教条?】唯物史観・進歩史観をかたる【科学?】2

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1世界@名無史さん
マルクス・レーニン・スターリンから東大・京大からあまちゅあの歴史観まで自由にかたって下さい。
進歩・停滞・循環どんとこい!
2世界@名無史さん:02/09/08 17:03
2か? 2なのか?

ところで歴史CAN語ってどうする?
3世界@名無史さん :02/09/08 19:38
前のスレじゃあ、フクヤマ「歴史の終わり」で議論してたな。
最後には「沈黙の艦隊」まで出てきた。
4世界@名無史さん:02/09/10 03:08
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新スレ、おめでとう
5世界@名無史さん:02/09/10 03:15
いちおう、前スレ

【教条?】唯物史観・進歩史観をかたる【科学?】
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/whis/1025801526

興味のある人は、落ちるまえにROMしといてね。
6世界@名無史さん:02/09/10 03:59
>>4
前レスでも気になったんだが、田中邦衛の顔にしか見えないのだが
北の国からと何か関係あるのか?
7世界@名無史さん:02/09/10 05:25
いちおう、前スレにでてた史観をまとめてみるね。

1,ヒューマニズム史観……歴史をヒューマニズムが発達する過程ととらえる史観。出来のよい小学生の史観という批判も。

2,アメリカ中心史観……よくわからないが、世界はいずれアメリカ化するらしい。理由は、多民族国家のアメリカは世界の縮図らしいから。

3,人種史観……歴史は人種別に見ていかないと正確には分析できないと言う史観。
        おもしろいけど、人種論はトンデモになりがちだから注意が必要かも。

4,唯物史観……例のごとく、下部構造で歴史を見ようとする史観。

5,フクヤマ史観……アメリカの歴史哲学者・フランシス・フクヤマの提唱した、歴史を差別意識撤廃の流れとして見ようという史観。
          かんぜんに上部構造で歴史を説明できるのは新鮮で面白いが、アメリカのプロパガンダに過ぎないと言う批判も根強い。
          内容の要約は、前スレの644,645,678を見てね。

6,沈黙の艦隊史観(?)……歴史は世界政府に向かうという史観。マンガだけど、その評価は高い。

7,無秩序史観……歴史理論はすべて後付けであり、人間の意識はその時代の拘束を受けるために、メタレベルな歴史観は創造できないという史観。
         仏教の諸行無常に近いかもね。

前スレは、けっこう多様な史観が出て面白かったけど、またいろんなアイデアを聞かせてちょーだい。
8  :02/09/10 06:05
9世界@名無史さん:02/09/10 06:23
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う〜む、どれも甲乙はつけがたいが、純粋に社会科学としては2のアメリカ中心史観が真理じゃないかな?

>>6
わしはただのちりめん問屋の隠居じゃよ。
気にしないでくれ。
10嘘つけ:02/09/10 06:42
ナウ・乙女チックだろ。
11漏れは:02/09/10 06:53
歴史感はいいほうだよ。
12あげ:02/09/11 12:46
とりあえず時代区分を考えよう。
歴史時代の始まりは、国家や文字や法律の発明によって画されている。
近世の始まりは、大航海時代で地球全体が文明の舞台になったこと。
近代の始まりは工業化。

これの区分は普遍的と言っていいだろう。
中国で産業革命が始まるような全く別の時間線にも適用できるものだ。
しかし、古代と中世の普遍的区分はあるんだろうか?
ヨーロッパ史で見れば、第一ピークが古代で第二ピークが近世以降、
中間にある谷間の時期が中世ということになるが、
これではローカル過ぎて世界史の区分とは言えない。
普遍的な中世の定義ってありうるかな?
13世界@名無史さん:02/09/11 16:37
>>12
例えば「近代国家」の場合、その定義は、直接には産業革命と無関係ですし、
歴史時代というのがどの程度正確だとわかる記録がなされるようになってから
なのかも人によって違うような気がします。

前段部分の定義も普遍的な区分とは言いがたいのでは?
14ザラトゥシュトラ:02/09/11 18:32
>>12
ヨーロッパ史の中世には、「キリスト教の時代」という意味が強い。
自然発生した多神教の段階と、教祖のいる倫理宗教の段階とを区別する
という考え方をすれば、ユーラシアの諸文化それぞれについて、
古代と中世との境界を想定できるんじゃないかな。
15世界@名無史さん:02/09/11 20:14
教祖のいる倫理宗教を持たない地域には
永遠に中世も近世も訪れないのかな
16世界@名無史さん:02/09/11 23:33
謝世輝は、中世を「イスラムと遊牧民の時代」と定義している。
つまり、ユーラシアが歴史の中心舞台となるのを所与としたら、
地域スケールの文明段階と惑星スケールの文明段階との中間に、
ユーラシアスケールの文明段階を想定し、
その段階を「中世」と呼ぶことにすればいいんじゃないか?
17:02/09/12 19:25
>>14
世界に関する抽象的思弁の発達が一つの段階を画する
というのは確かだと思うが、そうだとしたら、
その段階の始まりは紀元前500年頃ということになって、
普通に考える古代・中世の境界とは全然一致しないよ。
18世界@名無史さん:02/09/12 23:05
あの事件の真相が公式発表通りと考えているかたは、勝手に腹を立てていて下さい。
また、あれがアルカイダの反抗だとしても、アメリカやアメリカ人にそれを避難する資格があるでしょうか
亡くなった方には家族も友人もあり、それぞれの物語を持っているでしょうし、気の毒だとはおもいますよ、
でも、アメリカのお陰で死んでいった何千、何万という人たちのことを考えるべきでしょう。
彼らにも家族がいて、それぞれの物語をもっていたんですよ。
アメリカ人はそういう人たちの犠牲を気に止めたことがあったでしょうか?
ひたすら正当化していただけだと思います。
個人個人の不幸には同情しますが、全体として同情する気にはなれません。
19電波狸:02/09/13 01:05
>>7
思いつくままに、およそ時代順に歴史観やそれに準ずる歴史理論を挙げて
いくと、
古代ギリシャ・ローマの循環史観(過去も未来も現在と同じ)、ヨーロッ
パ中世のキリスト教的終末史観、17〜18世紀の歴史を人類の発展過程とみ
る進歩史観、19世紀のヘーゲル史観、マルクスの唯物史観、ダーウイン的
進化論(その派生型である人種論も含む)、20世紀にはトインビーに代表
される文明史観(マイネッケの国家概念の歴史)、WW2以降では、文明
の生態史観(梅棹忠夫)、アメリカの近代化論的歴史観(ライシャワー、
ホール、ジャンセンなど)、ヤスパースの文明の基軸論、それに世紀末の
「歴史の終わり」史観(フクヤマ)などあるかと思われます。

あとヒューマニズム史観というのは、進歩史観の特殊形態かと。またアメ
リカ中心史観はアメリカ建国以前は存立しようがないので、歴史観という
よりは現代世界像の一種とでも云うべきかと。
あとほかに無秩序史観に入るかどうか不明ですが、ポパーの歴史観否定説
(歴史に意味はないという主張)もあります。
個人的には唯物史観とまたそれと親近性をもつ限りでの進歩史観を支持す
る立場。
20電波狸:02/09/13 02:26
>>8
わざわざ紹介してくれた、フクヤマの最近の論文“Has History Re
started Since September 11?”を読みました。

9.11以降の国際情勢の変化に対する、彼の政治的主張を直截に述べ
たものと云える。
冒頭で自身の主張を、現代化(modernization)過程とは、社会主義
や多文化主義でもなく、自由民主主義(liberal democracy)と市場
主義経済こそが可能な唯一の選択肢とまとめており、要は現代化=
世界全域のアメリカ化という主張。
そして、アフガン報復攻撃後、アメリカの動向と対立しつつある最
近のEUとの世界政策上での争点を検討。
争点は、複数の国民国家の地域共同体であるEUが目指す国際機関
と国際法重視の路線(malutilateralizum)と、単一の国民国家とし
て覇権の維持を図る米国単独路線(unilateralizum)の対立にあるが、
経済・貿易・政治においてEUは米国の支えを不可欠とし、特に軍
事的安全保障面でのEUの圧倒的対米依存という点で、EUの主張
は実際的には無理であり、米国単独路線を支持すべしという(かな
り高飛車な)論調。

フクヤマの「歴史の終わり」とは、米国の現状=自由民主主義+市
場主義経済の絶対化と、その(軍事力行使を根幹とする)世界化と
いう米国政策と一致し、それを歴史的政治的に合理化したもの。
つまり、それが米国の体制派知識人フクヤマに期待された課題でも
あったのだろう(そう考えると、この本が米国内でも日本国内でも
“鳴り物入り”で紹介された理由も納得できる)。

今回の論文も、米国の意向に不満を示すEUに向けた説得工作(学
術論文の体裁を採ったある種の恫喝)の一環とも推測される。
21暇人のつくった:02/09/13 03:24
長ったらしいドクトリンというところだろ。
22世界@名無史さん:02/09/14 03:36
>>18
>また、あれがアルカイダの反抗だとしても、アメリカやアメリカ人にそれを避難する資格があるでしょうか

被害の当事者だし、非難する資格はあると思うよ。
どんな理由があろうとも、無差別テロは憎むべきだよ。
きみの意見は危険だし、まともな運動家への侮辱だよ。
親米、反米関係なく世界中の多くの運動家は、無差別テロを非難するだろう。
23世界@名無史さん:02/09/15 19:46
可愛そうって感情だけでものを測るのは女子供でたくさんだよ
ヒドイと思ったなら俺を殴り倒してでも止めりゃいいだろ
24おい:02/09/16 06:29
どうしたんだ?
25ひどい!:02/09/16 06:31
バシッ!ボコ!バキ!
26世界@名無史さん:02/09/16 22:40
18の意見に全面的に賛成だな。
日本でも本音のろころでは、そう思っている人々は多いはずだよ。
正義だのグローバルスタンダードだのといったとことで、所詮はアメリカ一国の正義であり基準にすぎない。
ほんとのところは、アラブ社会をはじめ世界中が迷惑しているのだ。
もちろん、アルカイダの暴力的なやり方には感心しないが、それ以上にアメリカの犠牲者だけをことさらに追悼することを世界に強制する姿勢には政治的な意図を感じる。
アフガン空爆での死者や、イスラエルにより虐殺されたパレスチナ人などは数に入らないかのようだ。
だから、漏れも今回の事件での死者を簡単に悼む気にはなれないな。
27世界@名無史さん:02/09/16 23:20
たしかに無差別テロは憎むべきだが、
世界最大のテロ支援国家はメリケンだろ!
CIAはてめえらの活動の全容を公表してみろってんだ。
28世界@名無史さん:02/09/17 05:10
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「おのれ電波狸め! またわしの野望をうち崩しよって」

ブッシュが電波狸さんのカキコにお怒りのようです。
29世界に君臨するキング:02/09/17 05:27
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おまえらパーか?
反抗期のリア厨か?

軍国主義から解放されて、いまおまえらが2ちゃんができるだけの言論の自由を与えてくださったのはだれですか?
アメリカ様だろ?
共産主義のソ連の脅威とまともに戦えた唯一の国はどこですか?
アメリカ様だろ?
日本が戦前以上の繁栄を手にしたのはだれのおかげですか?
アメリカ様だろ?

探せばたしかにアメリカの罪もあるが、功績はそれ以上に大きい。
世界史上を見ても、アメリカほど理性のある軍事超大国はないぞ。
少なくとも、過去に存在した軍事大国の中でいちばんマシだったのはたしかだ。
たいていの国は軍事力を独占したら、自己神聖と自己肯定に暴走し、かぎりなく傲慢になってちょっとした批判でも裁判なしに殺されたり、収容所送りにされるぜ。
ちったー歴史を学べよ、リア厨ども。
「マッカーサーさまありがとう」って、毎日感謝して寝ろ。
おねしょすんなよ。
30世界@名無史さん:02/09/17 05:42
民主主義も市場経済もテクノロジーの進歩で距離が縮まったからこそ可能と
なった。
だから宇宙開発が進んで、人類の生存圏の端から端まで移動に1年かかるとか
なったら、近代以前の多様な社会に逆戻り。
31世界史@無学:02/09/17 05:47
>>30
しかし、それがアメリカのおかげってんなら反対だ!
32世界@名無史さん :02/09/17 06:11
>>20
>今回の論文も、米国の意向に不満を示すEUに向けた説得工作(学
>術論文の体裁を採ったある種の恫喝)の一環とも推測される。

電波狸さん、政治家の言葉じゃあるまいし、
なんの権力もない一学者の意見を恫喝というのは悪意に読み過ぎじゃないですか?
前スレの11のようにリベラリズムの勝利をアメリカの勝利というのは親米のイデオロギーにとらわれているけど、
電波狸さんや他のフクヤマ批判者はぎゃくに反米のイデオロギーのとらわれているような気がする。
電波狸さんも唯物史観の限界を認めているのなら、それを補完するものとして、
フクヤマの上部構造論はくみ取るに値するものだと思うけど。
名誉欲や勝利にたいする情念は歴史を動かしてきた要素だし、それはやっぱり下部構造論では説明できないでしょ?

多くの資本主義社会の仕事中毒者は、贅沢をするためではなく(金を使うヒマもない)、
高収入取得者としての名誉を満たすために働いているというのは鋭い指摘だと思うけど。
プロテスタントだって、贅沢が目的で商売を始めたんじゃないんでしょ?
天職に専念して、富を蓄積することが名誉につながるからでしょ。

>>26
イスラエルの虐殺と、アメリカの責任はいちおう別にして考えるべきだよ。
たしかに戦後、パレスチナ問題にイスラエルよりに加担したのは
アメリカのベトナム戦争並みのチョンボだと思うよ。
でも、その責任を感じるからこそ、懸命に中東和平交渉にアメリカは臨んでいるんだし、
アメリカ以外に仲介できるだけのリーダシップを持つ国も存在しない。

そもそも、パレスチナ問題はイギリスの三枚舌外交に端を発するものだし。
マックスウェーバー真に受けているのは誰だ?
あれも所詮観念論だよ。経済動かすのは信仰もあろうがやはり欲望だよ。
この点ではやはり同じ観念論でも唯物論に一日の長があるな。
ウェーバーの功績はモデル論の中身ではなく手法にあるのだよ。
類型区分や理念型までだな。具体論や個別論となると政治論
以外は説得力あまりないね。
神道信者は贅沢が目的で商売始めたよ。この辺を儒教かなんか言っていた
のではなかったかな?勘違いだよね。
 
要は単に信仰が世俗的になったかどうかだと思うよ。日本なんか大昔から世俗的。
34世界@名無史さん:02/09/17 14:18
いやいや、贅沢目的だけがすべてではないですぞ。
もしそれがすべてなら、ワーカーホリックなんて存在し得ないはず。

そういえば、フクヤマも日本について言及してたような気がするな。
なんかその日本論が、訳者の渡辺昇一はたいそうお気に入りだったような。

フクヤマは日本の武士が、
支配階級でありながらも倹約を旨としていたことにたいして
なんらかの労働倫理を見ていたような。
もう覚えてねーや。
まあ、国別の文化論なんてあてになんねーよな。
35世界@名無史さん:02/09/17 16:21
>電波狸さん、政治家の言葉じゃあるまいし、
>なんの権力もない一学者の意見を恫喝というのは悪意に読み過ぎじゃないですか?
フクヤマはアメリカの対外政策の決定を行うお役人の一人だったことのある人だ
から一概に、「学者」というのは言い過ぎ。どちらかというと「政治家」に近い
かも。
36はあ:02/09/17 16:40
歴史をマクロに見た場合、政治が民主化してきた傾向があるのは事実。
でも、それが必然的方向性なんだと主張するとしたら、
もっと早く民主主義が支配的にならなかった理由も説明できないと、
史観としては成り立たない。
37世界@名無史さん:02/09/17 17:07
http://www.guardian.co.uk/comment/story/0,3604,567258,00.html

"I see no lack of US will to prevail"だってさ。何舞い上がってるんだか。

ちなみに、「歴史の終わり」論の商売上のライバルは「文明の衝突」論で、どちらも
アメリカの国策がらみなんです。フクヤマ自身は、最近の情勢で衝突論が勢いにのる
のを恐れているようですね。ただ別に鳩派というわけでもなくアメリカの覇権の無慈
悲な行使の正当化というのは相変わらずです。

しかし、まるでアジ演説のような調子には参るわ。

38世界@名無史さん:02/09/17 17:14
>>36
富を持っている人間が権力を握る。民主主義が成り立つぐらい富が
行き渡ったのが近代に入ってからだから。
39世界@名無史さん:02/09/17 17:30
歴史観に関して一言言わせていただくと、「史観」を一つの歴史研究上の
作業仮説として考える立場と、自己の史観を持って「歴史を動かす根本的
原因を発見した」とする立場の二つがありますな。

「作業仮説としての史観」は、まあ必要だとは思います。と言うか研究に
不可欠ですね。ただ、これは経験的事実と歴史観にずれが生じたら直ちに
自己の史観を放棄する勇気が必要になります。

反対に、「歴史を動かす根本的原因を発見した」と称する史観には代表的な
ものとして(当人が認めるかどうか別にして)唯物史観やヘーゲル歴史哲学
その亜流のフクヤマ理論などがあります。この辺の理論は、人間の認識能力
の有限さと「歴史の根本的原因」の橋渡しをするためにしばしば「弁証法」
というカラクリを持ち出すことになります。
40世界@名無史さん:02/09/17 18:12
「民族は混ざりあっけいくか?」議論してるわけね?
41コギャルとH:02/09/17 18:12
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42なるほど:02/09/18 01:37
>>38
つまり結局は経済決定論というわけだな。
43世界@名無史さん:02/09/18 04:50
もっと、インドの歴史観とかマヤの歴史観(時間は後ろへ流れる)も語ろうぜー
44電波狸:02/09/19 02:46
>>32
確かに、ここでの「恫喝」という表現は不適切。ただし、前掲論文でフク
ヤマが随所に引用しているRobert Kaganは保守派の論客であり、ラムズフ
エルド(国務長官)のブレーンでもある。フクヤマの議論にしても、現政府
の意向(米国の単独行動主義unilateralism)を支持立場からものであるの
はハッキリしている。

>反米のイデオロギーのとらわれているような気がする。
個人的には、現在の米国の軍事的な絶対優位性を背景とした単独行動主義
には反対。寧ろ強いて云えばEUの国際組織(国連など)や国際法という
枠組みでの対応が穏当かと。またイスラム社会やアジア社会の住民の大半
とも相互理解可能な方針でもあろう(彼らの過半は反テロであると同時に
米国単独行動主義による抑圧への反発という点での反米という立場)。
また米国単独主義の資本のグローバル化は、日本も含めた先進国の国民に
とっても企業社会の再編によるリストラ・業務負担増大、産業空洞化など
のマイナス要因を間接的に強要されている。
以上の点からも、現在の米国の世界政策(軍事・政治・経済)には批判的
立場に立たざるおえない。
45電波狸:02/09/19 03:17
>>32
>フクヤマの上部構造論
そうした言い方がそもそも妥当か?
土台ー上部構造はマルクス主義の範疇で、(別にマルクス主義が独
占権をもつわけではないが)反(非)マルクス主義の立場に立つ人
々は、普通こうした範疇は使わない(というより使用を避ける)。

>名誉欲や勝利にたいする情念は歴史を動かしてきた要素
名誉とは、一般に政治権力がその構成員を統治するための政治的・
社会的価値配分の一形態。何を名誉と考えるかは個人の判断ではな
く、一般にその時代の政治権力の性格によって規定されている。
そして「名誉欲」も「勝利に対する情念」も、その政治権力がある
目的(政治的・軍事的など)遂行のために、個人や集団の行動を調
達・動員する際に、命令や説得とならぶ一つの手段となる。
この意味で、名誉欲などを直接的動機とする行動も、それは(一定
の経済制度の上に立つ)政治権力構造という枠内での事柄にすぎない。
つまり、「名誉欲」が「歴史を動かしてきた」という言明も、政治権
力や統治構造の在り方を媒介としなければ、無内容な規定となる。
46電波狸:02/09/19 04:17
(45つづき)
>多くの資本主義社会の仕事中毒者は(中略)高収入取得者としての名誉
>を満たすために働いている
一定以上の管理職などには「名誉」=昇進を目指しての仕事専心という面
もあるかもしれないが、本質的にはいかなる仕事=労働であっても、それ
が労働者にとっての自己実現(自己の能力の発揮)という面を(歪んだか
たちではあれ)もつからであろう(逆に高収入が保障されても人は労働抜
きの消費一辺倒の生活には耐えられず、道徳的な退廃へと帰着しよう)。
しかし、現在の一般の労働者の環境は、そうした出世(名誉の獲得を目指
す)競争どころか、常にリストラの脅威にされされる生存競争へと転化し
ている現状である。そうした凄惨な現状を無視して、競争一般を顕揚し、
ヨリ過激な競争の激化こそ望ましいとする議論は、支配層の意向にほかな
らないが、これを代弁して尤もらしい論理で正当化する論陣を張るのが体
制派知識人(=イデオローグ)の役割であり、それがマスコミ・ジャーナ
リズムを通じて勤労者たちに撒布され、結果として彼らはそれを(自己の
置かれた立場と矛盾するにも拘わらず)受容していくことになる。

こうした点に関して、マルクスは「その時代の支配的思想は常に支配階級
の思想である」という指摘と、その理由として支配階級が(文筆業など)
精神労働に携わる者たちの大半を掌握している点を挙げている。
支配階級が、階級支配を維持するためには、政治権力=国家権力の掌握だ
けでなく、常に多くの知識人たちをプールしておき、問題の性質により適
宜使い分けて言論活動を行わせ、一般勤労者たちに支配層の価値観を浸透
させ、彼らを体制の枠内に精神的に馴致させて置くことも必須の課題であ
る。
こうした点は、前掲のフクヤマ以下の体制イデオローグと政治権力との関
係や彼らの言論活動の動向についても当て嵌まる事柄であろう。
47世界@名無史さん:02/09/19 05:52
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/nybomb/tero/tokusyu/02.html
ここのサイトをたまたま見つけたんだが、ここでのインタビューでは、

>(1月のブッシュ大統領の)一般教書演説で
>「悪の枢軸」という表現を使ったのは米政府の不注意だ。
>事前に理解を得るべきだった。

と、アメリカ政府を批判しているよ。 

>◆米国の軍事的優位はしばらく揺るがない。だがマイナスとばかりは言えない。
>米国は、軍事力があるゆえにリスクを伴うことも率先して引き受け、他国は恩恵を受けた。

とも言っているが、これはまだ公平で中立な意見だといえるよ。

>ユニラテラリズムを批判する人たちは理解しなくてはならない。
>集団的自衛権を守るために難しい状況でも、
>実際に行動する国によって、世界の秩序は支えられている。

この言葉はフクヤマの現実認識を示していると思うよ。
現実的な武力がないと、テロは抑止できないよ。
テロ撲滅のために、いちばん努力しているのはアメリカだし、
日本を含む他国がなにを努力してるのさ?
文句言ってるだけじゃん。
48vc:02/09/19 05:55
49世界@名無史さん:02/09/19 06:16
フクヤマは人間の本性(human nature)を重視してんじゃないか?
マルクスは人間の生物学的側面を無視して、極端な社会・文化決定論だと思う。
50世界@名無史さん:02/09/19 07:37
>現在の一般の労働者の環境は、そうした出世(名誉の獲得を目指
>す)競争どころか、常にリストラの脅威にされされる生存競争へと転化し
>ている現状である。そうした凄惨な現状を無視して、競争一般を顕揚し、
>ヨリ過激な競争の激化こそ望ましいとする議論は、支配層の意向にほかな
>らないが、これを代弁して尤もらしい論理で正当化する論陣を張るのが体
>制派知識人(=イデオローグ)の役割であり、それがマスコミ・ジャーナ
>リズムを通じて勤労者たちに撒布され、結果として彼らはそれを(自己の
>置かれた立場と矛盾するにも拘わらず)受容していくことになる。


頭がくらくらしてきた
ところであなたは自分で働いてご飯を食べていますか?
51世界@名無史さん:02/09/19 08:50
>>50
まあ、そういう生硬な言葉を使わないでもいいとおもうが、マルクスっ
ぽい分析をすると電波狸氏の言い方になるね。

でも、御用知識人という存在はよく知られているんだけど。
実際に存在するし。
52世界@名無史さん:02/09/19 08:59
>>36
>もっと早く民主主義が支配的にならなかった理由も説明できないと、
>史観としては成り立たない。

「自由・平等・博愛」の理念にたいして、
「規律・秩序・忠誠」の理念も大きな魅力を持っていたから。
磨滅するのに時間がかかるほど、人類の優越願望が大きかったんだよ。

>>42
>つまり結局は経済決定論というわけだな。

とりあえず、フクヤマ史観ではちがうよ。
53世界@名無史さん:02/09/19 11:10
体制派知識人→強者→競争擁護
反体制派知識人→弱者→競争反対

これ基本ね

54世界@名無史さん:02/09/19 11:34
小室だよ…
55世界@名無史さん:02/09/19 12:30
>もっと早く民主主義が支配的にならなかった理由も説明できないと、
>史観としては成り立たない

「民主主義」というとあまりにも漠然としすぎているので、
近代的な大衆民主主義と考えてみましょう。

その意味での民主主義は「自立した個人」というフィクションなしには
成立し得ないのは明らかです。また、個人が共同体に埋没しているよう
な社会では「自立した個人」などありえません。

で、個人を共同体(例、農耕などに関係する村落共同体など)から
引き剥がすにはなにが必要かというと、産業革命をバックにした商
品経済が共同体に浸透することです。そのことによって共同体を
崩壊します。つまり民主主義の成立は産業革命と商品経済の展開を
またざるを得なかったこれは、マルクス的な言い方をすると本源的蓄積の
時期と重なります。
56世界@名無史さん:02/09/19 12:31
まあ、説明原理としては、そういう上のようなマルクス的な説明の方が「人類の優越願望」
などというわけの判らないものをもち出すのよりは、はるかに優れています。
57 :02/09/19 12:40
とてもそうはおもえない。
「優れてます」ってあんたがそう思いこんでるだけじゃん。
58世界@名無史さん:02/09/19 12:43
>>57

そういってくれるな、キリスト教徒に「神の証明」を求めるようなものだよ?
59世界@名無史さん:02/09/19 12:44
>>57
57自体が、「あんたがそう思いこんでるだけじゃん」という
事です。
60世界@名無史さん:02/09/19 12:46
>>58
僕はちなみにマルクス主義者じゃありません。
ただ、「仮説」としてどちらが優れているかとい
話をしただけ。
61世界@名無史さん:02/09/19 12:53
>>47
結局、フクヤマは「ユニラテラリズム」自体は否定していないよ。
むしろ他国にそれを認めることを強要しているね。

ただ、ブッシュのプレゼンテーションの方法が下手だといっているだけ。
(それは、無教養なアメリカの一般大衆のナルシズムに水準を合わせて
他国を考慮していないからね。)
62 :02/09/19 13:04
どう優れてるかを書かずに「優れてます」とだけ言われてもなあ。
63世界@名無史さん:02/09/19 13:11
>>62
あ、55と56が続いてるのが判らなかったのね。
64世界@名無史さん:02/09/19 14:12
>>49
>フクヤマは人間の本性(human nature)を重視してんじゃないか?
>マルクスは人間の生物学的側面を無視して、極端な社会・文化決定論だと思う。

同意。
マルクス主義はあまりにも、心理学的要素を雑に扱いすぎている。
これはフロイトも批判してたと思うよ。

>>46
電波狸さん、今どきマルクスよりも、フクヤマの言説のほうがまだ信用できるよ。
65世界@名無史さん:02/09/19 14:20
フロイトもマルクスも近代的な意味での「人間の本性」という
ドグマに風穴を開けた存在なんだと思うけど。
勿論、方法や立場は違うけど。
66世界@名無史さん:02/09/19 14:27
>>55
>つまり民主主義の成立は産業革命と商品経済の展開を
>またざるを得なかったこれは、マルクス的な言い方をすると本源的蓄積の
>時期と重なります。

それは下部構造性からの一方的な意見だよ。
民主主義の成立は、産業革命よりも、宗教改革やルネッサンスの人文主義のほうが重要。
商品経済の展開はあくまで、人文主義の結果だよ。上部構造の意見からするとね。

>>56
>まあ、説明原理としては、そういう上のようなマルクス的な説明の方が「人類の優越願望」
>などというわけの判らないものをもち出すのよりは、はるかに優れています。

優越願望ってそんなわけ分からない?
おれは解りやすい言葉だと思ったけどな。
きみに名誉欲はないの? 一度も競争心を持ったことないの?
ライバルに負けたくないという感情。それが優越願望だよ。
(アメリカのユニラテラリズムにたいしてみんなが反発を覚えるのも、
アメリカに対する優越願望(嫉妬感)が働くからだよ。
この場合は、まだ対等願望か…)
67世界@名無史さん:02/09/19 14:41
>優越願望ってそんなわけ分からない?
そういういかにもヘーゲルの「精神現象学」からパクリした。
みたいな胡散臭いものを持ち出さなくてもいいとおもうが。

>おれは解りやすい言葉だと思ったけどな。
>きみに名誉欲はないの? 一度も競争心を持ったことないの?
それが「優越願望」が歴史の根本的動因であると言うことの
論証なの?かなりの飛躍だね。

優越願望批判については、まず
>>45
に答えたほうがいいと思うな。
68世界@名無史さん:02/09/19 14:45
>民主主義の成立は、産業革命よりも、宗教改革やルネッサンスの人文主義のほうが重要。
>商品経済の展開はあくまで、人文主義の結果だよ。上部構造の意見からするとね。
別にそんなもん人文主義が成熟してきた歴史的条件を「下部構造」からいくらでも
理屈付けはできると思うけど。無限に続く因果関係をどこで切り取って説明する
かの違いに過ぎない。
69世界@名無史さん:02/09/19 14:56
>>66
あと、完璧に批判のポイントを間違えているけど
>>55は共同体に埋没していた個人が、たとえフィクションであれ
市民と呼ばれる存在、自立した個人になるために
共同体の崩壊と市民社会の成立が必要だ。
という話なんだが。
70世界@名無史さん:02/09/19 15:13
フランシス・フクヤマ著、渡辺昇一『歴史の終わり』(三笠書房1992年)
http://plaza7.mbn.or.jp/~memo/memo/the%20end%20of%20history.htm

このサイトのページにフクヤマの「歴史の終わりと最後の人間」の内容が要約されてたよ。
71世界@名無史さん:02/09/19 15:19
>>70
オオ、サンキュ
>http://www.ets.uidaho.edu/mickelsen/texts/Kojeve%20-%20Dialectic%20of%20the%20real.htm
ちなみにここからリンクをたどると「精神現象学」が唯で読めます。
7267,71:02/09/19 15:26
<70
ざっと読んだけど、フクヤマとアメリカの軍事政策の関係に
あまりふれていないね。僕が以前に紹介したガーディアンの
"West has won"の方がアジ演説みたいで濃こゆいですね。
73世界@名無史さん:02/09/19 15:42
>>67
>優越願望批判については、まず
>>45
>に答えたほうがいいと思うな。

電波狸さんの態度は紳士的だけど、ちょっと論理はアレな人だよ。
さすがにあれほど俗流マルクス丸出しな批判に答える気はないよ。
おれがここで言う前に、電波狸さんは世の中に腐るほど出版されている
マルクス主義批判の本を読んだほうがいいと思うよ。

>>68
>理屈付けはできると思うけど。無限に続く因果関係をどこで切り取って説明する
>かの違いに過ぎない。

まあ、最後は「卵が先かニワトリが先か」になるかも知れないけど、
経済が、第一次・第二次産業をこえて、
高度資本主義段階・第三次産業(サービス業)中心社会に入ってなお発展し続けること自体、
経済の本質が精神性だと言うことを示していると思う。
経済はただ人間の生存欲求を満たすためのみのものではないということだよ。
74世界@名無史さん:02/09/19 15:43
>>69
>あと、完璧に批判のポイントを間違えているけど
>>55は共同体に埋没していた個人が、たとえフィクションであれ
>市民と呼ばれる存在、自立した個人になるために
>共同体の崩壊と市民社会の成立が必要だ。
>という話なんだが。

いや、完璧に的確に答えたつもりだよ。
自立した個人になるためには、共同体の権威を克服する必要がある。
共同体の権威(たとえば、ヨーロッパのキリスト教)を克服したときのみ、
個人の自立は達成されるのだから。
権威に服従する卑屈な心があるのは、個人の自分自身に対する優越願望(自尊心)が充分に発達してないから。

中世の優越願望は、貴族や武士が独占していた。
75世界@名無史さん:02/09/19 15:48
フクヤマは、ローマ帝国の全盛期に生きていれば、ローマこそ歴史の
終わりといっただろう。
あるいは、アッバース朝や漢朝の全盛期に生まれたら、それぞれの
文明が最良で最終的な形態だと言ったはず。
76世界@名無史さん:02/09/19 15:53
>>73
一回正面からぶつかってみれば良いのに。
お手並み拝見だな。あとはフクヤマ体系の
なかでフクヤマの説明をしているだけで
新味はないね。
>>75
事実、ヘーゲルはナポレオンを「世界精神」って持ち上げたり
同時代的には政治的には滑稽な人だったらしいよ。
それの亜流だからね。「文明の衝突論」と勝手にライバル意識もってれ
ばいいと思う。
77世界@名無史さん:02/09/19 15:57
>共同体の権威(たとえば、ヨーロッパのキリスト教)を克服したときのみ、
>個人の自立は達成されるのだから。
生産手段が共同体所有のとき如何にして共同体の権威を否定できるのか謎。
まだ、マルクスみたいに共同体が商品経済の浸透によって崩壊してゆく様
を具体的に描いたほうがリアルだね。(CF、「資本論」第1巻の初めのほう)
くどいようだが、僕個人はマルクスはあまり好きじゃないが。
78世界@名無史さん:02/09/19 22:05
>現在の一般の労働者の環境は、そうした出世(名誉の獲得を目指
>す)競争どころか、常にリストラの脅威にされされる生存競争へと転化し
>ている現状である。そうした凄惨な現状を無視して、競争一般を顕揚し、
>ヨリ過激な競争の激化こそ望ましいとする議論は、支配層の意向にほかな
>らないが、これを代弁して尤もらしい論理で正当化する論陣を張るのが体
>制派知識人(=イデオローグ)の役割であり、それがマスコミ・ジャーナ
>リズムを通じて勤労者たちに撒布され、結果として彼らはそれを(自己の
>置かれた立場と矛盾するにも拘わらず)受容していくことになる。
79おいらも:02/09/20 04:16
76に同意だな。73は明らかに逃げているな。議論なのに、他人の
褌でもながめてくれ、では、褌をちゃんとはいている狸の方が
まだ行儀が良いぞ。ちゃんと褌はけよな。
そもそも論理自体としては唯物論の方が緻密だろ。実証性はアレだけどな。
フクヤマの理論は雑すぎるのだよ。妥当性以前の問題だよ。
80電波狸:02/09/21 00:58
>>52
>「自由・平等・博愛」の理念にたいして、
>「規律・秩序・忠誠」の理念も大きな魅力を持っていたから。
前レスでも「自由・平等・博愛」=自由民主主義、「規律・秩序・忠誠
」=全体主義という二項対立的な関係を想定することが疑問。
社会において、自由は規律と無縁ではなく(無制限な自由は制限=規律化
される)、平等もそれが実効性をもつには秩序を必要とし、博愛(諸個人
間の友愛)も社会への献身(忠誠)と不可分な関係にある(自由民主主義
国のアメリカで、9.11以降殊更に“国家への忠誠 ”が強調されていたこと
は周知の事実)。
つまりこれらの諸理念は必ずしも対立項ではないから、両者をそれぞれ対
等・優越願望の内容とするのは本来的に不適切であろう。
81電波狸:02/09/21 01:00
>>55・56
民主主義成立についての妥当な説明(別にマルクス主義と関係なく、
世界史の常識に属する事柄)と考えます。

>>66
>きみに名誉欲はないの? 一度も競争心を持ったことないの?
>ライバルに負けたくないという感情。それが優越願望だよ。
あなたの“優越願望”なる範疇の使用を見ていると、歴史事象の説
明原理というより、現在の過剰な競争社会という環境下で成長して
きた個人の自己意識の表出という気がします。フクヤマ(或いはそ
のもとネタであるニーチェ)のこうした範疇が、たまたまあなた自
身のそうした自己意識と共鳴作用を及ぼしたものではないかと………。

現在の個人は、あらゆる社会(=人間)関係を競争関係としてのみ
捉え、そこにおいて常に勝者であることを義務づけられており、そ
うした結果生じて来る他者優越的=人間疎外的な自己意識をもつこ
と自体が、現在の資本主義社会(=過剰な競争社会)が個人に及ぼ
す病理の一端をよく示しているとも云える。
82世界@名無史さん:02/09/21 01:39
>現在の一般の労働者の環境は、そうした出世(名誉の獲得を目指
>す)競争どころか、常にリストラの脅威にされされる生存競争へと転化し
>ている現状である。そうした凄惨な現状を無視して、競争一般を顕揚し、
>ヨリ過激な競争の激化こそ望ましいとする議論は、支配層の意向にほかな
>らないが、これを代弁して尤もらしい論理で正当化する論陣を張るのが体
>制派知識人(=イデオローグ)の役割であり、それがマスコミ・ジャーナ
>リズムを通じて勤労者たちに撒布され、結果として彼らはそれを(自己の
>置かれた立場と矛盾するにも拘わらず)受容していくことになる。


頭がくらくらしてきた
ところであなたは自分で働いてご飯を食べていますか?
83世界@名無史さん:02/09/21 05:30
>>72
>ざっと読んだけど、フクヤマとアメリカの軍事政策の関係に
>あまりふれていないね。

「歴史の終わりと最後の人間」では、
フクヤマはアメリカの軍事政策についてほとんど触れてないよ。
あくまでリベラル民主主義の勝利を説いた本であって、
アメリカの覇権主義を説いた本じゃないから。
84世界@名無史さん:02/09/21 05:38
>>75
>フクヤマは、ローマ帝国の全盛期に生きていれば、ローマこそ歴史の
>終わりといっただろう。

これは歴史学者がよく犯しがちなまちがい。
ローマ時代と現代では社会科学の発達の度合いがぜんぜんちがう。
とくに1960年〜70年代は、学生運動とシンクロして、
躁状態とも言えるほど思想書が出版された。
しかし、あれほど膨大な議論がなされたのに、
けっきょくリベラル民主主義を超えるイデオロギーは発見できなかった。
リベラルな民主主義が破壊、あるいは止揚できないと言うことは、
当時の団塊の世代が腹の底から実感として味合わされただろう。
85世界@名無史さん:02/09/21 05:42
>>76
>新味はないね。

しかし、新味がないと言えば、唯物史観のほうが新味がないと思うが。
86世界@名無史さん:02/09/21 05:52
>>77
>生産手段が共同体所有のとき如何にして共同体の権威を否定できるのか謎。

「生産手段の共同体所有」と「共同体の権威」は関係ないから。

>>79
>73は明らかに逃げているな。議論なのに、他人の
>褌でもながめてくれ、では、褌をちゃんとはいている狸の方が
>まだ行儀が良いぞ。ちゃんと褌はけよな。

しかし、>>78みたいな文章、
どこからつっこんでいいのかもはやワカランじゃないか。

>そもそも論理自体としては唯物論の方が緻密だろ。実証性はアレだけどな。

緻密でもまちがってたら、やっぱり科学として意味ないよ。
唯物史観は緻密と言うより、ノストラダムスの大予言のようにこじつけてるだけだよ。

>フクヤマの理論は雑すぎるのだよ。妥当性以前の問題だよ。

上部構造論だからしょうがない。
上部構造性は数値化することもできないし、傾向性としてしか取り扱えない。
しかしマルクスより、はるかに真理を穿っているし、未来予測も正確。
87vc:02/09/21 05:54
88世界@名無史さん:02/09/21 06:01
>>80
>社会において、自由は規律と無縁ではなく(無制限な自由は制限=規律化
>される)、平等もそれが実効性をもつには秩序を必要とし、博愛(諸個人
>間の友愛)も社会への献身(忠誠)と不可分な関係にある

いえす。そのとおり。
だからこそ、「規律・秩序・忠誠」は全体主義や、権威主義国家の正当化に利用されやすかった。
簡単に分離できるのなら、これほどまで強力なリベラル民主主義のライバルになるわけないでしょ?

>つまりこれらの諸理念は必ずしも対立項ではないから、両者をそれぞれ対
>等・優越願望の内容とするのは本来的に不適切であろう。

要するに度合いだよ。
自由>規律、平等>秩序、博愛>忠誠ならリベラルな民主主義になる。
自由<規律、平等<秩序、博愛<忠誠なら権威・全体主義になる。

べつに「全か無か」というわけではないよ。
89世界@名無史さん:02/09/21 06:12
>>81
>現在の資本主義社会(=過剰な競争社会)が個人に及ぼ
>す病理の一端をよく示しているとも云える。

いやだから、優越願望(競争心)は資本主義社会特有のものじゃないよ。
そう頭から思いこんでるところがちょっとアレだと思うんだよね。
むかし民青の人がまったく同じこと言ってたんだよな。

>>70の要約にもあるように、「理性・欲望・気概」はギリシャ時代のソクラテス(プラトン?)が説いたもの。
フクヤマも「最初の人間」に優越願望があったから貴族と奴隷に別れたと説いている。

少なくとも競争意識が、資本主義特有のものだと見なす電波狸には根拠がないよ。
90世界@名無史さん:02/09/21 07:34
>少なくとも競争意識が、資本主義特有のものだと見なす電波狸には根拠がないよ。

個人に競争意識があることと、それを歴史の根本的な動因あるいは
基本的な説明原理とすることはまったく別問題だということを理解
すべき。

個人に競争意識があることを何回繰り返しても意味はない。

また、一般的抽象的な競争意識が、いつの時代にも同じ形で存在した
と考えるのは不自然で、それぞれの時代でその発現のありさまは違って
いただろうね。
91世界@名無史さん:02/09/21 07:40
>しかしマルクスより、はるかに真理を穿っているし、未来予測も正確。
未来予測はあと数十年立たないと決着はつかないと思いますが。

高々フクヤマ理論て発表から10年ちょいでしょ。
10年ちょっとメッキがはげない程度は自慢にもならないと思いますが。
(ほんとははげてるけど)
それに9.11以降、ちょっと慌てて「文明の衝突論」者に弁解ばかりし
てるし。(参照gurdian収録"The West has won"他)

マルクスも1867年あたりから勘定するとリアリティは数十年はあって
支持者が増えていったわけでしょ。(ここに事件ではポカやってると
きもあるが)
92世界@名無史さん:02/09/21 08:02
>>86
「生産手段の共同体所有」と「共同体の権威」は関係ないから。

>>89
フクヤマも「最初の人間」に優越願望があったから貴族と奴隷に別れたと説いている。

同じ人が書いてるのだと思うけど、質問です。
86については経済史とかまともにやったことありますか。
(やった上で批判的なのはかまいませんが)
たとえ大塚久雄程度でも良いので踏まえて議論してますか。

89については「貴族」というのは大変抽象的な漠然とした言い方ですが
ヨーロッパのある種の貴族ならその発生についてはゲルマン的な制度からある程度説明
できると思いますし、そこで別に「優越原理」の助けは不可欠ではありません。むしろ土地所有
の形態の方が重要だと思いました。
93世界@名無史さん:02/09/21 08:06
>フクヤマも「最初の人間」に優越願望があったから貴族と奴隷に別れたと説いている。
まあ、もちょろんこれはあの有名な「主人と奴隷」(ヘーゲル)のパクリかもしれないのですが。
それならあまり、文字どおりの「歴史」とは言いにくい。だってヘーゲルの思弁だもん
94世界@名無史さん:02/09/21 09:00
>>90
>個人に競争意識があることと、それを歴史の根本的な動因あるいは
>基本的な説明原理とすることはまったく別問題だということを理解
>すべき。

ん?
いっしょだよ?
そりゃ、共同幻想と自己幻想性の違いを自覚することは大事だけど、
自己幻想の優越願望はしばしば共同幻想に委託される。
たとえば、ワールドカップなんかそのいい例。
個人個人が国家の名誉をかけて熱狂している。

こんな例は歴史上無数に上げることができる。
アメリカ独立戦争は「なめんな、本国!」というアメリカ移民の優越願望が引き起こしたし、
フランス革命は、「なめんな、国王!」という市民の優越願望が引き起こしたし、
第二次大戦は「なめんな、フランス! なめんな、異民族!」というドイツ国民の優越願望が引き起こした。
太平洋戦争なんてとくにそれが如実だよ。
まさに、「なめんな、アメ公!!」という日本人のペリー以来のルサンチマンが爆発したんだ。
これ以上明確に歴史を動かしてきた動因がほかにある?

君らがブッシュを批判するのも「調子に乗るなよ、アメリカ!」という反感があるからでしょ?
金の問題じゃないよ。感情(気概)だよ。

>また、一般的抽象的な競争意識が、いつの時代にも同じ形で存在した
>と考えるのは不自然で、それぞれの時代でその発現のありさまは違って
>いただろうね。

いや、そりゃ、時代によって変化はあっただろうけど、
どの時代にも気概や競争意識はあるよ。
うんなもん、気概のない時代っていつだよ?
具体的に時代を上げてくれよ。
95世界@名無史さん:02/09/21 09:01
>>91
>未来予測はあと数十年立たないと決着はつかないと思いますが。

たしかにそうだけど、冷戦の終結でほぼついたと言っても過言じゃないよ。
いずれにせよさらに歴史が進めば、民主国家の数は増えていく。
この傾向性はくつがえしようがないと思うよ。

いずれにせよ、ニーチェとマルクスがダメだったらもうダメだって。
これを超える反リベラリズムはもう世界に存在しないんだから。
きみがマルクス・ニーチェ以上のイデオロギーを発見したって言うんなら、
フクヤマがまちがってたことになるかも知れないけど、
もしそうなら2ちゃんやってるばあいじゃないよ。
さっさとその思想書を世に出しなさい。
そしたらきみは世界史の教科書に載れるよ。
ぼくはきみの弟子になって、一生尊敬するよ。
96世界@名無史さん:02/09/21 09:02


>>92
>86については経済史とかまともにやったことありますか。
>(やった上で批判的なのはかまいませんが)

ぼくは思想史が専門だったから、経済史は専門にはやっていない。
でも資本論ぐらいは読んでるよ。もう忘れたとこもあるけど。

>ヨーロッパのある種の貴族ならその発生についてはゲルマン的な制度からある程度説明
>できると思います

権威(とくに宗教的なもの)は上部構造性に属するんだから、下部構造で説明できるはずがない。
もしできると思ってるんなら、きみがそう思いこんでるだけだよ。
ためしに説明してごらん。すぐ矛盾点を見つけてあげるから。

金銭によって人を束縛することはできるけど、それはべつに権威(尊敬)じゃないよ。
債権者がむしろ、拝金主義者として軽蔑されているばあいのほうが多い。
債務者(奴隷)が経済的に自立できたら、すぐくつがえされるものだ。(革命期の前支配者が権威を喪失したように)
権威(尊敬)は、経済とはべつの部分に存在している。天皇の権威とか、典型的にそうだよ。

それは本質的にはリベラル民主主義の普及によってしかくつがえすことができない。
それによって奴隷は自立心を持ち、権威を否定し始めるんだ。
97世界@名無史さん:02/09/21 09:40
>>95
別に個々人の表層の意識の算術的総和が歴史を動かすという
ことは証明されていないわけですね。

で、19世紀の知識人(ニーチェやマルクス)が意識した問題点と
別の問題を現代が抱えていても何の不思議もない、というより自然。
19世紀の知識人限界を説いて現状の「永遠性」に摩り替えている気が
します。

将来、現状のシステムが立ちゆかなくなくってくれば、それを意識化して
なんらかの本を書く人は出てくるでしょうね。その可能性をあなたは
「弁証法」という詐術を使わずには否定できていないし。
98世界@名無史さん:02/09/21 09:45
要は19世紀の知識人が何を考えていたかと、21世紀の世界システムとは
別のものなんですね。(勿論、歴史的な関連は認めるとしても)
まぁ、唯物論者なら19世紀の知識人(主観)と21世紀の世界システム(客観)の
意図的(「弁証法的」)な混同というのでしょうか。
99即アポコギャル:02/09/21 09:45
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100世界@名無史さん:02/09/21 09:45
>>95
イスラム思想から天才があらわれたら?
まだまだ歴史はどう転ぶかなんてわかんないよ。
101世界@名無史さん:02/09/21 09:50
>ぼくは思想史が専門だったから、経済史は専門にはやっていない。
>でも資本論ぐらいは読んでるよ。もう忘れたとこもあるけど。
資本論を読んだとしたら、あの糞くだらない「弁証法」的な修辞とりカードの
二番煎じ的労働価値説は、脇によけてもマルクス自身による歴史的事象
にたいするコメントとかは読みましたよね。
そうすると、唯物史観を提起するにあたって、すくなくともマルクスは個々の
歴史について該博な知識を蓄積してそれをうらずけにしているというのは
判りますよね。

ところが、あなたの「図式」にはそれが感じられないわけですよ。
102世界@名無史さん:02/09/21 10:00
>>94

これは多分フクヤマですらここまでひどくはないと思われる
水準ですね。

それじゃ「歴史の説明原理」としてはあまり優れていない
ことを自分から示してるだけだと思いますが。
103世界@名無史さん:02/09/21 10:55
>94
全て近代以降の事じゃん。これだけが根拠なら近代〜現代の国家と国民の関係以上の説明
にはならないのよ。
104世界@名無史さん:02/09/21 14:09
>>未来予測はあと数十年立たないと決着はつかないと思いますが。
>たしかにそうだけど、冷戦の終結でほぼついたと言っても過言じゃないよ。
>いずれにせよさらに歴史が進めば、民主国家の数は増えていく。
>この傾向性はくつがえしようがないと思うよ。

こういう乱暴な言説に対して、75は、

>フクヤマは、ローマ帝国の全盛期に生きていれば、ローマこそ歴史の
>終わりといっただろう。

と言ったんだと思うけどなぁ。
105世界@名無史さん:02/09/21 14:37
>94
>これ以上明確に歴史を動かしてきた動因がほかにある?
優越願望(ルサンチマン)戦争原因説も、まったく否定するわけじゃ
ないけど、じゃあなぜ、フセインは「ファッキンメリケン!」といって
アメリカと戦争しない?韓国/北朝鮮は「なめんな日本!」と言って
日本に侵攻してこない? なぜ太平洋戦争は、1941年を待たねば
いかんかった?全ての戦争は優越願望が引き起こすのか?なら、
アメリカの世界大戦参戦には、どのような優越願望があったんだ?
106世界@名無史さん:02/09/21 16:23
>>101
>ところが、あなたの「図式」にはそれが感じられないわけですよ。

あくまでマクロ的な歴史観を語ってるから。

>>103
>全て近代以降の事じゃん。これだけが根拠なら近代〜現代の国家と国民の関係以上の説明
>にはならないのよ。

いや、べつにあげなかっただけで、史上すべての戦争は優越願望が動因。
少なくとも兵士は命を賭けるだけのなにかしらの気概を持っていた。
107世界@名無史さん:02/09/21 16:23
>>105
>フセインは「ファッキンメリケン!」といってアメリカと戦争しない?

