>>82の続き
バブルがはじけ、それまでの価値観や人生設計を
(学校で良い成績を取り、良い大学、良い企業に就職し、
やがては幸せな結婚生活を送り、自分を生んだ親の世代よりも
豊かに、より幸せになりたいといった類のもの)
根底から覆された世代に当たると思われるこの村の?住人達は
不幸にも所謂(いわゆる)格差社会の凄まじさを
最初に実体験した世代でもあった。
かつて、この国には年金制度というものがあった。
そして、一般庶民よりも遥かに優遇された
議員年金というものもあった。
半世紀にもわたり、優遇され続けていた議員年金の
是正に関する法案は、既得権益を決して手放そうとはしない
大多数の議員の抵抗(必死)もあって、骨抜きになってしまった。
そんな国会内の茶番劇はついに国民の怒りを買うことになり
年金未納者が全体の6割を超える結果を齎(もたら)した。
結局、国は自己責任の名の下に、全ての年金制度を廃止した。
この国は、国が取るべき責任を免れる事に成功したのである。
幸い、この村の住人達は子供を生み、育む事を経験したらしい。
だがそれは、ほんの一握りの富裕層のみがなし得る生き方なのだ。
村人達の里帰りに来た孫達を愛でるかのようなお節介?を
苦々しく思いながらも、格差社会の齎(もたら)した
超、少子化時代の弊害を私は改めて痛感していた。
今の時代、社会に通用する人間として、子供一人を育て上げる
労力とコストそしてリスクは、先進国では最早、天文学的な
数値になっていたからだ。
季節外れの暑さと、村人達の撒き散らす加齢臭に
辟易(へきえき)しながらも、草を毟(むし)り続ける。
そして、私はここでも近年、私が発表し著わした
『脳観論(のうかんろん)』
が通用しない事を身をもって体験してしまった。
全く、何たる事だ・・・
ここで、手前味噌で申し訳ないが私の著書
『どんと来いデブリども』(税込み価格2500円)
について軽く触れておきたい。この本は広く一般の人達(凡人)にも
私の長年の研究成果である『脳観論(のうかんろん)』 をわかり易く
解説したもので、内容を一部、紹介すると・・・
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
・・・我々の視覚という感覚が殆んど効かない暗闇の世界で
亜光速で飛び交うデブリの嵐から身を守る為には如何すれば良いだろうか?
高価な防護服に身を鎧(よろ)うのは勿論の事ではある。だが
先の電力会社の事故の例にもあるように所詮、人間がその肉体に身に纏(まと)う
質量や体積には限界もあるし、経済コストの問題もある。
結局のところ、人間が本来、一生命体(いちせいめいたい)として
持っている力や、学習と経験に裏付けられた『勘(かん)』のようなものが
身に迫る危険を察知し、回避するのに大きな役割を持つのではなかろうか?
( 中 略 )
宇宙(そら)は良く海(うみ)に例えられる。
私は視覚に大きな影響を及ぼす光・・・太陽光を遮るこの深蒼の海中で
我々に尤も近く、そして今では絶滅してしまったと思われていた
動物に出会った。皆さん良くご存知の『海豚(いるか)』である。
彼らは退化してしまった視覚の代わりに聴覚を発展させ、その脳に特殊な
機能を獲得した。所謂(いわゆる)ソナーの役割を果たす
エコロケーションというシステムである。
( 中 略 )
この様に自然界に存在する様々な感知システムと、我々の直感というべき
第六感的な感覚を数値化し、融合させたのがこの次世代CPUの特徴であり
それを真の意味で使いこなす為には、まだ聴覚が衰えていない若い世代の
協力は勿論の事、人生経験を数多く積み、勘を鍛えてきた世代の
智慧(ちえ)が何よりの実験データとなろう・・・。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
私は、滴る汗に苛立ちながら、未だに私を取り巻いて
世間話に花を咲かせる勘の鈍いこの老人達に
私が今まさに感じていることを必死に念じ続けていた。
青臭い臭いが染み付いたままスタジオに戻ると
私を追い出した?彼女達は露骨に顔を背けた。
「セクハラです。」
最初に怪獣みたいな名前のシンガーに容姿が(特に眼鏡が)良く似た
彼女が声をかけた。彼女が私にかけた言葉が表わす通り、髪を束ねたら
名作劇場に出てくるような意地悪な院長先生役が似合うだろう。
「ち、違うんだ!シムス君!」
「禿げオヤジの言い訳、きんもー☆」
私の弁明の言葉を遮って、反抗期特有の語調と高い声を出す彼女は
丁度、名作劇場に出てくるような意地悪なクラスメイト役がお似合いだろう。
それに彼女の家は代々続くインドのマハラジャの家系だそうだ。
「ハマーン君!そんな言葉使いをするもんじゃありません!お父上が聞いたら・・・」
「あら、いいじゃない?何も喋らないよりはマシよ?ねぇ?」
壇上のさらに上から声がかけられる。その声の主は一昔前、時間帯も弁(わきま)えず
頻繁に放送され続けた消費者金融のCMに出てきそうな踊り子の格好をしている。
もし、彼女も名作劇場に出てくるとしたら、苛められ続けられている
主人公の相談役&理解者って所か?
