しいけど、実力差があり過ぎるわ。烈、どうにかしてあそこへいって桃を助けないと」
しかし烈 海王はニコ・ロビンの言葉に応えない。桃と聞仲の闘いを、じっと見ているだけである。
だがロビンは気付く。烈の食い縛った歯が、口唇に食い込み血が流れている事に。やがて烈が言った。
「信じろ、ロビン。男塾一号生筆頭・剣 桃太郎。このまま敗れるヤツでは無いッ!!」
177 :
魔界編 48話:03/11/23 17:59 ID:+CpY4djc
>>176 (何度目になるかなあ、烈、ロビン。お前たちとこうして修羅場を潜るのは)
聞仲は宝貝・禁鞭の攻撃を緩めない。一呼吸の間に数十撃降り注ぐムチの雨。桃は剣技をフルに活用し、
その雨から身を守る。しかし全てを捌ける訳ではない。急所以外の場所は無残に削り取られてゆく。
(お前みたいな強い男がそんな顔をするな、烈。いい女が台無しだぜ、ロビン)
一瞬、聞仲の呼吸の間が空く。ゼロコンマ数秒、ムチの嵐が止んだのである。カッと目を見開く桃。
「王虎寺秘奥義・暹氣虎魂(しんきふうこん)!!」
桃の気合がほとばしり、神剣から氣の塊が放出される。その氣は虎の形を為し、聞仲に襲い掛かる。
烈とロビンの顔に喜色が浮かぶ。だが聞仲は寸毫も動揺しない。しゅるッと蛇のようにしなる禁鞭。
「ほう、人間の分際で氣まで操れれるのか。 ・・だが、児戯だな」
一直線に虎に襲い掛かる禁鞭。ビシィイッと破裂音が響くと、氣で出来た虎は一瞬にして霧散する。
(強いな。さすが魔界3強の一角。だが心配するな。烈、ロビン。まだ俺は死にはしない。
今、俺がお前達に言える事は・・。まだ勝負は終わっちゃいないっ、て事だけだ)
再度始まるムチの地獄。まったく先程と同じ光景が繰り返される。いや、先程より桃の出血は多い。
その時。神剣が光り輝いてゆく。それに合わせ、桃の動きが速くなってゆく。ムチを完全に捌き始める桃。
(バカな。 それだけの出血で、なぜ更に速く動ける? ついに本当に開眼したのか、神剣に?)
動揺する聞仲。ある事に気付いたからだ。2人の距離が縮まっている。桃が前進し始めたのだ。桃が叫ぶ。
「烈、ロビン。心配するな。きっと最後には、とっておきの笑顔を見せてやるよ。必ずな」
178 :
パオ ◆w/9ws2V0DU :03/11/23 18:01 ID:+CpY4djc
2レスしか書けませんでした。今から友達と飲みに行く約束あるんで。
明日はもう少し書きます。では。
友達いたんだネ。
きっとそいつらもキチガイなんだろうな。
範馬勇次郎て一体何歳なんですか?
モハメド・アリが来日した時(1977年)に17歳ぐらいだとすると
1960年生まれ?
だったら今のバキの年令(17、8歳)と
辻褄合わねーじゃねーか!?
>>179 君にはいないだろうからいる人がうらやましいんだろうね。
パオいつも乙。無理せず自分のペースで書いてくれればいいよ。
あと、頼むから番外編とハンターは復活してくれ。あと1回位でしょ?
>>181 うん、キチガイの友達なんていないよ。
キチガイが友達だとしても嬉しくないしな。
まぁ健常者は健常者同士がお似合いって事さ。
おい作者!!
ここ見てんだろ!
勇次郎は一体何歳なんだよォォォ!?
パオ乙。
>>182 他人を平然とキチガイよばわりする人間が健常者とは
思えませんね。
まあ、貴方は自分が健常者とは一言も書いてませんけれど。
>>184 うぷぷ。障害者を障害者と呼ぶのは健常者に許された特権ですよ?
当たり前の事だが、俺は健常者だけどな。
パオみたいに精神に異常もないし。
>>183 個人的には、むしろ塾長が何歳なのか知りたいですな。
85前後くらいか?
たしか魁で77才じゃなかってっけ?>塾長
天より高くや暁のときは知らんが。
それと
>>182 よ。
健常者云々のまえにお前の品性を疑う。
終戦時に少年兵(15、6歳)だから
今73歳ぐらいじゃねーの?
オーマ>塾長>ノヴァ教授>千手観音星人>ムジナ>勇次郎>泣き虫サクラ>平井銀二
>>187 品性が無かろうが障害者じゃないだけマシだろ。
まぁ狂人パオはSSを書く事だけが取り柄なんだから、
安易に実生活の事とか喋らなくていいって事だな。
191 :
作者の都合により名無しです:03/11/23 20:28 ID:elqlfvzu
勇次郎は確実に30代以上だな
理由は、幼年編の20巻で刃牙のおじさんと見られる
輩がこう言っていた。
「相手はたかが腕力が強いだけの30男だぞッ」
>>180 、183
バキ13歳のとき朱沢グループの髭メガネが
「腕力が強いだけの三十男」
と勇次郎を評しているのと、
バキママを奪ったときの年齢19歳(バキ誕生時は20歳?)、
今のバキが現役高校生である事を考えれば推察できるんじゃないのか。
さあ、考えろ。
つーか、マルチで訊くことかよ。
聞仲、強いのか弱いのかなんとなく半端臭い印象。
頑張れ雄山といったところです。
計算してみたら
勇次郎は1954年生まれという事になった。
ベトナム戦争の時が16歳だっけ
梢は37歳
第三話 飛騨の雪山
飛騨の山奥で、ゴリラのような大猿のような、とにかく正体不明のバケモノに村人が襲われる
という事件が続発していた。今のところ死者は出ていないものの、熊や猪などとは全く異なる
生物なので、村人たちは恐れおののいている。
という噂を聞きつけ、光成が格特隊に出動を命じた。とはいえ怪獣や異星人と決まった訳ではなく、
場所が遠いことでもあるので、今回は刃牙と独歩の二人だけである。
「俺ぁ虎とはやったことがあるが、今回は謎の生物って話なんだよな。どう思う、刃牙?」
雪の降り積もった険しい山々。それらの間に、まるで大きな螺旋階段のように、道路がぐるぐると
通っている。そんな中を走る車を運転しながら、独歩は助手席の刃牙に聞いた。
「とりあえず、前に出てきた黒いトカゲみてえな、ドでかい相手じゃないってことは確かだからな。
俺とお前と二人いれば、どうにでもなると思ってるんだが」
刃牙は、じっと窓の外を見ている。何やら深刻な表情で。というか青ざめた顔で。冷汗も浮かべて。
「……か、館長。俺、自分で言うのも何ですけど、ここに来たのは正義感からなんです」
「? どうした刃牙。声が震えてるぞ」
「村の人が何人も襲われてて、警察が山狩りしても返り討ちで、って聞いて。なら俺たちが
退治しなきゃ、ってそう思って。だから来たんです。でも……ここの景色見てたら……」
「景色ぃ?」
言われて独歩は、辺りを見渡した。何てことはない、雪の山道だ。そりゃ道を外れれば崖下に
落ちるが、ちゃんとガードレールがあるし、道幅もそこそこある。眼帯で傷だらけな見かけに
よらず、ちゃんと制限速度を守って安全運転してるし。
「何が怖いんだ」
「だ、だって、一面の雪景色ですよ? スキー場も近くにあるっていうじゃないですか? で、
俺たちが泊まる場所、いつの間にか勝手にペンションを予約されてるし!」
「予約したのはご老公だが。それがどうしたってんだ」
「解らないんですかっ! 雪山のペンションっていえば、謎の連続殺人事件のメッカなんですよ?
まさかと思うような人が当然のように犯人で、だからつい犯人に対して気を許してしまって、
犯人にしてみたら毒殺も狙撃も思いのまま、そうなると格闘の強さなんて全く全然無意味っっ!」
目を血走らせて、本気で怖そうに語る刃牙。独歩は呆れて、
「ヘンなもんが怖いんだな。サスペンス劇場の見過ぎだぞ。いや、推理小説の読み過ぎか?」
「そんなんじゃないんですってば! 雪山のペンションって所には、幽霊が出るしスパイが来るし、
宝探しをしようとしたらバラバラ死体が!」
「……ゲームのやり過ぎだったか」
で、結局。刃牙が泣いて嫌がるので、刃牙だけ村外れの小屋に泊まることになった。
だがそこを教えてくれたペンションの主人曰く、
「昼間、ちらっと見物に行くだけならまだしも、泊まるなんてのはやめといた方がいいです。
なにしろあそこには雪女が住み着いてるって、この村じゃ噂ではなく常識なんですから」
そっちの方が怖くないか、という独歩の言葉に対して「雪山のペンション以上に怖い所なんか
あるもんかっ」と言い残し、刃牙は主人の制止を振り切って、その小屋へと向かった。
とっぷり夜が更けた頃になって、ようやく刃牙は小屋にたどり着いた。折り悪く夕方から
天候が急変悪化して吹雪が吹き荒れ、道を見失って迷ってしまったのだ。
微かに見える、ゆらゆら揺れる窓の光がなかったら、おそらく刃牙は小屋を見つけることが
できずに、凍死していただろう。
「うぁぁ、良かった良かった。地獄に仏」
凍えきった刃牙は、その光に向かって走った。村人の話を信じれば雪女かも、なのだが、
だからと言って今ここで逃げたら凍死だ。村のペンションに戻っても殺される(と思う)。
ならば、あの小屋に行くしかない。
雪女がなんぼのもんじゃい、ペンションよりはマシじゃい! とばかりに刃牙は威勢良く、
小屋の戸を開けた。すると、
「……いらっしゃい」
暖炉の炎だけが明かりの、薄暗い小屋の奥から。
生肉を口に咥え、唇の端からその血を滴らせている女の声が、刃牙を迎えた。
村の方でも、当然吹雪は吹き荒れている。時と共に、どんどん激しくなってきているようだ。
「えっ。お客さんたち、あのバケモノを退治しに来てくれたんですか?」
ペンションの主人が、驚いて独歩に言った。
「それならそうと最初に言ってくれれば、お連れさんと一緒にあっちへ行って貰ったのに」
「あっち? って、刃牙が行った、村外れの小屋のことか?」
「ええ。……かれこれ二十年近く前の話なんですけどね」
ある朝のこと。狩りをする為に山に入った村人が、一人の女性が行き倒れていたのを発見した。
女性は飢えと寒さで息絶えていたが、抱かれていた女の赤ちゃんは無事、というか元気だった。
その不自然なまでの健康ぶりに、村人はみんな雪女だと不気味がり、その子を敬遠した。
結局、村外れの小屋で暮らしていた老人が引き取ったのだが、その老人も少し前に亡くなった。
以来、その子は一人ぼっち。
「で、ここからがこの雪女話の本題というか、怖いとこです。例のバケモノ……ここじゃ『夜叉猿』
って呼ばれてますがね。そいつに襲われて怪我をさせられた村人っていうのは、全部が全部、」
「……その子を虐めた奴、って訳か」
独歩の言葉に、主人は無言で頷いた。
「山岳監視員をしております、安藤礼子と申します」
刃牙と同じくらいの年頃のその少女は、立ち上がって丁寧にお辞儀をした。つられて刃牙も、
「ど、どうも。俺は範馬刃牙」
「早く入って、暖炉にあたって下さい。寒かったでしょう」
少女が、長い黒髪をかき上げながら頭を上げた。その顔も、指も、本当に雪のように白い。
ほっそりとした体つきといい、蝋人形のように整った顔立ちといい、美しいのだが……いや
美しいが故に、何ともムードのある女の子だ。昔話に出てくる猟師みたいな無骨な服装をしてるから
まだマシだが、これでもし白い着流しなんか着てた日には、雪女でなきゃサギである。というか、
まだ雪女でないと確定した訳でもないし。
小屋の中を見回すと、熊や猪の全身毛皮が飾ってあり、その干し肉や内臓の塩漬けらしき食料が
備蓄されている。礼子は、その中から熊の生肉を取り出して手際よく捌き、生ワサビと一緒に皿に
盛り付け、刃牙の前に並べた。今、礼子が食べているのと同じものである。
「どうぞ、刃牙さん。熊のお刺身、ご覧の通りまだまだありますから。ご遠慮なく」
「は、はあ。でも礼子さん、この、熊とか猪とかって、誰が仕留めたんです?」
「もちろん私です。まあ、この辺にいるツキノワグマぐらいでしたら……」
と言って礼子は、袖をまくって腕を曲げた。と、まるで小枝のようだった腕が、いきなり
大木の太さに膨れ上がる。
「この拳で充分です。なにしろ、水と空気が違いますから」
「み、水と空気、ですか」
「はい。この腕のこと、私を育ててくれたおじいさんは『天然ばんぷ・あっぷ』と誉めてくれ
ましたが……村の人は怖がるばかりで」
そりゃ怖いよ、と刃牙が思ったその時。いきなり礼子が、叫びながら立ち上がった。
「おばあちゃん!」
「え?」
刃牙はきょろきょろするが、どこにも誰もいない。礼子の方をみると、目を閉じて息を潜めて……
耳を澄ましている?
「この風の流れからすると……道も塞がってる……いけない、急がないと! 刃牙さん、
ここにいて下さい。私、行って来ます!」
「い、行ってくるって、」
刃牙は窓の外を見た。もはや、伸ばした腕の先さえ満足に見えないような猛吹雪である。こんな
中をどこへ、と振り向いた時にはもう、礼子は髪を結い上げて、ロープや医薬品などを携えていた。
「村のおばあちゃんが、今、山の中に一人で倒れているんです! このままだと、私の
本当のお母さんみたいになってしまう!」
刃牙が何か言いかけたがそれには耳を貸さず、礼子は吹雪の中に駆け出して行った。
200 :
ふら〜り:03/11/23 23:19 ID:pd+cy5VC
『故郷は地球(ジャミラ)』には知名度で一歩劣りますが、同じくらい悲劇的なエピソードを
持って来ました。一応、「バキキャラを使って」「違う展開・オチに」を予定しております。
>>パオさん
今なら言えますね。雄山は「人生の」師匠だって。少年漫画的にはいざ知らず、現実的にはこういう
人こそ大将の座にふさわしいのかも。実務能力はどうあれ、とにかく威厳があって説得力があって、と。
塾長にもあった「父性」がしっかりとあるではないですか、雄山にも。
で、桃。虎魂が破られたとなると……ここから、どうやって逆転するのでしょうかっ?
パオ乙
原稿料はらってやるからSSに専念してくれ
塾長厨ってなに?
男塾知ってる人は塾長が規格外に強いってことは常識だろうが。
塾長>バーン、
とかアホなこと言ってるヤツのことだろ
204 :
作者の都合により名無しです:03/11/24 09:28 ID:eGy4PU16
塾長を最強って信じちゃう香具師のことね。
勇次郎厨ってのもいるが。。。
パオ氏に登場する勇次郎の最大の欠点は、
塾長には絶対勝てない事でも、象山や九十九より戦闘力が低い点でもなく、
>「無様ですね・・。範馬、勇次郎。私は見抜いていますよ、あなたの本性を・・いや、私だけではありません。
> 志々雄も、そしておそらくバーンも・・」 「何だ、その俺の本性ってのは・・」
>勇次郎の言葉に優美に微笑む朧。だがその優美さとは裏腹に、吐いた言葉は勇次郎を鋭くエグり、狼狽させる。
> 「あなたは最強を気取っていても・・、自分が勝てないであろう相手には、決して相手が万全な時には・・、
> 闘おうとしない・・。私とも、志々雄とも、魔界3強とも・・。そして当然、大魔王バーンとも」
これこそが、勇次郎の最大のマイナスポイントだと思う。
>>177 聞仲と剣 桃太郎の死闘を、上空から監視する怪しい影。怪鳥ガルーダの背に乗る悪魔の目玉。
その目玉を媒介にして、この闘いを水晶球を通じ、観戦している男が2人。一人は喪黒 福蔵である。
「ほっほっほ。人間もやりますな。聞仲様との差が縮まってきています」
喪黒の横に立つ長身の男。顔にペイントをした道化師・ヒソカである。ヒソカは喪黒に言う。
「でも結局は、聞仲の勝ちでしょ◆ 地力の差がありすぎるもの」
「ほっほっほ。どうでしょうか。確かに、聞仲様とあの人間では聞仲様の力の方がずっと上です。
しかし、禁鞭と神魔剛竜剣。この2つの神の武具は、神魔剛竜剣の方がわずかに上です。
それ程簡単な勝負ではありませんよ。それに、聞仲様は心に迷いを持ってらっしゃる」
「キミは何でも知ってるね◆ 武器の事も、心の事も」
「ほっほっほ。そうではないとセールスマンは出来ませんよ。心の隙間を埋める事も。
それに、私はかつてこう呼ばれていました。 ・・解皇≠ニ」
「解皇? なんだい、それは◆」
「ほっほっほ。この世の理(ことわり)を悟り、言霊を操る者を解王≠ニ言います。
そしてその中の頂点に立つ者。ある意味、言霊の神。それは解皇≠ニ呼ばれます」
「ふーん。すごいんだ◆ その解皇って」
「ほっほっほ。そうだ。いい事を思い付きました。もし、あの人間が奇跡的に勝てたら。
魔界3強の一角・聞仲様に勝てたら、ご褒美にプレゼントをいたしましょう。
とびきりのね。ほ〜っほっほっほ」
>>177 聞仲と剣 桃太郎の死闘を、上空から監視する怪しい影。怪鳥ガルーダの背に乗る悪魔の目玉。
その目玉を媒介にして、この闘いを水晶球を通じ、観戦している男が2人。一人は喪黒 福蔵である。
「ほっほっほ。人間もやりますな。聞仲様との差が縮まってきています」
喪黒の横に立つ長身の男。顔にペイントをした道化師・ヒソカである。ヒソカは喪黒に言う。
「でも結局は、聞仲の勝ちでしょ◆ 地力の差がありすぎるもの」
「ほっほっほ。どうでしょうか。確かに、聞仲様とあの人間では聞仲様の力の方がずっと上です。
しかし、禁鞭と神魔剛竜剣。この2つの神の武具は、神魔剛竜剣の方がわずかに上です。
それ程簡単な勝負ではありませんよ。それに、聞仲様は心に迷いを持ってらっしゃる」
「キミは何でも知ってるね◆ 武器の事も、心の事も」
「ほっほっほ。そうではないとセールスマンは出来ませんよ。心の隙間を埋める事も。
それに、私はかつてこう呼ばれていました。 ・・解皇≠ニ」
「解皇? なんだい、それは◆」
「ほっほっほ。この世の理(ことわり)を悟り、言霊を操る者を解王≠ニ言います。
そしてその中の頂点に立つ者。ある意味、言霊の神。それは解皇≠ニ呼ばれます」
「ふーん。すごいんだ◆ その解皇って」
「ほっほっほ。そうだ。いい事を思い付きました。もし、あの人間が奇跡的に勝てたら。
魔界3強の一角・聞仲様に勝てたら、ご褒美にプレゼントをいたしましょう。
とびきりのね。ほ〜っほっほっほ」
パオ氏すまん
何故かコピーしてしまった
>>206 桃と聞仲の距離は約半分に縮まっている。だが2人は対峙したままピクリとも動かなくなった。
確かに実力は圧倒的に聞仲の方が上だ。しかし氣勢では、桃が遥かに聞仲を凌駕している。
氣勢とは即ち、気構えである。男塾魂と烈・ロビンとの絆。精神面では桃が優位に立っている。
勝負とは実力だけでは決まらない。天の理・地の時、そして人の絆。この3つが揃えば、
たとえ実力に差があっても勝負は解らない。今まさに、聞仲と桃の関係はそうであった。
「詰まんないな◇ 睨めっこが始まっちゃったよ。そうだ、さっきのプレゼントって何?」
「ほっほっほ。もしあの人間が勝ったら、ご褒美にライタイ≠開いてあげましょう」
「ライタイ?」
「ほっほっほ。ライタイとは、解王≠フ資格を持つ者で競う、解説トーナメントの事。
解説の神に選ばれし解王≠ゥら、更に究極の解皇≠生み出す為の闘いです。
確か人間の精鋭部隊の中に、解王の資格を持つ者がいたはずです。えーと確か名前は、
そうそう、ニコ・ロビンでしたか。 ・・おや、もう一人いたような?」
ここより数キロ先。集合の約束の場所で、本部 以蔵が大きくくしゃみをした。
>>209 ロビンの名前を聞き、ヒソカの股間に邪気が集まっていく。それを見て愉快そうに笑う喪黒。
「ほっほっほ。ご立派ですなぁ。そうだ。ロビンは確か、ヒソカ様の運命の姫君でしたな」
「ああ。はやくメッタ突きにしたいよ◇ でも、精鋭部隊はバーン討伐の為に忙しいはず。
そんなトーナメントにわざわざ出るかな?」
「出なければいけないようにすればいいだけの事です。そうだ、優勝商品を出しましょう。
とびっきりの貴重なアイテムを。これがなければどうにもならないような、貴重な品を」
「貴重な品? どんな物だい◇」
「精鋭部隊はオーブを7つ揃えれば、伝説の大妖を我が手に出来ると思っているようですが。
実はもうひとつ、重要なアイテムが必要なのです。大妖を眠りから覚ます為の。
それを優勝商品に致しましょう。私も久しぶりに面白くなってきました。参加選手は8人。
解皇≠フ私と、解王≠フ資格を持つ者7名。そのトーナメントです。ほっほっほ」
「ボクは最終的に、ロビンをおもちゃに出来ればいいけどさ◇ キミは魔王軍じゃないね。
キミの行動は不可思議過ぎるもの◇ バーンの為にならない事ばかりしてる」
「ほっほっほ。私はバーン様の部下ではありませんよ。便宜上、魔王軍にいるだけです。
全ては世界の果ての意志≠フ御心のままに。 ・・おや、戦局が動くようですよ」
二日酔いで調子が出ません。一眠りして夜、また書きます。
塾長は私も一番好きなんですが、最強にすると「だったら魔界に塾長いけばいいじゃん」
って事になるので。と、いうかバーンより強いっていうのはちょっとw
勇次郎について。勇次郎は成長するキャラです。敵方の中で唯一、その特権を与えてます。
ま、最終的に塾長を超えるやらどうやらって事に、なるやらならないやら。
後、しょうもないレスを相手にしても仕方ないですよ。構って欲しいんでしょうから。
別にキチガイと言われようが別に気にしません。それより、スレが汚れる方が嫌です。
だけどバーンにあっさりやられる弱い塾長なんて嫌。
213 :
パオ ◆w/9ws2V0DU :03/11/24 11:45 ID:75eIXWnE
>>212 うーん。難しいですなあ。でも、最後はキッチリ終わらせますんで。
全てもう頭の中で出来てる。グランドフィナーレまで。
戦闘とかの部分は除いて、お話の流れは全部。私が逃げない限り。
まあ、面白ければ儲け物くらいで見てて下さい。
帰って寝ます。また夜に。では。
214 :
作者の都合により名無しです:03/11/24 12:25 ID:bRIYn5Om
確かロビンと本部の会話で解皇ってあったな。
そこから伏線なら無駄にすごい。
7人の解王って本部、ロビン、雷電とあと誰かな?
パオはやっぱりSS職人に集中するのがいいよ。
生活のためにサラリーマンをするより
無収入でも何人もの人を楽しませる方が
よほど人間として立派だと思うよ。
がんがれ、パオ
キッチリ完結させてくれ
本部、ロビン、喪黒、雷電、あと思い付くのはビスケぐらいか。
あとは新キャラかな?
>>216 職の無い人間の現実逃避なんだから気にするなって。
あとパオ、乙。ロビン最高
本部はまたカマセの予感
だがそこがいい
>>217 「ア○ラ○ス○中○さ○」も入るとみた。
>>205 >>211 バキ世界では敵なし、己の最強を信じて疑わない勇次郎が、
もしも自分よりも強い存在に出会ったら何を考え、どう行動するのか?
これは俺も気になる所、パオ氏には最高の答えを期待しています。
個人的なイメージだと、勇次郎と塾長が戦ったら、
最終的には塾長が勝つが、塾長も五体無事ではすまない、って感じかなー。
片目潰され、片腕ひきちぎられくらいの重傷を負い、フンドシ姿で全身血まみれの塾長が、
原形を留めないくらいグシャグシャに破壊された勇次郎を、仁王のごとく踏みつけている絵が、俺の中にはある。
【第49話 男たちへ捧げる一刀】
>>210 いつだってそうだった。いつだって、この構えから死中に活を見い出してきた。
背中の鞘を腰のベルトに通し、左手でしっかりと握る。ゆっくりと深呼吸をする。
俺より強い? そんな事は分かっている。己より強い者に果敢に挑むのが男塾魂だ。
静かに腰の鞘へ神剣を納刀する。ゆっくり目を閉じる。自分に出来る最高の技。
居合の構え、無明心眼剣。聞仲の気配。目を閉じると、更に圧倒的な強さを感じる。
それで良い。闘う相手が強いからこそ、己を全て尽くせるのではないか。
「ほう。居合か。しかし私を相手に目を閉じるとは。狂ったか」
「ああ。狂気を極めるのが俺たち男塾だ。決して利口には生きられない。
バーンに屈するお前などと違ってな。この一刀に全てを賭ける」
「このまま朽ち果てるには惜しい男よ。せめて名を聞いておこうか」
「男塾一号生筆頭、剣 桃太郎」
聞仲が桃の名前を咀嚼するように繰り返す。笑みが一瞬浮かぶ聞仲。そして桃に言う。
「魔界3強、仙人・聞仲。お前を真の戦士と認める。ゆえに、全力で相手をする」
しゅるるる。禁鞭が生命体のように蠕動を始める。いや、実際に生きているのだろう。
何故ならば、桃の神魔剛竜剣からも鼓動を感じるのだ。まるで心臓の動きのように。
どくん、どくんと。桃は神剣に語り掛ける。永きを共にした伴侶へ語るように。
(聞こえるか、神剣。無数に見えても当たる瞬間は一本。そこを斬る。俺と、お前で)
>>223 目を閉じたまま、神魔剛竜剣を構える桃。聞仲の周りをぐるぐると蠢く禁鞭。しばしの静寂。
不意に、聞仲が桃に問い掛ける。一騎打ちの場とは思えぬ、どこか優しげな、そして寂しげな声で。
「お前には、命を賭けても守らねばならんモノがあるのだな。少しうらやましい」
主人の哀しみを嘆くように、禁鞭がしゅるると哭く。だがやがてその動きが止まると、稲妻となる。
刹那の時間で、桃との距離を無化する禁鞭。間合いの十数メートルを瞬きする間である。だが桃。
そのゼロコンマ以下の時間が、まるでスローモーションに感じる。体をゼリーの海に浸しているような。
見える。禁鞭のムチ先が、桃のノドを狙っている。今までで最大最強の打撃。だが不思議と焦りは無い。
(行くぜ、神魔剛竜剣。禁鞭とやらを打ち落とせッ!!)
桃の肉体が半円を描く。その右腕の抜刀は見事な弧を描く。神剣の力と人の技。2つが絶妙に融合し、
その抜刀術を神域のモノへと昇華させる。キィイイイン、と耳を刺激する金属音。禁鞭から力が抜ける。
それはほんの一瞬であるが、それで充分である。まるで滑るように、聞仲との間合いに踏み込む桃。
速い。神剣の力だろうか。生涯最高の踏み込みである。一瞬低く屈み込み、必殺の横薙ぎを繰り出す桃。
殺った。そう直感する桃。自分に出来る最高の剣技である。だが聞仲という男は、桃の想像を超えていた。
「神剣の力を借りたとはいえ、見事な一撃だ。私以外の者ならば、終わっていた」
地にボタボタと零れる血飛沫。この聞仲という男。 ・・剣 桃太郎最高の技を、神魔剛竜剣最強の一撃を。
左腕一本で受け止めている。無論、左の掌は血まみれである。だがそれ以外の所にダメージは無い。
「まるで命そのものをぶつけられたような、素晴らしい剣だ。しかし残念だが、もう通用せん」
禁鞭を握った右腕。その裏拳が桃の顔面に飛ぶ。まるで空き缶でも蹴ったように、軽く遠くへ吹っ飛ぶ桃。
「力の差とは残酷だな。神剣を使っても、この程度の傷しか与えれんとは。哀れみを以って教えよう。
この私に弱点は無いッ!!」
桃ーーーー!!!
>>224 (こ、この男・・。禁鞭が無くとも、恐ろしく強い)
裏拳を喰らって吹き飛んだ桃。聞仲はまるで力を込めたように見えなかった。しかし今の位置。
やっと半分に詰めたはずの間合いから、更に遠のいている。ズシン、と絶望が肩に圧し掛かる。
勝てない。余りにも戦闘能力が違い過ぎる。神の剣を借りてすら、差し違えにすら持っていけない。
桃の体に原始の恐怖が走る。即ち死≠ナある。男塾魂とは死を超える魂である。ではあるが、
桃の心に後天的に植え付けられたモノでもある。ガクガク震える桃。頭は逃げろ、逃げろ言っている。
・・だが。何故か。足が、腕が、肉体が闘うのを止めようとしない。そうだ。思考ではない。
男塾魂とは、肉体に、そして心に染み付いたものだ。それは決して消せはしない。どんな強大な敵でも。
たとえ、大魔王バーンが相手でも。
もう一度立ち上がる。桃にとって幸運だったのは、先程の居合により、禁鞭がまだ復活していなかった事だ。
ほんの数秒でも、呼吸を整える事が出来る、桃は気功闘法をフルに使い、必死に肉体の回復に努める。
「神剣の戦士よ。何ゆえもがき生きるのか。たとえ何度立ち上がっても、お前は勝てはしない」
目に慈愛すら込めて、聞仲が桃に問う。桃からは先程の震えは消えている。心には男塾魂。そして背中には。
感じるのだ。これまで旅を共にし、戦いを共にしてきた仲間の視線が。烈 海王とニコ・ロビンの祈りが。
>>226 「ならば俺も聞く。それほどの力がありながら、何故、弱き者を虐げる大魔王などに加担する?
闘って分かって来た。お前からは邪気は感じない。なのに何故だ?」
目を見張る聞仲。見破られたのか。これほど短い間に、私の心の迷いを。この男に。静かに言葉を紡ぐ聞仲。
「私の中に、昔のおぼろげな記憶がある。かつて私は太師だった。殷という国の。遥か昔に滅びたが。
私の心にはずっと穴が空いていた。その時、バーン様に持ち掛けられたのだ。契約≠。
もし、人間を滅ぼす事が出来れば、東京の地に殷を復興させてやる、と」
何故か素直に語る聞仲。いや、本当は誰かに聞いて欲しかったのかも知れない。それほど迷っていた。
己の欲と思い出の為に、健やかに生きる者たちを滅し、我を通す事に。だが桃太郎。それを聞き大きく笑う。
「フフフフ・・。滅びた物を再興する為に、今ある物を滅し、今生きる者を滅ぼそうとするのか。
そうか。分かったよ、聞仲。お前は小さい。俺が出会ってきた素晴らしい男たちの、誰よりもな」
「何・・? フ、戯言を。そんな体たらくの貴様が、何をほざく」
「確かに、貴様の故郷が滅びたのは同情する。だが遥か昔の墓標にすがり付き、そこから動けなく
なる程度の男だ、貴様は。そしてそれに囚われ、今生きる者を犠牲にしようとするとは」
「貴様・・。人間の分際で、嬲るか」
「俺には今まで出会った素晴らしい男たちがいる。お前より熱く、優しく、強い男たちがな。
人間界の全てを背負い、逆境の中でも全てを包みこもうとする男。我が師、江田島 平八。
同じ男塾の旗の下、命懸けで戦い続け、弱き者を守り続ける先輩たち、仲間たち。
そして、自分の弟子を失いながらも、それを背負ってなお、未来の為に闘い続けようとする
誇り高き相棒、烈 海王。みんな、未来の為に、己の命すら厭わない素晴らしい男たちだ。
それに比べてお前はどうだ。己の失ったモノの為に、全てを奪おうとする下らぬ男だ」
聞仲の目が血走ってゆく。殺気が限りなく増大してゆく。だが桃に欠片も恐怖は無い。神剣を構えて言う。
「俺は負けはしない。お前程度の男に敗れたら、その素晴らしい男たちに、合わす顔が無いからな」
勇次郎は意味人間サイドのキーマンなので、なんとかしっかり書きたいと思います。
人間サイドの主役は塾長と勇次郎、魔界サイドはの主役は本部かな。
総合的な主役はビスケで動きませんが。
明日から仕事ですが、なるべく夜には書くようにします。宜しくお願いします。
>>228 乙です〜
それにしてもこの戦いの褒美が解王による解説トーナメント「ライタイ」といい
まさに雄山の思惑通りというか。喪黒の言う世界の果ての意志≠チてまさか雄山( ゚д゚)
世 界 を 革 命 す る 力 を !
絶対運命黙示録
もう来んなよ、消えろ
234 :
作者の都合により名無しです:03/11/25 15:23 ID:AqwqWgY6
パオ乙
ついに桃も中の人入れ替わったか。
そろそろ終盤か?
ラストがみたいような、終わって欲しくないような
パオ氏の作品の登場人物の中で、宇宙空間でも活動可能なのは江田島塾長だけかな?
(原作では、鬼眼解放バーンは宇宙空間で最終決戦を挑んだが・・・
あと、カーズは死んでないだけで、問題無いとはいえない)
ザクがいる。
>>227 聞仲の禁鞭が復活した。摩擦音が響く。桃の動きを見極めるように、ぐるぐると主の周りを旋回している。
一方の剣 桃太郎。大地にしっかりと両足を踏み締め、神魔剛竜剣を青眼に構える。目には怯えは無い。
ただまっすぐに聞仲を見据えるだけである。しかし、間合いは20メートル程。完全に禁鞭の間合いである。
(桃のヤツ、化けたな)
渓谷の遥か下から、この闘いを見守る烈 海王。真剣な眼差しのまま、内心桃の様子に驚く。格の違い。
2人の死闘が始まったばかりの頃は、両者の格の違いが厳然としてあった。しかし今はどうだ。全くの5分。
いや、ほんの少し聞仲の方に焦りが見えるように思える。暗闇の中で、遥か遠くに見える光のような勝機。
(だが、それでも実力差は依然として変わらない。 ・・死ぬなよ、桃)
遠い。たった20メートル程の距離が、遠過ぎる。聞仲は、手が届きそうな距離にいるというのに。
まるで夜空に浮かぶ満月。そこに確実に存在するのに、決して手は届かない。いや、果たして本当に。
聞仲は、そこにいるのか? ・・桃の思考が鈍化してゆく。無数の傷からの大量の失血。重ねられる痛み。
数秒前から、ついに復活した禁鞭の猛攻が再開されている。最初の攻撃より、聞仲の殺気は増大している。
しかし。桃は気付いていない。聞仲の攻撃が、増大した殺気とは裏腹に、薄く緩やかになっているのを。
>>237 (聞仲。貴様は己の失ったモノの為に、全てを奪おうとする下らぬ男だ)
目の前で己が禁鞭≠ノ打ちひしがれ、今にも絶命しそうな男の言葉が、聞仲の脳裏に何度もリフレインする。
目の前の人間の男は、必死で神剣を振っている。この男も分っているはずだ。私に勝つ事など出来ぬ事を。
だがこの男は決して諦めないのだろう。私もその姿を知っている。ずっと昔、友たちと暮らした故国、殷≠ノて。
人が必死で立ち上がる姿。諦めずに立ち向かう姿。 ・・それが人の人たる真なる強さなのだろう。
私の増大した殺気。これは目の前の男への怒りではない。己自身への怒りへの殺気だ。 ・・そう、分かっていた。
たとえ、新しく殷≠多くの人間を犠牲にして、復興したとしても。それは見かけだけの偽りの殷≠セ。
バーンが創り出した殷≠セ。私が愛し、守り続けた殷≠ナは無い。もう、無くなっていたのだ。私の殷≠ヘ。
分かっていた。頭では分かっていた。だが認めたくなかったのだ。たとえ形だけでも、復活させたかった。
だが。今目の前の男の姿。 ・・偽りの殷≠ナは、こんな熱情溢れる真に人たる者は、おそらく生まれまい。
見事だ。人間よ。未練たらしく今まで生きてきたが・・。天に帰る時が来たようだ。
聞仲のムチの嵐が一時的に収まる。その隙に桃は深呼吸をひとつ、ふたつ。剛竜剣を握る手に更に力が篭もる。
ガス欠寸前の燃料タンクに、ほんの少しだけ体力が戻る。奥義。間合いを詰める踏み込み。そして渾身の一刀を振る力。
もうその3動作分の余力だけしか残っていない。すぐにでも、聞仲のムチが始まるだろう。今、俺に出来るのはひとつ。
自らを省みない特攻、そして玉砕である。それで勝てるとは思っていない。だが少しでも俺がダメージを与えられば。
後に聞仲と闘う、烈とロビンが楽になる。渓谷の下で心配そうに見上げる2人を見やる桃。そしてニコリと笑う。
(すまん烈、ロビン。先に逝く事になるかも知れん。後は頼んだぜ、2人とも)
>>238 禁鞭。数キロ先からすら目標を叩き打つ伝説の武具。その攻撃が、仙人・聞仲の手で遂行される。
超絶の武具を操る超絶の仙人。桃の手にしている神剣以外に捌けぬ神器。またも桃の前に嵐が吹き荒れる。
しかし桃。先程までの防御に徹した構えではない。狙うは一刀。相打ちは無理だろう。しかしせめて一斬。
「王虎寺秘奥義・暹氣虎魂(しんきふうこん)!!」
桃の神剣から氣の虎が飛び出す。破れた技である。しかし、桃はこの技に全ての氣を注ぎ込んだ。笑う聞仲。
「一度破れた児戯を。この程度の男だったか。 ・・な、何ッ? 竜だとッ!!」
氣の塊の虎の周りを、ぐるぐると旋回して飛ぶ稲妻の竜。神剣の力だろうか。それとも前の神剣の持ち主が
一度だけ力を貸してくれたのであろうか。その2匹の神獣は、禁鞭すら押し退けながら聞仲に襲い掛かる。
「ぬあああああああッ!!」
聞仲の禁鞭が、最大にして最多の打撃を繰り出す。打ち消える虎と竜。しかし、聞仲は次の光景に驚愕する。
「覚悟だ、聞仲ッ!!」
桃が神獣たちと一緒に走り込んでいたのだ。勿論、禁鞭によりズタズタになっている。己を省みていない行為。
神剣を大きく振りかぶる桃。脳裏に浮かぶ男たちの姿。江田島。邪鬼。赤石。一号生の仲間たち。そして烈。
(この一刀を捧げるぜ、みんな。後は頼むぞ、烈、ロビンッ)
聞仲は強大な氣によりガードされている。たとえ神剣でも、一撃で葬るのは無理だろう。だが、傷は与えてやる。
次に闘う者の為に、少しでも。 ・・その時。桃の目に、あり得ない光景が写った。微笑ったのである。聞仲が。
優しく、哀しげな微笑で。次の瞬間、聞仲の周りを覆う氣が掻き消え・・。剛竜剣が、深々と聞仲を斬り裂いた。
このペース(週6回くらい)で更新すると、来年1月いっぱいくらいで終了して
目出度く引退となるのですが、このペースはもう無理かな。なんとか週3ペース以上は。
そうなると終わるのは3月くらいかな? トーナメント入れると1年経つなこのシリーズ。
勿論、やろうと思えばいくらでもショートカット出来るんですが。うーん、なるべく頑張ります。
ええー、引退なんて嫌だよ・・・><
242 :
作者の都合により名無しです:03/11/25 23:15 ID:HNlUwyMh
>パオ乙。
2年とか3年とか無理言わないから
せめてpart30くらいまでは書いて欲しいな
しかしレギュラーはなかなか育たないね
VSさんせめて週2で書いてくれないかな
ハンタと番外どこいった?
この作品に味皇、村田源次郎は登場しないのかな?
海原雄山うぃ超える存在感はもちろん、
下手すりゃ、江田島塾長より戦闘力があるかもしれんぞ!?
刃牙を心配して、しかし猛吹雪で外には出られず、ロビーでうろうろしていた独歩の耳に、
ペンションの主人の声が飛び込んできた。
事務室で受話器を握って、「何ぃぃっ!」と叫んでいる。
「要田の婆さんが? くっ、いつかこんなことになると思ってたんだ! ……ああ、そうに違いない。
……解ってる、とりあえず街の方には連絡しとけ。この吹雪じゃ、当分無理だろうけどな」
受話器を置いた主人は、怒りを含んだ渋そうな顔で、頭をガリガリと掻いている。
「どうしたんだい。何か、良くないことがあったようだが」
「ええ、とびっきり。さっき話した礼子って雪女ですけどね、あの子に親切にしてた婆さんが
いるんですよ。時々、食べ物とか持っていってたんです。その婆さんが、今日のこの急な吹雪で、
どうやら遭難してしまったらしくて」
「遭難? って、自分の村だろここは」
「その村を一歩出りゃ、秘境ですよ。熊もいれば猪もいる、謎のバケモノもいる。そして、
恩人を吹雪に巻き込んで殺そうとする恐怖の雪女もね」
豪雪で視覚を、暴風で聴覚を、酷寒で触覚を、全て根こそぎ徹底的に奪う猛吹雪の中、礼子は
走って走って走り続けた。そして、村からかなり離れた山奥で、倒れている老婆を発見した。
「おばあちゃんっ!」
駆け寄っていく礼子。だがその礼子より早く、いくつもの黒い影が老婆に向かっていった。
狩りをして暮らしている礼子にとっても、滅多に見ることのない影。狼の群れである!
「っっっっ!」
雪を蹴立てて、走る礼子。だが狼たちの方が早く、数匹が老婆の元に到達し、その体に牙を
突き立てた。感覚が麻痺しているのか、老婆は目を覚まさず声も出さない。だが衣服ごと
食い破られたその跡からは、紛れもない赤い血が、どくどくと流れ出す。
それを見た礼子が、吼えた。吼えて走って、狼たちを殴り飛ばす。突然現れた意外な強敵に、
狼の群れは一旦老婆から離れて体勢を整えた。約二十匹の黒いケダモノが、殺意に目を
ギラつかせて、礼子の周りをぐるぐる回り始める。
この時。礼子の咆哮と、狼たちのうなり声という、日常聞くことのない「殺し合いの声」が、
老婆の意識を覚醒させていた。
「ぅ……っ? れ、礼子ちゃん……?」
礼子はその声を聞いて、だが振り向かず、油断なく狼たちを睨みつけながら、言った。
「大丈夫、大丈夫です。いつもの狩りの獲物が、ちょっと増えるだけです。私の戦力は、
この狼たちを上回っています!」
狼たちが、牙から唾液を垂らしながら、一斉に襲い掛かってきた。
礼子は両拳を振るって、それらを次々と迎撃していく。だがやはり多勢に無勢、
礼子の腕に、脚に、体に、何度も何度も牙が突き立てられていった……
「礼子さんっ!」
血を流して気を失っている老婆と、その老婆を背負った血まみれの礼子が、
刃牙の待つ小屋に転がり込んできた。
礼子は息を切らせながら老婆を寝台に寝かせると、驚き慌てる刃牙に指示をする。
「そこにある、雷管を、取って下さい。それをほぐして、こっちに……早く!」
「わ、わかった」
自分の怪我はどうするの、と聞かせない礼子の気迫に、刃牙は従うしかなかった。棚の上の
箱の中から猟銃の雷管を出して、その火薬を取り出していく。
その間に礼子は、老婆の傷に消毒薬を塗りこみ、包帯を巻いた。
「これで……ん、できた。この程度の傷なら、後は輸血さえ間に合えば」
「礼子さん、こっちもできたけど」
礼子は刃牙から火薬を受け取ると、刃牙の視線も気にせず手早く服を脱ぎ、全身の傷口に降りかけた。
「狼の牙っていうのは、雑菌の塊みたいなものでしてね。傷口が浅ければ普通の薬で
間に合うんですけど、これぐらい深くなるとそうはいかなくて」
「……ってまさか」
礼子は、マッチを手に取りタオルを口に咥えると、しゅっと火をつけてそれを自分の体に、
しゅばばばばばばばばばばばばぁぁぁぁん!
「〜〜〜〜っっ!」
礼子は目をしろくろさせて、立ったまま思いっきり、ぐぐ〜っとエビ沿った。
それから、ぐいん! と体勢を元に戻して、
「……よしっ、消毒完了! 刃牙さん、すみませんが手伝って下さい!」
雪女どころか、刃牙は今、炎女を見た。血を蒸発させながら全身から煙を立てて、表現し難い
形相で新しい猟師服を着る少女を前に、誰がその頼みを拒めようか。礼子は応急手当をすませた
老婆を再び背負うと、刃牙にスコップを持ってついてくるように促した。
だが、刃牙はそれを断る。
「俺が背負うよ。スコップも持つ。礼子さんは、道案内だけ頼む」
「えっ。でもこんな吹雪の中で、気絶した人間を背負っていては」
「大丈夫。こう見えても俺は、地下闘技場のチャンプ……いやその、とにかく、力持ちだから。
礼子さんの足手まといにはならないつもりだよ」
「刃牙さん……解りました。では、お願いします!」
礼子が先に立ち、老婆を背負った刃牙が後に続く。念の為に三人の腰をロープで結んであるので、
相変わらずの猛吹雪の中だが、バラバラになる恐れはない。
それにしても、と刃牙は思う。土地鑑があるから視界が悪くても大丈夫、というのはまだ理解できる。
だが自分でさえ歩くのに難儀する吹雪山道を、ざくざく走っていくこの少女は、一体何者なのか。
『雪女……いや、もしそうだとしても、それが何だってんだ。おばあさんを助ける為に、
ここまで体を、いや命を張ってるんだ。少なくとも、怖い妖怪なんかじゃないっ』
と考えている刃牙の前に、突如雪山が現れた。いや、この辺り一帯が雪山なのだが、本来道で
あるはずの場所、昼間刃牙が通ってきた場所が、雪の山に埋もれているのだ。
「そ、そんな。もしかして雪崩?」
「そういうことです。刃牙さん、スコップを貸して下さい。……着いて来て下さいよ」
礼子は刃牙からスコップを受け取ると、
「ええええええええぇぇぇぇいっ!」
しゃばばばばばばばばばばばば……! と豪快に雪を掘り始めた。ラッセル車、いや、
特撮モノに出てくる地底戦車の如きパワーで、みるみる雪山にトンネルが掘られていく。
思わず呆気に取られてしまった刃牙だったが、すぐに気付いて慌てて後を追った。
ばたん、ばたん。がちゃん、がちゃん。窓が閉じられ、ドアに鍵がかけられる。
刃牙と礼子は家々を回って電話を借りようとするのだが、どこに行っても家に入れてもらえない。
一刻も早く病院に連れて行き、輸血をしなくてはならないというのに。
血まみれの礼子が怖がられているのか、でも着替えてるから目立たないはずだし、と思っていたら、
五軒目の家にはドアに張り紙がしてあった。
『妖魔退散』と。
「ふ、ふ、ふざけるなああああぁぁっっ!」
刃牙は拳を握って腰を落として、ドアに向かって剛体術の構えを取ったが、礼子に止められた。
「待ってください、刃牙さん! 見ての通り、私が怖がられてるだけなんですから!」
と礼子は、自分と刃牙たちを結び付けていたロープを解いた。
「私は小屋に帰りますから、おばあちゃんをお願いします」
「か、帰るって、そもそも礼子さんの方が遥かに重症でしょう? 一緒に病院へ、」
「いいえ、私は慣れてますから、平気です。でもおばあちゃんは、急がないと本当に
最悪の事態に……お願いします、刃牙さん!」
礼子は刃牙に頭を下げると、吹雪の中を走っていった。
「礼子さ……あっ?」
走っていく礼子が、一瞬、倒れかけたその時。吹雪の中から何か、人間にしては大きい、ゴリラの
ような大猿のような影が現れ、礼子を支えた。そしてそのまま、肩を貸すようにして歩いていく。
刃牙が、目をぱちくりさせると、もう二人(?)の影は吹雪の向こうへと消えてしまった。
「今のは……」
と、『妖魔退散』の家のドアが控えめに開けられた。刃牙が振り向くと、
「あいつは行ったな? なら、早く婆さんを家に入れろ。今電話してやったから」
「……!」
刃牙は、またしても剛体術の構えを取りたくなったが、歯を食い縛って我慢して、老婆を託した。
そして、こうなっては小屋に帰ることは不可能なので、とぼとぼと独歩のいるペンションに向かう。
刃牙にはもう、ペンションに出没する(はずの)殺人鬼なんか、どうでも良くなっていた。
248 :
ふら〜り:03/11/26 01:25 ID:/QbsEQQV
何だか由緒正しき昔話の世界になってきましたが、もう少しおつき合いのほどを。
>>パオさん
魔界編終了間際に、また新しいネタが浮かんで書きたくなってくる……という展開を期待。
ペースが落ちても、あるいは時々充電期間があっても、書き続けて頂きたいです。
で。今回の桃は、ある意味男塾らしからぬ、ファンタジーな必殺技をかましてくれましたねぇ。
映像として凄く美しいです。結果は、相討ち……になるんでしょうかっ?