勝てないと湾岸戦争で思い知らされたから。
魂の三分説(理性・欲望・気概)ってちゃんと理解してる?
いま現在は理性>気概なんだよ。
しかし、米軍の侵攻があれば戦うんじゃない? すくなくとも戦う前から降伏はしてない。
あと、アルカイダは勝てないともわかっていても、アメリカに喧嘩をふっかけたけどね。

>韓国/北朝鮮は「なめんな日本!」と言って日本に侵攻してこない?

日本は両国にたいしてなんの挑発も行っていないから。

>なぜ太平洋戦争は、1941年を待たねばいかんかった?

理性が気概をそのときまで抑えていたから。
しかし、限界が来て理性が吹っ飛んだのが、1941年。
国力40対1の状態で戦争に踏み切らせた理由は、気概以外に説明できない。

>アメリカの世界大戦参戦には、どのような優越願望があったんだ?

「なめんな、ジャップ!」

しかし、もともと民主主義国家というのは、権威主義国家に比べて優越願望が少ない。
少なくとも戦争に命を賭ける気がない。(理性>気概となっている。逆に言えば、優越願望より、対等願望が発達してると言える)
だからルーズベルトはパールハーバーまで待たねばならなかった。
45年付近で厭戦気分も限界に達していたから、日本に原爆を投下した。
108世界@名無史さん:02/09/21 16:38
>>107
まさに原理も何もない後付けの理屈だね。

ところでフクヤマ自身の関連する部分を引用しておこう。
そのほうが議論の出発点としてはっきりしていいと思う。
>The desire for recognition, and the accompanying emotions of anger,
>shame, and pride, are parts of the human personality critical to political life.
>According to Hegel, they are what drives the whole historical process.
"the end of history"

日本語訳を持っていないのは、申し訳ない。
109世界@名無史さん:02/09/21 16:42
>>106
>あくまでマクロ的な歴史観を語ってるから。
というか、失礼だけどあまりに歴史上の事実の認識が雑だとおもう。
はっきりいってマクロにしか語れない、ということだと思う。
先に「図式」があるから、それに合わない事実は切り捨てるしかない。

110世界@名無史さん:02/09/21 16:56
>>107
優越原理だけでは足りなくなって今度は別の原理(三分説)を持ち
出してきましたね。なんか、もともと無理のある天動説で惑星の運動
を説明するために無理やり変な仮説(周点円軌道)を持ち出してくるのに
似てるね。

太平洋戦争は、アメリカの当該地域での利権獲得の動きがWWI以降継続して
いてその結果あのタイミングで起きたって事でしょ。
ウイルソン自体が「日本の勢力の排除とアメリカの利権」については結構
証拠を残していますし。アメリカの利権に反したので日本は追い詰められた
のでしょ。
111世界@名無史さん:02/09/21 17:10
>もともと民主主義国家というのは、権威主義国家に比べて優越願望が少ない。
じゃあアメリカは民主主義国じゃないね。ほかっておこうと思ったがちょっと捨て置けんな。
アメリカほど優越願望に満ちた社会はないよ。また、いったん
自己の優越というナルシズムが傷つけられると凶暴化する国も
少ない。(そういう国の常識の理論化がフクヤマ理論だし)
無辜の民を平然と空襲で殺したり、「大量破壊兵器」(核兵器)
を人間相手(しかも一般市民)に使用した国はない。
112世界@名無史さん:02/09/21 17:13
>>97
>19世紀の知識人限界を説いて現状の「永遠性」に摩り替えている気が
>します。

19世紀知識人の限界と言うより、20,21世紀の反リベラル知識人の限界。
けっきょくマルクスとニーチェを100年かかっても超えられないところが、
現在の反リベラリズムの限界を露呈している。

>将来、現状のシステムが立ちゆかなくなくってくれば、それを意識化して
>なんらかの本を書く人は出てくるでしょうね。その可能性をあなたは
>「弁証法」という詐術を使わずには否定できていないし。

「複数政党制を維持し、秘密の定期的な普通選挙を行う政治体制」が究極の政治体制って何度も書いてるでしょ?
現在のシステムがたちゆかなくなると言うことはない。
だからそんな本は出てこないよ。
そんな本は書けないし、書く必要性がもはやないんだよ。
113世界@名無史さん:02/09/21 17:19
>「複数政党制を維持し、秘密の定期的な普通選挙を行う政治体制」
制度「だけ」を言ってるの?
それとのそういうシステムが機能不全に陥ることはありえない
「永遠だ」と断言してるの?

制度「だけ」が維持されても、みんなの意思に反して機能しなく
なることは危険としてはありえるよ。

>だからそんな本は出てこないよ。
未来永劫でないとまでは「論理的には」だんげんできないとおもうけど。

114世界@名無史さん:02/09/21 17:26
ワイマール共和国を見るまでもなく「よくできた民主主義的な制度」も
機能不全になってしまうことはありうる。条件次第では。(それを願ってい
るわけではないが。)

また、政治的な意志決定なんてあまり意味がなくなって、多国籍企業の
取締役会の決定のほうが国民の生活に大きな影響力をもつという未来だって
沢山ある内の可能性としてはありえる。そんなときに形式的に「複数政党」
という事に皆があまり興味を持たなくなる可能性はある。
115世界@名無史さん:02/09/21 17:35
>>109
>というか、失礼だけどあまりに歴史上の事実の認識が雑だとおもう。
>はっきりいってマクロにしか語れない、ということだと思う。
>先に「図式」があるから、それに合わない事実は切り捨てるしかない。

ミクロ的な領域まで踏み込む意義を感じないからだよ。
そんなの個々人がやればいいだろ?
フクヤマ史観は本質論だから、どんな歴史にも通用するよ。
なんならなんか具体的にミクロ的な話を降ってごらん。
それに合わせて話をして上げるよ。
116世界@名無史さん:02/09/21 17:35
>>110
>優越原理だけでは足りなくなって今度は別の原理(三分説)を持ち
>出してきましたね。

ん?
>>70の要約を見てないの?
さいしょっからフクヤマの議論には魂の三分説が大きな影響を与えているんだよ。

>太平洋戦争は、アメリカの当該地域での利権獲得の動きがWWI以降継続して
>いてその結果あのタイミングで起きたって事でしょ。
>ウイルソン自体が「日本の勢力の排除とアメリカの利権」については結構
>証拠を残していますし。アメリカの利権に反したので日本は追い詰められた
>のでしょ。

当時の世界情勢をまるで理解していない。
もう先進諸国は植民地支配にたいして魅力を感じていない。
ほしいのは自由な門戸だけ。
首脳部がどれだけ日本を叩きたがっていても、パールハーバーまでアメリカ国民の世論は反戦だった。
中国の利権のために、自分の息子を戦争に送る気なんかはさらさらなかった。
アメリカが日本を追いつめたとはよく右翼が使う論法だが、
アメリカが日本を挑発する以上に、日本は世界中を挑発していた。

もうすでに国際連盟から脱退して、国際的孤立を深めていたことを忘れないように。

>>111
偏見。ただの反米イデオロギーのとらわれてるだけ。
社会科学的に公正な意見ではない。
アメリカがどの軍事大国よりも国際世論の支持を受けていることを忘れている。
117世界@名無史さん:02/09/21 17:36
なら共同体の話を完結させれば。
118世界@名無史さん:02/09/21 17:37
>さいしょっからフクヤマの議論には魂の三分説が大きな影響を与えているんだよ。
知ってるよフクヤマが言及してるのは、でも単一の原理で説明できない
という事実は変わらない。
119世界@名無史さん:02/09/21 18:05
>>116
ま、別に当時の日本の軍部の弁護をしようとは思わないので
念のため。

>当時の世界情勢をまるで理解していない。
アメリカと日本が中国の利権を巡って対立してゆく構図とか、
アメリカ政府が第一次大戦の頃から日本を仮想敵国としていたとか
言う事実を知らないの? これは驚いた。

少なくともハルノートを突きつけた時点でアメリカは戦争になる
事は予定のうちでしょ。

アメリカ国民を凶暴化させるのに真珠湾が決定的な役割を果たしたのは
間違いない、優越感を傷つけられると凶暴化したんだね。

また、日本の真珠湾攻撃を聞いて喜んだのをチャーチルは認めているし
これはルーズベルトの本心でもあったと思うよ。
120世界@名無史さん:02/09/21 18:07
ただ、話を戻すと、個人の競争意識の存在と
歴史の根本的動因としての優越原理の区別が
ついていない点が解決していないね。
121世界@名無史さん:02/09/21 18:26
>>113
>未来永劫でないとまでは「論理的には」だんげんできないとおもうけど。

弁証法的に言えば、無意味な仮定。まさに科学ではなく空想の部類。


>>114
>ワイマール共和国を見るまでもなく「よくできた民主主義的な制度」も
>機能不全になってしまうことはありうる。条件次第では。(それを願ってい
>るわけではないが。)

現代のドイツ連邦は、なんの問題なく機能している。
ワイマール共和国の話を持ち出すのは、歴史の段階説を理解してない証拠。

>そんなときに形式的に「複数政党」
>という事に皆があまり興味を持たなくなる可能性はある。

どれほど企業が力を持とうが、企業間の利害調節機構としての国家はなくならない。

>>117
>なら共同体の話を完結させれば。

だからもっと具体的に言ってくれ。
なんの共同体の話をするんだ?
122世界@名無史さん:02/09/21 18:26
>>118
>知ってるよフクヤマが言及してるのは、でも単一の原理で説明できない
>という事実は変わらない。

いやだから、フクヤマの特権性は、
「理性・欲望・気概」の中で、歴史を動かす動因は気概であることを強調した点にある。
そして、その気概を優越願望と対等願望にわけたんだよ。

>>119
>少なくともハルノートを突きつけた時点でアメリカは戦争になる
>事は予定のうちでしょ。

ハルノートを突きつけられても、パールハーバーを奇襲しなければ、
アメリカは参戦できなかっただろう。
そもそも、ハルノートを突きつけられた日本が悪い。
いくらでも優越願望に理性を吹き飛ばさなければ、まだいくらでも対処のしようはあった。

>また、日本の真珠湾攻撃を聞いて喜んだのをチャーチルは認めているし
>これはルーズベルトの本心でもあったと思うよ。

ルーズベルトの本心だろうが、アメリカ国民の本心ではないよ。

>>120
>ただ、話を戻すと、個人の競争意識の存在と
>歴史の根本的動因としての優越原理の区別が
>ついていない点が解決していないね。

ん? ワールドカップの例じゃ、不満かい?
123世界@名無史さん:02/09/21 18:48
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>ルーズベルトの本心だろうが、アメリカ国民の本心ではないよ。
米国国民の本心と、ルーズベルト一人の本心を分けて、それを
判断できるとは、、、

>107
>いま現在は理性>気概なんだよ。
というと、気概>理性になったら、勝てないと分かっていても開戦すると?
第二次大戦の日本は、勝てないとわかっていたけど、
気が違ったので、真珠湾を奇襲したと?
 というか、勝てるなら、理性>気概でも開戦するだろうから、
軍事力(作戦、戦術、新兵器)が歴史を動かしている、という面も
あるのではないか。事実、無敵のアメリカ様はあちこちで、
軍事行動をおこしているしね。

>理性が気概をそのときまで抑えていたから。
これは説明になっていない。では、なぜ、41年に理性>気概から
理性<気概になったのか?

>「なめんな、ジャップ!」
世界大戦、と言った。当然第一次第二次とあるわけだけど。
じゃあ南北戦争では、「なめんな、メリケン」、か?笑い。
125世界@名無史さん:02/09/21 18:50
吉田康彦(埼玉大学教授)のこれまでの主張

わけても、横田めぐみさんという新潟の十三歳の少女の失そう事件は、韓国に亡命した
北の工作員がピョンヤンで聞いたという伝聞に基づくものであり、しかもその亡命工作員が
特定されておらず、韓国安企部の情報操作に躍らされたというのが実態である。

http://www.korea-htr.com/jp/821830/jp82406kg.html

と言っていたのが今になって

私の許には電話、メール等で、「拉致を“否定“してきたお前は言論に責任をとれ」
とか「謝罪せよ」とかの怒りと抗議が多数寄せられていますが、私はこれまで一度も
拉致を“否定”したことはありません。もし拉致を否定した私の論文、言説、その他
証拠をお持ちでしたら、お示しください。

http://www3.ocn.ne.jp/~yy-dprk/
126世界@名無史さん:02/09/21 19:00
>>122あてね。

>いやだから、フクヤマの特権性は、
>「理性・欲望・気概」の中で、歴史を動かす動因は気概であることを強調した点にある。
正確にはこうでしょ。
>a desiring part, a reasoning part, and a part that he called thymos,
>or "spiritedness." Much of human behaviour can be explained as a combination of the first two parts, desire
>and reason

>>107が典型だけど、
二つのファクターを用意しておいて、片方が都合が悪くなると「いや、あの時は別の
ファクターの方が力があったんだ」みたいな言い方をすればなんでも説明はつくね。
無意味だけど。


ま、それはそれとして、
>An understanding of the importance of the desire for recognition as the motor of
>history allows us to reinterpret many phenomena that are otherwise seemingly familiar
>to us, such as culture, religion, work, nationalism, and war.
承認に向けての欲求が歴史に原動力といってるわけで、これを論証していただかないと。

引用は全てthe end of historyね。
127世界@名無史さん:02/09/21 19:03
>>124
>米国国民の本心と、ルーズベルト一人の本心を分けて、それを
>判断できるとは、、、

ん?
ルーズベルトはたしか、戦争に介入しないと言う公約をかかげて大統領に当選したんじゃないの?
少なくとも国民はそれを支持したんだろ?
ルーズベルトだって最初は戦争を回避したかっただろうさ。
でもイギリス・フランスのドイツ宥和政策の失敗を見て、気が変わったんだろ。

>気が違ったので、真珠湾を奇襲したと?

そうだよ。それともあの当時の日本を冷静だったとでも言うのかい?

>事実、無敵のアメリカ様はあちこちで、
>軍事行動をおこしているしね。

でも、民主国家相手には軍事行動を起こしていないよ。

>これは説明になっていない。では、なぜ、41年に理性>気概から
>理性<気概になったのか?

本質論だからこれ以上遡行はできない。
どれだけ議論をつくしても、結局はそうなったからそうなったとしか言いようがない。
中国戦で勝ち続けたから調子に乗ったんだろ。

>じゃあ南北戦争では、「なめんな、メリケン」、か?笑い。

なめんな南部。
なめんな北部。
128世界@名無史さん:02/09/21 19:09
て言うか南北戦争って南の綿貿易と北の工業化の対立が
根底にあったって普通に中学の教科書に書いてありまし
たが。
129世界@名無史さん:02/09/21 20:57
だけど武力衝突した理由はちがうよ。
実際に戦場に赴いた兵士が
「南の綿貿易と北の工業化の対立」のために命を捨てると思う?
130世界@名無史さん:02/09/21 21:01
>>129
戦場での兵士のモラールの話?
131世界@名無史さん:02/09/21 21:10
>>126
>>>107が典型だけど、
>二つのファクターを用意しておいて、片方が都合が悪くなると「いや、あの時は別の
>ファクターの方が力があったんだ」みたいな言い方をすればなんでも説明はつくね。
>無意味だけど。

さまざまな要素が対立、あるいは調和して進展していくのが弁証法。
これを無意味とよべば、ほとんどの科学的理論が無意味になる。
132世界@名無史さん:02/09/21 21:13
>>130
>戦場での兵士のモラールの話?

士気の話。
133世界@名無史さん:02/09/21 21:21
>>132
morale=士気ね。
134世界@名無史さん:02/09/21 21:23
うーん、「弁証法」は趣味に合わんな。特に亜流のやつは。
135世界@名無史さん:02/09/21 21:40
>>事実、無敵のアメリカ様はあちこちで、
>>軍事行動をおこしているしね。
>でも、民主国家相手には軍事行動を起こしていないよ。
だから? 強大なXX主義国家がXX主義以外の国家を
弾圧するなら、その間はXX主義が栄えるだろうな、ってだけ。
アメリカは民主主義以外の体制に偏見があると思うのだが。

敵国人の非人間化は宣伝戦の基本だけど、それを、
「優越願望」から説明すると問題があったりしないか?
(優越願望が戦争の原因というなら)
 たとえば、南北戦争で、北軍が「なめんな、南部」という
世論を欲してそのように宣伝し、成功したばあい、
そのことが原因なわけがないのでは?

なお、太平洋戦争当時の日本首脳部が冷静だったかは
知らないが、全く勝ち目のない戦いに自殺しにいくと決定
するくらい気が違っていた思わない。すくなくとも勝ち目が
あって開戦に踏み切っていた、とみている。状況分析が
正しかったかどうかは別の話であるが。
136世界@名無史さん:02/09/21 21:46
大筋では賛成。
>なお、太平洋戦争当時の日本首脳部が冷静だったかは
>知らないが、全く勝ち目のない戦いに自殺しにいくと決定
>するくらい気が違っていた思わない。すくなくとも勝ち目が
>あって開戦に踏み切っていた、とみている。状況分析が
>正しかったかどうかは別の話であるが。
えっと太平洋戦争の開戦を決意するにあたっては当時の
企画院総裁鈴木貞一氏の「このままでは国力が消耗して
さきざきで抵抗する余力などない」という趣旨の発言が
大きかったそうです。経済封鎖を受けてましたからね。
137つーか:02/09/22 02:18
そもそも歴史という変化過程を説明するのに、
不変の人間性を持ち出すのが意味不明なんだが。
138世界@名無史さん:02/09/22 02:28
人間の本性や普遍特性を無視した社会科学がおかしいと思うが。
139あれ:02/09/22 03:54
まだやってんだ。民主主義はだな、移民国家や入植地を正当化するイデオロギーだよ。
そういった典型的な国ほど拘っているよ。
140世界@名無史さん:02/09/22 08:27
>>135
>だから? 強大なXX主義国家がXX主義以外の国家を
>弾圧するなら、その間はXX主義が栄えるだろうな、ってだけ。

だから、こんな仮定は無意味。
どうしてアメリカがこれほどまでに強大になったのかという問いが完全に抜けている。
軍事力だけで世界のリーダーになることができると思うかい?
アメリカが世界大戦と冷戦に勝利したのは、アメリカのかかげる民主主義が敵国のイデオロギーよりも魅力的だったからだ。
だから国際世論の支持を受けて、これほど強大な影響力を持ったんだよ。
強大な軍事力は原因じゃなくて、あくまで結果だよ。

>アメリカは民主主義以外の体制に偏見があると思うのだが。

アメリカはあくまでファシズム国家とのみと戦っている。
フクヤマの言葉を借りれば、「歴史世界」と戦っている。
それはファシズム国家が唯我独尊を振りかざし、
他国を性懲りもなく侵略したり、
世界には理解されない原理主義的な主張をかかげ、無差別テロをくり返したりするからだ。
アメリカをはじめとした民主主義国家は、そんな唯我独尊ぶりを憎み、軽蔑する。
あくまでもアメリカがタリバンや、湾岸戦争時のイラクを攻撃したのは、
それらの国々が国際的な平等を無視し、傲慢な振る舞いをとったからだ。
民主主義陣営の戦争は、優越願望と言うより、正確に言えば対等願望によって発動される。
民主主義国家は相手に服従を求めているのではない。
あくまでも対等なつきあいを望んでいるのだから。
タリバンやイラクが、エゴイスティックなイデオロギーを捨て去れば、
アメリカは彼らを友人として受け入れるだろう。
アメリカが、ドイツや日本やロシアの敵対国を、戦後、友人として受け入れたように。
アメリカはすでにそれだけの度量があることを歴史的に示している。
141世界@名無史さん:02/09/22 08:28
>>135
> たとえば、南北戦争で、北軍が「なめんな、南部」という
>世論を欲してそのように宣伝し、成功したばあい、
>そのことが原因なわけがないのでは?

ん? 申し訳ないが質問の意図が分からない。

>すくなくとも勝ち目があって開戦に踏み切っていた、とみている。

当時のまともな識者は、みなアメリカと戦っても勝てないと思っていたはず。
もちろん奇跡に近い確率でいいのなら勝算はあっただろう。
しかし、そんな奇跡的な確率に賭けること自体が、冷静なことと言えただろうか?
少なくとも一国家がすべき判断ではなかったと思うが。
三国干渉では臥薪嘗胆で耐えることができた。
しかし、ハル・ノートには耐えることができなかった。
ここに数十年のうちに変わってしまった日本の肥大した優越願望がある。

そして、戦争末期には「一億玉砕」という言葉すら出てきた。
もちろん最後には降伏して、この一億玉砕は達成されなかったが、
こんな言葉が出てくること自体、
ぬぐうことのできない狂気を日本が抱えていたことを証明している。
142世界@名無史さん:02/09/23 08:20
>>141

貧弱な結論だけどまあそれはいいとして。

その結論を「帝国国策遂行要綱」みたいな当時の意思決定の
基本文書に則してもう少し詳しく展開してもらえますか。
あと小磯内閣の成立あたりの事情も説明して欲しい。


>だから国際世論の支持を受けて、これほど強大な影響力を持ったんだよ。
>強大な軍事力は原因じゃなくて、あくまで結果だよ。

そうだよね。
たとえば中国には国内の少数民族への血なまぐさい武力弾圧を黙認する変
わりにアメリカによるイラク攻撃を支持しろと取引したりして形成され
る「国際世論」ですね。

でも、イラク攻撃に関してはさほど「国際世論の支持」がないのは面白いね。
143世界@名無史さん:02/09/23 08:38
>>140

>民主主義陣営の戦争は、優越願望と言うより、正確に言えば対等願望によって発動される。
>民主主義国家は相手に服従を求めているのではない。

もう、そこまで行くと完全なアメリカニズムの宣伝としか
思えないのだけどフクヤマの結論を無批判に受け入れると
そこまでもってかれてしまうの?
それとももともとアメリカが好きでそれでフクヤマに賛同し
たの?
144世界@名無史さん:02/09/23 10:49
>>135
>たとえば、南北戦争で、北軍が「なめんな、南部」という
>世論を欲してそのように宣伝し、成功したばあい、
>そのことが原因なわけがないのでは?
そうだね。

少なくともこのスレでは「優越願望」では、「戦場での兵士の士気」く
らいしか説明できていないものね。
その「士気」にしたって戦争では意図的に相手への憎悪をあおるっての
はよくあるよね。とくにアメリカ人は煽られやすいし。

戦争って無秩序な暴力の爆発じゃなくって、国家予算を編成したり、
軍隊という組織を運営したりする秩序だった力の行使だからね。
打算や経済的利害関係を抜きの説明は難しいね。
少なくとも「優越願望」(と、その詐術が破綻したときの
言い訳の「対等願望」)にだけ頼って説明するのないみねーな。
145世界@名無史さん :02/09/23 16:14
>>94
>アメリカ独立戦争は「なめんな、本国!」というアメリカ移民の優越願望が引き起こしたし、
>フランス革命は、「なめんな、国王!」という市民の優越願望が引き起こしたし、
>第二次大戦は「なめんな、フランス! なめんな、異民族!」というドイツ国民の優越願望が引き起こした。
>太平洋戦争なんてとくにそれが如実だよ。
>まさに、「なめんな、アメ公!!」という日本人のペリー以来のルサンチマンが爆発したんだ。
>これ以上明確に歴史を動かしてきた動因がほかにある?

上のレスを見る限り、高校生以下の世界史の知識だと思われる。
少なくとも、大学受験では落第となるだろう。
ほんとうに大学出たのか? 
それともネタなのだろうか?
何かネタ臭く思われてくたのだが。
146世界@名無史さん:02/09/23 17:22
>>142
>その結論を「帝国国策遂行要綱」みたいな当時の意思決定の
>基本文書に則してもう少し詳しく展開してもらえますか。
>あと小磯内閣の成立あたりの事情も説明して欲しい。

細かいことは日本史板で聞いたほうがいいよ。
そっちには専門家もいるだろうし。
あくまでここでぼくが指摘しているのは、太平洋戦争期の日本の狂気は、
下部構造性では説明するよりも上部構造性で説明したほうがはるかに説得力があると言うこと。
細かく調べれば調べるほど、下部構造性では説明できないことにぶち当たると思うよ。

>でも、イラク攻撃に関してはさほど「国際世論の支持」がないのは面白いね。

いえす。
イラク攻撃には、イギリス以外のすべての国が反対した。
ここにリベラル民主主義が健全に世界に浸透していっている明確な証拠を見ることができる。
いま現在ブッシュ・ジュニアが行っている一国優先主義は、
あきらかに民主主義の平等主義(対等願望)に反している。
だから世界世論がそれに同調しないのは当たり前。
あまりに簡単に予想できることだ。

一国優先主義は本来のリベラル民主主義国家の姿ではない。
だからブッシュ(はっきり言って、こいつはアメリカ大統領の器ではない。こいつに世界のキングを名乗る資格も能力もない)が大統領をやめれば、国際協調主義に戻るよ。
これは歴史の必然という名の「予言」だよ。
この予言は必ず当たるから、見ててごらん。
147世界@名無史さん:02/09/23 17:24
>>143
>もう、そこまで行くと完全なアメリカニズムの宣伝としか
>思えないのだけどフクヤマの結論を無批判に受け入れると
>そこまでもってかれてしまうの?

リベラル民主主義とはあくまでイデオロギーの名であって、国名ではないよ。
ただ、ぼくは世界史上初の共和制民主主義国家であるアメリカを尊敬している。
征服民を奴隷化しようとしたナチや旧日本の占領政策と、アメリカのそれとはまったく異質なものだったと言うことは、
社会科学的事実として認めなくてはいけない。
また、アメリカがいなかったら、ソ連の脅威に世界が支配されて、
歴史の発展が何百年遅れたか分からない。

現在の一国優先主義は、本来の民主主義国家の姿ではないと言ったが、
土壇場でブッシュは、イラク問題について国連との協調を強調し始めた。
これは、ぎりぎりのところで、アメリカは国際世論に気を配る理性を失ってはいないという明確な証拠になるだろう。
いま現在のブッシュはバカだが、アメリカは偉大だよ。
ブッシュの一国優先主義や即時イラク攻撃は、アメリカ国内でも大きく批判を受けているのだから。
アメリカは史上もっともましな超大国だし、その国内の自己浄化能力はじゅうぶんに信用できる。
これも社会科学的な事実だ。

「歴史の終わりと最後の人間」で展開されたフクヤマの理論は、
アメリカの歴史的意義を正当に評価する上でも役に立つし、
アメリカを批判する上でも役に立つと言うこと。
148世界@名無史さん:02/09/23 17:26
>細かいことは日本史板で聞いたほうがいいよ。
>そっちには専門家もいるだろうし

て言うか、「歴史の終わり」論者の説明能力を見たい
わけだからそういう逃げ打たれると困るな。
世界史的観点で説明できるでしょ。
149世界@名無史さん:02/09/23 17:36
>征服民を奴隷化しようとしたナチや旧日本の占領政策と、アメリカのそれとはまったく異質なものだったと言うことは、
>社会科学的事実として認めなくてはいけない。
相対的に「アメリカがまし」程度の議論ならありうると思うよ。
(ほんとはそれほどましじゃないと思うけど)

奴隷つながりで言うと19世紀の中ごろまで「奴隷制」を維持していたのは
アメリカだね。また、戦時の非戦闘員への空爆を当初批判していながら後
に大規模に実行したのもアメリカだね。
150世界@名無史さん:02/09/23 17:41
>下部構造性では説明するよりも上部構造性で説明したほうがはるかに説得力があると言うこと。
>細かく調べれば調べるほど、下部構造性では説明できないことにぶち当たると思うよ。

あと、少し補足すると下部構造とか上部構造見たいな歴史の
モデル化は、マルクス主義とフクヤマ主義者の間で、適当に
議論していて欲しい。
あまり、一般向きじゃないと思う。

151世界@名無史さん:02/09/23 18:05
>>144
>戦争って無秩序な暴力の爆発じゃなくって、国家予算を編成したり、
>軍隊という組織を運営したりする秩序だった力の行使だからね。
>打算や経済的利害関係を抜きの説明は難しいね。

孫子が「百戦百勝最善ならず」と述べているように、
ほんとうに賢いものは戦争などしない。
戦うのは、商人の感覚からすればバカとしか言いようのない武士階級だけ。

とくに第一次大戦以後は戦争のリスクが一気に増加し、
もはや見栄や優越願望で戦いを繰り広げることそのものが、だれの目にもバカらしく映るようになった。
だからイギリス・フランスは最初、ナチスにたいして宥和政策をとった。

しかし、ファシズムは無限に戦線を拡大することでしか自己の正当性を維持できない。
戦闘状態をやめれば、日常の中で、その権威はどうしても揺らいでゆくからだ。
自己の正当性を維持するためには、
無制限に外部に敵を捏造しなくてはいけなかった。
だからいつか国力の限界が来てあぼーんになる。(赤道付近まで戦線を拡大した旧日本軍はそのいい例。戦線を縮小したくても、どうしても国家体質上できない)

逆に言えば、純粋な意味で戦争を効率よく、
計算高く展開できるのは民主主義国家だけ(あくまでも、非民主主義国家としか交戦しないが)。
民主主義はもっとも狂気の少ない国だからだ。
少なくとも一億玉砕などと言う戯言は言い出さない。(交戦中は、命を賭けて戦う以上、どうしても最小限の狂気は必要となるのだが)。
152世界@名無史さん:02/09/23 18:15
>>151
あれー、その部分「南北戦争」の話だったと思うので
南北戦争で「具体的に」説明してもらえませんかな。
153世界@名無史さん:02/09/23 18:30
>>151
あと、その程度のことを言うのに別に「優越原理」なんて必要あり
ませんね。
同じ事を言うならば(正しい間違ってるを別にして)、なるべく
訳のわからない抽象概念を用いないのがよいですね。
154世界@名無史さん:02/09/24 02:18
>>151
>とくに第一次大戦以後は戦争のリスクが一気に増加し、
>もはや見栄や優越願望で戦いを繰り広げることそのものが、だれの目にもバカらしく映るようになった。

第一次大戦って、「見栄」や「優越願望」で起きたのか?
通常はそういう説明では無いはずだけど。ヨーロッパ諸国による世界中での植民地間の獲得競争を背景に、東欧・バルカン地域での汎スラブ主義対汎ゲルマン主義との
衝突が引き金となって、全ヨーロッパを巻き込む戦争になったというのが通説だと思ったけど。
観念的な対立ではなくて、経済的・政治的対立に民族紛争が絡んで起こったという理解が普通なんじゃないかな。

だから、153の意見に同じ。
155世界@名無史さん:02/09/24 02:36
細かい史実を説明できない、という意味では唯物論もフクヤマ史観も
五十歩百歩?将来予測で、国民国家が未来永劫存続すると考えてるの
ところはお気楽?多国籍企業同士の国際競争で利害調整を行っている
のはやっぱ国家か?
156電波狸:02/09/24 02:51
わずかの期間に随分スレが伸びたようで………。
前スレでも何度か述べたが、マルクス主義の土台−上部構造論は、
あくまである過去の社会(歴史的社会構成体)全体を構造的に分
析すると同時に、それが次の段階へと変化する場合の移行過程を
動態的に分析する方法である。従って「上部構造」だけを切断し
て歴史を分析するのは誤り(というかそうした方法は成立しない)。

またマルクスは、歴史をこうした構造的把握とは対蹠的に、さま
ざまな諸観念(神・絶対精神・自己意識・唯一者・人間一般)に
よって説明することを否定した。
優越願望と対等願望による歴史の説明は上記の諸観念による説明
と同じものと云える。
マルクスの時代に比べても、実証的な歴史学の発展により、個々
の歴史時代の政治・法・道徳・宗教・哲学など、その時代の精神
的生産の所産に関する記述は豊富化しており、これらの範疇が無
くとも歴史的説明は成立するわけだから、これらの範疇は本質的
には不要ということになる。
157電波狸:02/09/24 03:53
>>151
>純粋な意味で戦争を効率よく、 計算高く展開できるのは民主主義国家だけ
これは、その通りだが、その理由はなぜかな? あなたの議論だと、
「自由民主主義という理念」がその理由だということになると思うが……………。
一般には、資本主義機構の十全な発達による生産力(鉄鋼・造船以
下)の圧倒性が第一の要因。そして人的・物的資源の集中管理によ
る生産や分配面での効率の良さ、交通・運輸機構の兵站輸送への素
早い転換等々が第二の要因。
その背景には、権威主義国家よりも民主主義国家の方が、戦時にお
いて権力の国家的集中という点で凝集性が高いという特質がある。
民主主義では国策決定に国民の自発的同意が不可欠で、かつ権力機
構が一元的=機能的(WW2の米国)。権威主義国家は国民への強制と
いう契機が強く、また権力機構が多元化=不効率(WW2の日本)。
いずれも、生産力(経済制度)の水準と統治構造の性格が主な要因
であり、自由民主主義という“理念”や国民・兵士の“志気”など
は、これらの要因を基礎に派生してくる問題に過ぎない(これらは
戦争の正当性=正義を喧伝するためのイデオロギー政策やその所産
である)。
>あくまでも、非民主主義国家としか交戦しないが
圧倒的軍事力にも拘わらず敗北した米国のベトナム戦争はどういう
位置づけになるのかな? またWW2以降の仏(東南アジアやアルジェ
リア)・英(エジプトや 中東)なども植民地の独立運動に対して行
った干渉戦争の位置づけ についてもどうかな?
WW2以降の民主主義国家も国益のためなら、戦争は行うということを
示しており、それらも当事者にとっては“正義の戦争”である。特
に米国の場合、中南米は自己の“中庭”であるから、社会主義政権
の存在は、例えそれが合法的に成立しようと構わず打倒工作を行っ
た事例は多くある(チリやニカラグア)。しかも現在アメリカが後
ろ盾となっている中南米国家の政権は、いずれも民主主 義とはほど
遠い権威主義的国家が多い(理由は米国にとってその方が影響力を
行使する上でメリットがあるから)。
158電波狸:02/09/24 04:19
>>155
>将来予測で、国民国家が未来永劫存続すると考えてるの
>ところはお気楽?
国民国家にも翳りが出ており、(未だ実験段階とはいえ)EUのよ
うに国民国家の上位に地域共同体を形成する動向もある。南北格差
の問題や地球環境問題は、国民国家レベルでは処理できない問題で
あり、この点でグローバル化は(米国一極支配だけでない)新たな
国民国家を越える多様な動向(NGO・NPOなど)が生成してきている。
いまや国民国家の枠に執着しているのは、単独行動主義をとる米国
(以下その追随者)少数派となりつつあるのでは。

>多国籍企業同士の国際競争で利害調整を行っている
>のはやっぱ国家か?
その多国籍企業の本国(米国以下の先進資本主義国)であろう。だ
からこれを保護する本国同士の経済摩擦(日米経済戦争)も起こる。
ただし多国籍企業(とその本国)総体にとって、開発途上国は市場
としの意味をもつから、市場開放に閉鎖的な部分は多国籍企業の十
全な活動を保障する体制に改変させる必要があり、それを第一義的
な目的として、現在の米国を中心とする軍事力行使(威嚇)がなさ
れている。この点では、独占企業を核とした古典的帝国主義と形態
は異なるが、多国籍企業を核とした現代帝国主義と云える。
新しい
159電波狸:02/09/24 04:31
158の訂正:
(以下その追随者)少数派となりつつある
 →(以下その追随者)という少数派となりつつある

経済摩擦(日米経済戦争)も起こる。
(挿入)それゆえ先進国蔵相会議やサミットで、こうした多国籍資本の本国
    間での利害調整がなされる(獲物の分け前をめぐるボス交!)
160世界@名無史さん:02/09/24 06:32
>>148
>て言うか、「歴史の終わり」論者の説明能力を見たい
>わけだからそういう逃げ打たれると困るな。
>世界史的観点で説明できるでしょ。

ん?
こっちはマクロ的な歴史哲学・理論が専門だったからな。
いちいち全歴史のミクロ領域までかかずりあっていれないよ。
ミクロ的な領域はその時代・地域の専門家がそれぞれ解析すればいいだろ?
そのために専門家がいるんだから。

説明してあげたくても、
その時代に対するミクロ的な知識がこっちには欠けてる。
もちろん知識さえあれば、心理学的な素養のない歴史学者より
まともな時代解析ができる自信はあるよ。
ただそれにはどうしても時間と労力がかかる。

こっちは、フクヤマの歴史解釈(知識ではなく)を説明してるんだから、
その解釈を理解できれば、きみにだってそれ相応の解釈ができるようになるよ。
あくまでも、このスレでは歴史的知識ではなく、歴史解釈や歴史理論の議論をしてるんだから。
大切なのは知識を「覚える」ことではなく、理論を「理解する」ことだ。

理解してしまえば、ミクロ的な領域は専門家の仕事だよ。
161世界@名無史さん:02/09/24 06:39
>>152
>あれー、その部分「南北戦争」の話だったと思うので
>南北戦争で「具体的に」説明してもらえませんかな。

だから、優越願望vs対等願望の歴史理論で説明できないことが
南北戦争時に起こって、それをきみが指摘できるというのなら、
こっちも真摯に耳を傾けるよ。
ミクロ的な部分で矛盾点を見つけたというのなら、ぜひ聞いてみたい。
162世界@名無史さん:02/09/24 06:52
>>153
>同じ事を言うならば(正しい間違ってるを別にして)、なるべく
>訳のわからない抽象概念を用いないのがよいですね。

こっちはあくまでもフクヤマの用語を使ってるだけだけど、
べつに優越願望という言葉が耳慣れないと言うのなら、
「気概」とか「名誉欲」とか「勝利への情念」とか「自尊心」とか「プライド」という言葉で置き換えてもかまわないよ。

>>154
>観念的な対立ではなくて、経済的・政治的対立に民族紛争が絡んで起こったという理解が普通なんじゃないかな。

だから、その対立が命がけの武力衝突までに至ったのは、
「気概」と言う概念を導入しないと説明できないと言うことだよ。
フクヤマの理論が本質論だと言うことを理解してほしい。

学生のとき、同じ歴史学部の人間が
抽象的な議論や人間本質論にたいしてまったく無知、苦手だったことにおどろいたことがあるけど、
歴史というのはつねに「人間の歴史」と言うことを忘れてるんじゃないのかな?

人間を知らないものが歴史を語ってもトンデモになるだけだよ。
163世界@名無史さん:02/09/24 10:53
>>157
>一般には、資本主義機構の十全な発達による生産力(鉄鋼・造船以
>下)の圧倒性が第一の要因。そして人的・物的資源の集中管理によ
>る生産や分配面での効率の良さ、交通・運輸機構の兵站輸送への素
>早い転換等々が第二の要因。

だから自由民主主義の理念がないと、資本主義は健全に育たないよ。
資本主義というのはイデオロギーだと言うことをよく理解してほしい。

ファシズム国家(サムライ)は戦争を騎士道的なロマンティズムを持った「儀式」だと認識しているが、
民主主義国家(あきんど)は戦争をあくまで「作業」としか考えていない。
だからロマンティズムから自由で、いくらでも理性的な判断ができる。
この戦争観のちがいが、戦略・戦術に根本的な影響を与えているんだよ。

>圧倒的軍事力にも拘わらず敗北した米国のベトナム戦争はどういう
>位置づけになるのかな?

核を持ったアメリカは純軍事的に敗れると言うことはない。
あくまでベトナム撤退は、国際世論の反発と、
戦争への正当性の欠如(自国民に戦争継続を納得させるだけの理由がもはや存在しない)がその本質なんだよ。
正当性への配慮を考えなければ、近代以降の戦争を語れない。

ベトナム介入はアメリカにとってはじめての挫折になった。
本来戦争を嫌う民主国家が、泥沼戦に突入したら、
国内外から総すかんをくらうといういい経験になっただろう。
アメリカすら例外ではないのだ。
アメリカはその負の経験を、最大限に活用している。
だから国際世論の支持のないイラク攻撃を、ぎりぎりで躊躇したのだ。
164世界@名無史さん:02/09/24 10:53
>またWW2以降の仏(東南アジアやアルジェ
>リア)・英(エジプトや 中東)なども植民地の独立運動に対して行
>った干渉戦争の位置づけ についてもどうかな?

だからことごとく撤退したじゃないか。
とくにイギリスの植民地インドが、非暴力・不服従運動によって独立できたのは、
ガンジーの功績が強調されがちだが、
ガンジーの名声に対抗できないことを素直に認めた
リベラル民主国家・イギリスの自己反省能力も大きい。
ファシズム国家は、占領地の非暴力による独立運動など痛痒にも感じやしない。
ガンジーなどお人好しのバカにしか映らないだろう。
165世界@名無史さん:02/09/24 11:05
> ミクロ的な領域はその時代・地域の専門家がそれぞれ解析すればいいだろ?
> そのために専門家がいるんだから。

実証家の反論に対して答えられない理論にどんな意味があるのさ。例えば
電波狸さんが提起している、

> 圧倒的軍事力にも拘わらず敗北した米国のベトナム戦争はどういう
> 位置づけになるのかな? またWW2以降の仏(東南アジアやアルジェ
> リア)・英(エジプトや 中東)なども植民地の独立運動に対して行
> った干渉戦争の位置づけ についてもどうかな?

といった点はどうなのよ。ローマ帝国が崩壊したのは対等願望の勝利?
唐が隋と交代したのは隋がより優越願望を基礎にした国家体制だった
から?ある理論が事実を説明できないときは、理論のほうが変わらなきゃ。
事実を歪めちゃったら戦後の俗流歴史学と同列に堕ちてしまうよ。
166165:02/09/24 11:14
ありゃ、書いてるうちにレスがあったね・・・

結果として撤退したことを説明してもらうより、民主主義国家アメリ
カが開戦を選択した理由を説明して欲しい。植民地独立に対する干渉
戦争もなぜ干渉を行ったかを説明して欲しい。開戦に際して、自由民
主主義を是とするこれらの国家が、その戦争に正統性があると認めた
のはなぜですか。
167世界@名無史さん:02/09/24 13:01
>>160

ん、誰か別の人との問答が続いているみたいだけど

>ん?
>こっちはマクロ的な歴史哲学・理論が専門だったからな。
>いちいち全歴史のミクロ領域までかかずりあっていれないよ。
確か、第2次世界大戦時の日本の意思決定について「優越原理」で
は根拠のない「断言」はできるけど、当時の日本の意志決定プロセス
を踏まえてきちんとした説明ができない、という話であって
「ミクロ」とか「マクロ」という話ではないですね。

南北戦争についてもこちらは、教科書的な通説を語っているに過ぎな
いわけで、「優越原理」でなにか気の利いたことがいえるか拝聴しよう
という立場ですな。
168世界@名無史さん:02/09/24 13:04
>説明してあげたくても、
>その時代に対するミクロ的な知識がこっちには欠けてる。
自説を裏付ける基本的な歴史的知識がないのに「図式」振り回しても
根拠のない「断言」だはするというのでは、
著しく信頼性は低いと思いますね。
169世界@名無史さん:02/09/24 13:07
>>162

>学生のとき、同じ歴史学部の人間が
>抽象的な議論や人間本質論にたいしてまったく無知、苦手だったことにおどろいたことがあるけど、
>歴史というのはつねに「人間の歴史」と言うことを忘れてるんじゃないのかな?

率直に言うと、あなた哲学的議論でもあまり優れているとはいえ
ないようですよ。フクヤマの経由の孫引き、ひ孫引き、玄孫引き
の知識しか今のところ披露できていない気がします。
170世界@名無史さん:02/09/24 13:13
あと、「優越原理」氏(仮にこう呼びますね。)は「電波狸」の提出し
た論理にきちんとした批判を返したほうがいいと思う。というのも
あなたにとって良い「演習問題」になると思うから。
171世界@名無史さん:02/09/24 13:14
>「電波狸」
おっとm、敬称略でごめんなさい。電波狸さん。
172世界@名無史さん:02/09/24 13:57
あと、「優越原理」氏だけど、なんか最近、フクヤマが時事的に発言してい
ることとはずれてきている気がします。このせいかな。(ま、それはかまわないん
だけど。)

世界の現状についての長屋のご隠居さんの政治談義のレベルになってます。
173ロマンティック・フクヤマ:02/09/24 16:06
おっ、そう言えば、コテハンをつけ忘れていた。
とりあえず、このスレのフクヤマ肯定意見はたいていぼくだと思ってくれい。

>>168
たしかに世界史板の人間が、緻密でミクロ的な議論を好むというのは理解できるよ。
緻密さこそが、信憑性だと歴史学者の多くはそう考えるだろうから。
知識を試されるようなミクロ的な質問をされても、
ぼくは知らないと正直に答えるしかない。

しかし、ぼくがここでフクヤマの理論を肯定的に語っているのは、
じゅうぶんにマクロ的な知識でフクヤマの理論は理解できるからなんだよ。
わざわざミクロの話をしなくても、武力外交や俗流マルクス主義では説明できないような、
多くのマクロ的な謎にフクヤマ理論は整合性のある解釈を提供してくれる。
たとえば、

なぜ、究極兵器を持ち、軍事力では最強だったソ連が崩壊したのか?
なぜ、旧日本軍は勝てないと分かっていた対米戦を起こしたのか? また、なぜ敗色が濃厚になっても戦争をやめず、一億特攻という狂想すら語られたのか?
なぜ、慢性的な交戦状態だった英・仏・独が、第二次大戦後、平和共存し、戦争を起こす可能性すらなくなってしまったのか?
なぜ、反米主義者には覇権国家と批判されるアメリカが、軍事的空白地であるカナダ国境に攻め込まないのか?
なぜ、日本では、全共闘運動が破綻して以後、政治運動そのものが盛り上がらなくなったのか?

これらは、知識としては、中学校の教科書にも載っている程度のマクロ的なものだが、
これらの謎に、フクヤマの理論は整合的な解釈を与えてくれる。
174ロマンティック・フクヤマ:02/09/24 16:07
(つづき)
また、歴史的事件だけでなく、

なぜ、人間の根元的な欲求が生命維持にあるのなら、特攻テロなどと言うものが起こるのか?
なぜ、貯金を使うヒマがないほど働くワーカーホリックなどと言うものが起きるのか?
なぜ、オリンピックに出場する選手は、アマ(無収入)にもかかわらず、金メダルの獲得に人生を賭けるのか?