「ハモン君・・・君にはこのメンバーのまとめ役になってもらいたったのだが・・・!?」
「・・・・・・・・・(ニヤリ)」
不気味な視線を感じて振り返ると、諍(いさか)いの原因となった彼女が
いつの間にか私の後ろに立っていた。名作劇場ならば・・・・いや、止めて置こう。
放送コードに引っかかってしまう。
喫煙や、プログで盗作作品を披露していたなどという問題もあって
私が苦労して召集したメンバーもだいぶ数が減ってしまった。
苦肉の策として急遽、メンバーに入れた問題の彼女は
当初から他の古参のメンバー達と仲が悪かった。
(特に意地悪なクラスメイト役との関係は最悪だった。)
そして娯楽施設が豊富な都市から、老人達しかいない僻地のスタジオに入った日から
彼女達の緊張した均衡(きんこう)状態はついに破られた。
老人達しかいないこの村に言わば、軟禁状態になり
肉体的、精神的欲求不満と、苦しい練習の日々のストレスの相乗効果もあって
女達のジェラシーがついに爆発したのであった。
彼女は・・・ララァはこの僻地にても、何処からともなく現れる
『赤い薔薇の人』と密かにコンタクトをとっていたようだ。
それが彼女達には気に入らないらしい。
普段ならば、温厚でかつ自己に厳しいハモン君が
私の手など煩わさずに取り成す所なのだが・・・・整理前なのだろうか?
私は肩を竦(すく)めながら、男に生まれた事を髪に・・・いやさ神に感謝していた。
全く、ミーティングなどと称して私だけを草むしりに追いやった癖に
なにも解決していない。やれやれ、今日の練習はもうお開きだな。
そう感じた瞬間、今まで聞いた事もないようなドラムの音が響いた。
何だ、シムス君やれば出来るじゃないか!?
彼女達にしてみれば単純にストレスを発散したかっただけなのかもしれない。
原始時代、人々の村に響いた音は・・・音楽はこのような衝動から生まれたのだろうか?
ドラムの音に続いてベース、ギターがすばらしいハーモニーを奏でる。
ボーカルの彼女・・・・ララァは一瞬、仲間達の鬼気迫る演奏に気後れしたかのように
思えたが、すぐに持ち前の粘り強さを発揮して彼女達の挑戦を受けた。
すばらしい!これなら本当に紅白出場も夢じゃないかも・・・・・
私は感激のあまり録音ボタンを押す事さえも暫し忘れていた。
やはり音楽は人を変える。儒家 孔子(こうし)が語っていた事は本当だった。
使い古されたアニメのテーマかもしれないが、私は今度、改訂版を出すつもりの
脳観論で聴覚を刺激する事について深く掘り下げてみたいと思った。
演奏が終わりに近づく。このままミスがなければ
すばらしい作品になるのは間違いない。彼女達もそう感じている筈だ。
だが・・・・その期待は見事に裏切られた。
「動くな!!!」
ドアを蹴破る音と共にスタジオに乱入してきた
警官達に私達は取り押さえられてしまった。
私達の罪状は
『響暴罪(きょうぼうざい)』
とういうものだった。
取調べに中った警官から私は初めて事実を聞かされる。
実は、頻繁に村の老人達から
怪しげな集団が廃墟に篭り、夜な夜な騒音を撒き散らして困ると
訴えがあったそうな。
胡散臭そうなハゲ男一人と年若い少女達の共同生活?も老人達には
目障りだったらしい。
私は再び著書が売れなくなることを心から悔いていた。
(おわり)
92 :
訂正:2006/05/16(火) 15:19:28 ID:???