>>248 そりゃ塾長(1200)に迫る強さの相手(1100)に逆転しようとしている桃(1000前後?)なんだからなあ。
普通の桃じゃ勝てない。
まあこのまま相討ちくらいになったとしても桃と塾長の強さが近すぎて不自然な気がしてならない。
やはり魔界3強程度の塾長じゃあまりにも弱すぎると言わざるを得ない。大将なのに。
塾長もパワーアップすることを期待。あるいは数値に現れない強さで逆転とか。
いや、魔界3強が強すぎるのかも。いくらなんでも素バーンと互角というのは。
250 :
バレ:03/11/26 03:55 ID:5IpC1JpD
>パオ様
烈に続いて桃も一皮剥けましたね。
これから二人はどんどんシリアスに進んでいくのでしょうか。
かつての凸凹コンビが見られないのが少し残念な気もします。
(ライタイ祭で見られるかも、と淡い期待を)
グランドフィナーレは来年ですか。もはや一大長編ですね。
完結まで頑張って下さい。
>ふら〜り様
ふら〜りさまも、今回は少しシリアスな話ですね。
なぜか「どろろんえん魔君」を思い出しました(何でだろう…)
こういう話に、私は弱いです。
251 :
作者の都合により名無しです:03/11/26 06:19 ID:DZB+PSpa
塾長ファンは強力だなw
面白ければなんだっていいけど俺は
パオ、ふらーり乙。
塾長厨とパオ親衛隊がいなきゃ、良スレなんだがな・・・
こいつらまとめて処分できないもんか
253 :
作者の都合により名無しです:03/11/26 18:49 ID:emgV6EhG
黙ってSS楽しめばよかんべ
254 :
魔界編 49話:03/11/26 23:36 ID:NN5hw9bm
>>239 「お前、まさかわざとッ・・?」
桃の叫びが静寂を切り裂く。ほんのす数瞬前の光景を、桃はコマ送りのように鮮明に記憶している。
己の全てを込めた、大切な男たちに捧げた一刀。この一刀を最後に、仲間たちに別れを告げるはずだった。
思い切り袈裟斬りに、神魔剛竜剣を振り被った。技巧もフェイントも無い。ただ己を尽くしただけの剣。
それすらも、通常の聞仲ならかすり傷程度だったろう。仙人・聞仲は、強靭な氣の鎧を纏っているからだ。
しかし、桃は見た。その一瞬、確かに聞仲からその氣が掻き消えたのを。勿論、油断でもミスでも無い。
百戦錬磨の聞仲が、そんな失敗をする事はありえない。考えられる事はただひとつ。そう、たったひとつ。
・・聞仲は、自分から斬られた。全ての鎧を脱ぎ捨て、生身のまま神剣に己を晒したのだ。
肩口からざっくりと、胸と腹の間の辺りまで。神剣が聞仲の体を貫いている。桃は大量の返り血を浴びた。
「赤いな。私の血は、まだちゃんと赤い。ふふふ。痛いな。だが何故か、この痛みが心地良い」
聞仲が満足そうに己が血を眺める。瞳には戦意は既に無い。何か達観したような、どこか安心したような。
「心の内にずっと耐え切れぬ痛みがあった。故国を無くした記憶。私は心の痛みに耐え切れなかった。
痛みを消し去りたかった。だからバーンの誘いに乗った。私が暮らした国とは、違うと知りながら」
神剣はいまだ聞仲の肉体の中にある。剣を握る桃の力が鈍くなる。それと同じく、聞仲の息も弱くなる。
「バーンの力で痛みを忘れる事が出来た。だが私はバカだった。痛みを忘れるという事は、己自身。
人間の時に得た、失ってはならぬ物まで忘れる事、という事が分からなかった」
少しずつ聞仲の目が優しくなる。もう戦士の目ではない。人が最も純なる時。生まれた直後と、死ぬ間際。
そんな気配を桃は感じた。聞仲は最後の最後に戻ったのだ。本来の聞仲に。愛する殷にいた頃の聞仲に。
255 :
魔界編 49話:03/11/26 23:38 ID:NN5hw9bm
>>254 「神剣の戦士よ。痛みを恐れぬその姿。死すら超えるその魂。それが私に賭けをさせたのだ。
お前の最後の一刀。お前もその一刀に賭けていたな。全てを。だから私も己の肉体だけで受けた。
そして結果は・・。どうやら私の負けらしい。いや、最初から負けていたのか。お前の言う通りだ。
私は下らぬ男だった。失って戻らぬモノの為に、今生きる者を犠牲にしようとしていた」
桃はゆっくりと首を振って否定する。今、分かった。この男も、己の信念に生きていただけなのだ。
ただ、その方向を少しだけ間違えただけで。最後に間違いを理解した。だから無謀な賭けを受けたのだ。
「聞仲。訂正しよう。あんたは熱のある人間だ。その熱が熱過ぎて、少しだけ曲がってしまっただけだ」
しばらく視線がぶつかる桃と聞仲。憎しみや殺気ではない。全てを尽くした素晴らしい敵に対する敬意。
ただそれだけである。しかし、お互いの肉体は既に限界であった。特に聞仲は、内臓まで切り裂かれている。
「バーンは恐ろしい男だ。油断するな。そしてもう一人、バーン以上に恐ろしいかも知れぬ男がいる。
魔界3強最後の一人、究極生命体カーズ。戦闘能力ではアドルフ・ゴードンの方が上かも知れぬ。
しかし、倒せぬのはカーズだ。オーブを7つ揃え、伝説の大妖を呼び出したら、そのオーブを持ち
魔界の名工と呼ばれる男に逢うが良い。死者の森≠ニ呼ばれる場所に、今は隠遁しているはずだ」
「何故だ? 聞仲。俺はあんたの敵のはずだ。何故そんな情報を教える?」
「ただの礼だ。私の間違いを正し、その上・・。お前のおかげで、戦士として、人間として死ねる」
256 :
魔界編 49話:03/11/26 23:39 ID:NN5hw9bm
>>255 聞仲の肉体が透き通ってゆく。そして肉体は眩しい光の粒となり、天に立ち上ってゆく。禁鞭とともに。
「さらばだ、神剣の戦士。これから先、更に地獄の戦いが続くだろう。だが恐れるな。そして忘れるな。
お前の剣には、沢山の人間の絆がある事を。そしてそれは、この聞仲すら倒すモノだという事を」
消える光の粒。しかし桃には見える気がした。天上で、聞仲を笑って迎える、殷のかつての友が待つ事を。
桃の肉体から力が途切れる。糸の切れた人形のように、崩れ落ちる桃。そして渓谷の下に転がり落ちて行く。
「六輪咲きッ(セイス・フルール)!!」
ニコ・ロビンの声で、地から6本の腕が生える。腕はしっかりと桃をキャッチする。桃に駆け寄るロビン。
勿論、烈 海王も一緒である。桃は目をなかなか明けない。心配そうに見守る仲間2人。しかし、やがて。
「いつ見てもいい女だな、ロビン。烈、飯を用意してくれないか。腹が減ったよ」
そう言って剣 桃太郎は笑った。ニッコリと大きく。 ・・とびっきりの、とっておきの笑顔で。
257 :
魔界編 50話:03/11/27 00:03 ID:U8C92nQy
【第50話 バーンパレスへの道】
>>256 「2時間も遅刻じゃあッ。一体、何をしとったんだ!!」
本部 以蔵の分際で、時間には厳しいホームレスが、ロビンパーティを遠くに見つけて怒鳴る。
勿論、そよ風のようにシカトする3人。ロビンが辺りを見回す。そして、怪訝な顔で九十九に聞く。
「飛影がいないわね。一体、どうしたの?」
「立派に闘って、逝ったよ」
素っ気無く言う九十九。しかしそれがこの男の、哀しみの振る舞いなのだろう。暗くなるロビン。
早くも、対聞仲の時に烈に言った誓い・・。全員で帰る≠ェ不可能になってしまった。
しばらくの沈黙の後、黙って最後のオーブを差し出すロビン。九十九も懐からビデオテープを取り出す。
黒の章≠ニ呼ばれるテープ。人間の暴虐なる行いを収めた、怨念のエネルギーに満ちたテープである。
「早速、テープを見ましょうか。 ・・あっ!!」
「どうした色っぽい声を出してロビン。サカッたのなら相手をするぞ」
本部が余計な事を言う。一瞬で烈に半殺しにされる。地ベタに這いつくばる本部を椅子にして、烈が言う。
「そうだな。迂闊だった。ビデオデッキが無い。写す画面も、発電機も」
魔界に精密機器は無い。さて、どうしたものか。その時、烈のケツの下のルンペンが愉快そうに笑い出す。
「わっはっは。やはり、ワシがおらんと何も出来ん奴らよ。いいだろう。ワシがデッキを造ってやろう」
「造るって・・。 材料も何も無いじゃない。いよいよ狂ったの?」
「浅はかな小娘よ。材料ならこのトミ子があるわああッ!!」
本部が懐から取り出したのは、彼の装備アイテムのダンボールである。汚いモノを見る目で蔑むロビン。
「ダンボールで何をしようっていうの? ふざけないで」
「ダンボール工学を極めたワシに不可能は無いッ!! ダンボールは万能なる神の材料じゃい。
ある時は防寒性抜群の衣服に、ある時は通気性に優れたハウス用の建材に。どうれ、一発やるかい」
「出来る訳ないじゃない。ダンボールで機械製品なんて。無理よ」
「やかましいッ!! 本部 以蔵、無理を通してみせるッ!!」
2時間後。それは見事なビデオデッキとディスプレイ、そして発電機が完成した。
258 :
パオ ◆w/9ws2V0DU :03/11/27 00:05 ID:U8C92nQy
明日は(もう今日か)書けないかもしれません。
出来るだけ毎日書きたいのですが。ライタイまでは少し展開がおとなしいです。
259 :
作者の都合により名無しです:03/11/27 00:48 ID:G2qkG+kD
ハオお疲れー
烈桃ロビン乞食に押されて陸奥存在感薄いな
面白いから出来るだけ長く引っ張ってくれ
今日か明日マージャンくるな。そっちも楽しみ
本部オモロイww
261 :
作者の都合により名無しです:03/11/27 10:50 ID:j84aRzmL
ロビンさまが可愛いw
原作よりもちょっとだけ年が若い感じだな
どーでもいいけど「塾長厨」とか「勇次郎厨」って語呂わるいよな。
じゅくちょうちゅう?ゆうじろうちゅう?
そろそろ地上の様子が気になってきた。
勇次郎対象山が待ち遠しい
>>259 この濃いメンツの中だとな・・・
九十九は原作でも、戦闘時以外はぬぼ〜としてるから、影が薄いし・・・
烈とロビンはひっつくのだろうか?
腐女子代表のふら〜りさんはやたらこだわっていたが
今日麻雀来るよな。楽しみだ
本部ムチャクチャやなw
さすが解王
本屋に言ったら「パオ物語」という本があった。
オビに
「ガス室送りにされた21万匹のパオをどう思いますか?」
とかかれてた。(うろ覚えスマン)
死ぬほど笑った。
パオ氏も大変だががんばってくれ
>>267 パオさんの名前の由来ってなんだろう
ファイナルファンタジー5のモンスター?
なつかしい。たしかにパオっていたよな。
【包(パオ)】
麻雀用語。
役満の責任払い。
詳しくは、そのうちvsさんが解説してくれるはず・・・
>>267 一体これは何の本?この「パオ」ってなんなの?動物?
パオは元物質のコテ
俺はパオを許さない
つーか、愚者は? ザクは?
パオワールドの本部、ある意味ブルマ以上の天才だなww
いったい段ボールでどうやってビデオデッキを・・・
怒涛の三人リーチによるトビのピンチを辛くも回避して、その上
三馬鹿包囲網の一角、しずかの心をへし折って再起不能に追いやった。
のび太の満面に、揺るぎない自信が満ち溢れた。俺がしずかを倒した!
実際には、3,900点のクソアガリをねじ込んでしずかの三倍満を
台無しにしたのはアカギなのだが、そんな細かいことはどうでもいい。
ショックのあまり、麻雀牌を箸でつまんでザルに移す作業を繰り返す
放心状態のしずかとは裏腹に、のび太の胸は喜びに躍った。
オーラスの親は僕だし、そこで役満アガったら奇跡の逆転トップだし
万一負けてもお金は当然ジャイアン持ちだし。僕だけこんなに幸せで
いーのかしら!?
いや、全然幸せじゃないよな。国家権力の前では、俺だって所詮は
世の中の底辺のゴミ虫だし、麻雀の勝ち分で一生暮らせる訳でもないし。
そういえば、なんで俺だけ全裸なんだ?これって差別じゃねーのか?
あ、何かだんだん腹が立ってきちゃったぞ。どうしてくれんだこの野郎。
「貴様だけは許さんぞ、スネ夫!」
怒りにわななくのび太が、スネ夫をビッと指さした。
「何で突然怒り出してんだよ。いいからさっさとツモれよ、チンカス」
いちいちまともに付き合っていたらキリがない。長い付き合いで
のび太の妄想癖を知り尽くしているスネ夫が、のび太のご指名には一切
取り合わずにツモを促した。南二局一本場は、すでに始まっている。
「くそ!どいつもこいつも俺のことを馬鹿にしやがって!俺が総理大臣に
なったら、お前ら全員オナニー大臣に抜擢だ!」
ますます妄想に磨きのかかるのび太だが、それはともかく次の標的は
スネ夫で決まりだ。憎悪のたぎりを指先に込め、配牌を起こして理牌する。
四六八(3)(5)(6)1789東白白
悪くはない。白がポンできれば、役が成立してリャンシャンテンになる。
テンパイ時の待ちが若干苦しくなりそうな牌姿ではあるが、早い巡目で
あればどうとでもなるだろう。のび太の第一ツモ、七筒。打一索。
下家のしずかは、相も変わらず配牌を箸でつまみ続けている。炭火で
あぶって醤油につけて、口に運んだ牌が寸前でポロリとこぼれ落ちた。
白だ。
この女のやっていることが麻雀なのか否か、しばしの議論が交わされたが
とりあえず白に関しては捨て牌として認めよう、ということになった。
「ポン!」
すかさずのび太が鳴きを入れた。三枚の白を場にさらし、東を捨てる。
これで一翻確定だ。
「とぅ!」
次巡、七萬をツモって打三筒。のび太の癖して、早くもテンパイである。
四六七八(5)(6)(7)789 白白白←ポン
テンパイはしたものの、四萬タンキではアガリの目は薄い。ロンもツモも
ままならずに悶え苦しむのび太の前に、大きな壁が立ちふさがった。
すんません、続きは今から書きます。
第三部マダー?
281 :
作者の都合により名無しです:03/11/28 00:17 ID:j4KjEr9W
マージャンキターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハアハア
「リーチ」
八巡目、アカギの二萬が横に曲げられた。嘲りとも慈しみともとれる笑みを
浮かべているが、おそらく何も考えていないのだろう。
二巡後、対するのび太の手も動いた。六索ツモ。四萬を切れば、六索と九索の
ノベタンとなる。
「上等だコンニャロ!アカギだかパラダイス銀河だか知らねーが
当たれるもんなら当たってみやがれ!」
「待った!」
四萬を握りしめたのび太の右腕が、後ろから強い力で掴まれた。
ジャイアンだ。両のまなこに目ヤニをびっしり張り付けて、ご丁寧に
ナイトキャップまでかぶっている。こんな寝ぼすけ君に説教をかまされる
筋合いなど全くないのだが、心優しきのび太はとりあえず聞いてやる
ことにした。
「んだよゴリラ。発情期か?それともジャングルが恋しくなったのか?」
「お前、自分がのび太だってこと忘れてんだろ。殺すぞ。それより、その
四萬を切っちまうのか?」
「そりゃ切るに決まってんだろ。切ったらいけない理由でもあるのかよ」
「よし、ちょっとこいつを見てくれ。まだ四萬は切るんじゃねえぞ」
ジャイアンが、のび太の腕を離して隣りの卓に向かった。ただならぬ気配を
感じ取って、強気だったのび太も固唾を呑んでジャイアンの動きを
見守った。四萬は切りたくてしょうがなかったので、やっぱり切った。
二二三六七八(3)(4)(5)(8)(8)678
「雀頭はすでに出来上がっているとして、二萬か三萬のどちらかを切れば
テンパイというケースだ。のび太だったら、どっちを切る?」
「そりゃ二萬だよ。四萬でアガれば、ピンフの上にタンヤオもつくからね」
「ロン」
「だろ?目いっぱいに手を広げたくて、この二二三を最後まで持っている
打ち手が結構いるんだ。この場合、一萬と四萬が当たり牌ということに
なる。二萬に対する一四萬とか、五筒に対する三六筒と四七筒とか
捨て牌を挟んだ両側のスジをマタギスジと言って、終盤に切られた牌の
マタギスジはすっげえ危険なんだよ。分かったな!分かったら四萬は
切るな!絶対に切るな!」
二三五五(7)(8)(9)345678
「リーチピンフドラ一。5,800点の一本場は6,100点」
「はい、6,100点」
アカギへの支払いを滞りなく済ませたのび太が、ジャイアンを振り返って
力強く頷いた。
「分かったよジャイアン、終盤のマタギスジは危険なんだね!次からは
気が向いたら考える素振りくらいは見せるから、安心して夢の続きを
見てくれたまえ!」
「分かってくれたか、のび太くん!」
のび太をひしと抱きしめて号泣した後、ジャイアンは再びベッドに
潜り込んだ。ジャイアンのアドバイスなど完璧シカトでのび太が
四萬を強打して、その四萬をアカギがロンしている事実には、寝起きの
ジャイアンは気が付いていないようだ。だが、彼にとってはその方が
よかったのかもしれない。枕にヨダレの染みを作って、すやすやと寝息を
立てるジャイアンの寝顔の、何と幸せそうなことか。
「テメーが横でゴチャゴチャわめくから、振り込んじまったじゃねーか。
寝てろ。もう一生寝てろ疫病神!」
南二局二本場。嵐のような大いびきをかき始めたジャイアンに、のび太が
凄まじい悪態をついた。冷酷無比のスネ夫も、のび太のこの発言には
さすがにカチンときたようだ。
「のび太さ、ジャイアンは四萬を切るなって言ったんだぞ。言ったそばから
威風堂々と四萬切りやがった癖に疫病神呼ばわりって、アンタそれは
ちょっと無頼なんでない?」
自分の無頼は棚に上げてのび太を諫めるスネ夫だが、この時もう少し
アカギに注意を払うべきだった。スネ夫が手なりで切り飛ばした八筒を
アカギの悪魔の双眸が鋭く射抜いた。
「ロン」
五六六七七八(6)(7)22678
「タンピン三色。11,600点の二本場は12,200点」
「わーお!」
隙だらけの背中を袈裟懸けに斬られて、スネ夫が椅子から転げ落ちた。
「なろてめー!俺としずかはアカギの仲間だって何万回言ったと
思ってんだ!自分勝手にも程があんぞ!さては貴様、シャブ中だろ!」
「ねぇ。このオッサンは、スネ夫の仲間なんだよね?なんでさっきから
しずかちゃんの邪魔とかスネ夫からロンしたりとか、二人を地獄に
突き落とすような真似ばっかりしてんの?」
のび太がもっともな疑問を口にした。ヨロヨロと椅子に座り直した
スネ夫が、興奮醒めやらぬ口調でまくし立てた。
「こっちが知りてーよ!ここに来る前の雀荘で、ジャイアンがトイレに
行ってる隙に、俺としずかでアカギに話を持ちかけたんだよ。僕らと
一緒に麻雀を打ちませんか、今ションベン垂れてる偉そうなデブに
一泡吹かせてやりませんかって。おいアカギ、その時お前、ウンって
頷いたよな?え、そこんとこどーなんだよ!さては貴様、無職でホモだろ!」
「ククク…」
どんなにスネ夫が喚こうとも、一旦暴走を始めたアカギは誰にも
止めることができない。南二局三本場。
「ロン」
(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)南南発発
「ホンイツイッツー発。ククク…」
「ほげー」
しずか、残り2,300点。
南二局四本場。
「ククク…」
一二三九九九(1)(1)(1)1123
「ククク…」
「ほげー」
スネ夫、残り300点。いちいち役名と点数を申告するのが面倒になったのか
クククしか言わなくなったアカギに、ほげー以外の言葉を忘れたかのような
スネ夫としずか。スネ夫から受け取った点棒を箱に収めて、アカギが
空っぽになった右の掌を、今度はのび太に差し出した。
「ククク…」
思わず千点棒をその掌に乗せたのび太だが、乗せた直後に気が付いた。
「待てコラ。今の1,000点は、どういう謂われの1,000点だ」
「ククク…」
「答えになってねーよ!さてはテメー、貰えれば儲けもん位の軽い気持ちで
なんとなく手ぇ出しただけだろ!返せバカ!」
だがしかし、一度あげちゃったもんはどうしようもない。ファミコン全盛時代を
彷彿とさせる裏技で1,000点を失い、のび太、残り200点。
ここまでの点数は、以下の通りである。
アカギ 97,200点
スネ夫 300点
しずか 2,300点
のび太 200点
ジャイアン 時価
熟睡中のジャイアンを除いたスネ夫、しずか、のび太は、あとは死を待つのみの
虫の息状態である。華麗なるアカギマジックに魅入られた三人に、起死回生の
チャンスは万に一つもない。
絶望の淵に立たされたのび太が、最後の希望を託して親友の名を呼んだ。
「ドラえもーん!助けてー!」
287 :
作者の都合により名無しです:03/11/28 11:50 ID:WvJoXqZP
VS氏お疲れ。さすがアカギ強いですね。
あと、素晴らしく面白いけど
せめて週2のペースになりませんか?
1回の分量は今の6割程度でも構わないから。
288 :
魔界編 50話:03/11/28 22:21 ID:em/veFtc
>>257 目を白黒させながら、すぐ前のビデオデッキ等を調べるロビン。完璧。非の打ち所が無い出来である。
再生だけで充分なのに、三倍録画機能や一週間予約機能まで付いている。無駄に職人魂を発揮している。
IQが自分の半分も無い惨めな路上生活者が、こんな天才的な才能を持っているとは。人間とは深い。
一方、何故か本部はシクシク哀しそうに泣いている。地ベタのダンボールの切れカスを見ながらである。
慈愛に満ちた面持ちの烈が本部に近づき、優しげに微笑む。だが少し素直になれない本部。
「なんじゃ烈。そんなに可笑しいか、ダンボールを見て泣く50男の姿が」
「何を言っている。そこに落ちてるモノはお前にとって何だ。大切なんだろう」
「ううう。そうじゃ、このトミ子は苦楽を共にしてきた、ワシの青春の・・」
「そうか。汚いから早く燃やしとけ、そのゴミクズ」
「うらああああああッ!!!」
本部 以蔵は、生まれて初めて烈 海王に本気でタイマンを挑む。結果は惨敗。血まみれの本部の懐から
仙豆を取り出し、桃と半分ずつ分けて食べる烈。体力と怪我が随分回復する。本部は初めて役に立った。
烈は本部を椅子にして、その上にドッカリと座る。そして桃、ロビン、九十九を見回して言う。
「さあ、そろそろ鑑賞しようか。その黒の章≠ニやらを」
289 :
魔界編 50話:03/11/28 22:22 ID:em/veFtc
>>288 黒の章のビデオが再生されていく。ディスプレイに映った陰惨で苛烈な映像に、吐き気を覚える精鋭部隊。
そこには、人間の醜い部分。唾棄すべき黒き負の感情が、拷問・殺戮・陵辱などの実際の行為として
連綿と映し出されていた。シンとする精鋭部隊。しかしロビンは疑問に思う。これは本当に黒の章なのか?
確かに残虐ではあるが、見方を変えれば極めて趣味の悪い、ただのスナッフビデオである。珍しくは無い。
(悪名高い黒の章≠ニは思えないわね。なんて言うか、闇の波動みたいなものを感じない)
ビデオを見始めてから2時間ほど経ってから、サッーと画面が乱れる。そしてプツッと急に終わった。
そこから先は何も録画されていない。おかしい。このビデオはこんな短くは無いはず。ロビンは顔色を変え、
九十九にこのビデオをどうやって手に入れたかを問う。ゴードンから手渡されたと知るや、思案顔になる。
「多分、この先の映像の部分が本当の黒の章≠セったんだわ。私たちが見たのはただの序章で」
「それはどういう事だ、ロビン。この先はどうしたんだ? そして何が映っていたのだ?」
「桃。きっとこのビデオの本当の部分は、既に大魔王に献上されているのよ。闇の力を抽出して」
「話が見えんな。わたしにも良くわかる様に話してくれ。献上されたとはどういう事だ?」
「いい、烈? このビデオには、人間の暗黒面が全て記録されていたの。そして憎悪や怨恨といった
負の感情は闇の力を帯びる。きっと私たちが見れなかった部分には、闇の力が凝縮されていた。
バーンはおそらく、それを己の力として手に入れたのよ。黒の章≠フ本編から」
「つまり、魔界最高の力を持つ男が、更に強くなってしまったという事か」
九十九は相変わらず恬淡としているが、他の3人は暗い表情である。本部は烈の下で気を失っている。
「悩んでいても仕方ないわ。それに、闇に対する光の力もあるはずよ。それより、オーブを出して。
いよいよ伝説の大妖を復活させましょう」
290 :
魔界編 50話:03/11/28 22:23 ID:em/veFtc
>>289 ロビンの言葉に、7つのオーブを地面に置く精鋭部隊。緊張が走る。すると突然、オーブが明るく輝き出す。
急に空に浮かび上がり、7つのオーブが縦長の楕円を描く。すると囲まれた空間の中から、ドアが現れた。
「このドアを潜って、ダンジョンに行けという事か」
烈がそう言って無造作にノブを握る。一呼吸した後、静かにドアを引く。一本道の暗く長い道が続いている。
「異空間ね。どこへいくのかしら、この道」
「行けば分かるよ。行かないと分からない」
ロビンの疑問を容易く喝破する九十九。ドアを静かに潜る。道は意外と短かった。200メートルほど歩くと、
行き止まりの空洞に突き当たった。そしてそこには。槍に貫かれた、たてがみのある牛のような怪物がいた。
「これが伝説の大妖怪の長飛丸≠ヒ。大きさは牛より一回り大きいくらいか。4人も乗れるかしら」
ロビンが注意深く大妖を観察する。ちなみに彼女のカウントの中に、本部は入っていない。烈がロビンに聞く。
「確かに元は妖怪らしいが・・。これは、ただの石像ではないかッ!!」
確かに大妖はそこに存在する。だが烈の言う通り、完全に石像と化している。そして石像の胸に、古びた槍が
深々と突き刺さっている。ただそれだけだ。生命活動の気配が無い。ロビンはため息をついて提案する。
「ここにいても仕方ないわ。この大妖の石像を、外に運び出しましょう。話はそれからね」
ドアの外まで石像を運び出した精鋭部隊。流石のロビンも、どうしたら良いのか分からないらしい。
「自分で石化したのか、何かの呪いに懸かったのか。でもどのみち、このままじゃどうにもならないわ」
その時。先程までくたばっていた本部が急に目を覚ました。烈を見て、急に怒りだす本部。狂ったように叫ぶ。
「烈、貴様もう許せんわッ!! 天誅を食らわせてやるわいッ。おお、そこにちょうど良い槍が」
本部は伝説の大妖に突き刺さった、破邪の槍を抜き取ろうとする。しかし槍は途中でボキンと割れてしまった。
そしてそのまま粉々になり、風化して消滅する。呆然とする精鋭部隊。照れ臭そうに笑う本部 以蔵。
「エヘ。ひょっとしてやっちゃった、ワシ?」
291 :
魔界編 50話:03/11/28 22:51 ID:em/veFtc
>>290 「伝説の破邪の槍、獣の槍≠ェ・・。武具としてでもなく、考古学上も貴重だったのに」
その一言を最後に絶句するロビン。重苦しい沈黙が辺りを包む。しかし優しくロビンを慰める、一人の男。
「かたち在る物はいつか壊れるものよ。さあロビン、そんなに悲しければワシの胸で思い切り泣けッ」
本部 以蔵が両腕を大きく広げ、ロビンを抱き締めようとする。烈の中指一本拳が、痛快に本部を破壊する。
「反省しろ少しはッ。 ・・だがロビン。この乞食のいう事も一理ある。今は壊れた槍よりも、
石化した妖怪を何とかするのが先だ」
「それなら、人間界のこういう事に詳しい人に、協力を仰ぐしかなさそうだね」
烈の言葉に九十九が応える。九十九は普段口数が少ない分、たまに発言すると的確な事が多い。桃がうなずく。
「そうだな。塾長に通信機で連絡して、相談してみる。しばらく報告を怠ってしまったし、
何より人間界の状況も心配だ」
そして桃は通信機を取り出し、影道の塔の臨時塾長室(司令室)へと連絡を取った。
「桃か。塾長代理のビスケだわさ。江田島は今、戦傷療養中だわさ。何動揺してるわさッ!!
男子災凶のおいて不動なり。男塾の教科書に載ってるはずだわさ。大丈夫。心配いらないわさ。
あの男は不死身だ。 ・・それは、アタシより、お前たちの方が良く分かってるはずだわさ」
通信機から聞こえる声は、江田島ではなくビスケであった。一瞬動揺するも、ビスケの一喝に冷静になる桃。
「押忍。失礼しました、塾長代理。 ・・飛影が立派に逝きました。そちらの状況はどうでしょうか?」
「・・。今のところ、こっちに戦死者はいないわさ」
嘘だ。桃は直感する。多分、俺に近しい者が死んだ。だが何も言わない桃。嘘を付くのもビスケの優しさなら、
騙されてやるのも優しさだろう。桃は現在の状況と、今いる場所、そして現況打開の為の応援を要請した。
「そうか。石化とは面妖だわさ。わかった。そんな超常現象のプロを、応援によこすわさ」
超常現象のプロの応援・・? その言葉にいや〜な予感を覚えながら、桃はビスケとの通信を切った。
292 :
パオ ◆w/9ws2V0DU :03/11/28 22:59 ID:em/veFtc
相変わらずVSさんは、1行一句のキレ味が只者ではないなあ。
ついに捨て牌読みまで来ましたか。2部は闘牌メインみたいですが、
それをこういう風に面白く書けるなんて、本当に羨ましい才能です。
>>267様
笑った。21万匹の死んだパオの為にも、頑張らないといけませんな。
あと、パオというのは
>>270さんのおっしゃる通り麻雀用語から取りました。
別にフリテンでもチョンボでも良かったけど、一番可愛い語感だったんで。
訂正です。南二局四本場終了時点の四人の点数を
アカギ 98,400点
スネ夫 800点
しずか 600点
のび太 200点
と改めます。
>パオさん
>「そうか。汚いから早く燃やしとけ、そのゴミクズ」
と言った時には、既にダンボールに灯油くらいは
ぶっかけていたんでしょうな、烈。今月に入って
一番笑ってしまった。
>287
うーん。ホームページの1話分を前後編にぶったぎって
週2回更新だったら、やれなくはないような気もします。
ただ、あんまり変な所で切れてしまうようだと、ちょっと
気持ちが悪いんですよね。その辺いろいろ調整してみて
可能であれば、週2回更新でやってみるかもしれません。
うやむやになっちゃったらゴメンナサイ。
294 :
作者の都合により名無しです:03/11/28 23:45 ID:Qqa0a1To
パオ氏VS氏頑張って下さい。
あなた方のSS見る為に少年漫画板に来てるみたいなものです。
>そうか。汚いから早く燃やしとけ、そのゴミクズ
笑ったけど、これダウンタウンの野球ネタのパクリじゃない?
やっぱバキスレ最高だよ。
それに比べて(ry www
奴らのせいでこっちの株まで下がったよな
296 :
作者の都合により名無しです:03/11/29 00:13 ID:lpIhPcH0
>>295 株を落としているのはおまえのようなクズだけどなww
あの塾長が戦傷療養中だってさ。所詮は人間だってことだな。
>>295 頭のおかしな人には気をつけましょう
利用者が増えるに従って、頭のおかしな人もそれなりに出没するようになって来ています。
頭のおかしな人に関わるとなにかと面倒なことが起こる可能性があるので、注意しましょう。
頭のおかしな人の判定基準
・「みんなの意見」「他の人もそう思ってる」など、自分の意見なのに他人もそう思ってると力説する人
他人が自分とは違うという事実が受け入れられない人です。自分の意見が通らないとコピペや荒らしなど
無茶をし始めるので見かけたら放置してください。
・根拠もなく、他人を卑下したり、差別したりする人、自分で自分を褒める人
他人を卑下することで自分を慰めようとする人です。実生活で他人に褒めてもらう機会がないが
プライドだけは高いとか、匿名の掲示板しか話し相手のいない人です。可哀想なので放置してください。
・自分の感情だけ書く人
「〜〜がムカツク」とか自分の感情を掲示板に書くことに意味があると思っている人です。
何がどのようにムカツクのか論理的に書いてあれば、他人が読んでも意味のある文章になりますが、
そういった論理的思考の出来ない人です。もうちょっと賢くなるまでは放置してあげてください。
>>超常現象のプロ
よしっ!MMR緊急出動だ!!
301 :
作者の都合により名無しです:03/11/29 07:03 ID:rNxPsTs8
302 :
作者の都合により名無しです:03/11/29 09:15 ID:V2mHxnVm
コミックス20巻を読んでから大ライ台賽の 組み合わせが気になってしようがないです どなたか教えて下さい
303 :
魔界編 50話:03/11/29 11:03 ID:DB/PH4Tv
>>291 超常現象のプロ。桃のその言葉に、不安感を覚える一同。全員同じ人間を思い浮かべたからだ。
奴らか? 奴らが来るのか? 本当に役に立つのか、あいつら? 必死で不安を振り払う精鋭部隊。
大丈夫だ。一応、塾長代理の推挙だからな。無理矢理そう思い込んで、烈が勢い良く立ち上がる。
「どのみち応援が来るまで、何時間も掛かるのだろう。ではそろそろ夕食にするとしようか。
腹が減っただろう、みんな? わたしが少林寺の伝統料理を作ってやる」
「フフッ。美味しそうね、お手伝いするわ、烈」
食材を広げ、調理し始める烈とロビン。その様子を仁王立ちして睨み付ける本部。本部が桃に聞く。
「一体何があったんじゃ、ロビンとゴリラは? ワシの目は誤魔化されんぞ、桃ッ!!」
「別に何も無い。10日も3人で旅してたんだ。打ち解けるのが普通だろう」
「嘘をつけえッ。七珍の塔の時は、ロビンの言いなりになっとったくせに、あの謎の中国人。
今は昼下がりの新婚さん状態じゃあッ。そんなにロビンはハダカエプロンが似合うかぁ!!」
「ストップじじい。気でも狂ったか」
「まさかあの筋肉バカ・・!! 人としてやっちゃいかん事をやりやがったな!!」
「いい加減にしないと本当にこの場に捨ててくぞ、本部」
「きっと奴は背後からロビンに忍び寄ったんじゃあッ。そして急に襲い掛かり、嫌がるロビンの
豊満で形の良い胸を、ケダモノのように揉みほぐし、細いウエストと引き締まった尻の上に
張り付いた服と下着を無理矢理剥ぎ取ると、股間の暴れん坊将軍をロビンのお・・ぎゃあッ!」
304 :
魔界編 50話:03/11/29 11:16 ID:DB/PH4Tv
>>303 桃の手刀が本部のノドを貫いている。悶絶して倒れる本部。ゴロゴロ転がりながら、泣き叫び出す本部。
「どうせワシみたいなピュアなチェリーボーイは、あんな良い女とは一生縁がないんじゃあ。
妄想の中でテクニックを磨いておればいいんじゃあ」
50にもなって童貞かよ!! ・・その言葉を呑み込む桃。本部相手でも言ってはいけない言葉である。
本部の哀しい事実が露見した後、みんなで烈の料理に舌鼓を打った。 ・・そしてそれから4時間後。
「何て事だ・・!! ノストラダムスの恐怖の大王とは、大魔王バーンを意味してたんだよッ!!」
悪い予感ばかり良く当たるものである。超常現象のプロ、MMRキバヤシと愉快な仲間達、見参。
落ち着け。奴らもプロだ。きっと大妖の石化を解く方法を教えてくれる。必死で自分に言い聞かせる精鋭部隊。
チョット待て。こいつらってプロか? ただの変態サラリーマン集団じゃなかったか? 不安が過ぎる烈たち。
キバヤシは精鋭部隊を尻目に、快調にデンパを飛ばしまくる。実は聖徳太子はネオ・ナチスの工作員だった。
火星人類移住計画は来年から実施され、その第一号は和田アキコらしい。 ・・キバヤシの病状は悪化している。
以前はただの妄想癖が、今や精神病の領域まで達している。血の涙を流して、キバヤシデンパに耐える精鋭部隊。
しかし3時間もデンパを浴びると、流石に限界である。烈は出来るだけ穏便に、そして紳士的に話を切り出した。
305 :
魔界編 50話:03/11/29 11:35 ID:DB/PH4Tv
>>304 「大変興味深い話だが、キバヤシ君。そろそろ石化の解き方を教えてくれないか?」
コメカミに血管をピクつかせながら、それでも穏やかな笑顔でキバヤシに問い掛ける、烈 海王。
烈も大人になったものだ。1週間前の彼なら、光の速さで暴れているはずである。
しかしキバヤシ。今までの饒舌さが消え、彼の表情に急に影が差す。そして顔を横に背けると、
搾り出すように烈に言った。
「俺にだって・・。わからない事くらい・・ある・・」
「わざわざ魔界までケンカ売りに来たのか、てめええええッ!!」
お約束通りブチ切れる烈 海王。必死で止める桃・ロビン・本部。ちなみに九十九は2時間も前に
見切りをつけ、テントで睡眠を取っている。以外に世渡り上手な男である。怒り狂っている烈。
その時、都合良く鳴るキバヤシの携帯電話。烈を軽く無視して、携帯に出るキバヤシ。
「何? 新宿にミステリーサークル出現? よし、MMR緊急出動だ!!」 「おおっ!!」
そしてそのまま、闇の中に消えていくMMRキバヤシとその仲間たち。呆然と立ち尽くす精鋭部隊。
一体何しにきたんだ、あいつら? ・・何はともあれ、振り出しに戻ってしまった。
これからどうすれば良い? こんな助っ人を送るビスケは当てにならんし。その時、闇に響く笑い声。
「ほっほっほ。何かお困りのようですねぇ。大丈夫、良いお話がありますよ、ほっほっほ」
306 :
パオ ◆w/9ws2V0DU :03/11/29 11:43 ID:DB/PH4Tv
本ネタ3バカの一角、MMRキバヤシ。本当はもっと出したいのですが、
多分これで彼らの出番はありません。ライタイにもキバヤシは出ません。
他の3バカはレギュラーですが(本部と雄山)キバヤシは脇役なんで。
あと、どうでも良いトリビア。今回出た聖徳太子。彼の肖像画。
教科書に載ってる、一万円札に昔なったやつね。あれ、本当は違うらしいです。
聖徳太子と。別人という説が今は強いらしい。こういうのは多いらしいですね。
例えば武田信玄も、肖像画では太って書かれていますが、本当の彼は病弱なので
実際は痩せていたらしいし、西郷隆盛も書かれているのは実は弟らしいです。
どうでも良い事ですがもし参考になれば。ただしウロ覚えの知識なんで、
もし間違ってたらごめんなさい。
>>305 >「俺にだって・・。わからない事くらい・・ある・・」
「わざわざ魔界までケンカ売りに来たのか、てめええええッ!!」
キバヤシ無茶苦茶ワラタ。
こんな美味しいキャラがもう出ないのはもったいなさすぎ、
パオ殿、どうかキバヤシにもう一度ジーフィーを・・・・
バキの総合スレはどこ?
烈と桃がまともになった分、本部が爆走しはじめたなw
俺もロビンの裸エプロンが見たい。
あと、パオ氏とVS氏の合作とか出来ませんかね?
トップ職人同士のコラボレーションが見たいな。
どうでもいいが、ふら〜りにも感想してやれって。
パオとVSのがおもしろいんだろうけど、かわいそうだ。あまりにも。
このスレの悪い所の一つだよね。新人が育つわけがない。
313 :
作者の都合により名無しです:03/11/29 13:09 ID:to852V+M
>>312 確かに失礼だな。
実際ふらーりさんのはかなり面白いと思うよ。
ほのぼのしてて、読んでて心が温かくなる。
実際そういうのを書ける人ってあんまりいないと思うし。
確かに強力なのが2人もいると、逆に新人が育たないかも。
番外編とハンターいなくなったし。楽しみに読んでたけど。
排他的な雰囲気は相変わらずだな…。
315 :
作者の都合により名無しです:03/11/29 14:18 ID:txdV2U6f
ふら〜りさんはバキスレの宝。
座敷童みたいに、彼(彼女?)がいなくなると
このスレが廃れます。
>>314 別に排他的ではないと思うけど。書き込み多いし。
それに今面白ければ別にいいじゃん。
先の事考えたって仕方ないし
実際ハンターや番外編にどれだけのレスがついた?
ふら〜りもだが。
ほとんどゼロのはずだ。
直後に来たパオVSの作品は祭り上げて、新人や雑魚の作品は無視ってか?
まあパオが今まで暇人で、異常なくらいうぷしてたってのもあるけどさ。
ふら〜りさんが三レスぐらいかけて書いた作品を無視し
その直後に来たパオの作品を極端なぐらい賛美するここの住民にちょっと
嫌気がさしてしまった。
>>316 それらの作品がその完成度に見合った評価をあたえられていないのだと
思っているのなら、まずあなた自身がレスをして評価してやればいいだろうに。
そしてその面白さを皆に伝え、注目するように呼びかければいい。それだけの事だ。
何故ファンを取り巻きだなどといって批判するような、迂遠な物言いをするのだ?
事実だろ。
>>316は姿勢の問題を言っている。
まぁお前の言っている事も正しいけどな。
320 :
作者の都合により名無しです:03/11/29 17:55 ID:VRdEQvmQ
普通にROMが多いだけと思うんだけどね。
>>316さんのいう事も正しいと思うけど、
他人を雑魚呼ばわりはちょっと。
こんな事でパオさんVSさんふらーりさんたちが書き辛くなると嫌だな。
ただ、
>>316さんの言われる事も正しいな。俺も番外編とハンター各作者氏へ
感想レスあげなかったくせに、いなくなったら「どこいった?」とか
ほざいてた。反省する。
321 :
作者の都合により名無しです:03/11/29 18:02 ID:PEd0rjcH
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322 :
作者の都合により名無しです:03/11/29 20:57 ID:oOYxjt+0
>>302 一試合ごとに判明していくシステムで、第一はオーガ対劉、第二はjr対除
第三がバキ対李、第四が郭対サムワン
323 :
作者の都合により名無しです:03/11/29 21:04 ID:5c1I7i7I
>>320 俺もレスしてないのに早く書かないのとか思ってた。
レスがつかないのは単純に読んでも書く事がなかったから もしくは面白くないと感じたか
無理にレスする必要なはない レスがないから止めるなんて本末転倒も良い所だ
レスがつかなくても黙々書いてる1985を見習えよwww
まぁそもそも「職人のオナニー」だった筈なんだから、
ROMの言動その他で職人が影響を受けるってのはおかしな話だな。
おいおい、オナニー覗かれて気にしない奴はそうそういないだろ・・・
吹雪が止み、快晴となった翌朝。刃牙たちのいる村から、山一つを隔てたところで。
「い〜い湯・だ・な、はははん♪ い〜い湯・だ・な、はははん♪」
豪華旅館の露天風呂に、一人の男が浸かっていた。天然熱燗だぜいっ、とばかりに湯の中に
沈めていた一升瓶を取り出すと、きゅぽん、と栓を抜いて、んぐんぐ飲む。
岩風呂で朝風呂、でもって朝酒の雪見酒。優雅なものである。
「ぷはぁ〜っ! いやあ、やっぱいいなこういうのは。ちなみに、知ってるか隕石?
アメリカやヨーロッパに行って、どんな豪華なホテルに泊まっても、温泉大浴場がないことを
不満に思うのが日本人って奴なんだ。大阪の金貸しが言ってたんだがよ」
などと朝っぱらから日本人論をぶっているこの男の名は、地上最強の生物こと範馬勇次郎。
そして「隕石」と呼びかけられたのは、彼の体に同居している男。
《温泉と日本人の関係についての専門的知識は、私にはないのだが……》
彼は光の国のエリート戦士、その名もウルトラマン。
《とりあえず、君のそのはしゃぎっぷりを見ていると、温泉だけが目当てでここに来たとは思えない》
勇次郎はニヤリと笑うと、山の方を向いた。
「あの山の向こうに、海が見える。……もとい、我が息子刃牙がいる。そして、俺はあいつに、
クリスマスプレゼントというものをやったことがない。で、あいつが雪山に行ったと聞いて、
これはいい機会だと思ってな。ちっと早いが、街はクリスマスムード出てるし、ま、いっか、と」
《どういうことだ?》
「既にストライダムの奴に言って、アラスカからトナカイを取り寄せた。ソリと衣装と、
白い付け髭も用意した。後はトナカイの首に付けた鈴を盛大に鳴らしつつ、山を越えて刃牙んとこに
行くだけだ。スキー客用のペンションとかもあって、ギャラリーは大勢いるらしいしな。ふふふふ」
ウルトラマンは、その光景を想像して。それから少し、考えて。
《要するに君は、それほどの手間暇をかけてでも、息子に赤っ恥をかかせたい、と?》
「ほう。お前も少しは、俺という人間を理解しつつあるようだな」
《……》
朝っぱらから温泉で、じんぐっべー、じんぐっべー♪ と男の歌声が響いた。
同時に重い溜息も漏れたのだが、それは歌っている男の体内だけに響いていた。
夕べの吹雪が嘘のような、快晴の空の下。刃牙は雪をざくざく踏んで、礼子の小屋へと向かっていた。
独歩と互いに情報交換して、いろいろと刃牙なりに考えてみた。特にあの、最後に礼子を見た時の、
謎の影のことを。村人の目撃証言からして、あれこそ刃牙たちが退治にきた「村人を襲う、
雪女の手下のバケモノ」こと夜叉猿に間違いあるまい。
『……あれは礼子さんのお母さんが、この世に残した娘のことが心配で心配で、それで生まれ変わって
姿を変えて、出てきたんじゃないかな。だから夕べ礼子さんを助けたし……礼子さんをいじめた奴に、
仕返ししたりしてるんだ。礼子さんを守る為に』
山の神様が、母親の幽霊の願いを聞き届けてくれた。だから山の獣とはケンカできず、対狼戦には
助太刀できなかった、とか考えるとつじつまが合う。
それにしても、有害鳥獣駆除のつもりが、随分根の深い事件に首を突っ込んでしまった。これでは
問答無用で夜叉猿を殺すことなんてできない。言ってみれば礼子の守護霊である。
「う〜ん……」
結論の出ないまま、刃牙は小屋にたどり着いた。昨日はあんな状態だったから、礼子は苦しんで
寝込んでいるかもしれない。村人にあんな扱いを受けている礼子のこと、もしそうなら今日は
つきっきりで看護してあげよう。
と思って、刃牙は昨夜とは違い、そ〜っと戸を開けた。
「ほきょあ?」
刃牙は、コケた。盛大に思いっきり、豪快に顔面から突っ伏した。
なにしろ戸を開けたら、白いエプロン姿の夜叉猿がいたのである。おかゆの乗った盆を手に、
礼子の寝ている寝台に向かっていく途中で、振り向いて刃牙と目が合ったらしい。
夜叉猿は、小首を傾げて刃牙を見て、
「ほきょあ?」
「……いや、ほきょあ? とか言われても」
ぐぐっと腕に力を込めて、刃牙は立ち上がった。……目の前にエプロン姿の夜叉猿がいる。
どうしたもんだか困っていると、やがて夜叉猿は刃牙に背を向けて、礼子の寝台に向かっていった。
そして、礼子の体を起こすと(寝巻きらしい、白い着流し姿。体調のせいか病的に青白い顔色も相まって、
今は完璧に雪女に見える)、匙で掬ったおかゆをふうふう吹きながら、少しずつ礼子に食べさせている。
刃牙は思う。やっはりこの猿は……
「あ……刃牙さん」
おかゆを食べ終えて、もう一度横になってから、やっと礼子は刃牙に気付いた。
「おばあちゃんは……どうなりました……?」
昨夜、猛吹雪の中をラッセル車の如く爆走していたのと同一人物とは思えない、弱々しいその声。
刃牙は痛々しく思いながら、
「村の向こうは、雪崩とかなかったそうだから。昨日の内に、救急車で街の病院へ運ばれたよ」
「そう……ですか。良かった……」
「それより、礼子さんこそ。なんだったら、俺たちの乗ってきた車ででも」
「……いえ。お心遣いは感謝しますが、昨夜も言った通り、慣れてますから。それに……」
礼子の瞼が、徐々に閉じていく。
「私には、夜叉が……いてくれ……ます……」
「礼子さんっ?」
刃牙は慌てて寝台に駆け寄ろうとした、が、夜叉猿に肩を掴まれて止められた。
夜叉猿は、人差し指を立てて唇に当てて、「しーっ」としている。刃牙が一歩下がると、
夜叉猿は礼子の布団をかけなおして、空になったお粥の碗を片付け始めた。
『……母さん、だなあ……』
ずっと忘れていたけれど。本当に幼い頃、ごく僅かだけ、刃牙にもこういう経験があった。
その時のことを、しんみり思い出していると……
「出て来い! そして出て行け、雪女っっ!」
小屋の外から、大勢の大声が聞こえてきた。刃牙が窓に駆け寄って見てみると、村の男たちが
三十人ほど、小屋の前に集まっている。そしてその全員が、包丁、ナイフ、鉈や斧を持っている。
ただならぬ殺気が伝わったのか、夜叉猿は窓に近寄らずして、既に臨戦態勢。拳を握っていた。
「ほぎょあ……!」
刃牙は慌てて、
「待った待った! ここで君が出て行ったら、それこそ大暴動の大パニックになる!」
と、つい大声を出してしまって、まだ礼子が眠っていることを確認して、声を潜めて言った。
「ここは、俺が何とかみんなを説得するから。だから、絶対に君は出てこないこと。でないと、
君自身はもちろん礼子さんの身にも危険が及ぶ。解った?」
「……ほきょあ」
一応、解ったっぽい顔をする夜叉。刃牙はその胸をぐっと押して「出て来るなよっ」と念を押すと、
一人、小屋を出た。後ろ手に戸を閉めて、村人たちに向かう。
おほん、と一つ咳払いをして。
「みなさん、落ち着いて聞いて下さい。俺は」
「あっ! 昨日ペンションに泊まるのを怖がって、泣いて嫌がってたガキ!」
「……はい、そうです。で、その結果俺は、ここに泊まろうとしたんですが……」
刃牙は、昨夜のことを説明した。おばあさんを助けようとして礼子が大怪我をしたこと、
そのおばあさんを病院へ速やかに運ぶ為に礼子が身を引き、今寝込んでいることなど。
「なるほど、感心だ」
村人たちの先頭にいた男が深く頷いて、
「君はただのペンション恐怖症少年だと思っていたが、赤の他人を助ける為に、たった一人で
それだけのことができるとは。いまどき珍しい感心な子だ」
「は? あの、ですから、俺は最後に村まで着いて行っただけで。実際に救助活動をしたのは、」
「違う違う。君は知らんだろうが、村の伝承にちゃんとある。雪女は旅人に幻影を見せるんだ」
……刃牙の頭の中に、一瞬、木枯らしが吹いた。
「いいか? あの女はだな、まず山に迷い込んだ婆さん、すなわち獲物を、狼の群れを操って
襲わせたんだ。そこに君が通りかかって、双方を追っ払って婆さんを救出し、村に連れて
きてくれた。だがあの女は諦めず、村まで密かに着いてきていた。しかる後、その存在に気付いた
君が女を再び追っ払った。が、婆さんを預けて気が緩んだ君は、逆恨みしたあの女に術をかけられ、
偽りの記憶を植え付けられた。どうだ、見事にスジが通るだろう」
「……」
332 :
ふら〜り:03/11/29 22:43 ID:ZgomjO6i
原作ウルトラマン通りだと、このまま一直線に、誰一人救われない展開になります。そこを
少し変えてみるつもりです。少々強引に、ではありますが。
しかしバレさんの仰る通り、昔は今より暗〜い、トラウマの源泉となる作品が多かったですな。
>>VSさん
アカギ、何だかようやく彼らしく、黙々と打ち始めた……と思ったらファミコン全盛時代の裏技。
侮り難し。裏技と言えば、やはりゼビウスの無敵とシンシアの野球拳が一番有名なのかなぁと
思い出に浸ってみたり。
で遂にドラえもん、と。にしても、アカギVSドラえもんが見られるのは、全宇宙でも
VSさんのSSだけでしょうねぇ……つくづく、いやはや。
>>パオさん
本部、私としては既に「可愛い」どころか「愛しい」レベルに入りつつありますが、作中では
容赦なくボロクソに扱われているところがまた……良いですなぁ♪
あと九十九。妙に柔らかい言葉遣いの、「〜だよ」「〜だね」とか、飄々としたところとか、
改めて考えて見ればそういうヤツだなぁと。正確な描写をされてたということですね。さすが也!