などと言った、ブルジョワ人間観では説明できないような人間本性論についても明確な答えを与えてくれる。
少なくとも、フクヤマ以上にこれらの謎を明快に説明できる歴史理論を展開できなければ、
フクヤマの功績を批判、否定することはできないと思う。

これらの謎に明確に答えられる以上、フクヤマには一定の評価を与えるべきだろう。
175世界@名無史さん:02/09/24 16:41
>たしかに世界史板の人間が、緻密でミクロ的な議論を好むというのは理解できるよ。
>緻密さこそが、信憑性だと歴史学者の多くはそう考えるだろうから。
>知識を試されるようなミクロ的な質問をされても、
>ぼくは知らないと正直に答えるしかない

「ミクロ」とか「マクロ」という話ではないんだな。

事実と遊離した「図式」を外側から持ち込まれても無意味なんがね。
176世界@名無史さん:02/09/24 16:50
>これらの謎に明確に答えられる以上、フクヤマには一定の評価を与えるべきだろう。
ていうかフクヤマ自体がヘーゲルその他のパクリだし。また本来体系的な概念であるはずの
ものを短期的なアメリカの政策の正当化に用いたりかなりいかがわしいと思う。
だから、その辺の事情を知らずにフクヤマを評価する人って「哲学音痴」だとおもう。
だいたい、一つの事件には複数の「断言」が可能でフクヤマ的「断言」だけが
特に優れているわけじゃないんだね。
ま、マーケット的には商売敵の「文明の衝突」論との対決を乗り切るのが先決じゃないの。
177世界@名無史さん:02/09/24 17:01
哲学版にいったほうがいい話題だと思うけど
>なぜ、人間の根元的な欲求が生命維持にあるのなら、特攻テロなどと言うものが起こるのか?
>なぜ、貯金を使うヒマがないほど働くワーカーホリックなどと言うものが起きるのか?
>なぜ、オリンピックに出場する選手は、アマ(無収入)にもかかわらず、金メダルの獲得に人生を賭けるのか?
フランス系の現代思想なら、フクヤマと違う筋でもっともらしい説明があるみたいだよ。
まぁ、世界史的にはそういう「言ったもの勝ち、経験的に検証しようがないもの」に「確定的な断言」には
注意なきゃ成らんわけだけど。
せいぜい、フクヤマは沢山ある内の2流の回答の一つだと思う。
178 :02/09/24 17:25
>>175
>事実と遊離した「図式」を外側から持ち込まれても無意味なんがね。

いや、とりあえず、175で挙げられた謎は社会科学的事実だ。
事実と遊離とは言えない。
フクヤマの意見が一解釈にすぎないとしても、その他の解釈を試みてみる必要はあると思う。
それでこそ、このスレの意義もあるというものだ。
179世界@名無史さん:02/09/24 17:28
>>178
175ってのは間違いでは。なにか他のレスの間違いでしょう。
それと、経験的に決着のつかない問題なら、やはり哲学版の方がいいかも。
180世界@名無史さん:02/09/24 17:32
>>178
あと175は歴史的事件について次々につまみ食い的に「断言」す
るが、根拠を示して後始末をしないロマンティック・フクヤマさんの
話。

だから、正直、フクヤマ自身はもう少しましと思っている、思弁なので
「社会科学」とは言えないし。百歩譲っても歴史ではないけど。
181世界@名無史さん:02/09/24 17:37
>フクヤマの意見が一解釈にすぎないとしても、その他の解釈を試みてみる必要はあると思う。
>それでこそ、このスレの意義もあるというものだ。
それは一般的にここが適切な場所かどうかをのぞけば同意しても良い。
ただし、不都合な事実も説明できる、経験の検証に耐えるというのが
条件で、単にどっかで読んだ「思いつき」を披露するだけでは無意味だろ
うと思う。
182 :02/09/24 17:56
>>177
>フランス系の現代思想なら、フクヤマと違う筋でもっともらしい説明があるみたいだよ。

もしかしてそれはバタイユのポトラッチ(相手に高価な贈り物をし合い、結果的に自分が破産してしまうこともあるというネイティブ・アメリカンあたりの習慣)のことを言ってるのかい?
あれこそ、ポストモダンのダメさ加減(モダンを乗り越えるのではなく、ただ無意味に破壊する)を露骨に表した仮説だよ。
あれこそ、フクヤマの言うとおり、見栄の張り合いじゃないか。
あれは聖なる行為じゃなくて、俗なる行為だよ。
183世界@名無史さん:02/09/24 18:02
>>182

ロジェ=カイオアっていわれないだけましか。
しかし、バタイユとはね。

っていうか「フランス現代思想」ってダメ理論の見本と
してペジョラティヴに名前を引き合いに出したんだけど。
184世界@名無史さん:02/09/24 18:11
>>182
ただし、まあ、「言ったモノがちで、経験的に検証しようがないもの」で
あれば面白いモノのほうが良い、という基準を適用するとバタイユの方
が面白いかも。

ま、そうい言う思弁的な議論をする人を止めはしないけど、僕は遠慮しと
くわ。
第一、それって「社会学的事実」をめぐる論争というより、せいぜい
「社会学的事実」をめぐる論争だし。
185訂正184:02/09/24 18:12
>第一、それって「社会科学的事実」をめぐる論争というより、せいぜい
>「社会学的事実」をめぐる論争だし。
だった。

186 :02/09/24 18:27
>>177
>まぁ、世界史的にはそういう「言ったもの勝ち、経験的に検証しようがないもの」に「確定的な断言」には
>注意なきゃ成らんわけだけど。

そんなこと言ったら、歴史観に対する議論そのものが無意味にならないか?
経験的な事実を確定する歴史学と、歴史哲学がちょっとごっちゃになってると思う。
歴史観はあくまで解釈を述べるものであって、経験的に検証しようがないと言えばどんな歴史観もそうだ。
187世界@名無史さん:02/09/24 18:29
>>186
そりゃ開き直りだって。
そんなこと言ったって、その「歴史観」の方が、大体
歴史の事実を全部説明できるって自己主張してるから
ね。
188世界@名無史さん:02/09/24 18:36
>>186

単なる解釈だって言うと怒る歴史観って結構あるよ。

もちろん、経験的事実と矛盾しない範囲でまた歴史の暫定的な解釈
であればそりゃ認めるけど、そのあとは好き好きの問題になる。

でも、巷の歴史観ってもっと排他的なものが多いよ。
189世界@名無史さん :02/09/24 18:57
>>184
>ま、そうい言う思弁的な議論をする人を止めはしないけど、僕は遠慮しと
>くわ。

まあ、そういわんで、思いつきの歴史観でええからなんか書いてや。
ちょっとした思いつきでも、いっぱい集まれば、そこからなにか建設的な理論が導かれるかもしれんから。
このスレは、歴史観系のスレではけっこうのびてるほうやで。いままで、この手のスレはすぐ消えておったからな。
まあ、ロマンティック・フクヤマさんが、ネタ一生懸命降ってくれるからやろうけど。
しかし、フクヤマつー、いかにも叩かれやすい史観をかかげてよく頑張るわ。
190世界@名無史さん:02/09/24 19:06
>>189

>まあ、ロマンティック・フクヤマさんが、ネタ一生懸命降ってくれるからやろうけど。
>しかし、フクヤマつー、いかにも叩かれやすい史観をかかげてよく頑張るわ。
やっぱネタか、あれは。そうだよね。

まあ、面白いネタがあれば寄せてもらうわ。
「思いつき」「解釈」という事なら気楽でいいわ。
楽しめる人が楽しむのはいいと思う。

ただ、経験的事実に矛盾しないで経験の検証には耐えて欲しいな。
191もう相手にするのよせよ:02/09/24 20:21
ロマンティックフクヤマって、
『沈黙の艦隊』と『歴史の終焉』しか読んだことないみたいだな。
プロファイリングすると、たぶんマンガ好きの高校生で、
今までの人生で読んだ一番むずかしい本が『歴史の終焉』なんだろう。
『歴史の終焉』を「読んだことないだろ」というのが
煽りになると思ってたり、「歴史学部」なんて言ったりするあたり、
大学生以上ではありえない発想だよな。




192世界@名無史さん :02/09/24 23:42
>>191
なんだ、ロマンテイックフクヤマって高坊だったのか。
193 :02/09/25 00:06
社会変動について、
マルクス主義は文化や社会の自律性を前提にしていると思う。
それに対して、フクヤマは、ある社会の成員が自分の社会と他の社会を
比較するという視点を導入したのが一つの特徴ではなかろうか。
たとえば、二つの社会があるとして、そこに軍事力の差があると
劣った軍事力の社会は存在が危うくなるから、社会を変革する要因に
なる、だったかな。
194漏れの感では:02/09/25 05:52
ロマンティック・フクヤマはミシュレ好きの
ねえちゃんだろ。
195世界@名無史さん:02/09/25 07:13
>>191
ヨーロッパだと歴史学部や考古学部を持つ大学があるし、経済史学部や中世史
学部とか、さらに細かく分かれてたりもするけどね。議論自体はアレだけれど
も、少なくとも工房じゃねーよ、たぶん。
196電波狸:02/09/25 22:05
>>163
>だから自由民主主義の理念がないと、資本主義は健全に育たないよ。
>資本主義というのはイデオロギーだと言うことをよく理解してほしい。

上の文章を拝借すると
だから【資本主義という土台】がないと、【自由民主主義】は健全に育たないよ。
【自由民主主義】というのはイデオロギーだと言うことをよく理解してほしい。
となる。
資本主義的な経済制度という土台を起点とし、政治的・法的な上部構造領
域を経て、自由民主主義という観念(イデオロギー)が析出されて来るプ
ロセスは、歴史的にも論理的にも説明可能だが、自由民主主義という理念
から資本主義という経済制度を帰納することは不可能。
あなたとの意見の相違は、還元すれば認識論上での存在−意識の問題(存
在が意識を規定するか、意識が存在を規定するか)にあり、唯物論と観念
論との対立を示す。
197世界@名無史さん:02/09/25 22:31
>>196

>あなたとの意見の相違は、還元すれば認識論上での存在−意識の問題(存
>在が意識を規定するか、意識が存在を規定するか)にあり、唯物論と観念
>論との対立を示す。

それはあまりにもあたりまえの指摘です。(論的のレベルに合わせたのか)
だって自己意識の葛藤(まあ文脈的にはthe desire for recognitionですが)
を歴史理解の根本に据えているフクヤマの立場を肯定する人だか
らね、ロマンティック・フクヤマ氏は。
198世界@名無史さん:02/09/25 22:34
で、196には
そんで必ず、「人間の本性」(これが超歴史的な抽象的な思い込みなんだけど)
とか「上部構造の自立性」とかアホな事を言い出す人が現れると思う。
199問題:02/09/26 00:59
古代のアテナイや、戦国時代の加賀みたいに、
(近代的民主政と同じではないにしても)民主政の社会は実在した。
そういう種子が、古代中世には育たず、近代には大きく育ったのは、
何か条件が違うからなんだろうが、一番本質的な違いは何なんだろうな?
200電波狸:02/09/26 01:05
例によって長レスになりますが、御容赦のほどを……。
ロマンチック氏との対立点は、一般化すれば“歴史理論・歴史観”の内容
理解に関わる歴史学と(歴史)哲学との間での次元の相違・ズレにある。
手元にある辞典の「歴史哲学」の項目では、
>歴史についての哲学的考察の総称。歴史学の認識論・方法論の分野と歴史の
>本質・目的・意味についての哲学的考察の分野に大別される。(『角川世界史事典』)
とあるが、歴史理論は「歴史学の認識論・方法論の分野」に、歴史観は「
歴史の本質・目的・意味についての哲学的考察の分野」に相当しよう。

また歴史学と(歴史)哲学とでは“事実”や“解釈”の内容にもズレがある。
歴史学で“解釈”と云えば、まず史料の解釈のことであり、それを通じて
“事実”の確定や復元がなされ、そうした諸事実の複合体として歴史事象
が構成される。
フランス革命を例に挙げれば、それは王政の廃止、封建的特権の撤廃、近
代的所有権の確立など多くの諸事実(事象)を内包した歴史事象であるが、
ロマンチック氏のフクヤマ説では、貴族の優越願望に対する市民の対等願
望の勝利とされる。ここではフランス革命という複合的な歴史事象は、単
純な事実(王政の廃止)へと置換され、非歴史的概念(優越・対等願望)
によって解釈(歴史学の側から云えば再解釈)されている。
201電波狸:02/09/26 01:08
(200の続き)
こうした歴史学=歴史理論と(歴史)哲学=歴史観との違いは、双
方のマルクス主義への対応の相違にも示されている。歴史学でのマ
ルクス主義は、具体的な歴史事象の解明のために利用される多くの
歴史理論の内の一つであり、解明する対象の性格により部分的に援
用される(奴隷制や農奴制論、資本の本源的蓄積論、市民社会論や
国家論など)が、その唯物史観=歴史観としての性格はあまり重視
されない。これに対して、(歴史)哲学でのマルクス主義は、その
唯物史観としての一定の価値観に基づいた首尾一貫性こそが重視さ
れ、それがもつ歴史理論としての性格は(物象化論=疎外論や社会
主義論を除き)あまり重視されない。
つまり、歴史学が歴史理論を手段とした事象記述的な性格をもつの
に対して、(歴史)哲学は歴史事象を材料(手段)とした歴史観=
概念構築的な性格をもつと云える。手段としての歴史理論と目的と
しての歴史観。(唯物史観に限らず)歴史観に対して、歴史学の側
が「客観性」を損なうという警戒感をもつのもこうした歴史観の性
格に拠る。
202電波狸:02/09/26 05:33
前レスをカキコして寝たのですが、また目が覚めてしまったので……ここ数日
は不眠症状態ですが。
>>174(ロマンチック氏)
>なぜ、貯金を使うヒマがないほど働くワーカーホリックなどと言うものが起きるのか?
フクヤマがどう説明してるのか出来れば教えて欲しい。

前スレのどこかで、現在日本の競争原理がロマンチック氏の意識にも浸
透しているため、フクヤマ史観の信奉者になったのでは……ということ
を述べて反論された記憶がありますが、それと関連して若干の私見を述
べたい。
個人的には厳格なルールや査定基準の存在を前提とする競争には異存は
ない(才能を発揮した者や努力をしたものが報償されるのは当然であろ
う)。
しかし、現在日本で喧伝されている競争原理というものに、厳格なルー
ルが存在するようには見えない。ルールなき競争とは、勝ち残りのため
に手段を選ばない“ジャングルの法則”が支配する生存競争に外ならな
い。企業のリストラは正にそうした状況では。勝者でも現状維持+アル
フア、敗者は勿論“即地獄行き”。この現実から生まれる脅迫観念が多
くの自殺者や過労死を生み出している。
高収入の仕事中毒者の場合にしても、一旦達した現在の水準は下げられ
ない。理由は一度下げて仕事量を減らしたら、日頃見てきたミゼラブル
な敗者たちの姿も、やがては我が身の姿となるかもしれない、という脅
迫観念に支配されているから(少なくとも名誉への欲求や気概といった
レベルの問題ではあるまい)。
現に日本の企業社会を中軸として、社会全体にそうした歪んだ競争原理
が浸透するのに伴い、さまざまな矛盾が不条理なかたちで顕在化してい
る(犯罪の若年化・凶悪化、家族の崩壊、モラルの退廃等々)。その果
てに見えるのは、政府が喧伝する“活力ある競争社会”(社会中層以上
の一部のみ)ではなく、荒涼たる廃墟と化した社会の姿である(そこに
渦巻く絶望や怨恨は、イスラム社会のテロ集団と同様に様々な形で、今
度は国内で炸裂するだろう)。
……というわけで、今後10年ぐらいは「賑やかな社会」になると思われ。
203世界@名無史さん:02/09/26 08:04
高収入じゃない人間が高収入の人間の考えを
一々忖度するのってとても滑稽だよね
204そりゃ貧乏だとウヨかサヨになるしかないですよ:02/09/26 08:06
都銀A行課長代理・35歳
 この銀行は業界再編の先頭に立ち、別の都銀と合併して新しい金融グループをつくることが決まっている。
A銀行はそのグループの中でも最も給料水準が高いといわれているが、明細書でもそのことが裏付けられた。
 能力給重視の給与体系をとっているため、「基本給」は16万3000円と一見低いようだが、
そのかわりに「能力給」は40万円。
さらにいくつかの手当が加算され、毎月の固定給だけで63万円にのぼる。
さらに働き盛りの年齢とあって、この月は「残業手当」が約13万円。「支給額合計」は76万円である。
 A行では、人並みに出世すれば、年収は30歳で850万円、
40歳で1300万円、50歳で1800万円程度といい、
「1000万円」の大台を「32歳」で超えるかどうかが、社内での"出世の第1関門"なのだという
http://members.tripod.co.jp/esashib/fukasaku07.htm

205世界@名無史さん:02/09/26 09:27
>>196
>資本主義的な経済制度という土台を起点とし、政治的・法的な上部構造領
>域を経て、自由民主主義という観念(イデオロギー)が析出されて来るプ
>ロセスは、歴史的にも論理的にも説明可能だが、自由民主主義という理念
>から資本主義という経済制度を帰納することは不可能。

いや、これは可能だと思うよ。
資本主義の基本は、「私有財産の尊重」だから、
これは自由民主主義的な「基本的人権の尊重」から端を発しているという主張でしょ?
民主主義(人権思想)が健全に育たないと、「私有財産の尊重」も阻害されて、
いつか資本主義的な経済発展は停滞するってことなんじゃないの?
資本主義が発展して行くには、そうしても「私有財産の尊重」という意識が必要だろう。

>>198
>そんで必ず、「人間の本性」(これが超歴史的な抽象的な思い込みなんだけど)
>とか「上部構造の自立性」とかアホな事を言い出す人が現れると思う。

いや、魂の三分説とかいうやつは、超時代的な人間本性論だと思う。
数千年で、そんなに人間の本性が変わるとは思わない。
人間本性論に基づいた歴史分析は有効だと思うよ。
まあ、時代別の「成長」と言う変化はあるかも知れないが。
206世界@名無史さん:02/09/26 10:28
フクヤマって悪名高いから、「神々の指紋」や「聖書の暗号」並みの電波かなあと思ってたけど、
>>70の要約や、支持者のカキコを見ると、思ったよりまともだなぁと言う感想。

歴史上の有名人物ってみんな野心が強かったから、見栄が歴史を動かしてきたという指摘は案外当たりなんじゃないの?
あと、騎士や武士が経済的利害よりも、名誉を賭けて戦ったって言うほうが説得力を感じない?
207その場合:02/09/26 10:54
昨日じゃなくて今日じゃなかった演繹だろ。
208世界@名無史さん:02/09/26 11:24
>>206
たしか進化心理学の殺人の研究によれば、殺人は男が男を
殺すケースがやたら多くて、その動機としては自尊心を
傷つけられたからってケースが多いんだと。
進化心理学では、人間の脳は人間が狩猟採集民をやってた
数百万年の間に適応したという前提らしい。そう考えれば、
ここ数千年くらいで人間の本性はほとんど変わっていないと
考えるべきでしょう。
209世界@名無史さん:02/09/26 13:21
一般的なミクロ経済学では、経済的利害=カネと想定してはいない。
ホモ・エコノミクスは自己の効用最大化を求めて行動する。普通、
効用=f(消費)を考えるが、所得や価格は消費量を間接的に決定
してるだけ。この効用関数のなかに、名誉だとか自尊心を直接入れ
たって構わないし、関数の形状が名誉を重んじる人では普通の人と
違っていて消費の増大からはあまり効用を感じない、と仮定しても
良い。歴史オンチな経済学者と経済学に対して無知な歴史家のせいで
あまり実り豊かな結果は出ていないけれど、経済学的な解釈、説明は
普通信じられているよりずっと柔軟だと思う。
210世界@名無史さん:02/09/26 17:42
>>202
「彼らは、自分のお金を使うヒマがないほど一生懸命に働く。余暇を楽しもうにもそんな暇すらないのだ。
そして、仕事一筋の生活のなかで自分の健康を害し、安楽な隠居生活への展望すらも見失う。というのも彼らは、退職する前に死んでしまう可能性が高いからだ。
もちろん彼らは自分の家族のために、あるいは未来の世代のために働いているのだと主張することもできるし、それが多少なりとも仕事の動機となっているのは間違いない。
けれども仕事中毒者(ワーカホリック)の大部分は、滅多に子供たちの顔を見ることもないし、ひたすら仕事に追いまくられているために家庭生活の大半は犠牲にされている。
 このような人々がそれほどまで懸命に働く理由は、金銭上の報酬とはほとんどかかわりあいがない。彼らは明らかに労働そのものに、あるいは労働が与えてくれる地位や認知というものに満足を覚えているのである。
彼らの自分自身についての価値観は、いかに熱心に、そしていかに手際よく働くか、いかにして出世の階段をのぼっていくか、そして他人からいかにして尊敬を勝ち得るかというようなことに密接に結びついている。
 彼らが物質的な富を得て喜ぶのは、実際にそれをなにかに使えるからではなく、その富が自分に名声を与えてくれるためだ。
というのも彼らには、富をじっくり楽しんで使うほどの暇さえないのだから。
言い換えれば彼らは、欲望のためというよりもむしろ自分の「気概」を満たすために労働にいそしんでいるのである。」(歴史の終わり・下・文庫版p18〜19)
211uyosine:02/09/26 23:04
【1番】
僕たちの手が 血で染まる前に
見つめよう 今を そして
侵略戦争の加害者 僕たちの歴史

後悔なんてしたくない
だから 反対するんだ
有事法制廃案に
憲法かがやく 明日をつくろう

【2番】
子供らの未来が 血に染まる前に
見つめよう 今を そして
核戦争の被害者 僕たちの歴史

人間らしく生きていたい
だから 反対するんだ
有事法制廃案に
憲法かがやく 明日をつくろう
212世界@名無史さん:02/09/27 00:13
上海の偉い軍人の娘さんが、日本に嫁に来て何故かウチの会社にパートで働いているんだ。
(どのくらい偉いかというと、メイドがいたり、旅行先で歓迎されたりするくらい)

その人が上海土産の、上海のきれいな街並のカレンダーを会社に持ってきたんだわ。
で、それを見て俺はこう言った。
「こんなに儲けてるんだったら日本からODA貰う必要ないでしょう」
彼女はこう答えた。
「ODAは貧しい国が貰っているものでしょ。中国は貰ってないよ。」

中国国内でいったいどういう教育や報道をやっているのか、わかるってもんだね。

・・・・・・・・・喧嘩したくなかったからそれ以上つっこまなかったけどね。
213世界@名無史さん:02/09/28 14:07
>>202
>高収入の仕事中毒者の場合にしても、一旦達した現在の水準は下げられ
>ない。理由は一度下げて仕事量を減らしたら、日頃見てきたミゼラブル
>な敗者たちの姿も、やがては我が身の姿となるかもしれない、という脅
>迫観念に支配されているから(少なくとも名誉への欲求や気概といった
>レベルの問題ではあるまい)。

電波狸さん、いくらなんでも、これはひどいです。
一流サラリーマンも、そんな危機的な競争社会の中でサバイバルな暮らしを強いられているとしたら、
中卒、低収入の人たちはどうなるのですか?
これだけ豊かな社会です。
生きていく分にはいくらでも生きていけます。(こんな豊かな社会でも生きていけないというのなら、人類は石器時代ですでに滅んでいるでしょう)
高収入者は、「認知」を求めてさらに仕事を続けていると言ったほうがはるかに納得できます。
あと、自殺者や過労死はどう考えても、「理性」や「欲望」より、「気概」で説明したほうが納得できる現象でしょう。
自己保存を第一に考える人間が、どんな状況であっても、自殺するとは考えられません。
自殺は、リストラによってエリートから転げ落ちた人間の屈辱感から行われたものと見たほうが納得できます。
逆に言えば、見栄さえ捨てれば、みんな自殺することなんかなかったんです。

>その果てに見えるのは、政府が喧伝する“活力ある競争社会”(社会中層以上
>の一部のみ)ではなく、荒涼たる廃墟と化した社会の姿である(そこに
>渦巻く絶望や怨恨は、イスラム社会のテロ集団と同様に様々な形で、今
>度は国内で炸裂するだろう)。
>……というわけで、今後10年ぐらいは「賑やかな社会」になると思われ。

後、これはノストラダムス並みにひどい予言です。
資本主義憎しのルサンチマンが、こんな文章を書かせているとしか思えない。
214世界@名無史さん:02/09/28 14:20
>>165
>ローマ帝国が崩壊したのは対等願望の勝利?
>唐が隋と交代したのは隋がより優越願望を基礎にした国家体制だった
>から?ある理論が事実を説明できないときは、理論のほうが変わらなきゃ。
>事実を歪めちゃったら戦後の俗流歴史学と同列に堕ちてしまうよ。

ローマ帝国が滅んだのはフクヤマ的に言えば、
充分に普遍的で合理的な認知を持った帝国ではなかったから。
優越願望の勝利というより、対等願望の勝利。
唐、隋の政権交代した理由はさまざまに考えられるが、
リベラル国家以外の戦闘の結果は、たぶんに偶然性に左右される。
ただフクヤマが言っていることは、リベラル民主主義国家は最終的には勝利を治めると言っただけで、
その過程には紆余曲折があるだろう。
中国史も最後は民主主義国家を建設して終わるだろう。
いま、中国が必死になって改革を押し進めているのはその歴史の流れに逆らえないから。

すくなくとも、リベラル民主主義国家ではないローマ帝国や、唐、隋は滅んだ。
フクヤマの理論は立派に事実を説明し得ている。
215電波狸:02/09/29 00:38
>>210 サンクス!
ここで引用された限りでのフクヤマの主張に拠れば、
「仕事中毒者」の「名誉」や「気概」とは、「いかに熱心に、そしていかに手
際よく働くか、いかにして出世の階段をのぼっていくか、そして他人からいか
にして尊敬を勝ち得るかというような」価値観と結びついており、「彼らは、
欲望のためというよりもむしろ自分の「気概」を満たすために労働にいそしん
でいる」という。
率直な感想として、何とも安手で浅薄な「気概」「名誉」だと思われ。こうし
た価値観(立身出世主義)を表現するには、「気概」「名誉」よりも「打算」
というコトバの方がピッタリするのではないか。そして、こうした価値観は、
(現在の日本では)幼少時より学校教育を通じて浸透させられているものと相
似的でもある。
皆さん! 一生懸命そして要領良く(!)御勉強して、良い成績をとって、そし
てクラスのみんなから尊敬される子供になりましょう!!
これは“よい子の見本(マニュアル)”であり、先の価値観はその大人版であ
り、要するに“立身出世主義的な処世訓”である。
一般的に立身出世主義とは、己れ一個人の栄達を希求する打算的な人生観であ
り、それゆえ必然的に利己主義的で体制順応的でかつ非公共的な性格をもつか
ら、およそ気概・名誉・自尊心などとは対極的な領域に位置する(敢えてこれ
らのコトバで表現しようとすれば、それは“よい子の気概・名誉・プライド”
となる)。
前後の文章は見ていないが、これは現在の「仕事中毒者」に対するフクヤマの
皮肉を込めた観察ではないか。もし、こうした現代の病理を人間の気概・名誉
などの現れと本気で考えているとしたら、思想(哲学)家としては完全に失格
であろう。
216:02/09/29 01:37
フクヤマがどうとか以前にこういうのを独善と言うのだろうと思われ。
217電波狸:02/09/29 02:19
>>213
前レスでは、競争の在り方そのものの異常性=病理性を述べたまでで、
そうした社会環境のもとで働くことを強いられている人々への非難や皮
肉を云ったつもりはないのですが…………。
要するに、他者からの“認知”といった、専ら他者志向性を動機とする
気概や自尊心がもつ歪み(病理)を指摘したに過ぎません。なぜなら現
代(企業)人は、そうした気概・自尊心を内面的に価値化することで自
縄自縛に陥り、結果として自殺・過労死に至っていると思うからです。
だから問題は、そうした呪縛的な構造をどうしたら変えられるかという
点でしょう。
しかしフクヤマは、そうした構造を“例の独自の解釈”によって描いて
見せているだけで、それに対する批判的な姿勢すら見出されません(尤
も「ヘーゲル主義者」フクヤマからすれば、現実は解釈の対象にすぎず
変革の対象とならないのも当然でしょうが)。
前レスの後半では、そうした解釈に終始するフクヤマ及びそれを担ぐロ
マンチック氏への苛立ちから、やや過激な表現になってしまったようで
す(特に最後の一行は甚だ不穏当な内容ですので撤回します)。
要は、こうした現代の病理が現代の資本主義構造自体に由来しており、
その変革(少なくとも軌道修正)が必要であり、そうしなければ現代社
会全体が崩壊しかねないということです。
218世界@名無史さん:02/09/29 02:37
>>215
>一般的に立身出世主義とは、己れ一個人の栄達を希求する打算的な人生観であ
>り、それゆえ必然的に利己主義的で体制順応的でかつ非公共的な性格をもつか
>ら、およそ気概・名誉・自尊心などとは対極的な領域に位置する(敢えてこれ
>らのコトバで表現しようとすれば、それは“よい子の気概・名誉・プライド”
>となる)。

いや、電波狸さんの言うことはよく分かりますし、
これはしょせん独善に過ぎないという指摘ももっともですが、
これはフクヤマはあくまで「優越願望」のはけ口として、
立身出世主義を述べているのです。
優越願望ですので、利己的といえば、まったくそのとおりです。

>もし、こうした現代の病理を人間の気概・名誉
>などの現れと本気で考えているとしたら、思想(哲学)家としては完全に失格
>であろう。

電波狸さんの言う「プライド」とは、
おそらく対等願望(人を差別するのではなく、人を平等にしてやりたいという願望。
出来の悪い生徒を献身的に教育し、そして人並みに成長した生徒を見てわがことのように喜ぶ教師などはそのよい例でしょう)のことを指しているのでしょう。
フクヤマがすでに指摘しているように、気概には2種類あります。
電波狸さんの認める気概と、認められない気概が。
その気概のちがいを明確に意識化したところにフクヤマの特権性があります。
この場合、気概をすでに2種類(優越願望と対等願望)に分けて意識化しているフクヤマの鋭さを認めるべきではないでしょうか?
少なくとも、ぼくはそのような感想を持ちました。
219電波狸:02/09/29 03:37
>>218
>フクヤマがすでに指摘しているように、気概には2種類あります。
>電波狸さんの認める気概と、認められない気概が。
>その気概のちがいを明確に意識化したところにフクヤマの特権性があります。
>この場合、気概をすでに2種類(優越願望と対等願望)に分けて意識化しているフクヤマの鋭さを認めるべきではないでしょうか?

御指摘の点は、おおよそ理解できますが………。
個人的には気概というコトバでイメージしたのは、その極限形態として、
例えば自らの危険をも度外視して線路に落ちた人間を咄嗟に救助しよう
とする場合のように、他者のために自らの生命すらも犠牲にする人間の
行為(及びその動機)です。
勿論、こうした自己犠牲的行為は多種多様であり、個人を起点として見
れば、(家族から人類に迄至る)自己が帰属する集団への献身と捉え得
るでしょう(その場合はフクヤマの範疇が妥当するかと)。
しかし問題は、先の事例(線路に落ちた人間の咄嗟の救助)も、そうし
た範疇で捉えることが妥当なのか否かという点で、マルクス主義的に云
えば人間の類的本質(Guttungswesen)に関わる事柄であり、それは企業
・国家などへの献身とは質的に区別すべきではないかという考えです。
今一つ要領を得ない回答ですが………。
220やれやれ:02/09/29 07:19
どんどん「歴史観」とは関係ない議論になっていくな。
「ゴジラ対ガメラ電波対決!!」とかいった感じ。
221世界@名無史さん:02/09/29 10:31
マルクスは経済が分からない男だった。
学生時代から当時の市議会議員の年収並の額を一年に浪費しまくり父親を嘆かせていた。
最後には妻や子供の衣類まで質に入れる有様で、エンゲレスからの借金がなかったら生きて行けなかった。
収入が無かったわけではない。何度もの親類の遺産がかなりの額転がり込んできたが、労働者のような惨めな生活が嫌で、
「もっと広い家に住みたい」「もっと贅沢がしたい」とブルジョワ階級の様な生活をしたがり、
すぐに引越しや贅沢をしてまた窮乏生活に陥るという無計画さだった。結局他人からの借金を返す事もしなかった。
つまり「無駄遣いするとお金は減る」という小学生でも分かりそうな事が理解できない男だった。
この男は後年、経済学の本を書いた。


これってホントですか?
222世界@名無史さん :02/09/29 11:11
このスレで、アメリカマンセーやっている人って、ひょっとして統一教会系関係の人たちじゃないか?
霊感商法や合同結婚式でで騒がれた例の韓国を本国とする新興宗教団体。
この団体の学生向けの勧誘の手口って、社会問題や国際問題を考えましょうというようなサークル(原理研究会)作って布教するんだけど、反共目的からか最初はアメリカ流の自由民主主義の思想から入るんだよ。
で、適当なところで本格的な教義へと流し込んでいく。あとはオーム真理教なんかと同じ。
訳者の渡部昇一って、ひとむかし前に鳴らした右翼的ジヤーナリズムの論客だけど、統一教会(国際勝共連合)とも関係があったらしい。
この統一教会、アメリカでも現在じゃ確か教祖が脱税か何かで捕まって、布教禁止状態らしいけど、80年代後半まではCIAなんかと関係もあったということだ。
フクヤマも政府関係の仕事(情報分析か何か)してたし、渡部との関係の裏には、ひょっとして何かあったのかなって疑いたくもなる。
この本の流行も、ただ偶然アメリカで注目され日本に紹介されたっていうけど、裏に何か政治的な思惑も働いているのではって思えてくる。
223世界@名無史さん:02/09/29 12:07
>>220
>どんどん「歴史観」とは関係ない議論になっていくな。
>「ゴジラ対ガメラ電波対決!!」とかいった感じ。

いや、関係ないとは言い切れないだろう。
歴史は人間が動かす以上、人間本性論とは切り離すことができない。
哲学板は人間本性論で終わりだが、
世界史板はその人間本性論からひとつの時間的過程としての線を導き出し、
未来予測も視野に入れる。
これは立派に世界史板の議論となるだろう。

>>221
ほんとだよ。
マルクスは女中に子供を産ましたり、
自分の子を餓死させたり、家庭人としてはぜんぜんダメだったらしいよ。
224世界@名無史さん:02/09/29 12:10
>自分の子を餓死させたり

これはいくらなんでも嘘でしょー。本当なら犯罪だよ。
225世界@名無史さん:02/09/29 12:20
>>222
渡部はカソリックだからマルクスに反対して当然。
欧州での反共はカソリックが力持ってただろ?
226 :02/09/29 13:00
渡部は上智だけどプロテスタント。
227世界@名無史さん:02/09/29 13:02
渡部さんの『田中真紀子宰相論』ってどんな内容だったのかしら。
正体が分かって渡部さん相当後悔したんじゃないかな。人見る目ないなあって。
228アマノウヅメ ◆/knRokaQ :02/09/29 13:17
>>227
渡部氏は、予想が外れるのには慣れっこだと思われますが・・・
229世界@名無史さん:02/09/29 17:05
>すくなくとも、リベラル民主主義国家ではないローマ帝国や、唐、隋は滅んだ。
>フクヤマの理論は立派に事実を説明し得ている。

だから、ここ百年程度にしか応用できない理論に何の意味があるのよ。

> リベラル国家以外の戦闘の結果は、たぶんに偶然性に左右される。

この説明が「理論」か?おめでてーな。
230世界@名無史さん:02/09/29 17:45
>>229
>だから、ここ百年程度にしか応用できない理論に何の意味があるのよ。

フクヤマの歴史理論は「最初の人間」から適応される。
西洋史でいえば、キリスト教の成立から対等願望の萌芽が生まれ、
民族→宗教→人種→イデオロギーの順に差別意識が撤廃されていった傾向性は否定できない。
ただ、対等願望をラディカルに国内のイデオロギーにかかげた国家はリベラル民主主義国家のみであり、
それがゆえに明確で、分かりやすいだけ。
権威主義的国家にも、対等願望の普及の度合いを測ることは可能だろうし、
より差別意識の低い国家のほうが多くの人民の支持を受け、結果的に強大な力を獲得したとは言えるだろう。

>この説明が「理論」か?おめでてーな。

理論だ。
究極の複雑性である歴史にたいして、偶然性を考慮できないのは、
純粋に社会科学にたいして理解がない。
社会科学は確率論的にしか取り扱えないのだ。
231世界@名無史さん:02/09/29 18:05
これは必ずしもフクヤマをけなして言うわけじゃないんだが、
ヘーゲル哲学に対するフクヤマの独自性ってなによ?
(ゲルマン的自由のかわりにアメリカ的自由民主主義を代入した
っていうこと以外でだよ、もちろん)

例えば、世界史を自由の実現を目指して絶対知へと至る精神の発展史と見る思想。
その動力源としての主奴関係論(優越者と敗北者の関係の弁証法)、
「全ての者が自由」という段階における歴史の終わり、
みんなみんなヘーゲル哲学の内にある考えであって、
フクヤマ独自のアイディアではない。
マルクス的唯物論がこれの転倒である限り、ヘーゲルと対等になり得ても
本質的にヘーゲルを凌駕できないがゆえにまたフクヤマをも凌駕できず、
結局、現実世界において勝利している陣営(アメリカ)にいるフクヤマが
得をしているだけにみえるんだが。
232世界@名無史さん:02/09/29 18:43
> より差別意識の低い国家のほうが多くの人民の支持を受け、結果的に強大な
> 力を獲得したとは言えるだろう。

> 社会科学は確率論的にしか取り扱えないのだ。

フクヤマ的な実証研究の例を挙げてくれ。王朝の交代や戦争の帰趨に関して、
対等願望の普及の度合いをなんらかの方法で測定し、これが高い国は敗北す
るという帰無仮説を棄却できた研究があるのですか?
233世界@名無史さん:02/09/29 20:13
>>224
マルクスはただのDQNだったって事で。
234世界@名無史さん:02/09/29 20:46
>>233
漏れの持ってるマルクスの伝記、エレーナ・イリイナー 西本昭治、編訳
『マルクスの青春』(徳間書店)は相当美化入ってるみたいだからあまり
DQNっぷりを感じなかった。つってもこの本ライン新聞が廃刊になって妻イエニー
とパリに立つところで終わってるからもしかしたらこの後私生活がひどくなって
美化できなくなるような生活になったのかもしれんけど。
235電波狸:02/09/29 20:58
>>230(ロマンチック氏?)
>究極の複雑性である歴史にたいして、偶然性を考慮できないのは、
>純粋に社会科学にたいして理解がない。

歴史における必然性(蓋然性)と偶然性の問題は結構ヤッカイな問題かと……。
唯物史観・ヘーゲル史観(フクヤマ史観)ともに、歴史的必然性(蓋然性)を
重視する立場であり、偶然性や自由はそれとの関連で把握される(自由とは必
然性の洞察、或いは偶然性を貫いて現れる必然性など)。
これとは対照的に、偶然性・自由を“人間の意志の自由”とする立場から、必
然性と区別してその独自の領域を重視する立場(自由を必然性の裡に取り込む
ことへの反対)がある。
歴史学の側で云えば、近代の実証主義的方法を確立したランケがそれに相当し、
彼はヘーゲル体系に徹底して反対であった。そしてこれ以降、その系譜を引く
実証主義歴史学(ある意味では現在でも歴史学の主流)も同様な立場に立ち、
従って唯物史観に対しても懐疑的(否定的)側面が強いと云える。
236電波狸:02/09/29 21:00
(235続き)
ところで、これまで出てきたフクヤマ理論への批判・疑問には、哲学的
立場からのものと歴史学の立場からのものとがあるように思われ。
前者は、231氏のようにフクヤマが依拠するヘーゲルと理論の上で、どれ
ほどの新らしさがあるのかといった理論的内容に関わり、また後者は、
232氏のようにこの理論の適用(有効性)に関わる。
個人的には、いずれも尤もな疑問と思われますが。
理論的内容という点では、ヘーゲルの場合、世界精神・民族精神、家族
・市民社会・国家等々多くの独自な範疇を駆使して歴史を理論化してい
ますが(なお、この点はマルクスの場合も同じ)、フクヤマの場合、対
等・優越願望以外に新しい範疇が見あたらず、ここから“この二項対立
的範疇のみで歴史が理論化できるのか”という疑問が起きてくると思わ
れ。
また(歴史学の立場から見た)理論の適用性(有効性)という点では、
歴史事象の極端な単純化や非歴史的概念による歴史事象の解釈という点
で大きな疑問があり、その理論的な整合性よりも説明モデルとしての有
効性への疑問、一言にして云えば、事象説明の上でも問題索出の上でも
“使えない理論”ではないかという点です。
以上が、哲学的立場・歴史学的立場双方から見てのフクヤマ理論への疑
問点です。
237電波狸:02/09/29 21:17
あと蛇足になりますが……。

スレタイは「唯物史観・進歩史観と語る」となっていますが、趣旨からすれば
「どんな歴史観」でもということですし、今までのレスの流れからいっても、
実際上は
【歴史学】歴史理論・歴史観を語る【哲学】
という内容にスレタイの意味を“拡大解釈”して構わないのではないかと。
もっとも、実際には当面フクヤマ史観をめぐってそうしたスレの流れになって
いるとは思いますが、念のため確認しておこうということです。
238世界@名無史さん :02/09/29 21:30
なんか、もはやフクヤマ理論信奉者は撃滅された感じがするが。
239世界@名無史さん:02/09/30 00:27
歴史は知的生命体の滅亡によって終焉する。
240いやいや:02/09/30 01:28
>>238
奴は自分が論破されたんだと理解できるレベルにすら達してないよ。
そういう意味では最強無敵のゾンビ論客。相手にしても無駄。
241ロマンティック・フクヤマ:02/09/30 18:49
>>232
>フクヤマ的な実証研究の例を挙げてくれ。王朝の交代や戦争の帰趨に関して、
>対等願望の普及の度合いをなんらかの方法で測定し、これが高い国は敗北す
>るという帰無仮説を棄却できた研究があるのですか?

もちろんもっともそれがはっきりした形で現れたのは、第二次大戦(対ナチス戦)と冷戦(対ソ連戦)。
時間がたてばたつほど、諸国民の独立気運(優越願望)が高まり、
諸国民の独立を承認(対等願望)しなくては、国際的支持を獲得するのはむずかしくなった。
巨大な軍事力や経済力も、国民、あるいは他国民の支持なしには維持できない。

>>229
>だから、ここ百年程度にしか応用できない理論に何の意味があるのよ。

この発言は純粋にフクヤマ理論に対する無理解からくる。
たしかにリベラル民主主義国家が出現したのは18Cからだが、
リベラルな国家を求める気運はそれ以前から存在したと考えるほうが自然。
たかだか百年ていどのレベルではない。
フクヤマ的に言えば、リベラル民主主義を作るまでに、
人類は数万、数千年の試行錯誤をくり返したことになる。
それがゆえにマクロ的な歴史観なのである。
242ロマンティック・フクヤマ:02/09/30 18:50
>>240
>奴は自分が論破されたんだと理解できるレベルにすら達してないよ。

歴史を差別意識撤廃の過程と見ることは十分に可能だし、
リベラル民主主義の発達過程として歴史を見ることも十分に可能。
少なくとも、この傾向性だけはいまだ論破、否定されていない。

単独のイデオロギーがこれほど全世界に普及した例は、歴史上存在しない。
リベラル民主主義になんらかの特権性を見出すのはきわめて自然な認識だろう。
権威主義・全体主義国家がつねに政情不安を抱えているのに、
リベラル民主主義国家は「終わりなき日常」と呼ばれるほどに、圧倒的な安定感を誇っている。

フクヤマ理論以外に、この事実をうまく説明する理論があるのなら紹介してほしいぐらいだが?
243世界@名無史さん:02/09/30 21:52
> もちろんもっともそれがはっきりした形で現れたのは、第二次大戦
> (対ナチス戦)と冷戦(対ソ連戦)。

アメリカの勝ち・負けを1・0のプロビットにして、
アメリカの勝利=α(アメリカの対等願望の普及度−ナチス(orソ連)の対等願望の普及度合)+η
ほんで、α(限界効果)が0.08で、t値が2.54で、みたいな分析をした論文を紹介してくれるの
を期待したんだけど・・・なんか、もうどうでもよくなってきちゃった。民主主義万歳。
244世界@名無史さん :02/09/30 22:47
>>243
上部構造を数値化できると考えてるほうがどうかしてないか?
むしろ安易に数値化しなかったフクヤマを誉めるべきだと思うが。(数値化はトンデモの始まりだから)
245世界@名無史さん:02/09/30 22:51
フクヤマって誰?グレン福山というアメリカのエコノミスト
のこと?
246世界@名無史さん:02/10/01 00:07
>>222
>このスレで、アメリカマンセーやっている人って、ひょっとして統一教会系関係の人たちじゃないか?
>霊感商法や合同結婚式でで騒がれた例の韓国を本国とする新興宗教団体。
そういう言い方は匿名掲示板ではナンセンスだとおもう。
それに、仮にもその手の団体の人ならもう少し一般教養のレベルは高いと思われる。
(どんな団体だって、学力の高いやつは居るわけで)
書き込み自体から判るのは、歴史についてあまり知らなくて、フクヤマに都合のいいと
ころだけ「つまみ食い」的に言及する人でしょ。
247世界@名無史さん:02/10/01 00:18
>>244
>上部構造を数値化できると考えてるほうがどうかしてないか?
それは都合よく上部構造が析出できる考えるのと同様のトンデモもだね。
第一、「上部構造」という言葉を使うときはそれが析出される方法論的前提
を明確にするべき。
(あ、マルクスは良いよ別に、彼なりにやってるから。基本的には間違ってるけど)
248世界@名無史さん:02/10/01 01:15
プロビットってなんですか?
249電波狸:02/10/01 04:20
>>ロマンティック・フクヤマ氏
ひとつ質問があるのだが。
フクヤマが主張する“リベラル・デモクラシー”の主な内容について、あなた
自身で簡単にまとめてもらいたいのですが。
前スレでは、リベラル・デモクラシー=複数政党+普通選挙という定義だった
が、こうした制度レベルではなく思想レベルの問題についてだ。
またこれらの制度にしても、国家権力による政党の規制(資格要件など)や選
挙の仕方(選挙活動の期間・方法の制限など)への干渉次第では、権威主義的
体制や全体主義体制と区別がつかない場合もある(日本戦前の普通選挙施行以
降の政党政治期、ナチスの政権掌握後の数年間など)。
つまり、これだけでは、リベラル・デモクラシーが全体主義へ移行しないとい
う保証にはならない。それをチェックするのが制度に限定されない、思想や運
動としてのリベラル・デモクラシーだと思うが。
このあたりの点について、フクヤマの議論(またそれを承けたあなたの考え)
を伺いたいのですが。
250電波狸:02/10/01 04:25
249補足
当方、先日からフクヤマの本(文庫版)を探して見たが、もう品切れで
古本屋でも入手できないようなので。
251世界@名無史さん:02/10/01 04:34
>>250
正直あんな本、わざわざ買って読むのは時間の無駄ではないかと思うけど。

あと、漏れも今まで散々聞かされたリベラル・デモクラシーの内容がサパーリわからない。
けど、今までのレスの内容では、要約すること自体が本人の能力を越えてるんじゃないかな。


でも、
252世界@名無史さん:02/10/01 04:38
>251
イタイ奴
反論できないとなると「時間の無駄」かよ
なことねえよ
253世界@名無史さん:02/10/01 06:21
>>252
僕は別に買っても良いし時間の無駄とは思わないが
「反論」なんてすでいくらでも出てるね。

ロマンティック氏は電波狸氏のやさしさに感謝すべき
レスの流れを見ると電波狸氏に救われている。
254うんうん:02/10/01 06:29
>ロマンティック氏は電波狸氏のやさしさに感謝すべき
>レスの流れを見ると電波狸氏に救われている。

同感だね。フクヤマ厨房は電波狸に感謝しないとだめだよ。
もっとも、おかげで話が歴史観から逸れまくっているから、
このスレッドの他の参加者にとっては迷惑な話でもあるんだが。
255確かに:02/10/01 06:49
反論するのもアホらしくなるものに対して
ちゃんと反論するのは暇と言うか、えらいと言うか、
まぁ、偉いよな、狸ちゃんは。
256世界@名無史さん:02/10/01 07:21
マルクスで反論か?
257世界@名無史さん:02/10/01 08:19
赤旗 日曜版 9月22日号2面より 

日朝首脳会談 〜悲劇生んだ不正常な関係〜

大阪大学経済法科大学教授(朝鮮半島研究)
元国際原子力機関広報部長

吉田康彦さん(顔写真付き)

 先日、雑誌の論文に日朝関係改善について、「日本が動く好機だ。
日本はまず『過去の清算』に応じなければならない」
「小泉首相よ、(拉致問題の)家族のためにも早急に検討していただきたい」と書いたら、その発売日に「十七日に日朝首脳会談」が発表されて、少し驚きました。
 拉致問題で、不明者の半数以上が死亡していたことは大変痛ましいことです。
こうした事態を生んだのは、南北の軍事的緊張、日朝両政府が長期間国交すらないという不正常な東アジアの国際関係だったからです。
 こうした国際関係は改善しなければなりません。日本は、今回の日朝国交正常化交渉が、東アジアの恒久平和と安定、諸民族のためなんだということを、世界に発信すること必要です。
互恵平等の立場からの民族共生が、二十一世紀の日本の進路なんだということを政府は国民に説明し、アメリカにたいしても主張する必要があります。
いつまでも対米追随、日米安保体制を続けていればいいというものではありません。
 日朝関係を報道するメディアの視点で欠けているのは、北東アジア平和と安定です。
「冷戦」が終わって十二年も立つのに、なぜアジアで十万人、韓国に三万六千人もの米軍が展開しているのか。
今までは「北朝鮮」が最大の口実になってきました。北東アジア、朝鮮半島、日本に緊張緩和の流れをつくらないと、それを口実にアメリカはいつまでも軍事的に居座ることになるのです。
 十七日の日朝平壌宣言で、日本が戦前におこなった朝鮮半島への植民地支配を謝罪したことは重要です。
謝罪と保証をきちんとやることで、国交正常化に道筋がつけば、日本の戦後処理で残されていた大問題の一つが解決に向かうことになります。
日朝国交正常化が実現にすれば、戦後の日本外交の画期的成果といえるでしょう。
 日本の政治家は、東アジア全体の利益を考えるべきです。環境や貧困を地球規模で議論するのに、アジアの隣人と共生できなくてどうするのかといいたい。
その点で、日本共産党が小泉訪朝にいち早く歓迎を表明したことを評価していいと思います。

258世界@名無史さん:02/10/01 15:12
>>上部構造を数値化できると考えてるほうがどうかしてないか?
> それは都合よく上部構造が析出できる考えるのと同様のトンデモもだね。

たま〜〜〜にでいいからJEHも読んでくれよ。寂しいよ、俺は・・・
259世界@名無史さん:02/10/01 15:23
ややっ!?
フクヤマ支持者とフクヤマ批判者の考えのちがいの核心を理解したような気がするぞ!