>>43 ×
実は・・・社会を揺るがしたあの列車事故で
隊長は最愛の人とその間に生まれた子供を亡くしていたのだ。
そして酒に飲まれ、若者に席を譲れと詰め寄ったのは
何も自分の足が義足だった所為では無いのだ。
○
実は・・・世間を騒がせたあの事故で
隊長は、奥さんとその間に生まれた
お子さんを亡くしていたのだ。
年甲斐もなく
若者に席を譲れと詰め寄ったのは
モラルが欠如した社会や企業に対する
隊長なりの反発だったのかもしれない。
単に、己の両足が義足の所為では無いのだ。
93 :
訂正:2006/05/16(火) 15:27:11 ID:???
>>85 ×
結局、国は自己責任の名の下に、全ての年金制度を廃止した。
この国は、国が取るべき責任を免れる事に成功したのである。
○
結局、国は自己責任の名の下に、全ての年金制度の廃止を決定する。
長年の問題解決を放棄する事によって、この国はついに
国家が取るべき責任そのものを免れる事に成功したのであった。
語感に患者を侮蔑(ぶべつ)するものがあるとして
痴呆症が認知症と言い換えられて、早2年が過ぎようとしていた。
だが、どんなに上辺を繕(つくろ)ったとしも
行政が弱者を見捨てる方針は何ら変わりがなかった。
今朝もまた、認知症の老いた親の介護に
経済的にも肉体的、精神的にも疲れ果てた子供が
実の親を殺し、その自分も自殺を図るというニュースが
この狭い職員事務所に鳴り響いた。
「おい、クランプ!聞いたか?全く、酷い世の中になったもんだな。」
やっと休憩が取れ、眠気覚ましの熱いコーヒーを
入れた筈だったのに。毎度の呼び出しの所為で
すっかり冷めてしまった茶褐色の液体を飲み干して
同僚(もう暫くで同僚ではなくなってしまうけれども)の
アコースは私に語った。
「なぁ、本当に辞めちまうのか?アコース・・・考え直さないか?」
無駄だと判ってはいたが、一応、この施設のチーフでもある
私は長年、一緒に働いた彼を引きとめようと試みた。
「すまない・・・もう俺、疲れたんだよ。」
そう、ぽつりと呟く彼の言葉に嘘など無かった。
彼の窪んだ目がさらに陥没したかのような印象を与える目の隈(くま)が
ありありと語っている。私は、入れ直したコーヒーを勧めながら
彼の近況をそれとなく尋ねてみた。
「・・・親父さんやっぱり、ボケて・・・あ、いや、認知症なんだって?」
職務上、口に漏らすことは固く禁じられている
呆けという言葉を思わず出してしまった私を
一瞬、睨みつける表情を見せた彼ではあったが
すぐに何時もの、人懐っこい顔付きで笑った。
「ああ、全く様ねぇよな。他人の親の面倒ばかりみて
自分の親の事をほったらかしにした所為だ。
・・・神様が罰をあてたんだな。」
涙を堪えているのか、天井に向かって声を張り上げた後
寂しそうに微笑んだ。
彼の眦(まなじり)に光るものを見た時、私はそれ以上
何も言えやしなかった。
97 :
訂正:2006/05/20(土) 03:51:10 ID:???