>>ALL
♪ケンカをやめて〜♪ と歳をバラしつつ。
感想が来ないのは、確かに少し寂しいと思ってましたが、逆にホッとしてた面もあるんです、実は。
例えば「お前みたいな低レベルなのが書くな」とか言われて私が凹んで、そしたら反論して
くださる方が来て、ありがたいけどそれでまた反論が来て……となったら最悪ですし。
ですから、とりあえず、「非難されず書かせて貰える」というだけでも嬉しいので。私は。
無論、私の気持ちが職人の総意だと言うつもりはありませんが、どうかこの辺で矛を収めて下さい。
>>ふら〜り
セックスしよう
334 :
魔界編 50話:03/11/29 23:23 ID:Rj8O6Mej
>>305 「誰だ、貴様ッ!!」
烈の怒声が闇に響く。烈の勘が告げる。目の前の男、只者では無い。今まで、気配は全く感じなかった。
しかし目の前の男は、今は確かな存在感をもってそこにいる。殺気も闘気も無い。見た目は貧弱だ。
だがその男はただそこにいるだけで、精鋭部隊を畏怖させる何かを持つ。九十九も異変に気付き、
テントから這い出てきた。ロビンも桃も戦闘態勢だ。ただ一人本部だけが、ボーっとして突っ立っている。
「ほっほっほ。そう構えないで下さい。私の名は喪黒 福蔵。しがないセールスマンですよ」
「そのセールスマンが何の用だ。返答次第によっては、歩いて返さん」
「ほっ。怖いですな、剣さん。わたしはお誘いに来ただけですよ、そこにいるニコ・ロビン嬢を」
この男、なぜ俺やロビンの名を知っている? やはり魔王軍か。 ・・桃は神剣に手を掛け、身構える。
「ほっほ。私は敵ではありませんよ。勿論、味方でもありませんが。どうぞ剣を収めて下さい。
ロビン嬢に2つプレゼントがあります。一つは解王の称号。もう一つは、ライタイの参加権」
そのライタイ≠ニいう言葉に反応する本部 以蔵。目の前の怪しいセールスマンの前に、立って叫ぶ。
「ライタイじゃとッ。あれは来年のはずじゃあ。それに何でポッと出のロビンが解王なんじゃッ」
「私も要らないわ。そんな称号。それに、こんな時に変な解説大会なんて出れないわ」
「このバカがッ。ライタイは全世界の解説者の憧れの大会。もし優勝すれば、名誉ある称号・・。
解皇≠ニなれるんじゃあッ!! 世界中の解説者の頂点となるんじゃぞッ!!」
「ますます要らないわ、馬鹿馬鹿しい。それに、今はバーンを倒すのが先決でしょ」
「この物を知らん小娘が・・。恥を知れッ!! ついでに服も脱げッ!!」
揉めるロビンと本部。勿論、残りの3人はロビンの味方である。フクロにされる本部。喪黒が静かに言う。
「残念ですねぇ。優勝者には解皇≠フ称号だけでなく、どんな状態も治す事の出来る秘薬・・。
生命の水=iアクア・ウイタエ)が授与されるのに。ほっほっほ」
335 :
魔界編 50話:03/11/29 23:24 ID:Rj8O6Mej
>>334 「生命の水ですってッ! 本当にあったの、そんな伝説の秘薬がッ」
喪黒の言葉に、彼女は一瞬取り乱す。生命の水、アクアウイタエ。それがあれば、石化すら解除出来る。
「ほっほっほ。嘘は申しません。確かに優勝商品として、伝説の秘薬が用意されます」
見透かされている。この目の前のセールスマンに、全てを見透かされている。ロビンは喪黒を睨んで言う。
「不参加は、出来ないって事ね、セールスマンさん」
「ほっほっほ。無理強いはしませんが。おや、もしかしたら生命の水をご入り用で?」
ロビンは苦笑する。ここまで白々しいと、いっそ爽やかである。烈と桃が心配そうに見守る中、宣言する。
「良いわ。参加してあげる、その大会に。もっとも、もうエントリーされてるでしょうけどね」
「ほっほっほ。ご戴冠おめでとうございます、ニコ・ロビン解王。ライタイは3日後の夕方5時開催。
場所はここより南西40キロの街、ダーマの神殿の闘技場にて。では、また大会にて」
必要最低限の事項だけ告げると、くるりと踵を返して、立ち去ろうとする喪黒。慌てて引き止める本部。
「何でじゃあ喪黒さん。なんで、この本部 以蔵には参加要請が無いんじゃあッ!!」
本部の声にもう一度振り返る喪黒。そして本部の顔を見ると、カバンの中からファイルを取り出し言う。
「ほっほ。本部 以蔵。C級ライセンス解王ですか。話になりませんな。また次を目指しなさい。
この大会はA級の、さらにトップしか出れない大会です。お情け解王に用はありません」
「何でじゃあ。いきなりロビンはA級ライセンスで、ワシは参加不可なんじゃあッ!!」
「ロビン嬢には華も可能性もあります。あなたには、華も実力も実績も未来も将来もありません」
336 :
魔界編 50話:03/11/29 23:25 ID:Rj8O6Mej
>>335 「出たいんじゃあ。ワシはライタイに出たいんじゃあッ!!」
子供のように駄々をこねる本部。哀れみの眼差しを向ける精鋭部隊。唯一の取り柄の解説すらこれか・・。
「そうじゃッ!! 雷電は、雷電は参加するのかッ?」
「ほっほっほ。彼は8年連続で解王ランキングナンバー1。当然出場するでしょう」
「だったらワシも出してくれいッ。この世であいつと互角に解説し合えるのは、ワシだけじゃあッ」
「ほっほ。大きく出ましたなあ。彼は年間の獲得賞金総額も、3000万ドルを超え世界一です。
対してあなたは・・。おや、たったの70ペソ。お話になりませんなあ」
「今までのワシとは違うんじゃあ。お願いです、ワシを推薦して下さい、喪黒さんッ」
やれやれといった顔で、本部のファイルを覗き込む喪黒。どうしつこい乞食を追い払おうかと思案している。
しかし彼の持つ全解王ファイル。その本部のページの特記事項を見て、動きが止まる。そこにはこう書かれていた。
言霊を操る光の3戦士。それになりうる、唯一の資質を持つ存在=E・と。喪黒の頭脳が素早く回転する。
(これは驚きました。こんなクズ解王がまさか、光の3戦士の一人に成れるかも知れぬとは。いいでしょう。
彼が成長し、言霊の戦士となれば一石二鳥です。男塾・月光を外して、彼をライタイ参加者に入れますか)
「ほっほっほ。いいでしょう。熱意に負けました。あなたのライタイ参加を認めましょう」
「わーい、やったー」
子供のようにはしゃぐ本部。そして天を仰ぎ、あの男の顔を思い浮かべ、夜空に吼える。それを見て去ってゆく喪黒。
「待っておれ雷電。今度こそ貴様を倒してやるわいッ。そして解皇も世界中の女もワシのモンじゃあッ」
セックスがしてえ
338 :
パオ ◆w/9ws2V0DU :03/11/29 23:34 ID:Rj8O6Mej
ちょっとふら〜りさんの作品との間隔が短かった。ふら〜りさん、ごめんなさい。
まあ
>>316さんの言う事もごもっとも。でもこればかりは私にはどうにも出来ません。
感想レスが無くても書きますが、やはり書いてくれた方がやる気は出ますね。正直。
ま、のんびり見守って下さい。たまに感想も(私のだけでなく)書いてくれると幸いです。
あとふら〜りさんは私にとって恩人でもある。今、私が何とか魔界編を続けているのも
何割かはふら〜りさんのお陰です。今まで6回ほど本気で止めようと思ったけど、
そのうち2回はふら〜りさんのレスのよって、思い留まりました。
ありがとう、ふら〜りさん。
ふら〜りさんは文章上手いと思う。
パオ氏はネタの引き出しが豊富。
VS氏はセンスがすごい。そんな感じ。
340 :
作者の都合により名無しです:03/11/30 01:05 ID:Ox3L3iaM
いよいよらいたいか。誰が出てくるんだろ?
>ふら〜りさん
シンシアの野球拳って嘘技じゃなかった?
いずれにしても年がばれまっせw
言霊使いって本部だったのか!!?
俺はてっきりキバヤシだと思ってたんだが・・・
本部暴走しまくり!!
ところで、今後九十九は戦うの?
「ロン!」
(1)中白発1(6)(8)三南八南6二 西←ロン
「アナル大爆発!役満!」
「すごいわセワシさん!幻の最終役満と言われたアナル大爆発をいとも簡単に
アガっちゃうなんて、もうドラミ信じられない!」
「パパさん、いつまでも黄昏れてないで、さっさとセワシくんに32,000点払って
あげなよ」
「参ったなぁ。パパ、また点棒がなくなっちゃったよ」
のび太の部屋では、パパを迎えての麻雀教室が今まさにたけなわである。
100枚から先は数えていないが、壁にも天井にもパパ名義の借用書がビッシリ
貼り巡らされている。時折混じっている闇金の契約書やSMクラブのダイレクト
メールが、殺風景な部屋にほどよいアクセントを加えている。
「ところでセワシくん。この手って一筒がアヌスで、白と発を『爆発』って
読ませるんだよね?中白発じゃあ、『中爆発』にしかならないと
思うんだけど…」
VSバキ戦があるべよ
「何言ってんだよパパさん。その他にも色々な牌がグジャグジャーってあるだろ?
それ全部ひっくるめたら『大』になるんだよ。そんなことも分からないのかよ!
ホント初心者ってタチが悪いよな!」
「そうだよパパさん。思いつきのデタラメで僕らを困らせようったって、そうは
いかないよ。負ける時は負ける!払うものは払う!人間あきらめが肝心なんだよ」
「ここだけの話だけど、麻雀ってゲームは、実は私たちが考えたの。いわば麻雀の
教祖様ってヤツ。分かる?だから、私たちの言うことは何だって正しいんだから。
おとなしく黙ってウンウン聞いてりゃ、欠陥人間のパパさんだってあっという間に
麻雀の達人よ!」
「うへー、そうなのかい?君たちって、スゴいんだねぇ。よし、パパ頑張っちゃうぞ!」
典型的な詐欺師の講釈にも、一片の疑惑すら挟もうとはしない。のび太の親とは
思えない、底抜けの人の良さである。だから万年平社員なんだぞ。
「次はパパの親だよ。さ、サイコロを持って。くどいようだけど、さっき教えた
手順通りに振らないと罰符だからね」
ドラえもんからサイコロを受け取ったパパが、やにわにパジャマの裾を捲り上げた。
「ハチョー!」
そのまま両腕を掲げて、頭の上で裾を結び合わせる。完全に視界を塞がれた状態で
部屋中をドタドタ駆け回り始めた。トップスピードで柱に激突して卒倒したパパの
手から、サイコロが床に転がった。2と3。自5である。
「はい、よく出来ました!自5だから、パパの山から配牌を取っていくんだよ。
ハリアップ!」
ほおずきになったパジャマを解いて、パパが自分の席に腰を下ろした。こめかみの
あたりを指でさすりながら、山に手を伸ばす。
「あいたたたた。麻雀って、ハードなゲームなんだねぇ。ところで、いつになったら
ルールを教えてくれるんだい?サイコロの振り方とか雀荘で使える英会話とか
さっきから表面的な型ばっかりじゃないか。ロンとツモ以外にもルールはいっぱい
あるんだろう?これって『仏作って魂入れず』ってヤツじゃないのかね?」
「喝!」
ドラミが、特大の万点棒でパパの肩を思いっきり打ち据えた。
「すっげー痛てー!」
「オッサン、バッカじゃないの!?仏像なんて、取り合えず形が出来てりゃ
中身がオガクズであろうとポップコーンであろうと、みんなアホみたいに
有難がってくれるんだから!麻雀だって、まずは形からなのよ。形が
出来れば勝ったも同然、上っ面を制する者が麻雀を制するのよ!」
「そーかー。パパ、初心者の癖にまた生意気言っちゃったかな。ごめんよ」
「分かりゃいいのよ、分かりゃ。何でもいいからさっさと切ってちょうだい」
試験的に、今回は週2回アップいたします。今日はここまでで
続きは木曜か金曜の夜に。
パオさんとふら〜りさんの作品は、オリジナルキャラクターの
息遣いがキチンと聞こえてくるんですよね。キャラが生きている。
私のネタは、もはやアカギもドラえもんも完全に別人なので
何を喋らせようがどんな格好をさせようが自由自在。
その点、楽なもんです。
あ。
オリジナルキャラクター=そのキャラの原作設定
つーことです。
349 :
バレ:03/11/30 15:14 ID:ttzF/jrR
>パオ様
一時のシリアスムードから、再びギャグテイストが入ってきましたね。
キバヤシとの、
>「俺にだって・・。わからない事くらい・・ある・・」
>「わざわざ魔界までケンカ売りに来たのか、てめええええッ!!」
ここのやり取りは、ツボにはまりました。
ライセンス制だったんですね「解王」って。普免みたいなものですか。
この資格で、本部も収入を得ていたんですね。(70ペソですが)
あと、パオさんの言われてたトリビアについてですが、西郷の肖像画は
従兄弟と弟の写真を見て描かれたそうで、奥様の話では、実物とはあまり
似ていなかったそうですね。
こっちも全然役に立たないトリビアを。
「「魁!男塾」5年間連載が続いたが、女性がストーリーに絡んだ回は、
わずか5回である(多分)」
350 :
バレ:03/11/30 15:28 ID:ttzF/jrR
>ふら〜り様
>アメリカやヨーロッパに行って、どんな豪華なホテルに泊まっても、温泉大浴場がないことを
>不満に思うのが日本人って奴なんだ。大阪の金貸しが言ってたんだがよ」
APAマンションの女社長でしょうか? 実際に言いそうな台詞です。
(でも何で、勇次郎がそんなこと知っているんだろう・・・)
ストライダムさんが名前だけで実際に登場しなかったのが少し残念でした。
ふら〜りさんのことですし、そのうち必ず出すだろうと期待して待っています。
そういえば、クリスマスまでもう一ヶ月なんですねえ。
このままだと、今年は一人ぼっちのクリスマスになりそうです。(ふう・・)
>VS様
週2回にされたのですね。個人的にはこちらの方が嬉しいです。
相変わらずドラえもんはタチが悪いですね。そこが面白いのですが。
「アナル大爆発」ってどんな役満だか。
しかし、まだ豚の角煮で打たせないだけ、まだのび太の時よりは扱いは
普通にしているつもりでしょうか。
(結局巻き上げているようでは同じですが)
351 :
作者の都合により名無しです:03/11/30 19:18 ID:PNxmp/sV
わーいドラえもんが週2になった。
これはマジで嬉しい。
あとハンターと番外編の作者さんが
ラストを書いてくれるのを切に祈る。
パオ氏のネタは受けやすい素材なので面白いのは分かるが、
VS氏は麻雀を素材に使って面白いっていうのは凄いな。
センスオブワンダーだ。ふら〜りさんのもほのぼのしていい。
レギュラーで掛ける人がもう一人いれば万全なんだがな。
作品期待あげ
らいたいに海のリハクを入れて欲しいのだが。
富樫虎丸も入れてほしい(爆)
味皇キボンヌ
「塾長厨」とか言ってる奴よ、お前は男塾ちゃんと読んだのか?
生身で宇宙遊泳、大気圏突入→無事着陸だぞ?
そこらの他作品とはスケールの大きさが違いすぎる。
スレ違いだぜ、坊や
そういう下らん談義はよそでやりな
358 :
作者の都合により名無しです:03/12/01 23:01 ID:Nv7YIImp
素朴な疑問なんですが、職人さんの作品がおもしろい場合は
それに感想を書き込むべきなのでしょうか。
>>358 いえ、そのような義務はありません。
他人の迷惑になるようなカキコミさえしなければ、
あとは全て個人の自由でございます。
361 :
作者の都合により名無しです:03/12/02 03:45 ID:hAu5Idox
>>358 してあげた方が励みにはなるんじゃないかな。
でも、あまりにもレスが特定職人に固まるとまた問題だな。
ま、俺はこのスレ好きだから職人ガンガレってこった
わしが男塾塾長江田島平八である!
>>360 もう厨房はほっとこうぜ。
誰も聞いてないのに語りたがるし。
しかも「ちゃんと読んだのか?」だと。
気持ちが悪いんだよ。
バキの総合スレはどこ?
パオが3日来ないとやはり寂しいな
仕事がんがって欲しいけど
やっぱりここを第一にして欲しい
367 :
○:03/12/02 21:11 ID:w1O8BTMF
ここはどんなSSでも書いていいんですか?
「君は今、あの女が傷ついて寝込んでいるとか言っていたな。それは、今のこの事態を見越した
あの女が、自分の体に細工して、演技しているだけだ。君の同情を引いて、味方につける為にな。
だが俺たちは騙されない」
この時。怒るとか、呆れるとかを超越した気持ちに、刃牙は押し潰されそうになった。
「ど、ど、どうして、そこまで、そんな、捻くれたことを」
「そう思うのも無理はない。君は村の言い伝えを、何一つ知らないのだからな。という訳だから、
そこで大人しくしててくれ」
男が、スッと手を上げた。すると、村人たちの何人か、恐らく事前に打ち合わせをして役割分担を
していたのであろう何人かが、小屋に向かって得物を投げた。
「村から出て行け、雪女!」
「山に帰って、熊や猪と同居してろっ!」
刃牙の頭上を越えて、斧や鉈や鎌が飛び、小屋の壁に突き刺さった。戸に突き立った。
窓を破って室内に投げ込まれた。
刃牙が、やめろと叫んで止めようとした、それよりも早く、
「ほきょああああぁぁっ!」
内側から戸を蹴破って、ゴリラを越える巨体の大猿……夜叉猿が、村人たちの前に姿を現した。その目は
怒りに釣り上がり、その筋肉は臨戦態勢で盛り上がり、その全身からは湯気が立ち上っているかのよう。
「あいつだ! こないだ、うちのじさまを蹴り転がしたのは!」
「うちのボウズもあいつにやられてる! ここで会ったが百年目だっ!」
殺気だった男たちが、刃牙を突き飛ばして夜叉猿に向かっていく。無論、この状況で大人しく
やられる夜叉猿ではなく、殺る気満々で爪と牙をムキ出して自分から男たちに向かっていく。
止められなくなったこの状況下、刃牙はパニクりそうになる頭で必死に考えた。武器を持った男たちが
三十人、さすがに夜叉猿の勝ち目は薄い。そして男たちのこの様子からして、夜叉猿が殺られたその後、
礼子がどうなるか……まず間違いなく、村から追い出されるだけでは済まないだろう。
『こ、こうなったら!』
刃牙が覚悟を決め、夜叉猿に加勢しようと拳を握った、その時、
「やめて、夜叉っっ!」
弱々しい、だがそれだけに聞く者の胸に突き刺さるような、少女の声が響いた。
傷だらけの体に毛布を巻きつけた礼子が、戸口に立っている。
「もうこれ以上、村の人たちと争わないで。でないと、私たちは本当に化け物になってしまう……」
「『私たち』? やっぱりお前が、この猿を操って村のみんなを襲わせていたのかっ!」
「伝承通りだ、この雪女めっ!」
村人たちが罵声を浴びせ、礼子が何も言えなくなり、その礼子に止められたので震える拳を必死で
抑えている夜叉猿、と刃牙。
そこへ、村の方から一人の男が駆けて来た。
「み、み、みんなぁぁ! 今、病院から連絡があって、ば、婆さんが、婆さんが、ついさっき、
死んじまったそうじゃああぁぁ!」
場が、一瞬、冷たい石に冷水を打ったようになり、次の瞬間、燃える炎に油を注いだようになった。
「何ぃぃっ!」
「こっ、この女ぁぁっ! もう許さんっ!」
村人たちの中の一人、刃牙が最初に泊まろうとしていたペンションの主人が、武器を構えて前に出た。
その手にあるのは……猟銃!
「やめろおおぉぉ!」
刃牙が、男に飛びかかろうとしたが一瞬遅く、
ダァァン!
「……うっ」
礼子の肩から、毛布が滑り落ちた。礼子が、裸の胸を抑えて前方に崩れ落ちる。
倒れた礼子を中心に、紅い華が雪の上に広がっていった。
「ほぎょああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!」
村人たち、そして刃牙の胸をつんざく、凄まじい咆哮。夜叉猿が、裂けそうなほど大口を開けて、
吼えた。吼えている。吼え続けている。
その声に、吹き飛ばされそうになりながら、一同が夜叉猿を見る。と、
「ほ、ほ……ほ、ホギュアアアアアアアアアァァァァッッ!」
夜叉猿が、怒りを込めた叫び声と共に、まるでその怒りを糧にしているかのように、
その身を肥大化、巨大化させていく!
「な、なんだあっ?」
「や、やっぱり、ババババケモノだっっ!」
村人たちが恐怖と驚愕に目を見開く中、夜叉猿はあっという間に、山のような体躯になってしまった。
もはや大猿というより巨大猿、猿型の怪獣である。
その夜叉猿が、ギロリと足元を睨んだ。足元の、蟻のような人間たちを。
「ひっ!」
慌てて逃げ散る村人たち。だがその行く手を阻むように、天から隕石のような拳が降ってきて、
雪の地面に巨大なクレーターを穿った。その地震・地響きの威力で、一人も直撃していないのに、
何人もが吹っ飛ばされた。
「た、た、助けてくれぇぇ!」
刃牙が、辛うじてまだ息のある礼子を抱き起こして、
「やめろ、夜叉っ! 礼子さんがさっき、命がけで言っていたことが解らないのかっ!」
「ホギョアアアアアアアアァァァァッ!」
村人たちの悲鳴も、刃牙の必死の叫びも、怪獣化した夜叉猿の耳にはもう、届かない。
刃牙たちのいる村を囲む、山の中。場違いに真っ赤な、明るい色をしたソリが、四頭のトナカイに
引かれてスイスイ走っていた。トナカイたちの首には鈴がつけられ、しゃんしゃんしゃんしゃん……と
鳴っている。そのソリに乗っているのは、白い髭を蓄えて赤い服を着た男。
「♪丘を越〜え〜 ゆこ〜およ〜 口笛吹きつ〜つ〜♪ っとくらぁ」
《勇次郎。私の記憶が正しければ、その歌はサンタクロースとやらとは無縁のはずだが》
>>367 ・面白い
・完結させる
この二つを守るのなら書いていいよ。
372 :
ふら〜り:03/12/02 22:42 ID:aPuMtjAB
>>VSさん
パパ哀れ。万年平社員とか言われてるし。……確か、あさりちゃんのパパは部長だったような気が。
でもまぁ、のび太も角煮で打ってたことを思えば、あの子にしてこの親あり、なのかも。
にしても、こうなるとジャイアン・スネ夫の家族も欲しくなってきますね。源家の一族は印象薄い
からどーでもいいとして。←ひどい
>>パオさん
本部が相変わらず、らぶりぃ一直線。喪黒が相変わらず、正体不明。本部はいずれシリアスに
なる場面もあるとして、喪黒はこれからどう動いていくのか、目的は何なのか?
で。ライタイの他の参加者、私の乏しい知識では予測がつきませぬな。キャプ翼のアナ……
なんてのはキャラじゃないでしょうし。むむむむ。
>>340 いかにもその通り。米丸さんとバボさん、今頃何しておられますかねぇ。
>>367 >>1参照……と言いつつ私は、ご覧の通りほぼ特撮ネタで書いております。多少なりと
漫画に関わりがあればいいのでは?
373 :
○:03/12/02 23:13 ID:w1O8BTMF
>>371 完結はともかく
>・面白い
は守れないかも。下手だし
○期待age
375 :
○:03/12/02 23:40 ID:w1O8BTMF
期待してもらって悪いのですが、
まだ書きかけなので、今日は無理です。今仕事だし(おい)
木曜日か日曜日に投下予定です。
>>373 ROMの言うことなんて気にすること無いよ。
内容が不満なら自分で改善すればいいだけの話。
最初は誰だって下手。書かない限り進歩はない。がんがってください。
378 :
魔界編 51話:03/12/03 06:39 ID:KUhHOaab
【第51話 光成邸での対峙】
>>336 「そうか。来年開催のライタイの参加招待状が、急に来たのはそういう訳か。
そのモグロってのは前解皇だわさ。 ・・えっ、アンタも出るの、本部?」
影道の塔。塾長代理のビスケが、通信機を前に大声を出している。会話の相手は本部である。
「いや、ビスケ師匠も出るとは思いませんでしたわ。ちなみに私だけでなく、
私の愛人のロビンも出場します。師匠とはいえ、手加減はしませんよ。
私の目標はあくまで雷電ですからな。わっはっはっは」
「・・狂ったか本部。アタシは解王ランキング3位だから、出場は当然だわさ。
アンタみたいな、便所のスリッパ解王が吹き上がるんじゃないわさっ。
師匠として一つアドバイスだわさ。寝言は寝てから言うわさッ!!」
不器用な彼女なりの、精一杯愛情溢れるエールを本部に送って、通信を切る師・ビスケ。
しばらく思案した後、塔内に緊急設置した内部用マイクに向かって、声を張り上げる。
「あ〜、テステス。塾長代理のビスケだわさ。男塾塾生の飛燕、月光、Jに告ぐ。
3分以内に塾長室に来るわさ。遅れたら油風呂だわさ」
程なく塾長室前に現れた飛燕・月光・J。扉の前で背筋を正し、3人を代表し月光が叫ぶ。
「押忍ッ。塾長代理、男塾塾生月光・飛燕・J,参りました」
「よし。1分15秒か。優秀だな。入るわさ」
もう一度押忍、と気合を発し入室する3人。そしてビスケの前で直立不動。3人は命令を待つ。
ビスケは椅子から立ち上がる。そして3人の前におもむろに立つと、ゆっくり言葉を発した。
「いつもご苦労だわさ。突然だが、アンタたち3人に塾長代理補佐を命ずるわさ。
アタシは3日ほどここを空け、魔界に行かなくてはならない。留守を頼むわさ」
379 :
魔界編 51話:03/12/03 07:07 ID:bS225KZ7
>>378 一瞬驚くも、すぐに表情を戻す飛燕・月光・J。ビスケはそれを見て、満足そうにうなずく。
「江田島の教育は余程、行き届いていると見えるわさ。男子万事において不動なり。
3日4日の間、頼むわさ。アンタたちは比較的軽傷だからな。大丈夫なはずだわさ」
飛燕の尻や股間をペタペタ触りながら、真剣な顔で3人に告げるビスケ。飛燕は表情を崩さない。
「くれぐれも気を付けるわさ。あの男、範馬 勇次郎が動いてるわさ。ヤツは危険だ。
そうだ、江田島の様子はどうだ?」
「押忍。麻酔が効いているのか、治療室でお休みになられています」
「そうか。アイツは人間界の最後の切り札だわさ。今、無理させるわけにはいかんわさ。
それにしても・・。アイツを眠らせるには難儀したわさ。食事に並の人間なら確実に
死ぬ量の睡眠薬を混ぜても、まだ動くんだから、おかしいわさ絶対」
江田島はザクやグフとの攻防で傷を負っていた。折れた骨が内臓に突き刺さる程の大傷である。
しかしそれでも江田島は、自分が指揮を執るといって聞かなかったのである。
その為、ビスケは江田島が怒るのを承知で、食事にゾウでも熟睡する量の薬を混ぜたのである。
目を覚ましたら殺されるかな、と一瞬身震いするビスケ。だが江田島は女に手を出す男ではない。
飛燕の尻をまさぐりながら、ふう、と息を付くビスケ。やがて顔を上げると、3人に言った。
「もう出掛けるわさ。魔界の前に寄る所もあるし。くれぐれも勇次郎に気を付けるわさ」
ビスケは飛燕たちの押忍の声を背に、影道の塔・塾長室を出ると、東京の徳川 光成邸へと向かった。
ビスケが影道の塔を出て、東京に向かい始めた頃。魔界のバーンパレスの秘密の大部屋にて。
魔界の覇者・大魔王バーンが、目の前に鎮座する巨大な石を、静かに見据えていた。
380 :
パオ ◆w/9ws2V0DU :03/12/03 07:12 ID:bS225KZ7
朝から2レス書き込み。51話は後の伏線になる所が沢山ある回ですが、
話的には面白ないかも知れません。ライタイは52話からです。
ライタイが終わってしばらくすると後はバトルばっかりです。
>>375 ○さん、ぜひ待ってます。楽しみにしてますよ。頑張って下さい。
本部爆走中か。
そういや光成もいたな。
忘れてたw
382 :
魔界編 51話:03/12/03 22:43 ID:LDcrOZMv
>>379 バーンの目の前には巨大な石。その石は海のように蒼くキラキラ光り、見る者を虜にする美しさに満ちる。
大きさはバーンの2倍もあろうか。その巨大な蒼石から、不釣合いなパイプが伸びている。
そのパイプは、禍々しい機動音を立てている不気味な機械に繋がっている。そしてその機械を眺めながら、
バーンは満足げにワイングラスを傾ける。口元には薄く笑みが浮かんでいる。その笑みが不意に消えた。
「ほっほっほ。相変わらず見事ですなあ、その飛行石は。バーン様の魔力を反映しているとはいえ、
この巨大なバーンパレスを浮かし、意のままに飛ばしているのですから」
「この部屋は、余の許可がない限り入れぬはずだぞ、喪黒」
バーンの顔に険が浮かぶ。目の端がすっと細くなり、鋭い視線を喪黒に向ける。だが喪黒は意に介さない。
「ほっほ。すみません。以後、気を付けます。しかし何ですなあ。バーン様の御力は素晴らしい。
このバーンパレスを人間界に出現させようとなさるとは。飛行石の横の機械、次元転移装置で」
バーンの表情に鷹揚さが戻る。喪黒の世辞の為ではない。数日後の現実を思い浮かべ、歓喜が走った為だ。
「もうすぐだ。この次元転移装置が完成すれば、人間界は終わる。流石の余も心躍る、フッフッフ」
「壮観でしょうなあ。全長数キロの巨大建造物が東京に突然現れ、爆撃を始める姿は」
「良く言うな。余の味方でも無い男が」
「ほっほっほ。敵でもありませんよ」
383 :
魔界編 51話:03/12/03 22:44 ID:LDcrOZMv
>>382 喪黒は悪びれず応える。魔界の頂点・大魔王バーンに対しても全く態度を変えない。ある意味恐ろしい男だ。
そして喪黒はゆっくりと右手を向く。視線の先には、若く美しい男が裸で凍り付けにされている光景がある。
「ほっほっほ。若い頃のバーン様はお美しいですな。いえ、今も威厳に溢れ魅力的ですが」
「お前の世辞ほど空々しいものは無いな。美醜などどうでも良い。ただ、若き頃の余は果てしなく強い。
たとえ・・。世界の果ての意志≠ェ人間どもの味方をしようが、間に合わぬ程に、な」
帽子を深く被り直す喪黒。表情は見えない。失礼します、と礼をして去ろうとする喪黒に、バーンが問うた。
「世界の果ての意志≠ヘその手を加えるつもりか、この世界に。意志の伝達者≠諱v
「ほっほっほ。どうでしょうねえ。愚昧なわたしには分かりかねますな。 ・・しかし、もしかしたら。
世界の果ての意志≠ヘ、ただ面白ければ良いとお考えかも。ほ〜っほっほっほ」
384 :
魔界編 51話:03/12/03 22:45 ID:LDcrOZMv
>>383 東京・徳川 光成邸。日本経済を握るといわれる光成の屋敷は巨大である。東京のど真ん中にありつつも、
世俗の垢が染みた者は一切通さぬという威厳に満ちる。勿論、その屋敷に見合い、門扉もまた巨大である。
その光成邸正門の前で、高級スーツに身を包んだたくましい男と、小柄な少女が睨み合っていた。
少女の名はビスケ。男の名は光成邸親衛隊長・加納 秀明である。加納は慇懃無礼にビスケに応対している。
「ですから、光成様は臥せっておいでです。誰にもお会いになりません」
「ちょうどいいわさ。だったら見舞いするわさ。ほら、土産に影道の塔でどんぐり拾ってきたわさ」
加納は拒絶対応である。だがビスケはそれを見抜きながらも、とぼけて帰ろうとしない。加納が声を荒げる。
「ビスケ様。どうしても帰られないというなら、無理にお帰り願うしかありません」
「お前程度の腕でか。アタシも舐められたもんだわさ。ま、手間が省けて良い。掛かってくるわさ」
ちょいちょいと手招きするビスケ。だが加納は前へ出る事が出来ない。本能がランクの違いを嗅ぎ取っている。
「来ないのか。じゃ、文句は無いな。では通らせてもらうとするか」
ビスケの言葉に歯軋りする加納。屋敷をガードする者として、勝てぬと分かっていても通す訳にはいかない。
加納が捨て鉢になり、ビスケに特攻しようとした時。その顔に喜色が浮かぶ。逆にビスケ。心胆寒くなる感覚。
「お、お帰りなさいませ〜ッ、由奈さまぁあああッ!!」
加納がビスケがいる事すら忘れたように、喜びの声を上げる。きゅぴ〜んとビスケの背後にいる者を熱く見る。
まるでアイドルに出会った、熱烈なファンのような潤んだ眼差しである。強面がすっかり少年の顔になっている。
だがビスケの背筋からは冷たい汗が噴き出る。 ・・殺られていた。背後の者がその気なら、確実に死んでいた。
ゆっくりと振り向くビスケ。自分に気配すら感じさせず接近するほどの達人。一体、どんな化け物なんだ。
背後の人物を見てビスケは驚愕する。まさか、こんな奴がアタシの背後を? その人物は能天気な声を上げて笑った。
「栗見 由奈で〜っす。よ・ろ・し・くッ」
まさかプリティフェイスとはww
386 :
魔界編 51話:03/12/03 23:17 ID:LDcrOZMv
>>384 呆気に取られるビスケ。目の前に立っているのは、女子高生だったからだ。しかし、ただの女子高生ではない。
滅多にお目に掛かれぬほど、上玉の女の子。普段のビスケなら、激しい嫉妬に駈られる程の上玉である。
ほっそりとした腕。長くすらりとした脚。滑らかな肌は若さで眩しく輝いている。細身だが生命力溢れる肢体。
少し脱色した髪も艶やかで美しい。胸は小さいが、それすら健康的な魅力を感じる。そしてアイドル系の顔。
同性なら嫉妬し、異性なら興味が湧く女。だがビスケの心にあるのは、嫉妬でも興味でもない。恐怖である。
(強いわさ。アタシが本性を出しても五分? いや、多分勝てない)
つぅ〜っと冷や汗が滴り落ちる。戦士としての本能と、解説者としての分析力がフル稼働した上の結論だ。
強い。アタシより。 ・・こんなほっそりとした女が、2メートルを遥かに超えるアタシの正体よりも、強い。
目の前の女がニコニコ笑っている。その横で加納がデレデレと由奈を見る。どうやらカリスマ性もあるらしい。
「確か、最大トーナメントでアンタを見たことがあるわさ。アンタ、光成とどんな関係だわさ?」
心の内の恐怖を隠してビスケが問う。だが由奈は笑ったままである。ビスケが睨む。すると由奈が小指を立てた。
「ア・イ・ジ・ン、かなッ♪」
「ふざけんじゃないわさッ!!」
ビスケが怒鳴る。しかし由奈は笑みを崩さない。苛立つビスケ。しかし心の怒りを抑えたまま、由奈に告げる。
「まあ、良い。今日は光成に忠告にきたわさ。アンタに伝言を頼むわさ。愛人なんだろ、光成の」
「なんて言えばいいのかな?」
「アンタの行動には不審な所が多過ぎる。傍観者なら許す。だがもしアタシや江田島の前に立ち塞がったら、
敵として殺すってな。そう伝えて欲しいわさ。 ・・もっとも、もう伝わったかも知れないが」
そして由奈の返事も待たず、光成邸に背を向け歩き出すビスケ。だが最後に立ち止まり、背中越しに由奈に言った。
「由奈とやら。アンタとはいずれ闘う、そんな気がするわさ。じゃあな。 ・・光成」
そしてとうとう3日後、魔界のダーマの神殿。ライタイ当日である。大会開始まで、あと数分。選手入場入り口にて。
各選手たちが、いまや遅しと入場セレモニーの開始を待っていた。
光成久々の登場だな
388 :
作者の都合により名無しです:03/12/04 00:01 ID:bs+GllyC
パオさん、いつもご苦労さまです。
ところで、独歩や克己はどうなっているのでしょうか?
生きているとも死んでいるとも書かれていないので。
もし不都合がなければ独歩メインで一本書かせていただけないでしょうか?
ビスケが東京に向かった次の日の影道の塔を舞台にしようと思っているのですが、どうでしょう?
389 :
魔界編 52話:03/12/04 00:02 ID:yGzTDIwH
【第52話 KAIOH × KAIOH】
>>386 既に闘技場は超満員である。すり鉢上の階層状ドームの客席に、少なく見積もっても5000人は観客がいるだろう。
観客席の熱気が、選手入場入り口でセレモニーを待つ解王たちにも伝わってくる。ここには現在、7人の解王が待機する。
解皇である喪黒 福蔵だけ別格扱いで、他の入口から入場するようだ。ピリピリとした緊張感が選手間を行き交う。
しかし我らが本部 以蔵。まるで凪状態の海面のように静かである。瞑想状態から目を明ける。そして深呼吸をひとつ。
(静かじゃ。こんな大舞台なのに、我が心は一点の曇りも無い・・。まるで心地良い森林浴でもしているように)
本部の表情。まるで世の虚しさを知る高僧のように静かで、気高い。本部は生まれ変わったのだ。本当の強者に。
(そうか。アカギさんと同じ境地に立ったのか。無の境地に。透明な無欲の域に)
尊敬する赤木 しげるを思い浮かべる本部。あの天才と同じ高みに立ったのか。このルンペンが、あの神域の男と同じ。
(我が心に一片の迷いも淀みも無し。ただ我が解説を尽くすのみ。雷電と決着をつける為に。 ・・待てよ)
本部は弥勒菩薩のような笑みを浮かべたまま、この大会の帰結に思いを馳せる。解脱した本部は今までの本部ではない。
「こんな境地に立ったワシなら、雷電ごとき敵じゃないんじゃないか? それどころか優勝して解皇も楽勝だろう。
解皇になったらガッポリ儲かるな。そしたら女じゃあッ!! まずはロビンのホホを札束で張り飛ばんじゃあッ!!
そして本部流闇奥義・夜のマッハ突きで、ロビンの美しい顔をパンパンヒイヒイ歪ませてやるんじゃあッ!!」
狂ったように笑い出す本部。ロビンは本部を、道端のゲロを見るような目で見る。最早、仲間とは思っていないらしい。
「なに大声で恥ずかしい事叫んでいるんだわさッ!! 葉っぱでも吸ったんか、お前はッ!!」
本部の師匠のビスケが、ダースの単位で本部の肉体に鉄拳を叩き込む。腹に、アゴに。スローモーションで倒れる本部。
「さすがビスケ師匠・・。デンプシーロールからガゼルパンチというハイレベルな突っ込みを・・」
「突っ込みじゃないわさ。本気で消そうとしたわさ。魔界まで来て恥を掻かせるなッ!!」
10巡後。
「ツ、ツモ!」
ツモって捨てるという基本動作ですらあっぷあっぷだったパパが、見事に裏返った
声で叫んだ。血走った目で何度も役を確認し、雀卓に額を打ち付けんばかりの勢いで
前のめりになって手牌を倒した。
(1)中白発1(6)(8)三南八南6二 西←ツモ
「セワシくん、これ役満なんだよね?アナル大爆発!あがっちゃったよオイ!これで
私もフリークスパパからミラクルパパに格上げかな。わはははは!母さん!今すぐ
起きてカメラ持ってきなさいカメラ!それとタキシード!母さーん!おーい!
…そういえば、母さんはどこ行っちゃったんだい?」
パパはフリークスだった!?衝撃の怪情報が野比家の屋台骨を揺るがすかと思われたが
しかし三人にはそんなこと全然まったく興味がない。歓喜の舞いに酔いしれるパパの
アナル大爆発を無表情に見下ろして、セワシが残念な結果をお知らせした。
「パパさん、こりゃチョンボだよ」
「え?」
「だってこの手、誰がどう見たって明らかにバラバラじゃん。いくらパパさんでも
これが役満だなんてワガママは許されないと思うなぁ」
「え?え?」
「大体、やれアナルだの大爆発だの、そんな下品な役がある訳ないじゃない。
SMクラブじゃあるまいし」
391 :
魔界編 52話:03/12/04 00:03 ID:yGzTDIwH
>>389 師匠のビスケに怒られて、ポリポリ頭を掻く本部。だが何か思い付いたのか、ポンと手を叩き、ビスケに満面の笑みを向ける。
「わっはっはビスケ師匠。解りましたぞ。ロビンに嫉妬しておられるのですな? ご安心くだされ。師匠は最後です。
いわばメインイベント。世界中の女を虜にした後、ビスケ師匠にはたっぷりと取っておきの技を使ってあげますよ。
本部流最終裏秘技・大人の剛体術・・ブッ!!」
ビスケのカカト落しが完璧に決まる。追い討ちで腹にストンピングを落とす。充分時間が経ってから、ようやくロビンが止めた。
「我が弟子ながらどうしようも無い奴・・。大会前なら殺ってるのに、悔しいわさ」
「ビスケ、今は止めた方がいいわ。こんな人でも大会の数合わせだから。殺るなら大会の後にして」
大人のロビンが優しくビスケを止める。昔は仲が悪かった(というかビスケがロビンの人気を一方的に妬んでた)この2人、
何時の間にか親友同士になっていたらしい。女というのは解らないものである。ビスケが転がる本部を引き釣り起こし、言った。
「もうすぐ入場セレモニーだわさ。それまで大人しくしてるわさ、クズッ」
闘技場のライトが落とされる。暗くなった客席から、期待のどよめきが起こる。大会の実況が、マイクに声を張り上げる。
「満場のお客様。そして解王たちッ!! 解王トーナメント・ライタイ祭、開催致しますッ!!」
392 :
パオ ◆w/9ws2V0DU :03/12/04 00:06 ID:yGzTDIwH
>VSさま
すみませんまたダラダラ書いてご迷惑掛けて。VSさん、木曜か金曜の夜と思ってたんで・・。
すみません、マンキからの書き込みなんで、投入お許し下さい。もう帰らないといけないんで。
本当にいつもすみません。
>>388 勿論ぜんぜんOKです。でも私、魔界編でカツミンとか独歩って出したっけ?
>パオさん
いや、こっちこそ申し訳ない。週2回のペースにすると
水曜夜と土曜夜の方がバランスがとれるんであります。
タイミングが悪くてゴメンナサイ。
それでは、続きです。本部はクソバカだなぁ…。
394 :
作者の都合により名無しです:03/12/04 00:14 ID:bs+GllyC
>パオさん
>でも私、魔界編でカツミンとか独歩って出したっけ?
確か序盤で氷河魔人のヒャダルコを廻し受けで無効化していたような・・・。
んで、そのあとに「イオでもベギラマでも持って来いやぁ・・・」という台詞があったはず・・・・(うろ覚え)
そう吐き捨てたドラミの視線の先には、会員制SMクラブのダイレクトメールが
貼り付けられていた。経営戦略的判断に基づいた顧客サービスの一環としての
『アナル大爆発』ならば、それも許されるのだろうが、妻も子供もある団塊世代が
プライベートでみだりに口にしていい言葉では、断じてない。そういえば、この
ダイレクトメールにでかでかと写っている中年男性。体中ロウまみれになって
恍惚の表情を浮かべている。バタフライマスクをしているので顔はハッキリとは
分からないが、これひょっとしてのび太のパパなんじゃ…。
「そんな筈ないだろう!」
両手で雀卓を激しく叩きながら、パパが真っ向から噛みついてきた。SMではなく
麻雀の話だ。
「よく見てくれよ、さっきセワシくんがアガったのと、そっくり同じ手じゃないか!
セワシくんのが役満でパパのがチョンボだなんて、ちょっと納得がいかないぞ!」
珍しく憤懣やるかたないパパの剣幕にも、セワシは動じない。悠揚とタバコを
くゆらせながら、落ち着いた口調で麻雀の理を語り出す。
「あのな、パパさん。さっきの俺の役満は、手牌がどうだとかはまったく関係
ないんだよ」
「それじゃあ一体、何が関係あると言うのかね!?」
「腰だよ、コ・シ!」
脇腹の下あたりをポンポン叩くセワシを見て、パパの表情に一瞬狼狽が走った。
「こ、腰?」
「そうだよ。俺がアガった時、こうやって腰を動かしただろ?この腰つきが
役満だったんだよ。見てなかったのか?」
セワシが立ち上がって、腰を二回ほど艶めかしくくねらせた。
「セワシくんの言う通りだよ、パパさん。麻雀は腰でアガるといっても過言じゃ
ない位、下半身の使い方が重要なんだからね。こうだよ!こう!」
ドラえもんとドラミも、セワシと同様に腰をぐいんぐいんぶん回し始めた。
ドラム缶体型のロボットに腰などある筈もないのだが、そんな瑣末な突っ込みを
入れる心のゆとりは、今のパパにはない。
「そうか、腰かぁ…」
ガクリと首をうなだれて、パパが三人に謝罪した。本当に申し訳なさそうに
涙すら流して謝った。
「正直、目の前の牌ばかりに気を取られて、セワシくんの腰には全く目が
行かなかったよ。自分のうかつさを棚に上げて、さっきから君たちを
疑ってばっかりだな。本当にすまなかった。こんなダメなパパだけど
引き続き麻雀を教えてくれ。改めてお願いするよ。この通り!」
「パパさんは土下座の達人だな。まぁ顔を上げなよ。誰にだって間違いは
あるんだからさ」
「そうよパパさん。パパさんみたいな極上の獲物を、私たちがみすみす
手放す訳ないじゃない。たとえパパさんがもうカンベンと言ったって
こっちから引き留めたいぐらいだわ!」
「壁にも天井にもまだまだ余裕があるし、床に至ってはほとんど手つかずと
いった体たらくじゃないか。そんなザマじゃ、のび太君に笑われちゃうぞ。
借用書はまだこんなにあるんだし、どんどん書いてどんどん貼ろうよ!
パパさん、ガンバ!」
「みんな!」
感極まってドラえもんに抱きついたパパの背中を、セワシとドラミが優しく
なでさすった。固い絆で結ばれた四人であったが、マジで感動しているのは
パパだけである。
「さ、麻雀すっぞ麻雀!」
セワシがパパを引っぺがして、不発に終わったアナル大爆発を乱暴に崩して
次局の準備に取りかかった、その時。
ミヨーン。ミヨーン。ミヨーン。
ディストーションの効いた電子音と共に、勉強机の上のサイレンが回り始めた。
遠征中ののび太が窮地に陥るたびににサイレンが鳴って、机の上のモニターに
雀荘『ノースウエスト』の実況映像が映し出される仕組みだ。期待に反して
ここまで沈黙を守ってきたのだが、とうとう宴の幕が上がった。ミンクの
コートを羽織って鼻の穴にサイコロを詰めたパパを放ったらかして、三人が
モニターにかじりついた。
なんかもう、パオさんのアップとかぶりまくってます。
本当にゴメンナサイ。専用ブラウザで私の名前を
あぼーんするなりなんなりで、対処してやって下さい。
2回UPのできる週は、水曜深夜と土曜深夜にお邪魔
できればいいなぁ、と思っております。
>ふら〜りさん
「ミナミの帝王」て。またエライもんを読んでますな。
やっぱ、作品内に竹内力とか出てきちゃうんでしょうか。
ギャグSSの神、ヤクバレさん
エンターテイメントSSの神、パオさん
癒しSSの神、ふら〜りさん
バキスレの守護神、バレさん
この4人は誰が欠けても駄目です。
出来れば来年もがんがって下さい。
欲を言えば、シリアスSSの神がいればいいな。
かつての外伝さんみたいな人。
>>399 同意。
この四人がいれば、ホント安泰だな。
これで、○さんが面白いシリアス書いてくれれば完璧なんだが・・・。
女かよ!?
402 :
作者の都合により名無しです:03/12/04 08:01 ID:TGaNUbIp
>>399 >>400 本当にもっと欲をいえば、夜王氏とザク氏とトモ氏が帰ってきて
ハンターと番外編の作者氏が作品完結させて、
○さんはじめとする新人さんががんがってくれて・・・・・・
キリがないな。今のままでも満足だけど。皆さんがんがって。
403 :
作者の都合により名無しです:03/12/04 18:19 ID:VQENLsnx
しかしパオもVSもよくこんなネタ思いつくなあ
感心するよがんがれ
404 :
魔界編 52話:03/12/04 21:29 ID:yGzTDIwH
>>391 ダーマの神殿闘技場。観客たちのどよめき・ざわめきが止まらない。大ライタイ祭への期待である。
世界の総ての中で。つまり、魔界と人間界の中で、たった77人しかいない解説の達人・解王。
更にその中のトップレベルの解王が集まり、覇を競うのだ。期待に胸を焦がす者、優勝者を予想する者。
一人一人が思い思いの形で、この大会に期待を寄せる。
人間がいる。亜人もいる。魔族もいれば妖怪もいる。種族は様々だ。だが、それぞれの思いは同じだ。
この世で誰が一番強い解説者か? そして誰が解王の中の解王・・。解皇≠ニなるのか?