それはつまり、演繹法と帰納法のちがいではないだろうか?
われわれ歴史学の人間は、帰納法でものを考える。(まず正確な過去の事実を確定して、そこから出発する)
しかし、フクヤマは、まず人間本性論(理性・欲望・気概とか優越願望・対等願望)から演繹して、歴史を説明する。

フクヤマの主張にもたしかに説得力がある。
それは人間本性論から出発しているがゆえに、全歴史を説明できる理論(解釈)なのだ。

しかし、歴史学の人間は、どうしても演繹的な歴史説明を認められない。
過去の事実を寄せ集めて、そこから理論をつくっていくのが歴史学であり、情報の量が正確さを決定するからだ。

フクヤマの演繹法には、個々の細かい事象を説明できない(というか、興味がない)と言う弱さがあり、
実証歴史学的な帰納法では、どうしても全歴史を説明する理論を構築することは不可能だという弱さがある。(あまりに検証作業が多くなりすぎるから)

これは突きつめると、実証歴史学と歴史哲学のちがいといえるのかも知れないが、どうだろうか?
260世界@名無史さん:02/10/01 18:21
>>259
それは、ゆがんだ解釈だけど、その対立点はすでに指摘がされているよ。

また、事実誤認がある。
>それは人間本性論から出発しているがゆえに、全歴史を説明できる理論(解釈)なのだ。
何が「人間の本性か?」またそれが「歴史の根本的動因なのか?」には
「なぜ、人間の意志とは独立に歴史が動くことがないのか?」などに
フクヤマサイドからは「断言」以上の説明はなされていないのが現状。
また、時々で「弁証法」、「プラトン」とかで箔を付けようとしてるけど。
また、歴史的事象をまともには説明できていない。(「つまみ食い」はするけどね。)
261世界@名無史さん:02/10/01 18:29
>>258
それは意味のないコメントだね。
たまにとは言わない「必ず」、「経済学批判 序説」と「ドイツイデオロギー」
と「経済学哲学草稿」位は読んでから「上部構造」なんて言葉を使って欲しいも
のだね。
262世界@名無史さん:02/10/01 18:31
>>256
いいんじゃない、だって、どう見てもフクヤマってマルクス以下だよ。
263世界@名無史さん:02/10/01 18:41
>>259
とりあえず、以下のレスの論点を煮詰めてみることを進めます。
そうするとあなたの言っていることが別に新味があるわけでもなく
かつ、ゆがんでいることが判るとおもいます。
ロマンチック氏は氏に一番好意的な電波狸氏の問題提起の中心的部分
との対決は避ける傾向にありますから、無視されていますが、重要な論点
だと思います。。

>>196

>>201
「つまり、歴史学が歴史理論を手段とした事象記述的な性格をもつの
に対して、(歴史)哲学は歴史事象を材料(手段)とした歴史観=
概念構築的な性格をもつと云える。」の付近。

264世界@名無史さん:02/10/01 18:49
>>256

また、さらにあなたの意見
>どうしても全歴史を説明する理論を構築することは不可能だという弱さがある。
についてさらに考えを深められてはいかがでしょうか。

はたして「全歴史を説明する理論を構築」は必要なのだろうか。
かりに必要だとして、「それは可能なのだろうか」
また、可能だとすれば「如何にしてそれは可能なのか」

これらの問いはそれ自身、慎重に考えられるべき問題です。
この問いには可能性としては、それぞれどれも「否定」的な回答がありえます。
(回答は個人個人でする以外にないですが)

手近な「まがい物」の「全歴史を説明する理論」に飛びつくのは
愚の骨頂でしょう。
そりゃ簡単に、歴史的事実について「断言」をして全能感に浸りたい人には
向いていますが。
265世界@名無史さん:02/10/01 23:52
>手近な「まがい物」の「全歴史を説明する理論」


マルクス主義のこと?
266世界@名無史さん:02/10/02 01:04
>>265
そういうことを本当に言いたいなら、一言レスはやめれ。コテハンで電波狸
さんに正面からぶつかれるか?「全歴史を説明する理論」では無いと思うが
マルクスの理論は一定の適用範囲の広さを持つ良い理論だと思うぞ。
267世界@名無史さん:02/10/02 17:57
戦争と軍事力から歴史を説明してみる。

軍事費の最大値は国内の経済力によって定まり、軍事力は軍事費と国家の(人的)動員量で定まる。
動員量の最大値は政治形態と人口により定まり、権力者が特権の一部をあきらめない限り動員量は
小さくならない。動員量が増えすぎると、経済力が崩壊する。

開戦については
軍事力の比率などによる勝利確率×勝利時の利益−中立国の悪感情、警戒等の抑止効果 が
戦争しない事により期待される利益+戦争にかかる費用 を上回る場合に起こる。
終戦も同様であり、勝利により、より大きな利益を得るほど中立国の抑止効果がおおきくなる。
攻撃側がこれ以上の攻撃による利益が小さいと判断し、守備側に反撃できなくなると停戦となる。
268世界@名無史さん:02/10/02 18:12
>>267
"the age of empire"見たいなゲームの話ならそれで良いかも。

しかし、
その辺のまじめな試みなら20年程前のシカゴ制度学派(経済学ね)の
文献を読むことを薦めます。
ブキャナンとかそのあたり。

あと、267は近代的な主権国家体系を暗黙の前提にしている個所があります。

戦争を世界史的に捉えた論考としては「戦争史大観」(あの石原莞爾の作)
なども参考になると思われます。中公文庫であったはずです。
269世界@名無史さん:02/10/02 21:52
いや、たぶんフクヤマと世界史板の人間のいちばんの相違は、
「歴史」と「未来史」のちがいだと思うよ。
歴史学者は「歴史」を主題に考える。(当たり前だが)
しかし、フクヤマは「未来史」を主題に考えてるんだよ。
フクヤマは歴史的な知識はそうないと思うよ。たぶん、古代史や中世史の知識は、ここの世界史板の人間のほうがあるとおもうよ。
フクヤマは歴史学者ではなくて、正確に言えば、政治哲学者なんだよね。
だから、過去の事実なんて、ほんとうはどうでもよくて、
政策立案に関わっている以上、未来予測がいちばんの関心事なんだよ。
未来予測に役立つ範囲で歴史を学ぶ意義があるわけであって、
アメリカは実用主義の国だから、たぶん未来予測の役に立たない個々の歴史的な知識なんて、どうでもいいって考えてるんじゃないのかな。

たしかに歴史学は、あまり実用的じゃないって言う弱さは本質的に抱えているよね。
裁判じゃあるまいし、そんな過去の史料批判をくり返してなんになるのって、よく言われるし。
新しい史料が発見されれば、いままでの定説もすぐくつがえるし。
正確に言えば、科学というより趣味に近いよね。
270世界@名無史さん:02/10/02 22:03
>>262
>いいんじゃない、だって、どう見てもフクヤマってマルクス以下だよ。

それは言い過ぎ。
20世紀の歴史を知ってる分、フクヤマのほうがさすがに有利。(マルクスは共産主義の崩壊を知識として知らない。その前に死んだから)

相対的な学者の評価として言うなら、そりゃ、マルクスのほうが上だろ。
彼は世界史の教科書にも載るほどの思想家だからな。
でもそれはあくまで歴史的な評価でしかないよ。
271世界@名無史さん:02/10/02 23:57
虎の威を借る狐どもの巣はここですか?
272世界@名無史さん:02/10/02 23:58
251 名前:世界@名無史さん[sage] 投稿日:02/10/02 00:25
元々この板はサヨの多い板だよ。


252 名前:世界@名無史さん[] 投稿日:02/10/02 00:26
>>250

半島=世界ですか?


253 名前:世界@名無史さん[] 投稿日:02/10/02 00:41
>>250
そうだね。外征する軍隊に慰安婦がいるのも、軍がコンドームを支給するのも
世界的には常識だけどそれが何か?


254 名前:世界@名無史さん[sage] 投稿日:02/10/02 00:50
>>248 剥げ同。つーか、まだやってんの?このスレ。
こんなのをマトモに考えても意味ないじゃん。
こんな事を論議する奴は社民党と似たようなレベルなんだろうな。
いちいち相手の主張を認めてたら北朝鮮と一緒。
もちっと事実だけを確認しようや。
俺は昔、戦争責任についていろんな意見を比べたが、どうみても被害者側のいってる事のほうがおかしい。
当時の人口と被害者の数の差とかね。
それに被害者の事を思うなら、韓国や朝鮮、中国などの不法入国者も非難しろ。
もちろん在日の数に比べたらすべてのアジア人が犯罪者ではない事がわかる。
同時にすべての日本軍が犯罪者でもありえない。
責任は犯罪者にとらせればいいだろうが。
それから、他国の嘘を鵜呑みにするな。
だいいち、ここにレスしてる人間が従軍慰安府を性奴隷にした訳でもないのにここの住人にケチつけてどーする。
ここの住人が人を殺した訳ではないぞ。
273ロマンティック・フクヤマ:02/10/03 00:52
>>249
>フクヤマが主張する“リベラル・デモクラシー”の主な内容について、あなた
>自身で簡単にまとめてもらいたいのですが。

どこまで期待にそった解答ができるか分からないけど、
マルクス理論とフクヤマ理論の大きなちがいは、
経済的格差を本質的な矛盾ととらえるかどうかのちがいなんだよね。
マルクスは経済的格差の全廃(共産主義社会の成立)を「(ひとつの)歴史の終わり」と考えてみたいだけど、
フクヤマは人権的立場の平等、法の下での平等の成立をあくまで「歴史の終わり」と見たんだ。
必ずしも、経済格差が全廃されなくても、歴史を終わらす(政治的な安定を確立する)ことは可能だと考えたわけ。

リベラル民主主義は、制度的に言えば、「複数政党制を維持し、秘密で定期的な普通選挙を行う政治体制」と言えるけど、
思想的に言えば、その本質はやっぱり対等願望(平等主義)の普及度合いによると思う。

民主主義者は、その理性の高さゆえに「命がけの戦い」というものを野蛮で不合理なものと考えている。
でも、民主主義者は腰抜けというわけではない。
平等主義が徹底されているがゆえに、
ぎゃくに、ナチスや旧ソ連のような強い差別主義(優越願望)には、
怒りを感じて命がけの戦いにのぞむようになる。
2ちゃんねるのみんなが、アメリカの一国優先主義に憤りを感じるように。

法的に民主主義体制を整えただけでは、ナチスのようにファシズム化してしまうかも知れないけど、
対等願望がしっかり根付いていたら、歴史は逆流しないよ。
それは人類が大人になったという証拠だし、
歴史の本質がメンタリティにあるというのはこういうことだと思う。
274ロマンティック・フクヤマ:02/10/03 12:10
>>250
>当方、先日からフクヤマの本(文庫版)を探して見たが、もう品切れで
>古本屋でも入手できないようなので。

うちの近所のブックオフに売ってたよ。
もう少し回ってみればきっと見つかると思うけど。割と売れた本だし。
文庫版だったら間違いなく一冊百円です! 知的生き方文庫ね。

>>251
>正直あんな本、わざわざ買って読むのは時間の無駄ではないかと思うけど。

あと、きみね、読んでもないのに買って読むのは時間の無駄とか言ったらダメだよ。
おれはおれなりにフクヤマ理論を分かりやすく要約しようと試みてたけど、
ここのスレッドだけじゃどうしても限界があるんだよ。
分からなかったら、それこそ、本書を読んでみるべきだと思うが。

あくまで歴史哲学の本で、史料批判とかぜんぜんしてないから、
歴史論文として読むと「あれ?」って思うかも知れないけど、
純粋に読み物として面白いよ。

とくに、第4部の4・『もはや万能ではなくなった「現実主義」』の項のキッシンジャー的パワーポリティクス批判はおすすめ。
もはや軍事バランス論ではうまく説明できなくなった現象を、明快に解き明かして、目から鱗だったよ。
時間がなかったらそこだけつまみ読みしてみて。
275世界@名無史さん:02/10/04 01:28
>269
そういや、佐々木が、「アメリカの政治学者のやる未来予測は、むしろ、
私は(アメリカの軍事・工作能力を用いて)世界をこう変えたい、という
表明と見るべき。彼らは実用主義者であり、そして、未来を予測する
一番確実な方法は、その未来を自分で作ってしまう事だからだ」
というような事を言っていたのを思い出したな。
 そういう、アメリカの軍事・諜報工作力を利用できる(かもしれない)分だけ
マルクスよりフクヤマは有利だな。
276電波狸:02/10/04 02:24
>>273
>マルクス理論とフクヤマ理論の大きなちがいは、
>経済的格差を本質的な矛盾ととらえるかどうかのちがいなんだよね。
>マルクスは経済的格差の全廃(共産主義社会の成立)を「(ひとつの)歴史
>の終わり」と考えてみたいだけど
マルクスは、共産主義社会において人類の「前史」が終わり、そこから人類の
「本史」(所有をめぐる階級闘争が終わり、本来的人類史というに相応しい段
階が来ると考えた(人類の最終到達点ではなく、階級敵対社会の終わりという
段階にすぎない)。
また、マルクス理論が「本質的と矛盾と捉えている」のは、生産手段の私有を
めぐる階級敵対関係であり、「経済格差」というのは誤解があるかと。
「経済格差」としてイメージからは、例えば国内では個人所得を基準に序列的
に構成される社会層化(貧富の差)、国際的には国家のGNPを指標とする“豊か
な国”と“貧しい国”という序列化を想定していると思われ。だからあなたの
云う自由民主主義が拡大すれば、これらの国民間や国家間でに貧富の差は縮小
されるという考えのようですが。
277電波狸:02/10/04 02:34
(276続き)
問題は、国内での社会層的貧富の差は、資本主義経済(市場主義経済)とそこ
に形成される様々な経済的支配・従属関係の所産であるということ、また国際
的に云えば、“豊かな国々”(先進資本主義諸国)による“貧しい国”(開発
途上国)への経済的支配や政治的・軍事的な支配が行われ、両者の政府間での
支配・従属関係が形成されている点です。
先進主義国の多国籍企業は、これらの地域を市場として掌握しようとし、
それを妨害する現地政府や政治勢力は、本国政府の政治(軍事)力によ
って改変・打倒する。こうして先進国と開発途上国の間には、支配・従
属的関係が形成されていく。開発途上国援助としてなされるIMF(国際
通貨基金)や先進国のODA資金援助も、間接的には当該地域での支配圏
を安定的に確保・維持する手段となっている。

つまり自由民主主義が普及しても、こうした国家や世界の構造を変えな
い限り、“貧しい人間”はいつまでも貧しく、“貧しい国家”いつまで
も貧しいとい状況が持続されざるをえないのです。そしてこの現状への
絶望が、自国政府や米国以下の先進国への憎悪に転換し、反政府集団や
国際的テロリスト集団を形成する温床ともなっている。
だから武力で彼らを倒しても、そうした集団はいくらでも再生産される
だろう。ブッシュがテロを“戦争”だと叫ぶはるか前から、彼らの感覚
では“戦争”と位置づけでていたであろう。
……思想的には“歴史の終わり”でも、現実は“終わらない戦争”とい
うことになろう。
278電波狸:02/10/04 03:21
>>273
(続き)
>フクヤマは人権的立場の平等、法の下での平等の成立をあくまで「歴史の終わり」と見たんだ。
>リベラル民主主義は、制度的に言えば、「複数政党制を維持し、秘密で定期的な普通選挙を行う政治体制」と言えるけど、
>思想的に言えば、その本質はやっぱり対等願望(平等主義)の普及度合いによると思う。

「法の下での平等の成立」は、既に近代国家がその成立期において制度
的に保障し、これが資本主義体制に照応する政治制度であった。この段
階を「歴史の終わり」としたら、歴史的には逆行ではないか?
また、フクヤマがリベラル民主主義の内容を専ら複数政党・普通選挙に
矮小化しているのも問題。
国民の普通選挙を通じて選出された議会は、確かに立法機関(国権の最
高機関)を構成し、選挙民である国民の意志を代弁すべきだが、現実は
プロの政治家(政党)の党利・党略が横行し、国民の意思が疎外されて
いるのも事実(国民が主人公であるのは、投票日のみ!)。
また行政府では、トップの首相(大統領)などは国民選挙であるが、そ
れが統括する諸官庁の官僚機構は、大きな影響力をもつにも関わらず、
国民が直接関与できない世界でもある(国民の利害に反する政策施行や
汚職の場合の所在責任の不明確性)。
政治の民主化の問題は、制度上でのみなく、運用上からも検討されるべ
きだろう。小選挙区制(少数の得票で多数の議席確保が可能)、政策立
案や審議事項の秘密性(官僚自身の権限拡大を目的とするような場合)
のチェック、マスコミ・ジャーナリズムの政治報道の在り方の改革(政
府の広報者よりは政策批判者としての姿勢が必要、また低レベルのゴシ
ップの自粛)など、総じて国民と政治権力との間には、多元的で恒常的
な回路が必要であり、常に国民の目の届く範囲で、世論によって吟味さ
れるべきであろう。
もっとも、フクヤマの議論は、学問的な歴史・哲学系の議論とは異なり、
アメリカの全体的な国家戦略の思想的基盤を提供する、政治学系統の議
論に属すると考えるが………。
279ロマンティック・フクヤマ:02/10/04 23:41
>>276
>また、マルクス理論が「本質的と矛盾と捉えている」のは、生産手段の私有を
>めぐる階級敵対関係であり、「経済格差」というのは誤解があるかと。

これはたしかに言われるけど、
でも、あくまで素朴な共産主義の理想から言えば、
たとえ、生産手段の公有化が実現したとしても、
経済格差が残っていたらそれはまだ不合理があると考えるんじゃないのかな。
あくまでマルクスが見ていた歴史の発動因は、
経済格差を縮めようとする貧困階級の欲望だと思うよ。
「生産手段の公有化」そのものに、
貧困階級が歴史を動かすモチベーションを感じていたとは思えない。
280ロマンティック・フクヤマ:02/10/04 23:43
>>277
>問題は、国内での社会層的貧富の差は、資本主義経済(市場主義経済)とそこ
>に形成される様々な経済的支配・従属関係の所産であるということ

これはイデオロギーのちがいといえば、
それまでだけど、フクヤマはこの考えを真っ向から否定してるんだよね。
引用すると、

「第二次世界大戦後のアジアの経験は、まさに古典的な自由貿易理論の予言どおり、
遅れて近代化を果たした国が、既存の産業大国にくらべて相対的に有利であることを証明している。
日本をはじめ、遅れて近代化を果たしたアジア諸国は、アメリカやヨーロッパから最先端テクノロジー買うことができ、老朽化した効率の悪い生産基盤にも悩まされず、
一世代から二世代のうちにハイテク分野で競争力を身につけることができた(アメリカ人の多くは、競争力をあまりに身につけすぎた、というかもしれないが)。
 (中略)
 また西側の多国籍企業は、自由主義経済の教科書でかくあるべしと描かれているとおりに振る舞った。
つまり、安価なアジアの労働力を搾取する一方、その見返りとして市場や資本、技術を供給した。
多国籍企業はテクノロジーを普及する道具としての役割を担い、それが結局は各国の自立的な成長をもたらしたのである。
あるシンガポールの高官が、自国で許せない三つの悪徳とは「ヒッピーと長髪野郎、それに多国籍企業への悪口だ」と語った理由もこのあたりにあるのだろう。
281ロマンティック・フクヤマ:02/10/04 23:43
 (中略)
 さらに、このような経済の成功は、何ら国内の社会的公正を犠牲にしていたわけではなかった。
アジアの賃金は搾取という表現が当てはまるほど低いとか、各国政府は消費需要を容赦なく抑制し、高水準の貯蓄を強いているとかいう問題はこれまでも指摘されてきた。
だが、アジア諸国が一定のレベルの繁栄に達するにつれ、その所得配分は次から次へと急速に平均化しはじめたのだ。
 (中略)
 従属理論の正当性を守る最後の手段として、一部には、アジアの新興工業経済地域(NIES)の経済的成功は経済計画のおかげであり、資本主義ではなく産業政策こそが成功の秘訣であったと説く者もいる。
だが、経済計画がアジアではアメリカ以上に大きな役割を果たしたのは事実としても、アジア経済のなかでもっとも成功したのは、おしなべて国内市場での競争と国際市場への統合がいちじるしく進んだ部門になっているのだ。
 (中略)
 第二次世界大戦後のアジアの経済奇跡が証明したのは、資本主義こそすべての国にとって実現可能な経済発展への道であるという点だ。
第三世界のいかなる低開発国も経済面で自由主義にのっとっているかぎり、たんにヨーロッパより経済発展の時期が遅れたからという理由で不利益をこうむることはないし、
既存の産業大国にとっても、これら後発国の発展を阻んだりする力は持ち合わせていないのである。」(歴史の終わり・中・文庫版p18〜21)
282ロマンティック・フクヤマ:02/10/05 12:09
いちおう、上に引用したように、
ぼくも貧困を資本主義のせいにするのはまちがいだとおもうよ。
共存共栄を可能にするところに、資本主義の生命力があると思う。

>>278
電波狸さんの言うことは分かるけど、
フクヤマはいま現在の社会的問題は、
リベラル民主主義そのものの欠陥じゃなくて、
リベラル民主主義の理念が充分に実現していないところにあるっていってるんだよね。
電波狸さんも、リベラル民主主義の理念そのものに、反発してるわけじゃないでしょ?
だったら、フクヤマと意見を異にしてるわけじゃないんだよね。
283世界@名無史さん:02/10/05 17:30
英米ではフクヤマの評価は非常に高いですが、独仏ではどうなのですか?
284世界@名無史さん :02/10/05 18:29
フクヤマのはなしは、飽きたからもういいよ。
何か別の話題にしろよ。
285世界@名無史さん:02/10/05 18:33
>>283
あまりまともに相手にされてないんじゃないの。
英米でも、ヘーゲルなどドイツ系の哲学に依拠したモノは概して嫌われるからなあ。
286世界@名無史さん:02/10/05 18:48
http://education.guardian.co.uk/higher/biologicalscience/story/0,9834,713548,00.html
これは面白いよ。ぜひ読んでみて。
フクヤマは若い頃、パリでバルトとデリダの下で勉強したらしい。
287電波狸:02/10/06 02:20
>>282
>リベラル民主主義の理念が充分に実現していないところにあるっていってる
>んだよね
フクヤマにとっては、リベラル民主主義の(理念の)模範=現在アメリカとい
前提だから、そのコロラリーとして、他の諸国はこの理念的模範=アメリカに
倣えという主張が出てくるのは当然(そうした発想自体が問題なワケ)。
また280〜281で長々と引用してもらった文章で、資本主義が生み出す支配−従
属関係の問題(先進国−発展途上国の従属関係論など)を否定するのは、米国
政府のイデオローグである彼にとっては当然のことだろう。

戦前日本の満州政策でも、これを「五族協和」「満州の近代化」「真の独立」
などのスローガンや理論で固めたのは当時の体制イデオローグたちであり、そ
こでは明白な侵略政策であるなどと云うものは皆無だったのだから(コトの真
相がハッキリしたのは日本の敗戦後のこと)。

というわけで、フクヤマの理論も今後の世界情勢がどう推移するかで、その理
論的妥当性もやがてハッキリすることだろう。もっとも、1990年代初頭では、
このままアメリカ中心とする世界平和が実現するだろうという楽観的見通しが
一般的にあり、第三世界問題や民族問題などの深刻化は、まだ明確なかたちで
顕現していなかったから、フクヤマのような楽観論も出たのだろう。
そうした意味で、すでにこの10年間で彼の理論の綻びはハッキリしてきている
と思うが(「歴史の終わり」という定義自体を訂正している点からも)。
288世界@名無史さん :02/10/06 02:29
やれやれ、ちょっと覗いて見たら、まだフクヤマ史観のはなししてるの。
電波狸氏も、もうこんな厨房とまじめに対話するのやめたら。
もっと、外の史観のはなしをした方が生産的だよ。
それにこのスレもうこの二人以外に誰もレスしてないじゃない。
つまらないからだよ。
289世界@名無史さん:02/10/06 02:56
面白いよ。フクヤマは日本では過小評価されてんじゃないの?
290世界@名無史さん:02/10/06 07:36
両方とも2ch的には厨ってことか
291ロマンティック・フクヤマ:02/10/06 07:51
>>288
>それにこのスレもうこの二人以外に誰もレスしてないじゃない。
>つまらないからだよ。

つまらないと感じるのはきみに理解力がないから。
つまらないものがあんなに売れて有名になるかよ。
どうでもいいからさっさとフクヤマを批判して見せろよ。
さっきから、アメリカのプロパガンダの一点張りじゃないか。
反米のイデオロギーに染まって、社会科学的な議論ができなくなってるのはそっちのほうだろ?

>>289
>面白いよ。フクヤマは日本では過小評価されてんじゃないの?

まったく同意。
たぶん、日本人はいまだポストモダンから抜け切れてないんだと思う。
唯物史観の失敗に萎縮してしまい「小さな物語」を語ることに終始していたポストモダンにたいして、
ふたたび「大きな物語」としての歴史を復活させた点にフクヤマの功績はあると思うんだが、
そこまで読み切れないんじゃないのかな?

でも、ちゃんとフクヤマの主著である「歴史の終わりと最後の人間」を読破した人は
みんなフクヤマに一定の評価を与えているよね。
やっぱりろくに読まずにイメージ批判する人間がいるのがいちばん問題だと思うよ。
ちゃんと邦訳されてるんだから読めばいいのに。
もったいないよ。
あんなに分かりやすくて、面白い本を読まないなんて。
訳者の渡辺昇一は、「この本を読まなければ、現代の教養階級の議論にはついてこれない」とまで言っていたけど、この言葉は大げさでもないよ。
292ロマンティック・フクヤマ:02/10/06 08:00
>>287
>資本主義が生み出す支配−従
>属関係の問題(先進国−発展途上国の従属関係論など)を否定するのは、米国
>政府のイデオローグである彼にとっては当然のことだろう。

しかし、日本をはじめとしたアジア諸国が奇跡と呼ばれる
経済発展を遂げたのはイデオロギーうんぬんじゃなくて、
社会科学的事実ですが?
これは従属理論で説明できない現象である以上、
そのフクヤマ批判は根拠がないと思うよ。
293応援団:02/10/06 11:08
乙女チック、がんがれ!
294世界@名無史さん :02/10/06 16:49
なるほど。
フクヤマは引用文からすれば、アジアの経済復興を資本主義の共存共栄の根拠にしているようだが、これは搾取論や従属論ではうまく説明できない。
電波狸氏はアジアの経済復興をどのように見ているのかな?
それができなくてはアメリカ・イデオローグ批判も根拠がないと思う。
295前スレの11:02/10/06 16:57
…僕が間違っていました。
最近のアメリカのユニラテラリズム及び異様な国威発揚それに伴う、
多様化への拒絶など、そしてそれを経済の斜陽化(デフレ化)が拍車
をかけているように感じ、アメリカ一辺倒は危険だと思いました。
このままでは、地球が持たないと思います。
296心配ないよ:02/10/06 18:30
もう既に心理的にはお篭り症候群でてるよ。
その前のただのヒステリーだな。
まぁ最後のあがきだな。
297世界@名無史さん:02/10/06 19:40
バカ・ブッシュが大統領を辞めたら元に戻るよ。
一国優先主義はアメリカ国内でも批判が大きいことを忘れちゃいけない。
298世界@名無史さん:02/10/07 00:37
>>287
>フクヤマにとっては、リベラル民主主義の(理念の)模範=現在アメリカとい
前提だから、そのコロラリーとして、他の諸国はこの理念的模範=アメリカに
倣えという主張が出てくるのは当然(そうした発想自体が問題なワケ)。
また280〜281で長々と引用してもらった文章で、資本主義が生み出す支配−従
属関係の問題(先進国−発展途上国の従属関係論など)を否定するのは、米国
政府のイデオローグである彼にとっては当然のことだろう。
戦前日本の満州政策でも、これを「五族協和」「満州の近代化」「真の独立」
などのスローガンや理論で固めたのは当時の体制イデオローグたちであり、そ
こでは明白な侵略政策であるなどと云うものは皆無だったのだから(コトの真
相がハッキリしたのは日本の敗戦後のこと)。

その言葉、そっくり共産主義国に当てはまるな。
>>291
>訳者の渡辺昇一は、「この本を読まなければ、現代の教養階級の議論にはついてこれない」とまで言っていたけど、この言葉は大げさでもないよ

渡部昇一の言葉というだけで疑うべきだろうな(笑)
299世界@名無史さん:02/10/07 04:44
>しかし、日本をはじめとしたアジア諸国が奇跡と呼ばれる
>経済発展を遂げたのはイデオロギーうんぬんじゃなくて、
>社会科学的事実ですが?

クルーグマンの「アジアの奇跡という幻想」では、
「アジアの奇跡」は、50年代のソ連とおなじで、「東アジア諸国の
めざましい経済成長は投入の急速な増加によるものであり、…
奇跡といえるような点はなにもない」
「投入の増加とは、雇用の拡大、教育水準の向上、さらに
もっとも重要なものとして物的資本への膨大な投資のこと」
とされているが。

アジアの奇跡とか言う香具師は、世紀末のアジアンバブル崩壊
(と、日本の大不況)に目を瞑ってはいけない気がするけどなぁ。
300世界@名無史さん:02/10/07 05:44
>>299
クルーグマンは東アジアの新興工業国と日本を区別してるよ。

The Myth of Asia's Miracle
Paul Krugman
http://web.mit.edu/krugman/www/myth.html
この論文でクルーグマンが言いたかったことは、
東アジアの新興経済国家(日本を除く)の経済成長は、
インプットの増大によるアウトプットの増大にすぎず、
奇跡でもなんでもなくてあたりまえのことで、いずれ
旧ソ連の経済成長と同じく必ず成長は劇的に鈍化するだろう
ってことでしょ。そして1997年に予想は的中した。

クルーグマンは旧ソ連の急速な経済成長は奇跡でもなんでもない
といってるのよ。
つまり資本主義に対する社会主義の優位なるものは現実の世界には
(今までのところは)存在していないってことだよ。

クルーグマンによる日本の不況の分析は↓の論文が的確だろう。
実際、ノーベル賞クラスの一流の経済学者が学派を超えてクルーグマンに
賛同している。マルキストはどうか知らんが。
この論文によれば、日本の現在の不況は(資本主義の矛盾による
必然で回避不可能なものではなく)、適切な処方箋によって
回避することが可能であると論じている。

JAPAN'S TRAP
Paul Krugman
May 1998
http://web.mit.edu/krugman/www/japtrap.html
301世界@名無史さん:02/10/07 17:45
>>298
>渡部昇一の言葉というだけで疑うべきだろうな(笑)

そんなこと云っても、オマエ自身渡部以下だろう。
302世界@名無史さん:02/10/07 19:18
>>299-300
ここ、数量史系の人少なそうだから、レスないかも・・・

日本の経験を踏まえて、投入量の増加→経済成長→資本ストックの増加→
技術革新→sustainable growthという反論はあるみたい。あと、aggregated
dataを使ってマクロで議論を進めてくクルグマンのやり方に対して、あまり
にアジアのことを知らなさすぎる、という批判があると聞くけど、その辺、
ご存知だったら教えてください。
303電波狸:02/10/07 21:46
>ロマンティック・フクヤマ氏へ(例によって長レスになりそうですが)

レスの方向が、また現在の世界情勢問題へと傾斜しているようですが。
当方、昨日『歴史の終わり』上(中・下は見あたらず)のみ入手して読み始め
たところですが、前レスでも再三議論となったフクヤマが用いる“認知”“気
概”について、ヘーゲルの援用の仕方に疑問を感じる(フクヤマ前掲書42〜46
頁)。
この部分のフクヤマの援用は、『精神現象学』の「自己意識の自立性と非自立
性―支配と隷属」からと思われるので、(素人読みだが)まずその内容を大雑
把に検討すると(『精神現象学』長谷川宏訳、作品社、129〜138頁)………
ヘーゲルの云う自己意識は、意識→自己意識→理性という精神の上向過程の一
階梯であり、主人―奴隷関係の問題も、そうした自己意識の発展過程の問題と
して述べられる。
人間は自己意識と欲望から構成されるが、自己意識がそのことを自覚するには、
他者の存在を必要とする。ヘーゲルは、まずこの過程(自己意識の自覚化)に
ついて、(単なる他者の存在にとどまらない)“他者との命がけの闘争”とい
う極限状況を設定し、そこにおいて自己意識は他者がもつ自己意識と欲望の存
在を認めざるをえず、同時にそのことを通じて自己の自己意識と欲望の在り方
を明瞭に自覚するという点を指摘する。
そして次に、こうして自覚化された人間の自己意識と欲望とへの分裂及び両者
の関係が、主人(自己意識)と奴隷(欲望)の関係に比定して説明される。奴
隷は、主人に生殺与奪の権を握られ主人のために労働しその労働の成果はすべ
て主人に帰属するが、主人の方は専らその成果を消費・享受するのみ。やがて
奴隷の方は、その労働行為(対象への働きかけ)を通じて自己意識を生成する
ようになるが、他方消費・享受のみにしか関わらない主人の方は、そうした奴
隷の存在に依存するようになっていき、かくして事実上両者の立場は転倒して
いく。
(なお、以上の部分の解釈について誤りがあれば、どなたか御教示のほどを!)
304電波狸:02/10/07 21:55
(303続き)
この部分についてフクヤマは、自己意識を“認知への欲望”と置き換えて自己保
存の欲望から区別し、
「この認知への欲望のおかげで原始時代の二人の戦士は……死に至る決闘へと
自らの生命を賭けていく。そしてどちらか一方の戦士が死への本能的な恐怖に
よって白旗を掲げたとき、そこに主君と奴隷の関係が生まれる。歴史の始まり
におけるこの血なまぐさい戦いの報酬は、食べ物でも隠れ家でも安全でもなく
、純粋な威信なのだ。」と述べる。

ヘーゲルの「他者との命がけの闘争」は、他者の自己意識を鏡とした自己の自
己意識の意識化という主題を説明するための状況設定にすぎず、フクヤマの云
う「認知への欲望」を動機とした「死に至る決闘」というのとは内容的に異な
り、またそこから「主君と奴隷の関係が生まれる」という現実の支配・従属関
係発生の説明モデルでもない。また「主君と奴隷の関係」も、ヘーゲルでは、
自己意識(主君)と欲望(奴隷)それぞれの担い手の(労働への関わり方の違
いに基づく)実質的な変容が、支配と隷属関係の事実上の交替へと結果すると
いう弁証法的過程を主題としており、フクヤマの云う「威信」云々の問題では
あるまい。
前レス(>>200)では、具体的歴史事象に対するフクヤマの“独自の解釈”につ
いて述べたが、どうやら哲学においても“独自の解釈”を行っていると思われ
る。やはりフクヤマの議論は歴史学・歴史哲学とは次元を異にするものだと思
われるのだが………。

なお、当方明日より一週間ほど不在ですので、議論はまた後ほど。
305電波狸:02/10/07 22:42
>>295(前スレの11氏)
これだけのレスだと本人かどうか判断がつきませんが、とりあえず本人
であると仮定して………。
前スレで議論した時にも述べましたが、個人的には進歩史観やヒューマ
ニズムに反対ではありません。ただ、そうした思想(理念)を特定の国
家の現実や歴史をモデルに特化する点を批判したのです。
自由主義(これについては若干留保)であれ民主主義であれ、あくまで
ひとつの思想として、現実を批判する基準として、理解し機能させるこ
とが重要であろうかと。
理念(思想)と現実の二元的関係において、理念(思想)は、その担い
手たる主体(我々)を通じて、現実を常に批判・補正し方向づけるとい
う機能を果たす点にその存在意義があると思われます。
理念を特定の国家に実体化させると、現実の国家や社会の在り方はそれ
独自の運動構造をもちますから、その時々の動向に一喜一憂して振り回
されることになり、理念の独自の意義を見失うことになろうかと。
例えアメリカが自由民主主義だろうと、民主主義の本来的な理念に照ら
せば決して充分ではなく、状況によっては背反する場合すらあるわけで
すから、そうした場合は、民主主義の理念に照らして現実のアメリカの
政策や制度を批判すべきであろうと考えます。
306世界@名無史さん:02/10/08 02:11
>>299
>アジアの奇跡とか言う香具師は、世紀末のアジアンバブル崩壊
>(と、日本の大不況)に目を瞑ってはいけない気がするけどなぁ。

バブル(投機過熱)っつーのは資本主義にはつきもの。
バブル崩壊そのものをあんまり過大評価しすぎるのもどうかとおもうが。
現代の日本の不況ていっても、旧共産国の惨状よりはマシでしょ?
307世界@名無史さん:02/10/08 08:01
>>269

歴史学についてですが
>新しい史料が発見されれば、いままでの定説もすぐくつがえるし。
>正確に言えば、科学というより趣味に近いよね。
むしろこの方が趣味というより科学って気がしますが。

事実に先立って図式があって、都合の悪い事実を無視する
某理論よりは。

308世界@名無史さん:02/10/08 08:15
>>303
>レスの方向が、また現在の世界情勢問題へと傾斜しているようですが。
>当方、昨日『歴史の終わり』上(中・下は見あたらず)のみ入手して読み始め
>たところですが、前レスでも再三議論となったフクヤマが用いる“認知”“気
>概”について、ヘーゲルの援用の仕方に疑問を感じる(フクヤマ前掲書42〜46
>頁)。
えっとKojeveのヘーゲル解説本がフクヤマの直接のネタ本ですから
そちらのほう辺も配慮が必要かも。

また、フクヤマはストレートに原書を読むことをお勧めします。
脈絡のないところにわざわざラテン語の片言隻句を
ちりばめたりしていて、アメリカの「知的大衆」の
劣等感を刺激するような体裁に仕上がっていて
まさにフクヤマの「こけおどし」性を浮き彫りに
しています。

ま、日系人として微妙な立場にある人物が、ああいう
本を書いてしまうというのは実に感慨深いですが。
国籍だけでなく精神的な面で「アメリカ人」になり
たかったんですね、彼は。
309世界@名無史さん:02/10/08 10:04
>例えアメリカが自由民主主義だろうと、民主主義の本来的な理念に照ら
>せば決して充分ではなく、状況によっては背反する場合すらあるわけで
>すから、そうした場合は、民主主義の理念に照らして現実のアメリカの
>政策や制度を批判すべきであろうと考えます。
別に、この点についてはフクヤマも正面きっては否定しないと思います。
「アメリカとてリベラル民主主義と相反するなら批判するが
アメリカはリベラル民主主義に大筋で反していない」みたいな
詐欺的な論法を使うのではないかな。


310世界@名無史さん:02/10/08 11:05
↓茜が「おい、お前ら何やってんだよ」と突っ込まなかった場合

かずや「うるせえよ」
つばさ「おまえがうるせえよ」
かずや「うるせえのはおまえだよ」
つばさ「うるせえよ」
かずや「おまえがうるせえよ」
つばさ「おまえだよ」
かずや「うるせえよ」
つばさ「おまえがうるせえよ」
かずや「うるせえのはおまえだよ」
つばさ「うるさくねえよ」
かずや「うるせえよ」
つばさ「おまえがうるせえよ」

311世界@名無史さん:02/10/08 14:06
>>307
>むしろこの方が趣味というより科学って気がしますが。

>事実に先立って図式があって、都合の悪い事実を無視する
>某理論よりは。

いや、これは、実用主義に基づいて言ってるんでしょ?
未来予見に役に立たない歴史学は科学というより、
趣味だという考えは当たってると思うよ。
世界史板の住人は、ていどの差はあれそんなコンプレックスを持ってると思うよ。

あと、予言は当たったか、はずれたかちゃんと検証できるんだから、
(マルクスの予言は社会主義体制の崩壊によって誤りが決定化したし、
フクヤマの予言もリベラル民主主義国家が自己崩壊するか否かによって、検証できると思う。)
ちゃんと科学性を有してると思う。

未来予測に役に立たない歴史理論のほうが、むしろ後付けだというのは説得力があると思うよ。
少なくともマルクスもフクヤマも予言を行ってる分、後付けという批判は当たらない。
312世界@名無史さん:02/10/08 15:49
>>311
引用の仕方が宜しくないな。というか悪質。
あと、実用主義「しか」知らない人だったというのは驚き。

>新しい史料が発見されれば、いままでの定説もすぐくつがえるし。
少なくとも「科学性」の否定の根拠にゃならない。経験的反証性があ
るんだから。

あと、「予言」と「科学」の同一視については噴飯物という日本語
がぴったり。

さらにいば、フクヤマについては一定期間が経過してフクヤマ予想が外れ
れていること馬鹿にさえ明確になればメッキがはがれるのは事実。
ただその逆で「メッキがはがれるまでは科学」という言い方は正しく
ない。

ま、現にフクヤマは過去の「予見の綻びのつじつまあわせ」に忙しい
わけだが。
313世界@名無史さん:02/10/08 15:58
>>311

あと、「予言」の外れたときの言い訳を用意しておくのは
詐欺氏の常套手段で、マルクス主義だってその手で、寿命が
数十年伸びたわけだし。フクヤマの最近の言動もその一種。

どちらも「科学」を標榜した疑似科学。

僕はロシアの社会主義が崩壊する以前でもマルクス主義の
虚偽は明らかだったと思うし、アメリカの凋落が誰の目に
も明らかになる前でもフクヤマの虚偽性も明らかだと思う。

あと、歴史学を批判するのに2chを基準にした展開は
もはやギャグだね。

314世界@名無史さん:02/10/08 16:56
最近の生物学の目覚ましい進歩は、フクヤマ理論にとってますます
追い風になってると思うがね。むしろ理論の根本のところで前提が
否定されつつあるのはマルクスだけではなく、デュルケムも含めて
従来型の社会科学のほうじゃないかな。フェミ、ポストモダニズム、
カルスタが科学でないことは明白になったけど。
315世界@名無史さん:02/10/08 17:09
マルクスVSフクヤマか
電波と芸人の戦いだな(プ
316世界@名無史さん:02/10/08 17:21
>>314

「生物学」の意図的な解釈良いですね。そこまで風呂敷を広げると
ペテンがばれるのに時間が掛かって良いね。
317世界@名無史さん:02/10/08 17:23
世界中でフクヤマが一番過小評価されてるのは日本かもよ。
逆に、マル経やフェミやカルスタがのさばってるのは
日本だけだろう。
318世界@名無史さん:02/10/08 17:23
>>315

っていうか明らかに詐欺師だって。
でも、狸氏はやっぱりマルクス主義者かな。
319世界@名無史さん:02/10/08 17:25
>>317
人文科学の一定の基盤のあるヨーロッパじゃ際物扱いだと思い
ますが。
精々、ジャーナリスティックな流行。それも、やや古い。
320世界@名無史さん:02/10/08 17:27
ま、WWIIに強制収容所に入れられて、白人のメインに
変なコンプレックスを持った日系人の中からフクヤマが
出てきたのは偶然ではないだろうね。
321世界@名無史さん:02/10/08 17:54
フクヤマは単なるアンチ・マルクスではないよ。
モーゲンソーやキッシンジャーを批判してるんだからさ。
アメリカのエスタブリッシュメントの中にはキッシンジャーの
弟子がたくさんいるにもかかわらず、フォーリンアフェアーズに
論文を載せたり国務省で政策立案に関わったりしてんだから、
実力が認められてんだよ。
322世界@名無史さん:02/10/08 18:44
>フクヤマは単なるアンチ・マルクスではないよ。

あたりまえじゃない。どっちもヘーゲルのパクリだし。
なんか、フクヤマを誉められるなら毛筋ほどの
ことでも宣伝するのね。
323世界@名無史さん:02/10/08 18:47
ちなみにアメリカのエスタブリッシュメンとの
宣伝用イデオローグって多彩ですよ。互いに相反す
るものもある。
たとえば「歴史の終わり」と「文明の衝突」と見たい
なのはその中でも2大図式主義だろうね。
324世界@名無史さん:02/10/08 18:48
だからフクヤマは熟練の芸人だって。
ヘーゲルをああいう感じでアメリカエスタブリッシュに
受けるような形で仕立て上げたのは対したもんだ。
キリスト教の伝統のあるアメリカではやっぱりヘーゲルが
一番直感的に理解される。
一方日本の知識人は、わかってるつもりでも
感覚的にはヘーゲルを理解できない。
吉本隆明は、雑誌の企画でフーコーに書簡を送って
往復対談をした。
まず吉本から送ったのだが、フーコーから帰ってきた返事は
「何を言ってるのかさっぱりわからない。吉本は本当にヘーゲルを読んだのか?」(w
325世界@名無史さん:02/10/08 18:53
フクヤマもフーコに送れば良かったのに。
まあフーコは、既に死んでたわけだが。
あの程度では笑われたと思う.
だまされるのはアメリカ人だけだって。
326世界@名無史さん:02/10/08 18:55
>>319
政治学について言うならヨーロッパのほうが際物だよ。
すでに学問としては終わったとされている社会学なんかが
政治論になっちゃうんだから。
327世界@名無史さん:02/10/08 18:59
>>325
それはありえないな。
328世界@名無史さん:02/10/08 19:02
>>324
あと吉本を例にするのは、宜しくないね。
吉本はちゃんと本を読めないので有名な人だから。
「言語にとって美とは何か」でもソシュール理解変だしね。
よく言えば、「独創的」なんだろうが。

あと、アメリカのヘーゲル理解はあまり高くないよ.
フランスもイポリットがヘーゲルをやっていた頃と
コジェブがクノーなんか集めて講義していた時期に
流行ったのだろうけど、アメリカよりは水準が高い。
329世界@名無史さん:02/10/08 19:06
>>328
>あと吉本を例にするのは、宜しくないね。

少なくともある時期の日本の知的水準を代表する知識人であったことは確か。
本が読めないバカだから吉本を例にするのはおかしいという、君の頭がおかしい。
そのバカが当時の日本の知識人のレベルだったというだけこと。
330世界@名無史さん:02/10/08 19:09
>>327
いいや、大いにあり得る。
あの「歴史の終わりの」本としての衒学的な体裁だけで品性
を笑われるし、自己意識の葛藤の解釈の変なところなんか、
原ヘーゲル読んでりゃわらだろう.




331世界@名無史さん:02/10/08 19:10
>>330
じゃあ言葉を変えよう。
ありえるかどうかを証明することなど不可能。
君の意見は最初から無意味。
332世界@名無史さん:02/10/08 19:14
>>329
なんか意図的に分からないふりしてるんですか?

吉本は日本の知識人の中でも「本の読み方が独創的」で有名な人だ
から。かれは特殊な例ですよ。

例えば、「言語にとって美とはなにか」が出たとき日本の言語学者の
大方はバカにしたのですよ。定説をキチンと踏まえていない.
ただ、そういう点を補う「独創性」が受けただけです。




333世界@名無史さん:02/10/08 19:15
>>312
>少なくとも「科学性」の否定の根拠にゃならない。経験的反証性があ
>るんだから。

別に科学性を否定しているわけではないよ。
ただ科学というより趣味に近いよなーという感想を述べただけで。
ただあんまり実用性がないのはたしかでしょ?
いちおうフクヤマは政策立案でアメリカ政府から有用視されてるわけだし、
ただの象牙の塔にこもっている歴史学者じゃこうはいかないでしょ?
少なくとも、フクヤマは歴史を有用化できる学者のひとりだと思うよ。

>ま、現にフクヤマは過去の「予見の綻びのつじつまあわせ」に忙しい
>わけだが。

具体的に何のことを言ってるの?

>>313
>アメリカの凋落が誰の目に
>も明らかになる前でもフクヤマの虚偽性も明らかだと思う。

アメリカの凋落とリベラル民主主義の破綻はイコールじゃないよ。
そりゃ、アメリカが国際世論を無視し出せばすぐ凋落するだろうけど、それはむしろ民主主義の勝利。
334世界@名無史さん:02/10/08 19:17
>>331
まるで、ガキですな。あなた。
じゃあ327も無意味と言うことでいいですよ。
ま、「死んでる人は笑えない」という落ち以外はね。
335世界@名無史さん:02/10/08 19:20
>>333

>別に科学性を否定しているわけではないよ。
>ただ科学というより趣味に近いよなーという感想を述べただけで。
頭がいたくなりました。たった2行でこの分裂。
要は「科学性」は否定しないのね。
じゃあそれでいいですよ.

あと最近のフクヤマの言動についてはガーディアンのサイトで
フクヤマの最近の論文が見られるので読んでみて。
336世界@名無史さん:02/10/08 19:23
>>332
吉本だけが例外だったならじゃあなぜその特殊な人が
代表的知識人として君臨したんだよ。
結局、回りも似たり寄ったりのアホだからだろ
337世界@名無史さん:02/10/08 19:25
>>329
あと、329の人。吉本が昔は「詩人」だった事は知らないのかな。
そういうの読んだことないですか。
昔の吉本って「詩人の癖に難しい本を読んでいる」ってことで
周囲から許されていた部分が結構あるのですよ.
338世界@名無史さん:02/10/08 19:25
>>334

自分の主観だけを根拠にしてる君にいわれたくないね。
339世界@名無史さん:02/10/08 19:29
>>337
ニーチェだって詩人ですけど何か
ガストンパシュラールだって詩人ですけど何か?
340世界@名無史さん:02/10/08 19:37
>>339
おお、ついに「何か」が出ましたか、ついに。

これは当時の評価だからしょうがない
「吉本の行ってることって著しく学問的厳密性にかけるけど
まあ、面白いからいいか。それに、詩人的な完成の人だし
ニーチェみたいな警句かいてるみたいな詩人とは違うし」
とか思ってたってだけ。
341世界@名無史さん:02/10/08 19:40
>>339
で、吉本の詩が結構いいのですよ.女々しくて。
結構これで多少の事は許せます.
342世界@名無史さん:02/10/08 19:45
>>340
だから詩を低く見ること自体、日本の知識人のレベルの低さを物語ってるんだよ。
わかんねえみたいだな。

>詩人的な完成の人だし
>ニーチェみたいな警句かいてるみたいな詩人とは違うし
アフォリズムを何か詩人にとって特殊なものとおもってる君はアフォ(W
343世界@名無史さん:02/10/08 19:47
ま、吉本で日本のヘーゲル理解を計るのは、司馬遼太郎で
計るのとそんなに変わりがないと思うし、本人にも気の毒。
344世界@名無史さん:02/10/08 19:51
>だから詩を低く見ること自体、日本の知識人のレベルの低さを物語ってるんだよ。
>わかんねえみたいだな。
明らかに摺り替えだとおもいますな。

あと「低く見る」と言うのは違います.
「素人だから生暖かい目で見守ってあげよう。なまじ
厳密性を求めたりしないで、そのかわり面白い事をいってくれ」
ってな気分だと思いますが。
持論、吉本を過大評価するあなたみたいな人は
いつの時代にもいたでしょうけどね。
345世界@名無史さん:02/10/08 20:13
>>344
なるほど、じゃあ青年時に吉本を高く評価しちゃった橋爪とか加藤とか浅田って言うのは
もう日本の知識人の中では例外中の例外なんだね(プ
吉本がレベルが低いのに間違って評価された
例外的な存在だったなら、なぜ当時彼らは、
みんな他の知識人に依拠できなかったんだろう。
ほかがもっとレベルが低かった証拠ではないのか?
346世界@名無史さん:02/10/08 20:16
なんか散々ソビエトを礼賛しておいて、ソ連崩壊後
「ソビエトは例外的な社会主義であった。私は崩壊すると前から知っていた!!」
といってる進歩的知識人といっしょだねえ。
347世界@名無史さん:02/10/08 20:18
>>335
>あと最近のフクヤマの言動についてはガーディアンのサイトで
>フクヤマの最近の論文が見られるので読んでみて。

さいきんの論文を読んでも、あんまりつじつま合わせに徹してるような印象は受けないけどな。
前の同時多発テロの事件にも、そくざに「まだ歴史は終わったままだ」と発言したところなんてあいかわらずだと思ったけど。
問題点があるのなら、ちょっとは具体的に要約したり、引用したりしてくれよ。
そうじゃないと、ただやっかんで煽ってると思われても仕方ないよ。
348世界@名無史さん:02/10/08 20:26
吉本の共同幻想論とかは、ちょっと根拠が薄弱で、ポストモダンチックで、ちょっとあれかなって思うけど、
政治評論としてのロシア・マルクス主義批判は面白いよ。
あの左翼思想の蔓延していた思想空間で、前衛主義批判(知識人批判)をラディカルに行い、
大衆の政治的無関心を民主主義の退廃ではなく、真性の民主主義の始まりだと見なしたところなんて評価できると思うけど。
歴史を動かすのは一握りの前衛主義者(指導者)じゃなくて、名もない一般大衆だからね。
349世界@名無史さん:02/10/08 21:46
>>345
もはや何も見えずと言う状態ですね.

>なるほど、じゃあ青年時に吉本を高く評価しちゃった橋爪とか加藤とか浅田って言うのは
>もう日本の知識人の中では例外中の例外なんだね(プ
これらの人が吉本のヘーゲル理解を高く評価していたの
かどうかはしらないが、そういう点で吉本を評価していたのかな。

ヘーゲル理解や言語論や南島に関する論なんか、当時から
相当疑問視されていたけど。

(話のはじまりは吉本のヘーゲル理解だからね)

ただ、吉本の面白さはそういうところにはないと言う事でしょう.

それは共同幻想論というより「自立論」関係ではないか。
350世界@名無史さん:02/10/08 21:55
>>347
ちゃんとguardianの方は読んでくれましたか?
念ため
http://www.guardian.co.uk/waronterror/story/0,1361,567333,00.html
あたりを手始めにしたらどうですか?
>This view has been challenged by many people, and perhaps most articulately by >Samuel Huntington.
だってさ。ライバルは気になるようですな。(笑い)
ある程度、現実との齟齬にフクヤマ自身気が付いて危機感持っているんですな.
351世界@名無史さん:02/10/08 21:59
>>346
というかプレーボーイとかの人生相談の吉本しか知らない。
精々角川文庫の「共同幻想論」どまりの人が、吉本の戦後
言論界での得意なポジションを理解できないで、過大評価
しているってことでしょ。
352世界@名無史さん:02/10/08 22:05
>>348

吉本の自立論や「大衆の原象」論の要約としては
いささかずさんと言う気がしますが、そういう点が
吉本の面白さであることは事実.