>>94 ×
その自分も自殺を図る
○
自殺を図る
×
この狭い職員事務所に鳴り響いた
○
この狭い事務所に響く
>>96の続き
現実は冷酷である。私を含め、この時代に生きる
多くの人達が、何時も何処かでやっている様に
虚構の世界でどんなに強がったり、粋(いき)がったり
してみても多くの場合、結局は何かを変える事なんて
出来はしないものだ。
私は長年、苦楽を共にした同僚が去ったその日
現実の厳しさを改めて思い知らされ、そしてその夜
自宅にて彼の身に起きた不幸な出来事が決して
他人事ではない事を実感した。
生活時間などの擦れ違いが原因で、妻や子供と別中の私を
深夜にも関わらず、労(ねぎら)い、暖かく
迎え入れてくれたのは僅(わず)かばかりの年金で暮らして
生きて行かなければならぬ、年老いた母親だったからだ。
『孝行したい時に親は無し』・・・・という格言?は既に
時代にそぐわないモノになっていた。
私は、母が用意して置いてくれた食事を噛み締めながら
何かと先延ばしにしていた自分自身の、これからの人生について
真剣に考えなければならない時が来たのを知った。
同僚が辞めた事によって生じた職務上の『穴』は
すぐさま、代わりの要員によって埋められた。
少子高齢化という問題に対して、金をばら撒く事しか
考えが及ばなかった政治家達のお陰でこの国では
私達の様な多くの外国人が、福祉医療などの現場で働く事が
当たり前となっていた。そして、それは最早、私達の様な
労働者の待遇が、始めの頃よりも決して良くなる事など
無いという事を意味していた。会社に言わせれば、代わりの
人員などというモノは幾らでもいるらしい。
実際、辞めていったベテランの同僚が居たという痕跡は跡形も無く消えた。
会社の言い分は正しかった。しかし、それが意味するのは
只管(ひたすら)虚しいものであった。
私を含め、他の仲間達の多くは長年、勤めていたこの仕事が
以前よりも好きでは無くなってしまった事を、認めざるを得なかった。
そして、何時になっても決して終わることの無い
山のような仕事・・・・精神的にも肉体的にも
負荷をかける仕事を目の前にした時
私は密かに転職について考え始めていた。
数ヶ月後・・・・私は相変わらず『オムツ』を代えている。
目出度く転職した私がしている仕事の内容は、ぶっちゃけ『オムツ』が
大人用から子供用に代わっただけであった。
現在、私はこの複合娯楽施設の託児所を担当する身になっていた。
本来ならば私は経理課に配属される筈だったのだが、会社の上層部が
それを認めなかったらしい。
ひょっとして外国人というのがネックになったのだろうか?
何かと送金の仕組みとか、依存症といった問題等で紙面を賑わす
複合娯楽施設を経営する会社に職を得た事は、ゆくゆく私のキャリアの
汚点になってしまわないだろうか?
様々な思いが頭を駆け巡りながらも、私は新たに得た仕事に馴染み始めていた。
実際ここだけの話、呆けたり、妄想に取り付かれた老人達
(例えば、カードを集める事を生きがいにしていたかつての少女や
羽根を集める事に人生を賭けたかつての少年)
などを相手するよりも遥かに子供達の方が楽であった。
俗っぽい言い方をするならばオイシイ仕事である。
健全な社会に対して、何かと問題の多いこの複合娯楽施設ではあるが
働き盛りの青年や壮年達が子供の頃に見たアニメやアイドル達を起用した
新たな娯楽を提供したり、託児所等を設ける事によって駐車場などで
死亡する子供を減らすといった、かつての消費者金融並みの
イメージ戦略と努力は目出度く?実を結びつつあった。
だが・・・それは結局、他人ならば他人の不幸ならば許せるという
程度のものでしかなかった。
ある日、私はかっての同僚がこの娯楽施設内で
「弾切れだ!」
と大声で叫ぶ、荒み切った姿を見て
なんとも言えない気持ちにさせられた。
そして私が決定的に、この複合娯楽施設に嫌悪を抱いたのは
私と妻の間に生まれた私達の子供
娘がこの託児所に預けられた時であった。
「何で、こんな所に子供が・・・・」
そう呟きながら、私は彼女に駆け寄った。
何日も洗っていないような娘の汚れた服と顔を見て、私は全てを悟った。
衣装デザインの仕事をしていた独立心旺盛な妻も依存症になっていたのだ。
(おわり)
ないた
>>105 保守カキコトンクス♪
てっきり落ちてると思っていたよ・・・ノシ
107 :
訂正:2006/05/30(火) 03:42:27 ID:???
訂正
>>61 ×
路頭に迷い、やがて残された道は死のみである。
その死でさえも許されない。A級戦犯とされた私の魂を
かの靖国に祭られる英霊達が許すはずも無い。
○
路頭に迷い、やがて残された道は死のみである。
だが、その死でさえもこの社会では許されない。
A級戦犯とされた私の魂を仮に何十年後に慰霊しようとも
それを快しとしない輩が、私を訴える事だろう。
そして何よりも私の心を痛めるのは、かの靖国に祭られる
英霊達がこの売国奴となった私を許すはずも無いという事だ。
『このスピードについてこられるか??』
(ふっふふ・・・プロの運び屋の俺様に勝負するとはいい度胸だ!)