期待と興奮が爆発寸前の中、実況の名調子が高らかに闘技場に響いた。
「天を守護せし聖なる星、北斗七星ッ! 人の幸福を守る神、七福神ッ!! そして今ここにッ・・
言霊をもちいて大地を守護せし、七人の解王ありッ!! 選手、入場ォおおッ!!」
大歓声が闘技場を包む。解王たちの気配が闘技場に近付く。観客のヒートっぷりは最高潮である。
闘技場の地面は砂で覆われ、10メートル四方ほどの広さである。選手入場口は白虎と玄武の2つ。
ここまでは東京ドームの地下闘技場と、さほど変わらない。問題は闘技場の正面である。
そこには、巨大なオーロラビジョンが設置されていた。ここにお題が映され、選手はそれで解説対決する。
そしてついに。一人目の解王が姿を現した。観客の一人が大きく叫ぶ。
「おいおい、一人目の入場からあいつかよォおおッ!!」
その一人目の入場をきっかけに、次々と闘技場に姿を現す解王たち。実況の名調子が冴え渡る。
405 :
魔界編 52話:03/12/04 21:30 ID:yGzTDIwH
>>404 「史上最強と噂も高い、優勝候補筆頭ッ!! その桁外れの解説力は、既に人を超え魔神の域ッ!!
8年連続解王ランキングナンバー1、解魔王デーンこと雷電だぁああッ!!」
「もうカマセなんて言わせないッ!! 燃え上がる超人解説魂が、不可能を可能にするぞッ!!
テキサスブロンコの熱い解説が闘技場を震わせるぞ、テリーマンだぁああッ!!」
「その広い教養と深い知性、そして傾国の美貌で、いきなりA級ライセンス解王に大抜擢だッ!!
その美しい唇からどんな解説が飛び出すのか、解王評議会特別推薦、ニコ・ロビンだぁああッ!!」
ロビンの気品と美貌にため息をつく観客たち。早くもファンを掴んだらしい。大ロビンコールが巻き起こる。
しかしそのロビンコールの中、実況が慌てて観客に謝罪をする。何か非常事態が起きたらしい。
「え〜ッ、申し訳ありません。ただいま闘技場内に、浮浪者がまぎれ込んでしまい・・、えッ?
あれ解王なの? あの汚いのが? す、すみませんお客様方。改めて拍手をお願い致しますッ!!」
何か不審人物と勘違いされたらしい。勿論、そんな間違いを人にもたらす男は一人しかいない。実況が叫ぶ。
「ある時は橋の下でッ またある時は公衆便所の横でッ! 己が解説を磨いてきた孤高の求道者ッ!!
世界中の住所不定無職者の期待の星、本部 以蔵だぁああッ!!」
406 :
魔界編 52話:03/12/04 21:58 ID:yGzTDIwH
>>405 世界で最も美しい解王・ロビンの横に、世界で最も可哀想な解王・本部が並ぶ。残酷な対比である。
真新しいロールスロイスの横に、チョロQを並べるようなものだ。人生とはこれほど不公平なものか。
普段、その光景を見慣れているはずの烈と桃さえ、思わず目にハンカチを当ててしまう。
闘技場は相変わらずロビンへの大コール。だが本部にも、暖かい観客から声が掛かった。涙ぐむ本部。
「ロビンの顔見えねえよ、ルンペンッ! 這いつくばるか死ぬかどっちかにしろやぁあッ!!」
選手入場は、本部のブロークンハートを放っておいて続く。
「雷電と他はアタシが育てたわさッ! 解説界の名伯楽にして解王ランキング3位の実力者ッ!!
そのテクニックは侮れないぞ、ビスケット・クルーガー、ビスケちゃまだぁああッ!!」
ビスケにも大コールが飛ぶ。どうやら会場内では、ビスケちゃまファンクラブとロビンさま親衛隊が
結成されたらしい。ちなみにここの観客たちは、ビスケが57歳のマッスルばばあとは知らない。
「ハッタリと説教でここまで昇り詰めた男ッ!! ただの水や野菜を至高と呼ぶ厚かましさは侮れない!!
地上最傲慢生物・海原 雄山。ブルロープを振り回しながら、観客を蹴散らして登場だぁああッ!!」
「ファックユー、ブチ殺すぞゴミめらッ! 世間が言わないなら俺が教えてやる、金は命より重いッ!!
そのナイフのような言葉はボクたちの心を切り刻む、最も恐るべき解王、利根川 幸雄だぁああッ!!」
闘技場の中心に、7人の解王が揃い踏みである。拍手と大歓声が解王たちに向けられる。ただし本部を除く。
そしていよいよ、この大会のメインともいえる人物のコールが始まった。
407 :
魔界編 52話:03/12/04 22:20 ID:yGzTDIwH
>>406 「観客の皆様方、ご起立をお願い致しますッ!!」
実況の声が厳かに闘技場内にとどろく。明らかに先程までとは違う雰囲気。今までの選手たちは、
白虎の入り口からの入場であった。しかしスポットライトが反対側の玄武の入り口を照らす。
実況が今までの絶叫ではなく、まるで語り掛けるように静かにマイクへ言葉を向ける。
「前大会の決勝戦・・。世紀末解説者・海のリハク氏との激闘は、今や伝説となっています。
解王の中の解王。最も偉大なる解王。解王の頂点の解王。その解王を私たちはこう呼びます。
ありったけの尊敬を込めて解皇≠ニ。 ・・前ライタイ覇者、解皇・喪黒 福蔵だあッ!!」
今大会最大のどよめきが起こる。しかしその動乱の中を、まるで意に介さず静かに入場する喪黒。
ついに結集した8人の選手たち。そして実況は更に叫ぶ。
「それでは、ライタイ祭・解王トーナメントの組み合わせを発表いたしますッッ!!
Aブロック第一試合。喪黒解皇 VS 雷電解王ッッ!!」
どよめく会場。いきなり優勝候補筆頭と、前大会優勝者の対決である。実況は次々にカードを発表する。
「Aブロック第二試合。ロビン解王 VS 海原解王ッ!!
Bブロック第一試合。ビスケ解王 VS テリー解王ッ!!
Bブロック第2試合。利根川解王 VS 本部解王ッ!!
それでは解王トーナメント・ライタイ祭、開始いたしますッ!!」
408 :
パオ ◆w/9ws2V0DU :03/12/04 22:28 ID:yGzTDIwH
来年ですか。無理でしょう。引退します。
正直、書こうと思えば来年一杯くらいは書けますが、キリが無い。
ネタはあるんです。長編2本と短編数本のネタが頭にありますが、
また書き始めると生活の余暇部分をこれに喰われてしまうので。
どこかでけりを付けないと。でも魔界編はちゃんと完結させます。
まあ引退といっても、短編はチョロチョロ書くと思いますが、
長いのはもう無理。辛いもの。
魔界編もキーキャラは由奈で全て出たし。あと2ヶ月弱かな?
それからライタイ、もし期待してる人がいたら先に言っておきます。
すぐ終わります。
本部の相手は利根川か・・・1回戦から勝ち目が見えねー!w
でもよく考えたら、本部が優勝する必要はないんだよな。
ぶっちゃけ、ロビン・ビスケ・雄山の誰かが優勝すれば生命の水は手に入りそうだし・・・
金を掴んでない本部が、利根川に勝てるとは思えない・・・
411 :
作者の都合により名無しです:03/12/04 23:47 ID:bUXNDtPQ
なるほど利根川とは全然気づかなかった。
持つ者(利根川)対持たざる者(本部)の対決か。
それよりブルロープって雄山、スタンハンセンかよw
あとパオやめるなって言わないでくれよ。今より更新減ってもいいから続けてよ
次の年ですか。恐らく、それは不可能になります。
それは個人の生活に返ります。
正直--書くだろうとそれが思う場合、次の年が十分であることは書かれるかもしれませんが、KIRIはそこにありません。
NETAです。長い2片およびいくつかの短編小説のNETAは頭にありますが、
それが再び書き始める場合、これが生活のレジャー部分を消費するので。
キックがどこかに付随されない場合。しかし、魔界上のボリュームは完全に完成します。
それがそれをよく引退と呼んでも、短編小説はCHOROCHOROを書くと思いますが、
長いものは既に不可能です。熱いもの。
し[魔界上のボリュームは、さらに由奈によってキーKYARAからすべて出て来た]。
わずかに2つ未満のより多くの月仮名。
また、期待するライ麦タイおよびそれらがいれば、それは以前に言うでしょう。
それは直ちに終了します.
413 :
作者の都合により名無しです:03/12/05 00:05 ID:nQVFoAXz
>>412 一生懸命書いたんだろうが
つまらん上に訳わからない。
スレ汚しヤメロ
>>413 多分どこかでパオ氏のレスを英訳してから和訳したんだと思われ。
415 :
バレ:03/12/05 03:08 ID:Ny0mEAVD
>パオ様
今年で勇退ですか。残念です。
プリティフェイスは全然知らないのですが、
由奈ってこんなに強かったのですね。
トーナメント編での表現では、せいぜい一流表格闘家
程度のレベルと思っていたので。。少し意外です。
ライタイ祭の方も期待しています。
テリ―マンに華はあるのでしょうか?
>ふら〜り様
シリアス街道まっしぐらのバキ達と
いつも通りのオーガの対比がいいですね。
オーガと夜叉猿、の組み合わせは余りいい予感がしていない
のですが、最後は救いがあるように書かれるとのコメントでした
ので、そこを期待しています。
>VS様
パパ哀れ。
まさにこの一言ですね。
余りに哀れ過ぎて涙が出てきます。
416 :
作者の都合により名無しです:03/12/05 12:17 ID:9SUXM4Zs
>バレさん
由奈はそんな強くないですよw
空手北海道一ですが。
交通事故で、その空手ヤンキーが美少女に整形されたという
コメディ漫画の主人公です。
417 :
作者の都合により名無しです:03/12/05 16:38 ID:+VgFuGQ3
ID:dabcs5WQ氏ね、マジで。
検索すると悲しいほど分かるが、毎回ウザい書き込みしてくるんじゃねーよ。
608 :Classical名無しさん :03/12/05 16:28 ID:dabcs5WQ
>>604 いちご100%
>>607 荒らしは黙ってろ
ところでこの新作作者って
最近あっちで書いた人じゃないか
ハンターか番外編かを
↑この発言で、このバカがこちらの住人だということが確定した。
ここの住民に言うわけではない、ここを覗いているであろうID:dabcs5WQがこれを見れば幸いだ。
しりとりウザい。
愚痴を垂れたいだけなら来るな。
ここは順調らしいから、ここで楽しくSSを楽しんでいてくれ。
以上
418 :
作者の都合により名無しです:03/12/05 16:40 ID:TtDywRRf
419 :
作者の都合により名無しです:03/12/05 16:56 ID:+VgFuGQ3
>>417 ここで楽しくSSを楽しんでいてくれ。
文章おかしかったな。
つっこまれる前に書いとく。
>>419 イチイチ乗り込んでくるなよ。
最早そっちの事情なんてどうでもいいんだよ。
楽しくSSを楽しんで欲しいんなら消えてくれ。
俺達に言わせればお前ら両方とも荒らしだ。
>>420 そっちにはどうでもよくてもこっちはよくないんだよ。自分にとって都合が悪ければ、全て荒らしか?マロン時代からまったく変わってないな。
そもそも、どっちかが干渉してこなけりゃお互い干渉しなくて済むってことが分からないのか?つまり、そっちが干渉してくればこっちだって干渉せざるを得ないんだよ。
乗り込んできてほしくない?それなら住人の躾くらいしろや。何もしてないくせに偉そうなこと言うなって
第一、他のスレに迷惑かけないってのはスレや住民としての最低限のルールじゃないのか?それが出来ないんならスレなんて立てるんじゃねえ
頼むから他のスレに迷惑かけないでくれ
ヤムスレバキスレ戦争キタ----------------------------!!!
戦争は終わったのですか?
「いんだよ、細けぇことは。大事なのは、このカッコで盛大に刃牙んとこに行くことだ」
プレゼントもちゃんと用意して、ソリに積んだ白い袋に入っている。PS2のポリゴン格闘ゲームで、
『キャラの体格が原作漫画を無視しまくり、ゲームとしてもいまいち』という評価を受けた作品だ。
「ふっ。刃牙が、必死に他人のフリして逃げ回るザマが目に浮かぶようだぜ」
《……君って奴は》
「そう誉めるな。さて、そろそろ見えてくる……お?」
茂る木々を抜けて、山の頂上に出たところで、勇次郎は手綱を引いてソリを止めた。
山の麓にある村を見下ろすと、いや村を見下ろすまでもなく同じ高さに、顔があった。
人間ではなく大猿、いや巨大猿の顔だ。その猿の視線を追うと、足元にいる人間たちを睨んでいる。
そしてその中に、刃牙もいる。
猿が吼えて、地面に拳を振り下ろした。蟻のような人間たちが、蟻のように逃げ回っている。
「ほお。どうやらこれは俺たちの出番のようだぜ、隕石」
《……》
「隕石?」
《……何だかあの怪獣には、特異なものを感じる。深い悲しみと、怒りのような……》
「何言ってやがる。あんな、ただのビッグ・ザ・エテ公に、んな高尚なもんがある訳ねぇだろ。第一、
人間が襲われてんだぞ? お前はこういう時、地球人を守る為にいるんだろうがよ」
《無論、それは解っているんだが》
「ならグダグダ言ってんじゃねえ。いくぜっ!」
勇次郎は、勢いよく駆け出して、ここまで登ってきた山の頂上、断崖絶壁から飛び降りた。
落ちていきながらベーターカプセルを取り出し、スイッチを入れる……閃光の中で勇次郎の体が
巨大化し、夜叉猿と同等の、山のような巨人となって地面に降り立つ。
ウルトラマンユージロー、出現。夜叉猿がすぐに気付いて、振り向く。
「さぁて、と! いくぜエテ公っ!」
挨拶代わりに、勇次郎が拳を繰り出した。夜叉猿はまともに喰らうが、微動だにせず顔で受け止める。
そしてすかさず、拳で反撃! 喰らった勇次郎は吹っ飛ばされ、尻餅をつく。
「くっ、少しははやるか」
《むう……やはりな。勇次郎、こいつはただの凶暴な怪獣なんかではないぞ》
>>421 どうでもいいから死んでくれよ。
何もしてないクセに偉そうなこと言うなとか言ってるがな、
お前の言う「なにかする」ってのが他のスレに迷惑かけることなのか?
相変わらずスルー出来ずに踊らされてキれまくるその性質の悪さは
マロン時代から変わってないどころか悪化してるな。
>第一、他のスレに迷惑かけないってのはスレや住民としての最低限のルールじゃないのか?
>それが出来ないんならスレなんて立てるんじゃねえ
>頼むから他のスレに迷惑かけないでくれ
そうだね。お前がな。分かったら自分のスレに帰れ糞が。
「やかましい! 今のは小手調べ、ここからが本番だ!」
立ち上がった勇次郎が、再び夜叉猿に向かっていく。すると、
「ホアアアアアアアアァァァァ!」
夜叉猿が、口から猛烈な吹雪を吐いた。予想外の攻撃に、かわすことができずまともに受けて
しまった勇次郎は、一瞬にして白い霜に包まれ、凍り付いてしまう。
「お、親父っ!」
刃牙や村人たちの見ている前で、勇次郎は真っ白な霜の塊と化してしまった。勇次郎が抵抗できなく
なったと見るや、夜叉猿はクルリと背を向けて再び村人たちの方に向かう。
そして、もう恐怖感を煽るのは充分と思ったのか、今度は拳ではなく手を広げ、ゆっくりと……
礼子を撃ったペンションの主人を、摘み上げた。顔の高さまで。
「ひいいぃぃっ!」
そして、口を大きく開けて、
「エ〜テ〜公おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
食べようとしたところで、後ろから絶叫。主人を摘み上げたままで夜叉猿が振り向くと、その顔に
砕け散った霜の塊が命中した。
「勝ってもいねぇクセに、メシなんか食ってんじゃねええぇぇっ!」
霜をぶち砕いた、勇次郎だ。夜叉猿は一瞬、その霜の塊で目潰しをされて動きが止まった。その隙を
逃さず、勇次郎の脚が跳ね上がって夜叉猿の手首を蹴り上げ、砕く。
夜叉猿の手から離れた主人が落ちていくが、そんなものは勇次郎は気にしない。自分をムシして
食事しようとした夜叉猿が許せなかったから、阻んだ。それだけである。
一方、手首骨折の痛みを無視して、再び夜叉猿は吹雪を吐いて攻撃してきたが、
「んな古典的な攻撃を、二度も三度も食らうかっっ!」
今度は勇次郎は豹のような動きでかわして、間合いに入って拳を一撃! 今度は勇次郎も本気の拳
だったので、夜叉猿の方がぶっ飛んだ。
山に背中をぶつけた夜叉猿が、すぐに立ち上がって再び勇次郎に向かう。勇次郎も構えて、
「んっ?」
「ホギュア?」
勇次郎が、夜叉猿も、同時に異音に気付いて、そちらを見た。ヘリが二機、こちらに向かって
飛んできている。
その内の一機はかなり大型で、やはり大きな何かを、ワイヤーに吊るして運んでいる。何かと見れば、
それは大きな大きなモニターだった。
勇次郎も夜叉猿も、刃牙も村人たちも、何事かと思っていると、そのモニターの画面に、
【あ〜、こほん。聴こえてますか、観えてますか?】
ヘリに吊るされた巨大モニター。その中に映っているのは、どうやらどこかの病室のようだ。ベッドに
寝ているのは……昨夜の老婆。全く微動だにせず、連絡のあった通り既に息絶えているようだ。
そしてその脇に、医師らしき白衣姿の、長髪の青年が立っている。
【さて、みなさん。ここにヒトが一基、壊れています。しかし人体の構造を完全に熟知するならば、
壊れたはずのヒトの機能を修復するなど容易いこと】
と言いながら、その男は老婆の胸をはだけて、針を刺したり心臓マッサージをしたり。
【まあ、私の到着さえ早ければという条件は付きますがね。ご老公からの連絡がもう少し
遅れていたら、さすがの私でも無理だったかも、っと】
【……かはっ!】
映像の中で、老婆が口から盛大に唾液を吐いた。ぜぇはぁと喘ぐように呼吸をしている。
医師はしばらく待ってから、自分の胸に付けていた小型マイクを老婆の口元に持っていった。
そして、老婆に耳打ちする。すると老婆が、
【み、みんな……礼子ちゃんは、わしを助けてくれたんじゃ……狼に襲われとったわしを……
礼子ちゃんが、傷だらけになって、狼どもを退治して、助けてくれたんじゃ……】
村人たちが、ざわめいた。礼子を抱き起こしている刃牙は、もちろんあの医師を知っている。
『紅葉さん……』
「騙されるなっっ!」
猟銃を持ったペンションの主人が、叫んだ。
「み、みんな、騙されるなっ! 証拠は一切、何もない! 婆さんもこの子と同じように、
夕べの吹雪の中で、雪女の幻影を見させられただけだっ!」
429 :
ふら〜り:03/12/05 22:14 ID:oAisOruM
長々続いたにっぽん昔話、次で完結です。いましばしお付き合いのほどを。
ちなみにPS2のアレは未プレイです。
>>パオさん
リハク対喪黒か……考えただけで空気が重くなるような対決ですね。ちょっと
外伝で見てみたいなぁ、とか言ってみたり。本部が入れる空気でないのは確か
でしょうな、うん。
で、将来のこと。どんっっっっなにペースが落ちても、それこそ
二週間に一回ぐらいでも充分ですから、ネタがあるのでしたらぜひ、
書いて下さいっっ。
>>VSさん
言うなれば「逆麻雀教室」ですね今のノリは。中爆発だのコシだの、よくもまぁここまで……
何というか、セワシたちの言ってることが「普通、こんなもんに騙されねーだろっ!」な
だけに、パパのマヌケさが光ってる。よく噛み合ってますよね、加害者と被害者が♪
ちなみに『ミナミ』は原作派ですのでヨロシク。
>>○さん
日曜日ですかね? お待ち致しておりますよっ♪
431 :
作者の都合により名無しです:03/12/05 22:34 ID:nQVFoAXz
ふら〜りさん乙。
次回で最終回ですか。更に新作お待ちしてます。
あと
>>421みたいなのを相手にしちゃいけません。
荒らしと狂人はほっとく事。鉄則ですよ。
432 :
作者の都合により名無しです:03/12/05 23:06 ID:nQVFoAXz
ふら〜りさんはやっぱりトリップつけた方がいいかもね。
偽ふら〜りがやたら増殖してるぞ。某スレに。
>>429 乙。
まさかそこで紅葉登場とはw
それにしてもふら〜り氏の書く勇次郎って
アホアホなのにある意味とても勇次郎っぽくてオモロイ。
>>431 排他的なここの名無しの典型だな。
別に排他的でもいいよ。
荒らされるよりマシ。
少なくとも新人とかには排他的じゃないんで。
>>417 は単にヤムスレ利用してバキスレを荒そうとしている奴。
普通に考えれば分かると思うが
>>417=dabcs5WQ
ここの住人の思考って
時代劇に出てくる山奥の村の村人とそっくりだよね
ペンションの主人が怪しい
438 :
番外編 〜武神と拳を極めし者〜:03/12/06 01:25 ID:YfnDG6cX
闇の中を男が歩いている。
周りには明かりとなるようなものも無い。月も雲に隠れている。ほとんど光が入り込まない暗闇。
全てが闇に飲み込まれる、漆黒の世界。
だがそんな暗闇の中でも何故かその男の姿だけは見落とすことはない。
炯々と光る眼のせいか。はたまた全身から噴き出る闘気のせいか。
濃紺の胴衣を着たその男は、目的の場所を目指し、ただ歩き続ける。
休むこともなく、方向を変えることも無く、まっすぐに歩き続ける。
男の目指す場所・・・・・・人間界の拠点、影道の塔に向かって・・・
男が何かを呟いた。
・・・・・ワ レ ケ ン ヲ キ ワ メ シ モ ノ ナ リ・・・・・・
439 :
番外編 〜武神と拳を極めし者〜:03/12/06 01:26 ID:YfnDG6cX
ビスケが東京に向かった次の日の朝、人間界の拠点、影道の塔・塾長室に三人の男の姿があった。
ビスケから塾長代理補佐に任命された、飛燕・月光・Jの三人である。
三人とも心なしか不安気な表情をしている。
無理もない。人間界を守るための最重要拠点と言っても過言ではない、この影道の塔の司令官を任されたのだから。
いかに豪気な男塾塾生といえども平然としてはいられない。
現に、作戦会議のために塾長室に集まったこの三人、未だに一言も言葉を発していない。
気まずい空気の中、飛燕が口を開いた。
「塾長が戦線離脱・・・、塾長代理も不在の今、果たして私たちだけで魔界軍の侵攻を防ぐことが出来るでしょうか・・・?」
女性と見紛う程の端正な顔を曇らせて飛燕が呟く。
「・・・確かに、厳しいな・・・。これまでの戦いでこっちは疲弊しきっている・・・」
この男にしては珍しく弱気な発言のJ。
「加えて、司令官の不在、伊達殿や影道殿といった主戦力の負傷、・・・・・・そして邪鬼殿の戦死・・・。
兵たちの士気はかなり衰えているだろう。」
険しい表情で月光が言う。
先刻以上に暗い雰囲気に包まれる塾長室。
と、その時。塾長室に誰かが入ってきた。
「随分と弱気になったものだな。かの大威震八連制覇を闘いぬいた漢たちが・・・」
440 :
番外編 〜武神と拳を極めし者〜:03/12/06 01:28 ID:YfnDG6cX
そこに立っていたのは元塾長代理、現医療班班長の王 大人(わん・たーれん)だった。
「王大人・・・。負傷者の治療はもういいのか?」
「ああ・・・。一段落ついた。塾長の方も問題ないだろう。
・・・もっともあの人は治療なぞせずとも自力で治しただろうが。今は高鼾をかいて寝ておる。」
その報告にとりあえずは胸を撫で下ろす塾長代理補佐一同。
「しかし・・・」
「たとえ塾長が全快したとしてもお前たちがこのザマではどうにもならぬだろうな。」
「・・・・・・・」 押し黙る三人。
重たい沈黙に包まれる室内。
「・・・・・塾長が今、この大事な時に臥せっているのはなにも怪我のためだけではない。ビスケ殿に睡眠薬を盛られたからでもない。」
突然王が喋りだす。
「・・・?」怪訝な顔をする三人。
「よいか、あの人は己が筋を通さねばならぬときがあれば必ず筋を通す。
己にやらねばならぬことがあれば、例えどんなことがあろうとも必ずやり遂げる。」
そう語る王の表情は普段の怒ったようなしかめっ面からは想像もできないほど優しい。
「もしも塾長がビスケ殿やお前たち塾生にこの戦を任せられないと考えているのなら、
瀕死の重傷を負おうとも、ゾウが熟睡するほどの睡眠薬を飲まされても、ここに立って指揮をとっているだろう。江田島平八という男はそういう漢だ。」
「・・・・・・」
「そんな漢が今このときに鼾をかいて寝ているのだ。これほど信頼されているという証拠もあるまい」
「!!」
目の前の男たちがハッとした顔になる。それを見て続ける王。
「男の魂(こころ)に応えてこそ真の漢!勝ちだの負けだのと細かいことを考える必要はない。ただひたすらに男塾魂をつらぬけばよい!
お前たちも誇りある男塾の塾生ならば塾長の魂に応えてみせい!!」
まるで塾長本人のような一喝をとばす王。
441 :
番外編 〜武神と拳を極めし者〜:03/12/06 01:34 ID:YfnDG6cX
再び沈黙。だが先ほどまでの沈黙とは違う。
月光が口を開く。
「いかなる時も敵に背を向けることはない・・・。それが男塾魂。」
Jが続ける。
「ふッ・・・。確かにその通りだ。俺としたことがこんな単純なことでウジウジと悩んでいたとはな。」
そして飛燕。
「まったくです。わたし達は目の前の事態に気をとられて何より大切なことを忘れてしまっていたようです」
もう男たちの顔に不安は無い。なにかが吹っ切れた、気負いのない晴れやかな顔。
それを見て満足気に頷く王大人。
442 :
番外編 〜武神と拳を極めし者〜:03/12/06 01:36 ID:YfnDG6cX
と、そのとき、ドタドタと騒がしい足音が聴こえてきた。続いてなにかがぶつかるような音。さらに男の呻き声。
一拍おいてから 「失礼するであります!!」 というだみ声と共に鬼ヒゲが飛び込んできた。鼻血を流している。転んでぶつけたのだろう。
「き、緊急事態であります!!」
と、そこまで言ってから、月光たちの姿に気づき、「なんでお前らがここにおるんじゃ?」と怪訝な顔をする。
「なにがあったのだ。 」王大人が先を促す。
ハッと気づき話を続ける鬼ヒゲ。
「さ、先ほど偵察にでていた塾生から連絡があり、こちらに向かって魔王軍が侵攻中、
このままでは一時間と経たずに塔に攻め込んでくるだろう、との事です!」
わずかに緊張が奔る塾長室。
「して、数は?」 再び尋ねる王。
「数は400程度ですが・・・」 そこで口ごもる鬼ヒゲ。
最初の決戦の時の10分の1以下という少数。増援でもない限りは負けることは無いだろう。だが目の前の鬼ヒゲに余裕はない。
「どうした。続きを言うが良い。」
「は、ハッ!・・・数は400程度ですが、ギガンテスやキラーマジンガ、サタンジェネラルといった最強クラスの魔物たちだけで構成されているとのことです!」
「ぬうぅっ!少数精鋭ということか・・・」 王が唸る。
だが、月光たち三人はその報告を受けてなお、焦りをみせることはなかった。
「では、戦闘準備に取り掛かりましょうか。」 口元に笑みすら飛燕が言う。
「緊急ってほどのことじゃなかったな。鬼ヒゲのオッサンよ」と、J。ベアナックルを嵌め、軽くジャブを放って見せる。
「左様。一時間もあれば十分態勢は調う。」 腰から愛用の根をとりだしながら言う月光。
「そうであろう?鬼ヒゲ殿」
急に話をふられ、うろたえる鬼ヒゲ。 「え!?あ、も、もちろんじゃぁ!」
(ふ・・・頼もしき漢たちよ)心の中で呟く王。 そして、鬼ヒゲに指示を出す。
「鬼ヒゲ!全軍に戦闘準備の旨を伝えよ!・・・飛燕、月光、J、軍の中心となって戦士たちをまとめあげてくれい。」
「ハッ!」 「応!!」 鬼ヒゲと三人が同時に応える。
443 :
作者の都合により名無しです:03/12/06 01:54 ID:2aYFXpzB
番外編キタ----------------------------!!!
面白いし、ぜひ完結させて欲しい。
でも新しい人だよね。ムツジさんじゃなくて。
しかしザオリク連発の王大人がいると蛇鬼とか生き返るんじゃないかw
444 :
388:03/12/06 02:22 ID:YfnDG6cX
こんなん出ました。独歩メインで書くとか言いながらこれまでに独歩が一回も出てきてないという・・・。
前フリ長すぎ!でもまだ前フリ続きます。こんな駄文でよろしければ、今しばらくのお付き合いを・・・。
>>443 早速の感想ありがとうございます!
一応、最後まで構想は出来ているので完結はします。面白いかどうかは別として。
それと、王大人は解説役なのでザオリクは使いません。
御都合主義は嫌いなので・・・w
445 :
388:03/12/06 02:42 ID:YfnDG6cX
ひぃ〜!脱字発見!
>>442の18行目
>口元に笑みすら飛燕が言う
正しくは
口元に笑みすら浮かべながら飛燕が言う
です。
脱字どころか脱文・・・
SS初挑戦者なのでお許しを・・・
446 :
作者の都合により名無しです:03/12/06 02:58 ID:2aYFXpzB
SS初挑戦者でこのレベルか。すごい。
パオさんやVSさん、外伝さんと肩を並べる職人になるかも。
がんがれ。多少の誤字脱字など気にしなくても良いので、
とにかくご自分のペースで完結させて下さい。
ザオリクにワロタw
448 :
作者の都合により名無しです:03/12/06 12:25 ID:TCMwl7wF
388さん乙。
また一人腕利きさんの誕生か。
ありがたいな。面白かったよ。
449 :
番外編 〜武神と拳を極めし者〜:03/12/06 13:07 ID:YfnDG6cX
「おりゃ〜、敵襲じゃ〜い!起きろ起きろ〜!」
「さっさと庭に集まるんじゃ〜!」 富樫と虎丸が仮眠していた戦士たちを次々と叩き起こしていく。
そのころ、既に起きていた戦士たちは覇気の無い顔で庭に集まっていた。
連戦の疲れやこれから始まる戦いへの不安・・・。やはり士気は低い。
(まずいですね・・・。このまま戦いが始まっては・・・) 険しい顔で考え込む飛燕に
「のう飛燕。これから攻めてくる魔界軍っちゅーのは一体どれぐらいの数なんじゃ?」
と、いつの間にか近くに来ていた田沢が尋ねてきた。隣には頼りなげな表情をした松尾。
「報告では400ほどだそうです。」
それを聞いた田沢と松尾の表情がぱっと明るくなる。
「な、なんじゃぁ、そんなもんかい!それっぽっちの数ならどっからでもかかってこいっちゅーんじゃぁ〜!」
「お、おうよ。なんせわしらは5000以上の大群を退けたんじゃからのう!どうやら魔王軍もネタが尽きてきたようじゃなぁ!がっはっはっ!」
はしゃぐ田沢と松尾。それを見ていたJが苦笑いしながら言う。
「まったく・・・気楽なもんだな、自分たちはほとんど戦わないくせに。」
「ですが私たちはその気楽さに何度も助けられてきました。どんなに苦しい状況になっても、彼らの明るさを見ていると、諦めかけていた自分がバカみたいに思えてくる。現に、今も」
そういって戦士たちの方を指差す。さっきまであれほど暗い顔をしていた戦士たちが田沢と松尾の漫才のようなやりとりにつられて笑っている。
「この戦いの本当の功労者は彼らかもしれませんよ?」と飛燕。
「ふっ・・・、あるいはそうかもしれんな。」冗談めかして答えながらも、Jは本心からそう思っていた。
450 :
番外編 〜武神と拳を極めし者〜:03/12/06 13:08 ID:YfnDG6cX
鬼ヒゲからの報告があってから10分。今戦える全ての戦士が庭に集まっていた。その前には司令官となった飛燕、月光、Jの姿がある。
戦士たち全員の顔を見ながら飛燕が話しだす。緊張した面持ちで聞く戦士たち。
「敵がここにたどり着くまでおよそ50分!しかし50分経たずとも、ルーラなどで敵が強襲してくることも十分考えられます。油断することの無いようにしてください。」
一旦言葉を切る。そして、大きく息を吸い込み、声を張り上げる。
「塾長も、塾長代理もいない今こそ正念場です!決して負けるわけにはいきません!
塾長の信頼に応えるためにもなんとしても戦い抜きましょう!そして魔界の軍勢に人間の力を見せつけてやりましょう!」
「ウオオオオォォォォォォオオッッッッ」雄叫びをあげる男たち。
「では、全員、配置についてください!」
その言葉と同時に戦士たちが一斉に散開する。
(さて・・・どうなりますかね・・・。)表情を引き締める飛燕。
451 :
番外編 〜武神と拳を極めし者〜:03/12/06 13:09 ID:YfnDG6cX
鬼ヒゲからの報告があってから10分。今戦える全ての戦士が庭に集まっていた。その前には司令官となった飛燕、月光、Jの姿がある。
戦士たち全員の顔を見ながら飛燕が話しだす。緊張した面持ちで聞く戦士たち。
「敵がここにたどり着くまでおよそ50分!しかし50分経たずとも、ルーラなどで敵が強襲してくることも十分考えられます。油断することの無いようにしてください。」
一旦言葉を切る。そして、大きく息を吸い込み、声を張り上げる。
「塾長も、塾長代理もいない今こそ正念場です!決して負けるわけにはいきません!
塾長の信頼に応えるためにもなんとしても戦い抜きましょう!そして魔界の軍勢に人間の力を見せつけてやりましょう!」
「ウオオオオォォォォォォオオッッッッ」雄叫びをあげる男たち。
「では、全員、配置についてください!」
その言葉と同時に戦士たちが一斉に散開する。
(さて・・・どうなりますかね・・・。)表情を引き締める飛燕。
452 :
番外編 〜武神と拳を極めし者〜:03/12/06 13:12 ID:YfnDG6cX
・・・・・・・・
戦闘態勢が調ってから20分。敵影は見えない。
「どうやら強襲ってことは無さそうだな。」Jが表情を緩めることなく月光に話しかける。
「いや、まだわからん。どこかから様子を覗っているだけやもしれぬ。」厳しい顔で答える月光。
・・・・・・・・・・
さらに20分後。
(ここまでに襲ってこないということは・・・、おそらく小細工などせずに正面から押し切るつもりでしょうね。・・・となれば、決戦は10分後ですか・・・。)
・・・・・・・・
そしてさらに20分後。
とうとう報告から一時間と10分が過ぎた。敵軍が襲ってくるはずの時間はとうに過ぎている。
だが、敵影はどこにも見当たらない。
「なんじゃぁ、あれからもう1時間分以上経つのにスライム一匹現れんぞ?」と、不思議そうに喋りだしたのは、双眼鏡を覗き込んだ富樫。
「カカッ、きっと俺たちがあんまりにも気合入ってるんでビビって逃げ出しちまったんだろうよ!」虎丸が得意げに言う。
「よく言うわい!さっきまで思いっきり不安そうな顔してたクセによ!」富樫が挑発する。
「な、なんじゃと〜!?てめぇ、どの口がそんなこと言いやがる!」もみ合いになる二人の横で、一人、思案顔の飛燕。
(おかしい・・・。何故襲って来ない・・・?) 虎丸が言うように逃げたとは考えられない。
(どこかで様子を覗っている・・・?) 1時間以上も臨戦態勢を保っているため、戦士たちの集中力は限界に達している。こちらの集中が途切れた時を狙って襲い掛かって来るつもりだろうか?
(いや・・・。) かぶりを振ってその考えを否定する飛燕。
この1時間の間に何度か偵察を出している。だが、魔界軍はおろか、魔物一匹見かけることはなかった。
(味方の増援か・・・。いや、光成候がこちらの援護要請を蹴った以上、人間軍の兵力はここにいる戦士たちがほぼ全てだろう。まして、進行中の魔界軍を我々を抜きにして迎撃できるほどの戦力など・・・。)
なにか、言葉に出来ない不安が飛燕の胸に渦巻く。今朝がた感じた不安とはまた異質なもの。
(一体なにが起きている・・・?)
453 :
388:03/12/06 13:19 ID:YfnDG6cX
ごめんなさい、二重投稿してしまいました・・・。
初めてSSを書いてみた感想なんですけど、とにかく難しい!
頭の中である程度話はできあがっているのですが、それを文章にするのが難しいの何のってまぁ。
改めてパオさんをはじめとする職人さんたちの凄さを思い知りました・・・。
>>446 >>448 そう言っていただけるとありがたいです。
まだまだ独歩は登場しませんが(爆)、辛抱強くお付き合いお願いします。
知欠並だな。
今週号も期待できないだろう
455 :
○:03/12/06 17:47 ID:3pNQgHt5
明日カキコします。
男塾ネタですので、388さんとかぶりそう…
388さん乙。
小さなミスには捕らわれずのびのびがんがって下さい。応援してます。
○さん、期待してますよ。人材が立て続けにきて(・∀・)イイ!
でも正直388さん=○さんと思ってましたw
ムツジさんとハンターさんはどうしたのかな。
457 :
作者の都合により名無しです:03/12/06 19:35 ID:x8hSooqe
388さんといい○さんといいバキスレの未来は明るいなあ
>>455 まじ?男塾ファンなのでめちゃ期待age!!かぶってもいいから書いてね。
459 :
作者の都合により名無しです:03/12/06 23:55 ID:MTr+/jKn
ここはSSスレの理想に近付きつつあるな。
神職人が2人もいてふらーりさんやバレさんの援護体勢も完璧で
腕利きの新人さんも入ってきて荒らしも減って。
良い事だ。
460 :
番外編 〜武神と拳を極めし者〜:03/12/07 00:46 ID:j0nrFpJ7
そのころ、影道の塔から5キロほど離れた場所に魔界軍の姿があった。 ・・・・いや、「魔界軍だった物」と言ったほうが正しいだろうか。
あたり一面、無数の魔物の死骸が転がっている。
頭の上半分を砕かれたセルゲイオス。腹に巨大な風穴を空けられた鬼棍棒。黒焦げになったブースカ。一つしかない目玉を潰されているギガンテス。元の形が分からないほど粉々に砕かれた大魔神。六本あるはずの腕を全て失った地獄の使い。
それらの魔物の死体と血で地肌が見えなくなっている。動く者は何一つ無い。
・・・・・いや。何かがモゾモゾと動いている。顎の下から頭の上までを貫通させたグレイトドラゴンの死体の下から何かが這い出てきた。
真っ白な体毛と紫色のたてがみを持つ、巨大な馬。 3メートルはあるだろうか。
二足歩行のその魔物はあたりを見回して何者かに呼びかける。
「ゴンズ!おいゴンズ!無事か!?」
「おうよ・・・。なんとか無事だ・・・」その声に応えながら、もう一体の魔物が死体の山を持ち上げるように現れる。
ピンク色の肌をした悪鬼のような恐ろしい顔の魔物。こちらも4メートル以上の巨体だ。右手に巨大な段平、左手に丸い盾を持ち、戦士のように胸当てをつけている。
ふぅ〜、と大きな口から大きな溜め息をつきながら悪鬼のような魔物・・・ゴンズがもう一体の魔物に話しかける。 「まったくとんでもない目にあったな、ジャミよ。」
ジャミと呼ばれた魔物が応える。 「あぁ・・・。なんだったんだあの化け物は・・・」
その「化け物」の姿を思い返して震え上がるジャミ。
「400もの屈強の魔物たちがわずか一時間で・・・、それもたった一人の人間に壊滅させられるなんて・・・」
461 :
番外編 〜武神と拳を極めし者〜:03/12/07 00:48 ID:j0nrFpJ7
さかのぼること一時間ほど前。
バーンからの命を受け、ジャミたちモンスター軍団は影道の塔へと進軍中であった。
特に急ぐ様子も無い。悠々と軍を進めている。
そんな中、ゴンズが口を開く。
「まったく、バーン様も志々雄やら朧みたいな人間なんぞに任せないで、最初から俺らに任せてくれりゃあよかったのによぉ。」
「まぁそういうな。あいつらが人間どもの主戦力を潰してくれたからこそこうして余裕をもって進軍できるんだろうが。」 と、ジャミ。
「左様。たがだか人間風情にムダな苦労をすることもあるまい。」 その横を進む大魔道が言う。
「そう楽に構えててよいのか?万に一つということもある。一度はバーン様すら敗れたという人間の底力・・・。侮るわけにはいかんと思うがな。」 一人、厳粛な顔で他のものを嗜めるサタンジェネラル。
それを聞いて、ゴンズ。 「ハッ!万に一つもありゃしねぇよ!こっちは魔界でも最強クラスの魔物を集めてるうえに、数でも勝ってるんだぜ?
おまけに奴らは今までの攻撃でボロボロだ!唯一頼みの江田島とやらもザボエラにやられて寝込んでるらしいじゃねぇか!どこをどうやったら俺たちが負けるってんだよ?だいたい・・・・」
一気に捲くし立て、更に何かを言おうとした時、ふと前方の人影に気付く。
462 :
番外編 〜武神と拳を極めし者〜:03/12/07 00:51 ID:j0nrFpJ7
モンスター軍団の50メートルほど前方を一人の男が歩いている。
濃紺の胴着を着た、空手家風の男。
「なんだ、あいつぁ?」 それに釣られてジャミたちも男の方を見る。
男もゴンズ達に気付いたようだ。だが、ちらりとそちらの方を見ただけで、構わず歩き続ける。
「おい。待ちな」ゴンズが威圧的な声を出して男を呼び止める。 振り向かずに立ち止まる男。
「てめぇ、何者だ?・・・人間軍にゃぁ見えねえが・・・」
「・・・・・・」 何も答えずに再び歩き出す男。
「て、てめぇ・・・・」 ピンクから赤に変色した顔に青筋を浮かべながら唸るゴンズ。
その時ゴンズの後ろから軽薄な感じの声がした。 「まぁまぁ、いいじゃないゴンズ隊長♪」
道化師の格好をした魔物、キラージャックだ。
「そうそう。人間軍だろうがそうじゃなかろうがボクたちには関係ないしね〜!」
鞭を打ち鳴らしながら続けるサタンパピー。
そして、声を併せて言う。『どうせ殺すんだから!』 言うが早いが男に跳びかかる二匹。
男は構えもとらずただ無防備に立っているだけ。キラージャックのサイが、サタンパピーの鞭が、男を捉えようとしている。
その時、魔物たちの首筋を風が撫ぜた。
次の瞬間、どこをどうされたものか二匹は首を切り落とされていた。
緑色の血を噴き出しながら、跳びかかったときと同じポーズで地面に倒れ付す二匹。
あまりの出来事に呆気にとられるゴンズ達。
「き、貴様ぁぁぁああっッッ!!!」いち早く我に返ったサタンジェネラルが憤怒の表情で叫ぶ。 その叫び声で他の者たちも我に返った。
「てめぇら、殺っちまえぇええええええッッッ!!」捻りの無い台詞でモンスターたちに命令を下すゴンズ。
大地を揺るがすような怒号を発しながら魔物たちが男に殺到する。
それを見て男が呟く。 「笑止・・・・」
その呟きと同時に男の闘気が膨れ上がった!
463 :
388改め大僧正:03/12/07 01:14 ID:j0nrFpJ7
いつまでも番号じゃなんだな〜、とか思ったので名前を入れることにしました。
これからは大僧正でお願いします。
ようやく「拳を極めし者」登場。
今までどうでもいい前フリばっかだったんですけど、ようやく本道に入れそうです。
でも、まだまだ「武神」は登場しません。
これからは、どうでもいい「拳を極めし者」と魔界軍の戦闘が始まります。
「武神」と「拳を極めし者」のバトルは何時になることやら・・・。 こんなはずじゃなかったのに・・・
>>○さん
別にかぶってもいいじゃないですか!
俺のことは気にせず思いっきり書いてください!
>>456 >でも正直388さん=○さんと思ってました
実は俺もそう思われてるかな〜、とか思ってたんですよw
ほぼ同時期に書き込んでたので勘違いするのも無理はないと思います。
464 :
橘:03/12/07 01:25 ID:hE4aMMHu
△_△
(・∀・))
>>460 腕6本って"地獄の使い"じゃなくて"地獄の騎士"だったと思うが
うげー。
ゴ●キ、洒落にならんな。独歩、勝てるのか?
「おー、やっと始まったか。ずいぶんと善戦してたみたいだな、のび太の奴」
「ホント白けちゃうわよね。アタシ、のび太さんにファンレターを書こうかな。
あなたの無様な負け戦が大好きです、もっと醜態を晒して下さい。チュ。って」
「こいつら一体どんなレートで打ってるんだろうね?大橋巨泉じゃあるまいし
まさかノーレートってことはないよね。いいとこテンピン(1,000点100円換算)が
関の山だろうけど、だとするとのび太くん、何回トップとったら僕らへの負け分を
清算できるんだろう?」
「お兄ちゃん、そんなの適当でいいのよ適当で。はい、100万回で決定ね!」
「そーかー、100万回かー。のび太くん、先は長いぞー」
台所の床下収納に偶然落ちていた純米大吟醸をあおりながら、冷蔵庫の中に
ゴミ同然に捨てられていた鯛の刺身をモリモリかっ喰らう。のび太の公開処刑を
目前にして、モニターを囲んで座ったドラえもん、セワシ、ドラミのボルテージは
最高潮に達していた。
この間パパは、鼻にサイコロを詰めたマヌケ面を三人に向けて、麻雀教室の再開を
ボケーと待ち続けている。たまりかねて、低姿勢におずおずと口を開いた。
「あのー。のび太の経過は後で確認するとして、こっちの麻雀に集中しませんか?」
「あのー」のはずみに、鼻からサイコロが飛び出した。2と3で、またしても
自5である。
「この薄情者!」
ドラえもんが、漆黒の暗器パンをパパの顔面にぶち込んだ。道具の使い回しなど
屁とも思わない剛腹なドラえもんである。
「ぶひー!」
「愛する息子の大ピンチだというのに、のんきに麻雀なんか打ってていいんですか!?
明日は仕事だっていうのに、こんな時間に牌を握ってて社会人と言えるんですか!?」
「そうだぞパパさん。嘘でも偽善でもいいから、哀れなのび太に嗚呼とかOhぐらいの
言葉はかけてやっても、罰は当たらないんじゃないか?」
あまりの正論に、血泡を吹いた口をパクパクさせるパパを、今度はドラミが
一風変わった切り口から弾劾した。
「それよりパパさん、また自5を出してんのよね。ひょっとして、サイコロに
何か仕掛けでもあるんじゃないの?」
「そ、そんな汚い真似、パパがする訳が…」
「シャラップ!セワシさん、お願い!」
拾い上げた2つのサイコロを、セワシに放り投げた。受け取ったサイコロを
セワシが奥歯で噛み砕き、手の上にペッと吐き出した。
サイコロには、神をも恐れぬ魔のカラクリが埋め込まれていた。
http://park14.wakwak.com/~usobare/dora/img/trick.gif 「ほーら見なさい!こんな人形が出てきたじゃない!こいつが動かぬ
証拠よ!」
セワシの手からサイコロの欠片をつまみ上げ、ドラミがしてやったりの
表情でパパに詰め寄った。怒濤の出足で一気に畳み掛ける。
「知らん!パパは知らんぞ!」
「うっさいボケ!やるに事欠いてドナルドマジックを悪用しようだなんて
子供の夢をぶち壊した罪は重いわよ!喰らえ!」
東東東南南西西西北北北中中中
小四喜字一色四暗刻単騎。128,000点。
「わはははー!」
何故か笑いながら卒倒したパパの股間に、一枚の紙切れが舞い落ちた。
無記名の借用書である。秋色漂う九月の夜空に、のび太のパパ、堕つ。
「さて、と」
三人が再びモニター前に腰を下ろした。邪魔者も消えたことだし、これで
心ゆくまで映像に集中できる。ドラえもんがリモコンをモニターに向けて
ズームのボタンを押した。雀卓外縁の点数表示盤が大写しになる。
「なんだこりゃ?」
セワシが素っ頓狂な声を張り上げた。90,000点のトップに、残りの三人が
1,000点未満という惨状を目の当たりにしては、驚くのも無理はない。
「ボロボロじゃねーか、のび太。こんなザマで、よく今までサイレンが
鳴らなかったな」
「のび太くんのレベルに合わせて設定したから、これでも一応健闘してたって
判断したんじゃない?スネ夫もしずかちゃんもトビ寸前だし、のび太くんの
対面の黒シャツ白髪、コイツが圧倒的に強いって事なんだろうね」
「黒だの白だの、マイケル・ジャクソンばりに迷走してる癖して生意気よね」
当たり障りのない意見を述べたドラミが、続いてこんな感想を漏らした。
「それにしてもこの雀荘、客がいないわねー。客どころか従業員もいないし
実はどっかの廃寺なんじゃないの?土地だってタダじゃないんだし、とっとと
建物ごと潰して資材置き場にでもすればいいのに」
『聞こえたぞ』
「拳を極めし者」って小柄でうたれ弱いうなり男だろ?
乙
>>466 失礼しました。本編はキチンとアップされているようで
とりあえずはよかった。
でも、色からして信号機っぽいな。
小説では強くあってほしい。弱いのはゲームだけでたくさん。
477 :
作者の都合により名無しです:03/12/07 16:56 ID:qkb5gPRe
ヤクバレさんはどんどん危険なネタに踏み込んでるなw
リアルであれをうぷするとはw
478 :
○:03/12/07 17:35 ID:lck2st3p
大僧正さん上手すぎ。
自分のも深夜にアップするけれど、
これじゃ、自分の文章がレベル低すぎて出しづらい。
上手さなど関係ないッッッ!!!!
ここはSSスレなんだッ!
皆素人なんだッ!!!
上手さを語るとマロンの悲劇が再燃するッッ!!!
重要なのは書き手も読み手も楽しいかどうかだッッ!!!!