ただ、それと吉本がちゃんとマルクスやヘーゲルやそれどころか
柳田を読めているかどうかは別問題ですね。



353世界@名無史さん:02/10/08 22:37
351 を補足すると
吉本隆明VS花田清輝論争以来、吉本は「同時代の常識」を
知らない人というポジションで論争に強みを発揮した人で
それについては呉智英でさえ同様の事を認めています。
吉本は、60年安保後、猛烈に難しい本を読みはじめるわけ
だけど、そしてそれについては「試行」という名前の
雑誌で発表されていったわけですが、古本屋で見つて
読んでみても、」吉本の読み方がいかにも素人的な読み方
な訳で、それは同時期の岩波の「思想」なんかと読み比べ
てみればその違いは歴然としています.

吉本は、いい意味でも悪い意味でも「素人」であった人なんです。
(ま、過去の人だわね。)
ただ、素人だからといって、それが無価値ではないし、見方によっては面白いという
ことなんですが。

354世界@名無史さん:02/10/08 22:54
>>351
じゃあ欧米で、その特異なポジションとやらがありえるのか?
そして、まともにヘーゲルすら理解しないで
そんな変なところにいる奴が、戦後最大の批評家とか
いわれたりするようなことがあるのか?
結局は日本の知識人のレベルが低いだけだよ。
バカヲタはどうしても事実を認められないようだな。
足元のバカが見えない奴が何で、アメリカのフクヤマを批判できるのかね(W
355世界@名無史さん:02/10/08 23:00
もし、吉本がバカであることが当時の共通見解なら
なぜ、中央公論社は、吉本とフーコーにヘーゲルについて対談させるなどという
無謀なことをしたのだ?
日本の知識人だけがバカで吉本のバカさ加減に気がついてなかった
からではないのか?
356世界@名無史さん:02/10/08 23:09
>>375
誰かに粘着にあおられたの?(プ
トラウマになった?(プ
357世界@名無史さん:02/10/08 23:09
>>354
まともにヘーゲルが理解できないと言う点ではフクヤマも
怪しいと思うな。それは狸氏も指摘してるね.

別に、僕は日本の知識人のレウ゛ェルの弁護をしていたわけ
では無いが。ただ、「偉大なる素人」という存在は許される
し吉本はそれに値するとおもうね。これは賛辞だと思う.

また、「戦後最大の批評家」については、残念だが責任
を負いかねる。
358世界@名無史さん:02/10/08 23:11
355は完全にねつ造モードだと思いいますね。
なに爆発してるんだか。

行っても居ない事には反論できないな。
吉本がバカとは一言もいっていない。
359世界@名無史さん:02/10/08 23:17
>>358
じゃあバカというのは止めて
その特異なポジション(素人?)とやらに読み替えてもらおう。
それでも355の趣旨は何ら変わらないんだが?
だから欧米で吉本みたいな立場の奴を一人でいいからあげてみろよ。
ギュンターグラスみたいに労働者から知識人になったやつは
欧米にもいるだろうけど、フーコーあたりの知識人から
ヘーゲルすら読んでないと罵倒されてまで
一流の知識人面が欧米で出来るのか?
360世界@名無史さん:02/10/08 23:18
×罵倒されてまで
○罵倒されたあと
361世界@名無史さん:02/10/08 23:24
少なくとも、吉本を戦後最大の批評家と評価したのは
ごく一部だけのことではない。
今ですら吉本を語るときに、必ずそのフレーズが出てくるのだから
少なくとも一時はそれが共通見解であったことの間違いない証明。
もし本当にごく一部なら、他の大勢から大きなバッシングを受けるはずだ。
そういった事実に目をつぶって、自分の議論に都合が悪いからって
当時の吉本の評価を不当にいじるのはおかしいぜ。
どうもインチキしかできない奴が多すぎる
362世界@名無史さん:02/10/08 23:24
>>359
ふつうそう言う場合は謝罪で始まるのだけどね。
「読み替えてもらおう」って命令ですか。

で、
あのー、他所にあまり見かけないから「特異」というと
おもうんですが。
なぜ、海外の例で権威つけしなきゃなのでしょうね。謎。
363世界@名無史さん:02/10/08 23:29
>>361
「戦後最大の批評家」でもさすがに「碩学」とは言わん
だろうな。
まあ、吉本の云ってることに余り学問的な厳密性を求めなきゃ
そういう言い方してもいいとはおもう。
週刊プレーボーイ辺りはいいそうだね.
新刊ほんの腰巻きも

364361:02/10/08 23:32
361とか見て、以後下げで進行する事にしました。
なんか切れちゃって論理性のなさに拍車がかってきてる人あいての
議論ですから。
365362:02/10/08 23:34
おっと364は362が書きました。361当てね。
お詫び。
366世界@名無史さん:02/10/08 23:36
>あのー、他所にあまり見かけないから「特異」というと
>おもうんですが。
>なぜ、海外の例で権威つけしなきゃなのでしょうね。謎。

だからその特異なポジションとやらがなぜ存在したのかを
日本の後進性とは無縁なところから説明できた時点ではじめて
あなたの議論が成立するってことに気がつかないの?
もしそれが説明できたのなら
その特異なポジションとやらをバカと読み替えてしまったこっちが
間違いであったってことになるけど?
それまでは、その特異なポジションとやらをバカと読み替えた
こっちが間違いであったということにはならない。
367世界@名無史さん:02/10/08 23:37
>>361

>もし本当にごく一部なら、他の大勢から大きなバッシングを受けるはずだ。
>そういった事実に目をつぶって、
愛されていたんですよ.ある意味で。
同じ杜撰な事を言ってもそこがフクヤマと吉本の違い。
杜撰なんだけど、どこか考えさせる人となんですわ.
吉本は。


368世界@名無史さん:02/10/08 23:39
たとえば、まあ最近の知識人で
非論理性が目立つが、それなりに支持者も多い知識人といえば
西部邁だろう。しかし西部を戦後最大の批評家とか言う奴は
いねえよな。
369世界@名無史さん:02/10/08 23:41
>>366
あれー、どんどん話をずらしますね.
「日本の後進性」ですか?
別に後進でもいいけど(それほどでも無いと思うが)
それ、とうつ過ぎて意味不明。

ところで「後進」って「バカ」と同義語なの?
370世界@名無史さん:02/10/08 23:41
>愛されていたんですよ.ある意味で。

バカですか?じゃあ愛していない人はなぜバッシングしなかったの?
371世界@名無史さん:02/10/08 23:44
>>369
>あれー、どんどん話をずらしますね.
>「日本の後進性」ですか?
>別に後進でもいいけど(それほどでも無いと思うが)
>それ、とうつ過ぎて意味不明。

最初から吉本隆明が日本の知識人の
知的基準を計る指標になりえるかなり得ないか
って言う議論なのに唐突過ぎだって。
もはや自分が何を言ってるかすらわからなくなってるらしい。
372世界@名無史さん:02/10/08 23:45
>>368
ところで「批評家」って何批評家ですか?
「文芸批評家」ならしかも印象で批評する人なら
あまり学問的蓄積では判断されないですね。

あと「戦後最大の評論家」に山本夏彦氏をあげ
る人もいましたね。そう言えば。
373世界@名無史さん:02/10/08 23:48
>>371
そう。特にヘーゲルがらみなら吉本や司馬遼太郎はあまり
適当では無い。どちらも「日本の知性」みたいな言い方
されるときもあるけど。
374世界@名無史さん:02/10/08 23:49
>>372
どんどん苦しくなって瑣末なところに逃げるしかなくなってるみたいだね。
吉本に関しては
戦後最大の思想家とか戦後最大の知識人とも読んでるみたいだぞ
どちらかというと戦後最大の思想家って言うのメインみたいだな
ぐぐって見ると大抵吉本の名前が出てくるのはなぜ?
375世界@名無史さん:02/10/08 23:54
>>373
>そう。特にヘーゲルがらみなら吉本や司馬遼太郎はあまり
>適当では無い。どちらも「日本の知性」みたいな言い方
>されるときもあるけど。
司馬遼太郎は思想家としてすら
規定されていないし自己規定もしていない
ユリイカや現代思想が司馬を取り上げたことはない。
司馬を持ってくるなんてあまりにも苦しすぎるぜ
大衆小説家じゃないか。
376世界@名無史さん:02/10/08 23:54
373続き。

さらにあえて言えば、「後進性」という言葉は、無規定で
使うのは危険。

アジアとアメリカとヨーロッパでは要求される知識が歴然と
違うわけだから。

アメリカとヨーロッパでもかなり違う。その辺のアメリカの
「後進性」に付け入ったのがフクヤマだけど。

日本の基準として吉本を持ち出した人とがいるが、それはあま
り一般的では無い。マルクス経由のヘーゲル受容に触れたくなかった
とまでは言わないが.
戦前からのアカデミズムでもマルクスとヘーゲルの伝統もあるわけだが.
377世界@名無史さん:02/10/09 00:01
>>374
で、概念規定ができないから「批評家」からは撤退ですか。

「思想家」ね、それはありだね.
いっとくが、僕は吉本を高く評価しているので
「戦後最大」かどうかは、知らないが思想家としての
存在が大きい事は否定しない。

しかし、それと知識人一般の水準と「ヘーゲル受容」に無理に
結びつけなくてもいいと思うが.

ユリイカじゃないけどンHK方面では司馬は思想家あつかい.
378世界@名無史さん:02/10/09 00:05
>>374
グーグルのにわか勉強もいいけど、吉本の著作集をまじめに読ん
でみた方がよく分かると思うよ.
初期ノートとか読んでみると、学問の人ではない吉本の魅力がわ
けると思う.思想家としてと言ってもいいが.
379世界@名無史さん:02/10/09 00:08
>>376

後進性の講釈は後にして

まず質問に答えてもらえませんかね。

あなたの解釈では特異なポジションの素人でしかないと言い張る
吉本隆明が、なぜ当時あれだけちやほやともてはやされたんですかね。
そもそも哲学ってそういうものではないはずですが?
どうしてその特異なポジションの素人が
戦後最大の思想家などと名乗っていることに対して
他の左派系知識人は、許容してしまったんですかね?
あなたの言ってることは、一つとして言い逃れ以外のものはないんですよ。
380世界@名無史さん:02/10/09 00:08
たとえば、シェークスピアは同時代の碩学から「ラテン語は少し、
ギリシャ語は全然できない」と言われたわけだけど、それでも
魅力はなくならないわけだしね。
381世界@名無史さん:02/10/09 00:10
>>378
>グーグルのにわか勉強もいいけど、吉本の著作集をまじめに読ん
>でみた方がよく分かると思うよ.

わかった!!あんたは逃げることしか出来ないただのバカなんだ。
なぜって言う質問に対してまったく答えになってない回答をする
バカの証拠
382世界@名無史さん:02/10/09 00:13
>>380
君は哲学とは何かってことすら知らないようだね。
小説は知的研鑚なしに書いてもかまわないが
哲学は違うんだよ。
司馬を持ち出したりシェークスピアを持ち出したり
言い逃れに忙しいようだが。
383世界@名無史さん:02/10/09 00:15
もう寝よ。哲学と小説をいっしょに語ってるアホはつらすぎる
ここまでバカだと腹立たしさを通り越して呆れるだけ
384世界@名無史さん:02/10/09 00:24
>>379
かってに「哲学」にしないでね。それについては議論の余地あり.

「戦後最大」は、同時代にそういう言い方は固まっていないはず。
当時の思想雑誌は趣味で収集しているが毀誉褒貶半ば、ってのが
正直なところ。(70年代ね)

例えば、哲学者のヒロマツワタルは吉本のヘーゲル理解もマルクス理解
も相手にしていなかったでしょう。ヒロマツは御存じですよね.

で吉本に対して好意的な見方と言うのは、杜撰ではあるけど
柳田国男、丸山、マルクス、なんかを自分流に読み込んで、
体系を構成した事でしょう.おもに影響されたのは、吉本以前
には柳田も丸山もあまり知らなかった学生。

マルクスの知識はあっても民俗学についての知識は一般的では
なかった訳ですね.当時。

あと、「大衆の自立」論、これは誰かの理論的影響というより
吉本自身が育った東京の下町「月島」あたりの体験が核になって
いるわけですが。これが70年代の前衛党主義への反感とともに
一つの流行だった。

僕自身は、かなり後から吉本を知って「言語論」とか読んだけど
すでにソシュールとか知ってると、度胆を抜かれるぐらい素人と
臭いのです。これは、僕の周りでかなり共通の認識。
ただ、多分、吉本本人は彼なりにソシュールを読んでいるんですよ.

385世界@名無史さん:02/10/09 00:26
>>383
ああ、勝手に「哲学」にしちゃったよ。吉本を。
どう考えても全部ひっくるめれば結局は文学の人。
386世界@名無史さん:02/10/09 00:36
>戦後最大の思想家などと名乗っていることに対して
>他の左派系知識人は、許容してしまったんですかね?
強いていえば、これまで何回かあった、商業ジャーナリズムの
「全共闘ブーム」みたいなセールスのなかで虚像が大きくなった
行ったのじゃないかな。

387世界@名無史さん :02/10/09 05:45
吉本はやはり文学的感性をもった批評家。
たしかにユニークではあるが、思想家とまで云えるかとなると疑問。
丸山以下の進歩的知識人への批判を相当徹底的に行い、
当時の若者へ影響力を及ぼした。
特に丸山批判では、丸山に西欧的知識人という位置づけを与え、
戦後彼らを担い手とした外来文化優位の姿勢と対決して、
土着的文化の存在とその重要性を喚起した。
その背景には、丸山的な外来文化の担い手であるエリート的知識人に対して、
伝統を背負った土着的大衆という対抗的図式と土着性の優勢を述べた。
388世界@名無史さん:02/10/09 05:59
387訂正:
対抗的図式と土着性の優勢を述べた
      ↓
対抗的図式と後者の前者に対する優越性という(大衆主義的)主張が存在した。
389世界@名無史さん:02/10/09 11:09
>>387
吉本は、ちょっと変わっった人だけど「思想家」はありだと思うけど。
僕的には深沢七郎も「思想家」だから。あの谷川雁も。
まぁ、これは言葉の問題というか「思想家」といった時のイメージ
の違いかな。

でも、それ以外は同意。普通吉本を見るときはそう言う見方をすると
おもう。

まあ、知識人批判なんかは小林秀雄の「マルクスの梧達」みたいな
のの影響や島木健作の「生活の探求」方面からの影響もありそうな
気はしますけど。
ただ吉本自身は自分の思想性に影響を与えた人物として月島で通ってい
た学習塾の先生なんかを挙げていたりします。
もともと東工大出身で理科系の人で普通の人文教育を受けていないこ
とも「独創性」を与えてる原因ではないかと思います。
まあ、吉本は「独創性」においては「戦後稀有」くらいの形容は許さ
れる人だと思います。

あと、西も東もわからない、学生に柳田国男や親鸞の読み方を教えた
功績も大きいいかな。とにかく吉本以後、柳田、折口、宮本常一なん
かの読者層が拡大したとどは間違いない。
390世界@名無史さん:02/10/09 21:44
>>310
なにげに面白い。
つか、今もまだそうかも。
391世界@名無史さん:02/10/10 01:52
>>350
>だってさ。ライバルは気になるようですな。(笑い)
>ある程度、現実との齟齬にフクヤマ自身気が付いて危機感持っているんですな.

フクヤマはまだ歴史は終わったままだって、はっきり書いてるじゃん。
どこに動揺や齟齬が見られるんだ?
あと、きみは知らないかも知れないが、
フクヤマは1992年の「歴史の終わり」を書いた時点でも、
冷戦以後も脱歴史世界(民主主義陣営)と歴史世界(権威主義国家)の対立はつづくだろうと見ているんだよ。

「その反対に歴史世界では、そこに関与している国々に武力外交の古い規範が依然として適用されるため、
特定の国の発展段階に応じて起こる多種多様な宗教的、民族的、そしてイデオロギー的衝突によって世界はあいかわらず引き裂かれたままに残るはずだ。
イラクやリビアのような国は性懲りもなく近隣諸国を侵略しては血なまぐさい戦いをつづけていくだろう。
また歴史世界では、民族国家が政治的アイデンティティの中心的存在でありつづけるだろう。」(歴史の終わり・下・文庫版P111)

今回の同時多発テロは、フクヤマの理論の中ではじゅうぶん折り込み済みなんだよ。
きみのその意見はまったくの誤解や偏見に過ぎない。
頼むから主著を読んでから批判してくれよ。(納得できないところを質問するのはかまわないが)
392 :02/10/10 02:01
たしか、実際に民主主義国家どうしの戦争は稀なんだよね。

フクヤマの理論への反論として有力なのはおそらく、科学や
技術の進歩には終わりがないのだから現時点で歴史が終わったとは
いえないのではないか、というものだと思う。
393世界@名無史さん:02/10/10 08:55
>>391

>フクヤマはまだ歴史は終わったままだって、はっきり書いてるじゃん。
>どこに動揺や齟齬が見られるんだ?
書くだけなら何でもかけますって。フクヤマが過去の間違いを認めた
とは言っていないよ誰も。
問題は「現実」との齟齬であって、フクヤマ自身による前言撤回ではない。

で、フクヤマ自身が"The West has won"では、現実がフクヤマ理論より
ハチソンの方にリアリティを与えていると感じたので再度、
「歴史の終わり仮説」(仮説だってさ)を補強せざるを得なかっ
たって事情が読み取れるはず。

「現実は俺の言ったコースとはずれているように見えるが
俺は正しい」とそう言うスタンスでしょ。

あと、「折込済み」も結構だが
「近隣諸国を侵略しては血なまぐさい戦いをつづけていくだろう。」
あたりは。湾岸戦争くらいまでは何とかカバーできても
今回のテロを「予言していた」と言うには弱いね。

ま、「歴史の終わり」単なる「仮説」とフクヤマ自身が認めているし
ぜひ読んでみてください。The west has wonは。
どう考えても最近の発言は、最近の論文を読んだほうがわかりやすいよ。

あと、The end of historyは、流行していた頃に読ませていただいてい
るのでご安心を。
394世界@名無史さん:02/10/10 09:06
>>391
「現実との齟齬」を問題にしているのに
フクヤマが前言撤回していないから齟齬はないと言う論法は明らかに変だが。

それいがにも、

>冷戦以後も脱歴史世界(民主主義陣営)と歴史世界(権威主義国家)の対立はつづくだろうと見ているんだよ。

最近のフクヤマは別に「権威主義国家」だけに限定して議論の補強を
行ってるわけではないのね。
「イスラム原理主義」については、フクヤマ自身さえ、「国家の他国
への侵略」みたいな枠より広い枠で議論してます。
したがって391はフクヤマ教祖すら納得はしてくれないと思うよ。
もう少し気の利いた個所の引用をしたほうが生産的だろう。
395世界@名無史さん:02/10/10 09:19
>>391
391はロマンティック氏?それともそれ以外の人。
まあ、どっちでも良いけど。
過去レスにうもれないうちに電波狸氏の303の疑問に答えてもらえませんか
単に無視するのはもったいない以上に、誰でも持つ疑問だからね。
まあ、無理にとは言いませんが。うまくすれば面白い議論にあるだろうと思う。
396世界@名無史さん:02/10/10 17:42
>>392
>フクヤマの理論への反論として有力なのはおそらく、科学や
>技術の進歩には終わりがないのだから現時点で歴史が終わったとは
>いえないのではないか、というものだと思う。

同意。
政治的イデオロギーとしてのリベラル民主主義の優位はもうくつがえりそうもないし、
民主主義国家間での戦争史が終焉したのはもう間違いないと思う。
そのことが自明だからフクヤマは最近生物学のほうへと議論を広げてるんだと思うよ。
397世界@名無史さん:02/10/10 17:42
>>393
>で、フクヤマ自身が"The West has won"では、現実がフクヤマ理論より
>ハチソンの方にリアリティを与えていると感じたので再度、
>「歴史の終わり仮説」(仮説だってさ)を補強せざるを得なかっ
>たって事情が読み取れるはず。

そんなことは全然ない。
ハンチントン以前にフクヤマを誤読して批判していた論客はいっぱいいたし、ハンチントンが出てきたからといってフクヤマはほとんど動揺してないと思う。
フクヤマはその根強い誤解にたいして再度答えただけ。

>「現実は俺の言ったコースとはずれているように見えるが
>俺は正しい」とそう言うスタンスでしょ。

現実にタリバンはイスラム圏でも孤立していたんですが?

>今回のテロを「予言していた」と言うには弱いね。

は? イスラム原理主義のテロは頻発していたし、別にどこかでテロが起こるだろうぐらいのことは、ほとんどの人は予感していたはずだよ。
そりゃ、超能力者じゃないんだから、日時や場所を予言することは不可能だけど。

>あと、The end of historyは、流行していた頃に読ませていただいてい
>るのでご安心を。

ちょっと信じられんね。ちゃんと読破したにしては、批判点がとんちんかんすぎない?
もう一回再読することを進めるよ。
398世界@名無史さん:02/10/10 17:56
>フクヤマは1992年の「歴史の終わり」を書いた時点でも、
>冷戦以後も脱歴史世界(民主主義陣営)と歴史世界(権威主義国家)の対立はつづくだろうと見ているんだよ。

アメリカと事を構えたあらゆる国が自動的に権威主義国家認定される罠
399世界@名無史さん:02/10/10 18:10
もう一つ、フクヤマ理論への反論としてあってもおかしくないと
思われるのは、「合成の誤謬」ではなかろうか。
つまり、国民と国家では次元が違うから、仮に国民の大多数が
戦争反対でも国家は戦争をすることが論理的にはありうると。
400世界@名無史さん:02/10/10 18:32
>>397
えっとguardianのあのサイトはフクヤマの最近の論文のか
なりの部分をカバーしているのでよく読むことをお勧めし
ます。

それで、395の方はどうなりますかね。
とりあえずthe end of history所収のan idea for universal history
とthe mechanisim of Desireの章に限定してもいいと思うが。

個人的なお願いで悪いが
あと、引用は章名を付けてでやってください。日本語訳のページで
は意味なさないんだわ。
401世界@名無史さん:02/10/10 18:38
>アメリカと事を構えたあらゆる国が自動的に権威主義国家認定される罠
フクヤマの"the end of history"に現存のどの国が民主主義か
という表があるけど笑えます。自分が軍人たきつけて転覆させ
たチリのアジェンデ政権やその他の扱い。
402世界@名無史さん:02/10/10 18:49
>もう一つ、フクヤマ理論への反論としてあってもおかしくないと
>思われるのは、「合成の誤謬」ではなかろうか。
>つまり、国民と国家では次元が違うから、仮に国民の大多数が
>戦争反対でも国家は戦争をすることが論理的にはありうると。
これは、基本中の基本でこれを理解していないのは
「人間本性」からストレートに歴史の根本動因に飛躍する
フクヤマ主義者くらいだと思う。

403世界@名無史さん:02/10/10 18:53
>>398
>アメリカと事を構えたあらゆる国が自動的に権威主義国家認定される罠

権威主義国家とは、言論の自由や、定期的な選挙制度や、複数政党制を許容してない国のことを指すんでしょ?
その定義による、リベラル民主主義国家とはことを構えていないのはたしかだよ。
すくなくとも武力衝突はしないよ。(初期のころは怪しいが)
404399:02/10/10 18:55
>>402
非難されるべきはむしろ、戦争ハンターイと念仏のように
となえていれば世の中が平和になると考える馬鹿左翼だろ。
405世界@名無史さん:02/10/10 18:56
>>397
>は? イスラム原理主義のテロは頻発していたし、別にどこかでテロ
>が起こるだろうぐらいのことは、ほとんどの人は予感していたはずだよ。
なら「歴史の終わり」(the end of history)から、テロを「予言」してい
た個所をこそ引用すべきじゃないか。
「権威主義国家の侵略」みたいなイラク湾岸戦争型の部分を引用され
てもこまる。
正直、もう少しそれらしい個所があるでしょ。
406402:02/10/10 18:59
>>404
左翼でも右翼で、その返には関心がないわ。
歴史の話してるだけで、あえて言えば「社会科学の方法」(笑)
ね。

まあ、僕は左翼には一切借りはないので、好きなだけ罵倒し
ていてください。
407世界@名無史さん:02/10/10 19:05
>>403
片方で「リベラル民主主義イデオロギー」といいながら
その実、単なる制度的な形式規定(複数政党制)しかし
ていない変な分類だから、あまり意味のない概念なんで
すね「リベラル民主主義」。
408407:02/10/10 19:09
訂正

誤)単なる制度的な形式規定(複数政党制)しかし

正)単なる制度的な形式規定(複数政党制.,etc)しかし
409世界@名無史さん:02/10/10 19:27
>>407はフクヤマを読んでないと思われ。
英語のペーパッバク本の42,43ページを
読んでみれ。
410407:02/10/10 19:31
407を敷衍します。
「歴史の終わり」(the end of history)の"the world wide liberal revolution"
の章にこうあります。

In judging which countries are democratic,
we will use a strict formal definition of democracy.
.....
It is true taht formal democracy alone does
not always guarantee eqqual participation.......
とまあ、フクヤマ自身も散々イデオロギー的なことを
言っておきながら最後に形式規定に逃げる矛盾は気が
付いているようです。

ということでフクヤマ主義者の方はご不満でしょうが
とりあえず「リベラル民主主義」と言うのが字面から
直感的に思い浮かべるイメージと違って手の込んだ
トリックの一つと言うことで疑って掛かることをすす
めます。
411407:02/10/10 19:32
>>409
つうか43からの引用だわ410は。
412407:02/10/10 19:34
>>409
あとボリシェビキが云々は理由にはならんな。
その後の理屈も無効だと思う。
413世界@名無史さん:02/10/10 19:41
形式的な規定がなければ“民主集中制”も朝鮮民主主義人民共和国も
民主主義になっちゃうよ。
414世界@名無史さん:02/10/10 19:45
>>413
それこそP43に書いてあるフクヤマ引き写し。
じゃあ、アメリカが後押しいていた朴時代の韓国はどうですか?
とか言う反論が希望ですか。

冗談はさておき、
形式規定を否定はしないのよ。「歴史の終わり」仮説の中で
の便利な使い分けを疑問におもっているだけ。
415世界@名無史さん:02/10/10 19:47
ところで303系のお話ないの?
416世界@名無史さん:02/10/10 19:49
>>413
あと細かいことだが「民主集中制」は共産党の党内での
話だね。国家の話じゃない。まあ僕も民主集中制は好き
ではないが。ただ、あまり乱暴な話をされてもな。

417世界@名無史さん:02/10/10 19:54
It is true that formal democracy alone does not always
guarantee equal participation and rights. Democratic
procedures can be manipulated by elites, and do not always
accurately reflect the will or true self-interestes of the
people.(p43)
って書いてあるじゃん。
だから必要十分条件じゃなくて必要条件なのでは?
418世界@名無史さん:02/10/10 19:56
>>417
じゃあ、こっちとの整合性は?
>In judging which countries are democratic,
>we will use a strict formal definition of democracy.
419世界@名無史さん:02/10/10 19:58
>>402
>これは、基本中の基本でこれを理解していないのは
>「人間本性」からストレートに歴史の根本動因に飛躍する
>フクヤマ主義者くらいだと思う。

そう?
合成の誤謬って具体的にどんなことで言ってるの?
フクヤマの人間本性論はじゅうぶんマクロ的だと思うけどな。
みょうちくりんで怪しげな精神分析で歴史を語ってるわけじゃないし。
420世界@名無史さん:02/10/10 20:00
>>417
当該個所からは必要条件と十分条件みたいな見方はでき
ないけど、ついでに、仮に百歩譲ってじゃあ、その十分条件はな
にかという点まであなたが打ち出していただけると助かる。
生産的な議論を期待してあげておくわ。
421世界@名無史さん:02/10/10 20:02
>>419
そうしたら、まず>>303あたりから話をはじめませんか?
いずれthe desire for recognitionあたりともかかわって
来るし。
422世界@名無史さん:02/10/10 20:05
>>418

>>413のような議論を避けるためでしょう。
423世界@名無史さん:02/10/10 20:08
>>420
p42,43でリベラリズムとデモクラシーの定義はしてあるじゃん。
定義した上で、その必要条件として形式的な判断基準を提示したんでしょ。
424世界@名無史さん:02/10/10 20:08
>>422
それは読んでます。ボリシェビキととレーニンに成ってるけど
オリジは。

体系の中での整合性と言う点では、そこで形式規定では
肩透かしだと思うし。 理由はどうあれ整合性は感じら
れない。
425世界@名無史さん:02/10/10 20:10
>>423
定義と判断基準が乖離していると言うことですね。
つまりは。
426世界@名無史さん:02/10/10 20:14
>>425
必要十分条件と必要条件は違いますね。
ただ、>>413のような議論を避けることは意味があるでしょう。
427世界@名無史さん:02/10/10 20:26
あくまでリベラル民主主義というイデオロギーがあって、その結果として形式的な普通選挙や複数政党制が生まれるの。
主は「理念」であって、制度は「従」だよ。
過去ログにも書いてた人がいるが、第一党が他の野党を非合法化しないのには、かなりのリベラルズムが必要。

でも、理念は目に見えないから、
>In judging which countries are democratic,
どの国が民主主義か判断する上で、目安になるのが制度ってことでしょ?
しかし、制度は外から見たら民主主義だけど、内部では欺瞞的に為政者から操作されている可能性もあるから注意が必要ということでしょ?
チェック・アンド・バランスの問題だよ。
428世界@名無史さん:02/10/10 20:26
>>426

別の人かもしれないが定義と判断基準だったり
必要条件と必要十分条件だったり、用語が一定
しないので困ります。

その「必要条件と必要十分条件」とフクヤマ自身
が文字どおり述べてる個所への参照を締めくくり
に付けてもらえせんか。
429世界@名無史さん:02/10/10 20:29
>しかし、制度は外から見たら民主主義だけど、
>内部では欺瞞的に為政者から操作されている
>可能性もあるから注意が必要ということでしょ?
で、このときの判断基準は?
430世界@名無史さん:02/10/10 20:32
あと
403だけど。
>権威主義国家とは、言論の自由や、定期的な選挙制度や、複数政党制を許容してない国のことを指すんでしょ?
この指標を形式的に満たす権威主義国家は理論上ありえますか?フクヤマでは。
431世界@名無史さん:02/10/10 20:35
も少し整理しよう。ごめん。

あと
403だけど。
>権威主義国家とは、言論の自由や、定期的な選挙制度や、複数政党制を許容してない国のことを指すんでしょ?
とあるけど
「言論の自由や、定期的な選挙制度や、複数政党制」などの指標を形式的に満たす権威主義国家は理論上ありえ
ますか?フクヤマでは。
と言うことだね
432世界@名無史さん:02/10/10 20:36
>>428
だからp42と43だよ。
433世界@名無史さん:02/10/10 20:40
>あくまでリベラル民主主義というイデオロギーがあって、その結果と
>して形式的な普通選挙や複数政党制が生まれるの。
歴史的事実との対応関係はどうなるのでしょうか。
経済的な利害団体が複数存在してそれが政党に移行するとか
ありそうだけど。
また、普通選挙に関しては工業化の進行と産業労働者の増加が
圧力となってと言うコースも想像できますが、歴史的事実としてど
うだったのでしょうか
434世界@名無史さん:02/10/10 21:05
>だからp42と43だよ。
「文字通り」と言ったつもりだけど。
必要条件云々はあなたの解釈として承っておこう。
とにかくありがとう。

で、これだね。多分。
Liberalism and democarcy, while closely rekated, are
separete concept.
Political libaralism can be define as a rule of law...
.....
Democarcy, on the other hand, is the right held
universally by all citizens to have a share of
political power.
悪く言えば教科書的なんだが。まあ、今後の議論では
これをフクヤマの定義として使わせてもらいます。
435世界@名無史さん:02/10/10 21:08
>>429
>で、このときの判断基準は?

その国の中でどうどうと政府批判してみたら分かるんじゃないの?
つかまんなかったら、その国内では言論の自由は認められてるってことだろ。

でも、現代まで現存しているたいていの権威主義国家は、
世論操作のために外部からの情報を遮断してるから、現実的には外部の人間が内部から探りようはないけどね。
だから、世界の国々と国交を持って、活発に情報交換を行ってない国は権威主義国家ってことじゃないの?
436世界@名無史さん:02/10/10 21:12
>>435
それはフクヤマ説それとも独自説ですか。
437世界@名無史さん:02/10/10 21:16
>>434
434だが、飯の時にワインのみ過ぎた。タイポは許してくれ。ごめん。
defined, conceptsとか。
438世界@名無史さん:02/10/11 10:52
>>436
>それはフクヤマ説それとも独自説ですか。

独自説だけど。
439世界@名無史さん:02/10/12 20:10
ロマンティックだけど、なんか一気にレスが増えたね。吉本の話とかしてるし。

>>303
電波狸さんはヘーゲルにも造詣があるから解釈問題にもこだわってるのかも知れないけど、
すぐ下のレスにも言ってる人がいるように、フクヤマのはあくまでもコジェーブ解釈なんだよね。
むしろヘーゲル解釈問題をそうやってかわしているところに、ぼくなんかはフクヤマの利口さを感じるんだけど。

でも、フクヤマ解釈もそんなに的をはずしていないと思うんだよね。
ぼくなんかはフクヤマ解釈を読んで、それ以前はちんぷんかんぷんだったヘーゲルが分かったような気がしたんだけど。
たとえば、

>ヘーゲルの云う自己意識は、意識→自己意識→理性という精神の上向過程の一
>階梯であり、主人―奴隷関係の問題も、そうした自己意識の発展過程の問題と
>して述べられる。

この自己意識って言う言葉はこれだけじゃ漠然とし過ぎてるでしょ?
これはフクヤマ解釈によれば、自尊心と読んだほうがいい言葉だと思うんだけど、
意識→自己意識→理性は、未自我→自尊心(優越願望)→対等願望と読み替えればもっと分かりやすいと思う。
また、

「この主従関係は、多種多様な形の不平等な貴族制社会を生み、それが人類史の大半を特徴づけることになったが、
結局のところは主君と奴隷どちらの側の認知への欲望もそれによって満たされはしなかったのである。
奴隷はむろん、いかなる点からも人間として認められなかった。だが主君のほうも、自分が認められていることを手放しに喜んではいられなかった。
なぜなら彼にとっては、他の主君から認められるのはよいとしても、自分を認めてくれる奴隷たちがまだまだ人間として不完全な存在だったからである。
そして貴族社会では、欠陥だらけの認知しか得られないという事実への不満が一つの「矛盾」を作り上げ、それが歴史のその後の発展段階を生み出すことになったのである。」
(歴史の終わり・はじめに・世界を動かしてきた人間の「気概」・上・文庫版p45)

この文章なんか、ヘーゲルの「不幸な意識」をうまく説明してると思うけどな。
ちなみにヘーゲル論は文庫版の中巻、第三部の「歴史を前進させるエネルギー」にくわしいよ。
440ロマンティック・フクヤマ:02/10/12 20:15
おっとコテハンにしてなかった。
上のレスおれね。
441世界@名無史さん:02/10/12 20:35
>すぐ下のレスにも言ってる人がいるように、フクヤマのはあくまでもコジェーブ解釈なんだよね。
>むしろヘーゲル解釈問題をそうやってかわしているところに、ぼくなんかはフクヤマの利口さを感じるんだけど。
あ、僕の事ね。で、僕自身はフクヤマを全然買っていない。
まあ、ヘーゲル自体大嫌いなんだが、

この点に関しては「歴史の終わり」のぺーパバックのP144あたりの
we are not interested in Hegel per se but
in Hegel-as-interpreted-by-Kojeve.
でフクヤマ自身がその旨はっきり言ってるからね.

で、別段フクヤマが賢くないと思うが。
それはそれとして電波狸氏の解釈はヘーゲルをマルクス的に
読み込んでる気がするのね。具体的に言うと「疎外された労働」
見たいな経済学哲学草稿へ引き付けた解釈になってる気がする。

ま、両者のお手並み拝見と言うところですわ。
442441:02/10/12 20:49
441は要は電波狸氏の解釈はちょっと
初期マルクス的に見たヘーゲルじゃないかと言いたかった
わけです。

で、439のロマンティック氏の方は、自己意識だけ切り離して
分かっても仕方がなくってヘーゲルにおいては論理学から始ま
る弁証法的な体系の中に自己意識の占める位置もある訳ですが、
その辺を考えていますか、という疑問だな.
Kojeveのintroduction to...てやつにも結構疑問を感じたんだが
今手元にないので何も言わないけど。
443世界@名無史さん:02/10/12 21:49
フクヤマの、ヘーゲルそのものよりもヘーゲルの(コジェーヴ経由の)
アイデアの方に興味があるというのは問題ないと思うよ。
いろんなアイデアのいいとこだけ継ぎはぎにしたって、フクヤマの
議論として論理が一貫してればいいじゃん。
444世界@名無史さん:02/10/12 21:58
ま、フクヤマが一貫してるかどうかは別問題にしても
厳密な体系からパーツだけを取って、なおかつ権威だけを
いただくと言うのはいささか奇異なので、その辺を
今後の論争に期待したいですな。

なおかつ439でフクヤマの解釈も的っをはずしてないとか
フクヤマでヘーゲルが分かったって言ってる訳だし。
445世界@名無史さん:02/10/12 22:10
ついでに言うとマルクス的なヘーゲル解釈を掲げている人は
今のところ電波狸さんしかいないのだけど、それについては
どうなんだろう。(マルクス的な解釈をする人は沢山いても
それだけの蓄積のある人は限られるからね)

で、303について(論理自体)なにかコメントは
ロマンティック氏の側からのコメントはないのでしょうか.
もちろんKojeveって話ではなく電波狸氏のヘーゲル理解って
意味だけど。


446世界@名無史さん:02/10/12 22:17
>>ヘーゲルの云う自己意識は、意識→自己意識→理性という精神の上向過程の一
>>階梯であり、主人―奴隷関係の問題も、そうした自己意識の発展過程の問題と
>>して述べられる。
>この自己意識って言う言葉はこれだけじゃ漠然とし過ぎてるでしょ?

ちなみにここで「上向過程」と言われるのはヘーゲルのエンチクロペディーの
体系内での論理的な上向過程を云っているのではなかろうかと愚考します.
とすると漠然とと言う言い方はやや的外れではないだろうか。
いや、僕はヘーゲル嫌いだし、よく知らない事ではあるんだけどね.
447電波狸:02/10/16 22:21
>>439
前スレ(>>303・304)でも触れましたが、フクヤマの独自性は、単純化すれば
優越願望・対等願望という範疇を使用して歴史を解釈した点にあり、それゆえ
この範疇の出所(ヘーゲル)を検討し、(コジェーヴのヘーゲル解釈を通じて
にせよ)フクヤマ自身のかなり特異な解釈ではないかという疑問を提示したわけ
です。
ただし、上記の点については、今後フクヤマの本(先週注文しておいたを原書
を本日入手しましたので)読んだ上で、改めて感想を述べるつもりです。
恐らくPartVThe Struggle For Recognition あたりが中心かと思われますが。

>この自己意識って言う言葉はこれだけじゃ漠然とし過ぎてるでしょ?
これについては、446氏が的確に指摘されているとおりです。

>>441
>電波狸氏の解釈はヘーゲルをマルクス的に
>読み込んでる気がするのね。
この点は、多分指摘されるとおりかと思います。
当方は、ヘーゲルで読んだのは(勿論すべて邦訳)『法の哲学』『小論理学』
『歴史哲学講義』ぐらいで、『精神現象学』は殆どマトモに読んでいませんの
で。
ただ、今回該当箇所を読んで感じたのは、ヘーゲルのは、自己意識の相互承認
や分裂といった、あくまで意識レベルの問題であり、これをフクヤマのように
無媒介に実在的な人間関係の問題として論じるのは本来無理なのではないか、
という点です。
マルクスの場合、人間同士の闘争は、モノの帰属(生産手段の所有)をめぐる
人と人との闘争であり、その結果として支配従属関係が形成されるわけですが、
(ヘーゲルの云う)自己意識の認知を求める闘争を、ただちに実在の人間同士
の(根源的な)闘争と読み替える点がそもそも問題であろうと思われます。
(未見ですが)Kojeveの段階で既にこうした解釈がなされてるのでしょうか?
御存知でしたら御教示のほどを。
448世界@名無史さん :02/10/17 02:14
>>405
>なら「歴史の終わり」(the end of history)から、テロを「予言」してい
>た個所をこそ引用すべきじゃないか。
>「権威主義国家の侵略」みたいなイラク湾岸戦争型の部分を引用され
>てもこまる。

イラク湾岸戦争型ってなんやねん?
権威主義によるテロリズムという点ではまったくいっしょだと思うが?
湾岸戦争と同時多発テロ、なにか本質的なちがいでもあるの?
むしろもう国家ではなく、軍閥やテロ組織までグレードダウンしていることがフクヤマの予言の正しさの証拠なのでは?
449世界@名無史さん:02/10/17 05:10
>>448
>(ヘーゲルの云う)自己意識の認知を求める闘争を、ただちに実在の人間同士
>の(根源的な)闘争と読み替える点がそもそも問題であろうと思われます。

別にその読み替えに、問題もムリも感じないけどな。
精神的であるがゆえに、根元的なものだと思うよ。
少なくともマルクスよりは説得力がある。
自己意識の認知以外の衝動が、闘争の原因になるというほうがむしろ考えにくい。
450世界@名無史さん:02/10/17 08:17
それより、電波狸さんはどうしてこの疑問に答えない?

>>292
>しかし、日本をはじめとしたアジア諸国が奇跡と呼ばれる
>経済発展を遂げたのはイデオロギーうんぬんじゃなくて、
>社会科学的事実ですが?
>これは従属理論で説明できない現象である以上、
>そのフクヤマ批判は根拠がないと思うよ。

>>294
>電波狸氏はアジアの経済復興をどのように見ているのかな?

もっとも核となる論点だと思うが?
451世界@名無史さん:02/10/17 08:28
従属理論かフクヤマかと言う2者択一ではないので
「もっとも核」とは思わないな。
それより449のプアーな内容にあきれるけど。
452世界@名無史さん:02/10/17 08:43
もう少し補足すると、「アジア経済の奇跡」という論点については
クルーグマン派の参入もあって議論は複雑になっている。フクヤマ
のエピゴーネンの人は「アジア経済の奇跡」をアメリカ礼讃や資本
主義礼讃のネタとして使いたかったみたいだが、成功しているとは
思わない。

僕は、従属理論もフクヤマもどちらも信じていないので、どちらに
も不満がある。あえて言えば現実に先立って「結論」」が先行して
いる気がする。だから、議論をするならするで議論の方法を改めて
欲しい。

とりあえず、フクヤマは「歴史お終わり」と言うのが商品のウリなん
だから、その「歴史の終わり」をその生誕の地、ヘーゲル哲学から眺
めると言う事は大切だと思う。
453世界@名無史さん:02/10/17 11:57
しかし、マルクス的な絶対困窮化論の破綻は決定的。

>>451
>それより449のプアーな内容にあきれるけど。

それじゃ、リッチな意見を聞かせてくれよ。
さっきから誰も具体的な反論をしてくれないんだから、このままじゃフクヤマ有利だと思うが?
454世界@名無史さん:02/10/17 12:04
>>453
ヘーゲルについては具体的な論点はすでに幾つも出て
いますよ。

>しかし、マルクス的な絶対困窮化論の破綻は決定的。
あなた、マルクスだけ論難できれば良いんですか。
かりに、マルクス理論より優れたいたとして、それが
何に成るのかは、非マルクス主義の僕には良くわからない。

ところで、マルクスと言ってとたん「絶対困窮化論」という
論点が出るあたり、マルクス主義も余りよくご存知ではない
ようですが。かわいそうに。

455441:02/10/17 12:18
>(未見ですが)Kojeveの段階で既にこうした解釈がなされてるのでしょうか?
>御存知でしたら御教示のほどを。
そうですね。これについてはフクヤマエピゴーネンの人たちの
解説を待ちたいですね

で、問題の"Introduction à la lecture de Hegel"ですけど
今手元にないんです。

ただ、インターネットで調べたら
Kojève, lui, avait une autre idée: la fin de l'histoire implique
la disparition de l'Homme.Comme il l'a écrit dans une célèbre note à la seconde édition
de son Introduction à la lecture de Hegel, l'Homme redeviendrait un animal,
ajoutant que "les hommes construiraient leurs édifices et leurs oeuvres d'art comme
les oiseaux construisent leur nid,
と言う文章にぶつかりました。

大意としては、第2版の序文でkojeveが
歴史の終わりは人間の終わりを意味するとか
人間の動物への回帰
とか言ってるらしいですね.

鳥が巣を作るように、人間が芸術作品を作るとか
気になることをいっぱい言ってますね。
(ただ、最近フランス語が錆びているのでうまく読めていないかも)

http://www.republique-des-lettres.com/k1/kojeve.shtml


456_:02/10/17 12:21
韓国人が対馬を韓国領だと言い出してます!
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/history/1029269877/l50
457感想:02/10/17 13:06
仮説Aと仮説Bの両方について根拠・論理を理解したうえで、
立場Aなり立場Bなりをとる人同士なら議論は成立する。
しかし、仮説Aか仮説Bの一方しか知らない人を説得するには、
まず、他方の仮説を支える根拠と理論の全体を紹介してやるという、
膨大すぎる作業を準備する必要がある。
例えば「北朝鮮が拉致したなんてデマだろう」
と主張する人が少し前までいたわけだが、
そういう相手を説得することの困難を思い出すこと。
本腰入れて膨大な啓蒙作業をしてやるつもりがないなら、
そういう相手は黙殺するしかないよ。
458世界@名無史さん:02/10/17 15:15
電波狸さんは、例外的に親切な人だから
フクヤマの原書買ってまで研究してるみ
たいなので、それは無碍にできないと思
う。

ま、彼が根気よく作業している間は、見
守っていこうとは思う。
459458 :02/10/17 15:17
本当は、フクヤマ(詰まんないから)は早々に切り上げて
Popperとか発掘してみたいと思ってる
けど。
460世界@名無史さん:02/10/17 21:21
>>454
>あなた、マルクスだけ論難できれば良いんですか。
>かりに、マルクス理論より優れたいたとして、それが
>何に成るのかは、非マルクス主義の僕には良くわからない。

いや、しかし、歴史観を語るうえで唯物史観は、肯定的にせよ批判的にせよ避けて通れないと思うが。
第三の立場があるんなら、それを語ってくれよ。

>ところで、マルクスと言ってとたん「絶対困窮化論」という
>論点が出るあたり、マルクス主義も余りよくご存知ではない
>ようですが。かわいそうに。

それじゃ、マルクス主義について絶対困窮化論よりも重要な論点とはズバリなに?
ちゃんと答えてくれなきゃ、煽りといっしょ。
もしきみに知識があるんならそれを分けてくれよ。ぞれが議論を活発にすると思うけど。
461世界@名無史さん:02/10/17 21:31
>>460
その前に460氏は「絶対困窮化論」なにかきちんと定義する
必要があると思われます。

とりあえず、マルクスが「絶対困窮化論」を唱えてる個所だ
けでも特定してください。でどう破綻したのかも。

ただ450氏の論点自身が的外れだから、いい議論にはならん
と思うが。
462461:02/10/17 21:31
ただ460氏の論点自身が的外れだから、いい議論にはならん
と思うが。

463世界@名無史さん:02/10/17 21:34
>>460
で、できればkojeveに対する電波狸氏の疑問にも
答えてみてください。もし、差支えがなければ。
464世界@名無史さん:02/10/17 21:39
>いや、しかし、歴史観を語るうえで唯物史観は、肯定的にせよ批判的にせよ避けて通れないと思うが。
>第三の立場があるんなら、それを語ってくれよ。
世の中にはマルクス主義でもない、フクヤマでもないという人が
多いと思いますよ。マルクスに対する相対的優位を言い募っても
フクヤマの正しさの積極的な理由にはならんとおもいます。
"マルクスよりまし、したがって正しい"みたいなこと言われ
てもこまる。
465電波狸:02/10/17 21:56
>>459(=458)
>本当は、フクヤマ(詰まんないから)は早々に切り上げて
>Popperとか発掘してみたいと思ってる
>けど。
当方も、(現在フクヤマ議論に嵌り込んでいるものの)出来れば、反唯物史観
の代表的論客Popperの著作を少しマジメに読んでみたいのですが。
もし良ければ、そちらで適当な著作を指定してもらって議論をスタートさせて
いただきたいと(ただし、出来れば読み直しの時間も必要なので、超スローペ
ースでお願いしたい)。

466世界@名無史さん:02/10/17 22:25
そうですね。超スローぺスでいきましょう。
僕もじっくり読みたいですし。

とりあえず「歴史主義の貧困」あたりは如何でしょうか。

ちょっとだけ、つまみ食いすると
「人間の歴史の進路は人間の知識の成長に大きく影響される」
「われわれは、合理的もしくは科学的方法で人間の知識の成長のコースを予言はできない」
「したがって、われわれは人間の歴史の未来の進路を予言などできない」
あたりが、気になりますが。

引用部分は"the poverty of historicisim"のから、抜き出して意訳し
ました。したがって必ずしも僕の意見ではありません。

だれか、よく知ってる人が牽引してくれるといいんですが。
467電波狸:02/10/17 22:55
少々バテ気味なので、内容が少し粗略になると思いますが。
>>449
>別にその読み替えに、問題もムリも感じないけどな(以下略)

疑問を率直に述べれば、ヘーゲルの自己意識の認知のための闘争は、ホッブズ
の“万人狼状態”、ロックやルソーの“自然状態”とのアナロジーで扱うこと
は不可能であろうと。
理由は、後者はフイクションとは云え主権概念や社会契約などを導出するため
の社会的な実在モデルなのに対して、ヘーゲルの認知のための闘争はあくまで
意識レベルの問題である(『精神現象学』で記述される意識の遍歴過程は、時
間概念を含まない論理的過程であるから、自己意識間の闘争→自己意識の分裂
=支配隷属関係の形成も実体論ではなく論理的レベルの問題)。従ってこれを
フクヤマのように支配・隷属関係の実体化モデルとするのは不適切であろう。

他方で、ホッブスは宗教革命の動乱期、ロックは市民革命(名誉革命)後とい
う時代背景を考慮すると、ヘーゲルの場合はフランス革命後という点で、その
自己意識の内容は、自主・自由の意識に相当しようから、今度はこうした本格
的な近代意識の内容を基準に、それ以前の人類の出発点からの歴史社会を括る
こと自体が非歴史的な見方となる。

正直、フクヤマがしきりに強調する認知(自尊心・名誉)をめぐる血生臭い闘
争なるものも、自尊心や名誉の内容は時代によって変化し、またその前提とな
るのは、その時々の政治的・社会的権力の存在(政治的・社会的価値の分配構
造)にある筈。旗・記章といったものに命を賭けるのは、それらが政治的な利
害を象徴する存在であるからと云える。
こうした前提を抜きにして、ただ認知をめぐる闘争一般からイメージされるの
は、“街のチンピラの喧嘩”といったレベルなのだが……。
468電波狸:02/10/17 23:04
>>455(=441氏)
ありがとうございます。ただ、当方フランス語は読めませんので。
今日、図書館で当該本の邦訳をチョット斜め読みした限りでは、承認をめぐる闘争
と支配隷属関係部分は、フクヤマ的な解釈ではない通常の文脈にそくした内容
だったように思われました。
469電波狸:02/10/17 23:06
>>466
>とりあえず「歴史主義の貧困」あたりは如何でしょうか。
私の方は構いませんが。
470世界@名無史さん:02/10/18 10:14
>>461
>ただ450氏の論点自身が的外れだから、いい議論にはならん
>と思うが。

フクヤマの従属理論批判について話しているんだから、
別に絶対困窮化論を持ち出してくるのが的はずれだとは思わないが?
論点が曖昧なのはきみのほうじゃないの?