と内心、私は何度も舌打ちしながらサインをする。
またもや違反切符を切られてしまった。迂闊であった。
立て替えた金は会社の経費で落ちるとは言うものの
経費削減に血眼になっている上司の目がものすごく怖い。
「スピード出しすぎですよ?運転手さん。もし、子供が飛び出して
来たらどうするつもりですか?」
「すみません、すみません・・・」
警官に何度も頭を下げて許しを請う。
確かに子供を轢いたらヤバイ、事件になってしまう。
だが、本当に背に腹は変えられぬ。最近のはっきりしない天気の所為で
作業が物凄く遅れているのだ。
その作業とは・・・
あんまり大きな声では言えないが、産業廃棄物とされてしまった
土地の埋め戻し材の埋め変え作業の事だ。
(これもたぶんつづかない)
(この味・・・懐かしい・・・
お袋の味ってこんな感じかしら?)
不味いというのが定評だった
社員食堂がついに、リニューアルした。
いつもなら某、宮廷料理人見習い少女アニメの
EPにあったような空気が渦巻いていた
この食堂であるが、今日は流石に違った。
・・・そこかしこで微笑みが溢れている。
(本当に良かった。これで頑固な父も私の進言が
正しかったと判ってくれるだろう。)
巷に流れる社員に優しくないとの風評も、これで少しは消える筈だ。
私はダイエット中なのにも関わらず、ご飯のお代わりが
欲しくなってしまった。危ない危ない・・・
長く続いたデフレに漸く、区切りが付き
不況に喘ぎ続けた我が社でも業績が好転しつつあった。
成果主義の名の元に容赦なく人員をリストラし
賃金をカットし続けた『改革』で成し得た喜びは
それまでの致命傷の痛みを暫し、忘れさせる事が出来たのである。
私は・・・父に社員待遇の改善を申し出た。
近年、社会的に責任の持てる経営というのが
私達のような企業にも求められる時代となっていた。
全く同感である。金が全ての世の中は余りにも寂しすぎる。
予知夢とか既視感(デジャヴ)という様な
言わば、オカルト的なものを私は本気で
信じるつもりは無いけれども
流石にこう何度も続くと不安になって来る。
しかも悪夢に限って当たるものなのだ。
(我が社が乗っ取られて潰れてしまう?まさか!?)
汗だくになって跳ね起きたあの日の事を
今でも鮮明に覚えている。
同族経営というものは何かと波風が立つものだ。
それはどの国、どの時代に於いても変わりが無い。
極々、普通の家庭内でも親子の間の関係が悪かったり
長年連れ添い、愛し合っていた筈の
夫婦の間でも『熟年離婚』という様な問題が
クローズアップされているではないか。
それに加えて企業という枠組みが足枷のように
家庭内に入って来た時、一体どうなるのか?
皆さんは想像した事があるだろうか?
一端、金が絡むと血の繋がりなんて脆いものである。
判りやすく例えるのならば、某相撲部屋のイザコザなんてのが
良い例だろう。
食事を終えるのを、見計らっていたかの様に
父からの呼び出しが入った。何か・・・嫌な予感がする。
こんな時は無視するのが一番だ。
だが・・・それは所詮、無駄な努力であった。
適当な理由を創って社を出て、十分時間を潰した上で
オフィスに帰った来たつもりだが、私の机の上には
一度、交際を断った筈の『彼』からの花束が
山の様に積まれていた。なんてこった。
秘書の話では週末、彼の父も交えてのパーティが
建設中のコロニーで計画されているという。
秘書の報告を聞きながら、私は胸の奥で殺意に似たようなものが
こみ上げてくるのを防げなかった。
私の人生なのに!家族が・・・会社が私の夢も希望もとりあげてしまう!
私は父の操り人形でしかないの?そんな人生、虚しすぎる・・・
私の本当の夢が叶う日なんて来ないのかしら?
それならばいっその事、みんな死んでしまえばいいのに!!
私は時間潰しで観た『あの映画』にかなり影響されていた事を
改めて気づかされた。いけない、いけない・・・
これでは私が密かに目指している『孟母』像とは
かけ離れている。これじゃぁまるで『鬼子母神』ではないか!
嗚呼、『良妻賢母』の道は果てしなく遠いなぁ・・・
(おわり)
114 :
訂正:2006/05/31(水) 07:39:43 ID:???