「てめえのような奴に、この男塾は務まりはせん。フッフフ、所詮、この俺もな」
教官の口に突き刺した槍を抜きながら、伊達臣人は吐き捨てるように言った。
伊達臣人。後に関東豪学連総長として剣桃太郎と死闘を繰り広げる男の話である。
―1―
昭和××年2月15日。
伊達の教官殺害の報を聞き、教官の鬼ヒゲが教室に駆けつけたときには、
既に伊達は姿を消していた。
教室はまさに惨状であった。
口から血を涎の様に垂れ流しながら仰向けに倒れている新人教官。
壁一面に飛び散った血。
恐怖に顔を引きつらせた1号生。
むせかえる死の匂い。
無論、教官は絶命している。
「な、なんちゅう。。。」
その光景に、鬼ヒゲはそれだけ言うのが精一杯だった。
(じゅ、塾長に何と言えばよいのか‥)
その頃、伊達は東京の某繁華街を歩いていた。
別にこの街に来たかったわけではない。
鬼ヒゲの来る前に男塾を飛び出したものの、一銭も持たぬ身。
当てもなく歩いた結果、ここに着いただけである。
もちろん、これからの事など何も考えていない。
伊達は表通りを右に曲がり、裏通りへと入った。
しばらく路地を歩いていると、突然、横から声をかけられた。
「よう、あんちゃん」
伊達が振り向くと、見知らぬ男がこっちを向いていた。
『喧嘩上等!』の白刺繍の入った学ラン姿。典型的なヤンキーの格好だ。
男は左手を伊達に差し出してきた。
「金、貸してくれんか?」
(‥‥‥‥)
身も蓋も無い台詞に、伊達は相手する気も起きず、そのまま無視して通りすぎようとする。
「ちょっと、無視するなや」リーゼントをかけた別の男が、伊達の行く手を遮る。
「お兄さぁん、ちょっと財布の中身を見せてくださぁい」
また別の茶髪の男が、ジャックナイフをちらつかせながら近寄ってくる。
見れば伊達の周囲を、数人のヤンキーが取り囲んでいる状態となっていた。
(まあ、ストレス解消にはなるか)
伊達は男達の顔を見ながら、そんな事を思っていた。
無性に暴れたい気分だった。ちょうどいい。
――1分後。
通りには、うめき声をあげる不良少年たちの山ができあがっていた。
ある者は骨折、ある者は血泡を吹きながら。
一方、伊達は近くの自販機で購入した缶コーヒーを啜っている。
多対一とはいえ、伊達の敵ではなかった。
「恨むなよ。俺に喧嘩を売った貴様らが悪いんだ。コーヒー代は御馳になるぜ」
空になったコーヒー缶を投げ捨て、伊達はその場を去ろうとする。
「お待ちなされい」
静かな、それでいて異様に重い声が、伊達の背中に突き刺さった。
伊達が振り返ると、そこには拳法着をまとった男が立っていた。
ドジョウ髭を生やし、頭に「大往生」の刺青。明らかに異様な出で立ち。
だが、その姿以上に驚くべきことに、彼は今の一言を発するまで、
伊達に気配をまったく感じ取らせなかったのだ。恐るべき陰行法。
「なんだ、てめえは?」思わず問いかける伊達。
男、厳しい表情を崩さず、伊達に向かって歩を詰める。
「お主の心に闇がかかっており申す」
「???」思わぬ返答に、言葉に詰まる伊達。
「その闇のため、今のお主は道が、光が見えておらぬ。それでは救われぬ」
数瞬の後、伊達はつとめて白けた口調で答える。
「宗教の勧誘ならお断りだぜ」
「人を殺めましたな?」「!」男の言葉に、驚愕する伊達。
「それも、今回が初めてではない。その年にして、数多の修羅場をくぐって
きたようですな」男の話は続く。
「人の命を奪うたびに、心の闇は増えていくもの。
その闇に、お主の心と身は覆い尽くされ、身動きが取れなくなっており申す」
「で、何が言いたい? ハゲのおっさん」
伊達が馬鹿にした口調で男に聞く。
「拙者の共に来るのでござる。その心の闇、洗ってしんぜよう」
男は伊達に右手を差し出してきた。
「ハッハハ!」男の言葉に爆笑する伊達。
ひとしきり笑い終わった後、伊達は男に向かって一言
「闇だと? 見えもしねえ他人の心を、したり顔で話してんじゃねえ、ハゲ」
男が右手を引っ込める。心なしか表情も硬くなっている。
「どうやら、口では理解されぬようだ」
男が上着を脱ぐ。よく鍛錬された筋肉があらわになる。
これだけの肉体の持ち主は、男塾の猛者にもそうはいないだろう。
「これより先は、我が拳で教授致そう。お主にはその方が性に合うようだしな」
伊達は
「まわりくどい奴だな。要するに俺と闘いてえんだろ。
とりあえず、今日の俺は機嫌が悪い。容赦しねえぜ!」
「ぜ」の声とともに、伊達は足元に転がる空缶を彼の顔めがけて蹴った。
男はわずかに首を捻って空缶を躱し、そのまま一気に間合いを詰め、
逆に伊達にむかって蹴りを放つ。
「面白れぇ! さっきの雑魚よりは腕がたちそうだな!」
伊達は二歩後ろに退いて攻撃をかわす。
そして再び間合いを取って、拳を構え両者対峙。
伊達が口の端にわずかに笑みを浮かべる。塾を出てから初めての笑顔。
「先に聞いてやる。名は何と言う?」
男が名乗る。
「拙者の名は雷電。東京豪学連参謀長の雷電でござる」
後の三面拳の一人、「雷電」との出会いであった。
いまや神と呼ばれるパオだって
最初は文章そんなに上手くなかった。
内容はすごく面白かったが。
文章なんて書いてるうちに上手くなるよ。
だから○さんがんがれ。
485 :
○:03/12/07 21:17 ID:2qTysug5
書いてみました。
雷電が変な勧誘員みたいになってしまった。。。
伊達のキャラクターも違うし。
まあ、昔はこんな性格だったという事で。
一応三面拳全員出します。
最後までのストーリは出来ていますが、遅筆ですので
更新ペースは遅いです。
>>479さんアリガトウ
486 :
○:03/12/07 21:18 ID:2qTysug5
487 :
484:03/12/07 21:27 ID:OIjtENxY
いや、読んだけど十分うまいし面白いよ。
応援する。がんがって。
嫌なのは書くといって書かない人。書いた作品を途中で投出す人。
書く量も少ないのに、勘違いして単独スレ作る人。
こういう人たちに比べれば、○さんや大僧正さんは数段立派。
がんがって完結させて下さい。
>>485 押忍!自分は続きを楽しみにしているであります。
>>487 別に○さんとかを褒めるだけでいいよ。
明らかに1985をバカにするような発言してるし。
そこで
>>487叩きの比重が高まるのがこのスレのよくない傾向なんだよ
492 :
ふら〜り:03/12/07 22:20 ID:jWGdlAO/
賑やかなのは良きことかな♪ この祭囃子に乗って、私も明日、献上させて頂きますっ。
>>VSさん
懐かしの必殺技を繰り出されましたね〜。で、何かと思えばドナルドマジック。そういえば
ハンバーグラーは人間顔の方が良かったなぁとか思い出してしまったりする九月の夜でした。
あと、堕ちたパパの復活は成るか? でもってアカギと対峙でもしたら……って、さすがに
対峙しようがないか?
>>大僧正さん
高鼾は信頼の証、ってのが凄くカッコいい! これぞ『漢』っっ! 原作の男塾ではなかった、
軍勢対軍勢だから出せたこの雰囲気、この空気。コブシ震えますよ、大僧正さんっ!
あと、ゴウキやその周辺は、私個人としてはゲーメスト連載の中平先生作品が根幹ですので、
ゴウキが強くて怖いのは大歓迎♪ どんどんいって下さいっ!
>>○さん
うわ。伊達が繁華街でヤンキーに絡まれて、缶コーヒー飲んで……って、何だか脳みそのどこを
ほじくってもカケラも出てこなかった映像ですよそれ。暴力団への殴りこみならまだしも。
で。「昔はこんな性格だった」というのは、それはそれで「今まで知らなかった一面が
見られる」と思えますよ。○さんの技量なら大丈夫。後の二人も、期待しておりますっ。
>>479 >重要なのは書き手も読み手も楽しいかどうかだッッ!!!!
まったくもってそれこそ真理! ですな。
なんだかね、結構職人に対してシビアなんだよねこのスレ。
中途半端にレベル高いとかって、プライドみたいの持っちゃってる気がするし。
ま、これは俺の意見なんでシカトしてくれ。無駄な議論は荒れる元だ。悪かった。
つーか、ここの住民妄想激しすぎだろw
>>487が指摘してるのは「もつお」と「ザク」だ。
思わせぶりな奴や、投げ出す奴が嫌われるのは事実だし。
495 :
作者の都合により名無しです:03/12/07 22:35 ID:BA9AjTnY
>>494 >書く量も少ないのに、勘違いして単独スレ作る人。
これおもいっきり1985の事ですけど?
>>495 もつおにも当てはまる。
っていうか、やめろ。
>>496 >書く量も少ないのに、
は1985だろ。もつおはそれなりに量があった。
ここはVSさんの事もそうだけど職人さんの都合も考えずに無い物ねだりする馬鹿が多すぎる。
SSを書いてくれる時間なんて職人さんの都合で決めて良い。
とりあえず今の「職人は書いて当たり前。さらにもっとこうしろ」という風潮はうざい。
もうやめろ。その下らない意見がこのスレにとって何らかの高利益をもたらすのか?
ああ、答えなくていい。SSスレの長文はSSだけで十分。
もつおか1985かが、どれだけ大きな問題になると言うんだろう・・・
愉快なスレだな。
1985はこのスレも見てるんだよ。職人のやる気を削ぐ馬鹿は失せろ
おれはここも番外も楽しみにしてるんだよ
みんないい歳してるんだから大人になろうよ、な?
502 :
作者の都合により名無しです:03/12/07 23:29 ID:+VuagE2z
>>大僧正様
いよいよ決戦ですか。あのゴウキに対して独歩や克己がどう戦うのか
楽しみです。でもゴウキじゃなかったりしてw
>>ヤクバレ様
最後のヒキ、誰だろ?しかしよく麻雀でこんなネタできるなー。
麻雀知らない俺でも面白く読めるってすごい。
>>○様
面白いじゃないですか! 謙遜されるなんてとんでもないです。
そういえば伊達組の過去って想像もしてなかった。期待してます。
>>ALL
せっかく新しい書き手さんがお2人も来たのに、もう止めようよ。
いい雰囲気になるとこうなるのはこのスレの悪いところ。
503 :
○:03/12/07 23:45 ID:zJUlVVKA
一箇所誤字というか、脱文がありました。
「これより先は、我が拳で教授致そう。お主にはその方が性に合うようだしな」
(誤)伊達は
(正)伊達も男の言葉に応じる。
思ったより悪い評価受けていないよで良かった〜
正直「つまんないよ」とか言われやしないかとビクビクしてました。
がんがります。
504 :
作者の都合により名無しです:03/12/08 08:20 ID:MVsrwJ6T
>>503 ○さま
いや、とんでもない。文章力も題材も良く、今後の展開を期待してしまいます。
御自分のペースでかまわないので、完結までがんがって下さい。
勿論、大僧上さんも応援してます。お2人ともがんがれ
505 :
魔界編 52話位:03/12/08 19:10 ID:yZqNCYNC
>>407 「やはりブックメーカーの予想通り、雷電と喪黒に人気が集中してるな」
桃が選手待合室に入室するなり、険しい顔でそう言った。ブックメーカー、つまり賭け屋。
そのブックメーカーの主催の賭博が、公認で行われている。勿論、誰が優勝するかである。
そして賭けに参加した6割が、雷電と喪黒の券を買っている。
即ち、Aブロック第一試合の勝者がそのまま優勝するというのが、大方の観客の予想である。
ビスケの控え室である選手待合室に、本部やロビンもいる。勿論、烈と桃、九十九もである。
Aブロック第一試合。喪黒 VS 雷電まであと5分ほど。ビスケと精鋭部隊の顔は厳しい。
「観客の予想は正しいわさ。アタシでも雷電か喪黒を買うわさ。ところで選手のオッズは?」
「押忍、塾長代理。確か、雷電が1.2倍。喪黒が1.6倍。利根川が3.6倍。塾長代理が4.2倍。
ロビンが6.8倍。雄山先生が9.7倍。テリーマンが18.6倍。 ・・以上です、押忍」
「そうか。ご苦労、桃。ほぼランキング通りだな。まあ、妥当なところか」
「な、なんじゃあそのオッズはッ!! 大体、以上ってなんじゃあ桃。ワシは何倍じゃあッ」
ビスケに報告する桃にしがみつく本部。冷たい目でそれを見る烈やロビン。九十九は無関心。
「聞け、本部。お前はオッズすら付かなかった。ありえん事だがもしお前が優勝したら、
全額掛け金は払い戻しになる。まあ、お約束だな」
「今日の観客、見る目があるな。だが万が一このルンペンが優勝したら、暴動確実だな」
桃が諭すように本部に言ったその言葉に、烈が深くうなずく。子供のように泣きじゃくる本部。
「うるさいわあッ!! どいつもこいつもバカにしおって。絶対優勝してやるわあッ!!
ロビン、ビスケ師匠、ワシが優勝したら女体盛りで弄んでくれるわぁッ!!」
何故かキレて暴れまわる本部。精神状態がすでにヤバい。こりゃダメだ。全員がそう思った時。
待合室のドアがぎい、と開く。そこには男が立っていた。全員の視線がその男に集中する。
「・・何しに来たわさ。ここはもう、お前みたいな裏切り者が来る所じゃないわさ」
ビスケの問いにも男は応えず、じっと本部を見る。そう、その男。優勝候補筆頭、雷電である。
今更なんだが、女が塾長代理というのはどうかと・・・わしには想像できんわ。
まあ面白いのでいいや。
507 :
魔界編 52話位:03/12/08 19:23 ID:yZqNCYNC
>>505 しばらく本部を見ていた雷電。本部はビビったのか、烈の後ろに隠れて震えている。既に負け犬。
雷電は本部から視線を外し、ビスケに向け深々と一礼する。そして静かに語り出す。
「お久しゅうござる。ビスケ師、桃。かつての師と友、そして宿敵と一度に逢えるとは」
「黙れ。魔王軍に寝返るヤツを、弟子に持った覚えは無いわさ」
「雷電、嘘だといってくれ。男塾の旗の下、闘った日々を忘れてはいないはずだ。そして。
あの人、男塾塾長・江田島 平八をッ!!」
ビスケの蔑みの言葉と、桃の哀願にも似た叫びを受け止める雷電。そして雷電は静かに言う。
「拙者の事を、時代が悪名を付けよう。だが桃よ。これだけは信じて欲しい。拙者の中の魂。
その魂は、一片の曇り無く男塾魂のままでござる」
その言葉に、二の句を告げなくなるビスケと桃。泣いている。顔は厳しくとも、雷電の額にある
大往生≠フ文字が慟哭している。雷電は本部へもう一度、振り向き直す。静かに力強く言う。
「本部よ。塔での拙者の言葉、覚えているな。一片の淀み無き、聖域まで高まりし解説気。
それを持って駆け上がって来い。拙者の高みまで。 ・・次に逢うのは決勝の舞台でござる」
・・そして雷電は去っていた。本部の心に、燃え盛る激情の炎を点けて。
「うおおおお。粋な真似しおって、雷電の奴。萌えてきおったわあッ!!」
本部が握りコブシを固めて吼えまくる。ビスケがため息を付きながら独り言のように言う。
「なんで雷電は、こんな奴を買ってるのか分からんわさ。大体、燃えの字が違うわさ」
本部はビスケたちを振り返る。そこには覚悟を決めた顔があった。ハッとするビスケたち。
今の雷電の言葉で生まれ変わったのか? 本部は闘志を秘めながら、ビスケとロビンに言った。
「ここから先は、お前たちとも敵同士だ。ワシはここを出て、独り静かに氣を練る。さらばッ」
そして闘技場では、第一試合。解皇・喪黒 福蔵 対 最強解王・雷電の闘いが始まろうとしていた。
508 :
魔界編 52話位:03/12/08 19:41 ID:yZqNCYNC
>>507 ビスケの控え室を飛び出した本部は、通路にて瞑想を始めた。己の解説氣≠少しでも高める為に。
座禅を組み、静かに目を閉じる。心が澄んでゆく。心から恐れが去っていく。力が満ちていく。
しばらくすると、本部の目の前でチャリン、チャリンと音がする。どうやら優しい観客が、本部の事を
可哀想な人≠セと思い、ポケットの中の小銭を投げてくれているらしい。世の中捨てた物ではない。
いつもの癖で、つい深々とお辞儀をする本部。結局瞑想はなんの効果も無いまま、目の前に小銭が貯まっていった。
そして闘技場にて。Aブロック一回戦。そして事実上の決勝戦ともいわれる大一番が始まろうとしていた。
「ほっほっほ。楽しみですなあ。現役解説者最強と呼ばれるあなたと、早くも闘えるなんて」
「喪黒解皇。貴殿の事は尊敬してござる。だがもはや拙者にとっては、貴殿は通過点に過ぎぬ。
あの男。我が宿敵、本部 以蔵と解説し合う為の」
「ほっほっほ。私も舐められたものですな。あんなクズ解王の下に見られるとは」
試合前から早くも舌戦の開始される喪黒と雷電。会場は一気にヒートアップだ。雷電は更に喪黒に言う。
「本部はクズ? 貴殿は何も分かってはおらぬ。あの男こそ、拙者を超え解説の高みに立つ唯一の男。
それにあの男は、ゆくゆく世界を救う。拙者にはそんな気がするでござる」
「ほっほっほ。あなたは知っているのですな。本部が、光の3戦士≠フ資格を持つ男だという事を」
「それもある。だが、それだけではござらん。最終的に人の世を救うのは、江田島塾長でも、桃でも
陸奥 九十九でもない。あの男・・。本部 以蔵のような気がするのだ」
「世迷言を。あんなクズに肩入れするとは、どうやら私の勝ちですな。ほっほっほ」
「今に分かるでござる。大愚を極めた者が、聖知を得る事を。さあ、試合開始でござる」
509 :
パオ ◆w/9ws2V0DU :03/12/08 19:48 ID:yZqNCYNC
おお。大僧正さんも○さんも書いてくれたのですね。
ありがとうございます。楽しみに読みます。
しかし大僧正さん、本編より面白い番外編を書いてはいけない。
嘘です。どんどん面白い話を書いて下さい。期待してます。
○さん、伊達たちの話面白いですね。しかしそういえばこういう話は
無かったな。展開が全然読めないです。面白そう。頑張って下さい。
>>506様
理由は幾つかあるんですが、ラストの為なのです。後、ビスケは魔界編の主役なので。
それから戦争中という事で、男女関係無く、強くて能力のある者が上に立つ、という事で。
>>萌えてきおったわあッ!!
ワロタ
本部が救世主かよw
しかし塾長や九十九やバキがいるのにビスケを主役にする
パオ氏のセンスは只者ではないな。
それにしても、バキスレでなく男塾スレになってるようなw
職人さんたちがんがれ
ビスケが主人公って、実はずっとネタで言ってんのかと思ってた。
なんつーか、ここまでスケールでかい話になってくると、誰か特定の奴が主人公って感じじゃないな。
あえて言うなら、全員が主人公というか、群像劇みたいになっとる。
そこが気に入ってるんだが。
513 :
作者の都合により名無しです:03/12/08 21:48 ID:md5uLskV
>>512 最初はドラクエ3みたいと思ったけど、(バーンがぼすだから)
実は主人公持ち回りのファイナルファンタジー6か9っぽいな。
「ホギュアアアアアアアアァァァァァァァァッッ!」
夜叉猿が、今までで一番の大声、大咆哮を上げて、拳を振り下ろした。人間など一撃でミンチに、
いや消滅させ得るほどの威力を秘めた巨大な拳を、ペンションの主人めがけて……
「だめええええぇぇっ!」
礼子が、刃牙の手から離れて走った。主人を背に庇い、両手を広げて、生々しい傷だらけの
白い肢体を晒して、胸の銃創から血を流して、夜叉猿の拳の前に立ちはだかった。
「ホキュアッ!」
本当にギリギリで、礼子の額を掠める位置で拳が止まった。礼子の身長より巨大な拳が、まるで
寸止めされた拷問用吊り天井のように、礼子に影を落として止まっている。
その拳の向こう、夜叉猿の顔を見上げて、礼子は言った。
「あなたは、化け物でも、妖怪でも、怪獣でもない。だから、だから……お願い……」
夜叉猿が動きを止めている。ペンションの主人は、礼子の後ろで腰を抜かして立てないでいる。そこに、
「ふう、何とか間に合ったようだな」
どさどさ、と何かが投げ出された。振り向くと、眼帯をした禿げ頭の男がいる。その男が
投げ出したのは、顎や額を砕かれて泡を吹いている、狼の死骸が三つ。
刃牙が、駆け寄ってきた。
「館長? 今までどこ行ってたんです」
「なに、お前から昨日聞いた話で、今朝のこの展開は予想できたんでな。まあ、こんな大猿が
出てくるたぁさすがに思わなかったが。とりあえずご老公に電話して、紅葉のヤロウに街の病院へ
行ってもらった。それからあの、モニター付きヘリの手配だ。情報の伝達が、一刻を争う事態に
なると思ったんでな。で俺は、幸い吹雪も止んでたんで、山に入った。証拠物件を押さえる為にな」
「証拠……」
「ああ。別の狼の群れが先に来て食ってたんだが、そいつは軽く追っ払ってな。で、比較的
原型を留めてた死骸を持ってきたって訳だ」
独歩は、持って来た狼の死骸を指差して、ペンションの主人に言った。
「俺にゃ判るが間違いなく、こいつは人間に殴り殺された死骸だ。何ならご老公に言って、
検死解剖して拳の跡を確かめてもらってもいいぜ? あの子の拳と一致するかどうかをな」
「……う……」
主人は、狼の死骸を見て、それから、眼前に立つ咬み傷だらけの、自分が撃った礼子を見て。
そして、泣いた。
「うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ! お、俺は、俺は……俺はああぁぁ!」
謝罪の言葉を吐いているようだが、嗚咽が声を潰して言語にならない。
なっていたとしても、礼子には聴こえなかっただろうが。
「……礼子さんっ?」
刃牙が、礼子の前に回りこんでその顔を見た。
瞳の光が、表情が、顔色が、消えている。死相、というより死人そのものの顔だ。
「礼子さん! 礼子さん! 礼子さんっっ!」
【刃牙君、その子を連れて来て下さい。私が必ず、助けます。スーパードクターの名誉に賭けて】
空のモニターから、紅葉の声がした。
そのモニターを下げていない、もう一機のヘリが、刃牙たちのそばに着陸する。機内に待機していた
医師団が、応急処置をしながら礼子を連れて行った。……村人たちは、無言でそれを見送った。
事件から、数日が過ぎた。
村から山を越え、街の方にある温泉旅館。刃牙がご老公に言って、取って貰った宿だ。
あの村にはいたくない、けど礼子が心配、ということで刃牙は今、ここに逗留している。
「……」
質素な露天風呂に浸かって、山の方を見る。あの山の向こうに、あの村がある。
刃牙は、いろいろ、考える。その隣には、わざわざ旅館を移ってきた勇次郎もいる。
「何考えてる、刃牙?」
「礼子さん、紅葉さんのおかげで一命は取り留めたけど……退院したら、あの村に戻るのかな」
「多分な。今戻らないようなら、とっくの昔に出てるだろ。それがどうした? 心配だってのか?」
「そりゃ、もちろん。だって、もう村の人が全員一人残らず、礼子さんのことを雪女扱いしなく
なった……なんて保障はないんだから」
「それなら大丈夫だと思うぜ」
「? どうして」
今度は勇次郎が、山の方を見て言った。
「あのビッグ・ザ・エテ公、いつの間にか姿を消しやがっただろうが。俺は決着をつけるべく、
今日まで山ん中をくまなく探し回ったんだが、どこにもいやしねぇ。足跡の一つも見つからなかった」
悔しそうな、忌々しそうな勇次郎。
「お前の説によると、あのエテ公はあの小娘の親だってんだろ? 山の神様がどーたら、の。
そいつが姿を消したってことは、『もう大丈夫』と判断したんじゃねえのか」
「あ……」
「こっちの都合も考えずによ。ったく。判定は不戦勝ってとこだが、気分悪ぃぜ」
「そっか……そうなんだ」
刃牙はもう一度、山を見た。礼子の母親は、夜叉猿は、あの山のどこかに……あるいは今は
もう、山と一つになっているのかもしれない。
そして、これからも礼子を見守っていくのだろう。ずっと、いつまでも。
「母さん、か」
刃牙は、白く美しい山々を見つめて、小さく呟いた。
517 :
ふら〜り:03/12/08 22:46 ID:Aog7KBPo
え〜、予告通り少々強引でしたが、これにて幕です。ご静聴ならぬご静読、ありがとうございました。
次回はまた、アホアホ勇次郎と善良刃牙(初期の初期はそうでしたよね)たちの、ドタバタ話です。
ちょっと、間が空いてしまうかもしれませんが。
>>パオさん
控え室のシーンを見ていて、もし自分だったら……と考えて、ふと思いました。九十九だの桃だのに
「観客あるいはセコンドとしてじ〜っと見られて試合する」って、すっっっっごく緊張するのでは
ないかと。「一緒に肩を並べて、共に傷だらけになって戦う」ならある意味気持ちいい(あるいは
光栄・本望)かもしれませんけど。
それに加えて、オッズがアレですし。この状況で活躍できたら、ホントにホントにカッコいいぞ、
本部っっ!
ふらーりさん。そろそろトリップつけてくれません?
あなたの偽者がウザくて・・・
519 :
番外編 〜武神と拳を極めし者〜:03/12/08 23:03 ID:9Zl/rBzB
戦闘開始からおよそ5分。はじめのうちは後衛に陣取り魔物たちに指示を出していたジャミだったが、今は目の前の光景に呆然となり指示を出すことを忘れてしまっている。
400もの魔物達がたった一人の男に翻弄されている。
ダースドラゴンの火炎が、マッスルアニマルの廻し蹴りが、ヘルバトラーのイオナズンが、キラープラスターの稲妻斬りが、全て空を切る。
さして速く動いているようには見えない。だが、どういうわけか魔物たちは男に攻撃を当てることができない。
陽炎のように捉えどころのない男の動きにまったくついていけないのだ。
男が攻撃に転じる。
ゆらり・・・と、陽炎が魔物たちの間を通り過ぎた。直後、数匹の魔物が絶叫をあげて地面に倒れる。
男が動く度に魔物たちが屍に変わってゆく。全く抵抗できない魔物たち。
10分も経つ頃には100体近い魔物が屠られていた。
520 :
番外編 〜武神と拳を極めし者〜:03/12/08 23:06 ID:9Zl/rBzB
「ぬうぅぅぅっっ!!たった一人を相手になにをやっておるのだ!」
見かねたようにサタンジェネラルが叫ぶ。 「私が出る!!」
そう叫ぶやいなや、ゴンズ達の制止を振り切って男の前に飛び出していく。
「尋常に、勝負!」 真正面から男と相対するサタンジェネラル。
両者の距離は5メートルほど。 サタンジェネラルが動いた。
「かぁッッ!!」 サタンジェネラルが気合を発すると同時に、男の足元から火柱が噴き出てきた。
滑るように火柱をかわす男。 避けたところへ直径2メートルほどの巨大な火球が襲い掛かる。
サタンジェネラルのメラゾーマ。
迫り来る火球。だが男は動じることなく冷静だった。
腰を落とし気を練り上げる。そして、練り上げた気を火球に向かって一気に放つ。
リュウの波動拳に酷似した技・・・豪波動拳が火球を相殺する。
サタンジェネラルもこの程度でこの男を倒せるとは思っていない。メラゾーマを放つと同時に駆け出し、間合いを詰めていた。
まだ体勢を整えていない男を、右手に持った巨大な刃で袈裟懸けに斬りつける。身を沈めてやり過ごす男。
サタンジェネラルが追撃の下段斬りを放つ。男はそれを後ろに飛び退いてかわす。 それに合わせてサタンジェネラルも踏み込む。
接近戦で一気に勝負を決めるつもりらしい。 斬る、突く、払う。息をもつかせぬ凄まじい連撃。
だが。
(ば、馬鹿な!!) サタンジェネラルの顔に驚愕の表情が浮かぶ。
自分の剣技を尽くした連撃が目の前の男にはかすりもしない。流れるような動きで全て紙一重でかわされてしまう。
(何故だ!何故こうも私の攻撃が見切られるのだ!?) 先程から相手は最小限の動きしかしていない。それは即ちこちらの行動が完璧に見切られている証拠。
それがサタンジェネラルには理解できない。
また、最小限の動きでかわすと言うことは余計な動きを一切しないということだ。それ故に隙も生じない。このままではいつまで経っても男に攻撃を当てることはできないだろう。
(口惜しいが、まともにやっていては勝てぬようだ・・・。ならば・・・!)
先程と変わらぬ連撃を続けながら、空いている左手に魔力を集中させるサタンジェネラル。
そのまま一定の距離を保ちつつチャンスをうかがう。
521 :
番外編 〜武神と拳を極めし者〜:03/12/09 00:04 ID:I/Jcdtof
(そろそろ頃合いか・・・) 十分に魔力が練れたことを確認すると、一気に間合いを詰める。
そして、大きく振りかぶり刃を振り下ろす・・・・・・と、見せかけ、左手の魔力を解放する。
「喰らえぃッ!!」 至近距離からのメラゾーマ。 これなら紙一重で避けたとしてもダメージを与えられる。
男もそう判断したのか、大きく飛び退いて避ける。
だが、それこそがサタンジェネラルの狙いであった。
「もらったぁァァッッッッ!!!」
気合一閃!わずかに隙の出来た男めがけて、渾身の力を込め縦一文字に刃を振り下ろす。
先程までのコンビネーション重視の斬撃ではない。一撃に重きを置いた、速く、鋭い斬撃。
(殺った!!) サタンジェネラルはそう確信した。
(このタイミングッッ!!避けられんッ!絶対にッッッ!!!)
巨大な刃が男を真っ二つに切り裂いた・・・。 そう思った、次の瞬間。
掻き消えるように男の姿が無くなっていた。
(えっ・・・?)
(消え・・・) (かわされた!?)
(あの状態から!?) (ありえんッッ!)
(どこに・・・)
背後からの殺気。
(後ろ!?)
(いつの間に) (どうやって!?)
(迎撃を・・・) (間に合わない)
(死ぬッッ!?)
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッッッ!!!!!!」
死を覚悟するサタンジェネラル。 だが男は攻撃を加えずにその場から飛び退る。
522 :
番外編 〜武神と拳を極めし者〜:03/12/09 00:05 ID:I/Jcdtof
一瞬前まで男がいた空間を巨大なダンビラが通り過ぎた。
男はダンビラの持ち主の方へ目を向ける。
「クソッタレが・・・。まさかここまでやりやがるとはな・・・」 ダンビラの持ち主・・・ゴンズが全身に血管を浮かせながら呟く。
「まったく、ようもここまでやってくれたモンじゃの。人間風情が生意気に・・・」 忌々しげに吐き捨てる大魔道。
「もうなりふり構っていられないぞ。俺たち全員でこいつを殺す。・・・・お前も文句は無いな」 サタンジェネラルに向かって、ジャミ。
「ああ・・・。」 体勢を立て直しながらサタンジェネラルが応える。
四対一。しかも相手は全員指揮官クラスの剛の者。男は圧倒的に不利な状況に置かれている。
だが。この危機を前に、今まで全く感情を表すことがなかった男の眼に、ほんのわずかだが歓喜の色が宿った。
強き者よ 我と死合え 我、拳を極めしものなり 強き者よ 強き者よ 強き者よ 強き者よ
・・・・・四体の魔物が一斉に攻撃を仕掛ける・・・。
523 :
大僧正:03/12/09 00:28 ID:I/Jcdtof
あ〜あ。やっちゃった。
もー、どうしてこう余計なことが好きなんでしょうね、このバカは。
「拳を極めし者と可哀想なモンスターたち」とでも改名しましょうかね。
マジメな話、書いてるうちにサタンジェネラルに愛着が湧いてきちゃいました。ホントは豪鬼に瞬殺されるはずだったのに・・・。
つーか、戦闘シーンがうまく書けねぇ・・・
>>○さん
凄いおもしろいじゃないですか!文も巧い!「文章がレベル低すぎ」ってのがイヤミに聞こえるほどですよw
伊達のニヒルな性格とハードボイルドな世界観がうまくマッチしてますね。これからも期待してます。
>>ふらーりさん
作品の完結、ご苦労様です。
>高鼾は信頼の証、ってのが凄くカッコいい! これぞ『漢』っっ!
これは嬉しかったです。俺が表現したかった『漢』を見事に感じ取ってくれて。
>>パオさん
本部がいいですね〜。時にはギャグキャラとして使い、時には泣かせるキャラとして使う。
パオさんの本部への愛情を感じます。
あと、外伝のほうは脱線しまくりの駄文です。こんなものでよろしければもうしばらく続けさせてください。
いいじゃないかー、この調子で続けよう!
うなり男のSSは昔から読みたかったので楽しみです。
パオ氏、ふら〜りさん、大僧正さん乙。
出来るだけ長ーく続けておくれ。
最近作品の更新が多くって嬉しいなあ。
しかもどれも期待以上にオモロイ
sage
負けずにage
今日麻雀来る日だ。
他の皆さんももちろん面白いが
個人的に一番好きな作品だから楽しみだ。
バキ本スレのヤクバレも好きだし。
あ、VSさん来るの明日だったw
スレ汚しスマヌ
職人さんたち出来るだけ
長くがんがって下さい。
IDがWCだからトイレいってこよ
期待age
530 :
バレ:03/12/10 03:08 ID:5co3xoCS
>ふら〜りさま
ここで鎬紅葉が出てくるとは予想もしませんでした。
しかも腕前が原作比20%UP。
婆さんが生き返ったので、最悪の事態は避けられそうですね。良かった。
しかし、回を重ねるごとにウルトラマン(勇次郎ではなく、本来のウルトラマン)
の影が薄くなっていきますね。
やはり真面目クンは目立てないのか。。。
>VSさま
暗記パン→ドナルド→4倍役満のコンボでパパ轟沈。
パパは最後までパパでしたねえ。
ラストの台詞が何か意味深。
予定通りなら、明日には続きが見られるはず。期待。
>パオさま
オッズのシーンで笑いました。確かに自分でも雷電に入れるだろうなあ。
その雷電にライバル視されている本部。
ガンバレ本部、萌えてる場合じゃないぞ。
>大僧正さま
サタンジェネラルの戦いの部分で、例の「チンコでピン」を連想してしまいました。
しかしゴ○キ、無茶苦茶に強いですね。モンスターがびびっているし。
独歩が彼奴とどういった戦いをするのか、今から楽しみです。
>どうしてこう余計なことが好きなんでしょうね
いえいえ、面白いですよ。こうした強さの滲みでるような戦いのシーンは結構好きです。
新作が増えてきましたね。
これを機に、ムツジさまやハンターさまも華麗に復活して欲しいと切に願う、今日この頃。
男塾の歴史が大きく変わったものだな。
留学生を入塾させた後はついに掟破りの女性塾長代理。
その日から女人禁制という文字が消えたのだろうw
まあ、女とはいえビスケの正体は男よりたくましいからなw
その後セーラームーンたちも入塾したりしてw
共学になる男塾。男塾じゃねえ。
やはり入塾したが最後、女を捨てなければならない。
もともと女捨ててる奴しか入塾せんだろう。
GuiltyGearXの梅喧とか北斗の拳のマミヤとか、もしかしたらストリートファイターのさくらも入塾するかも。
536 :
作者の都合により名無しです:03/12/10 16:14 ID:LUYc/yBc
日本男児の生き様は、色なし恋なし情けあり
大和撫子の生き様は、亭主元気で留守がいい
今日は麻雀くるな。楽しみだ。
537 :
○:03/12/10 17:08 ID:p3dEZqyj
まあ、少子化ですからねえ。>共学
今日は麻雀の日なので、
明日か明後日に続き書きます。
538 :
作者の都合により名無しです:03/12/10 17:26 ID:LUYc/yBc
>>○さん
お、楽しみにしてるよ。
一日にひとつ、どなたかの作品がアップされるといいな
モニターで映像を見ていると言っても、別に雀荘側がライブ中継をしている
訳ではない。のび太のケツっぺたにドラえもんがくっつけた超小型CCDが
雀荘に到着したと同時にのび太を離れて、天井の隅にすばやく移動した。
ドラえもんの遠隔操作によって、そこから店に無断で映像を配信しているのだ。
『聞こえたぞ』
それまでののび太の悶絶ぶりから一転、突如として、上下逆さまのハゲ頭が
モニターの画面一杯に広がった。
「わ!」
思わずのけぞった三人が見えているのか、ハゲ頭がニヤリと笑って大口を
開けた。太いノドチンコがどアップになった直後、画面が大きくぶれ、激しい
ノイズと共に映像が途絶えた。それっきり、モニターはウンともスンとも
いわなくなった。
予期せぬアクシデントに面食らった三人だが、この程度の精神的ショックに
いつまでも胸をときめかせている程ロマンティックではない。あっという間に
態勢を立て直した。
「あー、びっくりした。ドラえもん、なんだあのハゲは」
「僕に聞かれたって分かんないよ。ドラミの声が聞こえたようなことを
ほざいてたけど、あのCCDには双方向の通信機能なんてついてないんだから
聞こえる訳はないんだよ。CCDはぶっ壊してくれちゃうし、ハゲの言動って
ほんと不確定要素だらけだよね」
「もういいわよ。これ以上ハゲハゲ言ってたら、私たちのセンスまでハゲに
なっちゃうわよ。はい、ハゲの話題はこれでおしまい」
ドラミの締めの一言で、ハゲの放置が決定した。それはそれとして、当面の
問題はCCD中継の打ち切りだ。今年下半期No.1の楽しみを奪われて大不満顔の
セワシが、空っぽの盃を箸でチンチン叩きながらドラえもんに提案した。
「あーもー、つまんねーなー。パパさんをいじるのもいい加減飽きちまったし
のび太の泣き面でも拝みに行かないか?ドラえもん、どこでもドア出してくれ」
「残念。どこでもドアは、昨日武富士のティッシュと交換しちゃいましたー」
「交換すんなよ!あんなもん、駅前でいくらでもタダで配ってんじゃねーかよ!
22世紀のテクノロジーとちり紙を同列に扱うなボケ!ドラミ、どこでもドア!」
「私のどこでもドア、お兄ちゃんに貸しっぱなしだったわよね。さっさと
返しなさいよ」
「またまた残念。ドラミのどこでもドアは、おととい東尋坊で酔っ払って海に
落っことしちゃいましたー」
「シット!自殺の名所で酒なんか呑んでんじゃないわよ!どこでもドアじゃ
なくて、テメーが落ちてろ!」
「お兄様に向かってその口のききかたは何だコラ!犯すぞ!」
「おい、何だあれ?」
醜い仲間割れからいちはやく我に返ったセワシが、窓の方向を見て首を
かしげた。外に何かがいるようだ。ドラえもんとドラミも争いの手を
休めて窓に駆け寄った。
目の高さに、金色の雲が浮かんでいた。いや、雲よりずっと密度の濃い
ホイップクリームみたいな奇妙な物体だ。ニ、三人は乗れそうな大きさの
その物体が、つかず離れずといった感じで所在なげに窓辺に漂っている。
「お兄ちゃん、これってひょっとして…」
「金斗雲、かな。烈海王が呼んだヤツだな。今ごろノコノコご出勤か?
ずいぶんといいご身分じゃねーか、オイ」
「烈海王って、のび太の友達のアイツか?金斗雲?何のことだ?」
さっぱり事情が呑み込めないセワシが、ドラえもんに尋ねた。
「ああそうか。セワシくんがちょうど不運な事故に巻き込まれてくたばってた
時の出来事だからね。簡単に説明すると、バカが雲を呼んだんだよ」
「なるほど、そしてそのバカは消息不明か!だったら、この雲に乗って
雀荘まで行こうぜ!」
ドラえもんのスーパー大ざっぱな説明にもかかわらず、セワシはすべてを
理解した。主の烈海王に成り代わり、三人仲良く金斗雲に乗り込んだ。
「待ってくれよー。みんなで麻雀やろうよー」
いつの間にか蘇生していたパパが、未練がましそうに雀卓のマットに
頬ずりしながら哀願した。金斗雲の上のドラミがパパを横目で睨んで
面倒くさそうにポケットに手を突っ込んだ。
「パパさん、麻雀の命は腰だって、私たち言ったわよね。まずはこれを
使って腰を鍛えてちょうだい」
http://park14.wakwak.com/~usobare/dora/img/waist.gif 「雀神ハイパードール・腰塚さん〜!ふん!」
等身大の腰塚さんを、パパ目がけてぶん投げた。ドラミの心尽くしの
プレゼントを受け止めて、しょぼくれがちだったパパの目がみるみる
輝き出した。
「へえー!22世紀には、こんな便利な道具があるのかい!ドラミちゃん
どうもありがとう!パパ、腰塚さんと二人三脚で頑張るよ!」
「パパさん。その人形、モチロンどっかで見たことあるわよね?」
「ある訳ないさ。だって未来の秘密道具なんだろ?」
「…パパさん、この写真を見てどう思う?」
http://park14.wakwak.com/~usobare/dora/img/aroma.gif 「イカーン!」
大事な大事な腰塚さんを邪険に払いのけて、パパが怒りの形相で
ドラミににじり寄った。
「いくらロボットとはいえ、年端もゆかぬ少女のドラミくんには
ロウソクはまだ早い!修練を積んだパパでさえもヤケドの跡が
絶えないってのに、しかも九本!?せめて一本から始めたまえ!」
「ふーん。ダッチワイフには無反応なのに、アロマキャンドルには
エロスを感じるんだ。マニアって面白ーい。それじゃ、いってきまーす」
なおも自虐プレイの危険性を訴え続けるパパに手を振って、ドラミが
金斗雲の尻を軽く叩いた。瞬間、わずかに縮んだかに見えた金斗雲が
すさまじい加速で窓を離れ、あっという間に見えなくなった。
何もない空間に向かってしばらくギャースカ騒いでいたパパだが
さすがに疲れてその場にへたり込んだ。傍らの腰塚さんにちらと目を
やり、両腕でギュっと抱きしめた。塩化ビニール製ボディの冷たさが
パジャマ越しの肌に心地よい。
「腰使い、か…」
腰塚さんを抱いたまま立ち上がり、周りに誰もいないのを確かめて
グッと腰を突き出した。何かを掴んだように大きく頷き、もう一度
腰に力を込めて腰塚さんの股間をえぐった。反動で、大きく右足を
踏み出して廊下に出た。
「いよっ」
廊下から階段へ。
「チェストッ」
階段から玄関へ。
「ベイベッ」
玄関のドアを開けて外に出た。
「これか!これが究極の腰振りか!パパはついに極めたぞ!母さん!
カメラを持ってきなさい母さん!それと豚の臓物だ!母さーん!」
ママの返事を待たずに、パパは再び歩き出す。腰塚さんの脇に手を
添えて、そのまま軽快なステップで地平線の彼方に消えていった。
パパよ、お前はどこへ行く。
闇を切り裂き大気を震わせ、金斗雲が空を翔る。目ざすは駅前雀荘
『ノースウエスト』。一直線の光の矢となった金斗雲の背中には
ドラえもん、セワシ、ドラミの三勇士。
アカギに対抗する術はあるのか?それともヨイショで取り入って
おこぼれにあずかるのか?シカトを決め込んだ謎のハゲの正体は!?
急げ、ドラえもん!
吼えろ、セワシ!
ぶっとばせ、ドラミ!
のび太の点棒は風前の灯火。のび太の最期を看取るのだ!!
「のび太くん、待ってろよ!」
アップでけた。麻雀教室、最終回は気が狂うほどの文字量になる
予定(あくまで予定)なので、今の内からシコシコと書きためては
いるのですが、だんだんと時間がとれなくなって参りました。
書きため分、年内で全部吐き出すこと間違いなしであります。
それにしても、ずいぶんとにぎやかになってまいりました。
皆さんウマイ。大僧正さんに○さん、続きを楽しみにしております。
今からバキのウソバレ書くんですが、メチャクチャ眠いです。
>麻雀
ドラエモンの説明のセンスの良さに受けました。
1行で烈の全てを説明するとは。
547 :
魔界編 52話:03/12/11 06:30 ID:gTZEf2HB
>>508 解皇・喪黒 福蔵 対 最強解王・雷電の究極解説対決を尻目に、本部は座禅を組みつつ
一人静かに氣を練っている。時々目の前でチャリンと音がする。条件反射で頭を下げる本部。
しかし、彼の心は静かである。解説気が一点の曇り無き聖域へと高まっていく。
闘技場内でうおお、という嬌声が聞こえてきた。続いて実況が悲鳴のように声を張り上げる。
「つ、強い雷電解王、なんと開始5分で喪黒解皇にKO勝ちだァあッ!!」
ちなみにKOとはカイセツ・オーバー≠フ意味である。審判団の長老たちが、2人の解説に
完全なる開きが出た場合にこれを宣言するとKOとなる。最後まで試合が続いた場合は判定だ。
「前大会の優勝者にカイセツ・オーバーするとは。さすがわが生涯の宿敵よ」
目を閉じつつ、柔和な声で独り言を言う本部。その姿は名工の創りし仏像のように穏やかだ。
「だが私も全ての欲が消え去り、解説気に一点の曇り無し。こんなワシどうよ?」
そう言いつつ静かにまぶたを開ける本部 以蔵。無欲の眼差しに、目の前の光景が飛び込む。
「お、お金じゃあッ!! 神様が清く正しいこのワシに、ご褒美をくれなさったあッ」
そして目の前のチャラ銭の山に、勇んで飛び込む本部。小銭にまみれて目がイッっちゃている。
お約束通り雷電の期待を裏切り続ける本部。そして一回戦が進んでゆく。
第2試合、ニコ・ロビン解王 対 海原雄山解王。
何故か高級外車で、観客を跳ね飛ばしながら入場してきた雄山。そしてオーロラビジョンに
写し出された解説のお題そっちのけでいかに自分が素晴らしい人間か≠観客に向けて
説教を始める。もちろん、その間に怒り狂うのも忘れない。その内に自分の言葉に興奮して、
目の前のロビンをいきなり押し倒す。目の血走る雄山。無念そうに首を振る長老たち。
ここでセコンドの中川がタオル投入。ロビン、TKO勝ち。中川、雄山に半殺しにされる。
バカだっ!!>パパ
あ、ごめんなさいパオさん
おいおい、展開早すぎるよ。もっと楽しませてくれんか。
551 :
魔界編 52話:03/12/11 06:55 ID:gTZEf2HB
>>547 Bブロック第1試合、ビスケット・クルーガー解王 対 テリーマン解王。
一進一退の攻防が繰り返されたが、さすがはテリーである。己の役割を分かっている。
しっかりとカマセ≠ニいう与えられた役割をこなし、KO負け。だが観客は暖かい。
満場の観客が一斉にテリー、テリーの大合唱だ。テリーの目に熱い涙が浮かぶ。
観客の声に両手を振って応えるテリー。これほどさわやかなカマセ≠ェいるだろうか。
「試合には勝ったが・・観客のハートを掴んだのは、アンタのカマセ≠セわさ」
そしていよいよ一回戦最終試合。利根川 幸雄海王 対 本部以蔵 解王。
闘技場すぐそばの入場口にて、緊張した面持ちの本部。仕方なくセコンドにつく烈と桃。
その2人に、本部が静かに、だが熱く激しく語り掛ける。
「利根川は雲の上の存在と思うか? 手を伸ばしても飛び上がっても、ワシには
届かない存在と思ってるか? 実績でいえば確かにそうだ。過去の実績で言えば、
利根川とワシとでは天と地も違う。 ・・だがワシは夜ダンボールに包まる前、
いつもこの日を想像していた・・。雷電への挑戦権を賭けて、奴と闘うのを。
乞食になりたての頃からずっとだ。 ・・・・絶対勝つッ!!」
くわぁッ、と阿修羅のような顔をして烈と桃を振り返る本部。だがそこに2人はいない。
本部の長い自分語りトークに飽き、どこかに行ってしまったらしい。立ち尽くす本部。
「か、必ず勝って見返してやるわいッ。れっちゃんと桃チンのバカァ!!」
アナウンスが本部と利根川の闘いの開始を告げる。一斉にトイレへ売店へと立つ観客。
利根川圧勝と確信しているのだ。大繁盛の売店。売店のおばちゃんだけが本部に感謝する。
そして本部 以蔵。雷電との約束を胸に、決戦の場へ。
552 :
パオ ◆w/9ws2V0DU :03/12/11 07:04 ID:gTZEf2HB
早朝2レスカキコ。少なくて申し訳ない。今日の夜か明日の夜には多めに書きます。
>>550さん
いやあ、解説対決全部書くと、これだけで関が原並みになるんで。
そうなると100話超えちゃう。本部対利根川はちゃんと書きます。
ま、ライタイはアイテム獲得イベントなのでご勘弁を。
ちなみにランキングですが、1位雷電、2位利根川、3位ビスケ、4位テリー、
5位雄山、6位月光って感じです。本部は77位の最下位。
あとこのSSは基本的に主役持ち回りですが、やっぱり核≠ニなる主役が必要で、
それが人間サイドなら塾長と勇次郎。魔界サイドなら烈と本部。全体的にはビスケって感じです。
塾長、勇次郎、九十九、雄山、キバヤシ・・etc。
この濃いメンツの中で、主役を張れるのはビスケだな、と判断して彼女が主役になりました。
本当はワキ役もいいところのはずだったんですが、書いてる内に可愛くなってきて主役に抜擢。
553 :
バレ:03/12/11 07:27 ID:S5MJbVqH
>パオさま
早朝からお疲れ様です。しかし展開早いですね。
これまでのが「刃牙」の地下闘技場のように一試合一試合書き込んでいく
タイプとすれば、今回は重要な闘いのみ力を置く「修羅の門」みたいな
形でしょうか?
次から本部の試合ですが、利根川2位ですよね。ラッキーマンでもいない限り
本部に勝ち目なさそう。がんばれ本部ー。
>VSさま
ハゲ放置されてしまいましたか、気になる。
重役出勤の金斗雲に乗ってでていく3人。まさか1部の複線が
ここで出てくるとは。
果たして3人が来る前にのび太の点棒は残っているんでしょうか。
(3人が来た所で助けてくれそうにないですが)
最後にパパさん、その格好で街にでてはいけませぬっ!
雄山の解説対決も書いてほしかったナ。あっさり負けちまうなんて。
>5位雄山、6位月光って感じです。本部は77位の最下位。
あれ、6位はロビンじゃ?