的はずれだというのならもっと核心的な論点をきみが提示してくれよ。
のらりくらりと逃げてるのはきみのほうだろ。

あとマルクスやフクヤマよりももっと面白い第三の歴史理論を早く教えてくれよ。
そんだけ気を持たせるんだから、もちろんなにかあるんだろ?
471世界@名無史さん:02/10/18 11:10
相変わらず引用のマナーが悪い人だな。

同じレスには
>とりあえず、マルクスが「絶対困窮化論」を唱えてる個所だ
>けでも特定してください。でどう破綻したのかも。
とあるのだが。
472世界@名無史さん:02/10/18 11:13
>>470
で、467には何も異論がないと言うことで宜しいか?
473世界@名無史さん:02/10/18 11:23
その前にどこが的はずれなのか教えてほしい。
それを答えない方がマナーが悪くないか?
474世界@名無史さん :02/10/18 21:07
>>473
俗流マルクス主義しか知らないのに、どうしてマルクス主義を批判できるの?
475471:02/10/18 22:09
>>474
あんまり煽らない方がいいと思いますよ。
476471:02/10/18 22:18
>>474

ごめん、475は舌足らずでした。

勝手な事を言うようだけど、470さんて
煽っても意味のある話ができる人でもないみたいだから。
とりあえずフクヤマはある程度きりにして、Popperの方に
興味が移っているので。(だれかが467に対して意味ある批判が
出ない限り)
477世界@名無史さん :02/10/19 01:57
ヤレヤレ、フクヤマ厨房もこれでやっと駆逐されたか。
「沈黙の艦隊」ならぬ「沈没のポンポン蒸気」というところだな(w

今後は、Popperの議論に期待させてもらうよ。
Popper昔にチョット読んだことあるから、おもしろければ漏れも参加したいな。
ということで期待age
478世界@名無史さん:02/10/19 02:05
>>461
>とりあえず、マルクスが「絶対困窮化論」を唱えてる個所だ
>けでも特定してください。でどう破綻したのかも。

ふつうに資本論 第7扁 資本の蓄積過程第 第23章 資本主義的蓄積の一般法則からだけどそれじゃ不満かい?
あとどう破綻したかは、論理よりも、いま現在まで資本主義が爛熟しているのがいちばんの証拠になるんじゃないのかな?
479世界@名無史さん:02/10/19 02:10
で、第三の歴史理論は?
480世界@名無史さん:02/10/19 02:20
>>477
>ヤレヤレ、フクヤマ厨房もこれでやっと駆逐されたか。

君らのフクヤマ批判は誠意がないよ。ただ煽ってるだけじゃん。
どう見てもロマンティック氏の圧勝じゃん。
だいたい主著『歴史の終わりと最後の人間』も読まずに批判するってどういうこと?
学問板の人間としてどうかと思うよ。

いちばんのネックである、リベラル民主主義よりも人間が魅力を感じるイデオロギーってなんなの?
それを具体的に提示できない限りフクヤマを論破したことにならないよ。
481世界@名無史さん:02/10/19 04:07
>>480
>君らのフクヤマ批判は誠意がないよ。ただ煽ってるだけじゃん。
>どう見てもロマンティック氏の圧勝じゃん。
こんなこと言っていること自体が厨房の証拠。
ロマンティックのレスにはおよそ論理がない。たまにフクヤマを引用するだけ。
だから議論にならないんだよ。そのことが、自分でわからないから厨房なの。

>リベラル民主主義よりも人間が魅力を感じるイデオロギーってなんなの?
>それを具体的に提示できない限りフクヤマを論破したことにならないよ。
これじゃあ、ただのフクヤマ教の信者だよ。というかフクヤマ自身にでもなったつもり?
それにフクヤマはともかくあんた自身は論破されてるでしょ。

2ch風に言えば「もういい加減にシル」ってこと。


482世界@名無史さん:02/10/19 04:29
どこのレスで論破されてるの?
483世界@名無史さん:02/10/19 04:55
>>481
きみのカキコにも論理性は感じられないね。
484電波狸:02/10/19 06:34
>>450(レスするのを忘れていました、スマソ)
>従属理論と東南アジアの高度成長について
フクヤマは、PartU 9The Victory of the VCRで従属理論を批判しているが、
その反証事例として近年の東南アジア(韓国・台湾・香港・シンガポール・マ
レーシア・タイ)の経済成長を挙げ、その理由をこれら諸国の輸出中心型経済
成長の追求、多国籍企業との連携を通じた海外市場・海外資本との結びつきに
あるとする。
しかし、英国と関係が深い香港・シンガポール・マレーシアは、もともとアジ
アの中核的な商工業地域であり、韓国・台湾は米国との政治的関連が深い(米
国は、ベトナム戦争以降の東南アジア戦略からタイも含めて、この国々への民
族資本へ資金供給を積極化)。またこれらの地域は都市部の人口稠密性=安価
な労働力確保により、輸出中心の国内産業が成長する条件が存在。
つまりこれらの地域は、発展途上国でも、資本主義大国と政治的・経済的に密
接な関係をもちながら、ある程度の国内産業も発展していた地域であり、先進
諸国にとっては発展途上国以上に市場としての付加価値が高い。それゆえ冷戦
解体以降に、急激な経済成長により中進国へ上昇した。しかし現在でも多国籍
企業の拠点であり、米・英への経済的従属性は変わっていないと云える。
従属地域=絶対的貧困地域では、かえって資本輸出先・商品販売先である市場
としての魅力がない(例:アフガニスタンが放置されていた理由)。
485電波狸:02/10/19 06:34
>>460
>マルクス主義の絶対困窮化論
(先進資本主義国)国内での労働者階級の状態のことか、植民地(従属地域)
民衆の状態のことかが不明ですが。前者の場合、マルクスの指摘を絶対的窮乏
化というのは不適当かと(資本の蓄積速度と労働者の賃金上昇速度の拡大とい
う相対的な意味での窮乏化のことなら分かりますが)。また後者の場合なら、
植民地における階級分化(いわゆる貧窮分解)を指しているのでしょうか。こ
れでけでは分かり兼ねるのですが。

>>478
>資本論 第7扁 資本の蓄積過程第 第23章 資本主義的蓄積の一般法則
これは、有名な本源的蓄積論の直前の章ですが、資本蓄積過程における過剰労
働人口(失業者)の問題について、恐慌との関係などから都市別のデータを使
用して具体的に解明した部分で、労働者の絶対的困窮化論を直接的に述べたも
のとは云えないと思いますが。
486JCP:02/10/19 06:48
来る11月21日木曜日、蒲郡市民会館にて
「金 美齢 氏講演会」が開催されます。

入場は無料です。

詳細は(社)蒲郡青年会議所ホームページまで。

http://www.gamajc.com/
487電波狸:02/10/19 07:42
>ロマンティック・フクヤマ氏へ
以下は雑談の類ですので……。
ここ二三日は消耗なことが相次ぎ、フクヤマの本も未だPartVの中程を
ノロノロ読んでいる状況ですが。
内容の是非はともかく、やはりフクヤマの著書は基本的には現代政治思
想の文献だと思います。歴史的過去に言及していてもそれは現代政治思
想に関わる限りでの道具立てと云えるでしょう。
一般に欧米の政治理論家の場合、たとえ現代を論じる時でも、それこそ
プラトン以降現代までの主な思想・宗教などを自由自在に引証するのは
常態であると云われています(こうした点は日本と大いに異なる点であ
ろうかと思われます)。個人的にはフクヤマも、(その主張への賛否や
引証・解釈の仕方の是非を措けば)そうした欧米的な伝統に属すると云
えるでしょう。
むしろ彼らにとって、古典とは常に現代的文脈で再解釈されるべきもの
であり、それは一面では恣意的とも見える場合もあって批判の対象とさ
れるでしょうが、他面ではそれほど彼らにとって身近かなもの、つまり
一般的な教養の土壌をなしているとも云えます。
我々日本人にとっては、すべてが外来思想ですが、欧米人にとっては、ギ
リシャ・ローマ文明、ルネッサンス文化、啓蒙思想、キリスト教などは、
すべて自分たちに共通な歴史・文化の一部という意識の自明性があると云
えます。
それゆえ、フクヤマへの毀誉褒貶も、恐らく欧米でのそれと、われわれ
がこのスレでしてきたような日本でのそれとでは、本質的に異なるので
はないかという気がしています。
………ということを考えているうちに、フクヤマの著作について賛成・
反対(全面擁護・全面否定)という二者択一的な姿勢よりは、もう少し
醒めた寛容性(といっても単なる表見的な意見では無意味ですが)とで
もいった姿勢が必要ではないかと考えます。
488世界@名無史さん:02/10/19 10:01
しかしちゃんとフクヤマを論理的に批判しているのが電波狸さんだけだというのが、笑えるな。
フクヤマ批判者のほとんどが口ばっかってことだ。

http://www2.tky.3web.ne.jp/~wushu/soukangou_9.html
少なくともこのサイトで紹介されている上田耕一郎の批判よりもマシな意見を聞きたいものだが。
489世界@名無史さん:02/10/19 10:24
>>478

>ふつうに資本論 第7扁 資本の蓄積過程第 第23章 資本主義的蓄積の一般法則からだけどそれじゃ不満かい?
>あとどう破綻したかは、論理よりも、いま現在まで資本主義が爛熟しているのがいちばんの証拠になるんじゃないの
>かな?


まず、章立てが違ってませんか。(参照版が違うのか?)
手元の資料だと
Chapter Twenty-Five:The General Law of Capitalist Accumulation
ですが。

まず、大きく概要を述べると、現状の分析にストレートに資本論のそれも第一巻を持ってくる人は
19世紀の終わり以降、あまり以来いません。

まず、資本論自体が「生産過程」(第一巻)、「流通過程」(第2巻)、「総過程」(第3巻)が一つの体系を
なしていて、ある意味で、論理的な上向きの過程をなしているからです。私見では、あるいみヘーゲル
のエンチクロペディーみたいな体系をなしているとも言えるかもしれません。第一巻の第一章の始めに
出てくる「商品」が論理的に自己展開して資本主義というシステムに労働力の商品化を契機として外化
するというイメージでしょうか。


次に、マルクス主義者は19世紀の終わり頃以来さまざまな諸論争を経験しています。この意味でも
現状に対する資本論の部分部分の直接的適応は彼等自身がしなくなっています。しかがって、また、
資本論のある部分が現実と一致していないではないか、という批判が致命的ではなくなりました。
(どの部分かにもよりますが)

490世界@名無史さん:02/10/19 10:25
例えば「絶対的窮乏化」として知られるマルクス主義の「法則」があります。これは既に19世紀の
終わり頃に、エンゲルスのまな弟子のエドワルト・ベルンシュタインに批判されています。有名な
「修正主義論争」ですね。「相対的窮乏化」なんて理論も提起されています。 
また、20世紀に入ってはレーニンの「帝国主義論」に一応集約される「帝国主義論争」があります。
特に第一次世界大戦をマルクス的に説明すると言う意味でレーニンの帝国主義論の重さは決定的だと
多くの人が認めるでしょう。
で、現状でマルクス主義の無効性を訴えるなら、せめて「帝国主義論」の無効性とそれ以降現状を
説明できる理論が出てきていない(例えば従属論はそれにはなり得ない)をはっきりと示す事は不可欠
だと思います。(また、それはできない事ではないと思いますし。)
491世界@名無史さん:02/10/19 10:49
>>481
あまり刺激しない方がいいですよ。フクヤマ支持者
の中には小学生並みの口喧嘩をする人が混じってま
すから。まさに「認知のための闘争」(お笑い)
挑発して泥仕合いにして、ドローを狙うみたいな。

ただ、勝ち負けではないんですが、フクヤマはさほど
興味や意味のある人だとは今も思っていないけど、そ
れでも何か参考にはある事もありましたし。
でも、基本的な論点を巡ってフクヤマ支持者からの
書き込みがなければ、終わりですね。
492491:02/10/19 10:52
あと、ちなみに僕はキャラとしてみたらロマンティック氏好きですよ。
また、フクヤマの紹介をしてくれたと言う意味では感謝さえしてます。
493490および491:02/10/19 15:30
ちなみに、フクヤマ自身は478氏ほどではないので
一応、レーニンの帝国主義論に対する言及もあります。
ただ、それと、それが妥当かは別問題ですが。
(歴史の終わり、原書99ページ近辺)

こうなると、フクヤマとフクヤマ亜流の区別が必要ですね。
494世界@名無史さん:02/10/23 18:03
一応ageとくか。
495世界@名無史さん:02/10/24 06:09
なんかこの前、イラクのフセインの信任投票で、信任率100%だったんでしょ。
一応投票って言うのは民主的な手段だけど、信任率100%ってのはねぇ。
イラク国民は浮かれているけど、他の国からすれば不気味この上ないよね。なんせ自国に批判勢力がないってことだから。
権威主義国家って言うのはこういうもんなのかって思ったよ。
昔の日本もこうだったんだろうねぇ。
496世界@名無史さん:02/10/26 07:05
昔の日本よりも今の北朝鮮と比較するべきだろう。
497世界@名無史さん:02/10/26 11:51
個人崇拝がいまだ残ってるみたいだよね。
しかし、個人崇拝って、歴史の中ではごく当たり前のことだったんだよね。
英雄なくして歴史なし。
いつ頃からだろうね、個人崇拝が時代遅れになっちゃったのは。
498世界@名無史さん:02/10/28 01:53
「歴史の終わり」のネタが散々出ててふと思ったんだけど、それは経済学にも応用できるんでは?
つまり、新古典派経済学が最終的にマルクス経済学を打ち倒し、最終的に経済学の分野でも勝利を収めた、という形で。
独占禁止法だの失業保険だの福祉政策などは市場経済での敗者を救済したり、再起を促がす為のシステムであり、ある程度の修正をもたらした。
しかしそれらは結局、より円滑、また効率的に自由競争を進める仕組みであって、基本的に自由市場経済の枠内での操作であると。
499世界@名無史さん:02/10/28 21:59
age
500世界@名無史さん:02/10/28 22:37
全くの部外者だけど、500取っても良いかな?
501世界@名無史さん:02/10/29 07:30
フセインは信任100%はやりすぎだよな。
せいぜい80パーセントぐらいにしとけばよかったのに。

>>498
そうだね。
イデオロギー史、軍事史と終わっていき、ついには経済史も終わる。
日本の長期不況は、もはや資本主義の完成したからではないかという意見もある。
資本主義完成論や、産業主義終焉論だね。
現在の不況のいちばんの原因は、冷え切った国民消費にある。
もう人間そのものがいまの物質生活に満足して、これ以上の商品を求めなくなったという背景があると思う。
まさに最後の人間だね。
502世界@名無史さん:02/10/29 09:52
おい、そろそろ、「民主主義を超えるイデオロギー」と「第三の歴史観」を教えてくれよ。
どうせそんなもんなんてないんだろ?
フクヤマ批判者はほんと口ばっか。
しかし、フクヤマはさすがに相手が悪かったな。
キッシンジャーやハンチントンを論破したフクヤマはまさに現代思想界のヒクソン・グレイシーだからな。
おまえらみたいな厨房が論破できると考えるほうがどうかしてるぜ。
ま、おまえらはハンコックの神々の指紋でも論破して悦には入ってるのがお似合いだろ。
詫び入れのカキコ忘れんなよ。
503世界@名無史さん:02/10/29 18:58
>502
本気では言わんが、無限の計算能力を持つコンピュータによる完全管理体制なんてどうよ?
ありとあらゆる人間の思考のシミュレートもそれによる利害の調整のシミュレートもやっちまえば
民主政治下での理想的状況が議会解説の時間すらかけずに(何しろ無限の計算能力ダカラナー)
一瞬で出来てあらゆる面で民主主義より優越するぞ?

ちなみに、問題点をあげても、そのほとんどに対して、、
「無限の計算の力があるんでそれが馬鹿なことだとわかるし、その時点でそのような問題点は
発生しませんよ?」
の一文テンプレートで却下できるから、「論破」するのは相当難しいと思うが。
504世界@名無史さん:02/10/31 09:21
なるほど。
2001年宇宙の旅のハルみたいなもんだね。
たしかに、民主主義を超越したものになるかも知れない。
コンピューターは無欲だから、暴君化するおそれのない、優秀で理想的な独裁政治形態だ。
まさに、究極の政治体制かもね。

映画の中ではハルが狂った(ほんとうは狂ったわけじゃないけど)ときの、人間の動揺が描かれてたけど、
優秀であるがゆえに人間の意志を超えた行動をとり始めたらそれはそれで不気味だな。
505世界@名無史さん:02/10/31 09:56
全文検索したけど「第三の歴史観」とかっていってる
のはフクヤマ支持者だけですね。どーも子供の口喧嘩
の方法をネットの掲示板でまでやっているようですね。
フクヤマ支持者の内の少なくとも1人は。

フクヤマ批判者が、フクヤマと同様レベルでの図式化
した歴史観を提起すると約束はしていないように見え
ます。むしろ、あんいな図式化を批判しているように
見えます。

あと、ここで必死にフクヤマを担いでいる人の中には
フクヤマすらまともに読めていないフクヤマ以下の人
がいて、例えば、南北戦争の原因すら説明できない歴
史音痴もいる訳です。さすがにフクヤマ本人はそこま
でアホではない訳で、したがってここで子供みたいな
フクヤマ支持者を批判しても、建設的な議論をしよう
と思えば、そのあとでもう一度、本来のフクヤマの検
討をするという作業が必要になります。

あえて言えば、
また、フクヤマ支持者には、すでにHegel,Kojeve,Fukuyamaの
歴史哲学の継承関係について問題点が提出されていますのそれ
に答えていただければ実りのある議論がひょっとしたらできる
かもしれませんね。
506世界@名無史さん:02/10/31 10:37
(その2)
「第三の歴史理論」なんて誰も約束してはいませんが、
マルクス主義の批判が自動的にはフクヤマ理論の
正しさ論証にはならないでしょう、というフクヤマ批判
の立場の指摘はあります。(例464など)
それを502の人はねじ曲げてるんでしょうね。

あえていえば唯物史観とフクヤマ理論も、歴史に図式化を
もたらすと言う意味では両者と疑問があります。強いて言え
ば唯物史観の方が出来は良いような気がしますが、時代的
制約がハンデになっています。後追いのフクヤマの理論の方
が最近の事件を組み込んで理論展開できるだけ有利かも
しれませんが。

それでもこのスレッドで良かったのはKojeveをまじめに読もう
という気になった事ですね。本来、この辺の解説やヒントなど
フクヤマ支持者に頂ければ助かりますが。それをあんまりやっ
てないんですよね。
507世界@名無史さん:02/10/31 10:42
>>503
本気でないのに、こんな事を言うのは野暮かもしれませんが、
原理的な計算が不可能な場合が想定されます。
計算量に関わるNP問題、あるいは理想状態の定義にかかわってくる
アローの逆説、パレート最適あたりを考慮してSFしていただけると
いっそう面白いかも。
508モーフィアス:02/11/01 16:46
>>503
そんな超コンピュータが実現している段階なら、
人間そのものを全てデータ化して、コンピュータの中に収容し、
ヴァーチャル天国にしたらいいわけで、
政治とか統治とかいう概念が問題になるレベルじゃないだろう。

その「世界精神コンピュータ」内の歴史に関して言えば、
唯物論は自明な間違いということになるわけだな。
509世界史@名無史さん:02/11/02 22:20
510あはん:02/11/02 23:17
511世界@名無史さん:02/11/07 10:06
>>508
そうそう、それはグッド・アイデア。
ヴァーチャル天国、それこそまさに究極の政治形態!!
ブッシュはアメリカの覇権が未来永劫につづく夢を見れるし、フセインはイラク軍が米軍を徹底的に撃滅できる夢を見続けることができる(イラク版紺碧の艦隊ってとこかな)!
みんなが夢の世界にいて、自分の理想世界を個々に応じた形で生きていけば、不平不満は完全になくなるね。

なんか、そういえば、すっげーまえの角川アニメで、幸福になることが義務づけられた未来世界があったな。
主人公はそんな世界がいやで過去に逃げ出すって言う話だった。
そんな世界でもいやになるなんて奇特なやつ…。
512世界@名無史さん:02/11/08 07:53
>>505
>全文検索したけど「第三の歴史観」とかっていってる
>のはフクヤマ支持者だけですね。

ないんだな?
第三の歴史観なんてないんだな?
少なくとも、マルクスやフクヤマを超える整合性を持ち、しかも正確な未来予測が行える歴史観なんてきみは知らないんだな?
えらそうなこといってるからてっきり、すごい隠し球があるのかと思っちゃったよ。

それじゃ、リベラル民主主義を超えるイデオロギーは?

>したがってここで子供みたいな
>フクヤマ支持者を批判しても、

おまえだろ? 
ここのフクヤマ支持者は少なくともフクヤマを理解して弁護しているぜ。
フクヤマをろくに知らずに批判しているきみよりも誠意があると思うぜ。

>例えば、南北戦争の原因すら説明できない歴
>史音痴もいる訳です。

それじゃ、きみのすばらしい、フクヤマとマルクスを超える形での南北戦争原因論を聞きたいね。
どうせ歴史事典の丸写ししかできないんだろ。
丸写ししかできないようだからフクヤマすら理解できないんだよ。
フクヤマ批判するには十年はえーっつうの。
513世界@名無史さん:02/11/08 22:15
>マルクスやフクヤマを超える整合性を持ち、
>しかも(マルクスやフクヤマのよりも)正確な未来予測が行える歴史観

つーか、そもそも「未来予測」なんて土台無理な話。せいぜいが、
「ここン十年のトレンドに、過去をくっつけて未来を騙る」くらいのものさ。
できないものをできる、とか言い出すから、胡散臭い話になってくる。

 そして、ある自称超能力者とその超能力を否定するのに、
当人より上位の超能力者は必要ない(ばかりか有害ですらある)し、
バグを見つけた者にデバッグの義務が生まれる訳ではない。
514世界@名無史さん:02/11/09 12:40
マルクスの唯物史観の魅力に、未来を予言(共産主義社会の到来は歴史の必然)し得たというものがあると思う。
まあ、結局は共産主義社会は来なかったんだが。
未来予測か。
ある意味、歴史学者の究極の目的かも知れないな。
未来が予見できたらこれほど心強いことはないんだが。
515世界史@名無史さん:02/11/17 19:01
age
516 :02/11/22 09:00
ここまで読んだが、フクヤマ批判者の論点はいささか的をはずしていると思われる。
ヘーゲルやコジェーブの解釈問題をつけばフクヤマが論破できると考えているようだが、
フクヤマはヘーゲル研究者ではなくあくまで、すでに著名で自立した歴史・政治哲学者だ。
ヘーゲル主義と言って、不満を感じるのなら、ただフクヤマ主義と呼べばいいだけの話だ。

やはりフクヤマ主義的歴史の終わりの論点は、
現代の民主主義国家の政情安定性を、歴史上ありがちだった一時的な安定ではなく、永遠の安定(歴史の終わり)と見たところにある。

もし、フクヤマ批判者が、民主主義国家が崩壊する可能性がまだあるというのなら、その要素を示すべきだろう。
昨今のイスラム原理主義テロの要素を挙げて、その可能性を示唆しているものがあるが、イスラム原理主義はイスラム圏でも孤立していることを忘れるべきではない。
アメリカのテロを受けたときも、民主主義は動揺するどころか、さらなる結束力を示した。
民主主義国家の国民は、民主主義以外のなにも、混乱を収拾することができないということをすでに知っているのだ。

イスラム原理主義テロで民主主義が崩壊すると考えているとしたら、頭がおめでたいとしか言いようがない。
517それは嘘だな:02/11/23 03:37
原理主義とは一種の復古主義だよ。孤立するどころか広まっているよ。
民主主義を中東に広めたら拡大しそうだから欧米も王族支配を
容認しているんだよ。原理主義と民主主義は相反するものではないよ。
現状ではむしろ相互補填しあうと言っていい。
民衆は往々にして伝統や厳格な支配を欲し易い存在だぜ。
518世界@名無史さん :02/11/25 06:04
民主主義と原理主義が相反しないと言うのは同意するが、
それも、個人レベルでの話ではないだろうか?
原理主義が集団化しようとすれば、やはり不可避的に民主主義と敵対する。
どうしてもセクト化してしまうからだ。
それは、連合赤軍やオウム真理教などにも充分に見て取れる。

やはり、真の意味で原理主義を徹底しようとすれば、
釈迦が言ったように、犀のツノのようにただひとり歩むしかないと思う。

政治イデオロギー(共同幻想)としての民主主義の優位はやはり変わらないと思う。
519世界@名無史さん:02/11/25 08:46
>>516

>ヘーゲルやコジェーブの解釈問題をつけばフクヤマが論破できると考えているようだが、
というかヘーゲルを引き合いに出して自説の根幹の部分の権威付けをしているのは
フクヤマ自身で、その部分できちんとフクヤマを弁護できない、ここのフクヤマ主義者が
情けないだけでしょうね。

って言うか余り516の線で議論するのは「歴史観」の問題としては
的外れになる。まあ、政治論としてやりたい人はやればいいけど。

また、それにしても何も話題を「原理主義」云々に限定する必要は
無いと思うが、まあその辺はご勝手に。

政治的な議論としても、要は「歴史の終わり」という言い方で
「永遠性」を強調したのはフクヤマなのだから「永遠性」を完璧に
証明するのはフクヤマの責任であるというほかはない。

システムが崩壊(より適切には、崩壊しないまでも大きく変貌)する
可能性があることと、其れをシステムの内側の人間がはっきり自覚す
ることは別問題であることは理解すべきだろう。


まあ、現状のアメリカ風にバイアスの掛かった「民主主義」(しかも
イデオロギー」だとさ)が好きな人は幾らでも礼賛をしていてもいい
が、今のところここのフクヤマ主義者はフクヤマ本人以下の「床屋政談」
を思い付きでしているに過ぎない。
520519:02/11/25 09:11
また、ついでに言うと僕は別に「民主主義」がそれほど嫌いではないし
まあ、政治的制度なんてどっちにしても詰まんないものだから、だった
ら現状「民主主義」と呼ばれているものでもいいや、程度の民主主義好
きではある。ただ、その「永遠性」を宗教的に確信できないだけだ。
民主主義がこの先機能不全に成る可能性を(望んではいないが)排除で
きない。まったくありえないとまでは思えない。

>イスラム原理主義テロで民主主義が崩壊すると考えているとし
>たら、頭がおめでたいとしか言いようがない。
いないだろーな、そんな人は。

521世界@名無史さん:02/11/25 12:09
>>517
>民衆は往々にして伝統や厳格な支配を欲し易い存在だぜ。

古い大衆論。
大衆は自由を委任することはあるが、放棄することはない。
522世界@名無史さん:02/11/25 12:35
>>519
>というかヘーゲルを引き合いに出して自説の根幹の部分の権威付け

ヘーゲルを権威だと思ってる方が痛いのでは?
きみがヘーゲルに勝手にコンプレックスを感じてるだけだろ?
まともな論者は、フクヤマの歴史の終わりはフクヤマ主義としか思ってないよ。
権威もなにも感じてはいない。ただ、科学的に批判できるかどうかが問題。

>フクヤマ自身で、その部分できちんとフクヤマを弁護できない、ここのフクヤマ主義者が
>情けないだけでしょうね。

フクヤマ主義的なヘーゲル解釈は、あくまでフクヤマの主観的解釈だ。
だからフクヤマ主義という。
きみと主観的な解釈がちがうからと言って、なにか問題があるのかい?

>って言うか余り516の線で議論するのは「歴史観」の問題としては
>的外れになる。まあ、政治論としてやりたい人はやればいいけど。

マクロ的な歴史観は、政治論と不可分だが?
現在の民主主義の圧倒的優位を、歴史哲学として説いたところにフクヤマの視野の広さがある。

>政治的な議論としても、要は「歴史の終わり」という言い方で
>「永遠性」を強調したのはフクヤマなのだから「永遠性」を完璧に
>証明するのはフクヤマの責任であるというほかはない。

完璧に証明してますが、なにか?
523世界@名無史さん:02/11/25 12:36
>システムが崩壊(より適切には、崩壊しないまでも大きく変貌)する
>可能性があることと、其れをシステムの内側の人間がはっきり自覚す
>ることは別問題であることは理解すべきだろう。

意味がわかりません。
次の歴史段階への具体的なビジョンもなくて、歴史が進展すると?
次のビジョンがない以上、たとえば災害や核テロリズムで、
民主主義国家の政府が消滅としても、またふたたび同じ民主主義国家が建築されるだけだ。

>が、今のところここのフクヤマ主義者はフクヤマ本人以下の「床屋政談」
>を思い付きでしているに過ぎない。

だからそれすら具体的に批判できないきみの立場は?

>>520
>ただ、その「永遠性」を宗教的に確信できないだけだ。

フクヤマは社会科学的に確信しているわけだが、その点は理解できているのかい?

>民主主義がこの先機能不全に成る可能性を(望んではいないが)排除で
>きない。まったくありえないとまでは思えない。

人間は伝統的な歴史を超えて動くことはできない。
過去と現在に、民主主義を超える要素、可能性が指摘できない以上、
民主主義崩壊論は空想でしかない。
きみは歴史の進展ということについて少し認識が足りないと思われる。
これは辞典的な世界史知識とはまったく別の次元だ。

>いないだろーな、そんな人は。

それでは民主主義を崩壊させる具体的な要素はないわけだね。
きみはフクヤマ同調者だ。
524世界@名無史さん:02/11/25 17:47
>>523

もはや歴史観の論議ではないのであまり意味のある話ではな
いけど。

まず、「崩壊」という言葉は止めましょう。もっと広い意味で
現行のシステムが行きずまって大きく変化をする可能性、くらい
にしましょう。その中で最悪で急激なのが「崩壊」。ただ、もっと
マイルドな形のものもありえる。


>それでは民主主義を崩壊させる具体的な要素はないわけだね。
ここ2年や3年の話をしているわけでもないのに、具体的っての
へんな話だが。

「ない」というのと「認識されていない」は別のことだと思い
ますが。例えば、(あくまで例えばだが)現行のシステムが
50年後に致命的な問題に直面するとして、其れが人の意識に
上るのはこれから30年後という事もありうる訳だ。「まだ認識されて
いない」を「存在しない」に摩り替えるのは無理があります
ね。

525世界@名無史さん:02/11/25 17:49
スローガン的に言い切りを幾ら繰り返しても「永遠性」には
到達できない。
だからこそフクヤマは「永遠性」を基礎付けるためにヘーゲル
(コジェブ)の弁証法を援用したわけだけど、そこをここの
フクヤマ主義者はキチンと説明できていない。

あと「民主主義崩壊論」というのは悪質なレッテル張りだな。
「民主主義の相対的優位論」というのが正しい。
個人的には、現行の制度を「民主主義」といってやや美化し
て呼ぶのもかまわないし、制度自体も、まあまあ、我慢できる。
だから、特に崩壊も望んでいない。個人的な乾燥で言えば、ここ数十年
から長ければ百年程度の現行の制度と大差ない制度がつずくだろう。その
あとどう変化するかはシステムの内側で歴史的に制約を受けた我々
には「今はわからない」。我々を取り巻く条件が変化し始めて初めて
具体的にどのような変化があきるかが、人の意識に上るのだろうね。

だから「永遠性」とかの宗教的崇拝には付き合いきれんというだけ。
526世界@名無史さん:02/11/28 22:31
フクヤマの歴史の終わりの論拠は、民主主義を超えるイデオロギーが想像できないというより、
もうそれ以上、歴史を発展させようというモチベーションがないということだと思う。

もちろん、次の歴史段階へのビジョンがないと言うことも大きいけど、
それよりもまず、もう人間はマクロ的な意味での、いまの歴史段階に完全に満足してるんだよね。
それば、僕らの周囲を見ても分かる。
もう民主主義国家の国民は、社会革命よりも、むしろ自己革命のほうに関心を注いでいる。
制度的な意味で、個人の可能性を妨げる要素(身分制とか、選挙権の制限とか、身分による職業選択の制限とか)は撤廃された。
これからは個人は努力と能力次第で自分の夢をいくらでも叶えていける。東大にも入れるし、医者にも、弁護士にも、政治家にも、サッカー選手にもなれる。
だから個人はいま、みんな自分の能力を磨くことに切磋琢磨している。

フクヤマ主義の歴史の終わりは、マクロ的な歴史(集団史つまり政治史)が終わって、これからはミクロ的な個人史が始まるってことだと思うよ。
集団史よりも、個人史を気にかける人間。
まさに、最後の人間ってやつ。
フクヤマ主義の本質は、こういうモチベーションの変化を見ていることだと思う。

小林よしのりが「公と個」なんていってるのもそういう時代現象への反動だと思うよ。
527世界@名無史さん:02/11/28 22:54
>>526
フクヤマ説の要約としては適切だと思いますよ。
あるいはコジェブの説ですよね(ちなみにバタイユはコジェブの説に触れて大変落ち込んだよ
うですが。)


ヨーロッパの中世の入り口で、中世がどういう終わり方をするかを適切に説明できた人間は
まずいないかったと思うし、仮にいたとしても大方の賛同を「当時」は得ることができなかった
だろうと思います。

当時は当時で、その秩序を「自然」(あるいは神の与えた秩序)として自明視していたとおも
うのです。(詳しい検証は即興ではできませんが)。
人間の視野が歴史に限定されるという点は幾ら強調しても強調しすぎることはないと思いま
す。

あと、別にフクヤマが民主主義のチャンピオンではないので「フクヤマ」と
民主主義の混同は避けたいと思います。フクヤマは「民主主義」という一般性を
僭称していますが、実はパックス・アメリカーナとグローバリゼーションににす
ぎないと思いますので、

まぁ、それにしても「フクヤマ的な民主主義」が一つの歴史時代であることは、認めるとして
それが他の歴史時代と異なって「永遠」であるとする根拠は見当たりません。
528世界@名無史さん:02/11/28 23:06
>>526
あと、「フクヤマの歴史の終わりの論拠は、民主主義を超えるイデオロギーが想像できない」
といってる人は、俗流弁証法の弁証法を間接的に生齧りしていた人が、このスレのはじめの
方で言い出したことであまりマジメに検討する必要はないと思います。

で、フクヤマの「もうそれ以上、歴史を発展させようというモチベーションがないということだと思う。」
のほうですけど、フクヤマはこの根拠としてヘーゲルの精神現象学とヘーゲルのコジェブ的解釈を引い
てくるわけですよね。

どうしてかと言うと「モチベーションがない」という事を証明するのに、「ほら、周りを見てごらん
みんな満足しているよ」では、現状の印象でしかなくて、常に「今のところはそうだけど」という
反論に合あうわけです。ぜひとも「原理的にモチベーションがない」という事を力技で言い切る必要
があったわけです。

まあ、私の見解を言えば、「モチベーションがあって其れが歴史を動かす。」というのも誤りだと思
います。例えば、賛成はしないですがマルクスなら「物質的条件の変化に伴って人間のモチベーションは
変化する」とでも言うかもしれませんね。
529世界@名無史さん:02/11/28 23:37
で、フクヤマが物凄いアメリカ主義者で政治的な人だというのは最近のジャーナルリズム
に登場した評論やら論文やらを読めばよくわかることですよね。(バイオ関係の本は割と
面白そうで近いうちに読もうと思っていますが)


「歴史の終わり」の議論って基本的には凄く政治的な議論ですよね、それで必然的に
「現状の肯定」(例、「これからは個人は努力と能力次第で自分の夢をいくらでも叶えていける。」)
と「現状への懐疑論」(例、狸氏の「従属論」)の対決みたいになりがちですけど、おそらく其れは
本来の歴史の話から外れていると思います。

もちろんフクヤマ自身は現状礼賛とその永遠性の強調がしたかったんでしょうが。
530世界@名無史さん:02/12/05 06:30
とりあえず、フクヤマ主義の歴史の終わり(民主主義国家の永遠性)の論拠をまとめてみよう。

1,リベラルな民主主義が、たった一つのイデオロギーが全世界を覆うという史上初の快挙を達成したイデオロギーであること。(民主主義の特異性の確認)

2,次の歴史段階への具体的なビジョンがまだ発見されていないこと。(人間の思想的想像力の限界)

3,個人のモチベーションが、マクロ的な集団史(国家史・政治史)から個人史のほうに移ったこと。(モチベーションの変化)

4,フクヤマの歴史の終わりが発表されて10年経つが、その10年のあいだもリベラルな民主主義はますます全世界に普及していってること。(フクヤマの予言は今のところ当たっている)

この4つの論拠はなかなかの説得力があるものだ。
この4つの要素がそろえば、あるていどフクヤマの言説に信用性を与えてもいいと思える。

たしかにあと2,3百年ほど観察をしつづけないと、ほんとうの意味で民主国家が永遠かどうかは断定できないとフクヤマ批判者はいうかも知れない。
しかし、それはあくまで不可知論的な意見でしかない。
フクヤマ批判者は、千年経っても、一万年経っても、まだ民主国家の永遠性は証明できていないと判断を保留しつづけることが可能だからだ。

フクヤマ批判者が、社会科学的な議論を行う意志があるのなら、この4つの要素にたいして論理的な反論を行うべきだと思う。
少なくとも、民主国家がきわめて頑強な政情安定性を持ってることは疑いないし、その理由にたいしてフクヤマ理論とはちがった説明を与えるべきではないのだろうか?
それができないのならあくまでも判断保留でしかない。

フクヤマ批判者は、フクヤマにたいして積極的な反論はできていないといわれても仕方ないのでは?
531世界@名無史さん:02/12/05 11:51
マルクスは人間の定義そのものが間違っていた。
人間は変化しないと。人間は機械だと。人間は感情に流されないと。

工業化社会の人間像でしょうが、情報化社会の人間像ではない。
532世界@名無史さん:02/12/05 22:19
>>530
>たしかにあと2,3百年ほど観察をしつづけないと、ほんとうの意味で民主国家が永遠かど
>うかは断定できないとフクヤマ批判者はいうかも知れない。

と言うより、現実の歴史の進行は、フクヤマの書いた本やあなたの脳髄の
中にあるのではないので、常に謙虚に事実に学んで行かないと結論はくだ
せないという事ですね。
しかし、多分2百年は待つ必要はないと思います。

あと、「社会科学」と言う言葉を乱用しないように。

530さんの言う事を煎じ詰めると
「私(現在の我々)が予見できないような大問題は、予見できないのだ
から永遠に存在できない」というのは非常に奇妙な論法ですね。少なく
ともこれはあまり良い「社会科学」とは言えない。


1から4は、フクヤマ説のあなたなりの要約でしょうが、反論は既にでて
いますよ。
4なんて「最近のトレンド」を根拠に「永遠」を語っているに過ぎないし。
2は、今現在、ヴィジョンがない事がなんら根拠になりません。だって
歴史の進展につれて問題が顕在化して、それがビジョンになるという
のがありがちな展開ですから。
3はフクヤマがそういう(先入観)図式で世界史を要約しましたと
いう以上の意味はありません。
533世界@名無史さん:02/12/05 22:20
で、何度も繰り返しますが、「歴史の終わり」や「これからは大問題は発生し得
ない」とい言い切る事の無理を解消するためにフクヤマは(530より賢いので)、「歴史
は、ある目的地点での完成に向けて自己展開する」というヘーゲルマククス的
な弁証法的な歴史観に頼る訳ですね。


ただ、「ある終局の目的に向かって展開する歴史」という考え方が非常に特殊
な歴史観であるのは間違いないです。少なくとも非キリスト教徒には。キリスト
教徒ならこういう歴史観は一般に馴染むかもしれませんが。


で、現実にはヘーゲルは当時の立憲君主国家を理想の形態にすえた。(それ
は歴史の進行には裏切られる訳ですが。) また、マルクスは観念的な「共産
主義社会」を理想の形態にすえたわけです。(これも破綻しました。)で、フク
ヤマは現状のパックスアメリカナに理想の形をみている。(これも早晩、現実の
歴史によって裏切られるだろう。)
534世界@名無史さん:02/12/05 22:29
>>530
だいたい、現実の社会に生きる我々は、「民主主義は現在の制度の中では、よくできているので
特に大きな困難に直面しない限り、民主主義を支持しよう。」で十分な筈なのだが、なぜ、無理
して観念的に「永遠」と言わなければならないのだろう。
悪い意味での「イデオロギー」であり、非常に強引な現状肯定でだと思う。理論以前に、余りにも
政治的。また、「永遠」と言い切る以上、非常に大きな説明義務をおうはずなのだが、フクヤマの
図式的な歴史整理以上の話がでてこない。
535世界@名無史さん:02/12/05 23:22
で、議論にある程度の方向性を付けたいのです。

「民主主義(フクヤマ的な独特の意味での民主主義)の永遠性」を論証したいフクヤマ支持者
の気持ちは分かるのですが、要約すると「現在予見できないような克服すべき民主主義にとっ
て致命的に基本的な課題は、予想できないのだから、将来も絶対に発生しない、だから民主
主義(フクヤマ的)は永遠だ」と言うのに帰結する主張は、やっぱり変です。「論破」だの「社会
科学」等と言う問題ではありません。

以下要望です。

私が、一番フクヤマに対して疑問に思うのは「政治的目的」(アメリカの政策担当者に近い人です
から)のために過去の哲学者の説をねじ曲げて援用したり、都合の良い図式で、本来は豊富な歴
史的現実を切り刻みそれを使うそのやり方です。

そこで、お願いしたいのですが、フクヤマの歴史観で、何か実証的な歴史学に貢献できる事とか
現実に貢献しているという実例を挙げていただけないでしょうか。要するに「フクヤマ説のおかげで
歴史実証的な研究はこんなに進歩した」というお話ですね。

また、歴史哲学という意味でフクヤマとヘーゲルとの連続性の解説などもお願いしたいのですが。
536世界史@名無史さん:02/12/06 02:44
横レスだが、530のフクヤマの議論のまとめに対する532〜535の疑問はもっと
もな点だと思われる。
私も530の積極的な反論の展開を希望したい。
537posthuman:02/12/06 07:41
http://www.asahi.com/science/news/K2002071901100.html

特定遺伝子増やしネズミの脳巨大化 米グループ

 たった一つの遺伝子の作用を活発にしたら、
ヒトなどに見られる、シワのある大きな脳を持ったマウスができた――。
脳の進化を探る手がかりになるかもしれない研究を、
米ハーバード大などの研究グループが、
19日発行の米科学誌サイエンスで発表した。

 同グループは、大脳皮質になる神経細胞の増殖を制御する
「βカテニン」という遺伝子に着目した。
この遺伝子の数を人為的に増やしたマウスの胎児は、
大脳皮質が増大し、それが折り畳まれるようにしてシワもできた。
普通のマウスの大脳皮質にはシワはない。

 同グループは「ヒトが知的に進化した仕組みの
解明につながる可能性がある」としている。
ただ、巨大な脳を持ったマウスがその後、無事生まれたのか、
それが“天才”マウスだったかについては、論文は沈黙している。
538posthuman:02/12/06 07:50
↑は、マウスの脳に関する実験だが、
生化学的レベルでは哺乳類には大差ないので、
同じ操作をヒトに適用することは今すぐにでも可能だ。
その操作が直接知能向上につながるかどうかは判らない。
個人的には何か問題が出るような気がする。
しかし前世紀末から、この分野では他にも多くの成果が出ており、
いずれにせよ、人為的な処置による知能向上が実現するのは、
せいぜい数十年先程度のごく近い未来の話である。
そして、現生人類がチンパンジーに対して持つような優位を
現生人類に対して持つような新人類が生まれたとき、
彼らを含む社会構造がどういうものになるのかは断言できない。

フクヤマの近著はまだ読んでないが、
書評を読む限りでは、そういう問題を論じているらしい。
フクヤマ云々を語りたい奴は、Fukuyama Posthuman で検索して、
フクヤマ自身の今の問題意識を把握しておきなさい。
539世界@名無史さん:02/12/06 14:09
>>532
>4なんて「最近のトレンド」を根拠に「永遠」を語っているに過ぎないし。

でも、民主主義の普及は最近のトレンドではないよ。
さかのぼれば、原始キリスト教以来の運動であり、じゅうぶんに全歴史的な動き。
ここ10年というのは、あくまでそのトレンドの延長に過ぎない。

>2は、今現在、ヴィジョンがない事がなんら根拠になりません。だって
>歴史の進展につれて問題が顕在化して、それがビジョンになるという
>のがありがちな展開ですから。

それは根本的にちがうよ。
歴史時代にも長期的に安定した時代というのはたしかにあったが、それでも地方では内乱や一揆が起こっていたし、外部民族の侵入の危険性にも常にさらされていた。
200年にわたる江戸時代の太平なんて、ただ思考停止して鎖国して、引きこもっていただけで、知識人層のなかには、欧米諸国に攻め込まれたら日本なんてひとたまりもないという危機意識が常にあった。
問題そのものが存在しない現代とは状況がちがうよ。

>3はフクヤマがそういう(先入観)図式で世界史を要約しましたと
>いう以上の意味はありません。

しかし、民主国家の政情安定性を説明する上ではきわめて鋭いものだ。
フクヤマ批判者が、それ以上の解釈を提出できないのも事実。
540世界@名無史さん:02/12/06 14:10
>>533
>ただ、「ある終局の目的に向かって展開する歴史」という考え方が非常に特殊
>な歴史観であるのは間違いないです。少なくとも非キリスト教徒には。キリスト
>教徒ならこういう歴史観は一般に馴染むかもしれませんが。

目的論的な歴史観そのものを否定する考えはポストモダン期に流行ったが、冷戦の終結はその目的論的歴史観を復活させるインパクトがあったということだよ。
フクヤマの歴史の終わりはポストモダニズム批判なんだよ。(ニーチェの永劫回帰説批判)

>フクヤマは現状のパックスアメリカナに理想の形をみている。(これも早晩、現実の
>歴史によって裏切られるだろう。)

パックス・アメリカーナという発想そのものは、対共産主義国家陣営にたいして作られたもので、ほんらい歴史時代的な発想なんだよ。
地球全体が脱歴史世界化すれば、そんな言葉すら意味をなさなくなる。
フクヤマは歴史終焉論は、パックス・アメリカーナを超えるものだと思うけど。
フクヤマはたしかにアメリカの単独行動主義に理解を示しているけど、それは対権威主義国家政策上どうしても必要だからだよ。

>>534
>なぜ、無理して観念的に「永遠」と言わなければならないのだろう。

歴史哲学だから。未来予見性を示すため。

>また、「永遠」と言い切る以上、非常に大きな説明義務をおうはずなのだが、フクヤマの
>図式的な歴史整理以上の話がでてこない。

永遠性の説明はそれで充分だと思うけど。
イマジネーションの限界とモチベーションの限界。
これ以上のなにを求めるの?
541世界@名無史さん:02/12/06 14:11
>>535
>…主張は、やっぱり変です。「論破」だの「社会科学」等と言う問題ではありません。

想像力の限界は世界の限界だから。
この世には想像しうるすべてのものが存在する。
しかし、想像できないものは存在しない。(正確に言うと、人間が認識できない)

>私が、一番フクヤマに対して疑問に思うのは「政治的目的」(アメリカの政策担当者に近い人です
>から)のために過去の哲学者の説をねじ曲げて援用したり、都合の良い図式で、本来は豊富な歴
>史的現実を切り刻みそれを使うそのやり方です。

それはものすごく誤解。
ここだけはどうしても理解してほしい。
歴史時代的な発想と、脱歴史世界的な発想の混乱からくる誤解。

あと30年もすれば、中国も民主化し、悪の枢軸問題もカタがつく。
世界全体が脱歴史世界になれば、国家という考えそのものが無意味になる。
だからアメリカも、日本も、中国も、イラクもなにも関係なくなるんだ。
そのとき人間ははじめて、世界市民として生きていけるようになるんだよ。
そういった意味で、歴史の終わりとは、戦争史の終わりであり、国家史の終わりでもあるんだよ。

歴史終焉論は、ナショナリズムとはもっともかけ離れたものだということを理解してほしい。
542世界@名無史さん:02/12/06 14:12
>そこで、お願いしたいのですが、フクヤマの歴史観で、何か実証的な歴史学に貢献できる事とか
>現実に貢献しているという実例を挙げていただけないでしょうか。

フクヤマは歴史哲学者だから、実証的な、史料批判的な歴史学への貢献はないと思うよ。
ただ、マクロ的な意味でのニーチェ主義的歴史観(永劫回帰説…これは進歩史観、退歩史観そのものの否定)と、
マルクス主義的歴史観(唯物史観)への反駁に大きく貢献した。
しょうもないウヨ、サヨ対立に最終的な決着をつけたという意味でもその貢献度は高い。
その功績が、彼を世界的に著名な評論家にしたんだと思うよ。

>また、歴史哲学という意味でフクヤマとヘーゲルとの連続性の解説などもお願いしたいのですが。

これにかんしてはあまり関心がないなぁ。
おれも、フクヤマ理論はフクヤマ主義としか捉えてないし、解釈問題がいちばん不毛だと思うしね。
フクヤマ主義の論点は、民主主義国家は永遠か否か、であり、ヘーゲル解釈じゃないと思うんだよね。
ただしいヘーゲル解釈なんて、ヘーゲル本人に聞かなきゃ、結局わかんないし。
543世界@名無史さん:02/12/06 16:32
物理には不確定性原理、数学には不完全性定理があります。
544世界@名無史さん:02/12/06 16:34
あと、デカルトは2chの存在を認識できなかった。
545世界@名無史さん:02/12/06 16:42
>>539

原始キリスト教云々は、このスレの最初でもでましたが、フクヤマの立論にあわせて
後追い的に歴史をそう解釈しただけと思えます。「共産主義を実現する歩みとして
人類史があった」とする、マルクス的歴史解釈と50歩100歩だとおもいます。

あと539にある、私のこの以下の部分
>2は、今現在、ヴィジョンがない事がなんら根拠になりません。だって
>歴史の進展につれて問題が顕在化して、それがビジョンになるという
>のがありがちな展開ですから。

に対する反論ですが。何かしら江戸時代を例に引いておられるようですが
かなり強引なまとめだと思います。で細かく吟味したいので、具体的な人物名
と年代を提示してくれませんか。

とりあえず、再反論としては、人間は将来起こりうる全ての問題を予見できる訳で
はない、といっておきましょう。

とは言え、江戸時代でなく、塩婆的なローマ史の文脈で言うと、カルタゴと言う
ライバルに勝利した当初の共和制ローマは、内部で自作農、中間層の崩壊と
いう事態が共和制に対して致命的になることが、当初認識(多数の支持を得ら
れなかった)できなかったと言う事もあって「ローマ共和制の没落」は当時の人
は予想の範囲を超えていた。でも、のちに現実に「共和制」は崩壊しました。
といった事例で考えてくれた方が助かりますが。
546世界@名無史さん:02/12/06 16:51
>>542

>フクヤマは歴史哲学者だから、実証的な、史料批判的な歴史学への貢献はないと思うよ。
その通りですね。歴史哲学者と言うより「歴史にかこつけて生臭い政治を語る人」とうのが
本当のところだと思います。アメリカの政策担当者に近い位置にいた事も事実ですし。

また
540のご自身が
>フクヤマはたしかにアメリカの単独行動主義に理解を示しているけど、それは対権威主義国家政策上
>どうしても必要だからだよ。

で、いったおられるのですが、まさにフクヤマは「対権威主義国家政策上」の政治的目的で、現実のアメリカ
の政策をジャーナリズムで正当化している人なんですよね。
547世界@名無史さん:02/12/06 17:01
>>542

>おれも、フクヤマ理論はフクヤマ主義としか捉えてないし、解釈問題がいちばん不毛だと思うしね。
>フクヤマ主義の論点は、民主主義国家は永遠か否か、であり、ヘーゲル解釈じゃないと思うんだよね。

フクヤマ自身が著書の中でヘーゲルには相当の言及をしていますし、「歴史の終わり」という
キャッチフレーズはヘーゲルとの連続性を明確に意識しているはずですし。また媒介となった
コジェブは相当に面白い人だと思います。あえて言うと、かなり根本的な部分でヘーゲル摂取
については検討する必要があると思いますが。(別に「論破」しようとかなんとかと言う意味でな
く)

あと、「悪の枢軸」とか「中国の民主化」については、純粋なアジ演説として受け取っておきます。
そういうお話にはお付き合いできなくてごめんなさい。
548545:02/12/06 17:04
>>538
ま、ずっと「歴史の終わり」とかについては否定的なのですが
その538なんかのフクヤマの立場には結構興味がありますな。
549ポッパー:02/12/06 17:40
現役の唯物史観の研究者
適当な入門書
史的唯物論批判で著名な研究者・代表的著作を教えて下さい
550世界@名無史さん:02/12/06 17:40
>>539
やっぱ言っておこう
>200年にわたる江戸時代の太平なんて、ただ思考停止して鎖国して、引きこもっていただけで、知識人層のなかに
>は、欧米諸国に攻め込まれたら日本なんてひとたまりもないという危機意識が常にあった。

対外危機意識って広がるのに波があって、実際に外国船の出没回数が増えるのにかなり関係していた
と思いますが。あと西欧が産業革命(あるいみ軍事技術革命)をへた後と前では、危機意識の質が違い
うとおもうのですが、どうでしょう。だから幕末の対外的危機意識の高揚と、幕府の崩壊というのは、やっぱり
江戸時代初期にはヴィジョンとして予想し得なかったのではないでしょうか?