>>99 ×
妻や子供と別中の私を
○
妻や子供と別居中の私を
今年になって初めて蚊に献血をしてしまった男が
ほの暗い部屋の中で注射針を腕に刺している。
仕事とは言え、長く続いた不規則な生活習慣と食生活の
所為で男は・・・デミトリーは糖尿病患ってしまっていた。
医療技術が進み、メタボリックシンドロームという
新たな用語が世間一般に認知されてから早、数年が
過ぎようというのにも関わらず、自分自身の歯並びの悪さを
全く意に返さない豪快な?性格の成果もあって
彼は文字通り身を削って、製薬会社に多大な貢献をするのであった。
116 :
訂正:2006/06/02(金) 04:12:21 ID:???
>>115 ×
糖尿病患ってしまっていた。
○
糖尿病を患ってしまっていた。
針の傷みに慣れっこになったと云うものの
食事の度に注射をするのは面倒な作業であった。
顔を顰めながら、インスリンを注入する。
自業自得と言い捨てるには聊か気の毒ではあるが
なってしまったものは仕方がない。男は・・・デミトリーは
自問し、自答していた。そして糖尿病患者特有の甘酸っぱい
体臭と共に、自分の過去の病気に纏わる
甘酸っぱい失敗を思い出さずにはいられなかった。
実は・・・注射を打つという作業の煩わしさに嫌気が差し
食事を摂らずに暫く過ごした事があった。
当然ながら、男は低血糖による昏睡?で派手にぶっ倒れてしまった。
しかも、よりによって『地下鉄』のホーム内で
泡を吹きながら悶え苦しむ彼を見て、そこ居合わせた何も知らない
善良な市民達はパニックに陥ってしまった。
折りしも、ワールドカップイヤーであった。
開催国でテロリスト達からも注目されていたであろう
街の地下鉄で起きたその珍事は翌日、面白おかしく
メディアに取り上げられ彼は一躍、時の人となった。
尤も、それもすぐに忘れ去られてしまうスレとレスのように
他人には意味のないものであったが、この時ばかりは
豪快?な彼も流石に意気消沈した。そして、彼にとって
甘酸っぱい思い出になるまで、かなりの時間を必要とするのであった。
(余談ではあるが彼は、たまたまその場に居合わせた
見ず知らずの男が差し出した弁当に助けられた。)
9 :通常の名無しさんの3倍:2006/05/23(火) 03:39:34 ID:???
【オカルト板】
衝突し、滅亡するスレ
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1148317317/l50 10 :通常の名無しさんの3倍:2006/05/23(火) 04:13:00 ID:???
まずスレタイに笑った。
そしてこの誘導され具合にわらった。
ある意味GJ
11 :通常の名無しさんの3倍:2006/05/23(火) 04:16:32 ID:???
梅雨入りにはまだ早いというのに
ここ数日の間、雨の日が続いている。
シトシトと降りつける雨音に紛れ
近くの田んぼから蛙の鳴き声が聞こえて来る。
日照不足によって野菜価格の高騰が予想されると
今夜のWBSは報じた。
実家が農家である人が割と多く住むこの街に
引っ越した所為もあってか、私は柄にも無く
今年のお米の出来具合について、早くも
心配をしていた。
12 :通常の名無しさんの3倍:2006/05/23(火) 04:26:44 ID:???
>>10サン、トンクス♪
>>11の続き
私が最近、嵌っている、やたらと功名を競う
大河ドラマで『石高(こくだか)』という言葉が頻繁に出てくる。
その石高の基準?となる『一石(いっこく)』という目安が
平成を生きる私にとって、どれ程の分量なのか
さっぱり見当がつかないので、辞書で引いてみる事にした。
13 :通常の名無しさんの3倍:2006/05/23(火) 04:44:44 ID:???
辞書の項を繰りながら、私は
つい先日、国連食料農業機関(FAO)が
温暖化等に代表される地球環境の悪化により
途上国の食糧難が深刻化するという
暗い見通しを発表した事に眉を顰める。
これを材料に仕手筋は、色々と暗躍する事だろう。
少々、熱く感じる電気スタンドの照明の元で
『一国(いっこく)・・・一刻(いっこく)・・・』と辞書の
単語を指でなぞって行く。
すると、視線の先に見慣れぬ単語が記されているのに
気づいた。何なんだこれは?
『・・・いっこてん???』
14 :通常の名無しさんの3倍:2006/05/23(火) 04:52:11 ID:???