麻雀教室はなかなか対局シーンにならんなw
しかし筋斗雲、よくドラえもん達載せたな。
俺が筋斗雲なら即落とすか、1000mの上空で落とすかだがw
パオ氏
>塾長、勇次郎、九十九、雄山、キバヤシ
改めて見るとすごい面子だw
VS氏
>麻雀教室、最終回は気が狂うほどの文字量になる
のんびりやって下さい。一日でも長く読みたいというのが
本音ですので。
>>555 >1000mの上空で落とすかだがw
ひでーw
558 :
作者の都合により名無しです:03/12/11 19:37 ID:jB7cgBvc
パオ氏、VS氏乙。
相変わらず面白いですね、お2人とも。
さ〜て、今日は誰が来るかな。
毎日夜ここをのぞくのが最近本当に楽しみだ。
利根川に勝ってもらいたいと思ってるのは俺だけか・・・
>>555 えー、対局の再開は来週水曜日分からとなります。
どこまで麻雀に比重をかけていいものか、未だに
よく分かっておらんであります。
魔界編が最初から読みたい。
563 :
○:03/12/12 02:02 ID:cMpNB/sC
頑張ったけれど今夜は無理でした。
9割方かけましたので、明日にはアップできます。
本部は救世主だから勝ちブックだろ。
565 :
作者の都合により名無しです:03/12/12 08:14 ID:bXDG2K/6
>>○氏
あせらずゆっくり書いてください。
でも完結だけはさせてね。
禿しく今更だが、覚悟が出て来ないのがプチ無念。
>>566 覚悟は面白いがマイナーだからなあ
一応出てるのメジャーどころが多い品
>>483 (続き)
「把ッ!」
雷電の手刀が伊達の喉笛を狙う。
伊達、半身になってそれを避わすと同時に前に踏み込み、カウンターで雷電に
右拳を叩き込む。
狙いは人中、一撃必殺の急所。この攻撃が入れば勝負は決まる。
しかし、槍の如き鋭さで突き込まれた伊達の拳を、雷電は軽く身体を捻って
避わし、その動作を利用して伊達の水月にトラースキック(横蹴り)を叩き込む。
「ぐっ!」逆にカウンターを腹部に喰らい、伊達は体勢を大きく崩す。
慌てて数歩飛び去り距離を取ろうとするが、その動きを読んだ雷電は素早く間合いを
詰め、それを許さない。
焦った伊達が、思わずパンチを繰り出す。しかし不十分な体勢のため、突きに本来の
キレがない。カウンターの格好の餌。
しまった、と思った時にはもう遅かった。
岩のような雷電の拳が、再び伊達の腹にめり込む。
ゲハァッ!
胃の内容物を嘔吐する伊達。胃液の酸味に混じりコーヒーの味がする。
勝負開始後、ずっとこの状況が続く。伊達の攻撃は全て躱され、逆に雷電の攻撃を
伊達は躱す事が出来ない。圧倒的な実力差。
十数度目の攻防。雷電が伊達の上段蹴りを受け流し、そのまま身体を沈めて掃腿で
伊達の軸足を刈り取る。
無様に転倒する伊達。雷電が言い放つ。
「お主の攻撃は直線的過ぎる。それでは一生かかっても拙者に傷をつけることは
出来ぬでござる」
「うるせえハゲ!」
伊達、起き上がりざまに蹴りを放つ。不意をついたつもりだが、雷電には読まれていた。
雷電が1歩半身体を後ろへ下げる。その眼前数センチ先を伊達のつま先が、ごう、と
音をあげて通過する。風圧で雷電の髭が揺れる。わずか数センチの見切り。
「無駄でござる」
雷電がため息をつく。
「これ以上無駄な事は止めなされい。お主の技、拙者はすでに見切ったでござる」
この言葉はハッタリでない事は、これまでの攻防が証明している。現実に雷電の身には
かすり傷一つない。
しかし、伊達。まだ諦めない。顔には不敵な笑みを浮かべている。
「ケッ‥‥俺にここまで恥かかせたのは、てめえが初めてだぜ‥‥」
腰に手をやり、ベルトに繋いでいた皮袋から、1尺ほどの短刀を取り出す。
伊達がその柄に付いているスイッチを押すと、短刀の柄が伸び、たちまち長さ6尺程の
槍へと姿を変える。
「ほう‥蛇轍槍とは珍しいモノを持っておるな」
「覇極流槍術、闘いはここからが本番だ‥」
伊達が両手で蛇轍槍を構え、水月の前で止める。左膝を曲げ、右足を軽く一歩引く。
覇極流の、最速で奥義を放つ為の構え。
対する雷電、両腕を上に掲げ、大きく息を吸う。雷電の胸が風船の様に異様に膨らむ。
中国拳法の呼吸法奥義。そのまま両掌を口元へ構える。
静寂。
伊達の身体が先に動く。
「奥義、覇極流千峰塵!」
マシンガンのように突き出される伊達の槍。余りの速さに、槍の穂先が千にも分裂した
ような錯覚を覚える。千本の槍が雷電に襲い掛かる。しかし、
プッ!
雷電の口から、目に見えない「なにか」が噴き出される。
そして、伊達の千の攻撃が当たるより速く、見えない「なにか」が伊達の両目に当たる。
攻撃に集中していた伊達、不可視の攻撃をまともに受け、視界が塞がれる。
――目潰し!?
そう思った伊達の背後から、雷電の声が聞こえる。
「幾ら手数が多くとも、当たらねば意味はないでござる」
571 :
○:03/12/12 20:02 ID:/7lbufsE
ひとまず区切りがついたので、ここまでアップします。
伊達が弱かったり、雷電がジャーマンスープレックスしたり、好き放題いじって
男塾ファンの方には誠に申し訳ないです。
伊達の成長物語でもありますので、しばらくご容赦の程を。
ちなみにジャーマンは有名な技ですが、その前に雷電が伊達の軸足を刈った掃腿は
こんな技です。
ttp://www4.big.or.jp/~suguha/mbn/hika/hika.htm かつて自分が組み手で一番使用した(そして失敗した)技だったり。
伊達が声に反応するより速く、雷電の両腕が伊達の腰に巻きつく。その姿勢で雷電は
腰を少し落とし、そして一気に伊達の身体を抱え上げる!
雷電の身体が見事なアーチを描きながら、伊達の身体を後方へと投げ飛ばす。
プロレスで言う『ジャーマン・スープレックス・ホールド』。
「大往生!」
伊達の体が上下逆さまになり、頭から地面へ落下する。咄嗟に伊達は両手で頭部を抱え、
受身の姿勢を取る。
プロレスのマットならば、それで十分凌げたであろう。
しかし残念ながら、これはプロレスではなかった。
ズシン
伊達の頭部がコンクリートの地面に叩きつけられ、同時に2人分の体重が頸部へと
のし掛かる。
受身などクソの役にも立たなかった。頚骨骨折は避けられたものの、頭頂部から全身へと
痺れるような衝撃が走る。視界は歪み、意識は暗転する。
「どうかな。心の闇は見え申したか?」
立ち上がった雷電が、静かな口調で伊達に語りかける。
伊達臣人の意識は既に無い。
573 :
○:03/12/12 20:03 ID:/7lbufsE
1レス、肝心の部分書き忘れ。
>>571 男塾の世界はなんでもかんでも中国拳法なのでプロレス技つかおうが気にしない気にしない。
勝手に命名しちゃえばいいだけの話。それで民明書房があると完璧だ。解説役で名高い雷電だからなおさら。
それこそが男塾ワールドだ。
伊達が弱いのは初期なのでしょうがない。人間誰だって弱い時期があるんだ。
○世界
×正解
職人ってどれくらいのペースで連載してるの?
週一の人とかいる?
第四話 前編 『遊星から来た ヘイ・ブラザー!』
地球に向かう、宇宙船の中。二人の男が向かい合っている。
男、と言っても二人とも地球人類の男ではない。それぞれ別々、違う星の男である。
机に向かっている黒の男に、銀の男がレポート用紙の束を差し出した。どうやら銀は黒の部下らしい。
黒の男はレポートを読み進めながら、
「なるほど。この男が、地球人の中では一番強い訳か」
「はい」
「その性格は唯我独尊、傍若無人、傲岸不遜、俺様一番、仏血義理、早い話がワガママ、そしてアホ」
「その通りです」
「察するに、この男には地球人どもも結構迷惑しているのではないか?」
「いかにも。が、その資料の通り、あのベムラーやバルタン星人を撃退してもおりますので」
「ふむ。あの英雄気取り集団、M78星雲の戦士と手を組んでいるらしいな。まあ確かに、
奴らの名は宇宙中に鳴り響いている。だが、地球人如きと同化したのが運の尽きだ」
黒の男は、更にレポートを読み進めていく。
「こいつ方面から、崩してやる。そして……この地球人もろとも、抹殺してくれる」
『範馬勇次郎調査レポート』を読みながら、黒の男はサファイアのような蒼い目を、邪悪に光らせた。
ところ変わって地球。某所にそびえ立つ、大きな豪華なホテルの最上階、スイートルームにて。
朝起きて、顔を洗って、朝食を終える。窓を大きく開けると、外は青空いい天気。
「ん〜、清々しい気分だな」
毎度おなじみ、オーガこと範馬勇次郎。ハッキリいって似合わないが、とりあえず今彼は、
朝の清浄な空気を胸いっぱいに吸い込み、健康的に伸びをしているところ。
「何かこう、今日はいいことありそうな気がするな。なあ隕石?」
《いや。悪いが、私は全く反対の気がする》
勇次郎の呼びかけに答えたのは、彼の体内に同居する光の巨人・ウルトラマン。
《君がそういう、前向きで明るくてマトモなことを言っているというのが異常だ。不吉の前兆
としか思えない。少なくとも雨は降るだろう。侵略宇宙人の一人ぐらいも来るかも》
「……なかなか言うようになったな、お前も」
《君という男に慣らされただけだ。胸に手を当てて、今までの行いを考えてみろ》
言われた勇次郎が、胸に手を当てようとしたその時。どばああぁぁん! と派手な音がして、
ドアが蹴り破られた。そして入ってきたのは、
「ゆううううぅぅじるぁぁああああっっ!」
学生服姿の刃牙だ。眉は吊り上り目はギラついて、口の端からはケムリも吐いて、
なんだか知らないが怒り心頭に発しまくっている。
「今日という今日は許さんっっ! 試合でも殺し合いでもなく、制裁を加えるっっっっ!」
「って何なんだ、いきなり」
「とぼけるなっ! あんたのおかげで俺は今朝、今朝……っ!」
「だから何がどうしたってんだ」
刃牙は、もぉ視線だけで勇次郎を射殺しそうな目をしながら、
「トボける気なら説明してやる。いや、あんたの所業の結果を報告してやる。今朝、
梢江ちゃんが来てくれなかったんだっっ!」
「あん?」
「いつもだったら、早朝トレーニングの後で二度寝してる俺を、起こしにきてくれるんだっ!
鳴り響いてる目覚まし時計を振り上げて、俺を起こしてくれるんだっっ! 『毎朝毎朝、
世話やかせないでよねっ、遅刻するわよ!』って!」
コテコテである。勇次郎はちょっと羨ましがりつつ、
「ふむふむ。とするとその子との初対面は、その子が珍しく寝坊して、トーストを咥えて、
『遅刻遅刻〜!』って走ってるところにお前がぶつかった、と」
「何で知ってる!?」
「ってマジか、おい!」
「んなことはどうでもいいっ!」
勇次郎にとっては、どうでも良くなかったりするのだが。
「とにかく! 俺が不審に思いつつ家を出たら、出会い頭に梢江ちゃんが、ビンタ一発!」
言われてみると、刃牙の頬がちょっと赤い。
「何かと思えば俺んちのドアの前に、昨日の夜から行方不明になってたっていう、つまり
何者かに盗まれたらしい、梢江ちゃんの下着が落ちていたんだっっ!」
「ほう。お前も色を知る歳か」
瞬間、刃牙の剛体音速斬撃四連突きが勇次郎にキマった。
さすがによろめく勇次郎に、刃牙は一枚の写真を突きつける。どこかの家の庭で、洗濯物を
バックにしている勇次郎の写真だ。唐草模様のほっかむりをして、こちらに向かってピースしている。
「下着を盗んで、俺んちの前に置いただけでなく、こんな写真まで郵便受けに入れておくとはな。
いかにも、俺虐めの為なら手間隙を惜しまないあんたらしい」
「ちょ、ちょっと待て! お前、いくらなんでも不審に思わなかったのか?」
「何がだ!」
「何がも何も、下着を盗んだりそれをお前の家の前に置いたりするのはまあ、確かに俺なら
やりかねん。否定はしない。が、この写真だ。俺がこんなアホらしいことするはずがないだろう」
「何を今更!」
「俺だったら、キッチリお前の姿に変装した上で、下着を頭に被って悦んで悶えてる姿を……」
瞬間、刃牙の剛体音速斬撃四連握撃菩薩噛みつき転蓮華が勇次郎にキマった。どう考えても
あり得ない技なのだが、発狂寸前の激怒を条件に実在する。実在した。今だけ。
《勇次郎。私はかれこれ一万年以上、数多くの凶悪怪獣や侵略宇宙人たちと戦ってきた》
ふらふらな勇次郎の体内で、ウルトラマンの声がする。
《が、正直言って、今の刃牙君以上の殺気の持ち主には、巡り合った記憶がない。ここは一時、
退却した方が賢明かと思うが》
「……ふ、ふっ。まぁ無論、負ける気はしねぇがな。だが、起き抜けで本調子じゃねぇし。
たまには、お前の言うことも聞いてやるとしようっ!」
勇次郎は、刃牙にクルリと背を向けると、窓から飛び出して逃亡した。
「あっ、待てええええぇぇっ!」
刃牙は吼えるが、ここは地上数十メートル。さすがに勇次郎のように窓から飛び出す訳にはいかず、
目を吊り上げてケムリを吐きつつ、階段を駆け下りていった。
掃腿で鉄拳のレイ・ウーロンを思い出した人他にいるかな?
「ったく、何なんだ一体」
ホテルから遠く離れた住宅街。勇次郎がぶつぶつ言いながら歩いている。
「問題はあの写真だな。どこかで誰かが、俺を落とし入れようとしてるってか」
《君に恨みを持ち、下着ドロの濡れ衣を着せようとする。そんな相手に心当たりは?》
「さあて、CIAかMI6か自衛隊か青少年健全育成団体か。あり過ぎて絞りきれねえな」
《だと思った》
結局いい考えが浮かばず、ぶらぶら歩いていると、
「ほいなっっ!」
いきなり手を掴まれて、どりゅっ、と投げられて顔面からアスファルトに激突!
「捜したぞ、この鬼畜外道めがっっ!」
渋川だ。勇次郎は起き上がって、
「いきなり何しやがる、このクソジジイっ!」
「何しやがる、はこちらのセリフじゃっ!」
と言いながら渋川は、一枚の写真を突きつけた。
唐草模様のほっかむりをした勇次郎が、どこかの家の庭に忍び込んでいる姿だ。左手で
こちらに向かってピースしており、右手に持った金槌で盆栽を叩き割っている。
「マリアンヌも、ジョセフィーヌも、今、植え替えた鉢で必死に生きようとしておるが……
助かるかどうかは五分五分じゃ。いやさ、助かったとしても、あの子たちにこれほどの
苦痛を与えたお主の罪、万死に値すると心得い!」
「待て待て待て待て待てぇい! 何で俺が、お前のクソ下らねぇ盆栽なんかに手出しを」
「脊髄と延髄と眼球と睾丸頂きいいぃぃっ!」
勇次郎が、襲い掛かってきた渋川の指を、ギリギリでかわす。その指が、後ろにあった
電柱をチーズのように抉り取った。
と思ったら、その電柱の影から、ぬうっと出てきた眼帯スキンヘッド。独歩だ。
「おいオーガ。てめぇ昨日の夜、夏恵の風呂を覗いたそうだな」
「……」
「今更しらばっくれてもムダだぞ。ご丁寧に、こんな写真を置いていきやがって」
と独歩が見せた写真には、唐草模様のほっかむりをした勇次郎が独歩宅の風呂場の窓に、
「い・い・か・げ・ん・にしろおおおおおおおおぉぉぉぉっっ!」
再びトリップつけました。以後よろしくです。
>>大僧正さん
サタンジェネラルの困惑振りが示す、ゴウキの強さ。本っっ当に、こんなのと
独歩がやるんですか? 心配しつつ期待です。どういう戦いになるんでしょう……?
で。戦闘シーンは、確かに難しいですね。共に精進してゆきましょう!
>>VSさん
律儀に腰使いの鍛錬をするパパがナイス。きっと地平線の彼方から(私も忘れた頃に)
帰ってきてくれると信じてます。
ドラえもんたちの方はまた、外道っぷりを発揮してくれそうですねぇ。これも楽しみ。
>>パオさん
>時々目の前でチャリンと音がする。条件反射で頭を下げる本部。
>「お、お金じゃあッ!! 神様が清く正しいこのワシに、ご褒美をくれなさったあッ」
……見に染み付きまくった条件反射というか、長年の経験というか。本当に無意識で頭下げて
たんですね本部。歩んできた人生のキビしさが偲ばれます。
カッコ良かったのは何気にテリー。さすが、年季が入っているといいましょうか。
喪黒は……もしかして、わざと?
>>○さん
>胃の内容物を嘔吐する伊達。胃液の酸味に混じりコーヒーの味がする。
いいですね〜。可愛いのも好きですが、こういう激痛描写も好きですよ♪ 今後の
バトルにも期待が持てます、○さんっ。
この状態から、我々の知る伊達と三面拳の関係になるまでにどんなドラマが……ですね。
伊達の精神面、戦闘力、そして人間関係。乞われずとも期待!
>>575 ……うわ。
【第53話 人魔大戦の始まり】
>>551 ざわ・・ ざわ・・ ざわざわ・・
闘技場内は異様な雰囲気にざわめいている。闘技場の真ん中にいるその男のたたずまいにである。
その男、利根川 幸雄。現解王ランキング2位にの強者にして、闇解説≠フ第一人者。
その利根川の発する邪気に観客は中てられている。売店やトイレに行った観客が戻りつつあった。
戻った観客は利根川の暗黒解説気に絶句する。入場口で腕組みをし、観戦している雷電がうなる。
(恐るべき男でござる・・。解魔王となった拙者でも、暗黒の解説気では利根川に及ばぬ。
だが本部よ。貴殿の光の解説≠ナ、その男を倒し上がって来るでござる!!)
緊張感の中、オーロラビジョンに解説のお題が発表される。それを見てさらに騒然とする観客。
画面では、2人の巨漢がグローブをはめゴングを待っている。どうやらキックボクシングらしい。
だが問題は2人の体格である。2メートルの巨体に、でっぷりとした肉塊。リングが小さく見える。
「おいおいこれって、元横綱と黒人タレント格闘家のアレかよッ!!」
観客の一人が叫んだ。そうだ。確か大みそかに予定されている、キックボクシングのアレである。
絶大なる権力を持つ解王評議会≠ヘ、ライタイ用にこの試合を、先行開始させてしまったのだ。
ざわ・・ ざわ・・ ざわざわ・・ 一層大きくなるざわめき。余りにも難しいお題だからだ。
元横綱と170キロの黒人。ただ身体がデカいだけの素人の殴り合いを、どう解説しろというのか。
要は話題性だけの、スケールの大きな子供のケンカである。そこにテクニックなど存在しない。
いくら利根川解王とはいえ、大きな人が腕を振り回すだけのショッパイ塩試合を、解説仕切れるのか?
観客たちの視線に利根川の隣のルンペンなど、目に入っていない。闘技場地面の砂と同じ感覚である。
利根川は不気味な薄笑みを浮かべ、余裕の表情である。一方、本部。人の世を救うかも知れぬ男。
(あかん・・。緊張しておしっこ行きたくなっちゃった)
>>551 オーロラビジョンの中では、元横綱が黒人タレント格闘家を睨み付けている。それを見た利根川、タバコを燻らし言う。
「ククク。しょせん偽りの奮起・・。あんなものは、そうだなゴングが鳴って5秒で吹っ飛ぶ・・。
似非もいいところ・・。言うまでもなく元横綱の本心は、恐ろしい・・恐ろしい・・恐ろしい!!」
ざわ・・ ざわ・・ ざわざわ・・ まるで地獄の使者のような利根川の声。凍りつく観客たち。本部は不動のまま。
キックボクシングの試合のゴングが鳴る。猛然と飛び出す黒人。元横綱は棒立ちのまま。素人より動けない元横綱に、
黒人タレント格闘家が狂ったように殴り掛かる。オーロラビジョンの中のテレビ解説者が、馬鹿みたいに連呼している。
すごい、いや〜凄いですね、すごい≠ニ。このテレビ解説者、元格闘技評論家という触れ込みだが、実は格闘技の事は
まったく何も知らない。肝心な時にすごい≠ニしか言えないカス解説者である。ちなみに解王ランキング76位。
本部よりひとつランクが上なだけの、カス解王である。運の良さと世渡り上手だけで上り詰めた、バチ当たりな男だ。
元横綱打たれっぱなし。泣きそうな顔になっている。ライタイ会場の観客は呆れ顔。こんなイジメの泥試合で金取るのか。
「ククク。震えてる震えてる。メッキはもう剥げた・・。先程までの虚勢は、しょせん似非・・。今、元横綱の・・。
心は冷え、恐怖は立ち上がる・・。オープンだっ・・。もうすぐ元横綱の開いた心に、魔・・。鬼が現れる・・。
それは余りにも強大な鬼・・。全てを握り潰す鬼・・。その鬼の名は死=E・。死ぬかも≠ニいう恐怖の鬼・・」
>>586 ざわ・・ ざわ・・ ざわざわ・・ 観客はオーロラビジョンの子供の喧嘩よりも、利根川の言動に釘付けになっている。
余りにも黒い解説。テリーマンのさわやかな負け犬っぷりとは対極である。進行役の実況が、おずおず利根川に質問する。
「し、しかし利根川解王。あなたの戦前予想では、元横綱の勝ちという予想ですが・・?」
ざわめく観客。利根川は実況の顔を見る。睨んだ訳ではない。だがその場にへたり込んでしまう実況。勇気ある観客が叫ぶ。
「そうだ利根川、寝ぼけた事言ってんじゃねえよッ!!」
その声を皮切りに、次々と観客が利根川への非難の声を上げ始める。その間にも元横綱はボコボコに殴られっ放し。
利根川。暴徒となりつつある観客へ見下した目。その視線に反発したのか、更に非難の声は大きくなる。利根川は静かに言う。
「FUCK YOU・・。ブチ殺すぞ、ゴミめらがッ・・!!」
その一言でシンとなる観客。もう本部の存在を覚えている者はいない。いや、そんな奴は最初からいなかったが。利根川は語る。
「バカどもが・・。世間というものは、肝心な事は何も応えちゃくれない・・なぜそれがお前たちには分からない。
今ここの会場にいる限り、お前らは盲目的に俺の解説を信じるしかない・・。強い者には頭を下げ媚びる・・。
それが世間の基本だ・・。お前たちはどれだけ群れをなそうが羊なのだ・・。分を超えて狼ぶるんじゃない・・」
ざわ・・ ざわ・・ ざわざわ・・ しかし職業意識に支えられた実況が、目に涙を浮かべ、ヘタリながらも利根川に質問する。
「で、ですが利根川解王、あなたは確かに戦前の予想で、元横綱の勝ちとこの予想カードに書いて・・」
「ククク。この利根川 幸雄、こと解説に限り一切の虚偽は言わぬ・・。書いた・・。確かにその予想カードに書いたが・・。
俺は時まで指定したつもりは無い・・。つまり俺の予想通り、元横綱が勝つのは・・。10年後かも知れぬという事・・」
>>587 会場はすでに利根川に支配されている。恐るべき解説力である。その言葉ひとつで、全てを操る男。雷電はその光景を見てうなる。
(恐るべし利根川 幸雄。しかし解説とは本来、人に安らぎを与えるべきもの。それが出来るのは本部、貴殿だけでござる。
その男を倒し、準決勝でビスケ師を超え、拙者と決勝で会いまみえるでござる、本部 以蔵ッ!!)
雷電の思いを感じたのか、本部が動き出す。全身を大きく広げ、解説気を高めだす。本部の肉体が黄金色の気に染まり出す。騒ぐ観客。
「お、おいあのルンペンまさか・・!! で、伝説のスーパー解ヤ人ッ?」
一斉に色めき立つ観客たち。まさかこんな乞食が、あの伝説の最強解説者になれるとは。場内は大モトベコール。今までの暗い雰囲気が、
観客には堪らなかったらしい。始めて動揺の色を見せる利根川。雷電の顔をチラリと見る本部。大きくうなずく雷電。本部は強く思う。
(そうじゃあ、緊張してる場合じゃないわあッ!! 世界一解説の強い男が、ワシとの闘いを待っとるんじゃあッ!!)
勇躍、解説マイクを取る本部。大モトベコールの中、遂にヒーローが動き出す。悪の解説者を倒す為に。すう、と深呼吸をした後の一声。
「皆さんこんばんわ。モトベ・イゾウです」
し〜んとなる場内。呆気に取られる雷電と利根川。精鋭部隊は本部のバカに慣れているのか、別に変わらない。本部は次々に自分を語り出す。
「え〜と、住所は新宿公園にマイホームを建ててます。妻はニコ・ロビンと言いまして、これがまた好き者で・・」
空き缶が飛んできた。更に次々と闘技場内へモノが投げ込まれる。ふざけんじゃねえ、という観客の罵声と共に。大会役員の長老が首を振る。
「なんというライタイ祭じゃ・・」
オーロラビジョンでは、元横綱が大の字になってピクリとも動かない。それと同時にここライタイ会場でも、試合終了のドラが鳴り響く。
本部 以蔵、ライタイ祭一回戦失格負け。解王ランキング剥奪。しかし代わりに本部 以蔵には、解王評議会史上初の称号である、
バ解王≠フ称号が与えられることになった。
相変わらず一行ごとの長さが一定しないなあ。すいません。
あと、もうすぐ多分メモリなくなりますよね?
次スレに移行したら一度メインキャラの人物紹介などやります。
あ、しまったトリップついてなかった。
>>554さま
ロビンは特別枠なので順位なしです。
>>566さま
山口作品は話し方が独特なんで使い辛いんですよ。あれは一種のお経。
そこが面白ですが。今回の利根川も使いにくかった。もう出さない。
一番使いやすいキャラは塾長とビスケですかね。
>>578 大体週1くらいで十分だと思います。10日以上空くと連続モノだと辛いですが。
私の場合は週3回・10レス以上をノルマとしてますが、これは2月までにSSを止めるために
このペースでやってるだけです。手は抜きませんが。自分でも普通じゃないと思う。
>○さま
雷電のジャーマンは見事な弧を描くんだろうなあw
自分のペースで構わないんでゆっくり書いて下さい。
武道経験者ですか。私は極○経験者です。2ヶ月ですが。
あいつら本当に殴るんだもん。
>ふら〜り様
勇次郎相変わらず可愛いなあ。トリップつけましたか。偽者ウザイっすね、本当。
おい、パオ!笑い殺す気かよ!?
ふら〜り氏乙。
「確かに俺ならやりかねん」にワラタ。
VS氏、○氏、ふらーり氏、パオ氏お疲れ。
最近荒らしが少なくて作品が多い良い状況ですな。
しかも皆さん面白い。がんがって下さい。
パオ氏、更新ペース落ちてもいいんで3月以降もどうぞよろしく。
しかしスーパー会ヤ人何の役にも立ってねえw
594 :
魔界編 53話:03/12/13 15:47 ID:USaOL8P2
>>588 「負けちゃった。てへへっ」
本部 以蔵が少女のように可愛らしく微笑んで言う。テレ隠しなのか、頭をポリポリと掻いている。
雪のように舞う白い粉。本部は風呂というものに入る習慣が無い。1週間に一度、公園の噴水で
体をすすぐだけだ。あるがままに、自然のままにが本部のアーバンライフである。
呆れてモノも言えない烈・桃・ロビン・九十九。ロビンの肢体から香る、甘美で魅惑的な香りが、
本部のボットン便所のような危険な体臭にかき消される。ここまで行くとある種の兵器である。
ちなみにロビンは、決して自分から本部の2メートル以内に近づこうとしない。
(本当に使えんなコイツ。ロビンでも一回戦は勝ったのに。もう頼みはビスケ嬢だけか)
ため息をつく烈。もうライタイは決勝戦まで進んでいる。決勝は雷電 対 ビスケで争われている。
準決勝第一試合。雷電 対 ロビン。会場全体がロビン様親衛隊と化した中、雷電は圧倒的な快勝。
まるで勝負に成らないほどの大差でKO(カイセツ・アウト)勝ち。
準決勝第二試合。ビスケ 対 利根川。ランキング2位と3位の好カードは、一進一退の攻防だった。
だがビスケの命を賭けた勝負手が決まる。奴隷が王を刺し、ビスケ勝利。
そして決勝戦が今、行われている。開始されてまだ2分である。精鋭部隊が応援に行こうとしたその時。
急にドアが開いた。飛び込んできた人間を見てギョッとする精鋭部隊。まさか? そんな・・!?
「負けたわさッ〜!! 悔しいわさッ〜!!!」
595 :
魔界編 53話:03/12/13 15:47 ID:USaOL8P2
>>594 ビスケの姿を見て呆然とする精鋭部隊。決勝戦で試合時間わずか2分17秒。ビスケほどの実力者が。
椅子に座ってしばらく無言のビスケ。流石に落ち込んだのか、うつむいたまま。だが不意に顔を上げる。
「強い、強過ぎるわさアイツ。アタシの弟子だった頃と比べ物にならんわさ」
「フ・・。師匠には少々荷が勝ち過ぎる相手ですな。奴を倒せるのは、この世で私だけです」
本部がクッと自分へ向けて右親指を刺し、不敵にニッと笑う。瞬間、本部の顔にメリ込むビスケパンチ。
「バ解王に言われる筋合い無いわさッ!! 少しは落ち込めよ、お前ッ!!」
ビクビクと痙攣している本部。あまりにも哀れなその姿に、女神・ロビンはしみじみと言う。
「怖いくらいバカね・・」
「片や解皇、片やバ解王。こんな分かり易い差がついてもまだ懲りんのか、この男は」
烈が首を振る。だがバカは立ち直りが早い。もう復活してニコニコ笑う本部。色んな意味でタフガイだ。
「しかし塾長代理。これで元の木阿弥ですね。生命の水≠手にする事が出来なくなりました」
う〜ん、と腕組みをする精鋭部隊。ひとり本部は、ダンボールの切れ端で造ったチョロQで遊んでいる。
生命の水が無ければ空を舞う大妖を呼び出せない。悩む精鋭部隊。しかし答えは当然出ない。その時。
控え室のドアが豪快に吹き飛んだ。のしのしと巨漢の男が偉そうに乗り込んで来た。そして高らかに笑う。
「うわッはっはっは。出来の悪い弟子どもを持つと苦労するわ。私が居ないとやはり何も出来んか」
地上最傲慢生物にして、地上最も偉大なる男の一人。海原 雄山登場。
596 :
魔界編 53話:03/12/13 16:12 ID:USaOL8P2
>>595 のしのしと精鋭部隊に歩み寄り、目の前に立ちはだかる雄山。その名の通り雄々しい山のように。
カッ。雄山の目が光る。ビクリとする烈と桃。立ち上がり直立不動の体勢である。格の違いか。
「何をやっとるかバカ者がッ!! 私の椅子はどうした、店主を呼べい店主をッ!!」
あたふたと椅子を用意する烈。押忍と叫び気を付けの桃。どっかりと偉そうに椅子に腰掛ける雄山。
「相変わらずだなビスケ。57歳のマッスル婆あがゴテゴテと若作りしおって、わっはっは」
「久し振りに逢って失礼だわさッ。それよりアンタ、この事態を何とかする手立てがあるわさ?」
雄山は和服の袖に手を通すと、奇妙な色の液体が入った小ビンを取り出し、テーブルの上に置いた。
「え・・? これはまさか、生命の水=iアクア・ウイタエ)?」
考古学者で知識の広いロビンが叫ぶ。烈と桃が小ビンを取りしげしげと眺める。ビスケが雄山に訊く。
「ア、アンタ、これどうしたんだわさ?」
雄山は豪快且つ偉そうに大きく笑い、今より数分前の出来事を話し出した。
「これが必要になるはずでござる。貴方ほどの方に頼み事は気が引けるが、お願いしたいでござる」
闘技場裏手の庭。2人の男が相対していた。一人は海原 雄山。そしてもう一人は、先程ライタイを制し、
解皇≠戴冠して名実ともに世界最強の解説者となった男、雷電である。雄山は問い返す。
「お前自ら渡せば良いだけの話。何故そこまで、魔王軍に肩入れする?」 「ぴっかー」
雷電は空を見上げる。魔界に昼も夜も無い。遥か彼方に、人間界の底辺がふたとなって見えるだけである。
「拙者はもう戻る事は出来申さん。貴殿ならお分かりのはず。拙者はどれほど解説力が高かろうが、
光の3戦士≠フ中の、言霊の戦士に成る事は出来ぬ事を」
597 :
魔界編 53話:03/12/13 16:38 ID:USaOL8P2
>>596 「偉大なこの私でも分からんな。何故お前ではなく、あの本部に光の3戦士≠フ資格があるのか」
雄山の問いに、雷電は珍しく沈黙する。言葉を選んでいるようだ。言葉のエキスパートの雷電が、である。
「雄山殿。貴殿は3戦士の、傲慢≠ノ相応しいお方でござる。そしてその肩に乗るアシュラマン。
彼もヘタレ≠ノ相応しい。だが、拙者に解説≠フ戦士たる資格はござらん」
雷電の顔に苦渋が浮かぶ。自らの絶対の自信を持つ、解説に裏切られた気分なのだろう。更に続ける雷電。
「拙者は強過ぎる。故に敗北を知らぬ。どうやら最後の光の3戦士は、弱者の痛みが分かる人間で
無いと為れぬようでござる。本部は、確かに今はどうしようも無い。拙者より遥かに弱い。
だが、だからこそ拙者を超え、3戦士となり、多くの人間の命を救うような気がするでござる」
独白を終えた雷電。半ば無理やり雄山に生命の水≠握らせ、礼をして去ろうとする。だが最後に一言。
「雄山殿。江田島塾長や陸奥 九十九のような超人でなく、ああいう愚かなただの人間が世を救う。
その方が楽しいと思いませぬか。だがこの雷電、敢えて解説の鬼となりて立ち塞がるでござる。
伝えて欲しい。百の力で拙者に及ばぬのならば、千の心を以って拙者まで駆け上がって来いと」
598 :
魔界編 53話:03/12/13 16:42 ID:USaOL8P2
>>597 「なんであの最強の男が、こんなバ解王にそこまで期待するか分からんわさ」
雄山の話を聞き終えたビスケが、本部の顔を見ながらしみじみと言う。全員が同じ意見だ。本部は笑う。
「わっはっは。英雄英雄を知る、というヤツでしょうなあ」
もはや誰も突っ込む人間は居ない。ため息が漏れるだけである。本当にこんなバカが世界を救うのか?
「そこの人、出ておいでよ。さっきからその壁の向こうに居る人だよ」
急に九十九がカベに向かって言う。烈と桃の表情が変わる。2人とも勿論達人だが、気付かなかった。
向こう側にずっと人が立っていたのを。油断した訳ではない。それ程、見事な気配の消し方だったのである。
烈。向こう側にいる人間に意識を集中しながらも、九十九を見て冷や汗を流す。九十九は茫洋としたまま。
(この男・・。わたしでも全く気付かなかった気配にとっくに気付いていた? 底が知れぬ)
向こう側にいた人間がひょっこり顔を出す。烈たちの予想に反しそこにいたのは・・。美少女であった。
雄山の顔がその美少女の姿を見て、珍しく引き締まる。ビスケの顔もやや緊張したように代わり、烈たちに言う。
「警戒する事無いわさ。彼女はこっち側の人間だわさ。名前はキャミィ。お前たちの少し前に、
江田島の指示で魔界に潜入していた、スパイの女の子だわさ」
599 :
名無しさん@一周年:03/12/13 16:45 ID:GGCY65Sv
sage
600 :
魔界編 53話:03/12/13 17:13 ID:USaOL8P2
>>598 烈と桃はその少女を見て絶句する。完璧な気配の消し方だった。少女が出来る業でない。
鮮やかなブロンドを無造作に束ねている。動き易さを優先した服に身を包んでいる。
だが、それ以外は普通の美少女だ。わざと殺気を少女に放つ烈。だが少女は無表情のまま、
眉ひとつ動かさず殺気を受け流している。殺気に気付いていない訳は無い。烈がビスケに問う。
「まさかこの少女が、精鋭部隊最後の戦士・・?」
ゆっくりと首を振るビスケ。雄山は無言のまま。先程までの2人と雰囲気が違う。ビスケは言う。
「その少女は、ただの工作員だわさ。精鋭部隊、最初にして最後の戦士の居場所を探る」
この少女がただの工作員・・? その男とは一体どれほどの実力者なのだ・・? いぶかしむ精鋭部隊。
その時、止せばいいのに本部がまた、余計なコミュニケーションをキャミィと取ろうとする。
「い、異人さんじゃあ。れ、烈、英語で挨拶はどう言えば言うんじゃ?」
「ハウ アー ユーとファインセンキューで取りあえず良いだろう。て、止めとけ本部ッ」
本部はその言葉を無視し、キャミィに近付く。右手を差し出し、満面の笑顔でキャミィに笑い掛ける。
「は、はうまっち、ふぁっくゆー」
その言葉を言った瞬間、烈に吹き飛ばされる本部。初めてキャミィが感情を顔に出す。バカ、この人?
「本当に・・。これから先一緒に旅をするのが嫌なくらい、バカね・・」
ロビンの言葉が、精鋭部隊全員の心の言葉を代弁していた。
601 :
魔界編 53話:03/12/13 17:33 ID:USaOL8P2
>>600 バカが場の空気を間違った方向に和ませた時、雄山がおもむろに立ち上がる。ビスケと視線が合い、
静かにうなずく。キャミィは物音も立てずに雄山に近付き、敬礼を一度した後、報告する。
「あの男の、居場所が分かりました。これに」
メモを雄山に渡すキャミィ。どうやら必要最低限の言葉以外は、話さないよう訓練されているらしい。
「直接逢いに行くのか、雄山。気を付けるわさ。あの男は、味方にしてなお恐ろしい男だわさ」
「わっはっは。誰に物を言っておるビスケ。この海原 雄山、天が下に恐るるもの一切無し。
それよりビスケ、お前こそこれからどうするのだ?」
「まっすぐ人間界に帰るわさ。留守中の男塾が心配だわさ」
「お前は昔から、江田島のそばに居たがったからな、わっはっは」
「う、うるさいわさッ、とっとと消えるわさ」
顔を真っ赤にして怒るビスケ。雄山は豪快に笑いながら退室する。桃がビスケに遠慮がちに訊く。
「失礼ですが塾長代理は、塾長と昔からの知り合いで?」
「江田島とは40年以上の付き合いだわさ。そりゃ、少しは情も移るわさ」
顔から湯気の出ているビスケ。ビスケが江田島に特別な感情を持っている事が、傍目にも分かる。
「うわあ、ビスケ師匠真っ赤だ、お顔が真っ赤だ、真っ赤っか」
ビスケをはやし立てる本部。次の瞬間、本部 以蔵本日3回目のダウン。ロビンはゴミを無視して言う。
「あの食通さん。私との対戦の時とは全く違うわね。偉人だか、そうで無いのか分かないわ」
ロビンの言葉を聴き、ビスケは少し落ち着き椅子に座る。靴の下には本部 以蔵。ビスケは静かに語る。
「雄山は本物の偉人だわさ。人間界が誇る地上3傑≠セわさ。これは江田島に聞いた話だけど。
この人魔大戦≠ヘ地上3傑から全てが始まったわさ。男塾塾長・江田島 平八。海原 雄山。
そして内閣総理大臣・板垣 重政の3傑から。 ・・良い機会だから、話しておくわさ」
602 :
パオ ◆w/9ws2V0DU :03/12/13 17:36 ID:USaOL8P2
書ける時に書いておけと言う事で、今日は沢山書いた。
一日では新記録かも知れない。このペースなら1月半ばに終わるな。
でも無理です。明日書いたら、またペース落ちます。
あと、キャミイは出番これだけになるかも知れません。別に誰でも良かったし。
総理の板垣、精鋭部隊最後の男が出れば多分メインキャラは打ち止めです。
もうちょっとだ。頑張るぞ。
本部はまたギャグキャラにww
もうしばらくするとパオのSSが読めなくなると思うととても残念でなりません。
細々とでも続けていってほしいと思っています。
大魔王バーン vs 江田島平八
究極生物カーズ vs ???1
赤カブト vs ???2(とら?)
範馬勇次郎 vs 松尾象山
範馬刃牙 vs 陸奥九十九
ヒソカ vs ニコ・ロビン
精鋭最初で最後の一人が、カーズと戦うと予想。
・・・誰なのか想像もつかない。
本日は、7レスほどアップいたします(このレス含めて8レス)。
アップ途中で音沙汰がなくなったら、投稿制限に引っかかったものと
思って下さい。それでは、本編です。今回グダグダ。
暗黒淵(やみわだ)の街に忽然と現れ、町内最強といわれたジャイアン軍団を
苦もなくひねり潰して軍団解散に追いやった赤木しげるとは、一体どんな男なのか。
その正体は全てが謎に包まれているが、アカギと接触した過去を持つ二人の人物に
思い出を語っていただいた。そちらをご紹介しよう。断片的ではあるが、アカギの
秘密を解き明かすよすがとなれば幸いである。
【証言1 ケンシロウ】
居酒屋の店員。客からお代は一切いただかない。またの名をヤンママ。
「…少し熱くないっすか?熱いっすよね?すいません、ちょっと外に出て
温度下げてもらえませんか?向かって左側にツマミがついてる筈なんです
けど、分かります?温度設定が『マグマ』になってるから、それを回して…。
そうそう、『おでん』ぐらいでちょうどいいっすね。どもっす、どもっす。
いやぁ、この冷蔵庫にはビックリしたっすよ。まさかサウナ機能がついてる
とは思わないっすもんねぇ。閉じ込められた時にはもう駄目かと思ったけど
いい汗かいてリフレッシュできるし、ここは居酒屋だからサウナあがりの
ビールは呑み放題だし、まさに天国っすよ!
あの、さっきから何ビビってるんすか?ひょっとしてこの人たち?確かに
見た目は怖いっすよね。アンデッドっすから。ははは。今もなんかグルグル
唸ってるっすけど、根はいいヤツばっかだから大丈夫っすよ。ね、店長!
………店長?
ははははは。バイト風情にヤツ呼ばわりされたんで、店長怒っちゃった。
どーもすんません。店長、痛いっすよ店長。機嫌なおして。ね。痛い痛い。
痛いって!頭を噛むんじゃねーよ店長!離せコラ!いよっ店長男前!
憎いねこの不老不死!お前はすでに死んでいる!…あービックリした。
いや、だから逃げなくても大丈夫っすから。今のは僕を食おうとしたんじゃ
なくて、店長の愛のムチ。ね。現にピンピンしてるじゃないっすか、僕。
え?頭から血が噴き出してる?全然問題ねっすよ。こんなもん、ゲロでも
塗っときゃ治りますから。それじゃ、そろそろ本題に入るっすよ。アカギの
話が聞きたいんすよね?
かしこまりました!
アカギとは、中学時代の同級生だったんす。二年の一学期途中にアカギが
転校してきたんすけど、転校初日の時点ですでに普通じゃなかったっすね。
先生の紹介で教室に入ってきたアカギ、ずぶ濡れ。雨が降ってる訳でも
ないのに、全身水浸しでニヤニヤ笑ってるんすよ。先生が何を聞いても
クククの一点張り。不良とのチキンレースでブレーキを踏まずに崖から
落ちたなんて噂が立って、転校初日で一躍注目の的になったんすけど、僕
知ってるんすよ。バイク通学を敢行して、無免許でブレーキのかけ方とか
全然分からなくて校庭の池に突っ込んだだけなんすよ。今でも池の底に
アイツのバイクが沈んでる筈っすよ。噂もあながち間違いではなかったって
事になるんすかね。
勉強もスポーツも抜群にできるヤツで、当然女子にモテまくってたっす。
下駄箱はモチロン、弁当箱の中にも便器の中にも毎日ファンレターが
ドッサリだったんすけど、アカギは読みもしないで捨てちゃってたっすね。
アカギの趣味が麻雀だってんで、好きでもない麻雀を一生懸命覚えて
何とかアカギに気に入ってもらおうって女子もいたっすけど、そういう子に
限って麻雀にはまっちゃうんすよね。しばらくしたら全員雀荘に通い出して
学校にこなくなっちゃった。いやー、麻雀って怖いっすね。
三学期の終わり頃、ささいなことから教職員との全面抗争に突入したっす。
いや、生徒全員じゃなくて、アカギ一人vs全教職員っす。学校のドンの座を
かけた麻雀勝負は、アカギの圧勝。しょせん、公務員の手に負えるアカギじゃ
なかったっす。うなだれて荷物をまとめ始めた先生達を目で制して、アカギが
飄然と学校を後にしたっす。それが、アカギの最後の雄姿だったっす。
勝者でありながら自ら身を引いたアカギの功績を讃えて、校庭のど真ん中に
アカギの銅像が建てられたっす。校庭のど真ん中なんで、邪魔くさくて
しょうがなかったっすけど、アカギは今でも僕らのヒーローっすよ!
…あのー。なんか僕からどんどん遠ざかっていってるっすけど、それかなり
感じ悪いっすよ。人がせっかくアカギの思い出を話してあげてんのに…え?
頭の血が緑色?僕の頭の血っすか?あぁホントだ、キレイな緑色っすねぇ。
…マジ緑じゃん!すっげぇ気色悪いっすよ僕!あの、ひょっとして、ゾンビに
噛まれた人間もゾンビになるっていう、映画でよく見るあのパターンすかね?
うっそ!マジカンベンすよちょっと!人間としてやり残したことがまだ腐るほど
あるのに、その前に自分が腐ったらシャレになんないっすよ!あ、ちょ、一人で
逃げないで下さいよ!僕も一緒に出して……。
外から鍵かけやがったなテメー!この卑怯者!差別主義者!開けろコラー!
…なんか寒いんすけど。ひょっとして、ツマミいじくってる?やめろって!
どこまで温度下げたんだよオイ!『家庭内別居』?最大冷却じゃねーかボケ!
出してー!助けてー!
ひでぶー!」
【証言2 K】
マス夫をこよなく愛するハリウッドスター。
「アカギ?ああ、もちろん知ってるよ。彼とは映画で何度も共演しているからね。
もっとも、主役は常にボクなんだけど。HAHAHAHAHA!で、アカギがどうしたって?
のび太くんと麻雀打ってる?のび太くんがサンドバック?本当かいそれ!うへー!
ま、ボクには全然関係ないけどね。それじゃ、バイバーイ」
【証言2 その2 再びK】
「しっつけーな!バレーボールに手足はやして喜んでる国のモンキーに話すことなんか
何一つねーんだよ!帰れオラ!あ、なんだよその色紙は。サインが欲しいんだったら
素直にそう言えよ、俺だって鬼じゃないんだからさ。参ったなぁ。え、違う?お前の
サインなんか金もらったっていらない?…ふーん。別にいいんだけどさ。だったら
この色紙は何なんだよ。良く見たらすでに誰かのサインが書いてあるし。日本の
カタカナだなこりゃ。えーと。マ、ス、オ……。
マスオ!?これ、マス夫さんのサインなの?うへー!あの人、一介のサラリーマンの
癖してサイン書いちゃうんだ。ちょっと幻滅だな。で、このサインをあげる代わりに
アカギの話を聞かせてくれってか。キミ、ボクの事なめてるでしょ。そんな安っぽい
紙きれ一枚にホイホイ釣られる訳……。
いやいやいや、ハサミとマッチは仕舞いなさいよ。別に処分する事はないでしょ。
実は喉から手が出るほど欲しいんだろって?全然ちっがうよ!欲しいとか欲しくない
とかいう問題じゃなくて、ハリウッドスターの沽券というものがだね……。
誰も笑わない?ホント?人に言えない趣味があってこそ超一流?そお?
…そーお?
ほんじゃ、もらっとこっかな。アカギの思い出ね。OKOK、全部話しちゃうよ。
アカギはね、毎年クリスマスが近づくとスタジオにぶらっとやって来て、撮影中の
映画にチョイ役で参加するんだ。殺人鬼に頭をかち割られる日本人観光客とか
主人公に一撃で倒される謎のカンフー使いとか、あれ全部アカギ。もっとも
収録の段階では、アカギが勝っちゃうんだけどね。台本読まねぇんだ、アイツ。
まぁ、編集マジックでその辺はどうとでもなるから、特にクレームは入らない。
ギャラを受け取ったその足で、スラム街に直行する。恵まれない人々にお金を
配るのかな、とか一瞬思っちゃうでしょ。違うんだな。逆に小銭を増やして
日本に帰って行く。ありゃきっと麻雀打ってるね。スラムの貧乏人相手に。
アカギにケツの毛まで毟られて、汚いを通り越して一面の草っ原になっちまった
貧民窟は、山ほどある。街の浄化に一役買ってる訳だ。なんかカッコイイよね。
…僕の知ってるアカギは、こういう男だ。さ、これで話はおしまい。満足して
もらえたかな?しかし、マス夫さんのサインかぁ。オークションに出品したら
いくら位になるんだろ……ん?ここ、シールが貼ってあるね。『ス』と『オ』の間。
剥がしていい?ダメ?あー、もう遅い。剥がしちゃった。お、文字が出てきた。
『ラ』?ってことは、実は四文字のサインなんだね、これ。マ、ス、ラ、オ…。
益荒雄のサインじゃねーか!あいつ力士の癖してカタカナでサイン書くのかよ!
すげーガッカリだ!何がマス夫さんのサインだ、嘘つき!何?よく益荒雄なんて
ご存知ですね?知ってたらイカンのか?ハリウッドの大物俳優が、白いウルフを
知ってたら問題があるんですか!?待てコラ、逃げるな!この思い出ドロボー!
誰か、そのクソジャップをとっ捕まえて脳味噌えぐり出せ!モーフィアス!