あと、ヨーロッパ中世におけるヴィジョンについても語ってもらえませんか?
551世界@名無史さん:02/12/06 17:49
>>549
唯物論者ではありませんが、参考文献紹介して良いですか?
まず入門書にたよらず原典を読む事、さほど難しくないし長く
ないのは
マルクス
 「ドイツイデオロギー」
 「経済学批判、序説」(序説だけ)
エンゲルスはあんまり読まん方が良いと思うが
この辺は多き良い本屋で探せば、文庫であるはず。
552551:02/12/06 17:56
「ドイツイデオロギー」はマルクスとエンゲルス共著でした。
(若い頃は、以外とまともだったエンゲルス)
553常識:02/12/06 23:16
http://www.sais-jhu.edu/faculty/fukuyama/Posthuman%20blurb.htm
In 1989, Francis Fukuyama made his now-famous pronouncement that
because "the major alternatives to liberal democracy had exhausted themselves,"
history as we knew it had reached its end.
Ten years later, he revised his argument:
we hadn't reached the end of history, he wrote,
because we hadn't yet reached the end of science.
Arguing that the greatest advances still to come will be in the life sciences,
Fukuyama now asks
how the ability to modify human behavior will affect liberal democracy.
To reorient contemporary debate,
Fukuyama underlines man's changing understanding of human nature through history:
from Plato and Aristotle's belief that man had "natural ends"
to the ideals of utopians and dictators of the modern age
who sought to remake mankind for ideological ends.
Fukuyama persuasively argues that
the ultimate prize of the biotechnology revolution
-- intervention in the "germ-line,"
the ability to manipulate the DNA of all of one person's descendants --
will have profound, and potentially terrible, consequences for our political order,
even if undertaken by ordinary parents seeking to "improve" their children.
In Our Posthuman Future, our greatest social philosopher begins to describe
the potential effects of our exploration on the foundation of liberal democracy:
the belief that human beings are equal by nature.
554世界@名無史さん:02/12/06 23:26
そうだよなー。コンピュータが面白かった時代はとっくに終わっ
てるんだよな。インターネットも。
やっぱバイオだね。でも今から勉強してもメシ食えんよな。
555世界@名無史さん:02/12/06 23:34
まぁ、そう考えても問題はないだろう。
556常識:02/12/06 23:37
Ten years later, he revised his argument:
we hadn't reached the end of history, he wrote,
because we hadn't yet reached the end of science.

というところに注目しておくこと。
「歴史の終わり……」とか何とか未だに言ってる奴は、
フクヤマ厨房ですらなく、単なる厨房なんだよ。
むろん、科学関連のニュースを毛嫌いしなければ、
こういう傾向は十年前ですら明らかだったわけで、
フクヤマ『歴史の終焉』に関して、当時から指摘されていた。
そういう段階から認識を前進させることができたのは、
フクヤマの知的誠実さを立証するものではあり、
北朝鮮関連で馬鹿な発言していた日本の知識人と較べてみたくなる。
しかし、十年前のフクヤマが科学的常識に無知だったこと、
そのため、当時の未来予測も見当外れだったこと――は、
現時点での本人も認めていることなのであり、
そのことは、この場の議論でも共有前提となる。
557ポッパー:02/12/06 23:41
>マルクス
>「ドイツイデオロギー」
>「経済学批判、序説」(序説だけ)

たったこれだけということは、剰余価値論とは違って、マルクス本人は史的唯物論
を理論としてさほど発展させていない、あるいは定式化しえなかった、あるいは定
式化しえても具体的に展開
できなかったといえるのではないでしょうか。
558世界@名無史さん:02/12/06 23:48
いや、フクヤマにもぶれがあるのではないですか、かりに
556がその通りだとしても。

フクヤマ本人が2001年にもなって、ここで
http://www.guardian.co.uk/comment/story/0,3604,567258,00.html

We remain at the end of history because there is only one system that will continue to dominate world politics, that of the liberal-democratic west.
まだこんな表現を使ってるし。
559世界@名無史さん:02/12/06 23:56
>>557

怒る人がいるかもしれないけど、マルクス説も「歴史の終わり」のフクヤマ
も、ヘーゲルのパチものだと思いますよ。
したがって、そう思ってる私は、唯物史観も弁護はしません。

ただ、剰余価値論(労働価値説)の方がよほど下らない理論だとは思いますよ。
で、その2つを薦めたのは変な解説書を読まない方が良いだろうと思ったからです。

すこし意欲があるなら、G.ルカーチの「歴史と階級意識」と言うのを読まれたら
いかがでしょう。(未来社版はもう絶版なら図書館で入手できます。)
(やっぱこういうのは電波狸師の方が適任でしょう)
560世界@名無史さん:02/12/07 15:11

  ■■【糞サヨの属性】■■

一般的に言われているのは、
○団塊全共闘世代→敗北を認めずにまだ妄想はいっている、

○情緒的女性→これが異常に多い。キーワードは「平和」、「女性」、「人権」、「市民」。この言葉で一瞬で思考が停止し、盲従状態。社民党議員をみれば一目瞭然。理性ではなく情緒的、短絡的に行動する。
  横浜市議会で国旗に反対して議長席を占拠したのもこの手の軽薄女。占拠するまでは考えていたが、その後を考えていなかった(W。むろん、懲罰委員会にかけられ即刻除名処分。

○親が共産党員、社会党員でその洗脳教育を受けた輩、日教組の社会科教師から偏向教育を受け、その呪縛にはまったままの者。
 

特徴として、
●「市民」運動に参加している。(実はプロ市民のダシでしかない)

●国を敵視し、目上に逆らうのが何かカッコイイことと勘違いしている。(中学生的反抗メンタリティから脱却できずにいる)

●自虐癖、贖罪意識、自信喪失傾向が強い。

●愛国心、愛郷心、公共心を持てずにいる。

●「朝日新聞」や「赤旗」を購読。

●「週刊金曜日」や「世界」、「論座」を愛読している。

●何でもすぐに大東亜戦争に結び付けたがる。

●国際情勢に疎い。特に安全保障論、国際関係論に関しては思考停止。

  ⇒さて、あなたは如何に?
561世界@名無史さん:02/12/07 15:22
随所で電波右翼の左翼攻撃で「プロ市民」っていう言葉を聞きますが
それってなんですか?
562561:02/12/07 15:25
別に右翼がいけないとか、左翼を攻撃するなと言ってる訳ではなくって
電波な人のいってる意味が知っておきたいだけです。
(右翼の中にも其れなりに尊敬できる人もいますし。)
563世界@名無史さん:02/12/08 17:44
>>545
>原始キリスト教云々は、このスレの最初でもでましたが、フクヤマの立論にあわせて
>後追い的に歴史をそう解釈しただけと思えます。

科学なんてみんな後追い解釈だよ。
ようはフクヤマよりも説得力のある解釈が、他に存在しないことの方が問題。
フクヤマに異論があるのならそれを提出すればいいじゃない。

>カルタゴと言うライバルに勝利した当初の共和制ローマは、内部で自作農、中間層の崩壊と
>いう事態が共和制に対して致命的になることが、当初認識(多数の支持を得ら
>れなかった)できなかったと言う事もあって「ローマ共和制の没落」は当時の人
>は予想の範囲を超えていた。

異民族の侵入は当然予想された事態だと思うけど?
あのね、ここまで世界の一体化を実現した現代と、ローマ時代なんかを比べないほうがいいと思うよ。
それは歴史段階のちがいを完全に無視してるから。
ローマ外というものは存在するけど、地球外というものは存在しないの。(宇宙人が来ない限り)
情報通信網や、庶民の知的水準もぜんぜんちがうでしょ?
科学の発達の度合いがぜんぜんちがうんだよ。
ここまで情報化が進んで、なお民主主義の次のイデオロギーが発見されないということは、特別な事態だと思うよ。

>>546
>で、いったおられるのですが、まさにフクヤマは「対権威主義国家政策上」の政治的目的で、現実のアメリカ
>の政策をジャーナリズムで正当化している人なんですよね。

そうだよ。それがなにか問題あるの?
権威主義国家をきみは野放しにしていたほうがいいと思うの?
564世界@名無史さん:02/12/08 17:44
>>556
フクヤマは同時多発テロ後、We remain at the end of historyってすぐ述べてるよ。

>we hadn't reached the end of history, he wrote, because we hadn't yet reached the end of science.

この文章のソースはなんなの?
565世界@名無史さん:02/12/08 18:01
>>563
なんか新味がないな。
それで、あれ、江戸時代論の補足はないの。

>科学なんてみんな後追い解釈だよ。
「科学一般」だとしてそんな云って良いの?
フクヤマは科学ではないし。

あと、フクヤマ的「歴史段階」を認めない人にフクヤマ的
歴史段階論をふりかざしても、無意味。

>権威主義国家をきみは野放しにしていたほうがいいと思うの?
大国の政治プロパガンダに歴史を利用しなくても良いってだけで
政治的な話なら別のところでしましょう。
566世界@名無史さん:02/12/08 18:06
>ようはフクヤマよりも説得力のある解釈が、他に存在しないことの方が問題。
>フクヤマに異論があるのならそれを提出すればいいじゃない。
説得力についてはあなたがそう感じたと言う事でしょうね。
それはあなたの知性の水準を反映していてなかなか興味深い。
ただ、フクヤマ的な歴史の図式化自体がナンセンスなわけで
似たような歴史の図式的解釈をもう一個亭sy津市手も意味は
ない訳です。(これは、なんでも指摘を受けていますよね)

で、そうではないまともなキリスト教研究はすでに存在する
と思いますが。
567世界@名無史さん:02/12/08 18:10
化けたので、再度ポストします。
>ようはフクヤマよりも説得力のある解釈が、他に存在しないことの方が問題。
>フクヤマに異論があるのならそれを提出すればいいじゃない。
説得力についてはあなたがそう感じたと言う事でしょうね。
それはあなたの知性の水準を反映していてなかなか興味深い。
ただ、フクヤマ的な歴史の図式化自体がナンセンスなわけで
似たような歴史の図式的解釈をもう一個提出してもあんまり意味は
ない訳です。(これは、なんでも指摘を受けていますよね)

で、そうではないまともなキリスト教研究はすでに存在する
と思いますが。

556には代わりに疑問を呈しておきましたよ。(親切だな)>>558
568世界@名無史さん:02/12/08 18:25
>あのね、ここまで世界の一体化を実現した現代と、ローマ時代なんかを比べないほうがいいと思うよ。
もともと人間の認識能力や社会的に発生する問題を意識化すると言う作業は、歴史に制約されるので、
「いま現在問題が認識できない」イコール「将来、永遠に問題が発生しない」ではないという文脈で語って
いるので別に良いと思いますが。

逆に、例として、江戸時代が良くてローマ時代が悪いと言う根拠がよく分からない。ローマ解釈の正否
は別にして「原始キリスト教」、「江戸時代」とつまみ食い的に歴史を食い散らして都合の良い時代と場
所だけでフクヤマ説が実証されましたではすこし不満が残りますな。
569世界@名無史さん:02/12/08 19:56

■【教育】すいません。昔私左翼的思想でした【盲目】■
http://tmp.2ch.net/test/read.cgi/asia/1039155532/301-400

307 :日出づる処の名無し :02/12/07 14:57 ID:0USaXa0F
仲間がたくさんいた!!
俺は恥ずかしながら大学のとき(97年)まで・・・まだそのころネットは普及してなかった。

そのとき、右的な人のことをよくけなしていたんだけど。
すまない・・・今こそ謝りたい!!!!

331 :日出づる処の名無し :02/12/08 00:03 ID:2sXEaK3O
リアル日教組組合員です。中学校です。ちょっとびびりながら発言させてもらいます。
自分の県は組織率が100パーセントに近いのです。
もともと隣県からここの採用試験受かってこっちに来ましたが、とにかく
全員入っているということで組合に入りました。みんな何にもわからないうちに
入れられてしまうのです。自分の場合、当時はどちらかというとここの多くの
みなさんと同じように、左だったしね。入ることには別に迷いませんでした。
実際に中で組合の理念とかがわかってくるうちに「これはおかしい」と
思うようになりました。で、今は右に傾いています。

 332 :日出づる処の名無し :02/12/08 00:13 ID:P3Rl2877
遅れ馳せながら、わたくしもサヨをやっていました。
高3の時に「中国の旅」を読んだのがきっかけです。
旭新聞だけが一流新聞だと信じて疑わず、
「声」欄は毎朝書かさず丹念に読み、
自分でも何度か投稿して採用され喜んでいました。
某「革新」政党の選挙の手伝いをやったこともあります。
数年前まで、日本は悪い国だ、と吹いて回っていました。
この場を借りて国民の皆様にお詫びします。

570世界@名無史さん:02/12/08 19:58
結局「プロ市民」ってどういう意味だったんだよう。
571常識:02/12/09 03:35
>>564

>>553 にソースはリンクしてあるよ。
そこからさらにURLの末尾を削っていけば、
http://www.sais-jhu.edu/faculty/fukuyama/
に行き着く――なんてことを言わせないでくれよ。
572世界@名無史さん:02/12/09 10:03
       ./"´:;;::;;;: ::::;::"ソヽ
       / ,ヘ〜-ー'´⌒``ヽ:ヽ
      / ノ 彡:三:三:三:ミ |: \
      | |. __,,;;ィ  t;;;;,,,_ :ヽ│
       | |シ ,ィェァ') (.yェュ、 ミ| |
      !r、|  ''''''. | | ''''''  Y )
      ヽ{ ヽ. (r、 ,n)  /:: };ノ
       し}  : 、___二__., ;:::::jJ
        !、.:. ´ ..::::... `ノ::::ノ
        _,〉、ゝ '""'ノ/:|
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おいおい、アメリカさんに与えられた言論の自由を使って、
アメリカさんを覇権国家呼ばわりするとはずいぶんだな。
自分の力で天皇制を克服するだけの甲斐性もなかったくせに、図に乗るなよ、イエロージャップ。

アメリカさんが本気になれば、日本占領なんて簡単なんだぜ。
寛大な心で許してやってるアメリカさまの慈悲深さに感謝するんだな。
573世界史@名無史さん:02/12/09 11:08
>>572
ブッシュ一味は、まもなくアッラーの怒りにふれてまもまく滅亡する。
by アルカイダ日本支部
574疑問:02/12/09 15:16
>>571
のサイトはジョンズホプキンス大学のフクヤマページ。
ってことは、フクヤマの公式ホームページなのかな?
でも、フクヤマのことをずっと he って書いてるから、
本人が作ってるんでもないみたいだ。
誰が作ってるんだろう? メール出したら誰に届くんだろう?
575素朴な疑問:02/12/09 18:31
古代と中世、近世ってどう違うんですか。
576親切さん:02/12/10 04:21
>>575

古代と中世の境界については定説は無い。
西洋史の文脈では、西ローマ帝国の滅亡までが古代で、
その後のゲルマン系諸民族の建国の時代が中世ということになるが、
これは世界史に拡張できるような一般的定義になってない。
謝世輝は、中世をユーラシア史の段階として把握し、
イスラムの勃興と遊牧民の帝国によって、
ユーラシアが一体化した段階を中世と呼んでいる。
これにも不満はあるが、西洋史ローカルの定義よりはマシだろう。

中世と近世の境界は、ヨーロッパの大航海時代。
この結果、世界全体が一体化した段階が近世。

近世と近代の境界は17世紀後期。
イギリスの産業革命、アメリカの独立革命、フランス革命などによって、
世界史は新たなフェーズに移行し、政治的には議会制民主主義、
経済的には工業、地域的には北大西洋周辺が、文明の中心となった。
577>575:02/12/10 17:28
 古代-近世(前近代社会)と、近代の違いは、領主や地主などの大土地所有階級が権力を握っている地域では、
そこは、前近代社会。大土地所有を経済的基盤においていない階級(普通は市民階級=
ブルジョア)が権力を握っていれば近代国家=国民国家。
ただし都市国家、自治都市は面積も人口も微小なので、局地的例外とする。
こうすれば市民革命と近代国家と国民国家が三位一体のものとして位置づけられる。

578世界@名無史さん:02/12/10 19:53
>>557
とりあえずマルクスのもの以外では少し古いけれども
広松渉,『物象化論の構図』,岩波現代文庫(特にその第1章)が
唯物史観の構図に関する一解釈の良い例を与えてくれると思います。
尤も、私は、広松氏の唯物史観の解釈の妥当性を評価するほど、
所謂「マルクス学」の知識がありませんので、果たして現在広松氏流の
解釈がどの程度唯物史観を理解する際に正鵠を射たものなのかを申し上げる
ことは出来ません。
ただ、広松氏の解釈の中で、『ドイツ・イデオロギー』を「唯物史観宣奨の書」として
どう読むか、という点に相当力点が置かれていることは、強調しておいて間違いないと
思います。
私は「マルクス学」には門外漢であるので、初歩的な勘違い、誤りの類を懼れますが、
先ずは御参考まで。
579576:02/12/10 23:05
あ、しまった。読み直したら書き間違いがあった。
>>576は、
× 17世紀後期
○ 18世紀後期 または 1700年代後期
と、読み替えてください。
580世界@名無史さん:02/12/11 09:32
>>573
>ブッシュ一味は、まもなくアッラーの怒りにふれてまもまく滅亡する。
>by アルカイダ日本支部

       ./"´:;;::;;;: ::::;::"ソヽ
       / ,ヘ〜-ー'´⌒``ヽ:ヽ
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       し}  : 、___二__., ;:::::jJ
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ぷっ。
どう考えても君たちのほうが早く滅亡すると思うがね。
ヤハウェの怒りを思い知れ。
581世界@名無史さん:02/12/12 02:59
ドイデの広松版は、エンゲルス主導説にひきずられて訳文がおかしなことになっています。
共産党系ですが、最新のドイデ訳のほうがいい。
582世界@名無史さん:02/12/12 03:11
しょせん唯物史観じゃねーか!
583世界@名無史さん:02/12/12 03:16
なぜ、ドイツイデオロギーとか資本論の2巻3巻とかがなになに「版」とい
うのが問題になるかと言うと、これらがマルクスの生前にちゃんとした形で
出版されていないから、という事ですね。

で、誰かの手によって草稿が編集された出版されることになると。

広末渉氏は、ドイツイデオロギーの草稿の筆跡などから、ドイツイデオロギーの
形成過程でのエンゲルスの主導的役割があったと見る。

その辺の事情が前提にないと581さんの行ってる事はピンとこ
ないかも。

まあ、世が世であればそこら辺の教典(だよね、やっぱ)の編集だけで
相当の研究者が食えるだろう。じじつソ連なんかはそうだったみたい。
584世界史@名無史さん:02/12/12 03:24
>>581
>最新のドイデ訳のほうがいい。
「最新のドイデ訳」ってどれを指しているの?
広松版て岩波文庫のやつ?
585世界@名無史さん:02/12/12 03:27
>広松版て岩波文庫のやつ?
岩波は古在の奴で底本は悪名高いアドラツキー版じゃなかったかと。
586585:02/12/12 03:30
と、思ったら最近、ヒロマツ版に変えたんだね。岩波。
いまさらご苦労なことだな。
587世界@名無史さん:02/12/12 03:39
一応、賑やかしですが、マイナーなところで
マルクス/エンゲルス『新版ドイツ・イデオロギー』(ゲ・ア・バガトゥーリャ編、合同出版)
なんか、どうですか?
588世界@名無史さん:02/12/12 04:10
>>565
>あと、フクヤマ的「歴史段階」を認めない人にフクヤマ的
>歴史段階論をふりかざしても、無意味。

べつにフクヤマ主義じゃなくても、現代とローマ時代はちがうぐらい常識的に分かりそうなものだが。

>大国の政治プロパガンダに歴史を利用しなくても良いってだけで
>政治的な話なら別のところでしましょう。

マクロ的な歴史の流れと、政治的要求は不可分。切り離せるという根拠を教えてほしい。

>>567
>ただ、フクヤマ的な歴史の図式化自体がナンセンスなわけで

歴史を差別意識撤廃の過程として、民主主義普及史として見れないという根拠を教えてください。

>>568
>もともと人間の認識能力や社会的に発生する問題を意識化すると言う作業は、歴史に制約されるので、

この指摘そのものがポストモダン的。

>逆に、例として、江戸時代が良くてローマ時代が悪いと言う根拠がよく分からない。ローマ解釈の正否

江戸時代がよくて、ローマ時代が悪いと言った記憶はないのだが。
どちらも外部に不確定の敵を持っており、内部に革命要素を持っていたという点で、脱歴史世界ではないよ。
真に永続性を主張できるのは、人権思想に基づいたリベラルな民主主義国家のみということ。
589世界@名無史さん :02/12/12 04:10
>>587
個人的には、今までは合同出版のを参照してきました。
古在訳岩波版に比べれば全体の流れが把握しやすい。
広松編訳岩波版では、挿入・欄外注記などを原典に即して厳密に復元している。
けれども読む側としては、かなり煩雑で読みづらいという気もしますが。
590世界@名無史さん:02/12/12 04:13
>>571
いや、その根拠となるフクヤマの文章を知っているのかな、という意味で聞いたんだけど。
あと、フクヤマの「歴史ままだ終わったままだ」という発言にたいしてはなんの思いもないの?
591世界@名無史さん:02/12/12 05:07
>>588
あなたの江戸時代論への質問に対する回答はないの?

>>もともと人間の認識能力や社会的に発生する問題を意識化すると言う作業は、歴史に制約されるので、
>この指摘そのものがポストモダン的。
ポストモダンというレッテル(それ自体適当ではないと思いますが)だけでは批判としては十分ではない
とおもいますよ。
592世界@名無史さん:02/12/12 05:08
>>588

で、あなたの歴史観全般について言いますと。

概説書レベルの説明しかここではできませんが、ヘーゲルは歴史として事実の歴史と、精神性の顕現の
歴史の2つを考えました。当然、この背景にはロゴス(神に限りなく近いもの)を想定していました。つまり
「歴史とは単に事実ではなく、何かがそこに現れてくる過程である」と考えたわけですね。  その延長に
「歴史の終焉」もあったわけです。で、フクヤマも間接的にこの考え方を継承していまるとおもいます。

フクヤマは、ヘーゲルの「歴史とは単に事実ではなく、何かがそこに現れてくる過程である」を
「歴史とは単に事実ではなく、民主主義(フクヤマが考えた独特の)がそこに現れてくる過程である」と
読み替えたようにみえます。

ただ、ヘーゲルの場合はロゴス(限りなく神に近いもの)を体系の支えにしていて、(ありていに言うと
「精神が歴史を通して表れる」ということでしょうけど)、それなりに筋がとおっているのですが、フクヤマ
はそうでないと思います。

で、「歴史とは単に事実ではなく、何かがそこに現れてくる過程である」というのは本来、実証や経験によって
確認できる話ではないわけです。思弁としてそう考える以外ありません。あるいは「哲学」として。

であなたの言うマクロな歴史も結局は「歴史とは単に事実ではなく、何かがそこに現れてくる過程である」に
帰着する思弁だと思われます。

で、結論的に、わたしはその手の思弁とは肌合いが良くないのです。

(ヘーゲルの専門家には噴飯物の不正確な要約かもしれませんがご容赦ください。)
593世界@名無史さん:02/12/12 05:10
>>588
観点を変えて、すこし。

一般的過去の出来事を俯瞰するためには、神のような視点が必要になります。神の視点に
立てば、或いは「歴史とはこういうものだ」という一般法則(超越的な歴史の目的)を導き
出すことを可能かもしれません。

ただ、人間も例外的にあたかも神の視点に立つことができます。過ぎ去った過去は、現在か
ら見れば結果はわかっているので、人間といえども、神のように一般法則を語ることはできる
かもしれません。

しかし、、いったん人間が現実の社会に下りてきたら、現在の与えられた条件のもとで、結果
などあらかじめわからないという条件で試行錯誤をしつつ歴史をつくってゆくしかないわけです。
勿論、現在の趨勢、当面変わりそうにない条件などがあうわけで全く、未来の予測が不可能
な訳ではありませんが。
594世界@名無史さん:02/12/12 05:11
>>588

>歴史を差別意識撤廃の過程として、民主主義普及史として見れないという根拠を教えてください。
すくなくとも、「歴史の目的」が「民主主義の普及」である、という解釈であれば賛成できません。

私自身は「歴史の進行につれて当然のように現在、わらわれが採用しているシステムとしての民主主
義(イデオロギーではなく)が採用された。」とは断言できますが。
595世界@名無史さん:02/12/12 05:20
さらに、歴史の事実はフクヤマとわたしたちであまり変わらないので「民主主義」(現実に存在する制度、システムとし
ての)が普及したという点では、ある程度一致するはずです。ただフクヤマはそれに強引な解釈をつけるだけ。
596  :02/12/12 10:35
>>591
>ポストモダンというレッテル(それ自体適当ではないと思いますが)だけでは批判としては十分ではない
>とおもいますよ。

人間の想像力はその時代性に制約されたりはしない。
人間の想像力はつねに超時代的なもの。
人間は何億年先も、何億年前も想像することができる。

人間の想像力は、人間の想像力にのみ制約される。
そこに人間の真の自由性がある。
597世界@名無史さん:02/12/12 10:40
それは、スローガンガです。

>人間は何億年先も、何億年前も想像することができる。
しかし、その想像の通りに現実がなるという保証はない。

598  :02/12/13 05:00
しかし、想像できないものは実現しない。
599世界@名無史さん:02/12/13 09:28
しかし、経営者が当初想像もしなかったような原因で倒産する会社もある。
600世界@名無史さん:02/12/13 09:32
で、倒産がが目前に迫って兆候が否定できなくなると経営者は
倒産することを意識(想像)し始める。(そうでない経営者も居るだろうが)
601常識:02/12/15 06:47
>>590

>いや、その根拠となるフクヤマの文章を知っているのかな、
>という意味で聞いたんだけど。

元になっているのは、フクヤマの近著 Our Posthuman Future で、
>>553 の文章は、その本の Publisher's Catalog Copy だよ。
既に『人間の終わり』というタイトルで邦訳されているようだから、
うだうだ言わずにその本を読んで、
単なる厨房からフクヤマ厨房にまで成長しなさい。
602常識:02/12/15 06:47
>あと、フクヤマの「歴史ままだ終わったままだ」
>という発言にたいしてはなんの思いもないの?

フクヤマの用語法で「歴史が終わった」というのは、
「民主主義のイデオロギー的ライバルが無い」という程度の意味。
テロ事件にコメントする文脈でそういう風に言ったのは、
何年程度のタイムスパンを念頭に置いて、
「イスラムやテロリズムは民主主義のイデオロギー的ライバルではない」
という程度の意味。
バイオテクノロジーの可能性にコメントする文脈で、
「歴史が終わってない」と言うのは、
何十年〜数百年程度のタイムスパンを念頭に置いて、
「知能増大した新人類が出現したら、
 彼らにとっての現生人類はサル同然に見えるかもしれず、
 民主主義は、人間同士の平等という根拠を失うことになる」
という程度の意味。

後者の意味での歴史は、もはや人間ではない Posthuman の歴史だから、
現代人 Last Man が歴史の終わりを迎えているという表現とは、
いちおう言葉尻の上では矛盾しない(笑
しかし、いずれにせよ、その程度の内容に対して
「歴史の終わり」という表現を用いるのは大袈裟に過ぎる。
文字や法律や国家……を手にした段階から計算しても、
人類の歴史は既に五千年以上の過去を持っているのだから、
「歴史の終わり」という表現を用いるのであれば、未来についても
最低限何千年というタイムスパンを念頭に置かなくてはならない。
603  :02/12/15 08:13
>>601
>>553 の文章は、その本の Publisher's Catalog Copy だよ。

フクヤマ自身の言葉じゃないんだろ?
604  :02/12/15 18:03
>>599
>しかし、経営者が当初想像もしなかったような原因で倒産する会社もある。

それはあくまで個人の想像力。
その個人が気づいていなかっただけで、ほかの誰かは予想していただろう。
民主国家の崩壊や、それに代わる政体が想像できないのは人類的想像力の限界。
人類の誰も想像できないというのは深刻な状態だ。

弁証法的に言っても、普遍であるということは永遠であるということだ。
605常識:02/12/17 07:21
>民主国家の崩壊や、それに代わる政体が想像できないのは
>人類的想像力の限界。
>人類の誰も想像できないというのは深刻な状態だ。

ポスト民主主義の政治体制を設定したSFは幾らでもあるよ。
無論、多くのスペースオペラが採用している「宇宙規模の世襲貴族制」
なんていうのを本気にとるわけにはいかないが、
未来の技術水準や経済体制を予測した上で
その前提からどういう政治体制が可能になるか考察した作品も多く、
そういうのは議論対象として真剣に扱わないといけない。
例えば、『1984年』の「コンピュータ網を使った思想管理社会」
『素晴らしき新世界』の「遺伝子管理によるカースト社会」
不特定多数の作品の「コンピュータ独裁」「ネット直接民主制」などなど。
それらを知ったうえで、そういう体制にどんな欠陥があるか考察し、
「それが民主主義に取って代わるとは考えられない」と結論するのと、
そういう代替案が存在することすら知らないのとは、同じではないよ。
606世界@名無史さん:02/12/17 10:09

今時「唯物史観」などを語っているバカがいるわけだが…
オマエラ、もっとまともな本でも読め!!!
607漏れは:02/12/17 15:46
既に日米大衆社会は衆愚制に突入していると思うがね。
冷戦時代の方がある種の賢い抑制が効いていたな。
今はなくなったな。
アーメン。
608   :02/12/20 07:17
>>605
>例えば、『1984年』の「コンピュータ網を使った思想管理社会」
>『素晴らしき新世界』の「遺伝子管理によるカースト社会」
>不特定多数の作品の「コンピュータ独裁」「ネット直接民主制」などなど。

たしかにそういう例を挙げることはできるかも知れないけど、
でも問題なのは、「現在のリベラル民主主義政体よりもマジョリティが魅力を感じる理念・政治体制」を 想像 できるか? という点だよ。
想像できる以上、SFのアイデアが実現する可能性はあるけど、それがより高次の歴史段階の具体的なビジョンかどうかは別問題。
はたして、『1984』や『素晴らしき世界』のような世界を、現在の民主国家よりも理想的だとマジョリティが考えるだろうか?
もしそうでなければ、実現したとしても、それは発展と言うより退歩だよ。
より魅力的な世界でないと、民主国家を超えるイメージを提出したことにはならないよ。

あと、ネット直接民主制は、民主主義を徹底しただけで、新しいイメージとは言い難い。
ネット民主制が実現すれば、ますます民主国家の安定性は強化されるだろう。

どんなSF小説も、「自由・平等・博愛」の理念と「複数政党制・言論の自由・秘密で定期的な普通選挙」による自己責任回帰型のシステムを超えるビジョンを提出してはいないよ。
スターウォーズとかも、けっきょく民主化を進める勢力が勝利して大団円でしょ?
まさに、人間の想像力の限界。
609世界@名無史さん:02/12/21 00:03
>民主国家の崩壊や、それに代わる政体が想像できないのは人類的想像力の限界。
現時点での限界だね。
それと想像力が歴史の原動力であるかのような妄信は明確に否定しておく。
610世界@名無史さん:02/12/21 00:12
>>606
それはそれで面白いですよ。学術的には。
同じ、ようなラインの考え方でもマルクス主義の方が破産した後でも
見るべきものがまだあるよね。

フクヤマ的な西欧的な民主主義の永遠性自体は、「文明の衝突」のハッチントン
にすら否定されている(正しくは懐疑かな)。フクヤマよりは遥かにま
とものな学者だね。「文明の衝突と21世紀の日本」という集英社新書
がでているので参考にすると良いかも。
通常言われている「文明の衝突」論と言うのはかなりまとめ方が歪んで
いるのでぜひ本人の書いたものを読む事をお薦めする。
学者としての知識、深みもハッチントンの方が遥かに上だね。
ハッチントンを読んでフクヤマが際物だという感を強くした。
611世界@名無史さん:02/12/21 00:15
>>弁証法的に言っても、普遍であるということは永遠であるということだ。
これは関係が逆だ。「永遠性」なんて経験として確かめ様がないか
ら「弁証法の名を借りたという詭弁」を用いなければ
永遠性を「証明」できないってことだな。

612   :02/12/23 07:15
>>609
>現時点での限界だね。

そんな画期的なアイデアにも、かならず萌芽となった原始的なイメージがありました。
そのことは世界史板の住人がいちばんよく知ってることです。
もはやその萌芽となる原始的なイメージすら存在しないのです。
無から有は、永遠に生まれません。
存在するものは、ただの有の組み合わせの変更でしかないのですから。

>それと想像力が歴史の原動力であるかのような妄信は明確に否定しておく。

モチベーションとイマジネーションが歴史発展の原動力です。これ以外の原動力があるのなら提出してほしいです。
613   :02/12/23 07:17
>>610
>学者としての知識、深みもハッチントンの方が遥かに上だね。
>ハッチントンを読んでフクヤマが際物だという感を強くした。

そうですかね?
視野の広さでは圧倒的にフクヤマのほうに分があると思います。
614   :02/12/23 07:18
文明衝突論と歴史の終わりの比較は、ここのサイトが面白いと思います。

ハンティントン説は自己実現を不可避にする運命論ではないのか?
http://sbpark.com/inn60j.html

>フクヤマの『歴史の終わり』が、悲観的なトーンを帯びた形で終わっているのは、決して偶然ではない。
>ハンティントンの「文明の衝突」論は、世界政治の将来について悲観的に見えながら、じつはもっとも根源的な文明の相剋を見逃している点で、皮相であり、むしろ楽観的でさえあるのである。

という指摘はとても鋭いと思います。
民主主義の勝利を楽観的に描いた直後に、最後の人間を悲観的に描く。
ぼくも、ここにフクヤマの絶妙なバランス感覚を感じて感心したものでした。
たいていのフクヤマ批判者は、フクヤマのそのより根元的な悲観性を見逃してるような気がしてなりません。
615   :02/12/26 01:04
ぜったい気づいてないよ。
フクヤマ批判者って単細胞そうだから。

つーか、ただの反米厨だろ?
616 :03/01/01 21:04
>615
>つーか、ただの反米厨だろ?
反米のどこが悪い。
アメリカは頭悪いから、も一度ぐらい特攻攻撃喰らわないと目が醒めないんじゃないのか?
617常識:03/01/02 10:53
わたしは、こういう研究↓を国家でやる米国を尊敬しているんだがな。

http://cnet.sphere.ne.jp/Enterprise/News/2002/Item/020807-1.html
21世紀、ハイテクが人類の未来を変える
人々がお互いの脳をつないで構築する地球規模の集合知性。
100歳をゆうに超えて生きる人類。
人格をネットワークにアップロードするコンピューター。
いずれも、十分な技術投資が行なわれれば、今世紀中に実現する、
と『全米科学財団』(NSF)と米商務省が最近、共同発表した。

『人間の能力向上のための学際領域技術:ナノテクノロジー、
バイオテクノロジー、情報技術(IT)、認知科学』
と題した450ページに及ぶ報告書は、
4つの分野が重なり合う領域の研究強化を訴えている。
そのメリットは、健康な肉体や効率的な知性に留まらない。
これらの技術分野における進歩は、
社会的「大惨事」の防止に重要な役割を果たす可能性もあるという。
人間の残忍さや新型の凶器に対する答えは、
技術に導かれた統合のようなものかもしれないと、
報告書は示唆している。
「技術の統合が、人類統合のフレームワークとなりうる」
先月発表されたこの報告書は、いつの日か、
未来の発展の道筋を示すものとして歴史に残るかもしれない。
618    :03/01/02 13:54
なんだよ、アンチ・フクヤマはついに駆逐されたのか?
代案どころか、フクヤマの矛盾点すら見つけられないんじゃ、どうしようもないな。
ローマ帝国や、オスマン帝国の覇権は崩壊しても、アメリカの覇権は崩壊しないんだよ。
そのことをよく覚えておけ、反米厨。
それが大人になるってことなんだよ。
619世界@名無史さん:03/01/02 16:44
>617
リンク先見れないんでよくわからんけど、これが進むと政治も含めて人格を
うpしたもんとかが勝手にやるようになったりしないの?

なるならアメリカの覇権が続いてもリベラル民主主義国家じゃなくなるヨカーン。
620常識:03/01/02 17:16
おや、確かにリンクが切れていますね。失礼しました。
Google のキャッシュには残っているので、そちらから御覧ください。

http://216.239.33.100/search?q=cache:mXi2dTm-BEQC:japan.cnet.com/Enterprise/News/2002/Item/020807-1.html+%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E3%80%80%E6%9C%AA%E6%9D%A5&hl=ja&ie=UTF-8
621    :03/01/03 09:16
このスレのフクヤマ批判者に対する各氏のコメント

産経新聞社説「こういう反米親テロの諸君は、フセインの親衛隊にでも入られたらいかがか」
読売新聞社説「こういうふうに、学歴が低く無能な人間ほど、アメリカ型の自由競争を嫌うのです」
西尾幹二氏「フクヤマ批判者にはこう言いたいですな。まあ少しは落ち着きなさいと(苦笑)」
田久保忠衛氏「反米サヨクはしょせん、なんら政策提案能力もない、ただのアホです」
石破茂氏「イラクや北朝鮮を擁護したら、日本の国益がどうなるのか、少しは考えたらいかがですか?」
平沢勝栄氏「お願いですから、拉致被害者の皆さんの前で、悪の枢軸を擁護してみてください」
岡崎久彦氏「彼らみたいな連中は、しょせん頭の弱い人が多いですから。放置しておくに限りますよ」
坂本多加雄氏「結局、歴史を学んでないから、こういう幼稚な反米論が出てくる。日教組教育の弊害ですね」
ドナルド・ラムズフェルド氏「漫画しか読めない人間は、少なくとも我が高学歴政権には入れない」
ジョージ・W・ブッシュ氏「悪の枢軸、必死だな(ワラ」
安部晋三氏「アメリカが嫌いなら、北朝鮮に逝けばいいだけの話ではないですか?」
小泉純一郎氏「今頃、なぜこのような意見が出てくるのか、理解できない」
622常識:03/01/03 17:32
香港は自由で民主的な社会である。
しかし、自由で民主的な社会の道義的優越を、
香港人が大陸中国に向かって説教するとしたら滑稽であろう。

仮に中国が民主国家だったら、民主的な中国は、
特権的地域から貧困地域への資産移転と、
全土にわたる国民の居住の自由を保証せざるを得ないはずであり、
その場合には香港の生活水準は遥かに低下することになるだろう。
つまり、大陸中国が民主的ではないおかげで、
香港の自由と民主主義は維持されているのである。

そして、地球という尺度で考えたとき、現在の先進国の立場は、
中華人民共和国の中での香港の立場とずいぶん似ているのである。
623常識:03/01/03 17:38
フクヤマにしろハンティントンにしろ、
「民主主義の究極的勝利≒西欧文明(米国)の究極的勝利」
と見る点は共通している。
しかし、世界人口の大半は第三世界の住民なのだから、
普遍的理念としての民主主義の勝利と、
西欧文明(米国)の覇権の完成とはイコールではない。

将来、中国や他の第三世界の諸国がみな民主化して、
このように主張することを想像してみよう。
「中国・インドを初めとして、我々持たざる諸国は、
 地球規模の選挙によって、民主的な真の世界政府を作った。
 何よりも、世界規模の富の偏りを正すための資産移転が必要であり、
 世界政府は、高度に累進的な税を全人類に課すことにする。
 また、高収入の労働の機会が、個人の能力ではなく、
 国籍や出生地で決まるのは不当であり、それを正すために、
 各国は労働移民の制限を撤廃しなければならない。
 ……などなどの諸点を、人類の圧倒的多数の名において
 我々は先進国に要求する」

普遍的理念としての民主主義の信奉者ならば、
自分や自国民に不利だとしても上記の要求に応じるのが正当である
と結論しなければならないことになる。
つまり、論理的に突き詰めて考えるならば、
「民主主義の究極的勝利≒第三世界の究極的勝利」
ということになるのだが、フクヤマやハンティントンは、
この必然的論理を認識していないようだ。
624勝利したのは:03/01/06 18:24
民主主義ではなくて民族主義やナショナリズムだったのだよ。
そのアンチテーゼが実は社会主義ソビエトだ。
スターリンのやり方もその通りにやっている。
民主主義は民族主義やナショナリズムを代弁し得た分存続しえたにすぎない。
民主主義イデオロギーも社会主義崩壊とともに色褪せているよ。
イデオロギーの時代ではない。民族主義やナショナリズム台頭の時代だ。
今世界の大衆が欲しているものは寧ろ
民主主義を蹂躙してでも民族や国家の独自性を主張しうる強力な指導者だよ。
場合によっては独裁政治だろうな。
そろそろそれに気づけよ。
現代の歴史への分析が少し浅いね。
民主主義はオブラートにすぎないよ。
625世界@名無史さん:03/01/07 08:34
(´-`).。oO (なんで624はこんなに確信してるんだろう)
626センスの:03/01/07 12:41
違いだろうな。
歴史的直観だな。直感じゃないぜ。
627小人さん:03/01/08 12:12
>>623
何か星新一にそんなストーリーがあったね。
最後は地底から小人がわらわら湧いて出る話。
628世界@名無しさん:03/01/08 23:38
>>624
逆だ。民族主義もナショナリズムも、グローバリズムの前に時代遅れになりつつあるのだよ。

おまえこそ現実をもっと直視しろ。
629世界@名無史さん:03/01/09 01:13
>628
詭弁のガイドラインに、そういう文があったなぁ。
>「何年か後、犬に羽が生えないという保証は誰にもできない」
>「世界では、犬は哺乳類ではないという見方が一般的だ」
だっけか。
630ヘェー:03/01/09 08:38
米国はナショナリズムの塊だよ。
EUに内包されているのは民族主義だよ。右傾化を恐れる理由であり、
トルコの加入に慎重な理由だよ。
ロシアも民族主義色は強いぜ。ドイツもだよ。ネオナチだけでもないぜよ。
だから反グローバリズムなんだろ欧州は。
日本も右傾化が叫ばれて久しい。
その延長に独自外交が位置されるのだよ。
韓国の選挙もそうだろ。統一は、ドイツ同様、民族の悲願だよ。
パキスタンやトルコの選挙結果も宗教政党が民族主義やナショナリズム
を代弁したと解釈するのが正しい。
中東の原理主義やテロリストもその傾向が強い。
だからこそ親米国家で過激なテロリストや義勇兵が多いのだよ。
イスラエルの右派台頭も然り。

冷戦後の最大の紛争はユーゴの民族主義の台頭だと言うことを忘れたな?
イラクのクウェート侵攻も民族的国家的国境線の要求だよ。
インドネシアの紛争もロシア国境近辺の共和国独立も民族主義に基づく
独立の要求だよ。

歴史は常に民族主義やナショナリズムで大きく動いてきたと言う「現実」を
忘れるなよ。グローバリズムなんぞは社会主義のリメイクだよ。
昔インターとかなんとか言っていたバカどもが消えちまったよな?
インターナショナリズムが本当に通用すると思っているのか?
バカは同時にメクラとは知らなかったよ。
631さてと:03/01/09 08:47
これだけバカを煽れば、観念的な概念論から離れて
少しは歴史らしい「実証性」でも発揮してくれるたろうな。
え?世界のどこをグローパリズムなんて観念論が動かしているのだ?
ああ、「評論家鵜呑みにする」君か。
アフガン攻撃や今回のイラク戦や米国の選挙結果もグローバリズムなんだ?
俺はてっきり米国のナショナリズムかと思っていたよ。
632バカは:03/01/09 08:58
民主的選挙や経済的戦略の背景に常に国家的、民族的、要求が
内包されていると言う「現実の本質」を見ぬけないものだな。

物事の本質を瞬時に見抜く思考様式を「直観」と言う。
帰納的思考様式の特徴だな。
グローバリズムとやらの主人公たるアングロサクソンに特徴的な思考だな。
633バカほど:03/01/09 09:01
観念的演繹的思考に憧れるものだな。
その結果は抽象的概念論だ。
嘗ての社会主義がその典型だ。
634バカほど:03/01/09 09:04
ドイツの観念論の影響を受け易いのかもな。
ヘーゲルとか言っていたかな?
社会主義とフクヤマ教は同根ということだな。
なるほどねー。で、同類ほど仲が悪いと。
まるで宗教論争だな。
635:03/01/09 09:06
ドイツの観念バカとその後継者は何故に実証性の乏しい
理論が好きなんだ?
ヒマなのか?
636う〜む:03/01/09 12:12
ようやくフクヤマ厨房が黙ったかと思ったら、
またまたヘンな厨房が湧いて出たなあ……。
637世界@名無史さん:03/01/09 12:43
言ってることは悪くないのに何でこんなに攻撃的なのだろう
638世界@名無しさん:03/01/11 00:07
>>634
ドイツ観念論て何のはなしだ?
なにかポイントがズレてないか?
639山崎渉:03/01/11 12:45
(^^)
640    :03/01/13 07:50
北朝鮮の主体思想とかどうだろう?