『一壺天(いっこてん)』後漢書 方術伝下・・・(略)
※推奨参照サイト
ttp://www.lib.hiroshima-u.ac.jp/dc/kyodo/ochibashu/7.html 私は、その単語についての記述を読み終えた時
この広い世界の何処かにきっと、斯様(かよう)な
摩訶不思議な『 壺 』が存在する事を信じ始めていた。
(つづく)
15 :通常の名無しさんの3倍:2006/05/30(火) 03:59:06 ID:???
実は・・・下戸である私が、この単語を知る機会は
辞書を引かない限り、余り多くは無かった事だろう。
壺の中にある別世界・・・成る程、確かにこの世には
不思議な壺が数多くある。例えば、あの有名な
『千夜一夜物語』の中で『魔法のランプ』というものが
出てくるが、あのお伽話の元となったのは
中国の古い民話で、しかも壺に纏(まつ)わるものらしい。
(NHKでやっていた)
16 :通常の名無しさんの3倍:2006/05/30(火) 04:15:15 ID:???
まだある。実は・・・また告白しなければならないが
文系出身の私にとって、尤も縁遠いものの一つである世界・・・
物理学か何かかな?(さっぱり解からない)取り敢えず
この私を含め、数多くの人が一般常識として
名称だけは知っていて、凡その形も知っているであろう
謎めいた壺がこの世には存在する。
それは・・・そう、あの・・・壺の事
『 ク ラ イ ン の 壺 』の事だ。
17 :通常の名無しさんの3倍:2006/05/30(火) 04:58:57 ID:???
気になったのでついでに『クラインの壺』を辞書で引いてみた。
そして、ネットでも検索をかけてみる事にした。
数分後・・・
私は、軽い知恵熱を出してしまった。
頭が少々、重く感じる。やはり私のような凡人には
全く理解出来ない範疇(はんちゅう)の世界だ。
だが、こんな愚かな私でもこれだけは言える。
そんなに遠くない未来・・・この空の果てには
人類の英知が創り出した円筒形の壺が数多く存在する事であろう。
そう、植民地(コロニー)だ。
皆さんも薄々、感じている事なのかもしれない。
私も、その中の一人である。
残念ながら人類の新たな世界は多分、宣伝される様な
夢の楽園とは程遠いものであろう。
これまでの現実がそれを証明している。
(耐震偽造マンションとか、第三セクターによる開発予定地とか
ドミニカ移民問題とか)
そして、私の心にこうも告げている。
全く夢の無い話ではあるが・・・致し方ない。
私もいつまでも子供ではいられないのだ。
それは・・・お伽話の中の、壺の別天地や、異次元?の世界も
きっと、『正直、しんどい』世界だという事だ。
現に壺の絵がトレードマーク?の『2ちゃんねる』でも
かなり・・・しんどいし、痛い世界ではないか。
(多分、つづかない)
クラインの壺について
※推奨参照サイト
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%A3%BA 18 :神父 ◆wdeniv/TvA :2006/06/04(日) 11:58:25 ID:???
実はあの壷200円の価値。
鑑定団で中嶋先生が看破。
19 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 04:23:18 ID:???
>>18 神父サマ・・・それはきっと
ダ@ソー製品でつねw
ところで・・・
悪魔の子が生まれたって本当ですか?