モーフィアース!!」
「しっつけーな!バレーボールに手足はやして喜んでる国のモンキーに話すことなんか
何一つねーんだよ!帰れオラ!あ、なんだよその色紙は。サインが欲しいんだったら
素直にそう言えよ、俺だって鬼じゃないんだからさ。参ったなぁ。え、違う?お前の
サインなんか金もらったっていらない?…ふーん。別にいいんだけどさ。だったら
この色紙は何なんだよ。良く見たらすでに誰かのサインが書いてあるし。日本の
カタカナだなこりゃ。えーと。マ、ス、オ……。
マスオ!?これ、マス夫さんのサインなの?うへー!あの人、一介のサラリーマンの
癖してサイン書いちゃうんだ。ちょっと幻滅だな。で、このサインをあげる代わりに
アカギの話を聞かせてくれってか。キミ、ボクの事なめてるでしょ。そんな安っぽい
紙きれ一枚にホイホイ釣られる訳……。
いやいやいや、ハサミとマッチは仕舞いなさいよ。別に処分する事はないでしょ。
実は喉から手が出るほど欲しいんだろって?全然ちっがうよ!欲しいとか欲しくない
とかいう問題じゃなくて、ハリウッドスターの沽券というものがだね……。
誰も笑わない?ホント?人に言えない趣味があってこそ超一流?そお?
…そーお?
ほんじゃ、もらっとこっかな。アカギの思い出ね。OKOK、全部話しちゃうよ。
アカギはね、毎年クリスマスが近づくとスタジオにぶらっとやって来て、撮影中の
映画にチョイ役で参加するんだ。殺人鬼に頭をかち割られる日本人観光客とか
主人公に一撃で倒される謎のカンフー使いとか、あれ全部アカギ。もっとも
収録の段階では、アカギが勝っちゃうんだけどね。台本読まねぇんだ、アイツ。
まぁ、編集マジックでその辺はどうとでもなるから、特にクレームは入らない。
ギャラを受け取ったその足で、スラム街に直行する。恵まれない人々にお金を
配るのかな、とか一瞬思っちゃうでしょ。違うんだな。逆に小銭を増やして
日本に帰って行く。ありゃきっと麻雀打ってるね。スラムの貧乏人相手に。
アカギにケツの毛まで毟られて、汚いを通り越して一面の草っ原になっちまった
貧民窟は、山ほどある。街の浄化に一役買ってる訳だ。なんかカッコイイよね。
静まれーぃ!静まれーぃ!
この紋所が目に・・・・静まれーぃ!
皆の者〜、静まれっ!静まれっ!静まれーぃ!
このお方をどなたと・・・・静まれーぃ!
ええぃ!静まれっ!静まれーぃ!
さきの副将軍、水戸の御老・・・・し、静まれーぃ!
静まれーぃ!皆の者、静まれーぃ!
水戸・・・・静まれーぃ!静まれーぃ!静まれーぃ!
誤爆
ランプ
私はランプをこすった。
すると、煙と共に現れたのは魔人だった。格闘の魔人・範馬勇次郎である。
「どんな願いでも三つだけ叶えてやろう」
「え、じゃあ・・・かわいい彼女をください」
「邪ッッッ」
範馬勇次郎は突然地面を殴りつけた。
「二つ目を言え」
「え? じゃあ、お金を出して下さい」
「邪ッッッ」
範馬勇次郎はまたも地面を殴りつけた。
「よし、最後の願いを言いな」
「なんなんだよアンタ・・・。んじゃ、世界の王になりたいなぁ〜〜〜なんて・・・」
「邪ッッッ」
範馬勇次郎はまたまた地面を殴りつけた。
「さらばだッッッ」
気がつくと、範馬勇次郎はランプと共に消えていた。
残ったのは、地面に残された三つの陥没跡だけ。
範馬勇次郎は、己の拳を絶対的に信じ、己の拳なら何でも出来ると思っている。
きっと、拳の力だけで私の願いを叶えようとしたのだろう。
その自己中心さが、私には少しだけ羨ましかった。
どなたか「ブラスターナックル」の、ヴィクター・フリーマンを
登場させていただけませんか?
突然のお願い失礼しました。
>>パオさん
パオさんなら珍しくないんですけど今回は特に……「予想を裏切られ期待は裏切られなかった」です。
本部がここまで無残に惨めにやってくれるとは。でもその一方、全てが終わった暁には、雷電と
夕陽をバックに握手とか、月光の下で一献というか、そんな風になりそうでもあり。
やはりこの物語、私にとって一番輝いているのは本部です!
>>VSさん
昔の「VSシリーズ」を彷彿とさせる文体ですねえ。アカギ、実力がちゃんとあるにも
関わらず、周囲の空間をとてつもなく訳の解らないパワーで薙ぎ倒してるのが凄い。
でも、VSさんとこのドラえもんたちなら充分対抗できるって思えるところがまた凄い。
みんな凄すぎて、突っ込み役の常識人(私なら刃牙やウルトラマン、パオさんなら
ロビンや闘技場の観客など)がいないのに、ギャグがしっかり成り立ってるのも……凄いです。
>>奇妙さん(仮)
出ました、可愛い勇次郎! 何かこう、手の平にのっけてみたいですよ、この勇次郎なら♪
何気に主人公(?)の最後の感想もいい味出してます。原作でも、誰しも少しは思うことかも。
そんなこんなで、可愛く面白く、堪能させて頂きました。ぜひまた、書いて下さいっ。
>>私
第四話の構想は最後まで出来てますので、そんなには空きません。磨いてますのでしばしお待ちを。
誰かJOJOスレに書いてやれよ
よく誤爆する人だ
622 :
作者の都合により名無しです:03/12/14 00:13 ID:Czcz512L
今日も大漁だな。
パオ氏VS氏ふら〜りさん乙。
楽しかった
>>616 乙。面白いっス。
やっぱ勇次郎ってギャグキャラみたいだな。
624 :
作者の都合により名無しです:03/12/14 00:33 ID:Czcz512L
ところで ID:5T06rQ3Qは新手の荒らしか?
作品直後はやめてくれ頼むから。
何で無視できないかねぇ・・・。
荒らしにやめてくれって言って、はいやめます、なんて言うの期待するか?
>>617 「ブラスターナックル」じゃなくて「ブラス・ナックル」だよ。
知ってる人少なそうだし、そもそも少年漫画じゃないような…
あ、でも、アカギとかいるからいいのか?
>江田島平八、海原雄山、板垣重政の地上3傑
徳川光成は放置ですか、ああそうですか。
仮にも無限大トーナメントの主催なのに・・・
628 :
○:03/12/14 11:26 ID:WK6nVcQS
パオさん、以前に没にされた、「名探偵ロビン」は
今後書く予定はありますか?
もし、書かないつもりでしたら、書いてみたいのですが。
今の男塾を全部書いた後の話ですけれど。
>>625 荒らしは放置。これ1のテンプレに入れた方がいいかもしれん名
パオとVS両氏は相変わらず冴えてますな。ショートの奇妙な物語もワラタ
○さんと大僧正さんもガンガレ
ついでに他のssすれを荒らさない、も追加しといた方が良い。一匹不良スレにバカがいたよ。
「荒らしはスルー」
こんな基本的な事をテンプレにいれなきゃならんほど…いや、なんでもない
632 :
作者の都合により名無しです:03/12/14 16:54 ID:Czcz512L
名探偵ロビンは誰が殺されるのだろうか。
書いていいよ。俺パオじゃないけど。
荒らしに関しては住人が多いからなここ。SSすれにしては。
ひとりふたりバカが混ざるのはしようがない気がする。
でもこんな事でレス消費をするのはもったいないな。
今日は誰か来るのだろうか?
633 :
魔界編 53話:03/12/14 19:12 ID:LonLcqtE
>>601 全ての始まりは、2ヶ月前の美食倶楽部。魔界を監視する役目の仙人・朧の言葉からである。
「やはり大魔王は動いているようですね。しばらくはまだ大丈夫でしょうが。
あの男の事、いずれ人間界に侵攻するのは必然でしょう」
予想通りだが、衝撃的な朧の報告。見事な料理にも手を付けず、難しい顔で腕組みをする3人。
残りの3人は地上3傑≠ニ呼ばれる、この世で最高の器と人格、能力を持つ男たちである。
内閣総理大臣・板垣 重政。男塾塾長・江田島 平八。そして稀代の芸術家にして地上最傲慢生物、
海原 雄山である。板垣が猪口を手に取りくいっ、と一気に空ける。そして独り言のように言う。
「さすが天下の美食倶楽部、美味いな。雄山、これは何という酒だ?」
「わっはっは。豚や猿でも本当に美味い酒は分かるか。名酒・ワンカップ大関だ」
長い付き合いである。雄山の毒舌にも慣れている。板垣は酒を呷りながら、盟友の2人に切り出す。
「魔界との戦争が近いかも知れんな。だが、国民にこれを発表していいものかどうか」
「貴様らしくないな、板垣。開かれた国政を目指しているのだろう」
江田島が茶化して言う。少しでも重苦しい雰囲気を吹き飛ばそうとしているのだ。板垣は首を振る。
「事が事じゃ。パニックになりかねん。この老骨板垣の命を賭けても、国民は守らねばならん」
635 :
魔界編 53話:03/12/14 19:40 ID:LonLcqtE
>>633 再び、沈黙。仙人・朧はまるで影のように、部屋の隅で佇んでいる。勿論一切の気配を絶ちながら。
その朧へ、江田島が声を掛ける。厳しい顔である。まるで戦場に立っている時のような。
「朧。継続して魔界の監視を頼む。そして最悪、魔界の人間界侵攻が決まったならば」
「魔界最高権力者の大魔王バーンを、私が消せばいいのですね」
一旦止まった江田島の言葉を、朧が紡ぐ。暗殺。もっとも江田島らしくない、そして
もっとも彼が嫌う決着方法である。だが、大魔王バーンは、決して話し合いの通ずる相手ではない。
戦闘が始まっていないだけで、既にもう戦争に突入しているのだ。 ・・朧が静かに退室する。
江田島、雄山、板垣の酒が杯を重ねていく。いつもなら気心の知れた者同士、話に花が咲いている。
しかし今夜は3人とも無言。豪快な江田島さえ、料理をチビチビと食べている。不意に雄山が笑う。
「わっはっは。偉大なこの私が魔界へ赴こう。それで全てを解決してくれるわ」
その思いも掛けぬ言葉に、目を見開く江田島と板垣。板垣が顔を紅くして、雄山へ思い切り怒鳴る。
「バカを言うな、雄山ッ!! みすみすお前を見殺しにするような真似を許せると・・」
「いや、是非とも頼む、雄山。さすがは我が友、海原 雄山であるッ!!」
板垣の言葉に割って入る江田島。板垣が思わず江田島の胸倉を掴む。史上最も熱い総理大臣である。
「貴様、長きに渡る友をむざむざ死地へ・・」
その時板垣。江田島の目を見てハッとする。泣いている。涙を流さずとも。人間界で一番強い男が。
そして江田島は語り出した。血を吐くように苦しそうに。
636 :
魔界編 53話:03/12/14 19:42 ID:LonLcqtE
「雄山は既に覚悟を決めておるわ。それに、奴が行かねばワシが魔界へ向かうつもりだった。
朧とはいえ、大魔王は倒せまい。誰か強力な男が、魔王軍に潜入して内部の情報を探らねば
とても人間側に勝ち目は無いのだ。板垣よ、おおっぴらに自衛隊を動かす事は出来まい。
民に不安を与えるからな。あくまで秘密裏に奴らを倒せねばならぬ。先兵は我々男塾がしよう。
そうすれば、ワシは魔界を迎え撃つ指揮を執らねばならん。貴様も総理という立ち場から、
我々をフォローする役目がある。 ・・そこまで読んで、雄山は魔界行きを申し出たのだ」
雄山の顔を見る板垣。その顔に傲慢さは無い。慈愛と力強さに満ちた、父親のような顔である。
板垣は江田島の胸倉から手を放し、雄山へ土下座して、頭を擦り付ける。目には大量の涙が浮かぶ。
「雄山。親友にこんな事を言うのは気が引けるが・・。人間界の為、死んでくれいッ」
雄山はニコリと笑う。そして親友の板垣の肩に優しく手を置き、静かに微笑みながら言う。
「板垣。なんだ一国の総理が、その姿は。それに私は地上最傲慢生物、そう簡単には死なん。
どれ、バーンとやら愚物に、説教でもしてやるとするか。わあっはっはっは」
み、光成は・・・
あげないでくれ。
いいかげんにしろ。もっとひっそりやりてえんだ
光成は簡単に魔界に魅入られた俗物だからなあ‥
641 :
魔界編 53話:03/12/14 20:10 ID:LonLcqtE
>>636 「雄山は魔王軍に首尾良く潜入し、たった2ヶ月で幹部まで上り詰めたわさ。
そして魔王軍の情報を内部から流し続けた。その一方で、大魔王に反目する
妖怪、飛影に接触していた。アンタら感謝するわさ。今、人間界が魔界と
五分以上に戦えてる何割かは、雄山のお陰だわさ」
ビスケの言葉にシンとする精鋭部隊。烈や桃などはうっすら涙を浮かべている。
「そして江田島は光成と共に、戦士を集める為の無限大トーナメント≠
開いたわさ。優勝者をリーダーとする魔界討伐部隊、つまりアンタらを
選抜する為に。そして、今この場にアンタらが立っている。感謝するわさ。
ここまで辿り着いたのは、決してアンタらだけの力じゃないって事を」
一同は声も出ない。あの雄山が、そこまで偉大な男だったとは。ビスケが続ける。
「江田島が言ってたわさ。ワシはもう一生、雄山には頭が上がらないって。
本当に感謝するわさ。しっかし、江田島も薄情だわさ。何で真っ先に
アタシに相談しないのか。長い付き合いなのに腹立つわさ〜」
可愛く地団駄を踏むビスケ。正体が57歳のマッスル婆あとは誰が想像出来よう。
>>641 「他に何か質問は? 言っとくが、地上3傑≠ネのに何で日本人ばかりなんだ、
という質問は一切受け付けないわさ。それ以外なら大抵応えるわさ」
ビスケが席を立ちながら言う。人間界へ戻るつもりなのだろう。ロビンが質問する。
「精鋭部隊最後の戦士・・って誰なの? どう接触するの?」
動きの止まるビスケ。言葉を慎重に選んでいる。どうやらトップシークレットらしい。
「アンタらと多分、最後まで別行動だわさ。でも江田島や陸奥と並ぶ、人間界の
最終兵器であるのは確かだわさ。これ以上は喋れないわさ。アンタらはその男を
気にする事、無いわさ。多分逢う事は無い。 ・・さて」
選手控え室のドアノブを握るビスケ。まるでその質問から逃げるように帰ろうとする。
「アンタらの武運を祈るわさ。人間界の未来をどうか守るわさ。全ての仲間の心は、
アンタら精鋭部隊と共にある。それだけは忘れるな。じゃ、帰るわさ」
退室するビスケ。精鋭部隊たちの心に、新たな決意が漲る。ビスケは雄山を心配して思う。
(本当に大丈夫か、雄山。あの男は、依頼人と2度逢うのを極端に嫌うわさ)
ま、まさかゴノレゴですか?
>>604さま
半分はあってます。対バーンは精鋭部隊の総力戦になります。
>○さま
全然構いませんよ。前にも書いたけど、私が書いたネタはどなたでも
好きなように使っていただいて結構です。
>光成について
いや、光成好きなんですが。江田島、雄山、板垣の3人と比べるとやはり。
この年寄りなのに無駄にデカい奴らに光成が挟まれると、捕まった宇宙人みたいだ。
すみませんsageと次からちゃんと入れます。
まだメモリは余裕あるのかな?
そろそろ次スレならば、あらすじと人物紹介と用語解説やりたいけど。
もう少しで終盤突入です。まだ先は長いけど。
>>644 乙です
ところで2ちゃんブラウザは使われていないのでしょうか?
デフォルトでsageに出来るのですが。
646 :
○:03/12/14 20:39 ID:Wj1vPFYE
やったー!
まだ何にも考えてないけれど、がんがります。
多分、書くのは新年明けですが。
しかし雄山凄いなあ‥
いや、パオはネカフェだからかちゅが入ってないかもしれないぜ?
相変わらずパオ氏の盛り上げ方とヒキのうまさは凄いな
しかし多分あのおとこまで出て収集つくのだろうか。
いや、パオ氏を信じているが。
俺はage賛成派。このスレは個人的に
終わって欲しく無いスレなので上の方にいて欲しい。
目立てば職人さんたちが新しく来るかもしれないから。
という訳でage
マジでネットカフェからやってんのか
ほぼ毎日、金かけて・・・
いや、いいんだけどさ。うん、別にいいんだけどさ。
まあ頑張れや
>>649 下にあっても書きこみがあれば足切りされない
&
目立てば職人が来るよりあらされる可能性の方が圧倒的に高い
なのでsage推奨なのだと思うよ
445 :マロン名無しさん :03/12/14 12:40 ID:???
>>444 1985自身が典型的な「形から入りたがるタイプ」「計画は立てるが無計画なタイプ」なんだろ。
高価なスケジュール帳に緻密なスケジュールを書き込むが、ろくに達成出来ない、といった感じの。
(わざわざ個人スレを立てたものの、最近は質・速度ともに落としている)
2ch内ですらこうなのだから、リアルだとさぞかしヒドイだろうな。
それでも夏までの更新速度は鬼だったから、今になってそのツケが来たんだろう。
おおかた仕事や生活そっちのけでSS書いてたんじゃないですか。
根が不器用なくせに、両立しようとするタイプ。どっちも中途半端になる。
二兎追う者は一兎も得ず、まぁ仕事はクビにならんようにね。不況だし。
仕事に追われながら、ここで毎回ヘタレな愚痴をこぼす。
ヘコヘコと頭を下げながら、上目使いで陰湿な睨みをきかせている。
これが、今の1985。
こんな奴が立てたスレだから、当然荒れるし殺伐する。もはや存在する意味もない。
1985さん、この辺で止めといた方がいいんじゃないですか?
せめて、幕引きくらいは綺麗にやってくれよ。
夢オチで終わらすのも良し、何も言わず去るのも良し、最後に暴言吐いて消えるも良し。
馬鹿な事して、バレさん始めバキスレに迷惑掛けるのは勘弁だがな。
護身の神様
渋川郷気、渋川流柔術の総帥。達人と敬われ、今も現役で活躍する格闘士だ。
そんなある日、ついに彼は護身の神様と遭遇する。
「渋川よ・・・お前はよく頑張った。ご褒美に、私自らがお前を護ってやろう」
護身に生涯を捧げたかいがあった。渋川は、“神”という名の究極の護身を手に入れたのだ。
次の日、外出しようとする渋川に、神様がこう言った。
「風邪が流行ってるから、外出は控えなさい」
ならば、茶で飲もうと渋川が湯を沸かそうとすると、神様がこう言った。
「ヤケドするといけないから、茶は控えなさい」
仕方ないので、稽古を始めようとすると、神様が怒鳴った。
「稽古などして、怪我などしたらどうするつもりだッッッ」
神様のおせっかいはその後も続いた。
「無農薬を買え、無農薬を!」
「そっちはクルマが多い、遠回りしなさい」
「子供がキャッチボールしてるな、球が飛んでくると危ないから、あっちから行こう」
「梅干しとウナギは食べ合わせが悪いぞッ」
「本など読むな! 紙で指を切ったら大変だ!!」
渋川はストレスが溜まり、胃に穴が空いた。寝る時の姿勢まで指示されるので、不眠症にもなった。
そして・・・
「もう護ってくれなくてええッッッ」
とある朝、渋川は神様を投げ飛ばした。神様は受身を取れず、無様に頭から着地した。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ」
これ以来、護身の神様は現れなくなり、渋川の平和な日々は末永く続いたのであった。
パオ乙。雄山カッコいい。
最後まで書き上げて欲しい。
途中で投げたら恨んでやるぞ。
奇妙な物語は連作だったのか。
作者さんがんがって。
>>653 いいなあ。
「護身の神様」といい「ランプ」といい、昔の中国の伝奇を読んでいるみたいな
そんな不思議な感覚に捉えられてしまいます。私もこういうの書いてみようかな。
出来は653氏に及ばないだろうけど。
パオ氏乙。
相変わらずうまいな。これからも頑張ってくれ。
ベルセルク
次クからね。
ヤムスレ荒らしてるバカがここにも来たか。
誰か削除以来宜しく。
本当にこういう奴らはアク禁に出来ないかな。
次スレはどうします?
テンプレ?
今411KB
残念ですが今日は更新止めます。いえ、しばらく様子を見ます。
ここはSSスレです。しりとりスレではありません。
ここで、しりとりは止めて頂けないでしょうか?
ガーン・・・
と、
>>664で書いてみたら、テンプレ作ってくれた方はしりとりしてた人か。
もう何を信じていいやら。おうちに帰ろ・・
でも皆さんが、ヤムスレでしりとりしてる人とは別人と信じる。
それだけは信じる。だからお願いだからもうしりとりは止めて下さいな。
約束するから。魔界編これからますます面白くなると約束するから。
特にバーンを倒した後と、グランドフィナーレは感動すると約束するから。
お願いします。
とりあえず今日はもう帰ります。テンション落ちちゃった。
次の更新は次スレに入ってからにします。あらすじと人物紹介ほか。
次スレも狂ったように書くんで(何せ狂人ですんで)
本当にしりとりは勘弁してくださいな。勿論牛タンゲームとかも。
お願いします。ではまた。次は多分水曜か木曜くらいになります。
パオタンをパオパオしたい・・・
>パオさん
ID:4SzZx7Dpさんも、テンプレ作ったところ見ると
純粋にこのスレのファンなんだよ。きっと魔が差しただけ。
当然、ID:O8L3UvkcさんやID:lF/AKi+1さんも。
3人とも、
>>660での暴言ごめん。
だからパオさん、止めるとか一時の感情でももう言わないでくれ。
楽しみにしてる人がいるんだから。もちろん俺も応援してる。
だから、途中で魔界編投げ出したら許さないぞ。
>>パオ
チョットふざけてしりとりした程度で感情的になるってアホか?
パオですぐに「パオパオチャンネル」を思い出したのは漏れだけかな?
つーか場をわきまえない行動に対して逆キレするのが問題だと思うが。
>>672 逆キレの意味分かってる?
とりあえず職人がいなけりゃ始まらないんだから、
職人の意思を尊重するのが最優先事項でしょ。
ROMが意見する必要はなし。
牙
もはや日課と化した、常軌を逸したハードトレーニングを終え、ジャックは床についた。
目を覚ますと、そこはベッドの上ではなかった。
四角いリングの上に二人の格闘士、満員の観客、割れんばかりの歓声、沸騰するかのような熱気。
もう説明は不要だろう、ここはとある格闘技イベントの会場なのだ。
「なんだ、ここは・・・?」
ジャックは目の前で繰り広げられている死闘に目をやる。
そのレベルは、地下闘技場最大トーナメントを遥かに上回るものであった。
彫刻のような完璧な肉体を持つ戦士が、無駄の一切ない動きで攻と防を繰り返している。
「す、すごい・・・」
思わずジャックは息を飲んだ。
しばらく芸術的な闘争を見続けるジャック、未知のレベルの格闘。
だが、そこに一つの疑問が生じた。
「・・・完璧すぎる!」
完璧であるが故の不自然。精密さ故の歪み。ジャックはそこに気づいた。
注意深く観察すると、更におかしい物を発見できた。選手二人の耳についた、小さなイヤホン。
「何だアレは・・・?」
考えても仕方ない、ジャックは観客の一人に、早速尋ねてみた。
「オイ」
「何だよ? 今、いいトコなのに・・・」
「今闘ってる選手の耳のイヤホンなんだが・・・」
「ああ、アレか」
男は少し怪訝な表情をしながらも、質問に答えてくれた。
要約すると、こうだ。
科学の発展、医療の進歩、人類の歩みはとどまる事を知らず、生物が成し得る頂点へと上り詰めた。
それと同時に肉体も進化し、アスリート達は当たり前のように百メートルを八秒台で駆ける有様。
世界は一つになり、もはやこの世に血で血を洗う闘争の必要性もなくなった。
だが、人間の本能。エキサイティングな肉体と肉体とのせめぎ合いが見たい・・・。
かと言って、この平和な世にわざわざ危険な格闘技などやる者など無い。
そこで誕生したのが、コンピュータによって完璧に統制された格闘技。
選手二人はイヤホンからコンピュータの指示を受け、その通りの動きをすれば良い。
指示さえ守れば、痛みは伴うものの、選手は怪我するコトなく闘える。
流血や、骨折など皆無。後遺症も残らない。
そこにあるのは、完璧な擬似闘争のみ。
人類が進化の果てに手に入れた、完璧な肉体。
それを行使して繰り広げられる、仮初の闘争。
そこに牙はあるのか・・・?
ここでジャックは目を覚ます。
いつもの暗いベッドの上、自分が汗だくになっているのが分かる。
ふと、ジャックは机に置いておいたリンゴにがむちゃらに噛り付いた。
噛む、噛む、噛む、噛む、噛む、噛む、噛む、噛む、噛む、噛む、噛む、噛む、噛む、噛む。
勢い余って、自分の手まで噛んでしまい、血がしたたり落ちる。
そして、ジャックは呟いた。
「牙は・・・まだある」
>奇妙な物語
乙。うお、毎日書いてくれるとは。嬉しいよ。がんがってくれ。
でも、寡黙な職人さんだな。
>>671-672 >>664、
>>667は適切なレスだったと思うよ。
ID:4SzZx7Dp氏が話が分かる人だから良かったものの、
一歩間違えたらヤムスレでのしりとり荒らしみたいに
なる可能性もあった。
職人はたまには強く出ても良いと思う。
>>676 俺はそのヤムスレってのを知らんからなんとも言えんし、まあ嫌なのは分かる。
でもな
1985の打たれ強さを見てみろよ・・・・。
678 :
バレ:03/12/15 22:43 ID:hTKWFXy/
>>677 涙を誘うよな。1985のスレを荒らす奴は新でほしい。
でもな
せっかく作品来たんだから感想書けよw
いや、マジで奇妙な物語作者氏はセンスあると思う。
ショートストーリの才能あるよ。
俺は気に入った。どこかで書いてた人かな?
そろそろ次スレかあ。出来るだけ長く続いてほしいなあこのスレ
奇妙な物語さん、今回はシリアスモードですね。この牙は何回か続くのかな。
頑張って長く続けて下さい。
バレさん、乙。師走で忙しいと思いますが、お体に気を付けて
ゆっくりとまたHPの更新お願いします。
勇次郎は、町を歩いていたらいつどこで誰に襲われるか判らないので、とりあえず銭湯「松の湯」の
煙突の上に避難した。ここなら、何とかと煙以外は来ないであろう。
ちなみに渋川と独歩は、鬼の貌全開でボコボコにしておいた。が、二人とも瀕死の重傷を負いながらも、
うわごとで勇次郎への恨み言をあぅあぅしていた。あれでは、じきに復活してまた来るに違いない。
「どうやら、相当厄介な奴の恨み買っちまったみてぇだな。タチの悪さでは、俺といい勝負かも」
《……突っ込みを先回りして封じたな、勇次郎》
「ふん。とにかく、今この街には、俺のニセモノがうろうろしてる訳だ」
勇次郎は煙突のてっぺんに腰掛けて、街を見下ろした。今こうしている間にも、どこかで
ニセ勇次郎が、何か悪事を働いているのかも。
「どうすりゃいいんだか……んっ?」
ウルトラマンと同化して以来、ただでさえ地球人離れしている勇次郎の五感が、更に鋭くなっている。
今勇次郎は、その望遠鏡並の視力を駆使して、駅前を見ていた。
大きな白い袋、そこに描かれた$マーク、それを担いで走る男、追いかけ回す警察官たち。
あまりにも古典的な銀行強盗スタイルで逃げ回っているその男は……
「見つけたああぁぁっ! 見つけたぞニセモノ野郎っっ!」
勇次郎は煙突から飛び降りると、一直線に駅前に向かおう、としたのだが、
「しばしお待ち下され、範馬勇次郎殿」
背後から呼び止められ、何かと振り向いた時にはもう、五人の男たちに取り囲まれていた。
見た感じ、ごく普通の男たちだ。殺気や敵意はない。格闘家でもないらしい。が、何か
そういったものを超越した、妖しげな気配がムンムンしている。
「我々は確かな情報に基づき、我らの英雄たる貴方が来られるのを待っていました」
「英雄? 俺が? お前らの?」
「謙遜なさらずとも良いのです。貴方が、自らの身を何度も何度も防犯カメラの前に
晒しながら、町中の銭湯に覗き穴を空けまくったことを我々は知っています。結果として全て
バレてしまい、穴は塞がれましたが、その勇気は正に英雄と称えられるにふさわしいもの」
男たちが、ぱちぱちと拍手する。
「そんなステキな貴方を称え、ここに全国覗き同好会最高の栄誉、デバガメ勲章の授与を……」
「ちぇりゃああああぁぁぁぁっ!」
勇次郎が、全日本痴漢組合・世界食い逃げ連合・新下着ドロ研究会などの表彰式を次々と
踏み潰しつつ走っていた時。駅前では、修羅場が展開されていた。
$袋を担いで銀行を飛び出した勇次郎は、充分な数のギャラリーが集まるのを待っていたのか、
突如反転して警察官たちに襲い掛かった。その強さはケタ外れ、まるで本物の鬼さながらである。
応援に駆けつけた機動隊も、その指揮を取っていた園田警視正も、成す術なく叩きのめされていく。
光成から刃牙たち格特隊に連絡がいき、近くにいた花山が現場に到着したのだが、その目の前で、
「フンッ!」
突如現れた一人の男に、勇次郎があっさりと殴り倒された。ニセ勇次郎は立ち上がり、男に
向かっていったが、蹴り倒され、投げ飛ばされ、そして……$袋を置いて、脱兎の如く逃げ去った。
「フン。地上最強の生物とやらも、この程度か」
黒いコートを羽織り、腰まである長い黒髪をなびかせ、サファイアのような目をした長身の男が、
蔑むように言った。わあっ、とヤジ馬たちから歓声が上がる。だが、その中から花山が出てきて、
「あれは範馬勇次郎じゃねえ」
と、男に言った。ヤジ馬も、警察官たちも、皆花山を知っているので、場が一気に静まる。
「本物の範馬勇次郎は、あんなに弱くねえ。だから今逃げてったのは、ニセモノだ」
「弱い? 君は見ていなかったのかな、奴が警察官や機動隊を薙ぎ倒していたのを」
「その程度では、あれが範馬勇次郎である証明にはならねえって言ってんだ。なにしろ
本物の範馬勇次郎は……悔しいが今のところ、俺より強ぇんだ。当然、お前よりもな」
と言うと、男は薄く笑って、
「フン。では、私が君を倒せば証明になるかな? 私は君よりも、そして範馬勇次郎よりも強い、と」
花山は、身長こそほぼ同等だが、体重に関しては十キロ以上は劣っていそうなその男を睨みつけて、
「いいだろう……その話、受けたっ!」
右拳を強く握り締め、その男に叩きつけた。常人なら頭蓋陥没、いや頭蓋粉砕になりかねない、
ガードなどしても軽く突き破って命中する、必殺の一撃である。
が、男はその拳を、まるで野球のキャッチャーのように、両手でしっかりと、受け止めてみせた。
「!」
「フン、少しはやるな。この私に両手を使わせるとは」
両手。そう、花山の右手をこの男は両手で掴んでいるのである。ならば、と花山は左拳を振り上げた。
が、男は花山の右拳を両手でしっかりと握ったまま、その場で華麗に後方回転しながらの蹴り上げ、
サマーソルトキックを花山の顎に叩き込む!
「っがっっ!」
太く長い畳針を、顎から脳天にかけて抉るように突き刺されたような。それでいて、重く大きな
ハンマーで思いっきり下顎を打ち上げられたような。鋭い痛みと鈍い衝撃が同時に花山の脳を貫いた。
唾液と血の泡を吹きながら、花山がよろめく。以前バルタン星人とやらにやられた時は、
分身や飛び道具といった奇策に不覚をとったが、今回は違う。純粋なパワー、そして
スピードとテクニックに、翻弄されているのだ。
『つ、強ぇ……この感触、範馬勇次郎に匹敵する? だとするともしや、さっき逃げたのは本物で、
こいつは本当に実力で範馬勇次郎を……?』
「戦いの最中に雑念を入れるのは、感心しないな」
はっ、と花山が気付いた時には、もう男は花山の内懐に入っており、右拳を花山の胸に当てていた。
そして次の瞬間、その拳が眩しい光を放った!
「フンッッ!」
光が、強力な熱と圧力を伴って花山の身体にブチ込まれた。その威力は超人的な耐久力を誇る花山ですら、
耐え切れるものではなく……吹き飛ばされ、電柱に叩きつけられ、そして地に倒れ伏した。
場が、水を打ったように静まり返る。警察官たちも、ヤジ馬も、目の前で起こったできごとが信じられない
のだ。いや、逆にこれで信じられた。これほどの強者だからこそ、さっき機動隊を薙ぎ倒しまくっていた
あの男(一般人は花山は知っていても勇次郎は知らない)を倒せたのだ、と。
「先程の男は、巨大化して怪獣と戦ったこともあるという話ですが……あんな男に、そんな力が
宿っているというのは危険ですね。世のため人のため、私が駆除してみせましょう」
と、男が手を振って立ち去ろうとした。それを、傷だらけの園田警視正が呼び止める。
「ま、待ってくれ。あんたは一体、何者なんだ?」
男は振り返り、そのサファイアのような目を光らせて言った。
「メフィラス。今度会ったら、そう呼んで下さい」
刃牙か勇次郎がいないと、いまいち内容が薄くなってしまうような……精進せねば。次は
もうちょっと濃くなりますので。
あと、花山に恨みがある訳ではないのですが、展開上、つい。ファンの方すみません。
>>パオさん
あの雄山が……本当に三人で肩を並べてますね。何かこう、珍しい形のタメイキが出ます。
物語開始当初は小者だったのが、展開と共に成長していって最後は大英雄に、というの
はよく見かけます。が、この雄山の場合は最初から大英雄だった訳で……うぅむ。タメイキです。
>>奇妙さん ←これだけ見るとちょっとユカイですが、これでいいですか?
他の方同様、私も昔話というかお伽話というか、はたまた格言の元になった故事というか……
そんな印象を受けました。奇妙さんの作品は、重いけど柔らかい、というか。深いのに読み易い。
そんな感じがします。
あと「牙」は、特撮ヲタの私には「Long Long ago,20th Century」の歌詞を彷彿とさせました。
687 :
作者の都合により名無しです:03/12/16 18:59 ID:wRimKAkq
ふら〜りさん乙。レベル上がってますね。いつも楽しく読んでますよ。
でもふら〜りさん特撮オタでもあるのか。守備範囲広いなw
今夜は誰が来るかな。○さんか大僧正さんが来てくれそうな予感
688 :
作者の都合により名無しです:03/12/16 22:50 ID:HdP+abVx
バレさんふらーりさん乙。
お2人がくると南下安心するな。
最強の生物
今日も冴えるオーガの拳。彼によって、一体何人の格闘士が犠牲になったコトか。
しかし、強いという事は目立つという事。彼の首を狙う格闘士もまた、大勢いるのだ。
そんな範馬勇次郎に挑むのは、あの最凶死刑囚達である。
地面に掘った穴の中に入ってから、ドイルはこう言った。
「ワタシハ地中最強ノ生物ダ!」
琵琶湖に潜ってから、ドリアンはこう言った。
「ハハ・・・私は湖中最強の生物だ」
ジャンプを繰り返しながら、スペックはこう言った。
「コレデ、俺ハ空中最強ノ生物ダゼェ!」
スケートリンクの上に腰を下ろし、柳はこう言った。
「私は氷上最強の生物・・・」
ゾウの肛門に顔を突っ込んでから、シコルスキーはこう言った。
「ウプッ、俺は体内最強の生物だ・・・」
いずれの称号も、オーガの持つ「地上最強」に勝るとも劣らないモノばかり。
死刑囚五名は勇次郎に闘いを挑んだ。
地中、湖中、空中、氷上、体内、それぞれのテリトリーの『最強』を懸けて・・・。
その後、五人が仲良く殴り殺されたのは言うまでも無い。
>>685 お久しぶりです、いつも楽しく拝見させてもらっています。
呼び方はご自由に・・・。
まさか世界放浪記の人?
奇妙な物語様
おつかれー。
「牙」の続きかと思いきや違うネタでしたか。
>>691さんとおなじく俺も放浪気の方だだと思った。
がんがって下さい。サゲ進行にするね
そろそろ次スレ立てた方がいいかな?
693 :
692:03/12/16 23:20 ID:HdP+abVx
次スレ立てたけど、誘導レスが貼れない。
どなたかおねがいします。
でも、ちょっと早かったかな、早めでもいいよね
694 :
692:03/12/16 23:22 ID:HdP+abVx
少し早いかも。
696 :
大僧正:03/12/17 00:13 ID:x0mVCjuB
「オラァッッ!!」 「ぬぅんッ!!」
二振りの刃が男に襲い掛かる。危なげ無くかわし反撃に移ろうとする男。
「バギ・・・クロォス!」 「ベギラゴンッ!」
追撃の魔法がそれを阻む。 先程からこの攻防の繰り返しが続いている。
ゴンズとサタンジェネラルのコンビネーションに加え、後衛のジャミと大魔道の魔法による援護射撃。さすがの男も攻めあぐねているようだ。
しかし、この状況にあってなお、男は焦りを見せない。
逆に、有利な状況にあるはずの魔物たちは次第に焦り始めてきている。
今攻めているのは自分たちだ。男が反撃をする暇が無いほど猛烈に畳み掛けている。
だが。自分たちの攻撃全てが空を切る。当たったと思っても次の瞬間には男の姿が消えている。
まるで幻影を相手にするような感覚が魔物たちの心に恐怖にも似た焦燥を植えつける。
697 :
大僧正:03/12/17 00:14 ID:x0mVCjuB
「クソが!!なんで当たらねぇんだ!!」 ダンビラを振り回しながらゴンズが吼える。
「・・・・・・」 サタンジェネラルは無言のまま小刻みに突きを繰り返す。当てることが目的ではない。一瞬でも動きが止まればゴンズの剛刀が男を仕留めてくれる。
しかし、男は水のように、風のように、ゆらゆらと漂いサタンジェネラルの攻撃を全てかわして・・・いや、透かしてしまう。
(クッ!これでは先程と同じではないか!) 「ゴンズよ、一旦離れるぞ!」
男と間合いを空けながらサタンジェネラルがゴンズに指示を出す。
渋々ながら、ゴンズもそれに従いその場から飛び退る。 男は追って来ない。
「どうする?このままじゃキリがないぞ。」 油断無く男の方を睨み付けながら、戻ってきた二体に言うジャミ。
「どうもこうもねぇよ!一気に攻め込んでブチ殺すだけだ!!」
「落ち着け。それでは倒せんということが判らんのか。何か策を弄するべきだ。」
興奮しながら叫ぶゴンズをサタンジェネラルが冷静にたしなめる。
「ああ!?んじゃなにか!?俺たち四体の力を合わせても、ガチンコ勝負じゃ勝てねぇってのか!?こんな小男一人に!!
冗談じゃねぇぞ・・・!
てめぇらがビビってるってんなら俺一人でも闘らせてもらう・・・!」
「おい、待てゴンズ!」
698 :
大僧正:03/12/17 00:15 ID:x0mVCjuB
と、ゴンズが飛び出そうとしたその時。いままで沈黙していた大魔道が口を開く。
「構わん。そのまま行かせてやれ。・・・そうじゃな、ついでにお主らも行ってこい。」
「何?」 サタンジェネラルが怪訝な顔をする。
「無い頭を使う必要なんぞないわ。お主ら筋肉バカはただひたすら攻撃してりゃええ。先刻までのようにな。」
「・・・・・何か策があるのか?爺さん。」 ジャミが尋ねる。
「ふん。無い頭を使う必要はないと言ったじゃろ。さっさと行ってこい。・・・・ただし、わしが合図したらその場から離れるんじゃぞ。」
「・・・・わかった。」 心得たように頷く三体。
「確実なんだろうな?」 ゴンズが念を押すように聞く。
「当たり前じゃ。わしの言うことに間違いなぞあるものか。 ・・・・・ま、少しばかり痛い思いをするかもしれんがな。」
「フン・・・・。まぁいい。信用してやらぁ。」
言いながら男に向き直るゴンズ。男は構えをとることもなく、両手をだらりと下げただけの無防備な姿で立っている。どうやら自分たちが攻めてくるのを待っているらしい。
(ナメやがって・・・・!!) 怒りに震えるゴンズ。
だが、怒りを無理やりに抑えながら静かに呟く。 「行くぜ・・・!」
豪鬼はミドル級。
178p80s
スリーサイズは
B.118
W.84
H.86
(ZERO3データ)
>大僧正
乙。
しかし、ここまで書いてまだ独歩が出ないところが凄い。
夢枕獏の『東天の獅子』を連想した
701 :
大僧正:03/12/17 00:57 ID:x0mVCjuB
うおぁ!今気づいた!タイトル(番外編 〜武神と拳を極めし者〜)が入ってない!
うう・・・ごめんなさい・・・。
しかも一週間ぶりの書き込みなのに全然話が進んでない・・・・・・。
とりあえず今回はこれぐらいで許してください!これからは一生懸命書きますから・・・
>>699 巨漢ぞろいの魔物から見れば豪鬼も「小男」だったということで・・・・・・。ダメ?
>>700 いや、単に余計なことが好きなだけです。
ホントはもっとはやく独歩を出したかったんですよ。
でも書いているうちにどんどんサイドストーリーが浮かんできちゃって・・・。
反省。
702 :
バレ:03/12/17 01:23 ID:8WGDiubR
>ふら〜りさま
全国覗き同好会って、何だかなあ…
今回は勇次郎が汚れ役ですね。
(いつもとは別ポジションで、という意味で。汚れ役は毎度の事)
さりげなく園田さんが登場してますね。
花山のシーンも、シリアスモードが楽しめて面白かったですよ。
(前半がアレだっただけに)
>大僧正さま
モンスター側の視点での描写は、個人的には新鮮で面白いです。
実際今回の話だけ読むと、モンスター達が主人公のよう。
しかし、大魔道の策って、何か外道な予感がひしひし感じますね。
モンスターだけに、平気で仲間を見捨てそうですし。
しかしゴウキがここまで強いと、スーパー独歩ちゃんも正面からでは
キツそうですね。どうやって戦うのか、今から楽しみです。
>でも書いているうちにどんどんサイドストーリーが浮かんできちゃって・・・。
いっそ一大長編SSを目指して頑張って下さい!
>バキの奇妙な物語さま
ハイペースのSS投下、お疲れ様です。
こんな次々とよくネタが出てくるものです。
今回は死刑囚達が、どいつもバカっぽくていいですね。
(柳さん、スケートリンクで腰をおろしていては邪魔ですよ)
>692さま
スレ立てお疲れさま。
でも、何だか荒れてますねえ。。
こっちのスレもまだ容量あるようですが、どうしましょうか?
いや、okだす。豪鬼、かなり小さいもんな。
大僧正さん乙。ドッポよりかつみんのファンなので、そっちの登場も楽しみだ。
それにしてもせっかく692さんが立てた新スレが酷いことになってるなぁ
本当に何とかアク禁に出来ないものか。
>>704 「アク禁依頼」ってのがあればいんだがなぁ…。
複数が参加するようになれば削除も難しくなると思うし。
卑怯者。差別主義者。思い出ドロボー。期せずして錯乱状態に陥った二人が
最後に口走った言葉である。アカギの大物ぶりがよく分かる、的確な表現だ。
アカギではなく、他の何事かに対して怒っているような気もしないでもないが
そんな細かいことはどうでもいい。アカギの名を口にするだけで、人の心は
これほどまでに乱れる、という一点こそが重要なのだ。
こんなに凄いアカギを相手にしているのだから、全裸だろうが残り200点だろうが
やはりのび太は健闘している、と言わねばなるまい。が、オーラスの親が残って
いるとはいえ、残り三局で逆転トップは相当に苦しい。それは、当ののび太が
一番よく分かっている。漫然と打っても奇跡は起きない。流れを変える大物手が
どうしても欲しい。
「燕返し、やるか」
誰にも聞こえないような小声で、のび太が喉の奥でつぶやいた。
ここまでの物語中、燕返しという単語はすでに一度登場している。ドラミが
のび太からアガった128,000点は、燕返しによるものだ。
自分のツモ山の上側に仕込んだ13牌と、自分の手牌を瞬時にすり替える燕返しは
誰もが認めるイカサマ技のチャンピオンである。素人が簡単に手を出していい
代物ではないのだが、ドラミという最高の師匠に巡り合ったのび太は、たゆまぬ
努力で自家薬籠中の物とした。
のび太の全身に緊張が走る。殆どボケ老人のスネ夫としずかはともかくとして
アカギにだけは悟られてはならない。チャンスはほんの一瞬だ。
南二局五本場。アカギが卓中央のボタンを押す。四本の山がせりあがってくる。
サイコロの目は1と1。各自が配牌を取り終えて、アカギが自分の手を
確認するためにのび太の山から目線を切った。
今だ!
「必殺、燕返し!!」
気合一閃、のび太の両腕が一陣の風となった。のび太の山にも手牌にも、何の
変化もないように見える。アカギにも気づいた様子はなく、そのままのび太の
目の前の山に手を伸ばしてドラをめくった。燕返し、大成功!
「よっしゃ!」
のび太が心中快哉を叫びつつ、卓の下で拳を握りしめた。勝利を確信して
手牌を開く。
二(9)西八九2(4)(1)5六北南9
「わーお!全然バラバラじゃねーか!ホワイ!?」
当たり前の話で、全自動卓のツモ山は全自動卓が全自動に積んでくれるのだから
仕込みもクソもない。燕返しで牌を取っ替えたって、全然意味がない。
そんな基本的な事にも気がつかないのび太だが、のび太は決して悪くはない。
世の中が不景気だから、のび太のバカも治らないのだ。
「オラ、そこどけ」
いまだ虚脱状態のしずかを蹴倒して、空いた席にのび太が座った。今度は
しずかの山で燕返しを試みる。
「よいしょっと」
7(2)(5)四(8)(9)西2一8東北(8)
「はいダメー。次、スネ夫んとこな」
心ここにあらずのスネ夫を椅子ごと吹っ飛ばして、スネ夫の山でも燕返しが
炸裂する。山が二牌しか残っていないので、二牌交換のプチ燕返しである。
「あらぴょっと」
7(2)(5)四(8)(9)西2一8東三中
「ま、二牌しか変わってないんだからこんなもんだよな。はい次ー。言わなくても
分かってんな、アカギ」
のび太がアカギを睨みつけた。年齢は上だが、ぽっと出のアカギは
メンツの中ではあくまで後輩である。先輩の露骨な催促にも嫌な顔ひとつせず
黙ってのび太に席を譲った。
のび太の指先に力がこもる。アカギの手牌を積み直して枚数を補ったアカギの山で
最後の燕返しにすべてを賭ける!
「あー、めんどくせ。よっと」
九西白(3)(1)1南発一一9中(9)
「オーイエー」
できる男は山も違う。国士無双イーシャンテンの配牌を引き込んで
のび太もようやく満足したようだ。自分の席に戻って、何事もなかったかの
ように勝負を再開した。のび太の豪腕、恐るべし!
だがこの直後、のび太の眼前で信じられない大事件が勃発した。
「カン」
■■■■■■■■■■ ■東東■←カン
アカギ、非情の東アンカン!この瞬間、のび太の国士無双は露と消え
後に残された配牌は、見るも無惨なクズ牌の山と成り果てた。
「そりゃないっすよー!」
のび太の中で何かが弾けた。あんなに練習したはずの、無敵の燕返しが
いともあっさり打ち破られて、落胆のあまり卓に顔を埋めて泣きじゃくり始めた。
「あんま調子こいてんじゃねーぞ、アカギ!麻雀がいくら強くたって、出世の役には
なーんも立たねーんだからな!テメーなんか、履歴書の賞罰欄に裏プロ最強とか
書いてブラックリストに載っちまえ!わはははは!もうダメだー!」
のび太、今度こそ死亡か!?
「あきらめるのはまだ早いぞ、のび太くん!」
幻聴ではない。内側から固く閉ざされた金属製のドアの右下に、青白い炎が
ほとばしった。一条の熱線が上下左右に移動して、四角に切り取られたドア板を
蹴り飛ばし、もうもうと上がった煙の中から二つの影が現れた。
「のび太くん、僕が来たからにはもう多分安心だ!多分だぞ!」
まずはおなじみドラえもん。そしてその後ろに颯爽と立つ、ガスバーナーを
握りしめた三つ編みの男。のび太の盟友、烈海王である!!
>>705 所詮は2ch、なるようにしかならないって割切るしかないかもな。嘆かわしい。
アク禁依頼は他人を巻き添えにするリスクがあるから導入しにくいかも。
こんな状況じゃパオもいつ帰ってくることだか・・・。
新たなる旅立ち
バキは闘うのを止めた。
範馬勇次郎を倒すという目標に、意味を感じなくなってしまったのだ。
鍛え上げた肉体と、磨き抜いた精神を酷使して、如何に相手を打ち負かすか。格闘技に意味を感じなくなった。
母の仇とは言え、範馬勇次郎は所詮負け組だ。
自分の腕力に物言わせ、好き勝手振舞う。こんな男は放って置いても、いずれ時代に押し潰されるだろう。
だから、バキは闘うのを止めた。
今まで闘争に使っていた能力を全て勉学につぎ込み、一流大学に合格。
その後、一流企業に就職、専務にまでなった。
家庭生活も満足いくものだった。
愛する梢江と結婚し、子供は三人も出来た。
無論、格闘士などにするつもりはない。好きなように、なおかつ厳しく育てた。
長男は青年実業家、長女はイラストレーター、次男は陶芸家、それぞれの道を歩んでいった。
範馬勇次郎が死んだらしい。
詳細は不明だが、最後の最期まで闘い抜いたそうだ。
豊潤で、平穏な人生こそ勝ち組。そう考えると、やはり勇次郎は負け組だったと言わざる得ない。
バキはその報を聞いても、眉一つ動かすことはなかった。
やがて、バキにも寿命が訪れる。
妻、息子、娘、多くの孫達に看取られながら、死を待つのみと言う段階となった。
絶え絶えに、バキがゆっくりと口を開く。
「空しい人生だった」
そう言い残し、彼はこの世を去った。
>>自分のツモ山の上側に仕込んだ13牌と、自分の手牌を瞬時にすり替える燕返しは
燕返しって下山に仕込むんじゃないの?
714 :
692:03/12/18 06:54 ID:fTjoEs9t
VSさん
>残り200点だろうがのび太は健闘している
のび太の分際で確かにアカギに健闘してますねw 烈もヒーローみたいな登場カコイイ
スレ違いですが本スレの童話、余りの素晴らしさに感動しました。
>奇妙な物語さん
なんとなく今回の話はしみじみとしましたw やっぱり放浪気さん?