どれだけ普遍性のある思想なのかな?
641    :03/01/13 09:35
アメリカ最強!
フクヤマ最強!!
サップ最強!!!
642あげ:03/01/13 19:58
>>640
普遍性があるかどうかは自分で判断しなさい。
ここ↓に主体思想の紹介があるよ。

http://jongil.3nopage.com/juche/
チュチェ思想とは
全てのものを人間中心に考え、人間に奉仕させる人間中心の世界観である。
社会的存在である人間にとっては、
肉体的生活よりも社会的・政治的生命の方がもっと大事である。

人民が建設を遂行しなければならない義務
革命と建設の主人は人民大衆であり、
革命と建設をおしすすめる力もまた人民大衆にある。

勤労大衆は自然と社会の改造者であり、歴史の創造者である。
勤労大衆の創造的労働と闘争によって社会の全ての物質的富が創造され、
社会的変革と進歩が遂げられる。
それゆえ勤労大衆は当然社会の主人となるべきであり、
全ての物質的富の享有者となるべきである。

自己の運命にかかわる問題を決定する権限
自己の運命の主人は自分自身であり、
自己の運命を切り開く力も自分自身にある。

人間のすべての行動は思想意識によって規定される。
人間の自主的思想意識は外部世界に盲目的に順応すること無く、
世界を自分の意思と要求に即して目的意識的に改造してゆくべきである。

認識の主体は人間自身である。
人間は自己の積極的な思考活動を通してのみ
事物現象の本質を認識することが出来る。
643 :03/01/16 01:00
金正日とその手下どもの支配は、まもなく崩壊する。
北朝鮮人民の圧政からの解放の日は近い!
644世界@名無しさん :03/01/21 15:50
アメリカ人全員が馬鹿なのか、ブッシュのみ馬鹿なのか。どっちだろうか。
目に見えない部分で、アメリカは世界中から嫌われ
イラク攻撃は、結局はアメリカの不景気に繋がる。
他国の文化やルールを押しつけてやっていけるわけがない。
それぞれが尊重し合わなければ、世界平和はやってこない。
これは世界の常識。歴史はそれが正しい事を物語っている。
645世直し一揆:03/01/21 15:50
<血液型A型の一般的な特徴>(見せかけの優しさ・もっともらしさ(偽善)に騙されるな!)
●とにかく気が小さい(神経質、臆病、二言目には「世間」、了見が狭い)
●他人に異常に干渉する(しかも好戦的・ファイト満々でキモイ、自己中心)
●自尊心が異常に強く、自分が馬鹿にされると怒るくせに平気で他人を馬鹿にしようとする(ただし、相手を表面的・形式的にしか判断できず(早合点・誤解の名人)、実際にはたいてい、内面的・実質的に負けている)
●本音は、ものすごく幼稚で倫理意識低い(人にばれさえしなければOK)
●「常識、常識」と口うるさいが、実はA型の常識はピントがズレまくっている(日本の常識は世界の非常識)
●権力、強者(警察、暴走族…etc)に弱く、弱者には威張り散らす(強い者に弱く、弱い者には強い)
●あら探しだけは名人級(例え10の長所があってもほめることをせず、たった1つの短所を見つけてはけなす)
●基本的に悲観主義でマイナス思考に支配されているため、性格がうっとうしい(根暗)
●一人では何もできない(群れでしか行動できないヘタレ)
●少数派の異質、異文化を排斥する(差別主義者、狭量)
●集団によるいじめのパイオニア&天才(陰湿&陰険)
●悪口、陰口が大好き(A型が3人寄れば他人の悪口、裏表が激しい)
●他人からどう見られているか、人の目を異常に気にし、ものすごく体裁を繕う(「世間体命」、「〜みたい」とよく言う)
●自分の感情をうまく表現できず、コミュニケーション能力に乏しい(同じことを何度も言う、知障)
●表面上意気投合しているようでも、腹は各自バラバラで融通が利かず、頑固(本当は個性・アク強い)
●人を信じられず、疑い深い(自分自身裏表が激しいため、他人に対してもそう思う)
●自ら好んでストイックな生活をし、ストレスを溜めておきながら、他人に猛烈に嫉妬する(不合理な馬鹿)
●執念深く、粘着でしつこい(「一生恨みます」タイプ)
●自分に甘く他人に厳しい(自分のことは棚に上げてまず他人を責める。しかも冷酷)
●男は、女々しいあるいは女の腐ったみたいな考えのやつが多い(他人をけなして相対的に自分の立場を引き上げようとする等)

それと、O♀はエコヒイキきつくて、冷酷だからな。
A♂の異質排除×O♀の冷酷=差別・いじめ とあいなる。
646考える名無しさん:03/02/04 00:42
定期age
647世界@名無史さん:03/02/05 19:31
>>623
>フクヤマにしろハンティントンにしろ、
>「民主主義の究極的勝利≒西欧文明(米国)の究極的勝利」
>と見る点は共通している。

>「民主主義の究極的勝利≒第三世界の究極的勝利」
>ということになるのだが、フクヤマやハンティントンは、
>この必然的論理を認識していないようだ。

これは、べつにいいんじゃないの?
フクヤマは西洋民主主義みたいな表現を使ってるけど、
これはべつに欧米中心主義からくる表現じゃないと思うよ。
むしろ、ポストモダン的な脱西欧主義批判が目的だと思う。
ポストモダン的な、地域相対主義(西洋民主主義がどの地域にも適応するわけではない、その地域はその地域独特の社会を形成するべき、みたいな考え)が、
むしろ民族主義者や保守派の専制に利用されてしまったことへの警戒的な批判だと思う。

アメリカの経済力もいつかはアジアの地域に逆転されるでしょ。
そりゃ、アジアのほうが人口多いんだもん。
でも、フクヤマは言ってるのは、それはあくまでリベラル民主主義をアジアが受け入れた場合だけだってことでしょ。
民主国家に経済力で敗北したとしても、それはアメリカの敗北であっても民主主義の敗北ではない。
今世紀中にアメリカは世界一の経済大国の座から落ちるとは思うよ。バブル期の日本に一瞬だけ抜かれたみたいだしね。

でも、ナチや日本軍国主義や、スターリニズムとゆいいつまともに戦えた民主国家として、その歴史的意義はちゃんと認めてあげるべきだと思う。
アメリカがいなかったら、ほんとに民主主義の世界的普及が何百年遅れていたか分からないよ。
いずれは斜陽国家になるだろうけど、偉大な国だったと思うよ、アメリカは。
648そこまでいくと:03/02/06 08:33
歴史哲学と言うより民主主義への信仰だな。
民主主義政体の相対性はアリストテレスの政治学に尽きる
と思うがね。
649世界@名無史さん:03/02/09 14:22
>>648
>歴史哲学と言うより民主主義への信仰だな。
>民主主義政体の相対性はアリストテレスの政治学に尽きる
>と思うがね。

しかし、数多くある、相対的なイデオロギーのひとつに過ぎないリベラル民主主義が、
全世界を席巻し、もはやくつがえしようのないほどの優位性を獲得したのはなぜか?
イデオロギーを相対的なものに過ぎないと思っていれば思っているほど、この事実におどろくはずだ。
フクヤマの問題関心も、この事実へのおどろきから始まっているよ。
650おどろかない:03/02/10 08:00
全世界を席巻し、もはやくつがえしようのないほどの優位性を獲得したのはなぜか?

いつ席捲したんだ?今世界を動かしているのは民主主義ではないよ。
その根底にある民族主義或いはナショナリズムだよ。
優位性の根拠も同じだよ。多数派の民族主義を代弁してきたからだ。
もう一歩掘り下げて民主主義を動かしている原理について考えてみるこったな。
多数決がそれだ。誰のだ?多数派の民族或いは国民。
国家主義は地域主義の延長だろうな。そして民族主義は保守化右傾化、復古主義を生みやすい。
トルコ、ドイツ、フランス、日本にはこの傾向がみられる。
社会主義が抑制していた民族主義や国家主義が放出され民主主義の殻をも破壊
しはじめたんだよ。事実米国は世界の「多数意見」には従わず自国の国益の追求に
走る。これが冷戦後国家主義的になった国民の姿だ。
民主的多数決と言う理念自体が米国自体の国家主義を「イデオロギー的」に
包含しきれていないと言う現実にきづけよな。
つまり現実はより高い理念にアウフへ―ベンされていないのだよ。
フクヤマにこの現実の矛盾を早く教えてやれよ。
651おどろかない:03/02/10 08:00
トックビルは少なくとも「多数による独裁」という言葉で警告はしていたな。
これは多数派の国民或いは民族が国内で独断的になるということだ。
そしてこれが国際問題に現れると容易にナショナリズムにもなる。
米国は極めて自然に冷戦後のこのナショナリズム流れに沿っているにすぎない。
狂ってもいないし独善的なわけでもない。ユニラテラリズムなんぞはナショナリズムのリメイクだよ。
そしてこれは世界的現象でもあるのだよ。
また、民族主義が部族や少数派にも至り追い詰められるとると容易にテロリズム
にも転嫁する。多数派の優位ばかりが現実化しない。
民族部族主義が根底だからだ。これも世界的現象だな。
選挙においても少数派がキャスティングボードを握る現象が目立つ。
日本、米国、パキスタン、ドイツが好例だな。
独裁国家も民族主義やナショナリズムを利用し或いは影響される。
サウジやイラク、北朝鮮が好例だろ。

内政を安易に捨象しすぎて分析が甘いよ。各国の民主主義の内容をもっと深く分析すべきだな。
そうすれば歴史の本当の「普遍的な」原動力が見えてくる。
652世界@名無史さん:03/02/13 16:06
社会をシミュレートできるコンピュータが発明されて実験できるようになるまで、
社会科学は一端中断ってことにした方がいいな。
現状では功より害の方が多すぎる。
653世界@名無史さん :03/02/24 01:12
>>650
>>651
>いつ席捲したんだ?今世界を動かしているのは民主主義ではないよ。
>その根底にある民族主義或いはナショナリズムだよ。

ははっ、そんな分けないだろ。
ナショナリズムなんて今どき持ち出してくるなよ。
地域主義の延長が国家主義って言うんなら、そのつぎの段階は地球主義だろ?
これだけ交通や情報網が発達した現代に、グローバル化に対抗できるだけのナショナリズムが育つとは思えんけどね。

そりゃ、今回のイラク騒動で、アメリカへの批判は各民主国家陣営からも吹き上げっているが、
どれもこれも、言論の自由を行使しているに過ぎない。あくまでも、民主主義の手のひらのなかでの出来事だよ。
その証拠に、民主主義国家間で意見の相違が生まれたとしても、それが軍事的緊張感まで高まってはいない。
あくまでも、民主的議論として戦わせているんだから、その内部で絶対的矛盾(戦争)が生まれることはない。

フクヤマの言葉を借りれば、
「国家主義的主張のたぐいは、ふたつの世界大戦を煽り立てた当時の威丈高な叫びとは裏腹に、いまでは借りてきた猫のようにきわめておとなしいものになっているのである」
って、ことだよ。

2ちゃんでも右傾化が指摘されているが、それはネット掲示板上であるがゆえに、口先だけだ。
654世界@名無史さん:03/02/24 10:43
事実米国は世界の「多数意見」には従わず自国の国益の追求に
走る。これが冷戦後国家主義的になった国民の姿だ。
民主的多数決と言う理念自体が米国自体の国家主義を「イデオロギー的」に
包含しきれていないと言う現実にきづけよな。
つまり現実はより高い理念にアウフへ―ベンされていないのだよ。

先ず、理論的に上の意見に反論してみなよ。
米国自身が既にナショナリズムからアフガン戦争をし今回のイラク戦に突入しつつ
あるだろ。湾岸戦争前のイラクのクウェート占領もイラク人としての民族的国境の要求からだろ。
つまり英国製の人造国家クウェートの併合だろ。

冷戦後のユーゴの内戦忘れたのか?これはチトーの死直後から言われていたことが起こった
にすぎない。つまりカリスマがいなくなって民族単位の組合社会主義が民族主義にひきずられて分裂
崩壊した。コソボ紛争でのミロシェビッチも現政権も立派なセルビア民族主義者だよ。

東西ドイツの統一はどう考えても民族主義だろ。「威丈高な叫び」とやらはネオナチと言う形で
旧東独に根付いているな。フランスでは極右が大統領選でシラクを震撼させたばかりだろ。
チェチェンやアゼルバイジャンの独立は戦争やテロを生み出したろ。こりゃ民族の独立運動だよ。

朝鮮半島の38度線を見てみろ。民族の統一に向かって確実に既成事実が形成されている。地雷が撤去され道路がつくられ
同一民族たる離散家族が再会しつつあるだろ。
カンボジアのナショナリズムがタイに焼き討ちをかけたの忘れたか?

655目覚ませよ:03/02/24 10:43
どこが「軍事的緊張感まで高まってはいない。 あくまでも、民主的議論として戦わせているんだから、
その内部で絶対的矛盾(戦争)が生まれることはない。」だ?
ちゃんと目は開いているのか?だからメクラと言うんだよ。例示などその他無数に出せるぞ。

「ネット掲示板上であるがゆえに、口先だけだ。」は、そのまま返すよ。
「借りてきた猫のようにきわめておとなしいものになっているのである」のはどこの国だ?
君の「脳内お花畑」国家だけだろ。少なくとも現実の世界は違うな。
過去は言うに及ばず現状においてさえ実証性の欠落した理論はそもそも検証に値さえしないね。
出なおして来い。歴史理論からほど遠い以前に現状の国際情勢への認識不足だよ。
つまり非現実的だな。
656目覚ませよ:03/02/24 10:56
冷戦に関しては、ソ連の崩壊とは帝政ロシアの植民地を継承した最大の植民地国家が崩壊した
ことだと言う面が見えていないな。
だから東欧でもバルト3国でも独立したり分裂したりしたんだろ。チェコとスロバキアの分裂みてみろ。
社会主義の本質はは諸国民の牢獄だったんだよ。
自由主義や民主主義などという抽象的な理念への抑圧ではない。
より具体的な民族への抑圧だったからこそその強烈な反動で崩壊したのだ。
スターリンの民族政策の過酷さと容赦無さがその典型だろ。

657世界@名無史さん:03/02/25 08:18
コテハン付けてくれんかな。ID無いから分かりづらい。
>>653さんの
> ナショナリズムなんて今どき持ち出してくるなよ。
> 地域主義の延長が国家主義って言うんなら、そのつぎの段階は地球主義だろ?
> これだけ交通や情報網が発達した現代に、グローバル化に対抗できるだけのナショナリズムが育つとは思えんけどね。
に反論してみたいんだけどどれが誰だか分からん。
658世界@名無史さん:03/02/26 20:36
654
>つまり現実はより高い理念にアウフへ―ベンされていないのだよ。

されてるって。
よく分かってないみたいだけど、フクヤマのは歴史哲学なんだよ。
単線的な発展史観なんだよ。
きみは歴史段階の低い部分しか見てないからだろ。
歴史段階が進めば、絶対的矛盾(戦争)はなくなるよ。
先進国は発展途上国の未来の姿だよ。

>米国自身が既にナショナリズムからアフガン戦争をし今回のイラク戦に突入しつつ
>あるだろ。

ナショナリズムじゃないよ。
イラクを危険な国家と見なしてるからだろ? 現に国連と歩調を合わせて、査察を継続している。
ベトナムのころのアメリカだったら、とっくの昔に単独介入してるよ。
それだけ、他国の意見を尊重できるだけのインターナショナリズムが生まれてきてるからだよ。
むしろ、いまのブッシュのヒステリックな煽りは、フセイン亡命を狙ってプレッシャーをかけてると見たほうがいいよ。
今回は、湾岸戦とは明らかに戦略・戦術的にも状況がちがうからね。
アメリカはきみが思ってるより冷静だと思うよ。
659世界@名無史さん:03/02/26 20:37
>湾岸戦争前のイラクのクウェート占領もイラク人としての民族的国境の要求からだろ。
>つまり英国製の人造国家クウェートの併合だろ。

イラクは明らかに歴史世界なので、たとえとして不適格。

>冷戦後のユーゴの内戦忘れたのか?これはチトーの死直後から言われていたことが起こった
>にすぎない。つまりカリスマがいなくなって民族単位の組合社会主義が民族主義にひきずられて分裂
>崩壊した。コソボ紛争でのミロシェビッチも現政権も立派なセルビア民族主義者だよ。

同上。

>東西ドイツの統一はどう考えても民族主義だろ。

統一の過程で、絶対的矛盾が起きましたか?
劇的なまでに、平和的に統一が達成された。それが東欧革命の特権性だよ。
充分に民主主義的な枠内。
660世界@名無史さん:03/02/26 20:37
>「威丈高な叫び」とやらはネオナチと言う形で旧東独に根付いているな。

ドイツの民主主義は、それをしっかり抑えてるけどね。

>フランスでは極右が大統領選でシラクを震撼させたばかりだろ。

けどシラクが勝っただろ。見事なまでに、フクヤマの予言は的中している。

>チェチェンやアゼルバイジャンの独立は戦争やテロを生み出したろ。こりゃ民族の独立運動だよ。

イラクと同じ。

>朝鮮半島の38度線を見てみろ。民族の統一に向かって確実に既成事実が形成されている。地雷が撤去され道路がつくられ
>同一民族たる離散家族が再会しつつあるだろ。

それは、ナショナリズム以上に、分断されている正当性がないからだよ。

>カンボジアのナショナリズムがタイに焼き討ちをかけたの忘れたか?

イラクの場合と同じ。
661世界@名無史さん :03/03/04 14:05
定期age
662考える名無しさん:03/03/06 23:36
どうも議論の展開が分かりにくいのだが。

ナショナリズムは、民族主義のみではなく国民主義としても現れる。
現在のアメリカの状況も、政府主導による国民的な凝集性の強化という点からすれば、
ナショナリズムの一形態といえる。

矛盾の根源には、多国籍資本の展開=資本主義のグローバル化が存在し、
それと国家という枠組みとの間の摩擦が、ナショナリズムの否定的な側面
(民族エゴ・国民エゴ・国家エゴ)と結びついて、国家内部での民族紛争や国家間の対立を
引き起こしているのではないか。

そして資本主義のグローバル化は、
現局面ではアメリカのナショナリズム(自由民主主義体制という「正義」の押しつけ)を有力な回路として
展開されようとしている。

従って、こうしたアメリカのナショナリズムが突出すればするほど、アメリカは
世界中での孤立と矛盾を深めていく可能性が高いと思われるのだが。
663山崎渉:03/03/13 13:17
(^^)
664世界@名無史さん:03/03/19 09:13
>>662
>従って、こうしたアメリカのナショナリズムが突出すればするほど、アメリカは
>世界中での孤立と矛盾を深めていく可能性が高いと思われるのだが。

まぁ、新保守主義がちょっと調子に乗りすぎてるきらいはたしかにあるよね。
でも、イラク制圧に手間取れば、新保守主義はアメリカ国民の支持を失うよ。
アメリカ国民は、へたな新保守に同調するほどバカじゃないさ。
665世界@名無史さん:03/03/19 09:44
>>662
経済的グローバル化を目的とした思想の押しつけが
世界での政治的孤立を生むという戯画だねこりゃ
666  :03/03/26 18:55
ブッシュ必死だな(藁
667世界@名無史さん:03/04/10 12:21
バ ク ダ ッ ト 陥 落 記 念 か き こ
668山崎渉:03/04/17 09:36
(^^)
669山崎渉:03/04/20 04:58
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
670世界@名無史さん  :03/04/24 11:01
やれやれ、イラクの次は北朝鮮かヨ
アメリカの世界支配戦略もどこまで続くのやら。
671世界@名無史さん:03/04/24 16:25
どうやら660は敗北したらしいな。
672世界@名無史さん:03/04/24 17:32
>>671
>どうやら660は敗北したらしいな。

……?
673おなかいっぱい。:03/04/24 18:30
あのいちゃもんのつけくあいからして、
『日本は北朝鮮をはじめ、各テロ支援国に援助してきた最大のテロ支援国である』といって切り捨てられる日が来そうだな・・。
674世界@名無史さん  :03/04/24 23:54
現実の国際情勢の移り変わりの速さを見れば、
フクヤマの理論なんて大昔のはなしのような気がするな。
「歴史の終わり」なんていう言葉自体が時代遅れ、
つまりは前世紀の遺物っていう感じだネ。
675世界@名無史さん  :03/04/25 02:01
>フクヤマの理論なんて大昔のはなしのような気がするな。

10年もたたずに破産する理論なんて、理論という価値もないな。
あとは、ただアメリカの現状を追認する役割のみが残るわけサ。
676世界@名無史さん :03/04/25 12:44
>>674
>フクヤマの理論なんて大昔のはなしのような気がするな。
>「歴史の終わり」なんていう言葉自体が時代遅れ、

いや、現実は全く逆だって。
今回のイラク戦争の圧勝で、イスラム文化圏では、反米感情が高まるどころか、アメリカに対する無力感が広まっている。
アメリカの圧勝は、『文明の衝突』説に対する『歴史の終わり(自由民主主義の永遠の優越)』の優位の証明以外のなにものでもない。
イスラム原理主義は、自由民主主義に敵対するにはあまりに脆弱すぎた。

歴史はまだ終わったままだよ。
677世界@名無史さん:03/04/25 13:02
>>676
現実無視してるのどちらだろ?
ナジャフの反米デモ見てないの?
678世界@名無史さん :03/04/25 18:17
>>677
>現実無視してるのどちらだろ?
>ナジャフの反米デモ見てないの?

残念ながら、そんな反米デモは、米軍のまえでは悲しいぐらいに脆弱です。
シリアもサウジも、北朝鮮も、アメリカの圧倒的な軍事力の前におびえています。
679世界@名無史さん  :03/04/25 20:39
>>676
>歴史はまだ終わったままだよ。
たしかにフクヤマの理屈からいえば、そのとおりかもしれない。
でも、それじゃあ現状分析にも今後の国際情勢の予測にも何の役にも立たないことになるのでは?
680世界@名無史さん :03/04/27 08:17
>>67
>でも、それじゃあ現状分析にも今後の国際情勢の予測にも何の役にも立たないことになるのでは?

歴史の終わりを自覚することは、すっごく現状分析としても、国際情勢の予測にも役に立つと思うよ。
自由民主主義に敵対する原理主義はこれからもででくるが、もう永遠にそれは自由民主主義を越えることはない。
原理主義を過大評価することはなくなるし、変なイデオロギーや宗教に引っかからずにすむ。
いい歳して反米を唱えたりしなくてすむようになるしね。
681(××):03/04/27 08:29
フクヤマと同じことをおっしゃった方が
およそ100年前にいました。
その名をマルクスという。
仮にアメリカ的民主主義が歴史における政治体制の進化の終焉だとしても、
それを実践する人間というものが全てにおいて完璧にならない限り
それを完璧に運営することは不可能だ。
よって歴史の終焉は人類があらゆる意味で完璧な存在になるか、
その前に滅亡するかのいずれか以外に訪れることはない。
682というか:03/04/27 11:49
フクヤマを語るなら、近著『人間の終わり』を読んでからにしろよ。

『人間の終わり』におけるフクヤマの将来予測では、
遺伝子操作による一種の貴族性社会というのが、
民主主義社会の対抗原理として出現する可能性を認めている。
フクヤマ自身は、そういう民主主義の敵が出て来ないように、
ヒト遺伝子操作・人為進化を国際的に規制するべきだという立場だが、
いずれにせよこの問題が、近未来の世界を分断する
イデオロギー的対立軸になるだろうと考えている。

つまり、「民主主義が最終的社会形態だ」という説は、
『歴史の終わり』では「……である」という事実認識の問題だったのに、
『人間の終わり』では「……であれ」という願望・規範の問題になっていて、
もはや事実認識レベルでは主張されてないんだよ。
フクヤマ本人がもはや主張してないような理屈を、
フクヤマの名を借りて主張するのは止めたほうがいい。
683世界@名無史さん  :03/04/27 12:47
ヤレヤレ『歴史の終わり』の次は『人間の終わり』かヨ(ププ
フクヤマ説の「終わり」でも心配してな(っていうか、とっくに「終わって」たか

>フクヤマの将来予測では、
>遺伝子操作による一種の貴族性社会というのが、
>民主主義社会の対抗原理として出現する可能性を認めている。
こうした将来予測自体が、もはやデムパの領域だ。

あらゆるものにやたら終止符を打ちたがる男=フクヤマ
684世界@名無史さん  :03/04/27 14:15
>>680
>原理主義を過大評価することはなくなるし、変なイデオロギーや宗教に引っかからずにすむ。
>いい歳して反米を唱えたりしなくてすむようになるしね。

成長期に周囲の「大人」から、常々そんなふうに云われてきたことの受け売りかな?(W

685世界@名無史さん:03/04/28 06:20
>>682
つまりフクヤマは、大きな時間枠については
技術決定論者ということになるな。
民主制は、「遺伝子操作以前」という技術段階の
局所的安定解だと思っているわけだ。
その発展段階の起点の方は
「何以後」だと考えているんだろう?
686世界@名無史さん:03/05/07 14:31
一連のスレここまで読んだけど
フクヤマって最近「歴史の終わり」っていうのを自分で否定しているんじゃないの?
687世界@名無史さん:03/05/07 16:06
>>685
フクヤマがどう考えているのかは知らないが。

どうして北朝鮮で反体制運動が起きないのか、
北朝鮮からの亡命者に訊ねたら、こういうのが一般的な回答らしい。
「北朝鮮では電話は普及してないし、郵便は検閲されているし、
 民衆が勝手に動き回ったり集まったりすることもできないから、
 政治運動を組織する方法がないのです」

民衆が動き回ったり連絡をとりあったりするのを禁止しなくとも、
そもそも工業化以前には手段が存在しない。
その点では、二十世紀の警察国家と近代以前の社会は似ている。
数百年前の時点より昔は民主制度が安定して存続できなかったが、
それは、連絡手段の欠落が一番大きな理由じゃないかと思う。

688m:03/05/07 16:12
689世界@名無史さん:03/05/07 16:16
あれっ!昨日頼んだのにもう来てる本当に安かったのでびっくりしました


http://ime.nu/ime.nu/ime.nu/www.net-de-dvd.com/
690マービン小林:03/05/07 17:52
あのー、そろそろフクヤマ史観の是非から離れて独自の史観言わせてもらっていいですか。

 私の歴史観は一言で言えば、マルクスの唯物史観の一部と近代化論の一部を組み合わせたものです。
まず歴史を動かす要因として 「経済(この中に階級対立も含まれる)、自然環境、人口、外部社会との関係」
が基本である。その社会の統治者は、これらの制約の中で、自己の権力を安定させ維持することを前提として諸政策を講じる。
 マルクスみたいに生産力と生産諸様式の矛盾とか、弁証法といった概念は放棄するわけではないけど、きわめて限定的なものとして位置づけます。
 さて、近代化論については、前近代社会においては、土地を経済基盤とする階級(領主制がある場合は領主、それがない場合は地主)
権力を牛耳っている。しかしある時期にそれ以外の階級(普通は市民=ブルジョア)が権力を握り、
国民国家が成立し、それが近代国家となる。
691マービン小林:03/05/07 18:15
690の続き

689の定義から外れるのは、古代ローマやアテネで、市民(ブルジョア)が権力を握った時期があることです。
中世の自治都市もその中では市民(ブルジョア)が独自に権力を持っていました。

また、近代国家の定義についても、社会主義諸国の中には、市民(ブルジョア)が権力を握る段階を経ずに、
ソ連や中国の支配下で労働者が権力を握る国があったと推察されます。
東ヨーロッパの社会主義国は崩壊して、労働者の権力独裁はなくなりましたが、
アジアでは、労働者の独裁が続いている国があります。
中国は一応北伐で市民(ブルジョア)が権力を握ったと形式的にはいえるでしょうが、
北朝鮮はその段階を経なかったと思います。

前近代にしても近代にしてもいくつか例外はありますが、
690で述べた基本的な定義において、大部分の世界史を包括的にくくれるはずです。

さらに、社会を動かす要因として
「経済(この中に階級対立も含まれる)、自然環境、人口、外部社会との関係」(長いので「環境」とします)
としたことで、文化人類学の対象となるようないわゆる未開民族の風習なども、
単なる信仰ではなく、その環境に対応するためのものであることが解明しうるのです。



692世界@名無史さん:03/05/08 06:44
社会を動かす要因に、何故「思想」を含めない?
693世界@名無史さん:03/05/08 08:50
過去の歴史を手際良く整理するためには、便宜的に歴史観というものを
考えるのは悪くないです。むしろ、ある意味で必要。ただ、それはあく
までも「仮説」に過ぎないわけです。それも現時点から過去を振り返って
初めて可能な(つまり未来へ適応可能な一般法則ではない)仮説でしか
ありえない訳です。

もちろんマルクスやフクヤマなどの歴史観は、ある意味、「未来にも適
応可能な一般法則である」と自称はしているんだけど、これは彼等が基本
的に政治的な目的を持った議論をしている「政治屋」さんだからに過ぎ
ないわけです。(まあ、どっちも下敷きがヘーゲルというのは面白いね。)

で、マービン小林説だけど、唯物史観と近代化論を折衷したというより
、両者に共通するごく一般的な歴史の見方を取り出したということなの
だろう。したがって余りにも一般的で逆に、あまり意味がない気がする。
というか余りに「常識的」。もちろんヘーゲルの主と奴隷の論理(と通俗
的なアメリカ的価値観」)一本で観念的に歴史を割り切るフクヤマの「歴史
の終わり」よりは、常識的であるが故に、マトモではあるのだが。
694世界@名無史さん:03/05/08 19:19
>>692
>社会を動かす要因に、何故「思想」を含めない?

だって、経済・社会・政治(外交)で、だいたい歴史って説明できるでしょ。
経済思想・社会思想・政治思想など、要するに思想は、これらから派生してくるもので、しかも歴史の要因としては必ずしも必要不可欠なものではないんじゃないの。
695世界@名無史さん:03/05/08 19:50
唯物史観の常識
696世界@名無史さん :03/05/12 03:39
>>686
>一連のスレここまで読んだけど
>フクヤマって最近「歴史の終わり」っていうのを自分で否定しているんじゃないの?

否定してないよ。
フクヤマは9・11テロ後にもすぐ、「歴史はまだ終わったままだ」というコメントを出している。

「人間の終わり」についてだが、これはちょっと「歴史の終わり」とは思考軸がちがうものなんだよ。
人間の遺伝子的操作による歴史発展というイメージは、可能性としては捨てられないが、それはやはりSF的なものにすぎない。
フクヤマはあくまでオルード・タイプ(近代人・言葉以上の意志疎通手段を持たないもの)という人間観の枠内では「リベラルな民主主義」がもっとも理想的な政治体制だと説いたのであり、
ニュータイプ(言葉を越えた意志疎通能力を持つもの)は視野外においている。

これはフクヤマの視野の狭さを示しているというより、ニーチェ(超人思想)批判という認識があるからだ。
超人(ニュータイプ)という発想は古くからある。
さかのぼれば、老荘思想の仙人の概念などもそうだろう。
ヒトラーも社会ダーウィニズムにもとづいて、人間のさらなる進化を企てたと伝えられている。
しかし、歴史をかえりみてもニュータイプという概念は誇大妄想的なものでしかなかった。
そもそも生物的な進化というものが、数千年のスタンスで起き得るわけがない。
フクヤマはあくまで「歴史の終わり」の補完的な意味で、脱歴史世界後のイメージとして「人間の終わり」を書いた訳であり、
遺伝子操作というものが肉体的な進化をもたらしたとしても、精神的な進化はもたらしたりはしないという確信がフクヤマにはある。
697世界@名無史さん :03/05/12 03:39
人間の精神は、ギリシャ時代から変化はしていないし、これから遺伝子工学が発達したとしても、変化したりはしない。
なぜなら、肉体は遺伝子に従属しても、精神、想像力は遺伝子を越えたものだからだ。
遺伝子(動物性)から自由な存在をさして、精神と呼ぶのである。

超人思想批判(ニュータイプ概念は誇大妄想にすぎなかったということが証明された)という意味でも、すで歴史は終わっているのである。

何度もいうが、フクヤマの「歴史の終わり」は、マルクス(経済決定論)・ニーチェ(永劫回帰説・超人思想)批判だという認識で読まなければ、その価値を見落とすことになるよ。
「歴史の終わり」によって生まれたものは、「超人」ではなく、「最後の人間」なのだから。
このフクヤマの主張を見誤ってはならない。
698世界@名無史さん :03/05/12 03:40
>>687
>数百年前の時点より昔は民主制度が安定して存続できなかったが、
>それは、連絡手段の欠落が一番大きな理由じゃないかと思う。

それは正確な指摘だと思う。
情報網の発達というものが歴史の進歩を飛躍的に進めたといっても過言ではない。
情報網の発達がナショナリズム(国民的一体感)を生んだが、
さらなる発達はインターナショナリズムを生んだ。
これほどグローバルな意志疎通能力が発達しているということが、前時代的なナショナリズムを抑える大きな根拠となっている。
ヘーゲル的な歴史観は、観念論的な歴史観だ。
観念は情報網を媒介として、大きく広がっていき、やがては「世界精神」と呼ばれるレベルにまで自己を発現させた。

逆に言えば、情報網のない精神は、どうしても世界精神たり得ないのである。

情報網の発達が歴史の進歩と正比例するわけではないが、大きな要素であるもはまちがいない。
699世界@名無史さん:03/05/12 05:26
>>692
このスレの連中に言っても無駄。
700山崎渉:03/05/21 22:30
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
701世界@名無史さん :03/05/23 15:16
>>698
>情報網のない精神は、どうしても世界精神たり得ないのである

世界精神なんていうコトバ21世紀の今日まだ使っているヤシいるのか。
ヘーゲルでもヨーロッパ中心的な「世界精神」だろ。
702山崎渉:03/05/23 15:18
(^^)
703世界@名無史さん:03/05/24 14:33

ロシアでは農奴解放後も、農奴はずっと存続していた。
彼らは極貧で、土地ごと売買の対象とされ、働くだけの無学な人畜だった。
満州やドイツでは、女性を見れば徹底的に強姦(モンゴル魂からか)、放火、殺戮、暴行(ベルリンのエルベ川は女性の自殺者の血で赤く染まった)し、地獄と化した。
手当たり次第に金目のものを漁り、日本の機械時計を珍しそうに触り、奪い合う光景が見られた。
それと、独ソ戦で2000万人(日本は800万)もがナチスドイツに殺害されたため、兵員不足で、刑務所の服役囚まで放ち、暴虐に拍車をかけたのも事実。
 
704世界@名無史さん :03/05/26 10:33
>>701
>ヘーゲルでもヨーロッパ中心的な「世界精神」だろ。

世界の中心はヨーロッパですが何か?
20世紀になって、シュペングラーの西洋の没落やら、レヴィ・ストロースの「悲しき熱帯」など、
西洋中心主義を相対化しようと言う試みが生まれたのはたしかですが、
それらはことごとく失敗しました。
西洋民主主義が、結局全世界を席巻したのは、それはヨーロッパが世界の中心だったことの明確な証明です。
なんだかんだ言って、世界が西洋化している理由をあなたはどう思っているのですか?
くだらない地域相対主義をかかげてないで、そろそろ西洋の特権性を認めたらいかがですか?
705世界@名無史さん:03/05/26 11:51
おれもそう思うよ。西洋が歴史上のエポックメーキングであったことは事実。
事実は事実として認めないと、特になぜこれほど人口が急激に増加したのか
とか、なぜ人は月にまでいくことができるようになったのか、という
人間の歴史に収まらない、生物としての環境との関わり合いの近代以前との
劇的な相違を見逃すことになる。
それは西洋崇拝とは全然違うことだと思う。
706世界@名無史さん:03/05/27 10:06
それは数千年の長い歴史のほんの一時期に過ぎないんだよ。
イスラム社会もインドも大して西洋化されちゃいないよ。
大陸の国はもっと頑固だよ。
中国にも民主主義なんて事実上ないだろ。
西洋化の典型的な好例は寧ろ中南米だよ。
失敗作の典型だがな。
707山崎渉:03/05/28 15:04
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉
708山崎渉:03/05/28 19:47
 
709世界@名無史さん:03/06/04 19:41
世界史板で「世界の中心はヨーロッパ」と臆面もなく言えるのは凄いな。
まぁ、人間どうしたって自分が生きている時代の観念に囚われちまうもんなんだろうね。
710世界@名無史さん :03/06/06 09:01
>>709
>世界史板で「世界の中心はヨーロッパ」と臆面もなく言えるのは凄いな。

きみは、近代以前は中国がが世界の中心だったとか、
そんな点で、ヨーロッパ中心説を否定してるのだろうけど、
世界の一体化が実現された近代の中心が間違いないくヨーロッパだったのは否定できない。
東洋は普遍化に限界があったのに対して、西洋は普遍化に限界がなかった。
まさに西洋はグローバル・スタンダードだった。
生きている時代の観念がどうのこうのとかは関係ない。
超時代的な、イデア的な意味において、西洋は世界の中心だ。

今後、中国やインドが人口の多さを武器に超大国化するかもしれない。
しかし、それは西洋のスタンダードを受け入れたときのみ可能だ。
時代錯誤な共産党独裁や、カースト制を克服できないかぎり、中国やインドの発展には限界がある。

中国やインドの発展において、西洋は成功モデルとして、重要な理想像となるだろう。
711世界@名無史さん:03/06/06 20:19
>>710
言葉は正確に使うように気をつけてね。
それは単に「近代化」と表現すべき事象だよ。
「西欧化」というのは、西欧の民族文化を受容すること。

普遍的進歩事象が特定の地域で始まり、世界に広まったとしても、
それは世界が「その地域化」したことにはならないんだ。
大規模なブロードバンド社会という点では韓国は世界に先駆けた。
近い将来に訪れるだろうブロードバンド社会の実験モデルとして、
数年前には他の国も韓国の事例を研究していたもんだ。
ネトゲー廃人だのワレズ横行だのといった状況は、
その時期には韓国に固有の社会現象だったが、
ブロードバンドの普及に伴って数年遅れで日本もそうなってきた。
でも、それは日本が「韓国化」したことにはならないでしょ。


712世界@名無史さん :03/06/07 18:14
>>711
>言葉は正確に使うように気をつけてね。
>それは単に「近代化」と表現すべき事象だよ。
>「西欧化」というのは、西欧の民族文化を受容すること。

近代化とは西洋化のことですがなにか?
逆に尋ねますが、それでは近代化とはどういう意味ですか?
西洋化と近代化を切り離せますか?
西洋化そのものを近代化と呼ぶのです。

そもそも西洋化という言葉は、ヘーゲル主義も西洋中心主義にすぎないと言う、指摘に対して答えたものです。
もし西洋化と近代化を区別すべきだというのなら、ヘーゲル主義が西洋中心主義にすぎないと言う指摘も、言葉の使い方として不適当だと言うことになります。

ブロードバンド社会のたとえは、ミクロ的すぎてたとえとして不適当だと思います。
こちらは数百年の視野で見て、西洋化こそが近代化と断言しているのですし、
近代化と同一視されるほどの、当たり前のように世界基準たりえるほどの普遍性を持っていたのは間違いなくキリスト教に端を発した西洋です。
713世界@名無史さん:03/06/07 19:24
「仮に日本や中国やトルコで工業化が開始したら、世界はどうなっていただろう」
という思考実験をしてみるといい。

その場合でも、科学技術は大雑把にはこの世界と大差ないはずだ。
例えば、同じくらいの技術段階で比較したら飛行機は似たようなものだろう。
大きな橋や高層ビルの基本構造も区別がつかないはずだ。
なぜなら、他の形状は工学的に無理があって実現不可能だから。
また、どの地域で工業化が始まるにせよ、
工業化以降では科学技術の発展段階が戦争の強さに直結するので、
非宗教的で合理的な世界観を持った国の方が戦争に勝つという形で、
非宗教的合理主義を世界に押し付けることになり、
歴史の流れも、鳥瞰した大きな尺度では史実と似た形になるだろう。
そういう種類の事象が「近代化」に属する。

しかし、別の時間線では、例えば人々の服装は全然違うだろう。
「背広にネクタイ」というスタイルに論理的必然性は無い。
日本で工業化が始まった時間線では、
和服をもっと動きやすくアレンジしたような服が国際標準になっているだろうし、
トルコや中国で工業化が始まった世界では、
それぞれの民族衣装がベースになっているだろう。
そういう風に、別の時間線では他の選択肢もありうるような現象が「西欧化」に属する。

民主化が「近代化」なのか「西欧化」なのか、という問題はここでは保留する。
(どの時間線でも交通や通信の環境が一定の発展段階に達したら、
 必然的に何らかの形態の民主主義が実現すると個人的には思っている)
しかし、それが普遍的であるとしたら西欧化ではなく近代化なのであり、
「西欧化」と「近代化」をイコールとするのは単なる概念矛盾だろう。
714世界@名無史さん :03/06/09 08:13
>>713
>工業化以降では科学技術の発展段階が戦争の強さに直結するので、
>非宗教的で合理的な世界観を持った国の方が戦争に勝つという形で、
>非宗教的合理主義を世界に押し付けることになり、
>歴史の流れも、鳥瞰した大きな尺度では史実と似た形になるだろう。

議論の次元が違うよ。
ヘーゲル主義の近代化とは、下部構造的な工業化のことではないよ。
あくまで、上部構造としての、政治体制としての近代化のことだよ。
「工業化」と、「非宗教的で合理的な世界観」とも関係ない。
工業化してるからと言って、脱宗教化しているとは限らないから。(天皇主義下の大日本帝国のように)
上部と下部は相対的に独立したものだからね。

それをさておいても、工業化の進んだ国が、戦争に勝って、他国に自分の世界観を押しつけることができるというのも誤りだ。
あくまでキリスト教の博愛主義を源流とした西洋リベラル民主主義が世界を席巻したものは、
進んだ工業力、科学力の力で他国の抵抗をねじ伏せたからではない。
西洋リベラル民主主義のその合理性と正当性ゆえに、
押しつけられた他国が抵抗する理由がなかったからだ。(日本の民主主義はアメリカに押しつけられたものだが、日本が独立したあとも民主主義を放棄しようとはしないように)

どれほど強い工業力を持っていても、合理性と正当性のない押しつけはくつがえされる。
一時的に鎮圧しても、つぎからつぎに抵抗勢力が現れるからだ。
抵抗する理由がないからこそ、西洋の近代化は世界精神として高く評価されている。
715世界@名無史さん :03/06/09 08:13
>(どの時間線でも交通や通信の環境が一定の発展段階に達したら、
>必然的に何らかの形態の民主主義が実現すると個人的には思っている)

これは完全にその通りだ。
リベラル民主主義は、たまたま西洋から生まれたと言うだけで、その普遍性ゆえ、どこの地域から発現してもおかしくはなかった。
リベラル民主主義の発展過程としての歴史は、どの民族、地域にも当てはまる普遍史なのだから。
だからといって、

>「西欧化」と「近代化」をイコールとするのは単なる概念矛盾だろう。

概念矛盾とは言えない。
どれだけ疑っても、やはり民主主義は、西洋(アメリカ独立宣言やフランス革命)から生まれたものだからだ。
単線的な歴史観において、西洋とはすべての発展途上国の目標であり、理想であり、未来の姿なのである。
あくまで民主主義とは、西洋リベラル民主主義を指すのであり、それ以外は民主主義ではない。
それを見誤ると、無惨な民主主義とは名ばかりの政治体制を生むことになる。(北朝鮮のような)
近代化と西洋化を同一視しようと言う見方には、そのような地域相対主義への反省がある。
716世界@名無史さん:03/06/09 20:50
>>698
「観念」「世界精神」という用語、ヘーゲル主義の用語としては意味・用法を間違っているよ。
>>714 >>715
も同じ人だと思うのだが、自分で理解していないヘーゲル主義の用語を使ってはいけない。


一昔前のイギリスの工場は、階級社会を反映して、階級間の格差が極端だった。
ブルーカラー用とホワイトカラー用に別々の食堂があり、食事のレベルも違っていた。
当時のイギリスでは、労働者が企業に対して敵対的になり、ストライキが頻発していたが、
階級格差を職場に持ち込んでいたら、そうなるのは当然だった。

1980年代、没落したイギリス経済の再建のためにサッチャー政権は外資を誘致したが、
ちょうど欧州での製造拠点を求めていた日本企業と利害が一致して、
日本企業がイギリスに大量進出することになった。
フランス首相クレソンはイギリスを「日本の五番目の島」と嘲笑したが、
当時のイギリスの状況はこの言葉に端的に要約されている。

日本企業の進出はイギリスの工場環境を変えた。
ブルーカラーとホワイトカラーは同等に社員として扱われるようになり、
同じ食堂で一緒に食事をする光景がようやく当たり前になった。
これは、ホワイトカラーにとっては不遇な環境でもあった。
一流企業を出た幹部候補でも、日本では最初は現場に配置して汚れ仕事を経験させるが、
いまだに大卒がエリートを意味する欧州では、それは考えられないことだったという。
ともあれ、階級格差の少ない日本型労務管理は、労働者に会社への一体感を持たせた。
離職率が下がって労働者の技能が向上し、ストライキもなくなり、生産性が向上した。
これを見て、日系以外の会社も日本型経営を真似するようになり、
イギリスの工場における職場環境はいくぶん民主化されることになったのである。

さて問題。
「民主化」「近代化」「西洋化」がイコールになる用語法では、
上記のイギリスの職場環境の変化は、どう表現されるのかな?
717世界@名無史さん:03/06/10 07:12
その後しばらく保守党政権が続くが、労働党の勝利後は
保守党の方が特色を出せなくなっているのは労働者や労働党が階級対立
やストばかりに没頭しないで会社を通して経済に対する見方を柔軟に
してきたからかもな。単なる国営企業万歳主義は脱しているしな。
そういや、英国のブレアもユーロ参加支持派だな。
背後には日系企業の後押しがあると聞く。
718世界@名無史さん :03/06/12 05:05
>>716
>「観念」「世界精神」という用語、ヘーゲル主義の用語としては意味・用法を間違っているよ。

あらそう?
君よりもくわしいつもりでいたけどね。
よろしければ、君のヘーゲル主義的な「観念」、「世界精神」の定義を聞かせてもらえないかな?

>上記のイギリスの職場環境の変化は、どう表現されるのかな?

下部構造論ですので、例として不適当です。
きみは、もう少しマクロ的な歴史的視点を勉強した方がいいよ。
ぜんぶ、ピントはずれな指摘だから。
「職場環境」って言われても…。

そもそも、黒船の来航(アメリカを経由した西洋との接触)なくして、
日本がイギリスに影響を与えられるほど独自の近代化を短時間で整えられるとは思えません。
1980年って、アメリカに占領されて、アメリカ型の民主主義を徹底的に植え付けられたあとの話じゃないですか。
日本史には、1945年を境にした大きな質的断絶があるんだよ。
その質的断絶があるからこそ、イギリスに再影響を与えられるほどの発展性を持ったんでしょ。

西洋リベラル民主主義との接触抜きで、東洋の一小国である日本がそれほどの影響力を持つとは考えにくいです。
719世界@名無史さん:03/06/12 08:37
日本的経営と言うものの根底にも平等指向が強い日本人の
性格が反映されているといえる。十分に上部構造論だな。
逃げないでちゃんと答えてやれよ。
市民の平等は十分に民主化の重要な要素だろ。
階級社会や奴隷制を是認して来た社会からは生まれにくい発想だな。

演繹的思考に没頭するあまり帰納的思考を忘却する。
事象からの原理の抽出を軽視する。
それで、それが特徴的なアングロサクソン
の民主政を語るとしたら起妙奇天烈だな。
720世界@名無史さん:03/06/12 16:56
>演繹的思考に没頭するあまり帰納的思考を忘却する。
>事象からの原理の抽出を軽視する。

これってば、ドイツ人にありがちな思考ではあるけどネ
721世界@名無史さん:03/06/12 19:23
>>719の文の
「それが」は帰納的思考への指示語のつもりだよ。
722世界@名無史さん:03/06/15 21:10
>>721
誤読されやすい書き方だね。
723日本@名無史さん:03/06/28 12:43
晒しあげ
724世界@名無史さん:03/07/10 04:52
age
725山崎 渉:03/07/15 12:41

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
ハッキリ言ってアメリカなどの多民族国家では黒人の方がアジア人よりもずっと立場は上だよ。
貧弱で弱弱しく、アグレッシブさに欠け、醜いアジア人は黒人のストレス解消のいい的。
黒人は有名スポーツ選手、ミュージシャンを多数輩出してるし、アジア人はかなり彼らに見下されている。
(黒人は白人には頭があがらないため日系料理天などの日本人店員相手に威張り散らしてストレス解消する。
また、日本女はすぐヤラせてくれる肉便器としてとおっている。
「○ドルでどうだ?(俺を買え)」と逆売春を持ちかける黒人男性も多い。)
彼らの見ていないところでこそこそ陰口しか叩けない日本人は滑稽。
72721C:03/07/22 04:03
新しい史観知りたくないか?
728_:03/07/22 04:06
729世界@名無史さん:03/07/22 04:26
なんでだ?
730 :03/08/06 18:16
保守アゲ
731世界@名無史さん:03/08/08 15:55
アカが巣くっているな。
世界史からサヨクをたたき出すんだ!
732世界@名無史さん :03/08/18 18:35
>>731
ここはサヨクのスレなのだが・・・
733世界@名無史さん:03/08/18 18:37
みんなおきまりの歴史観にはウンザリしている・・・・
というが現代は歴史観の不在がその特色か?

誰が新しい歴史観を提示せよ
734山埼渉:03/08/18 19:01
>新しい歴史観

環境適応史観  マルクス主義から弁証法を取り除いて、
    下部構造=自然環境、地理的条件、外部社会との関係、疫病、人口、経済
    とする。

このような環境=下部構造に適応すべく、社会のあり方が変化していく。  
735山埼渉:03/08/18 19:03
ニュアンスは少し違うが、M.ハリス、ジャレド.ダイアモンド がほぼこの史観を採っていると言える。
736 :03/08/18 22:09
737世界@名無史さん:03/08/19 00:07
核爆発のエネルギーをe、爆心地からの距離をrとすると、
r地点において受ける放射エネルギー∝e/r^2、となる。

広島型原爆をe1(=20kt)、被害半径r1(=2.5km)、とし、
e2規模の原爆による被害半径をr2とすると、
e1/r1^2=e2/r2^2、がなりたつ。

広島型原爆の被害面積は、πr1^2=3.14(2.5)^2=19.6km^2
e2規模の原爆の被害面積は、πr2^2=πr1^2*(e2/e1)
したがって、2Mtの原爆の被害面積は、19.6*(2M/20k)=19.6*100km^2

人口密度4000人/km^2の都市部に広島型原爆が投下されたなら、
人的被害は、19.6*4000=7万8千400人
2Mtクラスの原爆が投下されたなら人的被害は、19.6*100*4000=784万人となる。

日本の総資産が7000兆円として、人的被害と経済的損失が比例するとすれば、
広島型原爆による経済損失は4兆3千億円、
2Mtクラスの原爆による経済損失は430兆円となる。
738IP1H0119.tky.mesh.ad.jp:03/09/09 20:12
>>1
唯物史観と進歩史観ってどう違うの?
739山埼渉:03/09/09 20:59
昔は同じだったんじゃないですか。
740世界@名無史さん:03/09/09 21:53
>>738
一般名詞としては、「唯物史観」よりも
「物質主義史観」「経済決定論史観」といった用語の方が適切だろう。
「歴史の基本的原動力は、環境や技術水準や経済力の変化であり、
 他の要因は、この第一原因から派生した二義的要素なんだ」
とする歴史観を指す。
固有名詞としては、マルクス主義の歴史観のこと。
マルクス主義史観という意味での「唯物史観」は確かに経済家定論なのだが、
経済決定論に立っていてもマルクス主義ではない人はたくさんいるので、
二つの概念は切り分けて考えないといけない。

「進歩主義史観」というのは、
「小さな尺度で一進一退があるにせよ、
 歴史の大きな流れとしては、人類文明は良い方向に向かっているのだ」
する歴史観のこと。

materialism を前提にするかどうかと、進歩主義者であるかどうかは、
問題の次元が全く別で、二つの軸は直交している。
例えば、エコロジストの多くは物質主義史観に立っており、
科学技術の発展が歴史の最重要要素だと考えているが、
そういう意味での技術的進歩を道義的堕落だと思っている人も多い。
ヘーゲルは唯物論者ではなく、世界を神の夢とみなす系統の宗教思想家だったが、
歴史は或る高みを目指す向上過程だと考えていた。
741世界@名無史さん:03/09/16 00:24
ヘーゲルは事実上汎神論者。
742.