脳死状態でライフカードも少ない為
相変わらず、ロボットとか
手歩ドンとかは出てきません
前ネタが完結しないのにも関らず
平気で新ネタをやったり
止めちゃったりもします。。。
『隙とか・・・気合いとか、最初から無いんじゃないのか?』
折角の休日なのに、朝方みた悪夢の余韻が、頭に重くのしかかる。
上司の嫌味で目覚めた私は、家族の中で私に心を開いてくれる
唯一の存在『どろん』に慰めてもらう事にした。
リードを繋ぎ終え、一身同体となった私達は
森へ駆けてゆく・・・・
明日になれば、また社畜として組織の犬として
繋がれる事が運命づけらている身にとって
『どろん』との散歩は最高の癒しであった。
尤も最近では、彼は私の地位を低めに見る節がある。
散歩の途中、マウントされて赤っ恥をかいたのは
つい先日の事だ。ここは気を締めてゆかねばなるまい。
ワガママし放題のリードを手繰り寄せながら
ついつい仕事の事を思い浮かべてしまう。嗚呼、嫌だ。
最近、社内では営業成績が振るわない私を、絶好のチャンスにも関らず
点を取る事が出来ない某国FWになぞらえる節があるようだ。
大本営の発表とそれに続くマスコミの煽り立てる
情報を鵜呑みし、踊らされていたのは私だけではない。
一般の市民の殆んどが騙されていたのだ。残念ながら。
あの瞬間、あわよくばと・・・期待がバブルの宛らに膨らんだのを
ここに告白しなければならない。
私は、圧倒的な国力のと物量の前に敗れた戦いを経験した
あの国のゴールキーパーが
特攻作戦の末、満身創痍となった戦艦YAMATOに思えて仕方が無かった。
聞くところによると沖縄慰霊の日にサッカーをしていたそうだが
沖縄出身のアーティストを使った時点であの結果は既に
運命づけられていたのかもしれない。
そんなサムライブルーと並び評価するのは
ちゃんちゃら可笑しいけども
私の勤める会社は私の事を過大評価していた。
実力以上に周りから期待をされた者にとって
その立場や行動及び言動は非常に危ういものであった。
何もかもが空回りし、浮いた存在になってしまったと
己が気がつく頃には大抵、取り返しのつかない事態に
陥っている。今ならそれが良く解かる。
上司の口調がいつの間にか変わっていた。
もっと早く気づけば良かった。やはり私にはこの仕事は無理だったのだ。
そんな取り留めの無いことを
思いながらリードに引っ張られてゆく
まだまだ夢の中のようだ。
だが、そんな時間も終わりがきたようだ。
「おはようございます。」
私の家の隣に住むバツ1の女性・・・
口元がちょっぴり、ロナウジーニョ似のハーフ
『 海田(うみた)ベルカ 』
が、声をかけてきた。
『やってしまった。。。orz』
129 :
通常の名無しさんの3倍:2006/07/16(日) 09:39:37 ID:S0AWkc7f
煙草を吸う権利はあるが、「義務」と「責任」がある。
禁煙者には、煙草の煙を吸わされない権利」もある。
法律で認められていても、マナーがあるだろうや!!
他人の居る車内、密室、飲食店での喫煙の全面禁止!
煙草を吸う時は、自分で「灰皿・煙草・ライター類」を用意!
屋外で!、煙が迷惑にならぬ様に気を遣い喫煙をして下さい。
吸い殻も、自己責任で片付けて下さい!
喫煙マナーを守って円滑な社会生活を送りましょう。
http://life7.2ch.net/test/read.cgi/cigaret/1131217757/1-100 煙草の値上げ、小学生の小遣値上げと同程度か!
1箱¥1000になれ〜! 税収は目的税に限定し、健康保険の赤字補填に!
たばこを吸う人は雇いません−。世界保健機関(WHO)は1日、喫煙者を雇用しない政策を導入した。たばこが健康に有害であることを訴える国連専門機関として、政策の一貫性と「反たばこ」のイメージ強化を狙う。
WHO当局者によると、職員の新規採用で喫煙者を排除するのは国連諸機関でWHOが初めて。
WHOは、喫煙を原因とする疾患で毎年世界中で500万人近くが死亡していることを挙げ「たばこの害を減らす運動の先頭に立つ機関としての責任を雇用面でも果たさなければならない」としている。(共同
『に、逃げろ〜〜!!』
>>129氏
保守サンクス
長文を書く気力が無いので専ら
駄洒落や川柳を詠んで誤魔化しています
575板には癌を詠むスレが
無いのでちと寂しいです
そんだけ
>>131氏
情報サンクス
(このスレってば、遊びに来る人いるんだ・・・
なんと、奇特な・・・いやさ、個性のある人ですねぇ・・・
今更だけど正直、こっぱずかしいっぺ・・・あうあう)
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>>127のほんのちょっぴりの続き
不意に彼女に声をかけられ、心の準備?が
出来ていなかった私は文字通り
『まるごし刑事』の気分を味わってしまった
密かに彼女に好意を抱いていた私は
慌てると吃音が出る癖を知られたくない為に
わざと、ぶっきらぼうに挨拶を返した
所謂、『つんでれ』ってやつである。
(多分つづかないだろうなぁ。。。オチは三角@馬で15禁っぽいし
エロとか実は苦手なんだよなぁ。。。)
『っしゃ〜〜〜〜!!!オラッ!!!』
『ヨネ姫〜〜〜〜〜!!!!』 (号泣)