あと僕の立てたスレですが、放置して頂いて結構です。
職人さん最初からあんな状況じゃ書き辛いだろうし。スレ立ての勉強にもなったし。
こっちはアゲとこう。
715 :
692:03/12/18 07:18 ID:fTjoEs9t
でも、このスレで一番の問題は、ここで正論を書き込んだ
>>705さんと、
新スレでしりとりテンプレを書き込んでしまった>5が同一人物って事でしょうね……
とにかく、僕が立てた新スレは残念だけど職人さんはスルーして下さい。
誰かまた新しく建てて下さいな。
>>713 あれ、そうなんですか?自分は上山だとばかり思っておりました。
でも考えてみれば、上山だと牌を落とすことになっちゃうから
色々と効率が悪そうですね。そうか、下山かぁ。
検索したところ、上山説もあり下山説もありだったのですが
これは下山が正解ですね。訂正しておきます。ゴメンチャイ。
>>714 いや、どうも恐縮です。このスレがオーバーフローしたら
692さんのスレに以降する所存であります。
>>716 新スレを見てきたんですが、確かに移行どころの雰囲気では
ないですね。なんだか分からんけどすげーなー。
スレの主旨と違う投稿なので削除依頼に出せばアク禁にできると思うよ
× アク禁
○ スレストorレス削除(良くても)
アク禁依頼なんか無いから「あったらなぁ」って話なんじゃん。ボケ
720 :
パオ ◆w/9ws2V0DU :03/12/18 20:48 ID:e+5IWROk
とりあえずもう一日静観します。
>>718さんの仰るとおり、ひとつのレスに何人かが
削除依頼すれば、削除→アク禁も不可能ではないと思います。
こういう悪ふざけで潰れたスレは幾つもあると思うし、
ヤムスレや不良スレの現状を見ると赦すべきではないと思う。
ご協力をお願い致します。
あと、VSさんにはいつも打ちひしがれるなあ。ドラえもんの麻雀もそうですが、
今回はバキ本スレのウソバレに参りました。
VSさんの凄い所は、「ギアチェンジの鋭さ」と「選球眼の巧みさ」にあると思う。
説明はちょっと長くなるので割愛。何となくニュアンスで分かって下さい。
VSさんを「デンパ」とか言う人は、残念ながら間違っていると思う。
多分、ロジカルにネタを積み重ねて、更に出来上がったそれの贅肉を切り捨てて、
1レスであれだけ完成度の高いものを造っていると思います。
あれはデンパとかでなく、技術。勿論感性もありますが、高い構成力の賜物。
それはご本人が「ヤクバレ」でなく、「ウソバレ」と称しているのでも分かります。
下衆野郎のせいでパオのSSが読めないのは本当に悲しいことだ。
奇妙な冒険の雰囲気が好きだ。
>>686 ドッヂ弾平
「い」
>>奇妙さん
体内最強の生物、に爆笑。シコルの「ウプッ」て、どういう顔して言ってるのか考えると……
顔が痒くなるような気分です。
「旅立ち」の方は、最後に勇次郎を見下して終わるのかと思いきや。やっぱり刃牙は刃牙だった、と
じんわり感動できる幕切れでした。
……で、世界さんなんですかッッ?
>>大僧正さん
書いてる内に、予想外にキャラが活き活きしてきて勝手に動いて……というのは、漫画や小説の
書き方本でよく言われてる現象ではないですか。よい傾向かと♪
で。私もバレさんと同じく、大魔道の外道な作戦を予想しつつ期待。それでも倒せないゴウキ、
そしてそれを倒してしまう独歩……と。どう書かれるのか、期待してますよっ。
>>VSさん
な、何というか、もはやイカサマでも何でもないですな。まぁ考えてみれば、ルールの粉砕なんて
今に始まったことでもないし。粉砕されたルールでの麻雀教室……毎度ながら凄まじき空間です。
そういえば烈とアカギ、VSシリーズで会ってましたね。あの時は烈の惨敗でしたが、今度は?
>>692さん
おつ華麗さまです! こういう時、こういう場所で、先陣切って皆にご奉仕できる精神
というのは立派だと思いますよ。本当に。
……とか言いつつ、私もどうすればいいのか悩んでます。「良貨で悪貨を駆逐」に
挑戦しようかとも思うのですが。火に油ってことにもなりそうで。
欲望の果てに
片平恒夫巡査、花山薫とスペックの死闘を見届けた唯一の人物。
眼前で開催された、怪物二人の極限衝突。鮮血と轟音が支配する、命の奪い合い。
あの闘争に触れたコトで、氏の心の中にはあるモノが芽生えていた。
しばらくは、「世紀の決戦」の目撃者として脚光を浴びた。
何人もの死傷者を出したあの署内での惨劇も、徐々にではあるが、人々の記憶から消えていった。
しかし、巡査の中にある花山薫VSスペックの映像は、より鮮明になっていった。
そんなある日、彼は自分の内にある願望に気づいてしまう。
「モット見タイ・・・」
他愛ないチンピラ同士の喧嘩、わざと止めずに眺めていたコトもあった。
カブトムシとクワガタムシを苦心して捕え、お互いに戦わせたコトもあった。
積極的に、格闘技観戦に行くようにもなった。
そのいずれも彼を満たし、すぐさま次なる渇きをもたらした。
片平の行動はエスカレートしていった。
あの花山とスペックと同等、いやそれ以上のモノを求めるために手段は選ばなかった。
自分の欲望を満たすため、ありとあらゆるコトをした。非人道的なコトも当然行った。
いや、非人道的などという言葉はおかしい。片平恒夫は人間である。
人間が自分の欲求を満たすための行為、それは実に人間らしいではないか。
数年後、ついに片平巡査は絶頂へ達した。
眼下では、核爆発が絶えず起こっている。光が瞬くたびに、数万数億の人間が蒸発してゆく。
「究極の闘争」を観たいがために、世界の支配者となった片平恒夫。
後は簡単だ。自分の権力を以って、世界中全てを殺し合わせれば良い。彼の心はようやく潤ったのだ。
間もなく、地球は滅亡した。
725 :
世界:03/12/18 23:28 ID:fTPFzcxq
こんにちはッッッ
0・999・・・を書き続けていくつもりです。
〜〜〜・・・
職人同士のなれあいが多いね。
度が過ぎると、荒らしの標的にされるぜ
まあ仲がいいのはいいことだけどさ
728 :
656:03/12/19 13:45 ID:O0ppZ0fe
やめろよしりとり。
魔がさしてこんなことをしてしまったのは俺のせい。
すいませんでした。
奇妙な物語は思わぬところからネタ持ってくるね
>>720 いや、VS氏の文章はやっぱりデンパだよ。
ネタ・読み物として練られたデンパだが。
こういう文章を書けるというのもひとつの才能。
>>731 俺もヤクバレさんのは、構成力がずば抜けていないと出来ない電波だと思う。
最初の達人先生のトラック話を見る限り、
普通のギャグでも凄い面白いのができると思う。
どっちにしろ、凄いのは同意。
733 :
パオ ◆w/9ws2V0DU :03/12/19 19:01 ID:yzsOoksT
>>722と
>>727は、ヤムスレをしり取りで荒らしてるID:IiewFLcEっぽいね。
文の書き方とかそっくり。勿論、証拠は無いが。
しばらくしりとりが収まるまでは更新を止めます。
新スレに移ったら、あらすじと人物紹介・重要語句一覧は書きますが。
しりとりで荒らしてる人も分かって欲しい。
大したものではないかも知れないが、みんなが楽しめる物をと思い、無い知恵を絞って
一生懸命書いている。もし続きを読みたいと思うなら、即座に止めて欲しい。
あと、住民の皆さん方。もしそれでもしりとり荒らしが続いてしまった場合、
10分だけ時間を使って頂き、削除依頼をして頂けないでしょうか。
一人では無視されるものも、一つのレスに10人の削除依頼ならば
話は違ってくると思います。宜しくお願いします。日曜までまた静観します。
しりとりによってやる気がなくなってるなら仕方ないけど
出きればハオには更新してほしい。
嵐はこういう状況を楽しんでるんだよ。
住民や職人が苦悩する姿を。
職人方には酷かもしれないけど、できれば淡々と更新してほしい
>>733 そういうこと言うと喜ぶ連中ですよ。スルーが一番。
どうしてキチンと感想書いたレスを削除されなくちゃいけないの?
SSを読んだ上で感想を書いてその片手間にしりとりしてるだけなのに…。
貴方達に人の楽しみを妨害する権利があるのですか?
少しは他人の気持ちを察する能力というものを磨いた方がいいと思います。
なんだそりゃw
場違いだからだ、以上。
飲食禁止の図書館で、読書しながらハンバーガー食ってる人間が
「俺は皆と同じようにキチンと本を読んでいる。その片手間に飯を喰っているだけだ。
だからまったく悪くはない」と言えば怒られないとでも思っているのか?
でも荒らしがいるから書き込み控えるというのも、ここの住民にとって気の毒だとは思うが。
荒らしとここの住民はまるで関係ないしさ。関係ない人間が被害を受けるっていうのも理不尽だろう。
気乗りしないから書けないというのなら無理に書く事も無いと思うが、
書かないのが制裁というのなら、向ける矛先が違っていると思う。
741 :
作者の都合により名無しです:03/12/19 20:57 ID:b3dYkvNP
全くだな。1985を(ry
>世界
やったーー、ふっかつおめ。文章うまくなりましたね。またq楽しみ増えた
>パオ
俺はバキスレヤムスレ両方の住人だからパオの意見には全面的に賛成。
ID:3OMMOoa6は間違いなくヤム荒らしてるID:IiewFLcEだと思う。
本当に許せない。今度ここにしりろり書き込みしたら俺も削除依頼する。
それは協力するけど、やっぱりパオには更新して欲しい。
由山やゴ○ゴ(?)見たいよ。削除依頼した事ないけどチャレンジするから、頼むよ。
あと、魔界編が終わってもなんか続けてよ。わがままとは思うけどさ。
>>740 全面的に同意。ほんとしりとり荒らしは許せない。
しかし、せっかくネカフェ行ったのに書こうと思ったのにこんな現状だから書く気失せてしまったパオが一番可哀想だろう。
荒らしりとりは作品に感想レスをつけてるわけだがそれでも削除は出来るの?
スレの主旨に沿っているなら削除対象にならない気がするんだけど
もし可能ならヤムスレにも同じように呼びかけた方がいいかな
しりとりするほうも、書かない方もエゴだと思うが
ここは作品あってナンボだからどうみてもしりとりに非があるな
最凶学級
ビスケット・オリバ氏が担任を務めるこのクラス、その名も5年4組。
児童はたったの五人。ドリアン、ドイル、スペック、シコルスキー、柳。
「はァい、今日は国語のテストをしまァす」
オリバ先生が電話帳を引き裂きながら、やんわりと言った。
これには、問題児だらけの一同も従わざるを得ない。
早速、試験開始。まず一秒が経過した。
「分カラネェヨッッッ」
スペック君は答案をビリビリに破くと、教室を飛び出してしまった。
隣のシコルスキー君は「ダヴァイッ」を連呼しながら、必死に問題と格闘している。
国語なのに、何故か分度器を持ち出しているのが唯一の不安要因か。
ここまでの二人は軽い前座。
このクラスの真の問題児は、ドイル君とドリアン君である。
どちらもカンニングの常習犯なのだ。
今まではオリバ先生が未然に防いできたが、それもいつまで続くか。
まずはドイル君。毎回毎回、カンニングペーパーを常軌を逸した場所へ仕込んでいる。
肘、膝、足首、手首、胸などは当たり前。襟元に仕込んでいたコトもあった。
だが、いずれも世界最高峰の知能を持つオリバ先生に見破られている。
そんなドイル君の今日の隠し場所は・・・。
『目蓋の裏─────』
『眼球に最も近い場所ッッ』
『人間が一生の内で最も眺める可能性のある箇所ッッッ』
ドイル君は自分の目蓋の裏に、カンペを縫い込んであるのだ。
わくわくしながら、ドイル君は得意気に目をつぶった。そして、泣きながら一言。
「見エナイッッッ」
何故、試験を行うまで気がつかなかったのか・・・後の祭り。
もう一人はドリアン君、彼はカンニングペーパーなど使用わない。
『他人の答案を盗み見る』
これがドリアン流のカンニングなのだ。
狙いはクラス一の秀才、というより唯一マトモな柳龍光。
いつも、あと少しという所でオリバ先生に阻止されている。今日こそ・・・ッッッ
消しゴムを落とし、ドリアン君が手を上げた。
「先生、消しゴムを落としてしまったよ。ソーリーソーリー」
「Oh・・・」
オリバ先生は消しゴムを拾おうと、ドリアン君に近付いた。
その時、ドリアン君は素早く集めておいた消しカスをオリバ先生に吹き掛けた。
「ウワッ! ゲホッ・・・ゲホッ・・・」
『今しかないッッッ』
『ヤナギの答案を覗く─────』
『最大の好機!!!』
ドリアン君は一目散に、柳君の机へと向かった。そして─────
「よ、読めないッッッ」
柳君の答案は、これ以上ない達筆で書かれていた。
>世界さん
更新早いな。さすがSS界最速の男。しかも放浪記の時より技量が上がってる
バラエテイに富んでおもろい。出来ればペース落とさず書いて欲しい……
>住人の皆さん
バキスレ何度目かの黄金期じゃないかな。作品多いし、楽しいし
パオ、VS、ふらーり、大僧正、○、世界。各六氏が頑張って書いてくれてる
しりとりが許せないのは同意。調子が良くなるとこういうのが出るんだよな
またここへ奴がしりとりしに来たら、俺も削除依頼するよ
何人かでやればいつかは削除→アク禁出来るだろ
でもヤムスレの住人は何で、誰も削除依頼誰も出さなかったんだろう……
749 :
744:03/12/20 02:31 ID:ccSTbEWb
で、どうなの?
>>744 しりとりしてる奴は荒らしと認定してかまわんだろ。
感想書いたりしてまっとうな住人のふりしてやがるけど
ここに迷惑かけてるのは間違いないんだし。
しりとりしてる奴は荒らし認定でスルーだな。
2chブラウザ使ってるならあぼ〜んするのもアリ。
752 :
バレ:03/12/20 11:10 ID:yR1/U2si
>世界さま
ギャグ→シュール→ギャグ と交互に趣の違うSSを投下されてますね。
これだけネタを、これだけのペースで書かれるとは、流石。748さんも
言ってますが「SS界最速の男」ですね。
今日のSSは、ドイルのカンペネタが馬鹿っぽくていいです。
(目蓋に縫う時点で気付きなさい、アンタ)
>ふら〜りさま
息子に褒められ(?)、喜ぶオーガ。
シェルター蓋をウルトラマンポーズで叩き割って出現するオーガ。
命より地球より某ビデオの方が大事なオーガ。
多種多様なオーガが見られて満足です。
>VSさま
のび太、いつの間に燕返しを覚えたんだろう。
その前に覚えるべきモノがあるだろうに。。。
最後に烈再登場ですけれども、劣は麻雀知ってるのかな?
いきなり牌に打岩したり、のび太に12Lの砂糖水飲ませたりそうな気が。
世界さん、毎日のショートネタ楽しみにしてますよ。
バレさんいつもお疲れ様。年末でお仕事忙しいでしょうががんがって下さい。
しりとりに関してはこのスレではやるな。
ここでしりとりしたらみんなで削除依頼してアク禁まで追い込むぞ。
元のスレでやる分には俺は別に良い。それはあっちの住人の問題だからな。
なんかあっち、しりとり排除あきらめちゃった気がする。
さてそろそろ新スレですかな。
スレの容量って、何KBでしたっけ?
最近初めて知ったんだが
ドラえもんの麻雀教室最高におもしれえ!!
久しぶりに爆笑した!
VSがんばれ!とにかくがんばれ!
ところであの新スレを使うのか?
職人たちのやる気が削げねばいいが。
758 :
ノック:03/12/20 21:41 ID:5J4k8e2G
>754 512KB。そろそろヤバ目
>756-757 まとめサイトのBBSでやれ。又容量オバーで次スレへのリンク貼れなくなるゾ
限界
イギリス育ちのレスリング使い、ローランド・イスタス。
片目を失ったハンディはやはり大きく、第一線を退かざるを得なかった。
そんな彼の第二の人生、それは「外し屋」である。
繋がっているものに我慢ならない。この珍妙奇怪な性癖を活かす新商売だ。
知恵の輪を外し、テレビを解体し、とある契約を強引に解消させたコトもあった。
仕事は順調の一途。成功が成功を呼び、「外し屋イスタス」の名は世界中に知れ渡るまでになった。
「天職だったのかもしれんな・・・」
ブランデー片手で悦に入るイスタス。今日もまた、何かを外す依頼は殺到する。
今回の依頼人は、どうやらカップルを別れさせて欲しいらしい。
「・・・出来ますか?」
「無論です。別れ話がもつれ、殺人未遂にも発展したカップルを無事に別れさせたコトもあります」
「それは心強いですな」
「では、別れさせて欲しいカップルの情報を・・・」
「いえ、アナタがその眼で直接見た方がいいでしょう」
そう言われ、しぶしぶイスタスはその依頼人に案内された。
景気がいいとは言え、やはり客商売。お客の意向にはなるべく添わなければならない。
「標的は、あの二人です」
目の前にいるのは、不気味な湿気を放っている範馬刃牙と松本梢江だった。
あのカップルの周囲を彩る陽炎は、決して幻ではないだろう。
「報酬はいくらでも支払いますので・・・」
依頼人が全てを言い終わる前に、イスタスはきっぱりと答えた。
「あれは無理です」
760 :
○:03/12/20 23:16 ID:dra6xyhq
どっかの馬鹿のせいでアクセス規制の煽り受けて、
書き込みできませんでした。
0時ごろに書き込みたいと思うのですが、
こっちと新スレ、どっちに書いたらいいものでしょう?
761 :
○:03/12/20 23:19 ID:dra6xyhq
気づきませなんだ。
世界さん乙。
今回は分かりやすいネタでしたね。
さすがバカップルというべきか。
世界氏、乙。
正直毎日書きつづけるというのは凄いな。
しかもSS以外一切レスしないというところがかっこいい。
763 :
ドラえもんの麻雀教室 第二部:03/12/21 00:51 ID:s5o/yfRx
【麻雀劇場EXTRA(2)】
「ドラえもーん、またテストで0点とっちゃったよぉ〜」
「はい、おすそわけガム〜」
「そんなの全然関係ないだろボケ!ママに怒られなくてすむような道具を
出せっつってんだよ!」
「バカだなぁのび太くん。僕とママが半分ずつガムを噛んで、君がママに
説教されてる時に僕がおいしいものを食べれば…」
「ママもおいしくなって怒りが半減する!さっすがドラえもん!ママ〜」
「あらのびちゃん。この間のテストの結果はどうだったの?」
「そんなことよりママ、まずはこのガムを食べてみたまえよ!」
「トホホー!」
ガムを口に入れた途端、ママは泣き笑いのような表情になって
その場にへたり込んでしまった。
「うわー。マズいっつーか、何かすっげぇ切ない気分になるね、これ」
ドラえもんが食べているのは、のび太のテスト用紙であった。
0点の答案は、ほろ苦い失敗と挫折の味がした。
【完】
いつだったか、ドラえもんが開けっ放しのふすまの隣の壁に通り抜けフープを
貼り付けて、そこからのび太の部屋に入ってきたことがあった。今、鍵がかかって
開かないドアを、ガスバーナーで焼き切った。こういう時こそ通り抜けフープを
使えば良さそうなものだが、ドラえもんにはドラえもんの考えがある。未来の
世界では意外と『ここは火力で押すべし』がメジャーな兵法なのかもしれないし
ロボットの諸葛孔明が泣きながら、量産型馬謖を片っぱしからビームサーベルで
斬り伏せて地球の平和を守っているかもしれない。現代人には、未来のことは
何も分からない。
「ドラえもぉ〜ん!烈くぅ〜ん!」
残像がのこる程の猛ダッシュで、のび太がドラえもんと烈に駆け寄った。二人の
手を強く握りしめて、うれし涙で顔をクシャクシャにしながら久闊を叙した。
「来てくれたんだね、二人とも!セワシくんとドラミちゃんは?」
「知らね。それよりなんだよ、このザマはよ。残り200点?そんなタイトロープな
麻雀、俺教えたっけ?あ?」
「聞いてくれよドラえもん!アカギの奴ったらひどいんだよ!ドラゴンクエスト
ばかりがクローズアップされてるけど、そもそもは本田一景のペンネームで
漫画原作者として…」
天井を見上げて何やらキョロキョロしているドラえもんに、のび太が
堀井雄二の偉大な足跡について語り始めた一方で、烈も戦況の把握に
余念がない。麻雀牌を手にとって臭いをかいだり、全自動卓を持ち上げて
カラカラ振って小首をかしげたりしている。コイツも麻雀知らねーのかよ。
壁の点数早見表に落書きをする。しずかちゃんのスカートをちょっとめくって
顔を赤らめる。カウンターの奥に積んであったでらべっぴんを読みふける。
待機中のアカギと、ふと目が合った。
「たー!」
烈がアカギ目がけて、手中のでらべっぴんを投げつけた!上体をひねった
アカギの横を、凄まじい唸りを上げて回転するでらべっぴんがかすめ過ぎて
向こうの壁にスコンと突き刺さった。でらべっぴんの癖して、恐るべき
切れ味である。
それまでのだらけた表情とは打って変わって、烈の目が殺気に燃えている。
烈はアカギを知っている。知っているどころか、人生最大の屈辱を受けた
因縁のライバルである。あの日(※)の怨みを、今こそ晴らす!
(※)あの日…
http://park14.wakwak.com/~usobare/vs/vs005.html参照 顔はアカギにねじ向けたまま、烈がスネ夫の襟首を引っ掴んで力いっぱい
放り上げた。ダンサーのように宙を舞ったスネ夫が、放物線を描いて天井に
激突、真下のジャイアンベッドに墜落した。生き地獄から解放されたスネ夫の
顔には、安らかな微笑が刻まれていた。
烈が空席に腰を下ろした。目の前の牌をアカギに向かって指で弾き飛ばして
盛んに挑発する。二人の闘いは、すでに始まっている。
「…という訳なんだよ。やっぱ堀井雄二ってスッゴイよね!」
のび太プレゼンツの堀井雄二物語が、堂々の完結を迎えた。メモを取り取り
聞いていたドラえもんが、テープレコーダーの停止ボタンを押して、最大級の
賛辞をのび太に贈った。
「のび太くんも、貴重な体験をしたんだね!エライ!ところで、せっかく雀荘に
いるんだし、僕も麻雀を打ちたいんだけど」
「そんなのお安いご用さ!しずかちゃんもスネ夫もアカギにやられて、見るからに
予後不良なんだよね。どっちでも好きな方を排除しちゃいなよ!」
「ふーん。早く元気になるといいね。スネ夫の席には烈さんが座っているから
僕はしずかちゃんの代打ちだな」
録音済みのカセットテープとメモ帳をゴミ箱に叩き込んで、ドラえもんがしずかの
手をとってジャイアンベッドにエスコートしてやった。ベッドに横たわったしずかの
顔には、無限の責め苦から逃れ得た悦びがありありと浮かんでいた。
ジャイアン、スネ夫、しずかの悪ガキトリオが、仲良く川の字に並んで眠っている。
三人の安らかな寝顔を見つめるのび太の胸にも、暖かで柔らかい光が差し込んだ。
「起きてる時はさんざんボクをいじめてくれたけど、こうして見るとコイツらも
哀れで醜い虫ケラなんだね…」
こんな優しい言葉が出てくるのも、のび太の心にゆとりが生まれた証拠である。
ベッドの上の昆虫三匹から百倍の勇気をもらって、のび太はアカギの待つ雀卓へ
戻っていった。
一人ぼっちののび太が三人組に、三人組だったアカギが一人に。力の均衡は完全に
逆転した。強敵との決戦にも泰然自若のドラえもん、数珠つなぎにした点棒を
ブンブン回してアカギを攪乱する烈海王。二人の頼もしき仲間に守られながら
のび太が伏せていた配牌を勢いよく開けた。南二局五本場、のび太のツモから
再開である!
>>746-747 死刑囚が馬鹿すぎて笑ったw
特にドイルw
奇妙な物語は話ごとに雰囲気が変わるのがおもしろい。
そういう緩急のつけ方は凄いなと思った。
>>759も凄いな。
>不気味な湿気を放っている
この部分が表現方法としてピッタリだな。凄い。
>>763−
>>766 麻雀最高だな。
相変わらずののび太のキャラが良すぎ。
麻雀は麻雀じゃない部分も面白いから好きだ。
でも麻雀をやってる部分も好きだから続きが激しく気になる。
>>727 トガリ
「り」
麻雀おつ。前の短編が複線になるとは思わなかったyo
―夢想―
南洋の孤島で、少年達が争っている。
遊びで戯れているのではない。
殺し合いだ。
殴る、蹴る、殺す。叩く、抉る、刺す、殺す。折る、砕く、殺す。
年端もいかぬ少年達が、ありとあらゆる手段を用いて他の少年と殺し合いをしている。
彼らは全国の孤児院などから、ある組織を通じて集められた。数はおよそ100人。
少年達はこの孤島へ輸送され、島内の地下施設の100m四方ほどの大部屋へ押し込まれた。
そのまま数日間放置され、少年達が飢餓状態に陥ったところに食料が投げ込まれる。
しかし、食料は50人分。少年の数の半分しかない。当然奪い合いが始まる。
密室という特殊な環境下と、耐え難い飢えが少年達の心から「殺人」というタブーを
消し去っていた。すぐに奪い合いは殺し合いへと変える。
人を極限の飢餓状態において闘わせる。悪名高い『−孤戮島−』の儀式である。
日が暮れる頃には、少年の数は50人に減っていた。
また数日の断食の後、今度は25人分の食料が投げ込まれた。再び起こる争い。
そして数を減らす少年達。
50人が25人、10人、5人、
最後は2人の闘いとなった。
1人は伊達臣人。闘っている相手は亜麻色の髪をした美しい少年――伊達のただ一人の友。
亜麻色の少年と伊達は、孤児院からの知り合いだった。友といってもよかった。
この孤島へ送られてからも、いや、こうした環境だからこそ、絆は続いた。
これまでの争いでも、二人は協力しあい、決して闘う事はなかった。
しかし、今回はそうはいかない。
『孤戮島』最後の闘いは、両者の殺し合いによる決着。そして生き残った者だけが、
この部屋を出ることが出来る。敗者は『死』。闘わなければ両者『餓死』。
気持ちは複雑だが、伊達としてはこんな薄汚い地下室で死ぬ気はない。相手もおそらく
同じ思いだろう。
躊躇いながらも、二人は闘いを始めた。
闘いはすぐに勝負が着いた。
元々伊達の方が少年より1コ年上で、身体も一回り大きかった。
更に、少年はこの島の環境に馴れず、体調を崩していた。伊達の協力が無ければ、
ここまで生き残ることさえ無理であったろう。
開始早々、少年は伊達のパンチを顔に受けると、そのままダウンしてしまった。
倒れた少年に伊達が馬乗りになる。
勝負ありの状態。
しかし、ここは『孤戮島』。相手を殺さない限り、勝ちにはならない。
最後の一撃を加えるべく、右拳を振り上げる伊達。
「スマン…」
伊達の口から謝罪の言葉が漏れる。少年の返事は無い。既に気を失っているようだ。
(その方がいい。眠ったまま死ねるから)
握り拳に力が込もる。
しかし、振り上げられた拳は一向に降ろされる気配が無い。
拳を振り上げた姿勢のまま、動かなくなる伊達。
そのまま時間だけが過ぎていく。
1分…2分…
やがて伊達、その右腕を力なく下におろす。顔に諦めの表情が浮かぶ。
(やはり…友は殺せない…か)
伊達が少年の頬を数度軽くはたく。しばらくして2,3の呻き声とともに、少年の意識が戻る。
「起きたか…おい、俺を殺せ」
「?」
少年、いきなりの伊達の言葉が理解できない。伊達はお構いなしに続ける。
「どうやら俺にはお前は殺せないようだ。だから、お前が俺を殺して生き残れ」
話し終えると、伊達は少年の返答を待った。次第に少年も状況が飲み込めたようだ。
少し考えた後、少年は伊達のほうを向き口を動かした。が、何故か声が聞こえない。
「何だ? 何を言った?」
伊達が聞き返す。少年の口が再度動く。やはり声は聞こえない。
急に視界が暗転する。 伊達再度聞き返す。
「おい飛燕、今、何と言ったんだ?」
…………
……
「どうかな。心の闇は見え申したか?」
伊達は目を覚ました。路地裏で大の字になって倒れている。
目の前に雷電がいる。
772 :
○:03/12/21 10:58 ID:aAuc4YP1
今回は回想シーンです。
文章が上手く繋がらず、所々変になってますが、
夢の中ということで。
>麻雀
ひときわ烈が異彩を放ってますねw
この4人でどんな麻雀合戦が繰り広げられるのか?
というよりも、麻雀が成り立つのか?
VSさん・世界さん・○さんおつ。
どれも雰囲気が違うから色々楽しめたよ。
毎日こうしてSSが来ているのは嬉しい。
え,飛燕が孤戮闘!?
775 :
作者の都合により名無しです:03/12/21 15:23 ID:XRneTr7R
776 :
作者の都合により名無しです:03/12/21 19:41 ID:Szx7z4AZ
来てないな。もしパオがこのまま逃げたら、魔界編も番外編もどうなるんだろう。
番外編は大僧正さんが書いてくれるとしても、本編が・・・・・・
たいしたものだよID:IiewFLcEは。ヤムスレ荒らした上に、バキスレの看板職人潰すんだから。
○さんに質問! このSSでの雷電は何歳と設定してます?
相変わらず知識豊富ですか?
>>769 イイ。
最初の「−夢想−」で鳥肌が立つ思いだったよ。
っつーか普通に文章上手いな。
お世辞じゃなくてさ。トップレベルなんじゃないの?
もちろん内容的にも素晴らしい。続きが気になる。
>>767 リングにかけろ
「り」
やっちゃった!
「り」じゃなくて「ろ」ね。
本当に恥ずかしい。
無駄なレスを消費したのは申し訳ないと思ってる。
と、いうわけでやり直しね。
>>767 リングにかけろ
「ろ」
ID:Db5aTr7U=ヤムスレのID:IiewFLcE
こいつは本当にバキスレ潰す気だな。いや本当に。
しかもわざと間違えて無駄なレス消費しやがるし。
781 :
○:03/12/21 20:26 ID:cVTAxAnx
>773
ありがたやありがたや。
拙劣ですが、がんがって続けます。
>774
自分の妄想です。
大四凶殺で血誓痕生をする程の繋がりは、
単なる総長と部下では生まれない気がしたので、
入れてみました。
ダメですか。。。。
>777
考えてないです。
というか、設定では何歳なんでしょう?
知識は豊富な予定です(雷電だし)
だめじゃないですよー。
たとえ妄想とはいえ意外な一面を知りました。
バキスレもうだめぽw
この流れを変える事ができるのは、パオ氏を除いて他はいない。
そりゃパオの単独スレだからな。
だからパオがやる気無いっていうのなら、終わってしまっても誰も文句は言えん
>>785 俺は麻雀も大僧正さんも○さんもふらーりさんも大好きだが?
新スレでも寝言抜かしてたが、おかしな事断言するなよ。
しかしパオは職人としては最高なんだが、あのキレ癖だけは何とかならんのか…
普段のレスは気の良い兄ちゃんっぽいのに、荒らしにすぐに反応しちまうからな…
ID:IiewFLcEみたいな、誰にも相手にされないチンカスなんか相手にすんなよ…
思えば今回の騒動で切れたのってパオだけだなw
人間的にかなり未熟な証拠だな。
パオさんには、アカギ7巻の63話を読むことをお薦めする。
これから冬厨が増えるだろうし、身が持たないよ。
ヤムスレまとめサイトみたく、バキスレまとめサイトにも
SS投稿用BBSがあったら解決するかも
789 :
788:03/12/21 22:42 ID:hUVzemI1
私はパオさんが人間的に未熟とは思わない。
ただ直線的過ぎる気がする。
>>789 親衛隊なんぞに同意を求めるつもりはない。
スルーすればいいだけなのに切れてSS投下を止めたパオは誰が見ても未熟。
現に他の職人は以前と変わらず荒らしに一言もレスすることなくSS投下している。
>>790 お前の意見も分かったから、もうやめろ。
ま、SSの面白さ=人間の成熟度とはならないのは事実。
でもパオはあの性格だから、SSが面白い気がする。
他人と違う感性と考え方で。それで俺が言いたいのはな。
パ オ 早 く 復 活 し ろ よ
雄山をみたいんだよ俺は。別に親衛隊じゃないぞ。
俺もパオには復活してほしい。
魔界編が楽しくてしょうがないからさ。
でもパオはパオなりのペースで頑張ってくれ。
読めない俺も辛いが、書けないパオはもっと辛いんじゃないかな。
>>世界さん
最凶バカップル、とでも言いましょうか。確かに今、これほど「バカップル」の名が似合う二人は
他にいないかも。……依頼人はもしかして、昔の「刃牙」のファンとか。真剣かつ無邪気なファン。
>>VSさん
逆向きベルトコンベアの上で全力疾走してるようなドラえもんが、妙〜に味わい深いです。あと、
>一人ぼっちののび太が三人組に、三人組だったアカギが一人に。力の均衡は完全に逆転した。
ここだけみると、何というかこう、真っ当な少年漫画で、追い詰められたヒーローが
「さぁ逆転!」って感じですね。特撮とかならOPがかかって盛り上がってくるようなシーン。
……絶対に、VSさんののび太はそんな風にはならない、と確信して続きを待ちます♪
>>○さん
ぞくっ、としました。久しぶりに肝が冷えた気分です〜。そしてまた一歩、「ここからどうなって
我々の知る伊達たちに?」の期待が膨らみました。今の伊達と飛燕、少年時代のラオウとトキ
を彷彿とさせますが……ここからどうなるっ?
>>784 今、私があっちに続投したら、ますます対立が激化してしまいそう……でもパオさんが書いて
下されば、そしてそれにVSさんたちも続いて下されば(そうなれば私も続きます)、流れを
戻せると思います。とりあえず私は、そう思います。
パオさん、今は確かに書き辛いでしょうけど、でも今を越えれば、またここ(正確には新スレ)
が、元通り「書くのも読むのも楽しい場所」にきっと戻ります、戻せますよ!
……とか言いつつ、本音の本音を言えば魔界編の続きを読みたいという気持ちが一番なので、
パオさんがどうしてもと言われるならスレ立て直しに反対はしません。
結局、主体性のない意見ですみません。本音の本音を吐かせて頂きました。
>>786 >もしどうしても気に食わないんなら、非2chサイトで続けたら?
これ、そんなにおかしかったか?
ああ、新スレ立てることを批判されたのが嫌だったわけか。
スマン。大人気なかった>h/cl2uvZ
ハイジャンプ
ホワイトハウス。米国大統領の住居であり、政治の中枢でもある重要拠点。
ここに、一人の男がようやく復帰した。最大トーナメントにも参加した、あの天内悠である。
オーガの逆鱗に触れ生死の境を彷徨ったが、九死に一生を得るコトができた。
大統領がウインクをしながら、快く迎える。
「アマナイ、よく戻ってきてくれた。キミのいない間は、地雷原を目隠しで歩くような毎日だったよ」
「ハハ・・・ご冗談を」
それからの天内は、復帰前にも増して活躍した。
生死の境を彷徨ったコトで、相手の行動を察する能力が鋭敏になったようである。
得意の空中技もあいまって、大統領から「危機」の二文字は消え去った。
ある日、大統領が尋ねる。
「アマナイ、今日も助かったよ。ところで・・・」
「何でしょう?」
「キミはもし全力で跳んだら、どれくらい跳べるのかね?」
「試したコトがないもので・・・」
「無いのかね!? ・・・では、跳んでみてはもらえないか? 興味がある」
「お望みとあれば・・・。ここでは床を壊しかねないので、外へ出ましょう」
外へ出た二人。天内が、全身を屈めジャンプの体勢に入る。
ノーモーションでも人を飛び越え、コンクリートを破壊する程の脚力、その全てが遂に解き放たれる。
「では・・・ッッ」
次の瞬間、天内は翔んだ。
天内は戻ってこなかった。
落ちてきたという報告もない、どこかで保護されたというハナシも聞かない。依然、行方不明である。
大統領は信じる。天内悠は、闇夜に輝く満天の星々の一つになったのだと。
この事件を受け、米国の誇り高き星条旗に星がまた一つ増えた。
>>796 えっと、毎日投稿してるよね。
すっごいな…。
しかも昨日は二作だったし。
そして内容も変わらずおもしろい。
シュールな雰囲気の中にも爽やかな後味が。
ほんと凄い。最高。
>>779 ロトの紋章
「う」
この状況で書いてくれる世界さんは神だ。
ネタも面白いし。
しかし天内、原作では完全放置状態だけど、
今でも大統領のボディガードしているのだろうか。
(それ以前に生きているのか?)
パオ弱音はくなよ
何度もあったけど、今回はちょっと見損なった。
以前に比べたらしりとりなんて屁みたいなもんだろ。
お前の弱音を聞いて、荒らしはやる気出すんだよ。
しりとりレス見て書く気がなくなったならただ待てよ。
自分の影響力を、もっと考えるべきだな。バキスレにとっての。
同意。
荒らしも苛つくけど、この程度でやる気を出すパオもなんだかな、と思うわ。
もう少し耐性つけないとな、一応社会人なんだから、嫌なこと飲み込むくらいできるだろ?
×やる気を出す
○やる気をなくす
>>800 嫌な思いをしつつ無償で作品作り続けるメリットって一体なんだよ?
社会人っていうのはお前のご機嫌取るために存在しているんじゃない。
契約など何も存在しない以上、止めるのも続けるのも本人の自由。好きにすればいい。
まあしりとりを完全に排除するというのは土台無理な要求だと思うが。
根本的な抑止策は存在しないし。
雑談スレならともかく、こんな所で勧告無視してまでしりとり続ける意味なんて
さっぱりわからない以上、連中(?)はしりとりというよりも邪魔がしたいだけなんだろう。
もしマナー違反注意されたのが癪に障って意地になって続けているのなら、余りにも幼稚すぎる。
やれやれ、今度は職人批判か。
荒らしが跳梁跋扈してる2chでやる以上、荒らしは持病として対処していくしかないだろ。
そのかわりアクセス数多いからたくさんの人に読んでもらえる。これがリスクとリターンって奴だろうが。
心機一転して仕切り直しした以上、パオには復活してもらいたい。荒らしは完全スルーということで。
こういう議論も新スレではやめてほしい。
まあ社会人だから荒らしにキレるってのもあるだろうな。
仕事で我慢とかしてて、たかが2ちゃん程度でストレスなんぞ貯めたくあるまい。
俺も社会人だが、俺なら遊びでストレス貯めるなんて嫌だ。
でも、パオさん。帰ってきて下さい。お願いします。
しかしここまで暴れて、それでもこんなに復帰希望が多いとは。
ある意味うらやますい……
最初の新スレで続けてれば
ここも新スレも重複スレもこんな議論で荒れなかったんだよ
重複すれは立つことさえなかっただろうし
パオは
投げっぱなしでも書き手の勝手だが
荒らしを押さえるのを書くための交換条件にしてるのだとすれば
SS人気にあぐらをかいてスレの流れを思うままにしようとしてるわけで
気持ちは分かるが無茶で考えが足りない行為だな。
管理できるサイトを持つなり借りるなりして発表するとか
もっと自分と読者のためになる方法があると思う。
まあそこまでする義理はないだろうが、パオの現状はだだっ子のそれで、みっともない。
>>808 無理に書く必要は無いだろ。別にパオは金貰ってる訳でもなし。
SS書きたい奴は書く。読みたい奴は読む。感想書きたい奴は書く。
荒らしたい奴は……。消えて欲しいな。
でも帰ってきて欲しい。
>>809 別に書けといってるわけでもないよ
書きたくなきゃ書かなくていい。それは自由。
本当は書く気があるのに
○○になるまで書くのやめます○○をやめろ
って態度がこの場において有効ではなくみっともないというだけで。
保守
ぶっちゃけ、パオの作品はつまらない。
もう来る人間もいないだろうから書くけど。
あ、そう
何もできない奴ほど人気のある奴にクレームつけたがるな
読んだ上での感想がクレームになっちゃった。
親衛隊ってすごい。
まぁ人それぞれという事で。
812=815か?
じゃあお前がパオ以上の作品を書いてくれ。出来ねえだろうがな。
俺が言いたいのは、何かをやってて他の人間に何らかの楽しみを与えてる人間に、
何も出来ない奴が、している人間のやる気を削ぐような真似するなって事。
ああ、別に返答レスはいいよ。俺もこれ以上は書かないし。
>>816 熱くなるのもいいけど、そういうレスもうざいよ。
何度繰り返されて来たかわかんないけど
相手しなきゃおわる話じゃん。
>>816 すいませんでした。俺が間違ってた…。
作者以上の技量が無いと作品に対しての批判はしちゃいけなかったんですね。
とても斬新な考え方です。そんな事考えもしませんでした。すばらしい。
それに批判が嫌なら2ちゃんなんかで書かなければいいのに、とか、
過剰な脊髄反射しているところを見ると職人さんなのかな、とか、
>>812さんは職人への影響やらなにやら、その辺を考慮した上で
誰もいないであろうこのスレに書き込んだのだと思ったんですが…とにかく全部間違いなんですよね。
ご機嫌を損ねたのなら謝ります。申し訳ありませんでした。
>>818 別にいいよ。自分が間違ってる事分かれば。
長文乙。最初の1行しか読んでないし、俺816でもないけど。
あなたが何も出来ない人だってのはよく分かるし。
以後このバカスルーな。また荒れたらかなわん
すげぇ…これが信者か…。
>>816 それじゃあ映画漫画等作品に関する批評とか一切できな(ry
小学生の頃はこんな子が友達にいたなー。さすがに距離を置いたが。
何かをしたらそれに関する反応はあって当たり前というか。それが好意的なものばかりなわけがないし。
>>821 静かに!
俺達が今まで常識だと思ってた事はこのスレでは通用しないんだよ。
分かったから黙ってマンセーマンセー言ってればいいんだって。
批評なんて絶対出来ない。
批評ってのはスキルだから、一般人には絶対に出来ない。
少なくともこの板の厨房には無理。
批評には知性と品性が不可欠だからな。
しかし誰が見ても812=815=818だろ。
>読んだ上での感想がクレームになっちゃった
本人じゃなきゃどうしてこんな事わかるんだw
自作自演の明白っぷりにワロタ
>>823 いや、俺は
>>812=
>>814=823だと思うな。
>何もできない奴ほど人気のある奴にクレームつけたがるな
本人じゃなきゃどうして読んでないって事わかるんだw
自作自演の明白っぷりにワロタ
ID:FNw0QKx/は粘着杉。
別にどのスレでも、気にいりゃいて、気にいらなきゃ出てけばいいだけの事。
特にパオなんかにはなんの思い入れもないが、お前さんは見苦し杉。
>>825 苦しくなったから粘着扱いってのは止めたほうがいいと思うよ。
俺は頭おかしい人たちに意見してるだけなんだけど。
っていうか勘違いを生んでると思うが、俺はパオファンですよ?
もうID:oQdh7Zd/もID:FNw0QKx/をスルーしろ。
こいつもしりとりバカとかわらん。
すげぇ…これが信者か…。
つまり、
良い作品さえ作ってくれれば人格がクソだろうが全然オッケーってことだね。
当然。
どんなに礼儀正しくても作品面白くなければ意味ない。
第一2ちゃんで人格も何もなあ
831 :
埋立て:03/12/27 11:53 ID:G+In2YV9
まあ、SSを楽しめ。
そういうスレだから。
もいっちょ埋め
>>823 つーかさ、同一人物ではないとどこにも書いてないのに
=で結んで自演とか言ってるのをみると片腹痛いねw
自演って言葉の意味をわかって使ってる?
>>読んだ上での感想がクレームになっちゃった
>本人じゃなきゃどうしてこんな事わかるんだw
そもそも文脈が読めてるかどうか疑問だな。
皮肉は皮肉であると分からなきゃ
この場でコミュニケートするのは難しいよ。
荒らしにコミュニケートも糞も無いと思うが。
頼むから新スレは荒らさないでくれよ。
835 :
埋め:03/12/29 12:29 ID:ITCviEEV
埋め
保守
あけまして保守
ちくしょう、保守ってやる
兄さん、これが最後の保守です。
この保守を最後に、スレ‥dat落ちします。
840 :
作者の都合により名無しです:04/01/02 20:35 ID:OGa3c7GL
光魔の杖
シャハルの鏡保守
黒曜石の打岩保守
千歩機構件の保守
ギャラクティカ・ファントム保守
面白え
ハナハナの実保守
ロビン様萌え
846 :
作者の都合により名無しです:04/01/08 01:19 ID:CG7d8JzJ
そこでタイガーアッパーカット保守age
知る人ぞ知るわさびsage
国士無双保守
849 :
おなら:04/01/09 11:32 ID:5nbORggM
おなら
850 :
○:04/01/11 17:32 ID:GL9mUZUk
パオさん来ませんねえ。
間隔があくと続きが書きにくいと言ってたのに。
そういう自分も、日曜日にアップとか言いながら、
まだ1レスしか書けず、困ってます。
あと1〜2回でおわり。
愚痴が混じってますので、本スレではなくこっちで吐きました。
多分誰も読まないだろうし。
となわけで、保守。
>>○さん
締め切りをせっつく担当編集者がいる訳でなし、あせらずどうぞ。
前にも他の方に言いましたが、○さんが楽しんで書かれた作品を、
私たちが読んで楽しませてもらう、というのが理想ですからね。
今のところ、職人同士として○さんと肩を並べられないのが残念というか
もどかしいところではありますが、「読者その@」として
待ってます&期待してますよっ。
できれば、「2.15の夜」が終わった後も、新作で継続して頂けると
ありがたやです。
852 :
○:04/01/12 00:30 ID:EKM9TP3a
ふら〜りさんに見つかってしまったか。
まだ2レスしか書けてないw
今夜中に3レス、明日3レスで第1章完結に
したいんですけれどね。
とにかく今日を逃すとしばらく忙しいのでがんばろうっと。
ところで、さっきまとめサイト見たらBBSが変わってましたね。
2chみたいになってる。
>○さま
ごめんなさーい。すっごく忙しかったんですよ、公私共に。
2ちゃんもしばらく見てなかったし。でも荒れてたみたいっすねw
最早、バキスレの伝統だなこりゃ。私の責任も大ですが。
まあ、多少荒れてて騒がしいのもここらしいか。本当は嫌だけど。
SSについては、書けるときにのんびり書けば十分です。
ゆっくりやって下さい。焦らずに。バレさんも保管して下さいますし。
最後まで読みたいので、○さんの負担にならないペースで、無理せず。
>ふら〜りさんと住人の皆さん方
またちょこちょこ書き始めますので、宜しくお願いします。
こっちは前スレだからさげか。本スレはあげちゃった。
○さん作品乙&天地魔等の構え保守
おっと、保守するぜ
保守ッ! であるッッ!!
職人さんたち、保守かれさま。
VSさん、保守かれ様
世界さん、保守かれ様。
いつまで保守しつづけるつもりだ?
と言いつつ保守
「さーて、おしおきだべぇー」
「ドクロベー様!」
「今日の失敗は、ドロンジョ。お前一人の責任だな」
「で、でもドクロベー様…」
「あかぽんたん。いいわけはゆるさないんだべぇー。
今日のおしおきは、白くて粘々した液体を、お腹いっぱい飲んでもらうだべぇー。
トンズラー、ボヤッキー。おしおきをてつだうだべぇー」
「アラホラサッサ」
二人はドロンジョを縛り上げると、口に漏斗を突っ込んだ。
「堪忍しておくれやす、ドロンジョ様」
そう言いながらトンズラーが白濁した液体を流し込む。
「あの、ドクロベーさまの命令ですから、うらまないでくださいよ」
そう言いながら、ボヤッキーも流し込む。
ドロンジョの口の中は白くてぬめぬめした液体で満たされていく。
*
翌日の早朝、ジョギングをするドロンジョの姿があった。
「全くもう、気持ち悪いったらありゃしない。
あんなもの、お腹一杯に飲ませるなんて、ドクロベー様は何を考えてるのかしら。
あんなに練乳飲ませるなんて……」
こちはsage保守みたいですね。
ところで、どくろべーとかドロンジョって何の漫画のキャラですか?
>863
ヤッターマンかゼンダマンだと思われます。
865 :
ふら〜り:04/01/21 22:54 ID:bJ+RIRZy
>>861 「ぅひあ、えろぱろっ?」 ……と思いきや。そう来ましたか。
練乳、またの名をコンデンスミルク、でしたっけ? 確かにあんな甘いもんを
おなか一杯に飲んだら、か〜な〜りジョギングとかせねばなりませんな。私も
ダイエットに関しては艱難辛苦の百戦錬磨なので、よくよく解ります。
ドロンジョ様、お察ししますぜいっ。
866 :
バレ:04/01/21 23:05 ID:KoTk43df
ああ、知らない間に前スレがこんなマタ―リ雰囲気にw
また〜り
その代わり現スレはひどい有様だ。
まさかパオさんが。しりとりが憎い
「クララが立った!」 【名場面/アルプスの少女ハイジ】
番組等で何度も紹介されたアニメの有名な名場面である。
その人は、ドイツの大金持ちの家に生まれた。
その人にはハイジというガールフレンドがいた。
その人と彼女の心は通いあっていた。愛があった。
しかし、その人には大きな問題があった。
立たなかったのである。
もちろん、その人を「性的不能者」であると罵る人物は誰もいない。
彼女も、その人を一生懸命励ましていった。
その時はもはや、立たないのは心因的なものであると考えていた。
しかし、なかなか煮え切らないその人に対して、
彼女は「いくじなし」と口汚く罵ったりもした。
そしてとうとうその時が来た。
アルプスの大自然の中、恥ずかしがることもなくムックリと・・・
彼女は叫んだ。
「クララが立った!クララが立った!」
おじいさんも喜んだ。
そして現在、おじいさんには孫がいる。
保守保守っと
保守ってんじゃねえよ!
ふら〜りさん、君が保守い
今度あったら君とせっくるする
保守レット
保守がりません勝つまでは
まだ保守(や)るかい?
保守斗の拳
いったぁー!!
翼君のドライブ保守ート!!
シンプルis保守